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1978-04-20 第84回国会 参議院 地方行政委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和五十三年四月二十日(木曜日)    午前十時三十一分開会     ―――――――――――――    委員の異動  四月十九日    辞任          補欠選任     神谷信之助君      小巻 敏雄君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。    委員長          金井 元彦君    理 事                 夏目 忠雄君                 望月 邦夫君                 志苫  裕君    委 員                 衛藤征士郎君                 熊谷  弘君                 鈴木 正一君                 鍋島 直紹君                 成相 善十君                 小山 一平君                 佐藤 三吾君                 野口 忠夫君                 阿部 憲一君                 上林繁次郎君                 小巻 敏雄君                 向井 長年君                 前島英三郎君    国務大臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    加藤 武徳君    政府委員        警察庁長官    浅沼清太郎君        警察庁長官官房        長        山田 英雄君        警察庁長官官房        会計課長     大高 時男君        警察庁刑事局保        安部長      森永正比古君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君    説明員        警察庁刑事局参        事官       谷口 守正君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律  案(内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十九日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 いままでの間に委員の皆さんからいろいろ御質疑もあったと思うんですが、今回提案されました本法改正案は、昭和三十三年の四月一日に施行をされてから、三十七年、三十八年、四十年、四十一年、四十三年、四十六年と、まことに改正がたびたびこの問題を通じて行われているわけですが、国民の所持する権利、これを警察で取り締まるということなんですから、これは容易なことではないと思うわけでありまするので、当然その改正は最低限の限界のところでの規制と、こういう小出しの規制を行ってきている中で、こういうたび重なる改正が行われてきたのではなかろうか。民主警察の名のもとで国民の所持を規制するというんですから大変な法案であるわけでありますが、ただ、こうした民主警察の態度で規制の最低限から積み上げて何回も何回もやっているというたび重なる改正の中では、やがては積もり積もって大きな国民に対する規制ということにつながっていくんではなかろうかという心配がされるわけでありますが、ほかの委員の先生からも御質問あったと思うんですが、昨年は、改造モデル拳銃によって暴力団組織が非常に拳銃使用がふえてきたと。このモデル拳銃の改造を防止するために、これを製造する者に対しての規制をしなければならぬという、法的な制度化をしなきゃならぬということであったわけですが、この法案では、私自身が御質問など申し上げて、あくまでも国民の権利というようなものを尊重して、総理府令等を制定する場合は、十分話し合いを持ちながらやってほしいという附帯決議などもつけて、実はこれをやったわけでございますけれども、この法律の改正の結果どういう効果があったか、改正後における効果、それをお聞きしたいと思うんですが。
  5. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) お答えいたします。  ただいま野口先生から御指摘になりましたように、銃刀法の改正はかなりの回数に及んでおるわけでございますが、その改正に当たりましては、もちろん私どもといたしましては憲法で保障するところの基本的人権、個人の所持の権利ということにつきましては十分考慮しながら、この規制に当たっては、その必要最小限度ということで考えてやってきておるわけでございます。しかしながら、その改正に当たりましては、そのときどきの銃砲等を使用したところの犯罪あるいは事故等の実態に合わせまして、これらを防止するためにぜひとも必要だということで改正をしてきておるわけでございます。  前回の改正は、これも先生御指摘いただきましたように、一昨年から昨年にかけまして暴力団の対立抗争事件が非常に多くなった。その中でも特に銃砲等の使用が多かったということで、暴力団対策の一環といたしましてモデルガンの規制、それから銃砲の密輸入、不法所持等についての罰則を強化するということでお願いをしてまいったわけでございますが、その効果につきましては、私どもといたしましては、一応の効果があったというふうに考えておるわけでございます。これはもちろんモデルガンにつきましては、昨年の十二月から施行ということでまだ日も今日まで四カ月ぐらいしかたっていないわけでございますが、昨年一年間の銃砲等の押収量、これは法が改正になると、特に拳銃についての規制が厳しくなるということで、それだけでかなり減少をいたしております。特にモデルガンにつきましては、昨年一年間で八百十九丁の押収をしておりますが、これは前年に対比いたしまして一九・三九%減少ということになっております。それからことしに入りましてから押収いたしておりますのは百五十九丁でございまして、昨年の同期と比べまして三十六丁減少をいたしております。そのことしになって押収いたしましたモデルガンも、これは改正前につくられたモデルガンでございます。改正後のものは一件もないというような状況でございます。一応の成果があったというふうに考えておりますが、問題はむしろこれからでございます。ひとつせっかく改正していただきました法律を有効に使いまして、モデルガンの取り締まり、あるいは銃砲の取り締まりに大きな効果を上げていきたい。そして現在特に問題になっております暴力団の壊滅作戦にも大きく活用してまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
  6. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 十二月施行ですから、その効果と言われても困るだろうと思いますけれども、当時、業界の中には自主規制というようなこともありまして、こういう法制定で押しつけることよりは、その方がいいじゃないかというようなことの話もあったわけですけれども、結果的には減少しつつあるということですから、大変結構なことだと思うんですが、ただ皆さん方の御発表になっている警察白書などを見ますと、どうも日本における犯罪というものはまさに年ごとに増加をしながら、しかもその質の悪化というようなことも非常に訴え続けているわけでありますが、こういう犯罪性が質の悪化を伴いながら増大していくというような中では、結果としては警察の仕事の増大が要求されますし、取り締まる者の責任と力というようなことの増強を求める結果となってくるのではないかと思うんでありますが、長官にお尋ねしたいんですけれども、取り締まることが目的ではないはずでありまして、要は悪をなくすことが目的であって、取り締まることはその手段であろうと思うんですけれども、あなたの方で発表になった白書の中では、こういう法改正を何遍か続けながらだんだんだんだん規制強化というような方向に向いている中で、一向犯罪もなくならないどころか、ますます悪質化していくと、何かこう取り締まることだけが先行していくことであって、目的である犯罪を根絶するというような方向には、白書自身はいっていないということを示しているわけであります。何となく次々とあらわれてくる問題に対して、後追い的に犯罪現象を追っかけていくような法改正の継続が毎回行われている。規制を強化する、規制をくぐり抜けてまた犯罪を犯す、また規制を強化する、こういう繰り返しの経過に終わっていくような、そして本来的な悪というものは漸次増大の傾向をたどっていると白書が言っているわけでありますけれども、規制強化ということと、犯罪のシーソーゲーム的なあり方というものの警察行政、こういうことについて長官としてはどうお考えになっておられますか、お伺いしたいと思います。
  7. 浅沼清太郎

    ○政府委員(浅沼清太郎君) わが国の犯罪傾向は、これは大観いたしますると、この十年間全く横ばいでございます。ただ心配なのは、この二、三年ごくわずかですが上向いておるということにつきましては私ども警戒すべき徴候かとも思っております。ただ、ただいま御指摘のように、犯罪の内容を見ますると、きわめて悪質な事件がふえてきております。いま話題になっておりまするような拳銃等を使った事件。たとえば拳銃を使う事件などは、十年前から見ますとわが国では拳銃を使った殺人、強盗などというものは十倍になっております。しかし全体のわずか三%ぐらいにすぎません。アメリカなどは拳銃、銃器を使った犯罪が恐らく七、八割、殺人、強盗ではですね。ですから、絶対数はきわめて少ないとは言うものの、やはり犯罪傾向としましては悪質化がふえている。それからまあ自動車を利用しましたり、あるいはまた保険金の犯罪、これは昔はほとんど考えられなかったような、自分の肉親に高額の保険金を掛けて殺すというような事件。ですから、この犯罪が悪質化している要因、これは社会のいろいろな問題がここにひずみとして出てきていると思いまするけれども、私どもとしては、やはりこれは治安を保つ意味におきまして、捜査が非常にむずかしくなってはきておりまするけれども、全力を挙げて治安を維持してまいりたい。ただいま申し上げましたように、結果的には、総体的には犯罪というものはもう横ばいで、大体年間百二十万件ぐらいのところで落ちついております。諸外国は経済の成長以上の犯罪の急成長であります。たとえばアメリカにおける強盗などは、日本の強盗の百倍というようなことでありまして、各国ともその対策に悩んでおりまするけれども、わが国は幸い国民性が非常に平和であり、法を守るということに支えられまして犯罪が一応落ちついておるということは言えると思います。ただ、しかし少年犯罪などを見ますると、この数年非常にやはりまたふえてきている。大人の犯罪は非常に落ちついておりまするけれども少年犯罪が非常にふえている。これらにつきましては、やはり少年犯罪を助長するようないろいろな問題、環境というものがあると思います。私どもはそういう環境や問題をひとつ除去いたしまして、警察の力だけではできませんけれども、極力対策を考えていきたい。私も犯罪なき状態、犯罪が起こらない状態というものが理想でありまするので、そういうところを目標に努力をしていきたいと、このように思っております。
  8. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 横ばい的状態で質が悪化しつつあるのが今日の日本の実情であると。いまお尋ねしたことは、やっぱり何か法改正ということが余り安易に行われ過ぎる傾向があるんじゃなかろうか。積み上げられる結果は、民主警察の、国民の権利、自由の保護というような方向が薄れていくわけでございますから、やっぱり国民の敵となるような方向での法改正というようなものはなるべくなら行わないで、そうした法の中で守られる秩序をつくる方向でやはり考えるような慎重さが欲しいんではないかというように思うんです。どんどんどんどん進んでいきますと、しまいにはもう何にもない方がいいというくらいまで規制してしまった方がいいという結果になるおそれがあるわけでありまして、このことは非常にやっぱり注意されるべきことではないかと思うんですが、いままでの委員の皆さんからも大分御質問あったと思いますから簡単に触れたいと思うんですけれども、この改正案を提案するに当たっての資料の提示ですね、資料の提示。これおしまいの方に表1、表2、表3、表4とあるんですけれども、この資料の内容を拝見いたしますと、まあ具体的に申し上げればいいんですけれども、どうも空気銃と猟銃とを一緒にしたような統計の資料ですね。まあ御指摘があったと思うんですけれども、表3の「銃砲による事故の年次別発生状況」という中で、今度の改正案は、このことが、非常に事故が多いので、これを利用する者があるので、これを規制していきたいということでございますとすれば、やはり資料全般にわたって、どうもこの資料の提示の仕方は、この法律案を提案する資料としてはまことに不十分ではなかろうか。これで通ると思っているのかどうかと私お聞きしたいんですがね。それは委員会の質疑でお答えしますというような意味ならば資料つけない方がいいですよ。これは、あなた方のこの法案を提案する原因としての資料だと、われわれそう見ますから。どうも警察関係の皆さん方、資料という問題については、いろいろむずかしい問題があろうと思いますけれども、われわれの立場から言えば、もう少しやっぱり細やかに、全貌を明らかにする中で、やはりわれわれの審議を進めていただきたいと、こう思うわけですけれども、どうもとの資料ということについて非常に簡単に考えられて法改正に臨まれている。法さえ改正すれば何でも事は済んだみたいな言い方はまことに危険ではなかろうか。そこに残るものは、警察権力が強化されたということだけが残るのであって、ですからやっぱり、われわれも法改正については慎重に扱いたいと思うんですが、どうも資料について私ははなはだ遺憾なものを感ずるのですけれども、今後のこともありますのでこのことについての所感、ひとつ答えていただきたいと思います。
  9. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 法改正を提案いたします際の資料が不十分だということでございますが、この点についてはまあ今後十分に注意をしてまいりたいと考えております。
  10. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 この資料のどこが不十分だかおわかりですね、いままでの御質問もあったと思うのですけれども。本改正案提案の趣旨に沿った資料として、なるほどなあと、これならば改正する必要があるというような納得のいくものになっているかどうかという点で申し上げているわけですから、これからの資料の提示の場合はひとつそういう点を考慮を願いたいというふうに思います。皆さんから御質問あったと思うので具体的には申し上げないでいきたいと思います。  改正案の中身について少し御質問申し上げたいんですが、まあ先ほども警察白書を申し上げましたが、五十二年の警察白書を私も拝見いたしましたが、本改正案の柱に、覚せい剤中毒者に対する銃砲刀剣類の所持の許可を禁止する、これは大きな柱であろうと思うわけでありますが、提案理由を見ますと、覚せい剤取り締まりで非常に覚せい剤の事犯、犯罪が多くなって、覚せい剤中毒者は非常に精神不安定で危険な状態であるので、これに対する所持の許可を禁止したい、こういうようなことで言われているわけでありますが、覚せい剤についてはこれは取締法が厳としてありまして、この覚せい剤を使用することのできる者は、薬事業者とか、あるいは病院等が指定されて購入ができることになっており、それを治療に用いる場合も医者自身が治療に当たってその際に使うことができて、これを第三者にやらせることはできないみたいな、まことに細やかな問題これある規制が覚せい剤取締法でやられているわけです。なお、何人もこれを輸入したり輸出することも禁止されているわけであります。こういう人たちの使うものとして国内で生産されている。それを外国にやってもいけない、入れてもいけない、こういう法律が、このことについては守られているわけでありますが、皆さん方のこの改正案を提案したものとして、非常に韓国、台湾、香港からの密輸入が多い。国内の密売組織がこれが非常に多くなってきている。これだけの厳しい法があるんですけれども、密輸入で大量に入る。国内の密売が許されている。私としては所持の取り締まりをするよりは、そういう取り締まられるような人ができてしまった原因、因子ですね、それはこの密売組織、密輸入組織の中に真の悪の根源があるんだろうと思うんですね。その人たちの行為によってたまたま中毒者ができた。その中毒者の所持だけを禁止する。その以前の問題は一体どうか、前提となる日本の国の中にこれだけの規制があるにもかかわらず入ってきている。どうもその辺が、所持の禁止ということは現実的にいまあるわけですから、禁止せざるを得ないのではございましょうけれども、悪の根源はその前にあるわけですから、その問題についてやっぱりやらなくちゃいかぬと思うんですけれども、これだけの厳しい覚せい剤取締法があっても、日本の国内には一体覚せい剤というものは皆さん方どのくらいおありになると思っているんですか。従来までの押収実績などもあるようですから、その数字をひとつ明らかにしていただけませんか。
  11. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 今回の改正案の中に覚せい剤中毒者を欠格条項の一つに挙げておるわけでございますが、これはただいま先生御指摘になりましたように、覚せい剤事犯がこのところ大変増加をいたしておりまして、特に四十五年以降、急激に増加をいたしておりまして、昨年一年間で二万三千七百六十五件、一万四千四百七人を検挙いたしております。これは八年前と比較しますと約二十倍以上になっておるというような状況でございます。  この覚せい剤がどこから流れてきているかということでございますが、これについても、ただいま御指摘になりましたように、ほとんど密輸入でございます。主として韓国、台湾、香港、タイ等の東南アジアがその主な仕出し地になっておるわけでございます。昨年、密輸入で検挙いたしましたものは、これはグループでとっておるわけですが、昨年は一年間で三十九のグループを検挙いたしております。これは一昨年二十九グループでございましたので、約十グループふえておるということでございます。その際の押収量は、昨年は六十五キロでございました。これは一昨年の約二倍になっておるわけでございます。ただいま日本にどの程度の覚せい剤が流れてきておるかというふうな御指摘でございますが、この実態については私どもは十分に把握をしておりません。国際的に大体通念として言われておりますのは、押収量は大体全体の二%から三%であろうということを言われておりますが、私どもの推定しておりますのは水際作戦で比較的よく押さえている方でございまして、それでもやはり五%程度のものではないかというふうに考えておりまして、国内にはかなりの覚せい剤が取引をされておる、流れておる、こういうふうに見ておるわけでございます。  これの対策でございますけれども、これについても、先ほど先生御指摘になりましたように、所持者よりはむしろ密輸をするグループ、それから密売をするグループ、特に密売の組織のほとんどがこれは暴力団でございますが、そういうものを徹底して取り締まりをしていくということが必要だというふうに考えておるわけでございます。私どもは密輸のルートを断つ。特に密造所になっておりますところの東南アジア等の諸外国の密造所、これを外国の警察機関等と連携をとりましてつぶしていく、こういうところに力を注いでおるわけでございます。  それでまた、覚せい剤事犯の大体五六%が検挙された結果でございますが、検挙したもあのうちで五六%が暴力団でございます。で、やはり覚せい剤をわが国からなくするためには、何といってもこの暴力団をつぶさなければいかぬということで、これは刑事部門と一体となりまして、この暴力団対策を進めておるところでございます。私どもといたしましても、不法所持につきましても悪質な不法所持、いわゆる暴力団等が販売のために持ち歩くとか、あるいは大量に持っておるというようなものに重点を置いておるわけでございまして、ただ単に一時的に興味本位で使用しようとしておる者、これにはそう目くじらを立てて取り締まるというような考え方はとっていないわけでございます。しかしながら、何といっても覚せい剤をわが国からなくするためには、密輸、密売の組織をつぶすということだけじゃなくて、やはりそれだけの需要があるわけですから、これだけのものが流れてくるわけです。したがいまして、一般の国民の方々にも安易に覚せい剤を使わないように大いにPRをする、場合によっては一罰百戒ということで取り締まりをやるというような考え方で進めてまいっておる次第でございます。
  12. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 これは大した数ですね。白書で言うと、大体一回の注射量が〇・〇三グラム、去年が三十一・七キログラムで、一日一回ずつ〇・〇三グラムずつ注射すると百五万三千回分。一日一回ずつ使用して約三万五千人の一ヵ月の使用分だというのが昨年の三十一・七キログラムだから。それが倍の六十五になったと。それが五%にすぎないというのだから。こういう大量のものが――覚せい剤取締法というのが現に存在しているのですよ。そして、相当厳しくこれ規制しているわけてすね。にもかかわらず――ちょっとこれ五%と言われても、ぼくもどのくらいだが――それを需要の方にばかりやる。需要ばかりじゃないだろうけれども、需要の問題ということではちょっとね、なかなか人間というのはむずかしいものでございますから、問題はやっぱり暴力団の資金源にこれがなっているという。だから、覚せい剤常用者の、中毒者の所持の禁止という以前に、何かそういう資金繰りのために本来的な悪が国民の中にその膨大なものをいま流し込んでいるのだというこの問題を、これをおろそかにしては、この改正案の趣旨は生かされないだろう。われわれがここで一生懸命討議して何日もかけて、それで結果的に改正したものの効果が暴力団の資金源一本でひとつやられていると、これが日本の現状だと。これは成田の問題と違うのですよ。結果論的に成田の問題をおっしゃいますけれども、そこでは話し合いをするべき相対的立場を持った動機的な問題が残るね、成田の場合は。この問題に関しては、これは全然そういう取り締まるという立場から見て情状酌量すべき点は一つもないわけだ。それとこれと同じような次元で物事が進んでいくのでは、これは非常に民主警察のあり方としてはぼくは問題だというふうな感じがするのです。これは長官御出席になったのかどうか知りませんけれども、ぼくは大変なことだ。こういうのが本当の警察でないかというような感じしたんですが、きのうテレビで放送になったんですが、韓国、香港の代表の方々ですか、きのうあたり何かお話し合いをなすったようなことを聞いたんですけれども、これは長官はお出ましにならなかったんですか。――それで、あなた出られたのですか。きのうのその会合に出たのですか。
  13. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 担当課長が出席いたしております。
  14. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 出たのですね。その状況お聞きできますね。これは私、通告しておかなかったものですから――。きのう見てね、あれだったものですから。
  15. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) けさの新聞に載っておりました香港、韓国の関係機関との連絡会議でございますけれども、これは厚生省が主催をしてやっております。出席いたしましたのは、韓国から二名、それから香港から二名、それからわが国からは、厚生省の薬務局長以下関係係官、それから警察、法務省、税関等の関係機関の担当課長でございます。  で、これは予定としてはたしか三日間の予定だったと思いますが、昨日の会議の内容は、韓国それから香港の覚せい剤事犯の現状、それから取り締まり、いわゆる対策の内容等についての紹介がありました。日本からもこれと同じように大体現状と対策についての説明をいたしたわけでございます。  で、きょう会議をまた開いておりますけれども、具体的な内容について打ち合わせをする、こういう予定になっております。
  16. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 私は、そういう土台のすそ野のところに手を入れていかれる姿について非常によい姿勢だというふうな感じできのう承ったんです。やっぱり根絶すべき悪の根源はここにあるんだということですね。  今度、総会屋の問題について金融業者にこれ申し入れをなすったそうでございますね、新聞等で拝見いたしましたが。暴力団の資金繰りというものの中に、覚せい剤の密輸入や密売といったこととか密造といったようなことがある。日本の金融業界、日本の大企業、こういうところにも総会屋という名前で暴力団が資金の源をあさっている。何か膨大なる覚せい剤の散布をする、そして国民に影響を与える暴力団、日本の企業、金融界に対して相当の力を持ってこれに入り込んでいる暴力団、この暴力団の資金繰りといったようなことについて前々から指摘されてきたことについて、今回そうしたことをひとつ自粛せいという申し入れを行ったそうでございますが、この警察庁の申し入れに対して金融業者はどのような反応を一体お示しになっているか、お聞きしたいと思います。これは長官が申し入れられたんですか。
  17. 浅沼清太郎

    ○政府委員(浅沼清太郎君) おっしゃるように、暴力団といいますのは、犯罪者の集団でありまして、これは社会の敵である。これを根絶するということはしかし非常にむずかしい問題でございますが、やはり根絶するために必要なのは資金を断つことであるという観点から、彼らは犯罪的な面からの資金、たとえば覚せい剤もそうでありますが、あるいはばくちとか、あるいは最近はいろいろな風俗営業とか金融業なんかも看板として掲げている。そういうのはある程度合法的な看板。ですから、非合法の面からも収入を得ておりますし、合法的を装って、その合法的を装っている中で一番やはり問題は総会屋でございまして、総会屋はこのところ非常に激増しております。激増している部分の大部分は多かれ少なかれ暴力団の息がかかっている。総会というものが、やはり昔は多少経験で一人で、知恵でやると。いまは集団の力の対決になりまして、必ず背後に暴力団がいるというような形になっておりまして、私は総会屋というものは、いまの御指摘のとおりに、日本の経済秩序に対して非常な重大な悪影響を持ってきているというふうに理解しておりまして、したがって私も、銀行協会の幹部に申し入れたこともあります。先般報道されましたのは、警視庁が警視庁の管轄下の銀行に申し入れた。その反応でありますが、やはり賛助金とか、あるいは雑誌代とか、あるいは会費とかいうことで出しているわけです。たとえば検挙された総会屋がおります、警視庁に、昨年末ですか。あるいは大阪にもおります。そういう警察に検挙された総会屋には今後一切賛助金を出さないという申し合わせをしたところもあります。また、最近の不況でもありますので、一律二割カットということで申し合わせる、これはやはりもう足並みそろえませんとやられちゃいますので。ということで、率直に申し上げてこれは根深い問題でございまして、一挙になくすということはなかなかむずかしいですけれども、若干事態が改善の方向に向かいつつあると、私どもはこれはぜひ必要な問題で力を注いでいきたいと思っているわけであります。
  18. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 この本改正案の中での所持の禁止をされる覚せい剤中毒者の国民的な状態を見れば、この人たちは悪ではないんではなかろうかと。農村、漁村、お母さん方、子供たちにまで入り込んでいるこの覚せい剤というようなものを、やはり根源としてはそういう暴力団と日本の有力な企業との癒着、そういう悪の許されていること、確かに暴力団の根絶ということは困難かもしれませんけれども、大いにこれはがんばってやっていただかなくちゃならぬことではなかろうかと思うわけでありますが、時間もありませんので以上お聞きだけしておくことにいたします。  小さなことをお尋ねいたしますが、銃砲、空気銃を合法的に所持を許可された者がその保管義務、譲渡制限違反のために罰金以上の刑に処せられた者で、三年を経過していないものには所持の許可をしないことができると、こうあるんですね、これ。覚せい剤中毒者には所持の許可はしない。しないことができるという提案理由の説明の中にあるわけですけれども、これは何でできる、これはだめではないんですかね。
  19. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) いままではこの失効銃につきましては、直ちに、権利を失うということになりますから、直ちに不法所持という状態になっておったわけでございます。失効になりますと、取り消しができないという状態になります。取り消しにできませんと、現行法ではすぐまた許可申請をいたしますと許可をしなけりゃいけないというようなことになるわけでございます。したがいましてこれは大変不都合であるということで、今回の改正で「許可をしないことができる。」というふうに改正をしたいということでございます。これにつきましても、「許可をしないことができる。」というふうに表現いたしましたのは、反対に考えれば許可を与える場合もあり得るということでございます。それはたとえばこれは銃砲刀剣一緒になっておりますので、刀剣について、銃ではなくて刀剣について失効したというような場合に、銃の方も許可をしないというのは、これは酷になりますし、また失効した事由等もいろいろの場合がございまして、情状を考えましてやはり許可しても差しつかえないというようなものがあり得るわけでございますので、そういう余地を残したわけでございます。
  20. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 私はこれは合法的に所持している者に効くのじゃないかというような感じがするのですがね、これから新しくくる者がいろいろやっていくわけですね。持っている者、全国何丁とあるんでしょうから、それがほかの義務や譲渡制限の違反を犯して罰金刑に処せられたる者が、その次に今度は、許可しないこともできると片方はあるのですね。許可する場合もある。どうも逆じゃないのかと思うのですがね、これは。新しくくる者はこれからやるのだから何とかできますよ。もうすでに銃持っているんですよ。それがそういう保管の義務も譲渡制限の義務も犯して罰金刑まで処せられた者が、またこれを許すということはどうもおかしいように思うのですがね、まあそれは結構です、時間ないのでもう。おかしいということだけひとつ、何だかどうも理解に苦しむのですがね。お答えになりますか。
  21. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) これは御説明はただいま申し上げたと同じようなことになると思うんですが、一方では取り消しというものでございます。これは銃刀法等に違反をした場合に取り消しができます。これも取り消しができることになっておるわけでございます。この失効についてはこれは取り消しができません。現行法では取り消しができないことになっております。ただいま先生御指摘になりましたように、保管義務違反だとか不正に譲渡した場合、こういう悪いことをしておってこれが失効になってしまう。失効になりますと今度は取り消しができない。取り消しができないとこれは……
  22. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 それはわかっている。何でしないことを入れるのであるかと。
  23. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 直ちにまた許可申請が出ますと、これは許可しなきゃいかぬということになって、取り消しの場合と均衡を失するわけでございますので、これはいわゆる「許可をしないことができる。」というふうに厳しくしたわけでございます。これは緩和したわけじゃございません。しかしながら、これも許可をしないということではなくて、やはり銃砲と刀剣と両方ありますから、刀剣をたとえば保管義務違反で取られてしまった、盗難に遭ったというようなものが、今度は銃について許可申請をしたときに、これは許可をしないということになると非常に酷なことになりますので、そういう情状のある者については一応許可をするという余地を残しておるというようなことでございます。全体としては厳しくしているわけでございます。
  24. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 いや、その厳しくしたのはわかるんですよ。厳しくしたのはわかるんだけれども、その厳しくした中で、片方はできるので、片方はしないと、そういうことでしょう。できるのだから許可することもあり得るわけですよね。そういうことを申し上げた。時間ありませんので、以上でじゃ終わります。  それからまた、細かいことですけれどもね、細かくもないのだけれども、非常に猟銃の取り扱い技術等について、知識等について不知している点があるために事故やいろんなものが起こっている。基本的な知識技能を与えるために技能検定を受ける、それから指定教習射撃場で射撃の教習を受けて教習課程終了の免許証をもらった者はいいと。その中で教習射撃指導員というのがやっぱりいろいろそういう方々に御指導なさるわけですけれども、これはどういう身分の人なんですか、教習射撃指導員というのは。
  25. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 今度の法の改正で銃砲等の許可を得ようとする者は、公安委員会の行いますところの射撃等の検定に合格するか、あるいは教習射撃を受けなきゃいけないというふうに義務づけておるわけでございます。今度新しく教習射撃場というのを指定することになるわけですが、そこで直接銃砲の許可を得ようとする者、新規の許可を得ようとする者に指導する立場の人でございます。この内容は、銃の取り抜いだとか、あるいは実際の銃の撃ち方とか、そういうものについて……
  26. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 どういう身分の人かと……
  27. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 教えることになるわけでございます。この身分につきましては、一定の基準を総理府令で定めることにいたしております。この資格条件は、まず射撃指導員として指定を受けた者でなければいけないということでございます。で、射撃指導員の中から教習射撃場の管理者が選任をする。で、選任をしたらこれを公安委員会に届け出る、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、まず教習射撃指導員になるためには射撃推導員の資格がないといかぬ、これも総理府令で規定をいたしております。この大体資格要件を申し上げますと、二十五歳以上の者であること、現にその者が行おうとする射撃教習の種類にかかわる種類の猟銃について所持の許可を受けている者。本法または猟銃用火薬類に関する火薬類取締法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたことのない者。それから猟銃の操作及び射撃について相当な知識、技能及び指導力を有する者。射撃指導員の指定を解除されたことのない者。こういうことを一応考えております。こういうことで、一応射撃指導員として一応指定を受けますと、その中から教習射撃場の管理者が選ぶことになるわけですが、この選ぶ基準は、現在のところ考えておりますのは二つございます。一つは、教習射撃指導員を解任されたことのない者。それから射撃指導員としての経験が二年以上ある者。こういうふうに考えておるわけでございます。しかしまだこれは現在最終的な詰めをいたしておりまして、決定ではございませんが、大体こういう考え方でおります。
  28. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 これをお聞きしたのは、本法案とは関係ございませんが、いま非常に交通の事故が多くて、従来まで百万以上のあれがあったのが六十万まで減ったと、さらにそれを警察庁交通課では三十万に減らそうということで努力をしていると、私はこれはだめだと思うんですね、もう。警察的な取り締まり体制だけではとうていやっぱりそれは不可能ではなかろうか、私も運転免許証持っている者でございまして、教習所に行って免許証受けるのに行ったんですけれども、あそこに集まってくる青年諸君というのは、教育を受けるという機会をみずからが能動的に持っていますね。何とか免許証を早く取りたいということの中で真剣なまなざしで教習所に集まってきておりますね、ああいう機会にやっぱり教育的な考え方というものを持つことが非常に大事ではなかろうかというふうに思うわけでありますが、ここにいる指導員の方ですね。この身分、給与、私は民間の中でのやりくりでございますから、非常に不安定な待遇、不安定な身分の中で腰かけ的に転々と歩いている。ある優秀な方に私聞いたんですけれども、私が運転をしておったところが、自動車がキュキュキューツと、私間違ったもんだから音がした。それを何と言ったかというと、その教習所の指導員の方は、いま自動車が泣いたでしょうと、自動車は泣くんですよということを言われたわけですね。こんな指導をやっぱりあの機会にあの場所で与えるという人間の内部的な問題に触れた、そういう運転免許証の教習所というようなもののあり方を変えていかない限り、ふわふわとした御質疑でこう行ったり来たりするようなことでは、これはだめじゃなかろうかと、三十万に減らすものは、そういう人間の自主的な内部的なものに触れていくような、そういうやっぱり指導、教育。そのためにはそこにいる指導員の皆さん方には相当のやっぱり待遇と、その身分の確保がなければならないのではないかと思うんですが、その意味で銃砲等の猟銃の指導員という方も、これも警察官の取り締まりの末端機構ではなくて、いわば善良な自発的な、そして民主社会に成長していこうとするような意味での教育的な、そういうやっぱり立場で、この方々の身分や待遇というようなものも安定したものをつくってあげなければならぬじゃないだろうか。いわば民間における指導、これは教師が指導するよりはもっと自由であって、もっとパブリックなんですね、本当は。そういう点のところの重要性がないんですね。お金を出せばいい、お金を取ればいい、びっちびっちと指導を、自分の不満の中の感情をその人たちに投げつけていくから、出た者は運転免許証の場合なんか、免許証取っちゃったら、くそ、いままでいじめられたと、今度かたきとってくれるからといって、ひやあっと百五十キロくらいで飛ばすことになるんだね。その不満のやるせなさ、そこに何か触れるものがないから。あるいは福田総理の言う、人間のエゴを捨てて他人の幸せを願えとか、隣人愛を求めよとか、愛の復活をなどと福田さんが強調している、その強調される場面というのは、免許証欲しがって一生懸命集まってくる青年の前に、よき指導者が立つということではなかろうかというふうな感じがするわけだ。長官、これ総元締めでしょうから、そういう意味でやっぱりこの辺のところの見直しが必要ではないかという考え方を持って指導員の問題にちょっと触れたんです。いまお聞きしますと、余りこの方の身分その他について安定したものとは言えないのではなかろうか。何となく取り締まるだけで、警察はそういう点での教育の機会というふうなものを逃してはいかぬのではなかろうか。そういうことを考えて、いま御質問申し上げたわけですが、それについては結構でございます。よく頭にとめておいていただきたい。  これから成田のことを言うつもりでございましたが、大変ゆっくりでございまして、成田の問題はいろいろあるんですが、まあわが志苫理事から大分詳しい御質問があって、若干まだわからないところがあるのですけれども、時間ありませんので、私は長官に、私自身の見解を言うのですけれども、長官からもお聞きしたいんですが、やっぱり今度の成田の問題というのは、私から言えば戦後三十年の日本の民主化の進展の中の歴史的課題に対して非常な危機感を持って見るべきではなかろうか。その危機感というものを私はやっぱり二面的に見ざるを得ないのですね。一つは、こういう体制的秩序を、これを改めるためには破壊の行動以外にはないと決めつけて、そこで暴力的に破壊へ向かっていこうとする暴力的な危機が一つあろうと思います。反面、そういうことが生まれてきたのは、民主主義そのものの中に過ちがある。よって、もっと警察力を強化し、軍事力を強化して、もっと国民のそういう民主主義的な悪に対して徹底的な規制というものを加えていくべきものではなかろうかとする戦後三十年の歩みに、これまた挑戦する一つの反動的な復古的な危機というものを私は感ぜざるを得ないわけであります。一方においては暴力の危機、一方においては民主主義の危機、それが今日の警察当局が持たれている極左暴力集団に対する一つの構え方の根底に私はなければならぬのではなかろうかというふうに思うわけであります。要すれば、憲法に保障されている平和で民主的な、国民が本当にこれで幸せだったと思われるような民主社会建設の方向に向かって、この二つの問題は両方とも私はその歴史的過程に対しては危機をもたらす要因ではなかろうかと思うわけでありまして、この乗り切りの仕方というのは非常に私は重要ではなかろうかと。しかも、成田における問題というのと、先ほどの暴力団の資金源の中から生まれてくる悪というものとについての、二つの面というものはおのずから層が違ってあるわけでありましょう。一方は、国の行政に対する国民の不満というものが土台になって、その上に乗った極左暴力集団の行動があり、動機は結構であって結果が悪いというやり方、暴力団の方は、動機もだめ、結果もだめという二つのあり方があるわけですよ。私はこれが本当に今度の開港日まで何にもなければいいが、これを警察力の力によって果たして根絶できるのかどうか。まことに私は民主警察の限界というものも何か考えざるを得ないわけであります。銃をどうしようとか、常時警備を何ぼにしようかとか、エスカレートしていくかなたというものが、取り締まる側から一体何の発言がいまなされているんだろうか。警察官も人の子であり、親もあれば妻もいるだろうと思うんです。しかし、もうすでに三千何名かの死傷者があると聞く。命令一下、この日本の危機的状態の中に警察官は飛び込んでいかざるを得ないと。こういう状態の警察の民主的な限界というものの前に立った今後の警察行政のあり方というのは、非常に大事ではなかろうかと思うんです。長官は、当然これは上からの御命令に従って、厚生省の前に水俣病患者が座っているから排除してくれと言われれば、国民がどう思おうとも排除せざるを得ない立場にあろうとは思うけれども、日本の警察機構というのは公安委員会という行政委員会制度になっておって、しかも、各県における自治体公安委員会というようなものとタイアップする立場において、私はこの辺で民主警察を守るための限界の上に立った取り締まる側からの発言というものもあってしかるべきではなかろうかというような感じがするわけであります。ただ、いたずらに結果的な問題の前に対処することだけに終始している限りは、日本のこの優秀な警察装備は国家建設的な権力の末端機構に押し流されていくのではなかろうかと思うんです。ここで救いの道というのは、部下が死ぬような立場に立たせられているところにいる警察というものの立場に立って、今日的状態に対する発言というものがあってしかるべきではなかろうか。それは公安警察である限りにおいて、私は公安委員会の責任であろうと思うんですけれども、どうもこの公安委員会はその存在が全く不明瞭ですね。一体何のために公安委員会があるんだろうか。今日的危機の状態を私は深刻に受けとめるがために、今日の警察行政のあり方について、私は十分な見直しをすべきときに来ているのではなかろうかというような感じがしてならないわけでございますが、一方的な要望に終わってしまいましたが、長官何かお話いただければお聞きしたいとも思うんですが、時間、ちょっと済みませんが。
  29. 浅沼清太郎

    ○政府委員(浅沼清太郎君) 現在のわが国の治安全般を考えまするときに、やはり私は治安のガンというか、大きく言って三つあると思うんです。  一つは暴力団、これはまあ犯罪者の集団であります。  もう一つは極左でございまして、これはいろんなことを言っておりますけれども、もう民主国家を破壊することしか考えていない。目的は彼らの言う革命でありまして、いまの成田の闘争のごときは単なる口実でやっておると私は理解しております。しかも、最近はもう警察攻撃に当たっては、警察官をただ殺すという目的の凶器を持って向かってくる。その目的あるいはその態様におきまして、非常に狂暴なる革命集団である。  もう一つは、私はやはり今後の問題としては極右の問題があると思います。これがやはり私は将来日本の治安あるいは民主主義国家としての根底に触れる治安の重要な問題であると判断をいたしております。警察は、わが国の治安を将来にわたって保っていくという立場で、やはりこれらのところには十分な配慮をしながら、しかし同時に、やはり警察は国民の自由と権利を守るという立場で、最小限度の実力を行使しながら努力をしてまいりたい。しかしまた、それぞれの問題にはそれぞれの条件というか、遠因というかいろいろあるわけでありまして、もちろん警察だけの力ではこれはなかなかむずかしい。それらの点につきましては、私はやはり国民が問題を正しく理解し認識し、そうして警察のやっていることに理解をしていただいて、われわれを支援していただく、支持していただく、協力をしていただく、そういうことがなければ警察の仕事は全くできないわけであります。そういう意味で、今後とも先ほども申しましたが、国民の遵法精神というか、非常にそういう平和な状態に支えられて、警察は治安を、さっき申し上げたように一応維持しておるということに思います。やはり今後もまたその成果を上げている原因の一つは、やはり警察が一応国民の大多数の人の理解、支持を得ているために効果的に機能しているというふうにも私は思うのであります。  それから、公安委員会は御承知のように、民主的な運営、警察が独善的官僚的な運営に陥らないように、国民の良識で指導していくということと、いわゆる政治的な中立を保つというための制度でありまして、私は戦後の数十年のこの新しい制度の機能している状態を判断いたしまして、結論的に言えば定着したというか、非常に治安の維持につきましては、りっぱに機能し働いてきている制度であるというふうに私は理解をいたしております。
  30. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 日本共産党を代表して質問をいたします。  わが党としては昨年の本法改正案が提出されたときにも、基本的には銃器にかかわる問題であるにしても、人権としてのスポーツ、趣味にわたってはこれは尊重されなければならず、基本的には所持制限を強化する等は、非常に慎重に行われる必要があるという立場で御質問を申し上げたのでありますが、また同時に、銃器というのが本来的に人間に対する殺傷力を持っておるものであり、使用法いかんによっては国民の生命財産に対する脅威となるような場合があり得るという事実もまた認識の上に立ってお伺いをするわけであります。  この提案の中でも、事故及び犯罪の最近の実情にかんがみて本法案を提出すると、こうあるわけですので、改めて猟銃、空気銃等による事故発生、この事故と許可を受けて所持をしておる者との関係等について概況を伺いまして、そして質問に入りたいと思います。
  31. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 今回銃刀法の改正をお願いいたしておりますのは、ただいま先生御指摘になりましたように、第一の理由としては、銃砲等を利用したところの事故、事件を防止するということにあるわけでございます。
  32. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 事故の方についてお伺いしておるのですけれども。
  33. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 銃砲による事故は五十二年中に二百三十四件発生をいたしております。このうち二百二十九件が猟銃または空気銃による事故になっておるわけでございます。  この内容を若干申し上げますと、発生の場所は、ほぼ毎年同じでございますが、大体七〇%ぐらいが猟場での事故でございます。  それから、所持許可の状況につきましては、これも毎年大体同じでございますが、大体八割以上が所持許可を受けている本人によるものでございます。  それからまた、事故の原因を見ますと、これも大体毎年同じでございますが、六割以上が安全不確認または取り扱いの不注意ということにあるわけでございます。
  34. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 事件について。
  35. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 銃砲等を使用した犯罪につきましては、昨年一年間で三百五十二件になっております。その内容を見ますと、拳銃が二百七件ということで全体の五八・八%を占めておりますが、猟銃等によりますものは百三十一件、これは全体の三七・二%を占めております。この猟銃使用犯罪の状況でございますけれども、暴力団による犯罪、これが非常に目立っておるということでございます。
  36. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 多数の人が現在までに許可を得て猟銃その他を所持しておるわけですが、この中で二百二十九件というふうに報告が上がっているような事故がある。もちろん事故というものは一件もなくなるところまで絶滅されるのが理想でありますけれども、所持者との比率等で見ますと千分の一とか三とかいう範囲内のものですから、おおむねの所持者による銃砲の使用は適正に行われておるのではないかというふうに私は考えるわけですが、この中で愛好者たちの水準、技術、努力というものはかなりのものではなかろうかと思うのですが、その辺についてはどう見ておられますか。
  37. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) これは確かに、先生御指摘になりましたように、事故の数を見ますと、猟銃等を所持している者のほんの一握りということでございます。また、事故の趨勢を見ましても、必ずしも最近急激に大きく増加しているという状況ではないわけでございまして、むしろ横ばいから減少ぎみというふうなことでございます。  しかしながら、この事故の内容でちょっと先ほど詳細申し上げませんでしたけれども、内容を見ますと、これは、銃を所持した経験の長い短いは別といたしまして、基本的な取り扱いを忘れたための事故とか、あるいは初歩的な事故というものが目立っておるわけでございます。したがいまして、今回の法改正の中で、銃砲等の所持許可を得ようとする場合には、射撃等の検定とか、あるいは教習射撃を受けさせる、そこで猟銃等の取り扱いの基本的なものを身につけさせよう、こういうことを考えておるわけでございます。  それから、愛好者の水準ということでございますけれども、これは一口で表現することは非常にむずかしいわけでございますが、全体的にはレベルというのはそう低いと考えてはおらないわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、事故の内容を見ますと、初歩的なミスをするとか、基本を忘れた事故を起こす者がかなり目立っておるわけでございまして、内容的に見ますとそういうものがふえておるということも言えると思います。と申しますのは、最近の事故の特徴の中で矢先不確認のための事故で他人を傷つけるという事故が多くなっているわけでございます。こういうことから考えましても、一部ではありますけれども、そういうレベルの低い者という者がかなりいることも考えられるわけでございます。  それからまた、特に私どもが心配しておりますのは、これまでは軍隊の経験等があって銃砲などの取り扱いには比較的なれておる人たちがかなり多かったわけですが、年々その比率が少なくなっておりまして、今後は、許可を得て初めて銃を手にするという人たちがほとんど大部分を占めるというふうなことになるのではないか、そういうことであればなおさら、銃の取り扱いについての基本的な心構えなり、あるいは操作について十分基本を教え込む必要があるのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
  38. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 ハンティングなりスポーツとして常日ごろ銃器を手にしておる人たちから言えば、自分に対して制限が強化をされてくるわけですから、愉快に思っていないことは事実なんです。ですから、これの運用なり細目がどのように実施されていくのかということが重要な問題になってくると思うわけですが、今回の案で、所持の許可について更新時に必要な事項は総理府令にゆだねるとあるわけですけれども、これは一体どういうことをやろうとされておるのか。特にこれが、常識的な、自分が許可をとってから何年かたつ間に法改正があったというような、知識を確認し与えていくというような問題とか、技術上の講習程度のもので終わるのか。あるいは、ペーパーテストをもう一遍やられるというようなことになるのじゃないかと。自分の方は銃器については間違いはないけれどもペーパーテストなどは不愉快だという、かなりそういう危惧の声も聞いておるわけですが、その辺の内容を明らかにしてもらいたいと思います。
  39. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 現行法では許可の更新は五年ごとということにいたしておりますが、今回の改正で三年ごとに改めようということでお願いをしているわけでございますが、したがって、更新前の講習いわゆる再講習というのは三年ごとに受けていただくということになるわけでございます。その内容につきましては、猟銃を長く持っている方でも、やはり時がたつに従ってその取り扱いについての基本を忘れがちになりますし、また先ほどお話ございましたように、法令等につきましても改正になる場合がございます。また、銃砲の取り扱いにつきましてもやはり再度関心――そのときときに関心を高めるということが必要であろうというふうに思っているわけでございます。したがいまして、この講習の内容につきましては、現段階で考えておりますのは、猟銃等の事件、事故の最近の実態を前提にいたしまして注意を喚起する、それでまた法令等につきましては、これやはり法令について十分当然に知っておかなきゃいけないということについてはさらに念を押して講習をやる、その上に法が改正になった部分については、つけ加えて講習をやるというような考え方でおるわけでございます。講習の時間等につきましては、もう一回新規の所有を受ける際に講習を受けておる方でございますので、所要時間については、更新の時間については、少な目に短い時間内でやりたいというふうに考えております。  また、考査、テスト等につきましても、これは一回すでに新規の際に受けておられるわけでございますので、再講習の際には実施しないという考えでございます。
  40. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 その点がはっきりすれば一定の安心感も出てくるかと思うんですが、自動車の免許証でも改めてペーパーテストでやられたらおれは受かるかどうかわからぬぜというので、かなりありますから、自動車だって十分結果的には殺傷の道具たり得るものですから、銃砲だからというて特段に過酷な制限が加わらないようにということを希望しておきます。その点では、ペーパーテストというのは点数で合否を決めるというようなことはやらないということですね。それ確認しておきます。検定及び教習の合格基準というのがあるわけですが、これはどういう内容になるものでしょう。具体的にややお尋ねをしますと、当然これは安全本位で行われるべきだと思うわけですが、射撃の的中率といったようなこういうもので、点数などで検査をされるというようなことを行われることはあるのかないのか、これの具体的な内容をお伺いしたい。
  41. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 技能検定の内容でございますけれども、操作とそれから射撃に関して分けておるわけでございますが、操作に関しましては、銃の基本的な保持、それから銃の点検及び分解、結合、それからきょ銃、装てん及び脱包を検査をする、脱包の方法とか練度、そういうものを検定するということでございます。射撃に関しましては、散弾銃は大体現在のところ考えておりますのは二十五発程度、それからライフル銃については大体二十発程度を発射させてみる、そしてその一定の的中率を見て合否を決めるというふうに考えておるわけでございますが、現在のところ、的中率何点以上とか、そういうことには余りこだわらないようにいたしたいというふうに考えております。
  42. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 このスポーツ愛好というのは、必ずしもプロの選手養成の過程ではないわけですから、安全が確認をされておれば、まさか自分を向けて撃ったり、わきを向けて撃つわけじゃないわけですから、これは必ずしも趣旨に関して点数主義というものは必要ないものじゃないかと思うんですが、どういう趣旨でこの射撃の結果の点数をやられるわけですか。
  43. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) この趣旨は、受験者が、いわゆる鉄砲の所有をしようという方が、射撃の操作、まあ射撃に関する基本的な技能を一応身につけておけばいいというのが検定の基本的な考え方でございますので、したがいましてただいま先生御指摘になりましたように選手を養成するわけではございませんから、的中率が八十点以上でなければいかぬと、そういうことで判定をするようには考えておりません。一応基本的なものを身につけておけばそれで検定を合格させる、こういう考えでございます。
  44. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 こういう制度というのは、幾らもここのところを厳しくすれば禁止的な基準にもなり得るものですから、その点はまず安全という点に趣旨があるということを明確にしておいていただきたいと思うわけですが、それでいいわけですか。
  45. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) ただいま御指摘ございましたように、安全を主体にした考え方でございます。
  46. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 教習射撃場というのは、指定射撃場のうち総理府令で定める基準に適合するものとなっておるわけですが、どういう基準を考えておられるわけですか。
  47. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 教習射撃場は、指定射撃場と違いまして、教習射撃を行うことを義務づけることになりますので、指定射撃場の要件の上にさらに要件をつけ加えておるわけでございます。その内容は総理府令で定めることにいたしておりますが、その基準は、猟銃に係る指定射撃場のうち、管理者及び管理方法が総理府令で定める基準に適合しており、かつ総理府令で定める基準に適合する射撃指導員が置かれておるということを法律の要件としておるわけでございます。その内容は、管理者の基準といたしましては、これを説明いたしますと、ちょっと長くなりますけれども、二十五歳以上の者であること、管理しようとする教習射撃場で使用する銃砲または火薬類に関する相当な知識を有していること、銃砲の所持の欠格事由に該当しないこと、射撃に関する経験を有し、かつ射撃に伴う危険の防止のために必要な知識を有している者であること、その者が指定射撃場または教習射撃場の管理者として在任中に発生した事由により、当該指定射撃場または教習射撃場がその指定を解除されたことのないもの、銃刀法または猟銃用火薬類に関する火薬類取締法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたことのない者、これを管理者の基準にしているわけでございます。次に、この管理の方法についても必要要件になっておるわけですが、管理の方法の基準としては、射撃教習を受ける者が仮許可を受けた者であることを確認した場合でなければ射撃教習を受けさせてはならないこと。それから教習射撃指導員以外の者に射撃指導を行わせないこと。射撃教習を行っている斜面では一般の標的射撃を行わせないこと。教習射撃の業務が公正に行われるように指導、監督すること。射撃教習修了証明書の交付に関する記録を三年間保存すること。なお、指定の方法は、都道府県公安委員会が指定射撃場の設置、または管理者の申請を受理し、以上に述べました基準に適合していることを確認した場合に指定をすると、こういうことになっております。
  48. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 現在指定射撃場の経営形態というのはどういうふうになっておるのか。ぼくが考えるところでも国立あり、地方公共団体のものもあり、学校法人あり、あるいは私企業ありというふうにさまざまではないかと思うわけですが、特に私企業のうちに銃砲店と射撃場と同じ経営者によるものというようなものもあるようですが、これが教習場に指定された場合公正を失うようなおそれは出ないのかというような点もまあ懸念をする向きもあるわけです。その点をお伺いするわけです。  それからもう一つ、教習指導員の総理府令基準というものによっても、だれが認定をするのかという点がもう一つはっきりしないように思うわけです。特に教習所の設置者が選任をし、または解任するということなんですけれども、こうなってくると、その教習所の従業員の中からだけしか指導員というものは現実には出てこなくなってしまうのではなかろうか、こういうような点についても愛好者の中にも懸念があるわけですね。こういうような点についてはどうなるのかということをお伺いしておきます。
  49. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 現在公安委員会で指定しております射撃場は全国で六百十七ヵ所ございます。そのうちクレー射撃が三百三十一、ライフルが六十一、拳銃が二十一、空気銃が二百四、こういうことになっております。その中で銃砲店等がどの程度やっているかという御質問でございますけれども、この点ちょっと私資料を持ってきておりませんで、大体大まかに申し上げますと、全体の大体九〇%ぐらいが民間でございまして、あとの一割ぐらいがまあ地方公共団体等でやっていると。この民間の中で銃砲店の割合でございますが、これはまあ全体から見れば割合としてはそう高くないというふうに承知をしておるわけでございます。  で、こういう状態でさらに教習射撃場として指定された場合、指定射撃場にはいろいろ権限も義務もありませんけれども、まあ特定の権限はございませんけれども、今度は教習射撃場になりますと、教習の修了証明書を交付するというふうな権限等も与えられることになります。したがって、管理の公正ということは十分留意しなければいけないわけでございますが、で、この中でこの指定の基準については厳しい基準を設けておりますので、またこの法の枠内で公正を害するようなものを指定しないように十分配意しながら指定をやっていく。それで、また指定をされた後についても、まあ行政指導等をひとつ厳格にやって、そういうことのないようにいたしたいというふうに考えております。  それで、次に教習指導員、まあこれは認定の仕方が非常にあいまいじゃないかということでございますが、確かに教習指導員につきましては、射撃指導員の中からその教習射撃場の管理者が適任者であるとして認めて、その結果を公安委員会に届け出ればいいということになっておるわけでございます。しかしながら、その前提になりますこの射撃指導員、これは非常に厳しい基準がございまして、これは公安委員会が指定することになっております。したがいまして、公安委員会が厳格にこの条件を審査いたしまして、指定しました射撃指導員の中から管理者が選ぶということになりますので、まあ、あながち教習射撃場に勤めている者だけにそれが限定されるとかいうことはないのではないかというふうに考えておりますが、また、教習射撃場に勤務している者がなるということについても、これが即弊害があるということは言えないわけでございますが、そういうことによって弊害が生ずるということであれば、その点も十分今後の行政指導の面で考えていきたいというふうに考えております。
  50. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 まあその答弁はいただいておきます。  次に、この教習射撃場というところは、いまから許可をもらおうとする者あるいは更新をする人が利用する以外に、当然射撃場として利用されることになるんじゃなかろうかと思うわけですが、基本的な性格はその射撃場というところで併設されて許可、認可に関する問題も取り扱う、いわばそういうものであるのか。それとも、一つの自動車学校なんていうのもありますけれども、ああいうふうな学校的性格を持つものとして教習射撃場を設定されるのか。その性格の態様はどうなるわけですか。
  51. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) これは、教習射撃場は、確かに御指摘のように、教習射撃場として使うと同時に、指定射撃場として一般の人もこれを利用されるわけでございます。それで、この教習射撃場の性格でございますけれども、これは許認可事務をそこでやらせるというふうな機関としては考えておりません。どちらかといえば、交通関係で申し上げますと、まあ指定自動車教習所のようなものに近いものということになろうかと思います。
  52. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 許可の有効期限が五年から三年に短縮されるわけですけれども、なぜこれは五年であってはならぬのか。これは愛好家の中ではかなり問題になっておるところでありますが、改めてひとつ理由を伺っておきたいと思います。
  53. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) まあ許可証の有効期間を五年から三年にいたしましたのは、その間に銃砲等の所持の欠格事由が生じたものも出ますし、また眠り銃等もかなりあるわけでございます。許可の更新をやりますのは、そういうものを発見をするということが大きな目的になっておりまして、現在でも大体年間に二万四千丁ほどの眠り銃の発見をいたしておるわけでございます。それと若干具体的な問題になりますけれども、この欠格事由に該当するものにつきましても、これが許可が三年であればもっと早く発見できたんではないかというふうな事例もかなりあるわけでございます。したがいまして、そういう銃砲等の欠格事由に該当するもの、あるいは眠り銃というものをもっと早く発見をしたいということで三年に短縮したということでございます。また、今回は、特にいわゆる再講習という制度も設けておりますので、三年間ぐらいたてば一応銃の操作等についての基本や、あるいは法令等についても、やはり講習をする必要があるんじゃないかということを考えたわけでございます。
  54. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 今回の改正では、事故と並んで犯罪防止のためということが挙げられておるわけですが、猟銃、空気銃の犯罪供用件数、これを所持許可の有無と暴力団関係と一般人と、こういうふうに分けて数字を出していただきたいと思います。
  55. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 銃砲が犯罪に使われたのは、昨年一年間で三百五十二件でございましたが、その内容を見ますと、拳銃が二百七件、全体の五八・八%、それから猟銃等が百三十一件で全体の三七・二%ということになっておるわけでございます。そのうちに暴力団が使用したものが三百五十二件のうち二百六十七件、これ全体の七五・九%を占めておるわけでございます。
  56. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 免許のある一般人が犯罪件数に供用したというのは、その数字からすれば二〇%程度ということになるわけですか。暴力団が八〇%を占めておるということですけれども、残った一般人の中でも免許のある者とない者があると思うんですが、そういう数字はどういうふうに出てきますか。
  57. 森永正比古

    ○政府委員(森永正比古君) 確かにただいま御指摘になりましたように約二〇%程度のものは暴力団以外の一般の人による犯罪ということになるわけですが、その中で正規に持っているものがどれくらいいるかという数字は、ちょっといま資料手元にないんですけれども、全体で見ますと――ただいまの数字は銃砲全体を含んでおりまして、全体で三百五十二件で、暴力団がそのうち二百六十七件と申しますのは、これは銃砲全体を含んでおります。したがって拳銃等も入っておりますので、これを猟銃等だけ、拳銃は許可の対象になりませんので、猟銃等だけについて申し上げますと、これは昨年が百三十一件でございます。そのうちに許可を受けているものは四十一件でございます。全体の三一・三%ということでございます。その中で暴力団がどれくらい入っているか、ちょっといま手元に資料がございませんので……、お答えいたします。
  58. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 猟銃、空気銃による犯罪件数のうちでも、許可を受けてないものが一定数おると、許可を受けたものの中にも当然暴力団の使用もあるでしょうから、これはこの法の取り締まり対象に該当して、法がこの問題を規制を強めることによって犯罪を減らすという点では、非常に制限された効果にとどまるということが当然出てくるわけであります。犯罪防止のために法案を提出するというわけですけれども、拳銃などは当然もともとこの法律案の前から所持してはならぬものでありますしね、総じて全部愛好者もこの規制は受けるわけですけれども、実際のところこれよりも前に暴力団の取り締まりは、さきの質問者についてもるるあったわけですけれども、ここのところがかなめ、勘どころになると思うわけです。この点で、特に暴力団のあり方についても、さきの質問者の中でも明らかにされておりますが、今日の暴力団取り締まりというようなところで、かえって地域に散在しておった小暴力団が独占化、寡占化と申しますか、広域暴力団の中に吸収をされて、一層悪質になり、またやくざ同士の応酬であったものが、一般住民に対して危害を加えたり、接触の面を広げてくるという点が非常に広がっておるようであります。この点についての今後の取り締まり対策についてお伺いをしたいわけです。広域暴力団対策について、特に現在どういう方策でもって対処されようとしておるのか。
  59. 谷口守正

    ○説明員(谷口守正君) 先生御指摘のとおりでございまして、最近の暴力団の現状を見ますと、広域暴力団の勢力が依然として根強いということが言えると思います。具体的な数字を申し上げますと、現在暴力団の勢力というものが二千五百団体、約十一万人ということになっております。暴力団の勢力がピークでございました昭和三十八年でございますけれども、この時点では五千二百団体、構成員が十八万四千人に比べまして、ほぼ半減しているということは一応言えるわけでございます。しかしながら、数府県にわたって活動を行っている大規模広域暴力団でございますけれども、これの団体数の、全団体数中に占める割合というのが増加しつつあるわけでございまして、今後ともこの傾向は続くものではないかと、こう思うわけでございます。  これに対しまして、警察といたしまして強力な取り締まりを展開しておるわけでございますけれども、取り締まりの重点を申し上げますと大体三つに分けられると思います。まず第一点は、首領、幹部を含む構成員の大量検挙と、それから第二点は、各種の資金源獲得を封圧するということでございます。賭博行為だとか、売春だとか、あるいは覚せい剤とか、あるいは総会屋問題とかいろいろ資金源があるわけでございますけれども、こういった資金源を完全に封圧するということが第二点でございます。第三点が、拳銃など暴力団の所持する武器を徹底的に押収するということでございます。  こういった三つの取り締まりの重点を掲げまして全国警察の文字どおり組織を挙げまして、関係機関とも緊密な連携をとりながら、また国民の方方の御理解、御協力を得ながら強力な取り締まりを展開しておるところでございます。
  60. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 私もこの法案審議に関連をして、暴力団に関する新聞記事を読み返してみておるわけですけれども、この中で特に、これは二月の話になるわけですが、二月二十一日の毎日新聞の夕刊などを見ますと、広域暴力団の取り締まりとして行われた山口組系取り締まり、これは兵庫県の生田警察ですか、これの場合で、警察の取り締まりがあらかじめ相手側の組の方に、手入れが筒抜けになっておって、この組の、踏み込んでみたら行事表の中にちゃんと当日の手入れの情報が記述をされ、記載をされておるというふうな例が報道されておるわけです。特にその新聞記事の中では、これは警察官の談話が出ておりまして、近畿管区警察局保安部の堀刑事課長の談話としては、一斉手入れの前に肉薄捜査をやっておるわけだから相手側に漏れる可能性は、これは当然あるんだというようなことが書かれておるわけであります。まあ常にこれは取り締まりに内在する問題であって今後もあり得ると、こういうようなことも談話として出ておる。一斉手入れは今後の捜査データの入手と、大量に武器の押収、検挙をやることに意義があるんだから、漏れたって、まあ極言すれば支障はないというような談話も出ておるわけなんですけれども、これは市民、国民の目から見れば驚いた言い分だと思うわけであります。こういうような点については、いわばなれ合いではないかというような強い不満も出たというような点がありますが、その点についてはひとつ長官の意見を聞いておきたいと思いますが。
  61. 谷口守正

    ○説明員(谷口守正君) 先生御指摘の問題でございますけれども、確かに二月二十一日に近畿管区内の各府県警察が暴力団犯罪の一斉取り締まりを実施したわけでございますけれども、その際に神戸市内の山口組系のある暴力団の事務所の黒板に、二十日と二十一日の両日にわたる部分に全国一斉暴力団狩りというような記載があったわけでございます。で、その後当暴力団関係被疑者を検挙いたしまして、いろいろと捜査したわけでございますけれども、その結果によりましても、本件案件につきまして警察側から一斉取り締まりに関する情報が漏れたというような事実は一切ございません。ただ、まあこのような大規模な一斉取り締まりの場合、まあ捜査員のちょっとした動き、動向、そういったことから近く何かあるんじゃないかというようなことを暴力団の構成員に察知されることがあるかもしれません。ただ申し上げたいのは、当然のことながら捜査というものは秘密裏に遂行されなきやならないわけで、特にこういった暴力団犯罪の一斉取り締まりに当たって取り締まりの時期が漏れるというようなことがあってはならないわけで、その点従来から捜査員一人一人に至るまで十分注意するように指導してきたつもりでございますけれども、今後とも、こういったケースもございましたので、十分注意いたしまして取り締まりに当たってまいりたいと、こう思う次第でございます。まあ、そういうようなことでございまして、本件案件を通じまして警察と暴力団と何らか癒着があるんじゃないかというようなことは毛頭ございません。その点つけ加えさせていただきます。
  62. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 いまの説明であれば、警察から漏れたものでなくて、いわば相手側が捜査員の挙動から察知をしたのではなかろうかというような説明になるわけですが、この事件については全国一斉暴力団狩りというふうに、ずばり指導方針そのものが記載をされておったのであって、それはいわば推理で書いたものというようなことにはとうていならないと思うわけです。まあ、この点についてはむしろ当時の談話の中では、沢田という兵庫県警刑事部の参事官の話ではいまの答弁と同様な談話が出ておるのですけれども、まあ先ほど挙げました刑事課長の談話では、相手側に漏れる可能性はあり、それは常に内在をしておる問題だというふうに新聞でも談話を発表しておるわけです。この点については、処置についても考え方についてももう少し納得のいく説明をしてもらわぬと、国民として承知できないというふうに思うんですが、どうでしょうね。
  63. 谷口守正

    ○説明員(谷口守正君) ちょっと事実関係で申し上げますけれども、この暴力団の事務所の黒板に記載されておりましたのは、全国一斉取り締まりでございますけれども、この二月二十一日に実施いたしましたのは近畿管区内の各府県警のものでありましたそれから日にちの点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、黒板には二十日及び二十一日の両日にわたる部分に記載されておったわけでございますけれども、実施したのは二十一日でございます。それはともかくといたしまして、先ほども申し上げましたように、当然のことながらこういった暴力団の一斉取り締まりにつきまして、取り締まりの時期が相手方に察知されるということがあってはならないわけでありまして、その点今後とも十分指導してまいりたいと、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
  64. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 やっぱり部内の厳重な点検も含めて、こういう事件、国民として信用に関する事件ですから、十分な納得のいく点検と後の発表をしていただくことが必要だと思うんです。こういう問題については。  これはつい先日になりますが、四月四日の岐阜県の事件というのも、これも新聞等で報道されておるわけですけれども、警官自身が暴力団に情報を流した、こういうことで免職後に逮捕されておるわけですけれども、これも一つの漏洩事件、あるいは暴力団と現職警官との関係の発生をした事件に当たるわけです。これについてひとつ御報告を聞きたいと思います。
  65. 谷口守正

    ○説明員(谷口守正君) このたび岐阜県警におきまして、覚せい剤事犯の取り締まりに関しまして捜査員二名が、暴力団員からそれぞれ現金五万円と十万円の供与を受けているという事案が発生いたしました。この事案につきましては、両名を四月三日に逮捕いたしまして、現在取り調べ中でございます。いずれにいたしましても、このケースを通じまして警察と暴力団との間に癒着があるのではないかというような疑惑を招くなど、警察の信用を著しく失墜さしたものでございまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
  66. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 この事件の場合には、四月三日逮捕する前にすでに免職にしておったわけではないですか。免職にした事由はどういうことだったわけですか。
  67. 谷口守正

    ○説明員(谷口守正君) 御指摘のとおり、二人の警察官は、一人は三月二十日、もう一人は三月二十五日諭旨免職をしております。一人の、奥村博淑、当時の巡査部長でございますけれども、岐阜南署の交通の事故主任でありまして、もう一人は平田悳穂巡査長でございますけれども、御嵩署の上之郷駐在所勤務ということでございます。すでに暴力団の取り締まりによりまして逮捕されておりました稲川会系の浅尾組の組長浅尾清幸でございますけれども、その他関係被疑者の取り調べの結果、この二人の警察官が不正事犯をしているんではないかというような情報を得たわけでございますけれども、二人の警察官につきましていろいろ事情聴取した結果、その時点では確たる違反事実というものがわからなかったわけでございます。そういうようなことでございましたけれども、二人ともそういう疑いをかけられたという以上は責任をとって身を退きたいというようなことで諭旨免職になったということを聞いております。
  68. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 早くからうわさが出ておったとかというようなこともありますし、二人以外にも暴力団員があれこれと名前を口走るというようなうわさもあるわけですが、当然警察の懲戒規程では、こういう最もあるまじき振る舞いに対しては懲戒免職が相当であろうと思うわけですけれども、こういう状況の進行中に諭旨で片づけて、そしていわば公にならぬ範囲で始末をしようとされておるような態度というふうに国民の目には映るわけでありますから、これらの問題については厳正に問題を処置をされ、特にこういう取り締まり方面について、一方でかなりのスポーツの愛好者もあえて制限を受けなければならぬというような状況下で、一面においては取り締まりの方に粗漏があり、疑惑があるというようなことがあっては、今後の執行についても問題があろうかと思うんです。まあ最後になりますので、この警察の今後の暴力団取り締まりの問題、いやしくも癒着云云と言われるようなことがないような点についての大臣の所見をお伺いをして終わりたいと思います。
  69. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 警察といたしましては、かような事犯が絶対にないように、かようなことで終始努力をいたしておるのでございますけれども、希有の事件といたしましてかような事犯が生じましたことはまことに残念なことでございます。今後かようなことが絶対ないように警察へもよく指示をいたしたいと、かように考えます。
  70. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  72. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 金井元彦

    ○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会