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1977-04-08 第80回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和五十二年四月八日(金曜日)    午前十時三十四分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         大谷藤之助君     理 事                 佐藤 信二君                 平井 卓志君                 矢田部 理君                 塩出 啓典君                 橋本  敦君     委 員                 岡田  広君                 亀井 久興君                久次米健太郎君                 秦野  章君                 宮崎 正雄君                 久保  亘君                 安永 英雄君                 相沢 武彦君                 峯山 昭範君    国務大臣        法 務 大 臣  福田  一君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  三原 朝雄君    政府委員        内閣官房副長官  塩川正十郎君        国防会議事務局        長        久保 卓也君        防衛庁参事官   水間  明君        防衛庁長官官房        長        亘理  彰君        防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君        防衛庁装備局長  江口 裕通君        法務政務次官   塩崎  潤君        法務省刑事局長  伊藤 榮樹君        外務省アメリカ        局長       山崎 敏夫君        国税庁調査査察        部長       系  光家君        運輸省航空局長  高橋 寿夫君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     ―――――――――――――
  2. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 久保亘

    ○久保亘君 法務大臣はお忙しいそうですから、最初にお尋ねいたします。  二月の二十四日に「ロッキード事件の捜査処理に関する法務大臣報告」をお出しになったわけでありますが、ロッキード問題閣僚連絡協議会はその後存続して開かれておるのかどうかですね。ロッキード問題閣僚協議会はいまも機能しているかどうか、その点をちょっと御報告いただきたい。
  4. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) この内閣になりましてから、閣僚協議会の問題は、随時その必要が起きたときにこれを行うということになっておりまして、これを何も解消したというわけでもなければ、また、必要がなくなったというわけでもございませんが、現在までにそういう会議が開かれておりません。しかし、必要があればまた開くことになると思います。
  5. 久保亘

    ○久保亘君 やっぱり私たち、福田内閣にかわりましてから、ロッキード問題と取り組まれる政府態度というのは、かなり変わってきたんじゃないかという感じを強くするわけです。それでロッキード問題閣僚連絡協議会の問題についてお尋ねしたわけですが、全く開かれていないということになれば、一応現状においては、もう法務大臣としては、二月二十四日の捜査処理報告、今度特に違っております点は、稻葉法務大臣は「ロッキード事件の捜査処理に関する中間報告」として報告されたわけでありますが、あなたの方は「捜査処理に関する法務大臣報告」、こういうことになっておりまして、この二月二十四日の報告をもって一応政府のこの問題に対する捜査の取り組みというか、事件究明の取り組みは終わった、こういう御認識にお立ちになっておりますんでしょうか。
  6. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 御案内のように、稻葉法務大臣の中間報告がございましてから以降、検察庁としては依然として事態の究明に当たっておったわけでありますが、三木内閣が福田内閣にかわりましてからの時点、すなわち十二月の二十四日以降におきましても、小佐野その他の解明については努力はいたしてまいったわけでございますが、一応の疑問とせられる点については解明ができたというわけで、一月二十一日に起訴を決定したことは御案内のとおりでございます。しかし、その間にありまして、国民から見た場合に、児玉が受け取っておる十七億円余の金あるいはその他のものも含めての事態が明らかになっておらない。また、小佐野氏の場合も病気その他で取り調べができておらないというようなこともありますから、国民としては非常に何か物足りないというか、しり切れトンボになったような印象を受けておる。これはわれわれとしても、そういう国民感情があることはよくわかっております。また、捜査当局としても、本当に事態が全部解明されていないという段階で捜査本部を閉めるということは、これは正しくない、こういう考え方から捜査本部は依然続行することにいたしたわけであります。  従来から見ますというと、起訴段階においては捜査本部というのは閉じるのがこれが前例でございますけれども、しかし、田中前総理の裁判の関係等もこれあり、一応取り調べができた段階において起訴を両氏に対してやったわけでありますけれども、今後においても、アメリカのSECに対してロッキード社の社内でもって調査をいたしました資料が提供をされ、それが提供された段階でSECはこれを公表するということを言っております。こういう資料が入手された場合に新しい事実が出れば、これは当然また取り調べをしなければならないと考えておりましたし、さらにまた、両君が病気のために取り調べができなかったといたしましても、病気が治った段階でそのままにしておくことがいいかどうかということは、私は国民から見れば非常な疑惑が残ると思うのであります。したがって、やはりこれは捜査本部は残しておいて、健康が回復した場合にはまたそういうことも考えて処理をいたさねばいけない、こういう態度をとっておるわけでございまして、むしろ、積極的にやはりこの問題に取り組んでおる姿勢は、従来のこの種の事件を取り扱った問題よりは以上に厳しい態度でわれわれは臨んでおるつもりでございます。
  7. 久保亘

    ○久保亘君 もしそういう積極的な御意思であれば、ロッキード問題と同種の問題として、いまSECの方でボーイング社の不正売り込みの捜査をやっているようでありますが、この問題について最近アメリカカナダの間では司法共助協定に調印が行われたと言われております。わが国でも日商岩井がボーイング社の代理店としてSECの調査対象になっておるやに聞くのでありますが、この問題についても当然日本政府としては捜査の援助要請をアメリカ政府に行うなど、積極的な努力か必要なのではないかと考えるのであります。この点について法務当局が、このボーイング社の不正売り込みの捜査に関して具体的に何か手がけておられるのかどうか、その点を御報告いただきたいと思います。
  8. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) この問題についても、お説のように、一つの疑惑を残してはいけないという意味合いにおきまして、法務省としては外務省を通じて、SECにおいて取り調べておる内容について何らかの問題があるならばひとつ報告をしてもらうようにと申し入れをいたしました。そして外務省を通じて向こうへ連絡をいたしておる段階でございますけれども、現在までの段階においては、まだ何らの報告がなされておらないというのが実情でございます。
  9. 久保亘

    ○久保亘君 外務省の方は、この問題、いまどういう接触が行われておりますか。
  10. 山崎敏夫

    政府委員(山崎敏夫君) ボーイング社の問題に関しましては、その代理人の十八名のリストを公表するかどうかという問題がございまして、この点がボーイング社とSECの間で争われておりまして、裁判所に持ち込まれておったわけでございますが、裁判所が国務省その他の意見を聞き、またSECの意見も聞いた結果、最終的にはその十八名の代理店のリストは公表されないことになったようでございます。したがいまして、アメリカ側に対して、その中に日本関係の人の名前が含まれておるかということについて聞きましたところ、この点については公にはコメントできないというふうに申しております。
  11. 久保亘

    ○久保亘君 だから、その公にはコメントできないというようなことでそれで終わりということでは困るんであります。だからこそ、カナダ協定に調印をいたしましたように司法共助協定アメリカと積極的に締結をして、そしてこの事件の解明を進めるということでなければ、これらの同種の事件について、もうロッキード事件で何とか幕を引いてしまえば、あとはなかったことにしようというようなことでは困るんでありまして、そういう点で法務当局の今後の積極的な御意思を承っておきたいと思います。
  12. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 現在SECで調査をしておりますボーイング社関係の問題につきましては、検察当局としても非常な関心を払って見守っております。およそ捜査を開始いたします場合には、いろんな情報をくまなく収集いたしまして、犯罪の容疑ありと認めますと捜査に取りかかるわけでございます。事柄の性質上、ボーイング問題につきまして検察当局において犯罪の容疑があるというふうに認めました段階には、当然捜査を開始すると思います。捜査を開始いたしますことになれば、ただいま御指摘のように、日米間において司法取り決めを行って協力援助を求めるという順序になろうと思いますが、現在のところ、まだ犯罪の容疑を認めるに至っておりませんので、諸般の情報に重大な関心を払っておるという段階でございます。
  13. 久保亘

    ○久保亘君 法務大臣に最後にひとつ伺っておきたいんですが、アメリカでは、これらの外国企業との間の不正な取引などを防止するために、最近新たな法の制定をやられた、強化をしたということを聞くのでありますが、そういうことについてはお聞きになっておりませんか。
  14. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 私の承知いたしておりますところでは、SECその他におきまして、この種の事件が起きるというのは多国籍企業が過当競争をすることによって起きるのであるが、しかしこれは必ずしもアメリカだけが多国籍企業を持っておるわけではないので、そういう意味合いで、多国籍企業というものをどういうふうに取り締まったらこの種の問題が起きないようにすることができるかというような意味合いにおいて、法制をつくるつくらないの前段階でありますけれども、調査に着手されておるということであります。私はこれはごもっともなことだと思うのでありまして、したがいまして、そういうような調査が行われつつあるという段階でございますから、法務省といたしましては、来月早々に政務次官アメリカ、欧州に派遣をいたしまして、そうしてこの種の問題をどのように調査をいたしておるか、将来どのような考え方でこの問題の解決に当たろとしておるかというようなことを一応視察、調査をさせることにいたしまして、ただいま準備をいたしておる段階でございます。われわれといたしましても、この種の問題が将来起きないようにするためには、いまアメリカにおいてこの種の問題について調査をされておることには重大な関心を持ち、われわれとしても、できるならば、少なくとも先進国の間において、多国籍企業を持つ先進国の間において一つの条約でもできれば非常に効力があるのではないか、また、自由経済ということもさることながら、しかしそれの過当競争による弊害を防止するという意味で、この種の問題を今後お互いに研究するという、また研究した上で何らかの結論を出して取り決めをするということができれば幸いであると私は考えておる次第でございます。
  15. 久保亘

    ○久保亘君 それでは次に、灰色高官の問題についてお尋ねいたしますが、最初に、参議院においては、灰色高官、いわゆる灰色高官について、その中の四名の人たちについては政治的道義的責任があると断定をして氏名を明らかにしたわけであります。ところが、そのままになっておりまして、その後当事者はすべてこれを否定をされて、問題はうやむやになっている。これでは本当の意味でこの問題に対する政治的道義的決着をつけたということにはならないわけでありますが、私は刑事局長にお尋ねしたいと思いますのは、これらの灰色高官として氏名を明らかにされた人たちから――前にも一度お聞きして、その段階では、なかったのでありますが、国民に向かって名誉回復のための法的措置を断固としてとるということをずっと言い続けられてきた方が多いのでありますが、名誉回復のための法的措置、たとえば、自分を取り調べたと称した検察官を罷免要求をするとか、あるいは自分に金を渡したという商社の者たちを告発をする、告訴をするとか、こういうことを言っておられたわけでありますが、今日ではそういうような名誉回復のために法的手段をおとりになった方がありますでしょうか。あったら、その具体的な例を挙げてひとつ御報告をいただきたいと思います。
  16. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) ただいま御指摘のような措置をとられた方はないように思います。
  17. 久保亘

    ○久保亘君 なお、そういうことになりますと、国民は非常に疑惑を持つわけであります。昨年の十一月にこの氏名を明らかにしました後、しかも国会が政治的道義的責任があるという断定をしてそのことを宣言をしました後、当事者は、この国会の中ではなく、外部に向けて、全くの無実であって、この名誉回復のためにはいかなる手段でもとる、場合によっては自分の法律上の人権を放棄、してでも、国会においてでも証言もしたいということも言われておったのでありますが、どういうわけか、総選挙が終わりましてから後は、すべて沈黙して、そのことについて触れない。こういうことは、単にその当事者たちの問題だけではなくて、国会全体の権威にかかわってくる問題だと、こういうふうに考えますので、この問題については、御答弁をいただく問題ではなくて、われわれ自身の問題としてさらに追及をしなければならぬと思うのでありますが、その一つの問題として――国税庁見えておりますか。国税庁は灰色高官に対する課税処理をどのように済ませられたのか、この点を御報告をいただきたいと思います。
  18. 系光家

    ○政府委員(系光家君) 灰色高官、いわゆる灰色高官として四名の方が受領した、一定の金額を受領したと、こういうふうに言われているわけでございますが、この受領は、いずれも昭和四十七年に授受が行われた、こういうふうに言われておるわけでありまして、私ども国会審議の過程を通じて国税当局がそのことを承知したときには、いわゆる課税の除斥期間である三年がすでに経過しておったわけでございます。したがいまして、いわゆる灰色高官と言われる四人の方々につきましての課税はできなかった、こういうことでございます。
  19. 久保亘

    ○久保亘君 それでは、その四人の人たちの中には、全日空ルートの九十ユニットにも関係された方があるんです。これは氏名も明らかになっておるわけです。しかも、あなた方は守秘義務でいろいろ内容をいままで発表されないものが多いわけでありますけれども、全日空ルート九十ユニットに関係した十三人の――十二人になりますか、のいわゆる灰色政治家に対する課税処理は、これはおやりになろうと思えば、ことしの三月までは時効になっていなかったと思うのでありますが、どのように処理をされたのでしょうか。
  20. 系光家

    ○政府委員(系光家君) お尋ねのいわゆる灰色高官十三名ということでございますか、につきましては、このロッキード事件をめぐります税務上の問題の一つといたしまして、中間報告あるいはその後の国会審議の過程を通じて得られましたいろいろな情報を念頭に入れまして、検察当局とも十分協議しながら実態を解明をする、すべく現在まだ努力をしているところでございます。
  21. 久保亘

    ○久保亘君 実態を解明するよう努力するというのは、まだ時効になっていないということですね、それでは。時効になっていないから、これから課税処理ができるということですか。
  22. 系光家

    ○政府委員(系光家君) まあ、いろいろ十三名の方々に支払われた金額がいつの時点であるかといったようなことは必ずしも正確には承知していないわけでございますけれども、したがいまして、その中には除斥期間を経過していない分もありましょうし、また、もうすでに経過している分も、あるいはあるかもしれない、こういうように思っておるわけでございますけれども、いずれにしましても、私どもとしましては、いろいろ検察当局にも協力を依頼はしているわけでございますが、そもそも現在までその氏名を把握していないわけでございまして、そういうわけで、どうしても課税措置というものは進まない、こういうわけであります。しかしながら、検察当局におきましても、刑事捜査上の資料を、国税当局といいましても、査察部門以外の目的に使用させるということにつきましては、非常にむずかしい問題があるというふうに私どもも承知しているわけでございます。
  23. 久保亘

    ○久保亘君 検察、警察、国税庁、この三者一体になって最初この事件の捜査を出発されたはずでありまして、この三者はそれぞれ密接な連携を保ちながら事件の解明に当たって来られたはずであります。しかも、私がもし記憶違いでなければ、安原刑事局長は、たしか衆議院であろうかと思いますが、国税庁に対して灰色関係者の氏名と収受金額やその性格について通知をしたのかというようなことに対して、通知をしたと答弁なされたことがあったのじゃないかと思うのですが、それは、国税側が積極的に、自分たちの権限に基づいてこの事件を解明して税務上の適切な処理をしようという意思があればできたことではなかったんですか。
  24. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 国税当局へのお尋ねでございますが、前刑事局長の安原が申し上げたことにお触れになりましたので、一点御説明を申し上げたいと思います。  確かに昨年十月二十七日の衆議院のロッキード特別委員会におきまして、安原前刑事局長が、十三名の氏名を国税当局に通知をしたというふうに申し上げました。ところが、この点につきましては、当時東京地検と東京国税局がロッキード事件の脱税あるいは査察の問題について協議をしたという報告がありましたために、十三名の氏名を通知したというふうに勘違いをいたしまして述べたものでございます。大変申しわけなく存じております。実際には、先ほど国税御当局からお話のありましたように、十三名の氏名というものは通知をいたしておらないというのが実情でございます。  で、そういうような状況にございます理由といたしましては、いわゆる脱税の査察事件、これにつきましては将来刑事手続が予想されるケースでございますから、先ほど御指摘のように検察も全面的に協力をいたします。それから場合によっては警察も検察を通じて協力をいたします。しかしながら、一般のただ課税調査の段階で、捜査の段階でわかりましたことを逐一国税当局の方へ御通知申し上げるということになりますと、将来検察運営上捜査協力が得にくくなる等の事情もございますので、その辺はケース・バイ・ケースで慎重に考えながら御連絡をしておるのが一般的な実情でございまして、そういう観点から、いまのところ御通知申し上げていないというのが実際でございますので、おわびを申し上げまして、訂正いたします。
  25. 久保亘

    ○久保亘君 大変おかしな話じゃないですか。これ、一般的な脱税という、一般的な税務調査、そういう理解に立っておられるとすれば、この事件の本質、それからこの事件の解明に取り組んでこられた政府の姿勢として大変問題が残ると思います。そういうものじゃないでしょう。これは、いろいろな職務権限の問題とか時効の問題とかあって、賄賂として立件できなかったけれども、政治的道義的責任がある問題だとして国会が明らかにした問題であり、それとかかわっているその十三人の人たちの問題なのです。だから、この問題については、しかもこれは明確にあなた方お調べになれば、所得の申告はされてないはずですよ。だから、所得の申告はされていないのであれば、時効の停止措置をとっていない限り、その時効に至るまでこの問題を放置しておったということは、国税当局がこの問題に対して非常にいいかげんな対処をしてきたと言われても仕方がないんじゃないですか。もし国税当局が、脱税として、しかも大変動機がよろしくない、こういう事件にかかわった者の脱税としてこれを課税すべきであるという意思を持つならば、検察当局にその氏名の報告を求めれば、その報告は受けられたんじゃないですか。私は、いま安原前刑事局長の発言を取り消されたんですが、安原刑事局長が公式の場で国税当局に通知をしましたと言われたことは、通知することについては別に法務当局としてそのことに支障を感じなかったからこそ、あれだけ慎重な答弁をされてきた人が、通知をしましたと答えられておるんですよ。法律の専門家が、それでこの取り調べの、この事件解明の責任者だった人が、国税当局に通知していけない問題ならば、そのときにそういう答弁が出てくるはずはない。事務的にやっていなかった、やっておったという問題の錯誤はあるかもしれません。しかし、やっていいかどうかという問題の錯誤は起こるべきはずがない。だから国税当局が、このことについてはサボタージュをやってきたということになりませんか。一般の納税者である国民の側からすると、こんなに差別をされた腹立たしい思いをすることはないと思うのですよ。すでに時効になっているんじゃないですか。あの事件の経過から見て、いまからそれじゃこれ、調べ上げて、そうして課税の処置をするという意思を国税庁は持っておられるのですか。そうしてそのことをやっておられるのですか。
  26. 系光家

    ○政府委員(系光家君) まず基本的に、この問題が、いわゆる国税犯則取締法を発動して調査できる性質のものかどうか、そうなりますと、これはまあ脱税事件ということになるわけでありまして、ただそうであるためには、やはり犯罪の容疑といったようなものがかなりはっきりしていなければいけませんし、裁判官の発する令状も取れるといったような見込みがないと査察官の対象にはならない。そういったような対象になり得るという、かなりの自信がないと、法務省からも御説明がありましたように、いわゆる犯罪捜査としての共同捜査といったような、そういう意味での資料の提供をお願いするわけにはいかないと、こういうことになろうかと思います。したがいまして、私どもやはりいまの段階では、これは一般的な課税事案だと、こういうように考えているわけでありますけれども、一般的な課税事案としましても、おっしゃるとおりの問題がありますので、昨年この問題が出ましてから、先ほど申しましたように、法務当局、検察当局にはお願いはしてあるわけであります。しかし、まあなかなか刑事訴訟法の問題とかいろいろありまして、そうすぐにお出しになるわけにもいかないという、そういう事情もわかりながら、できるだけ御協力を賜りたい、こういう趣旨でまあ交渉をしておるわけでありまして、だんだんこういうことに関します公判等も進みますれば、あるいは事態は明確になってくるかもしれない。そういうときに、その時点におきまして、課税上の措置ができれば講じていく、こういうことでございます。
  27. 久保亘

    ○久保亘君 やる意思ないのでしょうが。あんたここでそういう答弁だけされても、言葉の上の答弁だけされてもだめなんです。大体あの金がいつ渡ったかというのは、すでにいままでの事件の全貌を組み立ててくると、わかっているのですよ。だから、ことしの三月十五日をもって時効が成立しているんじゃありませんか。四十八年の所得であれば事効が成立するわけでしょう、ことし。これ、その中に時効が成立しないと思われるものがありますか。
  28. 系光家

    ○政府委員(系光家君) 灰色高官十三名に対しますいわゆる全日空のルートの九十ユニットにつきましては、いままで私どもが把握しておりますところによりますと、支払われた金額が五千七百五十万ということになっておりまして、その中では、これは新聞等によりますと、四十七年中に支払われたものが二百万円、四十八年中に支払われたものが六百五十万ということになっておりまして、普通の課税事案としましては、この四十七年分は、これは初めからいわゆる除斥期間を経過しておったわけでありますが、四十八年分の六百五十万につきましては、これがもし通常の課税事案、最終的にも通常の課税事案ということになりますれば、この三月十五日で時効というか、除斥期間は完了したということでございまして、五千七百五十万のうちのその余の部分、四十九年に支払われたと言われている三千四百万円、五十年に支払われたと言われます千四百万円等につきましては、まだ除斥期間の範囲内であると、こういうことでございます。
  29. 久保亘

    ○久保亘君 一部分を時効成立さしてしまうと、同種のものを、ほかのものを、今度は時効の成立していない部分だけ引っ張り出してやっていくということはできないでしょう。おやりになりますか。その時効になった分をのけて、そうしてあなた方が積極的におやりにならずに時効成立さしてしまった、しかし成立していない部分もある、そういう部分については、いまからおやりになりますか。
  30. 系光家

    ○政府委員(系光家君) 支払われた態様としまして、いろいろいままで言われていることを中身を見ますと、せんべつだとか、政治献金あるいは中元、お歳暮といったようなことに言われているわけでございますが、そういったものの趣旨もよく分析してみる必要がありますし、そういうものに対する従来の課税のあり方といったようなこととの権衡も考えなくちゃならないわけでありますけれども、そういったことを一切含めまして、何分にも氏名が明らかになりまして、そしてその時点で解明をしまして、所得になる、課税すべきものであるということになりますれば、これはやはりその除斥期間を経過したものにつきましては、それはそれなりの理由があったわけでありますので、その当時に、その時点におきましてまだ除斥期間の残っている分につきましては、これは課税相当であるということになりますれば課税してもこれは不公平になるとは考えなくてよいというふうに思っております。
  31. 久保亘

    ○久保亘君 この問題は、時間がありませんから、ここであなたと押し問答しておってもしようがありません。しかし、国税庁はもう少し税務処理については、それこそ国民だれが見ても厳正公平と考えられるようにやってもらわなきゃ困るんです。田中角榮の五億円などが普通の計算ミスなどと同じような脱税処理として処理されるなんということは、これは国民の常識ではとてもじゃないが耐えられることじゃないんです。今度はまた、このいわゆる灰色高官と称する者については、その名前がわからないとか、あるいはその中にはわかっている人もあるんですよ。当局によって資料として提供され、国会が明らかにしたものがあるんです。そういうものがあるにもかかわらず、それらも放置をされてきた、これは非常に私は問題だと思うんです。今後機会を見てこの問題については私は国税庁の取り組みについて警告をしていきたいと考えております。  次に、小佐野賢治の脱税容疑についてどういう取り扱いをされてきたのか。小佐野賢治は議院証言法違反で起訴されておりますが、しかし、小佐野賢治のあの起訴状の中には、ロサンゼルスにおいて、コーチャンの指示を受けたクラッターから児玉に支払うべき分の一部として二十万ドル、三百円のレートで言えば六千万円を受け取ったということが起訴状の中に明確にされているわけであります。これはどうして所得税法違反にならないのか、この容疑については調査をされたのかどうか。  それからもう一つ。小佐野と関連をして児玉の受け取った金の中で、結局、検察庁と国税庁の方で告発されましたその児玉の受け取ったロッキード社にかかわる金の中に紛失した小切手の埋め合わせ分として児玉に渡されたと言われる四億四千万円はその対象とならなかったのではないか、こう思うんであります。そうすると、この四億四千万円というのは、他の金と同じようにロッキード社から児玉に渡されたということが明確であるにもかかわらず、これも脱税の対象となっておらないということになれば、大変調査のやり方、処理の仕方に問題があったのではないかと思うのですが、ロサンゼルス空港の二十万ドルと、この紛失と称する小切手の埋め合わせに後から持ち込まれた四億四千万円はなぜ所得税の追徴の対象とならなかったのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
  32. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) まず、私の方からお答えをいたします。  小佐野がロサンゼルスにおいてロッキード社から二十万ドルを受領した事実は、検察当局の捜査によって確認されております。そのことは関係起訴状にも記載されているとおりでございます。しかし、遺憾ながら、検察当局の鋭意捜査の努力にもかかわらず、その二十万ドルの性質及び行方について確認することができませんでした。したがいまして、これが課税対象となる所得なのかどうかということも遺憾ながら確定できないということから、それを所得税法違反に問擬することができなかったと、こういう事情でございます。  それから、児玉の関係につきましては、ただいま正確には国税御当局がおわかりと思いますが、私の記憶では、盗難に遭ったチェックのかわり金と言われますもの、これは所得に計上し、紛失したあるいは盗難に遭ったとされます分は除算しておると、こういう関係になっておると記憶しております。
  33. 系光家

    ○政府委員(系光家君) 二十万ドルにつきましては、いま刑事局長からのお答えをいただいたわけでありますが、御指摘の四億四千万についてでございますけれども、具体的なことにつきましての御説明を非常に具体的に、なまでするということは大変むずかしいわけでございますが、いずれにしましても、いろいろな情報を振り返ってみますと、その四億四千万円というのは、その前の年の四十七年に入りました小切手が紛失したがために、そのかわり金であったんじゃないか、こういうように言われていたわけでありますけれども、私どもとしましては、いわばその紛失小切手――小切手は紛失はしましたけれども、とにかく小切手を受け取っていたということであればそのときの所得になると、こういうことになるわけでありまして、いま刑事局長は逆の方におっしゃったわけでありますが、むしろ入ったときの所得として考えるという方が順当じゃないのか、そういう感じがいたしているわけでありまして、この点につきましては、さっき久保先生が御指摘のような、どこかで課税漏れがあるとか、あるいは犯則所得の計算から落ちていたのじゃないかといったような御心配は要らないのじゃないかと、こういうように思っております。
  34. 久保亘

    ○久保亘君 これは結局それじゃ、盗難届けの出された小切手はどういうふうになったのかというのはあなた方は正確に承知されておるわけですか。
  35. 系光家

    ○政府委員(系光家君) そこまでになりますと、だんだん非常に細かい具体的な内容のことになるわけでありますが、私ども、そういう盗難小切手と言われているものがどのような経路でどうなったかといったようなことにつきましては、これは申し上げられない、申し上げにくいわけでありますけれども、いずれにしましても、小切手が持ち込まれて渡されたといったようなことは、これはかなり公開された資料でもあったわけでありまして、そういう事実に基づきまして告発もされている、また課税処分もされておる、こういうことでございます。
  36. 久保亘

    ○久保亘君 じゃ、その問題はいいでしょう。しかし、その二十万ドルの方は、起訴状に、児玉に支払われるべき金員の一部として二十万ドルを小佐野が受け取ったということになっております。そしたら、性格ははっきりしているじゃありませんか。どこがはっきりしないのか。どこで使ったか、ラスベガスで使ったか、どこで使ったか、わからぬからということならば、田中角榮の五億円だって、いまだにどこへ行ったかわからぬということになっているんです。そういう出先の性格がわからぬというならば、五億円も同じことじゃありませんか。
  37. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 要するに、二十万ドルがどういう趣旨で小佐野に渡され、小佐野がどういう趣旨の金として受け取ったか、これがさっぱりわからないと。したがって、まことに遺憾なことでありますが、税法違反になるものか、ならないものか、あるいは場合によっていろいろ考えられますが、外為法違反その他のものになるのか、ならないのか、その辺の判断ができないというのが、残念ながら実情でございます。
  38. 久保亘

    ○久保亘君 いま、灰色高官の課税の問題、それから小佐野や児玉の脱税に関する問題などを通して、私はやっぱりこの事件の解明に対する政府の姿勢の一端があらわれるものだと考えておるわけです。これらの点については、さらに私どもの方も詳しい調査をして、また改めていろいろ意見も申し上げたいと思います。  時間がだんだん少なくなりましたので、今度は防衛庁にお尋ねいたしますが、輸入品販売代理店契約書等の提出について、昨年の三月一日に防衛庁調達実施本部長菅沼さんから発せられました文書以来、何回か私は報告を求めてまいりましたが、この輸入品販売代理店契約書等の提出について、その後の状況を数字で御報告をいただきたいと思います。
  39. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) 昨年来御報告を申し上げておりましたように、現在、防衛庁との間でいわゆる調達関係納入実績を持っております商社七十社に対しまして、代理店契約書の提出を求めておったわけでございます。その結果は、先般も申し上げましたように、現在提出をしてまいりました会社が二十九社ございます。それから、提出の拒否の会社が依然としてまだ二十社ございます。それから、全然存在しないと申しております会社が二十一社でございます。この状況は、昨年の状態とは、形としてはいまのところ変わっておらない、遺憾ながら変わっておらないという状況でございます。ただ、また最近におきまして、その後、当時七十社の対象にはなっておりませんでしたが新たに契約関係の発生しております会社が出てまいりまして、これについては三社ほど契約書の提出を求めて、出していただいておる状況でございます。
  40. 久保亘

    ○久保亘君 七十社のうち二十九社しかその防衛庁の要請に対してこたえてこない。一方では、丸紅にとどまらず、いままたボーイングで日商岩井もうわさに上る、こういうようなことになってまいりますと、防衛庁の装備調達について私どもはいろいろ疑問が残ってまいりますので、少し細かく質問をいたします。  F15のメーカーであるマクダネルダグラス社の代理店である日商岩井は、このいまの分類の中でどれに入りましょうか。
  41. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) 提出を拒否しております会社の二十社の中に入ります。
  42. 久保亘

    ○久保亘君 それでは、日商岩井が日本における総代理店の権限を持っておりますF15を十二月九日に防衛庁は内定をされたということでありますから、この問題について私はお聞きいたしますが、十二月九日にF15を内定をされたときに、防衛庁は購入予定価格を七十二億と考えられたということでありますが、間違いありませんか。
  43. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) これはいささか御説明を必要とすることであろうかと思いますので、若干その事情を申し上げますと、七十二億と申しますのは、当時われわれが全体の調達機数と考えておりました百二十三機のうちの第一次契約分二十九機の平均価格ということで考えた価格でございます。したがいまして、二十九機の中には、当初FMS――現在そういう予定でありますFMSで導入いたします二機及びその後ノックダウン機あるいはライセンス機というふうな、いろいろな分類、カテゴリーがございます。それぞれによって値段は若干ずつ違ってまいります。そういうものを全部ひっくるめまして七十二億円ということでございまして、これは一応われわれといたしまして将来予定価格になるであろうということでございますが、しかしながら、具体的にはこれ、現実に予定価格になるかどうかと申しますのは、予算をたとえば五十二年度もし決定をいたしていただいておれば、予算に計上いただきまして、その予算をベースといたしましてさらにもう少し詰めが行われまして、その上で予定価格というものが出てくるわけでございます。そういう価格であるというふうに御理解いただきたいと思います。
  44. 久保亘

    ○久保亘君 アメリカ空軍がいまF15を買い入れております価格は御存じですか、現時点で。
  45. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) アメリカ空軍がどういう価格で具体的に購入しておるかということは、これはアメリカの方の調達の仕切りがきわめてわが国と違っておりまして、簡単にはなかなか推察がつかないわけでございます。しかしながら、私どもがいま基準として考えております価格は、一応アメリカの予算価格というものをめどにしております。それで具体的な数字を申し上げますと、七八年度、つまり、前のフォード政権が、今年の二月末だったと思いますが、アメリカの七八会計年度の予算に要求いたしました価格というものといたしましては、F15の調達価格は一機当たり千五百九十万ドル程度というふうに理解しております。これは邦貨にいたしまして約四十八億九千七百万円という価格になろうかと思います。
  46. 久保亘

    ○久保亘君 政府が去年同じ会計年度にF15の価格を予定されたものとしますと、三十億違いますね、一機に。四十一億と七十二億です。  それで、今度はもう少し詳しくお聞きいたしますが、防衛庁ではF15はライセンス生産を行うおつもりだとお聞きしておりますが、そのライセンス生産をやられます場合に、国産化率は何%ぐらいでお考えになっておりますか。
  47. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) 国産化率のお答えをいたします前に、ちょっと先生の御理解をいただきたい点を申し上げたいと思いますが、ただいま、まず第一点、四十一億とおっしゃいましたが、私は四十八億九千七百万円と……。ですから、約四十九億とお考えいただきたいと思います。  それから、七十二億という御指摘でございましたが、これは先ほども申しましたように、平均価格でございまして、FMSの完成機輸入をやりますときの価格といたしましては、私どもは五十六億というふうに考えております。それで、その以外の、いわゆるライセンス生産をしました場合には七十八億程度になろうかというふうに考えております。その平均といたしまして七十二億と申し上げたわけです。したがいまして、この五十六億ベースの価格は、まさにアメリカの調達価格に、ほぼ規格、内容等において類似するものであろうというふうに考えておるわけでございます。これが第一点でございます。  それから国産化率の問題でございますが、現在、全体のアベレージといたしましては約四五%程度、つまり、日本の国内で生産する割合を約四五%程度というふうに考えております。これは立ち上がりの分でございます。
  48. 久保亘

    ○久保亘君 さっきの千五百九十万ドルでしたら、現在のレートでやりますと四十四億五千万ぐらいにしかなりませんね。いつまでも三百円で計算しておったんじゃいかぬです。千五百九十万ドルというのは四十五億足らずなんです。だから、かなり大きな差なんです。  国産化率四五%というのはわかりました。そうすると、その場合にアメリカのメーカーに支払われるべきライセンス料がどれぐらいになるつもりで想定されたんですか。
  49. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) これの総額につきましては、いままだ――具体的に申しますと、ライセンス料と申しましても、いわゆるロイアルティーもございますし、ライセンスフィーもございます。あるいは技術指導料、いろいろ御存じのようにあるわけでございまして、これをどの程度に考えておるかということでございますが、一応の計算はいたしておりますが、いま具体的な数字を申し上げることはいささか差し控えさしていただきたいと存じております。と申しますのは、こういうものにつきましては、これから向こうのマクダネルダグラス社あるいは向こうのメーカーとこちらの会社との間の具体的なネゴに入りますので、われわれとしてどの程度いま見ておるかということをここで申し上げるのは、いささか差し控えさしていただきたいと思います。
  50. 久保亘

    ○久保亘君 それは、いささか差し控える問題じゃないんじゃないですか。買うのはあなた方かもしれぬけれども、ツケが回って支払うのは国民なんですよ。だから、幾らの物を買うのか、そういうのはあなた方が想定されたものを言ってもらわぬと、ライセンス料、イニシアルペイントとかロイアルティーとか、そういうものを大体ずっと積算されたわけでしょう。それからアメリカの場合には、ペンタゴンに対する技術研究開発費の分担が一機当たり幾らで来るはずです。だから、そういうものを全部大体予想価格を積算されて、そして平均価格でもいいですが、七十二億というのを計算をされてきたのじゃないか。日本でライセンス生産をやりますと、アメリカからずいぶんひどい技術指導料を取られているでしょう。私は前にも一遍申し上げたことがありますが、P2V7のときには技術指導料というのは一機千二百万、その後日本で改良してP2Jにしたら、日本の技術で改良したのに、アメリカ側から技術指導料を千二百万から千八百万に上げろと言われて、一機当たり千八百万についたわけです。全部国民の税金で払われていっている。だから、そういうものを全部細かくいまここではどうも出しにくいというならば、資料として見せていただきたい、こう思うんです。また、私どもの方で要求するものについては、ぜひひとつ御説明をいただきたいと思うんですが、装備局長、いけませんか。
  51. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) ロイアルティー、ライセンスフィー等の扱いについては、私どもの方としては一応めどの数字は持っております。持っておりますが、これは私どもの方のめどの数字でございまして、現実の数字ではないわけでございます。そういうことで、言うなれば、これから実際にネゴが行われます場合にそういうことを外部に申し上げるということは、かなり支障が生じてくるということでございまして、そういう意味から、ひとつ御容赦をいただきたいと考えておるわけでございます。というのは、まだ契約の段階にも入っておらないわけでございまして、まだ予算もないわけでございますので、その辺のところはひとつごしんしゃくを賜りたいと存じます。
  52. 久保亘

    ○久保亘君 そう言われると、さっきの話に帰るんです。日商岩井は、ダグラス社との間に交わしている代理店契約について防衛庁の求める書類提出を拒否しておるんです。だから、あなた方にはそれは口頭では大体こういうことでございますという説明はするかもしれぬ、手数料率はこの程度でございますよという説明をするかもしれぬけれども、契約書そのものを出さぬわけでしょう。代理店契約書を出さぬのだから、これはわからないですよ。ロッキード社が丸紅と契約した代理店契約書を見ると、手数料率というのはずいぶん高いものがあります。それは、この事件に関係してアメリカのチャーチ委員会から明らかにされてきたその代理店契約書を見れば、五%なんていうのがずっと出てくるんです、手数料に。しかし、防衛庁は、いまでもせいぜい日商岩井の手数料率は、防衛庁が大体平均的に考えておられる一%から一・五%ぐらいのものだろう、こういうことで会社側とは話しておられるのかもしれませんけれども、われわれ納税者の国民の側からするならば、そういうあいまいな、商社の代理店契約も知り得ないという状況の中で価格を予定をされるということについて、非常に大きな疑問が残るわけであります。  だから、防衛庁長官にお聞きしますが、代理店契約書の提出もしない、その協定書も提出をしないというような商社を経由するような防衛庁の装備調達は、これは排除をしていくということをおやりになった方がよいのじゃありませんか。別にF15に因縁をつけて言うわけじゃないですよ。全体として一般的にそうされた方がよいのじゃないか。これは防衛庁長官の御判断をお聞きしたいと思います。
  53. 江口裕通

    政府委員(江口裕通君) 先ほど七十社の中身の二十社について、日商岩井が未提出のところに入っておると申しました。しかしながら、これは日商の全般的な問題でございまして、このFXに関する限り、つまり、こういったこれから契約に入ります大規模な調達でもございますし、私どもの方としては一応日商岩井の方から契約書の提出を求めております。いただいておるわけでございます。その内容は、したがいまして、それによって一応了知しておるわけでございます。料率は、先生が先ほどちょっとお示しになりましたような、かなりそれに近い数字であるというふうにお考えいただきたいと思いますが、現実の問題といたしましては、そういう代理店のFXに関します状況というものは、われわれといたしまして、いまのところ把握しておるというふうにお考えいただきたいと思います。
  54. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) いま御指摘の日商岩井の問題につきましては、こうした大きなプロジェクトについての調達対象になる商社として、先ほどの御指摘の契約書を拒否したという会社に入っておるということで、私自身も、けしからぬではないかということを反問したぐらいでございます。しかし、後に、そうしたことで後から提出をしたということでございますが、それ自体につきましても、商社としての姿勢が私は注意を要すべきではないかという意見を申し上げたぐらいでございます。そうした気持ちで受けとめておるわけでございます。  いまお尋ねの問題につきましては、導入関係の商社等につきましては、これは私自身もしたがって、坂田長官の御意思もございましたが、慎重に諸般の情勢を判断をいたしまして処置をいたしてまいりたいという考えでおるわけでございます。
  55. 久保亘

    ○久保亘君 日商岩井は、そうすると、FXに関する、F15に関するダグラス社との代理店契約書を提出したんですか。現物を提出しておるんですか。
  56. 江口裕通

    政府委員(江口裕通君) さようでございます。
  57. 久保亘

    ○久保亘君 それじゃ、丸紅の場合は契約書を公開されたんですから、あなた方がしたわけじゃないけれども、この日商岩井の契約書についても手数料率と必要なものを私どもも国会において検討をしたいと思いますので、その代理店契約書をお示しいただきましょうか。
  58. 江口裕通

    政府委員(江口裕通君) ただいまも御指摘のように、丸紅の場合は、いわゆる捜査上の問題で一応明らかになってまいった経緯がございます。日商の場合は、確かに一面御指摘の点がございますが、やはり一面商活動でございます。それから、契約が具体的にわれわれの方としても調達の中身にまだ入っておる段階ではございません。そういう段階でこういったものをどういうふうに扱うかということでございますが、極力前向きに考えさしていただきたいと思いますが、何これは相手方のマクダネルダグラス社もあるわけでございまして、それと日商岩井等の間の話し合い等も必要であろうかと思いますので、極力前向きに考えさしていただきたいと思いますが、いまここで即答を申し上げるのはいささか差し控えさしていただきたいと思います。
  59. 久保亘

    ○久保亘君 そうすると、日商岩井は何かおかしな会社ですね。そうして直接自分が防衛庁と今後話をせにゃならぬようなものについては代理店契約を持ってくるが、ほかのものは出せと言われたって出さぬという会社ですか、この会社は。
  60. 江口裕通

    政府委員(江口裕通君) これは、この代理店契約というものの位置というものをお考えていただきたいと思うわけでございます。私どもといたしましては、これはもう過般来申し上げておりますように、こういった主として随意契約で起きてくる契約でございますけれども、当初において、向こうの販売権を証明するものの一環といたしまして、代理店契約書等の提出をかねがね要求しておるわけでございますが、これについてなかなか了解が得られなかったということはもうるる申し上げております。そういうことで、従来そういう一つの流れがございまして、従来の長い契約につきましては、そういう流れのままで推移してまいりました。したがいまして、これをいまの状況で、長期的な契約の途中において、こういう措置をとるということにつきましては、なかなかそれの実行について困難があるわけでございます。そういう意味で、新しいものにつきましては、これからわれわれは、極力と申しますか、もうこういった大規模なもの、あるいは問題のあるものにつきましては、すべて取るという方針に立っておるわけでございまして、その一環としてこういう措置をとっておるということでございます。
  61. 久保亘

    ○久保亘君 ぜひ私どもも、こういう問題を具体的に、あなた方が予算で提案をされてきます場合には、そういう代理店契約書なども資料としてお示し願って審議をしないと、国民の立場に立って審議ができないんですよ。それだから、今後は当然のこととして、そのあなた方が調達されようとする代理店、武器の――武器と言ったら悪いのかな、装備の、その調達については、そういう必要な契約書等は提出させる。それは国会の審議にも提供する、こういうことでやっていただきたい、こう思うんです。特に、外国から武器を買うということは、兵器の場合には通常の取引と違いまして、ワン・ウエー・トレードになるので、価格はいろいろな形で途中でマージンが入ってきまして、それで非常に高い商社の手数料率をかぶせられたり、中には丸紅のように、賄賂にばらまいた金まで上積みをされて価格が決定されるというようなおそれもあるわけです。だから、そういう意味では、特に正確を期するようにやってもらわなければいかぬと思うわけです。  なお、F15に限って言いますならば、このF15というのは、最近積載火器のトラブルが問題になりましたし、きょうの新聞の報道するところでは、空軍次官がエンジンの欠陥を指摘されたようであります。こういう欠陥が次々に指摘されてくるような航空機を、数十億の金を払って調達をしていくということについては、大変問題があると思います。F104もこれはエンジン停止の際の沈下率が問題がありまして、これは日本でも西ドイツでも、事故が相次いだと私は記憶をいたしております。だから、むだな金を使うというだけじゃなくて、人命にかかわる問題でありまして、だから、こういう問題については、ブラウン氏が手紙一本、わしの言ったことは誤り伝えられておったから、御心配なくと言ってきたから安心だというようなことでは困るのでありましてね。だから、やっぱり慎重の上にも慎重にこれらの問題は検討をしなければ、これは命と金とにかかわってくる問題だけに、あなた方がただ単に後で責任をとればいいという問題では相済まぬと思うわけであります。特に価格の問題では、七十二億という積算をされておりますけれども、ある軍事専門家の積算によれば、完成機の輸入が、いまだったら五十六億ぐらいでいくだろう、しかしこれを国産にすると七十八億ぐらいになるだろう、それに予備部品を二〇%積み増しして、それにミサイル火器等をこれに足していきますと九十億を超すだろう、実際に防衛庁がこれを調達をする時期になりますと百億を超してくるのではないかと言われるものなんであります。  それだけに、いま何が一番問題なのかと言えば、アメリカでも本当のところ、私はこの戦闘機の生産費用にはもうほとほと音を上げているのが実情だと思います。特に戦闘機の価格の急騰ぶりというのは、ベトナム戦争のころから飛行機の機種の新陳代謝が激しくなった点もありまして、それで研究開発費が膨大な金を要するというようなことで、軍備競争の中でもう大変な価格の値上がりを見せている、インフレが加わる、そういうことで大変な状態で、アメリカでも困っているからこそカーター政権は、この七八-七九会計年度ですかのF15の購入計画を六十機ですか、削減をするという方針をとったんです。ところが、ブラウンの手紙によれば、総体の七百二十九機というのは変わりませんぞと書いてあるから防衛庁も安心だと思っているんです。そうではないと思います。それならどうしてF16を一挙六百五十機から千三百八十八機に、倍以上にふやすというようなことをアメリカは考えるんでしょう。これは、いまアメリカにとっては飛行機の欠陥の問題もある、費用の調達の問題もある、しかしここで日本におりられたら、F15を買ってくれる国は世界じゅうどこ探したって、イスラエル日本ぐらいしかないんで、あとはF16が多くなってきたんです。日本におりられたら、とたんにF15の値段は今度は超急騰することは――計画コストがぐんと上がりますからね、それだから困るんですよ。そこが、アメリカとしては日本におりてもらいたくないから、手直しすればいいんだ、エンジンもちょっと手を入れたら大丈夫であります、火器についてもこれは十分修復のきくものなんで心配ありませんということを一生懸命言っているが、私どもが読むアメリカの上下院におけるブラウンの発言というのは必ずしもそうはなっておらない。  だから、そういう点について、私は、アメリカの国益という立場ではなくて、アメリカ航空産業やアメリカの国防省の御都合ではなくて、日本の国民の立場に立ってF15の問題はもう一遍慎重に検討されなければならぬ問題だと思うんでありますが、防衛庁長官の御見解をお聞きしたいと思います。
  62. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) FX内定に当たりましては、国の防衛という立場で純技術的に、また防衛上の立場であくまでも、ここ数年間にわたりまして検討を加えてやってまいりましたし、またその間には諸外国にも参りまして調査をやってまいったわけでございまして、そうした結果から内定をいたしておることは御承知のとおりでございます。  しかし、ただいま先生から、さかのぼってこの性能の問題、あるいは安全性の問題、あるいは開発生産の問題等について、また米国におきまする発言等についてのいろいろな御指摘がございました。私どもは、予算上の問題等からもいろいろ検討してまいりましたのでございまするが、そうした現在出ておりまするいろいろな問題等を慎重にこれは踏まえてまいる所存でございまするし、まだ国防会議の議も経ておりません。各省庁との連絡をとって最終的には国防会議にかけるということになるわけでございまするので、その間、いま御意見のようなものを十分踏まえて慎重な配慮のもとに最終決定をお願いする所存でおるわけでございます。
  63. 久保亘

    ○久保亘君 時間がなくなりましたので、もう一つこの航空機の調達に関してお聞きしておきますが、児玉とロッキード社のPXLに関するコンサルタント契約は現在も生きているのかどうか、これ防衛庁にとっては重大な問題だと思うんですよ。だから、現在もこの契約は生きているのかどうか、それを防衛庁はどうお考えになっているんですか。
  64. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) まず法務省からひとつ御意見を……。
  65. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 形式的に見る限り現在も生きておるように思います。
  66. 久保亘

    ○久保亘君 それじゃ防衛庁がもしロッキード社のP3Cをお買いになりますと、五十機二十五億円、生きておれば彼はロッキード社から金を受け取るということになる。だから少なくともこの契約が消滅しない限り、この問題について防衛庁がロッキード社の対潜哨戒機について話をするということになればこれは国民に対する犯罪的行為である、こういうことになるだろうと思うんですが、長官いかがですが。
  67. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ロッキード事件に関係をいたしましてPXLの問題を指摘をいま受けておるわけでございまするが、前坂田長官も国会で申し上げておりまするように、その調査は防衛庁との関係においては関係はないということでございまするけれども、しかし事実いま法務省が申されましたように、この捜査が進行いたしておるという、まだ残っておるということでございまするから、そうした推移を見ながらやはり御指摘のように対処してまいるということも考えておるわけでございます。
  68. 久保亘

    ○久保亘君 いやその抽象的なことじゃなくて、この契約が、ロッキードと児玉のコンサルタント契約が生きている限りは、この契約にかかわるような装備の調達はできない、こういうことはそれははっきり言ってもらわぬと困ります。
  69. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) いまの御指摘の点ははっきり整理された立場において私どもは最終的な決定をいたしたい、こう考えております。
  70. 久保亘

    ○久保亘君 最後に防衛庁に一つお聞きしたいのは、最近領海十二海里、漁業専管水域二百海里の実施に対応する問題で、私と同姓の国防会議事務局長の発言をある雑誌で読んだのでありますが、その中で経団連の防衛生産委員会の事務局長の発言と大変似通った点がありまして、この際領海の問題について漁業専管水域も含めて海上保安庁と海上自衛隊の二元的なことは大変むだである、だから海上自衛隊がその領海についても、領海侵犯などについて直接対応できるようにした方がよいのじゃないかというような意見のようであります。経団連の方は、もう非常に積極的にそういう御意見のようであります。  で、私がお尋ねしたいのは、いま領海十二海里、漁業専管水域二百海里の実施が出てまいりました。これに対応して防衛庁として防衛上のいろいろな問題を検討をされている事実があるのかどうか、その点をお聞かせいただきたい。
  71. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ただいま防衛上の問題としてはそういう事実はございません。
  72. 久保亘

    ○久保亘君 しかし、久保事務局長は私が読みましたその対談の中では、海洋法問題などもあっていま運輸省と防衛庁の方ではいろいろと討議をされているようでありますと、こういうことを言われておりますがね、そういうことはないんですか。
  73. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 御承知のように海上における警備につきましては、これは人命、財産、治安の維持等につきましては海上保安庁がやっておるわけでございます。海上保安庁が今回の領海の拡大なり専管水域の設定等に基づきまして、自分の方でこういう計画で進みたいという御意見を申しておられるわけでございまするが、そうした点から防衛庁にやらせるかどうかというようなことを、あるいは久保事務局長あたりがそういう場合もあるではないかというようなことを恐らく言ったのであろうと思いまするけれども、防衛庁におきましてはまだ現在一般的な任務を遂行いたしておりまする海上保安庁の方から何らの要請もまだ受けておりませんので、一般的の勉強はいたしておりまするけれども、具体的にいま申されるようなことでどうするかというようなことを防衛上から検討しておることではございません。
  74. 久保亘

    ○久保亘君 領海の問題についてはわかりました。領海や漁業専管水域の問題に、この海域拡大に伴っていま防衛庁が自衛隊の任務の拡大というようなことでこの問題に対応しようとしているのではない、こういうことはわかりました。  それじゃ今度は空の方ですが、領海の拡大に伴って当然領空が広がりますね。そうすると、この領空の拡大に従って航空自衛隊の防空システムに何らかの検討を加えるべき点が出てまいりますか、それは全くこの問題によっては必要ない、こういうことですか。
  75. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいましたように、領空侵犯阻止というのは自衛隊の平時における任務としてその対処措置が命ぜられております。私どもこの領海問題が出ました当時からいろいろ研究をいたしました。その場合に、航空自衛隊の現在のジェット機のスピードからいたしますと、三マイルと十二マイルというものはほとんどネグリジブルスモールということでございます。したがいまして、現在領空侵犯阻止をやるために防衛計画の大綱で決めていただいておりますように、大体全国六基地におきましてアラート任務に着いているということでそれは十分カバーできるというような一応結論を出しているわけでございます。
  76. 久保亘

    ○久保亘君 時間が来ましたので、防衛庁に対する質問これで一応終わりまして、それじゃもう一つ法務省の方にお聞きしておきます。  衆議院で中曽根さんの証人喚問をお決めになったようでありますけれども、私はこの際、局長に差し支えなければお知らせいただきたいと思うんですが、四百七十名の参考人の事情聴取の中に中曽根さんは含まれていたのかどうか、いろいろ今後私どもお聞きする上でも大変重要なことでありますので、お聞かせいただきたいと思います。
  77. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 捜査の必要から、事件の捜査に当たりました検察当局としてはいろんな方からお話を承っております。しかしながら、一般的に申し上げまして犯罪の容疑のもとに取り調べたのでない方々のお名前を具体的に申し上げますことは、御本人の名誉の問題あるいは将来における検察運営の観点から大変支障があると存じますので、中曽根氏を調べたかどうかという点につきましてはお答えを御容赦願いたいと思います。
  78. 久保亘

    ○久保亘君 被疑者として調べたかどうかというようなことじゃなくて、参考人としていろいろ事情をお聞きになったかどうかということなんです。それでもやっぱりぐあい悪いですか。
  79. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 検察当局の行います捜査は、いろんな参考人的な立場の方々の御協力によって支えられていくわけでございまして、一般的に、参考人としてどういう方から事情を聞いたかということにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っておるわけでございます。
  80. 久保亘

    ○久保亘君 それじゃ、外務省わざわざ見えていただきましたので、あなたの方でF15の問題についていろいろアメリカと接触されていると思うんですが、このエンジンのトラブルについては空軍次官の証言が出ておりますが、この問題についても外務省として今後いろいろ照会をしなければならぬ問題があろうかと思うんですが、いままでのあなたと、この火器の問題でのブラウンの証言についての接触と、これからエンジンの問題についての接触等についてどういうふうにやっていかれるか、少し聞かしていただきたいと思います。ただ、防衛庁からの要請もありましょうけれどもね。
  81. 山崎敏夫

    ○政府委員(山崎敏夫君) 一般的にアメリカからの武器のこういう装備関係の調達に関しまして、防衛庁がいろいろ資料なり情報を収集されるという場合に、外務省にいろいろな御依頼がございます。その場合には、外務省は在来の大使館その他を通じまして、入手し得る資料は入手して防衛庁にお渡しするということをやっております。このF15関係に関しましても防衛庁から御依頼があったものはその都度やってまいっております。ただ、先ほどいまお話のありましたエンジン関係の問題については、まだ防衛庁から御依頼がございませんのでやっておりませんが、今後お話があればもちろんできるだけの御協力はする、こういうことでございます。
  82. 久保亘

    ○久保亘君 防衛庁は当然この問題については、速やかに事情を、外交ルートを通じても調査をすべき問題でありませんか。
  83. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) 御承知のように、二月の二十四日にブラウン発言がありましたときに、私どもその発言の内容、それから、いわゆる問題として指摘されたようなものにつきましては、いろいろなルートを通じてその情報を得ようと努力いたしました。その一つに、外務省を通じて正式にブラウン発言の議事録、それからそのほか参考になる資料というものをお願いいたしました。もちろん今度のエンジンの問題もきょう初めて承知をいたしましたので、これについて当然お願いすることになろうかと思います。  で、一連の米国防総省の議会におきます発言というものは、もちろん私どもも深い関心を持っておることでございますし、また一方、その幾つかの問題につきましては、昨年参りました調査団が調べてきた結果等もございます。いろんな角度からその問題点というものを解明いたしまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、最先端を行く戦闘機でございます。したがいまして、人命にも関することでございますので、そういう点は十分配慮して今後いきたいと思っております。  ただ、先ほど先生の御説明にありましたF104の問題がございますが、これは実は、まさにおっしゃいましたように、沈下率が当時問題になりました。そこで、沈下率の問題がございましたので、二千四百メートルの滑走路を二千七百メートルに延ばしまして、オペレーション上は二千四百メートルで十分であると言われておりました滑走路も、二千七百メートルに延長いたしましてそういった事故がないようにいたしました。  で、航空自衛隊といたしましては、もちろん事故が絶無というわけではございませんでしたが、よその国の事故率などに比べますときわめて少ないものでございました。これは任務が要撃戦闘機でございますので、高々度において二マッハで敵を迎え撃つという任務を遂行するためも一つあろうかと思います。一方、ドイツにおきましては、F104を対地攻撃用にもっぱら使っておりました。したがいまして、ある年は一挙に六十機も落ちたというようなきわめて高い事故率を示したこともあったわけでございます。したがいまして、飛行機そのものはそれぞれの用法によって最も適したものを選ぶというのが従来からの方針でございますし、今後もわが国の防空作戦上、要撃任務というものを中心に考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  84. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) 速記をとめて。     〔速記中止〕
  85. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
  86. 久保亘

    ○久保亘君 急に御出席いただいて大変相済みません。  大臣にぜひ来ていただきたかったんですが、実は小佐野賢治と日本航空の問題であります。小佐野賢治は日本航空で四十八年五月に民間筆頭株主になりまして、それから非常勤取締役に就任をして、五十年の五月に再任をされておりまして、間もなく二期目の任期が終了しようとしております。日本航空株式会社法第四条の二によれば、取締役は取締役会の決議で決められることになっております。そして第四条の三によれば、取締役会の決議は運輸大臣の認可を受けてその効力を生ずるということになっていると思うのでありますが、間違いございませんか。
  87. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 日本航空株式会社におきまして取締役の選任は総会でなされますので、それ自体は私どもの関与することではございませんけれども、常勤の役員を選任した決議は運輸大臣の承認が必要でございます。
  88. 久保亘

    ○久保亘君 わかりました。  総会で取締役が決められて、そして社長以下が取締役会で決められるということになると思うんですが、そのことについて運輸大臣は監督指導の権限を法律上お持ちのようでありますが、政府が、国が四〇数%の出資、いま四〇何%ですか出資しておりまして、民間の株主というのはせいぜい五%以下なんでありますが、この場合にこういう航空会社をめぐる不祥事件に主要な役割りを演じた上に、国会で偽証を行って告発され、起訴されている人物が、国が中心になって経営をしている航空会社の役員としてとどまることは非常に問題があると思うのでありますが、今度の任期切れを機会に、日本航空の取締役としてのこの小佐野賢治を、政府としてはどうされるおつもりかお尋ねしたいと思います。
  89. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 日本航空株式会社の取締役に二期選任された例は過去にもございますけれども、二期以上やった例はございません。そういったこと、それからただいま、それより何よりいま先生御指摘の議院証言法違反で起訴されている人物が、国策会社の重役になるということは、たとえ非常勤であるにいたしましても好ましくないと思います。私どもは十分そういった趣旨でこれに処していきたいと思っております。
  90. 久保亘

    ○久保亘君 結構です。
  91. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ―――――・―――――    午後一時七分開会
  92. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。  ロッキード問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  93. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは官房副長官の時間の関係もございますので、最初に二、三質問をさしていただきたいと思います。  午前中でも質疑が行われたわけでございますが、いわゆるロッキード問題閣僚連絡協議会、こういうものが三木内閣のときに結成をされたわけでありますが、私たちの印象では内閣がかわってから非常に姿勢が後退をしておるんではないか、法務大臣、また福田総理も三木内閣の当時とは姿勢は変わらないと、このように口では言っているけれども、実際は大幅に後退しているんではないか、こういう印象を受けるわけでありますが、現在この閣僚連絡協議会がどういう状態になっておるのか、これを主管する内閣官房の立場から簡単に御説明をいただきたいと思います。
  94. 塩川正十郎

    ○政府委員(塩川正十郎君) 御承知のように、三木内閣の当時閣僚懇談会がございまして、福田内閣になりましてから従来の閣僚懇談会が、いろんな各種懇談会がございましたが、ややもいたしますと事務的に流れやすいという点もございましたしいたしますので、問題ごとに必要に応じ集まるということにいたしたのでございまして、そのときにロッキード問題の再発防止に関します閣僚の集まりをいたしまして、そこで基本的な方針として五つほどの方針を決定いたしましたが、その方針は御承知のように三木内閣当時におおむね固められてきた方針というものを再確認し、それを推進していくというものであったわけであります。今日まで法務大臣等が中心になりまして、個々にその対策の推進をいたしております。が、しかし、最近におきまして連絡協議会を開いたことはないことは事実でございます。
  95. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私の聞きました報告では、これができましてから昨年一年間で九回ぐらい開いておるわけですね。それで、この閣僚協議会というものは、これだけではなしに全部廃止をして、そして随時必要に応じて集まっていくと、こういうお話のように聞いておるわけでありますが、そうすると、福田内閣になってからはそういう協議会は一回も開いていないと、こういうことでございますか、あるいは何回ぐらい開いているのか。
  96. 塩川正十郎

    ○政府委員(塩川正十郎君) ロッキード問題に関する閣僚の集まりは、二月に開催いたしております。
  97. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それで、昨年末の三木内閣当時のロッキード問題閣僚連絡協議会におきまして、ロッキードのような事件の再発を防止するためにこういう対策を実施しなければならない、それから、また、今後こういう問題を検討しなければならない、こういうことが決められておるわけでありますが、これは現在もずっと生きておると、こう判断していいわけでございますか。
  98. 塩川正十郎

    ○政府委員(塩川正十郎君) その三木内閣当時に一応固められてきました対策というものは、それを福田内閣が継承いたしておりますし、現在もその実現について努力をしておるところでございます。
  99. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 現在、刑法の改正の問題等が――刑法改正については、これは前々から刑法全体の改正が論議をされておるわけでありますが、その中で特にいわゆる収賄罪の問題ですね、これは昨年十一月十二日の閣僚連絡協議会におきましては、あっせん第三者収賄罪の新設とか、あるいは収賄罪の法定刑の引き上げとか、あるいは収賄罪の推定規定の新設と、こういうことが対策として決められておるわけですね。それで、これは一方の方では今後検討すべき事項として政治献金の問題等があるわけで、こう二つに分けたところを見ますと、最初の方の対策というものは、検討ではなしに、もうすぐ実施に移していかなければいかぬと、そういうことで私はこの閣僚連絡協議会で決まったんではないかと思うわけでありますが、ところが、それが余り進んでいない。法定刑の引き上げだけでお茶を濁そうとしていると、こういう姿勢は非常に一歩大幅な後退と言わざるを得ないんではないかと、このように思うわけでありますが、この点については法務省の御見解も承りたいわけであります。その前に、主管としての官房副長官としてはどう考えておられるのか。
  100. 塩川正十郎

    ○政府委員(塩川正十郎君) とるべき対策といたしまして、実は大まかに分けまして五つほどの基本的な対策がございますが、塩出先生おっしゃるように、これだけは直ちにやるもので、これは長期計画のものだと言うて截然と区別しておるものでは実はございませんで、その五つの対策ができ得れば速やかに実現するのが望ましいのでございますが、御承知のように、中には犯罪捜査等についての条約の整備というようなものはなかなか相手国のことがございますしいたしますので、思うようにはかどってはおりませんし、また多国籍企業の行動規制の強化というようなものも、これは当然今後のロッキード事件のような事件の再発防止のためにとらなければならぬ措置でございますが、これとても現在は国連の多国籍問題委員会等においてこれをわが国の方から働きかけておりますけれども、なかなかその端緒がつかめないような状況でございますが、そういうふうにいろいろございます中で、贈収賄罪の規定の整備というものと、それから行政の公正確保のための措置というようなものは比較的実効が即効的に出てくるものであると、こういう考えから、いわば刑法の一部改正というものに取り組んだわけでございますしいたしますが、この問題につきましても、先ほどの御質問の中にございましたように、かねてから刑法改正についてのいろいろな意見が専門家の中でもございましたしいたしますので、そこらを法務当局において調整を図っていただいて、できるだけ速やかに提出するようにいたしたいと、こう思うておるようなことであります。
  101. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 法務省にお伺いしますが、やはりこれは刑法改正全体の改正問題というのは、非常に私たちの判断している範囲ではなかなか複雑な問題があって、なかなか前に進まないと、したがって、当然現在の刑法においても改正しなければならない点も多々あると思うのですけれども、しかしそれまで待っておると非常に時間がかかっちゃうし、そういう点でやはりこの収賄罪等の問題については先にやるべきじゃないかと、こういう点についての法務省の見解はどうなのか。それといわゆる法定刑の引き上げだけで、われわれの立場から見れば現在までいろいろなたくさんの汚職事件がありましても、全部それが無罪になっている判例が多いわけですね。どうしてもここに推定規定、こういうようなものも当然必要ではないか、しかも、この閣僚協議会においてもはっきりここに明示されておるわけでありますから、さらにはあっせん第三者収賄罪の問題がある、これについてはどう考えているのか、これだけ伺っておきたいと思います。
  102. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) ただいま塩出委員の御質問に係りますところのロッキード事件の再発防止対策の関係につきましては、ただいま塩川副長官が申されたことで尽きるわけでございます。  法務省といたしまして御案内のように、再発防止関係につきましては最も力を入れて努力したところでございますが、さしあたりましては、いま御指摘のように、まず第一に贈収賄罪の法定刑の引き上げ、そしてまたそれによりますところの自動的な時効期間の延長、これによりますところの捜査の充実、こういった点につきまして改正案をお願いしているところでございます。このような法的な構成につきましては最も異議のないところではございましょうし、効果といたしましても目に見えるようなことは今回のロッキード事件で御案内のとおりでございます。ただいまあっせん第三者収賄罪の規定を設け、さらにまた将来無罪にならないような推定規定を設けること、これはもうすでに御承知のように、法制審議会から刑法の改正案の中で提案されているわけでございまして、私ども一生懸命この問題について取り組んでいるところでございます。しかし、法的な制度といたしましてはいろいろ問題がある、そういった意味でなお慎重な検討にゆだねることにいたしまして、今回は法定刑の引き上げによって対処することとして、将来の問題に残して、真剣な研究を続けさせていただきたいと思います。  なお、日米犯罪人引渡条約につきましては、塩川副長官からもお話がございましたが、私どもはやはり大きな検討項目でございますし、贈収賄罪の犯罪人の引き渡しの規定をどうしてもその中に入れていただきたいということで、いま鋭意アメリカと交渉中でございます。これらの問題につきましてもできる限り早く成案を得まして、古い日米犯罪人引渡条約を整備してかかりたい、こんなふうに思っているところでございます。
  103. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 きょうはこの程度にして、今後折に触れて私たちもこの再発防止の政策の実施という面については、細かい点についてもいろいろ調査もし、また推進もしていきたい、こういう考えでございますので、法務省といたしましても、また福田内閣としても、やはりいやしくも閣僚連絡協議会で決まった線については、ただいつまでも真剣に検討しているというだけでは国民を欺くものとなると思いますので、そういう点積極的に取り組んでいただきたい、このことを要望しておきます。  それと最後に、塩崎次官も近く国際的な収賄罪を防止するためにいろいろ調査のために行かれるということを先般からこの委員会でもお聞きしておるわけでありますが、現在上院の銀行委員会で海外贈賄防止法、こういうものが検討されているようでありますが、そのときにSECの委員長がそれに出席をいたしまして、やはりこういう海外贈賄防止という法律はアメリカだけがやったのでは国際競争力の上からも非常に困る、当然日本にも協力をして同じようにすべきじゃないか、そうしてそういう贈賄をした相手先を公開をしてお互いの国へ知らせる、こういうことは国際的にもやるべきである、またそのための司法当局同士の相互協定上、お互いに司法的に共助していく、こういうようなことを提案すべきだということを言っておるわけでありますが、そういうような話が日本の法務当局にも来ておるのかどうか、またこういうような点についてはわが国としても積極的に協力をすべきだと思うわけでありますが、その点についてのお考えを聞いておきたいと思います。
  104. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) まさに塩出委員御指摘のとおりでございまして、私どもの大臣は大変この問題に関心を寄せられまして、政務次官行って、ひとつ多国籍企業の規制に関する世界各国の動向あるいは腐敗防止に関する条約の作成の状況、これらの問題についてひとつ至急調査に行ってこい、こんなお話がございましたので、きのうも法務大臣が衆議院でお答えされたのでございますが、私は五月一日ぐらいから十日間ばかり、アメリカからさらにまたこれらの事件の起こりましたヨーロッパにも回って、これらの問題について法務省といたしましてひとつ真剣に取り組み、そして将来やはり多国籍企業の問題が一国の権力を越える、国境を越えてなかなかもてあます企業の性格を持っておりますので、これらの問題について各国の悩みをお互いに語り合うようなチャンスを持ちたい、こんなふうに思っているところでございます。ただいまの上院の銀行委員会とSECの委員長、ヒルズ委員長というようなお話も私も十分知っておりますし、さらにまた国連におきましてはドラフトも現在作成されておりますことも存じておりますので、これらの方々にも十分お目にかかって意見を交換してみたいと思っているところでございます。  ただ、各国にはまた各国の法制があり、また経済慣行も違っておりますので、これらの各国の特殊な事情を条約の中にどの程度生かすか、大変むずかしい問題がございますが、ひとつ多国籍企業の問題は、わが国会におきましても外務委員会の中に多国籍企業小委員会も設けられているような状況でございますので、私はそのような国民的な関心に少しでも役立つように勉強してまいるつもりでございます。
  105. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは次に、報道によりますと、小佐野の公判を七月二十一日に行う、こういうことで東京地裁は決定をし、通知をしておるわけであります。また児玉の場合は六月二日、このようになっております。しかし、たとえば児玉譽士夫の場合でも何回も公判延期申請が出されてなかなか裁判が行われない。われわれの立場から見ますと、法務当局もこれは刑事訴訟法四十七条によって公判の始まる前には内容を明らかにできない。こういうことで事件の真相を知るためにはやはり早く公判を開いてもらいたい。   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 何となく病気を理由にずるずる引き延ばしされておるんじゃないか。よく選挙裁判等も弁護士がそろわないとか、そんなことでだんだん延期されて、判決がおりるときにはもう任期が終わっていると、こういうような例もあるわけで、そういう点疑惑を持っておるわけでありますが、小佐野賢治あるいは児玉譽士夫の最近の病状はどういうものなのか、大体七月二十一日、六月二日は初公判ができる見通しであるのかどうか、そのあたり検察当局はどの程度掌握しているのか、御説明願いたいと思います。
  106. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) ただいま御指摘のように、事案の真相解明のため、また迅速にして適正な裁判を早く実現するため一日も早く第一回公判を開いてもらいたいというのが検察当局の切なる願いでございます。そういう意味で、検察当局といたしましても裁判所に対して第一回公判期日を早くやってほしいということを再々申し入れておるわけでございます。しかしながら、何分問題は被告人本人が出頭いたしますことが公判開廷の条件でございますので、被告人が出頭できるかどうか、またさらには被告人刑事訴訟法上認められた権利としまして正当な防御をする能力があるかどうか、そういう観点を裁判所としては御勘案になって期日を決められるわけでございます。  そこで、まず児玉につきましては、本年二月十日に主治医であります喜多村教授の診断書が裁判所に提出されておりまして、それによりますと今後二、三カ月の経過の後に裁判所への出頭が可能な程度にまで回復し得るものと考えると、結論だけ申し上げますと、こういうような診断結果が出ております。これに基づきまして、裁判所は六月二日というふうに期日を指定したようでございます。  一方、小佐野につきましては、やはりこれは三月二十八日に裁判所に対して山口主治医の診断書が出ておりまして、高血圧症兼重症狭心症という病名で、上記疾病で安静加療中であるが、なお約三カ月間の安静加療の必要ありと認めるということで、病状等を詳細付記しました診断書が出ております。これを見まして、裁判所の方では、先ほど御指摘の七月二十一日に第一回公判を指定したという状況になっております。かつて何回か公判期日が一たん決まりながら延ばされたこともあるわけでございますが、私どもこの詳細な診断書等を見まして、今度は間違いなく第一回公判期日に開いてもらえるのではないか。そうして一刻も早く適正迅速な裁判をしていただいて、その結果も国民の皆さんに見ていただくようになりますことを切に念願しておる次第でございます。
  107. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 まあ裁判被告として出るということは、かなりの重労働でもあると思いますし、そういう点ではやはり被告といえども人権を尊重しなければならない、そういう点はよくわかるわけでありますが、だからといって、ただ医者の診断書があればずるずる延ばされると、これでは非常に困るわけでありまして、これは予定どおり行われればいいわけですけれども、今後やはり検察庁としてもまた別な医者の派遣を要求するとか、そういうような気持ちがあるのかどうか、その点を伺っておきます。
  108. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 小佐野、児玉両名につきましては、最終的な公訴を提起いたします直前に、東京地方検察庁がお医者さんに嘱託をいたしまして、両名の健康診断をいたしております。たとえばその時点におきまして小佐野についてひとつ申し上げますと、血圧が上が二百四十五であるというような結果が出ておりまして、これが直ちに一般人のところまでおりてくるというわけにもなかなかいかぬのじゃないかという素人考えにも思われるような状況で、また両名とも最近室内での歩行練習を介添え人をつけて始めたような状況のようでございます。それらの事実は把握いたしておるわけでございます。また昨日も衆議院のロッキード特別委員会で同様の御指摘もございましたし、ただいまも先生からも御指摘もございますし、また国民の皆さんが、二人の病状というものについて、私ども以上に関心を寄せておられるということもわかっておりますので、昨日も大臣と御相談申し上げまして、これはすでに起訴公判中の被告でございますから、検察庁が強制的に診断するということはいかがかと思いますけれども、被告人本人の承諾を得るなり、あるいは裁判所の方からもう一回権威のある診断をしていただくなり、そういったことも検討しなければならないのではないかと考えておる状況でございます。
  109. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 先般の弾劾裁判は、鬼頭判事補が欠席のまま行われたわけでありますが、これは刑事訴訟法によりますと、今回の場合はやはり本人が出頭しなければならない、そういうようになっているようでありますが、しかしわれわれの感覚としては、弁護士もおるわけですし、毎回出なくてもやはり法廷が開ければだんだん真相が解明になっていくわけですし、まあそういうような道がないのかどうか。  さらには、もし健康で出廷できるのにわざと病気と偽って出ないと、そういうことが明らかな場合は、いなくてもやはり公判はできるんじゃないか。私はそのように思うわけですけれども、その点はどうでしょうか。
  110. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 現在のわが国の刑事訴訟法は、被告人の人権保護という点にも相当の意を用いておりまして、非常に軽い罪の場合に限りましては、本人が出頭しなくても審理が進められる場合がございますけれども、小佐野、児玉両名が起訴されておりますような事件につきましては、やはり被告人本人の防御を尽くさせるという観点から被告人の出頭がないと公判が開けない、こういうたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、私どもとしても何とか病気が少しでも回復をして法廷へ出られるようになってほしいと思っておるわけでございます。そういう意味で裁判所ともども病状の経過については逐次把握をしていきたいと思っておるわけでございます。  なお、回復をいたしまして公判へ出頭できるのに出頭してこないというような場合には、刑事訴訟法の規定によりまして勾引状を発していただいて、強制力を用いて法廷へ出てもらうという方法がございまして、これはたとえば実務上、暴力団関係の事件等においてしばしば見られることでございまして、その点も適正な裁判手続がいささかでも遅滞することのないよう今後とも私ども留意していきたいと思っております。
  111. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最近アメリカ捜査当局その他が小佐野のアメリカにおける行動をいろいろ捜査をしておる。あるいはまた、ロッキード社の海外工作資金がアメリカに還流をしたのではないか、そういう関連から小佐野についてもいろいろ追及が行われておる、このように聞いておるわけでございますが、当局としてはこのような情報について報告を受けているのかどうか。あるいはもう新聞に出ている程度以外のものは受けてないのかどうか、その点はどうでしょうか。
  112. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 申すまでもなく、検察当局もあるいは事務当局である私どもも、ロッキード関係をめぐる外国での動き等には重大な関心を持っております。したがいまして、ただいま御指摘になりましたような、たとえばFBIが小佐野関係について極秘裏に捜査を開始したとの新聞報道、あるいは連邦裁の大陪審で関係事件の事情聴取が行われておるというような報道は逐一承知をいたしておりまして、これにつきまして、私どもで持っておりますルートを通じて、事の真偽を現地について逐一確かめておるところでございます。それによりますと、FBIが小佐野について捜査を開始したという点については、そういう事実の有無が、そういうことがあるともないとも現在公式にはわかっておらない状況でございます。  また、大陪審におきまして証人喚問等が行われておるという事実はあるようでございます。しかしながら、アメリカの大陪審と申しますのは、特定の者を起訴するかどうかの前提として行うものでありまして、日本の概念でいいますと捜査の一部に属するわけで、大陪審の手続はいかなる場合でも一切外へ出せないというたてまえになっておるのでございまして、その意味で大陪審で現在行われていることにつきましては内容が把握できない、こういう状況でございます。しかしながら、私どもといたしましては、今後とも米国内におけるこれらの動きに十分注意を払い、何らかの端緒が得られればこれを入手して国内捜査に十分活用したい、かように考えておる次第でございます。
  113. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 このロッキード事件の当初からよく言われてきたことの一つに、この政治献金はアメリカに返ってニクソンに返ったんではないか、そういうようなそのためのトリックとして児玉あるいはピーナツとかいうような領収書が書かれたんではないか、こういうようなことが言われておったわけでありますが、今日まで児玉、小佐野、あるいはまた丸紅関係のいろいろの捜査の結果、ロッキードから日本の国へ持ち込まれたこれらのいわゆるお金というものが米国へ還流したという事実はないのかどうかですね。その点まだ不明な点があるのかどうか、その点はどうでしょうか。
  114. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) このたびのロッキード事件の捜査は、ロッキード社からわが国に流入しましたすべての資金の行方を追い求めるという方法で展開されたことは、御承知のとおりでございまして、その結果、すべての資金をあとう限り全力を挙げて洗ったわけでございますが、お尋ねのような米国内へ還流したものが認められたという報告は検察当局から受けておりません。
  115. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 まだそれが認められたという報告は受けてないということは、ないとも断定できない。ということは、児玉の資金ルートにおいても、大半は解明されているけれども、解明されていない点もある。あるいは小佐野の起訴状にあるように、アメリカにおいて受け取った二十万ドルの行方というものも明らかでない。     〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 そういう点から、現在までのところアメリカへ返ったというはっきりした事実はないけれども、そういうことはないということも断定できない、そう判断していいわけですね。
  116. 伊藤榮樹

    政府委員(伊藤榮樹君) 大変不謹慎な言い方で恐れ入りますが、私自身の感触としては、還流したものはあるまいという印象を持っておりますけれども、検察当局としては証拠に基づいてすべて認定をし、論じていくわけでございまして、ただいま御指摘もございましたが、たとえば児玉ルートの中に一部未解明の点がある、あるいは小佐野がロサンゼルスで受け取った二十万ドルの行方等が解明され得なかったというような点を考えますと、万に一つも還流してないという自信はないという意味において、先ほどのような表現を用いさしていただいた次第でございます。
  117. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 新聞報道によりますと、いわゆるアメリカにおいては、ロッキード社に対する政府の緊急融資ですね、非常にロッキード社がピンチになったときに政府が緊急融資をしたということが非常におかしいと、そういうことの捜査も行われているように聞いております。そういう点から考えますと、当然アメリカ日本からの還流問題を調査するならば、その段階において、私は、米国の捜査当局も今度は日本政府捜査当局に対して当然資料の要求があるのではないか。まあ、日本アメリカにまで資料をもらったわけでありますが、今度はやはり日本も、相互協力ですから、資料も提供しなければならないのではないかと、このように考えるわけでありますが、こういう日本捜査当局への資料要求が米国からなされているのかどうか。また、現在なされていないとするならば、当然将来そういうときには日本も積極的に協力すべきである、私はそのように考えるわけでありますが、その二点についての御見解を承っておきます。
  118. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) まず第一に、現在まで、このロッキード問題について米側からわが方に対して資料の提供を求めてきたことはまだございません。  第二に、将来どうかということございますが、仮定の上に立ったお話になるわけでございますが、仮に将来何らかのロッキード関係事件、米国内におけるロッキード関係事件の捜査、裁判というような関係で、わが国においてつくられました資料の提供方の要請がございますれば、さきに結んでおります司法取り決め、これは双方に効くわけでございますので、これに基づいて必要な資料の提供をして協力をしたいと、こう思っております。
  119. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それから、先ほど久保委員の質問に、いわゆるボーイング社の問題がここで論議されました。どうも私がその質問のやりとりを聞いている範囲では、犯罪の容疑ありと認めた段階で捜査を開始する、また重大な関心を払っていると、こういうような御答弁であったように思います。ということは、現在はまだ犯罪の容疑ありとは断定していない、したがって積極的な捜査はいまだ開始をしていないと、こう判断をしていいのかどうか。
  120. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 申すまでもないことでございますが、およそ捜査に着手いたします場合、前提として、検察当局は、大げさに言えば、世の中の森羅万象ことごとくに対して目を光らせ、あるいは耳を澄まして聞いておるわけでございます。で、そういういろいろなことに、事象に注目を払っておりますが、世間で、あるいは国会におきまして、あるいはマスコミ等におきまして何らかの疑惑があるのではないかと言われるような事柄については、わけても重要な関心を持って見守り、かつ、表現は悪うございますが、聞き耳を立てておると、こういう状況でございます。そうこういたしますうちに、検察に、独自のいろいろな調査活動その他から、この事柄の背後に犯罪がどうもあるらしいということになりますと、捜査を開始するわけでございます。そういう意味におきまして、ただいま御指摘の問題についても重要な関心を払って見守っておるというところでございまして、結論的にはまだ検察が捜査を開始する段階ではないというふうに思っておる次第でございます。
  121. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 アメリカではこのボーイング社がいわゆる賄賂商法をやって七千七百万ドルの不正支払いをやっておると、そういうことでSECにおいても問題になっておるように私たちは聞いておるわけでありますが、そうして海外における秘密代理人の一名ですか、まあ日本に秘密代理人がいるのだ、こういうようなことを聞いておるわけでありますが、やっぱり日本に秘密代理人がいるということは、それはもうはっきり確認をしているのかどうか、これはどうなんですか。
  122. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまの御指摘の問題につきましては、外務省経由で先方に問い合わせをいたしましたところ、先方ではまだ調査中のことでもあって、公にはコメントできないという返事が参りましたことは、けさほど他の委員の御質問に対して外務省のアメリカ局長がお答えになっておったとおりでございまして、お尋ねの点は、したがいまして、確認いたしておりません。
  123. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは、そうしますと、いまはまだ重大な関心を払っている段階ですから、いわゆる外交ルートでやっておると。私たちとすれば、あのロッキード事件のときもいわゆる司法共助をやって、新聞には公表しないけれども、いろいろな資料が来て、それがいろいろな犯罪の立証にも役立ったわけでありまして、それと同じ考えからするならば、当然、私は日本政府としても外交ルートではなしに司法当局間のこの相互協力によって何らかの情報を求めるべきではないか、そういう疑惑が持たれているわけですから。私は、これは検察当局としても疑惑のあるものに対しては、やっぱりはっきりさしていく責任があるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点でどういう段階になれば、いわゆる外交ルートでなしに、いわゆる司法関係のルートで話がいくのか、どうもいまはまだその段階まできてないようにおっしゃっているように思うわけですが、いかなる段階になったときにはそういう司法ルートを始めるのか、これを伺っておきたいと思います。
  124. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 御承知のとおり検察当局に与えられております権限と申しますのは、当面の問題に即して申し上げれば、犯罪捜査でございます。で、犯罪でないものについて、あるいは犯罪になるかならないかわからないような状態のものにつきまして積極的に行動するということは、法律上認められておらないわけでございます。したがいまして、犯罪捜査の前提としていろんな資料を見聞きするという場合におきましても、おのずからその行為の、行動の態様は制限されるわけでございまして、そういう意味で、たとえばいまのお尋ねいただいておる問題に関してある種の人物、これはこの氏名を特定するまでの必要はないかもしれませんけれども、ある種の人たちとある種の人たちとの間に刑法か特別法かわかりませんが、何らかの犯罪の容疑が生じてきたという段階になれば、検察当局としても公式に活発な捜査活動が行えるんじゃないかと、こういうふうに考えております。
  125. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 このたとえば秘密代理人というのが日本にいたとした場合ですね、これは海外とそういう契約を結んだ場合は、これは独占禁止法第六条ですか、やはりそういう海外と契約を結んだということはちゃんと届け出なければならないと、こういうように、しかも届け出はなされてなくて、しかも契約を結んでおったというならば、それだけではこれは刑法の罪にはならないかもしれませんけれども、当然私は捜査の対象になっていいんじゃないかと、このように考えるわけですけれども、その点どうなんですか。
  126. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) まあわが国の刑罰法規にはいろいろございますから、別に刑法とかあるいは何法と限ったことではございませんけれども、ただいま御指摘の、たとえば独占禁止法ということになりますと、罰則が一体あるのかどうかという問題がまずございます。それから罰則があったとしましても、今度は公正取引委員会の告発があるかどうかという問題もございまして、そういった法律上のいろんな規定をよく踏んまえまして、検察当局も何らかの犯罪行為がそこに存在すると疑われるかどうかということは十分慎重に考えておるのではないかと思っております。
  127. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これはひとつ法務次官にもお願いしておきたいわけでありますが、ロッキード事件を通して、やはり両院の国会におきましてもこのような疑惑を解明をしていくということが大きな国の方針じゃないかと思うんです。したがって、いまの検察当局のお話では、ボーイング社の問題はいまだそういう段階ではないと、まあこういうことで法律的に言えばそうなるのかもしれませんけれども、国民の立場から見た場合には非常に疑惑を持たれる問題じゃないかと思います。そういう点で、十八人の中には日本にはいないんだと、何らかのやはり情報を求めるように、もうちょっとやはり積極的に努力をして、その解明に努力をしてもらいたい、このことを要望しておきます。
  128. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 私は、もう日本の検察庁は、世界一のすぐれた治安を維持しておる役所だと思います。したがいまして人権は尊重いたしますが、そのような犯罪事実につきましては常に重大な関心と努力を払うように要請していきたいと、こういうふうに考えます。
  129. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは最後に、先般の法務大臣から報告のありましたいわゆる第二次中間報告の問題について、二、三お尋ねしたいと思います。  法務大臣がいまおりませんので、その点は除いて、まず検察当局にお尋ねしたいわけでありますが、この第一次、第二次報告とも、PXL問題については、犯罪を立証するような事実はないと非常に簡単に書いておるわけであります。まあしかし、当委員会において論議してきたように、かなり道義的あるいは政治的責任のある問題が多々あるわけであります。そこで捜査当局が、PXLの問題についてどういう捜査をしたのか、たとえばどれだけの陣容で、どれだけの人を取り調べ、そうしてどれだけの資料を押収したのかと、こういうようなことを同僚議員がお聞きをしたわけですけれども、これは、PXLというものは、ロッキードと関連をしておる問題だから、そういうことを報告できないと、こういうような答弁だったわけであります。そこで、そのPXLに関して、本当に捜査をやったのかどうかですね。先ほどのお話では、ただ聞き耳を立てて関心を持っておる程度であって、実際にPXL問題については、検察庁はあんまり捜査はやってないのじゃないかと、われわれは一連の御答弁を通してそういう感じがするわけですけれども、先ほど申しましたように、聞き耳を立てて、重大な関心を持ってある程度資料を集めたけれども、積極的なやはり捜査は余りやらなかったのじゃないか、これはどうなんですか。
  130. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 今回のロッキード事件と申しますのは、再々申し上げておりますように、ロッキード社から不正、不正にわが国に流入しました資金の行方を追い求めるという形で展開されたわけでございます。その場合に、資金の行方を追い求めると一口に申しましても、全く何の予備知識もなしに、全く何の材料もなしに追い求めるわけにはもちろんまいらないわけでございまして、そこで、ロッキード社とわが国との関係におきまして存在しますいろんな問題点について種種検討し、それを頭に入れまして、その頭でもってすべての捜査に従事した検察官、検察事務官がそういうことを頭に入れた上で資金の流れをずっと追っていったと、そういたしましたら、いろんな障害はございましたけれども、おおむね資金の流れが解明できたと、解明できてみますと、その金が、いわゆるPXLに絡んで動いたものは認められなかったと、こういう捜査の流れになっておるわけでございまして、ただいまお尋ねのPXLについて捜査したかどうかというお尋ねは、非常にお答えのしにくい――申しわけございませんが――問題でございまして、PXLという犯罪があるわけじゃございませんので、ただいま申し上げたような経過で捜査した結果、第一次、第二次の報告に相なっておるということで御理解を願いたいと存じます。
  131. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 まあPXLで一番問題になっているのは、御存じのように、いままで国産をするということが白紙還元になったとその白紙還元ということについて、いろいろ政治的な圧力が加わったのではないかということが一つの疑惑の焦点じゃないかと思うわけでありますが、その問題について検察当局としては余り調査はしていない、言うならばそこには金の流れは関係がないわけですから、そのように判断していいわけですね。
  132. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 金の流れを追い求めるに必要な前提知識と申しますか、そういったものとして必要な限度において検察当局もそれらの事情は把握をして金の流れを追い求めておると、こういう状況でございます。
  133. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 したがって、いわゆる白紙還元ということに対して、これは政治的な圧力がなかったのだと、そう検察庁は断定はしてないわけでしょう。その点についてはあなた方としては調べる立場になかったわけでしょう。その点どうなんですか。
  134. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 再々同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、金の流れを追い求めていきましたところ、ただいま御指摘のような政治的な問題と申しますか、そういうようなものに結びつくものはなかったと、こういうことでございます。
  135. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 ちょっとお尋ねしますけれども、まず児玉に渡った謝礼というものが、これはお金は一体何のためのお金かということは、これはいろいろな意味に解されると思うんですけれどもね。じゃ、検察当局としては、児玉に渡ったお金あるいは丸紅、全日空を経由していろいろ配られたお金というものは、すべてこれはトライスターに関するお金であると、したがってPXLにはそのお金は関係ないのだと、こういう断定はしているわけですか。
  136. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 検察当局で断定をしておりますのは、ロッキード社から流れ込んだ金の中で犯罪を構成することになったものはトライスターが中心である、こういうことでございまして、流れ込んだ金が末端までいきます間にはいろんな趣旨を帯びて、去り、流れ、来ったというようなものも当然あるわけでございます。
  137. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 とにかく私は余りよく法律のことはわかりませんけれども、もし――仮定の話で申しわけないんですけれども、理解をする上に、もし児玉の力で白紙になったとしても、実際にそのお金は、ロッキード社は将来この事件が起こらなくてPXLが日本へどんどん輸入されたと、その段階でいろいろ金を配るつもりでいて、現段階は白紙までいった、これで一応ほぼ目的は達せられたと思ったかもしれませんけれども、まだ飛行機は来ていないわけですね。そういうわけでお金は配られていない、そういう場合はこれはいわゆる捜査当局としては捜査の該当する事案になるのかどうか、その点どうなんですか。
  138. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 一般抽象論として申し上げますと、将来何らか、たとえば贈賄になるような形、あるいはその他違法な、罪に触れることになるような形で金をだれかに渡そうと思っておったということだけでは犯罪になりませんので、一般抽象論として申し上げます限り、捜査の対象にはならないじゃないかと思います。
  139. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私たちも当委員会でこのロッキード事件に関する政治的道義的責任を明らかにするためにはいろいろな情報が必要である。現在の国政調査権というものの範囲ではなかなか限界もあるわけで、したがって捜査当局がPXLに関した資料を報告してもらいたいということをたびたび要求してきたわけでありますが、どうもいままでの質問をお聞きいたしまして、まず一つは、当委員会がその政治的道義的責任を追及するためにPXLに関する資料を委員会の決議として要求した場合は出すのかどうか。これはたしか前回の委員会では法務大臣は、委員会の決議があればそれは当然出しますと、こういうお話だったわけです。それを確認したいわけですが、出すのかどうか、それが一点と、それともう一点は、そういう出すべき資料があるのかどうか。どうもいままでの話を聞いてみると、われわれ国会が問題としているようなそういう時点については余り捜査当局は捜査していないんじゃないか、率直に言ってそういう感じがするわけですけれども、その点はどうなんですか。
  140. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) まず私どもの立場を申し上げますと、先ほど来申し上げておりますところからおくみ取りいただけると思いますけれども、ロッキード社から来た金の流れを追うという一点に努力を集中しながらいろいろ捜査活動をしてまいりましたので、極端に言えば、すべての資料は公訴を提起しました事実に向けて、それの立証のために集中されておるという関係があるわけでございまして、そういう観点からいたしますと、私どもだけの勝手な考えかもしれませんが、なるべく公判に影響を及ぼすような形で資料をお出しすることは御勘弁いただきたいと考えますのが率直なところでございます。しかしながら、国会におきましてこの問題をお取り上げになりまして国政調査をなさっておられますそのことは、私ども政府関係者としても最大限の尊重をいたさなければならぬと思っております。したがいまして、御決議がございましたような節はできる限りの最大限の御協力を申し上げなければならぬと、こういうふうに考えております。  なお、いわゆるPXL関係の資料があるかどうかというお尋ねでございますが、仰せになりましたPXL関係の資料と、こうわずか数字のことでございますけれども、その範囲、内容等はなかなか確定しにくうございます。もし、仮定の問題で恐れ入りますが、御決議がございましたような際には、その御趣旨をよく拝承いたしまして善処することといたしたいと思っております。
  141. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最後にお尋ねしますが、いわゆる特に当委員会においてはPXLを中心に審議が行われてきたように聞いておるわけでありますが、そういう政治的道義的責任の問題、特に白紙還元という時点の問題に限った場合、捜査当局がいろいろ調べた、関連していろいろ調査をした内容については、詳細、法務大臣に報告はされているのかどうか、その点はどうなんですか。
  142. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) もとよりロッキード事件は最大の世間の注目を浴びておることでもございますから、重要な事項は細大漏らさず大臣に時宜に応じて御報告申し上げております。
  143. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それじゃ最後に、法務大臣いらっしゃいませんので次官に特に要望しておきたいわけでありますが、先ほどから検察当局は刑事責任の追及という立場でありまして、われわれ国会のいろいろ求めているところとはおのずと方向は違うわけであります。したがって、今回のこの問題に果たして道義的責任があるか、政治的責任があるか、こういうことの判断はやはり検察当局に求めてもこれは無理な話だと思うんです、職務上ですね。当然これを判断するのは政治の場でなきゃならぬと思うわけであります。したがって私は、法務大臣は法務省の責任者であるとともに、これは福田内閣の閣僚の一員でもあるわけですから、そういう点で、道義的な、また政治的な責任を追及する、明らかにする責任はあると思うんですね。しかもその法務大臣が、一番われわれよりもさらに突っ込んだ事件の内容を知っておるわけですから、したがって、私は、法務大臣としては、ただ検察当局の報告だけをここへ出すんではなしに、やっぱり政治的あるいは道義的責任についてはどうなんだと、こういうわれわれの判断の材料になるような、こういうものを提供し、法務大臣自体がそういう責任がないと言うんであるならば、やっぱりないと言うだけではなしに、それを納得できる、こういうことをやったけれどもなかったんだという根拠を持って示してもらわなければ、私は無責任のそしりは免れないんではないか、このことを強く要望したいわけでありますが、まあ具体的な問題はまた次回の委員会に譲りたいと思いますが、そういう決意があるかどうか、これを最後に承りたいと思います。
  144. 塩崎潤

    ○政府委員(塩崎潤君) 大変デリケートなむずかしい御質問でございます。法秩序の維持に当たる法務大臣の性格から見まして、その法務大臣が政治的道義的責任の問題をどのように考えていくかという問題は、一概に答えられないむずかしい問題だと思うんでございます。しかし、政治家の一人といたしまして、法務大臣はこの問題について関心を持つことは当然でございますし、先般の国会におきまして、政治的道義的責任のいわゆる灰色高官の基準についても、国会の御意見を十分に承りまして、それに対して私どもが資料を提供いたしました。このことは、もう法務大臣が政治的道義的責任にも大きな関心を持っていることの証左だと思います。そういったことからひとつ示されておりますように、政治家の一人といたしまして、これらの問題につきましては重大な関心を持っていき、検察当局から得ました資料の中で、そのような問題がございましたら、私どもも十分に考えてみるということにしたいと思います。
  145. 橋本敦

    ○橋本敦君 最初に私は防衛庁に伺いたいのですが、防衛庁としては次期対潜哨戒機の選定作業を本年八月を一応のめどとして急いでおられるというように伺っておりますが、その過程で、調査ということでどういうことを今日までおやりになっておるか、その事実をまず伺いたいのであります。  一つは、昨年及び今年アメリカへ調査団を派遣をされて調査をなさったということですが、この二回の調査の時期及び目的、調査地、これをまず明らかにしていただきたいと思います。
  146. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) 次期対潜機につきましては、御承知のように、四十八年から調査団を派遣いたしておりますが、昨年からことしにかけましては、昨年の十一月二十七日から十二月の六日までカナダに参りまして、CP140に関する調査を防衛審議官以下五人の者で行って調査をいたしました。さらに本年の二月二十七日から三月十三日にかけまして、これはS3Aという新しい対潜哨戒機の電子機器の調査ということで、海幕の防衛部の副部長以下五人がアメリカに調査に参っております。
  147. 橋本敦

    ○橋本敦君 そうしますと、さきにP3Cの調査ということでアメリカへ参られて、ロッキード等にも行かれておりますから、昨年の十一月のカナダ調査及び今年二月のS3Aに関する調査と、こういうことで、大体当面問題となるPXLの調査派遣ということは、全部一応完結したと私は見ていいと思いますが、防衛庁のお考えはいかがですか。
  148. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) 昨年からことしにかけまして行いました調査というのは、五十年にP3Cの調査が終わっておりまして、その後新しくカナダがCP140という飛行機を採用したということが決定されましたし、昨年S3Aという新しい対潜哨戒機が部隊配備になったという新しい事実を踏まえまして調査をしてまいりましたので、今後次期対潜機をどういう形でどのようなものを持つかということについては、現在知り得る一応の調査を終わったと判断いたしております。
  149. 橋本敦

    ○橋本敦君 それからさらにそのS3Aに関しては、アメリカから専門家を招いてMDAOでブリーフィングの講義を受けたという事実もあるかと思いますが、この点について正確にお述べいただきたい。
  150. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) 御指摘の調査団は、昨年の十二月の二日及び三日に先方から来日いたしております。で、この際、私どもの方は要するにブリーフィングを受けたわけでございまして、S3Aがどんなものであるかということをブリーフィングを受けております。ただその際、必ずしも先方も、いわゆるブリーフィングで参りましたので、技術的な点になりますと即答ができない点もございました。そういうような点を先方は持ち帰りまして、私どもの方も調査項目をさらにそれから練りまして、そういうものを持って今回の調査団が行っておると、こういうことでございます。
  151. 橋本敦

    ○橋本敦君 そのブリーフィングが行われた場所は、アメリカ大使館の中のMDAOということですが、これは間違いありませんか。
  152. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) これは大使館の中でございます。
  153. 橋本敦

    ○橋本敦君 このブリーフィングは、MDAOの方の話があってやったのか、防衛庁の方が要請をされてやったのか。そしてブリーフィングとしては、アメリカのどういうところのどういう人が来たのか、この点を明確にしていただけますか。
  154. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) これは昨年来いろいろ私どもの方といたしましては、年内に間に合わせるように急いでいろいろと検討を進めておりまして、そういうプロセスにおきまして、やはり先方のS3A等の問題あるいはP3CのUP-DATE2の進行状況というものをさらに詰めたいということで、こちらの方からお願いをして要請をいたしまして来てもらったわけでございます。で、先方の方から参りましたのは、国防省のミスターラッドという人でありまして、これは国防省のいわゆる調達関係をやっておられるセクションにおられる方でございます。それからさらに海軍省関係で、こういったいわゆるテクニカルな問題についての経験、知識を持っておられる方が四名ほど参っております。
  155. 橋本敦

    ○橋本敦君 それからさらにもの一つ伺いたいのですが、防衛庁としては、次期PXLを導入するということを当然の前提ということで、海外留学ということで、アメリカのサンジエゴの米海軍術科学校に海幕の幹部を派遣をして、対潜機のソフトウエアの技術操作研究及び訓練を習得をするということをやっておられると思いますが、これについていつごろ何名派遣されたのか、そして今後の予定、つまり本年度の予定はどうなっているか、これについて明らかにしていただきたいと思います。
  156. 水間明

    ○政府委員(水間明君) 先生御指摘のとおり、現在海上自衛隊の幹部三人をアメリカの学校へ教育に出しております。これは三人出しておりますが、そのうちの一名は五十二年の三月十日から八月十六日まで、ほかの二名は同じく三月十日から六月十四日まででございます。五十二年度にも引き続き三名を派遣する予定でおります。
  157. 橋本敦

    ○橋本敦君 そういうようにして、かなり調査研究とともに実際の技術運用についての海外留学ということも始まっているということで、非常に早いテンポで選定作業が進んでいるように私は思うんですが、特にこの点で防衛庁長官に一点だけただしたいのは、いわゆる長官はロッキード疑獄との関連でPXLの選定は慎重に行うが、調査研究はこれはやらしてもらいたいということでやっておるということをかねがねお話しになっている。ところが、この防衛庁海上自衛隊幹部のアメリカの術科学校への派遣というのは、これは調査研究ではなくて、実際に配備されたときの運用技術訓練、これが主たる目的になってくるわけですね。そういたしますと、この派遣という問題は、調査研究とはおのずから異質のものであって、当然にアメリカ側のP3C、S3A、そういった機材を導入することを前提とすればこそ米海軍術科学校への派遣ということが出てくるわけですから、この問題は私は調査研究とは若干質が違う問題ですね。だからしたがって、長官に私が尋ねたいのは、これは調査研究の域を超えて実際の配備運用の態勢に入っているではないかという問題があるので、長官としてはどうお考えか、伺いたいわけです。
  158. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 教育のために派遣をいたしておりまするのは、P3Cに関してということではございません。次期対潜哨戒機等につきましてのそうした一般的な教育のために派遣をいたしておるということを承知をいたしておるわけでございます。
  159. 橋本敦

    ○橋本敦君 それは長官、大変形式的な答弁としか私ども受け取れないですよ。アメリカ海軍が採用しているS3AあるいはP3C、これが基本となって、実際の運用から技術操作からということがこれが教育訓練されるということになるわけですね。だからしたがって、対潜機能一般の運用訓練ということであるならば、わが国だってP2Jを長年やっているわけですから、それ自体新たな、わざわざアメリカへ派遣をして技術習得をしなきゃならないという必然性が一体どこにあるだろうか。それほどわが国の対潜能力技術というものは、現在のP2Jを用いてやっているそのことが幼稚なのだろうかと、これは問題になってきますよね。だから、アメリカの海軍の、海軍ですよ、海軍の術科学校へ実際に防衛庁幹部を出してそういう技術問題についての研究、訓練、技能、こういったことをやっているということは、これは将来PXLを選定した場合に即応できる、役に立つということを前提にしてやっているというのでなければ防衛庁やっている意味はないじゃないですか。そうなりますと――私はP3Cとは断定しませんよ、少なくともいままでのアメリカに対する調査でも、P3C調査終わった、S3A終わったでしょう。カナダのCP140も、御存じのとおりに、P3C、これをベースとしながらS3Aと組み合わせ、カナダ向きにモディファイしていくということでやっているわけで、基本的にはアメリカのP3Cということがベースになっているわけですよ。そういうアメリカの海軍の術科学校へ防側庁幹部を早々と三名、そしてまた今後も三名派遣するという防衛庁の態勢は、これはまさに、まさにですよ、S3Aになるか、P3Cまるごと輸入になるか、あるいは国産と輸入との折衷になるか、ライセンスになるか、これは今後の研究課題ですが、どっちにしてもアメリカ側からのP3CをベースとするPXLが入るということを前提にすればこそ行っていると見てあたりまえじゃないでしょうか。もう一遍この点について、長官のいまの形式的な答弁では私は納得できないと思うんですが、いかがですか。
  160. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 私が承知をいたしておりまするのは、非常な日進日歩をいたしまする現在の対潜機の運用の問題でございまするし、特にわが国といたしましても対潜機の整備の重要性を踏まえておるときでございまするので、そうした教育の必要性を認めて出しておるのでございまするが、なお詳細な技術的な問題につきまして、教育担当の参事官から説明をさせます。
  161. 水間明

    政府委員(水間明君) 現在研修させておりますのは、今後対潜機の情報処理機能でございますが、これが非常に電子化されている趨勢に各国ともございますが、わが国のP2Jの場合はその点まだかなり初歩的な段階でございますので、そういう近代的な情報処理機能に関する共通的素養を与えるというのが目的でございます。特に対潜機の次期の機種がどうであるかということを前提にするものでもございませんし、航空機のためのものでもございません。米海軍の使っております戦術情報処理システムを勉強させるための教育でございます。
  162. 橋本敦

    ○橋本敦君 納得できない答弁なんですね、私どもから見ても。要するに、将来電子情報処理装置が対潜機能強化で中心課題になるというのはこれはおっしゃるとおりですよ。だからこそP3C問題が出てきているんですよ。S3Aが出てきているんです。CP140が出てきているんですよ。そうでしょう。そこで、電子情報処理装置、これの教育訓練ということを主眼に置いていくということは、これはとりもなおさず次期PXLがそういうような電子情報処理装置を持ったものを日本でも採用したいという防衛庁の意向ということに沿っているわけなんですよ。そうでなければ出す意味ないじゃないですか。だから実際上、前提として派遣したとはおっしゃらないけれども、事実上この教育は――将来PXLどうなるかは知りませんよ。これを採用を決定し、それが導入された場合の運用に対して、この教育訓練を受けた人たちが、これが日本においてもその運用について指導的役割りを果たすであろうことを防衛庁は期待していると、これはあたりまえじゃないですか。どうですか、参事官
  163. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) いまお話ありましたように、P2Jが五十七年ごろから除籍になってまいります。それにかわるものといたしましては、御承知のように、原子力潜水艦が非常にふえている趨勢でございますので、P2Jの能力ではとてもこれに対応できないというところで、新しい対潜哨戒機、これを装備したいということで従来私どもは検討してまいっているわけでございます。したがいまして、P2Jにかわる新しい対潜哨戒機の機能の中心をなします電子機器について勉強しておくということは現在からやっていることでございます。
  164. 橋本敦

    ○橋本敦君 何でもないようなことにおっしゃられては、私は私の質問の趣旨と大分食い違っておるので、これは意見の違いが大きいですね。  で、国防会議の事務局長に来ていただいておりますので、事務局長にも私聞きたいんですが、国防会議はわが国の次期防衛体制構想その他を含めて責任を持っていらっしゃるところですね。だから、次期対潜機問題についても専門家会議というものを設置して、そこでの答申を出したという経緯もある。そこで、今後どうなるかということと深くかかわって国防会議の仕事も出てくるわけですが、慎重にこの問題は対処したいとかねがね歴代防衛庁長官が言い、慎重に対処する一つとしてあの専門家会議もやったんだという説明がなされている段階で、防衛庁が自主的に調査研究カナダ及びアメリカへ派遣するということは、それ自体、私は調査研究としてわかるが、いま言ったように、導入された場合に役に立つというそのことは、やっぱり当然の目的として、技術教育訓練アメリカの海軍の術科学校まで防衛庁幹部を派遣してやるということは、これは国防会議で基本的な討議が何にもなされていないときに、防衛庁が次期PXL選定を運用上先取りするんではないか。国防会議のシビリアンコントロール、これは一体効くのかどうか、私はその点を心配をして質問しておるんです。事務局長の御意見はいかがですか。
  165. 久保卓也

    政府委員(久保卓也君) 従来このPXL問題が国防会議で審議されますのは、航空機、対潜哨戒機としてどのようなものが適当であるかということが主たるテーマなものでありますので、実は関連して教育の問題でありますとか、その他の問題が具体的な国防会議の主要テーマになっておらなかったものですから、事実関係そのものを私承知しておらなかったわけでございますけれども、いずれ、防衛庁の内部で対潜哨戒機の扱いについてどうするかということが検討中であるということで、その結論なり途中の経過を聞いておらなかったものですから、いまのお話は初めて伺うことで、別途また防衛庁側から説明を聞いておきたいと思います。
  166. 橋本敦

    ○橋本敦君 これは防衛庁長官、私が申し上げているのは、PXLの選定は慎重にということをたびたびおっしゃっている、その中で、実際の運用にまで足を突っ込んだこういう研修だということになれば、これは問題じゃありませんか、私はこう申し上げているわけですね。だから、この点は単に将来の教育だ、教育だということで済まされるかどうか、慎重に御検討願いたいです。現にWINGという雑誌――これは防衛庁もよく御存じですが、これの三月二日号で中村海上幕僚長の談話が載っているんですけれども、これを見ますとこうおっしゃっている。「PX-Lは、次期対潜機ではなく、即対潜機ではないか、といわれている程、その装備が急がれている」んだ、こう言っていますよ。これはやはり実際のユーザーであり、現に哨戒責任を持っている海幕が、いま防衛局長のおっしゃった五十七年からP2Jが漸次リタイアしていくという状況を前にして、これはもう緊急の問題だと、次期対潜機じゃなくてもう現在の対潜機問題だという問題意識を幕僚長がおっしゃっているわけですね。で、こういう意識の中で、参事官がおっしゃるような教育派遣を防衛庁海幕幹部が行くということは、これはまさに次期対潜機、つまり即対潜機とおっしゃるほど切迫したこれに向けての防衛庁の実際の運用、対応だと、こう見るのが私は当然じゃないかと思うんですよ。そして、この中村海上幕僚長の談話によりますと、これからの選定作業いろいろあるだろうけれども、海幕自身としては八月を待たず、ことしの六月ですね、六月にでも海幕としてはこの問題について海幕全体の作業を終わりたいと、こういうことも談話で発表されているんですね。  そこで、防衛庁に伺いますけれども、まず海幕としては、ことしの六月までに海幕としての選定作業に関する作業を終えたいという方向で進んでいると、これは間違いありませんか。
  167. 伊藤圭一

    政府委員(伊藤圭一君) これは先生も御承知のように、いろいろな選択ということで勉強いたしておりまして、防衛庁といたしましては、できれば来年度の予算でお願いしたいと考えているわけでございます。そうなってまいりますと、海幕自体の作業としては六月いっぱいぐらいというのが一応のめどになろうかと思います。
  168. 橋本敦

    ○橋本敦君 だから海幕は六月いっぱいに大体作業を終わり、それから今度は防衛庁内部で内局を含めた議論を詰め、そして国防会議にはいつごろ提出をするという防衛庁長官の腹組みでございますか。
  169. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ちょっと前の先生の御質問等に参考になるかどうかわかりませんが、いまどの機種にするかというようなことで選定でいろいろ検討を進めておりますが、その中には国産でもやりたいという意見は相変わらず私どもは持ち続けてきておるわけでございます。そういうような立場からも、将来そうした運用等について勉強さしたいというような気持ちでやってまいっておるのでございます。  なお、いまの御質問でございますが、国防会議にいつごろ持ち出すかということでございまするけれども、実は八月ごろ概算要求もあるわけでございます。国防会議の御検討も願わず概算要求をすることもできませんから、概算要求をするまでには何とか国防会議にかけたいという気持ちでおるわけでございまするが、それは非常に順調にいって八月の概算要求に乗れるかなあというような心配も持ちながら、でき得れば八月の概算要求ということをめどにして取り組んでおる次第でございます。
  170. 橋本敦

    ○橋本敦君 だから、いまの答弁としては、八月の概算要求に間に合うように国防会議にもかけたいという長官の御意見と、こういうことですよね。違いますか。
  171. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) しかし、最終的に国防会議で御決定を願うのは、いままでの経過等から見ますと年末ごろに常になるようでございますが、十二月ごろというようなことになるかもしれませんけれども、でき得ますれば、そのあたりまでぐらいに目鼻をつけたいという目安ではいっておりますけれども、通常いままで大きなプロジェクトが国防会議にかかったのは、年末時点ぐらいがいままでの経過でございます。
  172. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで、新しく事務局長に就任された久保事務局長に私が来ていただいたのもその点なんです。いままでの経過を追っていきますと、国防会議は本当に形骸化されまして、そしてそこへ集まった閣僚は、提案に対してほとんど積極的な議論もなしにそこで賛成ということで、すんなり決まっていくという経過を経てきた。で、このロッキード特別委員会では、国防会議の機能と、そしてそこでの討議をもっと積極的にして、国民レベルでそれがわかるように運用も改善すべきだし、そこで積極的な論議が交わされるようにすべきだということをかねがねこのロッキード特別委員会では言ってきたわけですね。ところが、いまの長官のお話ですと、慣例どおりまた十二月、予算の最後の調整の締め切りのぎりぎりということになるだろうと、こうおっしゃっているわけです。これじゃあ、いままで国防会議のシビリアンコントロールを課題として、ロッキード特別委員会でやってきた論議がさっぱり防衛庁わかっていないという感じがするんです。で、現に私が聞いたように、いままでの調査研究作業の実態でも事務局長は全然御存じない、こういうことですからね。これじゃ、防衛庁自身が国防会議を軽視している姿勢だと言うようにならざるを得ないと私は思うんですよ。私はそうあってはならぬと思いますが、長官、もう一遍その点について、先ほどぎりぎりの年末の慣例と、こんなことでいいんですか。
  173. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 最終的な国防会議の結論が遅くともそういうことだということを私どもは申し上げたのでございまして、国防会議に最終的にかかります――何回か私は議を経なければならぬという考え方でおります。特に先般の国防会議において、総理からの発言もあっておりました。いままでのような大きなプロジェクト等の審議等について、防衛庁が提案をして、それを同日で裁断を下すというようなことはこれから避けるように、そこでなぜそうした大きなプロジェクトを組んでここまできたかという、そうした防衛全体の問題なり、あるいはそれを採用しなければならない背景等も踏まえながらわれわれに説明するような、そうしたひとつ審議方法に切りかえてほしいということでございまするので、今回のこうしたPXL等を国防会議にかけます場合には、いま総理から指示を受けておりまするような相当な期間私は審議を進めながら、最終的な国防会議の結論を出していただくような運び方にいたしたい、そう考えておるところでございます。
  174. 橋本敦

    ○橋本敦君 私が問題を提起して、だんだん長官の答弁もそういうように変わっているわけですが、長官に伺いますが、福田総理は国会で、日米首脳会談の際にカーター・アメリカ大統領から、日本は対潜能力が弱いですね、と言われたということをおっしゃいましたね。長官は具体的にどのように総理から、対潜能力問題についてカーター大統領が言ったのか、どう聞いておられますか。
  175. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 総理が帰国されました際に、防衛問題についてどういう御会談がなされたかというお話を聞きました。私も御出発前にいろいろな意見を徴されましたので、意見は申し上げておきましたが、防衛問題については、防衛庁長官、きわめて理解を持っておったと、余り多くのことを語らなくて向こうから次々に意見を出すほど日本の防衛体制については相当な理解と勉強をしておるようであったということでございました。
  176. 橋本敦

    ○橋本敦君 具体的に、対潜能力問題。
  177. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) そういう御意見がありました。その中で対潜能力の整備についてひとつよろしゅう頼むというような御意見を交わしたという一言がございました。その程度でございます。
  178. 橋本敦

    ○橋本敦君 どういう意味なんですか。対潜能力の防衛強化についてよろしく頼むとカーター大統領が総理に言ったというのは、どういうように受け取ったんですか、防衛庁。よろしく頼むだけじゃよくわからぬです。
  179. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 対潜能力についての――いま私ども在日米軍あたりともいろいろ連絡の問におきましても、日本の対潜能力という問題について、そうした点におきましては私ども独自の立場でいま原子力潜水艦などがずいぶん周辺の列国に整備がなされておる状態でございまするので、われわれとしては、日本の防衛の立場から独自の立場でこういう方向に進めたいというようなことを考えておることは十分な連絡もしておるわけでございまするので、そういう情報が私はカーターの耳に入っておったものだと、そういう受けとめ方をいたしておるのでございます。
  180. 橋本敦

    ○橋本敦君 だから長官の言葉によっても、この次期対潜哨戒機、PXLの決定に際しては、米軍ともいろいろ連絡、情報をとりながらやっているということもわかりますが、カーター氏がよろしく頼むというのは、早く次期対潜哨戒機の機種選定、決定をやってくれよと、こういう意味じゃないんですか。そう受け取ってあたりまえじゃないでしょうか、弱いというんだから。
  181. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) そういうあれでなくて、私の方で、対潜哨戒機は、日本独自の立場で対潜哨戒機の整備等について考えておるということを恐らく総理から申されたのであろうと思います。まあその点はよろしく頼むというお話だったという受けとめ方をいたしております。
  182. 橋本敦

    ○橋本敦君 最高首脳会談でそんな程度の話だということは私は思わないんですがね。カーター氏がよろしく頼むとこう言ったというのは、これはまさに対潜能力強化を急いでもらいたいということであり、具体的にはあなたが自主的にとおっしゃるその作業は早くやって進めてもらいたいと、こういうように受け取ってあたりまえだと思うんですよ。  そこで今後の構想の一つに、P3Cのつなぎ導入問題が再燃しているという記事が、航空情報の記事を見ますと、ことしの三月、四月あるいは去年の七月の記事にも出ております。特に七月の記事になりますと、「P-3Cのつなぎ導入再燃 内局・外局とも」と、こういうことで、「防衛庁内局一部筋では次期対潜機は政治問題と切離して、純粋な運用面から同計画を審議すべきで、」そして「FMS方式によってでもP-3Cをツナギとして導入すべきであるとの声が高まっている。」ということが報道されている。この同じ報道で、大蔵省筋でもこのつなぎ導入という面については反対ではないという報道もなされている。これは五十七年のP2Jのリタイアということと、それから八月に仮に選定作業をやるとしても、五十七年度に実際に折衷案にしろ、どういう方式にしろやるにしても、やっぱり特に国内生産ということを加味するならば、数年かかるということはこれは常識になってくるし、そういう点からいって、何機かをつなぎ導入という意見が非常に強まっているという報道は私は根拠があると思う。これについて防衛庁の具体的な意見はどうなんですか。
  183. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) ただいま申されましたつなぎ導入の問題というのは、実は最初に防衛庁がPXLを国産で行くという時期からあった問題でございます。といいますのは、飛行機そのものは十分間に合うという見通しを当時も持っておりましたけれども、これに搭載いたします電子機器というものが、研究開発の面から見て、いろいろ困難があるだろうというようなことも当時議論されたことがございます。したがいまして、つなぎ導入の必要性というものは当時からあった問題でございますが、いまそれが再燃するというような形ではございませんで、五十七年から除籍が始まるわけでございますけれども、これは最初の一機、二機の除籍、そういったものは、あるいは数機程度の勢力減でございましたら、PXLを正式に導入をするという方向でそういうものも要らなくなるかと思います。しかしまた、非常にこれがおくれてきたような場合に、そしてまたP2Jがどんどんどんどん落ちてくるというような場合に、ある時期いわゆるつなぎというような形で何かを入れなければならぬというようなことが起きるかもしれませんが、それは今後の問題でございまして、いま直ちに検討しているという問題ではございません。
  184. 橋本敦

    ○橋本敦君 選定作業は大変急ぐという状況でありながら、そういうようにかなり遠い展望のような話をなさるのは私は真相ではないと思いますよ。  で、このつなぎ導入という問題は前からもあったし、いま、もう全然消え去ったんですか。いまの局長の答弁、正確に知りたいんですが、つなぎ導入はもうやらぬという方針で選定作業をやっておるのか、つなぎ導入もあり得るということはやっぱり含みながら選定作業をやっているのか、そのどっちか、はっきり答弁してください。
  185. 伊藤圭一

    ○政府委員(伊藤圭一君) これは消えたとか、もう絶対やらないと決心したとかそういう問題ではございませんで、この導入の今後の計画に従いまして判断さるべき問題だというふうに考えておるわけでございます。
  186. 橋本敦

    ○橋本敦君 だからしたがって、つなぎ導入も今後の計画策定次第によってはあり得るということは間違いないわけですね。  そこで私はこの機会に、カナダとそれからロッキードの契約関係に触れて若干お尋ねしておきたいんですが、新聞でも報道されておりますように、カナダは、CP140、これを十八機導入するということでロッキードとの契約を締結したわけですが、この契約も防衛庁御存じと思いますけれども、この契約の中には、将来海外等からP3Cの受注があれば、百五十機をベースにして、その構成部品の発注をロッキードはカナダの産業に行うと、こういうことで計画金額まで具体的に挙がってくるわけですが、この百五十機をベースにして行うという問題について、これは当然百五十機という大量の今後の生産について、ずっとカナダがオフセット方式その他で契約にかみ込んでいくわけですけれども、この百五十機というのは、一体今後のアメリカ側の見通しとして、どこに採用されるというような状況と防衛庁は判断されておりますか。
  187. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) この点につきましては、先般も調査団を私どもの方から出しておりますが、その際、この点のオフセットの問題についても先方の状況を聞いておりますけれども、ただ具体的にこの百五十機は何を考えておるのかということについては先方からの答えを得ておりません。
  188. 橋本敦

    ○橋本敦君 ロッキードが会社として大変経営危機あるいは破産状態に陥ったという報道は、これはしばしば伝えられるところですが、昨年の夏に開かれたロッキードの株主総会で、ハーク・ロッキード会長が、ロッキードの今後の経営の展望は大丈夫だという話をしている。その中で、ロッキードのP3Cは依然として今日の状況では世界で最も優秀な対潜哨戒機であると、だからしたがって、この販路は間違いなく広いんだというようなことで、P3Cの売り込みに経営危機にあるロッキード自身が経営打開としても非常に大きな目玉商品として力を入れているということがわかるわけですが、この百五十機というのは仮に米海軍が採用する機数としてはこれは非常に大きい。いま装備局長はどこかよくわからぬとおっしゃいましたが、カナダが採用した、ニュージーランド、オーストラリアが採用した。そして太平洋海域については、対潜能力強化という問題で日本がしばしば問題になるということになれば、カナダとこういう契約を結ぶ米側もしくはロッキードの頭には、当然日本もP3Cを採用するであろう、あるいはP3Cをモディファィしたものをあるいはライセンスにするか、ともかく採用するであろうという頭があると私は常識的に見れると思うんですね。防衛庁はその点どう判断されますか。わからぬというだけでは済まないと私は思うんですよ。
  189. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) これは二つの点でお答えをさしていただきたいと思うんでございますが、確かに、昨年の夏でございますか、あるいはもうちょっと早かったかもわかりませんが、ロッキード社のいわゆるパンフレットと申しますか、その中にはやはり有望な売り込み国として日本の名前があったということは事実でございます。そういう点におきまして、先方はそういうことを考えておるということはあると思います。ただ、現在具体的な数字として私どもが持っておりますのは、先ごろの改定計画で、従来P3Cの今後の生産ということで二百四十四という数字が出されております。それが最近の数字で一応二百七十五という数字に変わってきております。これは私どもの理解におきましては、アメリカの対潜哨戒の配備を促進する、従来古い飛行機をつくっておりましたのを配備を促進いたしまして、P3Cをどんどん充実していくということの一環としてこういうことが出てきておるのではないかというふうに理解しております。で、その中にあります一つの数字として私どもの方で理解しております数字は、P3Cのカナダ向けの十八機、いまのCP140でございます。それからオーストラリアの十機というようなものは、この数字のうちに組み込まれておると思いますが、それ以外の数字につきましては、これはいまのところはアメリカ海軍の飛行機であろうというふうに一応理解しておるわけでございます。
  190. 橋本敦

    ○橋本敦君 米海軍だけでなくて、ロッキード社自身は日本をも主要な売り込みの相手国として考えていることは装備局長もおっしゃったとおりなんで、私は、これが全部米海軍用だというように見るのはこれは当たらないと思いますよ。現に、この契約問題がカナダ議会で論議をされたんですが、カナダはいわゆる契約生産ということで、P3Cの今後のロッキード社の生産について一定の範囲でいろんな権利を取得したわけですね。たとえばトレードマークの問題、コピーライト、パテントその他のロイアルティー、いろいろある。こういうことがカナダの国会でも論議をされているわけで、ここにあるのは、昨年五月六日のカナダの国会における外交並びに国家防衛委員会の議事録なんです。これを読んでみますと、こういうカナダがロッキードとの間の契約に基づいて取得する利益、これの将来についていろいろ議論されている。その中でやっぱり日本問題が出てきているわけですよ。この会議に出席をしたカナダ国防次官のニクソン氏、彼が答弁をしているんですけれども、彼自身もそういう議員の質問に対して、将来のカナダの利益に関していろんな質疑をやったわけですが、その答弁の中でやっぱり日本問題にも触れまして、そしてこの国防次官は、日本のロッキード社との関係における契約というのはいまあるというようには聞いていないけれども、この作業が将来発展するという中で、この過程では恐らく――恐らくですよ、恐らくこのP3Cというのが採用されるであろうというようなことを発言をしているわけです。これはカナダの国防次官の発言ですね。だから、カナダとそれからアメリカ側との契約ということを通じても、将来の展望ということが議論された状況がうかがわれる。そうなりますと、このカナダとアメリカとの契約ということを一つの具体的なステップとして、一層ロッキードのP3C採用へという道が、防衛庁がどう考えようとアメリカ側から深まってきていると私は見て間違いないんじゃないかというように見ているんですね。そういう点について私はひとつ防衛庁長官に伺いたいんですが、一方防衛庁は、海上幕僚長が言うように、今日的問題として機種選定作業を急がなければならぬと、こう言っている。一方で、ロッキード疑獄という問題で国民の納得のいく慎重な配慮をと長官もおっしゃる。一体どうやるおつもりなのか。もうこの時点ではっきりしてもらわないと、これはもう八月にとても間に合いませんよ。  そこで長官に伺いたいんですが、このカナダの契約というのはいろいろ特色がありまして、一つは、アメリカ政府がカナダに対してロッキード社の倒産その他いろんなトラブルがあった場合にアメリカ政府が保証するという一つ形をとっていますね。これもユニークな形ですが、それ以外に非常におもしろいのは、カナダ政府が発表している「CP-140導入経過について」という文書の中に、カナダの大使館がアメリカの国務省に対しまして、カナダとロッキード社との契約締結に関連をして不正行為があったかどうか、それを調査をしてもらいたいという要請を国務省に行っていますね。国務省はこれに対して、カナダ大使館の要求に基づいて米上院多国籍企業小委員会、それからSEC――証券取引委員会並びに米司法省に対して調査の要求をした。その結果、その回答では、ロッキードとカナダ政府との関係での売り込み問題に関しては、不穏当な状況があったことを示すいかなる資料もいま言った三つのそれぞれの機関は持っていないという回答を得たという、まあ言ってみれば潔白証明をアメリカ国務省が出していますよね。出している。これはやっぱりロッキード疑獄に関連をして、国民の疑惑を解く一つの方法としてやっているわけですよ。こういうことは、日本の防衛庁として、政府としてアメリカに一体できるだろうか。どうお考えですか。
  191. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) いまカナダ政府が米国にとりました措置、米国からの回答、御意見のとおり私どもも承知をいたしております。わが国におきましては、ただいまのところまだ機種を選定をいたしておりません。そういう時期でございまするので、いま明確にどうしますというようなことを申し上げるところまでいっておりませんけれども、カナダの例もこれあり、特に先ほどから御指摘のように、国民から疑惑を受けてはならないという配慮を十分せなければなりません。なお、ロッキード事件がまだ捜査の段階でございまするし、それがまだ続いておるというような事態でもございまするので、そうした見通し等を踏まえながら、慎重な処置をせなければならない。そういう点で、私どもといたしましては、いま申し上げましたように、幅広く判断をいたしまして、最終的な結論を出したいといういま姿勢でおるところでございます。
  192. 橋本敦

    ○橋本敦君 姿勢は結構ですが、長官に伺いたいのは、もう急がれているわけですね。具体的にこの疑惑を解く方法として、防衛庁としてはどのような具体的な段取りをいま考えておられるか、構想しておられるか、こう聞いているんですよ。慎重に慎重にではなくて、具体的にどうされようとするんですか。まだ成案がありませんか。ないならないでいいです。――こうやりたい、ああやりたいと。
  193. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) いま申し上げましたように、いま具体的にどうするということは具体的な結論を出しておりません。しかし、カナダの処置等につきましては、十分参考にすべきものだということは考えておるのでございまするけれども、まだ防衛庁として、こういう施策で進みますというようなことはまだ結論を出しておりません。
  194. 橋本敦

    ○橋本敦君 国防会議の事務局長に伺いますが、国防会議としてもいずれ議論になる。その場合は防衛構想だけでなくて、国民の納得のいく方法でP3Cに関する疑惑を晴らすということが一つのやっぱり政治的な課題になりますね。そういう問題はどうやったら晴らせるか、どうやって晴らす方法があるだろうか。事務局長は何かお考えがありますか。
  195. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 国防会議そのものといたしましては、総理大臣に対して対潜哨戒機をいかにすべきかという諮問の答申を申し上げることにいずれなろうと思うんですけれども、その際に御質問のような趣旨の国民に対する疑念を晴らすというのはやはり所管官庁、たとえば防衛庁でありますとか、あるいは法務省でありますとか、そういうところでそれぞれの立場での説明があってしかるべきで、国防会議そのものもしくはいわんや事務局の方で何らかの手続をとるということはちょっと考えにくいんではなかろうかと思っております。
  196. 橋本敦

    ○橋本敦君 私はそういう国防会議の姿勢にきわめて不満ですね。技術的にはおっしゃるとおりだと思うんですよ。おっしゃるとおりだけれども、これが問題になった経緯から考えて、国防会議、責任ありますよ。あの国防会議で四十七年十月九日白紙還元された。田中角榮のツルの一声だと。いろいろ議論になって、あなた自身も久保発言ということでいろいろ問題あったわけですよ。それはもう済んだこととしても、国防会議が本当に政治的な責任を果たすということであるならば、いまのような技術的なお考えじゃなくて、やっぱり真剣に考えてもらいたいと思いますよ。
  197. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 確かにおっしゃるとおりであります。そこで、ただ法制上のやはりそれぞれの所管がございますので、政治的に申し上げればおっしゃるとおりでありますから、国防会議の中でおっしゃるような御議論を十分していただいて、議長からそれぞれの関係大臣に御指示をいただく、そしてそれぞれの手続を経て国民に説明されるというような、やはり国防会議での審議を経てやられるということが望ましいように、私いま御質問を受けてそう感じました。
  198. 橋本敦

    ○橋本敦君 それも国防会議としての一つのあり方でしょうね。  そこで法務省に伺いますが、私はアメリカへロッキード問題で二回にわたって調査に行っていろわけですが、ヒルズ委員長にも会いましたし、米司法省にもやっぱり会っていろいろ話をいたしてまいりました。ヒルズ委員長はことしの二月も私にP3Cに関する資料は日本に、SECから司法省に届け、それが日本に行っているはずだということを私に言明されておるんです。だからP3Cに関する資料が日米司法取り決めによって日本側にもたらされている事実は、これは間違いないと私は思うんですが、資料の内容は聞きませんよ。どんなものがあるかは聞きませんが、この点は間違いないんじゃありませんか。
  199. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) わが国における捜査、裁判上必要な資料をちょうだいをいたしておりますが、その中身につきましては御容赦をいただきたいと思います。
  200. 橋本敦

    ○橋本敦君 資料の一々中身を私は具体的に聞くというんじゃありませんが、トライスターだけじゃなくて、P3Cに関する資料も日本に提供したと向こうは言っているんですよ。ヒルズ氏は私に言っているんですよ。それは捜査並びに裁判資料に関する資料の中にP3Cに関する資料も含まれていたということぐらいはおっしゃっても私は中身を明らかにしたというような具体的な問題に発展しないからいいと思うんですが、このことさえおっしゃっていただけないというのはどういう理由からでしょうか。来ているかどうかだけおっしゃっていただければ事は済むと思うんですが。
  201. 伊藤榮樹

    ○政府委員(伊藤榮樹君) 司法取り決めの内容、経緯等がございまして、中身にどういう性質のものがあるかということについてはお答えを御容赦いただきたいと思います。
  202. 橋本敦

    ○橋本敦君 これでは国防会議事務局長がおっしゃったように、関係各省庁がそれぞれの立場で疑念を晴らすようにという議長の方からの指示があればとおっしゃる。それだってこれはもう全然物にならないですね。いま防衛庁長官はアメリカの国務省がカナダ政府に対してカナダへのロッキード売り込みについては一切の不穏当な行為がなかったという証明を発せられたということを一つの参考にとおっしゃる。これは非常に意味深長なんです。違法行為と言ってないんです。それより幅が広いんです。これはインプロプライエティーですから、不穏当な行為がなかったというんです、売り込みに関して。だから、いわゆる汚職というコラプションとか、あるいは不正支払いというグラフトとか、あるいは賄賂というブライブ、これよりずっと範囲が広い。本当に道徳的にも非難されるような不穏当な行為はなかったということなんです。じゃ、日本の場合はどうか。こういうことをアメリカ政府に、私は国務省に言ってもこれは出せないと思うんですよ。というのはP3Cに関する資料はあったんだ、それは日本に渡したんだとヒルズ氏は私に言っているんですから。そうなりますと、具体的にこのP3C売り込みに関して不穏当、不道徳かつ非難されるような売り込み工作行為が一切なかったということを、疑念を晴らすというのは、長官はせっかくこのカナダの例も参考にしながらとおっしゃったけれども、これは日本の場合は私はそう簡単にいかないと思っているんですが。よっぽどこれは法務省なり、防衛庁なり、あるいは国防会議で議論をしないと、私どもは納得できる状況になりませんよ。これがならなければ、PXLの選定はどうなるかという一大政治問題になりますよね。だから、これは一体どうやってこの疑念を晴らすというつもりなのか。法務省は口をつぐんで言わない。犯罪行為はいままでのところなかったと言うだけでしょう。だから、犯罪行為にはならなくても不穏当な売り込み工作行為がなかったとは法務省は言ってませんよ。一切口をつぐんで言わない。防衛庁一体どうするんですか。国防会議どうするんですか。もういまから積極的にその方策についてお示しにならなければ、私はとてもじゃないが、この問題、前に進まないと思う。一体長官どうやるおつもりなのか。本当にまだ何の見込み案も、成案も、具体案もございませんか。
  203. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) 私はロッキード事件というのは、日本の政治史におきましてもきわみて大きな事件であったという受けとめ方をいたしております。それだけに今回のPXLの問題につきましても、LXの問題にいたしましても、私は再度そういうことを繰り返してはならぬということが、私の一番いまの大きな防衛庁長官としての仕事の一つだと思っておるのでございます。したがいまして、先ほどカナダがとりました処置等を参考にしてということを申し上げましたけれども、結論はまだ得ておりませんが、よほどな私は厳しい姿勢で臨まなければならないし、国民の理解を受けなければならぬということでおりまするので、誠意を尽くしてこの問題と取り組んでまいりまするが、アメリカに対しましてもそれなりなやはり要請もせなければならぬという決意でおりまするし、また日本の導入商社というものが決まるといたしますれば、そういうものに対しましての姿勢なり、あるいは取り扱い等につきましても処置を十分考えていかねばならぬという、そうした考えだけは持っておりまするし、また庁内においてもそのことは申し上げておりまするが、まだ結論を出す段階にいっていないということを申し上げておるのでございます。
  204. 橋本敦

    ○橋本敦君 その結論は早く出していただいて、国会でも私は論議をしなければならぬと思っておりますので、具体的な結論を早く出していただきたい。私は一つの疑念を晴らす道は、現に犯罪行為がありとして起訴しないという状況にいま検察庁はなっている。じゃ、現実の裁判進行に具体的影響を及ぼすものじゃありませんから、P3Cに関するどのような資料が米側から提供されたのか。その資料の公開を米側と交渉するということを通じて現に日本に提供された資料、これを国民の前に公開をするという努力もこれはやっぱり一つはやらねばならぬ問題だと思うし、そういうことも含めて防衛庁長官のこの問題についての結論が早く出るようにお願いをして、その結論が出た段階で私はその問題について議論をしたいと思います。  P3Cの捜査問題について聞きたい点、若干その他残ったんですが、私の時間もおしまいなので、それじゃ、きょうはこれで終わらしていただきます。
  205. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) 先ほど委員長の発言者指名で、水間参事官を本間参事官と二度にわたって指名いたしました。失礼いたしました。訂正いたしておきます。
  206. 江口裕通

    ○政府委員(江口裕通君) ちょっと訂正をさしていただきたいと思いますが、先ほど二百七十六という数字を七十五という数字に申し上げまして、それにオーストラリア、あるいはカナダ等の数字が入るような言い方を申しましたが、これは外数でございまして、この数字は外にあると、外部向けは外でございます。それだけちょっと訂正いたします。
  207. 大谷藤之助

    ○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時十分散会      ―――――・―――――