運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-12-09 第83回国会 参議院 本会議 2号 公式Web版

  1. 昭和五十二年十二月九日(金曜日)    午前十時三分開議     ――――――――――――― ○議事日程 第二号   昭和五十二年十二月九日    午前十時開議  第一 船員の雇用の促進に関する特別措置法案   (衆議院提出)  第二 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一   部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送   付)  第三 特定不況業種離職者臨時措置法案(衆議   院提出)  第四 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関   する臨時措置法案(衆議院提出)  第五 健康保険法及び船員保険法の一部を改正   する法律案(内閣提出、衆議院送付)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  一、豪雪地帯対策審議会委員、離島振興対策審   議会委員及び台風常襲地帯対策審議会委員の   選挙  一、日程第一より第五まで  一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続する   の件      ―――――・―――――
  2. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより会議を開きます。  この際、  豪雪地帯対策審議会委員、  離島振興対策審議会委員、  台風常襲地帯対策審議会委員各一名の選挙を行います。
  3. 遠藤要

    ○遠藤要君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
  4. 久保亘

    ○久保亘君 私は、ただいまの遠藤君の動議に賛成いたします。
  5. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 遠藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、豪雪地帯対策審議会委員に佐々木満君を、  離島振興対策審議会委員に中村禎二君を、  台風常襲地帯対策審議会委員に林道君を、それぞれ指名いたします。      ―――――・―――――
  7. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 日程第一 船員の雇用の促進に関する特別措置法案(衆議院提出)  日程第二 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長内田善利君。    〔内田善利君登壇、拍手〕
  8. 内田善利

    ○内田善利君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。  まず、船員の雇用の促進に関する特別措置法案は、衆議院運輸委員長提出によるものでありまして、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の職業及び生活の安定に資するため、新たに就職促進給付金を支給することができることとし、特定不況業種に係る離職船員については、特定不況業種離職者臨時措置法による支給の例に準じて特別の措置を講ずることとするとともに、船員に係る求人の開拓等船員雇用促進等事業を適正かつ確実に行うことができる者を船員雇用促進センターとして指定することができることとし、これに対し国の助成を行う等、船員の雇用の促進に関し必要な措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、離職船員の職域の優先的確保等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案は、日本国有鉄道の経営の現状にかんがみ、その経営の健全性の確立を図るため、賃率等の決定について臨時の特例を定め、あわせて、日本国有鉄道の投資の対象となる事業の範囲を拡大する等の措置について定めようとするものでありまして、その主なる内容は次のとおりであります。  まず、国有鉄道運賃法の改正内容について申し上げます。  第一に、当分の間、鉄道の普通旅客運賃の賃率、航路の普通旅客運賃及び車扱貨物運賃の賃率については、運輸大臣の認可を受けて国鉄が定める賃率または運賃によることとするものであります。  第二に、右の期間中、国有鉄道運賃法の規定により、賃率等について運輸大臣が認可しようとするときは、一の事業年度において実施されるすべての新たな賃率等の実施による平年度収入の増加見込み額の総額が当該年度の国鉄の経費の増加見込み額を超えないものとするものであります。  第三に、いわゆるたな上げ措置により特定債務とされたものを除いて国鉄の累積赤字が解消されたときは、右の措置により新たな賃率等を定めることはできないこととするものであります。  次に、日本国有鉄道法の改正内容について申し上げます。  第一に、国鉄の投資対象事業の範囲を拡大し、国鉄の委託によりその業務の一部を行う事業、国鉄の所有する施設または土地の高度利用に資する事業及びその営業線の利用促進に資する事業を追加することとするものであります。  第二に、政府は、国鉄の経営の健全性の確立のため必要があると認めるときは、国鉄に対し、無利子貸し付けを行うことができることとするものであります。  なお、本案中、国有鉄道運賃法の改正に係る規定については、昭和五十三年三月三十一日から施行することとなっております。  本案は、御承知のとおり、前国会におきまして、衆議院通過後、本院において審査未了となったものと同一の内容のものでありまして、前国会の本委員会におきましては、公聴会及び連合審査会を開くほか、委員派遣による地方公聴会の開会及び現地調査など、慎重な審議を行いました。  今国会の本委員会におきましては、今後の国鉄財政再建の方向とその達成の見通し、本法による運賃改定の限度、総合交通体系の確立、構造的欠損に対する措置、財政法と本法との関係、その他国鉄運営に関する各般の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党目黒委員、公明党田代委員及び日本共産党内藤委員よりそれぞれ反対、自由民主党・自由国民会議高平委員及び民社党柳沢委員よりそれぞれ賛成する旨の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  9. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。目黒今朝次郎君。    〔目黒今朝次郎君登壇、拍手〕
  10. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして、これに反対する立場から討論をいたします。  国鉄は、昭和三十九年国鉄財政が赤字に転じて以来今日まで十四年、この間三回にわたるいわゆる再建計画が実施されましたが、ほとんど失敗し、さらに昨年末には国鉄再建対策要綱を閣議で決定し、五〇%の大幅運賃値上げと、財政面では特定債務整理特別勘定を新設、二兆五千四億をたな上げしたにもかかわらず、昭和五十一年度の決算では赤字額が当初予定の二倍にも及ぶ九千百四十一億円になり、まさに破局状態であります。今日でも一日の収入が七十一億、支出が九十一億、そのうち人件費が五十二億、物件費が十七億、借金の利子が何と十一億となって、毎日二十億円の赤字が累積しているのであります。  このことは、今日まで政府及び国鉄当局が国鉄再建の三本柱としてきた、合理化による国鉄の経営努力、大幅運賃値上げ、国の小幅助成という方式が限界であり、国の責任と分担で根本的にこの対策を見直す必要があることを事実をもって示していると思います。  私は、予算委員会及び運輸委員会の討議を通じて、今日の国鉄経営のガンである五兆四千五百八十二億円に及ぶ過去債務は国の政策として進められた構造赤字であり、政府はその処理について全面的な責任をとるべきだと追及してまいりました。これに対して、政府は、政治的責任は認めながらも、それに対応する政策となりますと、従来のいわゆる再建三本柱に固執していることは、結果的には政治責任を放棄した姿勢と断ぜざるを得ません。これが反対する基本的な理由であります。  第二は、赤字ローカル線に対する措置のはなはだ不十分な点であります。  昨年の七十入国会において、わが党の主張を一部認め、政府は、今年度予算で約二倍強の四百九十億の政府助成を計上いたしました。しかし、昭和五十一年度監査報告によりますと、ローカル線の赤字は二千三百六億円であります。これではローカル線の経営は成り立ちません。しかし、ローカル線は、日鉄法第一条に示されているとおり、国民の生活確保に不可欠な交通手段であり、地域住民の生命線であります。また、今日、政府は、三全総の特徴として地方の定住化構想を掲げ、この実現を公約しておりますが、この立場からも、ローカル線の維持強化は欠くことのできない政策であります。国鉄営業線の半数を占めるローカル線の抜本的対策は、国の政策赤字として国の政治の責任で赤字に見合う金額を国の負担として措置をし、かつ、これを法制化して、将来ともこれを保証すべきであります。このような措置を講じていない法案では国鉄再建はできませんから、反対いたします。  第三に、現に建設されつつある東北新幹線を含む新線建設に対する財政負担と責任区分の問題であります。  現に建設が進められている東北新幹線は、昭和四十六年十一月着工時の見込み予算額は八千七百億でありましたが、今日の推定では大幅に増加し、二兆一千億とされ、とれまた大幅な借入金の増加になるわけであります。また、新幹線以外の新線建設は、鉄道建設公団が運輸大臣の命令を受け、四十線区のうち現在二十五線区の工事が進められています。建設資金は、総額で四千二百五十億、そのうち三千三百十億、全体の七〇%が借金であります。これでは、開業してもまた当然赤字形成になることは論を待ちません。新幹線やローカル線の建設は、国鉄の財政赤字を拡大させる仕組みになっています。わが党は、鉄道建設にかかわる構造的な赤字発生の根幹にメスを入れなければ国鉄の再建はあり得ないと主張してまいりました。改めて、国鉄に対する国の責任区分を明確にするため、建設は国の資金と責任で措置すべきことを要求し、これを受け入れない政府の原案に反対するものであります。  第四は、日本経済全体における国鉄の位置づけについて政府案はきわめてあいまいなものであり、国鉄の安楽死論につながる危険性を据えている点であります。  福田総理は、最近再三にわたり、資源有限論とエネルギーの省力化を提起しております。資源効率を比較いたしますと、鉄道はトラックの三分の一、輸送できる量は、鉄道はバスの二倍、航空機の十倍であります。公害、交通事故では、自動車部門は社会的負担は莫大なものであります。このような視点から見ますと、日本経済における国鉄の位置づけは、エネルギーの面からも、社会的負担の面からも、また人命尊重の面からも、公害防止の面からも、きわめて重要な位置づけにあります。  今回提案された運賃法定制緩和法案は、国鉄におけるこのような位置づけをあいまいにし、単に当事者能力の付与という美名に隠れて、国の責任区分を放棄し、首切り合理化と大幅運賃値上げの悪循環により、国民の国鉄離れを促進させ、国鉄を縮小再生産方式による経営困難に追い込み、いわゆる国鉄の安楽死への傾斜をより一層強めるものであり、絶対に認めるわけにはまいりません。  第五として、国鉄貨物の問題であります。  国鉄貨物は年々衰退の一途をたどり、大幅赤字の大きな原因となっております。国鉄貨物の減少については種々議論されますが、本当の原因は、もうからない物は運ばないという営利至上主義の結果、要員の削減、貨物取扱駅の統合廃止と、貨物部門は縮小の一途をたどり、一般利用者が利用するにはきわめて不便なものにしたことにあります。いかにして大量輸送を行うかというのではなくして、いかにしたら国民から歓迎される貨物輸送となるか、また、三全総など国の開発計画と貨物輸送を政策的にどう結びつけるかという発想の転換こそ、今日の貨物輸送に最も必要な点であります。  国鉄貨物輸送の国民離れを促進し、国鉄貨物の安楽死論に通ずるこの法案には反対であり、一万五千人の貨物合理化の撤回を要求するものであります。  最後に、労使関係について申し上げます。  国鉄の労使関係については幾つかの意見があります。たとえば、ストライキや順法闘争についても大きな批判があることも存じております。しかし、私は、あえて言わせていただけば、いままで述べた幾つかの国鉄に対する国の政策的欠陥を放置をし、国みずからが赤字をつくり出し、何ら根本的な対策を講ずることなく、そのしりぬぐいを国鉄の労使に押しつけ、国鉄当局もまた、そのしりぬぐいをストレートに、国鉄労働者に一方的に首切り合理化を押しつけてきたところに労使紛争の出発点があることを見逃してはなりません。加えて、生産性運動に便乗し、人事権を乱用して組合員の人権を無視し、自殺者まで出るような政治権力を総動員した、いわゆる国鉄マル生を実行し、国鉄労働組合と動力車労働組合に攻撃をかけ、国鉄当局が鉄労という御用組合を育成したことは世間周知の事実であります。結果的に、国鉄総裁はその罪悪を認め、国労、動労の委員長に謝罪文を出し、引責辞職いたしました。合理化のあり方、労働者のスト権を軸に、労使の協力関係の改善を新しい総裁のもとに始動し、組合側もこれに対応する姿勢で労使対等の関係の確立に努力しているのが現状であります。  しかるに、今法案に係る労使関係の問題の処理については、抽象的に労使の協調を強く要求しているのみであって、問題解決の本質をそらしているものと判断ぜざるを得ません。わが党は、労使関係の根本的な解決の方途は、第一に、構造的赤字や欠損を政治の責任で全面的な処理を行い、無用な合理化を労使に押しつけないこと、第二には、当事者能力を名実ともに国鉄総裁に付与し、経営責任についで、たとえば経営赤字の場合、総裁は責任をとってやめてもらう、そして新しい対応策を明らかにする、第三には、経営の自主権に対応する労働組合のスト権は憲法に基づき保障する、こういう三点が必要であると確信をいたします。この措置が行われてこそ、初めて真の労使関係が改善され、国鉄経営については、労働組合は国民の国鉄とするため積極的な行動をとり、国鉄再建はもちろん、交通全体が国民の求める方向に改善され、国民経済全般に対する寄与ができるものと考えます。この本質を回避している国鉄当局の基本姿勢は断じて認めるわけにはまいりません。
  11. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 目黒君、時間が超過しております。
  12. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君(続) 本問題に対する政府の決断を強く要求するものであります。  また、通学割引など公共負担については、第七十入国会で公約以来、しばしば国会で閣僚が答弁されておりますが、ほとんど前進いたしておりません。私は、この政治姿勢に強く抗議し、この問題について速やかな実現を要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  13. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 山崎竜男君。    〔山崎竜男君登壇、拍手〕
  14. 山崎竜男

    ○山崎竜男君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。国鉄財政は、すでに皆様御承知のとおり、昭和五十年度、五十一年度と二年連続して九千億円を超える赤字を計上し、今年度においても、これに匹敵する赤字が予想されるなど、まことに破局的とも言うべき現状に立ち至っております。  国鉄は、過去百年にわたり、わが国内輸送の大動脈として国民生活の向上と国民経済の発展に寄与してまいりましたし、近年においてその独占度は大幅に低下したとはいえ、なお大量輸送機関としての特性に加え、安全性、エネルギー効率等の観点から、将来にわたって相応の役割りを果たしていくことが強く期待されているのであります。このように考えますならば、国鉄の再建はいまや一刻の猶予もできない緊急の重要事であり、時期を失することなく有効かつ適切な施策を強力に展開していかなければ悔いを千載に残すことになるでありましよう。  かかる観点から本法律案を見た場合、その内容は、国鉄自身その経営判断に基づき適時適切な運賃改定ができる仕組みをつくるとともに、投資対象事業範囲の拡大を図ろうとするものであり、いわば国鉄の自主的経営能力の拡大を目指したものであって、国鉄再建を進めるに当たっての基礎的条件とも言うべき重要な内容であると考えます。  従来、数次にわたる国鉄再建対策が破綻したのには、いろいろな原因があるでしょうが、運賃が法定制であり、適時適切な改定が行い得なかったことも一つの大きな原因であることは、何人も否定できないところであります。現に、四十七年に予定されていた運賃改定が二年半おくれたため、オイルショックによるコスト増を吸収できず、それが昨年の五〇%値上げを誘発し、その結果、いわゆる国鉄離れを生じたことは、だれの目にも明白でありましよう。  国鉄は、いまや他の交通機関との激しい競争裏にさらされております。しかし、このようなときにこそ、経済、社会の情勢、需要の動向に対応して、きめ細かい配慮のもとに適時適切な運賃改定を行っていくことが特に重要でありまして、すでに諸外国においては、このような状況に対応して運賃決定の大幅な自由化を行っているところであります。この点につきましては、今回の法案は、運輸大臣の認可を得て国鉄が行うことができる運賃改定の限度を、毎年の物価等の変動に伴う経費の増加見込み額としておりまして、利用者負担にいわば一定のルールを設定しております。これはまことに現実的な考え方でありまして、利用者としましても十分納得し得るものであると思われます。しかし、このような運賃改定の仕組みでは、収支の悪化を防ぐことはできても、収支を改善し、再建を達成することは困難であります。  そこで、今後国鉄再建を達成するためには、国鉄の経営努力と国の助成が重要な要素となってくるわけでありますが、この点については、運輸委員会の審議の過程において、政府、国鉄としても積極的に取り組み、五十三、五十四年度中に国鉄経営を徹底的に分析した上で所要の対策を講ずる旨が明らかにされております。私は、国鉄再建に関する以上のような考え方は、従来の再建対策にはなかった新しい発想であって、これにより責任の所在が明確になり、必ずや国鉄再建が達成できるものと確信いたしております。  さらに、本法律案は、運賃決定方式の弾力化とあわせて、投資対象事業範囲の拡大をその内容の一つとしておりますが、これにつきましては、国鉄が従来にも増して一層の経営努力をするに当たり、その制約をできるだけ取り除こうとするものであって、国鉄の危機的な経営の現状にかんがみ、当然の措置であると考えます。また、このような道を開くことにより、単に増収を図るだけでなく、国鉄に少しでも企業マインドが芽生えてくれば、それは今後の再建にとって大きなメリットであると考えております。  最後に、今回の法律改正を機に、国鉄労使はその責任を自覚し、一致協力して再建に当たるべきことを強く要望するとともに、政府としても積極的にこれを支援していくよう期待いたしまして、賛成討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  15. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 三木忠雄君。    〔三木忠雄君登壇、拍手〕
  16. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  まず、この法案に反対する第一の理由は、国鉄の再建は、いまや運賃値上げによって行うことは不可能であると認識するからであります。  国鉄財政の再建が叫ばれてからすでに十年にならんとしております。この間、政府は、昭和四十四年、四十八年、続いて五十年十二月の日本国有鉄道再建対策と、数回にわたり再建対策を実施してまいりましたが、国鉄財政は悪化の一途をたどるばかりであり、現状はきわめて深刻であり、重大危機に直面しております。これは、政府の再建対策が常に運賃値上げ依存型の対策に終始し、真に国鉄再建につながる根本的対策を実施してこなかったことによるものであり、国鉄をこのような状態に陥れた責任は、挙げて政府にあります。  一方、昨年十一月の五〇%という大幅運賃値上げ後の状況を見てみますと、従来の貨物だけにとどまらず、旅客にまで国鉄離れの現象を生じ、国鉄の運賃収入は大幅な減収となって、五十一年度決算では九千百四十一億円という、五十年度に次ぐ膨大な赤字を出すに至っているのであります。このことは、交通市場における国鉄の競争力が低下し、運賃値上げを行える状況にないことを示しており、すなわち、国鉄の一方的な運賃値上げによっては国鉄財政の再建が不可能であることを如実に物語っているものであります。  反対の第二の理由は、このような状況のもとにおきまして、政府に国鉄の再建を図るための確固とした根本的再建対策が確立されていないことであります。  国鉄が赤字を解消し、健全な経営に移行するためには、運賃値上げにより国民に負担をさせるというのではなく、国鉄の構造的欠損あるいは国鉄の能力を超える負担部分について国が責任を持ち、その財政支出の制度化及び強化を図る再建対策が決定され、実施に移されなければならないと思うのであります。にもかかわらず、政府の現行の国鉄再建対策は、今日の国鉄再建の実情に沿わず、すでに破綻を来しております。私は、委員会審議を通じて政府の国鉄再建対策の提示を求めたのでありますが、われわれを納得させる再建対策は何ら示されなかったのであります。政府が現行の国鉄再建対策要綱を根本的に改め、基本的再建対策が示されない限り、現行の再建対策に基づく本法案を成立させることは全く無意味であり、本法案を先行させることは認めがたいのであります。そして、本法案の成立に先立って政府の新しい国鉄再建対策が国民の前に明らかにされることこそが、国民のコンセンサスを得られるゆえんであると考えられます。  反対の第三の理由は、この法案が成立すれば、運賃値上げに対する歯どめがなくなり、大幅な運賃値上げを毎年連続して行うことが可能になるという点であります。  本法案によりますと、運賃法定主義の緩和ということで、従来国会審議を経て決定された国鉄運賃が、運輸大臣の認可により自由に値上げできることになるわけであります。その場合、運輸大臣が賃率等の認可をしようとするときのアップ率の限度でありますが、実施年度の経費の増加見込み額を超えない範囲となっております。この一点について、たとえば五十三年度のアップ率の限度をただしたところ、政府は、実収率で二六%とし、名目率は即実収率とすると言って、衆議院で述べられた名目率三七%を否定されました。しかしながら、今日の交通市場の状況からして、実収率を名目率に等しくするなどということが可能であるとは考えられません。また、この措置は、国鉄の累積赤字が解消されるまで続けられることになりますが、国鉄財政の収支が均衡し、累積赤字が解消する目途はかいもく見当がつかず、半永久的に続くものと思われます。このような大幅な運賃値上げが長期にわたって可能なことは、運賃値上げが恒常化される以外の何ものでもなく、運賃法定主義の緩和ではなくて、運賃法定制の否定につながるものであります。  以上の諸点から本法案に反対するものでありますが、国鉄の再建に当たっては、私が審議を通じて明らかにしたように、また、わが党の国鉄再建案が示すように、国鉄の構造的欠損に対する国の強力な助成が必要欠くべからざるものであります。まず、国鉄の構造的赤字の原因となっている借入金による設備投資政策をやめ、国の出資で基盤施設の整備を進めることとし、また、過去債務については完全に国が肩がわりをし、国の責任において処理すべきものと考えます。  次に、地方交通線問題についてでありますが、これも国鉄の構造的欠損の一つであり、運賃値上げや合理化努力によってその収支を均衡させることは困難であります。政府は五十二年度に約五百億円の地方交通線対策を講じておりますが、地方交通線から生ずる赤字は五十一年度決算で約二千三百億円に上っております。ナショナルミニマムとして維持運営される地方交通線から生ずる赤字は当然国が負担するよう、国の助成を行うべきであります。  その他、国鉄のいわゆる公共負担五十一年度約六百億円となっていますが、この公共負担については国の政策実施部門が負担し、ざらに貨物輸送問題についても、速やかに解決策を国民の前に示すべきであります。  国鉄の再建には国民の理解と協力が必要であります。これまで繰り返して述べてきたように、国民に負担を強いて国民生活を圧迫する国鉄運賃の値上げでは、国鉄の再建を達成することはできません。政府は本法案を速やかに再検討し、真に国民のための国鉄とする国鉄再建案を策定するよう強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  17. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 柳澤錬造君。    〔柳澤錬造君登壇、拍手〕
  18. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私は、民社党を代表して、国鉄運賃法定制緩和法案に対し、賛成討論を行います。(拍手)  まず第一に、国鉄再建への認識についてであります。  国鉄の現状を見詰めてみましたとき、国鉄を今日のような状態にしてしまったのは、だれの責任なのでしょうか。私は、それは国鉄自身でありますとともに、政府でもあり、この国会でもあるという認識に立つものであります。その認識に立てばこそ、国鉄をここまで悪化させてしまったことについてお互いに反省し、再建に取り組む必要を痛感するのであります。いまのような国鉄では、だれがやっても百点満点の再建案をつくることはきわめて困難なことであります。とすれば、満足のいく案ができないから反対だというのではなく、多少の不備はあっても本法案を成立させ、再建の軌道に乗せることが緊急の課題であるとの判断に立つものであります。(拍手)国鉄は、わが国交通体系の柱となるものであります。再建できるかできないかではなく、再建することが至上命題であるとの認識に立って賛成するものであります。(拍手)  第二としては、運賃値上げをする際のルールが明確になったことであります。  まず、本年度中、すなわち、明年三月三十一日までは運賃値上げのないことが明らかになりました。次に、法定主義を緩和したことによって、私鉄などと同じように、運輸大臣の認可によって国鉄運賃も決定されることになりましたが、今後の運賃値上げについて、物価変動によるコスト増が上限であって、それ以下になる可能性はあっても、それ以上には絶対にならないことが明確になりました。このことによって、従来のような、利用者減を見込んで、その分まで上積みして値上げを決めるようなことは禁じられたのであります。また、値上げを認可するときも、運輸審議会に、学識経験者を初め、労働組合員、家庭の主婦、農民、OL、学生など、利用者の各界各層の代表を参加させた場において十分審議をし、ダブルチェックすることが明らかになりました。これらから、運賃値上げをするときのルールも明確になったと判断できますので、賛成するのであります。  第三として、本法案の実施に伴って要望をいたします。  今回の改正によって、国鉄当局には当事者能力が与えられました。国鉄首脳陣は、責任体制を明確にして、企業としてのみずからの努力をするように指導していただきたい。過日の博多における地方公聴会の際にも、長崎県の農業協同組合長は、「ミカンを京浜方面へ輸送するのに、昔は一〇〇%貨車輸送であったのが、いまは二一%に落ちてしまっている。その理由は、貨車輸送は遅くて荷が傷むからであって、あえて運賃の高いトラックに輸送を依存をしている。この京浜に送る三百万ケースを全部貨車輸送にすれば、それだけで四億七千百万円の収入になるではないか。このようなことを直視しないで、国の助成や運賃値上げだけに頼っていてよいのであろうか」と発言されていました。国鉄当局はこの発言に耳を傾けるべきです。これを機に、国鉄は責任体制を確立し、信賞必罰を明らかにし、生産性向上など、みずからの努力で行える企業努力にも積極的に力を注ぎ、運賃値上げも極力抑えるよう努めでいただきたい。  あわせて、政府は、国鉄当局が当事者能力を持つのでありますから、労働組合にも一日も早くスト権を付与し、労働基本権を確立していただきたい。それによって労使対等の労使関係を誕生させ、労使がともに権限と責任を持って話し合いのできる協議体制を確立して、国民の国鉄になることを望みます。さらに加えて、労使は国鉄の現状をよく認識して、闘争は一時休戦して、国鉄再建のために労使一体となって総力を結集して取り組むと国民の前に表明されることを強く希望して、賛成討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  19. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 内藤功君。    〔内藤功君登壇、拍手〕
  20. 内藤功

    ○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、本法案に対し、反対の討論を行うものであります。  まず最初に私が指摘しておきたいことは、本来、この短期の臨時国会におきましては、雇用法案など、全会派一致のものに限って処理すべきであったのであります。しかるに、急転直下と申しましょうか、本法案も含め、世に対決法案と言われるものの議了が事前に決められました。私たちが重視いたします問題は、わが党を除くいわゆる公党間の合意と称するものについてであります。そもそも、本法案と同一内容の法案は前臨時国会では国民の強い反対を受けて廃案に至ったのであります。にもかかわらず、そのわずか十一日後の本臨時国会開会の前日に、全く同一内容の本法案が、国会も始まらないうちから個々の法案の議了することまで決められ、初めから、その成立について、いわゆる合意がなされたのであります。私は、もしこのようなことを二度、三度繰り返すならば、国会を政府提出法案を承認するセレモニーの場に変えることになりかねない。このおそれを指摘せざるを得ないのであります。新聞論調にも非常に明確に見られますように、まさに国会審議そのものの空洞化、翼賛政治に至るおそれということを指摘しておる点も、私は当然であると思うのであります。  私は、もう一点、本法案が成立しなければ国鉄職員に対するボーナスの支払い停止を考慮せよ、こういう言動をした一部勢力に対して強く抗議の意思を表明したいと思うのであります。年末ボーナスという、勤労者の一番切実な問題につけ込んで、法案反対の気勢をくじいて成立を図ろうとするやり方は、絶対にフェアなやり方とは思われません。  このようなルールの上に立って、今国会での運輸委員会での質問は、残念ながら、合計各党合わせて、わずか百二十分であります。問題点が十分解明されぬまま、いま採決されようとしていることは、遺憾のきわみであります。  以下、私は、本法案に反対する理由を申し述べます。  反対理由の第一は、本法案が国鉄再建につながらないどころか、危機を一層深刻にするものであるという点であります。  たび重なる運賃大幅値上げによって、国鉄経営が乗客離れなどの新たな事態に直面しているにもかかわらず、政府は、国鉄再建対策の見直しをいまの時期にすべきであるにかかわらず、これをなさず、運賃値上げだけは、適時適切という名のもとに、自由自在に、かつ頻繁にできる本法案の成立を図ろうとしておるのであります。総裁の答弁でも、これまでよりしばしば値上げをお願いすることになると明言していることからも明らかなように、本法案は連続運賃値上げの条件づくりにほかなりません。これでは、国鉄が一層激しい乗客離れ、あるいは中小の貨物離れによって、ますます深刻な経営危機に落ち込むことは明白であります。いま国鉄にとって必要なことは、このような値上げ第一主義の、いわば自殺行為ではなくて、利用者たる国民の立場に徹した財政と経営の全体にわたる抜本的かつ民主的な再建策を歩むことであると思います。  わが党は、運賃値上げと膨大な借金に依存する従来型のやり方を転換して、また、新幹線や大企業貨物中心の輸送網づくりを改めることを内容とする「五つの転換こそ急務」と題する国鉄再建策を運輸委員会各党理事各位にも提示をして、徹底した国鉄再建論議を行うよう要望いたしましたが、残念ながら実行されませんでした。  さて、自民党など三党は、「国鉄再建の基本方向」なるものを法案修正の前提として提起しております。政府もこれに努力すると言っている。しかし、これは、国鉄に採算優先の企業主義的方向を一層露骨に強めて、国民に奉仕する機関としての役割りをないがしろにしようとするものだと思います。中でも、公的助成の名のもとに地方自治体の負担を強要したり、国鉄運賃にあわせて私鉄や飛行機の料金を引き上げるための総合運賃政策を導入するなどは、国民生活や自治体財政にとって絶対に許すことのできない問題であります。  反対理由の第二は、本法案を突破口として、専売や電信電話など、他の公共料金の法定制についても緩和あるいは廃止をしようとしておる。このことは、本法案の持つ危険性を一層明らかにしているのであります。このことは、公共料金の全面的な引き上げ、さらに物価の全面的な上昇にこの法案が一つの契機となるという危険を明からにしていると思うのであります。  反対理由の第三は、国鉄を利用する国民が、この法案によると、何%の値上げがさるのか、心配であるけれども、全く規定や条文がこの法律にはないのです。値上げの上限の答弁はばらばらであります。  昭和五十一年度決算を基礎にすると、昭和五十三年度で三六%というのが鉄監局長、二六・六%が田村前大臣、そうして、住田局長の答弁より十数%低いというのが加藤六月修正案提案者、わが日本共産党の「赤旗」の試算では四〇%、国鉄総裁は、頭の整理ができてないという。きのう運輸大臣に聞いたところ、新大臣は、自分も国鉄総裁と同様の答弁だとおっしゃる。一体、これは何でありますか。財政法三条には、法律または国会の議決に基づいて国鉄運賃を決めるとあります。これは、国民から金を取るのでありますから、運賃・料金の限度は利用者や国民が一目見てわかるように決めなきゃならぬということであります。財政法の立案に参画した平井平治氏の「財政法逐条解説」には、「少なくとも、その料金の限度が客観的に判明する程度のものでなければならない。」と書いてあります。これは、第一には料金の限度を法文上明らかにする、第二は客観的に判明する程度に明らかにするということである。しかるに、本法案は料金・運賃の上限も根拠も決めてない。本法案は、どう見ても客観的に運賃・賃率が判明する程度に書いてありません。書いてあるのは、経費の上限と、そして収入の見込み額の上限は書いてあるが、運賃・賃率の上限は書いてない。これは法律的に見て本法案の致命的な欠陥であり、財政法三条、憲法八十三条、八十四条に違反する悪法であり、いかにこれを強行的に通そうとしても、これはいまの憲法のもとで通らぬ法案だということを私は指摘したいのであります。(拍手)  反対理由の第四は、国鉄経営にはびこる浪費が経費をさらに増加させ、値上げ率の上限を押し上げて、大幅運賃値上げに拍車をかけるという問題です。  昭和四十九年度、昭和五十年度の二年間に、会計検査院からの指摘分だけを見ましても、用途不明な資材の過大購入は約百七十億ございます。また、国鉄の検査を実施しておる検査院の問題については多くは言いませんが、運輸省、国鉄の過剰接待問題、工事手抜きの問題が委員会において指摘をされました。これらの実態の究明と是正こそ緊急の課題であります。また、組織ぐるみの選挙違反事件などに見られる官僚的体質は、いまなお依然として存在しております。現在の国鉄に係る法案が適用されることになれば、このような体質が生み出す浪費は、さらに運賃値上げの形で国民にツケとして回ってまいります。このようなことは断じて許すわけにはまいりません。  以上のような理由により、私は本法案に強く反対をするものであります。  最後に、日本共産党は、今国会で示された異常な事態を厳しく批判をし、あくまで議会制民主主義と国会審議を守るとともに、さきにわが党が提起をした国鉄の民主的再建策の実現のために引き続き奮闘努力をすることを強く表明いたしまして、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
  21. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決をいたします。  まず、船員の雇用の促進に関する特別措置法案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  22. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――
  23. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 次に、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  24. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。(拍手)      ―――――・―――――
  25. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 日程第三 特定不況業種離職者臨時措置法案  日程第四 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法案   (いずれも衆議院提出)  日程第五 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長上田哲君。    〔上田哲君登壇、拍手〕
  26. 上田哲

    ○上田哲君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、特定不況業種離職者臨時措置法案は、最近における深刻な雇用失業情勢にかんがみ、特定不況業種離職者等の失業の予防、再就職の促進等について特別の措置を講じようとする大切な法案であります。  その主なる内容は、第一に、国の施策等に基づき事業規模の縮小等がなされ、これに伴い相当数の離職者が発生する業種を特定不況業種として指定すること、第二に、再就職援助等に関する計画の認定を受けた事業主に対し、雇用安定事業の事業転換等雇用調整事業を行うこと、第三に、特定不況業種離職者求職手帳の所持者に対し、就職促進手当、訓練手当等、各種の給付金を支給するとともに、四十歳以上で一定の要件に該当する者に対する雇用保険法または船員保険法の個別延長給付は、現行の日数に三十日を加え九十日とすること、第四に、国は手帳所持者を雇い入れる事業主に対し助成金を支給することなどであります。  次に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法案は、二百海里問題等、漁業をめぐる国際環境の急激な変化にかんがみ、漁業離職者の再就職の促進等について特別の措置を講じようとするものであります。  その主なる内容は、国際協定の締結等により緊急に漁船の縮減を余儀なくされ、これに伴い相当数の離職者が発生する業種を特定漁業として指定するとともに、漁業離職者求職手帳所持者に対し、各種給付金の支給及び四十歳以上の者に対する船員保険法の個別延長給付日数の延長など、所要の措置を講じようとするものであります。  なお、両案は、衆議院社会労働委員長提出にかかわるものであります。  委員会におきましては、質疑、討論はなく、順次採決の結果、二法律案は、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、特定不況業種離職者臨時措置法案に対し、特定不況業種の経済の実情に即応した弾力的指定、就職促進手当等の給付金の早期改善及び中小零細企業に対する本法適用についての行政指導等を内容とする附帯決議を、また、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法案に対しましては、北洋漁業離職者に対する適用上の配慮、漁業の実態等に即した求職手帳の発給及び各種給付金の支給についての措置を内容とする附帯決議を全会一致をもって付することに決しました。     ―――――――――――――  次に、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案の主なる内容は、第一に、標準報酬の上限を三十八万円に改定すること、第二に、健康保険に関し、暫定措置として賞与等について一%の特別保険料を徴収することとし、その負担割合を事業主五、被保険者三、国二とすること、第三に、初診時、入院時の一部負担金をそれぞれ六百円、二百円に引き上げること、第四に、傷病手当金の支給期間を一年六カ月に延長すること、第五に、国民健康保険組合について国の補助の充実について規定することなどであります。  なお、本案は、衆議院において国民健康保険法の一部改正が行われたことに伴い、題名が「健康保険法等の一部を改正する法律案」に改められるほか、特別保険料の料率及び初診時一部負担金等について修正が行われております。  委員会におきましては、なお多くの問題を残すとしつつも、質疑、討論はなく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、保険者間の財政調整の推進、診療報酬のあり方についての検討、薬価基準の引き下げ、保険外負担の改善等を内容とする附帯決議を付することに決しました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  27. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順決発言を許します。安恒良一君。    〔安恒良一君登壇、拍手〕
  28. 安恒良一

    ○安恒良一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について反対の討論を行うものであります。  国民皆保険下の医療は、いつでも、どこでも、だれでもよい医療が受けられることが大原則でなければなりません。しかるに、国民は、現在の医療に対し、非常に深刻な不安と不信を持っています。今日国民が求めているのは、この医療に対する不安と不信の解決であり、単なる保険制度の赤字対策でないことはすでに明白であります。むしろ、それは、営利医療、売薬医療を生み出す保険の抜本的な制度の改革であり、医師及び医療機関の適正配置等における行政責任の明確化であり、さらに、治療中心の医療から予防、治療、リハビリを一貫をして行う医療への転換なのであります。この国民的視点に立ったならば、政府原案はもとより、衆議院修正はまるで論ずるに足りない性格のものと断じないわけにはまいりません。  特に私たちが強く指摘してまいりましたことは、第一に、政府管掌健康保険財政の赤字をもたらす構造的要因について、あるいはまた、点数出来高払い方式や薬価基準が生み出す多くのむだについて、政府は全くメスを入れようとしていないこと、第二には、政府は五十三年度から、いわゆる抜本改正に取り組むと言っていますが、その実行を裏づけるものが何もないこと、第三には、ボーナスからも保険料を取るなど、他の社会保険とのバランスをまるで配慮しない場当たり的な対策にすぎないこと、以上の三点であったことは周知のとおりでございます。  しかし、私は、ここで本案に対する反対を強く訴えたいのは、前臨時国会において本院の社会労働委員会の審議を通じて明らかになった重大な事実についてであります。  第一は、国民皆保険になりました昭和三十年代から関係審議会が繰り返し提言をしてまいりました医療供給体制まで含めた抜本的な改革について、ほとんど実行することができなかったことに対し、政府は反省の色もない上、実行できなかったその理由を明らかにすることができなかったことであります。  たとえば、制度の抜本改正について、すでに昭和四十六年に社会保険審議会及び社会保障制度審議会から総合的な答申が出されたにもかかわらず、その後何回かの保険制度の改正については、単なる赤字対策のみを行い、制度の抜本的な改革については政府は何一つ実行に踏み切ったものはないと言っても過言ではないのが現状であります。また、今日を迎えるまで抜本改正の実行ができなかった理由について、厚生省は関係者の利害や意見が一致しなかったことを挙げていますが、政府、厚生省は、これを一致させる努力を積極的にどれだけ行ったでしょうか。これまた何一つ行わなかったと断言せざるを得ません。  次に、審議を通じて明らかにされた第二の事実は、健康保険財政が赤字となる原因を解明する努力がほとんどゼロであったということであります。  たとえば、厚生省は、去る三月十七日、衆議院の予算委員会に「現行の診療報酬体系における点数制の矛盾点について」という資料を提出いたしました。これによれば、「出来高払い方式における点数制の問題点として指摘されているのは、次のような事実である。」として、次の七点を挙げています。  すなわち、(1)患者が多くないと医業が成りたたない。(2)医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない。(3)より高価な医薬品を投与しないと点数が増加しない。(4)反復施療が多い医師の方が名医よりも点数が増加する。(5)施設の良否の差は点数表に反映されない。(6)診療時間の長短に応じた点数が認められない。(7)病名をたくさん列挙しないと点数が増加しない。  ここで紹介されている七項目の矛盾点については、赤字の原因を解明するためにも、あるいはまた、制度の抜本的な改革を準備するためにも、その一つ一つについて実態を調査するとともに、厚生省としての対策を持たなければならない重大な問題点であります。にもかかわらず、厚生省は、世間で一般的にこういう意見もあるということで書いただけだという、全く行政当局としてあるまじき無責任な態度に終始をしたのであります。  また、たとえば、府県別一人一日当たりの医療費の平均が最高と最低の間に六〇ないし七〇%の相違があり、支払基金における査定率を見ましても、最低と最高の開きは約十五倍という、都道府県別の大変な格差が生じておりますが、その原因について調べたことがあるかといえば、よく承知していないので、できるだけ早い機会に研究したいなどという答弁しかできなかったのであります。  さらに、今日国民が、日本の医療は薬づけであると言われていることに大きな不安と不信を持っているのでありますが、この問題に対する積極的な解決策についても、薬価調査による薬価基準の引き上げ以外に何らの解決策も示し得なかったのであります。  私は、結論としまして、一、薬づけと言われるほど薬剤に頼る医療、二、差額ベッド問題付添看護料の負担の問題、歯科の差額問題等、患者負担は増大し、病気への不安を大きくしていること、三、老後の医療をどう保障するか、以上の三点につきましては、五十二年十一月四日の、医療保険制度の改善方策について答申をいたしました社会保険審議会健保懇は、今後の医療保険の基盤を左右する問題であり、早期に必要な措置が講じられなければならないと指摘をしているのでありますが、政府原案並びに衆議院修正は、これに対して何らの解決策を示すことなく、例によって例のごとく、赤字解消、次に三年間を目途に抜本改正を行いたいとしています。私は、これまでの政府、厚生省の態度からして、残念ながら、このようなことについては信用ができないのであります。私は、まず医療保険制度の抜本改正を行い、その中で赤字対策について解決すべきだと思います。  以上の観点から、政府原案並びに衆議院修正について強く反対して、私の反対討論を終わりたいと思います。(拍手)     ―――――――――――――
  29. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 佐々木満君。    〔佐々木満君登壇、拍手〕
  30. 佐々木満

    ○佐々木満君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、ただいま議題になっております健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行うものであります。(拍手)  健康保険制度につきましては、御承知のとおり、昭和四十八年の大改正により、保険給付の大幅な改善と保険財政の健全化を図るための諸施策が講ぜられたのでございますが、その大改正の直後に発生をいたしました石油危機を契機とする激しい景気変動に伴いまして、この制度をめぐる情勢は一層の厳しさを加え、その財政はきわめて深刻な局面を迎えるに至りました。  一方、今後のわが国社会の発展と国民医療の向上を目指すためには、現在の保険制度の中に、速やかに解決されなければならない基本問題が数多く存在することが、各方面から指摘されておるのであります。これを受けまして、政府におかれましては、将来の社会経済情勢の中における保険給付と費用負担のあり方、その他制度の全般について抜本的な検討を加え、わが国医療保険制度を揺るぎのないものとして確立したいと言明をし、さらに厚生大臣は、社会労働委員会におきまして、抜本改正の具体的事項につきまして、その検討開始の時期と実施の時期のめどを示されたのでございますが、まことに時宜を得た措置と存じまして、その御努力に対して心から敬意を表するものでございます。(拍手)  しかし、現在すでに政府管掌の健康保険を初め、相当数の健康保険組合にありましては、保険財政が極度に窮迫をいたし、とりまま放置するならば制度そのものの崩壊すら憂慮される現状であることは皆様よく御存じのところでございます。このような情勢を勘案するならば、今回、政府が制度の抜本改正に先立って法律の一部改正を決意し、国会に提案されましたことは、まことにやむを得ないものがあったと考えるのであります。しかも、苦しい保険財政のやりくりの中にありながら、被保険者の皆さん方が多年要望してまいられました傷病手当金の支給期間の大幅延長につきまして思い切って踏み切ったことは、被保険者の福祉増進のためにまことに意義が深いものと存じます。しかしながら、現下の厳しい経済状態の中にあって、企業も従業員も切り詰めた経済生活を余儀なくされておることは事実でございます。  衆議院におかれましては、以上のような諸情勢を総合的に勘案の上、政府原案に対して、特別保険料その他の項目について、まことに妥当な修正を施されたのであります。しかも、その中におきまして、被保険者の負担軽減を図るため、新たに国庫補助の道を開くとともに、懸案でありました国民健康保険組合に対する定率補助を大幅に増加されたのでありまして、われわれは、このことを高く評価するとともに、これに全面的に賛意を表するものでございます。  健康保険制度は、わが国医療制度の中核的な役割りを果たしているものであり、これが抜本改正は国民ひとしく待ちわびておるものであります。この上は、国会と政府が一体となって力を合わせて、一日も早く抜本改正が実施されますことを強く念願をいたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  31. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 小平芳平君。    〔小平芳平君登壇、拍手〕
  32. 小平芳平

    ○小平芳平君 私は、公明党を代表して、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に反対するものであります。  本法案に反対する第一の理由は、政府は、健康保険制度そのものにある構造的欠陥に対して何らの対策を講じていなかったからであります。  すでに委員会の審議を通じて主張してきましたように、各種保険制度間の格差、保険外負担、薬価基準の改定、人口構造の変化に伴い危機に直面している老人医療のあり方等々、いわゆる医療そのものの問題解決に明確な展望や施策を示されないまま、しかも、国民の理解と協力を得る努力を怠って、無理やりに本法案の成立を図ろうとすることは、きわめて遺憾であります。衆議院で修正の結果、大衆負担は確かに政府原案上り軽減されましたが、医療制度の欠陥が今日のような状態では、財政対策を主とした今回の一部改正案に対して、とうてい賛成することはできないのであります。  去る十一月五日の社会保険審議会の答申でも、前に出された昭和四十六年の抜本改正についての提言がほとんど実現されていない現状に対して政府の反省を強く促すとともに、今回の意見書を含めて明確な実施計画を策定することを強く要望しております。また、国民の、まず抜本改正をしてから本法案を審議すべきだとの強い意見に対しても何ら顧みようとせず、去る十一月二十二日の本院社会労働委員会で、政府は来年度以降の医療制度改革の基本計画を発表したのでありますが、私の質問に対して、当時の厚生大臣は、制度の抜本改善は本法案の成立が前提となっているとの考え方に執着しておりました。私は、これは本末転倒であると考えるのであります。すなわち、審議会の意見を尊重して抜本改正案をつくる、それを国会で審議して国民の理解と協力を得る、そこで初めて必要経費を相談する、これこそが本来の姿であると考えるわけであります。  反対する第二の理由は、一部負担の引き上げやボーナス保険料徴収は、大幅かつ急激な負担増大となり、家計への影響はきわめて多大なのであります。さらに、ボーナス保険料徴収は臨時的措置とはいえ、まさに総報酬制度への足がかりともなり、年金制度にも波及すると考えられ、抜本改正前にこのような安易な勤労者負担の増大は絶対に認めるわけにはまいりません。  第三の理由は、一部負担の強化であります。  一部負担は、制度そのものに問題があり、「保険あって保険なし」と言われるような保険外負担を強いられている現状において、負担ばかり強化されることに反対であります。また、一部負担強化によってもたらされる受診抑制は、医療サイドの面から見れば、軽いときに診療を受けてこそ意味があり、予防、早期治療を目指すこれからの医療のあり方に逆行するものであります。われわれは、一部負担が急激に増加するものでない限り、保険制度に期待する機能から言って、ある程度の応能負担はやむを得ないと考えますが、本法案には低所得者への配慮が全く欠けていることも強く反対しなければならない理由の一つであります。政府の説明では、このくらいの負担増はやむを得ないと繰り返しますが、実際に払えない方々に対してどう対処いたしますか。  第四の理由は、給付の改善が傷病手当金の支給期間の延長だけであり、手当の算定基準となる標準報酬月額が、低い水準にある方々への配慮がなされていないということであります。もっときめ細かな対策を要求せざるを得ません。さらに、家族給付の改善も抜本改正後にゆだねられ、要するに、今回の政府案は、赤字解消のための財政対策にすぎないことであります。  以上の問題点とともに、今日の医療の荒廃は、一制度の財政対策のみでは解決し得ないのであります。すなわち、保険制度の周辺にある問題として、差額ベッド、付添看護料、薬害被害等々、抜本改正にゆだねられている問題は山積しております。  最後に、私が委員会で具体的に指摘した問題点のうち二つだけ取り上げて申し上げたいわけであります。  その一つは、高額の付添看護料のかかっている難病の方についてであります。この方は基準看護病院の特II類ですから、病院側では、一人当たり決まった保険料のほかに看護加算の分まで合計して請求をして、そして病院には看護料の収入があるわけでありますが、この難病の方が過去一年間に支払った付添看護料は、なんと二百四十余万円に上っております。その領収証だけでも束となっております。毎月二十万円余りの付添看護料を強いられている。当時の厚生大臣――もういま、やめたか、やめさせられたか、当時の厚生大臣は、それは病院の不正な請求だからすぐやめさせますと答弁していましたのに、昨日、病院にお見舞いに行ったところ、いまなお月二十万円の看護婦さんがついているわけであります。「保険あって保険なし」とは、まさしくこのことではございませんか。  また、次に制がん剤についてです。いま製薬会社では、制がん剤の開発競争で大変です。なぜかと言えば、それだけ制がん剤の開発によって会社は莫大な利益を得ているのです。ところが、制がん剤はそれだけでは何の効き目もないわけです。政府も答弁しておりましたが、制がん剤を飲んだところでがんには何の効き目もないと。そういう効き目のない薬に会社が大もうけして、そのため保険は赤字になる。そこで政府は保険料を値上げして負担を大衆に要求するという。さらに一方では、多くの薬の健康被害者が発生し、各地で訴訟まで起きていることも周知のとおりであります。これが反対する最大の理由であります。  医療制度の抜本改正に取り組む政府の姿勢を強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  33. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 小笠原貞子君。    〔小笠原貞子君登壇、拍手〕
  34. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、健康保険法等改正案に反対の討論を行うものであります。  御承知のように、この法案は、十一月二十五日、ついせんだって前国会で審議未了、廃案になったばかりのものであります。広範な反対の世論があり、労働者は二波にわたるストライキまで行い、悪法廃案を要求して闘いました。私は、まず廃案になった直後に、この国民の意思を無視して厚かましくも再び提出した自民党政府に強く抗議するものであります。  同時に、廃案になったものが一転修正成立に至った経過、修正成立に手をかした政党も当然世論の批判を受けなければなりません。十二月六日、わが党を除く与野党幹事長・書記長会談で、まだ国会会期も決まらず、審議も始まらないうちに、健康保険については修正議了するという異常な合意がなされました。  ただいま上田委員長報告で「なお多くの問題を残しつつも」と言われたとおり、多くの審議すべき問題が残されています。昨日の社会労働委員会では、私の議員としての当然の要求である質疑すらも取り上げようとしない矛盾した態度で、質疑、討論なしに採決されたものであります。  このように、五党合意を盾に、委員会における私の質疑要求を認めないということは、五党合意なるものを国会審議の上に置き、国民から負託された議員の審議権を軽視するものであって、これこそ議会制民主主義を危機に陥れるものではないでしょうか。新聞も、この異常な事態について、翼賛政治になりかねないとさえ言っているではありませんか。わが党は、このような五党合意を糾弾するとともに、この合意に基づく修正成立に断固として反対するものであります。(拍手)  さて、私がこの改正案に反対する第一の理由は、本来、中小企業労働者には何の責任もない保険財政の赤字を労働者の犠牲によって解決しようとする政府の姿勢についてであります。  私が、前国会の本会議並びに委員会質疑で指摘したように、中小企業労働者を対象とする政府管掌健康保険は、もともと構造的な脆弱さを持っている上に、医療費の増大が重なって発生した赤字であります。賃金が低いので保険料収入は少ない、その上受診率は高く、しかも病気が重い、お医者さんにかかる期間が長い、などということが赤字を生む要因になっています。この赤字要因が労働者に何の責任もないものであることは、渡辺前厚生大臣も認められたところでありました。したがって、わが党は、労働者に責任のない問題を労働者の犠牲によってのみ処理しようとするのは筋違いであり、当面、国の責任で処置すべきであると主張し続けてまいりました。  反対の第二の理由は、この改正案では結局財政対策にもならず、中小企業とその労働者に負担増を強いるだけのものになるからであります。  今回の措置が当面財政対策にも値しないということは、前厚生大臣が、来年度また保険料引き上げの弾力条項を発動して保険料を引き上げざるを得ないということを否定できなかったことに、みごとにあらわれています。これはまた、自民党政府の相互扶助、自己責任政策の破綻を示すものであります。  また、本改正案が、特に低い所得者にとってどれだけ打撃を与えることになるかは、前国会の質疑を通じて鮮明になっております。わずかなボーナスから取る特別保険料は、三年間取り続けられます。その上、入院時一部負担の引き上げ、これに加えて差額ベッドや膨大な付添料、それらの保険外負担が重なり、低所得者にはきわめて厳しいものとなります。特に私が強い怒りを覚えるのは、初診時一部負担の大幅引き上げについてであります。所得の低い人ほど病気になりやすい、高額所得者の二、三倍もお医者さんにかかっていることは統計上もはっきり出ております。日経連会長の櫻田武氏が会長である大蔵省の財政制度審議会が、「受診の抑制」と露骨に提案しているように、初診時負担の大幅引き上げが国民の受診抑制につながることは明らかではありませんか。お金のある者は十分な医療を受けられるが、お金のない人はお医者さんにも行きにくくする、これが自民党政府の医療保険政策の実態であります。お金のない人は受診の機会すら制限されるような改悪を私は断じて認めることはできません。  反対の第三の理由は、薬価にどうメスを入れ、保険財政上のむだをどうなくすかの政策が全然ないからであります。  わが党は、去る十一月二十一日、政府管掌健康保険の五つの問題と五つの対策という案を発表し、その中で、独占薬価の引き下げを財政問題解決の第一に挙げております。薬価を二割引き下げれば約一千二百億円健康保険支出を減らすことができるのです。製薬大企業は、医療保険制度に寄生して、大もうけ――この不況の中でも、大もうけをしています。渡辺前厚生大臣も、現在の薬価基準が原価を反映していないことは事実であると認めていながら、薬価についても真剣に真のメスを入れるという姿勢が見られないのであります。  反対の第四の理由は、医療保険制度の抜本的解決の展望がないことであります。  本改正案が財政対策にもならないことは先ほど指摘したとおりであります。さきに述べたわが党の五つの対策の中で、わが党は、いまこのような当面を糊塗する赤字対策ではなく、医療保険制度全体の抜本改正を行うべきだと主張していますが、その方向は、保険制度を労働者健康保険と国民健康保険の二本立てにし、中小企業には配慮しつつ、国と資本家の負担をふやして給付内容を充実することを基本としております。厚生省が社会労働委員会に示した抜本改正の方向は、わずかばかりの給付改善と引きかえに高負担を相変わらず強いるものであり、国民の期待する抜本改正に値しないことは明らかであります。  以上が本法案に反対する主な理由であります。  私は、先ほど指摘した諸点を政府が今後の施策に生かすよう強く要求するとともに、かかる悪法成立に当たって、審議が尽くされていないことをみずから認めながら、五党合意を理由に質疑すらも認めず採決に持ち込んだことの不当性、これを再び強く批判し、私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  35. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 柄谷道一君。    〔柄谷道一君登壇、拍手〕
  36. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  いまさら言うまでもなく、医療保険制度の抜本改正の声が上がってから久しいものがあり、社会保険審議会並びに社会保障制度審議会は、それぞれ昭和四十六年秋、具体的な抜本的改革案を政府に対して答申し、本院においても、政府に抜本改正を要求する委員会決議がしばしば行われてきたところであります。これらは、わが国医療保険制度の財政的行き詰まりは、昭和三十六年の皆保険体制の達成に際して、これに即応した医療の供給体制を主軸とする各種の条件整備が行われていないこと、また、環境の変化がもたらす国民の健康破壊、疾病構造の変化、人口老齢化等の現象に対する国の適切な施策が欠如していたことに起因することを鋭く指摘し、医療保険制度の前提となる諸条件の改革を早急に実現させながら、これと連動して保険制度の改正を行い、長期に安定した保険財政を確保することこそ社会的要請であり、政府が勇気をもって改革を促進すべきことを強く求めたものでありました。  しかるに、歴代自民党政府は、自来六年余りにわたり、見るべき改善を行うことなく、無為無策、安易な財政対策にのみ終始し、今回もまたその姿勢を踏襲して、改正法案を国会に提案してきたのであります。医療保障制度に対する定見と改革への決断を欠き、保険財政の危機を招き、これを国民の負担増に転嫁しようとずる政府の政治姿勢に対し、私は憤りをもって政府に厳しい反省を求めるものであります。  しかし、反面、その責任が政府にあることは明らかであるにせよ、当面何らの緊急財政対策を講じなければ累積赤字が増大し、それが保険制度の危機に発展し、適正な医療費引き上げの遅延が医療の荒廃や保険外負担の改善にも支障を与えるという一面の現実を無視すべきでないことは当然であります。このため、わが党は、前提条件を含む医療保険制度改革に関する政府の基本的考え方を明らかにし、これを実現するための立法と実施の時期を明確にすること、抜本改正の方向と時期が明らかになればその立案を政府にゆだねる受け身の姿勢ではなく、社会労働委員会の中に小委員会を設け、与野党が抜本改正の作案に参加し、早急にその実現を期すこと、以上の二点を基本として、現実的緊急財政対策は、不合理な特別保険料徴収の回数を限定し、政府案に対しては、国民の負担を軽減するため、可能な限り修正を加えて議了することこそ現実的な次善の対応策であり、抜本改正の早期実現を図る道であるごとを、第八十二臨時国会で一貫して主張し続けてきたのであります。しかるに、絶対反対、廃案を唱える一部野党と、これに反動的に対応した与党によって審議未了、廃案となり、不況下の民間産業労働者が強くその成立を期待した離職者対策三法すら、そのあおりで成立ができなくなりました。  その後、わずか二週間を経た今日、現実的対応策をとろうとする声が強まり、わが党が主張した方向でいま採決が行われようとしております。何のための硬直的な反対姿勢であったのか、何のための反動的対決姿勢であったのか、私は、こうした国会運営に大きな疑問を感じますとともに、全党が深く前臨時国会の終盤を反省し、これを改めることなくしては、抜本改正の道は遠く、国民に対し与えた政治への不信感を取り除くことはできないことを強調したいのであります。  私は、以上のことを訴えつつ、具体的な反対理由を明らかにいたします。  その第一は、今回の改正は、これまで政府管掌健保と組合健保の間に存在した給付面での実質的な不公平に対し、保険料負担方式の相違をもたらし、負担面でも一段と不公平を拡大するもりであって、いかに当面の緊急財政対策とはいえ、社会保障の中の重要な制度としての健康保険制度の本来的な意義に照らせば、まさに逆行した改正と言うべきであるということであります。特に、社会保険審議会では反対意見が多数であったこと、また、社会保障制度審議会でも、にわかに容認できないとされた特別保険料制をあえて取り入れた政府の態度には、民主政治の立場から、大きな疑問を持たざるを得ないのであります。  第二は、その特別保険料の徴収期間についてであります。  本院社労委員会において、渡辺前厚生大臣は、本人・家族の給付水準の格差是正等を中心とする給付改善、一部負担の適正化、合理化、給付に見合った保険料及び財政基盤に応じた国庫補助による保険財政の安定、保険料負担の基礎となる報酬の合理的見直し等は、いずれも五十三年度に立法し、五十四年度に実施したいと、文書をもって明らかにされました。とすれば、当然、特別保険料の徴収は五十三年度までとし、鋭意抜本改正の検討及び国会審議を促進して、その徴収を短期間とすべきであります。しかるに、修正案は、前国会の経緯より後退し、本法施行後三年以内に行うことを目途とし、それまでの間徴収を続けることとしております。政府が、前大臣の言明どおり、抜本改正を早めることを強く求めるものでありますが、それにしても、抜本改正の実施をおくらす余地を残す内容については承服することができません。  衆議院段階で修正が行われたとはいえ、以上二点から、私は反対の意を表明し、討論を終わるものであります。(拍手)
  37. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決をいたします。  まず、特定不況業種離職者臨時措置法案及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  38. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――
  39. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 次に、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  40. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  41. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  42. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十五票   白色票          百二十七票   青色票            百八票  よって、本案は可決されました。(拍手)      ―――――・―――――   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百二十七名       安孫子藤吉君    青井 政美君       浅野  拡君    井上 吉夫君       伊江 朝雄君    岩動 道行君       石破 二朗君    石本  茂君       糸山英太郎君    稲嶺 一郎君       岩崎 純三君    上原 正吉君       植木 光教君    江藤  智君       衛藤征士郎君    遠藤  要君       遠藤 政夫君    小澤 太郎君       大島 友治君    大鷹 淑子君       大谷藤之助君    岡田  広君       長田 裕二君    加藤 武徳君       梶木 又三君    片山 正英君       金井 元彦君    金丸 三郎君       上條 勝久君    亀井 久興君       亀長 友義君    河本嘉久蔵君       木村 睦男君    北  修二君       久次米健太郎君    楠  正俊君       熊谷太三郎君    熊谷  弘君       源田  実君    小林 国司君       古賀雷四郎君    後藤 正夫君       郡  祐一君    佐々木 満君       佐藤 信二君    斎藤栄三郎君       斎藤 十朗君    坂野 重信君       坂元 親男君    山東 昭子君       志村 愛子君    嶋崎  均君       下条進一郎君    新谷寅三郎君       菅野 儀作君    鈴木 正一君       鈴木 省吾君    世耕 政隆君       園田 清充君    田代由紀男君       田原 武雄君    高橋 圭三君       高橋 誉冨君    高平 公友君       竹内  潔君    玉置 和郎君       塚田十一郎君    土屋 義彦君       寺下 岩蔵君    戸塚 進也君       徳永 正利君    内藤誉三郎君       中西 一郎君    中村 啓一君       中村 太郎君    中村 禎二君       中山 太郎君    永野 嚴雄君       夏目 忠雄君    鍋島 直紹君       成相 善十君    西村 尚治君       野呂田芳成君    長谷 川信君       秦野  章君    初村滝一郎君       鳩山威一郎君    林  寛子君       林  ゆう君    林田悠紀夫君       原 文兵衛君    桧垣徳太郎君       平井 卓志君    福岡日出麿君       藤井 裕久君    藤井 丙午君       藤川 一秋君    藤田 正明君       二木 謙吾君    降矢 敬義君       降矢 敬雄君    細川 護煕君       堀内 俊夫君    堀江 正夫君       真鍋 賢二君    前田佳都男君       増岡 康治君    増田  盛君       町村 金五君    丸茂 重貞君       三善 信二君    宮田  輝君       最上  進君    望月 邦夫君       森下  泰君    八木 一郎君       安田 隆明君    山崎 竜男君       山内 一郎君    山本 富雄君       吉田  実君    有田 一寿君       柿澤 弘治君    野末 陳平君       円山 雅也君    森田 重郎君       河野 謙三君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名      百八名       阿具根 登君    青木 薪次君       秋山 長造君    穐山  篤君       案納  勝君    上田  哲君       小野  明君    大木 正吾君       大塚  喬君    大森  昭君       粕谷 照美君    片岡 勝治君       片山 甚市君    勝又 武一君       川村 清一君    久保  亘君       栗原 俊夫君    小柳  勇君       小山 一平君    佐藤 三吾君       坂倉 藤吾君    志苫  裕君       瀬谷 英行君    高杉 廸忠君       竹田 四郎君    対馬 孝且君       寺田 熊雄君    戸叶  武君       野口 忠夫君    野田  哲君       浜本 万三君    広田 幸一君       福間 知之君    藤田  進君       松前 達郎君    丸谷 金保君       宮之原貞光君    村沢  牧君       村田 秀三君    目黒今朝次郎君       森下 昭司君    矢田部 理君       安恒 良一君    安永 英雄君       山崎  昇君    吉田忠三郎君       吉田 正雄君    和田 静夫君       阿部 憲一君    相沢 武彦君       和泉 照雄君    内田 善利君       太田 淳夫君    柏原 ヤス君       上林繁次郎君    黒柳  明君       桑名 義治君    小平 芳平君       塩出 啓典君    渋谷 邦彦君       白木義一郎君    鈴木 一弘君       田代富士男君    多田 省吾君       中尾 辰義君    中野  明君       二宮 文造君    馬場  富君       原田  立君    藤原 房雄君       三木 忠雄君    峯山 昭範君       宮崎 正義君    矢追 秀彦君       矢原 秀男君    渡部 通子君       市川 正一君    上田耕一郎君       小笠原貞子君    神谷信之助君       河田 賢治君    沓脱タケ子君       小巻 敏雄君    佐藤 昭夫君       下田 京子君    立木  洋君       内藤  功君    橋本  敦君       宮本 顕治君    安武 洋子君       山中 郁子君    渡辺  武君       井上  計君    柄谷 道一君       木島 則夫君    栗林 卓司君       三治 重信君    田渕 哲也君       中村 利次君    藤井 恒男君       向井 長年君    柳澤 錬造君       青島 幸男君    市川 房枝君       喜屋武眞榮君    下村  泰君       江田 五月君    前島英三郎君      ─────・─────
  43. 安井謙

    ○議長(安井謙君) これにて休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ―――――・―――――    午後四時二分開議
  44. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
  45. 安井謙

    ○議長(安井謙君) まず、内閣委員会において審査中の防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案並びに特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決をいたします。  両案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  46. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。      ―――――・―――――
  47. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 次に、各委員長要求に係るその他の案件について採決をいたします。  これらの案件は、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 安井謙

    ○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに決しました。  これにて散会いたします。    午後四時四分散会