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1978-05-31 第84回国会 参議院 公害対策及び環境保全特別委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和五十三年五月三十一日(水曜日)    午前十時四十二分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      菅野 儀作君     岩上 二郎君      森下  泰君     岩崎 純三君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         田中寿美子君     理 事                 原 文兵衛君                 矢田部 理君                 小平 芳平君     委 員                 岩上 二郎君                 岩崎 純三君                 佐々木 満君                 田代由紀男君                 藤井 丙午君                 三善 信二君                 森下  泰君                 山内 一郎君                 粕谷 照美君                 坂倉 藤吾君                 広田 幸一君                 中野  明君                 馬場  富君                 沓脱タケ子君                 柳澤 錬造君    国務大臣        国 務 大 臣        (環境庁長官)  山田 久就君    政府委員        環境庁長官官房        長        金子 太郎君        環境庁長官官房        審議官      石渡 鷹雄君        環境庁企画調整        局長       信澤  清君        環境庁水質保全        局長       二瓶  博君    事務局側        常任委員会専門        員        今藤 省三君    説明員        環境庁水質保全        局水質規制課長  島田 隆志君        厚生省環境衛生        局水道環境部環        境整備課長    森下 忠幸君        運輸大臣官房環        境課長      中島 眞二君        運輸省船員局船        舶職員課長    新谷 智人君        運輸省港湾局計        画課長      小池  力君        海上保安庁警備        救難部航行安全        企画課長     渡辺純一郎君        海上保安庁警備        救難部救難課長  宗形 健寿君        建設省都市局下        水道部下水道企        画課長      高橋  進君        建設省都市局下        水道部公共下水        道課長      遠山  啓君        建設省住宅局建        築指導課長    大田 敏彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止  法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院  送付)     ―――――――――――――
  2. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。  最初に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案について、商工委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ―――――――――――――
  5. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 中野明

    ○中野明君 きょう、下水道の問題と浄化槽の問題でちょっとお尋ねをしたいと思います。  富栄養化対策の推進ということで汚濁負荷量を削減を図るということになりますと、下水道の整備、これが急務であるということが、過日来議論の中で出ておるわけでございますが、瀬戸内海沿岸各県の公共下水道の処理区域の普及率、これを最初に、建設省おいでになっておりましたら。
  7. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) お尋ねの、瀬戸内海沿岸におきまする各県の下水道の普及状況について御報告いたします。  大阪府は五四%、兵庫県が四一%、和歌山県が二%、岡山県が一三%、広島県が二八%、山口県が一八%、徳島県が六%、香川県が一一%、愛媛県が八%、福岡県が二五%、大分県が八%、こういう状態でございます。
  8. 中野明

    ○中野明君 いまの御説明で、大阪が五四%と普及はかなり進んでおるようですが、四国関係、それから和歌山もいま二%というようなことをおっしゃいましたが、このように自治体によって普及率に大きな格差が出ておりますが、これはどういう関係と受けとめておられるのか、その辺。
  9. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 大阪と和歌山で非常に差が出ておりますが、わが国の下水道は大都市から着手してまいりました。で、下水道の建設には非常に時間がかかるものですから、どうしても早くから取っかかったところが普及率がいい状態になっております。そういうことで、比較的新しく下水道に着手したところが普及率が低いという状況になっております。
  10. 中野明

    ○中野明君 瀬戸内海に排出される、生活排水とそれから雑排水の大きな比重を占めております四国の各県、これが非常に低いということで、私どもも瀬戸内海を守る上から非常に重要な問題だと思っておりますが、これらの自治体を全国レベルに近づけるように積極的にこれは推進をしなければ瀬戸内海は守れないと思いますが、その対策についてちょっと。
  11. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 全国の普及率で申しますと、五十二年三月末現在におきまして二四%という状況でございます。瀬戸内海につきましては三〇・五%というふうな状況で、過去建設省としましても瀬戸内海の重要性にかんがみまして重点的にここの整備を図ってきたところでございます。いまおっしゃられますような非常に低い普及率の県を全国レベルまで上げるということにつきましては、私ども努力いたしますが、なかなか時間のかかる問題でございますから、早急にはいかないことでございます。しかしながら、瀬戸内海の重要性にかんがみまして今後とも努力してまいりたいと、かように思っております。
  12. 中野明

    ○中野明君 現在、第四次下水道整備計画が実施されておりますが、瀬戸内海各県の進捗率はどの程度に現在なっておりますか。
  13. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 全国で申し上げますと、現在の第四次五カ年計画の進捗率は、五十三年度末をもちまして四五・三%という数字になる予定でございます。で、瀬戸内海につきましては、ちょっと数字を持ち合わせておりませんですが、できましたら後で御報告させていただきたいと思いますが、おおむね全国の達成率と同じぐらいだと思います。
  14. 中野明

    ○中野明君 私の感じでは少しおくれているんではないかと、このような感じを持っておるわけですが、下水道の普及が公共用水域の水質保全に大きな役割りを持つことはこれはもう明らかになっておりますが、さらに長期的不況の対策、こういう観点から考えますと、五次下水道整備五カ年計画をなるだけ繰り上げて実施をすると、これがやはり不況対策にも大きな役割りを果たすんではないかと、私どもはこう思うわけですが、この点、この計画を繰り上げて実施する考えがあるのかどうか、その辺を。
  15. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 御声援どうもありがとうございます。  下水道非常におくれておりますので、われわれ日夜努力いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、五十三年度末におきまして達成率が四五・三%という状態でございます。それで、残ったこの五カ年でございますが、平均二九・九%という数字で達成できる見込みでございまして、われわれこの達成の見込みはようやく立った状態でございますので、この第四次五カ年計画の完全達成ということを当面の目標に努力してまいりたいと思います。
  16. 中野明

    ○中野明君 いま不況対策が非常に大きな国策として挙がっておるわけでございますので、この点はぜひ強力な推進をお願いしたいと思っておりますが、また、五次の計画で拡充の方向で策定をされると思いますが、この赤潮の要因である燐と窒素、これの除去ということが問題になっておるわけですが、下水の第三次処理ですね、これの施設の増加拡大、こういうことについてはどの程度まで計画が進んでおるのか、ちょっと。
  17. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 第四次五カ年計画の策定におきまして、公共下水道におきましても三次処理ができるというようにいたしております。しかしながら、現在の普及率が、先ほど申し上げました、全国で二四%というような低さでございます。そして、なおかつ下水道の二次処理――現在行っておりますのは二次処理でございますが、二次処理におきましても燐、窒素というのが約二〇%から四〇%除去できます。したがいまして、目下のところは普及率を早く伸ばしまして全国的なレベルアップを図っていきたいと、こういうふうに思っております。
  18. 中野明

    ○中野明君 第五次の計画に当たりましては、おくれておりますこの瀬戸内海の、特に四国各県の整備、これを重点的に推進をしていかなきゃならぬと私どもも考えておりますが、そういう点を今後さらに各段の努力をお願いしたいと思います。  また、この下水道整備に非常に時間がかかることは、これはもう先ほど来お話があったとおりですが、その間の対策といいますか、小規模の浄化槽の対策、これについてちょっと。
  19. 森下忠幸

    ○説明員(森下忠幸君) 浄化槽も大変普及してまいりまして、全国で、届け出のありますものだけでも二百五十万というような基数になっております。これを使っております人口は約千九百万人ということになっておりますので、これの維持管理を特にきちんとしなければならないと考えております。下水道のようにきちんとした管理ができませんものですから、これを専門の業者にやらしておるわけですけれども、業者にやらせる制度のあり方とかあるいはユーザーに対する教育というふうなことについて、今後必要があれば厚生省令の改正ということもやってまいりたいと考えております。
  20. 中野明

    ○中野明君 この小規模の浄化槽の構造の基準ですが、これが病院とか医院、あるいは一般家庭、全部同様に認められているというふうに私承知しておりますが、さきに鶴見川上流の医院の浄化槽からコレラ菌が出たということで大変な騒ぎになりましたが、この浄化槽の構造の基準というものを改善しなければならないのじゃないだろうか、こういうふうに私も考える一人ですが、その辺はどうなっておりますか。
  21. 大田敏彦

    ○説明員(大田敏彦君) お答えいたします。  屎尿浄化槽の構造基準は、建築基準法施行令で昭和四十四年に改正をいたしましたけれども、もうすでに約十年の月日を経過しております。この間生活環境の保全から、各地において、水質汚濁防止法に基づきます条例によりまして、水質基準の上乗せが進められ、一方、浄化槽の構造につきましても研究開発が盛んに進んでおります。したがいまして、汚水の高度処理も可能になってまいりましたので、これを機会に建設省としましても関係各省とよく協議しまして、従来の基準を全般的に見直し、必要な整備を進めてまいりたいと思っております。
  22. 中野明

    ○中野明君 日本の浄化槽の多くの場合が屎尿だけを対象にしておりますが、屎尿より負荷量の大きいと言われておる雑排水はやはりたれ流しの状態になっております。この浄化槽の技術開発、いま積極的に行うとおっしゃっておりますが、特に屎尿と生活雑排水を合併した処理施設、これが好ましいのではないかという意見もありますが、その辺はどの程度まで。
  23. 大田敏彦

    ○説明員(大田敏彦君) お答えします。  合併処理方式の浄化槽につきましては相当大きな容量が必要でございますし、また、水量が安定していなければならない等の問題がございまして、これまで一般家庭で用いられるような適当な機種がございませんでしたが、近年関係各方面によって一般家庭にも使用可能なものの研究が逐次進められております。こういったものを取り上げまして、私どもも対応する構造基準の整備を進めてまいりたい、このように思っております。
  24. 中野明

    ○中野明君 先ほどもちょっと申しましたように、小規模の屎尿処理槽、これの維持管理が非常に問題になってきたわけですが、鶴見川の事故だとか、あるいは以前三重県でもそういう事故があったということで不十分さが露呈されておりますが、今後のこの衛生管理、これについてはどういう対策を考えておられるのですか。――厚生省ですか。
  25. 森下忠幸

    ○説明員(森下忠幸君) いろいろな浄化槽の種類がふえてまいりましたものですから、私どもも実は昭和四十六年にこの維持管理の基準をつくってそのままになっております。こういった浄化槽の多様化に対しまして、もっときめ細かな維持管理の技術的な基準が必要じゃないだろうかということでその改正をいま考えております。  それから、浄化槽は大体個人が管理しておるわけですけれども、その技術的な管理は専門の業者に任せるということでございまして、ただ、任せなければならないというふうなことがはっきり法令上明定されておりません。それから検査をしなきゃならぬということも実は明らかでございませんものですから、その辺の検査の義務づけ等について省令を改正してまいりたい。  制度面はそういうことにいたしますけれども、実際にこれを効果を上げますのはユーザー教育、あるいは専門にこれを行います業界の指導、もちろんこれを指導監督いたします市町村に対する教育訓練というようなこともございますものですから、そういうことをあわせて今後できるだけ早く対策を固めてまいりたいと、こんなふうに考えております。
  26. 中野明

    ○中野明君 では最後に、今回のこの法案で生活雑排水については努力目標ということになっております。環境庁にお尋ねするわけですが、環境庁としても下水道の整備及び浄化槽対策にやはりこれは積極的に働きかけて、補助政策といいますか、そういう具体的な促進をしなければこの効果が上がってこないんじゃないかというふうに私も思うわけですが、環境庁のこの問題に対する考え方を最後にお聞きして終わりたいと思います。
  27. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話しございますように、今回の法案で総量規制制度の導入なりあるいは富栄養化対策ということで燐の削減対策を進めるということを考えておるわけですが、この総量規制にしろ燐削減対策にしろ、これは産業系排水だけでございませんで、生活排水が当然対象になるわけでございます。しかもこれが相当の大きなウエートを占めておるわけでございます。したがいまして、今後この生活排水、これに対する対策というものを強化いたしませんと、総量規制にいたしましても富栄養化対策、これは行政指導べースではありますけれども、これにいたしましてもなかなか実効が上がらぬと、こういうことになろうかと思います。したがいまして、ただいまるる建設省なり厚生省なりの方々から答弁もございましたけれども、やはり一つは生活排水対策としてこの下水道の整備、これに力こぶを入れていく。まあ第四次五カ年計画の完全達成ということは当面の問題としてこれはもうぜひやっていただきたいと、こう思っております。  それから浄化槽でございますが、こちらについては、ただいま先生からもお話しございましたように、屎尿浄化槽ということで、屎尿だけを扱うというのが従来の方式は多かったわけですが、合併処理というやり方も効率的ではないかと。その方がいいではないかというお話もいろいろございます。ただいまも建設省の方から構造基準の見直しをやるというお話もありますし、厚生省の方から維持管理の基準、こちらについても改正を検討するというお話もございますので、非常にこれは生活排水対策として重要な手段でございますので、当面は環境庁といたしましても十分両省とも打ち合わせを密にいたしまして、最近の実態に合いかつ今度のこういう制度というものの実効を上げる、そういう面に寄与するように努力をしていきたいと、かように考えております。
  28. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 先回の委員会に引き続きまして、私はきょうは第十七条関係の、「海難等による油の排出の防止等」に関連をして、最初に、大型タンカーの規制に関してお伺いをします。  今回の改正案には大型タンカーの航行規制が盛り込まれていないわけですけれども、いろいろな話によりますと、この大型タンカーの航行規制をすることを環境庁は初めに考えていたと、こういうことなんですが、それは事実ですか。
  29. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 大型タンカーの航行規制の関係でございますが、これは今回のこの法案を作成する過程におきまして、一つの案として夜間航行の原則的禁止というようなことについても検討をしたことは事実でございます。
  30. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 環境庁が検討をして、他省庁と話し合いをしましたか、あるいはしませんでしたか。
  31. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この面につきましては他省庁とも話をいたしました。
  32. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 それでは、話し合いをしたということですから、話し合いの結果落としたということになろうかと考えられます。それで、削除をした理由は一体何でしょうか。
  33. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 他省庁ともお話しをいたしましたが、実は環境庁の方で、われわれはわれわれなりにいろいろ勉強はしたつもりでございますけれども、やはりこのタンカーの航行規制といいますか、航行安全といいますか、こういう問題につきましては、現在海上衝突予防法なりあるいは海上交通安全法等々の法律がございます。こういう法令に基づきまして、関係省におきまして瀬戸内海の現状に即した航行規制ということを現にやっておられるということもございます。  また、私たちが考えたようなこのタンカーの夜間航行の禁止というようなことを実際やるとすれば一体どういうような問題が出るかというようなことも、いろいろその後話し合いの過程なり等を通じて私たちも勉強をさせられたわけでございますけれども、なかなか、夜間締め出すと今度は昼間がふくそうしてくるというような問題もございます。したがいまして、かえってあるいは事故が増加するんじゃないかというような懸念も出るというようなこともございますし、そういう具体的な措置というものを一応考えてはみましたけれども、お話をよく聞きますというと、やはりこの法案の中に盛り込むというのはどうかなと、その必要性は、話をやっていく過程において、むしろこの法案には盛り込まなくてよろしいのではないかという判断に最終的にはなったというのが事の経緯でございます。
  34. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 そうしますと、たとえば航行規制の権限は運輸省設置法に基づいて運輸省固有のものである。現実にももう瀬戸内海の現状に適した航行規制が行われているから入れなかったと、こういうお話だと思いますが、私どもはこの運輸省のこういう方向、考え方というものは、瀬戸内海を一つの運河とみなしてどのように安全に航行させるかという考え方にすぎない。けれども、環境庁としては、私はやっぱり瀬戸内海を自然公園の一つとみなして、一方的に航路として使用することを前提としているのは根本的な誤りであるという観点に立ってもらいたいという気持ちでいっぱいなわけですけれども、それでは、この瀬戸内海の利用関係ですね、瀬戸内海というのは交通だけではない、いろいろな利用関係があるわけですけれども、これは一体どのような形で行われていると判断されますか。
  35. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海の利用関係といいますか、現在あります臨時措置法あるいは今回の改正案についてもそうでございますが、一番問題は、瀬戸内海というものが世界に比類のない美しさを誇る自然景観を持っておるというそういう景観の問題がございます。それからあと法律上はっきり書いてありますのは、「漁業資源の宝庫」であるということがございます。したがいまして、そういう漁業面の利用というようなことも当然ございます。しかしまた、この瀬戸内海の沿岸海域につきましては産業なり人口というものが集積をされておるということからいたしまして、当然この瀬戸内海が旅客の輸送それから物資の運搬と申しますか、そういう角度で、いろいろな海上交通の面においても非常に重要な利用というものがなされておるということはそのとおりであろうかと、かように考えております。
  36. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 あたりまえのようなことをお伺いして大変失礼でありましたけれども、しかし、私どもは、やっぱり漁業生産だとかあるいは工場立地、船舶の航行、港湾あるいは自然の景観だとか公園、海水浴、釣り、もう非常に多目的な利用価値があるわけで、そのような多様な利用関係の間にお互いに矛盾して競合するものがあるということもまた事実だと思います。従来は個々の間でばらばらにそういうものが調整をされてきましたけれども、それを今度は環境保全という統一的な視点でやっぱり調整していこうというのがこの瀬戸内海法だと、こう考えているものですから、いま本当に失礼なんですけれどもそのような質問をしたわけです。  で、そういう意味では大型タンカーの規制も交通政策という狭い視点だけではなくて、そういう立場から今回の法律の中に明示されるべきであったと私どもは考えているわけです。長官、これについて、落ちたことはやむを得なかった、こうお考えですか。できれば入れたかったと、こういうお気持ちでしょうか。どうでしょう。
  37. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) この大型タンカーの問題も、一番われわれ心配するのはタンカーの事故ということで、やっぱり汚染なんということに一番考慮を払わなければいけない点だと思うのです。したがって、そのような意味で、先ほど局長が言ったような考え方があったわけですけれども、しかしながら、海上交通安全法あるいは衝突予防法、それについて海上保安庁が責任を持っていろいろな角度で現在安全のためにとっておるいろいろな規則、施策、そういうものを聞いていて、やはりこの際はこれに責任を持たせ、特に瀬戸内海という重要性にもかんがみて、特にこれについては努力規定もひとつ加重してやる方が、やっぱり一番趣旨に合するという結論に立ってそういう選択を行った、これが実情でございまして、私はそういう判断は妥当であったと、こう考えております。
  38. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 法律を出された以上は妥当であったと言わざるを得ないと思いますけれども、私どもとしては大変に不満であると、こう考えております。  いま長官がおっしゃったように、本当にタンカー事故が大変なんですね。きのうも私は、実は、水島港の港口に四隻の巨大タンカーが座礁をしているではないかという、このことについての調査を保安庁にお願いをいたしましたところが、もう大変熱心にやっていただいて、六時半ごろになって電話がかかってきまして、具体的にはどういうことでしょうかと、こういうことなんですね。それも五人の方々が、昭和四十六年以降ずっと調べて、三千件もあるというようなお話で、その一つ一つを調査をした中から、一体私の質問はその中のどれをやるのかと、こういう逆の御質問で、本当に御迷惑をおかけした。御迷惑をおかけしたという一方では、そんなにも大変な事故があったのかということを裏づける電話であったというふうに思うのですが、実は調査室にお伺いしまして、ちょっとそのことを記録してみましたら、特定港に入港したタンカーは、五十一年には二十九万五千隻、五十年に比べて三〇%増だ。わが国の周辺の海域で発生した要救助タンカーの隻数は、五十一年には百十八隻、大変な数ですね。このタンカー海難のうち、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の海域においては六十七隻で、海難タンカーのパーセンテージから言いますと五七%だと、この三つだけでもう半分以上を占めているという、こういう実態が報告をされております。さらに、五十二年に、一万トン以上の要救助海難船の隻数、衝突二、乗り上げ――座礁になるんですか、それは七、その他三の計十二件で、うちタンカーの衝突は一件ですが、大変事故が多いということの報告だと思うんです。で、私もこれちょっと計算してみましたら、三日に一隻の割合で要救助タンカー事故が起きている。東京湾、伊勢湾、瀬戸内海六十七隻ということは、一カ月に五・五隻の海難事故が出ているという計算になろうかと思います。  それで、そのような状況の中で、一体瀬戸内海を航行する二十万トンタンカーの受け入れ先というのはどこになりますでしょうか。
  39. 渡辺純一郎

    ○説明員(渡辺純一郎君) 瀬戸内海の港湾におきまして、二十万トンタンカーを受け入れることのできる港といたしましては、和歌山下津港、堺港、それから姫路港、水島港――この場合は若干ウエートを下げて入港しておりますが、水島港でございます。それから徳山下松港、それから宇部港、大分港の各港となっております。
  40. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 続いてお伺いしますけれども、その二十万トンタンカーというのは、長さはどのくらいで幅はどのくらいになりますか。
  41. 渡辺純一郎

    ○説明員(渡辺純一郎君) 私どもは、海上交通規制をやっております担当なものですから、幅についてはちょっと詳しいことは存じておりませんけれども、長さについては約一三百三、四十メーターということでございます。
  42. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 運輸省にお伺いしますけれども、朝日新聞の「論壇」に、東京都公害局規制部長の田尻さんが、水島港は二十万トンタンカーが入港できる港ではないとして、幾つかの理由を挙げております。いまの御報告の中にも、水島港についてだけは若干ウエートを下げていると、こういう御報告があったわけですが、田尻さんはどのようなことを言っていらっしゃるかといえば、「1航路の水深が船のきっ水より三メートルも浅い2航路幅が運輸省令の基準より大幅に少ない3備讃瀬戸から水島航路に曲がる角度は九〇度もあり、巨大船の能力や省令の基準を超えている4潮のはやい航路のまん中で旋回するので海難の危険が大きいなどの問題」があると、この四つを指摘されているわけですが、私はその中で特に二番目の、「運輸省令の基準より大幅に少ない」ということと、三番目の、「巨大船の能力や省令の基準を超えている」――運輸省令の基準を超えているということになれば法律違反ということになろうかと思います。これは大変なことだと思うのですが、その点についての解釈はどのようにされておりますか。
  43. 小池力

    ○説明員(小池力君) 先生の御指摘でございますが、運輸省の省令と申しますのは、港湾の施設の技術上の基準を定める省令でございます。で、水島港に御指摘のとおり二十万トン級の大型タンカーが入港してございますけれども、航路の水深、幅員、屈曲につきまして、先ほど申しました省令の基準に照らしても特に問題はございません。
  44. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 問題はないと、こうおっしゃるわけですから、そうしますと、二日に田尻先生がおいでになりますから、元運輸省にいらっしゃった方でもありますし、これだけの公的機関にこのことを発表されるということは、相当の事実に基づいて根拠を持って発表されたんだと思いますので、そのときにまた対決をしたい、こう考えております。  それでは、水島港の「港口に四隻の巨大船が座礁している」と、こうまたおっしゃっておられるわけです、田尻さんが。その四隻は現実にあったんですか、なかったんですか。もしあったとすれば、それはどのような船でございましょうか。
  45. 渡辺純一郎

    ○説明員(渡辺純一郎君) 先生の御指摘の、水島港の港口付近におきまして座礁した巨大船が四隻あったという事実でございますが、先ほど先生のお話にもございましたように私ども調べました結果でございますが、水島港の港域全体ということで考えまして、しかも総トン数一万トン以上のタンカー、しかも乗り上げ事故でございまして、これが要救助であったというものの数でございますが、四十六年以降について調べた結果でございますが、四十六年に一隻、四十八年に二隻、四十九年以降ゼロということでございまして、合計三隻そういった事故が起きたということでございます。
  46. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 具体的に名前をおっしゃっていただけますか。
  47. 渡辺純一郎

    ○説明員(渡辺純一郎君) 四十六年に起きました船は、総トン数十万四千トンの日安丸という船でございます。それから四十八年に起きました二隻につきましては、クリスタルコブスという船でございまして、これが二万八千トンでございます。それから第二つばめ丸が二万トンでございます。
  48. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 第二つばめ丸――八千トンですか。
  49. 渡辺純一郎

    ○説明員(渡辺純一郎君) 二万トンです。
  50. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 二万トンですか。私の方で調査室からいただいた資料によりますと、そのほかにジャパンジャスミンというのが昭和四十八年の二月、アホボス号というんですか、おかしな名前ですけれども、やっぱり昭和四十八年の一月に座礁しているというふうになっているんですね。これ私きのうそれだけで結構ですというふうに電話をいたしましたから、別に運輸省が一生懸命にやらなかったということではありませんけれども、とにかくこんな大きな船がそれだけの数が続けて座礁するということは、水島港が不適格港であると、こういう証拠ではないかと思いますけれども、いかがでしょう。二十万トンのこれを許可したということはどういうことなんですか。
  51. 小池力

    ○説明員(小池力君) 先ほどの先生のお尋ねの中で、田尻さんの御意見をお引きになりまして、省令の問題もございました、ただいまタンカーの事故のお話もございましたので、もう少し詳しく水島港の状況を申し上げたいと思います。  まず、航路の水深の問題でございますが、先ほど海上保安庁の渡辺課長の方から答えましたとおり、確かに水島港におきましては大型タンカーが満載喫水で入るということはやっておりません。潮を利用いたしまして、潮の高いときに入ってくるという形をやっております。で、いままで調べましたその場合の最大喫水は十五メーター程度でございまして、余裕水深を見込んでも、現在の航路の水深は約十五メーターでございますが、それで十分入れる状況でございます。あそこは最大と申しますか、満潮時になりますと潮が約三メーターございますので、現在の航路の水深が十五メーター、それに約三メーター、厳密に申しますと十七メーター七十七ということになりますが。それに二十万トン級のタンカーが満載してはおりません。で、いままでの最大喫水が十五・一六メーターでございますから、余裕をもって入っているという状況でございます。  二番目に、航路の幅員の問題でございますが、先ほどの、田尻さんの御指摘では船の長さに満たないというようなことでございましたけれども、二十万トンの船の長さは三百二十メーター、まあ船によりまして若干の出入りはございますが、おおむね三百二十メーターでございます。現在の航路の幅員は四百メーターでございまして、船の長さ以上というのが省令の基準でございますけれども、約八十メーターの余裕を持っているということでございます。なお、港湾管理者は岡山県でございますが、水島港の整備につきまして、今後の問題といたしまして、さらにこれを四百五十メーターまで広げていこうという計画を持っているところでございます。  なお、屈曲の問題、航路がこう曲がりくねっている問題もございます。現在は何と申しますか、曲がり角の角度を三十度以下にするということにより運用をやっておりますけれども、水島港はその基準には満たしてございますが、なおやはり今後の問題といたしまして少しでもより安全な港にするようにということで、本年度、五十三年度からその航路の法線と申しますか、曲がりを少しでもやわらげる工事に着手することにしております。  以上でございます。
  52. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 基準に合っているということですけれどもね、八十メーターの余裕があるからこれは安全ですということになるのか、それはもうぎりぎりの安全度であるというふうに考えていったらいいのかということは、これはもう判断の分かれるところだと思います。現に先ほど私が言いましたように、クリスタルコブス号とジャパンジャスミン号、アホボス号というの、これは外国船だと思いますけれどもね、こういう外国のふなれな船がこういうところに入ってくるということで事故が起きているわけですから、私はやっぱり非常に不安定な港だと思います。不安定だからこそ四百五十メーターに今度広げていくということになるのではないか。あるいはもっともっと大きい船を入れようと思って四百五十メートルに延ばしていくのか、その辺のところは定かではありませんけれども。  で、こういう外国のタンカーなどが水先案内などなしにいま入ってきているんではないんでしょうか。この辺のところについての安全対策などということはどのように考えておられますか。
  53. 小池力

    ○説明員(小池力君) 先ほど申しましたとおり、水島港は一応私どものいまの港湾の技術的な基準の上では合格してございますけれども、先ほどの答えを繰り返すようで恐縮でございますが、港湾管理者である岡山県におきましてはより安全な港ということで、先ほど申しましたように、航路の幅を広げるとかあるいは角をならして少しでも入りやすい航路にするという努力をやっているところでございます。  なお、恐縮でございますが、先ほど五十二年一月から十二月までの一番大きな船の喫水を申しました。私、十五・二八メーターと申しましたが、十五・一八メーターの間違いでございます。訂正さしていただきます。
  54. 新谷智人

    ○説明員(新谷智人君) 先ほど、そういった不案内な外国船なんかで、水先案内人なしに入ってくるのがあるのじゃないかという御指摘でございました。それで、外国船など、そういった水域事情に不案内な船舶に対しまして、水先案内人が乗って、水路事情をいろいろアドバイスしながら入るということが海上交通の安全の確保のために非常に効果があるということは確かでございまして、これはいろいろな研究報告なんかもあるわけですが、そういうためにわれわれとしてはそういった必要なところに水先区を新設いたしましたり、そういったところに国の免許を受けました適格な水先人を配置したり、これを増員したり、そういったことで要請にこたえられるような体制を整備してきているわけでございます。しかし、概してといいますか、通常の場合、そういった水先区では大体船舶の運航の全責任を持つ人は船長でございますので、船長が自分の経験とかあるいはその海域の実情などを判断いたしまして、それでこの際は水先人をとって入った方が安全だというぐあいに考えた場合には水先案内人をとる。そうでない場合、まあ自分で持っていけるというような場合には持っていくというぐあいのところが通常のケースでございます。  しかしながら、水域の場所によりましては、非常に水路が狭いとか、浅瀬が多いとか、潮流が速いとか、船舶が非常にふくそうしているとか、あるいはいろんな細かいルールがあって外国の人なんかには特にわかりにくいとか、あるいは非常にそこが重要な社会経済上のポイントであって、一たん事故が起きれば大変なことになる、そういうようなところにつきましては、そういった船長の自主的な判断というものを排しまして、強制的に水先人をとりなさいという水域が設けられておるわけですが、そこを強制水先区とわれわれ称しております。そういった水域につきましては、最近の船舶運航の現状から見ましてやはり見直して、新しく設定していく必要があるということで、われわれの方としては、運輸大臣の諮問機関である海上安全船員教育審議会というのがございますが、そこに四十九年に諮問をいたしまして、そこでずっと検討しております。それで、東京湾につきましてはすでにそういった必要があるということで、五十二年の一月から強制水先区ということになりましたが、瀬戸内海についてもずっと検討しておりまして、そういった水域はどういったところかということを検討しておりまして、非常に熱心にやっていただきまして、最近やっとその結論が出まして、先月の二十三日ですが御答申をいただきまして、そういう水島も含みました備讃瀬戸とか来島海峡とか明石海峡とか関門海峡とか、そういったところはやはり強制水先区にすべきであるというような御答申をいただきました。われわれこれをいただきまして、これは政令で指定することになりますが、いま鋭意この作業を進めております。  大体そういった状況でございます。
  55. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 大変努力をされて、私はいい結論が出始めているなとこう考えるわけですけれども、答申は尊重されなければならないわけですが、鋭意努力中と言うのですね。いつも鋭意努力中ですが、やっぱり目標というものがきちんとしないと不安でたまらないわけですね。したがって、せっかく法律もできることでありますから、その鋭意努力中の目標、それは一体どのくらいになりますか。
  56. 新谷智人

    ○説明員(新谷智人君) 政令策定作業は来月中にも何とかやりたいというぐあいにいま思っております。  それで、これは強制水先区に設定しますと、あらゆる船舶に、まあ大体一万トン以上をあそこは考えておりますけれども、水先人が乗らないと航行できないということになりますので、それの必要に足りるだけの水先人をまず養成しなきゃならぬ。こういった水先人の養成には、瀬戸内海という水域は何しろ広い水域でもあるというようなことなどもありまして若干の期間も要る。それから、水先人の待機所、広いところですから待機所とかそういったものもやっぱり整備しなけりゃならぬ。また外国船に対してトラブルが起きないように――外国船あるいは日本船も含みますが、そういったような周知もしなけりゃいかぬといった問題がありますが、そういった準備にかかるということで、政令の方は何とか早くつくりたいと思っていますが、実施ということになりますとそれができ上がってからということになりますので、大体来年の後半ぐらいということになるのではないかというぐあいに考えております。
  57. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 せっかく努力をしていただきたいと、これはお願いをしておきます。  では、次にお伺いしますけれども、姫路港に明石海峡経由で十二万トンのLNGタンカーを入れる計画があるということで、住民が大変問題視しているわけです。それで、国内においてあるいは国外において、LNGタンカーあるいはLNGタンクによる事故というものは例がありますでしょうか、どうでしょう。
  58. 宗形健寿

    ○説明員(宗形健寿君) 私どもの調査した範囲におきましては、そのようなLNG船の事故ということにつきましては聞いておりません。
  59. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 タンカー事故は聞いていないということで、大変幸せなことだと思いますが、タンクの事故ではどうでしょう。――私の調べによりますと、これ調査室から調べていただいたわけですが、一九四四年十月二十日、アメリカのオハイオ州クリーブランドでタンク四基が爆発をした、それで百三十三人が死亡をしたということですね。これはタンクの構造に欠陥があって、下水を伝わって漏れたということですが、百三十三人も死亡するということは非常に恐ろしいことだと思います。さらに、一九七三年二月ですからいまからちょうど五年前ですけれども、アメリカのニューヨーク市沖合いのスターテン島、ここでやっぱり四十名死亡しているわけです。これは九万五千トンタンクを補修工事中に着火をして、屋根が落ちて作業員が全員死亡した。まあ原因不明になっているわけですが、これも大変こわいことになっているわけです。  で、先ほどお話しを申し上げました田尻氏によれば、このLNGタンカーがもし衝突をした場合、これ仮定の問題を話しされているわけですけれども、「衝突すると破口からガスが六分間に全量流出し、爆発性のガスが直径一万二千メートルにひろがる。明石海峡では、その中に数十隻の船がふくまれ、それはすべて着火源となる。また、そのガスは沿岸住宅地にもおよび、ともに大爆発の危険につつまれる。LNGは鉄を侵すので、巡視船も近寄れず、オイルフェンスもボロボロになるので、ほとんど対策がないのである。」と、もうとてもではないけれども、LNGタンカーなどはうちの港に入ってきてもらいたくないというような、この報告を読みましてね、私自身もショックを受けているわけです。  それで、海上保安庁にお伺いしますけれども、LNGタンカーの事故に対してどのような防除体制というものをとっておられますか。
  60. 宗形健寿

    ○説明員(宗形健寿君) ただいまのお尋ねの件につきまして、一般的に申し上げますと、海上保安庁といたしましては、LNGが海上に流出した場合、LPGと同様引火爆発するおそれがございますので、LNG船に事故が発生しましたときは、緊急通信あるいは巡視船艇の現場管制によりまして、付近航行船舶に対する注意の喚起と航行の規制を行うなど、火災原因を排除するとともに、万が一にも火災が発生しました場合は、事故の状況、すなわち輻射熱等の関係がございますが、これに応じまして接近可能なところまで消防船を接近させまして、それで船体の冷却、粉末消火剤による消火作業を実施することといたしております。また、事故現場の地理的状況、気象状況を勘案しまして、船体の曳航移動を考慮しております。
  61. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 大変りっぱな体制が整っているようなお話なんですけれども、私が非常に心配になりますのは、田尻さんがおっしゃるように、爆発のガスが直径一万二千メートルになるわけですね。一万二千メートルの半径とすれば六千メートルですよね。そこまで爆発が及んでいくということになりますと、その消防作業は六千メートルよりもさらに遠いところから消火作業をしなければならない。そういうふうな機能を持った消火船というものがあるんですか。
  62. 宗形健寿

    ○説明員(宗形健寿君) 海上保安庁の所掌するところではないかと思いますが、LNG船の安全性の確保の面につきまして、まず船体構造の面から申し上げますと、LNG船につきましては他の一般船舶とは異なっておりまして、耐衝突、それから耐座礁構造に特別の考慮をいたしております。すなわち、具体的に申し上げますと、二重船殻構造としていることであるわけですが、その構造につきましては、まず衝突、座礁からのLNGタンクの保護、それから浸水事故時に対するLNGタンクの保護、それから火災からLNGを隔離しておくと、いわゆる火気管理を十分にしておくということ。それから、非常時船体過冷却に対する安全対策といたしまして、二重船殻間に注水あるいはヒーティングを行いまして、それで二次防壁の役割りを果たすようにさせております。  それから、LNGタンクの材料につきましては、アルミニウム合金、ステンレス鋼など、低温における強い材料を使用しておりまして、いわゆる低温脆性による破壊が起こらないような材料を使用いたしております。  このように、二重、三重の防護措置を講じておりまして、船舶の安全対策に万全を期しているところであります。したがいまして、大事故の発生ということにつきましては一般的には考えられないところでございます。  しかしながら、このLNGタンカーの安全性に対する研究も従来なされておりまして、昨年の三月に運輸省の船舶局の方から出されております調査報告書によりますと、先生先ほどおっしゃられましたように、ある程度のガスの拡散というものがあることはこの報告書からも見られるわけですが、たとえばその報告書について申し上げますと、「破口からの液の流出量と流出速度等について、球型タンク方式十二万五千立米型LNG船の場合を計算によって求めてみると、破口が五平米のとき、喫水線付近に破口が生じれば、流出時間は六-七分、平均流出速度は一分間に約三千立米であり、破口が十五平米であると、流出時間は二分あまり」で出てしまうということになっております。それで、この流出源からLNGが蒸発しながら拡散することになります。「このため液面はある一定の範囲以上拡散しない。」ということになっております。その半径につきまして申し上げますと、五平米の破口で二百メーターの液の拡散範囲ということになっております。十五平米の破口で四百メーター程度である。この液面から拡散したガスが、濃度五ないし一五%の範囲につきましては、無風状態の場合で、五平米の破口のときには九百五十ないし二千七百八十平米というようなことになっておるようです。それで、LNGが流出を始めましたときに着火した場合の火災の直径につきましては、最大の場合で六百メーターこれは最大の場合でございます。  そういうようなことでございますが、先ほど申し上げましたように、このような大事故、これに至らないような船体構造並びに諸種の航行安全規制というものがなされておりますので、たとえば対外的な措置として申し上げますと、事故発生船自体が直ちに緊急通信を発信いたしまして海上保安官署に連絡する。それから、衝突の場合は相手船、乗り上げの場合は付近航行船舶に警報を発しまして、それで、他船から引火するというような災害を局限するための協力を依頼させる。それから、事故船自体の船内における措置といたしましては、乗組員に事故発生を警報いたしまして、沈着冷静な行動を指示すること。それから、乗組員総員を防火部署につかせまして、それで、火災発生の有無に従って災害を局限する。そのようなための措置をとらせるということについて、海上保安としても日ごろ指導することにいたしておるわけでございます。  それで、海上保安庁の救助船そのものの措置としまして、救助に赴いた場合におきましては、LNGが海面に流出いたしますと、蒸発しましたLNGのペーパーというものは、白い蒸気雲をつくって、その中には可燃性の混合ガスがあるわけなんで、見ただけでもってその危険な場所というものが判別できるようになっております。もちろん、消火剤というものは特殊な消火剤でございまして、ドライケミカルを使用して消火に当たる、というような対策を考えておるわけでございます。  なお、参考までに申し上げますが、火災が発生いたしますと、一つのタンク、球形タンク、これから流出しましたLNGの火災の燃焼継続時間というものは、約七分くらいと言われております。
  63. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 あなたの説明を伺ってますと、ああもう絶対大丈夫なのかなと思いますけれども、現実にはもうとてもそんなことじゃなくて、数分間だっていうのに、ほかの船に注意をしなさいだとか、乗組員は十分動けるようにしなさいなんで、そんな状況ではないというふうに考えておりますので、このような危険なタンカーがあの過密な瀬戸内海の中に自由に出入りできるような体制というのはやっぱり問題がある。危険物搭載船の航行はもっと厳しく規制をする必要があると私どもは考えているところです。  で、LNGタンカーだけではありませんけれども、たとえば先日の水島の巨大タンクからの油流出事故などにしましても、いただいた資料によれば、実に一年間に三十五万七千人の人間が働いていたわけですね。それで、先回のときに中野委員の質問に対して、どのくらい回収したかといえば七〇%ですから、あとの三〇%というものはどこへ行ったかわからない。海の底にもぐっているのかもしれない、こういう不安な状況があるわけです。  それで、LNGタンカーだけが、そのような二重、三重に安全な構造ができておりますけれども、いま世界的に、このタンカー事故に対して国際的に何とかしなければならないという、こういうアメリカのカーター大統領の呼びかけがあって対策会議が開かれたということを伺っておりますけれども、この結論は一体どのような形になっておりますでしょうか。
  64. 中島眞二

    ○説明員(中島眞二君) 昨年三月、カーター大統領からタンカーの規制につきましての幾つかの提案がございまして、これを受けまして、国連の専門機関でございますIMCO――政府間海事協議機構でございますが、そこで昨年来検討が行われまして、何回かのワーキンググループが行われました。最終的に本年二月にロンドンにおきまして条約会議が開催されまして、そこで結論を得ました。  一番問題になりましたのは、SBTと申しまして、分離バラストタンクをタンカーに設置を義務づけるかどうかという問題でございましたが、結局結論といたしましては新造タンカーにつきましては二万重量トン以上のタンカーについて、この分離バラストタンクと、それからCOWと申しまして原油洗浄方式でございますが、この双方を義務づけるということ、それから既存船につきましては、四万重量トン以上のタンカーにつきまして、この分離バラストタンクまたは原油洗浄方式のいずれかを選択的に義務づける。それから二万重量トン以上の新造タンカーにつきましては、分離バラストタンクの防護的配置を義務づけるということの結論が得られております。
  65. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 それは世界的に合意がされたのであって、日本の国も当然それを守りますと、こういうことになろうかと思いますが、一説に報道されるように、タンカーを全部二重底にしたらどうだと言ったら、それは大変金がかかるということで産業界が反対をした。で、日本の国は、世界の会議の中でもう真っ先になって二重船底についての反対をしたということではこれはなかったと理解してよろしいわけですね。
  66. 中島眞二

    ○説明員(中島眞二君) そのとおりでございまして、カーター大統領の提案の中には、おっしゃるように二重底の提案がございました。しかし、これについてはいろいろ技術的な問題がございます。基本的に、タンカーからの海洋汚染の問題は、空荷で航海いたします場合のバラスト水を油を揚げました後のタンクに積む。そして、さらにその部分に荷物を積もうとしますときに、この汚染しましたバラスト水を捨てるというところに問題があるわけでございます。二重底の考え方は、このバラスト航海のときには、油を積みますタンクとは全く別個の部分を設けておきまして、そこにバラスト水を積む、そして航行するという考え方でございます。しかしながら、油を満載して航海します場合は、その部分は空になっているわけでございます。したがいまして、積み荷の油がその中に漏れてまいりますとそこで爆発の危険性があるということが一つ。それから座礁しました場合にはそこに水が入ってまいります。そうしますとかえって浮力が減少いたしまして離礁が困難になるというようなこともございます。それから、バラスト航海のときにはどうしても重心が低くなりますので操船上問題もある。こういう技術的な問題がございました。  それから、二重底はもっぱら座礁時に油の流出を極力少なくするという考え方でございますけれども、そのほかに衝突時にもやはり極力油の流出を少なくするという問題がございまして、これらの点を総合的に考えられました結果、国際的な会議の結論といたしまして、二重底ではなくて、ま申し上げました分離バラストタンク、いわゆるSBTを船を防護する形においてどういうふうに配置したらいいかという考え方になりまして、一定の算式に基づいた合意が得られております。そういうことでございまして、日本が特にこの二重底の採用について反対したということはございませんし、すでにこの二月に結論が得られている問題でございます。
  67. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 結論が得られてから非常に新しいわけですから、まだ国民はその点についてのやっぱり誤解があったのだと、こう思いますけれども、そうしますと、新造船からそういうことになるわけですから、いまあるタンカーについてはそういうことではないわけですね、そのまま走っていくわけです。じゃ、もう全部その船が安全なタンカーになるという時期というのはどのくらいになりますか。
  68. 中島眞二

    ○説明員(中島眞二君) 分離バラストタンクの義務づけは新造船だけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、先ほどの国際会議の結論といたしまして、既存船につきましても原油洗浄方式を四万トン以上のものについて義務づけるという結論になっております。そういうことで、この原油洗浄方式を行いますればタンクの部分に残ります油が非常に少なくなりますので、海岸汚染防止もSBTに匹敵するような効果があるという前提に立ちましてこの国際会議の結論が出たわけでございます。この国際会議におきましては、一九八一年六月にこの新しい条約の発効を目途に関係国は努力をするという決議がございますので、わが国といたしましてもそれを尊重いたしまして今後準備を進めてまいりたいと、かように考えております。
  69. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私、さっきよく伺っておりませんで失礼しました。  既存の船についてもそのような形で行われるということですから、この点については一段の前進をしたという考え方を持ちますが、そうすると、一九八一年に条約を批准をすることを目標にするわけですね、日本の国が。あるいは国際的にその条約の草案をつくるということが目的になるのですが、その辺のところがよくわからない。そうしますと、日本の国は当然その条約を批准する作業が始まりますね。批准してからそういう形で船の改造が行われるということになりますか。  それから、条約を批准すれば当然それは義務づけられるわけですが、義務づける国内法というものはその前につくり上げるんですか、批准した後でやられるんですか。その辺のところはどうなっているのですか。
  70. 中島眞二

    ○説明員(中島眞二君) 新しくできました条約は、条約の文章としてはすでに確定いたしております。そして、条約の発効要件といたしましては、十五カ国以上、しかもその十五カ国が保有しております船腹の総トン数の合計が世界の保有船腹の総トン数の合計の五〇%以上に達するという、そういう十五カ国が批准してから一年後に発効すると、こういう要件になっております。そして、このIMCOの会議での決議は、一九八一年六月に発効することを目途に各国は努力するということになっておりますので、わが国といたしましてもいまの発効要件を踏まえまして、その決議の趣旨を尊重して準備を進めたいと、かように考えております。
  71. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私、よくわからないのですけれども、その条約を日本の国は批准をしなければならないのですね。その批准の前に国内法を整備をして体制をつくっていくのか、批准をしてから国内法を整備してそのような形を整備していくのかということについてはどうですか。
  72. 中島眞二

    ○説明員(中島眞二君) 批准をいたしますときには、国内法の体制としてその条約を受け入れる体制が整わないと承認が得られませんので、その前に国内の受け入れ体制は整備するということになります。
  73. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 了解しました。  そうすると、一九八一年がこの目標だというふうに考えてよろしいかと私どもは思います。けれども、まだそれまでの間三年あるわけですね。その間安閑として待っているわけにいかないわけですけれども、長官にお伺いしますけれども、瀬戸内海に乗り入れるタンカーなどの安全について、必要事項について、運輸大臣への勧告権限を環境庁長官はやっぱり与えられていた方がいいんではないかと考えますけれども、いかがですか。
  74. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) まあ一般的には海峡の問題については御案内のとおりいろいろございます。いま環境影響という問題よりも安全そのものの問題で、安全問題が起こった後にどうなるかということでございますが、安全そのものについては、やっぱり安全について一番責任を持っている人に、これは法律上なお一層ひとつ気をつけてやってもらいたいというこの努力を課してそして最善の道を選んでもらう、これが一番妥当な方法じゃないかというふうに考えておりますが。
  75. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 長官、私の質問がどうも安全そのものについての質問のようだと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、私も確かにそうなんです。安全についての質問をしているわけです。しかしその安全が、じゃ環境に影響しないかという点にお考えがいかないというところが私は非常に不満なんですね。たとえばこの姫路に入っていくそのLNGのタンカー。一体姫路ではそのタンクが幾つできるのですか、ものすごいタンクの数なんですよね。そして、そのタンクを入れるためにあのきれいな瀬戸内海が埋められていく、埋められていってわれわれ非常に困る。景色も環境も非常に侵害をされているけれども、しかし安全もまた侵されているということで、この姫路のLNG基地についてはやっぱりこれ埋め立て免許法違反だということで訴訟が起きているんでしょう。だから長官は、私が伺っているのは回りくどい言い方でしたし、あるいは逆言えば質問がずばりと出てこなかったという反省もしておりますけれども、その辺についてのお考えというものはやっぱりきちっとしていただきたいということを要望しまして次に移ります。  次は、瀬戸内海沿岸地域の埋め立てについてですけれども、現行法制下では、埋め立てに関する基本法律は公有水面埋立法、これは大正十年ですね。このほかに埋め立ての計画執行等を内容とするものには、港湾法、漁港法。また、埋め立ての規制を定めるものとしては、瀬戸内海環境保全臨時措置法、それから自然公園法、自然環境保全法、水産資源保護法、海岸法、これらがあるわけですけれども、これらのうち、公有水面埋立法、それから瀬戸内海臨時措置法を中心に質問をいたします。  第一に、公有水面埋立法ですけれども、問題点は海岸線あるいは海面は国民共通の財産である、天然の資源だと私どもは考えておりますけれども、これ、埋め立てますと埋め立てた後は一体だれの所有になるのでしょうか。
  76. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) あるいは御質問の趣旨を取り違えているかもしれませんが、御案内のように、現在海岸、海浜というのはそのほとんどが国有財産になっているわけでございます。したがいまして、埋め立てをいたします場合には、埋め立てを申請する者が事前にいわば国有財産の払い下げを受けるという形で所有権が移転をするわけで、その場合、私企業が埋め立てをいたします場合には当然私有財産、それから地方公共団体等がやります場合にはその県地方公共団体の財産になると、こういうことであろうというふうに考えております。
  77. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私企業が埋め立てる部分というのは、公共的な埋め立てよりも多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
  78. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 実は私、そのあたりのことを不勉強で十分存じておりません。ただ、国有財産の処分につきましては、国有財産に関する審議会等ございまして、そこの審議会で十分この場合には埋め立ての目的その他を考えて国有財産の処分をやっているというふうに承知をいたしております。
  79. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 事実はそういうことであるわけですけれども、私たちはそのことはおかしいという立場に立っているからこういう質問をするわけなんです。で、国有財産が個人の排他的な私有財産になって、所有地になるわけですよ。このときの埋め立てのお金は私企業が持ちますから、だから土地についてはその私企業のものであって全然ただだということになっているわけでしょう。その土地を国から買うわけじゃないんですね。水面は買わないんですね。埋め立ての土を入れた、人夫を入れた、車を入れた、そのお金は私企業が払った。だから、それはもう土地を買ったことと同じことだということになるわけですね。どうでしょう。
  80. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) まあ法律関係で申しますれば、財産を創設するということになるわけでございますから、譲渡を受けるという形ではないだろうというふうに思います。
  81. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私の方の調べたところによりますと、もうその地価なんというのはただ同然だというふうに思いますけれども、知っておられますか。
  82. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) いまお話しのように、造成に要する経費、それからまた、恐らく漁業権等が存在いたしますから漁業権に関する補償と、こういう経費はその埋め立てをする企業なり何なりが負担をすることになると思いますが、それが即埋立地を取得するために要した費用と、こういうことになると思います。それは埋め立ての条件等々によって千差万別でございますから、いまお話しのように、実際の価格という点につきましていろいろな違いが出てくるんではないだろうかということは想像できるところでございます。
  83. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 これ、去年の予算委員会のときに私ちょっと党の学習会で伺いまして、もうびっくりしたのですけれども、埋め立てて、たとえば千葉の川鉄なんというのは坪単価は六百六十六円なんですね。それから新日鉄なんというのは坪十円なんです。だから、そんなものに対しては税金かからぬわけですから、埋め立てただけで私企業というのはもう本当に物すごい営利をむさぼることができると、こう考えるわけです。瀬戸内海においては埋め立ては原則として禁止をして、本当に公共的な用に供されるものについてのみ許可をするということが大事であって、埋め立ては国または公共団体が行い、所有者は当然国あるいは公共団体がなるということが筋じゃないかと思いますけれども、長官どうでしょう。
  84. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) この点についての考え方というのは、私自身がお答えし得る立場かどうかわかりませんけれども、しかしいろんな考え方があろうかと思います。ただ、この瀬戸内海の埋め立てについては、いま一般的には禁止していうふうなお話がございました。しかしながらこれは先ほど粕谷委員が御指摘のように、公有水面埋立法によって、環境保全の配慮等のほか、瀬戸内海の環境保全臨時措置法の第十三条の規定に基づいて瀬戸内海環境保全審議会から答申されておる。これは四十九年の五月ですけれども、埋め立てについての基本方針ということで詳細な、海域環境保全上の見地でいろいろ配慮すべき点、あるいは自然環境保全上の見地、あるいは水産資源保全上の見地での詳細にわたっての配慮を要する事項というものが列記されております。またさらに、こういうような海域については、埋め立ては極力避けろというような点についての答申がございました。この答申にのっとってわれわれも通牒を出していて、これによってやられているということでございまして、したがって、結局個別案件ごとにこの観点から瀬戸内海の環境保全の特殊性に十分配慮を行ってやられてきておると、こういう実情であると考えております。
  85. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 よくわからなかったんですけれども、まあ長官はそういうものは要らないと、こうお考えになっていらっしゃるような感じの御答弁でありました。  私は、この埋め立てについては、なるほど瀬戸内海臨時措置法の第十三条一項の規定がありますけれども、しかしそのもとには、昭和四十九年の五月の九日に瀬戸内海環境保全審議会から答申が出されていると思うんです。この答申はどういうふうに言っていますでしょうか。
  86. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 四十九年五月に瀬戸内海環境保全審議会から、埋め立ての運用に関する基本方針、これ答申を受けています。で、この答申には答申の前文がついてございまして、その後に基本方針そのものというものがついてございます。で、前文におきましては、「瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきであると考えており、」云々ということで、埋め立てを抑制の方針ということでの運用を図るべきだという趣旨を前文にうたってございます。  そして、後、この基本方針の内容につきましては、先ほども長官からお話がございましたように、「海域環境保全上の見地」あるいは「自然環境保全上の見地」、「水産資源保全上の見地」と、そういう面で「十分配慮されたものであることを確認」せよというのが一つ。  それからもう一つは、特定の水域、たとえば「水産資源保護法による保護水面」というような、そういうところの埋め立ては極力避けて運用せよということ。  それからもう一つは、六海域ほど指定してございまして、この海域につきましては、ある一定の「留意事項に適合しない埋め立てはできるだけさけるように配慮」せよと、そういうことを大筋にいたしましてこの答申が成り立っておるわけでございます。
  87. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 先ほどの長官の御答弁にもありましたけれども、なるほどそういうことがきちんと入っているから、埋め立てはその法に基づいてちゃんと行われているのであって、環境庁長官の助言指導なんというのは特に必要ないとお考えになっていらっしゃるようでありますけれども、この答申の中にやっぱり「埋立ては厳に抑制すべきである」と、単に、抑制すべきである、なんていう言葉ではないわけですね。そして、「やむを得ず認める場合においても」と書いてあるんで、認める場合においても、ではないんです。もうきわめて厳しく私は答申がされていると思いますけれども、実際の運用では骨抜きにされている。満場一致の議員立法はもう全然無視をされているのではないかという実態が、いままでの委員会の中でも明らかにされてきていると思います。私は時間の関係でその点については質問をいたしませんけれども、そういうようなことがこの免罪符として利用されているのでは、私は全くたまったものではないと、こう思うわけです。  それでは、具体的に伺いますけれども、これまでにこの許可した件数だとかあるいは面積については、これはいままでも明らかになっておりますし、私自身も資料を持っておりますから結構ですが、広島のこの海田湾の埋め立て問題、その後どのようになっておりますでしょうか。
  88. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 海田湾の埋め立ては、二つのブロックがあるわけでございます。二つのブロックそれぞれ知事に対する申請時は違っておりますが、運輸省を経まして私どもの手元に参りましたのがたしか昨年の五月か六月ごろであったと思います。六月ですね。そこで、私どもとしては庁内で検討をいたしておるわけでございますが、いまお話しのように、瀬戸内海における埋め立てであること、それから埋め立ての目的――まあ西の方はこれは下水道終末処理場をつくるということでございますが、東の方の埋め立てはかなり広いもので、いろいろ公共目的に使うわけでございますが、その目的の緊急性、あるいはあの埋め立て自身を海田湾のヘドロ処理だという説明もされているわけでございますが、そういう観点から見て適切であるかどうか、こういう点についてなお検討する必要があるということで今日に至っておるという状況でございます。
  89. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 それでは、公聴会だとか聴聞会だとかあるいは直接にこの住民に意見をくみ上げるような場所というものが、その広島においては保証されておりますか。
  90. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 公有水面埋立法に基づく埋め立てでございますから、主務大臣の認可を受ける以前におきまして、免許権者でございます都道府県が公有水面埋立法に基づく手続をとったのではないかというふうに思うわけでございますが、実は、私その点を十分確認しておりません。  で、公有水面埋立法は御承知のように四十八年に改正されまして、四十九年以降は、埋め立て計画について公告縦覧をするとか利害関係者の意見を聞くとか、こういう手続を決めているわけでございますので、新しい改正後の公有水面埋立法の問題でございますれば、そのような措置をとって主務大臣でございます運輸大臣あるいは建設大臣に認可申請が行われたというふうに考えるわけでございます。
  91. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 私の先ほどからの一連の質問は、そういうシステムになっているけれども現実には住民の方々の御意見というものがなかなか反映をしていないという実態があるから先ほどからの意見を申し上げているわけで、環境庁としてはそのような指導助言というものをきちんとやっていくべきであろうと、こう思いますので、ぜひ御指導をお願いをしたいと思います。  では次に、この埋め立て実態については御報告ありましたけれども、実は、実態というものの把握が不十分ではないだろうかと思いますのでお伺いします。  現在、国の審査は五十ヘクタール以上ですね。それから特定施設などの汚水関係は十五ヘクタール以上で、それ以下の場合は免許申請しなくてもいいということになっているのではないかと思いますが、そういう小さな埋め立ても正確に把握すべきであろうと思います。そういうことについてはどのように行われる予定ですか。やっぱりいままでどおりでよろしいというふうにお考えでしょうか。
  92. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 一般的には、先生お話しのように、私どもの方へ参っておりますのは五十ヘクタール以上、それから五十ヘクタール以下でありましても環境保全上特に問題がある埋め立てと、こういうことになっています。いずれにいたしましても、免許権者は都道府県知事でございますが、さらに主務大臣の認可を受けるというものが私どもの方へ参ってくるわけでございまして、そういう主務大臣の認可を要しない、都道府県知事限りで免許ができる、こういう小さな埋め立て等については、実情を一般的には把握いたしておりません。しかし、瀬戸内海については、先ほど来お話しのような特別の法律もあり、特別の規定もあるわけでございますから、できるだけその現状をつかむようにいたすべきものと、このように考えております。
  93. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 ぜひそのようにきちんと把握をしていただきたいというお願いをいたしまして、時間がありませんから最後の質問に移ります。  次は、水質汚濁防止に当たっての生活排水の占める比率というものは非常に大きいということを言っているわけですが、そのためにも下水道の整備は緊急の課題という点ではもう皆さんが一致しておるわけです。下水道の使命というものは、一つには水質の保全、汚濁の解消と、こう考えるときに、逆行する行政の方針というのは許されるべきではないと私どもは思います。  具体的にお伺いいたしますのは、自治体のこの工場排水の規制体制というものは確立をされているでありましょうか。  二番目には、一たん工場排水が下水道と結ばれますと、監視体制はきわめて困難になるわけですが、現に汚泥中に高濃度の重金属など危険物が多分に含まれている、そしてその処分に自治体が行き詰まっているのではないか、こういうことが言われておりますが、いかがでしょうか。
  94. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) お答えいたします。  公共用水域に直接工場排水が排出される場合につきましては、これは都道府県がいろいろ監視をやっているわけでございますが、工場排水を下水道に出すという場合につきましては、これは下水道管理者が監視指導をやっておるところでございます。これにつきましては、下水道の処理に適さないような重金属等の有害物質につきましては、事前に除害施設を設けさせまして、そこで公共用水域に直接出す場合と同じような基準をもちまして処理させて、その上で下水道に受け入れると、こういう制度になっております。したがいまして、そういった段階でもって、下水道管理者といたしまして十分除害施設をつくらせまたその水質のチェックをやるようにやっておるところでございます。
  95. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 大変いいことだと思うんですよね。ぜひそうあってもらいたいと思います。じゃ、その法律違反の事実というものはゼロですね。あなたがおっしゃるようなことが事実行われているとすれば、それはもう法律違反なんていうことは出てこないわけです。問題になって新聞紙上に出てくるなんていうことはあり得ないはずなんですが、その遵守の度合いというのはどのような実情でしょうか。
  96. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 先ほど先生からちょっとお話しございましたが、汚泥の中に重金属等の問題が一つございますが、これにつきましては、一般的に私どもの方で把握しておりますのは、下水道法なりあるいは廃棄物の処理及び清掃に関する法律によります基準に合致しているというふうに考えております。  なお、水質そのものにつきまして、じゃ全然違反がないのかということにつきましては、残念ながらゼロということではございません。実は、昭和五十年に下水道法が改正されまして、規制が強化されまして、水質汚濁防止法と同じような直罰規定が導入されまして、そういった直接罰則がかかるようになったのでございますが、そういった違反容疑でいろいろ警察当局等から摘発されている事例も若干ございます。こういったことにつきましては、われわれの下水道サイドからもそういうことのないように、なお今後一層指導してまいりたいと考えております。
  97. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 摘発をされている例が若干ありますと言いますけれども、若干ではないはずなんですね。そのもとはやっぱり自治体の監視体制が十分ではないから、全部調べ上げてこれはそうです、これはそうですと言って挙げる条件がないから、たまたま幾つかの人たちが見つかっているということだろうと思います。いま質問をするのはそこのところが私は重点ではないんですけれども、下水道については先ほど中野委員の御質問にもありましたけれども、流域下水道というものをこれからずっと計画的にやっていかれる予定ですか、特に瀬戸内海に関して。
  98. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 流域下水道につきましては、もうこれは先生御承知だと思いますけれども、一つの流域を中心としまして、複数の地方公共団体、まあ市町村でございますが、市町村をパイプでつなぎまして、一カ所でもって、終末処理場でやるのがいろんな観点から効率的であるというようなものにつきましては、流域下水道の計画を立てましてやることになっております。そういう観点から、全国で約六十ほどいま計画したりあるいは実施中でございます。瀬戸内海地域につきましてもそういう流域下水道でやるのが適当なところにつきましては、計画もし、また実施しているというところでございます。
  99. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 この流域下水道に対して、非常にいろいろなところから批判の声が上がっているということを御存じだと思います。具体的に言えば、工場排水をその中に突っ込んでいくわけです。先ほどからの質問にもありますように、自治体の監視体制がよろしくないですから、いまでも違反行為というものがありますのに、そういうことになったら企業の努力というものが非常に少なくなるのではないか、もう行われなくなるのではないかという大きな疑問が出されていると思います。この辺についてあなた方はどのような認識を持っていらっしゃいますか。やっぱり流域下水道でそれは心配ないんだと、こうお考えでしょうか。
  100. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 流域下水道につきましては、幹線管渠とそれから終末処理場、これにつきましては都道府県が行うことになっております。それで、家庭排水や工場排水の直接の受け入れ口となりますものは流域関連の公共下水道ということでございまして、通常の公共下水道と同じように市町村が維持管理することとなっておるわけでございます。  そこで、工場排水が流域下水道に入ることに非常に問題あるんではないかということでございますけれども、これは一般の公共下水道と同様に、先ほども申し上げましたように、公共下水道管理者であります市町村が、入口でもって有害物質につきましては排除していくと、除害施設を設けさせたりまたそういう自主的にチェックをしていくと、こういう体制になっておるわけでございまして、まあ一般的に申し上げまして、流域下水道なるがゆえに特に工場排水を特別に取り扱うとか、そういうふうな必要はないと考えておるわけでございます。
  101. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 その点については私はいろいろと意見がありますけれども、時間がありませんから後ほどまた触れることにいたしますが、公共下水道の問題にしてでも大変な問題点があるわけですね。これは先日全水道の労働組合からもらってきたんですけれども、なるほど活性汚泥法によりまして水質はある程度きれいになる。しかし、その水の中に大変な、カドミウム、鉛、クロム、銅、亜鉛、マンガン、砒素、水銀、ニッケルなどというような重金属が含まれていて、汚泥の中にさらに含まれている。こういうことを考えてみると汚泥の捨て場所がない。だから、これ以上に流域下水道なんかやられていって、工場排水というものがその中に導入をされていって大型になっていくと、何もかも突っ込まれてくるわけですから、下水の処理能力がなくなるというお話を伺ってまいりました。  それで、この下水道そのものに対する物の考え方なんです。先日荒川へ行きましたら、荒川の自民党の機関紙が全戸配布をされておりました。長官このことを御存じですか。荒川の自民党が全戸に機関紙を配布して、下水道について、こんなことでは困るから終末処理場なんてもうやめてしまえというような、それからそういうところに働く人たちは全く人間以下であるというような、こういう問題ですが御存じでしょうか。
  102. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) いや、それ存じません。
  103. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 二瓶さん御存じですか。
  104. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 私も存じません。
  105. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 私の記憶で間違いなければ、衆議院の方の公害の委員会で、たしか自民党の支部の何と申しますか機関紙を問題にされた事例がありますが、それが先生のおっしゃっている問題かどうかは定かでございません。
  106. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 それは荒川区でしょう。長官御存じないんだったら私持ってくればよかったですね。やっぱりきれいな水を汚したらきれいな水にして返していくというのが、これはもう人間のなすべきことだと思うんですよね。自分が出したものを自分で処理しないで、どこかへ持っていきなさいということ自体がおかしいわけですから。そして、出す人はきれいであって、その処分をする人はこれはちょっと位が悪いんだとか人間以下だなんという、そういうことを盛り込んだあの自民党の機関紙ですよ。結婚話だって処理場があるために荒川の人は話がうまくないですよ、高等学校だって臭い学校なんというのはもうだめですよとか、就職するのだって、あんな処理場があるような臭いところの人は就職できませんよというようなことを幾つかの漫画にしまして、そして全戸配布しているんですからね。これはもう労働者差別もはなはだしいものだと思うんです。長官、どうですか、私はこの点について長官の方から厳重に荒川の自民党に対して、これは困るということを申し込んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
  107. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) まず、ちょっとその事実そのものを承知したいと思います。
  108. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 はい、それじゃ事実をお見せしましたらそれやってくださいますね。お伺いします。
  109. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) それは事実によってでございます。
  110. 粕谷照美

    ○粕谷照美君 わかりました。それでは私は、特にそういう職業に対する差別観とか、そういうものについて、やっぱり文教の関係でもきちんと文部大臣からも答弁をしていただきたいと思うんで、まあ同じ福田内閣における大臣が、文部大臣はこのように言われました、環境庁長官はこのように言われましたなんて、筋が違うんでは困るわけで、やっぱりこの下水道の問題は、人間が人間らしく生きていく上に、そして自然を保護していく上に非常に重要な問題なんだということを大きくアピールをしていただいて、国民的なコンセンサスを得なければならない問題だというふうに考えているわけです。  したがって、瀬戸内海の環境保全の特別措置法が成立するに当たりましては、私どもこれについては非常にいろいろな、もう言いたいことたくさんあるわけですけれども、それでもこの法律はぜひ通していきたいと、こう思うものですから、いろいろな要望もつけ、あわせて、今度具体的にその法律のもとでどのようにしていったらこの美しい瀬戸内海が保全されていくかという観点に立って、皆さんが政治をやっていただく上に材料になればと思って質問をしたような次第でございます。私は長官が、この法律が生きていったときには本当に真剣に、先回の委員会じゃありませんが、情熱を持って取り組んでいただけますことを心から期待をいたしまして質問を終わります。
  111. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ―――――・―――――    午後二時二十四分開会
  112. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、菅野儀作君及び森下泰君が委員を辞任され、その補欠として岩上二郎君及び岩崎純三君が選任されました。     ―――――――――――――
  113. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 午前に引き続き、瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  114. 小平芳平

    ○小平芳平君 最近の政府の環境行政に対する姿勢がきわめて消極的ではないか。で、各方面からも、あるいは国会内の与党、自民党の先生方からも、私はそういう意見をよく言われます。また特に山田長官に、もっとしっかりやるようにということを期待するという御意見も各方面から聞きます。この委員会も、私の始まる時間が大変おくれましたが、こうした、おくれるということに象徴されているようにも感ずるわけであります。  まず第一に、直接の議題ではありませんが、たとえば環境アセスメント法案というものに対する、これは今国会初めからの当委員会の質疑、長官の所信表明、あるいは質疑に対するお答えということで進んできておりましたが、この環境アセスメント法案に対しても、われわれというか私は新聞に出ている範囲しかわかりませんが、どうなっておりますか。
  115. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) ただいまいろいろ御批判をいただきまして、不徳のいたすところであろうかと遺憾に思っております。  環境問題について、われわれの熱意、決意、それは断じて後退はしておらない。とかく新聞等にいろいろな点が出ております。私は、これについては、まあある意味で言えば、私はその問題点についての十分の把握不足からくる誤解というようなものがあるんだと、こう思います。よく後退というようなことを言われますけれども、一体何が後退であるかという、その実質の点でそういうことがあったかどうかという内容の議論なしに、そういう御批判は私は非常に残念だと思っておるわけです。  環境アセスメント法案については、ぜひこれを今次国会には出したいということで、文字どおり一生懸命になって努力してまいりました。問題は、この問題の持つむずかしさ、ことに日本のような先進社会において、しかも開発がいろいろな面についてそれぞれ独自の性格と多面的なものを持っているというような国において、そしてまた、そういう意味においてこれをどこまで統一的なものでやっていくかということについては、いろいろ国際的にもそれは議論のある問題であることは承知いたしております。しかしながら、アセスメント法というものが持ついわばこの三つの柱と申しまするか、事前に環境評価をやるということ。それから地域関係住民に十分に意見の表明の機会を与える、でき得べくんば、合理的な、適正な世論が反映するという制度を制度化する、さらにこの機会を与える。また、環境評価について一つの基準、そしてできれば統一した手法というものをつくり上げる。果たしてこの三つの問題というものに本当に環境庁が熱意を失ったかどうかという問題、そういうことの議論なくして、たとえば公聴会がなくなったのはそれは後退だというような、そういう批判は、これは願わくば私は避けて、もっと問題の核心でよくお互いに意見の交換をすべきものであると、こう考えております。  で、今度は、法案自身というものを出すに至らなくなったことは残念ですけれども、しかしながら、こういう点について国際的に見てもかなりこれはまちまちの、それぞれの国の特性に応じ、ことに大体ガイダンスというものを基準にして動いているような法案でございます。私は、わが国についても、それは意見があるということこれは無論でございますけれども、しかしながら、以上の三点についてのわれわれの努力、これで相当な私は今回は大きな進展を見たと確信をいたしております。  まあ他のことについてどうと申し上げることは差し控えたいと思いまするけれども、昨年あたりよりもずっとその点について大きな前進があって、おおむねこれを法案化というところまできておるというような判断のもとに最後までの努力をやったわけでございまするけれども、最終の段階において、まだ全部これを統一的な法律で規定するということについては時期尚早であるということ、あるいは、にもかかわらず、いろんな問題はあるかもしれぬけれども、地方における関心その他の点等からして、この際やはりこれを実行すべきだという議論、これが党内において初めは意見の対立がありました。いろいろその調整を図ったけれども、ついに一致を見ることができないというような状況のもとにおいて、この法案というものの提出ということをやるのは、これはそういう点において時期尚早であるということに相なりましたことは、私自身としては非常に残念であったと考えております。  ただ、党においてもこの制度の必要性ということに対する認識、これは党側の説明によっても明らかなように、この点の基本的な認識というものはちっとも変わっておらない。したがって、政府と党と一緒になって、ひとつそのような制度ということが実現していくことについて精力的に努力をしようという方針をもって臨もうということでございまするので、結局われわれとしてもその点は党の裁決ということに従いまして、したがって今後ともこの点については精力的にやるということで今日これに対処しようという姿勢と決意を持って臨まんといたしておるような次第でございます。この点についてどうかよく御理解を賜りたいと思います。
  116. 小平芳平

    ○小平芳平君 長官から大変詳しい御説明をいただきましたが、この環境アセスメント法案の国会提出を政府は断念したというわけですね、結局。今国会に提案することは断念したと。ある段階で断念したということ。その辺の新聞報道の記事内容では、まず山田長官、それから原参議院議員、それから信澤局長と出てまいりますが、いまここでそうしたことを詳しく質問し、答弁を願うわけではありません。私は、本題の瀬戸内海の法案についての質問をやることに関連していま伺っておきたいことを申し上げているわけですが、まず長官は、御自分の御意見としては、今回の国会提出を断念したという段階で、後退はしていないと、大変物事が前進したというふうにも聞きとれるようにいまお話しをなさっておられますが、少なくとも信澤局長は、去年も通常国会終わり間際に断念したんですが、ことしも通常国会終わる間際に断念したわけですが、去年とことしと比べて考えて、前進したと思っているかあるいは後退したと思っていらっしゃるか、その点はいかがですか。
  117. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) ただいまのお話でございますが、実は私は昨年は担当しておりませんので、昨年のこととことしのことを比較いたしますと、まあいずれにいたしましても身びいきな話を申し上げることになるかと思いますので、できるだけ差し控えさしていただきたいと思うわけでございますが、ただ、今回、いろんな事情がありましたにせよ、しばしばこの委員会におきましても、今国会中に提案し御審議をいただきたいと、こういうことを申してまいった立場から申しますと、大変申しわけない結果であるということは冒頭申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。  そこで、去年と比べてどうだったかということでございますが、去年それだけの下地があるわけでございますから、いわばそこを出発点として私は仕事をしてまいったわけでありますから、仕事の段取りとして前へ進んでまいったと、この事実は否定できないと思います。これはまああたりまえのことだというふうに思うわけでございます。  昨年は、御承知のように政府部内の調整がつかないうちにそのまま断念をしたと、こういう経緯がございます。今回も政府部内を完全にクリアしたわけではございません。わけではございませんが、少なくとも党の関係の部会で御審議をいただき、党の――与党の方でございますが、与党の政策決定機関のいろんな御検討の結果、いろいろな事情から今国会の提案は見合わせたらどうかと、こういうことで断念をいたしたわけでございますから、いわば手続とでも申しまするか、仕事のプロセスでは前に進んでいると、こういうふうに思うわけでございます。
  118. 小平芳平

    ○小平芳平君 仕事のプロセスとしては進んだということで、その説明は了解できます。了解できますが、中身は後退に後退、譲りに譲って、それでそこへ到達したということは、やっぱり新聞に出ているようなことですか。
  119. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 私どもは、案の段階で公表したこともございませんし、説明をいたしたこともございません。ただ、十数の役所を相手にいたしておりますから、案を配りますれば、いわゆるスクープをされるという形で、何回かは新聞記事に載っておりますけれども、過去大きなスクープとしては二回あったと思います。その内容を昨年までの案とお比べになって、たとえば先ほど大臣が申しました、公聴会の規定が落ちておりますとか、あるいは都市計画の事業については一部都市計画の手続によるとかということにしたことについて、これは後退であるという御批判があることは承知をいたしております。  しかし、私はそのこと自身ここでもって細々申し上げませんが、それはそれなりに法律的なあるいは実際的な意味があってやっていることでありまして、法律を出さんがためにいたずらなる、あるいは無原則な妥協をしたということではないというふうに思っておるわけでございます。  なお、いずれ時間をいただきますればそれらの点について御説明をさせていただきたいと思います。
  120. 小平芳平

    ○小平芳平君 山田長官としましては、総理大臣がまた自民党総裁を兼ねているわけですから、総理大臣がもっとこの環境アセスメント法案に対する積極的な姿勢があれば今日のような結果にならなかったのじゃないかというふうな考えは持ちませんでしたか。
  121. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) 無論、出なかったということについて、私もいろいろ反省しております。しかしながら、これはやっぱり環境アセスメント法というものそれ自体が日本の客観情勢の中において持つ、あるいは世界の中で持っている非常な問題のむずかしさというものを、いろんな形において、われわれとしてもう少しやはり十分こういうふうな検討を加えていけばよかったかなどという反省の点はなきにしもあらずでございまするけれども、あえて申し上げることを許していただくなら、いわゆる後退とか、骨抜きにしたとか、私はそういう考えでやってきているわけじゃないので、そこら辺、問題が起こったような点は今後、来年度熱意を非常に持っていくけれども、やっぱり国際的な経験、これに対処していく方針等も十分さらによく玩味しまして、関係方面に十分納得さして実のあるものに持っていかなきゃならぬと思っておりますし、そういうふうになし得るのじゃないかと、そういう考えで対処したいと、こう考えているのが今日の心境でございます。  まあわかりにくいかと思いますけれども、御理解をいただければ大変幸せに存じます。
  122. 小平芳平

    ○小平芳平君 環境庁長官、それはまあわかりにくいことでもあり、また話しにくいことでもあるかもしれませんが、要は、環境庁長官あるいは環境庁事務当局としての考えがあるわけです、環境に対する。そのことを関係方面に納得させると、そういう仕事をやったし、またこれからもやっていこうということをいま長官がおっしゃっていらっしゃるわけです。そこで、関係方面といっても、外国とかそういうような関係の方面じゃないわけですから、同じ内閣の中のことを言っているわけでしょうから、したがって、総理大臣あるいは自民党総裁が、与党の総裁がもっと熱意があってよさそうなものじゃないか。同じ内閣の環境庁の長官が、あるいは事務当局がこれだけ熱心にやったのだから、理解があってもよさそうなものだというような考えですね。  それからもう一つは、新聞に出ておりますのは、去年との大きな違いとして、今回の場合は、閣議で、断念した段階で山田長官から協力要請があった。しかし、去年の場合は、官房長官から協力の要請が各省に対してあったというところから見ても、ことしはまるで火が消えたような、去年よりも前進したなんという、作業としてあるいは実現に向かって前進したというような空気がまずないというような評価が伝えられておりますが、その二点についていかがですか。
  123. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) まあわれわれの決意、努力は先ほどから申し上げたとおりでございまして、繰り返して申し上げません。  さらに付加しての御指摘がございましたけれども、あるいはわれわれのPRの不足かと思っておりますけれども、実質的に、その決意と熱意はちっとも変わっておらぬという点はどうか御理解いただきたいと思います。
  124. 信澤清

    ○政府委員(信澤清君) 閣議のことでございますので、私が申すのはいかがかと思いますが、昨年は、先ほども申し上げましたように政府部内の調整がつかないその段階で断念をいたしたわけでございます。したがって、政府部内の調整があの段階における重要な問題でありましたから、そこで官房長官から、政府の中での調整を今後精力的に進めるという御発言をしていただいたという経緯でございます。今回は、やや口幅ったい言い方でございますが、政府部内につきましては、私は九分どおり話がついておったというふうに考えております。それだからこそ党の方にお持ちをして、そうして党の御審議をいただいたわけでございますので、さような意味から、むしろどちらかと申せば、それは物の考えようでございますが、やはり与党の方も今後党と政府が一体となって取り組もうと、こうおっしゃっていただいているわけですから、その点の御披露をする。それと同時に、私どもがなおこれについては努力をするということを閣議で御発言いただいたというふうに私どもは承っております。
  125. 小平芳平

    ○小平芳平君 それではいずれ機会を見てこの問題は伺いたいと思います。もう少し山田長官もはっきり言ってもいいじゃないですか、そんなに遠慮しないで。  それから次に、松山地裁で判決のあった沖浦漁港建設の差しとめを求める行政訴訟、これは住民側敗訴の判決があったというわけでありますが、で、私は判決の内容について説明を求めたり批判を求めているわけではございません。私がいま伺いたいと思いますことは、今回の瀬戸内海の法案の中の考え方としまして、環境権、入浜権というようなものに対する考え方を環境庁としてはどうとらえて今回の法律提案となっているか、その辺の考え方を伺いたい。
  126. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海の後継ぎ法、これを考えます際に、この後継ぎ法は、一般的な法律に対します一種の特別法ということになろうと思います。したがいまして、この法律で施策を考えます際に、一般的な法制に、瀬戸内海の特殊性ということにかんがみて許容される、そういう施策をオンするといいますか、付加する、こういうことで考えるべきものではなかろうかというふうに考えたわけでございます。  そこで、入浜権との関連ということでございますが、入浜権それ自体につきましては、その根拠なり内容等につきまして、具体的な権利として確立したものであるというふうには承知をいたしておりません。ただいま先生からもお話しございましたように、松山地裁での判決等も一応出たと、これが初めての司法の判断のようでございます。そういうことでございますが、今後ともいろいろな判例等が積み重ねられると思いますし、学説等もいろいろあろうかと思います。そういうものを見守っていくべきものであろう、かように考えます。  したがいまして、先ほど申し上げましたような瀬戸内海法の後継ぎ法の施策というものを考えます際に、入浜権というものとは全然別個に考えておるわけでございますが、この後継ぎ法の中に、自然海浜の保全という角度の地区指定等を行えるようなそういう条項を盛り込みました。これはとにかく瀬戸内海の自然海浜の中で、国民のレクリエーションの場ということで海水浴なり潮干狩り等に使っております海浜があるわけでございます。こういうものは今後とも末長く使っていくべきではないか。そのためには、そういう海浜を保全し、適正な利用を図っていくというような措置を考えるべきではないか、こういう要請がございますし、瀬戸内海の審議会からの答申等にもそういう面が触れられております。したがいまして、入浜権の問題とは別に、行政的手法によりまして瀬戸内海の自然海浜の保全及びその適正な利用を図るという観点で、自然海浜の保全の地区指定というような仕組みを法文に織り込んでおると、こういうことでございます。
  127. 小平芳平

    ○小平芳平君 裁判所の司法の判断と、それから行政的に、自然環境、自然海浜保全地区というものを知事が地域を指定することができるということですね。その違いはよくわかりますが、要するに考え方としまして、環境権、入浜権、そうした自然の海浜をそのまま保全する、あるいは地域住民がそこで楽しむということをいま直ちに法律上の権利として法律が認めているというわけじゃないんだという趣旨はよくわかります。そのとおり、御説明はわかりますが、考え方としまして通ずるものがあるのではないか、共通する考えがですね。その地域住民の要求、この環境を楽しんでいくという、自然海浜で楽しむことができるという、それを今日も、また将来子孫にまでも伝えていこうという考えですね、その辺の共通点について伺っているわけです。
  128. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 入浜権ということで、権利というようなことでいろんなお話がございますると、これは先ほど申し上げましたように、そういう権利というものが現段階において確立をしているというようなことは申し上げかねるわけでございます。ただ問題は、そういう入浜権というような動きもあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても瀬戸内海につきまして、自然海浜であって、しかもそれが国民のレクリエーションの場として使われておると、そういうところはそのまま保存し、末長くレクリエーションの場として適正な利用ができるようにする措置がほしいという要請があるということは、これは現実でございます。審議会の答申でも、そういうことを何か図る措置を考えるべきではないかということもございました。そういうことを踏まえて、先ほど申し上げましたように自然海浜保全地区制度を考えたということでございまして、何か要請といいますか、そういう気持ちといいますか、そういうものはそれぞれ背景にはあろうということは言えますけれども、権利という角度で物を考えました際には、そういう権利はいまの段階では判例等なり今後の学説の推移を見るしかないと、こういうことになろうかと思います。
  129. 小平芳平

    ○小平芳平君 もう一つ伺っておきたいと思いますことは、環境週間ということをこれは毎年、毎年というか、ここ数年のことですが、おやりになっていますが、ことしはどういうふうにおやりになるつもりか。
  130. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  環境週間につきましては、御案内のように、ことしが第六回目になるわけでございます。日にちは毎年決まっておりまして、六月五日から一週間ということになっております。今年はちょうど月曜日から始まりますので、日取りとしてはよろしいかと思っておりますが、ことしの行事全体といたしましては、特に目新しいことを考えているわけではございません。一般的に環境週間におきます表彰の行事であるとかあるいは広報活動、それから記念の講演会あるいは植樹活動等計画しておりますが、その基本といたしましては、本年はごみ汚染の問題を主としたテーマとして統一していこうと、かように考えております。
  131. 小平芳平

    ○小平芳平君 広報活動という中に、こうした新聞広告も考えているかと思いますが、この新聞広告は、要するに白紙を出しているんですね。この分は料金は幾らになるんですか。こっちだって、白だって入るんでしょう、もちろん。
  132. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。  先生ただいまお示しいただきましたように、昨年の新聞広告につきましては、記事下七段のスペースを白紙といたしまして、その下部に、「余計なものが多すぎませんか、日本の環境。」と小さな印刷をしたということでございます。費用につきましては、この予算は総理府の予算でございますが、聞き合わしましたところ約二千五百万円であったと聞いております。  本年は、やはり同じスペースを使わしていただきまして、先ほど申し上げましたごみの問題を取り上げまして、特にレジャーにおけるごみの汚染と申しますか、それをテーマにいたしまして、ごみを持ち帰りましょうといったようなことを訴える内容を現在検討しているところでございます。
  133. 小平芳平

    ○小平芳平君 山田長官、これは去年のことですから、いまの長官には関係ないことですが、この広告はどう思いますか。
  134. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) まあ去年のことでございまするので、何ともいま申し上げかねると思いますけれども、いろいろな広告の手法というか、いろんな考え方がございまするので、その是非については、今日の批判はちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
  135. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃ官房長はどうですか。
  136. 金子太郎

    ○政府委員(金子太郎君) 昨年も官房長をいたしておりまして、この広告が決まったときに若干タッチいたしておりましたので、そのときのいきさつを申し上げますと、内部でも白紙同様でおかしくないだろうかとか、あるいは印刷漏れと誤解されないだろうかとか、いろいろな、いわば常識的な議論が総理府の中でも出ましたけれども、石原前長官の御意見として、国民への問いかけとして自分の環境を一人一人が見直すという意味合いからこういうやり方がいいんじゃないか、こういう御判断がございまして、こういうふうに決まったように記憶いたしております。
  137. 小平芳平

    ○小平芳平君 じゃ、まあ官房長としては大変いい広告であったということですか。
  138. 金子太郎

    ○政府委員(金子太郎君) 私も広告については素人でございますので、余り自信はございませんが、毎日毎日洪水のようにたくさん広告が出ていく中で、なるべく多くの人に見てもらいたい、そして気がついてもらいたい、こういうことが広告の一つのねらいであるとすれば、まあ言葉は悪いんですが、奇抜さというようなものも広告にとっては必要な要素ではなかろうか。したがいまして、これは環境週間のポスターも同じでございますけれども、最近政府が出しておりますいろいろなポスターの傾向といたしまして、なるべく人目を引くような、意表をついたようなポスターを考えるという流れにこの二、三年なっておりまして、大体その大きな流れにも沿っているのではなかろうかというふうに判断いたしております。
  139. 小平芳平

    ○小平芳平君 いま、人目を引くことが広告の眼目という御説明はよくわかりますし、またそうだと思いますが、いかんせん目は引いても何も書いてないわけですね。  これはこれとしまして、長官、ことしの抱負はどうですか。
  140. 石渡鷹雄

    ○政府委員(石渡鷹雄君) ちょっとその前に、事務的にお答えいたします。  ことしのねらいと申しますか、構想といたしましては、やはりレジャーにおけるごみの持ち帰りということを内容に考えておりまして、昨年のような奇抜さはちょっと自信がないのでございますが、それなりの効果を上げるようにということで、現在作業を進めておるところでございます。
  141. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) 環境問題というものは、われわれの身近な環境というものを少しでもより快適に、そしていろいろ他のことを十分考慮に入れてそして取り組むべきだと、そういう意味における一般の国民の理解というものが必要なんだというような意味で、まあテーマとしていろいろ考えてことしはやりたいと、こう思っておるようなわけでございます。
  142. 小平芳平

    ○小平芳平君 では次に、総量規制について伺います。  この点についてはもう何回も質問が出ておりますので、結論だけ伺いたいわけですが、まず第一に、総量規制に直接関係がないですが、混合処理ですね、午前中にもありました下水道の混合処理。この下水道の混合処理は活性汚泥法による有機物の処理が目的であって、重金属等が排出されるであろう工場排水を、同時に一緒にまぜて混合して処理することは適当ではなかろうという意見があるわけですね、現実に。これについては、どう思っているんですか。
  143. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 先生の御指摘にございましたように、下水道は、生物処理を中心とします有機物の除去ということでございます。したがいまして、重金属等を含む下水は、この処理法では処理が困難な面がございまして、そのまま入りますと処理作用に支障を与える場合もあるわけでございます。これにつきましては、午前中にもお答えしましたように、そういった下水道で処理することが困難な物質、あるいは下水処理に支障を与える物質につきましては、処理に支障のないように除去をいたしまして下水道に受け入れて、終末処理場で効率的に処理するという考え方でおるわけであります。そのために、工場排水につきましては、そういう悪質な下水を下水道に排除しないように、除害施設の設置を励行させて、また厳重な水質監視と規制を行うことにより対処していきたい、こういうふうに考えております。
  144. 小平芳平

    ○小平芳平君 そういう御答弁が繰り返してあるわけですが、そうしますと、工場としましては、そうした有害重金属は除去するわけです、まず第一にね。除去して、従来は公共用水域に流していたものを今度は下水道へ流し込むわけです。今度は下水料金を払うわけですね。そうすると、工場としてはどういうメリットがあるわけですか。
  145. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 工場といたしましては、重金属につきましてはそういうことでございますが、下水道の終末処理場で処理が適当な有機物につきましては、自分のところで処理して、公共用水域に出す場合よりもゆるやかな基準で出しまして、それで下水道の方で処理してもらえると、こういうメリットがあるわけでございます。
  146. 小平芳平

    ○小平芳平君 ということは、重金属の処理をゆるやかにするとか、あるいは全く処理をしないで流しても下水道で処理ができるというケースですね、いまお話しのケースは。そういうケースだけじゃないわけでしょう。そういうケースだけじゃなくて、流してはいけないというたとえば水銀その他の重金属は、完全にその工場が処理して、そして流出しないように処理の上下水道へ流すわけでしょう。そうすると、何らメリットがないじゃないですか。メリットがないだけじゃなくて、下水料金払うだけ余計に経費がかかるわけでしょう。
  147. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 工場によりますけれども、一般的に、そういう重金属物質を含んでおります場合にも、浮遊物質とか有機物質も同時に含んでいる場合が非常に多いわけでございます。そういったものにつきましては、重金属部分については一定基準以下に抑えなければなりませんけれども、有機物質なり浮遊物質、そういったものにつきまして下水道で処理するというメリットがあるわけでございます。
  148. 小平芳平

    ○小平芳平君 ですから、いま課長さんの二回にわたる御説明は、私はよくわかりましたと言っているんです。ただ、完全に処理しなくては、公共用水域なり下水道なり、いずれにしても流してはならない重金属があるわけでしょう。そういう重金属は、完全に処理をした上でなおかつ下水料金を払って下水道へ流すということは、全く経費が余分にかかるだけのことである、これはこのとおりでしょう、説明としては。いかがですか。
  149. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) 重金属部分に関しましてはそうだと思います。
  150. 小平芳平

    ○小平芳平君 そこで、午前中にもありました監視体制が大丈夫かというわけです。それこそどこの工場もあるいは係官もすべて善意の人ばかりで、従来行っていたような、重金属処理は完全に行う、なおかつ下水料金払って下水道へ流します、そこで従来と同じように全く処理に手抜かりがないという保障があるのかどうかということを問題にしているわけですが、いかがですか。
  151. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) この点につきましては、従来からもいろいろ努力はしておるところでございます。制度的には、先生御承知だと思いますけれども、昭和五十年に下水道法を改正いたしまして、そういう有害物質を直接出す特定施設につきましては、水質汚濁防止法と同じような規制が行われるようになりました。具体的には、一つは直罰制度の導入、そういう基準違反があった場合には直接罰則がかけられるということ。もう一つは、事前チェック制度。そういう特定施設を設ける場合には、あらかじめ計画を出してもらいましてそこを事前にチェックをするというような制度、こういったものを設けております。で、現在のところ、法律が施行されまして間もない期間でございますけれども、そういった法律改正の趣旨に沿いまして、その法律が単なる形だけにならないように努力しているところでございます。
  152. 小平芳平

    ○小平芳平君 次に、いま申し上げるような下水道に流入するという工場排水に対しては、総量規制との関係はどうなるかということです。それは、指定水域の指定地域でCOD削減が決まっているという場合、その場合に、下水道へ流入する場合とそれから公共用水域に排水するという場合に違いがありますか、どうですか。
  153. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 工場から有機汚濁、たとえばいま先生からお話しございましたCODの関係等を含むそういう汚水を公共用水域に排出をする、それからもう一つは下水道の方に排除をするという場合、そこがどう違うかということになるわけでございますが、先ほども建設省の方からお話しございましたように、このCODといいますものは、これは有機汚濁の指標でございます。したがいまして、下水道に排除をします際には、CODというのは相当、一般的な排水の基準よりは緩やかなものになろうかと思います。それを下水管に排除をする、で、下水管を伝わってだんだん流れてまいりまして終末処理場にたどりつくわけでございますが、その終末処理場におきまして生物処理といいますか、活性汚泥法等の処理をいわゆる二次処理といいますか、それでやっておるのが現在の姿でございますが、これでいきますと、一般的な排水基準といいますものよりももっとCODの下がった、そういう一般的な排水基準よりもむしろ下がったような姿で放流水が出るというのが一般の通例でございます。したがいまして、公共用水域に排除するときも、これも一律の排水基準というのがございますけれども、まあ県によりましては上乗せでやっておるという場面もございますが、上乗せをやるということになりますと、当然下水道の終末処理場も水質汚濁防止法上の特定施設ということにいたしておりますので、それはその厳しい上乗せの排水基準のCODなりあるいはBODなり、そういうものの基準を満たすということでないと処理水の放流ができないということになっておるわけでございます。したがいまして、内陸の工場におきましては、下水道の終末処理場で最終的に相当処理されるということでございますので、一般的な公共用水域の排水処理基準よりも緩やかな姿のものを下水管に入れられるということがあり得るわけでございます。CODについてはそういうことでございます。
  154. 小平芳平

    ○小平芳平君 先ほどの建設省の説明といい、いまの説明といい、下水道に流す場合は一般的に公共用水域に流すものよりも濃度の高いものが当然流れ入るだろうというふうに言われるわけですが、それがどうもわからないわけなんですね。要するに、下水道ができたと、工場排水はその下水道へ流せばいいんだということになれば、従来は厳しく排水規制がかかっていたのが緩くなるんだという御説明をしているんですが、どのくらい緩くするのか。  それから、私がいま直接伺いたいことはこういうことなんです。総量規制が特定水域の特定地域に実施されたという場合に、その特定地域において、総量規制の対象事業場になったその特定の施設が、下水道が敷設された場合には総量規制の枠から外されるのかどうかということです。総量規制ですから、原因者別に規制をしますね。それで総量を規制しようというわけですが、その場合に、公共用水域に排水していれば当然総量規制がかかる工場が、下水道へ流すがゆえに総量規制から外れるのかどうかということを伺っているわけです。
  155. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 内陸の工場が、川なら川という公共用水域に汚水を排出をするということになります際に、その工場が「指定地域内事業場」ということにこれはなるわけでございます。ところが、その工場のところに下水管が延びてきたと、そこで、川に排出するのでなしに下水管に排除をするということになりますと、これは水濁法の「特定施設」の方から外れます。先生おっしゃるように外れます。そのかわり、その下水管に流れた水が、流れて行きまして下水道の終末処理場で処理をされるわけでございますが、その下水道の終末処理場が水質汚濁防止法に言う「特定施設」ということになり、総量規制が実施されれば「指定地域内事業場」ということで、その終末処理場が総量規制基準の適用対象になる、こういう仕組みになっております。
  156. 小平芳平

    ○小平芳平君 わかりました。そうしますと、結局こういうことになりますですか。下水道の敷設が一〇〇%になった場合には、一〇〇%もう下水道ができ上がったというそういう場合には、公共下水道の終末処理施設だけが総量規制の対象になるのであって、個々の事業場の排水は総量規制から外れちゃうと、要するに総量規制の対象は終末処理場だけになる。一カ所だけになる。あとはどれだけ工場があって排水をしてもそれは総量規制からは外れると、こういうことですか。
  157. 島田隆志

    ○説明員(島田隆志君) 下水道の普及率一〇〇%といいますのは、処理人口に対しまして、それを完全に下水道の方に取り入れるかどうかということをもって――普通普及率というのは処理人口に対してどれだけいま下水道に取り入れているかということで言っておるわけでございますが、これはあるいは建設省の方からお答えいただいた方がいいかもしれませんが、工場、事業場が、下水道が一〇〇%になったからすべて下水道の方に入るということじゃございませんので、下水道は主として生活排水だとかあるいは中小企業、そういうものを取り入れるということで、すべての事業場が下水道の方へ取り入れられるということではない。したがいまして、下水道に入りましたものにつきましては、先ほど局長が申し上げましたように、「特定施設」から外れますので、これは下水道法の方でいろんな規制をやっていただくということになるわけでございますが、それ以外の、下水道に入らない工場、事業場は依然として水質汚濁防止法の対象になるということでございます。
  158. 小平芳平

    ○小平芳平君 もちろんそうですよ。それは下水道へ入らない家庭用排水とかあるいは下水道へつながっていないところの工場排水とか、これは終末処理場に行くわけないですよ。ただ、ある地域が指定しましたと、その地域は工場も家庭用排水も――家庭用排水はいま言っているのじゃないわけです。工場はすべて下水道へつながっていれば、それは総量規制は終末処理施設にかかるだけだと、これはこのとおりでしょう。
  159. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 先ほど課長が申しましたように、現実問題として、内陸の工場が全部一〇〇%下水管に入れるかどうかという問題は、これは現実問題としてはいろいろあろうかと思いますが、その現実問題は別にして、仮に、そういうような一〇〇%下水管につなぐということがあるとすればどうなるかということになりますれば、それは、下水管に入ったところの工場の方は水質汚濁防止法の「特定施設」という角度での規制はございませんで、むしろ終末処理場が水濁法の対象になる。したがって、総量規制の場合も、終末処理場が「指定地域内事業場」ということに相なると、こういう仕組みにはなるわけでございます。
  160. 小平芳平

    ○小平芳平君 そういう仕組みから考えた場合には、許容限度量を算定するという場合にも、また、許容限度量を施設に課する場合においてもそういう総量規制をかけられる。したがって、厳重な設備をやらなくちゃいけない、総量規制がかけられたがゆえに厳重な設備をやらなくちゃいけないというものは、公共下水道の終末処理施設だけがそれをかぶるのであって、一般の企業はそういうのをかぶらないで済むということでしょう。
  161. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) たとえば、CODというものを当面考えておりますが、その際、総量規制でいきます際に、工場、事業場に着目すれば、まず一つは臨海の工場がございます。この臨海の工場は、下水管にどうというよりは、臨海でございますから直接的に公共用水域である海域に汚水を排出するということになろうかと思います。問題は内陸の工場でございますが、そういう内陸の工場、事業場といいますものが河川という公共用水域に汚水を排出をしておるというのが、それが先ほども申し上げましたように、総量規制という姿でもしも下水道が延びていきますれば、今度は下水管に入れるということになります。  そこで、今後この目標値等を設定をするということが必要になってまいるわけでございますが、目標年度というのはおおむね五年先ぐらいを目標年度と考えてCODについて目標値というものを出そうと、こう思っておるわけですが、その際に、下水道の普及の見通しというようなものも念頭に置いて考えていくということもあるわけでございます。したがいまして、どの地域が今後下水管が延びていくか、そうするとそこの工場の分は下水道の方に振りかわる、まだ延びていってない、五年先にまだ下水管がいってないというところは、これはCOD一日当たり何キログラムという割り当てがいく。下水管に入れたところはまとめて終末処理場に、一日当たりCOD何キログラムという――許容量といいますか、がいくと、こういう計算のしぶりに相なるというわけでございます。
  162. 小平芳平

    ○小平芳平君 きわめて慎重なる、また御丁寧なる御答弁ですが、はっきり申しまして私が先ほど指摘していることなんでしょう、結論は。要は、総量規制がかかりましたと、したがって総量規制がかかったということは、どこかで汚濁物質を減らしなさいということが入るわけですよ、考えの中に。いや、汚染物質はそのままでもいいし、ふえても一向構わないというような状態の総量規制というのはちょっと想像つかないわけなんです。総量規制がかかります、で、ここで許容限度量の算定をしますという場合には、とにかく汚染物質を減らすということが前提にあると思うんです。  さて、汚染物質を減らそうという、その設備をする、金をかけるということは、下水道の終末処理施設だけがかぶるのであって、それは企業から下水道料金徴収すれば合うかもしれませんが、本来なら企業がそこですぐ施設をつくらなきやならないのが、下水道が延びてきたために自分の方では施設はやる必要ないんだ。したがって、この目標値に違反するとかそういうこともなくて済むんだと、そういうことでありましょう。
  163. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) ですから、要約して申し上げますと、結局下水道は、これは一般家庭からの要するに家庭排水というのは取り入れるというのはもちろん当然でございますが、そのほか内陸の中小企業工場からの排水、汚水、これを取り入れるということになるわけです。したがいまして、一つの物の見方からすれば、そういう中小企業等についての有機汚濁物質の共同処理施設、これが最後の下水道の終末処理施設だというようなファンクションといいますか、そういう側面もあろうと思います。  もちろんその終末処理場をつくる、下水管を延ばす、これには相当お金がかかります。したがいまして、中小企業等におきましては当然先生ただいまおっしゃるように下水道料金というものをこれは支払うと、こういう仕組みになっておるということと理解をするわけでございます。
  164. 高橋進

    ○説明員(高橋進君) ちょっと補足させていただきたいと思いますが、先生おっしゃいますように、下水道料金をもってその特定施設の工場排水の処理に要する経費を取るわけでございます。その場合、建設省といたしましては、たとえば水質使用料金とかあるいは累進使用料の体系とか、そういったものをとることによりまして、汚染者負担の原則という方向で料金体系の中に組み入れるように指導しておるところでございます。
  165. 小平芳平

    ○小平芳平君 とにかく、先ほど来申し上げているように――こんなに時間がかかって、もう私の持ち時間なくなってしまったのですが、企業に甘くそれから下水道事業を分担している地方公共団体にしわ寄せがいくことのないようにということを私は強く主張いたしておきます。  そこで、ついでですが、先ほど来申し上げる許容限度量の算定ということは、これは地元、たとえば地域住民とか被害者団体とかあるいは専門的な学者、そういう方の意見が反映できる仕組みになるかどうか、それが一つであります。  それから、大変評判が悪いのは、四十七年の二分の一に汚濁負荷量を減らすということを削除したということ、これはきわめて後退ではないかと、後退につながりはしないかという批判がありますが、以上二点について伺いたい。
  166. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) それでは、二点の御指摘でございますが、まず後段の方から申し上げますと、現在の臨時措置法第四条に、産業系排水に係るCOD二分の一カットの措置がございます。この措置につきましては、三年経過した五十一年の十一月で確認調査をやりました結果、一応割り当て量等も超過達成しておるという姿になっておるわけでございます。で、今度、瀬戸内海を初めとして広域的な閉鎖性水域を対象に総量規制というものを導入をしようという際に、現在は産業系排水に係る二分の一カットだと、今度は総量規制という話になりますと、産業排水は当然これは入ります。入るほかに、生活系の排水というようなものも対象にしていこうということでございます。したがいまして、そういう総量規制制度というものは、少なくとも瀬戸内海については、この法案が成立すれば、政令の指定とかというようなことを待つまでもなくこれは総量規制は必ず実施をするという仕組みにいたしておりますので、産業系排水の二分の一カットの措置を削除をしたわけでございます。私たちの感覚としては、むしろ従来の二分の一カットの措置を発展的に解消をしたと、こういうふうなつもりでおるのでございます。生活系まで広げてやっていくということでございますから、そういうことでむしろ発展的に考えたと、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、第一点の、許容限度というようなものを決めるのに、住民の意見とか、いろんなそういうような何かあれがあり得るかということでございますが、これは総量削減基本方針といいますものを内閣総理大臣が決めます。内閣総理大臣が決めます際には、これは対象水域ごとに決めます。ですから、瀬戸内海なら瀬戸内海、東京湾なら東京湾という全体を相手にいたしましてCODの総量を決める。その際に、発生源別にも瀬戸内海は産業系は一体COD幾らと、それから生活系では幾らという、そういうような目標を決めるわけでございます。それから県別のを決めます。これは内閣総理大臣が決めるわけでございます。その県別のものが今度知事さんの方におりてまいります。そういたしますと今度は知事さんが総量規制の削減計画を策定をするということになるわけでございまして、そのときには当然その県のCODの全体の量を幾らに五年後には持っていこう。そのときは生活系、産業系その他はどうなるかというようなこと。またそれを実現するための方途、削減するための方途、これもいろいろ、生活系排水の場合はいまみたいな下水道という問題ございます。産業系の場合はまた別なやり方があるのかもしれません。そういうようなことで、削減の方途というようなものも示すということで物を考えるわけです。  で、問題は、先ほども先生から御指摘ありましたように、具体的に目標量は決めるんですが、この目標量の中には、たとえば生活系であれば、下水道や何やに入らない、ややたれ流しになっておる家庭雑排水のCOD分も全部入ります。五年後に下水道一〇〇%になりっこございません。したがいまして、たれ流し分の家庭排水の分も入ります。そういうのが目標量でございます。ですから目標量そのものは、これは知事さんが達成義務があるわけでございます。  問題は、その目標量の中に、総量規制基準というものがかかるものと、それからかからないものとに分かれるわけでございます。規制対象にかかるというのは、先ほど申し上げました、生活系であれば下水道の終末処理場、こういうものがかかります。工場であれば一日の排水量が五十トン以上――これはまだ法律事項じゃございませんけれども、一応いま考えていますのは、日量五十トン以上の汚水を流すところという工場、事業場を対象に考えておるわけでございます。そういうところが規制かかる。それ以下の五十トン未満のところは、これは知事さんの指導、助言、勧告という、そういう行政指導ベースで極力減らしてくださいということで、野放しじゃなしに、行政指導もやっていくということで、そういうことで総体的な目標量を達成しよう。  問題は、許容量という話になりますと、これはまさにその総量規制基準がかかる規制対象のところについては、その許容量が、〇〇鉄工所、何々工場ということになれば、その事業場全体として一日当たりCOD何キログラムと、こういう許容量が設定をされるということになるわけでございます。そういう関係に相なります。  で、その過程におきまして、まあいろいろ、内閣総理大臣が決める際に知事さんの意見を聞くとかあるいは公害対策会議の議を経るとか、知事さんが決める場合にも市町村長の意見を聞くとかあるいは内閣総理大臣の承認を得るとかいうような仕組みはございますが、直接的に、住民の方の意見をその目標量を決めるとかいうようなときに反映させるかということになりますと、これは個々の住民の方などに直接的な利害関係があるという話でございません。間接的にはもちろん大いに関係あるんですけれども、何か開発行為等でもやってその関係ですぐ直接的に利害関係が環境保全という角度で影響があるというようなものとも違いますので、直接的な住民参加といいますか、そういう仕組みは構成をいたしておりません。とっておりません。
  167. 小平芳平

    ○小平芳平君 終わります。
  168. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕
  169. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 速記を起こしてください。
  170. 馬場富

    ○馬場富君 私は、法案の関係から二、三点質問いたします。  最初に、本法案の第三条の第一項の趣旨について説明してもらいたいと思います。
  171. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海法の関係の方の第三条かと思いますが、瀬戸内海法の第三条、これは「瀬戸内海の環境の保全に関する基本となるべき計画」という規定でございます。実は、臨時措置法の段階におきましても第三条というのがございまして、臨時措置法の段階で、この基本計画の策定というものを去る四月の二十一日やったわけでございますが、さらにその後も基本計画の策定なり改定というようなものも必要であろうということで後継ぎ法と申しますかこの法律におきましても、   〔委員長退席、理事原文兵衛君着席〕 第三条ということで、この「基本となるべき計画を策定しなければならない。」という規定を織り込んでおきますとともに、その他、策定なり変更の手続それから「府県計画」というようなものも規定をしたわけでございます。ただ、この「瀬戸内海が、わが国のみならず世界においても比類のない」云々という、こういう物の考え方といいますか、思想といいますか、これは当然受け継いで、今後とも基本計画なり府県計画の策定に当たっていくと、こういうことでございます。
  172. 馬場富

    ○馬場富君 いま御説明ございましたけれども、この三条の第一項については、やはりこれはこの法案の実質の目的とも言うべき点ではないかと、私はそのように理解するわけです。  そういう点で、この法案の項目の関係からして、現在瀬戸内海の環境基準の達成状況と現実ですね、どのように浄化されてきたかという、そういう数字の点について少しお示し願いたいと思います。
  173. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) まず一つお答え申し上げますと、瀬戸内海の水質といいますものにつきましては、特にCODについては二分の一カットの措置というようなことを講じたこともございまして、四十七年当時一・八PPmというのが、一・六PPmというのが五十一年の値でございまして、そういう面では改善の傾向が見られるというふうに考えております。  なお、環境基準との関連でどうかというお話でございますので、環境基準の達成状況ということで申し上げますと、この瀬戸内海につきましては、海域が広うございますので、百五十幾つの水域に区分をいたしまして、その現在及び将来の利水目的というものも念頭に置いて環境基準の当てはめをやっております。ここはA水域とかB水域とかということをやっておりますが、それの達成状況ということで、一番新しい数字としては五十一年度の数値がございますが、これで見ますというと、環境基準を当てはめた水域の全体の中で七二%は環境基準を満たしておると、こういう姿になっておるわけでございます。
  174. 馬場富

    ○馬場富君 そこで、先ほどもお話ししましたように、この条項は目的的なそういう内容でございますが、ここにはもうこの状況から推しますと、最もきれいな海が想像されておるわけです、この三条の第一項についてはですね。それでいきますと、現在のこういう環境基準の立場からいきますと、この水域類型別の環境基準がこれは達成したとしても、これはこの三条の一項に言わんとする、その海の美しさからいったら、この基準ではやはり十分ではないんじゃないかというふうに私はこれをとるわけですが、どうでしょうか。
  175. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 水質保全行政の目標といたしましては、水質環境基準の達成維持ということでございます。現在当てはめておりますものについて、先ほど申し上げましたように、瀬戸内海についてはまだ七二%の達成率ということでございます。したがいまして、これを何とか全面的に達成をしようと、一〇〇%達成をしたいというのがわれわれの悲願でございます。したがいまして、従来の濃度規制というようなことでやったもののほかに、今後は瀬戸内海については新たに総量規制というものも従来の施策にオンしまして、このCODの一〇〇%環境基準達成ということに向かって邁進したいと思っているわけです。  で、問題は、これは簡単に達成できるかどうかというのは非常にむずかしい問題あるんですが、これを今度達成したということになった際に、   〔理事原文兵衛君退席、委員長着席〕 さらにこの三条の瀬戸内海というものの特殊性といいますか、から見まして、いま当てはめておる環境基準の達成だけでもう事足りたということでおしまいになるのかどうかということにつきましては、その達成された後におきまして、さらにより厳しいといいますか、より上ランクの環境基準に当てはめをもう一回見直すかどうかということがやはり一つの現実的な問題というか将来の問題かもしれませんが、こういう一つの瀬戸内海に対する環境保全の哲学といいますか、これに照らしてさらにもっと上位の類型当てはめをやっていくということが必要になってくるんではないか。したがって、その際にはその辺の見直し問題というのが具体化する。ただ、いつかはちょっと私もわかりませんが、当面は、現在の当てはめたものを何とか一〇〇%へ持っていきたいというのが当面の目標でございます。
  176. 馬場富

    ○馬場富君 私が聞いておるのは、三条の一項というのは、読んでいただいてもわかりますけれども、「瀬戸内海が、わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであること」というような文句が使ってあるでしょう。そうすると、現在の瀬戸内海の環境基準のA、B、Cランクというのは、もうかって死の海のように化した瀬戸内海を一定のレベルまで持っていくための私は基準ではなかったか、そういうA、B、Cランクではなかったかと、こう考えるわけです。そうした場合に、やはりここで、現在七二%達成されておるから一〇〇%達成するまでがんばるというお気持ちはわかりますが、そういう点で、この法の趣旨からいったならば、先ほども出ましたけれども、CからBへ、BからAへと、そういう環境基準のランクアップというものをやはりここらあたりで見直すべきときがきておるのではないかという点のお考えをひとつはっきりと長官からもお願いしたいと思うんですが。
  177. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 現在瀬戸内海で百五十幾つの水域に区分けいたしまして環境基準の当てはめをやっておりますが、この当てはめをやります際は、たとえば漁業の面からの利水あるいは自然景観の保護という観点からの利水、いろんなそういう利水目的というものを頭に置いて設定をした。ただその際は、これ環境基準でございますから、望ましい行政目標ですから、現状がこうであるから現状是認ということでなくて、やはり将来の利水目的、さらに瀬戸内海というものが、ただいま先生が読み上げられたようなそういう瀬戸内海の環境保全のあるべき哲学といいますか思想があるわけでございますから、そういうことも頭に置きながら各県において環境基準を設定したと、かように理解はします。  しかしながら、これが一〇〇%完遂したらそれで事足りるかということにつきましては、やはりこういう規定もございますので、その際にはその段階でまた具体的に、上位ランクの方にどう見直していくかということが、こういう思想に照らして具体的な問題として日程に上るということがいずれくるでありましょうと、またそうすべきだという考え方も持っております。
  178. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、現状の環境基準のランクについでは、将来ともやはり上昇させる考えがあるというふうに理解してよろしゅうございますか。
  179. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) これはA類型なりB類型なりということで、類型当てはめをやっておりますから、具体的な見直しという段階が将来万一くるとすれば、またその時点において、そのときのまた利用形態というものも頭に置いて果たしてどこまでを目標にしたらいいか、これは目標でございますけれどもやはり厳に飾っておくものじゃございませんから、環境基準というものは、これは行政目標として達成するのが望ましい、そういう基準でございますから、そういう角度でものを見て、これは全面的に全部総上げになりますか、それはわかりません。地域ごとによって、この海域はもっとBからAにできるとかこれはCからBにできるとかというような、またすべきであるとかということのいろいろな議論の結果決まると思いますが、一〇〇%達成になれば、やはりこういうものの考え方から、見直しというもので上位ランクの方に、すべてAかどうかは別として、見直しをやるべきではないかと、こう思います。
  180. 馬場富

    ○馬場富君 もう一点は、先ほどもちょっと言いましたが、説明の中に漏れておりますけれども、現在のランクが、この三条の一項に示されておる、想定されておる、そういう水の美しさと現在の基準のランクとは食い違いのあることは、どうですか、認めてみえますか。
  181. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) これは、瀬戸内海の関係は、先ほど申し上げましたように、百五十幾つの水域に分けて類型指定をやっておるわけでございますが、問題は、四十八年十一月施行になりましたこの法律以前に当てはめたところもあろうかと思いますし、その以降当てはめたものもあろうかと思います。いずれにいたしましても、環境基準の当てはめという際には、この瀬戸内海臨時措置法ができる前におきましてもやはり瀬戸内海というのは国立公園であることも間違いございませんでしたし、漁業資源の宝庫であることも現実でございますから、十分県の方もそういうことも頭に置いて当てはめはやっておられたというふうに考えます。そういうことで、その間に大きなそごといいますか、はあり得ないんではないかというふうに考えております。
  182. 馬場富

    ○馬場富君 その点がちょっとぼくは納得できないんですけれども、この三条の一項というのは相当きれいな海水ということが想定されておるわけですよ。ランクでいったらたとえばどんなような水にしたいと初め考えてこの条文を設定されましたか。
  183. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この法律は議員立法で全党一致で成立を見たわけでございますが、そのときに、この瀬戸内海の環境保全といいますものについての思想といいますか、哲学といいますか、そういう高邁な精神をこの三条でうたい上げておるというふうに理解をいたしておるわけでございますが、ただ、水質ということになりました際に、具体的に臨時措置法でございますのは、この第四条で、「排出水の排出の規制の強化」ということで、先ほど来お話がございます、産業系排水に係るCODの二分の一カットというのがございます。これも「四十七年当時の二分の一」ということで書いてございますが、問題は、結局排水の状況、姿といいますもの、あるいは公共用水域の水質の状態というのがどうかというデータ的な面から見ますというと、この四十七年といいますか、このころのが一番何といいますか、全体的に把握できるものでございます。要するに、水濁法が四十五年の公害国会で成立をして四十六年から施行になりました。そういうことでございますので、四十七年ぐらいが一番数値的にはとらえられるということでこれの二分の一カットと、こう規定されたのではなかろうかと、こう思います。考え方としては、四十七年当時の半分にすれば、あるいは高度成長前の相当のいいときの姿に返るんではないかという一応の予測といいますか、期待といいますか、そういうものもあって、あるいは四条の規定の書き方をこうされたのかもしれません。いずれにいたしましても、先生おっしゃるように、三条なりのものの考え方からすれば、相当のきれいな姿というものを頭に置いたことは事実でしょうけれども、数字的なもののあれとして、じゃこれが何PPmであったかということは、やはり四十七年以降ぐらいでないと、全体的のものとして物の言えるデータがないということだと思います。
  184. 馬場富

    ○馬場富君 局長は、先ほど私への答弁の中で、現在の環境基準に瀬戸内海が満たされた場合、なおかつ次の目標に向かって、これは見直しもするし前進をするとおっしゃったでしょう。だから私は、そういう意味で三条の一項というのはやはり現在の環境基準からすればもっと上のランクづけを指さしておるものだと。現在のを一〇〇%完遂したとしても、それ以上のものであると私は思うんですよ。だからそこには食い違いがあるわけですね。そういう点でひとつ見直しを訴えたわけですけれども、その点はそう理解してよろしゅうございますか。
  185. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) ですから、先ほど来申し上げておりますのは、この三条に書かれております高邁な思想といいますか、哲学というものに照らして、瀬戸内海というものの環境保全、特に水質保全を図っていくべきであろうと、こう思うわけです。  ただ問題は、その際に、現在当てはめております環境基準、これ自身がこういう高邁な物の考え方と相当大きな乖離があるのかということになりますと、それは、瀬戸内海の臨海県の知事さん方がそれぞれ利水目的等、あるいはこういうような物の考え方を踏まえて当てはめておりますので、そう大きな乖離はないんじゃないか。ただ問題一は、それが達成したらもうこれでいいのかということになれば、やはりこういう高邁な思想があり、またそうあるべきだと思いますので、それはその段階になれば、具体的な問題として上位ランクに上げるということでの環境基準の当てはめの見直しということは当然出てまいりましょうし、またそうあってしかるべきであると、こう思うわけでございます。
  186. 馬場富

    ○馬場富君 まあ明快な回答ではないけれども、理解いたしました。  次にいきますが、第四条全体のそこに含まれた意味をひとつ説明してもらいたいと思います。
  187. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 第四条というのは今度の後継法の第四条ということかと思いますが、そういたしますと、これは、瀬戸内海の環境の保全に関する府県計画しということになるわけでございます。で、この規定を入れましたのは、基本計画というものを国べースでつくるわけでございます。つくりますが、臨時措置法では、国ベースでつくるだけで、府県計画の策定というような規定は何もないわけでございます。しかし、今後臨時の法律でない、言うなれば後継法ということで物を考えるということでありますれば、国が基本計画を立てたら、さらにそれを府県ベースにブレークダウンして、そして各県の知事さんの段階におきまして、基本計画に基づきながらその県として瀬戸内海の環境の保全に関して実施していこうというような施策、こういうものを「府県計画」という形で定めていただきまして、この計画にのっとってこの達成に邁進をしていただこうというふうに考え、そのような仕組み方をしたわけでございます。
  188. 馬場富

    ○馬場富君 いま説明のように、この法案では、国の基本計画に基づいた府県計画の点が示されておると、こういうことでございますけれども、この中で、特に府県計画について、この中に出てくる関係章を見ますと、中央との協議だとかあるいは指示だとか報告等の手続を規定しておりますけれども、住民の意見の反映できるようなそういう民主的な条項というのがここに盛り込まれてない。そういう点についてどのようにお考えか。
  189. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この四条で、知事さんが府県計画をつくるという際に、住民の意見を聞くとかあるいは関係市町村長の意見を聞くとか、そういうような規定が法文上入っておりません。一つは、住民の意見を聞くというような面につきましては、実は、この府県計画といいますものは、その県に係る瀬戸内海の環境保全施策、これの長期の計画でございます。したがいまして、この計画につきましては、県民ということでそれは関係は当然持ってまいるというふうに思いますけれども、これのために直接的な利害関係が出るというようなことがないのではないか、何か開発行為等をやることによって環境に及ぼす影響があって、直接的に利害関係があるという住民の方が意見を述べるとか、いろんなことがこれはあり得ると思います。しかし、この府県計画というのは、長期的な総合的な瀬戸内海の環境保全についてのその県についての基本的な施策、こういうようなものを考えておりますので、その県の住民の方二百万なら二百万おるかもしれませんが、そういう意見を一々聞くというわけにもまいらぬのではないかということで入れてございません。  それから、関係府県の市町村の方も入れてございませんが、当然、知事さんは府県におきまして総合行政を常日ごろ進めておられるわけでございまして、そういう関係から市町村というものとの接触といいますものは絶えずございますし、また県下の市町村のいろんな事情というものも常日ごろ把握しておられるであろう。したがいまして、先ほど言ったような府県計画の性格というものに照らしまして、関係市町村の長の意見を聞くというところまで法定をする必要はないのではないか。数からすれば大体一県当たり五十市町村ぐらいになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、この府県計画の性格というような面に照らしまして、住民の意見を聞くとかあるいは関係市町村長の意見を聞くとかいうことの規定を盛り込むということは必要ないのではないかと、こういう判断で入れてございません。
  190. 馬場富

    ○馬場富君 いま局長の説明を聞きますと、府県計画には住民の声は反映しなくてもいいととれますよ。そういう府県計画で、果たして、民主主義的な解決が迫られておる今日いいかどうかということですけれども、たとえば、そういう点では、いま市町村の問題が出ましたけれども、それは県知事の裁量だと。いわゆる府県だけ出てくるわけですよ。なぜ私がこういうことを言うかといいますと、実は、この瀬戸内海のいろんな汚染問題については、関係市町村からあるいは住民に至るまで、これほど反対運動の多い地域はございません。また住民が最も関心を持っておる地域です。私はそういう関係の法案の中に、そういう考え方はおかしいんじゃないかと思う。たとえば公聴会なりあるいはそういう審議会なり、どういう方法でも、住民参加を呼びかけると、声はどういう形でも私は吸収できるんじゃないかと思うが、その点はどうでしょうか。
  191. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 関係市町村長なり関係住民の意見を聞くというようなことを法定をしておらないということを申し上げただけでございまして、もちろん県といたしまして、事実上の問題として、市町村長さんの意見を聞くとかあるいは住民の方々がいろんな意見があるから聞いてくれということがあれば、当然それは聞くということは大いにあろうかと思います。  それからなお、この府県計画といいますものを決めます際に、これも法文上特に規定はしてございませんけれども、これは瀬戸内海の環境保全という角度でもって非常に大事なものでございます。県の段階でもいろいろ環境保全関係の審議会というのはいっぱいございます。公害対策審議会もございますし、水質審議会もございます。自然保護関係の審議会もございます。いろんなそういうところで、重要事項ということで御諮問なりあるいは御意見を聞くという場合もあろうか、当然あり得ると思いますし、またこういう大事な計画でございますから、県議会等におきましてもいろんな要請等が知事に対してもあろうかと思います。そういうことで、何も住民なりあるいは住民を代表する選良の方々の意見も何も一切聞かなくていいと言っているわけじゃございませんで、ただ法文上こういうものをここに入れなかったのはどうかという御趣旨かと思いまして、法文上はそういうことで入れてございませんということを申し上げたわけでございます。
  192. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、この点については、計画やそういうことについては、住民の声を十分聞けるように、府県段階もしくは市町村段階で考えられると、こういうように理解してよろしゅうございますか。
  193. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 法文の問題は別として、瀬戸内海の環境保全という問題につきましては、県民の方といいますか住民の方は当然御関心があるわけでございますし、市町村長さんもそれは関心があるわけでございますから、そういう人々の御意見なり御意向なり、そういうものも十分踏まえて、長期的な環境保全施策としての府県計画というものが立てられることはそれは望ましいと、かように思います。
  194. 馬場富

    ○馬場富君 では次に、第五条の五項について、これがなぜ改正されたか御説明願いたいと思います。
  195. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 五条は、「特定施設の設置の許可」の条項でございます。その五条の五項でございますけれども、この五条で若干改正をいたしております。現在の臨時措置法におきましては、「府県知事は、前項の告示をしたときは、遅滞なく、その旨を他の関係府県知事及び当該特定施設の設置に関し環境保全上関係がある市町村の長に通知し、」云々と、こうなっているわけでございます。これを、今回の改正におきましては、「他の関係府県の知事」というのを後ろの方に持ってまいりまして、「府県知事は、前項の告示をしたとぎは、遅滞なく、その旨を当該特定施設の設置に関し環境保全上関係がある他の関係府県の知事及び市町村の長に通知し、」というふうにいたしたわけでございます。  これはどういうことかと申しますと、やや事務的なことにわたるかもしれませんけれども、瀬戸内海の関係では、現在関係府県十一県ございます。したがいまして、たとえば大分県におきまして特定施設の設置の許可申請が出てまいるということがございます。その際には、この特定施設の許可といいますのは、いわゆるアセスメントつきといいますか、事前の影響評価というものを申請者の方においてやらせることになっておりますので、そういうようなことで設置者の方から申請書が上がってくる、これを関係府県知事に送付をするわけでございます。したがいまして、大分でである工場が工場を増設するので特定施設をふやしたい、したがって許可をしたいというときに、アセスメントつきのものをずっと遠く離れた大阪府にまでこれを照会するわけでございます。大阪府で問題ございませんかということに相なるわけでございます。この面につきましては、現在法律にこう書いてございますのでそのとおりに励行をさせております。ただ、各県におきましては、この面につきまして事務の簡素化というものはできないものか、大分県から大阪府にどうだろうかということを通知をして意見を求めるわけでございますけれども、これは事務煩瑣といいますか、で、事務簡素化という角度でできないかということがございます。大分そういう強い線もございましたので、今回は、「環境保全上関係がある他の関係府県の知事及び市町村の長」ということにいたしたわけでございまして、考え方といたしましては、よく向こう三軒両隣という言葉がございますけれども、その県の対岸県及びお隣の県同士ということをむしろ考えてみたわけでございます。したがいまして、たとえば香川県で特定施設を設置するので許可申請が上がってくる、これはどういうものだろうかという場合には、香川県は徳島県と愛媛県と対岸県の兵庫県、岡山も一部かかると思いますが、その知事さんの方の意見を聞く。したがって、大分県までは聞かなくてもよろしいという形に、やや事務の簡素化というかっこうでやるのが適当かと、こういうことで、そういうふうな形に改正案を考えたわけでございます。
  196. 馬場富

    ○馬場富君 私は、その事務の簡素化についてはこれはわかるわけですけれども、事務の簡素化ならば、私はここでこういう方法をしなくてもまだ方法はあるんじゃないかと思います。そういう点で、じゃ反対に、事務の簡素化のために、必要な事項があった場合に、それがこの条項によっておろそかにされるというような問題があると思う。特にどういうことかと言えば、瀬戸内海というものの規制問題に関しては、やはり総合的に考えることに一つのポイントがあると思う。これは部分になってしまったら底抜けになってしまうんです。そういう点で、こういうところに抜けるものをつくったということは私は問題があると思うのです。事務の簡素化ならほかの方法でやる方法があるし、また対策があるのじゃないかと思う。そういう点で、やはり広範囲の通知や意見調査については、もっとこの点の方法を考えられる方が適切ではないかとこう思うわけですが、その点どうでしょうか。
  197. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) もちろん、事務の簡素化ということで大事なことを落としちゃうと、瀬戸内海の環境保全上非常に重要なことが、事務的に煩瑣だからそれを落とせということで落とすというのは本末転倒でございます。もちろん考え方の基本としては、瀬戸内海の環境保全というものを十分図っていくということを前提にして、なおかつ事務的な面で簡略化できる面はないかと、その面について多年これの運用実施を担当しております県の方におきまして、先ほど申し上げましたような、大分県から大阪府に照会をすると、意見を聞くというようなことはこれは御勘弁いただけないかという強い要請もございます。そういうこともございまして、この際それを織り込んだわけでございまして、こういうことを簡素化するために環境保全がおろそかになると、そういうようなことは少しも考えておりません。
  198. 馬場富

    ○馬場富君 まあ局長のおっしゃるとおり、大分県の問題がありましたが、そういう実態が各府県から起こっておるのですが、実際はそのために事務手続が麻痺するほどこれは妨害の条項なんですか。
  199. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この面につきましては、たとえば現在関係の瀬戸内海の知事さん及び市長さんで瀬戸内海環境保全知事・市長会議というのがございます。十一県の知事さん、それから三大市長さんで構成してございます知事・市長会議がございますが、そちらの事務当局等の方からもこの面は簡素化できないかと。もちろん環境保全といいますものをゆるがせにするというような気持ちはさらさらない。ただ、大分県の特定施設のある五十トン以上流す工場が特定施設を増設したいというときに、それを大阪まで皆意見を聞くと、求めなければならないというところまでは必要ないんじゃないかと、向こう三軒両隣的に、お隣の県、対岸の県、これは大いに関係あるでしょうからそこは求めますが、その辺の改正できませんかという強い要請がございましてこういう形にしたと、こういうことでございます。
  200. 馬場富

    ○馬場富君 局長の意見は私は理解しにくいんですけれども、こういう広範囲の通知、意見等の調整の問題につきまして、できればこの法律の中ででも、先ほど話したような必要な問題等が抜けるような点がないような適確な方法を考えていただきたい、こう思うわけですが、どうでしょうか。
  201. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この法律の面でということになりますと、法文の問題といたしましては、ただいま申し上げましたような経緯といいますか、理由をもちまして、この五条五項の一部改正というものを考えたわけでございます。まあ、この辺の運用におきまして、なお環境保全上支障があるという心配があるというようなことでもございますれば、運用の問題として、さらに向こう三軒両隣の知事さんというだけでなしに、そのほかの意見も聞くということもあり得ようかと思いますが、改正法の施行といいますものをやってみての実態というものを踏まえての運用になろうかと思います。
  202. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ次に、瀬戸内海の総量規制の関係で、第十二条の二項から第十二条の五項までですね。総量の削減計画の点についてちょっと説明していただきたいと思います。
  203. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海法の改正案の第十二条の二でございますが、これは「汚濁負荷量の総量の削減」という見出しに相なっております。先ほども申し上げましたように、瀬戸内海につきましては広域的な閉鎖性水域であるということからいたしまして、環境基準も、最新のデータでその達成率が七二%ということで、まだ一〇〇%にはほど遠いと、こういう姿でございます。そこで、従来の産業系排水の二分の一カットという旧法の四条の規定を削除いたしまして、さらに発展的に総量規制というものを瀬戸内海については法律上実施をしていくということを明確にいたしたい。総量規制でございますれば産業系のみならず生活系も入ってまいるという、より発展的な姿で総量の削減が展開されるであろうということで、十二条の二を入れたわけでございます。  そこで、この規定では、「内閣総理大臣は、」「総量削減基本方針を定めるものとする。」というふうにございます。で、二項の方でいろんな読みかえ規定がたくさんございます。と申しますのは、これは水質汚濁防止法の改正によりまして、総量規制制度の仕組みといいますか、を規定をしてございます。その際に、一般的な規定の仕方といたしましては、政令で指定する項目、たとえばCODならCOD、それから政令で指定する水域、東京湾なら東京湾、あるいは政令で指定する地域、これには東京都等臨海県のほかにたとえば埼玉県を入れるとかというような、そういうことを一々政令で出すということにいたしております。ただ、瀬戸内海につきましては、政令を出すことを待つまでもなく、この法律が施行になれば、内閣総理大臣は総量削減基本方針を瀬戸内海についてはこれは定めるものでありますよということをはっきりさしたわけでございます。こういうことを入れたものですから、現行法の十八条の「量規制の導入」というくだりの規定も削除をいたしております。それが十二条の二でございます。  それから、十二条の三から以降でございますが、こちらの方はいわゆる第二節というくくり方をいたしておりまして、「富栄養化による被害の発生の防止」ということでございます。瀬戸内海におきましては、先ほど来CODにつきましては相当、四十七年当時一・八ppmが五十一年に一・六ppmということで、CODは多少よくなった数値を示しておるということですが、問題は、富栄養化の方につきましては、燐にしろ窒素にしろむしろふえておりまして、富栄養化が進行しておるというふうに見ざるを得ない状態であろうかと思います。したがいまして、燐、窒素といいますものを現実的に規制ということでやりますことは、なかなか現代の科学的知見その他から見て不可能でございます。まだそこまで行っている段階でございませんが、さればといって、この富栄養化というものによる被害が、赤潮というような面なりいろいろな面で発生もいたしておりますので、これを放置するわけにはまいるまいということで、行政指導ベースではございますけれども、「指定物質削減指導方針」というものを環境庁長官が定めることをこれを知事さんに指示をする、削減指導方針は知事さんが決めるんですが、こういうものを決めなさいということを環境庁長官が指示できるということにいたしておりまして、「燐その他の政令で定める物質」とございますが、当面は燐といいますものを指定をいたしたいということでございます。あとは二項以下若干手続的なことを書いてございます。  それから後は、指導等ができるということで、行政指導ベースでございますので、指導、助言、勧告というようなことを知事さんができるとか、報告の徴収権というものも知事さんが持つというくだりの規定を設けたわけでございます。
  204. 馬場富

    ○馬場富君 実は、瀬戸内海法については指定地域がないわけです。水質汚濁防止法のこっちは指定があるわけですけれども、そういう指定地域がないという点を、まあ第二条の二項で「政令で定める」と、こういうふうになっておるわけですね。そういう点で、たとえばこの規制関係におきまして、やはり瀬戸内海の海に面している、そういう関係だけではこれは解決しない。そういう点で、ここに京都とか奈良の問題が一つは起こってくるわけです。この点について、第二条の二項の政令のこのときにやはりこれは当然考えるべきでないかという点なんですけれども。
  205. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 先ほど、十二条の二の総量規制の実施のくだりで申し上げましたように、この法律が成立をいたしまして施行になるということになりますると、政令の制定といいますもの――この地域指定の政令でございますが、水濁法上の。それを待つまでもなく、瀬戸内海については当然に総量規制というものの実施に入るわけでございます。問題は、その瀬戸内海という際の「関係府県」、これは一体どこまでに相なるのかということに次はなるわけでございます。現在は、瀬戸内海法では二条二項で規定がございまして、これは後継ぎ法にもそのままの表現で残るわけでございます。したがいまして、「関係府県」といいますものは、大阪を初めとした十一県ということで法律で明記をされております県のほかに、「並びに瀬戸内海の環境の保全に関係があるその他の府県で政令で定めるものをいう。」と、こういうことになっております。現在の臨時措置法の段階におきまして、実は、この「政令で定める」という角度での政令が出ておりません。したがいまして、先ほども関係府県の知事さんというのを十一府県知事さんだということを申し上げたのがそうでございます。  で、問題は、今後総量規制の実施といいますか、そういうものも、この後継ぎ法というものがスタートすれば、法律上当然に総量規制が瀬戸内海については実施をされていくということでございます。そのときにこの政令を、要するに現行臨時措置法の二条二項の「関係府県」についての政令を出しませんと、相変わらず十一県でスタートをするかっこうになるわけでございます。したがいまして、一応「この法律は、公布の日から」「一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」ということでございますから、施行までは一年ぐらいの猶予期間があるわけでございますが、その間におきまして、上流県であるあるいは京都、奈良、こういうところに、瀬戸内海のいわゆる「関係府県」ということでお仲間入りをいたしませんかということを、これは環境庁の方も当然呼びかけますし、それから先ほど言った瀬戸内海環境保全知事・市長会議、こちらの方からもその面を強く勧誘をするということはやろうかと思います。ただ問題は、勧誘をしたけれどもどうしても入らない。ところが、一年以内の範囲内でというその期限が来たということになりますれば、それはそのときにやはりこの総量規制はスタートせざるを得ないと思います。ですから、できれば上流県の京都、奈良も入っていただきたいということで努力をしますが、どうしてもいろんな都合でだめだということに万一なりますれば、それは抜きにしてスタートする。もちろん総量規制といいますのも、これは五年後の目標決めてやるわけでございますから、五年たったらまた第二回目の目標決めてまた環境基準の達成に接近していくわけでございますから、この特別法といいますか、後継法がスタートを切るとき入らぬから後は永遠に上流県は入らないということはないと思います。その辺も、第二弾の総量規制をやる段階で入ってもらうとか、いろんな手はあろうと思います。  それからよく言われますのは、その上流県というときに、滋賀県はどうなんだという話がよく出るわけでございますが、滋賀県は、実はこれもまだ法律が御審議をいただいておる段階でございますから、まだ公式に滋賀県にどうのというような接触はいたしておりませんが、どうもそれとなく聞いておるところでは、滋賀県は琵琶湖という近畿圏千三百万人の水がめを抱えておると。その関係からすれば、滋賀県は瀬戸内海の上流県として総量規制をやるというのはどうも忍びないという感触をどうも県の向きは持っておりまして、むしろ琵琶湖というものを総量規制の「指定水域」ということにして、「対象地域」の滋賀県として大いに総量規制で削減をやっていきたいというお気持ちがあるやに聞いております。  以上でございます。
  206. 馬場富

    ○馬場富君 どうもそこちょっとはっきりしないんですけれども、結局、奈良県も京都府も瀬戸内海に関係する県ですから入れるということですか。
  207. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海の水質を初めとする環境保全という面からすれば、それはやはり臨海県だけがきれいにしようということで努力しても、上流から汚いものが流れてくればなかなかきれいになるのがむずかしいということもございますから、それは上流県の方も十分取り込んでお仲間入りをしていただいて、削減に努力をしていただくというのが理想的だと思います。そういう角度からいたしまして、上流県である京都府並びに奈良県に、この瀬戸内海の関係府県というのにお仲間入りをすべきではないか、またしてもらいたいという働きかけを強くやってみたい。ただ問題は、その際にどうしてもいやであるということになりますと、なかなか勝手に政令をぽんと出せばいいではないかといってもぽんと出すわけにもまいりませんので、その辺は十分根強く勧誘をすると、知事会議の方としても呼びかけるということではないかというふうに思っているわけでございます。
  208. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、これは瀬戸内海あるいは伊勢湾、東京湾にも関係あることですけれども、かなりいままでの規制が工場排水等に焦点が置かれて、そのために、先ほど来説明の中でも、そういう規制による数値が下がってきておるとか、そういう点についての前進はわれわれ理解できるわけですけれども、やはりこの法案の設定の趣旨にもあるように、依然としてやはり限定された広域のこういう湾等については規制がなかなかむずかしいという点が指摘されて今度の法律となったわけであるわけですけれども、そういう点で、ここで一つ大きいポイントとなるのがやはり生活排水の処理にかかってくると、こういう点が非常に大きい要素であると思うわけですけれども、そういう点で、ちょうど建設省の方も来てみえると思いますが、流域下水道あるいは公共下水道、この問題に対する取り組み方をひとつ説明していただきたいと思います。  あわせて、先ほども小平議員の質問にもありましたように、いまのこういう生活下水というものは、ほとんど都市下水については工業用水も生活用水も雑多で混入されておると、そういう点について、近い状況で私が労働組合等の都市下水の毎日毎日の量等を測定した数値を見ましても、かなりやはり基準を上回っておるという点があるわけです。そういう点で、ここらあたりについて建設省の下水道に対する考え方をひとつ説明していただきたいと思います。
  209. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 公共下水道並びに流域下水道の建設省の取り組み方がまず第一点でございますが、建設省といたしまして、下水道計画を立てます場合に、河川流域別にどういう計画が望ましいかということで、下水道法に規定がございますが、流域別下水道整備総合計画というのを都道府県知事に立てさせております。その中で、流域下水道あるいは公共下水道といった下水道のシステムが出てまいります。そういうシステムは、その水域の水質環境基準を達成するのに一番望ましい姿でできてくるはずでございまして、したがいまして、このいま問題になっております総量規制等瀬戸内海の水質の防止に関しましても、一番望ましい姿の下水道計画というものを進めるということを従来ともやっておりますし、今後ともやっていくつもりでございます。  で、工場排水の問題が次にございますが、日本の町の形態というのが、先生御承知のように、いろんな工場も住居もまざった地域がございまして、工場排水だけを分離して処理するということがなかなか困難でございます。したがいまして、下水道といたしましては町全体といいますか、どういう汚濁物質を処理すれば水質がきれいになるかという全体的な観点からいたしまして下水道計画を決め、その中にある工場につきましては下水道で処理するという方針でいままでやっておりますし、今後もこのまま続けてまいりたいと、こういうふうに思います。
  210. 馬場富

    ○馬場富君 たとえばいま愛知県あたりでもかなり流域ごとに流域下水道が計画されましたが、これはいまの工場用水との合併ということで、やはり地域住民の反対のもとに行き詰まっておるわけです。そういう点で、それは法的にいけばそこに重金属や有害物質は必ず流されないと、こう断定されておるわけでございますけれども、実質は、現在ある都市の下水道からは六価クロムや重金属が出て問題となってくる。こうした場合に、結局そのためにやはり分離しか住民としては納得できないという考え方も強くなってきておる。そういう中で、分離して処理をするという考え方がなければ、こういう問題に対して、大きく広域的に下水道をまとめるということに対しては、私は住民反対が強くなってくるんじゃないかという点で、建設省はどのように考えてみえるかという点。  それからもう一点は、広域化は立案当時には非常に有効のように考えられてきたけれども、現状、いろいろな有害物質等の問題もありますけれども、やはり生活用水もかなり汚染度が高くなってきておる、こういうような点からして、やはり広域をまとめる考え方というものについては考え直さなければならぬじゃないか。もっと小地域で、自分のところのものは自分で処理するという考え方に立っていくべきだという考え方が最近非常に濃厚になってきておる。こういう点で小域で下水処理を考えていく場合に、予算の問題が含まれてきて、これが非常にむずかしいという問題が起こってきておるわけです。そういう点で、現状のこの下水道に対する国の補助体制の拡大とあわせまして、小単位にこういうことが考えられる場合に、そういう考慮があるかどうかと、この点もひとつ説明していただきたいと思います。
  211. 遠山啓

    ○説明員(遠山啓君) 先ほど申し上げましたように、日本の市街地の形成というのが工場も住居もまじっておってなかなか分離がむずかしいということを申し上げました。それに対しまして、できるだけ分離したらどうかという御意見でございますが、要は、分離したから総体的に汚濁が減少するかどうかということにかかると思います。と申しますのは、各工場が、下水道に入れる入れないにかかわらず汚濁物質を自分できれいにする、あるいは重金属を取る意思があるかどうかということにかかってくると思います。それで、下水道といたしまして、けさほど来申し上げておりますが、水質汚濁防止法と同じ基準を工場にかけまして、工場が下水道に入れる場合はその基準によって受け入れる、それでその基準に違反したならば直罰制度というものも下水道法で設けておりますし、そういったことで、従来、その執行体制の問題はございましょうが、徐々に解決をしていきたいということでございます。  それから、広域的なことで、小さな処理区をつくって、わかりやすく言うなら小さな処理場をたくさんつくったらどうかという御意見だと思いますが、御承知のように下水道には非常に金がかかります。で、下水道というのは水道と違いまして、自然流下という、水は自然に下流の方に流れていくと、そういう、だれでも使えるという形をとっておりまして、そのために地形に左右される面が非常に多うございます。そういったことで、地形上最も望ましい形というものをとっていく関係で、また経済的にどうかという観点から、広域的なものが出てくるわけでございます。それが流域下水道という形でございまして、その流域下水道の、先生おっしゃった愛知県の反対の問題等、これにつきましては、いろいろわれわれも説得をすべきといいますか、説明をすべき点がございます。一つは、地域エゴといいますか、下水道の処理場が汚いというイメージから、なかなかよその下水までも受け入れたくないというそういった問題、それに対しましては、非常に処理場の環境につきまして気を使っておりまして、たとえば覆蓋をしたり緑化をいたしたりということで環境の美化を図っておりますし、もう一つの問題は、先ほど来の、工場の排水が入ることにより下流が汚れやしないか、第二次的な被害が出やしないかと、そういう危惧の念から反対があると思いますが、これにつきましては、いま申し上げましたように、公共下水道で受け入れて、受け入れる場合に水質汚濁防止法と同じ基準でやっていきたいと、それで流域下水道の処理場で総合的に処理した方が経済的でもあるしまた地域の方のためになると、こういう解釈でやっておるわけでございます。
  212. 馬場富

    ○馬場富君 もう一点だけお願いします。  それは、建設省はそういうお考えを持ってみえるかどうかですが、現在も、そういう現場や各地方等でも、学者や文化人等におきましても、この工場用水等の分離という問題については、現状むずかしいけれどももうこれは常識問題になっているわけですよ。そういう点で、現在の処理場の一次処理、二次処理において、やはり重金属やそういう有害物質が含まれた場合には、完全にこれ除去できないことは明らかですよ。現在の処理は二次処理までしかできないし、よしんば三次処理施設ができたとしても、現実は不可能だというのが技術的な問題ですよ。そういうときにおいて、そういう私はおかしな考え方では納得できないと思うのです。  で、時間もございませんから、最後に環境庁長官に、長官は、そういう下水処理等について、工場排水、生活排水等の分離の問題についてはどのように考えてみえるか、環境庁の立場としてひとつはっきりしてもらいたい。
  213. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) 下水というものが環境の質の向上ということに占める位置は非常に重要であることは御案内のとおりでございまするけれども、しかしながら、これに対する処理の方法といたしまして、それぞれの担当責任というような意味におきまして、ただいま建設省の方で申し上げた、やはり基本的にはそういう立場というものに立って考えていかざるを得ないのじゃないかと、こういうふうに考えております。
  214. 馬場富

    ○馬場富君 終わります。
  215. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、一定の限られた時間でございますので、幾つかの点について質問をしたいと思います。  瀬戸内海環境保全臨時措置法が、延長期間もいよいよ近づきまして、その後継ぎ法がやっと審議の日の目を見るという段階に来たわけでございます。幾つかの新しい点という形で、水質の総量規制、それから赤潮対策、海浜保全、こういった点は出ておるわけでございますけれども、しかし今日置かれております瀬戸内海の深刻な状況から見ますならば、今回出されてまいりました後継ぎ法というのは、現状との対比をいたしますと、きわめて不十分だと思うわけでございます。すでに衆議院でも、また本院におきましても、同僚委員からそれぞれのお立場で、またそれぞれの分野で審議が重ねられております。そこで私は、端的に、具体的な問題を数点聞いていきたいと思っております。  で、何と言いましても、今度の法改正の中での最大の目玉というのは総量規制の導入であろうと思うわけでございます。この点については、私どもも実は相当長い間宣伝をされておりました関係もありまして、一定の期待を持っていたわけでございます。ところが、法案の提案に至る経過などを拝見してきてみますと、大分これはいろいろとやはり問題があったんだなということを思わざるを得ないわけです。端的に申し上げますが、たとえば、一番最初に、環境庁から中公審に諮問をいたしましたですね、その提案のときに中公審にお出しになった資料があるんですね。「瀬戸内海等の水質保全対策の現状と問題点」という、昭和五十二年十月のですね。これを拝見をいたしまして、これは少々驚いたわけです。これの「総量規制の各種方式概念図」という図面がございますね。これページ数がちょっとよくわからないんですが、これを見てみますと、「考察」として「A型」、「C型」、「D型」、「B型」という四種類を書いておられるんですが、そして、「A型」というところには、「環境基準の維持を直接に目的とする総量規制は、内部生産等の影響も考慮するので汚濁の著しい閉鎖性水域においては、技術的に実施可能な排水処理レベルをはるかに越える技術を要求することとなって、非現実的な規制となる。」と、それからB型という一番下には、「このため、環境庁としては、生活排水及び上流県の汚濁負荷をも対象とし、技術的、経済的に実施可能なレベルにおいて、量的規制を行うこととしている」と、それは「水質汚濁防止法の改正による水質総量規制」を意味しているんですね。「なお、C型及びD型の措置によって、すでに相当範囲の事業場の排水処理レベルは、このレベルに達しているとみられる。」と、この「C型」というのは現行ですね、臨時措置法に基づくCODの二分の一カットですね。「D型」というのは、三重県あるいは山口県のみが独自で特定事業場に対してやっておる総量規制ですね。こういう「C型」、つまり現行法の臨時措置法によって、産業系排水に係るCODの二分の一カットの措置では、沿岸府県の産業系排水の汚濁負荷のみを対象としてやってきたと、これではすでに相当範囲の事業場の排水処理レベルは、この環境庁が言われる「B型」レベルですね、そのレベルに達していると見られると、こういうふうに書かれているんですね。で、これ見てちょっと驚いたんですけれども、初めから、中公審に諮問をされるときから、「環境基準の維持を直接に目的とする総量規制は、」「非現実的な規制となる、」と、こういうことで、環境基準と今度実施しようとする総量規制との間のリンクというのは断ち切られておるという点ですね。なぜこんなことになったのか、非常に問題だというふうに思うんです。  それからもう一つ、こういう考え方というのは、これはかねがね私は触れたことがあると思うんですけれども、関経連の環境問題委員会が総量規制制度の導入に関する意見というのを五十三年一月に出しておられますけれども、関経連の考え方と変わらないという点で、これは言い分は全く同じ内容だ。というのは、関経連はこう言っておるんですね。すでに「現行法規を遵守し、これ迄に多額の投資をして水質浄化に努力してきた工場、事業場に不当なしわ寄せがかからぬよう、総量削減基本方針及び総量削減計画は、これ迄の努力等を充分勘案し、産業排水と生活排水等のバランスがとれた合理的な内容とすべきである。」、こう書いておるんですね。もういままで努力してきたんだから、それ以上負担をかぶりたくないという考え方というのが基本にあるわけですね。で、この中公審にお出しになった資料のいわゆる「B型」という環境庁のお考えになっておられるところですね。水質の量的規制を行うという範囲ですね。これは従来のやり方で、すでに相当範囲の事業場の排水処理レベルというのはもうこの段階に来ておりますと、あんまり変える必要はないんだという意味に受け取れるようになっているわけです。これね、そんなふうに見えるんですけれどもどうですか。
  216. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) まず、ただいま先生からお話しのございました「総量規制の各種方式概念図」でございますね、この概念図につきましては、縦軸の方に「排水処理レベル」、横軸に「汚濁発生源の範囲」ということで書いてございまして、そしてあと「A型」、「B型」、「C型」、「D型」というふうに分けて、総量規制と言いましても一体どういう概念か、人によりましてもいろいろ違います。したがいまして、役所なりに、まあこういういろんな概念があるのではないかということを一応図で書いてみたということでございます。で、その際に、この「B型」でございますけれども、これには「考察」というところでややコメントがございまして、いろんな型があるけれども、大体この「B型」がどうだろうかという感触のコメントが一応書いてございます。で、これは、一つはこの汚濁発生源の範囲というものにつきましては、産業排水ということで、「C型」が先生おっしゃるとおり従来の、瀬戸内海法による産業排水の二分の一カットというときは五十トン以上の工場で、しかも産業排水というのを対象にしていたから、非常にラフなこれは書き方ではございますけれども、大体こんな概念になるのであろうと、それに総量規制というものをやっていくとすれば、さらに生活排水を取り込み、上流県を取り込むということになるのではないか。将来の問題としましては、内部生産の問題等もあるわけでございますが、当面はこのBというかっこうでいくということではなかろうか。  それから、「排水処理レベル」の方は、これは「環境基準と完全リンクのレベル」とが一番上にございまして、その下に「技術的な実施可能レベル」というのがございます。このB型がという感じで物を書いた際に、この実施可能なレベルということで、技術的に実施ができるという、そのレベルまで努力を願うということではなかろうかという感じでB型という概念を一つ考えてみた。で、「環境基準と完全リンクのレベル」という問題につきましては、現実問題として生活排水の問題もございましょうしそれから内部生産というのがございます。通称二次汚濁と言われておりますけれども、光合成によるプランクトンの増殖に伴う汚濁でございます。こういうものは今後究明をしていかなくちゃならぬ問題がいろいろございます。したがいまして、「環境基準と完全リンクのレベル」というのを、将来の理想としてはこれはあり得ようかと思いますが、いまの段階ではむずかしいのではないかという感じでコメントを書いているわけです。その際に、「産業排水」の上の方に山型が、こうぎざぎざがございます。瀬戸内海等につきましては、産業系排水の二分の一カットということで三割の超過達成をした。もちろん、これは景気の停滞ということによる稼働率の低下というような面もありまして、そのまま受け取るわけにもいかぬ向きも私はあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、実績数値としては一三〇%の達成という姿になっておるということは、相当最高の技術といいますか、そこまでいろいろ努力していただいているところもある。さればといって、まだそこまでいってないところもある。たとえば、パルプ屋さんが相当努力をしたと、したがってそのほかの工場がのほほんとしても一〇〇%以上達成したということもあり得ようと思います。そういうことで、その辺は、達成したところとそうでないところと一応あるんではないかということでぎざぎざを書いておるわけです。そういうことで、事務局的な立場で一応あれすればこういうような概念があり得ようかと思いますということでございます。  ただ問題は、この中公審に諮問をしたというときにおきましては、資料説明というようなことは当然やりましたけれども、中公審につきましては、これは先生も御存じのとおり、全くの白紙諮問ということでございまして、「水質の総量規制制度のあり方について」審議会の意見を求めるということで諮問をいたしてございます。諸外国の例なども調べてみましたが、水質の総量規制をやっている国は、どうもこの地球上にはなさそうでございまして、私たちもどういうふうに仕組んだらいいのか非常に悩んだわけでございますが、一応審議会の先生方には白紙諮問をいたしました。先生方も、役所の事務当局的な立場での参考資料というようなものを説明を聞かしてくれという御意向もございましたし、一応審議の御参考にという趣旨で説明をしたということが実態でございます。
  217. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大分丁寧な御答弁をいただいたんですがね、これ、中公審に諮問をしたときにこの資料が出ているということを拝見しましてね、総量規制を導入するということだけれども、大体レベルとしては、環境基準がこれはもう超現実的だと、非現実的だと。ですから、むしろそうではなくて、いま到達している範囲ですね、その範囲を出ないところを目標にするということになれば、これは産業関係というのは、総量規制がしかれたからといって、あわてる必要はないと、その段階なんだということが初めから考えられていたんだなということを読み取ったわけですよ、私は。そういうふうに思ったので、それだと、これは関経連あたりが心配しておるけれども、関経連の言い分とほぼ大体一致するじゃないかと、同じようなレベルじゃないかということになりはしませんかと、こう申し上げているのですよ。そういうことですね、この図面を拝見したらね。環境基準達成というのは非現実的だと、だからこういう「B型」のやり方をするんだと。その「B型」のやり方というのは、大体すでに臨時措置法で二分の一カットをして到達をしている範囲。それから山口県方式ですか、山口県方式で独自にやっている総量規制等で達成しているレベル。で、生活排水も大体その同じレベルにそろえて、大体その辺のところを総量規制のレベルとするというお考えであったのかなというふうに思うのですよ、これ拝見してね。そういうことだとしたら、財界筋が心配をして出してきている意見書の御意見とこれは全く一致するなと、同じような内容になってきているなと。これ以上は締められたら困りますと関経連は言ってるわけでしょう。財界財界と言うて、財界にこれ以上負担がかけられたり厳しくされたら困りますと言うてきているわけでしょう。環境庁の方の最初の中公審にお出しになったのも、ほぼ達成している今日のレベルというのを維持するというところを一つの限度としていると、考えているということであれば、ほぼ一致するなと思うんですがね、そこはどうですか。
  218. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 「技術的な実施可能レベル」ということにおきましては、これはこのレベルというものを考えるべきではないかというふうに事務当局としては考えたわけでございますが、ただ、一つ申し上げておきたいと思いますことは、結局総量規制というものをやります際に、何カ年か先、まあいまのところ五年先ぐらいのことを考えておるわけでございますけれども、当然技術の進歩というのがございます。したがいまして、いろんな排水処理技術の開発研究というものもやっておりますので――ただ、やはり実用化されるというものでないと、五年先という場合にも基礎的な研究をやっているということでは、まだ現物が市販されないわけですから、ですからその辺は、いままだ出回ってないが、今後五年先には出回るであろうと、そういうものも織り込むと。これも当然「技術的な実施可能」になりますから、またそういうものの普及の度合いも見ると。いまある、いまのレベルで最高のものでも、まだ余り普及してないというのもあるかもしれません。こういうものは大いに普及をさして、そうして削減をしてもらわなくちゃならぬわけですから、そういうことのいろいろな思いを込めて「技術的な実施可能レベル」と、余りくどくど書けませんのでそういうふうにいたしているわけです。  それからなお、先生が、関経連のあれと同じじゃないかと、あるいは経団連のと同じじゃないかというような話も出てくるのかもしれませんが、これは先生ごらんのとおり、五十二年の十月でございます。答申出たのは五十二年の十二月の九日でございます。その後いろいろ、経団連からは十二月の末ごろ意見書もちょうだいいたしましたし、いま先生からお話しございました関経連、これは五十三年の一月でございます。で、その段階において、全体的な姿かもしれませんが、非常に結構だという御意見は余りちょうだいをしておりません、率直に申しまして。とにかく役所としては、白紙の状態で諮問をして、素直に、専門的な先生方に十分御検討していただきまして、こういうような資料がないかとか、こんなようなものはどうかという御要求に対しては資料等も出しまして、こんな性格の資料ですという説明はいたしました。答申としては、まさに白紙の立場で先生方が十分御議論され、御検討されて十二月の九日答申をちょうだいし、それをベースにして法制化に取り組んだと、こういうふうに考えております。
  219. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大分時間がかかりますのでね、端的に意見を申し上げておきたいと思いますが、骨抜きされたということが盛んに、これはいろんな形での評価をされておりますね。私はやはりその点が重大な問題だと思いますのはね、環境基準を「非現実的な規制」だということでたな上げをするのではなくて、環境基準とリンクさせて中間目標値なりあるいは暫定目標値なりという形でもって、当然リンクした形で総量の設定というものはこれは考えていくべきではないのかと。その点が全くこう環境基準がたな上げされているというあたりというのは、これは相当なものだということにならざるを得ない。また、批判を浴びる一つの中心点だと思うんですよ。で、まあそういう形で出てきておりますから、当然答申も諮問のときにお考えになっておられる環境庁のお考えにほぼ等しいというか、それに匹敵する答申が出ておりますよね、実際には。  で、私、若干話の流れをちょっとそらしますけれども、生活排水と事業用排水の問題点というのがいろいろな形になって言われておりますし、総量規制という段階で生活排水というのが一つの重要なウエートを持つということで論議もされてきておるわけでございます。しかし、考えてみますと、瀬戸内海を今日の姿に汚染をしてきたというのは、これは瀬戸内海沿岸に重化学工業地帯が大量に集中したということで、産業排水等を含めて汚染をしてきたという事実は、これは否めないわけです。現に、臨時措置法発足前ですね、四十七年のときの産業排水の寄与率と生活排水の寄与率を見てみますと、これは産業排水の寄与率は七九%ですね、約八割。それがこの五年間に若干バランスが変わりまして、産業排水が約六〇%になっている。で、その他の排水を含めまして、これは生活排水というのはまだ四割に至っていないわけですね、三十数%ですね。そういう状況でしょう。ですからやはり総量規制という形で縛っていく場合に、生活排水を無視するわけにはいきませんけれども、今日の瀬戸内海の環境保全を進めていくという上で、産業排水というものがやはり中心的な重点でなければならないと思うわけですね。そこをカットするということが何よりも必要だと思うんですが、その点はどうですか。
  220. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) まず一つ申し上げておきたいと思いますのは、先ほどの各種方式の概念図の関係で、「技術的な実施可能レベル」というのは「B型」ということで、「A型」というのは非現実的な規制となるということでこれは放棄をしておるというふうにごらんになられたようでございますが、私たちのいろんな検討結果でございますが、今度の法文の方もごらんいただきますればおわかりいただけると思いますが、水濁法の改正の方の四条の二に、「総量削減基本方針」というくだりがございますが、ここでは第二項にも明確に出ておりますように、「当該指定項目」、CODでございますが、「当該指定項目に係る水質環境基準を確保することを目途とし、」「第三号の削減目標量を定めるものとする。」ということでございまして、先ほど来申し上げておりますように、水質保全行政の目標としては、水質環境基準の達成維持というのが行政目標でございます。したがいまして、従来とも排水規制についても上乗せをかけるとか、あるいは瀬戸内海については公防計画の策定というようなこともやって水質環境基準の達成に努力してきたわけですけれども、なお七二%の環境基準の達成率にしかなっておらない。さらにこれを一〇〇%全面達成にしたい。そのためには、いまある施策のほかに総量規制というのを、もう一つ新兵器を投入をして、戦列に加えて一〇〇%達成に向かって攻め上ろうと、こういう考え方でございます。したがいまして、究極的な目標としては、水質環境基準の確保というのが、これが水質保全行政の一つの至上命令だろうと思っております。  ただ問題は、それでは、五年後なら五年後ということを目標にしてやる際に、環境基準と完全リンクというのをじゃ五年後にできますかと、こういう話になりますと、簡単に、下水道は五年たってまだ二四%、瀬戸内海も三〇・五だからそういかないし、また環境基準ということになると、光合成によるプランクトンの増殖がございます。そういうものによるCODの汚濁負荷というのも発生しているわけなんです。その辺がメカニズムがよくわからない。ですから、いきなりいま環境基準にリンクするというのは、どうも五年先どうだと言うときは非現実的ではないかということで、環境基準の達成維持を放棄するなどということは全然考えておりません。そういうことを逐次積み重ねていって一〇〇%達成に持っていきたいと、そういう意欲に燃えて総量規制制度を仕組んでおるということを御理解いただきたいと思います。  それから、瀬戸内海につきましては、ただいま先生からお話しございましたように、五十年の推定値でございますが、産業系の方が大体六割でございます。生活系が四割。もちろんこれは広域的な閉鎖性水域そのものによっても違います。東京湾なり伊勢湾というのは大体半々ぐらいでございますが、瀬戸内海ということになりますと、大分産業が集中をしておるという現実があるのでございましょう、産業系のウエートの方が高うございます。したがいまして、私たちといたしましては、相当COD二分の一カットということで御努力いただいたということで、まあ平たい言葉で言えばぜい肉部分は相当落ちたという感じは持ちますけれども、まだぜい肉はないかと言えばあります。私は当然あると思います。それだったら産業活動はここでスタンドスティルして凍結するのかというと、そういうわけにはまいりません。今後日本経済がやはり安定成長するということであれば、あの瀬戸内海の臨海の産業活動というのはやはり活発になろうと思います。したがって、汚濁発生源として汚濁の負荷量がふえるわけでございます。それはいまがこうだからじゃあのほほんとしてよろしいというわけには絶対まいりません。したがって、産業系についても応分の削減努力というものは十分やっていただかなくちゃならぬ。それとともに生活系も、四割というウエートを持っておる限りにおきましては、下水道の普及率がまだ三〇・五にしかなっておらぬと、こういう実態からすれば、これもどんどん伸ばしてもらって生活系の方のCODの汚濁負荷も減らしてもらう。両々相まって瀬戸内海に対するCODの負荷量は一定量以下にぜひ抑えていただく、達成していただくと、こういうことで臨んでいきたい。  先ほどの、瀬戸内海法の第三条のあの規定の精神といいますか哲学といいますか、そういうものを念頭に置いて、国も県も各人が努力していただくと、こういう姿勢で臨みたいと思います。
  221. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 この調子でいくと大分時間がかかるんですが、私、環境庁の関係御当局大変御苦労なさっておられるということをよく存じております。しかし、出てきている結果についてはやはりリアルに見ていかなければと思っているわけです。そういう点では、私が申し上げたように、中公審にお出しになった資料でほぼ環境庁のお考え方の真意みたいなのが出てきている。しかも中公審の答申では、ほぼその意をくみ取られた形で、「総量の設定」の部分なんか、非常に環境庁のお考えというのをくみ取った表現になっていますよね。この答申の「総量の設定」の「B総量」というところですね、そこを見ますと、「産業活動及び人口の伸び等による汚濁負荷量の増加と、実施可能な技術による排水処理及び下水道整備等による負荷量の削減を見込んだ場合に、」云々と、こう書かれているんですが、さらにそれが法案になりますともう一つ詳しく書いてあるんですね。先ほどからたびたび御説明のあっております四条の二の二項の二、「当該指定地域における人口及び産業の動向、汚水又は廃液の処理の技術の水準、下水道の整備の見通し等を勘案し、実施可能な限度において削減を図ることとした場合における総量」と、総量の決め方というのがいわゆる「人口及び産業の動向、」それから汚水処理の技術の水準、それから下水道の整備の見通し、これを勘案して「実施可能な限度において」と、こういう表現で総量の設定というものを考えるということになりますと、これ非常に伸縮自在じゃないかと思うんですよ。  私は先ほど、環境基準とリンクしないで環境基準たな上げにしているというのはちょっと驚いた話だと申し上げたのは、何も環境基準が直ちに達成できるなどという夢のようなことは考えていないんですよ。むしろ環境基準というものにリンクして、中間目標値なり暫定目標値なりというものを五年後にどこの水準に置くかというあたりを中心にして総量を決めていくと、そして環境基準の達成には何年先にめどを立てるかという、そこまでのやはりリンクというのは必要ではなかったのかと、こういうことを申し上げたつもりでございますが、ちょっと意のあるところはくみ取っていただけなかったようなんです。  しかも、巷間言われておるところでは、そういう形になりながら、さらに通産省と環境庁の局長間では、もうこれ以上現在の上乗せ排水基準よりも厳しい規制基準をしないという種類の覚書等が交換をされているということが流布されております。しかもそれが一つではなくて、幾つかの問題についてやられているということまで言われておりますが、こういう事実があるとすれば、きわめて重大な問題だと思うんです。そこで、これは局長、はっきりしておいていただきたいんですが、こういう流布されておるような通産省、建設省あたりとの覚書が、あるいは内部での協定が文書によって交わされているということはあるんですか、ないんですか、どうですか。
  222. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) この法律を提案する前に、各省段階でいろいろかかわりの深い事項がございますので、当然各省との折衝ということをいたしました。その結果成案を得て、閣議決定をして提案をしたと、こういうことでございますけれども、その過程におきまして、この法案というものが今後成立をして施行されるということになります際に、法律では非常に骨組みしか書いてございませんから、運用の問題というような点で特に留意すべき点というようなこと等々について、いろんな、まあ覚書といいますか了解事項といいますか、そういうような話し合いがあり、またそういう事項があるということも、それは事実でございます。これはこの法案に限らず、いろんな法案についてあり得ることでございます。
  223. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そういう点で、やはり環境庁の置かれている立場というのは、各省庁間では非常に厳しい立場に立たされているというふうに私ども見えるんですよ。しかし、本来環境庁の使命からいいますならば、国民の健康と命を守れるような環境を保全し、自然環境を守るという立場に第一義的に立つということが環境庁から抜けたら、これは何かの新聞にも書かれていたように、環境庁は要らなくなると言われざるを得ないと思うんですよ。その点、これは蛇足になりますけどね、長官、こういうことが流布されたり、骨が抜かれていって、しかも最後には局長間で、これ以上は厳しくしませんというようなていの申し合わせまで文書で交わされているというようなことになりますと、これは環境庁の主体性の問題としてもきわめて重大だと思う。長官、どうですか。
  224. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) まあそれは誤解だと思います。つまり、私が申し上げるのは、先ほども局長から申し上げましたけれども、世界でまだやっていない総量規制というものにとにかく踏み切っていった。どうしても、そういう点に踏み切っていけば、先ほどから問題になっていますように、家庭用排水、これをどうやってコントロールするんだと。当然、これは下水ができないという状況であるならば、それはまあ行政指導とかいろんな問題で、家庭の屎尿あるいは家庭の排水、そういうようなものを、とにかくやはりこれを何らかの形において把握していくということを考えざるを得ない。しかしながら、それがなかなかできないいまの現段階において、とにかく一つの枠組み、体制というものをつくって、それで水の浄化というところにいこうという点でこの総量規制というものに踏み切ったわれわれの決意と努力というものをよく買っていただきたいと思うんです。  しかしながら、そこへ行くためにはやっぱり客観情勢を無視して行くわけにいかぬということはよくおわかりいただけるだろうと思うんです。だから、それなりの点についてはいろいろ意を用いてやっていますけれども、いわゆる骨抜きであるとかあるいは何とかの、ただ妥協したというようなことは、これは全くない。われわれの現実的なアプローチでやるための努力というもの、この際大きく踏み切った、枠内において非常に苦心して、それで達成しようとしているんだということを、よくひとつ御理解いただきたいと、こう思うのであります。
  225. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 これは論議をしていますと、その点についてはいろいろ物を言いたいんですけれども、私、一言だけ最後に申し上げておきたいのは、生活排水の問題というのが課題になってきておりますけれども、これは生活排水が思うように進まない、大変おくれているというのは、それは、政府の施策が従来は産業基盤整備というところに中心が置かれていた。ですから、生活基盤整備が政策上おくれてきたというのが今日こういう姿になってきていると思うので、特に今度の総量規制を具体化し、実現をしていく、実効をあらしめていくという立場から言いますならば、これは生活環境整備に特段に重点を置いて、各委員からもすでに言われておりますように、その整備は促進をさせる。この点は、これは政府の責任としてやっていただかなければならない、こう思うんですよ。生活排水が生活排水がというふうにだけ言われるというのは、これは生活排水をそれぞれが流しておる国民にとっては、非常に、何となく聞きづらいのですけれども、今日の姿になっている原因というのはそこなんだと、やっぱりそこを早く解決をさせるという構えで、政府が政府の責任で臨んでいただかなければ、これは建設省に言うとったってなかなか頼りには――きょうは呼んでないんですよ、もう呼んでも一緒だと思って。呼んでないんですけれども、環境庁が本当に主体性を持って、総量規制を実効あらしめるために、片手落ちになっていた生活基盤整備を急速に充足をさせていく、こういう立場でひとつぜひ関係省庁を督励していただきたい。政府の責任としてやっていただきたい。このことを申し上げておきたい。  時間の関係がありますから、今度の法案の新しい項目の一つであります赤潮対策ですね、これをごく簡単にお聞きをしておきたいと思います。  すでにこれはもう皆さんも繰り返し質疑をなされておりますので多くをお伺いしようとは思っておりませんが、瀬戸内海における富栄養化の原因物質である窒素、燐、これは年々ふえているというのはデータによって明らかでございます。これは水産庁の資料をいただきましたが、ふえております。で、赤潮の発生件数は、五十二年度は大分減っているんですね。これはどういうぐあいで減っているのか知りませんが、水産庁の資料によりますと減っておりますが、しかし、昭和四十七年からずっと歴年ふえていく傾向というのが出ております。ふえているというだけではなしに、被害の発生の規模というのが非常に大きくなり、被害はきわめて深刻になっているというのは、昨年の赤潮の大変な被害、また四十七年の被害というのが特徴的に示しておりますし、私はそのことを特別にいま一つ一つ申し上げるつもりはありません。しかし、事ほどさように被害は深刻化していると思うんです。  そこで、これ、赤潮については発生機序というのがまだ明確でないということでいろいろ言われているのですが、これは今回の法律改正に、燐の一定の規制を提起をされました。というのは、細部までの解明はできていないけれども、すでに富栄養化の原因物質が燐、窒素であり、それが赤潮との関係では無関係ではないという点、その点を踏まえられてお出しになったと思うんですけれども、どうですか。
  226. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 赤潮でございますが、これは発生の機序といいますかメカニズム、これがまだ明確ではございません。ただ、従来からのいろいろな研究の積み重ねがございます。したがいまして、現在言われておりますのは、燐とか窒素という栄養塩類、こういうものが海域ないしは湖沼に相当流入をするということによって富栄養化するわけでございます。その富栄養化したときに、さらに塩分濃度がどうとかあるいは水温がどうというような気象、海象、そういう自然的な要因が、ちょうど赤潮生物の増殖に好適な条件になったときに赤潮というものが発生をすると、こういうふうに言われております。そういう意味では、その富栄養化というのがやはり赤潮発生の際のベースの一つになるということはまぎれもないと思います。そういう意味で当然燐、窒素にも関係があり得るわけでございます。  したがいまして、今度の法律を仕組みます際には、赤潮の発生機構の解明というものが十分まだできておらないと、これを十分解明することによって、今後そういうものが出ないような有効な防除対策その他も打てるようにこれの解明に努力をしようということがまず一つ。それからもう一つは、そういうものがまだ十分解明し切れないと、しかし、先ほど先生が申されたように、赤潮の発生件数といいますのは、これは年々ふえておる。五十二年はちょっと下がっておることがございますがいずれにしてもふえている。終年化する、あるいは広域化する、悪質化するという傾向をたどっていることはこれは紛れもないわけでございます。したがいまして、CODの方が若干よくなったとか透明度がよくなったと、それだけでは瀬戸内海の水質というものが、三条のあの精神に照らしても、十分かといったら十分じゃございません。したがいまして、CODについても総量規制でもっとこれは完全に、一〇〇%環境基準の達成に向かって進むとともに、まだ科学的な面での知見その他十分ではございませんけれども、この富栄養化対策ということに取り組んでいくべきではないか。排水基準をつくるとかいろいろなそういう規制というところまではまだ十分知見もそろっておりませんけれども、窒素、燐のうち燐については排水処理技術の実用化のめどが出てきたという現実も踏まえまして、これは行政指導ベースではございますけれども、燐の削減対策というものも今後進めていきたいということで、所要の法文を織り込んだわけでございます。
  227. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私は、局長がそういう立場でお出しになったのであろうということは想像をしていたのですけれども、たとえばこれは関経連あたりでも、燐や窒素というのは、「環境基準を未だ設定されていない現状において、指定物質の負荷量の目標値の設定等を行うことは」反対だと、「科学的、合理的根拠がなく賛成し難い。」というようなことを言われているんですよね。こういう言い方というのは、やはり政府の施策の盲点を一つはついておると思うんですよ。と言いますのは、確かに赤潮発生のメカニズムというのは、細部にわたってまで解明はされていないということは事実ですけれども、それじゃ学者、研究者の中で一致したレベルの見解というのは、統一見解に近いものというのはないかと言ったら、やはりもう常識的になってきているわけですね。発生のメカニズムというのは明確ではないけれども、明らかに栄養塩の増加のいわゆる富栄養化の原因物質である窒素、燐というのは、もうこれが無関係だと言っている人はだれもないわけですね。そこがやっぱり問題だと思いますし、たとえばこれはいろいろな学者の意見が出ていますけれども、たとえば京都大学の附属瀬戸臨海実験所ですか、ここの布施慎一郎氏が、赤潮発生の三条件というのを言っているんですね。どんなふうに言っているかというと、一つは、瀬戸内海において「チッソやリンなど栄養塩の流入は、臨海工業地帯の林立と、入口の密集によりたやすく赤潮形成に十分な濃度に達し、しかも」その状態が「恒常的にしている。」と、それからもう一つは、赤潮プランクトンの「増殖刺激物質としてのビタミンB1、B2、鉄、たん白質分解物質であるプリン、ピリミヂン、キレート剤など、陸からのパルプ排水、下水などの流入、底泥の溶出、多産したプランクトンの分解などによって量的に保障されている。」。それから三つ目は、「水の停滞性は流入した栄養塩や刺激物質の拡散を防ぎ、増殖した赤潮プランクトンの高密度を維持する。赤潮の発生にはこれら三条件が揃うことが必要である。」ということを言われている。したがって、閉鎖性水域というのはこれは動かせない地理的条件ですね。で、しかも瀬戸内海における赤潮発生をそういう中で食いとめていくというためには、これは環境庁が踏み切られたように、何としても海域の富栄養化の原因物質である窒素や燐の流入、これを大幅に削減するということが求められているというのはもう明らかですね。  そこで、私は、先ほど関経連の言い分というのが一つは環境庁の盲点をついているということを申し上げたのは、「リン、窒素等の環境基準も未だ設定されていない現状において、」ということを言っているんですね。だからこういう「指定物質の負荷量の目標値の設定等を行うことは、科学的、合理的根拠」がないなどと言われているんですけれども、今日すでに窒素や燐というのが赤潮の原因物質であるということは、これはもう否定しようがないわけです。だから、そうであれば、これは少なくとも今回踏み切っておられる燐については、指導、助言、勧告という範囲にせずに、これはむしろ環境基準を設定して厳しく規制の対象にしていくということの方が、今日の瀬戸内海の置かれている実情から言いますならば一番大事な点ではないかと思うんです。  それからもう一つは、窒素にどうしてお触れにならなかったか、この点ですね。この二つについてまず御意見をお聞きをしたい。
  228. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) まず第一点は、燐の方の関係でございますが、指導、助言、勧告といういわゆる行政指導ベースということで法律を仕組んでいるわけでございますが、むしろそうではなしに、規制ベースといいますか、そういうことで考えるのが筋ではないかと、こういう御指摘かと思います。  そこで問題は、環境基準、それから排水基準という二つの問題があるわけでございますが、環境基準の方は、これは環境水質の望ましいレベルというものをどう持っていくかということでございますけれども、単なる汚濁物質というわけでもございませんので、この辺についてはいろいろ意見の分かれるところもございますし、その辺の知見が不十分だということで、環境基準というものがまだできておりません。  それからもう一つは、排水基準の方になりますが、こちらの方は、問題は排水処理技術が現実問題として可能かどうかということが一番ポイントになると思います。もちろん環境基準というものを将来考えるとすれば、それとの関連性というものも一応考えないといかぬかもしれませんが、問題は、排水基準が守れるかどうかというところにあろうかと思います。  で、問題は、これは先ほども申し上げましたように、燐の方につきましては大分削減の見通し、排水処理技術の見通しというものが立ってきておるということでございます。したがいまして、これについては行政指導ベースで今回削減をやっていこうと、こう思っているんですが、規制基準というようなことで、水質汚濁防止法に言う、要するに生活環境項目の一つとでもして排水基準をつくるというところまでいくについては、まだまだこれは詰めていくべき問題があろうと思います。  といいますのは、一つは、このCODの場合は、先ほど先生からもお話しございましたように、産業のウエートが六割と相当高うございますが、燐の場合はむしろ逆転をいたしております。むしろ七割方が生活系というようなこともございます。そうすれば、その三割の産業系を特に重点を置いてやるということだけで、目的は果たして達成し得るのかどうか。まあいろいろな規制方式といいますか、そういうのも十分今後詰めなくちゃならぬのではないかということも考えられます。したがいまして、いますぐ水濁法に基づく排水基準というのは無理だと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、もう瀬戸内海の富栄養化というのが非常に進行しており、またその被害も出ておりますから、手をこまねいて見ているわけにはこれは絶対にまいらぬということで、不十分な面もあることは私もそのとおりだと思います。しかし、何かここはやるべきであると。各人の方々、各企業なり自治体なり、御努力をいただいて、一応削減というものに向かって努力していただこうということで考えたわけでございます。  それからもう一つは、窒素のことを触れておらぬのはどういうことかと。法文の方では「燐その他」云々ということで、将来、窒素というものが現実的な問題として行政指導ベースでやれるという段階になれば、あるいは政令というもので指定してやり得るという法制の仕組みはとってございますが、それでは窒素は近き将来やるのかということになりますと、窒素の方については、近き将来すぐできるかどうかということについては非常に疑問を持っております。といいますのは、その削減技術の問題でございますけれども、これは、窒素といいますのは、非常にその存在形態も、燐と違いまして、種類も多うございます。複雑でございます。したがいまして、燐の場合はトータル燐と燐酸態燐という二種類ぐらいですが、窒素の場合は四種類以上ございます。通常は四種類はあると言われております。これも濃度によってまたいろんな処理技術の方も考えなくちゃならぬ。この処理技術は、燐の方は硫酸礬土その他の凝集沈でん剤の使用というようなことで削減が相当できるというめどがついていますが、どうも窒素の場合は、単なるそういう凝沈の薬剤等によってやるというのでなしに、やはり相当の施設をつくってやる。しかも、それでさえもまだ開発途上ですが、いろんな問題点が多いと、こういう段階でございますので、この問題については、今後とも研究開発というのは精力的に取り組んでいくべきだと考えますけれども、いまの段階では、行政指導ベースにしても窒素はやるのはまだ無理であると、こういう判断をいたしたわけでございます。
  229. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私は、窒素は技術的に無理だということの御意見はたびたび拝見してもう十分存じておるわけですが、だから、無理だからということではいけないんじゃないか。その言っておられる技術開発の問題、それから下水道の三次処理ですね。下水道の三次処理というのは、もうすでに建設省のたびたびのお話でもおわかりのように、金も食うし、しかもそんなところへやるよりも二次処理を広げる方が大事なんだというお立場でしょう。だから、三次処理が期待できないという状況であり、しかも窒素が無視できないということになれば、これは私考えてみるべきだと思うんです。というのは、たとえば農林省でも建設省でも始めておられるようですが、言われるところの土壌浄化方式ですね。こういう土壌浄化方式のやり方では窒素が一番よく取れるんだそうですね。これはデータによりますと九〇%ぐらい取れるというんですね。ですから、これは公共下水道だとか流域下水道では直ちにそれはストレートには活用できないといたしましても、瀬戸内海というような大きな地域で、いろいろな条件のあるところの地域では、これは大いに研究をし活用も考えてみるべきではないかと考えておるわけでございますが、そういう点も含めて、これはぜひ、あの悲惨な赤潮の被害の実態を見ますならば、少々困難であっても解決のための研究開発、あるいはすでに開発されておるような研究成果の発展利用という点をこれは大いに活用していただくということが大切ではなかろうか、こう思うのでございますが、その点どうでしょう。
  230. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) ただいま先生の方から窒素の関係、窒素を除く方式として、一つは土壌浄化方式というようなお話がございました。たとえばアメリカ等におきまして、相当この土壌浄化方式というのをやっておるところが現にございます。ただ問題は、アメリカはああいう土地が広大なところでもございますし、いろんな衛生面との絡みという問題も、人家等も相当あれしているところもございますから、どうもその辺の土地条件といいますか、土地をめぐる環境条件といいますか、大分違った面もございますので、いきなりアメリカ方式を採用するというわけにもいかぬと思いますが、確かに土壌浄化方式というものの効果のある結果は私も伺っております。問題は、そういう一つの方式だけでぴたっと入らないと思うんです、わが国の場合は。やはりいろんなそのときの条件条件によって、あるいは土壌浄化方式をやれるところもあると思います。あるいは別な方式でやるところもあると思います。そういうことで、土壌浄化方式の方も一応の成果等もあるということも聞いておりますので、その辺も十分さらに、現実的な行政面において取り上げて展開をしていくという姿まですぐ持っていけるものかどうか、そういうものも全体含めてこの窒素というものの除去技術、こういうものを検討してみたいと、こう思っておるわけでございます。
  231. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まあ私は土壌浄化法がストレートにすぐ右から左にどこでも役に立つと、そんな一面的な言い方をしていないんですよ。たとえばということです。窒素、燐の除却率が非常に高いという実績があるんだから、そういったものも一つは研究をし、またその成果を発展させるということなども含めてということを申し上げたんです。  ちょっと念のために聞いておきますが、燐ですね、洗剤の燐はかつてはトリポリ燐酸塩が二〇%入っていたですね。やっと八%まで通産省は落としたでしょう。これはまだもっと落とせるのか。どういう状況ですか、お考えは。これは落とせるんだったら、もっと落としても洗浄効果等の限界を下回らないならば、これはうんと落としてもらうということが非常に大事じゃないかと思うんですが、どうです。
  232. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 合成洗剤にトリポリ燐酸塩等が補助剤――ビルダーとして使われておるわけでございます。問題は、これがいわゆる燐、無水燐酸といいますか、燐が相当入っておるものですから、この燐の含有量を減らすべきであるということで、この面につきましては環境庁としてもこれは減らすべきだという考えに立ちまして、所管の通産省並びに業界の工業会に対しまして、ただいま先生からもお話しございましたように、洗浄能力との絡み合いがこれ一つございます。その辺等もよくにらみ合わせて、この燐分は減らせないかということで、その削減方を極力指導してきたわけでございます。したがいまして、かつて二〇%程度あったものが、現在は業界なりあるいは通産省の指導のラインでは一二%というところはこれは一応の線ができておるわけでございます。特に技術的に進んだメーカーにおきましては、全製品八%というところもございます。それからあるメーカーにおきましては、濃縮のをレギュラータイプに換算すればやっと一二%になっておるということで、レギュラータイプそのものでやると一七%ぐらいまでなっておるという企業もございます。  問題は、今後とも瀬戸内海についてのたとえばこういう富栄養化対策ということで燐の削減計画をやりますが、これは県ごとにいろいろやってもらいますが、合成洗剤の問題はむしろ国レベルで、通産省ともども業界等も指導して、洗剤の洗浄効果等の絡み合いも見ながら、もっと下げてもらいたいということで、国レベルで行政指導を強化していきたい。業界の方は、現在よりより相談しておりますが、現在の一二%というものをさらに下げると、恐らく一〇ぐらいのラインが出るんじゃないかと思いますが、そういうことでいま詰めておるところでございます。
  233. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 昔は二〇%も入れていたんですね。そのころは多摩川でもあわがぶくぶくしていたでしょう。大阪湾の真ん中辺でもあわがぶくぶくするほど流出していたんですね。ビルダーの率が下がってきて、そういうあわがぶくぶくして目に見えて大変だという状況は大分なくなったんですね。ですから、そういう点で、見た目だけではなくて、非常に瀬戸内海汚染の重要な汚染物質の一つであるものですから、特に家庭用に使われる洗剤等については、これは洗剤メーカーなどにも協力は当然要請しなきゃなりませんが、まずこれは環境庁として通産省にそんなところはきちんと取り締まれと、そしてちゃんと研究をして限界のところ――洗浄能力の限界を下回ったらこれは難儀だけれども、そこがどこなのかという点をはっきりさせて、これは大いにそういう点では協力を要請すべきだと。長官、それは一遍通産大臣にぱっちり言うてもらわぬといかぬと思うんですが、どうですか。
  234. 山田久就

    ○国務大臣(山田久就君) 目的に向かってのそういう協力の要請、そういう点は私はきわめて賛成でございます。
  235. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いやまあ、――次へいきます。(笑声)これぜひやってくださいね。  次は、今度の改正法で触れられておらないんですが、埋め立ての問題なんですね。これは臨時措置法の十三条一項の埋め立てについては基本方針で厳しくチェックするということになっております。ところが、そういうことで、十三条一項の基本方針によって埋め立ての問題というのは改正をしておりませんが、十分実効が上がったという点で改正にはお触れになっていないんでしょうか、どうなんですか。触れてない理由です。
  236. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 現行法の十三条、「埋立て等についての特別の配慮」の規定がございます。で、今回の改正案におきましても、この十三条の「埋立て等についての特別の配慮」の規定は、むしろ存続といいますか、踏襲をしたかっこうでございます。  で、結局こういう形にしたのは那辺にありやということだと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、この十三条の埋め立ての特別の配慮につきましては、審議会の方から埋め立ての運用の基本方針といいますものを答申をいただきまして、この基本方針の線に沿って、個別案件ごとに審査をして現在に至っておるということでございます。もちろんこの答申の前文には、「厳に抑制」の方針で臨むべきであるということでもございますので、われわれといたしましてはそういうような心構えで、一般のアセスメントのほかにこの十三条による「瀬戸内海の特殊性」ということも考慮しながら、環境保全に配慮しつつ審査をしてきたわけです。  で問題は、その結果でございますけれども、一応数字的な全体的な姿でながめますと、大体大ざっぱな物の言い方からすれば、施行前に比べて件数において大体半分、それから面積において四分の一というのが年平均ベースでの施行前と施行後の姿でございます。そういう面では相当この抑制の方針といいますか、その面は十分運用の面でも生かされてきておるのではないかと、かように判断をいたしまして、今後もこれを引き継いで、そういう線でもって運営に当たってまいりたいと、こういうことにいたした次第でございます。
  237. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 まあそういうお答えだろうと、数値を拝見して思っているんですがね。  それで、ちょっとお聞きをしておきたいのは、臨時措置法が施行されてから免許申請をやって不許可になった件数ですね。埋め立て免許を申請したけれども不許可になって、いまだに許可されていないという件数というのはおわかりにならぬですか。――ちょっと所管が違うからわからぬのかもしらぬな。大きいので私どもがわかるのは、海田湾がいまだに免許がされていないですね。あとは大体皆免許されているようですがね。小さいのはまああるのかもしれませんが。大きいので問題になっておるケースでは海田湾の問題だけですね、私ども承知しておりますのは。どうでしょう。
  238. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 先ほど私が申し上げました、施行前と施行後の件数で半分、面積で四分の一といいますものは、これは小さなものまで全部含めた総計でございます。  そこで、環境庁の方には、公有水面埋立法四十七条の二項という規定がございまして、先ほども御質問といいますか、もあったように、大体五十ヘクタール以上のものと、それから環境保全上特に考慮すべきだということで、十五ヘクタール以上のものの特別のものが、これは環境庁長官の意見を求めるということで、運輸大臣から意見を求められると、こういう形になっております。環境保全上の意見。  そこで、ただいまお尋ねのあれでございますが、環境庁に意見を求められたというものは、この臨時措置法が施行になって以来現在まで十三件実は意見を求められております。そのうち九件につきまして回答を運輸大臣あてに出しておりまして、残りは四件でございまして、現在これは審査中でございます。その四件は海田湾がこれは二件になります。東部浄化センターの分とあれとございますので海田湾が二件。それから大阪府の二色の浜の埋め立てがございます。それから北九州市の響灘、ここの埋め立てというので合計四件を目下審査中と、こういうことでございます。
  239. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 確かにこの埋め立て免許の実績数値等を拝見いたしますと、法施行前と法施行後では面積的にも件数的にも減っているんですね。そうなんだけれども、よくよく見てみますと、法施行後免許されておる内容というのは、全部むしろ法施行前に計画中であったというふうなものが多いわけですね。  たとえば、大分県の新産都八号地計画、これは四十五年に計画が表面化して、許可申請は五十二年の一月十日です。その日に許可されているわけですけれども、ところが、ここでは直ちにその翌々日、五十二年一月十二日に漁民や住民三百三十二人を原告にしての差しとめ訴訟がやられている。現在係争中ですね。さらに姫路LNG基地の埋め立て問題ですね。これは、計画の表面化というのは法実施前後、ちょっと前ですね。申請はしかしこれは五十二年の二月。で、運輸大臣の認可が五十二年十月四日で、県知事の免許が五十二年十月八日なんです。ここでも五十三年一月六日には漁民、住民百五十二人の原告で知事相手に差しとめ訴訟が起こっている。それからもう一つは、尼崎・西宮・芦屋港港湾計画変更処分ですか、いわゆる浜甲子園の埋め立てと言われているものですね。これも計画の浮上したのは昭和四十五、六年、それから免許申請は五十二年ですが、許可がされているのが五十二年七月十九日で、これも住民二千四人が原告になって、知事を相手に埋め立て差しとめ訴訟がやられている。それから四つ目は、西条沖埋め立て計画、これは愛媛県の有名なものですね。これも計画は法施行前からのものであって、申請が五十年三月、で、五十年八月に免許されているんですね。それから海田湾のが先ほどおっしゃられたようにまだこれは免許がおりていないと、こうなって、ずっと見てみますと、環境庁でいただいたこの資料によりますと、確かに件数も減っておるし面積も減っておる、実効が上がったかに見えますけれども、しかし、この期間内の数値というのは、全部法施行前の計画分が法施行以後に申請をされ、認可をされているということが非常にはっきりしてきているわけです。  そこで、私はなぜこういう言い方をしているかといいますと、その基本方針ですね、十三条の一項による。基本方針でチェックをするということになっているんですね、埋め立てというのは。で、そういうチェック機能というのは十分に働いてきたのか、一体どうなっているんだろうかということですよ。その証拠に、全部これ係争中なんですね、住民差しとめ訴訟などなどね。しかも、大量の原告による差しとめ訴訟がやられているわけですが、こういうことになってきているというのは、これは果たしてあの厳しい――これずいぶん厳しいですよ、この基本方針は。「十三条第一項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針」の中身というのは。このとおりきっちり厳正にやっていたら――やっていたのかもしれませんけれども――こんなに住民から、そんなに莫大な数でもないのにほとんど大きいところは全部係争中になっている。これはきわめて問題だと思っているわけです。  で、確かに数は減ったといいますけれども、数は減ったのは当然のことでございまして、いわゆる高度成長のころに計画をされていたのがあの五年間の法実施期間中に大体免許を出されて、認可をされてということになっているんで、むしろ四十九年以降などについては、あの石油ショック以降は国策で言うても総需要抑制で、そんなに埋め立てがどかどかやられて大企業がどかどか設備投資をするという状況ではなかった。経済の動向からいってもこれは数がどかどかふえるような状況ではなかったというふうに思うんです。法律でチェックをしたから減ったと、それはちょっと思い過ぎではないか。むしろ逆に、この基本方針でこれだけ厳しくということでチェックをまともにやっていたのなら、これほどたくさん住民から提訴をされるということにはならなかったんではないかと思うんですが、その点はどうですかな。
  240. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) まず一つは、この埋め立ての免許実績ということで資料を差し上げておるかと思います。といいますのは、なぜ免許ベースでとらえたかということは、一つはこの十三条の規定の仕方でございますが、「知事は、」「免許または承認について、」「瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない。」ということで、免許ベースでの配慮というような法文の書き方になっておりますので、一応免許ベースでの実績ということでやってございます。したがいまして、ただいま先生からお話しございましたように、この免許という前に、大分前からそういういろんな計画が浮上をしていたと、それがこの段階になって申請され、免許されたと、こういうことだろう、それはそのとおりだろうと思います。  それから問題は、この埋め立て案件につきましては、これは公有水面埋立法に基づきます埋め立てになりますので、当然公有水面埋立法の所要の手続といいますものが必要になってまいるわけです。まあ環境保全上の配慮というような問題も第四条等について書いてございます。もちろん、公示縦覧というような、ああいうような住民の意見聴取をするそういう仕組みも、公有水面埋立法の改正法では取り込まれてきておるという姿がございます。したがいまして、現段階におきましては、そういう公有水面埋立法上のいろんな環境保全上の配慮という角度で十分考え、さらに、先ほども申し上げましたような、大きなところは四十七条の二項で環境庁長官の意見を求められるということで、一般的なアセスメントをやる。特に瀬戸内海はこの十三条の規定があって、埋め立ての運用の基本方針という物差しに照らして、ケース・バイ・ケースで、さらに、瀬戸内海については大丈夫かね、この辺は大丈夫かというのを詰めて、その上で運輸大臣の方にも回答をしているということでございます。  ただ問題は、ただいま大分八号地の問題、あるいは姫路のLNGの関係、浜甲子園の関係等々、現実に差しとめ訴訟というようなものが出ておるものが多々あるではないかという御指摘でございます。確かに現実にそういう訴訟があるということは私も承知をいたしております。この面につきましては、環境庁が、大どころのものについてはいろんなアセスあるいはこの基本方針に沿っての審査というものをやって回答をいたしておるわけでございますが、なお現実の免許という段階で、なおかついろいろ地元住民の方々の御納得を十分得てないというような問題であるいは訴訟が提起ということになっている向きがあろうかと思いますが、環境庁としては、大どころのものについては環境保全上の意見ということで申し上げておりますし、知事さんに対しては、この十二条のあれは、「知事は、」「免許又は」「承認について」云々とこうなっておりますので、十分この答申の線に沿って誠実に抑制の方針ということで環境汚染を来たさないように運用をするという指導を今後とも続けたいと、かように思っております。
  241. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私は、その府県知事がやるというのは知ってますけれども、実際にはまあ総量規制もやらなきゃならぬ、燐の規制もやらなきゃならぬという段階へ来ているんだからね、当面、いわゆる特例を除いて埋め立てを規制するべきだと思うんですよ。そのくらいのところを一つ改正法に入れるべきだとむしろ思うんです、これほど問題が起こってくるということであれば。  さらに、それに関連して申し上げますが、これはアセスメントに絡む部分というのが共通しますので、もう一つ申し上げたいと思いますのは、「特定施設の設置の許可」ですよ。これも臨時措置法五条で知事の許可権にゆだねているんですね。で、この場合にも、知事に提出をするときにはアセスメントを添付して提出をすることになっている。こういう問題も、これも五条でこういうふうにかっちりやっているからいわゆる瀬戸内海の環境保全に役立っていると、こう言われますと――まあ長く答弁されると困るのでちょっともう聞きませんが、これは必ずしも実効が上がっていると言えないという点があるんですよ。私はこの辺が、問題点は後で言いますが、アセスメントの添付を伴うところは、先ほどの埋め立ての問題もそうです。それから、特定施設の設置の許可についてもそうなんですが、たとえば現状のままでいくとするならば、五条というのは十分に機能すると考えられないと思うんですよ。  具体例申し上げますがね、たとえば神戸製鋼の加古川製鉄所三号高炉の増設というケースがあるんです。これの経過を見てみますと、四十九年の十一月十九日に神鋼の加古川製鉄所三号高炉の建設を前提に市と県にアセスメントを出したというんですね。それから、一月二十九日には三号高炉増設の設置届け出を提出した。それから五十一年二月十三日には、神鋼と兵庫県、加古川市三者で公害防止協定の持ち回り調印というのを、ちょっと聞いたことないんですがね、三者調印が持ち回りでやられた。で、五十一年三月一日に神鋼の起工式がやられた。五十三年二月に完成して、火入れ式が終わっているんです。こういう経過のものなんですが、これは五条に適用して、特定施設の設置の許可を受けているんです。その三号高炉もね。で、それまでに、昭和四十五年に一号高炉ができている。四十八年には二号高炉ができている。で、一号、二号高炉で大体五百万トン体制ですね。  で、その一号、二号高炉が稼働していく中で、現地では各種の公害が発生してきているんです。しかも、被害は非常に深刻なんですね。神鋼の真ん前にある別府小学校というところでは、子供のぜんそく・気管支炎の有症率というのが一一・六%から一二・二%に一年間ではね上がるというほどですね。これは物すごい、もうむちゃくちゃ高いですよ。公害健康被害補償法で指定地域、こんな一〇%以上というのはありませんよ。ところがそんなことになっている。  それから、光化学スモッグ予報というのが、四十八年までは一遍もなかったのが、四十九年になったら年に二十回出てきた。  農業では、露地栽培の作物はどんどん枯れていく。ビニールハウスの作物は、上にばい煙がおりるために太陽光線をさえぎられて、発育がとまって、四〇%減収になったと、こういう状況が起こった。  さらに漁業では、四十三年ごろにすでに明石の林崎という漁協では先を見越してノリの養殖を始めたんですね。そこへ一号、二号炉ができた。昭和四十五年に一号炉ができて間もなく、原因不明の赤腐れ病というのが発生しまして、三分の二は全部生産不能になって、やむなく養殖場所を沖へ、相当な大量の資金資金を投じて移さざるを得なかった。で、ノリの養殖の条件というのは、水温一度上がるということが命取りだと言われているんですね。そういう状況がありましたから、三号高炉が操業され出すと大体千トン体制になるんですね。で、千トン体制になってフル操業をいたしますと、日量五百二十八万トンの温排水が神鋼からどかどか出る。日量ですよ、五百二十八万トン。しかも、その水温が摂氏七度。いまは不況のあおりで二号炉がとまっているんですわ。それでまあ二百万トン前後なんです。これが全部フル操業になったらノリの養殖は壊滅するだろうという心配、不安にさらされているというのが今日の姿です。  そこで、こういういきさつがあるために、住民や漁民は、三号炉建設が表面化をしてから、神鋼がアセスメントを提出をされたということで、それを契機にして重大な関心を払い、重大な闘いが起こってきたんです。そうして、漁協と住民が温排水の流れについて、ノリ養殖との関連を明確にしていくために独自のアセスメントをやったんですね。これは閲覧に行くぐらいのことじゃなくて、ちゃんと独自でやってみたんです。どういうアセスメントをやったかというと、瀬戸内海の温排水の流れを見るために、一つはびんによる海流調査、もう一つは赤外線航空写真、この二つをやってみたところが全くぴたりと一致した。しかも、そういう海流の状況というのが全部ノリ養殖場の方に流れているということは明確になっている。ところが、神鋼のアセスメントというのは全然違うんですね。だから、そのアセスメントはこれは事実と違うと、どうも疑義があるということで問題になっていたわけですが、そういう段階から、これはまあ現地加古川の市政、市議会の中では異様な事態で、暴力ざたは起こる、不法、違法ということを重ね重ねて、議会運営なんてもうむちゃくちゃですが、そういうことがやられた上で強行されてきている。  そういうトラブルの問題は現地の問題といたしましても、問題はここなんですよ。この特定施設の設置の許可をとるために、あるいは埋め立てのためにということで必要なアセスメントを企業がやりますね。これに対して住民からいろいろ意見が出、あるいは調査結果が出た場合に、これについて何一つチェックされていないわけですよ、しさいには。だから、大問題が起こってもとにかく通って許可されたらやられると、操業されると、こうなっているわけです。それは企業としては操業するということに踏み切ったら結構かもしれませんが、そのことがどんなに住民にあるいは漁民に被害を与えるかもわからないし、瀬戸内海の環境破壊にどれだけ寄与するかわからぬということになるわけです。  そういう点で、私が冒頭に申し上げたように、この五条の「特定施設の設置の許可」というこのやり方だけでは、瀬戸内海の環境の汚染防止、あるいは汚濁防止というものを推進していく上で本当に役立っているのかどうか、きわめて大きな疑問を感じるわけです。むしろこういうところでは、瀬戸内海では、大きな工場、企業の施設をつくるという場合には、厳密なアセスメントをやらせるということと同時に、もうどんなことがあっても住民の参加を抜きにしては、開発をやる場合に環境を破壊から守ることはできないという点を痛感をするわけですが、こういう点をひとつ強化していくと、チェック機能を強化していくということを考える必要はないですか。この点どうです。まあ事情を知っているのか知らないのか知りませんが、これは具体的な実例ですから。
  242. 二瓶博

    ○政府委員(二瓶博君) 瀬戸内海法の五条以降に、「特定施設の設置の許可」の規定がございます。これは現行の臨時措置法におきましてこの「特定施設の設置の許可」の制度があるわけでございます。これは先生も御存じのとおり、水質汚濁防止法におきましては、特定施設は届け出制に相なっております。ただ、やはり瀬戸内海につきましては、臨時措置法を制定する時点におきまして、瀬戸内海の環境保全を図るという観点に立って、この特定施設の許可制というものを一つの大きな目玉ということで盛り込まれたと、かように聞いております。結局、許可ということでございまして、その際に、ただいま先生からもお話しございましたように、許可申請書にアセスメントのあれを添付すると、こういう形もとっておるということで、そういう面では知事さんがこれを許可するかどうかというときの判断に非常にこの面を重視をしてやっていくと、こういう非常に何といいますかユニークな制度を取り入れているわけです。  問題は、ただいま具体的に御指摘のあった神戸製鋼加古川製鉄所の関係につきまして、これは詳細は実はよく存じておりません。ただ、二言だけ申し上げておきたいと思いますのは、いろんな経緯がありまして、どうもこの三号局炉の建設の問題があったようでございます。で、三号高炉の建設という話になりますと、単に水質の話だけでございません。もちろん温排水の問題もあるわけですが、大気の問題もあろうと思います。いろいろな関係で公防協定の改定と、先ほど持ち回り調印というお話でございました。これが五十一年の二月にございました。そこで排水量の変更等も、日量最大五百二十八万トンというような話もあったように聞いておりますが、そういうような公防協定がございまして、そしてその後で、いわゆるこの瀬戸内海法五条の許可ないしはこれの変更の許可、こういう形で許可申請が実は五十二年の五月の二十日付で申請が出ております。ですから、五十一年の二月に公防協定が改定されて、それから一年三カ月ほど後に許可申請が出てまいったということでございまして、したがいまして、この面につきましては関係府県なり市町村長なり、利害関係者いろいろ意見も聞いたわけですが、まあ公防協定の段階で大分大筋が固まったんでしょう、この特定施設の許可についての意見を求めた段階では、特に意見はなしということでございまして、それに基づいて五十二年の十一月許可をしたと、こういう経緯になっております。それだけ一言申し上げておきます。  そういう具体的な案件がもう一つあるんですが、問題は、こういう特定施設の許可制という形のものをさらにもっと強化するといいますか、そういうようなことが考えられぬかというお話でございますが、ただ問題は、この瀬戸内海法といいますのは、一つの環境保全法と、こういう枠がはまっているわけでございます。したがいまして、瀬戸内海法についてのいろんな事柄について、開発から、工場立地から、まともにとらえたかっこうで瀬戸内海法ということでいろんなものが入ると、こういう仕組みじゃないわけですね。ですから、環境保全法という形でこの特別法が考えられており、その環境保全という場合には水質の保全、自然景観の保全等が重点になるわけでございますが、そういう側面から接近するわけでございます。そういう接近の仕方ということで、水濁法で届け出になっているのを、これを許可ということで一歩強め、そしてアセスメントつきであるということで、やや工場立地的な、立地規制的な色彩、これは入ると思います。入りますが、そういうアプローチ、側面からの接近なんでございます。したがいまして、たとえば先ほど、三号炉について、高炉を建設するについて、神鋼の方でアセスメントを前にやった、これについて、十分住民の参加というようなかっこうのものがどうもなかったようだ。で、そういうようなものもこの後継ぎ法でひとつ強化をしていくというようなことは考えられぬかというような御趣旨かと思いますけれども、そういう鉄工所、製鉄所をつくる、何をつくる、そういう際のアセスのやり方とか、それをやったときのどうのという話は、これは環境保全法というこの角度での問題としてはちょっと荷が重過ぎるのではないか。で、実は今回の通常国会に対します際にも、この後継法と水質汚濁防止法、これを出すとともに、アセスメント法案をも同じ国会に出すということでいままでやってきているわけでございまして、たまたまいろいろな都合でアセスメント法は残念でございますけれども、うちの方はちょっとその先に、やっと辛うじて提案になったというようなことで、両々相まってと、こう思っておったことでございますので、やはりそういう角度に立てば、瀬戸内海法は環境保全の一般法に対する特別法であるという特殊性にかんがみて、考えられる限度で考えるということで、やはり現在の水質汚濁の防止というその側面からの特定施設の許可と、工場立地の規制的な要素の入った、これがせいぜいで、これ以上というのはちょっと無理ではないかと、かように考えるわけでございます。
  243. 田中寿美子

    ○委員長(田中寿美子君) 本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時三十二分散会