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1978-06-13 第84回国会 参議院 法務委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和五十三年六月十三日(火曜日)    午後二時十二分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月七日     辞任         補欠選任      堀江 正夫君     熊谷太三郎君      後藤 正夫君     上條 勝久君      山東 昭子君     塩見 俊二君      橋本  敦君     内藤  功君  六月九日     辞任         補欠選任      内藤  功君     橋本  敦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         中尾 辰義君     理 事                 八木 一郎君                 山本 富雄君                 寺田 熊雄君                 宮崎 正義君     委 員                 上條 勝久君                 初村滝一郎君                 橋本  敦君                 円山 雅也君                 江田 五月君    国務大臣        法 務 大 臣  瀬戸山三男君    政府委員        法務政務次官   青木 正久君        法務大臣官房長  前田  宏君        法務省民事局長  香川 保一君    事務局側        常任委員会専門        員        奥村 俊光君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○民事執行法案(内閣提出、衆議院送付) ○司法書士法の一部を改正する法律案(内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 中尾辰義

    ○委員長(中尾辰義君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る七日、堀江正夫君、後藤正夫君及び山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として熊谷太三郎君、上條勝久君及び塩見俊二君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 中尾辰義

    ○委員長(中尾辰義君) 民事執行法案及び司法書士法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。瀬戸山法務大臣。
  4. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) 民事執行法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  現行法におきましては、判決等の債務名義に基づく強制執行については民事訴訟法第六編(強制執行)に、抵当権等の担保権の実行としての競売については競売法に、それぞれの執行手続が規定されておりますが、これらの法律は、いずれも明治時代に制定されたものであります上、その両者の手続が必ずしも十分に調整されていない点もあり、加えて、規定に不備がありますため学説・判例も区区に分かれ、実務の取り扱い上各種の不便を生じているのみならず、競売の完結までに相当の長期間を要しており、また、必ずしも適正な価額による売却が行われがたい面も否定できないのであります。  そこで、この法律案は、強制執行法と競売法とを統合した民事執行の手続法としての単行法を制定し、債務者その他の利害関係人の利害を調整しつつ、執行手続の改善及び執行の適正迅速化を図ろうとするものであります。  この法律案の要点を申し上げますと、第一は、執行手続の迅速化を図ることであります。すなわち、まず、執行の引き延ばしを目的とする不服申し立ての乱用を防止するため、不服申し立ての方法を整理し、執行抗告は特に定める場合に限り許されるものとし、かつ、執行抗告の理由を具体的に記載した抗告状を原裁判所に提出しなければならないものとし、不適法な執行抗告は、原裁判所で却下できるものとしております。また、強制執行の停止につきましても、それが手続の遅延を生じさせ、ひいては利害関係人に対して不利益を与えている現状にかんがみ、これに合理的な制限を加えることとしております。  第二は、債権者の権利行使の実効性を確保するとともに、売却手続の改善を図っていることであります。すなわち、まず、虚偽債権等の届け出による不当な配当要求を排除するため、現行法の配当要求の制度を改善し、配当要求をすることができる一般債権者につきましては、原則として、判決等の債務名義を有する債権者及び仮差し押さえ債権者に限ることとし、例外的に、給料債権者等一般の先取り特権を有する者につきましては、その優先弁済権を確保するため、債務名義がなくても配当要求ができることとしております。また、目的物が適正な価額で売却されることが、債権者の権利実現のために不可欠なことでありますので、特に権利関係の錯雑しております不動産については、その権利関係を正確に把握して執行裁判所が適正な売却価額を定めてこれを売却することができるように、執行官による不動産の現況調査権限を強化し、評価人の評価の適正を図り、加えて、目的不動産の権利関係を明らかにした物件明細書を作成し、これを一般の閲覧に供し、適正な価額による買い受けの申し出を保障することといたしております。さらに、執行の目的物を迅速かつ適正な価額で売却するためには、一般の市民が広くその売却手続に参加して買い受けの申し出ができるようにすることが必要でありますので、目的物の売却手続を改善いたしております。たとえば、不動産の競売においても、その売却の方法については、執行裁判所が入札、競り売りのほか、随意売却等の弾力的な売却方法が選択できるように、最高裁判所規則で定めることといたし、また、買い受け人が代金を納付しないために再競売が行われることを防止するため、買い受け申し出人に相当な保証を提供させることといたしておりますほか、次順位買い受けの申し出を認めることとしまして、最高価の買い受け申し出人が代金を納付しない場合でも、再競売をせずにその次順位買い受け申し出人に対し売却許可の決定ができる道を開くことといたしたのであります。また、競売場で売却の適正な実施を妨げる行為をした者等に対し退場を命ずる等、執行官に秩序維持の権限を与え、かつ、それらの者に対しては、売却不許可決定をすることを明らかにすることといたしております。  第三は、買い受け人の地位の安定、強化を図っていることであります。すなわち、不動産の買い受け人の所有権取得の時期を明確にするとともに、代金を納付した買い受け人が容易にその不動産の引き渡しを受けられるようにするための不動産の引き渡し命令の制度を強化し、買い受け人に対抗することができない不動産の占有者に対し、一定期間内に引き渡し命令を受けて強制執行をすることができるものとするほか、この引き渡し命令による執行を保全するため、不動産を執行官保管に付することができる措置を講じております。また、担保権実行としての競売における不動産等の買い受け人の地位の安定を図るため、担保権実行の要件と手続を整備し、買い受け人の所有権取得の効果は、担保権の不存在または消滅により妨げられないことを明らかにいたしております。  第四は、債務者の保護に関する規定を整備していることであります。すなわち、債務者の生活の保持を図るため、動産の差し押さえ禁止の範囲を合理化する一方、執行裁判所は、申し立てにより債務者の生活の状況等を考慮して、差し押さえ禁止物の範囲の拡大または減縮を認めることができることとし、また、債権についても、一定の部分の差し押さえを禁止するとともに、差し押さえ可能の範囲の拡大または減縮ができることといたしております。  なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の制定及び関係法律の整理等所要の手続を必要といたしますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、昭和五十五年十月一日から施行することとし、また、競売法を廃止し、民事訴訟法の所要の整理をし、必要な経過措置を定めております。  以上が、民事執行法案の趣旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。  次に、司法書士法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を説明いたします。  この法律案は、司法書士の制度の充実強化を図るため、その資格に関する制度を合理化するとともに、その職責、業務等に関する規定を整備しようとするものであります。  この法律案の要点を申し上げますと、第一に、現行の司法書士法によりますと、司法書士となるには、法務局または地方法務局の長の選考認可によることとされているのでありますが、これを改め、司法書士となる資格は、(一)法務大臣が毎年一回以上行う司法書士試験に合格した者、(二)裁判所事務官、法務事務官等福一定の職歴を有する者等で、法務大臣が司法書士となるのに必要な知識及び能力を有すると認定した者に付与するものとしております。また、未成年者は司法書士となる資格を有しないものとするなど欠格事由に関する規定を整備することとしております。  第二に、司法書士となる資格を有する者が司法書士となるには、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局または地方法務局において登録を受けなければならないものとし、登録に関する所要の規定を設けるとともに、登録の申請と司法書士会への入会の手続とを同時にすべきこととしております。  第三に、司法書士の制度は、登記、供託、訴訟に関する手続の円滑な実施に資し、国民の権利の保全に寄与するために設けられたものであること、及び司法書士の職責は、常に品位を保持し、業務に関連する法令に精通して、公正かつ誠実にその業務を行うことにあることを明らかにすることとしております。  第四に、司法書士は、登記、供託の申請についての代理等のほか、これに関する審査請求についても代理することができることを明らかにすることとしております。  第五に、司法書士の職責の重要性にかんがみ、懲戒処分による業務停止の最長期間を現行の一年から二年に改めるとともに、司法書士会の自主性の強化を図る見地から、司法書士会は、法令に違反するおそれがある所属の会員に対して、注意勧告をすることができることとし、また日本司法書士会連合会は、司法書士の業務または制度につき、法務大臣に対する建議等をすることができることとしております。  第六に、司法書士法に定める罰金及び過料の多額は、これを定めて以来長年月を経過しておりますので、相当額に引き上げることとしております。  以上が司法書士法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  5. 中尾辰義

    ○委員長(中尾辰義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後二時二十五分散会      ―――――・―――――