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1977-04-07 第80回国会 参議院 運輸委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和五十二年四月七日(木曜日)    午前十時五十五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月二十二日     辞任         補欠選任      中村 太郎君     斎藤 十朗君      福井  勇君     世耕 政隆君  三月二十三日     辞任         補欠選任      斎藤 十朗君     中村 太郎君      世耕 政隆君     福井  勇君  三月二十四日     辞任         補欠選任      中村 太郎君     塩見 俊二君      佐藤 信二君     町村 金五君      安武 洋子君     近藤 忠孝君  三月二十五日     辞任         補欠選任      塩見 俊二君     中村 太郎君      町村 金五君     佐藤 信二君      近藤 忠孝君     安武 洋子君  四月七日     辞任         補欠選任      福井  勇君     佐多 宗二君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         上林繁次郎君     理 事                 岡本  悟君                 中村 太郎君                 瀬谷 英行君                 三木 忠雄君     委 員                 佐藤 信二君                 永野 嚴雄君                 福井  勇君                 安武 洋子君                 和田 春生君                 松岡 克由君    国務大臣        運 輸 大 臣  田村  元君    政府委員        運輸省港湾局長  大久保喜市君        運輸省鉄道監督        局長       住田 正二君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  杉浦 喬也君        運輸省航空局長  高橋 寿夫君        運輸省航空局次        長        松本  操君        海上保安庁長官  薗村 泰彦君        海上保安庁次長  間   孝君        気象庁長官    有住 直介君        気象庁次長    岩田 弘文君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        日本国有鉄道総        裁        高木 文雄君        日本国有鉄道常        務理事      高橋 浩二君        日本国有鉄道常        務理事      橘高 弘昌君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、  衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査  (気象通報所に関する件)  (運輸行政の基本施策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の異動に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行います。  理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に中村太郎君を指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。田村運輸大臣。
  5. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ただいま議題となりました海上保安官に協力援助した者等の災害給付に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  海上保安官に協力援助した者等の災害給付につきましては、従前から、本法により必要な措置を講じてきたところであります。本法に基づく給付は、国家公務員災害補償法に基づく給付を参酌して行うこととされておりますが、昨年五月、傷病補償年金制度の創設を内容とする国家公務員災害補償法の一部改正が行われ、本年四月一日から施行されることとなっております。国家公務員につきましてこのような給付内容の改善が行われることにかんがみ、海上保安官に協力援助した者等の災害給付制度につきましても、同様に給付の充実を図ろうとする次第であります。  次に、この法律案による改正の内容につきまして御説明申し上げます。  海上保安官に協力援助した者等が負傷し、または疾病にかかったため療養する場合には、休業給付を支給しておりますが、長期間にわたり療養する者のうち実質的に廃疾状態にある者に対しては、むしろ、休業給付にかえて障害給付に準ずる給付を行うことが適当であり、そのような給付として新たに傷病給付を創設するものであります。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  6. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     ―――――――――――――
  7. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  まず、気象通報所に関する件について田村運輸大臣から説明を聴取いたします。田村運輸大臣。
  8. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 過日の参議院内閣委員会における運輸省設置法の一部を改正する法律案の審議の際、気象通報所の無人化につき質疑があり、従来の方針を一部変更いたしましたので、御報告させていただきたいと思います。  気象庁におきましては、通信技術の発達及び観測の自動化により気象通報所の無人化が可能になりましたので、従来からこの計画を進め、現在まで五十九カ所の無人化を実施してまいっており、昭和五十二年度におきましても、四月一日から十九カ所の気象通報所の無人化を実施したい所存でございました。  しかるところ、過日――三月二十四日でございますが、過日の参議院内閣委員会における運輸省設置法の一部を改正する法律案の審議の際、野田哲委員、峯山昭範委員及び岩間正男委員から、地元の反対があるのに四月一日から気象通報所の無人化を実施するのかという趣旨の御質問がありました。  従来も地元の御理解を得るように努めてまいりましたが、さらに御理解を深めるため全力を尽す必要を感じましたので、四月一日実施の予定を変更してでも慎重に検討したい旨お答えいたしました。  その後、気象庁からもさらに詳しく事情を聞きましたが、地域気象観測網の展開により観測回数も著しく増加し、そのデータはオンライン・リアルタイムで把握できることとなり、気象衛星からの資料、レーダー情報等を活用することにより、予報精度も一段と向上してまいっております。  また、予報の伝達につきましても、テレビ、ラジオ、新聞、一七七もあり、これまでに行った五十九カ所の無人化とその後の状況等に照らしましても、地元の方々に対する気象サービスに支障を来すことなく無人化ができるのではないかと存じております。  なお、雪の観測につきましては、予報技術上も委託業務としても十分その役割りを果たし得るものとの報告を得ております。  しかし、同時に地元関係機関の理解を深めることも重要でございますので、気象庁に対し、五月一日から無人化実施をいたし、天気予報の仕組み等、気象業務の実情をわかりやすく説明して、地元の方々の不安を解消させるとともに、地元の気象に関する具体的な要望をお伺いし、その実現にできる限りの努力をするよう命じておるところでございます。     ―――――――――――――
  9. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) それでは、これより運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  御質疑のある方は御発言願います。
  10. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 気象通報所の廃止の問題についてまず質問いたしますが、先般の内閣委員会では四月一日廃止という方針を変更したと、こういうことなんでございますけれども、その理由は、地元の反対があるから、その地元に納得をしてもらうためにということのようでありますが、五月一日まで一カ月延ばしたということなんですが、五月一日まで延ばすことによって、いままで反対意見を持っていた地元の方々は納得をしたのかどうか。その点、地元の反対理由とあわせてお聞かせいただきたいと思います。
  11. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) まだ四月も上旬でございますので五月一日には間がありますが、その後、気象台等から現地へ参りましていろいろと御説明をさせております。地元の反対は、大きな理由としては、手近なサービスが失われるというおそれがある、こういうことを言っておられるのでありまして、その点実際に一七七もあり、こういうことでありますよということを、先ほど私が報告しましたように詳しく御説明申し上げる。これからも私は、本庁からも行きなさい、こう、言っておるんです。気象庁本庁からも現地へ出向いて御説明をしなさい、俗に言う官僚的な態度であってはだめだよということを強く指示いたしておるのでありますが、おいおいと現地へ行きまして御理解を得ておるようには報告を受けております。
  12. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先般、若干の説明をお聞きいたしましたが、気象通報所というのは大体いままで何人ぐらいの人がいて、どういう仕事をやっていたのか。それから、それが無人で用が足りるようになった理由というのはどういうためなのか、その辺を再度かいつまんで御説明いただきたいと思います。
  13. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) 官署にいままでおりますのは二名でございます。二名でございますので、土、日の勤務を行いますと、夜間はできませんで昼間だけの勤務ということになります。  それから、いままでやっておりました仕事でございますけれども、主な仕事といたしまして、山間部に無線ロボット雨量計というものを設置いたしまして、これは雨の量を把握するためでございます。それは無線でございまして、通報所でそれを受けまして、その値を親官署に報告していたわけでございます。これはその後の技術の進歩で、そのような中間的な人がいなくても自動的に親官署にデータが入るようになります。  それから次に、原則として一日一回九時に観測をいたしまして、それを親官署に報告しておりましたけれども、これも地域気象観測網の整備が進みまして、気温、風、日照、雨量、そういうものにつきましては自動的にオンライン・リアルタイムで、東京で日本全国千カ所ぐらいございますところのデータを数分、十分以内に集めまして、また十分以内に自動的に予報官のところにデータを配るというシステムが整備されつつありますために、この仕事も一応目的を達成した。また、親官署から情報を通報所がもらいまして、それを地元の地方公共団体等にお知らせをするという仕事がございましたが、これも最近の情報伝達等が進みました関係で、そういう仕事も地方気象台の方から県等を通じて届けられるようになりましたために、本来の当初の目的を達したということで私ども無人化を考えているわけでございます。
  14. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いろいろと陳情書も参っているようでありますけれども、この陳情書の内容、あるいは要望書の内容を見ますと、観測体制を弱体化をするということになりはしないか、こういう懸念が理由になっております。観測体制の弱体化を招来するというような懸念はないということが言えるのか言えないのか。それからそのほかにも、地元とすれば測候所に格上げをしてもらいたい、こういうようなことも言ってきております。したがって、廃止をすることによりどういう実害があって、それから測候所に格上げをせよということだが、測候所に格上げをすることによってどういったような実利があるのか。この点がわからないと、要望書に書いてあることだけではちょっと理解しがたいので、そういう点、率直にお答えをいただきたいと思います。
  15. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) まず第一の、観測の問題でございますけれども、先ほどお話しいたしましたように、主要な観測項目につきましては自動化いたしました。また、私どもの予報、警報等を出すために必要な観測ということでは、そういう地域観測網の整備とか、あるいはレーダー、静止衛星等の整備によりまして、いままでよりも格段に予報精度はよくなりつつあるというふうに私ども考えているわけでございます。  それから測候所のことでございますが、陳情書、要望書によりますと、測候所格上げということもございますが、測候所というのは主として観測業務を担当しておりますけれども、全国的な観測網、相関的な観測網、それからローカルなものでは地域気象観測網の整備、そういうものを含めまして、現時点では通報所を測候所に昇格いたしましてもメリットはないというふうにわれわれ考えておるわけでございます。また、天気予報とか注意報、警報は地方気象台で作成をいたしまして住民の方々に気象情報として提供しております。  また、廃止によっていま実害がありますかという御質問でございますが、従来通報所が行っていた業務につきまして、必要なものにつきましては代替措置を講じておりますので、実害はないというふうに私ども考えておるわけでございます。
  16. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、四月からシステムが完備をすると、いままでいた二名の人たちは早い話がやることがなくなると、こういうふうにおっしゃるわけですか。いままでいた二名の人たちは、じゃ今度はどういう仕事に従事をすることになるのか。その点、機械でやるのを人間でやるというわけにはいかぬだろうと思うんですが、その点は一体どういうことになっているのか、その点お伺いしたいと思います。
  17. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) 無人化いたしました暁には、通報所に勤めておりました人はそれぞれ本人の希望等、意向等も聞いた上で、それぞれの親官署またはほかの官署で働いていただくという考え方でございます。念のためでございますが、予算が通りますと昭和五十二年度は九十名増員をいただきまして、削減を除きましても増員がございますので、生首が飛ぶとかそういうことはございません。  また、先生の御指摘の、四月一日から五月一日までのことの御質問があるかもしれませんが、これは大臣から御説明がありましたとおりに、従来からも地元に対する御理解を得るために努力はしてまいりましたけれども、さらに御理解を深めていただくために若干無人化の時期を延期いたしましたけれども、五月一日を目途に実施いたしまして、ある意味での先生の御指摘のようなむだはなくしたいというふうに考えております。
  18. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 測候所に格上げするという要請があるので、測候所に格上げをすれば一体人はそれだけよけい配置をするようなことになるのか、測候所に格上げをすることによってどういうことをやるのか、やってほしいというのか、それらの何か地域の――これは特に豪雪地帯か大分陳情書かよけい出ているようなんですが、雪の降っている地域について、特に気象通報所がなくなるといったようなことについての懸念があるような気がするのでありますけれども、この雪の降っている個所の降雪の観測といっても、雪はどのくらい降っているかということならば素人だってわかるわけなんですけれども、要するに雪に対する観測を、測候所に格上げをすることによって、いままでよりも何か特別に的確に観測をするというようなことができるようなことがあるのかどうか。豪雪地帯についての懸念がかなりあるようでありますけれども、これらの問題について地元の、特に北海道であるとか、あるいは秋田とか、新潟とか、こういう地域の人たちを安心をさせるような手だては気象庁としては用意できているのかどうかということですね、その点を再度お伺いしたいと思います。
  19. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) 雪の予報がわれわれ一つの問題点でございますけれども、予報につきましては地方気象台で寒気の入りぐあい、上層の気流の状態、そういうものから予報を出すわけでございまして、先生も言われましたように、降った雪を見てから予報するということではなしに、雪の予報というものは地方気象台でレーダーの状況、あるいは高層の気流の状態から予報をやっておりますから、現地の雪というものは直接予報のときには要らないという考え方でございますが、降った後に雪がどうであったかということは後の資料としては要るわけでございまして、その資料といたしましては、現在気象庁では観測を地方公共団体等にお願いして、委託をしてでも観測だけはやっていただこうというふうに考えているわけでございます。  地元からの御要求が具体的にあったかというお話でございますけれども、気象庁としては、このデータが地方公共団体で御入り用であれば、どういう手だてでお配りするかというようなことにつきましては検討はいたしておりますけれども、具体的に地元の方からはまだはっきりした形で御要望が出ていないように聞いております。
  20. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 要は、観測体制を弱体化するのではないかという懸念があるようでありますので、このような懸念がないのならばないように、地元の人たちに説明をするという努力が行われなければならない、こういう気がいたします。  それから、事実上いまテレビ、あるいはラジオでもってかなり気象通報、天気予報等については克明に行われておりますけれども、できればこれはもっときめ細かに、たとえば県によっては非常に大きな県があるわけですよ。秋田県だとか、あるいは岩手県だとかというところは四国に匹敵するくらい大きい。そういう県については、何々県のお天気はこうだと言われても、北の端と南の端ではずいぶん事情が違うだろうと思うのです。そういう点は海側であるとか、山側であるとか、南側、真ん中、北というふうに分けて気象通報について行われるようになっているのかどうかですね、これは念のためにお伺いしたいと思うのです。
  21. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) 一番最初の観測体制につきましては、さらに地元の方にも詳しく御説明いたしまして、観測体制も従来よりは格段によくなりつつある、たとえば雨については十七キロごと、四要素につきましては二十一キロごとの観測点ができるというようなことも、さらに詳しく御説明いたしますとともに、大臣から御指示いただきました、また先生から御指摘いただきましたように、地元の方々の御要望等もよく聞いて進めていきたいと思っております。  また、先生最後の、予報の出し方についてでございますが、われわれといたしましては、県内の細分した予報というものも従来から地元から要望が出ておりますので、できるだけ細分してやるという方向で進めつつありまして、たとえば福島県におきましては、浜通り、中通り、会津地方というように県内を三つに区分して予報を出しております。そういうことと同様に、よその県についてもやっていないところは早急にそういうふうに進めるようにということを指導して進めております。いまお話出ました秋田県につきましても、細分する計画で現在進められているというふうに私聞いております。
  22. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 具体的に言いますと、横手市等からもこういう要望が来ているのですけれども、それじゃ、いままでだったら秋田県は秋田県だけでやっておったけれども、今後の問題としては県南と県北、あるいは県の何といいますか、県の中央部といいますか、そういうふうに分けた予報も考えると、このように理解してよろしいですね。
  23. 有住直介

    ○政府委員(有住直介君) そのとおりでございまして、秋田県を幾つかに細分して出す方向でいま進めております。
  24. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 はい、わかりました。気象庁関係については終わります。  国鉄関係について若干質問したいと思うのでありますが、大臣の所信表明の中で、国鉄の再建のことについても、いまやきわめて憂慮すべき状態に立ち至っておる、こういう説明がございました。それに引き続いて、経営改善計画というのが日本国有鉄道から発表されました。この経営改善計画についての考え方ですけれども、かなり長いものになっておりますけれども、どうもこれは合理化といったようなことに主眼が置かれておるようであって、積極的に、じゃ国鉄をどういうふうに国民の足として機能を発揮させるかという点については、どうも余り積極的でないような気がするんでありますけれども、せっかくこの経営改善計画の案というものが発表されましたので、この考え方について、国鉄総裁も見えておりますので、まず総裁からお考えをお伺いしたいと思います。
  25. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 国鉄の再建の柱でございますが、柱は三つあるというふうに考えております。一つは、やはりいろいろとコストがどうしても上がってまいりますので、それに応じてといいますか、ある程度はやはり年々運賃について利用者の御理解を得て改定することをお許し願わねばならぬのではないか。これは人件費、物件費を総合いたしまして、ここ毎年一〇%前後伸びておりますので、これは国鉄だけの問題でなくて、日本経済全体の状態からそうなっておるわけでございますので、ある程度やはり利用者の方々に御負担願うということは御理解を得た上でお願いしなければならぬと思っております。  それから二番目に、公共的な役割りというものを負っておるわけでございまして、たとえば地方のローカル線というものは、採算的には全くバランスがとれてないわけでございますが、それをやめるわけにはいかないというような役割りを持っております。その場合に、これまでは一方の線区において黒字になっておりましたから、したがって、それで片方の経営赤字をある程度埋め合わしてやってきたわけでございますけれども、最近に至りまして、他の輸送機関との競争関係が非常に激しくなったと申しますか、そうみだりに運賃改定もできないということになってまいりましたので、黒字線区での経営で赤字線区の分をかぶっていくといいますか、負担していくということはなかなかできなくなってきております。そうなりますと、やはりそこには財政上、あるいは行政上いろいろな御配慮をいただいて、そして政府サイドで私どもの方を温かく包んでいただくということをやっていただかないことには、私どもだけではできないということがあると思っております。  三番目に、以上の二つの問題がございますけれども、何と申しましても国鉄自体がどうやって経営を直していくか、現状ではこれはいけませんので、直していくかという問題があるわけでございまして、運賃改定をお願いするにしましても、財政的、行政的援助をお願いするにしましても、国鉄自体がやるべきことをやっておると、一生懸命改善に努めておるということを実をもって示しませんことには、お願いするにもお願いのしようがないということでございまして、この三つの柱のうちで、三番目の国鉄自体の経営努力ということが、今後の国鉄再建にとりましてきわめて大きな、重要なウエートを持つものというふうに思っております。  そのように考えてまいりますと、国鉄の経営の改善計画というものを考えます場合に、どうやったら経費を節することができるか、どうやったら収入を上げることができるか、収入をいささかでもふやす努力をいたし、経費をいささかでも減らす努力をいたさねばならぬと思うわけでございますが、その両々相まって国鉄自体の努力によって経営収支の改善を図る余地がまだまだ十分あるわけでございまして、そのアウトラインをまとめてみましたものが経営改善計画でございます。  そのうちの経費を節するにはどうしたらいいかという場合には、現在総コスト中の人件費ウエートが非常に高くなっております関係で、経費を節するということになりますと、やはりどうやって省力化を図っていくかということを考えなければならないわけでございまして、これは大変しかし時間がかかりますので、いろいろプランを立てましてもすぐには実現できません。いろいろ設備を整えましたり、あるいは機械を整備しましたりということで職場環境を変えなければいけないわけでございますが、時間がかかります。したがって、そこの点につい箱当計画的に進めてまいる必要がございますので、その部面を相当詳しく示したということでございまして、あるいは瀬谷委員お尋ねのように、合理化計画を経営改善計画という衣を着せてまた持ち出してきたというふうにお受け取りになるかもしれませんが、確かにそういうふうな面がありますけれども、しかし、それはいままでとはいささか違いまして、経営収支をどうやって改善をするかという角度から考え直したものでございまして、その意味でお受け取りいただきたいと思います。
  26. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 とかく経営努力ということになると、わが身を削ることばっかりに重点が置かれて  おるような感じを受けるのですよ。どうやったら何人、人を減らすことができるだろうかということに重点を置いている、要するに後ろ向きなんですね。先般豪雪地帯の調査も私やってまいりましたけれども、ことごとくけちか身についちまって、けちな精神が身についちまって、ともかく節約さえすればいい。一万円節約するためには十万円損しても構わない、極端な話が。こんなような考え方があちこちで政策の面にあらわれているような気がする。私はやはり一万円節約して十万円損するよりも、十万円の投資をして百万円もうけるということの方が前向きでいいという気がするわけです。  そこで、大ざっぱに言っても、内容が非常に多岐にわたっておりますので一言で言えませんけれども、国鉄を現在のこの規模のままで置いておいて果たして黒字に転化することが可能なのかどうか、つまり独立採算制です。全国ローカル線まで含めて全部持っている一律の賃金、公共企業体というこのシステムの中にある。これでどういう努力をしたら経営の改善ができるのかというと、仕組みをそのままにしておいたのでは、なかなか私はむずかしいのじゃないかという気がするのですけれどもね。  そうなると、仕組みの問題については、これは大臣の所管になってくると思うのでありますが、たまたまこういったような経営改善計画というものが国鉄から出てまいりましたけれども、大臣とすれば、この国の動派である国鉄が十分に機能を発揮できるようにするためには、こういう方法でもって何とかやっていけると思っているのかどうか。かなり思い切った政策、発想の転換を必要とするのではないかということも私どもには思われるのですが、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。
  27. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いま瀬谷さんおっしゃったとおり、発想の転換ということがまず第一でございましょう。その意味で、従来的な、まあ運賃値上げさえすればいいわという方法を今度はとらなかったわけであります。まあ徹底した経営努力ということと、それから関連事業収入等について重点を非常に重く置いたということでありますが、いずれにいたしましても、国鉄自身がやはりぜい肉を取ることが必要であろうかと思います。その意味で、ここに書いてございます「業務運営の能率化」というところに合理化の話も出ておるわけでございます。  ただ問題は、私は国鉄が本来公共輸送機関であるという認識の上に立って当然サービスを提供する、その当然のサービスに見合うものは、これは受益者負担ということは、これはもう大原則でございますにしましても、本来のサービスを超える負担というものが国鉄にはかなりあるわけでございます。そういう点は国の助成を手厚くしていくということは、これはもう当然のこととして今後も重点的にやらなければならないと存じますが、それにいたしましても、国の助成とか、運賃値上げ以上に国鉄の再建にとって大切なものは経営努力の強化であり、そして労使の正常化であろうと存じます。でありますので、合理化等につきましても労使が十分協議をしてその実を上げられるようにということを期待いたしておるわけでございます。
  28. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 労使の信頼関係の問題にしても、やはり経営の内容が問題になってくると思います。収入の相当な部分を債務の利払いに充てなきゃならない。つまり、かせいだ金のあらかたを借金の利息に納めなきゃならないというかっこうは、昔の小作の悲劇と同じで、やる者に張り合いを失わせると思うのです。そうすると、国鉄経営の問題では、この設備投資が主になっておるところの債務を一体どのような形で崩していくかということは、国鉄の重荷を減らすためには大事なことになってくる。いままでそのための努力がなされなかったとは言いませんけれども、現状では決してまだ十分だとは思われない。したがって、その点を根本的に解決するためにどういうふうに考えておられるのかということ。  それからもう一つ、貨物輸送の問題がある。貨物輸送の問題は、経営改善計画によると、一日平均五十五万キロの列車キロの約二五%の削減、貨車、機関車の縮減を図る。ヤード等もこれは縮小するということなんですが、これは早い話が貨物は切り捨てていくという思想のように感じられるわけです。それならそれで、じゃその分を旅客営業の方に振りかえるといったようなことがあるならば一応これは納得をされるだろうと思うんですよ。ところが、切り捨てるというだけであって、その分は合理化の実績として計上されるんだということであれば、これは要員の問題について特に組合側としては納得しがたいだろうという気がいたします。だから、その辺今後の国鉄の営業の形態が一体どうなるのか。貨物を縮減をするかわりに、じゃ旅客がふえるということになるのか。  ともかくぜい肉を切るという話がありましたけれども、貨物も切っていく、もうからないものは切っていくということになりますと、一番もうからないのは地方交通路線ですよね。この地方交通路線などは一体どうしたらいいのか。だれが考えたって、営業キロで全体の四〇%を占めるけれども収入じゃ三%にすぎない、これはどんな人が大臣やろうと、総裁やろうと、いまのシステムの中でこれを黒字に転換をさせるということは不可能じゃないかという気がいたします。これらの問題はそのままにしておいて、たかだか二百億や三百億政府から助成金をもらってみたところでスズメの涙みたいなものだ、何の足しにもならぬ。これらはそのままにしておいて一体いいのかどうかということになります。こういう問題を一体どうするのかということについて思い切った策というものが出てこないことには、この経営の改善案というものも、しょせんはいままでのやり方を惰性でもって継続をしていくだけにすぎないんじゃないかという印象を持たせるんでありますが、その辺はどうでしょうか。
  29. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 国鉄から経営改善計画が出ましたのは四日でございます。日本国有鉄道としてこの経営改善計画をつくって運輸省に対して提出してきたわけでございますが、実は、私はまだ決裁もいたしておりません。そういう段階でございます。問題は、この経営改善計画というのは、言うなれば国鉄の経営改善計画概論とも言うべきものでありまして、この経営改善計画というものをたたき台にして、具体的にどのようなことをするかということを国鉄自身もお考えになる、私どもの方もこれを受けまして国の助成等をどのようにしていくかということを考えていかなければならぬ。  たとえば、先ほどお述べになりました赤字ローカル線の問題につきましても審議会から中間報告が出ております。その中間報告によりますと四つの方法というのが示されている。現地に協議会のようなものをつくって十分意見を聞くようにという趣旨のことでございましょうが、この答申が恐らくそう遠くない時期に答えが出てくるだろうと思います。そういうものもわれわれは受けなければなりません。貨物とてもちろん――識者の中には貨物そのものをやめてしまえという意見もありましょうし、それから今度は中長距離のトラック輸送というものを全面的にやめて国鉄に依存すればよいじゃないかという意見もございましょうし、いろいろな意見もございますが、貨物を全面的にやめてしまうということは、これは不可能でございます。しかしながら、国鉄自身が経営努力を真剣にやっていくためのぜい肉を取るということは、これはやはり当然のことだと存じます。  私鉄と国鉄と比較することは少しやぼったいかもしれませんが、私鉄は現に国からの助成もほとんどなしに自力であのように経営をいたしておるわけでございます。でございますから、国鉄とて従来の親方日の丸でおれるものではございません。しかも先ほど総裁が申しましたように、昔の独占性というものはほとんどなくなって、非常に厳しい過当競争とも言ってもいいまうな競争状態にございます。でありますので、私どもとしてもこの改善計画を受けとめまして、これから国鉄の負担の限界を超える部分をどのようにしていくかということを真剣に検討していきたいと考えておる次第でございます。
  30. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 大臣の時間の都合がございますので、大臣に質問することを多少飛び飛びになりますけれども先にしたいと思うんでありますけれども、まず、じゃ新幹線の計画についてはどのように考えておられるのか。現在東北、上越新幹線が工事を進めております。ところが東京都内、あるいは埼玉県でもってひっかかっておりますね。しかし、この新幹線は一方においては問題が解決したところはどんどん工事が進んでおるわけです。そうすると、やがて大宮-盛岡間、あるいは新潟間といったようなところは完成してしまうんじゃないかと、こういう気がいたします。  青函トンネルもいまやっておるわけですね。青函トンネルができるということは、とりもなおさずこれは北海道新幹線ということをあわせて考えなきゃならぬわけです。北海道新幹線の構想も当然これは付随して表面に出てこなければごまかしになると思うんですね。北海道新幹線はまだ考えていないと言ったらうそになる。だから、この際、北海道新幹線をどこまで青函トンネルの完成と相まってつなぐんだということは、政府の方針としてむしろはっきりさせておくべきことではないかと思うのでありますが、それらの点については大臣はどのような構想をお持ちですか。
  31. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) まず、東北、上越でございますが、これはもう瀬谷さんいまおっしゃったとおりでございまして、東京周辺でなかなか思うようにはかどっておりません。先般も美濃部知事が私のところへ来られていろいろなお話をしたわけでありますが、羽田の問題とか、調布の飛行場の問題とか、あるいは東京都の乗り物の運賃の問題とかいろんな問題が出ました。そのときに美濃部さんの方から東北、上越等についても知恵というものをもっと出さなければいけませんねというお話が出ました。ありがとうございます、それじゃ早速高木総裁を差し向けますから、いろいろとお話し合いくださいませと、こう申し上げ、総裁がお伺いをしていろいろとよもやま話をなすったことと思います。まだ私、総裁からその報告を聞いておりませんけれども、お話し合いをなすったものだと思いますが、これだけ厄介な問題になっておるものでございますから、しかも急いでやらなきゃならない問題でございますから、やはり美濃部さんの言うように、知恵を出していかなきゃならぬということは当然だと存じます。  それから北海道の問題でございますが、整備五線につきましては、整備計画まで行っておるんでございますから、これはいつまでも凍結してほっておくというわけにもまいりますまいけれども、しかし何といっても、この安定成長下にあって莫大な経費を要する問題でございます。北海道だけを先にやるというわけにもまいらぬかと思います。整備五線そのものをまないたにのっけていかなければならないかと思います。でありますので、特に新幹線というのは、飛行場と新幹線はもう大臣泣かせの最たるものでございまして、地元でいろんな悶着が起こるわけでございます。特に環境影響評価というものが一番問題になります。  でございますので、徹底した環境アセスメントをやはりやらなきゃならぬと思います。でございますので、たまたま環境庁が環境アセスメント法案というものを用意しております。これが国会でどのような姿になりますのか、いつ提案されるのか、政府間で、いま各省庁間で話し合いをしておるようでございますが、私どもとしては異議のあることじゃないんでございますけれども、これがまあいずれかの日に、近い将来、日の目を拝むであろうと思いますが、環境アセスメント法案が成立いたしました場合におきましては、整備五線につきまして環境アセスメントをやる、アセスをやるということを真剣に考えなきゃならぬ時期が来るんじゃなかろうか、このように思っております。ただし、いままで私はいろいろな問題に取り組んでまいりましたが、環境影響評価というのはやはり相当徹底してやって、それを公表して地域住民の方々に御理解を得なければならぬ。それでなければうまくいくもんじゃありません。その意味で関西新空港というのは徹底した環境影響評価をやろうと言っておるわけでありますが、そういうことでございますので、その点もお含みおきをいただきたいと存じます。
  32. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 総裁に対する質問は後回しにしまして、大臣の時間の都合がありますので、大臣に対する質問をまとめて何点かしたいと思います。  二百海里問題で、海上保安庁の巡視船の役割りもこれはいままでと違ったものになってきはしないかという気がいたします。そうすると、保安庁の艦艇とか航空機というものが現状のままでよろしいかどうかということは当然考えなきゃならぬと思います。したがって、それらについて運輸大臣としてもこれは責任のある問題――この漁業問題、二百海里問題がどういう進展をするかわかりませんけれども、どのような進展をするにしても、海上保安庁の任務というものはきわめて重大なものになってくるんではないかというふうに思われるので、それらに対応する策は一体どのように考えておられるかということが一つ。  それから、この間プッシャーバージという船の問題が出てまいりました。これは海のダンプと言われるプッシャーバージ船ですね。ソビエトの船で、木材を運搬してきて、これがいままで十日かかったのが五時間で終わってしまう。この写真をごらんになりましたか。
  33. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) ええ。
  34. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 こういう問題が出てまいりました。そこで全港湾では、ソビエト側あるいは運輸省、荷主、それらの協議というものが望ましい、事前協議をソビエト側にも求めたいと言っておるが、園田官房長官ですらなかなか相手が出てこないというむずかしい状態ですから、このプッシャーバージ船の方もなかなか大変だろうと思う。しかし、相手がソビエトなんですから、政府が中に入ってやらぬことにはらちが明かないだろうと思うのです、これらの問題は。港湾の荷役の問題、事と次第によっては全港湾はソビエト船の荷役を拒否すると、こういうことも決議しておるとのことであります。なかなかこれは大きな問題になってくると思いますので、これらに対応する策は一体政府としてはどのように考えておられるのかということが一つ。  それからもう一つ東京空港の問題。大臣泣かせというお言葉がありましたけれども、この東京空港は一体ことしじゅうに開港の見通しが立つようになっておるのかどうか。地元のいろいろな、もろもろの問題についての解決ということに万全を期していけるのかどうか。それと関西空港の問題ですね。関西空港にしても東京空港にしても、まさに飽和状態にあるということはわれわれ十分に痛感をしておるところなんでありますけれども、飽和状態だからといっておろおろしていただけじゃ話にならぬので、これらの空港の中でも問題になる東京空港、関西空港について、政府としてはどういう方針を持っておられるのかということを、とりあえずしぼって大臣に質問をしたいというふうに思います。
  35. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 四つの問題提起されたわけです。  二百海里の問題につきましては、現在海上保安庁にございます船艇が三百十隻ございます。航空機等が三十四機ございます。領海十二海里というのにはまあまあ対応できるという感じでございますが、二百海里となりますと、いまも瀬谷さんおっしゃったとおり、これは大変広いことになりまして、うんと増強していかなければなりません。五十二年度もそういうことに対処するために、たとえばヘリコプター搭載船というものを新たに予算づけをお願いしておる。その他航空機等、まあYSなんかもお願いしておるわけでございますが、増強を今日計画をいたしておるところでございます。いずれにいたしましても、海上保安業務はこれは海上保安庁が担当することでございますから、真剣に取り組まなきゃなりませんが、相当思い切った増強をしていかなければ二百海里に対してはなかなか大変だというように感じております。それは海上保安庁長官の方で十分に計画を立てておることと思いますが、二百海里問題につきましては関連法案、法律等もまだ整備される段階でございませんので、すぐに具体的な行動に出るというわけではありませんが、万遺憾なきを期したい、このように考えております。  それからプッシャーバージにつきましては、いまどのような影響を与えるかということを調査中でございます。まあこれはゆゆしき一大事でございまして、労働問題、労働者諸君にとっては大きな影響のあることでございますので、この調査を急ぎ取りまとめて、その上で、場合によってはソ連、またその担当の商社等に強く申し入れを行うというスケジュールをいま組みつつございます。  それから、大変取り急いだ答弁で失礼でございますが、いわゆる成田でございますが、成田は結論から申し上げるならば年内開港は可能と私は考えております。いま大きな問題、ネックになっております問題は、油の暫定輸送の問題、これはまあおいおいと公団の努力でいい方向に向かっておるということでございます。あとは俗に言う妨害鉄塔という問題でございます。しかし、いずれにいたしましても年内開港は可能と、私はそのように判断をして鋭意努力をいたしておるところでございます。  それから関西新空港につきましては五十一年、五十二年、五十三年度と徹底した環境影響評価をいたします。まず気象条件、いわゆる自然条件といいますか、それから社会条件、どのような海象、気象等があるか、あるいは周囲にどのように人口分布があり、学校等いろいろなものがどのように分布されておるかということをこの二つの条件調査でいたします。それに従って今度はこのような空港が望ましいというようなことの調査もいたします。そしてこのような空港ができたらどのような影響が出るかという影響評価もしていくわけでございますが、三年間かかってこれが調査されるわけでございますけれども、その間、その都度どんどんとアセスした結果を発表していく、公表していく、そして地方公共団体に御相談をかけて、そしてこれを進めて、最終的に環境影響評価の結論が出次第、今度はどのように進めていくか、こういうことになるわけでございますので、目下その調査、五十一年度は準備期間ということにもなりますし、五十二年度から非常に本格的な調査に入るわけでございますが、金額も相当多額をわれわれは準備して調査をする、こういうことにしておりますが、今度の環境影響評価につきましては画期的なものをしていこう、こういうふうに考えておる次第でございます。
  36. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 それでは、いま大臣から成田空港については年内に開港することが可能だと思うという意味の御発言があったわけでありますけれども、しかし、この成田空港についてはまだまだ多くの問題が控えているような気がするわけです。仮に年内、空港の開港が可能になったと仮定をした場合に、成田と都心を結ぶ交通網はどうかということになると、現在は京成電鉄と国鉄しかないわけですね。成田新幹線なんというのはまだ全然形にもなっていないわけです。国鉄としては、成田空港ができるということになれば、これから大変先の長い話になると思うんですけれども、成田新幹線というものをここに延ばすという計画をこれから具体的にもう進めていくことになるのかどうか。それから、恐ろしく不便な空港になると思うんです、成田空港が仮に開港したとしても、現状では。東京-香港間と、都心と空港の間との所要時間が同じくらいになりはしないかなという気がするんでありますけれども、そういう問題はないのかどうか。それらの問題を解決をするという陸上交通の問題も現在考えられているのかどうか。地元のいろいろな問題について、油の問題やら何やらについても、現在こうという一つの見通しなり方針というものがあるならば、その点もあわせてお伺いしたいと思います。
  37. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。  新東京国際空港の開港の予定時期等につきましては、いま大臣がお話ししたとおりでございまして、いませっかく努力をしているところでございますけれども、開港になった場合の大きな問題の一つに、いま瀬谷先生の御指摘の東京とのいわゆるアクセスの問題がございます。当面考えられます東京都との間のアクセスの手段は、国鉄それから京成電鉄、この二つが量的にはきわめて有力な交通手段でございますが、そのほかに道路でございますが、道路はこれを利用してすでにバス事業者が免許申請をしておりますので、それによるバスの輸送、それからあとはタクシー、乗用車等による輸送でございます。  まず、鉄道の関係でございますが、私どもやはり成田と東京を結ぶ最善の輸送機関は成田新幹線であることは、これはもう先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも国鉄、公団にお願いいたしまして、なるべく早く成田新幹線をつくっていただきたいという御要望を続けておるわけでございますが、現状ではとても簡単にまだできそうもないということでございますと、鉄道としては国鉄の在来線と京成電鉄を使わざるを得ないということになります。国鉄の在来線につきましては、現在津田沼と千葉の間の複々線化工事をしておりますけれども、これが二、三年後に完成いたしますると非常に輸送力がふえてまいりますので、これには期待ができるわけでございますけれども、当面それができない場合には、たしか快速列車を増発いたしまして、一日十七本の快速列車で東京駅の地下から成田まで運ぶというふうになっていると思います。この輸送力は相当大きいのでございますので期待ができるわけでございます。所要時間も一時間余りだと思います。  それから、京成電鉄は成田から新空港まですでに新しい線をつくっておりますので、これを結びますと上野-成田間が約六十分で結ばれます。鉄道の場合には時間的には非常にパンクチュアルでございますので、私どもかなりこれは当面頼りになる輸送機関だと思いますけれども、ただ問題は、国際航空旅客は荷物が大きいとかいうふうなことから、通常の鉄道のお客さんのようなわけにはいかないという点がございますので、両端のターミナルにおきまして航空旅客の手荷物をどういうふうにしてスムーズに受け渡しをし、運ぶかという点について現在いろいろ策を練っているところでございます。  それから、道路の関係でございますけれども、道路は湾岸道路ができ上がるのが一番いいわけでございます。そして東関東自動車道から湾岸道路に真っすぐ入るという形が一番いいわけでございますけれども、これが全部でき上がりますのがやはり五十六年ごろになります。それまでの間は現在の東関東自動車道とそれから京葉自動車道、これと東京都内の首都高速自動車道、この三つをつなぎ合わせたルートによらざるを得ないわけでございますが、御承知のように非常に京葉自動車道が込んでおります。特に問題は夕方の上り方向でございまして、いまでも千葉方から東京方に向かいまして上り方向、夕方はかなり混雑いたします。  これとぶつかったときにかなりの時間かかるという点が憂慮されているわけでございますけれども、湾岸道路のうち高速部分でない地上の部分が一部浦安の付近まで三月に開通いたしておりますので、これを利用して従来京葉高速道路に入っていたトラック等の一般輸送がこちらに幾らか流れてくる、それによって高速道の混雑が多少緩和されることが期待できるわけでございますが、その後一年一年進むごとに湾岸道路の整備が進みますので、それに従って京葉国道の混雑が減ってまいりますし、最終的に湾岸道路ができ上がりまするならばかなりの改善が期待できると思うわけでございますが、ただ問題は、これは建設省の所管であると思いますけれども、湾岸道路がどんなにりっぱにできましても、問題は東京に入った場合の首都高速道路の容量の問題があるわけでございます。  首都高速道路は現在でもかなり容量いっぱいに使っておりますので、この容量を大きくせずに湾岸道路がどんどんできましても、結局その東京都内の問題がネックになりまして、成田からの交通が円滑にいかないということも問題になるわけでございますので、その点につきましては、これは前から言われておりますようないわゆる外郭環状線の形成ですとか、あるいはもう一本内側の環状線をつくるというようなことをお願いいたしまして、現在の首都高速道路の混雑を一日でも早く解消していただいて、それにつながる東関東自動車道なり、あるいは京葉道路なり、湾岸道路なりの交通を円滑化するという必要があると思います。  ただ、何といたしましても道路輸送といいますのは非常に不規則なものでございます。この空港関連旅客を運ぶ車の数だけでは何としてもこの高速道路の中に専用車線をとるだけのことはございません。それほどの量はございませんので、結局混合交通になるわけでございますが、そうなりますと、いまでも東京-千葉県間の各所の産業活動に伴う輸送、あるいは夏休みの海水浴客の輸送、こういったもので相当込んでまいります。それと、混合交通になります場合には、成田と東京間の道路による交通は時間帯によってはかなりの時間がかかることが予想されます。最悪の場合やはり二時間とか二時間半とかいうふうなことが予想されるわけでございますので、私どもといたしましては成田新幹線ができ上がるということをやはり一日も早く望みたいわけでございますし、それが時間がかかる場合には国鉄の複々線化工事、あるいは成田-佐倉間の複線化工事、このお願いをいたしまして、鉄道という非常に輸送力の強い、輸送力の大きな交通機関によるものを私は成田-東京間のアクセスのやはり主流と考えるべきであるというふうに思っております。  それから、地元の県あるいは各市町村からの要望事項でございますが、たくさんいただいておるわけでございますが、全部を申し上げておりますと時間かかりますので、幸い千葉県が二十八項目にまとめてくださいまして、なかんずく千葉県はそれを十ぐらいの項目にまとめて最重点項目ということで出してきておられますのをちょっとかいつまんで御披露申し上げますと、一つは交通対策でございます。  これはただいま申し上げましたような鉄道と道路と両方ございますが、鉄道では成田-佐倉間の複線化、もちろんこれに関連して千葉-津田沼間の複々線化も入っております。それから成田駅の橋上化、それから現在成田線の空港への延伸というもの、この複々線化と複線化につきましてはすでに計画が決まっておりますので着々と進められておりますし、それから成田駅を橋上化するという問題は、いま非常に成田駅の駅前が狭うございまして、あそこに、成田駅でおりたお客さんがバスに乗っかって空港に行くという場合に非常に混雑をするというところで、成田駅を線路の上に上げる、高架駅にいたしまして、地上部分を駅前広場に活用するという計画が非常に地元成田市の強い要望で出てまいりました。これにつきましては国鉄と空港公団の間の費用分担の方法も決まりまして近く着工になる運びでございます。  それから地元がさらに成田線をそのまま空港まで延ばしてくれと、こういう要望を持っております。これは成田新幹線がいずれ空港まで延びるわけでございます。どうせ成田新幹線用の用地を造成することになるのであるならば、その用地を一時使って臨時的に現在の成田線を延ばしてくれないかという要望がございます。これにつきましては、いま直ちにということではなかなか対応できませんけれども、成田開港後の輸送需要の動向を見まして国鉄の方にお願いをすることにいたしたいと思っておるわけでございます。それから、道路関係では湾岸道路の問題、これは申し上げました。  それからもう一つ駅前街路。と申しますのは、いま成田駅の前は御承知のように非常に門前町で狭い街路でございまして、特に空港方面に行く真っすぐ抜ける街路がございません。そこで地元では駅の前から真っすぐに空港方面に向かって行く街路を新しくつくってくれという要望がございます。これに関連して、この街路が結ばれるところの国道五十一号線、これの幅を広げてくれと、こういうふうな御要望もございまして、これについては建設省、千葉県、成田市等との連絡をとりまして、すでに都市計画決定をいたしまして、予算もついておりますので解決がつくことになりました。  これで交通対策の大きなものは大体めどがつくわけでございますけれども、二番目に騒音対策の御要望がございます。これは千葉県当局が非常に強く要望していらっしゃる問題に、空港周辺の土地利用の規制をすると同時に、規制とうらはらになる地域振興を図る立法をしてくれという希望がございまして、実は今国会に提出すべく現在関係の官庁と詰めている最中でございますが、いろいろ問題がございまして、まだ国会にお出しする運びになっておりませんけれども、できるだけ早くこれは詰めまして、今国会にお出しするべくいま努力している最中でございます。  それから、騒音区域を早く決めろと。この問題はすでに当面使いますところのA滑走路、四千メートル滑走路についてはでき上がっておりますけれども、将来計画であるB滑走路という並行滑走路についても、早く騒音区域を決めてくれないと地元の人が生活設計が立たないというふうなことも言われておりますので、できるだけ早くこれは騒音区域を決めたいということでいま事務的に詰めております。その他、騒音対策としては民家防音工事、あるいは学校、病院等の防音工事の積極的推進ということが言われておりまして、これについては従来は千葉県、これからは公団が中心になって対策を進めることにいたしております。  それから三番目は周辺整備特別措置法、いわゆるかさ上げ法と申しまして、成田空港周辺の関連公共事業につきましては国の補助率を高めるという、いわゆるかさ上げ法がございますが、これが来年の三月期限が切れますので、これを延長してくれというふうなことでございますが、これは一番関係の深い官庁は自治省でございますので、現在自治省に折衝いたしておりますが、私どもとしてはぜひこれは延長していただくことを関係官庁に折衝したいと思っております。  それから四番目は住民対策でございますが、たとえば空港公団でつくった下水道を一時地元の下水を流すパイプに使わしてくれとか、あるいは構内営業にできるだけ地元の店を入れろ、転業者対策を確実にせよというふうな問題とか、あるいはこれからまだ第二期工事等が行われますと用地の取得が要りますが、そのために必要な代替地を確保しろというふうな御要望が出ているわけでございますが、これはごく主なものでございますが、そのほかに各種さまざまの地元要望がございますけれども、私どもこの数十項目のものを現在詰めておりますけれども、すぐできるもの、それから二、三年かかるもの、それらに分けて整理いたしております。どうしても、どんなことをしても制度上手がつけようがないというものはごく少なく、恐らく一、二割にすぎないと思います。八割方は地元の御要望に沿っていけるというふうに考えておりますので、この点につきましては、めどがつきかかっているということを申し上げることができると思います。  以上でございます。
  38. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 まあ話を聞いてみても大変だろうという気がするんですよ。大臣の答弁では年内に何とか開港と、こう言っているんですね。仮に、だから年内に開港ということになった場合に、いまの湾岸道路であるとか、あるいは新幹線であるとかいう問題は年内に間に合うことは一つもないわけです。そうすると、どんなことになるかというんですね。外国のお客さんが成田空港へおりて京成電鉄を使って来るとすると、出てくるのは西郷さんの銅像の下ですな。あそこはタクシーの置き場も何にもありゃしませんよね。大きな荷物を持って西郷さんの銅像の下へ出てきた外国のお客さんはうろうろしちゃうんじゃないかなという気がいたしますわ。  それから、国鉄を利用するとしても、成田線だと上野駅、それからまあ東京駅の地下へ着くと、こういうルートがあるわけなんですけれども、ジャンボ機なんというのは二機ぶつかって炎上しただけで一遍に五百名の人が死んじまうわけですから、これがジャンボ機からぞろぞろおり立ってそのお客が都心に向かう。成田山にお参りに行くお客なんというのはいないと思うんですからね。これはみんな都心へ来るお客ですから。そうすると、それらのお客は、じゃタクシー、ハイヤーでといって、タクシーなんかに乗った日には料金も飛行機並みになっちまうだろうし、時間的にはマニラ、香港並みになっちまうんじゃないかという気がいたします。大量輸送の方法とすれば京成電鉄か国鉄かということになるが、この複線計画あるいは複々線計画にしても、ことしの間に合うような話はなかろうという気がするんです。国鉄は、じゃ成田新幹線について何年ぐらいでこれを完成させることができるというふうに思っておられるのか、あるいは在来線の輸送力増強計画は何年ぐらい後にほぼ所期の効果を上げるということができるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、今度は国鉄の面でお尋ねをしたいと思うんですが。
  39. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 成田新幹線の建設の見通しでございますが、御承知のように各地で反対の運動が出ておりまして、その中には訴訟になっている問題もあるわけでございます。そういうことがございまして、現在の段階でいつまでに完成することができるかお答えできないわけでございますけれど、やはり先ほど来御指摘ありますように、成田空港というのは東京から離れている非常に不便な空港でございますので、私どもといたしましてはぜひ成田新幹線を完成させたい、そのために地元と話し合いをしてできるだけ早くつくりたい、こう考えているわけでございます。  また、在来線の強化の問題でございますが、先ほど航空局長からお話しいたしました総武線の複々線化あるいは成田線の複線化の問題は、現在も工事をいたしておりますし、また成田線の方は近く工事をすることになりますので、今後成田空港のお客さんがふえてまいりました段階に間に合うように工事が進められると思いますので、当面の問題としては在来線で輸送できるというように考えております。
  40. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) いますぐですと、成田から東京駅まで一時間で走らす。これは一時間に一本ぐらいは走らせるという状況でございます。それをさらに増強いたしますには、千葉までの複々線化が完成しないといかぬわけでございますが、また千葉から佐倉を経て成田までの線増をしなくちゃいかぬわけでございますが、この双方とも大体三年まだかかる。つまり五十二、五十三、五十四と三年間かかるというのが見込みでございまして、これは成田の空港問題とは全く別個にいまの総武線の増強をいたしておるわけでございますけども、線路を高架化するというような関係がございまして、空港開港問題とは別問題として国鉄自体の計画の問題としてやっておりますけども、どうしてもこれ五十四年度まではかかると、完成するのにかかるという状態でございます。
  41. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 大臣ね、いま成田空港が年内に開港した場合に、成田と東京との交通という問題についていろいろ聞いてみたんです。そうしたら国鉄の方も二、三年はかかると、線増で。それから鉄建公団の関係は何年かかるかわからない、いつできるかわからないというお話、そうなると、年内に開港を急いでみたところで交通の問題がどうも解決しそうもないような気がするんですね。まあ現在京成電鉄は延長工事をしていますが、京成電鉄が一時間で結ぶとしても、出てきたところが上野の山の西郷さんの銅像の下なんです。それで、大変あれはタクシーの駐車場も何にもないところで、あんなところへ外国からのお客さんがぞろぞろ出てきたらどんなことになるだろうか、こんなふうに考えますと、私は成田空港自体が国際空港として適切な場所であったというふうには思いません。思いませんけれども、今日まさに開港を急いでいる成田空港が、現実に交通の問題でにっちもさっちもいかないような状態になりはしないかということが目に見えているんですよ。これらに対応する策としては、政府は一体どのようにされるおつもりなのか、その点をお伺いしたいと思う。
  42. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) まあ私が衆議院へ行っております間にどういうお答えをしたかちょっとわかりませんが、完璧にするのには二、三年かかると思います。しかしながら、いまお話しのあった京成にいたしましても、それから東関東にしましても、それから京葉にいたしましても、皆それぞれ整備されてきておりますし、湾岸道路がこれが大体本年度内に東京-千葉間が供用開始されるということのようでございますので、まあ一時期はいささかのふくそうがあろうかと思いますが、にっちもさっちもいかなくなるというようなことではないというふうにわれわれ見通しを立てております。
  43. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 かなり大臣は楽観的な見通しを立てておられるようですけども、国際空港が開港するということになると、外国からの飛行機が陸続として飛んでくるわけですから、そのお客の数は相当なものになる。ところが、京葉道路というものの現状は大変行き詰まっておるということでもありますし、しかも鉄道の方も、一時間以上の在来線を使って輸送力も必ずしも十分とは思われないわけです。  そこで、それらのことを見通しの問題についていろいろやっておってもしようがありませんが、大臣に伺いたいのは、輸送需要に応ずるような体制というものは、空のことであれ、海のことであれ、陸のことであれ、いずれにしても輸送需要に対応できるということは急がなきゃならぬと思うんです。パンクしてしまうという状態をみすみす黙って見ているわけにいかぬだろうと思うんです。  だから新幹線にしても、東海道新幹線はもはやこれでぎりぎりいっぱいだということであれば、東海道に第二東海道新幹線というものを東京-大阪間というものは設置しなきゃならぬという問題が出てくるんじゃないかと思うんですね。そういうことは、たとえば北海道新幹線なんかよりも――よりもと言うと北海道の人に怒られるかもしれないけれども、北海道新幹線なんかよりもこれは優先すべき緊急の課題になってくると思うんですね。ところが、北海道新幹線の方は悠長に工事を進めておるが、それらの東海道の第二新幹線といったような問題について果たして構想があるのかないのか。成田新幹線に至っては海の物とも山の物ともわからぬと、こういう状態ですね。こういう状態で果たしていいのかどうかという、こういう疑問が出てくるんですが、その点はどのように解決をされますか。
  44. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 成田新幹線の問題は、これはなかなか地域住民との問題で頭の痛いところでございます。いまお話しのございました東京-大阪間の第二新幹線ということでございますが、もうこれは中央新幹線がすでに基本計画を決定しております。これはいずれにいたしましても急がなければならないかと存じます。しかし、財政事情とか経済事情とかという問題もございますのでいま直ちに着工するということはちょっと不可能かと存じますが、三全総との関連も考えて、それから、第一、国鉄がこういう再建計画を立てておる時期でございますので、国鉄の財政事情等も横にらみをしながら、しかしながら可能な限り急がなきゃならぬと、このように考えております。すでに御承知と思いますが、中央新幹線は甲府市付近、それから名古屋市付近、それから奈良付近を経由して行くということのようでございますが、まあ運輸大臣としてはこれは大いに急ぎたいところでございますけれども、何さま私の地元を通る新幹線でございますので、ちょっとそこいらが頭の痛いところもございまして、余り私が発言することをいままで遠慮しておったわけでございますが、御趣旨のほどは私も十分承知をしておりますので、瀬谷さんの御意向を体して努力をいたしたいと思っております。
  45. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 別に私は中央新幹線を急げと言うわけじゃございませんけれども、私の地元には全然縁もゆかりもないですからね。しかし、私が言いたいことは、輸送需要に対応する体制はとれということなんですよ。在来線であっても、新幹線――まあこれから先のことを考えますと北海道はやはり新幹線ができたって、北海道新幹線が青函トンネルをくぐってみたところで飛行機にかなわないですよ、これはどうがんばっても。そうすると、北海道の輸送というのはもうこれからは飛行機になってくるんじゃないかと、こういう気がする、長距離は。たとえばソビエトへ議員団が行くといったって今日は飛行機を使いますよ、船で行くなんてことはしませんわね。こういうふうになってくると、長距離はどうしたってこれは飛行機になってくる。そうすると、国鉄の場合はそんな長距離のお客を目的として飛行機と張り合うなんということを考えること自体が私は間違いだと思う。  それから貨物の輸送だって、品物によってはこれはトラックに移行する、船に移行すると、これはやむを得ないと思うんです。だから、この一つの流れをせきとめようという考え方は私は無理だろうと思う。飛行機に譲るべき分野は飛行機に譲る。しかし、国鉄が果たすべき役割りは、もう輸送需要にこたえられないということではいかぬと思うんです。その輸送需要にこたえられるように整備をするというのは、これは利用者の一番希望していることではないかというふうに考えられますので、それらの輸送需要にこたえられるように、方向を誤たないということを私は希望したいわけです。  以上で私の質問を終わります。
  46. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分から再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      ―――――・―――――    午後二時三十六分開会
  47. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 運輸委員会を再開いたします。  運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を続行いたします。
  48. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それでは、大臣の所信に対して一、二お伺いしたいと思うんですけれども、特に国鉄と航空問題について、きょうは二点にしぼってお伺いしたいと思います。  先ほど、航空の問題、瀬谷委員からもいろいろ論議されておりましたので、先に航空の問題から始めたいと思います。  成田の早期開港の問題については、大臣からの瀬谷委員に対する答弁で、年内開港である、こういう見通しを述べられたわけであります。あるいはまた、千葉県のいろいろな要望事項等も解決ができるという見通しのもとにいろいろな話をされたわけでありますけれども、私は、この問題についてはいささか疑問を持っているわけです。しかし、きょうはこの問題に触れておりますと時間がありませんので、実は大臣が主張のとおりに、本年じゅうに開港できると、こういう想定のもとに、これから残されている航空行政の数多くの問題が私はあると思うんですね。その問題について、特に航空権益の問題についていろいろ私は伺いたいと思うんです。  成田国際空港ができるまでということで、いろいろペンディングになっている問題が数多く実はあると思うんです。特に外国からの乗り入れの問題、あるいは増便の問題、あるいは大型機の導入の問題、こういう点についての外国からのいろいろなプレッシャーがかかっていると私は思うんですね。こういう問題等について、特に航空行政として、海外からどのような要請がきているのか。あるいはこの四年間、四十八年四月に開港すると、こういうように考えられておったのが五十二年末になるのか、あるいは五十三年の三月になるのか、この期日についてはわからぬけれども、実際にこういう開港になった場合に、数々の想定されるいろいろな問題点についてはどういうふうに考えているのか、この点についてまず伺いたいと思います。
  49. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。  国際的な問題と国内的な問題と、両方に分けてお話しいたしたいと思います。  まず、国際的な問題でございますが、現在三十二カ国から新しく航空協定を締結して日本に入りたいというお申し出がございます。しかしながら、羽田のこの状況ではとても協定に応ずることができませんのでお断りをしているわけでございますが、これらが成田の開港とともに問題が顕在化してまいります。また、現在乗り入れている外国の航空会社からも増便の要求、あるいは特にアメリカを中心といたしましてチャーターフライトなどの要求が来ておりますけれども、これらはいずれも羽田の状況でお断りをしているわけでありますが、このことが成田の開港とともに問題になってまいるわけでございます。  まず、新しく航空協定を締結したいと言ってくる国の問題でございますが、三十二カ国ございましても、恐らくこのうちのかなりの国々は、いわゆる極東の航空市場というものに着目いたしまして、乗り入れを希望している国が多いと思います。逆に申しますと、日本の方の側から必ずしも行く希望がなくて、一方的にこちらへ出かせぎと言っては言葉が過ぎますけれども、極東をポイントとした航空市場で活躍をしたいと、そういった希望の国がかなりたくさんあると思うんでございますが、そうなりますと、航空協定は原則としてギブ・アンド・テークでございますから、日本の航空が乗り入れる希望がない、また乗り入れる必要がないような国と協定を結んで相互乗り入れをするということは適当ではないというふうな観点もございますので、これにつきましては、申し出のございます両国間の政治、経済、文化等の各種の交流関係の現状、それから将来の見込み、それに伴ってどういう輸送需要があるのかというふうなことですね、それらを十分総合的に勘案いたしまして、逐次解決をいたしていきたいと、こう思っております。したがいまして、開港になりましても、一遍に三十二の国と協定をしてということではなくて、ただいま申し上げましたような観点から見て、優先順位の高いものから逐次協定を結んでいくことになろうかと思います。  それから増便の問題でございますが、これにつきましては、アメリカ以外の国につきましては増便もすべて協定事項になっておりますので、成田が開港するとなれば、当然日本への増便の交渉をいたしまして、適切な線で手を打って、お互いに増便し合うということになると思います。問題はアメリカでございますが、アメリカとの関係では先生方も御承知のように、いわゆる便数関係の協定をする仕組みがございませんので、かなりアメリカが一方的に乗り入れを希望してくるおそれがございます。ましてチャーターフライトなど、従来羽田の事情で断っておりましたものを、相当数乗り入れることを希望してくることがあると思います。これに対しましては、後ほどあるいは先生お尋ねあるかもしれませんけれども、ただいまやっております日米航空交渉の問題といたしまして、この点は何とかルールをつくりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても非常に強い需要がございますので、これらを処理する問題が出てくるわけでございます。以上が国際関係でございます。  それから国内線の問題でございますが、現在羽田のあの混雑の状況では、国内線も非常に苦しくなっておりまして、新しく便数をふやすことができないわけでございます。幸い大阪空港への大型機導入の問題が地元と話がつきますれば、その関係で羽田の便数を若干減らすことができます。けれども、これはもう焼け石に水でございます。そういたしますと、成田が開港になりまして、羽田の枠がかなり余ってくるということが大変好材料になるわけでございます。現在羽田空港は一日四百六十回という離着陸の回数制限をいたしております。これは管制上の安全限界から考えて四百六十回という制限をいたしておりますけれども、そのうち国際線の航空機が使っていますのが約百五十回でございます。そういたしますと、百五十回のものが成田へ行ってしまえば百五十回分だけ羽田にゆとりができるわけでございます。  で、これをどういうふうにして今後の羽田を中心とする国内線に割り振っていくかという問題があるわけでございますけれども、私考えまするのに、成田は国際空港でございますから、今後国内需要がふえても成田は当然使えません。そういたしますと、今後国内航空輸送需要がふえてくる場合に、それを賄うのは羽田しかないわけでございます。これも後ほど問題になるかもしれません羽田空港の沖合い移転の問題とも関連ございますけれども、なかなかこれは私どもが当初考えておりましたようなぐあいに、拡張移転ということが相当むずかしいような情勢であります。仮に拡張するとしましても、若干の能力拡張にしかすぎず、まずまず現在の羽田の能力に幾らか上積みが乗っかった程度というところが限界であるかと、こう思います。そういうふうな観点で考えますと、百五十回ぐらいあきますその余裕を直ちに割り振ってしまうことも問題でございますし、このことは相当長い間かけて四百六十回の限界まで使っていくという段階的、漸進的な措置が要ると思います。  いろいろと新聞紙上あるいは経済雑誌等を見ますと、この成田移転後の羽田の枠をねらって航空三社がひしめき合ってるというふうなことも出ております。恐らく各社といたしましては、この際そういった希望を持ってると思いますけれども、私どもといたしましては、そういったことを直ちに満杯になるようなことはとてもできない、やはり羽田の発着能力を長い間食い延ばしていくというようなことにしなければならないと思います。そうなりますと、おのずからどういった路線に対して重点的に割り振っていくかというふうなこともございますけれども、何としましてもいま一番羽田の関係で御不自由かけておりますのは、羽田から直接ローカル空港に行くいわゆるビームラインでございます。一日一本か二本しか便がない、お客さんがたくさんいるのに便が一便か二便しかないために、もうほとんど切符が買えないという状態のところがたくさんございます。こういったものをもう少し合理的な水準まで増強するというところがまず先であろうというふうに考えまして、幹線等につきましては、こういったビームラインによるローカル空港との間の運航回数が需要に見合ってふえた後で余裕があれば幹線を考えるというふうなことが私は合理的ではないかというふうに考えているわけでございます。
  50. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、まあ先の国際的な問題の方は、三十二国からこれ申し入れがあると。この問題についてはあれですか、日本航空の採算路線と見合って航空協定を結んでいくと、こういう形になるわけですか。
  51. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 日本航空の採算の問題も一つの要素だと思いますけれども、やはり国際航空でございますので、採算以外にも両国間の政治、経済、文化の交流の観点を加味する必要があると思います。
  52. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それでね、これは国際的な問題だから、さっき日米協定の問題に航空局長触れられたんで、私も航空協定の問題で一、二、ちょっと聞いておきたいんです。  運輸大臣、日米首脳会談で、総理から航空協定の問題についての打診か、あるいはカーター大統領と話し合った問題については何か報告は受けているんですか。
  53. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 直接は受けておりません。
  54. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この日米航空協定の問題についていまやってるわけですね、この問題について運輸大臣としてはどういう考え方を持ってるんです。
  55. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) きわめて日米間の航空協定が不公平であるということは、これは非常に厳しく私自身も受けとめております。以遠権の問題、あるいは向こうの着陸地点の問題、それから秩序ある輸送規制の問題等、非常に不公平でございますから、これは何としても平等なものに改定をしなければならぬ。でありますので、現在航空協定の会合を向こうでやっておりますが、なかなか今度の会合で所期の目的を達することが困難な面もありましょうけれども、これは恐らく近い将来第三回もありましょうから、不退転の決意で臨みたいと、こう考えております。
  56. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 総理の報告の中では、カーター大統領にこの問題は話をしたと。それは日本航空の朝田社長からの陳情を受けてやったのかもしれませんけれども、運輸省よりもむしろ日本航空の方が力が入ってるというような感じが日米航空協定に関してはあるわけですね。こういう点について、やはりいろんな話では、外務省と運輸省との間にこの航空協定に対する考え方が少し違いが出てるんじゃないかと、こういうふうにも言われているわけですね。この点についてはどうなんです。
  57. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。  まあ当然のことでございますが、日本航空は自分ところの商売のこともありますので一番ハッスルしております。私どもは政府でございますのでもう少し客観的態度がある。外務省は日米間というものは航空関係以外にもいろんな関係がございますのでさらに総合的であるというふうな意味で、スタンドポイントの違いから違う考え方が出てくることもございますけれども、この問題を、日米間の不平等を何とか解消したいという点につきましては、三者の間に何らそごはございませんし、外務省もこの問題につきましては非常に今回熱心にやってくれましたし、それから姿勢もかなり強い姿勢で臨んでくれるようになってきておりますので、両省間にこの問題についての食い違いとか、あるいは感じの違いがあることは私は感じておりません。
  58. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 外務省はなるべくこの問題は手荒なことをしないでもらいたいというようなこと。あるいは運輸省の要求をもう少ししぼってもらいたいというような意見があるという、こういう意見は調整は仕合っているのですか。
  59. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 当然私どもは、かなり勇ましく物を申しまして、外務省は総合的な立場からまあまあというふうな過程もございましたけれども、最終的には私どもも満足できる線まで両者が合意ができまして、いまその合意のもとに非常に強い姿勢で交渉をしておるところでございます。
  60. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 その合意した問題というのは何ですか。
  61. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 今回の交渉の性格でございますが、昨年の秋に第一回交渉をやりまして、今回第二回目でございます。沖繩返還後、五年を過ぎた時点までに新しいものをつくろうということでやっておるわけでありますけれども、昨年の秋にやりましたときの状況等から判断いたしまして、恐らくこの交渉は少なくとも三回――次回は五月か六月にやる予定になると思いますけれども、次回ぐらいまでかからないと、非常に大きな問題でありますので片がつかないかもしれない。そういった場合には、今回の交渉では、たとえば日本航空の商売の点から見たらプラスになるかもしれない幾つかの地点、あるいは以遠権などをもらって簡単に手を打っちゃうというふうなことではなくて、やはり基本的に日米間の不平等、それを打破すべきではないか。また、その打破すべき糸口をつくるべきではないかという点を中心に今度やっているわけでございます。  この日米間の不均衡のいわれはどこからくるかと申しますと、これはもう先生方もかねて御案内のようなことでございますが、いわゆる輸送力に関する協定の問題でございまして、日本は他の国々との間の航空協定では全部事前に便数の協定までやりまして相互乗り入れておりますけれども、アメリカとの関係では便数の協定がございません。これは御承知のようにアメリカは、イギリスと戦争直後やりましたバーミューダ協定と称せられる英米協定をひな形にしまして各国と結びました。このバーミューダ協定は相互の航空企業の自由にして公正な競争というところを基本にしておりますので、政府が便数調整という介入をしないという原則でございます。そういたしますと、アメリカのように航空企業として強い国の企業がかなり有利であり、日本のように後発的な企業はかなり不利であるという状況がございまして、現在でもこの状況がなかなか解消できないわけでございます。  そこで今回の交渉では、この輸送力のいわゆる事後審査主義と言われておりますもの、つまりアメリカが日本に増便要求してきた場合に、その前にこれを審査することができないので、増便をしてしまった後で一定の期間後に、余りにもはなはだしい不平等ができたときにはこちらから申し入れて協議をする。こういうたてまえを何とか崩そうではないかということを基本に交渉をすることにいたしております。交渉の経緯ではなかなかその問題について向こうは手ごわいということを聞いておりますが、なお今週の末までその問題を中心にしながら、他の問題等一般について議論するということになっておりまして、その点については外務省も私どもも同じ考え方で進んでいるわけでございます。
  62. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この航空協定の問題については、改定は五月、六月ですか。
  63. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 五月です。
  64. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 五月ですね。これは非常にいいチャンスですね。したがって、私この間日米議員懇談会がありまして、アメリカの実は上院、下院議員と懇談のときにもこの問題出していろいろ聞いてみたのです。非常にアメリカの議員はこの問題に対しては強い抵抗を持っているわけですね。これは。実感として私も感ずるわけです。したがって、外務省あるいは運輸省のいまの交渉で、果たしてこの問題がうまくいくかどうかということは、私も非常に実は疑問を持っているわけです。まあこれは運輸省だけの、一つの航空局なら航空局――これは言っちゃ失礼な話ですけれどもね、航空局だけでこの問題を片づけようとしているようなきらいが私はあるんじゃないかと思うのですね。もっと運輸大臣、やはりこれは外務大臣なり、あるいは内閣でもっとこの問題について真剣に取り組まないと、このチャンスで私はこの航空協定の改定はできないんじゃないかという感じを受けるわけですね。したがって、運輸大臣として、この協定交渉が破棄されてもやるというぐらいの強い決意でこの航空交渉に臨まなければならないじゃないか、こういう感じを受けるわけですけどね。この点について運輸大臣の決意どうですか。
  65. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 実は先般、現在やっております第二回に山地君を出しますときに、航空局長に私は言ったんです。今度の第二回でもしうまくいかなかったならば、第三回のときは場合によったら私が行くと、こういうことを航空局長に言いました。航空局長も、もし場合によったらお越しいただかなきゃならぬかもしれませんねと、こういうことでありました。実は私は、日米航空交渉に関しては非常なタカ派なんです。とにかく。日米のパートナーシップをよき姿でキープするんならば、不公正が、不公平があっちゃいかぬというのが私の考えでもありますし、古い昔の航空協定を、時代の変遷というものを無視して残しておくことはないという考え方でございますので、いま言ったような決意も持っておると、こういうことでございます。
  66. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この協定は余りにも不公平である、不公正であるということはだれしもわかる問題であるし、これがかえって日本の友好関係を損なうという私も大臣の見解と同じなんですよ。したがって、こういう問題は早く是正をすべきではないか、こういう点をまた強く要望しておきたいと思います。  それで、成田空港の問題でありますけれども、国内的に成田空港に約百五十便ですか、これが移動しますと、発着枠がそれだけあくわけですね。航空局長の先ほどの答弁では、段階的に三者に認めていく。特にビームラインの、ここで幹線には余り許可しない、こういうふうな考え方に立っているようでありますけれども、大体たとえば年内に開港できるというこういう見通しであれば、もうそろそろこの問題についての基本的な運輸省の考え方は固まっているんじゃないですか、どうですか。
  67. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) まだその点については検討を始めておりません。私どもは、開港するや直ちにこれを増便する必要があるかどうかということもございますけれども、いずれにいたしましてもことしの夏ぐらいから検討を始めることになるだろうと思います。
  68. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは、後の羽田空港の建設の問題と騒音の問題にも絡んでくるんですけれども、現にことしじゅうは、たとえばことし末に開港になるとして、増便はしない方向で、必要に迫られたところから増便していくと、こういうふうな考え方に基本的には立っているんですか。
  69. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) そのとおりでございます。
  70. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは、いろんなうわさが実は飛び交っている問題です。先ほどくしくも局長が言ったように、やはり成田空港に伴っての三者の入り乱れたいろんな競争が、現にまた第二のロッキード事件みたいな形になっては、これは大変な私は問題になると思うのです。したがってこういう問題は、やはり航空行政が国民の側に立った――いままでのどこか航空行政というと、航空会社を育成するための航空行政みたいな形になってきたわけですよ。それが現にロッキード事件を生み出したわけですね。こういう点は、やはりよく考えてもらわなきゃならない。また増便をうんと許可していくと、やはり航空料金の値上げにつながってくるわけですね。当分は赤字を出して路線をうんとつくっていく、そしてその航空会社の赤字を穴埋めするためにまた料金を値上げさせるというイタチごっこを絶えずいままでやってきたわけですよ。弱い航空会社を基準にして航空料金を値上げすると、こういう形になってくるので、やはりこの発着枠の問題については、だれが見ても公平な立場で航空の枠が割り当てられるような姿、あるいはこれを契機にしていままでの路線を見直すという、こういうような考え方はないんですか。
  71. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 羽田の発着枠の処理につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございます。私どもは、やはり需要優先といいますか、利用者の方、社会の方の声に耳を傾けて優先順位を決めていきたいと、その決める考え方やそのプロセスは全部オープンにしてやっていきたいと、こういうふうに思っております。  それからお尋ねの、そのことに関連して、国内の航空企業の体制をもう一遍考え直すかという問題でございますけれども、私は四十七年の七月一日に決められました現在の体制、すなわち幹線を日本航空が運航し、ローカル線を全日空、TDA――TDAは東亜国内航空――二社で運航するというこの基本線をいま直ちに変える必要を認めておりません。ただ、これは人間の決めたものでございますから、いつまでもこれを不変で墨守するという必要はないわけでありますけれども、いつになったら、どうなったら、どうなったら変えるかということにつきましては、いま先生くしくもお示しのように、私は国が、行政がこう考えるとか、あるいは航空企業がこうやってくれと言っているとかということではなくて、社会の方の側の要請がどうなっているか、どうなってくるかということに関連して、それをベースにしながら物を考えるべきであるというふうに思っております。私は、そういったことから考えますといま直ちに、少なくともここ二、三年のうちにそういった別の体制の問題を議論することはあり得ないだろうというふうに考えております。
  72. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 それから、新しい問題としまして、やっぱり成田空港を起点とする幹線はつくる考え方はないのかどうかですね。たとえば羽田-成田間、あるいは札幌-成田間、福岡-成田間、こういう路線は当分は敷かないと、こういう考え方ですか、国際線だけですから。
  73. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) これは国際線を成田で発着するわけでございますが、成田から羽田に来て、そこから大阪とか福岡とか札幌とかに行くということは、国際線の利用者から見るとかなり手間暇のかかることになります。そこで、国際線の旅客の国内路線への取り次ぎ輸送といいますか、二次輸送といいますか、そういったものといたしまして、やはりこの相手の町との間の輸送需要の太さを基準にいたしまして、それに見合った路線を設定した方がいいと思っております。いかなる会社にやらせるのか、これは全く白紙でございますので、このことは成田の関港までに結論を出さなきゃならない問題だと思っております。
  74. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、羽田-成田、この幹線は考えるということですね。もう一度ちょっと。
  75. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) これは、従来私どもの航空政策の中で言っておりますいわゆる幹線ではなくって、国際線の二次輸送という意味で考えなけりゃならないと思っております。
  76. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まあ、これは白紙だという航空局長の話ですけれども、たとえば成田-羽田間ですね、この路線については何か考えているんですか。
  77. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) この点はまだ運輸省の中で議論を詰めたわけじゃございません。かなり私の考え方が入っておるわけでございますけれども、かつて日本近距離航空という会社をつくりましたときに、近距離航空の将来営業すべき路線の一つとして例に挙げられました成田-羽田間というふうなものがあったそうでございまして、そういったことを理由にして近距離航空が成田-羽田間をやるのかというふうなお問い合わせもあるわけでございます。私は今日の時点で、私の責任で考えますときに、私は否定的でございます。成田-羽田間なるほどアクセスにいろいろ問題がございまして、確かに時間がかかることは否定いたしませんけれども、これを航空機で結ぶことはどうなんだろうかという疑問を持っております。  やはりアクセスは鉄道あるいは自動車という、それを便利にすべきでありまして、航空機で結ぶということは考えるべきじゃないのじゃないかと、その理由は、どこの国でも六十キロやそこらのアクセスに航空機を使っているところはないと思いますし、それから現在の航空路との関係から、羽田に出入りする飛行機と直角に交わってストレートに入ることは危うございますので、成田から一たん沖へ出まして、大島上空に行って帰ってきたんでは何にもならないわけです、時間的にも。それから、恐らくこれは羽田空港周辺の大田区民その他の気持ちから考えますと、やっと国際線が成田へ行ってほっとした、またぞろ成田-羽田間の飛行機が発着するというのでは恐らく騒音問題等からいって受け入れにくい問題じゃないだろうかということを考えますと、私は国賓とか、あるいは急病人とか、そういった方をヘリコプターで運ぶということはあり得ましても、通常の商業便といたしまして成田-羽田間の飛行路線をつくることは私は消極的でございます。
  78. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 よくわかりました。これは成田-羽田間の商業路線をつくるみたいなやり方は四十七年のにうたわれているのですが、これを蒸し返すようなやり方でやられては、私は東京に住む一人として羽田空港周辺の騒音問題がやっと成田空港で少しは片づくかと思ったら、またそういう路線を敷かれるとなれば、これは大変な問題に私またなってくると思うのですね。また路線上からいってもこれはそれほど効果のある問題ではないと私は思うのです。航空局長の、まだ正式に運輸省として決まった問題ではないと思いますけれども、この問題については十分に検討してもらいたいと思います。  それからもう一点、これは運輸大臣に聞いた方がいいかもわかりませんが、成田空港の上空の問題ですね、防衛庁と運輸省の間で航空路、また防衛庁の訓練空域の問題で何か五年間ぐらいもめ続けていると、こういうふうな話を聞いているわけですね。まあ雫石事件の問題があって、防衛庁は運輸省に面当しているのだという意見も一部あるのですけれども、ことし中にたとえば開港となれば、この問題は早く解決しなければならない、避けて通れない問題だと思うのですね、この問題どうですか。
  79. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 御指摘のとおりでございまして、大分長い間時間がかかっておりますので、これは成田の開港までに何とか防衛庁と話をつけなければいけないと思います。話のつけ方はいろいろあると思いますけれども、両者の合意ができるように、いま折衝をやっている最中でございます。
  80. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは運輸大臣、どういう考え方に立っているのか、ここらの問題、防衛庁は相当な圧力というか、運輸省が納得できないような線を相当要求しているわけですね。こういう点にしますと、民間航空の安全という問題から考えた場合に、こういう問題は防衛庁が強く言い張っている、この点はやはり考え直させなきゃいけないと思うのですね。これは大臣折衝でひとつこの問題を明確にすべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  81. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 防衛庁の訓練ということも、それは非常に大切な問題でございましょうけれども、私は何といっても民間航空機に乗っておる大量の人々、たくさんの人々の生命の安全の方が優先するものだと思います。でありますから、私はよく航空局長にも言っておるのですが、防衛庁と足して二で割るようなことはするなよと言っておるのです。あくまでも安全第一で話し合わなければいかぬ、こういうことを指示しておるのでありますが、防衛庁も最終的にがんばり通すとは思いませんけれども、非常に話し合いが困難な場合は大臣折衝ということは当然あるべしと思います。
  82. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これはまあ羽田の管制の問題とか、成田の管制の問題とか、こういう問題で早く手をつけておかなければならない問題ではないかと思うのですね。たとえば年内開港と決まれば大変な問題だと思うんです。こういう点の、航空行政が後手後手を踏んでいるような状態ではね、やはり空の安全という問題から考えた場合に非常に私は憂慮するわけです。この問題については、ひとつどうか真剣に取り組んでもらいたいと思います。  それからもう一つ、羽田の問題で伺っておきたいんですけれども、三月八日に運輸大臣と美濃部都知事との間で新空港の問題についてのいろんな話し合いが行われたと思うんです。この問題についてはどういうふうに大臣は了解しているんですか。
  83. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 三月八日に美濃部さんが私の部屋へ来られました。非常に友好裏にいろいろと話し合いをいたしました。そのときに美濃部さんから出ました話題の主たるものは羽田の沖合い移転の問題、調布の飛行場の返還の問題、それからいま一つは都営の乗り物の運賃の問題、そういうものが出ました。  で、羽田空港の沖合い移転につきましては、基本的に私は了承をいたしました。美濃部さんから実はあそこを大田区民のために意義ある広場にしたい。広場と言ったかどうかあれですが、そういう意味のこと。ついては、いまの空港を沖合いに転換してくれないか。そうして、でき得べくんば国と都と地元の三者の協議の場を持つようにしたいと思うがいかがであろうかということでございました。私は、結構でございましょう、私も賛成いたしましょうと、こう言って実は賛成をいたしました。だからといって、大きな問題でございますから、特に運輸省も東京都もそれぞれ誇りを持った役人がたくさんおることでございますから、美濃部さんと私との話し合いでは、そういう大臣と知事の合意に基づいてこれから事務方でいろいろと詰めましょうと、こういうふうにいたしました。恐らくもうぼつぼつ話し合いが始まっておるんじゃないかと思いますが、まだ報告は受けておりませんけれども、そういうことでございます。
  84. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 事務当局で結構なんですが航空局長、この羽田空港の問題、四十七年ごろには何かいまの空港の五倍ぐらいにするというような話を東京都に申し入れた経緯があるんですか、これはどうですか。
  85. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 過去の経緯でございますが、四十七年の二月に、当時の航空局長内村氏が東京都の副知事に対して羽田を埋め立てて空港を広げたいということを非公式に打診をしたという経緯がございます。その後大田区側が運輸大臣に、これは五十年になってからでございますが要望書が出てまいりまして、現空港は同一面積で沖合いに移転してくれ、移転した跡は森林公園にしろと、あるいは羽田は国内線だけとして増便はするなというふうな各種の要望書があったと聞いているわけでございますが、私どもは羽田の飛行場が現在非常に住宅地に近いもんですから沖合いに移転をすると、移転をするときには、かなり先の方までの東京を中心とする航空輸送需要を考えてできれば大きなものをつくりたいと、特に海上空港でございますから、地上に与える騒音公害等の影響もなくすることができますので非常にいい案ではないかということで、五倍とは思いませんけれども、恐らく少なくともいまの羽田空港の倍というふうなものを図面を引いたことはあるわけでございます。  ただ、これに対しましては、地元として非常に反対が強いこと、あるいは余り大拡張いたしますと、東京湾を通っております航路との関係も出てまいりまして、運輸省の中でもいろいろ問題が大きくなるというふうなこともございますので、遠い将来は別といたしまして、当面議論をされております沖合い移転の話し合いの中では、先ほど申し上げましたように、そう二倍にもするようなことは考えられないと思うのでありますが、私どもできるだけ、羽田のいまの空港は非常に狭うございますし、狭いための事故等が起こることも心配されますので若干広く、ゆとりのある運営をするような敷地がほしい、こういう希望を持っておりますが、いずれにいたしましても、先ほど大臣がお話し申し上げましたような三者、つまり東京都、国、それから大田区と、三者の話し合いの中で、これをお互いに忌憚なく意見を交換し合って、合理的な妥結をするという方向で考えていきたいと思っております。
  86. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、原則的には現在の空港は使わないと、そして沖合いにつくると、こういう考え方のもとに三者で協議をしていくと、そういう過程ですね、それが一点ですね。  それから、具体的にはどういうふうなプロセスでやっていくんですか。もうことしは予算がついているわけじゃないですね、調査費や何か去年からついているわけですね。それを含めた問題等について、運輸省の空港建設への順序ですね、その考え方についてちょっとお願いしたいと思います。
  87. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) まず何よりも、東京都と私どもと大田区との三者の会合を進めることが先決でございまして、そこで基本的方針を決めた上で進んでいくわけでございますけれども、私どもは、従来調査費を四十六年ごろからつけておりまして、現在までに合計七千万円ほど調査費をつけましていろいろの調査をいたしました。もちろんこの中には大拡張の調査も入っておりますので、それはもう、あるいは使い物にならないかもしれませんが、これからは、工事をするとする場合の地質の調査とか海面の地質の調査、あるいは一番大事な環境アセスメント――沖合いに空港かできることがあすこの地域にどういうふうな影響を及ぼすかという環境アセスメントを中心にやっていくことになると思うのでございます。  御承知のように、現在羽田空港の沖合いに東京都が産業廃棄物を捨てるための埋め立て工事をやっております。産業廃棄物を捨てる場所と埋め立てと、一挙両得の工事をしているわけでございますが、現在、干潮のときにはかなりもう地面みたいに見えるほど進んでおるわけでございますけれども、さしあたりはあの区域四百六十ヘクタールほどありまして、現在の羽田空港四百ヘクタールより二割近く広いわけでございますが、恐らく実務的には、現在埋め立てが決まっておりますあの地域を当面の議題として、あれをどう使うかということが議論の中心になるんじゃないかと思います。
  88. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 航空ばかり聞いているわけにいかないのですけれども、新羽田空港ができますと、いまの大田あるいは品川区民が悩んでいる騒音の問題というのは相当解決できるわけですね。しかし、騒音の設備をいろいろ地域を指定してやっているわけですね。その見通しと、それから新空港ができるまでの過程とはどういうようにかみ合わして運輸省として考えているのかですね、この点について。
  89. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) 私ども現在、大阪、東京、福岡、その他の主要な空港におきまして周辺対策を進めているわけでございますが、これは物差しがございまして、環境庁が告示いたしました空港周辺の環境基準がございます。昭和五十八年が最終目標でございまして、五十三年に中間目標がございます。この目標を達成すべく各空港で対策をやっておりますが、羽田につきましてもその目標、つまり五十三年、五十八年ということを目標にやっております。恐らく、沖合いに空港をつくるといたしましても五十八年には完成しないだろうと思いますので、とすれば、現在のままで羽田は使わざるを得ませんので、五十八年の環境庁の基準が完全にクリアできるように、これから、従来もやっておりますけれども、引き続き防音工事あるいはその他の周辺対策は進めなきゃいけないと思っております。
  90. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 運輸大臣、航空料金の値上げはことしはやらないと、こういうふうに理解してよろしいですね。それが一点。  それからもう一つ、これは突然の航空局への質問ですけどね、昨晩のテレビで、下地島のジェットパイロットの問題を九時のニュースでやってましたよ。私も見ました。あの話を聞きますと、率直に言って、経緯をこれから私も具体的に調べてみたいと思うけれども、二百億ですか、沖繩県が投じているわけですよ。当初は航空三社がジェットパイロットの訓練場で使うといったこの問題が、いまは後ずさりをしていると、五十四年の開港になっている予定が、航空会社がずいぶん逃げているというような感じがあるというきのうの報道ですね。これは沖繩県にとっては私は非常に大きな問題だろうし、当初の航空局としての計画も、そういう点で県との話し合いがどういうふうないきさつになっておったのか、あるいは今後そういう問題がせっかくジェッとパイロットのああいう飛行場ができても、訓練場ができても、実際使わないような形になってしまったらこれは何にもならないし、沖繩県の財政負担というのは大変な問題になると思うんですね。この点についての考え方、この二点を伺って、この航空の問題は終わりたいと思います。
  91. 高橋寿夫

    ○政府委員(高橋寿夫君) それでは第二の御質問の方を先にお答え申し上げます。  下地島の訓練飛行場の問題は、沖繩の返還の二、三年前だと思いましたけれども、わが国に適当な大型ジェット機の訓練飛行場がない、何とか国内につくるべきだという意見が、航空企業と申しますか、航空操縦士と申しますか、そちらの方の側から非常に強く出てまいりました。一方また、沖繩復帰後の沖繩振興対策の一つとして、飛行場という公共投資をすることはいいことではないか、こういった二つの観点からあのプロジェクトが決まったわけでございます。そして、現在まで空港整備事業費から、これは五十三年度、来年度いっぱいに使うであろう四十億円という金も含めまして約百三十五億円のお金が投ぜられることになるわけでございます。このほかに財投から二十五億円ほど入りますから、大ざっぱに百六、七十億円のお金が投ぜられるわけでございまして、五十四年にはこれが供用開始されるわけでございます。  私どもは、この空港はわが国のジェットパイロットの訓練場がないからつくってほしいという要望に基づいて私どもも巨額の金を投じたわけでございますし、このお金は、大半が国の補助金でございますから、地元県には余り御負担をかけていませんけれども、県の方は別途それ以外の関連用地の買収等で相当負担をしていることも事実でございます。私どもとしては訓練飛行場を欲しいということに基づいてわれわれがやってきたのでありますので、このことは約束どおり訓練飛行場として使ってもらう必要があるわけでございます。ジェットパイロットの訓練をしなくて済むのなら仕方がありませんけれども、現に外国の飛行場でやっているわけでございますから、それぞれ都合がございましょうけれども、それについてはやはり初めの約束を守ってもらいたいということで強力に臨む必要があると思います。五十四年の供用開始までには、航空局の方の側で管制官の配置、その他の受け入れ体制の問題等を整備する問題もございますが、それらを含めまして、当初の目的どおり、ここがジェットパイロットの訓練飛行場として使えるように、これから鋭意対策を進めていきたいと思っております。
  92. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 航空料金の問題でございますが、実は申請がまだありませんから、ここで私が先走ったことを言うのはどうかと思いますけれども、従来、私自身の考え方は述べてきましたから、そういうことで申し上げたいと思います。航空会社の決算を見てみないとこれは何とも言えないと思います。何とも言えないと思いますけれども、巷間伝うるところでは決算はいいようですね。着陸料を仮に倍にいたしましても、それぐらいは吸収できるような状態ではなかろうかという感じなんです。そういうように好決算を出しておるときに航空料金を上げる理由が果たしてあるだろうか。だから私は、航空料金をいま値上げすることについてはいささかの抵抗を感じるという表現を実はいたしてまいった、こういうことであります。  よく言われることでありますが、勘ぐりと言えば勘ぐりかもしれませんけれども、国鉄の運賃値上げがもうだんだん頭打ちになってきたので航空運賃をいまのうちに上げておいた方がいいんじゃないか、あるいはそれを上げるようなことになるんじゃなかろうか、こういう憶測もございます。また意見もございます。これは違います。国鉄の運賃を基礎にして航空運賃をはじき出すべきではありません。私は、国鉄と航空というものはやはり厳しい商売がたきでもあろうかと思います。これは競争しなければいかぬことなんです。安易に国鉄の運賃を上げるために航空運賃を上げるんだと、そういう私は提言は取り入れることはいたさないつもりでございます。そういうような自分の考え方の上に立って今日まで物を申してきたと、こういうわけであります。
  93. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 航空局長、結構です。  それでは、国鉄の問題について一、二伺っておきたいと思いますけれども、先ほど瀬谷委員からも質問がありましたので重複は避けたいと思うのですけれども、この四月四日に出された経営改善計画に対する運輸大臣の見解はどうなんですか。
  94. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 四月四日の経営改善計画でございますが、高木さんの方で、こういうふうにいたすのでありますという経営改善の、言うなれば方向づけというものが出されたわけでありますが、この経営改善計画というのは、国鉄再建策の言うなれば概論と言うべきものであって、この計画の上に立ってこれらいろいろと具体的な方途を講じられるということでありますが、おおむね妥当と認めております。
  95. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは最近の概論ですね。これは国鉄側からの提案でありますけれども、しかしながら、国鉄再建のための三本柱の中の経営努力としての、国鉄は今回初めてこういう形で出してきたわけです。いろいろ従来も言われでいた問題でありますけれども、トータル的に経営改善計画として出してきたわけです。この論議については、私はまた別途の機会に国鉄側といろいろ論議をしたいと思っておりますけれども、いずれにしてもこういう形で出てきた。運輸省としてはこれは実際に国鉄の経営計画が果たして妥当であるかどうかというような問題についての判断を下して、いつからこれを実行させるような形をとるのかどうか。運輸省、どうですか。
  96. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) ただいま大臣からお話がございましたように、今回の改善計画というのは概論のようなものではないかと思います。一部昨年の暮れ、貨物につきましては再建計画といいますか、合理化計画を発表いたしておりますが、その他の面につきましてはまだペンディグの問題がかなりあるわけでございます。また、赤字のもう一つの大きな柱であります地方交通線につきましても、まだ最終的な答申をいただいてないということで問題が今後に持ち越されたわけでございます。  また、その他赤字要因はたくさんあるわけでございますが、そういう問題については今後具体的な計画がさらに国鉄の中でつくられる。その上でまた私どもの方に提出していただくということになると思います。そういう問題、いろいろな赤字の問題があるわけでございますが、その中には二、三年で解決する問題もあれば、さらに五年ぐらいかからなければ解決しないいろいろな問題があると思いますが、そういう期間を含めた実際の具体的な計画を今後さらに各論として出していただけるというように期待いたしているわけでございます。
  97. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 国鉄総裁ね、今回のこの経営改善計画の中には、もう運賃値上げは頭打ちであるという、こういう考え方を総裁は持っていらっしゃるんじゃないですか、どうですか。
  98. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 従来いささか運賃改定に頼るという気持ちが強過ぎたという傾向はあると思うのでございます。で、現実には飛行機との競争とか、自動車との競争とかということを考えますと、なかなかそう簡単にとてもコストとの関係があるからというだけの理由で改定をすることはむずかしいと、つまり競争関係にありますから、値上げといいますか、改定が行われましても今度は乗客、貨物がそれほど伸びないといいますか、むしろ減ってしまうということになる可能性があるわけでございまして、その辺の認識につきましては従来とやや違ったトーンで物を考えていきたいと思っております。  ただしかし、しからば運賃改定はもうあきらめたかというと、やはり年々物件費も人件費も一〇%前後日本経済全体として上がってまいるわけでございますので、仮に非常にむだな経費を支出しないでも済むように全体の組み立てを直しました後でも、なおかつある程度の経費の伸びは起こるわけでございますので、そこで、少なくともそのふえる分は運賃に織り込まさしていただくということをしませんと、せっかくある程度改善が進みましても、また後ろに戻るということになるわけでございますから、従来のように、いわば安易に改定に頼るということはしてはならぬという心構えではおりますが、そのことは直ちに全く改定はもうしないんだということではないということでございまして、その辺は今後の経済全体の動きを見ながら、競争しながらやっていける範囲においてはやっぱり上げさしていただくということをお願いしなければならないというふうに思っております。
  99. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 運輸大臣、この経営改善計画が出されたと、昨年の閣議了解ですか、五十四年に収支を単年度でとんとんにする、こういう形に二年延長したわけですね。経営改善計画がまだ明確じゃないわけですね、具体的にはまだ。それから、国の行財政事情、財政上の補助という問題がまだ明確になってないわけですよね。極端に言えば、ローカル線の問題にしても、あるいは新しい建設線に対してはどうするかというような問題についても、いろんな点がまだつけ加えられてないわけです。運賃だけが本年度一九%とはっきり出てきているわけですね。  これては国民が果たして――百歩譲って一九%値上げを認めたとしたって、これで五十四年に収支とんとんになるような考え方はわれわれ考えられないわけですよね。こういうもとでは幾ら、いま運賃法が提案されているけれども、こんなもの論議したってどうにもならない問題じゃないか。国鉄を、生首とらえてずっと順々順々に締めているような感じで先細りをやっているような、あるいは身売りをさしているような感じにとれるわけですね。こういう点はやはり国の財政上の問題、援助の問題、もう少し国民の前に明確にしないといけないんじゃないか、こういうふうに考えるわけですね。  したがって、これは国鉄当局、運輸省だけの問題じゃなしに、これこそ総理は本当に断を下さなきゃならない、国鉄をどうするかというような問題を。まだ一九%の値上げのことでこうだ、ああだしているだけではどうにもならない問題だと思うんです。昨年三七%の実質値上げしたけれども、実際の収入は二〇%しか入っていないと私聞いているわけです。あるいは、グリーンを値下げしようやと言っているわけでしょう。こういう中で、いまさらそういうことをまたやり続けるのかということをわれわれは感ずるわけですね。この問題について運輸大臣、どう考えますか。
  100. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 一九%の値上げというのは、五十四年度の収支均衡ということにウエートを置いたのではなしに、とりあえず人件費、物件費の値上がり分をこれで吸収しよう、こういうことで出したわけでございます。当初の計画はまた五〇%でございましたか、大幅な値上げでございました。しかし、国民に対する配慮、それから物価に対する配慮、そういうものも考えまして、特に総理が非常に物価面で強い意見を持っておられましたから、それじゃとりあえず人件費、物件費の値上がりだけを吸収しよう、こういうことで一九%という数字が出たわけでございます。  国有鉄道がこのような再建策を出してきたわけでございますが、先ほど申しましたように経営改善計画、今度四日に出てまいりましたのは、これは経営改善計画概論でございます。これをたたき台にして経営改善計画各論が出されてくるわけでございます。そして、この経営改善計画というものを踏まえて、運輸省はローカル線対策とかあるいは建設問題とか、いろいろな問題で助成というものをいかにあるべきか、こういうふうに考えていかなければなりません。この経営改善計画というのは、国鉄自身が経営努力でこのようにいたすのでございますということの基本をうたったわけでございますから、その点でひとつお受けとめをいただきたい。  これからわれわれは検討しなければなりませんが、まあ基本的には、国鉄が輸送機関として当然提供しなければならないサービスにかかわる経費、これは受益者負担ということになりましょうけれども、公共輸送機関としての国鉄が、国鉄の負担の限界を超える部分ということについては当然国がめんどうを見ていかなければならぬことでございます。そういうあり方をこの改善計画を踏まえてこれから運輸省が考える、こういうことでございますので、経営改善計画に国の助成等はうたってございませんのはそういう趣旨だというふうに御理解をいただきたいと思います。
  101. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 具体的な問題については、私また別な機会に論議する機会が数多くあると思いますけれども、一番大きな問題は、貨物の問題が経営改善計画の中にいろいろ盛られておりますけれども、地方ローカル線の問題で中間答申も出ておりますけれども、約二千四、五百億の赤字を本年度も生じていくわけですね。国の交付金と助成金とを合わせて約四百九十億ですか、四百七、八十億ですね。この程度ですね。いずれにしたって五十二年度も約二千億の赤字を生ずるわけです。そうしますと、まあ五十三年も恐らくこの中間答申、あるいは最終答申が出ても、地方でおのおの協議会をつくってどうするか、どう選ぶかということになりますと、これは一年や二年ではなかなか終わらないじゃないかと、こう私も予測するわけです。その間国鉄は動いているわけです。赤字を生ずるわけです。  それに加えて、私が昨年論議しました鉄建公団は、AB線をどんどんどんどんまだつくっているわけですよ。それでまた赤字を生じていくわけですね。これらの問題の方向性だけは明確にしなければならないのじゃないかと私は思うのですね。したがって、結論が一年かかるか、二年かかるか、私はここで細かく詰める時間もありませんからやりませんけれどもね。実際にその間に生じていく赤字についてはこれは政府が見ると、こういうふうに考えていいんですか。政府の責任の上において、このローカル線の生ずる赤字については国鉄が幾ら努力しても何にもならないのだから、これは政府が責任を持ってこの地方交通線の五十二年かあるいは五十三年に生ずる赤字はめんどうを見ていくのだと、あるいはまた新しい建設線から生じてくる赤字については見るのだと、こういう考え方なのかどうか、これを伺いたい。
  102. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 地方交通線問題につきましては、いま御指摘ございましたように中間答申は出ておりますが、まだ最終答申が出ていない。最終答申が出ましても、御指摘のようにすぐそれではいま出ております四つの案に移行できるかということになりますと若干時間がかかる問題ではないかと思います。で、一応本年度四百九十億の予算を出しているわけでございますが、これは暫定的な意味で、最終的な処理方針が決まってから必要な助成をしたいと考えているわけでございます。で、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、収支均衡おおむね五十四年ということにいたしているわけでございます。  これは前国会の委員会でも申し上げたと思うのですが、収支均衡までに生ずる赤字については助成だけではございませんが、経理上の問題、あるいは将来の運賃負担の問題等を考えあわせましてきれいに処理したい、昨年申し上げたのは、五十二年度の段階で処理したいということを申し上げたわけでございますけれども、今回五十四年に延びておりますので、五十四年度に収支均衡が達成されるという段階でいま御指摘のあったような赤字を含めまして対策を講じたいと考えておるわけでございます。いまこの段階で幾らそれでは金を出すかということは申し上げにくいわけでございますけれども、そういうような考え方で今回の再建要綱というものができておるわけでございます。
  103. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 国鉄の努力じゃなしに、政府がやっぱり手順がおくれたためにそれだけ赤字が生じてくるという場合も出てくるわけだし、その点の問題はいま鉄監局長が政府で見ると、こういうような考え方であれば私了解するんです。  それで、あと五十二年度の国鉄予算の中で新しく予算として認めたのは何ですか。
  104. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 今回の予算に当たりましては、できるだけ赤字原因の解消を図るためにはそれに見合った助成をした方がいいということで、従来総合助成というような総括的な助成をやっておったわけでございますけれども、今回は赤字要因を取り上げて助成しているという点に差があるわけでございます。  その具体的な問題としては、一つは自動車国鉄は自動車を運営いたしております。その自動車の運営によって生ずる赤字について助成をいたしております。考え方といたしましては、現在私の方の運輸省の自動車局で過疎バス対策を講じております。国鉄の自動車部門の中で運輸省がやっております過疎バス対策と同じようなものを取り上げまして、一応十億の助成をいたしたわけでございます。  それから大都市関係でございますが、大都市関係の工事費が非常に巨額になってきておりまして、将来こういうものの金利、あるいは償却というものが国鉄の経営の負担になるのではないかということで工事費につきまして三〇%の助成をやる。また、鉄建公団がつくっております武蔵野線であるとか、あるいは湖西線であるとか、大都市通勤に使われている路線がございます。こういうものについての公団の借料について助成をするということをいたしております。  またこれは昨年のこの委員会でもお約束したといいますか、附帯決議にもある問題でございますけれども、五十一年度に発生した赤字について手当てをするということで利子を補給をするというような措置も講じております。
  105. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 昨年度の審議の中で、参議院の附帯決議としてつけられた通勤、通学等も勘案して大都市交通の対策工事費が初めてつけられたということは、これは一歩前進の姿だと思うんですけれども、しかし、二百五億ぐらいではこれからの大都市交通の具体的な工事計画を推進していくとなると非常にむずかしい問題になってくるんじゃないかと思うんですね。国鉄としてこの大都市交通の計画はどういうぐあいに進んでいるのか、そのあらましを。
  106. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) ただいま工事中の大都市通勤線と申しておりますのは、東海道本線の東京-小田原間、それから総武本線の津田沼-千葉間、それから横浜線の小机-八王子間、常磐線の綾瀬-取手間、片町線の長尾-四条畷間、それから福知山線の塚口-宝塚間、こういうものについてただいま工事中でございます。これは国鉄としては、大都市の通勤対策につきましてはもう相当前からいろいろやっておりまして、東京都あるいは大阪等においても相当の通勤対策を進めておりまして、いま申し上げたのはただいま工事中のものでございます。
  107. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 鉄監局長、この三〇%というのは毎年ですか。それを増大さしていくという考え方ですか。
  108. 住田正二

    ○政府委員(住田正二君) 三〇%という率は当面変えるつもりはございませんけれども、来年度仮に工事費がふえれば、当然助成額もふえるということになると思います。
  109. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、現在国鉄が工事している大都市交通の工事は、これ資料いただいておりますので大体わかりますけれども、新たな工事計画について、これは今回の助成の対象にはなってないわけですね。いままでの進行中のものについてですね。しかし、どうしても東京を中心に三鷹-立川間とか、あるいは尾久-王子間、あるいは成田線の佐倉-成田間、あるいは大阪の外環状線あるいは福知山線の問題等が需要の問題では相当これは工事を早くやらなきゃならない問題だと思うんですね。こういう点についての国鉄の考え方はどういう考え方を持っておるんですか。
  110. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) いま先生たくさんの線名を挙げられましたので一口では申し上げられませんけれども、いま先生の挙げられたものについては、私の方は通勤対策という意味も含めまして、できるだけ近い機会にこの工事を計画を立てまして実施に移していきたいというふうに考えております。
  111. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 一例でね、私は三鷹-立川間の複々線の問題で一、二伺っておきたいのですけれども、これはまだ工事の申請は出していないわけですね、運輸省へ。
  112. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) まだ私の方で計画を練っている段階でございまして、大臣に認可申請はまだいたしておりません。
  113. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この工事の認可申請を国鉄はいつごろまでにやる予定に考えているわけですか、この大都市交通。
  114. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) ただいまの三鷹-立川間につきましては、私の方はもう数年前から実は計画を持っております。ただ私の方の計画を立てた場合に、一応地元の方々の御意向なりをいろいろお伺いしたところが、ぜひこの区間については、ほとんどこの沿線にある市から、高架化をあわせて行ってほしいという御要望が非常に強く出てまいりました。ただいま立川市を中心にいたしまして、各市が相寄りましてこの高架の問題についてどう進めていくかということを市側でいろいろ御検討いただいているというふうに伺っております。  私の方はその辺を含めまして市と十分御協議申し上げて、両方の合意ができますると私の方の計画が確定をいたすということでございます。この点は前から実はそういう話がございましたけれども、高架事業についてはやはり市側、あるいは道路側と申しますか、調査費をまずつけて、そして調査を正確にいたしませんと設計が固まらないということで、私どもが聞いておりますのは五十二年度に初めてこの四つの市が共同で調査費用を計上いたしまして、一部東京都からの調査費もございますようでございますけれども、それが決まりましたら恐らく私の方にまたその調査の依頼が来ると思います。そういうものを含めまして確定的な設計を決めていきたいというふうに考えておりますので、それが決まりますれば私の方の設計が決まるということでございます。
  115. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この問題地元の方も相当強い要請がこれから出てくると思うのですね。特に私は複々線をやるにしても二千億、三千億の予算だと思うのですね。こうなると一挙にできないわけですね。だから早く認可申請をして、たとえばいまの立川駅あるいは国立駅、国分寺駅、これはもう大変な、通勤のときにはもうホームから落ちるような状態なんですね。あるいは立川駅ではもう交差ができないような実態なんです。これは認可申請がおりないから、あるいは駅を改築する費用は国鉄はないから、こういうことで、実は地元民は非常に不満なんですよ。たとえば国分寺駅なんかは、今回の料金値上げで入場料金を、通過するだけで六十円払っているわけですよ。南北、中央線によって裁断されてしまっているわけですよ。入場券払って通路を通っている、国鉄の通路を通らしてもらっている、こういうふうな経路がある。地元民はいつこれができるかどうかというようなことを実は非常に考えているわけですね。しかし、これは認可申請がおりなければ、あるいは予算がないからということで、いつも地元の駅長さんは悩んでいるわけですね。  こういうところの通勤対策はやはり早く、総額的な問題よりも、駅を一つ一つ広く直していけば、それを合計すれば中央線の複々線の工事に一緒に絡ましていくことができるのではないかという考え方を私たちは持っているわけですね。そういう点で、やはりこういう問題の解決こそ早くやるべきじゃないか、こう考えるのですけれどもね、この点についてもう一回。
  116. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) いま先生の言われました立川駅の改良あるいは国分寺駅の改良、これは複々線化と直接には関係なしに、駅の混雑を少なくするとか、あるいはお客さんの便宜を図るという意味において、必ずしも複々線の問題と直結した問題ではございませんけれども、一応私の方は複々線の設計がほぼ固まりますと、それに合わした位置に駅を考えたり設計をしたりするのが一番よろしかろうというふうに考えておりますので、できるだけ早く複々線化の設計を固めまして、この点については必ずしもこれは一緒でなくても、設計さえ決まりましたら進められる問題だと思いますので、いまの御趣旨を踏まえて早目に検討したいというふうに考えております。
  117. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 もう余り時間がありませんので、あと新幹線の工事の問題と、上越線の事故の問題で一、二点伺っておきたいと思います。  最近新幹線がよくレールの取りかえをやっているわけですね。特に五十一年度が七回ですか。このレールの取りかえ等を含めて、この新幹線の保守はどういう形で行われているのか、この点について明らかにしておいてもらいたいと思うんです。
  118. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 東海道新幹線につきましては、在来線と保守の仕方が少し変わっておりまして、幸いなことに東海道新幹線は夜間比較的長い、四時間ないし五時間の列車の走らない時間がございます。したがいまして、この時間を主として利用いたしまして、レールの交換なりあるいはまくら木の修理等をいたしておる点が在来線と少し違う点かと思います。この保守をするためには、まず線路の状況や、あるいは材料の状況等を検査をしなくちゃならぬということで、これは線路の状況は昼間高速試験車を走らせまして調べております。また材料等、まくら木がどうなっておるかということにつきましては、夜間並びに昼間の間合いで検査をいたして、そうして安全を期しているというような保守の仕方をいたしております。当初よりも非常に列車の回数が多くなったということで少し早目にレール交換をしなくちゃならないということになりましたので、レール等につきましては、五十六年度までに当初建設当時に敷設されたレールは全部交換してしまおうということでただいま鋭意努力をいたしております。  いま先生七回とか八回とかおっしゃいましたけれども、夜間だけの間合いでは必ずしも間合いが足りませんので、年間に五十一年度は七回、それから五十二年度には八回ほどその昼間の間合いを、午前中でございますけれども列車を休ませていただいて、その間合いを使ってもレール、材料の交換をいたしたいというふうに考えております。
  119. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この五十六年度までに取りかえなきゃならない根拠は何なんですか。
  120. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) レールの交換をしなくちゃならないのには二つの原因がございまして、カーブあるいはブレーキが非常にかかる駅の近く、これからはレールが摩耗してだんだん断面が減っていく、減っていくから交換しなくちゃならないという種類のものがございますけれども、直線の区間ではレールの摩耗というのは非常に少のうございます。したがって、摩耗によって交換するのではなくて、繰り返しの荷重が何千万回というふうにかかりますとレールが疲労してまいりますので、その疲労の限度というのが、ただいまの十六両の新幹線であの目方のものが五億トンほど通過いたしますと、レールが疲労によってだんだん傷んでくるということでございます。それが五十六年度までにちょうど五億トンほどに通過トン数がなりますので、私の方は五十六年度までに全数交換をするということで計画を立て実行をしてまいりたいというふうに考えております。
  121. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 これは細かくやればいろいろな問題点が、私も伺っているわけです。この検査要員の問題とか、あるいは工事の受注能力の問題ですね、こういう点から考えると、この新幹線のレールの取りかえ工事に非常にいろんな問題点があるということは、私は実はよく伺っているわけなんです。これはきょうは時間がありませんのでできませんけれども、いずれにしても当初の計画では、こんなに早くレール取りかえをしなければならないという根拠はなかったわけですね。この新幹線ができたのは、御承知のとおりオリンピックがあったために用地買収二年間、あと三年間でつくり上げてしまったという点で、これはこの後問題になる路盤の問題なんかは大変な問題なんですね。二日間ぐらいかかってやはり路盤を順々に取りかえていかなければならないとなると、恐らく六十年以降の東海道新幹線というのは非常に、なかなか走らないような新幹線になっちゃうんじゃないかというような心配も専門家筋はやっているわけですよ。  こういう点を考えますと、現在の国鉄の合理化の一環として保守作業員の合理化に伴って、検査要員が不足をしておる。あるいは工事の受注量、外注等の問題に非常に問題があると、こういうふうな点がうかわれるわけでありますけれども、この点についてはどうですか。
  122. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 検査の体制自体は、いま言いました軌道につきましては軌道検測車によってやる、あと材料等については検査要員が巡回見回りまして実際に目で見、確認をして検査をいたしております。仕事自体は夜間四時間以上の間合いがございますので、ほとんどいわゆる外注によりましてレール交換なり、バラストの交換をいたしておるわけです。しかし、いま先生のおおしゃいましたように、レールの方はほぼ予定どおり、ほぼというか、完全に予定どおり交換をいたしますけれども、バラストの方はいつまでに交換しなくちゃならないというそれほど明確なあれにはならないと思います。  ただバラストは年次がたちますと、やはり細かく粉砕されてまいります。それが水とどろとまざりますと、いわゆる粉泥化してまいる。粉泥化してまいりますと、また列車の高速運転にはいろいろの支障が出るということで、私の方も鋭意バラストの交換もあわせて進めていきたいと思いますけれども、バラストの交換というのは非常に厄介な仕事でございますので、それをやるためには保守用の基地等の増強もいたしまして、保守用という基地を、大体まあ東京-大阪間に十カ所、したがって、一保守基地で五十キロぐらいの細分した基地をつくりまして、そこから材料を運搬してできるだけ早く、また比較的うまく仕事をやるようにということで基地につくってバラスト交換、まくら木交換等進めたいというふうに考えております。
  123. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この問題、別な時間にやりたいと思います。  あと最後に、上越線の事故の原因については、国鉄としては天災と見ているのですか、人災と見ているのですか。これは非常にむずかしいわけですけれど。
  124. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 私どもの方は受け持っておる仕事が大量輸送でございまして、したがって、一たん何事かありますと、非常に大きな事故につながる危険があるわけでございますので、安全ということについては何よりも第一に考えておるわけでございまして、その意味において、私どもの方からこれは天災であるというようなことを言うべき筋のものではない。天災という言葉は禁句であるというふうに考えております。しかし、現実の問題といたしましては、落石に関して申しますと、川添いにレールが走っている場合が非常に多いと、また山添いに走っている場合が大変多いわけでございまして、アメリカとかなんかに比べますと非常に険峻なところを走っておりますので、   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕 それに対応するいろいろな対策を講ずるのに、日本の場合は非常に金がかかるという事実も否定できないわけでございまして、かなり綿密に調査をし、能率よく金を使いながら、事故が起こらないように防備しているわけでございますが、今回の場合でも、あの防護さくがもう少し高かったらよかったではないかということが言えるわけでございまして、いまから二十年ぐらい前につくった防護さくでございますから、その当時の財政といいますか、経理事情からいえば、あの程度の高さでいけると、がまんしなければならぬということもございましたんでしょうし、地質の専門家の意見によりますと、あそこでああいう石が落っこってくるということは、地質の専門知識から言いましても、まずまずあり得ないことだというふうに考えて設計をしたようでございます。  しかし、あり得ないと言いましても、現実に起こっていることでございますし、現在まあその意味で対策を講じなければならぬ個所がなお千七百カ所あるということでございますので、これは何としても対策を相当いままでよりはスピードアップをしてやっていかなければならないと考えております。人災か天災かというのは、はなはだむずかしいことでございますけれども、私の方としては、天災だからといって逃げるといいますか、対策をおろそかにするということがあってはならぬというのが私どもの気持ちでございます。
  125. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 この防災に関する投資というのはどのぐらい国鉄はやっているんですか。
  126. 高橋浩二

    ○説明員(高橋浩二君) 私ども、線路関係構造物を補強して災害を防ぐという意味の防災対策は、およそ年間二百億程度投じております。そのうち落石関係が約一割ぐらい。したがって二十億弱でございますが、平均いたしますとそのぐらいの予算を投入してまいりました。
  127. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 最後に運輸大臣、この防災費用はいまの国鉄の財政からいきますと、千七百カ所どうしても直さなければいけないというわけですね。この落石に対しては十五億か二十億ぐらいを毎年かけている。これは二十年かかるとマスコミに報道されているわけです。必ずしもそれは事故が起こる問題ばっかりじゃないと私は思いますけれども、二十年間かけるという悠長なことではなしに、国鉄でやれと言ったって、これは実際上いまのところできない。したがって、防災の投資計画だけについては、何か人命救助の立場からも、国で特別にこれは早く、二十年なんか言わないで、十年なり五年なりで早くやれる、もっと早い方がいいでしょうけれども、財政上のいろんな規模の問題もあるでしょう。こういう点は、やはり国でもう少し真剣に考えなければならない問題ではないかと思うんですね。  それから、台風のときに国鉄が洗われると、国鉄はあんまり費用を見てもらえないというような問題があるわけですね。こういう点を含めて、やはり防災の問題について、国でもう少しこういうところは助成するなり、早急にいまの千七百カ所は早く直さなきゃならない。上越線が一つの教訓になっているわけですから、これを運輸大臣として、国鉄だけではなしに、国としてこの問題をどう扱うかということで真剣に取り上げるべきではないかと、こう思うんですけれども、この点の大臣の答弁を伺って私の質問を終わりたいと思います。
  128. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 現在、工事費補助として防災の予算を、もちろん補助金をお渡ししておるということでありますが、三木さんいまおっしゃったとおりなんで、国としても積極的にこの問題と取り組まなければならぬと思います、何といっても人命問題ですから。で、まず、手っ取り早いところから言いますと、林野庁の林務砂防、あるいは建設省の渓流砂防、そういうものの施工を早急に必要とするというようなところについては、これは私どもからその省庁に十分お願いをして、可能な限り御協力を賜ると。それから工事費の枠内においても予算の立て方というものについて配慮をしていくとかいうこともしなければならぬと思います。これは手っ取り早いところで物を言ったわけでありますが、将来問題を考えれば、私は、一遍この防災問題というのは私の任期中に――任期といってもあんまり長くないかもしれませんけれども、任期中に私真剣に考えてみたいと、こう思っておるのです。  ちょっと時間かりて恐縮ですが、一、二分。私が運輸大臣として、あるいは一個の衆議院議員として考えると、非常に簡単に防災対策ができるように思えるんです。ところが、財政当局と話し合いをする段階になりますと、今度は運輸問題だけでなしに、いろんな横の問題が絡みましてなかなか厄介になってくる。その厄介になってくるということはよくわかるんです。わかるんですけれども、厄介になってくるからといって、もう最初から検討もしないでほうりっ放す、努力もしないでほうっておくということは私は無責任だと思う。でありますので、先ほど申し上げたように、余り長くもないかもしれないけれども、私の任期中にこの問題とは私は真剣に取り組んで、何らかの方向づけをしていきたいなあと考えておると、そういういまの心境でございます。
  129. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、大臣所信に対して質問をさしていただきます。  まず最初に、気象庁の通報所の問題で御質問をいたします。  大臣は、地元の了解を得るために全力を挙げたいと、こういう御趣旨で四月一日実施の再検討を打ち出されたわけですけれども、しかし、先ほど五月一日までに地元のコンセンサスを得て無人化を実施したい、五月一日に実施をしたいと、こういうふうにおっしゃいました。地元の同意が得られない、こういう場合があると思いますが、そういう場合はどうなさいますか。
  130. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 私は、わりあいに人間が楽観的な方でございますので、まあ最悪の事態というものを想定はしておりませんが、実は、先般内閣委員会で野田さん、あるいは峯山さん、岩間さん等から御質問がありました。私は、野田さんがしょっぱなの御質問でございまして、そのときに、実はそれまでは三月三十一日でやめることにもう決めてここへ来ておったんです。ところが、お話を承って、この場で、実は気象庁長官にも相談をかけないで、私が独断で実は決めて一カ月延ばしたんです。そのときは、一カ月とは別に具体的に考えませんでしたけれども、三月三十一日に打ち切るというのを、待ちなさいと、これは私がきょう答弁ではっきり物を申すから、君らは私に従いなさいと、こう言って私が発言しましたのは、廃止の日にちを変更してでも、地元に対してのまあ説得といいますか、説明といいますか、検討といいますか、そういうことに努力をしたいと、こういうことを言ったわけであります。事実、三月三十一日限りの廃止ということは私がとめたわけでございます。  それからいろいろと説明を聞きますと、気象庁の言うことにも一理があるんです。私は少なくともそのように受けとめた。でございますので、五月一日に廃止をすることを目途とするが、とにかく全力を挙げて地元に御説明を申し上げて、そして御協力を得なさい、御理解を得なさいと、こういうことを言いました。で、気象台なんかからいまどんどん走っておるようでございますが、私は、気象台あたりから走っておるだけじゃだめだと、本庁からも行きなさいと、こう言って厳しく長官に申し渡したのでございますが、私はこのような誠意は必ず地元の方々に通ずるというふうに確信をいたしております。
  131. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでもなお、地元の方が納得しない、反対だというところがある場合には、私はこれは強行すべきでないと、こう思いますが、これはいかがでしょうか。
  132. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) まあ大方の御理解は得られると私は信じておるんですけれどもね。
  133. 安武洋子

    ○安武洋子君 大臣の予測で言っていただいたら困るわけで、そういうときがあればどうなさいますか。そういう予測もしてくださいませ。
  134. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) それは、これからの経緯を見なければ、まだ四月に入って間がないんでございますから、これからの経緯を見た上で判断すべきものと、このように思います。努力をまだ余りしていないと言うとおかしいんですが、その過程において結論を論ずることは避けた方がいいんじゃないかと思います。
  135. 安武洋子

    ○安武洋子君 地元のコンセンサスを大切にする役所として、大臣は四月一日のこの日を延ばしてでもというふうな趣旨でございました。私は結構な趣旨だと思うんです。だから絶対に反対があるところについては強行をされるというふうなことは、これはおやめいただきたいということを私は強く要請するとともに、大臣は議員の先生方の御心配もあるのでというふうなことも発言の中でおっしゃっていらっしゃいます。ですから、私たちも委員会として本当にどういうふうになっているのかという地元の声を聞く必要もあろうかと思うんです。やはり五月一日が近づいた時点で、気象庁の一方的判断だけでは私は困ると思うんです。  やはり一方的な判断の中には自分たちの都合のいい立場というのを優先しがちですので、私は委員長にここでお願いしとうございます。やはり現地の声を聞くために現地調査に行くなり、参考人を招致していただいて、その上で委員会の判断をやっていただきたい。そして、気象庁もその上でいろいろ御判断願いたい。これは大臣にもお願いいたしとうございます。委員長にお願いしたわけです。
  136. 瀬谷英行

    ○理事(瀬谷英行君) 委員長いま交代したばっかりで。しかし、問題が問題でございますので、本件の取り扱いは理事会で協議をすることにしたらどうかと思うんですが、委員長不在中に勝手なことを言うのも、ちょっと代理の委員長としては余り勝手なことは言えませんが、理事会で協議をするということならよろしいんじゃないですか、いいですか。
  137. 安武洋子

    ○安武洋子君 はい。
  138. 瀬谷英行

    ○理事(瀬谷英行君) では、そのようにいたします。
  139. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃあ、大臣はくれぐれも一方的強行をなさらないようにお願いして、私は次の質問に移らせていただきます。  四月の二日に、大阪空港エアバス導入についての私どもは日本共産党国会議員団として申し入れをさせていただきました。四月の三日に、この大阪国際空港の問題については覚書が交わされております。で、この覚書については、私は遂行する責任というのが政府にできたというふうに思うわけですけれども、この覚書を誠意を持って大臣はおやりになる決意はおありでしょうか。決意のほどをまずお伺いいたしとうございます。
  140. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いやしくも役所と地元の市長さんたちが交換した覚書でございます。誠意を持って履行するのが当然かと思います。
  141. 安武洋子

    ○安武洋子君 中身の問題についてお伺いいたします。  まず、わからないところがありますのでお伺いしたいんですが、項目の八なんです。これは「第三者機関の積極的参加と民間資金の導入を求める」となっておりますけれども、これはどういうことなんでしょうか。御説明ください。
  142. 松本操

    ○政府委員(松本操君) いま先生おっしゃいました覚書の中の項目別の内容でございますが、先生も御承知かと思いますが、私どもの航空局長、それから激甚地の両市、それから府知事、兵庫県知事、これらが署名をし、かつそれに十一市協がしたものでございますので、非常に関係するところが多うございます。それから第十項目の中に、将来、中の実施を具体的にどうするかについては今後とも詰めると、こういうことになっておりますので、いまその何人かがサインした書類の中の一員である運輸省だけが、これが間違いない解釈でございますというふうに申し上げる点については多少はばかりがございますけれども、私どもはこういう理解でいっておりますという点は御説明申し上げたいと思います。  まず、この第八項目で――第九項目でございますか、先生おっしゃいましたのは。
  143. 安武洋子

    ○安武洋子君 八です。じゃ、ついでに九も言ってください。
  144. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 第八項目で、現在の騒音対策制度というものは、実は国が設置をし、地方公共団体からも金を出してもらっております整備機構というもの、これを主体にして実施を行ってきておるわけでございます。ところが、これに対しまして非常にかた苦しいといいますか、かたくななと申しますか、役所のいろんな制度上の制約がございますために、なかなかきめの細かな地元の御要望に応じられない、こういうふうな欠陥があることを私どもも承知をしております。それからさらにまた、周辺対策というものが、従来は周辺の整備をするという考えを持ちながらも、周辺整備に関する基本的な計画がなかなかできてこなかったということもございまして、どちらかと言えば形式的な周辺対策になりがちであった。ところが、現実にああやって二十七時間ぶつ続けのお話し合いをしてみますというと、皆さんが特に強く御要望になっておるのは特に激甚地区、三種地区及び一部の二種地域でございますが、こういうところで移転補償等が進んでまいりますと、どうしても一部過疎化というと大げさかも存じませんが人が抜けていく。そういうふうなところに、整備機構だけで対応していこうとするとどうしてもうまく対応できない。そこで、民間の金をそこへ入れる、民間の機関も参加してもらうという形で、いわゆる役所仕事的でない、そういった形で新しい町づくりというものをしていく方法はないのだろうか、こういう点について非常に強い御要望があるということがわかったわけでございます。  その点を今後具体的にどうするかという点は、関係する部門がまた話し合いを続けていくことになっておりますが、根っこになっております考え方は、ただ単に機構が、国の金あるいは府県の金でやっていくという形式的なやり方ではなくて、たとえば民間の金が入って、そこに、よく地元で出ましたのはレジャーランドというふうなものをつくる、そしてその近所に移転していく方が移転をしていく。たとえば商売人の方だったらそういうところへ移転をしていくというふうなあっせんをする。そういうふうにきめの細かいやり方をしていくということが町づくりに効果的ではないか、こういうふうな趣旨をこの第八項目の中に込めて要約化したものである、こういうふうに私どもは理解をいたしております。  それから第九項目の方は、これはあそこに大阪航空局がございます。大阪の空港事務所もございます。それぞれに騒音対策の窓口というものを持っております。また、いまお話に申し上げました整備機構というものも相談室というふうなものを持っております。窓口があっちこっちにある。住民の方から見ますと、どこの窓口がどれだけの守備範囲を持っているのかというふうなことが必ずしも御案内でないわけです。したがって、そういう役所間、窓口間のちぐはぐが出てくる。また、地元の方の意見を集約化しようとも、窓口があちらこちらになっているものだから非常にやりにくい。そういう点を統合して、もっと窓口を整理して意思疎通を図っていくということに対して今後努力をしていきたい。これが第九項目の主なねらいでございます。
  145. 安武洋子

    ○安武洋子君 どういうふうな窓口をつくられるのか、窓口はいますぐできると思うのです。もう少し簡潔にお答えください。
  146. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 具体的な窓口をどうするかということはこれから研究をいたします。いたしますが、恐らく整備機構あたりを中心にした形になっていくのではないかという、これは私の推測でございます。
  147. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、この覚書の中で、そのほかでも、いますぐ実施できるものはどういうものなんでしょう。
  148. 松本操

    ○政府委員(松本操君) たとえば、現在私どもが緑地帯を整備するという予算を持っております。これは緑地帯を整備するためには原則的には大変な整備計画が要りますが、部分的には地元の方の同意ができればすぐにもできるわけでございます。これは同意を得るための努力もいままでもしてまいりましたし、私どもは今後いかなる努力を払っても同意を得て、たとえば縁地帯のようなものは早速整備に取りかかるようにいたしたい、このように考えております。
  149. 安武洋子

    ○安武洋子君 それだけでしょうか。この騒音の常時測定点をふやすというのは、これはいますぐにできそうですけれども、これはいかがですか。
  150. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 現在私どもは八カ所の常時測定点を持っておりますが、これを一カ所ふやすことにいたします。これはすでに稼働に入っております。そのほかどこにふやすかという点については、各市からいろいろと御要望がございますが、そういう点については、今後御要望を集約した上で常時測定点を考えていくということにしたいと思っております。
  151. 安武洋子

    ○安武洋子君 いつまでになさいますか。
  152. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 五十二年度の予算といたしましては、私ども別段に用意が現在ございません。したがって、御要望を煮詰めた上で、五十三年度以降の予算で措置をしたい、このように考えます。
  153. 安武洋子

    ○安武洋子君 常時測定点についてもそうなんですか。
  154. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 常時測定点を運用するに当たりましての改善をする部分については、五十二年度私ども予算を持っております。その点は直ちに実行いたします。
  155. 安武洋子

    ○安武洋子君 この覚書の中には予算を伴うものがほとんどなんですね。いま五十二年度予算を持っていないのでと、こういうふうな御発言がございましたけれども、この一体予算はどうなるんですか。
  156. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 現在私どもが持っております予算の運用の仕方というものは、その都度実施計画を立てて大蔵省の承認を得ます。したがいまして、実施計画を立てていきます過程において、このお約束を踏んまえて具体的な計画を立てていく、こういうふうなやり方があるというふうに私は考えております。
  157. 安武洋子

    ○安武洋子君 この中に「激甚地区の街づくりについて」の項がありますけれども、「重要かつ緊急な課題」だと、こう書かれているわけですね。地区計画についても「早急に確定する」、こうなっているんです。だから、私は予算がいまないからどうこうだというふうな問題じゃなく、補正予算でも組んでやらなければならない問題ではなかろうかと、そういうことで当然地区の人たちは、地域の人たちは受け取っておりますし、緊急かつ重要なんでしょう、それを今年度の予算ではやらないんだということになればこれは大変なことなんですけれども、大臣、この点はいかがなんでしょうか。
  158. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 五十二年度予算案はすでに編成をされて、いま、もう衆議院を通って参議院に来ておるという段階でございますので、そういう趣旨から五十二年度予算案にはこれは盛られておりませんということを私は松本君が答えたのだろうと思います。事実予算案が衆議院を通った後でこの協定ができたわけでございます。でありますから、五十二年度当初予算というものについては、これはもうこれが盛られていないことは仕方がありませんが、いまおっしゃったように緊急を要するというような問題について、それはこれから検討しなきゃなりませんが、検討した上できわめて緊急度の高いものということになれば、当然補正予算編成の対象になるかと思います。
  159. 安武洋子

    ○安武洋子君 この「激甚地区の街づくり」の項でお伺いいたしますけれども、ここでは制度改善やそれから法改正、それから立法措置、こういう検討も行う、こういうふうになっておりますけれども、どのような制度、それから法改正、これをお考えなんでしょうか、具体的にお伺いいたします。
  160. 松本操

    ○政府委員(松本操君) まず「地区計画を早急に確定する」という点につきましては、この間一緒に署名をしていただきました府、県、こういうところが具体的に動いていただければ、これはもともと周辺整備計画は府知事及び県知事がつくることになっておるわけでございますので、府と県が真剣に取り組んでいただければ私ども全力を挙げてこれに協力を申し上げるということにおいて早急に地区計画をつくることは可能である、このように考えております。  次に、制度の改善という点につきましては、五十二年度においてすでに三つほど制度の改善ということを考えております。具体的な実施の方法については、なおまた地元の御意見を伺いながら最も妥当な方法を考えていこうと思いますが、一例として申し上げますならば、現在分譲地をお渡ししますときに割賦制度で分けてほしいと、こういう御要望がございましたが、従来は一括払いでなきゃだめだと、これを五十二年度から割賦にする。それから、その場合にやはり利息を下げていかなければなりません。ところが、機構としては高い利子の金を借りてまいります。したがって、これを割賦制度にして、かつ代替地を提供する方に対して安く分譲していくためには、機構に対する利子補給というものを考えていかなければならない。だから、分譲住宅をつくります場合にも、従来傾斜家賃制度等を導入して、なるべく初期の家賃を安くするように努力をしてきたのでございますけれども、なかなか資金コストが高くて下げられない。そこで、それに対して無利子の借入金の比率を四五%に従来よりも五割ふやすというふうなこともしたわけでございます。  さらにまた従来から考えており、今後の問題として制度の改善をしていかなければならないだろうと、こういうふうに私どもが考えておりますのは、周辺地域を整備いたします場合に、その中に公共的な部分が含まれてまいります。その公共的な部分の整備をします場合に周辺の自治体に対して何がしかの、どういう形でということはこれから実は調査費をかけて検討する予定にいたしておりますけれども、何らかの形での援助をしていく、それによって周辺整備がよりスムーズに進むようにしていく、こういうふうな制度の導入ということを考えております。  それから、法律を云々という問題は、これはきわめて漠然とした考え方にいまとどまっておりますけれども、私が最初の御質問にお答えしました周辺の町づくりということを考えました場合に、現在のような形ではなくて、家が建っていくことを規制するということを一方でしながらも、また、その周辺で騒音防止のために必要ないろんな施設をつくっていく、あるいは町づくりをしていく、そういうふうな場合に、可能な限りそういったような事業が進むように、促進されるように援助をしていく、こういうふうな制度というものは、これは新しい立法措置が要るかと思います。そういう点についても研究をしていきたい、こういう趣旨でございます。
  161. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまのお話の中に出ていた国費補助ですね、代替地の公共部分の。これは現在二分の一だと思うんです。これは改善するというふうになっているのは、これは全額補助することかどうかということをお伺いします。  それから「激甚地区の営業者対策」として、これは「緊急措置」となっているんですよね、「貸付金制度を実施する」、こうなっておりますけれども’どのような貸付金制度になさるのか、大体いつまでになさるのか、御答弁いただきます。
  162. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 前段の御質問については従来五〇%、二分の一ということで要求しておりましたのを一〇〇%にしていきたいという要求を今後ともしてまいりたい。後段のこの貸付金云々の問題は、当初私がやや長ったらしいまくらを置きましたのは、実はこれは、たとえば大阪府の場合こういう制度があるわけでございます。それに移転補償に係る営業者をその対象として、特に枠を設けてその中で拾い上げる、こういう制度を考えよう、こういうことでございますので、これは国の直接の仕事というわけではございません。
  163. 安武洋子

    ○安武洋子君 大気汚染測定ステーションを設置する、こういうふうになっておりますけれども、一体どこに設置をなさるのか。それから、航空公害防止協会の大気汚染測定ステーション、これとの関係はどうなるのか。こういう大気汚染の測定をなさると、これは必ず公表なさると思うんですけれども、念のために公表されるのかどうか、これをお伺いいたします。  三点です。
  164. 松本操

    ○政府委員(松本操君) まず第一点の、大気汚染測定ステーションをどこに置くかという点につきましては、私どもとしては伊丹の空港に近いところ、伊丹市でございます。または川西市の空港に近いところというふうなことを考えておりますが、これは十一市協議会というものがございますので、そういうところの御意見を伺いながらどこにしていくかということを決めてまいりたい、このように思っております。  それから、失礼しました。第二点、先生御指摘がございましたのは……。
  165. 安武洋子

    ○安武洋子君 航空公害防止協会……
  166. 松本操

    ○政府委員(松本操君) 航空公害防止協会は現在空港の中に測定点を持っております。このデータは航空公害防止協会からきちっと公表させておりますが、今度はそういったデータを一括いたしまして、だれの名前でということまではまだ考え及んでおりませんけれども、整理をした上でこれを公表するというふうな形にしてまいりたい。  それから三点の公表の問題につきましては、これは現在までも公表しておりますし、今後とも公表を続けていくという点に変わりはございません。
  167. 安武洋子

    ○安武洋子君 覚書このものについて、第十項目目に、「細部についてのつめは継続して行うものとする。」こういうふうになっております。これは関係の団体、それから自治体、こういうところとの詰めを行われるというふうになると思うんですけれども、私はどちらにしてもこの問題は行政サイドが責任を持ってやるべき問題だというふうに思うわけなんです。ですから、各地方自治体と対等の立場なんだ、そういうことではなくて、これはあくまでも行政が責任を持ってこの覚書を遂行するという立場に立っていただかなければならない。そのことは、ここにも「責任をもって実施する」というふうにも覚書の前文に書かれておりますの女誠意を持ってこの覚書を確実に実行するようにということをお願いいたします。  私は次に移らせていただきます。私は姫路市のLNG基地の埋め立ての問題について御質問いたします。  これは運輸行政を推進する上で環境問題これをどう位置づけるかということは大変重要な問題だと私は思うわけなんです。運輸省として港湾区域内における公有水面、これが埋め立てについて基本的にどういうふうにお考えか、特に瀬戸内海の埋め立てにつきましては、瀬戸内海環境保全臨時措置法、それから環境保全審議会の答申、こういうものもあるわけなんですけれども、そういう精神を厳密にお守りになるかどうか、まず大臣にお伺いいたします。
  168. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 瀬戸内海におきます埋め立てにつきましては、公有水面埋立法のほか、瀬戸内海環境保全臨時措置法第十三条、これは埋め立ての免許に当たっては、瀬戸内海の特殊性に十分配慮するという項目でございますが、十三条の規定の適用がございますので、当然瀬戸内海の特殊性につきまして十分配慮しなければならぬと、このように考えております。したがいまして、まあ主務大臣としましては、認可に際しまして免許権者が、免許または承認の判断に当たって、瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しているかどうかについて慎重にこれを審査する、そういうつもりでございます。
  169. 安武洋子

    ○安武洋子君 運輸省に二月二日提出されました兵庫県を免許者とする姫路白浜地先の八十万平米、このLNG基地の埋め立て申請で、これは運輸省は受理されていると思うんですけれども、この埋め立て予定地っていいますのは、昭和四十九年五月九日付、いま大臣が言われました瀬戸内法第十三条一項の基本方針の中で、特に一項目としては公害防止、環境保全に資するもの、二項目としては水質汚濁防止法による特定施設を設置しないもの、あるいは汚濁負荷量の少ないもの、この留意事項に適合しない埋め立てば避けるべきである、こういうふうにされている地域でございます。この申請の審査に当たりまして、このことに十分留意をしていくといういま大臣の御発言でございましたけれども、この埋め立てに関して、特に公害防止、環境保全に資するという点、埋め立てば一体この公害防止、環境保全にどういうふうに貢献しているのか、その点をまずお伺いしたい。
  170. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) お答え申し上げます。  この公有水面埋め立ての願書によりますというと、この埋め立ての必要な理由といたしまして、姫路市を中心とする播磨南部地域公害防止計画に基づきまして、関西電力の姫路第二発電所に係る大気環境改善を図るために兵庫県姫路市及び関西電力との間で締結した公害防止協定によりまして、昭和五十四年より、重油使用量三百三十万キロリットル・パー・年のうち、二百二十万キロリットル・パー・年をLNG百七十万トン・パー年に転換いたしまして、公害防止協定を履行するためということが一つ。  それから兵庫県総合計画に定められました目標年次でありますところの昭和六十年における播磨南部地域の発展に必要なエネルギーの消費でございますが、この重油換算で言いますというと二百三十九万キロリットル・パー・年になるわけでございますが、このうち百三十五万キロリットル・パー年、これはLNGに換算いたしまして百万トン・パー・年でございます――を長期的に確保し、大気環境の保全を図るということのため。これが第二点。  それから第三点といたしまして、兵庫県の南部地域における都市化の進展に伴いまして、ますます増大する都市ガスの需要増、これに対処するため昭和五十七年から供給を開始し、昭和六十五年度における兵庫県下の需要予測量二十八億立方メートル・パー・年、これはLNG百万トン・パー・年に相当するわけでございますが――を確保いたしまして、都市ガスの長期安定供給を図るため、LNG基地として、先ほど先生の御指摘になりましたような約八十万平方メートルの用地を埋め立てによって確保しようとするものであるということが述べられているわけでございます。  それで、なお補足して申し上げますならば、この姫路港の東部工業港区は石油精製、火力発電所がすでに立地しておりまして、いわゆるエネルギー基地でございます。それで背後の市街地との緩衝緑地帯がある程度整備された地域でございまして、さらに危険物の専用港として整備、利用されておりまして、危険物搬入港の条件が他の港区に比べますというと適していると認められますし、それから大型船の入港に必要な港湾整備の計画がすでに決定されております。  それからさらに、関西電力第二火力発電所ヘガスを安定的に供給するためという観点に立ちますと、この発電所に近接している、そういうようなことと、それから播磨地域の事業所に長期にわたりガスを安定的かつ効率的に供給するという観点に立ちますというと、その地域の中心的な位置にあるというようなことが言えようかと思います。こういうようなことからいたしまして、いわゆる大気環境改善という観点に立ちましてLNG転換を図る、このために必要な埋め立てということで見ますというと、環境改善に寄与するというふうに言えるのではないかというふうに考えるわけでございます。
  171. 安武洋子

    ○安武洋子君 まず瀬戸内海を埋め立てる、その埋め立てそのものが環境保全上好ましくない、問題があるということがまず第一点です。  それから姫路市といいますのは四十九年、五十年引き続いて窒素性酸化物による汚染は日本一なんです。こういう地域であるわけです。そこに三月の二十九日、御存じのとおり石油審議会で、すぐ近くの、いまお話に出ましたけれども出光興産の石油精製、これは十万バーレル凍結を解除すると、そして現在の十一万バーレルを二十一万バーレルにするというふうなことが発表されているわけです。一方では大気汚染を防ぐためにクリーンエネルギーにするんだ、LNGに転換するという。一方では石油精製で十万バーレルふやすんだと、こういうことで大気汚染をふやす。ばらばら行政、ちぐはぐ行政なんです。一体こういうことにだれが責任を負うのか、どう処置をなさるのか、こういうことをお伺いいたします。
  172. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) まず第一点の、埋め立てそのものが瀬戸内海の環境、水質環境上好ましくないという御指摘でございますが、この点につきましては、私お言葉を返すようでございますけれども、埋め立てそのものが水質環境を直ちに悪くするというようなことにつながるかどうかということにつきましては、私ちょっと考え方を異にしているわけでございます。確かにいわゆるモ場とか、その漁業資源上確保しなければならないところ、そういうところを埋め立ててしまうということは非常に問題であろうかと思いますし、また自然環境のいいところを非常に景観を変えてしまう、それで景観を悪くしてしまうということも、これもやはり避けねばならぬことだと思いますが、しかしやはり臨海部というところはいろいろな意味で利用の競合するところでございますし、すでに都市が形成されているようなところでは用地の確保も困難であるというような事情を考えますならば、やはり漁業等に重大な影響を与えない範囲において必要な埋め立てをいろいろな角度から慎重な配慮をした上で進めざるを得ないというのが現実の姿ではないかと、そういうふうに考える次第でございます。  そういう点で、私どもこの埋め立ての計画につきましては、実は港湾審議会ですでに四十六年にこの地域の港湾計画が立てられているわけでございますが、その後こういうLNG基地の計画を踏まえまして、五十一年の七月に港湾審議会に港湾管理者の一部改定の計画の提出を求めまして、審議をいたしまして、この空間利用計画につきまして、まあ環境の問題も踏まえまして港湾審議会の検討を煩わし、答申を得た次第でございます。そういう点からいたしまして、まあこの埋め立てはその計画に一致しておりますので、埋め立て即瀬戸内海の環境悪化というようなことには私どもつながらない、またつなげてはならないというふうに考えておる次第でございます。  なお、いまの瀬戸内法の関係で申しますというと、まあ水質汚濁防止法によるところの特定施設を設置しないものということが決められてございますが、そういう点からいたしますと、この事項にも該当いたしておりませんし、それから汚濁負荷量の小さいものということがございますが、この点についても該当してございます。まあそういうことで、第一点につきましては、私どもといたしましてはやむを得ないものと考えるわけでございます。  それから第二点の、片一方で大気環境改善と言いながら、その片一方ではいわゆる大気汚染負荷量の増大を来すおそれのある石油精製工場の増設を認めると、これはちぐはぐではないかという御指摘でございますが、私どもこの点につきましては、この増設をこれまで凍結しておりましたのを凍結解除した、これは石油審議会で解除したということでございますが、この点私どもの所掌と離れますので、これに云々することはいささか適当でないという感じがいたしますが、私ども先生のそのような御指摘があるやに伺いましたもので、実はその点につきまして、港湾管理者として一体このことについてどういうふうな考えであるかということを徴してみたわけでございます。もちろん私どもの知っておる範囲においての知識で、いわゆる環境基準内におさまり得る可能性があるかないかということも片一方では勉強さしていただいたわけでございますが、まず兵庫県といたしましては、この点につきましては、増設については出光興産とやはり公害防止協定をぴしっと結んで、その上でなければこれを同意することができない。それから、もちろんその過程におきましては地元の方々のコンセンサスといいますか、同意ということがやはりいろいろとありませんと、公害防止協定もしっかり締結できないと思うので、そういうようなこともやはり地元の兵庫県としては十分考えているようでございます。  なお、私どものつたない勉強の範囲におきまして申しますならば、ほかの臨海工業地帯等におきまして石油精製工場の規模の増設の際に、その増設のチャンスをとらえてということかとも思いますけれども、脱硫装置とか、そういうような施設の増強等によりまして、いわゆる汚染負荷量を何といいますか、増設前よりもむしろ引き下げているというような例もあるようでございます。まあそれがここの場合可能であるかどうかということは、私専門外でございますのでわかりませんし、また所管外でございますので、その点についてはちょっとお答えいたしかねますが、一応現在まで調べたところについてお答え申し上げますと、以上のようなことでございます。
  173. 安武洋子

    ○安武洋子君 埋め立てについて実に軽々しくお考えになっていらっしゃる。何のために瀬戸内法の、いま大臣が精神をお読みになったのか私は疑わしい。  それから瀬戸内海の環境保全審議会の答申、一体どのように受けとめていらっしゃるのか。私は、この点についてもっと、一般的な埋め立てを言っているんじゃないのです、瀬戸内海の瀕死の状態に陥っている、そこのまた埋め立てされようとしている問題、しかも八十万平米ですね、こんな膨大な土地を埋め立てようとすることについて私は問題にしているわけなんです。もっと真剣にお考え願えないといけないと思います。  それから出光興産の問題についても、大気汚染がふえるということだけは、これは確かじゃありませんか。そういう点で、だれが一体責任を持つのかと。自分のところの所掌ではないというふうなことをおっしゃいますけれども、これは政府全体の責任で、私は総合的にお考え願わないと、いままでの、公害が発生して、至るところで公害患者が出たりして問題になるというのは、縦割り行政でやってしまうからいろいろ問題が出たんです。だから、やはり福田内閣の大臣は一閣僚でもいらっしゃるし、私は、内閣としてこういうことは責任を持って総合的にお考え願わないといけない、こういうふうに思います。  それからLNGですけれども、関西電力用として百七十万トン、それから地域の一般工場用として百万トン、それから大阪瓦斯の都市ガス用として百万トン、こういうふうになっていると思いますけれども、これは間違いないと思いますが、そうでございますね。――では、一般工場用の具体的な供給先、これはどこなのか、お教えいただきとうございます。
  174. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) ただいまの御質問にお答えいたします前に、先ほど、非常に私の答弁で言葉の適当でないところがあったやに思いますので、その点補足さしていただきたいと思います。  先生御指摘のように、この地域は何分にも非常に大事な瀬戸内海でございます。それで、そういう点からいたしまして、埋め立ての現在認可申請の出ている事案につきまして、瀬戸内法に照らして大丈夫であるかどうかということは、現在なお慎重に審査中でございますし、それから……
  175. 安武洋子

    ○安武洋子君 質問だけに答えて。
  176. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) それから増設の問題も、現在そういう事態がわかりましたので、これもなお審査に当たって検討しておる次第でございます。  それで、お答え申し上げますと、大阪瓦斯の百万トンの供給先でございますが、これは実は大阪瓦斯は一般用でございます。
  177. 安武洋子

    ○安武洋子君 一般工場用のを、具体的な工場名を聞いてるんですよ。
  178. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) それで、具体的な工場名は現在承知しておりません。  ただ、こういうような計画は、何分にもLNG転換をいたします際に、マクロ的ないわゆるエネルギー需要の見込みを想定いたしまして、その想定の中でもってLNG転換する、クリーンエネルギーに転換する必要があるものをこれだけと見込みまして、それで、何分にも決めてみましても、供給する施設がなければこれが具体化できませんので、そういうことから、そういうマクロ的な見通しをもとにいたしまして、大阪瓦斯がこのところにLNG基地をつくるというようなことによりまして、それで逐次その環境基準に合うようにこれから大阪瓦斯としては販路を拡張するし、それから行政としては転換について指導していくというようなことになろうかと思います。
  179. 安武洋子

    ○安武洋子君 質問に要点だけお答えいただきとうございます。質問以外のことが多過ぎるわけなんです。  で、LNGの百万トン、これは工場用として供給しまして、百万トンが確実にLNGに切りかえられて、石油の消費減少に直結するのかどうか、そういう保証があるのかどうか、その点をお伺いいたします。質問にだけお答えください。
  180. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) これは大阪瓦斯といたしましても、これだけのものを施設をし供給することになりますので、当然転換して供給するという努力もいたすものと思いますし、それから県の行政としてもそういうように強力に指導していくものと期待しております。
  181. 安武洋子

    ○安武洋子君 大体行く先がわからないのに石油の減少に直結するという保証ないじゃありませんか。LNGの転換によって供給先を失った石油企業、まず出光興産なんかが十万バーレルかさ上げするわけなんですよね。そういう企業が近くに企業を誘致すると、こういうことだってあり得るわけなんです。これをとめるわけにはいかないと。こういうことになると、大気汚染を減少させるどころか、ふえるという可能性だって出てくるわけなんです。この点はいかがお考えでしょう。
  182. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) 石油製品につきましては、やはり広範な範囲で需要と供給のバランスが考えられると思います。それで出光石油の問題につきましては、これは私ども承知している範囲におきましては、必ずしもその地域に販路を求めるということではなく、広範な範囲に販路を求めているものであるというふうに聞いております。
  183. 安武洋子

    ○安武洋子君 私がエネルギー庁の石油精製課で聞いた話と全く違います。兵庫県の中で供給するんだということで、こういうふうに出光の十万バーレルの凍結を解いたというふうに言っておりますので、政府部内の御意見が違うようですし、私は大気汚染を減少させるという保証はどこにもないというふうに思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。
  184. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) まことに申しわけございませんが、いまのエネルギー庁の見解というのは私承っておりません。それで、私どもこの増設以前に、実はこういうLNG転換されて出光の会社は需要先が減るではないかと、その点はあなたの方はどうなんですかということを前に尋ねたことがございます。そのときの答えとして、私どものところは現在石油精製工場の増設がストップされていることからして、まだ供給しなければならない範囲は相当ございますというようなふうに聞いてございます。
  185. 安武洋子

    ○安武洋子君 私、ここに兵庫県と姫路市の影響評価、五十年十二月発行されておりますけれども、これを持ってきておりますけれども、いま私が申し上げたようなことが全然評価基準に入っていないわけですよね。ですから、百万トンの供給先をまず押さえると、そして、それは確実にLNGに切りかわると、こういう保証がない限り、石油の消費量の減少に直結させない限り、まず一つだめなんです。それから企業を絶対ふやさないと、こういうことがなければ、総合的に南部工業地帯の大気汚染を防ぐことはできないわけなんです。こういうことが全く評価されていない。それと、まず大阪瓦斯ですね、この百万トンの転換の環境影響、これが全然評価されていないんですね。この点も問題です。こういうものが基礎でおたくの方では審査をされているわけですけれども、これについて私はずいぶん不十分だと思いますけれども、御見解を聞きます。
  186. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) その点につきましては、私ともLNG転換によりまして――このいわゆる大気環境を改善するというのはいろいろな環境改善の手段があろうかと思いますが、クリーンエネルギーに転換するというのもこれも一つの方法でございます。そういうことからいたしまして、私どもといたしましては、この県の行いました評価によりまして、いわゆる大気汚染負荷量の減少というものは十分その目的を達成する一部をなしているというふうに理解している次第でございます。
  187. 安武洋子

    ○安武洋子君 そんないいかげんな理解をしていただいたら困るんです。私は先ほどから申し上げているのは、百万トンの供給先押さえてないでしょう。だったらそれが確実に石油の消費量の減少につながるという保証がどこにあるんですか。それから企業をふやさないという保証がどこにあるんですか。供給先を失った石油企業が企業を誘致することだってあると。そうすると大気汚染はどんどんふえていくわけなんですよ。そういうことが全然予測もされていないというふうなことです。それから大阪瓦斯が百万トンの転換をしたときの環境影響、その評価もこれには載っていない、それについてはどうお考えですかと、こう聞いているんです。大臣、いかがでございましょう。
  188. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 実は、大変申しわけないことでございますが、私、具体的な個々の問題についてはまだ十分承知しておりません。しかし、先ほど来の御質疑、また答弁を聞いておりまして感じましたことは、とにかく、ちょっと話があっちこっちしますが、瀬戸内海というものはこれはあくまでも昔の瀬戸内海に返す努力をしなければならぬということでございましょう。でございますから、埋め立て等につきましてはその必要の度合いと、そうして環境を守るという度合いとの兼ね合いを十分考えなければならぬと思います。実は私は二十年来下水道問題と取り組んでまいりました。それだけにひとしおその感を深くいたしておるのであります。それからいまの問題につきましては、やはりもう環境庁が環境アセスメント法案というものまで整備して出そうかという御時世でありますから、環境影響評価については万全を期さなければならぬと思います。
  189. 安武洋子

    ○安武洋子君 この影響評価ですね、この中の私は数字を問題にしたいと思うんです。これには大気汚染について煙源排出改善計画の数字が出ております。これは昭和四十八年度の数字が出ているわけですけれども、昭和五十二年度改善計画、こういう数字が出ているんです。これはもちろん五十二年度ですから予測値ですね。間違いありませんね。
  190. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) そのとおりでございます。
  191. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃあ、このLNG転換後の数字というのも、もちろんこれも予測数字ですね。
  192. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) そのとおりでございます。
  193. 安武洋子

    ○安武洋子君 だから、これを見ていただいても、いかにでたらめかということがわかるわけです。といいますのは、五十二年度の改善計画の数字、予測を出して、そしてLNG転換後の予測数字を出して、予測と予測の数字を合わせて対五十二年度は七%窒素酸化物が減ると、こういうふうになっているんですよね。だけどこれは五十二年度水準にしても、まあこの数字をうのみにするとしても、わずか七%しか減らないわけなんです。しかし、五十二年度はLNGに転換することなんてあり得ないわけなんですよね。こういうあり得ないことをまず挙げている。そして五十二年度水準ですらNOXは七%しか減らない。しかし、四十八年度に比べますと五十二年度はNOXは減ったような数字を挙げていらっしゃるのは、これは公害防止の装置とか、それから脱硝技術、これが進んだということであるということで挙げられたと思いますけれども、これはさらに技術は進んでいくということが前提になるわけなんですよ。そうしますと、LNGに全部転換し終わった時点ではこの七%という数字は全然何の目標にもならない。このときにはもっと技術も進むだろうし、そして公害防止装置ももっとりっぱになっていようということになれば、逆に石油の方がNOXの排出量が少ない、こういうことだってあり得るわけなんです。これが第一点。  それから関電用の百七十万トンというのは、昭和五十四年ごろにLNGに転換するわけですね。それから大阪瓦斯の一般工場用百万トン、これは六十年ごろに転換されるわけですね。ですから私は環境評価としては、五十四年の関電分が転換したらこうなりますよ、六十年に大阪瓦斯分が転換したらこうなりますよと予測するのがあたりまえなんです。だから、こういうまことにでたらめな環境評価の数字を挙げていただいて、こんなもので審議をしていただいては困るわけなんですけれども、いかがでしょうか。
  194. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) 先生非常に御専門の知識をもって御指摘になられたわけでございますが、実は私どもこの問題を取り扱うに当たりまして、いまの関電の関係と、それから大阪瓦斯の関係、それから総合計画の関係、目標時点が全部違っているものでございまして、そのどの部分がどうということが、実はこの結果からはどうしても分けて判断いたしかねるという事態に立ち至ったわけでございます。しかし、先ほどもちょっと触れましたように、LNGに転換するということはクリーンエネルギーということで、仮に予測と予測を比較してという御指摘がございましたけれども、これは転換することによって何%かでも低下するという、そういう効果はある。それで技術革新によって、技術開発によって環境改善をしていかなきゃならないし、またそういうことがあるであろうと期待されるわけでございますが、そちらの方はなおアンノーンのものもございます。環境改善のためには、私どもといたしましては、少しでも役に立つものは何とか取り入れてというのがいまの偽らざる段階ではないかというふうに考えまして、これの効果はこれなりに評価できるものと理解したわけでございます。
  195. 安武洋子

    ○安武洋子君 貴重な瀬戸内海を埋め立てて、全部エネルギーがLNGに転換された時点では石油の方がNOXが少なかろう、そういうことも予測されるのに、なぜこの環境保全、公害防止に貢献すると.いうふうに御判断になるんですか。私は解せません。私はこういうことなら、けさほどですね、大臣は国鉄の問題で御答弁なさっておられました。徹底して環境評価はやるべきだ、そして、それは公表して地元の了解を得なければならない、そうしないとうまくいかないんだと。私はそのとおりだと思うんです。こういう環境評価の資料を出されましてはだれも納得しませんし、地元だって納得いたしません。だから、私がいま御指摘申し上げたこういう疑問点について、私は環境評価をやり直して資料の再提出を求めるべきだと思いますが、大臣いかがでございましょう。大臣にお伺いしております。
  196. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) この件は何か地元の市議会でも可決をされて出てきたものであるということでございます。でございますので、簡単に突き返すわけにもいくまいかと思いますが、そういう御趣旨の御発言がありましたことは、港湾局長から地元の市長さんに十分申し伝えるようにいたしておきたいと思います。   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
  197. 安武洋子

    ○安武洋子君 私がいま指摘したことについては、私はちゃんとした数字をお示しいただいて、根拠をお示しいただかないことには納得できない。これはだれしも国民皆そうだと思います。だから、そういうことで私はお出しいただく義務がやはり運輸省にあろう、政府にはあろうというふうに思いますので、地元に伝えていただいて、こういう数字なり根拠なり、これを明確にしていただきたい。このことを私は強く御要望いたします。  さらに続けますけれども、大阪瓦斯の都市ガスの分ですね。これはパイプラインによって泉北まで供給される、こういうふうに私は聞いておりますんですが、これは防災上のアセスメントはどういうふうになさいましたでしょうか。
  198. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) 泉北まで……。
  199. 安武洋子

    ○安武洋子君 聞いているだけじゃない、違っていたら違うと、どこまでとおっしゃっていただければいい。
  200. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) 現在、大阪瓦斯は泉北地域から兵庫県のわりあい西の方までやっている。それでこの地域の分について、都市ガスの需要の増大に対してここをセンターにするというふうに聞いております。
  201. 安武洋子

    ○安武洋子君 パイプラインについては、これは都市の中も通っていくわけなんです、いずれにしろ。私はこういうアセスメントも十分にやらなければならない、そのことも含めてやはり審査をなさるべきだと、そういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  202. 大久保喜市

    ○政府委員(大久保喜市君) この大阪瓦斯のパイプラインと申しますのは、通常ガス会社がガスの供給をパイプでやっておりますが、そのガス源がLNGに変わっているというふうなことでございまして、これは通常の都市ガスの場合と同様に理解しております。
  203. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、私ここに一冊の本を持ってきています。「国際資源」という本ですけれども、この中で石油開発公団企画調査部長さんですね、お名前は津村光信さんです。この方が「現在話のある計画が」――LNGの問題ですけれども、「順次実現するとしても、八五年に実現する輸入量は努力目標より数百万トン下回ることになろう。これは主として最近のエネルギー需要停滞によるLNG輸入計画の遅れによるが、より本質的には発電用は別として、広域のパイプライン普及による中小都市ガスおよび工業用燃料の天然ガスへの転換のための方策がいまだに具体的に組織される目処が立っていないことによる。これには制度的な問題、企業的な問題資金問題、地元問題などがあって容易な問題ではない」、こういうふうにおっしゃっているわけなんです。  私はこういうふうに専門家の方がLNGの現状は容易な問題ではないと言っておられるにもかかわらず、なぜ埋め立てのみをこんなに急ぐのか、アセスメントもいいかげんなままで、というふうなことを疑問に思うわけなんです。私は大臣にもお願いしたいわけなんですけれども、瀬戸内海というのはいま瀕死の状態になっておりますけれども、私ども民族の宝なんです。いま二百海里問題がクローズアップされております。この問題によって栽培漁業をやらなければならないというふうにも言われまして、瀬戸内海は魚の宝庫じゃないか、こういう見直しが迫られている時期なんです。ここの埋め立て、さらに瀬戸内海の瀕死の状態に追い打ちをかけるかどうかというふうな問題なんですね  それから姫路というのは窒素酸化物の汚染日本一、ここの状態に、この架空の予測値だけでも大して効果がないというふうに出ている。しかし、私が指摘しました、これではだめだというふうな、そういう姫路にこういうものを持ってくるということは一体どういうことなのか。大体海岸地帯に姫路は大企業が林立しているわけなんです。ここに出光興産がさらに十万バレル、危険地帯なのにさらに危険物を集積させる、こういうふうにもなるわけなんですね。私はこういう問題についてはもっともっと慎重に考えてもいただきたい。総合的に御判断いただかなければならないと思うんです。  瀬戸内海ではきのうの夜の九時に松山沖でパナマ船籍のタンカー「アストロレオ号」とそれから小型貨物船の「幾春丸」、これが衝突しておりますけれども、瀬戸内海というのはああいう危険がいっぱいあるんです。特に大型のLNG船が通ろうかという明石海峡、あそこは過密で危険度が非常に高いと、こう言われているんです。こういう問題もお考えいただかなければならない。私は大臣としては総合的にやはり御判断をいただかないと、地元住民の不安がとれないわけなんです。ですから、ぜひ一度現地に行かれて、現地の実情をごらんになって、総合的な御判断をしていただきたい、地元住民の声も聞いていただきたい、こう思うわけですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
  204. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 総合的に厳しく判断をすることは当然のことと思います。この件につきましては審査の段階で慎重かつ厳しく審査をするようにいたさせたいと思います。  なお、一度姫路へ来いというお話でございますが、まあ、私がすぐにはちょっとどうかと思いますけれども、御承知のような国会の状況で、来週あたりからは国鉄二法という大きいのが出てまいりますし、その後、御承知の、参議院で言うのもおかしいんですが、参議院の選挙等もございますので、いま、いつということは私もちょっとお約束できかねるのでありますが、可能な限り一度時間を探してみたい、このように思います。
  205. 安武洋子

    ○安武洋子君 終わります。
  206. 和田春生

    ○和田春生君 大分時間も経過いたしましたし、聞くところによりますと、大臣この後重要な日程が詰まっているそうでございます。またゆっくりといろいろな問題についてお伺いする機会があろうかと思います。きょうは、予定してきた質問の、りちの基本的な問題についてまず最初にただしまして、国鉄当局並びに運輸大臣の御見解を伺いたいと思います。  最初に国鉄総裁にお伺いをいたします。午前中から同僚委員各位から国鉄の経営改善計画についての質問がございました。私も、これ全部読ましていただきました。総裁の「経営改善計画と皆様へのお願い」という談話も読ましていただきました。一口で感想を言いますと、いろいろたくさん結構なようなことが書いてあるらしいのですけれども、三つの大きなポイントで、いわば肝心のしんが通っていないといいますか、問題点を逃げているというか、そういう点が強いように思うんです。  その三つの大きなポイントについては、昨年の国鉄運賃法改正のときにもずいぶん長時間の質疑を通じて再々申し上げたことでありますから、総裁も御記憶だと思います。そこで、重ねてくどくど申し上げませんけれども、第一は、国鉄の経営改善をするというときの一番根本は、従来の幹線並びにローカル線という考え方を変えるということだと思うんです。いままでの惰性でこれが幹線、これがローカル線だ、あるいは営業係数を出すのにも、ここが起点でここが終点で、その間の路線について、運賃百円上げるのに元手が幾らかかるかというようなことを計算しているわけですが、それはそれで一つの指標として決してむだなものだとは思いません。しかし、かつて日本じゅうの鉄道輸送はほとんど全部国鉄が責任を持つんだという時代と違ってまいりまして、いまや代替輸送手段というものが非常に発展をしている。国鉄のシェアはだんだん減ってきているわけであります。  そういう状況における国鉄というのは、日本全国をネットワークする国有鉄道として特急、急行の走る幹線はもとより、それが走らないローカル線でも、これだけの路線だけは国鉄の責任として経営をしなくてはならない路線だ、言うなればそれが幹線であり、国鉄の責任を持つ路線だと思うんです。それ以外の、従来からのいきさつで便宜上国鉄が経営をしているけれども、それは国鉄から切り離しても差し支えない、私鉄に渡してもいい。あるいは代替路線にまかしてもいい。こういうものは、いわばいままでのいきさつ、惰性から国鉄が便宜上経営を背負っているという路線なんですね。  私が去年の運賃法改正のときに言ったのもそのことを言って、それを新たな観点に立って仕分けるべきではないか。そうでなければ、本当の意味の国鉄の合理化、経営改善という考え方出てきませんよ。そして、全国をネットワークする国鉄として、これだけはどうしても国鉄自体として維持していく必要があるものである、たとえ利用者が少なくても、路線の配置上この路線がなければやっぱりぐあい悪いというものがあれが、たとえば太平洋岸と日本海側をつなぐという路線の場合には、国鉄としてどうしてもやめるわけにいかないというものもあるでしょう。あるいは、その路線をぶち切ることによって、環状線が途中で輪が切れたようになってしまって大変効率が悪くなるというようなところもあるでしょう。  そういうものもひっくるめて、これだけの路線というものは国鉄がやはり経営をしていかなくてはいけないんだ、その路線についてのコスト計算をやってこれだけかかる、これを運賃でもって徴収するとすればこれだけである、あるいは、合理化によって吸収し得るものはこれだけだ、どうしても現在の状況でいきなりそこまでいけない分については国家の助成をどうするか、あるいは、運賃を上げることによって不都合な状況が出てくるということであれば、それを抑える分についてはこれこれの方式で国家の助成を求めるべきだ。そこで初めて一つの方向が出てくる。  そうでない部分については、私は、はっきり言って国鉄から切り離してもいいと思う。で、もしその地方の人たちがどうしても国鉄で経営してほしいというならば必要な費用を負担してもらえばいいわけです、そうでしょうね。それも、しかしなかなかいきなり負担できないことになるから国鉄が引き受けていくというならば、そういう切り離していい路線の分については、それは国鉄の責任じゃないのですから、国がめんどうを見るなり、地方自治体がめんどうをみるなりやってもらわなけりゃ国鉄がやめますよということで一向差し支えないわけなんですね。現に国鉄が走らなくたって、私鉄なりあるいは民間のバス会社なり、その他いろいろな点で代替しているところもたくさんあるわけですから、たまたま線路があったからといってそれだけは国鉄が維持し続けなくちゃならぬという理屈はないはずなんです。  そういう新たな今日の輸送の状況と、国鉄のシェアと、これから国鉄が背負うべき使命に立っての、いわゆる国鉄として維持していかなければならない路線と、そうでない、便宜上国鉄が背負っている路線というものをまず分類をする、そこが国鉄の経営改善の出発点じゃないですか。そういうものをつくることが必要じゃないかということを私は何度か言った。検討しますということをおっしゃられました。鉄監局長はそういう議論について何度かやったことを要約して言ったのですから聞かれたと思うのです。ここにこういうふうに経営改善計画を出すという以上、まず第一点としてそれができていなくちゃならぬはずなんです、できているかどうかお伺いをしたい。
  207. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 確かに昨年、そういう御質問というか、御提案があったわけでございます。そして、私からはそういう御提案なり、御質問の御趣旨はよくわかりますけれども、さていま一つの尺度といたしております道路輸送とどちらが有利かという単純な基準で分けております幹線系の一万三千キロと、地方交通線の九千二百キロという区分がございますが、これはいまも御指摘がありましたように、いわば採算といいますか、道路で輸送するのと鉄道で輸送するのといずれが有利なりやということを基準にして分けたものでございますが、これでは不十分であって、いまおっしゃったような趣旨で、何か区分の仕方はないかということの御指摘を受けました。で、それはなかなか一つの御提案ではございますけれどもむずかしいというお答えを申し上げ、なおかつ、しかしそれは大事な問題でございますから、これからも検討いたしますというふうにお答えをしたと記憶をいたしております。  その問題につきましては運輸政策審議会で、地方交通線問題を議論されましたときにも最も実は議論があった点でございまして、何かもう少し別の角度で区分をする区分の仕方はないかという議論がしきりになされたわけでございます。ただ現状におきましては、幹線と申しましてもわずかに三線区しか黒字でないという現状でございますので、どうもいまの段階でそれをぴしゃっと分けるということはなかなかむずかしいのじゃないか。それから、いずれが脊髄になるような線なのかということにつきましても、たとえば本当に日本の島を縦に貫いておる線だけをそう考えたらよろしいのか、いろいろな地域にございます半島を回っております線なんかは、いまのお考えから言えばもう幹線のラインから外してしまうといいますか、国鉄の使命から外してしまうということなのか、どうもその辺を国鉄だけの責任で決めるということは現実問題としては私はなかなか困難である、私自身の責任において判定をするということは現実問題として非常にむずかしいと思いますので、ある意味ではその運輸政策審議会の中の小さい懇談会といいますか、部会でございますけれども、そこでも何とか御議論願えないかと思ったわけでございますけれども、事実相当その点について熱心な御議論がありましたけれども、結論が出ていないというのが現状でございます。決していまの御提案について放置をしてあるわけではありませんが、いやいやこれはなかなか結論を導くのにむずかしいという現状でございます。
  208. 和田春生

    ○和田春生君 総裁の苦しい立場はわかるんですけれども、運輸政策審議会とかそんなものじゃなくて、国鉄といえども企業体なんですから、これだけは国鉄がめんどう見ますということは、国鉄がまず意思を決めることが必要じゃないでしょうか。で、それを運輸省に提出をして、運輸省がやはり運輸省という一つの高い立場に立ってそれがいいか悪いかということを判断をする。その際に、運輸政策審議会にどうでしょうかといって諮問をするということがあってもいいと思うんですけれども、黒字になるか赤字になるか、自動車との競合がどうかということじゃなくて、日本国有鉄道、しかも全国を一つの企業体で管理をし運行をしているという立場に立って、今日の輸送状況で国鉄としてはこれだけ責任持つんですと、あとは責任持てないんですと、やれというならその部分の赤字はまるまる抱えてくれというだけの姿勢がなければ私はいかぬと思うんですが、どうしてそれがとれないんでしょうかね。そのことについての総裁のお考えと、あわせて大臣についても御見解を伺いたいと思うんですが……。
  209. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) まあ国鉄としての意見というものは残念ながら、あるいは見解というものは残念ながら明確にお出しするところまではいっておりませんけれども、一応現在は幹線系の線区として一万三千二百キロだけは、これは歯を食いしばってもどうしてもやっていかなければならない。それに対して残余の九千二百キロについては、まあいわば背骨的ラインでもございませんし、なかなかできない状態でございますということはいろいろな機会に申し上げておるわけでございますけれども、長さで言えば全体の中の半分近くのものがだめなのかということでは、なかなか世の中は通らないのではないかという御批判が非常にあるわけでございまして、いまの私どもの言っております九千二百キロというのは、これでは少し経営が引き受けかねるというのには長過ぎるよという御批判があるのがいまの実態でございます。  しかし、私どもとしては、経営的にはやはり一万三千二百キロでもなかなか容易でないわけでございますので、さらにこの九千二百キロを分けまして、そのうちこの部分だけはどうしてもだめですと、この部分は何とかやりますというふうに分けるなかなかこの基準が見つからないというのが実態でございます。
  210. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) こういう問題、本来国鉄が決断を下すべき問題だと思います。まあ国鉄再建の根幹にかかわる問題でありますから当然のことだと思いますが、総裁もなかなか苦しいんでございましょう、実際問題、選別、いろんなことで。ただ私は、先ほど来和田さんの御意見を承っておりまして、一つの見識だと思って承っておりました。まあしかし、いまの段階で私がとかく指図がましいことを言わない方がまだいいんだろうと思いますが、一つの見識として承ったということを御理解いただきたいと思います。
  211. 和田春生

    ○和田春生君 私は、私の見識かどうかということは別問題にいたしまして、これからの国鉄再建というのは、まあ過去の累積赤字と過去債務合わせて十兆円に近い借金を負っているわけですし、上がってくる運賃収入はもう賃金の支払いととんとんですし、かといって運賃を上げれば競合路線の民間に、航空機やその他に奪われてしまう、貨物はどんどん逃げる、ほかにもいろいろ理由はあるわけですけれども、そういう状況になって、本当にこれを立て直すというように、単年度で収支が均衡するように持っていくということならば、国鉄として、もうともかく体を張って死守すべき守備範囲というものをまず確定をして、ここにおいてはやるんだと、やれると、その部分については助けてくれと、あとは世論がどうのこうの言ったってそれは無理だと、そういうことを国鉄にしょわせるというなら、それに必要な銭と金と協力をつけてきなさいということでなければ、私は企業体としてはやっていけないんではないか。  相変わらず昔の国有鉄道が公社になり企業体になる前の省線と言われておって、お役所が鉄道輸送全体に責任をしょっているんだという考え方、その惰性の上にどうも物が考えられているような気がしてならない。そこのところを断ち切っていかない限り、これ二年間をさらにまた二年延ばしたけれども、五十四年になるとまたぞろ二、三年延ばしてくれというようなことになって、だんだんだんだんその赤字は深刻になっていって、下手するともう野たれ死にと、こういうような状況になりかねない危険を感ずるわけでありますから、きょうはこの議論を詰めようと思いませんけれども、ひとつ運輸大臣もそういう立場を十分検討していただきまして、そして国鉄当局がいまの国鉄ではやり切れない分については運輸省がてこ入れをすると、そういう形で再建策のひとつ土台をつくっていただきたい、こういうふうに希望いたします。  大臣は結構でございますから……。
  212. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 十分検討いたしたいと思います。いいですか……。
  213. 和田春生

    ○和田春生君 それじゃよろしゅうございます。  それでは、あとの二点については運輸省にも関係ありますが、鉄監局長おられますんで、もっぱら国鉄の方にお伺いしたいと思うんですが、第二の点は経営の姿勢だと思うんですが、どんな企業――これは日本でも外国でも同じでございますけれども、行き詰まってきて再建をする、こういう場合にやっぱり三つの要諦といいますか、肝心な原則というものがあると思いますね。  その一つは、申し上げるまでもなく経営の合理化を徹底するということだと思う。それからその次は、労働生産性を向上するということだと思うんです。第三点は、品質管理だと思いますね。輸送の場合には、輸送というサービスを商品として売っているわけでありますから、品質管理ということはダイヤの運行を厳守をする、貨物で言えば輸送契約は確実に守る、それがいわば国鉄という企業の品質管理だと思うんです。で、どんな企業でもこの三つというものが的確にいかない限り再建は不可能なんです、幾らてこ入れしても、銀行融資しても外部から人を導入しても。  ところが、この経営改善計画というものをずっと拝見をいたしますと、何に遠慮したか知りませんけれども経営の合理化、労働生産性の向上、品質管理、すなわち運行ダイヤの厳守と、こういうことが一つも出てこないわけ。全体として見ればそういうことを意味しているんだというふうにおっしゃるのかもわかりませんけれども、私がなぜこのことを申し上げるかというと、こういうふうに一般になじんできた経営上の用語というものはそれなりの価値判断を含んでいるわけです。つまり経営合理化というは善なるものなんだ、労働生産性の向上は善なるものなんだ。これはソ連や中国だってそうでしょう、やはり給与が行き詰まってきて、やろうと思えば労働生産性の向上に全力を挙げて取り組もうといってやっているわけですね。  それはやっぱり企業をきちんとして、労働生産性の向上というのは善なるものだという価値判断含まれている。品質管理というのは、企業が生きる上について善なるものだという価値判断が含まれている。その言葉を避けて通っているということは、私らから見ると本気でやる気がない、つまり抽象的な表現を羅列しておけば、肝心かなめの点はああだ、こうだといって理由を構えて逃げられると、そういう怯懦なやっぱり経営者としての姿勢があるんではないかという気がするわけですが、どんな企業でもこれが三本柱ですよ。その回りにいろんなものをつけてくるという形になるわけですね。その経営姿勢と、そのことについてこういう肝心なポイント、とりわけ生産性の向上とか、決められたダイヤを厳守をさせる、輸送契約というものを完全に履行させるということについての厳しい経営者としての姿勢が入っていないというのはどういう理由なんでしょう。
  214. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) お答えをするつもりの点を先におっしゃられたような感じがあるわけでございまして、私どものこの経営改善計画というのは、いま問題になっております、あらわれております現象面を追っかけておるという点が非常に強いわけでございます。  たとえば貨物の問題でございますとか、自動車の問題でございますとか、ローカル線の問題でございますとかいう形で取り上げておるわけでございまして、これは経営がうまくいっていないフィールドを一つ一つ取り上げて、これにどう取り組むかということを挙げてきたわけでございまして、それを全部を通ずるどの問題につきましても、いまおっしゃいましたような基本的な姿勢というものは当然取り組まなければならないわけでございまして、あるいは、そういうことを中に織り込むことが経営改善計画なるものをつくりますときの一つの基本的なものとして、あるいは当然なものとして言及をいたすべきであったかもしれません、しかし、その点は私どもといたしましては当然に基本にある問題として考えているわけでございまして、それをいささか、強いて申しますれば現象的な点だけを拾い上げた結果になったのでそういう御批判を受けるのだというふうに考えます。決していまおっしゃいました点を無視といいますか、軽んじているといいますか、そういうつもりはないのでございます。
  215. 和田春生

    ○和田春生君 総裁はいま私の指摘した点について、これをお認めになる趣旨の発言をされました。それはそれなりに受け取っておきたいと思うんですが、実はいろいろな実例も用意してきたんですけれども、なぜこういう質問をするかといいますと、この経営改善計画が出て国鉄総裁の談話が発表されておるわけであります。ところが、その国鉄のいま黒字を出している新幹線の品川基地の国鉄の建物に、路線の方からみんなが見えるように物すごくでっかい紙に、貨物合理化粉砕というような、そのほかいろんなスローガンやステッカーがべたべたと張ってあるわけですね。一向にあれ経営者サイドがはがさせようとしてもおらぬようだし、はがれてもおらないんで、一方では職員一同一致協力して、新たな発想とかたい決意のもとにやりますという総裁談話が四月四日に出ているわけでしょう。  その中には、いまもう赤字の一番大きな問題で、しかも民間との競合で事実上国鉄が敗退しつつありシェアを奪われていると、その貨物を合理化しなければにっちもさっちもいかないという形でかなり多くの文字が費やされている。一方その貨物の合理化粉砕という国鉄の企業内労働組合の大スローガンが国鉄の建物に大書されて、そのままでずっと続いているということになると、総裁の言っている意思は全然管理局長や現場には通じていないんで、結局そういうことを認めているということを天下にさらしているようなものですがね、いかがでしょうか、その点は。
  216. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) 一年の間いろいろやってまいりましたのですけれども、残念ながらなかなか浸透しておりません。現在の段階では、たとえば組合諸君といろいろ話をいたしますけれども、組合の諸君も基本的には理解できる点があったといたしましても、今日までの、いい悪いは別にしまして、独自の運動といいますか、そういうものの経過との間において、なかなか急に姿勢を変えるとかいうことができにくい事情にあるようでございます。それで、したがって、私どもの考えは末端にまで徹底するということになかなかいってないわけでございまして、ある意味におきましてはその意味で出先といいますか、一番末端のところの現場管理者は非常に苦労しておるというのが現状でございます。  それで、全体として全く方向を見失っているかといいますと、その点については私はやや楽観的な見方に過ぎるかもしれませんけれども、次第次第にそういう経営について物を考えなければならないという心構えと、これは一人一人の運転に当たる人であろうと、踏切の仕事をする人であろうと、施設の仕事、保守の仕事をする人であろうと、やはり自分のところの会社といいますか、企業の経営の実態を考え、そしてこれをどういうふうにしなければならぬかということについてやはり考えてもらわなければならないわけでございまして、職場職場を守って、運転なら運転の仕事をやっておるというだけではもうなかなかうまくいかない事態になってきておるわけで、基本的に経営の実態を理解してもらわなければならない事態になっておるわけでございますが、それを徹底しますといいますか、末端に及ぼしていきますのになかなか思うようにいってないというのが現状でございます。  ただ、少しずつでも前へ向かってといいますか、いい方へ向かって進んでいるか、それとも後戻りをしているかという点につきましては、私はいろんな現場その他から聞いておりますところでは、とにかく元気を出してやってくださいと、希望を持ってやってくださいという激励を現場からも受けておりますので、もう少し時間をかしていただけば漸次変わってくるんではないか。確かに一般の方々からごらんになりますと、ちっとも変わってないじゃないかということではないかと思いますけれども、もう少し時間を――何分長い歴史かありまして、また残念な思い出も皆持っておる職場でございますので、それをだんだん薄皮をむいていくようにむいていかなければいけないわけでございまして、私はいまの御指摘はまさに痛いといいますか、つらいところなんでございますけれども、そうだからといって全然見込みがないといいますか、希望を持てないといいますか、そういうことではないということで、私自身元気を出してやっていきたいと思っております。
  217. 和田春生

    ○和田春生君 私も総裁の熱意を疑うものではありません。しかし私自身、戦後四分の一世紀ずっと労働運動、労使関係にタッチしてまいりました。大きな企業も小さな企業もいろんな場面にやってまいりました。しかし、いまの国鉄のように、その企業の建物とか施設に、もう汚い字で書きなぐったり、ステッカーやポスターがべたべた張られて、合理化反対とか、粉砕とかいうようなことをやっている状況で立て直った企業は一つもないということは断言していいと思う。それはつぶれていく企業です。そういう企業が立て直ったときは、もう一たんつぶれて経営者も従業員も新しくなってやり直したとき。本当に危機感を感じて何とか再建しなくちゃならぬという企業の職場というものではそういう余地がないわけですね。これは鉛筆一本、紙一枚でも節約しようと。国鉄だってトイレットペーパーやら石けんやらシートカバーやらまで節約するとか、電気を暗くするとかいうまでやっているわけでしょう。建物にあんなものを塗って消す、それだけむだな費用がどんどんどんどん消えていく、むだな労力が要るわけですから、本当に再建しようと思ったらああいうことにならないわけです。  私はこの問題は、組合の中には大ぜいの組合員ですから、待ったもしないという総裁のお話もわかろうと思いますけれども、やはり管理局長以下管理者側が親方日の丸式だと思うんです。そんなことをしておっても、困ればやっぱり何とかしてくれるだろうということだから、本当におれたちで立て直すんだという気持ちが徹底してないからじゃないか、そういうところにだれも助けてくれなくなると思いますね。やっぱり真摯な努力があって、及ばずながら、自分たちの力でできないものを抱えながらも悪戦苦闘しているというのを見て初めてこれじゃいかぬと、ここをやっぱり気持ちのいい職場にしてやろうという世論もほうはいとして起こってくるんじゃないか。あれは天下の物笑いなんですね、べたべたやっているということは。そういう点で、ぜひひとつ浸透していただきたい。この問題は、きょうは短い時間でございますし、原則問題として申し上げているわけですから、これ以上は具体例を一々挙げて追及しようとは思いませんけれども、ひとつぜひ総裁初め管理者にお考え願いたいことだと思います。職員局長もそこにおりますけれども、これは職員局長も一番所管のことだと思います。  それで、次に第三の問題は、私は労使関係、いま申し上げたことも労使関係に関することですけれども、私はむしろ経営姿勢という観点から取り上げたんです、いま第二の点は。第三は労使関係です。この労使関係の点について、たとえば俗に東京民六事件と言われている処分者の和解の問題、暴力事件を働いて首を切られた者の再雇用の問題等、その措置についても一貫して国鉄当局の説明、また衆議院における質疑の過程等においても、それは労使関係の改善に資するという観点からやったと、こういうふうに言われておりますし、事あるごとに労使関係というものはよくなってきたというふうな説明が最近意識的に宣伝されておりますね。  しかし、労使関係がよくなってきたということはどんなことだろうかというと考えてみますと、やっぱり一つは個別的な労使関係において職場の規律がきちんと守られている。そうして、決まったとおりに作業が整然と実行されているということが労使関係がいいということの一つの面だと思いますね。今度は団体的労使関係という形になると、これは労働協約のルールに定められた方式に従ってきちっと問題が解決をされておる。団体交渉というものが中心でストライキがないか、あったとしても非常に少ないかということのこの二つですね。これが労使関係がいいということを判断する物差し、これはもう世界各国共通の物差しであります。  ところが、予算委員会でわが党の中村利次議員が質問をした中で、「国鉄を憂う」という全国鉄葦の会というものの発行した文章というものを総裁以下お読みになっているということでございますが、こういう実情がある。私自身これはまだ内部の人が内部告発でありますから、言ってみれば。そういう面もあるようでございますのでかなり遠慮しているのじゃないか。私たちの承知しているところではもっとひどい実例も、私自身が目撃していることが幾つもあるわけですね。まことに民間の企業の現場から見ると常識外れの規律の紊乱というものが行われている。  ストライキについて見ますと、ことしになってから労使関係がよくなったとか、労使関係の改善に資するために解雇処分者の再雇用をやったとか言いながら、三月二十八日ストライキがあったでしょう。四月の五日には動労の減速闘争、これはサボタージュですね。そして四月の八日に、あしたにはまたストライキをやるというのですね。十五日にまたやるというのでしょう。だめなら十八日以降ストライキやるというわけでしょう。こんなにはでなストライキをやっている民間企業なんて一つもないでしょう。あんまり大して関係のないような中小企業労組は別として、大企業ないしは大労働組合で、今日の困難な雇用不安と経済的不況の中においてこんなにやっていることはない。そうすると、職場規律という面においてもだめだと、それから団体的労使関係の中においてもストライキがこういうふうに行われている。しかもいろいろ意味づけが行われておりますけれども、全く意味がないんですね。  まあ後から分けて申し上げるより一遍に申し上げてしまいますけれども、何か賃金闘争を引き上げるんだと言ってやっているらしいんですが、これは民間産業の労働組合の主だった諸君に聞いてみるとせせら笑っていますよね。つぶれかかった国鉄が何十日ストライキやったってわれわれの賃金にびた一文関係ないですよと。経営者にしてみれば、国鉄がストライキやったからといって何で賃金を上げなくちゃならぬのですかと。われわれの賃金が決まったらその賃金を下敷きにして公労委の調停、あるいは仲裁で決まるんじゃないですかと。はなはだわれわれの賃金を上げるとか、そのために闘争やるなんというのは迷惑千万で、そんなことを言っている時代じゃないじゃないですかというふうにこれみんな言っていますよね。  公式にマスコミにもそういうことが出ているわけですから、われわれから見ると、何のためにこんなに三月から四月の一番大事な時期にストライキが集中するのかわけがわからぬわけです。労働組合の権利としてストライキを認めるということとストライキを乱発をするということ、そして違法のストライキをやって処分をされた者をまたぞろお戻りくださいということ、そういうこととは労働者の権利とは関係のないことなんじゃないか。こういうふうに見てくると、せっかくの再建に熱意をかけても、国鉄の労使関係というものは見せかけや宣伝とは違って一つもよくなっていないんじゃないかというふうに感じるわけですね。  さらにまたこの前、これは職員局長から話を聞いたわけですけれども、いや、二十八日のストライキの立ち上がりが予想以上に早かったからよくなったって、冗談じゃないですよ。立ち上がりを早くしなくちゃならぬのだったら、こんなストライキ初めからやらなきゃいいんです。やったといりこと自体が問題なんですね。やっておいて、それから立ち上がりが早かったから労使関係がよくなったなんて、これはとんでもない話ですよ。船から人を突き落としておいて、手引っ張り上げて、おまえ助けてやったと言うことと同じことじゃないですかね。そういうことが労使関係がよくなったということにはならぬと思う。  私はストライキがあっちゃいかぬと言っているんじゃない。やるときはだれでも納得できるようなことで堂々とやって、国民の方も、ああわかったということがあるんなら、それはそれなりにりっぱなものだと思います。ところがこういうことが、いまずっと私が言ったように、きょうをはさんで前後に行われようとしているわけですね。そういう点について一遍職員局長はどう考えているのか、労働問題の責任者としてお考えを聞きたい。後で総裁から所感を承りたいと思います。
  218. 橘高弘昌

    ○説明員(橘高弘昌君) ただいまの御指摘いただきましたこと、一々胸にこたえるわけでございます。御指摘のとおりの状態にいたしたいということで私ども日夜努力しておるわけでございますが、何せ長い歴史の中で一時期俗に言うマル生、あるいはその後の紛争対策委員会等の処理をめぐりまして職場が非常に荒廃する、労使関係も双方に大変な不信感を持つというような状況の中でほとんど一年を通じてストライキが行われる、あるいは職場では暴力行為が行われるというような最低の状態に追い込まれておったわけでございます。  私どもといたしましては、ただいま先生御指摘のようなところにもちろん理想は置きながら、現実問題としてはこの最低線にさまよっておる国鉄をどうすれば少しでもよくできるかという現実的な処理の方に目を向けざるを得ないというようなことで、まず労使の信頼関係を回復するということが第一に、労使の信頼関係というものが、職場なり地方なり中央で不信のかたまりでぎすぎすした状況でございますと、職制の言うこともなかなか通らないという面もございますし、まず当局側の言うことを信頼させるというようなことが基本的に大事ではないかというようなことから、信頼関係を回復するというようなことでいろいろな手を打ってきましたし、もちろんこれは先生御指摘のように、職場の秩序をどうやって回復するかということに目的があるわけでございます。  もちろんこれは理想的な姿でありませんで、まあたとえて言えば、通常の道がいろいろな事故、災害等でふさがった場合にバイパスをつくると申しますか、そういうような感じで、現実を処理する上の必要やむを得ざる一つの方法として正常な、あるいはまた通常の常識から見れば少し批判されるような問題もあろうかと思いますけれども、しかし、それはそれで私どもとしては現実をどうしたら一歩前進させるかという立場から今日まで、今日もまた努力しておるわけでございます。  総体として、職場の秩序がどうやったら回復できるか、あるいは労使関係がよくなってストライキが一つでも減っていくかというような観点からやっておるわけでございまして、御指摘のようにとても理想にはまだまだほど遠いところでございますけれども、一、二年前、あるいは二、三年前に比べますと、ストライキの回数、あるいはサボタージュの回数も格段に少なくなってきておりまして、また立ち上がりなども一昨年あたり、ストライキ終わっても一日も二日も立ち上がりが乱れて列車がほとんど動かないというような状況もございましたけれども、そういう点につきましても悪い方に比較するのは問題かもしれませんけれども、いずれにしろ、かつての時期に比べますとはるかに改善されてきている面も事実でございまして、こういう徐々に上り坂にかかってくるわけでございますので、これをいままでの気持ちを緩めず、少しでも前進させる方向で努力してまいりたいと思います。
  219. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) いまちょうどお引きになりました「国鉄を憂う」という印刷物の中にいろいろな事実が指摘をされておるわけでございますけれども、そうした事実があるということは非常に残念でございますけれども、現実問題として認めざるを得ないといいますか、私が現認したわけではございませんが、話に聞きましたりいろいろいたしまして、そういうことがあるということを認めざるを得ない状態でございます。ただ問題は、そういう現場がたくさんありましたのが、その困った状態にあった現場がだんだん少しずつ減ってまいりましたと、あるいはその現場におきますところの労使間の話し合いのときにいろいろないわば労使のルールをはずれたようなことがありましたのが回数が減ってまいりましたというようなことで、好ましからざる現象がうまいぐあいになくなったということは言えないんでございますけれども、数が減りましたとか、そういう現場が減りましたとかいういま段階にあるように思っておるわけでございます。  これはやはり世論といいますか、国民の声といいますか、皆さんからの御批判といいますか、そういうものが次第次第に反映してきていることであり、何らかの意味において各現場においてこの一つの反省が生まれてきているからというふうに私は見ておるわけでございます。ただ、現在の国鉄の経営状態からいいますと、その立ち直りといいますか、改善といいますか、この異常な状態からの脱却といいますか、そういうものに移り変わっていくテンポがどうもまだ遅い。よくなったよくなったとは言っておりますけれども、どうもそのテンポが余りにも遅いので、それではいまのような困窮状態にある経営を考えますと間に合わないということが考えられるわけでございます。何とかそれを勢いをつけていい方向に引っ張っていかなければならないというふうに思います。  いま御指摘の、その冊子にありますような感じでの物の見方もありますけれども、一方においては、具体例を挙げてこういうふうに改善の道を歩んでおりますので、ひとつ何といいますか、将来に向かって希望を失わないで、再建といいますか、そちらの方向に引っ張っていくようにがんばっていただきたいという趣旨の投書といいますか、現場からの声というようなものが私のところにも寄せられておるわけでございます。一日も早くいわば胸を張って先生にお答えできる日を迎えたいと思うわけでございますが、いろいろな仕組みの関係とか、あるいは企業形態の問題とか、あるいは私どもの当事者能力の問題とか、いろんな点からどうもなかなか民間の場合では考えられない事態になっておるところまで一遍行ったわけでございますので、それを、困窮状態というのを逆にてこにいたしまして、何とか速いスピードで直してまいりたいというふうに思っております。
  220. 和田春生

    ○和田春生君 確かに、現場の職場規律という面ではよくなっている部面があるという事実を否定しているわけじゃないんです。しかし、新たに悪くなっているところもあるんです。それから、せっかくよくなっているところを、努力をしている人たちに挫折感を与えるようなことがほかで行われているということがあるわけですね。そういうことを私は特に問題にしたい。で、実際はこう沈みつつあったんだけれども、大きな船が、おれは沈まないんだという形で、中でいいころかげんにやっておるときはいいけれども、もう国鉄は事実上沈んじゃっとって、何とかそれをいろいろブイをかけたりなんかして引っ張っているという状態でしょう、船にたとえれば。そんなことが多少はよくなっているが、まだまだまずいところがあるなんという事態じゃ私はないと思うんですね。ですから職場規律、それから運行ダイヤの確保という面については、やっぱり経営サイドに立つ人たちがそういうことをきちんとやらせるということに、当事者能力のありなしではなくて、決意と姿勢だと思いますね。  そういう点で申し上げているわけでございますが、特に団体的労使関係についてお答えはなかったんですけれども、三月の四日に、先ほど申し上げた、俗に言う東京民六事件ですが、正式に地裁の勧告を受けて和解をいたしておりますね。この件については、これもいろいろ問題があると思いますが、この東京地裁分の原告数百二十二、再採用八という分につきましては、われわれも話を聞いてみますと、問題点はあるようだけれども、古いことだし、長い係争でこういうことも中にはあってもやむを得ないのかと、外から客観的に見てそういう気もしないわけではありません。ところが、それに付随してというよりも、それよりも先に、地裁の和解関与も待たずして新鶴見機関区、品川機関区、宇都宮運転所、それから門司港機関区というようなところでは、これはみんな暴力事件、暴力をふるって仲間を痛めつけた、それで処分をされた。しかもそれほど古い事件じゃない。それがあっさり現場の話し合いで再採用されてしまってるわけですね。  このことについて、実は私は最近におきまして、予算委員会の審議中、三人の人から、国鉄の中から電話で、一遍ぜひ実情を話したいという連絡を受けました。これは、はっきり言いますけれども、国労の組合員でも、動労の組合員でも、鉄労の組合員でもありません。むしろ現場の第一線で、その人の立場を聞いてみますと、やっている、どちらかといえば第一線の職制側の人たちであります。こういうことをやっとって全くやる気を失ったと言うんですよ。ばかな話がありますかと言う。その一方で、この改善計画で見ると、五万人の要員合理化なんて書いてある。要員合理化という言葉もおかしな言葉ですけどね、これはこの要員合理化というのは何かみんな減らすということらしいんですけれども、一生懸命働いている者を何かの調子で減らすと、こう言っていると。それはふやす部分もあるから、そのうちで一万何千人だと。どうせわれわれの仲間から何かの形で職場から押し出されていく人間がこのとおりいるとすれば出るのじゃなかろうか。  しかし、それもまじめに考えれば、国鉄再建のときやむを得ないと思えば、そういう方法についても考えなくちゃいかぬと思っているが、一方で、暴力をふるってそして職場から追放されたという人間を、何のことかわからぬけれども、またずるっと採用すると。ばかな話がありますかと。そんな暴力をふるった人間を再採用する余地があるぐらいなら、いま働いているまじめな人間を整理するなんというべらぼうなことは認められぬ。そんなことを聞いたら、再建計画なんというのに協力する気も起こらなければ、もうやる気をなくしましたというような意味のことを――それは立場は違いますけれども来ておりますよ。ぜひあなたの部屋に行くので話を聞いてくれいと、こういうことを熱心に、もう三度も電話をかけてきている人も実は国鉄の内部からおります。私はそれはどういう人か、まだ一度も会ったことがないから知らない。これは大変な問題だと思うんですね。  ですから、俗に言う民六事件の方は置いておきましょう、もう古い事件ですし、いろいろいきさつもあるようですから。しかし、これ、一体総裁は事前に承知しておったのかという問題、職員局長は承知の上でやれと言って指図をしたのかって言うんだ。そうなれば、幾らあなた方が口で言っておったって、本気でやろうとしているまじめな人間にショックを与えたら何にもなりませんよ。それが労働組合同士の対立関係でいろいろ言っているというんなら、まだそれなりの感情のそこに介入する余地もありましょうけれども、組合員ではない人たちにそういう気持ちを与えて、そしてそういうことを、ぜひわれわれの気持ちを聞いてもらいたいと、時間をいつかつくってくれというような声まで内部から出てくるということになりますと、この国鉄を憂えるどころの騒ぎじゃなくて、むしろ管理者側がそれを拡大しているんじゃないでしょうか。このことについて、一遍これは総裁並びに職員局長からきちっとお答えをいただきたいと思うんです。
  221. 橘高弘昌

    ○説明員(橘高弘昌君) ただいま御指摘の、和解の問題でございますけれども、民六はまあよくはないけれども……
  222. 和田春生

    ○和田春生君 それは聞きませんから。
  223. 橘高弘昌

    ○説明員(橘高弘昌君) はい。  その他の案件でございますけれども、これにつきましては私ども、民事六部の事件はかなり、八件で百二十二名という大きな口でございましたので、本社が直接これにタッチしまして、裁判長の和解勧告の席にももちろん弁護士を通じてでございますが出て処理したわけでございますけれども、いま挙げられました件は、いずれも地方事案と申しますか、地方でいろいろと話し合いが進んでおりまして、それについてかなり煮詰まった段階で本社に相談があって、もちろん相談があった時点で職員局としての判断をし、また総裁の方にも相談をいたしまして処理してきたものでございます。  いろいろ問題はございますけれども、やはりポイントは、そういうことをすることによって職場間にどういうはね返りがあるかという問題だろうと思います。で、地方からこの問題が挙がってきましたときに、その辺につきましては、先生御指摘のいろいろの問題点については本社としても十分に調査いたしまして、それぞれについてまあなるほどという感じで納得ができました上で了承したものでございます。したがいまして、その後のまた追跡もいま現在やっておりますけれども、非常にまじめに職場で働いておるというようなことで、職場にそう、そういった心配したような混乱は起きていない、むしろプラスになっておるというような報告も聞いておりますし、そういう点では、必ずしも御指摘のような点とは違った印象を私ども受けておるような次第でございます。
  224. 和田春生

    ○和田春生君 総裁、ちょっと関連しまして。  そういうこと言いますけどね、これやっている職場から話が来てるんですよ、はっきり言いますけれども。態度よくないという、勤務態度が相変わらず。勤務態度がいいというのは、こういうことを決めた現場の管理者が、自分のやったことを隠すためにうまくいっていると言うて虚偽の報告をしているんだろう。勤務態度はよくないと言ってますよ。中からも来てますよ、話が。いいですか。だから、ここのところでは一遍十分、報告を聞くだけじゃなしに、いわば隠密でもいいから行って、きちんと調べた方がいいと思う。  それからもう一つ、私が言いたいのは、さっき言ったことと同じですね、ここまで――これは動労の組合員の暴力事犯ですな――サービスをしておいて、そうして、その後に何ですか、三月の五日に動労だけが減速闘争をやってんじゃないですか。一つもよくなっちゃいないじゃないですか、労使関係は。それから四月八日においても、十五日においても、十八日においてもストライキをやるという中に、動労はやはりその主戦力になって主張しているわけでしょう。これだけのことをやって、あなたは納得したかもしらぬけれども、納得できないという人間をたくさんつくっておいて、国鉄の職員の仲間にですよ。そうしておいて、しかもストライキが起きるわけだ。五日の減速闘争なんというのは、何のためにひどい目に遭わされたか、利用者さっぱりわけがわからぬわけでしょう。何にも、労使関係よくなったと、プラスしてないじゃないですか。  こういうこともやってよくわかったと、したがって、動労としては五日もストライキやりませんと、八日も意味ないストライキだからやりませんと、きちんと列車は走りますと言うんならわかりますよ。あなた方がよくなるためにやったということはみんな裏返しになっちまって、一つも実効をあらわしてないんですよ。だからこれを問題にしているんです。これをやったけれども、その後ストライキがぴたっととまって、ちゃんと民間と見合いながら正常な団体交渉が行われていると言うんであるならば、私たちはあなた方の言い分を素直に認めてそれを評価しましょう。事はまるきり反対になっちゃってるんです。だからこのことを問題にしている。しかも、職場においてそういう反発さえ招いている おかしいではないですかということであります。総裁の方にお伺いしたい。
  225. 高木文雄

    ○説明員(高木文雄君) この民六以外の問題につきましての私の判断といいますか、そういうふうにいたしました判断を申し上げておきます。  一つは、各地域の問題とも、まあこれは国鉄の方は国鉄の方でお願いをしている弁護士に担当してもらっているわけでございます。それから組合サイドも組合サイドで弁護士を立ててやっているわけでございます。で、これらの点につきましては民六事件と違いまして、明確な形での和解の勧告が裁判長から示されたということはございません。ただ、当方の弁護士からの連絡といいますか、報告といいますか、話を聞きますと、弁護士同士で話をし、弁護士、まあ事実上は法廷外で裁判官も入っていただいていろいろ話がありまして、そうして事実上の和解勧告というようなものが行われておる。そこで、そういう意味で純法律論といたしまして、あるいは訴訟論といたしまして、これは和解が成立するのであれば和解に臨んだ方がよかろうではないかという意味での法律的といいますか、訴訟進行上の判断が私のところに寄せられたわけでございまして、それを尊重したというのが、あるいは結果的には御指摘のようにいささか早過ぎたといいますか、軽率であったかもしれませんが、私はそういう法律専門家といいますか、弁護士さんの意見を中心に置いて判断をしたということを事実問題として申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、いささかこの私の判断が適当でなかったかもしれませんが、その幾つかの事件の中で鶴見機関区の事件というのがございまして、これは今度訴訟当事者になっております動労の職員が鉄労の職員に傷害を与えたという事件でございました。で、そこの機関区は、四十六年だか七年だかの事件でございますが、まあ大変荒れた現場でございまして、また大変荒れた事件であったわけでございますが、その後当局側も管理者をかえたりいたしまして、かなり立ち直っておるのでございます。で、いまから半年ぐらい前にその現場へ私行ったことがありまして、そして現場でいろいろ話を聞いたことがありましたものですから、総体としてここの現場がかなり水準が戻ってきたという印象を私が持っておりましたものですから、あるいはこれは大変断片的な印象であったかもしれません。いま御指摘のようにもっとほかの方法で情報を集めて正確に調べておかなければいけなかったかもしれません。きわめて表面的なものしか私に情報が伝わらなかったかもわかりません。しかし、とにかくそういう印象を持っておりましたものですから、私もかなり速いスピードでそこは立ち直りつつあるという認識を持っておりましたので、そういう意味で、まあそうであるとすれば法律家の意見に従っていくことがよろしいんではないかと判断したわけでございます。確かに御指摘のような問題があるわけでございまして、一部の職員の間からは、まあかえって不信を買うということになっておるかもしれません。その点はこれからもひとつ注意をしていかなきゃならぬ問題だと思います。  それから、先ほどお触れになりました点で、片っぽで再雇用をしておきながら片っぽで人減らしをやっているというのは矛盾ではないかということを御指摘になりましたが、人減らしの方の話というのは実は、一部どうしても職種の転換が起こります、あるいは勤務場所が変更になりますということは起こりますけれども、まあ国鉄をやめてもらわなきゃならぬとかなんとかいうことは起こらないわけでございまして、何しろ毎年、現在でも一万二千人から一万五千人ぐらい退職者があるわけでございまして、五十五年までにはさらにそれが毎年ふえてまいりますから、七万人から八万人の人がやめていくわけでございます、五十五年度までに。あるいはもうちょっとそれを超える数の人がやめていくわけでございます。それで、毎年それを補いますために一万人ぐらいの人を現在でも採用をいたしておるわけでございますので、要員合理化と申しましても、何か片っぽにおいて過去においてミスのあった人を再雇用しながら、片っぽにおいてはまじめに働いている人にやめてもらうという関係にはなっていないわけでございますので、その点だけは事実問題として御理解をいただいておきたいということをつけ加えておきます。
  226. 和田春生

    ○和田春生君 私が申し上げたのは、そういう議論が出る余地のあるそういう措置というものをとったこと自体が、意図とは別の現象を起こしているということとしてはこれは申し上げたわけでございますし、私自身も、そういう感覚は健全だと思うんです、私自身もそう思いますもの。あんなもの、暴れて人を殴って肋骨折ったりしたのを再採用するぐらいの余地があるんなら、国鉄というのはずいぶん楽だなという感じを持つのがやっぱり世間の常識だと思いますね。そういう意味で申し上げたわけですが、ともかくもうこれで質問は終わりますけれども、こういう点については非常に厳しい世間の目にさらされているんだと、しかも、こういう措置について、せっかくまじめにやろう、建設的にやろうという人間に挫折感を与えるということは、企業の再建にとっては一番恐ろしいことなんですから、そこをひとつぜひお忘れないように取り組んでいただきたいということをあえて希望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  227. 上林繁次郎

    ○委員長(上林繁次郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時十分散会      ―――――・―――――