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1978-03-17 第84回国会 参議院 本会議 9号 公式Web版

  1. 昭和五十三年三月十七日(金曜日)    午前十時三分開議     ――――――――――――― ○議事日程 第九号   昭和五十三年三月十七日    午前十時開議  第一 世界観光機関(WTO)憲章の締結につ   いて承認を求めるの件  第二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸   付けに関する法律の一部を改正する法律案   (災害対策特別委員長提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  一、議員派遣の件  一、国家公務員等の任命に関する件  一、租税特別措置法及び国税収納金整理資金に   関する法律の一部を改正する法律案(趣旨説   明)  以下 議事日程のとおり      ―――――・―――――
  2. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  来る二十七日から四月一日までポルトガルのリスボンにおいて開催される列国議会同盟本年度春季会議に、本院から片山正英君、片山甚市君を派遣いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。      ―――――・―――――
  4. 安井謙

    ○議長(安井謙君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、日本銀行政策委員会委員に平井富三郎君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  5. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、これに同意することに決しました。      ―――――・―――――
  6. 安井謙

    ○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、  租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案について提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。村山大蔵大臣。    〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
  8. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) 租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  初めに、租税特別措置法の一部改正について申し上げます。  租税特別措置につきましては、税負担の公平確保の見地から、引き続きその整理合理化を推進する一方、最近における社会経済情勢の推移に顧み、住宅建設及び民間設備投資の促進に資するための諸措置及び中小企業対策のために必要な措置を講ずるほか、外国子会社等を通じる租税回避に対処するための税制を導入する等、所要の改正を行うことといたしております。  すなわち、第一に、既存の租税特別措置の整理合理化につきましては、まず、公害防止準備金等十一項目の企業関係特別措置を廃止することといたしております。  次に、技術等海外取引に係る所得の特別控除制度について、工業所有権等の控除率を収入金額の五五%から三五%に引き下げることとし、特別償却制度について、航空機の特別償却割合を五分の一から六分の一に引き下げる等の措置を講ずるほか、準備金制度については、価格変動準備金の積立率を引き下げる等の縮減合理化を行うこととしております。また、登録免許税の減免措置につきましても、電源開発株式会社等の増資登記に対する軽減税率を引き上げる等の縮減合理化を行うことといたしております。  第二に、住宅・土地税制につきましては、住宅取得控除を拡充し、民間金融機関等からの融資等を受けて新築住宅を取得した者に係る控除額を引き上げるとともに、土地譲渡益重課制度について、優良宅地を供給する場合の適用除外要件のうち適正利益要件を適正価格要件に改める等、所要の措置を講ずることといたしております。  第三に、民間設備投資の促進に資するため、一年限りの臨時の措置として、省エネルギー・公害防止関連設備等及び中小企業者の取得する機械について、特別償却にかえて、その取得価額の一〇%相当額を当期の税額の二〇%相当額を限度として税額控除を認めることといたしております。  第四に、外国子会社等を通じて行われる租税回避に対処するため、租税負担の著しく低い国等に所在する特定の外国子会社等の留保所得を本邦親会社等の所得に合算して課税する制度を創設することといたしております。  以上に加え、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法に基づく認定を受けた中小企業者に対して、欠損金の繰り戻しによる還付について特例措置を講ずるとともに、中小企業倒産防止共済法に基づき納付した共済掛金の損金算入を認めることとするほか、みなし法人課税を選択した場合の課税の特例、中小企業者の貸し倒れ引当金の特例、揮発油税、地方道路税及び自動車重量税の税率の特例等期限の到来する租税特別措置について実情に応じ適用期限を延長する等、所要の改正を行うこととしております。  次に、国税収納金整理資金に関する法律の一部改正について申し上げます。  昭和五十三年度の税収の伸び悩みを補い、財源の確保を図るとともに、地方財政対策等にも資するため、毎年度の歳入に組み入れるべき国税収納金等の受け入れ期間の末日を一カ月間延長して翌年度の五月末日に改めることとし、これにより同月中に収納される国税収納金等のうち当該年度内に納税義務が成立しているものを当該年度の歳入として組み入れることといたしております。  以上、租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
  9. 安井謙

    ○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。福間知之君。    〔福間知之君登壇、拍手〕
  10. 福間知之

    ○福間知之君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法並びに国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案に関し、福田総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。  およそ一国の経済、財政、税制の運営とその施策は、国民のひとしく希求する公正かつ平和で豊かな社会実現に向かってその任務を果たすべきものと考えるのであります。特に、石油ショックを契機とする長期の不況と雇用不安の拡大は、産業経済の停滞と内需不振を助長し、わが国財政へも深刻な打撃を与えているものと言わねばなりません。すなわち、本年度予算案に象徴的に見られるごとく、財政規模の三七%を超える金額を国債に依存する結果となっているのであります。政府は、本年度の財政の諸措置は臨時異例の措置であるということを強調しているのでありますが、来年度に財政が好転する見通しは全く見込めず、さらに一層の悪化が懸念されるところでございます。このような財政混乱期とも言うべき時期にあって最も優先されるべきことは、景気を速やかに安定成長の軌道に乗せると同時に、租税をいかに公正かり公平に徴収するかということに着手することでなければなりません。  昭和三十年代後半から、わが国は産業優先、なかんずく大企業中心の重化学工業主導による高度経済成長路線をとり続け、資本蓄積、国際競争力の向上などなどに税制も財政もすべてを注ぎ込んだ感があるのでございます。また、個人の所得税に関しても、資産家、高額所得者優遇の税制を堅持し続けたのであり、ここに、税制の持つ本来の意義、租税上の公平性が全く損なわれたと言っても過言ではありません。総理の強調される静かで豊かな社会を実現するためにも、まさに現存する不公平税制の是正を一刻も早く貫徹しなければならないと存ずるのであります。  しかるに、今回の税制改正案では、企業関係の租税特別措置の廃止は九十一項目中わずかに十一項目、しかも、そのうち四項目は本年三月末をもって期限切れになるものであります。残存項目の中には少額貯蓄や中小企業に関する特別措置もあり、すべてを改廃する必要はないものと考えますが、本法律案程度、すなわち、昨年の租税特別措置関係の縮減合理化、これは平年度二千三百四十億円程度でございました。これに比べ、本年度はわずかに四百九十億円程度と、昨年の五分の一にしかすぎないのであります。したがって、この整理については全く納得しがたいものがあるわけでございます。  また、わが党がかねがね主張してまいりました利子配当所得など、いわゆる不労所得に対する優遇措置は、早急に総合累進課税に是正すべきだと考えます。ちなみに、東京都新財源研究会の計算による四十九年度分の個人利子所得の課税実態につきましては、総額三兆九千八百四十二億円のうち、わずか五%弱の千八百二十二億円のみが確定申告によって所得税ないし住民税が課せられるというにすぎなかったのであります。他の九五%は、何らかの優遇措置を受けたことになっておるわけでございます。このような実態は、単に国の財源確保の見地からのみならず、地方自治体の財源確保という立場からも、大変大きなマイナス要因を与えているものと言わねばなりません。  さらに、不公正税制の悪名高い医師優遇税制について、またまた今回も何らの是正措置を講じておらないのは、まことにもって納得がいかないところでございます。申すまでもなく、税制調査会は毎年是正の勧告を行い、昨年暮れの答申におきましても「何らの法的措置も講じられないとすれば、国民の政治に対する不信感はぬぐい難いものになるだろう。当調査会は、その是正を強く要請する」と、きわめて厳しく指摘しているところであります。また、会計検査院も、実際経費率の総平均が五二%で、所得税の軽減額は一人当たり七百万円を超えていると報告をしているにもかかわらず、政府がこの際何らの是正策も講じないのはいかなる理由によるものか、しかとお尋ねをしたいところでございます。この問題は、政府みずからが積極的かつ国民の納得する改革案を提示されるよう特に申し添え、税制の本来的なあり方と不公正税制是正に関し、総理の御所見と決意を伺う次第であります。  次に、投資促進税制についてお尋ねいたします。  今回の税制改正におきまして、景気対策の一環として、民間の設備投資促進という名分のもとに、特定の機械設備に関し、一年間の時限特例減税を講じようというものでありますが、昨今の経済情勢は、構造的な長期不況、そして円高によるデフレ効果が加重し、さらには将来的な展望がむずかしいことによって、個人消費も企業の投資意欲も著しく減殺されているというのが実情かと存ずるのであります。このことによって需要と供給のバランスは大きく崩れて、ギャップは十数兆円に達するとも言われているわけであります。とりわけ、企業の過剰設備の廃棄処分が産業界の課題になっているほどであります。結局、この制度は、したがって不況業種の投資行為に役立つものとは考えられません。むしろ好況業種への優遇措置というものにならざるを得ないのではないでしょうか。さらに、財界、産業界などからも、投資促進への効果を疑問視する意見も出されているのであり、現行の特別償却などの優遇措置の重複を避けたとしても、企業優遇の隠れた補助金とも言うべき本制度の創設は、税の不公平を一層増大させるものと考えられますが、通産大臣の御見解を承りたいと存じます。  第三に、土地譲渡益重課制度の緩和について伺います。  政府は、適正利益要件を適正価格に改め、宅地供給の促進を図るとしておりますが、国民生活擁護の観点から考えますと、きわめて重大な問題を含んでいると言わねばなりません。すなわち、適正利益率二七%の制限を外して適正価格に改めることは、いわば企業の利益確保を青天井にし、地価上昇の歯どめを取り去ることに通じるものであります。一体、現在の土地重課税が宅地供給を阻害しているという客観的なデータは存在しているのでありましょうか。いや、むしろ、現在の土地重課税は投機的な取引を抑制する上で一定の効果を上げており、その必要性はいまなお後退してないと存ずるのであります。  土地税制といえば、かつて宅地供給の促進を理由に土地譲渡税の軽減が行われたことがあり、その結果、地価は暴騰し、地主や一部悪徳企業だけが太ったという苦い経験を忘れてはなりません。現在、土地を抱えて苦しむ企業の多くは、本来の企業活動ではなく、田中内閣の列島改造に乗って、銀行からの融資などによって土地を買い占めるという反社会的行為を犯した上で今日苦しんでいるのであります。このような独善的な行為によって国民生活ははかり知れない被害を受け、マイホームの夢は無残にも崩れ去ったのであります。しかも、いまなおその後遺症は深く存在をしているのであり、ただいま本院予算委員会の審議でも、わが党が強く指摘しているところであります。われわれがいま彼らになすべきことは何もないはずであり、また、断じて手をかしてはならないのであります。  政府の言う土地売買における適正価格とは、現状の地価の追認であります。すでに地価の公示価格は、五十年〇・五%、五十一年一・五%、さらに、五十二年は五%近くの上昇が予想されるのであります。今回の政府案は、何と名分をつけようとも、不動産会社や土地転がしの悪徳商人へのお手盛りと断ぜざるを得ません。住宅や宅地供給の問題は、小手先だけの対策ではなく、政府の総合的な住宅政策の推進によってのみ解決されるものと考えますが、建設大臣並びに国土庁長官にお答えをいただきたいと存じます。  なお、住宅取得控除については、その対象はすべて新築住宅に限定されておりますが、最近の住宅事情、特に中古住宅の取得あるいは増築に関しても住宅取得控除の適用をすべきと考えますが、あわせてお尋ねいたします。  第四に、自動車関係税制についてお伺いいたします。  揮発油税及び地方道路税並びに自動車重量税について、税率の特例措置を二年間延長することになっておりますが、私は、その複雑な税体系を整理するとともに、一兆六千億円余の税収については、道路目的税への繰り入れ率を引き下げ、鉄道その他の公共輸送機関の整備財源とするほか、エネルギー対策、生活基盤整備などにも振り向けるべきだと存ずるのですが、そのお考えはおありか否や、お尋ねいたします。  第五に、タックス・へーブン対策税制の導入についてお聞きをいたします。  この件に関しましては、かねてより本院大蔵委員会におきましても議論を重ねてきたところであり、今回導入に踏み切ったことは一定の前進であると評価をいたします。これによって、租税回避の目的をもって租税軽課国に実体のない法人を設立することの意味は薄れるのであります。しかし、そのためには今後一層厳正なこの法の整備と執行が望まれるところでございます。大臣の御所見をお伺いいたします。  最後に、国税収納金整理資金についてお伺いいたします。  今回の改正は、経済活動の停滞に伴う税収の伸び悩みを補うことと、地方財政対策にも資する目的をもって、国税収納金の受け入れ期限である四月末日を一カ月間延長して、五月末日に変更しようということであります。この措置によって、なるほど五十三年度は政府のねらいどおり二兆円の増収になるでありましょう。だがしかし、五十四年度以降は一体どうなるのか。本年度のようにいわば臨時収入が発生しないのであります。五十四年度は、五十三年度との比較で二兆円の大穴が現出するという事態になることが計算上予測されるのであります。政府の中期財政収支試算によれば、そのケースCの場合、一兆九千億円余の増税が見込まれており、二兆円の今回の先取りと見合うものであります。このことは、一般消費税の導入など、大衆課税の増徴を間違いなく見込んでいるのだということが明白だと思うのであります。  さきの決算調整資金制度の導入といい、公債依存率三七%超といい、さらに今回の措置といい、景気対策と財源確保という旗印のもとに、全く場当たり的な異常な措置と言わねばなりません。  不況の克服、財政の再建はわれわれの決して拒むところではありませんが、その前提は、あくまでも政府の政治姿勢、財政・税制運営が安定成長に向かって抜本的に転換されることが必須の条件なのであります。不公正税制是正に真剣な取り組みを行わず、公共投資偏重の経済・財政運営では、財政再建への国民的なコンセンサスを得られるはずがありません。いまこそ高度成長時代の体質を改め、生活関連の社会資本充実と社会保障の拡充など、福祉型社会への軌道修正が強く望まれるところであります。  総理の若さあふれる前向きの御答弁を最後に求めて私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  11. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。  まず、最初と最後にお尋ねのありました財政経済に対する基本的姿勢いかんと、このことにつきましてお答え申し上げますが、私は、福間さんがおっしゃるように、政治の最高の目標は何だと言いますれば、豊かで公正でしかも平和な社会を実現をすることである、このように考えます。財政は、考えてみると、これを実現するための手段なんです。そのことを常に反省しながら、このことを思い出しながら、政治は一体何だと、財政の与えられている任務は何だという、その原点に立ってこの財政運営に当たっていかなければならないと、このように考える次第でございます。  そういう中で、五十三年度予算につきまして臨時異例の措置をとったと、こういうふうに言っておるが、一体何をもって臨時異例の措置と、こういうふうに言うのかというお話でございますが、とにかく、私は、五十三年度の予算、これはもう公債の発行率、これが実質依存度三七%に及ぶ、形式的にいたしましても三二%だと、このことはもう容易なことじゃないと私は思うのであります。私は、しばしば皆さんに、三〇%という依存度、これは国際社会においてもそうないことなんだ、これを踏み外すというようなことになったら大変なことだというふうに申し上げてきたんですが、それを踏み外さなければならないような立場になっておる、これはまさに異例のことでございます。  まあしかし、ただいま申し上げましたように、財政というものは、豊かでそして平和でという、そういう社会を、公正な社会を実現するための手段だと、それに着目するときに、この際その事態を打開する道は財政以外にないんだということになれば、財政も忍びがたきを忍んで、その任につかなければならないと、このように考えて、臨時異例の措置をとった次第でございます。  また、福間さんはこのいわゆる不公正税制についてお触れになりました。このことにつきましては大蔵大臣からお答えを申し上げますが、特に、その中でいわゆる医師優遇税制、社会診療報酬課税の問題、この問題を指摘されましたが、これにつきましては、これはいま自由民主党の中で新しい動きがあるのであります。この問題はそもそもむずかしい問題でありまして、まあとにかく二十数年以来の問題であります。この問題が今日未解決でここに至っておる。これは大変むずかしい背景があることは福間さんもよく御承知だと思いまするけれども、まあそういうむずかしい問題、もうこれを放置することはできない。そこで、自由民主党におきましては、五十三年度はこのままにいたしまするけれども、しかし、これの問題をどうするか、全般の問題につきまして検討いたし、議員立法をいたしたいといういま動きが出てきておるわけであります。私はその動きに大きくこれを期待しておりまするが、政府といたしましても、自由民主党のその動きに相呼応いたしまして所要の検討を加えまして、五十四年度からは新しい税制にいたしたいと、かように考えております。各党におきましても何とぞ御協力のほどをお願い申し上げます。  それから、財政収支試算によりますると、五十四年度以降はどうも増税だと、一体どういう増税を考えておるかというお話でございますが、確かにある収支試算を見るまでもなく、これから国費は膨張する、公正な豊かな社会ということになりますれば、やっぱり国費は増高するんです。それに対しまして収入はそう思わしくない。そうしますと、まあ公債かということになりまするけれども、これとてもそう続けていくわけにはいかない。そうなりますると、何がしかの増税が必要になってくるわけであります。私は、この数年間を展望してみるときに増税が必至であるということを考えざるを得ないのでありまするけれども、その増税を五十四年度にやっていくのか、あるいは五十五年度以降においてやっていくのか、そういうことになりますると、これは私は、そのときの景気の情勢などを見て判断しなきゃならぬ問題である、このように考えますが、この両三年から先増税が必至であるということにつきましては、そのようにお考え願いたいと、このように思うのであります。  また最後に、トンネルを抜ける抜けると言っておるが、抜け出た先は一体どうなんだというお話でございますが、私は、施政方針演説でも申し上げております、トンネルを出た先は、もと来た社会、もと来た道へ戻るんじゃありませんと。いままでの高度成長社会に別れを告げまして、われわれは安定成長社会、静かで公正な落ちつきのある社会、これへ入っていくんだということを申しておりますが、大変変わった社会になってくるわけでありまして、われわれはそのような対応を各界とも急がなければならぬと、このように考えております。  自余の問題につきましては所管大臣からお答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
  12. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) ことしの租税特別措置の縮減範囲が非常に少ない、それから今後の不公平税制をどうするか、このお話でございます。しかし、おととし、去年と租税特別措置の整理合理化については鋭意努めたところでございまして、ことしは実は三年目なのでございます。その意味で、廃止十一、縮減二十六、平年度増収は四百九十億でございます。しかも、必要とされる投資税額控除あるいは住宅等を行った上でございますので、それなりの御評価を賜りたいと思うのでございます。  不公平税制、これを直していかなければならぬことは当然でございます。われわれも、今後負担の増加が予定されているときに、この問題は第一次的に考えていかなけりゃならぬと思っておりますが、ただ、いわゆる不公平税制という中身の理解につきまして、人によりまして非常に違うわけでございます。企業会計で許されておるもの、あるいは諸外国においても、当然個人と会社の二重課税調整というような問題、そういったものを含めて不公平税制と呼ぶ方もあるわけでございますので、これらについては十分不公平税制というものの中身から吟味していかなければならぬと思っております。  第二点は、利子・配当の総合課税を促進せいと、こういうお話でございます。全く同感でございますが、御承知のように、これを実施するためにはいろんな諸準備が要るわけでございます。実効性の確保なくしていたずらにやりますと、かえって大混乱を生じ、税制上の不公平になることは御承知のとおりでございます。鋭意いま準備中でございます。東京都で、いまのところ総合は五%だと、こう言っておられますが、実は郵便貯金が非課税であるとか、あるいは少額貯蓄、これが非常な大きなウエートを占めて、これもまた非課税であることをひとつ御留意願いたいと思うのでございます。  それから、自動車関係諸税の整理合理化をやれという話でございます。国税、地方税を通じまして、現在自動車の取得、保有あるいは燃料の消費について、それぞれその理由を設けまして、各種の税があることは御案内のとおりでございます。しかし、整理合理化については、おっしゃるように今後検討を進めてまいりたいと思います。  使途につきまして、これを一般財源にして総合交通対策の財源に使ったらどうか――私は、理論としてはその方がベターだと思います。しかし、現実の問題として、いまこれはほとんど道路整備財源に使われておりますが、これらの特定財源が道路財源に不足しておりまして、一般財源から道路会計の方に入れている状況でございますから、したがって、理論の問題は別といたしまして、現状においては私はそれなりの意味があるものであろうと、かように考えておるところでございます。  最後に、タックスヘーブンの税制の趣旨、並びに執行は大丈夫かと、こういうお話でございます。これは、いわゆるタックスヘーブン国におきましてわが国の会社が子会社等を通じまして、やはりわが国の税のかかることを免れるという行為がございますので、これは税制の公平のために取り入れたわけでございます。執行は、御承知のように、向こうにしょっちゅう行って調べるということはむずかしゅうございますが、大会社については、われわれは特に綿密に調査しております。したがいまして、その関連子会社あるいは関連の海外会社につきましても、相当調査が行き届くものと思っておりますが、なお御趣旨を踏まえまして、一生懸命いたしまして、執行の万全を期してまいりたいと思っている次第でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
  13. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) ただいまの御質問は、投資減税のような制度を設けても、景気の情勢が非常に悪くて、利益の出ない会社あるいはまた赤字経営の会社等があるから、そういうものは恩典はないではないかと、こういう趣旨の御質問でございますが、今回の投資減税の対象になりますものは、省エネルギー投資、公害対策投資、それから中小企業の機械設備の購入、こういうものに限定をいたしております。そして、繰り延べ制度を設けておりまして、利益の出ない会社、企業、五十三年度に減税するだけの利益が上がらなくても三年間はそれを繰り延べすることができる、こういう制度を設けておりますので、現在は不景気でありますけれども、私は、この制度によりましてある程度の投資は促進されるものと期待をいたしております。(拍手)    〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕
  14. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 土地譲渡益重課制度に対して種々御批判であり、また問題点の御指摘でございますが、今回の改正は優良宅地の供給促進が、これがねらいであって、重課制度の適用除外については、いままでの開発許可などへの適合あるいは公募要件について特段の変更を加えずに、適正利益について国土利用計画法の適正価格に置きかえるものでございます。また、一般の法人の土地取引に対する重課制度はこれは残すことによって、従前どおり投機的取引を排除しておるのであります。国土利用計画法の適確な運用と相まって、地価の高騰につながるとは考えられず、また、企業救済の御批判は当たらないと存じます。  それから、適正価格が現状の地価を認めるのではないかとの御疑問でございますが、国土利用計画法において地価公示価格を基準として判断するものでございまして、この地価公示価格は土地の正常価格として土地鑑定委員会が判定するもので、現状の売買価格の追認ではないのでございます。  それから、土地重課制度の緩和で宅地供給がどの程度増加するかという御疑問を持っておられるようでございますが、民間デベロッパーの新規着手意欲や、また、今回とりました公共施設促進の新政策などと相まって、コスト節約のための企業努力を喚起するものでございまするから、宅地供給を促進する効果があると存じます。  小手先でなく、総合的な宅地対策をとるようにということで、これはもうごもっともなことでございまして、一つには、国土利用計画法等に基づく各種土地の利用の調整を図る、また、既成市街地の再開発とあわせて新市街地の計画的整備を図るとか、また、国土利用計画法の適確な運用により地価の安定に努めるとか、また、土地税制の活用などによりまして、総合的な宅地対策をとってまいりたいと思います。  なお、住宅取得控除の拡充についての御意見がございましたが、この制度のねらいは新規住宅供給の促進がねらいでございまして、中古住宅取得にもこれを適用するようにという御意見でございましたが、これはまだ検討すべき点が多いと存ずる次第でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  15. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 塩出啓典君。    〔塩出啓典君登壇、拍手〕
  16. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私は、公明党を代表して、ただいま提案されました租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。  石油ショック以来すでに四年有余を経過しましたが、日本をめぐる経済情勢はますますその厳しさを増していることは御存じのとおりであります。このような事態をもたらした原因の第一は、政府の高度経済成長政策に誘導された過度の設備投資や土地買い占めが、逆に現在において低い稼働率となり、企業の経営を圧迫していることであります。しかし、事ここに至って緊急の課題は、景気の着実な回復であり、同時に、高度経済成長時代のひずみや不公平を正し、公平な政治を実現することであります。税制の改正も、このような景気回復、不公平是正に積極的役割りを果たすべきでありますが、政府の税制改正案はこの方向に逆行し、まことに不十分であることを指摘せねばなりません。以下、具体的に質問をいたします。  まず、不公平税制の是正についてでありますが、この問題は、わが党も常にその是正を強く求めてきたところであり、また、昨年の通常国会における予算修正の際に、与野党合意のもとで、着実にその是正の方向を五十三年度税制改正に反映するとの約束がなされております。しかるに、今次税制改正案の内容を見ますと、残念ながら何一つ合意の趣旨が生かされておらず、逆に不公平を拡大しているものすら見られるのが実情であります。総理は不公平税制の是正にどう取り組むのか、具体的方途を明確にしていただきたい。  また、総理は、不公平の是正は制度面のみでなく、執行面の不公平もなくすると発言をしておりますが、具体的にどうするのか、お伺いしたいのであります。  その際、いわゆる政策税制以外のものとして、例年の改正項目から除外されている法人の受取配当益金不算入、支払い配当軽課税率など、法人税の基本的仕組みについて今後どのようにされるおつもりか、お伺いをしたい。  次に、租税特別措置についてお伺いいたします。  第一は、利子配当課税の特例の問題でありますが、大蔵大臣は、この特例を廃止し、昭和五十六年度より総合課税を実現すると発言をしておりますが、この方針に変更はないのか。また、この総合課税実施へのスケジュールはどうなっているのか、お伺いしたいのであります。  第二は、社会保険診療報酬課税の特例についてであります。  総理は、この制度については昭和五十三年度末で廃止をするとの見解を示されておりますが、その考えに間違いはないか、改めてお伺いをいたします。この問題については、政府の税制調査会ですら、たび重なる是正の勧告を行っており、一方、会計検査院の検査報告でも、この点についてその不合理性を訴えているところであります。  また、その廃止に関連して、診療報酬制度及び健康保険制度の根本的見直しについてはどのような措置を考えておられるのか、厚生大臣の御見解をお伺いをいたします。  第三は、自動車関係諸税についてであります。  揮発油税及び地方道路税、自動車重量税等は二年間延長され、その税収が道路整備のための特定財源として使われています。その税収は一兆六千九十億円と、かなりの額となっており、こうした歳入が特定財源として一方的に使われることは、財政の硬直化を来し、福祉財源の枯渇を招くおそれがあります。今後の方向として、一挙に一般財源とすることは問題があるとしても、せめてその使途を、輸送効率の合理化、省エネルギー、脱公害等の総合交通体系を整備することに拡大する考えはないか、大蔵大臣に質問いたします。  第四は、投資減税についてであります。  この制度の目的は、言うまでもなく、民間設備投資の落ち込みを税制面からインパクトを与え、投資の促進を図ろうとするものでありますが、現在の民間の設備の状況は、稼働率が八割にも満たないと言われていることでも明らかなとおり、歴史的に見ても著しい過剰設備の状態に置かれております。そもそも、税による促進効果を得ようという場合には、税制や金融面における負担が重いため、その潜在能力が抑圧されているとき、その負担を軽課することにより潜在能力を引き出し得る場合に限られるのは自明の理であります。したがって、現在、この制度の導入による負担軽減のメリットを享受できるのは、言うまでもなく黒字企業であり、いわゆる構造不況業種等にとっては無縁のものにすぎません。本制度の導入は、まさに、企業格差が増大する中で、これをますます助長するものであると言わざるを得ません。通産大臣の御見解を伺いたい。  私は、自由主義経済のもとでの完全なる均等発展は不可能だと思いますが、政府主導のもとでこれを助長する政策については賛成しがたいのであります。構造不況業種が存在をし、三月には千七百件もの倒産が続出している中で、為替差益等による空前の利益を上げている企業も存在をしております。むしろ、これらの企業に対して会社臨時特別税のような特別税を課税する方が、現在の経済財政状況下にあって、公平の見地からも国民の信頼にこたえるものだと思うのでありますが、政府の見解を伺いたいのであります。  次に、国税収納金整理資金法についてでありますが、これは、これまで翌年度の税収となっていた翌年五月分税収を当該年度に取り込むという、いわゆる税収の前倒し措置でありますが、今回改正する真の理由は、政府並びに大蔵省の財政運営の著しい失敗から、予算編成の際に重要視してきた国債依存度三〇%の維持が不可能となり、さらに五十三年度は、五十二年度第二次補正後の国債依存度三四%よりも低い水準に見せかけるという体裁上の理由だけであるということは、火を見るよりも明らかなのであります。いわゆる五十三年度の実際の国債依存度は三七%を超えるものであり、これを糊塗するために国税収納金整理資金法を改正しようとする大蔵当局の態度は、一般国民として容認し得ないところであります。これについて大蔵大臣の見解をお伺いしたい。  なお、昨年十月に行われた税調の中期答申にもありますように、今後ますます増大する財政需要の財源を調達する手段として、各種の新増税構想が明らかにされておりますが、総理の最近の答弁によると、五十四年度も増税見送りともとれる発言がなされておりますが、政府は、今後のわが国税制についてどのような構想を抱いておられるのか、具体的かつ明確にお答えをいただきたいのであります。  最後に、今回の公定歩合の引き下げにより戦後初の超低金利水準となりましたが、このことは、預貯金金利の大幅低下をもたらし、結果においては、預貯金をしている大衆の犠牲のもとに大企業の負担軽減が行われることであり、釈然としないものがあります。  今回の引き下げ措置が、大企業への利子補給や、金融機関の救済にのみ終わるのではなく、老齢者や福祉年金受給者等の預貯金者や、金利負担にあえぐ中小企業、さらには、住宅ローン返済に四苦八苦し一家心中の事態も発生しているこれらの人たちの救済にならなければなりません。政府は、既貸し出し、既契約の住宅ローンの利子も当然下げるべきであると思いますが、具体的な下げ幅と実施時期をどう考えているのか明らかにしていただきたいことを要望し、私の質問を終わります。  以上。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  17. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。  まず最初に、いわゆる不公正税制についての御指摘でございますが、租税特例措置は、それぞれの時点における社会的必要性に応じまして設定されたものでありますが、これが惰性に流れたり、あるいは既得権化するというようなことがあってはならない、そういうような角度から、毎年毎年見直しをしてきておるんです。特に、五十一年度からは大幅な整理をするということになり、五十二年度の予算の御審議の過程に各党との間に予算修正問題が出てきた、その際に、各党間でこのいわゆる特例措置につきましては見直しをすべしという与野党合意ができたこともよく承知しておりますが、そういう認識に立ちまして、五十三年度におきましても検討いたしたわけでありますが、まあ十一項目につきましてこの特例措置を改廃すると、こういうことにいたしたわけでありますが、しかし、今後ともこの問題は、制度面はもとよりであります。税制でございまするから、さらに、それを実行する、課税上の調査でありますとか、あるいは徴収でありますとか、そういう面におきましても、不公正という事態がないように極力努力をいたしてまいりたいと、そのように考える次第でございます。  なお、これに関連いたしまして、社会保険診療報酬課税のことにお触れになりましたが、これは先ほど申し上げたとおりでありまして、その私の答弁といささかも変わることはない、そのように御理解を願います。  それから、今後わが国の税制を一体どうするのかというお尋ねでございますが、これは先ほども申し上げましたが、私は、五十四年度以降、この増税、国民負担の増高という要請が高まってくるということ、これはもう残念ながらそうならざるを得ないと、こういうふうに思うのです。その内容を一体どうするかということにつきましては、これは、昨年の十月、税制調査会で大まかな考え方について答申をしておりますが、これをいかに具体化するかということにつきましては、これはその年度年度におきまする客観情勢を踏まえまして決定すると、このように御理解願いたいのでありまするが、その税制改正といいますか、国民負担増高の時期はどうだと、こういうことになりますると、私は、五十四年度、これがまあ一つの時点になるわけでございまするけれども、しかし、そのときの景気情勢が一体どうなるか、この様子もよく見て決定しなければならないかと、このように考えております。しかし、基本的には、いま財政の状態が非常に窮迫しておる、この状態を放置することはできませんので、増税問題の処理、これはなるべく早いがいいというふうに考えておるわけであります。  最後に、公定歩合引き下げの問題にお触れになりまして、これは預貯金金利の引き下げによって大衆が犠牲になる、逆に企業が救済になるというお話でございますが、そういう実態があることは、これは否定はいたしません。しかし、いま何と言っても景気を直さなけりゃならぬということが課題であり、その景気政策から言いますると、企業の金利負担の軽減ということ、これも非常に重大な問題なんです。そういうことを考えますと、いま一般の預金者、その預金者の受け取る利子収入が一応減るということにはなります。なりまするけれども、それはやがて景気回復という効果を生む。そしてまた、やがてそれは一般国民の収入の増加というところへはね返ってくるわけでありまするから、まあ国民には忍びがたいところではありましょうけれども、御理解と御協力を賜りたいと、そのように考えます。ただ、そういう際に、本当に零細な貯蓄者であり、かつ所得水準の低い人、そういう人の立場というものは、政治的にこれは考えなけりゃならぬ。そういうことを考えまして、福祉年金受給者等に対する、いわゆる福祉預金につきましては、この特例制度を存続をすると、こういうことにいたしたわけでありまして、御理解のほどをお願いしたいと、かように存じます。(拍手)    〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
  18. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) 総理がお答えになった点を省いて申し上げます。  不公平税制の一つの問題として、法人税の仕組みについてお触れになりました。現行は、御案内のように、この二重課税の調整を、支払い側の法人で約四分の一、受け取り側で約四分の三調整しているのでございます。この調整の仕方は国によっていろいろあります。しかし、これはたしか昭和三十七年から実施しておると思います。私はそれなりに定着していると思うわけでございまして、この変更についてはやはり相当慎重でなければならぬと、かように考えておるわけでございます。  それから、利子・配当の総合課税を早くやれ、いつごろやるのかという、並びにそのスケジュールでございますが、現在の制度が五十五年まで源泉選択税率の適用がありますので、できれば五十六年までに準備をして、そのときから実施したいと思っております。ただ、御案内のように、これは非常にむずかしいのでございますので、現在大蔵省におきましては、税制を預かっている主税局と、それから執行を預かっておる国税庁の間で検討が行われております。また、別途これの実務を手伝っていただく金融機関に検討をお願いいたしまして、そしてできるだけ早い機会に両者の検討の結果をすり合わして、そしてまた問題点をさらに浮かび上がらして、そして深度を深めてまいりたいと、かように考えているわけでございます。  それから、自動車関係諸税を道路財源だけに使うのはどうかと。これは、先ほどお答えしましたように、私は理論としては一般財源の方がいいと思うのでございますが、実際は、一般会計におきまして――特定財源だけでは足りないで、一般の税金をつぎ込んでおる状況でございますので、現状においては、それほど言うことの実益があるかないかという感じがいたしているのでございます。  それから第三番目に、円高差益に対して課税したらどうかという話でございますけれども、もちろん、円高差益については課税になることは当然でございます、法人税がかかる、その他事業税がかかるということは当然でございますけれども、特別の税金をかけたらどうか、これはどうも賛成いたしかねるわけでございまして、これは、本来は市場経済が当然それは消化していく性質のものであろうと。逆の場合を考えて、それなら円が安くなったらどうなるか、こういったときに一々税が介入することはいかがなものであろうかという感じがいたすのでございます。  それから五月分税収の話でございますが、これは別に依存度を見せかけ上、下げるためにやったわけじゃございませんので、特にわれわれがこれをやりましたのは、一つは、納税義務が発生しているわけでございますから、五月分まで、つまり出納の整理期間まで取り入れるということは別に不思議なことではない、許されることだと思うのでございます。それから第二番目には、効果といたしまして、交付税関係を通じまして、地方財政の非常に苦しいときに地方財政に大きなプラスの効果を及ぼすわけでございます。今度は、それらの問題を通じて考えますと、国、地方を通じまして公債の発行が少なくて済む、つまり、それだけいまの景気対策に思い切って金が使えるという結果になるわけでございまして、そういう実益を踏まえましてやった措置でございますので、どうぞ御理解を賜りたいと思います。  それから、今度の公定歩合の引き下げを通じてやがて貸出金利が下がるであろうが、その場合に既往金利はどうだと、こういう話でございます。中小企業につきましては、借りかえの際にこれは当然今度は新しい金利が適用されるわけでございますし、また実際問題として、借りかえの際あるいはその他の場合でも、金融機関と中小企業の間でネゴが行われまして、そして既往金利についてもある程度の修正が行われているのが実情であるということを御理解賜りたいと思います。しかし、住宅ローンは二十年でございますので、なかなかこれはむずかしいという面を含んでおる。逆に、それなら金利が上がったときに既往のやつを上げるかと申しますと、なかなかむずかしいのでございます。その点をひとつ御理解賜りたいと思うのでございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣小沢辰男君登壇、拍手〕
  19. 小沢辰男

    ○国務大臣(小沢辰男君) いわゆる医師優遇税制は、その成立の由来から見ましても、診療報酬中の技術料の評価というものに密接に絡んでおるわけでございます。また、医師、医業の特殊性というものは、これはやっぱり厚生大臣としては十分考慮していかなければならぬと思います。したがいまして、五十三年度末までに諸般の検討を行いまして、専門委員会の意見等も十分徴しました上で、社会保険診療報酬についての新しい税の考え方を求めたいと存じておる次第でございます。  次に、医療保険制度の根本改正でございますが、私どもは現在具体案の検討を進めているところでございます。何としても、給付と負担の公平化を重点と考えまして、基本的な改正の準備をいたしておるわけでございますが、来年早々にでも関係審議会の審議を経た上で、国会の御審議を煩わせたいと鋭意努力をいたしておる最中でございます。(拍手)    〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
  20. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 今回の投資減税の対象になっておりますのは、省エネルギー投資、それから公害投資、中小企業の合理化のための機械の購入、こういうものでございますが、こういう投資は、私どもはぜひ必要であると考えておりますが、現在のような景気の情勢になりますと、どうしても繰り延べをしてみようかと、こういう機運になりがちでございます。そこで、こういう繰り延べの傾向に対しまして何とか歯どめをかける必要があると、こういうことから今回この制度をつくっていただくことにしたわけでございまして、特に、このために五十三年度にこのような投資をしたものに限って減税をすると、そういうことになっております。  ただ、いまお述べになりましたように、利益の出ない、あるいは赤字経営の企業もございまして、こういうものと利益の出ておる企業との間には公平を欠くのではないかと、こういうお話もございますが、これは三年間の繰り延べ措置を認めまして、合計四年間はその恩典を受けられると、こういう仕組みにしておるわけでございます。したがいまして、現在は赤字であっても、四年の間に利益が出ればその間に恩典は受けられると、こういう仕組みにしておりますので、赤字企業といえども、先ほど申し上げました三つの投資に対しては、私は相当な投資意欲が出てくるのではないかと期待をしておるところでございます。(拍手)     ―――――――――――――
  21. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 佐藤昭夫君。    〔佐藤昭夫君登壇、拍手〕
  22. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。  現在、わが国が不況、円高など深刻な経済危機に陥っており、また、これと結びついて財政破綻もきわめて深刻であることは言うまでもありません。    〔議長退席、副議長着席〕 このことは、五十三年度予算案が七%経済成長を至上命令として、歳入の実に三七・八%に及ぶ大量の公債を発行し、年度末の国債残高は四十三兆円と、財政規模を上回るまでになるという事実が明らかに示しております。このような公債増発政策が国民に何をもたらすかは、大蔵省が先ごろ発表した財政収支試算を一べつしただけでも明らかであります。たとえば、このいわゆる中期財政計画のケースCによれば、昭和五十四年度から五十七年度の四年間に、一般消費税など最悪の大衆課税で毎年大増税を行い、増税額は合計二十六兆六千九百億円にも上り、国民一人当たりの税負担額は、赤ちゃんも含めて四年間に二・三倍以上になる反面、社会保障費など振替支出の平均伸び率は、従来の二八・四%から一五・七%に著しく低下させることとなっています。  私は、この際、総理に伺いたい。昭和四十年、戦後初めて赤字公債を導入して公債増発政策の口火を切ったのは、あなたです。また、あなたが総理となって編成した三年間五回にわたる予算こそ、三割から四割に及ぶ公債依存度という異常な事態の積み重ねでありました。あなたは、この結果として、国民の将来に大増税と福祉切り詰め、インフレの高進という手ひどい犠牲を強要することについてどういう責任を感じておられるのか、明確な答弁を、まず求めるものであります。  このような事態であればこそ、公債大増発政策をやめて、国の財源は、何よりも不公平税制を抜本的に改め、大企業、大資産家に応分の税負担を求めること、また、軍事費など不要不急の支出を徹底的に削って賄うべきであるということが、今日、良識ある国民の一致した要求になっております。  ところが、政府は今回、一方では酒税引き上げと石油税新設で国民に三千四百億円の税負担をふやしながら、提案されている大企業優遇の租税特別措置の改廃なるものは、わずか三十七項目、金額で初年度十億円の増収にすぎないという内容であります。しかも、改廃の見返り措置として、電力会社のための核燃料再処理の海外委託損失準備金の創設、電算機業界へ重要複合機械システムの特別償却制度の創設を行おうとしております。このような措置は、どんな口実を設けようとも、国民を犠牲にし、大企業に奉仕するものであって、依然として税の不公平を温存するものと言わなければなりません。総理並びに大蔵大臣は不公平税制の是正を本気にやる気があるかどうか、その見解を求めます。  特に、政府は、今回、宅地供給の促進を口実に、従来土地投機に対する規制措置として定められていた法人の土地譲渡益重課制度を緩め、いわゆる適正価格での土地売買を容認しようとしていることは、すでに動き始めている地価の値上がりを一層促進して、住宅建設そのものを高ねの花にするだけではありません。それは、莫大な土地を買い占めて土地投機を行い、地価を暴騰させてきた会社や銀行を救済しようとするものであり、絶対に許すことはできません。わが党は、大企業の買い占めている未利用地の交付公債による強制的買い上げなどを内容とした生活用地確保法案の制定によって、地価安定と生活用地の確保を根本的に促進すべきであると主張しております。総理、あなたは、わが党のこの主張も考慮して、庶民の期待にこたえるべきだと思うがどうか。また、建設大臣は、この措置で何ヘクタールの宅地供給がされるのか、また、庶民の望む地価安定策をどのように考えているのか、明確にしていただきたいのであります。  次に、政府は今回、公害防止、省エネルギー及び中小企業の投資促進のために投資促進税制を創設したいと言っています。しかし、もともとこの制度は大企業が強く要望していたものであり、現に財界は、この税制の期限延長や大型設備投資などへの適用拡大を強く求めています。不公平税制を一層拡大することになるこのような財界の要求にはこたえるべきではないと思うが、大蔵大臣の明確な答弁を求めるものであります。  政府もまた、不公平税制の是正などを口にはしています。しかし、私は、不公平税制の根本は、大企業、大資産家に対する優遇税制であることをはっきり指摘しなければなりません。こうした立場から、政府は、まず第一に、大企業優遇の準備金、特別償却を廃止すること、貸し倒れ引当金、退職給与引当金の繰入率を大幅に引き下げ、配当軽課、受取配当の益金不算入をやめること、さらに、利子配当所得の分離課税を廃止して総合課税にするとともに、給与所得控除の青天井をやめ、有価証券譲渡益への正当な課税など、高額所得者に対する課税の適正化を図る方針を打ち出すべきではありませんか。  第二に、高度成長時代に大企業等が国民の犠牲のもとで不当にため込んだ蓄積に対し、適正な課税を行うことであります。わが党の調査によれば、昨年三月決算で、大企業五十社は、この不況の中にもかかわらず十兆円もの内部留保をため込んでおり、この課税を免れている積立金に対し臨時的な課税を行うべきであります。大資産家についても、財産税や富裕税の創設の検討を具体化しなければなりません。この提案は、社会的公正の立場に立ち、大企業などの不当なもうけを国民のために還元するものであり、まことに理にかなった、しかも有効な手段であります。このような提案について真剣に検討すべきだと思いますが、大蔵大臣はどのように措置をされるのか、また、総理の決意はどうなのか、誠意ある答弁を要求して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  23. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。  私が昭和四十年に大蔵大臣に就任いたしまして、そのとき公債を初めて戦後発行することになった、それが今日公債が非常にむずかしい事態になってきておるが、責任はこれはどういうふうに感ずるかというようなお話でございますが、公債というものは、本来これは財政運営の手段としてきわめて有力なる手段であります。つまり、財政は所得配分というような機能がありまするけれども、同時に、景気調整という機能を持っておるわけです。景気調整機能から言いますと、景気が悪いというときには公債を発行する、そして購買力を引き起こす、こういうようなこと、景気がいいというときには、ずっと発行してきたその公債を引っ込めるというか、縮減をする、そして政府の需要を抑える、そして民間主導の経済運営ということを期待する。こういうことで、公債というものは、これは公債罪悪説というような、そんな考え方をとる必要はないんです。ただ、公債政策、これは財源調達の手段としてきわめて安易な手段でございまするから、これを運営する上におきましては厳重な節度というものが必要なんだ、その節度を守っていきますれば、公債が悪だ、罪悪だというようなことにはなりませんから、公債政策自体につきまして私が初めて戦後そういうことをやったからその責任を問うというような、そういう言いがかりは当たらないと、かように存ずる次第でございます。  それから、いわゆる不公正税制、つまり特例措置の問題につきましてお触れになりましたが、これについての考え方は、先ほど来申し上げているとおりであります。いわゆる特例措置というものは、ほうっておきますとマンネリ化する、また既得権化する、そういうことで、常時これが見直しをしなければならないと、そういうふうに考えます。そういう考え方で、五十一年以降特にこの見直しに精力的に取り組んできておりますが、五十二年度における予算論議の過程における与野党の話し合い、そういうような経緯もよく承知しておりますので、今後ともこの問題には粘り強く取り組んでまいりたい、このように考える次第でございます。  なお、大企業がたくさん土地を持っているじゃないか、それを交付公債を出して、そして買い上げたらいいじゃないかというような御提案でございますが、交付公債といえども公債なんですよ。あなたはいま公債のことを大変御心配になられましたけれども、この交付公債もまた公債なんである。いまこの交付公債を出さぬでも、一般公債だけでもとにかく国債依存度が三七%になる、実質そういうふうになる。そのような状態で、大企業が持っている土地を買うために交付公債をさらにそれに上乗せして出すというようなことになったら、これは大変なことになる。しかも、交付公債を出しますと、こういう土地を買いますということになれば、これはもう、大企業は狂乱物価の当時土地を買いあさった。みんなその土地保有の重圧に悩まされておるのです。一刻も早くそれを手放したいんですよ。私は、交付公債を出してまで大企業を救うという考えはございません。(拍手)    〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
  24. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) お答え申し上げます。  今後の財政状況で増税が必至になると福祉が切り下げられるんじゃないかという御懸念でございますが、そんなことは全然考えておりません。あのケースCにおきましても、一番伸びておるところは振替所得のところでございますから、よくひとつ御検討願いたいと思います。  なお、ことしの予算、五十三年度予算におきましても、一般の通常経費は一七・四、去年よりは〇・二落としたわけでございますけれども、社会保障につきましては、去年の一八・四に対しまして一九・一と、最も大きな重点を置いている点をひとつ御留意願いたいと思うわけでございます。今後といえども、われわれはこの考えに変わりございません。  次に、投資減税、一年限りでやめるかということでございますが、一年限りでやめることを法律で書いております。間違いございません。  最後に、不公平税制のもろもろのお話が後半にありましたが、その前に、ことし核燃料再処理委託のための預託金を海外投資損失準備金に繰り入れたこと、それから重要複合機械システム特別償却を新たに設けたこと、これがけしからぬと、こういうお話でございますが、われわれはそういうふうに考えておりません。租税特別措置法というのは、本来はやはり政策税制でございます。その意味では、基本的な法人税法とかあるいは所得税法と違うことは当然でございますけれども、その政策税制がもう機能を果たしたのに既得権化して残るところに問題があるわけでございます。また、新しい必要なものはやむを得ずつくっていくわけでございまして、しかし、これから増税必至の気構えでございますので、全体としては縮減の方向で行っておりますけれども、理由のあるものについては、やはり設けていくこともやむを得ないと、かように考えておるところでございます。  それから、もろもろの不公平という問題、いろんな理由を挙げて言われましたけれども、私は、大きく申しまして二つ三つ問題があると思います。利子・配当の総合課税の問題、これは実行上の問題、御承知のとおりでございます。それから、企業会計上認められる引当金の問題、こういったものは、要するにその繰入率が適正であるかどうかというところに問題の重点があると思います。それから、いわゆる準備金の問題、これはいわゆる政策税制の問題でございまして、果たして必要かどうか、その程度がどうか、こういうことに集約されるのではないかと思います。それから法人税の基本的な仕組みについては先ほど申し上げましたが、私はそれなりに定着していると存じているのでございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕
  25. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) お答え申し上げます。  まず、土地譲渡益重課制度に対する御批判でございました。先ほども申し上げましたが、今回の改正は、一般の法人の土地取引に対する重課制度を残し、土地の投機的取引を従前どおり排除をしておるので、地価の高騰にはつながらないと思うのであります。地価の安定は土地政策のかなめでありまして、今後とも、国土利用計画法の適確な運用等により土地の投機的取引を排除するとともに、住宅需要に対応しての供給を図るため、計画的住宅地開発事業の推進を図るなど、総合的な地価対策を講じてまいりたいと思います。  どの程度この改正で宅地供給が増加するのかという御質問でございましたが、これはもう率直に言って、にわかに推定しかねるのであります。本改正によって、民間デベロッパーの新規事業着手意欲と、これも申し上げましたが、公共施設推進等の新政策によりましてコストの節約が図られますので、これらによって宅地供給を促進する効果があらわれるものと思います。(拍手)     ―――――――――――――
  26. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 中村利次君。    〔中村利次君登壇、拍手〕
  27. 中村利次

    ○中村利次君 租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案を議題とするに当たり、私は、民社党を代表して、政府の経済財政政策、税制面の措置等について、総理並びに大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。  一昨日、公定歩合の引き下げが発表されましたが、私は、この措置に対して、景気対策としての一応の評価をしながらも、改めてわが国経済の危機の再確認をする思いがいたしました。大蔵大臣は、公定歩合の引き下げが「十五カ月予算などの財政措置と相まって、景気を順調な上昇過程にのせることに役立つとともに、雇用の安定、維持に効果があるものと期待する。また、内需の拡大を通じて円高対策にも役立つものと考える」云々という談話を発表されています。日銀のとった金融政策に大蔵大臣がこの種のコメントをされるのは当然かもしれません。しかし、公定歩合の引き下げを景気浮揚策として期待することが何かむなしく感じられるほど、当面する不況は深刻です。確かに企業の金利負担の軽減効果が三千億前後としても、企業の収益はそれだけ改善されるわけでありますから、このことが雇用に無関係ではないにしても、民間の設備投資を誘発し、内需の拡大が期待できるほどの積極的効果があるとは考えられません。総理、この際、政府は持ち前の楽観論をやめて、国内需要をどう起こし、民間設備投資にどうつないでいくのか、改めてその政策をしっかりとお示しください。  円高対策に至っては、むしろこれはみじめとも言うべきでありまして、公定歩合の引き下げと為替管理の規制強化によって円高対策を図った政府・日銀のねらいは、昨日の東京、ロンドン、ニューヨークの外為市場の動向によって、もろくも崩れ去り、大蔵大臣の談話はわずか一夜にして白々しいものとなりました。対策の失敗はもはや覆うべくもありません。総理、福田内閣は円高に対し無策であることをここに露呈したと思いますが、いかがなさいますか、御所見を伺いたいと思います。  二月の通関統計で十六億五千万ドルの輸出超過ということは、日本の黒字体質が引き続き進行中ということだと思いますが、政府として打つ手はないのでしょうか。その対策があるのかないのか、伺いたいと存じます。  五十三年度の政府提出予算案の公債依存度は、政府の言う臨時異例の措置により三七%となり、そのうち特例公債は二四%となっています。五十四年度以降も財政支出の伸び率を急激に落とすことは考えられませんので、政府の意図する五十七年度赤字公債の解消を図ろうとすれば、国民に耐えがたい税負担の増加を強いることとなり、結果して経済の失速をも招きかねないことになると思いますが、いかがでしょう。総理の御所見を伺います。  民社党は、国民に耐えがたい税負担を強いることなく赤字公債の解消を図るとすれば、それは昭和六十年代の初めの時期と考えますが、それにしても、かなりの税収の増加と、歳出面でのむだの排除を徹底しなければなりません。政府の行政改革に対する不退転の決意を求め、また、不公平税制の是正を求めるゆえんもここにあるわけであります。  まず、利子配当所得を総合課税とするための対策について伺います。  大蔵大臣は、先ほど、昭和五十五年までこの特別措置は有効であるから、五十六年から総合課税にするための作業を進めておるような御答弁がございましたが、五十六年から廃止すべきであるということであれば、作業を早められて、廃止すべきものはできるだけ早く廃止をされた方がよろしいと思う。その場合に、所得の把握にどのような方策を検討されているのか。また、架空名義や無記名をどう処置をなさるのか。たとえば、年金や健康保険等とリンクさせたいわゆるナショナル・セキュリティー・ナンバーの導入等について、検討の対象になっているのかどうか、お伺いをいたします。  次に、準備金、引当金の見直しについてお尋ねいたします。準備金、引当金につきましては、廃止あるいは実態に即した繰入率にする等、対策を要すると考えますが、全体的な見直しについての対策をお持ちなら、具体的に伺いたいと思います。  次に、これはもうすでに取り上げられた社会保険診療報酬に対する課税の特例について重ねて伺います。  これは、単に税制上の問題にとどまらず、診療報酬体系、医療制度そのものにも触れる問題でありますが、すでに指摘をされましたように、税制調査会は五十三年度の税制改正に関する答申の中で、きわめて強い姿勢でその是正を政府に対し求めておるわけであります。また、国民世論と言っても過言ではない問題であろうと存じます。ところが、先ほどの福田総理の御答弁によりますと、議員立法によって五十四年から是正をする動きにあるということでございますが、議員立法によって政府はなぜ政治の責任を避けようとなさるのか、お伺いをしたいと存じます。税制調査会の答申からしても、あるいはまた国民世論の動向からしても、診療報酬、技術料の適正化との関連等を含めて、政府みずからがその是正を指導すべきであると存じますが、いかがでしょう。  次に、交際費課税について伺います。  二兆をはるかに超える巨額な交際費は、不況、雇用不安にさらされている勤労大衆、庶民とはおよそ無縁のものであり、しかも、その七〇%余にわたる一兆数千億が損金として非課税であるということは、とうてい庶民感情に合致するものではありません。財源としてよりも、租税についての国民的理解を得るための筋目としての大蔵大臣の見解をお伺いいたします。  また、政府は、有価証券取引税の税率を今国会で引き上げようとしていますが、引き上げ後も、第一種で譲渡価格の〇・一八%、第二種で〇・四五%にすぎないわけであります。有価証券については、譲渡益を総合課税とするのか、取引税の課税を強化するのか、そういう点の余地があると存じますが、いかがでしょう。大蔵大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  28. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。  いま非常に深刻な経済情勢であるが、これから脱出し、景気を回復するその過程を言ってみろと、こういうお話でございまするが、今日のこの経済情勢は、一口で言いますと、これはもう一般的な設備過剰、雇用過剰と、そういう状態の中で企業収益が思うようなわけにいっておらぬと、このようなことかと思うのであります。同時に、この設備過剰、また雇用過剰というものが非常に特に深刻であるという業種があるのであります。つまり、構造不況業種というものがある。これが景気回復を非常に困難ならしめておる、これが私は今日の経済情勢の実態ではなかろうか、そのように見ておるのであります。  さて、その設備過剰、雇用過剰であるというその過剰状態を払拭しなければなりませんけれども、それを一体どうするかというと、需要をふやすほかはないんです、まず。需要をふやすということになると、輸出に動きを求めるわけにはいかぬ。また、設備が過剰でありますその状態の中で、企業の設備投資にその動きを期待するわけにもいかぬ。そうなると、どうしても財政が需要増創出の任務をしょわなければならぬということになる。  そこで、いま御審議をお願いしておる昭和五十三年度予算ということになるわけでありますが、この予算が稼働するということになりますれば、すぐさま、これは雇用も誘発しますよ。また需要を誘発しますよ。そうして過剰状態はかなり改善をされてくる。改善されてきますれば、そこで設備投資ということにもつながってくるし、また、働く人全体のふところぐあいというものも改善される。そこでまあ国民の一般的消費も伸びてくると、そういう過程を経まして、経済は徐々に安定化の方向に行くであろうと、このように考えておるのであります。ただ、それだけでは解決しません。いま申し上げましたように、構造不況業種、これについて特別の対策をとらなければならぬ、このように考えまして、あれやこれや対策を打っておりますが、特に立法を必要とするというふうに考えまして、いま国会に御審議をお願いをいたしておるという次第でございます。  円高問題につきましては、円高、円高とおっしゃいますが、本質はドル安なんです、これは。ドルが世界的に価値が低下しつつあるということから起こってくるこの為替不安状況でございますが、やはり基本的には、アメリカがドルの価値維持につきまして本当に真剣な努力をするということが、かなめでなければならぬと、このように考えまして、わが国におきましては、あらゆる機会を通じましてアメリカにその要請をいたしておるというわけでありまするが、同時に、これはアメリカの努力だけで完全というわけにはまいりません。やはり世界経済の中で大きな働きをしておるところの日本、ドイツ、これらの国々もアメリカのドル価値安定に対して協力をしなければならぬ。そのわが国の分野を顧みてみますると、やはり経常収支が百三十億にもなるというこの状態は、私は世界の通貨安定に対しまして健全なる姿勢をとっておるというふうには言い切れない。これを何といたしましても改善しなければならぬというふうに考え、昭和五十三年度中には、五十二年度中に百三十億ドルにもなるというこの大黒字を、まあ半分以下、六十億ドル程度に圧縮するということを考え、これをぜひ実現をする、これが私は為替安定のために大きく寄与するゆえんと、このように考えておる次第でございます。  また、政府の財政収支試算から言うと、急激な増税をやると景気の方に非常にマイナスになるのじゃないかという御懸念でございますが、それはもう当然私もそういうことになるだろうということは承知しております。でありまするから、先ほども申し上げたんです。まあなるべく早く増税をやってみたいというふうには考えておる。おりまするけれども、景気の情勢を見て、そのタイミングをはからなければならぬ、このように考えておりますので、景気も財政も両立するような形で今後の運営をやってまいりたい、さように考えておるのであります。  さらに、医師税制につきまして、政府は自由民主党の議員立法の動きに期待するということは、責任を回避する、逃れる、そういうことになるのではないかというような御指摘でございますが、この問題を政府みずからがやらぬで自由民主党の議員立法で片づけるという、ちょっとそういうお話のような感じを与えるかもしれませんけれども、何せこの問題は二十数年間にわたる非常に困難な問題なんです。その問題の背景にいろいろむずかしい問題があることは、先ほど厚生大臣が申し上げたとおりでございます。このむずかしい問題をそう割り切った解決はできない。しかし、自由民主党が、とにかく五十三年度限りだ、五十四年度からは新しい体制だというので、いろいろな総合的な対策を立てる、それを実行するに必要な立法は議員立法でいたしましょうという動きになってきた。私は、これは観念論、理屈論だけでいったらなかなか解決しないと思うのですが、自由民主党のその動きというものは、この問題解決のために非常に具体的な、そしてしかも現実的な動きである、そういう評価をいたしておるわけであります。とにかく、この自由民主党のせっかくの動きに水を差すというような、そんな必要は私はないと思うのです。その盛り上がった動きに大いに期待をしておる、こういうことでございます。     ―――――――――――――  それから、最後に、先ほど佐藤さんに対しまして、佐藤さんの、四十年に大蔵大臣のとき福田は公債を初めて発行した、それが今日の財政のむずかしさになってきているんじゃないかという御指摘に対しまして、私は、それは言いがかりである、このようにお答えをしたわけでございまするが、「言いがかり」という言葉に何か問題がありますれば、「そのような御批判は当たらない」という言葉に置きかえさしていただきます。(拍手、発言する者あり)     〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
  29. 村山達雄

    ○国務大臣(村山達雄君) お答えいたします。  利子・配当の総合課税、五十六年度をめどとすると言うんだが、できるならもっと早くしたらいいじゃないか、その場合に、たとえば納税番号等は考えているのかどうか、こういう御質問でございます。御案内のように、利子・配当を払うのは会社であり、あるいは金融機関でございます。したがいまして、その預かっている先のそれぞれの人たちの住所の確認義務は本来ないわけでございますから、ここが一番むずかしいのでございます。そして、それをまたお願いしたとしても、どこまでやれるのか、こういう実務が一番むずかしいので、さき言ったような検討を続けているわけでございます。もし、用意なくしていきなり理屈だけでやってしまいますと、大変なことになりまして、いまよりもはるかに税収は少なくなり、新しい大きな不公平を生ずるということで、そして、五十六年ぐらいまではどうしてもかかるだろうなと、こういうことでいまやっているわけでございます。その場合に、番号制度を導入する、これも一つの問題でございますが、国民感情がどんなことになるか、これはなかなか大変な問題でございますが、これもあわせ検討さしていただきたいと思います。  それから、租税特別措置の見直し、特に準備金、引当金、もうおっしゃるとおりでございまして、これは税制調査会におきましても、過大にならないかどうか、この問題、あるいは政策的理由があるかないか、これは絶えず検討しているところでございます。  交際費課税、もっと強化すべきではないか――御案内のように、企業会計原則では交際費は損金なのでございます。これを税法で逆の特例措置として課税していることは御案内のとおりでございます。すでにどこまでやっているかと申しますと、中小企業を考慮いたしまして、年間四百万円プラス資本金の千分の〇・二五、それを超える分については八五%まで課税いたしているのでございます。これ以上強化するということと企業会計との関係、それから、これ以上強化して一体どれぐらいの税収が出るかという関係、それから、これは五十三年度末で期限が切れるのでございます。それらの点と、最近における交際費を見ておりますと、繊維あたりで大分減っております。そういった総合的なことを考えまして、今回は据え置いたのでございますが、来年はいずれこれは検討しなければなりません。そのように御理解願いたいのでございます。  それから、有価証券の譲渡益の課税と有価証券取引税の関係でございます。御承知のように、有価証券譲渡について原則として非課税にした、ちょうどその年に有価証券取引税ができました。だから、発生の過程から言いますと、そういういきさつがあるのでございますけれども、税制理論から申しますと無関係なものでございます。したがって、ことしはその流通税たる有価証券取引税につきまして五割アップをお願いしたのでございますが、同時に、有価証券譲渡益に対する課税につきましては、これは非常にやはり重要な問題でございますが、利子・配当の総合以上にむずかしい技術を要するわけでございます。なおまた、キャピタルゲインは課税するけれども、キャピタルロスはどうするのか、こういう問題も含んでいるわけでございますので、鋭意検討中でございます。なお、この問題は重要な問題でございますので、精力的に検討して、できるだけ早い機会に結論を出したい、かように思っている次第でございます。(拍手)
  30. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これにて質疑は終了をいたしました。      ―――――・―――――
  31. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第一 世界観光機関(WTO)憲章の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外務委員長安孫子藤吉君。     〔安孫子藤吉君登壇、拍手〕
  32. 安孫子藤吉

    ○安孫子藤吉君 ただいま議題となりました世界観光機関憲章につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  この憲章は、国際観光の急速な発展に伴って生じた諸問題、特に開発途上国からの観光の分野における技術援助要請にこたえるため、従来存在した公的旅行機関国際同盟を改組いたし、新たに政府間機関として世界観光機関を設置することを目的とするものでありまして、一九七五年に発効し、現在約百カ国が加盟しております。  憲章は、この機関が国際観光の振興発展のために中心的役割りを果たすとともに、特に開発途上国の利益のために、国際連合開発計画の参加実施機関として、観光の分野において技術援助活動を行うこと等を定めております。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手)
  33. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  34. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。      ―――――・―――――
  35. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)を議題といたします。  まず、提出者の趣旨説明を求めます。災害対策特別委員長村田秀三君。    〔村田秀三君登壇、拍手〕
  36. 村田秀三

    ○村田秀三君 ただいま議題となりました災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり、わが国は世界でも有数の災害国と言われており、毎年自然災害により、幾多のとうとい人命と貴重な財産が失われておりますことは、まことに遺憾にたえません。特に、最近における災害の傾向は、集中豪雨によるがけ崩れ、台風による家屋の流失、倒壊の頻発に加え、活動火山の噴火による降灰被害、さらには大地震による激甚被害の発生等、全国的に多様化を深めており、個人災害の面においても、悲惨な事態が繰り返されているのであります。  こうした個人災害に対する救済策としましては、第七十一回国会におきまして、災害弔慰金の支給、災害援護資金の貸し付けのための制度を議員立法により発足させたところでありますが、その後第七十四回国会、第七十八回国会におきまして、災害弔慰金の支給限度額の引き上げ等の改正を経て今日に至っているのであります。  しかるに、近年における個人災害の増大と社会経済情勢の変化の中で、災害弔慰金の支給額及び災害援護資金の貸付額の引き上げと支給及び貸付基準の緩和について強い要望が寄せられておりますことは、周知のとおりであります。  かかる状況の中で、当委員会は、個人災害対策小委員会を設置し、個人災害救済に関する施策拡充について鋭意調査を進めてきたところでありますが、過日の伊豆大島近海の地震による多大の死者、罹災者の発生を機に、三たび災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を作成し、立法化を図ろうと決意しました次第であります。  次に、法律案の要旨について御説明申し上げます。  第一は、災害弔慰金の支給限度額の引き上げについてであります。  本法第三条第三項中、災害弔慰金の支給について、「死亡者一人当たり百五十万円を超えない範囲内で死亡者のその世帯における生計維持の状況を勘案して政令で定める額以内」となっておりますが、この「百五十万円」を「二百万円」に改めるものとすることであります。  第二は、本法改正の遡及適用についてであります。  改正後の本法第三条第三項の規定は、昭和五十三年一月十四日発生の伊豆大島近海の地震により生じた災害に関し、さかのぼって適用するものとすることであります。  なお、災害援護資金の貸付額につきましては、現在「一災害における一世帯当たりの限度額は、百二十万円を超えない範囲内」と政令で定められておりますが、弔慰金の支給額の引き上げに対応して、所要の政令改正が行われることを期待するものであります。  当委員会におきましては、去る三月十三日、古賀個人災害対策小委員長より草案の説明があり、引き続きこれを審査し、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもってこの草案を委員会提出の法律案とすることに法定した次第であります。  なお、草案審査の過程で、災害による世帯主以外の死亡者に対する弔慰金について、法定弔慰金と同率の引き上げを図ること、災害援護資金について、貸付基準の緩和、貸付額の引き上げに努めること等が明らかになりました。  以上が提案理由及び要旨でありますが、過日の伊豆半島における大地震による多くの犠牲者の御冥福と災害地の一日も早い復旧を祈念しつつ、本法律案が速やかに可決されますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)
  37. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  38. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。本日は、これにて散会いたします。   午後零時一分散会      ―――――・―――――