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1977-11-24 第82回国会 参議院 商工委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和五十二年十一月二十四日(木曜日)    午前十時十四分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十一月二十四日     辞任         補欠選任      岩崎 純三君     井上 吉夫君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         楠  正俊君     理 事                 熊谷太三郎君                 福岡日出麿君                 対馬 孝且君                 安武 洋子君     委 員                 井上 吉夫君                 岩崎 純三君                 大谷藤之助君                 下条進一郎君                 中村 啓一君                 林田悠紀夫君                 小柳  勇君                 小山 一平君                 竹田 四郎君                 森下 昭司君                 馬場  富君                 峯山 昭範君                 藤井 恒男君                 柿沢 弘治君    国務大臣        通商産業大臣   田中 龍夫君    政府委員        通商産業省通商        政策局長     矢野俊比古君        通商産業省貿易        局長       西山敬次郎君        通商産業省生活        産業局長     藤原 一郎君        中小企業庁長官  岸田 文武君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        外務大臣官房領        事移住部領事第        二課長      黒河内久美君        林野庁林政部木        材需給対策室長  松延 洋平君        通商産業省基礎        産業局鉄鋼業務        課長       岩崎 八男君        資源エネルギー        庁石油部精製課        長        清滝昌三郎君        運輸大臣官房観        光部計画課長   森  雅史君    参考人        国民金融公庫総        裁        佐竹  浩君        小規模企業共済        事業団理事長   越智 度男君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○中小企業倒産防止共済法案(内閣提出、衆議院  送付)     ―――――――――――――
  2. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  中小企業倒産防止共済法案の審査のため、本日、小規模企業共済事業団及び国民金融公庫の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 中小企業倒産防止共済法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通産大臣。
  5. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 中小企業倒産防止共済法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  最近における中小企業をめぐる景気の動向は、一部の業種を除き売り上げ状況、利益状況ともに停滞を続けており、企業倒産件数は、依然として高い水準を維持したまま推移しております。これら倒産企業のうち、圧倒的多数は中小企業者によって占められておりますが、近時は、倒産企業一件当たりの負債金額が年々増加傾向にあるとともに、倒産企業の企業規模についても拡大化の傾向が見られ、中堅中小企業の倒産が増加しつつあります。  現在の経済環境下においては、企業が一たび倒産に至った場合、関係者か事業を再建し、または関係従業員が再就職を目指すことは容易なことではなく、その社会的影響はきわめて深刻であることから、企業倒産の動向は、中小企業者の倒産に対する不安、とりわけ取引先の倒産の影響を受けて自らも倒産に陥ることに対する強い不安感を引き起こし、これが企業意欲の減退を招くとともに、景気の低迷に拍車をかける結果ともなっております。  経済的立場の弱い中小企業者については、必ずしも取引先を選択する自由を持たず、かつ、取引先企業の財務状況についての情報入手が困難であるという事情から、事前に十分な対応をする余裕のないまま、突然、取引先企業の倒産に遭遇し、その影響を受けて自らも倒産のやむなきに至る例が多いことにかんがみ、従来の種々の施策に加えて、何らかの措置を講ずることが必要であると考える次第であります。  こうした事情を背景といたしまして、本法律案は、中小企業者がその取引先企業の倒産により自らも倒産するという事態の発生を、未然に防止することを目的として立案されたものであり、その概要は、次のとおりであります。  まず第一に、中小企業者の相互扶助の精神に基づいた中小企業倒産防止共済制度を確立し、本制度に加入した中小企業者がその取引先企業の倒産に遭遇し、売掛金債権等の回収が困難となった場合、その加入者に対し、積み立てた掛金の十倍に相当する額を限度として共済金を無利子で貸し付けることとしております。  第二に、本制度の加入者が納付することとなる掛金についでは毎月五千円、一万円、一万五千円及び二万円の四種類とし、積立額がその六十月分に達した時点において掛け止めをすることができるものとしております。  また、貸し付けられる共済金の額は、掛金の積立額の十倍を限度としておりますので、その最高限度は、千二百万円であります。  第三に、現下の経済状況にかんがみ、加入者ができる限り早い時期に掛金の積み立ての効果を享受できるよう配慮し、本制度発足後一年間に限り、掛金を事前に一括して納付する特例措置を設けることとし、一括納付した加入者に対しては、倒産した取引先の事業者から受け取りすでに金融機関で割り引きを受けていた手形が不渡りとなったことにつき共済金を貸し付けることとしております。  これがこの法律の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  6. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 次に、補足説明を聴取いたします。岸田中小企業庁長官。
  7. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  近時の厳しい経済環境を反映して、企業倒産件数は本年三月には過去最高を記録したほか、最近に至るまで、なお高水準で推移してきております。こうした倒産が及ぼす社会的影響は、現下の経済情勢下においてはきわめて深刻なものかあることにかんがみれば、中小企業者の間に拡大しつつある企業倒産に対する不安感の鎮静を図ることが、わが国経済の基盤を形成する中小企業の今後の健全な発展を図る上で緊急の課題であると考える次第であります。  特に中小企業者に特徴的にあらわれる連鎖倒産は、取引先企業の倒産の影響を受けて急速に資金繰り破綻を来すものであり、これを救済するためには簡便な手続によって迅速に資金繰り手当てが可能となる制度が必要とされます。現在まで、こうした取引先企業の倒産に遭遇した中小企業者を救済することを目的として、信用保険法に基づく倒産関連保証特例制度及び中小企業倒産対策緊急融資制度が設けられ、それぞれ重要な役割りを果たしてきたところでありますが、さらに、簡易、迅速な資金繰り手当てを行うために、これらを補完する新たな制度を設けることが必要であると存ずる次第であります。  本法案は、このような観点から、中小企業者の相互扶助の精神に基づいた倒産防止共済制度を確立し、取引先企業の倒産の影響を受けて中小企業者がみずからも倒産するなどの事態を未然に防止しようとするものであり、その主要な内容は次のとおりであります。  第一に、この制度は、共済契約者の取引先企業が倒産した場合に、回収が困難となった売掛金債権等につき、共済金として、共済契約者が積み立てた掛金の十倍までの額を無利子で貸し付けることとしております。なお貸し付ける共済金の額は、掛金の積立限度額に応じて千二百万円を上限としており、また、その償還期間は五年以内の政令で定める期間とするとともに、原則として無担保、無保証人による貸し付けをすることとしております。  第二に、共済契約者が納付すべき毎月の掛金は、五千円、一万円、一万五千円または二万円とし積立限度額は百二十万円としております。また、共済契約者は、その掛金月額の六十倍に達したときに掛金の納付を休止することができることとしております。  なお、共済契約者が納付した掛金については、税法上特別の措置を講ずることを予定しております。  第三に、共済契約が解除された場合、一年以上掛金を納付したものについては、その納付月数、解除の事由等に応じて政令で定めるところにより、解約手当金を支給することといたしております。この制度は、いわゆる保険制度と異なり、掛金の掛け捨てを前提とするものではなく、五年以上掛金を納付した者であって共済金の貸し付けを受けなかった者について契約が解除されたときには、掛金の全額を支給することを予定している次第であります。  第四に、現下の経済状況にかんがみ、共済契約者に対し、できるだけ早期に掛金の積み立ての効果を享受せしめるため、制度発足後一年間に限り、取引先企業の倒産に伴い一般の金融機関で割り引かれた受取手形が不渡りとなることを共済事由として、掛金の一括納付を行い得る特例を設けております。なお、この場合の共済金の貸し付けの免責期間についても、一般の場合の六月を三月に短縮する特例措置を講じております。  第五に、現行の小規模企業共済事業団を中小企業共済事業団に改称し、これに本共済制度の運営を行わせるものとしております。  以上、この法案につきまして、補足説明をいたしました。何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  8. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 本法案の趣旨説明をただいま聞きましたが、その前に緊急なこの中小企業問題に重大な影響を及ぼす、つまり日米の通商問題の交渉過程の中で、非常な重大な段階に来ているんではないか、こういう判断をいたしますので、これらの関係につきまして若干質問を申し上げたいと思います。  きのうのロンドン市場によりますと二百三十八円九十五銭、またしても二百四十円台を割っているという、こういう異常な事態を迎えております。そこで、予算委員会等でもわが党の竹田委員からもございましたように、日本の経常収支の黒字幅の縮小という問題でかなり突っ込んだ質問が行われました。したがって、大臣もお答え願っておりますが、今日のこのドル減らし政策に対してどういった通産省として進捗の状況になっているのかということを、まず冒頭にお伺いしておきます。
  10. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、昨日-今朝にかけましての円高は特に顕著な段階に進みまして、私どもも、これが日本経済に与えます影響の深刻でありますことを非常に憂えておる次第でありますが、なかんずく中小企業等に対しましてのこの影響は、莫大なものがあると存じます。  さて、今日まで推移いたしてまいりました経過につきましては御案内のとおりでありますが、貿易収支のアメリカの赤字と経常収支の日本の黒字と、さらにまた投機的な要素も加わりまして大変な円高となっておる次第でございます。  先般も内閣におきましては、これらの緊急事態に対処いたしますために、特に諸般の計画を練ったわけでございますが、御承知のとおりにまず黒字減らしという問題、これに対しましては、数次にわたりましてお話し申し上げました通産省所管関係の分におきましては約七億ドル近い、あるいは原油の積み増してありますとかあるいは非鉄金属の緊急備蓄の問題でありますとかウランの買い付けの、購入の交渉でございますとかあるいはナフサの輸入、こういったもののほかに、さらに計画外といたしましての油を、御承知のタンカー備蓄とよく言われておりまする問題に当たりましても、鋭意これが努力をいたしておるのみならず、このウランの買い付け交渉等は本日の新聞等にも出ておりますが、先方におきましてもなかなか、交渉でありまするから紆余曲折がございまするが、われわれの方といたしましては担当官をアメリカに出しまして、そうして特にこの折衝を継続して続行いたしておるような次第でございます。  そのほか、本省以外の分といたしましてのあるいは農林関係、運輸省関係その他各省の関係もございますが、しかしながら、これがわが国の中小企業に、特に輸出産業に与えまする深刻な状況は、今日までたびたび申し上げておったような次第でございますが、なお一層私どもは、あるいは為替変動対策の特別融資の問題でありますとか、そのほか諸般の対策を総合的に緊急に考えてまいらなくちゃならぬ、かように考えておる次第でございます。
  11. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 その問題はまたさらにひとつ、具体的に私は質問していきたいと思いますが、この間、日米の通商交渉特別代表部――STRリバーズ代表が来まして、通産省、関係官庁との間で、事務ベース段階の話し合いが持たれた。その中で、マスコミが明らかにされておりますけれども、大体大筋次の四点が明確になっている。  アメリカ側の要求というのは、経常収支の赤字を早急に実現をせよ。それから、そのために今後の経済成長率をひとつ八%台に日本としては努力せよ。三つ目としては、製品輸入の比率を大幅に拡大をすべきである。四点目としまして、残存輸入制限の撤廃、非関税の障壁の縮小、関税引き下げなど、制度・運用面の改善を急げとこういうSTRリバーズ通商特別代表の日本側に対する強い要求があったと、こうまあ聞いているわけです。あえて言うなら内政干渉的な点もあるわけでありますけれども、こういったアメリカ側の、日米通商協議の中でどういう内容が本質的に日本側に要求されているのか、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
  12. 矢野俊比古

    ○政府委員(矢野俊比古君) この十一月の十八日から二十一日の四日間にわたりまして、先生御指摘のとおり、リバーズ代表が事務レベルとしての協議ということで参りました。彼らに言わせますと意見交換であり、いわゆるサゼスチョンであるというたてまえでございまして、その意味では新聞紙上「要求」と書いているのはやや強過ぎる表現と私ども受け取っております。  その内容でございますが、この本質は先生がいまおっしゃいましたとおりで、いわゆる内需拡大策というものを大いにやってくれ。それから、私どもとの会議では成長率云々ということは一切出ておりませんでした。ただ、内需拡大をやるという意味において、いまのような成長率でいいんだろうかというような感触を与えたことは事実でございました。しかし、具体的な数字は挙げておりません。それからもう一つの柱は、いわゆる製品輸入と申しますより、輸入障壁の撤廃ないし拡大をやってくれ、この二つの柱のもとに、まず、いまの内需の問題につきましては、できるだけ結果的に経常収支が黒字幅か極力減るように、できるだけ赤に持っていってくれと、こういうことが一つございます。それから、いわゆる輸入障壁の撤廃ないし拡大という問題につきましては、いわゆる枠の拡大というふうな点につきまして、一つは、御指摘のとおり関税問題でございまして、MTN東京ラウンドを積極的に推進してくれということが一つ。それから、それをやるに当たっても、ひとつぜひ前倒し、これは総理が先般、国会でも御答弁になっておりますが、これをぜひ実現してもらいたい。それから、残存輸入制限品目は、この品目の数を減らすか、あるいは減らさないまでも大幅な割り当て枠を拡大してくれということでございます。それからもう一つは、製品を中心に輸入の拡大策をとってくれということが、その次の問題でございました。それから、いわゆるそれ以外の政府調達とか規格の問題とかいった、いわゆるNTBと申しますが非関税障壁、これをできるだけ少なくするようにということ、それからさらには、いわゆる貿易金融の問題だとか、あるいはいわゆる緊急輸入の問題とか、それから経済協力、こういったことが主要項目であったというふうに報告をいたします。
  13. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 そこでいま大臣から、そういったアメリカ側の一つの、要求というような言葉は別にしましても、事務レベル段階でのアメリカの考え方というものが明らかに示されたわけです。それに従って、いま通産大臣が通産省段階での具体的な原油あるいはナフサ、ウラン、備蓄タンカーなど、非鉄金属と、こう出されましたが、一体これが実際に可能なのかどうかという、アメリカ側とどういう合意に達したのかという点をぼくはひとつ聞きたいんです。  今回の、事務レベル段階とは言ったって、やっぱり二国間のあれですから、したがって、どういうアメリカ側と合意に達したのかということが一点。  それから二点目は、大臣からいまありましたが、私がずっといろいろ情報集めてみますと、この間の会談の中でも、アメリカ側はウラン輸出に対しては非常に消極的だ。これはカーターが御案内のとおり核問題との関連、それからウランの一定資源の規制的な考え方、こういう点がアメリカでは非常に働いている。むしろそんなことよりも、日本の場合、そういう面では消極的だけれども、航空機をひとつ積極的に考えてもらえぬかと。  それから農産物について、特にオレンジ、まあきょう農林省来ておりませんけれども、小麦、大麦を含めて農林省関係の輸入物資を拡大をしてもらいたい。むしろそういう意味では、日本側が考えている、つまり石油備蓄とか、あるいはウランとか非鉄金属とかいう、そういう問題よりもむしろ裏腹に出てきてるのは航空機問題、あるいは御案内の電子計算機、あるいはカラーフィルム、農産物、こういったような問題にむしろ焦点が来てるんじゃないのか、そうすると日本側がいまそう言ってみたって、これは三十億ドルということを盛んに予算委員会でも論議になりましたが、現実にそれはもう話にならないんじゃないかと。ここらあたりについて大臣は、何とか努力したいと、こう言っていますけどね、相手側は逆なことを言ってるわけですよ、これ。そこらあたりについてどういう態度で、黒字減らしは達成できるのかどうかと、この点ひとつ明快に大臣にお答え願いたいと思うんですがね。
  14. 矢野俊比古

    ○政府委員(矢野俊比古君) 大臣のお答えの前に、経緯として申し上げますが、今回の会議はいわゆる向こうとしてもサゼスチョンと言っておりまして、合意というものは一つもできておりません。まあ強いて言いますと、関税の東京ラウンドの問題あるいは前倒しの問題につきましては、すでにまあ総理答弁もございましたようないきさつがありまして、これはできるだけ私ども前向きに対応したいと申し上げましたけれども、具体的な品目をどうするかということは一切触れておりません。  それからもう一つ、先生の御指摘の、向こうは航空機とかそういう製品が大きいんじゃないかと、で、ウランだとかいわゆる原材料のようなものについて重点を置いてないじゃないかという御指摘でございます。これはまさにそのとおりでございまして、向こうも例示として挙げましたのは、航空機というのが挙がったのは事実でございまして、こういった、彼らにとっては失業――雇用の確保を与えてほしいんだと、それにはやはり製品というものが何といっても意味がある、そういう点での緊急輸入なり輸入を促進してもらいたいということを強く言っておりましたか、まあ本質的にはそういった製品輸入のいろいろまあ入りやすいシステムというものをしっかりしてもらいたい、そういうことが日本政府の方で方向づけをしてもらえば、その上でいま私どもがいろいろ考えております、ウランを初めとする原材料備蓄というものについて、これを全く頭からだめだということでなくて、そういうこともまあそれは大いに黒字減らしのためにも結構である、ただ、どちらかというと私どもから見てる意味におきましては彼らにとっては従だという意識があったことは、これは否定できないと思います。といって、それが全く不可能だという言い方はしておりませんでした。  それから農産物につきましては、これは私の方もいまの事情を説明しまして、非常にこれは困難だということは篤と言っておりますが、彼らはやはり輸入拡大の面から強くこの要請を迫っております。しかし、この点については全く合意がされてないという現状でございます。
  15. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御質問でございますが、今朝の新聞等にはウランの交渉の若干の報道として示されておりまするけれども、私どもはただいま外交ルートを通じての折衝の過程にありますので、いまここでその可否、あるいはまた中間的なことを申し上げることは控えさしていただきとうございます。
  16. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 まあ交渉ということより、私が聞いてるのはね、この見通しが一体達成できるのかということなんですよ。いま聞くとね、もちろんこれはアメリカは失業七%出てるわけですから、労働組合、業界も挙げてまあ製品輸入、これがやっぱり日米間のポイントになってると思うんです。だからその点について、そういう見通しがいま予算委員会で、そこで三〇%という問題が出てるんだから、その中でいま挙げられてるわけですよ。ウランだ、あるいは備蓄だと、いろいろなことがあるが、そういう問題が達成できるのかという見通しをぼくは聞いてるんであってね、中身まではいいですよ、ぼくは。まあさっき局長から答えていますからね。実際、アメリカ側は逆なことを言ってるわけだから。そういう条件の中で目的が達成されるのかと、これを私は明らかにしてもらいたい。
  17. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) これはぜひ達成いたしたいものだということで一生懸命に努力いたしております。
  18. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 ちょっと休憩してください。
  19. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 速記をとめて。   〔午前十時四十一分速記中止〕   〔午前十一時速記開始〕
  20. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午前十一時一分休憩      ―――――・―――――    午後一時九分開会
  21. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君が委員に選任されました。     ―――――――――――――
  22. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 中小企業倒産防止共済法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  23. 森下昭司

    ○森下昭司君 それでは私、若干、提出されました法案を中心にいたしまして質疑を行いたいと思うわけであります。  まず、この質問と関連をいたしまして、午前中に対馬委員が若干御質問になりました緊急な輸入措置、そういった問題についてのいろいろなやりとりがあったわけでありますが、特に私はタンカー備蓄問題を中心にいたしまして、若干まずお尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。  タンカー備蓄の問題につきましては、通産省内にタンカー備蓄問題検討専門委員会というものが設けられて、数年来いろいろとこの問題について協議検討がなされてきたというふうに私聞いておるのでありますが、そのいわゆる専門委員会がいつつくられて、どのような経過をたどって今日に至っているのか、まずお尋ねをいたす次第であります。
  24. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) そもそも、備蓄の問題でタンカーを使ったらどうかというような意見がございまして、九月ごろから、この総合エネルギー調査会の方の分科会のようなもので、寄り寄り研究しておったところでございます。しかしながら実際にこれを行うということになりますと、案外、総論はまことによろしいんでありまするが、各論になりますといろんな支障が出てまいります。  そこで日本といたしましては、できるだけこの九十日備蓄という問題の完全履行をいたしたいばかりではなく、日本自体か、非常に油というものに対しては一〇〇%に近いものを海外に依存いたしておりますので、できるだけの備蓄はしたい。と申しますのは、イギリスは、北海油田が出まして以降減っておりますけれども、それ以外の世界各国はみんな百日以上の備蓄をいたしておりまして、スイスのごときは百二十日ぐらいの備蓄になっておるんであります。そういうことから申しましても、タンカー備蓄というものは、確かに今日の海運業の非常に冷え込んでいますということから言いましても、考えられるという一つの構想でございました。  しかしながら、このタンカー備蓄というものも容易ではございませんで、われわれが考えておりますタンカーが、交渉をいたしましたが、二十五万トンのタンカー二十隻というふうなことを予定いたしますと、その油代だけでも千百五十億円、用船料が三百億円、利子補給が九十億円で、漁業補償とか地元の補償とかというふうな、係船に関します補償を除きましても、千五百億円という莫大な金額を要するんであります。  で、御案内の現在のタンク備蓄というものは、これは冬場を前にいたしまして、今日は、九十日備蓄と言いますが八十七、八日ぐらいの実際には積み増しをいたしておるのでございます。そのほか、新しいタンクの問題も、これも簡単ではございませんで、今度消防法の改正に伴いましていろんな保安規定が追加されましたり、あるいはタンク一基に対しまする面積も、従来の倍ぐらいの面積を要するということから、陸上の備蓄はなかなか困難でございます。そういうふうなことで、いろいろとこの間から検討を加えました。で、この間新聞でもございますように、運輸大臣と私と会いまして、ひとつ両省の間で合同の委員会を設置して、これから真剣に検討して、やれることをどしどしやっていこうじゃないかということを申しましたが、その中で特にいろいろ考えておりますることは、やはりタンカーの用船をいたします場合におきましても、今後いかなるところが主体になってやるかというふうな問題、あるいはまた、役所がこれに対してどう介在するかという問題、予算の問題いろいろ問題がございます。  大体以上のようなこれからの諸問題は、両省の間の合同委員会におきまして、さらに早急に、前向きに、どしどしとやっていこうということに話をまとめております。
  25. 森下昭司

    ○森下昭司君 大臣、五十一年三月に、タンカー備蓄問題検討専門委員会から一応の報告が出されておりますが、これは御存じですか。
  26. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) それも聞いております。
  27. 森下昭司

    ○森下昭司君 そういたしますと、いま大臣がお述べになりました問題点の一部でありますが、この問題点の一部等につきましては、もう五十一年のこの三月の段階で、実はいま申し上げた専門委員会から具体的に報告が出されているわけであります。したがって私は、五十一年三月から問題点が提起をされて報告が出されているにもかかわらず、いまも大臣から御答弁になりましたように、いろんな問題点をお挙げになりまして、緊急の輸入対策というものが、まだいつ実施にかかれるのかめどがついていない。今日のいわゆる黒字減らしのこの緊急輸入は、ここ二年、三年先の長い話ではなくって、当面の円高を防止するための緊急避難措置として行われるべき性格があるわけでありまするから、いま言われましたような問題点がさらに残っているということは、たとえ円高対策の一環といたしましてタンカー備蓄の問題が検討されているにいたしましても、その最初の円高問題との趣旨からまいりますと、ほど遠い結果になるんではないかと私は杞憂をするんでありますが、その点について、一体緊急輸入との関係におきまして、この専門委員会が提起をいたしました問題点についていつまでに決着をおつけになろうとする考え方があるのか、そのことをお尋ねいたします。
  28. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) なお御質問の詳細な点は、担当の政府委員が参っておりますから、いままでの経過あるいは現実の問題、さらに可能性のある最も可及的速やかな時期等につきましてはお答えいたします。
  29. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) いま森下先生の御質問にございました、昨年度実施いたしましたタンカー備蓄の研究会の研究内容につきましては、いわば基礎的な検討でございまして、その結果さらに検討をすべき問題は幾つか残されていたということも事実でございます。その結果、今年度引き続き関係者にお願いいたしまして、専門家等にお願いをいたしまして、残された問題を検討しつつあるわけでございますが、一方、緊急の問題といたしまして現在要請されている問題は、先ほど大臣から御紹介のございました、合同委員会で緊急対策として検討を進めるということで、ある意味で並行して進めておるわけでございます。
  30. 森下昭司

    ○森下昭司君 それは考え方が違うんじゃないですか。タンカーによる備蓄問題は私が申し上げました五十一年三月、基礎的な提言であろうとなかろうとそれは別にいたしましても、いわゆるこの専門委員会が基礎的な提言なら提言をなさったことが具体的に解決をしなければ、合同委員会で何度御相談になっても、名案ですよ、迷う案じゃかいですよ、本当の名案ですよ、具体的にそのものずばり円高対策としてのタンカーによる石油備蓄を実現することが不可能になるのではないか。合同委員会が前じゃなくて、私は、検討委員会が出したこの基礎的提言こそが前提になって、合同委員会の中でどう具体化を図るかということになりはしないかと聞いているんです。その点について……。
  31. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) タンカー備蓄の問題につきましては、対象がタンカーということでございます関係から、通産省だけで解決し得る問題でもございませんので、たとえばタンカーに備蓄いたします際の安全性の問題、それから法律適用の問題、それとか、保安上必要な乗務員の問題そのほか係留地につきましての問題等もございますので、これは主として運輸省サイドで御検討をいただく。通産省といたしましては、この備蓄をどういうふうな形でどういうふうに実施するかという、いわば実施の方法等につきまして検討をするということで、共同いたしましてこれに現在当たっているわけでございまして、先ほどもございました最大の問題は、いわば停泊すべき、係留すべき候補地等の問題がございます。そういった問題を急遽解決すべく、現在両省で協議して検討を行っているところでございます。
  32. 森下昭司

    ○森下昭司君 いまお話しになりました具体的な問題の中で、これはもう基礎的提言の中に明らかに出ているわけであります。遊曳方式、仮泊方式あるいは係船方式、廃船方式、いろんな各種タンカーの備蓄方式の主なメリット、デメリットといたしまして、これはそのときの検討報告に入っているのですよ。いま盛んに係船方式、係船方式ということを御強調なさっておりますと、この提言からまいりますと、大別して四つの方式が提言をされておりますが、この四つの方針のうちで、たとえばとりあえず係船方式によってタンカー備蓄を行おうとする考え方に固まってきたというふうに理解していいのですか、その答弁は。
  33. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) 現在いろいろの方式につきまして検討は進めておりますけれども、私どもといたしましては逐次これを検討する必要ございますが、とりあえず先生お手元にもお持ちかと思いますが、錨泊方式などが、昨年の調査の結果、それがベストの方法であろうというふうな結論もございますので、一応それから手かけてみるのが一番いいのではないかというふうに思っております。
  34. 森下昭司

    ○森下昭司君 係船から今度は錨泊という言葉になってまいりましたが、提言の中では係船方式と錨泊方式とは明らかに違った分類として御提言がなされているんですよ。係船方式かというとそうでない、錨泊方式の検討だという。一体こういうような提言がなされておるのに、定まうた見解がないということを私が追及しておるのは、五十一年三月に提言されているにもかかわらず、ここ一年八ヵ月ぐらい一体どういうような検討をされてきたかという経過をお尋ねしたいんです、私は。
  35. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) 先ほど御指摘ございました備蓄方式につきまして、報告書によりますと、それぞれの四つの方式等について検討いたしたわけでございますけれども、その報告書によりますと、錨泊方式がその検討の過程では一番よかろうというふうな一応の結論が出されております。しかし、錨泊方式の際のたとえば具体的な場所、それは物理的にもいろいろな面で制約もございますし、地元問題等々もございますので、そういった問題も含めまして、現在それをさらに詳細に具体的に詰めておるというふうなことでございます。
  36. 森下昭司

    ○森下昭司君 そうすると、いまの運輸省との合同委員会におきましては、この提言の中の錨泊方式によってタンカー備蓄を具体的に考えているというふうな理解の仕方をしていいんですか。
  37. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) 一応それからスタートするのではないかと思っておりますが、方式等につきましては、かなり運輸省サイドの、いわば船側の意見もかなり尊重して聞かなくてはいかぬと思っておりますので、これでスタートいたしますが、最終的には双方の検討の結果によってなされるのが当然であろうと思っております。
  38. 森下昭司

    ○森下昭司君 この方式は別段国内の錨泊だけに限定しないで、提言は「国内以外でもよい」ということで、外国の錨泊方式も検討するということを提言いたしておりますが、いまの合同委員会では国内に限定しておるのか、国外を含めて検討しておるのか、その点を明らかにしてください。
  39. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) そこまで議論はまだいっておりません。
  40. 森下昭司

    ○森下昭司君 そういうことで、私は何回も繰り返しますが、一体緊急輸入を忠実に実行しようとする日本政府の熱意があるのですか。そういうようなことが、きょうの新聞ではありませんが、いろんな新聞が書いておりますいろんな福田政策に対する批判になってあらわれていると思うんであります。  それから、お尋ねいたしますが、先ほどお話しになりましたいろんな安全対策も必要でありましょう。管理体制はどういうふうなことが望ましいとお考えですか。
  41. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) これはむしろ、担当すべきところは運輸省サイドであろうかと思いまして、そちらにお願いしておるわけでございます。
  42. 森下昭司

    ○森下昭司君 そういたしますと通産省としては、自主的にこういうようにしてもらいたいという希望的意見もない、あなた任せであると断定していいですか。
  43. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) そういう趣旨でございませんで、あくまで共同いたしまして最善の方法を採用する、決定するというのがとるべき方法であろうと思っております。
  44. 森下昭司

    ○森下昭司君 そうなら、望ましい意見はこうあるべきだというものは出せないのですか。
  45. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 森下先生の御質問に対しまして、実はまことにいろいろと何を一体ぐずぐずしているのだということでございます。私どもも実はいらいらしているわけでございますが、そのいまの一番根本の問題は国家備蓄でないということなんですね。つまり、言えば、今日の体制というものは、私の方から石油業界の方に頼んで、石油業界の方がうんと言うて、それで今度は向こうの方も運輸省で船舶海運業界――海運業界の方は、これはニーズがなくて冷え切っていますから、わりあいによろしいのでございますけれども、石油業界の方はそう簡単じゃないのであります。そうすると今度は、話を進めていく両当事者が、政府が介入してどうこうというまず前に、両方の、いまの石油業界の方と片っ方の海運業界の方との、おのおのの会社同士の交渉にならなければならない。それがなかなか業界の方がけつをひっぱたいても先へ進まないというようなことで、こちらの方は相当いらいらいたしておる。これが偽らざる実態だろうと思います。  それからもう一つ、それならば政府の方でやろうじゃないかと、こうなりますと、いまの備蓄公団の関係、公団法の改正をして、政府が直接開発公団に備蓄させるというようなこと、この約一千万トンの計画がありますことは先生御承知のとおりであります。その法の改正、さらにまた予算的な問題、これはまだ緒につきませんが、その中間の姿でいいからひとつタンカーを政府の方で何とかできないか、こういうふうな折衝をいろいろと運輸省の方と練っておるのが現状の姿でございます。
  46. 森下昭司

    ○森下昭司君 私は、予算委員会で総理大臣が、三十億ドルは願望であるとか、その三十億ドルの大きな柱がこのタンカーによる石油備蓄であることは否定できないのです。濃縮ウランの問題もあります。しかし、同じことを同じふうに聞いておっても仕方がございませんが、私は、そういう円高問題としてとられるべき緊急性ある政策が具体的に移せない。まあ、大臣に言わせれば、民間の石油業者がやるのですからね、と言えば簡単な結論でありますが、そこをやはり政府が政策的にやらなければ、日本の世界的な立場も一段と悪くなる傾向に拍車をかけてくるということは、私は否定できないと思うのであります、その一つの例として私はいまタンカー備蓄の問題を出したのでありますが、これは実際問題として私の言葉で言えば、ここ近々のうちにぴしゃっと決まって、それじゃこうしましょうというような具体策はでき得ないのではないだろうか、残念ながら。そういうような感を受けざるを実は得ないわけであります。  そこで私、いまお話があったわけでありますが、この問題につきましては、海洋開発産業研究委員会というものが設けられまして、その中で今度は逆に、いまお話しになりました船主協会でありますとか、造船工業会でありますとか、日本海事協会ですとかあるいは石油業界、学識経験者等を含めましていわゆるタンカー備蓄問題検討専門委員会というものか、つまり今後の問題等について検討を重ねていくというようなことが実は報告の最後に記載をされているわけでありますが、最近のいわゆるタンカー備蓄問題検討委員会というものが、活発にというと表現か非常に抽象的かもしれませんが、どの程度会合か開かれて進んでおるのか、その点を私ちょっと聞いておきます。
  47. 清滝昌三郎

    ○説明員(清滝昌三郎君) 本年度の研究委員会の意見と承りますか、本年度は予算上委託費としてこれをいただいておりまして、運輸経済研究センターというところにこれを委託しております。そこですでに検討を開始しておりまして、いろいろなテーマがございます。たとえば、将来の余剰タンカーの問題や見通し、そのほか特に先ほどから問題になっております安全性等の問題につきましての問題等々、必要な問題につきまして分科会をそれぞれ持ちまして、すでに数回やっておると聞いております。
  48. 森下昭司

    ○森下昭司君 私はこういった問題が、具体的に的確に処理をされないことが景気浮揚策につながらない、また逆に、輸出先行き真っ暗でこういうような法案を審議をせざるを得ないような一つの条件になっているんです。私は本当に残念であります。具体的な問題点について、明確なやはり私は見通しというものは持ち得ないということは、私ども自身が逆に言うと、幾らこういうような法案を審議して、中小業者の倒産関連を、連鎖倒産にはこんな手はやりますよといったところで、その連鎖倒産の起きる原因の一つを除去できずして、何の私は法案審議と言いたくなるような感じがいたします、率直に言って。そういう点で大臣に私は希望しておきますが、さらに一つ、タンカー備蓄に私はきょうは例をとりましたが、円高問題と関連した緊急黒字減らしと申しますか、輸入促進と申しますか、そういう点について決意をひとつ促したいと、かように存じております。
  49. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) まさにお説のとおりでございまして、タンカーの問題は早急にこれを具体的な姿において解決しなきゃならぬと、かように考えております。  ただし、この中小企業の問題はこれはまた別でございまして、これは真剣にこれから中小企業庁長官のところでいたしますから、どうぞ十分にひとつやってください。
  50. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこでひとつ法案の個条的審議に入ります前に、私若干中小企業庁長官並びに大臣にお考え方を聞いておきたいと思うんであります。  まあ、この円高問題に関連をいたしまして為替変動緊急融資制度でありますとかいうものが発足をいたしまして、まあ前々回の委員会であったと思いますが、長官の言を借りれば、相当な相談数もあり、その成果か期待をされるというようなお話もございました。あるいは倒産対策緊急融資制度も来年の三月末日までこれが延期をされている。さらにまた、政府関係三金融機関等の企業貸付金の金利の軽減というような問題も、前々回の委員会に論議をされました結果、これまた六・二%に引き下げられたと、いろんな手か打たれているわけであります。後ほど私具体的にもっと詳しく聞くのでありますが、先ほどもちょっと触れましたように、この法律案の必要性は、なぜ必要かという問題の中に、本来原則としては景気浮揚策が企業倒産防止の基本的前提であるという考え方に立ってはいるが、特に中小企業の連鎖倒産の防止のために、さらにこういった制度によって補完をする措置が必要であるという観点から、このいわゆる法案の提出に至ったんだというお話を実は聞いておるわけであります。  そこで私は、この法案の内容をながめてみますると、法案が実際に実施をされる、つまり契約者が倒産の影響を受けて実際に共済金の貸し付けを受けるというような時期は、早くても大体来年のこれは六月、一括納入をすればたしか六月か七月だと思いますが、とにかく来年の七月ごろ以降でなければ実際の貸し付け給付を受けることができ得ないというようなことが、この法案を手順で追っていきますると言われるわけであります。そういたしますと、たとえば先ほど申し上げた倒産対策緊急融資制度というものは、来年の三月末日までというようなこと等を勘案してまいりますると、相当不況というものか長期にわたるという観点でなければ、この法案を提出でき得ないのではないか。もしも不況が、たとえば今年の末を最高限度といたしまして、来年にわたってなだらかな回復基調になるというようなことになりますれば、少なくとも最大の危機だと言われておりまする本年末に、この法案によって共済給付の貸付金が受け得るような事務の実施を図っていく必要があるのではないか。  そうでないとするならば、いま申し上げたように、逆に長期の不況というものを予想いたしましたための長期的対策の一環として、このようないわゆる法律案を提出せざるを得なくなったというような私は感じがいたすわけでありまして、この法案の提出と不況後の問題等の関連性、つまり景気の回復についてどういうような見通しにお立ちになるのか、まあ前々回の委員会では非常にむずかしいという長官のお話がございましたか、その法案と不況の見通しについて、関連の上に立ってひとつお答えをいただきたいと思います。
  51. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまもお話にございましたように、中小企業の経営というのがいま非常に苦しい局面にございます。私どもも中小企業者に対しまして、その都度調査をし、実態を把握をし、それに対応するような手を打つことに努めてまいったところでございます。中小企業者の率直な声がいかにして倒産の危機を免れるか、当面はまあそのことで頭がいっぱいであるというような声も盛んに聞かれるところでございます。基本的にはお話のとおり、景気振興対策が前提になるかと思っておるところでございますが、やはり先般来のいろいろな手を打ちましても、中小企業の経営に直接響いてくるというところまでには、多少時間がかかるのではないかと思っておるところでございます。したがいまして、中小企業庁としてはいまの不況を一日も早く克服したいと願いながらも、しかしそう先行きについて甘い考え方を前提にして事を処理してはいかぬ。やはりしばらくは厳しい期間が続くのだという覚悟の上に、企業としても対応しなければならないし、中小企業対策も進めていかなければならない、こう考えておるところでございます。  ただ、この法案はお話にございましたように、当面の不況対策というだけのことではなくて、長い意味で、中小企業の経営の安定をいかにして図るかということがねらいでございます。で、お話にもございましたように、この法案はなるべく早く実施をしたいということで、当初は通常国会と考えておりましたものを、急遽繰り上げて臨時国会に御審議を願うようにしましたのも、いま申し上げましたような、少しでも早くという中小企業の声を受け、また私どももそういう願いを持っておることがその背景にあることを御理解をいただきたいと思っておるところでございます。しかし、それでもやはり多少の時間はかかるということは、事の性質上やむを得ないわけでございます。したがってこの法律が動き出すまでの間、やはり中小企業としても非常に経営の苦しい時期でございますので、従来とっておりました各種の倒産に関連する諸施策、これを最大限に活用する、またその内容も逐次見直しをして、少しでも前進を図る、かような考え方で進んでまいりたいと思っておるところでございます。
  52. 森下昭司

    ○森下昭司君 問題は、私はやっぱし「取引先企業の倒産の影響を受けて中小企業が倒産する等の事態の発生を防止する」というのが目的の第一条に書いてございます。取引先企業が倒産をするという事態は、景気が好調の時代でも倒産をする企業のあることは否定をできません。しかしその倒産が発生する企業数でありまするとか、あるいは一万の企業数に対する倒産企業数で判断をいたしまする倒産率でありますとか、そういうようなものを見てまいりますると、私は長期的な展望に立つ中で、不況の問題との関連は当然これは否定することはできませんし、同時にまた、いわゆるごく最近、つまり昭和四十六年以降の倒産率等のパーセンテージから判断をいたしますと、これは決して長期的展望という観点だけで処理するわけにはまいらないのではないだろうか。逆に言えば、五十二年に入りましてさらに毎月の企業倒産数はふえ、この年末の十一月、十二月は、新聞的表現をすれば、歴史的倒産数でありまするとか、まあいろんな表現がなされると思うのでありまするが、相当高い倒産企業件数にもなり、また倒産率になるのではないだろうかという私は感じがいたします。そうだとするならば、逆に私は、緊急性を帯びた当面の企業の連鎖倒産を防止する制度としてできた以上は、そのこと自体にもやはり一つの重点が向けられてしかるべきではないだろうか。  長期的展望としては、来年の七月ないし十月からの給付である。しかし、当面する危機の状態についてはこういうような条件で貸し出しすることも可能だ、給付をすることも可能だというような考え方があってもいいのではないかと思うのでありますが、いま長官がお話しになりましたように、いろんな問題点がたくさんございまするけれども、たとえばことし、昭和五十二年の倒産企業数でありまするとか、あるいはいま私が申し上げた、一万の企業数に対する倒産企業数で出しまするいわゆる倒産率というものが、ここ数年来と比較をいたしまして減少するとお考えになるのか、やや増加の傾向をたどることは否定できないとお考えになるのか、この点についてはっきりお答えいただきたい。
  53. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 倒産の数がどういうふうに動いているかということは、私どもも絶えず心配をしながら見ておるところでございます。御承知のとおり、東京商工リサーチ等で毎月倒産の数字を発表いたしております。発表いたしております数字は、負債総額一千万円以上の倒産件数という形でまとめられておりますが、昨年一年で約一万五千件が報告をされております。ところが、今年は十月まででほぼ昨年一年に相当する倒産発生件数を記録をいたしておるところでございまして、このまま十一月、十二月と参れば、やはり昨年をかなり上回る倒産件数が記録をされるのではないかと思っておるところでございます。いろいろ私どもも手を打ってきておりますが、一方で、この不況か当初考えておりましたよりもはるかに長い、しかも深刻な情勢が続いておるということに加えまして、円高の問題がさらに加わってまいりました。  私どもはやはりいまの中小企業の経営の問題点というのは非常に深刻である、かように受けとめておるところでございまして、倒産件数がここ近くの間に非常に減るというような考え方は持っておりません。しばらくは続くであろうという前提で私どもは考えておるところでございます。
  54. 森下昭司

    ○森下昭司君 いまいみじくも長官は、東京商工リサーチなどの一千万円以上負債額ということを例をおとりになりましたが、それでは私、お尋ねいたしますが、この共済給付が、最高の毎月二万円を押さえまして、そして五年間これが完納されまして、貸し出しを受けるのは十倍以内ですから、最高限度額で一千二百万円ということになります。と、いまお答えになりましたように、負債総額が一千万円以上というものがある程度の部分は入りますけれども、それはほんの僅少でありまして、むしろ負債総額が一千万円以下の、言うならば小企業、零細企業にこの制度か活用されることが私は望ましいというふうな実は考え方を持っているんです。そこで、負債総額が一千万円以下の倒産企業数というものは、ここ数年来どのぐらいあると御推定になっているのか、そのことをお尋ねします。
  55. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) これは正確な統計がございませんので、その辺はひとつ御容赦をいただきたいと思いますが、私が幾つかの都市についてサンプル的に調査をいたしてみました結果を整理をいたしてみますと、大体負債総額一千万円以上の件数とほぼ匹敵する件数が一千万円以下においても発生しておると、このくらいの見方ではないかと思っておるところでございます。
  56. 森下昭司

    ○森下昭司君 これ、実際問題といたしまして、私そう思うんでありますが、たとえば五十年の企業数の推移というものがございます。これは総理府の事業所統計調査に基づく数字でありますが、この五十年を取り上げてみますると、個人企業数は三百六十七万余件であります。普通法人数が百三十四万六千余件であります。合計いたしますると五百一万六千八百八十五件というような企業数がありまして、法人企業数と個人企業数は大体一対三程度というようなこの比率になっているわけであります。四十七年は、同じように個人企業数か三百五十八万六千余件、普通法人数が百十二万八千七百六十一件でありますから、これも大体法人一に対しまして個人三というような結果が出ているわけであります。  したがって私は、この一千万円以下の倒産の企業数が一千万円以上の倒産企業件数とほぼ同じではないかというのは、やや過小にお見込みになっているのじゃないだろうかという感じがするわけであります。しかも、この倒産の影響を受ける度合いというものは零細企業の方が私は多いのではないだろうか。これは多少業種間によってはばらつきがございます。ばらつきがございますが、相当いわゆる事業所数の増減の著しい分類というものがございますか、そういうものをながめてみましても、私はそういったことが言えるのではないだろうかというような実は感じがいたしております。  たとえば事業所数の増減の著しい分類業種によりますと、これは飲食料品の小売業等におきましては、四十八年から五十年の三カ年間にわたりまして一万二千三百五十五件、八・三%というような高率で実は減少をいたしております。あるいは職別工事業は八千五百十八件、八・二%、その他の個人サービス業は四千八百九十三件、八・六%というような減少率を実は示しているわけであります。こういうような零細企業関係を対象にいたしました事業所数増減の分類表とかながめてみますと、私は、いまお話があったように、一千万円以上に比較をすれば一千万円以下の負債額の企業数はほぼ同数ですよということは、ちょっと納得しがたい感じがありますので、重ねてお答えを願いたいと思います。
  57. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 先ほどお答えいたしましたのは、私どもか東京その他、たしか四つか五つの都市についてのサンプル調査でございます。ただ、私どももこの不況の影響というのがやはり零細の層に非常に大きく響いておるということを感じております。私どもも、この零細な層というものが一番問題であるという意識は同様でございます。  なお、数字につきましては、御指摘もございましたので、私どももさらに勉強をいたしてみたいと思います。
  58. 森下昭司

    ○森下昭司君 さらに勉強いたしますというお話でありますが、私は、前回の小規模企業共済のときにもお尋ねいたしましたのでありますが、こういった小規模企業共済の対象者になり事業所数、それから対象人員数というものはどういうものが見込まれるかという点についても、いまと御同様な私は答弁があったことを記憶をいたしております。で、負債総額一千万円以上の倒産件数も、帝国興信所とか東京商工リサーチの御調査になった統計分類をお使いになる、私はそういったことを非難するわけではございませんが、中小企業政策を充実をさせる、まあ前々回の委員会で田中大臣の御答弁からいけば、まあ任してくださいよということの一語に尽きるようでありますが、その基礎的な数字になるような問題すら、統計すら中小企業庁としては正確に把握してお見えにならない。そうでしょう。一千万円以下の負債金額の中小企業数、どれだけありますかと言ったら、いまのような答弁しか出ないんですよ。これは全く私は、どういうような根拠に立ってこういうような法案をおつくりになって、掛金を最高二万円、最低五千円にお決めになるのかということにも関連いたしてまいります。それから、共済給付の貸付金の限度額を十倍以内に限定するというのも、どういう根拠で十倍以内に限定せざるを得ないのかという問題にもなってくる。いろんなことに関係してくるんです。  そこで、そういうことと関連してもう一つお尋ねいたします。従業員が一人ないし四人規模の法人企業の負債総額の推移という表がここにございます。この資料の出どころは、国民金融公庫中小企業経営状況調査というのがあります。この一企業当たり平均負債総額というものは、実に最近は多額に上りつつあるのであります。たとえば製造業関係におきましては、四十七年当時には、一件当たりの製造業者の負債総額というものは一千二百五十二万九千円という統計であります。それが五十年になりますと、一件当たり平均一千三百六万四千円という数字になってまいります。小売業にまいりますると、四十七年当時一件当たりの平均負債額が八百五十二万六千円。それが五十年になりますると、一千三百九万円と、いわゆる負債が高騰しているんです、高くなっているんです。   〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕 最高額の一千二百万円で、これ五十年ですから五十一年、五十二年は、さらに負債総額は一件当たりふえているはずです。そうなりますと一体最高額の一千二百万円で、こういう従業員一人ないし二人の、零細ですよ、この場合は法人企業でありますが。こういう企業が救えるとお考えになっておるんですか、お尋ねいたします。
  59. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 先ほど倒産件数についての御報告を申し上げましたが、私どもは別途銀行協会によります取引停止処分の実態につきまして報告がございますので、それをかなり重要な参考にいたしたところでございます。それによりますと、資本金額百万円未満及び個人企業というグループが大体取引停止処分の中で六割を占めておるというような実態かと思います。御提案申し上げましたこの制度を組み立てますときには、いま申し上げましたような倒産の件数のほかに取引停止処分の実態、その他私どもとして利用できるだけの資料は勉強をいたしたつもりでございますが、御指摘のように、なおさらに勉強を続けよというのは私どもとしても同感でございまして、一層勉強さしていただきたいと思っておるところでございます。  そこで、負債総額が非常に各企業とも多いのに対して、この制度で十分間に合うかという点でございますが、これは一つは、一つの企業の負債総額が相当な金額に至りましても、取引先がたくさんございまして、取引先一件当たりの負債額ということになりますと、当然それよりは小さな金額になるということ、これは御理解をいただけるだろうと思っております。私どもかこの制度におきまして、貸付金の最高限度千二百万円という形で想定しました理由としましては、一つには、現在の信用保険制度による保証額の総平均というのが大体六百万円でございます。それを一つの参考といたしました。  それから第二番目には、倒産企業の指定制度、これは中小企業信用保険法に基づく倒産企業の指定でございますが、これの平均保証額が九百六十万円になっております。  それからもう一つ、参考として申し上げますと、取引先に対する売掛金債権等の額が九百万円以下である中小企業製造者、これが大体全体の九割を占めておる、こういった点を頭に置きまして、一応千二百万円という限度を設定した次第でございます。
  60. 森下昭司

    ○森下昭司君 時間がありませんので私、ちょっと私の考え方だけ述べておきたいと思います。   〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕  先ほど私は従業員が一人ないし四人の規模の法人事業所ですよということを前提にしてお話を申し上げたのでありますが、総額は大きいけれども、多方面の取引をしているので、一件当たりの負債額は少ないはずだというお話がございましたが、これは毎年の中小企業白書でも明らかになっておりますが、下請企業振興という立場から、できるだけ中小企業庁は、一つの親企業がつぶれても他の親企業によって救われるように下請の、いわゆる何と申しますか、親企業を一企業に限らないで、数ヵ所の企業に頼るべきであるということを御指導なさっているから、私はそういう答弁ができると思うのです。実際には従業員一人ないし四人のこういう製造事業所になりますれば、あるいはこういう企業になりますれば、これは大体私は特定のお得意様なり、特定の親企業に実は頼らざるを得ないような状況下にあるのではないか、そう数軒の親企業から仕事をもらうような規模じゃないです。でありますから、私はそういうことを申し上げたのであります。私は、やはり一つの制度かできますれば、いつも申し上げるのでありますか、そういう実際面の、現実に起きている対応に応待できるような制度の充実を図るべきであるというのが私の考え方の一つでありますので、さらにひとつ検討をしていただきたいと思うのであります。  また私は、ここに資本金規模別決損法人の割合という、昭和五十年のものを持っておりますが、これは、いわゆる資本金が百万円未満の場合には、活動中の法人数の中で、決算ごとに赤字を出しまする決損法人との割合が載っております。百万円未満の場合には四六・一%、全企業数の四六・一%が利益を上げることなく、言うならば赤字企業であります。百万円以上五百万円未満は四四・九%、五百万から一千万が三八・三%と、実は高率を示しているのであります。こういう点からまいりましても、私は中小のうち特に小零細企業に対する特別なこの制度の運用というものを今後図っていく必要というものが過去の統計数字の中に明確に出ているのではないだろうかというふうに考えておりまして、以下たくさんの質問がございますが、時間の関係で、この法文の中身についての質問はこの程度にいたしておきたいと思うのであります。  この中小企業の倒産の問題と関連いたしまして、合板製造業問題について若干質問いたしておきたいと思います。  これはまず最初に、中小企業庁長官に合板業界の問題をお伺いいたしますが、これは前国会で決めました中小企業事業転換法によって、たしか事業指定が行われていると考えておりますが、行われているかどうか、最初に確認をいたしたいと思います。
  61. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 行われておると記憶いたしております。
  62. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで私は、この構造不況業種の一つでありまする合板業界の再建策と申しまするか、景気浮揚の具体的な政策といたしまして、事業転換法に基づく政策を指導して再建を図っていこうとするお考え方があるのか、あるいは今日構造不況業種、たとえば繊維関係などにおきましては、機械関係の面においては、設備過剰分を政府が何らかの形で買い上げて、そうして需要供給のアンバランスを解消していくことによって、一応の景気浮揚を図るというような二面の方法が考えられるわけでありますが、まず最初に中小企業庁としては、事業転換によるべきというのが正しいのか、妥当と思われるのか、あるいは過剰設備を繊維機械産業と同じように買い上げて、過剰供給設備をいわゆる廃棄することによって景気浮揚を図ることの方が妥当性があるのか、その点について、ひとつ考え方をお示し願いたいと思います。
  63. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私先般、合板の方々とお目にかかりまして、いろいろ実情を聞かせていただきました。非常にいま不況の波をこうむって困っておられるという実態にあることを伺わせていただいた次第でございます。その際に今後の方向として、いろいろおっしゃっておられたことを私なりに整理をしてみますと、やはりいまおっしゃいましたように、当面はやはり過剰設備問題というのをいかに処理するかということが第一の問題である、系列数が非常に多過ぎるということについて、何らかの交通整理を業界内部でひとつ真剣に取り上げて、具体的に取り組んでいきたいというような御希望をたしか承った記憶がございます。しかしながら、同時に長い目で見て、製材、合板業界だけにしがみついているのではなくて、やはりよそにしかるべきいい分野があれば転進を図っていきたいという希望も、業界の中にはかなりあるのではないかという印象は私は持った次第でございます。現に、従来の転換事例を見まして、製材業界からほかの業界へ移ったという形で木材の経験を生かしながら、別の分野で成功しておられる事例もございます。まあ長い目で見ては、やはりそういうことも考えていく必要があるのではないかと思っておるところでございます。
  64. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、ちょっと林野庁にお尋ねいたします。  この事業転換措置法ができる前に、中小企業近代化促進法の第三次の改正が実は行われたわけであります。その改正に呼応いたしまして、第三次の構造改善の指定業種といたしまして、事業計画の実は提出を日本合板工業組合連合会に求められたわけであります。この求めに対しまして日本合板工業組合連合会は、過剰設備を廃棄すべきであるということで、五十二年度には全体の五%、五十三年度四%、五十四年度三%、この三ヵ年間におきまして、合計一二%の設備削減計画というものを林野庁に提出をされたというふうに私も聞いておりますが、提出をされたのかどうか、この提出に基づいて林野庁はどういう行政指導をしたのか、この一点最初にお伺いします。
  65. 松延洋平

    ○説明員(松延洋平君) ただいまの先生の御指摘のございました過剰設備廃棄の問題でございますが、先ほど先生御質問がございましたように、中小企業事業転換法に基づきます指定業種ということで、それに基づく対策をしておるわけでございますけれども、先ほどお話ありましたように、これにあわせて、やはり過剰設備廃棄問題というものも積極的に取り組むべきではないかということで、業界の方では最近特に機運が高まりまして、いま案を練っておるようでございます。で、この案につきましては、なかなかこういう過剰設備廃棄問題になりますと、具体的にかなり詰めを要する問題がございまして、現在設備廃棄問題についての最終的案に向けて検討を進めているということを聞いておるわけでございまして、林野庁といたしましてもこういう業界の検討結果を見きわめまして、業界の体質強化、構造改善に最善の助力をいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  66. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、ちょっとお尋ねを最後にいたしておきますが、これはもう合板業界はじり貧でありまして、稼働率も昭和四十五年が八四・三%が、昭和五十一年には七二・五%、事業所数も相当減っておりまして、全事業所の全体の六六%が言うならば中小企業に属しておるというふうに私どもは理解をいたしているわけであります。そういう点で、私は長官が言われましたように、過剰設備を当面どうするかという問題については、いまお聞きになりましたように、具体的に日本合板工業組合から計画が提出をされております。したがって、こういう問題については主務官庁の林野庁のみならず、中小企業振興という立場で、中小企業庁の私は協力をぜひ要求いたしておきたいと考えるわけであります。  そこで、最後に一つ御質問を申し上げておきますが、本年の六月二十日に行われました中小企業安定審議会におきまして、言うならば事業活動規制命令による農林省の合板調整規則というものを実はお認めになっているんです。それに基づきまして、農林省も合板調整規則を公布されているわけでありますが、ただ残念なことに、この中小企業安定審議会におきましてもあるいはまたこの合板調整規則の中におきましても、中小企業団体の組織に関する法律の二十六条、二十七条、まあ二十六条は簡単に申し上げますと従業員に対する配慮――工場を廃止するとか不況カルテルをつくるときに対しましては従業員に配慮をしろという条項がございます。二十七条は、もしも不幸にして従業員を解雇した場合には、今後その従業員を最優先して採用しなさいよという、二十六条、二十七条という中小企業団体組織に関する法律の中に規定がございます。その二十六条、二十七条が、中小企業安定審議会でこのような不況カルテルを命令行為で行う、いわゆる事業活動規制の段階で考慮をされなかったきらいがあると私思うわけであります。私、議事録を読んでおりません。しかし、この農林省の合板調整規則の中にはそういったことが全然書いてございません。という点で、二十六条、二十七条に対して、この命令を認めたときに二十六条、二十七条をどのように配慮した審議が行われたのかどうか、行われたとするならばどういうような意見であったのか、この点をお尋ねいたします。
  67. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私、当該会合のときにはたまたま出席しておりませんので、正確なお答えはまた帰りまして調べてさしていただきたいと思いますが、私が出ました近代化審議会の場合には、やはりあの審議会の中には労働組合代表の方も入っておられまして、絶えず、この措置によって労働者がどういう影響を受けるのかというような点についての御質問が出るのが例でございまして、当然この合板の問題につきましても、せっかく団体法にあのような規定がございますので、私どもとしましては、その審議の経過は別といたしましても、今後合板におけるいろいろの合理化のための措置が行われるに際しまして、労働者への配慮が怠られることのないように、この辺は林野庁ともよくお話をしながら進めていきたいと思います。
  68. 森下昭司

    ○森下昭司君 まあこれは非常に重要な問題でありまして、私は構造不況業種の中におきましても零細中小企業が多いという点については、他の構造不況業種、特に繊維の末端と私は相似通ったような条件になっているのではないだろうかというふうに思うわけでありまして、格段のひとつ御努力を願いたいと思います。  共済事業団の越智理事長においでを願っておりまして、大変遅くなって申しわけございませんでした。一、二ちょっとお尋ねをいたしておきます。  この法律案の提出によりまして小規模企業共済等に関する法律も改正になります。その中で私、その企業共済の三十条の中で、理事二人というものを三人に改めるという、一名増員の問題が出ておりまするし、また、職員も相当数このためにおつくりになるという点で、まあこれはいわゆる職員増は当然ではなかろうかと、理事をふやすということは、この前私は指摘したかもしれませんけれども、内閣の閣議における外郭団体の整理並びに役員数の整理等の通達が出ておりまする関係もございまして、既存の理事の中でこの問題についての役割りを担当するやり繰りができなかったのかどうか、これが一つ。  二つ目は、今回も商工会あるいは金融機関等に委託をなさるわけでありますが、こういうような方向でなくて、政府三金融機関がおやりになっておりまするように、将来は全国の主要な地に、今回は中小企業になりますが、中小企業共済事業団といたしまして、まあ支所とか支店とかいろいろな名称はございますが、いまの本部だけではなく各地方に政府関係の機関等と相並んだ支所的存在のものをおつくりになる考え方があるが。この二点、ちょっとお伺いしておきます。
  69. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まず最初に、理事増員の問題でございますが、御承知のとおり現在の小規模企業共済事業団は、もう加入者数もすでに六十万件という大変な人数を擁するところまで発展をいたしましたが、しかし、事業団の機構自体は非常に簡素なものになっております。役員としましては、理事長一、理事二、それから監事一ということで、役員が四人だけでございます。それから職員も百人に満たない機構でございまして、それによりまして非常に膨大な仕事の処理をいたしておるところでございます。今回新たに、この小規模共済事業団を名称を変えまして中小企業共済事業団とし、そして御提案申し上げました倒産防止共済制度の仕事をこの事業団によって処理をするということになるわけでございますが、本来でございますと、従来の仕事とほぼ匹敵する仕事が新たに加わるわけでございますから、理事二名というような考え方もあろうかと思いますが、そういうことはこの御時世でございますから遠慮を申し上げまして、一名という形にいたしたわけでございます。現在二人おります理事――総括的な仕事を担当しておる者が一人と、それから業務的な問題を担当しておる者が一人でございます。今回新しく追加されます理事はこの新しい業務についての業務の総括をするという形になろうかと思います。一人で全部を賄うというのは大変でございますが、そういう行政機構簡素化という意味を十分理解をいたしまして一生懸命やってもらうというつもりでおるところでございます。  それから第二にお尋ねのございました支所の問題でございますが、先ほど触れましたように、いまの職員が百人以下で済んでおるというのは、実はいま御指摘にもございましたように、金融機関であるとか、あるいは中小企業団体を十分活用するということによってようやく実現ができておるわけでございます。これをもし事業団自体でやるということになりますと、非常に膨大な人間を要することになるかと思います。むしろいまの段階では、金融機関なりあるいは中小企業団体をいかにうまく使うかということによって能率を上げていくという方に最大限の努力を尽くしていきたいと、かように考えておるところでございます。
  70. 越智度男

    ○参考人(越智度男君) ただいま岸田長官から御答弁申し上げましたとおりでございます。かねがね先生からは人員の効率的な運用とか役員の数等の御指摘も前の国会等でもあったことをよく記憶しておるわけでありますが、与えられましたこの重要な新しい使命に邁進いたすために、従来の小規模企業共済事業団で過去十二年にわたりまして蓄積してまいりました知識、経験等を最大限に活用して新制度に取り組みたいわけでございますが、やはり先ほど長官からお答えいたしましたような程度の増員はどうしても必要だと考えるわけでございます。  また、全国各地に散在する中小企業者のために迅速的確に対応いたすためには、従来から長く中小企業団体、金融機関等に事業団の事務を代理していただいておりますので、この対象をやはり継続していくのが最も効率的な方法ではないか、このように考えているわけでございます。  以上でございます。
  71. 馬場富

    ○馬場富君 最初に、今回提案された倒産防止共済法についての質問をいたします。  この法案では倒産防止の救済対策として中小企業の拠出による相互共済制度によって行うということがこの趣旨になっておりますが、こういう共済による救済制度を採用した理由を説明していただきたいと思います。
  72. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 倒産防止対策をどういうふうな形でまとめるかということについて、私どもいろいろな考え方を事前に勉強し、また議論もいたしたところでございます。やはり基本的な考え方としましては、これから変わりゆく経済情勢の中で、中小企業の自助努力というものが何といっても基本になるのではないかという考え方が第一にございます。  それから第二番目には、やはりこの制度をつくります場合に、簡易かつ迅速な資金繰り手当てということを実現をしたいということからいたしますと、やはり相互扶助の精神ということに基づく共済制度がなじむのではないかと、こう考えた次第でございます。共済制度のほかに、一部には保険制度がとれないかというような御意見もございましたが、私どもがいままで勉強しました限りにおきましては、どうもやはり事故率の算定ということについて自信のある資料がまだ用意をされておりませんし、またその辺を心配しますとかなり保険料が高くなってしまうというようなことが心配をされます。また同じ金を回してまいります場合に、渡し切りの金よりは回収をしてもう一度使うというやり方の方が、当面手当てできる資金量が非常に大きくなるわけでございます。そういったことも考えまして共済制度を採用したというのが経緯でございます。
  73. 馬場富

    ○馬場富君 いまのお答えの点から考えまして、まず一つは安全度と中小企業への償還ということか大体主体となって融資的な性格になったというふうに私自身も考えますが、実質やはり現場で中小企業の方々の倒産に対する対策の問題の論議になりますと、多くの人は掛け捨てでも、やはりそういう掛け捨て的な共済制度もしくは保険制度についてぜひ考えてほしいと、こういう意見がございます。そのためにも、私はこの制度が順調にひとつ進行した状況のときには、私どもが従来から主張しております中小企業倒産防止保険制度に発展する考えがあるかどうかをお尋ねいたします。
  74. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもも一遍は勉強した制度でございまして、もしいまお話ございましたように、この制度を運用をしてまいりました上で、先ほど問題として申し上げましたような事項について、ある程度確信のあるデータが集まってまいるということになりますれば、当然そのときの経済情勢にもよりますし、また中小企業の声も聞いてみなければなりませんが、保険制度をとるということもあり得ると考えておるところでございます。いま申し上げましたような問題につきましては、この法案の中に見直し条項という規定を特に用意をいたしておりまして、少なくとも五年ごとにこの制度の基本的事項について見直しを行うということになっておりますので、その一環として考えてまいりたいと考えておるところでございます。
  75. 馬場富

    ○馬場富君 この制度の適用対象は、倒産親企業の直接の取引先である第一次の下請に限られているようにこれは理解できるわけですけれども、二次、三次の下請が対象とされていないという状況からしまして、現実親企業が倒産して売り掛け債権が回収できなかった場合には二次、三次の下請企業に非常にそういうしわ寄せが集まっておると、こういうような状況で、結局支払いの悪化を二次、三次に転嫁するという傾向がまあ現在の通常でございます。そういう点についてこの二次、三次に対する救済の考え方はあるかどうかです。
  76. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いままでの現実を見ておりますと、まさに御指摘のようなことがいろいろ出てまいったかと思います。しかるがゆえに私どもは、親企業が倒れたときに、その影響を少なくとも第一次の下請のところで食いとめていこうということから、この制度を考えた次第でございます。親企業か倒れたというときには、それを理由としまして、この制度に基づく共済金が給付される、それによって第一次下請の資金繰りが一応何とか回っていくし、経営も破綻をしないで済む、こういうふうになれば、問題は二次、三次に広がらないで済むということになろうかと思うわけでございます。
  77. 馬場富

    ○馬場富君 直接には救済はできないけれども、間接の効果があると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  78. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 御意見のとおりでございます。
  79. 馬場富

    ○馬場富君 共済事由が生じた場合に、相手がこの共済制度だけでは救済ができない、そのために倒産の決定的なような状況が起こるであろうと考えられますが、この場合にそういう問題をどうするか、まあこの法律の中では九条の一項の一、二、三号と省令の関係が説明されておりますけれども、そこらあたりのところを御説明願いたいと思います。
  80. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 取引先が倒産をいたしました場合には、この制度によって共済金の貸し付けを受けるということになるわけでございます。この共済金の貸し付けについてはお話にございましたように、九条によって対象をどうするか、金額をどうするか等々のルールを基本的に定めておるところでございます。それで、まず最初に共済金の貸し付けをするという場合に、特別の場合には九条一項、一、二、三号によりまして、給付できる場合を限定をいたしております。  第一番目には、倒産発生の日から六ヵ月を経過した日以後になされた場合は給付できない。それから第二番目には、少額の債権については率直に言えば、すそ切りというような形を用意する。それから三番目には、みずからが倒産したというような場合には、これは適用にならない。こういうルールが定められておるところでございます。  で、この中で特に少額の債権の問題が一つ問題になろうかと思います。これは少額であれば何とか自分で処理できるであろうと、他の無担保融資の制度も活用できるであろうということが念頭になっておりますが、もっと率直に申し上げますと、件数としては非常に多いわけでございます。で、これらの金を一つ一つ分けていくよりは、少しでもそういう金をプールいたしておきまして、一番困った人に一番役に立つような形で給付するというような形の方が全体として喜んでもらえるのではないかという考え方でございます。  それから、みずから倒産した場合という問題がございますが、これは倒産をしたという企業に貸し付けましても、これは後で回収をする可能性が非常に少ないわけでございます。そういう貸し付けをすることによって、制度全体の安定性を阻害する、ほかの方にも迷惑をかけるということを排除する趣旨でございます。――あとお尋ねの点もう少しおっしゃっていただけませんか。
  81. 馬場富

    ○馬場富君 そこで、倒産した場合は明らかにだめだということになるわけですね。やはり、その倒産という状況をどの時点で把握するのか、もうこの法律そのものが、中小企業の倒産からそういう関連的に倒産することを防ぐということで、実はできるだけこれは抱えるという前向きな考え方に立っての法律でなければならぬと私は思うんです。そういう点の中で、倒産の決定というのをどのような時点でこれをとらえるかということと、それから第一号の中に六ヵ月を経過した場合になぜだめなのかと、よしんばそういう手続等によってこれぐらいの結局誤差というのは当然起こり得ると、こんなことを厳しい条件にしなきゃならないのかという点ですね。それからもう一つは、先ほど少額の点については御説明いただきましたからそれで了解いたしました。以上です。
  82. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まず最初に、倒産の時点をどう考えるかということにつきましては、この法律の二条の二項に倒産と考えるものの定義が書いてございます。第一号では、「破産、和議開始、更生手続開始、整理開始又は特別清算開始」が並べてございますか、条文をごらんいただきますとおわかりのとおり、これらにつきましては、申し立てがなされることという時点でとらえております。本来でございますと、裁判所で最終的な決定があって、これらが確定をするという考え方もとれるかと思いますが、現実には開始申し立てが行われますと、やはり債権債務関係がぎくしゃくしてまいります。そういったことを頭に置きまして、なるべく早くこの法律の適用を受けさせるようにするという意味合いから、申し立てという時点をとらえたわけでございます。  それから第二号は、手形交換所において不渡の処分が行われ、そして取引停止処分が行われたという時点でございますが、これはわりあいに客観的にわかり得る時点ではないかと、こう考えておるところでございます。  それから第二番目のお尋ねは、六ヵ月間たったら給付が受けられないというのはいかがであろうかと、この点でございますが、実はこの制度は御承知のとおり、申し込みをしてから六ヵ月間は冷却期間という形にいたしておりまして、その間における悪意等を防止するという、悪意による申し込みを防止するために、いま申し上げたような制度を用意をしておるわけでございますが、いわばそれとの見合いでございまして、これをいつでもやれるという形にいたしますと、その間に増額の申し込みをするというような形にもなるわけでございます。そういうことを防止するために、大体六ヵ月の猶予期間を置いておけば大体問題がないのではないかという意味合いから、一号を設けた次第でございます。
  83. 馬場富

    ○馬場富君 それでは、倒産については、そういうかなり悪いという状況等があったとしても、いま長官の言われたようなそういう時点がはっきりとしなければ対象になるこう理解してよろしゅうございますね。  それともう一点は、いまの六ヵ月の経過でも、これはそういう点ではいわゆる手続上の問題等があった場合については、その請求がおくれたというようなことについても、多少のこれは緩和的な考え方があるかどうか、もう一遍説明していただきたいと思います。
  84. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まことに申しわけございません。第一段目の質問もう一度お話しいただけませんか。
  85. 馬場富

    ○馬場富君 第一段目は、いまあなたが倒産した場合の条件をおっしゃったが、それ以外にいま現実の場合にかなりあそこはだめじゃないかとか状況が悪くなったというようなことがかなり出てくると思うんですね。そういう中での人がかなりこの共済の対象者になってくると、そういう場合にやはりそういう倒産の事項がはっきりしないうちはこれは資格があると、こう見ていいかという点。
  86. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 第一点につきましては、これは相当額の給付をするわけですから、やはり原因というものは明確にしておくということが必要かと思います。で、その意味におきまして先ほど申しました一号及び二号の形で整理をしたわけでございます。ただ、現実問題としては、そのほかにいわゆる内整理というような段階があるわけでございます。これをどうするかということが一つの問題かと思います。ただ、内整理をこの法律の中に取り入れるということにつきましては、実際としては態様がさまざまでございまして、なかなか対応として確定しがたい、それからまた時期が、いつからその内整理に入ったかという段階もとらえにくいということから、この法律の対象にすることを避けた次第でございます。とはいいますものの、内整理に入りますとかなり多くの場合におきまして取引停止処分が伴ってまいりますし、また場合によっては債権者の方から一号で申し立てるような事態の申し立ても可能でございますので、大体そのようなことによってカバーできるのではないかと考えておるところでございます。  それからもう一つ、この法律の中で「倒産又はこれに準ずる事態」という表現が使ってございます。この「準ずる事態」の解釈が第二に問題になろうかと思います。これはまだ具体的にさらに詰めてみたいと思っておるところでございますが、たとえば管理者みずからが事業所を閉鎖する等、明らかに事業継続の見込みがなく、貸し付けても意味がないという場合を 令で定めることにいたしたいと考えておるところでございます。  それから、第二点にお尋ねがございました問題につきましては、六ヵ月を決めた趣旨は、先ほど申し上げましたことが多少舌足らずでございまして、もっと端的に申し上げますれば、六ヵ月ももてば連鎖倒産のおそれは大体免れるというようなことが経験的にも考えられるという点も一つの大きな要素になっているかと思うわけでございます。
  87. 馬場富

    ○馬場富君 次に、この制度を立案された対象の中で、加入者数はどのくらいの推定を考えられたかという点と、やはり、これに対しまして加入者の資格が中小企業基本法に基づく体制の資格でございますから、そういう点では、その層のやっぱり現実的な倒産の状況等をどのくらいの数値をとらえられてこの計画が立案されたのか。
  88. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まずこれから予想しております加入者の数がどのくらいかということでございますが、私どもは大体初年度に十万件ぐらいの加入があるだろうと予想いたしております。中小企業全体か五百数十万と言われておりますが、その中で連鎖倒産というようなことに直接関係のない業種もいろいろございます。たとえば、消費者に対して現金売りをしている小売業者などの場合には、いわゆる連鎖倒産の可能性というのは非常に低いわけでございます。私どもは、そういった意味で潜在的に可能性のある業者数を試算をいたしてみますと、大体三百五十万程度ではないかと予想いたしまして、最終的にはこの三百五十万の二割程度が加入をするという姿を、将来のとりあえずの目標と考えておるところでございます。  それから、これらについての倒産の状況いかんということでございますが、商工リサーチ等で発表しております倒産の数字をごらんいただきましてもおわかりになりますとおり、そのほとんど全部が中小企業でございます。しかもその内容を見ておりますと、業種によっても非常にさまざまな分野に広がっておりますし、規模においてもさまざまな分野に広がっております。私どもは商工リサーチ等の資料を利用いたしますほかに、先ほどちょっと触れましたように、銀行の取引停止処分等々の内容も見ておりまして、大体業種ごとにも、規模別にもある程度の推定をしながら、全体のこの骨格を組み立てたという経緯になっているわけでございます。
  89. 馬場富

    ○馬場富君 その二点で、やはりこの加入金と貸付金のバランスの推計というのを、最悪と最良にしてどんなような状況に踏まれたか、あわせて、その異常事態に備えての二十億の出資とのからませで大丈夫かと、この点でございますが……。
  90. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この制度の骨格を組み立てる場合には、いま申し上げましたように、いまあります各種の制度を勉強いたしまして、大体この程度が予想されるという数値を前提にして、貸付倍率であるとかあるいは償還期間等を決めた次第でございますが、これは私どももやはりやってみなければわからないという要素もいろいろ残っていることは承知をいたしております。したがいまして、この制度を発足をさせ、そして軌道に乗せました後に、この辺の状況を絶えずフォローいたしまして、先ほど申しましたように見直し条項を活用いたしまして、新しい経済情勢に応じて、また新しい中小企業の需要に応ずるような改定、改善を行いたいと思っておるところでございます。ただそうは申しますものの、これからの経済情勢もいろいろ変動が予想されるわけでございます。それらに対して、いま政府が予算要求をいたしました二十億の出資金で間に合うかどうかという点でございますが、私どもはいま考えております前提条件であるならば、大体二十億あれば、ある程度の異常事態にも調整財源として使い得るだけの余裕が出てくるのではないかと予想いたしております。もちろんこの制度がさらに拡大をし、対象者もふえていくということになり、あるいはまた、経済情勢がその後変わってきたというときには、必要な出資金はその都度確保するということで処理をいたしていきたいと思っておるところでございます。
  91. 馬場富

    ○馬場富君 次に法案の関連の質問といたしまして繊維の関係で、政府が昭和四十九年に、繊維工業構造改善臨時措置法を成立の上に新構造改善政策を発表されましたが、その推進状況をちょっと説明してもらいたい。
  92. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお話ございましたように、繊維構造改善の立法ができておりまして、いわゆる新繊維法と言っておりますが、これに基づきまして繊維工業の構造改善を鋭意推進してまいったところでございます。いわゆる知識集約化といいますか、縦型の構造改善ということで進めてまいっておるわけでございますが、実はちょうどたまたま深刻な不況状態に遭遇いたしまして、当初予定したとおりの構造改善は残念ながら進んでいないということでございます。現在までに大体構造改善として資金を融資いたしました件数、及び若干本年度計画をいたしておりますもの、合わせまして約百件ぐらいでございまして、当初の予定よりは大変おくれておるということを言わざるを得ないかと思います。しかしながら、その中にも極力その方向で、構造不況と言われる中で構造改善を進めてまいるということで努力をいたしておる次第でございます。
  93. 馬場富

    ○馬場富君 説明でいきますと計画どおり行っていないと、そのとおりであると思います。それでそのためにも現在の構造不況とか円高を合わせまして繊維は、現実は最悪の状態に来ておると考えるわけでありますが、これに対しまして、通産省として現状を踏まえたそういういままでの対策というよりも、もう一歩前進した、やはりここで再建プランというのを考えるべきだと思いますが、その点はどうでしょうか。
  94. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのとおりでございまして、繊維産業につきましては基本的な方向としては、いまの構造改善の法律に基づきますところの知識集約化的な構造改善というものが、将来とも基本的な方向であろうと思うわけでございます。しかしながら御承知のように、繊維全般にわたりまして客観情勢から見まして、設備が非常に過剰になっておるということもまた否定しがたいところでございます。したがいまして、繊維の構造改善をやりますにつきましても、その前提条件といたしまして過剰設備の処理というふうなことが必要でございます。また一方、当面いたしますところの短期の需給につきましては、不況カルテルその他需給調整措置というものが必要でございまして、需給調整措置をやりながら基本的な設備の調整をやると、そういう上で、本来の目的でありますところの国際競争力も持てるような構造改善を進めていくというのが、繊維政策の基本であろうかと思います。
  95. 馬場富

    ○馬場富君 後の、いま不況対策はわかりましたが、あわせましてやはり通産が担当して現在いままでこのような措置法をつくってきたわけでございますから、やはり業界にもそういう大変な中でも希望を持たせると、そうしてこういう方向性があるということを示すのが私は行政当局の責任だと思いますが、その点どうでしょうか。
  96. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのようなことにつきまして、実は昭和五十一年度、昨年でございますが、一年間かかりまして繊維工業審議会の中で討議をいたしまして、繊維新法に基づく構造改善の方向というものでいいのかどうかということで、一年間各方面の学識経験者も入れまして検討したわけでございまして、昨年の暮れ、その検討に基づきまして繊維工業審議会より提言をいただいておるわけでございます。その提言の内容は、要するに新繊維法の考えました基本的方向はそれで正しいということでございまして、先ほどからるる申し上げておりますような縦型の構造改善、それから知識集約化というふうな方向に沿って繊維産業の再編成といいますか、構造改善をやっていくということが、繊維産業の向かうべき道であるということで、これは私どもとして、方向として明らかに繊維産業の方には提示してあるわけでございます。したがいましてその方向は間違いないと思うわけでございますが、それに乗り移るにつきまして、過剰な設備とか需給の乱れというふうなものを調整する必要があると、こういうことであろうかと思います。
  97. 馬場富

    ○馬場富君 次に、いま設備廃棄が繊維は進められておりますが、これに対しまして業者の間に、設備の買い上げによって生ずる利益ですね、これに対して租税の特別措置を考えてほしいという声が強いわけです。たとえば、その積立金等についての非課税の問題やら、あるいは譲渡益の実質課税の繰り延べの問題等が出ておりますが、これに対する考え方と、もう一つあわせまして、この高度化資金の活用につきましての都道府県の負担の軽減についての考えはどうか、お尋ねいたします。
  98. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) 前段の課税の問題でございますが、これにつきましては目下大蔵省と折衝中でございまして、御指示の方向に努力をいたしたいと思っております。  それから都道府県の負担分につきまして、これは繊維だけというわけではございませんので、中小企業庁長官よりお答えかと思いますが、来年度予算におきまして、これもお示しのような方向で努力をいたすことにいたしております。
  99. 馬場富

    ○馬場富君 次に、この繊維問題で一つ悩みがあるのは逆輸入の調整の問題でございますけれども、こういう製品の輸入のガイドラインの設定と、輸入業者に対する行政指導の徹底の必要があると、こう思うわけですが、その点と、あわせて繊維に対する特恵関税をどう考えておるか、ひとつ説明していただきたいと思います。
  100. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) 繊維の輸入の問題につきましては、まあ従来からいろいろ強く叫ばれているところでございます。しかしながら、現実には繊維につきましては御承知のとおり製品の輸出が約四十億ドルでございます。輸入が約十六億ドルぐらいでございまして、いろいろと問題ございますが、いまのわが国は繊維につきましては圧倒的な輸出国でございます。したがいまして、簡単に輸入制限ということをとりますと、反対に非常な不利益をこうむるおそれもあるわけでございまして、その点はなかなかむずかしい問題はございます。ただ、品目ごとに、ある特定の品目に非常にフラッドして輸入がされるということはあり得るわけでございまして、こういう不況状態のもとではそれほどの輸入があるとは思えませんが、そういう場合にはこれに対処すべき方法を決めておりまして、繊維工業審議会の中に需給貿易部会というものをつくりまして、ここに調査小委員会というものを設けております。ここで、問題が起きました都度対処をいたすということで、一応機動的な体制ができておるわけでございます。  それから関税の問題でございますが、繊維の関税につきましては、まあアメリカに比べて非常に安いという問題がございます。しかし、EC等とはほぼ同等の関税水準にあるわけでございまして、必ずしも日本が特に安いというわけではないわけでございます。目下関税につきましては、御承知の東京ラウンドの進行中でございまして、これと歩調を合わせざるを得ないわけでございますが、繊維につきましてはそのような問題がございますので、慎重に対処してまいりたいと、このように思っております。
  101. 馬場富

    ○馬場富君 いま輸出の関係でソ連から年間数百万枚のニットの注文が日本商社に来ておるわけでございますが、通産省の関係はこれを了解してみえると思いますが、その流通経路をひとつ説明していただきたいと思います。
  102. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) 流通経路と申しますと、輸出の流通経路でございますか。
  103. 馬場富

    ○馬場富君 どのように生産されて、どのように輸出されておるかということです。
  104. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) そのソ連向けのニット製品が特別の形態をとっておるとは思わないわけでございまして、通常の普通のメーカーなりあるいは貿易商社の取り扱いで輸出されておると思っております。
  105. 馬場富

    ○馬場富君 これはソビエト向けのニット製品が日本の商社を経て、生産が韓国や台湾で生産されて、そしてソビエトに輸出しておるということは通産当局も報告されておりますし、それは関係の、おたくの方でいきますと、生活産業局の方はこれをつかんでおるわけですが、どうですか。
  106. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのは、いわば仲介貿易といいますか、第三国間貿易のたぐいかと思いますが、もちろん韓国あるいはその他で生産いたしましたものを、日本の商社が仲介いたしまして、ソ連あるいはその他の国へ輸出をしているというケースは当然あり得るかと思います。
  107. 馬場富

    ○馬場富君 これに対しまして、たとえば台湾や韓国から日本に入る、まあそれで輸出されておるわけでございますが、こういう問題に対しての関税措置はどうしていますか。
  108. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) 通常の形で輸入されまして、それがまた輸出されます場合には、普通の取り扱いで通常の関税がかかってくると思います。
  109. 馬場富

    ○馬場富君 これはですね、われわれが聞いた範囲では、関税なしに日本を経て輸出されておると、こういうふうに聞いておりますが、その対象をちょっと説明してもらいたいと思います。
  110. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) もしそういうケースがあるといたしますれば、それは保税加工という方法でございまして、保税工場というものがあるわけでございますが、そこで要するに輸入というか、通関しない前に、通関前の状態で加工して出すという保税加工方式というものがいろいろなケースにあるわけでございますが、その一つであろうかと思います。
  111. 馬場富

    ○馬場富君 ここで、業界で問題になっておることは、それはそういう方式によって税はかけないということで理解できますけれども、現在の実際日本のニット業界というのは不況にあえいでおるわけです。ソ連の輸出につきましても日本のニット業界というのは構造不況で困っておるわけですよ。それをわざわざ台湾、韓国でつくらして、じかに輸出するなら別ですけれども、日本に入れましてそしてこれを輸出するということ等につきまして、やはりこれを通産省あたりもしっかりとつかんでおるわけでございますから、そういう点ではこの輸出につきましては時期的にも日本のニット業界としてはシーズンオフで、非常に協力できる状況にあるというのが現状でございます。そういう点につきましても価格等の調整ができることならば、これはやはり通産あたりもよく指導して、よく商社との連携もとって考えるべき問題だ、また指導すべき問題だと、このように思いますが、どうでしょうか。
  112. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) 保税加工の問題につきましては、本来は国内市場とは関連がないわけでございますけれども、いまおっしゃいましたように、国内のニット業界非常に不況でございますので、そういう御趣旨でお話の点につきましては、さらに検討いたしたいと思います。
  113. 馬場富

    ○馬場富君 だから保税のことを云々言っておるんじゃなくて、保税のことは理解できたと。だからその品物を、日本が結局不況で困っておる、こういう実情だから、それを大体通産当局がつかんでおったならば、そういう点でやはり業者等にも協力できる体制があるのなら、これはやはりそういう指導をして、商社との関係もやるべきではないかという点、もう一遍はっきりしてもらいたいと思うんです。
  114. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) ちょっとお話の趣旨、私了解いたしかねる点があるわけでございますが、国内市場確かに非常にむずかしゅうございますので、国内品の輸出というものにつきましていろいろと指導もしてまいりたいと思うわけでございますが、保税加工と申しましても、実は国内の業者がやっておる仕事でございまして、それと国内とのバランスの問題かと思いますが、国内市場に混乱が起こらないような方法で指導してまいりたいと思います。
  115. 馬場富

    ○馬場富君 次に、特に円高の問題でかなりもう繊維業界がひどい状況にありますけれども、こういう場合に、実際現場で円高の差損につきましてのそういう総合商社あたりがとっておるやり方というのは、円高の差損をやはり関係の中小企業にしわ寄せするようなそういう取引状況をしておる。現実、私はこれずっとその内容をつぶさに注文書等見た上で一つ質問いたしますけれども、アメリカ向けの輸出で、織物でございますけれども、六月以前の二百七十円の状況のときに、これは大体単価で一ヤード八百五十円ぐらいのものであったわけですけれども、あの七月に至って円がちょっと不安定になった時点で、商社はこのときに二百五十円の円高相場を見込んで、そしてそれによる計算でもって、この時点で注文してきておると。そして八百五十円のものを一ヤード七百円にここで下げておる。そして注文書までこれ出ております。次に、今度二百五十円を割った時点、この時点につきましては、この時点で二百二十円を見込んで一ヤード五百五十円の注文書で計算しておる、こういうふうなやり方でもって、この円高差損というのを商社は全然損をせずに、関係の中小企業に完全にしわ寄せさせておる、こういう実情がございますが、これに対して通産当局はどのようにお考えですか。
  116. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) いまお示しのような実態については、実は私まだ承知いたしておりませんが、いまお話しのような数字だとすれば相当きついといいますか、厳しい取引条件になるなという感じがいたします。ただ従来の経緯から申しますと、当面は大体商社の方がマージンは、差損はかぶっていたというのが実態のようでございまして、次第にどうしてもやはりメーカーの方へしわが寄っていくと、こういう段階になろうかと思いますので、その辺は目下実情を調査中でございまして、よく調査いたしまして、適切な措置をとりたいと思います。
  117. 馬場富

    ○馬場富君 私はね、このいまの質問はちゃんと総合商社の注文書を見ながら私はしているんですよ。だから事実でございます。こういうような事実を、私が後ほど長官に示したならば、こういう商社については指導をなさいますか、どうでしょうか。
  118. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) その辺の値段の問題になりますと、私どもの方でちょっと簡単に指導するというわけにはまいらないと思います。
  119. 馬場富

    ○馬場富君 このような事実が実は円高の状況のもとに起こっておる、そのことについて言われるとき、輸出やそういうことについてはやはり行政当局は通産じゃございませんか。どんなことがなされておっても、それは構いませんと、こういうことですか。
  120. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもも、円高の問題起こりましてから産地の実情については数次にわたって実態調査を行っております。その結果を見ておりますと、原則としては従来契約したものはそのまま注文が続いておるわけでございますが、中には商社の方で相当の為替差損をかぶることになる。ついてはメーカーの方にも少しこれは分担してほしいというような声があって、産地としては困るということでごたごたしておる事例も私ども耳にいたしております。それに加えましてもっと大きい問題は、新規注文についての値決めの問題でございます。円高になったからということで、もう少し安い値段で受けてくれという話が出てまいりました。産地としてはもういままでで採算ぎりぎりだからどうにもならぬということで、なかなか値決めができないでいるという実情も聞いております。中には泣く泣く、仕事がなくて困っているので受けざるを得ないということで受けておる事例もある。そういったことが、いまお示しのような事例にあらわれておるのではないかと思っておるところでございます。  私どもは、こういった問題について、基本的には商取引の問題であるとはいうものの、大企業が大きいことを背景に自分は一切損をしない、場合によっては多少これに便乗してもうけるというようなことでは、やはり世の中うまくいかない。大企業もやっぱり苦しいところは分担をし、中小企業も分担をする。中小企業の立場もよくわかった上で注文をするというようなやり方が一番望ましい方向だと思っております。今後とも、産地の実情の把握については十分気をつけてまいりたいと思います。
  121. 馬場富

    ○馬場富君 この点大臣に質問いたしますが、いまの状況が実情でございますが、いま円高差益の問題というのは、国の全体の非常な問題だと思うんです。そういう点で国を挙げて力を合わしてやらなきゃいかぬと、こういうことで実は中小企業の方々もみんながんばっておるわけですよ。そういうときに、このような不公平な状況がはっきりとしておって、それで知りませんということは私はないと思う。そういう点についてやはり通産大臣の責任ある答弁をお願いしたいと思う。
  122. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話しのようなケース、大阪のある人から私信でございますけれども私のところへ参りまして、非常に実は私も心配をしました。ただいま中小企業庁におきましても、産地別に非常に細かい調査をいたしておりまして、その企業が立ちゆく立ちゆかないの本当にもうぎりぎりの瀬戸際でございますから、日本といたしましても今度の円高等の問題につきましては深刻な実は対策を考えなければなりません。同時に、生活産業局長の方のお話しの問題は、これはたまたま契約のコスト等に関しまして介入することが、なかなか行政といたしましてはやらないと、やれないということでございますが、これもよくわかりますが、しかしながら総じまして、そういうふうな親企業の、元請が下請に対しましていろいろなシビアな条件を出しましたり、あるいはまた輸入の関係が取引の関係でさらに機元から機屋の方にシビアなことがまいりましたり、いろいろの紛争があると思います。われわれも本当に日本経済をしょって立ってもらっております末端のそういう業界のことでございますので、真剣にこの問題は考えてまいりたい、かように考えております。
  123. 馬場富

    ○馬場富君 次に繊維関係では、最近の暖冬異変で、この不況とあわせてもう冬向けのものが非常に、契約はできたけれども取引が全然行われぬという一つの問題点かございますが、これに対しましての対策をひとつお尋ねいたします。
  124. 藤原一郎

    ○政府委員(藤原一郎君) お話しのように繊維につきましては、常に非常に季節の変動というものが影響を深刻に与えるわけでございまして、ことしは、夏も東日本におきましては、暑さがなかったということで、相当夏物のバーゲンセールが行われたというふうな状況でございますが、冬物につきまして、まあ十一月中に寒さが来ればいいというのが一体のお話のようでございますが、いままさにちょうど寒さがどの程度影響するか、境目のような感じでございます。したがいまして、業界としてはまだ暖冬異変ということで踏み切っておりませんで、十二月の二週ぐらいまでが勝負だということで、現在準備をいたしているような状況だと聞いております。したがいまして、これが非常な滞貨になりますというふうなことになれば、また滞貨についての金融措置その他が必要になってくるかと思いますが、いましばらく様子を見たいと、このように思っております。
  125. 馬場富

    ○馬場富君 次に、構造不況業種の中の平電炉についてお尋ねいたします。  平電炉というのは、いまカルテルやあるいは設備廃棄の問題が進められておりますけれども、特にこの平電炉業というのは、御存じのように、日本の鉄鋼原料の中で三分の一を占めているくず鉄を原料としているわけです。そういう点につきましては、これは単に不況という問題以外に、やはりこのくず鉄という一つの産業廃棄物の処理というものもかねて、この業種がなくなった場合に大変な問題が起こるわけですね。そういう点につきましても、やはりいま国策で言われておるような省資源という立場からも、やはりこの業種の保護育成というのは非常に大事な問題である。こういう点で政府としてはこの平電炉に対するそういう立場からの何か救済措置を考えてみるかどうかをお尋ねいたします。
  126. 岩崎八男

    ○説明員(岩崎八男君) 先生御指摘のとおりでございまして、平電炉業というのは、日本産業にとってなくなるものではないということで、その健全な発展が必要であるというふうに考えております。いまは不幸にして非常な不況に陥っていっておるわけでございますが、それはそれとして現在私ども一生懸命その建て直しを図っておりますが、これは平電炉小棒だけではなくて、そのもとにあるくず鉄加工業等も含め、その健全な発展が必要であるかと思っております。  今年度、中小企業の近代化促進法の対象としまして、このくず鉄加工業につきましても、その近代化の方向を現在から検討しようという段階でございます。
  127. 馬場富

    ○馬場富君 まあこの設備廃棄がそのための一つの対策として行われようとしておりますが、この状況は私も説明を聞きましたけれども、これがそういうやはりかなり設備廃棄というような、業界としてはショック的なことも、政府はやはり企業のてこ入れでやるわけでございますけれども、これに対してやはり出資の方向がございますけれども、あわせまして、結局この難関を切り抜けるために、そういう産業廃棄物の処理という立場からも、やはり何ぞ保護育成措置があるんじゃないか。たとえば低利の融資等においての補強対策とかそういうことは考えているかどうかお尋ねいたします。
  128. 岩崎八男

    ○説明員(岩崎八男君) この業界は、そういうことでスクラップ収集からそれの平電炉での溶解、小棒への圧延、それのさらに販売、一連の問題を一貫して考える必要がございますが、ただいまその一貫としての平電炉業につきましては、御指摘のように、この二、三年急激な設備過剰現象が生じて、それがすべての問題の、当面の最大の問題になっておるということで、現在私どもそのうちの三百三十万トンの設備を処理しようということで、業界等が中心になってやっておるところでございます。これにつきましては、私どももそういう三百三十万トンという目標を示しますと同時に、そういう処理について、政府としてできるだけのことはしたいということで、今回の補正予算におきましても、七億の基金をもちまして債務保証基金をつくったり、それから平電炉と小棒製品とは同一業界でございますので、小棒の市況安定のために諸種のカルテル等の対策を進めたりしているのが実情でございます。  それから、小棒のいわばカルテルに基づきます価格支持対策の一環として、商工中金等を活用いたしまして、その一部をもし売れ残った場合に買い上げるといった措置も現在とっているところでございます。
  129. 馬場富

    ○馬場富君 次に、通産省と運輸省、外務省の関係で質問いたします。  先日、わが党の訪米団が矢野書記長を中心としてアメリカに行って参りましたが、そのアメリカの各層との対話の中でいろいろな得た状況報告なんかを見ましても、非常にアメリカの予想以上の対日感情の悪化ということが焦点に言われております。内容等はアメリカ側の主張の要点を見ましても、実は石油非生産国がみんなやはり赤字で苦しんでおるのに日本だけが黒字ではないか、こういうような点が一つは考えになって、日本は輸入にしても種々の制限を設けて独善的に考えておるとか、あるいは米国は日本の輸出を非難しておるのではなくて、輸入をもっとふやせという点の指摘やら、あるいは特に日本が保護貿易国であって、自分だけの黒字で安閑としておるというようなそういうような批判の中に、いまアメリカの世論としては日本が保護貿易国であるというようなことから、やはりアメリカとしてもこれに対処しなければならぬというような非常に世論の批判が高まっておる。こういうような状況がここに出ておるわけでございますが、そういう点で、やはりアメリカの世論を理解させるためにも、日本が国内事情をアメリカ側にもっともっと説明することとあわせまして、日本の自由貿易を考えておる考え方を、よくやはり具体的に理解さしてほしいというのがアメリカ政府当局の強い訴えのようでございます。  そういう点で政府レベルでの誠意ある折衝と、対策はもちろん大事でございますけれども、これにあわせまして、日本か黒字ではあるけれども、長年のインフレやそういう中で苦しみながら倒産も続出しておる。こういう中で日本がかなりそういう国内事情を抱えながら対外的な問題について苦慮しておるという点について、いまこそ官民挙げて日本の理解というのをアメリカを中心としたEC諸国についても、やはり使節団を送ってでも理解をさせることが大きい先決問題である。こういうようなことが言われておりますけれども、そういう点についての通産大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
  130. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  日本は御承知のとおりに無資源工業大国でございますから、必然的に食糧、燃料、原料、材料ほとんど他から求めなければならない。ことに、石油のごときは一〇〇%に近いものを輸入いたしておる姿、かようなことから申しましても、わが日本の国の方針といたしましては、あくまでも自由貿易国であり、また、保護貿易に対しましてはあくまでも戦っていかなければならない国是でございます。さようなことから、日本が保護貿易主義をとって関税障壁を高めておるということは私は考えられないことでございますけれども、しかしながら、今日の日米交渉というものは、御承知のアメリカ自体の貿易の関係で非常な赤字を出しておりまするし、反対に日本の経常収支が非常に黒字を出しておるということから、さらに円高、これに対するスペキュレーション、こういうようなことで非常な問題になっております。  リバーズ顧問を筆頭にいたしました両三日の交渉がございましたが、これは私の直接出席をいたした立場ではございませんが、報告を聞いておりまするが、アメリカが日本に求めておりまするいろいろな問題につきまして、さらに製品輸入を増加しろという問題やいろいろございますが、総じてわれわれが唱えております東京ラウンドの前倒しといったような問題につきまして、関税障壁、関税の撤廃並びに低下あるいは非関税障壁の問題、こういうふうな問題につきましてもいろいろ主張されております。われわれはできる限りの誠意をもってアメリカと交渉をいたしましたが、ただいま先生の御指摘のように、アメリカの国会と政府との関係から申しましても、われわれの方といたしましては、ぜひともアメリカの議会に深く日本の立場というものを理解してもらわなきゃならぬ、こういうことから、仰せのようなことはまことに時宜を得たことであり、ぜひそうしなきゃならぬ、そうして日本というものをよく認識し理解してもらって、さらに今後の関税交渉、外交交渉を進めてまいりたい、かように私は考えております。
  131. 馬場富

    ○馬場富君 次に、この問題に関連いたしまして、最近海外の旅行者が非常に激増しておりますが、そういう関係で五十一年だけでも海外に出た人が約三百万人と、このようにいわれておりますけれども、その人たちが各地を見たその状況をみんな聞き、われわれが感じた問題として、先ほどは政府レベルや何かの議会での話を申しましたが、一般国民感情も、対日感情が悪くなってきておるという点を非常に強くしておられます。そういう点で、こういう旅行者の中からも、やはり多くの旅行者たちが単に観光だとかということだけではなしに、できればそういう一般旅行業者等のあっせん等が考えられれば、日程の中に短時間でも、そういうような各国と日本国民との対話の場が設けられることによって、一段と国民感情をよくしていくんではないかという問題が指摘されております。そういう点で、たとえば旅行日程の中にそういう一般旅行業者等のあっせんによって、いま行われておりますホームステイ制度のようなものの、短時間の向こうでの対話の機会やら、あるいはいま外国等にもありますようなホームビジットのような制度で、やはり向こうにもそういう受け入れを考えるようなことを関係当局が一般旅行業者等にも指導をして、民間レベルでもこういう一つの対話の交流を重ねていくことは必要ではないかとこう考えますが、これに対する御答弁をお願いしたいと思います。
  132. 森雅史

    ○説明員(森雅史君) 先生御指摘のとおりに、最近の非常に日本に対する先進各国からの風当たりの強さという点から見まして、日本に対する国際理解を深めるということは非常に重要であるというふうに考えておる次第でございます。  ただいまお話しになりましたように、日本人の海外旅客は昨年で二百八十五万人ということでございまして、年々増大しております。せっかくこれらの多人数の日本人が出ておるわけでございますから、その行動、訪問あるいは相手国における話し合いということによりまして、日本に対する無理解を解いていくということは非常に重要であるというふうに考えておる次第でございます。  具体的には、観光旅行でございましてもいろんな形がございますけれども、ただいま御指摘のありましたように、いわゆるホームステイあるいはホームビジネットという制度でございますが、最近非常にふえております一つには、大学生あるいはその他の方々も対象にしておりますけれども、いわゆる語学研修、短期留学といった形のものが非常にふえておりまして、これはアメリカが多うございますが、そのほかイギリスその他でも出ておる。これは若い日本人の学生等が参りまして向こうの高等学校あるいはカレッジ等の寄宿舎に入りまして、向こうの生徒たちと一緒にいろんな活動をする、あるいはその間にホームステイということで外国の家庭で起居をともにするといった形がございます。これらは非常に有効な相互理解の手段であろうかと思います。こういうものは最近だんだんふえてまいっておりますけれども、今後もできるだけそういう形のものを推進してまいりたい。  それからもう一つ……
  133. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 答弁は簡潔に願います。
  134. 森雅史

    ○説明員(森雅史君) その他基本的に重要だと思いますのは、やはり外国人に日本に来ていただいて見ていただくということが、百聞は一見にしかずで大事だと思いますので、この点につきましては国際観光振興会という別団体を通じまして強力に宣伝というものをしてまいりたいと思います。
  135. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 馬場君、もう時間ですよ。
  136. 馬場富

    ○馬場富君 一点だけひとつ……  よくわかりましたが、あわせてやはり海外のことでもございますからこれに対する外務省の見解を一言お願いいたします。
  137. 黒河内久美

    ○説明員(黒河内久美君) 外務省におきましても、従来から海外旅行というものが実り多いものであってほしいという趣旨から、さまざまな形での指導啓発に努めておりまして、その意味で、海外旅行に出かける人々は一人一人が民間大使であるという心構えを持ってほしいというような指導に努めているところでございます。  それからただいま先生御指摘になりましたように、海外旅行の場を通じまして訪問先国の人たちと民間交流というものが深められれば、これは大変望ましいことだと存じますので、私どもといたしましても運輸省と緊密な連絡をとりなからできる限りの範囲で努力を続けて、そのような指導についての努力をいたしていきたいと存じます。
  138. 馬場富

    ○馬場富君 終わります。
  139. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま審議をされております本法案は、連鎖倒産を防止すると、こういうことで、この対策は中小企業庁御自身が出しておられます「中小企業倒産防止共済法案について」と、こういうパンフレットの十一ページにも、不十分であると、こういうことが明記をされております。現在かつてない深刻な不況です。その上に円高が追い打ちをかけている。中小業者の倒産件数というのは激増いたしておりまして、関連中小零細企業の数というのはこれは数万件にも上がることが予測されるわけです。これに対する対策は不十分な上に、さらに円高による成約難、売り上げ減少、単価切り下げ、こういう諸事情による自己倒産、こういうものが激増するわけですけれども、こういうものは本法案の対象外になっているわけです。このような企業倒産について、一体どういうふうな防止策を考えておられるのか、お伺いいたします。
  140. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 倒産の動向は中小企業政策としても非常に大きな課題でございまして、私どもも、できるだけのことをこの際やっていこうということで知恵をこらしたり対策を打ち出したりいたしておるところでございます。御承知のとおり、従来からやっております制度としましては、政府関係金融機関の融資あるいは信用補完制度の充実等々でございます。今年に入りましてから、特に倒産対策緊急融資制度を実施いたしましたり、また従来やっておりました政府関係金融機関の融資につきましても、既往金利引き下げを図るとか、あるいは返済の猶予を図るとかいうような指導を積極的に進めてまいっておるところでございます。さらにまた、いまお話ございました円高につきましても、御承知のとおり、緊急融資制度の発足等いろいろの手段を講じてまいっております。  今回提案申し上げております倒産防止共済制度、これは従来の対策が、主として金融的な対策であったのに対しまして、実情を見てみますと、取引先が倒産をした、さしあたって運転資金が必要だというときに、担保の問題がいろいろボトルネックになっておるケースが多いことにかんがみまして、この辺についてひとつ大きく一歩前進を図ろうという趣旨でございます。私どもも、今後とも倒産の問題については絶えず注目を払い、またできるだけの対策を打っていきたいと思っておるところでございます。
  141. 安武洋子

    ○安武洋子君 政府の対策いまおっしゃいましたけれども、従来の対策が不十分だからこそ史上最高の倒産件数が続いているわけなんです。このような自己倒産、これは共済制度で救済できないものなら、これにかわる制度について検討する必要があると思います。この点についてどうお考えかということ。  それから私の方でいま、現在行われております中小企業倒産対策緊急融資、これは単に連鎖倒産だけでなくって、自己倒産の場合にも適用できるようにすべきだと、こういうふうに思っているわけなんです。これはいま長官がいろいろとおっしゃいましたのは、いずれも適用対象というのは連鎖倒産だけなんです。自己倒産の防止についても基準との関係で制度を設けると、こういうことは困難だということはわかりますけれども、共済制度か無理なら、せめて金融制度として自己倒産を救済できる方法を検討すべきでないか、こういう二点をお伺いいたします。
  142. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私ども、倒産を少しでも減らすということのために従来いろいろの手を打ってきたわけでございます。ただ、中小企業の声を聞いてみますと、やはり倒産対策の基本は何といっても景気がよくなることだというごとに一番集中しておるのではないかという感じがいたします。仕事がない、あるいは仕事があってもなかなか採算がとれないというようなことが一番悩みの種でございますので、まずは景気がよくなるということが基本であろうかと思います。ただ、そうは申しましても中小企業対策としてもできるだけのことをやろうということで、従来金融面を中心にさまざまの対策をやってまいっております。これらがうまく利用されることによって、倒産に至る前に何とか経営の安定をつなぎとめるということかできれば一番好ましいことであろうと思いまして、金融面における貸し出し条件であるとかあるいは限度であるとか、さまざまの点の改善を従来までやってきたところでございます。  今回御提案いたしております倒産防止共済制度は、それらの中のいわゆる連鎖倒産を特に取り上げまして特別の対策を講じたわけでございますが、これはいわば善意で一生懸命仕事をしておっても、ほかの方が倒れたということが契機となって資金繰りが突如不如意になる、こういった特殊の事情にあることから、特別の対策を必要とするという考え方に基づいて提案したものでございまして、これだけですべてをカバーするという性格のものでないことはよく承知をいたしております。したがいましていまお話がございましたように、この問題に限らず、自己倒産に至らないようにする、こういった考え方につきましては、私どもは御意見のとおりだと思いますので、今後ともいろいろの対策を、できるだけの知恵をこらしてまいりたいと思います。
  143. 安武洋子

    ○安武洋子君 倒産対策緊急融資の充実化の一つとして、原則としては普通貸し付けと同様に七・六%とこういうことになっておりますけれども、例外として倒産企業に関連のある企業のいずれかに民間金融機関が金利軽減措置をとった場合は七・二五%または六・七五%と、こういう金利の軽減措置ができるようになっているわけです。実際に金利の軽減措置がどの程度いままで行われたでしょうか、お伺いいたします。
  144. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この制度が実施されましてから九月末までのちょうど半年間でございますが、この半年間におきまして三機関において特利を適用した実績は七百三十八件、金額にいたしまして九十五億八千三百万円と報告されております。
  145. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまのお答えでは、これは全体の金利軽減措置を講じたのは約三割にすぎないわけです。決して私は多いとは言えないと思います。その理由の一つとしましては、民間金融機関の金利の引き下げが前提になっている、ここに問題があろうかと思うんです。なぜ民間金融機関の金利引き下げが前提なのか、お伺いいたします。
  146. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 中小企業が金融を受けますときには、政府関係金融機関に参る場合もあり、また民間金融機関に参る場合もございますが、全体としては大体九割ぐらいが民間金融機関に依存をいたしております。政府関係金融機関と民間金融機関というのは、いわば両方が相まって中小企業を助けるという立場にあるわけでございます。私どもは、民間金融がやれば単純に政府系金融機関が追随すると、こういう考え方でいま申し上げました措置をとっておるわけではございません。本来であれば、政府関係金融機関は、民間金融機関の補完的な役割りを果たすというのが本来の性格であろうかと考えておるところでございます。いわば両者が、特定の中小企業が本当に困ったというときにお互いに力を合わせてやろうと、こういう気持ちでいま申し上げた措置を採用した次第でございます。
  147. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまお答えいただきましたけれども、結局民間金融機関との協調的な金利引き下げと、こういうことは民間機関の金利引き下げが前提になるということなんです。  私は、ここで政府系金融機関が利下げの意思がほとんどないという証拠をお示ししたいと思うのですけれども、私ここに国民金融公庫のこの制度についての内部指示文書、本店業務部長名、そして業々第一〇号、昭和五十二年四月二十二日。「中小企業倒産対策緊急融資取扱要領の運用について」というのを持ってきているわけです。この文書の「貸付利率」の項では、金利軽減をできるだけ行うようにとは一行も書かれていないのです。ここの中では、「必要と認めた場合のみ適宜民間金融機関等に照会する」と、それから「基準利率を適用する借入申込人から金利軽減措置を受けられないことについて苦情が出された場合には、「この貸付制度の建前が民間金融機関の金利引下げを前提として特利を適用するものである」との説明を行うこととし、個々の民間金融機関の責に帰すごとき言動を避けるよう、十分注意する。」とこういうふうになっておりまして、先ほどの御答弁とは大変相違するというふうに思うのです。と言いますのは、適宜民間金融機関に照会しなさいと、こういうことは民間金融機関が金利を下げていても、公庫が必要と認めないときには照会もしてもらえないと、こういうことです。そして、先ほどの点については金利についての苦情の断り方が書いてあるということなんです。このことを長官御存じでございますか。
  148. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まだそのような通達の内容については承知をいたしておりませんでした。
  149. 安武洋子

    ○安武洋子君 では直ちに調査をしていただきまして、国民金融公庫に対してこの制度の本来の趣旨を徹底するようにと、改善の指導をしていただきとうございますが、よろしゅうございましょうか。
  150. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 先ほども御説明いたしましたように、やはり中小企業金融の主役は民間金融機関でございます。やはり、民間金融機関が本当にその気になってやっていただくということが、中小企業金融を円滑にする一番基本であろうと思っておるところでございます。その意味におきまして、先ほども申し上げましたようなルールをつくったわけでございます。それだからと言いまして、国民金融公庫の方が、特にそれを消極的に足を引っぱるというような形になっては、制度の本旨に反するわけでございます。私どもその通達内容をもう一度よく勉強いたしてみたいと思います。
  151. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま私か読み上げましたこの内容について、長官は妥当だというふうにお考えなんでしょうか。
  152. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 民間金融機関の動向について照会をするというのはいわば当然のことかと思いますが、その後段の表現等につきましては、多少消極的なにおいがするという感じがいたします。その意味におきまして、私どももう一度内容等を吟味をさしていただきたいと申し上げた次第でございます。
  153. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、先ほどから皆さんの討議の中にも出てきましたけれども、不況、円高の中で、中小企業の方大変なわけです。特に年末迫ってまいりまして、年末の資金需要が激増するこういう時期を迎えております。政府はこの年末の金融にどういうふうに対処をなさろうとされておられるのか、これが一点なんです。それから、例年政府系の三金融機関への貸し付け追加額、これが発表されるわけですけれども、ことしはこの発表がおくれているのではないかと思うのです。現場ではこういうことがおくれると非常に困るというふうな状況が出てまいります。一体貸し付け追加額をどれぐらいいま要求をされておられるのか、こういう点をあわせてお伺いいたします。
  154. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 年の暮れは中小企業にとりましては一番資金需要の多い時期でございます。その意味におきまして、政府系三機関の資金供給につきましても第三・四半期には特にウエートをかけて資金量を予定をいたしております。具体的には、第三・四半期分としまして一兆一千三百三十億円の資金をとりあえず用意をいたしておるところでございますが、これは民間資金の需要の動向に応じまして、もし必要があれば年末追加というような形で、必要量だけはもう十分確保するという方針で臨みたいと思っておるところでございます。お話の中に、年末金融は今年どうするんだという点にお触れになられましたが、私どもいま三機関と連絡をとりまして、実際必要とする資金量はどの程度であるかということについて最終的な詰めをいたしておるところでございます。ほどなくその数字が確定できるのではないかと思っておるところでございます。
  155. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま例年よりおくれていると申し上げました。いつ御発表になるのか。  それから、石油パニックのときは、四十八年度ですけれども前年の二・五倍、これぐらいおふやしです。ことしは枠を拡大していただかなければ、石油パニックを上回るようなやはり不況、それから円高の追い打ち、こういう状態があるわけなんです。通産としては、中小企業庁としては一体大蔵にどれくらいの枠をいま御要請なのか、そういう点もお伺いいたします。
  156. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもも中小企業三機関の資金量が十分確保され、その点について中小企業の信頼が得られるということが特に大切であると、こう感じておるところでございますただ、正直に申しますと、ただいまの経済情勢はむしろ設備投資等が多少沈滞しておるというようなこともございまして、資金需要としては必ずしも活発でないという感じも一面でいたします。ただ、そうは申しますものの、半面ではいまお話ございましたような円高に伴うつなぎ金融が必要であるというような新しい要素も出てまいってきております。その意味におきまして、非常にいま経済情動が流動的でございますので計数の詰めが若干おくれておりますが、いずれにいたしましても必要な資金料は確保するということで臨んでおります。まだ調整前の段階でございますから、具体的に幾らという数字を申し上げることは御遠慮さしていただきたいと思います。
  157. 安武洋子

    ○安武洋子君 発表はいつですか。発表時期をお伺いしました。
  158. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いずれにしても年末の金融に間に合わせる必要がございますので、私どもとしましては、少なくとも今月中には取りまとめたいと考えておるところでございます。
  159. 安武洋子

    ○安武洋子君 この融資の運用に関してお伺いいたします、国民金融公庫でお得意さんに対して、「年末資金を必要とされる方へ」こういう案内ビラが送付されていることを長官御存じでございますか。
  160. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まだ承知をいたしておりません。
  161. 安武洋子

    ○安武洋子君 この、いま「年末資金を必要とされる方へ 国民金融公庫」となっておりますけれども、私が持ってまいったビラというのは、これは例年配布をされているわけなんです。どういうところに配布をされているかということも、じゃあ、ビラが出ているということを御存じなければ、御存じないわけですね。
  162. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 承知いたしておりません。
  163. 安武洋子

    ○安武洋子君 では申し上げます。  私の調査では、これは全部のお得意さんに対して配布しているのではないんです。ある支店では、一万七千のお得意さんのうちに二千二百しか配布をしていないんです。なぜそういうふうになっているか。この二千二百というのは優良企業だけなんです。ここに配布をするという理由というのは、追加される資金はこれを完全に消化する、それは人手不足の中で審査を一番簡単にやれる方法だから、手っ取り早い方法だからと、こういうことで、わずかに私がいま申し上げました一万七千のうちの二千二百にしか配布をされていないんです。しかも、十一月の初旬にすでに案内が発送されているんです。ですから結局本当に困っている企業、こういうものが排除をされているわけです。こういうふうな国民金融公庫のやり方を、一体どういうふうにお考えでしょうか。国民金融公庫法の第一条の目的というものはこういうふうにはなっていないと思いますけれども、長官いかがお考えでございましょう。
  164. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私の承知しておりますところでは、国民金融公庫の貸し出しは、その都度その都度さしあたって金がほしいという方が国民金融公庫の窓口を訪れられて、必要な資金量を確保していかれるということで、いわばスポットの取引の方が非常に多いというふうに聞いております。いまのお話、よく背景を聞いてみなければわかりませんが、従来から継続的に取引しておられる方に配布をしたというようなことがあるのではないかというような気もいたします。ただ私どもは、年末金融というものは中小企業にとって大きな要素であるということはよく知っておりますし、単に国民金融公庫の窓口でのビラというだけではなくて、やはり年末金融対策を確定いたしましたときには新聞発表もいたしますし、関係各機関を通じまして年末金融についてはこういう措置を講じました、ぜひ必要のある方は御利用いただきたいという旨のPRは例年やってまいっておりますし、ことしもそのようにやる予定にいたしておるところでございます。
  165. 安武洋子

    ○安武洋子君 従来から継続しているのは、いま申し上げましたように一万七千なんですよ。その上からずっととって優良企業二千二百にしか配布していないということを問題にしておりますし、それはすでに十一月の初旬に発送されている。お得意というのは、継続してずっとここで取引しているのは一万七千、ここ全部にやるべきじゃないんですか。といいますのは、いま私が国民金融公庫法の第一条を申し上げましたけれども、「銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な事業資金の供給を行うことを目的とする」こういうふうになっているわけです。これは基本理念に反することじゃありませんか。いかがお考えなんでしょうか。
  166. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、年末金融がこういう制度があってこういう利用が可能であるということは、中小企業対策そのものとして中小企業政策普及の事業の一環として独自にPRをいたします。中小企業の方々非常に対象多うございますが、年末金融がぜひ必要であるという方には、少しでもそういう利用の機会が得られますように、できるだけの幅広いPRを中小企業庁自身としてやるつもりでございます。
  167. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは、国民金融公庫のこういう片寄ったPRの仕方は、中小企業庁の広くやろうというお考えと違うわけですけれども、そのことに指導改善をなさるおつもりはございませんか。
  168. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまのお話が、どういうお店でどういう形で行われたか、またどういう対象を選んだか、私どもも一応よく調べてみたいと思います。制度の趣旨は私どもよく理解をしておるつもりでございますので、その趣旨に沿うように、改善できるべき点は改善するように指導いたしたいと思います。
  169. 安武洋子

    ○安武洋子君 ぜひ調査をなさいまして、厳重に私はこういうことのないように指導していただきたい、このことを厳重に申し入れさせていただきます。  それから法案の中で、共済事由が発生した場合、一、二、三項による共済契約者の状況、それから共済事由発生の原因や責任及びその金額、これを調査して貸し付け対象になるかどうか、またその額は幾らか、こういうことを確認するというふうになっておりますけれども、これは通産省の御説明によれば、加入どきの審査も取引先の登録と同様に商工会とか商工会議所、県中央会等に委託するようになっている、こういうことでございますが、この商工会、商工会議所、県中央会等のこの等となっている、これはどういうところをお考えなんでしょうか、お伺いいたします。
  170. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもは、こういう確認事務を委託する団体としましては、できるだけ全国的な広がりを持っており、また他方で中小企業の実態に日々触れておる団体が望ましいと考えております。さらに、それらの団体が公正に運営されるということが必要な要件であろうと、こう考えておるところでございます。こういった意味合いから、とりあえずは商工会、商工会議所及び中小企業団体中央会を予定をいたしておりますが、そのほかに考えられるところといたしましては、協同組合等の中で特に大きいしっかりした協同組合があれば、これは場合によっては確認団体として指定してもよろしいのではないかという考え方でございます。
  171. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、九条三項との関係で共済契約者の経営状態や、それから返還能力、これについても検討することになるわけですか。
  172. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 取引先との取引状況を確認をするということはございますが、返還能力の確認までは含んでいないと理解いたしております。
  173. 安武洋子

    ○安武洋子君 商工会、商工会議所が確認業務を行う場合に、商工会議所法、商工会の組織に関する法律のどのような事業の種類の範囲として、こういうことが行われるのでしょうか、お伺いいたします。
  174. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いま御指摘の点は、現行の小規模企業共済法をごらんいただきますと、その四十三条に「業務の委託」という条文がございまして、そこで、特定の業務について他の団体あるいは金融機関に委託できる旨の規定がございます。その第三項をごらんいただきますと、「前二項に規定する者は、他の法律の規定にかかわらず、前二項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。」というふうに書いでございます。この条文が当面直接的な根拠になろうかと思います。   〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕
  175. 安武洋子

    ○安武洋子君 共済事由が生じた場合というのは、手形の割り戻しなど、緊急な貸し付けがほとんどなんです。手続の敏速性というのが本法の提案の一つの主な趣旨にもなっているわけです。通常共済理由、この確認というのは、金融機関ベースで行うのが一番速くて確実ではないかというふうに思うわけですけれども、政府系の金融機関、ここを私は窓口に含めた方がよいのではないかと、こういうふうに考えますが、いかがお考えでございましょう。
  176. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 金融機関に確認業務を行わせるということにつきましては、私どももいろいろそれが可能であるかどうかという検討もいたした次第でございますものの、やはり金融機関は本来の金融業務がございまして、やはりその方に専念をしていただくという方がより好ましいのではないかというふうに考えた次第でございます。中小企業者の方々が政府関係金融機関に行きますと、一日でも早く融資の実行をしてほしいということが御希望であろうと思いますので、その方に専念していただくという考え方でございます。これを仮に政府関係金融機関にこの確認業務を行わせるということになりますと、やはりある程度事務的な負担もかかってまいるかと思っておりますので、とりあえずは政府関係金融機関を入れることはどうであろうかと思った次第でございます。なおかつ、国民金融公庫及び中小企業金融公庫につきましては、預金業務を一切行っておりませんので、その点からもう一つの問題があるのではないかと思ったわけでございます。
  177. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまのお答えの中で、一つは事務的な問題、私は人員などをふやすべきだというふうに思います。それから、預金業務をしていないからこそ、拘束預金等それに類似するようなことが行われないからこそいいのではないか、金融機関も含めて検討すべきでないかと、こういうふうに思いますが、いかがなんでしょうか。
  178. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまの問題は現行の小規模企業共済制度においても起こり得る問題でございますが、いま申し上げましたような趣旨を前提といたしまして、現在の小規模企業共済制度においても委託を行っていないという次第でございます。
  179. 安武洋子

    ○安武洋子君 商工会、商工会議所を窓口として申し込んだり、それから共済事由の確認申請を行う場合、記帳指導、というふうな名目で手数料を取られるという心配などございませんか。
  180. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまのような実際の実務を処理するにつきましては、事業団の方から手数料を払うということを予定いたしておりまして、中小企業の方から手数料を取ることは予定いたしておりません。
  181. 安武洋子

    ○安武洋子君 いいえ、私は、商工会議所、商工会などが手数料を取るようなおそれはないかとお聞きしているわけです。
  182. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この制度については、いま申し上げました中小企業共済事業団、今度新しくできます中小企業共済事業団の方から手数料を払うことによって、中小企業から別に手数料をちょうだいするというようなことなしに済ませる制度を考えております。
  183. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、私がなぜそういうようなことを申し上げるかといいますと、私、兵庫県の明石の国民金融公庫明石支店、ここに参ったんです。ここでは一般貸し付けです、この借用決定書類というのが個人で申し込んでも商工会に一括して送付されてこれらの商工会では会員の方からは〇・三%、会員外の方からは〇・六%の手数料を取っていると、こういう事実がありました。十月五日に私、明石支店に行きまして改善方を申し入れて、十月の八日、この融資は公庫と個人の契約であるから、今後は商工会経由でなくて、直接本人に借用決定書類を送付するように改めたいという御回答は一応いただきました。しかし、これは単に兵庫県の明石だけではなくて、九州、四国などにもあるというふうに聞いております。個人が申し込んだにもかかわらず、それが国民金融公庫が一括して何のために商工会に送り届けるのか、そしてそこで商工会では会員の方からは〇・三%、会員外の方、個人で申し込んだ方から〇・六%の手数料を取るというふうなことは、私は全くおかしいことだというふうに思うわけです。こういうことが四国九州でも行われているというふうに聞いておりますので、私はこういうことは全国的に調査をしていただいて、改めるべきだというふうに思いますけれども、ここに国民金融公庫の御答弁をいただきとうございます。
  184. 佐竹浩

    ○参考人(佐竹浩君) お答え申し上げます。  国民金融公庫の融資につきましては、やはりこれは原則として、借り入れを御希望なさる御本人が直接お申し込みをなさいまして、それに対して貸し付けを決定いたしました際には、御本人に直接御通知を申し上げると、これがたてまえでございます。  ただ、ただいま先生御指摘の団体扱いと申しましょうか、商工会議所でございますとかあるいは商工会といったようなものを通じて、そのようなことが行われておるのは何ゆえかという御疑問でございます。まことにごもっともなことと存じますけれども、これは、実は私ども、国民金融公庫のお店は全国ネットワークとは申しますけれども、今日百三十一支店を数えるわけでございまして、全国津々浦々というわけには実はまいりません。したがいまして、遠隔地でございますとかあるいは交通機関が不便であるというようなことから、お客様がお店へお越しになるのに大分時間もかかるというようなこともございますので、そういう地域につきましては、やはりお客様の御便宜を図るというような見地から商工会を経由して、商工会がまとめて加入の申し込みを、言ってみれば取り継ぎを商工会がなさる、私どもそれを受けまして、もちろん今度は一件、一件につきましては御本人から御事情を伺うわけでございますけれども、いよいよこれを、決定通知書を出します場合に、これはまとめて商工会に差し上げる、今度、商工会からはそれぞれそういう方に差し上げる。それと同時に、並行いたしまして、私どもの方からも直接お客様にも御通知を差し上げるということを実はいたしております。  これはですから、先生ただいま非常に全国的にやっておるじゃないかという話もございましたけれども、これは実はそんなに多くはないんでございまして、ことしの九月現在で調べたものがございます。大体、全支店のうちのほぼ三分の一ぐらいでございます、支店の数で申しますと。それから取り扱い件数から申しますと、約一割から一割一分というぐらいの実は分量なのでございます。これはやはり何と申しましても、お客様の御便宜ということを第一に考えて、このようなことになっておるわけでございます。
  185. 福岡日出麿

    ○理事(福岡日出麿君) 簡単にお願いします。
  186. 安武洋子

    ○安武洋子君 とんでもないことで、個人で申し込んだのに、なぜ商工会に送りつけて商工会に手数料を取られなければならないかということを私は問題にしております。あくまでも申し込みは個人から国民金融公庫になされたものであって、個人と国民金融公庫の間になぜ商工会がわざわざ介入して、そこで手数料を取るのかということが問題なんです。ですからいまの、全国調べてみたらとおっしゃいましたけれども、私が、こういう事件がありますよと申し上げたのは一昨日の夜なんです。そのときに御存じなかった、そしてきのう祭日。どうして全国的なことがおわかりになるのか。私は、こういうふうなことがないように、全国的にもう一度厳重に調査をして、わざわざ国民金融公庫が個人からきた分を商工会に送りつけてそこで手数料を取らす、なぜそんなことをするのか、そういう不正常なことはやめていただきたい、こういうことを国民金融公庫に申し上げますし、中小企業庁の長官にもお伺いいたしますけれども、こういうことがいいことなんでしょうか。
  187. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私は、いまのお話しを伺っておりまして、   〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕 確かに国民金融公庫の支店が、いま限られておるということが現実の姿である以上は、場合によっては、商工会なり商工会議所で取りまとめて申し込みをしていただくという道は開く意味があるのではないかという気がいたします、その際、やはり手数料が問題かと思うわけでございます。本当に、これらの団体に事務を代行してもらう、それがしかも確実にカバーできないというときに不足分を、手数料を取るということも、これは実際ある程度の経費のかかる仕事であるとすれば、やむを得ない面もあるんではないかという気がいたします。ただそうは申しますものの、単に手数料だけを形式的に取ってしまうというようなことでは、制度の趣旨が紛らわしくなってしまいますので、なお、私どももよく実態を調べてみたいと思います。
  188. 安武洋子

    ○安武洋子君 そんなことを問題にしておりませんですよ、いまの御答弁。すりかえていただいては困るんです。個人で申し込んで何にも商工会と関係がない人が、なぜ決定通知書が商工会に送られて、商工会で会員の方は〇・三%、それ以外の方は、何にも商工会に手数も何にもかけてないのに〇・六%手数料を取られますよと、こういうことをなぜ国民金融公庫はやるんですかと、こういうことが正常な形なんですかということをお伺いしているわけです。端的にお答えください。
  189. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもなおよく調べてみたいと思いますが、本当に個人で申し込んで、決定通知が個人に行くということであれば、そこで手数料を取る必然性というのは、なかなかむずかしいだろうという気かいたします。恐らくはそういう場合、事後の償還事務等について商工会等を煩わすという場合に限られるのではないかという気がいたします。  これは今後のルールの問題として、誤解を避けるような工夫をいたしたいと思います。
  190. 安武洋子

    ○安武洋子君 私が調査をして、そういう事例があるからこそ明石に改善を申し入れて、確かにおかしかったというふうに御認識なさっていらっしゃるわけです。私はいまのは、何とおっしゃろうとも、正常な形じゃないと思います。  さらにお伺いいたしますけれども、経営改善資金の貸し付け申し込み用紙、これが国民金融公庫の窓口にない、そうして民間の兵庫相互銀行の窓口に置かれていて、あたかも自分のところの融資であるかのように、お得意先に、こういう有利な融資かありますよというふうに配布をされているんです。こういうことを、じゃ、長官どういうふうにお思いなんでしょうか。
  191. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまの点は、マル経制度が、こういうものがあるということを普及するのに、私も一翼を担おうという趣旨であるならば理解ができるわけでございますが、自分の窓口で借りられますというような誤解を与えるようなやり方は、余り適当でないような感じがいたします。
  192. 安武洋子

    ○安武洋子君 私がなぜこういうことを申し上げるかと申し上げますと、昭和五十年二月二十七日に、同和経営指導員の採用、任免、管理上の問題を私は指摘いたしまして質問を申し上げました。このときの御答弁が問題なんですか、国が県を通じて補助金を出しております経営指導員の管理、任免についてすら、第一義的には商工会、商工会議所の問題であり、さらには、直接の補助金交付者である都道府県の判断にゆだねられるところになっており、問題があっても、当該都道府県の小規模企業対策に対する不当干渉にならない限度において助言を行う、こういう程度しかできないというふうな御答弁なんですね。  ですから、いま商工会、商工会議所などにこういう事務を委託されるというふうなことですけれども、共済事由が発生すると、このことを届け出るということが漏れるということは、その企業の命運にかかわると、こういうことにもなりかねないわけなんです。そういう重大な任務を委託されるというわけですから、十分に中小企業庁も指導監督をなさらなければいけないし、厳正に商工会も商工会議所も事を運ばなければいけない。しかし、こういう事例を起こしておりますよ。そのことを御存じなくって、いまもはっきりした御答弁がいただけない。大変不安なわけなんです。機密を漏洩されたりすれば、企業としては本当に困る。こういうふうな重大な問題なのに、商工会についてまだそういう御認識では、私は困ると思いますけれども、厳重に監督し指導される、そういう立場をおとりになりますか、そのことをお伺いいたします。
  193. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この倒産防止共済の仕事は大切な仕事でございます。いま御指摘のような点については、私どもも十分気をつけていかなければならない問題だと思います。その意味におきまして、商工会、商工会議所あるいは中央会等に委託します際には、十分な指導をいたすことをお約束いたしたいと存じます。
  194. 安武洋子

    ○安武洋子君 十分な指導を行うという中に、先ほど私がいろいろ疑問を提出いたしました、問題をお出ししました、そのことも十分御調査をなさって、厳重にやっぱりやっていただきたい、そのことを強く申し添えまして、私の質問を終わります。
  195. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 法案に入る前に長官にちょっと二、三お尋ねをいたしたいわけですが、質問通告していないんで、もしこの場でお答えしにくい問題があれば、後刻またお調べの上御回答いただきたいと思うんです。  実は、円がこのようなことになりましたんで、この一週間ほどの間に輸出を主体にする中小企業産地から、矢継ぎ早に陳情が来ております。新潟県の燕の洋食器は、これはもう前回の委員会でも申し上げたことだから省略いたしますが、たとえば、中小企業庁にもお伺いしておると思うんですけれども、きょう、ただいま参りました富山県の高岡市にある、これは捺染の団地があります、これは中小企業七つの工場なんですが、一社は輸出比率が三三・三%ですが、他の六社はほとんど一〇〇%なんですね。ある社は九八・七%、次が一〇〇%、一〇〇%、九八・八%、九八・三%、九八・六%。そして残る一社が三三・三%の輸出比率です。まあ全国の五〇%ぐらいの、これはわが国の合繊、フィラメントのプリントをやっておるところですか、年商も輸出額が百四十五億ほどあるわけです。これが政府が出されましたところのこの円高による中小企業等円高緊急対策で措置される範囲は一企業二千万円なんです。県が、これではどうしようもないということで、補完措置としてそれぞれ五千万円を出すようにこのほど決定した模様でございますけれど、これは合わせたところで七千万、一-三月の契約はもう全くない。そうしますと、この高岡市における産地は壊滅状態に陥る。同時に、わが国のこれまでずっと中近東にシェアを持っていたところの捺染業界が完全にこれはいかれてしまうわけですから、この辺のところを従来のこの政府が出された時点、中小企業等円高緊急対策を出された時点と現在では非常に状況が変わっておるわけですから、もう少し考えてもらわなければいけない。これは高岡の問題だけじゃなく、たとえば岡山県の備中織物構造改善工業組合などにおいても同じことか言えるんです。輸出比率が高くてそして一-三の契約が全くない。あるいは兵庫県の北播地区にある西脇、これはギンガムをアメリカに輸出しておるところだけど、これも一-三の契約がない。こうなりますとこのような中小企業の、しかも輸出を主体にする団地はその地域経済がもう壊滅状態になるわけです。  こういう点について私はもう一度改めて新しい、ここまで想像しておらなかった円高の状況の中で、これまでとられた施策というものを洗い直してみる必要があろうというふうに思うんです。たとえば二〇%の輸出比率をしておるところは一応この円高の不況業種対策になるわけだけど、いま申したようにもう七〇%、八〇%輸出しておるような産地には融資限度に特例を設ける必要があるのではないかと、融資の額それ自体やはり特例を設ける必要があるし、さらに担保の問題についても同じような形で特例措置を講じるべきである。それから雇用調整給付金その他の不況業種かども含めたいろんな業種指定があるわけだけど、この業種指定に関しましても、ずっと輸出が好調であったのが急に落ち込むということになれば、たとえば対前年同月比三ヵ月間の生産量が何%落ちなければいけないんだと、人員が何%落ちなければいけないんだということだけで不況業種の指定ということには問題がある。だから、これも弾力的に運用すべきじゃないか、なお、すべての地域ということではございませんけれども、人口三十万人以上の都市については事業所税が実施されておるわけです。これは景気のいかんにかかわらず課税される仕組みになっておるわけですから、そういった意味で、たとえばいま言ったような不況業種の指定を受けておるところについては、この事業所税の減免を行うとかいうような措置が講ぜられないものかどうか、あるいは不幸にして倒産閉鎖ということになった場合に解雇される従業員の労務債権、これなどについても、これはたとえば一時金がまだ不払いである。退職金が払えないということなど現に起こっておるわけですから、これらの労務債権についての特別保証制度というようなものを緊急につくる必要があろうというふうに思います。  これらの点について急な質問で恐縮でございますが、現在お考えがあればお示しいただきたいと思います。
  196. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 円高の問題が非常に深刻になってまいりました。私どもも七月二十二、三日について実態調査した以降毎月その状況をフォローし、さらに十月末現在における実態がどうであるかということについて七十九産地についての調査を実施をいたした次第でございます。この七十九産地の実態調査、いま取りまとめ段階で近く発表できるかと思っておるところでございますか、いま中間的に内容を見た限りにおきましては、やはり時がたつにつれて事態は深刻になっておるという感じがいたしております。当初は楽観的な答えを出していた産地が、ごく最近は非常に切迫感を持って答えるようになってきたというような変化もございます。また注文の状況につきましても、途中の段階まではまあまあ減りながらも多少あるといった感じであったものが、ばったりとだえたというような変化を訴えておるところもございます。こういったことで、私どももこの円高の問題は中小企業対策の当面する一番大きな問題であると考えておるところでございます。産地の率直な声は、一つは為替レートを何とか安定してほしいという声が強うございます。それと同時に景気を何とか立て直してほしいという声も非常に切実なものがありますが、私ども中小企業対策としてもできるだけのことをやるということで、今後とも努力をしていきたいと思っておるところでございます。いま御指摘の諸点につきましても、私どもも十分その内容を承らしていただき、できる限りのことはやっていきたいと思っておるところでございます。  御指摘の中で事業所税の問題、あるいは労務債権の特別保証問題、これらを私どもちょっとどういう答えをしてよろしいのかわかりませんが、少なくとも為替変動対策緊急融資制度について、もう少し改善の道はないかとか、あるいは不況業種をもっと指定追加ができないかと、こういった点については私ども新しい事態を踏まえまして十分検討さしていただきたいと思います。
  197. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これは大臣ね、このいまおっしゃった当初中小企業が、たとえば本来なら二百七十五円ぐらいで安定してもらいたいという声は、もう断念しまして、たとえそれが二百五十円でもやむを得ぬと、とにかく対ドル円が一応安定してくれればという声が出たことは事実ですよ。しかし、それは出血輸出ですよ。出血輸出を余儀なくして、とにかく働かなければいけないということで苦し紛れに言っておったことなんだけれども、ここまでくると成約がストップしておる、ストップですよ、これ。どうしようもないですね。だから燕なら燕でも仕事がなくなっちまえばもうどうしようもないというわけ。これは真剣に考えてもらわなければいけない。  それから、中小企業振興事業団のたとえば高度化資金二・七%というものもあるけれども、もうここしばらくの間、中期的な展望を立てて見ても、たとえば機械だとか設備などを高度化のために、あるいは中小企業のグルーピングのために、構造改善のためにということでこれは活用するいとまがないんじゃないかと。だからむしろこの際生きるために、生き延びるためにこの種の制度を、これは法の改正その他が必要かもわからぬけれども、活用していくという道を考えるべきだろう。だからいろいろな形で引用して、これを二・七%の十六年間無利子というような形のものをいろいろな形で引用していくよりも、思い切ってこの際、輸出関連あるいは構造不況の中小企業に対して積極的にこれを使うというようなものがなければ私はどうしようもないと思うのですよ。だからこの辺について、これはもう大蔵省その他も非常に働きかけていただき、あるいは不況業種指定の弾力運用なども労働省と単なる紙に書いたものだけでしゃくし定規にやっておったんじゃどうしようもないということで、もっと私は通産省、中小企業庁がイニシアチブをとってやる時期だと思うんです。どうでしょう。
  198. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) まさに御指摘のとおりでございます。実は十一月の十日をめどに各地から報告を集めておりましたし、二十日で大体この集計その他ができておるんじゃないかと思うんであります。ちょうどきょうは委員会で、私こちらにずっと張りついておりますけれども、先ほども次官の方に命じまして、緊急なこういうふうな問題に対する対策等を至急検討したいから、こう申しておきましたから、まあ委員会終わりましたらひとつ役所に参りましていろいろな報告を受けたり、あるいはそれに対する対策も緊急に考えなきゃならないと、かように実は思っておった次第でございます。何はともあれ、この本日の円高の状態でございましたらば、これはまあ非常に重大な問題でございますから、御指示のとおりに十分したいと思います。
  199. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これは究極には内需を思い切って拡大すべきである、あるいはもっとドラスチックにドルを減らす道を考えるべきだ、もうこのようなことを言っておる段階じゃないんで、私も産地は方々歩いて現にこの目で見ておるし、機械のとまっておる状況を見ておるわけですから、そういった中小企業にはもう打つ手がないんですよ。だから、いまどうしてくれるんだという状況にあることをよく御承知いただきたい。しかも、年を越さなければいけない。来年の一-三ということを思うと、本当にそれはもう壊滅的な打撃を受けておるわけで、どうぞひとつ、大ぜいの人たちがそこで生活しておるわけですから、よろしくお願いいたしたいと思います。  それじゃ、法案の内容について簡潔に私御質問申し上げます。  実は私ども民社党としては、中小企業の連鎖倒産防止に関する法案を早くからみずからまとめて提言申し上げておったところです。私どもが考えておりましたのは、二つの柱を持っておりまして、一つが連鎖倒産防止共済制度、いま一つが不渡り手形の保険制度、この二つをミックスして、そうして中小企業の連鎖倒産を防止しようという内容のものであったわけです。これは長官もよく御存じのとおりだと思います。で、共済制度の内容は大方今度の法案に私は出尽くされておると思うんです。私どもとの違いは、この法案が、貸し付け給付が掛金の十倍というのに対して、私どもは二十倍というものでございますし、それから貸し付け条件が返済にあって私どもは二年間据え置き、そして後三年以内に返済する。それから共済の事由について、あらかじめ登録した取引先企業の経営破綻に伴い、加入者の債権回収に支障が生ずるときというふうにしておる。これはもう言うまでもなく中小企業の実態に照らして、この程度にしておかなければ即効性がないというふうに判断したからです。これに対して本法では、貸し付けの限度額が十倍、それから返済も六ヵ月間の据え置き、それから共済の発生事由も現に倒産した場合ということになっておると思う。この辺についての――私どもは、この法案に私はもうこの事態で賛成しますけれど、なお、私どものこの案の方がベターじゃないかという気がしておるんで、その辺についてお答えいただきたい。  それから不渡り手形保険制度、これは残念ながらこの案にはないところでございますが、私ども保証契約が、中小企業者がこの受け取り手形を金融機関において割引を受けた後、その手形が不渡りになった場合にこうむる損害について信用保証協会の保証を受けることができるという形をとるべきだと思っておりました。保証条件についても最高額は三千万円、保証料率は契約額の一%以下とする。保証に当たっても保証協会がこれに当たり、保証保険として保証協会は中小企業信用保険公庫との間に手形保証契約について保険契約を締結するとこれに対して政府が助成を行い、地方公共団体あるいは利益を受ける金融機関が出捐を行うという形をとったものです。私はこの二つぐらいのものが加味されて、中小企業に対する連鎖倒産防止というものが備わるものと思うんです。先ほどの答弁の中でも、長官がこれは今日的な問題もあるけど、それと同時に中長期にわたって中小企業のこの種の不安を解消するのか、なお一つの目的であるというふうにおっしゃっておるわけですから、私はいま申したようなことを当然頭に入れて、この練り直しを考えていく。さらにこれをベターなものにしむけていくべきだと思うんだけれど、いかがなものでしょうか。
  200. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まず最初に、共済金の額をどうするかという点につきましては、私どもも制度の仕組みを考えますときに、いろいろの試算をいたしてみました。中小企業としては少しでも資金量を多くというふうに考えられるかもしれません。他方で中小企業自身の負担能力というものを考えていかなければなりません。それから共済制度でございますから、事務費等は別にしまして、一応自己完結的に安定した制度になっていかなければなりません。それらの前提条件のもとにいろいろの組み合わせを考えまして、少しでも有利な条件をということで試算をしました結果が、とりあえず十倍という形になったわけでございます。ただこれは、今後の経済情勢等を見てみまして、先ほど触れましたように見直しをいたします際には、新しい情勢に応じた必要な手当を考えていきたいと思っておるところでございます。  それから、第二点にお尋ねがございました保険制度の問題でございますが、これにつきましては、民社党におきましていろいろ御研究いただきまして、私どもも参考にさしていただきました。ただ、いまの段階で申し上げますと、やはりいまの段階では保険制度に踏み切るということについて十分なデータが得られておらないというのが実情でございます。不渡り手形に限った場合におきましても、一体悪意の利用がどの程度あるかというような点が、やはり問題として大きく残っておるのがいまの状況かと思います。ただこれにつきましても、今後制度を運営をしてみました上で、これらについての自信のあるデータが得られたときには、当然それについて検討すべきことは当然のことかと思っておるところでございまして、なおしばらく時間をいただきたいと、こう考えておるところでございます。  それから、対象となる範囲につきましては、経営破綻等を広くカバーすべきではないか、その方が実情に合うのではないかという点の御指摘がございましたが、ただこれは余り緩くしますと、非常に共済給付の範囲が広くなってしまいまして、これが採算をとるためには貸し付け倍率が非常に低くなってしまうという悩みがございます。当面一番困りそうなケースで、しかもこれで喜ばれるというケースを対象としてスタートをいたすのが妥当なのではないかと、いまの段階では考えておるところでございます。
  201. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これは実際問題として中小企業関係の三団体に確認業務を委託するわけですね。そうなりますと、何らかの形で、たとえば共済金の貸し付けを受ける場合の審査基準というものができなければいかぬわけでしょう。それ三団体あるわけですからね。そうなりますと、審査基準というものをどのようにつくっていくのか、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思うんであります。
  202. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 加入をするときと、それから共済事由が発生したとき、やはり何らかの意味の確認事務が必要でございますが、その確認の中身としましては、法律に規定するもの、あるいは法律に基づく省令で規定するもの、これらについて合致しておるかどうかということをチェックすることになろうかと思います。  ただ、これを判定をする場合に、各委託団体ごとにさまざまであるというようなことではかえって混乱を生ずることになりますので、私どもも、御意見のとおり、何らかやはりこの審査基準というものを明確にいたしまして、実際の適用において混乱が起こらないように事前に準備をし、また指導をしていきたいと思っておるところでございます。
  203. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 いまの基準設定の折に、先ほど申したようなことをもちろん、長官もお答えになったように余り範囲を広げると実質的に破綻をする場合もあるということもわからないわけじゃないけれども、実態に即して十分これはこなしていただきたいというふうに思います。  それから次に、当然いろいろな試算をなさっておることと思うんだけれども、事故率はどのくらいに見ていますか。
  204. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 事故率とおっしゃいますのは、貸し付けた金の回収事故率のことでございますか。
  205. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 そうですね、貸し付けた……。
  206. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) これはいままで無担保、無保証のいわゆる小企業等の経営改善資金の例がございますし、また似たような制度として信用保険法に基づく無担保、無保証の特別小口保険がございます。これらの事故例がどの程度であるかということを一つの参考にして、私どもも試算をいたしたところでございます。  ちなみに申し上げますと、いわゆるマル経といわれております小企業等経営改善資金の貸付事故率が一・七%でございます。それから、特別小口保険の事故率が三%になっております。私どもは、無担保、無保証であるから、それならもう返さなくてもいいというようなことではなくて、やはり中小企業の方々はせっかくできた制度をうまく利用していきたいと、それで不始末をして、後これが使えないようになっては困るということから、かなり回収にはいままで努力をしていただいておるかと思っております。この制度につきましても、これに準じたような事故率で何とかおさめるように、中小企業団体等を指導してまいりたいと思っているところでございます。
  207. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 先ほどちょっと私申し落とした点があったんだけれども、もう一度お聞きしたいんですが、この共済事由の問題で、取引先企業が倒産には至っていないけれども、明らかに売掛金債権などの回収が困難であるという事態が生じたような場合に、先ほど私申した基準設定の場合には、それを包括するようなことになるんでしょうか。
  208. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) これはやはり要件をはっきりさせておかないといけませんと思います。余りふんわりした表言でやりますと、非常に共済事由の発生が多発してしまいまして、制度自体が不案定になり、ほかの加入者に迷惑をかけるということになるかと思います。その意味におきまして、倒産という事態は、法律で定めるところによりまして一応限定するのか妥当なのではないかと思っておるところでございます。
  209. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 解約の問題で、共済契約者が掛金の納付を一定期間以上怠ったときは共済契約を解除できる。この一定期間というのはどのくらいですか。
  210. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 大体一年間を考えておるところでございます。
  211. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 対象が中小企業ということで、現に小規模企業共済契約の場合も、掛金の滞納などによる事業団解約が非常に多いわけですね。今度の場合も、同じようなケースか私はこれは当然発生するものと思うんです。そうした場合に、この掛金額以下しか戻ってこない。五年間の金利を差っ引いた形で戻すわけですから、大変掛金者にとっては不利な扱いになるわけです。もちろん法の趣旨から全部掛けていくことが望ましいわけだけれども、この辺をやはり事情を見て弾力的に措置できるものかどうかですね。
  212. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 一年間というふうにいたしましたのは、現在の小規模企業共済制度でも大体そういうふうになっていることを参考にしていたしたわけでございます。  ただ御指摘のように、また先回の法案の審議のときにもお触れになりましたように、小規模企業共済制度の場合にも、掛金の掛け忘れということから事業団解約に至る例がございまして、何らかの改善の方策はないかということがかねがね問題になっておりまして、私どもも、この点につきましてはいろいろ制度的な改善をいたしまして、督促を四半期ごとに行うなどのやり方によりまして、この面ではかなりまあ年々改善が図られておると思っておるところでございます。こういう従来の例を参考にいたしまして、今回新しく行う制度におきましても、掛け忘れ等による解約というようなことがなくて済まされるように、できるだけの努力をしていきたいと思っております。  なお、どうしても困った場合の対応策としましては、この法律の八条二項に、掛金月額の減少を行うという道が開かれておりますし、それから第十七条におきまして、納付期限の延長というような制度も用意をされております。これらの制度をうまく使っていくことによって、実情に合った運営が可能になるのではないかと思っておるところでございます。
  213. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 本案は全会一致の法案でございますので、もうこれ以上私質問いたしませんが、先ほど来申し上げたこと、これは附帯決議にも盛り込まれておることでございますので、十分留意しで、さらに完全なというよりベターの法案をつくるように御努力いただきたいと思うんです。  最後に、この発足の時期ですね。非常に緊急を要するものでございますが、全国的規模であるがゆえに事務量も非常に多い。来年度、少し過ぎてからというようなことでございますが、できるだけこれを、やはりやるからには早く実施していただきたいと思うわけでございまして、これは私どもの要望も込めて、この発足時期についてのお考えをお聞きして質問を終わりたいと思います。
  214. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 御指摘のとおり、また中小企業の声もまさにそのとおりであるように、この法律を一日も早く実施に移したいと私どもも考えておるところでございます。  ただ、法律が成立をいたしましても、多少の準備の期間がございますので、四月一日施行ということをいま一応のスケジュールとして考えておるところでございます。その間に十分なPRもし、また準備体制もつくりまして、法律が施行になると同時に少しでも多くの方々がこの制度に加入し、将来の安定を期していただけるように私どもも努力をしてまいりたいと思います。
  215. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 終わります。
  216. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 法案の質問に入る前に、円高の問題について、きょうは担当の部局からおいでいただいておりませんので、大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、先般、商工委員会の質疑で、私もこのまま放置すれば二百三十円台必至だということを申し上げて、思い切った政策努力が必要ではないかということを質問をしたつもりでございます。その後新聞等で見ますと、関税の前倒しといいますか実施というものが、アメリカの通商代表との間で検討されているというふうに読んでいるわけですけれども、これが代償措置いかんということではなくて、一方的措置でも、とにかく日本が実施をしていくというくらいの思い切った対策が必要ではないかと思いますが、通産大臣、その点、この異常なといいますか、急激な円高を防止するために、通産省としてやはり総需要対策の面でも内需の拡大を関係省庁に訴える、そうして国内市場開放のために、一方的に実施するというようなお考えはないかどうか、お伺いをしたい。
  217. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 先般も先生から御指摘がございましたごとく、まことに不幸にして、どんどんそういうような方向にまいっております。通産省としましては、三日間にわたりますリバーズ代表との問題につきましても、われわれといたしても、でき得る限りの協力を措しまない。ことに、前倒しの問題につきましても全力を挙げて協力する体制にございます。しかし、内閣全体としての他省のこともございますから、これはひとつ政府といたしましても総理の御裁断を仰ぎたい。かような意味において、通産省自体といたしましては、先生の御指摘のとおりに全力投球をいたす所存でございます。
  218. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 通産省といたしましてはというお話がありましたけれども、もし積極的におやりいただけるということであれば、内閣改造もうわさされておりますが、ぜひ御留任をいただいて、引き続きお願いをいたしたいと思います。  この関税の引き下げその他国内市場開放については、与党の中にも反論があるようですし、新聞で読みますと、先般の参議院の大蔵委員会では、野党の中にもたしか社会党の委員さん、共産党の委員さん、アメリカから言われたからと言って、それに屈服するのは内政干渉だとか国辱だというような御議論があったように私は理解しておりますが、そういう形の議論を展開していくと、円切り上げのときと同じことになるんじゃないだろうか。つまり、外国から言われたからはね返す、はね返した結果として、もっと大きな代償を要求される。つまり、円がどんどんどんどん高くなってしまう。局地戦で勝った、勝ったと思っていると、総合戦略で、ミサイルが飛び立って原爆が落とされるというような形で円高が発生する。つまり、私は円高の問題というのは、局地戦の勝負にこだわって総合戦略を怠っているからだというふうに考えざるを得ないわけでございまして、野党からまで、通産省しっかりやれと言って激励の声が飛んだというようなことで安心をしないで、むしろそういう形でなくて解決を促進していただきたい。これはお願いをしておきます。  それから、法案についてでございますが、簡潔に質問をしたいと思いますが、これが連鎖倒産防止のための共済制度であるという以上、全体の倒産件数の中に占める連鎖倒産の割合、件数、負債金額等で一体どうなっておるのか、その点でお伺いをしたいと思います。
  219. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 民間共済機関の調査によりますと、負債総額一千万円以上の倒産件数は、ことしの一月から十月までの間に件数で一万五千二百六件、それから負債金額で二兆四千三百六十九億円になっております。その中で、ほかの企業が倒れたためにあおりを食らって倒産に至ったいわゆる連鎖倒産の件数は千八百三十三件、これの負債金額が三千七百四十四億円と報告をされております。
  220. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうしますと、ことしに入ってから千八百件余り、件数にして一割、一一%程度、負債金額にしてやはり十数%程度というものが対象になるということですね。これ自身、この千八百件余りのもののかなりの部分に適用されれば、これはプラスになると思います。しかし、これだけでやはり倒産企業の苦労といいますか、苦渋を救うことはできないわけですから、その他倒産関連保証制度もしくは緊急融資制度、そうしたものの充実も同時に心がけていかなければならないのじゃないかというふうに考えておりますので、その辺もどうぞ今後一層の御努力をお願いしたいと思います。  それから、幾つか法律の内容でお伺いしたいのですが、第三条第三項三号に言う、本事業の適正円滑な運営を阻害するおそれがある事由として、省令で定めるというふうに書いてありますか、これは一体どういう内容になるんでしょうか。
  221. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この通産省令の内容は、いま最終的な詰めをいろいろいたしているところでございますが、この制度は適正円滑な運営を期していかなければなりませんし、また善意の加入者の利益を害するようなことを排除していかなければなりません。そういった意味合いでの的確な規定を置きたいと考えております。具体的には、一つは過去の融通手形の操作をしたいというような方であるとか、あるいは納税すべき税を完納していない方、これが当面、この省令の対象になるのじゃないかというふうに予想いたしております。
  222. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それらの事由を確認する事務は、事業団が直接おやりになるわけですか。商工会がおやりになるわけですか。
  223. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 現実には委託団体において確認するということになろうかと思います。
  224. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 その辺は、先ほど安武委員から御指摘があったところと関連するように思うのですが、いまの滞納しているかどうかとか、融通手形を出したかどうかというような点を、商工会のいわば身内、同じ商店会であったりするわけですから、そういうところでなかなか確認させるというのは容易でないという気がいたします。その辺について、運用の状況を見て、今後ともそれが企業の秘密を不必要にその地域社会に伝播することにならないように、何らかの歯どめが必要なんじゃないかという気がいたしますので、その辺は運用上ぜひ注視していただいて、改めるべきところは改めていただく必要があるように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、貸付倍率を十倍としておりますけれども、その十倍の範囲で不渡り等の起こった範囲内、不払いになった範囲内ということになっておりますが、さらに第九条等二項の括弧内で「一共済契約者とその取引の相手方たる事業者との取引関係が通商産業省令で定める要件に該当する場合にあっては、その額と共済契約者の取引関係の変化による影響を緩和するため緊急に必要な資金の額として通商産業省令で定めるところにより算定した額との合計額。」云々とあります。この影響を緩和するために緊急に必要な資金として通産省令で定めるところにより算定した額とは、具体的にどのくらいの額を想定していらっしゃるのですか。
  225. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 取引依存度の高い企業が倒産したという場合には、やはりそれなりに中小企業の受ける影響も大きいと思いまして、いま御指摘のような条文を用意した次第でございます。この金額としては大体一ヵ月分くらいの月商といいますか、被害額が相当ではないかと考えておるところでございます。
  226. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 第二十条の(課税の特例)についてでございますが、この課税の特例措置というのは、この二十条の規定で実施されることになるわけですか。
  227. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 最終的には租税特別措置法の改正の中に、しかるべき条文が織り込まれることによって確定をするということになろうかと思いますが、事前に税務当局とも十分に打ち合わせをいたしておりまして、そのような方向についての了解を得ておるところでございます。
  228. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうしますと、この制度のスタートまでに租税特別措置法が何らかの事由で改正されない場合はどうなりますか。
  229. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもはそのようなことはないものと信じております。
  230. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 ないものと信じておりますでは、これは信念の問題ですから議論になりませんが、そうしますと加入者が契約を解除して解約手当金をもらった場合には、これは税法上どういう扱いになりますか。
  231. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 先ほどの答弁、ちょっと補足さしていただきますが、将来租税特別措置法が改正になったときには、遡及して適用するというようなことも可能ではないかと思っているところでございます。  それから、解除の問題につきましては返還金が返還されるわけでございますが、その返還金につきましては、返還の時点に当たっては益金に算入されることになるだろうと思っております。
  232. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 途中もしくは満期で解約した場合には解約手当金が支払われるといいますか、積立金が返済されることになるわけですが、中途解約で解約をした場合に差し引かれる金額があるというふうに聞いておりますが、その差し引かれる金額は、満期まで掛けた場合の運用利息というふうに理解してよろしゅうございますか。そして、その運用利息は何%として計算をされる予定ですか。
  233. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 考え方としては御指摘のとおりでございます。これは大体五年をサイクルということで前提に計算をいたしたものですから、いま御指摘のような考え方をとった次第でございます。その際の金利といたしましては、計算上は六・七五%を採用いたしております。
  234. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それから、共済事由が生じて、貸付金を受けた企業については掛金は返済、返還されないというふうに理解しておりますが、それでよろしゅうございますか。
  235. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 貸し付けを受けた金額の十分の一に相当する掛金については返還されないということになろうかと思います。
  236. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そういたしますと、この貸付金は無担保、無利子、無保証だというふうに言われておりますが、たとえば千二百万円の貸付金を受けた企業は百二十万円の掛金を返還されないわけですから、千二百万円に対して百二十万円の利息を払ったようなものだというふうに考えられますが、それでよろしいかどうか。  それから、その場合に百二十万円というものは借り入れに対して半年据え置きで、あと五年間で返していくわけですから、借入利息として考えれば、平均利回り何%ぐらいになりますか。
  237. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 一割分が取り崩されるわけで九割分が実質貸付額になるという計算になろうかと思います。それを機械的に計算をいたしてみますと、大体年利にして三・八四%になろうかと思います。
  238. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そういたしますと、毎月毎月五千円ないし二万円を掛けていって十倍の貸付金がもらえるわけですけれども、実際には十倍の貸付金が借りられても実質利回り三・八%の金利がついているというふうに考えられるのではないかと思います。それからさらに一〇%の分を預金をしていくわけですから、その預金についてはいま長官からお話のありましたように、得べかりし金利というのがあるはずだ、それが六・七五であるというふうに考えますと、これ一〇%の部分ですから、全体にならしていくとどうなりますか、〇・六七五ということになるのかもしれませんが、その〇・六七五はいまの二・八というのに入っておりますでしょうか。
  239. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 計算上は入っておりません。
  240. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そうしますと、三・八プラス〇・七、四・五というのが実質的な借入金利になるんではないかという気がいたしますが、そう考えてよろしゅうございますか。
  241. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) まさにいまのお話の中で掛金をかけて五年たって返ってくるのは元本だけであるとすれば、金利部分がどっかへどうなるのかという問題がありますが、まさにその部分がこの制度の原資になる部分でございまして、いわば中小企業としては多少のコスト負担をしながら、いざというときに非常に大きなメリットを得られるということ、総合的に選択をした結果がこの制度を早くしてほしいという声になってあらわれておるのではないか、こう理解しておるところでございます。
  242. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 そこのところは確かに制度を運用していくためにコストもかかりますし、いろんな意味で十倍の借り入れが受けられるというメリットを購入するためのといいますか、担保するためのコストであるというふうに考えられるかもしれませんけれども、同時に借入者にしてみれば実質的に四・五%程度の金利を負担して、最高限度千二百万円の借り入れができるんだというような考え方もできるのではないかと思うんです。そういたしますと、先ほど初年度で十万件の加入というようなことがお話がありましたけれども、果たして中小企業の皆さんそれだけのメリットを感じられるんだろうか、私にはいささか疑問のような気がいたしますけれども、そうでなくて、皆さんがこの制度を十分にお使いになることを私も期待はしているわけでございます。  それから事業団への出資は現在幾ら、資本金は幾らになっていて、それに対して今度二十億ですか、追加をすることになるわけですか。
  243. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 現在の小規模企業共済事業団は事業団創設以来五十二年度までに合計しまして二十三億九千万円の出資が行われております。今回新しい業務を追加するに際しまして、当初政府予算要求におきまして二十億円の出資増を要求をいたした次第でございます。
  244. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 いままでに出資されている二十三億九千万円もこれから区分経理をされることになるんでしょうか。それともこれからのこの倒産防止共済制度の異常事態に備えて使用することは可能になるんでしょうか。
  245. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この業務は、従来の業務とその性格を異にしておりますので、区分経理をいたしたいと思っております。
  246. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それから掛金の運用はどうなるんでしょうか。
  247. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 掛けました金はなるべく有利でかつ安全な運用を図るということが必要でございます。従来から小規模企業共済事業団におきましては通産大臣の指定する金融機関への預金または金銭信託、それから第二番目には通産大臣が指定する有価証券の取得と、二つの運用方法を定めております。新しい業務につきましてもこの考え方を踏襲していきたいと思っておるところでございます。
  248. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 それから掛金の範囲内で、共済の貸付金が支払いが可能であるという状態が続けばいいわけですけれども、万一異常事態が発生して、掛金の範囲を超えるような貸付金が起こった場合にはどうなさるおつもりですか。
  249. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どももいろいろな前提で試算をいたしました。大体円滑に運営されれば、資金不足のようなことが起こらないで済むと予定をいたしておるところでございます。なお、異常事態に備えましては出資金二十億円というものが活用できるかと思っておるところでございます。ただ、さらにその予想する限度を超えた資金繰り不足というものが、仮に起こったらどうかということにつきましては、その時点におきまして財政当局と打ち合わせまして、この制度が破綻をすることのないように万全の措置を講じたいと思っておるところでございます。
  250. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 この小規模企業共済等に関する法律の四十九条に「長期借入金」というのを入れたのは、その際に備えてというふうに考えてよろしゅうございますか。
  251. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 将来この制度を運営してまいりますとき、特に異常事態でなくてもその資金繰りが不足をするという場合もあり得るわけでございまして、そういう場合に備えていま御指摘の条文が用意をされておると理解をいたしております。
  252. 柿澤弘治

    ○柿沢弘治君 私の方も、これが中小企業の連鎖倒産の防止のために十分活用されることを期待をし、この法案にも賛成をしているわけでございますが、先ほど各委員からお話がありましたように、幾つかいろいろと実施上問題が発生することも何となく懸念されるような気がいたしますので、その点はスタート時点以降この制度の円滑な運営のために通産省、中小企業庁としてぜひスタート後もアフターケアといいますか、注視をしていただく必要があろうかと思いますので、それをお願いを申し上げまして、大臣から特にコメントがなければこれで終わりにいたしたいと思います。
  253. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 柿沢委員からのいろいろと詳細にわたります御設問に対しまして、特段の注意をいたして運用いたしたいと思います。
  254. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  255. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。  中小企業倒産防止共済法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  256. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  対馬君から発言を求められておりますので、これを許します。対馬君。
  257. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 私は、ただいま可決されました中小企業倒産防止共済法案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    中小企業倒産防止共済法案に対する附帯決議(案)   政府は、現下の経済環境における中小企業の実情にかんがみ、増大する企業倒産の防止をはかるため、融資制度を含む諸施策の一層の拡充に努めるとともに、本法施行にあたり、次の諸点について適切な対策を講ずべきである。  一、本共済制度の円滑かつ安定的な運営を図るため、中小企業共済事業団に対し、国による所要の助成措置の強化につとめること。  二、中小企業共済事業団の機構、内容の拡充を図るとともに、本制度の趣旨にかんがみ、中小企業関係団体および金融機関への業務委託については、委託機関の選定、業務の適切な指導等について、十分配慮すること。  三、本共済制度の運営にあたつては、契約者の掛金の納付等につき、中小企業の実情に即し、きめ細かな配慮が行われるよう努めるとともに、資金運用についても加入中小企業者の利益が確保されるよう留意すること。  四、掛金前納の特例制度については、その趣旨が生かされるよう関係団体に対する十分な指導のもとに制度の普及促進を期するとともに、共済保険制度の導入等、本共済制度の給付内容についても、中小企業者をめぐる経済環境変化の推移に応じ、そのあり方について制度の運営実績に照らし、今後とも検討を加えた上、速やかに所要の措置を講ずるよう努めること。   右決議する。  以上でございます。
  258. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  259. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し田中通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
  260. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御議決をいただきたした附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、本共済制度の運営等に遺憾なきを期してまいる所存でございます。  ありがとうございました。
  261. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますか、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  262. 楠正俊

    ○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十八分散会      ―――――・―――――