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1977-11-17 第82回国会 参議院 運輸委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和五十二年十一月十七日(木曜日)    午前十時三十九分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十一月十六日     辞任         補欠選任      井上 吉夫君     増岡 康治君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         内田 善利君     理 事                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 瀬谷 英行君                 三木 忠雄君     委 員                 伊江 朝雄君                 石破 二朗君                 江藤  智君                 衛藤征士郎君                 高平 公友君                 平井 卓志君                 増岡 康治君                 青木 薪次君                 穐山  篤君                目黒今朝次郎君                 田代富士男君                 内藤  功君                 柳澤 錬造君                 山田  勇君    国務大臣        運 輸 大 臣  田村  元君    政府委員        運輸大臣官房長  山上 孝史君        運輸大臣官房審        議官       真島  健君        運輸省鉄道監督        局長       住田 正二君        運輸省自動車局        長        中村 四郎君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        国土庁計画・調        整局計画課長   星野 進保君        大蔵省主計局主        計官       角谷 正彦君        日本国有鉄道総        裁        高木 文雄君        日本国有鉄道常        務理事      田口 通夫君        日本国有鉄道常        務理事      高橋 浩二君        日本国有鉄道常        務理事      篠原  治君        日本国有鉄道常        務理事      尾関 雅則君        日本国有鉄道常        務理事      馬渡 一真君        日本国有鉄道常        務理事      吉武 秀夫君    参考人        日本鉄道建設公        団理事      平岡 治郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改  正する法律案(第八十回国会内閣提出、第八十  二回国会衆議院送付) ○委員派遣承認要求に関する件 ○連合審査会に関する件 ○参考人の出席要求に関する件     ―――――――――――――
  2. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十六日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案審査のため、明後十九日、静岡県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  6. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  航空機強取等防止対策を強化するための関係法律の一部を改正する法律案について、法務委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会から津合審査会開会の申し入れがございますので、これを受諾することとし、さらに、物価等対策特別委員会から連合審査会開会の申し入れがある場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  10. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案審査のため、必要に応じ、日本鉄道建設公団役職員の出席を求めることとし、その人選等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  12. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 国鉄の再建問題を議論する前に、運輸大臣として国鉄再建ができると考えているのか、どういうふうに具体的にやれば再建ができると、こう考えているのか、その全体像をお伺いいたします。
  14. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 私は、国鉄は必ず再建できると確信いたしております。もちろん、具体的にその方法論を述べれば時間もかかりましょうから簡略に申しますならば、まず国鉄が思いを新たにして、それこそ私鉄並みの――もちろんこれは当事者能力の問題がありますから一概にすべてを私鉄並みということは言えないかもしれませんけれども、民間企業並みの経営努力をやっていく、まずこれが何よりも大前提であります。   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕 たとえて言いますならば、先般申し上げましたが、たしかイギリスであったと思いますが、国鉄総裁が貨物のお客様を新しく開拓するために、大きな企業を回って頭を下げてみずからセールスをやった。私はそういうことがあってしかるべきものと、このように思いますが、一つのこれは例であります。  それといま一つは、ここまで追い詰められた国鉄再建のために、労使が政治休戦をして、とにかくよき意味の国鉄一家をつくって大いにやってもらうということも必要でございましょう。いわゆる国鉄離れというのは、一挙に運賃値上げをしたことによる国鉄離れが大きい面は否めない事実でありますけれども、しかし、国鉄にお客様が乗られるときに、国鉄の職員のお客様に対する接客態度というものが航空等に比べはるかに見劣りをする、船に比べはるかに見劣りをする。飛行機に乗ってにこやかな笑顔で接するスチュワーデスに比べて果たしてどうであろうか。船に乗って、内航海運等に乗って、フェリーボートなんかに乗りまして、ボーイさんたちがにこやかに接してくれる態度に比べてどうであろうか。みんながやはり大努力をするということがまず何といっても大前提になる。そして、その経営努力の一つの分野として、可能な限りぜい肉も落とすということも必要でございましょう。  それから運賃でございますけれども、運賃をどれだけ高くするかということより、むしろ他の交通機関とのバランスを失しない範囲内において適時適切に対処していくということも必要であろうと存じます。その意味においても私は、総合運賃体系というガイドラインを将来設ける必要があろうかと思いますが、また、いまの運輸省の行政機構のあり方にも問題があります。各局が縦割りで、運賃を決定するに際して他の局との相談をろくにしないで勝手にやりますからアンバランスが起こる。こういうものを調整していくような、しかも強力な権限を持った機構というものが運輸省にあってしかるべきもの、その意味において私は運輸省の行政機構改革は絶対必要だという考え方も持っております。いずれにいたしましても、そのような現実を踏まえながら、他の機関とのバランスを考えながら、しかも適時適切に運賃を改定していくということも必要でございましょう。  いま一つは、何といっても国鉄は非常に公共性の強い大量輸送機関でございますから、しかも稚内から鹿児島に至りますまで全国民、   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕 沖繩県を除くすべての国民の貴重な足でございますから、これは公共性があるのが当然。しかし、だからといって国鉄に過酷な、本来国鉄が負担すべき限界を超えておる部分についてこれを押しつける、まあ別に政治が押しつけるという意味ではありませんけれども、たとえて言うなればまた政治が国鉄にこれを押しつけるべきものでもなかろう、いままで押しつけてきたという意味で申し上げるのではありませんけれども、押しつけるべきものでもなかろう。国鉄本来の判断でやっていくべきでありましょうけれども、しかし、負担の限界を超えるものは、これはやはり国が助成措置等を手厚く行っていくということが必要であろうと存じます。  ただ問題は、一般会計で国鉄をまるまるめんどうを見ていくということはなかなかむずかしい問題があります。それは国民感情の問題であります。国鉄を全然利用する必要のない国民の税金まで、一人当たり相当多額になる税金まで国鉄に全面的に投入していくことのよしあしというものについては国民の批判があろうかと思います。でありますから、国鉄が従来独占性が非常に強かったのがなぜ薄れてきたのであろうか。モータリゼーションもありましょう、航空もありましょう。特にモータリゼーションの発達普及というものが国鉄を今日の窮地に追い詰めたということもまた否めない事実である。  こういうことを考えれば、私は国鉄をこのように追い詰めたそのような他の輸送機関、あるいはそれは基礎施設も含めてでありますが、そういう機関から、でき得べくんば何らかの保護措置を国鉄にとってもらいたい。それは一つには特定財源であります。私が国鉄問題で一番力を入れたいと思っておりますことは、何とか私の任期中に特定財源を見つけたい、これが実は私の思い詰めでございますが、そういうような措置というものも必要であろうと考えるのであります。いずれにしても、国の行財政上、特に財政上の援助ということについて国鉄に冷たく当たってはいけない、やはりそれなりの必要な保護は加えていくべきである、このように考えます。  いろいろとたくさんございますが、大まかに言ってそういうような考え方の上に立って労使が一生懸命になってくだすったならば、私は必ず国鉄は再建する。たとえば貨物一つを例にとりましても、私は貨物の合理化も必要でありましょう。貨物の合理化というものをいまや全面的に否定する人はいないかもしれません。でありますから、合理化も必要でありましょうが、同時にお客様をより多くこれからかき集めていくということはより以上必要なことだと、私はそのように思うんです。これからも国鉄に対して厳しくそういう意味で督励もし、温かく保護もし、同時に監督官庁として大いに勇気づけてもいきたい、またアドバイスもしていきたい、このように考えておる次第であります。
  15. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 では、具体的にそういう問題詰めていきますけれども、その前に、昨日私は福岡から帰る飛行機の中で、通勤新線の問題について構想を見たわけです。ああ、また始まったなと、こういうふうな感じをするわけなんです。再建計画をこれからやろうと、あるいは新幹線はどこへ行っても敷けと、こういうわけですよ。しかしながら、こういう問題が突如として出てくるということですね。私は、これはいろんな意見はあると思うんですよ。しかし、こういう問題が成田新線だけではなしに、次から次に財政的な問題も考えないで、そうして国鉄に、好むと好まざるにかかわらずやらされるという態勢になった場合に、これはどういうぐあいになるかという点が私は非常に問題点があると思うんです。そういう意味で、きょうはこの成田新幹線にかわる通勤新線という運輸大臣の構想をまず聞かしておいてもらいたいと思うんです。
  16. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これは、突如こういう構想を出したということではありません。私は過去約一年、ずっと考え続けてきた問題、それを川上知事との会見で提案をしたということであります。千葉県は元来が鉄道という輸送機関のわりあいに手薄いところである、本線と名のつくのは総武本線だけでありますが、そういうことが一つあります。それから、成田空港のこともさることながら、千葉ニュータウンという膨大なニュータウン構想がいま進められておるということもございます。そこで、新幹線といってもなかなか進むものじゃない。現実問題として、新幹線をいつつくれるかということを聞かれたら、私はちょっと答えのしょうがない。  そこで、これを国鉄そのものにやらしても大変な負担になりますから、国鉄にまるまるこれをしょわすわけにいかないですよ。まあ国鉄の首脳部の某君に言わせると、この線は国鉄でやりたいぐらいだと、絶対もうかると、こう言っておりますけれども、だからといって、いま国鉄の財政再建を論じておるときに国鉄にこれをしょわせるわけにいかない。そこで、しかももう一つは、千葉県が県営鉄道というものを認可を受けて、これに手もつかず、音を上げておるというような実情もございます。でありますので、これを第三セクターか何かで建設をしていくということにすれば、まあ私は通勤特急という名をつけておるんですが、新幹線構想を別に放てきしたわけではありませんけれども、新幹線というものは、その駅から駅というものは非常に遠いわけです。また、近かったら新幹線の価値がない。  でありますから、相当距離のある駅と駅との間は、新幹線がお走りあそばすのをじっと見ておる以外の何物でもない。これを通勤特急にすれば、あちらこちらの経過地の人はみんなこれが利用できる、しかも都心に直結できるじゃないか、こういう考え方を持ちまして、そこで私が描いた構想は、いい機会だから成田のアクセスにもひとつ利用しよう、成田空港から千葉ニュータウンを通りまして、そして高砂から押上へおりて営団八号線にどんとこれ結びつけて、そうして越中島の付近から新幹線の予定地へ入れて東京駅へ持ってくる、こういう構想であります。  ただこれは、じゃだれがやるか、みんながやらなきゃいけないことなんです。国鉄にも、東京駅使うんだから若干出資しなさいよということも言うかもしれません。それから、これができれば京成電鉄というものは、あの空港線というものはひどい目に遭うでしょうから、あれは上野へしか散らすことができません。空港から上野だけでなく東京駅へも散らしていく。東北、北海道から来る人は京成を使えばよろしい。東海道、山陽方面から来る者は、これはいまのその通勤特急を使えばよろしいというふうにすることにしても、京成は手痛い打撃を受けるかもしれぬ。だから京成も一枚加わりゃいいじゃないか。もっとも加わるだけの力があるかどうか、京成、いまちょっと、余りそれこそ形勢がよくないんですけれども、それはそれとして京成も加わればいい。  宅開公団が自分たちでも若干の部分でもやりたいと言っておるんですから、まだ認可しておる段階じゃありませんが、盛んに譲渡認可をしてくれと言ってきている。宅開公団も入りゃいいでしょう。場合によったら空港公団も入りゃいいじゃありませんか。それから千葉県知事に、あなたの方も相当金が出せますか、もちろんわれわれも全面協力をいたしますと知事は言いますから、千葉県も入ればよい。またわれわれ国家も、政府も、運輸省もこれに加わればよい。いろいろなものが集まりまして、新しい第三セクターのようなものをつくって、そしてこれでやっていく。  ですから、国鉄には何ら負担かかりません。まあ鉄建公団にも入ってもらわにやなりますまい。ということでやっていくとすれば、国鉄に何ら負担をかけることなく出資金の若干を持つぐらいの負担で、しかも新幹線のいろいろな反対もあります。また、事実新幹線によって迷惑を受ける向きもありましょう。それがすべて解決できて、しかもあの千葉ニュータウン付近がすばらしく開発をされていくということで一石十鳥にもなるんじゃないかというような感じでございまして、私なりに考えに考えて打ち出した構想であります。  だからといって、聞く人から見れば唐突の感なきにしもあらずということから、できれば月内に関係機関の実務屋さんをまず集めて、そしてその人々に、どういうふうにこれを考えるか、まず相談をかけて、言うなれば協議会の準備委員会のようなことになると思いますけれども、その上で協議会をどのようにするのか、構成をどうするのかということで協議会を発足せしめる、その協議会で今度はどういう営業主体でどのような形でやっていくのかを決めていく。そして、その金はどのようにするのか、少なくとも国鉄や京成に大きな負担をかけるわけにいきませんから、それをどのようにするのか、いろんなことを相談しよう、これが実はきのうの夕刊に出ました私の構想のあらましでございます。
  17. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私たち、東京に住んでおりまして、この営団地下鉄で八号線がこれから接続しろと言ったって私は非常に無理だと思うんです。この越中島のところへこう抜けるということは、私は非常に賛成なんですよ。地下鉄で敷けと言ったってこれは恐らく営団地下鉄でやれる見通しは将来なかなかないと思うんですよね。したがって、これを連結する、そういう構想にはいろいろ意見もあろうと思いますけれども、これは促進することに対しては私やぶさかでないと思うんですけれども、運輸大臣がこれをいつまでにやろうと、こういう決意をしているんですか。あるいは第三セクターとしてやっていく構想には大体月内にめどをつけるとそういう話ですけれども、実際にやれる見通しのもとにこれを恐らく出したんだと思うんですけれども、そうしますと、現在の予定の成田新幹線はもう断念すると、こういう考え方のもとにこの構想を出したわけですね。
  18. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いつまでやれるかと言われましても何とも言えないと思うんです。ただ、もちろんどういうプロジェクトでも反対はありましょう。たとえば、まともに用地買収される向きは皆反対なさると思うんです。ですから、そういうことももちろん見きわめていかなきゃなりませんが、少なくとも新幹線よりは私は祝福されると思うんです、この線は、こういう構想は。ですから、まだ言い出したところでございますから、それこそ協議会で、いつからどのような手順で運んで、いつごろまでにつくるかということを相談してもらわなきやならぬ。私がみずからまだ測量をしたわけでもなければ現地の意見を聞いたわけでもない。ただ、だからといって黙っておったらいつまでたってもできない。新幹線もそのまま放置して――放置してというか、毎年予算だけつけて中途半端なことで終わらなきゃならぬ。言うなれば行政のむだにもなりましょう。ですからそういうことを打ち上げた。  それからもう一つは、じゃ、新幹線はいまもうやめるのか、あきらめるのか、そうじやないんです。私は、新幹線構想というものをいまあきらめる必要はないので、これはしばらく保留といいますか、凍結しておきゃよいと思うのです、新幹線構想は。そして、こちらのいま新線の構想が固まってきた時点で新幹線問題に決着をつける。新幹線をまずあきらめてしまった、そして今度は新線の方へかかってみたら、これもだめだった。元も子もなくなるということだってあり得るんですから、田村が打ち上げたからといって、必ずこれができるというものでもありません。まだそこまで公式に話が詰まったものでもございません。  ただ、公式に詰まったものではありませんけれども、私と千葉県知事との公式会見の席に運輸省の首脳部、特に鉄道監督局長以下がはんべりまして、そして運輸大臣が千葉県知事に対して公式に提案をした問題でございますから、だからこれは公式の緒についたとは言えましょうけれども、まだまだこれから時間かかりますから、いまここで軽々に物を言うということはちょっと事実上むずかしい、物理的にむずかしいということになるかと思います。
  19. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 成田新幹線に予算もつけているわけですね。そういう点から考えますと、これの判断というものをどうするかということは、私は今後の新幹線構想等の問題を含めて非常に重要な問題だと思うのですよ。したがって、構想だけですからいまのところは、私は深くきょうは論議するつもりはないですけれども、今後の問題として、これはやはり空港の開港条件として通勤新線を提案した、そして千葉県知事との間には、これは必ずやる、こういう約束のもとにこの通勤新線を了解したんじゃないですか、どうですか。
  20. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 絶対に違います、これは。条件のジョの字も入っておりません。千葉県知事からこの問題の提起もございません。  ただ私は、よく住田君にも言うんですけれども、成田空港一つとってもそうですけれども、政治、行政というものは将来展望がなければだめだ。場当たりで行政をやり、政治をやっちゃだめだ。だからわれわれは十年、二十年の構想を常に頭に描いて、そして、その理想に向かって現実的に歩んでいくという必要があるのではないかということをよく申しておるんですが、そういう趣旨で、私が十年先を見込んでこれを物申した。  でございますから、私はこの問題を提起したときに、知事はしばし驚いた表情で、そして、それに対して心から賛成するという返答をいたしました。でございますから、これをつくるつくらぬということは、成田空港の条件に関係ありません。これをつくらなくっても背信行為には絶対なりません。つくれば喜んでもらうというだけのことでございます。
  21. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それじゃ、再建対策の問題で具体的な問題を進めたいと思うのですけれども、私も運輸委員会に籍を置きまして、四十四年の再建要綱、それから四十八年の再建対策、あるいは五十年、あるいはことしの一月の修正部分を含めて四回再建要綱を見てきたわけです。あるいは審議をしてきたわけですよ。その条件としていつも運賃の値上げはしっかりした数で出るわけです。ところがそれに付帯する条件、再建要綱というものはいつも骨抜きにされて、実際にこれは、運賃値上げのための隠れみのにそういう条件が再建要綱として出てくる。私は、こういう問題がいままでの再建要綱ではなかろうかと思うのです。  したがって、今回のこの法定制緩和の問題を審議をするに当たっても、やはり同じことが私は言えるんじゃないかと思うのですよ。法定制緩和のこの法案だけははっきりしているわけですよ、正直言えば。これは後で詰めますけれども、時限立法かどうか、際限がないわけですから。恐らく私の予想では、この法定制緩和は永久にそのまま骨抜きになると思うのですよ。収支なんか均衡できないと思うのですよ。しかし、法定制緩和をすることによって毎年値上げになるような歯止めは取っ払われると思うのですね。  私は、何でもかんでも値上げを毎年しちゃいかぬという、そういう前提に立って物を言うわけじゃないのです。適時適切な値上げというものは検討しなければならぬということは私はわかると思うのです。しかしながら、その条件ははっきりしているのです。しかし国鉄の経営努力――絶えず言葉では言うわけですよ。あるいはもう一つ、国の助成という問題を条件に出してくるわけです。しかし再建の全体構想が出ないで、法定制問題だけ取っ払うのだ、あとの条件はどうかというと一つもはっきりしていないわけですよ。この緩和の条件、あるいは対象経費の問題、これは私は後で詰めますが大きな問題ですよ。  しかし、この二つの条件すらまだ私たちの前に全面的にあらわれていないのですよ。これがはっきりしなければ、われわれ審議しようたってできやしないじゃないですか。これを審議したって何の法的拘束がありますか。閣議了解だって、五十二年一月の閣議了解、恐らくこれを修正しなければならない問題でしょう。われわれが論議している問題、まずわれわれ論議をする台上にそういう条件をはっきり決めてのせていらっしゃいと私は言いたいのですよ、本気になって再建を考えるのだったら。これは私たちも一はだ脱ぎますよ。こういう問題がはっきりしていないのだ。そして緩和だけがはっきりする。それで何か経営努力をやりますよ、国も助成をしますよ、こういう条件だけは――美辞麗句ではもう国鉄の再建は成り立たないのですよ。もう運輸大臣、十分御存じのとおりですよ。  これは皮肉な言葉で言うかもしれませんけれども、運輸大臣だって、恐らく次は運輸大臣をやっているかどうかわからぬのです。私は田村さんがやっていればまだ信用して話をしてもいいと思うのだけれども、まだ運輸大臣になりたい人が一ぱいいるらしいから、運輸大臣留任や言ったって、これは恐らくできないでしょう。率直に言って、これだけの大物運輸大臣がやれば、恐らくある程度目鼻がつくのじゃないかと私は思うのだけれども……。  したがって、ここで論議したって実際上何の法的拘束もない。その全体構想が私たちにわからないままにこの審議をしなければならないというのは、私は非常に残念だと思うのですよ。その全体構想がどういうふうにわれわれの前に提示をされるのかということを明確にしてもらいたいと思うのですよ。
  22. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) まず本年一月の再建対策は、これは確かに見直しをしなければなりません。それはまず第一が、五十二年度の運賃値上げというものが根底から狂いました。それからまた、法案の修正ということによって算定基礎が全面的に変わりました。そういうことでありますから、これは修正しなければなりません、恐らくならないと思います。もちろん予算編成のときに軌を同じくして修正をしていきたい。ただ、基本的な三本柱というものは、これは私は考え方に大きな間違いがあったとは思っておりませんけれども、事実上修正しなければならぬ。五十二年度はもう無理でございます。  そこで、具体的にいろいろな対策をまず赤裸々に出して、その上でこういう法案を出すべきではないか――私はそれは一つの見識だと思うのです。率直に言って私も同感であります。同感でありますけれども、ただイタチごっこのようなことでございまして、国鉄当局にこういう面においてもある程度の当事者能力を持たせる、それから商売上の当事者能力を持たせる、そのような当事者能力を付与された上で国鉄がいろいろと再建対策を具体的なものをつくっていく、こういう手順もまた必要であろうかと思うのであります。  「再建の基本方向」というものが示されておりますが、五十三年、五十四年でうんと検討もし、準備もし、五十五年ごろには収支均衡へのしっかりしたレールの上に乗って走りなさい、こういう趣旨だと理解しておりますが、私はやはりそれでいいんじゃないかというふうに思います。実はこの答弁は、むしろ私が申し上げるよりも総裁から申し上げるべき筋のものかもしれません。筋のものかもしれませんけれども、あえて私からお答えをすればそういうことである。  それと同時に、やはり公共性の強い、言うなれば国鉄が本来負担すべき限界を超えておる部分については、先ほどるる申し上げたように政府も真剣に考えて、そしてもうこれからは、いままで別に内政干渉があったわけでもないでしょうけれども、予算編成権というものが運輸省にありますから、権利というよりむしろ義務があります。ですから、いろんなことで国鉄に物を申さなきゃならぬ点もあります。ちょうど運輸省がこれだけ予算を欲しいといって大蔵省に査定されるようなよく似たこともあります。ありますが、なるべく運輸省が国鉄に物を申さないで、国鉄が独自の判断で計画を立てていく、それに対して運輸省が適切なアドバイスをしていく、そして協力をしていく、こういうようなことが必要であろうと考えるんです。  たとえば国鉄の学割その他公共割引という問題があります。これを一遍全面的に見直して差し上、げる必要もありましょうし、私どもがやる仕事とすれば、これをいかにして関係各省庁において予算化してもらうかということもございましょう。それだけでも恐らく数百億国鉄は助かる、そういういろんな援助もしていくということでやっていくということになりましょうが、いずれにいたしましてもこの基本方針というものを踏まえて、国鉄がりっぱな再建対策の各論を出していくであろう。また出して、必ずいずれかの日にこの委員会に御提示申し上げるであろうということを確信して疑いません。
  23. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ率直な答弁の運輸大臣だから、私は土壌が違うところで議論がかみ合わないことやってたって意味がないと思いますので議論進めますけれども、本来ならばやはり閣議了解をして、そして再建方向はこうでございますと、したがって、法定制緩和をこういうふうにしてくださいというんだったら国民にも顔が立つと思うんですよ。この基本要綱は何もかも完璧な問題でないと私は思うんですよ。だれがつくったって完璧なものにはいかないと思うけれども、おおよそ再建の基本方向はでき上がると思うんです。ここらがないのが私は今回の審議に対して非常に不満なんですよ、正直言って。  今回初めてやるんだったら私わかりますよ。いままで九年間私は運輸委員会でずっと審議をしてきた。毎回だまかされたというと語弊かもしれませんけれども、実際にそういうやりますよ――これから後から「基本方向」で詰めたいと思いますけれども、構造的な欠損の問題だって、みんなやりますよと言っていまだ何が片づいたかという問題なんですよ。その結果できたものは何かといえば、運賃を改定してきたのが何回、あるいは赤字になったのが累積赤字が何兆円、こういう問題だけが残されただけなんですよ。  私たちもやはり国鉄再建には何とか協力したい、いろいろ努力したいという考え方は、これはみんな同じだと思うんですよ。しかし、そこがかみ合わないんですよ。したがって、今回の法定制緩和を議論する場合に、やはり余り土壌が違ったんじゃ話にならないから、土壌を引き寄せて私はいろいろ詰めていきたいと思うんですけれども、この衆議院の運輸委員会で出された「国鉄再建の基本方向」という、こういうものの性格はどういうふうな性格を持っているんですか。
  24. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 衆議院でお詰めいただいたといいますか、各党でお話し合いの結果まとまりました「基本方向」の性格でございますけれど、関係各党の間で今後国鉄の再建の方向をどういうように考えたらいいかということについての非常に基本的な問題、国鉄が将来企業経営的に担当していく分野はどこであるか、あるいはそうでない分野について構造的欠損と見られるようなものは一体どういうようなものであるのか、そういうものについて政府はどういうようなことをすべきか、あるいは国鉄がこれから公共負担を、いまきょう現在いろいろな面で公共負担やっておりますけれども、こういうものについてどういうふうにしたらいいのか、あるいは今後の国鉄の建設についてどういうような考え方でやっていったらいいのかというような、いろんな問題についての基本方向を示されたものだと受けとっているわけです。  したがいまして、こういう問題を、私どもといたしましては来年度予算編成の際に、国鉄再建対策要綱をさらにまた修正することになると思いますので、その中に織り込んでいきたいと考えておるわけでございます。
  25. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうすると、この「基本方向」というものはもう少し煮詰めて、そうしてもう少し具体的にして、閣議了解をとって来年度の予算編成に臨むと、こういう体制ですか。
  26. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 具体的にという意味でございますけれど、「基本方向」の中にうたわれておりますように、いま申し上げましたような問題を五十三年度、五十四年度の間に十分検討して、具体的な問題がどこにあるかということを明らかにして、そういう問題点について国鉄が努力すべき問題もあれば、政府が支援をしていかなければならない問題もあるわけでございまして、そういうルールづくりを五十三年度、五十四年度の間にやって、五十五年度以降再建のルールに乗せよう、健全経営ができるようなルールに乗せていくということでございます。  したがいまして、来年度予算に関連いたしましてつくります再建対策要綱の中に、具体的な問題としてどうするかということは、どこまで追い込めるかわかりませんが、そういう問題についての最終的な方針が決まるのは五十三年度で決まる分もありますし、また五十四年度にずれ込むものもあろうかと思います。
  27. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 いまの答弁は、これは審議するに不満ですね。五十三年、五十四年に決めるものを、運賃だけは五十三年から法定制緩和で決まっていくわけですよ。この問題も私は非常に不満です、これは納得できませんよ。五十三年、五十四年に具体的な経費に連なって――これはあとで具体的に経費の問題一つ一つ項目を詰めますけれども、経費に連なるような累積赤字の問題をほったらかして国民に負担させるわけですよ、正直言って、この経費の中身を調べてみますと。この対策がおくれていった分は、せめて国が何とかするというのだったら話はわかりますよ。  地方ローカル線の問題でも、五十三年、五十四年、政府の態度が煮え切らないために、二千億なり三千億赤字になってひとり歩きして国鉄にかぶさってくるわけですよ、正直言って、これ。この負担をどうするかということをはっきりしないで、五十三年は五十一年度の経費でやるのだと、決算で見るのだと言ったって、これは話が合わんですよ、正直言って。したがって、私は国の財政規模もわかりますよ。国鉄だけに一般会計から何兆円もつぎ込めというような、こんなやはな論議をしても始まらないのは、私は予算委員会で審議をしてわかっていますよ。しかし、やはり五十三年、五十四年に対応するのであれば、その対応の政府がおくれた部分については、運賃の上限には入れないという条件が、歯どめをはっきりするのだったら私は審議に応じますよ、どうですか。
  28. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 五十三年度、五十四年度の二年間にわたりましていろいろ検討するわけでございますけれども、その間に赤字が解消されるわけではないわけでございます。その間に累積される赤字は、いずれ収支均衡時におきまして、国鉄の努力もありましょうが、政府といたしましてもその赤字についての責任を負うわけでございます。したがって、五十三年度、五十四年度に出た赤字がそのまま全部たれ流しといいますか、そのまま残っていくわけではないわけでございまして、この「基本方向」の中でも、収支均衡時において整理をするということを言っているわけでございます。したがって、五十三年度、五十四年度の経費が運賃値上げの方にそのままいくということではないと思います。
  29. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それは、私は経費の項目でもう少し洗いますけれども、これは端的に一つだけ指摘をしておきますよ。五十三年にたとえば九千億の赤字が出ますよ、五十四年度にまた九千億なら九千億の、手当てをしなければですよ。地方交通線の問題とか、公共割引とか、構造的欠陥に対するいろいろの手当てができなかったならば、五十三年、五十四年、あるいは五十五年になるか五十六年になるかわかりませんよ。その債務に対する利払いは、これは経費の中に入るわけでしょう、計算上そうなるでしょう。経費の項目の中に入るわけでしょう、これは。五十三、五十四、五十五、五十六出てきて、収支均衡時にまで出てくるその何兆円というのは政府は見るというのですよ。これは話がわかるのです、私は。これは鉄監局長と意見は同じですよ。  しかし、たとえば何兆円の借入金の中に、国鉄は借り入れしなければならないわけですよ。これに対する利払いというものはこれは経費の中に入るわけでしょう、今回の運賃値上げの経費の対象の一項目の中に。どうですか。
  30. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 御指摘のとおり経費に入りますけれど、それについてはもちろん全部ではございませんけれど、本年度予算でも処理をいたしておりますように、その一部について利子補給等の措置を講ずることにいたしたいと考えているわけでございます。
  31. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それはだめだ。一部の利子補給じゃこれは合わぬ。財政上負担が大蔵だって、これは大蔵省の主計官に聞いたらよくわかる、これは全部予算出せないと私思いますよ。しかし、その分は、債務に対する金額は別な枠に入れて、これを利子補給するといって経費の中に入れないというのだったら私は話が合うと思うんですよ。経費の中に入るんでしょう、正直言って。それが運賃の値上げの中に絡みに入ってくるんでしょう。それは結局は政府がぐずぐずしておって処理ができない。公共負担の問題、国鉄の構造的な欠損の問題、こういう問題に何のメスも入れなかったために、それが結局はぐずぐずしておったために国民にしわ寄せがされるという今回の法案じゃないですか。どうですか。
  32. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) ちょっと今回の法案の取り扱いについての認識が若干違っているんではないかと思うんですけれども、経費の中に確かに毎年赤字に伴う利子が入ります。  それから、仮にそれを全額助成で負担をしたといたしましても、経費の中に入ることは変わりがないわけでございます。一部負担をする場合も、全額負担をする場合も経費の額というものは常に同じでございます。したがって、累積赤字は先ほど申し上げましたような形で整理をするわけでございますが、いまお話しのありました、利子補給を全額すれば変わってくるということではないわけでございます。
  33. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そこがどうも私に合わぬ。これは経費の項目でそれ一項目じゃないから、十項目ばかり私は用意しておりますからね。そういう問題が利子の諸払いの中に全部含まれていくわけですよ。地方交通線だとか、都市交通線の補助金であるとか、あるいはこの年金の問題、構造的欠損の問題含めたいろんな問題が全部経費の中に上乗せされた料金の決定になってくるわけですね。ここはその問題を私はやる項目じゃないから、あとでまたまとめて細かく詰めますけれども、いまの鉄監局長の意見では、私はなかなかこれは納得できないですよ。これはもう一遍計算し直してもらわないとできないと思うんですけれども。  実際にその問題は後にしても、この「基本方向」の性格だけで、そしてこの運輸委員会でこの法案を通してくれといっても、私はこれはもう少し月六体性を出してもらわなきゃ、何も完璧にこれを全部しろというわけじゃない。しかしそれに対する、やはり経費の負担にかからないような方向で構造的な欠陥の処理をするというのだったら私はわかるんです。これが全然なおざりにされてしまって、ただいいかげんにこの基本方向だけ出しておけば、それは三年かかろうと、五年かかろうと、恐らくいいわというような考え方では、この議論は進まないと思うんですよ。したがって、今回の「基本方向」と、いままでの閣議了解との間にはまだこれだけでも大きな差があるわけです。これはお認めになるでしょう。どうですか。
  34. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ちょっと私から申し上げたいのは、会計上の定めで当然そういう経費に類するものはすべて経費に入るわけですね。仮にその経費が他の部門から埋められたとしても、他の部門にそのツケが回っていかない限りは経費に入る、これは会計上当然のことだと思うんです。  そこで、そういう経費というものは、すべての経費の中に含まれるわけでございますけれども、しかし、物価等上昇率を基礎にしてはじき出された運賃値上げの上限というものから、国鉄の経営努力とか、あるいはその経費についての政府の助成とか、いろんな問題を差し引いていきますから、ですから、現実に運賃の値上げ率を総裁が運輸大臣のところへ持ってくるときには上限よりかなり下回るということになるわけでございますから、会計上の問題でこういうものは本来国鉄が負担すべきものじゃないから経費に入れるなと言っても、これはちょっと会計上むずかしくなるので、本来国鉄が負担すべき限界を超えておるものであっても、国鉄が支払う以上はやはり経費に入ってくる。ただ、それを運賃値上げのアップ率を決めるときにどのように操作をして差っ引いていくかということになるわけで、特に住田君が言いましたことに矛盾はないと思うのですけれども、私からちょっと御参考までに申し添えておきたいと思います。
  35. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 上限を決めるときに差っ引くという話はわかるんです。だからその項目を、何と何と何を差っ引くかということの経費の対象を明確にしなければならないということなんですよ。そこを私は言っているわけです。差っ引く、これはわかる。差っ引かなかったら、過去債務が全部経費に上がってきて料金にはね返ってくるわけなんですから。これは後で詰めたいと思いますけれども、十三・一%なんか出っこないですよ。昭和五十五年に東北新幹線だ、上越新幹線だ、恐らく二兆五千億や三兆円の利子が絡んでくるわけです。それもどうするかということを決めなければならないわけですよ、ここでルールを。こういうものがはっきりしないと、私たちは経費の中身がわからないわけですよ。  したがって、それは後の段階で詰めたいと思いますけれども、そういう点で私はやはり「基本方向」にも盛られているような構造的な欠陥、これは前々からいろいろ指摘をされてきているわけです。特に申し上げたいのですけれども、昨年参議院でいろいろ与野党一致で附帯決議を行いましたよ。この中で具体的にどういうふうに進展したのか、この点について、運輸大臣でなくても鉄監局長でもいいですよ。
  36. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 昨年この委員会でつけられております附帯決議でございますけれど、本年度の予算におきまして、昭和五十一年度の赤字の一部に見合う債務についての利子補給をいたしております。これは先ほど申し上げましたとおりでございます。  また、公共負担の問題でございますけれど、この点につきましては、これまで国鉄の公共負担と言われておりましたいろいろな項目がございます。こういう問題について、この際整理をいたしたいと考えているわけでございます。この中にはいわゆる営業割引というようなものもかなり含まれておりますので、そういう整理をいたした上で今後の処理方針を決めたい。  一番問題になりますのは、いわゆる通学割引ではないかと思います。通学割引につきましては、これは運輸省全体といたしまして取り扱いが非常に区々になっております。この点、運輸省の行政上問題があろうかと思いますけれども、一例を申し上げまして、私の方の鉄道関係だけを取り上げてみましても、一番通学割引率の高いのは私鉄でございます。八五%ぐらいの非常に高い割引率になっております。国鉄が八三%ぐらい、それに対しまして、名古屋とか横浜とか公営になりますと通学割引が五〇数%でございます。最近、東京都の営団の通学割引率が六九%ということで従来より割引率の幅を下げたりいたしております。また、バス等になりますと、通学割引でも五〇%を割っているという例もかなりあります。  そういうようなことで、一体通学割引というのはいかなる水準が妥当であるかということを、この際十分検討した上で、その上で公共負担となるべきものについての措置を考える必要がある。仮に文部省にお願いをいたすにいたしましても、これだけが、この分が公共負担であるということをはっきりしませんと、文部省としてもなかなか話し合いに応じてもらえないということで、いま公共割引が――通学割引あるいは通勤割引はいかにあるべきかということについての作業をいたしている段階でございます。
  37. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それだけちょっと一つ。いまの公共割引一つにしても、いつまでに処理するか、どういう具体的にやるかというプロセスが一つも私たちはわからぬですよ。それは確かに各省庁との問題があるので、いろいろむずかしいことは私はもう十分わかりますよ。しかし、公共割引について何年来これね、正直言って言われてきたのかっていうんですよ。もうそろそろ決断の問題でしょう。委員会の問題じゃないですよ、正直言って。ここらで幾ら議論したってだめな問題ですよ。どう決断するかですよ。これが本当に公共割引が国民のために必要なのか、必要でないと認めるのか、国鉄が負担すべきものなのか、させられているものなのか、その選択ははっきりすべき問題じゃないですか。四十二年以来同じことを繰り返しているじゃないですか。こういう問題がやはりこの一つなんですよ。附帯決議、超党派でつくったって何にもならないんですよ、ざっくばらんに言って。  それはまあ全部が全部、私は完璧にいけとは言いませんよ。しかし、前進の跡が見受けられないということだ。何とかぼかしておきますというだけです、正直言って。これでは国鉄の再建、結論的に言ってどうにもならないという結果になってくるんじゃないですか。だから、もうこんな問題こそ閣議でどうするかということをはっきり決めるべきだと私は思うんですよ。どうしてもできないのであれば、何年の間財政的に大変だったら、その公共負担年間五百億、国鉄がいま公共負担として負担をしている。これについて、まあ項目は全額負担すべきという項目としてたとえば与えられたならば、全額はいま負担できないけれども、何年間の利子補給でも、この問題は国鉄には負担をさせないと、こういう明確な線はもう判断としてすべきじゃないですか、どうですか。ここらが私は問題だと思うんです。
  38. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これはむしろ私からお答えした方がいいかもしれません。私は閣議でこれは強く発言しております。ただ、なかなか各省庁とも何といいますか、ちょっと表現がげすになるかもしれませんが、しぶとうございまして、なかなかがんばるということで、――れはしかし、私は何とか解決しなきゃならぬと思います。といいますのは、まあ後ろに主計官おりますが、主計官はそれはそれぞれの専門分野です。しかし、日本国政府という点から言えば、国鉄が黒字のときならばその理屈も立つでしょうけれども、今日のような赤字で国鉄の助成をしなきゃならぬのなら、どの道どっちかへ使わなきゃならぬ金なんですね、どの道どっちかへ。  ですから、どうせ累積赤字で後で全部これをたな上げにするというんなら、そんないやらしいことをする前に、まあいやらしいという表現が不適当だったら御勘弁願いたいけれども、そんなことよりも年々きちっと解決していきゃいい。私鉄との絡みを言う人もあります。ありますけれども、国鉄は国の政府関係機関ですから、それはぼくは割り切っていいと思うんです。でありますから、そういう点で強く私は要望もしてまいりました。これは私が官にあると野にあるとを問わず食らいついて放さないつもりであります。ただ、利子補給とかという程度で一度結論出しますと、それで答えになるんですよ、最終的な。そこにつらさがある。それがあるものですから、あえて利子補給という安易な道を選ばないで、抜本改革ということで食らいついておるというような気持ちでございますので、その点はお察しを願いたい、こう思います。
  39. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ、私もわからないわけじゃないですよ。しかし、これはいつまでたっても追っかけごっこですよ。石田前運輸大臣なんてこれは実力者だ、田村運輸大臣と並ぶね。これができないんだ、正直言って。閣議で一番率直な発言をしているのは田村運輸大臣って評判、私十分知ってますよ。しかし、これで解決できないんだ。鉄監局長責めても、大蔵省の主計官責めてもだめなんです。私は大蔵大臣来なかったら審議しないときょう言ったんです、正直言って。事務当局責めたって始まらない問題なんです。政策判断の問題、政治の判断の問題なんです。だから私は、どうするかということを結論つけてもらいたい、この審議をするときに。  もうこれ一回だったら私まだ満足するんだ。三回、五回、十回続いたら、もう同じこと言いたくないです、正直言って。こんな問題を議論している段階じゃない。国鉄を再建するためには、だめなものはだめ、いいものはいいと、選別をはっきりしなけりゃ、これから入ってくる若い国鉄の職員が、年じゅう累積赤字で悩んでなきゃならない、働く意欲ないですよ、正直言って。おまえはストするから悪いとか、そんなタカ派的な考え方だけで、国鉄の再建なんかできるものじゃないと私は思うんです。したがって、こういうものはもうこの審議のときにはっきりけじめをつけると、どういう方向性は示すと、あるいはいついつまでどうするかというぐらいの――私はきょういますぐやれと言ったって、これは運輸大臣むずかしい問題だと思うけどね、あらかたの目鼻はつけてもらいたいと思うんですけど、どうですか、大臣、もう一遍。
  40. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これは私の執念で、先ほど申し上げたように、官にあると野にあるとを問わずこれは決着をつけるつもりでございます。ただお願いしたいことは、相手のあることでございますから、われにかすに時をもってせよということで、しばらく時間をいただきたい。  それから、結局関係各省と話し合いますのに、それは大蔵省も交えてやらなきゃなりませんが、大蔵大臣にさあどうだと言っても返事のしょうがないと思うんですよ、率直なことを言って。各省からいえば、その分だけ予算編成のときに余分によこせということになるんでしょう、恐らく。われわれの限られた、二〇%なら二〇%の、対前年比二〇%の上乗せの枠内で要求をしてこいとかなんとか言われますとね。そうすると、こういう大きな金額になる問題になりますと、どうしても各省庁は抵抗があるということは、これは事実でございましょう。でございますから、私はこの問題を詰めていくのに、考えようによってはいま時期が悪いような感じもするんです。政府が三〇%の国債の限度率がどうのこうのってわあわあ言っておるときに、その分だけ上乗せをするという議論は、時期的に若干まずいなという気持ちはなきにしもあらずなんです。  けれども、こんな時代がいつまでも続くわけじゃありません。恐らく福田さんもある程度の――福田さんと言うと失礼ですが、内閣総理大臣もある程度の経済の見通しを持っておられるでしょう。でございますから、どうぞこれは、私がここでお誓い申し上げます。とにかくこの問題の決着をつけるために、私は今後、憎まれようと何しようとがんばります。がんばりますから、どうぞその点は御信頼を賜りたい。これは鉄監局長に何ぼ言っても、局長としての力の限界というものはね、とうていそればもう無理ですよ。局長がぬらりくらり答弁するだけでも――局長だって腹の中じゃね、あなたの御意見に大賛成してるわけですよ、腹の中じゃ、本当のことを言って。総裁なんかはもう心の中で、いいこと言ってくれるっていうんで、にこにこしてると思うんです。(笑声)ですから、どうぞしばらく、われにかすに時をもってせよ、必ずこれは決着をつけるように努力いたします。これはお誓い申し上げます。
  41. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ、それ以上私は詰めませんけどね、これは結論をつけてもらいたいということです。これはなぜかというと、午後からになるかしりませんけど、後で対象経費の中にそれもいろいろ考えなけりゃならない要素の一つなんです。それで私は前提条件として申し上げているわけなんです。  それから、「基本方向」の問題で一、二伺っておきたいんですけれども、この「国鉄経営のあり方」の中の二番の、一昨日も目黒委員からもいろいろ意見ございましたけれども、構造欠損という問題について、これは具体的に明確に、この「基本方向」をつくるときにどういうふうな話し合いのもとに「構造的欠損」というものを決めたのかどうか、これについて。
  42. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 一昨日も目黒委員の御質問にお答え申し上げたわけでございますけれど、まあ私どもとして、国鉄の構造的欠損というのは二つの意味があって、非常に広い意味と、狭い意味と二つあろうかと思います。で、ここで使われてるのはむしろ狭い意味の構造的欠損ではないかと思います。  で、具体的にいかなる分野のいかなる範囲のものが構造的欠損であるかということは、これは国鉄が今後経営改善計画の中で明らかにすべき問題ではないかと思います。地方ローカル線であるから全部が構造的欠損というわけではないわけでございますし、また、国鉄のバスの全部が構造的欠損であるということではないわけでございまして、今後まあ運輸政策審議会の答申に基づいての処理をした上で、やはりこの部分はどうしても国鉄としては負担し切れないというものが構造的欠損になるわけでございまして、いかなる分野が構造的欠損であるかと、あるいはいかなる金額、範囲のも一のが構造的欠損であるかということは、今後国鉄が五十三年度、五十四年度の段階ではっきりさした上で、五十四年以降政府としてめんどうを見るべきものはめんどう見るということで健全経営に乗せていくという考え方でございまして、いま具体的な問題については、実は国鉄が明らかにすべき問題ではないかと考えているわけでございます。
  43. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、この構造的な欠損、これは国鉄側に後で答弁聞きますけれども、国鉄総裁のこの間の案の中に三つの案が出されているわけです。これは、具体的に後から総裁に聞きますけれども、そういう構造的な欠損という問題が明確になった場合には、これは国で助成すると、助成策をはっきりすると、これは所要な助成策なんですね。どうなんですか。
  44. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) そういうことだと思います。
  45. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、国鉄総裁に伺いますけれども、構造的な欠損と、それから国鉄総裁が営業やっておりましてもうこれ以上――これをいろいろ読ましてもらった、内容を。そうしますと、やはり旧勘定と新勘定にしてくれと言っていますよ、総裁が、正直言って。これからは再建する、いままでの過去債務とかいろんな問題点についてはたな上げにして、そこからスタートさしてくれという私は意見だと思うのです。その構造的な欠損と国鉄総裁が見ておる問題は何と何と何ですか。
  46. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) この「基本方向」の方に示されております「構造的欠損」と申しますのは、これはこの文言の作成に私ども関与をいたしておりませんので明確に理解いたしておらない点があるかもしれませんが、(一)との関連から申しますと、きわめて具体的には、いわゆる地方ローカル線というようなものについて生じてくるところの欠損のうちの構造的なものという御趣旨ではないかと、鉄道監督局長が先般来狭義の意味でと言っておられるのはそういう意味ではないかというふうに思います。  こちらの方につきましては、御存じのように五十一年度で二千三百億円の赤字になっておるわけでございますが、これをどうしたらいいかというのは、運輸政策審議会でいろいろこれから御検討いただく間、私どもの方で単に待っておるわけにもいかないわけでございまして、私どもは私どもなりに、もう少し何とかローカル線の運営をいろいろ工夫することによって少しでも少なくできる部分があるんではないかと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、現在ローカル線の収支係数が三〇〇前後になっておるわけでございますので、なかなか私どもの努力だけではとてもこれは消しかねるわけでございまして、その努力によってどこまでその二千三百億を減らし得るか、特に今後人件費、物件費がふえました場合にも、なおかつそれを減らしていけるかということを取り急ぎいろいろ詰めてみなければいけない。その結果、負担の限界を超えると認められるという部分がもう少し数字的にはっきりお願いをできることになるんではないかと思っております。  それから、たまたま同じ用語が使われましたので、はなはだ議論がややこしくなりましたわけでございますけれども、私どもが基本問題について陳述いたしましたときに申しました方の構造的欠損と申しますのは三つに分けておりまして、一つは「地方交通線から生ずる負担」の問題、この問題はただいまの衆議院の御論議の段階でおまとめになりました方の「国鉄再建の基本方向」の一の(二)とほぼ同じ範囲のものというふうに考えていただいてよろしいかと思います。  それから「過去債務による負担」でございますが、これについては五十二年一月二十日の閣議了解の中にも触れていただいておりますし、それから「国鉄再建の基本方向」の中の三の「政府の援助」の(二)というところに触れていただいておるわけでございまして、大体ほぼこれに見合う思想のものというふうに考えます。これによりましてある程度、いまちょっとお触れになりました新勘定と旧勘定といいますか、そういう表現はとっておりませんけれども、これまでに発生してきた重荷というものから解放していただきたい。それによって何といいますか、私どもの努力目標をはっきりする。それによって職員の士気も高まってくるであろうというような考え方でございます。  それからア、イ、ウとありますウの問題は、実は内在的に私ども持っておりますウイークポイントでございまして、御存じのように、四十三万人の職員のうち二十万人の職員が現在四十五歳以上である。そこで要員構成が非常におかしくなっておるわけでございますが、これはある意味では国鉄自体の人を採用する採用計画なり何なりにまずい点があったのかといいますと、それは全くないとは申せませんけれども、やはり終戦前後を通じて非常に大ぜいの人が外地で勤務をしたり、兵隊さんとして勤務したりした人たちが二十年、二十一年、二十二年に戻ってまいりまして、一時は六十何万人という人間を抱えておりました。  それが現在四十三万人まで減ってきたわけでございますけれども、まだ国鉄では戦争の後始末が終わってないという状態でございまして、それに伴ういろいろな、何といいますか、経営としては異常な負担があります。そういう負担の中身は具体的にはどういうものかということになりますと、たとえばこれから十年ぐらいの間に発生してまいります退職金の問題でありますとか、それから、やめられました後の年金の問題というのがあるわけでございます。  これらにつきましては、いま鋭意勉強中でございまして、まだ具体的にどういう方式でどういうふうにひとつお助け願いたいということにするかということは大変専門的な問題でございますので、いまそれぞれ斯界の権威の方にお願いしていろいろ研究をしていただいておりますから、一体幾らぐらいの金額のものをどういう方式で助けていただいたらいいかということはまだまだはっきりしておりません。  それから、同時にこの問題は、政府全体としても、恐らく国鉄以外にもややそれに類することで問題が起こっているところがあるわけでございまして、現在厚生大臣の私的諮問機関として年金問題の懇談会というところでいろいろ御議論もあるようでございますので、そこらの御議論の進行と見合いながら私どもは問題を持ち出していきたいというふうに思っております。  従来しばしば御議論いただいておりましたいろいろな問題点として、地方交通線の問題と、貨物の問題と、過去債務の問題ということが大変問題として指摘された大きなテーマであったわけでございますが、貨物問題はまずわれわれが何とかもう少し能率のいい運用の仕方をしたいということで、五十五年度までに相当抜本的な手直しをするということで取り組みました。これは固有経費だけは少なくとも貨物で負担できるように直したいと思っておりますので、それはそういう方向でありますが、従来から問題の中の地方交通線の問題と過去債務の問題は、これはどうしても財政的に御援助を願わねばならぬという考え方でございます。  そしてさらに、いささか将来の問題にわたりますけれども、いわば国策遂行上やむを得ずお引き受けした職員の、言ってみれば今後の職員の関係から生じてくる今後のわれわれの負担というものについても一、今後ひとつ十分御理解を賜りたいという気持ちをあらわしたものでございます。
  47. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 運輸大臣ね、いま国鉄総裁からこういう三項目出ているわけです。私はもう一つ、また将来に構造的な欠損を生ずると考えるものが何点かあると思うんです。たとえばいま新線建設をやっているわけです、午後からちょっと詰めたいと思いますけれどもね。AB線がどんどん進行しているわけですよ。あるいはまた新幹線がどんどんどんどん出てくる。こういうふうな問題の将来における構造的な欠損という問題も私は出てくると思うんです。こういうもの等を含めて、いま総裁からお話のあったこの問題は、この「基本方向」で言われているところの構造的欠損と見ていいのかどうか。この点について。
  48. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これは、私は構造的欠損と見てよいと思います。ただ「戦中戦後、国の機関として国策遂行上生じた要員構成の歪みによる負担」ということは、私は広義の構造的欠損であると思いますけれども、これは、ある時期に解消されることですから恒久的なものではない。だから、若干ちょっとこれは種類を変えて見た方がよいだろうという感じでございます。  で、いずれにいたしましても、このような構造的な欠損というものについて一般会計だけに頼っていくのがいいんだろうか。率直に言って、これは与党野党を問わず、一般会計に過重の負担をかけることについては国民の前ではばからなきゃならぬ時期が来ると思うんですね。ですから、そこいらで特定財源を模索というのが私の考えでございます。  それから、もう一つは新線建設について、これも私の持論でございますけれども、これから時間をかけて大蔵省ともやり合わなきゃならぬと思っておりますが、きょうは主計官が来ておりますけれども、主計官あたりでは結論が出る問題じゃないからこれはやり合わなきゃならぬ問題だと思いますがね。工事費の補助がありますね。まあAB線は全額ですけれども、仮に全額の工事費を補助してもらったからといって、これは国鉄は手放しで喜べないんですよ。ただでもらっても後から赤字が出てきたら大変なことになる。だから、工事費というものにはやはりでき上がった後の運用費と経営費というものを考えていかなきゃならぬだろうと、こういうふうに思うんです。  でございますから、たとえばこれは私どもの自由民主党の中でまだ公式の議論になっておりませんから何とも言えませんけれども、新幹線整備五線促進の議員連盟というのができまして、小坂善太郎さんが会長で山中貞則君らが副会長で何かやっておるようでございますが、そこでは真剣に、整備五線は建設公債でやれということを検討しておるようでございます。恐らく大蔵省が聞いたら腰を抜かすような話かもしれませんけれども、建設国債でやれ。それは子孫に対して残していく施設ではないか、だから子孫にわたってこれを払っていったっていいんじゃないかという考え方のようでございます。これが実現すれば私は本当に万歳を言いたいんですけれども、それにしても後の経営の赤字をどうするか、そういうことも含めてさっきの話とひっくるめて私はこの際、従来の助成体系は助成体系として残して、そしてそれ以外にプラスアルファを何かある程度まとまったお金をいただけるような特定財源を考えるべきだ。  これはいまからもう何年も前でございますが、そこに張本人がおるんですけれどもね、江藤さんと私らでやったことがあるんです。やったことがありまして、そのときは私は実は建設族でございましたのでちょっと違うことを言ったんですけれども、いまじゃもう私は運輸族にすっかりなり切っておりますから、まあそういうことでございますから、これは何としても解決をしたいというふうに考えております。非常にいい御質問でございましたので、ちょっと御質問に便乗して申しわけなかったんですが、そういう展望というか、願望を持って努力をしておるということでございます。
  49. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 具体的にやはり構造的欠損というのは今回いろいろ、過去からも議論をされてきたわけです。しかし、ここでは法定制緩和といういろいろな問題が出るときに、やはり経費の対象になってくるこの構造的な欠損という問題については、公的な助成をするのか、あるいは特定財源を用いて何とか穴埋めをするのか、どう手当てをするのか、いずれにしてもどっかで手当てをしなければ、これは上限を決めたと言われても、たとえばそれがしり抜けになってくるという危険性があるわけですね。したがってこれは、まあそれは一般会計でやるか運賃で払うか、これはまだ一つの論議の問題があると思うんです。公共料金政策の問題が私はあると思いますけれども、そうすれば、料金を上げればやはりお客は減って、国鉄離れしていけば営業が成り立たないという、こういう歯どめもあるわけですね。  こういう中で、やはり構造的欠損をどういうルールに乗せて、そして助成ルールを図っていくかということは、これは私は非常に大きな議論だと思うんです。またこれを避けて通れない問題だと思うんです、国鉄再建については。したがって、この構造的欠損の問題を、これは大蔵と運輸で詰めるんでしょうけれども、来年のこの予算編成のときにどこまで目鼻をつけるかという考え方に現時点で立ち至っているのか、これは事務当局でも結構です。
  50. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 実は特定財源に関してちょっとお答えしたいんですが、これはすでに私は関係省とも接触を始めております、大蔵以外とも。それから大蔵にもこれを検討さしております。何とか目鼻をつけたいというふうに考えております。いずれにしましても、構造上の欠損というものをどのようにするかということも含めて、いま御提案しておるような法案が成立をして、それを踏まえて予算編成、あるいは再建対策要綱、あるいは特定財源、いろんなものを論じていかなければならぬ。言うなれば、これがたたき台になるわけです。それでないと、これは三木さんも御理解いただけると思うんですけれども、法律は流れた、今度はこちらで予算編成でぎゃあぎゃあ言われたり、こっちが弱みになって、そして何が何だかわからぬようなことになる可能性というものは、これは御承知と思いますが予算編成ではあり得ることなんです。それがあるものですから、私どもこの法案に異常なまでに執着しておる。  三月三十一日までどのみち凍結されているのだから同じじゃないかと言われればそれまでなんです。それまでなんですけれども、これをたたき台にしなければなかなかできない。だからそこいらで、この間ちょっと目黒さんにも申し上げたように、この参議院で三月三十一日までに必ずこれを成立さしてやるよという御決議でもいただいたら、それはもう私は大いに勇気百倍してやりますけれども、それは恐らく不可能だと思うんです。そんなこと国会できるはずがない、事実上。私も国会議員の一人としてそれが無理であることはよく承知しております。ということになりますと、何とかこれを成立さしていただきたい、こういうことでございますので、どうぞひとつ私の気持ちもお察しを願いたいんです。
  51. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ気持ちの問題じゃなしに、ざっくばらんに言って、やっぱり私たちは審議する立場として、こういう問題がどういうふうに路線の上に乗ってくるかということがおぼろげながらもわからないわけでしょう、正直言って。まあ、言葉ではいろいろ議論している。法定制緩和の問題は法律としてはっきり発効するわけですよ。たとえば、来年三月三十一日以降やれるような条件が、この法律案がもし通ればひとり歩きできるわけですよ。しかし、この法的な拘束力は何もないわけです、後のこの条件というものは。  公的助成はやりますと言ったって、あるいは地方交通線はやりますと言ったって、本会議の答弁でも、百七十二億から次は二百四十五億になりました、確かに国の予算はわかるんです。しかし、漸増していったってそれじゃ間に合わない構造的な欠損なんです、赤字なんですよ。これをどうするか、どう対処するかということが明確に議論ができるような土壌をつくらなきゃならない、その手当てをしなきゃならない、それが私たちの役割りだと思うんですよ。それが審議しているこの審議の目的だと私は思うんですよ。したがって、この新しい予算が、運輸大臣としての構想、特定財源を考えてくるという問題も、どういうふうな構想を具体的に持って、それでこの問題を進めようとしておるのか、そういう点を私は聞きたいわけです。  それからこの地方交通線の問題だって、いつまでにけりをつけるのか、いま話をされた狭義の構造的欠損についての公的な助成のルールはいつまでにやるのか、これを私は明確に、たとえば五十三、五十四だっていいと思うんですよ、財源的な問題があるのだから。しかし、これに対しては経費からどうするとか、あるいはこの問題についてはたな上げするとか、いろんな問題を考えてこの法定制緩和の問題の審議の土壌にしなければかみ合わぬですよ、正直言って。そこを私は言いたい。したがって、特定財源を地方交通線の二千五百なら二千五百の構造欠損と見るのか、何ぼを構造欠損と見るのか、二百七十億で構造欠損を十分賄ったと見たのか、五百億は地方交通線の構造欠損の穴埋めと見るのか、こういう点をはっきりさしてもらいたいと私は思うんです。
  52. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げたわけでございますけれども、たとえば地方交通線を例にとりまして、現在九千二百キロが地方交通線と言われているわけでございます。しかし私どもといたしまして、その全部が構造的欠損であるというようには考えてないわけでございます。九千二百キロのうち、当然やはり道路運送に転換すべきものもあろうかと思います。そういうものを除いて、どうしてもやはり政策的に維持しなきゃならない分野がどれぐらいあるかということを明らかにし、かつまた残された分野についてもいろいろな経営努力をやって、できるだけ赤字を圧縮する、その上でめんどうを見ていきたいという考え方をとっているわけでございまして、そういう点について五十三年、五十四年の両年にわたって、国鉄の努力によってその辺の問題が明らかにされるのではないかと思います。  一つのやり方で、これは参考になるかどうかわかりませんし、日本の場合に適用されるかどうかも問題がありますけれど、たとえばフランスなんかの例をとりますと、六九年から四年間に一万キロの営業線を整理する、そのかわり国としてはこれだけの金を出しましょう、国と国鉄の間で契約をやっている例があるわけでございます。その結果、一万キロは全部いかなくて八千キロ弱でとどまっておりますけれど、そういう契約的な方式も一つのやり方ではないかと思います。日本でやるかどうかという問題があろうかと思いますけれど、五十三年、五十四年度に国鉄がどういう範囲、どういう地方ローカル線のどの範囲、さらに金額として努力してどうしても補てんできないものはどの程度あるかということがはっきりした上でめんどうを見たいというのが私どもの考え方でございます。
  53. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 よくわかりました。その点はそうすると、五十四年度までにこの地方交通線は何キロにするかという点は明確に論議をして進めるということですね。構造欠損の経費に対する問題はあとの問題に私はしておきたいと思う。  それから、総裁にこの過去債務、これもまた投資の問題で、私は後でいろいろ議論をしたいと思いますのでこれは別にしますけれども、戦中戦後の、この国策上の問題として退職金は相当ふえてくるわけですね。この問題に対してはどういうふうな考え方、どういうスケジュールでこの助成を考えようとしているんですか。
  54. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 先ほど大臣から、要員構成の問題は恒久的な構造欠損ではないというお話がございましたけれど、しかし、今後十年間に二十万人という、従来のベースから言うと非常に大幅な退職人員が予定されているわけでございます。したがいまして、恒久的ではないにしても、この十年間非常に国鉄の経営を圧迫する要因であることは否定しがたいのではないかと思っております。したがいまして、こういう従来の経営のべースと違って非常に負担になるような問題については、やはり何らかの経減措置を講じていく必要があろうかと考えております。具体的な問題としましてどういうような補助をするかということについては、この法律を成立させていただいた上で、来年度予算の中で大蔵省といろいろ話を進めていきたいと考えております。
  55. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは、運輸大臣いま話しているんであれなんですが、いまのこの問題ね、具体的な数字はこの前の目黒委員の質問のときにも出ておりましたよ。約一万二、三千人余分な退職金がふえるわけでしょう。これしますと、この退職金が経費の中の人件費の中に含まれてきているわけですね。したがって、これはやっぱりいびつになっているわけですよ、正直言って。十年後の法定制緩和のときであれば、人員が圧縮された、少なくなった単位の人件費になるから、これは私はうなずける問題だと思う。しかし、戦中戦後、無理やりにこういうふうにさせられた国鉄の、好むと好まざるにかかわらずやらされたこの問題に対する債務のこの出っ張ったところはちゃんと切らなきゃいかぬと思うんですよ。そうして法定制緩和の人件費の平準的な姿に戻さなければならないと私は思うんですよ。したがって、そこを今年度の予算ではっきりと対処するかどうか、これだけ明確にしておいてください。
  56. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いま実はちょっと私、後ろと話をしておりましたのは、大蔵省の主計官に対して、この退職金の問題の平準化、これはやらなきゃだめだよということを実は言ったんですが、その話をしておったわけで、むだ話をしておったわけじゃないんで、どうぞあしからず御了解願いたいんですが、私は退職金については平準化しなきゃならぬと思います。
  57. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうすると、来年度の予算からこれをどういう手当てをするか、私はこれはいろいろ財政上の問題があるでしょうから、やり方もいろいろあるでしょう。退職金を利子補給しておいて、十年後にはこれは返せる方法はあるわけですからね、いろんなやり方は、方法としてはいろいろあると思いますよ。十年間退職金払っておって、その金額だけ国鉄に貸し付けておいて、あるいはその利子補給だけをしておくとかいろんな方法が私は考えられると思う、十年たてばまた返ってくるわけですから。そこらの問題のやり方は、これは財政当局のいろんな私はやり方があろうと思いますけれども、この構造的欠損と言われておるところの、総裁の言う戦中戦後の、この「要員構成の歪みによる負担」というものは、来年の法定制緩和の経費の対象の中のときにはこのいびつを平準化すると、こういうふうにもう一度明確にとってよろしいですね。
  58. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 退職金につきましては、平準化をするために大蔵省とすでに相談はしておりますが、真剣にこれは相談をいたします。検討いたします。
  59. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会
  60. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  61. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それでは午前中に引き続いて、「国鉄再建の基本方向」のアウトラインをちょっと伺っておきたいと思うのです。  一の口の「運賃上の割引制度を全般的に見直すとともに」と、こういうふうにうたわれているんですけれども、「運賃上の割引制度を全般的に見直す」というのは、これはどういうふうに具体的に展開する予定ですか。
  62. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) この点は先ほども申し上げましたように、現在国鉄といたしましてはいろいろな割引制度を実施いたしているわけでございます。その中には営業割引として従来から実施されているものもございますし、従来は公共割引というように観念されておったものもあるわけでございますけれども、やはり経済情勢の変化によって、従来公共割引と考えられておったものの中にも一、かなり営業割引と見られるももがあるんではないかということで、そういう区分けをまずひとつする必要があるんではないか。  残りましたいわゆる公共割引の中にも、現在の割引率でいいか悪いかという問題があるわけでございまして、先ほど例に挙げました通学割引につきましては、現在運輸省といたしましても鉄道、自動車、船を通じまして、通勤あるいは通学割引がいかにあるべきかということについていろいろ検討いたしております。そういう検討をやりました上で、やはり国鉄の公共負担となっている面については、先ほど来大臣からもお話し申し上げておりますような措置を講じたいというように考えているわけでございます。
  63. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 特に「新線建設等について投資採算を考慮した基準を策定する」と。この「投資採算を考慮した基準」というのはどういうふうにこの「基本方向」ではうたっておるのですか。
  64. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 国鉄といたしましては毎年八千億前後の投資を続けてきているわけでございますが、その中には最終的に見て――「採算」というのは単年度でとるということではございませんで、五年とか十年とか一定の期間で採算というものを考えなければいかぬと思いますけれども、そういう採算基準に合うものと合わないものと両方あるのではなかろうか。しかも同時に、国鉄が営業上どうしてもやらなければならないような投資もあるわけでございます。  新幹線の公害対策というようなものは、これは国鉄として当然やらなければいけないもの。国鉄として当然やらなければいけないような投資と、それから国土開発とか、あるいは地域振興とか、あるいは大都市通勤とか、国鉄が営業上はやりたくないけれど、しかし、そういう公共目的のためにやらざるを得ないような投資もあるわけでございまして、そういうものを区分して、そういうものについて採算がとれない場合には一体どうするかというような措置を含めた基準を考えていきたい。私どもの方で考えるといいますか、そういうものを考えろという趣旨に受けとっているわけでございます。
  65. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、たとえばいま工事費に利子補給三・五%ですか、こういう方向も全部見直すという意味ですか。洗い直すと、こういう考え方ですか。
  66. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 具体的にいまどうこうという基準をつくっているわけではございまんけれど、従来の工事費助成制度、これは国鉄の工事全般について行っているわけでございますが、それについて手をつけるということではなくて、それ以外に国鉄の投資について各項目ごとにいろいろ検討を進めたい。たとえば昨年のこの委員会の附帯決議にありますように、大都市通勤について検討しろということが言われておりますので、本年度予算では、大都市通勤について三〇%の助成をするというような新しい助成制度を設けたわけでございますが、そういう項目的に検討していきたいという考え方でいるわけでございます。
  67. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、そういうものを含めて五十三年、五十四年度中に具体的な方策は全部完了する、こういうふうに受け取っていいわけですね。そして、この五十五年度以降は健全経営を目指すところの基盤ですな、収支均衡はいつになるかわからぬけれども、その時点で五十四年の対策で全部大体収支均衡できる程度の基盤は完全にでき上がると、こういうふうに見ていいわけですか。
  68. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) そのとおりでございます。
  69. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、この一の(五)の「運賃値上げの上限」というものが問題になってくるわけです。これは後で経費の問題のところで伺いたいと思いますけれども、これは国民が、率直に言って運輸大臣、この法案が通ったときに大体どういうふうな運賃の値上げの状況になるんだろうかという端的な国民の考え方というか、この法案が通ったら大体何%上げられるんだろうかという、そういう上限というのがわからぬのですよね、具体的に言えば。  この後で計算をいろいろしたのを、実態を私もお聞かせ願いたいと思っていますけれども、設定基準がいろいろあるんで、実際にどのぐらい上がっていくんだろうかという、そういうふうな非常に不安感が実はあるわけです。この前から論議になっているように三七%という、これは二年分ですけれども、あるいは二二%という問題がある。こういう問題でも、実際に二二%のたとえば値上げで、あと国の助成と国鉄の経営努力で本当に五十五年に収支基盤が合うのかどうかという、こういう点を私は非常に疑問に思うんです。その点についての大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  70. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 今回の修正によりまして運賃改定の限度を計算するということは、ちょっとその前提となる諸条件が現在、現時点ではまだ整っておりませんので大変むずかしゅうございます。むずかしゅうございますが、仮に十五日の運輸委員会、当委員会で議論されました前提条件で試算をするということにいたしますと、つまり経費は五十一年度の決算額、それから物価変動率は一〇%、それから収入見込み額については今年度は補正予算の見積額、それから来年度はその三%増と、この間はそういう前提でございましたね。  これで計算しますと、五十二年度の改定限度率は一三・一%。で、五十二年度に改定を行わないで五十三年度に一括行うとした場合の限度率は二六・六%、こういうことになります。しかし、これは全くの仮定の計算でございまして、私は物価変動率一〇%以上が続くと思いません。これは必ず一けたになる。またならなかったら大変なことでございます。現在ようやく物価が安定してきたといえども狂乱物価の余震、後遺症というものはまだ残っておるんでございますから、必ず物価は鎮静していく、こういうふうに考えられますし、また国鉄自体が経費節減、それから増収努力、これは一生懸命やるでしょう、またやってもらわなければ困る。こうなりますと、運賃改定の限度というものはさらに低くなるだろうということが言えると思います。  でありますから、私は、先般目黒さんにもお答えをしたんですが、国鉄総裁が運輸大臣に申請をしてくる運賃改定率というものは、これはある程度低くなるだろう、そうして実収イコール名目ということできちっとけじめがついてくるであろう、このように考えております。
  71. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 労使問題は後でお聞きしたいと思うんですが、三番目の、この「総合運賃政策の導入」という、こういうことがうたわれているわけです。これはとかく総合運賃制になれば、この国鉄料金に合わせて航空運賃であるとか、私鉄運賃等がアップするための総合運賃政策ではないかと、こういうふうな実は疑問を抱くわけです。そういう点についてのこの総合運賃政策の考え方というのは、この「基本方向」で盛り込まれたこの「総合運賃政策の導入」という観点は何なのか、この点について。
  72. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 総合運賃政策を考える場合に、いま御指摘のように、航空の問題とか、私鉄の問題、あるいは海運の問題、それも旅客だけではなく貨物の問題、いろいろな面での調整が必要であろうかと思います。こういう問題については、たびたび大臣からこの委員会で御答弁いただいておりますように、運輸省としてもっと総合的な行政能力というものを強化する必要があるわけでございますが、私どもの立場から申し上げまして、一例を挙げますと航空との関係でございます。現在の航空運賃というのは、近距離も遠距離も大体一キロ当たりの運賃額が同じような率で算定されております。  私どもの考え方から言えば、航空の場合にはやはり近距離が高くて遠距離が安くなるのが当然ではないか。これは原価計算的に見ましても、御承知のように、現在航空関係には航空援助料であるとか着陸料、あるいは特別着陸料等の負担が課されているわけでございますので、こういうような負担というのは距離に関係のない負担でございまして、したがって、近距離であればそういう負担の率が高くなって、近距離は本来高くなければいけないのじゃないかというように考えているわけでございます。  したがいまして、今後航空運賃の改正があるという際には、近距離の方を高くして遠距離の方は低くするということが妥当ではないか。しかも、それが同時にやはり航空の特性というのは遠距離のお客さんを運ぶということにあるわけでございます。遠距離を早い時間で運送するというところに航空の特性があるわけでございまして、それがいま申し上げましたような措置を講ずることが、同時に航空の利用者に対する利便の増進になるわけでございますので、そういう面からの調整をぜひ運輸省としても図っていきたい。私の方からお願いしたいということになるかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたような総合調整をする際にぜひそういうことに持っていっていただきたいと考えているわけでございます。
  73. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまの鉄監局長の答弁では誤解を生ずる可能性がありますので、私から補足して申し上げておきたいと思います。  総合運賃政策、これはどうしてもやらなきゃならぬ。総合交通体系の一つの分野としてやっていかなきゃならぬ。ところが今日では、各局が縦割りでございますから勝手に決めるわけです。ですからばかげた話になったわけですが、グリーン車が航空より高くなるというような愚かなことが出てきた。そこで、運輸省の行政機構というものを抜本的に再検討する必要がある。  そうして、これは仮称ですけれども、たとえて言えば運輸政策局というようなものをつくりまして、そして、その局長は事実上次官補であるぐらいの強い力を持たせまして、そして総合交通体系にそぐった活動をする、そうして鉄監であろうと、航空であろうと、海運であろうと、自動車であろうと、運賃問題を決めるのにすべてこの運輸政策局――仮称ですけれども、これに相談をかけなければならない。そこでそういう調整機関が、いわゆる総合交通体系を立てていく調整機関が、これがうまくバランスをとっていく、こういうふうにやっていかなければ私は実効は上がらないと思うんです。  住田君は航空局の出身でございまして、特に航空運賃よりグリーン車の方が高くなったものですから、航空のことにちょっと力点を置き過ぎますが、私は、だからといって、大変これは失礼な言い方になるかもしれませんけれども、国鉄の運賃を基盤にして他の運賃を律してはいけないと思うんです。これは絶対やるべきでない。むしろ国鉄をも含めて各交通機関の運賃を、いかにサービスの度合い、あるいは公共性、いろいろなものを勘案して、そしてその分担する専門の分野というものも、総合交通体系でこれはおのずからはっきりしてきましょう、もうすでに四十六年答申もあることでございます。  そういうふうにしてあらゆる角度から詰めて、航空はいかに位置づけられるべきか、鉄道はいかに位置づけられるべきか、あるいは同じ鉄道といえども全国サイドの国鉄と、一部分のローカル的な鉄道である私鉄との関連をどうするか、船をどうするか、自動車をどうするか、それもバスとタクシーをどのようにバランスをとるか、こういうことをやっていく。その意味においての総合運賃体系というものをこの運政局というようなものに取り扱わせるということが必要であろう。  私は単に航空機の遠距離逓減、あるいは近距離逓増といいますか、そういうことだけをあげつろうてはいけない、もっと広くすべての運賃というものに対して調整をしていくという、そのような機関に強い権力を与える、権力ということは国民に対する権力じゃない。他の局、原局に対して物を言う権力を与えるというふうにすべきではないか、そのような趣旨で進めていくのがこの趣旨を受けとめる趣旨であるというふうに考えておる次第でございます。
  74. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 後で伺おうと思ったこの行政改革の問題についていみじくも出ましたので、ここで行政改革の問題でちょっと聞いておきたいんですけれども、そういう総合交通体系が、現実に運輸省内では青い鳥だとかなんだとか言いながら幾らかいろいろ提案をされながらもなかなか調整できなかったところに今回の国鉄の衰微があるわけですよ。これはもうずっとあるわけですよ、いままでは。昭和四十六年に総合交通体系ができ上がったわけです、総理府に。そういう問題が骨抜きになってしまって形だけのものになってしまっている。実際の原局である運輸省はそういう対応に対し切れなかったと言ったら語弊かもしれませんけれども、やはり時代のいろいろな流れというものをキャッチできなかった古い体質があったと思うんですよ。だから、ここでそういう大臣の前向きな発言を私は歓迎するんです。  しかし、実際にこの行政改革というのは、まあ国全体でも福田総理がいろいろ言っているわけですよね。恐らく私は線香花火になるんじゃないかと思っているんです。これは口は悪いかもしれませんけれどもね。せめて運輸省だけでもそういう方向にやれる、あるいはことしじゅうに、来年度の予算から行政改革をやるときには予算も伴うわけですから、それも考えた上でこの行政改革を推進する目鼻というか、あるいはこの運輸――いまの調整局というんですか、仮称でしょうけれども、そういうものをいつごろまでにこれを設置し、あるいは来年度から実行していくという大臣のお考えなのかどうか。
  75. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 行政改革はやります。すでに省内のコンセンサスはおおむね得ておるつもりでございます。でありますから、私が方向づけをいたしまして次官、官房長等に作業をいたさせました。そうして、いま言ったような、具体的にどうこうということをいま申し上げる段階ではないかもしれませんけれども、もう実は具体的にいろいろな行政機構改革の問題、いわゆる具体的な内容、それから、これにもまさるとも劣らぬぐらい必要なことは許認可事項の整理ですよ。これも約四百近い整理をいたしたいと考えております。  ロッキード事件のような忌まわしい事件が起こったその舞台になった運輸省です。もちろん役人から言えば、おれたちが悪いことをしたわけじゃあるまいにという言い分はありましょうけれども、そのような土壌というものを改良していかなきゃならぬことはこれまた事実。でありますから、これは徹底して許認可事項の整理はやる。それから、その他関連の事業団等の問題もございます。そういうものもでき得る限り整理統合をするというようなことでございますが、すでに私どもは試案を持っております。そうして省内の先ほど申し上げたようにコンセンサスも得ております。  まあ他の省庁でもたもたしておるような新聞の記事ではございますが、それは他の省庁のことで私には関係のないことです。私は果断即決をモットーとしてやったつもりでございます。早ければ――早ければということはちょっとこれはなかった言葉にしてもらいたいのですが、私は次の通常国会にでき得れば設置法改正案を提案をいたしたいというふうに強い決意を持っております。
  76. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 総合交通体系の問題が出ましたので、貨物の問題でちょっとわき道にそれますけれども、やはりトラックの問題がこの中でも出てくるわけです。トラック対策の強化という問題で、自動車局長からちょっとこの問題で一点伺っておきたいことと、それからやはり貨物の問題を私は省資源、あるいはエネルギー問題等も含めた中で、わが国の交通のあり方というもの、物流のあり方というものを総合的に調整するといったら語弊があるかもしらぬ、言葉が何か統制経済みたいに考えがちになりますけれども、そうではなしに国鉄の持つ貨物の分野とか、自動車であるとか、船であるとか、こういうものが調整できるような交通政策の調整特別委員会みたいなものを、運輸省に置くか総理府に置くか、総合交通体系の中で、そういうやっぱり貨物の問題を、エネルギー問題等も含めてどういうふうな方向に位置づければいいかということを私は考えなけりゃならない問題じゃないか。  これは運賃の問題は、総合交通運賃体系で運輸省の局内でできますけれども、物流全体、あるいはエネルギーの問題、省資源の問題等も含めて、将来の貨物の物流のあり方というものをどうすべきかという調整委員会みたいなものはやはりつくっておかなければならないんじゃないか、調整しなきゃならないんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、こういう問題についての運輸大臣の見解を伺っておきたい。
  77. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 全く同感であります。行政委員会のようなもの、あるいは審議会のようなものをつくるのが是か非かはとにかくとして、行政機構改革でもできれば、いまの運輸政策局――仮称ではありますが、そういうところでこれをやっていく。で、いま三木さんいいこと言われたんで、総合交通体系は絶対に必要であります。絶対に必要でありますけれども、これを絶対視してしまって、金科玉条となしてしまったら今度は大変なことになって官僚統制が起こる。いわゆる自由経済のたてまえは崩される可能性がある。ですから、ガイドラインとして、しかも相当厳しいガイドラインとしてこれを設定していく必要はあろうかと思います。  四十六年答申、あるいはあの年の十二月の閣議了解ですか、方向としてはほぼ正しいんでしょう。けれども、これはやっぱり全面的に手直しをしなけりゃならぬと思います、時代が変わったんですから。そのようにしてやっていく。それにはいまおっしゃったそのとおりなんで、総合交通体系は案をつくるだけではだめなので、それを現実に案をつくって、そうして規制というと言い過ぎかもしれませんが、調整をしていく強力な機関を必要とする。それが私がねらっておる運輸政策局の構想であると、こういうことでございます。ただ、そこでいろいろの議論しなきゃならぬことは、いまおっしゃったように物流の問題、それからエネルギーの問題等を中心としてやっていかなきゃならぬ。  青木さんあたりから非常に熱心に提案されておりますが、これから大きい港湾つくるときには、私はもう政府の補助で引っ込み線を入れまして、そうして船と国鉄の貨物あたりとの直結を図っていくというような方向づけはすべきだと、私はそう思うんですよ。苫小牧なんかは何かもうすでに民間でおやりになっておるようですけれども、これを国の責任でやっていく。それを小さなその辺の地方港湾までやるかどうかは別問題として、大きな物流基地である港湾をつくるときには、あるいはすでにつくられておる港湾でもその余地があればそういうことはやっていくべきではなかろうか。  またエネルギー問題も、エネルギーというと国鉄がすぐに一番すばらしいんだと言われるけれども、乗車効率、積載効率というものを考えないとエネルギー問題は論じられない。がらがらの新幹線走らしても、これはエネルギー効率がいいとは言えない。そういういろんなことを総合して考えながら、総合交通体系で各交通機関の位置づけをし、しかも位置づけをするだけでなく、それを現実に施策でこれを裏づけていくということ、実行していくということが必要であろうと、このように考えます。
  78. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 じゃ自動車局長、この「トラック対策の強化」というのは、具体的にどういうふうに「基本方向」に盛られた精神を実施していくという考えのもとにこれ考えたのかですね。
  79. 中村四郎

    ○政府委員(中村四郎君) 私どもといたしましては、先生も先刻御承知のように、トラック輸送の分野では零細な事業者が大半でございまして、荷主との間の経済的な力関係が弱いと、こういう状態でございますので、どうしても運賃ダンピングとか、あるいは過積載というようなことが発生しやすい状況にあるわけであります。  従来から輸送秩序について改善を図ってまいったわけでありますけれども、今後におきましてさらに私どもとしては、一つは構造改善事業等の推進をさらに行いまして、トラック事業の経営基盤の強化を図ってまいりたいということと、それからまた営業類似行為の取り締まりとか、あるいは運賃ダンピング、過積載、こういったことにつきまして、輸送秩序の改善のために特に本年度各陸運局、陸運事務所に貨物輸送監理官制度が発足いたしたわけでありまして、これだけでは十分でございませんし、またトラック事業者自身もそういうことについて内部的に是正していく、切磋琢磨していくということで運動も展開しておりますんで、そういった業界の自主的な指導監視体制というものと相まちまして輸送秩序改善に努力していきたい。  それから、ただ単に鉄道とトラックの間につきまして、対抗的と申しますか、競争的と申しますか、そういった関係でなくて、双方の長所を合わせた提携輸送と申しますか、これらについても従来協同一貫輸送ということで推進してきたわけでありますが、今後におきましてはさらにそういったことに力を入れたい、こういう考えでございます。
  80. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 トラックのことで私きょうは論議を長くするつもりないんですけれども、やはり過積みの問題等を含めた両罰規定ですか、やはりそういうものをはっきり有効に活用していかなきゃだめだと思うんですよね。一方ではもう過積みで、運転手を過酷に使ってダンピングをしていくと、こういう中にあって、やはり行政自体がゆがめられているという、こういう批判が非常に強いわけです、トラック業界の中にもですね。特に全国トラックなんかの場合がダンピング等の問題で非常に話題になっているわけですね。こういう点については、やはり中小のトラック業者が非常に痛めつけられているというか、あるいは荷主のダンピングという問題が非常に大きいわけですね。こういう点をやはり厳重に私は取り締まりをすべきだと、こう強く要求しておきたいと思うんです。  それから、この「基本方向」の最後の、「収支均衡時点までに累積される赤字については、国鉄の経営努力、債務の棚上げ等により解消を図る」と。当初の再建計画では運賃改定まで入っていたわけですね。これをカットした。いろいろいわれがあったんでしょうけれども、この「収支均衡時点」というのは大体いつごろを目途にしているわけですか。
  81. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 今回の衆議院の修正によりまして、従来考えておりました収支均衡のためのプラスアルファというものが否定されたわけでございます。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、五十三年度、五十四年度の二ヵ年間で基盤整備を行って、以後経営の体質を改善していくということで、従来よりは期間が延びるということになろうかと思います。現時点でいつ収支均衡するかということは申し上げにくいわけでございますが、やはり国鉄の経営努力と、それに応じます政府の行財政上の支援ということによって体質改善が図られるわけでございます。そういう国鉄の経営努力がどういう形で今後出てまいりますか、これは五十三年、五十四年の二ヵ年間の検討の経過、段階において明らかになれば、その時点で大体どの程度、どの時点で収支均衡ができるかが明らかになろうかと思います。
  82. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それでは、私はこの法案を通すあれですね、条件にはなりませんね、これは。収支均衡時点が、やはり青写真が描けなきゃ、いつまでこれ収支均衡追うんですかということになりますわな。いままでのやり方で国の助成、あるいは国鉄の経営努力と言ったって、これは労使問題も私よく後で詰めたいと思いますけれども、実際にできっこないでしょう。結論的にはこれは収支均衡はできないと。その中で助成でじり貧でのど首締めていくという、こういうふうな考え方にしかとれないですよね、今回のこの法定制緩和に伴ういろんな諸条件を読んでおりますと。  したがって収支均衡時点はいろいろ、計画ですから、いつまでに完璧にやれるということは、これは物事ですから私もわかりますよ。しかし、おおよその収支均衡時点というものはいつごろからと、後でこの修正案の問題でお聞きしたいと思いますけれども、「当分の間」というのはいつまでこの法定制緩和が、この法律が収支均衡時点までというのはいつかということの問題になってくるわけですよ。そこらの点がもう少しやはり努力というか、この法案をひとり歩きさせる以上は、やはりこちらの収支均衡、経営努力、どのような形でやっていくかという目印は欲しいと私は思うんですけれども、この点について、運輸大臣でもいいです。
  83. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 私は、収支均衡年度をいま具体的に言えないという鉄監局長の答弁は正直でいいと思うんです。と申しますのは、いま国鉄はいろんなとげが刺さっておるわけですよ。これを抜いてやらなきゃいけない。いわゆる構造上の欠損というもの等にりいて真剣に考えてやらなけりゃいけない。ですから、先ほど申し上げましたように特定財源を探す。私は実は特別会計設立論者なんですよ。特別会計をつくりまして、そして特定財源、それでもうかちっと権利としてこれを食わえ込んで、そうして従来的な助成は助成としてその方途を残しながら、国鉄に刺さっておる構造欠損というとげを抜いてやるということまで進んでいかなければだめだと思うんです。  それから国鉄の当然の努力ですね、そういうものを五十三年度と四年度でとにかく努力をして、おおむねの――おおむねというか、もっと具体的に準備段階を終わります、五十五年度に初めて収収均衡へのレールに乗って走り出します、そしてなるべく早い機会に収支均衡のゴールインという時期を迎えます、私はいまの時点ではそれでいいんじゃないかと思うんです。いままで収支均衡年度を言って当たったことないんですよ、本当のことを言って。  それは、これは私の口から言うのもおかしいんですけれども、官僚というのは、数字の計算をするのに財政当局にも遠慮があるんでしょう。そこで、ベストの条件ばっかり考えて均衡年度なんかを出してくる。そこに無理がある。つまずきや、あるいはよろけや、そういうものは一切考えないで、ベストの諸条件だけ集めて、非常に無理な案を出してきたというのが過去の経緯だったと思うんです、本当のことを言って。ですから私はこの際、五十五年度に収支均衡へのレールに乗っけるんだということだけは絶対条件としてこれを達成すれば、おのずから収支均衡へ必ず近いうちに届くであろう、ゴールインするであろう。そのためには従来的な国鉄の姿勢でもだめだし、政府の姿勢でもだめだ。こういうことを考えております。ですから、先ほどむしろ鉄監局長が申した答弁というのは私は正直でよろしいという感じで聞いておりました。
  84. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうすると、収支均衡は永久にできないと、こういう、私は早合点ですけれども、実際に利子補給しながらこう順々順々に積み重ねていく従来のパターンでは、これは私はできないと思うんです。財政に限界があるでしょう。経営努力と言って、結局この法案がたとえば通ったとすれば、国鉄の経営努力にぐうっとしわ寄せが来るでしょう。しわ寄せできる経営努力の限界があるでしょう。それから国の助成の限界があるでしょう。  あとは、だから政治判断の問題なんですね。運輸大臣の言う総合会計、特別会計をつくる、どっから財源を持ってくるのかわかりませんけれどもね。それで国鉄に特別に与えるというんであれば、これは私はできると思う。これはやはり選択の問題だと思うんですよ。二十四兆円の予算の中で、交通に一般会計でどこまで踏み込むかと、こういうやはり選択が迫られていると思うんですね。  したがって、これは私は収支均衡時点――きょうは、いつまでと言ったってこれは論議がかみ合わないですから、私はこれはいまの答弁では不満です。しかし、努力をされると言うんですから、私も努力を見守りますけれども、実際に五十二年、五十三年、五十四年と収支均衡時点、何年になるかわかりませんよ。たとえば六十年で収支均衡になったと、こう仮定するんです。そうすると、毎年五千億なり、八千億なり、九千億の赤字ですよ。この累積赤字は、全部これは政府が国鉄に負担をかけないような形で肩がわりをすると、こういうふうにとっていいわけですか。
  85. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 収支均衡までに生じた累積赤字は、収支均衡の時点で、国鉄を苦しめることなく処理をいたす所存でございます。
  86. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 次に、この運賃の法定制緩和の問題がいま議論になっているわけでありますけれども、今回の法定制緩和法たとえば通過しますと、このチェックはどこでするかということになるわけですね。たとえば国鉄総裁からいろいろ案が出てくると思うんです。一五%アップだとか、一三%アップだとか出てくるでしょう。いままでは私鉄と同じような形で運輸審議会で実は審議をして、それが歯どめになっているような形になっているんだけれども、具体的には運輸審議会といったら歯どめになっていませんよ。あれ見て、反対して返ってきたやつはほとんどないわけですから。代々通っているわけです。  そうしますと、もう国民の声というものが、全然運輸審議会なり、あるいは運賃の国鉄総裁から出されたこの値上げ率に対して口をはさむ余地がないわけですね。したがって私は、運輸審議会なり、あるいはもっと広義にはどういう形で、この上がってきた運賃というものに対する査定というか、あるいは認可の基準にする運輸審議会というふうな形は、もっと民主的にやっていかなければならないような考え方を持たなければならないんじゃないかと、こう考えるんですけれども、この点についての意見を伺いたい。
  87. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) この問題については、国鉄にも運賃懇談会というんですか、何か一種のチェックする機関というものができるようでございます。私は、運審というものにいま少しく手を入れた方がいいんじゃないかということを考えております。これはかつてこの当委員会で申し上げたことがあるかもしれませんが、運輸審議会の委員というのは、これは国鉄の問題だけじゃございませんから、非常に専門的な知識を有した人を必要といたしますから、これはちょっと話は別になりますが、運輸審議会に、一般の利用者も含めまして、何らかの委員会をひとつつくって、運審の委員はその意見というものに耳を傾けなきゃならぬというような、一種のダブルチェックというようなことをやるべきではないか、これを検討しろと、こう言って実は部下に命じてございます。  それから運輸省でもわりあいにチェックするんですよ、率直に言いまして。たとえば私自身がチェックした問題でも、三木さん御承知と思うけれども、六大都市のタクシー運賃値上げを私しばらく抑えました。あるいは航空運賃の値上げの申請をしそうだというんで、先制攻撃で先手を打って、年内の航空運賃の値上げは一切考えていないと言って表明してこれを抑えたりというチェックをいたしました。私は適正なチェックができる。しかし、運審でそのような意味のダブルチェックをしていくような、つまり運審の委員に堂々と運審の一つの機関として物が言えるような、そのような機関をひとつつくった方がいいんじゃないかというふうには考えております。
  88. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、この国鉄運賃に関して運輸審議会、それからその意見を聞く、いろいろ国民の代表ですか、どういう構成にするのかはこれからだと思うんですけれども、これは運輸大臣としては、運輸審議会の中に国鉄運賃に関する何といいますかな、各代表の、いろんな各階層の意見を聞く審議会というか、何の委員会というか、そういうものを設置すると、こういう考え方ですか。もう一度。
  89. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 国鉄だけじゃないんですよ。国鉄とか、あるいは私鉄にしても蘭かなきゃならぬかもしれぬ。あるいはその他の、要するに、国民多くが、よかれあしかれ影響を受けるような運賃問題等は必ず意見を聞かなきゃならぬ。つまり運審の委員に物を申す機関、こういうものを私は運審の中に正規につくるべきだ、こういうことを考えまして、そのかわりその委員は、そんなもう、いわゆる何といいますかね、審議会屋というんですか、何屋というんですか、まあありますわね、ああいうんじゃなくって清新な――清新ということは、年が若いという意味だけじゃありません。要するに清新な、一小市民として生活をしておる人々の中から多く任命すると。そうして思ったことを言ってもらうというような方がいいんじゃなかろうか。そうしてその人々の意見を十分運審の委員は聞いてもらう。その聞いてもらうその聞くことを機構上義務づけるというようなことがいいんじゃないか。そういうことで実は検討方を命じておるところでございます。
  90. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、国鉄の方は運賃値上げを申請する側ですけれども、国鉄運賃懇談会といま仮称的に言われたのですけれども、どういう構成で運賃の上限幅ですか、あるいは上申するための条件というか、あるいは審議会というか懇談会というか、どういう構成になるわけですか。
  91. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) まだ最終的に詰めたわけではございませんけれども、やはり利用者の方々に、利用者の方々を代表する意見を述べていただける方、これをどうやって選ぶかというのは、事実問題として非常にむずかしいとは思いますけれども、しかし、そういう角度でお願いできるような方、それから、やはり学識経験者といいますか、評論家といいますか、そういう他のフィールドのことにも詳しい方、そうして特に鉄道の問題に詳しい方というような方々の中からお願いをいたしたいなと思っております。  しかし、これなかなかむずかしいのは、何といいますか、地域によっていろいろな事情もございますし、都会だけの問題として考えるわけにもいきませんし、ということになりますので、そこらをどういうふうにしたらいいか考えていきますと、だんだん人数がふえてしまうというようなこともありまして、どうしていいか、まだ考えまとまっておりませんけれども、しかし、まあ従来のように、いわば国鉄の中でいろいろ検討してということ以外に、広く一般の方々、特に利用者の方方の意見を聞けるような組織にしてみたいというふうに思っております。
  92. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、国鉄で懇談会つくり、答申をされて決定されるまで、相当な時間がかかるということになりますな。たとえば今回の修正案、三月三十一日にこの立法は発効するわけですね、これが通過すればですよ。そうすると、懇談会を国鉄でやり、運輸審議会でいろいろな各意見を聞きながら決定するというプロセスになりますと、やはり相当な時間がかかると、こういうふうに解釈してよろしいわけですか。
  93. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 相当な時間がかかるという、その相当というのはどの程度かということは私もしっかりわかりませんが、八百長でばっばっとやっちまうということは避けなければいけませんね。それから、さっき申しました、運審の中にそういう機関をつくるということについては、国民のそれぞれの考え方、階層の代表である各政党の推薦者をも入れるというようにいたしたいと思っておりますから、ですから、そう簡単にはいかないだろう。ただ何カ月も、半年もかかるというようなことはないと思いますけれども、審議というものはやはりある程度時間は慎重にかけた方がいいんじゃないかと思います。  それからさっきの、ちょっと誤解が生ずるといけませんから申し上げておきたいんですが、累積赤字を収支均衡の時点で政府が責任を持ってこれは処置すると申しました。そのとおりでございます。ただ、それには国鉄の経営努力、そのときの努力というものも当然一つの要素として入るわけでございますから、これだけは誤解のないように願いたいと思います。
  94. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 当然わかりますけれどもね、その経営努力が相当助成をしばって経営努力にしわ寄せされるという私は懸念でまた労使紛争の一つの火種になる、それを私は非常に実は心配をしているわけです。だからこそ、今回の二十四日にストをやるというんですよ。私はストをやるこの問題に対しては、やっぱりいろいろな意見があると私は思うんですよ。全面的に何もかもやるのが悪いというだけの問題じゃなしに、今回はこの法定制緩和の問題と条件がいろいろあると思うんですよ。  やはり企業に働いている人たちが反対するというの私は納得できないですよ、正直に言えば。一生懸命働いている人が自分の企業に向かってストをやるということはないですよ。やはり前提条件がいろいろあると思うんです。やはり解決しなきゃならない問題点が私はひそんでいると思うんですね。こういう問題に対してはやはり勇断を持ってこういう問題が解決できるような労使紛争の処理をしなきゃならないと思うんですよ。これができないところに、私はいまいろんな前提になる条件が解決されてないものが山積みされているからこういう問題になっているということを指摘をしておきたいわけですよ。  それで、今回の修正案のこの経費の対象という問題が非常に大きな問題になってくると思うんです。たとえばこの間の、二二%であれば五十一年度の決算の内容の経費の内容というものがいろいろ対象になってくるんではないかと思うんですけれども、この経費の中身というのは何なんですか。
  95. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 今回の修正案の基礎となります経費というのは、自動車関係、まあバス関係の費用、これはまだやっておりませんけれども、パイプライン事業関係の費用、そういうものを除いた残りの全経費でございます。
  96. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、残りの全経費と言いますと、たとえば対象経費から実際べースとして控除しなきゃならない決算のいろんな問題点があると思うんです。たとえば工事費利子補給金であるとか、過去債務のいろいろ助成をしていますね。こういう問題は、じゃ経費から除外するのか、入れたままの経費にするのか。これは端的に言えば、助成を受けて支出で払っちゃうわけでしょう。それを含んだものの支出になったら、これは支出の経費の率が大きくなるじゃないですか、計算が。それに十・何ぼ掛けるとか、変動率掛けた場合にはちょっと対象が違ってくるんじゃないかという私は感じがするんですけれども、この点についてはいかがですか。
  97. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 現在の国鉄の経営の状況でございますけれど、経費と収入との間に非常に大きなアンバランスがあるわけでございます。その一部を国の助成で補てんしているということでございまして、いまお挙げになりましたこの助成金というのは、そういうアンバランスの一部の解消に充てているわけでございます。  法律の問題と運用の問題と離れますけれど、一般的に申し上げまして、たとえば私どもが私鉄運賃の値上げを審査するという場合には、私鉄の経費を全部そのまま承認するというわけではなくて、やはりこの中では合理化で補てんできるものもあるであろう、こういうものは運賃に負担させるのはまずい経費ではないかということで、十分経費については審査した上で運賃値上げの額を決めていくというやり方をやっているわけでございまして、そういうやり方は今回の国鉄の場合にも当然適用されるということではないかと思います。
  98. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、たとえばこの過去債務を助成した五十一年の決算を見てみましても、あるいは大都市交通施設運営費補助金が出てますね。たとえば二十億ですか、湖西線等の問題で公団借料を払っているわけですね。こういう問題も受け入れの助成金と支出はもうそのままストレートにしちゃうわけでしょう。こういうものは経費の対象から外していくという考え方に立っていいわけですね。
  99. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) いま申し上げましたように、とにかく経費というのは金利であろうと、あるいは公団借料であろうと、これ現実にある経費でございます。その経費と収入との間に大きなアンバランスがあって、そのアンバランスをいま申し上げたようないろいろな助成金で一部埋めているというのが現状であるわけでございます。したがって、経費というのはやはり毎年毎年ふえていくわけでございますので、一応われわれが今後の運賃値上げの対象とする経費といたしましては、五十一年の決算の経費というものを対象に考える、先ほど申し上げました査定といいますか、中身についてはいろいろ検討しなければならないとは思いますけれども、一応経費というものは与えられたものとして受け取るということにならざるを得ないと思います。
  100. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 どうもそこは数字的に出せば一番わかりやすいんですけれども、たとえば、十億助成金があったと、経費も十億あるわけですね。それに十・何ぼの物価変動率を掛けた場合と、それを除いた、たとえば五に一〇・五掛けた場合とは違うわけですよ。その対象は細かく詰めなければ、経費が多くなった場合の物価変動率を掛けた場合はやはり上限がうんと上がっていくと私は思うんです。そういうものを取り除いていかなければならないと思うんですよ、経費の対象の中から。したがって、この経費の対象は何に決めるかということは非常に今回の運賃の重要な範疇なんですよ、これ。その点をやはり明確にしていただかないと、これは次に申し上げます、たとえば物価変動率に全然連動しないようないろいろな問題があるわけです。  たとえば、先ほど言われた退職金の問題、要員が十年間にふくれ上がるわけですね。これらの問題もやはり人件費が相当なアップされてくるという問題がある。昭和五十五年に国鉄が東北新幹線を開業するという計画、あるいは上越新幹線の借料という問題が出てくるでしょう。そうすると、数字を具体的に聞けば時間かかりますからそんなことは聞きませんけれども、二兆五千億とか三兆円の国鉄が投資をして、そうしてその新幹線を動かすわけです。それの利払いが全部国鉄にくるわけですね。それが利子として経費の中に入ってくるわけでしょう。こういう問題が対象から入るのか、除外されるのかということによっては、経費に掛けるこの物価変動率というものが大きく違ってくるんじゃないかという問題があるのですよ。この問題についてどうですか。
  101. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 確かに御指摘のように、国鉄の経費の中には人件費、物件費のように、今回考えておりますような物価等変動率に相関するものと、そうでないものとがあるわけでございます。そうでないものはいわゆる資本費でございますけれども、資本費についてはいまお話がございましたような、たとえば過去の例では、山陽新幹線ができるということになると経費、資本費がふえてくるわけでございまして、そうでないときにはまた率は物価等変動率より低いという場合もありまして、そういう点を考慮いたしまして、国鉄全体の経費の上昇というものはやはり人件費、物件費等の趨勢を見て、いわゆる物価等変動率を基準に算定するのが妥当ではないかという考え方をとっているわけでございます。  で、たとえば上越新幹線、東北新幹線が昭和五十六年に開業したというときには、御指摘のように一挙に金利償却、あるいは公団の借料がふえることになっております。ただし、前年にはそういうものは経費に入ってないわけでございますから、前年の物価変動率を掛けただけでは、五十六年度の収入額ではそういう東北新幹線あるいは上越新幹線の完成に伴う経費は賄えないわけでございます。一年おくれるということでございます。しかし、その翌年はやはり経費というのは非常にふえるわけでございますので、五十七年以降にはそれは経費として算入される、これはやはり経費でございますので、そういうものは経費で見ちゃいかぬということになりますと、これは運賃では回収できない話になるわけでございます。  問題は東北新幹線、上越新幹線については、私どもといたしましては直ちに開業後すぐ収支相償うとは考えておりませんけれど、開業後数年先には黒字基調に持っていけるんではないかというように見通しを立てております。したがって、短期的には確かにおっしゃるように経費だけがふえてしまうということになりますけれど、しかし、将来は当然収入の方もそれに伴ってふえてくるわけでございますので、そういう経費増というものは収入で十分カバーできる。したがって、現在このような考え方でいったとしても特に支障はないというように考えております。むしろ一年間は後追いという形になって、その分の赤字は残ってしまうという点は若干問題があろうかと思います。
  102. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは、後追いは若干の問題じゃなしに、これは五十七年に運賃を払う人の場合は非常に、たとえば五十五年に開業したとした場合に一年間後追いするとすれば、五十七年の運賃決定のときには非常に大きな問題になってくる。そのときは収支がとんとん合えばいいですよ、経費と収入が。恐らく合わぬでしょう、上越新幹線なんかの場合は。具体的に公団から借用をする場合には、ただ利子だけではなしに償却費まで含んで公団から借用するわけでしょう。こうなってくると、五十五年の経費というものは非常な莫大な経費になってくる。これが対象になって法定制緩和のときの上限の運賃の算定基準になったらば、これは非常に大変な問題を含んだ今回の審議になっていくと私は思うんですよ。  したがって、こういう経費の内容はあからさまにならないんですよ。だから、だれに聞いたって今回は上限は何ぼだとはっきりできないんですよ。できないのはわかり切っているんですよ。経費の中身がわからぬのですよ。したがって、運輸大臣ね、これは私たちの前に経費の名目をはっきりしてもらいたいんですよ、どれとどれとどれが経費の対象になるんだと。もう一つ問題は、地方交通線の欠損補助ですよ。たとえば二千億出すとか五百億出すとか八百億出すという、これは補助する対象が違うわけでしょう。五十一年のたとえば欠損であれば五十三年の予算かなんかでつくわけでしょう。こういう年次が違っているわけですね。  こういう点を考えますと、ますますこの交通線の補助の問題、あるいは公的助成が今後どれだけつくかわかりませんけれども、そういう問題を考えたときに、この経費の中身というものが非常に私はあいまいになっている。したがって、政令にゆだねるようないろんな問題があるんではなかろうかと思いますけれども、私はここで一つ一つ項目つけちゃうと、これだけでも一日論議してなきゃならない。したがって、この経費を算定する基準というものを資料で出してくれませんか、わかりやすく。
  103. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 今回の修正案の基本的な考え方は、現在国鉄が先ほど来申し上げておりますような赤字体質があるわけでございますけれど、その赤字体質をこれ以上悪くしないという意味の修正ではないかと受けとめているわけでございます。したがって、いま確かに御指摘のように、五十六年に新幹線が開業するということになると五十六年には経費がふえます。しかし、その経費はやはり収入でカバーしなければ赤字体質はさらに広がってくることになるわけでございます。  ただし、東北新幹線あるいは上越新幹線のように、まあすぐではないにしても、何年か先には黒字になるということであれば、一時的には赤字がふえたとしても将来は収入で返せるということで、経費増を収入増で賄ってはいけないということになりますと、今回の修正の趣旨と合わなくなってきて、さらに赤字体質が悪化していくということになるわけでございまして、経費をどういうふうに算定するかということについては確かにいろいろ御議論もあろうかと思いますけれど、基本的な考え方は、経費がふえた分は収入でカバーする、残った赤字体質分は国鉄の努力と国の助成の強化で対処していくというのがこの基本的な考え方でございますから、確かに経費増が一遍にありますけれど、それを否定されるということになりますと国鉄の再建というのは非常にむずかしいといいますか、見通しが全く立たなくなる話ではないかと思います。
  104. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 全部否定しているわけじゃないんですよ。経費の中に何を入れるかということをやっぱりはっきり位置づけないとわれわれわからぬのですよ、正直言って。こういう問題が、助成の対象とかいろんな問題をたとえば政府がつけるにしましても経費の対象というものが明確になってなければ、経費に物価変動率を掛けるわけでしょう、その経費をうんとふくらましたときの経費、経営努力もできませんでした、国の助成もできませんでした、そのときには経費はやっぱり依然として出ているわけですよ。それに物価変動率なりいろんなものを掛けるわけですよ。そうなってくると、やっぱり上昇幅というものは、この運賃の算定の基準というものは、二二・一にいかないのは前提が違うからだというのはそこなんですよ、前提が違うと絶えず言っている問題は。  だから、したがって、その経費になる問題は年年数字は違ってくるでしょう。生きているんですから、数字は。しかし、基礎べースとして除かなければならない数字、経費の対象科目の中に入れなきゃならない問題、こういうものはやっぱりきちっと整理すべきじゃないか。そして合理化できる問題はどうなんだ、助成に入る部分はこの部分なんだということを、経費の科目の中を洗い直さなければならないんじゃないかと私は考えるんですよ。そうしませんと、やはり経費の対象によって、立て方によって、何を選ぶかによって、その年の値上げ幅というのは違ってくると私は思いますよ、これは当然違ってくるでしょうけれども。したがって、上限が最大限ここだと、こういうことは言えないのはそこにあるんじゃないですか、どうですか。
  105. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) まあ先ほど来申し上げているわけでございますけれど、経費がふえても、もちろん収入も当然ふえるわけでございます。したがって、経費増と収入増とが一致しておれば特に問題はないわけでございます。で、先ほどの東北新幹線の例で言いますと、今回の基礎を仮に五十六年度で開業すれば、五十五年度の経費が基礎になるわけですから、五十五年度には東北新幹線の経費とか上越新幹線の経費は一切入っていないわけです。それが五十六年の運賃値上げの限度、上限を決める場合には五十五年度の経費が基礎になりますから、したがって東北新幹線とか上越新幹線というものの経費入っておりませんから、したがってその翌年に今度経費がふえる、東北新幹線、上越新幹線の開業によって経費がふえる、一方収入もふえるわけでございますから、したがって経費がふえても当然収入もふえるわけでございますから、したがって上限が両方合っていれば同じである。  しかし、恐らく最初は若干の――若干といいますか、初年度あるいは三、四年間は経費の方がふえるという場合には経費の分がそれだけ高くなる。しかし、それはやはり経費増をカバーしなければますます体質が悪くなっていくわけです。今回の法律の改正の趣旨は、現在よりも赤字体質をふやさないというのが法案の改正の目的であるというふうに私どもは受けとめているわけでございますので、そういう経費増を運賃でカバーするということをしなければ、先ほど来申し上げておりますように国鉄の財政はますます悪化してしまうことになってくるということでございます。
  106. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 だから、五十一年の場合は一三・一だけれども、国鉄の経営努力はできない、助成がおくれる、あるいは五十五年に東北新幹線なんかがかぶさってくる、こうなると、この法定制緩和は一三%じゃいかないということ、あるいは一五%じゃいかない、上限は歯どめがないという一つの条件になってくるということを私は言いたいんです。そうでしょう。まあ極端な例がですよ。収入増に見込めばそれでいいという考え方はわかりますよ。しかし、収入増に見合うためにはそれだけのパーセンテージを上げなきゃならないわけですよ、収入増の見込みを。ここの食い違いがあるんですよ。  鉄監局長、収入が入らなきゃならないと、それは収入が入るかっこうですよ。入るためには上限をアップしなきゃならないんでしょう。あるいは上越新幹線の場合には増収になるかもしれないけれども、ある程度、五年ぐらい赤字の間は、その増収分は一般乗客に、新幹線に乗らないほかの鉄道を利用する人にも全部負担をしてもらわなきゃならない運賃体系に料金をべースアップしなきゃならないということでしょう。レベルを上げなきゃいけないということでしょう。そこが私は歯どめがないと言うんですよ、この法定制緩和の撤廃に対して。  だからそこらの問題が、いやいいですと、いろいろ経費はさっ引きますと、素直にこういろいろやりますと、そうして、それでも法定制緩和した以上は一五%が最大限の上限ですということがわかれば国民一番わかりやすいんですよ、正直言って。これがないんですよ。
  107. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) いまの例で申し上げて、たとえば五十六年度に上越新幹線と東北新幹線ができたので仮りに三千億経費がふえたと、そしてその三千億全部運賃に転嫁するわけじゃないので、それの一〇%という、経費が三千億ふえれば、翌年物価等変動率が仮に一〇%とすれば、その一〇%が運賃に転嫁されるということであって、全部が転嫁されるわけじゃないわけです。したがって、その上限というのはやはり物価変動率というものとそう大きく乖離するものではないということであって、いま先生の御指摘のように上限が幾らでもなくなってしまうというような議論ではないと思います。  あくまで物価等変動率というものが基礎になって、結局この前も目黒委員にもお話し申し上げたと思いますけれども、物価変動率と、やはりそのときにおける収支アンバランスの体質、それとが相関いたしまして上限というものが決まってくるわけですから、物価変動率というものとそうかけ離れる数字は出てこない。もし仮に、これは非常にむずかしいと思いますけれども、仮に五十五年度に収支均衡しているということであれば、仮に東北新幹線、上越新幹線ができて経費上昇があったとしても、物価等変動率と大体同じような額が上限になるというふうに御理解いただいていいのではないかと思います。
  108. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私はね、いまの案にはなかなか納得できないんですよ、いろいろ項目があるんでね。ここでそれだけを、かみ合わない議論をやっても仕方ありませんので、具体的に、たとえば新幹線五十五年度開業したと、想定される収入、あるいは想定される経費、その青写真を一遍出してくれませんか、資料として、私に。そうすればはっきりわかると思うんです。そのときにどの経費をはじかなければいけないか、そのときに予想される公的助成はどの程度かと、まあこれは仮定の問題で結構です。私は、あなたの言う説明というのは絶対納得できない説明なんですよ、だれが計算しても。  したがって、上限幅というのは確かにそれは抑えることができますよ、運賃値上げ幅が国鉄から申請されたときに運輸大臣が認可しなきゃいいんですから。しかし、ある程度の予測される上限幅というのはどこかというようなことは、これは国民の知りたいところなんですよ、正直言えば。この法定制緩和が端的に緩和された場合に、この法案が通過した場合には予想される上限、どこまで決めるかはこれは運輸大臣の認可ですよ。しかし、どこまでが上限幅なんだか、あらましの点が出なきゃならないじゃないですか。これを端的に出せないかということなんですよ。
  109. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) これは数字で出すのは大変むずかしいことだと思うんです。先ほどの御質問に対する鉄監局長の答弁聞いておりまして、一体五十五、六年ごろに物価変動率がどのように変化をしておるかということについての御議論がなかったわけですね。先ほど申し上げたように、昭和五十一年度あたりは、あるいはことしでもそうかもしれませんが、いかに本年物価が安定の方向へ向かっておるといっても、なお狂乱物価の後遺症が残っておるわけです。私はこれから物価変動率は必ず一けたにおさまっていくと思うんですよ。でございますから、そういう積算の大前提というものが見通しがつけられない限りにおいては、なかなかこれは数字は出しにくいんじゃないかと、こういう感じがいたしますがいかがでしょうか。
  110. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 しかし、収入増とそれに見合う問題を考えるわけですからね、ある程度の私は上限は目鼻がつくと思うんです。そんなに福田内閣が続いているかどうかしりませんよ、あと二年か三年後。しかし、予想される平均というか、何もそれが私は仮定が全部だめだといりて文句を言っているんじゃないんです。どういう仮定でもいいんですよ。たとえばそういう形にしたといっても上限が相当浮き沈みするだろうという考え方を私は持っているわけなんです。経費の考え方によって、助成策により、経営努力により、いろいろ政府側は低く抑えたいと、こう言っているわけです。しかし、これは五十三年、五十四年だって実際に低く抑えられないです。抑えようがないと思うんですよ。  また過去債務は将来はたな上げするけれども、三兆円なり四兆円たまった過去債務に対するそれの利払いもあるわけですよ。それも経費に絡んでくるわけですからね、そのおくれた分が。こういう点をやっぱり考えますと上限には歯どめがないと、こういうふうに考えたくなってくるわけですよ。これ、幾ら議論しておってもかみ合わないと思いますよ。だから、具体的に経費の内容をもう少し国民にわかるように説明してくださいよ。
  111. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) いま東北新幹線とかいろいろな例が入ってたんで非常にわかりにくくなっているかと思うんですけれども、基本的な考え方として、上限というものはこういうふうにお考えいただいたらいいんじゃないかと思うのです。  物価変動率というものが仮に一〇%といたします、昭和五十六年度。それから国鉄の赤字体質というものがある。これが仮に一兆円の経費に対して八千億円の収入があるというと一〇対八になるわけですね。したがって、そのギャップだけを物価変動率に修正する。したがって、一〇掛ける八分の一〇、したがって一二・五というのが上限になるわけです。  したがって、仮に東北新幹線ができようと何であろうと、上限というものは常に決まってくるわけです。そのための経費がどうあろうと、今回の修正案の考え方というのは物価等変動率に幾らの修正率を掛けるかという、その修正率は国鉄の赤字体質によって決まってくるわけです。したがって、昭和五十五年度に現在よりも赤字体質が改善されて、経費と収入との乖離が狭まってくれば、それだけ上限率というのは下がってくる。  先ほど来大臣が申し上げておりますように、いま一番赤字体質がひどいときですから、いまは最高、非常に高くなると思います。しかし、二つの要素があって今後は下がってくる。一つの要素は、物価が安定してくれば物価等変動率というものも下がってくるということが一つであります。それからもう一つは、これはもちろん国鉄の経営努力ということが前提になりますけれど、現在の赤字体質が狭まってくるということであれば、その修正率も下がってくるわけですから、上限も当然下がってくるということで、そういう二つの意味で今後は上限というのは下がってくるということだと思います。  したがって、先ほど来経費のいろいろ話があって私の説明も十分じゃないかと思いますが、基本的な考え方はいま申し上げたようなことであって、東北新幹線ができようと、上越新幹線ができようと、実はちょっと先ほど一年おくれということで申し上げたので、その点で誤解を招いたかもしれませんけれど、一年おくれは確かでありますが、上限ということになれば、いま申し上げましたように物価等変動率に、国鉄の赤字体質で修正したのが上限であるというふうに御理解いただいていいわけです。  それが無限に、物価変動率が一〇であって、上限が二〇であるとか三〇であるとか、これは絶対にあり得ないことです。ただし、いまよりももっと国鉄の赤字体質が悪くなると、それはまた別の問題ですけれども、今後経営努力をして赤字体質がなくなってくれば、上限率というのは当然低くなってくるというふうに御理解いただきたいと思います。
  112. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私はちょっと納得しないけれども、赤字体質がよくなると、それから政府も助成を一生懸命やると、国鉄も経営努力を一生懸命やりますと、こういうわけで、五十一年のたとえば算定基準の一三・一%、これよりは上へ上がらないと、こう端的に理解していいわけですか、物価変動率が急激な変化のない限りは。どうですか。
  113. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) そのとおりでございます。物価変動率が現在よりも上がらない、それから国鉄の赤字体質もよくなる、それから国の行財政上の支援も強化されるという前提で考えて、今後いまより上限が上がるということはないわけです。
  114. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それは理解しておきましょう。  そうしますと、一三・一と、名目と実収の問題がこれ絡んでくるわけでありますけれども、今回は鉄監局長の答弁では名目も実収も同じにいく、こういうふうに答弁しているわけですけれども、これはこの前提でいいわけですか。
  115. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 衆議院で各党で御議論いただきました国鉄の再建方向の中で、上限率については国鉄の経営努力の中で吸収する等、値上げ幅を極力圧縮するように努めろということを言われているわけでございまして、そのとおり行いたいと思っております。
  116. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、いままで国鉄が計算をしておった――総裁に伺いたいんですけれども、名目と実収との考え方というものは次からはない、こういうふうに考えていいわけですね。
  117. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 従来の考え方は改めて申し上げるまでもございませんけれども、ずっと高度成長時代が続いてまいりまして、そして毎年何らかの形で増発をする、増発をするとまたお客さんがふえるということで、大体いままでの収入見積もりは、ある年度の収入見積もりはその前の年の実績見積額に一種の自然増的な、単価は変えなくても収入がふえるでしょうという率を何%か織り込みます。その上で、ある年に運賃改定があるといたしますと、運賃改定が一五%なら一五%あるとすればその一五%分だけふえるはずだと、こういう計算を一遍いたします。  その上で、しかしお客さんが、上がったからというのでよその輸送機関に移る場合もあるでしょうということで、いわゆる逸走率といいますか、そういうものを出します、という計算過程をたどってまいりましたものですから、名目改定率は幾らと、それからそれに対してその増分による増収額は名目改定率のとおりにはいかないでしょうということで、いわば乖離率みたいなものを掛けて算定をしておったわけでございまして、その乖離率の算定は、ではどういうふうにやってきたかというふうに申しますと、過去の改定時の経験値からそういうものを出してきたという過程をたどっております。  ところが、このごろゆっくり考えてみますと、実は昨年五〇%値上げをさしていただいたときに、三七%の増収率になりましょうということでありましたが、それがそのとおりにならなかった原因等をいろいろ考えてみますと、実は五十一年から五十二年にかけまして、国鉄にとりましてかつて経験したことのない非常に大きな変化が出てきておるわけでございまして、それは何かといいますと、貨物はもう少し早い時期からそうでございましたが、旅客の方も輸送人員が減ってくるという事態になっております。  そういう事態で今後収入見込みを立てます場合にどうしたらよろしいかということになりますと、必ずしも従来のように年々間違いなく少しずつお客がふえるでしょうという前提での計算はできないことになってくるんじゃないかなというような感じを持っています。これまだ五十一年で初めて経験した事態でございますので、今後どういうふうに考えたらよろしいか非常に問題があるわけでございますが、こういういわば高度成長の経済の時代から安定成長の経済の時代に移りますと、物流の増加系統も大分違ってくる、お客さんの動きも大分違ってくるということで、その辺は従来の経験が余り物を言わなくなるのではないかと思っておるわけでございまして、その意味で、私ども当面五十三年度の収入見込みをどう立てたらよろしいか、大変悩んでいるわけでございます。  そうした背景を一つおいて考え、もう一つ今回の改正の御趣旨が政府案とは違いまして、修正案ではとにかく実額で経費増を限度とするように抑えなさいというお指図でございますから、そういうことで法律の精神ができるわけでございますから、そうなりますと、まず一体具体的に経費が幾らふえるか、それだけ収入をふやすことができるだろうかというと、これまた競争が激しくなった現状においてはとても限度いっぱいなかなか上げられるという状態でないというようなことになってまいりましょうから、そこでどこまで上げられるかということを考えながら考えます場合には、どうしてもやはり収入増を図り得る現実的な改定方式を考えなければいけないわけでございます。  そのときに直ちにこのぐらいの実収を上げますというときには、いままでのように計算上一遍上げておいてまた落ちますというような計算を見るのではなくて、生に一体幾ら、たとえば二千億なら二千億の限度があるとしましてもなかなかそこまで上げられませんというときに、千五百億なら千五百億の増収を図るということで考えまして、そしてそれをむしろ逆に、何といいますか戻していって、そして運賃では幾ら、料金では幾ら、料金の中でどういうものが幾らというようなことで考えていくことになると思いますので、今後の国民の皆さんの一般の前に御意見を求めます改定案なるものを出しますときには、どうも従来のように、名目でどうなりますとかなんかということじゃなくて、むしろそれが一本化した形でお示しをするようなことになるのじゃないかと思います。  いろいろ衆議院での基本方向の中では何か利用減についても吸収するという概念になっておりますけれども、もうそういう形じゃなくて、むしろだんだんそれを一本化した形でわれわれの案について御審議を願うというか、御批判を求めるとか、そういう形で議論が進んでいくことになるのではなかろうか。  この考えでは、やはり従来どおり一遍何か名目率があって、そしてそれが差があっても利用減についても吸収するという概念になっておりますけれども、どうもその辺は、今度のように実額が非常にウエートが高くなって、率でなくて実額が高くなって物を考えさしていただくような時代になると、ここのところの考え方はむしろ従来の概念の名目改定率と実収率という概念が二本が一本になったようなものにだんだんなっていく、そういう方式でわれわれの方も算定をして御審議を求めると、こういうかっこうになってくるのじゃないかなというふうに、まだやってみないと、こうそろばんはじいてみないとびんときませんけれども、大体そんな観念でいけるのではないかなと思っております。
  118. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これば非常に重要な問題なんですね。簡単に名目と実収と、こう言いますけれども、いままでの国鉄の運賃体系をがっと変えるような私は体系がここで生じてくると思うんですよ。したがってこれ、一三・一の実質にやっていますけれども、果たしてそういうことで私はできるのかという非常に危惧を抱いているわけなんです。じゃ、そうするためには、増収を図るために、名目と実収を図るために関係法令を改正しなきゃ私はできないのじゃないかと思うんですよ。増収を図るためにやはりある程度線区別の運賃決定をするような方向に導入されてこざるを得ないのじゃないかという感じを私は受けるんですよ。  たとえば、運輸省からもらった統計を見ても、関西の私鉄の料金と関東の私鉄の料金とはずいぶん違うわけですよ。関西の方はもうこれ以上国鉄を一律に料金上げちゃいますと、関西の国鉄つぶれちゃいますよ、全部、正直言って、ほとんど並行線は。東京はまだ私鉄の方が並行しているという点が言えると思うんです。関西の方は私鉄の基盤が非常に強いんです。そうなると、同じようにレベルアップした実収纈でやっていきますと、関西の方の国鉄は、並行線は全然乗らなくなってしまう。こういういろんな問題点が、私は増収を図るためにまた名目と実収との差を詰めるためには、これ、いろいろな関係法令が私は必要になってくるのじゃないかという感じがするんですけれども、これは国鉄総裁、どうですか。
  119. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 実はまだそうすぐのことではないと思いますけれども、かなりいまの私どもの運賃水準が他の交通機関の運賃水準との比較において、いわば天井に近づいてきたという現状でございますから、それを前提に考えますと、いまお触れになりましたようなことがあるいはそう遠からざる時期に問題になってくる可能性はないとは言えないと思っております。  ただ私どもも、実はそのことについてまだまだ勉強が非常に不足でございまして、現在の長年続いてまいりました全国統一一律運賃制度というものについて考え直す必要があるかどうかということについては、そういう時期がいずれの日にかは来る可能性があるというふうに思っておりますけれども、いま直ちにそうなるか、また、五十三年度に改定をお願いするときにそういうことになるかというところまではまだ詰め切っておりません。そこはよほど勉強しませんといけませんし、まあ国鉄というものの性質にも、本質的なものにも触れてまいりますので、大変ありがたい御示唆といいますか、問題の指摘でございますけれども、もう少しそこはゆっくり考えさしていただきたいと思います。
  120. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは私も具体的にまだもう一遍勉強しなければならない、名目と実収の問題というのは、非常にこれは大きな問題をはらんだ点だということを私は指摘をしておきたいと思うんです。  それから、この修正案が三月三十一日からになりますと、来年一月から予定しておったこの八百五億ですか、この手当ては第二次補正か何か組む計画なんですか。
  121. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) きょうの段階でこの八百億をどういうふうにしてカバーするか、まだ具体的な案はつくっておりませんけれど、現段階で補正予算をお願いするということは考えておりません。
  122. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうすると、その資金繰り等を含めてどういう対処を国鉄に迫っていくわけですか。
  123. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) ただいま運輸省から御答弁ありましたように、今日から三月三十一日までの間に予算の補正をお願いをする、それを国会で御審議願うということは現実的に非常にむずかしいことだと思いますので、その八百五億の処理というものは、結果的には私どもの方に重荷としてかかってくることを覚悟いたしております。それをどうするかということにつきましては、たとえば昨年のような場合には、一部経費の節減を強烈にやるとか、あるいは場合によりまして支払いの繰り延べをやるとかいうことをやったわけでございますけれども、昨年この法案の通過がおくれました時期にそういうことがありましたわけでございますけれども、現在はこういう景気情勢でございますから、昨年のようなこともなかなかできにくいわけでございまして、さてどういうふうにしてよろしいかというのが悩みの種でございます。  しかし、現実問題として、率直に申しまして毎年歳出全体が三兆円ということでございますから、まあ二%前後の問題になりますし、まあそれをならしますと、五日分とか六日分とかという経費の問題でございますので、これ何とかもう少しいろいろ知恵を出しまして、とりあえず資金ショートをそういう形で解決できないかと、要するに、これは歳出権がカットされるわけではないので、収入が減るということでございますので、収入が減るということは、私どものからくりから申しますと手元資金のやりくりという問題になってまいりますわけでございます。  手元資金のやりくりの問題でございますから、何とか関係のわれわれのお取引の方々に御迷惑を及ぼさないで泳ぐ方法を身につけられるのではないかというふうに思っております。ただ、しかし、いろいろ実は収入の方もそのほかに三七%を期待しておりましたものがそこまで上がってないというような問題もございまして、いろいろどういうふうにやり切れますか、率直に言って一〇〇%の自信はありません。一〇〇%の自信はありませんけれども、まあ補正予算がなくても何とか運営がとまることがないように泳ぐ方法を考えていきたいというふうに思っております。
  124. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ運輸大臣ね、国鉄総裁がこういう苦しい答弁をしているわけですよ。ここでせざるを得ないのでしょう、私、察しますよ気持ちを。しかし、今後の法定制緩和がたとえば通った場合に、政府のこういうふうな政策的な要求によって国鉄は運営をしていかなければならない、こういう中で政府の政策的な判断、あるいは国会の政策判断、こういう問題で、たとえば今回は三月三十一日、三党修正でやったわけですね。  これはうんとおくれればおくれるほどわれわれ結構だと思う。しかし、国鉄当局は本意じゃないわけですよ。政治的な判断でこうされた場合の、今後法定制緩和になった場合に、たとえば五十四年としましょう、五十四年は物価変動率が非常に大変だから公共料金を抑制しろ、国鉄運賃は国鉄当局としては一〇%上げたい、こういう要請を出しても、これは内閣でだめだと、こういう問題が起きた場合に、そのしわ寄せはだれが見るかということなんですね、こういうような形はどうですか。
  125. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまのような例でございましたら、当然政府がその賠償責任といいますかね、しりぬぐいをしなければならないのじゃないでしょうか。
  126. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは運輸大臣、簡単に言えない問題だけれども大丈夫かな、これは。大蔵主計官が頭を抱えていまっせ。
  127. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまの話で、いま三木さんがおっしゃったことを私は受けとめたのは、政府が公共料金抑制、佐藤内閣時代ありましたね、それが。公共料金抑制という大前提の上に立って、国鉄に対して強権でもって損害をかける、そういう場合は、私は当然政府がしりをふくべきだという考え方ですよ。
  128. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうすると、端的に言えば今回の補正も政府がめんどうを見るべきだと、こういう判断にもなってくるわけですよ。したがって、そこをどう判断するかという問題は、今後の政治情勢、予算編成までに、あるいは第二次補正のときまでにいろいろ来ると思いますけれども、よくわかりました。いよいよ欧米的に田村運輸大臣が考え出したという、第一歩を踏み出したと、政府が抑制した場合には必ず政府がめんどうを見ると、こういうふうな見解であるということを私は非常に理解を了とするわけです。
  129. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまの話で、原則はそのとおり、そのとおりです。これは確認しておきます。ただ、公共料金抑制策で、国鉄の計算を政府が曲げるという場合私は政府がしりをふくべきだと思いますし、またそうしなければなりません。ただ、国鉄の計算と運輸省の計算とが違う場合がありますね、ありますね。たとえば、あんなことは絶対にないと思うけれども、国鉄がサバ読んでくることだってあるでしょう、実際問題。あるというとちょっと高木さんに申しわけないが、それはあり得るかもしれませんね。  われわれだって後にいる主計官に、いい年をしてあなた、いろいろと査定されるわけでしょう。ですから、そういうことまでも含めるという意味じゃございませんよ。私の言うのは、政府の大政策として、国鉄にかわいそうな思いをさせるということの、そのような公共料金抑制策というような場合においては政府が当然しりをふく、これは確認してお答えをしておきたい、こういうことです。
  130. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 もう一点、この法律案の、たとえば収支均衡が合いますね。そうすると鉄監局長、この法定制緩和の問題が条件が整ったと、こうした場合には、この法律はもとへ戻すんですか。あるいは新しい条項をつくるんですか。その点について。
  131. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) この法律の規定は収支均衡が図られて、累積赤字が解消されるまでの間続くということになっておりますので、収支均衡時点ではなお継続することになると思います。
  132. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 解消された時点で。
  133. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 累積赤字が解消されまして、次の運賃値上げをするときには新しい――新しいといいますか、従来の法律に従って処理する、いわゆる法定制に戻るわけでございます。
  134. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それでは、あと一、二、地方交通線の問題でちょっと伺っておきたいんですが、新線建設と――鉄建公団もお見えいただいているんですけれども、この地方交通線の問題をどう処理していくかということは、特にこの地方交通線と新線建設ですね、この問題をどう処理していくかということは非常に重要な問題だと思うんです。いまローカル線に対して補助をしよう、そういう中で、片や新線建設をどんどんやっている、こういう問題をどういう基本線に乗って考えていくかということを、まず大臣の見解を伺っておきたいと思う。
  135. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまの赤字ローカル線ということについて、運政審で御審議をいただいております。先般もう半年余り前でございますか、中間報告がございました。AB線もこれに類して考えていったらいいんではなかろうか。でございますから、当然中間報告もあったのでありますから、われわれとして赤字ローカル線並びにAB線等についての考え方は、それは持っていないと言えばうそになるかもしれませんけれども、運政審で御審議をいただいておる最中に、とかくの発言を政府がすることは差し控えなくちゃならぬと思うんです。これはやはり運政審という権威ある審議会に対する政府の儀礼でございましょう。その審議会の答申を待って対処をいたしたい、こう考えます。
  136. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この運政審にゆだねられているわけでありますけれども、実際に先ほど来も鉄監局長が一部言っておりましたけれども、九千二百キロが対象になるのか、あるいはまた廃止を前提としてこのAB線の問題を考えるのか、この前提はどうなんですか。
  137. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) いまお尋ねの点はAB線の問題でございますか。AB線の問題はいま大臣からお話がございましたように……
  138. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 失礼、地方ローカル線の問題です。
  139. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 地方ローカル線の問題については、運政審で御承知のような中間答申が出ております。原則が廃止なのか存続なのかという点についてはまだ明らかではなくて、四つの選択案が出ているということでございますが、いずれこの四つの選択案について地元といろいろお話し合いをこれから進めていきまして、その上で廃止するものは廃止する、存続するものは存続するということが決まってくるんだろうと思います。その上で、先ほど来申し上げているような考え方で結論がつけば、それは構造的欠損と認めて、まあ政府、これは地方公共団体まで入るかどうか今後の問題でございますけれども、適切な助成を行っていきたいと考えておるわけでございます。
  140. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、あくまでも現時点では九千二百キロが対象になっている、こういう考え方ですか。
  141. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 検討の対象になるのは九千二百キロであると考えております。
  142. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは国鉄総裁から、先ほど九千二百キロが構造的な欠損と、こう言っているわけですから、この点をどうするかということは、私は五十三、五十四の審議の結果、あるいは状況というものを踏まえてまた判断しなきゃならない。ここで論評するわけにいかないと思いますけれども、やはり構造的欠損であるという九千二百キロというものは、いま幹線でも赤字になってきて、それで地方交通線を補うという、これができないような国鉄の体質になっているわけです。こういう問題は今後の議論を見守りたいと思うんです。  そこで、鉄建公団に伺いたいんですけれども、現在の鉄建公団で建設しているこのAB線というのは何線あって、大体どの程度の進捗状況なんですか。
  143. 平岡治郎

    ○参考人(平岡治郎君) AB線、運輸省から基本計画で建設の指示を受けておりますのが五十三線ございます。現在までに全線開業いたしましたのが十三線。それから部分開業いたしましたのが十一線でございまして、工事線としてまだ残っておりますのが、五十三線から全線開業いたしました十三線を引きました四十線が残っておるわけでございます。それで、四十線のうち工事実施計画――これは工事を始める前に工事実施計画の認可を運輸大臣から得るわけでございますが、工事実施計画未認可の線が九線ございます。したがいまして、工事実施計画の認可を受けました線が三十一線ということでございますが、その中で四線はまだ全然未着工でございます。  それから白糠線、芦別線、これは石炭の関係がございまして、これも現在一部工事をやりましたけれども、現時点では中止をいたしておりまして、現在工事を進めておりますのは四十線のうち二十五線について工事を進めておる状況でございます。
  144. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 運輸大臣ね、鉄建公団は設立されてからつくる方に一生懸命に努力していることは私はわかるのですけれども、この九千二百キロを廃止しようかどうかというこの観点にいま立っておるときに、私は地方には開発の条件がいろいろあると思うのです。端的に短絡的にこれは全部だめだと言えないような、いろいろな地域の発展を考えた場合に、いろいろの問題点があるかもしれない。しかし、この時点でさらに赤字ローカル線をふやそうと、こういうふうな国の施策といえば施策となってくるわけですね。  したがって、この国鉄の再建期間中というか、こういう赤字の詰まった、あるいはローカル線の結論の出ないときに三百五十億をばらまいて、たとえばこのデータを見ますと狩勝線なんかは二千万円ですよ、これをばらまいて、進捗率は一%ですか、こんなものを次から次に何に使っているかということになるわけですよ、こんなところで決算をやりたくないですけれども。そういうものをつくって、どんどんどんどん国費をむだにしていって、AB線をこのまま続けていく姿勢が是か非かという問題なんですよ。どうしてもいま再建期間中は、将来の方向性は考えるにしても、現在は凍結すべきじゃないか。そして、その三百五十億あればいまの赤字財政、ローカル線をどうするかという対策の方に真剣に取り組むべきじゃないかという私は考え方を持っているのです。その点について運輸大臣、いかがですか。
  145. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 何ですね、撤収作戦というのは最後のまとめが非常にむずかしいものでありまして、確かにおっしゃるような御議論は社会通念だと思うのですよ。ただ、現地の人々にとってみれば切実な問題でありますし、そういうことも考えまして、運政審の答申が正式に出るまでは、世間様から強い御非難を受けるような範囲にもしないで、しかもむごいゼロにもしないでということで、いまのような措置をとっておる。これもやはり現地の方々に対する思いやりということでございますけれども、しかし、運政審の答申が出ましたら、正式にわれわれが物申すことの自由が与えられたときには、これは何らかの結論を出さなきゃならぬ。それは全部をやめるのか、その中からセレクトするのか、あるいはどのようにするのか、あるいは全部やろうとすれば財源をどうするのか、いろいろな問題は改めて考えなきゃならないと思います。
  146. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 たとえば八〇%ぐらい進んでいるところはどうするとか、これは運政審の審議になるだろうと思うのですけれども、それにしても進行は三百五十億毎年進んでいるわけですね。したがって、ここらの問題はやはり政策判断の問題としてやっていかないと、この問題がまた今後の運営について国鉄の赤字にのしかからないような手はずだけはしっかり運政審で議論されるだろうと思いますけれども、同じようなことを二度と三度と繰り返さないように、私は強くこの問題は要請をいたしておきたいと思うのです。  それから、あと国鉄の財政の問題で、特に過去債務の問題ですね、この過去債務の問題をどうするかということは、これはいろいろ論議をされているわけです。したがって六兆八千億とも言われている過去債務、長期債務に対して、具体的に国が今後どう処理をしていくか。この間の鉄監局長の答弁では、五兆七千億ぐらいの資産があると、資本があるということでいろいろ答弁されているわけでありますけれども、金額的にはそうかもしれませんけれども、それが累積赤字等になって、いろいろ国鉄の経営の基盤をゆがめていることは事実なんです。したがって、この過去債務に対する取り扱いというものはどうやっていくのか、この点について。
  147. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 確かに国鉄は巨額の借金を抱えているわけでございます。ただ、借金が多いから、その利子が常に国鉄の負担になるということではないと考えておるわけでございます。五十年度末の長期債務のうち二兆五千四百億円を国が肩がわりいたしましたが、これは国鉄のそのときにおける債務の、約六兆七千億でございますが、その中でいわゆる赤字運転資金に見合うものは非常に不健全なものと考えるべきじゃないかということで国が肩がわりをいたしたわけでございます。したがって、先ほどお話ございましたように、五十一年度末の債務に見合う、あるいはそれを上回るような財産がまだ現在国鉄としてはあるわけでございまして、もちろん一部赤字運転資金に見合うものもございますけれども、それはそう大きな金額ではない。  過去債務に伴う利子負担が、先ほど国鉄の御意見では構造的欠損というような感じの御発言もございましたけれど、私どもとして利子負担が国鉄の経営にどの程度の影響を与えているのかということを十分検討してみる必要があるんではないかと思っております。まあ端的に私鉄あたりと比較いたしてみますと、いわゆる資本費の負担というのは国鉄の方が私鉄よりかなり低くなっています。利子を取り上げてみますと、私鉄ですと一〇%を超えておりますが、国鉄の場合には工事補助金等で国がかなり援助しておりますので、純粋の利子負担は七%を超える程度でございます。また、償却費につきましても私鉄よりも国鉄の方が低いという現状でございまして、したがって、私鉄等と比較して、現在の利子、あるいは償却というものが国鉄の経営の圧迫になっているとは必ずしも言えないと考えております。  ただ、債務の中には、あるいは非常に将来不健全な債務で十分収入に見合ってないようなものも出てくる可能性がありますから、今後そういうものについて十分検討して、国鉄の方で五十三年、五十四年度の間に現在の債務がこれからの経営にどういうような影響を与えるか十分御検討いただいた上で私どもも判断いたしたいと思っております。
  148. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、この過去債務も五十三、五十四年に一遍洗い直して、そうして構造的欠損の過去債務であるかどうかというような感じの見直しをやると、こういうふうに考えていいわけですか。
  149. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 過去債務の問題は、今後の建設とも密接な関係があろうかと思います。先ほど来話が出ておりますが、「再建の基本方向」の中でも建設の基準、特に投資採算を考えてきっちりした基準をつくれということを言っておりますので、そういうような考え方が明らかになれば過去債務についての見直しということもできるんではないかと思います。  したがって、私どもから言えば国鉄が経営上必要な投資というものは、これは国鉄の責任でやっていただかなきゃいかぬわけですけれど、そうでない、やはり社会的要請、国家的要請から、国鉄にどうしてもやってもらわなきゃいかぬというようなものについては、それが国鉄の経営の負担にならないような措置、その場合には先ほど来大臣が申し上げておりますような財源措置というものも絡みますので、いまどういう形になるか、ここで明確には申し上げにくいわけでございますけれど、そういう問題含めて、この二年間に今後の方針を決めていきたいと、さように考えているわけでございます。
  150. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これからの設備投資については、これは後で議論しても時間がかかりますのでね、設備投資でもやはり政策的に国の要請でやられる分、それから国鉄がみずからやれる分、あるいは保安とか環境整備とか、いろんな問題の設備投資と分かれると思うんですがね。したがって、そういうものの投資採算基準というのは、これは「基本方向」で示されているわけでありますけれども、その基準にさかのぼって、いま鉄監局長が過去債務の処理をすると、こういうふうに言われているわけでありますけれども、国鉄総裁の言われる過去債務の中で、設備投資が約五兆一千億の中で、累積赤字も含めて六兆八千億ですか、五十一年末の長期債務が。この金額、違っておったらちょっと訂正してもらって結構ですけども、この設備投資に使った金が約五兆一千億円ぐらいあるんじゃないかと思うんです。  その中で、国鉄自身が経営上やっていま資産に残っているという、鉄監局長の答弁の中の採算に合う設備投資の部分と、不採算投資というか、国家的な要請によってやらされた非採算設備投資とうような問題が長期債務の中にあるんじゃないかと思うんです。その点については総裁どのように分析しておりますか。
  151. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 実は投資の中でどういうものが採算に合うか合わないかということでございますけど、それは一方から見ますと運賃水準、収入水準というようなものによりまして違ってくるわけでございまして、たとえばある線区が引き合うか引き合わないかということになりました場合にも、そのときその運賃水準がまあまあの水準であるか、いろんな事情で低目に定められているのかというようなことによって違ってまいるわけでございますので、どうも採算に合う投資と採算に合わない投資を、これまでのところではなかなか線が引きにくいということになっております。  ですが、しかし事業をやります以上、やっぱりそこのところはもう少し詰めた議論をしなきゃならないわけでございまして、この基本、いろいろな機会にその辺をもう少し詰めるべしという御注意をいただいておりますので、   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕 私どももそうした角度からもう一遍見直してみたいと思っておりますが、現在のところぴしゃっとした数字を持って御説明できるような勉強が十分できておらないということでございます。
  152. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ国鉄ものん気だなと私は思うんだけど、過去債務負担してくれと言うのだけれども、やっぱり採算と非採算とぐらいは明確に分析しておいてもらった方が私たちも数字で議論できるんですけど、これは急な質問ですから出ないのも無理もないと思いますけれども、できれば後で資料でもらいたいです。よろしいでしょうか、総裁。出ますか、これ。
  153. 馬渡一真

    ○説明員(馬渡一真君) 投資と、それから債務というのの結びつきが、ただいまの段階で申しますと、四十五年以前は償却前が黒がございまして、その場合は自己資金が入っておったわけでございます。それから出資金というのを五十年度までいただいておりました。したがって、そういう意味では、同じ工事をいたします財源がそれぞれあったわけでございまして、借金ばかりでなかったという意味で、それではどの財源をもってどの工事に充てたかということになりますと、的確にそれを分けたわけではございませんで、おおむねこういう比率で配分をすべきだという程度の御意見はございましたけれども、それを的確にどの工事に出資を充てるというようなことはいたさないで工事をいたしてまいったわけでございます。したがって、債務と投資とが結びついておらないのはそういう事情があるわけでございます。  なお、今後の投資の問題についても、たとえば取りかえ投資というのは普通には採算に合わない投資というふうに考えられますけれども、一般的でなく考えました場合、たとえば東海道新幹線の車両の取りかえ、これは陳腐化してまいります車両の取りかえば当然でございますが、その場合に、東海道新幹線自体が採算に合っておりますれば、それはやはり採算に合う投資だと考えるべきではないかというふうに思いますので、取りかえ自体でも、そのような同じ取りかえの中で合うか合わないかという点はなかなか区別しにくいという点がございますので、いま手元に的確な区別したものはないと申し上げたのはそういうわけでございます。おおむねの見当をつけろとおっしゃってであれば、見当をつけるような意味での資料を出すことは可能かと思います。
  154. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 じゃ、大まかな資料で結構ですから。やっぱり私たち過去債務を何でもかんでも全部国がまる抱えしろというのも、これもちょっと議論としてはかみ合わない問題だと私は思うんですよ。鉄監局長はむっとするのも私は無理もないと思うんですよね。だから、やっぱりどこが国の負担でやらなきゃならなかった設備投資であるかというのをはっきり分けなきゃならないと思うんですよね。そして、これが今後の助成の対象にできるのかどうか、あるいはそれをしりぬぐいできるのかどうかという議論は進めていかなきゃならないと思うんです。ただ、何でも過去債務全部持てといったって、これは私は、実際鉄監局長の言い分も一部認めざるを得ない問題があると思いますよ。当然資産として残っておるわけですから。だから、そういう点はやはり資料をいただいてから私は議論をしたいと思います。その問題は留保しておきたいと思うんです。  それから貨物の問題ですけれども、貨物の将来性というか、やはり今後の貨物運営という問題についてはどういうふうに国鉄は考えているのか、まずその点について。
  155. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 現在五千億を超える赤字になっておるわけでございまして、収支係数で三百ぐらいのところになっています。これではどうにもならぬものでございますから、まず当面いろいろ輸送システムを変えることによって経費の節減を図りたいと思います。なぜこういうふうに赤字になりましたかといいますと、一つにはやはり収入が減ったということでございます。なぜ収入が減ったかといいますと、輸送量が最盛期に比べて七割ぐらいに減ったということでございます。  そこで、現在の走っております貨車の量、あるいは扱っておりますヤードの数、あるいはフロントサービスをしておりますところの駅の数というものは少しずつは減ってはおりますが、最盛期でありました四十五年ごろに比べますとほとんど数%しか減ってない状況でございます。同じだけの輸送設備を持ち、そして前よりも七割程度の荷物を運んでおるということは、端的に申しまして生産性が三割落ちているということでございます。それを改善するためにはどうしても仕組みを変えていかなければならないということで、車両編成本数を減らしましたり、あるいは駅数を減らしましたり、ヤードを減らしましたりということについて御理解をいただいてやってまいりたい。これを五十三年十月のダイヤ改正なり、あるいは五十五年までに三割ないし二割五分、まあ三割ではちょっと大き過ぎますが二割五分ぐらいの見当で減らしていかざるを得ない。それによって経費の節減を相当図っていくことができるんではないかと思いますが、それでもなお収入をもって固有経費を賄うに至るかどうか必ずしも一〇〇%の自信はないわけでございます。  同時に、もう少し商売のやり方をいろいろと変えることによって増収を図り得る余地はあると思っております。もう少しいままでよりも荷物をよけい運ぶことができるようにいたしたいと思っております。それがための対策としてはいろいろのことをいま考えてはおりますけれども、まだこの一年ほどの間には実りを上げておりません。むしろ、本年の一年間の輸送量は昨年、一年前に比べて約一割近くまた落ちておるという現状でございます。これは大いに運賃改定の影響もございましたし、それから、一昨年のいわゆるスト権ストの前後、それから昨年の冬の雪害のときの事情から輸送が非常に不安定になりまして、荷主の予定した日に荷物が着かないというようなことになりました結果、うちの方が運賃が安いにもかかわらず他の輸送手段に移ったという例が相当ございます。ですが、最近はおかげさまで輸送の安定度を大分取り戻してまいりましたから、その意味でお客さんによくお願いをして、われわれの方が安い場合にはわれわれの方を利用してもらうというふうな説得をいたしますとか、あるいはまた通運との関係をいろいろ調整しますという努力をいたしてまいりたいと思っております。  総じて一遍は規模をやや縮小する覚悟でいたしますけれども、その意図するところは現在の輸送量を確保し、さらにそれをふやしていくというための地固めである、一遍縮んで伸びるための地固めであるというふうに考えております。ただその点につきましては、当然勤務条件等に大きな変化がありますので、現在のところでは各組合ともこの縮小案といいますか、合理化案といいますか、そういうシステムを変更することについて、いまのところは基本的には反対であるということで労使交渉が難航しておるという現状でございますし、お客さんの方からも、やはり駅がなくなっては不便だということでいろいろ反対があるわけでございます。大体のプランが発表になりましたのが八月十六日でございますが、それ以後いろいろ努力を重ねておりますけれども、まだ的確に私どものブランを組合サイドも地域サイドも受け入れるというところまではなかなか来てない。来年の春にかけて鋭意努力をして、理解を求めて、十分理解をしてもらった上でそういうプランに入っていきたいというふうに思っております。
  156. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 地方へ行きますと、貨物駅の集約化に対しては非常に反対の声が強いです。したがって、集約によってサービスの低下が非常に問題になると思うのです。昨日も福岡の公聴会でも、いろいろサービスの低下によって、使いたかった国鉄をトラックにしたという、こういう声もあるわけです。したがって、サービスの低下問題をどう防いでいくかという、廃止に伴うサービスの低下問題と、それからもう一点は、総裁言われたように、労使関係の問題がうまくいくのかどうかということが私は非常に大きな問題だと思うのです。したがって、この点についての現状について御意見を伺いたいと思うのです。
  157. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) サービスの低下の問題でございますが、確かに具体的にある従来使っておった駅が隣の駅に変わるということになりますと、いろいろと手違いも生じましょうし、やはり勝手が悪いという場合が多うございますけれども、現在の貨物駅の集約をいたしております現状から申し上げますと、いま平均全国の営業キロの中で貨物駅と貨物駅の間が約十三キロぐらいになっておりまして、それを五十三年十月までに二百七十六駅、さらに五十五年度末までに三百駅という形で約千駅程度にいたしますと駅間が約二十キロぐらいになります。  そして、それで道路事情はどうかということになりますと、たとえば昭和三十五年度の道路の舗装率と現在の舗装率を見ますと約十倍の舗装をいたしておりまして、非常に道路整備が行き届いてきたということ。さらに、また通運料金そのものの立て方が、たとえば東京都で申し上げますと十キロごとに何円、十キロを増すごとに何円という形の通運料金、運賃料金の立て方がそうなっておりまして、確かに勝手の違う問題は生じますけれども、できるだけ自動車の利便と鉄道の高速性とを結合した輸送をいたしまして、そのサービスの低下といいますか、勝手ぐあいの悪いのをできるだけ排除したいというふうな努力をしたいと思っております。  具体的に申し上げますと、やはり統合駅におきます荷役線のホームのあり方、あるいは上屋のあり方、その他舗装等、十分設備的に能率よく荷役ができる、あるいは荷さばきができるという形の設備をいたしますと同時に、やはり列車体系そのものが、今回五三・一〇を前提で全般的に見直しをいたしまして、従来は複雑な列車体系をしておりましたり、作業も非常に複雑な作業を現場の人たちはしておりましたのですが、これを非常に簡単な列車体系にいたしまして、その結果、できるだけスピードも旅客列車を避けるというようなことじゃなしにいい時間帯で走らしていく、あるいは到達時分をそれによって短縮するというような形で、鉄道の持つ特性をサービス面により反映させて、とにかくサービスの低下をできるだけ防ぎたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、労使の問題につきましては、先ほど総裁が概括的に説明をいたしましたですけれども、いろいろと現在、八月十八日以来提案をいたしておりまして、団体交渉も行っておりますが、ある組合は絶対反対という組合もございますし、しかし、問題は大変だけれども、貨物の問題についてはやはり自分らの職場の問題でもあるし、避けて通れないなという感じで受けとめておる組合もございまして、今後、極力私どもの考えております、現在貨物の立っておる立場その他を十分理解してもらえるように、また組合からのいろいろの知恵もできるだけ吸収をしながら、五十三――五十五という目標に努力をしていきたいというふうに考えております。
  158. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私は組合との問題ね、ここで論議してもこれは一方的ですから、これは委員長にお願いしたいのですけれども、やっぱり労働組合の代表を招いて国鉄再建に対する基本的な考え方を私は議論する場をぜひともつくっていただきたい。これは委員長に私提案して、この合理化の問題、きょうはやるのを留保しておきます。これはひとつ検討していただきたいと思うのです。  それから、運輸大臣と、大蔵省ちょっと伺いたいのですけれども、合理化特別補助金がいままで出ているわけですね。これは地方交通線の問題については政策審議会で検討するようになってきているわけです。したがって、貨物もこれは合理化しなきゃならない、この物流の問題で。あるいは昨日の公聴会の中でもセメント会社のある社長さんが言っておりましたけれども、やはり専用埠頭なんかは、引っ込み線なんかについては国が助成してくれればわれわれもやりやすいと、当然だろうと思うんですよ。そうすれば荷物をもっと多く出せると、こういうふうな意見があるわけです。  あるいは貨物駅集約に伴って、やはり通運との関係で幾分なりとも助成をしていきながら合理化を図っていくという考え方に私ば立たざるを得ないんじゃないかと思うんですね。あすからもうすぐに、この貨物駅ないからだめだと、そのためにやっぱり通運に迷惑をかけるとかいろんな問題点があろうかと思うんです。あるいは夜働いてもらわなきゃならない、中小企業の荷物というのは大体夜来るわけですからね、だから、そういう問題についてやってもらうためには、やはりそれだけの駅廃止に伴う経費増というものが出てくると思うんですよ。そういう問題をこの合理化特別資金の補助金か何かで検討できないかと、こう思うんですけれども、この点について。
  159. 角谷正彦

    ○説明員(角谷正彦君) はなはだ形式的なことを申し上げて恐縮でございますが、国鉄の予算は国鉄総裁が取りまとめられまして運輸大臣の方に申請されまして、大蔵大臣と協議して決めるということになっているわけでございます。そこで、ことしの八月に提出されました要求におきましても、先生御指摘のようなそういう助成要求は実は入っておりません。そういう議論があるということもいまのところ承知しておりませんが、仮に国鉄、運輸省等におきましていろいろ御相談いただきまして、こちらと御相談、御協議いただくような場合におきましては、その必要性等につきまして十分検討してみたいと思っております。
  160. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 運輸大臣、何か意見あれば……。
  161. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 大変珍しく大蔵省が前向きの答弁をいたしました。私も同感であります。これをどういう金でやるかということはまた検討すればいいので、たとえば港湾予算を使うことも一つの方法かもしれません、臨海鉄道なんかの例もありますから。それから、完全に国で助成してやっていくという手もありましょうし、いずれにしましても、先ほど申し上げたように、私は港と国鉄貨物との直結ということはどうしてもやらにゃいかぬ、このように考えるんです。  さっき貨物駅の集約化の問題で質疑応答ちょっと承っておりましたが、実はあれだけの発表を国鉄がやった、ところが、私のところへ、おれのところは何とか助けろという要望がほとんどないんですね。皆無に近いんです。私は内心ほっとしておると同時に非常にさびしく思っておるんです。それは、国鉄の貨物もこんなに無力になったのかという感じなんですよ、率直に言いましてね。少なくとも私の選挙区ぐらいは、うちから運輸大臣出しておるんだから反対してやろうと、何とか運輸大臣に無理をさせようと言ってくるかもしれない。これは来たら困るなと、急行停車ほど悪質じゃないかもしれぬが、下手なことをしたらこれはまた問題になるぞと思ったりもしておったんですが、皆無なんです。何にも言ってこないんです。(「大分、大分。大分県来ているよ。」と呼ぶ者あり)  だから、まあ一つや二つはそれはとにかくとして、そういうことでありましてさびしく思っておるんでございますが、そこで私は、一方で合理化をすることも必要でございましょう。一方でしかし客をとらなきゃいかぬ。そういうことで、いま大蔵省の主計官の答弁でわが意を得たりという感じでございますが、これは前向きに詰めたいと思います。  なお、外国の例等もございますから、住田君なかなかそういうこと詳しゅうございますから、もしなんでございましたら、住田から補足をさしたいと思います。
  162. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 国鉄の貨物輸送の現状を見ておりますと、両端が専用線であるとか、片一方が専用線であるという分野は余り輸送量が減ってないわけでございます。したがいまして、今後国鉄の輸送量を確保する、あるいはふやしていくためには、いま大臣からお話がありましたような臨海鉄道であるとか、それからいま三木委員からお話がありましたセメントターミナルのところへ専用線を入れるとか、そういう専用線化を図っていくということがぜひ必要ではないかという感じを持っております。  現にイギリスでもそういう例があるわけでございまして、私ども従来考えておったわけでございますけれども、一方では貨物に対する助成については御非難の意見もありまして、なかなか踏み切れない点があったわけでございますけれども、やはり今後の国鉄の貨物輸送を確保するという面から、イギリスの例などを参考にさしていただきたいと思っております。  それからまた、貨物駅の廃止に伴う助成の問題でございますが、現在もうすでにやっております。現在一つの駅で廃止されるたびに二百万円という助成を出しておるわけでございます。これで十分であるかどうかという点も問題ではないかと思いますので、今後国鉄とも話し合いをいたしまして、来年度以降の予算で検討さしていただきたいと考えております。
  163. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 じゃ、簡単に関連事業の問題で一、二点伺っておきたいんですけれども、関連事業でどの程度増収できるのか、こういう問題は非常に問題点ではなかろうかと思うんです。  昨日の新聞を読むと、テニスコートが屋上にでき上がったという。いま非常に苦労されていることはよくわかるんですけれども、実際に、関連事業でどのぐらいの増収計画をこれから持っているのか、その五カ年計画でもあれば、あるいは今後の関連事業計画があれば示していただきたいと思うんです。
  164. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 関連事業につきましては、いろいろ折に触れ申し上げておりますように、いま一生懸命一年ほど前から力を入れております。で、どういうことをやっておるかといいますと、一つは、学識経験者に集まってもらっていろいろ知恵を出してもらうということをやっております。もう一つは、わが方の機構整備をすることによって担当の者をふやすというようなこと、あるいは主要な管理局にそういう組織をつくるというふうなことで、この十月と来年の二月とで主要管理局に担当の者を置く部局を置くことにしております。  すべてそういうことで、いまのところは、いわばおぜん立ての時期でございまして、近く大体先先の見当をつけたいと思いますが、まだ関連事業といいましても、いままでやってまいりましたのは駅ビル程度のことでございまして、もっといろんな種類のプロジェクトに手を出していきたいと思っておりますけれども、どういうプロジェクトはどういうやり方がいいかというようなことを研究中でございまして、数日前の新聞をにぎわしましたテニスコートの問題なんかも、あれもああいうスポーツの施設的なものに手を広げた場合にどういう形のものがよろしいか、そしてどういうものがどの程度の収益となって貢献することになるかということを試行いたしているところでございまして、いま全体のプランとして何億円、何十億円、何百億円のものをどのぐらいの期間で上げるという全体計画を立てるところまでは至っていないわけでございます。  ただ、五十一年の予算で二兆五千四百四億円のたな上げをやっていただきましたときに、あれの元本は、三十何年間にわたってうちの方から返済をするわけですが、その返済の原資は、レールでなくて、そういう事業活動の方から得る利益をもって三十何年間にわたって返すということになっておりますので、少なくともその分だけはそういうレール以外の収入で上げられるかどうかという検討を先般来試算をいたしておりますが、少なくとも現在のところ、この前お借りいたしました、たな上げてもらいました二兆五千億の返済資金の原資だけはそうした事業活動の方から十分賄え得るんではないかという見当をいまつけている、そういうきわめて大ざっぱなところでございまして、しかし、それだけではいけないので、さらに将来、いま毎年生じております単年度赤字をいずれの日にかたな上げをしていただくようなことをやはりお願いしなければならぬと思いますが、そのときにもまた、そういう形で何か原資を探してこなければいけないものでございますから、そういう意味で全体計画をもう少し詰めてまいりたいと思います。  何しろそういう仕事を担当しております職員は、いままでは何人もおりませんものですから、まだこれから担当者をつくり教育して養成していくというような感じでございますので、きょうのところ、どれだけの金額のものをどうやって上げるかということについてのお尋ねについてはひとつお許しを願いたいと思う次第でございます。
  165. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 鉄監局長ね、関連事業等も含めて、たとえば国鉄の持っている用地、こういう問題についての活用方法は、運輸省としてはどういうふうな方向で見ているんですか。
  166. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 国鉄が持っております土地というのは、非常に膨大なものがあるわけでございます。その中には全然使ってないというようなものもありますけれど、それ以外に、利用度合が非常に低いものがかなりあるんではないか。私どもとしては、できるだけ国鉄の事業としてそれを活用してもらった方が望ましいという感じは持っておりますけれど、しかし、中にはとても国鉄だけでは手に負えないような非常に大きな土地もあるわけでございまして、こういうものは、もう少し高いといいますか、都市計画の一環とか、あるいは市街地の再開発というような観点から利用方法を考えないと、なかなか国鉄だけでは進まないんじゃないかという感じは持っております。  したがいまして、具体的な問題でいまどうこうということではございませんけれど、やはり大きなものについては、そういう高い立場で処理していっていただく方向で国鉄とお話し合いをいたしたいと思っております。その方がかえって国鉄の赤字解消にも役に立つんではないかというように考えているわけでございます。
  167. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 売却するにしても何にしても、なかなかできないと思うのですね、いま。買う地方公共団体はほとんど赤字ですから。民間業者が買うといったって、これなかなかだと思うんです。だから、たとえば名古屋のターミナルビルみたいに、四億円ぐらい出資して、二、三年にはもう返ってきているわけでしょう、この分が。やはり増収計画を図るいろいろ資産活用をもう少し合理的に考えていくという、そういう方向に、昨年の委員会で、職員の定年後の派遣の問題も、私は関連事業としてこの前に質問をしたわけでありますけれども、やはり定年後の職員の人たちも、資産の活用と相まって、そういう方向で働いていかれると、老後が安定できるというような方向の資産活用のあり方というのを私は考えていくべきじゃないか。  長年、国鉄は赤字赤字で苦しめられてきた職員のことから考えれば、やっぱりいろんな点は、活用できるところは、売却ではなしにやはり活用して、将来にわたって増収を図っていくという方向に考えるべきじゃないかと、こういうように考えるんですけどね、この点はどうですか。
  168. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 原則的には、いま先生の御指摘のとおりだと思います。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、やはり国鉄の手に余るような大きなものもあるわけでございまして、むしろ都市の再開発とか、都市計画の一環として処理した方が地域住民のためにもためになるであろうし、また国鉄の財政にもその方がプラスになるというものも相当多いんではないかと思いますので、その辺をどういうふうに区分けしていくか、今後国鉄と十分相談をいたしたいと思っております。原則論としては、いま三木委員のおっしゃったとおりだと思います。
  169. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 私は、東京の町じゅうを歩いておっても、やはり、たとえば武蔵野市にある国鉄の官舎、あの職員住宅つたって非常に気の毒ですよ、正直言って。厚生施設が整ってないですよ。こういうところはむしろ売却して、新しい駅の周辺のところに、いっぱい貨物駅を今後廃止するとか、いろいろ話が出ているわけですから、住宅公団と共有するとか、いろいろな方法、私はいま具体的なことはわかりませんけれども、やっぱり共有しながら、職員の勤労意欲も、そういう厚生施設というか、そういうのも整ってくる。間をあける空地というのは、もう市にいろいろ長年どういう方法で、買い取るか何かにしても、東京の限られた土地を市に抱かせることはできるわけですから、そういう点はもう少し積極的に私は活用、運用を図っていくべきではないかということを強く要請をしておきたいと思うんです。  それから、労使問題は別にやることにしまして、最後に私、これは長年の懸案になっている東京の五日市線の問題一点だけ。運転局長かだれかいますか。  運賃は値上げされるけれども、東京の真ん中におって、いつまでたったってわれわれの願望はかなえてもらえないという長年の悲願があるわけですよ。これは、私は一点だけ言って、あと細かなことは、当局が一生懸命いろいろ努力をされていることは私は認めているわけですから……。しかし、どこにネックがあってできないかという問題で、朝の五日市から東京駅へ通勤する時間帯に、直通電車が一本も入らぬと言うんですよ。これは私は、限られた中央線の線増の中で、いろいろな問題点はあろうと思うんです。いろいろ研究の余地はあろうと思うんです。ところが、武蔵小金井からは何本も始発が出ているわけですね。素人考えながら、あれを五日市まで持っていけば、あの時間帯に何とか入るのじゃないかという考え方があるのが一点。  それから、やはり中央線ですね、恐らく運輸大臣と総裁に見に行ってもらえばわかるが、立川駅の朝の七時ごろの混みぐあいを見たら殺人的です。事故が起こらないのが不思議です。管理局長や駅長というのは大変な努力を私はされていると思うんです。確かに財政の赤字はわかりますよ。しかし、ああいうところをいつまでもほうっておけば、これはもう大事故が起こるもとになってくるんじゃないかということを私は非常に危惧を抱くんですね。  したがって、この中央線の複線の問題はこれから将来の問題だと思いますけれども、やはりこういう問題は早急に駅の改造、あるいは乗りかえホームのいろんな検討というものは至急やらなければ、事故が起こってからでは済まないと思うんですね。こういう問題点についての考え方。  それからもう一つは、南武線がいま非常に密集して、非常にホームが狭くてなかなか列車が四両なり五両が走れないような状況で、走ってもホームに降りられないというような状況で、東京の真ん中でまだそういうことがあるかという、こういうふうな考え方を私は実は持っておるわけです。こういう問題の解決策は当局としてどうやっていくのか、この問題の明確な答弁をいただいて一応ひとまず問題を終わっておきたいと思います。
  170. 吉武秀夫

    ○説明員(吉武秀夫君) ただいま御指摘になりました五日市線の直通問題でございますが、住宅がかなり建ってきて、都心に対する通勤がふえてきておるということで、前から直通運転というものの要望はわれわれもよく聞いております。  で、問題が幾つかございまして、五日市線は確かに朝一本でございますが、そのほかに青梅線が終日で大体十三本ぐらいと、まあラッシュでも五、六本ありますので、それとあわせて立川から中央線の本線に入りまして、新宿から東京方面に来ておるというのが実態でございます。  それで、青梅線から、立川から西の方になりますと、設備が七両の設備になっておりまして、立川から東京の方に入ろうと思うと、輸送力の関係でどうしても十両にしなきゃいかぬということで、五日市線から出ましたり、あるいは青梅線の方から来ましたりすると、拝島でもって三両増結いたしまして、そこから十両にして立川からもってくるということなんですが、この拝島の留置設備そのものがもう大体現在手いっぱいであるということ。それからもう一つは、青梅線は複線でございまして、それから高尾の方から複線で来ますと立川から複線でとらなきゃいかぬということで、ここで半分の容量になるということでそこに一つの限界があるわけです。  御指摘のように、武蔵小金井から出ておるのもありますが、武蔵小金井あるいは武蔵境、あの辺の住民の方々、お客様がやっぱりかなりございまして、全部をここから持ってくるということになると、根元が非常に問題があるということ、そういった二、三の点がありまして、もうわれわれも数年来いろいろ検討を重ねまして、何とかふやせないかということでやっておるわけなんですが、ちょっといまの状態のままの設備では非常に問題が多過ぎてむずかしいというのが実態でございます。  まあ基本的には立川から三鷹の線増というものができないと抜本的な策はできないかと思います。それで、ただいまのところではなるべくそういった状況にありますので、せめて電車を新しくしたいということで、近いうちに大体全部新しい型の電車にするように計画しておるわけでございます。  それから、南武線の立川口の話だと思いますが、稲城長沼から立川までは四両編成でございまして、長沼から川崎の方に行く方は六両になっておりますということですが、これは現在工事をやっておりまして、年内に六両編成のホームができますので、逐次電車を入れかえまして六両にしていくという計画で現在進めております。
  171. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 立川駅どうするんだ、立川駅。
  172. 吉武秀夫

    ○説明員(吉武秀夫君) 立川駅の、南武線の立川駅は六両で……
  173. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 南武線じゃない、中央線の立川駅。
  174. 吉武秀夫

    ○説明員(吉武秀夫君) 立川駅は、現在青梅線の方から入ってきますと、行き止まりの七両ホームが一本ありまして、そのほかに中央線に直通に入りますホームが、これは十両でとれるホームがあります。したがって、いまの編成以上に入れない、つまり青梅線の線内輸送につきましては七両ホームの切り欠けがありますので、それが全体的に改良されませんと、十両でとるということができないというようなことになっております。
  175. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 中央線の問題は、全国の中でも相当早く解決をしなければならない問題ではないかと思います。おっしゃるように大変混雑をいたしておりますので、まあ事故にでもなりますといけませんし、そうでなくても普段から混雑度が非常に高いものでございますから、やはり基本的には複々線にする工事を何とかやれないものかということを念願をいたしております。ただ、かなり密集地を通りますものですから、うちだけではできませんので、主要都市の、特に駅周辺についてのたとえば区画整理と一緒にやるとか、そういうことでございませんと、私どもだけではとても立ち退いてもらえる状態ではないわけでございます。  それで、いろいろな機会に地元の方からも御要望はございますし、われわれの方から逆に関係市町村にも強くお願いをしておるわけなんでございますが、何分この駅前、駅周辺の土地が高いというか、御商売の方々から言えばいまの程度でかなり収入の、売り上げのいい地帯のところに区画整理を進めていくことについて大変難渋しておるわけでございます。気持ちといたしましては、何とか全国的に見ましても非常に優先的に取り上げて考えなければならない通勤線増強地帯だと思います。  先ほど御指摘になりました昨年の当委員会での附帯決議の中でも、通勤線の整備に目を向けろという御指摘があるわけでございまして、そのことを私も非常にいまウエートを置いてやりたいと思っておりますが、その中でもまた中央線問題というのは割合にウエートの高い、東京周辺の中でもウェートの高い問題の一つでございます。私どもも一生懸命やりますが、ひとつ各方面の方の御理解と御協力を得てやれますように、ひとついろいろな機会にお願いをいたしたいと思いますので、この機会に特に発言させていただきます。
  176. 穐山篤

    ○穐山篤君 最初に、国鉄の現状認識という問題についてお伺いしますが、まあまとまって国鉄を診断をしたものと言えば監査報告というものになるだろうと思います。必ずしも私はこの監査報告にもろ手を挙げて賛成するわけにいかないと思いますが、監査を受けた国鉄側として、全体的にどういう御感想を持っているか。あるいは、さらにことしの監査報告の特徴というものについてお尋ねをしておきたいと思います。
  177. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 毎年この監査報告では、なかなかポイントをついた御指摘をいただいているわけでございまして、私どもといたしましても、日ごろの業務運営に参考にさしていただいております。  で、今年の特徴といいますか、非常に問題にしておられます点は、輸送量がここへ来て減ったと、貨物の輸送量は四十五年をピークとして減ってきたわけでございますが、旅客の輸送量が減ったということで、このことはいままでなかったことでございますので、今後物事を考える上において、特に注意をすべきことだということが一つと、その中におきましても、大体いままでわが国の物流の伸びは国民総生産の伸びと平均的に伸びていった。ところがここへ来まして、国民総生産の伸びと輸送量の伸びの相関が見られなくなったということを指摘をしておりました。  これは、実はわれわれも非常に大問題だと思って考えておるわけでございます。どうもあるいは、国内経済におきますところのもろもろの構造変化というものがそこにあらわれてきたのではないかという専門家の意見があるわけでございますが、なおまだ十分分析ができておりません。しかし、このことを非常に強く強調して指摘をしております点は、われわれも今後考えていかなければならぬ点だと思っております。  それから、いろいろ各項目ごとに御指摘を受けておりまして、その御指摘はいずれも私どもとして心すべき事項であろうと思いますが、特に、実はことしの監査報告では、私鉄との経営の比較ということを監査委員会の方で試みられまして、率直に申しましてまだ、失礼ですけれども突っ込み不足のような感じがいたすわけでございますが、具体的に監査委員会自体が私鉄の方々と討論をしたり、私鉄からある程度の資料を受けられたりしまして、私鉄と比較してみようという姿勢を見せられましたことは、これまた私どもとして今後一つの指針として受け取るべきものと思います。  国鉄と私鉄とはいろいろの面で余りにも違い過ぎますので、私はにわかに私鉄がこうであるから国鉄もということは了解をいたしかねるわけでございますけれども、しかし、経営改善をやっていきます上におきまして、私鉄というものを頭に置いて考えることもきわめて有効なことだと思いますので、そういう御指摘を受けたことも意味あることかと思います。  ほかにもいろいろございますけれども、長くなりますので、ただいまのお尋ねにはとりあえず以上お答えいたしておきます。
  178. 穐山篤

    ○穐山篤君 この監査報告はほとんどの分野にわたって分析、指摘がしてありますが、大事な問題について欠落をしているわけです。  かつて私が国鉄の現役におったときにも、監査委員の皆さんに注文をつけたことがあるわけですが、経営なり、あるいは経理なり、多角的に調べることは当然ですけれども、国鉄の運営に当たっております国鉄職員の健康の問題、あるいは医療の対応の仕方、今日では非常に国鉄の職員の健康状態が、職種によりましては集団的に重大な段階を迎えている部分もあるわけです。ところが、その種のことについて監査委員会に指摘をしますと、これは日本全体の医療の問題だということで常に逃げているわけです。しかし、これは非常に重大なことでありまして、なぜその分野についての監査を求めなかったのか。あるいは監査をした結果を公表すべきだと私は考えるわけですが、この点について明確にしてもらいたい。
  179. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) この監査委員という制度は、実は私どもからはある程度独立をいたしておるわけでございますので、特にお求めがあれば私ども意見は述べるわけでございますけれども、いわゆる会計検査院と一般官庁と似たような関係にございまして、こちらから注文をつけることもなかなかむずかしいわけでございます。しかし、時折希望はないかということを尋ねられることも事実問題としてはありますから、ただいま御指摘のような御意見があることは監査委員の方に伝えまして、向こうさんでしかるべく判断をしていただきたい。いまのところそうお答えするにとどめておきたいと思います。
  180. 穐山篤

    ○穐山篤君 その点は、年末年始の増送のときなんかでも、乗務員のところでは病人が多くてダイヤが編成できないということがしばしばあるわけですね。これはぜひ十分に対応をしてもらいたい。注文をつけておきたいと思います。
  181. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) はい。
  182. 穐山篤

    ○穐山篤君 さて、いま総裁からお話がありましたように、国鉄の輸送と言えば、空を除いて一応それぞれの分野で仕事をしているわけですが、旅客の輸送の面について言えば、指摘されておりますように二%を下回った、あるいは貨物につきましても輸送量が非常に減ったというふうに指摘をされているわけです。それはいろいろ事情があると思うのですが、この実績から考えてみますと、国鉄の旅客輸送というのは三〇%をいまや割るに至っているわけです。したがって、それ以外の民鉄、バス、マイカーを含めて、そちらの方で担当していることに実績の上で明らかになっているわけですが、三〇%を割ったというこの事実は歴然としたものでもありますし、またこれは来年、再来年、ここ数年におきます一応の目標になるのではないかというふうに思います。  そこで、これから国鉄がいろいろな経営努力、サービスをやるといたしましても、三〇%を超えて国鉄が旅客輸送を担当し得るかどうか。そういう能力はあるにいたしましても、旅客が果たして三〇%台にシェアとして乗るかどうか、その展望についてお伺いをします。
  183. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 端的に言って、なかなかむずかしいと思います。と申しますのは、全体として、何といいましても、道路かどんどん整備してまいっておりますし、地方空港も整備してまいっておりますし、それから、国民全体が時間価値というものを非常に大事にする雰囲気が出てまいりました。一方、国鉄の場合には、ここ十年ぐらいの間、新幹線を中心としてフリクエントをずっと上げてまいりましたが、主要路線の線路容量は一ぱいになってきております。東海道・山陽新幹線も、もうこれ以上列車の本数を上げましたり、あるいは一編成の長いものにするというようなこともほとんど限界に来ております。  在来線につきましても、たとえば現在、よく列車が揺れるということを言われますが、列車の揺れる大きな理由は、列車間合いが密になってきておりまして、保守間合いがとれないということから起こってきておるという一事をもっても御推察願えますように、現在の線路でいま以上に非常にフリクエントサービスを上げるということが非常に困難になってきております。ただ、一方において、何といいますか、いささかすいた列車もありますので、もう少しいろいろ工夫することによって多少は伸ばし得ると思いますが、なかなか増送を図ることが困難な事態になってきております。東北・上越の新幹線が完成しますと、あの地域におきます列車容量は相当太くなりますので、そっちの方では多少可能性があるかと思いますが、なかなか大幅な増送は困難でございます。  そうしたことを考えてまいりますと、三〇%を維持することはなかなかむずかしいわけでございますが、しかし私どもの方の営業といいますか、企業収益を上げる面からいいますと、やはり何としましても増送を図ることは考えなきゃいけないわけでございまして、最大限の努力はいたしてまいりたいと思いますが、ずうっと三〇%を割らずにやれるかということについては、率直に申し上げて非常にむずかしいとお答えせざるを得ない。それを落ちないように努力はいたしますが、その上でもなおかつ全然落とさないでやっていけるかということについては困難性を伴うと申し上げざるを得ないと思います。
  184. 穐山篤

    ○穐山篤君 同様に貨物の問題については、これは非常に深刻な事態だと思うんです。景気後退のこともありまして、一応五十一年度実績としては国鉄の分野は一二%を維持したことになっていますが、その後各管理局などにお尋ねをしましても非常に貨物の輸送量は落ちた。今日では一一%ないし一〇%台ではないかというふうに危惧をされているわけです。ところが、この監査報告の中にもあらわれているわけですが、昭和五十五年度には、貨物輸送については   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕 固有経費と収入との見合、つり合いはとろうという計画になっている。こういうふうにここだけは非常に自信を持たれているわけですが、それの具体的な根拠ですね、それをお伺いしたいと思います。
  185. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 貨物の方は、一番最盛期に運んでおりましたボリュームと比べまして、先ほどもお答えいたしましたように現在七割に落ちております。七割に落ちておるということは、逆に申しますと現在の五割増の輸送をなし得るところの能力を持っておるということが言えるわけでございます。そういう意味におきまして、能力的には旅客の場合と違いまして、逆に貨物の場合は現在よりもよけい運び得るという能力はあるわけでございます。この方はむしろ何といいますか、サービスの点で他の輸送手段と劣るということで今日まで落ちてきたわけでございますので、一方において先ほども御説明しましたとおり、いまの輸送量に合うようにもろもろの設備を縮小する、計画を縮小するということを一面やりますが、それと並行してぜひとも増送を図りたい。  いろいろ先ほど来大臣もお話をいただいておりますように、私自身が荷主を訪問するというようなこともいろいろ考えて、また全社挙げてお客さんに呼びかけをしまして増送を図りたいと思っております。ただ、全体としてのシェアにつきましては、やはりこれは相当方向としてはダウンしてまいると思います。三全総の計画の中におきましても、総物流は昭和六十五年までに、大体昭和五十年べースの倍ぐらいにふえるということが前提されておりますが、鉄道によりますところの輸送量はそれほどの大きな伸びを期待をされていないわけでございまして、大体五十年度基準で総物流は二倍になりますが、私どもの方の分担分は一割程度の伸びということになりまして、現在一二%前後のウエートを占めておりますのが七、八%台ぐらいまで落ちていくのではないかという見当でおります。  私どもとしましても、やはり船によって運ぶ方が有利な部分もありますので、いたずらに気張ってもせんないことでございますので、大体いまの水準は余り低過ぎますからせいぜいがんばりますけれども、全体の中のシェアは落ちていくこともまたやむを得ないかというふうに考えております。
  186. 穐山篤

    ○穐山篤君 いま総裁から三全総の話が出たわけですが、この三全総の計画を見ましても、旅客の分野におきましては、これは鉄道ということで一本になっておりますので、ある程度数字の調整はしなきゃならないと思いますが、民鉄もこれに入っているわけです。いままでの実績から言えば一〇%台程度の数字を差し引かなければならないとすれば、国鉄が輸送しますシェアというのはせいぜい二五、六%ぐらいに落ち込むのではないかというふうに計算がされます。それから、貨物輸送につきましても、いまいみじくも言われましたように七、八%というのが鉄道のシェアだというふうに思います。そうしますと、先ほど総裁の意欲というものは十分に買うにいたしましても、現実に展望をいたしますと、意欲だけではどうにもならない結果が生ずるのではないかというふうに判断をします。  そこで、国土庁の方に、三全総の中で人的往来あるいは貨物、物流の考え方について明らかにしていただきたいと思います。
  187. 星野進保

    ○説明員(星野進保君) 御説明申し上げます。  私ども三全総の中におきまして、まず基本的にはおよそ三十七万平方キロぐらいの国土の中で、その中で一億数千万人という人々が活躍するわけでございます。しかもその中で、従来大都市地域に国土利用が偏在していた、そういう国土利用の仕方というものと、そういったものを勘案しながら全体を考えていく必要があるだろうということで、三全総の中でそれぞれの交通につきまして一応の考え方を示したわけであります。  その考え方でございますが、まず貨物輸送につきましては、陸上交通につきましてかなりいろいろな整備をしてきておるわけでありますが、いま申し上げましたような活動がさらに増加することを考えますと、そういう需要に陸上交通だけではなかなか対応しきれないだろう。そこで、可能な限り海上輸送に切りかえる必要があるんではないかというようなことを考えて、内航海運等に対する期待をわれわれとしては持ったわけでありますが、御承知のように企業体質の問題だとかそういうものがあって、果たして可能性としてどのくらいいけるかという問題が一つあるかということを指摘しております。  それから旅客につきましては、中長距離の輸送につきまして、恐らく今後かなり空港に依存する度合いが大きくなるだろうということで、国内の空港整備のことであるとか、それからジェット化のことであるとか、そういうことについて触れております。  それから、さらにまた陸上交通に戻りますと、これから将来を考えますと、エネルギー問題であるとか、環境問題だとか、そういったようないろんな制約が起こってまいりますので従来急速に発展してまいりましたモータリゼーションというものにかなり限界があるだろうということをとりまして、まず第一番目は、大都市地域につきましてはできるだけ大量輸送機関へ切りかえる必要があるだろうということを述べております。それから、ただ地方圏におきましては、ここ十年程度ぐらいを見た段階では、依然としてモータリゼーションに頼らざるを得ない面があるんではないかということで、地方都市については述べております。  以上申し上げましたようなポイントを踏まえまして、それぞれこれらの情勢を踏まえながら、それぞれの地域の条件に適合したような輸送の選択をしていくべきではないかというようなことが三全総におきます基本的な考え方でございます。
  188. 穐山篤

    ○穐山篤君 三全総を見ましても、港湾の整備、あるいは地方の空港を含めましてかなり国としても投資をしているわけですね。したがって、その総合的な交通のあり方と、それから国鉄の受け持ちます旅客、貨物の特性、機能というものについて言えば、少しずつ崩れているというふうに私は考えますが、その点はいかがですか。
  189. 星野進保

    ○説明員(星野進保君) 私どももこの三全総の中でかなり一いま御指摘のような崩れているという表現をそのまま受けとめるのがよろしいのかどうかわかりませんが、それぞれの恐らく条件、それから地域に適合した輸送機関というような、そういうような観点からいいますと、従来の分担から数字上はかなり変化を持ってきているというふうには理解をしてよろしいんじゃないかと思います。
  190. 穐山篤

    ○穐山篤君 貨物のことはもっと後で専門的にお伺いをすることにします。  午前の審議の中でも国鉄の企業努力というものをしばしば大臣も言われたわけですが、企業努力の中には節約の部分もあるだろうし、そうでなくて、もっと力を入れなければならないという部分もあるだろうというふうに思います。そういう意味で考えたといたしますと、国鉄が何千キロ走らせようが、この運転保安度の向上、安全輸送の確保というのは一生涯つきまとう課題でありまして、これはないがしろにできないものだと思います。  もっと具体的に言えば、設備を新しくしたり、あるいは車両を取りかえたり、さらには電化区間を拡大をしたり、線路を強くしたり、そういう意味ではほとんど全部金のかかる話だと思います。努力しなければならないところはあるわけですが、ほとんど経費がかかるというふうに考えなければならない。まあそういう前提を前におきまして少し国鉄側にお伺いをしたいと思います。  目黒さんの質問に対しまして、運転事故の問題につきまして、国鉄側は鋭意努力をしているというお話がありましたが、今日の国鉄の車両ですね、車両の耐用年数あるいは検修の回帰キロなぞを考えてみますと、常にサービスという点と、それから輸送の安全という立場から言えば、車両の交換、車両の近代化、あるいは保安設備の整備ということがどうしても気になるし、われわれも国民も常にそれを主張しているわけですが、車両の実際の状況はどうなっているでしょうか。
  191. 尾関雅則

    ○説明員(尾関雅則君) ただいま資料を手元に持っておりませんけれども、車両は物によりまして、たとえば新幹線の電車はもう最初につくりましたものの取りかえを始めておる。これはもう十一、二年で取りかえるということを決心して計画的に進めておるわけでございます。  それから現在線の貨車につきましては、非常に老朽した貨車がたくさんありますと、並行した線路に非常に保安度上問題がございますので、これを極力淘汰をして新しい安全なものに数年前から、もっと前から計画的に取りかえを進めて、全体の数もそれに従って減らしております。  それから電車につきましては、いわゆる一〇一という通勤用の電車でございます。これの取りかえ時期が来ておりますので、取りかえをもはや始めておるところでございます。  その他急行用、特急用の電車につきましても、漸次、寿命約十五年から二十年ぐらいのものにつきましては取りかえの計画を着手しなければならぬと思っております。また中には、その寿命と考えられております二十年を超えて使うものもございますけれども、これはその都度修繕をしたり更新をしたりして強化をしながら使っておるので、保安上問題はないと考えておる次第でございます。
  192. 穐山篤

    ○穐山篤君 それから、論議の対象になっておりました地方線九千二百キロというこの数字と、たまたま専門的に言えば四級線がおおむね九千キロというふうに伺っているわけですが、国鉄の二万キロの全体の中で、一級から四級線というのはどういう割合になっているのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  193. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) ただいま国鉄の営業線は、先生二万キロとおっしゃいましたんですが、私のいま手元にございますのは、軌道延長、いわゆる複線のところは二倍にいたしまして、軌道延長を基準にいたしまして一級、二級、三級の延長を出しております。  それで、ただいま五十二年度にその一級、二級、三級の若干のやりくりをやりましたけれども、だんだん、たとえば従来二級だったものを一級に上げるというような処置もいたしておりますので、五十二年度で申し上げますと、一級線が約六千キロ、二級線が同じく六千キロ、それから三級線が約五千六百キロ、四級線が九千六百キロということでございます。六、六、六、九という比率でございます。
  194. 穐山篤

    ○穐山篤君 汽車は線路の上を走っているわけですから、そういう意味で言うと、線路の状態がいいか悪いかということは安全輸送の上で非常に大きいウエートを占めると思うんです。  そこで、たとえば新幹線には一キロ当たりどのくらいの金をかけで保守をしているか。以下二、三、四級線について、目安で結構です。このくらいの金をかけているということがおわかりになれば教えていただきたいんです。
  195. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) いま新幹線の、手元に資料ございませんけれども、在来線の線級別に申し上げますと、これは五十一年度の実績でございますが、一級線の一キロメートル当たりの修繕費といいますか、お金のかけ方、これが一級線で一キロ当たり約二百十万円、それから二級線が百四十万円、三級線が百二十万円、四級線が七十四万円と、ラウンドで申し上げましてキロ当たりそういう投入でございます。
  196. 穐山篤

    ○穐山篤君 私、気になりますのは、四級線九千六百キロ、一キロ当たり投資している金が七十四万円ということで、他の三、二、一級綜に比べましてかなり金が少ないですね。勘ぐって言えば、四級線というのは例の地方交通線だから、いずれこれはなくなるだろうということで投資をさぼっているんじゃないかというふうに勘ぐってみてもいいんじゃないかと思います.が、その点はどうなんですか。
  197. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) ただいま申し上げましたのは延長一キロ当たりの投入量で、先生のおっしゃいますように、四級線は一級線に比べまして修繕費のお金の入れ方が約三分の一であるということは先ほど申し上げた数字のとおりであります。ところが、私の方では安全はもう絶対に確保するということで保守をいたしておりまして、一級線のたとえば通過トン数は、四級線の全平均に比べまして約十八倍ほどの通過トン数を通過させております。  また、速度の点で申し上げましても、一級線の全平均の列車速度というのは、一時間の速度が六十八キロでございますに比べまして、四級線は四十三キロという速度の差もございます。そういうことがございますので、修繕費の投入は約三分一でございますが、全体の通過トン数、速度、その他から見た線路の保守状況というのは、これはまあほぼ見合ったものではないだろうか。  ただ何も四級線に限らず、先ほど総裁も申しましたように、列車の頻度が多くなってまいりますと保守する間合いが少なくなってくる、あるいは最近、従来は人力で保守をいたしておりましたものをだんだん機械化していく、そういう過渡期にある。いろんな条件がありまして、線路の動揺の程度は――動揺といいますか、線路が揺れる、そういうことにおいては確かに改善をされてない、むしろ若干悪くなっているというのが実態でございます。  だから、安全とは直接関係はございませんが、そういう状況でございますので、この点については保守をもっとしっかりし、またいろんな、場合によっては特別な修繕費的なものを投入しても、一律の安全を確保するように努力をしておるのが実態でございます。
  198. 穐山篤

    ○穐山篤君 その努力については十分評価をいたしますが、仮に三級線であろうが四級線であろうが、一たん列車を落としてしまうということになれば、人命尊重の上から言ってみても、あるいは国鉄の信用の上から言ってみても、重大な私は問題ではないかというふうに考えるわけです。理屈の上から言えば、通過トン数が少ないとか、あるいはスピードの違いがあるということは十分にわかります。しかし、全国汽車に乗ってみますと、ビールびんが倒れるというふうな線区が何線かありますね。あるいは具体的に線路を歩いてみますと、かすかすのまくら木がそのままになっているということは、もう現実が証明をしているわけです。  ですから、そのことを考えてみると、何級線だから手を抜いていいということにはならない。もし四級線――この東京近辺にもたくさんあるわけですが、三分の一の投資しかしないで、このままの傾向でいって何か事故があったときに、私は国鉄の責任は免れないというふうに思うわけです。確かに国鉄当局なりあるいは地方の責任者とすれば、交通量の多いところを優先して行うということについてはわかりますが、この三級線、四級線についてもっと補強をしないと重大な事態を迎えるのではないかというふうに、私は実は一年間、去年線路をほとんど歩きましたので具体的によく知っているつもりです。本社側も十分に調べられていると思いますが、もう一遍その辺についてのこれからの取り組みについて明らかにしてもらいたい。
  199. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 先生のおっしゃいますように、四級線は何十年来の軌道構造そのままといいますか、レールは随時更換をしておりますけれども、まくら木等は昔からの木のまくら木が主でございます。ところが、最近一級線、二級線等についてはレールも太くし、あるいはまくら木等もコンクリートまくら木にかえていく、あるいはバラストも厚さを増していくというようなことで、軌道構造自体が、一級線、二級線の方ががっちりした軌道構造にいま逐次更換をしつつあります。  そういう点から見ますと、旧来のままの四級線というのは、見た感じが非常に弱く見えるのは先生の御指摘のとおりであります。したがいまして、私の方も、安全の点については、一、二級に限らず、四級も同じようなことでやっておりますけれども、このままの状態を長く続けていきますと、いま先生の御心配になるような可能性も出てまいりますので、いろいろ努力をしたり、あるいは費用を投じたり、いろんな工夫をしながら、この四級線について安全を十分に確保し、なおかつ将来にわたって、特に悪くなるというふうなことにならないように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  200. 穐山篤

    ○穐山篤君 安全の確保、保安度の向上という問題と関連をして、要員構成と技術断層のことについてお伺いしたいと思います。  率直に申し上げまして、私の年輩の方々は、国鉄に単年度で約二万人集団でいるわけですね。これが十年間で二十何万人ごそっとやめることになるわけです。ところが、その後の後続の部隊というのは、例の要因構成の表でも明らかなとおり、原爆型になっているわけですね。したがって、これからよほど大量の人間を入れるか、あるいは特別の手だてをしませんと、私は、検査のグループにしましても、あるいは電気、保線のグループにしましても、それぞれの分野で専門家ですから、技術の断層が現に起きているし、これを何とかしなければ、保安度の向上という面から言ってみてもゆゆしき事態を迎えるというふうに考えますが、その点についてのお考えはいかがでしょうか。
  201. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 私、まだ余り時間もたっておりませんし、なるべく現場を歩く努力はいたしておりますが、どうもその時間が余りありませんので十分わかりませんけれども、現場の切なる声として、どうも技術断層が生まれそうだということを、近くやめる年回りの方々も、それからまた若い方の方々もそういうことを言っております。工場につきましても、あるいは車両検修につきましても、路盤、それから電気の保守の系統につきましても、一様にそういう声を聞きます。非常に心配をいたしておるのは、ただいま穐山委員御指摘のとおりでございます。  これにどう対応していくかという問題でございますが、これといってなかなか飛躍的な名案は見つかりませんわけでございまして、一つには、全体としてメンテナンスフリーといいますか、なるべく設備関係をよくすることによって保守の省力化を図ってまいりたい。たとえばレールの強化をいたしましたり、架線の強化をいたしたりしておりますのもそういう趣旨でございます。また、工場等の設備につきましても、新しい検査用の機械装置等を導入することによって、なるべく熟練度の低い職員でも対応できるような設備を、漸次ではございますけれども、導入する方向で、各部ともそういう方向で取り組んでおると思います。  それから、やはり何と申しましても教育が必要であるかと思います。技術教育というものを十分いたしませんと、近ごろの若い諸君は、どっちかといいますと、先輩からいろいろ秘伝を教わって覚えていくということだけでは身についた技術になりませんので、技術教育をやっていかなければならない。そこで、ある場合には学園におきまして、またある場合にはそれぞれの現場機関におきまして、技術教育を高める努力を始めております。  それから三番目には、やはり部外技術を活用していかなければならないと思います。たとえば、先ほど高橋常務が触れました保守のための機械の導入につきましても、はなはだお恥ずかしいわけでございますけれども、機械が十分働いておりません。それは機械の修理技術というふうなものが劣っておるということであろうかと思いますので、臨時的にメーカーにお願いをして、そういう人に来てもらって講習をやるというようなことをぼつぼつ始めておるようでございます。このことにつきましては、各部とも非常にいまの今日的テーマとして重要なものであるという認識を持ってくれていると思います。  しかし、それでも余りにも急激なる構成要員の大変化が起こりますので、どんなに努力をいたしましても追いつかないという状態ではないかと心配をいたしておるところでございまして、御注意を賜るまでもなく、われわれといたしましても相当そこには気をつけてやってまいりたいと思いますが、今後ともいろいろお気づきの点については御指摘をいただきたいと思います。
  202. 穐山篤

    ○穐山篤君 お話としては筋はわかりますが、現実の技術断層というものについて非常にわれわれ側も深刻に考えているということを受けとめていただきたいと思います。  さて、いまお話しのありましたそれぞれの分野における機械の稼働の問題であります。まあある省のように何千万円で買ったものを何百円で売り飛ばしたということはないにいたしましても、それと同じぐらい、保線の機械にいたしましても稼働率は非常に低いと私どもは見ているわけです。非常に不経済なことなんですが、これ一体どこに原因があるのか明らかにしてもらいたいと思います。
  203. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、この機械化によって線路を保守をしていくということは最近の新しい問題でございまして、一つには私どもがいろいろ頭の中で、あるいは机の上でと申しますか、一つの編成として機械の構成を考えて、いろいろの体制を一応考えているというものが、実際に現場にアプライをいたす場合に、なかなか頭で考えているようにはいかないという点がまずございまして、そのために、現場で使ってみても、ある機械は能率がいいけれども、他の機械はうまくいかないというようなことがございまして、まずそういう編成上の問題も一これはよく現場の実態に合わせて変えていこうということで機械の稼働率を上げたい。  それから第二点は、機械はよくてもそれを扱う人が技術的に習熟されていないという問題がございます。これも先ほどからの教育の問題ございますけれども、技術断層だけの問題ではなくて、新しい機械化されていくものに対する技術教育というものも、断層の問題と同時に解決すべくいろいろ、順繰り順繰りそういう熟練者の教育、技術教育、養成をいまやりつつあるというようなこともございまして、非常に機械の稼働率が悪うございます。逐次この点については改めてまいりまして、線路保守等の万全を期していきたいというふうに考えております。
  204. 穐山篤

    ○穐山篤君 次に、関連事業の拡大の問題ですが、今度の法案の中にも入っています。まあ整理をしたということと、新しいものが入ったやに法案の上からは見るわけですが、現行法と改正法によって具体的にどの分野が投資の対象として、あるいは関連事業の拡大として違うのかということについてお伺いしたいと思います。
  205. 篠原治

    ○説明員(篠原治君) お答え申し上げます。  従来の第六条は、簡単に申し上げますと、関連事業と申しますよりも、国鉄の客貨の輸送を補完すると申しますか、輸送に関係するものでございまして、関連事業収入を付帯事業と申しますか、そういう収入を目的としたものではございません。今度お願いいたしております六条には、いままでの運輸と密接に関連する事業のほかに三つ加えられる予定になっております。  一つは、「日本国有鉄道の委託によりその業務の一部を行う事業」ということが一つございますし、二番目には、「所有する施設又は土地の高度利用に資する事業」、三つ目が、「営業線の利用の促進に資する事業」ということでございまして、特に二番と三番につきましては、特に関連事業的性格の強いものである、かように判断いたしております。
  206. 穐山篤

    ○穐山篤君 投資の対象の資料はいただいておりますが、これから国鉄が、まあ先ほどのお話ではありませんが、体制を整備してこれに全力投球するんだというお話を聞くわけですが、これからの目玉商品というのは、現実の問題としてどういうところに焦点を当てられておるんですか。
  207. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 先ほども申しましたように、いろいろのデベロッパーといいますか、そういう方面の方々とか、いろいろな各種の計画をやっていらっしゃる方にお集まりをいただきまして、いま御指摘のような、どういう方面で関連事業収入を上げていったらよろしいかということについてのお知恵拝借をやっておるところでございます。  それで、その場合に、やはり何といいましても、あちこちにあいた土地がある。そのあいた土地というのは、もと貨物を扱っておった駅であるが、貨物駅を他に統合したのであいておるというような土地があります。あるいはまた従来宿舎が建っておりましたが、その宿舎が木造で、何といいますか、土地を余り有効に使っていないというようなものがありますというふうな土地の活用という問題が一つございます。  それからもう一つは、駅ビルというようなことをずいぶん長年やってきたわけでございますが、従来はどっちかといいますと、駅ビルをつくることにつきまして、民業を圧迫するというような角度からなかなか思うように進まなかったわけでございますが、最近私どもの方が赤字でございますので、その辺についての世の中の何といいますか、見る目も少し変わってきておりますので、そこでいろいろな地域で駅前広場を整備するというような機会に、区画整理等を関係市町村にお願いすると同時に、私どもの方もそこで木造の粗末な駅がありますところに、高層というわけでもありませんけれども、ある種の高さのかたい建物をつくりまして、駅のサービスをよくすると同時に、そこで、ただサービスだけでなくて、多少そこを立体化することを通じまして、構内営業を料金収入を上げられ得るようなものをつくっていくというようなこと、そうしたことがいまのところは中心になって関連事業をふやしていったらどうか。  また、高架下の活用というようなことも考えなければならぬというようなことが言われておるわけでございまして、まだまだ緒につき始めたばかりでございますので、まだそう名案もなかなかありませんが、いま比較的いろいろなテーマのうちで出ております案件はそうしたものでございまして、そのやり方についていろいろとサゼスチョンを得てそれを各地域について実施してまいりたい。つい最近も幾つかの駅につきまして、駅ビルをつくることについて運輸大臣の認可を求めておるわけでございますけれども、それらもいままでよりはいささかテンポが進んでおる。毎年三ヵ所か四ヵ所であったものだとすれば、もう少しそれを早いスピードでやっていくというようなところが、いま当面具体化しつつある主要な問題でございます。
  208. 穐山篤

    ○穐山篤君 運輸大臣ね、まあ公平な立場で見て、国鉄がいろいろなものに手を出すという場合に、二つのいつも意見があって、まあ対立をしたり紛争が起きるわけですね。たとえば、これは競争の原理で競争をするんだと、まあ理屈はそのとおりだと思う。ある場合には、これは民業を圧迫するという理屈が一つありまして、なかなか意欲があっても手が出せない。競争条件を公平にしておけば、それぞれの意欲、努力というのは実ると思うんですが、いま私が申し上げたような立場で、たとえば国鉄側からいろんな提案があると思いますね、承認を求める事項があると思うんですが、その場合に運輸省としてどういう基準なり視点でこの関連事業の拡大について承認を与えたり、あるいは認可をしたりするのかですね、そういうことがあらかじめあればお伺いをしておきたいと思います。
  209. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 国鉄当局が私どものところへ持ってまいります案件についてばケース・バイ・ケースだと思うんですよ、しょせんは。民業圧迫ということで懸念をする向きは非常に多うございます。多うございますが、私は国鉄の関連事業という点から考えれば、必ずしも民業圧迫をしなくてもできるんじゃないか。  たとえば、これは一つの例でございますけれども、駅の周辺の再開発をする、都市再開発をするというときに、その地域の零細な商店等に対して協力を求めて、でき得る限り店舗として入居させるとか、いろいろな保護措置はあり得るし、保護措置とまでいかなくても、共存共栄はあり得るというふうに思うんです。ただ、民業圧迫は絶対避けなきゃいけませんが、だからといって、国鉄当局が羹に懲りて膾を吹くような萎縮をしては何にもできなくなると思うんです。でございますから、出てまいったものを一つ一つ、ケース・バイ・ケースで判断をし、国鉄に適切なアドバイスをしながらも、これを激励していくということが適切ではなかろうかというふうに考えます。
  210. 穐山篤

    ○穐山篤君 一昨日の答弁の中で、関連事業の拡大ということで収益を大いに上げたいというお話があったわけですが、将来展望として一千億円ぐらいかせぎたいという話があったわけですが、現状から言えば約三倍の収入を見込むということになるわけです。これは私は過大な収入見込みといいますか、努力はいいですよ、努力はいいにしましても、そういうものを来年度予算、あるいは再来年度予算に具体的に数字を挙げるわけですが、過大な見積もりをしているのではないかという懸念がするわけですが、その点いかがですか。
  211. 篠原治

    ○説明員(篠原治君) 一千億という数字でございますけれども、実は私たちの悲願でございます。昨年度実績は、正確に申し上げますと三百七十四億、本年も半ばを越えましたが、多分四百六十億近い数字が出るであろうというふうに予測いたします。これは、実はこれを分析いたしてまいりますと、必ずしも出資というものとそう深い関係あるものではございません。たとえばこの三百七十四億の大半を占めますものは、旅客駅の構内で物品を販売いたしておりますところの弘済会でございますとか、その他の食堂とかから収受いたしますところの営業料金でございましたり、あるいは広告料金でございましたり、その他土地料金等でございます。これが三百七十四億の大宗を占めるものでございます。  これは、これからどうなっていくかということは非常にむずかしい判断ではございますけれども、物価が毎年幾らかわかりませんが、何がしかの率で上がるということも予想されるということもございましょうし、いろんな状況を考えますときに、三百七十四億の大宗を占めますところのその種の料金は、ある程度の率で、自動的にとは申しませんけれどもある程度ふえていく。ちょっと申しおくれましたが、売上歩合制というような、売上額に比例とは申しませんが、ほぼそれに近い率でふえていくような料金制度になっているものが多うございますので、そういう意味でかなりの金額がふえていくというのが一つございます。いま一つは、私たちの努力によりまして、たとえば昨年の例で申し上げますと、新幹線の車内に広告を出しましたというのもございますし、その他新たなる開発をかなりやっております。  そういうようなものもやっておりますし、あるいは料金の改定、先ほど申し上げましたように、一定の歩合でいくものもございますし、歩合じゃなくて固定的なものがございますが、固定的なものにつきましては適時適切な値上げをする、歩合制によりましても、その歩合のレートそのものも場合によっては変更することもあるということもございますので、そういうものを積み重ねてまいりますときに、千億という数字は何年に実現するかということでございますけれども、遠からざる将来において千億に達するということはそう過分なものではない、かように考えます。  なおまた、この六条の改正が実現いたしまして新たなる投資が可能になりますれば、いま申し上げましたような現在の三百七十四億の基礎となっておる数字じゃなくて、新たなる要素がまた加わるわけでございますので、数年あるいは数年プラスアルファの時点では四けたの実績が必ず出る、担当の責任者としてはさように考えております。
  212. 穐山篤

    ○穐山篤君 次に、国鉄は新しい交通システムとしてリニアモーターというのを宮崎県で開発をしているわけですが、これは皆注目をしている交通機関だと思うんです。現状どういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
  213. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 宮崎県にリニアモーターでかつ磁気浮上させるという形式の、実物で申し上げると約二分の一程度の大きさのものを宮崎で実験をしたいということで、ただいま約四キロの路線をつくりまして、その上でリニアモーターの走行試験を開始したところでございます。一応の目標といたしましては、七キロの長さのものをつくるということを一応の最終目標にいたしております。ただいまのところは四キロを建設中。そのうち一・三キロだけができ上がりましたので、去る九月以来その一・三キロの中で約百キロないし百二十キロ程度の速度の走行試験をただいま実施中でございます。  これはこの年内ぐらいにはもう少し延長ができてまいりますので、最高速度としては約三百キロぐらい、常時走行速度としては二百キロぐらいという速度の試験を少し長期間にわたりまして、このリニア磁気浮上式の車両がうまく走行できるかどうか、あるいはそれによってどういう問題点が出るかということを徹底的に現地で実験をして究明をしたいという目的でただいま実施をいたしております。
  214. 穐山篤

    ○穐山篤君 最終的にはこれは時速何キロにするおつもりでいるんですか。
  215. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) これはやってみないとわかりませんが、一応七キロの長さを予定いたしておるということは、七キロの長さがあれば最高瞬間速度といいますか、瞬間的には五百キロは出し得るということになっておりますけれども、これはあくまでほんの一瞬のことでございまして、一応定常的には四百キロの速度というもので七キロの延長が必要だというふうに考えております。
  216. 穐山篤

    ○穐山篤君 そこまでわかりましたが、実際にこれに携わっている技術屋さんの立場から言えば、早く開発を終わって日本じゅうを走らしたいという希望と夢を持っているだろうと思うんですが、これについてのある程度の目標といいますか、計画というものはもうお持ちになっているんですか。
  217. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) ただいま速度のことばかりを申し上げましたけれども、私どものこの実験を始めました最初の目的は、磁気で浮上させることによりまして、いわゆる騒音、振動のない列車形態ができないだろうかということからスタートをいたしております。たまたま性能がリニア磁気浮上ということになりますと、いま申し上げましたように、三百キロ以上の速度が出せるだろう、理論的には出し得るはずだということで速度のことを特に申し上げましたけれども、むしろ無公害、無振動のそういう車両形態ができないかということを重点に研究を進めておるところでございます。  したがいまして、実はまだ実験の緒についたばかしでございますので、東京の鉄道技術研究所の中では約百キロの速度で、ほんの小さな模型では成功いたしておりますけれども、これをもう少し具体的な実験をやっていかないと、どういうふうな結果になるか詳しくは、はっきりは申し上げられません。しかし、いま申し上げたような目的でうまくいくならば、速度が仮に二百キロあるいは二百五十キロ程度であってもそういう無騒音、無振動ということがうまくいくならば、これは非常に多く利用できるんじゃないか、なおかつ速度もそれで出るならば東京-大阪間のような非常に利用客の多いところでは将来の姿としては使い得るんじゃないかということを予想をいたしております。
  218. 穐山篤

    ○穐山篤君 運輸省にお尋ねしますが、いまは国鉄の新しい交通システムなんですが、最近民間でいろんなシステムが開発されたりしておりますけれども、大体どういうような形式といいますか、スタイルといいますか、開発されているか、あるいは実地にそれを運転をしてお客さんを乗せるようなことになっておるか、大ざっぱにで結構ですからお願いしたいと思います。
  219. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 最近新交通システムという名前が使われまして、いまお話のございましたような、いろいろな新しい交通機関の構想が出てきているわけでございます。ただ、余り定義ははっきりいたしておりませんで、私どもの理解といいますか、一般交通関係者が理解しておりますのは、鉄道とバスの中間ぐらいの中量輸送-大量輸送と小量輸送の間のという意味ですが、中量輸送を考えておりまして、専用軌道上をゴムタイヤで何台か連結いたしまして、コンピューターで制御をしてお客さんを輸送するというようなシステムを一般に新交通システムと呼んでいるように理解をいたします。  で、先年の沖繩の海洋博で実験的にやられております。その後大阪市と神戸市が、それぞれ港湾地帯の方の輸送問題を解決するために新交通システムを採用したいということで現在申請が私どもに出ております。ただ、これは公共輸送機関としていわゆる新交通システムが使われた例ばまだないわけでございまして、私どもといたしましてもいろいろ検討いたしておりますが、いま最終的に運輸審議会の方で免許事案について審議をいたしておるような段階でございます。
  220. 穐山篤

    ○穐山篤君 いま神戸と大阪の新しい交通システムについての申請が出ているというお話を聞いたわけですが、私も若干のことは予備知識としては知っているつもりですが、この神戸のポートアイランドの方は神戸市だけですか、あるいは大阪も大阪市だけがこれを申請をされているんですか。その点からちょっとお伺いします。
  221. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 大阪市の方は、大阪市の交通局が自営でやることになっております。神戸の方は、第三セクターをつくってやるという計画でございます。
  222. 穐山篤

    ○穐山篤君 そこでお伺いするわけですが、あの資料を拝見をさしていただきますと、私ども常識的に言えば、一つの線路ですから、特許にしろ免許にしろ、一つの申請がされると、これはごく常識的に私ども考えるわけですが、申請としては免許と特許と二通りの申請が行われていると、こういうふうにお伺いをしているのですが、実際の問題はどうなんでしょうか。
  223. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) この新交通システムだけではないわけでございますけれど、道路あるいは街路を使ってこういうような鉄道事業をやる場合に根拠法規が二つございまして、地方鉄道法と軌道法という二つの法律がございます。この点についてはもう何十年来いろいろ問題がございまして、一本化を図ったらどうかとか、いろいろ問題はあるのでございますけれど、現状では二つの法律に基づく免許――地方鉄道法の方は免許でございます、軌道法の方は特許でございます、二つの行政処分が必要であるということで、現在二つの申請書が運輸省の方へ提出されております。ただし、軌道法の方は建設省との共管になっております。
  224. 穐山篤

    ○穐山篤君 軌道法による特許、あるいは地方鉄道法による免許というそういう区分けがしてあるのは、法律にも書いてあるわけですが、今度の申請の場合に、言ってみれば同じ路線ですね、神戸からターミナルを通って中公園を通って南公園に入る、で、片方はそれを四角に回ってくる、こういう路線になっているわけですね。走る電車も同じですね。で、敷設される軌道も全部全く同じなんですね。同じものなんだけれども、なぜ二つの免許と特許の申請が行われているのか、行わなければならないのかということが腑に落ちないわけですが、その点を明らかにしてもらいたい。
  225. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、何十年来、あるいは五十年以上もう問題かと思うのですけれど、地方鉄道法の免許だけでもこの事案が処理できないというわけではないわけです。ただし、これは街路事業としても行われておるわけでございますので、やはり街路は道路でございますので軌道法、いわゆる昔の市電と同じように道路の上を走る鉄道事業であるというような性格も持っているわけでございますので、現行法上はどうしても二つの免許が要る。ただし、軌道法の方はあくまで道路の上でございますから、道路でないところについては当然地方鉄道法の免許になるわけでございます。
  226. 穐山篤

    ○穐山篤君 これは運輸大臣にお伺いをしたいのですけれども、従来のことは従来のことなんですが、これから続々新しいシステムが開発をされてくるわけですね、続々ということになるかどうかわかりませんけれども。そういたしますと、従来の考え方で軌道法なりあるいは地方鉄道法というふうにながめることについても少し私は無理があるんじゃないかというふうに思います。  それと同時に、この適用の方法によって、これも現行法の適用ということですから、多分そういうことになるんだろうと思いますけれども、助成のあり方についてもこれは問題が出てくるわけですね。したがって、新しい交通システムに対する助成の基準、あるいは法制化という問題は当然考えなければならない問題だと思うんです。その点をお伺いします。
  227. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ちょっと席を外しておりましたので、あるいは御質問の御趣旨を正確に把握していないかもしれませんが、その点あらかじめお許しを願いたいと思います。  実は、軌道法と道路、街路との問題は、これはずいぶん古い――恐らく私のいままでの人世よりも古い争いであります。そこで、私が実はいま、これはあるいは運輸委員会ではおしかりを受けるかもしれませんけれども、ひとつお聞きをいただきたいんでありますが、運輸省鉄道監督局と、それから建設省の道路局と、それから都市局の街路ですね、中へ入ってまとめようかという気持ちを持っておりまして、実はごく内々には建設省の担当者にも――私はもともと建設省における仕事が多かったせいもございまして、内輪で物が言える立場でございますので話をしてまいりました。  そして道路上の空間、道路の地下、これと空間もしくは地下を使う交通機関と、これをどのようにさばくかということで、まず空間もしくは地下についての基礎施設、特にたとえば地下に例をとりますと、穴を掘るという仕事、これは道路であったらどうだろう、あるいは街路であったらどうだろう、そしてそれにはガソリン税を投入する、ガソリン税でやる。そしてそれを地下鉄なり、あるいはモノレールなり、新交通システムなり、いずれにしてもそういうものが線路を置くなり何なりして使う、こういうことにすれば、みんなが助かる、財源的にも非常に楽になる、こう実は私はかねてから考えておったものであります。  そういうことで実は内々話をいたしておるのでありますが、まあ穐山さん御承知のように、お役人というのは損得以前の、所管ということについては異常なる執念というものがありまして、これをまとめるのは並み大抵でないかもしれません。けれども私はこれはむしろまとめるべきだという考え方を持っております。そうすれば、地下鉄等でも、あるいはモノレールでも、新交通システムでも非常にやりやすくなる、それには若干の法律の改正が要るかもしれません。そういう点はあるかもしれませんが、そのように実は考えておる、若干のアクションも起こしておるということを申し上げておきたいと思います。
  228. 穐山篤

    ○穐山篤君 まあ大臣が率直に言われているんですけれども、先ほど御説明があったように、第三セクターができてそれが申請をする、これが全く違った条件で、たとえば違った線路をつなぎ合わせる、全く違う車両を接続をするということならば、別々の法律の適用、あるいは特許、免許ということも筋としてはあり得ると思うのですよ。しかし、この神戸の場合を考えてみますと全く同じ条件ですね。それを建設と運輸がそれぞれ、いまなわ張り争いという話が出ましたが、率直に言えばなわ張り争いのような形で申請がされているところに非常に私は不純を感じるんです。  まあ、私の疑惑が晴らしてもらえば一番いいわけですけれども、とかくのことが現地でうわさをされているわけです。私はそのうわさが当たらなければよいなということを考えるわけですけれども、率直に申し上げて、全く同じ条件でありながら別々に申請をする、別々の法律を適用するかどうかはこれからの問題でしょうが、ということは非常にこれは問題じゃないかというふうに思うわけです。その点が大臣解明がされましょうかね。
  229. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 私が先ほど申し上げた趣旨からいっても、行政の簡素化というものが法律によって果たされることは非常にいいことだと私は考えております。
  230. 穐山篤

    ○穐山篤君 この問題だけやっているわけにいきませんけれども、大臣にひとつお願いしておきますが、この二十人から七十人ぐらいまでの中量級の輸送機関、車両というものは、これから各都市でも、場合によれば公共交通機関として――それは市が直接やるかあるいは第三セクターがやるかどうかはわかりませんけれども、これは可能性の非常に強い問題であります。かって札幌でゴムタイヤの地下鉄が出て、これが言ってみれば新しい一つのシステムであったんですが、あれをまねたいというところもかなりあるわけですね。  したがって助成の基準ですね、いま過疎バスを含めていろいろな助成をやっておりますけれども、この前向きの開発の交通システム、公共交通機関の建設についての助成の基準というのは全く新しい角度から私は決めてしかるべきではないかというふうに考えますが、その点いかがでしょう。
  231. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 大変興味深い御提言でございます。これは真剣に一遍検討してみる価値があると思います。
  232. 穐山篤

    ○穐山篤君 これは制度的な問題です。それでいま私が具体的に問題を出しております神戸の問題でありますが、認可をすれば助成をするということになるわけですが、その助成の基準はどの項目を該当させるのですか。
  233. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) この新交通システムに対する助成は建設省の方でやるわけでございます。したがいまして、基礎構造部分の三分の二は国が助成し、三分の一は地元で負担するということになっております。
  234. 穐山篤

    ○穐山篤君 大臣、この神戸の場合に、これはどなたに聞かしてもはっきりわかるわけですね。神戸から出発をして、ずっとターミナルを通って、最終的に南公園に入る、その途中から中公園を通って今度は南公園に入る、同じレールを使うわけです。走る車両も全く同じですね。こういうものに対して二つの免許、特許ということが理屈の上からあり得るかどうか。  そして、まあきょうのところは本論ではありませんけれども、この免許、特許のいま審議が行われているわけですけれども、この適用についてもう少し慎重に検討してもらいたいと思うのですが、私はきょうは疑義ありというところにとどめておきますが、この問題については次回ひとつ明確にしてもらいたいというふうに思います。
  235. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 関連。  いまの問題ですがね、穐山君が指摘をしているとおり、これはやはり疑問が出ているわけですから、これらの疑問については運輸省は運輸省としての立場でもってはっきりとした見解を下すべきではないんでしょうか。この先ほどの鉄監局長の答弁だと、新交通システムは建設省、こういうふうに言われているが、大体運ぶ方は運輸省じゃないですか。建設省というのは道路だとか河川だとか、信濃川河川敷だとか(笑声)有名な話なんですが、こっちの方がもっぱら所管です。地面の上を運ぶのは運輸省というふうになるのがあたりまえじゃないですか。  これはなわ張り争いかどうか知らぬけれども、運ぶ方は運ぶ方、車へんは車へんでもってちゃんとしないといまのような疑惑が出てくるわけです。これは運輸省としてなわ張り意識を出せというわけではないけれども、筋として、これは運輸省の所管であるべきものは運輸省でもってきちんとした態度をとるべきじゃないんでしょうか。行政が多元化するということは好ましくないと思いますので、これはちゃんとした見解を示すべきではないかと思うんです。
  236. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) この問題は、ちょっと妙なことで、建設省とうちの湾港局なんですね、港湾局が助成しておるわけですね。そういうことで、確かにいま両委員がおっしゃるような感じがいたします。ただ、私いまここで具体的にとかく申し上げるだけの知識を正直持ち合わせておりませんので、早速、なるべく早い機会に関係者を呼びまして、事情をつぶさに聞いて、専門的な意見も聞きまして、後日いずれかの日にお答えができるように勉強しておきたいと思います。
  237. 穐山篤

    ○穐山篤君 その点はひとつ後刻御返事をいただきたいと思います。  さて、具体的な中身の問題ですが、貨物の問題についてお伺いをします。  もうここ数年前から総合交通体系というものが言われてきている。それからその中で、国鉄の貨物輸送というのは中長距離を受け持つんだ、あるいは国鉄の貨物輸送が持っている特性と機能を十分に発揮するんだと、こういうふうに言われているし、またこれからも政策の面ではそういうことになると思います。しかし、いささかその基本的な振り上げた方針と現実の乖離がはなはだし過ぎる、こういうことについてお伺いをしたいと思いますが、一つは、中長距離というのは三百キロとか五百キロというのを私どもごく常識的に考えているわけですが、その点、国鉄当局いかがですか。
  238. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) 大体御指摘のとおりだと思います。ただ、長距離になりますと、たとえばコンテナ輸送の平均輸送距離は七百二十キロというふうなのもございますので、もう少し、三百キロから千キロ程度というふうに考えていただいてよくはないかと思います。
  239. 穐山篤

    ○穐山篤君 その距離的な問題で国鉄の貨物を見るわけですが、たとえば百キロ以下というごく限定された地域では、多分自動車の方が多いだろうというふうに思います。そういう意味で、百キロ、三百キロ、五百キロ、大きい単位で結構なんですが、自家用が運んでおります貨物、営業用のトラックが運んでおります貨物、国鉄が現に運んでいる貨物、この分野を国鉄あるいは運輸省の方から明らかにしてもらいたいと思います。
  240. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 昭和五十年度の百キロまでのシェアを申し上げますと、国鉄が一%、トラックが九六%、内航が三%ということになっております。
  241. 穐山篤

    ○穐山篤君 百キロ、三百、五百というふうに……。
  242. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 手持ちの統計が百キロ単位になっておりますので恐縮ですが、次の百キロから二百キロまでのシェアでございますが、国鉄が一二%、トラックが七一%、内航が一七%でございます。それから二百キロから三百キロまででございますが、国鉄が一四%、トラックが四七%、内航が三九%でございます。それから三百キロから四百キロまででございますが、国鉄が一四%、トラックが三八%、内航が四八%でございます。それから四百キロから五百キロまでですと、国鉄が一二%、トラックが三一%、内航が五七%になっております。
  243. 穐山篤

    ○穐山篤君 数字、わかりました。  そうしますと、距離の分野でこの国鉄の貨物輸送というものを見てみますと、中長距離、まあ三百キロとか五百キロというふうに、政策の上では目標が与えられておりましても、現実に貨物の輸送というものは、国鉄がその目標に十分こたえていないで、内航海運が圧倒的に、それからトラック輸送――自動車輸送でほとんど受け持っているというふうに認識していいわけですね。
  244. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) いま申し上げました数字の傾向から言いまして、距離の短いところのシェアは、国鉄が少ない、海運が少ない、トラックが圧倒的である。五百キロぐらいになりますと、国鉄のシェアはだんだん上がってまいりますが、同時に、海運のシェアが非常に大きくなっておりまして、中長距離の貨物輸送というものは、国鉄が特性を発揮すべき分野でありますけれど、それ以上に、やはり海運の方が特性を発揮しているという数字になっております。
  245. 穐山篤

    ○穐山篤君 いま指摘されておりますように、やっぱり海運は圧倒的に強いですね。そうすると、距離的な分野ですよ、距離的な事柄で国鉄が中長距離の貨物輸送を受け持つというのは、方針としてはあったにしましても、現実的には即していないと、こう考えて間違いないですね。
  246. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 国鉄が一番競争力のある、国鉄の貨物のうちで、競争力のある分野は中長距離であるというように考えているわけでございます。戦前のように、陸上輸送で国鉄が独占していた時代には、陸上輸送では国鉄が、中長距離だけではなくて近距離も相当なシェアを持っていたわけでございますが、そういう独占力を失った現状では、近距離はトラックとの競争上非常に不利な立場にある。  したがって、残された分野として中長距離の分野がある。しかし、同時にやはり日本の地理的条件、島国であるということで、港が各地につくられておる、あるは臨海工業地帯が各地に新しく開発されたというような、日本の地理的条件、経済条件から言って、やはり内航のシェアがふえざるを得ないということでございますけれど、しかし、国鉄が今後競争力を維持してシェアを確保し得る分野は、やはり中長距離であるというように考えているわけでございます。
  247. 穐山篤

    ○穐山篤君 そのことは、後でまたもう少しお尋ねしますが、さて、日本全体の物流の動きですが、私の知る知識では、地域的な輸送状況を見ますと、全体の輸送量のほぼ七八ないし八〇%が東京――東京と言うことがいいですかね、関東地区、あるいは東海地区、関西地区というふうに集結をされているというふうに思いますが、その点いかがですか。
  248. 真島健

    ○政府委員(真島健君) お答えいたします。  東海道三地域を一番集中的なところと考えまして統計をとったものがございますが、これで見ますと、東海道の三地域相互間及び東海道の地域内、この分にいうものが全国の物資流動の約六〇%程度を占めております。
  249. 穐山篤

    ○穐山篤君 六〇%ですか。  私は、いまの点、運輸省の発行した数字をもとに計算をして七八%というふうに申し上げているんですが、大分食い違いがありますね。
  250. 真島健

    ○政府委員(真島健君) それではやや詳しく申し上げます、ちょっと私そらで計算をいたしましたので。  一つの資料は地域間の貨物輸送量の推移でございまして、これによりますと東海道三地域相互間、これが全体の地域間貨物輸送量の一九・二%でございます。さらに東海道三地域と他地域間、この流動量、これが全体の地域間の輸送量の五八・一%でございます。そのほかの地域相互間、これが二二・七%と、こういうことになっておりますが、さらに、いま申し上げましたのは地域間の貨物輸送量でございまして、地域内の貨物輸送量について申し上げますと、東海道三地域の域内の輸送量が全体の地域内の貨物輸送量の四七・四%、こういう数字でございます。
  251. 穐山篤

    ○穐山篤君 まあ、数字、私の調べ違いもあったのかもしれませんけれども、さて、そこでいまの地域間、あるいは地域相互間というものの荷物の動きですが、たとえば関東地域、この近辺の発着の貨物というのは、どちらに行ってどちらから来るのか調べてみますと、やはり東海地区、東北、近畿地区から発着があるわけですね。同じように東海地域で言えば関東、近畿が圧倒的に多いわけです。近畿の場合にはやはり地理的な条件があって中国を中心にしながら、あと関東や東海や四国や九州から平均的に発着がある、平均的にですね。いずれもこの地域なり、地域間なり、あるいはその相互間を調べてみますと、三百キロないし五百キロと、こういう地域、まあ距離的なものになるわけであります。そうしますと、中長距離と、こう言って三百キロなり五百キロを相手にしながら国鉄は一生懸命にかせごうという、そういう努力はあるんだけれども、現実にはその地域の中におきます鉄道とトラックと内航海運の運ぶ分量を見ますと非常に国鉄が小さい、圧倒的に小さいわけですね。  ですから、私はここで指摘をしたいし、聞きたいのは、国鉄の機能、特性というものを十分に生かせよとは言っておりますけれども、この荷物の実際の動きというものはそういう方向になっていないということを憂えるわけです。そのことについて、いや、そうじゃないんだ、この中長距離という地域を中心にして機能と特性を発揮させるんだという特別な行政指導というものがおありになって中長距離ということを強調されているのかどうかですね、その点をお伺いしたいと思います。
  252. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、日本の地理的条件あるいは経済構造の変化によりまして、これは物流の合理化という問題も強く反映されておるわけでございますけれど、中長距離の貨物というものが総体的に減ってきていると思われるわけでございます。したがって、そういう意味では国鉄の特性に適した貨物というものは余り大きな伸びがないと言わざるを得ないかと思います。しかし、国鉄の輸送の中で見ますと、やはり国鉄の運んでおります貨物の大半というものは中長距離輸送であり、またトラックが運んでおります貨物というものは、もちろん中長距離の貨物もありますけれども、そのシェアはわずかでございまして、大半が近距離輸送であるということになるかと思います。  確かに御指摘のように中長距離の貨物がそう多くないではないかということであれば、やはり日本の経済構造から言って今後中長距離貨物がどんどんふえていくということではなく、また特にバルキーカーゴーになりますと、中長距離の貨物は海運の方がどうしても競争力が強いということで、そちらの方にとられる可能性がありますけれど、国鉄としてはやはり現在の輸送状況から言えば中長距離が一番競争力が強くて、運ぶ荷物も中長距離が大半であるということが言えると思います。
  253. 穐山篤

    ○穐山篤君 その次に、運んでいる品物の問題ですが、いただいておりますこの資料を見ますと、去年、おととしの実績ですけれども、国鉄が他の交通機関、特にトラックに比較をして、一次、二次産品で割合が過半数以上運んでいるものは穀物と石炭と化学薬品、肥料、紙・パルプというものだけであって、その他の物はほとんどと言っていいくらいトラック輸送に比べて半数以下落ち込んでいるわけですね。ある品物につきましては決定的に落ち込んでいる。さて、その一次、二次産品にいたしましても、御存じのような景気動向にありますし、立地条件にありますので、これも大きく期待はできないと私は一面では計算するわけです。  それから、もう一面では、何も私は国鉄をかばって言っているわけではないんですが、傾向を正確に知るという意味で申し上げているわけですが、車が最近どんどん生産をされてそれが市販をされているわけですが、去年とことしの実績で見ますと、大型トラックの車両数が顕著にふえているわけです。十一トンあるいは十四トン車というものが非常にふえているわけです。  で、これらの大型トラックというものは、部分的には地域内で輸送する分野もあります。しかし、大勢的に言えば長距離の輸送に耐え得る、あるいはその用に供するという意味で非常に大型トラックがふえているわけです。つい最近までば小型がふえておりましたが、小型のトラックの割合に比較をしまして大型がふえている。ですから傾向として考えられますのは、私が先ほどから地域間の問題や、あるいは距離的な問題や、あるいは物品の問題でも申し上げておりますように、志必ずしもそうならないのではないかというふうに思いますが、その点について運輸省のお考えをお伺いします。
  254. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 最近におけるトラックがどの程度ふえているか、ちょっと私の手元ではよくわかりませんが、最近の経済情勢の推移からいって、トラックが顕著にふえるような状況ではないのではないかと思いますが、もし私の推定間違っておれば後ほど訂正いたします。しかしいずれにいたしましても、やはり国鉄の特性というのは大量輸送にあるわけでございます丁大量定形輸送、そういう貨物が日本の経済構造の変化によって減ってきたということは、これはもう否めない事実でありますし、日本の経済構造からいって二次製品がふえてくるということ――二次製品はどうしても大量にまとまりませんし、フレートライナーあたりで定形化するにしても制約がある。  そういうことになりますと、やはり鉄道の特性が発揮し得る分野というのは相対的には減ってくるんではないか。少なくとも現状維持、あるいは微増程度のことが確保できたといたしましても、日本経済の発展に、成長に伴ってふえていく貨物というものはやはりトラックに向いた貨物の方が多いということにならざるを得ないわけでございまして、そういう点からいって、私どもとしては非常に残念ではありますけれど、日本経済の成長に伴って国鉄の貨物をどんどんどんどんふやしていくというような甘い期待は持ち得ないと思います。
  255. 穐山篤

    ○穐山篤君 さて、そういう前提を持って今度国鉄側にお伺いするわけですが、現実に物流の分野ではトンベースで三%割り込んでいるし、トンキロベースで一二%数字ではそうですね。こういうふうに変化をした。変化をしたというのは、適切な言葉で言えば貨物の両数が減った、こういうことになるわけですね。私は先ほどから幾つか運輸省にお伺いをする中で非常に貨物全体の日本全体におきます量はどんどんどんどんふえるだろうけれども、国鉄が占めるであろう貨物の分野というのは非常に厳しいもんだよ、こういうふうに原則的に判断をせざるを得ないと思うんです。過大に、これから国鉄が努力をすれば何とかなるというふうな評価で、新しい貨物輸送を考えたとすると大きな誤算をするのではないかと思うんですが、その点いかがですか。
  256. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) 先ほど距離の問題あるいは品物別の問題、大型トラックの増加の問題等お伺いいたしておりまして、まことに全体としては御指摘のとおりだと思いますし、現在一億四千万トン程度が将来どのような形になるかということになりますれば、必ずしも非常に多くの輸送量が期待できるというようには考えておりませんし、現に三全総におきましても、先ほど御指摘のとおり六十五年度私鉄を入れて一億九千万トンという数字にもなっておりますので、この中でいかに国鉄の貨物輸送の体質改善をしながら所期の目的でございます固有経費を賄う、要するに、鉄道で貨物をやっている限り発生する経費は貨物で賄っていくという形で、極力貨物の赤字を旅客にしわ寄せない、こういうふうに体質改善というものに重点を置きながら、なおかつ、そうかといって営業、販売、その他をおろそかにするわけにはまいりませんけれども、できるだけ努力をしてやっていく、二本立ての努力をしてやっていくというふうに考えております。
  257. 穐山篤

    ○穐山篤君 時間の関係もありますので、なぜ減ったかというところは省略をしたいと思います。  そこで、先ほどもお話がありましたように、昨年の十二月に、これからの貨物輸送のあり方について、原則が示された。ことしの八月になって、具体的に減量経営の中身について発表をされたわけですが、これは、客観的に言えば縮小均衡というふうに言わざるを得ないと思いますね。総裁の言葉を借りますと、一たん低い姿勢になって、それからV型に発展をするのだ、こういうふうに承知をするわけですが、三全総の中でも確かに一時落ち込んでまた伸びるであろうという観測を出しております。  そこで、八月に発表になりました、これからの貨物輸送、まあコンテナを含めまして貨物輸送をどう具体的に変えていくのか、その衝にある人は専門的な話をすればわかると思いますが、やはりわれわれ素人全体に、これがこういうふうに変わる、こういうふうに変えるけれどもこうなるというところをお知らせをいただきたいと思います。
  258. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) まず、先ほど総裁から説明がありましたように、貨物が昭和四十年度において、特に四十五年度最高で約一億九千八百万トン、二億トン近い輸送をいたしておりました当時の国鉄におきます貨物列車の設定キロが五十五万キロでございます。で、現在どれぐらいの列車を走らせておりますかと申しますと、五十四万キロ走らせておりまして、輸送量は五十一年度の実績で申し上げますと一億四千百万トンで約三割のダウンをいたしておりながら列車はさして切っていない。それはどういう状況にあらわれておりますかといいますと、結局運休、あるいは空気を運ぶというような形の現状でございますので、これではとてもコストコンペティション――コスト競争には勝てない。  そこで、表面的に見れば確かに縮減という形になりますけれども、やはり適正な設定力をして、コストダウンをして、他の輸送機関に一応負けないだけの体質をつくる必要があるのじゃないかということを考えまして、まず五十五万キロを二割五分程度、五十五年度を目標に削減をしていきたい。その場合にただ削減をするばかりではございません。現在御存じのとおり貨物列車には特急、急行、地域間急行その他いろいろと列車種別がございますけれども、これはひいては貨物ヤードの作業を非常に複雑にいたしておりますし、また現場職員の作業そのものも非常に複雑にいたしておりますので、もう少し列車をシンプルにいたしまして効率を上げるというまず質的改善を伴った二割五分の減でございます。  したがいまして、輸送力といたしましては二割五分減りますけれども、ヤードの作業能率の向上等を列車編成を変えることによって上げていく。それはひいては、先ほど説明いたしましたように、現在千六百駅の貨物のフロントを五十五年度を目標に約千駅程度にいたしまして、やはり例を申し上げますと、鉄道は一般道路から鉄道の高速道路に移るという形で、ヤードにできるだけの物を集約して効率のいい列車を仕立てる、こういう形で改善をしていきたいと思いますし、それに伴いまして当然貨車そのものも、貨車運用効率を上げることによって、現在十二万両の貨車を――国鉄が持っておりますのは十二万両、私有貨車が二万両ございまして、私有貨車の二万両は、これはますます培養していくという形にしたいと思いますし、国鉄の持っております一般貨車をやはり十万両、二割ぐらい削りましてやっていく。  したがいまして、その結果貨車の検修、あるいは列車を削減することによる機関車の削減、あるいは機関車基地の削減と、こういういろいろの削減計画が出てまいりますが、これらを着実に五十五年度までに、もう絶対にこれをやりませんと貨物の新しい脱皮が全然できませんので、これに全力を傾けて、とにかくコストコンペティションに勝つ、勝てる体質をつくる。しかしながら、そればっかりやっておりましてふっと気がつきますと、結局貨物がずいぶんなくなっておるということでは、これでは困りますので、現在一億四千万トンを送っておりますけれどもできるだけの確保をやっていく。  最近の例をちょっと申し上げますと、実はトラックのある社長さん方が、私どものところへ通運もやっておられますのでよく見えますけれども、現在非常に物すごい競争で、とにかく他人のテリトリーに手を出さなければ食っていけないという話を各社長さん方によく聞きますが、こういう現状の中において、私ども通運その他業界と手を握りまして荷物の獲得に必死に働いておりますが、運賃値上げ後の車扱い貨物は、減り方は一割ぐらいの減りでございましたが、コンテナは相当逃げまして、一ころは二割以上の減になりましたが、最近二割弱のようやくコンテナも確保ができつつある。これで安心するわけではございませんが、必死になって防衛といいますか、とにかく貨物を確保するという努力を二方面作戦でやっていく。これしかないというふうに考えております。
  259. 穐山篤

    ○穐山篤君 時間がありませんから細かいことは省略しますが、この一億四千万ぺースを確保したいと。それでいきますと、常に当局が言われておりますように、五十五年度までに固有経費を何とか賄えるようにしたいというものと数字的に合うんでしょうか。
  260. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) 一億四千万トンが確保できるかどうか、これは努力でございますが、五十二年度の補正で見ますと約一億三千万トンでございます、御存じのとおりでございますが。この一億三千万トンが五十五年度にどういう形になるかということについては、どういう形にするかということは申し上げられますが、横ばいぐらいでがんばろうということでございますけれども、どういう形になるか、これは経済情勢その他の変動によって、まあ明快には言えないと思いますけれども、まずコストダウンを徹底的にやりまして、適当な時期に、たとえばトラック運賃も二年間周期で上げておりますし、通運料金も二年間周期で上げるというような形の中で、国鉄の適切なる細かい内容を持った値上げを逐次やっていくことによりまして、非常に苦しいと思いますけれども、五十六年度から固有経費を平年度で賄える形に絶対したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  261. 穐山篤

    ○穐山篤君 これは卑近な例ですけれども、先ほどのお話では拠点を少し整理をする。従来整理した結果、駅間が十二キロぐらいだと先ほどお話がありましたが、新しい八月の提案でいきますと、その距離が少し延びるわけですね。そうすると、理屈から言えば、距離は延びたけれども横持ちが拠点に集結をして、それが全部貨物列車として仕立てられるならば問題は少ないわけです。それでも問題がないわけじゃないですけれども。  さて、中央線のような場合を考えてみた場合に、この八月提案によりましても若干整理をされますね。その上に四車線の中央道が出るわけです。従来国鉄の中央線に乗っておりました信州行きの貨物にいたしましても、あるいは名古屋行きの貨物にしましても、時間的に言うとこの中央道の方が早いですね。私はそのこともありましたので、この間、具体的に車に乗って調べてみたわけです。まだ途中未完成の部分はありますけれども、甲府から名古屋へ行くまでに早いところ四時間ですね。これが全線つながりますと半分以下の時間で行けるわけです。  そうしますと、東京から中央道を通りまして名古屋へ出るトラック便というのは、少なくとも国鉄の貨物の輸送時間の三分の一以下で運べる、そういうことになりそうだと私は計算をするわけです。そうしますと、ますます競争力が弱まる。その弱まるところへ持っていって、拠点、拠点が広くなって横持ちが少なくなるということになると、志と違う結果がますます拡大をしていくんじゃないかという、そういう疑問を持つわけです。ですから私は、一億三千万トン、四千万トンペースに向かって全力投球したいというお心持ちはわかりますけれども、背伸びをして国鉄経営に当たることについては無理があるということをこの際指摘をしておきたいと思います。努力については十分にわかります。  さて、将来とも一億四千万トン――一億ぺースというふうに申し上げておきますが、保証してもらえるかどうかということをしばしば組合の新聞で見るわけですね。組合としてみれば無理もない話だと思いますが、その点について十分組合側に納得できるような話をされているんでしょうか。
  262. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) 現在、八月十八日に提案いたしまして、この問題について種々議論をし合っている最中でございまして、理解を十分得ておるか得ておらないか、この問題についてはまだ今後さらに理解を深めていかなければならないであろうというふうに考えております。
  263. 穐山篤

    ○穐山篤君 貨物についてあと一つほどお伺いするわけですが、国鉄側も努力をする、それから通運トラック業界もそれなりに努力をされているわけですが、通運業界の御意見を受けて立つと言っては語弊がありますけれども、これに対応する国鉄側の対応準備について少し違いがあるような気がするわけです。通運業界からこういうふうにしてくれれば荷物のまとめをやってくる、あるいはそれもさばきましょう、珍案があるわけじゃないんだけれども、その通運業界の提案というものも多としなければならぬと思うんですが、その点、いかがですか。
  264. 田口通夫

    ○説明員(田口通夫君) 実は貨物集約の問題につきましては、先般全国通運連盟の会長の名前で私どもの方に、具体的な問題になるので各管理局ごとにそれぞれ通運と陸運局及び国鉄で形成されるような対策会議をつくって具体的に相談をするよう十分指導してもらいたい、こういうことでございましたので、私どもの方はそれぞれ管理局に、むしろ管理局長が先頭に立ってこの問題に対処するようにということで指導申し上げております。  それから現在の通運の問題といたしましては、私ども極力将来国鉄が直営販売のできるたとえばセメント、あるいは石油といったような大量物資と、それからフロント貨物でございますね、まあ一社のお客さん、あるいは二社のお客さんといったようなフロント貨物の問題については、極力通運の販売能力を使って私どもはむしろ鉄道の上をサービスして一生懸命輸送する。  で、貨物をとってくるのは通運でとってきていただいて、これは利用運送という形にいたしておりますけれども、通運が大阪の何々区から東京都の何々区のだれだれまで送るということを全責任を持ちましてその区間に国鉄の輸送力を使う、こういう形の輸送にできるだけ切りかえるために、極力通運に対しては代理店的なそれぞれの措置を、たとえば割引等を考えまして、ごくわずかではございますけれども、昨年度よりも輸送量をふやした通運に対してはこれを駅ごとに計算をいたしまして、ある程度の、わずかでございますが割引をするというような販売施策を講じておりますので、まあどういうずれを先生御指摘されておるか私はわかりませんけれども、逐次話し合いをしながらそのずれをなくしていきたいというふうに考えております。
  265. 穐山篤

    ○穐山篤君 貨物の問題について運輸大臣に特にお願いをしておきたいんですけれども、いずれ労使の間で話をして、いろんな改善が行われると思うんです。ただ、それはひとり国鉄だけにかかわらないで、いまもお話がありますように、通運、トラック、いろんな分野にまたがるわけですね。貨物を取り扱っておった駅がなくなると、それはそこには取り扱う国鉄職員がいないと同時に、通運の労働者も関連をしてどこかへ行かなければならぬわけですね。国鉄貨物というのは、言ってみれば物流全体の姿勢の問題にもかかわるわけです。そういう意味で、総合的にひとつこれ改めて、今回の問題とは別で結構ですから、その通運、トラックを含めて十分に御相談をいただきたいし、私どもの注文もひとつ聞いていただきたいというふうにお願いしておきます。  さて、それから今度の審議が始まってから常に運輸大臣は、法定主義を緩和をすることが国鉄の当事者能力を拡大をすることになるんだ、仕事がやりやすくなるんだと、こういうふうに言われているわけですが、少し詰めて恐縮ですけれども、総裁のどういう権限が拡大をされるのかですね、あるいはどういう責任の範囲がふくらむのか、わかりやすいようにひとつ説明をいただきたいと思います。
  266. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 私どもといたしましては、やはり公共事業ではございますけれども、同時に企業体でございますので、経営的角度でいろいろ工夫するチャンスを与えていただきたいわけでございます。その場合にいろいろな問題がありますが、いま私どもに与えられておりません一番の悩みの一つが、やはり私どもの商品の値段でありますところの運賃を私どもが決めることができないということでございます。もちろん営業割引とか、その他例外的にいろいろのことを決める権限を与えられておりますけれども、何といいましても基本であるところの運賃は国会にお願いしなければなりませんし、料金は運輸大臣にお願いしなければならぬということでなかなか決められない。  そうなりますと、このいろいろな情勢、たとえば先般来総合運賃の体系というようなことの御議論がございますけれども、それほど整然たるものでなくても、他の飛行機なり、あるいはバスなり、フェリーなりがどういう時期にどういうふうに値段を設定して商売をやろうとしておるか。その時期に関係なく法律案をつくって御審議をお願いしてというかっこうになってまいります。競争相手である先方は、こちらの出方を見ながら上げたり下げたり適当にできる。当方はもうよそが上げたり下げたりしても黙って見ているしかないということではどうも商売になかなかならぬということでございまして、今回制度を弾力化していただきますれば、その意味において、まず経営者が自分のところの商品の値段を決めることができるという意味において、これは従来とは全く違ったものになり得ると思います。  ただ現実には、国鉄の独占性というものは非常にもう失われておりますから、じゃその経費がふえたからそれでは運賃を上げようかと言ってもなかなかそれはそうはいかないという現実がございますから、こういうふうに制度を変えていただきましたならば、直ちに何とかうまくいきますということにはなかなかならないわけでございまして、ある意味では逆に、いままでは経営としては法律で決めてこうなっておりますから、こういうお値段で運送いたしますということでございましたが、ある程度の弾力性が与えられますと、今度は私どもの方が随時に上げる、あるいは下げるということも含めて決めることができるということになりますと、より私どもの責任が重くなるわけでございまして、いままでよりは非常にそこのところ責任が重くなる。  責任が重くなるということは、これは経営側であるとか、労働側であるとかということを離れまして、労使双方を含めた意味での国鉄としての責任が重くなるということでございまして、それで、かなり従来問題になっておりました当事者能力のうちのある部分が回復できるといいますか、お与えいただけるという点で非常に大きなメリットがあると思います。ただし、まだまだいろんな面におきまして、予算の面でありますとか、あるいは給与の面でありますとか、その他の面におきましてもたくさん拘束を受けておるわけでございますので、そうこれだけやっていただいたらにわかに生き生きとしてくるというわけにもなかなかまいらないのでございますけれども、しかし、少なくともそういう当事者能力がだんだん付与されるという方向に向かって歩んでいくということが、私どもの再建のためのまず第一歩として非常に貴重なものだ、重要なものだというふうに私どもはこの問題を非常にウエートを置いて考えているわけでございます。
  267. 穐山篤

    ○穐山篤君 大臣、これ法定緩和になったとしてみても、日鉄法の三十九条の二、これは予算の編成の問題です。これは手順は変わらないんですね。
  268. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまのところ特に手順を変えることは考えておりません。
  269. 穐山篤

    ○穐山篤君 それから、同じく日鉄法三十九条の三ですね。これも同じように国会で議決をする、そのことについては全く変わりないですねo
  270. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 三十九条の三についての解釈を変えようという気はありません、いまのところ。
  271. 穐山篤

    ○穐山篤君 そうしますと、先ほど総裁が自分の商売の商品の値段が自分で決められないと言っちゃ語弊がありますが、結局国会で決めるか、運審を通って運輸大臣が決めるかという手続の違いですけれども、まあまあいいでしょう。日鉄法三十九条の三が変わらない、そのままにしておいて総裁の、あるいは国鉄の当事者能力、自由裁量というものがふえるというふうにしばしば私は印象として受けるわけですけれども、実際どこの部分――その商品の値段は自分で決めたい。最終的には運輸大臣の認可になるんでしょうけれども、それ以外を除きますと制約の方は全く変化はないわけですね。
  272. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) おっしゃるとおりでございまして、予算統制は受けるわけでございますから、その意味においては変化はありません。そして、ここでは明言されておりますように、収入支出予算ということになっておりますから、収入の総額といいますか、そういう面においても予算の国会における御審議を通じて統制を受けるわけでございます。そういう点では、今回の改正がございましても、私鉄のようなものとは全く本質的に違う、性格は変わらないわけでございます。  その点はしかし、私どもは実は現在は全く赤字でございますので、そして先般来いろいろの点で御議論ございますように、政府の助成を得なければ運営ができないという情けない状態になっておるわけでございますので、ここのところで予算統制を外していただきたいと言ってみましても、逆にむしろ補助金をこれからよけいいただかなきゃならぬような現状において、予算統制を外していただきたいということは現実的ではないわけでございまして、ここ当分の間この三十九条の三あたりの物の考え方を変えていただくというような気持ちはいまのところ全く持っていないという現状でございます。
  273. 穐山篤

    ○穐山篤君 まあ変わらないという、予算総則、あるいは給与総額、定数、あるいは負担行為についても変わらない、国会でも従来と同じように予算の審議を行うということになりますと、率直に申し上げて、それらの部分については従来と全く変わりがない、運賃の手続の問題だけだ、こういうことになるわけですね。
  274. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 基本的にはそのとおりだと思いますけれど、一般に予算といいますのは支出権が決められておりますので、国会で御承認いただいた以上の支出権というのはないわけでございます。ただし、現在の国鉄財政上の場合には、支出権があってもそれに見合う歳入がないという場合がしばしばあるわけでございまして、そういう場合には適時適切な運賃収入によりまして支出権の基礎となる財源を確保するということができるようになっております。
  275. 穐山篤

    ○穐山篤君 それじゃ、それはその程度にしておきたいと思います。  それから、午前、午後の三木さんの質問に対しまして構造的な欠損、欠陥の問題について、従来の議論よりもやや下敷きがよく見えるようになったというふうに思うわけですが、これは大切なところでありますのでもう一遍そこのところを明らかにしていただきたいと思います。  それは、総裁は構造的欠損というのは地方交通線から生ずる欠損だと、こういうふうに言われ、それから運輸大臣も、多少これから作業をするにしてみても、原則的にはそれは構造的な欠損で、いずれこれは何とかしなきゃならないと、こういうふうに御答弁がされたと思うんですね。  そこで、これをもう少し明確にするには何が必要かということを考えてみた場合に、やっぱり法的措置が必要になってくると思うんです。まあ、去年あるいはおととしの運輸委員会の議論を議事録で読みましても、気持ちのところはよくわかるんですけれども、さて具体的な助成、援助、補助というところになると歯切れが悪くなっちゃう。ですから、地方線から生ずる欠損、これは多少の出入りはありますけれども国の構造的な欠損と考えて助成するんだ、いつかは助成しなきゃならない。それを単に委員会の議事録だけでなくて、これを近いうちに法的にきちんとするという考え方はないんですか。
  276. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 地方交通線問題につきましては、現在運輸政策審議会で中間答申をいただいている段階でございますが、いずれ最終答申をいただきまして、それを具体化する場合に法的措置が必要であるかどうかを検討いたしたいと思っております。法的措置が必要な場合には、改めて次の国会になるか、あるいはその次になるかわかりませんけれども、また国会の方で御審議をお願いすることになると思いますけれど、いまの段階で地方ローカル線問題を解決するためにどうしても法律がないとできないというわけではないと思いますので、いまの段階ではどういうことになるか、この場では明らかに申し上げにくいんですけれど、運政審の答申を実行するためには、単に行政措置だけでは済まないような点もあるんではないかなという感じは持っております。
  277. 穐山篤

    ○穐山篤君 少しくどいようですけれども、一番適切な例は新線建設で話をしたいと思うのですが、仮にAB線を公団が国鉄にぜひ受け取ってちょうだいと、国鉄側はとてもこんなものは受けられない。地域産業、地域住民の足という立場から言えばむげに断るわけにいかないけれども国鉄がこれをげんこつで営業するわけにいかないと言ってお断りをする。国は、いやそう言わずに国鉄はしょってくれ、全く赤字の新線を引き受けるわけですね。そうしますと、それはここに言うところの構造的な欠損、あるいは構造的な原因ですよね。ですからそれを、これは国の構造的な欠損だというふうに、まず性格の面から法的に規制をして見ないかと私は言うわけです。銭金の話はこれは別な話です。その点について、具体的な問題ですからお伺いします。
  278. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 現在建設いたしておりますAB線の大半は、御指摘のように恐らく赤字の原因になろうかと思います。私どもといたしましては、これからつくりますAB線が国鉄の経営負担にならないように、やはり措置をする必要があろうかと思います。どういう措置をするかということにつきましては、先ほど来申し上げております地方交通線問題と整合性を図ってやらなければならないという問題でございまして、全部国でめんどう見るのか、地方公共団体と一緒にめんどう見るのか、今後関係者と話し合いをいたしたいと思いますが、いずれにいたしましても運政審の最終答申ができました上で、関係者と十分話し合いをして、国鉄の負担にならないように措置はしなければいかぬと考えております。  その場合に法律が必要かどうかということになりますと、先ほど申し上げましたような地方ローカル線問題の解決の一環として、実はまだ見通しがないわけですが、法律が要るという場合には当然その中に織り込むことになると思いますし、まあ法律が要らないということであれば、一般の助成のやり方に乗せて処理をいたしていきたいと、さように考えております。
  279. 穐山篤

    ○穐山篤君 これは将来運賃の値上げと深いかかわりがありますから単純にいま言えないと思います。経費問題出ておりますけれども、ただ私もお伺いをしているのは、構造的な欠損だというふうに三木さんの質問に対して明らかにされたわけですね。これが九千二百キロか九千百キロか、そのことを私はいま詰める必要はないと思うんです。何キロでもいいんです。あるいはこれから国鉄が引き受けますAB線、あるいはCD線についてもそうなんですけれども、これはまあ構造的な欠損原因と。だからこれは国の政策責任として、交通の政策責任として欠損だというふうに認めると、まず。  そして、補助のことを私はまだ言っているわけではなくてこれから申し上げるわけですが、これは補助について言えば財政全体の規模の問題もありますから、そうなかなか問屋は卸さないと思うんです。しかし、この構造的な欠損については、五年間でこうする、十年間でこうする。なおその上でもどうにもならない場合にこうしたいというそういう研究をされると思うんです。それは補助の仕方、援助の仕方、あるいは率直に言えばたな上げの仕方もその中に含まれるだろうと思うんです。  しかし、その点は単に委員会のやりとりだけでなくて、もっと政治的に責任を負ってもらう、その政治的に責任を負ってもらう最良の方法というのは、法的にこれを担保するということが一番ベターだろうと思うんです。そういう意味で、いままでの十年間この方の論議を通してみて、きちんとしなければまた優柔不断の結果が起きはしまいかと、そういう疑惑を、あるいは疑念を持つわけです。そこであえてその法的な保証を担保するかどうか、その考え方があるかどうかをお伺いしているわけです。
  280. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 先ほど鉄監局長がお答えいたしましたように、法的措置が必要であるかどうかを含めて検討しようと、「基本方向」に述べられておりますように、五十三年度と四年度でそういう構造的欠損というものを洗い出して、それをどのように処置するかということを十分検討して答えを出すと、そうして五十五年度からノーマルなレールに乗っけると、こういう考え方でございます。でございますから、問題は法律で担保する必要があるかどうかということも検討しなきゃならない。必要かもしれません、あるいは法律が必要でないかもしれません。そういうことを検討しようと、こういうことでございます。
  281. 穐山篤

    ○穐山篤君 そのことは過去債務による負担の問題についても同様のことと考えていいんですか。
  282. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 過去債務の問題につきましても「基本方向」の示すところによってこれを検討する、何らかの答えを出さなきゃならぬということであろうと存じます。
  283. 穐山篤

    ○穐山篤君 「基本方向」という話が出ましたから、そこは少し除きます。  それから国鉄側としては、先ほど三木さんの質問に対して要員構成上のひずみですね。ここについても国鉄側としては構造的な欠損だと思うと、こう言われたが、運輸大臣は、そこはそこまで手を広げるわけにいかない、こういう説明がありました。しかし、現実にこの要員構成上の問題、いろいろありますよ。満鉄から引き揚げたとか、いろんなことがありますけれども、まあ適当な言葉かどうかわかりませんが、少なくともこの部分ではまだ国鉄は戦後が終わっていないというふうに私は考えるわけです。  言いかえてみれば、終戦の前後のひずみをずっとしょってきて、それが人員構成上の原爆型の要員構成になっているし、それから退職金、年金というものまでに重大な経理の上からいえば影響を与えているわけです。これが普通ノーマルな形ではそういうことにならないわけですね。そうすると、全部を構造的な欠損というわけにいかないと言うならば、どういう部分についてはこれはひずみである、あるいは戦後は終わっていない範疇だというふうに考えられるのか、その点、明確にしてもらいたい。
  284. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ちょっと私が申し上げたことと違った解釈をしていただいたんじゃないかと思うんです。私は、「戦中戦後、国の機関として国策遂行上生じた要員構成の歪みによる負担」というもの、そこまでも考えていないという趣旨で三木さんに答弁したんではありません。そうでありません。これも構造的欠損ではございましょう、しかし、これは恒久的な要因を持ったものではございません、ここ五年か十年か、いずれにしてもある時期に解決される問題でございます、でございますから、広義の構造的欠損ではございましょうけれども、これは言うなら時限の問題でございます、時の限られた問題でございますという趣旨のことを申し上げたのであって、構造的欠損でないと断定したわけでもなければ、これについて何ら考える必要はないという意味で申し上げたのでもございません。私はこのひずみというものについてば、やはりそれなりに検討しなきゃならぬと思うんですよ。  でございますから、三木さんに対してお答えいたしましたように、退職金の平準化の問題とか、あるいは先ほど私からは直接お答えはしませんでしたけれども、よってもって生ずる共済年金の問題とか、いろんな非常にむずかしい問題が残ります。これはもう真剣に取り組まなきゃならぬ問題でございます。下手すりゃ労働者一人がおじいさん一人をしょっていくというようなことになる可能性だってあるんでございますから、これは真剣に考えなければならぬと、こういう趣旨で申し上げたんでありまして、そこまで考えていないという突き放した気持ちでなくて、むしろ私の真剣に取り組みたいという気持ちを正確におくみ取りいただきたい、お受けとめいただきたいとお願いしたいのであります。
  285. 穐山篤

    ○穐山篤君 大臣の言われている趣旨は十分にわかりますし、先ほどの御答弁ではこれはある時期に解消すると、こういうふうに言われたわけですが、時間が来ればある意味では解消すると。それは物理的なことについてはよくわかる。しかし、財政的に言うと、ある一定の時期が来たからそれで解消ができるというふうに保証するにはかなり問題を大きく含んでいるわけですね。  そこで、平準化という話も先ほど出ました。これはいずれ検討されるわけでしょうが、その平準化というふうな一つの方法を考えるにしてみても、これは退職金、年金、いずれの分野にもかかっている問題だというふうに理解していいんですか。
  286. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) そういうことでございますが、私が申し上げましたのは、このアとイですね、「地方交通線から生ずる負担」、「過去債務による負担」という問題と若干ちょっと違って、この要員のひずみというのは、ある時期がまいりますと、そのひずみそのものが解消される、ところが、新たなるまたそれによってひずみが生じる、より大きな問題が生じる、それが年金でございましょう、そして要員のひずみというものと並行して大きな問題となるのが退職金でございましょう、そういうことでございますから、これをおろそかにするわけにはまいらぬ、こういうことを三木さんに対してお答えをいたしたのであります。
  287. 穐山篤

    ○穐山篤君 先日の本会議でも、すべての人が質問をされていた共通問題ですが、さらに去年の十一月の議事録を読んでみますと、これまた前と同じことを指摘をしましたが、いわゆる責任体制あるいは責任問題ということが強く指摘をされております。  運輸委員会が長い間時間をかけて、その都度再建要綱にとぎついてその翌年はそれが壊れちまう、それが修正をされる。運輸委員会にしてみますと本当に大変な作業をこの数年の間重ねてきたと思うんですね。それは一たん決めたことが、あるいは一たん決めた計画が具体的に実施に移されて進捗をする。その途中でいろんな変化があるというのは当然ですけれども、それにしましても、ここ数年の間、全部計画が毎年修正を余儀なくされているわけです。  そういうことについて運輸委員会の先輩の皆さんも、大いに責任を感じていると言えば語弊がありますけれども気にもんでいると思うのです。さらに政府としても、国鉄当局としてもその点の姿勢、考え方は同じだと思うんです。この責任体制、責任問題というのは、抽象論を議論しておってもしようがないと思うのです。具体的なものに対して、その具体的な計画に対して責任が持てるのか持てないのか、責任を持って仕事をやった結果、それに対する責任はどうかという具体論がなければ責任体制、責任問題を議論してみてもこれは始まらぬと思うのです。  その意味から私は懸念をしましたのは、五十年の十二月に要綱が出ました。五十一年、五十二年でこれは収支均衡をする、そういう提案のもとに運輸委員会も議論をして通ったと思うんですね。しかし、残念ながら私が聞いている範囲では、そのときに五十一年なり五十二年の具体的な国鉄の五十二年の計画、収支均衡が償うというそういう前提条件に立った年次別の計画が提示されてなかった。  ですから、運賃の値上げが行われればこれで見通しが明るくなるという話はあったにしましても、実際に振り返ってみれば、計画がなかったためにその目標を失っているし、責任をだれもとらない、とりようもない。そして世間が悪いんだ、不況が悪いんだというふうに第三の原因に全部押しつけているのが国鉄再建がいつも議論をされている根本的な原因ではないかというふうに思うわけです。  少し長くなりましたけれども、五十年の際に、なぜ五十一年、五十二年度にわたる、細かい計画でなくて結構です。大ざっぱに、このくらいの収入、支出のやり方で五十二年が終わったときには収支が償う、こういう計画が出されなかった経緯を明らかにしてもらいたい。
  288. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 具体的な経緯につきましては局長から御答弁申し上げると思いますが、責任問題につきましては私から一言申し上げたいと思います。  確かにおっしゃるとおりオイルショックという不可抗力とも言うべき問題がございました。それによって大きく見通しが狂ったということも事実でございます。それからいま一つは、運賃値上げというものに全面的に依存をしておって、それが決定に際して大幅におくれる、あるいは流れるというようなことで狂ったことも事実でございます。でございますから、いろいろとそれは運輸省、国鉄にも言い分はございましょうけれども、しかし、私自身から申せば、やはり運輸大臣の責任であり、国鉄総裁の責任であると存じます。これははっきりと認めなければならないと存じます。  ただ、仮にこの法案が通りましたならば――仮にというより通していただかなきゃならぬわけですが、通りましたならば、少なくとも収入についての見通しというものが、国鉄自体でこれが非常に明確に出てくるわけであります。そうして、しかもこの法律にのっとって事を進めますのに、五十三年度、五十四年度という二年間であらゆる赤字要因というものを洗い出してそれに対する対策をすべて立てていく。その作業を五十四年度末には終わる。  そして五十五年度には収支均衡するということよりも、収支均衡への正常なレールに乗っかって走り出す、こういうようなたてまえでございますから、しかも経営努力をしろというばかりが能でもないので、いままで経営努力をしろと言っても、確かにそれだけの能力もなかった。その能力も十分ではないにしても、ある程度今度の法改正によって与えられるということになりますと、これから確かに計画を立てるのがやりやすくなる。これで失敗をいたしましたならばこれはもう明らかに一〇〇%全面的に政府の責任であり、国鉄当局の責任であるということが言えると思います。  しかし、まあだからといって景気変動ということは、これは最近の経済に国境なしというような状況から言えば、不可抗力としてあるいは加わるかもしれません。しかし、それはそれでございます。これだけの当事者能力の回復ということがあれば、私は具体的な計画を少なくとも五十五年度には国会に対して精密にお出しできると思いますし、そして責任体制を明確にすることができる。それでもし仮に、不可抗力という要素以外の誤り、過ちというもので仮に狂ったならば、私は運輸大臣あるいは国鉄総裁は、みずからの責任で出処進退を明らかにすべきものと、そこまで私は思います。  これは無責任なことを言うな、おまえ、そのとき大臣しておるかということになるかもしれませんけれども、これは私が大臣であろうとなかろうと、それだけの責任と決意というものを持ってこの法案の御審議にわれわれは臨まなければらぬと、このように考えております。非常に重大な問題として受けとめておる次第でございます。
  289. 穐山篤

    ○穐山篤君 ある新聞に、もう参議院の運輸委員会の審議の日程が、われわれ知っているよりよく書かれておりますし、愛情ある審議をお願いをしたいというように結んでいるわけです。私はそのこともよくわかりますが、ただ従来と同じように、運賃の値上げをすれば再建できるぞ、法定主義を緩和をすればよくなるぞというふうなことでこの審議が終わったとすると、私は全くいままでと同じ結果になっちまう。だから、厳しいけれどもこの前提条件、あるいは目標というものをはっきりしなきゃならぬというふうに思うんです。  きょうだだいまのところは衆議院で一部修正をされていますけれども、そのことはちょっとおくとしまして、大臣が原案を国会に提出をしたときに、この法定主義を緩和をしてある一定の運賃値上げの目標数字を今回も描き、あるいは来年、再来年も描きながら収支均衡を五十四年までに図りたい、前のやつは五十二年でしたけれども、これを五十四年度に変更する、こういうふうに言われているわけですが、そうしますと、昭和五十四年度までに描いてみれば、ことしなり来年なり再来年の年次別計画をお持ちになって、さあ運輸委員会あるいは国会審議しろと言われているのか、それとも全くそういう年次計画がなくて、審議をしろと言われているのか、その点をお伺いしたいと思います。
  290. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) すでに衆議院において修正された問題でございますから、私が原案につきましていまとかく論評することはあるいは避けた方がよいかもしれませんが、年次計画は有しておりました。私はその説明は受けました。しかし、率直に言って非常に厳しい年次計画でございました。私は自分が原案を提案した責任者でありながらこういうことを言うのはいかがかと思いますけれども、私自身がもうこの期に及んで言葉をつくりたくありません。飾りたくありません。でございますから、あえて申しますならば、この修正案というものによって本当のレールに乗るであろうとかえってみずからを慰めておるといういまの心情でございます。
  291. 穐山篤

    ○穐山篤君 過去のことをつつき出すことはないと思いますけれども、やはり運賃値上げをしたい、あるいは法定主義を緩和をする、それに対してことごとく院が自信を持ってこれに賛成ができる、こういう答えがなければ法案を通したくないという気持ちはこれは率直だと思うんです。去年の十一月四日の参議院の審議を議事録読ましていただきましても、全党一致でこれからの国の責任、あるいは国鉄の責任というものは重いぞと、お互いの分野を明確にしてがんばらなきゃならないぞというふうに指摘をしているわけです。また激励もしているわけですが、そのお互いの分野というものを明確にするためには、少なくともある程度の目標をもらわなければ困ると思うんです。  先ほどローカル線の問題にしろ、あるいはこれからの新線建設につきまして、従前よりは少し前向きのお答えは出ましたけれども、しかし、それにしましても、政府が最初原案として提起をしたときの五十四年度まで――ただいま説明を受けたと言うんですけれども、これはできれば見せてもらいたいと思うんです。それば、なぜ私が執拗に食いつくかというと、もう国会で二度も三度も同じようなことを議論したくない。あとはお互いの責任体制を明確にして、それに基づいてがんばっていけばいい。  結果については、それはいろんな隘路があったり変化もあるわけですから、それはその時点で十分に協議すりゃいいわけですけれども、最初から責任体制を明確にしないままに、通りさえすればよくなるという抽象論だけでは国民は納得しないし、運輸委員会自身としてもそれは納得できないと思う。ですから、私は従来のような浪花節的なやり方ではこの場は済まされない。そういう意味で、もしお持ちでしたら明らかにしてもらいたい。
  292. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 原案と修正案では考え方の基本が全然変わってしまっております。原案はとにかく収支均衡年度というものをまず設定して、そして言うなら逆算したような印象を人に与えておるわけです。今度の修正案はそうじゃありません。準備の期間を二年与えられて――正確に言えば二年以上でございます、いまから考えると。二年以上与えられて、そして三年目に収支均衡へのレールに乗っていくと。しかも運賃値上げについて、極端に無理のないような物価等変動率をもとにした考え方で、しかもなるべく経営努力というものをしっかりやりながら、その上限値よりも下の線においてやっていこう、決めていこうと。しかも、政府の助成の問題についても、その準備期間の二年の間に十分検討していこうということでございます。  私、実は運輸大臣に就任いたしましたころと、きょうこうして皆さんといろいろと受け答えをいたしております内容、本当に変わったと思うんです。私、こういうことを言うと大変失礼なんですけれども、運輸大臣を拝命しましたとき、あの当時、つまりことしの春ごろ、あるいは冬ごろ、あの当時といまとでは、皆さんと私どもとの距離はうんと縮まったと思うんです、考え方が。でございますから、基本的に変わってきたんだと。そこまで国鉄が追い詰められたという認識を政府も、国鉄も、国会の皆さんもみんなが等しくお持ちになっていただいた、われわれも持った、そういうことでございますから、私は、先ほどの責任体制の問題も加えながら、真剣に取り組んでいきたいと考えております。  それから、先ほど私はちょっと報告を受けたということを申しました。確かに報告は受けました。受けましたけれども、それはあくまでも部内におけるプライベートな話の問題でございます。私もその作業に参画をして、こうすればこうか、これはちょっと無理かなというようなことでございまして、私は政府の、運輸省の部内できちっと詰めて、そしてプリントをして、こういうものでございますという、そのようなデータをもとにして報告を受けたというものではございません。むしろ、ディスカッションしたという方があるいは正確かもしれません。  でございますから、もうここで、衆議院で修正までされた問題でございますから、どうぞひとつ、原案につきましては、いろいろとおしかりを受けることもあろうかと思いますけれども、原案はすでに衆議院で一たんもう息を引き取っておるのでございますから、そこいらの事情も十分御勘案いただいて、修正案本位のひとつ御審議を賜りますように、これは私もう本当に心からお願いを申し上げる次第でございます。
  293. 穐山篤

    ○穐山篤君 それではもう終わりたいと思いますが、算定基礎の重要な部分であります経費について、午前、午後の議論を聞きましても、まだ十分にあの経費だなと、まあ自動車を除くその他の経費という大ざっぱなことはわかりますよ、わかりますが、この経費だな、あの経費だなということが具体的に承知ができないわけです。これは時間的なこともあるでしょうから、私は費目別に、これはきょうでなくて結構です、明らかにしていただいて、やはりここを詰めないと、最後まで問題が残るわけですね。政府部内でも問題が残るし、国鉄部内でも問題が残るし、国民はもっとわからない、あるいは期待外れになる場合もあるわけでして、この経費の対象ですねここはぜひ資料を提出をしていただいて、また質問がある際にはお願いをしたいと思います。  大蔵省の方。修正によりまして当初原案に比べて八百五億が財源的に不足をした。総裁が国鉄の気持ちを吐露されたわけですが、これは少し、理屈を申し上げることはないと思いますけれども、結果として志と違ったものが衆議院で行われたわけですね。これが国鉄の努力不足とか、あるいはその他の方の努力不足というふうなことでなくて、いろんなことを総合的に判断をして修正がされたわけです。されましても、結果としては国が、あるいは運輸省が、大蔵省が受けて立つ、これが原則的な立場だろうというふうに思います。  そこで、私は細かいことを聞いているわけではなくて、受けて立った大蔵省として、どんなふうにここを考えるか、その点、原則で結構です。
  294. 角谷正彦

    ○説明員(角谷正彦君) いま御指摘ございましたし、先ほど三木委員の御質問に高木総裁からお答えいただいたとおりでございますけれども、今度の修正案によりまして、本年一月からの運賃改定が事実上不可能になったということもございまして、八百五億円の収入が減少するということになろうかと思います。このまま推移する限りそういうことになろうかと思います。この収入減の取り扱いでございますけれども、まだ国鉄、あるいは運輸省とは具体的に御相談はいたしておりませんけれども、今後の国鉄の収入あるいは支出といったものを十分に見きわめた上で、国鉄の業務運営に著しい支障が生ずることのないように諸経費の節減でございますとか、先ほど総裁がおっしゃっておりました資金繰りのいろいろな検討、そういったものを踏まえまして適切に対処する以外にはないんではないだろうかというふうに考えております。(「資料要求、資料要求」と呼ぶ者あり)
  295. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 資料要求はようございますか。
  296. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 五十一年度経費につきましては、すでに決算が完了いたしておりますので、それを基礎に資料をお出しいたしたいと思います。
  297. 穐山篤

    ○穐山篤君 五十一年度決算は私もいただいています。それで原則的に言うと、自動車勘定を除いてその他の経費ということになっていますね。その経費の中には構造的な欠陥の部分のものも背負っているし、そうでないものも背負っている。だから、それを洗いたいというふうなお話があったわけですね。だけれども、その洗う場合にどの経費、営業外経費を含めて、経費というのは通常の経費か、それとも営業外経費というふうな経費もあるわけですよ。そういうことについてまだ十分に解明されてないわけですよ、経費そのものについて。ですから、経費の対象の費目というのは、たとえば人件費とか、あるいは修繕費とか、何とか費というのが款項目あるわけですね。そういうものを整理をしていただきたいと、こう申し上げているわけです。
  298. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 後ほど穐山委員とお打ち合わせした上で、資料提出をいたしたいと思います。
  299. 内田善利

    ○委員長(内田善利君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時三十三分散会