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1978-06-14 第84回国会 参議院 本会議 25号 公式Web版

  1. 昭和五十三年六月十四日(水曜日)    午後二時三分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第二十五号   昭和五十三年六月十四日    午前十時開議  第一公職選挙法の一部を改正する法律案(衆   議院提出)  第三 国家公務員法及び地方公務員法の一部を   改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  第二 職員団体等に対する法人格の付与に関す   る法律案(内閣提出、衆議院送付)  第四 国有林野事業改善特別措置法案(内閣提   出、衆議院送付)  第五 日本国と大韓民国との間の両国に隣接す   る大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実   施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発   に関する特別措置法案(第八十回国会内閣提   出、第八十四回国会衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、議長不信任決議案(上田耕一郎君外一名発   議)(委員会審査省略要求事件)  以下 議事日程のとおり      ―――――・―――――
  2. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより会議を開きます。  上田耕一郎君外一名から、委員会審査省略要求書を付して、議長不信任決議案が提出されました。お諮りいたします。  議長不信任決議案は、発議者要求のとおり、委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。(発言する者多し)よって、本案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。上田耕一郎君。(発言する者多し)    〔上田耕一郎君登壇、拍手〕
  4. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 私は、日本共産党及び第三院クラブを代表し、ただいま議題となりました議長不信任決議案の提案理由を説明いたします。  最初に、不信任決議案の主文を朗読します。  本院は、議長安井謙を信任しない。   右決議する。  以上であります。  次に、不信任理由の趣旨を申し上げます。  不信任の理由の第一は、議長安井謙君のあっせんが、八日、自民党、民社党によって商工委員会で行われた質疑打ち切りの暴挙を事実上追認し、日韓大陸だな関連法案の会期内成立を内容とするもので、断じて受け入れることができないからであります。  あっせん内容は、「商工委員会は、同法案について更に質疑を精力的に行い、審議を尽すこと。」、「同法案は、速かに本会議に上程すること。」となっています。しかし、補足説明によれば、その意味は、驚くべきことに、「商工委員会は、十三日中に議了」、「十四日に本会議で議了」というものでありて、「審議を尽す」という日本語を冒涜するものにほかなりません。会期内に審議の尽きない法案は廃案か継続にすることは議会運営の原則であり、これを踏みにじった安井君の今回のあっせんは、不法な強行採決を追認し、自民党、民社党の暴挙に手をかしたものと言わざるを得ません。  この点できわめて重大なことは、今回もまた、強行採決・国会空転・議長あっせんという悪法成立の旧来のパターンが再現されたことであり、しかも、それが予定の筋書きであったという疑惑さえ報道されていることであります。  このような事態は、翼賛国会と批判された昨年暮れの五党合意を形を変えて再現したものにほかなりません。こうした不明朗、不公正な経過から見て、国権の最高機関たる国会の運営に責任を持つ議長のとるべき公正な態度は、当然、毅然として商工委員会に差し戻すことでした。それにもかかわらず、逆に議会制民主主義のじゅうりんに加担する役割りを果たした安井君の行為は、参議院の民主的改革の課題にみずから背き、大きな汚点を残したものであります。  不信任の第二の理由は、同法案が日本の国益にかかわるものであり、なお解明すべき幾多の重大問題が次々と浮き彫りにされ、徹底審議して問題点をくまなく解明することこそが、主権者である国民に対する国会の責務であったにもかかわらず、議長みずからがこの責務を放棄したことであります。  同法案は、わが国の主権的権利を半世紀にもわたって放棄する屈辱的な内容を持つものであるにもかかわらず、日本政府は、韓国の主張する自然延長論が優勢であり、日本はますます不利になると主張して、国会と国民を欺瞞してきました。国連国際海洋法会議では、海洋法草案に明らかなように、基線二百海里を沿岸国の大陸だなとして無条件に認め、二国間の大陸だなの境界は等距離中間線で画定することは国際的大勢であります。  ところが、この共同開発は、わが国が当然単独で開発できる南九州沖の大陸だなに、韓国の開発権ばかりか、韓国の法律の適用まで許し、メジャーの主導を認めるなど、わが国の主権と国益を著しく損なう法案であることは言うまでもありません。  しかも、質疑の中で、この法案自体の問題点とともに、協定成立の経過に絡む岸信介、矢次一夫両氏などの暗躍や、腐敗した日韓関係の疑惑、竹島の軍事占領、北部大陸だなの境界画定での竹島が無視されている問題六月下旬の批准書交換を要求する韓国政府の単独開発の脅迫などの新たな主権侵害の問題、メジャーとの関係、海洋法会議の動向との関係など、なお解明すべき多くの重大問題が残されております。その一つ一つが、世論が慎重徹底した国会審議を望んでいる問題ではありませんか。  この関連法案の成立は日韓大陸だな協定の批准書交換を可能とするものであり、日韓共同開発によって将来起き得るすべての問題は、審議中途で多くの問題を残したまま強行成立させた国会が負うことになるのであり、その責任は重大であります。安井君のとった態度は、この重大な責務を放棄し、本法案を会期内に成立させて韓国政府の要求どおり日韓大陸だな協定の批准を強行しようとする政府・自民党の日韓癒着的、党略的意図に協力、加担したものであると言って過言ではありません。  不信任の第三の理由は、安井君が小会派を無視し、議会の民主的運営を踏みにじった点であります。  議会運営の正常化に当たって、議会制民主主義を尊重するのならば、全会派の意見を公正、機敏に徴するのは余りにも当然のことであります。しかるに、安井君は、今回のあっせん提示に当たり、第二院クラブに対しては、作成段階で意見を徴することなどを行わなかったのであります。少数意見が尊重されてこそ初めて議会の民主的運営が保障されることは言うまでもありませんが、安井君は、これに反し、小会派無視の態度を、行為をとりました。これは、参議院改革を推進すべき立場にある議長がごれに逆行する行為をみずから行ったものとして厳しく糾弾されなければなりません。  衆議院とともに国権の最高機関を構成する参議院が特に国民から期待されるものは、同じ議案を二回審議することを通して、国民の要求や意思をより正確に、より積極的に国会審議に反映できるところにあります。そのためには、議案に対して議員が慎重に十分に審議する機会が与えられるよう、公平、民主的な議会運営がなされることが欠くことのできない前提であります。参議院議長は、だれよりも最も誠実に議案の十分な民主的審議を保障しなければならない立場にあります。しかるに、公正であるべき安井君は、結局、政府・与党に偏した立場に立って国民の期待を踏みにじり、韓国朴政権の期待にもこたえたのであります。  安井君のとった以上の行為は、参議院の民主的改革の課題に逆行し、議長としての職責に反したものであり、もはや安井君が参議院議長の任に適さないものであることは明白であります。  ここに、国民の信任にこたえる決意と勇気をもって、本決議案に賛成していただくよう強く要請して、議長不信任決議案提案の趣旨説明を終わります。(拍手)
  5. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  6. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 少数と認めます。よって、本案は否決されました。(拍手)      ―――――・―――――
  7. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長秦野章君。     ―――――――――――――    〔秦野章君登壇、拍手〕
  8. 秦野章

    ○秦野章君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長の提出に係る法律案でありまして、選挙の実情にかんがみ、選挙運動に従事する者のうち、    〔副議長退席、議長着席、拍手〕 もっぱら選挙運動用の自動車または船舶の上における選挙運動のために使用する者についても一定額の報酬を支給することができるよう改めようとするものであります。  委員会におきましては、報酬を支給することができることとなる者の範囲、在宅投票制度の拡充等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)
  9. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  10. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――
  11. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 日程第二 国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案  日程第三 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長塚田十一郎君。    〔塚田十一郎君登壇、拍手〕
  12. 塚田十一郎

    ○塚田十一郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  これら二法律案は、いずれも、公務員制度審議会の答申の趣旨に基づき成案を得たものであります。  まず、国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案は、公務員の労使関係を改善するため、管理職員等の範囲を定める規定を整備するとともに、職員団体の登録の取り消しについて、取り消し訴訟の出訴のできる期間中またはその訴訟が裁判所に係属している間はその効力を生じないこととしようとするものであります。  次に、職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案は、職員団体等の法人格を登録制度とは切り離して付与する制度を創設しようとするものであります。すなわち、国家公務員、地方公務員を中心とする職員団体等が財産を所有し、維持運営するなど、その目的を達成するための業務運営を行う場合に、現行法におきましては法人格が付与されない国家公務員または地方公務員が主体となって組織する非登録職員団体等に法人格を付与するほか、法人格の取得手続等について所要の規定が設けられております。  委員会におきましては、以上二法律案を便宜一括して審査し、二法律案とILO条約等との関係、管理職員等の規定の整備と今後の運用方針、法人格付与による利害得失、消防職員に対する団結権の取り扱い等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、二法律案に対しまして、日本社会党を代表して野田委員、日本共産党を代表して山中委員より、それぞれ反対する旨の発言がありました。  次いで、順次採決の結果、二法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  13. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  14. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両案は可決されました。      ―――――・―――――
  15. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 日程第四 国有林野事業改善特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長鈴木省吾君。    〔鈴木省吾君登壇、拍手〕
  16. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 ただいま議題となりました法律案について、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  本法律案は、国有林野事業の現状並びに同事業が国民生活及び国民経済において果たす役割りの重要性にかんがみ、昭和七十二年までに国有林野事業収支の回復等、同事業経営の健全性を確立するため、昭和五十三年度を初年度とする十年間の改善計画を定め、これに要する資金の一部を一般会計から国有林野事業特別会計へ繰り入れる等の措置を定めようとするものであります。  委員会におきましては、国有林野事業の性格、改善計画の内容、同事業の会計制度、事業実行形態と管理機構、将来の事業規模と人員構成、外材輸入と木材価格、国有林野事業の労働生産性、赤字の原因等の諸問題について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、日本共産党の下田委員から反対の討論があり、採決の結果、本法律案は、自由民主党・自由国民会議、公明党、民社党の賛成、日本社会党、日本共産党の反対により、賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  続いて、本法律案に対し、各会派共同提案に係る、国有林野事業の組織機構の再編整備に当たっては同事業の機能低下や地元関係者に対するサービスの低下を招かないよう配慮することなど六項目の附帯決議案が提案され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  17. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  18. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ―――――・―――――
  19. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 日程第五 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案(第八十回国会内閣提出、第八十四回国会衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長楠正俊君。     ―――――――――――――    〔楠正俊君登壇、拍手〕
  20. 楠正俊

    ○楠正俊君 ただいま議題となりました日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴い、共同開発区域において日本国と大韓民国の開発権者による石油及び可燃性天然ガスの共同開発事業が円滑に行われるよう鉱業法の特例を設けようとするものであって、その主な内容は次のとおりであります。  第一は、大韓民国の開発権者と共同して、石油及び可燃性天然ガスを探査、採掘及び取得する権利を特定鉱業権とし、この権利は、通産大臣が経理的基礎及び技術的能力などを勘案して設定の許可をすることにしていることであります。  第二は、特定鉱業権の設定の許可を受けた者は、石油及び可燃性天然ガス資源の分配並びに費用の分担に関する事項、漁業との調整に関する事項などを内容とする共同開発事業契約を大韓民国の開発権者との間で締結し、通産大臣の認可を受けることとしていることであります。  第三は、一定の期間内の鉱区の放棄義務及び探査のための坑井の掘削義務など、探鉱促進のための新たな措置を講じようとすることであります。  第四は、共同開発事業契約の中に漁業との調整に関する事項を必ず記載させて十分な調整を行わせるとともに、大陸だなの掘削等により損害を与えたときは、特定鉱業権者及び大韓民国の開発権者が連帯して賠償する責任を負うものとし、その場合の裁判管轄についても特例を設けようとするものであります。  委員会におきましては、福岡県に委員を派遣して六名の公述人からの意見聴取及び現地視察を行い、また、参考人六名からの意見聴取を行うとともに、外務委員会、農林水産委員会、公害対策及び環境保全特別委員会との連合審査会を開催したほか、日韓大陸だなの早期共同開発の必要性、共同開発区域の座標の決め方、共同開発区域と二百海里経済水域との関係、石油埋蔵量の試算、石油開発公団の投融資の是非、漁業被害に対する対応策、海洋汚染防止対策、中国及び北朝鮮の抗議声明に対する外務省の考え方、竹島問題の解決方法等についてきわめて慎重かつ熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党大森委員、公明党峯山委員、日本共産党安武理事、新自由クラブ柿沢委員よりそれぞれ反対、自由民主党・自由国民会議中村委員、民社党井上委員よりそれぞれ賛成の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は本法律案を原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  21. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。対馬孝且君。    〔対馬孝且君登壇、拍手〕
  22. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 私は、ただいま議題となっておりますいわゆる日韓大陸だな協定特別措置法案につきまして、日本社会党を代表し、反対の討論を行います。  この法律案は、去る四十九年五月、第七十二回国会に提出されて以来、実に四年もの長きにわたって、廃案、継続を重ねてまいりました。この事実こそは、この法律案がきわめて多くの問題点を含んでおり、審議が進むにつれて、これらの問題点が解明されるどころか、雪だるま式にふくれ上がってきたことによって、協定の不当性がより一層浮き彫りになり、黒い疑惑はますます深まってきたことを何よりも雄弁に物語っているのであります。  しかるに、政府・自民党は、国民や関係漁民の切なる反対の声には少しも耳をかさず、質疑打ち切りの暴挙をあえてしてまで日韓共同開発を強引に推し進めようとしているのであります。国論に背を向け、中国や朝鮮民主主義人民共和国の抗議声明に耳をかさず、一部の者の利益を優先させて、国を売るような行為が果たして許されてよいものでしょうか。日韓大陸だなの共同開発を今日のような状態のもとで強行することは、必ず将来に禍根を残すことは明らかであります。  なぜわれわれが今回の共同開発に反対するのかについては、これを一つ一つ列挙していたのでは、限られた時間内ではとうてい説明できません。しかし、少なくとも私は、次の四点についてここで指摘をしておきたいのであります。  その第一は、中国との関係についてであります。  言うまでもなく、束シナ海の大陸だなの開発は、その関係国である日本、中国、韓国、朝鮮民主主義人民共和国の各国が円満な話し合いをした上で、共同の繁栄のためになされるべきであります。しかるに、政府は、中国や朝鮮民主主義人民共和国のたび重なる抗議に少しも耳をかさず、日韓両国で勝手に話し合い、一方的に区域を設定し、その開発を強行しようとしております。  地図を見れば明らかなように、共同開発区域の存在する大陸だなは、中国から延びてきた大陸だなと一つのものであり、また、現在成熟しつつある二百海里の排他的経済水域制度という観点からいたしましても、中国の二百海里線に大きく食い込んでいるのであります。したがって、中国の理解と関係国相互の合意を得て初めて開発が平和裏に行われるものであり、これを行わずして開発を強行すれば、将来に国際紛争を起こすおそれは火を見るよりも明らかであると言わなければなりません。  第二は、共同開発区域が日韓大陸だなの中間線より日本側に位置し、わが国の主権が著しく侵されているという点であります。  本来、日韓両国の間に隣接する大陸だなの境界画定は、衡平の原則に従って、合意により行われるものであり、この場合は日韓中間線で画定するのが妥当であることは、世界の多くの事例からも、また、国際法に照らしてもきわめて当然のことであります。しかるに、政府は、韓国が主張している自然延長論が国連海洋法会議の動向から見ても有利になってきているとの詭弁を弄し、譲るべからざる譲歩をして共同開発区域を設定しているのであります。わが国の主権を当然主張し得る地域で、なぜ韓国と共同開発をしなければならないのか、私にはどうしても理解ができないのであります。  現在、第三次国連海洋法会議においては、二百海里経済水域の設定問題が審議をされておりますが、遠からず二百海里経済水域の設定の時代が到来をすることは必至であります。もしそうなれば、共同開発区域は当然わが国の経済水域に含まれるものであり、海底の資源もわが国に当然帰属することは明らかであります。そうであるならば、新たな経済水域の制度の確立を待ってから開発をするのが真の国益に合致するものであり、それを待たずに強行しようとするのは、わが国の資源主権を半世紀の長きにわたってみずから放棄をし、むざむざとわが国益を損ねるばかりか、その裏には何かきわめてどろどろとした黒い霧の存在をもうかがわせるのであります。  第三は、政府・自民党が質疑打ち切りまでして推し進めようとしているこの共同開発区域には、言われているような石油の埋蔵は期待できないということであります。  政府は当初、共同開発区域には七億キロリットルの石油埋蔵量があたかも期待できるかのように宣伝をしてきたのでありますが、委員会審議の過程で、われわれの追及によって、それが誤りであったことを認め、三億数千万キロリットルという数字に改めております。しかし、三億数千万キロリットルもの石油の可採埋蔵量があるというのも、あくまでも不確実な期待であり、決して十分な調査に基づく信憑性のあるものではないのであります。それにもかかわらず、もし開発事業が実施をされれば、開発費の大部分は、石油開発公団や開発銀行から投融資をされることになっているのであります。このように、日韓大陸だな共同開発は、あるかないかわからない石油開発のために五千億にも上る巨額の資金が国民の税金から賄われる仕組みになっており、ここに構造汚職の温床ともなりかねない多くの問題をはらんでいると言わなければなりません。言いかえれば、共同開発が実施をされれば、少なくとも五千億もの巨額の資金が石油開発公団、開発銀行を通して投資されることになっておりますが、こうした巨額のわが国民の血税が朴政権のてこ入れとなり、これが逆流をしてわが国の一部の韓国ロビーのふところを潤すことになる共同開発は、絶対に許すことはできません。  そうして第四には、海洋汚染や漁業への影響についてであります。  あの最高、最新の技術を誇る北海油田ですら、昨年四月には噴出事故を起こしているのであります。このことを考えても明らかなように、海洋技術でおくれをとっているわが国で事故が絶対に起きないとは、だれがこれを言い切れるでしょうか。そもそも、この共同開発区域は、黒潮が太平洋と日本海とに流れる分岐点に当たっており、数多くの漁礁が分布し、アジ、サバ、イカなどの産卵地となり、きわめて豊かな漁場であります。  この区域の年間の漁獲高は五万七千トン、金額にして百八十七億七千万円の貴重なたん白源をわが国民にもたらしているのであります。もし、万一事故が発生すれば、これらの貴重なたん白源が失われるばかりではなく、この漁場に依存をする六千三百五十人の漁民諸君がその生計の道を断たれることは明らかであります。  それのみならず、一たん流出した油は、さらに海流に乗って西日本全体を死の海としてしまうおそれがあるのであります。ところが、一方、防災対策、海洋汚染防止対策はどうかと言えば、きわめてずさんなもので、事故防止の技術や関係法令の整備はきわめて不十分であると言わざるを得ないのであります。  日韓大陸だな共同開発は、こうした最も基本となるべき問題について十分な対策がなされておらないにもかかわらず、無理やり開発に踏み切ろうとするのは全く危険きわまりないものと言わざるを得ないのであります。  以上、私は、この日韓大陸だなの共同開発がいかに不当なものであり、決して急ぐべきものでないということの理由について四点ばかり述べてまいりましたが、もちろん、究明されなければならない問題点はほかにもまだまだたくさんあるのであります。  五十年という気の遠くなるような長期協定をきわめて不明朗な形で締結したことからして、国民は、日韓共同開発に強い不信、不安を抱いております。われわれは、これらの不信、不安が解消されない限り、日韓共同開発は凍結すべきであるとの基本方針のもとに、慎重審議を要求してまいりました。  このために、わが党は、商工委員会における本特別措置法案の審議に当たって五人の質疑者を予定し、各委員がそれぞれ分担に従って各八時間、総計四十時間の質疑通告をしておりました。実のところ、本特別措置法案の疑義をただすには四十時間ではとても足りないわけでありますが、他党の質疑者も多くいることも考慮をいたしまして、忍びがたきを忍んで大幅に譲歩し、四十時間に縮めたのであります。  しかるに、政府・自民党は、われわれの最低時間も保障せず、会期内に何が何でも本案を成立をさせるという誤った方針のもとに、質疑打ち切りという暴挙に出たのでありますが、私どもは、議会民主主義を否定するこのような暴挙を断じて許すことができないのであります。私は、政府・自民党の猛省を強く求めるものであります。  わが国の固有の領土である竹島を不法占拠して、武力で日本漁民を退去させる暴挙は絶対に認めることはできません。わが国のたび重なる抗議に対して何らの誠意を示さない韓国とどうして仲よく共同開発をすることができましょうか。は、わが国の領土に土足で踏み込んでくるような韓国に、なぜこうまで卑屈な態度をとり続けなければならないのでありましょうか。私は、石油の安全確保という大義名分のもとに行われる日韓大陸だなの共同開発の裏に、別な黒い影のあることにいよいよ確信を強めざるを得ないのであります。政府がもし日韓関係には癒着や不正な金銭取引などは絶対にないと言い切るのであれば、まずもって日韓汚職問題の解明に積極的に取り組むべきであります。  私は、余りにも問題が多く、将来に必ず禍根を残すであろうこの日韓共同開発をまずもって凍結をし、本案を直ちに撤回することを強く要求するものであります。そして最後に、何よりも日中平和友好条約の締結に全力を挙げて取り組むべきであることを申し上げ、日韓大陸だな特別措置法案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
  23. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決をいたします。  表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  24. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  25. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  26. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十七票   白色票           百三十票   青色票            百七票  よって、本案は可決されました。(拍手)      ―――――・―――――   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百三十名       安孫子藤吉君    青井 政美君       浅野  拡君    井上 吉夫君       伊江 朝雄君    岩動 道行君       石破 二朗君    石本  茂君       糸山英太郎君    稲嶺 一郎君       岩上 二郎君    岩崎 純三君       上田  稔君    上原 正吉君       植木 光教君    江藤  智君       衛藤征士郎君    遠藤  要君       遠藤 政夫君    小澤太郎君       大島 友治君    大鷹 淑子君       大谷藤之助君    岡田  広君       長田 裕二君    加藤 武徳君       梶木 又三君    片山 正英君       金井 元彦君    金丸 三郎君       上條 勝久君    亀井 久興君       亀長 友義君    河本嘉久蔵君       木村 睦男君    北  修二君       久次米健太郎君    楠  正俊君       熊谷太三郎君    熊谷  弘君       源田  実君    小林 国司君       後藤 正夫君    郡  祐一君       佐々木 満君    佐藤 信二君       斎藤栄三郎君    斎藤 十朗君       坂野 重信君    坂元 親男君       山東 昭子君    志村 愛子君       嶋崎  均君    下条進一郎君       新谷寅三郎君    菅野 儀作君       鈴木 正一君    鈴木 省吾君       世耕 政隆君    園田 清充君       田代由紀男君    田原 武雄君       高橋 圭三君    高橋 誉冨君       高平 公友君    竹内  潔君       塚田十一郎君    土屋 義彦君       寺下 岩蔵君    戸塚 進也君       徳永 正利君    中西 一郎君       中村 啓一君    中山 太郎君       中村 禎二君    中山 太郎君       永野 嚴雄君    夏目 忠雄君       鍋島 直紹君    成相 善十君       西村 尚治君    野呂田芳成君       長谷 川信君    秦野  章君       初村滝一郎君    鳩山威一郎君       林  寛子君    林  ゆう君       原 文兵衛君    桧垣徳太郎君       平井 卓志君    福岡日出麿君       福島 茂夫君    藤井 裕久君       藤井 丙午君    藤川 一秋君       藤田 正明君    二木 謙吾君       降矢 敬義君    降矢 敬雄君       細川 護煕君    堀内 俊夫君       堀江 正夫君    真鍋 賢二君       前田 勲男君    増岡 康治君       増田  盛君    町村 金五君       丸茂 重貞君    三善 信二君       宮田  輝君    最上  進君       望月 邦夫君    森下  泰君       八木 一郎君    安田 隆明君       山崎 竜男君    山内 一郎君       山本 富雄君    吉田  実君       井上  計君    柄谷 道一君       木島 則夫君    栗林 卓司君       三治 重信君    田渕 哲也君       中村 利次君    藤井 恒男君       柳澤 錬造君    和田 春生君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名      百七名       阿具根 登君    青木 薪次君       赤桐  操君    茜ケ久保重光君       秋山 長造君    穐山  篤君       案納  勝君    小野  明君       大木 正吾君    大塚  喬君       大森  昭君    粕谷 照美君       片岡 勝治君    片山 甚市君       勝又 武一君    川村 清一君       久保  亘君    栗原 俊夫君       小谷  守君    小柳  勇君       小山 一平君    佐藤 三吾君       坂倉 藤吾君    志苫  裕君       瀬谷 英行君    田中寿美子君       高杉 廸忠君    竹田 四郎君       対馬 孝且君    寺田 熊雄君       戸叶  武君    野口 忠夫君       野田  哲君    浜本 万三君       広田 幸一君    福間 知之君       藤田  進君    松前 達郎君       松本 英一君    丸谷 金保君       宮之原貞光君    村沢  牧君       村田 秀三君    目黒今朝次郎君       森下 昭司君    矢田部 理君       安恒 良一君    安永 英雄君       山崎  昇君    吉田忠三郎君       吉田 正雄君    和田 静夫君       阿部 憲一君    相沢 武彦君       和泉 照雄君    太田 淳夫君       柏原 ヤス君    上林繁次郎君       黒柳  明君    桑名 義治君       小平 芳平君    塩出 啓典君       渋谷 邦彦君    白木義一郎君       鈴木 一弘君    田代富士男君       多田 省吾君    中尾 辰義君       中野  明君    二宮 文造君       馬場  富君    原田  立君       藤原 房雄君    三木 忠雄君       峯山 昭範君    宮崎 正義君       矢追 秀彦君    矢原 秀男君       渡部 通子君    市川 正一君       上田耕一郎君    小笠原貞子君       神谷信之助君    河田 賢治君       沓脱タケ子君    小巻 敏雄君       佐藤 昭夫君    下田 京子君       立木  洋君    内藤  功君       橋本  敦君    宮本 顕治君       安武 洋子君    山中 郁子君       渡辺  武君    青島 幸男君       市川 房枝君    下村  泰君       山田  勇君    有田 一寿君       柿澤 弘治君    野末 陳平君       円山 雅也君    森田 重郎君       秦   豊君    加瀬  完君       前島英三郎君      ―――――・―――――
  27. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十六分散会