運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-06-13 第84回国会 参議院 商工委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和五十三年六月十三日(火曜日)    午前十時二十七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任      藤井 恒男君     井上  計君  六月十三日     辞任         補欠選任      矢田部 理君     瀬谷 英行君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         楠  正俊君     理 事                 大谷藤之助君                 福岡日出麿君                 対馬 孝且君                 安武 洋子君     委 員                 岩崎 純三君                 下条進一郎君                 中村 啓一君                 長谷川 信君                 真鍋 賢二君                 前田 勲男君                 増岡 康治君                 穐山  篤君                 大森  昭君                 小柳  勇君                 瀬谷 英行君                 矢田部 理君                 馬場  富君                 峯山 昭範君                 市川 正一君                 井上  計君                 柿沢 弘治君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 赳夫君        外 務 大 臣  園田  直君        通商産業大臣   河本 敏夫君        自 治 大 臣  加藤 武徳君    政府委員        防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君        外務省アジア局        長        中江 要介君        外務省アジア局        次長       三宅 和助君        外務省欧亜局長  宮澤  泰君        外務省条約局長  大森 誠一君        外務省条約局外        務参事官     村田 良平君        水産庁長官    森  整治君        水産庁次長    恩田 幸雄君        通商産業大臣官        房審議官     島田 春樹君        通商産業省立地        公害局長     左近友三郎君        資源エネルギー        庁長官      橋本 利一君        資源エルネギー        庁石油部長    古田 徳昌君        海上保安庁長官  薗村 泰彦君        自治大臣官房審        議官       花岡 圭三君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        外務省経済局外        務参事官     羽澄 光彦君        会計検査院事務        総局第四局長   阿部 一夫君    参考人        石油開発公団総        裁        徳永 久次君        石油開発公団理        事        江口 裕通君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸  棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う  石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特  別措置法案(第八十回国会内閣提出、第八十四  回国会衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十二日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が委員に選任されました。     ―――――――――――――
  3. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) この際、一言申し上げます。  日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案の審議に当たり、混乱を生じましたことは、委員長といたしましてまことに遺憾に存じます。  安武君から委員長不信任の動議が提出されました。よって、委員長はこの席を譲って、理事大谷君に議事を主宰していただきます。   〔委員長退席、理事大谷藤之助君着席〕
  4. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 商工委員長楠正俊君不信任の動議を議題といたします。  まず、提出者より本動議の趣旨説明を願います。安武君。
  5. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は日本共産党を代表して、楠正俊商工委員長の不信任の動議について提案理由を説明いたします。  楠委員長は、当商工委員会において、日韓大陸だな協定の実施に伴う特別措置法案の審議が円満に続行中であるにもかかわらず、六月八日、質疑打ち切りの採決を行ったと称しています。  本法案は、その内容が、わが国の主権的権利の放棄につながる反国民的なものであるからこそ、一九七四年五月に国会に提出されて以来、廃案と継続審議を繰り返してきたものであります。したがって、当委員会の審議に当たっても、わが党は再三にわたり慎重審議を求めてまいりました。ところが、当時十一名の質疑通告者のうち、十時間の質疑通告を行っているわが党の市川議員を含め、過半数の六名がまだ全く質疑を行っておらず、私自身もなお三時間四十五分の質疑時間を残したままであり、とても審疑を尽くしたとは言いがたい状況でありました。  また、委員長が正規に行われたと称される質疑終局の動議の提案、表決及び委員長の採決はきわめて不正常な中で行われたものであり、当時の状況から見てもとうてい採決が行われたとは認めがたいものであります。  さらに、委員長が質疑打ち切りを可決したとする以前に、委員長不信任動議を私を含め委員より明確に文書で提案を行っていたにもかかわらず、これを無視し、先決動議として扱わなかったことは院の先例にも反しており、質疑打ち切り採決そのものが無効だと言わなければなりません。  以上のごとく、質疑が円満に理事会決定に基づいて行われていたにもかかわらず、強行に打ち切った委員長の行為は、委員の審議権を踏みにじり、委員会の議事に責任を持つ立場にありながら、みずから委員会の民主的運営を破壊したものであり、その責任は深く問われなければなりません。  さらに本法案は、審議をすればするほど法案の問題点と共同開発をめぐる疑惑が拡大してきております。  たとえば、共同開発を日本の側から提案したものではないかと見られる第六回日韓定期閣僚会議における中曽根・大平・金会談をめぐる疑惑や岸、矢次氏ら韓国ロビイスト集団である日韓協力委員会の暗躍の疑惑、また国連海洋法会議の動向が、日本の主張する等距離中間線による大陸だな境界画定論にとって、有利に展開しているという問題などがそうです。さらには、共同開発が実質的にはメジャーの手で行われ、その権益が手厚く保障されているという問題、また北部協定、その境界画定に当たって、竹島を無視して線引きされている問題など、引き続き解明を要する疑惑と問題が山積しております。  また、韓国による竹島の侵略や共同開発区域の単独開発の予告など、わが国の主権を著しく侵害し、共同開発の前提そのものが崩れ去っている事態も明らかになっております。  さらには、これらの疑惑と問題点の解明のためわが党が要求した岸、矢次氏らの参考人招致や日韓協力委員会の議事録の提出、北部協定での竹島の扱いについての政府統一見解などがいずれも留保されたままになっております。  以上の疑惑や問題点の解明は国民に対する国会の責務であります。  法律というものは一度通れば国民を拘束するものであります。したがって、立法過程は適法に民主的に、徹底的に審議がなされなければなりません。ましてや本法のごとく、わが国の主権と国益にかかわる重要な法案であればなおさらのことであります。にもかかわらず、審議を力ずくで打ち切ろうとした委員長の態度は、まさに国民に対する国会の責務を放棄し、国益を投げ捨てるようなものであり、日韓癒着の黒い疑感を国民の目から覆い隠そうとする、そういう勢力に加担する、きわめて不当な行為と言わなければなりません。  また、このように法案の慎重審議が強く求められているにもかかわらず、質疑終局を主張する会派とくみして審議を打ち切ろうとした楠委員長の行為は、委員長の中立性を損なうものであるばかりか、議会制民主主義と参議院改革への努力をどろぐつで踏みにじる、国会を汚辱する行為であり、委員長としての責めを問われるのは当然であります。  私は、以上の理由をもって楠委員長に対する不信任案を提案するものであります。
  6. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 討論のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  7. 市川正一

    ○市川正一君 私は、ただいま議題になりました楠委員長不信任動議を支持し、安武委員の提案に全面的に賛成する立場から討論を行うものであります。  申すまでもなく、国会法第四十八条は「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」と明確にその任務を規定しております。にもかかわらず楠委員長は、議事を整理するどころか、矢田部委員の質問のさなか、突如として発言を求めた自民党委員を指名し、正常な議事運営を妨害し、秩序を保持するどころか議場を混乱に陥れたことは、当日の事態から明白であります。  これに対して、私ども共産党初めその他の委員諸君が委員長不信任の動議を提出したのは、委員会運営の最低限のルールを守るための当然の要求であります。しかも、委員長不信任動議が先決動議であり、直ちに議題としなければならないことは、参議院委員会先例録、昭和四十三年版の百二十ページにも明記されているところであります。それにもかかわらずこれを放置した楠委員長の責任は、二重、三重の意味で重大と言わなければなりません。  さて、最近に至って、一般新聞やマスコミも、本委員会の審議とも関連して、大陸だな協定及び関連国内法案についての論評や解説を報道しております。たとえば、朝日新聞六月五日付朝刊は「問題点多い「日韓大陸だな」」「共同開発なお疑問」「絡む中国の抗議や「竹島」」という見出しで報道し、六月七日の読売新聞も「大陸だな法案波乱含み大詰め攻防」というインサイドレポートを特集し、また強行打ち切りの翌日の六月九日付の毎日新聞も「日韓大陸だな開発 三つの疑問符」「専門家でも割れる資源評価 技術も資本もメジャー依存」という解説を掲載しております。これらは、政府がこの問題の本質や実態を国民にひた隠しに隠し、国民に知らさずに強行しよう、そういう姿勢の中で、本委員会での審議を通じて解明すべき問題点が明らかになり、国民の間にも大きく関心が高まりつつある、そのことを反映したものであります。したがって、本委員会の審議を通じて提起されている問題点をさらに深め、解明し、これを国民の前に明らかにしていくことは、まさにわれわれ本委員会に課せられた重要な責務と言わなければなりません。  その問題点の幾つかに触れるならば、第一はわが国の主権、主権的権利の行使にかかわる一連の問題であります。第二には日韓癒着絡みの一連の疑惑をめぐる問題であります。さらに第三の問題としてアメリカの国際石油資本いわゆるメジャーとの関連の問題であります。第四には海洋汚染を含む漁業問題があります。  これらの問題をさらに審議を深めることこそ本委員会の責務であるにかかわらず、打ち切り強行を行ったことは、まさに議員の審議権を封殺し、言論の府である国会の自殺行為と言わなければなりません。しかも、この暴挙に対する参院議長のあっせん案は、事実上これを容認するものであり、結局は強行採決、全委員会ストップ、空転、議長あっせん、一件落着という従来の最もあしきパターンの繰り返しにすぎないのであります。
  8. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 市川君、簡明に願います。
  9. 市川正一

    ○市川正一君 はい、結論に入ります。  この強行打ち切りをめぐって巷間いろいろのことが報道されております。一部の新聞報道、たとえば九日付朝日新聞は「舞台裏協議で野党側も了解」という見出し、事前に与野党の折衝があったやに伝えており、また十二日付の毎日新聞は「今国会末期の「日韓」収拾劇。芝居説がしきりに流れた。国会内では自民党幹部の口から「クスリが早く効きすぎた」という言葉が。」などと報じられております。私は事の真偽のほどは知る立場にありませんが、これらの報道に関して野党であるわが党は全く関知せず、一切かかわり合いのないことをこの際明確にし、あくまでもこうした暴挙を行った委員長は断じて信任できない。  このことを重ねて強調し、討論を終わるものであります。
  10. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 他に御発言もなければこれより採決を行います。  商工委員長楠正俊君不信任の動議に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕
  11. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 起立少数と認めます。よって、本動議は否決されました。  委員長の復席を願います。   〔理事大谷藤之助君退席、委員長着席〕     ―――――――――――――
  12. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 本日の質疑順序について申し上げます。  午前中、矢田部君及び馬場君とし、午後は市川君、井上君及び柿沢君の順序で行い、引き続き福田総理の出席を求めて締めくくりの質疑を行います。     ―――――――――――――
  13. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案の審査のため、本日、参考人として石油開発公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  15. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 日本国と大韓民国との問の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案を議題とし、議長あっせんの趣旨に基づき本案の質疑を行います。
  16. 矢田部理

    ○矢田部理君 従来私の質問中に質疑打ち切りの動議が出されて、きわめてあいまい、中途半端なまま今日に及んだことを大変遺憾に思っています。  したがってまた、きょう改めてこの確認的に同じ問題を議論することを私は率直に避けたいのでありますが、通産省の態度が依然として不明確であります。言うならば、従来外務省との関係で非常に問題があった地域であります。  つまり、協定では日本の十二海里内に共同開発区域が入っている。その後日本は十二海里宣言をしました。その十二海里宣言をしたために、日韓大陸だな協定の共同開発区域はその限りで修正をされたんだというアジア局長の解釈があるわけです。これは法律の正当な解釈ではなくて、あえて言うならば三百的解釈なんです。条約があって、後に法律ができたからといって、その法律は条約修正的効力はないというのが国際法の基本的な正統派の解釈なんであります。そういう問題が下敷きにあります。そこへ今度は、国内法はそのことをあいまいにしたまま今度の法案を提案をしたということに私たちは非常に将来に問題を残す可能性を指摘をせざるを得なくなるということが事の経過なんであります。  つまり、国際法的に見るならば、アジア局長の答弁にもかかわらず、日本の領海十二海里宣言は、大陸だな協定修正効力がないとするなら、依然として円弧で区切られた日本の領海十二海里の重複部分についても大陸だなだと主張される可能性、余地が残されている。これをやっぱり明確にするのが、国内法でやったからといってまた同じ質の議論にはなりますけれども、少なくとも国内法的にもその点は明確にすべきである。それを今度通産省は不明確なまま抽象的な表現で扱おうとしている。そして、告示段階でこれを明確にすると言っているのが大方のこの議論の食い違いと問題点だったというふうに私は思うわけです。その点で、告示段階で明確にするのではなく、大臣レベルで明確にするのではなくて、国会、法律レベルで少なくとも明らかにすべしというのが私たちの主張の基本でもありました。その点について通産大臣、告示レベルや大臣レベルではなく、ここで明らかにできませんか。
  17. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点につきましては、共同開発区域と共同開発鉱区の二つに分けてお答えした方がよかろうかと思います。  御指摘のように、領海幅が十二海里になったことによりましていわゆる共同開発区域の一部がわが国の領海となる、その部分に関する限り共同開発区域から当然に除外されるということになるわけでございまして、この点については外務省の方で口上書をもって韓国サイドと確認し合っているということでございます。  次の共同開発鉱区につきましては、特別措置法案の八条で直線でもって境界を定めるということになっておるわけでございますが、いわゆる十二海里幅の領海拡大に伴いまして共同開発区域の外縁部が部分的に円弧状もしくは曲線状になる、これとの関係をいかが取り扱うかという問題かと思うわけでございますが、私たちの考え方は、こういった曲線に対応して申請者がどのような形で鉱区図を添付してくるかということは、要するに円弧状になっておる区域におきまして、鉱区申請に当たりまして、申請者は円弧の外側、言うならば共同開発区域側に直線を引きまして鉱区申請を行ってくるというふうに理解されるわけでございまして、それに対して、通産大臣は当然特別措置法案八条に基づきまして直線で鉱区を許可する、こういう関係になってくるわけでございます。そういったところから、ただいま矢田部委員から告示よりもむしろいまの段階で国会段階でその線を明らかにすべきであるという御指摘でございます。  ただいま申し上げましたように、申請者が申請に際して出す鉱区図によってその直線がどこに引かれるかということが出てまいるわけでございまして、いまの段階でどこの部分に円弧の外縁に沿った直線で鉱区を規定するかということは事実上できないということでございます。さようなところから申請者から提出される鉱区図によってその直線を最終的に画定したい、かように考えておるわけでございます。   〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕
  18. 矢田部理

    ○矢田部理君 いまの説明にもかかわらず私は率直に言って納得できないわけです。とりわけ申請者が決めるべきものではなく、この法律によっても告示の段階で小区域を決めるわけであります。申請者の申請に依拠せしめるという考え方にも一つの問題があります。しかしながら、この問題は質問を留保してきょうは自治大臣が見えておりますので、そちらを先に質問をしていきたいと考えています。  自治大臣、地方税について大陸だな、とりわけ領海を超えた大陸だなと言った方が正確な意味になるかもしれませんが、大陸だなの共同開発、あるいは単独開発もございますが、についての地方税の考え方についてまず基本的な考え、見解を伺っておきたいと思います。
  19. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 地方税といたしましては、都道府県税でございます鉱区鋭とそして市町村税であります鉱産税、この両者があるのでございます。市町村税であります鉱産税につきましては、現行の地方税法を適用いたす、かようなことでございますけれども、鉱区税につきましては、日韓大陸だな法案では、共同開発区域について鉱業法の適用を除外していることは御承知のとおりでございます。そして鉱業権に相当いたします権利としまして特定鉱業権を設定いたす、かように相なっておるのでございますから、このために鉱業法上の鉱業権者に課税することといたしておる現行地方税法の鉱区税を課することができないために、この法案におきましては、特定鉱業権者を鉱業法上の鉱業権者とみなして、地方税法の鉱区税を課税いたす、かような特例が定められておるのでございます。
  20. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで伺いたいのでありますが、本来鉱業法と地方自治法との絡みで言えば、都道府県が鉱区税を取れます、市町村が鉱産税を取れる構造になっているわけですね。ところが今度は、鉱業法ではなくて、特別鉱業法みたいなものを共同開発に当たってつくられた。その際に鉱区税については導入をいたしましたが、鉱産税を規定しなかった。つまり、市町村の当然の財源になる筋のものが、なぜこの特例法では規定をされなかったか。自治大臣、この点についてどういうふうに受けとめておられましたか。
  21. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 鉱産税につきましては、ただいま申しましたような市町村税として課税いたすのでございますけれども、現行の地方税法で当然課税し、徴税が可能である、かような見地からでございます。
  22. 矢田部理

    ○矢田部理君 ちょっと確認的に伺いましたが、特別規定をしなくても、この共同開発区域について鉱産税は当然に市町村が課税することが可能だという見解ですか。
  23. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) はい、そのとおりです。
  24. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、この鉱産税を課税する基準とか関係市町村、これはどういうふうに考えられますか。
  25. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 御承知のように、鉱産税は作業場の市町村が課税いたす、これがたてまえでございます。そこで、実際に作業をし、鉱産物が採掘をされます場合に、関係市町村がおのずから決まると思うのでございますけれども、しかしおれのところだというようなことで、いろいろ議論が起きようことは想像にかたくないのでございまして、そこで同一都道府県内におきまする市町村で競合した考え方の生じました場合には、都道府県知事が調整をいたす、かようなことでございますし、なお数府県にまたがります場合には、自治大臣に裁決を求める、かようなことに相なっておりますから、自治相が決定をいたす、かようなことになろうかと思います。
  26. 矢田部理

    ○矢田部理君 今度の特例法では、同じく地方自治法に規定をされていた鉱区税については特別規定を置いたわけですね。鉱区税については特別規定を置いた。そして従来の質問に答えて、関係都道府県も、自治省の考え方を示された。それから関係都道府県に対してどういう基準でやるかという基本の原則も、この特別措置法ではつくられた。  ところが、鉱産税についてはその種規定がないわけですね、この特別措置法では。都道府県以上に、関係市町村ということになると数も多くなるはずだし、いろいろな混線、混乱状態が起こる可能性がある。当然ながら、この特別措置法に規定をされなくても、共同開発区域について鉱産税を取れるということになりますれば、関係市町村が非常に競合する危険性――危険性というか、可能性が強いわけですね。これをやっぱり法律上どういうふうな基準で分けるかということを、今回の特別措置法は規定してしかるべきだったのじゃないでしょうか。法案提案の責任者、責任省庁である通産省はこの点をどう考えられたでしょうか。
  27. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいま自治大臣からお答えのございましたように、鉱区税につきましては減免措置を講じておるわけでございますが……(「ちょっと聞こえない」と呼ぶ者あり)鉱区税につきましては減免的特例措置を講じておるわけでございますが、鉱産税については標準税率が適用される、こういうことになっておるわけでございまして、特別措置法の中に改めて掲記する必要がなかったということでございます。  それから関係市町村の問題につきましては、これは自治大臣の方の判断によって決められるものと、このように理解いたしております。
  28. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうしますと、いま自治相が、領海外の大陸だなでも鉱産税は当然に取れる、日韓共同開発区域についてもしかりという見解に立たれているわけでありますから、そうだとすれば、従来関係都道府県は、鉱区税について一応説明をされたわけですが、関係市町村として考えられる地域、町村をひとつここで明らかにしてほしいと思うのです。
  29. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 御承知のように、鉱区税と異なりまして鉱産税なるものは、現に鉱産物が産出をされましたその作業場を基準に課税をいたすのでございますから、ですから鉱産税につきましても、数県が関係いたす、かようなことでございまして、したがってどこの地点で現実に油が出たか、このことによりまして鉱産税が決まってくるのでございますから、いまここで関係市町村がどこということは明確にはいたしがたいことは御理解がいただけようかと、かように思う次第であります。
  30. 矢田部理

    ○矢田部理君 それは、油が出たことでいわば鉱物の価格に課税をするというのが、これは鉱産税の基本でありますから、その考え方はわからないわけではないのですが、ただ私たちは、鉱区税の関係都道府県でも線の引き方がきわめて容易でない、この法律ができてもその基準はいまだに不明確で、いろいろな関係の県の議論が出てくる余地があるというふうに思っているわけです。まして市町村ということになりますと、それは油が出てみなければ、その場所によって違うし、わからないという言い方も一つの説明として理解できないわけではないのでありますが、言うならば、大陸だなでありますから、作業場所在の市町村という地方税法の規定ですね、この作業場というのは、私が想定するところでは、関係市町村にできる場合もあるかもしらぬけれども、大方はやっぱり海の中にできることになりますね。しかも領海の外の海の中にできる作業場、その関係市町村というのは一体どこなんだろうかということになると、ますます状況が複雑になってくる。  したがって、この段階で少なくとも関係市町村はここだと特定はできなくても、こういう基準で関係市町村を決めますという具体的な基準程度は出してしかるべきではないか。またそれを明確にしておかないとますます混線する状態が起こる可能性がある。そこで、関係市町村を決める具体的な基準、作業場所在論では基準化できない、これをさらに敷衍化した具体的基準を必要とせやせぬかというふうに思うんですが、そこはどう考えておられますか。
  31. 花岡圭三

    ○政府委員(花岡圭三君) この日韓大陸だなの共同開発鉱区につきましては、特に鉱区税につきまして先ほど大臣が申し上げましたように、特例の規定を置いておりますが、鉱産税を考えましたときに、特にこの日韓大陸だな以外の大陸だなが仮にございまして、そこに石油が出るというふうな場合にも、これは現在の地方税法を適用して課税をするという考え方でございますから、特に鉱産税の問題につきましては、日韓大陸だなにのみ関連した問題ではございません。したがいまして、一般的な地方税法の規定を適用するということでございますので、これは鉱産物が出てまいりましたときにどのように課税をするか、これは大臣も申し上げましたように、地方税法八条の手続によることになろうというふうな考え方でございます。なお、特にこれが非常にむずかしい、課税関係が明確でないから何とかしろというふうなことになりますれば、場合によっては採掘の段階におきまして立法で明確化しなければならない事態も生ずるかとも存じます。
  32. 矢田部理

    ○矢田部理君 明確化しなきゃならぬ事態が生ずるかと思うんじゃなくて、地方自治体の財源にとって重要な中身を持つわけですね。とりわけ石油が出たというふうなことになれば大変な競合関係が起こる、海のかなたの作業場がどの町村にかかわるのかなどということは、大変重大な事態になるわけですよ。税財源を求める市町村にとってみれば。現に、この新潟の阿賀沖油田の場合における鉱産税についても、新潟市と他の町村との間でいろんな議論がありました。まして、十二海里よりも外にある共同区域のある一点にこの油が出たという場合、その関係市町村はどこかということになると、これはもう当然のことながらいろんな市町村が名のりを上げる、少なくとも。だから、鉱産税は取れるということはわかりましたから、それならば、その基準だけはこの段階で明確にしてほしい、すべきだというのが私の見解ですが、将来起こったらやるということではあいまいであり、不明確である。自治省の規定だけでは賄えないということもきわめてはっきりしているということで、もう一回だけ見解を求めます。
  33. 花岡圭三

    ○政府委員(花岡圭三君) 先ほど申し上げましたように、これは先生の御指摘のように阿賀沖にもそのようなことがあったわけでございまして、この日韓の大陸だな以外のところでもそのような事態が起こるわけでございます。したがいまして、他の大陸だなにおきます鉱産物の発掘、こういった場合と同じでございますので、特に、ここだけ先に特定しておかなければならないということは現在考えておりません。ただ、先生のおっしゃいますように非常に広い地域、どこに出るかわかりませんが、争いは仮に鉱物が出ましたときにはそういった事態は起こると十分考えられますので、その時点におきまして手当てをして遅くはない、このように考えております。
  34. 矢田部理

    ○矢田部理君 そういうあいまいな答弁、あるいは場合によっては自治法の規定だけでは賄え切れないことを、ひとつ警告し、指摘をしておきたいというふうに考えています。  あわせて、自治大臣もう一点だけ、時間の都合もあるようですから伺っておきますが、鉱区税の話が出ました。鉱区税も当然、自治法上大陸だな等についても取れるのであるが、この際は共同開発であるから、課税の基準について鉱産税のように標準税率が決まっていない、一%というふうにならない。鉱産税は一%ということになりますね。そこで特別の規定を特別措置法に置いたのであるという説明だったように受け取れたわけですが、その課税の基準がこの特別措置法に出ております。これは採掘権が二百四十円、鉱業法で言えば。なのを二分の一の百二十円にしました。試掘権については百二十円を六分の一の二十円にしました。従来の議事録を読んでみますと、採掘権が共同開発だから半分だということで二分の一にしたのだという説明はございますが、試掘権の方はどうして六分の一、共同開発なら同じく二分の一でしかるべきだとも思うんですが、六分の一に試掘権の方はしてしまった根拠はなぜなんでしょうか。
  35. 花岡圭三

    ○政府委員(花岡圭三君) 試掘権の方につきましては、先ほどお話がございましたように、まず折半ということが一つございます。そのほかに、この探査につきまして、この探査を行うべき区域というのが非常に広く設定されておりますわけでございまして、わが国におきまして公海上に設定されます鉱区、これに比べましてきわめて大きな鉱区が設定されまして、出るか出ないかわからない、従前、通常の場合でございますれば地震探査等をいたしましてある程度見込みがあるところに試掘権を設定するわけでございますが、今回はこの地震探査もこの探査権の内容になっているわけでございまして、これを国内鉱区と同じ税率でやるというのは非常に酷になってまいります。したがいまして、これをさらに三分の一にするというふうな考え方をとったわけでございます。
  36. 矢田部理

    ○矢田部理君 地域範囲が広いということは、何も日韓共同開発区域だけには限らぬでしょう。日本周辺の領海内外にわたる単独開発だって同じような問題は起こるんじゃありませんか。そこでは一〇〇%取る、試掘権についても。共同開発区域だけまけてやるという議論はないんじゃありませんか。常盤沖にしたって、その他の九州沖にしたって、それは当然のことながら日本の鉱業法が適用になる。共同開発区域だけ広過ぎるという、あるいは広いという議論はいただけないんですが……。
  37. 花岡圭三

    ○政府委員(花岡圭三君) 現在のところ、通常の海洋鉱区につきましては、鉱業権鉱区設定につきましては三・五平方キロということで大体やっておられるようでございますが、今回の共同開発鉱区は国際的な関係で決まりましたものですから、八万二千六百六十三平方キロ、実に広大なる面積を設定しておるわけでございます。九つの索道に分けておりますが、それにいたしましても、一つの鉱区は九千平方キロを超えるというふうに、わが国の三・五平方キロという通常の海洋鉱区と相当違っておるという事例がございまして、出るか出ないか、地震探査もやっていないというふうな事情もございます。
  38. 矢田部理

    ○矢田部理君 ますます問題じゃありませんか。出るか出ないか、地震探査もやっていないということを私たちが指摘したときには、通産省は、エカフェの調査を基礎にしつつも、あたかも石油が大変出そうな話、外務省に至っては、それに輪をかけて誇大な宣伝も含めてやってきて、今度は自治省の税金を取る段階になってみたら、逆に出るか出ないかわからぬからまけてやったんだ。この議論は、政府としてはいかにも各省庁ばらばらじゃありませんか。各省庁、適当に、その場その場で自分たちの都合のいいように、この問題をさわって説明をしているとしか考えられない。  自治大臣、もうこれだけで終わりますけれども、これどうしますか。少しまけ過ぎじゃありませんか。ほかにも、いろいろその手のものがこの特別措置法には含まれておりますけれども、その見解を伺って、地行の方があるそうですから……。
  39. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 御承知のとおり、この共同開発区域で出ましたものは、その出たものも折半をいたす、また経費も折半をいたす、かようなことでございますから、したがって二分の一でございますけれども、ただ、いま説明をいたしましたようなリサーチにつきましては、先ほど面積の指摘がございました、通常海上でリサーチいたします場合には三・五平方キロ程度のごく狭いところに限ってのリサーチでございますが、ところがそれが八万二千という大変広大な地域でございますから、ですから、自由自在にどこでもリサーチするでございましょう。そして、それに課税いたしますのはまず六分の一ぐらいが限度であろうと、かようなことで判定をいたしたようなことでございますから、これまた御了承いただきたい、かように思う次第であります。
  40. 矢田部理

    ○矢田部理君 大臣結構です、いまの大臣の答弁には納得できませんが。  大ざっぱに、広いからまけてやったと。それを六分の一という、別に根拠は何かあるんですか、審議官、六分の一の。要するに二分の一の方は韓国と折半だから半分にしたんですと、こういう説明は、それは形式的には一応わからないわけではないが、それをさらに一方では六分の一にしたということになると、これはただ広過ぎるという説明だけでは、つかみ金というか、どんぶり勘定というか、アバウト過ぎるんじゃありませんか。
  41. 花岡圭三

    ○政府委員(花岡圭三君) 一つには、二分の一にしてさらにそれを三分の一にしたということでございます。この協定によりますと、この共同開発鉱区は将来見込みのないようになる区域も含んで設定されておりますから、一通り早く探査だけをさせろと、いたずらに長期にわたって広い鉱区を独占することがないように、鉱区の放棄を義務づけておるわけでございます。最終的には放棄させるというふうなことにしておきながら全面積について取るというのは問題でございますので、これを三分の一にしたわけでございますが、たとえば三年以内に二五%放棄する、それから六年以内には五〇%の放棄、八年以内には七五%放棄というふうなことでございます。したがいまして、税負担を考えますときには、最終的にはこの残る二五%に課税をするというふうな考え方をとりますれば、いわゆる二五%だけ本来鉱区としての価値があるというように考えますれば、四分の一でいいわけでございますけれども、ただ、放棄すれば、そのときからその部分の税負担はなくなるということも勘案しますと、初めから四分の一にする必要はない、二分の一と、さらに四分の一という必要はないので、放棄すれば、そのときからその部分の税負担がなくなっていくという点も考えましてこれを三分の一としたということでございます。
  42. 矢田部理

    ○矢田部理君 どうも合理的な説明にはならぬようです。また説明できないのがこの数字でもあるだろうと思いますから、同じような答弁は改めて求めません。きわめて説明に苦しむ、あるいは合理的な説明ができない基準だということを指摘しておきたいと思います。  自治省結構です。  次に通産省に伺いますが、特別措置法をいま審議をしています。この特別措置法を審議をするに当たって、韓国側からいろいろな注文がつけられたと。協定を結んでいながら何年も批准までたな上げにしている、早く特別措置法を通して批准すべしという、あれこれの要請が、あるいは動きがあったこと、それがまた問題になったことも御承知のとおりでありますが、大体韓国にこの特別措置法に相応する法制はあるんでしょうか。大陸だな協定のためにそういう法制をつくったんでしょうか。その点から伺っておきたいと思います。
  43. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 一九七〇年に韓国では海底鉱物資源開発法というものを制定いたしたと聞いております。この体系は、いわゆる海底鉱区につきましては、政府がその所有権を持っておって、申請者に対していわゆる租鉱契約、租鉱権を設定することによって探鉱、開発を進めるという体系になっておると理解いたしておりますが、これは一般の産油国が開発企業に対して対応する方法論と同じ方法論、おおむね同様の体系をとっておるというふうに認識いたしております。
  44. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたの答弁はきわめてまずい答弁になりましたね。韓国には、いまわれわれが審議をしている特別措置法に相応する法律、これはないというのが政府の正式の見解じゃありませんか。私が資料要求をした際に外務省からその文書が来ております。韓国の法令にはわが国の特別措置法案に該当するものはないというのが外務省の答弁です。にもかかわらず、あなたは海底鉱物資源開発法という法律があると。従来私に提出した資料の内容とあなたの答弁は重大な食い違いがある。なぜそんな法律を出すんですか。この法律は、あなたから説明されるまでもなく、共同開発のためにつくった法律ではありません。もともと海底鉱物資源開発の一般法としてつくったものである。何も日韓大陸だな共同開発のためにつくった法律ではない。  したがって、われわれがいま審議をしているこの特別措置法に相応する韓国は法制をつくっていない。ここに重要な問題があるんですよ。なぜ日本だけ国内法を整備しなきゃならぬのか、急がなきゃならぬのか。いろいろ注文をつけてくる韓国だって、いまだこの手のものはつくってないじゃありませんか。長官のように、それを一般法である海底鉱物資源開発法があるなどという説明をするのは大間違いですよ。改めて答弁を求めます。
  45. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 私が申し上げましたのは、日本の法制との差と申しますか、この韓国の海底鉱物資源開発法が一般法か特例法かということはむしろ外務省からお答えいただけばいいかと思いますが、私の申し上げたいのは、日本の鉱業法の場合には鉱業権、内容といたしましては試掘権と採掘権になるわけでございますが、これを設定するという体系で鉱業法法規があるわけでございます。韓国の場合には、それに相応するという言葉が必ずしも適切な表現でなかったかもしれませんが、海底鉱物資源開発法に基づいて租鉱権を設定するという形で、当方とは違った法体系であるということになろうかと思いますので、先ほどさような答弁をいたしたわけでございます。
  46. 矢田部理

    ○矢田部理君 わが国の特別措置法に該当するものはあるんですか、ないんですか。
  47. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 私の承知いたしておりますのは、海底鉱物資源開発法が制定されておるということだけでございます。
  48. 矢田部理

    ○矢田部理君 だから、それはないということになるんじゃありませんかというんです。外務省はちゃんとそう書いて私に文書をよこしている。読み上げるまでもなく、韓国の法令にはわが国の特別法案に該当するものはないと。これは政府の――違うんじゃありませんか、外務省の答弁と。  とりわけ海底鉱物資源開発法は、もう繰り返し説明するまでもなく、海底資源開発の一般法なんです。だから、大陸だなにもその一般法的意味ではこの適用があるかもしれませんが、特別措置法の非常に重要な柱は共同開発なんですね。で、共同開発にかかわる幾つかの基準を置いたのも改めて申し上げるまでもありません。しかしこれは、海底鉱物資源開発法は、共同開発を前提とした法律じゃありません。韓国がいろいろな周辺海域でやる海底資源開発の一般法の規定であります。長官の説明は、少しすりかえている。私の質問をそらしている。
  49. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 韓国の法制とわが国の法制との関連でございますので、先ほど矢田部委員も御指摘の外務省からお出しいたしました資料では、明らかにいまお読み上げのとおり、韓国の法令にはわが国の特別措置法案に該当するものはないと、こうはっきり書いてございますし、これはし客観的な事実として明らかなことでございます。資源エネルギー庁長官もおっしゃいましたように、その実態については、わが方の特別措置法案でいろいろ考えているようなことが、韓国では幾つかの法律にまたがっているけれども、この海底鉱物資源開発法というものが先生のおっしゃいますようにこれは一般法ではありますけれども、基本的なものがこれに掲げられているということを御説明になったわけです。  そこで、それじゃ一体特別措置法のような特別法がないのが適当なのか適当でないのかという判断は、これは韓国の法制の判断するところであるわけです。といいますのは、国際法上韓国が負っております義務は、この協定に基づいて共同開発をするという場合には、協定の第三十条に明らかにありますように、「両締約国は、この協定を実施するため、すべての必要な国内的措置をとる。」この「すべての必要な国内的措置」がわが国におきましては、日本国憲法及び従来の日本の政府のとってきました立場から、この特別措置法を設けて、この実施を図ることが適当であるという判断で、この特別措置法案の御審議をお願いしているものと私は了解しておりますが、韓国は日本とはそこが違いまして、協定が発効いたしますと、それがそのまま特別措置法というような形で国内法に移しかえられなくても、国内法的効力を持つとこういう体制になっておるわけでございまして、   〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕 そういう国は世界には多いわけで、日本はどちらかといいますと、非常に忠実に憲法上条約を守る義務がありましても、なおかつそれを国内法によって、もう一度今回の特別措置法のようにして国民の権利義務をはっきりするという、そういうたてまえをとっているわけであります。  したがいまして、その法制あるいは協定の国内法的効果、あるいはそれを国民の権利義務を律する法制としてどういうふうに立法するか。これはそれぞれの国の主権に属する問題でございまして、外務省として注目いたしますのは、あくまでも協定上の権利義務が守られているかということが、これは国と国との場合のポイントであるわけでございまして、そのポイントは先ほど申し上げましたように、第三十条の「この協定を実施するため、すべての必要な国内的措置」をとっているかどうか、こういうことであるわけでございます。したがいまして、韓国にわが国の特別措置法と全く同じような引き移しの特別措置法案が提案されてない、あるいはそういう法律がまだ考えられてないということは、この協定の違反とか、あるいは協定に背くとか、そういったものではないと、こういうのが外務省の韓国の法制についての認識でございます。
  50. 矢田部理

    ○矢田部理君 従来から議論になっておりましたように、韓国の法制と日本の法制は違うというのが外務省の見解でした。したがって日本の、われわれがいま審議をしているような特別措置法は韓国では必要がない。一般法としては海底鉱物資源開発法がある。しかし、これは共同開発を目途とした立法ではない。そこで、韓国については、木協定、海底鉱物資源開発法、それで賄い切れない部分については開発契約――政府と開発権者の契約で賄っていくという法制だというのが外務省の説明だったわけです。しかも、この協定を結ぶに当たって、議事録確認が行われた。その開発契約は、政府と企業とのいわばある意味じゃ私的契約と言っていいと思うんですが、それをこの協定の法令という部分については、開発契約まで法令に格上げをして認めるということになってしまう。このことは外務委員会で私も幾つか問題にした経緯があります。それはそれとして、そうだとするならば、韓国法制の整備に当たっては、海底鉱物資源開発法だけでは当然のことながら不十分で、あなた方がこの協定で、法令にまで格上げして上げた開発契約の中身そのものが明らかになって、初めて韓国の法制が共同開発に向けて整備をされ、整うという結果に相なるだろうと思うわけです。  そこで私は、従来外務委員会でもこの点がどういう内容になっているのか、どこまで具体的に明確にしたのかということを追及をしましたところ、外務省は、ほとんど明らかになっていない。外務省から提供された韓国国会の議事録関係の添付資料として、ごく概要的なものを出してきた。それではわからないじゃないかという質問に対して鳩山外務大臣は、韓国に問い合わせをして、明らかになり次第委員会等に報告をいたしますということにもなっておったわけでありますが、この開発計画の内容はその後どういうふうに進捗をし、具体化したのか。韓国における国内法関係の整備の状況はどうなっておるのか。そこを伺っておきたいと思います。
  51. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これも従来外務省の方で御説明いたしましたが、開発権者と韓国政府との契約ということでございますから、開発権者が決まらないことには具体的な契約の締結というものはあり得ないわけでございますし、開発権者というのは、この協定が発効いたしませんと、開発権者が指定されることはないわけでございます。したがって、いま先生の御要望に応じて、こういう開発契約が考えられているということは、これは事実上不可能なことを要求されているということにならざるを得ない。しかしながら、この開発契約に基づいて開発権者が決まりますと、それがどういう開発権者であるか、また、それが結んでくる事業契約がどういうものであるかということは、この段階から、協定上の権利義務関係に基づいて日本政府としては、この共同開発にふさわしいものであるかどうかということを調べていくわけでございます。したがいましていまのこの時点で、開発契約はどういうものがあるかということは申し上げることができない。これが事実上の関係ということに御理解いただくより仕方がないと思います。
  52. 矢田部理

    ○矢田部理君 だから問題だと言うのです。日本は、この特別措置法で国内法を全部整備をした。韓国は、この種特別措置法はない。一般法として海底資源開発の一般法がある。これは一部かぶってくるでしょうが、最終的に韓国における国内法の整備は開発契約に待たなければならない。こっちは全部整備したのに、韓国側はその開発契約に待たなければならない、開発契約は開発権者が決まらなければ内容が定まらない、こういう不平等といいますか、不均衡な協定がこの問題点の重要な一つでもあったわけです。日本にも同じような開発契約が予定をされているわけです、言葉としては。ところが、この協定に言う韓国の開発契約ということの意味、内容、これは日本の法令に当たる部分も相当程度含まれる。日本の開発契約とは、同じ言葉でこの協定上表現をされておりながら、質が違う。なぜこんな協定にしてしまったのか、単なる両国間の法制の違いということだけでは説明できない問題点を含んでいるじゃありませんか。  そこで、もう少し各論について伺いますが、先ほどエネルギー庁長官も指摘をされた海底鉱物資源開発法ですが、この法律の中には、海底鉱業権と海底租鉱権という二種類の権利関係の規定がございますが、これはどちらでいくんでしょうか。
  53. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 外務省からお答えした方が適当かと思いますが、私たちの理解しておるところでは、海底の鉱業権は政府が持っておる、その鉱業権を基礎にいたしまして開発申請をした人に対して海底租鉱権を設定する、いわゆる租鉱契約をもって対処しているというふうに理解いたしております。
  54. 矢田部理

    ○矢田部理君 それじゃ海底鉱業権というのはどういうふうに……。この海底鉱物資源開発法に言う租鉱権と違った海底鉱業権はどう理解するわけですか。
  55. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これはいま資源エネルギー庁長官も言われましたが、韓国の国内法の解釈を御質問になっているということになりますと、私どもは外国の法令の解釈というのはこれはできない、すべきでない、こういうことでございまして、先ほどおっしゃいましたように、法制の違いが不均衡、不平等というような取り上げ方ではなくて、協定が根っこになっている。したがって、協定が忠実に守られているかどうかというのが私どもの関心事で、その協定を守る守り方はそれぞれの国の法制に従って守られていく。韓国には海底鉱物資源開発法がある。その中で海底鉱業権とは何だという御質問は、これは韓国の法令の解釈でございますが、少なくとも用語の定義はこの第二条に掲げられているとおりだと、こういうこと以上は申し上げられない、こういうことでございます。
  56. 矢田部理

    ○矢田部理君 長々と横から口を出してもらっては困るんだ、時間がないんだから。  あなたは海底鉱業権は韓国政府が持っていると。したがって、海底租鉱権でいくんだという説明をエネルギー庁長官がされましたから、政府が持っているとは限らないことを前提とした海底鉱業権もありますよと、それと先ほどの租鉱権に関する説明とはばらつきがありはせぬかというふうな感じを率直に受けたからそう聞いたんであります。説明つかないんじゃありませんか。
  57. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 私も韓国の法制をそこまで十分に知悉しておらないわけでございますが、私が申し上げたかったのは、日本の場合は鉱業権の設定という形が一般であるわけでございますが、韓国の場合には租鉱契約によってやっておるのが一般ではなかろうか、大半の事項はその租鉱契約の中に盛られておるといったような理解をしておる、こういうことでございます。
  58. 矢田部理

    ○矢田部理君 時間がありませんから次の質問に入りますが、韓国の採取権の期間は最高何年になるでしょうか。
  59. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 採取権は三十年以内ということになっておるようでございますが、事情によって延長も可能であるというふうな規定になっておると思っております。
  60. 矢田部理

    ○矢田部理君 ところが、その延長は二回しかできないというのが鉱物資源開発法の規定ですね。そうすると四十年です、採取権の最高限は。この協定は五十年の長きに及ぶわけです。これはどういうふうに調整するんですか。
  61. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) いま採取権という御指摘でありましたので採取権だけ申し上げたわけでございます。その前提となっておる探査権の期間が十年でございますから算術計算いたしますと御指摘のように五十年になる、こういうふうに理解いたしております。
  62. 矢田部理

    ○矢田部理君 探査は十年ですが、それ以内に発見されればそのときから採取権が動くことになりますから、そういう足し算では説明できぬのじゃありませんか。
  63. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 一応形式的と申しますか、最高限を切っておるというところで五十年で符合するといいますか、整合性を持っておるというふうに理解いたしておるわけでございます。
  64. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたの理解はともかくとして、一般的理解にはなかなかならぬでしょう。この三十年プラス五年ずつ二回延長は限定的規定です。これ以上延長がないんです。したがって、法的空白は協定と鉱物資源開発法の矛盾としてわれわれはやっぱり指摘せざるを得ない。そのほか幾つかこれは問題があります。逐条的に言えば一般的な外務省なり通産省の説明にもかかわらずいろんな矛盾があるが、あと数分しかたしか時間がなさそうでありますから別の問題に入らざるを得ません。  共同開発区域の中に小区域というのが予定をされておりますが、従来日韓双方である種の分割が行われ、いわば鉱業権的なものが設定をされているように思われますが、この小区域は従来そういう鉱業権等で区画された区域と一致をする、同じであるというふうに理解をしていいのか、それとも別に日韓双方でこの小区域は改めて決めるのか、そこをまず伺いたいと思います。
  65. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 小区域につきましてはこの協定の別表に掲げられておるものを採択するということでございます。
  66. 矢田部理

    ○矢田部理君 いま私が質問をした趣旨と、ちょっと別表がここにありませんので、同じ意味に理解してよろしゅうございますか。従来区画されている区域をそのまま小区域にするのかということです。
  67. 村田良平

    ○政府委員(村田良平君) 小区域に関しましては第三条に規定がございますが、現在とりあえず九つの小区域というものができておりますけれども、これは韓国がすでに設定をいたしました鉱区、これは四種類ございますが、それとわが国に対しての出願が受理されておる鉱区というもの三社、この組み合わせをいたしましたところ九つになったということで九つの小区域ができておるということでございます。
  68. 矢田部理

    ○矢田部理君 ここに、ちょっと図面が小さいのでわかりにくいと思いますが、従来この九つの区域がありますね。これをそのまま小区域にするというふうに理解してよろしゅうございますね。
  69. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおりでございますが、ただ鉱区を放棄した場合には改めて両国で話し合うということになるだろうと思います。
  70. 矢田部理

    ○矢田部理君 この九つの鉱区というのは、非常に広いところ、また逆に非常に狭いところがあるわけですが、これをそのまま小鉱区にするということの問題点が一つ。  それから二番目に、非常に重要な問題でありますが、今度の特別措置法案ではわざわざ附則というところに、附則の二でありますが、経過措置を置きました。この経過措置がまた大変企業擁護の経過措置なんですね。特別措置法の本文の方では、十八条に、十六条一項または二項の規定による告示が行われた日から三十日を経過しなければ特別鉱業権の出願等ができないとなっている。しかも出願したものについては、これは大変な厳密な規定を置いて、受け付け順にとか日にちによって区切るとか、先着順とかという大変厳密な規定を本文に置いているにもかかわらず、この附則の方では一般の人は告示以降三十日経過しなければ出願ができない。ところが、従来この共同開発区域に鉱区を持っていた、鉱区というのは不正確ですが、鉱業権的なものを持っていた人たちは、優先権を持って三十日を経過する前に受け付けたものでもよろしい、こういう規定を経過措置の中に置いてしまう。そうなりますと、言うならば本文の規定は実質上は全く意味がなくなってしまう。すでに共同開発区域に従来先願等をしておった者が既得権として全面的に優先権を持つ。他の人は競争のしようがない。三十日間のスタート台が違ってしまう、受け付け順で決められるものは従来の出願者が三十日間先行するということでありますから。こういうべらぼうな経過措置を置いて、実は特別法とは言っておりますが、その中身はすでに先願鉱業権的なものを持っている人たち、企業を全面的に援護する法律なんです。こんなばかな法律がありますか。ほかの企業は、ほかの企業または個人と書いてありますが、一切入り込むすきがない。既得権者が特別出願でもしなかったとか、放棄したとかということ以外にはこの制度、本文の方の活用はないような規定になってしまっている、こういう経過措置もまた非常に問題ではありませんか。通産大臣、これを今度は大臣に聞きたい。こういうことは一体どうですか。
  71. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいま二点御指摘あったわけでございますが、非常に広いところと狭いところという御指摘でございますが、これは経緯的に何度もお話が出ておりますように、日韓の事業者が鉱区が重複しておるといったようなところから共同開発を行うことになったわけでございますので、この広い狭いということは当時の出願状況において結果的なものであるということかと思います。  それから二番目の経過措置の問題でございますが、御承知のように、現在日本の鉱業法というのは先願主義をとっているわけでございまして、その限りにおいて先願権というものは一種の財産的価値を持っておる。その財産的価値を持った先願権者とこの共同開発とを両立させるための措置といたしまして、三十日以内に申請をしてよろしいということにいたしておるわけでございますが、これはあくまで先願権を保護する、先願権にかかわる財産価値を保護するという立場からでございまして、当然にこの十八条の規定の各要件、特に事業を遂行するに足る経理的あるいは技術的能力を有するかどうかということは厳正に判断するわけでございまして、決してこの経過措置は不当なものだと理解いたしておりません。むしろ憲法に言うところの財産的価値の保全と共同開発との調整点というふうに私たちは認識いたしておるわけでございます。
  72. 矢田部理

    ○矢田部理君 そうでしょうか。本当に日本が新しいエネルギーを求めて開発をしようということであるならば、もともと韓国も日本も先願と称してあれこれの事実上の鉱区設定をやってしまっている。その鉱区の面積にしたって、物すごいばらつきがあるわけでしょう。たとえば第二のごときは第七の小鉱区の何十分の一しかないわけです、この図面を見ても。これをもう少し本格的に分割、区域の設定をやり直す、仮に先願を一定程度で考慮するとしても、全面的に従来の先願権者をそのままはめ込むようなやり方、これが果たして共同開発と言えるでしょうか。事の本質は、何か日韓両国政府間が本格的にエネルギー開発をやるんだというように一般に受け取られておりますが、実はそうではなく、すでに既得権を持っていた人たち、その人たちが先願という形で決めたなわ張りをそのまま追認をしている。しかもその中身は、韓国と競合しているのを検討してみますと、韓国側はどちらかというとペーパーカンパニーである。大部分がメジャーです。十対十ずつ出しますと、韓国は外国資本が八対二、日本は五対五でありますから、総体としては十三対七ですね。こういう比率のいわば外国資本、メジャーを中心とする外国系資本が中心的に開発をやる。中国から異議がある限り融資はしないと言っておりますけれども、またそのことはかたく守らなきゃならぬと思いますが、日本の石油公団のお金を当てにしてアメリカ資本が開発をやる、こういう本質と問題点を持った法律である、これで私たちは了解できますか。  そのほかにも私は、各条項にわたって幾つかの問題点をまだ用意をしておりますが、何か時間が来たようでありますからこれで終わりますけれども、最後に通産大臣と外務大臣の、幾つかのやっぱり問題点を指摘したことについて、そのことを含めてどういう考えでこの問題を受けとめようとしているのか、このことを承って私の質問を終わりたいと思います。
  73. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 先願権の性格につきましては先ほど長官が説明をいたしましたが、これは一カ月を限っておりまして、この間に経理的能力があるのかどうか、技術的能力があるのかどうかということについて十分審査をするということでございます。  さらにまた、このメジャーとの共同開発というお話がございましたが、最近世界各地の石油開発事業はほとんど全部メジャーとの共同開発が日本のみならず世界各国の通例でございます。そういうことでございますが、日本といたしまして、特別鉱業権を設定する者はあくまで日本法人でございますから、日本政府の監督のもとに十分やれるわけでございますので、いまいろいろ御指摘がございましたが、御指摘がございましたような点につきましては十分注意をいたしまして進めてまいりたいと考えております。
  74. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 数々の御質問に事務当局がお答えをして、必ずしも御満足がいかなかったようであります。しかしまた、御質問の中にも大臣としてもごもっともと思われる点も多々あったわけでございまして、今後に問題がいろいろあるわけであります。外務省としての主なる責任は、両国が協定に基づいて忠実にやるということが大事でありますから、今後の問題等については十分御注意の点は留意しながらやりたいと考えております。
  75. 馬場富

    ○馬場富君 今回の共同開発を行うについての根拠はどういう点にあったかをひとつ説明してもらいたいと思います。
  76. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 大きく分けまして二つの側面があると思います。  一つは、韓国との間で国際法上の紛争点をどういうふうに解決するかということで、もう一つは、資源エネルギーを開発するためにどういう仕組みでこれを開発していくのがいいかという点だろうと思います。  前段の方はこれは国際大陸だなに対する各国の主権的権利の主張に関連する国際法が未熟であるために、クリアにはっきりした境界を画定するということができないその状況のもとで実際的解決として共同開発という考え方を導入した、これは新しい一つの構想であろうと思います。  その次は、その共同開発という構想のもとで一体日本の国内法制上これがどういうふうに動き得るか、本当に開発ができるかどうかという点につきまして、協定を受けまして国内法上の措置をとられましたのがいま御審議いただいておる特別措置法案である、こういうふうに私どもは認識しておるわけでございます。
  77. 馬場富

    ○馬場富君 もう一点は、エネルギーを開発するという立場から、エネルギー庁長官の方から、この開発についてはどういう立場からこのエネルギー開発に踏み切ったか、その主眼点をお願いします。
  78. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) エネルギー政策の立場からお答えいたしますと、御承知のように、現在わが国が必要とするエネルギーの四分の三までを石油に依存いたしておるわけでございますが、この石油につきましてはその大半を輸入しておる、しかも八〇%近くを中近東から輸入しておる、またメジャーその他の外国企業の手を経て輸入しているウエートも非常に高い、かような状況におきまして、石油の開発あるいは自主的ないわゆるフリーハンドの石油を確保したいといったような観点から、この周辺大陸だなにおける石油開発に取り組みたいということでございます。
  79. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、今日まで共同開発を進めてきたにつきまして、やはり石油等の対策の確立等についてはいままでのどういうような経緯から今回に踏み切ったか説明してもらいたいと思います。
  80. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 日本側の事業者は昭和四十二年ごろからこの地域に着目いたしまして鉱区設定の出願をいたしておったわけでございます。その後、毎々お話が出ておりますように、昭和四十五年、一九七十年以降韓国側でいわゆる租鉱契約と申しますか、鉱区の出願がなされ、それが韓国政府によって許可されておる。その結果両国の鉱区が重なり合ってきたといったようなところから、外務省からも累次にわたって御答弁申し上げておりますように、共同開発に踏み切らざるを得なかった、こういうことでございます。
  81. 馬場富

    ○馬場富君 この開発の通産省等のやはりPRの状況から見ましても、一つの開発の根拠の中には、エカフェの調査による結果等がかなり有力な方法になったというふうに記載されておるわけでございますが、この石油開発についてどの点が有望だったかという、そのエカフェの調査をして説明してもらいたいと思います。
  82. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように昭和四十三年にエカフェがこの地域の調査をやっております。その調査結果によりますと、かなり有望ないわゆる堆積盆が存在している地域であるといったような報告と申しますか、指摘があったわけでございます。その後日本側におきましても、総理府の委託を受けまして東海大学で四十四年から四十六年にかけて、必ずしも共同開発地域に限ったわけじゃございませんが、東シナ海を中心といたしまして調査いたしましたところ、エカフェの報告を確認し得るようなデータが収集できたといったようなところから、かなり有望な地域であるという判断がなされた、それに伴って各企業が出願をしたと、こういうふうに経緯を読んでおるわけでございます。
  83. 馬場富

    ○馬場富君 私もそれを信用いたしまして、実はエカフェの調査のやはり翻訳の抄をずっとこう読んでみましたが、長官、どこにエカフェの調査でこの共同開発区域が有望だというふうに報告されておるか、ちょっと説明してもらいたいと思いますが。
  84. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) エカフェ調査の内容につきましては、当該地域の大陸だなの海底がどのような地層によって成り立つかということについてのいろいろの推定を行っているわけでございますが、その報告書の後半部分におきまして結論的に「台湾と日本との間にある大陸棚は世界で最も豊富な油田の一つとなる可能性が大きい。この地域は、世界でも有数な大規模な大陸棚の一つでもあり、」云々というふうな表現になっております。これが結論的な考え方ではないかと思います。
  85. 馬場富

    ○馬場富君 そこに一つ大きい問題点があるんじゃないか。エカフェの調査の、実質その調査を一つの地図の上にデータにしたものを私ここに持っておりますが、もちろん黄河や揚子江の流域であるということに地域が指定されておりますけれども、あくまでもその可能な地点というのは、やはりはっきりと明示されておるのは、台湾の北東の地点と、それからもう一点は黄海の下部にある朝鮮寄りと中国寄りの海盆に焦点が置かれておるという点で、それ以外はちょっと理解がむずかしいわけですけれども、広範囲にいけば東シナ海の大陸だなに共同開発地域は入るわけでございますけれども、このエカフェの調査の報告のポイントとなる地域にはこの共同開発区域は入っていない、また専門の学者あたりのやはりその報告書に基づいた図示等においてもこの共同開発区域は外れておる、こういうことになるんですが、ここの点はどうでしょうか。
  86. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) エカフェ調査は昭和四十三年十月十二日から十一月二十九日の間にかけまして、いわゆる物理探査、スパーカー方式によります地下調査でございますが、測線長一万二千キロメートルについて実施したわけでございます。実施しました測線は、台湾北部から台湾及び九州間の海域を含めまして、もちろん当該共同開発区域も含めまして黄海に至る地域でございます。したがいまして、この全体的な地質判断はこの地域全体についての考え方ではないかと思います。
  87. 馬場富

    ○馬場富君 だから、そこはいまあなたの方も、このエカフェの調査のデータを基準にしないと言うなら別ですけれども、これが大きい一つの基準数値になるなら、やはり結局その説明では国民は理解できぬのじゃないだろうかと私は思うわけです。そういうはっきり共同開発地域というのは、実はエカフェの調査の有力な場所からは外れておるということがここではっきりしておるわけで、それの共同開発区域はこれは最有力の場所であると、こういうように明示された報告書がありますか。
  88. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) エカフェ調査につきまして少し御説明さしていただきたいと思いますが、この調査方法につきましては、海洋調査船によりまして三万ジュールのスパーカー方式でございますが、出力としましては比較的弱い方式でございますが、このスパーカーによります地下反射波の記録、それからプロトン磁力計による磁力測定その他海底地形や水質等の海洋データの調査が実施されているわけでございます。この調査結果に基づきまして、エカフェとしましては、東シナ海大陸だな区域の堆積物は、石油賦存の可能性が最も大きいとされる新第三紀層に属し、堆積物の厚さも非常に厚いことが判明しております。この報告書はさらに詳細な地震探鉱、試掘が必要であるとしながらも、この地域の海底が将来一つの世界的な産油地域になるであろうと述べているわけでございますが、もちろん先ほど申し上げましたように調査した範囲が非常に広うございまして、この共同開発区域も含めております。したがいまして結論的にどの地域が有望であるというふうな結論、考え方は出てないわけでございますが、堆積物の厚さとしては南の方がより厚いというふうなことが指摘されております。
  89. 馬場富

    ○馬場富君 それは違いますよ。総論的には、結局東シナ海大陸だな及び黄海の下にある堆積物、海底地層より採取したサンプル等において非常に有機物が含まれた層を発見したということは総論的には言われておりますが、やはり部分的に二点が挙げられて、はっきりとこの部分が最も有望だというのは、一つは台湾の北東の二十万平方キロの地域だ、もう一つは、結局黄海の下部にある広い海盆の中で、一つは朝鮮寄りの地点、他の二つは中国本土寄りだとはっきりと地域を明示しておるじゃないですか。ちょっとあなたの説明おかしいじゃないですか。
  90. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 私どもの当該地域の石油産出の有望性につきましては、もちろんただいま御説明いたしましたようにエカフェの調査、その考え方が前提でございますが、さらにその後の国の基礎調査あるいは一部企業におきます当該地域の物理探査等の結果も考慮いたしまして、その有望性について考えているわけでございますが、たとえば日本石油開発が昭和四十六年の十一月三日から十一月三十日の間に当該共同開発区域につきまして三千五十キロメートルの物理探査を実施しておりますが、この調査結果によりますと、エカフェで指摘されたより以上に、この当該共同開発区域での堆積層が厚いというふうなことが言われております。そのような調査結果も踏まえて、全体としての判断をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
  91. 馬場富

    ○馬場富君 だから、後の説明なら、それは私もひとつ理解できますが、だからやはりエカフェの調査におきましても必ず調査の結果出るから開発しなさいとは言ってないわけです。これは、この地域は非常にそういう点で有望な地域である。だがやはり今後の推進のためには小地域的にこれを適切に、ひとつ細かく詳細なデータに基づいた上、十分検討された上で試掘に踏み切るべきだということを示しておるんじゃないですか。そういう点で、私はその後の調査が、この地域のことについての大きいポイントになってくると、こう思うわけです。  で、先ほど説明されました民間による調査でございますけれども、国によっても調査がなされたと言われますが、どのような調査がなされて、開発地域の有望なデータをひとつ簡単でいいから説明してもらいたいと思います。
  92. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 国によります基礎調査は、昭和四十七年度から五十年度にかけまして約八千キロメートルの測線長によって行われております。その調査をいたしました地帯は、主として琉球の各諸島の周辺部でございまして、この八千キロメートルの測線長内には共同開発区域は入っておりません。したがいまして、この共同開発周辺部につきましての調査というふうなことが言えるかと思います。
  93. 馬場富

    ○馬場富君 国については、共同開発地域内についての結局いわゆる物理的調査というのはなされてないと、こう私は聞いておるんです、いまあなたのおっしゃるとおり。だから、民間の日石開発によって行われたデータによっての有望性を、企業秘密にならぬ限りちょっと説明してもらいたいと思います。
  94. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 日石開発の当該地域の調査はいわゆるエアガン方式というもので行われたわけでございますが、この調査によりますと、この区域内に三つの主要な地質構造帯が描き出されているということでございます。  この地域の中央のやや東寄りに台湾――五島隆起帯が走っておりまして、この隆起帯の東側と西側に新第三紀層が厚く堆積する海盆が形成されているということでございます。その西海盆と東海盆ということに分かれるわけでございますが、西海盆は石油探鉱につきまして褶曲構造がいろいろと発見されております。盆地の東沿いに周囲封鎖構造等が可能性としてあり得るだろうというふうなことが言われております。同時に、東海盆につきましては、古第三紀以前の古い地層が基盤をなしておりまして、その上に新第三紀層以降の新しい層があるということで、その厚さが六千メートルに及ぶというふうな一つの推計が行われております。石油の産出の可能性の第一条件が、まず堆積層の厚さということでございますので、こういうふうな厚い地層があるということは、石油産出についての可能性がそれだけ高いということが言えるのではないかと思います。  詳細は省略いたしますが、全体としましてはそのような見方がされております。
  95. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、この共同開発区域につきましては、いまあなたが言われるその細かい内容等については私はまだ見ておりませんから、これは真否は別といたしまして、一応国としては、日石開発が調査したそういうやはり共同開発区域内の調査がかなり有望だったと、ここらあたりが基礎調査の根拠にしたデータでございますか。
  96. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 石油の探鉱は、結局のところ詳細な物理探査を実施いたしましてボーリングをしていくということでないと、埋蔵量についての確認ができないわけでございますが、したがいまして、現時点で言えますことは、全体として石油産出について有望性があるかどうかというふうなことにとどまるかと思います。そういう観点からしますと、エカフェの調査、さらにこの当該地域ではございませんが、周辺で行われました国による基礎調査、さらにそれに加えましてこの共同開発区域におきます日石開発の調査結果等を勘案いたしまして、全体としては有望である。他の地域よりも有望性が高いのではないかというふうな判断が行われるわけでございます。
  97. 馬場富

    ○馬場富君 だから、周辺においてはいろいろな調査したとかあるいは試掘したとかいうことも私聞いておりますよ。だから、共同開発区域については結局実際基礎調査をしたのは日石開発のみということに理解していいかどうかということですよ。
  98. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 昭和四十四年から四十八年にかけまして西日本石油開発が実施いたしておりますが、これは調査の主体が共同開発区域よりももっと北部の方でございまして、共同開発区域内にかかっているのはごくわずかの部分でございます。
  99. 馬場富

    ○馬場富君 だから、結局早く答弁をしてほしいんです。実際共同開発区域については、あなたの説明からしても、実際はそこの基礎調査をしたのは日石開発だということですよ。そこで私は従来からの鉱山法に基づきましても大陸だなの開発が、実は国が基礎調査を行って、その上で鉱業権の許可をしておるというのが現行法の立場ですが、そういう点でこの共同開発地域が民間の日石開発ができて、なぜ国がこの地域について韓国とも話し合いの上で、共同開発に踏み切る前に基礎調査だけはやるべきだと、こういうふうに私は思うわけです。この点がひとつなぜできなかったのか。
  100. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 先ほど言いましたように、基礎調査につきましては、本格的には四十七年から五十年度にかけて行われたわけでございますが、すでにその時点におきまして当該区域につきまして韓国との間において共同開発区域についての議論が行われていたというふうなことで、国の基礎調査としましては、その周辺部について実施したわけでございます。
  101. 馬場富

    ○馬場富君 そういう答弁をするからおかしいのですよ。それじゃ、日石開発は明らかに四十六年にあそこの基礎調査を行ったとされていますよ。そうした場合もうそのときには韓国と日本の間にはこの日韓の共同開発についての地域紛争が行われているさなかですよ。そういうときに日石開発が調査が行われて国の調査がなぜ行われないかと、これはおかしいじゃありませんか。
  102. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 御指摘のように日石開発は昭和四十六年の十一月に実施されたわけでございますが、その時点では日石開発はわが国の鉱業法に基づきます先願をしているという状況でございまして、まだ当該地域について共同開発区域の考え方が具体的には韓国との間には出てなかったというふうなことで、鉱業法の先願権をもとに、もとにといいますか、それを前提としまして日石開発としては当該地域の物理探査を実施したということでございます。
  103. 馬場富

    ○馬場富君 出願はしておったけれども、何らその鉱区が通産省において設定されたわけじゃありません。それは結局全然答弁にならぬわ。  そういうことで実際長官と大臣にお尋ねいたしますけれども、このぐらい実は両国間の主権をかけた一つの問題として国会でも長時間審議され、そして国際的にもどうかということでみんな集中してこれを見ておると、こういうさなかの問題がやはりいろんな問題点があるんならもう少しそれだけに、やはりここに開発するだけの確実性があるということをはっきりしなきゃならぬ。そういう点で共同開発に、協定に踏み切る前に私は当然民間に依存せずに国が基礎調査は、従来の鉱業法に基づいてやれる範囲でこれはやるべきだったと私は考えますが、どうでしょうか。
  104. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 先ほど来、探査、探鉱の問題について御指摘でございますが、もちろん事前にできるだけ正確にそういったデータを得ることができればこれは非常にいいわけでございますが、なかなかそうしかく簡単に判断ができないものでございまして、たとえば物理探鉱と申しましても磁気探鉱、重力探鉱と、いろんな方法論がありまして、それぞれをその地点にかみ合わせながら検討していくということでございます。したがいまして、御指摘の点も私わからないわけでもございませんが、やはり特定鉱業権者になった人があらゆる技術を活用し得る限りこれを使いまして、十分に物理探鉱を続けていくということになろうかと思います。もちろんそういった物理探鉱の後、試掘、探掘といった各段階があるわけでございますが、それぞれの各段階ごとに得られたデータをもって次にステップを進めるべきかどうかということを十分検討しながら進めていくわけでございまして、幸いこの法律を成立さしていただきました屍には、いわゆる特定鉱業権者がこの地域をさらに精査をしていくということになろうかと思うわけでございます。
  105. 馬場富

    ○馬場富君 私は、これだけの重大な開発だから、エカフェ以後に、やはりもう一歩突っ込んだそういう基礎調査が必要だということをエカフェの報告でも言っておるわけです。そのために、この共同開発に踏み切る前に、これは当然そういうやっぱり基礎調査を行った上で考えるべきだったと思うんです。  いま長官の言うように今後参加する鉱業権者の企業にやらせればいいじゃないかということですが、先ほど来、あなた方の答弁の中に、エカフェで絶対的に間違いないというものがないために、共同開発区域で日石がとったデータを一つの基準にして出してみえるけれども、じゃ、あの中で実際そういう詳細なデータをとったのは日石しかないということになるのですよ。よしんば日石はまだ開発権者でもないわけ、決定してないわけですよ。そういう結局状況のときに、しかもそこで今後鉱区を設定するという関係性のある企業のみのデータを頼ってやるならば、国があの周辺でやったならば、もう少し突っ込んだそういう点の調査がなされても当然じゃないかと、これがやはり結局この共同開発に対する国の私は責任でもあると思う。従来の鉱業法でもそういうために企業だけの力ではとうていむずかしいという点で、大陸だなの開発の基礎調査というのは国が行っているじゃないですか。この点大臣どうでしょうか。
  106. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 私は決して国が行うべき基礎調査を否定しているわけじゃございませんが、御承知のように、この法律の中でも探査権の期間を八年と非常に長く置いております。あるいはその鉱区につきまして初めの三年間、次の三年間、さらに最終の二年、要するに八年たったところでは全鉱区の二五%残すまでに鉱区を減少していくと、さような対応をしながら探査活動というものはやっていくものでございまして、そう短期間にできるものでもございませんので、特に将来採掘権者になるであろう特定鉱業権者が、その探査権に基づいて物理探査をやるということもきわめて重要な要素ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  107. 馬場富

    ○馬場富君 だから、この法律が制定されてから開発企業がやるということはこれは当然のことですよ。それじゃなくて、ここまでに至ったからには、エカフェの調査等でもやはり後日のこの基礎調査というものを条件にしてその開発の有望なところを確定しろということを言っておるわけです。そういう中で、私が先ほどから言っておるのは、そういう非常に不十分なデータ、しかもそこで開発する企業の中から出てきたデータということで、これを参考にしたのか資料にしたのか知りませんけれども、そういうことになるから、かえってこの問題に疑問を持たれる原因があるのではないかと思う。従来とも鉱業法に基づいた調査方法を行っていったならば、もう少しこの開発にも権威ができるし、一つは多くの人たちにも理解納得させるものがあるんじゃないかと、そういう点で私はいまこの点を質問しておるわけです。長官の話は聞きましたから、通産大臣、この点についての見解を聞かしてもらいたいと思います。
  108. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) いまのお話は、エカフェの報告が出た後でそういう報告を見たならば、国がもっと積極的にかつ大規模に一応の調査をやるべきではないかと、その上に立っていろんなことを進めたらよかったのではないかと、こういうお話であったと思います。確かにそういう点もあったかと思いますから、いろんな経過を経まして現段階に来たわけでございますから、現段階に来ました以上は、先ほど長官が答弁いたしましたような方向で進めてまいりたいと思います。
  109. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、この基礎調査については非常に不安定な答弁でございますが後におきまして、実際試掘されたことについて質問いたしますが、この共同開発区域の中で、まず共同開発区域が設定される前に、韓国側が設定した鉱区の中で試掘が行われたと私は聞いておりますが、その試掘結果をひとつ説明してもらいたいと思います。
  110. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) もし御質問の趣旨が、今回の協定で共同開発区域となっている地域について、韓国が試掘したことがあればその結果をということでございますと、私どもはいま共同開発区域になっております地域で韓国が試掘したということは承知しておらないわけでございます。
  111. 馬場富

    ○馬場富君 これはじゃ、通産の方から私データをいただいたんですけれども、韓国側がかつて七鉱区設定した中で、その中で試掘が実際行われておるということが報告書の中に出ておりますが、その状況はどうだったかというのです。
  112. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 従来の韓国側の鉱業権者によります試掘は第一鉱区、第二鉱区、それから第五鉱区、第六鉱区で行われているようでございますが、当該共同開発区域内では行われておりません。
  113. 馬場富

    ○馬場富君 その七鉱区の中で、韓国側の七鉱区の中で試掘されたひとつ内容を教えてもらいたいんです。
  114. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 韓国側の第一から第七の鉱区の中で実際に試掘されましたのは先ほど御説明したとおりでございますが、その試掘結果はいずれも油の発見に至らなかったというふうに聞いております。
  115. 馬場富

    ○馬場富君 共同開発を含む韓国寄りのところについての試掘はゼロだったという結果であると思いますが……。  じゃ次に、日本近海の大陸だなで、現在試掘されておるのは何本で、そのうち成功したのは何本だという点について御説明してください。
  116. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) わが国におきます周辺海域の試掘は、本格的には昭和四十六年度以降行われているわけでございますが、現在までの試掘の井戸の数は五十六坑でございます。そのうち生産されております、つまり油を発見しまして生産されております井戸の数は十四坑でございます。
  117. 馬場富

    ○馬場富君 その中で、先ほど長官が基礎調査のときに御説明になりましたが、共同開発区域のぎりぎりのところで西日本石油開発が試掘した例があるようですけれども、この結果はどうでしょうか。
  118. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 西日本石油開発が福江沖で三坑試掘しておりますが、そのうちの一坑におきまして油兆を発見した、つまり油はありましたけれども、商業生産に至るまでの量ではなかったというふうな結果を得たというふうに聞いております。  なお、先ほど私御説明しました試掘の井戸の数が五十六で、そのうち生産井が十四と申し述べましたが、この試掘井のほかに生産井が十四でございます。トータルとしましては、したがいましてこの両方合わせた井戸の数ということになります。
  119. 馬場富

    ○馬場富君 そうすると、生産井が十四本ということですね。まあ日本近海でも相当数、いま説明のあったように掘られて、実際生産井が十四本と、阿賀沖では七本が成功しておると、こういうふうに聞いておりますけれども、その推定埋蔵量は一千万キロリットルということでございますが、なかなかやはり有望だとされ、基礎調査が確定されても、これが結局開発に、坑井に踏み切るまでにはかなり難問題が横たわっておるのがやはり日本周辺の大陸だなの開発実情だというふうに私は見るべきだと思いますが、そういう点で今回のいま共同開発地域につきましては、先ほど来エカフェの調査以外は結局日石開発が基礎調査をやった、それ以外は実はかけ声が多い点の一つは内容が多いということがいまの私は答弁の中からはっきりするんではないかと、こういう点でこのようなやはり国際的な問題を抱えての開発でございます。そういう点について通産大臣は、いま説明のあったのが共同開発地域に対するいわゆる基礎的なデータだと、まだあの地域では一本も油が出た実績がないと、こういう中でいかなる自信を持ってこの共同開発に通産大臣は取り組んでみえるか、その所見をお聞きしたいと思います。
  120. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) まず一般論として申しげ上ますと、私から申し上げる必要もないわけでございますが、石油の探査、開発というのは非常にリスキーなものでございまして、世界的に見ましてもいわゆるボーリングの成功率が一八%と言われております。百本ボーリングやって十八本が、先ほど石油部長が申し上げました油兆を発見するということでございます。さらに、それを精査いたしまして、油田として商業生産に入り得るいわゆる油田成功率というのは三%程度というのが世界共通の確率であるわけでございます。  そういったことを前提といたしまして、この共同開発地域においてどの程度の可能性があるかということは、先ほど来エカフェを初めその他の調査の結果、かなり有望であるということ以上に確実性を実証するためには、今後やはり物探あるいはボーリング等を続けていかないと、確たることは申し上げられないわけでございますが、一応共通の認識といたしまして、かなり有望な地域であるというふうになされておりますので、今後探査活動を精力的に続けさしていくということになろうかと思います。
  121. 馬場富

    ○馬場富君 もう長官にはいま聞きましたが、大臣からその点しかと御答弁いただきたい。これは出なかったら大問題ですから、その点をよろしくひとつ御答弁をいただきたい。
  122. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 石油開発事業は非常に危険性が伴うものでございまして、先ほど長官は世界平均最終的に成功率は三%というふうに言いましたが、日本の場合はもう少し高くなっておると思います。しかし、いずれにいたしましても相当なやっぱり少ない可能性の中で仕事を進めていくわけでございますから、いろいろ問題はあろうかと思います。しかし必要な事前調査は十分いたしまして、できるだけ効果的に仕事が進むように日本としては進めていかなきゃならぬと、こう思っております。
  123. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、次に石油の採算について、この共同開発地域の計画はどのように考えられておるか。
  124. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘の意味は、どの程度のコストで採掘できるかというお尋ねかと思います。これは先ほど来お話が出ておりますように、まだ今後十分に探査活動をやっていかなくちゃいけないということで、当然のことながら、石油の賦存量あるいはその構造の数、あるいは深度等、それぞれによりましてやはり採掘コストというのは変わってくるわけでございますので、今後それは物探等あるいは試掘等の前段階を経まして生産段階に入る時点で、経済性があるかどうかということを最終的に判断することになると思いますが、御参考までに申し上げますと、先ほどお話が出ておりました阿賀沖につきましては大体五ないし六ドル、それから北海地区につきましては三ないし六ドル程度と言われておりますので、大体この地域につきましてもその程度のコストで仕上がるのではなかろうかというふうに、これはまだ十分なデータはございませんが、傾向的に申し上げるとさようなことではなかろうかと、こういうことでございます。
  125. 馬場富

    ○馬場富君 ちょうどいま長官から阿賀沖が出ましたが、先ほどの話の中に出ましたように埋蔵量が一千万キロリットルですね、それに対しまして投下資金が三百億、そうするとキロリットル当たりのコストは約三千円ということが一つは考えられるわけでございますが、この共同開発区域で経済ベースに乗るか乗らないかというこういう判断の場合、その基準が経済的な見地によるのか、または経済的に採算は合わなくても共同開発地域ということで多少その点については政治的判断で実行されるのか、そこの点を説明してもらいたいと思うんです。
  126. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) まだずいぶん先の話でございますので、私としてはいま確たる返答はできないわけでございますが、やはり経済性を持ってないとその採掘というものは長続きしないと思います。仮に油が存在していることが確認されましても、技術的に採掘困難であるとか、あるいはコスト的にきわめて不利なものであるといったような場合には、その時点における石油の国際価格との関連において、その時点に立って判断するということでございまして、いまの時点でどうだと言われましても非常に私は困るわけでございますが、一言で申し上げれば、経済的フィージビリテイーがないものを民間企業では実施するということは事実上不可能ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  127. 馬場富

    ○馬場富君 ではこの特別措置法の第二十六条に通産大臣はその埋蔵量等にかんがみ、その共同開発鉱区が採掘権者の設定に適すると認められたときは採掘転願を命ずるとなっているが、採算が合うか合わないかの、開発権者と通産大臣との間に意見が対立した場合には、これはどういうふうに調整するのか、この二十六条を通して説明してもらいたいと思います。
  128. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 第二十六条、御指摘でございますが、この採掘転願命令として要件が書いてあるわけでございまして、「通商産業大臣は、探査権の共同開発鉱区における天然資源の存在が明らかであり、その埋蔵量等にかんがみ、その共同開発鉱区が採掘権の設定に適すると認められるときは」と、こういう要件がついておるわけでございまして、ただむやみやたらに採掘転願を命令するということではございません。これは鉱業法の現行法にもかような規定がございまして、時期が適性であると判断した場合には、探掘から採掘に移るべきことということは、やはり地下資源をできるだけ早く活用するという方向でこの条文が設定されておるというふうに考えておるわけでございます。
  129. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、そこのたとえば採算が合うか合わないかということは結局、長官は関係ないということですか。
  130. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ちょっと御質問の意味がわかりかねるんでございますが、「その埋蔵量等にかんがみ」ということは、埋蔵量等も入っておるわけでございますが、やはり生産コストが経済性のあるものかどうかということを判断して転願を命令するという関係になるわけでございますから、やはり経済性の確認ということが前提になってくるというふうに私は考えております。
  131. 馬場富

    ○馬場富君 だから、そこでいわゆる開発権者と通産大臣の間にそういう問題での意見の対立があったときに、いかに調整するかということを聞いているんですよ。
  132. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) やはりいろんなデータをもって判断するわけでございますので、その段階において意見が食い違うということはまずまずないというふうに私は考えております。
  133. 馬場富

    ○馬場富君 長官はないと言いますが、これはある場合も私はできてくると思うんですよ。その点ひとつお願いします。
  134. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 仮定のお話をしているようでございますが、たとえばその時点において、非常に石油の国際的な需給事情が逼迫しているか、緩和しているかといったようなことでも違うんじゃなかろうかと思います。需給事情が非常に逼迫している場合には量的にも不足しておるわけでございますし、あるいは価格も必然的に高くなっておるわけでございますから、そういったその時点における諸情勢を判断して、この二十六条の発動ということをするかしないかということを考えるわけでございまして、私は十分そういった実態を認識した上で二十六条が発動されるというふうに考えておるわけでございます。
  135. 馬場富

    ○馬場富君 それでやはり同じ二十六条の関係で「採掘権の設定に適すると認められる」埋蔵星にという点がございますが、通産省はこのような一つの埋蔵量についての基準はどのような見解を見ていますか。
  136. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) これは先ほどコストのところでもお答えいたしたようなことでございまして、埋蔵量だけがすべてを決めるものではない、水深なりあるいは深度あるいは構造と申しますか、層のあり方といったようなものも勘案して考えるわけでございまして、埋蔵量だけで判断するというわけにはまいらないだろうと思います。極端に埋蔵量が少ない場合は、これはもともと商業生産に移り得ないわけでございますが、そういった場合は例外といたしまして、諸般の要素を総合勘案して判断をするということになるわけでございます。
  137. 馬場富

    ○馬場富君 それじゃ次に、日中漁業協定の問題について質問いたします。  先日も九州におきましての現地意見の聴取がございました。その中にもずいぶんこの点が出ましたが、現在の西日本におきましては、黄海並びに東シナ海においての漁業が相当大きい漁獲高になっています。そういう点で、その関係につきましては中国と韓国におのおの日中、日韓の漁法協定が制定されて操業されておるわけでございますが、ところがこの水面で共同開発が行われたために、中国がこれに強力に反対しておる、そういう点でこの共同開発が中国の理解なしに進められたときに、やはり共同開発区域はもちろんであるけれども、それ以外の東シナ海、黄海における漁業にも影響してくるんじゃないかという、こういう心配な声が相当出たわけですけれども、この点についてひとつ説明してもらいたいと思います。
  138. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 私どもこの協定につきまして、中国政府と何回か話し合いをして理解を求める努力を重ねております過程におきまして、またその過程以外の何らかの別な情報源といいますか、そういったものから得ておりますところでは、いま先生が御心配のように、この協定によって共同開発が進められるという過程のもとで、中国が現在友好に日中問の漁業操業秩序を維持している漁業協定を何らか廃棄するとか、制限するとか、そういうことに出てくる、そういうような兆しというものは一切感じとっていないということははっきり申し上げられることができます。
  139. 馬場富

    ○馬場富君 じゃお尋ねいたしますが、日中漁業協定というのは、漁業協定を見ますと、日中共同声明の精神の上から、一つは理解の上からこれがなされるということがうたわれております。そういう点について、日中共同声明の内容からいたしましても、日韓大陸だな協定が中国の抗議の中にありながら、これがやはり理解されないままに行われたときには、これほど二国間に不信をもたらすものはない、共同声明の私は精神からも逸脱する問題である、こういう点について、中国側がその不信に対しての問題が出てきたならば非常に私は困ると思うのですが、その点はどうでしょうか。
  140. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) この点はいままで再三申し上げておりますように、日本政府の考え方によりますると、この協定は中国の主権を侵害してていないというふうに確信いたしておりますので、その点を中国側に十分説明を繰り返して理解を得る努力をしております。しかし、いままでのところ、立場の違いはまだ現存しておるわけでございます。で、一般論といたしましては日本と中国のように隣接しております国でありますと、何事によらず立場の違い、意見の違いというものはこれは一般論としてはあり得るわけでございまして、そういったものについてはいま先生も御指摘の日中共同声明の中で、両国間の紛争は平和的に解決するということになっておるわけでございますから、日中間で平和的に解決する努力に移るわけでございますが、現在のところ私どもは中国側の理解を得る努力をしている最中でございまして、日中間の具体的に解決を要する紛争になっているという受けとめ方はしていないということでございます。
  141. 馬場富

    ○馬場富君 それはいままでも外務省のこの共同開発並びに竹島、尖閣列島のこの委員会を通しての結局あなた方の共通のいままで一貫した答弁なんですよ。だが、結局その中でよく局長が国際法上という立場で共同開発についても、竹島問題についても、尖閣列島についても御答弁なさっておりますけれども、たとえばこの共同開発にいたしましても、これもやはり関係国というのは中国と韓国だと、一番関係のあるのは、そういうことですが、その国際法上という言葉をお使いになったとしても、結局一つの具体的な法律でいけば大陸だな法というのがありますけれども、これにもやはり加盟をしていない国ですし、そしていままで日本と韓国、中国の間の中に、いま領土問題を含めてまだかつてのやはり戦争状態から推して未解決のそういう分野というものがまだ残されておる、紛争が残されておると、こういう中にあってやはり国際法的な見解では理解できないものが紛争になっておるわけです。  そうした場合に、あなた方が言われる国際法的な解決は参考ではあるけれども、この二国間についてはやはり二国間の協定、条約、そういう話し合いというのが私は先行しなければこれはうまくいかない、国際法的にはこれは非常に理解されておるが、二国間に理解されてないという進め方は必ずやはり紛争を持ってくる原因だと私は思うんですが、いまの問題とあわせまして全般的にその考え方についてひとつ説明していただきたいと思います。
  142. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これはいわゆる一口で国際法と言われておりますものの中にいろいろあるわけでございまして、厳格な意味で国際法といいますと、これは二国間であるいは多数国の間で取り決めました条約とか協定というようなものがそれぞれの国を拘束するという意味では法的効果を持つと、しかし、そういう具体的な協定、条約などがない場合の、たとえば大陸だな制度というようなものについて国際法と言いますときには、その中に専門用語では強行法規ということがございますが、いずれの国も従わなければならないほど成熟して拘束力を持つに至った国際慣行、これは国際慣習法と言われるわけですが、法的効果を持つに至った部分とそれに至らない部分がある。法的効果を持つに至っている国際慣習法でございますと、これはやはりいずれの国もその特定の条約に加盟しているといないとにかかわらず、これには拘束されなければならない。しかし、一般に強行法規といわれるほど一般国際法として拘束力を持つに至っていない部分、この具体的な共同開発の大陸だなに関して言いますと、たとえば大陸だなに関する条約の第六条、これはまだ一般国際法になっていないという国際司法裁判所の判決がございます。この第六条というのは中間線によると、この中間線で境界を画定するというのはまだ拘束力を持つに至っていない部分であるというふうに言われております。  そういうふうに同じ条約の中でも強行法規的なものとそうでないものとがある。いま日本が中国に対して説明しております中には、韓国と中国との間の話は、これは韓中間で話ができないので、これは話ができた方がいいけれども、これは待つことができない。しかし、韓国と中間との間に横たわっている大陸だなの形状、つまり形、姿から見ますとこれは中間線によって区分、境界を画定するのが、これが国際法としてほとんど拘束力を持つに至っていると、それが日本の考え方だということを中国に何度も説明しておりまして、もし中国に別な考え方があるのでありましたら、これは先生もおっしゃいますように、これは話し合って決めなきゃならぬ問題であるわけです。そういう点をはっきりいたしながら、国際法の方にそういう非常にまだ未熟な、熟さない法規でありますためにいろいろ問題があります。しかし、そこは誠意を持って話し合っていきたいと、こういうことを毎回申しておるわけでございます。
  143. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ最後に、外務大臣が急いでみえるようですから外務大臣に、いまその点で、今後の日本外交の一つの考え方といたしまして、やはり議会での答弁は別といたしまして、そういう国際法というものがあったとしても、それが理解ができ、その協定が理解されないという地域については、二国間の話し合いと私はやはり条約や協定だと思うんです。そういう点で、これから今後のこの問題についての対処の考え方とあわせまして、いま一つこの日本を取り巻く環境の中で問題となっております北方領土の択捉の問題に対する考え方と、それから竹島についても、韓国でやはりソウル大学等においての反対運動が強力に起こってきておるという点、それとあわせまして中国が外電等によればかなり日本の政府の態度についての不信があるやに報じております。そういう点できょうあたりも二十日までに回答がなければというふうな報道もなされておりましたけれども、ここらあたりについての御見解をお願いしたいと思います。
  144. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 共同開発の地域につきましては、いま事務当局から答弁したとおりでありますけれども、それにいたしましてもやはり関係する国、韓国、中国、日本が理解し合ってやることがこれは一番理想の姿でございます。したがいまして、中国に対しても理解を求めるべくしばしば折衝いたしておりまするし、また中国の意見も承ってそれに応ずる用意ありということを申しておりますが、まだ話がついてないことは残念でありますけれども、しかし一方は協定がすでに成立した問題でありますから、逐次進んでいるわけでありますから、今後とも中国に対しては理解を求めるべく最善の努力をすべきであると考えております。  なお、竹島その他の問題については、これまたこの問題のけりがつきましたら、総理がおっしゃっておりますとおり心を新たにして折衝を開始すべきであると考えておるわけでございます。
  145. 馬場富

    ○馬場富君 ちょっと答弁漏れしましたが、北方領土の実情は後から防衛庁の方に聞きますけれども、外務大臣として、いまああいう事実が起こっておることにつきましての択捉問題についての御見解と、それから日中の問題が外電等によれば、かなり中国の中に不満の声があるということを伝えております。そしてけさあたりの報道によれば、二十日までに回答がなければ佐藤大使を帰国さして相談するやの報道もなされておりますが、ここらあたりの問題について。
  146. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 択捉を中心にするソ連の演習の問題でございましょうか。――防衛庁の方でいろいろ言われておりますが、私としてはあの周辺におけるソ連の演習というのは今度が初めてのことではございませんので、いままでしばしば行われているところでございます。かつまた、この演習が特に日本の特定の地域を予想して上陸演習をやったなどという、そういう緊迫した状態になるとは考えておりません。ただ、択捉についてはわが国の領土であるという主張をしておりますたてまえ上、この地域で演習をされることはまことに遺憾であり、なおまたこの周辺の漁業の操業についてしばしば申し入れをしておるところでごございます。いずれにいたしましても、そういうことではありますが、この演習自体が特にソ連と日本の間の緊迫した状態であるとか、あるいは米ソの緊迫した状態をあらわすものであるという考え方は、それは思い過ごしであると、こういうふうに判断をしておるところでございます。  日中友好条約の問題は各位の御協力を得てだんだん煮詰まってきているわけでありますが、決してこれがいま特別具体的な障害があるわけではなくて、先般中国の外務大臣とも会いましたし、それぞれ話をしておりますので、いましばらくこの返事を待っておる状態でございます。
  147. 馬場富

    ○馬場富君 大臣、一点、日中についてはいかなるいま状況があったとしてもやはり変わりなく強力に続けるというふうに理解してよろしゅうございますか。
  148. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 全くそのとおりでございます。
  149. 馬場富

    ○馬場富君 じゃ、大臣ありがとうございました。  次に、防衛庁の方で先日発表されました択捉周辺のソビエトの演習につきましての実態と現状と、これに対する何か対策があればお聞かせ願いたいと思います。
  150. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) 五月の下旬から六月の初めにかけまして宗谷海峡におきますソ連艦艇の通峡の状況、あるいは択捉島周辺におきますソ連の航空機の動き、それから御承知のようにソ連から択捉島の付近におきまして危険水域の設定というような告示がございました。そういったような事象からいたしまして、択捉島周辺において演習が行われているという可能性もあるとは考えております。しかし、事実を確認していないというのが現状でございまして、そのソ連の艦艇、航空機の動きというものを注目しているというのが現状でございます。
  151. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時三十四分開会
  152. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  153. 市川正一

    ○市川正一君 本法案の審議の進行に伴いまして、これをめぐる疑惑やあるいは問題点がますます深まって、国民の関心も一段と高まりを見せております。またそれを反映して、一般新聞やあるいはマスコミも協定並びに本法案に対して改めて注目を払い、一連の解説あるいは論説を発表している。私、午前中の討論の中でもその幾つかを紹介いたしましたが、たとえば五日付の朝日新聞は「問題点多い「日韓大陸だな」」という見出しのもとに、なぜ韓国の主張に従って共同開発に踏み切ったのか、中国の抗議にどう対処するのか、竹島問題との関連はどうなのか、漁業への影響をどうするのか、共同開発地域での紛争が起きた場合の防衛問題等々を指摘しております。私は、こうしたマスコミの分野でも取り上げている問題をも踏まえながら、柱を立ててみるならば、第一に、わが国の主権にかかわる一連の問題。第二に、共同開発地域の協定をめぐる疑惑と日韓癒着に関する問題。第三に、メジャーとの関係及び真の国益とは何かという問題。第四に、海洋汚染を含む漁業問題など。それぞれきわめて重大な諸問題が提起されていると考えます。  私はそのために、少なくとも十時間の質疑時間を要求したのでありますが、与えられた時間は七十分であります。したがって私は、この与えられた時間の中で、若干の新しい問題の究明と同時に、いままでの審議の中でますます疑問の深まってきた問題について、事実と論理に基づいて国民に本法案の実態を明らかにする、そういう見地で以下の質問を行うものであります。  まず、河本通産大臣にお伺いいたしますが、大臣は本委員会で、日韓大陸だなについて中国から異議が出ている間は石油開発公団の融資はしないと答弁なさいましたが、そのことをめぐって五月二十六日、自民党の総務会が紛糾し、安倍官房長官が政府の統一見解を示されたというふうに伺っておりますが、その内容はどういうものか、大臣にまずお聞きいたします。
  154. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 自民党の総務会の内容につきまして私は承知をいたしませんが、いまおっしゃったことが議題になったことは、これは事実のようでございます。昭和五十年三月に石油開発公団法の改正が行われまして、石油開発公団の業務の拡大が決定をいたしました。その際に、紛争地域または紛争のおそれのある地域に対しては石油開発公団は投融資をしない、こういうことが商工委員会の附帯決議としてつけられているわけでございますが、その附帯決議に従いまして、今回の共同開発地域に対しましては、中国から異議の出ておる間は投融資をしないと、こういう答弁を委員会でいたしてまいりましたが、そのことが総務会の議題になったということは聞いておりますが、その詳細な内容につきましては、私は、出席をいたしておりませんので、関知いたしておりません。
  155. 市川正一

    ○市川正一君 新聞が伝えるところ、また、一昨日のNHKテレビでの安倍官房長官の発言等々を見聞いたしますと――私は、自民党総務会の見解を聞いているんではなしに、安倍官房長官が示した政府見解をただしているわけでありますが、まあ御存じないと、関知しないということであれば、結局何とか公団融資ができるように努力する、そして中国の問題は、これは友好的に話をつけるというふうな統一見解を示されているんでありますが、そこで、この石油開発公団の融資については従来からそのずさんさが各方面から指摘されております。ところがこの政府の統一見解は、そういうことについては全く無批判であり無反省です。  そこで、今後の石油開発公団の融資のあり方にも関連して、具体的な問題でお聞きしますが、一九七二年十二月二十六日に、海外石油開発がアブダビ海洋鉱区会社――通称ADMAと申しますが、このADMAのブリティッシュ・ペトロリアム――BPというふうに略称されておりますが、この持ち株を取得しております。これはその後一九七三年の二月に設立されたジャパン石油開発に引き継がれるのでありますが、この際の取得比率はBPの持ち分の四五%、ADMA全体から言えば三〇%に当たる分でありますが、これを利権料七億八千万ドル、当時の換算で二千百八十億円で取得しております。この七億八千万ドルの資金調達は、石油開発公団出資が三百七十五億円、融資が六百七十億円、合計千四十五億円で、全体の四八%。そして、日本輸出入銀行の融資が四百八十八億で、これが二二%。民間の方は出資二百十億、融資四百三十七億で、全体の三〇%。つまり石油開発公団と輸銀の合計、政府資金が全体の七〇%投入されておると私ども調査しておりますが、この事実に間違いがないか、公団総裁お答え願います。
  156. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) 七割が政府の投融資であることは間違いございません。
  157. 市川正一

    ○市川正一君 ところで、このADMAの利権の獲得に当たっては、時の田中内閣が全面的な支援体制をとって、利権契約の前日の一九七二年、昭和四十七年でありますが、その十二月二十五日には閣議了解までして支援を決定しております。  この事実には間違いはないでしょうか。これは通産省関係にお聞きいたします。
  158. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 当時このADMAのプロジェクトに対しまして、いわゆる財界人が日本側関係者としてタッチしておったということは事実でございますが、政府といたしましては、本件がすでに原油を生産している大型プロジェクトへの参加であるといったような本格的な利権の獲得、それも日本としての初めての規模のものであるといったようなところからナショナルプロジェクトとして積極的にこれを推進し、援助する立場をとったものでございます。
  159. 市川正一

    ○市川正一君 おっしゃったように、時の政府が全面的な支援をした。それでは、その後このジャパン石油の経営状態は一体どうなんですか。欠損金はどれくらいになっているのか。設立以後の決算期別にお答えを願いたいと思います。
  160. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 年度別は別途お答えいたすといたしまして、昨年の十二月時点での累積赤字額は約四百五十九億円でございます。
  161. 市川正一

    ○市川正一君 年度別のは後でまたお伺いするとして、大体年度ごとに八十億その他赤字を出し累積四百六十億、これはまさに大変な額ですね。しかも資本金をほとんど食って、普通の企業ならば倒産物です。  ところで、会計検査院に来ていただいておりますが、七七年の去年の四月二十日付でジャパン石油開発に対する調査結果をまとめておられるはずですが、そこではどういう評価をなさっているかお伺いしたい。
  162. 阿部一夫

    ○説明員(阿部一夫君) 昨年の四月にまとめましたジャパン石油開発株式会社に対する調査結果の取りまとめにおきましては、前文的なことを若干入れておりますが、調査の結果というところで、この時点でございますと五十年の一月から十二月の決算を対象にいたしておりますが、その五十一年の十二月末の時点で二百九十八億余りの累積赤字が出ている。このような事態となったのは、当初の計画によりますと、取り分が二二・五%であったけれども、産油条件が四十九年の一月に大幅に変動して、現地政府の経営参加が一挙に六〇%になり、このためジャパン石油の取り分は一二%に下がった。それからさらにロイアルティー、所得税も大幅に増加し、一方、産油童は日産四十二万バレルに削減された。こういつたようなことのために利益が著しく減少し、このために借入金の金利に圧迫されることになった。  このような経営危機を脱却するために、同会社は新たに増産計画を樹立して設備投資を行うこととして経営改善計画を策定しているが、前途はなかなかむずかしいと思われる。というような趣旨の言葉で締めくくっております。  以上でございます。
  163. 市川正一

    ○市川正一君 まさに結びの言葉は「前途は困難であると思料される。」つまり、巨額の利権料と、そのための借入金金利のために経営悪化の一途をたどっている。それが重要な一因になっているということは明白であります。  ところで河本通産大臣は、一九七六年の四月、参議院の予算委員会において、この問題に関して「いまADMAの話等も出ましたけれども、ADMAなどもあれだけの大金を投じまして少しも成果が上がってない。結局フルに働いてない。こういうことを考えますと、海外における石油開発政策というものを根本的にこの際検討する必要がある。むだな金をたくさん海外に投じておる、こういう状態はよほど私は整理する必要があるのではないかとこう思います。」というふうに御答弁なさっておるところは記憶されていると思います。  そのときよりもさらにいま赤字額が増大している。当然この事態に対して、昭和五十一年にお答えなさった以上の深い認識を持っておられると思いますが、改めて見解を伺いたい。
  164. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 一昨年私がそのような答弁をしたことは記憶しております。ただ幸いなことには、その鉱区で出てまいります油は非常に良質の油であります。生産されるものはすべて売れる。こういう状態でございまして、その点が非常にいい点だと思います。  それからなお、未開発鉱区がその鉱区外には相当残っております。そこで、新体制を整えまして、新しい社長のもとにいま経営の立て直しに懸命に取り組んでおります。新しい鉱区の開発等一生懸命にやっておりますが、この一連の計画が成功いたしますとADMAの立ち直りも期待できるのではないかと私どもは考えておりますが、何分にも石油開発公団から莫大な投資をいたしておりまして、ナショナルプロジェクトとは言いながら、国としてこれだけ大きな投資をしております以上は何らかの目鼻をつけませんと申しわけないと、こう思っております。
  165. 市川正一

    ○市川正一君 私はそういう甘い状態じゃないと思うんですね、何かこれから好転するような。だって、さっき橋本長官がお答えになったんじゃないけれども、創設以来、年々四十二億、百二十八億、二百九十八億、三百八十そして四百六十というふうに年々累増しているじゃないですか。ちょっとも減っておらぬじゃないですか。ますます赤字。膨大な国民の血税がそこへみんな行っているんですよ。だから田中内閣が挙げて取り組んだこの石油開発プロジェクトというものは見るも無残な失敗じゃないですか。一体これはどういうことですか。この七億八千万ドルという巨額のADMA利権の話を持ち込んできたのは一体そもそもだれなんですか。はっきり聞かしてください、公団総裁。
  166. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) 当初の経緯を申し上げますと……
  167. 市川正一

    ○市川正一君 いや、結論でいいんです。わからなかったらわからぬ、わかっているんやったらわかっているという、経過じゃなしに、だれが持ち込んだんやと。
  168. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) 当初の結論を申しますと、四十六年の十二月に、BPのドレイク会長と興銀の中山相談役が御会見になりました席上におきまして、ADMAの権益の一部をBPが日本に譲渡したいという意向を持っておるということが話に出たわけでございます。そのお話を受け継ぎまして、その後四十七年の二月にBPの販売部長が公団に参りました。そして財界の方々といろいろ御検討があったわけでございますが、さらに四十七年の七月にBPの技術陣が来日いたしております。そして利権交渉がいろいろと行われておるわけでございます。結論といたしまして、四十七年の十二月二十六日に、海外石油開発――俗称OPCと申しておりますが、そことBPの先ほど御指摘のエクスプロレーション社との間で購入契約と申しますか、パーチェスアグリーメントが締結されたという次第でございます。
  169. 市川正一

    ○市川正一君 いろいろそういう経過があったでしょうが、結局国際エネルギーコンサルタント株式会社、すなわちその代表の田中清玄、これが持ち込んだ、違うんですか。
  170. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) 世上いろいろと言われておりますけれども、私どもが現在了知しておりますのはただいま申し上げた経緯でございます。
  171. 市川正一

    ○市川正一君 有名なこの悪名高い田中清玄、これが持ち込んだということは、自分でちゃんと自分自身の言動として言明しているわけですね。また多くの傍証もあります。そこでそれを裏づけるものとして話を進めていきますが、この国際エネルギーコンサルタント、すなわち田中清玄に当然コンサルタント料が支払われているはずでありますが、石油開発公団は御存じですか。
  172. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) このADMA鉱区の利権の取得と申しますか、取得に関しまして、先ほどの海外石油開発株式会社及びADMAに関します利権義務を同社から承継いたしまして、ジャパン石油開発会社から国際エネルギーコンサルタント会社に手数料が支払われたという話があるということは了知しております。
  173. 市川正一

    ○市川正一君 会計検査院の方はいかがでしょうか。
  174. 阿部一夫

    ○説明員(阿部一夫君) 私どもジャパン石油株式会社を昨年の五月に会計検査院法の規定に基づきまして検査指定をいたしまして検査を行ったわけでございますが、私どもはこの石油開発公団の投融資を財源といたしまして会社で探鉱開発費を使う、それを主として検査の対象として見るわけでございますが、   〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕 その検査の過程におきましていま先生お話しのコンサルタント料と申しますか、そういうものがあるということは承知いたしました。しかしながら、この支払いは公団の投融資を財源とする探鉱開発費には直接の関係がございませんでしたので、そういうものがあるということは承知しておりますが、これをさらに突っ込んで検査をするということはいたさなかったわけでございます。
  175. 市川正一

    ○市川正一君 要するに、そういうものがあるということを承知した、コンサルタント料。だからそれ以上突っ込んで云々という話は聞いてない、私が聞いているのは、コンサルタント料が払われているということの有無を聞いているんです。
  176. 阿部一夫

    ○説明員(阿部一夫君) そういうものはあるということでございます。
  177. 市川正一

    ○市川正一君 その額はどれぐらいですか。会計検査院ではつかんでおられるはずですがね。
  178. 阿部一夫

    ○説明員(阿部一夫君) 一応承知いたしておりますが、これは企業の秘密と申しますか、私契約上のものでございますので、私どもの立場からそれをお話しすることは遠慮さしていただきたいと存じます。
  179. 市川正一

    ○市川正一君 時間がないので、しかるべき機会をまたなにしたいと思うのですが、とにかく二千百八十億という金が動いているわけです、利権が。仮に一%としても二十一億、とにかく数十億の単位の金がコンサルタント料として動いているということは予想されますし、またこれは国民の前に明らかにさるべき問題である。私はこの問題については後留保しながら進めたいと思うのですが、さて国策という看板を掲げて出発したこのADMA利権の獲得が、その後橋本長官も明白に言ったように、莫大な赤字を重ねている。その原因を解明する上からもどのようなコンサルタント契約が結ばれどれだけのコンサルタント料が流れたか、これは徹底的に解明する必要がある、こういうふうに考えます。きょうはその点時間もありませんので、契約書も含めて、コンサルタント料の実態について資料として提出されるよう重ねて私は要求いたします。  石油開発公団並びに会計検査院、それぞれ出していただけますね。委員長、よろしくお願いいたします。いいですね。
  180. 福岡日出麿

    ○理事(福岡日出麿君) 理事会に諮って決定をいたします。
  181. 市川正一

    ○市川正一君 決定されれば出していただけますな。――  このプロジェクトに田中清玄が中心的な人物として介入しておる。莫大なコンサルタント料が流れている。公団は知らぬと言うけれども、会計検査院の方はちゃんと承知してるんですよ。そこで田中清玄は、海外石油開発あるいはジャパン石油開発だけでなしに、売り手のBP社からも受け取っている疑いがある。そしてまた、その重要な一因となった利権料が七億八千万ドルというべらぼうな高値、そにこまた大きな疑惑が持たれています。会計検査院は、この利権料が妥当なものか、徹底的な調査をなすったんか、また現在調査は継続中なのか、その点ちょっと確かめさしていただきたい。
  182. 阿部一夫

    ○説明員(阿部一夫君) ジャパン石油株式会社がアブダビの鉱区権を取得するために七億八千万ドルの支払いを行っておりまして、この金額が適正かどうかという検討は、検査はいたしたわけでございます。で、この金額の出し方といたしまして、鉱区内の一部既開発油田についての可採埋蔵量、あるいは未開発地域の有望構造の評価額、そういうものを基礎にして算出したという説明を受けておりまして、その説明は、まあ一応は納得できるというふうに考えられまして、この額を決めた時点においてこの金額が必ずしも高過ぎたというような結論は出ていないということでございます。
  183. 市川正一

    ○市川正一君 では、石油開発公団、七億八千万ドルというふうなこの高値、これは妥当なもんやと判断して融資したのか、現在もそうお考えなのか、この点どうですか。
  184. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) 先ほど会計検査院からお話ございましたように、既開発油田の評価、及び未探鉱鉱区の評価等入れまして、適正、妥当な額であるというふうに評価いたしております。
  185. 市川正一

    ○市川正一君 よくまあそういうことが言えたものです。あなたも少なくともこの石油の畑を担当しておられる方じゃないですか。  じゃ、聞きますがね。この利権を取得する前に、西ドイツのDEMINEXが獲得を目指していたというのは、これはもう世界周知の事実です。このDEMINEXとBPとの間では、利権料についてどういう話し合いが行われていたか、当然公団は御存じだと思いますが、どうですか。
  186. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) BPとDEMINEXでございますけれども、ちょうど公団に、日本側にこの話が持ち込まれました前後、四十六年の十月ごろでございますけれども、BPとDEMINEXとの間で、同じくBPX――BPの一〇〇%の現地会社の株式の二〇%の譲渡についての交渉が行われておったという事実は承知しております。
  187. 市川正一

    ○市川正一君 私が言っているのはそういうことじゃないんですが、石油の国際的な専門誌として権威も認められているインテリジェンス・ペトロリアム・ウィークリーというのを御存じですね、ここにもその現物がありますけれども、その中にDEMINEXとBP、また日本とBPとの交渉経過が詳細に述べられております。たとえば一九七三年一月一日付では、次のようなことが言われています。「先週、日本がアブダビ油田の利権のために七億八千万ドルという驚くべき価格の協定を締結した。」、「驚くべき価格」というふうに言ってます。さらに続けて、「このことは、多くの当面の問題を提起している。とりわけその一つの問題は、日本政府が既成の油田買収という新しい政策に積極的に乗り出したこと、そして、そのためには無理で不自然な高額の現金も投入しているということである。この七億八千万ドルの金は向こう十八カ月という信じがたいほどの短期間でBPに支払われてしまうことになっている。」こう言っております。これでは、初めから破綻し、無残な結果になるということは火を見るよりも明らかじゃないですか。こういう契約調印のために暗躍したのが田中清玄である。石油専門誌がこれほど言い切っている、こういう事態でなおかつ公団総裁は、あの当時妥当だったというふうに言っておりますけれども、しかし、通産大臣は失敗だということを認められてる、まあ、今後を期待するというふうには先ほどおっしゃいましたけれども。石油開発公団の責任は重大ですよ。もう一度お答え願いたい。
  188. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) 先ほどどなたかの御質問にもございましたけれども、その後、世界全体におきまする石油利権の取り扱いに対する産油国側の態度といいますか、いうものに大きな変化がございまして、それが当プロジェクトに対しての当初の予算、見込みどおりにいかなくなった一番大きな原因であろうと考えます。いま御指摘の結果論から言いますと非常に苦労しておるということになっておりますけれども、最初の利権条件という前提で考えますれば、決してそう大きな額ではなかったというふうに見るべきであろうと思います。   〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕
  189. 市川正一

    ○市川正一君 いまでもなおそういう強弁をなすってる。私は徳永総裁、あなたは、この日韓大陸だな協定の関連国内法が政治の、与野党の一つのおもちゃになってるということを発言してますね。何ですか、これは。真剣に国会の場で大陸だなの問題について検討し、議論を深めている中で、おもちゃになっているとは何ですか。不見識もはなはだしい。そういう態度が、いまだに国民の血税をつぎ込んで膨大な赤字を出して、その金が妥当だというふうに開き直ってる。国会でのこのやりとりをあなたは与野党のおもちゃだと、こういう発言を取り消しますか。責任ある態度をここで表明していただきたい。
  190. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) 私、大陸だな法案それ自身ということではございませんで、私がある時期に申し上げましたのは、日本は油の依存度の非常に高い国、そういたしますと、まず、国際社会に対する日本の責任という立場から考えまして、日本の近間にある資源というものは一日も早く開発されることが望ましい、ということをかねて念願もいたしておるわけでございまして、この法案にいろんな問題があることを知らないわけじゃございません。しかし、日本に早く――日本の近間にあると想定される石油資源が一日も早く探鉱開発を実施に移されるということを望みたいという趣旨のことを申し上げたわけでございます。
  191. 市川正一

    ○市川正一君 いずれにしても政治のおもちゃということは真意でなかったし、これは取り消すということですね。
  192. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) さようでございます。
  193. 市川正一

    ○市川正一君 わかりました。  それじゃ前へ進みますが、先ほど紹介しましたインテリジェンス・ペトロリアム・ウイークリーによれば、西ドイツのDEMINEXがBPと交渉した価格は、これは取得比率がBPの持ち分の二〇%というものに当たりますので、また利息分を含めてでありますが一億七千万ドルから一億九千万ドル。ところが日本の場合は四五%ですから、この二・二五倍としてもせいぜい三億八千万ドルから四億三千万ドル程度です。この国際的にも常識的な妥当な線。ところが、これに対して三億五千万ドルから四億ドル上積んでいる、当時の日本円に換算して一千億以上も高い買い物をしているわけです。石油業界のある首脳人の一人も、利権代七億八千万ドルはいかにも高いですよ、西ドイツが二億ドルでも要らないと買わなかった鉱区なんだというふうに言うております。ここに石油開発公団また輸銀が、田中内閣の閣議了解を背景にばく大な投融資を行っておる。まともな常識では考えられないことです。  そこで改めて聞きますが、石油開発公団のジャパン石油開発への投融資はこれまでどのぐらいに上っており、それは公団全体の投融資残額の何%になるんですか。
  194. 徳永久次

    ○参考人(徳永久次君) 投融資を含めまして、公団の全投融資のちょうどほぼ半分くらいになっております。
  195. 市川正一

    ○市川正一君 四九・四%、ちょうど半分ですね。しかもジャパン石油開発からびた一文まだ返ってないんですよ。だから、石油開発公団の投融資の半分がジャパン石油開発に投入されている。異常もはなはだしい。ジャパン石油のための公団と言っても過言じゃないです。しかも、先ほども確認したように、河木通産大臣は少しも成果が上がってない、むだな金をたくさん海外に投じているというふうに国会で答弁をなすっておられる。その後でもなお投融資が続けられているんです。国民の貴重な血税をそういう形で浪費しているんであります。石油開発公団は、こういう形でジャパン石油開発との関係でもう抜き差しならないところへ来ているというふうに私は考えます。この背景には田中人脈と言われている島田元公団総裁、両角元通産次官らが田中清玄と結託してこのプロジェクトに公団ごとのめり込んできたというふうにも言われております。そして最大の疑惑は、交渉開始当時に通産大臣であり、利権協定の締結当時に首相であった田中角榮が熱心に介入し、関与してきていることであります。この点、そういう事実に関して国民の前に別らかにしていただきたい、開発公団。
  196. 江口裕通

    ○参考人(江口裕通君) 先ほど経緯を申し上げましたけれども、いま御指摘の方々につきましては、確かに島田前総裁は当時総裁でございましたし、それから通産大臣も田中大臣がその前後においでなったということは事実だと思いますけれども、いま御指摘のような点があったかどうかということにつきましては、私ども先ほど経緯で申し上げたとおりで御了承願います。
  197. 市川正一

    ○市川正一君 外務省もお見えになったようなのでお伺いしますが、一九七二年昭和四十七年の九月に、これはロッキード事件でも疑惑の会談となっております当時の田中首相とヒースイギリス首相との会談が行われておりますが、ここでADMA利権の問題について話し合いがあったのかどうか、これをまずお聞きします。
  198. 宮澤泰

    ○政府委員(宮澤泰君) ただいま御指摘の会談におきましては、日英両国の通商貿易関係の拡大の可能性等について話し合いが行われまして、その点につきましてはその後コミュニケ等も出されたわけでございますが、ADMA利権のただいまおっしゃいましたようなことについて具体的な話し合いがあったということは私ども承知いたしておりません。
  199. 市川正一

    ○市川正一君 その件に関して、田中清玄がみずから次のように語っている。まことに興味深い告白などで、少し長いけれども紹介さしていただきますが、「宝石」の七五年、昭和五十年の三月号であります。   このときは、日本側のハラとして、三~六億  ドルの範囲で押えたいようでしたが、結局、七  億八千万ドルに落ち着いたわけです。こうし  て、約二千三百億円の利権買いは、初めて、日  英ミッションの顔合わせにこぎつけました。   しかし、私はもう少し話をコンクリートさせ  ようと、関係三国の最高首脳にこの取引を合意  させようと考えました。   一方、日本国内では、一部に「高すぎる」と  の批判が出はじめました。が、中山、島田、松  根氏らが中心になって、国内態勢の整備に精力  的に動かれたようです、それは七二年三月ごろ  から九月にかけてで、ちょうど田中角栄氏の総  理就任と前後する約半年間の出来事です。   かくて、田中・ヒース両首相間の合意取り付  け構想は九月に実現しました。   ところで、最後に、これまでマスコミ紙上に  一行も報道されなかった事実を披露するなら  ば、すなわち一つの約束があったんですよ。そ  れは、利権料七億八千万ドルだけではなく、実  際は、油田開発資金二十億ドルの三分の一を、  日本側が負担することになっているんです。つ  まり、二十億ドル全額を英、仏、日の三国が共  同出資して開発する。利権料に六億二、三千万  ドル上乗せされ、結局、ADMA参加は、約四  千億円の大プロジェクトになっているというこ  とでしょう。   なぜ、そうなったかは、実は七二年九月十四  日のヒューム訪日午餐会のとき、同首相から、  沈滞した英国産業の再編整備のため、ADMA  の利権の代償として、北海油田開発への日本資  本の参加と、石油だけではなく、自動車、家庭  電機、造船などの産業振興に援助希望があった  のです。B・Pは、ADMAの利権売却代(約  十四億ドル)を全額、自国領土内の北海油田開  発に投資し、北海油田が成功した際は、それの  スワップ(乗り換え取引)として、ADMAのB  ・Pの利権のすべてを日本側に渡す、というこ  とで申し合わせもできていたのです。これらの  双方の条件はヒース首相が直接、私に語り、両  国首相同士でも確認し合ったことです。というふうに、少し長くなりましたが大事なかかわり合いなので引用さしていただきましたが、つまり田中清玄が暗躍して田中・ヒース会談の議題に乗せ、政府首脳レベルでの合意取りつけ構想が実現したというふうに彼は告白しているのです。しかも、そこでは七億八千万ドル以外に探査投資義務として六億二十万ドルについても秘密合意があり、実際には約四千億円の大プロジェクトになったというふうに彼は言っているわけです。  ところが、田中・ヒース会談のコミュニケ、ここにもございますが、こういう問題が一切入っていないのです。いまお答えにもありましたが、まさに疑惑の会談であります。田中・ヒース会談における詳細な日程と議事録、これを私は改めて外務省に正式に要求したいと思います。そしてまた、BP、海外石油開発、ジャパン石油開発の契約書を通産省に私は提出を正式に要求いたします。ぜひ委員長の方でお取り計らいを願いたい。
  200. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 理事会に諮って善処します。
  201. 宮澤泰

    ○政府委員(宮澤泰君) ただいま会談の日程等とおっしゃいましたが、日程につきましてはこれは差し上げますが、首脳会談の内容につきましては、これは発表すべき部分として共同コミュニケを公表いたしましたので、首脳会談の内容そのものは慣例といたしましても公表いたさないことになっておりますので御了承を得たいと思います。
  202. 市川正一

    ○市川正一君 理事会でその点も含めて御検討いただきたいと思います。  そこで、田中清玄がこういうふうにコンサルタント料もちゃんと受け取っておるし、事態をみずから告白しているという点で信憑性はきわめて高い、こういうふうに考えます。事実私どもの調査では、田中・ヒース会談の直前、一九七二年、これは昭和四十七年でありますが、八月八日首相官邸において田中角榮と田中清玄が会っています。また、田中角榮氏はジャパン石油開発の設立披露パーティーにわざわざ出席してあいさつをなすっている。そうですね。ですから、ジャパーン石油への公団などの異常な投融資、また高過ぎる利権料のこの背後には、田中清玄とともに田中角榮がきわめて重要な役割りを果たした疑惑がきわめて濃厚だと私は考えます。そして時はまさにロッキード事件と同じ時期であり、第二のロッキード事件ではないかという疑惑も根拠あるものとして伝えられています。しかも同時に、この問題は石油開発公団の融資を適正化する上でも、日韓大陸だなの問題とも決して無関係ではない。後で申しますが、きわめて重大なかかわり合いを持っている。私はそういう点で、さしあたり田中清玄及びジャパン石油会長の今里広記の両氏を本委員会で証人として喚問していただくことを委員長にお願いをいたします。
  203. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 理事会で諮ります。
  204. 市川正一

    ○市川正一君 続けます。石油開発公団の融資をめぐるこういう疑惑の根源の一つに私はいわゆる成功払い、出世払いという融資上の問題があると考えます。つまり、探鉱事業が不成功に終わった場合には元本の減免が可能だということになっております。探鉱事業が不成功に終わった場合、元木の減免が可能である。この制度を利用してワンプロジェクト、ワンカンパニー方式などが使われ、国民の貴重な血税がいわば山師的にたれ流しされている。これが実態です。こういう制度が疑惑や腐敗を生み、石油開発そのものもほとんど失敗に終わることとつながっております。こうした公団融資がいままた日韓大陸だなの開発に投入されようとしていることは問題をさらに拡大する重大な危険性があると思います。  昨日の朝日新聞の社説「実質ある国会収拾を」というのが掲載されておりますが、この社説は当面の大陸だな協定あるいは開発の問題に関して三つの問題提起を行っております。  その第一点は、「福田首相が、巨額な開発資金を公正かつ明朗に管理・運営し、かりにも日韓間の政治家や政商の結託を許すことはない、という決意を表明すべきだろう。日韓大陸だな協定審議が難航したのは、自民党首脳にからむ「日韓癒着(ゆちゃく)」に油を注ぐ、という強い疑惑によることを知らねばならない。」これは朝日の社説であります。この論調は開発をいわば前提とし、いまの協定に基づく作業が進むその前提での論議である点において、私はその点ではこの論説に必ずしも同意するものではありません。しかしこの朝日の社説が提起している問題はきわめて深刻であります。私は逆に、いまここで指摘されているような疑惑、また私がいま提起したジャパン石油開発、こういう問題に関して国会の場で政府が真実を、その真相を国民の前に明らかにすること、これによってこそ私はこうした国民的な疑惑、疑問にこたえて、そして正しくわれわれの対処ができるものと確信いたします。この問題に関して最後に通産大臣の所見を伺って、私は次の質問に移りたいと思うんです。
  205. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) いまいろいろ御指摘がございましたが、いやしくも誤解を招くようなことのないような形で石油開発事業というものは進めなければならぬと思います。
  206. 市川正一

    ○市川正一君 次に、主権的権利の問題に関してお聞きいたしますが、これまでの審議を通じてこの主権的権利を放棄しているんではないかというわれわれの追及に対して、外務省は協定の二十八条を隠れみのにして、主権的権利の問題は決定していない、等距離中間線の立場は害されないと。特に、中江アジア局長いまお座りになりましたが、四年間まるでテープレコーダーのようによくまあ繰り返してこられた。その点では感心いたします。しかしこれは国民にとっては全く詭弁であり、観念論なんです。  お伺いしますが、この共同開発区域内でわが国は排他的な主権的権利の行使はできるんですか。
  207. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 端的に申しますと、共同開発でございますので、共同開発区域では排他的な主権的権利を行使するということはできないわけでございます。
  208. 市川正一

    ○市川正一君 残念ながら時間がないので、またテープレコーダーのように繰り返しにもなりますので、要するに、実態論で言えば、われわれがこれは当然われわれの主権的行使のできる地域だと言っているところで排他的な主権行使ができなくなったということなんですね。しかも、二百海里水域の問題はおろか、領海十二海里までその範囲に入っている。これは口上書やいろいろのことがありますけれども、結局その十二海里までこれ関連してくる、こういうのが実態なんですよ。これと関連して外務省にお聞きしますが、国連の海洋法会議で、国際的動向が日本の等距離中間線での境界画定にとって不利に動いているというふうに一貫してお話しになってこられた。  そこでこの海洋法会議の問題でありますが、私ども外務省からちょうだいしておりますこのパンフレットですね、これの四十ページに、いわゆる経済水域の境界画定についての七十四条の部分が記載されております。そして、次の四十一ページには、大陸だなの境界画定に関する八十三条の文章が記載されておりますが、この七十四条と八十三条というのは原文では同じではないんですか。
  209. 大森誠一

    ○政府委員(大森誠一君) 原文におきまして七十四条と八十三条を比較いたしますと、七十四条におきましては、第四項において、中間線または等距離線についての定義条項を設けておりますが、それ以外は全く同じ規定ぶりとなっております。
  210. 市川正一

    ○市川正一君 同じなんですよ、私も原文をいただきましたけれどもね。ところが、これ、パンフレットを見なさいこれ、四十ページの方と四十一ページの方、違います、何やら――この四十一ページの大陸だなの境界画定は、この日本語になっているやつを見ると、「衡平の原則に従って合意により行われるものとし、その場合、それが適当であれば中間線又は等距離線を使用し」というふうに、原則が「衡平の原則」で、中間線または等距離線の問題は後に、こうなっているんですね。ところが、四十ページの、本来の経済水域の境界画定については、「適当な場合には中間線又は等距離線を使用し、かつ、すべての」云々というふうに、後になっているんです。同じ原文のものをわざわざ、作為的とはわし言いませんが、誤訳かもしれません、誤訳かもしらぬけれども、こういうふうに、あなた方が、何か自然延長論が優勢で、中間線がえらいもう弱まってきているような印象を与えるかのごとく、こういうこそくなやり方までとるというような態度というのは、これは全く解せぬです。そして、これは外務省情報文化局国内広報課の名で出ているものですから、そういう意味では持つ影響も大きいというふうに思うんです。  ですから、私はそういう点で、単なる誤訳じゃなしに、やはり日本の主張というものをもっと積極的に打ち出すという面からも、こういう点はやっぱり筋を通してきっちりしてほしい、ということを主張いたしますが、外務大臣お聞き及びのとおりですが、どうですか、こういう問題は。   〔委員長退席、理事大谷藤之助君着席〕
  211. 大森誠一

    ○政府委員(大森誠一君) このパンフレットで扱われております大陸だなについての境界画定の部分につきましては、これはできるだけ簡明に趣旨を述べるということから、そのくだりの一番最後のところに、「排他的経済水域の境界画定の条項(第七四条)と同趣旨の規定振りとなっている」ということを明記してございまして、こういう書き方によって、第七十四条と同趣旨であるということを簡略してこのように記述したものということで御理解いただきたいと存じます。
  212. 市川正一

    ○市川正一君 安武委員が先日、一連の質問をいたしましたが、その中でどっちが、共同開発の問題、すなわち日本側が、あるいは韓国側が出したのかという問題について質問をいたしましたが、まだこの問題、われわれから見て明白になっていないんです。  これは毎日新聞の六月九日付朝刊でありますが、幾つかの問題点を毎日新聞が指摘しておりますが、その中で   その第一は、そもそも「共同開発」という構想が出てきたいきさつについてである。外務省の答弁によると「先方(韓国)からこの構想が示された」ことになっている。しかし、岸信介元首相が毎日新聞社とのインタビューで「日本側から提案した」に語っていることからも明らかなように、外交ルートとは別のルートによる話し合いの中で、この構想が固まった気配が強い。外務省が、政治的決着の理由としてあげる「両国の主張がほぼ五分々々で対立したまま交渉が長期にわたっていた」「石油開発に着手する必要が急を争うものだった」などだけでは、国際的にも前例のない共同開発に踏み切った背景としては、十分なものとはいえないだろう。  こういうふうに、恐らくこのやりとりを熱心にお聞きであった毎日の記者の方だろうと思うんですが、問題を提起されております。  私、ここに岸元総理の毎日新聞のインタビューの原文も持っておりますけれども、お聞きしたいことは、そういう点で、じゃ岸信介氏が言うてるのはこれは根も葉もないうそだということなんですか。その点はっきりしてください。
  213. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 私どもが申しておりますのは、日本政府と韓国政府とがこの問題について話し合いを持って共同開発という一つの実際的解決に至りましたその過程においては、いま申されたような政府チャンネル、政府の経路、外交経路以外のところで何かがあったかどうかということは承知いたしませんのみならず、そういうものが政府間の話し合いに影響を与えたことはないと、こういうことを毎回申しておるわけでございます。
  214. 市川正一

    ○市川正一君 うそかどうかわからぬし、うそとは言い切れないということになるわけですね。うそや、というふうなことには、はっきりあなた言わなかったじゃないですか。うそなら、うそやと確信持って言うてもろうたらいいんだけれどもね。  そこで、もう一遍中江さんに再確認いたしますが、外務省自身、この日韓協力委員会に説明までしておられるというのも、昨年六月の参議院の外務委員会でわが党の立木議員にお答えになっておりますけれども、これはそのとおりですね。
  215. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 日韓協力委員会は、日韓関係全般についていろいろ民間レベルで御勉強になっておりますので、そのときそのときの懸案について御説明することはございます。
  216. 市川正一

    ○市川正一君 次に、橋本エネルギー庁長官にお伺いしますが、安武委員が先日お伺いしたときに、企業に対してヒヤリングをし、また意見を聴取したことはあるというふうにおっしゃっておりましたですね、間違いございませんね。
  217. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおりでございまして、韓国と交渉に入るに当たりまして日本側関係者の実態を把握しておきたい、こういう立場から、出願企業の状況、あるいはこれらの企業の鉱区の有望性に対する評価、こういった事項についてヒヤリングを行ったことは事実でございます。
  218. 市川正一

    ○市川正一君 先日の本委員会の参考人の質疑の際に、私、日石開発の伊藤参考人に質問をいたしました。そして通産省に要望書を出したというようなことはないかということを確かめたんでありますが、橋本長官もあそこでたしかお聞きになっていたと思うんですが、そうしたら伊藤参考人は、最初、私は存じませんと、こう言ったんですよ。私が存じているとか存じてないじゃなしに、企業としてどうなのかということを確かめたら、記憶にありません、という、よう聞いた答弁をなさったわけですね。要するに否定してないんですよ。私は存じません、そして、記憶にありません、ということなんです。  私は、もうあと時間が迫ってまいりましたので、あえて現象的事実という言葉を使いますけれども、日韓協力委員会というのはこれは御承知のように大陸だなの共同開発を提案し、そしてまた両国政府への働きかけをきわめて積極的にやったグループでありますし、また岸信介氏、矢次氏などがそういう問題について言明をしています。中江局長はもちろんそこで日韓大陸だなの問題をおっしゃったとかいうことはいまないということを言明されましたけれども、いずれにしても日韓協力委員会に呼ばれて御説明申し上げているということをお答えになっている。また通産省としてはいろいろレクチュアもし、意見も聴取した。一方、日石開発は通産省に要望出していないというふうにははっきり断言なすっていないというふうな、これらの間でどういうかかわり合いがあるのかという点について、私はやはり引き続き明らかにしていく必要があるというふうに私は考えております。  最後に、私は漁業の問題に関して質問をいたしたいのでありますが、この共同開発区域に当たる水域での以西底びき漁業の漁獲量ですね。またその依存率はどれぐらいなのか、水産庁の方からお答えを賜りたいと思います。
  219. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 共同開発水域におきます漁業の状況につきましては、ただいま御説明のございました以西底びきが二万五千トン、これは全体が約二十万トンございますが、十数%になると考えております。そのほかに、巻き網が二万二千トン、釣り、はえなわ、刺し網等が一万トン、計五万七千トンほどに相なると考えております。
  220. 市川正一

    ○市川正一君 率はどれぐらいですか、率にして。
  221. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) いまちょっと計算いたします。
  222. 市川正一

    ○市川正一君 私どもが現地調査などで、現地の水産庁関係者から聞いたところによると約一〇%というふうに聞いておりますが、問題は一〇%ぐらいじゃないか、大したことないじゃないかというふうなことを口にする向きがもしあるとすれば、水産庁としてはそういう議論に対してどうお考えでしょうか。
  223. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) この漁場につきましては、黒潮が南から北流しておりますし、さらに中国大陸からの沿岸水が入っておりまして、プランクトンの発生その他非常に漁場としての条件がいいところでございます。特に西の方の三分の二につきましては、非常に平坦な漁場でございまして、以西底びきについては重要な漁場だと考えております。  さらに、特に以西底びきの中でもレンコダイにつきましては、産卵場、特に北の産卵場がこの海域内に含まれておりまして、私どもとしては単なる数字の上の問題よりも重要な漁場であるというふうに考えております。
  224. 市川正一

    ○市川正一君 私も同感であります。もし仮に一〇%ぐらいじゃないかというようなことを口にする者があるとすれば、これはまさに実態を知らないだけでなしに、漁民の生活やその状況に対する血も涙もない冷酷な発言だと思うのでありますが、実際に現地の状況を聞きましても、この一〇%というのは御承知のように年間を通じて平均しての数字で、したがって、季節によっては文字どおり一〇〇%ここに依存ずるということもあります。また一〇%という数字自体がこれがなくなれば、一年のうち一カ月以上は休漁ということにも算術計算でもなるわけでありまして、まさにそういう意味で重大であります。ところで、水産庁はこういう現地漁民の意見を十分に聞いているのか、またいままで聞いたことがあるのか、この点どうなんですか。
  225. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 私どもといたしましては、この問題が起きまして直ちに関係の業界、具体的に申し上げますと、以西底びきをやっております日本遠洋底曳網漁業協会、それから巻き網の団体でございます遠洋まき網漁業組合、それからさらに沿岸の団体でございます全漁連、こういうものと接触いたしまして、その意見を聞いておりますし、さらにあの漁場を主として操業しております長崎周辺の漁業者の方々につきましてもいろいろ御意見を伺っております。
  226. 大谷藤之助

    ○理事(大谷藤之助君) 時間が参りました。
  227. 市川正一

    ○市川正一君 われわれの現地調査によれば、現地の漁民が申しておりました、水産庁は三回来たけれども、それも漁民に詳しく事態を説明するというようなことでなしに、努力してないということを現地調査の際また現地公聴会の際に漁民が申しておりました。私は政府また関係官庁としては十分に漁民の意見を聞くという努力をさらに私は続けるべきだと、果たすべきであるというふうに考えます。現地の漁民が現地公聴会のときに繰り返し申しておりましたが、心から賛成だという漁民はどのような立場の人にしろ、一人もいないのです。  そうしてこの漁民に対して国策だという名のもとにこれを強行しようとしておる。私はエネルギー危機の最大の教訓、それはアメリカ依存、とりわけメジャー依存の体制から抜け出すことこそその答えであったというふうに確信いたしますが、にもかかわらず、主権を放棄し、開発についても完全にメジャー依存で行おうとしている今度の協定、法案、これではますますメジャーへの依存を強化するものであり、自主的エネルギー政策に明らかに反するものだ、決してエネルギー問題の解決には何ら役立たないものだということを指摘いたしまして、その他の問題は総理への締めくくり質問に譲り、私の質問を一応終わります。
  228. 井上計

    ○井上計君 政治の最大の目的はと問われた場合に、国民の信託を受けておりますわれわれは、国の安全と国民の生活を守ることだと、このように答えるのは、これはもう当然であるわけであります。したがって国会での審議のすべてはこの目的を達成するためにどうすればいいのか、どうすれば国民の信託にこたえることができるのか、これらを考えることはこれまた当然であろうというふうに思います。ところが先般来、当委員会でのこの日韓大陸だなの共同開発についての質疑を聞いておりますと、何のために反対をしているのか、あるいは反対の真の目的は何であるのか、実は理解に苦しむような発言がしばしばなされておるようであります。資源の乏しいわが国が国民の自由で平和な生活を引き続いて永久に維持していくのには絶対に必要な資源、資材の供給を確保していくということはもうこれはまたあたりまえであります。もう論を待ちません。特にエネルギー資源の絶対必要量の確保というものは将来の問題であると同時に、もう当面している問題であるわけでありますから、それらの点を考えて私のこれから質問をひとついたしたいと、こう考えます。  そこで私は日韓大陸だなの共同開発を速やかに進めて、近い将来に必至と言われておる石油不足から起きる危機を大変国民の多くは憂えておるわけでありますから、その立場からエネルギー対策等について政府の、特に最初に通産省当局の見解をお伺いしてまいりたいというふうに思います。  一九八〇年代の半ば、すなわち昭和六十年ごろから世界的な規模において石油資源が枯渇をする、石油の深刻な供給不足が起きることはもう確実だというふうに言われております。そのような予測が、第三次世界大戦勃発の可能性があると、このようにも言われておるわけであります。聞くところによりますと、中国の鄧小平副主席がそのような石油問題からして第三次世界大戦は必至である、そのためにも日中友好条約を早く進めなくてはいけないということを昨年明言をしたやに実は伝え聞いておるわけでありますし、また最近のソ連の中東産油国等に対する武器援助等もこの対応戦略の一環だということも実は報道されておるわけであります。これらを考えますときに、新しい石油資源の開発というのは、わが国が国際社会の一員としての責任を果たすためにも緊急の課題であると、このように考えますが、そこでわが国の昭和六十年時点、すなわち一九八五年ごろのエネルギーの見通し、特に石油の需給対策はどのように推定をしておられるのか、また昭和六十年時点の必要石油量等について、ひとつ通産当局から説明を願いたい、こう思います。
  229. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘になりましたように、一定の経済成長を維持するためには、それに必要とするエネルギーを確保する、当然の前提になってくるわけでございます。さような観点から、昨年の八月総合エネルギー調査会の需給部会で試算いたしたところの数字を申し上げますと、今後五十年代年率六%の経済成長を前提といたしますと、昭和六十年度時点におきまして、石油に換算いたしますと、トータルエネルギーは七億四千万キロリッターを必要とするという数字が出ておるわけでございます。これを現状のままで推移いたしますと、石油量は五億キロリッターをやや超える輸入を必要とするという試算もなされておりまして、先ほど御指摘のような今後の世界における石油の需給状況というものを考えますと、五億キロリッターを上回る石油の確保は困難であるという観点からいたしまして、省エネルギーを促進し、国産エネルギーを極力活用し、また石油にかわるべきLNGあるいは原子力を最大限の努力をもって開発していくといたしまして、ようやくにして六十年度における石油の必要輸入量は四億三千二百万キロリッター、こういう数字になるわけでございます。世界の各機関の試算からいたしまして、四億三千万キロリッター程度の輸入は可能かと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、将来十年先にわたる問題でございまして、一般的に不安定要素も高まってきておるわけでございます。この数字は計算上可能であるといたしましても、その前提としての代替エネルギーの開発等も含めまして必ずしも容易でない問題であるという認識でございまして、特に石油につきましては、これも御指摘になりましたように、この開発を進めていくということは、世界的に石油の供給力を増強していくという観点、いま一つはわが国が自主的に処理できる石油を確保する、そういった両面からも一段と必要性が増大してきておる、こういう認識に立っておりまして、今後とも輸入ソースの多元化あるいは備蓄と並びまして石油の開発の努力を傾注していく必要がある、かように考えておるわけでございます。
  230. 井上計

    ○井上計君 省エネルギー政策を国民と一体になって強力に推進をしていく、さらには代替エネルギーの開発に最大限の努力をしてもなおかつ四億三千万キロリットルという膨大な石油を輸入しなければわが国の安全も守ることができないし、国民生活も維持することができないと、こういうふうなことを承りますと、よけいにもう何としてでもわが国は石油の安定確保のためにまっしぐらに邁進をしなくてはいけないという感が強くなるわけであります。  そこで、いま長官はまあ何とか四億三千万キロリットル程度のものは昭和六十年時点で確保できるであろうという数字上の計算だというお話がありました。まあ、それはじゃできるというひとつ前提に立ってお伺いしたいと思いますけれども、現在のようにほとんど――まあ全部とは言いませんけれども、大部分をOPEC等から輸入をしておるということですが、果たしてじゃその輸入確保できるとしてOPEC等からの輸入の見通し等はどのように考えておられますか、お伺いをいたします。
  231. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 石油の将来における需給見通しにつきましては、OECD、IAEA等の国際機関でいろいろ計算いたしておるわけでございます。それぞれの機関の性格によって若干の差はあるわけでございますが、大体日本に対しては七百五十万バレル・パー・デー程度の輸入は可能ではなかろうかといったような数字も出ております。まあ、楽観的に見る調査によりますと八百四、五十万という数字もございますが、これは余りにも楽観的に過ぎると思います。私は大体七百五十万バレル・パー・デーというところが一応の限界ではなかろうかと思うわけでございまして、そういった形においてわれわれとしては輸入努力をしていくということになろうかと思います。  ただいまOPECからどの程度という御指摘もございましたんですが、もちろん現在、北海、アラスカあるいはメキシコ、いわゆる非OPEC地域における石油の開発と供給力の増大ということで当面需給は不況とも絡んで緩和いたしておりますが、先ほど御指摘の一九八〇年代の後半以降になりますとこういった非OPEC地域での開発原油の量も横ばいになってくる、あるいは地域によっては減少してくるということも考えられますので、将来ともにやはり世界の石油の需給事情を左右するものはOPECの生産能力がどこまで拡充できるかということになろうかと思います。そういった物理的な問題といわゆる資源温存政策というものがどのように関連して世界の石油事情を左右してくるかということも考えられるわけでございまして、エネルギーというものは経済成長あるいは国民生活において必須のものである限り、われわれはむしろ情勢をシビアに判断してそれに対処していく必要があろうと、かように考えておるわけでございます。
  232. 井上計

    ○井上計君 いまのお答えからいたしましても今後ますますやはりOPECの動向について重大な関心を持たざるを得ないわけでありますが、ところで、じゃ仮にいまのOPECの動向等からいたしまして今後やはり原油価格の値上がりは必至だというふうに理解をしております。   〔理事大谷藤之助君退席、委員長着席〕 それで、仮に年率一〇%程度値上がりをするとすると、昭和六十年におきましては、先ほどお答えの四億三千万キロリットル程度、これをほとんど輸入にまつということです。そうすると、四億三千万キロリットルを輸入するためにどの程度の外貨、資金が必要かということも実は考えてみなければいけないというふうに思います。私の計算でありますが、年率一〇%程度値上がりをいたしますと、昭和六十年度四億三千万キロリットルの石油を輸入するためには八百七億ドルを必要とすると、こういう計算が出てまいります。計算は多分違わないと思いますが、もし違っておれば御指摘いただいても結構でありますが、とすると五十二年度すなわち昨年度の総輸入額が七百十七億ドルであります。そのうち石油輸入に要した額はその三七・四%の二百六十八億ドルでありますから、昭和六十年、これからまあもうすでに約七、八年でありますが、七年先に四億三千万キロリットルの石油がなければわが国の経済、産業というものは重大な大犠牲を受ける。しかし、それだけの石油を現在のような状態のままで輸入にまつとするならば八百億ドル程度の外貨を必要とすると、こういう計算になると思いますけれども、これに間違いないかどうか、この計算、私の計算からするとですよ。それから、それについて果たして日本経済が対応することが可能かどうか、どのようにお考えでしょうか、ひとつお考えを承ります。
  233. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘になりました計算は計算としては正しいのじゃなかろうかと思います。ただ、私の立場といたしまして今後石油の価格が年々上昇していくということは認めざるを得ない事実だと思いますが、どの程度の年率で伸びていくかということを試算するというのも立場上の問題もございますので、御容赦いただきたいと思います。ただ、日本経済全体としてこれだけの石油を輸入し得るに足る経済力を持ち得るかどうか、あるいは外貨を保有し得るかどうかということもまさに大きな問題でございます。日本の経済力が将来どのように発展していくか、あるいはその過程で産業構造がどのように転換していくかといったようなことも含めまして総合的に判断せざるを得ない。ただ、必要なエネルギーは、やはりどうしても確保しなければいけないという点にはどのような事態においても変わりはない、かように思っております。
  234. 井上計

    ○井上計君 長官のお立場で私の計算どおりにいくというふうなお答えは、これはもうできない、これは当然だと思いますけれども、大体このままでまいりますと、私が申し上げたような、試算をしたような、そういうことに当然なるんではなかろうかというふうに憂慮しておる一人であります。  そこで、仮にということで、仮定の問題には答えにくいということになるかもしれませんが、仮に八百億ドルを必要とする外貨等についてはこれは対応できるといたしましても、もし四億三千万キロリットル必要とするその必要量の一〇%あるいは二〇%が、いろんな事情によりまして輸入減、供給不足という事態が万一起きた場合、これは絶対起きないという保証はないと思います。今後の国際経済の推移、あるいはまた国際情勢の変化、変動等考えますと、当然この一〇%あるいは二〇%の輸入がカットされるということはあり得るというふうに思いますが、そうならなければ幸せでありますけれども、もし万一そうなった場合に、それによって、石油不足によってわが国の経済あるいは産業、さらに国民生活はどのような混乱を生ずるか、お答えできる範囲で結構でありますけれども、当然その点についてはお考えであろうと思いますが、ひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。
  235. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 結論的に先に申し上げますと、やはり定量的に申し上げることは御勘弁願いたいということでございます。と申しますのは、あらゆる要因が複合して、成長とエネルギー所要量との関係が出てくる。あるいは互いの要因が相乗効果を持っておるといったようなこともございます。それから、こういう作業をやる場合には、いろいろと前提を置いて試算するわけでございますが、えてして数字だけがひとり歩きするといったようなこともございますので、定量的に申し上げることは御勘弁いただきたいと思うわけでございますが、四十八年のオイルショック当時の数字を思い起こしてみますと、四十八年度におきまして、実質経済成長率が六・四%であったものが、翌年の四十九年にはマイナスの〇・二%、それから卸売物価指数、四十八年度一〇〇といたしまして一二三・五、消費者物価指数が一二三、かなりの経済成長の鈍化と言うより、むしろ成長率が低下しておるわけでございまして、物価も、消費者物価、卸売物価ともに上がっておる。かようなところから、家計に及ぼす影響はもちろんでございますし、雇用に与える影響も大きい。  当時の後遺症がいまなお、日本のみならず世界的に後遺症として残っておる現状を考えますと、これがオイルショックのような情勢ではなくて、さらに資源と申しますか、特に石油の増産限界から、さような量的あるいは価格的な問題が発生した場合には、四十八年のオイルショック当時よりさらに影響度が大きいということは当然予測し、またその予測の上に立って、現在から対処していく必要がある、かように考えるわけでございます。
  236. 井上計

    ○井上計君 かなり控え目なお答えでありますけれども、四十八年のオイルショックによる大混乱、いまなおわれわれの記憶に生々しいものがあります。しかし、六十年ごろにもし、いま私は仮にと申し上げておりますけれども、世界的な供給量が一〇%あるいは二〇%不足をしたという場合には、あの程度のことでは済まないというふうに思います。先ほども申し上げましたけれども、したがって、それがために中国の鄧小平副主席も、第三次世界大戦は一九八〇年ごろ必ず起きるというふうなことをかなり明言をしておるというふうなことに通じるのではなかろうかというふうに思います。  これらを考えますと、わが国だけの問題でありません。世界平和のためにもわが国の石油の自給率を高める、そうして世界的な石油資源の枯渇というものをわが国の努力によって少しでもやわらげていくという努力をすること、これはもう論議の余地はないというふうに思います。そのような点を考えますと、国益からしても、この法案に反対の意見は私は全くおかしい、このように考えますけれども、外務大臣、通産大臣、ひとつ御所見を承りたいというふうに思います。
  237. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 協定がすでに承認をいただき、関連法案になっておるわけでありますから、国際信義の上からも、資源政策の上からも、一刻も早く御審議をお願いしたいと思うわけであります。
  238. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来石油の需給見通し等についても質疑応答がございましたが、私も大変興味深く御意見を拝聴しておったわけでございます。そういう背景もございますので、協定はすでに昨年成立をしておりますが、今回の特別措置法を一刻も早く御承認を賜りたい、そして開発事業がスタートすることを期待するものでございます。
  239. 井上計

    ○井上計君 そこで橋本長官にお伺いしたいと思いますが、すでに各委員の御質問の中でお答えは出ておりますが、改めてお伺いいたします。  日韓大陸だな共同開発区域の埋蔵量、これについて、簡単で結構ですが改めてひとつお伺いをしたいと思います。
  240. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 昭和五十一年に、石油および可燃性天然ガス資源開発審議会で、わが国の周辺大陸だなにおける可採埋蔵量を試算したことがあります。このトータルは、原油に換算いたしまして約十三億キロリッター、このうち東シナ海で約七億キロリッター程度存在するであろうということになっております。御指摘の共同開発区域につきましては、直接この審議会で試算いたしておりませんので、私の方でいままでのいろいろな資料を背景といたしまして計算いたしたところでは、約三億七千六百万キロリッターの究極可採埋蔵量がある、こういう試算をいたしておるわけでございます。
  241. 井上計

    ○井上計君 大変控え目なお答えでありますが、これも政府当局としては当然であろうというふうに思います。  ただ、私の知るところ、一説には、この共同開発区域を中心といたします地域には、海底には第三紀堆積層が換算約八十二兆キロリットルあると。このうち有機分が一・五%と見ても一兆二千三百億キロリットル程度ある。それからさらに、このうち石油分を一%と見ても相当な量が実はあるわけであります。百二十三億キロリットル程度あるという計算になります。確認埋蔵ベース、これを約三分の一と計算をすると四十億キロリットル程度あると、こういう説がありますが、この点についてはこのような説をお聞きでしょうかどうでしょうか。
  242. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいまのお話の可採埋蔵量四十億キロリッター程度ということについては、必ずしも詳しく承知をしておらないわけでございますが、一九七六年にメイヤホフという人が調査した結果では、渤海から広東にかける海域において約三百億バレル、キロリッターに換算いたしますと五十億キロリッターくらいになろうかと思います。こういった調査もあるということは承知いたしております。  それから、この地域につきましてはまだ詳細な地震探鉱あるいは試掘が行われておりませんので、今後そういった物探、試掘の過程におきまして、われわれが現在試算しておる数字よりも、もっと大きな数字になるということもあり得ることだというふうに考えております。
  243. 井上計

    ○井上計君 この地域、大変な投資をして、もしなかったらどうするかとかどうとかというふうな、全くいわば荒唐無稽のような論議もあったようでありますけれども、私は各種の調査あるいは資料等から見ても、かなりの量あるいは莫大な量があることは確実だというふうな理解、認識をいたしております。  そこで、この開発を行うための投資予定額といいますか、大体五年間ぐらいでどの程度のものが順調にまいりますと投資されるというふうなことになっておりますか、ひとつお伺いしたいと思います。
  244. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御承知のように、石油の開発に当たりましてはまず物理探査をやります。その結果に基づきまして試掘、探掘をやる、その最後の段階で経済性を判断して商業生産に入る、こういった段階を踏むわけでございまして、それぞれの段階ごとに、その結果について次のステップを踏むかどうかということの判断をいたすわけでございますが、そういった意味から、今後どの程度の投資額になるかということは非常に申し上げづらいわけでございますが、まずこれだけの広さ八万二千平方キロメーターでございますが、これを物探をするといたしますと、約十億円前後の資金が要るんではなかろうか。それから試掘でございますが、法律上、義務井として十一本の掘削が義務づけられておるわけでございます。海洋の場合、大体一本十五億円から二十五億円かかるわけでございますので、少なくともこれで二百数十億円の資金が要るということでございます。その後いよいよ開発の段階に入るかどうかということは、いま申し上げたような物探あるいは試掘の結果を見た上で判断するというわけでございまして、現段階でどの程度の投資額になるかということは申し上げづらいわけでございます。仮に例を引きますと、北海にニニアンという油田がございますが、これが約一億六千万キロリッターの可採埋蔵量があると言われておりまして、これに対する投資額が約二十二、三億ドルということも言われておりますので、大体その程度の経済可能性がありということになると、大体その程度の投資を必要とするというふうに理解いたしております。
  245. 井上計

    ○井上計君 もちろん予測しがたいということでありますけれども、北海油田をいま例にとってお答えありましたが、北海油田が要した投資額二十二、三億ドルといたしますと、約五兆円かと思います。これがこれから大体五年間ぐらいの間に投資をされるとすると、国内の経済に及ぼす波及効果というものははかり知れないというふうに考えるわけでありますが、特にこれから六%台程度の安定成長をわが国としてはどうしても確保していく、また確保しなければ国民生活の豊かさは維持できないということを考えますと、この面からしても私は日本経済への寄与率、国民生活の安定度への寄与率というものは大きなものがあるという評価を私はすべきであるというふうに考えます。いろいろといまお答えを承っておりまして、ますます私自身の理解は一日も早くこの日韓大陸だな共同開発に着手すべきである、特に石油はもう国の血液と言われておるわけでありますから、ぜひそのためにも今後とも一層の御努力をひとつお願いをいたしたいというふうに思います。  先ほども通産大臣お答えをいただいておりますけれども、改めてこの日韓大陸だな開発協定につきましての御決意をいま一度ひとつ承りたいというふうに思います。
  246. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来の石油の需給関係のお話がございまして、日本として一番気をつけなければならぬ点はやはり石油の安定的な供給ということだと思います。そういう意味からいたしますと、やはり日本近海の開発ということが最も安定的な供給につながるわけでございます。日韓大陸だなから、共同開発地域から期待をしております石油量というものは、必ずしも多くはありませんけれども、二%前後というものを最小限期待をしておるわけでありますが、これだけの石油が近海から確保されるということは、日本にとりましても非常に強力な立場になろうかと思います。さらにまた経済効果なども大きなものが当然出てくると思いますので、そういうことからぜひこの開発計画が順調に進むことを私どもは期待をしております。そういう意味でよろしく御協力を賜りたいと思います。
  247. 井上計

    ○井上計君 次に、外務省にひとつお伺いいたしたいと思います。  北朝鮮がこの日韓大陸だな協定に反対をしておるという理由を挙げて、わが国の一部にはこの日韓大陸だな協定の批准をすべきでない、北朝鮮との友好を保つためにも云々というふうな、こういう論議が事実本委員会でもあったわけであります。そこでお伺いいたしますけれども、一九七四年に北朝鮮の外交部スポークスマンが抗議といいますか、反対といいますか、声明を発表しておりますけれども、それ以降このような北朝鮮から反対あるいは抗議等の声明あるいは文書等がなされておるのか、来ておるのか、この点についてひとつお伺いをいたします。
  248. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) いま御指摘の朝鮮民主主義人民共和国の外交部スポークスマン声明といいますものも、これは一九七四年の二月の朝鮮通信という通信機関を通じて私どもは承知しているものでございまして、いかなる意味におきましても公の、あるいは正式の、あるいは信頼すべき筋から日本政府に向けて言われたものでないということは、まず冒頭に言っておかなきゃならぬことだと思います。  それはそれといたしましても、この朝鮮通信によって、まとめてこの協定について北朝鮮の外交部スポークスマン声明なるものが伝えられましたが、それ以後こういう形で、あるいは別な形でこの協定についてまとまった朝鮮民主主義人民共和国の考え方が出ているかというと、私どもの承知する限りそういうものは存じていないと、こういうことでございます。
  249. 井上計

    ○井上計君 いま局長の御答弁承りまして、一九七四年二月二日の北朝鮮外交部のスポークスマン声明だけであるということであります。特にこの点私は指摘をいたしたいのは、このいわば抗議声明ですか、これは日本と韓国との間の調印以降である、調印以降ですね。――調印以前にはこのようなことについては北朝鮮は何も言っていない、調印以降にこういうふうなことを言ってきた、これが一つ。  それからもう一つ、このスポークスマン声明の内容を実は資料を手に入れて読んで見ますと、全くもってけしからぬと、こういう実は感じが私するわけであります。ちょっと読みますと、「南チョソン売国奴と日本軍国主義者は「大陸棚共同開発に関する協定」をはじめ大陸棚に関する一連の犯罪的な文書に調印した。」、ずっといろいろあります。そうして「売国的性格を帯びた文書であり、日本反動勢力に南チョソン再侵略の道をいっそう広くきり開いた侵略的文書である。」とか、いろいろずっとありますが、「犯罪」、「日本軍国主義者の恥知らずな侵略行為」であるとか、「わが国の大陸棚と海底資源を略奪する」とか、まあこのような激烈な、何と言って表現していいかわかりませんが、この短い文中の中に「外来帝国主義者」「日本軍国主義者」という字句が十二カ所あるんですね。これをずっと見まして、私の感じたことを率直に申し上げると、もうこれは幾ら国交のない国のスポークスマンの声明であるといえども、これはもう抗議だとかどうとかというものではなくて、全く非常識きわまりない、常識を逸脱をした、言い方は悪いですけれども、やくざの果たし状だと、このように私は実は考えざるを得ないと、こういうことです。  そこで、外務省はこれについてはどのような対策、対応策を当時声とりになったのか、お伺いをいたします。
  250. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) いま御指摘のように、この伝えられるスポークスマン声明というものが通常の国際社会では常識では考えられないような言葉が使われているということもございますし、言葉使いを抜きにいたしましても、その内容については何ら根拠がないということでございますので、日本政府としては一貫して無視していると、こういうことでございます。
  251. 井上計

    ○井上計君 とすると、この委員会でも、北朝鮮の反対云々ということについてのやはり日韓大陸だな共同開発についてこれを慎重にやるべきだ、やめるべきだという論議がありましたが、全くそれは反対の理由にならぬと、こういう実は理解を私は改めてしておきます。  そこで局長、先ほどから私は北朝鮮と申し上げているんです。局長は朝鮮民主主義人民共和国、もう舌をかむような長ったらしいフルネームを使っておられますけれども、そこでちょっとお伺いしたいんですが、去年の通常国会で福田総理が施政方針演説で北朝鮮という表現をされたら一部野党から猛烈な抗議があって、何か総理がその席で言い直しをされたと、こう実は聞いております。私は不思議でならないのですが、なぜ北朝鮮の場合だけ正式の名称と言いますか、しかも国交がないのに正式な名称を使わなくてはいけないのか。ただ単に国会の中でのやりとりだけじゃありません。新聞マスコミもすべて――私は実は印刷屋ですけれども、北朝鮮で済むのにわざわざ括弧して朝鮮民主主義人民共和国なんて、あの活字を並べておると、あのロスだけでも大変ではなかろうかというふうにふだん考えておるんですけれども、なぜこのようなことに文句が出てくるのか。なぜ一部野党がこういうことを言われておるのか、全く実は理解に苦しむんですね。それならなぜドイツ連邦共和国を西ドイツと略称するのか、あるいはドイツ民主共和国をなぜ東ドイツと略称してだれも文句を言わないのか。ソビエト社会主義共和国連邦をなぜソ連と言って、そのように簡単に表現をしているのか。あるいは最近は中国も中華人民共和国ともう言わぬようになりましたね、中国でもう済むわけですね。だれも文句を言わないし、それは当然のことだと言われております。特にイギリスなんかはグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国なんて、こんなものをだれも実は知らぬようなことを、名前ですから、これはイギリスで当然だと思いますけれども。そういうふうにずっと済まされておるのを、なぜ北朝鮮でいけないのか。北朝鮮と言えばなぜ文句が出るのか不思議でならないのですけれども、局長その点どうお考えでしょうか。
  252. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) いけないと言われている方々が、なぜいけないと言っていられるかというのは、いけないと言っていられる方に聞いていただくよりわからないわけでございますが、私どもは北朝鮮と言っておりましたのが、朝鮮民主主義人民共和国という言葉を、正式国名をときどき使うようになりましたにはそれだけの理由がありまして、御承知のように、一九七二年の七月四日の南北両鮮の共同声明が出まして、韓国の方も南北両鮮が将来の統一への権利を留保して国連に入ってもいいということを――実はそれを言いましたのはその翌年でございますが、共同声明によりまして南北両鮮が調整委員会というものを設けて政治的な会談を持つようになったと。この南北両鮮の現実的な対応を反映いたしまして、そのころから急激に多くの国際機関に南北両鮮が入るようになりました。御承知のように、国連の専門機関め中でもたしか六つか七つ南北両朝鮮人っておるわけでございます。  したがいまして、そういう国際機関におきましては日本国と大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国というのはそれぞれ一つの平等の主権国としての加盟国の地位を持つようになっておる。日本政府といたしましては、その北朝鮮の部分、つまり朝鮮半島の北の部分については、日韓正常化のとき以来、これは将来関係を正常化することあるべしという心構えできておりますので、日本政府といたしましても、朝鮮民主主義人民共和国という正式国名で呼び得る、先生がおっしゃいますように承認はしておらないけれども、そういう国が一部国際機関に加盟が認められている。そういう背景のもとにそういう言葉を使うようになっておりますが、これは言うなれば言葉使いの問題で、承認しない国には正式国名を使わないという、自分でそういう基準を立てて全うしていく人は、恐らく承認してないから使うべきでないということになりましょうし、そこのところはいろいろの考え方があろうかと思います。冒頭の、北朝鮮と言って正式国名で呼ばないのはけしからぬと言われておられる方は、何かいろいろの考慮があってそういうことを言っていられるのだろうと、こう思うのです。
  253. 井上計

    ○井上計君 別に主題と離れておりますから、この問題でいつまでも論議しようと思いませんが、局長のお答えを聞いておりまして、多分にどうも遠慮しておられるなあと、こういう感じがいたします。私は、別に何も北朝鮮と呼ぶことが、あの国を侮辱したりどうとかということは毛頭違うと思います。さっき申し上げたように、他の国はもう全部略称で呼んでいるわけですから。しかし、やはり一部の人たちの反対の理由は、その人たちに聞かなければわからぬことでありますけれども、何かやはり多分に遠慮されてそういうふうな長ったらしい名称を舌をかみながらどうも使っておられるという気がいたしてなりません。使ってはいけないということではありませんけれども、私はそのようなことにまで遠慮していく必要は毛頭ないというふうに思います。まして総理が、国会で施政方針演説の中で、一部野党抗議を受けて訂正をされたということは、私は余りにも遠慮し過ぎておられるというふうな感じがいたしますが、今後そのようなもう遠慮は全く無用であろうというふうに思います。外務大臣、どうでしょう、どうお考えでしょうか。
  254. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) これは呼ぶ人と呼ばれる人の関係でございます。私を園田と呼ぶか、園田直と呼ぶか、これはいろいろでございますが、その関係次第だと思います。
  255. 井上計

    ○井上計君 全くそうだと思います。どうぞこれから余り遠慮されないで、言いやすい表現でひとつこれからもされるように、これはもう要望しておきます。  そこで次に、中国から三回にわたって日韓大陸だな共同開発についての反対声明を出しておると、こう伺っております。  第一回は、一九七四年二月の四日、実はこれは日本と韓国との間にこの共同開発の協定の調印がされた後であります。第二回目は、一九七七年六月十三日、すなわち昨年のわが国会で承認を実はされた直後であります。それから、第三回目は、ことしの五月の十日、衆議院でこれが関連法が通過をいたしまして参議院に送付された直後であります。  これをずっと見て私自身が感じることでありますけれども、この協定以前に、あるいは国会承認の以前に、あるいは衆議院での成立以前には実は何もされていない。協定調印直後、あるいは成立直後等に思い出したようにこういうふうな反対声明がなされておるというふうなことを考えますと、私は余りどうも中国が本気でこの日韓大陸だな開発に反対をしておるというふうに実は思えないわけなんです。で、日中友好平和条約の締結を中国側としては非常に期待しているわけでありますけれども、これらのことについて、これはもうお答えをいただくと大変むずかしいことになりますのでお答えは要りませんけれども、中国に対して十分意を尽くしていただく。この日韓大陸だなの共同開発は決して中国の主権を損なうものでもないし、特にまたこのアジアの平和のためにも絶対必要であるということを十分意を尽くして説明をしていただければ、中国は私は必ず理解、納得するというふうに思います。特にまた、日本が石油の自給率を高めることを中国自体もやはり希望しておるのではなかろうか。また、この日韓大陸だなの共同開発によって得るところの日本の技術というものが、いわば今後近い将来、中国との大陸だなの共同開発等を行うという場合に必ず中国側にもプラスになることは間違いがない。こういう私自身考え方を持っておりますが、そのようなことにつきまして、ひとつ外務大臣並びに各政府当局は今後とも十分御努力をいただく。  お答えはむずかしいかもしれませんのでお答えはもう必要としません。要望いたしまして、まだ私の質問時間は残っておりますけれども、以上をもって質問を終わります。
  256. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 本法案については、すでにさまざまな角度から各党の委員からの質問がされております。私ども、その意味で若干の繰り返しがあるかもしれませんけれども、できるだけ前向きの問題について少し政府のお考えをただしたいと思います。  この法案には、やはりいろいろ問題があると思いますけれども、何と言っても一番大きな問題は、果たしてこの共同開発区域になっている大陸だなの部分について韓国側の言い分というのに正当性があるんだろうか、日本の主権的権利を譲り過ぎていないだろうかという点だろうと思います。その点に関していままでの御答弁を議事録で拾ってみますと、中江アジア局長は、数回にわたって、「韓国が開発しようとした根拠も日本が開発しようとした根拠も、当時のそしていまも同じでございますが、国際法の基準といいますか」、「どちらもそれなりの根拠がある」というふうに、韓国側にもそれなりの根拠というものをかなり強く認めておられるように思うんです。  同じこれは大塚委員に対する答弁ですが、「韓国の方から見ますと、日本と韓国の間には共通の大陸だながあるのではないと、韓国の方からは沖繩海溝まで大陸だなが延びているけれども、日本の方からはその海溝のところで切れている。したがって、相対する二つの国の間に一つの大陸だながまたがっているという認識ではないと。」そしてそれについて局長は、「韓国の言うような認識に立ちますと、韓国が一方的に開発するにはそれなりの国際法上の根拠がある」こういうふうに述べておられます。まあ韓国の主張について、これは日本としては相応の根拠があるという見方と、いや相応の全く根拠はない。しかし共同開発をせざるを得ないという二つの考え方があり得ると思います。  局長の考え方といいますか、外務省のお考えは、韓国の言い分にそれなりの根拠を認めておられるわけですけれども、そしてそれは沖繩海溝の存在を問題にしているわけですが、これは国際的に見て有効な議論なのかどうか、その点について少し補足的に御説明をいただきたいと思います。
  257. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) まさしくいま先生が御指摘になりましたように、日本政府がとっております考え方は、韓国の主張にも相当の根拠があるということを前提にして、実際的解決として共同開発構想になったということでございます。  そこで、韓国の主張にも相当の根拠があるという、その根拠のありなしの判断はどこかという点は、いま過去の議事録の全く的確なところを御援用になったわけでございますけれども、沖繩海溝の存在をもって、大陸だなが割れているのか、割れてないのか、こういう議論でございます。で、それが韓国が――まあ私韓国とその法律論争をやりまして、韓国側が主張しているその根拠に年じゅう使っておりました、そしてまたそれが、われわれとしてそれはそれなりにやはり根拠があるなあということになりますその一番の的確な根拠は、北海の大陸だなに関する国際司法裁判所の判決の該当部分でございます。で、これは大陸だなの境界を画定するときに、どういう原理、原則によるべきかということを説いておるところでございますが、その中で国際法上の大陸だな制度というものの根底にある基本概念をこのように言っておるわけです。  これは判決の第十九項、パラグラフ十九というところでございますが、ちょっと援用さしていただきますと、「沿岸国の自国領土の海中及び海底への自然の延長を構成する大陸棚に対する権利は、領土主権に基づいて事実上かつ初めから存在するものであり」ということでございますので、領土主権を持っている国は、その海中及び海底に自然に延びていく大陸だなに対しては、事実上また初めから、もう本当に最初から領土主権を持ったときから存在するんだと、これが「大陸棚制度の根底にある基本概念」である、こういうのが第十九項でございます。  そこで、その自然延長という観念が出てくる。これに対しまして、この判決で争われましたのは、デンマークとかオランダというのは、この大陸だなが沿岸国の領土主権に属する、属さないというときには、そういうふうに自然に延長しているということだけではなくて、その大陸だなが自分の領土に非常に近い場合はこれは主張できるんだという、つまり距離的に近いということを主張したわけです。ところが国際司法裁判所の判決は「近接性」つまり近い、接近しているという「近接性の観念より一層根本的なのは、沿岸国の完全な主権のもとにある陸地領域は、領土主権の公海への自然の延長又は連続という原則である。」ということでございまして、一番このポイントになりますのは、パラグラフ四十三項でございますが、「ある海底区域が沿岸国の陸地領域の自然の延長をなさないときは、」「陸地領域の自然の延長をなさないときは、たとえその領域が他のいずれの国の領土よりもその国の領土の近くにあっても、その海底区域は当該沿岸国に属するものとみなすことはできない」つまりいまの共同開発区域にあります地域が、いかに日本に近いからといっても、それが自然の延長をなさないときは、これはその沿岸国に属するものとみなすことはできないということを、はっきりICJの国際司法裁判所の判決が言っておるわけです。  そこで韓国は、再三、再四これを援用いたしまして、その部分は九州のすぐ西だとか、男女諸島の鼻の先だとか、こういう議論はあるけれども、しかしここの、国際司法裁判所が、大陸だなの基本理念だと言っているのは、あくまでもやはり自然の延長でなきやならない。いかに近いからといっても、近いといっても、自然の延長でない場合はだめだということを援用するわけです。  そこでいよいよ沖繩海溝というのは、自然の延長の中にたまたま入ったみぞであるのかどうかという点でございますが、これにつきましてはイギリスとノルウェーの境界画定の一九六五年の国際司法裁判所の判決にこういうのがございます。  それはノルウェー海溝というみぞが入っているわけです。「ノールウェー海溝により分離された大陸棚区域は、いかなる自然科学的意味においてもその自然の延長ということはできない」、つまりノルウェー海溝というものは、もう自然の延長を切っていると、こういうことをはっきり言いまして、ノルウェーとイギリスがこの海溝を無視して境界を画定したことは国際法に合致したものと認めるとの立場はとれないと、こう言っておるわけです。  そこでは一体、それではノルウェー海溝というのはどれぐらいの幅と深さかということが問題になりまして、ノルウェー海溝の深さは四百メートルないし七百メートル、幅は五十キロないし百五十キロ、この四百ないし七百メートルめ深さで、幅が五十キロないし百五十キロのノルウェー海溝ですら、これはもう自然の延長と言えないという判決がある。ところが、この沖繩海溝は、深さは四百メートルから二千メートル、幅は百三十キロから二百三十キロです。ノルウェーの海溝に比べては、もう比較にならないくらい深いし、幅がある、こういうことであるので、韓国としてはその大陸だなの基本理念からしても、またノルウェー海溝が大陸だなの自然延長と、延長上のみぞだとは言えないという判決があることを根拠にして韓国の理論武装をしたわけでございます。そのことを、私は韓国の主張にもそれなりの根拠がある。  そういうことですので、こういう先例もあり、日本政府としてはあの際、その国際司法裁判所に提訴しようということを決意いたしましたときも、これは相当の決心であったということを再三申しておったわけでございます。
  258. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 ということは、沖繩海溝によって日本と朝鮮半島、中国を乗せている大陸だなというのは、二つに分かれている。二つの大陸だなという判断になるわけでございますね。
  259. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) その場合、いわゆる地質学的な大陸だなということでございますと、中国大陸から出て自然の延長の大陸だなというものは、これは海溝で終わっている。もう一つその海溝を飛び越えて琉球列島になり九州の方にありますものは、これは島なりあるいは九州という地域が持っている大陸だなという観念をいたしますれば、いまおっしゃいますように二つの大陸だなと、こういうことになるかと思います。
  260. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私は、この部分の大陸だなを二つの大陸だなと考えることは、どう見ても無理なのではないかというふうに思うわけでございます。ここに沖繩海溝があって、沖繩トラフがこう出ておりますが、この辺で切れているわけですね。ですから、この地図でいけば、この辺で切れている。そうすると、この九州を乗せている大陸だなと、この朝鮮半島と日本との中間にある大陸だな、これは同一の大陸だなと考えてよろしいわけですね。つまり、中間線で分けているわけです。そうすると、この中間の大陸だなと、今度は共同開発地域の北部の大陸だな、これは同一の大陸だなと考えてよろしいですね。今度は、済州島を乗せている大陸だなと共同開発区域とは、これは同一の大陸だなでございます。これとこれが同一、これとこれが同一、これとこれが同一で、なぜこれとこれが違った大陸だなになるのか、ちょっと御説明をいただきたい。
  261. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) それが、先ほど私が申し上げました自然の延長かどうかということです。そこで、いま先生がおっしゃいましたように、朝鮮半島から済州島、対馬、九州と、こう自然の延長が曲がってやっぱり延長しているじゃないかという理屈を申せば、それは延長とは、同じ大陸だながつながっているとは言えるとは思いますけれども、それは自然の延長かどうか。ナチュラル・プロロンゲーションというのは、大陸から深海に向かって自然にずうっと延びていくというのがそもそもの考え方だと。私どもが韓国に対しまして一つの大陸だなだという主張をいたしましたときは、いま先生が言われましたようなことではなくて、自然の延長、まさしく朝鮮半島、中国大陸から自然に延長している、そこにたまたまみぞが入っているんで、そのみぞは大きくて深いと言うかもしれないけれども、この大きな大陸だなの全体から見れば、みぞの大きい、深いということは総体的に見れば、やはり一つの大陸だなであるという主張を妨げるものではないじゃないかというのが私どもの論拠であったわけでございます。
  262. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 ですから、二つの大陸だなという考えに立たない限り、これは一つの大陸だなで当然国際法上も処理できるはずではないか、このみぞというのは、たとえば中国のこの辺にみぞがこうあったとします。それこそ数海里のところにみぞが入り込んでいた。しかし、これとこれとはこうつながっているという意味では、みぞを乗り越えて自然の延長を主張することは可能なわけでございますね。ですから、そういう意味から考えて、もしも沖繩トラフが完全に朝鮮半島と日本の間の、つまり対馬海峡を抜けているということであれば問題かもしれませんけれども、それ自身が途中で切れているわけですから、この日本を乗せている大陸だなと、この東シナ海の大陸だなが違うということは考えられないのではないか。  そういう意味で私どもは、韓国の主張には相当の理はないというふうに思うわけでございますけれども、局長は相当の理があると、ミイラ取りがミイラになったようにおっしゃるわけですが、局長がお考えになるだけでなくて、こういう両国の意見が対立した場合には、国際司法裁判所には提訴をしなかったわけですから意見は聞けなかったと思いますけれども、国際法学者なり海底のこういう地質の問題と海洋法との関連に詳しい国際的な学者その他に、たとえば裁判のときの鑑定書のようなものを依頼をして、先方にも相当の理がある、日本にもかなり不利な条件があるというようなことはきちっとおやりになった上で、譲るべきものを譲っておられるのかどうか。私はそうした手段、そうした手続なしに一方的に先方の言い分を認めて相当の利があると言うのは、外交交渉としてはやや手続上問題ではないか。そんなことで五十年にわたって主権的な権利を部分的にせよ放棄するということはやるべきではないというふうに考えますけれども、その辺の、韓国にも相当の利があるということを第三者に一応鑑定をしてもらっているかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
  263. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 当時、外務省が努力をいたしました内容を御説明する前に、外交交渉としてはおかしいじゃないかという評価を先に下されたことは、非常に私は遺憾だと思うんです。どうしたかというところで御質問がございますれば、どうしたということを御説明するわけになるわけでございまして、これは何度も言っておりますように、一九七〇年から七一年、七二年とわたっての交渉をいたしました。その間、海洋法については御承知のように、わが国にはいま国際司法裁判所の判事をしておられます小田滋教授を初めとして、海洋国家でございますので海洋法の専門家は世界的な専門家を含めて数多くおられるわけです。そしてまた、外務省自身も国際司法裁判所の判決、そのときの文書、これは膨大なものでございますが、それをしさいに検討いたしました。  そして、学者の意見、また国際慣行、北海の大陸だなの問題、オーストラリアとインドネシアのチモール海溝の問題、その他国際先例も調べました。そういうことで、日本は日本として十分な根拠を持っている。これはミイラ取りがミイラと言われますが、私は御質問があるんで韓国の立場を申し上げておるんで、私は韓国に対しては日本の立場を一〇〇%主張したわけでございます。いまでも主張しておるわけでございますので、誤解のないようにいただきたいんですが、そういうことで日本として十分な法的、あるいは先例、あるいは学説、そういったものを取りそろえて韓国と渡り合ったわけです。   〔委員長退席、理事大谷藤之助君着席〕 したがって、そういう問題でありますだけに、これは一体どういう解決が一番ふさわしいかというと、先ほど先生御自身もおっしゃいましたけれども、やはりこれは法律論争であるので国際司法裁判所に付託して、ちょうど北海の大陸だなのように国際司法裁判所が最終的な判定をするのがよかろうと、こういう考えであったわけですが、それが、その手続をとることから出てくるマイナス面というものと、日本のエネルギー政策上これを早期に開発することのプラス面、そういうものを彼此考量いたしましてなされた政策的決断というのは、一九七二年の共同開発構想であったということで、政府といたしましては、恐らくこれ以上無理と思われるくらいの資料と勉強を足かけ三年間やったということを御報告させていただきたいと思います。   〔理事大谷藤之助君退席、委員長着席〕
  264. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私は、協定審議のときの外務委員会の模様を全部つまびらかにしませんけれども、いまのような、日本側として調査をし、先例に当たり、学説を全部調べた、そうしたものは外務委員会では論議をされ、十分に審議は尽くされていたわけでございますか。
  265. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これは外務委員会の方にお尋ねいただかないと……。私どもとしては、御質問にはすべて誠意を持ってお答えしたつもりでおります。
  266. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 どうもその辺のところが依然として私どもなり一般の目から見て明らかでない。常識的に考えますと、まさに九州と目と鼻の先、しかも十二海里の領海の中にまで食い込んでいる、その地域について共同開発というのは、これは主権の譲り過ぎではないか、譲歩のし過ぎではないかという議論が、やはりこれが一般的な常識論だと思うわけです。それに対して、いまのような法律論が果たして一般国民世論を説得することになるかどうかわかりませんけれども、その点は専門家の学説として十分に説明をしていく必要がある。私どもは、いままで伺った範囲では、どうも納得ができません。有名な国際法学者のお話というのもありましたけれども、どう考えても、この部分が沖繩海溝によって区切られた二つの大陸だなである、日本の自然の延長の及ばないところであるという議論は有効性を持っていないように思うわけですけれども、この辺は、時間があればもう一度改めてじっくり伺ってみたいというふうに思います。ただ、日本としては依然として日本の主張が有効である。これは日本の大陸だなの延長として中間線論で線引きをすべき地域であるという主張は依然として捨ててないわけでございますね。
  267. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 依然として捨てておりませんし、韓国の言うように、これは二つの大陸だなに沖繩海溝のために分かれているということは、私自身も納得していないということは、これははっきり申し上げておきたいと思います。
  268. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それでは、それにもかかわらず共同開発をすることになった。部分的な日本側の主観的には主権の譲渡であるという形になるわけですけれども、先ほども協定の中で、これは主権的権利を侵害するものではないという文章があり、それに対する質問もありましたけれども、今後これが日本のこの海域に対する主権的権利を侵害するものではない。既成事実化させるものではないという点について、具体的に何らかの対策、方策、そうしたものがあるのかどうか。その辺をお伺いをいたしたいと思います。
  269. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) ちょっとその御質問の側面を、あるいは私は取り違えるかもしれませんけれども、私なりにいまの御質問に対してお答えいたしますと、この主権的権利というのは、まるで領海を拡張するとか、領土を拡大するとか、つまり自国領域に対して持っている全面的な主権的権利全部というものをここで制限するというものではなくて、大陸だなの開発に関する主権的権利ということでございますので、そこのところはまず一つはっきりしておいていただく必要があると思います。これはつまり大陸だなに対して、大陸だなの探査、開発のために認められる主権的権利というものを一〇〇%実行、実施できなくて韓国との共同開発で、俗っぽい言い方をすれば半々、半分ずつ分け合うという意味で制限されているということはございます。  しかし、そのことが協定第二十八条でどう言っているかといいますと、これはそういう実際的解決なので、これによって日本は大陸だなの探査、開発に関する主権的権利というものを画定してしまうものではない。これはもう最終ではない。最終はできることなら、たとえば国際司法裁判所か何かに行ってはっきりと法律的な結論を得て、そこで初めて画定する。それが画定するまでの間は実際上の措置としてこういうふうにするだけだから、たてまえの問題として、この地域に対する大陸だなの探査、開発の主権的権利をこれによって最終的に放棄していないということを言うために、二十八条でこの権利を留保しているいうことでございまして、このいまの御質問がもしそういうことであれば、そういうふうにして留保してある。それ以外に何か具体的なことがしてあるかと言われますと、そもそも留保しなければならない権利というものがそういうものでございますから、二十八条というものに韓国と日本が合意することによって、これは日韓両国のみならず、将来日本及び韓国が国際社会において大陸だな開発について主権的権利を主張するときに、これは妨げにならないということを確保していると、こういうことでございます。
  270. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 たとえば、韓国が国連に加盟した場合に、国際司法裁判所にもう一度問題を出してみるとか、それから、中国を含めた話し合いの機会が持てるようになった場合に、もう一度日本としてはこの部分についての主権的な権利を主張してみるとか、そうした努力は今後とも続けるというふうに考えてよろしゅうございますか。
  271. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 全くそのとおりに考えております。
  272. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それでは、その問題については、今後この地域から石油と可燃性天然ガス以外のものが出てくるというような、鉱物資源が出てくるとか、もしくはその他の海洋利用というようなものが出てくるというようなことが可能なのかどうか――技術的には私もわかりませんけれども、そうした場合についての権利についても日本としては留保してあるというふうに考えてよろしいわけですか。
  273. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) そのとおりでございます。
  274. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 次に、中国との関係でございますが、先ほど話が出ましたように、もし沖繩海溝というものを単なるしわであるというふうに判断すれば、この部分についてはやはり韓国と中国と日本とこの三国によって囲まれた同一の大陸だなであるというふうに考えることになろうと思います。その場合には当然のこととして中国も利害関係国であるというふうに考えますが、そう考えてよろしいわけですか。
  275. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) そのとおりでございます。
  276. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 その場合に、これも政府側の答弁ではしばしばこれは韓中中間線の内側だから問題はないというふうにお話しになっているわけですが、これもしばしば指摘されておりますように、この海洋法の原則に従えば「相対国との間の大陸棚の境界画定は衡平の原則に従って合意により行われるものとし」、ですから、ここでまず「衡平」とは何ぞやという点についての関係国の合意が必要だと思います。合意によって行われるものであるという以上、合意のない境界線の画定というものは海洋法上は意味がないというふうに考えられますし、そしてさらに、「中間線又は等距離線を使用し、及びすべての関連ある状況を考慮に入れる」ということで、「すべての関連ある状況」の中にはいろいろな地質学的な条件も入ってこようと思いますし、その点ではやはりまず話し合いというものが前提でなければいけない。その意味で中国との話し合いなしに日韓でこの部分について境界線を画定したということは、いずれにせよ国際法上といいますか、外交関係としては異例のことであるというふうに考えますけれども、そう考えてよろしゅうございますか。
  277. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 日韓でいまの共同開発区域を含みます大陸だなについて合意したことが異例であると、もし異例であるといたしますと、それは協定が異例であるというよりも、いまおっしゃいましたように、関係国の間に国交の存否についてちぐはぐがある。つまり、話し合うにも話し合えない国があるというそういう前提になる国際環境が異例であるということだろうと思います。そういう異例な国際環境のもとで、しかもいま有効な、いま御指摘の海洋法会議の方は法典化の過程にある一つの案文でございますが、一九五八年の大陸だな条約というのがあるわけでございますから、私どもは、日本と韓国とは大陸だな条約にのっとってこの協定を結んだわけです。  そういうことで、その時点において有効な国際法及び国際慣例から見ますと、この処理の仕方は異例であるとは思っていない。なぜかと言いますと、韓国と中国との間は、これはいま有効な国際法に徴すれば中間線によって境界を画定するのが最も正しいということが言えるということが一つ。  それからもう一つは、一つの大陸だなを話し合いのできる国との間で分割してそれぞれに協定を締結していく。この慣行は、先ほど私が冒頭に言いました北海の大陸だなの場合がそうであるわけで、北海の大陸だなは一つだからといって関係国が全部集まって協定を結んだのではなくて、それぞれ相対する、あるいは相隣接する国同士で次々と境界を画定していく。こういうことでありますから、日本と韓国が韓中中間線を前提としてこの協定を結んだことは、国際法及び国際慣行から見て異例であるとは思わないのですが、その前提になる国際環境が異例である。この異例であるために、これが正常になりまして韓国と中国とが話し合えるようになるということになりますれば、これはもうおっしゃいますように、話し合って境界を画定する、最終的に。その権利が、先ほどの二十八条の後段の方で境界画定を最終的に決めるものでないということをはっきりと日韓両国で権利を留保していると、こういう趣旨でございます。
  278. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 この協定に対する一つの懸念がやはり対中国関係を悪化させることのないように、紛争の種にならないようにということだろうと思います。その意味で、日本側はいつでも話し合いの用意ありと言ってきているわけですが、韓国は同様の姿勢をとっているというふうに伺っておりますが、その点は間違いございませんか。
  279. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 間違いございません。
  280. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 ただ、このいただきました大陸だな協定に関する韓国国会会議録というのを見ますと、韓国の国会の中には、「政府としては対中国関係から協議する用意がある旨を表明しているが、国会としてはとんでもない話である。中国と何を協議するのか。外務部当局で協議する用意があるということは一つのジェスチャーに過ぎない。中国の黄河の水は中国が介入すべきものなのか。」というようなかなり激烈な議論が出ておりますけれども、こうした議論を受けて、なお政府は従来の話し合いの路線というものを今日でも持ち続けているのかどうか、その点を確認をしておきます。
  281. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これは韓国政府のことでございますから、本来韓国政府のことを権利を有権的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、いまのような国会の御議論は御議論として、韓国政府は一貫して中国との間で、この大陸だなの問題に限らず、漁業の問題もいろいろございますが、あらゆる問題について隣国として話し合う用意があるという基本姿勢は変わっていないというのが日本政府の認識でございます。
  282. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それではひとつ外務大臣にお願いをいたしたいわけでございますが、この大陸だな関連法案が成立をし、共同開発が実施に移されるということになる場合には、その前提として、再三繰り返しているとはいうものの、日本として中国から話し合う用意ありという呼びかけなり話し合いたいという呼びかけがあればいつでも応ずるという点について、もう一度見解をはっきり表明をし、中国政府に対して何らかの方式で伝えるということは一つの外交的な手段として有効ではないかというふうに思うわけですが、それと同時に、もし可能であれば日韓両国が共同して三国の間で話し合うことも、話し合う用意ありということをこの協定が有効になる段階で中国に対して言うことができれば、中国に対して常にわれわれの側では門戸は開かれているのだということを内外に明示することになり、国民の不安や懸念が消えるかどうかわかりませんけれども、軽減されるというふうに思いますが、この批准書交換の機会にもう一度外務大臣として、中国側に何らかの形でそうしたアクションをおとりになる、もしくは韓国にそうした共同行為について呼びかけをするというようなお考えはございますでしょうか。
  283. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま御発言された趣旨は外務大臣絶えず考えておるところでありまして、批准書交換の際か何か、できれば両国でいまのような心構えを表明することはきわめて貴重な御意見であり、貴重なお考えである。その点を考えまして、十分検討し、前向きにやっていきたいと考えております。
  284. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうした形で国民の中にある不安や懸念を解消し、そしてこれがいやしくも日中の平和友好関係というものを阻害するものではないということを明確にすることは一つのプラスであろうと思いますので、外務大臣なり外務省当局のその面でのひとつ御努力をお願いを申し上げたいと思います。  それから次に、やはりこの協定に絡む問題としては竹島の問題が再三提起をされております。これは対総理集中審議のときにも私から総理にもお願いをしたわけですけれども、やはり領土紛争を抱えている両国が、本当の意味で相互信頼の関係に立って共同開発をしていくことができるかどうかという点はやはり疑問だと思います。そうした意味で両国間の紛争事件をできるだけ解決をしていく、そして真の意味の日韓の相互信頼関係をつくっていくというのが共同開発事業を円滑に進める上での前提条件だというふうに考えるわけでございます。先般外務大臣も、その意味では、ただしこの法案が通ったら何らかの措置を考えたいということをおっしゃっておられます。しかし、この際やはり比准書を交換するというような段階に立ち至りましたら、私どもとしては、日本国としては竹島問題の解決がこの共同開発を円滑に実施する上での前提条件だと思う、その意味で少なくとも話し合いのテーブルには着いてほしい、基本条約の交換公文の手続に基づいて話し合いには応じてほしいという申し入れをするぐらいのことはこの機会にしていいのではないかということを総理にも御質問しました。総理も検討しますというふうにおっしゃっていただいたわけでございますが、その点について外務大臣も同様に考えていただけるかどうか、ひとつお聞きをしたい。
  285. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言についても、全く外務大臣そのとおり考えておるところでございまして、閣僚会議を待たずして、批准書交換の前後に外交チャンネルを通じて竹島問題について平和的な相談をしたいということを申し入れるべきであると考えておりますので、ただいまの御意見も貴重な御意見として前向きに検討いたします。
  286. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 ありがとうございます。  それでは、今度は通産省の質問になるかと思いますけれども、この法案が成立をするという予断を持って私は質問しているわけではありませんけれども、いざ実施というときのいろいろな問題点について、少し前向きの議論をしておきたいと思ってお伺いをするわけですが、紛争地帯ということで石油公団の融資は受けられないということを通産大臣、明言をしておられますけれども、公団融資なしに果たしていままでの先願権者、これ改めて特定開発権者ですか、として申請をしてくるわけですけれども、その辺が自力で開発能力、探査能力があるのかどうか。一部には三社のうち二社ぐらいは脱落するのではないかというふうに伝えるところもありますけれども、通産省としてその辺はどうお考えでございますか。
  287. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) まだこの法律が成立いたしておりませんので、いまの段階で現在の優先出願をなしている三社が申請に及んでくるかどうかということは判断しづらい状況にあるわけでございます。私たちといたしましては、当然申請があった段階におきまして、技術的能力とあわせまして、経理的基盤、この事業を円滑に遂行し得るに足る資金的能力を持っているかどうかということを判断いたしたいと、かように考えております。
  288. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 その点で、公団の融資なしに探査を始めるという場合には、これも何人かの方からすでに質問がありましたけれども、やはりアメリカの提携先といいますか、メジャーズの力に完全にすがっていくということになる可能性があると思うわけですけれども、その辺についても予断はできないということかもしれませんが、通産省として把握していらっしゃる情報ではどうなるのか、その辺もお教えいただければ幸いです。
  289. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) まず一般的に申し上げますと、石油の開発事業というのは非常にリスクが大きいということが通念でございまして、そのために資金的にリスクを分散するとか、あるいはその時点において活用し得る限りの技術力を集中するということは、企業者として当然のことではなかろうかと思います。そういった意味合いにおきまして、メジャーその他と共同事業に踏み切るというのも世界的に行われていることでございますので、この日韓大陸だなにおきましても、特定権者が決まった場合、その特定権者がメジャーその他の外国企業と共同してこの開発に当たるということは当然に予測される事項ではなかろうかというふうに見ております。
  290. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 この間実は参考人の意見を伺いましたときに、日石開発の方に私も質問をしました。この共同開発に絡む国民の疑惑、不信感というものの一つには、やはりこの開発事業の中から一部の資金が、また日韓癒着のパイプを通じて不正な形で使用されるのではないかという懸念だろうと思います。そういう意味で、この石油開発は、日本国民の貴重な資源としての石油の開発であり、その意味で国家的な一つのプロジェクトだというふうに考えますと、こうした事業の中からそうした不正、いやしくも不正の疑惑を招くようなことは私は避けなければいけないというふうに思うわけですけれども、その点で、開発権者の開発の、たとえば経理の公開とか、資金の監督、情報の収集、そうしたものを監督官庁としてきちっとやっていただきたいというふうに思うわけですが、その点はどうなりますでしょうか。
  291. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) この日韓の共同開発事業に従事する事業者が、いやしくも国民の疑惑を招くというようなことはあってはならないということは当然のことだと思います。ただ、いま御指摘になりました企業経理を公開するかどうかという問題でございますが、一応その特定鉱業権者というのは、韓国の開発権者と共同してこの地域の開発に当たるわけでございます。日本側企業については、その限りにおいて、通産大臣が共同開発事業契約を認可するとか、あるいは鉱山保安法に即しての規制措置を講ずるとかいったようなことは当然やるわけでございますが、そうは言うものの、やはり特定開発権者といえども民間企業である、民間企業というものが、やはり自主的な判断に基づいて自分の事業をやる、企業経理というものはそれの戦略的な反映である、かように考えてまいりますと、軽々に民間企業の経理を公開するということは、私は適当ではないんじゃなかろうかと思います。ただ御指摘のように、国民にいささかも疑惑を招かないようにするという立場における指導というものは十分にやってまいりたいと、かように考えております。
  292. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 この、提案されています法案の第四十三条によりますと、「通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定鉱業権者に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、特定鉱業権者の事業所若しくは事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。」ということになっておりますが、この四十三条第一項で、そうした問題についての調査ができるのかどうか。
  293. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 法律の施行に必要な限度においてできるというふうに理解いたしております。
  294. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 その法律の施行に必要な限度においてというのは、いま言いましたような経理上の不正とか、そうしたものについての調査、適正に行われているかどうかというものは入るかどうか、その辺はどうでしょうか。
  295. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) この規定は、鉱業法第百九十条と同様の規定でございます。ただ、鉱業法とは異なりまして、特定鉱業権の設定の許可を、従来の通商産業局長から通商産業大臣の権限としたということに伴いまして若干の修正を加えておりますが、本条の発想におきましては、問題が生じた際はもちろんのことでございますが、協定第二十五条第一項(b)の技術及び財務報告書の提出を企業に対して要求する際にも行うというふうに考えております。ただ、この四十三条の三項にも規定してございますが、「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」という限定もございますんで、本来の日韓大陸だなの開発を有効、適切にやっていく、協定の遵守を前提とし、あるいは特別措置法の範囲内において、行動が適確に行われているかどうかという範囲内においてこの調査を行うことになろう、かように考えております。
  296. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 まあこの辺は企業秘密もしくは企業活動の自由というものとの兼ね合いもありますので、その辺はむずかしい問題もあろうかと思いますけれども、特に、従来の日韓関係についてはさまざまな疑惑が言われ、語られ、きておりますので、そうしたものをむしろ払拭する、この機会に、この事業から以降はそうした問題を起こしていないということをはっきりさせる意味でも、できるだけ私は企業の経理を公開していくことが望ましいのではないか。むしろ、先般日石開発の方には、その部分については国が要請したから、もしくは国会から要求されたからということでなくて、自発的に出していくぐらいの姿勢があっていいのではないかというふうに申し上げたわけですけれども、その辺についての通産大臣の御判断はいかがでございましょうか。
  297. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 御趣旨はごもっともでございますから、基本的な考え方としてはそれでいいと思います一ただ、企業機密とかいろんな問題等もあろうかと思いますので、いまここで具体的にこれとこれを公開させると言うことはむずかしいと思いますが、基本的な姿勢としてはその方向でやります。
  298. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 まあ、この問題についてはスタートの段階でいろいろな疑惑が言われておりますが、これについてはもうすでに発生したことでございますから事実を調査する以外はないわけですが、少なくとも今後について新しい疑惑の種をまかないようにという点は、政府の関係当局の皆さん十分心して、開発に当たる企業の行政指導なりしていただきたいというふうにお願いを申し上げるわけでございます  それから次の問題ですが、先般、六月の二日に現地での公聴会を開きまして、そのときに意見陳述人としておいでになりました方々に、この法案についてのたとえば具体的な修正点、修正の要求その他がありますかということを伺いましたところ、長崎県漁業協同組合連合会の会長の住江正三さんが、この二十一条の第三項、第四項の点を指して、漁業者としてはこの共同開発事業が漁業権を侵害しないように、公害その他の問題で漁獲に影響を与えないように、その点が一番心配だと、その意味で第三項で「通商産業大臣は、第一項の認可をしようとするときは、」「農林大臣に協議しなければならない。」という規定が入ったことは歓迎をいたします、しかし、第四項で「第一項の認可の申請の日から二月以内に認可又は不認可の処分がないときは、同項の認可があったものとみなす。」、この四項があるために、結局農林大臣の意見は聞き入れられないで、通産大臣の専決をされるのではないかと、その意味で四項の削除をぜひお願いをしたいというような、具体的な希望が述べられました。私も、漁業者の立場として、その見解もある意味で理解できるわけですけれども、この第三項、第四項の入ったいきさつ、特に二月以内に処分がないときは云々ということで、結局第三項がしり抜けになるということはないのかどうか、その辺を少し御説明をいただきたい。
  299. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点の意味解釈いたしますと、漁業者と話し合いがつかないうちに特定開発権者がいわゆる見切り事業に着手するんではなかろうかという御趣旨かと思いますが、結論を先に申し上げますと、そういうことは絶対ないと、こういうことになるわけでございます。で、この四項の規定でございますが、これはむしろ政府に対する義務づけと申しますか、政府がこの共同事業契約の認可を怠るとかあるいは不作為によりまして、事業のいたずらなる遷延を防止すると立う立場で規定されておることでございまして、状況によりましては、この特定鉱業権者が共同開発事業契約を認可申請するのは特定鉱業権の許可を受けた日から三月以内という規定もございますが、この三月以内ということも事情によって延長を可能にいたしておりますし、またその次の段階に来るところのいわゆる事業の着手義務につきましても事情によっては延長も認めると、こういうことにいたしておりますので、そのような機関を通じて十分漁民との間に話し合いがつくものというふうに考えておりますので、冒頭に申し上げたように決してこれが三項を事実上否定するということではなくって、むしろ政府に対する義務づけ、制約といたしまして、できるだけ早く事業を促進するということとあわせまして漁業権者の利益を十分にその間に調整する、こういう趣旨のものでございますので、さように御理解賜りたいと思うわけであります。
  300. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私どもが現地で伺ったようなそうした意見、漁業者の希望というものは水産庁にも入っていたでしょうか。
  301. 恩田幸雄

    ○政府委員(恩田幸雄君) 私どもも本件につきましては、漁業についていろいろな影響があることでもございますので、関係の漁業者団体につきましていろいろな機会をつかまえまして御説明もし、漁業者の皆様方の御意見も伺って、それに基づいて関係各省にお願いいたしまして現在の法律のかっこうにしていただいたような次第でございます。  なお、漁業者の方々の中にはいろいろ御心配の向きもあると思いますが、私どもといたしましては関係の通産省その他と十分連絡協議いたしまして、漁業者の不安のないようにいたしてまいりたいと考えております。
  302. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それでは、この第四項があるから、協議整わずということで通産省、農林省の議論が遷延している間に認可のあったものとみなすと、そういうことは事実の問題として起こり得ないというふうに考えてよろしいわけでございますか。
  303. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように対処してまいるつもりでございます。
  304. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それでは、その点は九州の、私どもの公聴会においでいただいた参考人の方にもお伝えをしておきたいと思います。  次に、別の問題でございますが先般国際エネルギー機関の、IEAと言っておりますけれども、対日審査がありました。その対日審査の結果としての日本に対する勧告というものが出されております。その日本に対する勧告文を調べておりましたところ、日韓大陸だな協定の実施というものが一項目として含まれている。国際機関から現在国会で審議中の日韓大陸だな協定もしくはその実施について勧告を受けるというのは異例のことのように思うわけですけれども、このIEAの勧告というものの性格は一体どういうものでしょうか。
  305. 羽澄光彦

    ○説明員(羽澄光彦君) このIEAにはもともと拘束力のある決定と拘束力のない勧告とがございますが、いま先生の御指摘になりました勧告は実はこのいずれにも属さず、七七年からこのIEAで行われました各国別審査というものの過程の中で出てきたものでございます。この各国別審査というものにおきましては、まずラポルトゥーといいますか審査責任者が指名されまして報告を提出するわけでございますが、この審査責任者の責任においてそういった意見が出されるということで、IEAなりIEA理事会としての勧告ではございません。それで、ただいま御指摘の勧告は、ことしの四月東京におきまして開かれましたIEAの理事会に、これはたまたま今回スイス人のシュミットという人が審査責任者になったわけですが、そのシュミットが審査責任者としての個人的資格において行った意見ということでございます。
  306. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 個人的意見というお話がありましたけれども、私どももたとえば国際通貨基金の勧告その他仕事として担当していたことがありますが、やはり国際機関の勧告にはそれなりの重みがある。そして、その中で言及すべき問題と言及すべきでない問題とがあると思います。こうした外交問題であり、しかも国論を二分して議論が続けられているというような問題についてIEAの勧告に盛り込まれる、これは当然事前に外務省なり通産省なり相談があったはずだと思いますけれども、それにもかかわらずこうした生の姿で残っている、これは私はちょっと異常ではないかと思うのです。その点について、この問題に外務省や通産省がこれを削除してほしいというような話をしたのかどうか、もしくはそれはもう大変結構だということで、これがある意味では国会審議に対する圧力になるかもしれないということでお残しになったのか、その辺の経緯を伺いたいと思います。
  307. 羽澄光彦

    ○説明員(羽澄光彦君) ただいまの御指摘がありました個所につきましては、この報告書が提出される前にそういう文面があるということはわれわれも承知いたしておりましたけれども、先ほど申しましたようなこの意見の性格から読みまして内政干渉というようなとり方はできないと判断いたしましたし、この各国別審査におきましては、これはまあ個人の資格で出されるということもございまして、かなり自由にそういった面の意見が出されます。たとえば、スイスの増税に関する問題についても意見が出されたことがございますし、アメリカで現在審議されておりますエネルギー法案も、早く通せというような意見も述べられたことがございます。それで、あえて先ほど申しました経緯といたしましては、わが方からこれを問題にするようなことはしなかったわけでございます。もちろん、ここに書かれたからといいまして、それをてこにして国会の審議をどうこうするというような考えがなかったのは当然でございます。
  308. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 実はここに「エネルギータイムズ」というのがあるんですが、これを読んでみますと、この論壇の中でも「急げ日韓大陸だな措置法の成立を」という文章がありまして、「先般東京で開催されたIEA(国際エネルギー機関、先進十八カ国加盟)理事会が、わが国に対し周辺大陸だなの早期開発を勧告していることは注目される。」ということで、これがやはり「急げ日韓大陸だな措置法の成立を」というところへつながってきているわけです。その意味で、私は国際機関としては行き過ぎの内政干渉だというふうに考えますけれども、外務省としてはそうは考えないということでございますか。
  309. 羽澄光彦

    ○説明員(羽澄光彦君) そのようには考えなかったということでございます。
  310. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私は、国際機関の性格論をここでやってもいけないのかもしれませんけれども、こうした勧告、リコメンデーションを受けるときにはもう少し中身について慎重に検討していただきたい。もちろん議長が言いっ放し、日本は聞きっ放しということであればそれも一つの方法かもしれませんけれども、やはり国際機関が特定のこうした外交問題について何らかの発言をする、これはやはり異例のことだと私どもは思っておりますので、その点についてはぜひ今後御注意をいただいた方がいいのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  311. 羽澄光彦

    ○説明員(羽澄光彦君) ただいまのお答え申し上げましたような考え及び経緯によりまして、私どもは今回のこういった言及というものは内政干渉じゃないと判断いたしまして、あえて政府として問題にしなかったわけでございますが、エネルギー問題というものは先生おっしゃいますとおりに、いろいろ国内的にも微妙な問題を含んでおりますので、今後のIEAの運営に関しましては、先生のおっしゃいましたような趣旨を体しまして慎重に対処してまいりたい、こう考えております。
  312. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それから、これもいまとなるといろいろ質問をしてもあれなんですが、もし日韓大陸だな条約が成立しなければ、韓国側が単独開発に踏み切るかもしれないというような話が再三にわたって流されております。そして外務省筋からも韓国にはそうした動きがあるというふうに言われて、それが何か日本の国会での審議に対して一つの圧力になっているように受け取られているわけですが、そうした動きについてはどうでございますか。
  313. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) まず私どもは全然そういったものが圧力であるというふうには思っておりません。ただ、そういう報道があるということは御質問がありますときにはお答えしております。その報道は、韓国側でいろいろの意見を持たれる方がございましてそういうことを言われるわけですが、韓国政府は公には一度もそういうことを口にしたことはございませんし、また私どもが接しておりますレベルでもそういうことはない。つまり、これは日本の主権に属することでございますので、日本が憲法及び関係法令に従ってこの協定を実施するために努力をしているというわけですから、それを見守っているというのが韓国政府の立場である、こういうことでございます。
  314. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私はそうした報道が伝えられるたびに不思議に思うわけですが、これは韓国の業者が韓国政府の認可によってやるのであれば、そうした無謀なといいますか、単独開発、国際的な紛争になりかねない単独開発をやるかもしれない。しかし、事実上は韓国側で開発権者としての権利を持っているのはアメリカの石油会社の出資した現地会社になるわけです。そういう意味で、アメリカの石油会社が日本との紛争を覚悟の上でそうした単独開発に乗り出すかどうか、そうした可能性はほとんど考えられないというふうに思うわけですけれども、その辺についてはいかがでございますか。
  315. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 御質問ですので申し上げますが、私どももいま先生がお持ちになったのと同じような問題点というものを意識いたしまして、いろいろその方にも当って調べていたことはございます。しかし、それは根も葉もないことであるということであったわけでございます。
  316. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 もしもそのようなことが強行されるような場合には、これは国内としても対抗手段があるのではないだろうか。石油業法によって国内での活動、メジャーがいろいろな意味で絡んでいるわけですから、通産省の行政指導の中でそうしたことを抑制することは不可能ではないというふうに思うわけですが、その点についてはいかがでしょう。
  317. 橋本利一

    政府委員(橋本利一君) 先ほど来外務省からもお答えなさっているようなことでございまして、私たちといたしましてもこの国会でこの特別措置法案をぜひとも成立させていただきたいという立場でございますので、さような単独開発に対してどうこちらが対応するかといったようなことを考えておりません。むしろ、先ほど来お話がございますように、常識的に考えてさようなことはあり得ないと思いますし、特に、今国会で成立をお願いいたしている立場といたしまして、石油業法だとかあるいは外資法でこれにどう対処するかといったようなことはいまのところ毛頭考えていないところでございます。
  318. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 今回のこの日韓大陸だな法案については、外部からのさまざまな雑音の中で私ども審議をさせられることになりまして、その意味で、先方がそうした対策といいますか、一方的な手段に出てくればわれわれとしては報復的な対策があり得るということは十分念頭に置いて、そうおびえることはないというふうに私は考えていたわけでございます。その意味で、この法案について、この協定の実施については慎重に問題点を洗い出していくということが大切だというふうに思っております。  きょうは私もう少し時間をいただいておりますし、外務大臣にいろいろともっと御質問をしようと思ったんですが、先ほど明確な答弁をいただきまして、これからのこの法案、この共同開発の実施についていろいろな意味で前向きの、国民の不安にこたえるような対策をとるという御答弁をいただきましたので、私の方は大体問題点の審議を終わったと思います。  これで質問を終わらせていただきます。
  319. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 再開は五時四十分とし、休憩いたします。    午後四時三十四分休憩      ―――――・―――――    午後五時四十五分開会
  320. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 委員会を再開し、休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  321. 小柳勇

    ○小柳勇君 まず第一に総理に質問いたしますが、先般の秋田発言の総理の真意をお聞きしておきたいんですが、われわれはこれから五十年間の日本民族の大きな運命的な課題であるこの大陸だな協定を慎重に審議しておりますにもかかわらず、強行採決をやるのは当然だと、こういうことが新聞に出ておりますが、一国の総理として、しかもこの重要な段階における外交的な影響もありますが、不見識もはなはだしいと思いますが、総理の当時の心境なり、その見解をお聞きいたします。
  322. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 私は国会尊重主義者であります。国会尊重ということで総理大臣といたしましてはずっと行動してきておるわけであります。国会の御審議を誹謗するとか、そういうようなたてまいというか、そういう行動はとっておりません。この点を深く御理解を願いたいのであります。  私の秋田における発言は、強行採決は当然であるというように伝えられておりますが、そうじゃないんです。私は一昨日ですか、日韓大陸だな関係法案が強行採決になりましたが、まあ強行と申しましたけれども、とにかく日韓大陸だな協定の批准を了しないとこれは日韓外交に大変な重大な事態になるんですというような話をしたのでありまして、強行採決が当然である、そのようなことを言っておるわけじゃない。私の言葉の一つ一つにつきましては、私が国会尊重主義者である、こういう基本的な考え方で御理解を願いたい、このように考えます。
  323. 小柳勇

    ○小柳勇君 他党の諸君も問題にいたしておりますし、わが党としても大変問題にしておって、議連でもちょっと糾明したようでありますが、この問題だけにかかれません。  そこで、本題に入ってまいりますが、この協定は七四年に調印されまして以来すでに四年を経過しています。しかも、衆議院では三年間に二回廃案、最後に自民党と民社党で強行採決されて参議院に参りました。参議院は昨年の外務委員会で承認いたしませんでした。言うならば一院だけしか承認してない協定です。そのことを総理も十分わきまえてこれからの外交問題の処理も考えてもらいたいと思うのでありますが、二党及び一院だけで支持されている瑕疵ある協定と言わなきゃならぬ。したがって、参議院でも今日までこの法案が参りまして六十七日慎重審議しでまいっています。  私どもはこの東シナ海をアジアにおける火薬庫としない、これから五十年間日韓共同開発――公海でありますからいずれの国の艦船も航行するでありましょう、この東シナ海を将来ともアジアの火薬庫にしてはならぬ、そういう悲願を持って今日ま反対をしてまいりました。いろいろ法的に問題がありますし、交渉のいきさつにも問題がありますけれども、これから将来のことに、孫子の時代に向けてこの協定を承認してはならぬと考えて、今日までこの協定及び措置法を慎重審議してまいったのでありますが、総理は、私ども野党が今日まで四年間反対してきたのはなぜであるか、どういう問題が総理の胸に残っておるか、野党の反対の理由は一体何であろうと考えておられますか、お聞きいたします。
  324. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 野党のうち、まあこの協定に対しましてその承認に反対である、こういう動きがあったことは私も十分承知しております。また、協定の承認が行われたそのいきさつは、衆議院において院において議決が行われ、参議院においてはそれの承認がなかった、ないが三十日を経過いたしましていわゆる自然成立になった、こういういきさつのあることもよく承知いたしております。皆さんの反対の立場をとる、それはいろいろ理由があると思いますが、日中間の関係を配慮しての立場をとる人もあるようであります。あるいは、北鮮とわが国との間の関係を配慮しておっしゃる方もあります。あるいは、これがいよいよ開発になる、その際の企業として行われる開発活動、その態様についていろいろお尋ねされる向きもありまするし、また、そういう際に公害が発生するのではないか、そういうことを考えるときに漁民の立場は一体どうなんだというようなことを言われる人もありますが、しかし、いずれにいたしましても、そういう点は政府といたしましては全部配慮をいたしまして、御心配されるようなそういう御心配はない協定であるということをるる御説明申し上げて今日に至っておる、こういうことでございます。
  325. 小柳勇

    ○小柳勇君 いまおっしゃったのも問題でありますから順次質問いたしますが、そもそもこの協定が調印されたときから、秘密的で、しかも日韓癒着、汚職の温床になるのではないかと。すなわち、古い癒着あるいは新しい癒着、そういうことも大きく私どもの腹の中にあります。いま総理はそのことはおっしゃいませんでした。私は、非常に失礼ながら、先輩でありあるいは政治に功績のあった方のお名前もここに出しながら、ざっくばらんにきょうは質問していきたいと思います。それは、過去の問題について国民が疑惑を持っている点、あるいは私どもが疑惑を持っている点、及び、将来にそういう方たちがまたそういう疑惑の的になりませんようなことを祈念しながら、まことに失礼とも思いますけれども、国会でありますからその失礼を許してもらいながら、私は名前も出しながらそういう問題を吟味していきたいと思うのです。  この雑誌、これはもう皆さんお読みになっている「世界」という雑誌でありますが、これに締結当時のことが書いてあります。「同協定がソウルの韓国外務部で後宮虎郎大使と金東祚外務部長官の間で署名されたのは、七四年一月三十日午後三時のことだった。それは全く突然だった。報道機関でも、事前にこのことを嗅ぎつけていたところはなかったし、閣僚、自民党幹部でさえ知らされていたのは数人だけだった。協定署名直前に、外務省の記者クラブでこのことを明らかにし、背景説明を行なった」いまそこにいらっしゃるが「中江要介外務省アジア局次長は「してやったり」といった表情だったという。マスコミが、現在に至るまで、この問題に関して十分な対応ができない要因の一つはこんなところにもあるのではなかろうか。」と、その調印したときの情景を書いてあります。そして、いままで何回かここで問題になりましたように、たとえば岸元首相を中心とする日韓協力委員会、あるいは矢次さんの問題、あるいは田中龍夫前通産大臣の話も出てまいります。あるいは、前閣僚としては、現在の中曽根総務会長やあるいは幹事長などのお名前も出ます。そういういわゆる日本の政治家と韓国の政治家と財界の一部とが、国際法的にも問題があるけれども、いわゆる妥協の産物としてこの協定に秘密裏に調印したと、もしも自民党の諸君でも、これを知っておったならば、この協定の性格はずいぶん変わっておるであろうと、この本に書いています。公の本です、これは。  こういう問題に対して、過去の問題については、総理がお調べであったら、それは事実と違う、こうだとおっしゃってください。将来の問題に対して、この協定が発効してここで油をとるようになりましたと。将来の問題に対して再びこういう疑惑が国民の間に出ませんようには総理としては一体どういう歯どめをなさるか、自民党の総裁として、内閣総理大臣としてどういう決意と歯どめの具体策があるか、お聞きいたします。
  326. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日韓関係は、これはわが国としますと韓国は最も近い国です。地理的に言いましても、また、伝統的な立場から見ましても非常に近い国、最も近い国である。その間の関係、これは私は密着した関係になるのは当然であるとこのように考えるわけであります。ただ密着した関係、これが悪い関係であってはならぬ、これもまた当然なことでございますが、私は過去、大蔵大臣あるいは外務大臣、そういうまた立場でずっとこの日韓関係を見てきておりまするけれども、どうもその言われるところの何か汚職のにおいがするとかなんとかということがどこから来ているのか、実は理解ができない、そういう気持ちでございます。しかし、日韓関係というものは近い関係でなきやならぬ、それだけにその日韓関係というものが正しい関係でなければならぬ、このように考えるわけであります。  いままで私は悪い関係があったというふうな認識は持っておりませんけれども、今後ともこの日韓関係が清く、正しい、最も近い日韓関係として堂々と清潔に進められなければならない、このように考えるわけであります。自由民主党の総裁として、また、総理大臣としてこの点につきましては責任を持ってやっていきたい、このように考えております。
  327. 小柳勇

    ○小柳勇君 これにも評論家の、これは責任ある論文です。この中に矢次一夫さんが「わが浪人外交を語る」という本の内容をここに書いてございます。その中に当時の調印したいきさつなど書いてございます。したがってそのような不明朗な中に、しかも妥協の産物として国際的にも初めての日韓共同開発をやろうとする、大変なことだと思うんです。私は単にこの法案を六十日かかったけれども、まだ十分審議しないということ以上に、これからの東シナ海の運命を大きく束縛する、そういう協定である、したがって、いま自民党総裁としてあるいは総理として決意が述べられました。願わくば近い将来もっと具体的に、内閣としてこれが再び古い癒着が発生しませんような、たとえば金を日本から融資するとか、いろいろまた後で具体的に質問しますけれども、具体的な歯どめを考えてもらいたい。これは通産大臣も外務大臣にも後でまとめてお聞きいたします。  次に、私が第二に大きく問題にしなければならぬのは、いま総理もおっしゃったように、この東シナ海は、日本の向こうに中国があります。北の方に朝鮮半島があります。その奥にはソ連がございます。したがって、この近隣諸国とできるだけ話をして納得した上で、たとえば日韓共同開発をやるにしてもやらなきゃならぬと思う。冒頭におっしゃいました日中関係です。中国は協定が締結されました直後、七四年の二月四日に外務省スポークスマンの声明を出しております。この協定というのは無効である、不当である、こういうことです。以来ずっと抗議をしています。また、朝鮮民主主義人民共和国も同様に外務省スポークスマンが声明を出しています。この協定調印は朝鮮人民の利益に反し、わが国の自治権と利権を侵害するものだ、わが国政府と全朝鮮人民はこれを無効と宣言すると言っています。少なくともこの協定を調印してこれから批准しようとするならば、日韓のはもう調印していますから、これを消せとは私も言いません。しかし、中国、朝鮮民主主義人民共和国とは事前に了解すべきであります。了解を取りつけるべきであります。  私は昨年の外務委員会でもこれを強く訴えました。それから一年間何をやりました。何にもやってないじゃないか。私は昨年の九月、日中議連の訪中代表団の一員として中国に参りました。濱野清吾さんが団長です。秘書長はやはり自民党の塩谷さんです。共産党以外の各党から代表が行っています。その席上でです。向こうの首脳が、日韓大陸だな協定での日本側の中国政府の抗議無視は、両国の友好関係にとって有害であり遺憾であると言われた。そしてあと、皆さんは政治家であり発言権があるから後見を期待する。そこで副団長から――公明党と社会党でありますが、副団長から、大陸だなについてはまず平和友好条約を優先させ、その後十分両国の話し合いを詰める方向で努力する旨の説明があった。その後、自民党の元の運輸大臣、現在の議運の委員長、その二人から、議連を中心に帰国後努力するとの発言があった。孫平化秘書長は、五百二十二名の議連の皆さんの努力が実り豊かな結果を生み、赤飯で祝えることを祈りたい、そう言われました。そのことはもう私は閣僚の皆さんにも伝えてありますし、自民党の諸君も知っておるはずだ。  にもかかわりませず日中平和友好条約はまだ締結されておらぬ。そうして、この大陸だな協定を批准することにきゅうきゅうとしている。恥ずかしくないかと言うんです。五百二十二名の日中議連の議員がおるから、日中平和友好条約が先ですよと宣言しています。私ども恥ずかしくてもう中国に行けないです。これは総理大臣、いま初めて聞いたことじゃないと思う。私は耳に行っていると思うんです。これは正式の当時の団の報告書です。そういうことでも反対をしてきました。朝鮮民主主義人民共和国問題は後で質問します。したがって、総理に質問しますのは、こういうようにみんなが約束してまいりました日中平和友好条約については、早期締結を総理も発表しておられますが、交渉再開と締結とが直結しますかどうか、決意を聞きます。
  328. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 大陸だな協定と日中条約の関係でございますが、これは私はどっちが先でどっちが後だと、こういう関係のものじゃないと、このようにも思うんです。日中平和友好条約につきましてはとにかく六年前に調印が行われたんです。この共同声明が発せられまして、そして平和友好条約の締結交渉を行いましょうと、こういうことになっておったわけでありまするから、まあ本格的な交渉がもっと早く行われ、そしてもっと早くこれが締結されておった方がよかったと、こういうふうには思います。思いまするけれども、この締結交渉の問題ですね、これは日中双方が満足し得る状態において初めてこれは成り立つと、こういう性質のものだということは、これは国会におきましても私がるる申し上げておるところであります。そういうことで、なかなかこの交渉が軌道に乗らなかった。しかしおくれましたけれども、いよいよ本格的な交渉が始まろうといたしておるわけであります。交渉が始まる以上締結は別の問題だと、こういうような交渉は私はあり得ないと思うんです。締結を目指しての交渉である、この点は一点の私は曇りも持っておりませんから、しかと御了承のほどをお願いいたします。
  329. 小柳勇

    ○小柳勇君 鄧小平副首相が、福田総理の決断あれば一秒でできるとおっしゃいました。もちろん鄧小平副首相の言葉を引用するまでもありませんが、総理の決断があれば交渉再開したら直ちに締結ができるんだと私は考えています。したがって、いま総理は早期締結の決断をされたと理解してよろしゅうございますか。
  330. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) もう交渉を始める以上、これは締結を目標にしないというような交渉はこれはもうナンセンスです。私はあくまで締結を目標といたしまして交渉を始めたんだ、このように御理解を願います。  ただ、私の決断だけで一秒で決まるんだとか一分で決まるんだとか、そういうことを言う人がありますが、そういうわけにはなかなかいかぬと思うんです。この条約は双方満足し得る状態において初めて締結されるものですからね。これは中国側はこう言いました、ああそうですかと言うて全部中国側の言うとおりだと、こういうことになりますればこれは事はきわめて簡単でございまするけれども、わが国といたしましてもこの条約は非常にこれは大事な条約だということで、わが国の立場もありまするから、よく話し合ってそして間違いなくお互いが満足し得る状態だ、こういうことで両国民が祝福するという形で初めて私はこの条約を締結いたしたい、このように考えております。
  331. 小柳勇

    ○小柳勇君 交渉のために外務大臣を中国に派遣されると新聞は報じていますが、その時期はいつですか。
  332. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まず私どもは日中平和友好条約交渉、その手順といたしまして事務的と申しますか、在北京の佐藤大使をしてこれに相当する中国側の代表の人と話し合いをさしたい、そうして問題を煮詰めまして、まあ問題がなけりゃよろしゅうございまするけれども、問題があるというようなことでありますれば外務大臣がみずから北京に参りましてそして話し合いを行う、こういうことになるわけでございます。まだこの手順、段取りが、当方からは中国政府に対しまして申し入れをしておりまするけれども、先方から回答が来ない、こういう段階で、佐藤大使をヘッドとする事務的な話し合い、これもまだ始まらない状態でありますので、いつ外務大臣がいかなる段階、いかなる時点で北京に参りますか、これはまだ未定でございます。
  333. 小柳勇

    ○小柳勇君 外務大臣はいつごろ北京、中国訪問の日程ですか。
  334. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま総理からお答えがあったとおりでありまして、今後の佐藤大使と向こうの方の折衝の成り行きで一総理のお指図を受けて行くことになると存じます。
  335. 小柳勇

    ○小柳勇君 私もう一回総理に内閣の責任者として質問いたしますが、日中平和友好条約が締結されて、たとえば尖閣列島付近の日中共同開発の話とかあるいは東シナ海の日本とか、日本、韓国、中国などの共同開発の話とか、少なくともそれが話ができるくらいまでこの協定の批准及びこの措置法の施行を待つべきだと思うが、いかがですか、総理。
  336. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日韓大陸だな協定は中国の権益とはいささかもかかわりのある内容のもんじゃないんです。これは外務当局からるる申し上げておるところでございます。そういう状態でありますので、まあ中国政府では御意見があるようでございまするから、もうこの御意見に対しましてはどこまでもこれを、日本の立場を説明をいたしまして、またこの御理解を得るという努力をする、そういうことを考えております。
  337. 小柳勇

    ○小柳勇君 中国とかかわりのないことはないです。ここにちゃんと中国の宣言があります。日本と南朝鮮の大陸だな協定は中国に対する主権侵犯であり、中国政府は断じて同意できないと言っています。  その後じゃどういう外交折衝なされましたか、外務大臣。
  338. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 昨年協定が国会で御承認を得ました直後に、中国の方で外交部声明を出したと。六月十三日のことでございます。それ以来、この声明が出ましたときにも当然でございますけれども、この署名に先立って御説明したときからずっと一貫しておりますけれども、いま先生がお読みになりました中国の主権を侵害している、侵犯しているという中国の考え方は、日本政府の考えと違うというゆえんを説明してまいっております。  ところが、その根底には、やはりいまの国際法上の大陸だな制度についての認識の違いがある、そういうことで、ことしの一月には海洋法会議全般について、いまの国際的に海洋法の秩序はどういうふうになっているかということについて、中国も、この海洋法会議に中国よりも古くから参加しております日本のいろいろの意見も聞きたいということでございましたので、日本の専門家を北京に派遣いたしまして、北京で海洋法会議のいろいろの問題について意見を交換するというところまで発展してきておるわけでございまして、海洋法秩序の中には、申し上げるまでもなく、領海の問題、経済水域の問題、海底資源、深海海底資源の開発の問題、大陸だなの問題、国際海峡の問題、いろいろございます。そういうものを中国といろいろ話し合う機会もございました。  そういうことで、最終的に、いまの時点ではまだ中国側がいまお読みになりました外交部声明にあるような立場を変更するには至っていない、これは事実でございまして、これは私どももそれなりに重く見る必要があると思っておりますが、しかし、かといって日本政府が国際法上一貫してとってきております態度を変えるということは、これはまた一方できないわけでございます。したがいまして、いま総理もおっしゃいましたように、今後とも中国については十分理解を得るように説明をし、意見交換を重ねてまいりたい。その点で何もしていないのではなくて、機会あるごとにやっておりまして、最近は海洋法秩序全体についても意見を交換し得るところまでは来ているということでございます。
  339. 小柳勇

    ○小柳勇君 通産大臣に質問していきますが、通産大臣は公団法の改正のときに、紛争のある地域には融資しないということを言明しておりました。いま総理の発言は、中国との間には紛争状態がないような発言です。これは誤りでありますが、通産大臣はいまの中国との関係をどのようにとらえていますか。
  340. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) この問題の経過をもう少し詳しく説明をいたしますと、昭和五十年の三月の公団法の改正のときに公団の業務の拡張が実現をいたしました。海外の政府機関あるいは海外の政府に直属する石油開発機関に対する融資が可能になるということ、あるいは日本近海での開発に対して投融資が可能になるということ、そういう内容の改正でありましたが、そのときに附帯決議がつけられまして、その附帯決議では紛争地域または紛争のおそれのある地域に対しては公団は投融資をしない、こういうことになっておりまして、さらにその趣旨説明に際して日韓の共同開発地域はこれに該当する、そういうことが趣旨説明で述べられております。そういういきさつがございますので、そのときの決定、いきさつを受けまして、私はずっと委員会で中国から異議が続いておる間は公団の投融資はしない方針である、こういうことを答弁をしたわけでございます。
  341. 小柳勇

    ○小柳勇君 わかりました。  したがって、総理ももう少し積極的に外務省を使い、あるいはその他の政府機関を使いまして中国との話し合いを進めるべきであるし、日中平和友好条約の締結にはもちろんもう決心しておられると判断いたしますが、なるべく早く締結するように努力してもらいたい。先般の衆参両院の本会議の決議もわざわざ決議をしています。それは国民の意思であります。  次には朝鮮民主主義人民共和国との関係でありますが、総理は、昨年春の予算委員会でも私質問いたしました。朝鮮半島の平和的統一のためには一体総理はどういう努力をなさいますか、そういう質問をいたしました。ちょうどアメリカにカーター政権ができまして朴政権の人権抑圧やその他の問題でカーター政権自体が韓国を見放そうとしておる時期でありました。最近は少し変わってまいりましたけれども、そのころ総理は等距離外交、朝鮮半島の平和的統一のためには最善を尽くすとおっしゃった。その後朝鮮民主主義人民共和国とはどういうような平和的統一の努力をされたか、あるいはこれからされようとするか、総理の見解を聞きます。
  342. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まあ一つの民族が二つに分かれて、しかもそれが対立抗争をしておるということはこれは私は大変その民族にとりまして残念なことであろうと、このように思います。そういう認識に立ちまして、私は朝鮮半島におきましても南北が平和的に統一されるということを念願をいたしております。まあしかし現実は急にそういう事態になりそうもない。そういう間にまた南北の間に武力衝突とか、そういうような紛争が起こるというようなことになってはまた困る。私はですから当分の間、これは南北がそういう武力を使うような激しい争いにならない、それには現実的な問題といたしましてはこれは南北にいろいろな意味における均衡状態があることが好ましいんではないか、そのように考えております。と同時にそれと並行いたしまして南北の間に対話がまず始まる。平和的統一それは最終の目標でありまするけれども、南北がバランスがとれた形で推移している。その間に南北対話が始まることが好ましいんじゃないか、そのように考えておるわけであります。  これは他国のことでありまするから、これに干渉するというわけにはまいりませんけれども、そういう対話が行われるという環境づくりにつきましては、いささかわが国といたしましても機会あるごとにその方向への御協力というか努力というかをいたしておるし、今後もなおそのような姿勢を持ちまして南北対話の推進に協力をいたしたいと、このように考えます。
  343. 小柳勇

    ○小柳勇君 外務大臣に質問いたしますが、中国ともちろんそうでありますけれども、朝鮮民主主義人民共和国とも、正式な外交ルートはありませんでも、これだけ反対していることでありますから、この日韓両国の共同開発についてはこれから五十年、南北朝鮮の統一を阻害するから待ってくれと言っているわけですよ。反対しているわけですよ。しかも、民間では漁業協定持っています。そして日本の漁民が北朝鮮のところで魚をとっています。そういう国が、南北の平和的統一を阻害するからこの協定は反対だと宣言しているでしょう。であるならば、この協定を調印する、あるいはこれから措置法が実施される、その前に何らかの方法で話すべきだと思うんです。そういう手だてを考えておられるかどうか、いままでやられたらそれをお話し願いたいんです。
  344. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 朝鮮民主主義人民共和国に対しては、しばしば申し上げましたとおり機会をとらえ、問題あるごとにケース・バイ・ケースで日本と北朝鮮との対話も広げてゆき、それをやりつつ南北の対話の場を開いておるわけであります。この大陸だなの問題については、すでに協定の批准を終わり国内関連法の問題になっておりますので、これは、これと別個の問題で切り離して一日も早く御審議を願いたいと希望する次第であります。
  345. 小柳勇

    ○小柳勇君 外務大臣にもう一つですけれども、通産大臣でも構いませんが、いまある共同開発区域はそれよりも南の方が約十倍の堆積層がある。私の方の調査では共同開発区域ではせいぜい二億キロリッターぐらいであろう。それを四分の一しますと五千万キロリッターぐらいしか日本には入りません。日本で使う油の三カ月か四カ月分です。南の方がたくさんあります、であるから中国はいま日本の技術を欲しがっている。日中共同であるいはこれに韓国も入れてくれと言えばまたそれは話は別、話は加えながら、そういう本当にあるところを一緒にやるような話をされたことはございませんか。私は、実はずっと新聞を気をつけておりまして、外務大臣が日中共同開発にも意欲があることを新聞に書いてありました。もしそういう話でも外交表、裏話がありましたら発表願いたいと思います。
  346. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 先生御指摘のようにこの共同開発の南の部分、若干西に延びますが、この部分になお有望な資源があるという報告があることは周知のところでございますし、その部分はこれは中国と日本が話し合わなきゃならない、この問題意識は私どもも持っておりますので、中国との間で話をいたします大陸だな資源開発の問題は、主としてそちらになるということで、日本政府は、この日韓大陸だな協定についての中国の見解が示されますごとに、この境界線の問題もさることながら、同時に日本としてはその南の方の大陸だなの開発については、これは日本と中国との間で話し合って決めなきゃならない問題であるし、その点についてはあすからでも中国と話し合う用意があるということも、これもたびたび中国側に申しております。中国側はまだその時期でないということで、いままでその話をしましょうという御返事はいただいておりません。したがいまして、この部分を日中でどういうふうに境界線を画定して、それぞれ自分で開発するのか、あるいはいまおっしゃいますような共同開発でするのかというような具体的な構想については何らの示唆もいただいておらないと、こういうことでございます。
  347. 小柳勇

    ○小柳勇君 総理に質問いたします。  海洋法会議の話もどんどん変わってまいりましょう。たとえば経済水域二百海里で等距離中間線をとるようなことになれば、中国だってこの共同開発区域に発言権を持ってまいりましょう。そういうときには、この協定あるいは措置法、これから三十年あるいは五十年の効力を持つのでありますが、中国からの話を受け入れるだけの幅を持っておらなければならぬと思うが、それは総理、そのように考えていいですか。
  348. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) いまおっしゃいますように、海洋法会議の結果国際法の法典化が進みまして、それに基づい何らかの話し合いがいずれの国からであれありましたときには、日本政府としてはそれは喜んでその話し合いに応ずる用意がある、またそういう立場をとるべきであると思いますし、また海洋法会議の結論を待たずとも、日本はいまでも中国に話し合いをする用意があるということをいつも言っておりますので、ただいま現在でも、中国側から具体的にこの地域の大陸だなの開発について話し合いをするということでございますれば日本政府はいっでもそれに応ずると、こういうことでございます。
  349. 小柳勇

    ○小柳勇君 それでは、領有権をたな上げしながらこれから出発するわけです。したがって、いまの局長のような答弁、それは正しいと思います。したがって、これから国際法の変化に伴いながら、この協定については言うならば幅のある解釈を持って今後措置法については実施してまいる、あるいは外交的に折衝していく、そういうように理解して話を進めます。いいですね、それで。  それで、いま漁業に従事する皆さんが心配しているのは、ことしの十二月二十三日で日中漁業協定が切れる、この措置法が通って施設がどんどん設置されるようになれば恐らく日中漁業協定は締結されぬのではないかという心配がございますが、この点についての外務省並びに水産庁の見解を聞いておきたいんです。
  350. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) まず外務省の見解といたしましては、現在のところ日中漁業協定によりまして東シナ海その他中国沿岸の漁業操業秩序が円満に維持されております。このことにつきましては中国側にも特に問題があるというふうには承っておりません。この日韓大陸だな協定が発効いたしまして仮にこの開発が始まるといたしましても、これは大陸だなの開発の問題でございまして漁業とは直接関係がないということでありますし、これは韓国との間でも同じでございますけれでも、あるいはその第三国についても同じでございますが、公海における漁業の問題というのはこれは公海の一つの秩序のもとで、公海の自由、航行の自由、資源開発の自由、そういったものがお互いに相手の立場を適当な配慮をしながら、そういう公海の自由を共有するということになっておりますので、直接これにかかわってくるということはない。また、この協定が漁業について十分な配慮をしているということはいままでの御審議で何回も政府側で御説明しているとおりです。中国側で、本年の末で切れます漁業協定をどうするかということについて具体的な話はまだ始まっておりませんが、現段階で判断いたします限り、いまあります日中漁業協定のもとにおける日中双方の漁業秩序というものに、格段の困難なり支障があるというようなことは私どもは考えておりません。したがって、できれば円満に延長していくのが望ましいんじゃないかと、これは外交の立場からする考え方でございます。
  351. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 基本的には外務省の方から御答弁いただきましたとおりでございますが、具体的に日中漁業協定に基づきまして日中の共同委員会というのがございます。これは毎年一回開催をされる、ことしも六月から八月の間で北京で開催をするということで一応接触を開始しておりまして、漁業上の問題につきましていろいろ詰めなければならない問題がまだなお残っておるわけでございます。これにつきまして、近く私どもも誠意を持っていろいろ話し合いをして円満な漁業の操業を確保してまいるということについて努力してまいりたいというふうに考えております。
  352. 小柳勇

    ○小柳勇君 漁業補償の問題は最後に、後で質問いたしますが、領有権の問題でもう一問、これは外務省に質問しておきますが、わが国の海洋主権に対する総合的な見解、今度の場合はもう中間線論を捨ててそして大陸だな論に、韓国に負けてこれで設定いたしました。これから海洋法会議であるいは国際法的にもいろいろ変わってまいりましょう。わが国はこれを決定いたしましたように、共同開発の場合はこれはもうでたらめというのか、韓国に対しては大陸だな、中国に対しては等距離中間線論ですね。で、領海十二海里を宣言して二百海里の経済水域も日本は宣言いたしましたが、体系的にこれから日本は、将来的にこの公海上における経済的なもの、あるいは領海でありませんが、海洋主権に対する考え方、はっきり将来一体どういうように進もうとしておるのか、その見解を聞いておきたいんです。
  353. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) あるいは、私はアジア局長でございますので、この地域に関連いたしまして、これからの海洋主権をどう考えているかと、いま二、三の具体的な問題を例示されましたので申し上げますと、まず領海十二海里、これはもうすでに日本の固有の領土にはすべて十二海里の領海を設定すると、昨年の七月でございましたか決定済みでございます。で、二百海里の経済水域、これは海洋法会議の成り行きを待たずに一方的にこれを行うということはたしか考えていないと思います。この地域では特に二百海里の経済水域ではなくて、二百海里の漁業水域の方も西の方は日韓及び日中の漁業協定で漁業操業秩序が確保されておりますので、北の方と違いまして二百海里の漁業水域の方もまだ実施してないということは、これは御承知のとおりでございます。で、この点は将来日、韓、中、この地域の国々の間で漁業操業秩序を安全に維持するためにどういう制度が最も妥当かということは将来の問題だろうと思います。そのときに二百海里漁業水域ということが問題になりますと、これは相対する国の間では四百海里以内の場合ですと、やはり中間線なりその他の境界線の問題というのが出てくると思います。これはしかし海洋法会議で言っております二百海里の経済水域とは違った制度である、これは御承知のとおりでございます。  それから今度は大陸だなにつきましていま日韓大陸だな協定の対象地域がむちゃくちゃであるという表現をお使いになりましたのは、これが国際法的に最終的に画定していないということを言われたものと思います。そのことはこの協定の二十八条でも書いてありますように、日韓双方ともそれは認めておるわけでございます。しかしながらなぜそれが画定できないかということにつきましては、日本と韓国との間では、この自然の延長で沖繩海溝までが自分のものだという韓国と、あの海溝は無視し得るんでこれは一つの大陸だなだから中間線までだという日本の見解の対立があったから、その対立で重なるところを共同開発するといういわゆる実際的解決である。ところが韓国と中国との間は、これは日本と韓国の間とは異なりまして、韓国と中国の間にはそういった海溝のようなものはないわけですから、これは中間線で境界を画定するのが好ましい。しかし韓国と中国との間に外交関係がないために、その話し合いができないという非常に複雑な現実を踏まえまして、かっこの資源エネルギーを開発するというためにつくられたものがこの協定でございます。  したがいましてこれからどういうふうに海洋主権を守っていくかといいますと、一口で言いますと国際法にのっとって守っていく。その国際法は領海十二海里である。大陸だなと経済水域につきましてはまだ海洋法会議の結論が出ない間は、現在有効な国際法、現在有効な国際法では経済水域はまだ熟していない。大陸だなは熟している部分がある。熟している、つまり一般国際法化している大陸だな制度のもとでわが方が権利主張すべきところは主張していく、こういうことでございます。
  354. 小柳勇

    ○小柳勇君 領有権の問題についてもたくさん問題ありますけれども、先に進みまして、先般ここで集中審議いたしました竹島の問題、皆質問した者も、この委員会もなかなか納得できていません。この大陸だな協定を批准するには竹島問題を決着をつけておくべきである。私はこの協定を措置法で実施していけば竹島問題はもっとどんどん先に延びる、そういうような気がしてなりません。いま一度、竹島問題については具体的にどうされるか、どういう決心を持っておられるか、そして竹島に関係のある諸君に対してはどのように話をされるか、お聞きしておきたいです。
  355. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) この前も申し上げたんですが、竹島問題は長い間の日韓間の非常に困難な問題でございます。しかしこの問題を放置するというわけにはいかぬ。そこで日韓大陸だな協定が批准される、そういう一つの節目のこの際、思いを新たにしてこの問題を日韓間で交渉してみたい、そのように考えておるわけです。いま具体的にどうするかということについていろいろ考えておるという最中でございます。
  356. 小柳勇

    ○小柳勇君 竹島問題の解決もこの協定と無関係ではございません。特に韓国との経済交流及び日韓協力委員会などを中心にする結びつき、そういうものが深ければ深いだけ、たとえば中国、たとえば朝鮮民主主義人民共和国と日本との融和が害されるような気がしてなりません。ここに西ドイツのボンで韓国問題国際会議が開かれたときの宣言書が出ています。この決議文によりますと「「令状なしの逮捕、連行、拷問などが常態化しており、海外在住の韓国人でさえ監視を受け、本国の親類、縁者までが迫害の対象とされている」と韓国の人権問題を訴えたあと韓国の経済成長は、低賃金と劣悪な労働条件の上に成り立っている」「日米など大国の企業の韓国における利潤追求こそが朝鮮の自主的平和統一の最大の障害である」「朴政権の独裁打破の闘争のため米軍の完全撤退、日本の対韓経済援助停止を要求する」というような決議文を決めています。これは六月七日の新聞、大新聞の報道であります。これは各新聞に出ております。私は昨年からこの協定を審議する過程で、いまの朴政権を援助するその効果しかないではないかというようなことも、再々各位も申しました、私もそう感じています。したがって、このボンにおける韓国問題国際会議の決議あるいは日本に対する停止要求などについて総理はどうお考えでしょうか。
  357. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) ボンのおっしゃいますところの会議というのは、これは民間の人の会合だったんじゃないかというふうに思いますが、ですからまあ民間の人でありますといろんな議論があるわけです。それに一々ここでとらわれているというわけにはまいりませんけれども、要は、日韓両国は非常に地理的にもまた歴史的にも近い関係にあるわけでありますから、この間の関係というものが非常に緊密であるということは、私はこれは当然のことだろうと、こういうふうに思うんです。わが国は世界各国に対しまして経済協力をやっておる、やっておるが、その時点における政権を擁護すると、そういうような性格のものはありませんです。やっぱり経済協力の相手国、その国民の福祉、またその国の社会の安定ということを、これを考えながらやっておるわけでありまして、一政権、そういうものをとらえてその体制を援助するんだというような考え方をとっているわけじゃなんです。今後ともどこの国に対しましてもそのような考え方でやってまいりたい、このように考えます。
  358. 小柳勇

    ○小柳勇君 これ公式の論文でありますから引用して申し上げたいし、またこの雑誌にも日韓の癒着及び韓国における政治的な腐敗の、あるいは汚職の問題など、具体的に名前を記して日本の財界あるいは韓国の政界などの癒着が記されています。したがって、私どもこれから五十年間のこの日韓大陸だな協定による石油の開発が、石油の開発よりもむしろこれに使う金が政治資金の方に流れはせぬかということを冒頭にも申し上げました。したがって、これに対する歯どめは、総理も決意を表明されましたが、わが党は日本が、たとえば石油公団がこれを開発することには反対していません。もうすでに日本の周辺にたくさん開発やっているわけです。たとえば昭和三十三年から四十三年までで四十二鉱、四十六年から五十二年までで五十五鉱、計九十七鉱、五十三年度の計画は八鉱、現在この日本列島の周辺を、大陸だなをやっているわけですね。だから何かわが党が石油が欲しくないかのような、そういうような悪宣伝をされて、大陸だな協定に反対するのは石油が欲しくないのではないかというような、そういうような悪い宣伝さえなされておりますが、そうでございません。わが国だけで、あるいはわが国の会社が、もちろんわが国の会社はメジャーと一緒ですけれども、わが国独自ではやっていません。わが国でやるならばそう反対しないわけです。  たくさんの問題がある。国際法的にもあるいは慣行にないこと、しかも東シナ海のあらゆるところで十分に、きょうも政府委員から発言がありましたように、十分の探査をしてないんです、まだ。エカフェの調査では七億キロリッターあると言われたけれども、それは東シナ海全部の話です。大新聞ですら七億キロリットルと言って誤まって宣伝しておりますけれども、エカフェの調査は全部で七億キロであります。あの辺は一億か二億キロリッターであろうと言っている。そういうものを考えまして、私どもはこの石油開発に対して一つ具体的に質問いたします。  きょうもわが矢田部委員が質問しておりましたが、もうすでにメジャーは決まっているんじゃないかと。すでにメジャーも決まっているし、日本の会社も決まっているし、韓国はもちろん会社はありませんから、資金だけ出してメジャーにやらせるわけですけれども、決まっているもののためにこの措置法をつくっているんではないかという問題があります。疑惑があるわけです。新たにこれだけ法律をつくりましたけれども、これはもうすでに決まったものをちゃんと形を整えるだけですよ、新たに入るすきがないんですよということが午前中にも問題になりました。通産大臣からの答弁を聞きましたけれども、私は、これから日本がこの大陸だなをやっていかなければなりませんけれども、メジャー中心で、しかも、もう特定の業者、特定の会社と結託して、そしてたくさんの金を融資していく。これが油が出なければ、出るまでそれは返済する必要のない金です。出ても、午前中の質問のように、たくさんの税金も取らないような仕組みになっている。こういうような石油開発の方法について総理はどう思いますか。
  359. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) これはまだ具体的に決まっておるというような性格のものじゃありません。これから検討いたしまして、そしてこれが確実に、誠実に開発が行われる、そういうようなことを旨といたしまして起業者を決める、こういうことになるかと、このように考えております。
  360. 小柳勇

    ○小柳勇君 エネルギー庁長官に質問いたしますけれども、けさからもわが党の議員が質問しておりました。もうすでに決まっているものを、ただ形を整えるための法律ではないかと。新たに変える余地があるか。たとえば資本の問題でも、ここに私は全部調べております。現在やっている日本の会社あるいは韓国が出資する会社、全部資本金も調べてあります。そんな会社で五千億もかかるような探査あるいは掘削ができるでしょうか。北海の油田は三兆円ぐらいの探査費がかかったと言われている。まずわれわれは五千億だと言っています。五千億の金を十分出せるような会社ではないではないか、いま現在やっているのは。しかも、その現在やっている人が、やっている会社が、そのまますべり込むというような懸念がありますが、エネルギー庁長官、いかがですか。
  361. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) ただいま総理からもお答えがございましたように、本特別措置法案の御審議をいただいている段階でございますから、当然のことながら特定鉱業権者というものは決まっておらないわけでございます。ただ、あるのは現行鉱業法に基づくいわゆる優先出願をした企業でございまして、これにつきましても、この法案の附則によりまして「経過措置」といたしまして告示後一月以内に申請することを認めておりますが、その段階におきましても十八条に規定する各種の要件、特に技術的能力あるいは経理的基盤といったものについて厳正に審査をした上で、その是非あるいは可否を決定するわけでございまして、これは午前中にもお答えしたところでございますが、現在の鉱業法が先願主義をとっておる結果として、先願権に対する財産的価値を保護するということでございまして、決して、これは必ず特定鉱業権者になるといった規定のものではないと、こういうことでございます。
  362. 小柳勇

    ○小柳勇君 問題はたくさんありますが、たとえば一例、オペレーターが両方話し合って決まらぬ場合は抽せんで決めると書いてある。抽せんで決まったオペレーターがずっと企業の責任、あるいは災害補償なり、事故の補償なり、十分な責任とれるでしょうか。いいかげんとは言いませんけれども、法律で決まらぬ場合は抽せんで決めるなんということをやって、本当に責任体制がとれるか。この点いかがでしょうか。
  363. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、最終段階ではどちらがオペレーターになるかということはくじ引きになるわけでございますが、その前段階といたしまして日韓双方の開発権者が十分話し合いをする、話し合いがつかない場合には政府間で協議をする、なお、それで話し合いがつかない段階においてくじ引きに訴えると、こういうことでございまして、私は一段目、少なくとも二段目の段階におきまして操業管理者というものが事実上決まっていくものと理解いたしております。   〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕 法律上は最終の段階と申しますか、最悪の場合まで想定いたしましてくじ引きによって決めるというふうになっておるわけでございます。その間両開発権者が十分意を尽くし合って操業管理者を選任するものというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
  364. 小柳勇

    ○小柳勇君 開発後の石油の供給について、これは開発権者の責任でやるようになっておりますが、資金を援助するには国が責任を持って、公団などこれから国が責任を持たなきゃなりませんね。出ました油についてはその供給に対して、国が発言権がないというようなことをもうちょっと何か考えておかなきゃならぬのではないか。たとえば北海油田、いまでもなお問題になっています。労働党あるいは政府の交代ごとに問題になる。したがって、私は特に共同開発でありますから、いまの段階からもうちょっとちゃんと供給に対する国の発言力というものを確保すべきだと思う。いかがですか。
  365. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 開発された石油につきましては、コストも折半することを前提といたしまして、取得物も両方で折半すると、こういうことになっておるわけでございます。日本側の取得分につきまして、仮に日本側が外国企業と共同事業やる場合におきましても、それは必ず日本国内で処理されるように措置することといたしたいと思っております。まず経済的に見ましても、日本が非常に大きな石油の消費市場であるといったようなことから、わざわざ日本近海で掘採したものを他国に持っていくということも考えられないわけでございますが、仮にさような場合には貿易管理令等を発動いたしまして他国に輸出し得ないように措置する所存でございます。
  366. 小柳勇

    ○小柳勇君 先般現地で現地公聴会をいたしましたが、漁業関係の皆さん大変な心配であります。具体的には五万七千トンの魚がなくなるんだということでありますが、それ以上にあの北海など中国大陸だなで網を引く以西底引き網など相当もう心配をしておられる。この漁業補償の問題なり、あるいは漁民に対するこの協定の理解なり、理解を求める行動なり、あるいは漁場を追われる漁民の皆さんの今後のお仕事の問題なりなど、もうすぐ問題が発生するわけです。半年以後には発生してまいりますが、先般のお話では、協定が昨年参議院を自然成立したにもかかわりませず、まだ正式に政府からも出先からも話を聞いたことないというわけですよ。漁連の役員だけは知っておられるけれども、漁業やる一人一人が知っていないと、そういう話です。どういう方法でこの措置法を説明し、かつ、将来のこの漁業の皆さん方の生活に対して心配がないような施策を講ずるか、水産庁から聞きましょうか。
  367. 森整治

    ○政府委員(森整治君) この海域に関連いたします漁業団体といたしましては、日本遠洋底曳網漁業協会とそれから日本遠洋まき網漁業組合、長崎県の五島を中心といたしました東シナ海沿岸の漁業協同組合ということでございます。で、われわれといたしましては、これらの団体に対しまして大日本水産会を通じましてしばしば説明を行い、係官も派遣をいたしまして関係者の理解に努めてきたわけでございます。一部、こういう公聴会で若干そういう意見がございましたけれども、漁連といたしましては下部におろしてよく説明をしておるということでございます。そういうことで、いろいろいままで出ました意見を集約いたしまして、協定なり本法案に必要な措置を、通産、外務を通じましていろいろ作成に当たりまして規定をしていただくということでございます。  今後とも、いろいろ漁業上の調整の問題あるいは指定区域の問題あるいは救済措置の問題等々につきまして、よく関係各省と連絡をとりまして、いやしくも漁業に不安が残らないようにわれわれとしては万全の指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  368. 小柳勇

    ○小柳勇君 漁業人口、福岡が一万八千人、佐賀一万三千人、長崎四万九千人、熊本二万六千人、鹿児島二万一千人、九州だけでもこれだけです。これ山口市の人もいらっしゃるでしょうし……。たとえば依存度五%にしましても六千三百五十人の仕事を考えなきゃなりません。政府としてはもうすぐの話です。もし、これが通りまして批准されましたらすぐの話です。早急に対策を立てて、この漁民の皆さんが心配しないように対策を立ててもらいたいと思います。  もう一つは海洋汚染の問題です。先般からこの当委員会で質問がありますように、韓国には海洋汚染に対する防止対策その他事故対策などの日本のような法制はございません。しかも東シナ海の荒いところです。先般、保安庁長官は、オイルフェンスなどという話をしておりましたけれども、オイルフェンスできくようななにじゃございませんですよ、東シナ海は。したがって、将来の海洋汚染に対する対策なども日本にも具体的にはまだないと思う。国連では相当研究しておるようでありまするが、特に韓国は日本からずいぶんおくれていると先般から政府の説明です。この点も早急に対策を立てなければ、ボーリングだけやって油が出ない、三十年間出ないということであればもうやむを得ません。しかし、それでは五千億の金を本当に捨てることです。したがって、この海洋汚染の防止対策に対して政府の見解を聞いておきたいと思うんです。
  369. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 海洋汚染に対しましては、当然、未然の防止対策というものを十全に講ずる必要があるわけでございます。わが国におきましては鉱山保安法が適用されるということになっております。具体的には、その鉱山保安法に基づきます鉱山保安規則におきまして、海洋における掘削段階あるいは生産段階に応じましてそれぞれ十分な対応をし得るようにこの規則に基づきまして安全あるいは汚染の防止をかくいたしたいと、かように考えております。
  370. 小柳勇

    ○小柳勇君 時間がございませんから、たくさん問題がございますけれども十分の質問ができません。  昨年の外務委員会から今日までの政府の対処の仕方について、まことに不満です。特に中国やあるいは北朝鮮その他近隣諸国に対する外交的な折衝もほとんどなされてない。しかも、これから五十年間、東シナ海でいままで例のない、国際法的にも問題のある共同開発をしようとしている。先般九州経済同友会の会長さんは、九州の方が経済、沈没したから、この油で経済を浮揚したいとおっしゃった。とんでもないことです。この油でどこが一体景気が浮揚するでしょうか。もうほとんどこのメジャー決まっていまして、本社は東京でしょう、あるいはソウルでしょう。そういうことで日本国民は納得しない。したがって、これから私は、でき得べくんば、この措置法が今度の国会で通過いたしましても、これが実施につきましては、近隣諸国にもう少し外交的に折衝して、オーケーは出さんにしましても、ウインクするぐらいの外交折衝をして、たとえば尖閣列島に起こりましたような事件、それはこれに直接関係あるとは思いませんが、そういう事件が発生しませんように、あるいは竹島に問題が発生いたしました、こういう問題が発生しませんように――漁民の人が言うのは、われわれは反対です、しかし反対すると今度は韓国から攻めてくるというわけだ。だから反対もできぬ、賛成もできぬというのがあの漁民、九州の沿岸の皆さんの気持ちですと訴えられた。その言葉を十分に政府は肝に銘じて、万全の措置をとった上で、しかも国益になりますように善処してもらいたいと思う。このままでは国益になりません。メジャーだけ……。韓国では技術も出さないでしょう。ただ金を二割出すだけでしょう。そして会社をつくっていく。日本だってメジャーとの合作です。第五小区などというのはカルテックスだけですよ、やるのは。名前は日韓協力ですけれども、やるのはメジャーですよ。もしも、公海ですから、ソ連の潜水艦なりアメリカの潜水艦が行って、施設に支障を起こした場合に、一体国際的にはどういう争いができるでしょうか。  まず外務大臣に聞きますけれども、公海上で、こういう二国間でやりまして、そういうトラブルに対しては一体国際的にはどういう――もちろんこれはいろいろ宣言しなきゃならぬでしょうけれども、トラブルに対しては一体どういう措置をとられるのか、それを聞きますと同時に、私どもはこれをこれから五十年間東シナ海をアジアにおける火薬庫にしたくない。いま原子爆弾の時代であるからといってのほほんとしていますけれども、恐らく外交上の争いになり、あるいは製油等の争いから出発するかもしれぬ。そういうものを心配いたしますが、まず国際的にはどういうような、近隣諸国から広く国際的にどういう措置をとられるか、外務大臣にお聞きいたします。
  371. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言の趣旨はよく了解をいたします。中国に対しては今後とも理解を求めるべく努力をする所存でございます。  なお、この共同開発区域、共同開発作業に対して安保条約の発動あるいは自衛権の発動ということが現実にはあり得ないということは先般から申し上げたとおりでございます。よく関係諸国とも御連絡を緊密にし、共同開発をやられる韓国の当局とも連絡を密にしてやる所存でございます。
  372. 小柳勇

    ○小柳勇君 もう時間が二分しかございませんから、最後に総理に、いま今日まで長い間この委員会で論議いたしまして、問題点はほとんど出たと思います。ただ、過去の問題についてはもう言ってもしようがございませんけれども、これから将来の問題に対して政府として――自民党だけが政府これからやるかどうかわかりませんよ、いままで私が質問いたしましたほかにまだ同僚委員が質問しますけれども、政府として決意を新たにしてかかっていただきませんと、国益ではなくて一部のものの利益になる、そして日韓関係だけはよくなるかわかりませんが、その他の国とは悪くなるというような問題がありますから、十分に決意を新たにして対処してもらいたいと思いますけれども、総理の見解をお聞きいたします。
  373. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日韓大陸だな協定は、わが国の国益を踏まえてこれは締結をしたというものでございますが、この実行にあたりましても、国益を踏まえてやっていくということはこれはもう当然です。そのようにしなけりゃならぬと心得ております。また中国との関係につきましては、これは協定は批准されましてもなお中国とよく話し合いまして、円満に理解が得られるようにと、このような努力をするつもりでございます。
  374. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは総理にお伺いします。いずれにしましても非常に短い時間でございますので、端的にお答えいただいて結構でございます。  まず初めに、総理の日中平和友好条約に対する交渉再開を申し入れているわけでございますが、この日中平和友好条約の締結に対する総理の決意を初めにちょっとお伺いしたいと思います。
  375. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日中両国はこれは非常に地理的にもまた歴史的にも近い関係にある国であります。この両国の間の関係が安定するということは、これはひとり両国の問題じゃない、アジアの平和、また世界の平和にとって大事なことである、このように考えるわけであります。そういう認識に立ちまして、六年前に共同声明で日中平和友好条約の締結交渉をいたしましょうと、こういうことになっておりますので、この共同声明の趣旨にのっとり、この平和友好条約が締結できるようにひとつ交渉を開始したい、このように考えております。
  376. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この交渉再開の申し入れを先日したわけでございますが、返事が来ないわけですよね。これは実際問題として私は先日外務大臣が国連総会からお帰りになりまして、当委員会でこの問題についてもいろいろといろんな角度から質問いたしました。あのときの話では、佐藤大使が韓念竜次官に申し入れて、もういま時分はきっと交渉再開、向こうの中国側のあれでは交渉継続がもう始まっているんではないかと、こういうふうに実際のところ思っていたわけですけれども、実際問題としましては中国側の返事がおくれているような印象を私たち持っているわけです。この問題について総理はどのように判断をしていらっしゃるのか、この点まず。
  377. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 確かに私どもが考えておったよりは中国側の回答がおくれております。しかし、これは私は何か事情があっておくれたというようなことではなくて、中国側の外交当局がいま非常に忙しいようでございます。そういうようなことで物理的といいますか、そういうことでおくれておるんだと、このように考えておりますが、それにいたしましてももうぼつぼつ回答がありそうな時期が迫りつつあると、このように考えております。
  378. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 このもうぼつぼつというのは、この間からもうぼつぼつと大分思っているわけですけれども、なかなかこの返事お聞かせいただけないわけですがね。これは実際の手続としては、どういうふうなルートで返事は来ることになるわけでございましょうか。
  379. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 佐藤大使から交渉開始を申し入れたわけでありますから、当然向こうの外交部から佐藤大使に返答があると考えております。
  380. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 当然そうであろうと思います。  そこで総理、いま総理のお考えでもやっぱりおくれているように感じると。しかし、その理由は中国の外交部が非常に忙しいというふうにおっしゃっておりますが、これは実際問題としてこの日韓大陸だな協定、いわゆる協定に関する国内法の審議、日本における、当商工委員会における審議、先日からいろいろな問題が議論になり、かついろんなことが議論になって新聞等でも報道されているわけでありますけれども、そういうふうな問題がやっぱりこの日中間の交渉再開という問題に影響をしているんではないか、こういうふうに思うんですが、どうですか。
  381. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 再開と継続の言葉の相違はありますが、交渉を進めることには、すでに向こうは申し入れた瞬間に同意をしているわけで、したがいまして後はいつごろ、どういうふうにやるかという段取りだけになるわけでありますが、向こうはいま総理がおっしゃいましたとおり、外務長官も外を歩いておりまするし、大体十六日ごろ帰るという話でありましたが、それより早く詰まるかもわかりません。わが方といたしましても、いよいよ交渉が始まれば、先般申し上げましたとおり、中江アジア局長以下の事務当局を北京の大使館に派遣をして始めるわけでありますが、これまた国会が終わらなければ動きがとれないわけでありまして、まあだんだんそういう状況でこちらも待ち、向こうも待っておったわけでありますが、ぼつぼつそういう時期になるのではなかろうか、総理のおっしゃったとおりに判断をいたしております。
  382. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、中国側にもいろいろな事情があり、かつ日本側も十六日まで国会がある、ということは、総理、結局おくれているというその問題についてはおくれているのではなくて、もうぼつぼつ時期が来ているということになりますか。
  383. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) この交渉につきましては、わが方といたしましては国会の関係もあり、国会が終了した後の時点がよろしい、後の時点でなるべく早い時期がよろしい、こういうふうにいま申しており、そうして先方の意見も求めておったわけであります。先方の方の回答がもっと早く来ればよかったわけでありまするけれどもおくれておる、しかしまあそうそうこの問題は基本的には両方とも、条約交渉ひとつ進めましょう、こういうことになっておりますので、そうおくれるということもなかろうかと、このように考えておるわけでございます。
  384. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この、たなは影響ありませんか。
  385. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) これについてはしばしば申し上げるとおり、向こうからの声明並びに抗議はこちらは事重大に受けとめているわけではありますが、しかしそれについては向こうの理解を求めるように努力をしているところでございます。日中両国間には、隣国でありますからまだ問題はないわけではありませんけれども、両国とも日中友好条約の締結という大きな問題を先にしたいと考えておりますので、大体進んでいくものと考えております。
  386. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 たなの問題は、国内で強行採決を初めいろんな問題がごたごたして、非常に議論を呼んでおります。そういうようなことが日中平和友好条約の交渉再開に影響なければいいと私たちもそう思っているわけです。そこでやっぱりこの問題は、たなの共同開発を始めるに当たってはいずれにしても中国の了解を取りつける必要があると、私たちはこのことを再三にわたって申し上げてまいりました。この点については外務大臣の方からも何回か御答弁いただいております。これは総理、この点についての了解を取りつける努力という問題、これは総理を中心にした内閣として当然私、必要だと思うんですよ。それでこの問題について外務大臣から何回も答弁をいただいていますがね、総理はどういうようにお考えですか。
  387. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) この問題についての政府の見解は、私と外務大臣意見が統一されておりますので、外務大臣答弁のとおり御承知願いたいですが、いずれにいたしましても隣国との間にまだ意見の一致が完全にないというようなそういう状態は好ましくないわけでありますから、わが方といたしましてはわが国の立場を踏まえまして、日韓大陸だな協定に批准はいたしまするけれども、その後といえども中国に対しましてはその理解を深めるための最大の努力をいたしてまいりたいと、かように考えます。
  388. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは外務大臣と同じ考えであると、見解は違わないという総理の御見解ですから、私たち、この問題につきましては中国の了承を得る必要はないんだと、しかし、中国側の理解を得る必要はあるということで外務大臣から何回か御答弁いただいておりますが、きょうはもう最後になってまいりましたので、外務大臣、このいままでの見解を、この問題についてのいわゆる統一的な考え方、今後のあり方等も含めて外務大臣の御見解をお伺いしたい。
  389. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) いま総理から申されましたとおり、わが政府としては今後とも中国側の十分な理解を得るよう引き続き最大限の努力をする所存でございます。  なおまた、中国に対しては先般から申し入れてございまするが、日中にかかわる大陸だなの境界画定についても従来より速やかに話し合いに入りたい旨申し入れておりますけれども、さらに高いレベルでこの申し入れをしたいと考えております。  なおまた、本法案が成立をして批准書署名等の場合には、韓国もそういう気持ちでございますから、両方がそういうことの用意ある旨等もまた中国に申し入れる所存でございます。
  390. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この問題については十分な理解を得るべく引き続き最大限の努力を傾けるということでございますから、当然そういうふうな意味で政府としても十分な理解を得るべく最大限の努力をする、これはぜひやってもらいたいと思います。  そこで、いま第二点目におっしゃった従来からのこの大陸だな境界線画定についての交渉というのはどういうレベルでやっていらっしゃったわけですか。
  391. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) その点につきましてはまだ交渉というような段階に入っておりませんで、いままであらゆるレベルで一番高いところですと大使、在北京の大使レベルでございますが、日中の双方にかかわる大陸だなの境界画定につきましては速やかに話し合いをする用意が日本側としてはあるということを申し入れてはおりますが、それじゃその話をしましようというところまでまだきていない、こういう段階でございます。
  392. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 しかし、従来から申し入れをしておりましたレベルといいますのは、大使、局長クラスでございますか。
  393. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) そのとおりでございます。
  394. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、先ほど大臣の見解によりますと、さらに高いレベルにおいて大局的見地ということでございますから、大使あるいは局長以上の交渉を積極的に働きかけると、こういうようにとってよろしゅうございますか。
  395. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) そのとおりと御了解いただきたいと思います。
  396. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますとこの問題は、大使、局長以上ということになりますと、あと大臣とか政務次官とか事務次官とかいうことになるわけでございますから、これはもう具体的にこれ以上申し上げませんが、ぜひこの問題については真剣に取り組んでいただきたいことを申し上げておきたいと思います。  それからもう一点、いまのそういうレベルの話し合いですが、これは非常に大事な問題ですからちょっともう一点お伺いしておきたいのですが、日中平和友好条約がこれから交渉再開になるわけですが、こういうふうないわゆる積極的に理解を求める、あるいは最大限の努力を傾けるという、これは日中平和友好条約の締結の前にもうかかると、こういうぐあいにとってよろしいでしょうか。
  397. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 前にやるか後にやるか、これは今後の技術的な問題でございますので、双方が日中友好条約締結に支障のないように、しかもいま先生から発言されたことの成果が上がるようによく考えてやりたいと思います。
  398. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 基本的には、私は中国の理解を得てから、きょうは委員会、理事会あるいは議長あっせん等によってほぼ質問のあれも決まってしまいましたので、これから先のこととしましては、いわゆるあと政府の手によって批准をするわけですね。ですから、できたら中国の理解あるいはこういうふうな意味での十分な理解を求めるということは、もうわれわれと政府の方とも一致したわけですから、できたら、できるだけ幾らかの理解を得てから批准をする、そういうわけにはいきませんか。
  399. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) どうも事務当局から御説明するのはいかがかと思いますが、事務的に申し上げますと、この審議の冒頭に総理もおっしゃいましたように、日韓大陸だな協定は日韓間の問題として、それそのものとして進める、中国に対する十分な理解を求める努力はこれはこの協定の署名前から始まっておる長い問題でございますが、これも精力的にあわせ進めると、こういうこどになろうかと思います。
  400. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは局長が答弁するというよりも政治的判断を必要とする政府の話なんでね。これはやっぱり総理大臣、一言おっしゃっていただかないと。
  401. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) これはいつやるかということは、御発言の趣旨はよくわかりますが、なかなか微妙な問題でございますから、十分考慮して行います。
  402. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それではもう一点、竹島の問題についてお伺いしておきたいと思います。この問題につきましては、先日総理御出席の席上でもずいぶんいろんな角度からやりました。もう問題点はしほられてまいりました。これはもうどっちにしましても、竹島の問題解決なくして私たちは日韓間の共同開発はあり得ないと、そういうふうな考えでいるわけです、実際問題として。  そこでこれは一つの問題として、日韓閣僚会議あるいは経済協力の問題、いっぱいいろんな問題が当委員会で問題になりました。総理の答弁も何回かこの問題についてお伺いをしました。しかし、実際問題として、私はこの日韓閣僚会議の議題にまずするというのがやっぱりどうしても必要な問題ではないかと、こういうふうに思うんですが、この点についてはどうでしょう。
  403. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 竹島問題については、総理はこの関連法案が成立したのを契機に、心を新たにして平和的な話し合いを進めると、こういう方針を言われたわけでありますが、その方針に基づいて外務大臣は積極的に折衝をしたいと考えております。午前中の柿沢先生の御質問にもお答えしたとおり、閣僚会議もさることながら、それを待たずして外交チャンネルを通じて平和的に話し合いたいと、こういう旨の折衝をしたいと考えております。
  404. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 確かに私は、総理、これは先日の竹島の問題のこの委員会におきます議論を聞いておりまして、総理の答弁は終始一貫変わりませんでしたですね。同じ答弁。よくもこれだけ同じ答弁ができるというぐらい、一歩も二歩も前進もしないし後退もしない。全く心を新たにして平和的交渉で竹島の問題については解決をすると、終始一貫こう言っておりました。きょうも大体こういう答弁先ほどもあったように思います。実際問題として、総理、この大陸だなの日韓共同開発を批准をしてしまいますと、韓国側はこれはまた竹島問題はもう再び解決済みだということで、韓国は強硬姿勢になってしまって、結局竹島の問題は全く解決できなくなってしまうんじゃないか、こういう危惧が現実にあるわけです。といいますのは、私たち決してむちゃを言うんじゃなくて、この問題はいままでからずっとそうなんです、いままでのやり方、韓国のやり方。たとえば、李ラインの一方的な設定とそれに伴う日本漁船の拿捕とか、あるいは竹島のこの間の問題、あるいは金大中事件、いろんな事件等ずっと順番に見てみますと、韓国側の姿勢というのはもう非常に日本に対して強硬姿勢、それで終始一貫しているわけです。そういうような意味では、非常に私は心配をしているわけです。そういうような意味で、大陸だなと竹島問題は確かに問題そのものは別問題ではありますけれども、これは別問題としてそのまま放置するわけにはいかない、そういうふうな気がするわけです。そういうふうな意味で、これはどっちにしても大陸だな協定の批准の前に――  私は二つ言います。少なくとも交換公文に言う、いわゆる紛争地域、竹島は紛争地域であるということを正式に認めさせる、少なくともそのくらいはせにゃいかぬのと違うかと。そうでないと交渉のテーブルにすらつかないんです。これはもう総理も御存じのとおり、何回も局長の説明がありましたように、韓国自身がそのことを、竹島はもう固有の領土で紛争地域ではないと言っているわけですから、交換公文に言う、いわゆる紛争の平和的解決という、そのところじゃないと言っているわけですから、それじゃ困るわけです。この点正式にやっぱり認めさせるというのがまず第一だろうと思うんです。  それからもう一つは、竹島から、いわゆる警備隊とかああいうような設備、いろいろなものを撤去させて、できたら原状回復をさせる、そして交渉に入る、このくらいのことはできないか、こう思うんですが、この点どうでしょう。
  405. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 竹島の交渉に入るについて、まず第一には、交換公文に書かれたところの紛争は平和的に解決をするというその紛争の問題であるという認識を確かめることから始まり、続いては竹島というものをいまおっしゃったような状態にするという段階があると思います。その点については、全く御意見のとおりでありますが、問題は、大陸だなを残しておいてそしてこれでやるということではなくて、われわれは韓国との約束、信義は尽くすべきは尽くし、守るものは守る、そして相手にまた守るべきものを求める、こういう方向でいきたいと考えております。
  406. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 閣僚会議の問題については、これはどうだったですか。
  407. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 先ほどお答えしましたとおり、外相定期会議がありますが、この議題にすることは当然でありますが、その前から外交チャンネルを通じて閣僚会議を待たずして折衝は始めるべきものであると考えております。
  408. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 その会談では、大体外相レベルの会談という方がこれは具体的に交渉できると外務大臣は判断をしていらっしゃるわけですね。
  409. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 総理が心を新たにしてやるというお指図でありまして、私は必ずこの会議には議題にのせるよう外交折衝を逐次進めていく、その決議を持つでおります。
  410. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 総理が心を新たにしてとおっしゃっているのは、総理御自身がというよりも、これはもう外交のトップにいらっしゃる外務大臣を先頭にということでございますね、総理。
  411. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まあそういう趣旨も含めての意味でございます。
  412. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、外務大臣がこの閣僚会議で折衝するよりも、外務大臣が外相会議でこの問題を取り上げるということがより効果的であると、そういうふうに判断をしていらっしゃるとすれば、ぜひそういうことでやっていただきたいと思います。  そうしますと、その外相レベルの会談では、当然竹島の領有権問題がいわゆる交換公文に言う紛争の地域である。これをやっぱり認め合うということから始まるということですが、それはそのとおりでございますか。
  413. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 折衝の段階は先ほども申し上げましたとおり、先生の御発言の段階を私も考えております。
  414. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、ということは逆に言いますとぜひこれは外務大臣がこの問題についてこれから交渉をするに当たりまして、先日の当委員会でも、竹島の問題で韓国は交換公文に言う、いわゆる紛争地域ということに竹島は当たらないという答弁を韓国側の国会では何回か述べられているわけですね。そういうような意味では、これは非常に問題があるということで、もし韓国側がそれに応じてこないとすれば交換公文の違反ということになる。そのこともこの間確認をいたしました。そういうような意味ではやっぱりこの外相会談というのは、もうしょっぱなにこの問題をがっちりしたテーマにして、それ相応の決意でこの問題に取り組んでいただきたいと思うんですが、どうでしょう。
  415. 園田直

    ○国務大臣(園田直君) 御発言のとおり私も考えておりまして、今国会中に御審議を願いました閣議の御意見等に留意をしつつ、閣僚会議を待たずとも外交チャンネルを通じて外相会議の議題にこれをのせるよう、本件問題の解決について腹を据えて強く働きかける所存でございます。なおまた、働きかける場合は、先ほど先生がおっしゃったような段階を私も考えておることもまた改めて念を押しておきます。
  416. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 腹を据えて強くとおっしゃっておりますから、ぜひそういうふうな意向で取り組んでいただきたいと思います。  私の持ち時間が非常に少なくなってまいりましたので、次に漁業補償の問題について政府側のきちっとした答弁をお伺いしておきたいと思います。  実際問題として先ほどからもお話ございましたように、この日韓大陸だな共同開発区域の漁業補償の問題であります。これはエネルギー庁長官が実際問題として窓口で共同開発権利者に対するいろいろなあれをやるわけですね。そういうような意味では、漁業補償という問題ですね、これはいろんな角度からもそういう問題が出てくると私は思います。そういうような意味では、いろんな角度からやっぱりきちっとした通産省の姿勢というものが大事だろうと思います。この問題についてはいろんな角度から何回か議論をされましたけれども、総括的に何点かありますが、まずエネルギー庁長官の方から、この問題てついて通産省としてはどのように考えていらっしゃるか、統括的に御答弁いただきたい。
  417. 橋本利一

    ○政府委員(橋本利一君) 共同開発区域におきます石油の探査開発事業と漁業の調整ということにつきましては、協定あるいは本特別措置法案を通じて非常に配慮いたしておるところでございます。いままでに何度かお答えいたしましたが、共同開発事業契約の中に漁業との調整事項を盛る、あるいは重要な魚礁の存在する地域を指定いたしまして、その中における探査あるいは採掘の事業について許可制にかからしめるといったような手を十全に打っておるつもりでございますが、この際一つ申し上げておきたいことは、いわゆる大陸だな開発に当たりまして漁業補償がどういうふうに行われるか、われわれはそれに対してどのように指導してまいるかということを付言しておきたいと思うわけでございます。  一般的に申し上げまして大陸だな開発を行う段階におきまして、探査あるいは試掘等の作業を行うに当たりまして開発会社から漁民に迷惑料なるものが支払われておるのが通常でございます。これは探査、試掘等の作業によりまして漁業が影響を受けるおそれがあるために、作業期間中における漁業の休業補償あるいは漁獲の減収補償といったような意味を持ったものでございますが、作業時間あるいは作業の時間、漁業の実態等に応じて変動があるわけでございますので、具体的ケースにつきまして開発会社と漁民との話し合いによって金額が決められるということでございまして、この迷惑料につきまして合意されない限り実際の探査、試掘等の作業は開始されない、こういうふうにわれわれは認識いたしておるわけでございますが、本日韓大陸だな開発におきましても、当然にただいま私が申し上げたような意味合いにおける漁業補償が、開発権者と漁民との話し合いによって支払われることとなるというふうに理解いたしております。  この漁業補償につきましては、協定の中でも、旧韓両国政府はそれぞれの国の漁民との調整に当たりましてそれぞれの開発権者を指導するということになっておりますので、日本側の開発権者につきましては、当然日本政府がその行政指導に当たるということになろうかと思います。その際は漁民の満足が得られるように十分に開発権者を指導してまいりたいと思っております。漁民と開発権者の話し合いがつかない限り作業が見切り発車することのないようによく指導してまいりたいと、かように考えるわけでございます。
  418. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これはぜひいま長官がおっしゃいましたように、漁民と開発権者の話し合いがつかない限り作業が見切り発車することがないように、ぜひともこの点については取り組んでいただきたいと思います。  それから、時間がなくなってまいりましたので最後に通産大臣、これはこの問題もこの委員会で何回か確認をされ、出た問題でございますけれども、石油開発公団の投融資の問題であります。  この問題はやはり今後重要な問題になってまいります。すなわち、あの昭和五十年三月二十八日の衆議院の商工委員会の附帯決議にのっとって、いわゆる国際紛争のおそれのある地域の探鉱事業に対しては投融資は行わないことを原則とすると、こういう附帯決議があるわけですが、これを踏まえまして、今回のたなの開発に当たりましてもこの点についてやっぱりきちっとした通産大臣の御答弁をお伺いしておきたい。
  419. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 昭和五十年三月の衆議院商工委員会の附帯決議の趣旨を踏まえまして、中国から異議が出ております間は公団の投融資はしないと、こういう方針でございます。
  420. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 最後に総理一言で結構ですが、竹島の問題であります。いまの質問の趣旨とは別にしましても、竹島の漁民の皆さん方の苦労という問題につきましては先日総理御出席のときにも申し上げました。重ねて申し上げますが、この竹島の問題については、これはいずれにしましても日本の固有の領土であるという点については総理と私たちと考え方は一致しておるわけでございますので、心を新たにしてというあれはありますが、それこそ決意を新たにしてこの問題にぜひ、私は韓国側がどういう態度に出てこようとも、この問題を解決するために努力をするということを再度お伺いしておきたいと思います。
  421. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) この問題は、竹島の領有権問題、これが解決されるということが最終的に確認をされなければならぬ問題でございますが、それまでの間、とにかく漁民の安全操業ですね、これができるように、この安全操業の確保ということを旨として対処してまいりたいと、このように考えております。
  422. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでその先の、竹島の問題の安全操業はわかりましたけれども、竹島の返還の問題をやっぱり一言言ってもらわぬと。
  423. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 竹島につきましての本委員会の御論議、これはよく承知しております。その御論議を踏まえまして、これは日韓大陸だな協定、これの批准の一つの節目に当たりまして、決意を新たにいたしましてこの解決に取り組んでまいりたい、このように考えております。  そういう立場から、秋には日韓定期閣僚会議があります。その閣僚会議を待たずともこの外交チャンネルを通ずる話し合いを始めたい、また秋の日韓定期閣僚会議、その際には両国の最高の責任者が会うわけでありますから、その機会にもこの問題を扱いまして、そして何とかしてわが国の立場を踏まえての解決に導きたい、このように考えております。
  424. 市川正一

    ○市川正一君 総理は、先ほど秋田発言について弁明をなさいましたけれども、私どもが現地で実際に総理の話を聞いた人に確認をいたしております。事はそれほど複雑な問題ではなしに、間違えようのないきわめて単純明快な問題です。しかも総理は質疑打ち切りを強行しなければいまごろは予算委員会に出ていなければならなかったともおっしゃっている。もともと十日には参議院の予算委員会が開かれ、私も質問者として予算委員会の席で総理と相まみえているはずであった。ところが、いまごろは予算委員会に出ていなければならなかったというのは、まさに与野党国対委員長会議で決めたこの国会の予算委員会よりも政経文化パーティーの方が大事だといいますか、重視するといいますか。そういう不謹慎な発言ではないんでしょうか。どうでしょうか。
  425. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、私は国会尊重主義、これで一貫をいたしております。その私が国会を軽視する、そのようなことはあり得ざることである、このようにひとつ御認識を願いたいのでございます。  後段のお話で、予算委員会云々のお話でございますけれども、これはもう予算委員会があるので私は来られないかもしらぬと、こういうところ予算委員会がなくなったので参上することができました、こういう話をしたのです。これはあたりまえのことを話したわけで、これは何のことはないと思いますが、前段のことにつきましては先ほど小柳さんにお答えしたとおりであります。私は国会尊重主義者であるという認識の上に立ってお考えいただきますれば、何の疑いも差しはさむ余地のないことである、このように考えております。
  426. 市川正一

    ○市川正一君 いまおっしゃったのですが、実際に今回の秋田での出席、それからまた総理の御発言を見ますと、今回の質疑打ち切りについて新聞報道などは表面上は自民党の強行策とはいえ、裏で話し合いがついていたというこの種のいわば疑惑を報道しております。八日に質疑打ち切りの強行、九日、十日国会が空転する、そして議長あっせんというような筋書きがあったとする説を裏づけるともいうような総理の行動、言動じゃないんですか。実際に衆議院の予算委員会が九日ですから、その予算委員会を控えた八日の段階でも総理は秋田への欠席を決めることなく、いわばこの強行採決の日程を待っていた、こういうふうな読み方もできるんじゃないですか。その辺はどうでしょう。
  427. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) それは邪推というものでございまして、私は国会尊重主義、これで一貫しておるんですから、さような邪推はされないようにお願い申し上げます。
  428. 市川正一

    ○市川正一君 しかし、実際にあなたがあそこでおっしゃったこと、また、そういう行動自体は私は国民が客観的に見て判断することだろうというふうに思います。  さて、先日の連合審査の場でわが党の立木議員が指摘いたしましたように、日韓大陸だな北部の境界線の画定協定で、わが国固有の領土である竹島を無視して座標三十五が決められる、中間線原則がゆがめられているということを明らかにいたしました。竹島はわが国の固有の領土であり、かつ国際法上も基点となり得る島、島嶼であるということは明白であります。ところが政府は、竹島が島でない、そういう口実でこれを基点にせずに北部の大陸だなの境界を画定しております。これは事実上わが国固有の領土である竹島を二十六年間にわたって放棄してきたことを合理化するための議論ではないんでしょうか。この点政府の見解を改めてただします。
  429. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) ただいま先生は、竹島が島でないから基点に使用しなかったというふうに一言で片づけられたんでございますけれども、北部の境界画定協定で竹島をどういうふうに扱ったかという点につきましては、過去いろいろ議論がございましたので、この際ひとつ整理して御説明申し上げたいと思います。  まず、座標の三十四と座標三十五――三十五というのは一番最後の点でございますが、その間の線は、日本側は児島、韓国側は江沙里、これを基点として引いた垂直二等分線、すなわち中間線であるわけでございます。  第二に、竹島を境界画定の基点といたします場合には、座標三十四と座標三十五の間を結ぶ境界線上のある点、これは正確に申し上げますと北緯三十六度五分五厘、東経百三十一度十分五厘、この点から北西方向に屈折することになりますが、竹島をそもそも本協定における境界画定上の基点とすべきかどうかという点につきましては、御記憶のように、昨年の五月十八日の衆議院外務委員会において当時の鳩山外務大臣から「二百海里経済水域ないし大陸だなの境界画定に当たって、その上において独自の経済活動を営み得ないような岩礁は基点とすべきでないという有力な議論もあることも事実でございまして、これも無視し得ないところでございます。そもそも竹島自体は、現行国際法上の大陸だなを持っておらないということ、それから北部境界画定の対象となっている大陸だなとはつながっていないというので、境界画定に当たって基点とはしなかった次第である」、こういうふうに鳩山当時外務大臣が説明した経緯がございます。政府といたしましては現在もこのように考えております。  いま申し述べました竹島の取り扱いは、あくまでも基点として用いるか否かの技術的な問題で、竹島に対するわが国の領有権に何ら影響を及ぼすものでないことは申すまでもございません。そういうことでこのような解決が、この地域の鉱物資源の開発が、いまのところ現実的に問題にならない地域であることでもございますので、日韓間の境界画定の対象とする必要を認めなかったと、こういうことでございます。
  430. 市川正一

    ○市川正一君 中江局長のいまの御答弁は連合審査における立木議員の質問、やりとりの中でもいろいろ出てまいりました。立木委員はそういう問題についてぜひ商工委員会の方でなお詰めた議論をやってほしいと。で、当時の座長をやっておられた楠委員長が承知しましたと、こういうことになっているわけでありますが、その後残念ながらこの問題についてはまだ詰めがなされていません。  で、私はいまの御見解について、ただ単純に島でないという理由でというふうに申しましたけれども、これはやりとりを前提にして申し上げているんであって、あのやりとりの再現を私ここでやる時間の余裕がないわけです。ただ明白なことは、竹島が大陸だな境界画定の基点になる島であるということを私は国際法的に見てもそれは立証できるということを改めて強調したいわけです。  それは第一に、一九五八年の大陸だな条約第一条(b)項に島といえども大陸だながあることを明記しているわけです。これは十分竹島において適用できる。かつ、同じ日採択された一九五八年の領海及び接続水域に関する条約第十条でありますが、   〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものを言うというふうに明記しております。私は、こういう点からも竹島が基点としてなり得る島だということは、これは国際法上もまた実体的にも明確なんだと。またさらにつけ加えるならば、竹島は鉱業権あるいは漁業権が設定されて、かつ、実際には人間もそこに住んでいる、いまは残念ながら日本人じゃなしにそれが韓国の警備兵が居座っているわけでありますけれども、そういう点から見て、第三次海洋法の会議第六会期の非公式統合交渉草案第百二十一条の島の定義にも完全に一致している。にもかかわらず、ここを基点にしないという点について、やはりこれはいわゆる韓国との間の竹島問題の紛争というものが何らかの形で影響をしていると言わざるを得ない。この問題は日本の主権にかかわり、そしてまた現実に起こっている事態を結果として避けるという形で容認するといういろんな点できわめて重大であるということを私は改めて指摘しているわけです。  ですから、さきの連合審査におけるやりとりの再現でなしに、私はこの面についての結論的な御見解をもしあるならば承りたい。なければこの問題はなお残して進みたいというふうに考えております。
  431. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 結論を一口で申しますと、竹島はおっしゃるように島としての性格は持っている、しかしこの北部の境界を画定するときには基点としては使用しなかった。しかし基点として使用しないということと領有権をどうするか、つまり日本が固有の領土であるという領有権を持っているということには害にならない、これが結論でございます。
  432. 市川正一

    ○市川正一君 ではその竹島それ自体の問題について伺いますが、先日わが党の安武委員も明らかにいたしましたように、竹島における韓国の不法占拠の状況というのは、まさに一方的、かつ、不法な武力による占拠という状態だと言うことができますし、これは福田総理もそのようにおっしゃったと思う。  ところで、外務省の見解を伺いたいんでありますが、こういう竹島の状態というのは、たとえば国連が四九年十二月十四日に安保理事会のガイドラインとして「侵略の定義」を作成しております。これもせんだって安武委員がいろいろやりとりをいたしましたが、この第三条、簡単ですからちょっと引用してみますと、「国家の軍隊による他の国家の領土に対する侵入もしくは攻撃、一時的なものであってもかかる侵入もしくは攻撃の結果として生じた軍事占領または武力の行使による他の国家の領土の全部もしくは一部の併合」というものにいわば当てはまるような事態ではないのかどうか、私はこれを安保理事会に、国連に提訴せよとか、そういうことを言っているんじゃないですよ。いわば認識としてこういうガイドラインの第三条に当てはまるような事態ではないのかということをお聞きしたいと思います。
  433. 大森誠一

    ○政府委員(大森誠一君) ただいま先生御指摘の一九七四年に国連総会で採択されました「侵略の定義」につきましては、その前文中でも明らかにしておりますように、これは国連憲章第三十九条に規定しております侵略行為に関して安保理事会がその存在を決定するに際し用いるガイドラインとして作成されたものでございます。したがいまして、ある国のある行為が侵略であるか否かがその定義によって直ちに決定されるといった性質のものではございません。韓国による竹島の占拠は戦後間もなく行われまして、自来両国間の紛争となってきたものでございますが、日韓間の紛争につきましては、この後国交正常化の際一九六五年に結ばれました紛争解決に関する交換公文によりまして平和的に解決することとされているものでありますから、私どもといたしましては今後ともこの交換公文にのっとって竹島問題の解決を図っていくことが筋であると考えております。このような点からすれば、韓国の竹島占拠が侵略を構成するか否かを軽々に認定することは適当ではなく、また問題の解決に資するものではないと考えているものでございます。  なお、私どもといたしましては竹島はわが国固有の領土であるとの立場をとっておりまして、したがいまして、竹島に駐留している韓国の監視隊は同島を不法に占拠しているという認識でございます。
  434. 市川正一

    ○市川正一君 条約局長は前からそういうふうにおっしゃっているんですが、要するにこのガイドラインなるものに照らし合わせてどの一つ一つをとっても竹島の事態というものは合致するということを私は言っているだけで、別に国連に提訴せよとか云々のようなことをいま直ちに言っているわけじゃないんですから、まあ安心してください。  問題は総理、こういうふうにいわば韓国による竹島の不法占拠という状況を見た場合、ここに日本と韓国との間で国際的な信義というもの、両国間の信義というものは存在しているんでしょうか。先日、本委員会において、園田外相も国際信義あるいは両国間の信義というのは存在しない状態だということをはっきりお認めになりましたが、こういう状況のもとで韓国と大陸だなを共同で開発するという協定の批准をなぜお急ぎになるそういう必要があるのか、こういう点についてこの機会に明快にお答えをいただきたいと思います。
  435. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 竹島はわが国の固有の領土でございます。ところが、これが戦争直後のわが国の国際地位が非常に弱い、その時期に今日のような不幸な事態になってしまった、こういうことでございます。この不幸な事態を何とかこれは是正しなきゃならぬというのが政府の立場でございますが、その是正の手段といたしましては、これは平和的にこれを処理する。これは日韓基本条約におきましても、紛争のあるものにつきましては平和的な話し合いによってこれを解決する、それができなかった場合には調停に持っていくということまで書いてあるんですから、その基本条約に従ってこの問題を処理する、こういうこと、これが私は日本国としてまさにとるべき姿勢ではあるまいか、そのように考えておるわけであります。  とにかく四年前にこの協定は調印をされた、しかもその協定につきましては国会の承認議決があったということになっておるわけであります。これが批准をされないままに放置されるということは、日韓の基本関係に重要な支障があるという認識のもとに、一刻も早くその批准を急ぎたい、このように考えるわけでありまして、これが政府の見解であります。
  436. 市川正一

    ○市川正一君 総理、あなたは、いまおっしゃった協定、この前文にどう書かれているか御存じですか。「両国の間に存在する友好関係を助長することを希望し、」とこうある。しかしいまの事態は、まさにこの友好関係を助長するどころか、実態では、竹島問題に見られるようにきわめて非友好的な、信義に反するような事態が続いている。それは竹島問題だけではないんです。この協定に関して言っても、たとえばいわゆる単独開発問題があるのです。  外務省にお聞きしますが、外務省はもしこの協定の批准書交換がおくれた場合に、韓国が一方的な単独開発着手をやる可能性があると考えておられるのか、どうでしょうか。
  437. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) ただいま、外務省といたしましてはできるだけこの協定を批准し、批准書を交換して発効させる、効力を発生させるということに全力を挙げておるときでございますので、それができないときに、いわんや相手の国がどうするかというようなところまでせんさくするということはいたさないのでございます。
  438. 市川正一

    ○市川正一君 それでは、共同開発区域内での韓国の一方的単独開発着手というのは、日本の側から見て、法的にはどういうことになるのでしょうか。
  439. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 韓国は、この協定を締結しております以上、そういうことはしない、またできない、こういうふうに思います。
  440. 市川正一

    ○市川正一君 やるやらぬということじゃなしに、仮にやった場合には、それは協定をじゅうりんして日本の主権的権利をいわば侵すということになることは必定でありますが、さて、外務省中江局長は、そういうことはせんさくしないし触れないというふうにおっしゃっておりますけれども、しかし、まさにその外務省自身が、この韓国の単独開発着手という恫喝的な態度に事実上屈服して、協定の批准を急いでいるという証拠文書があります。これは、「日韓大陸棚協定早期締結の必要な理由」、外務省情報文化局、去年の四月の発行のものです。この中に、「韓国の単独開発を回避」ごらんになってください、五ページです、そういう小見出しで、「韓国側は一方的開発に踏み切るおそれがないわけではありません。」とはっきり言うています。口で言うよりも活字になっているのですよ、外務省のこのパンフレットの中に。そうして、結論として、だから早いことやらぬとあかぬのだというのがこれのあなた論旨じゃないですか、簡単に言えば。こういうパンフレットを出している。単独開発いわば事実上の必至論です。総理がせんだっての竹島問題の集中審議の際に、韓国の単独開発着手を容認するわけにはいかないときっぱりこの席でお答えになりました。さすがだと思うのですが、それと、このパンフレットに示されている外務省の態度というのは、根本的に私違うと思う。私は、単独開発を容認するのかしないのか、それを、こうなっている以上はっきり、総理がおっしゃったようなことなんでしょうと思いますが、もう一度はっきりさしていただきたい。
  441. 中江要介

    政府委員(中江要介君) 日本政府といたしましてこの協定を締結し、その協定そのものの御承認を得まして、後、関連国内法案の審議を鋭意努力しておりますいま、こういう段階におきまして、韓国が一方的に単独開発することが容認できないというのは、これは当然のことでございます。
  442. 市川正一

    ○市川正一君 だとすれば、このパンフレット、「韓国側は一方的開発に踏み切るおそれがないわけではありません。」というのは、これは削除しますね。
  443. 中江要介

    政府委員(中江要介君) 先生、ちょっとその手前も読んでいただきたいのでございますが、「我が国がいつまでもこの協定を放置しておくと」ということでございます。これは協定を締結いたしまして、そうして署名をいたしまして、そしていつまでも放置しておきますと、これはやはり新たな国際法上の問題が生ずるわけでございます。したがいまして、いつまでも放置しておくとそういうことになると、こういうことでございます。
  444. 市川正一

    ○市川正一君 それはあなた、同じことじゃないか。いつまでも放っておくとそうなるから早いこと批准せいと、だから早いこと国会も上げろということと同じじゃないですか。だから、いずれにしろ一方的な単独開発のおそれありということでおどしているわけですよ。だから早くやれと、こういう論理は、これは先ほど来総理も確認され、そしてあなたもそれを追認された単独開発、断じて容認しないという態度と明らかに矛盾します。  そこで、私はこのパンフレットは取り消すべきであるということをこの機会に外務省に対して強く望むものでありますが、こういう事態というものはそれだけではないんです。たとえば本委員会での審議を取り巻く状況においても、三月二十七日、野村公使に対して今国会会期中に関連国内法案が処理されない場合強硬な対抗策をとるということを韓国政府が表明する、あるいは四月十一日には金駐日大使が安井参院議長のところへ、そこまでやってきて早期成立を要請するとか、政府間のいろいろなやりとり、これはあるでしょう。しかし、立法府の国会に対してまで、参議院議長にまでこういうことを言ってくるというのは、まさに異例だと言わざるを得ぬと思います。私はこれは内政干渉的な行為とも言えるようなものであるというふうに考えますが、総理どうお考えでしょうか。
  445. 福田赳夫

    ○国務大臣福田赳夫君) 私は外務当局から韓国から正式にそういうような申し入れがあったということは聞いておりません。
  446. 市川正一

    ○市川正一君 じゃ、この事実を改めて確認、お調べになった上でまたお聞きする機会があるかと思います。これは国会だけではないんです。たとえば去年の五月には長崎県の久保知事あるいは松田県会議長に対しても韓国の政府高官が早期批准のための電話工作を行うとか、あるいはまた大陸だながだめなら、二百海里宣言を本格的に推進するとか、こういう漁民に対するおどしかけをやっております。総理は恐らくこういうことを御承知だろうと思いますけれども、御承知でしょう。
  447. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 承知しておりませんです。
  448. 市川正一

    ○市川正一君 これは国会でも取り上げられたことがある問題です。こういう圧力の中で表面上賛成している漁民も、先日私ども現地公聴会に参りましたが、本心は反対にもかかわらず、やむなく賛成しているというのが実情です。こういう状況、こういう窮地に漁民を追い込んでいるのは、私は韓国の圧力に毅然とした態度をとってこなかった政府の責任である、こういうふうに考えます。  そこで私は、時間が追ってまいりましたので、あと若干の一、二問の質問で終えたいと思うんでありますが、協定が成立してから四年もたったというふうな言い分が一部にありますけれども、竹島は二十六年ですよ。二十六年も不法な占拠を竹島でやったまま居座っている。わが国の国会はこの協定に対して、また国内法に対して慎重審議をやっているというのが事実である。まさにそういう点では、韓国国会のことをとやかく言うわけではありませんけれども、わが国の国会はまさに真の国益の問題をめぐって慎重な審議を続けてきたというのが実態であります。  先ほど来明らかになりましたこういう竹島の事態、単独開発をめぐる韓国側の態度、国際信義にも反し両国間の友誼にも反するという園田外相の見解を踏まえて、総理、こういう相手をパートナーとしてそして一緒に共同開発をやってうまくいけるのか、そういう自信はおありなんですか。
  449. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 自信があればこそこの条約の批准を国会にお願いをいたしておる、こういうことでございます。
  450. 市川正一

    ○市川正一君 これだけわが国の主権を侵し、また国際信義を無視している韓国と、なおかつ共同開発を進める、そういう自信があるという点では、これは私はもはや正当な理論というふうには言えない、こういう感じが率直なところいたします。こういう点で私は重大な疑惑の一つは、これが朴政権へのてこ入れのためではないかという問題があります。先般当委員会で参考人の質疑をいたしましたが、その際に共同開発区域の先願者である日本石油開発の伊藤常務が、朴政権が批准を急ぐのはことし予定されている大統領選挙での朴大統領のいわば目玉商品になっているからだということをおっしゃっている。これを彼は確認をいたしましたが、だからこそ十月には単独開発も辞さないという態度をとっているというふうに私は考えます。  私は、今後半世紀にわたって日本の主権的行使の侵犯を許す協定、これに対する特に総理の責任は、必ずや国民の断罪を受けるであろうということを強調いたしまして、時間が参りましたので質問を終わるものであります。
  451. 井上計

    ○井上計君 わが国の今後の問題、特にわが国の財政あるいは経済、産業等の見地から考えまして、石油はもう国の血液に等しい、したがってあらゆる努力を傾注して石油の自給率を高めていく、これはもう国益上当然であるということにつきましては、先ほど外務大臣、通産大臣あるいは外務省、通産省当局からお答えをいただきまして、私の理解は一層深まっております。日韓大陸だなの共同開発の必要性についてはもうこれ以上論ずる必要はない、こう考えておりますが、ただこの地域の開発に対して中国が抗議声明を三回にわたって行っておる。この抗議声明につきましては、先ほど来総理の御答弁がありました、中国の主権をいささかも損ねるものではないと明確に総理お答えでありましたので私は了としております。  ただこの点について、中国がわが国の説明に理解を示し納得するであろうというふうに私もまた期待しますし、総理もまた確信をしておられるようでありますが、そこで私、この点について他党の委員からまだ全く質疑がなされていない点がありますので、その点について外務省当局並びにまた総理にひとつただしてまいりたいというふうに思います。  それは、昭和二十五年すなわち一九五〇年の二月の十四日にソビエトと中国との間に締結をされましたところの俗に言うところの中ソ友好、同盟及び相互援助条約であります。この前文にははっきりと、   ソヴィエト社会主義共和国連邦最高会議幹部会及び中華人民共和国中央人民政府は、ソヴィエト社会主義共和国連邦と中華人民共和国間の友好及び協力を強化し、日本帝国主義の復活及び日本国の侵略又は侵略行為についてなんらかの形で日本国と連合する国の侵略の繰り返しを共同で防止することを決意し、  云々とずっと続いております。そして第一条には、   両締約国は、日本国又は直接に若しくは間接に侵略行為について日本国と連合する他の国の侵略の繰り返し及び平和の破壊を防止するため、両国のなしうるすべての必要な措置を共同して執ることを約束する。   締約国の一方が日本国又はこれと同盟している他の国から攻撃を受け、戦争状態に陥った場合には、他方の締約国は、直ちに執ることができるすべての手段をもって軍事的及び他の援助を与える。  まあ第一条以下ずっと続いておるわけであります。はっきりとこの条約に示されておりますように、中国はソ連と共同して日本を完全に敵国視しておるという条約であること、これはもう明瞭であるわけであります。この条約は三十年の効力を有するわけでありますから、一九八〇年の二月の十三日まで有効であるということでありますけれども、実はこれは日中平和友好条約の締結を目指して交渉を再開をするということは、わが国はこのような条約が存続しておる、まだ有効期間中であるということをあえて承知をしておりますけれども、中国が言っておりますところのこの中ソ同盟条約は完全に死文化しておる、来年の二月の十三日でありますか、すなわちこの国際法上から言って一年前の来年の二月の十三日には廃棄通告をするという言明を信用して日中平和友好条約の締結を目指して交渉を再開をされるということであるわけでありますけれども、これらのことについては全面的に中国側の言明を、廃棄をする、死文化しておる、この言明を信用してそして了承をしておられるのかどうか、この点をひとつ外務省当局にお伺いをいたしたいというふうに思います。
  452. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 事務的に申し上げますと、まずいま御指摘の条約は、細かい点でございますが、二月十四日は署名日でございまして、効力発生が四月十一日でございますから、当初有効期間が終わるといたしますとこれは四月十日までということになりますので、その点はひとつそういうふうに御認識いただいた方がいいかと思います。  それから第二点に、この条約は中国とソ連の条約でございますので、これをどう扱うかは中国とソ連の問題であるということがございます。したがいまして、第三国である日本国からこの外国間の条約についてどの程度のことが言えるかというのは、これは一つ問題がございます。しかしながら、御指摘のようにこの条約は日本国、日本国民そのものではございませんけれども、日本国の侵略あるいは新たな平和の破壊、そういったものを念頭に置いているという意味で日本を敵視していると一般的に言われております。  その点について日本の国民の方にいろいろの危惧があるということも私ども承知しております。で、この危惧は払拭する必要がある。その場合に、政治的に見ますと、この条約がよって立ちました一九五〇年の国際情勢、特に当時の中ソ関係と、一九六〇年代に入りまして以降の中ソ関係とは全く違っているということがございますので、中国はもう存在の意義を失っていると、こういう言い方をいたしまして、あるときには名存実亡という言い方もしております。しかし、いまおっしゃいますように、それが具体的にどうなっていくのかというのは、これはたびたび政府側から申しておりますおうに日中平和友好条約交渉の過程において、その点は日本国民の納得のいくようなことを、何らかの措置を考えてまいりたいということでございまして、それについて具体的にどうするか、どういう見通しかということは、いまはまだ申し上げ得る段階になってないと、こういうことでございます。
  453. 井上計

    ○井上計君 私が言わんとするところは、この取り扱いについてどうするかということではありません、きょうのところは。先ほど来小柳委員初め各委員の質疑を伺っておりますと、中国がこのような日韓大陸だな共同開発について反対をしておる。そういう反対をしておる以上は、この大陸だなの共同開発はやるべきでないと、批准はしてはならないという発言が強くなされておるわけであります。  この論からまいりますと、実はこの中ソ同盟条約がどのような、わが国が納得する形で説明がされるか知りませんけれども、先ほど来のそういうふうな、いえば中国の反対があるからわが国は日韓大陸だなだめだと、待つべきだと、中国の反対がなくなるまで待つべきだという論理からすると、完全にこれが日本の敵視政策とするところの中ソ同盟条約がもう完全に失効したと、効力を失ったときまで待つべきだという論理を私は誘発しかねないと思うんですね。だから、非常にこの点については、私は、わが国が中国のこの問題については中国側の申し入れをまあ信用して理解をしておるから、いえば日中友好条約の締結を目指しての交渉が行われ、また再開をされるんだと、こういうふうに考える。  私は、こういうことになってはいけませんので、総理が言われるように、双方が十分納得したならば、速やかに締結をされることが望ましいという私自身考えに立っております。相手が納得するという中には、やはり相手を信用するということが当然必要であり、したがって、中国に日本はこういうことについてこんな重大な問題でも納得し理解をしておる、信用するんだからというふうな自信を持って、この日韓大陸だなの共同開発については中国の主権をいささかも損ねるものではない、まあ自信を持って強くひとつ中国側に意を尽くしていただければ、私は当然のことながら中国は快く了承する、納得することは間違いないと、またそのようなことがわからぬような、納得しないような中国であるなら、逆に言いますと、日中平和友好条約についての締結は私はやはりさらに慎重になるべきだと思いますけれども、私は早く締結をするというお互いの、わが国の方針であるとするならば、私は先方もそれについては十分納得してもらう、日韓大陸だなについては。そうして早く了承してもらって、むしろわが国が石油の自給率を高めることはアジアの平和に寄与するんだという、そのような理解を中国にひとつ求めるべきだと、こう考えますが、総理、どうお考えでありましょうか。
  454. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日韓大陸だな協定の締結に当たりましては、これはまあよほど慎重に検討したわけです。それで、まあこの中国の権利にかかわりのないように線引きをしなきゃならぬと、日韓間だけの問題に局限をする、まあこういうことで線引きを決めたわけでありまして、したがって、日本政府といたしましては、中国から物言いがつくという理由は考えられない。しかし、現実には中国から物言いがついておる、こういうことでありますので、これはあくまでも中国側に対しましてそういう立場であるというわが国の見解を粘り強くお話しいたしまして、お話がありましたように中国側の理解を得たい、このように考えておるんです。中国側も私は理解していただけるんじゃないか、そのように考えております。
  455. 井上計

    ○井上計君 ぜひ総理、そういう強い自信をお持ちをいただいて、中国側をひとつ説得をしていただくといいますか、中国側が早く納得するような行動をぜひおとりをいただきたいというふうに思います。中国の主権を全く損ねないというわが国のこの考え方、日韓大陸だな共同開発についての考え方、それを中国が納得、了承することは当然だというふうに考えておりますので、さらに一層ひとつ御努力をお願いをいたしたいと、こう思います。  そこでもう一つ、これは外務省当局にお伺いしたいと思うんですが、韓国の人権問題云々ということがしばしば当委員会でも言われております。あのような非民主的な独裁国と日本がこれから友好的に特にパートナーとして共同開発をやることは適当でない、こういうふうなことがしばしば言われておるわけであります。同時にその反面、北朝鮮があたかも民主的だと、そういうふうな実は表現もなされておるわけであります。私は、北朝鮮のこの日韓大陸だなについての抗議声明については、先ほどの質問の中で外務省当局にはっきり確認をいたしました。すなわち全く非常識なもう論評する限りでないようなわが国を侮辱をしたようなこういう抗議声明である。さっきも申し上げましたけれども、言いかえますと悪い表現ですけれどもやくざの果たし状みたいな、そのような抗議声明を一方的に発表しておる、その北朝鮮の抗議をまともに取り上げる必要は全くない、先ほど私が申し上げたとおりです。  そこで、北朝鮮の実は内部事情がわれわれには全く伝わっておりませんから、あたかも北朝鮮の実情が韓国と比べて人権問題は全くない、大変民主的だ。このようなふうにどうも言われがちでありますけれども、その実厳重な言論統制がありますから、実はわが国に北朝鮮の実情が全く伝わっていない、こういうこともあるんではなかろうか、こう思います。  そこで、それに関連してぜひ一つだけこの機会に確認をしお伺いをしたいと思うんですが、もう数年前から問題になり、また非常に各党に対しても陳情、要請がなされておると思いますけれども、北朝鮮の人と結婚をした、すなわち日本人妻といっておりますね。これらの人たちが一時帰国ということで夫と一緒に北朝鮮へ実は入った、ところがそれっきり消息を絶っておる。その実情等については全く知らされない。それでいろんな形で陳情があり、また各党に対していろいろとお骨折りをそれらの人たち、家族の人たちが要請をしておるようでありますけれども、依然としてその問題についての解決もなされていないし、あるいはまたそれについての対策も進んでいない。どうも聞くところによると、これも詳しい確実な情報ではありませんけれども、本当にもう大変な気の毒な哀れな状態に日本人妻という人が置かれておる。こういうふうなことも聞いておりますけれども、これについて外務省はどのように承知をしておられるか、またどのような対策を講じておられるか、ひとつこの機会にぜひお伺いをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  456. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) いま御指摘のように北朝鮮の内部の事情というのは確かに私どももなかなかわからない。正確に把握できないというのは非常に遺憾なことだと思っております。特に日本人妻の問題は、前々から各方面から問題の指摘がございまして、赤十字を通じてみたりあるいは北鮮を訪れられる責任ある方にしかるべきリストを携行していただいて、先方にそれを手交して調査をお願いしたりというようなことをしておりますけれども、いままでに得られました回答は全くはっきりしないということでございまして、他方、いま御指摘のような手紙その他によって非常に困っておられるという実情を訴えるそういう断片的な情報はございますけれども、包括的にこれをどう受けとめて評価すべきかというふうにはまだ十分な情報がないということで、私どもも努力の不足を残念に思いますが、同時に北朝鮮の方でももう少し情報がはっきりわかるようにしていただきたい。特にこれは人道上の問題でございますので、機会あるごとに訴えてまいりたいと、こういう考えでございます。
  457. 井上計

    ○井上計君 終わります。
  458. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 日韓大陸だなの共同開発問題については幾つかの問題がありますが、問題点を整理すれば、まず、日本近海の大陸だな、日本が独占的に主権を本来持っていると考えられる地域について韓国側に譲り過ぎているのではないか、譲歩をし過ぎているのではないかという点の疑問、それから竹島問題等具体的な領土紛争のあるところと円滑な共同開発ができるだろうかという懸念、さらには中国との関係のある地域について、中国との話し合いを事前に済ませないままで開発に踏み切るということについての懸念があります。さらには、もうスタートの段階からこれが新しい日韓癒着の、そして疑惑の種になるのではないか、今後ともそうした温床になるのではないかという心配、主としてその四点だろうと思います。その四点についての特に総理のお考えをお伺いしておきたいと思うわけですが、まず最初に中国の問題から入りたいと思います。  きょう、私どもの山口国対委員長が中国訪問から帰ってまいりました。先ほど記者会見にも立ち会ってまいりましたが、中国側に総理のお話なり伝えたところ、総理の再開への意欲は了としながらも、果たしてそれが先ほどから話題になっているように妥結まで進むのかどうか、そうした決断についてなお一抹の不安を持っているということが言われております。それはこの日中平和友好条約の締結交渉の問題が、いろんな意味で国内の政局との絡みで論じられているという点も影響しているのではないかと思いますが、たとえば解散の問題、総裁選挙の問題との絡みで議論をし、また考えていらっしゃるというところがあるのではないかと思いますかいかがでしょう。
  459. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日中平和友好条約、これは日中間の長きにわたっての友好関係を定着させると、こういう長い基本的な問題でありますので、これを当面の政局の運営と絡めて考えるというような、そういう考え方はいささかも持っておりませんから誤解のないようにお願い申し上げます。
  460. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 誤解のないようにというのは私ではなくて、中国側にそうした誤解を与える、もしくは勘ぐるような誤解を与えるというところに問題はありはしないかというふうに思うわけでございます。その点で総理から、そうしたものと一切関係のない、長期に日中両国の平和を安定した基礎の上に乗せるためにやっているんだというお話がありますけれども、それにしては決断にいままで時間がかかり過ぎているということはないでしょうか。
  461. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) これは共同声明が出てから六年間かかっているんです。そのうち二年間は田中内閣です、二年間は三木内閣です、私の内閣になってから一年半。一年半で本格的な交渉が始まるというんですからこれは快ピッチである、このように御理解願っていいんじゃないでしょうか。少しも私はおくれておると、こういうふうな認識は持っておりません。
  462. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 この間も決算委員会で申し上げたんですが、上野の動物園のパンダが結合した。しかし、結合と出産とは必ずしも結びつかない。ですから接触、今度は日中両国が接触をしても条約という子供を産み落とすのかどうかという点については、依然として福田内閣の出産能力、受胎能力に疑問を持つ人が多いということを申し上げまして、ぜひそうした誤解を与えないように決断をもってこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  一つこれとの絡みでお聞きしたいんですけれども、択捉におけるソ連軍の上陸演習、これがソ連側からの日中条約に対する一つの圧力ではないかというふうに言われておりますし、そうした受け取り方をする方も多い。きょうは防衛庁は来ておられませんけれども、その問題についての総理の御判断と、そうしたソ連側からの圧力にもう一度待てよと考え直していらっしゃるのか、それともそれは全く念頭にない、初志を貫徹するんだというふうな強い御決意か、その点をお伺いをしたいと思います。
  463. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) ソ連側から日中平和友好条約、この締結についてああいう形で圧力をかけてきたと、そのような理解はいたしておりませんです。ですから次の質問には答える必要がないと、こういうことであります。
  464. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうした圧力と考えないということであればそれで結構でございますし、それとは切り離して、日ソの友好は日ソの友好、日中の友好は日中の友好として処理をしていただきたいというふうに思うわけでございます。  それに関連して、先ほど峯山委員からも出ておりましたけれども、この大陸だなの国会審議との関連というのも私はあるのではないか、中国はこれを見守っているというふうに思っておりますが、それについては外務省はどうお考えでしょうか。
  465. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) 私どもは、日韓大陸だな協定関連国内法案の審議と、日中平和友好条約の交渉を継続しようということとは関係がない、理論的にもまた実際上も関係のないものだという認識のもとで進めております。
  466. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それにしては交渉再開の申し入れから回答がかなり時間がかかっております。先ほど総理からは、あちらもいろいろお忙しいというお話がありましたけれども、まあお忙しいと言って済ませられる問題かどうか。もしも時間がかかっているということであれば、ただこちらは漫然と待っているわけでしょうか、それとももう一度催促をするということはあり得るのでしょうか。
  467. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 漫然と待っているというわけじゃないんですけれども、こちらから改めて督促をする考えは持っておりませんです。
  468. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 推測ですけれども、もうすでにたとえば覇権条項の扱いについていろいろな形での接触なり話し合いが持たれているというようなことも言われる場合もあります。アヒルの水かきということもありますけれども、そうした形で時間が使われているのであればこれは有効に交渉が進んでいるというふうに考えられるわけですが、そうした動きはあるわけでございますか。
  469. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) さような動きはありませんです。
  470. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それではとにかく先方の返事を待つ、そして不動の姿勢で妥結に向かって努力をされるというお考えでございますか。
  471. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。
  472. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうした方針で、ぜひ今回こそパンダの赤ちゃんを見せてもらいたいというふうに思うわけでございます。  それから、この大陸だな共同開発区域については海洋法の法理論として日本にも言い分はあるけれども韓国にも相応の理屈があるという考え方もあります。ですから、理屈として五分五分だからまあ一緒にやろうということになったんだという御説明もありますが、私はこの地域については最近の国際法の考え方からしても十分に日本は一〇〇%の理があるというふうに思いますが、福田総理は日本の総理大臣としてどちらをおとりになりますか。
  473. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 大陸だなが交錯しておる地域ですね。これは仮に海洋法ができましても実際は関係国が話し合って妥結しませんと、これはまあ開発というわけにはいかぬだろうと、こういうふうに思います。まさに日韓大陸だなの対象地域ですね、それがそういう地域である、こういう認識でございます。
  474. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 つまり五分五分だという考え方でございますか。
  475. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。
  476. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 日本の総理大臣としてそうした主権について、主権的な権利について安易にそれを譲歩するということは私どもは納得できません。これは竹島やその他の問題についての日韓の処理の仕方と全く同じだというふうに判断をせざるを得ないわけでございます。私たちはこの部分については日本に一〇〇%の理がある。しかし、韓国側はあの共同開発区域について一方的に鉱区を設定し、単独開発を始めようとしたそうした韓国の態度は、いままでの韓国のやり方からしても本当に単独開発まで進むかもしれないという懸念を抱かせて、それを防ぐために日本は共同開発に踏み切ったのではないかと思いますけれども、そうではないんでしょうか。
  477. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) そうではなくて大陸だながダブるんです。ダブる地域につきましては、どうしても話し合いでこれを解決するほかはない。これは海洋法が仮にできましてもそうだろうと、こういうふうに思うわけですけれども、そういうことで日韓とも近いところで油が出ると、大変貴重なことでありまするからひとつ話し合いで、そしてこの共同開発をいたしましょうと、こういうことにいたしたわけであります。わが方として一方的にわが方の権益を放棄したと、さようなものではございません。
  478. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 どうも総理の御認識は私どもと同じではありません。大陸だながダブるというのはどういう意味か。大陸だなは一つしかないわけですから、主張がダブるということはあっても大陸だながダブるというのはよくわからないんですけれども、法学部御出身の総理大臣の解釈をお伺いいたしたいと思います。
  479. 中江要介

    ○政府委員(中江要介君) これは総理の御発言を柿沢先生がすでに正しく解釈をされたわけで、主張がダブるという意味でおっしゃったわけでございます。
  480. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それでよろしゅうございますか。
  481. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) よろしゅうございます。
  482. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 まあその辺は、私どもはもっと主権的権利というものについて厳粛に考えなければならない。特に総理大臣ですから、日本の国土、国民の権利というものを預かっていらっしゃる。確かに石油の開発も大切ですし、それの利益というものも私どもももちろん認めないわけではない、しかし同時に、やはり五十年の権利をこうした形で譲歩し、放棄していくということに私どもは疑問を感ずるということでございます。  それから竹島については、先般の集中審議のときに総理からも、毅然たる態度でといいますか、心を新たにして交渉の申し入れをすると、批准書の交換の機会にでも話し合いの申し入れをするというお話をいただいておりますから、これは避けますけれども、もう一つは日韓癒着の問題。今度この開発事業をめぐって支出される資金の一部が韓国へ流れるのではないかという心配がいろいろとささやかれ不信を生んでいるわけです。大陸だなの石油資源という国家的な資源の開発、いわば国家的なプロジェクトの中でそうした腐敗や疑惑の芽が生まれるということは、これは不幸なことでございますし、絶対にそういうことを起こしてはいけないというふうに考えますが、総理のお考えをお聞きします。
  483. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 日韓両国は双方から見て一番近い隣の国なんです。その一番近い隣組の両国にいろんな緊密な関係が出てくるのはこれはもう自然の成り行きであります。このように思います。また当然そうなるべきであるとも考えます。ただその関係が悪い関係であってはならない。これはもうお話をまつまでもありません。こういう大陸だな協定というものができて共同開発というのが始まる、そういう際におきましてここから何か忌まわしい事態が起きてくるなんというようなこと、これは断じて許されないことであります。その辺は御安心願いたい、かように考えております。
  484. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 御安心願いたい、具体的にどういう手をおとりになるのか。私は先般日石開発の方にも申し上げたんですが、この開発権者になる企業についてはいやしくもそうした疑惑を招かないように自発的に経理の公開をするとか、そうした形で姿勢を正していくということが必要ではないか。政府としても関係企業に対してそうした指導をしていくということが国民の疑惑を晴らし、そして新たな不信を招かないために、そして清潔な日韓関係というのをつくっていくために必要な第一歩だというふうに考えておりますが、総理はそうした形で関係企業等を御指導いただくということにお願いできますでしょうか。
  485. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) いま経理の公開というお話でございますが、これはやはり国際的なルールに従いまして、そして国際的水準のそういういろいろ経理上の措置というものがとられるだろうと、こういうふうに思います。つまり日本には日本の会計制度があり、日本の企業でありますればその場合には日本の会計にのっとっていろいろの公開が行われる。そういうことはこれはもうもとよりのことでありますが、しかしそれとは別に、会計文書に出てこないという面で間違いが起こっちゃいけないわけですから、そういう面につきましてはこれは所管官庁において最善の努力をする、このように御理解願います。
  486. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 これで終わりますが、国際的な水準といいますか、にのっとってというお話がありましたのでつけ加えますけれども、アメリカではロッキードのような問題が出てくる、しかし日本の企業からは出てこない。そういう意味では国際的には日本よりもさらに公開が進んでいる部分があるわけですから、その点では決して臭い物にふたということでなく指導をしていただきたい。お願いを申し上げまして質問を終わります。
  487. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  488. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 速記起こして。     ―――――――――――――
  489. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が委員に選任されました。  速記とめて。   〔速記中止〕
  490. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 速記起こして。     ―――――――――――――
  491. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 以上で質疑は終了いたしました。(「反対、反対」と呼ぶ者あり)  これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
  492. 大森昭

    ○大森昭君 私は、日本社会党を代表して、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案に対する反対討論を行います。  本案は去る四十九年五月に提出されて以来、実に四年もの長きにわたって廃案、継続を重ねてまいりました。これはいかに多くの問題があり、国益の観点に立っても共同開発を急いでやるべきでない客観的な情勢があったからであります。日韓の間には幾多の黒い疑惑が解明されないままにあり、そして本案の審議を通じてもいささかも解明されないばかりか、協定の不当性は一層浮き彫りにされ、疑惑はさらに深まってきたと言わなければならないのであります。  しかるに政府・自民党は多くの国民や関係漁民の切なる反対の声にも少しも耳をかさず、質疑打ち切りという暴挙をあえてしてまで日韓共同開発を強引に推し進めようとしていることは、国論に背を向け、中国や朝鮮民主主義人民共和国の抗議声明も無視し、一部の者の利益を優先させて国を売るような行為であると思います。私は日韓大陸だなの共同開発を今日のような状態のもとで強行することは、必ず将来に大きな禍根を残すものと思います。韓国においても強行採決されたものであって、国際的にも例のない瑕疵の協定と言わざるを得ません。何ゆえわれわれが今回の共同開発に反対するのかについては時間の制限があり、一つ一つ列挙できませんが、少なくとも私は四点について指摘をしておきます。  まず第一は中国との関係であります。言うまでもなく東シナ海の大陸だなの開発は、その関係国である日本、中国、南北朝鮮の各国が円満な話し合いをし、共同の繁栄のためになされるべきものであります。すでに政府は国際紛争のおそれのある地域には石油公団による融資などを行わない方針ではないのですか。本法案は今後の国際紛争の問題を明らかに拡大するものであります。  次に、共同開発区域が日韓大陸だなの中間線より日本側に位置し、わが国の主権が著しく侵されているという点であります。わが国の主権を当然主張し得る地域で、何ゆえ韓国との共同開発をしなければならないのですか。私にはどうしても理解ができません。  第三には、共同開発区域には言われているような石油の埋蔵量は期待できないということであります。当委員会の審議の過程で政府は当初七億キロリットルと強調していた埋蔵量を三億数千万キロリットルと改めるなど、余りにも不確定要素が多過ぎるのであります。  そして第四点は、海洋汚染や漁業への影響であります。万一事故でも起きればその被害ははかり知れません。流出した油は単に共同開発区域一帯にとどまらず、海流に乗って西日本全体を死の海といたします。また潮流の関係では、中国、北朝鮮沿岸を直接汚染させ、漁業にも影響を及ぼすことが予想されます。このことについて十分な対策がとられていないわけであります。全く危険きわまりないと言わざるを得ません。  わが国の固有の領土である竹島の不法占拠について強力な抗議や交渉も行ってこなかった日本外交は全く屈辱の一語に尽きるとともに、共同開発の裏に別な黒い影さえも見ることができます。私どもの協定及び措置法の質問に対し、政府答弁はすべて問題を残しており、解明、理解はできません。  私は、石油確保という美名のもとに、多くの問題を残しながら行われる日韓大陸棚の共同開発についての本法案に対する反対討論を終わります。(拍手)
  493. 中村啓一

    ○中村啓一君 私は自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして本法案に賛成の討論を行うものであります。  まず第一に、この法案はわが国が新しい海洋開発に本格的に乗り出そうとする第一歩である、私はさように存じます。その意味できわめて重要な案件であります。  現に世界の海を見る目、海を考える考え方は大きく変わろうとしております。否、すでに変わってきておりまして、事実、昨年から魚につきまして世界の相当の国がすでに二百海里時代に入ったのであります。私自身も国連海洋法会議に列席をして、世界の約百五十カ国がそれぞれその国の利益と立場を主張をしているその姿を前にいたしまして、海に対する権能というか、権益について各国の利害と主張が鋭く対立をしている。しかも錯綜をしていることを身をもって痛感をしたのであります。そういうようなはだで感じたところからいたしましても、領海を越える海底資源の開発につきまして、隣接をする各国との間で調整点を求めるということは大変困難な課題であることを改めて感じます。しかしながら、だからといって、ただ論議に明け暮れているということは、これは手おくれになり、大きな損失であります。現在の時点におきましては、大陸だなの境界画定をめぐる日韓両国それぞれの主張は主張といたしまして、それは認めながら、双方が協力の精神に立って海底の資源の開発を図る、そういう方向で現実的に処理をすることが大切であると存じます。  もとより、これに至るまでの結論は、両国の長く厳しい交渉の積み重ねの結果でありますが、私は現実的であり、政治的に判断をして、海洋法をめぐる世界の今日の論議の段階から考えましても適切な方法であり、妥当な方法であると存ずるのであります。この点については本委員会で参考人として意見を聴取した国際法の専門家もさように申しております。  第二に、ただいま大森議員もお話しになりましたが、エネルギー対策のこれからを考えますと、すぐそばにあるこの海底資源を早く物にすることが大切であります。これらについては多言を要しないと存じます。  第三に、中国との関係でありますが、いわゆる日韓大陸だな協定は、東シナ海大陸だなのうちで日韓両国にまたがる部分に限って話し合いをし、合意をしたものであります。この点については慎重の上にも慎重を期しまして中国の国際法上の権利を損なうことがないように配慮を尽くしております。さらに政府は中国に対し、再三にわたり本協定に関するわが国の考え方を説明をし、中国が希望するならば、いつでも話し合いに応ずる用意がある、このことは伝えてあるのでございます。したがって、本法案によって中国の国際法上の権利が損なわれる、さようなことはあり得ないと信じます。  第四は、漁業との調整の問題でありますが、この点についてもきめ細かい配慮が尽くされておりますので、多くを申すことは控えます。  これらの各点からいたしまして、私は、この共同開発方式こそ、今日考えられる最も常識的で、しかも最も妥当な道である。これからの日本の将来にとって、国益の上から考えましてもきわめて効果的な方式であると存じます。  この法案につきましては、本委員会におきまして実に参議院において衆議院をはるかに上回る審議時間をかけまして異例の慎重審議を重ねました。いまこそ、これからの日本のために決断をもってこの法案を可決、成立をさせるべきであります。  以上をもって私の賛成討論を終わります。(拍手)
  494. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私は公明党を代表して、ただいま議題となっておりますいわゆる日韓大陸だな特別措置法案に対し、反対の討論を行うものであります。  以下その主な反対の理由を申し述べます。  その第一は、南部の共同開発と同時に北部の大陸だなの境界を画定する協定を定めておりますが南部と北部とで相矛盾する考え方が平然とまかり通っているということであります。すなわち、北部の大陸だなの境界を画定する協定では、中間線によって境界が画定されております。ところが、政府は、南部については同じ立場を貫いて境界線を画定することができず、共同開発区域という言い方で問題を後に残したことはまことに遺憾なことであり、将来に大きな禍根を残したと言わざるを得ないのであります。  第二に、共同開発区域の座標が明確になっていないということであります。  わが国の領海が三海里から十二海里に拡大されたことによって、共同開発区域の一部が領海内に入り込むことになったのであります。政府は、そのため韓国政府と口上書をもってこれを修正したわけでありますが、この協定を受けた特別措置法では、「「共同開発区域」とは、協定第二条第一項に規定する大陸棚の区域をいう。」ということになっております。すなわち、政府が口上書をもって修正した部分については一切触れられていないのであります。しかし、今回の特別措置法は共同開発区域が今後五十年間この法律によって縛られるものであることを考えると、この区域の座標及び面積を明確にしないままで開発を進めることは断じて許されないことであります。  第三は、竹島問題の解決なくして共同開発はあり得ないということであります。  竹島の領有権については、政府は竹島はわが国固有の領土であるとの基本認識に立ちながら、現に韓国が武力による不法占拠していることについては、外交ルートを通じて解決したいとの答弁を繰り返すのみで具体的方針が何一つ明らかにされていないのであります。福田総理も、領土問題の解決は長引くので共同開発とは切り離して考えている。韓国側が国際司法裁判所への提訴に応じないのは遺憾であるが、この協定が発効すれば日韓関係が好転するので思いを新たにして竹島問題の交渉に当たりたいというばかりで、具体策の提示が全くないのであります。一方で武力占拠を放置しながら一方で共同開発とは何事かと言いたいのであります。共同開発のパートナーには相互の信頼関係が不可欠であり、この協定を発効させる前に竹島領有権問題解決の方針を明示することが先決であると強く主張するものであります。  第四に、尖閣諸島周辺の油田開発の障害となる危険性があることを懸念するものであます。一  東シナ海南部の尖閣列島北部海域には第三紀堆積層のあることがエカフェ、東海大学等の調査で明らかにされており、今回の共同開発区域よりもさらに有望な石油賦存の可能性が示唆されているのであります。日韓共同開発区域の開発を中国の了解なしに進めることは今後の尖閣油田の開発にとって大きな支障となり、わが国の石油自主供給体制の上から見ても明らかにマイナスとなるからであります。  本年五月十日の佐藤・韓念竜会談で本法案に中国側から厳重な抗議が行われているにもかかわらず、この問題についての政府の答弁は、中国とは誠意をもって話し合いを続けるを繰り返すばかりで、中国側の了解が得られていないことが明らかであります。  このような、中国側の抗議を無視してなされる日韓の共同開発は、中国側の開発行為を阻止する法律的根拠がなく、したがって国際紛争発生のおそれが全くないとは言い切れないのであります。  第五に、共同開発区域における日本の主権はあいまいであり、韓国側の採掘権者によって行われる自然破壊、公害の予防や規制が十分に行われる保証はなく日本国民の水産資源に大損害を与える可能性があることであります。この海域は多くの魚類の産卵場であり、石油、ガス漏出の場合の水産資源に対する影響は大きいし、大規模の油漏出の場合には黒潮及び日本海暖流の流れに乗って被害は日本海域全体に及ぶおそれがあることであります。  第六に漁業補償問題についてでありますが、政府は共同開発事業契約の中で漁業との調整に関する事項を定めさせ、万一油の事故が起こった場合には、日本と韓国との開発権者が、共同で損害賠償に当たることになっているが試掘、採掘をする際の漁業補償については漁民と開発権者との話し合いに任されており、政府は全く関与していないなど補償面が非常に不十分であると言わざるを得ないのであります。  以上、六点について問題の指摘を行ってまいりましたが、解明されなければならない問題点はまだまだ多々残されております。そして、そのいずれもが委員会審議の過程においてもわれわれの納得のいく答弁は得られなかったのであります。  いずれにいたしましても、わが国の主権的権利を放棄し、わが国の固有の領土である竹島をあのような形で不法占拠してはばからない韓国と、今後五十年もの長きにわたって共同開発を行うことは断じて認めるわけにはいかないということを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
  495. 井上計

    ○井上計君 私は民社党を代表して、日韓大陸だな特別措置法案に対し賛成の討論を行います。  エネルギーの安定確保なくしては国民生活と国民経済の健全な発展は不可能であります。このことは、去る四十八年末の石油危機による狂乱物価と、それに引き続きいまなお続いている戦後最大、最長の深刻な不況によって倒産の続出、失業者の激増、雇用不安等々となってあらわれ、多くの国民が身をもって体験し苦しんでいるのであります。すなわち、エネルギー問題は国運を左右し、国の盛衰にかかわるきわめて重大な課題であることは明らかであります。  今日、世界のエネルギー情勢をながめますと、エネルギー資源の中で最も重要な地位を占める石油は、一九八五年から一九九〇年ごろには世界的に需給バランスが大きく崩れてわが国の石油輸入が困難となることは必至であると見られております。したがって、再び石油危機に襲われないように早急に実効性のある総合的なエネルギー政策を確立し、推進することは国民のすべてが期待することであり、何よりも最重要政策であることは論ずるまでもないのであります。そのためには政府は責任あるエネルギー政策を速やかに確立して、国民の多くが抱いている石油不足から生じる混乱、不安を解消する努力を行うことは当然でありますが、同時に、野党といえどもいたずらにイデオロギーにとらわれての偏見性を捨て去り、国民生活の安定及び国益を守る立場から真実のエネルギー政策を論ずるべきでありましょう。  今後、資源小国日本が国民生活に不可欠なエネルギー資源を安定確保するためには、いかなる国とも共存共栄を図るとの立場に立ち、あるゆるエネルギー資源の開発について二国間または多数間で共同開発を行うことが国益を守る上できわめて重要であるばかりでなく、世界平和を願うためにも当然のことであります。これは資源保有国にもまた共同開発を強く求めていることからしても正しい手段方法であることは明らかでありましょう。その見地から、エカフェなどの調査によれば莫大な埋蔵量があると推定されているこの日韓大陸だなを共同開発することは、国益を守り国民生活の安定に寄与するものであると強く確信いたすものであります。  また私は、国際信義の見地からも国内法の成立は不可欠であると考えます。  すでに、日韓大陸だな協定は去る四十九年一月三十日に署名されましたのに、承認は五十二年六月八日まで三年半を要し、さらにそれ以来一年余を経過した今日、いまなお批准書が交換されていないということは異常な事態と言わざるを得ません。もし、いつまでも国内法が成立できず批准がおくれて協定が実施できないとなれば、国際信義に反するばかりでなく、いかなる国とも共存共栄を図るというわが国の外交方針に反し、わが国外交の今後に大きな禍根を残すことになるのであります。この上は、速やかに国内法を制定することが日韓両国関係の健全化を図ることであり、同時に、こうした国際共同開発の方式を確立することによって、今後、わが国周辺にある大陸だな海底資源の開発に原則を示すことになるのであります。  この共同開発に当たっては、海洋汚染防止対策及び漁業との摩擦が生じないように、万全の措置を講ずるとともに、引き続き、エネルギーの安全確保のために、有望プロジェクトについての二国間または多数国間の共同開発を積極的に推進されるよう政府に強く要望し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  496. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、日韓大陸だな協定の実施に伴う特別措置法案に対し、反対の討論を行います。  反対の理由の第一は、本法案がわが国の主権的権利を放棄する屈辱的な内容を持ったものであるということであります。  協定と本法案によって推し進められようとしている大陸だな共同開発の対象区域は、そのすべてが日韓中間線より日本側に設定されております。しかし、国際海洋法会議では基線二百海里までは無条件に沿岸国の大陸だなとして認めることが合意されており、また、二国間の大陸だなの境界は、国際的にもほとんどが等距離中間線で画定されております。したがって、この共同開発は、わが国の主権的権利を主張できる大陸だなに、韓国の開発権ばかりか韓国の国内法の適用まで認めるという主権的権利放棄の屈辱的なものであります。また、北部大陸だなの境界画定に当たり、わが国の領土である竹島を無視して線引きするという主権放棄も行われております。しかも、韓国は共同開発区域内での既得権は放棄しないと言明していることからも明らかなとおり、本法案は将来の大陸だな境界画定に当たって大きな禍根を残す悪法であります。  第二の理由は、本法案が徹底してメジャーの利権を擁護する法案であるという点であります。共同開発というものの、実質的にはメジャーによって行われ、したがって、石油の処分もまたメジャーの手に支配されていることは明白です。わが党が明らかにした日石開発とテキサコ、シェブロンとの事業契約を見ても、メジャー側の支配権を完全に認めたものであり、本法案による共同開発に際しても、日本企業の主な役割りが外国企業では取得できない特定鉱業権の取得にあることは明らかであります。しかも、本法案はメジャーに鉱区税などの減免措置まで講じており、まさにわが国の資源主権をメジャーに売り渡す法案であります。  第三には、このような国益を損なう共同開発を進めるに至った背景に、日韓癒着の黒い疑惑が存在しているという点であります。当初中間線での境界画定を強く主張していた日本政府が、韓国の自然延長論に屈服した形で共同開発に合意した経緯に日韓癒着勢力の売国的工作が介在したことは明らかであります。このことは共同開発を日本側から提案したと見られる中曽根・大平・金会談の疑惑、また共同開発合意に策動したことを明言している岸、矢次氏ら韓国ロビイストの暗躍などによって十分うかがえるところであります。  第四の理由は、韓国側がわが国領土である竹島への侵略行為を引き続き行っており、また本法案が成立を見ない場合には共同開発対象区域の単独開発に着手するというわが国主権を侵害することを公然と予告している。このような関係を放置して、他方で友好的な共同開発が進められないのは明白であります。  以上のように、本法案がわが国の主権と国益に重大なかかわりを持つものであり、かつ審議を通じて今後解明すべき疑惑と問題が山積している点からも、わが党は再三にわたり慎重審議を求めてまいりました。にもかかわらず、不当な採決の強行によって質疑を封じ、議会制民主主義をじゅうりんし、日韓癒着の黒い疑惑を隠蔽する暴挙が行われたことに対し、私は強く抗議するものであります。  そして予定の筋書きとも言うべき強行採決、国会空転、議長あっせんという旧態依然とした不明朗な議会運営によって、本法案が幾多の重大な疑惑と問題点を残したままであることに強く遺憾の意を表し、私の反対の討論を終わります。(拍手)
  497. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私は新自由クラブを代表して、日韓大陸だな特別措置法案に反対の討論を行うものであります。  私どもの反対の理由は、決してイデオロギー的な反対ではありません。むしろわが国の国益の観点からこの共同開発計画には慎重でなければならないという判断からでございます。  その第一の理由は、日本の領海の一部をも含むような日本近海の大陸だなに関して、日本独自の主権的な権利を安易に放棄をし、韓国に譲歩をしているという点でございます。五十年の長きにわたって主権的権利を放棄する、こうした協定の締結、共同開発の実施には慎重でなければならないということがまず指摘されなければなりません。  第二には、日韓の間には竹島をめぐる領土的な紛争があります。領土的紛争を有する国との間の共同開発事業、それが円滑に行われるかどうか、まず両国間の相互信頼の確立のために竹島問題の解決、それへの一層の努力が前提条件としてなければならないと考えるからであります。  第三に、本協定、共同開発計画は日韓の疑惑の中で生まれ、そしてまた新しい疑惑の種を生むおそれを持っています。そうした日韓の従来の暗い関係を是正をして、新しい清潔な関係が保障される状況になってから、共同開発の事業であればいろいろと問題は少ないと思いますけれども、いまのような状況の中でそれを推し進めるということには慎重でなければならないと考えるものであります。  第四には、日本と韓国と中国の三国に囲まれた大陸だなの開発について、関係国の一つである中国との話し合いが欠如したまま開発の実施が強行されようとしていることでございます。これが日中友好に新しい阻害要因にならないよう努力をしなければいけない。その意味でこの開発計画の実施には、実施の以前に中国との間の粘り強い話し合いが必要だと考えているわけでございます。  以上のような四点から、私どもはこの共同開発計画の実施には慎重に対処すべきであると考えます。もちろん石油の大半を輸入しているわが国にとって、日本近海に新しいエネルギー源を持つ、この魅力を忘れているわけではありませんが、そのエネルギー政策が重要であればあるほど、こうした問題については長期的な国益の視点に立って慎重な判断が必要だと考えるものであります。  以上で、反対討論を終わります。(拍手)
  498. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  499. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  500. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。  本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  501. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時二十一分散会