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1977-03-24 第80回国会 参議院 建設委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和五十二年三月二十四日(木曜日)    午前十時十六分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         小谷  守君     理 事                 石破 二朗君                 赤桐  操君     委 員                 遠藤  要君                 神田  博君                 園田 清充君                 中村 禎二君                 堀内 俊夫君                 望月 邦夫君                 栗原 俊夫君                 二宮 文造君                 矢原 秀男君                 上田耕一郎君    国務大臣        建 設 大 臣  長谷川四郎君    政府委員        国土庁資源局        長        飯塚 敏夫君        建設大臣官房長  粟屋 敏信君        建設大臣官房会        計課長      加瀬 正蔵君        建設省計画局長  大富  宏君        建設省都市局長  中村  清君        建設省河川局長  栂野 康行君    事務局側        常任委員会専門        員        森  一衞君    説明員        環境庁水質保全        局企画課長    神戸 芳郎君        大蔵省主計局主        計官       西垣  昭君        林野庁指導部長  須藤 徹男君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は前回すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 赤桐操

    ○赤桐操君 私は、まず治山関係の問題から御質問をしてまいりたいと思います。  今日、わが国におきましては、台風あるいはまた集中豪雨等によりまして大変大きな生命あるいは財産等に至るまで損害を起こしてきておるわけでありますが、こうした中で治山治水防災対策の促進ということは大変喫緊な課題となってきていると思います。また、社会の発展に伴いまして、国民の水利用等も非常に増大をしてきておりまするし、この面での対応等もこれまたきわめて重要になってきている課題であります。したがいまして、以下本法案をめぐりまして、治山の問題から若干お伺いをいたしたいと思います。  昔から治水の要諦は治山にあると言われてきておるわけでありますが、川の流域を管理することにおいては治山と治水はまさに一体であろうと存じます。しかしながら、治山事業のこれまでの進捗状況等を見ますると、きわめてスローテンポであるということが言えると思うのであります。復旧治山の例等を見ますると、第四次の計画の前の四十六年度末の残量、これは実に二十万五千ヘクタールでございます。ところが、四次計画が終わってみまするというと、その残量は十八万三千ヘクタールである、こういう状況になっております。この間、新たな災害が途中で起きておりまするけれども、しかし、実際の当初の残量と比較いたしてみまするというと、わずか一割程度しか残事業量が減っていない、こういう状況でございます。それからまた、予防治山の面を見まするというと、これまた同じように四十六年度末の残量、これが七十六万一千ヘクタール。これに対しまして、第四次の最終の残量を見ますると七十二万七千ヘクタール、こういうことになっております。これはわずかに五%しか進捗をしていない、こういう状況でございまして、こういう状況等を見てこれから将来のことを展望いたしまするというと、この残事業量を消化するだけでも相当の長年月を要するのではないだろうか。こういうように思うわけでございまして、これからの計画なり事業を進めていく上に当たりましての展望等について御答弁をひとつ願いたいと思います。
  4. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) お答えいたします。  従来の第一次から第四次までの治山五カ年計画の実施によりまして、昭和五十年度末現在で荒廃地の約五一%の復旧整備を完了いたしておるのでございます。なお、第五次治山事業五カ年計画では一兆三百億円の事業費によりまして治山施設の整備を推進することとしておりますが、これによりまして荒廃地の約六六%が復旧される見通しというふうに計画をしておるのでございます。
  5. 赤桐操

    ○赤桐操君 災害地等からの集約された報告等によりまするというと、事前に林野関係の治山施設あるいは建設省の砂防施設、こうしたものが整備されている個所についてはやはり被害がほとんどない。地元関係者等においても非常にそれらの施設についての評価が高いと言われております。しかし、災害の発生直後においては大変治山治水の関心も非常に高く、大きな騒ぎがなされるわけでありますが、一たんおさまりまするというと、こうした重要性等もすでに忘れ去られてしまっている、こういう状況であるように思います。  第四次の計画におきまして、その進捗状況を見まするというと、治山投資額全体の実績はまだ挙がっておりませんが、このうち治山事業については計画額五千八百億に対しまして実績は五千五十八億、こういう状況でありまして、八七・二%の状態になっております。このような状態は災害の多発、あるいは水問題の重要性等にかんがみまして、きわめてこれは遺憾だと思います。これについての見解はどのようになされますか。さらにまた、次期計画につきましてこの五カ年計画の中で治山投資の状況を見まするというと、一兆二千億円に対しまして、来年度の予算は一千三百億円程度となっております。今後の予算の各年度別のこれからの見込みですね、あるいはまた計画の達成のための推進、こうしたものにつきまして第四次の目標達成に至らなかった事情等を踏まえて考えまするときに、一体どの程度の見込みと申しますか、自信をお持ちになっているか伺いたいと思います。
  6. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 第四次五カ年計画につきましては、お話のとおり昭和四十七年度に発足いたしまして、昭和四十八年度までは計画を上回る進度で実施してまいったのでございますが、御承知のように石油危機の突発に伴います総需要抑制、公共事業費圧縮の影響を受けまして、後半進度が落ちましてただいま先生御指摘のとおり五カ年間通算で八七・二%という進捗度にとどまったのでございます。いま申し上げました事情とはいえ、まことに担当者としては残念に思っておるところでございます。  なお、今後の計画でございますが、五十二年度につきましては前年対比一二一・九%の伸び率でございまして、今後、年率一二〇・一%の伸び率ということで五カ年間をやりますと、大体一兆三百億の投資額を確保することができるというふうに考えております。
  7. 赤桐操

    ○赤桐操君 これは、重ねて伺いたいと思いますが、現在の経済情勢等々から勘案して自信があると、こういう御答弁に受け取ってよろしいわけですな。
  8. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) ただいま御答弁申し上げましたが、間違いがございますので訂正さしていただきますが、五十二年度の伸び率が一二〇・一%でございます。今後の伸び率を一二一・九%というふうにいたしますと、先ほど申し上げましたように計画量が確保できるということでございますので、訂正をいたします。  なお、自信があるかという御質問でございますが、私どもとしましては、この計画額を達成すべく最善の努力をしていきたいというふうに考えております。
  9. 赤桐操

    ○赤桐操君 最近、森林につきましては、その水資源の涵養とか、あるいは山腹崩壊防止、洪水防止等の公益的な機能に非常に期待が寄せられてきておる。四十七年に林野庁が行った「みどりの効用調査」等の結果によりまするというと、大変これらの公益的な効用が十二兆八千億にも達すると見られて評価されているわけであります。今後森林については、見込まれる水不足や河川流域の保全という面から見まして、その保全が非常に重要になってくると見られております。しかし、高度経済成長期を通じまして河川流域については非常に開発が進んできておる。森林においても一時大変なブームになったゴルフ場開発、千葉県などもたくさんございましたが、あるいはまた別荘地、大規模観光道路等の乱開発が非常に進行した。こういう乱開発による災害を大きくした例が非常に随所で出てきておるわけであります。その後、国土利用計画法あるいは森林法等の改正が行われまして森林の開発規制がかなり厳しくなってきた。そういう関係からいたしまして、災害の防止や水の利用の上から開発規制の運用、森林の保全等についてのこれからいろいろ当局としてのお考えもあると思いますが、この際ひとつ承っておきたいと思います。
  10. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) ただいま先生のお話のとおり、最近まで開発が非常にスピーディーに進められた結果、特に人家、公共施設等の保全対象がいわゆる山地崩壊危険個所に近接してきておるというような現況がございます。そこで、第五次治山五カ年計画では都市周辺におきます保健休養、防災を兼ねました生活環境保全林整備事業を初め、都市化に対応いたしました治山事業の推進に努めることにいたしておるのでございます。また、ただいま先生から御指摘ございましたように、将来の水需要の増大に対処をいたしまして、ある地域におきましては水不足というような事態が考えられるのでございまして、水源地域の保安林の改良事業等につきましても積極的に実施をしていくことにいたしておるのでございます。  また、これも先生御承知のとおりでございますが、従来から国土保全上重要な森林につきましては保安林に指定いたしまして開発行為等を規制してきておったのでございますが、先般の森林法の一部改正によりまして昭和四十九年の十月末から林地開発許可制度を発足させまして、保安林以外の森林についても事前に都道府県知事の許可を要するということにしたものでございます。このような保安林あるいはその他の普通林の開発規制等によりまして、今後十分に開発に対するチェックをしていくつもりでございまして、今後はそういうことによりまして対応していきたいというふうに考えておるのでございます。
  11. 赤桐操

    ○赤桐操君 いま保安林についての見解が出ておりますが、重ねて伺っておきたいと思いますが、この森林の公益的な機能に立脚した保全策については、この保安林制度で推進されているわけでありますが、特にこのダムの適地の減少、あるいは建設までのダムの年月を要する、こういう状況等から見まして、森林におけるところの保水機能をあわせて水問題に対処する必要が非常に多くなってきている、こういうふうに言われておるわけであります。保安林整備臨時措置法等によっていまのような形で進められておりますが、そこでもう一歩、ひとつこれ以来の実績、これがおわかりになりましたらひとつお示しを願いたいと思います。それから今後の対処方針、これをもう一遍ひとつもう少し具体的にお話を願いたいと思います。
  12. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 概数でございますが、後ほど必要があれば資料はお届けいたしますが、現在保安林総数は約七百万ヘクタールでございますが、今後、保健保安林を含めまして百万ヘクタールを指定をしていこうということでございまして、総数約八百万ヘクタールを計画いたしておるのでございます。
  13. 赤桐操

    ○赤桐操君 現在の保安林の状態を大体概括してみまするというと、四十九年現在では七百万、これがおっしゃるようにもう百万ふやして八百万になる。このうちの大体半分が民有林である、こういうように見られておりますけれども、大体民有林の場合等におきましては、森林所有者の負担で案はこの公益的機能が確保されていると、こういうように考えられるわけです。相当の負担があると思う。他方において、いろいろ高度経済成長時代等の影響から山村が非常に過疎化する、労働力が流出してしまう、山の管理に手が回らない、こういう状況になってきて大変荒れてくる、こういう状況であると思うんであります。この保安林の維持、管理、造成といいますか、こういうものが大変大きな問題であると思うんでありますが、これらに対するところの費用等についてもっと積極的に公的な負担を行うというお考えはないかどうか、あるいはまたその必要があると考えるかどうか、これらの点について伺いたいと思います。
  14. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) ただいま先生から御指摘のとおり、森林それ自体が公益的な機能を持っておるわけでございますが、その中で、保安林につきましては法的な規制をかぶせておるわけでございまして、森林所有者にとりましては、それだけが負担になっておるわけでございまして、従来から保安林につきましては、固定資産税あるいは都市計画税の免除というふうなことをやっておりますし、特に伐採を制限いたします禁伐林等につきましては、その補償をやっておるわけでございまして、立木価格の約五%を補償をいたしておるのでございます。また、さらに重要な保安林等につきましては国が買い上げるというような、保安林の買い上げも実施いたしておるわけでございまして、今後ともこの買い上げ等につきましても積極的に対応していく必要があるというふうに考えておるのでございます。
  15. 赤桐操

    ○赤桐操君 第一期、第二期の状態を見ますると、買い入れ状況等は実績が非常に低いように思うんです。第一期で三九%、第二期で二三%、こんな程度なんですね。いままあそうしたお答えがあったんですが、一体具体的にこれからどのくらいの積極策をとるか、考え方を明らかにしてもらいたいと思うんです。
  16. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) ただいま先生から御指摘のとおり、第一期整備計画、第二期整備計画は計画に対しまして実績が非常に低いのでございますが、これは買い上げの対象団地を三百ヘクタールというふうに限定をしておった関係がございまして、なかなかそういう対象地がないということで実績が低かったのでございます。なお、今後はそういう限定を外しましたので、対象地につきましては割合買いやすいという状態になってきておるわけでございますが、生活環境保全林を含めまして買い上げが事業費で八億八千万計画をいたしておりますが、なお今後これは予算との関係がございますので、積極的に予算を確保するように努力をしていきたいというふうに考えております。
  17. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、治水関係の面に入りたいと思うんでありますが、第四次の五カ年計画では四兆五百億円ということでございました。この進捗率を大体九四%で終了しようとしておるというわけでありますが、最近におけるところの災害の多発状況、こうした状況の中で、治水対策の問題につきましては、いま少しくその原点に立ち戻って策定をし直す必要があるのではないか、こういうように実は考えられます。  そこで、第五次の計画について見まするというと、事業量の拡大等を考えて概算の段階では大体八兆円の予算をもくろんだようでありましたけれども、事実上はこれは約一兆円の減となっておるように思います。こういう状況になってまいりまするというと、当初描いたいろいろの見込み、目標、こうしたものをかなり縮小することになると思いますが、この新五カ年計画の中では、したがってどこか重点的に焦点をしぼっていかなければならぬことになると思いますけれども、その焦点はどこに置くように考えておられるのか。新計画の策定に当たりましてひとつ政府の所見を御説明いただきたいと思います。
  18. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 第五次五カ年計画、どこに焦点を置いてまずつくったかという御質問でございます。最近の災害の実態あるいは用水不足の実情ということを踏まえまして、被災河川の治水対策というものを緊急的に整備していく、そういうものを中心にしまして、次の事項に重点を置いてまず促進を図るよう現在検討を進めているところでございます。  まず、第一点としましては、著しく整備がおくれております中小河川、都市河川の整備を積極的に推進していきたいというのが第一点でございます。それから最近の災害を見ておりますと、土砂の流出によりまして多くの人命が失われるということにかんがみまして、土砂流、土石流対策といいますか、そういうものにも重点を置いていきたい。それから近年――昨年も長良川のように大河川が破堤したわけでございます。そういうことにかんがみまして、重要河川治水対策ということもなおざりにできないということでございます。それから本年度発足いたしました激特事業、いわゆる激甚災害対策特別緊急事業でございますが、これを再度災害を防止する見地から計画的にやっていかぬといかぬということでございます。  以上が治水的な面におきます重点でございまして、そのほかにいわゆる生活用水を初めとしまして増大する水需要に対処するために、いわゆる治水計画とあわせまして多目的ダム等の水資源開発の施設を強力に推進していきたい。そうしまして将来におきます水需要にも対処していきたい。  以上でございます。
  19. 赤桐操

    ○赤桐操君 治水事業が昭和三十五年に第一次計画が設定されまして以来、国あるいは地方の相関関係で計画的に進められてきて今日に至っておるわけでありますが、昭和六十年次を目標として国土建設長期構想というものができ上がっておりますね。こうした長期構想の中で一体現在の整備状況というもの、その水準と申しますか、それはどの程度に位置づけられているのか伺っておきたいと思います。
  20. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 昭和六十年の長期構想でございますけれども、これを大河川対策、中小河川対策、それから土砂害対策と、環境ももちろんございますけれども、大きく治水面でいきますとこの三つに分けてございます。そうしまして、大河川の目標としましてはいわゆる戦後最大洪水をまず防ごうと、そして再度災害を防ぎたいと。大河川の計画でいきますと、一般に百年に一回から二百年に一回の洪水を計画としてございます。しかし、戦後最大洪水でいきますと、大体平均しまして五十年に一回の洪水でございますが、それを対象にして整備していきたいということで、現在の整備率でいきますと五二%、大河川は、でございます。次に、中小河川でございますが、これは時間雨量五十ミリを対象に目標を立てておるわけでございます。これは五年ないし十年に一回の洪水でございます。各中小河川の持っております基本的な計画といいますともっと大きい計画でございますが、これもシビルミニマムの五十ミリを対応にしてやってございまして、現在の整備率を申し上げますと一三%と、そのうち都市河川が二六%というふうになってございます。土砂害対策としましては、同じようにいわゆる五十ミリというものを目標にいたしまして、現在の整備率では一〇%という現状でございます。
  21. 赤桐操

    ○赤桐操君 新五カ年計画がこれから遂行されていくわけでありますが、これが完成されたその時点では、一体どの程度の状態になるか、いまのお話がどの程度まで伸びるか。
  22. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 現在鋭意検討中でございまして、正確でありませんけれども、大筋としてお答えいたしたいと思います。  大河川につきましては、せめて六〇%は超えたいというふうに考えてございます、先ほどの戦後最大洪水に対しまして。中小河川につきましては、二〇%を目標に現在の一三%を二〇%程度に上げていきたい。土砂害対策としましては、現在の一〇%をせめて一五%は超したいというふうに考えてございます。
  23. 赤桐操

    ○赤桐操君 経済情勢の変化あるいはまた都市化の進展、さらに水需要の大変増大をしてきておる現況、気象などの異常な状態等々の要因で、かなり整備目標をいろいろとこれから進めていく中では考えていかなきゃならぬ点が出てくると思うんであります。一応の整備目標があるといたしましても、それらに対してはその都度修正あるいは改定等の必要も出てくるだろうと思いますが、将来方向についてさらにどういうようなお考えを持っておられるか。
  24. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) この五カ年計画の中におきまして、いわゆる大災害が起きたとかその他大きな問題が生じた場合には、それに対処し得るように弾力的にやっていきたいというふうに考えてございます。
  25. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、この治水事業と財源問題について若干お尋ねしておきたいと思うんでありますが、道路財源のような特定財源がないこの治水事業の財源対策というものについては、この現状、低成長といいますか、税収の落ち込みが非常に大きい。こうした中では大変大きな課題であろうと思うんです。公共事業全体の中で治水事業の位置づけと申しますか、これは非常に相対的に低下をしてきておる、こういうようにまあ見られておるわけでありますね。昭和二十六年の治水事業が全公共事業の中で一九%、四十九年では六・七%、こういうようになっておるわけでありますが、五十年あたりではどのくらいになってきているか、この点ちょっと伺いたいと思います、おわかりになれば。
  26. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) ちょっと調べますから……。
  27. 赤桐操

    ○赤桐操君 さらにまた、四十七年から五十一年の五年間の治水、道路の投資比較でありますが、この五年間では治水関係は四兆五百億円、経済社会基本計画全体の投資の五・二%だと、ところが道路の方は十九兆五千億円に達しておりまして二一%相当である、こういう状況になっているようであります。国土保全と国民の生命、資産を守るためには、そのときどきの景気動向等に左右されるということではなくて、治水投資のコンスタントな拡大といいますか、推進といいますか、そういうものが最も必要なことではないかと考えられるわけでありますが、この点についてひとつ見解を承っておきたいと思います。
  28. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、治水投資というものはいわゆる景気に左右されないで、そして着々と促進すべきである、これは先生のおっしゃるとおりだと思います。しかしながら、現在治水の投資というものは、いわゆる経済計画百兆円の中におきましてその整合を保って行われておる次第でございまして、建設省としましてはこの五カ年計画を必ず達成すると、必ずこの予算を獲得するということで今後も進んでいきたいというように考えます。それから財源問題につきましては、またいろいろ問題もあろうかと思いますけれども、いろいろいま現在勉強をしておるという段階でございます。
  29. 赤桐操

    ○赤桐操君 新五カ年計画の各年度別の投資額の伸びの状態について御説明いただきます。
  30. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 第五次治水事業五カ年計画の平均伸び率は約二一・七%程度でございます。したがいまして、計画的にいきますと二一・七%ずつ伸ばしていくということになろうかと思います。しかしながら、いわゆる現在の治水事業の現状、毎年のような大災害、あるいは水の将来展望を見た場合の水の不足というものから見た場合におきましては、この二一・七という平均の伸び率よりもやっぱり前期にもっと伸ばして、そうして地域の皆さん方に安心していただくという方向で進んでいきたいというふうに考えます。
  31. 赤桐操

    ○赤桐操君 それに対する当然資金問題が出てくると思いますが、先ほどもちょっと答弁がありましたけれども、これは大体見通しはついておるわけですか。
  32. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 資金問題につきましては、これは国全体の予算との関連もございますけれども、ぜひそういう私たちの要望を達成していきたいというふうに考えます。
  33. 赤桐操

    ○赤桐操君 災害関連事業あるいは地方単独事業等に対しての積算の根拠といいますか、積算の根拠についてお伺いをしておきたいと思います。
  34. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 災害関連事業あるいは地方単独事業でございますけれども、これにつきましては、過去五年間の実績、第四次治水事業五カ年の実績に基づいて第五次を積算してございます。
  35. 赤桐操

    ○赤桐操君 第一次から予備費というのが大分ずっと続いてきているのですけれども、私は余り前のことはよくわかりませんが、どうもこの予備費というのは使われていないように思うのですね。ほとんど毎年使われてこないのではないかと思うのですが、この予備費というのは一体どういう性格のものなんですか。
  36. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 治水事業の五カ年計画におきましては、先生がおっしゃいましたように、予備費というものは過去一度も使われていないというのが実態でございます。それで、今度第五次治水事業五カ年計画におきましては、いわゆるこの予備費の使い方というものにつきまして、大きな災害が起きまして緊急に対策を必要とするとか、そういうふうなことに対処しまして、当時の財政も絡みますけれども、弾力的に活用していきたいというふうに考えてございます。
  37. 赤桐操

    ○赤桐操君 支出の方法ですね、基準といいますか、そういうものはあるのですか。
  38. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 現在のところそういう基準は設けておりません。しかしながら、大きな災害がありましたときには、いわゆる財政当局とも十分話を詰めながらこれを活用していきたいというふうに考えます。
  39. 赤桐操

    ○赤桐操君 それじゃ第五次の中では使われる可能性があると、こういうように理解してよろしいですか。
  40. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 第五次の五カ年計画の五年間の中におきましての災害の発生の程度、あるいは当初第五次五カ年計画で予想もしなかった大きなプロジェクトができてきたとか、そういうふうなことが起きれば使ってまいりたいというふうに考えます。
  41. 赤桐操

    ○赤桐操君 先ほどの五十年度の全公共事業との関係はわかりましたか。
  42. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先ほどの五十年におきますシェアでございますけれども、治山治水では五十年におきまして約一六%でございます。
  43. 赤桐操

    ○赤桐操君 四十九年における治水事業が全公共事業のうち六・七%ですよね。これが五十年で一六%に伸びておるのですか。
  44. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたのは、治山治水としては一六%と申し上げたのでございますけれども、これをさらに細分しまして、治水だけとりますと約一〇%程度でございます。
  45. 赤桐操

    ○赤桐操君 この表の中で見るというと、構成比がちょっと違うように思いますね。治山治水全部でこれは五十年度は八・四%だと思いますがね。後でよく検討してください。
  46. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 後で十分検討して御報告いたしたいと思います。
  47. 赤桐操

    ○赤桐操君 それでは、いろいろと今日まで第一次から長い間にわたりまして治水工事が行われてきておりますが、最近のいろいろの起きてきておりまする災害等から見まして、いろいろと反省しなければならぬ時期に来ているように私どもは考えております。近年の河川災害の状況を見まするというと、戦後主力を注いできたはずの大河川、こういうところで大変な被害が頻発をいたしております。  現在の河川工事の方法は、要するに降った雨を川に封じ込める、海に流す、こういうことが大体中心で、それにすべての技術を投入していると、こういうように感ずるのであります。したがって、それらの技術で解決される段階はよろしいのでありますが、それを超える大きな雨が降る、洪水が出る、こうなってくるというと、とうていそれは対応し切れないものになってまいります。要するに、川は生きておるわけでありまして、その自然の摂理というものをもう少し根本的に踏まえた何らかの方法を考えていかないというと、これらの問題の解決にはならぬのではないか、こういうように感ずるものがあるんですが、いかがですか、この点は。
  48. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃいますように、今後いわゆる河川改修だけじゃなくて、総合的に考えていかないといけないというのを痛感しております。まず都市水害災害を軽減するためには、治水事業を推進するということが、そうしまして治水施設の整備を強力に進めるということが第一義でございます。これは最近の災害におきましても、整備されておるところは災害がなかったというところからいきましても、まず最重要でございます。しかしながら、先生がおっしゃいますように、あわせて適正な土地の利用ということが行われることが必要でございます。したがいまして、河川改修――河川改修の中には、いわゆる堤防の中に洪水を閉じ込めるだけじゃなくて、上ではダムをつくり、また途中では遊水地をつくりというふうに、水を遊ばせながら、しかも川の中で洪水を防いでいく。あわせまして、適正な土地利用を含めた総合的な治水対策を推進することが必要だと思います。このため建設省におきましては、河川審議会に総合治水対策委員会というものを設けまして、現在精力的に審議を進めておる次第でございます。  それで、この審議の内容としましては、適正な土地利用が行われるための施策、そういうことのほかに、流域の各地域のいわゆる洪水に対する安全度の調査、災害のときの警戒避難体制、あるいはどういうふうにして降った雨を各地域地域に遊ばせるか、あるいは貯留するかという総合的なこと、いわゆるソフト面な治水というものも現在あわせ検討を行っておる次第でございます。
  49. 赤桐操

    ○赤桐操君 いま総合的な土地利用の問題が答弁の中で出ておりますが、やはり全国的に土地の適正利用というものを基本的に踏まえた計画が基礎をなすものだろうと思うのです。そういう意味で、たとえば上流の方ではどうあるべきか、水資源の涵養の問題、これを確立しておくのには森林をいろいろの対策で保管をしていく形をとらなければならぬでしょうし、あるいはまた住宅地域などがこの沿岸にできていく場合におきましては、その土地条件の判定等もかなり綿密にしていく必要があると思うのですね。だから、一本の川の周辺にはいろいろの条件というものがあるわけなんで、そうしたものを多角的な立場で、土地の適正利用という角度で踏まえていかないというと、これからはとうていできないだろう、こういうように私ども考えるわけです。そういう意味で、そうなってくると、土地の適正利用というものについての全国的な調査なり網の目を張った対策が確立されなければ、いかに土地の適正利用ということをその場になって考えてみても、これは実際の各年次の推進の中には活用されていかないことになると思うんですね。審議会でいろいろ検討なされておると思いますけれども、それらの関連をあわせてひとつ御説明願いたいと思うんです。
  50. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先生がおっしゃいますように、いわゆる適正な土地利用と、それにはやはりその土地の診断書が必要だと思います。基礎になるデータでございます。建設省におきましては、いわゆる三大都市圏につきまして現在洪水はんらん予想区域の調査を行っておる次第でございます。  この内容を申し上げますと、たとえて申し上げますと、ここの土地はいわゆる雨が五十ミリぐらい降ればどの程度水がたまると、どの範囲でたまるというふうなことを各地域地域につきまして調査をし、それで図面をつくっていきたいと。そしてそういうふうな基礎データをもとにしまして、いわゆるその三カ年計画でもつくりたいと思っておりますけれども、そういうのをもとにしまして、いわゆる各役場にそういうものを預けておくと。そして土地利用の場合あるいは住宅を建てる場合の一つの適正な土地利用の誘導に使ってもらいたい。あわせまして、そういう調査が洪水のときの住民の皆さん方の避難体制にも使っていただきたい。といいますのは、住民の皆さん方に自分が住んでいる土地が水に対してどういう土地であるかということを十分知ってもらって、前もってラジオその他ニュースによって避難をしていただく、そうしまして国と地域の皆さん方一体となって、いわゆる治水の被害の軽減、あるいは適正な土地利用に向かっていきたいというふうに考えてございます。
  51. 赤桐操

    ○赤桐操君 重ねてお伺いしたいと思うんですが、そういうデータというものは簡単にできるものなんですか。
  52. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) それにはやっぱり土地の地形図とかいろいろ必要になってきます。あるいは水文学的な計算とか、あるいは過去の実績を踏まえたつくり方とか、そういうものを総合的に使いまして現在調査中でございます。
  53. 赤桐操

    ○赤桐操君 まあ私も実は地理学者なんかと大分つき合いがあるんですけれども、いわゆる地形分類なり、あるいはその地質の各種のいろいろ検討、こうしたものの中で、まあ建設省あたりが土地利用の問題を口にしない前から、大変古い実は学者間の研さんの中で積み上げられてきた問題だったと思うんですよ。そういうものが今日ようやく評価されてきている段階だろうと思うんでありますけれども、しかし、その裏づけになる資料を全国的につくり上げるということは、そう簡単なことではないように私は認識しているんですけれども、この点は一つの年次計画ぐらい立てて推進しなきゃできないだろうと思うんですけれども、それは具体的にどういうように取り組んで考え方を進めていかれるんですか。
  54. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 昭和五十年からそういう調査も始めておるわけでございます。それで、まあ三大都市圏につきまして三カ年計画でそういうものをつくりたいというふうに考えてございます。
  55. 赤桐操

    ○赤桐操君 三大都市圏、三カ年、大分簡単な考え方のようでありますが、少なくとも全国的に日本の場合におきましては、これは進めていかなければならない問題でありましょうから、ひとつ今後積極的にこの問題に取り組んでいくべきだろうと思うのです。このことをひとつ私も提起しておきたいと思います。  それからさらに、それらの土地利用の推進につきまして、いろいろのデータをつくり、御苦労いただくことになるだろうと思うのでありますが、いろいろのこの仕事を進めるにおきましては、やはり一つの河川あるいはその流域というものを考えると、これはもう一体であると、こうなってまいりまするというと、建設省は建設省、農林省は農林省と、こういうもう考え方は成り立たなくなると思うのですね。しかもいまのような土地の利用区分を行い、基礎的なデータをつくってやっていくんだというようなことになりまするというと、これは総合的な一本化した指導体制ができなければならないだろうと思うのですが、その指導体制についてはどういうように考えておりますか。
  56. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 現在、河川審議会の中でいろいろやっておるわけでございまして、その答申を得ますと、それをもとにして今度建設省内部の――建設省でできる問題も多々ありますから、建設省内部の一つの意思の統一というものが必要になってまいります。と同時に、いわゆる水源におきましては森林の問題とか、いろいろ農林省、他省庁の問題も出てくるわけでございます。そういう場合におきましては、今度は国土庁なども一緒になって、そうして関係各省と一体となって、いわゆるこの流域はどうあるべきかという方向で持っていく必要があるというふうに考えてございます。
  57. 赤桐操

    ○赤桐操君 治水事業の中で、第五次ですか、この中で新規事業が含まれておりますね。五十二年度から多目的遊水地事業、それから荒川調節池緊急水利用高度化事業ですか、こうしたものが登場してきておるわけでありまするけれども、これらの事業の概要、国庫補助の状態、あるいはこれからこれを進めていく上における問題点、こうしたものについてひとつ概括的な御説明を願いたいと思います。
  58. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 少しお待ちください。
  59. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  60. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 速記を起こして。
  61. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) まず、多目的遊水地でございます。多目的遊水地は、都市近郊においていわゆる遊水地を確保する有効な手段であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、条件の整った個所について今後とも事業を拡大していきたいということで、さっき先生おっしゃいました、いわゆる新年度の問題でございますけれども、綾瀬川の大宮地先において計画してございます。新年度の予算は二億ということでございます。それで総体の事業費でございますけれども約四百億というふうに考えてございます。この構想としましては、制度創設の理由といいますか――としましては、都市近郊におきます自然遊水機能を有する地域におきまして、いわゆる遊水機能の確保を図ると同時に、その中にピロティー方式の住宅団地とかあるいは公園、そういうものの都市機能上必要な都市施設をあわせて中につくる、そうして一体となって都市水害の防止、軽減を図っていきたいということを目的としておる次第でございます。将来の計画としましては、六つの遊水地につきまして現在調査中でございます。  それから荒川の下水処理水の問題でございますが、これは荒川の左岸におきまして、埼玉県側でございますけれども、いわゆる終末の流域下水道の処理場があるわけでございます。その処理された下水処理水をいわゆる高水敷の河原の砂利層を通しまして、さらにそれをきれいにする、それを川に流しまして現在あります維持用水を新しい都市用水として暫定的に振りかえていきたいということでございます。これは埼玉県の上流部に、いわゆる井戸水の過剰くみ上げによりまして非常に地盤沈下しておるわけでございます。そういう方面にこの水を使っていきたいというふうにも考えてございます。この事業費は総額で約四百億円というふうにいま予定してございます。  以上でございます。
  62. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、河川の管理の問題でお伺いしたいと思います。  四十九年に多摩川、五十年に石狩川、五十一年に長良川、三年連続で実はいろいろの事故が発生しておるわけであります。それは管理が一番徹底しているはずの第一級の河川であるわけでありますけれども、そこで決壊をいたしたと、こういう状況になっております。昨年の台風十七号では一級河川の長良川が決壊いたして、その原因は、いろいろと各種の原因が明らかにされてきておるわけでありますが、問題は、これらの原因は言うなれば河川管理の不手際から来ている。こういうことで、かなり住民からの批判が高まってきておったと思いますけれども、これについては、まず私はそうした状況等を見て考えてみまするというと、今日流域一帯が非常に生活の場になってきておるし、社会的な条件が年々変化をしてきている。これはいろいろの施策は講じてきておるかもしれぬけれども、講じたその時代の状態そのままではない。こういう状況の中で従来の河川管理方法というものを常に見直していかなければならぬ状態に置かれているのではないか、社会のいろいろの条件変化に適応する管理体制がとられていかなければならぬのじゃないかと、こう実は思うわけです。  その中で、一つの問題になると思うんですが、やはり何といってもこれは管理要員がなくてはできないことでありまして、建設省は何次かの定員削減等を行う中で、こうした面の定員削減がかなりとられてきておるように思います。いわゆる建設省合理化対策というものであろうと思いますが、そういうようなことなどもかなりこれらに影響をしているのではないだろうか。多様化しつつあるところの行政需要に適合する体制、こういうものについていまいろいろと再検討する必要があるのではなかろうかと思いますが、どういうようにお考えになっておられますか。
  63. 粟屋敏信

    ○政府委員(粟屋敏信君) いま先生御指摘ございましたように、建設省関係の定員は過去三次にわたる定員削減計画によって昭和五十一年度までに六千人の定員減となっております。さらに、五十二年度から新しく第四次の定員削減計画がスタートするわけでございまして、その中でも千三百二十四名の定員削減計画となっておるわけでございます。いま先生おっしゃいますように、建設省の公共事業関係費は伸びが非常に著しゅうございまして、いままでの間に定員削減計画が始まってから国費にして三・六倍程度一人当たりの消化量が伸びておるわけでございます。そういう点で定員削減がいわゆる行政サービスの低下を招くのではないかという御指摘については、そういう御心配も私どもは十分わかるわけでございまして、ただわれわれといたしましては、やはり効率的、合理的な人員によりまして行政サービスを充実していくということが国民に対しましては最も肝要なことと存じまして、かねがね省力化等の努力もいたしておりますし、行政サービスの低下は来さないように努力をしておるところでございます。  建設省といたしましては、こういう事態に対処いたしますために、昭和五十年以来定員管理研究会をつくりまして、果たして行政サービスを低下させず、かつ定員削減計画に対応するにはどうしたらいいかということを検討をいたしておりまして、現在さらに将来に向かっての方途を模索しつつある段階でございます。私どもといたしましては、定員削減はやはり今後効率的、合理的な実施という点である程度避けられないと思いますけれども、限られた人員で最大の効果を上げる方途は何かということについては今後とも十分検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
  64. 赤桐操

    ○赤桐操君 重ねてお伺いしたいんですが、現場におけるところのこうした管理要員というのは、ちょっと一朝一夕にはできないんじゃないかと思うんですね。やはりいろいろの体験が必要だと思うんですよ。私はこれをいろいろ見ながら感じていることは、国鉄でもいま問題があるんです、現実に。線路の保安要員というのがありますね、保全ですか、これをいまどんどん請負化しておる。みんな首切ってしまっておる。それで、この人たちをつくり上げるのには最低十年かかるということなんですね。その人たちを全部切って、次々と――採用しないわけですからあと補充がないわけですね。老齢化していくからどんどん去っていくと、こういうことになる。完全に請負化してくるわけですよ。これはやっぱり将来大きな危険を招くということで、私はやっぱり問題点だと思うんです。アメリカなんかでは日本から新幹線持っていっても保安ができないと言うんです。保全ができない、敷けないと、こう言っておる。こういう状況だと思うんです。こうした管理要員とか保安要員というものはやはりそう一朝一夕にできる要員ではないわけですね。そういう者を整理してしまうと、これは一番先に整理される要員だろうと思うんでありますけれども、これはやはり私は大きな問題としてはね返ってくるだろうと、こういうように思うんです。重ねてひとつ所見をお伺いしたいと思います。
  65. 粟屋敏信

    ○政府委員(粟屋敏信君) 建設省は、従前におきましては、工事につきましても直轄、直営ということをやっておったわけでございますが、それが次第に請負の方向に向かってまいったわけでございます。このことはある程度限られた人員で効率的な仕事を実施していく上には、ある程度はやむを得ないことと考えておるわけでございますが、先生御指摘の一番問題になりますのは、たとえば河川の管理区間、直轄管理する区間がございますが、そこを常時見回りをいたしまして、堤防に穴があいていないか、漏水のおそれはないか、こうゆうことを常に点検をする必要があります。道路につきましてもやはり同様なことが言えると思うわけでございまして、私どもといたしましては、事業の実施につきましての請負化という点はある程度やむを得ないと思いますけれども、いま申し上げましたような常時の見回り、監視という点につきましては最大限の考慮を払いまして、この点の人員の確保につきましては最大の考慮を払っておるところでございます。
  66. 赤桐操

    ○赤桐操君 五十年度から災害危険個所の点検調査というものがなされているようであります。これは大変大切なものであろうと思うんでありますが、今日までの実績と申しますか、進行状況等についておわかりでしたらひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  67. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 昨年の長良川の堤防の決壊にかんがみまして、堤防の総点検といいますか、そういうものをやっておる次第でございます。それで、現在鋭意作業中でございまして、ことしの秋にその成果が出てくるというふうになってございます。
  68. 赤桐操

    ○赤桐操君 同時にまた、昨年度から洪水はんらん予想区域設定のための調査、こういうものが進められてきておりまして、五十二年度から区域設定がされようとしているようであります。これらの概要あるいはまた効果、これからの問題点等が明らかになっておりましたら御説明を願いたいと思います。
  69. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 洪水はんらん予想区域の調査でございます。これは先ほども若干御説明いたしましたけれども、いわゆる中小河川におきましては、この川は何ミリ程度の雨が降った場合にあふれるであろうかと、これが一点。あふれた場合に、どの程度まで水がつかるであろうか、あるいは内水としてどの範囲、どの深さまで水がつかるであろうかとか、そういうことを現在調査をやっておるわけでございます。それで、問題点としましては、いわゆるそういう調査をやりまして、そして一般に示すとなった場合に地価が下がるんじゃなかろうかというのも一つあろうかと思います。それからまた、そういうふうなことをやる前に、じゃ治水施設をもっと促進すべきじゃなかろうかというふうな意見もあろうかと思います。そういうふうにまた行政上いろいろな問題点も出てこようかと思います。
  70. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、中小河川対策について伺いたいと思います。  中小河川災害が全国各地において最近恒常化してきておる、こういう状況であります。その原因としては、大河川改修が実は先行をしている、そして中小河川が後回しにされているためだ、こういうように言われておるわけであります。根本的な原因というのは、中小河川と大河川とが改修計画自体において基本的に違いがあるんじゃないかと、こういうように感ずるんですが、この点はいかがですか。
  71. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 一般的に大河川の支川が中小河川でございまして、中小河川を受ける大河川の改修というものが必要になってくるわけでございます。それで、計画の間に違いがあるんじゃなかろうかという問題でございますけれども、これは水系的にいわゆる中小河川は五十年に  一回の洪水を対象にするとか、大河川は百年以上の洪水を対象にするとか、いわゆる地域経済性、重要性とに応じて、水系をバランスをとって計画を整合させておるという次第でございます。
  72. 赤桐操

    ○赤桐操君 中小河川の中で、特にいろいろ人口集中地域都市地域におきましては都市河川の問題が大きな問題になってきていると思います。都市河川の流域というのは、これは大変な市街化の関係で状況が急速に変化をしているところでありまして、しかし、まあ千葉県などのいろいろ都市化されていく中での現象を見てみまするというと、それでもまだ大規模団地が開発されていく場合においては一定の条件のもとで行われていますから、ある程度いいと思うんです。スプロール化現象の中で漸次ふくらんでいったところは、これは実は大変な問題を引き起こしていると思うんですね。県段階あるいは市段階等でいろいろの意見を聞いておるのでありますが、こういうことを言っておるわけであります。かつての小さい小川の時代においては、それは周りがいわゆる都市化されていないわけでありまするからそれで済んだわけでありますけれども、都市化され、周辺が変わってくるというと、まず流量が変わってくる。それに引きかえて、河川がこれに対応する態勢がないので溢水はんらんを繰り返してしまう。こういうようになると思うんですけれども、たとえば船橋なら船橋あたりで河川の幅を広げようとする。そうするというと、密集市街地でございますからなかなか用地の買収が困難である。事実、担当者が金がなければこれはとてもじゃないが交渉に行く元気がないので、これはどうしても金が必要になる。しかし、一体、交渉してみるというととてもその金では引き合いにならない、こういう状況である。大変複雑な行政処理が必要になってくるわけであります。こういう状況の中でいろいろといま問題が出てきておりますが、こういう問題については、これは何といっても高度成長時代の中から出てきた一つの大きな現象でありまして、国の施策の中から私は出てきた問題だろうと思うんです。したがいまして、この治水施設の整備等については、これはやはり国の第一義的な責任で処理をするという姿勢がそこに貫かれていかなければ、こうした問題はいつまでたっても解決ができないだろうと思うんです。やがては都市河川の大変な問題に逢着する。こういうことになると思うんですが、この点についての見解はいかがですか。
  73. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、都市部におきます河川改修というものは非常に困難を伴うわけでございます。しかしながら、やはり国として責任を持っていわゆる洪水対策をしていかなきゃいかぬということで、できるだけ川底を下げたり、やむを得ぬ場合には拡幅したり、そらしまして現在鋭意進めておる次第でございます。
  74. 赤桐操

    ○赤桐操君 大都市周辺のいわゆる大規模宅造等におきましては、地方公共団体の開発要綱が非常に厳しい。こうした中で、公共関連事業として開発関係の事業主体のいわゆる事業主に対しましてかなりの実は整備を求めてきているわけですね。それで、実際これは私も経験しておるわけでありますが、たとえばその団地に沿うている進入道路、こういうものなんかがいわゆる都市河川に、川沿いにあるような場合においては、その都市河川の改修まで求められるということがしばしばでございます。これが結果的には事業主体にその責任を負わしているような形をとってはいますけれども、実際にはいわゆる受益者負担の原則といいますか、入居者に全部これは転嫁をされていくと、こういう状況なんです。ですから、そこに入る人たちの犠牲で河川の改修までやらされることになるんですが、この点についてはどのようにお考えになりますか。
  75. 大富宏

    ○政府委員(大富宏君) 先ほど来御質疑がありましたように、河川流域の宅地開発というのは、河川改修計画と整合性を保つのがまず基本でございますけれども、お述べになりましたように、人口急増地域における、ことに都市河川の場合には、市街地拡大のテンポが非常に速い、そのために河川改修がおくれる。で、非常に大きい問題が出る。その結果、現在の都市計画法では、宅地開発をする場合に、千平方メートル以上の宅地開発については河川管理者の同意がなければ開発ができない、こういう仕組みになっているわけです。河川改修計画がテンポが合いますならば、いまお述べになりましたような受益者負担的に、しかもそれは最終需要者に、末端にしわ寄せされるような受益者負担ということじゃなくて済むわけでございますけれども、現在まだそこまでなかなか河川改修計画は手が及ばないということなもので、冒頭にお述べになりましたように、公団等の公的機関が大規模にやるという場合には、有効な排水施設あるいは防災調整池というようなものをつくりますけれども、千平方メートル以上の、細かい個別的な開発については勢いやっぱり公共公益施設の負担というような、あるいは開発指導要綱に基づくところの公共公益施設の負担というものが非常に強いわけでございます。公共公益施設の負担では大きいいろいろなものがございますけれども、やはり人口急増地域における都市河川流域の開発において一番大きいのは、やっぱりこういった河川改修負担だろうと思います。  そこで、開発許可という正式の制度を通ってくるものにはそういう非常に大きい受益者負担がかかる。ところが、いま盛んにミニ開発なんて言われているように、千平方メートル以下の開発許可を要しない戸建ちの、ばら建ちのスプロールの場合には、そういうような負担が全然かかっていかない、非常に不均衡の問題も出てくるわけでございます。いまその辺が非常にむずかしいわけで、河川局長もお答えしましたように、基本的にはこういった市街地の拡大のテンポと河川改修計画と合わせていくということが基本でございますが、そのテンポが合わないという場合にはある程度の受益者負担はやむを得ないといたしましても、それがそういった開発許可をめぐるアンバランスの負担にならないように、ある程度公共負担でこれを処置していくという施策が非常に重要になってくると思います。
  76. 赤桐操

    ○赤桐操君 まあこれは私は実例をもとにしてお話ししているんですけれどもね。たとえば国道から三キロないし四キロ入ったところにまあ二十万坪から三十万坪の大団地ができる。これが着工するまでには所定の手続を経て、もちろん河川管理者が、あるいは都市関係のそれぞれの部門から、農転から、いろいろな手続を全部やっての上のことだろうと思うのです。そうした形を全部とったということは所定の手続を済んでいるわけです。これは同意を得た上の話だろうと思う、総合的な。それがたとえば三・五キロなり四キロなりの、言うなれば団地への進入道路ではないわけですね、これは。当然これは一つの県道なら県道であった場合においても、これに沿うところの河川の改修まで求めているということが現状ではないかと思うのです。これは具体的な事実に基づいてお話ししているのです。そういうようなことがいわゆる事業主負担という名目で強く実は要求されてきている。こういうことば私はどうかと思うんですがね。これは私は河川改修の問題まで、蛇行している状態まで真っすぐにしろとか、あるいは護岸をしろとかいう問題まで、やがて受益者負担というよりも個人、入居者負担になる大きな問題をやらせるということについては大変な問題だと実は考えるのですよ。この点について、どういうふうにあなたは考えますか。
  77. 大富宏

    ○政府委員(大富宏君) 宅地開発の場合に、こういう関連公共公益施設の負担が非常に過重になってきていると、それが地方公共団体の財政逼迫の観点から事業者負担にしわ寄せになる。それがひいては最終需要者の負担になるということで、かねてから私どもは関連公共公益施設に対する助成制度、これは立てかえ施行制度なり、あるいは補助率のかさ上げなり、あるいは地方債の利子補給なりというようなことで努力してまいってきているわけでございます。いずれにいたしましても、開発許可の際にやるところの都市計画法で、三十三条で開発許可基準というのがございますけれども、そこでは温水とか浸水とかいうおそれのある場合には一定の排水施設等を命ずることができることにはなっておりますけれども、先生いま御指摘になりましたように、本来河川管理者がやるべき、しかもこれは一般財源でやるべきような問題についてまで開発指導要綱で強制するという、多少行き過ぎの問題があるということも私ども耳にいたしておるわけでございまして、これは自治省その他とも相談いたしまして、行き過ぎの開発指導要綱についてはひとつ強力な指導をやっていきたい。通常の受益者負担を上回るような負担が最終需要者にしわ寄せになるということのないように、ひとつ努力いたしたいと思っております。
  78. 赤桐操

    ○赤桐操君 重ねて私は、くどいようですが、申し上げておきたいと思うのですが、いまの新都市計画法によって、団地が造成されるときには大体有効宅地面積は半分なんですよ、あとは公共負担分です。この公共負担分の一切が有効宅地面積の中にかぶせられるわけです。これが個人の実は買わされる原価なんですね。そのほかに、いま言ったところの河川の問題まで追い打ちをされることになるということは、これは私はまさに行き過ぎにもほどがあると思うのですね。こういうことは行政上の大きな問題点だろうと思うので、この際ひとつ重ねていろいろと行き届いた指導体制を確立されるように要望しておきたいと思います。
  79. 大富宏

    ○政府委員(大富宏君) 御指摘のとおり、私どもの調査によりましても、住宅金融公庫融資の団地について調べた場合に、造成――でき上がりの宅地価格の約四五%が関連公共公益施設の負担でございます。それから民間の場合には五〇%近い負担になっている。いまお述べになりましたような開発指導要綱というのは、当初は都市計画法の開発許可基準に対する行政、技術指導というのがそもそもの始まりであったわけでございますが、最近は非常に寄付を強要するといった趣旨の行き過ぎの指導要綱も見られますので、これはしかも法令という形式をとっていない、ことに市町村の行政指導ということでやられている面が非常に多うございまして、現在三百六十五ぐらいの市町村で開発指導要綱をつくっておりますけれども、それぞれの内容がばらばらでございまして、多分に行き過ぎていると思われるような点も多々ございますので、十分私どもも検討さしていただきたいと思っております。
  80. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、準用河川の問題で少し伺いたいと思うのでありますが、準用河川につきましては、四十七年に河川法の改正がなされまして、この制度が非常に拡大をされております。そして一級水系、二級水系の普通河川についても準用河川に指定することができるということになっておるわけであります。さらに、五十年度からは、市町村が施行するところの準用河川の河川工事に対して三分の一の国庫補助を行う、こうした準用河川改修費の補助制度が創設されております。  そこで、ひとつお伺いしたいと思うのでありますが、これらの河川はいわゆる生活舞台に密着している小河川でありまして、準用河川の指定状況あるいはまた整備状況、それらの進捗状況ですね、こうしたものが非常に実は関心を持つ問題でありまするけれども、これらについてはいまどのような状況で進んでいるのか明らかにしていただきたいと思います。
  81. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 準用河川の指定状況でございますが、昭和五十一年八月現在で約一万四千キロメートルというふうになってございます。この経過を申し上げますと、四十七年に千六百四十一キロメートルであったのが、五十一年に一万四千キロメートルになったということで、約十倍近い伸びを指定状況としては示しているわけでございます。一方、準用河川の改修事業の実施の状況でございますけれども、先生おっしゃいましたように、昭和五十年度からこの補助事業として新しい制度が発足したわけでございます。五十年度におきましては百八十河川を施行しまして、その予算が十億二千万、五十一年度が二百九十河川にふえまして、事業費が二十六億六千四百万円というふうに二・六倍の伸びを示しているわけでございます。五十二年度、新年度でございますけれども、事業費は七〇%の伸び、約四十六億弱の予算をもちまして準用河川の改修の促進に当たっておる次第でございます。
  82. 赤桐操

    ○赤桐操君 まあこの準用河川の制度の拡大によりまして、地方単独事業がそれだけカバーされてきているというように思うのでありますけれども、このカバ一されている状態ですね、効果といいますか、地方にとりまして。それはどのぐらいになっておるか、おわかりでしたら説明を願いたいと思います。
  83. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 数字は手元にございませんけれども、いわゆるいままで準用河川につきましては市町村が先生おっしゃいましたように単独事業で整備しておったということで、現在も準用河川の改修の要望というのは非常に強うございます。ですから、相当分負担しておったじゃなかろうかというふうに考えます。
  84. 赤桐操

    ○赤桐操君 次に、地すべりの対策で少し伺いたいと思うんでありますが、千葉県の房州には清澄山系というものがございまして、ここでは地域一体が実は地すべり地帯になっております。雨季や豪雨の時期になりまするというと、大変に危険な状態を起こしておるわけであります。この対策あるいは原因、そういうものについてはすでに建設省としては方法がついているようでありますけれども、一体こういうような地すべり対策の事業というものは、五カ年計画の中にも載っておりますが、全国的にはどの程度散在しているものか伺いたいと思うんですが。
  85. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 建設省所管の地すべりの全国の散在状況でございますけれども、五千二百地区でございます。
  86. 赤桐操

    ○赤桐操君 私も実はいろいろ現場を見ておりますが、なかなかこの工事は百年河清を待つというか、遅々として進まないように思うんですね。原因について聞いてみるというと、いや水を取れば解決するとか、いろいろの、くい打ちをして直すとか、そういうことはもう考えられておるようでありますが、なかなかこれが進捗しておりません。場所によっては大変厳しい条件のあるところがあるようでありますけれども、こういう問題についてもう一歩積極的な施策をとることはできないものだろうかと、こういうことを実は痛感しているんですが、これはいかがでしょうか。
  87. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 地すべりの対策でございますけれども、これは非常に機構が複雑でございます。基本的にはいわゆる地下水による地すべりということで、さっき先生おっしゃいましたように、まず水を抜くということが基本的になるわけでございます。と同時に、いわゆる地すべりの山の方が重いと、トップがヘビーでございますと滑ってくるということで、山の上の土をはぐとか、そういう方法もあわせてやってございます。と同時に、いわゆる地すべりがやってきましたその根元で、いわゆるくい打ちをやったり、そういう工法を行いまして地すべりを防止すると、そういうふうに総合的に現在やっておる次第でございます。
  88. 赤桐操

    ○赤桐操君 いまの地すべりの対策は、いつごろになると大体これは完了するんですか。この地すべり地域というのは大体決まっていると思うんですよね、指定されて。その指定された地域は、いつごろになると大体完了するんですか。
  89. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 地すべりの全体の地域は五千二百カ所ございまして、そのうち危険区域として指定しておりますのが約二千二百カ所でございます。それで、その危険区域の中から、特に人家が多いとか、あるいは急に滑りが起きまして、いわゆる道路とか河川に非常に影響を与えるとか、そういうものから現在その対策を講じておる次第でございます。それで、広大なる個所がございますので、現時点におきまして、あと何年で対策が終わるかというのはちょっと申しかねます。
  90. 赤桐操

    ○赤桐操君 それでは最後に、河川洪水に伴ういろいろ訴訟問題が大分出てきておるように思うんです。災害発生に対して国、地方公共団体が国家賠償法に基づいて住民に賠償する義務がある、こういう判決が昨年ですか、大阪地裁であったとされておりますが、いわゆるこうした一審判決とは言いながら行政に対する生活安全確保の義務を非常に厳しく求めてきている。災害に結びつくような行政の不作為を施設管理の欠陥であると、こういうように実は認めておるということについては大変重要な問題だろうと思うんです。これからいろいろとまあこの種の問題は発生してくるであろうと思いますが、現実に起きているものも各県でかなりあるように思います。  そこで、治水施設の維持管理を担当する建設省として、これらの判決とこれからの趨勢等についてまあかなり深刻に受けとめておると思いますが、大臣のお考えがございましたならば、この点ひとつまず基本的な姿勢として伺っておきたいと思います。
  91. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 実は昨日も災害がございまして、これは県管理でございますけれども、揖斐川にバスが転落をいたしまして八名の――七名の乗客と一名の運転手さんか、そのうち四名――二人かお亡くなりになって、二名の行方不明、こういうこともございます。したがって、よく建設省に対しましては、何しろいずれにしても総点検をやることをしなけりゃいかぬと、そうして、そういう緊急、そういうところがあるであろうという地区に対しては優先的にこの施策を加えていかなきゃならぬと、こういうような観点に立ちまして、先日来もいろいろ指導、そのやり方といいましょうか、これを申し上げたところでございましたが、今後はさらにこういう面については、河川ばかりじゃなくて道路、これらに対する総点検をやって、そしてなるべく、総点検やるにいたしましても、お話を承るとなかなか大変のようでございますけれども、まず重要な地点から総点検をやって、そうして再びそういうことが起こらないような施策を加えるよりやむを得ないだろうと、こういうことを申し上げたわけでありますが、ただいまそういうような指示をいたしまして、総点検がさらにいま行われていこうとしているところでございます。
  92. 赤桐操

    ○赤桐操君 多摩川の堤防欠壊についても、国の河川管理のミスだということで、これまた賠償請求がなされておりますが、建設省はいま大臣の答弁されたような姿勢でこの問題にも対応していかれますか。
  93. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 多摩川の問題につきまして、まあ検討委員会で一応結論が出ておるわけでございます。それで、今後ともそういうことによっていわゆる堤防が欠壊しないように総点検をし、その危険個所を早急に手当てしてまいりたいというふうに考えます。
  94. 赤桐操

    ○赤桐操君 以上で、本日の質問を終わります。
  95. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ―――――・―――――    午後一時二分開会
  96. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  97. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 提案されております治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案について若干の質問をいたします。重複する点は極力避けてまいりたいと思いますが、もし重なるところがございましたら御容赦をいただきたいと思います。  まず、提案の理由といたしまして伺っておりますと、第一回は、国土の保全と開発を図るために、第二点は、治水事業の五カ年計画の対象となる治水事業には市町村長が行う準用河川に関する事業を追加する必要があるということに尽きると思います。  そこで、私も同感でございますけれども、まず大臣にお伺いをしたいことの第一点は、治山治水についての基本的な姿勢はいかにあるべきであるか。そうして第二点目は、国土の保全と開発を図るためにとあるわけでございますが、過去の歴史的経過を見ておりましても、災害甚大に至っておりますので国民の大多数が非常に怒りに燃えていることも事実でございます。この両者のバランスはいかにとるべきであるか。こういうことで、境庁では今度の国会においては環境影響評価法案を提出する準備を進めておりますけれども、環境アセスメントのそういう導入は私も必要であろうと、これはもう当然のことでございます。そういうような中で、開発行為には経済的なメリットというものが伴います。反面、自然や住民の生活環境に不測の影響を与えないようにしていくこと、これがもちろん大事になります。そういうわけでございますので、第二点の質問につきましては、国土の保全と開発を図るためには両者のバランスをいかにとっていくのか、こういうことをお伺いしたいと思います。
  98. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 国土の保全を図るということが最も重要な課題であることは御指摘のとおりであり、私も申し上げたとおりでございまして、このバランスの点につきましては、いろいろ御質問も先ほどもございましたけれども、何としてもいろいろな社会情勢が大きく変わってまいりまして、いままでどおりの、ただ河川なら河川だけをどうやるかという問題だけではその結果を動かすわけにはいかない事態が生じてきております。そういうような点から考えて、まず治山の面もどうするか、したがって、それによる河川をどうするか、治水の面をどうするか、その治水の中の生活用水はまたどういうふうに保存していくのか、あるいは農業用水はどうするか、さらにはまた工業用水はどう考えるのだと。今後、水という問題全体に関してどういう考え方を持つかという問題までもその中にあらわれてくるだろうと思うのであります。水全体の問題を一つ取り上げてみましても、現在わが国に降る雨だけでも七千六百億トン、いま国内で使っている水がどのぐらいかというと、大体八百六十万トンぐらい使っている。しかし、この推移からいってこれから先五年後はどうするのかということも考えなきゃならぬだろう。こういう面をあわせまして今後の国民生活に影響のないような方途をつくり上げていかなきゃならぬ。それには河川の問題、ダムの問題、これらを総合的に考えて、国土の保全を保ちながら国民生活の安定を図っていこうという考え方でございます。  したがって、アセスメントの件につきましては、環境アセスメント法案については、現在環境庁との間で事務レベルで急いでその調和を、調整をとっておるのでございますけれども、これに対して私の方は何の異存もございませんし、国土の保全という点からいくときには当然なことであろうとも考えます。したがって、国土保全事業の基本は国民の人命、財産の安全を守るという、これが第一の条件でなければなりません。したがって、こういう点を踏まえまして、実施に当たっては極力環境庁との調和を図らなきゃならぬ、それが最も時代の要求であり、その要請を認めなければならないと考えております。このために建設省は、いま公共事業と環境庁との間に調和を実現するために、非常な意欲を持ってこれと事務レベルにおいて協議を重ねており、その結果、なるべく実効性のある制度に合意を得るように努力をしている、こういうことでございます。
  99. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 また、提案の理由の中で「現行の五カ年計画は、昭和五十一年度をもって終了いたしますが、一方、国土の利用、開発の著しい進展に伴い、山地及び河川流域においてしばしば激甚な災害が発生するとともに、各種用水の不足が深刻化し、治山治水事業を一層強力に推進する必要が生じております。」云々と、こうあるわけですね。そこで、後刻質問に触れるわけでございますが、当局にまず簡単に答えていただきたいんでございますが、「開発の著しい進展」、これは功罪、特に罪の方を言うと思うんですけれども、具体的に挙げてほしいと思います。  もう一つは、各種用水の不足の実態とございますけれども、この点も後刻触れますけれども、簡単に答えていただきたいと思います。  それから今度の提案理由の一つの大きな項目でございます、市町村長が行う準用河川の指定状況は五十年十月一日で数字が出ているわけでございますが、これに対する効果ですね、簡単でいいですから、この法案が成立すればこうなると。また後刻触れますので、まず、いま申し上げた点について簡単に答えていただきたいと思います。
  100. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 流域の開発が著しくなって災害が頻発しておるという実態でございます。これは河川のはんらん区域における治山を見てみますと、昭和四十年にはいわゆる約百町でございました。それが昭和五十年には二百七十町というふうにいわゆる流域内の資産が著しくふえてきたというのが一点。これによりまして、いわゆる災害を受けますと、いままで大した被害がなかったのが、資産がふえたことによって非常に被害がふえてきたというのが第一点でございます。と同時に、いわゆるたんぼの市街化あるいは丘陵地帯の市街化というのが洪水の流出を早めておるというふうな総合的なことが、開発の著しいことによる被害の増大につながっておるというふうに考えます。  それから用水不足の実態でございますけれども、これは現在一年間に約四十億トンの放水水利権による水を使っておるわけでございます。これはいわゆる夏非常に渇水しますと取れない水でございます。ですから、渇水になりますとそれだけ不足する。そういう実態が昭和四十八年のいわゆる高松あるいは松江とかいうふうな渇水地域における大渇水というふうなことになったわけでございます。  それから準用河川の効果でございますけれども、やはり準用河川は昭和五十年度に新しく補助事業として採択されたわけでございますけれども、これを今回の五カ年計画を契機としまして計画的に協力的に推進していく、いわゆる長期計画をもって準用河川の改修というものを規則正しく推進していきたいということでございます。
  101. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 昭和五十一年度の「国土建設の現況」によりますと、明治以降から今日までの累計治水投資額は十二兆円にも達しております。しかしながら、その整備水準が非常に低いということは周知のとおりでございますが、比較的整備の進んでおります大河川においても、戦後の最大洪水による再度災害を防止するための目標水準に対しまして、整備率についてはすでに午前中も、そうしていろんな機会に論じられておりますように、整備率は五一%にすぎず、中小河川の時間雨量五十ミリに対する整備率は一二・八%にしか達しておらない。これは昭和五十年のデータにも明らかでございます。戦後間もないころは、建設行政といえば河川行政とまで言われるぐらい重きをなしていたのでございますけれども、建設省関係行政投資の推移を見ましても、河川海岸、急傾斜地という広義の治水関係事業は、昭和三十八年には一六・一%であったものが、昭和五十一年には一三・五%に落ち込んでおります。ですから、後発の道路下水道住宅と比べると、その事業費の後退は顕著なものがございます。昨年は建設委員会、また災害関係で長良川にも行ってまいりましたけれども、それから一昨年の石狩川の決壊、こういうことを見るまでもなく、一刻も早く、現地に立っておりましても、抜本的な恒久的な治水事業というものを確立していかなくちゃいけない。そうしてそれがあわせて国民生活の安定や向上に寄与することが、やはり政府に課せられた緊急の課題だなと、これは先ほども大臣のお話を伺いましても同じことになろうかと思いますけれども、こういう点を重ねて大臣の所見をお伺いしたいことと、そしてもう一点は、水を治めるものは国を治めていく、こういうふうな故事もあるわけでございますが、治水事業というものがGNPの何%ぐらいかというふうな英断も今後必要ではないか、このように思うわけでございますが、その点、大臣いかがでございますか。
  102. 長谷川四郎

    国務大臣長谷川四郎君) 治水事業の額がGNPに対してどの程度の割合かということでございますが、治水事業の投資規模につきましては経済財政、その状況を勘案をしながら、治水事業に対する時代の要請とその重要性におきまして考えておりますし、災害の発生等の緊急性を踏まえてこれがこうだという決定したものではございませんが、GNPに対しての指標を設定することについては慎重に検討すべき問題もあるだろうと思うのでございます。なぜならば、GNPが少し高くいこうとも低くなろうとも、この問題を論じての災害対策あるいは治水対策ということはなかなかむずかしい問題だろうと思うのでありまして、要は一つの計画のもとに立って、たとえばGNPがその予定までに到達しなくてもなさなければならない国民生活、先ほどのお話のように直接関係のある問題は処理していかなければならないことが当然政治にかけられた使命であろうと考えております。でありますから、GNPに対してどうというような考え方は、いまのところこれに対しての指標を認定することはしておらないのでございます。
  103. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いずれにしても、治水というものは非常に大事なものでございますので、そういう点は忘れないで進めていただきたいと思います。  次に、第五次治水事業五カ年計画によりますと、治水投資規模で七兆六千三百億円、うち治水事業に五兆八千百億円となっておりますけれども、ここで計画終了時の河川整備率はどれぐらいであるかという見通しを述べていただきたいと思います。と申し上げますのは、第一次、第二次、第三次、第四次、第五次、こういうふうになるわけでございますが、午前中も質問あったかと思いますけれども、特に二次の場合は進捗率は五六%、三次の進捗率七一%、四次が九二%いっているわけでございますが、そういうふうな非常に波がございますので、第五次についてはどの程度の見通しであるかということをお伺いしたいと思います。  あわせて、予備費についても五千八百億円と多くつけられておるわけでございますが、各種五カ年計画についても多額な予備費がつけられております。この予備費の性格、使われ方についても説明を願いたいと思います。
  104. 長谷川四郎

    国務大臣長谷川四郎君) 予備費の点につきましては、私が最終的に折衝をいたしましたので、御報告をいたしたいと存じます。  予備費の件につきましていろいろ議論をいたしました結果、五カ年計画に計上してある予備費というものは、激甚な災害の発生、また、緊急これをなし遂げなければならない問題が発生した場合に対しては、これを予備費というものは切り崩してまいりますということを最後の折衝で約束をして、まあ大蔵省では、どうかそうしてくださいとは言いませんでしたけれども、やりますよということを申し添えて、最後の七兆六千八百億というものを決定したわけでございます。
  105. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 第五次水利用五カ年計画が終わった場合に、どの程度整備水準が上がるかという御質問でございます。最近の災害の案態あるいは用水不足の実情、そういうものを踏まえまして、現在この五カ年計画につきましていわゆる被災河川治水対策など緊急を要する事業、整備促進を要する事業を中心に現在検討を進めておる段階でございます。それで、その詳細の内容はまだこれからでございますけれども、おおよその目標としましては、大河川につきましては、いわゆる戦後大洪水に対しまして現在五二%であるのを、せめて六〇%は超えたいというふうに考えてございます。それから中小河川につきましては、これは一時間雨量五十ミリを目標にいまやってございますけれども、現在一三%、これを二〇%には持っていきたいというふうに考えております。それからいわゆる土砂害対策でございます。これは人命に影響のある土砂害対策でございますけれども、これ現在一〇%でございますが、これを一五%には上げていきたいというふうに考えてございます。
  106. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 特に、大臣にこの点については要望したいと思うのですが、先般の予備費決算委員会でも私述べたわけでございますが、災害で被害を受けた福祉施設等の関係のいろんなところが非常におくれておるやに見えたわけでございますので、前の建設大臣の方にはいろんな御注文をつけておりましたのですが、特に福祉施設関連等々につきましては速やかに対処できる体制にお願いしたいと思います。  次に、新五カ年計画の重点施策にもなっておりますが、水資源の開発、確保、非常に緊急な課題であろうかと思います。生活水準の向上に伴いまして水の需要というものが著しく増加する一方で、新たな水資源開発が次第に困難になっております。地下水くみ上げに対する制約が強くなっている等、供給面におきましても不安定要因はますます高まっております。長期にわたる水需給のバランスを確保することが今後の重要な課題ということはすでに御承知のとおりでございます。  そこで、一昨年五月の行政管理庁の水資源の利用に関する行政監察の中では、「水需給に関する長期計画は、水資源の開発及び利用に関する国の基本的、総合的な計画としての役割を持つものであり、また、全国総合開発計画、国土利用計画等と密接な関連を有するものであるので、その決定は、閣議決定によることとする等必要な措置を講じ、その実効の確保を図ること。」とされている。こういうふうにあるわけでございますが、水の需給に関する長期計画の策定がどういうふうになっているのか、そうして今度の第五次治水計画と水行政の指針とでも言うべきこの水の需給に関する長期計画との関連性、整合性はどのように位置づけをされるのかということをお願いしたいと思います。
  107. 長谷川四郎

    国務大臣長谷川四郎君) 御指摘のとおり、水の必要性というものはわが国ばかりではなくて、全世界の問題になっておることは御承知のとおりでありまして、ただいまもアルゼンチンにおいて世界会議が開かれていることもそのとおりであります。したがいまして、わが国の水の量というものは、先ほどもちょっと申し上げましたように、降雨量というものは、まさによその国から見るとはるかに多いのでございますけれども、国土が狭い関係から見ていくと、一人前、人間一人に対する降雨量というものは大体半分にも足らぬというようなのが実態であります。しかし、水の使用というものがだんだんふえていっており、したがって七千六百億トンの水のうち、この水のうち大体河川に流れ込む水が五千二百億トンであろうというように考えられます。したがって、その河川の水利用というもの、これが大体六百六十億トンないし六百七十億トンであろう、こういうふうに考えるのでございます。そのうちの地下水と、それから湖沼と、あるいは工業用水、生活用水、これを分類して使っていくのでございまして、現在なかなか、いまの東京都だけの調べにおいても、大阪、東京都あたりでは大体人間一人が一日石油かんに比べて十八本から二十本使っていく、たとえば一都市を見ただけでもこういうような趨勢であります。今後下水道というものがますます全日本本土全体に向って下水道の普及をしなければならぬ、これはまた当然なる国民の要求でもある。口に文化生活を唱える以上はなさなければならない問題だと考えられます。  したがって、これらの問題を充足するためには、昭和六十年までには少なくともあと――現在百七十個あるダム、これを二百個増加していかなければとうてい間に合う問題ではないだろう。したがって、二百個でもまだ不足をするであろうというのが、推算からいきますとそういう計算が出ていくのであります。でありますから、それだけ必要な水を、じゃどうやってダムを二百カ所あるいは今後五百何カ所も最終的にはつくらなきゃならぬとするならば、どうやってやるかということの方に大きな問題が残されていくだろうと思うのであります。したがって、ダムの問題も、ただ、いままでのようにダムをつくるんだからといって、その住民の生活がおびえる、こういうことを考えなしにもできた時代もあるが、現今の社会情勢の上から立っては、この方々に十分納得のできる方途を開いて、そして御協力を賜らなけりゃならぬ。それで、ここが出ていくという場合は、このような青写真なら青写真をつくって、こういうところにこういうふうにいたしました、だからどうでしょう、これで御了承を願えないかというような条件も備えなければならないと思う。したがって、水源地帯であるところと、また、その水を流水して使う方々、これにはやはり問題が残されてきますので、下流の水を使う方々にもこれに対するある程度の基金というようなものを、制度というものを設くべきであろう、こういうふうに考えております。  したがって、御指摘のように水の問題というものは大変大きな問題でございますので、これを今後どういうふうにその問題の解決をつけるか、ダム問題が一番大きなネックになっているのでありまして、今後のダムをつくる場合のその付近の住民との関連性、社会という上に立ったその問題、これらをさらに検討を加えて、そして早急にこの問題を解決をつけなけりゃならぬ、めどをつけなければならぬ。こういうことで鋭意、建設省の中にも、これらに十分検討を加えようじゃないかということで、いまいろいろな議論をして、委員会はつくっておりませんけれども、この問題に対しての協議をしているところでございます。
  108. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 確かにいま大臣がお話しのように、水不足の事態に対応するこの水資源の開発、ダム建設等も非常に重要でございます。まあこれに関するいろんな住民の人たち、いろいろとこの現状を見きわめて対処していただきたいと思います。  これと関連するわけでございますが、地下水の保全ですね、この涵養も大事なことでございますけれども、いま国会で検討されております地下水法案ですね、これはどういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
  109. 飯塚敏夫

    政府委員(飯塚敏夫君) 地下水の過剰採取に伴います地盤沈下等の障害、これらが全国的に発生しておりまして、非常に問題であるという点につきましては先生御存じのとおりかと思います。国土庁といたしましては、現在地下水の保全と適正な利用を図るために、適切な採取規制と代替水の確保対策、こういう問題を含みまして総合立法々早急につくる必要があると、こういう認識のもとに政府部内におきまして鋭意意見の調整に努めておるところでございます。今国会にこの法案が提出できるようさらに一層の努力をしてまいりたいと現在鋭意検討中でございます。
  110. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ここでもう一点お伺いしておきますが、きれいな水というのはやはり地下水になるわけなんですね。ところが、われわれがいま大阪近辺に住んでおりますが、淀川の水、浄化してますが、大変ですね。しかし、金額はトン当たり非常に高い。ところが、きれいな地下水という問題について、これは将来の水不足を考えましたときに、工業用水として地下水が平気で使われているような状態で善処されないことになると、これは問題があるわけです。まあそういうようなことで、きょうは具体的な私、地名やそういうものは挙げないんですけれども、あなたのところでつかんでいらっしゃる工業用水について、地下水を利用されている個所は何カ所あるか、それだけでいいですね、答えてください。
  111. 飯塚敏夫

    政府委員(飯塚敏夫君) ただいま手元に個所数そのものについては、工業用水の利用できる個所数については資料を持ってまいっておりませんが、ただいま先生御指摘のとおりに、地下水については水質その他の問題を含めまして、かけがえのない貴重な水資源である。こういうことで、地盤沈下の問題の立場だけからではなくて、地下水の適正な利用という立場も踏まえまして、地下水の保全と地盤沈下の問題を両方並列的な立場で考えて、私ども現在法案の中身について検討しているところでございます。そして地下水工業用水その他の利用につきましても、地下水が各方面に、農業用水あるいは生活用水もろもろの方面に使われるわけでございますから、そういう関係省ともどもにその地下水の利用計画には参画して、合理的な適正利用の計画を立て、あわせて地盤沈下の防止にも寄与するというような立場で法案の内容を検討しておるところでございます。
  112. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 この点、重ねて質問しておきますが、じゃ、ぼくが限定しますが、二部に上場されている株式ですね、いいですか、だから一部と二部の会社、大きな企業ですね、そこで地下水をくみ上げている個所とすれば何カ所かと、限定を、そのぐらいはどうですか、つかんでおられますか。
  113. 飯塚敏夫

    政府委員(飯塚敏夫君) ただいまのところ掌握しておりません。
  114. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 また、後日質問する予定にしますけれども、一回把握をしておいてください。これはもう大臣がいま言われた、非常に偉大な決意ともうきちっと合うものでなくちゃいけません、これは今後の日本の大きな問題になりますので。  じゃ、次に移ります。水についての諸問題というのを地球的な視点から討議するため、国連の水会議が現在、ただいま大臣がお話しされましたけれども、アルゼンチンで開かれております。まあそこで、国土庁においても資源の有限時代にふさわしい水問題のあり方を国民にPRするために「水の日」を設けることになったとのことでございますけれども、具体的にどのような行事を行うつもりなのかをお伺いしたいと思います。
  115. 飯塚敏夫

    ○政府委員(飯塚敏夫君) 「水の日」を具体的に設定し、行事内容を決めたという段階ではございません。そういう希望につきまして、国土庁ではそういう行事をしたいという希望は持っておりますが、これに伴います具体的内容につきましては、関係各省とも協力をいただいてやることになりますので、そういう構想だけは関係各省に提示してございますが、具体的な内容については今後検討して固めてまいりたいと思っております。
  116. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いまカナダやイギリス、そういうようなところでは非常に節水の呼びかけ等もやっておるようでございますが、まあいずれにいたしましても、国民に対して節水を呼びかけ、水についての理解、協力を求めることもそれなりに効果のあることでございますけれども、水の大量消費型構造の転換、さらに水に関する役所間のなわ張り意識の一掃、まあ言うなれば水に関するばらばら行政をなくして、統一的、計画的な水行政を推進することも必要ではないかと思うわけですけれども、これは大臣から答えていただきたいと思います。
  117. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 水の消費、これをどうするか、先日も経済団体とも折衝もいたしましたし、いま私のところでは、ただいまこれを提案する以上は、どうやってどの程度まで節約をしなければならないか、できることはどうやるかというような点、たとえば下水道に対する、便器にどれだけの水が必要なのか、最小限度幾ら必要なんだ、こういうような点で新たに、便器の制限は幾らの貯水槽があれば一回に使用ができるのかというような点についてもいろいろ検討を加えておりますし、話を承ると、アメリカあたりでも、たとえばいままでのも節約をしなければならぬというので、水槽の中にれんがを一つ入れて、それだけでも大変な節水になっているというお話も承っております。したがって、そういう点について幾らの量が入る貯水槽があれば一回のが使えるのかというような点についても、いませっかくいろいろの角度から、いろいろな業界がばらばらのつまり貯水槽をつくっておりますので、これらに対して何とか制限を加えなければなりますまい、こういうような考え方でそんなような研究もしております。したがって、さらに先日経済団体との話し合いをいたした際も、いまのような洗たくのあり方を一つ見ても、水をかけっ放しでもって洗たくをしているというような実態はどうなんだと、こういう点にはどう考えるかというような点も申し上げましたし、いま公団の方においては、水槽に一回使った水を再び使うような方法をやってみたらどうか、これはいま現在いろいろなその点について節水方法をやって、研究させておる公団住宅もございます。ですから、第二次水というものをどういうふうに効率的に使っていくかという問題については、ただいま十分これらに対する研究をしなければならぬという角度からいろいろやらせてみておるところでございます。
  118. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 国土庁の昭和六十年度までの水の需給見通しによりましても、十年後には水の不足が四十億トンから六十億トンに達する。四十億トンと言えば近畿地方で現在使っている都市用水の総量と同じ量でございます。そういうふうなことで、先ほどは国土庁からも答弁をしていただいたわけなんですが、建設大臣、やはり「水の日」を設ける、国土庁の計画の――私率直に言って日本の将来に非常にいいんじゃないかと思うのですね。ところが、いま国土庁からのお話では、計画段階で、まだやるのかやらないのかというふうな――私、受けたあれなんですけれども、これ、建設大臣としては、「水の日」ぐらいはこれは日本の国で将来設けなくちゃいけないと私思うんですけれども、どうなんでしょうかね。
  119. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 水資源の方まで持っていくまでの間、段階において、私の方でも十分研究をしてみたその結果を持ち寄らなければならぬと、こういうことで独自な節水研究をやっておるわけでございます。したがって、水資源の方はさらに一層、さらにそれ以上の御研究もなさっておるだろうと考えます。そういうようなものを総合した上に立って、節水はどうあるべきか、しなければならぬか、どうしなきゃならぬかというようなことをやってまいりたいと、こう考えておるのでございまして、何といたしましても、いま六十年までには現在の水量からいっても二百億トンの不足をするんだということが明らかになった以上は、その対策を十分に整えなきゃならない、早急に整えなきゃならぬということは当然のことだと考えておるのであります。
  120. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 鋭意検討していただきたいと思います。  じゃ、次に移りますが、都市周辺部の遊水機能を有する区域において、秩序のある都市開発と都市水害の防止に資するために、昭和五十二年度より新たにモデル事業として着手した多目的遊水地事業についてお尋ねをしたいと思いますけれども、この遊水地内に高層団地や流通団地、公園等をつくり、日常生活に利用できるものにするとの計画等があるわけでございますけれども、そのプランの全容というものを明らかにしていただきたいと思います。
  121. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 都市近郊におきますいわゆる自然遊水機能を持っております地域につきまして、いま先生がおっしゃいましたように、遊水機能の確保を図ると同時に、いわゆる都市機能、たとえて申し上げますと、いわゆるげた履きの高層住宅とか、あるいは公園とか、そういうものと一緒になって都市の水害を防ぐと同時に、都市機能の拡充を図っていきたいというのがこの多目的遊水事業の内容でございます。  それで、この事業につきましては、昭和五十二年度、新年度からでございますけれども、いわゆる都市の施設側――住宅公団の参画が具体化しております埼玉県の綾瀬川の遊水地、これは大宮市の深作地区でございますけれども、綾瀬川地区におきまして、モデル事業として事業に着手するというふうになった次第でございます。第五次治水五カ年におきましては、このモデル事業の成果を得まして、ほかの遊水地につきましても促進を図っていきたいという次第でございます。
  122. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 技術的な問題はもとよりでございますけれども、都市の施設と河川管理の分担等の問題というものが出てくると思うわけです。治水の効果が減じるということで住宅などの異物建設を締め出していたいままでの河川法、そういうふうな点はどうなるのかというようなことも出てまいりますし、このような団地にまた現実的に入居を希望する人がどの程度いらっしゃるのか、そういう点についての把握といいますか、推測といいますか、そういうものがございましたら答えていただきたい。
  123. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先生がおっしゃいましたように、いわゆる河川区域内から締め出しておった住宅などを入れるという問題につきまして、現在は河川法の中で進んでいきたいと思っておりますけれども、またこれを新しい法体系というものも必要じゃなかろうかとか、そういうものも現在鋭意検討中でございます。  それから、そういう住宅にどの程度の人が入ってくるであろうかという問題でございますが、これらにつきましては住、宅公団とも一緒になりまして、いわゆるそのPRといいますか、やりまして、よく入っている方に認識していただいて、そして適正な住居といいますか、いわゆる洪水調節をあわせた都市機能の増大というものに進んでまいりたいというふうに考えます。
  124. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 また、これも新規施策の一つでございますけれども、都市用水の確保、洪水調節、地盤沈下対策の一挙三得ということでスタートした緊急水利用の高度化事業、これについてもお尋ねしたいと思います。
  125. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 首都圏におきます水需要の見通しでございますけれども、これは人口の増加、それから生活水準の向上あるいは各種産業の発展によりまして、今後ますます増大していくというふうに考えるわけでございます。その一方、いわゆるこういう増大する水需要の一つとしまして、地下水の過剰なくみ上げによりまして都市近郊におきまして地盤沈下が生じておるわけでございます。その結果、河川沿岸の排水機能の低下あるいは降雨時の家屋浸水など、常時におきましても水害というものの危険というものが生じておるのが実態でございます。したがいまして、治水事業としましても抜本的に地下水の過剰くみ上げによる地盤沈下を防止する必要がございます。したがいまして、そのために地下水利用の転換を図っていく必要があるわけでございます。荒川の調節池緊急水利用高度化事業というものはこのような状況、いわゆる地盤沈下地下水の代替水を確保するとか、そういう状況にかんがみまして、現在荒川で計画されております洪水調節、それと都市用水の確保を図るために行う事業でございます。  この内容としましては、荒川左岸の南部流域下水道処理水というものを再生処理すると、いわゆる河原の砂利層を通してさらにきれいにすると、そうしまして河川の維持用水に振り向ける、そういうことによって緊急的、暫定的に水を確保いたしたいと、そうしまして地盤沈下激甚地域の都市用水を確保するという次第でございます。それで、この事業につきましては昭和五十二年度から実施計画調査に着手することにしております。それで、なお第五次五カ年計画におきましては江戸川、淀川など、水需給の逼迫している大都市地域におきまして、この種の事業に着手していきたいというふうに考えてございます。
  126. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 例年、全国の各地において集中豪雨等に起因する急傾斜地の崩壊が発生しております。人命、財産に多大の被害を免じているわけでございますが、昭和四十七年に建設省が実施した急傾斜地の総点検によりますと、急傾斜地の崩壊危険個所、傾斜度三十度以上で、高さ五メートル以上、想定被害の区域内の住宅が江戸以上等になっているわけですが、全国で六万七百五十六カ所にも上っております。その想定被害区域内住宅総数は九十七万八千八百二十五戸に及んでいるわけですが、これら危険個所については急傾斜地崩壊危険区域の指定を促進、有害行為の規制強化、都道府県による崩壊防止事業の促進を図るほか、がけ地近接危険住宅移転事業等の推進を図らなくちゃなりません。そういうふうにしながら、生活の安全と国土の保全に実効ある対策を推進する必要があるかと思いますが、この総点検以後の急傾斜地崩壊対策事業の進捗状況はどうなっているのか、これが一点。  第二点目は、この事業のおくれている理由はどういうところにあるのか、それに対する対策等についてお伺いしたい。
  127. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 現在までの崩壊防止工事の完了した個所でございますけれども、これは約六万カ所に対しまして四%の進捗状況でございます。したがいまして、今後ともこういう崩壊防止事業とあわせまして、先ほど先生がおっしゃいました、がけ地近接危険住宅移転事業と一緒になってさらに事業の推進を図ってまいりたいと考えてございます。  それで、なぜこういうふうにおくれておるかという問題でございますけれども、急傾斜地の事業がまだ発足しまして年が浅いということでございます。しかしながら、建設省としましては、このがけ崩れというものが近年におきますいわゆる人身事故、水害による人身事故の約六〇%を占めておるという重要性にかんがみまして、来年度におきましても五十一年度の一・四四倍というふうに大幅に、約百七十億円でございますけれども、大幅にこの事業を伸ばして、今後ともこういう対策の促進に努めてまいりたいというふうに考えます。
  128. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 特に、この治山治水の問題からいつも出てきますのは、災害ということになるわけですが、水害保険制度ですね。これについての調査とか研究というものをどの程度やっていらっしゃるのか、そうしてまたこの制度の発足というものが可能であるかどうか、非常に国民はこういう問題でいつも困っているわけです。そういうことで、この件については特に皆さんのお考えをお伺いしたいと思います。
  129. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 水害保険制度につきましては、建設省としましても非常に大切な制度じゃなかろうかというふうに現在考えております。現在いわゆる外国の文献をいろいろ勉強しておる段階でございますが、なかなか実際に移す場合にいろいろ問題があるということがだんだんわかってきておる次第でございます。それで、現在そういうふうに外国の文献によりましていろいろ勉強しておるという段階でございますが、新年度におきまして、いわゆる財政当局の好意によりまして、水害保険制度の調査のための費用というものを新しくいただきまして、さらにこの制度が果たして可能であるかどうかという問題を今後とも煮詰めていきたいというふうに考えているわけでございます。
  130. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 特に、これは外国よりも日本の地形、そういう風土を見ておりまして、日本が一番やはり世界で先鞭をつけなくちゃいけないかなと思うわけでございますので、外国の文献もこの件については結構でございますけれども、日本の文献を外国がまねをするように、どうかそういう意味で、せっかく調査費用も努力をして取られたわけですから、前向きで検討していただきたいと思います。  もう一つは、河川の全般について伺うわけでございますが、耐震対策ですね。河川法による河川、普通河川、こういうようないろいろあれなんですが、国有財産法による管理にかかるもの等に分けて見ておりましても、私もこの点についてはちょっと判断しにくいわけでございますが、結論的に申し上げますと、河川に対する耐震対策というものがどういう形で出てくるのか、この点については教えていただきたいと思います。
  131. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 現在、河川事業として耐震対策を行っている個所は東京の江戸川――江東地区で現在事業を実施してございます。これはいわゆる地震によって河川の護岸が倒れて、そして浸水はんらんしないようにするのが一点と、もう一つ、非常に低地部でございますので、日ごろからいわゆるそういう水路、河川の水位を下げておくというためのポンプ事業、そういうものを現在鋭意地震があっても江東地区が水浸しにならぬようにやっておる次第でございます。それで、新年度におきましては、いわゆる大阪の寝屋川水系でございますか、あそこにおきましても耐震対策の事業をやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。また、地震のときは一つは道路の確保が大切でございます。そういう場合に河川敷におきましては、広い河原におきましてはいわゆる避難地にもなると同時に、河原を通じて緊急物資を運搬するとか、そういうための啓開道路とか、そういうものも現在整備中でございます。
  132. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 治山関係に少し入りたいと思いますが、森林法による復旧治山、予防治山、治山激甚災害対策特別緊急事業、地すべり防止事業等、林野庁の所管でございますけれども、実施されておられるわけでございますが、近年、国土の非常に密度が高い利用に伴いまして山地の開発が非常に進んでおります。ですから、山崩れ、それから土石流などによる災害が多発をしておりますけれども、その規模も大型化をしております。そういうわけで、とうとい人命、貴重な財産を喪失しているわけでございますが、なかなか理解しにくいわけでございますが、山腹渓流の砂防事業についてのその区分、これは森林法と砂防法の適用上の調和について、この点について御説明をお願いしたいと思います。
  133. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) お答えいたします。  治山事業と砂防事業の区分でございますが、治山事業は、森林造成を主とする工事、及び渓流工事でありましても、森林造成を行う上で必要のある工事は治山事業として位置づけておるわけでございまして、渓流工事及び山腹の傾斜急峻にして造林の見込みのない場所におきまする工事は砂防事業として位置づけをしておるわけでございます。それぞれ農林省、建設省で所管をしておるわけでございますが、この両事業の調整につきましては、流域全体にわたります保全効果を発揮させるために、中央及び都道府県ごとに砂防治山連絡調整会議を設けまして、事業の計画、実行、管理等につきまして連絡調整を図っておるところでございます。
  134. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 次に、新治山事業五カ年計画についてでございますが、第五次治山事業五カ年計画、事業費一兆三千七百億でございます。災害関連等を含めると、総投資額が一兆四千億円で要求されたと伺っておるわけでございますが、決定案によりますと、治山事業は一兆三百億、災害関連事業等六百億、予備費を含めまして合計一兆二千億となっておりますが、財政当局では、昭和五十年代の前期経済計画で治山の投資額が八千五百億と決定されておるわけでございますが、これから逸脱した新計画は立てられないとの見解のようであるやに伺っております。  そういう中で質問したいと思うんですが、質問の第一点は、経済計画は昭和五十一年度から五十五年度である。新五カ年計画は昭和五十二年度から五十六年度で、年々事業費の伸び率を考えると、計画増は私は当然ではないかというのが第一点、これに答えていただきたいと思います。  第二点は、災害の実績についても、経済計画が昭和四十九年度までの古い実績で、その後の災害を考慮した計画でなければならないと、こういうふうに考えるわけでございます。この点について。  第三点は、また水不足の見通しについても経済計画は、昭和四十八年度発表の調査では、昭和六十五年に全国八地区が水不足になると計画している。そういう中で、昭和五十一年度調査によりますと、昭和六十年に全国全ブロックで不足すると、こういうふうに見通しが変わったように承るわけでございますが、これらの点についてお伺いしたいと思います。
  135. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) ただいま先生お話しのとおり、五十年代前期経済計画におきます治山事業の投資額は、災害関連事業及び地方単独事業を含めまして八千五百億円ということになっておるのでございますが、これは昭和五十年度価額に基づく昭和五十一年度から昭和五十五年度までの五カ年計画についての投資額であるということは先生のおっしゃるとおりでございます。一方、今回策定いたしております第五次治山五カ年計画は、昭和五十一年度価額に基づく昭和五十二年度から五十六年度までの五カ年計画でございます。そこで、経済計画はわが国の経済運営の指針として閣議決定されたものでございまして、治山事業五カ年計画もこれと整合性が保たれているということが望ましいことは当然でございます。昭和五十年代前期経済計画の投資額を五十一年度価額に修正するとともに、計画期間を一年ずらして算出した額をもって第五次治山五カ年計画の投資額をつくったものでございます。これによりまして、いまお話しのような一兆九百億というふうになっておるわけでございますが、実はいまお話しのとおり、治山事業五カ年計画をつくる場合に計画期間中の災害発生量を予想する、想定することが必要でございます。この予想量はいま先生の御指摘の五十年度を含めるかどうかというようなことも一つの見方でございますけれども、この点について検討いたしました結果、この今回の計画も計画期間中に経済計画とおおむね同様の災害が発生予想されるということで、同じような発想のもとに予想量を想定することにいたしておるのでございます。  それから水不足の問題でございますが、水需給が逼迫いたしまして、水源であります森林山地の整備の重要性が増大してきたわけでございますが、これにつきましては、水不足の傾向が特に著しい地域とそれ以外との地域に区分いたしまして、実は建設省と協議いたしました結果、全国二十一地区、七十六流域でございますが、その保安林、約十二万ヘクタールになりますが、について保安林の整備を行うということにいたしまして、緊要度に応じて緊急かつ計画的に実施するということにいたしまして、ただいま申し上げました一兆九百億円の中で対処するということにいたしたのでございます。
  136. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 河川治水機能の劣化とあわせて、河川に沿った山地及び林地の崩壊防止事業も重要となっておるわけでございますが、たとえば、ちょっと具体例で質問いたしますけれども、昨年の台風十七号によりまして被害を受けた兵庫県の一宮町、この山地の地すべりは百万トンの土砂が河川に入ったわけでございますが、まあ治水能力というものもそういう被害の結果非常に低下をしているわけです。こういうふうな中で、この復旧対策の経過がまずどうなっているのか。二番目には、一宮町のような崩壊危険区域にも地すべり防止区域にも指定されていないところ、このような大規模災害をどういうふうに現時点で考えていらっしゃるのか。第三点は、一宮町のような風化花崗岩地帯で特殊土壌地帯にも指定されていない、そういう厳しい現実の中でこういう災害が生じたというふうなことについてどう対応されようとしていらっしゃるのか、まずそれをお伺いします。
  137. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 先生お話しのとおり、山地災害が一度発生いたしますと多くの人命、財産が損害を受けるということになりますので、今回の五次計画におきましても、特に予防治山、地すべり防止等の事業を拡充強化するということにいたしておるのでございまして、第一点の一宮町でございますが、ここにつきましては治山激甚災害対策特別緊急事業の中に取り込みまして、鋭意復旧に努力いたしておるわけでございますが、ちなみに、先ほど申し上げましたように、都市近郊の災害を未然に防止するということで、実は予防治山につきましては、今回の五カ年計画におきまして、五十一年度当初予算を初項といたします伸び率といたしまして、全体の計画が二一・九%でございますけれども、予防治山につきましては三一・二%、それから地すべり防止につきましては三三・七%というようなことで計画を充実していきたいというふうに考えておるのでございます。  また、特にこの兵庫県一宮、六甲山地帯でございますが、地質的にも非常に弱いということでございまして、従前から予防治山、特に六甲山等につきましては歴史的な経緯がございますが、従前から予防治山の徹底に努めておるところでございますが、先ほど申し上げましたように、この辺は特に都市近郊の危険地帯の代表的な個所でもございますので、さらに重点的に対策工事を進めていきたいというふうに考えております。
  138. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 この一宮町と同じような土質ということを考えておりますと、やはり神戸市の百五十万人に近いそういう大都市、宝塚や西宮、そういう周辺都市を入れますと二百万以上になるわけでございますが、この六甲山系ですね。私何回も対策をお願いしているわけでございますが、全く一宮と同じような風化花崗岩地帯として非常に浸食の激しい地域であります。こういうふうなところでは砂や石が流出しやすいということは当然だと思うんですね。こういうふうな土質ということについて現段階でどういう調査、そうして対策、それを兵庫県と連携をとって、いかように進められているのかということをお伺いしたいと思います。
  139. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 先ほどの答弁の中に六甲山を対象として引き合いに出したわけでございますが、六甲山は先生御指摘のとおり、非常に深層風化を受けましたもろい花崗岩でございまして、しかも断層が縦横に走っておる。山腹の傾斜が急でございまして、地形地質上崩壊しやすい地域になっております。また、歴史的な経過を見ますと、ここから石材を採取したり、あるいは、そのかわりとして樹木を切るというようなことがございまして、乱伐が行われております。明治に入りまして特に神戸市がどんどん発達するという過程の中で、乱伐が一層激しくなりまして、全山がはげ山の観を呈していたと言われておりますが、そのために明治四十四年から治山事業が行われておりまして、昭和五十年までに約四十七億円、五十年度換算価額で九十億になりますが、を投じ、当初ははげ山復旧のための山腹緑化工事が主体を占めておりまして、その後山腹斜面の基礎を固めるための土どめ工でありますとか谷どめ工というものが行われておったわけでございまして、その投資の傾向は昭和十三年の大災害を契機といたしまして一挙に十倍以上の規模となったのでございます。また戦後、昭和二十三年ごろからはさらにこの事業が増大いたしまして、二十五年から三十七年までは林野庁の直轄治山事業ということで実施をされたのでございます。最近十カ年には六甲地区に三十六億円、これは兵庫県全体の三〇%の額に相当いたしますが、を投資いたしまして、濃密な施行をしてきたところでございますが、またこの昭和四十二年の七月に災害がございましたけれども、四十三年にはその災害実態の把握等の調査を行いまして、その後四十七年には特に都市近郊の保全を図るため、当地区を対象といたしまして都市近郊保全調査を行って、今後の当地区の治山計画を作成したのでございます。今後、特に昨年の災害等もございますので、これらの地域につきましては、先ほど申し上げましたように、六甲地区は特に重要性が高いわけでございますから重点的に調査を行ってまいりたいと考えておりますが、現在兵庫県では、実は激甚災害地域の復旧治山に追われておりまして、まだ具体的な計画が立てられてないというような状況のようでございますが、先ほど申し上げましたように、できるだけ早期にこの予防治山の計画を確実に立てて、着実に実施していきたいというふうに考えております。
  140. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 非常に六甲の先般のゴルフ場の土砂崩れで死人も出ておりますし、周期的に年数をもってやはり風化をした中で、開発等もありまして崩れたのもありますし、被害が出てまいりますし、そういう点については全力を挙げて対処をしていただきたいと思います。  じゃ、最後に一問質問して終わりたいと思いますが、いま各地で危機的な状況を呈していると言ってもいい、いわゆるダムが建設される、そうすると非常に砂が堆積をしてくる、こういうふうな問題でいろんな角度から問題点というものが出ているわけでございます。この点について質問いたしますが、直轄の美和ダム、小渋ダム、この堆積土砂に対して積極的に取り組んでいるという姿勢については評価できると思います。まあそれに比べて電力会社所有の民間ダムの堆砂問題はかなり深刻化しているのが現実ではないかと思うわけです。この対策についてどういうふうな手が打たれているのか、その点をお願いしたいと思います。
  141. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先生がおっしゃいますように、現在建設省におきましては、多目的ダムの上流流域におきまして、ダムに流入する土砂流の減少を図っておる次第でございます。その方法としまして、いわゆるダム上流流域の治山、砂防などの推進を図る、と同時に、いわゆる貯水池上流端付近で堆砂が進んでおるダムにおきましては、しゅんせつ等によりましてその堆砂を除くということも必要に応じて実施しておるわけでございます。  なお、五十一年度、本年度からは、いわゆる異常天然現象によりまして水源山地が著しく荒廃したと、そしてダムヘの流入土砂が非常に増大するということが予測される場合におきましては、砂防事業によりまして、いわゆる治水効果を確保するために貯水池末端に砂防ダムをつくる、そうしましてダムに入る土砂を減らし、ダムの有効寿命を延ばしていく、さらにその堆砂を掘削する、砂防ダムにたまった堆砂を掘削して半永久的に砂防ダムの機能を維持していくということを現在鋭意実施しておる次第でございます。しかしながら、先生おっしゃいます電源開発ダムの上流といいますか、ダムヘの堆砂はどうあるべきかという問題でございます。これにつきましては、そういうふうに電源のダムヘの流入土砂を減らす目的とした砂防ダムというものは、公共事業としてはいかがかと思いますけれども、しかしながら、その流域が非常に荒廃しておって、全般的にそういう治山あるいは砂防事業をやっていかぬといかぬという面、そういう面を検討して、その実態に応じていろいろ対処していきたいというふうに考えます。
  142. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いま九〇%以上の埋没した施設、まあ九〇%まで埋まっているところですね、それが八カ所、八〇%から九〇%が六カ所、七〇%から八〇%が四カ所、六〇%から七〇%、これ二カ所、五〇%から六〇%、五カ所、これで二十五カ所。こういうふうな状態であることも認識されていると思うんですけれども、この土砂の堆積がこういうふうにふえているということは、発電所に与える影響、これは技術的にはどういうことになるのか、それが一点。  それから水資源の有効利用という点から見ても、この堆砂問題に真剣に取り組んでいかなくちゃいけないと思うわけですけれども、いずれにしても九〇%を超えるこういう――もしわかればダムの名前、そうしてその関係の電力会社はどこなのかというふうなことも、ちょっとあわせてお伺いしたいと思うわけです。
  143. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) まず、ダム名と電力会社を御説明いたします。  平岡ダム、これは天竜川水系でございまして、長野県にございます。昭和二十七年に設置しまして、中部電力ということでございます。次が大井ダム、これは木曽川、岐阜県でございまして、関西電力、総貯水容量二千九百四十万に対しまして約二千五百万の砂がたまっておる。泰阜ダム、これは天竜川で長野県でございます。これは中部電力、同じようにこれも九割近くたまっておる。それから次が祖山ダム、これは庄川でございます。富山県、関西電力でございます。これは六割程度たまってございます。次が川端ダム、石狩川でございまして、農林省でございます。これは約五〇%でございます。次が木曽川の笠置ダム、岐阜県、関西電力でございまして、これはやっぱり五割程度の堆砂率でございます。上郷ダム、山形県最上川でございまして、東北電力ということで、これは四〇%から五〇%という堆砂でございます。次に秋葉ダム、天竜川で静岡県、電源開発でございまして、これがやはり三〇%から四〇%の間でございます。次が夏瀬ダム、秋田県雄物川でございまして、東北電力ということで、これがやはり四割弱という程度でございます。  それで、こういうふうに土砂が堆積した場合に技術的にどういう問題があるかという問題でございます。これは、まあその堆砂がいわゆる水にまじってペンストックに流れるとなりますと、発電のタービンの羽の損耗が早くなったり、あるいはペンストックの損耗が大きくなるというふうになろうかと思います。それで、発電に対する影響でございますけれども、昔はいわゆる水力が主体で火力が従でございましたけれども、現在はいわゆる火力が主体で、水力は本当にピーク発電のときに使うということでございますので、その水の貯水容量と、一回に使う容量というものは大して大きくないということで、そう大きい支障はないというふうに考えられます。
  144. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 まあひとつ大した問題はないということでなしに、将来の水不足、そういうもの、また発電エネルギーの問題等々もいろんな形で総合して、やはりエネルギー対策というものも考えていかなくちゃいけないと思いますから、まあ放置して自然に任せるのではなしに、また建設省としましても、やはり早くそういう問題が出てくれば健全な形にしていくという努力をしていただきたいと思います。  じゃ、これで終わります。
  145. 二宮文造

    ○二宮文造君 同僚の矢原委員から治山治水の総括的な問題についていま質問をしたわけでありますが、私、引き続いて河川行政にしぼって二、三御質問をしたいと、このように思います。  それに入ります前に、いただいております「第五次治水事業五箇年計画(案)」、五十一年八月の河川局の資料を拝見しておりますと、五ページに四十六年以来五カ年間、「最近の洪水による被害の実態」、これがまとめられております。とうとい国民の財産、その被害額が総計二兆五千九十三億円、こういうふうに表示をされております。また一方、三ページを見ますと、四十七年から五十一年にかけての第四次五カ年計画のいわゆるその整備計画、これは金額ベースで表示されておりますが、これを予備費を含めてトータルして見ますと四兆五百億円、要するに五カ年間に四兆五百億円をかけて整備計画は進めてきたけれども、その間にまた国民のとうとい財産が二兆五千億円も失われてしまっている。こういう数字を単純に比較をしてみますと、いわゆる治水計画のおくれ、そのために国民が多大の被害をこうむっているという数字が明らかになってきたと思うのですが、この点について大臣はどうお考えになりますか。   〔委員長退席、理事赤桐操君着席〕
  146. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のように被害が増大している、それに対する予算というものが伴っていないというような感じもいたしましたけれども、いずれにいたしましても、いままでにやってきた治水は、懸命にやってはまいりましたけれども、なかなかその効を奏することができなかったというような点については本当に責任を感ずる次第でございます。したがいまして、昭和五十二年度の新しい五カ年計画において、これらに対しましては万全を期さなければならぬというような考え方を持って、本年度は前回五カ年計画よりもやや倍にしてもらいまして、そして今後に対処していきたい、こう考えておるわけでございます。まさにいままでは御指摘のような点がたくさんございましたが、今度はそういうことがないように努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  147. 二宮文造

    ○二宮文造君 私はむしろその総花予算といいますか、限られた財政の範囲内で重点的な活用という面に欠けて、いわゆる予算の分捕り合戦、陳情合戦の結果が、限られた財政の中で所期の効果が上げられてないのじゃないかというような面も一面感ずるわけです。さらにまた、その原因が同じく資料の四ページに治水施設の整備の状況が記載されております。いわゆる大河川、利根川とか淀川、これ、比較的整備が進んでいる大河川が大体五〇%、整備水準に対して約五〇%の達成、中小河川に至っては一三%という低い水準にあるという現状を建設省はもうちゃんとお認めになっているわけですね。特に、中小河川の整備の進捗率が一三%だというところに非常に問題があるということは従来指摘をされてきたところです。  ところで、最後に、二十一ページに「第五次治水事業五箇年計画の整備目標」という欄を、一覧表をつくっていただいておりますが、この「基本施設(大河川)」という「施設区分」の中を見ますと、五十一年度末の現況は上からずっと数字だけ見ます。いろいろ項目があります。項目がありますが、数字だけ並べてみますと、大河川の部分で四〇%、四八%、三九%、四九%という数字が並んでいます。これらを平均しても絶対に五〇%にならない。ところが、先ほどの四ページのところには約五〇%ときわめて端的に表現されておりますが、この辺はどう御説明いただけますか。
  148. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 御説明いたします。  まず、二十一ページでございます。先生おっしゃいました四〇%、四八、三九、まあ四九%でございますが、これは水源保全施設、いわゆる荒廃砂防関係の大河川の進捗率でございまして、その下に四〇、四八、三九、四九、その下に五二とございます。これが、二十ページをごらんになっていただきたいと思いますが、洪水防御施設、いわゆる大河川の治水施設というもので五二%ということでございまして、四ページの方におきましてはその辺ちょっと誤解を招く書き方をしてございます。治水施設の整備の状況は、戦後最大洪水の災害防止整備水準に対して約五〇%ということでございます。だから、治水施設の整備におきましては約五〇%ということでございます。
  149. 二宮文造

    ○二宮文造君 じゃ、舌足らずの説明に終わっているという御説明で了解をします。  さて、もう時間もございませんので端的に質問したいんですが、私は既存ダムの水害対策という問題をまずお伺いしたいと思うんですが、一方では水資源を確保しなければならぬというダムの要請というものは非常に強まっております。また、水の多角的な利用というためにもダムの要請が高まっておりますが、反面、また災害時におきますと、必ずダムの周辺で被害のいわゆる補償の問題といいますか、原因、対策という問題で物議を醸すのは年中行事になっているわけですね。したがって、私はこのダムの管理というのが、いわゆる利水を中心にダムの管理を考えていくのか、治水を中心に考えていくのか、この辺の大綱をもう一つしっかり踏まえていただかないと、こういうダムの管理という問題はこれからもまた物議を醸してきますし、さらにまた、それが新しいダムを建設する障害になってくるのじゃないか。いわゆるそのダムの管理上の基本的な考え方というものをどこに置くか、それをひとつ。これは総括的な問題ですから、大臣から答弁を……。
  150. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 多目的ダムの管理につきましては、人命または住民の暮らし、これを守ることを第一義としておりますし、このような観点から治水を利水に優先させることによってその目的が達せられる。また、利水目的相互においては灌漑、水道、それからまた利水を発電に優先させるべきものとも考えております。これらの点について、多目的ダムの新築に際しましては、作成される基本計画でその旨を発表をして明らかにしておるところでございます。
  151. 二宮文造

    ○二宮文造君 利水よりも治水を優先させるという基本的な考え方、また発電よりも灌漑を優先させるという考え方、これは当然の考え方ですが、さて、もっとこの中身に立ち入りまして、多目的ダムの場合、その管理規程、この中によく無効放流を厳しく抑えて、また一方、予備放流水位と言うんですか、それに下限を設けるような管理規程があることが見受けられるんですが、私はダムの構造上、可能な限りその制限水位や予備放流水位というものは下げる。また、予備放流水位というものは下限制限水位にするんじゃなくて、上限水位にする。要するに、ダムの管理規程の中に下限水位というものを規定をする。これはまさに利水を中心にした考え方であって、それがゆえに洪水時しばしば異常放流の問題と絡んできて地域の住民に迷惑をかけるようになるんですが、こういう下限水位を制限するような管理規程というものは改正すべきではないかと思うんですが、これはどうでしょう。
  152. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 多目的ダムというものは、限られた貯水容量というものを治水利水の目的のため、調和を図って容量配分を行っている次第でございます。それで、先生いまおっしゃいました予備放流水位の件でございますけれども、予備放流水位につきましては、古い時代の操作規則におきましては、洪水警戒体制をとったときは、洪水の規模を予測して洪水調節計画を立て予備放流水位を定めることとされておりまして、計画規模の洪水が予測された場合に限りまして予備放流水位の最低限度まで下げ得るものとされておったというふうに、先生おっしゃるように下限水位的な考えがあった。古い場合でございます。しかしながら、昭和四十七年七月、異常豪雨が各地にあったわけでございまして、そうしまして、いわゆる計画といいますか、予測を上回る洪水が発生した。そういうことにかんがみまして、それ以降におきましてはいわゆる予備放流水位に対する考え方というものを改めておる次第でございます。それで、洪水の発生が予想されるときには一律に予備放流水位まで下げなさいと、下げるというふうにしております。したがいまして、またそれ以後に完成したダムにつきましても、いわゆる操作規則の予備放流に関する規定を、その日洪水が来るのだとなったらもう少し下げなさいというふうに定めておる次第でございます。それで、古い時代のダムにつきましても最近のダムと同様のダム操作を行うと。操作規程にはさっき申し上げたようになってございますけれども、最近のダムと同様のダム操作を行うこととしてございまして、実質的には支障がないわけでございます。しかしながら、できるだけ早い機会に古いダムにつきましてもダム操作規則を見直していきたいというふうに考えます。
  153. 二宮文造

    ○二宮文造君 もう一つ。これもあるいは改正されているかもわかりませんけれども、予備放流の実施に当たりまして、結果的にそれが無効放流になったという場合も考えられると思うんです。たしかこの場合、いままでの規定では、そのために起こった利水の損失、これはダム管理者の責任になるというふうな取り決めがあったように、過失として挙げられるようなケースがあると、こういうふうに聞いているんですが、こういうふうな、現状は、もし仮に無効放流になったとしても、そのためにダム管理者の責任は問われないというような制度的な保障というものはいまつくられておりましょうか。
  154. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 最近のダム操作規則におきましては、先ほど申し上げましたように、予備放流により水位を低下さすように義務づけている次第でございます。したがいまして、制度的保障の問題は起きてこないということでございます。しかし、古い時代のダムでは予備放流水位を下限水位として規定してございますので、いわゆる予備放流の実施によりまして利水損失を生じた場合にダム管理者の過失としないという制度的保障があるとは言いがたい面がございます。しかしながら、実態面におきましては、こういう古い時代のダムにおきましても、最近のダムと同様に、いわゆる上限水位として運用することとしてございますので支障はないというふうに考えてございます。
  155. 二宮文造

    ○二宮文造君 運用されているから支障はないというよりも、やっぱり公務員ですよね。公務員というのはどうしてもそういうふうな明文の規定というものがあると安心してできるわけです。運用で支障ないというのはいわゆる監督官庁の言うことであって、現場にいる当事者にとってみれば、やはりそういう規定がありますとそれに左右されるということは、私はやっぱり心理的にあると思う。ですから、現状として支障がないんであれば支障のないように、あなたは特に、古い規定、古い規定と、こういうふうにおっしゃっていますから、その古い規定というものは、やはり一定の時期にきちっと書きかえるというふうになすった方がよろしいんじゃないでしょうか。
  156. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先ほども申し上げましたけれども、古い規定につきましてはできるだけ早い機会にいわゆるダム操作規則を見直していきたい、書き直していきたいというふうに考えてございます。
  157. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから、先ほどちょっと矢原議員も触れておりましたけれども、発電ダムに治水義務が課せられていないように私聞いているんですが、特に水害を起こしやすい点を考えますと、この点も見直しをしなきゃならぬのじゃないかと思うんですが、これはどうなっておりましょうか。
  158. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 発電ダムを初めとします利水ダムを設置する者は、洪水時の河川の機能がそのダム設置によって減殺されないように、河川管理者の指示によりまして河川の従前の機能を維持するという措置を行わなければいけないというふうにされておるわけでございます。これは河川法の第四十四条でございます。そうしてこのような従前の洪水調節の機能の維持を明確にするために、ダム操作規程におきまして洪水時における必要な措置というものを定めさせておるわけでございます。そうしまして、これによりまして洪水時における操作を行わせているという実態でございます。なお、最近のいわゆる梅雨前線豪雨、集中豪雨などに見られますように、降雨が異常に長く継続する場合、そういう洪水の特色というものも考慮いたしまして、一定の予備放流水位をあらかじめこういう利水ダムでも設定しまして、各洪水ごとに洪水警戒時におきましてダムの水位をいわゆる当該予備放流水位に低下させるなどのことによりまして洪水に対処しておる、そうしまして的確なダム操作を行わせるよう対処しておる次第でございます。それで、昨年十月にダム操作規程の標準例の改正を行った次第でございます。
  159. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は昨年の十七号台風の状況のときを思い出すんですけれども、たとえば私は調査団の団長として四国の方へ参ったわけですが、特に高知県鏡川ダムの下流、高知市民ですね、それから早明浦ダムの下流の本山あるいは大杉、そういうふうな方々のいわゆるダムの異常放流による損害、災害、これを目の当たりに見まして、これは大変な問題だなと。確かに下流の住民にとってみれば、早明浦ダムというのは有効です。しかし、上流のいわゆるダムの近郊の周辺の住民にとっては、ダムほど迷惑なものはない。また、特に連年災害を受けた高知の市民にとっては、あの鏡川の右岸ですね、市民にとってはあの鏡川ダムさえなかったら、毎年こういうふうに水につからないのにという実感で、実はダムを恨めしく見ているというのが現状ではないかと思うのです。こういうふうな考え方が広がっていきますと、全くダム建設反対というまた別途の要素というものが高まってくるんじゃないか。これは非常に重要な問題ですが、要するにダムの異常放流による、そのために引き起こされた損害、一般市民の損害というものの補償はどういうふうに総括的に考えたらいいでしょうか。また、どういうふうに指準されていますか。
  160. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) ダムの異常放流によるという問題でございます。いわゆるダムの容量が一定限度でございます以上、計画以上の洪水が来た場合には計画の放流量以上のものを流さざるを得ない。その場合でもいわゆる異常洪水を調節しながら下流に放流をしておるというのが実態でございます。したがいまして、実際に早明浦ダムの例をとりますと、その直下でいろいろ災害なんか起きたというものにつきましては、いわゆる災害によりまして護岸を直す、あるいは高くする、あるいは家屋移転をするとか、そういうふうにいわゆるその実態に応じましていろいろ対処しておるという次第でございます。
  161. 二宮文造

    ○二宮文造君 それが問題なんです。いわゆるダムの責任に属するか属さないかということが論争になりまして、結局なかなか落着しないということが現状のようです。ダムの異常放流による損害だと、こういうふうに認めるその基準はないわけですよね。だから、住民運動としてたびたび交渉し、中には裁判ざたにまで持ち込んでやっと所期の目的を果たすということ。私はむしろダムというものが、そういう施設があることが常に災害を起こす危険をはらんでいるわけですから、むしろダムの管理という、運用という面の中に、もし万一地域住民に損害を与えた場合は、積極的にその損害の補償に応ずるという姿勢をとった方が――もちろん被害が起こるのを、災害を防止することが第一義的なものですよ。不幸にして災害が起こったときは、積極的にそのダムの責任として補償に対処するという姿勢がまず明確になければならないんじゃないか。そうでなければ下流住民は安心できないと、こういうふうに私感ずるんですが、この点どうですか。
  162. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) まあ計画以上の洪水が来た場合に、ダムの異常放流というように一様に言われております。その場合にダムがなければもっと大きな洪水が下流に流れたということも、これまた事実でございます。それで、その点を建設省としましても、いわゆるダムの効用、治水能力の問題につきまして、いわゆる過大な期待といいますか、地域の地元の皆さんに与えたということは今後大いに反省せぬといかぬと思います。それで、ただいま先生おっしゃいました損害の問題でございますが、実態に応じまして対処してまいりたいというふうに考えます。
  163. 二宮文造

    ○二宮文造君 局長、違うんです。私の言っているのは、局長がいま、ダムがなかったらもっと大きな災害が、洪水が下流にあったと言うのは、うんと下の下流なんです。私がいま問題にしているのはダムの直下の住民なんです。これは上流ですから、仮にダムがない場合は被害を免れているわけです。ただ、大きなため池ができたから、それで異常放流でダムの真下がやられちゃうわけです。こういうことを私は指摘をしているわけです。相対的にダムがなければ下流に大きな洪水があるということは、これは私納得できます。しかし、それがゆえに、ダムの効用というものを主張するがゆえに、その真下の地域住民の負担というものをないがしろにしてはならないと思いますし、これは繰り返しません。その実態に基づいて対処するということを、積極的に地元住民の御意向に沿って補償に応ずる用意があるというふうな――まあそこまではおっしゃいませんけれども、そういう意味を込めての答弁だということで了解しますが、どうもダムがなかったら大きな災害がということは、いつも答弁として返ってくるんですが、そのために上流の住民が犠牲になっちゃならない。この点には特に配慮すべきだということを私申し上げたいと思うわけです。  それから、時間がありませんので、もう一点。今度は都市水害。これも昨年の十七号台風のときに、都市の平地部分で小さなどぶ川みたいなのがはんらんをしまして、そのために床下浸水、床上浸水という多大な被害を起こしているのはこれは全国各地に見受けられる状況ですが、これはやはり総合政策、無秩序な乱開発を食いとめるとか、あるいは総合的な土地利用規制とか、こういうものが行われなければとてもこれは太刀打ちできない、こういうふうに考えますので、これはひとつ、この点格段の御配慮をいただきたいと思いますし、たとえば常襲湛水地ですね、必ずここは水につかるというようなところ、これは建設省とすれば、かつてそこは遊水地域だったんだと、いわば農地だったんだと、ところが、最近の宅地の開発によってそこにどんどん家が建っちゃった、そのためにもう当然水浸しになるべくしてなっているのだというふうな理解があると思うのですが、これは何もその土地に好んで建てたわけでもないし、不動産屋の口車に乗って買った人もありましょうし、また他の地方から移ってきた人はそういう地域であるという理解もありませんでしょうし、そういう場合、これは私権の損害になるか侵害になるかどうか私もちょっと疑問なんですが、いわゆる水害危険個所、危険地帯というふうな裁定といいますか、あるいは要するに予防をする。もうここは水につかりますよと、まだ十分に整備が進んでませんので、少なくとも何年後までは水害の危険はありますよというふうな周知徹底する努力というものはあるんじゃないかなと、こう思うんですが、この点はどうでしょう。
  164. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 都市におきます水害を防ぐという問題の第一点は、いわゆる治水施設を整備して、そして洪水の被害を直接防ぐというのが第一義でございますが、先生おっしゃいますように、あわせまして流域の適正な管理的なことが必要になってこようかと思います。これに関しましては河川審議会に総合治水対策小委員会というものを設けまして、これは学識経験者あるいはマスコミの方とかいろんな方に入っていただきまして、現在審議を進めておる次第でございます。  それで、先生がおっしゃいました、いわゆる湛水常襲地域における工場とかあるいは家屋の問題でございます。これにつきましては、この小委員会の中におきましても、先生おっしゃいました、いわゆる洪水はんらん予想区域とか、あるいは土石流危険地域とか、そういうものをやはりやっていく必要があるんじゃなかろうかということで、現在そういう調査も鋭意やっておる次第でございます。
  165. 二宮文造

    ○二宮文造君 やっていることはわかりますけれども、それはどういう方向で防御するといいますか、お考えですか。   〔理事赤桐操君退席、委員長着席〕 建設省としては将来そういうふうな方向に持っていきたいという考え方で、その小委員会で御検討願っているのか、この点どうですか。
  166. 大富宏

    ○政府委員(大富宏君) 先生の御指摘のように、流域の土地利用計画というものは基本的に総合的に私は何らかの計画というのを先行させるべきだと思います。これについては本来都市計画法を改正いたしまして線引きをやったわけでございます。市街化区域と調整区域に分けました。いま先生御指摘のように、湛水常襲地域とか遊水地域とか、あるいは溢水とかという心配のあるところは、本来はこれは調整区域に区分すべきところであったわけでございます。まあこれは本来の姿勢でございますけれども、先生おっしゃるように非常に土地所有者の思惑とか、あるいは線引きというのがわが国では初めての経験でもございまして、市街化した先行事実を確認したというようなうらみなしとしないわけでございます。ただ、いま河川局長がお答えしましたとおり、いろいろと今後調査を進めまして、どうしてもそこは河川流域として保全したい、確保したいという区域につきましては、今後線引きの見直しもございますが、これは非常にむずかしい作業ではございますけれども、徐々に私は是正していくよりしようがない、このように思っております。
  167. 二宮文造

    二宮文造君 まだ二、三あるんですが、時間がなくなってきましたので、具体的な問題で、ちょっとこれは陳情めいて大変恐縮ですけれども、具体的に建設省の考え方を変えていただきたいし、地域住民の意向に沿っていただきたいということで提案をしたいわけですが、高知県の吾川郡の春野町の新川川の問題です。これは要するに、たとえば土砂で埋まってしまうということで、最初はこう何か砂どめをして、それからさらに、それをもっとやらなきゃいけないということで暗渠にしてしまったわけですね。ところが、その新川川の河口といいますのは、要するにドロメ漁と言われておりますけれども、チリメンジャコですか、これで大体年間三億円の水揚げをしまして、三百人ぐらいの専業の方がそれで生計を立てているわけです。で、従来は波打ち際のところへ舟なんかを揚げて、それでちょっと上流に加工場があるのですが、そこへ持ち運びをしたと。ところが、暗渠になってしまったためにくぐれないわけです。くぐるのに非常に苦労するわけです。  いま私、写真を持っていますので、これをちょっと見ていただきたいと思うんですが、小さな伝馬船でやっていかなきゃならぬわけです。くぐるたびに船体が傷んじゃうわけですね。それは砂どめをしなきゃならぬということも事実ですね。しかし、また一方、貴重なドロメ漁、チリメンジャコによって生計を立てていらっしゃる方がいるわけですね。しかもそういう状況になっているものですから、砂どめをやって従来のように波打ち際にもう係船できないようになりましたので、十キロ離れた高知市に、高知港の方へ漁船を置いているようです。非常に作業にも不便をする、こういうふうなことで、その暗渠をもう少し広げていただく、また、高めていただく、満水時においても――満水時あるいは干潮時ですか、そういうときにおいても五トンぐらいの船が出入りできるように御配慮を願うと非常に好都合だということが地元の関係業者の陳情なんです。これは私は砂どめをするということは重要ですし、しかし、専業の方が従来そこを通っていた、それをそんなに窮屈にするような設計でなくても、その人たちの言い分を、陳情の部分を取り上げた改修の方法というのはあるんではないか、こう思うわけです。この点ひとつ従来の経過並びに、いま幸い改修の問題が高知県でも問題になっているようですし、その場合に地元の方々の要望も取り入れるような方向に進んでいるようでありますけれども、いわばやっぱりドル箱は建設省ですから、建設省の方が理解がないとなかなかその事業が進んでまいりませんが、従来の経過、それからまた現状の踏まえ方、また、将来についてどういうふうな指導をされていくか、この点をお伺いしたい。
  168. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) では、経過から御説明いたしたいと思います。  まず、昭和二十七年から二十九年にかけまして、いわゆる河口閉塞に伴う関連事業として現在の暗渠をつくったわけでございます。河口閉塞として暗渠が非常にきくということで暗渠をつくったわけでございます。それで、昭和三十二年に災害復旧事業としまして暗渠の東側にやっぱり砂を防ぐための導流堤も施工したわけでございます。そうしまして、三十五年に同じように災害復旧事業としまして導流堤先端から東向きの方に防砂堤、ブロックでございますけれども、テトラブロックを施工したと。その後、四十年から四十五年には局部改良事業、四十六年には小規模河川改修事業、四十九年以降は中小河川改修事業として暗渠前面の防砂堤のかさ上げ、狭窄部の暫定掘削等を実施してきたというのが改修の経過でございます。  それで次に、暗渠内の先ほど先生のドロメの伝馬船の出入り口として利用しておるそれの経緯をちょっと御説明したいと思います。暗渠の施工以前から慣行的に新川川河口部を泊地として利用しておったわけです、船が。それが昭和二十七年から二十九年にかけまして暗渠を施工した後も依然として中に入って利用しておったと、泊地として、というふうに聞いてございます。そして四十年から四十三年にかけまして海岸堤防を施工し、さらに四十六年から四十七年にかけまして堤防の裏側に県道を施工したと。これらのことによりまして、従来魚の加工場が海岸にありまして、五トンの伝馬船がつけとったのが、それがいわゆる新川川の左岸に移転したということで、荷揚げのためにも一トン程度の船が暗渠を航行するようになったというふうに聞いてございます。  それで、今後じゃあどうする、どういうふうに対応していくかという問題でございます。地元からの御指摘のような趣旨の要望が出されておるのは十分知ってございます。それで、新川川の改修というのは、高知県のあの河川はやっぱり河口閉塞というものが一番キーポイントになっておるわけでございまして、この暗渠の設置というものも、それが一番重要な課題であるわけでございます。したかいまして、五トン――現在一トン程度の船が通ってございますけれども、将来五トン程度の船を通すとすれば、いわゆる暗渠の底を下げんならないということもございますので、そういう設計検討の段階におきまして、そうすることによって暗渠の埋塞が生ずるかどうか十分検討しながら、できるだけ地元の要望も考慮するように指導していきたいというふうに考えてございます。
  169. 二宮文造

    二宮文造君 先ほど専業者の数、ちょっと私間違えました。百六十九人。いま組合に所属している組合員数は百六十九人。それにしても非常に重要な問題でしてね、新川川の改修、河口の改修ということには、これらの方々も自分たちの不便を承知しながら協力をしているわけです、ここまで、今日まで。そして、ずうっとしんぼうしながら、いかにも暗渠を通過するたびに困るということ、さらにはまた、そういうために海岸に係船できませんから高知港の方に係船しているわけです、漁船の方をね。もしこれが、あの組合の方々が希望するように多少広げるとか、深めるとかいうふうに、五トン程度のものが通るようになりますとね、それもまた漁船も河口の中で停泊できるというような便利もあると。仕事の点もうまくいくということが希望ですから、どうかひとつ、いま地元とよく相談をしながら方針を立てていくというお話でございますので、この困っている小さな専業の方々のために格段の配慮をしていただきたい、これを要望しておきます。  以上で終わります。
  170. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案について質問いたします。私は治水問題にしぼってお聞きしたいと思います。  この第四次治水五カ年計画の実績として九四・五%の達成率と書かれておりますけれども、これは事業費の金額による名目であって、実質はかなり少ないように思いますけれども、何割ぐらいになっておりますか。
  171. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 名目は先生おっしゃいましたように九五%程度でございまして、実質でいきますと大体六割程度じゃなかろうかというふうに考えられます。
  172. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 午前中の河川局長の答弁で、今度の五カ年計画の整備目標、大河川六〇%以上、中小河川二〇%、土砂害対策一五%以上と、そう言われました。今度の五カ年計画では治水投資が七兆六千三百億円、その内訳が治水事業五兆八千百億円、災害関連、地方単独、これが一兆二千四百億円、予備費五千八百億円ということになっておりますが、この第五次計画では物価上界率はどのくらいに見込んでいるのか。といいますのは、五十一年度価格でたとえば治水事業五兆八千百億円投資して、先ほど答弁のあった整備目標が到達できるのだとすると、もし物価が上がると、実質の達成率はまた下がってしまうということになるのではないかという点です。
  173. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 従来から五カ年計画を策定する場合には、いわゆる事業規模ということでやってございまして、今回の五カ年計画におきましてもいわゆる昭和五十一年度の単価で積算してございます。
  174. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうしますと、物価上昇率は見込んでない計画ですか。五年間でかなりの物価上昇率が――これはまあ福田内閣いろいろ約束しておりますけれども、その約束が達成されるかどうか。これ、いろいろ国際的なインフレもありますし大変ですが、インフレが続くことは明らかですね。そうすると、五年間の物価上昇率を見込んでいないとすると、実際に五年間でかなりの物価上昇が行われると先ほどの整備目標も実際には下がってしまう。第四次のように実質はやっぱり六割ということになりかねないと思いますが、いかがでしょう。
  175. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) できるだけ物価上昇がないことを非常に期待しておる次第でございまして、そして重点的な個所から施行していきたいというふうに考えます。
  176. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 総理大臣のような御答弁がありましたけれども、最初の質問の、なぜ実質が六割にとどまったのかと、この原因はどういうところにありますか。
  177. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) やはり、物価の上昇による実質減というふうに考えます。
  178. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうしますと、石油ショックのときのような二けたの物価上界ということはないにしても、大体やっぱり一けたの物価上界で、福田さんのお約束でも、ことしの約束はどうも危ないというようなこの間本会議で答弁ありましたが、いまの御答弁だと、やはり物価上昇、このインフレ不可避ですから、今度の第五次もこの七兆六千三百億円、治水事業五兆八千百億円ですが、実際にはやはり六割といかないでも、七割ぐらい、うまくいって七割ぐらいにとどまりかねないということが明らかになってきたと思うんです。こうなりますと、物価上昇を見込んでいないという御答弁だと、初めから政治目標というのは一〇〇%到達できない、単なる数字にしかすぎないように思われますが、大臣、どうなっているんですか。
  179. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘の点につきまして、まさにやはり物価上昇という点は見積もらなければ、基礎に置かなければならぬということは当然だと思うんでございます。したがって、第五次五カ年計画につきましては、いまその詳細を検討をしているところで、まだ全般にわたってでき上がったわけではないんでございます。しかし、なるべく早く、予算を通過をするまでには、計画に余り狂いのないような方向に方向づけをしていきたい。しかし、物価高をどこに見るかという、物価高を、物価の上昇率を幾らか見て計算をしなければならないことは当然でありまして、そういうようなものは基礎に置いていずれにしても積算をしていくつもりでございます。
  180. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いずれにせよ、先ほどの大河川六〇%以上、中小河川二〇%、土砂害対策一五%以上という政治目標は、実際に物価上昇が見込まれる以上、やはり机上の数字であって、本当のところは、どのくらいいくかというのはどうも建設省もいま検討中であるというように理解せざるを得ません。いろいろ困難がもちろんあると思うんですけれども、それだけになるべくこの目標に届くようなそういう努力が必要だと思うんです。その点で、午前中から各委員の質問に出ておりますが、予備費の問題ですね、これが一つ問題になってくる。五千八百億円組まれておりますけれども、建設省は概算要求ではこの予備費は要求していなかった。いただいた資料でも、それから御答弁でも、従来、これまで予備費は組まれておりましたけれども、一回も使ったことがないということになっており、各委員の質問しましたように、従来一回も使ったことがないし、概算要求にも含まれていない予備費が五千八百億円ここに入っているということについては、いろいろ検討すべき問題があるように思うんです。  それで、大蔵省にお伺いしますけれども、この予備費の性格ですね。この五カ年計画に、これまでにも含まれております、今度も含まれているこの予備費の性格は、どういうふうに大蔵省としては考えているのか。それから、どのような場合にこの予備費が使われるというように大蔵省としては了解しているのか、この点お伺いします。
  181. 西垣昭

    ○説明員(西垣昭君) 予備費計上の目的でございますが、まあ公共事業の長期計画というものは、その各事業の計画期間中の規模あるいは内容につきましての方針を定めたものでございますが、その実施に当たりましては、やはりその他の施策との総合的な整合性でございますとか、財政事情でございますとか、計画を策定した後の需要の変化だとか、そういったものも勘案しながら弾力的に実施していくというものだと思います。そういった意味で、その後の需要の変化に対応し得るということで予備費を計上してございまして、いま御指摘がありましたように、第二期の五カ年計画以後予備費が計上されておりましたのが一度も使われてないということは事実でございますが、第二期、第三期というのはいずれも五カ年の満了を待たずに計画が改定されておりますし、それから第四期と申しますのは石油ショック以後の総需要の抑制ということで、まことに残念ではございましたけれども、投資テンポを落とさざるを得なかったということでございますので、その過去の例が予備費を使ったことがなかったからといって、予備費というのは使えないものだというものではないと考えております。私どもといたしましては、必要がございまして、財政が許せば、その使用には反対ではございません。使えるものだというふうにお考えいただいて結構でございます。
  182. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 第一次には計上されていないで、第二次に一千億円、第三次に二千五百億、第四次に四千五百億仕組まれたわけですね。確かに途中で第二次は三年間、第三次は四年ですけれども、第四次は五年です。この三回にわたって一回もとにかく使われていない。予測しがたい事態と申しましても、この治水計画の場合には主に災害でしょうけれども、これは災害のための予算が組まれているわけで、そうなりますと、どういうときにやっぱり予備費を使うと。いま大蔵省は使うことに反対じゃないと言われましたけれども、大蔵省としては想定しているのはどういうケースですか。
  183. 西垣昭

    ○説明員(西垣昭君) いま災害の例が出ましたが、災害は治水五カ年計画の外でございます。それで、災害を言っておりますのは、大きな災害等がございまして、急いで治水の整備水準を上げなくちゃならない要請が強まってきたとか、あるいは開発が急速に進んで、その結果として治水整備を進めなくちゃならないとか、そういった事情を考えたものだと思います。
  184. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 午前中の答弁で河川局長は、大災害の場合、それから予想もつかない大プロジェクトの場合というふうに言われたんですが、大災害というのはたとえば伊勢湾台風水準のものを指しておられるのか。それから、その予想もつかない大プロジェクトというのは、どういうことを予想されておられるのか、お伺いしたいと思います。
  185. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 大災害、どの程度の大災害の場合に予備費を使っていくかという問題でございますが、これはやはり大蔵当局といろいろ具体的に打ち合わせしてやっていきたいと。たとえて申しますと、伊勢湾台風なども使いたいなというふうに考えておる次第でございます。それから予想もしない大型プロジェクトという、ちょっと表現があれでございましたけれども、いわゆる五カ年計画において当初から予定しないようなプロジェクトと、具体的に何といってもちょっと頭にございませんけれども、そういう場合に予想外に治水事業を推進していかないといけないとか、あるいはそういう場合に使っていきたいなということでございます。
  186. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 まあ使われない予備費だとすると、結局五カ年計画の規模を大きく見せかける、まやかしの役割りしか果たさないわけで、予算編成の大臣折衝の段階で建設大臣は、従来予備費が使われたことはないが、この慣例にとらわれず、必要に応じて使うということを約束したということを聞いておりますけれども、ぜひ余り慣例で、予想もつかない大プロジェクトだとか、大災害とかいうふうに余り限定しないで、先ほど、それこそインフレーションもこれはひとついまの内閣の予想もつかない事態に上がることもあり得るわけですから、そういう際に整備率が余りおくれないように予備費を使うと、必要に応じて使うという積極的な態度をおとりになることが非常に必要なのではないかと思うんですけれども、この点、予備費の活用について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  187. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 私がお約束を申し上げたのは、大蔵省ではよろしゅうございますとは言わなかったけれども、必要に応じて予備費というものは使用いたしますと、それだけは御了承賜りますということで話を申し上げてきたわけでございまして、おっしゃるように、激甚の災害があった場合とか、あるいはこの発生において緊急やむを得ない場合が起きたときというようなことは、当然その中に加わってまいることでありまして、また、どうしてもこれをなさなきゃらぬというような大型プロジェクトの問題なんか先ほどもお話がありましたけれども、そういう面につきましても、大蔵省とは十分折衝をして、それを使わせていきたいと考えております。
  188. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 先ほども大蔵省側から、予備費の使用について決して反対じゃないというのがありましたけれども、いまの大臣の見解でよろしいわけですね。
  189. 西垣昭

    ○説明員(西垣昭君) いま大臣がおっしゃったとおりでございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、必要がございまして、財政の事情が許せば、これを使うことについてはやぶさかではございません。
  190. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 じゃあ大蔵省、ありがとうございました。  それでは、次に進みます。河川局長、戦後の治水事業の役資総額ですね、これまでの。どのぐらいになっているでしょうか。
  191. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 約十兆円でございます。
  192. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 同じ戦後、水害によってどのくらいの人が死に、また水害による被害総額がどのくらいか、その点もお伺いします。
  193. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 最近の四十六年以降五十年までの例で申し上げますと、大体被害額が五カ年の合計におきまして二兆五千九十億というふうでございます。それから死者、行方不明でございますけれども、合計におきまして一千三百八十四人というふうの結果を得ております。
  194. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いま五カ年の数字ですが、衆議院の建設委員会調査室の資料を見ますと、戦後三十年の数字が出ておる。これを見ますと、死者、行方不明が三万二千四百八十八人。約三万二千五百人、死者、行方不明が出ておる。それから家屋その他の水害被害額が昭和二十一年から五十年までで十六兆千四十七億円ということになっておる。そうすると、戦後の治水事業の投資総額十兆円なんだけれども、被害は人命の損害が三万二千と、それから被害額がそのほかに約十六兆円を超すという被害が出ているわけで、水害に対して多くの努力を国も自治体も注いできたけれども、やはり後手後手に回っており、被害額の方がやっぱり大きいという実態が残念ながら出ているわけです。  こういう点をどうしても国土の保全、人命の保全という点で重視していくことがこれは国民的な課題になっていると思いますが、同僚委員も午前中に指摘しましたけれども、たとえば道路投資と比べてこの治山治水の投資額が公共投資の中でも少なくなっていると。五カ年計画を比べてみますと、道路は十九兆五千億円、治水計画が四兆五百億円という数字で、昭和五十年代の前期経済計画では公共投資百兆円の中で道路が十九兆五千億円、国土保全は六兆九千億円という状況になっているわけです。国民生活にとって安全というのがやはり最も基本的な事柄なので、六〇年代の高度成長時代、道路、港湾などの産業基盤への公共投資が非常に優先されて、こういう安全な国づくりのための投資が後回しにされてきたという事態が続いていたわけで、そういう状況が国土保全の軽視をもたらし、昨年の台風十七号などに見られるような災害激化の原因のやっぱり一つであったことは否定することができないと思います。昨年の国会で国土庁長官、建設大臣は、新しい治水五カ年計画では八兆円の投資規模を実現させたいと答弁されたわけですけれども、その八兆円まではいかなかったという点で、今度の第五次五カ年計画ですね、これを実際に数字だけに終わらせないで、先ほどの予備費問題も含めて整備目標を実際に達成するように努力をぜひ強化していただきたい、この点をお願いします。  それからもう一つ、昨年の国会で河川水の利用税の構想がやっぱり問題になって、竹下建設大臣が、研究課題として河川水利用税の考えもあるけれども、にわかに実現できるものではないという旨の答弁をしております。非常に問題がある考え方なので念のためにお尋ねてしておきますけれども、その後、この河川水利用税の研究というのは建設省としては行っているのでしょうか。
  195. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 近年におきます水需給というものが逼迫の度を加えておる次第でございます。したがいまして、これに対応しまして新規の水資源開発とあわせまして水利用の合理化、適正化というものを推進することが必要であると考えておる次第でございます。水に関する経済的負担を適正化するということも、その合理化のための一つの手段というふうに考えられております。水に関しますいわゆる経済的負担のあり方というものにつきましてはいろいろ提言がございます。中には料金体系の見直しのほか、あるいは課徴金あるいは税金といったような負担形態も一つの方法として考えられるわけでございます。これらを含めまして、いわゆる水の適正な利用の観点から、水利用にかかわる適正な経済負担のあり方などにつきまして現在勉強しておるという段階でございます。
  196. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 次に、準用河川の問題について質問します。  準用河川については、五十年度から三分一の予算補助がついて、国の補助がつくようになったと市町村から歓迎されているんですが、今回の法改正で治山治水緊急措置法に基づく治水事業の中に正式に組まれることになったわけで、これは準用河川に対する国庫補助がいわば市民権を獲得したものと評価することができると思います。その点で積極的だと思います。  先ほど準用河川の指定状況について答弁があって、これは何年間ですかね、約十倍近い伸びになっていると、一万四千キロになっているという答弁がありましたが、建設省としては、この準用河川の指定について、どういう方針で地方公共団体を指導しているんでしょうか。
  197. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 現在――昭和五十一年現在でございますけれども、河川法を適用、または準用されていない川が現在約十一万三千河川ございます。延長にして十七万六千キロメートルと、そういう川が降雨時におきまして浸水被害をもたらすということでございます。このようないわゆる生活河川というもの、これにつきましては地元市町村の生活環境の保全などに非常に密接な関係がある、あるいは地域の実情によりまして適正な管理を行う必要があるということでございまして、建設省としましては極力普通河川を準用河川として指定して、そうしまして河川法に準拠した管理を行うよう指導しておる次第でございます。
  198. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 地方自治体側の態度ですね。これは喜んでいる点もあるんだが、実際には痛しかゆしという点もある、指定されると改修義務が生まれるので。ところが、改修義務も生まれるんだが、全部補助事業にはならないし、単独事業でやらなければならないものも多いわけで、補助率も三分の一だということで痛しかゆしの点があるように聞いておりますけれども、その点いかがでしょうか。
  199. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) まあ市町村としましては、従来市町村単独事業で改修しておった、あるいは維持管理を行っておったというのが、今度三分の一であっても国の補助になるということで、いわゆる生活河川の環境整備としましても非常に喜んでおる。同時にまた、先生おっしゃいましたように、若干財政的な問題も今後管理していかないといけないということで、そういう面もあろうかと思います。しかしながら、現在におきましては、各市町村におきましては準用河川の改修の促進というものを非常に熱望しておるという次第でございます。
  200. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 この治水五カ年計画の中では、準用河川用には全体でどれだけの投資を見込んでいるんでしょうか。
  201. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる準用河川に対する市町村からの補助対象要望が強いということで、昭和五十二年度、新年度におきましても事業の拡大に努めておるわけでございます。第五次治水事業五カ年計画におきましてもやはりこの準用河川というものは大きく伸ばしていきたいということで、現在作業中でございますけれども、大体五十二年度予算の約十倍弱程度見込みたいというふうに考えてございます。ちなみに、五十二年度の予算というものは約四十五億八千万という次第でございます。
  202. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 十倍というと五カ年間で約四百六十億程度ということになりますか。
  203. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 数字をいま詰めておる段階でございまして、十倍弱ということでございます。
  204. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 先ほど申しましたように、地方自治体が非常に喜んでいるけれども、同時に痛しかゆしという点があるというのは、いざ、実際にやるとなると改修義務が生まれて、これをやっていく際には財政負担の問題が出るわけです。準用河川に対する国の補助率ば三分の一ですけれども、たとえばこれに流れ込む都市下水路、これの補助率は十分の四になっている、準用河川の方がいわば本川なんだが、支川に当たる都市下水路の方が十分の四で補助率が高くて、本線に当たる準用河川の方は三分の一で低いというのはやはりおかしいと思うんですね。そういう点でこの準用河川に対する補助率をやっぱり引き上げる必要がもう実際に生まれているんじゃないでしょうか。それからまた、補助事業そのものの指定ももっとふやす必要があるのではないかと思いますが。
  205. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、いわゆる準用河川補助率というものは都市下水路よりも若干低いという次第でございます。しかし、まあこの準用河川改修補助制度というものは昭和五十年、つい最近創設されたものでございまして、一方、市町村からの補助対象への要望が非常に大きいということでございますので、現時点におきましては、いわゆる限られた一定の予算でできるだけ多くの事業をやっていくという方向に重点を置いてやっていきたいというふうに考えます。
  206. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 まあなるべくそういう点を充実強化するように重ねて努力していただきたい、このことをお願いしたいと思います。  次に、私は都市河川問題、この問題に入りたいと思います。  都市河川がまだまだ未整備な点が多いので非常に新しい水害を引き起こしている、被害もますます大きくなっているというのが今日の災害の特徴です。都市河川がこの水害を引き起こすメカニズムについては、この建設白書の五十年版でも三つの原因を挙げております。一つは、宅地開発等々に伴う開発の進行です。山林原野などの宅地開発に伴って保水機能が減ってくる、都市河川への流出量が非常にふえているということですね。それから二番目が、遊水地的な機能を果たしていたものが減ってくる、水田だとか湿地帯等々の遊水地的な機能を果たしていたところが都市化して、その機能がなくなるということが二番目の原因。三番目が地盤沈下進行、こう述べられております。こういうメカニズムが開発、都市化が進むにつれてメカニズムそのものが働きがふえてくる。それに加えて都市への人口集中、資産量の増大がありますので、だから一たび水害が起こるとこの被害が著しく大きくなってくると思います。この人口集中地区、いわゆるDID地区の人口推移も昭和三十五年ごろが四千万人レベルですけれども、それ以後急激にふえて、昭和四十五年にはたとえば五千五百五十三万人という数字も出ております。最近ももっともっとふえているわけです。それから人口がこういうふうに集中してふえているだけでなくて、全国のはんらん地区内の一般資産の数を見ましても、昭和四十年から昭和五十年を比べますと、昭和四十年が九十三兆円ぐらいのものが、昭和五十年には二百七十兆円近くなっておる、十年間で約三倍にふえているわけですね。だから、基礎資産も人口都市部で非常にふえている、そこへこういう新しい都市河川による水害が引き起こされるということが、この都市における水害を新しいやっぱり社会問題にしている原因だと思います。  昭和四十六年に、河川審議会都市河川委員会で、この「都市河川対策の進め方」という中間報告が出ておりますけれども、この中で、都市河川水害というのは結局人工災害と言えるということを述べた上で、この既成市街地についてはなるべく早く、また新たに市街地が形成される地域についてはおおむね十年後、昭和五十五年、これを目標として、完全とは言えないまでも、やや満足すべき水準に達するよう事業の進捗を図ることが必要である、こう建設大臣への中間報告で述べておる。こういう点で、この現在の都市河川の整備状況が非常に問題になると思うんですけれども、昭和五十五年度までに一時間雨量五十ミリ程度の改修規模、これを目標としてせよということなんですが、こういう中間報告の提案に照らして、いまの状況はどういうふうになっているか、その状況ですね。それからまた、新しい五カ年計画の中でこの都市河川水害、これがどのように位置づけられ考えられているか、この点についてお伺いしたいと思います。
  207. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先生がおっしゃいますように、いわゆる中小河川の中でも都市河川が最近被害が非常に大きいということで、従来建設省としましても都市河川治水の促進にも当たってきた次第でございます。現在、昭和五十一年度におきます都市河川のいわゆる五十ミリに対する整備率でございますが、二六%になってございます。そうしまして、おおむね十カ年ぐらいではこれを概成さしたいというふうに考えてございますが、五カ年の一つの目標でございますけれども、これまあ概算としましては大体四五%程度には上げていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  208. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これも、四五%という数字も、先ほどのインフレの問題がありまして、いくかどうかわからないんですが、また予備費の問題に戻りますけれども、こういう現状だとやっぱり予備費というのは治水事業費にもうはっきり組み込んで使う方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣いかがですか。
  209. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 私がここでそれをはっきり申し上げるわけにはいきませんけれども、そういうような点については十分心得ておるつもりでございます。物価が上昇するに当たりましてその点も十分心得ておるつもりでございます。
  210. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 ぜひ臨機応変の積極的な予算運用をお願いしたいと思うんです。いまの局長の御答弁ですと、約十カ年間で大体済ませていきたいと、そうすると五カ年計画、あと二回ということになりますね。いま昭和五十二年ですから、昭和六十二年までには雨量五十ミリに対する改修計画を完成させることが努力目標になっているというようにお伺いしました。  私、東京の都市河川問題、その水害問題を少し具体的な、一番典型的な例として取り上げたいと思います。  東京都内には百二十五河川あって、延長が九百一キロあると。九百キロもあるわけですが、最近の水害の特徴は広く知られておりますように、たとえば昔の東京の水害で一番有名だったゼロメートル地帯、江東地帯ですね。こういうところの水害は高潮防御施設だとか排水施設などの設備が進んだために減少をしてきている。逆に、かつての水害とは全く無関係だった二十三区の区部の山の手だとか、あるいは多摩地区などでこういう浸水被害が生まれていて、局地的な集中豪雨でも小規模な浸水がたびたび起きる。農村に鉄砲水というのがあったんですが、このごろは都市の鉄砲水というのがあって、寝ていてまくらに水が来て、ああ浸水だと、豪雨が始まって一、二時間で床上浸水になるというような例が、練馬の関町なんかそういうふうな都市鉄砲水と言われるような浸水事故の被害が生まれているわけです。東京都全体を見ますと、いま危険個所が百七カ所ある、水害が起き得る都市河川での危険個所が百七カ所あると。そのうち大体三十ミリ――五十ミリじゃなくて三十ミリ程度の雨ではんらんしそうなところが約三十八カ所もあると、そういう現状です。  整備事業がこれからどのくらいかかって、どのくらい金が要るかということを見ますと、三十ミリ整備、これは緊急三カ年計画でやっておりますが、五十二年以降の事業残が三十二・二キロあって、事業費は二百十億円だということ、五十ミリの整備ということになるとこれは非常にまだまだ進んでおりません。五十ミリの整備は区部で九十八・二キロ、多摩で百九十一・七キロ、二百八十九・九キロ、約三百キロやらなきゃならぬ。これにかかる予算が総額――これもいまの物価で計算したところでしょうが、四千百十七億円、約四千億円の金が要る。東京都に聞きますと、六十年度を目標にしておりますけれども、なかなかこれがむずかしくて、遅くとも六十三年度までには五十ミリ規模で東京で水害が起きないようなそういうことをやりたい。そういう計画だそうですが、私は東京の水害で一番、たとえば十七号台風で板橋、練馬などで水害が起きて社会問題になりました石神井川ですね。実際に石神井川の実地調査をしてみると、こういう都の計画や建設省の計画どおり六十二年――六十年度ぐらいにいくのかどうかはなはだやっぱり危なっかしいといういろんな実情に当たりました。  十七号台風のときには、たとえば板橋の大谷口では石神井川があふれ出してからわずか二十分で一千戸水浸しだというように、これも鉄砲水ですね。五時間にわたって深さ一・五メートルの水につかって、被害家屋が床上浸水千二十二戸、床下浸水千五十四戸で二千七十五戸も被害が起きた。ここの住民から昨年、一昨年、石神井川改修促進について国会に請願が出されていたんですけれども進んでいなかった点がある。また、練馬の関町もこれはやっぱり相当な被害が出まして、商店街がほとんど水浸しになった。商店街の場合には商品の被害が二億円と言われるんですね。ところがこれは、大谷口の方は災害救助法の適用があったけれども、練馬の関町の方は被害戸数が床上二百四十戸、床下九十四戸で、三百三十四戸で当てはまらないということで救助法の適用がなかったために、保険もかけてあっても、什器、家財道具には出ますけれども、商品には出ないというので商店街が大変な損害をこうむったんですね。練馬の関町に行きますと、同じ十七号台風で被害を受けて、個々の家庭や商店にとっては同じなのに、大谷口の方には出て、われわれ練馬には出ない、これは一体どういうことなんだということで非常に不満が大きく出ております。  これはいつもこの委員会でも災害のたびごとに出る問題ですけれども、繰り返し繰り返し出る問題ですが、都市のこういう水害の場合、やっぱり資産集中している点で、ちょっとした商店などの場合には床下浸水、床上浸水でも被害額がかなりふえますので、やはり災害救助法の制限ですね、たとえば人口三十万以上の自治体では床上浸水四百五十戸でなければ適用されないという点の実情に合わせた見直しですね。これはやっぱり一層必要になっていると思うんですけれども、まずこの問題を最初にお伺いしたいと思います。
  211. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 災害救助法の問題、その適用基準の問題でございますが、これにつきましては国土庁の所管になってございまして、よく国土庁と打ち合わせしてみたいと思います。
  212. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 ひとつ大臣もぜひこの点を努力いただきたいんですが、石神井川の場合を見てみますと、緊急整備三カ年計画で三十ミリ降雨に対処できる整備というのは、なるべく早く完了させるということになっておりますけれども、五十ミリの場合はこれは本改修ですが、現在石神井川は総延長二十五・二キロのうち九・二キロしかできていない。つまり、差し引きまだ十六キロ残っているんですね、全部コンクリート護岸でちゃんとやる本改修の場合には。これが緊急三カ年を除きますと、大体毎年七百メートルから八百メートルのスピードだというんですね。そうしますと、この石神井川、本当に本格護岸、五十ミリの雨量に対して大丈夫だというのには二十五年かかるだろう、あるいは三十年だろうというふうに言われているわけで、非常にやっぱり大変なわけですね。  それで、東京都としては、五十二年度予算を見ますと、補助事業が七十二億円に対して中小河川整備に百二十一億円の単独事業をやっている。かなり努力は払っているようですけれども、災害を受ける住民の側からしてみますと、本格護岸ができるのは二十五年かかるとかというようなことでは、これは一体どうなるんだということで非常にじりじりしているわけです。こういう河川改修がなかなか計画どおり進まないということの大きな原因は、やはりどうしても財源問題にあるわけです。膨大な事業費がかかっておりますけれども国庫補助が非常に少ない。都の場合を見ますと、総事業費が二千五百二十二億円ですけれども、このうち補助事業の公共事業が千百十億円、単独事業が千四百二十二億円で単独事業の方が多いわけです。財源を見ますと、内訳が、国庫支出金が四百九十八億円、一般財源七百八十五億円、都債が千百四十四億円、その他百六億円で、つまり国庫支出金は財源の一九・八%で二割しかなっていないという現状なんですね。だから、首都の都民の、最近ふえ出した都市災害の一つであるこういう都市水害、これを防ぐためにどうしても都の要望しているような国庫支出金の大幅な増額、また起債の全額許可、当然必要だと思うんですけれども、この点についてはひとつ大臣お答えいただきたいと思うんですが。
  213. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど局長からも御答弁申し上げましたように、準用河川の三分の一を始めてまだ日浅うございまして、もう少し――いますぐここでそれに対して補助をふやしていきますということはちょっと言いかねると思うんですが、いずれにしても努力をすることだけはいたしてみましょう。
  214. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 局長、先ほど私数字を読み上げましたけれども、やっぱり東京の場合、大阪や兵庫などと比べても単独事業が非常に多くなっておりますね。これはまあいまの財源状況、国庫支出金のこの少なさからいって、どうしてもそうならざるを得ないわけですが、こういう点を考えましても、やっぱり国庫支出金の大幅増額、都債の全額許可ですね。実態から見ても必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
  215. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃる意味は十分よくわかります。しかしながら、全国的な治水対策で見ておりますと、いわゆる去年の十七号台風によりましても雨が降ったところが災害を受けるというふうにして、全国的に非常に脆弱な実態でございます。それが先ほど中小河川で一三%程度の整備水準につながっておるわけでございます。しかしながら、東京におきましては国庫補助率は少ないんでございますけれども、建設省としましては、絶対枠におきましてはやはり東京を重点を置いてやっておりますし、今後もそういう方向で進んでいきたいというふうに考えます。
  216. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 その点、一層の配慮をお願いしたいと思います。  都市河川の改修問題、いま予算を一つ挙げましたが、現地へ行って実地調査してみて、私も認識を新たにしたのは、もう一つ非常に大きな新しい問題がある。予算つけるだけではなくて、工事の進捗を非常に困難にしているもう一つ大きな原因に、住民との意見調整ですね、これがあるわけです。たとえば大谷口のところへ行って聞いてみますと、あそこでは、ある橋をつけるところについては契約後住民との交渉で約十カ月工事ストップしていると。道路わきのところは大体六カ月ストップしているというような状況なんですね。これはまあ住民の権利意識の当然の高まりもありますし、従来だったら公共事業だからというので泣き寝入りしていたケースにも、もう泣き寝入りしないと。これはいいことだと思うんですけれども、これは住民が自分たちの生活の権利をやっぱり守るためにいろんな補償要求が出てきているわけです。だから、工事中の騒音だとか振動、こういう建設公害、これに対しても非常に対策を要求する。実際に当たってみますと、確かにいろんなケースがあるんですね。たとえば印刷業なんかは本当にパイルの打ち込みで振動があると印刷できないとか、それから大谷口のところに判こ屋さんがありまして、判こを手で彫るのを本当にやられたらもう彫れないというので、だからパイルの打ち込みは昼休み一時間とか限られた時間でやるようになるとか、そういうものに対しての補償問題がある。また、ガソリンスタンドがあそこの川越街道のところにあるんですけれども、あそこへずっとへいができちゃって建設機械が立ってますから、そうすると自動車もあんまり入ってこないというようなことでやっぱり補償要求が出るとか、たくさんのいろんな新しい問題が生まれているわけですね。  その点で、こういう建設公害に反対する運動といいますか、そういう住民の自覚の高まりの中で、こういう問題に対する処置ですね、これは法制的にもそれから行政的にも現実の実態からかなりおくれている面が生まれているように思うんです。河川法の二十一条には「工事の施行に伴う損失の補償」というのがあります。これはどういう場合に補償できるかというと、「河川工事の施行により、当該河川に面する土地について、通路、みぞ、かき、さくその他の施設若しくは工作物を新築し、増築し、修繕し、若しくは移転し、又は盛土若しくは切土をするやむを得ない必要があると認められる場合においては、」ということになっているんですね。これは俗にみぞ、かき補償と言われていて、道路法にも七十条にありますけれども、こういう場合にだけ補償ができるということになっているわけです。実際にはこういう河川改修工事でも、道路工事でも同じでしょうけれども、商店の営業損失についての補償要求というのが無数に出ているわけですね。これを法制的にもこういうものについてやっぱり補償できるようにしませんと、河川改修、道路工事などが進まない現状になっている。恐らく現地で実際に、こういう住民との調整ですね、これに当たっている人たちは非常にこういう点で苦労しているわけで、だから営業減収に対する補償ですね、こういうものは一体補償の対象にいまの法制上一体なっているのかどうか。こういう点について、もしなっていないとしたら、それに対応できるような制度を考えるとか、あるいはまた法律改正なども必要になっていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  217. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 先ほど先生がおっしゃいましたように、河川法の二十一条では、「工事の施行に伴う損失の補償」というところにおきましては営業補償というものは含まれておらないと。しかしながら、いわゆる「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の施行について」という、これは閣議了解事項があるわけでございますけれども、これによりますと、工事の施行中または施行後における振動などにより生ずる損害等については、その損害などが社会生活上受忍すべき範囲を超えるものである場合には、あらかじめ賠償することができるというふうにされているわけでございます。したがいまして、営業損失につきましても、受忍の限度を超えると判断される場合には補償の対象になるわけでございます。この受忍の限度を超えるかどうか、こういう問題につきましては個々の具体例によりまして判断していくというふうになるわけでございます。
  218. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いまの閣議決定、昭和三十七年にできたものですけれども、あれは「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」となっておりますが、公共用地取得でなくても、いまのような河川改修に伴う建設工事、これによる営業の減収ですね、これにも準用して適用しているわけですか。
  219. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) やはり準用していくということでございます。  それから、先ほどちょっと間違えましたけれども、災害救助法の所管、国土庁と申し上げましたけれども、これは厚生省でございます。それから災害対策の総合調整は国土庁で行うということで、訂正させていただきたいと思います。
  220. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いまの「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」が河川改修などの場合にも適用されているということで、わかりましたが、これも昭和三十七年なんですね、できたものが。これも実際に現実に適用しない部分もできているわけで、たとえばあの中には、これができたころには日照問題というのは補償対照になってなかった。これは受忍の限度を超えるというのに認められなかったと思うんですけれども、今日ではもう日照の補償というのは行われているわけで、やはり社会の中で住民の意識の前進、それからそれの社会問題化、それが社会的にも認められてくるという中で、こういうものもやはり見直しが必要になってきていると思います。そういう点で、先ほど申し上げましたような河川改修に伴うさまざまな問題点ですね。こういうものも制度並びに行政の態度について、ぜひ実態に合うように見直し、改善を要望したいと思うんです。  行ってみますと、なかなか本当に住民の運動というのは進んでおりまして、練馬の関町のところでは、あそこは建築協定ができている全国でも珍しいところだというんですけれども、「みどりを守る会」だとか、石神井川改修の対策協議会というようなのが五つもできておりまして、あそこでは公園の横のこの石神井川の改修で木が動くわけですね。木を抜かなきゃいけないということになると、木を全部なくさないできちんと守って移植してほしいというので、その点も当局側もいろいろ手を尽くしながら考えてやっているというような現状も見ました。そういう点で、この河川改修事業が十分能率的に進むためにも、こういう住民との意見調整ですね、これがスムーズに進んで、そのために必要な期間も短縮されて、河川改修事業が着実に進めるようにぜひ努力をお願いしたいと思います。  それから、もう一つ現場に行ってこういう問題を聞かされまして質問したい点があります。五十ミリ対応の本改修で、現実に大谷口のところで生まれている問題なんですけれども、河道を両側二メートルづつ拡幅すると、そのために川沿いの六メートル幅の道路が四メートルに狭められる。住民はこれまで六メートルあったのですから六メートルの道路だと思って使っている。自動車も通る。それが四メートルになっちゃうんで非常に不便が生ずるという点が生まれているのですね。住民要求の中に石神井川の上に二メートル幅の歩道をつくれないかと、つまり川の方に少し出るわけですね。それで、従来の道幅六メートルを確保したいという意見、要求がある。東京都の河川部の技術者の話では技術的には十分可能だと、五十ミリの場合のあの護岸も実際の洪水量よりまだ六、七十センチ余裕もあるし、技術的には十分可能だと。ところが、河川構造令の上から認められないようになっているのだというわけです。  一般論としてお聞きしますけれども、河川の上にそういうたとえば二メートル幅の歩道ですね、これを張り出してつくるというようなことはできないようになっているのですか。
  221. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 河川管理施設等構造令では、特にそういう問題につきまして規定はございませんけれども、一般には河川管理上そういうふうに川にふたをかける的なことは好ましくない、維持管理の面、あるいは将来の面におきまして、そういうふうに考えてございます。
  222. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 河川構造令というのは、利根川にも信濃川もそれから石神井川もまるで同一の基準で定められているのですけれども、利根川や信濃川にふたをするとか、張り出しのあれをつけるとかというのはなるほど非現実的ですけれども、やっぱり都市の中にあるこういう中小河川ですね、それの場合には本当に歩道だったり、自転車が通れるとか、子供が遊べるとかというようなことは、つくれるようにした方がいいんじゃないか。技術的に安全が保障されるなら都市河川に対しては構造基準の特例が設けられてもよいように思うのですが、技術上の研究も行いながら、その点検討してほしいと思います。いかがでしょう。
  223. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 都市河川におきますそういう問題、地元の気持ちもよくわかるわけでございます。まあ都市河川におきまして用地取得が非常に困難の場合には、河川トンネルなどによって分水路をつくるという適切な改修方式をとったりいろいろやっておるわけでございまして、いまのようにいわゆる河川に張り出しをつくるということは今後の問題にさしていただきたいと思います。
  224. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 ぜひ研究していただきたいと思います。  いまの張り出しの問題もその一つなんですけれども、都市河川についてはいろいろ特殊な問題が生まれている。いまの構造上の問題もそうですし、それから宅地等の開発者に対する負担金制度ですね、こういうふうなものもやはり必要になっておりますし、一般河川と違ったいろんな特徴が生まれている。そういう点で、やっぱり河川法と別に、都市河川法とも言うべき独立した法をつくる時期に来ているのではないかという意見も関係者から聞いたんですけれども、こういう問題は建設省で検討したことがあるでしょうか。
  225. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) ございません。
  226. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 ひとつ研究してみていただきたいと思います。  それから石神井川の水害のもう一つの例で、こういうケースがありました。これは小平市なんですけれども、口径二百六十センチの下水道管が、石神井川の改修がおくれているために、石神井川の流入口付近では口径四十センチの下水道管に接続されたと、だから六分の一の口径の小さなものに大きな六倍の口径のある下水道がつながっていたと、そのために、これはじょうごみたいになっているわけですね。集中豪雨で、ここで下水が、じょうごの入り口のところで下水があふれたのですね。マンホールがふっ飛んだと、田無市の付近の数十戸の住宅が床上、床下浸水の被害をこうむったというケースが出ております。こういう下水道の普及と河川改修とのアンバランスがこういう水害を引き起こしているわけで、河川改修、じゃ終わるまで下水道改修は待てということでは、住民は踏んだりけったりになるわけですね。だから、両者のバランスをとりながら、おくれている方の河川改修を急がなきゃならぬということだと思うのです。もちろんこういう下水道と河川改修とのバランスをうまくとり、調整をすることは、東京都やあるいは小平、田無など市町村の自治体が当然責任を持ってやらなきゃなりませんけれども、やっぱり今日の縦割り行政という現実があるわけで、下水道の方は、たとえば東京都の方も建設省の都市局の方のあれを聞くと、河川改修の方では河川局の方の話を聞いてやるということがあるわけなので、建設省段階においても、こういう下水道、河川改修についての調整ですね、この点をやっぱり考えるというか、当然強化する必要があるのではないかと思います。国ではどういう体制でこういう調整を図っているのか、この点をお伺いしたいと思います。
  227. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 御指摘のように、下水道と河川というものが一体となって都市における雨水排水を担うというものでございます。したがいまして、国におきましても両方の計画策定に当たりましてはその機能分担を定めまして、有機的に機能するようにいわゆる関係地方自治体を指導してきたところでございます。しかし、個々の地域におきます計画上あるいはその事業の進度上の整合性の確保につきましては、いわゆる担当する地方自治体の間で行うものでございます。しかしながら、それぞれの事業執行上の難易あるいは予算上の制約などから必ずしも円滑でなく、いま先化のおっしゃったような事例も起きて、全般的には河川改修のおくれが目立っているというのが現状でございます。したがいまして、今般の第五次治水事業五カ年計画の策定に当たりましては、御指摘のような河川の進度の調整を重点的に促進していきたいということで、第四次の下水道五ヵ年計画と整合を図りまして、できるだけ河川のおくれを解消するようにまず努めていきたいというふうに考えてございます。
  228. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いま、その一端を申しましたように、大都市やその周辺の人口急増地帯では排水問題非常に深刻な状況にあるわけで、特別の措置を緊急にとる必要が生まれていると思います。その点で、この都市中小河川、都市下水路、公共下水道、雑排水施設、遊水機能施設の整備に国庫補助をふやす特例を設けて、早急に流域ごとの総合的な治水対策を強化する必要があると思いますけれども、お伺いします。
  229. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) いわゆる都市区域におきます河川改修などに補助の枠をふやす、そういう特例あるいは法律をつくってはどうかというお話だと思います。全国的に見てみますと、先生のおっしゃる意味はよくわかるわけでございます。いわゆる都市河川における災害の激化を考えますとよくわかります。しかし、全国的な災害の実態というものを見てみますと、いわゆる農村地帯におきましても、せっかく半年ぐらい働きましてつくった稲が、河川のはんらん、破堤によりまして一瞬にしてどろ海と化すという事態も全国的にいろいろあるわけでございます。したがいまして、そういう事態とも調整を図りながら今後ともいわゆる都市河川対策というものをさらに進めていきたいというふうに考えます。
  230. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 去年の新聞に、建設省がこの治水対策のおくれ、このおくれを取り戻すために河川審議会の中に学識経験者など十人程度で構成する総合治水対策小委員会、新聞では仮称と書いてありましたけれども、設置して、一九五二年の夏までに結論を得たい考えだという報道がありました。この総合的な治水対策小委員会ですね、こういうものをつくって総合的な治水対策を進めてきているはずと思いますけれども、その経過と、それから報告はいつごろ出るようになっているのか、いかがでしょう。
  231. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 災害を防止するためにはいわゆる治水施設というものの促進、整備というのが第一義でございます。しかしながら、現状の治水の整備水準を考えますと、いわゆる流域の面的な管理――管理というと少し行き過ぎでございますけれども、適正な土地利用を含めた総合的な治水対策というものが必要であろうということで、昨年の十一月に河川審議会の中にそういう小委員会を発足さした次第でございます。そして、いわゆる治水施設を整備するハードな面に対しましてのソフトな対策ということで、その内容としましては、まず第一点は、地域に降った雨は各地域地域でできるだけ貯留するといいますか遊ばすと。たとえて申し上げますと、水源地域におきましては森林の保全によりまして流出をおくらすと、中流部におきましては遊水地などを活用するとか、あるいは都市部におきましては、各家に降った雨は直ちにといをもって、下水に入れるんじゃなくて、一度庭に遊ばす、あるいは公園もそういうものに使うとか、そういうふうに各地域地域で貯留する。と同時に、もう一つは適正な土地利用といいますか、いわゆる低い土地であっても水に強い町づくりとか、あるいは適正な土地利用とか、そういうものを考えていく、あるいは洪水時の避難体制の問題とか、あるいはまあ危険区域の予想地域とか、そういうものを総合的に今後流域も見ながら、流域も含めて治水対策をしていかないといけないというのがこの総合治水対策のいわゆる目的でございます。  それで、昨年の十一月から現在まで約三回にわたって鋭意、学識経験者あるいは市長さんあるいはマスコミの方々等すべて入りまして、三回にわたりまして現在検討を進めておる段階でございます。現在はまだフリートーキングの段階でございまして、これから具体的な例に基づきましてそれを点詰めていきたいというふうに考えてございます。
  232. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうすると、まだいつ報告が出るということまではめどがついていないわけですね。
  233. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたように、非常に大きな問題でございまして、私権の制約が絡んだり、あるいは他省庁の問題が絡んだりいろいろ大きな問題でございます。それで、時間はかかろうかと思いますけれども、できるものにつきましては、できれば先ほどのお話がありましたように、五十二年の夏ごろまでには出るやつは結論をいただきたいというふうに考えてございます。
  234. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いまのお話の第一の問題、なるべく地域地域で水を遊ばすことですね。その点で、先ほど挙げた建設白書でも二番目の問題に挙げていた問題で、遊水地、調整池の問題を次にお伺いしたいと思います。  五十二年度予算でも綾瀬川の多目的遊水地が初めて行われることになって、遊水地の役割りが見直されておりますけれども、いま見直されているという点は、これまでの治水行政に遊水地問題についての過小評価というものがあったのではないかというふうに思います。四十年代の高度成長期一に遊水地あるいは遊水機能を持っている農地その他がどんどんつぶされてきてしまって、それが乱開発と相まって災害を大きくしているというのではないかと思うのですけれども、建設省としてはこの遊水地問題に対してこれまでどういう対策をとってきたのか。自覚的、意識的に遊水地あるいは遊水機能を持っているところを治水上の観点から、災害防止の観点から断固として守るとか、あるいはもっともっと遊水地をつくるような指導をするとか、あるいは予算をつけてやるとかいうことで、してきたのか、それともやっぱり高度成長の乱開発でやむを得ない社会的状況だというので結局事実上放置してきたのか、そこら辺どうだったでしょうか。
  235. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 建設省におきましては、いわゆる堤防だけで洪水を流すというのじゃなくて、できるだけ遊水地を利用して洪水調節を行うと、そして残った水を堤防の間で流すというのが前からの基本的な姿勢でございます。それで、従来からもいわゆる治水緑地という事業名におきまして遊水地の実現を着々行ってきた次第でございます。それか今般は――いままでの治水緑地という考え方は、そういう都市部におきます遊水地をいわゆる洪水調節単独でいこうというのが基本的な姿勢でございましたけれども、今後は多目的にそういう遊水地を使いまして、都市施設の拡充も図りながらあわせて洪水調節という、逆でございます。洪水調節にあわせましてまあ都市機能の拡充も図っていくと、そういう共存共栄を今後やっていこうじゃないかということで、新年度からいわゆる多目的遊水地というものが浮かび上がったということでございます。
  236. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これから遊水地を新しく確保し、つくるというのはなかなか大変だと思いますけれども、どういう方向、方針で、どのようにしてやろうとしているのか、この点お伺いしたい。
  237. 栂野康行

    政府委員(栂野康行君) 先ほど、現在遊水地を治水緑地ということでやっておると申し上げましたけれども、すでに大阪におきます寝屋川、治水緑地で寝屋川、それから佐賀県におきます佐賀江川、静岡県におきます巴川、愛知県に……、まずそういうものを現在治水緑地として事業をやっておった次第でございます。今後もこういうのは治水緑地、できれば多目的遊水地に持っていきたいということでございます。新年度発足します綾瀬川の多目的遊水地につきましては、新年度からそれをモデルケースとしてやっていきたいと、多目的としてという次第でございます。
  238. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 そうしますと、建設省としてはこれまでも遊水地あるいは遊水機能を持つ農地その他のそういう施設を重視してきたし、今後ももっともっと重視するというのが基本方針だと、そういうふうに聞きましたけれども、ちょっと話が飛ぶようですけれども、信濃川河川敷問題ですね。これはどうも、そうしますと建設省のそういう基本方針に対して非常に奇妙な例外を形づくっているケースに一層なってくると思うのです。私は信濃川河川敷の問題をこれまでも非常に重要な問題だと思いまして私自身も取り上げましたし、この委員会でも、あるいは決算委員会でも取り上げられましたが、あのときに、まあ遊水地というよりも実際あれは河川敷の中だったわけですね。そこに堤防をつくったと。有名な話ですけれども、橋本建設大臣が、国会でわが党の加藤議員が聞いたのに対して、あれは霞堤だと、まあ見えるか見えないかの堤だというので霞堤というのは、どうも大臣の知識がかなりいいかげんな知識だったと思うのですけれども、いずれにせよ霞堤で本堤じゃないということで、やっぱり遊水地としてあそこは使うんだという答弁をされたんですね。  ところが、その後きわめて奇怪な経過をたどって、必要な書類の第一枚のかがみがなくなったということで、衆議院では小委員会までつくられて、建設省側のその書類問題について追及が行われましたけれども、あれは遊水効果は〇・三%だから必要なくなったんだということで、これ締め切ってしまったという説明になっているのですね。非常に奇怪な話だと思うわけです。あそこは長岡市のところで、いま長岡ニュータウンというのがあの近辺に建設されることになりますし、そうすると信濃川の、この治水問題で建設省のいままでの基本方針、それから今後それをさらに強化するという方針から見ても、あのときにあの信濃川の河川敷にいわゆる霞堤をつくって遊水地にしようというのを、途中で全く要らなくなったといって締め切ってしまって、ここから例の信濃川河川敷という大利権事件なるものが生まれてくるわけなので、非常にやっぱりおかしいと思うのですね。この点どうですか。いまのこの遊水地を重視するという建設省の方針から見て、あそこの堤の締め切りというのはそういう治水問題についての基本方針といかなる関係があるのか、これ、明確な御説明をお願いしたいと思います。
  239. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 河川敷というものは、遊水効果というものを含めまして洪水を安全に流下させるという意味におきまして、できるだけ川幅というものは広く確保しておくほど望ましいわけでございます。しかし、河道内の乱流を防ぐために、いわゆる非常に屈曲した堤防法先を修正するというなどのため、部分的に川幅を狭めるということもあり得るわけでございます。
  240. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 いや、部分的にあり得ると申しましても、せっかくあれだけ遊水機能を果たすあれだけの大きなところがあったのに、これを遊水効果は〇・三%、少ないといって締め切ったということは、部分的にそういうことがあり得るということでなしに、あのケースでせっかく最初は遊水地として計画していたわけですから、それを途中で変更して締め切ったという合理的な理由はどういうところにあるのかということです。
  241. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) まず最初、霞堤ということでございましたけれども、いわゆる長岡の大きい橋でございます、あれとの架設とも絡めまして、総合的にそういう単価の比較とか、あるいは遊水効果の問題とか、総合的に比較して霞堤を締め切ったという次第でございます。
  242. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 全く納得のいかない説明だと思いますけれども、この問題は押し問答していてもしようがありませんので、一層こういう建設省の基本方針から見ても、あのときの霞堤締め切り問題というのはやっぱり疑惑があるということを指摘しておきたいと思うわけです。  この信濃川河川敷問題では私、建設大臣がおかわりになるたびに質問しておりますけれども、前建設大臣の中馬さんにも聞きました。そのとき中馬大臣は、その問題については前建設大臣から引き継ぎを受けてないと、すぐに廃川敷にするということはしないという明確な答弁がありました。  長谷川建設大臣、この問題について引き継ぎを受けているでしょうか。それから前の大臣が約束したとおり、疑惑がある限り、そういう疑惑のある廃川敷処分をすぐやるというようなことをしないという態度をおとりになるかどうか、お答え願います。
  243. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 前大臣から引き継ぎを受けておることは当然でありまして、でありますから、前大臣の御意見も私の意見も同じでございます。
  244. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 それでは、次に建設白書が三番目に挙げました都市災害の三番目の原因としての地盤沈下問題、これについてお伺いしたいと思います。  地盤沈下地域は全国で約静岡県に匹敵する面積の七千三百八十平方キロメートルに及んでいると言われておりまして、とりわけゼロメートル地帯は全国で十五地域、千百九十一平方キロもあると。住民は常に洪水や高潮の危険にさらされている。沈下の被害は災害時はもちろんのことですけれども、たとえば東京都公害研究所の調査によりますと、東京都の江東区では地盤沈下によって公共施設と個人財産の被害額が一世帯当たり年額八十一万円に上るという数字も発表されておる。この地盤沈下の原因の一番大きなものは、大企業による地下水の大量くみ上げであることはもうすでに明白です。たとえば通産省の資料によりましても、年間の地下水の採取量百三十二億トンの中で四二%が工業用ですし、特に深井戸の場合は八〇%が工業用です。現在、工業用水法やビル用水法がありますけれども、地盤沈下の広い進行を食いとめるために、それを予防するためにどうしてもやっぱり新しい法律が必要になってくる。ここ一、二年、国会があるたびごとに提出予定法案として地下水法というものが姿を見せるんですけれども、実際にはもう出てこない。声はすれども姿は見えずという法律になっていると思うのですけれども、河川局長、一体これはどういう経過になっておりますか。
  245. 栂野康行

    ○政府委員(栂野康行君) 建設省としましては、地下水の無秩序な採取というものがいわゆる地盤沈下あるいは地下水の低下、そういうもろもろの障害をもたらしておる現状にかんがみまして、いわゆる国土の保全、それから地下水というものは水資源としても貴重でございますので、そういう水資源の確保という両面から地下水を総合的に管理するための法制が必要であるというふうに考えておるわけでございます。このため建設省としましても地下水法案を準備中でございますけれども、現在国土庁が主体となりまして、いわゆる各省庁の法律の調整を図ってございますので、建設省としましても、それらとの調整を図って、いわゆる地盤沈下対策に対処していきたいというふうに考えます。
  246. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 環境庁の方いらっしゃっていますか。――環境庁としては、この地盤沈下の進行に対してどういう基本姿勢で取り組んでいらっしゃるでしょうか。
  247. 神戸芳郎

    ○説明員(神戸芳郎君) 環境庁といたしましては、いま工業用水については工業用水法、それからビル用水については建築物用地下水の採取の規制に関する法律と、この二つで対処しておりまして、これは工業用水については九都府県、それからビル用水については四都府県、これで地域指定しまして、地下水の規制をしているわけでございます。しかしながら、現在の制度でまいりますと、地域の対象が地盤沈下が進んでいるところですね、そういうところが指定になるわけでございまして、したがいまして、地盤沈下を未然に防止するといいますか、そういう点では不十分じゃないかというのが一つでございます。それからもう一つは、地下水の用途としては農業用水、水道用水その他諸用途あるわけでございますが、現在の規制の対象としてますのは工業用水とそれからビル用水の二つでございまして、そこら辺を総体的に水問題として見ていく必要があるんじゃないだろうか。こういう点で現在、先ほど河川局長からもお話もありましたように、国土庁を主体といたしまして、いまいろいろお話し合いを続けている最中でございます。
  248. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 国土庁がまとめ役としておやりになっていると。昨年試案も出されたということですけれども、どういうところに障害があり、どういうところに省庁間の意見の対立があり、まとめ役として解決しなきゃならぬようになっているのか、また作業状況をお話しください。
  249. 飯塚敏夫

    ○政府委員(飯塚敏夫君) 地下水の過剰採取に伴います地盤沈下等の障害が全国的に発生して、いろいろ障害を起こしているのは御指摘のとおりでございます。国土庁といたしましては、地下水の保全と適正な利用、こういう見地から適正な採取規制と、それから代替水の確保対策、これらを含めまして総合的な立法を早急につくる必要があろうかと思います。ただいま先生御指摘のとおり、国土庁がその調整役といたしまして、現在政府部内の意見の調整に努めておるところでございますが、その中で主な対立点はいかがという御指摘でございますが、地下水につきましてはそれぞれ各省の立場から、いわゆる設置法上の立場からいろいろな専門的な扱いにつきましてそれぞれの立場がございます。しかし、私どもといたしましては、それらの立場を総合的により適正に有機的に結びつけて地下水問題を解決しなければならない。たとえば地下水につきまして、規制のみでは地下水問題は解決しない、これに規制をより実効あらしめるためには、適正な採取規制と引きかえに代替水の確保、そのほか中小企業その他に対する財政対策等総合的に含めて関係各省ともどもに相寄りまして、それらを漸進的に解決せざるを得ないというような立場にございます。そういう意味で、各省のいろいろ設置法上の立場がございますが、それらの問題を乗り越えて現在鋭意部内で検討中でございます。私どもとしては現在も今国会に法案が提出できるように、さらに一層の努力を重ねてまいりたいということでございます。
  250. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 これ、一番の問題は、先ほど私申しましたように、大企業の大量の地下水くみ上げで、これに対する規制に大企業、財界が非常な抵抗を持っているというところにあるんだと思う。国土庁が昨年各省庁の法改正や新規立法をまとめて試案を出されましたが、その試案にも例の経済との調和という条項が入っている。これは公害問題で経済と調和というのが最初入っていまして、それが取り除かれたという有名な悪条項ですけれども、これが国土庁の試案には顔を出してきた、やっぱりこういうのを残しておきますとざる法になるし、運用次第ではどういうことになるかわからぬという危険があるんですけれども、この試案にさえ通産省が反対したと、そう言われているわけですね。通産省の反対というのは、やっぱり大企業をバックにして、経済との調和条項はあっても、それでもまだだめだというようなことにあると思う。いま国土庁の説明では、対立あるいは障害にそういう問題を言われませんでしたが、企業の地下水くみ上げ、これに対する、規制に対するやっぱり企業側の抵抗、財界の抵抗、それが通産省にも反映してくるんでしょうと思いますけれども、そういう問題はないんですか、いかがですか。
  251. 飯塚敏夫

    ○政府委員(飯塚敏夫君) 地下水問題は、先ほど申し上げましたように保全と適正な利用ということを図るのが非常に重要なことでございまして、これらの地下水の適正採取計画といいますか、そういう計画につきましては関係省庁が寄り寄り協議いたしまして、実現性のある、実効のある計画を立てたい、こういうぐあいに考えております。その中におきまして、各用途別に工業用水、農業用水あるいは水道用水等のそれぞれの水の利用につきまして計画が立てられるわけでございますが、その中の工業用水部門につきましては、その適正な利用計画の範囲内において、まず第一義的にはその用水の節約を図る、あるいは合理的な利用方法を考えるということが第一義的でございまして、それをまず実行していただくとともに、地盤沈下その他の公害問題を惹起している度合いに応じまして、代替水を一刻も早く供給して地下水の河川水等への転換を図るというような施策を並行的に進めてまいりたいと思います。通産省等におかれましては、私どもの協議の過程におきまして、その工業用水の合理化、適正な利用を図るためのいろいろな考え方を、工業用水法の改正あるいは新しい立法というような考え方の中にそれらを含めて節水に努力するというような考え方がこの地下水問題に関連して考えられております。
  252. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 私はやっぱり問題の所在はほぼ明らかになっていると思うんですけれども、全国にこれだけ大きな被害を及ぼしておる、今後も及ぼしかねない、早急に地盤沈下の予防、そのための措置が求められているわけで、そのためにはやっぱり工業用水という点で、これまでの既得の利益に固執していろいろ企業側の抵抗もあるでしょうし、それを反映して政府部内にもいろいろな意見があると思いますけれども、やっぱり国土庁、建設省、それから環境庁、国民の環境を守り、地盤沈下を防ぎ、国土の保全というところを職務とされている方々は、やはり大いに勇気をふるって国民の望んでいる地盤沈下防止のための地下水法、これをつくるように努力していただきたいと思うんです。実現性のあるという言い方で妥協しておりますと、経済との調和条項というのをまた外さなければならぬということになりますし、ぜひともそういう点やっていただきたい。  わが党は、昨年十一月に「地盤沈下防止法案大綱」というわが党の案を発表しました。もちろん経済との調和条項なんかは取り払ってありますし、規制権限を知事に移すとともに住民参加の民主的な運用を保障しようとしたもの、規制地域の指定を行って地下水の採取の規制、これを行うとともに、代替水の確保及び防災対策事業の実施というものを盛り込んだものですが、こういうふうにやれば大企業の地下水の大量くみ上げ、これを規制して地盤沈下を防止することができると思う。そういう点で、法案の提出をためらわないで、政府はこういう財界の要求にもやっぱり断固たる姿勢をとってやっていただきたい。ぜひわが党の案なども、あるいは学者の案もいろいろありますので、そういうものも参考にしていただいて早期に地盤沈下防止に実効ある法案を提出すべきであると思いますけれども、建設大臣、今国会にこれを提出できる用意があるかどうか、そのための努力をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  253. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) この問題は、大企業はその水の利用方法については何とか工面はできる、他の方法はいいんですけれども、中小企業に大分影響があるというようなことで意見のまとまらなかった点は申し上げられると思うんです。しかし、このままにしておくわけにはまいりませんので、大いに努力を重ねましてその目的を達してまいりたいと考えております。
  254. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 中小企業にも若干もちろん問題があっても中小企業にはそういう公害問題その他でもそういう措置をとっておりますし、余りに過大な負担がならぬような中小企業政策をとる必要があると思う。やはり一番問題は大量にくみ上げている大企業の地下水くみ上げ、この点について規制の措置を効果的に行うような法案、これをぜひ準備し実行していただきたい。この点を強く要望いたしまして、質問を終わります。
  255. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  256. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  257. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  258. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  259. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  260. 石破二朗

    ○石破二朗君 私は、ただいま可決されました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、社会経済の発展に即応し、最近における著しい災害の発生に対処して国土の保全を図るため、治山事業五箇年計画及び治水事業五箇年計画の事業実施に当たっては、山地、河川等の災害危険箇所の総点検を踏まえ緊急かつ先行的に行い、計画の完全達成を期するとともに、両計画における予備費についても積極的な運用を図ること。  二、森林のもつ水源かん養、災害の防止及び自然環境の保全等、公益的機能に着目して、保安林の整備拡充、予防治山の充実に努めるとともに、治山・治水両事業の有機的な連けいの強化を図ること。  三、水は、国民生活及び国民経済の基本的資源であることにかんがみ、豊かな生活環境と健全な産業基盤を確保し、均衡ある国土の発展を図るため、長期的な観点から、水資源の供給可能量等を踏まえ、国土利用に関する諸計画と整合性を図りつつ、全国的な水資源の需給に関する総合的かつ基本的な計画を速やかに策定すること。  四、水需給のひっ迫に対処し、水資源の開発を図るため、水源地域対策及び地下水対策を充実強化し、既存水利の合理化及び循環利用の促進等、総合的な施策を積極的に推進すること。    なお、多目的ダム等の管理については、所要の管理規則の改正等を行い、予備放流に遺憾なきを期すとともに、放流に当たっては、事前に地域住民に周知徹底の方途を講じ、住民の不安を除去すること。  五、治水事業においては、都市河川等中小河川及び準用河川の改修事業の一層の推進を図るため、その財源確保と補助事業の拡大等、地方公共団体に対する国の財政援助を強化すること。  六、近年における河川流域の開発、土地利用の高度化にかんがみ、河川環境の改善、河川敷地の適正利用及び砂利対策の充実等、地域行政との調和を図り、河川管理体制の強化に努めること。  七、河川管理者は、河川区域内に混在する国・公有地及び民有地について、河川台帳の調書及び図面を整備し、速やかに土地所有権等権利関係の明確化を図ること。  八、治山治水事業の実施に当たっては、国、地方公共団体の財政秩序を乱すことのないよう配慮すること。   右決議する。  以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  261. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) ただいま石破君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  262. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 全会一致と認めます。よって、石破君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、長谷川建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川建設大臣。
  263. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 全会一致の御決議をいただきまして、まことにありがとうございました。委員長初め各委員の御指導、御鞭撻のたまものであると厚くお礼を申し上げます。  なお、ただいま議決になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
  264. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  265. 小谷守

    ○委員長(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十七分散会