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1978-02-28 第84回国会 参議院 農林水産委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和五十三年二月二十八日(火曜日)    午前十時二分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月二十日     辞任         補欠選任      川村 清一君     阿具根 登君  十二月二十一日     辞任         補欠選任      阿具根 登君     川村 清一君  二月八日     辞任         補欠選任      下田 京子君     小笠原貞子君  二月九日     辞任         補欠選任      小笠原貞子君     下田 京子君  二月十四日     辞任         補欠選任      丸谷 金保君     吉田忠三郎君      原田  立君     宮崎 正義君  二月十五日     選任          岩上 二郎君  同日     辞任         補欠選任      吉田忠三郎君     丸谷 金保君      宮崎 正義君     原田  立君  二月二十二日     辞任         補欠選任      岩上 二郎君     降矢 敬雄君  二月二十三日     辞任         補欠選任      降矢 敬雄君     浅野  拡君  二月二十四日     辞任         補欠選任      浅野  拡君     降矢 敬雄君  二月二十八日     辞任         補欠選任      降矢 敬雄君     桧垣徳太郎君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         鈴木 省吾君     理 事                 青井 政美君                 大島 友治君                 山内 一郎君                 相沢 武彦君     委 員                 北  修二君                久次米健太郎君                 小林 国司君                 坂元 親男君                 田代由紀男君                 野呂田芳成君                 降矢 敬雄君                 坂倉 藤吾君                 丸谷 金保君                 村沢  牧君                 原田  立君                 藤原 房雄君                 河田 賢治君                 下田 京子君                 三治 重信君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        農 林 大 臣  中川 一郎君    政府委員        農林政務次官   初村滝一郎君        農林大臣官房長  松本 作衛君        農林大臣官房技        術審議官     川田 則雄君        農林省農林経済        局長       今村 宣夫君        農林省構造改善        局長       大場 敏彦君        農林省農蚕園芸        局長       野崎 博之君        農林省畜産局長  杉山 克己君        農林省食品流通        局長       犬伏 孝治君        農林水産技術会        議事務局長    堀川 春彦君        食糧庁長官    澤邊  守君        林野庁長官    藍原 義邦君        水産庁長官    森  整治君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        大蔵省主税局税        制第三課長    亀井 敬之君        国税庁間税部酒        税課長      大橋  實君        資源エネルギー        庁公益事業部業        務課長      上杉 一雄君        自治省行政局行        政課長      鹿児島重治君        自治省財政局交        付税課長     柳  庸夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○農林水産政策に関する調査  (昭和五十三年度農林省関係の施策及び予算に  関する件)     ―――――――――――――
  2. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  この際、御報告いたします。  本委員会の委員が一名欠員でございましたが、去る十五日、新たに当選されました岩上二郎君が委員に選任されました。  また、去る二十二日、同君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に川村清一君を指名いたします。     ―――――――――――――
  5. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) 昭和五十三年度農林省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。  まず、農林大臣の所信を聴取いたします。中川農林大臣。
  6. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し述べます。  最近のわが国経済社会の動向を見ますと、わが国は過去数ヵ年にわたる経済社会の混乱と停滞を乗り越えて、安定成長社会への道を全力を傾けて切り開いていくことが強く求められております。資源問題、通商上の摩擦の増大等多くの制約を克服し、均衡のとれた安定社会へ大きく転換していかなければならないのであります。  かかる状況のもとに、農林水産業は、国民生活の安全保障にかかわる食糧を安定的に供給するという使命のほか、健全な地域社会の維持形成と国土及び自然環境の保全という重要な役割りを担っております。こうした農林水産業の役割りは、わが国経済社会が、今後、健全にかつ調和のとれた姿で発展していく上で不可欠のものであり、まさに農林水産業の発展なくしてわが国の真の繁栄はないと申しても過言ではありません。  しかしながら、最近における農林水産業を取り巻く内外の諸情勢には、まことに厳しいものがあります。  国際的には、昨年来わが国の大幅な国際収支の黒字等をめぐって、農林水産物貿易問題がきわめて厳しい状況にあり、一方、わが国農業の現状を見ると、高度経済成長の過程を通じて労働力、土地が流出し、都府県においては、半数以上の農家が第二種兼業農家になるなど、その体質は脆弱化しております。  また、農業生産の動向も、米が再び過剰の状態を強める一方で増産の必要な飼料作物、麦、大豆等の生産が伸び悩むという事態が見られ憂慮されております。  林業につきましても、近年、木材需要が伸び悩む中で、外材輸入に主導されて需給は緩和基調にあり、木材価格の低迷等国内林業を取り巻く経済条件は一段と厳しさを増しております。  さらに、水産業につきましても、一昨年、昨年と米、ソ、加、EC等の二百海里水域の設定が相次ぎ、二百海里時代の幕あけとなり、総漁獲量一千万トンのうち外国の二百海里内において四百万トン近くを漁獲しているわが国は、多大の影響を受けたところであります。今後は、さらに南太平洋諸国等における二百海里水域の設定、あるいは既設定国による漁獲割り当て量等の制限強化が予想されるところであります。  このような情勢を見るとき、将来にわたり国民食糧の安定的供給と農林水産業の振興を図るため、総合的な政策を強力に推進することが、いまや緊急の課題となっていると言わなければなりません。  まず、農林水産行政の展開に当たっての基本的態度について申し述べたいと思います。  私は、農林水産行政の基本は、農林漁業者が誇りと生きがいを持って農林水産業にいそしめるようその体質の強化を進め、国内で生産可能なものについては極力国内で賄うよう総合的な自給力の向上を図ることにあると考えており、わが国の国土資源等の制約から今後とも海外に依存せざるを得ない農産物の安定的な供給と相まって、国民食糧の安定確保と国民生活の安定に資するよう努めてまいりたいと考えております。  農政の当面の課題は、米の過剰の問題であり、私は米の需給の均衡を回復するための対策に全力を傾ける決意でありますが、これは単に米の減産を目的とする後ろ向きの対策として実施するのではなく、総合食糧政策の基本的考え方に立脚して、国内資源に依存する食生活への誘導を図る観点から米の消費拡大を積極的に推進しつつ、自給力向上の主力となる作目を中心に農業生産を再編成し、日本農業の新たな展開を図るということで対処してまいりたいと考えております。また、その確実な実施は食糧管理制度を堅持するゆえんでもあると考えております。  また、農産物貿易問題につきましては、最近の国際収支の大幅黒字等を背景に、米国等の諸外国からわが国に対し輸入の拡大の要請が一般と強くなっております。本問題につきましては、わが国経済の置かれた非常な事態にもかんがみ、農林水産業関係においてもできる範囲の協力は必要であると考えていますが、水田利用再編対策等の総合食糧政策や農家経営の安定に支障を与えないことを基本として対処していく方針であります。  さらに、以上のような見地に立って農林水産行政を推進するに当たっては、私は、農林漁業者はもとより消費者対策に配慮する等幅広く国民の理解を得ながら進めることが大切であると考えております。  私は、以上申し述べたような基本的考え方に立って、従来から進めている総合食糧政策を一層強力に推進することを基本とし、需要に即応した生産の増大、農林水産業の生産基盤及び生活環境の整備、価格の安定と所得の確保、生産の担い手及び後継者の確保等各般の施策を推進してまいる所存であります。  次に、昭和五十三年度の主要な農林水産業施策について申し述べたいと思います。  第一に、需要の動向に即応した農業生産の再編成を進めることが必要であります。  まず、当面の農政の最大の課題となっております米につきましては、稲作志向がきわめて根強い一方で需要の減退が続いているため、再び生産調整開始時期の昭和四十五、六年当時のような事態を招きかねない状況にあり、今後米需給の均衡を図るためには、需要の拡大を積極的に図るとともに、従来の水準を大幅に上回る規模の生産調整を行う必要がある情勢となっております。  他方、飼料作物、麦、大豆等の増産の必要な農産物の国内生産は依然として伸び悩んでおり、生産拡大のためには一層の努力が要請されております。  このような情勢にかんがみ、昭和五十三年度より、長期的視点に立って、米の消費拡大を積極的に推進しつつ、米の生産を計画的に調整し、飼料作物、麦、大豆等の生産拡大とその農業経営における定着化を図り、もって需要の動向に安定的に対応し得る農業生産構造の確立を期するための米需給均衡化対策を推進することとしております。私としては、このため、構造、生産、価格等のあらゆる施策を活用し、関係各位の御協力を得てぜひとも本対策の確実な実行を期してまいりたいと考えております。  また、麦につきましては、麦作集団の育成、土地条件の整備、米麦一貫栽培の推進等を図るとともに、野菜、果樹、養蚕、大豆、甘味資源作物その他の畑作物につきましても振興対策を強力に推進することとしております。さらに、畜産につきましては、特に、畜産団地育成事業の拡充、飼料の自給力の強化を図ってまいることとしております。  第二に、需要の動向に即応して農業生産の再編成を図るため、その基礎的条件である農業生産基盤について、水田利用の再編及び畑作振興に重点を置いてその整備強化を図ってまいることとしております。  このため、灌漑排水事業、圃場整備事業等により水田の汎用化を積極的に推進するとともに、畑作の振興に資するため、畑作振興に必要な基盤整備事業を重点的に実施することとするほか、新たに、畑地帯水源整備事業を実施することとしております。  また、農用地開発事業の積極的推進を図るため、農用地開発公団事業の拡充、国有林野等の活用による開発適地の確保、農林地の一体的な開発整備等を進めてまいる所存であります。  さらに、優良農用地を確保し、計画的な土地利用を進めるため、農振法、農地法等の適切な運用を図るとともに、農地保有合理化促進事業を強化することとしております。  第三に、農産物の価格安定対策について申し上げます。  需要の動向に即応した農業生産の再編成を進めるためには、生産対策、構造政策等各般の施策と相まって価格政策の役割りが重要であり、このため、農産物相互間の相対収益性の改善に留意しつつ、各種農産物の価格安定制度の内容を改善するとともに、その適切な運用を図ってまいる所存であります。  まず、米価につきましては、食糧管理制度の適正、円滑な運営に資することを旨とし、このためにも、諸般の経済事情に配慮しつつ、引き続き売買逆ざやの段階的解消等適切な価格決定を行ってまいりたいと考えております。  また、米以外の麦、野菜、果実、生糸、大豆、甘味資源作物、畜産物等についてもそれぞれの価格安定制度の適正な運営に努め、米ばかりに偏ることなく農業生産が需要の動向に即応して再編成されるような条件づくりを進めてまいりたいと存じております。  第四に、私は、需要の動向に即応した農業生産の再編成を進めるためには、これを担う主体の側面から、農業への意欲と能力を有する中核的担い手となる者の育成と後継者の確保を図ることが肝要であると考えております。  このため、地域の実情に即し、農業者の自主性と創意工夫を生かして、担い手を中心とした農業の組織化、土地利用管理の適正化、地域農業の複合化、生産条件及び生活環境の整備等を総合的に行う新たな農業構造改善事業を行うとともに、従来から進めている地域農政特別対策事業を拡大実施することとしております。また、集団的生産組織の育成、農地保有の合理化等を図ってまいることとしております。  さらに、すぐれた後継者を確保するため、研修教育体制の整備、後継者育成に関する金融措置の充実等を図ってまいることとしております。  第五に、農林水産業の生産体制を整備するため、農山漁村を活力に満ち豊かで安定感のある地域社会とするような諸条件の整備に努めてまいる考えであります。  このため、生産基盤とあわせて生活環境条件を整備する農村総合整備モデル事業について第二期事業に着手するとともに、新たに林業及び漁業集落の環境条件を総合的に整備する事業を実施することとしております。  また、山村等の振興対策、農業者年金制度の充実を図るとともに、生活改善普及事業、農業者の健康対策、高齢者、婦人対策の推進を図ってまいることとしております。  第六に、農産物を適正な価格で供給し、国民の消費生活の安定を図るため、流通加工の近代化、消費者対策の拡充を図ってまいることとしております。  このため、卸売市場の整備、小売業の近代化等を進めるほか、特に、国民的関心の深い食肉流通につきましては、総合食肉流通体系整備事業の拡充を図るとともに、新たに部分肉流通適正化施設設置事業及び食肉共同処理合理化事業を実施することとしております。  また、わが国の風土、資源に適合した食生活の普及を図るため、米の見直しを基本とし、消費者への啓蒙普及、学校給食における米飯給食の計画的拡充等を通じ、米の消費拡大を進めるとともに、牛乳消費の安定的拡大、多獲性魚等の消費拡大等に努めることとしております。  第七に、農林水産業の生産力を高めるとともに、その生産性の向上を図るため、農林水産技術の開発と普及に努めてまいる所存であります。  このため、麦、大豆、飼料作物等の安定的増収技術、畑地新管理方式等の開発研究、自然エネルギーの効率的利用、海洋牧場、地域農業の複合化に関する試験研究を推進するとともに、これらの試験研究が効率的かつ高水準で行われるよう筑波研究学園都市における研究体制を整備することとしております。  また、農業生産の再編成に対応した農業改良普及事業の展開を図るため、水田利用の再編、生産の担い手の育成、地域農業の組織化等についての指導を充実することとしております。  第八に、わが国の国土資源の制約等から、海外に依存せざるを得ない農産物につきましては、輸入の安定的確保を図ることとしております。  このため、主要輸出国との緊密な情報交換、穀物等の安定供給に関する取り決めの円滑な履行、備蓄対策の推進を図ってまいることとしております。  また、開発途上地域等の食糧増産等を積極的に支援するとともに、これにより輸出余力が生じた場合にはこれをわが国への安定供給にも結びつけていくため、これらの地域への農林業開発協力を行うこととしております。  以上のほか、制度金融につきましては、北海道及び南九州における畑作営農改善資金制度の改善等農林漁業金融公庫資金の充実を図るとともに、農業近代化資金、農業改良資金等の拡充を図ることとしております。また、畑作物共済及び園芸施設共済の本格的実施等農業災害補償制度の充実を図るほか、農林水産統計の整備充実等を図ることとしております。  次に、林業の振興について申し上げます。森林・林業につきましては、近年、森林の持つ木材生産機能のみならず、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成等の公益的機能の維持向上と農山村地域の振興の上からもその役割りに対する国民の要請が高まっております。  林業を取り巻く情勢につきましては、木材価格の低迷等一段と厳しいものがありますが、このような国民の要請にこたえ、その役割りを一層高めていくため、森林資源の整備と林業の振興を強力に推進してまいる所存であります。  このため、造林・林道等の林業生産基盤の整備及び治山事業を計画的に推進するほか、林業構造改善対策、マツクイムシ対策、間伐対策の推進を図ってまいることとしております。  また、新たに林業労働者の就労の実態に即応した退職金共済制度の適用の促進を図るとともに、特用林産物の振興対策の強化、森林組合制度の強化を図ってまいることとしております。  さらに、国有林につきましては、その経営がきわめて悪化しておりますので、その計画的改善に積極的に取り組むこととし、事業規模に見合った組織機構の簡素化及び事業運営の改善合理化とあわせて、新たに国有林野事業の基盤の整備のため、一般会計資金の導入を行うこととしております。  次に、水産業の振興について申し上げます。冒頭でも申し上げましたように、近年水産業を取り巻く諸情勢にはまことに厳しいものがあり、これに対処するため、水産施策を強力に展開する必要があります。  このため、まず、わが国周辺水域における水産資源の維持培養とその高度利用を図るため、資源調査の拡充、沿岸漁場の整備開発、栽培漁業の拡充を積極的に図ってまいることとしております。  また、遠洋漁業の新たな展開の場を見出すため、新資源、新漁場の開発を推進するとともに漁業外交の強力な展開、海外漁業協力の積極的推進等により海外漁場の確保を図ってまいることとしております。  以上のほか、多獲性魚等の利用加工技術の開発等水産物の高度利用を推進するための施策を講ずるとともに、漁港整備事業及び沿岸漁業構造改善事業の計画的推進並びに流通、価格、経営対策、漁業公害対策等各般の施策の充実を図ってまいる所存であります。  なお、特に水産行政機構の拡充強化を図るため、これら施策の拡充強化とあわせて省名を農林水産省に改めるほか、わが国周辺水域内の漁業の振興を図る振興部の新設並びに養殖研究所及び水産工学研究所の新設を行うこととしております。  五十三年度予算におきましては、これらの施策を推進するために、必要な経費について、その重点的な確保に努めたところであります。  また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましても鋭意法律案の作成を進めているところでありますので、本委員会においてよろしく御審議のほどをお願いいたします。  以上、所信の一端を申し述べましたが、私は今日の農林水産業をめぐる厳しい情勢の中で、農林水産業の体質を強化し、総合的な自給力の強化を図るため、全力を傾けてまいる覚悟であります。  本委員会及び委員各位におかれましては、農林水産行政推進のために、今後とも御支援御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
  7. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) 次に、昭和五十二年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。初村農林政務次官。
  8. 初村滝一郎

    ○政府委員(初村滝一郎君) 昭和五十三年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  昭和五十三年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管の関係予算を含めて三兆五百六十七億円であり、前年度の当初予算額と比較して一五・八%、四千百六十六億円の増加となっております。  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、食糧需要動向の変化に対応した農業生産の再編成に関する予算について申し上げます。  最近、稲作志向がきわめて根強い一方、米に対する需要が引き続き停滞しているため、米過剰の基調は一層強まっており、他方麦、大豆、飼料作物等今後増産の必要な農産物の生産は伸び悩んでおります。  このような状況を踏まえ、米の生産を計画的に調整するとともに、農地利用の中核的農家への集積を図りつつ、水田の高い生産力を活用して今後増産の必要な農産物の生産を拡大し、またその定着を図ることが肝要であります。このため、新たに昭和五十三年度以降おおむね十年間の対策として水田利用再編対策を実施することとし、昭和五十三年度から昭和五十五年度までをその第一期として、各年百七十万トンに相当する水田を対象に転作等を推進することとしております。  また、本対策の円滑な推進に資するため、奨励補助金の水準を適正に定めるとともに、都道府県が地域の実情に応じて転作条件を整備するのに必要な諸対策を機動的に実施するための転作促進対策特別事業を創設するなど水田利用再編対策として総額二千百十二億円を計上しております。  次に農業生産基盤の整備については、農業生産の再編成を図るとともに、あわせてわが国経済特に農山漁村の景気対策にも配慮し、近年にない大幅な予算額の増大を図ったところであります。特に、水田利用再編対策と畑作の振興を強力に推進するため、圃場整備事業、畑地帯総合土地改良事業、土地改良総合整備事業等を積極的に推進することとし、新たに水源工事を必要とする特殊土壌地帯を対象として畑地帯水源整備事業を創設することとしております。また、農用地開発事業の積極的な推進を図るため、補助事業の採択要件の緩和を行うとともに、農用地開発公団事業として、干拓地において農畜産物の生産団地を形成するための事業を創設することとしております。これらを含めた農業生産基盤整備費として、総額七千二百八十二億円を計上しております。  次に、主要農産物の振興対策について申し上げます。  まず、麦については、農作業の受委託、営農排水等営農条件の整備等を総合的に行う高度麦作集団育成総合対策事業等を引き続き実施するとともに、新たに麦を取り入れた合理的輪作体系の確立と畑作麦の担い手の確保等を総合的に推進するための畑麦作集団育成特別対策事業を実施することとしており、麦生産振興対策として総額百七十三億円を計上しております。  また、大豆、甘味資源作物、特産農産物については、それぞれ既存事業の拡充実施を図るほか、新たに、地域の実態に応じた大豆作の受委託を推進する事業、簡易な土地基盤整備、栽培の機械化等を推進するサトウキビ生産団地育成事業、営農的土地基盤整備、省力機械の導入等を行う特産畑作振興対策事業等を実施することとし、総額百十三億円を計上しております。  養蚕対策については、新たに桑前主産地の育成及び罹病桑園の改善を推進する桑園生産改善緊急対策事業を実施する等施策の充実を図ることとし、総額三十九億円を計上しております。  また、野菜の生産対策については、野菜の生産、供給の安定を図るため、野菜指定産地を中心とする集団的な野菜産地の育成強化対策を進めるとともに、地方都市周辺の地場野菜産地について、水田における野菜への転作の推進にも配慮しつつ、その維持育成の図るため、新たに地場野菜産地生産流通対策事業を実施することとしております。なお、以上のほか、野菜の合理的輪作体系の導入定着の促進を図るための事業、園芸用廃プラスチックの適正処理を推進するための事業等についても、引き続き実施することとしております。  野菜の価格対策については、水田利用再編対策の推進に資する観点からも制度の拡充を図ることとしており、指定消費地域の拡大、補てん率及び保証基準額の引き上げ等価格補てん制度の改善、都道府県段階で行われている特定野菜の価格安定事業の対象品目の拡大等を行うこととしております。  これら野菜対策として、総額三百二十三億円を計上しております。  果樹の振興対策について申し上げます。温州ミカンについては、その需給及び価格の安定を図るため、果実生産出荷安定基金を活用して、生産、価格、流通にわたる総合的な対策を講ずることとしておりますが、特に加工原料用果実の価格補てん事業につき保証基準価格及び補てん率の引き上げ等を図ることとしております。また、新たに温州ミカンを中心として栽培の智力化、品質の向上等を図る柑橘産地の再整備対策を実施するとともに、果汁仕向け量の増大に対応するため、果汁工場の主要施設の整備を新たに実施することとしております。リンゴ、桃、ナシ等の落葉果樹については、引き続き生産振興対策を実施するほか、オウトウにつきましては、内外の諸情勢にかんがみ、生産、出荷の合理化対策を拡充強化することとしております。これらを含めた果樹対策として、総額七十六億円を計上しております。  次に、畜産の振興対策について申し上げます。  まず、飼料対策については、既存の畜産地帯を再編整備し、新たな畜産主産地の形成を図る公社営畜産基地建設事業の創設等により草地開発事業を積極的に推進するとともに、新たに飼料基盤の脆弱な大家畜経営の健全な発展を図り、また水田利用再編対策の推進にも資するため、土地条件の整備、飼料作物の生産利用の合理化施設の設置等を行う自給飼料生産向上特別対策事業等を実施するほか、飼料穀物の備蓄対策及び配合飼料の価格対策を推進することとしております。  酪農、肉用牛、養豚の各部門についても、団地育成事業を拡充し、地域の実情に応じて他畜種を組み合わせた畜種複合型の団地の育成を図るとともに、牛肉生産体制を緊急に整備する必要があることにかんがみ、肉用牛団地育成事業につき計画の繰り上げ実施等を行うこととしております。また、家畜導入対策、家畜改良増殖対策の充実にも努めることとしております。  畜産物の価格、流通加工対策については、肉用子牛の価格安定事業につき、保証基準価格及び補てん率の引き上げ等を図るとともに加工原料乳に対する不足払いの実施等価格対策及び牛乳の消費拡大対策を充実するほか、牛肉をめぐる内外の諸情勢にかんがみ、総合食肉流通体系の整備を繰り上げ実施するとともに、新たに部分肉の物流と取引の拠点としての部分肉センターの設置、食肉の小売店の協同組織による共同仕入れ、処理等を促進する食肉共同処理施設の設置等を行うこととしております。このほか、畜産振興事業団の指定助成対象事業においても牛肉の流通改善を図るための専業に要する経費を別途計上しております。  これらの畜産振興対策として、総額千四百九十七億円を計上しております。  以上のほか、農業機械の効率利用及び農作業の安全確保を総合的に推進する等の農業機械対策、畑地の重粘土等の不良土壌を改良する耕土改良対策等の地力対策を実施することとしております。  第二に、農業構造の改善と地域農業の振興に関する予算について申し上げます。  食糧需要動向の変化に対応した農業生産の体制を整備するためには、長期的視点に立って、農業への意欲と能力を有する担い手の育成と後継者の確保を図るとともに、これら担い手、後継者への土地利用の集積による農業生産構造の改善を推進する必要があります。  このため、地域の実情に即し、担い手を中心とした農業の組織化、土地利用の適正化、生産条件及び生活環境の整備等を総合的に推進する新農業構造改善事業を当面前期五ヵ年計画として総事業費一兆円の規模で発足させることとし、昭和五十三年度は、計画樹立を行うほか、水田利用再編対策の推進にも配意し、一部即着工を図ることとしており、総額五十六億円を計上しております。なお、第二次農業構造改善事業については、これを計画的に推進することとし、総額六百五十三億円を計上しております。  また、意欲的に農業に取り組む者の自主性と創意工夫を生かして地域農業を推進し、担い手の育成、農用地の利用増進等を図るため、地域農政特別対策事業等を拡大実施することとし、百三十六億円を計上しているほか、農地保有合理化促進事業の推進を図ることとしております。  農業後継者対策については、県の農民研修教育施設の計画的な増設を図るとともに、農村青少年活動促進対策等の推進を図るほか、農業後継者育成資金及び総合施設資金の貸付枠の拡大を行うこととしております。  第三に、農山漁村の生活環境の整備と福祉の向上に関する予算について申し上げます。  農林漁業の生産体制を整備するためには、生産の担い手である農林漁業者が居住する農山漁村を、活力に満ち、豊かで安定感のある地域社会とすることが肝要であります。  このため、農村地域を対象に農村総合整備モデル事業の第二期事業に着手するとともに、農村基盤総合整備事業を積極的に推進するほか、新たに林業及び漁業集落の環境条件を総合的に整備する事業をモデル的に実施することとしております。  また、農山漁村における就業構造の改善に資するため、農業就業改善総合対策の推進に努めるとともに、新たに生活環境の整備、高齢者活動の推進等を行う山村地域農林漁業特別対策緊急補足整備事業を実施する等山村等の振興対策を促進することとし、所要の経費を計上しております。  農業者年金制度についても、農業者年金基金法を改正し、未納保険料の納付を特例的に認める救済措置を講ずる等制度改正を行うこととし、三百八十四億円を計上しております。  次に、農業者の健康の維持増進を図るため、農業者健康モデル地区育成事業等を推進するとともに、生活環境改善対策の一環として、新たに地域住民の共同作業により身近な生活環境の整備を行う手づくりのむら整備事業を実施するほか、農村婦人の福祉の向上に資するため農村婦人の家の増設等色行うこととしております。  第四に、食品流通加工の近代化と消費者対策の充実等に関する予算について申し上げます。  農産物を適正な価格で供給し、国民の食生活の安定に資するため、さきに申し上げましたように、野菜、果実、畜産物等について生産、価格、流通加工対策を拡充強化するほか、生鮮食料品の流通のかなめである卸売市場の整備について百六十四億円を計上しております。また、新たに食糧事務所の職員を活用して、食品の製造、流通段階における品質管理、価格・需給動向の予察等を行う食品流通改善巡回点検指導事業を実施する等食品流通の改善効率化等のための諸施策を推進することとしております。  消費者保護対策、食品産業等農林関連企業対策、生鮮食料品等小売業の近代化対策についても施策の充実を図っております。  第五に、農林漁業金融の拡充に関する予算について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金については、新規貸付計画額を六千三百二十億円に拡大するとともに、貸付限度額の引き上げ等融資内容の充実を図ることとしております。また、さきに申し上げました新農業構造改善事業について補助事業のほか融資事業を実施するとともに、北海道及び南九州における畑作営農改善資金制度につき内容を改善して延長することとし、所要の法律改正を行うこととしております。  以上の貸付計画に関連し、同公庫に対する補給金として七百五十六億円を計上しております。  次に、農業近代化資金について、貸付枠四千五百億円を確保するほか、農業改良資金、林業改善資金、漁業近代化資金について、それぞれ三百二十億円、四十三億円、千億円と貸付枠の拡大を図っております。  第六に、森林、林業施策に関する予算について申し上げます。  森林、林業施策については、林業をめぐる内外の諸情勢に対処して、国内林業生産の振興と森林の公益的機能の発揮とを調和させつつ、その強力な展開を図ることとしております。  まず、林業生産基盤の整備については、林道事業として六百三十二億円、造林事業として三百三十八億円をそれぞれ計上し、事業の積極的な推進を図ることとし、新たに林道網の整備と一体的に林業集落の環境整備をモデル的に進める林業集落基盤総合整備事業に着手することとしております。  国土保全対策の充実については、第五次治山事業五ヵ年計画の第二年度として、治山事業につき千百九十五億円を計上するとともに、森林開発公団による水源林造成事業のための出資金百四十八億円を計上しております。  次に、林業構造改善事業については、二百十億円を計上し、事業の進捗を図るとともに、新たに構造改善事業終了地域等において、間伐促進等のための生産基盤、生産技術高度化施設等の整備に重点を置いた特別事業を実施することとしております。  また、林業の担い手たる林業従事者及び後継者の確保を図るため、新たに、林業労働者の就労の実態に即した退職金共済制度の適用促進対策を実施するとともに、林業普及指導事業の一環として総合的な後継者対策を講ずることとし、所要の経費を計上しております。  さらに、特用林産振興対策については、シイタケ、ナメコ等の特用林産物の安定的供給と農山村地域における住民所得の安定に資するため、樹林造成、生産・流通改善施設の設置に加えて、新たに生産基盤整備、広域流通基幹施設の設置等を含めた総合的な対策として拡充実施することとしております。  また、森林計画制度、保安林制度等の適正な運用を図るほか、マツクイムシの防除を計画的に推進することとし、森林病害虫等防除対策として五十二億円を計上しております。  以上のほか、木材の流通消費改善対策等についても、施策の充実に努めております。  第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  二百海里時代の到来に対処して、水産物の安定的供給の確保とわが国水産業の振興を図るため、水産関係施策の大幅な拡充を図るとともに、水産行政機構の拡充強化を図ることとしております。  まず、わが国周辺水域内の水産資源の維持培養とその高度利用を促進するため、大陸だな斜面の未利用資源の調査等を含め、資源調査を大幅に拡充するほか、沿岸漁業の生産基盤である沿岸漁場の整備開発を積極的に促進することとしております。また、栽培漁業の推進を図るため、栽培漁業センターの施設整備等を促進するほか、沖合い養殖及び浮き魚礁等新方式による増養殖技術の開発を推進するとともに、サケ・マスふ化放流事業等を拡充することとしております。以上これらの事業に要する経費として、総額二百十八億円を計上しております。  次に、遠洋海域の水産資源開発と遠洋漁業の新たな展開の場を見出すため、海洋水産資源開発センターによる新資源、新漁場の開発調査を拡大実施するほか、漁業外交の推進、海外漁業協力の拡充等を図ることとし、これらの事業に要する経費として、総額百五十一億円を計上しております。  また、水産資源の有効利用を図るため、イワシ、サバ等の多獲性魚、オキアミに重点を置いた利用加工技術の開発を推進するとともに、多獲性魚等の消費の促進を図ることとし、所要の経費を計上しております。  漁港施設の整備については、第六次漁港整備長期計画に基づき、沿岸、沖合い漁業の基地の整備を重点としてその整備の促進を図るほか、漁港の整備とあわせて漁業集落の環境整備を行う漁業集落環境整備事業に着手することとし、漁港関連道の整備を含めて、総額千三百十四億円を計上しております。また、沿岸漁業構造改善事業についても、五十三億円を計上し、その計画的推進を図っております。  さらに、水産物の価格、流通加工対策については、水産加工原材料の供給事情の著しい変化に対応し、新たに水産加工業の原材料の転換等を促進するため設備の導入を推進する等施策の推進を図っております。  また、最近の漁業を取り巻く国際環境の変化等の情勢に対処して、水産業経営の維持安定を図るために必要な長期低利の資金を融通するとともに、漁業近代化資金等制度金融を拡充することとしております。  以上のほか、農林水産業施策の推進のために重要な予算としては、試験研究費として八百三十六億円を計上するほか、農業、林業、水産業の普及指導事業及び生活改善普及事業について、総額三百七十八億円を計上しております。  また、農業災害補償制度の実施について千二百五十億円、農林漁業統計情報の整備充実に百七億円を計上しております。  次に昭和五十三年度の農林水産関係特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計については、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適正な運用を図るとともに、国内産イモでん粉の価格の安定並びに飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。特に、米の消費拡大を一層積極的に推進するため、米穀需要拡大宣伝事業の充実を図るとともに、学校給食用米穀の特別売却の継続実施に加え、学校給食米飯導入促進事業の大幅拡充等を行うこととしております。食糧管理特別会計への一般会計からの繰入額は、調整勘定へ六千二十億円、国内米管理勘定へ二百八十八億円、農産物等安定勘定へ十九億円及び輸入飼料勘定へ五十四億円を計上しております。  また、農業共済再保険特別会計については一般会計から七百七十六億円を繰り入れることとしたほか、森林保険、漁船再保険及漁業共済保険、自作農創設特別措置及び特定土地改良工事の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。また国有林野事業特別会計については、国有林野における林道及び造林事業につき一般会計からの繰り入れを行う等の措置を講ずることとしております。  最後に、昭和五十三年度の農林水産関係財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等が必要とするもの等総額六千八百九十九億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。  これをもちまして、昭和五十三年度農林水産関係予算の概要の御説明を終わります。
  9. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) これより本件に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 村沢牧

    ○村沢牧君 中川農林大臣の所信表明の演説を伺いました。私は率直に言って、いままで説明のあったこの施策で、大臣の言われておりますような農林漁業者が誇りと生きがいを持ったような農林業を営むような感じがしないわけであります。ということは、残念ながら今日までの農政について農民は多くの不信感を持っております。大臣の演説を聞いておりましても、いままでの農政について何らかの反省もないことを、私は指摘をしなければならないというふうに思います。  たとえば、米が余ったといっても、農家は政府の施策を忠実に受けて、減反目標をほぼ一〇〇%達成してきたわけであります。しかし、それにもかかわらず、農政の根幹に触れるようなこの新生産調整を押しつけられておる。これは、明らかに政府の今日まで米に対する需給の計画と見通しを誤った結果であって、農民には責任はないというふうに思うんです。  さらにまた、食糧自給率を口にはするけれども、現実は年々自給率が低下をいたしまして、すでに四〇%を割っている現状であります。また、農民の強い反対にもかかわらず、農産物の輸入は増加をしております。このようにして日本の農業はだんだん破壊をされてきたんでありますけれども、こうした過去を反省をし、これからはどうするんだという決意と政策がない限り、中川農林大臣の施策は本当に農民が期待を待てない。したがって、今日までの施策の反省と、これからどうしていくんだという基本的な姿勢について、改めてお伺いをしたいと思うんです。  次に、政府は七%の経済成長を目標に、異例の措置と言われる、あるいは非常時予算と言われる五十三年度予算を編成したわけでありますが、農林水産業がこの経済成長の中に占める役割りはどういうものであるか。いま農民が不安に思っていることは、不況下で生産調整を強いられるし、またそれに加えて、農産物の輸入の枠の拡大あるいはまた二百海里問題、こういう中で一体ことしの農林漁業の生産はどうなるか、あるいは農民所得はどうなんだという心配を持っているわけであります。いまお示しになりました政府の施策で、どのように期待をしていいのかということであります。  もう一点お伺いいたしますけれども、中川農林大臣の農畜産物輸入に対する基本的な考え方についてであります。新聞の報道するところによれば、あなたは大臣就任後の記者会見で、たとえば牛肉の輸入量がふえれば黒字減らしになる、価格も下がる、こういう発言や、また農産物残存輸入制限二十二品目の見通しについても、それはやってみたい、外国に説明ができるくらいな洗い直しをする必要がある。とにかくドル減らしに努力したという姿勢を示さないとえらいことだ、というような発言が報道されておるんであります。私は、こうした記事を見るとき、大臣はアメリカの方だけ向いておって農民の方を向いてない。大臣がいま述べられたような農産物貿易の方針が、額面どおりに受けとめることができないんであります。大臣の言う食糧の安定的供給というのは、国内の自給を高めて安定的にするのか、外国農産物に頼って安定供給するのか、また農業再編対策によって特定作物に重点を置いて、その生産が高まってくれば輸入は減らしていくのか。  以上、三点について、大臣の所信を明らかにしてもらいたいというふうに思います。
  11. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 当面する農政についていろいろ御指摘がございました。  御承知のように、日本農業は、世界各国に比べて、特に豪州やあるいはアメリカ等に比べて違いますのは、土地が非常に少ないということでございます。したがいまして、農家経済がこれら諸外国に比べると生産性がなかなか上がらないと。したがって農家所得が大きくならない。のみならず、国内の他産業に比べてその所得が専業農家においては低い。なおかつ農業は総合食糧といいますか、食糧の自給率というものは国の安全保障にもかかわるということでございますから、何としても生産を上げていかなければなりませんし、また農家経済もよくしていかなければならぬという非常に厳しい二面を持っていることも、御理解いただけるところだと存じます。  ところが、最近米が余ってまいったと、日本農業の根幹をなします食糧が過剰生産になってきたと、これがまず政府の責任ではないかという御指摘でございますが、確かに政府の見通しがあるいは甘かったのかもしれませんが、この傾向は昭和四十四、五年ころから出てまいりました。米の生産意欲が強いと、一方消費は減退をするということで、七百万トンに及ぶ生産調整を昭和四十五、六年からいたしました。なおかつそれでもということで、単年二百三十万トンからの生産調整をやらなきゃならぬということの状況になりましたのはその当時からでございます。かくて五年間を目標にして生産調整をやってまいりまして、ほぼ過剰米の処理、需給のバランスがとれたのでございますが、その後さらに生産は伸びる、一方消費は減退をするということになりまして、昨年、一昨年ごろから昭和四十四、五年ごろの厳しい情勢が再びやってきたということでございますので、何とかこの過剰米について利用の方法はないかと工夫はいたしたのでございますけれども、輸出にしても、あるいは家畜への払い下げにいたしましても、経済的にもあるいは品質的にもこれはどうも処理の方法がないと。やはりこの際は、国民経済的に見ても生産調整をやることが一番望ましいことであり、しかも、麦や大豆や飼料作物等、自給率の低い作物がありますから、単に生産調整をするということではなく、そういう方面へ転換することが要請されることであるということから、このたびの水田利用再編対策というものを緊急的に措置をせざるを得ない、こういうことになったわけでございます。  そこで、取り巻く情勢、さらに厳しくなりましたのは外国からの農産物の輸入に対する要請でございます。これに対処するに、私はあたかも日本の農産物を犠牲にして外国から入れるべきだというふうに受け取られたことは、私の発言のミスもあったかと存じますが、私がしばしば申し上げておりましたのは、いまは水田利用再編対策を行って、米から畜産あるいは果樹、畑作の作物等へ転換している時期であるので、この政策に支障のない範囲内で、なおかつ農家経済に影響を与えないということを基本として、対米折衝、対外折衝をやってまいりたいということをしばしば申し上げてきたわけでございます。  したがいまして、その結果を見ていただきましても、たとえば牛肉について申し上げますならば、確かにアメリカのホテル枠千トンを三千トンに、そしてまた、いい肉があるならば一万トンヘの需要開発に努力しようというお約束はいたしましたけれども、これは約三十万トンが国内で生産されております。約十万トンに近いものが外国からの輸入肉で賄われておるわけでございます。その十万トンに近い枠の中で、アメリカの関心品目となっております高級牛肉について買えるものがあったらば買う努力をしましょう、しかもこれはグローバルでございまして、決してアメリカからだけ買うということではなくて、国際競争によってアメリカが勝ちそうなものということにいたしております。  なお、牛肉につきましては、御承知のように畜産振興事業団がこれを買いまして放出する仕組みになっております。その際、国内価格が下がった場合には買い上げるし、国内価格が上がった場合には放出をする、そして、へそ価格と言われるいわゆる中心価格を維持する、こういう仕組みがありますので、輸入枠全体を調整し、放出においてこれを適正なものにしていくならば国内の畜産には影響を与えない、こういう歯どめがございますので、現に卸売価格、畜産物価格安定法にねらっております価格については下がっておらない、非常に理想的なところに進んでおる仕組みになっておるわけでございます。そのほか生産対策としていろいろの施策を講じて畜産農家の安定を図っていく、特にえさの安売り等も思い切っていたしまして、畜産農家の安定を図ることに最善の努力をいたしておるところでございます。  また、オレンジにつきまして、アメリカ側は季節自由化をして一向に差し支えないではないか、競合品目でありますミカンは三月、四月にはなくなるはずであるというので、国民大衆に向かってもオレンジぐらいは変易の端境期に輸入してしかるべきである、なぜこれができないかという強い要請があったのでございますが、最近の貯蔵技術から見て、季節自由化は通年自由化に通ずるということからこれを返上いたしまして、しかも四月、五月はさらにタンカンその他が出回りますということから、この季節も避けて、全く柑橘類、特に果実の異常に少ない六月、七月、八月については消費者の方からも安い果物をその時期に食べたい、こういう要請もありましたので、柑橘農家には影響を与えない範囲内において二万二千五百トンを入れることにしたわけでございまして、柑橘農家に対しても十分配慮し、影響を与えないということを基本としてやったつもりでございます。  また、オレンジジュースにつきましても、ブレンド用として果樹業者から、現在までは従来千トン入っておりましたが、もっとこれを入れて、ブレンドすることによってミカンジュースの消費が拡大をされるという強い要請がありましたので、これを三千トンを限度とし、しかもブレンド用という用途指定を行った上で、そして入れることにしたわけでございまして、決して国内農産物を犠牲にして輸入をするという考え方はみじんもとっておらないところでございます。  また、二十二品目についてはこれを洗い直す、確かに世界じゅうが自由化品目をたくさん持っております。日本も二十二品目、多い少ないの議論はありますけれども、北海道から鹿児島、沖繩へと、非常に気象の違うこの細長い日本では、数の多いことも当然であろう。世界各国が保護貿易をやっておりますので、農産物についてはこれを自由化ということはなかなかできるものではないという基本姿勢ではありましたが、特に農産物ではなくして、どちらかというと農産物を原料とするたとえば味の素の調製品、これはまあ典型的でございますが、このようなものを洗い直しても農家には影響がない、こういったものをきめ細かく洗い直して、農家の生産に影響のない枝葉のものを十一ほど探したわけでございまして、姿勢を示しただけであって、決して農家には影響を与えないという結果を見ていただければ、御理解がいただけるものと存じます。  今後とも私の基本方針としては、やはり食糧の自給度を向上するということは、これはもう国家安全保障上避けて通れないきわめて重要な施策である。かたがた、農家経済も十分配慮をしなければならない。そして不足で、また対外協力してもいいというようなものがあれば、農家やあるいは農業団体の御理解を得ながら安定的に輸入をしていく、そうして消費者にもこたえていく、こういう姿勢で進みたいと存じておるところでございます。
  12. 村沢牧

    ○村沢牧君 先ほど私は、政府が目標とする七%経済成長の中において農業政策の果たす役割り、農民所得等についても質問したんですけれども……。
  13. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 確かに、米を一三、四%生産調整いたしましてほかの作物にかわりますから、成長が見込まれないのではないかという御指摘だろうと思いますが、御承知のように、ただ米をやめてほかの作物にかわってくれというのではなくして、四万円から七万円――幅はありますけれども、ほかの作物に移ることによって収入が下がると見込まれる分につきましては、総額にして約二千億程度補助金として差し上げることになっておりますし、その上にほかの作物をつくっていただくならば、農家経済としてはそれほど下がるというものではなくて、むしろわれわれの計算では、米をつくったに劣らない収入があるものと、こう思っておりますし、米のみならず、全体の生産性の向上やあるいは今後価格対策等を通じて、まあ七%そのものまでいきますか、今後の動向ではございますからわかりませんが、下がったりするようなことは生産調整を中心にしてないと、こういうことだけは言えるだろうと思っておるわけでございます。
  14. 村沢牧

    ○村沢牧君 私は、水田再編成対策について伺ってまいります。  まず、食管制度ですけれども、大臣は大臣に就任する以前、食管制度を廃止した方がよいと思われるような発言をしております。昨年二月二十五日、朝日新聞の「論壇」では、大臣は、  国政に参加していらい十三年間、農政にたずさわってきた私は、これを解決する道はひとつしかないと確信している。つまり、米価の暴落防止等の歯止め策を講じ、さらに買い占めなどのない適正な市場管理策を設けたうえで、政府が管理する現在の食管制度を思いきって廃止し、生産者と消費者が、自由に取引できる自由流通の基本に返すことしか、解決の道はないと考えるのである。そうすれば、農民も、消費者も、長期的には納得いく取引や流通が行われるであろうし、約一兆円ものばく大な一般会計の食管赤字関係の財政資金を、農業基盤や流通機構の整備などに年々有効に活用することによって、わが国農政の多年の懸案である適地適作主義や、地域分担の政策も実効があがるであろう。また、自給率の低い農産物の生産も確保されるなど、一石二鳥、一石三鳥の効果をあげうるはずである。このように大臣は述べております。これは個人的な見解はいまでも変わりありませんか。  また、資本主義国の日本の流通過程の中で、大臣の言っているような適正な市場管理策ができるというように思っているのか。また、水田再編成対策は食管制度を堅持するために必要な措置であるというふうに農林省は今日まで強調しております。また、食管制度を維持するためには生産調整も不本意ながらやむを得ないと言う人もあるんですが、ところがこの食糧管理法は、今日まで法のらち外の行政措置によって、つまり行政庁の自由裁量によってなし崩しに空洞化されておるんであります。一々例を挙げて申しません。なるほど、食管法制定の当時と今日とは食糧を取り巻く情勢も違ってきておるでありましょうけれども、現在農林省・大臣は食管法をどのように位置づけていこうとするのか、御答弁願いたいと思います。
  15. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 食管法は、御承知のように、戦前米の足りないときに、必要な食糧を生産者から買い上げて安定的に消費者に配給をするということでできた法律でございます。ところが、最近はむしろ逆になりまして、過剰米がたくさん出てきて、そして食糧の安定的確保よりは過剰米をどうするかという、当時とは情勢が変わってまいったことも事実でございます。  そこで、私が昨年の二月、朝日新聞「論壇」に書きましたのはいまお読みになったとおりでございますが、まあ前後があるわけでございます。その前後というのは、いまのように生産者米価は年々上げる、消費者米価は据え置く、逆ざやは大きくなってくる、政府買い入れ価格の方が消費者配給価格よりも高くなる、逆流というようなことになってくる、莫大な赤字が出てくる、さらに米が七百万トンも余ると、こういうような異常な事態になったら食管制度はもたなくなるだろう、そうなれば先ほど御指摘あったようなことにならざるを得ない。しかし、いまの実態から言って農家や農業団体は食管をそういうふうにすることはできないだろう。とするならば、そういう事態に至らないように食管の仕組みというものを堅持するならば、赤字が莫大に出ないように、あるいは生産調整というものを需給に見合ったようにしていかなければそうなるであろう。見出しは確かに「食管制度を廃止せよ」と書いてございますが、中身としては私は警告を申し上げた、政治家としての信念として申し上げたわけでございます。  いまもなお、農林大臣となりましてはむちゃくちゃなことになればという気持ちはありますが、大臣といたしましては、そういうことに至らないように生産調整には理解と協力、農家の人々も食管を堅持するためにも今度の生産調整、必要なものを生産する、消費のないところに生産を続けておったのでは、これはもう消費者の、あるいは国民的な理解を得られないということで非常な非難を食いながらも、またそして莫大な金を出しながらも、あるいはまた、それに必要な土地改良なり生産設備に対する助成をする等、異常な決意で食管を堅持するためにもいまの水田再編対策を十分やってまいりたいし、食管その他についても改善するところは改善をしてこの仕組みは守っていきたいと、こういう気持ちでやっておるところでございます。
  16. 村沢牧

    ○村沢牧君 法律関係について二、三お難ねいたします。  農業基本法第二条第一項には、需要が増加または減少する農産物の転換、外国との競争関係にある農産物の生産の合理化等農業生産の選択的拡大を図ることとなっております。これを受けて第四条一項では、選択的拡大をするためには法制上、財政上の措置を講じなければならないと明記しておるわけでありますけれども、新生産調整については何らの法的措置もとっておらないわけであります。水田再編対策は、この農基法の規定に照らしてどのように考えておられるのか。
  17. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) この点も、実は衆議院予算委員会でもずいぶん議論のあったところでございます。  確かに農業基本法第二条第一項に「需要が増加する農産物の生産の増進、需要が減少する農産物の生産の転換、」こういうふうに前向きのもの、あるいは後ろ向きのものについて「合理化等農業生産の選択的拡大を図る」と、こううたってございます。そこで、第四条がこれを受けまして、その一項において「政府は、第二条第一項の施策を実施するため必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」と、こう規定してございます。そこで、法制局でも答弁がありましたが、必要な場合においては法制上あるいは財政上の措置を講じなければならないということであって、増産をするなり転換をするものはすべて法律によらなければならないという意味ではないと。  そこで、今回の生産調整が法制上の必要があるかどうかという判断になるわけでございます。これだけの大きな仕事でございますから、法制上措置を講じてやったがいいという議論ももちろんあろうかと存じますが、私どもといたしましては、こういったことを法律で強制的に規制的にやるよりは、むしろこういった事態に対処して理解と協力によって政府がこれを誘導しつつやることの方がまさに民主的であり、この問題を円滑にやる上において妥当ではないかという判断のもとに、法制上の措置によらず財政上の措置によって、援助によってこれを推進していく方がよかろうと、こういう判断のもとに、法制上ではなくして行政上といいますか、農家の理解と協力、あくまでも理解と協力によってこれをなし遂げていくことがよかろうという判断のもとに、今度の措置を講じたところでございます。
  18. 村沢牧

    ○村沢牧君 いま答弁になった農基法第四条第一項の解釈ですけれども、必要があれば法制上の措置をとるというような答弁であったんですけれども、第四条一項には「第二条第一項の施策を実施するため必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」つまり、第二条の施策をするために必要な措置をとらなければならないのであって、必要があれば法律をつくらなければならないというこういう拡大解釈にならないというふうに思うんですけれども、これは大臣の見解ですか、法制局の見解ですか。
  19. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私も、そのまま読んでみますと「政府は、第二条第一項の施策を実施するため必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」と、こうなっておりますから、必要があれば法制上あるいは財政上の措置を講じなければならないものと読んでしかるべきだと。これは法制局でもそのような見解であって、農作物の増産あるいは必要でないものの、需要が減退したものの転換というものをやるに当たっては、すべてこれは法律によらなければできないのだという解釈はとらないとするのが法制局の考え方であり、私としてもそう判断しておるところでございます。
  20. 村沢牧

    ○村沢牧君 必要があればということに拡大解釈することについては私は大変に疑問に思っておりますが、しかしこのことをここで論議をしても発展をしないというふうに思いますから、次に進みます。  大蔵省にお尋ねしますが、租税特別措置法の七十条の六によれば、相続人が農地を相続し農業を継続した場合に限って、農業投資価格を越える部分に対して相続税の納入を猶予し、二十年を経過すれば猶予税額の納入を免除される、こうなっております。しかし、納税猶予の打ち切りの規定があって、特例農地の三〇%を超え任意に農地を譲渡し、または特例農地に係る農業経営を廃止した場合においては、納税猶予分の相続税の全部と利子を納付しなければならないというふうにされておるわけであります。農家が農協に水田管理を委託する場合に、二〇%を超えるような場合には、この特別措置法の優遇措置は受けられなくなるというふうに思うんですけれども、その見解はどうでしょうか。
  21. 亀井敬之

    ○説明員(亀井敬之君) ただいま先生が御指摘になられましたとおり、現在の七十条の六によりますと仰せのとおりでございまして、第三者に使用収益をさせる、あるいは譲渡をするといったような場合には相続税の納税猶予が受けられなくなる、こういうふうになっておるわけでございます。
  22. 村沢牧

    ○村沢牧君 大蔵省の租税特別措置法に対する説明があったわけでありますけれども、これに対して農林省はどのように指導していきますか。
  23. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 贈与税の納税猶予の問題でありますけれども、結局この納税猶予をしております趣旨というのは、元来、贈与を受けた土地についてはその贈与を受けた者が一括的に農業を継続するということを前提として猶予している、こういった制度であるわけであります。そういう意味で、農地を細分化を防止すると、一括して受贈者が耕すのだということを前提にしているわけでありますから、これを他に貸したり、つまり使用収益権を設定して分割するということは制度本来の趣旨からやや違ってくると。やっぱり一括して細分化を防止するのだと、そういったことからこういった課税の特例が設けられているというふうに理解しているわけであります。  そこで、お尋ねの趣旨は、それはそれといたしましても、転作との関係でそういう猶予特例が外れるのじゃないか、それに対してどういう指導をするのかと、こういうお尋ねであろうかと思うわけでありますが、私どもそういったものにつきましては、やはりみずから転作するということが本旨でありましょうし、また、どうしても人手が足りない、転作がなかなかむずかしいという場合は作業を部分的に委託すると。全面的にこれを他人に貸す、あるいは一部を貸すという形ではなしに、みずから転作し、足りない場合にはそれを補完をする意味で作業の委託をすると、そういった形で対応していただくということが必要な対応ではないかと思っているわけであります。   〔委員長退席、理事青井政美君着席〕
  24. 村沢牧

    ○村沢牧君 いまの答弁ですけれども、そういうように、部分的であろうとあるいは一括であろうと、一定の率以上に委託をした場合においては相続税の優遇措置がとれなくなるということはお聞きのとおりであります。それにどういうふうに対処していくんですか。どういうふうに指導していくんですか。重ねてお尋ねしたい。
  25. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) ですから、いまお答えをいたしましたが、みずから耕作しないで他人に使用収益権を設定して耕作させるということになりますと課税の特例から外れるということになりますから、あくまでみずから耕作、転作をするということでやっていただきたいと。ただ、その場合に人手が足りないというケースが起こり得ますから、その場合には全面的に経営委託するのではなくて作業を委託する、土地を貸すという形じゃなしに作業を委託すると、そういう形で対応すればみずから耕作するという上要件は満たし得るわけでありますから、そういった対応が必要じゃないかと、そのような指導をしたいと、こう申し上げておるわけであります。
  26. 村沢牧

    ○村沢牧君 次は、いわゆるペナルティーの問題ですけれども、これも衆議院の予算委員会でも論議を重ねたところでありますけれども、しかし、こういう制裁措置について農家や市町村ではかなり厳しく受けとめておるわけなんですよ。したがって、私は重ねて質問するわけでありますけれども、大臣にこのような措置は撤回すべきであると要請をするとともに、その意思はないかどうか、お尋ねをしたいんです。  また、衆議院の予算委員会で、わが党の川俣議員の質問に対して大臣は、末端においては誤解があるようであるので早速通達を発して誤解をなくするようにするという答弁をされておりますけれども、どのような通達を出されたのか、出したとすればその通達を示してもらいたいと思います。
  27. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) この問題も重要な問題でございまして、末端に参りますと、町村によってはいわゆる翌年度への負担ということはペナルティーであり罰則である、だからやらなきゃならぬのだというような文書が流れたことから、特に農家の間で罰則、ペナルティーはひどいじゃないかという議論が出たようでございますが、私どもとしては、この転作を円満なものにして実施するためには、やはりその年できなければ翌年やってもらうという仕組み、もしこの仕組みがございませんと、できなかった分をまじめにやった人に翌年は転嫁しなきゃならない。そうなりますと、正直者がばかをみるという仕組みになって、この仕組みは成り立たないという観点から、公平確保の最小限度の措置としてこれを講じたということでございます。  しかし、末端において誤解がございますので、衆議院において打ち合わせの結果、次のような文書を近々出すことにいたしておるわけでございます。全文は省略いたしまして、さて同大綱第七の目標未達成の場合の措置についてでありますが、この措置を罰則として受け取る向きも一部にあるようであります。しかしながら、木対策は罰則をもって強制するようなものではなく、あくまでも農家を初め関係者の理解と協力を得ながら実施するものでありまして、この目標未達成の場合の措置は、従来から御説明申し上げているとおり、転作等の目標を達成した地域や農家に他の地域や農家の未達成部分が翌年度以降加重されるという不公正な結果となることを避けるために導入することとした必要最小限度の公平確保の措置であり、目標未達成に対する罰則という性格のものではありません。つきましては、この点について誤解のないよう、農業者を初め関係各方面にその趣旨を徹底されるとともに、今後本対策の円滑な実施につき一層の御配慮を願いたい、ということで出したいということで、いま予算委員会等、予算総括の最終で御理解をいただいて出したいということになっておるわけでございます。予算総括の方の問題点がまだ残っておりますから最終案にはなっておりませんが、このような文書を出す予定で農林省としては考えているわけでございます。
  28. 村沢牧

    ○村沢牧君 いま大臣が出そうとしている文書ですね、中身はいままでと何にも変わりがないわけですね。だから、そういう問題が論議をされ問題にされておる中におきまして、そういう措置を改めにゃいかぬ、こういう要求も強くあり、私も指摘したところであります。罰則でないとするならば、転作目標の面積を加算をする、あるいは事前売り渡し申し込み限度数量を控除する、こういうのは、やっぱり罰則でなければそのような措置はとるべきでないというふうに思います。公平の原則で、目標を達成した分について公平の原則を適用するならば、より優遇措置を講ずることによって公平を確保すればいいんであって、やらなかった者に対してそういう罰則的な措置を講ずべきではないというふうに思うんですけれども、いま読んでいただいた中身は全然いままでと変わってないんじゃないですか。
  29. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) そういう議論もありますが、実はこの問題は農林省が勝手にやったわけじゃなくて、去年の軒先から県知事さんや特に団体の皆さんとも十分協議をして、これを実効あらしめるためには、やはり公正確保ということで、翌年まじめにやった人に転嫁されるような仕組みについてはそれは因る。御指摘のように、もっといい手出てをといいますか、補助金を出してというようなことも一つの案ではあろうと思いますが、これは私ども、北海道などでも畑作物に比べますと余りにも恵まれた措置なんです。というのは、反四万を七万も、一町持っておりますと四十万から七十万、五町持っておれば二百万から三百万というものが全く手つかずにいただける仕組み、しかも税制上も一町所得という措置を講ずると、それにしては余りにもひどいではないかという意見もございます。  あるいはまた、過剰生産による農家被害というものは、ミカン等に見られますように、みずから生産調整、摘果をやって、大変な苦しみの中に過剰生産に対処しておる。それに比較して水田の場合には、いま言った土地改良の問題やら、あるいは技術指導やら、特に奨励金というものを相当差し上げておるのであって、農政全体から見ればまあこの程度ならばこれは理解さえしてくれるならばできるものであって、これができないとするところにはちょっとやはり問題があるのではないかというところから、農業団体等におきましても、やはりやった人へは翌年は転嫁をされないという仕組みでひとつやって実効をあらしめたいというのが、大方の議論であったところでありまして、撤回せよと言われましても、私ども責任を持って生産調整しなければならないとする者にとりましては、何とかひとつ、苦しいところではございますけれども、米が余りました場合にはどうしようもない現状、さらにはこれをなし遂げなければならない、そして翌年やった人にさらに加重をするという仕組みだけは避けてひとつやっていただきたいということでまいりたいと思いますので、ぜひとも御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  30. 村沢牧

    ○村沢牧君 ただいま大臣は、この措置は農林省だけの見解ではないんだ、全国知事会や農業団体等の要請にも基づいてやったのだというお話があったんですが、これは取り方によってはなかなか重要な発言だというふうに思うんですけれども、農業団体なり全国知事会から、このように罰則に紛らわしいような措置を講じてくれというそういう要望があったのですか、重ねてお伺いしたいんです。
  31. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 県や農業団体から積極的にあったというわけではもちろんありませんが、話し合いの中で、そういう方法はいたし方なかろうなと、正直者がばかをみるような仕組みは困るなというのが大方の一致した意見であった、こういう判断のもとにこの措置をとったということでございます。農家からこれをやってくれというようなことがあったということになればこれはまたうそになりますので、その点ははっきりと、議論の中においていたし方ないな、そうせざるを得ないかなという意見であったと、こういうことでございます。
  32. 村沢牧

    ○村沢牧君 逆を返してお伺いすれば、今後、全国農業団体なり知事会から、こういうことは困る、そういう要請があれば撤回するんですか。
  33. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 要請があり、しかも実効あらしめる代案がございますれば、こういう方法でやれば百七十万トンは円満にできるという仕組みがございますれば、もちろん耳を傾けないわけではございません。
  34. 村沢牧

    ○村沢牧君 農林省は、米の生産調整をするときには、いままで論議をしたような罰則にふさわしいような厳しい公平の原則をとるけれども、逆に、生産調整をしてなおかつできてきた米の買い上げについては、公平の原則をとっておらないと思うんです。農家が皆さん方の施策に協力をして減反目標は達成をした、しかしなお天候のぐあい等によって予約限度超過米、いわゆる余り米が出た場合においては、公平の原則を主張するならば全量政府がこれを買い上げるべきだというふうに思うんですけれども、その点はどうですか。
  35. 中川一郎

    国務大臣中川一郎君) 食管法は、御承知のように、必要な米を国民配給するということになっておりますたてまえから、必要な米ということで限度数量というものがあるわけでございます。できた米は全部買うという仕組みには食管制度はなっておらないのでございます。したがって限度数量というものがあると。しかし、生産調整はやったけれども過剰米が生じた、天候等によってできたという場合には、自主流通ルートを通じて配給に流れるように政府としてもこれを優先的に助成をして、農家ができた米が持っていきどころがないというようなことはいたさないということで農家対策を講じてまいりたいと、こう思っておりますし、従来もそういう方式――なおこの際申し上げますが、生産調整は今回が初めてでありませんで、昭和四十五年から法律によらずに納得と理解のもとにやってきた仕組みでございますし、限度数量の扱いも同じ方法でやってまいりましたので、今後もそういった方法でやっていきたいと、こう思うわけでございます。  なお、生産調整に応じないでできた米はそれじゃどうするのか、その年はやはりこれも自主流通ルートに乗せて消費者に流れるようにする。しかし、その場合、生産調整に応じた方と応じないでできた自主流通に乗る米に対する政府の助成に差が出てくることは当然のことでございます。
  36. 村沢牧

    ○村沢牧君 自主流通ルートで販売されるということでありますけれども、米の買い入れ、管理は、申すまでもなく政府買い入れと自主流通の二つしかないわけですね。それ以外で売れば、やみ米として食管法で処罰をされるわけでしょう。ところが、自主流通米と政府買い入れとは価格も異なるわけです。政府の方針に従って減反したものについては、食管法の三条によって政府の買い入れる数量に入れるべきだと思うんです。皆さんがおっしゃるように、百七十万トンの生産調整をすれば余り米は出ないであろう、そういう自信があるとすれば、なおさらそうした場合においては政府が買いますという、やっぱり農家、農民にとって期待が持てるような、安心ができるような方針を、答弁をやっぱり出してもらいたいと思うんですが、どうですか。
  37. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私も政治家としてすらっと考える場合には、国民の必要な米はこのぐらいで、これだけ減反をすればこれだけ生産される、だからその分は全部買いますから生産調整に協力してくださいと言えば一番いいかなあという感じもいたしますが、やっぱり食管の仕組みそのものからいきますと、予約限度数量というものは無制限であると、生産調整さえやればあとは幾らでも買うのですという仕組みが食管法になじむのかな、やはり食管法は必要な米を国民に配給するということからいけば、限度数量という仕組みを持っておきませんとこれはちょっと適正を欠くのではないか。したがって、先ほど申し上げましたように、生産調整をしていただいてなおかつ天候その他で大豊作でたくさんとれたという方に対しては、自主流通ルートによって従来より以上、私は従来も措置してまいりましたが、従来より以上気持ちの上で手当てをして自主流通ルートを通じて消費者に流れる仕組み、これは堅持してまいりたいと思うわけでございます。
  38. 村沢牧

    ○村沢牧君 食糧庁長官、いま、申すまでもありませんけれども、お米は自主流通米と政府が直接買うものと二つですね。そのほかにいわゆる一般にやみ米というようなものが市場に流れておるわけですけれども、政府が買い上げをしないとすれば、こういうやみ米もさらに拡大をしていくようなおそれがあるというふうに思うんですけれども、やみ米については食糧庁長官、どのように把握して考えておりますか。
  39. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) いわゆるやみ米、不正規流通米につきましては、もちろん法律違反であることは当然でございますが、これが大量に出回るということになりますれば、現在の食管制度自体の基礎を掘り崩すということになりますので、私どもといたしましては厳重に規制をしていくという考えで進めておるわけでございます。  したがいまして、ただいま御質問に関連しますいわゆる予約限度超過米につきましても、大臣からお答えしておりますように自主流通米に準ずる流通をさせるということで、自主流通ルートを通じまして、政府を通すことなく、生産者、指定法人から卸売業者に販売をさせるということを計画的にやらせる。その場合、適正流通のための助成措置も講じていくと。その場合、これも大臣がお答えしましたような、達成した農家と達成しない農家とは取り扱いを異にしていく。達成した農家に手厚く助成をしていくというような方向で今後も進めていきたいと思いますが、それらを通じまして不正規流通米が流通することのないように、取り締まりの面とあわせて指導してまいりたいと思いますが、そのためには、もう一つは集荷団体でございます農協自体が積極的な集荷努力をしていただくということが必要になるわけでございますので、農協活動といたしましてもその点を特に努力をしていただくようにお願いをしておるところでございます。
  40. 村沢牧

    ○村沢牧君 大臣、政治家としての大臣に所信を聞きたいんですが、私はつい最近中国農学会の招待を受けて、数人の国会議員と一緒に中国へ行って農学会の皆さんといろいろ懇談をしてまいりました。そのときに、中国は、政府の割り当て数量以上に食糧を政府に売り渡した者については、これは政府に貢献をした者として特別の奨励金をもって政府が買い上げておるんだ、食糧の備蓄も、人民公社によっては違うけれども、ある人民公社によっては人民公社あるいは政府を含めて一年分の備蓄をしているんだというような説明もあったが、これらを見て、大臣として日本の食糧を政府が買って備蓄をする、これからの農業の基本としてどのように感じるでしょうか。
  41. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 中国では米がまだ足りないというところから奨励金を出して一定以上つくった人を優遇する、これは当然のことだろうと思います。かつて日本でも、早出し奨励金とかいろんな奨励金を出して足りない時代には措置を講じております。  それから備蓄でございますが、私どもも備蓄できるものなら一年でも二年でも、三百万トン、五百万トンあっても結構だと思うのでございますが、一方消費者の方からは強い要請があって、古米の配給は困る、余った時代には新米だけ食わしてくれと、こういうことになります。こことの関係をどうするかという、備蓄をすれば必ずその古くなった米をやっぱり回して食っていかなきゃいけない。スイスでは、御承知のように三年分パンを備蓄している。一朝有事に備えている。しかし、消費者も理解をして新しいのを蓄えて古いのから食っていく、三年前のを食っていくというようなことで、消費者が、いや結構です、古い米でもがまんをしますから、古米でも古々米でも結構です、新米は備蓄しておいてください、こういうことでございますならば結構でございますが、これだけ過剰ぎみにあるときに、消費者からはむしろ消費拡大のためにも政府は一体何をやっているのだ、備蓄米なんということで、初めは五十万トンか六十万トン繰り越し米があればいいだろうと言っておったのを、百五十万トンにし、現在二百万トンぐらいは備蓄しなきゃならぬ。これは、石油ショック以来二百万トンぐらい持てということになります。二百万トンも将来投げてしまうなら別でございますが、円満に備蓄として転換をしていくということになれば、やはり二百万トン分は配給をしていかなきゃいけない。  そうすると、たちまち消費者から古い米があってうまくない、こんなことをやっているのだから米が伸びないという批判が出てくる。この辺との国民的な合意をどう得るか、政治家としても非常に悩んでおるところでございまして、消費者の皆さんがよろしいと、合意が得られるならばもう結構なことですし、私はむしろそこで、国民の皆さんに古米を食ってくれという無理は言わないけれども、まあ一日に一杯ぐらいよけい食べてくれれば、古米も出ないし無理な生産調整もない。古来固有の日本の主食である米を守っていくという、スイスに見習えという声を国民にお願いすることの方がむしろ今日適正なやり方ではないかということで、各方面を通じて学校給食の強化、あるいは新製品、うどん等の開発、こういったことで最善の努力をすると同時に、一日一杯運動というようなことで図ることの方が適切な措置ではないか、こう思って国民にお願いしておるところでございます。   〔理事青井政美君退席、委員長着席〕
  42. 村沢牧

    ○村沢牧君 大臣の方から消費拡大に触れての答弁があったわけでありますから、これに関連をして聞いてまいります。  米が余ったので生産調整をするというふうに言っているわけでありますけれども、米が余ったということは、今日まで政府が消費拡大に積極的に取り組まなかったことにも大きな原因があるというふうに思うんです。わが党は、この日本人の主食である米を見直して国民全体の合意を得て消費拡大を図る。そのためには、米をつくらせないために二千億という金をかけるよりも、消費拡大や価格保障に二千億という金を使う、その方が食糧自給のためにより有効であるという立場から、具体的な拡大政策を明らかにして政府にも提言しておるんです。たとえば一般消費の拡大は百万トン、いま大臣が言われたように米を食べる運動――一日一人当たり二十五グラム、茶わん一杯ぐらい多く食べていくというようなこういう国民的な合意を得ての運動、学校給食も二十万トンはできるだろう。あるいは、なおかつ余れば海外援助三十万トンぐらいはいいではないか。酒米が二十万トン、これも、アルコール添加をいまの半分にすればこれだけ消費が拡大できるのではないか。こうすれば、百七十万トンなんてもう拡大できるんですよ。これにはただかけ声だけではなくて、学校給食のように値引きもしなければならないわけであります。こうしてくれば米は余らないし、生産調整もする必要はない。こういう提言について大臣はどのように受けとめるのか、あるいは積極的に消費の拡大をしていこうとする気があるのか、重ねてお尋ねをしたい。
  43. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 社会党からいま御発言ございましたような案が出ておるということは、私ども拝見いたしまして検討もいたしました。三五%学校給食用と同様に値引きすることによりまして消費拡大運動によって百万トンをふやす、あるいはただいまおっしゃいませんでしたけれども、加工用で百万トンというのもたしかあったと思います。  それらは、方向としては考えられないわけではございませんけれども、やはり消費拡大と言いますのは受け入れ体制、それから特に消費者の嗜好の問題、選択の問題にもかかわる問題でございますので、無理やり強制してやるべきものではないので、やはり米に対する知識等がかなり誤解もございますので、それらを解きほぐしながら、また、食糧需給事情等については、長期的な観点から国内の米を消費をするということが食生活のあり方として大事であるというようなことにつきましてよく普及をし、また、学校給食とか加工用等につきましても、受け入れ体制を整備をしながら、漸進的、段階的に進めていくべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。  したがいまして、私ども五十三年度において考えておりますことは、一般的な知識の普及ということで、栄養士さんなり調理師あるいは学校給食関係の方々あるいは一般消費者等に対します普及宣伝ということを、県、市町村段階を従来以上に拡充をしてやる、あるいは全国業界の関係団体等においても積極的にやっていただく。その際、特に農村関係において農業者自身の消費も減っておりますので、都市の消費者に向かってPRすると同時に、農家自身が米離れを来しておる傾向を直すように、消費の拡大をするようなことを農業団体の自主的な運動としても展開をしていただきたいというようなこと、そういう広報宣伝的なことが一つ。  それから、学校給食につきましても、全面的に完全給食校につきまして米飯給食に切りかえますと、約二十五万トンぐらいの消費になるかと思います。現在は、本年度の実績推定は二万四千トンぐらいやっております。来年はそれを約倍増するということで、段階的にふやしていきたい。私ども現在文部省と相談をして持っております計画では、五十六年に玄米ベースで十一万トンぐらいのところまで持っていきたい。これは週二日米飯給食ということでございますが、そういうふうに持っていきたい。  加工関係につきましては、新しい新製品を開発することに対しまして、国の試験研究機関でも研究を来年から拡充することにしておりますけれども、それぞれの関係業界におきまして最近新製品が、かなり試作的な段階でございますけれども開発されております。ライスパンだとか、ライスめんだとか、ライスクラッカー等いろいろあるわけでございますが、それらに対しまして、そういう開発の際に政府の持っております米を無償交付するというようなこともやりながら促進をしてまいりたいということ。  それからもう一つは、どうしてもやはり米の消費拡大を行いますためには、品質のいい良質米が生産をされ普及をされるということが必要でございますので、生産面におきましても良質米を奨励するような指導助成を今後とも引き続きやり、強めていきたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、申し落としましたが、加工関係では、御指摘にございました酒米につきましても、アルコール添加を漸進的に減らしていくというような方向で、五十二年度におきましても一部政府米の安売りも実施しておるわけでございますが、そういうような対策を講じまして、これも一気にというわけにはまいりませんけれども、段階的にやっていきたい。  したがいまして、御提案のございました線の方向としては私どもそのとおりだと思いますから、漸進的、段階的に、理解とまさにこれは協力を得ながら進めていきたいというのが政府の考えでございます。
  44. 村沢牧

    ○村沢牧君 国民が米を食べなくなってきたから米も余るようになったと言っておりますけれども、米が余るように仕組んだのは一体だれかということなんですよ。米が余るようになった政治責任、政策について政府としての責任は全く回避しているというように思うのです。国民は、与えられた条件のもとで消費を選択するのです。食糧の需要供給は、本来操作によって決まるもんだというように思うのです。そうすれば、外国の麦の輸入を減らしたり、あるいは麦価を上げて米価と均衡を持たせるような措置をすれば、米食はかなり復元をするというように思うのです。そのもとを正さずして消費拡大のキャンペーンを張ることは、自己矛盾であり欺瞞と言わざるを得ないと思うのですけれども、大臣の見解をお聞きしたい。
  45. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 確かに国民の間に麦に米がやられたのだと、麦に対する政策はなっておらぬという声があります。したがって、まず輸入制限をやったらどうか、あるいは値段、対米比価を是正したらどうかという声が確かにございます。  そこで、まず輸入制限でございますが、麦を輸入制限した場合にどうなるかというと、今度は割り当て制度ということになってまいります。いまの国民に向かって麦を配給制度、削り当て制度というようなことがなじむかどうかという議論があって、なかなか輸入制限には消費者の反発等ももちろんありますからできないという問題が一つございます。  それから、それじゃ値段を上げたらどうかということで、私どももまさに理解が得られるならばこれはもうかなり相当の値段を上げて、米に比べて麦、パン、うどんの方が高いのだというものにすれば、私は相当米が伸びるだろうと思うのです。ところが、これまた麦価の時期になりますと、消費者から円高のメリットで麦ぐらい安く食わしてくれ、パンぐらい安く食わしてくれと言うので、政治の場でも麦価を引き上げるというのは物価高に影響して消費者大衆を苦しめているということで、ことしも、昨年の暮れでございましたか、麦価を決めたわけでございますが、われわれとしては何とかこれを相当上げたいと思うのでございますけれども、いよいよの段階になりますと、特に消費者を中心にして円高のメリットぐらいで今度は下げてほしいという運動の方がむしろ強くなってくるというので、政治はなかなかむずかしいものだなあということで悩んでおるところでございますが、せっかく社会党の先生からも麦価を少し米に比べて配慮をせよということでございますから、いずれ近いうちに麦価はひとつ上げたいと思いますので、その節は御理解と御協力をぜひともお願い申し上げる次第でございます。
  46. 村沢牧

    ○村沢牧君 答弁を変なふうに茶化しちゃいけないですよ。
  47. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) いや、全くそのとおりです。
  48. 村沢牧

    ○村沢牧君 麦価は上げてやれということを言っているのじゃないですよ。生産者麦価も上げろと、消費者麦価を上げるなんていうことを言っているのじゃないですよ。  ですから、みずからの政府の取り組むべき姿勢を、また、なるほどことしのこの消費拡大の方針にも幾つか閣議決定のを出しておりますけれども、この姿勢がきわめて弱いと思うのですね。もっと積極的に取り組まなかったら拡大なんかできないと思うのですよ。政府みずからがもっと積極的な姿勢を出すべきだということを強く要求をするとともに、この際、海外援助についてもちょっと聞いておきたいのです。  国内で米が余っている。古米もある。そうだったら、食糧の不足している国へ、何も工業製品ばっかりでなくって、金物ばかりじゃなくて、米をやっぱり援助してもいいではないかというふうにも思うのですよ。かつてこういう措置をとっておったわけですけれども、これに対してはどういうふうに考えているか。また、現状どうか。
  49. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) これもまた国民の皆さんから、これだけ食糧過剰ならばインドネシアやバングラデシュやその他食糧がなくて困っているところへ輸出なり、輸出できないなら援助したらいいではないかと、これは素朴な議論として受けとめるところでございます。  ところが、御承知のように、援助できるとすれば東陶アジア方町が多いわけでございます。ところが、価格がまず援助するにしては非常に高いものにつく。大体国際価格といいますか、あの付近と比べても六倍から七倍のものである。それだけの金額のものを差し上げて六分の一の評価しかされない物資が、単年度とか緊急とかなら結構ですが、経常的にやっていくことが、国民経済上これが妥当な援助物資と蓄えるだろうかということが一つございます。  それからもう一つは、品質が東南アジアの人に喜ばれる米ではない。御承知のように、東南アジア――ビルマ米に代表されるように、われわれには想像のつかない、あのかたい米が好まれるところも多い。ましてや、赤道を越えますと品質が変わってしまう、カビが生える等の問題も出てくる。しかも、炊き方が軟質米についてはわからない。こういうようなところから、せっかく高い国民の税金で相当の物をお贈り申し上げても、返ってくるものは何か悪い物を送ってよこしたというような非難も出かねないということで、これを恒常的に援助物資として毎年やるということにはなじむかなあという疑問を持ってわれわれも苦労しているところでございます。もちろん緊急的なことでございますれば、これはもう臨時的に援助することは当然であり、過去においてもやっておりますし、最近インドネシアが食糧不足であるというところから、緊急輸入等の要請があればこれに対応する、こういう措置はとりましても、割り高の物を、しかも余り喜ばれない物を毎年贈るということについて踏み切るには、まだちょっと踏み切れない段階でございます。
  50. 村沢牧

    ○村沢牧君 まだちょっと踏み切れないという御答弁だったんですが、最近は海外輸出をしていないですか。
  51. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 昨年の十一月の末だったと思いますが、インドネシアから十万トンについての政府借款による援助の申し出がございまして、十万トンの輸出を二月の初めまでに行いました。それが最近におきます輸出といいますか、援助といいますか、海外へ国内米を出した実績でございます。
  52. 村沢牧

    ○村沢牧君 食糧庁長官、いまインドネシア向けの輸出ですね、これは昨年と言ったんですけれども、私の聞いておるところでは、昨年の十二月からことしの一月二十四日まで輸送指令によって輸出をしたということを聞いているんですが、違いますか。
  53. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 昨年の十一月だったと思いますので、それ以降、年末からことしの二月初めにかけまして積み出しをすでに完了しております。その意味では、今年度という意味では今年度でございます。暦年で昨年と申し上げたわけでございます。
  54. 村沢牧

    ○村沢牧君 次に、転作の作物についてお尋ねしたいんですが、飼料作物だとか、あるいは大豆、麦、ソバなどについては特定作物として奨励金を他の作物よりも配慮されておるわけでありますが、しかしその内容を見ると、米の生産を減らすということのみに重点を置いて、農産物の総合的な自給率を向上する気があるのかということが疑わしくなるわけなんですよ。たとえば麦にしてもそうだ。麦の奨励金を特定作物として出すことは結構なんです。しかし、冬作の麦をつくって夏作の米を減らすというのは、これは奨励金を出すということ、いかにもこれは米を減反すればいいんだということのあらわれなんです。麦の自給率は四%しかないわけです。この自給率を高めるとするならば、米を調整するかわりに麦をつくるという発想だけでなくて、もっと麦をつくる方面に力を入れてしかるべきだと思うんです。わが国の耕地の利用率は、現在わずかに一〇三%しかないというふうに聞いておるわけです。これは明らかに、水田裏作を放棄した結果こういうことになったんです。  したがって、私ども社会党も提案しておるわけですけれども、たとえば直ちに水田裏作の可能地と言われるような関東以西の百三十万ヘクタールのうち三十五万ヘクタールぐらいに裏作小麦、あるいは十五万ヘクタールに飼料作物を生産できるよう誘導すれば、麦もふえてくるし、あるいは飼料作物もふえてくる。もちろん、これには財政的な裏づけ、強力な財政措置が必要であるというふうに思いますけれども、こういうことについて本当に取り組む姿勢があるのかどうか。  さらには、夏作に重点を置くとするならば、やはりその筆頭は飼料穀物ではないかというふうに私は思うんです。政府が五十年五月に閣議決定をした「農産物の需要と生産の長期見通し」、これを見ても、昭和四十七年度の穀物自給率は四二%であるけれども、六十年度には三七%に低下するというふうに見通しを立てておる。その穀物の主たるものは飼料穀物なんです。まさにこうしたものにもっと力を入れて自給率を向上を図っていく、このことがやっぱり必要だというふうに思いますけれども、どうもそれに余り力を入れているように見受けることができないわけなんです。したがって、こういう米にかわる転作作物に本気になって取り組んでいるか。もし皆さんが本気になって取り組んでおるというふうにおっしゃるならば、この農産物の需給の見通しからいって、どのように持定作物の自給が向上していくのか、「農産物の需要と生産の長期見通し」という閣議決定に基づいてどのように向上していくか、そのことをやっぱり明らかにしてもらいたいと思うんです。  現在、農民の受け取り方は、麦や大豆の自給率はスズメの涙ほどであるから高額の補助金までつけて奨励ができる。本当に自給率が高まってきたら、奨励金で財政の破綻は必至である。第一また、あんまりこうしたものの自給率が高まればアメリカにも顔向けできないのではないか。こういうことは、農民は本気にはとらないですよ。これだけ他のものを生産するといったって、どれだけ一体自給率を高めていくのか、その見通しについて明らかにしてもらいたいと思います。
  55. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) この点も政治的に非常に批判の強いところでございますので、私から基本的なことだけ御説明を申し上げておきたいと思います。  まず、麦についてでございますが、麦はアメリカで生産されますのは一俵千円そこそこでございます。日本ではいま奨励金も入れまして、約一万一千円ぐらいお支払いする仕組みにしているわけでございます。そこで、輸入してまいりますと、たしかアメリカの麦は三千五、六百円前後じゃないかと思うのです。したがって、消費者か、あるいは政府が手持ちする分が一俵について七千円も出てくると。これは大豆についても、五千円ぐらいで入ってくるのを一万五千円ぐらいで買って差し上げると。したがって、一俵一万円ぐらいの負担になっておると、こういうことになります。しかも、これを水田において反七万円も、集団的にやりますと加算金が二つ三つ重なりまして差し上げると。そうすれば、一俵について麦ならば一万五千円とか二万円がよけい加算される。そうなりますと、根っこに比べると三万円から四万円の麦になってくると。大豆についても一俵三万円前後のものになってくると。  これは、北海道でビートをつくっておりますが、国際糖価に比較すると、ビートは五千円から六千円ぐらいのものでしかない、まあ計算によりますけれどもね。畑でつくると二万円ぐらい差し上げる、一万数千円は国民なり国の負担になる。それをまた水田でつくりますと、さらにビートが一トン三万円とか四万円になると。それでもなおかつ自給率が低うございますから、相当高い負担を消費者なり国が持ちましても、いま申し上げたように、四万、五万の転作奨励金のほかに加算をして七万円から差し上げて、麦なり大豆なり飼料作物なりビートなりと、自給率の低いものについては相当手厚いことをしてふやすようにしておると、こういうことでございます。  したがって、その結果今後どういうことになるかということについては、見通しについては局長から申し上げますが、そういう厳しい中に自給率の悪いものについて政府が最善の努力をしているということだけは、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  56. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 先ほど御質問の麦、大豆等について申し上げますが、一つには、いま大臣おっしゃいましたように、非常に高い転作奨励金を出して奨励をすると。それから水田裏の奨励金、これは反当六千円でございますが、そういう奨励金をつけて生産を奨励すると。それから、あるいは高度麦作集団育成ということで、主として水田裏でございますが、それらに対する地代あるいは施設の補助……
  57. 村沢牧

    ○村沢牧君 時間がありませんから、自給率がどの程度か……
  58. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 現在約六%でございますが、将来は、六十年見通しでは自給率一七%に持っていく予定でございます。いま申し上げましたようないろいろな施策によりまして、四十八年度まで年々三〇%以上に及ぶ減産をしておったわけでございますが、五十二年度産麦について見ますと十六万四千ヘクタールと、四十八年産に比べて約六%増加をいたしておるという現状でございます。  それから、大豆について申し上げますと、大豆は現在一八%の自給率、搾油を入れますと三%でございますが、これを昭和六十年に六〇%、搾油を含めますと九%と、そういう目標に持っていく予定で、省力機械の補助あるいは共同防除あるいは簡易土地基盤整備、そういうようなものを生産対策としてやっていくと同時に、価格政策につきましても、従来生産振興奨励補助金が一俵三千五百円出ておったわけですが、それを基準価格の中にほうり込んで一万四千八百四十六円にしておると、そういうようなことで、生産、価格両面から振興対策をやりまして自給率を高めてまいりたいというふうに考えております。
  59. 杉山克己

    ○政府委員(杉山克己君) 飼料穀物についてお答え申し上げます。  畜産経営の安定を図る上で、飼料の国内自給度を高めるということはきわめて重要だと考えております。「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、目標年次六十年におきますところの飼料作物の作付面積を百四十六万九千ヘクタールというふうに予定いたしております。四十七年が七十六万八千ヘクタールでございますから、ほぼ倍近い水準まで引き上げることを考えておるわけでございます。特にその中で粗飼料の給与率、これを引き上げる。大家畜に対する粗飼料給与率を、その中でも重点的に引き上げるということを考えておるわけでございます。  率で申し上げますというと、四十七年が二三・四%でございますが、これを六十年には三一・〇%にまで引き上げるということにいたしております。このため、従来から各般の施策をとってまいっているところでございますが、今回水田からの転換ということによってこの面積達成、あるいは粗飼料の供給率を高めるということの促進に資するものというふうに考えております。
  60. 村沢牧

    ○村沢牧君 次に、価格についてお尋ねしますが、いま政府の示している奨励金は、米との需給の均衡を保とうとしてあのような額を決めているように思いますけれども、本当に農業の再生産をやろうとするならば補助金というような形ではなくて、価格政策体系の本格的な立て直しが行われるべきだというふうに思うわけでありますけれども、奨励金でなくて将来価格に組み入れていく、こういう考え方を持っておられるかどうかということが一つです。  それから、政府の示した奨励金の種類及び交付期間はこれは矛盾のあるものもあります。絶対的なものだとは言えないと思うのです。したがって示された補助基準を下げるということはもちろん絶対に許されないわけでありますけれども、生産を拡大する必要がある作物あるいは現在の補助の方法は現実にそぐわないものがある、矛盾のあるものがある。特に要望が強いもの等について将来内容を充実する必要があるというふうに思いますが、そのような考え方を持っていないかどうか、大臣にお伺いします。
  61. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 米の転作に当たりましては、やはり他の転作作物との価格のバランスをとる必要があるということに着目をいたしまして、昨年度から先ほどお話のあったように、大豆について言うならば、一俵三千円差し上げておりました奨励金を価格に取り込む、これはビートにつきましても、麦につきましても、奨励金のありましたものはすべて価格に取り込んで米とのバランスをとるようにしたと。今後も価格政策に当たりましては、米とのバランスにおいて転作作物の方が追いついていけるように今後とも努力をしていきたい、こう思っております。  なお、奨励金の扱いでございますが、今後そういった価格政策によって誘導されるようになっていくのか、三年ほど見ましてまだ誘導されないということであれば、価格でがんばると同時に、奨励金についても見直しをしていくということで対処し、いずれにしても転換が容易になるように、奨励金と価格の額の操作によって誘導してまいりたい、このように考えておるところでございます。
  62. 村沢牧

    ○村沢牧君 具体的な作物二点についてお尋ねいたしますが、特定作物の中にソバがあります。ソバを特定作物にしたということはアイデアとしてはいいということでかなり好評を得ている面もあるのですが、しかし価格保障がありませんから、ソバをつくるという適地はあってもなかなかつくれないんですね。したがって、これを価格制度をつくっていかなければならないというように思いますし、また当面できないとしても、補てん制度でも設けて生産奨励価格を保障すべきではないかというように思うのですが、このことが一点。  それから桑ですね、桑はいま奨励金の交付期間が三年になっている。ところが、桑を永年作物とするならば、他の永年作物と同じようにこれは十年ぐらいにすべきだというふうに思いますし、最近桑園改良とか進んでまいりまして、密植桑園等が行われ、あるいは四、五年でこれが改植――植えかえるということで、そうすれば桑は申すまでもなく蚕の飼料なんですから飼料作物として、特定作物として認めていくべきではないか、こういう要望も非常に強いのです。これについて、特別な作物として二点お尋ねをしておきます。
  63. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 最初のソバの点でございますが、ソバの生産振興を図りますために、従来は種子の確保あるいは契約栽培集団の育成ということを図ってきたわけでございます。五十三年度予算でも総額一億ぐらいでそういう事業をやっておるわけでございますが、価格の安定が必要であるということはおっしゃるとおりでございます。そういう意味で契約栽培の増進ということに非常に力を入れておるわけでございますが、まだ契約栽培というのは緒についたばかりでございますので、その機能も十分にまだ発揮をしていない。まだ結果的にもどういうふうになっていくのかはっきりしないと。そういう意味で、まずは契約栽培の推進、そういう点に重点的に指導をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、第二点の桑の点でございますが、これは永年作物全体に通ずることでございますけれども、桑は育成期間が比較的長い。それから育成する場合の最初の投資がよけいかかると。そういう意味で、奨励金も特定作物並みのを出しておるわけでございますが、やはり果樹、桑、それぞれ育成期間というものを考慮しながら期間を決めておるわけでございます。  たとえば、果樹について見ますと非常にばらつきがございまして、三年でできるものもあれば八年で、あるいは十年と、そういうものがございますし、また育成期間の途中で着果を開始する時期というのがございまして、これも果樹について見れば大体三年ないし五年で着果が開始できるわけでございます。そうしますと、ある程度その中に収入が入ってくると。そういう意味で、最初申し上げましたように、最初に投資がかかるという意味では特定作物並みに非常に高い奨励金を出すと。ただし、途中でも着果開始の時期になってくればある程度収入が入るということで、期間を大体五年ということで制限しておるわけでございます。  それから桑については、これは育成期間が三年、これは従来もそういう取り扱いになったわけでございますが、大体三年で成園になって、十五年ぐらいで更新をすると。いま最後におっしゃいました密植栽培でございますが、これは全く新しい技術でございまして、非常によけい植えて、ただし当年度からもうある程度刈り取りができてそこで収入が入ってくる。ただ、一般の作物並みにやはり全部刈り取るわけじゃなくて、根は残しておいて、そこからまた条といいますか枝が出てくると、そういう意味では一般の野菜等とはちょっと違う扱いになろうかと思います。そういう意味で、密植栽培につきましてはこれは初めての技術でございますし、これからの推移を見ながら検討はいたしたいと思いますが、いま申し上げましたように、ほかの作物、他の果樹あるいはアスパラとか、そういうものとの関連もあってなかなかむずかしい問題だとは思っておりますが、将来の問題として検討はいたしたいと思います。
  64. 村沢牧

    ○村沢牧君 そろそろ時間が参りますから、あと二点ほど具体的な問題について指摘をし、答弁を求めたいというふうに思います。  土地改良に関連をしてですけれども、政府が減反政策を打ち出したことによって、当初計画の開田が不可能になって開発形態の変更や、あるいはまた事業の進捗がおくれて、さらに加えて国、県の指導、これの不手際によりまして大きな負担を強いられている地域や問題があるんです。  長野県の中信平国営土地改良事業は、昭和四十六年に工事が完了する予定であったんですけれども、六年以上経過した今日まで事業も続いており、この事業費百二十七億ぐらい使っておるわけですけれども、この中の特に特殊事業として、開田を前提として約六億一千万ほどかけて余水を流す承水路の工事を行ったわけでありますが、ところが国の施策によって開田ができなくなった現在におきましては、この承水路は、無用のものとも言えぬけれども、必要がなくなってきたわけです。国や県の補助金を除いてこの工事の受益者負担金は約一億三千万ぐらいになっておるわけですけれども、地元ではとうていこういう計画変更によってできた負担金であるから負担がし切れないという問題が発生して、地元の新聞紙上等もにぎわしまして大きな問題となっておるわけであります。したがって、この工事は国営の仕事であるんです。国の施策で重大な計画変更を余儀なくされた。しかもまた、この承水路というのは一級河川へつくった承水路であるから、本来ならば建設省がやって、これは全部国、県費でもってやるべきものを、農林省がやったという経過もある。こういう問題等があって、開発形態の変更の同意書を地区内でとらなければならない段階になっておりますけれども、とれない状況になっておるのですよ。これらについて農林省はどのような責任を感じ、あるいは何らかの救済措置をとるべきだというふうに思うんですけれども、これについての見解をひとつお伺いしたい。  もう一点は、農事用電力というのがあるんです。畑作振興ということをよく言っておるわけですけれども、国の畑作振興の施策を取り入れて機械化による畑地灌漑だとか消毒などを行う地域が多くなってきております。ところが、灌漑排水のためのスプリンクラーを使っているわけでありますけれども、このスプリンクラーの灌漑排水のための電気料金は農事用電気として特別価格の扱いを受けているわけですけれども、このスプリンクラーに消毒液を入れて散布した場合にはこれは農事用電気料金の適用を受けない、こういう事例が発生をしておるわけなんです。同じスプリンクラーに真水を入れてまけば農事用電気で使えるけれども、これにちょっと消毒液を加えればだめだという、こういうことになっておるわけなんですが、これは電力供給規程によってそういうことになっているということでありますが、そのことを承知しておったとするならば、農林省は農事用電力を使えぬようなこんな消毒施設をなぜ認可をしたと、そういう問題も出てくるわけなんです。また、農林省としてこのくらいのものをひとつ電力会社に要請をして、農襲用電力を使いなさいという指導ができないのか、要請ができないのかどうか。  通産省いますか。――通産省にも要請したいのですけれども、消毒といっても毎日やっているわけじゃないんです。年に三回か三回しか使わないんだ。しかも、いま申し上げたように、同じスプリンクラーで消毒しているのですね。これはやっぱり農事用電力じゃいけないということで認めてもらっておらないんです。全国の九つの電力会社は大体理解をしてもらっておるようですけれども、特に中部電力に関してはなかなか厳しいようなんですけれどもね。しかもまた、私がけしからぬと思うことは、この農民のつくった施設に対して、中部電力がその消毒施設の機械に対しては使用禁止という封印をしてあるのです。一体こんなことの封印をするなんていうことは全くけしからぬというように思いますけれども、通産省は中電に対してそういう指導をするような意思はないのかどうか。  以上、二点についてお伺いします。
  65. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 御指摘になりました国営灌漑排水事業の中信平地区の問題でありますが、いま問題の承水路は、梓川左岸の上流部の地域を新開発すると、そういったことに伴いまして下流部に対して悪影響が出てくるおそれがある。そういう意味でその悪影響を防ぐために設置するものでありまして、いわば上流部地域の開発のためには必要な施設だと、こういうふうに私どもも思っておるわけでございます。そういう意味で、いわば上流部の開発に伴う補償工事的な性格が強いという意味で、土地改良事業の中へ取り込んで本来的にやる仕事だと、こういうふうに考えておりますので、いわゆる建設省等において行う河川工事とはやや性格を異にする、かように思っておるわけであります。  それから、いろいろ事業費の増高等に伴いまして計画変更ということは必要であるわけでありますが、その中でもこの承水路の着手につきましては、着手時に先立ちまして地元の土地改良区等十分な説明は申し上げておるわけであります。それから着工中につきましても、具体的な工事内容につきましてはいろいろ御説明を申し上げ、御了解はもう取りつけている、こういうふうに事実上私どもは聞いております。ただ、いろいろ法定手続として事業量変更に伴う計画変更手続はいま地元の御協力を仰いでいる、こういったところであります。  それから、負担の軽減の問題につきましては、これは国営土地改良事業、この地区だけじゃございませんで一般の問題として考えなきゃなりませんが、かなり現在におきましても負担金の償還期限というものは低利長期という状況を満たしておりますので、それで対応できるのではないかというように考えておるわけであります。  それから、二番目の御指摘の農事用、電力の問題につきましては、いま先生御指摘になりましたとおりであろうと私どもは思っております。これは電力会社によってやや事情が異なっているわけで、結局電力会社の電力供給規程によって定められているわけでありますが、細かな点につきましては各社の運用に任せられているということで、電力会社によってやや取り扱いが異なっているというふうに聞いております。  中電の問題につきましては、いま畑灌の農事用電力につきまして防除用水も含めるように私どもも要望いたしておりますし、そういう意味で通産省等につきましても、単に畑灌一般だけの話ではなくて、御指摘になりました防除用水につきましても割引電力が使用できるような形で措置してほしいという要請を申し上げているわけでありますが、今後とも御指示に沿ってそういう努力はしていきたいと思っております。
  66. 上杉一雄

    ○説明員(上杉一雄君) 先生御指摘の実事につきましては、残念ながら私ども詳しく承知しておりませんが、御承知のように農事用電力の中には灌漑用電力というのがあるわけでございます。で、これに薬品をまぜて、農薬をまぜてやるという場合、やはり主たる目的が灌漑用であれば常識的に認めていいのではないかと考えますが、なお事実を調査してみたいと思っております。
  67. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十五分開会
  68. 鈴木省吾

    ○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  69. 大島友治

    ○大島友治君 水田利用再編対策の問題を中心にお伺いいたしたいと思うのでございますが、米の生産調整ということで、米の過剰基調ということはすでにもう十年前のころから大体そういう様相は出てきて、最初に昭和四十五年から手をつけ始まって、第一回の四十六年から五ヵ年計画というようなことでこの稲作転換対策というようなことにスタートをしておるわけですが、今回、米が過剰になったということについても、やっぱり国民経済が非常にこう豊かになってきたというところに、国民の生活の様式というようなものが、いわゆる食生活が著しく変化を生じてきたというようなところにもこれは大きな一つの原因はあると思いますが、さらに一方、生産の面から見ましても、非常に農業経営上、米作というような経営形態の有利性というものから、加えて農業技術の向上というようなことで単位当たりの収量も高まったというようなことに拍車がかかって、需要は一方においては減退し、生産は上がるというようなことから、ついに今日のような再度過剰基調ということになってきておるということはわれわれも承知しておるし、みんなも十分に承知している。  そこで、この十年足らずの間に稲作転換対策とか、あるいは水田総合利用対策とか、今度また水田利用再編対策というように名称が変わってまいりますが、やはり農家の受けとめ方としては、基本的な農政は一体どこにあるんだろうというような考え方が持たれるので、やはり農民に安心して農業に従事し得るという精神的な根拠を持たせる意味においても、まず今回の水田利用再編対策に先立って、ひとつ大臣の考え方として、いままでの稲作転換対策というのと水田総合利用対策、それから今回の水田利用再編対策というこの理解の仕方を、やっぱり農民に正しく伝えることがもう第一の問題じゃなかろうかというふうに考えますので、この三つの問題についてひとつ考えをお聞かせいただきたい。  と同時に、今回の場合はやはり水田の再編成であって、当然これは日本の将来の総合的な食糧需給の面からも、土地の利用形態と作物というもののいわゆる構造の改善をするんだというような面もうたわれておるので、したがって、そこには長期的な十年というものがここに目標を持っておるようですから、そうしますと、その総合的な食糧需給というような面から食糧の需給、いわゆる需要と生産の計画というものをこの前立てたのがございますから、今回の再編対策に伴っていかような十ヵ年を見通したところの計画というものがあるのかどうか。ひとつその点、とりあえず二点について御意見を承りたいと思います。
  70. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 大島委員御指摘のように、昭和四十五年にとりあえずの五ヵ年計画の稲作転換政策というのをやったわけでございます。当時は五年やればまあまあ需給のバランスがとれるだろうと、そこで緊急避難として休耕という措置もかなり取り入れてやったわけでございます。やりまして生産調整が行われ、過剰米は何とか処分でき、需給のバランスもまあまあとれたわけでございます。ところが、まだ過剰傾向にはありますし、当時国民の皆さんから、水田を休むとはどういうことかと、休耕というのはもう許せない行為だと、これだけ土地のない日本で何にもつくらないで草ぼうぼうにしているのはいけないというところから、水田総合利用という名前になってまいりまして、総合的に利用して休耕は漸減をしていく――まあ私の記憶は若干違うかもしれませんけれども、大きな流れとしては水田を総合的に利用する、こういうふうにやって五年が終わって、また三年計画に入りました。  で、やってみたところが、まあまあかなり成果をおさめたのでございますが、昭和五十一、二年ごろからまた先ほどお話があったように消費の減退、生産の向上ということが重なりまして、そしてまた過剰米が出てくる。これはもう臨時、短期的なものではいけない、やっぱり水田というものの利用を再編成する、いままでのように短期的なものじゃなくてかなり長期的な、少なくとも十年ぐらいは米の生産というものを抑えて、約単年百七十万トン程度は抑えて需給のバランスをとっていかなければならない、こういう長期的なものに変えなければいかぬというところからこの水田利用再編対策、もう再編成をしてやり直すのだと、こういう考え方に立って政策が行われる。しかし、十年間を固定的なものにしておいたのではこれまた硬直化しますから、三年ごとに見直しをしていく、しかし、基本的にはこの考え方は柱は変わらない。しかし、その後の推移等もありますから、三年後に見直して、その当時の情勢に合ったものに合理化していくといいますか、見直していくというようなことでやっていこうというのが、今度の水田利用再編対策でございます。  まあ言ってみるならば、過去のものは短期的な臨時的なものであったのに対し、今度のものはいまの消費の動向、生産の状況からいって、臨時、短期的なものではこれは済まないというところから、名前も変えて姿勢を変えてやり出したと、こういうことだろうと存じます。  そこで、十年後またどうなりますかわかりませんが、まあまあそう大きな変更、これから米が足りないという時代もないであろう、しかし消費の拡大ということを一方では相当、午前中も議論がありましたように、あらゆることをやって、これが米が余らない、消費が大いに拡大をされたというようなことでもあったらこれはまことに結構なことであって、衆議院の議論でも、米の消費の拡大だけを考えてこういうようなことはやめておいた方がいいということではございますけれども、消費拡大の方が実効ある成果を生むかどうか、最善の努力はいたしますが、やはり長期的にはこの程度のことで稲作のあり方というものを考えていかなければいかぬ、そういうことでやっておるわけでございます。  そこで、それに見合った需給の動向というものの長期計画を立てたらどうかということでございますが、これは昭和六十年度を一応の目標として、農産物の需給と消費の動向という一つの指針を盛ってございます。これに向かってとりあえずは農政の展開をしてまいりますが、この長期六十年度の見通しを達成するためにも、十年間の水田利用再編成というのは実効を上げていかなきゃならぬ、こういう長期的見通しと十年間の水田利用再編を二本の柱として、これからの農政に取り組んでいきたいということでございます。まあ、農民の間にネコの目のように変わるということではありますけれども、四十五、六年ごろは臨時、短期的なことで済むであろうと思っておったのが、定着をしてきたということで十年の計画でもってこれから進んでいくと、こういうわけでございます。
  71. 大島友治

    ○大島友治君 最初は、いわゆる緊急避難的な減産というようなところに考えを踏まえて農政の柱を立てたと思うんですが、今度はある程度の恒久性を持つための基本的な農政の柱を立てるんだと、こういうわけですが、やはり私は、いまの長期計画の問題については、この前、五十年に立てたいわゆる六十年を目途とした計画がございますから、いま米の場合だけをとってみましても、大体消費の、いわゆる需要の動向とすると、昭和三十七年で比較的多く消費されて一人当たりが百十八・三キロだと、それから四十七年には九十一・七キロだし、また、最近の五十一年に至っては八十六・二キログラムだと、しかもこの前の長期計画でいうと、多分六十年は八十一・五キロという目標を持っておった。そうしますと、仮にあれを準用するというような考え方をとりますと、まだまだ消費は減退するんだという見込みが受けとめられると思うんですね、そういうふうに。  しかし、今回の場合は、単なる減産だけでなくって消費も拡大をしながらいくんだということになると、大臣も先ほど、茶わん一杯食えば大体過不足なしぐらいにいくんじゃないかというようなことになると、これは一杯よけいに一億一千万の国民が食べてくれれば相当この問題は緩和されると、こう言う。そうすると、積極的に消費を拡大した場合には、仮にその半分であっても近い将来に需要が拡大されるということになると、この六十年の見通しとは逆な面も出てくるような考えがあるので、やはり今回の場合は十年を目途としたら、この前のやつを基調として、国民に、なるほど数字的にもこういうような目標を持って国は農政の基本的なものを、いわゆる生産調整の名において日本の農業を確立していくんだというようなものをやっぱり与える必要があるんじゃないかと。  その基本を掲げて、そしてこれからの具体的なものに対する農民の積極的な協力ということでないと、いまも大臣言われたように、ネコの目のようなぐるぐるだなんという前提条件を与えるということは、やはり今回の百七十万トンという大きな生産調整はそう簡単に軌道に乗せられないんじゃないかというような考えがありますので、私はやはり十年なら十年を見通したところのこの前のやつを基二調として長期計画を樹立すべきじゃないかと思いますが、その考えがあるならばひとつそのようにお答えもいただきたいし、ないならば、私はぜひそいつを樹立して今後の指導の指針としてもらいたいということを要望いたすものでありますが、ちょっとお伺いします。
  72. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、まだ米の消費量というのは一人当たりがだんだん減ってまいりまして、御指摘あったとおりでございます。五十一年が八十六まで下がって、一時百二十キロまで食べた、三俵以上食べたのが、もう一俵そこそこになってくると。しかも、六十年の見通しでは八十一・五に見込んでありますから、農林省としてはまだ低くなることを想定しているので、消費拡大の方は一体どうなっているのだ、こういう御議論も当然成り立つわけでございます。しかし、これをいい方に考えておいて、いまぐらいは最低限食ってもらうのだとか、もう一杯食ってもらって九十キロぐらいまで食うのだという計画のもとに、作付転換をやっていく手法もあるだろうと思うのです。これは鶏と卵じゃないのかというふうに考えるわけで、どっちから攻めていくかと。そうしたら私は、いまのところは厳しいということを前提にして取り組むと。そして生産調整を実効あらしめて、そこでまた米が消費拡大ということになって、これが回転できるようになればこんないいことはないと思って、消費拡大について全面的にやっていこうと思います。  むしろ、これを甘く考えておいて、理解と協力を国民に求めたが、実は実効が上がらないでまた米が大変に余ったという事態ができたときの方が大変ではないかと。ですから事態は厳しくとらえておいて、そしていい方向に最善の努力をして、これが生産調整はだんだん緩めていけると、こういう方向に持っていくことの方が安全弁としていいのではないか。七%成長でもいや強過ぎる、弱過ぎる――大体弱過ぎるよりは強過ぎる強過ぎるとおこられておるのと同じように、これを甘く見ておいて後でおしかりを受けてはならぬということでございます。これぐらいのところで、先ほど午前中にも消費拡大、特に農家の皆さんの消費拡大ということを一生懸命やってもらいたいと思うのです。農協でラーメンを売ったり、うどんをすすりながら生産調整は反対だ、消費拡大だと、こう言ってみても困るので、一応厳しいところからスタートをしてでき上がりはいいものだというふうに持っていく方がいいと思いまして、いま、にわかにこれを緩めて生産調整を緩和するという方法はとりかねるかなあという感じでございます。
  73. 大島友治

    ○大島友治君 生産調整を緩めるということでなくて、やっぱり構造を、作物なり水田なり、いわゆる土地の利用を高度化していくと。しかも、それは総合的な国民の食糧自給を確保するということについてだから、生産調整を緩めるとか何とかそういうことでなくて、まことに事情は厳しいと思いますから、やっぱり計数的な一つの目標を立ててやっていただくことを特に要望しておきます。  そこで、時間もなくなりますので具体的にお伺いいたしたいと思いますが、まず百七十万トンという数字ですね、この転作については、これは非常に大変な仕事であるし、かつまた、将来これを達成することによっていまの問題とも関連して農家に明るい農業経営の見通しを立てるということは非常に大変なことだろうと思うんですが、しからばこの転作がいわゆるできやすいというようなことをこれは積極的に進める。その転作しやすい条件としては奨励金の問題は具体的な一つでもありましょうが、特に重点的にどういうような考えを持っておりますか、ひとつそのお考えをお伺いいたします。転作しやすいような条件整備というか、そういう点、ひとつお伺いいたします。
  74. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 転作しやすいということになりますれば、結局その耕地で水稲だけじゃなしにどの作物でもできると。そういう意味での耕地の汎用化ということが、一番理想的な形だろうと思うんです。そういう意味で、私ども基盤整備事業を来年度特に重点を入れてふやしておりますけれども、その基盤整備の中でもそういったことにつながるような圃場整備事業だとか、あるいは末端の用排水事業だとか、あるいは農道だとか、そういったつまり耕地の汎用化につながるようなところに特に重点を置いて、予算編成をしたというふうに考えております。  それからまた、運用の面におきましても、そういった新規採択等につきましても、一つは稲作転換等を進めるようなところを重点的に採択したり、あるいは予算の配分もそういったところに傾斜して配分すると、そういった形で稲作転換ができるような条件づくりに重点を置いて、進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
  75. 大島友治

    ○大島友治君 そこで、水田の転作条件のいいようにするためにはいまのようなものも一つの方法でしょうが、そこで、水田の中には相当湿田でもってなかなか転作もできないというようなものもございますが、そういう湿田の多い地域とか地区というものに対する今回の配分についてはどのようにしたのか、また、そういう水田の今後裏作可能のようにするためには特にどういうふうな考え方をお持ちになっているか。ちょっとその二点お伺いいたします。
  76. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 転作等の目標配分に当たりましては、たびたびお話申し上げておるわけでございますが、いろいろの観点から七つの要素を使ってやっておるわけでございます。特に湿田等に対しましてはなるべく負担が軽くなりますように、排水条件等、まあ乾田率と言っておるわけですが、そういうものを百分の十のウエートで考えて配分をいたしておるわけでございます。また、県内あるいは市町村でも、国のこういった考え方を基礎にして県内の事情、市町村内の事情いろいろ違いますので、いろいろ違ったやり方でやっておられましょうが、一応そういうような考え方を県内でも市町村内でも取り入れて配慮していると考えております。  それからまた、湿田の解消対策といたしましては、先ほどお話が出ましたように、いろいろな排水改良の公共事業、土地改良事業、そういうことをやりますと同時に、今回転作特別対策事業といたしまして百二十億予算を組んでいるところでございます。この金もこれは従来と違いまして県の自主的な考え方といいますか、県の考え方を十分発揮されて余り国でいろんな条件をつけない、余り国から文句を言わないというような配慮をいたしまして、小規模の土地改良、非常に面積の小さい排水改良等もやれるようにいたしておるところでございますし、あるいは栽培技術の点で改良普及員等も通じまして、いろいろ転作の指導をいたしておるところでございます。
  77. 大島友治

    ○大島友治君 そうすると、今回のそういう湿田のようなものに対しては、特別に灌排事業等も対応し得る措置もとられるということですが、ただ具体的な問題としまして、現在土地改良、圃場整備もやっておる、あるいはまた数年前にやったところで若干排水がまずい、その条件としてはいわゆる水路を土水路で施工してしまったというようなことで、これをひとつ改修すればこの秋の転作にも対応できるというようなところがかなり出ているわけなんですが、そういうものに対しては今回の予算的な措置、それから施策の、面からも本年度中に対応し得るようなことはあり得ることですか、その点ちょっとお伺いいたします。それは土地改良の補修的な事業として取り入れて今年度の仕事に間に合わせると、この秋の作付に。そういうような対応もできることになっておるわけですかな、これは。それをちょっとお伺いいたします。
  78. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 比較的規模の大きい圃場整備事業あるいは灌漑排水事業その他いろいろ土地改良事業あるわけでありますけれども、そういったところにつきましては優先的に対策し、重点的にやっていきたい。それから、応急的にやっぱりやる必要があるということは転作の緊急性があるわけでありますから、先ほど農蚕園芸局長から御説明いたしましたように、特別に来年度は百二十億の要するに小回りのきくような末端の圃場整備あるいは排水事業、そういったものができるような措置もあわせてやっておりますので、両者をかみ合わせながら転作ができるように、緊急的な手当てはしてあるつもりであります。
  79. 大島友治

    ○大島友治君 そこで、今度は転作の作物の点で、午前中も問題が出たようでございますが、農家としては転作の作物についても、水田にこれから作付をしていくということになると、栽培技術の問題についても非常な不安も持っておるし、同時にできた品物は果たして確実に売れるものであるかどうかというような問題。午前中もソバの問題で出ましたが、私の聞いている範囲内ですと、ソバをつくっているんだが従来は業者との扱いが直接なんで農協としても一元集荷、一元販売というところにちょっと乗らないので、私も農協関係をしておりましても、私の地域なんかもソバの適地でもあるんだが、つくらせたが果たして農協として引き受けられるかどうかというような問題がある。そこで、契約栽培というようなこともやっているんだが、これもまだまだ今年期待し得るかどうかという問題もあるのだが、そういう点でいわゆる農家としては転作する作物に対する栽培技術的な不安というものと、それから経済的な面から見れば販路がどういうふうに今後確保できるかというような面の不安も持っておるので、そういう点についての指導の面はどのようになっておるか、ひとつお伺いいたします。
  80. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) ただいま先生のおっしゃいました点、技術的な面、そういう問題につきましては、今度の水田利用再編対策に対しまして国でも技術指針をつくって発表いたしておりますし、各県でもそれぞれ各県の実情に合った指針をつくって推進をいたしておるところでございます。  それから、特にこういう技術面の指導につきましては、改良普及員の指導というものが非常に重要でございまして、普及事業の重要項目といたしましては、従来からも需要の動向に即した農業生産についての指導助言、あるいは水田の総合利用を図るための転作等についての指導助言、こういうものを重点にして改良普及員は指導に回っておったわけでございますが、特に本年度から新しくこういう施策を展開するに当たりまして、水田利用再編等促進特別営農指導事業、こういう名前の予算をつくりまして、現地で実証圃をつくっていろいろそこで農家の方を指導する、あるいは土地改良の行われておる地区の中で、特に土地改良区の常盤改善、その中での労農改善に対する指導事業、あるいは専門技術員が現地へ行って直接農家を指導する事業、そういうような普及事業の面で、特に水田利用再編を頭に置いた重点的な指導の仕方をやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  81. 大島友治

    ○大島友治君 現実の問題として、農家の取り組み方としては、その辺が具体的な問題としては非常に重要な問題だから、これはひとつ地方の実態を十分把握しながらきめ細かな指導を私どもとしてはお願いしたいと思います。  それから、今回は第一次として三ヵ年の一応再編成のための仕事を進めるわけですが、将来に向かって、十年ということになると第二次、第三次は一体どういうふうになるかというような問題がございますので、この問題については、いわゆる転作作物の所得とそれから稲作所得との格差が一体出てくるのか出てこないのか。転作の方がプラスアルファになってくればこれは推進の仕方もいいんだろうと思うが、そういう点で奨励措置については、今回、今年度は相当、午前中も大臣の自信のある説明があったようですが、さてこの問題について奨励措置というものは、将来十年の目途を考えていった場合に、来年、再来年、さらに第二次というふうにおいて、これは転作作物とそれから稲作との所得の問題については、将来ともどのように取り扱っていくかということを、大臣のひとつ御意見を承りたいと思うのですが。
  82. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 米が余りまして水田にほかの作物をつくってもらいたい、ところが現段階では米が有利であるというところから、何も奨励金を出さぬのでは転作はできない。そこで、ほかの作物と米をつくった場合とで四万円から七万円ぐらいの奨励金を差し上げることによって、ほかの作物をつくってもそう変わらぬわいというようなところではじいたのが今度の奨励金でございます。  そこで、今後はどうなるかというと、さらにそういった転作作物の価格は米との間においてだんだん近づいていくという努力はしていかなきゃいけない。そして、三年たったときに、それでもなおかつ米の方が有利であるという場合には、奨励金をさらに増額をしてほかの作物にいくようにしなければなりませんし、三年たって転作作物の方がわりあいいいわい、こういうことであるならば、三年以降第二次の分については見直さないでも済むかもしれないし、あるいは場合によっては、少々なら、これは価格がかなり近づいてきたという傾向であればあるいは若干減らす――ということはまずないと思いますが、そこまでいけばいいのでありますが、大体いまの線をそう逸脱しないで第二次、第三次へと入っていくものだろう。でき得べくんば、ほかの作物が有利であるというふうにだんだん努力をしていきたいものだと思っております。  結論を申し上げると、そう十年間は大きく変わらない、しかし、できるだけ他の作物が有利になる、米以外の作物が米に比較して不利益の分を近づけていく努力をしていく、そしてこの生産調整を実効あらしめたい、こう思っておるわけでございます。
  83. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 中川農林大臣が昨年御就任をされまして早々、東京ラウンドの前ぶれといいますか、外貨減らしをバックにいたしまして大変な御苦悩を持たれたと思います。それは、大臣が生産サイド、農家サイドに立って政治を貫いてこられたように私は拝察をいたしておりますから、大変な苦悩であったと思います。私どもも、大変強いこれに対する要求を申し上げたい。結果的に農家が満足をしたか不満が残ったかは別として、それはまた今後取り上げていただきますが、それはさておきまして、大臣が大変な苦悩と御苦労をされましたことに、私は質問の冒頭まず敬意を表したいと存じます。  私の質問の一つは、きょうの大臣の所属表明を、最後に、自給力の強化についてもう全力を傾けていくということで結ばれております。私は、これは大変重く実は伺っておるわけであります。去る一月三十一日の総理大臣の所信表明におきまして、大体あれは八千字ぐらいでございますが、私が数えてみますとちょうど七十文字、約〇・九%ぐらいでありますけれども、国民生活の安全保障にかかわる食糧を安定的に供給をし、これまた、総合的な自給力の向上を図っていくというふうに端的に言われておるのであります。私は、この「自給力の向上」という言葉を大変重く見ております点は、大臣もこのことで大変苦労をされてこられまた今後も苦労されることでありましょうけれども、私ども日本民族が続く限り、これはどんな国際情勢になりましても、どんな日本の経済事情の変転がありましょうとも、もう絶対に変わらない日本農政の基本方針である、これは国是として守って自給力を向上するということがもろもろの農政につながっていく。  ちょっとこれは蛇足になるかもしれませんけれども、高度成長時代には農業不要論に通ずるような経済理念の骨格を日本は立ててまいりました。ですが、有限時代になりまして、見直し論などというものが出てまいりました。先ほど大臣もネコの目農政というような発言がちょっとございましたけれども、もうこんなものは吹っ飛ばさなければなりません。それはもう、ちょっと大きく言えば、民族不変の農業の基本方針がないから、これはどうしても立てなければいけないと私は考えております。農業サイドに立たれる中川大臣のときにこれを国是として立ててほしいという期待を持っておりますけれども、まず大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。
  84. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 降矢委員御承知のように、石油ショック以前は、どちらかというと選択的拡大、有利な作物は外国から買ってきた方が国民的にいいのではないかというような風潮がございましたが、あの石油ショックにおいて、資源のない日本がどんなに厳しいものであるかと。もう一つは、アメリカが大豆の輸出制限をやった。その結果、豆腐が、みそがということで大騒ぎをいたしまして、それ以来、やはり食糧の確保ということは国民の安全保障上絶対欠くべからざるものであるということは国民に定着をいたしたし、また理解もいただけるようになったものと思っております。ところが、昨年来のまた外圧が参りまして、牛肉は安いのが食べたい、輸入を入れてほしい、あるいはオレンジもたくさん入れた方がいい、中川農林大臣なら必ず消費者サイドに立ってやってくれるだろうと期待したが、期待外れの大臣であるという批判を受けながらも、私はやっぱり食糧の自給度の向上というのはいかなることがあっても国家存立不変の政策である、こう思いまして、若干の調整は行いましたが、水田再編対策あるいは農家経済に影響を与えないと、あるいは自給度の向上に支障を与えないという基本的考え方に立って調整を行ったところであり、今後もこういった考え方は不変のものとして続けてまいりたいし、私は農村、特に農家というものは民族の宝である、農民は何といっても国民の中で堅実質素、しっかりした思想の持ち主である、こういうところから、農村というものを食糧自給度の向上と同時に国家の存立の基本をなすものだと、こういう考え方に立って、農村を守り農産物の自給度の向上に対処してまいりたい。  ただし、消費者のことを全く考えないで自給度向上だけでもまいりませんから、やはり農家みずからも消費者対策なり、あるいは国自身も消費者対策としてのいいものとか、あるいはいい時期にという努力はいたさなければなりませんし、また足りないものについては安定的に外国から入れる仕組みも工夫して、全体として食糧が国民に安心して確保できる措置を講じていく、こういうふうにしてまいりたいと思っておるところでございます。
  85. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 力強い御所見をちょうだいをいたしまして、ありがとうございました。  実は大臣も、自給力の強化を不変のものとして今後してまいるということでございますが、できればひとつ国是としてこの際決めていただければ大変力強いと思うわけであります。この自給力の向上に水を差すものは、先ほど大臣もちょっと言われましたけれども、これは農産物のまず輸入にございます。これはどう考えましても、これは先ほどの質問にも大臣、答えられておりましたけれども、日本の農業というものはこれはもう規模的に国際競争には対抗できない宿命を抱いております。ですから、農産物の輸入というものは大変な問題を抱えております。私は、まずこの輸入につきましても、そのときそのときの場当たりで基本方針をつくるのではなくて、やはり一定の基準と基本方針というものがあってしかるべきではないかと思います。  きょうの大臣の所信表明の中から拾ってみまして――これは大臣言っておりませんけれども、その第一に自給力を徹底をして、いわゆる可能な限り日本国内において自給力を強化をしていくということに徹するならば、生産者サイドに徹するならば、自給力を上げるために輸入を絶対にいたさない、これも一つの方針となり得る。これは徹底して生産者サイドに立てばそのことが最も自給力の向上にはつながると、こう思います。  第二は、これは大臣も所信表明にも言っておられますように、そうは言っても食糧のことだから国民のカロリーを落とすわけにまいらない、だから不足なものについてはこれは制限輸入をいたしていく、これは第二の一つの方針になり得ると思います。  第三は、今度の東京ラウンドで明確に出てまいりましたように、GNP自由世界における第二位の日本が、これは総理も言っておられますが、アメリカと日本が国際経済、国際貿易に責任を持って安定をさしていかなきゃならない。そうなりますと、平たく言えば、これはおつき合い輸入ということに相なります。そういう面で責任を負っておつき合い輸入をするということも、これもまた一つの方向にはなります。この三つの方向がとりあえず考えられるわけでありますけれども、ひとつこの三つの方向につきまして、改めて大臣の御所信を伺いたいと思います。
  86. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 食糧の自給度向上ということを絶対の国是にせよと、全くそのとおりでございます。先ほど申し上げたとおりでございます。  そこで、不足なものは輸入するのは仕方がないだろう。今回も午前中御説明申し上げたように、オレンジ等については夏場オレンジがないというのはまさに消費者にとっては不足なものである。それで、競合品目でありますミカンに影響を与えない範囲内で、しかも消費者にこたえるということで貫いたつもりであり、肉につきましても絶対量をふやしたわけではなくして、輸入しなければならない牛肉の中でアメリカの関心品目である高級牛肉について調整を図った。しかも、畜産物価格安定法によって、放出等の操作によって国内産牛肉の生産者価格を下げないという仕組みで対処した。ジュースについてはブレンド用で、むしろ消費拡大ということでございますので、国内の自給率向上に支障を与えるようなことはやっておらないつもりでございます。  今後前に出てまいります東京ラウンドMTN等におきましても、国際的にはいろんな注文が来ております。関税の問題から、自由化の問題から、関税障壁の問題から来ておりますが、今度アメリカとの調整を図ったこの基本方針、すなわち、日本の農政に支障を与えない、農家経済に影響を与えない、あるいは自給率向上に影響を与えないという範囲内の調整はありましても、日本の農政に大きく影響するような、悪影響を与えるような調整は断固として守り抜いてまいりたい。これは、日本が世界で三番目で兄貴分だから少し血を出すのじゃないか、こういう御心配もあるようでございますが、私もアメリカと折衝してみて、農業というものは保護貿易をしなければできない、保護政策をやっていかなきゃいかぬということについては、アメリカ自身もよく承知いたしておりまして、季節自由化などというようなことについて無理無理はやってこなかったというようなことを見ても、諸外国に理を尽くして説明すれば、わが国の置かれた農業事情は理解してくれるものと、こう思っておるところでございます。
  87. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 実は、この問題につきまして、全国四百九十五万戸と言われます農家はどうもアメリカに振り回されてきたのではないかという心配と不安、どうか大臣が言われますように、誇りを持って、ひとつ生きがいを持って農家が生産にいそしめますように、この輸入につきましても場当たりの基本方針ではなくて、やっぱり一定の基本方針をどうか御検討をされて、振り回されておるのではないという頼れる一つの農政というものにひとつ御努力をちょうだいをいたしたいと思います。  先ほどもございましたような輸入枠の拡大がございます。これにつきましては、大臣も言われておりますように、農家に影響を与えない。万端の施策は講ずる、影響があった場合には。こういうふうに表明をされておりますが、具体的にひとつこの輸入の問題につきまして対応策をお伺いをいたしたいと思います。  私は、試みに実は四十七年有限時代を迎えたころ、さらにはドルショック、石油ショック時代の四十七年を一〇〇といたしまして、特にアメリカから輸入をいたしております農産物のこの数値を出してみましたところが、最も高いのが牛肉で、四十七年を一〇〇としますと、二七〇〇に五十一年度なっている。これは金額でございます。数量の方がいいのかもしれませんけれども、数量はいろいろ単位が違いますので金額でありますが、二七〇〇。第二はオレンジで四七〇、小麦が三三〇、果汁が二三〇、丸太素材二〇〇、このような大きな数値を持っておりまして、この数値は、やはり今回の経過から見ましてもさらに大きくなる数値ではないかという実は懸念を持ちます。  そこで、そういうことがないことを望むわけでありますけれども、そういう心配が先に立つわけでありますが、この牛肉につきまして何の影響はないというふうに農林省は言われておりますけれども、輸入枠が拡大をされただけで、枠の拡大と言うとそうではないということになるかもしれませんが、現に子牛が下がっておる事実がございます。私どもは、せめて農林省が決めております安定基準価格程度は市価を保持をいたしてまいりたいと思いますし、これらに対する一つの対応、誘導政策等をお伺いをいたしたい。  同時に、この生産者の価格につきましては、消費者もある程度理解をいたして、また理解もしてくれます。ところが、どうも消費者価格が大変高い。どう考えてみましても、これは流通機構、流通体系に、これは大臣もすでに御苦労されておるようでありますけれども、問題がある。大変不明朗な問題がございます。したがって、この流通機構に対する指導、対応をどのようになされますか、お伺いいたしたいと思います。
  88. 杉山克己

    ○政府委員(杉山克己君) 牛肉の輸入量は全体の国内需要約四十万トンのうち十万トン程度、四分の一くらいが外国からの輸入に依存いたしております。若干ずつ年々数量の増加が見込まれているわけでございますが、これは先ほど来大臣も申し上げておりますとおり、国内で不足する分を輸入するという考え方に立っておりますし、また、輸入したことによって国内の価格が下落する、それによって生産農家に肉なりあるいは子牛の価格にダメージを与えるような水準で推移するというようなことがありますれば、これは事業団が価格調整機能を持っておりますので、その売買を通じて価格の維持を安定帯の幅の中で図るということにいたしております。そういった面で価格面での対応はできると思っておりますが、なおそのほかに、生産面でも子牛の価格安定制度を充実するとか、あるいは飼料価格の引き下げを図るとか、全体としての経営安定化対策を種々講じているところでございます。  特にいま御質問で、そのほかに流通面の問題があるのではないか、その改善についてどう考えるかというお話でございますが、一般的に最近の国内価格の、まあこれは消費者の要望にこたえて引き下げを図るという観点から、種々現在の流通機構に対して改善の努力を要求しておるところでございます。そのための肉の売り方についても国産肉、輸入肉通じて政府としても努力いたしておるところでございますが、場当たりといいますか、一時的なことでなく、将来の問題といたしまして流通機構の改善の問題といたしましては、私ども部分肉の取引の拠点となる部分肉センターを新設していく必要がある。あるいは産地における食肉流通の基幹となるところの食肉センターの大幅な促進整備を図っていく必要がある。これらの措置を来年度予算におきましても手当てをすることにいたしておりまして、今後一層の充実を図るようにいたしてまいる所存でございます。  以上のようなことを種々考えておるわけでございます。
  89. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 実は、流通問題につきましては農林省もおやりになったようでございますし、また各県におきましても、生産者、農協を通じて小売業者に直に持ってまいりまして、いま大変評判を得ております。どうかこれらの実態の調査もされまして、さらに助長をされますような御指導を期待をいたします。  次に、オレンジと果汁につきまして、これは三点に分けて対応をお伺いをいたしたいと思います。  特に果汁につきましては、これは在庫が相当まだある。ある面におきましては、アメリカの果汁を入れましてブレンドすることによって消費がふえる、こういうふうな御意見もございますけれども、現に在庫があるものにつきましてどのようなひとつ売りさばき誘導、指導をされますか。これが一点。  第二は、もう新聞でちらほらしておりますように、今度の輸入枠の拡大によりますオレンジ、果汁等につきましては、輸入業者が大変ほしがって運動をされているやに報道をされております。一方、生産者団体も、これは生産者団体の流通機構に乗せるべきであるという要望をいたしておるように聞いております。この枠拡大のオレンジ、果汁につきましてはどのような割り当ての措置をとられますか、お伺いをいたします。  同時に、季節輸入でございますから柑橘類には影響がない、こういうふうに明言をされておられますけれども、全然影響がないと言えるかどうか疑問を持ちます。同時にまた、六、七、八になりますと、落葉果樹の最盛期にこれが入ってくるわけであります。そういたしますと、この落葉果樹にも影響がないとは言い切れない。大変落葉果樹農家も心配をいたしております。これらにつきましては十分その影響を調査をされて、それぞれ対応を期待をいたすわけでございますし、場合によっては柑橘類その他価格保障の必要も生まれてくるのではないかというふうに考えるわけでありますけれども、以上三点につきましてその対応、お考えをお伺いいたします。
  90. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 最初のオレンジ、果汁でございますが、確かに昨年より一五%程度生産量が上回っております。果汁の仕向け量も七十万トンと、去年の五十六万トンに対して相当大幅にふえているわけでございます。果汁の円滑な販売のために、もう御承知かと思いますが、本年度の予算で果汁の調整保管事業ということで予算を組んでおります。本年三億でございますが、すでに積み立てた金が三億ございまして、その六億で金倉助成一万五千トンということをもうすでにやっております。  それから、二番目の輸入割り当てにつきましては、これは御承知のように、果汁につきましてはこれは実需者割り当てでございますし、これは製造販売の実績等を考慮して実需者割り当てをやっております。それから、オレンジにつきましては、これは商社割り当て、過去の実績に基づきまして商社割り当てをやることになっております。われわれといたしましては、従来の実績その他を考えて、慎重にひとつ通産省とも協議をして割り当ての方法を決めたいと思っております。いまおっしゃいましたように、農業団体からのそういう要望のあるということもよく承知をいたしておりますが、なかなか農業団体そのものについての輸入ということについてはいろいろむずかしい問題点もございますし、そういう点もひっくるめまして、今後慎重にひとつ検討をいたしてまいりたいと思うわけでございます。  それから、落葉果樹、ブドウ、桃、そういうものに対しての影響のお話が出ましたが、確かにその時分相当出回るわけでございますが、こういう夏果実につきましては種類が非常に多い、したがって、消費者の選択の幅も非常に多いということで、余りそう大きな影響があるというふうには考えておらないわけでございます。ただ、落葉果樹につきましても、生産、出荷の合理化ということはこれは当然考えなければいかぬことでございまして、生産面でいろいろな省力機械あるいは防除施設等の補助、あるいは流通段階では選果場、貯蔵庫、そういうものの助成をやってまいりたいというふうに思っております。  最後に触れられました価格保障制度でございますが、果実全体の、温州ミカンに限らず果実の生果、これの価格保障というのはなかなかむずかしい点がございまして、一つは永年作物であるということで、これは過剰のままほうっておきますと、ある程度の段階で価格を保障しますとずっとその過剰のまま続くという点がございますし、また同一の種類のものでも、その時期とか、それから生産される場所によって非常に価格が違うわけですね。一つの物が二百円するところもあれば六十円するところもある、一体どの程度の価格が本当に妥当なのかという、なかなかそこのところがいろいろな差異があってつかみにくい。それから、やはりこれは生果実でございますのですぐ腐ってしまう、保管に耐えない、そういうような面が非常に多うございまして、やはりこれは需要に合ったように生産を誘導するということがまず第一義ではないかと、そういうふうに考えておるわけでございます。  したがいまして、まず過剰基調にある温州ミカンについては、極力新規の抑制、改稿の奨励ということで、改植等の予算も組んでおりますし、あるいは農家が金を借りて改植する場合の利子補給もやっております。そういう意味で、そういう生産の調整といいますか、そういう誘導策、それからまた加工原料用の、先ほどちょっと申し上げましたけれども価格安定対策、あるいは果汁の調整保管、そういう事業とあわせましてひとつ価格問題の安定といいますか、そういう問題に寄与いたしてまいりたいというふうに考えております。
  91. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 野崎局長、落葉果樹に影響がないと思いますと、こういうふうに言い切っておられますけれども、ないというふうに思い切らずに、ある可能性は多分にあるわけでありますから、どうか私の期待して要望いたしております点は その影響を十分調査をして万遺憾なきを期してほしいということでありますので、希望をいたしておきます。  それから、実はグレープジュース等の輸入と直接関係はございませんけれども、私ども山梨、山形、福島、長野のブドウ生産県はワインをアルコールと思っておりません。これは農産加工品、われわれの生産をしたブドウによってつくられるというように考えておりますから、あくまでも農産加工品という位置づけをはだ身で実はいたしております。で、私どもいまワインが年間二〇%ぐらい順調に需要を伸ばしておりますので、実は昭和四十五年から四十九年まで永久転作作物として奨励をして、今日私どもの県でも三百ヘクタール前後いわゆるワイン原料用ブドウの永久転作、固定転作をさせてまいりましたが、今回のワインの関税の引き下げで大変な痛手を実は結果的にこうむっております。というのは、一〇%ワインの関税が引き下げられまして、しかも円高二〇%、このデメリットを加えますと、まあデメリットというのは農家の方にとってでありますが、ちょうどこれはもう単純計算をいたしましても、二千円前後のフランスのボトル物が千円前後に落ち込んでまいります。そういたしますと、日本に来て酒税が、これはいままで百分の五十の従価税を取られておったボトル物が、これは一挙に従量税に落ち込んでまいりますから、これは商社はどんどん買い入れる。で、まあ実は特に中小ワインメーカーはもう地元の原料が買えない、結局特恵関税で入ってくる濃縮ブドウ液等にこれは依存度を現在高めておるのが現況でございます。  そういう意味で、私どもは大変この原料ブドウの生産に責任を実は感じておるわけであります。現に、九月、十月あたりのブドウは、全生産量の半分ぐらいは今日までおおむね五〇%前後ワインの原料ブドウとして販売をいたしておりますが、だんだんこれはその価格において、量において大変難渋な交渉をいたしております。これはアルコールとして大蔵省の所管、取り扱い物資でありましょうけれども、やはりこれはあくまで生産農家は農産加工品とはだ身で感じておるわけでありますから、どうかひとつ勝手に-あえて勝手に大蔵省や通産省に左右されないで、させないで農林省は毅然として、これは農産加工品である、大きな影響があるということを強くひとつ主張をされまして、この特に中小地場産業ワインメーカーと生産農家とが共栄ができますように、これは強い格別の指導を農林省がとってほしいと期待をいたしておるわけでありますけれども、これらの対応につきましてお伺いをいたします。
  92. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) ワインの原料ブドウの取引につきましては、御承知かと思いますが、昨年ワイン業者、それから生産者、それから役所が中へ入りまして醸造原料用ブドウ需給安定協議会というものをつくりまして、そこで価格、数量について安定的に動くように協議をやっているわけでございます。  今回のびん詰めのワインの関税引き下げにつきましても、ブドウの生産農家とそれからワインメーカーの取引の安定という従来の施策はもちろん維持するわけでございますが、新たに大蔵省、農林省それから山梨県庁が入りまして国産ワイン産業対策検討会というものを設けて、もうすでに二回ある程度話し合いをやっているわけでございますが、制度的な面もひっくるめまして、今後業者あるいは生産者双方が安定的に発展するためにはどういう制度がいいかと、そういう制度的な面もひっくるめまして今後検討を続けてまいりたいと思っておるわけでございます。
  93. 降矢敬雄

    ○降矢敬雄君 一分残っておりますので、最後に詰めてお願いをいたしておきます。  農業災害補償制度につきましていろいろ改正の御検討をされておるやに伺っておるわけでありますが、一点、ひとつ御見解をちょうだいをいたしたいと思います。  実は、中川農林大臣等の御苦労をいただきまして果樹共済制度が生まれました。ところが、どうも落葉果樹につきまして加入が大変はかばかしくない、大変加入率は低位にいま低迷をいたしております。この理由を検討をいたしてみたところが、どうも北海道、東北の災害の状態、それから日本の西の方の九州、中国、四国あたりの災害の状態と、関東、中部とはおおむねどうも災害の状態が違っている。これはどうも全般的な冷害も比較的少ないし、台風の災害も比較的少ない。そういう中で、風害とひょう害というものがこれは比較的多いわけであります。ところが風道があったり、ひょう害も風道のように、一つの畑では全滅的な被害を受けましても隣の畑は全く無傷というようなことが、間々、多々あるわけであります。  そこで、農家の主張を聞きますと、やはり進んでおる――あえて進んでおると、こう言うわけでありますが、農作物共済のシステムをやはり果樹共済にも取り入れてもらえないかということを強く期待をいたしておるわけであります。というのは、農作物共済は一筆単位収量建て制、いわゆる一筆単位制とそれから半相殺農単制、全相殺農単制をこれは併用をいたしております。農家単位であったり一筆単位であったり、大変有利にこの査定を、災害の歩合を取れるようになっておるわけでありますが、これはひとつ果樹共済につきましても、やはり農家単位方式に加えて一筆単位方式も併用をしていくような方向をとってもらいたいというのが強いこれは落葉果樹農家の期待でありますが、これによって共済の加入率がこれはふえることは受け合いでありますし、また、共済制度そのものの本質から見ましても、一〇%や二〇%の加入率ではこれは意味がございません。ひとつ、この点の農家の期待を十分考慮に入れられて御検討をいただきたいと思うわけでありますけれども、御見解をちょうだいをいたしたいと思います。
  94. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 果樹共済も本格的実施をいたしましてから約三年でございますが、その間だんだん加入もふえまして、現在大体収穫共済では三〇%近くいっておるわけでございます。  お話しのように、農家として見ますれば、一筆単位をとりますと、平年作または増収という場合であっても一枚のたんぼが一定割合の被害を受けますれば共済金の支払いを受けられるということで魅力がありますが、同時にまた共済制度の方から見ますると、非常に小さい金が支払われるということもございまして、やはり共済の掛金の問題、これは農家単位であれば掛金はどうしても安くなりますが、そういうふうな掛金の問題と、それから被害が起きたときに払われる共済金の問題ということを両方考えてみますと、私たちとしましては、やはり現在の農家単位方式がすぐれておるのではないかというふうに思っておるわけでございます。確かに米麦の場合は一筆単位と半相殺と命相殺がございまして、米麦の場合におきましても私たちの方といたしましては、今後半相殺なり命相殺を推進をしてまいりたいと思っておるわけでございます。  そういう観点からいきまして、私たちとしましては現在の農家単位共済がいいのではないかと思いますが、御指摘のように、ひょう害とか風害等のような特殊な災害が起きました場合には、一部の園地だけが被害を集中して受けるというふうなこともございますので、今後このような被害についてはその実態の把握に努めてまいるという考えでおる次第でございます。
  95. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は、罰則の問題から憲法の公平の原則、さらに地方自治法というふうに御質問を申し上げたいと思っておったところでございますが、何か自治省の関係の方が急いで別な委員会にも出なきゃならぬということで、前後を取り違えて地方自治法の問題から先に御質問申し上げたいと思います。  その前に、大臣に一つだけ御質問申し上げておきますが、非常に法的にも疑義のある問題がたくさんございます。しかし、私どもは減反政策を法的に確立して押しつけていけという立場でなくて、減反政策というのはいろいろな問題があるから、消費の拡大の方に全力を挙げて、減反政策というふうなものはなし崩しになくしていかなければならないという立場で御質問申し上げますので、その点、ひとつ御理解をいただいておきたいと思います。  自治省の方にお伺いいたしますが、いままでの国会の論議を通じまして、大体大臣以下農林省としては、これはあくまで理解と協力のもとに減反政策を遂行していくんだというふうに再三の答弁がございます。そして、その限りにおいては法的措置をとっておらないわけでございますが、実際の仕事をやっておるのは末端の市町村でございます。そして、この市町村で国の仕事をやる場合には、地方自治法の百四十六条以下、機関委任事務というふうなものによって仕事をし、それに対しては財源を、ある程度経費を見ていくというふうなことが地財法においても規定されて行われておるわけでございます。この現在行われておる減反政策にかかわる市町村の現在の事務は、国の委任事務に入りますか、どうですか。自治省。
  96. 鹿児島重治

    ○説明員(鹿児島重治君) お答えいたします。  現在行われております水田利用再編対策事業につきましては、私どもは、これは国、地方公共団体、農業団体等が相互に協力いたしまして実施をする事務だというぐあいに理解をいたしておるわけでございまして、その限りにおきましてはこれは団体の事務でございまして、おっしゃる機関委任事務ではないというぐあいに理解いたしております。
  97. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そういたしますと、昭和二十三年に自治省通達で、法の百五十条の指揮監督の問題について、知事が市町村長を指揮監督できる場合はその事務が市町村長に機関委任されたものに限ると解すべきであると、こういう通達が出ておりますが、その趣旨は現在も変わりませんか。
  98. 鹿児島重治

    ○説明員(鹿児島重治君) 現在も変わっておりません。
  99. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうしますと、この減反の問題は委任事務でございませんから、知事が市町村長に対して指揮監督することはできないわけでございますね。
  100. 鹿児島重治

    ○説明員(鹿児島重治君) 指揮監督ではございませんで、あくまでも協力を求めるというぐあいに考えております。
  101. 丸谷金保

    丸谷金保君 そうしますと、これには相当の経費がかかっているわけなんです。たとえば職員の時間外手当、いろんなものがかかっております。これについて、自治省としては財政措置はいたしておりませんですね、何も。
  102. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 財政措置の問題に関しましては、交付税の農業行政の単位費用の中で、一般的な形で措置をいたしております。  なお、特に金額のかかります稲作転換等の事業につきましては、投資的経費の中でも、事業は市町村あるいは農協がやるということになっておるわけでございますが、市町村がやる場合を想定いたしまして、相当額のものを単位費用の中に織り込むことに措置いたしております。
  103. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 そうしますと、一般の交付税の中で措置をしておると。これはあれですか、交付税の算定基準の中でどういう基準でそれでは措置いたしておりますか。基準があるんでしょう、措置しているからにはね。
  104. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 経常経費につきましては、いろいろの諸情勢含めまして一般的な形としていたしておりますので、この減反のものだけについて特にどういう基準でということではございません。
  105. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 まあ結局は、減反政策の分の経費として措置を直接にしているのはないということですね。
  106. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 交付税でどういう措置をするかということにつきましては、農林省の御意見も伺いながらやっているわけでございますが、特に五十三年度の場合には、新たに国の予算で認められました稲作転換に対する事業費が大きいということで、この関係につきましては、特に五十三年度の措置をいたしたわけでございます。
  107. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 五十三年度の措置はしておると言うんですが、これはまた予算の中身を調べてみたいと思いますが、現在はまだ会計年度としては五十二年なんです。五十二年度分としてはどういうふうにしておりますか。
  108. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 五十二年度分といたしましては、投資的経費の方で特別のものはございませんで、一般的な包括的な事業費として見ておりますが、経常経費につきましても、特に減反関係だけを取り出しての措置というものはございませんで、一般的な行政費の中で見ておる次第でございます。
  109. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 減反については、町村によって五%のところもあるし、三%のところもあるし、あるいは五〇%のところも全国的にはあるわけです。それらを具体的に配分はしていないというふうに理解してよろしゅうございますね。かかる経費がうんと違うんですから。そういうふうな配分はしていないということでございますね。五十二年度。
  110. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 交付税の措置といたしましては、標準的な団体を想定いたしまして積算をしておりますので、個別に特別の需要がありますれば、それは特別交付税の方で個々の団体の財政需要を見ながら措置をするというたてまえになっておるわけでございます。
  111. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 結局、減反をやるところもやらないところも同じに、そういう一般的な経費としては出ているということでしょう。やらなかったからその分戻せということにならぬということでしょう。やってもやらないでも、五十二年の分については関係ありませんということですね。そうですね。
  112. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 普通交付税におきましては、あくまで標準的な団体を想定いたしまして標準的な行政費を見るということでございますので、個々にどれだけの仕事をやるかということは算定基礎に入ってこないわけでございます。そういうこともございまして、交付税で見ますのは、交付税で計算をします場合に、標準税収入の百分の七十五というものを考えまして、あとの百分の二十五は自由に使える財源として残しておきますので、そういうところで各団体いろいろ御工夫をされておるものというように考えておるわけでございます。
  113. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 減反政策というのは、いまも伺いましたとおり、地方自治法の中で言う交付税の算定基準には五十二年度は特に柱を立てて含まれてはいないということなんでございます。しかし、実際には五十二年度中に相当経費がかかっているんです、各市町村。自治省は、よく都道府県や市町村が義務的な経費以外にいろいろ超過負担をしている、超過負担の解消をしていかなきゃならぬということを言っているんですが、この問題に関する限りきわめて積極的でないし、農林省の側も、こうした自治法の機関委任事務でないものを、いわゆる理解と協力ということで町村に押しつけてやらしているわけでございます。  それで行政局の方にお聞きいたしますが、地方自治法に関する限り、市町村長がこの事務を私のところではやらないといった場合の罰則はございますか。
  114. 鹿児島重治

    ○説明員(鹿児島重治君) 別段の罰則はございません。
  115. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 本論に入ります。  きょう大臣の所信表明及び予算案の説明をお聞きしておりますと、食糧の自給率を高めていかなきゃならないし、総合的な食糧政策を進めなきゃならないということを申しております。それから、いまの答弁におきましても、いわゆる石油ショックということによって情勢が変わってきたんだ、こういうことを大臣は再三御答弁をしておるわけでございますが、いままでの答弁を確認する意味で、あくまで現在の減反政策というのはペナルティーではないということでございますね。  それと同時に、ただいま同僚議員の質問に対しましても、その年やってもらわなければ次の年にやってもらう、そうでなければ正直者がばかをみる。そうすると、この減反政策に協力しないものは正直者でないというふうに、何かいかにも悪いことをやっている、法的に何の規制もない、理解と協力のもとに協力してもらうんだと言っていながら、一方でそれをやらないで、その分を今度しょうことは正直者がばかをみる、政府の政策に協力をしないものは不正直者ということになりますか。
  116. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私は、協力しないものは不正直な者だとは申しておりません。理解と協力をしてくれた人は正直にやってくれた人だと、そっちの面だけをとらえておりまして、協力しない人が不正直者だとは言っておりません。
  117. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 理解と協力をしない者も不正直者じゃないと。ありがとうございます、どうも。  それで、実は石油ショックでもって大きく変わったというんですが、実はその前一生懸命水田をつくることに協力した者はこれは正直者になりますか、不正直者になりますか。国が開田、開田ということでできるだけ水田をふやせという時代に、理解と協力をして国の言うように増田計画を進めた者はこれはどうなんですか、正直者ですか、不正直者ですか。
  118. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、戦後は食糧が非常に足りなく、特にお米は不足をいたしておりまして、国民的な食糧増産ということが要請であったと思います。これに御協力いただいた人は正直者というのですか、国としてはありがたい生産農家である、こういうことだと思います。
  119. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、実はこれは一つの実例なんですが、江別市に美原地区というのがございますね。ここで昭和四十六年以前に、全部水田にしていくという案が持ち上がった。ところが、そのときこの地区では水田にするのは反対だということで、これに三好行雄さんという人の言葉でございますが、  わたしは畑作でなんとかやっていた。だから開田反対だった。わたしだけではない。この小地区では一七戸のうち一三戸が開田に反対で、美原地区としても反対が圧倒的に多く、東京までいって農林省に開田を止めてくれと陳情したほどです。けれども国の方針というわけで、開田を無理やりはじめたんですよ。 こういうことはよくあると思います。開田計画の場合には一部反対しても、水路とかそういう関係で全部水田にしなければならぬというようなことがよくあるんです。こういう人たちに対してそれをやらした農林省が、オイルショックで生産転換、変わったのだというので、まことに済まないというふうな言葉がいままで一遍も出たことはないんですが、大臣いかがですか、こういう人たち。
  120. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) それは何年の話でございますか、ちょっと年度によって……
  121. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 昭和四十六年当時です。
  122. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 昭和四十六年程度でございますと、そろそろ過剰傾向にありまして……
  123. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 最後のころですね、これ。最後のころです。
  124. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 三十六年ですか――四十六年ですね。過剰米処理をやっておりますときでございまして、私の記憶するところでは、その当時から新規開田は国の政策としてはやめよう、こういうことであったと思いまして、個人が開田をしたいのに国がぜひぜひといったような情勢がその当時あったであろうか、今後実態を調べてみたいと存じます。
  125. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それは、本人が話したのがそのころなんです。昭和四十六年ごろにそういう話をしていたということです。だから事業は前に、そういうことでございますから、当時農林省に対して恐らく陳情もあったし、開田に反対した地区だと思うんです。そういうことなんです。ひとつ御調査願いたいと思います。
  126. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 四十六年のころにそういう話があった、過去の話があったということなら理解ができると思います。昭和三十四年とか五年とか、その当時は本当に足りないときですし、特にあの付近は湿田地帯で泥炭地でございますから、畑にするよりはむしろ水田が一番いいという石狩川流域総合開発計画というものは強力に進められた過去がありますから、四十六年ごろにそういう話があったということはあったであろうと存じます。
  127. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで、そういう正直者が時に変わるわけですわね。反対してもやれといって協力さして、今度また反対しているんですよね。減反に反対している者はやっぱり政府に反対しているけれども、仕方ない、やらなければならないのでやる。これはいままことに正直者だというけれども、また変わるとそれは逆になりませんか、反対している者の方がやっぱりよかったんだということに。どうですか。ネコの目農政というのはこういうことを言うのじゃないかと思うんですが。
  128. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私は、農家に生きがいと誇りと言ったのはまさにそのことなんです。生きがいとは何かというと、社会に役立つという、生きてきてよかったな、社会に役立ったなということなんでございます。当時、米のない時代には米をつくることが生きがいでありますし、余ってきてしようがなくくなったら、これに生産調整に協力するのがまさに社会的な使命を果たしたということで生きがいであろう。でありますから、農家が、足りないときにはつくることに国民の要望にこたえる、職業意識に燃えて増産をする、余ってきたときにはやはり消費者の動向に対応してこれを抑制していく、こういうことをやってこそまさに国家は成り立つのであって、国が一度つくれと言ったらいつまでもつくるのだというようなことを言うような農家の人は、ごく例外の人ではなかろうかと、こう思う次第でございます。
  129. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は、米が自由な商品でないんです。ですから、つくれ、やめろ、これはほかの自由に販売のできるものでないだけに、もう少しやはり米の政策については、長期の展望を持たなかった政府・自民党の方にも落ち度があったというふうなことをお認めできませんか。
  130. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) まさに日本がこのような繁栄をして、世界から二番目だと言われるような繁栄をするというような見通しを持った人は当時まずまずなかったのと同じように、あの当時、米が余って困るなどと想像するような社会情勢にはなかった。それを見通し得なかった責任は大きいと言われれば責任を感じますけれども、当時、将来米が余るからいまのうちやめた方がいいぞ、というアドバイスをしてくれた人もなかったことも事実でございます。
  131. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 自民党は責任政党でございますね。これは、責任政党が責任を感ずるというのと、世間にアドバイスしてくれた人がいないからそういう責任は平等なんだ、ということには私はならぬと思うんですが、大臣いかがですか。責任政党の責任を言っているんですよ。
  132. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 責任政党としては感じますけれども……
  133. 丸谷金保

    丸谷金保君 感じますか。
  134. 中川一郎

    国務大臣中川一郎君) 感じますけれども……
  135. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 感じればいいんですよ。
  136. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 当時、先見の明がないよというような空気も周りにはなかったということだけを申し上げて、だから私が正しいので、政府・自民党が全部よかったとは申しておりません。世の中というものは、時代の変転とともにこのように世の中、社会が変わるものかと、消費の態様というものがこのように変わるものかと、いまさらながら反省をいたしておるところでございます。
  137. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 いままでの論議の中で、どうも農林大臣の反省しておるという言葉が、ずっと記録を読んでみたんですが、ないものですから、それは十分ひとつ政府において反省していただきたい。  そして、そういう政府において反省をしていただく立場で農林大臣にお願いしたいんですが、実は、農林大臣が、衆議院の米の集中審議の中で、これは稻富委員の質問に対して、「少々高くてもアルコールの入らぬ方がいいというのが実態であればこれも直ちに、大蔵省が何と言おうと、私の責任においてやらしたい。」と、久々ぶりでぼくは中川節を聞いたような気がして快哉を叫んだんです、ここで。大蔵省が何と言おうとというふうなそういう気構えを持って、ひとつ米の消費対策にぜひ当たっていただきたい。これはもう大変ごりっぱな決意のほどを委員会で表明されたなと、この点については敬意を表したんですが、実は言葉ではそうなんですが、現実の政策面ではそれがさっぱりあらわれてきていないような気がするんです。  たとえば、消費拡大ということを言っています。私も先日、具体的なひとつ思い切ったことをやれということで提案をプリントにしてお渡しいたしましたが、その種の問題について文部省とどのような打ち合わせをやっているか、ひとつお知らせを願いたいと思います。
  138. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) まず、アルコール添加の問題でございますが、これはやっぱり消費者の酒を飲まれる方が、アルコール添加をやめれば百何十円かかかりますし、日本全体で言いますと、約千億円の消費者負担になる……
  139. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 アルコールでなくて、文部省、学校給食。
  140. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) そこで、そういうことでございますから、消費者やあるいはメーカーの方々がいいということであれば、大蔵省が財政上どうこう言っても、これはもう大蔵省を説き伏せても断じてやりたいと申したわけでございます。  同じように学校給食についても、これまた理解と協力がなければできないことでございます。文部省と話し合った結果、まあ週五回のうち二回ぐらいまではひとつ文部省も協力しよう、また、学校給食会等の御理解も、大体その程度ならよかろうということでございますので、昭和五十六年を目標に、週二回、約十一万トン、玄米ぺースでございますが、やることになっております。しかし、これだけでは足りませんので、私といたしましては、できるならば文部省等にも、あるいは学校給食会等にも話をして、もっともっと、できれば全量学校給食は米であると、こういうような努力をしてみたいなあと、こう思っておりますが、とりあえずはいまの週二回、五十六年度を繰り上げ実施でもして、少しでも早くこれをまず達成する、こういう方向でいきたいと思っております。
  141. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は、そういうお話はまことに結構なんですが、たとえば北海道の例を見ましても、五十二年度ですね、これは週三回やっているところ、四回やっているところ、五回やっているところ、合わせても一%くらいなんです。そしてほとんどが、月に一回が一〇%、月に二回が五〇%、月に三回が三%で、非常に少ないんです。ひとつ北海道の方からでも、隗より始めよということがありますので、積極的にお願いしたい。そうして私はその点で、どうもたてまえでは消費拡大、学校給食言っているけれども、本当に熱が入っていないんでないかと思う点が一つある。  交付税課長さんに確認の意味で伺いますが、昭和五十一年と五十二年度の地方交付税の学校給食関係の積算内容の中で、米飯給食委託料というのが、五十一年は、児童数八百十人の学級数十八といういわゆる基準でとってみて、二千五百五十円掛ける二人掛ける八十三日ということで、大体基準財政需要額の中で見ているのが四十二万三千円なんです、基準校で。これはいいんですよ。ところが、五十二年になると、当然単価を上げていかなきゃなりません、全部上がるから。これ、上がっているんです、単価が。委託料の基準単価が二千七百五十円に上がっているんです。ところが、大臣はいま、だんだんふやしていくと言っていましたでしょう。五十二年度の算定基準は今度七十七日と、八十三日だったやつが五十二年は七十七日と減っているんですよ。そうして基準の金額は、前年と同じ四十二万三千円なんです。ちゃんと合わせてあるんです。基準の数字だけは四十二万三千円、五十一年も五十二年も。単価は五十一年より五十二年は上がっているんですよ。そうして給食日数を減らしているんです、米飯の。農林大臣、自治省の方では、町村に奨励する方は、今度は日数減らしているんですよ。こういうことについて私は、農林省が本当に学校給食に熱を入れ、米の消費拡大に全力を挙げてまなじりを決して取り組んでいるなら、こういう問題、自治省は何だ、何もやってないじゃないですか、あんたたち口で言うだけで。どうなんです。
  142. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) いまお話しのありました七十七日につきましては、文部省の方からお話がございまして、年間二百十五日のうち一割ぐらいは行事で給食をやらない日もあるということで、それを掛けまして、それで一週のうち二日分ということで積算をしているものでございまして、ただ漫然と総額を据え置いたわけではございません。したがいまして、同じような考え方をとりまして、五十三年度におきましては、単価の上がる分だけ増額を図ることにいたしております。
  143. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 単価の上がる分だけですか。日数を農林大臣はふやすと言っているんですよ、だんだん。
  144. 柳庸夫

    ○説明員(柳庸夫君) 基本的な政策はおありになろうかと思いますが、私どもの方は政策自体を考えるのではございませんで、文部省の方からお話を聞きまして、現実にやっておられる行政に対応いたしまして、それが市町村でおやりになった場合に、財源措置としてはこうなっておりますということで積算をいたしているわけでございます。
  145. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 大臣、米の消費拡大ということをおっしゃるのはいいですが、具体的に本気で少し、大蔵省が何と言おうと、というくらいの中川大臣らしいすごみを見せて取り組んでいただきたいと思うんです。ひとつよろしくお願いします。
  146. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 全くそのとおりでございまして、したがって、計画よりはわりあいうまく全体としてはいっていると思うのです。しかし、個々の問題において御指摘のような点がありますればよく調査をして、しかと支障のないように前向きでいくように協力要請をしてまいりたいと思う次第でございます。
  147. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 個々の問題についてまだたくさんあるんですが、時間もありませんので個々の問題で、先ほど酒のことが出ておりましたので、酒の問題もちょっと申し上げておきたいと思うんですが、アルコールを添加した酒になじんできているから、それから経費がうんとかかるからというふうなことを大蔵省の方では言っておるんです。きょうそこまでと思ったんですが、ちょっと時間がないが、大蔵省の方からも来ておられるんですから。  それで、実は私はこの前から表示、それほどアルコールを添加したことがいいというなら、それになじんでいるというなら、これはアルコールを添加した酒ですよということをもう少しわかるような大きな表示をするような方法を考えられないか。ところが、いまの表示というのは、酒団法と食品衛生法でもって業界の自主的な規制に任されているのが非常に多いんです。一々挙げませんが、実に事細かにそういう点が業界の自主的な規制に任されてやっておるわけなんです。そうですね、大体。
  148. 大橋實

    ○説明員(大橋實君) お酒の表示でございますけれども、私どもが所管しております「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」によりまして、容器の見やすいところに所定の表示をするというようなことになっておりますことのほかには、食品衛生法の規定によっても表示義務が課されておりますが、これにつきましては、現在製造年月日については省略できることになっておりまして、あとは自主規制ということで、それぞれの酒類業組合がそれぞれの形で公正取引委員会の御指導をいただきながらそうした表示を実施しているわけでございます。
  149. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 それで大臣にお願いしたいんですが、これは酒屋さんにどれだけ当たってみても生一本というのだけなんですよ、アルコール。あとは百二十ミリリットル以下のアルコールを添加したやつは、本醸造だとか吟醸だとかいろんな名前がつけられるんです、いかにも本物みたいな名前が。ここいら辺を何とかひとつ変えられる、そういう点について努力いただけば、これは必ず――アルコールを添加した酒はうまいなんと言うけど、うそなんです、あれ。アルコールを添加するから、ブドウ糖その他も添加してコクを出すようなかっこうにしなければならぬから、変な味になってきているんですからね。ですから、それを法的にアルコールを入れるなということが急にできなければ、表示だけでも、外国では皆やっているんですから、もっとわかるように、これはアルコールを入れた清酒ですよと、これは米だけでつくった清酒ですよということがわかるようにしただけでも米の消費はうんとふえますから、それだけひとつ、大蔵省が何と言おうと、農林大臣がんばっていただきたいと思います。
  150. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 日本酒で米を使っておりますのは約六十万ドンでございます。アルコール添加分がたしか四十万トン相当分でございます。これが米になりましてアルコール添加をやめるということになれば四十万トンの消費拡大になりますから、いままでもアルコール添加から米へと指導はしてきておりますが、御指摘のような点で前向きになることがあるならば、これまた検討してみたいと思う次第でございます。
  151. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 実は、これで終わるんですけれども、一つ聞き捨てならない話が出たので、ワインの関係で山梨県の生産農民と相談した。山梨県の生産農民と相談したということは、日本のブドウをつくっている生産農民と相談したことにならないんですよ。ちょっとその点、園芸局長……。
  152. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 昨年の経過がございまして、いまの段階はそういう先ほど申し上げましたメンバーで構成をいたしておりますが、その中身の対策その他の点につきましていろいろほかの県の実態等もありますれば、またそれも検討をいたしたいと思っております。
  153. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 検討いたしたいということですが、山梨県でワイン原料に使っているブドウの量とその他の全国で使っている量との把握をおたくの方でしているんですか。していなければしていないでいいですからこの次に譲ります、時間がございませんので。
  154. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) ただいま山梨県あるいは山形県等の意見も聞くことにいたしております。したがいまして、またその他主要産県の御意見があれば伺うようにいたしたいと思っております。
  155. 丸谷金保

    ○丸谷金保君 北海道でも一割やっているのだから、覚えておいてください。
  156. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 最初に農林大臣にお尋ねしますが、五十三年度の農林予算案は、米の生産調整のための条件整備、それから農業基盤の整備強化、それから新しい農業構造改善の展開、さらには麦とか大豆、それから生果、畜産物などの生産増強、また、二百海里時代の対応などを柱にして組まれているわけなんですが、国の予算に占める農林予算は九・九七%、前年度の一〇・〇九%に比べますと、わずかですが一割を下回ってしまったわけであります。  中川農林大臣は就任時に、総予算の一割は確保するということを言明なさっておられたんですが、それが守られなかった点、どのようにお考えになっているのですか。私は、民族生存基盤の基幹産業とも言うべき農林水産業の予算というものは、一〇%というものが、民族を守りまた国家経済の基盤として一つの歯どめである、こういうふうに思うんですけれども、中川農林大臣就任を境に、今後農業予算というものが年々減っていく傾向をたどるんじゃ悲しい、このように思うのでして、この点、国家予算に占める農林水産予算の位置づけに対する確たる御見解を、この際伺っておきたいと思います。
  157. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私は農林大臣になる前、党で農業の方に関係しておりましたときから、農業予算は国家予算の一割は確保すべきである、そうしてしっかりした農村をつくっていく歯どめにいたしたい、こういうことを言っております。  御指摘のように、今年度予算においては全体では八・九%になっておりますが、御承知のように、ことしは公債費が非常に大きくなりまして、公債費は全体共通の経費でございますから、これをやはり差し引いてそうしてどうかという姿をながめなければ、わが方だけが公債費は関与しないというわけにはまいりませんので、予算編成の際もその点を十分にらみまして、公債費を除きますとたしか九・九、約一〇に近いところを確保できた。今後ともこの辺のところは十分にらんで一〇の台は割らないように、まず一〇%と言い切れるだけの予算は農林省関係に確保していきたい、こう思っておる次第でございます。
  158. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 福田内閣は、五十三年度の経済成長率の目標を七%程度に置いて不況の克服、それから雇用の安定確保を図りたいとしておるわけです。衆議院におけるこれをめぐる論議を見てみますと、農林水産の部門を受け持つ中川大臣としては、国の成長率が決まったからといって、農林省における具体的な成長率の内容ははっきり試算していないんだと。農政を取り巻く厳しい状況の中で、いろいろと総合対策を講じながら農家経済をよくして、国全体の経済成長率七%に応分の努力をしていくんだと、こういうことをおっしゃっているんですが、先ほど言いましたように、五十三年度農林予算の最大の特徴というのは、脱米偏重に力点を置いた米の生産調整百七十万トンに対する転作対策にあると思うんです。この分だけでもかなり落ち込むわけでして、私は農林関係の経済成長率を何%に置くかというこの数字は別としましても、少なくとも農業部門において総生産額、農家収入というものは減らせない、この決心での総合施策というものを講じる必要が絶対必要であると思いますが、その点について大臣の御見解をお伺いします。
  159. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、七%成長の場合に、産業別にどの業種がどうというブレークダウンしたものではございませんで、他聞に漏れず、農業についても詳細検討はいたしておりませんが、ただ、御指摘のように、ことしは生産調整を百七十万トンもいたしますから、米作農家を中心にして所得が減るのではないかという御指摘もございますが、この点につきましては、ほかのものをつくることによって減収するであろうと想像される約二千億円について補てんをして、米作農家から変わっても所得が下がらないという大枠の、マクロ的な考え方のもとに措置をいたしております。そういうことではございますが、全体として農業生産がどうなるかということでございますが、そのほかにも農業基盤とかいろんな生産対策も相当講じております。ただ、昨年は大豊作であったと、御承知のようなことでございますので、来年にそれほど大きな期待が持てるかということになりますと、全体としてそう大きなものが見込めないかなという感じでございます。
  160. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 大幅な農業部門における経済成長は見込めないにしても、これまでの農業総生産額を大して下回らぬという決意で大臣取り組んでいただかないと、これは本当に日本農業は壊滅状態になってしまう。その辺をしかと心得ていただきたいということなんです。  それから、午前中から水田利用再編対策をめぐっていろいろ論議がございました。大臣は、関係者の理解と協力に基づいてこれを実行するんだと、こうおっしゃっておられます。全国の知事さん、それから市町村長、それから農業関係の団体の幹部の人たちは、いろんな諸般の情勢を考え政府からの提案をいろいろ協議しながら、まあやむを得なかろうと、こういうあきらめの心境というか、渋々というか、引き受けて、実際今度は各それぞれの地域へおろして今度農民同士の間での問題になってきているわけですね。ですから、私は、関係者の理解と協力に基づいてと言っているけれども、現在、それからさらに今後も、農民における農政に対する不信と恨みがつのり、さらにまた、農民同士の相互間でのいがみ合いというものが深まっていく、こういうのが実態ではないだろうかと、こう思うんです。  私たちは、これだけ十年間を目途としてやる大事業なんだから、政府の方策はこうですよと、それを現場におろして、皆さん方が本当に理解と協力してもらえるかどうかということを提案して、しばらく猶予期間を置いて、そのためにはわれわれ現場で働く生産農家のこういう希望なり意見なり提案というものを受け入れてほしいという、生産農民の下からのいろんな意見というものが吸い上がってきて、それを再度政府当局において検討した上で、三年後にはこうなりますよと、十年後の日本の農業の実態はこうなるんですと、ぜひ協力してほしい、こうすべきではないのかということをさんざん申し上げましたけれども、しかし、そういうゆとりはないんだということでいま実施に踏み切られております。しかし、現場からは、実際に割り当てが自分のところに来て初めてこれに協力するためには、少なくとも前提条件としていろいろなことをやってほしいというたくさんの要望、意見が上がっております。  たとえば、北海道の留萌管内、留萌市におきましては、これは農業関係の議員たちが個々に農家と対話をし、そうして上がってきたものをまとめたものですけれども、「稲作農家に協力を求め水田利用再編対策を推進するには、その前提として畑作物、畜産物の価格安定対策をはじめ、各般に亘る条件の整備が極めて肝要」だと、こういうわけで、食管制度をあくまで堅持すべきだと、また優良米の生産を促進するための援助措置を講ずるとともに、転作目標面積達成後の超過米については政府は全量買い入れ措置を講じてほしい、   〔委員長退席、理事青井政美君着席〕 あるいはまた、転作作物の収益性を高めるために、畑作物、畜産物の所得の向上が期せられるように価格安定対策の樹立を図れとか、あるいは融資枠の確保と融資条件の改善、あるいは金融対策の強化、また、稲作転換に係る補助事業実施に当たっては受益者負担分についてはその融資措置の万全を期してほしい、あるいは先ほどから論議のありました米の消費の拡大のための啓発の強化、あるいは学校給食の積極的な推進、こういうようなことをたくさん申しております。これは、私、一々ここで答弁いただこうとは思いませんけれども、いろいろそういう意見が上がっているわけですね。  それで、具体的には一つだけここでお答えいただきたいのですが、昭和四十五年度以降政府の生産調整に協力した農家の中で、植林した者については昭和五十年度をもって奨励金が打ち切られる、廃止されるということになっております。しかし、その当時、政府の方針に協力をして植林をした農家の経済というものは非常に危機に直面をしているということで、当該地域としてはそういった該当の農家に対する救済措置を講じてほしいということが強く要望として出されておりますが、いま農林当局の方にはそういう要望が上がってきており、また、救済対策について検討されているのかどうか。まずそれをお伺いしたい。
  161. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) いまお話しになった点は、私どもは直接は聞いておりません。まだこちらには上がってきてない話でございますが、一般的に言えば、この植林につきましては、何といいますか、本来農地を転用してやるべき性格のものでございまして、一般の転作作物のような米をつくらない代償と、そのかわりに奨励補助金を出すというような性格とはちょっと異なった本来そういう性格のものではないかと思っておるわけでございます。ただ、その生産調整の対策のときに、四十五年から五十年まで、これは米減らし対策という非常に緊急避難的な要素を持っていた関係がございまして、特例的に期限を切って植林に奨励金を認めたという経緯があるわけでございます。その後の水田の総合利用対策では、これは食糧作物の総合的な自給度の向上ということで、その植林に対する補助を打ち切っているわけでございます。  今度の水田利用再編対策については、国土の総合的な利用といいますか、そういう見地から非常に特定な地域に限りまして、非常に山間の谷地田だとか、非常な特殊な地域に限ってだけ三年間奨励の対象にしようじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、相当前にやったそれまでもう一遍補助金を、奨励金をまた出し直すということは、これはなかなかむずかしい問題でございまして、その植林の場合、林業経営の問題として何かいろいろ問題があるとすれば、やはりその林業経営上の問題として、また別の角度からいろいろな救済措置等を考えるということが適当ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  162. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 ちょっとよく聞き取れなくてあれなんですが、大臣、昭和四十五年以降政府の生産調整に協力して植林に転用した人たちがいるわけですね。いま現在この土地を売りたいと、売ろうと思った場合ですね、一反当たり七万か十万の値段しかつかないというんですよね。これはかなり奥地の方の人たちだと思います。不便な地域の水田だと思うんですが、やはり同じこの場所においても今年度から採草放牧地にしようとすると、五十三年から七万五千円の補償がつくと。そうしてもしこの土地を売ろうとすると、いま反五十万は値段がつくと、非常にこの差が激しくついちゃっているわけですよ。そういったことで、確かに五年たったら打ち切られるということを十分承知の上で転用したんだから、いまさらどうしようもないというのも一つの理屈なんですが、ぜひこれは現地を一遍調査をしていただいて、何らかの救済措置ができないものかどうか、新たに検討をしていただきたいということが一つ。  それから、先ほどから言っていますように、現場ではいろいろとやはり不満なりそれから不信なりありまして、特に二十戸とか三十戸の小さな部落へ行きますと、その中でお互いにあそこはうまくやったとか、おれのところは困るとかと言って、まあ人間関係というか、非常にまずくなっておる。これまで冠婚葬祭等で本当にしょっちゅう顔をつき合わせて、家族ぐるみ、あるいは親戚ぐるみというようなつき合いをした中で、その転作をめぐっていがみ合わなきゃならぬというような、こういう状態というものについて、大臣も、いやもうそれは市町村に任せてあとはもう理解と協力でやってもらうんです、ということだけじゃ済まない現場の情勢なんだということを、よく認識していただきたいと思うんですよね。ですから、一応方針は方針なんですけれども、これからも下から吸い上がってくる意見について、本当に積極的にその意見をよく検討して、農家がまた農業に対して意欲を持って取り組んでいくようなそういう方策をとっていくんだという、その辺の御決心というものを承りたいと思います。
  163. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 第一番目の植林の問題でございますが、先ほど園芸局長から答弁申し上げましたように、昭和四十五年ごろやりましたのは全く緊急避難で、休耕でも結構です。木を植えたらなお永年でございますから結構ですと。あれは、たしか木を植えた場合は四万二千円の一番高い分を出したのじゃなかったかなと思っておるのですが、あるいは池をつくって魚を飼ってくれたら結構ですというので、もう緊急避難、米をやめてくれればという政策でやったわけでございます。今回の場合はこれは緊急避難では済まないと、長期的にもう十年ぐらいは固定化してやらなきゃいかぬと、それには今度のようなきめの細かい政策をやらなきゃいかぬということが一つと、もう一つは、食糧自給度の向上という国家的要請もありまして、木を植えるとか、あるいは魚を飼うというようなことじゃなくて、やはり不足をした作物はつくってもらうというので、大豆とか飼料作物とか、あるいは麦といったような品目に対しては、相当多くの金を出してそういった自給度の向上を図ると、こういう仕組みでお願いをいたしておるわけでございます。  そこで、一見、過去木材にしてしまったためにいまは非常に土地価格が下がったと、あのときやらなきゃよかったかなあという感じを持つのもわからぬわけじゃございませんし、そういう人方がそういう希望を持っておられるのかなあと、実は私もそういうことがあるのじゃないかなあと、こう思っておったのですが、私のところへはまだそういう意見は来ておりません。いま相沢委員から聞いたところではございますが、その辺研究はしてみますけれども、いまも言ったように、あの当時の生産調整とは全然立場を変えたやり方でやっておるということでございますので、局長が申し上げたように、林業対策として何かしかるべき国の対策はないか等について検討してみたいと存じております。  それから、生産調整についていろいろな御意見があると、これはまさにそのとおりだと思うのでございます。北海道は特に面積が大きいと、三五%という生産調整であり、また場所によっては六〇%というようなところもありますから、非常に議論の多いところではございますが、そこでもうちょっと時間を置いてという意見もあるのです。しかし、本来ならばおととしあたりからやりたいというところだったのですが、おととしは間に合いませんで、昨年の森ごろから、これはもう早期に通達を出したと言って怒られてはおるのでございますが、そのころから時間をかけて生産者団体やあるいは都道府県知事等に協力要請をしながら、最終、昨年末成案を得て協力要請を行ったと、そうして県から町村、町村からいま個人に配分の段階でございます。町村までは、大体全国見ましてまあまあ理解してくれたかなあと。いま残っておりますのは、これからまきつけまでの間の町村と個人との間でございます。ここでもいろいろ議論がありますが、全国的に見て農家の方々もこの過剰対策というのは厳しいことだということであって、いろいろ問題はあるけれども、ひとつ協力しようかなあということでやっていただいているように私は見ておるわけでございます。しかし、またいろいろな御意見もありますから、普及員やあるいは町村等あらゆる機関、農業団体を利用して、やはり農家の人に理解をしていただくように努力をしてことしはやらしていただきたいと。  もう一年ぐらい待ったらどうかというのですが、現に四百六十万トンも余りまして、仮に備蓄といいますか、政府繰り越し米二百万トンと見ましても、約三百万トン程度は過剰米処理をしなきゃならぬという段階でございまして、これが一年延ばしますと、もうすでに六百万トン、七百万トンになっていくということでもありますので、どうかひとつ、大変だとは思いますが、われわれも意見は十分聞きますけれども、こういった厳しい情勢下であり、特に北海道で今後私は心配するのは、むしろ生産調整農家にはずいぶんいいではないかと。同じ地域で畑作をやっているのと、水田で大豆をつくりビートをつくっているのとでは余りにも差があり過ぎるのではないかという、周りの農家の方の心配の方がむしろあるのではないかとさえ思うぐらい、生産調整対策にはかなり国は力を入れておると。  端的に言うなら、北海道でありますれば、大体選択作物が植えられるところでございます。大豆、ビート、飼料作物、麦。しかも、大規模に経営いたしておりますから、大概四町歩から五町歩持っております。もし仮にこれが七万円という生産奨励金が当たる仕組みに転換をいたしますならば、五町歩持っておれば三百五十万円というものが手つかずに生産農家に入ると。しかも、これは議員立法ではございますけれども、一時所得という税制の措置を講ずると。その上に、さらに麦なり大豆なりビートなりの生産が上がるとするならば、まあまあ北海道の農家にもその点をよく説明をして、これから先々十年間は毎年七万円ぐらいのものは上がるのですよと。そしてまた排水がなければ、先ほど負担率の問題もありましたが、知事が水田転作特別事業ですか、いままでとは違った基盤整備、排水等をやって生産調整ができやすい土地条件を整備する、こういうような指導を行ってまいりますれば、北海道でも全体的にはまあまあ御理解がいただけるのかなあ。しかし、御意見のあるところは今後も十分吸収いたしまして、農家の納得のいくようにしてまいりたいと、こう思う次第でございます。
  164. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 いま大臣のおっしゃったように、特に北海道の場合は三五%ぐらいの転作になるわけですね。そうした場合のこの北海道農業の確立といいますか、特に大臣の方の、一番酪農畜産地帯なんですが、この酪農畜産の位置づけについてどのようにお考えか。三五%水田を畑作へ、あるいは酪農、畜産へと、どれぐらいの比率ずつ移行するというように見通しをされておるのか。その場合、これまで酪農、畜産を営んでいる方たちとの競合問題が出てくると思うんですね。そういう点についてどこまで考えられて、いわゆる酪農、畜産の位置づけというものはどのようにお考えなのか。
  165. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 今度の生産調整は、生産調整をされる米生産農家も大変でございますが、実は周りも非常に大変なわけなんです。大変でないのは麦、大豆等のように、あるいはビートのように価格対策がしっかり決まっておって、いかに水田で麦ができようとも、大豆ができようとも、ビートができようとも畑作の価格は下がらない。しかも、国内の自給率も非常に低いから、もうつくってもらえばつくってもらうだけ国もありがたいし、また周りの農家も迷惑をこうむらないという作物もございます。ところが、水田で米以外、たとえば野菜をどんどんつくられたとするならば、価格政策のない野菜等はもう転作洪水によって価格が暴落して困るという作物もあるわけでございます。そこで、転作してもらったら困るという作物、それから転作はどんどんやっていただきたいという作物、それから転作するに当たっては需給その他を十分見通して過剰にならないでやってほしいという作物、こういうふうに分かれてございます。  その中にあって、酪農は北海道の戦略作物といいますか、農業でございます。実は、北海道を初めとしてことしも限度数量より余ると。酪農第三次近代化事業よりはむしろ現在ですら伸びておると。計画をオーバーしておると。さらに今回、生産調整によってこれが大きくなることによって酪農製品がだぶつく。その結果、現在の酪農家に影響を与えるというようなことになっては大変だと、こう思いまして、今後、道あたりでどのように調整するか、その辺の判断はまた道自体でも指導していただいておると思いますが、私どもとしては、できるだけ北海道では少ない大豆、ビート、飼料作物ないしは麦というようなものをつくっていただくことに重点を置いていきたい。そして、酪農の方については、今後また国際競争力に勝てるまでいけるかどうかは別として、体質の強い、北海事は特に適地でございますので、これまた安全な北海道の戦略的農作物として、農業として育てていくように全体的な見直し、政策を講じてまいりたい、こう考えております。  今回の転作によって酪農にどれぐらい変わるのかということについては、事務当局がつかんでおりましたら、事務当局から答弁させます。
  166. 杉山克己

    政府委員(杉山克己君) 水田からどれだけほかの作物に転換するかということについては、それぞれ関係方面の意見等も聞いてはおりますが、まだ酪農関係に具体的な面積でどれだけ転換をするかということについては集計ができておりません。  ただ、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、ことしは牛乳の生産が非常に大きく伸びております。それらのことから、先々の需給関係がどうなるかということを見通しながら、それからまたえさの給与の体系、濃厚飼料にどれだけ依存するか、できるだけ自給飼料、粗飼料の依存度を高めるように持っていく必要があるというようなことも考えながら、将来の酪農のあり方、今回の水田転作等を関連させて検討してまいる必要があろうと考えております。
  167. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 現在ですら北海道の場合、酪農家二万三千六百戸、乳牛が七万六千頭で百七十七万五千トン、前年度比一三・六%増加して余りぎみである。それですから、米の減産を明示するならば、当然第三次酪農近代化計画に沿った年次別計画を明示しながら、少なくとも加工原料乳の限度数量を引き上げ、それに対する財政措置というものをきちっととって、心配ないよと、こういうようにやるべきだと思うんです。それで、五十一年度実績に、五十二年度の伸びを掛け、さらに五十三年度の伸びを掛けますと、百九十四万二千トンぐらいになるだろうといま試算されているわけです。ですから、やはりこの加工原料乳の限度数量二百万トンですね、これをやっぱり引き上げるという対策を講じないと、北海道において水田の編成がえ、またそれを受ける酪農の人たちの非常に問題点になると思うんですが、この点、大臣どうですか。
  168. 杉山克己

    ○政府委員(杉山克己君) 最近、牛乳の、特に飲用乳の需要というのはかなり大幅に伸びてまいっております。率にして、五十二年の四月から十二月まででもって六・一%。この点、はなはだ有望といいますか、期待が持てるのでございますが、生産の方はそれをはるかに上回る伸びを示しております。率にしまして、同じ期間九・一%でございます。前年が七%台でございますから、ここ二年続けて生産は思いもかけなかったような大幅な伸びを見せたという実績になっております。その結果、加工原料乳に回る分が非常にふえまして、十二月までの数量で大体一六%ぐらい予定量を上回っております。この結果、現在の限度量を上回る相当量の生乳が出てくるのではないかというふうに見られるわけでございます。その結果が現在までにも酪農製品、特に脱脂粉乳のメーカーにおける在庫の増加というような形であらわれております。そこで、脱脂粉乳等の価格が大幅に低落するおそれがあるということで、今般、脱脂粉乳一万四千トンについて畜産振興事業団が買い入れを行うこととしたわけでございます。  そういうような一連の事情を通じて、今後、特に五十三、五十四、ここ数年の生乳の生産が一体どうなるであろうかということを慎重に見定める必要があると考えております。それらの需給の見通しとの関連のもとに本年度の限度超過量についても、それから五十三年度の限度量の設定についても、さらに今後の第三次酪近のテンポを上回るような生産の増加の伸びについて、長期的にはよろしいのでございましょうが、当面、水田転換との関連でどのように調整を図っていくかということを、慎重に検討していかなければならないと考えております。現在の段階で限度数量をどう決めるかというようなことは、なお十分材料も出そろっておりませんので、十分材料をそろえた上で検討してまいりたいと考えております。
  169. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 大臣、ここで農畜産物の輸入枠拡大の問題でお尋ねしておきたいと思うんですが、昨年九月以来のいわゆる日米経済戦争とも言われた農産物の輸入問題ですが、日本側の大幅譲歩で一応の決着を見たという感じがどうも強い。特に牛肉についてはその感を免れないという関係者たちの強い不満というものがあるわけですが、農林大臣は今回の日米交渉を終えた段階で、記名会見で、国内農業に支障はないと、そういうことを特に強調されております。私たちもぜひ支障がないように望んでいるわけでありますが、現実には水田利用再編成の時期でもありますし、今回の日米交渉の結果、国内農業に与える心配というものは想像以上に高いものがあると思うんです。そこで、中川農林大臣は、国内の農畜産農家の立場に立って行動してきたと主張されているんですが、昨年来のこの輸入枠拡大論議の中で政府部内に対して国内農業を守るためにどのように主張されてきたのか、今回交渉を終えて、ひとつ総評といいますか、感慨というか、反省を含めて御説明をいただきたいと思います。
  170. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私が昨年十一月二十六日農林大臣に就任いたしまして最初の宿題が、対米経済調整でございました。農業にも非常に大きな宿題が来ておりまして、この調整には非常に苦慮いたしたところでございます。  御指摘ありましたように、時あたかも水田利用再編対策遂行中でございます。すなわち、米をやめて農畜産物に変わるという時期に、外国からの輸入あるいは自由化等が来るならば、たちまち水をかけるということになって生産調整もできないという本当にきわどい折衝でございまして、私も一番頭を痛めたところでございます。  そこで、肉の問題についてでございますが、肉は御承知のように、国内におきましては約三十万トン生産がされておる。約十万トン程度のものをここ一、二年輸入いたしておるわけでございます。そうした国内産肉と輸入肉によって、まあまあ消費と供給がバランスがとれておる。しかも、畜産物価格安定法によって、数年前から牛肉についても豚肉と同様に上限価格、下限価格、そしてまた基準価格というものを決めて価格が非常に安定してきておる。しかも、標準へそ価格を若干上回るという理想的な形態にありますので、そこへ外国からの、アメリカからの要請にこたえてもし価格が暴落するというようなことになりますれば、たちまち畜産農家に大きな打撃を与える。そこで、そういったことのない調整がどこにあるのかと腐心をいたしたわけでございます。結果としては、ホテル枠千トンのものを三千トン、さらに一万トンまであと七千トンになりますが、消費需要開発を試みて、あればおこたえするということで決着を見たわけでございます。  そこで、基本的にはどういうことになるかというと、十万トンの枠をさらに対米折衝のために三千トンないし一万トンふやすというのでなくして、御承知のようにアメリカとの調整は五十三年度以降でございますが、肉の事情がどうなっているかというと、五十二年度下期においては四万トン予定いたしておりましたが、肉の方の消費が拡大されたというか、現実に輸入しております在庫が底をついてきたというので、対米調整を行う前の五十二年度下期において五千トンをふやさなきゃならぬ。それから、五十三年度の上期には三万五千トンを予定しておりますが、今年下期の実績に絡んで五千トンふやして約四万トン入れなければならないという事情にございますので、そのことは豪州、ニュージーランドを含めて、対米折衝とも絡んではおりますが、全体的な問題として五十二年度下期、五十三年度上期声、ふやすという状況にあった。  そこで、五十三年度以降について、そういった国内の必要な肉の枠の中で対米関心の強いアメリカのホテル肉ないしは高級牛肉について努力をしてみましょうと、こういうことをやったのであって、アメリカから別枠で一万トンを入れてそうして国内生産を抑えるというような仕組みではなくして、必要な肉の中でいい肉について努力をしてみましょうと。これも、アメリカから買うという約束はしておるわけではございませんで、アメリカが関心を持ち、アメリカが輸入しやすいものではありますけれども、これはグローバルでございますから、豪州もニュージーランドもこの枠の中に入り得る。そういう中での調整を図り、しかも、この輸入牛肉は畜産振興事業団が買い入れまして、そして価格の動向に見合った放出をする、売り払いをするという仕組みをつくっておりますので、枠についてもそれほど無理をしておらないばかりか、第二段目の歯どめとしては、畜産振興事業団の放出によって価格に悪影響を与えないという仕組みを講ずるという二段構えで措置をいたしまして、国内畜産農家に影響を与えない。  現に、その後卸売価格も大きく変動いたしておりません。ただ、生産地において子牛等が値下がりをするという現実が九州方面ではある。これはどうも心理的に大変だ大変だということで、先々これはもう大変に肉が入ってくるのだからいま売った方がいいぞというような声が流れたために、そういう傾向があることはまことに遺憾でございますので、私はこの間農業団体にも、大変でないのに農業団体が大変だ大変だと言うことの方がむしろ農家に実質被害を与えるのではないかと、もっと農業団体の幹部の皆さんもこの輸入牛肉についての実態をよく勉強されて、そして農家に不安を与えないのだということをよく理解してもらうようにすることの方が農家のためになり、それが農業団体のやることではなかろうかと、こういうふうに申し上げてきて、だんだんと落ちついてきたのではないか。しかも、さらにその上に、生産農家のために必要なえさ代等についても、幸い円高等で下がっております脈も考慮して、昨年暮れ、またことしに入りましてもえさ代の値下げ等、畜産農家の生産対策についてもきめ細かい配慮を行う。今後また、そういったことで不安のような状況が出てくれば、まず国内畜産農家に不安を与えないように万全を尽くして現体制を守り抜いていきたい。こういう姿勢でやってまいりましたし、今後もそういう姿勢で取り組んでいきたいというわけでございます。
  171. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 確かにいま大臣おっしゃったように、九州の方では和牛の子牛がもう三万円も値下がりして大変な状態なわけですね。大臣のおっしゃっているのは、そういう実態になってから、農業団体の方は大変だ大変だと言ってそうやって売りを急ぐからそういうふうに値段が下がるんだと、起きてしまってからそういうことで農業団体の方に責任をかぶせるみたいなことじゃ困るんで、そういう事態にならないように、もう少し前もって農業団体との話し合いというか、政府との連携というか、そういうものをとるべきでなかったか。実際にもう起きてしまったそういう緊急事態に対しての救済対策というものは、やはり改めてとるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  172. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私どもも、責任を全部農業団体その他に押しつけようとは思っておりませんけれども、もっと農業団体とわれわれとも話し合いの場をつくってほしいと、話し合わずにただ大会を開いて大変だ大変だと近寄らずに騒ぐようなことじゃなくて、もっとやっぱり畜産団体、畜産農家のためにひざを交えて、実態はこうなんだ、そしてもし万一こうなればこうするのだという、よく理解をし合おうではないかということも話し合っているところでございまして、私自身としては、農家を守るという立場を貫いた対米折衝であり、今後もそういう姿勢を守りたい。今回のことを契機に、末端において思惑で下がることのないようなことを十分注意してまいりたいと、こう思う次第でございます。
  173. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 あと水産関係の予算についてお尋ねしたかったのですが、時間が来ましたので、次回に譲りたいと思います。
  174. 原田立

    ○原田立君 農林大臣、先ほどもちょっと途中から聞いた話でありますけれども、全国の各自治体あるいは農業者の方たちは、政府の施策について十分な理解を得られたのではないかと、こういうふうなお話がありました。それは私もあっちこっちと自治体の農協の幹部の人あるいは実際耕作している人たち、そういう人たちと話し合ってきました。だけれども、それらの人たちが言うのには、もう全く今回の水田利用再編成の問題については目先が真っ暗だ、本当に困った、行く先々どういうふうにしたらいいんだろうかという声を涙ながらに訴えておりました。また、地方自治体の神部は、県の方から町まで、市までおりてきたけれども、さあ、さてこれを各個人個人に今度割り当てしようとするのについて、いまもう本当にほとほと困っている段階であると、こういうふうに言っておりました。それは大臣先ほど、もう十分理解を得られたんであろうというようなことを言っておられたけれども、そういう認識はひとつお改め願いたいとぼくは思うんです。これはむしろそんなような、大臣のような高飛車な姿勢でなしに、もう少し姿勢を謙虚な立場にして、そうして各種団体、農家の方々に本当に頼むなら頼むという真剣なそういう姿勢がなければならないと、こうぼくは思うんですが、どうですか。
  175. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) まさにそのとおりでございまして、謙虚にお願いしているつもりではございますが、先ほど得られたというふうにお受け取りになったとしたら、これはちょっと私の言い過ぎかもしれません。私が申し上げた意味は、県段階、町村段階までは大体おろしていただいた、そして、いま末端では非常に問題もあろうがだんだんと得られつつあるのではないか、御協力をいただいておる最中だと。政府といたしましても、このような無理な――特に日本では米というものが一番つくりやすい。そして生産性も上がる。それから栽培技術ももう熟練工である。その人がそれ以外の、技術も、あるいは生産性も非常に問題のあるそのほかのものをつくることについては大変だなあという気持ちは、もう十分知っておるつもりでございます。それでもなおかつ生産調整をしていただかなければ、過剰米ができたときには一体どうなるのかということを考えると、どんなことがあってもひとつ御協力をいただきたいと、こういう神に祈るつもりで謙虚にお願いしているつもりでございますが、今後も御趣旨のとおりお願いしますという姿勢で臨みたいと存じます。
  176. 原田立

    ○原田立君 わが党の竹入委員長が衆議院の本会議場で、この減反問題については非常に重要な問題であるから、生産者、学者、消費者等々も含めて、そうしてもう一遍検討して、もう一年間延長してやったらばどうかと、こういうことを提案したわけでありますが、そのときは総理大臣は非常にそっけない返事しか、たしか中川農林大臣もそっけない返事じゃなかったかなとぼくは思うんですけれども、その点についての御検討をいまここでお伺いしたい。
  177. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) この点も各方面から、一年という人もあれば三年ほどという方もございます。じっくり検討して、先々の見通しを立ててお願いをしたらどうかと。これも傾聴に値する御意見ではございますけれども、御承知のように、すでに五百万トンに近い過剰米を背負っておる。これを一年待ち二年待っておったのではもう本当に異常な事態になってしまうということと、そういうことに着目いたしまして、昨年から、早くから農業団体やあるいは知事さん等、関係機関には十分御説明申し上げ、また協議もし御意見も承りながら、最終案ではございますけれども、お示しを申し上げて御協力をいただいている最中でございまして、どうか一年待てあるいは三年待てということではなくして、もし待てるものなら待ちたいし、生産調整、社会党から御提案あったように、消費拡大でこれが解決できるものならばまさにそのとおりするのでございますが、どう見てもいまの段階で、消費拡大だけでこの問題が解決できる見通しにはない。もちろん、消費拡大についても最善の努力はいたしますが、緊急もう大変な事態になっておりますので、どうかひとつ当委員会におきましても御意見を承り、何とか異常な事態が起きないように理解と協力によってこのむずかしい仕事をやらしていただきたい、こう思う次第でございます。   〔理事青井政美君退席、委員長着席〕
  178. 原田立

    ○原田立君 政府の言うていることをそのまま実行すると後でぽーんとこう足を払われる、こういうふうに思うということを農家の人たちは口々に言っておりました。そういうような不信感が持たれるようなことでは、何にもならないと思うのですね。先ほども指摘がありましたけれども、いずれにしても昭和四十四年の稲作転換対策あるいは四十五年の米の生産調整対策、四十六年からあるいは今回のと、こうずっと米減らし対策等を進めてきているわけでありますけれども、結局政府の言うことを聞いてきたらば、農民は自分自身にしわ寄せが来て本当に困っている、もう泣くに泣けない気持ちだ、こういうことを言っておりました。これはやっぱり農業に携わる農家の人たちを、安心して生産に従事させるようにするのが農林省の役目だと思う。そういう面から言って、いま申し上げたような多くの農民の声、これらをもっと十分に受けとめて、そうして政府の施策の手ぬるさ等もあったことも十分反省して今後進めてもらいたい。私はここで強い言葉で言えば、政府も責任を感じなければいけない、こうも言いたいところなんです。だけれども、さっきから何度もそういう責任の問題は言うていますから、これはあえて言いません。謙虚に反省して、もっと農民が安心して農業に従事できるようにすべきである、こう思いますが、いかがですか。
  179. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 農政に携わりまして、非常にむずかしい、厳しいということを認識すると同時に、過去においてああもすればよかったなあ、あのときこうもすればよかったなあ、そういうことに知恵の至らなかったことについては反省もし、責任も感じておるところでございます。  ただ、言いわけになりますが、四十五、六年ごろから過剰米というだれも想像しなかった事態ができて、緊急避難で逃げようかなと思ったのでございますが、さらに生産は意欲的に伸びてくる。昭和四十八、九年ごろでございましたか、ようやく第一期の生産調整が終わったかなと思うころには、また米価が三〇数%も上がる。逐年その後もまたかなり米価は上昇する。これはまた農家からの強い要請もあり、価格的にも恵まれた作物となり、また消費は逆に国民生活の向上というようなところから、消費の形態も変わってくるという二重、ダブルのことが重なって、政府が、まあこの程度ならいけるかなあと、第一期の昭和四十五、六年ごろの生産調整でいけるかなあと思っておったのが、予想に反してそういった事情がさらにやってきたということでございますし、今後私も心配いたしておりますのは、百七十万トン程度の生産調整で終わるのかなと、もっと国民の皆さんの御協力がなければまだまだ余ってくるのではないかなということで、私も真剣に消費の拡大ということで、この異常な過剰米ができないことについて国民的な運動として、これぐらいに取り組んでいただけないものか、この点についても並行的に万全を尽くしてまいりたいと思ってやっております。今日の事態を迎えましたことについては率直に反省し、謙虚に臨んでいきたいと、こう思うわけでございます。
  180. 原田立

    ○原田立君 具体的問題として、転作面積の具体的目標は、各市町村から現在生産農家におりている段階となっておりますが、この転作目標面積の設定は一体どういう内容でお決めになったんですか。
  181. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 先ほど来、私もだれかの御質問に対して申し上げましたが、一つは、七つの要素を勘案して各都道府県に配分をいたしたわけでございます。  その際、大臣もよくおっしゃっておられるように、自治体あるいは都道府県なり農業団体の意見も十分聞いておるわけでございますが、具体的に申し上げますと、地域指標をもとにして求めた昭和六十年の要転作面積の要素が百分の三十、それから自主流通米の比率の要素が百分の二十、特定作物の特化度の要素が百分の十五、排水条件の要素百分の十、水稲被害率の要素百分の十、市街化区域等面積の要素百分の十、圃場整備状況の要素百分の五……(「聞こえないから、もうちょっと大きい声で」と呼ぶ者あり)  それじゃ、もう一遍初めから申し上げますか……。
  182. 原田立

    ○原田立君 まあいいですよ。
  183. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) そういうようなことで、七つの要素で決めておるわけでございます。
  184. 原田立

    ○原田立君 当然、転作が可能な地域とそうでないところとの差はかなり大きいと思うんでありますが、特に湿地帯の地域では転作したくともすぐには協力できない、このような場合も出てくると思うんでありますけれども、その場合はどう対処なさるのか。
  185. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 今回の目標配分に当たりまして、先ほど申し上げましたように排水率、湿田率といいますか乾田率といいますか、それに百分の十の要素を認めておりまして、湿田地帯に対してはなるべく少なくなるように配慮をいたしておるところでございます。県内での配分につきましても、都道府県あるいは市町村も、そういうような点に配慮して配分を行っていると思うわけでございます。末端でそういう湿田等に対する御協力も願わなきゃいかぬ場合もあると思いますが、これについてはいろんな排水改良事業、公共事業もございますし、それから本年新たに百二十億の転換対策の特別対策事業と、そういう事業を設けまして、比較的小規模な排水事業も簡単に取り扱える、また都道府県知事の意向が十分くみ入れられる、余り国から細かいことをとやかく言わない、そういうような事業も組んでおりますし、また栽培技術、作物の選定等につきましては改良普及員、あるいは農協の営農指導員等を通じてよく指導を行うようにということで、その点の面にも配慮をいたしておるところでございます。
  186. 原田立

    ○原田立君 まあ話によれば、転作不可能なところは高畝栽培なり、あるいは転作促進対策特別事業でやればいいとか、あるいはそれもだめならば農協に管理転作をさせるなどというようなことを聞いているわけでありますけれども、これでは全く採算を度外視した無理な強要というものではないですか、いかがですか。
  187. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 奨励金の水準につきましては、特に収益の低いと言われております麦だとか大豆、それから飼料作物、それは稲作との均衡を十分考慮をして、まあ最近の平均を見ますと約七万円程度の格差があるわけでございますが、そういうものにつきましては、従来の四万円から五・五万円、あるいは計画転作でさらに一万五千円を追加するというようなことで、七万円ないし七万五千円になるように奨励金の水準等も十分考慮いたしておるところでございまして、その他いろんな助成事業等を含めまして、相当転作関係には金をつぎ込んでこれを助成してまいりたいというふうに考えております。
  188. 原田立

    ○原田立君 角度を変えてお伺いしますが、国が行いまたは補助している土地改良長期計画の実績は、現在どのぐらいになっておりますか。
  189. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 現在、長期計画は四十八年から五十七年度にかけて設定しておりますが、その総額は十二兆であります。それに対しまして四十八年から五十三年度、これはまあいま御審議をお願いしております予算も含めまして、これが五兆五千九百八十億ということになっておりまして、進度率は十二兆に対しまして四六・七%、こういった状況でございます。
  190. 原田立

    ○原田立君 事業費ベースと事業量ベースからの実績はどうですか。
  191. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 失礼いたしました。  事業量で申し上げますと、土地改良計画は必ずしもすべての事業につきまして事業量というものを明示して計画をつくっているわけではございません。主なものにつきまして例示的につくっているという点がありますので、その点はまあ御了解願いたいと思うわけであります。そういう意味で申し上げますと、圃場整備事業、これが四十八年から五十七年度にかけまして約百二十万ヘクタールに対しまして、四十八年から五十三年度が三十五万三千ヘクタールでありますから二九%弱。それから農用地造成事業は、長期計画では七十万ヘクタールでありますが、それに対しまして十七万九千ヘクタールまでが現在の実績でありますから約二五%強と、こういった状況であります。  これはまあかなり金目と面積という点ではずれがございますが、これは、一つは、計画設定当時に比べまして物価増高に伴いまして事業費が増高しているということと、それから進度が必ずしも思わしくないという点では、やはり基本的には、そういった物価増高の問題と並んで、四十九、五十といういわゆる総需要抑制というものが非常に手痛く響いているということで、残念ながらいま御説明したような実績にとどまっている、こういった状況であるわけでございます。
  192. 原田立

    ○原田立君 事業費ベースは。
  193. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 事業費ベースが先ほどお答えいたしました、十二兆という長期計画に対しまして四十八年-五十三年間で五兆五千九百八十億、進捗率は四六・七%、こういったことであります。
  194. 原田立

    ○原田立君 私がおたくの方からもらった資料によると、事業費ベースでは、国が行いまたは補助する事業費では五十二年度末で三三・三%、それから事業量ベースからいくと、まあ概算ではあるけれども――これは五十一年までですね、そこまでで圃場整備が一六・七%。それで、農用地開発については一五・四%。先ほど局長が言った数とは大分幅があるんですけどね、これは五十二年度が入っていないからという意味ですか、どうなんですか。
  195. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 数字はもうちょっと吟味してみたいと思いますが、いま先生がおっしゃったのとの相違点は、私が申し上げましたのは五十三年度まで含んである数字であるということが一点と、それからもう一つは、五十二年度先生が御指摘になりました数字がありますが、それは恐らく第二次補正――補正が入っていないのではないだろうかと、こういうふうに思いますが、そういう点でのずれということでございます。
  196. 原田立

    ○原田立君 大臣、私が言いたいのは、事業費の面では私のいただいている資料では五十二年度末では三三・三%、これだけのお金を使っているわけです。ところが事業量の場合には、これは五十一年ですけどね、圃場整備で一六・七%、まあ非常に遅々たるものなんですね。非常におくれている。これはもっと大いに促進させなければならないと思うんでありますけれども、いま局長の話では二九%だと言うから、一六から二九だから大分進んだことにはなるけれども、要するに、いまの湿田地帯や何かのことを考えれば、転換、畑作の作るもの――作るに対しては圃場整備をやっぱりどうしてもやらなきゃいけない、もっと大いに発展させなきゃならないと思うんでありますが、来年度の予算はこれはもう決まっちゃった、あなた方農林省の原案は決めたんですからこれはなかなか動くかどうかわからぬけれども、より一層重点項目として手を加えてほしいと、こう思うんですが、いかがですか。
  197. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 農業基盤のおくれにつきましては御指摘のとおりでございまして、昭和四十八年度を初年度として五十七年度を目標にし七十ヵ年計画を作成いたしました。御承知のように、四十八、四十九、五十年ぐらいまでは総需要抑制ということで、農業基盤も公共事業費並みに前年同額という年が二、三年続いたわけでございます。したがって、物価が上がる中で同額ということになりますと、実質では前年より事業量が下がるという異常な事態が二、三年続いたと、そのために全体としても大変でございますが、われわれ地方に参りましても、一つの農業基盤が五年か十年ならまだいいのですが、二十年もかかるというような異常な事態がありまして、農家の不信を買うような事態が二年ほど前まであったわけでございます。  そこで、昨年あたりから、一昨年ごろからようやく芽を出して、五十一年度ごろから伸び率が若干よくなってまいりました。五十二そして五十三年度がかなり一四〇%という伸びを示してまいりましたので、過去のおくれを取り戻すように、特に圃場整備は転作等にも関連の深い大事な土地改良でございますので、来年度については一四〇平均を上回る伸びによって促進を図るということで対処していきたいと。これはことしだけじゃなくて来年以降も、このおくれは本当に四十七、八、九年ごろ、五十年ごろまでのあの異常な公共事業費の前年同額ということが大きく影響いたしておりますので、金額面でもでありますが、さらに実質面、事業量ではおくれが御指摘のとおりでございますので、この点はピッチを上げて促進をしていきたいと、こう思うわけでございます。
  198. 原田立

    ○原田立君 これは一つの例でありますけれども、福岡県内の瀬高町で、これは福岡県で県営事業としてずっと圃場整備をやってきたけれども、いままでに、過去にたった七十五ヘクタールだったと言うんです、圃場整備事業がですね。ところが、来年度から、何年かちょっと聞くのを忘れたんですけれども、三百八十五ヘクタールやると言うんです。いままでの五倍以上の事業が果たしていつまででできるのか心配だと、こういうふうなのが現実の生の声なんです。それで、余りにめちゃくちゃ過ぎると思うんです。  そこで、ひとつこの圃場整備率業がもっと進むためにも一つの隘路となっている問題が、国からの補助が圃場事業に対して四五%、残りの五五%を県と地元で半々で負担しているというようなことになっているわけでありますけれども、地方自治体も、要するに県も市町村の要望にこたえたいが、財政面の問題もあり非常に困っているのが実態です。特に水田利用再編対策として並行して進めるからには、この補助率をアップしてやるということが非常に重大な問題だと思うんでありますけれども、これは十分検討してほしいと思うんですが、どうですか。
  199. 大場敏彦

    政府委員(大場敏彦君) いま御指摘のありました地区につきましては、いろいろ事業の内容とか、あるいは地元の御事情をよく伺って対処いたしたいと思います。  それから、農民負担の軽減の問題ですが、これは実は一方におきましては新規地区をできるだけ多く採択してほしいと、こういう御要望があるし、限られた予算の中であります。もちろん、枠は拡大の努力はいたしますけれども、その中で両者をどう調和させるか、こういった問題があるわけであります。そういう意味で、それらをにらみ合わせながら考えていきたい。ただ、農民負担の軽減の問題につきましては、ダイレクトに補助率をアップするという対応の仕方もあるわけでありますけれども、これはかなり率直に申し上げまして大蔵等の抵抗が強いわけでありますから、そういう形ではなくて、新規事業を新しく設立して、そして実質的な農民食掛の軽減を図るというやり方もあるし、あるいは進度を上げて事業の受益効果の早期発現を図る、そういう意味で事業費の増高を防いで農民が早く受益する、そういった形で農民の負担を軽減する、こういった形もありますし、あるいは採択基準を緩和するということによって実質的に農民負担の軽減を図る、こういうやり方もありますので、こういったものをもろもろ組み合わせながら農民負担の軽減を考えていきたい、かように思っております。
  200. 原田立

    ○原田立君 先ほどそれは局長答弁があったと思うのですけれども、湿地帯の地域については割り当ては考慮してぐっと少なくするんだと、これが基本的な考えだというふうなお話があったから、これはこれで確認していいんだろうと思いますが、よろしいですね。
  201. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 先ほど申し上げましたように、配分の要素として百分の十のウエートをかけてそういうところは少なくなるようにしております。
  202. 原田立

    ○原田立君 大臣、これは非常に深刻な問題なんですけれども、とにかく減反政策が行われた。それで四十万ヘクタールとにかくやめたと。ところが、先ほども午前中質問があったけれども、非常に生産がよくて過剰米ができちゃった、余り米ができちゃった、これについては自主流通米でやれと、こうやって足でけっ飛ばすような言い方をするのはそれはかわいそうじゃないですか。割り当てでがちんとつぶして、よけいできたらばまた自主流通米でやれと、こうけっ飛ばすんじゃ、これじゃ農民よ死ねということになりかねない。だから、こういう余り米、過剰米等については政府において賢い入れる、そういうふうにすべきじゃないかと思うのですが、その点、どうですか。
  203. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) その辺が、非常に農民の素朴な御意見として強くあることも承知いたしております。午前中も申し上げましたように、食管制度というのは国民の必要な食糧を買う、そこで限度数量、これだけひとつ買わしていただきますという仕組みから成り立っておるわけでございます。したがって、余った分といいますか過剰生産のものを全部買うのだという、すなわち限度数量にお構いなく生産がされたものは買うという仕組みに踏み切るのには、いかに農家の方々の要望が強くてもなかなか踏み切れないでいるところでございます。生産調整をやっているのだから、生産調整さえ実効が上がれば全量買い上げてもいいではないかという御意見もありますけれども、まあ豊作の年でもございますので、その分については自主流通ルートを通じて消費の方に流れていく、それに対して政府が手厚い助成をして不安がないようにしていくという補完措置をとってまいりましたし、今後もこれを強化してこのルートで消化をさしていただきたい、こう思っておるところであります。
  204. 原田立

    ○原田立君 福岡県の南部の方は瀬高町というのがナスの生産指定地でありますし、また山川町というのがミカン、八女とか星野というところはお茶というように、各市町村にそれぞれ代表的生産作物があるわけであります。転作するときに、さあ転作しました、いままでもちゃんとつくっています、また倍以上つくりますと、こうなったら価格の暴落するのはわかり切っているのですな。豊作貧乏というやつです。豊作貧乏にさせちゃならないと思うのですけれども、大臣、その点農民を愛するなら、豊作貧乏にさせないようにきちんと手を打つべきだと思うのですが、どうですか。
  205. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) その辺が一瞬むずかしいところでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、幾らつくっていただいても、近隣の既存の転作作物をつくっておりました農家に影響のないものはどんどんつくってくださいという仕組みにしてございますし、ミカンのように過剰傾向にあって、そこへまたミカンをつくられると、これはもう既存のミカン農家がまいってしまいますから、これは転作作物の対象にはしないという規制をひとつ加え、また規制は加えませんけれども、また促進はいたしませんけれども、需要、消費等を見ながら価格暴落が起こらないような程度で協議をしながらつくっていくというような作物もございます。  いま福岡県での作物がどの品目になるか、技術的なことでございますから担当局長から答弁させますが、そういう非常に豊作貧乏というか、転作貧乏にならないように、転作したことによって周りが貧乏する、本人も貧乏するが周りにまで迷惑をかけるということのないように十分配慮し指導してまいりたいし、また、その点については町村それぞれの事情もございますので、団体、普及員、自治体等と協議をしながら慎重に御決定を願いたいというふうにしておるわけであります。
  206. 原田立

    ○原田立君 もう一問で終わりますが、瀬高町で陳情を受けてきたんでありますけれども、その中に、転作に伴う必要な低利資金の円滑な流通を図るとともに、重点的転作作目については課税の優遇措置を講じてもらいたい、こういう要請が来ているんです。その点についていかがですか。
  207. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) いまおっしゃいました公庫融資、近代化資金等について、転作作物に限って特別に優遇をするという制度はいまのところは別に考えておりませんが、まあ奨励金等も大幅にアップしたこともございますし、その他の助成策を通じてひとついろいろまた考えていきたいというふうに考えております。
  208. 原田立

    ○原田立君 融資のことを言っているんじゃないんです。課税の優遇措置、たとえば、何か五十万円ぐらいまでは免税点で無税だそうですな。五十万以上過ぎると課税されると。それじゃ困るという、そういう意見だったんです。だから、そういう面で課税の優遇措置は講じられないかと、それで免税点をもっともっと引き上げられないかと、こういうことを聞いているんです。
  209. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) その点が、生産奨励金がかなり行きますから、この分については議員立法で一時所得という制度でもって減税措置を講じて対処しておる。これは国の政策に御協力をいただいた――ちょうど土地収用法で自分の意思とは違って土地が取られたと同じような扱いでもって処置をしておりますが、転作作物によって生産された所得について減税するかどうかについては、これはもう少し検討さしていただきたいと思うわけでございます。
  210. 下田京子

    ○下田京子君 大臣の所信表明に対して、基本的な面と、それから具体的な点と両面からお尋ねしたいわけなんですけれども、まず第一に、現在の農業事情ということ、情勢につきまして、大臣は、一つに農林水産物の貿易問題があるし、あるいは労働力や土地が流出してきていると、そしてその体質は非常に脆弱化している。また一方では、米が非常に過剰になっていて、そして同時に飼料作物、麦、大豆等の生産が伸び悩む、このように言われているわけですね。このことにつきましては私も異論があるわけでない、現実ですから、だれもこのことについては事実でありますから、事実をゆがめてどうこうと言うことはできないわけなんです。  問題は、こうした事実がどうして生まれてきたのか。いろいろ言われていると思うんですけれども、ずうっとさかのぼりまして現在に至るまでのことも含めまして、客観的事実から見まして一体何が原因でこのように米が過剰になってきたのか、その根本原因について、まず大臣のお考えを聞きたいと思います。
  211. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) いま農業を取り巻く状況として、御指摘のようにまず外圧の問題が一つあると。これは日本だけがあるのじゃなくて、世界じゅうがそういう傾向にございます。その一環として日本にも厳しく来ていると。これに対処する方法はまた別として、認識でございますから。  その次に、土地、労働力が流出をしたと。それはどういう理由かと言えば、これはやはり日本の高度経済成長というものが非常に他の産業が伸びたと。世界に冠たる、二位、三位と言われるぐらい伸びたのですから、他産業に働く人が非常に合理化が進んでよくなったと。したがって、そっちの方へ労力なりいい土地なりが流出をするということになったのだろうと。  それから、米が余るということも三番目の大きな農政を取り巻く大課題でございますが、これはどうして余ったかと覆われれば、戦後食糧のない時代に、何としてでも米だけはということで非常な増産を行ったことも事実でございます。その後生産を抑制しつつなお余ると。その理由は何かと言えば、やっぱり相対価格が米が一番有利的であると、他の農作物よりは米が一番いいということもあったでありましょうし、米が非常に省力化されたと。ほかの作物もかなり省力はされておりますが、米が一番――米という字は八十八と書いて一番手のかかるものであると子供のときに教わっておりましたが、いまや八十八ではなくして、トラクター・油イコール米というぐらい、すべてトラクターでできるぐらい省力をされて生産性が伸びたということもあろうと存じます。そのほか、日本には一番適した作物である、試験研究が進んだというような幾つかがあって生産性が伸びてきたと。  一方、消費の方は、わが国の経済が非常に発展をして一人一人が高度の食料をとるようになって、むしろ米が副食物というような傾向にさえあるぐらい主食からだんだん主食らしくないぐらい消費が減退をしたと、こういうことが基本的に重なって米の過剰の問題もできたと、こう見ておるわけでございます。
  212. 下田京子

    ○下田京子君 大臣いろいろ述べられまして、その中で一つ教訓的だなと思ったのは、お米がこんなに余ったということの中で価格の問題があるが、価格をよく保障したということと、それからいろんな試験研究もやってきたと。そうしますと、逆に言えば、その他のものもそういう形で手厚くやっていったらもっと伸びるんでないかということを、教訓として教えているのじゃないかというふうに私――私が思うだけじゃなくて皆さんおっしゃっていると思うし、大臣もそうお考えじゃないかと思うんですよ。この論議はちょっとおきまして、大きくやっぱり考えますと、いまいろいろ挙げられた中に、根本的には国のいわゆる政策としての政府の取り組む姿勢、こういったことが大きくかかわっているんじゃないかということを、大臣自身もおっしゃっているのじゃないかと思うんですね。  そこで、その政府の姿勢の中で一体何が私は問題だったか、根本原因だったかということを、事実に基づいて御一緒に考えてみたいと思うんです。その点でお尋ねしたいんですが、昭和二十七年、二十八年にかけて、あの戦後の非常に食糧難というような中で、食糧増産ムードが非常に強かったと思うんですね。そして、食糧増産五ヵ年計画というものが打ち出されたと思います。その食糧増産計画が打ち出されたときのこれまた予算というのが、全体の国家予算の中での農林予算の占める割合というのは大変多かったと思うんですね。その辺の数字をひとつ事務レベルでも結構ですから、二十六、二十七、二十八、二十九、そして三十年まで、国家予算の中で占める農林予算の率、パーセンテージですね、どのくらいなのか、ちょっとお聞かせください。
  213. 松本作衛

    ○政府委員(松本作衛君) 国家予算全体の中に占める農林関係予算の比率でございますが、二十五年には一三・四%、それから二十六年には一二・一%、二十七年には一三・一%、二十八年には一四・九%、二十九年には一二・一%ということになっております。
  214. 下田京子

    ○下田京子君 ただいまの数字ですけれども、それは予算の最終決定額、いわゆる最終補正額ですね、それでしょうか、当初でしょうか。私が農林省からいただいている資料と、「農林行政史」という農林省の第九巻の資料によりますと、そういう数字じゃないんですよ。
  215. 松本作衛

    ○政府委員(松本作衛君) 予算につきましては補正がございますものですから、当初予算につきましていま申し上げたわけでございます。補正を入れたものについて申し上げますと、二十四年度で一四・六%、二十五年度では一二・一%、二十六年度では一三・七%、二十七年度では一六・七%、二十八年度では一六・六%、二十九年度では一一・二%ということになっております。
  216. 下田京子

    ○下田京子君 そのようです。ただ一点、二十七年のは計算違いで、私もこの数字合っていないんでやってみましたらば、これは間違いですね。一五・五%。  まあそういうわけで、御存じのように、二十七、二十八年が非常に農林予算が多かったわけですね。ところが、二十九年、三十年とだんだん落ち込んできております。私がこれをなぜ聞いたかといいますと、特に二十八年ですね、二十八年のときに、二十九年度の農林予算の概算要求ですと、これは米麦含めまして三千万石の増産目標を入れた予算を組んでいたわけです。ところが、当初の概算額が三千百三十九億というような数字だったわけですけれども、決定額においては千二百億に減り、また最終補正額では一千百十億という形でさらに減るというふうな推移があるわけなんです。どうしてこんなふうになったのかしらと、私、不思議に思ったんです、大臣。  その経緯なんですけれども、実はこの過程で、御存じのように二十九年三月に、いわゆる小麦協定と呼ばれるMSA協定が入っているんですね。MSA協定が入って、そして食糧増産五ヵ年計画というものがたった二ヵ年間なのにパアになっちゃったんですよ。しかも、その年の九月に学校給食法が制定されました。並びに同施行規則が制定されまして、五十一年の二月まで、学校給食法の規則の一部改正がなされるまで、この学校給食というのが、御存じのように「給食内容がパン(これに準ずる小麦粉食品等を含む。)、ミルク」云々というような形になっているわけです。これはもう事実でございますから、こういう事実をどういうふうに見るかということなんですね。  私は、この事実は、当時やっぱり粉食奨励、パン食普及、そして食生活大改善という、そういうキャンペーンのもとに、本当に日本人の食生活がもう政策的に変えられていったんじゃないか。そのことを裏づけるようにアメリカの経済学者までこのことを言って、本当に食糧政策というのはその国をどういうふうに動かすか重要だ。その国の食生活、嗜好傾向を変えていくということになれば、変えられた時点では長期にわたって大事な市場になるというふうにまで言われているわけですね。だから、このことについて大臣がどういうふうに受けとめているか。いわゆる本当に自給率を高めていくという方向を選ぶのか、それとも外圧に屈したのかという点で、私は、この歴史的事実から見て、外圧に屈してきたんじゃないかと思うわけなんです。この教訓をしっかり踏まえませんと、どんなに謙虚に反省をなさっても、私は、新しい政策に向かっての教訓が導き出せないのじゃないかと、こう思うわけなんですが、いかがでしょうか。
  217. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 私の過去のずっと記憶では、昭和四十四、五年まではやはり食糧は増産すべきものだということで、特に米については私どもの北海道などでも一側も休むことなく増産増産で来た、こう思っております。その間アメリカの余剰農産物と言われた麦等が入ってくる、そしてまた、日本人もそのころは非常に感謝をしたり、あるいはまた家畜のえさに与えるものをよこしたという反米感情が起きてみたり、いろいろなことがありましたが、やはり米だけでは足りないのでアメリカの麦を中心としたものを学校給食に使うとかということで、満たされなかった国民の食糧について麦あるいはパン等のいわゆる粉食というものがかなり重要なウエートを占めていた、そのことがいまもまた続いておって、学校給食にかなり残ったり、あるいは消費も相当伸びておるという事実はあろうかと思いますが、御指摘のように、国内の食糧の増産はやめてパンの方に重点的に移行というような積極的なことがあったかなあと、その点はいま私まだよく勉強してみないとわかりませんが、私の認識ではそういう極端なことはなかったのではないか、こう思う次第でございます。
  218. 下田京子

    ○下田京子君 あったかなあ、なかったかなあという論議ではなくて、事実、概算要求の時点でそういう食糧増産の計画があったにもかかわらず二年度で打ち切られたということの経過はあるわけでございまして、そして私はその過程で、ここで大臣にはっきり御認識を改めていただきたいと思うのは、アメリカ依存の食糧政策を打ち切っていくという点で国内の自給率を本当に高めていくというならば、何よりも、協調と理解ということをお話しになっておりますが、農家の皆さんの営農意欲ということが基本になるのではないかと思うわけなんです。この営農意欲と、それから政府と農家と国民全体の相互信頼がなければ――これは政府でもいつも言われていることです。私どももそうだと思うんです、言葉の上では。問題は言葉ではなくて、具体的な政策の上でもってそういうふうな本当にいまの政府がやられていることに信頼できるという、ついていけるという、そういう農家の営農意欲というものがなければできないのじゃないかなというふうに私は考えるわけなんですね。  そこで伺いたいのは、いま農家の人たちがそのような営農意欲を持ちながら今度の水田利用再編計画なるもの、これを受けとめているかどうか。いわゆるこの政策に対して、農家の皆さん、各都道府県、そして末端地方自治体も含めた行政機関もこれらのことについてどう受けとめられているのか。個々の話はいままで幾度か各委員の答弁にあったと思うんですけれども、ここでひとつまとめて、この実態を末端でどう受けとめているか、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
  219. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 米を中心にしたお話だと思いますが、米については先ほど申し上げたように、戦後昭和四十五年ごろまでは増産一路に邁進をしてきた。ところが、四十五年ごろから非常な過剰傾向となって生産抑制、こういうことでずっと今日までやってまいりました。ところが、生産意欲の方は米については非常に強かった。これは自力開田という実態を見ましても、国が助成をしなくてもみずからトラクター業者に頼んで水田が次々できていくという実態を見ても、いかに米についての営農意欲が強かったかと、こういうことだったろうと思うのです。しかし、消費の方が伸びないという実態と重なりましてまた五百万トンからの生産調整、まあ過剰米を持つ、そして百七十万トンを生産調整をしていかなければできないというのが現状だろうと思うのです。  そこで農家は、さて米が一番安心してつくれて、そして収益性もあって、先ほど言った労働生産性といいますか、労力も非常に省力化されてきた。これをやめて一体ほかに何をつくるのだろうかなという気持ちが非常に強いということは確かに現実の問題であろう、こう思います。しかし、営農意欲の強い米をこのままつくっていただいたのでは、過剰米という問題を通じて大変なことになる。食管の堅持すら大変になるので、大変ではございますがそれぞれの地域に応じて生産調整を分担していただいて、そして過剰米という問題を避けて国民に必要な米だけは供給していく、こういうふうに転換をしてもらわなければならない。それでいまその理解ができるかできないか、非常に悩んでおるというのが現状ではないかと、こう思います。
  220. 下田京子

    ○下田京子君 農家の人が何をつくったらいいんだろうかと困っているという御認識を、大臣はお持ちだということですね。そういう中でもって、先ほど末端町村では配分等はもう済んだんじゃないかというふうに受けとめているような向きの御発言がありましたけれども、実際問題として各県や何かはこれでもう仕方ない、やろうかというふうに踏み切っているんでしょうか。
  221. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 各都道府県、市町村それからいま先ほど大臣からお話しありましたように、いま末端に対していろいろ割り当て等が行っておりますが、末端では相当去年よりふえてもおりますし、非常に厳しいとは受けとめながらも、やはりいまのような米の需給事情では食管制度その他いろいろ考えますと、こういうこともやむを得ない、やはりそのためにいろんな条件が整備されるのならばいまのような米の需給事情下ではやむを得ない、そういうふうに受けとめているというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
  222. 下田京子

    ○下田京子君 さらに具体的にお尋ねしたいのですけれども、そういうふうにやむを得ないと言いながらも、でも全部受けられてはいないわけですよね。御存じかと思いますけれども、福岡ですと、これは九十七市町村のうち十市町村しか配分が済んでいないという話も聞いておりますし、そういう中で二点ほどまとめてお尋ねしたいのですけれども、一つは、各地方自治体の議会の決議が大臣あてに意見書という形で、要望書という形で届いていると思うのですが、どのぐらい届いているか、ひとつここでお答えいただきたいというのが一点でございます。  それから、県の中でもこれは受けられないと当初言ってきたところがあるんじゃないかと思うのですが、この二つお聞きしたいと思います。
  223. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 市町村等からの意見書も届いてはおりますが、市町村議会からの意見書等は届いておりますが、はっきり何件あるか私もまだ承知いたしておりませんが、その中には、やはり転作をすることを前提といたしましてこういうことをやってもらいたい、そういう意見も大分多いわけでございます。
  224. 下田京子

    ○下田京子君 意見書等について、届いているのはわかるけれどもどういう数字になっているかわからない。一面的な内容等では言われましたけれども、ここでやっぱり大事なことは、各地方議会が地方自治法の、御存じのように「九十九条の第二項の規定に」よって云々ということで、この中には政党で言えば自民党から共産党、皆さん入っているわけですよね。そして、みんなが全会一致で上げてきている意見書ですから、少なくともそれを幾つあるかということを見ることは必要でしょうし、それに対してきちんと答えていくということが私は重要でないかと思うんですね。理解と協調ということが前提であるなら、なおさらのことだと思うんです。その点で私どもが調べたところでは、これは十二月段階でございますけれども、二百八十九自治体ございます。しかも、その中では、積極的にやれというんじゃなくて、もう圧倒的、ほとんどどういう状態で書いているかというと、第一に「生産調整に関しては、強権的措置をとらない」でほしいということです。それからさらには、いろいろありますけれども、「外国農産物の野放図な輸入を抑え、自給を基本として、米以外の主な農産物に、さしあたり少なくとも米なみの労働報酬を補償する価格政策を実現すること。」云々で、田畑転換を可能にする土地基盤整備の問題やら、あるいは消費拡大やらいろいろと出ております。  いま私が持ってまいりましたのは、これは私が住んでおります福島県の安達郡安達町議会の皆さんの意見書でございまして、農林大臣あてになっているものを私のところにもあわせて来たので、どうぞよろしくということなんですね。それから、あと御存じだと思いますが、当初配分がされたときに福島県におきましては、知事さん初め皆さんこのペナルティーという制裁措置だけはなくしてほしいと大臣じきじきお話しになっていると思うんです。こういうことについて大臣はどのように受けとめて、どういうふうに対処しようとしていますでしょうか。
  225. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 各町村からそれぞれ意見もあり、福島県知事さんからも、ペナルティーと言われております言葉が合っているかどうかは別として、転換面積が消化されない場合の措置についての御意見もあったことは事実でございますが、大方の意見はこれはやむを得ないかなということでございまして、特殊な県や、あるいは特殊な町村の意向も十分配慮はいたさなければなりませんが、先刻来議論いたしておりますように、その実効の上がらない部分を翌年実効を上げた方々に負担をさせるという仕組みではこれは生産調整が全きを期せないということで、御意見としては承りますけれども、ぜひとも御協力を願いたい、こう申し上げておるところでございます。
  226. 下田京子

    ○下田京子君 と言いますと、特殊な県だけ、特殊な自治体だけから出たんじゃなくて、最初の御認識として、これは本当にやむを得ないというふうな実態であるという御認識を大臣自身は持っているのだと思うんですよね。これは大事だと思うんですよ。  実は御存じかと思いますけれども、NHKの東北本部「米と東北」制作グループと、それから東北大学の農学部農業経営研究室が共同でもって、東北の幾つかの県と町村をあわせまして意向調査をしました。その意向調査の結果を見ますと、「積極的に協力する」といったのはわずか七・六なんですね。あとはすべて「やむをえず」、「条件次第で」、「協力しない」というのは、その中で何と三四%もあるというのも事実です。それから、この米生産調整でもって営農に対する意欲を失う人はどうなるかといったら、営農意欲を失う人は多くなると思うと答えた人が、何と六四・六%もおるんです。私はここが大事だと思うんです。本当に納得いく協力と理解というのは、政府の施策をやるための協力と理解ではなくて、農家のいろいろな持っている、地方の持っている条件、土地、気候、いままでの生産過程等々見て、それらを勘案した形で進められるのが真の理解と協力ではないかというふうに思うわけですね。  そうしますと、本当に大臣が言われておりますけれども、ペナルティーという、これはペナルティーじゃないという論議ですけれども、言葉じゃなくて、具体的に目標面積それから限度数量ではそれをどんどん加算させますよということになれば、経済的制裁措置という形で具体的にあらわれるわけですよね。だから、言葉としてこれは罰則じゃないと言っても、事実やられることになると思うんです。これは公平の確保を期すために最小限やむを得ない措置だと大臣言われております。何度も私もいろんな議事録でも見ておりますし、きょうも聞いております。問題は、そうなりますと、公平さの確保を保証するということになれば、責任を持って目標そのものが公平におりているという前提であるというふうに受けとめるように私は理解するわけなんです。その点、どうなんでしょうか。目標配分については七つの、要素をとり、三倍で頭打ちをしてそしてやりましたから、この点においては公平を期す目標の配分でございますというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。
  227. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) まさしくこの生産調整を喜んでやるという人は少ないだろうと思います。農林省とても喜んでやっていろわけじゃなくて、やらざるを得ないから仕方ないなあと、これほどの非難を受けながら農家の御反発やあるいは野党の皆さんの攻撃を受けながらも、やらなければならないという国家的要請があるからやむを得ずこうして無理をしてやっておるわけでございます。その辺のところは、まさに農家の皆さんも御理解をいただかなければならない。  じゃ、やらないで済む方法があるならば、これはまた一つの理屈でございますから、やらなくてもこうやればよろしいと、代案を持ってきてやらないと言うなら建設的御意見でございますけれども、おれはやれないよやれないよでは、やっぱり生きがいというものは消費者に喜ばれる生産、消費に見合った生産をしていくということには、やっぱり御協力をいただかなければならないのではないか。しかも、三四%はやらないよということであったとするならば、その三四%は一体その次の年、三年、五年たって一体どう消化していくのかということになってくると、まさにこれはそれぞれ分担した人が引き受けてもらう仕組みを考える以外にないと。  それから、それじゃそれをそういうふうにお願いする以上は目標面積は公平のものでなければならない、確かにそのとおりでございます。そこで、先ほど来お話がありますように、地域分担の問題とか自主流通米の問題とか、あるいは転作作物の状態とか乾田率の問題とか、まあまあ転作をやるに当たって配慮しなければならない七つの項目についてそれぞれウエートを置いて配分し、その結果、福島県もそうだと思いますが、たしか三倍以上になると、これは気の毒だから三倍でひとつ頭打ちをして実行可能なものにしていこうと、そして微調整を最後やったと。これに対しても御不満やらあるいは御意見のあるところではありますけれども、われわれが考える最大の公平な目標面積であると。これ以上のものもあるかもしれませんが、全知全能、公平に見て、いまのところで御批判はあってもこれが一番正しいところではないかと。一〇〇%の人間がないのと同じように、欠点はありましてもまあまあのところではないかと、こう思っております。
  228. 下田京子

    ○下田京子君 時間がなくなってきたので、実はいまの大臣の答弁ですと、公平な形でもって目標配分をしましたという責任あるお答えかと思うんですが、問題は、国は各県に対して七つの要素、三倍頭打ちで公平にやりましたよと言われていると思うんですが、私、実はその末端の個々の農家にまでどういうふうな配分がされているのか、農林省でその実態をつかんでいるかどうかということで資料要求しました。そうしましたら、何とその資料要求について私のところに届いたのが、各地方で出されている新聞なんです。そして、その新聞を見ますと、たとえばこれはもう青森の「デーリー東北」であるとか「岩手日報」とか「秋田魁」だとか「山形新聞」、「福島民報」、こういう地方の新聞を持ってきまして、そして各都道府県がどういうふうな配分要素を盛っているかということについては、これは私どもの責任の範囲でなくて自主性を求めるものでありますと、これは大臣も答弁していたと思うんですね。私はここに問題があると思うんです。  公平だと言いますけれども、末端の農家に行ったら何がなされているか、私は農林省が資料としてかわりによこしたやつですから、逆にこれで見てみました。そうしたら、各都道府県が町村配分でどういうふうな不合理が起きているかということなんですが、青森県ですと、たとえば平館村では転作率ほこれが倍率が十七倍です。三厩村というところは〇・一倍です。その来たるや実に一七〇対一です。それから、これが特殊かと思ったら、岩手県が〇・七倍のところから八・六倍までのばらつきです。それじゃ福島はと思ったら、福島も〇・七倍から何と十六・一倍です。こんな大変なばらつきの中で、そして末端の市町村に行けば、もう飯米しかとれないようなところでも一律配分でやらなかったらば、どなたかの先輩議員さん言われていましたけれども、話にならないんです。もうとにかく、やれ土地条件がどうのこうのでない一律配分という形になってきている。これは逆に言えば、そのことをどう見るか、どう評価するかの評価の違いの問題ではなくて、実際的に自主性を尊重すると大臣が言っているにもかかわらず、その自主性は、逆に公平を期すると言っていることとは全く逆な形でもってやられてきている。こういう実態であるわけです。これで私は公平を確保するためにということ、そのこと自体はこれは大きな間違いではないか。この実態を踏まえて、本当に公平を期すならそこの土地条件、いままでの技術やなんかも含めた形でもって見直していくことが必要ではないかと、こう思うわけなんです。どうでしょう。
  229. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 農林省が各州に配分します場合には、先ほど申し上げたようなやり方がまあまあいいのではないか。特に地域指標といいますか、地域分担がございますから、そういうことにウエートを一番置いた配分と、こういうことになります。しかし、これが県に参りますと、地域分担というものが果たしてあるの、だろうかないのだろうか、町村別分担というものがあるのだろうかないのだろうか。でありますから、国のやり方を県にそのまま押しつける、あるいはそれに準じてやれと言われても、県は自主的にやる場合非常に支障があるというところから、県内における町村への配分は、これはまさに自主的に県の事情それぞれによって違いますから、独自に御判断でやっていただきたいと、こういうことでお願いしてございます。  また、町村は農家にお願いする場合も、これまた県が町村にお願いするのとは違った手法というものがあるというところでお願いしているところでありまして、それが十七倍のところがあったり二十倍のところがあったりいろいろあろうとは思いますが、それもまさに民主的に町村内でお互いに話し合って、いやそれは無理だからやめようということも自由であれば、いやいままで本当にやっていなかったのだからあなたはこれぐらいやってくれてもいいのじゃないかという、お互いに話し合いで決めていただくということがこのことを実効あらしめる一番いい方法であるというところから、町村にこういう方法、あるいはまた、県ではこういう方法ということは指導しないというふうにして、まさに町村、農民そして農業団体、自治体、県の自主的な理解と協力によってこれができ上がるようにと、こういうことでございますので、末端に行きますれば、それぞれいろいろその県その県によって事情もあろうと思います。そのようなことがまた議論すれば北海道では六〇%もやられておる、福島県では五%とはどういうことかという議論をすればいろいろあるところでございますので、議論には耳は傾けますけれども、こういうものを一律に議論すべきものではない、まさに自主的にやるべきものと判断をいたしているところでございます。
  230. 下田京子

    ○下田京子君 大臣は非常に問題を総体的に見られて、言葉がお上手なので、私も惑わされそうなんですけれども、問題は、さっき言いましたが、最初に農家の皆さんの個々の協力を得て云々と言われていましたでしょう。そうしたら、目標自体も公平であるかないかという論理が、国が県に配分したその目標だけが公平であればいいということで私はないと思うんです。政府が、大胆が責任を持つというのは、個々の農家であると思うんです。その個々の農家が本当に営農意欲を持ってやるということになれば、その末端農家の配分そのものに当たっても、そういうふうな形で本当に責任を持って国が検討した結果七つの要素云々というものを出されたんでしょう。そういう形でおりていかなきゃならないのじゃないかと思うんです。しかし、それが逆になっているわけですね。それを大臣は自主性だと、こう言うわけです。同じ自主性でもいろいろあるもんだなと、言葉っていうのはむずかしいものだな、同じことを言っているけど中身が全く相反しているというふうに私は受けとめながら先ほどから聞いていたわけなんです。大事なことは、個々の農家に対して公平であるかどうか、個々の農家が営農意欲を持てるかどうかということにあると私は思うんです。大臣、そうじゃないでしょうか。  その点でちょっとお尋ねしたいんですけれども、いま農家の皆さん、野菜はどうか、これは暖冬もあったでしょうけれども、価格の暴落だ。いろいろやっておりますと言っていますけれども、不安があるんです。それからたばこはどうか、たばこをつくっている人たちは、あの四十五年のときの緊急避難だというときにも、これはということで営々努力をしていま定着してきた。でも今度は減反、生産はだめですよというふうになってきた。コンニャクはどうでしょう。このコンニャクについても、平場は七割まで減産しなさい、対象にしませんよということで、また消費との関係で頭打ち。ホップはどうでしょう。契約との関係でこれまただめ。それから加工トマト、新聞等でも言われておりますけれども、輸入増とそして国内の契約の難航というふうな形で出されるという実態。果樹はどうか、輸入問題とも絡んでいる。精神的な問題だけじゃなくて、実際これから推移を見ないとわからないという不安がある。畜産についてもそう。  私は、悪いのを拾い上げているのじゃないんです。農家の人たちがこういう中で一体何をつくったらいいのですかと、こう言っているんです。大臣来て言ってみてくださいよと、農林省の皆さん現地に来て何をつくったらいいか指導してくださいよというのが、市町村の担当者の皆さんの声でもあり、農家の皆さんの声でもあるんです。そのときに大臣、本当に理解と協力を狩るためにこれをこういうふうにやりなさいと、今後具体的なそういう相談があったときに応じていただけますでしょうか。
  231. 中川一郎

    国務大臣中川一郎君) 下田委員のせっかくの御意見ではありますけれども、農林省が個々の農家一人一人について公平を期して、北海道の農家の中川さんと下田さんと比べて公平であるか、いや丸谷さんと比べてどうか、一人一人公平を期するように日本約一千万、まあ米作農家五百万ほどございますか、それが全部公平だという物差しをつくれと言われても、これはできないことだと思うのです。  そこで、県単位でまず公平な配分はどうなるであろうかと、こういうことで県間の調整をしたのが七つの項目でございますと。県におりてまいりますと、県の中で町村にはどういう配分が一番公平かなあと、こういうことでやってもらって、まずまずこの県内の町村はバランスをとれたと、それもまさに自主的にやっていただくと。今度は町村の中で、それじゃあの部落この部落、この中の農家と比べてまあまあ全体的的にいいかなあということでやっていかなければ、これは県の単位も町村の単位も自主性も外して、農林省日本全国の農家を比べて個々の農家の生産調整について納得のいく尺度を持ってこいと言われても、これは実質できないことでございます。これはだれがやっても私はできないと思うのです。ですから、やり方としては、県、町村そして個々の農家と、こういう仕組みをとらざるを得ないことだと思います。  それからもう一つは、個々の作物について、それじゃこれやれあれやれと言っても大変じゃございませんでしょうか。まさにそのとおりだと思うのです。しかし、考えていただきたいのは、過剰生産のときの農家というもの、あるいは中小企業もそうでございますが、あるいはいまの造船業界でもそうでございますが、過剰生産のときにはどんな苦しみを持つものかと。これはもう大変なことでございます。  でありますから、もし国が助成の措置を講じないで、米をもう自分の力だけでひとつこの対策をやりなさいと言ったら恐らく大変なことだと思うのです。そういうことにしちゃいけないと思うので、過剰生産のときに国も反当たり四万から七万というかなりの、しかも先ほどから御説明申し上げているように、ほかの作物をつくれと言ってもなかなかない事情だからこそ、国民の皆さんの税金にお願いをして、反当たり四万から七万という、畑作農家やミカン農家から見れば何といううまい金が行っているのだろうと。私ども畑作地帯ですからですが、われわれミカン農家だって過剰生産で苦しんでいるのに、何で米作農家だけそんなにするのですかという御意見があるくらい、われわれとしては厳しい事情を認識しておりますから、そういった措置を講ずるのみならず、土地改良とかあるいは品種改良とか普及員とか、総力を挙げてこのむずかしい、どうしてもやらなければならない至上命令と取り組んでいるのでございまして、個々の農家とのバランスとかあるいは個々の作物、いろいろ言えばございますけれども、総体的にはそういうことで取り組んで、そしてまさに理解と協力によってこのむずかしい仕事をみんなで努力しながら成功せしめたい、こうぜひともお願いしたい次第でございます。
  232. 下田京子

    ○下田京子君 大臣のお話、これは一方でもっともなようなお話ですが、大臣はここでお話しすればいいんですが、問題は個々の農家に行きますと、実際に何をつくったらいいのかという技術指導のことから、土地条件のことから、価格のことから、心配があるわけですよね。そこで畑作地帯の声も代表して言われましたが、私、大臣、畑作地帯からお出になっているのだからよくおわかりだと思うんですよ。とすれば、四万だとか七万だとかというこの奨励金、この奨励金が悪いというのじゃないんですよ。これだけの奨励金をやらなければならないということは、逆に言えば、それだけ畑作物についての価格保障がないということでしょう。そしたら、根本的にその保障をすべきではないですかというのが一点。  それから第二点目には、いま改良普及所の仕事だとか営農指導員のことが出ましたから言いますけれども、そしたらそのための予算をもっと組み入れて、そして具体的なそういう仕事がもっともっとやれるようにしていくことが私は必要でないかと思うんですが、ところが私は、大臣はこの場だけで言っていればいいのではないかと思いたくなるのは、事実から見てそうなんですよね、残念ながら。と言うのは、改良普及所の体制問題一つとりましても、一体どういうふうな数字になっているかと言いますと、これは福島県だけの数字ですけれども、四十六年に比べまして改良普及所の専門の職員が当時二百十二人いましたが、五十一年度では百六十八人と減っています。そして今年度の予算の中で、農協の営農指導員のための再教育研修費ということで確かに六百万の予算はつけましたけれども、これでは実際やれないというふうなのが実態でありますね。  ですから、ここのところに、大臣そうおっしゃるなら改めて確認したいんですが、根本的な価格保障をしていただけるかどうか。第二番目に、この営農指導員のいろんな人員をふやすことも含めた助成をしていただけるかどうか。この技術指導もやれる改良普及所の体制を充実できるかと。この点について、時間ございませんので簡単に、できるかできないか、お答えください。
  233. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 畑作物を水田でつくったと同じような所得を得るようにしたらどうかと、こういう意見でございますが、先ほど来申し上げたように、たとえば北海道の大豆が一俵一万五千円、一万四千六百円ですか、買う仕組みになっております。いま外国から買えば五千円で入る、一万円それでも畑作農家でも国からあるいは一般の消費者両方になりますけれども、負担をしていただいているわけです。水田で大豆をつくれば恐らく一俵三万円にもなるでございましょう。
  234. 下田京子

    ○下田京子君 さっき聞きました。
  235. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) その場合、畑作の大豆を全部二万五千円で買うとなったときに、消費者が一体了解してくれるかどうか、あるいはまた、それだけの財政が国家的にあるかどうかということも御判断いただきたいわけでございます。  また、改良助長法については、私もこれからの農政をやっていく上においては大事だということで、たしか去年でございましたか、改良助長法を改正いたしまして、国からの助成措置もはっきり講ずるし、身分もはっきりするし、また責任体制もとるということで、もう最重点いままでにないことをやってまいりました。これからも予算その他を通じ、特に技術指導を通じて農村に対応できる改良員にならしめるということは責任を持ってやっていきたいと、こう思います。
  236. 下田京子

    ○下田京子君 いろいろございますけれども、やっぱり農家の個々の声にこたえていただきたいというのが、私の最後の今回の生産調整についてのお願いです。そして、問題は、言葉でなくて実行を具体的にすること、これが大事だと思います。  で、最後になりますけれども、日米通商交渉の際に取り交わされた問題の中で、高級牛肉については一九七八年度以降にホテル枠及び一般枠の中でグローバルベース一万トンの輸入増がなされるよう相互に需要開発の努力を払うという、このくだりに対しての日米間の見解の相違があるんではないか。これは大臣がいかにないとおっしゃっても、これは御存じだと思うんですけれども、アメリカの上院財務委員会の中の国際貿易小委員会でストラウス通商交渉特別代表が発言しているその発言の中身、外務省からいただいたこの資料ですけれども、この資料によりまして言われていること、この中で、私、英語余り得意じゃないですけれども、問題の個所は「THE JAPANESE GO‐VERNMENT HAS ANNOUNCED A 10-FOLDINCREASE IN HIGH QUALITY BEEF IM‐PORTS;」この部分なんですよね。要するにどういうふうに言っているかといいますと、ストラウスさんは、これは高級牛肉の輸入を十倍に増加させることということで認識している。これはずっとありますけれども、ドルのいわゆる総額から言ったら劇的なものではないけれども、方向と哲学の変化がある、こういうふうに言われているわけですね。この点で大臣いろいろこう御説明なさっているようですけれども、ストラウスさんはそういうふうな形で上院議会で発言しているわけですから、今後そのペースでもっていろいろと圧力が来ると思うんです。  私はもう時間がないから、大臣にここで尋ねたいことは、こういう調子でもって外圧に絶対屈しないということをこれで断言できますか。
  237. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) ストラウスさんと交渉して、そのお読み上げになった高級牛肉一万トンについて需要の開発を努力するということは、私秘密でやったわけでもありませんし、政務次官もたくさん立ち会った前で堂々とやったのです。そのときにアメリカ側が言うように、千トンでは困る、三千トンの三倍の肉じゃとても困ると、一万トンにしてもらわなかったらとてもとてもアメリカの農村を押さえることができないと強く要請がございました。これに対して私は、そう言われても消費のないところに輸入はできないじゃございませんかと、そんなことを約束しても消費者がいないのにどうして買えますかと、私はうその言えない政治家ですから約束できないものはできませんと、これは強く反発をいたしました。  そうしたら、いや何とかしてくれと。何とかしてくれと言われても私はできませんと。そうしたら、何とかする努力をひとつお互いして、やれるだけやってみると。それなら結構でございましょうと、われわれも豪州その他に比べて販売努力が足りなかった、ひとつ販売努力、いい肉がどの辺に需要があるかよく開発してわれわれも輸出努力をいたしますと、じゃ、私たちも、そういう方面についてはふなれのことでもございましょうから、販売努力には御協力して、一万トンになるあなた方の御努力にお報いしましょうという約束で、それじゃその方法しかないなということで、一万トン輸入すると書けと言われたのを、みんなの前でそういうことに一字一句違わない、その裏も表もない交渉をしたのであって、約束したのだからおまえ買えというようなことは断じてございませんし、そのときに約束しても私はうそのない男ですから、できないものはできないと断固として突っぱねた結果がそこになったのであって、裏も表もございません。断じてそのようなことで責任を負わされてこちらが困るような約束はいたしておりませんことを、はっきり申し上げておきます。
  238. 下田京子

    ○下田京子君 最後に、時間ですから。  大臣は、そういうふうにはっきり外圧には屈することがありませんというふうな意味の答弁をしていますけれども、実際いままで過去の経緯を見て、そういうふうに言っても後情勢の変化で云々という形で、結果としてはそれにこう従属的に言い含められてきたというのが実態であると思うんです。私はこの点、本当に日本の農家の皆さんのみならず、本当に安全的に国の民主的な、自主的な経済の発展を願うという点から大きくこう奮闘いただきたいし、これは大臣が答えても今後の推移を見てみたいというふうに思います。  以上です。
  239. 三治重信

    ○三治重信君 農林省、農林大臣の所信表明を拝聴いたしまして、非常な重大な農業問題の担当者として、各方面にわたって均衡のとれた政策が述べられていると思っております。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  全般にはとても御質問できませんので、特にこの転作問題と農地の問題について御質問をしたいと思っております。  この百七十万トン、四十万ヘクタールですか、米の転作は今後十年間ということなんですが、今度割り当ての分が、これが各県、市町村は、今後微調整はあるけれども、基本的にこの各県に割り当てた調整数量というものは、減反数量というんですか、転作数量は変えないという方向で今後基本的な政策を進めていかれるわけですか。
  240. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) 今度お示ししました案は、まだ国会の予算が通ってない段階でございますから、あくまでも案でございます。したがいまして、予算が通りました段階には本格的なお願いをすると、こういうことになります。しかし、今度の示してあります案を本格的にお願いいたします段階において、これを調整するというような事態はちょっと考えられないのではないかと。いろいろ御意見はありますけれども、全体としてはまあバランスのとれたところではないかなあと、いまのところはこの案で実行がかなえるようにお願いしたいものだなあと思っております。
  241. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、このことを毎年まあ大体のところを、これだけのいわゆる水田の転作費用をかける覚悟で毎年農家にそれだけの生産調整をやってもらうと、まあこういう考えのようですが、そうしますと、それに対してこの転作をするのに意欲を、いわゆる水田をそれだけ十年間やって、もちろん水田の中でことしとまた三年後とは違う水田が転作されるということになるかもわかりませんけれども、いずれにしても農家が転作する場合に、転作する水田が転作地となるような、いわゆる農地、水田地が必ずしも割り当てできていると――絶対量としてはあっても、個々の農家については非常にそういう転作の適地というものは、転作可能地というものは必ずしもないということになるだろうと思うんですが、そういう水田を畑作物に転換をするための耕地整理というんですか、地盤、基盤整備の考え方はどういうふうになっているんですか。
  242. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 基盤整備事業につきましては、農林省予算の中でも特に重点的に予算を計上したわけであります。一般の公共事業が一三六%に対しまして一四〇%の伸び率を示したわけでありますが、その中でもちょうどいま先生が御指摘になりました、水田に畑作物の作付が可能になるような形でいわば汎用化すると。多角的に水田を利用していくと。そういう観点から直接に結びつく事業として、たとえば圃場整備事業、こういうものは対前年に比べまして一四一%以上伸ばしておりますし、あるいは末端の用排水事業、こういったもの、あるいは農道とか、そういったもろもろの直接作付の転換に資するような事業に重点を置いて予算の計上をした。それから運用面、それから配分につきましても稲作転換というところと連関、リンクさせながら運用をしていきたいと、かように思っております。
  243. 三治重信

    ○三治重信君 私は、昨年初めて宮城や山形に委員会として現地のそういう耕地整理の事業を見てきたわけですが、やはり雑談で聞いたときには、東北地方、ことに宮城県なんかでも水田の畑作への転用というのは、いまの農林省が計画しているこの圃場整備事業、耕地整理事業の計画では、とてもではないが畑作物のできるような排水関係やそれから規格になってないと。水田の生産力向上、いわゆる稲をたくさんとるために、または耕作に便利なように圃場整備や耕地整理ができるような計画は生かして、その転換作なんというのは一割あるかどうかというようなことも言われておったんですが、これはことに東北の方はそういう準湿田地帯や、あるいはこの転換に向かない農地が多いと思うんですけれども、しかし、これをやらぬと、まあ何といいますか、いわゆる水田が水田とだけしか利用できない、それを転換するとものすごい生産力が下がる、あるいはほかの一、二の特別な作物ではあるいはいけるかもしれぬ。  しかし、これはやはり今後、農業基盤の整備がいわゆる水田を稲作以外にも常に転用できる、整備に金がかかってもやっていける体制をとらぬと、金ばかり毎年四万円から七万円出してみてもこれはとても始まらぬ。その上、その圃場整備をやっていっても、結局この稲作の生産増強にだけ役立って転作には役立たぬと。この点は検討されていますか、どうですか。
  244. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 今度転換していこうとしております事業が単なる作付転換、稲を休止するということだけではございませんので、水田という生産力の高い優良農用地を最大限に活用していくと。そのために、水稲だけではなくて、ほかの畑作目一般の作付が可能になるような形で圃場条件を整備していくということ、だろうと思うわけであります。いろいろ圃場条件の整備の基準につきまして考え方があるわけでありますが、私ども基本的な考え方といたしましては、水稲だけではなくてほかの作物の作付可能になるような形で排水条件等も整える、地下水の高さ等も制御すると、そういった形で基本的には対応をしていきたい。  ただ、具体的には、地元の御意向だとか経済性の問題だとかいろいろございますから、そういった諸要素も勘案して事業は具体的には実施しておりますけれども、基本的な姿勢としては、いま先生の御指摘になりましたような水稲だけの問題ではなくて、すべての作物というような観点で圃場整備事業というのは実施していくべきもの、そういう方針でおります。
  245. 三治重信

    ○三治重信君 それから都市近郊の農地、ことにその中の水田なんですけれども、また最近いわゆる市街化区域への編入問題。名古屋の近郊においてもなかなか東海農政局がうんと言わぬと、こういうことで非常に話が進まぬようなんですが、こういうこのいわゆる市街化区域の編入問題、それから農地の転用問題でこの生産調整との関連で、また住宅政策との関連で特別いままでよりか少し積極的に、都市近郊でこの市街化区域ですか、宅地に転用できる水田の適地については転換することは考えないですか。
  246. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 名古屋等の具体的な例につきましては、いま地元とよく打ち合わせて合理的な処理をいたしたいと思っております。  一般的に私どもの考えといたしましては、結局農業と非農業の利用の接点ということになるわけでありますが、それをいかにして合理的に調整するかということになるわけでありますが、やはり都市サイドからすれば都市計画法という形でのゾーニングがありますし、これは市街化区域と市街化調整区域と先生御存じのとおりあるわけでありますが、また農業上の立場からすれば、スプロール化を防止するという意味で農振法などに基づく農振地域の指定、こういったゾーニングという枠の中で土地利用区分というものを決めて、その枠の中で物事を処理していきたい、かように思っておるわけであります。ですから、生産調整あるいは米の余ってきたということだけで、ゾーニングの枠組みを越えて物事を処理するのは、必ずしも当を得ていないというふうにも判断しております。ただ、私どもも、そういった農業上の利用区分、あるいは市街化区域あるいは調整区域、そういった上の線引きの問題につきましては、随時見直しをしていく必要があるという判断に立っておりますし、これはケース・バイ・ケースで処理していきたいと思っております。  宅地の問題につきましては、先生御存じのとおり、市街化区域内にある農用地が現在二十三万ヘクタールぐらいあるわけです。だから、市街化調整区域がそのほかにまだありますけれども、私どもの立場からすればどうもそういった、これは転用は要らないわけですから、そういった転用が不要な、規制も要らないような農地が二十三万ないし二十四万ヘクタールぐらいあるわけでありますが、そういったものを十分に活用していただきたい。二十三万といいますと、大体住宅のいま五ヵ年計画を立てておりますが、その所要関連用地が六万六千ヘクタールでありますから、それの三倍以上というような膨大な農地が無許可の、まあ転用を必要としない農地がありますので、それをまず使っていただきたいと思うわけであります。  それから、調整区域を市街化区域に編入するという問題につきましては、これはケース・バイ・ケースで判断していきたい、かように思っております。
  247. 三治重信

    ○三治重信君 そのケース・バイ・ケースというのでいいかもわかりませんけれども、問題は、いま言われた二十三万ヘクタールあるこの市街化区域の中における農地の問題なんですが、これはその二十三万ヘクタールのやつは、いま言われたのは生産緑地法によるA地域、B地域のやつといいますか、農地として緑地を兼用して保存するという土地を除いた土地ですか、それは入ってないですか。
  248. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 生産緑地法に基づいて宅地並み課税を外しているわけでありますが、これは面積が先生御存じのとおりきわめて少のうございます。ただいま私が二十三万ヘクタールと申し上げましたのは、これはもうほとんど生産緑地というものにひっかかっていない、いわゆる農地転用の許可を必要としない、また都市計画法上の開発許可もきわめて緩い、そういった農地が多量に存在していることを申し上げたわけであります。
  249. 三治重信

    ○三治重信君 この中に、結局そうすると今度の調整区域の中で水田は、大体日本の耕地からいけば水田と畑地は半々ですね。そうすると、半分ぐらい水田があると見てもいいわけでしょう、半分ぐらい。そうすると、その半分のやつについては特別いわゆる何と申しますか、稲作から転用の方を少し圧力をかけてもらうと。水田をやっていて農地として保存するというやつが転用の方に来るだろうと思うのだが、その点は配慮しているんですか。  こういうものについてやはり農地として市街化区域の中へ、農林省としてはいつでもどうぞ宅地なり工業地にかえてくださいと言って放したやつなんだから、おたくの方としては生産関係にはそうタッチはしないということかもしれませんけれども、やはりそういうふうに新しくその農地の方の地主が農地として保有する意欲が強ければ強いほど、それは供給されない土地になっていくわけです、宅地として。だからその回りの生産調整区域に、宅地化へ、外へ出よう出ようとしていくと思うんです。したがって、農林省の方もこの二十三万ヘクタールのいわゆる農業地域としては見放した農地をできるだけ宅地化することによって、その生産調整区域の農地の宅地化の圧力を緩和することができる、こう思うんですが、そういう方針がとれるかどうか。どうですか。
  250. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 市街化区域内の農用地を宅地化を促進する、これは先生御指摘のとおりで、私どもそのように考えております。そういう意味で、たびたび申し上げますが、転用許可というものも外して届け出だけでいいということにしておりますし、あるいはそのためのいろいろ税制上の問題、これは非常にむずかしい問題ありますけれども、市街化区域内の農用地をできるだけ早く宅地に向けるということにつきましては、これはやはり市街化区域内のものはできるだけ少なくとも十年以内に宅地の都市地域として持っていくと、そういう方向で線引きしてあるわけでありますから、そういう方向に沿って私どもも協力するのはやぶさかではありません。決してそれを足を引っ張るような態度は毛頭とっていないつもりであります。
  251. 三治重信

    ○三治重信君 まあそういうことをお聞きして、農林省としてそういう農業生産調整と市街化区域編入の問題とはあんまり関連さして考えない、こういうことのようですが、しかし、これだけ生産調整が大問題になっているのを少しでも緩和するために、その調整区域を市街化区域へ入れる編入の問題でも申請があっても抑えていると。それがやはり何と申しますか、農用地として確保を必要とする、また農林省の方で農業基盤整備事業、土地改良事業で農業生産適地として国費なり県費を費やしたところなら、これは農民の変心としてそれを抑えるのもいいんですが、未改良の農地が市街化調整区域に相当あるようなんですが、そういうところも一律に抑えるというんだと、そこの農家も宅地として売ろう、そのためには市街化区域に編入されぬと調整区域では転用できぬ、片方水田を転作しろ、こう言うのは本当に農民としても、何と申しますか、実際土地の利用について矛盾を感ずる、こういう陳情を非常に受けるわけなんです。  その点、もう少しこれだけの水田の転用をやるならば、都市の発展地域における農地の転用で、ことに水田についてはそういうことをやればそういう転作のためにも金も要らぬし、それから適当に逐次宅地の地価の非常な高騰を抑えることにもなるし、その点は、それとはこいつは別だということでなくて、やはりもっと関連してその地域の説明もやり緩和していくと、私は総合的に生産転換が納得いくと思うんですが、そういうふうに、もっと特にこの市街化区域、都市の関連におけるこの水田の転換、これは作物の転換じゃなくて、もう永久転換になるので補助金も要らぬようになるわけですし、もう少し積極的にやろうという計画をつくってもらいたいと思うんですが、どうですか。
  252. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 市街化区域内の農地は、これはただいま御答弁申し上げましたように、積極的に宅地化の方向で御協力申し上げたいと思います。  ただ、いま御答弁申し上げましたように、かなりの農地が使われないまま市街化区域内に残っている。その理由は、農林省あるいは農業サイドがしり込みをしているということでは必ずしもなくて、上下水道とかあるいはその他の生活環境施設、そういった都市施設の整備が不十分なために、十分に活用され切っていないという点があるのじゃないかと思うわけであります。  それから市街化調整区域、これは先生御存じのとおり市街化を抑制すべき区域でありますから、そういう線引きをしていてそれ相応の保存をしているわけでありますけれども、これはやはり具体化地域に即してそういった市街化区域がもう飽和状態になっている、農用地も使い切ってしまっているというようなときでありまして、どうしてもやはり線引きを見直して拡大する必要がある、また市街化調整区域も、指定された当時からかなり客観状況が変わってきているというようなことがありますれば、それは必要に応じて線引きの見直しをするという態度でいまいきたいと思っているわけです。現実に逐次見直しの結果、変更というものはケース・バイ・ケースにでありますけれども、行われているというふうに理解しております。
  253. 三治重信

    ○三治重信君 その市街化区域の中の農地の転用について、ことに水田関係はひとつ――むしろ私きょう御質問する趣旨は、もうその段階になってもなかなか転用ができぬというのは、買う方から見ると、幾ら金を出してもなかなか売ってくれぬ、またちょっとやそっとでは農民の方も土地を放したくない、自分の生業のこともあるんでしょうけれども。しかし、政府の全体の土地の利用政策からいけば、そこの農地はC農地に転換するのが土地の有効利用だと、こう判断してやっているわけなんだ。  そこで、この農地の水田の生産調整を強引にやろうとするならば、真っ先にこっちを推していく体制を、市街化区域の中における水田の削減対策を強力にやっていただけば、その中の農民の方もやはりいろんな事情はあろうけれども、いま当然宅地化されるべき農地がとまっているのに、転作対策と関連していくと納得いく対策になるだろうと、こう思うわけなんです。生産緑地法をつくるときに、やはり一時的に農地の転用になって高い税金を取られるのも大変だし、それからいわゆる市街化区域内にもみんな緑をなくするのもいかぬし、農地で置いておけばある程度緑地にもなるから、そういう部面においてもっと緩和策としてこれができたと思うんですが、これをいま一度、生産緑地法ができたときには、農地の保存のための税金対策ともう一つは自然環境を保存するという名目であったと思うのです。  この生産調整との関連からいくと、いま少しこれについて新しく対策を、十年期間を決められたわけですから、十年の間にはもっと二十三万ヘクタールの中のやつの少なくとも水田の部面についてはこういうふうにしてもらいたいといういわゆる対策をとっていかれる、それが宅地への供給――宅地への供給というのは、いまのいわゆる所有関係からいくというと、これはただ単に土地の値段だけとか税金対策だけではやはりいかぬと思うのですが、そういう農業政策の面からも、そういうことで地主に理解できるような土地を利用転換する対策を進めていただきたいと思うんですが、それに対する大臣の御答弁をいただきたい。
  254. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) いまから数年前にいわゆる線引きというのをやりまして、市街化として利用すべきところを調整区域あるいは農振法地域というように分けまして都市計画と農地利用の調整を図る、こういうことでやってまいりました。特に市街化区域については農地転用の許可も要らないと、届け出さえすればいいと、しかも一方今度は追い出し税というので宅地並み課税をかけて、そして宅地化し住宅政策にもこたえる、こういうことでやってまいったわけでございます。ところが、御承知のように、いよいよ税を執行する段階になりますと、市街化区域の農村の方も、いや、私は農業をやっていきたいので、農業のような生産性の低いところから税金を取るのはひどいじゃないかという強い要請があってなかなか実施ができない。それでも何とかしなきゃいかぬというので、三大都市圏だけは少なくともA、B農地については宅地並み課税をかけると。そこへ今度はまた生産緑地ですか、というようなことや特殊な地域というようなことでまた穴もあいております。あいておりますが、三大都市の市あるいはそういった穴のあいている面あるいはそれ以外の市街化区域を一体どうするかということは五十四年度から前向きでこれを処置すると、こういうことになっております。  一方、御承知のように、宅地の方の行政も今度の予算等でも宅地を供給しなきゃいかぬと、それには市街化区域に対してやっぱりいよいよ思い切った政策も講じなきゃいかぬ。一方、御指摘のように、水田調整をやるならば、三治委員御指摘のように、そういうところこそ徹底的にやって、本物の農村地帯で生産調整をしないでそういうところでやるようにしむけたらどうかと、こういう意見がその上に農政上からも重なってくるということでございますので、五十四年度からの実施に当たりましては、そういうことも十分配慮して、市街化区域が早く市街化されて住宅にもこたえるし作付転換についてもそういうところにウエートがかかって――ウエートがかかるというか、転換されますから生産調整の数量が少なくなってくる。それで農振地域なりそういった本物の地帯が軽くなるように、こういう方向でやってまいりたい。そこで、今回も作付転換の面積をお願いする配分の中に、市街化区域の多いところにはということで配分もよけいしてある、こういうことで二面からこの点は推進をしていきたい、こう思っております。
  255. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私は、けさ大臣の所信表明をお聞きしながらしみじみ思いましたことは、あの所信表明のとおりにわが国の農林水産業に密着するならば、日本はすばらしいバラ色の実りを期待できるであろう、こうも思ったわけですが、ところが日本の現実とこう結びつけてみた場合に、余りにも多くの矛盾といいますか、疑問を感じざるを得ませんでした。その疑問をきょうすべてただすわけにまいりませんので、その中で二、三ただしてみたいと、こう思うのであります。  まず第一に感じましたことは、大臣の日本の農林水産に対するところの心の姿勢と申しますか、ずばり申し上げますならば、外に目が向いて内に目が届かないのではないかという、こういうことが第一点。すなわち、日本農政の大きな転換は、国内自給を高めていくということが大きな基本の柱であるはずであります。だのに、大臣の目と心が内に向いていない。と申しますことは、申し上げるまでもなく、わが国は寒帯あり、温帯あり、亜熱帯あると。この国土に即したところの農業政策が具体的に密着しておらない、ここに大きな疑問の一つを持った。たとえば、大臣の答弁の中でこういうことがございます。日米通商協議の結果につきましても、国民に大きな不安と疑問を与えておるのは申し上げるまでもありません。その中のミカンの問題を一つ取り上げてみても、六月、七月、八月はミカンのない時期だからその時期にと、こうおっしゃっておった。ところが、亜熱帯であるわが沖繩県では本土のミカンの時期の前、すなわち八月九月に沖繩ではミカンがとれる。これを早切りミカンと言っております。そして温州ミカンの話もありましたが、今度は本土のミカンが切れるころ沖繩ではタンカンという、実にすばらしい味のあるタンカンができるわけなんですね。このことを私は強く申し上げたいわけであります。これは一例でございますが、そういうことが本当に日本の地域に密着した、本当の農民に密着した、地域に密着した農業政策が打ち立てられておるかどうか、このことが第一点。  次に、この予算をちょっと見ただけでも、確かに予算の額の面では前進であることは認めます。その中でも特に水田利用再編のための条件整備関連事業の項目を見ますと、前年度が、五十二年度が九百五十一億五千六百万、今年度は一千三百九億四百万でありますね。こういうことになっておるわけでありますが、ところが生産調整のバランスからしますというと、去年度が九十万トンに対して今度は百七十万トン、こういうことになるようでありますが、ところがその調整からすると約二倍にもなっておるのに、その額からするというと大した進歩はない。だから見かけは非常に大げさだけれども、静かに見詰めてみたら大したことはないんじゃないかというのが私の結論であります。これが第二点。  次に、東京ラウンドの、あるいは日米交渉の中でも問題になっております高級牛肉のグローバルの一万トンの問題の中で、その一万トンの中身です。一万トンの中身が一体どうなっておるのであるか。情報によりますと、その一万トンの中にはホテル枠の三千トン、そしてその残り七千トンがどうなるのであるか。しかも、その一万トンの中にプラス三千トンになるのであるか、その辺が非常にあいまいに私は聞いておるのであります。  次に、東京ラウンドの中でこのことが、非常に特に沖繩の立場から疑問にしておるのは、報道によると、関税の引き下げですね、関税の引き下げについては積極的に対応することとして、各国の要求品目数の三百五十品目の三分の一程度の百二十品目について引き下げることにしておると、こういう情報がある。その中にパイナップルが挙げられておると、こういうことなんです。これがもし事実であるとしますと、せっかく国内産業としての沖繩の基幹作目であるパインが軌道に乗りつつあるところを、もしこれが事実であるとするならば、これはひどい目にまた打ちのめされてくると、こういうことになるのでありますが、まず以上のことについて大臣の答弁を求めたいと思います。
  256. 中川一郎

    ○国務大臣(中川一郎君) せっかくの喜屋武委員の御意見ではありますが、外国に頭が向いて国内に向いておらぬのではないかという御指摘でございますが、私としては国内が一〇〇%であり、外国に全く向けないというわけではありませんけれども、国内を中心にして外国を考えると。その中でミカンの例がございましたけれども、ミカンについて六、七、八の時期に確かに二万三千五百トンを入れることにいたしました。私は外圧のこともありますけれども、国民、消費者の皆さんからも非常に要望が強いと。三月、四月にはミカンがなくなってしまう。五月、六月にはタンカンはできるけれども六、七、八月は全く果樹がないじゃないですかと、全くないとは言えませんけれども、端境期じゃないですかと、そのときぐらいには安いオレンジぐらいは食わしてくれたらいいじゃないかということが、一番私は、外圧よりもむしろ生産は消費に向かって、消費者にも考えなければいかぬというところから、農家には影響を与えない範囲内で調整をしたと。ところが御指摘がありましたように、沖繩で八月、九月早切りミカンが出ると、そのほかにタンカンもあるということでございますが、実は沖繩については七千トン、従来から駐留軍等の関係もあり、ありました枠は今回一切いじっておりません。したがって、沖繩の皆さんに影響を与えるようなことはまずまずないだろうと思っておりますので、どうかひとつその点は誤解のないようにお願いしたいと思う次第でございます。  次は、水田利用再編について今年は九百五十一億、来年は千三百九億と申されましたが、そうではなくて、二千百何億で、いまの千三百九億は恐らく増加した分をごらんになったのではないかと、こう思います。したがって、九十万トンが百七十万トンになった分はしかと見てございまして、ごまかすようなことは一切いたしておりません。  それから、高級牛肉の内容についてわからない、確かにそうかと存じますが、先ほど下田委員がお読みになったように、ホテル枠については三千トンとすると、そのほかに七千トンと、文書には書いてございませんが、それを含めまして、高級牛肉について二万トンになるように需要開発の努力を行うというのでございます。先ほども申し上げたとおり、向こうからはホテルを含めて一万トン何とか買えないかと、そうでなければアメリカの農民も納得できないというストラウスさんの非常に強い要請があったことは事実でございますが、国内に消費のないところへ買うわけにはまいりません、仮に約束しても実効が上がらないではありませんかと、私はうそをつくのがいやでございますから、できないことはできないと、はっきり申し上げますと。それに対して、それではひとつ努力をして、もしそういう消費があるならば、グローバル――豪州、ニュージーランドとも、平等であると同時に、外国牛肉の枠を崩さない範囲内で、その範囲内でそういう消費があるならば協力しようと、こういうことでありまして、決して一万トンのほかにまた三千トンというものではございません。三千トンははっきりしておりますが、それにプラスアルファで一万トンになるかならないかの向こうが努力をしてみる、またわが政府としてもそういった努力には協力しましょう、しかし、あくまでも総枠をふやして国内産の牛肉について御迷惑をかけると、こういう趣旨ではないというのでございますので、御理解をいただきたいと存じます。  それから四番目に、東京ラウンドの話がありましたが、これはいまの数字は全体的なことであり、農産物についても基本的なことを崩さない範囲内の、農政に支障を与えたりしないということの協力はしますが、過酷なことをやろうとしておりませんので、内容については経済局長から答弁させます。
  257. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) お話しのように、東京ラウンドの関税引き下げで交渉対象品目といいますが、これはリクエストということで、それぞれの国から関税を引き下げてもらいたいというのは、農産物について三百五十品目ございます。工業製品については二千六百三十品目ございます。そこで、農産物の交渉は、工業製品と異なりまして一定のフォーミュラーでやるのではございませんで、リクエストオファー方式ということで、相手が要請をし、こちらがこれについて回答をするということでございますから、個々の品目について交渉が行われる。しかも、各国についてそれぞれ交渉が行われるという形に相なっておりますが、第一回目のといいますか、先般オファーをいたしましたのが農産物で百九品目でございます。工業製品で二千三百十品目オファーをいたしておりますが、この百九品目の内容は、干しバナナでございますとか、たとえば干しブドウでございますとか、あるいは紅茶でありますとかというようなことで、この百九品目の内容につきましては、大体そう大きな問題はございません。  私たちとしましては、このオファーの基準といたしまして、一つは輸入割り当てを行っている品目、先ほどのパイナップルかん詰めもIQ品目でございますが、そういう品目、それから関税割り当て制度を行っている品目、これは除外をする、それから構造不況業種の製品であるものは除外をする、それからその他農政上特に重要なものは除外をするということで、大事なものは全部除外をしてオファーをいたしております。ただ、いまから交渉が始まるわけでございますので、諸外国からはそういういろいろな品目につきましての関税引き下げの要請が出てくるものと思われますが、私たちといたしましては、先ほど大臣が申し上げましたように、わが国の農政に悪影響を及ぼすことのないよう、十分配慮して対処してまいる考えでございます。
  258. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 さきのこの数字の問題でありますが、まあ一番画期的な項目が水田利用再編対策と、これが二一五・一%ですね、これが最も刮目を要するわけですが、ところがそういうすばらしい数字の中で生産調整も倍加しておるのに、それに対して、それに即応する推移が余りにも微々たるものじゃないか、沿わないんじゃないかと、こういうことを私は指摘したかったわけであります。  それから、第二点のこのパイナップルの問題は慎重に検討するとおっしゃるが、これはぜひひとつ沖繩の特殊産業としてのいままでのいきさつからしましても、これはぜひひとつ考慮してもらって不安のないようにしてもらわなければいけないと強く要望いたしておきます。  次に、特に沖繩の農業にしぼって二、三、一括してお尋ねしますので、ひとつ一つ一つ明確に御答弁をお願いいたしたいと思います。  まず、最近沖繩の農民が非常に息を吹き返しつつあるのが、政府が沖繩を野菜基地として、野菜団地として位置づけて大事にされつつある、このことを大変期待もし、また一面不安も持っておるわけでありますが、それで今日までこの野菜基地としての立場から生産流通面でどのような施策を講じておられたのか。また、これからその期待に沿うためにどのような施策を講じようとしておられるのであるか、これが第一点。  次に、沖繩では最初に私が申し上げた、地域的な亜熱帯と言いましたのはこのことでありますが、最近、冬場における本土向け野菜の出荷が非常に盛んになって、そしてそれが非常に順調にいって喜んでおるわけですが、農林省とされてはこの端境期における出荷の状況、この状況をどの程度その実態を把握していらっしゃるのか、サヤインゲン、カボチャ、ニンジン、ピーマン、いろいろございますが、端境期における沖繩産のこの野菜についてどのように把握しておられるか、これが第二点。  それから第三点は、沖繩現地地元の経済連では、今後の出荷目標を計画しまして五ヵ年計画で六十億を達成するんだ、六十億まで五ヵ年計画で持っていくんだ、そして、しかも端境期の支えでありますから、できるだけ安く、そしておいしくて喜んでもらえる野菜をどしどし提供して喜んでもらいたい、こういう気持ちでいま張り切っておるわけです。ところが、問題は次であります。国鉄線の恩恵もない沖繩、しかも遠隔の地の沖繩、しかも蔬菜は新鮮であるということがその生命でありますので、その遠隔であるゆえに計画達成には輸送料について非常に困るわけなんです。時間も困れば費用も困る。したがって、実情はどうしているかというと、飛行機で空輸しておるのが実情であります。このことがまた、本土では喜ばれておる、味は喜ばれておるが、一面、値段の面からは高いわけでありますので、現地の農民としてはできるだけ安い新鮮な野菜を提供して喜んでいただきたい、こういうことでありますが、そこで政府として補助の必要が私は当然なされていい、こう思うんですが、このことはどうお考えでしょうか。ぜひ補助を取りつけていただきたい。そうして安く市販ができますように、沖繩の現地の農民の声として、また、私の切実な要求として申し上げたい。  第四点が、沖繩は亜熱帯の立場から、特に端境期を中心として本土のないときに幾らでもつくって差し上げたいという、こういう立場をとっておるわけなんですが、ところが、輸送費のことをさっき申し上げましたが、根本的には病害虫の駆除、たとえば、ウリミバエの問題があるために輸出が思うようにならない。それからさっきタンカンの床の話をしましたが、実は、観光客が沖繩現地でタンカンを味わって、こんなすばらしいミカンは木上にはいまごろない、ぜひおみやげに買って帰りたいと言ってあちこちで強い要望があるようでありますが、いや沖繩現地では自由に召し上がってください、ところがこれを本土に持ち出すことはできません。結局ミカンコミバエ、これの問題ですね。こういう病害虫を根本的に徹底的に駆除してもらわない限り、本土とのつながりができない、移出ができない。こういうところに根本的な問題があるわけなんです。そこで、この病害虫の徹底的駆除に対して取り組んでもらいたいが、農林省としまして、その撲滅の計画と、そしてその実績が――今日まで久米島を中心にして取り組んでおられるわけでありますが、その計画と実績がひとつどうなっておるのか。  最後に、いま沖繩に産業革命を起こすんじゃないかと思うほど、すばらしい奇跡的な事実が起こりつつあります。それはシロイモシモン一号という、原産がブラジル産でありますが、これが食糧としてのイモもそうなんですが、イモと言えば沖繩、沖繩と言えばイモ、これは歴史的にはそうでありますが、そのシロイモが薬用イモとして、薬のイモとして、たとえばこれを食べる、あるいはジュースにして飲むことによって白血病に非常に効果的である。糖尿病に、神経痛に、こういうすばらしいシロイモがいま広がりつつある。いまにこれは沖繩の産業革命にまでと、実はこういうことでございます。  いま一括して五点御質問いたしましたが、時間が参りましたのでお答えを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
  259. 犬伏孝治

    ○政府委員(犬伏孝治君) お尋ねの五点のうち前三点、野菜に関する御質問についてお答え申し上げます。  まず、最初の沖繩の野菜生産の位置づけと申しますか、どのように考えておるか、さらに具体的な振興対策としてどのようになっておるかという点でございますが、沖繩は、申すまでもなく亜熱帯地域に属しておりまして、温暖な気候に恵まれております。このため、野菜の生育に非常にいい条件でございます。特に、冬の時期におきましても、路地あるいは簡易なハウス栽培でキャベツ、ニンジン、カボチャ、サヤインゲン、スイカ等が生産されております。したがいまして、この沖繩の地域を本土の端境期におきます野菜の供給基地としてその生産の振興を図ってまいっております。  今後ともそのような考え方で振興を図ってまいる考えでございますが、具体的には、従来から集団的な野菜産地を育成するために、育苗施設でありますとか、集出荷施設、あるいは生産管理機械等の整備を行うために、野菜生産団地育成事業でありますとか、端境期の対策として野菜高騰時対策の特別事業、さらには基本的に沖繩の農業の構造改善ということをも考えた沖繩農林漁業構造改善緊急対策事業等を実施をしてまいっております。五十三年度におきましては、これらの生産団地育成事業あるいは高騰時の対策事業、それから構造改善の関係につきまして、総額約二十数億の予算の計上をいたしております。  それから第二点の沖繩野菜の本土への出荷状況でございますが、ただいま申し上げましたように、端境期におきます本土への出荷につきましては、昭和五十年では約一千トンでございましたが、昭和五十二年、昨年は約四千トンで、四倍にふえてきております。五十二年の主な野菜の種類は、キャベツが千二百トン、サヤインゲンが八百二十トン、カボチャが七百五十トンというような数量になっておりますが、内地の市場におきます割合の高いのはサヤインゲン、これがかなりのウエートを占めておるということでございます。  それから、第三点の輸送の問題でございますが、先生のおっしゃるような、やはり輸送費が高いということは確かに御指摘のとおりでございます。これにつきましては、従来から、先ほど申し上げましたような沖繩の野菜の野菜供給上の位置づけということを考えまして、輸送をできるだけ合理化していくという考え方に立ちまして、昭和四十九年から冷蔵庫でありますとか、あるいは冷蔵コンテナについて助成をし、さらに先ほど申し上げました団地育成事業におきましても流通施設の整備に努めてまいっております。ただ、御質問にございました輸送費が割り高であるという点は理解できるのでございますけれども、沖繩からの出荷の時期が、先ほど申し上げましたように本土におきます端境期に当たりますので、これらの野菜が比較的有利に販売できるという事情のほかに、やはり輸送費の補助を行うということになりますと、他の遠隔産地との競合の関連等もございまして、特別の地域だけ考えるということについてはなかなか慎重な検討が必要ではないかと考えております。ただ、先ほど申し上げましたような各種の事業のほかに、野菜の輸送経費をできるだけ節減するための別の事業がございます。野菜の輸送合理化推進事業と申しまして、大型コンテナあるいは保冷施設等の導入を助成する事業でありますとか、広域にわたる産地に集出荷のキーステーションとなる施設を導入する事業でありますとか、これらはまだ沖繩において実施をされておりませんが、沖繩県におきましても、産地からの御要望がございますれば、現地の実情に応じてその活用を推進をしてまいりたい、そのように考えております。
  260. 野崎博之

    ○政府委員(野崎博之君) 沖繩の病害虫の問題でございますが、先生よく御承知のとおりでございまして、昭和四十七年から例のウリミバエ、それからミカンコミバエの防除を実施いたしておるわけでございます。予算的に見ますと五十年から相当ふえておりまして、昨年が二億七千万、今回要求しておりますのが三億八千万と約一億ぐらいふえた予算で要求をいたしております。それでウリミバエにつきましては、これも先生よく御承知だと思いますが、例の久米島で不妊虫――コバルト照射をかけた虫を放しまして、そこで少なくとも久米島においてはもう大体実験は成功いたしておりまして、引き続き慶良間諸島を対象にいまやっておるわけでございますが、そういうわけで、久米島についてはもう薫蒸なしで出荷をできるという状態になっておるわけでございますし、ミカンコミバエにつきましては、これはやはり四十七年から例の誘殺ひも、誘引剤を殺虫剤とまぜてひもにしみ込ませてそれをヘリコプターからまく、そういう方法で沖繩本島とその周辺の島でいまやっているわけでございます。先ほどいろいろお話もございましたが、やはりいまのところは薫蒸によって移動が認められているものは十一種類あるわけでございますが、久米島では、いま申し上げましたように、もうそれは成功いたしておるわけでございますけれども、これを沖繩本島全体に広げて、そこらのものも全部薫蒸なしで出荷できるというようになるためには、これはまあ非常に面積も広いわけでございます。久米島の約二十何倍も沖繩本島があるわけでございますから、したがいまして、ウリミバエですか、ああいう防除方法をやりましても、非常に広範囲で多くの虫を放つということになりますと、虫自体の性能にも非常に問題が出てくるようでございまして、技術的にはなかなか困難なような状態でございますので、二、三年ですぐどうなるかと言われますと、ちょっとすぐというわけにはなかなかまいらぬわけでございますが、引き続きわれわれとしましてこの防除費用を増大するということを通じまして、ひとつまたその防除に熱心に取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。  それからシロイモの件ですが、これは私も初めて聞いたわけでございますし、どうも県からもまだそういうお話がないようでございまして、ひとつ県にも聞き合わせ、調査研究をさせていただきたいと思うわけでございます。
  261. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 時間ですので、もっとお尋ねしたいことがありますけれども、また次回に譲ります。
  262. 山内一郎

    ○理事(山内一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会をいたします。    午後六時十七分散会      ―――――・―――――