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1977-05-17 第80回国会 参議院 商工委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和五十二年五月十七日(火曜日)    午前十時五十六分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月十二日     辞任         補欠選任      福岡日出麿君     八木 一郎君      粕谷 照美君     対馬 孝且君      須藤 五郎君     小笠原貞子君  五月十三日     辞任         補欠選任      楠  正俊君     大島 友治君  五月十六日     辞任         補欠選任      小笠原貞子君     須藤 五郎君  五月十七日     辞任         補欠選任      大島 友治君     福岡日出麿君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         加藤 武徳君     理 事                 熊谷太三郎君                 福岡日出麿君                 竹田 現照君                 須藤 五郎君     委 員                 青木 一男君                 植木 光教君                 小笠 公韶君                 斎藤栄三郎君                 吉武 恵市君                 阿具根 登君                 鈴木  力君                 対馬 孝且君                 森下 昭司君                 桑名 義治君                 向井 長年君    衆議院議員        修正案提出者   武藤 嘉文君    国務大臣        通商産業大臣   田中 龍夫君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       藤田 正明君    政府委員        内閣審議官    大橋 宗夫君        総理府総務副長        官        村田敬次郎君        公正取引委員会        委員長      澤田  悌君        公正取引委員会        事務局長     後藤 英輔君        通商産業大臣官        房審議官     山口 和男君        資源エネルギー        庁公益事業部長  服部 典徳君        中小企業庁長官  岸田 文武君        中小企業庁指導        部長       小松 国男君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        通商産業省生活        産業局紙業課長  小野 雅文君        通商産業省生活        産業局日用品課        長        脇山  俊君        建設省計画局建        設業課長     広瀬  優君        建設省住宅局住        宅建設課長    国吉  忠君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○派遣委員の報告に関する件 ○私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法  律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院  送付) ○中小企業の事業活動の機会の確保のための大企  業者の事業活動の調整に関する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、須藤五郎君、粕谷照美君及び福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君、対馬孝且君及び八木一郎君が、また十三日、楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として大島友治君が、また昨十六日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として須藤五郎君がそれぞれ委員に選任されました。  また本日、大島友治君が委員を辞任され、その補欠として福岡日出麿君が委員に選任されました。     ―――――――――――――
  3. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に福岡日出麿君及び須藤五郎君を指名いたします。     ―――――――――――――
  5. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました三井石炭鉱業株式会社三井芦別炭鉱における災害の実情調査のための委員派遣につきましては、報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ―――――――――――――
  7. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田総理府総務長官
  8. 藤田正明

    国務大臣(藤田正明君) ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  独占禁止法については、昭和二十八年以来、実質的な改正は行われておりません。この間のわが国経済は、競争の中に生かされた民間経済の活力に支えられ、めざましい発展を遂げてまいりました。しかしながら、最近における経済を取り巻く環境は著しく変化しており、わが国の経済は、従来のような高度経済成長を期待することはできず、安定成長に向かって大きく変貌を遂げようといたしております。このような環境のもとで、今後のわが国経済の一層の発展を図るためには情勢の変化に適応し国民の理解の得られるルールを確立して、公正かつ自由な競争を促進し、自由経済に新しい活力を与えることが必要となったのであります。このような背景のもとに、今回、政府は独占禁止法を改正しようとするものであります。  この法律案は、以上の観点から、不当な取引制限等について課徴金の納付を命ずる制度及び独占的状態が生じた場合における競争の回復のための措置に関する制度を新設するほか、会社の株式の保有の制限、違反行為に対する排除措置等を強化する等により、公正かつ自由な競争を促進しようとするものであります。  次に、この法律案の概要を御説明いたします。  第一に、不当な取引制限等について課徴金を国庫に納付することを命ずる制度を新設することといたしております。これは、いわゆる違法カルテルの発生の状況等にかんがみ、禁止規定の実効性を確保するための行政上の措置として、違法カルテルにより得られた経済上の利得について、その納付を命じようとするものであります。課徴金の額は、違反行為の実行期間における売上額に、業種に応じ、一定の率を乗じて得た額の二分の一に相当する金額とし、二十万円来満の場合は、その納付を命じないことといたしております。  第二に、独占的状態が生じた場合における競争の回復のための措置に関する制度を新設することといたしております。すなわち、一定規模以上の事業分野において、一定の市場構造があり、価格、利益等の面での弊害があらわれているという独占的状態があるときは、競争を回復させるための最後の手段として、営業の一部の譲渡その他必要な措置を命ずることができることといたしております。これは競争を経済運営の基本に置こうとするものであります。なお、この措置の重要性等にかんがみ、その要件、手続等につき配慮を加えております。  第三に、大規模な会社及び金融会社の株式の保有の制限を強化することといたしております。すなわち、大規模な会社に対しては、その資本の額または純資産の額を超えて他の会社の株式を保有してはならないようにするとともに、金融会社に対しては、他の会社の株式を保有することができる限度を現行よりも厳しくすることといたしております。なお、規制を強化するに当たっては、株式保有制限に国策的見地等からの例外を設けることとするほか、証券市場や中小企業への影響等を考慮して、所要の経過措置を置くこととしております。  第四に、高度に寡占的な業種における価格の同調的引き上げについて、その理由の報告を求めるとともに、その概要を国会に報告する制度を新設することといたしております。  第五に、違反行為に対する措置の内容を強化することといたしております。すなわち、不当な取引制限等の違反行為がすでになくなっている場合において、特に必要があると認めるときは、一年を限り、違反行為を取りやめた旨の周知措置等を命ずることができるものとするほか、不公正な取引方法に対する排除措置についても、その強化を図っております。  第六に、審判における公正の確保と被審人の防御権尊重の観点から、手続に関する規定を整備することといたしております。すなわち、事件の審査に関与したことのある審判官に当該事件の審判手続を行わせてはならないこと、審判官に審判手続を行わせた場合には、被審人が公正取引委員会に直接陳述する機会を与えるべきこと、審決における事実の認定は、審判手続において取り調べた証拠によるべきこと等を法律上明確にするとともに、審決取り消し訴訟において、審判手続で提出できなかったことにつき重大な過失がないことを理由とする新証拠の申し出をすることができるものといたしております。  このほか、違反事実についての報告者に対する通知に関する規定を設けることとするとともに、罰則その他の規定につき所要の整備を図ることといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  9. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員武藤嘉文君から説明を聴取いたします。
  10. 武藤嘉文

    ○衆議院議員(武藤嘉文君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の衆議院における修正につきまして御説明を申し上げます。  修正点は、公正取引委員会が、事業者に対し、不当な取引制限に該当する違反行為によって生じた影響を排除するためにとることとなる具体的措置の内容の届け出及び当該具体的措置の実施状況の報告を命ずることができる第七条第二項の新設規定を、事業者団体の違反行為の排除措置に関する第八条の二第二項において準用する場合を含めて削除し、これに伴う関係条文を整理したことであります。  以上であります。
  11. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 以上で説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  13. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 次に、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 森下昭司

    ○森下昭司君 それでは、ただいま提案をされておりまする法律案につきまして質問をいたしたいと存ずるわけであります。  まず、本法律案の立法化が問題化いたしましたのは、たしか昭和四十九年のキュープリントの軽印刷業界への進出問題を契機にいたしておると考えておりますが、このように中小企業分野への大企業の進出傾向が著しくなったのは、石油ショック以来わが国の経済が高度成長から低成長へと転換したことにより、大企業の経営の多角化戦略が積極化したことが大きな背景になっていると言えるのではないだろうかと思うのでありまして、本法案提出の背景について最初にお尋ねをいたします。
  15. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 大企業が中小企業分野へ進出して、その結果、中小企業業界に混乱を巻き起こすという事例はかねてから、かなり古くからあった問題でございます。それを受けまして、中小企業基本法におきましても特に十九条を設けたという経緯がございます。ただ、いまお話ございましたように、こういう事案が最近非常にふえてきておるということは事実のように私どもも感じておるところでございます。その背景としましては、一方において大変不況である、大企業自身もいままでの経営のままではやっていけないということから、何らかの意味での多角化を考えようというような動きが出てまいりましたことが考えられると思います。それと同時に、長い目で見まして、これから従来のような高度成長の時代がもう望めなくなりまして安定成長の経済体制に入っていく、そこにおける大企業の経営戦略として他部門への進出が考えられる、こういうケースも現にいろいろ出ておりますし、また今後とも続くのではないか、かように考えておるところでございまして、大企業の進出問題というのはやはり今後とも尾を引く問題であろうと、かように考えておるところでございます。
  16. 森下昭司

    ○森下昭司君 私は、この問題はキュープリントの進出以前からいろいろ問題化されていたわけでありまして、特にこの高度経済成長の時代におきましては、大企業は、経済界自体が発展をたどりつつありましたので、別段中小企業分野へ進出しなくても利益を確保できた。ところが、いま申し上げましたように石油ショック以来低成長の段階に入りまして、やはり何らかの形で利益を追求しなければならぬというようなことが私は大きな原因になっているのではないだろうかと思うのであります。かてて加えまして、ここ三年間中小企業の倒産は相当な件数に上っておりまして、中小企業自体が非常に経営が困難になりつつあるというようなことから、お互いのやはり利益を求めるという中における対立が先鋭化しつつあったというように私は理解をいたしておったわけであります。でありまするが、私は今後とも、この法案が成立をいたしましても、さらにこういった分野問題については相当長期的に立ちますならば紛争の事例は絶えないのではないだろうか。言うならば、低成長時代にとってはこの紛争問題を切り離して考えることはでき得ないというふうに考えておりますが、今後のこの紛争の見通しと申しますか、本法案成立後にどういうような事態が予想されるのか、この点についてお考えがあれば承っておきたいと思います。
  17. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもも大企業の進出問題については従来数多くの事例を手がけてまいりました。問題が起こりますたびに間に入りまして、両当事者の意見を聞きながら何とか円満に解決をし、それによって零細な中小企業の方々の経営を守ろうということで苦労を続けてきたところでございます。従来の事例、あらかた円満な解決を見たと思っておりますが、それでもやはりごく最近になりましても新しいケースが次から次へ出てきておるという状況でございます。  今後の見通しでございますが、これは二つの見方があり得るだろうというふうに思います。一方では、先ほど来お話がございましたように、これから安定成長の時代に入っていく、その中においてどうしても大企業としては多角化をし、いままで中小企業でやっていた分野でもひとつ新しい利潤の機会を求めて進出していこうかと、こういう感じが今後とも強くなっていくだろうという見方が一つの見方でございます。他方の見方といたしましては、これは現実の感じでございますが、分野問題は昨年がやはり一つの山でございまして、たくさんのケースが次から次へと出てまいりましたが、昨年の暮れぐらいから少し問題の発生件数が減ってきておるような感じがいたします。その背景としては、やはり政府として分野立法ということについて積極的に手がけていく、ここに新しいルールがいま芽生えてきておるということを大企業自身も非常に強く意識をし、そういう背景のもとに、これからの進出については中小企業の問題もある程度配慮しなければならないというような雰囲気が次第次第に強まっていると、こういうことの裏づけではないか、こう見られる面もあるわけでございます。  したがいまして、これから一体件数がふえるだろうか減るだろうかということについては両様の見方があるわけでございますが、私どもは、いずれにせよ今回の立法によりまして新しいルールづくりが行われることになるわけでございますので、どのような事態に対応いたしましても、せっかくつくりました新しいルールというものが生きて使えるように、そして中小企業の役に立つ立法であったということが皆さんに納得していただけるような運営をしていきたいと思っておるところでございます。
  18. 森下昭司

    ○森下昭司君 昨年末に提出をされました中小企業政策審議会、この「意見具申」の内容は対立いたしまして、規制対象業種の指定は行わない。それから小売業は対象としない。大企業の進出に関して紛争が生じた場合に、関係中小企業団体の申し出によって主務大臣が調整措置を講ずる。第四に、調整措置の内容は、進出大企業に対し、事業計画の縮小あるいは一時停止等の勧告とし、従わなかった場合は公表するものとし、主務大臣の命令及び違反者に対する罰則は含まないようにするというものでありましたが、この程度では規制内容も緩やかでありますし、中小企業者の保護に実効を期し得ないということで、衆議院段階におきまして事前調整あるいは命令、罰則規定が加えられたのではないかと私は思うのでありますが、この中小企業政策審議会の「意見具申」の内容について、政府として本法案をつくるに当たってどういうお考え方をお持ちになっておるのか、この点をひとつお尋ねいたしたいと思います。
  19. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この問題がそもそも具体化し始めましたのは、昨年の五月におきまして衆議院の予算委員会において各党一致の決議が行われ、それによりまして政府としても早急にこの分野問題についての新しい立法措置を用意するようにということが要請されまして、これが一つの大きな転機になっているかと思うわけでございます。その要請を受けまして、早速七月からいまお話にございましたように、中小企業政策審議会の中にこの問題についての特別の小委員会を設けまして、会長には中小企業政策審議会の会長みずから小委員長を務めていただくというような異例な扱いによりまして、この問題についての検討に入ったわけでございます。自来、月に二回、場合によっては三回、会合をいたしたこともございますが、回を重ねまして十一月までに合計十一回の議論を行いました上で答申を得たという次第でございます。正式には十二月に中小企業政策審議会自身でそれを承認をしていただいておる、これが従来の経緯になっておるわけでございます。  私どもはその審議の経過を振り返ってみまして、審議会の小委員会におきましては中小企業の方々の代表も当然入って活発なる議論をされましたが、それに加えまして、大企業の側の反響はどうであるか、あるいは消費者の受けとめ方はどうであるか、あるいは学識経験者としての立場からこれについてどう考えるか、各界の意見をもうほぼ十分に議論をしていただいた上での結論であると私どもは受けとめておるところでございます。その意味におきまして、私ども立案をいたしますときにはこの答申の線を基本的には尊重いたしながら、その後私どもなりに各界の意見をお伺いしました結果も取り入れて作成したのが政府の当初御提出申し上げました原案になっておる次第でございます。  その内容としましては、いまお話にもございましたように、業種指定の問題については恐らく後からいろいろ御質問もあろうかと思いますが、これは議論の末に、これは採用することが適当ではないのではないかという答えになっております。また、お話の中にございました命令、勧告の問題につきましては、いまの経済情勢のもとで本当に実効のある、また弾力的な運用をするためには、むしろ勧告段階でとどめることによって実効が上げ得られ得るというふうに一応私どもも考えた次第でございます。ただ、御承知のように、衆議院におきましていろいろ御議論がございました中で、特に命令、罰則の問題につきましては、単なる勧告では法律上の担保が不十分である、大方の場合は政府の言うように勧告、公表によって実効が上げられるにしても、やはり最後に伝家の宝刀というものが用意されている方が一層勧告自身も生きて発動できるのではないか、こういういわば私どもの議論を超えた高度の政治的な御判断が各党から強く出されましたことを受けまして、国会の修正が行われ、また政府としてもそれをお受けをするということになった次第でございます。  以上の経過を振り返って見ますと、私どもは中小企業政策審議会の答申の基本的な考え方というのは、私どもなりにやはりいまでも生きておるというふうに考えますものの、なおその運用をさらに実効あらしめるための手段の面におきまして、命令、罰則という、より強い手段をとるべきであるということが一歩そこを、審議会の答申を踏み出たものであると、かような理解が一応適切なのではないかと思っておるところでございます。
  20. 森下昭司

    ○森下昭司君 私は、この衆議院の修正ができましたことによりまして、審議会が「意見具申」をいたしましたものを尊重し、さらにいま御答弁をお聞きいたしますと、さらに各界の意見も聞いて法案をつくったということでありますが、この審議会の考えておりました内容と、それから修正をされました内容とを相対的に比較いたしますと、法案の性格がかなり違ってきたのではないだろうかというような感じがいたすのでありますが、その点についてはどうお考えですか。
  21. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) これは私自身の感想でございますが、私は審議会であのように非常に熱心に御議論をいただいてきたということはやはり非常に意義の深いことであるし、またその審議の経過というものは私どもなりに十分尊重してしかるべき内容を持っていたと思うわけでございます。違っております点としましては、先ほど命令、罰則の問題を具体的に例として申し上げたわけでございますが、さらに細かい点といたしましては、当初は審議会の答申におきまして紛争の調停というところに特に議論を集中させていたわけでございますが、結果として私どもが取りまとめました法案には紛争の調停というような用語が消えておる点、この辺が多少ニュアンスの違いとして受け取られる面ではないかと思っておるところでございます。実質は私、余り変わっておると思いませんが、紛争の調停というようなとらえ方をいたしますと、いわば大企業と中小企業に相撲をとらせる、政府自身あるいは行政機関がそれの行司役を務めるというような印象にも受け取られかねないということから、もっと政府自身が立法した基本的なスタートに返り、また中小企業政策審議会でも御議論をいただいた原点に返りまして、この法律の目的におきましては中小企業の事業機会の適正な確保を図るということを基本的な課題とし、また理念として条文の取りまとめを行ったというような経過と私どもは理解をいたしておるところでございます。
  22. 森下昭司

    ○森下昭司君 私は、本法案の目的は、まず第一に、大企業の進出に対しまして中小企業の事業分野を実質的に確保するということ。第二は、大企業の進出によって生じた紛争を調整するというこの二つの考え方があるわけでありますが、中小企業政策審議会の「意見具申」は、中小企業者の調整の申し出は、現実に大企業の進出が行われて紛争が生じた場合に限られている。あるいはまた、調整措置も主務大臣の勧告及び公表にとどまっていたため、明らかに紛争の調整を目的にしていたと考えられるわけであります。政府案においては、事前調査でありまするとか、あるいは調整規定というものが入れられ、さらに衆議院の修正で、いま申し上げたように命令、罰則規定等が盛り込まれたわけであります。いわば中小企業の事業分野を実質的に確保するという性格が衆議院の修正によって強まったと私は考えるべきではないだろうかと思うのであります。したがって、中小企業政策審議会が、たとえば「勧告措置によって十分所期の目的は達し得るものと考えられる。」「勧告及びその違反についての公表を以て対処すべきものと考える。」というようなこの「意見具申」の考え方からまいりますれば、衆議院の私は修正によりまして法案の性格そのものが非常に強化をされた、中小企業の分野を確保するという、実質的に確保するというふうに強化をされた。いわば法案の性格が変わったというふうに考えられるのではないだろうかと思うのでありまして、重ねてこの点についてのお考えをお尋ねいたします。
  23. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この問題は、そもそもの経緯が、先ほど先生からお話がございましたような具体的な案件に対していかに対応するかということがきっかけになっておるわけでございますが、その精神をさかのぼってまいりますと、やはり中小企業基本法第十九条に返ってくるのではないかと思っておるところでございます。十九条には御承知のとおり、中小企業の事業活動の適正な機会の確保を図る、そのために必要な調整措置を講ずるということが書かれておるわけでございます。こういった基本的な精神におきましては、中小企業政策審議会も、また私どもの考え方も、さらにはまた国会の御意向も、またさらに加うるならば、中小企業団体のこの法律を要望しておった方々の気持ちもそう違いがないのではないかと思っておるところでございます。ただ、その基本的な精神をいかにして具体化するかという方法論におきましてさまざまに意見のありましたことは御承知のとおりでございます。特に、その中で業種指定の問題というのが非常に大きな議論の的になりました。私どもも、そういうやり方がとれないかということを中小企業政策審議会でも大いに議論をしていただいたところでございますが、これはまた後ほど恐らくお尋ねがあろうかと思いますが、やはり基本的な考え方においていろいろの問題がある。特に、技術的に見まして、これを実務上取り上げるときの難点がかなり大きいものがあるというようなことから、これを採用いたしませんでした。  しかしながら、この業種指定を行いたいという御希望のさらに背景にあるものは、せんじ詰めて言えば、やはりなるべく早く問題をキャッチして、そして問題がこじれる前に適切な対応策を講ずることが一番大切なことであるという気持ちであろうと私どもなりに理解をしたところでございます。その理解自身は中小企業政策審議会でも恐らく御異存のないところかと思いまして、いわばそういう前提のもとに、それでは技術的にどうするかということをあれこれ私どもも考えました末に、業種指定にかわるべきものとして事前調査制という条文を、政府原案をつくります段階で取り入れることにした次第でございます。したがいまして、その部分につきましては答申の中に具体的には書いてございませんが、答申の基本的な気持ちを損なうものではなく、むしろそれをより補強する手段であるというふうに理解してよろしいのではないかと思っておるところでございます。  他方、命令、罰則の問題につきましては、これはいまの業種指定の問題と並びまして大きな議論の焦点になったことでございますが、やはり審議会の議論におきましては、一方では中小企業者の側から非常に強い規制をぜひとっていただきたいという要請があったのに対しまして、他方では、消費者側からはそのような強い規制をとることは結果としては消費者の利益に反するから、なるべくソフトな規制、むしろ率直に言えば法律がなくても何とかやれるのではないかと、こういう意見がございまして、この両方の意見を何とか一つの答申に取りまとめるべく苦心を重ねて得た結論が、先ほど申しましたように勧告、公表という手段になったわけでございまして、それを命令、罰則というような形に高めますことは、確かに審議会の答申から言いますと一歩前進ということに理解されるわけでございます。しかしながら、これも審議会の答申の方向についていわば逆行するものではなくて、まあより補強するという意味合いで私どもは理解をすれば、答申とそう矛盾なく理解する道もあるのではないかと思っておるところでございます。率直に申しまして、私どもは、具体的なケースが起こってまいりました場合に、やはり現実には実情を聞いて、そして審議会の意見を聞き、そして勧告によって実効のある調整を図っていくというのが、たとえ衆議院で立法が行われましても基本ではないかと思っておるところでございます。その基本となるべき勧告というものを一層重みのある勧告にするために、やはり後ろに命令、罰則というような条文のあることが有効であろう、こういう理解のもとに衆議院におきまして修正が行われたと、こう理解をしていきたいという気持ちで受け取っておるところでございます。
  24. 森下昭司

    ○森下昭司君 いろいろお話がございましたが、私は、まあ前の答弁で長官が言われました、政治的判断によって修正が加えられたというふうの方がやはり正直な話じゃないだろうかと思うのでありまして、まあ一歩前進であることは間違いないと思います。そういう点で私は、やはり政治的判断によって修正が行われたという前提はあるにいたしましても、調整を目的といたしました提案の趣旨からまいりますれば、調整措置に関しまして命令、罰則規定を加えたということは、より強い性格をあらわしたわけでありまして、法案の性格自体が私は変わったのではないだろうかという見解を持つものであります。また仮に、いま長官からお話がございましたように、いろいろとより補強されたものであるという理解をすればいいというような考え方に立った場合に、この中小企業政策審議会におきまして硬軟両様の意見があったようでございますが、それを取りまとめるためにこうせざるを得なかったというようなことは、やはり私は一つの政府案を提出するに当たりまして、審議会の意見は意見とし、そしてそれに先ほどの答弁にありましたように、各界の意見をさらに聞いたということでありまするから、実質的に中小企業の分野を確保するためにはどうすべきかという観点から政府原案が国会に提出されるのが望ましかった。つまり、衆議院段階におきまする言うならば修正を受けなくってもいいように政府原案をつくるべきではなかったかという見解を持つものであります。  逆に言えば、中小企業政策審議会のいわゆる「意見具申」などが実態にそぐわないために、つまり硬軟両様という妥協をいたしますために実態を無視して「意見具申」が行われたのではないだろうかという危惧を持つものであります。そういう点について、私は、この中小企業政策審議会におきまする「意見具申」というものは、単なる硬軟両様の意見を取りまとめるための具申であったのか、それとも中小企業の分野を確保するという今日までの実態、経緯等を踏まえてこの「意見具申」がなされたのか、この点についてどう政府は受けとめるのか重ねてお尋ねをいたします。
  25. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 御議論の点は、特に命令、罰則の点に集中をしておるのではないかと思うわけでございまして、命令、罰則を入れなかった審議会における経緯は先ほど御説明いたしましたとおりでございますが、結論として整理をいたしてみますと、背景としては次のような点が挙げられるのではないかと思います。  一つは、自由経済体制におけるルールづくりということになりますと、これはやっぱり強ければ強いほどいいというふうに簡単に言い切れないものがあるという点が第一の点でございます。  それから第二の点は、仮に命令、罰則という強い規制を行いますと、やはりそれを発動するための要件というものが非常に厳密に法律の中に書き込まれなければいけませんし、また発動の態様というものも法律の中できっちり限定をされざるを得ないということが第二の問題かと思っております。私どもはそのように限定的に命令を使うというような形よりは、むしろ実をとって、弾力的な勧告、公表というものができるようにする方が、今後いろいろなケースが起こってくる場合に、かえって実効のある調整ができるのではないかと考えた点が第二の点でございます。  またさらに、第三につけ加えますれば、従来たくさんのケースを手がけてまいりましたが、いわば行政指導段階におきましてほとんどのケースが一応の解決を見ておるという実績がございますし、特に新しい法律ができまして、正式に法律上の取り扱いによって審議会の議を経、そして法律上の裏づけのある主務大臣の勧告が行われる、こういう体制になりますと、いまの世の中であれば、大企業としてもそれを押してわがままを言うというようなことは恐らく社会的な常識としてほとんど考えにくいことではないかと、こういった実態判断が第三の理由に挙げられるかと思うわけでございます。  以上のような三つの理由から詰めてみますと、命令、罰則という手段をとることをいたさなかったわけでございますが、衆議院の御議論は、そのような議論自体はわからないわけではないが、しかし、命令、罰則というものが最後の伝家の宝刀として用意されている方が、勧告という手段が一層強くなるということ自体は否定できないであろうと、こういった点が特に各党から一致して御議論が出てまいりまして、そのようなことであれば、私どもは伝家の宝刀なくしてもやれるということに対して、むしろあった方が有利であろう、こういうような見方の相違が最後に残った問題ではないかと思っておるところでございます。正直に申しまして、先ほど申し上げましたように高度の政治的な御判断ということから、やはり伝家の宝刀があった方がよかろうということが各党御一致の意見でございましたので、私どもとしてはそれはお受けをするということで今後適切な運用を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
  26. 森下昭司

    ○森下昭司君 いま三つばかり理由を述べられましたが、特に三番目の、大企業がわがままを言うようなことは社会常識上ないと思うというお話があったわけでありますが、これはまた後ほど一遍具体的にお尋ねいたしますが、キューブリントの問題は解決をしたわけでもありませんし、あるいは理化医ガラスに進出をいたしました岩城硝子問題も解決をしたわけでもありません。あるいは段ボールの新潟ニューパックなどの問題もこれも解決したわけではございません。というような事例を考えてまいりますと、大企業は社会常識上わがままを言ったり、あるいは通産省の行政指導によって一たん当該業界と何らかの形で協議が成立をいたしました後におきましても紛争が続いておるというのが今日の私は現状ではないかと思うのであります。そういう意味からまいりまして、私は非常に政府原案は微温的な調整機能を果たせば事足りるという考え方があったということはこの際さらに明確にしておきたいと思うのであります。  そこで、公正取引委員会の委員長がお見えになっておりますので、委員長にちょっとお尋ねをいたしたいと思うのであります。  現在、本法案と並びまして、きょうここで趣旨説明がございました独占禁止法の改正案は、大企業の寡占化に対応する競争促進的な性格が強いのに対しまして、本分野法は中小企業の事業分野を保護するという競争制限的な性格が強いので、両法案は相反する性格を持っているという見方が一般的に強いと言われております。これにつきまして公正取引委員長といたしまして所見はどのようにお持ちになっているのか、最初にお尋ねいたします。
  27. 澤田悌

    ○政府委員(澤田悌君) 御指摘のように、この二つの法案に関しましていろいろ意見のあるところでございます。私、考えまするに、世の中の経済社会情勢が複雑になってまいりますといろいろむずかしい問題が起こってまいりまして、それを解決する場合にどうしても自由競争法のたてまえから解決するか、統制法のたてまえから解決するか、私はアプローチの仕方が二つあると考えます。それで、競争法のたてまえというのが独禁法のたてまえでございまして、公正な自由な競争のもとでいろんな分野が共存共栄して消費者の利益を図っていく、こういうたてまえを貫きますれば、これは独禁法第一条の目的に十分かなう問題でございます。ところが、御審議に相なっておりますいわゆる分野調整法の問題の経過を振り返ってみますと、そこには資本あるいは規模等において優越しておる大企業が中小企業の分野に出てくるというと、そのこと自体が問題なのであって、そこにいわゆる不公正な競争、不当な制限というようなものがあれば独禁法で排除できますけれども、独禁法上そう言えない状態において大企業が中小企業の分野に進出する、そのことがどうも望ましくない。そういう形での大企業と中小企業の調和というのが必要だと、こういう点が色濃く入っておるように考えられるのでございます。この二つの考え方の調和、これがこの法案の非常にむずかしい、また解決しなければならない問題であろうかと存じます。  それで、御承知のように独占禁止法の考え方の中にも弱者保護、中小企業保護という観念はこれは十分入っておる問題でございます。そういう観点から申しましても、従来の大企業の不公正な取引等を排除するという点を超えた一つのやや次元を異にした問題が立法政策として入ってまいってくるのではないかというふうに私は考えますので、これが矛盾する、あるいは矛盾しないというふうに一概に断定せずに、どの程度のところでその調和を図るのがいいのか。大企業も中小企業も御承知のように独禁法上は消費者に対して商品なりサービスを提供いたします事業者でございます。大企業、中小企業の調和を図ると同時に、消費者を入れた三者の調和というのが最も私大事であると思いますので、そういう点から法案が御審議され、またその成立の暁には運用に十分注意していただくということが大事なのではないか、このように考えますので御批判を願いたいと存ずる次第でございます。
  28. 森下昭司

    ○森下昭司君 この分野法の立法化の過程におきまして、委員長は、公正取引の確保上問題があるといたしまして消極的な御発言をなさったことがあるわけであります。これは、よく言われておるのでありますが、公正な競争まで制限するということは技術革新がおくれますとか、消費者の利益が阻害されるとか、日本の産業や中小企業のためにならないというような、断片的ではありまするが、言葉の端をとらえればそういったことをお話になったことがあるわけであります。これは昨年のちょうど七月ごろのお話でございますが、こういうような御発言があって、いまの御答弁を聞いておりますると、なかなか私、率直に申し上げまして矛盾を実は感ぜざるを得ないわけであります。昨年、そういうような分野法に対しましても、あるいは独禁法の改正は別の機会でありますが、独禁法の改正に対しましても、弱者保護だけではだめなんだというようないわゆる考え方もお述べになっているわけでありまして、そういう分野調整法の問題について、やはりいま申し上げたような言葉の端をとらえるようでありますが、お話をなさったその真意というものはどこにあったのか。また、衆議院におきまして先ほど申し上げておりまするように修正がされました。政府原案よりもさらに規制色が強まったと私は思うのでありまして、この二点についてどういうお考え方をお持ちになっているのか、お聞きしたいと思います。
  29. 澤田悌

    ○政府委員(澤田悌君) 私、この分野調整問題が起こりましてからいろんな機会に意見を申しておりました。私自身としては一貫しておるつもりでございますが、いろいろ御批判のあるところかと存じますので申し上げますが、先ほども申しましたように、独占禁止法のたてまえから申しますと、大企業も中小企業もそれぞれの特色を生かし、共存共栄して消費者のために安くて優秀な物資なりサービスを提供する、それによって一国の経済がともども繁栄する、こういうことが望ましいわけでありますから、そこで行き過ぎた規制ということがございますと、中小企業の分野における刺激あるいは技術改善等の意欲、いろいろ刺激がなくなるおそれがございます。ですから、こういう問題は消費者、大企業、中小企業、三者の調和という点から、しかも独占禁止法を若干超えた立法政策の問題として検討する必要がある、こういう趣旨でいろいろと申してきたのでありまして、独占禁止法の一般論のたてまえだけをちょっと強く取り上げますと御批判のような点も出てまいるかと存じますけれども、そういうことでなしに、これは一つの立法政策の問題ともなっておりますので、この調和のための立法と適正な運用ということが最も大事である、こういう希望を申し続けてきたような次第でございまして、御理解を願いたいと存じます。
  30. 森下昭司

    ○森下昭司君 後段の、衆議院の修正で規制色がなお強まってきたと思うのでありまして、その点について御見解を承りたいと思います。
  31. 澤田悌

    ○政府委員(澤田悌君) 中小企業政策審議会の答申によりまして当初の案ができた経緯は存じておりますが、衆議院におきまして修正されて、そこに命令、罰則という規定が入ってまいったのでありますが、これは先ほど中小企業庁長官からも御答弁がございましたように、一歩前進であるという意味で、また政府案より新規参入――独占禁止法のたてまえだけから申しますと、新規参入とか競争の制限とかという色彩が少し強く加わったということを全部否定するわけには私はいかないのではないかと思います。しかし、それを、そういう修正が行われた上でなお先ほど申しましたような一つの立法政策として大企業、中小企業、消費者、三者の調和という観点からこれが是認され、かつ運用に注意をされまするならば、私はこれは独禁政策上もやむを得ざるものだと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  32. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、先ほどから繰り返しておりますが、本法案は非常に競争的制限が強いと言われているわけでありますけれども、このことは、大企業と中小企業との間の関係ではそういう言葉も当てはまるのではないかと思うのでありますが、現在この中小企業性の業種の中におきましては、盛んに同じ中小企業同士が過当競争の状態に置かれている場合が多いのであります。そうした状態の中で大企業が進出をした場合には、中小企業の多くは経営基盤を失われてしまうということにこの問題の私は本質があると思うのであります。大企業の進出が規制されたからといって直ちに中小企業の企業努力が損なわれるということにはならない。いまも委員長自身から刺激がなくなるというお言葉がございましたが、私は中小企業者自身で同じように過当競争が行われておりまして、企業に対する改善の努力なり、あるいは自助努力なり、あるいはまた合理化の問題等についてそれ自身やっぱり当該企業は当たっているわけであります。こういう点は私はやはり日本の中小企業の置かれておりまする複雑な構造の一端ではないかと思うのでありまして、一応こういった中小企業の過当競争化の現状において本分野法というものが私は生まれざるを得なかった背景があると思うのでありまして、今日のこの中小企業の実態について、もしも委員長の御所見がありますれば御見解を伺っておきたいと思います。
  33. 澤田悌

    ○政府委員(澤田悌君) 一般的に申しますと、御指摘のように中小企業自体の中においても非常に競争的な性格がある、場合によっては過当競争と言われるような状態があることも事実でございます。したがって、大企業と無関係に中小企業同士が非常に競争し、それぞれがその競争によって前進するという姿、これはあることはもう申すまでもないのであります。他方、大企業的な考え方なり刺激なりをこれ完全にシャットアウトしてしまうというような方向につきましては、これはやはり法の運用というものを適正に考えて、それで消費者利益との調和という観点も忘れないような運用が望ましい、かように考えておる次第でございます。
  34. 森下昭司

    ○森下昭司君 次に、私は大企業の進出によりまする市場支配の問題について若干お尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。  通産省は、各産業分野における大企業と中小企業の市場の関係は流動的なものである、中小企業性業種が大企業性業種に変わっていく事例は多く見られるので、中小企業の事業分野を固定的に決めるのは問題であるという考え方があるようであります。そうした市場構造の変化が正当な競争過程を経て行われていったのであればまだしも、大企業でしかできない戦略で中小企業の市場が食われていくといたしましたならば、それはまさに私は大企業横暴であると言えると思うのであります。  たとえば、清涼飲料業界は昔はサイダー、ラムネといったものが主流で、中小企業メーカーが多かったと思うのであります。ところが、そこに戦後コカコーラが上陸をいたしてまいりまして、外資の会社でありまするので、戦略といたしましてマスメディアを利用した徹底した消費者への広告作戦がとられたわけであります。マスメディアによる広告は中小企業ではできないもので、莫大な広告費の投入により直接に消費者へのイメージ作戦を通しブランドを売り込み、市場を拡大をしていく、こういう経過は私は否定することができ得ないと思うのであります。現在では清涼飲料業界の市場の大半をコカコーラに占められることになりまして、価格操作も自由に行えるまでになっているのであります。このように中小企業が大企業に駆逐されたのは製品の品質による差ではなく広告力による差であるといたしましたならば、公正な競争さえも害するものでありまして、こうした点も考えて、大企業の進出については関係中小企業への影響について慎重に私はやはり検討をすべきものであると思うのでありますが、この点についてのお考え方をお尋ねいたしたいと思います。
  35. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 大企業と中小企業、非常に分野が流動的であるというお話ございましたが、実は先般発表いたしました中小企業白書の中でもその間の事情を分析をいたしております。簡単に御披露いたしますと、昭和四十五年から四十九年までの間に中小企業性業種、それから共存業種、大企業性業種、どういうふうな変遷をたどったかという分析でございますが、その際中小企業性業種というのは一応の定義といたしまして、中小企業の出荷比率が七割以上の業種をここでは中小企業性業種とくくっております。また、大企業性業種といいますのは、大企業の出荷比率が七〇%以上の業種を大企業性業種とくくりまして、両方に入らないものを共存業種と、一応三つに区分したわけでございます。この四十五年から四十九年までの間におけるその三つのグループの間の流動状況を見てみますと、中小企業性業種が四十五年には三百六であったものが、四十九年には三百二十四にふえております。その主な原因は、共存業種からかなりの多くの数が中小企業性業種へ移行したという点が挙げられます。それから共存業種が百三十三から百三十七に動いております。これは、一方ではいま申し上げましたように中小企業性業種へかなりの数のものが移行しながら、別途大企業性業種から共存業種の方にかなりの業種が移行しておるということが統計の分析の結果あらわれておるわけでございます。これはこのような各グループごとの流動というのは、その前の時点をとりましても同様の姿でございまして、景気のいい悪いによって流れの方向はいろいろ違っておりますものの、三つのグループというものが必ずしも固定的でないということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。  以上は前置きでございますが、お話の中に、大企業が中小企業の分野へ進出をする、その中でたとえば広告の力というように、中小企業としてはどうにもならないような力の差が背景になっている場合があるではないかという御指摘でございますが、私どもも大企業の進出形態をいろいろ過去の事例に即しまして整理をいたしてみております。その中には確かに一部は不公正な取引方法に該当するケースがございまして、こういうような場合であるならば、むしろ公正取引委員会において不公正な取引方法としてしかるべき措置をお願いをするという形になろうかと思うわけでございます。ところが、大部分はそういう形ではなくて、実は新製品を開発をして乗り出してくるとか、あるいは既存の設備を拡充して乗り出してくるとか、あるいは従来の設備の稼働率を上げてシェアを拡大するとか、さまざまなケースが現実に行われておるわけでございます。したがいまして、私ども今度この法律が仮に成立をいたしました暁に、これを運用する立場からいたしますと、やはり大企業が進出するときの進出の仕方なりあるいはその規模なりということをよく見きわめて、この法律をうまく運用をしていくということが特に大切であると痛感をしておるところでございます。一方でやはり消費者の利益ということも考えなければいけませんが、しかし、中小企業の方々がいままで平穏に仕事をしてきたのを翌日からたちまち路頭に迷うというのは、いかにもお気の毒なことでございます。私は中小企業の方々は多少の時間をかければお互いに力を合わせたり、あるいはみずからの力で大企業に負けないような対抗力を備える可能性というものは幾つかあるだろうと思っておりますものの、そういう時間の余裕もなしに大企業が進出するというようなことではこれはもう問題があるだろうと、こういうことを過去の事例から感じておるところでございまして、やはりそういう問題のある場合には必要な調整がとれるようにすることがこの新しい法律の意義であると、こう理解をいたしておるところでございます。
  36. 森下昭司

    ○森下昭司君 いやいや、調整をするのがこの法律の意義だと言われますが、それは最初から私何回も申し上げていることでありまして、つまり大企業が進出をする場合には、いま長官が御答弁になりましたように、新製品をつくるとか設備を拡大するとかいろんなことお話がございましたが、私がいま聞かんとするのは、大企業が進出する一つの事例として、こういう広告力によって製品の販路を拡大していく、市場を占有していくというものについて、分野法そのものは何は対処でき得ないのではないかということを一つの問題として私は出したわけであります。たとえば公正取引委員長は、不当ないわゆる販売方法によらなければ独禁法によって対処できない、ですから独禁法上の線を超えた政策立法の問題としてこういった法律案ができただろうということを先ほど御答弁になっているんです。やはり広告宣伝力を使って製品を売るということは不当な行為でも何でもないわけであります。現実にいまサイダーやラムネというものが昔のなつかしいものになってしまった、それだけが、新製品がコカコーラで、サイダーやラムネの業界が新製品のいわゆる開拓に努力をしなかったからこうなったんだというふうなきめつけ方は私はでき得ないのではないだろうかと、こう思うんであります。  こういうような問題について、この分野法で果たして歯どめをかけることができるのかどうか、私は大変な問題だと思うわけであります。この点について、これはひとつコカコーラを一つの例にしたんですが、今日コカコーラだけでなくて、あらゆる製品の販売というものは広告力によって行われているわけでありますから、他の大企業だって中小企業の分野に進入しようと、参入しようとすれば、広告力によって市場を拡大することができるわけでありまして、現に広告の中に何が多いかと言えば、化粧品だとか、あるいは何といいますか、薬だとかいろいろなものがあります。薬屋さんだってピンからキリまであるわけであります。そういうようなことを考えてまいりますと、これは単なる一つの事例として出したわけでありますけれども、こういう問題に対して分野法は無力であるというようなことになりますれば、仏つくって魂入れずということにも結果としては相なるのではないかという考え方があるわけであります。したがって、私、重ねてお尋ねいたしますが、こういう問題についてどう対処なさるのかお尋ねいたします。
  37. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまの点については二つのことを申し上げたいと思います。  一つは、広告力の圧倒的な差によって市場占拠率が大きく変わっていく、このこと自体は分野法の対象としては直接取り上げにくい問題でございますが、実は広告力を背景にして売り上げが伸びてまいりますれば、当然やはり私は設備の拡張ということが相伴ってまいるのが通例であろうと思っておるところでございます。そこで、設備の大幅な拡張をして、それによって従来の需給事情が変わってくる、そうしてそれによって中小企業の経営が大きな影響を受ける、こういう場合にはまさに分野法の問題になり得るというふうに考えておるところでございまして、必要な調整を行うことが場合によって可能であるというふうに理解をいたしております。  それから第二点に申し上げたいのは、たまたま清涼飲料水の事例をお話ございましたが、清涼飲料水の事例は中小企業政策でもかねて前からいろいろ問題のあったところでございまして、コカコーラの進出を一つのきっかけとしまして、清涼飲料水業界が近代化促進法の対象業種として指定されまして、お互いに何とか新しい道を切り開こうではないかということで苦労をして、その成果もありまして、一時非常な勢いで落ち込んできた従来の伝統的な清涼飲料水の業界のシェアが最近ではある程度食いとめられてきておるというところまで来ております。ああいった嗜好性のある業界の場合には、まだまだいろいろ工夫の可能性もあろうかというふうに考えておるところでございまして、私どもも清涼飲料水業界の努力については今後とも支援をしてまいりたいと思っておるところでございます。
  38. 森下昭司

    ○森下昭司君 また後ほどお尋ねいたしますが、今度は個々の大企業が進出いたしました業種の実情等についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  現在、中小企業性業種に大企業が進出したために、クリーニング、軽印刷、青写真、書店、紙器、葬祭、めがね、かまぼこ、家具、貴金属、時計、理化医ガラス、豆腐、豆もやし、更生タイヤ、清涼飲料、LPガス、和洋菓子等の業種の相当数に及ぶ中小企業者が経営の危機に陥っておるわけであります。その実情につきまして新聞等にある程度伝えられておりまするが、最近喫煙具、コンニャク、遊技場等の業種にも同様な事態が生じてきていると聞いておるわけであります。こういったいわゆる過去に紛争が起きたものはともかくといたしまして、最近紛争が起きるであろうと予想されておりまする業種の実情はどうなっているのか、この点についてお尋ねいたします。
  39. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 最近になりまして問題が起こった事例、私どもでキャッチしております中から主なものを申し上げますと、一つは山崎製パン株式会社の生菓子工場の拡張の問題でございます。それから二つ目には三越の葬祭コーナーの創設の問題。それから三番目の事例としましては、三重県に本社のあるスーパーオークワ産業株式会社が自動車整備業へ進出するという問題。そういった問題が主な事例として挙げることができるかと思っております。  ただ、いま申し上げました三つの件につきましては、いずれも農林省、通産省、運輸省等の行政指導によりまして和解成立をいたしたところでございます。ただ、これで問題が済んだというわけではございません。いろいろな業種で問題が起こり得るだろうというふうに思っておりまして、その間の実情につきましては、中小企業調整官の活動、あるいは各商工会あるいは商工会議所に置いております分野問題に関するモニターの活動によりまして問題を早目に発掘をして、それに対する対策を打ち出していくということについて、従来以上に今後とも努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。いまのところ、特に新しい問題が私どものところに持ち込まれて調整の対象になっておる具体的な案件は、一応ほとんど片づいているというのが実態ではないかと思っておるところでございます。
  40. 森下昭司

    ○森下昭司君 いやいや、長官、私は前提として、新聞等の報道によればこういったものも将来問題になると言われていますよというので、その点についての見通しを聞いているのです。事例として紛争を調停したとか、報告があったとか、そのことを聞いているのじゃないのです。新聞によればこういうことを言っているが、中小企業庁としてはそういった点についての何か見通しを持っているのかと聞いているのです。
  41. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 私も御指摘の新聞を読みまして、まだいろいろな業種が問題を持っておるなあということを感じておりましたが、いまのところ現実に私どもの手元まで持ち込まれておるわけではございません。ただ、ああいう新聞報道にも出ておりますように、今後ともいろいろな形で問題が起こり得るだろうというふうに理解をいたしております。
  42. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、軽印刷の問題と岩城硝子の問題でちょっとひとつお尋ねいたしておきますが、お尋ねをいたします趣旨は、簡単に言えば、協議が調ってお互いに双方合意したにもかかわらず、その後紛争が引き続いて長引いている傾向があるのではないかという点についてでありまして、たとえば軽印刷問題につきましては、中小企業庁の資料にも書いてございますが、これは結果におきまして、行政指導で、直営店は二店舗に限ること、他はフランチャイズチェーン方式とし、既存中小企業との共存共栄を図ること等を条件に和解をしたというような結果になっているわけであります。  ところが、キューブリントがいわゆる通産省の行政指導でこういう結果を了承しておきながら、たとえば昨年の九月には千葉市に開設をするとか、あるいは全国全体に月に一店舗程度は設置していくとかいうようなことが実際に行われていると言われているのであります。千葉県の千葉市に開設をいたしました場合に、軽印刷業界がこれは行政指導の無視であるといたしまして通産省に確認を迫ったのでありますが、通産省はいわゆる出店そのものについては撤退を求めるわけにはいかないという、既成事実を認める態度に出たと言われているのであります。こういうような問題がありますると、キュープリント側が全国を対象に月に一店舗程度のぺースで設置をしていくということになりますと、同じようなことが繰り返されてくるというふうにも思うわけであります。  さらにまた、昭和五十年の五月には北海道帯広市におきまして、地元の中堅印刷会社を契約店といたしまして、フランチャイジーの展開に乗り出したわけであります。この帯広の問題につきましても、いわゆる帯広の出店についての手続の不備を通産省は認めましたものの、これまた既存の事実といたしまして撤回を求めることができ得ないというような措置をとったわけでありまして、この問題等を考えましたときに、先ほど御答弁がありました、大企業というものがわがままを言って社会常識上横暴をすることはないという答弁と相反した事実が私は行われているのではないだろうかというような考え方を持つものでありまして、この点についての実情についてお尋ねする次第であります。
  43. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 具体的な問題でございますので、担当課長からお答えすることをお許しいただきたいと存じます。
  44. 小野雅文

    ○説明員(小野雅文君) いま先生御指摘のように、千葉店、帯広店ともに出店の際には一応私どもの方で調整をやりまして、中小企業の団体の方の了解も得た上で、私どもの方としては両者の調停を図ったわけでございまして、一方的にキュープリントの言い分だけを通しまして、中小企業の方の言い分は聞かなかったというわけではなかったわけでございます。
  45. 森下昭司

    ○森下昭司君 しかし、帯広並びに千葉の出店問題は、通産省の行政指導に――私がいまおたくの方からいただいた資料に基づきまして二つの点を述べましたが、このいわゆる二点の合意の内容に抵触しておるのか抵触しないのか、そういう出店をしても構わないというお考え方があるのかどうか、その点、重ねてお尋ねいたします。
  46. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) キュープリントの問題は、問題が起こりましてから後、通産省が入りまして、何とか円満な解決を図ろうということで努力をした結果、直営店は二店に限る、以降はフランチャイズチェーン方式でいくということで基本的な了解ができたことは先生御承知のとおりでございます。  その後、具体的な事例として帯広店あるいは千葉店の問題が出てまいりました。このお店につきましては、いわばフランチャイジーの定義とか範囲について多少理解が当事者において違っておりましたために問題が起こったわけでございますが、それにつきましても、先ほど担当課長から申しましたとおり、一応中小企業業界も納得したラインでこの二店の問題は解決を見ておるところでございます。それ以降フランチャイズチェーン方式によって店舗の増強をいたしておりましても、これについて格別の問題が起こるということは私ども聞いておりません。むしろこういう一つの新しい方式を中小企業の方々がうまく利用して、それぞれの経営の発展なり安定に寄与できるという意味では、全体としては中小企業業界に対してよい刺激剤になったという面が積極的評価できるのではないかと思っておるところでございます。軽印刷業界は、私どもも町でいろいろ見ておりますと、このキュープリント問題が起こりまして以降、みずからの力でチェーンをつくって軽印刷業界の合理化を図ろうという動きが非常に強くなってまいりまして、現に幾つかのチェーンが中小企業だけの力でもって展開をいたしております。こういった点もやはり中小企業の自助努力として評価できる面ではないかと思っておるところでございます。
  47. 森下昭司

    ○森下昭司君 いや、長官、いい刺激になったというそのことをいま言われましたが、私はやはり出店そのものが手続上不備であったことは当然でありまして、出店したものをこれを撤退させるということ、つまり開設を認めないということは現行法律ではでき得ないという前提がありますから、仕方なく認めざるを得ないということになっておるんですよ。私が聞かんとするのは、行政指導、行政指導といって今日まで紛争の調整に当たっておみえになったわけでありますが、この軽印刷業界におけるキューブリントの態度を見ておりますと、行政指導というものは、これを犯しても何ら法律的な責任を問われないし、この二店を出店することによって社会的制裁も受けない。長官からは、かえって刺激になりましてと……。中小企業庁長官は中小企業を守る立場ですよ。自分のところが行政指導した協議内容が犯されているのに、その犯された事実を指摘しない、刺激になったという評価だけをする。全く私は中小企業を守るという姿勢がない、考え方がないということをこのキューブリント問題について指摘せざるを得ないと思っております。これは先般の最初の協議事項が合意をいたしましたときに、昭和五十二年三月に再協議をするということになっておりますが、再協議の具体的内容はどうなっておるか、お尋ねします。
  48. 小野雅文

    ○説明員(小野雅文君) その後、私どもの通産省の方でも立ち会いまして、キューブリントの方と中小企業の方とで話し合いを行いました。現在国会で分野調整法等が議論されている事態にかんがみて、現状のままで一応凍結しようということになっております。凍結の内容と申しますのは、先ほど長官が答弁いたしました直営店二店、それからフランチャイジー二店、これ以上にはふやさないということでございます。
  49. 森下昭司

    ○森下昭司君 では次に、私、岩城硝子問題についてお尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。  これも非常に問題になったところでありまして、通産省が行政指導をいたしまして、製造品目を限定し、既存業界と協調を保って混乱を起こさない、万一そのような事態が生じたときは貴省、つまり通産省の行政指導に従うという念書を入れて、昭和四十年に設立をされた経緯がございます。それからその後いろんな紛争が起きまして、言うならば昭和五十年十二月二十六日、ブロー成形法によるものは今後二年間は四十九年後の出荷実績程度とするということで和解ができているわけであります。ところが、このいわゆる自動成形機は、四十九年度の実績程度ということになりますると六〇%程度の繰業率しか保てないというので、一たんは合意をいたしました岩城硝子は、これを改めて通産省側に対しまして緩和をしてもらいたいという要望を出したが、このときは通産省は拒否をしたということが新聞によって報道されておりますが、そういう事実があったかどうかお尋ねします。
  50. 脇山俊

    ○説明員(脇山俊君) この件につきましては、五十一年、五十二年の両暦年について行政指導をいたすということにつきまして関係者の了解を得ているわけでございまして、五十一年分については四十九年出荷額の一割減とするという行政指導をいたしました。岩城硝子からの報告によれば、ほぼそのとおり守られているようでございます。それから五十二年の一月-六月分の出荷額につきましては、五十一年の上半期の出荷額の五%増とするということで関係者合意の上、行政指導をいたして今日に至っておるわけでございます。
  51. 森下昭司

    ○森下昭司君 いまの答弁、後のことはまた言いますが、昭和五十一年の春に自動成形機をアメリカから輸入をいたしまして、これは実は関係の業界の方々にはわからないように隠密裏に輸入をされて設備がつくられたわけであります。これもまた、いわゆる気づいて、通産省に四十年の念書の関係から業界が申し入れをいたしました結果、通産省はやっと確認をいたしまして、いま申し上げたように出荷額を制限するという御処置をなさったわけでありまして、これまた実は自動成形機を入れるときに、本来から言えば、設立の念書の経緯からいけば、通産省のまず了解を得て私はやるべきではなかったかと思うのでありますが、四十年設立当時の念書と自動成形機の設備投資の関係はどうなるんですか。
  52. 脇山俊

    ○説明員(脇山俊君) 四十年の外資導入の際の念書におきましては、直接その生産品目には言及いたしておりません。中小企業等を含む既存業界に混乱を与えないこと、それから万一混乱を与えた場合には通産省の行政指導に従うことということ、が念書として約束されているわけでございまして、その趣旨を申せば、自動成形機の導入の際には事前に通産省に連絡する方がよかったということは一応言えるかとも思いますが、一応その念書の文面によって解釈すれば、必ずしもこれは念書違反だともきめつけるわけにもいかないかと思います。
  53. 森下昭司

    ○森下昭司君 これは、全くいまのお話は私納得できないのですよ。自動成形機は日産、まあつくる品物にもよりますが、大体三万個ぐらいつくる能力がある。年間一千万個のガラス機器をつくることができるのです。そういうことを考えてまいりますと、いわゆるこの理化医ガラスの業界というものが日本全国で四十社、四十社のうち一つが、このいわゆる岩城硝子ですから除きますと、三十九社というような中小企業者によって構成をされているわけであります。しかも三十九社のつくっております中小企業のシェアが、四十七年では九一・七九%まで日本の出荷額のパーセントを占めていたわけです。それから四十六年、小規模事業者のシェアは二四・八%というような数字になっておるわけであります。この一千万個をつくる能力のある自動成形機を入れることによって三十九社の中小企業者は倒産の憂き目に遭う。しかも現実に倒産した会社が二社出ている。そういうような状況を与えるような機械を導入しておいて、四十年の念書の文言の理解の仕方や解釈の相違によって、ある場合はやむを得ないというような答弁は、私は中小企業を守るという考え方に立ちまするならば納得できないのであります。既存業界と協調を保ち混乱を起こさない――現に二社倒産して混乱が起きているではないですか。大臣、こういうような事態、どう思われますか。実際問題として、四十年の念書を無視している。しかも通産省は、たったいま言ったように、生産額を制限したと言っておりまするけれども、現実にその生産額というものは、言うなれば当該業界もわからない。  それから私、細かいことを聞くけれども、報告によれば守られている――報告とはどういう報告なんですか。現場を見て、たとえば税金面から出荷額を見たとか、税制面から。そういうことをやったことがあるんですか、現地で。会社に乗り込んで帳簿を見たことあるのですか。私はこういう岩城硝子の態度を見まして、念書の状態を見ましても、中小企業者に対する熱意のなさというものを感ぜざるを得ないのでありまして、本分野法が成立してもその前途に非常に私は悲観的な考え方が強い。したがって、ひとつこれは大臣からお考えをお聞きしたい。中小企業をどうやって守るんですか。
  54. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 大臣のお答えの前に一言御説明をさしていただきます。  実は、従来の行政指導がどの程度効果を上げてきたかという点につきましては、衆議院でも何回か御質問をいただいたところでございます。私は従来の行政指導を総じて見ると、まずまずの成果を上げてきたということを申し上げながら、従来の事例の中で問題があるとすれば、一つは岩城硝子のケースにつきまして、当初の了解事項が非常に抽象的であったということから第二の問題を巻き起こしたことがひとつ反省をされる。それから第二に問題がありますのは、キューブリントの問題につきまして、フランチャイジーの定義が余り明確でなかったために現実にトラブルが起こったというケースが反省される。二つの件が問題と言えば問題であろうか、こういうふうにお答えをした記憶がございまして、まさにちょうどその二点を御質問いただいたものですから、私どもとしてもやはりある意味では反省をし、今後の運営におきましてそういうことが起こらないように、やはり勧告案の内容につきましては、よく詰めて、実情に即するような、また、先も見通したような勧告案をつくることが特に大切だと思っておるところでございます。
  55. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど来の非常に詳細にわたりますいろいろと御意見を承りましたが、御案内のとおりに、政府案におきます調整法の内容が、審議会の答申に基づきましてこれを決定いたしておったわけであります。しかしながら、今日のような構造的な変化に伴いまして、なかなかそのような指導だけではむずかしいという客観情勢に相なっておりますこともよく了承するわけであります。そういうふうなことからいろいろと修正をいただくとか、あるいは商調法の改正をいただくとか、そういうふうな問題とにらみ合わせまして整合性を持った分野調整と商調法、あるいはまたさらに、ひいては大店法も加えましたいろんな中小企業の諸案件というものが出てまいったわけでありまして、具体的なただいまの事例等々は、まさにわれわれが今日まで努力もして積み重ねてまいったとは申しながら、ぎりぎりの限界のところで足らざるをかこっておる点でございまして、そういう点では今回の修正なり、あるいはまたさらに一歩進みまして、今後の中小企業対策というものは、これからの効果をあらわす点だろうと思いますが、かような問題につきましてはなお一層のいろいろと御協力をいただきたい、かように存ずる次第でございます。
  56. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、この最初の協議の合意条項によりますれば、出荷制限額等については二年間程度を限度として再度検討する、それに対しまして、さらに中小企業者でありまするこの理化医ガラス業者は工業組合等を設立をいたしまして近代化を促進していく、あるいは、あるものについては事業転換ということも考えられるかもしれません。このいわゆる工業組合が結成をされまして、一応二年間の限度とまいりますと、ことしの五十二年の末が大体一つのめどになるわけですが、それまでに三十九社の工業組合に参加した人々の近代化というものができるのかどうか、でき得ないとするならば岩城硝子の出荷制限を引き続き行わなければならぬということにもなりかねませんので、五十二年度末に当たって出荷制限額をどうするのか、それから工業組合の近代化という問題についてどの程度進行しておるのか、その進行状況が完全に行われない場合には将来どう対処していくのか、この点について再度お尋ねいたします。
  57. 脇山俊

    ○説明員(脇山俊君) この件につきましては、近く近代化促進法の業種指定を行うということで準備が進められております。十二月までと言いますと、あと半年しかございませんので、まだ指定されてから半年でその効果が発揮されるということは、現在の段階で考えてむずかしいのではないかと考えます。なお、その来年以降のそれじゃどうするかということについては、両者の立場を十分聞きまして適切な措置をとりたいというふうに考えておる次第でございます。
  58. 森下昭司

    ○森下昭司君 ちょっと念を押しておきますが、要するに、いまお話がありましたように、ことしの終わりまでに工業組合の近代化の促進は事実上不可能だと、物理的に不可能だと。そういたしますと、対処していきたいというお考え方でありますが、引き続き岩城硝子に対しましては出荷制限をして、そして既存業者を守っていくという考え方で対処するというのか、出荷制限額そのものについては振り出しに戻して相談をしていくというのか、あるいは岩城硝子から要望がありまするように、出荷制限額をさらに緩和していくという考え方があるのか、具体的にひとつお答え願いたいと思います。
  59. 脇山俊

    ○説明員(脇山俊君) この点については、まだ両者の言い分を十分聞いておりませんので、本日ここで具体的にお答えすることはできませんが、もちろんその近代化が十分進んでいないということも重要な考慮事項になるであろうということは、ここで申し上げることができると思います。
  60. 森下昭司

    ○森下昭司君 長官、どうですか。
  61. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いま担当課長からお答えいたしましたようなことであろうと思います。私どもも一方では中小企業の近代化を大いに進めて、やはりユーザーにも喜んでもらえるような中小企業づくりというものについて全力を挙げていきたいと思っておりますが、その体制ができるまでの段階でそれがつぶれてしまうというようなことでは大変問題であろうと思いますので、やはり必要な調整は必要な期間行うということで、なお担当原局ともお打ち合わせをいたしたいと思います。
  62. 森下昭司

    ○森下昭司君 次に、規制対象となる大企業の子会社の問題についてちょっとお尋ねします。  一応対象となりまする大企業者は、本法の第二条の二項の二号によって大企業の子会社等が含まれることになっておりますが、この条件といたしまして、その子会社に対する大企業の出資比率が一社で五〇%を超えることが挙げられておりますが、このような条件で果たして充足できるかどうかと考えているのであります。五〇%の出資比率がなくとも、最大株主でありますればその会社を実質的に支配することが可能ではないかと思うんでありまして、この点についてはどういうお考え方をお持ちになっているのか、お尋ねいたします。
  63. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 過去の事例を見ておりますと、大企業が直接進出する場合もございますが、むしろ子会社の進出というケースの方がかえって多いというような状況でございまして、これは子会社について何か規制を加えないと、しり抜けになってしまうということを感じておったところでございます。そこで、法律の中にも第二条第二項第二号という条文を設けまして、大企業の――大企業そのものでなくても、やはりそれが実質的に支配する企業を大企業に準じて取り扱い、その活動について規制をするということにいたした次第でございます。  第二条第二項第二号をごらんいただきますと、いまお話ございましたように、「単独でその会社に対し、その発行済株式の総数、出資口数の総数又は出資価格の総額の二分の一以上に相当する数又は額の株式又は出資を所有する関係」というのが一応の代表的な事例として掲げてございますものの、その後のところをごらんいただきますとおわかりのとおり、「その他その事業活動を実質的に支配することが可能なものとして主務省令で定める関係を持っているもの」ということで、その他このような実質的な支配関係にあると考えられるケースを少し整理をいたしまして、主務省令でその間の関係をはっきりさしていきたいと思っておるところでございます。たとえば、すぐ頭に浮かびますのは、子会社ではなくて孫会社の場合はどうであるかというようなケース、あるいは資金の面では過半数に満たない場合にも役員構成を見て過半数が大企業の出向者である。こういった場合はどうか。やはりそういった場合には実質的なダミーというふうに考える方が素直なのではないかと思っておるところでございます。ダミーを抑える条文は他の立法例もいろいろございますので、他の立法例も参考にしながら、実質的に目的を達成するために必要な範囲をこの主務省令の中で決めていきたいと思っておるところでございます。
  64. 森下昭司

    ○森下昭司君 まあ一社で五〇%を超えるというような場合は当然だと思うのでありますが、たとえばこれが数社、複数会社で、まあ岩城硝子は旭硝子とアメリカのコーニングという会社でありますが、旭が四九・八%の出資率、あと向こうが出すことになりました。この場合は一社で五〇%を超えるということにもなります。しかし、仮に三社とか四社で出ておりますと、三社で平均で勘定すれば三三%というような場合等もあると思うんであります。したがって、いまお話がありました孫会社等というお話もございましたし、役員の派遣、人事面から支配をするということも考えられるということでありますので、私はいわゆる主務省令というものが非常に重要な影響を与えるのではないだろうかと思うのでありまして、この主務省令の内容につきましてはひとつ十分慎重に検討をしていただきまして、いわゆるざる法的な存在にならないようにやっていただきたいという希望を申し上げておく次第であります。  さらに、この法律の関係と同時に、小売業が今回の分野法の対象になっておりませんので、この分野法の中から小売業を対象から外したという理由ですね。まあ中小企業近代化促進法の中には地域的な問題だとか営業圏が狭いとかいろいろと書いてございますが、この小売業を対象としなかった理由についてお尋ねいたしたいと思います。
  65. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 小売業に大型店が進出するという問題は大変古くから、さかのぼれば戦前からあった問題でございます。これを調整します場合に、やはり小売業というものが地域に密着した性格であるということから、調整の仕方も地域に密着したような調整の仕方が必要であろうと考えられるところでございます。以上申し上げました歴史的由来、あるいは小売業としての特質、こういうことを頭に置きまして、御承知のとおりすでに戦前から百貨店法が制定されておりますし、戦後改めて百貨店法が制定され、さらに近年に至りまして大規模店舗法に実質的に改められた、こういう流れがございます。また、いま申し上げました百貨店の系列はある程度の売り場面積以上のものを対象といたしておりますが、それ以外の小さいものをも対象にし得るという意味で、昭和三十四年に小売商業調整特別措置法というものが制定をされております。特に、その中に十五条から十八条という条文が用意をされておりまして、中小小売商とその他の者との間の紛争について都道府県知事があっせん、勧告、調停ができる、また、それで不十分な場合には主務大臣の勧告も求めることができるという旨の条文がすでに用意をされておるところでございます。これらのことをまとめて言うならば、小売商についてはこの新しい分野調整法ができる前にすでに小売商としての分野法が先行して用意をされておるし、またその内容も大規模店舗法の場合には事前届け出制をとるというような形で一歩進んだ規制が行われておる。また、小売商業調整特別措置法におきましてもかなり広く活用できる道があるという意味で、この新しい立法よりも機動的であり、また弾力的な運用がすでに可能となっておる。こういうことが背景にありまして、この法律の対象から適用を除外するということにいたした次第でございます。
  66. 森下昭司

    ○森下昭司君 しかし、小売商業調整特別措置法にいたしましても、大規模小売店舗法にいたしましても、それぞれ調整機能は持っておりますが、実効、効果というものが非常に期待できない面があるわけであります。大規模小売店舗法は、政令都市では売り場面積が三千平方メートル以上とか、その他の都市では千五百平方メートル以上ということになっておりまして、基準面積以下の出店計画というものがふえております。こうしたことのために各地で紛争が起きたり、あるいは中型店の進出で小売業が大きな影響を受けるというような現状が偽らざる状態ではないかと思うのであります。このために熊本県が条例をつくりましたし、あるいは各地で指導要綱というものがつくられまして、いわゆる中型店舗の進出につきまして独自の規制措置を講ずる自治体がふえているというのが実態ではないかと思います。特に熊本県の条例は、三百平方メートルを超える出店については大規模小売店舗法と同様の規制を講ずるという内容になっておりまして、罰則担保もありますが、これについては内閣法制局は地方自治法に違反しないという見解を述べているようでありますが、法律上の問題について内閣法制局がこういう見解を出しておりますが、さらに各自治体でいま申し上げたように条例をつくる動きゃ指導要綱作成の動き等がございますが、今回の分野法のいわゆる関係からまいりましても、大規模小売店舗法なりあるいは商調法なりが何らかの具体的な改正をしない限り、こういう傾向に歯どめをかけることはでき得ないと思うのであります。したがって、地方自治体の条例制定や指導要綱の作成等について、好ましいとお考えになっているのか、余り好ましくないとお考えになっているのか、この点についての見解があればお伺いいたしたいと思います。
  67. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) もし必要があれば後ほど産業政策局の方から補足説明をしていただきたいと思いますが、中小企業庁なりのいまの御質問に対する考え方を御説明させていただきたいと思います。  まず、小売を除いたという点につきましては、先ほど申し上げましたように、小売が古くから問題があり、また地域的な特殊性を持っておるということからすでに立法が用意をされておる。こういうことを考えてみますと、この法律の中に単に小売を入れるということにしただけでは問題が解決しないんだろうと思うわけでございます。特に、この法律は主務大臣が調整をするというやり方になっておりまして、全国各地で起こっております問題を全部中央に集めてきまして、それを一つ一つ審議会にかけるというようなことは実際問題として不可能でございます。その意味におきまして、やはり地方的な調整というやり方の方が小売の場合にはなじむんであろうということをまず御理解を賜りたいと思うわけでございます。さはさりながら、それでは現行の大規模店舗法なりあるいは小売商業調整法で十全の解決が行われているかどうかという点につきましては、私どももやはり問題があるというふうに理解をいたしておるところでございます。商調法ができましてからもうすでに十数年たっております。それから大規模店舗法ができましてかれこれ三年たっておるわけでございます。その間における経済情勢の変化というものによりまして、いまの法律が本当に完全にその目的を達成しているかどうかという点は、やはりこの際いろいろ考えてみなければならない要因が現にできておるというふうに感じておるところでございます。  その一つは、従来は大規模店舗と言えばやはり大都市に来るものだというふうなことが通例といいますか通念になっておりましたけれども、ごく最近は地方の小都市へ出てまいりまして、小都市の場合でございますと、大都市では問題にならないようなお店でもその地元の零細な小売商にとっては大きな問題になり得るという可能性ができてきておるという点が第一の問題かと思っておるところでございます。特に、最近事例を見ておりますと、大規模店舗法で基準面積としております、政令都市であれば三千平方メートル以上、それからその他の都市であれば千五百平方メートル以上といういわゆる基準面積につきまして、これをほんのかすかに下回るというような出店事例がかなり数多く出ておるというような点も私どもとしては気にしておかなければならない要素であろうかと思っておるところでございます。それを受けまして、現にいまお話ございましたように、各府県の中には条例を用意をし、あるいはそれに至らないものについては、要綱の形によりましてこの大規模店舗法に至らない面積の出店について規制を加えようという動きが出ておりますこと。これもやはり立法当時には考えていなかった新しい事態であるし、私どもとしても考えておかなければならない問題につながっておるのではないかと思っておるところでございます。  このような条例の規制についてどう思うかという点につきましては、私どもは当初これが違法であるか適法であるかということについて部内でもいろいろ議論をいたしました。この適法性の問題については後ほど法制局の見解が出されましたので、それについてさらに補足説明をさしていただきますが、違法、適法の問題は別といたしまして、やはりそれは各県がばらばらにやるということが本当にいいことだろうかどうだろうかということは、私どもとしてもやはり問題ではないかと思っておるところでございます。ある種の見方からすれば、これは地方自治の問題として地方的にそれぞれの実情を加味してやればいいじゃないかという見方もあるかもしれませんが、小売商の立場からしますと、やはりそこにおのずからのルールがあった方がよりベターなのではないかというふうに私自身は感じておるところでございます。  また、違法であるかどうかという問題につきましては、先ほどお話に出ましたように法制局の見解が先般出されまして、この大規模店舗法で定めております基準面積を若干下回るような出店につきまして、地方地方の実情に即してある程度の必要な規制を加えるということについてはあながち違法とは言いがたいというのが法制局の見解の内容であったと理解をいたしております。そうなりますと、私どもとしましては、ある程度下回るというのは一体どういう範囲と理解をすべきであるか、この辺が次の問題になってくるように思うわけでございます。法制局の見解は、恐らく、大規模店舗法というものが現にある、その立法趣旨を一つの前提にしながら、現実の問題としてそれを補完する意味において若干の程度の弾力性を条例に与えるというのが立法趣旨ではないかと思っておるところでございます。したがいまして、以上のような感じからいたしますと、余り基準面積を下回ったものについてまで規制をするというようなことにつきましては、私どもやはり法律解釈の上からいきましてもなお問題を残しておるのではないかという感じがいたしておるところでございまして、この点につきましては、先ほど私は全国余りばらばらではどうであろうかということを申し上げましたことと絡み合わして考えてみますと、やはりある程度のルールづくりというものを考えていくことが必要なのではないかと感じておるところでございます。
  68. 森下昭司

    ○森下昭司君 大臣が衆議院の本会議に出られますので、ちょっとはしょって大臣に最後にお尋ねいたしておきたいと思うのでありますが、この分野法が成立をいたしますと、当然大規模小売店舗法でありますとか、あるいは先ほど申し上げました小売商業調整特別措置法でありますとか、こういった関連二法案の運営面の強化あるいは法律の改正とかいう問題がこれは出てくると思うのであります。けさほども何か衆議院の商工委員会では商調法の問題について特別な決議がなされたようでありますが、今後の大規模小売店舗法並びに商調整の運用強化を前提として、法律改正に当たって大臣の所見があればこの機会に伺っておきたいと思います。
  69. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御審議をいただいておりまする分野調整法にいたしましても、一部の勧告だけでは足りない、さらに罰則の問題等の規制を必要とするという問題、さらにその分野調整法と整合性を持った商調法のまた改正という問題、それからただいまお話が出ておりまする同じ小売店舗の中におきまする経営規模の問題等、まあみんな三者相関連する問題だと思うのでありまして、私はこの中小企業対策というものが今日の商工行政、通産行政の中の大きな分野を占めておる、否、むしろ経済関係だけでなく社会問題としても大問題であろうと思います。これに真剣に取り組みますためにはやはり法制の上から言いましてもなおいろいろと御意見等を承って、さらにりっぱなものにしていかなけりゃならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  70. 森下昭司

    ○森下昭司君 それでは、分野法との関連で、私はちょっとLPガスと都市ガスの紛争問題を中心にいたしまして、若干この機会にお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。  まず最初に、昨年の十一月、行政管理庁から「都市ガス、液化石油ガスの安全確保等に関する行政監察結果に基づく勧告」というものがなされているわけであります。その中の、時間がございませんので、三十ページに「都市ガスへの切替えに伴う事業者間の紛争の調整」という問題が出されているのでありまして、この勧告に対しまして、今日までこの紛争問題の調整についてどのように具体的な処置をなさったのか、最初にお伺いいたします。
  71. 服部典徳

    ○政府委員(服部典徳君) ただいま御指摘のございました行政管理庁、昨年十一月の勧告でございますが、一般ガス事業とLPガス――プロパンガス事業者との紛争につきましては三点指摘がなされております。第一の点は、「一般ガス事業者の供給区域の変更に対する許可に当たっては、液化石油ガス販売事業者を含め広く一般の意見を徴し、紛争の未然防止に努めること」、これが第一点でございます。それから第二点といたしましては、「一般ガス事業者に対して、都市ガスへの切替えに際しては必要に応じ液化石油ガス販売事業者に対し事前に通知するとともに、液化石油ガス用容器、メーター等の無断取り外しを行うことのないよう更に指導を強化すること」。第三点といたしましては、「紛争事案に応じて、当事者間の話合いを指導し、又は話合いの場をあっせんする等紛争解決のための所要の措置を講ずること」。この三点の指摘がなされておるわけでございまして、それに対しまして、私どもといたしましては検討いたしました結果、ことしの四月二日付で行政管理庁長官あてに回答を出しているわけでございます。  まず第一点の、広く一般の意見を徴するという問題でございますが、現在ガス事業法によりますと、供給規程の変更の認可に当たりましては公聴会を開催するということが義務づけられているわけでございますが、供給区域の変更の許可につきましては公聴会の開催が義務づけられていないという制度になっているわけでございます。法律上はそうでございますが、運用といたしましては、供給区域の変更の許可申請の処分を行う前に、ただいま申し上げました供給規程の変更の認可の際の公聴会を事前に開催する、そこでプロパンガス事業者を含めて広く一般の意見を徴するというふうにいたしたいということでございます。  それから第二点の、都市ガスへの切りかえに当たりまして、必要に応じて液化石油ガス事業者に対する事前の通知の問題でございますが、これにつきましては、そのように行うように各通産局にも指導をいたしたいということでございます。それから、同時に、液化石油ガス用の容器あるいはメーターの無断取り外しの問題でございますが、これにつきましても、そういうことがないように引き続き指導をいたしてまいりたいということでございます。  それから第三点の、紛争の解決に当たりましての話し合いの指導でございますが、これも従来からそういうことで私どもとしては指導を行ってまいったわけでございますが、なお今後とも具体的な案件に即しまして円滑な調整が図られるように都市ガス事業者、それからプロパンガス事業者、両事業者の話し合いを指導する、必要に応じまして通産局等がこの話し合いの場をあっせんするという方向で今後も行いたいというふうに考えておるわけでございます。
  72. 森下昭司

    ○森下昭司君 実は行政管理庁の指摘によりますと、「昭和四十八年度以降調査対象十八都道府県のうち十都道府県(三十三地区)において発生しており、その原因は液化石油ガス販売事業者が営業不振を主張しているもの(十六地区)、液化石油ガス販売事業者において一般ガス事業者が事前連絡なしに切替え工事を行ったとするもの(十六地区)、一般ガス事業者が行き過ぎた宣伝行為を行ったことによるもの(一地区)で、その多くは、現在、両事業者が協定等を締結することなどによって解決している。」というふうに書いてありますが、いま、いわゆる勧告の指摘と同時に、その実態の改善についての問題について御答弁があったわけであります。しかし現実には、私は行政管理庁の指摘した地区よりもさらに細かいいわゆる紛争が各地区で発生しておるということを言わざるを得ないと思うのであります。この点について、いま御答弁は非常に抽象的でありまして、私自身も聞いておりまして、過去のいわゆる紛争の実態とその調整の内容からいたしますと前進はみられないというふうに理解せざるを得ないのは非常に残念であります。昭和四十八年の九月の第七十一回国会におきまして、衆議院におきましてはガス事業と液化石油ガス販売事業との間の調整に関する請願、また五十年十二月の第七十六国会の衆議院におきましてはLPガスと都市ガスとの流通秩序の確立に関する請願、これは参議院においても採択をされておりますが、このようにいろんな過去に請願がなされ採択がされておりまするのも、すべていま行政管理庁が指摘をいたしましたような事態が起きておるために請願が出されておったのであります。  私は、やはり紛争解決の方法といたしまして、ガス事業法に定められておりまする、言うならば不服の申し立てができる協議会等においていわゆる活用ができないものかどうか。あるいはまた、神奈川県におきましては都市ガスとLPガス事業の調整協議会というものが設けられておりまして、そこに通産局を初めといたしまして関係担当官あるいは関係業者が集まりまして、紛争が起きますればそこでいわゆる調停機能を発揮するというようなことが行われているわけであります。したがって、ガス事業法で言う地方ガス事業調整協議会が活用できなければ、こういった何らかの紛争調停機関というものを設けていく必要があるのではないか。たとえば通産局管内なら管内に一つとか、あるいは各県なら各県に置くとか、あるいはいまもよく紛争が起きているのは、何と申し上げましても東京、大阪、東邦と、この三つの三大ガスの供給区域内でありまするから、この供給区域内ごとにつくっていくとか、何らかの私は調停機関というものが必要ではないかと思うのでありまして、これを、いま申し上げた行政管理庁の指摘事項として御回答なさったんでありますが、事実はこういった調停機関がなければ具体的に措置できないと思うんであります。この調停機関の設置の問題についてお考えがあれば承っておきたいと思います。
  73. 服部典徳

    ○政府委員(服部典徳君) 確かに御指摘のように、一般ガス事業者とプロパンガス事業者の紛争、これが特に最近の都市化の傾向から見まして、都市周辺部でいろいろと紛争が起きていることは私どもも承知いたしているわけでございます。そこで、その紛争の解決あるいは未然防止という観点で、そういう場といいますか、調整協議会といったようなものを設けたらどうかという御指摘でございますが、御案内のように、ガス事業法にも地方ガス事業調整協議会という規定がございます。それから御指摘のような神奈川県において独自の方式もございます。それからケースによりましては、通産局長が個別に間に立ちまして両当事者の意見を聞いてあっせんの場を設けるという方式もございます。それぞれの場の活用につきましては、それぞれの紛争の実態と申しますか、実情に合わせまして、どういう場で両当事者の話し合いが行われるのが適当かということを個別に判断しながら考えてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  74. 森下昭司

    ○森下昭司君 形態はともかくといたしまして、何らかの調停機能を果たすような機構というものは今後つくっていきたいという理解の仕方でいいですか。
  75. 服部典徳

    ○政府委員(服部典徳君) 機構が必要だと思われる場合には、そういう機構を設けるということも考えられると思いますが、現実には先ほど申しましたように通産局長あるいは担当部長が中に立ちまして両当事者の話を十分に聞いて、そこで妥協点を見出すという方式が一番行われている方式でございます。
  76. 森下昭司

    ○森下昭司君 ですから、保安上の見地からまいりますれば、行政管理庁が指摘しましたように、メーターをとめ、容器はそれを捨ててしまう、無断でやってしまう、こういうことがありますので、ガス供給事業者、つまり大手のガス事業者に対しまして厳重な私はやっぱり指導監督をするということは言えますね。
  77. 服部典徳

    政府委員(服部典徳君) 御指摘のとおりでございまして、従来からそういう方向で指導をいたしてまいっておりますが、なお念のため、近々念を押すための通達というものを出したいというふうに考えております。
  78. 森下昭司

    ○森下昭司君 そこで、建設省の方にお尋ねいたしますが、最近私どもの愛知県におきましては、県営住宅の建てかえでありますとか、あるいはまた新設でありますとかということになりますと、都市ガスの供給区域内に建ちまするものについては都市ガス優先、それから建てかえが行われますときに、いままでプロパンのLPガスが供給されておりましても都市ガスに切りかえてしまう、簡易ガス事業として認められておる業者が配管をしておりましても、それは切りかえてしまうというような措置がなされているわけであります。通産省は消費者の自由選択の問題であるという考え方をいつもお持ちになっている。ところが、そういう新設はともかくといたしまして、既存の建物をつくりかえた場合にいわゆる都市ガス化してしまうということは、従来使っておりました、簡易ガス事業者が供給しておりまするLP方式を否定することになる。つまり、消費者には自由選択の権限も権利もないということになる。私は、公営住宅建設するに当たって、あるいは公営住宅の建てかえに当たって、建設省はこういう都市ガスなりLPガスの使用問題について何らかの通達をお出しになっているか、つまり都市ガス優先という考え方があるのかどうか、この点をひとつお尋ねします。
  79. 国吉忠

    ○説明員(国吉忠君) 公営住宅建設に当たりまして、まず私どもといたしましては、建物の安全ということに重点を置いて指導いたしております。供給が都市ガスであるかプロパンであるか、そういった区別、そういった差別とか、そういった点につきましては口頭あるいは文書等をもっても指導はしておりません。
  80. 森下昭司

    ○森下昭司君 これは、あなたは愛知県の方にちょっと出向しておみえになりましたので、あるいはあなたの所管事項ではなかったかもしれませんが、愛知県の小牧市に東田中県営住宅というのがあります。これは建てかえでありまして、この建てかえの際にLPガスがすべて都市ガスに変更させられてしまったわけであります。私はいわゆるLPガスか都市ガスかという問題については、消費者の選択の自由ということと、それからやはりこの三百二十何軒の供給しておりました戸数が一挙に都市ガス化すれば、零細なLP業者は倒産の状況に追いやられてしまうということにもなりかねないわけであります。したがって、こういう既存のいわゆる使用しておったLPガスについては、やはり建てかえても、ガス事業法で、七十戸以上は供給するが、簡易ガス事業者の認定を受けるわけでありまするから、これは当然権利の継承として商権の確保というたてまえからまいりましても、都市ガスに切りかえることはやめるべきなのが妥当ではないかというような考え方を持つんでありますが、こういう点についてはどうですか。
  81. 国吉忠

    ○説明員(国吉忠君) いまのような個々の事態につきましては、建設省といたしましては各事業主体に事業の執行をすべて任しておるわけでございます。できるだけ各地域の実情に応じましてそういった業界との話し合い、そういったことをしながら事業の執行を図るべきだと、そういうふうに考えております。
  82. 森下昭司

    ○森下昭司君 最後に一言。考え方はわかります。考え方はわかりますが、私は、やはり今度は逆に、そこにプロパンガスを供給しておった業者という立場からまいりますれば、これは大きな損失を受けることになるわけです。通産省はプロパンガス業者が都市ガスの供給によって損害を受けても補償をしないという考え方をかたくなにお持ちになっておる。そのことはともかくといたしまして、そうでありますれば、やはり私は、各自治体のいわゆる事業主体が考えるべきだということではありますが、既存のやはり権利なりあるいは権益というものを尊重するような配慮というものはなされなければならぬのではないだろうかというふうに考えております。まあ私は、老婆心でありますが、都市ガスは安全、LPガスは新聞に載るように安全性がないというような差別的な意識がもしもあって事業主体がそういうような措置をおとりになったとするならば大変なことだと思うのであります。そういう点について私は、何らかの機会に地方自治体に対しまして回報なり、通達なり、機会がありますれば、いわゆるLP、都市ガスの問題については、それぞれの権益を尊重しつつ慎重に配慮しろというような趣旨のことを徹底していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
  83. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。    午後一時三分休憩      ―――――・―――――    午後二時五分開会
  84. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  85. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 中小企業分野法を一日も早く成立をさせたい、こういう念願で若干の御質問を申し上げたいと思います。  私は予算委員会で分野に関する質問をいたしておりますので、主として限定をして運用の問題と、これからの行政指導の関連につきましてお伺いをしたいと思います。  第一の問題は、中小企業分野の調整審議会の問題ですが、分野法はでき上がったわけですから、少なくとも審議会構成ということが――私は、これから非常に重大なこの法律運用に対してのポイントを握るのはやっぱり審議会であろうと、こう思うのです。したがいまして、在来のような審議会の形のものではなしに、やはりこれを運用するに際して審議会をどのように構成しようとしているのか。私の意見は、率直に申し上げますが、主としてやっぱり中小企業者の率直な体験を通しての、生の声を反映できる中小企業代表や消費者の代表を、特に入れてもらいたいということをお伺いいたします。
  86. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 御指摘ございましたように、この法律を運用いたします場合には、審議会の構成及び運営というものが非常に大きな役割りをいたすものだと私どもも理解をいたしておるところでございます。  委員の構成につきましては、もとより中小企業者の実態をよく理解し、そして中小企業の実情について十分意見を言えるという人が、相当数メンバーとして加わっていただきますということは当然かと思っておりますが、そのほかに消費者代表の方、あるいは学識経験者の方にも参加をいただきまして、やはりこの審議会の答申が公正な意見の陳述であるということで、信頼を集めるような形の人員構成をぜひ実現をいたしたいと思っておるところでございます。  ただ、この審議会に付議されるべき案件というのは、各業種に応じまして非常に多彩なものがあると予想されるわけでございます。それらについて業種の実情を十分踏まえたような議論をこの審議会において行っていただくためにはどういうやり方をやったらいいか、部内でもいろいろ議論をいたしておる最中でございますが、いまとりあえず頭の中に描いておりますのは、この審議会の下部組織として、部会と申しますか、あるいは専門の小委員会と申しますか、そういうような形を設けまして、一つの具体的事例が起こってきた場合には、まずその部会なり小委員会で議論をしていただく。そこの場所に当事者である中小企業者団体の方にも参加をしていただくし、また当面の対象となる大企業の方の意見も聞く。さらにまた関係者の意見もその部会ないし小委員会で開陳をしていただいて、その開陳をされた意見をもとに、大体こういう方法でという基礎的な固めを部会、小委員会で行った後、その固まったものを正式の委員会にかけてオーソライズしてもらう。こういうようなやり方が一番実情に即したやり方になるのではないかと思っておるところでございます。
  87. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 いま長官からその審議会の下に部会を設けて、よりその業種の実態の生の声というものを反映をされるという委員構成をしていきたいという考え方ですけれども、賛成です。私はそれを言おうと思ったんですけれども、長官からお答え願ってますから。  その場合特に末端の、一番大事なことは、いつも言うんですが、この種の構成となるとボス的な顔ぶれを並べるということでは、これは意味がないんです。少なくとも末端の、実際中小企業で苦労して悩み抜いているという、そういう体験者をこの中に入れていくという、そういう意味では、広範な末端の層からひとつ主力を出してもらいたいと、そのことを特に要望しておきます。考え方については、私はそういう部会を設けて、本当のかゆいところに手の届くような審議会であってほしい。在来のような隠れみのにするような委員会であってはならない。そのことだけ強く申し上げておきます。  次の問題で、時間もありませんから。  御存じのとおり、最近プレハブ住宅の住宅市場に占めるシェアが非常に高まってまいりました。これは御存じだと思うんです。たとえばプレハブ以外の工法による住宅業者の経営が非常に圧迫されている傾向にあります。こうしたプレハブ住宅、大手メーカーの資材を製作して、それを大手メーカーの系列である中小工務店、たとえば組み立てるというような分業体制が確立をされている。こうした場合に、他の中小企業建設業者の経営が非常に圧迫されても本法律の規制の対象にならないことになっておるわけですね。そういう規制が、どんどん大手のシェアが圧迫してきておるのにかかわらず、いまなおこの規制対象になっていないと、こういう問題があるわけです。むしろ私は、これから申し上げたいことは、率直にお聞きをしたいんでありますが、特殊な業界において、本法の運用についてどう考えているかということが一つ。  それから、これは建設省きょう来ておりますね。  そこでちょっとお伺いしたいんでありますが、最近、本来ならば建設業法第三条第一項によりますと、百五十平米以下の木造四百五十万円以下の工事、この場合は一応特別の認可不要になっているわけですね。したがって、これを六百万円程度にしてもらいたいということが審議会の中でも意見が出されております。全建総連の書記長等の意見もある。一千万という声も出ておりますが、そこはまあ、これからのわれわれの要望がありますが、ともあれ、こういう実態に対して、最近大手のシェアがどんどん進出してきておると。そのために、こういう末端の本当の小規模零細の段階での――ナショナルの今日におけるプレハブの状態、これはどんどん進出してきておるんだね、やっぱり大手企業が。こういう実態について建設省、どういうふうにお考えになっておるか、そういう実態をお認めになるのかどうか、この点お伺いしたいと思います。
  88. 広瀬優

    ○説明員(広瀬優君) ただいま先生御指摘なされましたプレハブ業界におきます大手メーカー系列の進出ということにつきましては、おっしゃるとおりであろうかと存じます。また私どもの方に、部会の需要者からの意見といたしましても欠陥が多い、あるいはいろいろ契約上のトラブルの問題であるとかいうような相談が持ち込まれておることもまた事実でございます。建設省といたしましては、そういうような実態に対しまして、需要者の御期待に沿うような住宅が供給されるということをねらいといたしまして、常日ごろ行政指導というものを行っておるわけでございます。  ただ一つむずかしい問題がございますのは、木造住宅あるいはプレハブ住宅にいたしましても、住宅となりますと、需要者国民一人一人ということになってまいりますと、そこの需要者の需要の条件には資金的な面、あるいは家族構成、その他構造であるとか様式であるとか、いろんな面にわたりましてきわめて多種多様なニーズがあろうかと存じます。そうだといたしますと、そのような住宅需要者のニーズに見合った供給というものも、また片方では重要な問題というふうに考えるわけでございます。しかしながら、少なくともそのような需要者のニーズの中の大部分を占めております在来工法の木造住宅に対します需要というものが、そういうような業界とのつながりなしに、何ら手立てなしに安直に宣伝に引きずられて、いわば引きずられて、プレハブ業界と申しますか、大手にのみ流れていくということでは、消費者の需要にも適切に合致していないことではなかろうかと実は存ずるわけでございます。その意味で、先生がいまお話ございました全建総連というような団体ともよく話し合っておる段階でございますが、やはり需要者の目を業界の方に向けさせると申しますか、需要者と供給者が結びつくような場をPR、その他資金面いろいろ通じまして結びつくような場をつくることが、まず最も大事な要素ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  89. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 いま建設省が率直に私の申し上げた実態をお認めいただいておりますから、それ以上のことは申し上げません。  そこで、私がなぜこの問題を取り上げるかと申しますと、実態としては、われわれ住民にとっても大変なことなんです。大変な損失をしているわけです。一方、また戸別建て全建総連に加盟の方々は非常な犠牲を払っている。一例を率直に申し上げますが、長官、特に中小企業庁に聞いてもらいたいのですが、ナショナル住宅の場合、メーカーとの契約で売ったデータ、ここに出ておりますが、これ間違いございませんか。後ほど渡してもいいんですが、ナショナル住宅と個人契約との間に、ここでいきますと、一千五十六万で大体契約をいたしておるわけです。これは百五十平米ですが、正確に言うと千五十六万八千四百九十円。ところが今度は、ナショナルのメーカーの施工主と、対馬なら対馬という契約者との間にどうなるか、下請の契約ですね、どうなっているかと申しますと、八百十五万九千三百三十八円、こういうことになるわけですよ。約二百五十万の完全な利ざやをかせいでいるわけです。結果的には戸建て住宅の末端の一番小零細企業の方々にこの仕事を押しつけるわけです。しかし、結果的には、ピンはねは二百五十万やっておる。こういう状態は私はやっぱりこの間も予算委員会で本質的な問題を持ち上げたが、こういうことはやっぱり許されてならないと思うのですよ。そういう問題について、いま実態お認めになっておりますから、行政指導されておるわけでありますが、私はこういうこの実態に対して、どういうようにひとつお考えになっておるかということが一つ、簡潔でいいですから。  それから、もしこういった、いまこういう戸建て業者の小規模零細業者に対してはどういう解決をすることが一番いいのか、つまり受注の機会を与えることは、どういうふうにしたら一番いいのか。ずばり申し上げて、元売のやっぱり体制をとる。元売の機会を与えるということが先決ではないかと、こう考えるのですが、まず建設省のお考えを聞いて、中小企業庁長官の考え方を聞きたい、こう思うのです。
  90. 広瀬優

    ○説明員(広瀬優君) 先生御指摘の元請から下請に仕事が流れていきます場合の下請代金、あるいはその他の下請条件等もあろうかと存じますが、下請代金等の問題につきましては、先般来の予算委員会その他におきましてもいろいろ御意見、御質疑をちょうだいいたしておるわけでございますが、やはり私ども思いますのは、ややもすれば元請、下請関係におきます契約という内容が不分明のままになされておるということが一つの大きなネックと申しますか、是正すべき点ではなかろうかというふうに存ずるわけでございます。  先生いま御例示なされました金額あるいはパーセンテージというようなものは個々具体のケースに当たりませんと、それが妥当なものとして認め得るものか、あるいは本当におかしいものかというものはにわかに判断できませんけれども、いずれにいたしましても、そのような代金その他の流れというものが文書等により明確になってまいりますれば、おいおいに御指摘なされましたような関係というのは是正されていくであろうというふうに存ずるわけでございます。したがいまして、その意味では私ども先般の中央建設業審議会から標準下請約款というものが先生御案内のとおり勧告されたわけでございますので、これの普及徹底を図ることによりまして少しでも、一歩ずつでも元請、下請関係を是正してまいりたいというのが私どもの現在の考え方でございます。  それからもう一点の、受注するようにすべきではないかという後段の御指摘でございますが、先ほど申し上げましたとおり、需要者のニーズが多種多様わたっておるということでございます。言いかえれば、中にはプレハブを望む需要者もおられるわけであろうと存じます。したがいまして、それぞれに見合った、ニーズに見合ったものを供給するような体制というものは、これは必要ではなかろうか。ただその場合に、質のいいものを望むような形で供給することが必要ではないか、その意味でプレハブはプレハブとして質のいいものは必要でございましょう。また同時に在来工法の木造住宅も、それらの需要者に、供給者から結びつくようなレールが今後明らかに引かれていくことが望ましいというふうに考えておる次第でございます。
  91. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 建設業界は、中小企業いろいろある中でもやはりいろいろむずかしい問題を抱えた業界ではないかと思っておるところでございます。御承知のとおり倒産件数も建設業界非常に高うございます。しかしその一方で、事業者数の増加というのが非常に多いというようなことで、なかなか構造的にむずかしい問題を抱えた業種じゃないかという感じがいたしておるところでございます。特に、いろいろ聞いておりますと、古い習慣というものが残っておる、元請、下請関係等々にあらわれておるような問題がやっぱり一種の体質の中にいままでは残っておるんではないかという感じがいたしておるところでございます。その中で何とか業界全体として近代化し、そしてその中で、さらに中小企業が経営を安定させるというようなこと、これからの大きな課題になってまいると私どもも感じておるところでございます。  その意味におきまして、建設省もいろいろお考えをいただいておるようでございます。私どももいろいろ道具といいますか政策手段を持っておりますが、実態を握っておられる建設省、それから政策手段を持っております通産省とがもっともっとよく密接に連絡をとって、問題解決のために前進を図っていきたいと、こう思っておるところでございます。
  92. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 長官ね、大事なことは、いま私が言ったように片や戸建て小零細企業に下請して二百五十万もピンはねしている。これは業界だけじゃない、その業者だけじゃないんだ。われわれ住宅建てる側も二百五十万もあなたピンはねされて、しかもこれ、安くあるいは堅実な住宅が建つのに、ひいてはそういうものが建ってこない。こういうやり方、こういう実態が私は問題だということで言っているんで、建設省はそれを認めているわけだ、実態を。認めておるとすれば私は次のことを、この分野法に関連して整理してもらいたいことが二つあるわけですよ。  一つはどういうことかというと、こういう実態いま建設省認めておるわけだ、そのために昨年の十二月にこの審議会でもって一つの方針が出ているんです、先ほどお答え願ったように。つまり、そういった小規模零細企業者に対する積極的なこの受注の機会を与えるという行政指導をいたします、すべきだと、こうなっているわけだから、ましてや中小企業庁がこのことを、それ以上のことをやらなかったらこれは対策にならないと思うんだよ。それで私が言いたいことは、まず一つは、建築業者にこの認可をしようとする軽微な工事についてはいま言ったように重層的な下請の系統、系列になっているわけでしょう。そういたしますと、やっぱり受注の機会をまず特別に配慮する必要があるのじゃないか、この考え方が一つ、これをひとつ明確にしてもらいたい。これもいま建設省もそういう考え方を持っておりますから、行政指導という段階はもちろんであるけれども、まず受注機会をひとつこういうものについては積極的に与えると、そのための政策的な行政指導を明確にしてもらいたい。この一点、いまきょうすぐ基本的な考え方をお聞きしたい。  二つ目は、調査、勧告、命令の申し出があった場合に、中小企業の対象が問題なわけだ。私も勉強さしてもらったのだけれども、あなたが非常にいいことを言っているんだけれども、この考え方をちょっと整理をしておきたいのだが、つまり団体、全建総連という名前がイコール団体にはならないというようないろいろな言い方をしている人もいるようだけれども、あなたは、このことは間違いであれば別だが、五月十四日の日経に中小企業分野に関連して「岸田中小企業庁長官に聞く」と、こういうことであなた答えている。そのときのこの団体の登録の申し出のあり方の単位としましてここで言っていることは、商工組合、事業協同組合、工業会などの対象が考えられるが、少なくともその団体が全府県に広がりを持っていることが必要だと思うというようなことを言っているので、もっとこれをぼくはきちっとここで解明しておきたいのですが、たとえば全建総連、全国都道府県全部あるわけでしょう、これは。北海道は私のところだから言うんだけれども、全体的にやっている、北海道でも札幌でも。それは登録というものは署名登録をきちっとすると。きちりとする。たとえば三百世帯とか三百業者とか、あるいは百とかまとまってきちっと署名簿による登録申請をする。こういう取り扱いを、申請を出された場合はこれは当然対象としてやっぱり認知してはどうか、当然考えなきゃいけないのではないか、こう考えるんですがね。この点あなたのこの談話の、「長官に聞く」談話からいくとそういう考え方に当然すべきであるし、私の言いたいことは、この調査、勧告、命令についての申し出は中小企業者の相当数の署名をもって団体とみなすと、こういうふうにきちっと整理してみたらどうか、この二つをひとつお伺いしたいんです。
  93. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 第一段にお話がございました零細業者にも受注の機会を与えるように努力せいという点、これはもう私どもも基本的に同感でございますし、私どもも今後とも努力をしていかなければならない課題であると思っておるところでございます。建設省の方におきましても、そういうような基本的な指導方針をお持ちのようでございますので、私どももできるだけ建設省の御努力をお願いすると同時に、私どもなりにやはり小さい建設業者でありましても、それなりに魅力のある建物ができるのだというような意味でのPRのお手伝いができたら、私どもとしても努力をいたしたいと思っておるところでございます。  それから、第二に御質問のございました申し出団体の資格要件の問題でございますが、これはいまお話の中にもございましたように、商工組合、事業協同組合、環境衛生組合、その他しかるべき法人格を持った団体であって、しかもある程度地域的な広がりを持った団体を申し出適格団体として指定したいと思っておるところでございます。その中でいま具体的に全建総連をどうするかという点のお尋ねがございました。これは私もう少し建設省にも実情を伺ってみなければわかりませんけれども、一応表面だけを見てまいりますと、全建総連というものは労働組合の組織であるということでございまして、そういう形のままでは事業を行う団体ということを認定するのは多少無理があるのではないかと思っておるところでございます。  ただ、実質的にはそのメンバーの中に建設業を自分で営んでおられる方がたくさんおられるというような実態も別途聞いておるところでございまして、もしそうであるならばやはりその事業主だけの方々が新しい組織でもつくっていただいて、そしてこの問題に取り組んで、もし問題があれば申し出をするというようなやり方が、法律の上では一番素直なやり方になるのではないかと思っておるところでございます。実際のケースが起こってまいりました場合によく建設省とも御相談をしながら対応を考えてまいりたいと思います。
  94. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 一点目、まあ建設業法の認可を必要としない軽微な工事についての重層下請についての小規模の企業に受注の機会を与える努力をする、行政指導をする、これはわかりました。  二点目ですけれども、これはむずかしく長官考えずに、まあ私、北海道のことを端的に言うんだけれども、北海道には全建総連というかなりの全道的な規模の組織があるわけですよ。実態は、たとえば札幌で言いますと、札幌建設中小企業組合というのがあるんですよ。そういうかっこうでもって、この間も予算委員会であんた知っているとおり北海道開発庁の問題を私やりましたが、その例を挙げてやったんだが、あれと同じ形のものなんですよ。たまたま、あなたがおっしゃるとおり建設労働組合という看板ではもちろんあれだが、私の言いたいのは、先ほど具体的に申し上げたのは、小規模企業名の相当数の署名をもって構成をする、こういう申請があった場合はこれはみなしていいんじゃないかと、こういうことを言っているわけですよ。実態はそうなんだから、先ほど言ったように。どういったって先ほど、百五十平米、四百五十万の実際の仕事をやっているというのは、ナショナルだとか東急だとかいろいろやっていますよ、北海道でも。どこにやらしているかといったら全部全建総連の下請の大工、工務店、その下の孫請だ。公団だってさっき言ったように一戸から二百五十万もピンはねしているんだよ、あんた。大体こんなことを野放しにしている中小企業庁がどうかしているんだよ、建設省も。  私が言いたいのは、せっかく中小企業分野法という法律ができたんだから、この運用に際して、やっぱりそういうものを守っていくということがこの法律の、私の予算委員会で強調した願いはそこにあるんだから。そうだとすればこの際、いま言ったように、ここで原則を、考え方だけお聞きしているんであって、最後にお聞きしたいことは実態に即応した、いま言ったそういうものに対してはひとつ十分に配慮していく、善処していきたいと、こういうことであれば私は理解したいと思うんですが、どうですか。
  95. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いまの辺は私どもももう少し実情を勉強いたしてみたいと思っております。中小建設業者の方々が、いままでの仕事をしておられた中に大企業の方が突如として出てきて、それが大きな打撃を受ける。これを何とかして防止しようというのがこの立法の趣旨でございますから、その趣旨に照らしてどういうやり方をすればうまくこの法律に乗るかというようなことを、具体的に御相談にも乗ってみたいし、また話も聞かしていただきたいと思うわけでございます。
  96. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それじゃこうしていただけないですか。私の意見としまして、一応そういうことを検討してみたいという長官の誠意あるお答えですから、いま私が申し上げたような実態をひとつ精査をしていただいて、そしてどういう方向でこういう問題をこれから中小企業の観点で、分野法の中で守っていけるか、守るか、こういう視点に立って問題を検討していく、こういうことでよろしゅうございますか、その点ひとつお伺いしたい。
  97. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どももひとつ勉強さしていただきたいと思います。
  98. 対馬孝且

    ○対馬孝且君 それじゃそういうことで、この問題のあれはひとつ実態をながめていただければ、これは一番末端の小規模零細業者なんだから、こういうものについてはひとつこの分野で積極的な行政指導ができるように強く要望しておきます。  それから最後に一点だけ。これは時間がそんなにないんで、本当はもっとやりたいんだが、時間がありませんから、守らなきゃなりませんから。  先ほど同僚の森下委員からありましたが、小売業については本法の対象にはしない。これは私も予算委員会でやっていますからわかっているんです。ただこういう問題が出ているんですよ。札幌で――北海道の場合でも著しく、札幌の人口が百二十八万と最近なっているんですが、デパートが十四あるんです。これは竹田理事もおりますけれどもね。それから三千平方メートル以上の大型スーパーが八つもあるんですよ。非常に乱立をしているわけです。幾つかのデパート、スーパーがどんどん進出しているんですが、ある店では豆腐が一丁五円と、最近では四円というようなことをいって目玉商品的にその物だけ下げて、それで客をさらおうというような、こういう意図的なあれが出てきていますね。それから砂糖で言うと、一キロ二百四十円前後の砂糖が七十九円、八十九円と、こういうような乱売状況が出てきたもので、地元の小売業者は非常な打撃を実は受けているわけです。したがって、本州系のスーパーが、札幌で言えば西友であるとか、あるいは東急であるとか、イトーヨーカ堂であるとかいろいろなもの、ありとあらゆるところみんな来てますわ、ダイエーだとかね。  したがってこういう問題について、先ほどもちょっと答弁あったんですが、私がきちっとしてもらいたいことは、共存共栄が実現をするという基本だって先ほども答弁しているんだけれども、大店法の問題、百貨店の問題、それから商調法の調整方法の問題などで何とかしていきたいと言葉では言っていますが、実態はなかなかそうなっていない。だからもし商調法でも何かでもきちっとするというなら、これはしていきたいと言っているけれども、この関係をやっぱりきちっとしなければ、私はせっかく分野法をつくってもこれ生かすことにならないんじゃないか。このことを非常にやっぱり問題にしたいと思っているわけです。  この点ひとつ今後の取り組み方について、長官と大臣の見解をお聞きしたい。先ほど全建総連の問題申し上げましたので、大臣からも一言今後の取り扱いについてひとつ決意のほどをお伺いして、私は終わりたいと思います。
  99. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私どもも札幌へ参りまして、非常に大型店が多いということを目にしておるわけでございます。いまお話しのあったほかに、あそこは寄り合い百貨店もかなりたくさんございまして、やはり寒いせいでワンストップ・ショッピングが発達するのかななどと思って見ておったところでございます。しかし、それなりにやっぱり商売の激戦地であることも事実でございまして、小売問題を考えるときにはやっぱり一つのむずかしいモデルだろうと思っておるところでございます。いままで大規模店舗法あるいは商調法を使ってできるだけのことをやってまいっておりましたが、先ほど答弁の中に申し上げましたように、やはり世の中がどんどん変わっていく、その変わっていくのに現行法で追いついていけるかどうかということが問題でございまして、やはりよく実態の推移を見きわめながら、その中で小売商の経営をいかにして安定させるか、こういう意味合いで、いまあります法律のあり方についてやはり基本的に考えてみる時期に到達したというふうに考えております。私どももこの分野法が一応成立した暁には、今度はひとつ小売商の問題だということで、腰を据えて勉強いたしたいと思うわけでございます。
  100. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) いろいろとお話を伺っておって、ただいま岸田長官からも申し上げたように、非常にいろいろな新しい構想や姿が、さま変わりがいろいろしております。ことに中小企業庁長官と私ども部屋でよく議論しておるんでありますけれども、たとえば百貨店ができて、それに対する法律をつくった昭和二十八、九年といまとまるでいろいろ違ってきている。ことに小売という問題が、寄り合い店舗というふうなものが、大型のものができてくると、小売ではあるけれども百貨店と同じようなことになるというようなことで、先ほどもお答えいたしたようにどんどんどんどんといろいろな工夫をこらして、いろいろ変わってまいりますので、そういうふうな問題に対処して、今後も御相談をし合ってまいりたいと思いますし、特にいまお話がありました建設関係の工務店や何かのことになりますと、元請と下の関係が、昔からの伝統的な慣習もありましてなかなか問題が多いと思いますが、御一緒にひとつ研究さしていただいて、同時にまた御協力いただいて、中小企業庁の方といたしましても今度はひとつ抜本的なものをつくりたいと、こういうふうにも考えておる次第でございます。
  101. 桑名義治

    ○桑名義治君 中小企業者の事業活動機会の確保につきましては中小企業基本法におきまして、第十九条に「中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会の適正な確保を図る」、こういうふうに明記をされているわけでございます。また、これを受けまして、中小企業団体法の特殊契約の制度も適用された事例は過去一件もないばかりか、通産省は従来から紛争事例につきましては、行政指導で十分対処できるという発言がいままでなされてきたわけです。私も何度かこういった問題を取り上げましたけれども、そのときの御答弁も行政指導で十分対処できますと、こういう御答弁だったわけでございますが、昨年の国会の決議を受けて、通産省も今回立法化に踏み切らざるを得なかったわけではございますが、その中小企業分野調整に関する政府の基本的な考え方がどういうふうに変わったのか、その点をまず伺っておきたい。
  102. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私が中小企業庁長官を拝命したのが去年の七月でございますが、七月着任して以来この分野の問題にかかりまして、まあようやくここまで来たというのが、私自身も非常に感慨無量のような感じがいたしております。  着任いたしました前後は、何とか行政指導で問題を解決していきたい、またそれでやっていけるというような感じで問題をとらえておったわけでございますが、先ほど答弁の中にも触れましたように、昨年の国会におきまして、各党一致で政府として何らかの新しい立法を用意するようにというふうに御指示を受けましたことが一つの契機。他の面といたしましては、これから先安定経済成長の体制に移っていったときに、やはりこういう問題はふえこそすれ減らないおそれがある。そういう事態においては行政指導でもってある程度のことはやれるにしても、それが一層権威を持ってやれるようにするということが大事ではないか、こういう点を私ども自身も考えました上で、新しい立法をとるという考え方にその際から転換をした、ちょうどその時期であったかと思っておるわけでございます。自来新しいルールをどういう内容にするかということで、関係方面の意見を十分聴取をし、その結果を受けて立案をいたしましたわけでございますが、さらに国会でもさまざまな御意見をちょうだいをいたしまして、一部衆議院における修正を経て今日に至ったと、かような経緯であると理解をいたしておるところでございます。
  103. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、いまの答弁の確認になるかとも思いますが、基本法の十九条の精神、あるいはまた中小企業団体法の特殊契約、こういった一部の法律では、もうすでに現在の経済情勢の中ではこの紛争問題を解決することができない、いわゆるそういう社会情勢になった、経済情勢になったと。こういう一つの認識の上に立って、今回の制定がなされた、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。
  104. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) お話にございましたように、団体法に基づく特殊契約は中小企業基本法ができました翌年に、まさに十九条を受けて立案をされた条文でございます。中小企業が団体として大企業との間に契約を結ぶ、それによって紛争を解決しようという非常に進歩的な考え方であったものの、実際はお話にございますように、実例がなく今日に至っておるわけでございます。その背景としましては、一つはやはり商工組合という組織を使ったことにやはりおのずからの限界があったんではないかと思っておるところでございます。御承知のとおり、府県単位で設立をする、しかも同業者の二分の一が加入しなければならない。さらに、三分の二が中小企業者であることが要件であるということで、設立要件も非常に限られておりますし、またこの特殊契約を締結いたします場合には、特別決議を要するということになっておりまして、三分の二の賛成があって初めて動き出す。かような形で非常に法律的に段取りがむずかしくできておるという点が問題であり、結果としては、行政指導というかっこうで問題を処理せざるを得なくなったという背景であろうかと思います。  以上が、とりあえず経過報告になるわけでございますが、従来のような行政指導で私自身はかなりの成果を上げてきたと思っておりますものの、これからだんだん問題がむずかしくなる時期には、やはり法律の裏づけのある措置の方がより実効が上がるだろうという気持ちで今回の御提案を申し上げたという点は、先生の御指摘にほぼ合致しておるんではないかと思うわけでございます。
  105. 桑名義治

    ○桑名義治君 通産省は五十二年度に事業分野問題に対処するために通産局等に中小企業調整官を配置しているわけでございますが、いままでの活動実績はどのようになっているのか。また本法の制定後、いよいよ実行に移される段階で、この分野調整官の増員等は考えておられるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
  106. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) お話ございました中小企業調整官の制度は、昭和五十年度から発足をいたしました。この目的は分野調整問題が各地で起こってきておる、それらの事態に対してなるべく早く問題をキャッチをして、そしてしかるべき対応を迅速に行おうというところがねらいであったわけでございます。それと同時に、同じく五十一年度から分野調整指導調査員という制度があわせて発足をしておりまして、これは商工会議所、商工会及び中小企業団体中央会に合計で三百九十二名の人員を配置して、仕事としてはこの分野の問題に関するモニターの役割りを果たしていただこうということで考えておるところでございます。これらによりまして、なるべく問題をキャッチするという制度を、とりあえず政府としても用意をいたしたわけでございますが、いまお話にございました中小企業調整官の制度は当初は中小企業庁一名、それから各通産局一名、合計九名でスタートをいたしました。これが五十二年度にはさらに中小企業庁一名加えられまして、合計十名で活躍をするということになっておるわけでございます。  この調整官なりあるいはモニターの方々の実際の活動状況でございますが、最近起こりました事例は、かなりこのモニターの制度あるいは調整官の制度にひっかかっておりまして、ここから問題が取り上げられ、そして解決のための端緒が得られたというケースが数多くあるわけでございます。具体的に申し上げますと、最近の事例といたしまして、山崎製パンによる生菓子の製造業の問題それから三越の葬祭業の問題、それから自動車整備業の問題、これらが具体的な事例として挙げることができるかと思います。
  107. 桑名義治

    ○桑名義治君 増員問題は。
  108. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 実を申しますと、これからこういう問題が一体どの程度出てくるかということがなかなか把握がむずかしゅうございます。一方では、メーカー段階の問題はある程度峠を越して、これから小売問題に移ってくるんじゃないかと予想する向きもございますけれども、しかし他方では、これから安定経済成長に至ってやはり問題が続発する可能性があるという見方をする人もございます。したがいまして、この法律ができました後におきまして、この五十二年度下半期、実際に運営をしてみまして、その運用実績を見てしかるべき人員の配置を図るということで、これは五十三年度の予算要求のときまでの宿題というふうに考えておるところでございます。もちろん必要な人員は確保するという考え方で臨みたいと思っております。
  109. 桑名義治

    ○桑名義治君 本法におきます第五条において、「特定の事業を行う者であることをその直接又は間接の構成員の資格」としているわけです。「かつ、その構成員の大部分が中小企業者である団体であって政令で定める要件に該当するものをいう。」と、こういうふうになっているわけでございますが、この場合の「政令で定める要件」、これはどういう要件を言うわけですか。
  110. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) この法律に基づく申し出適格を持つ団体の要件としましては、法律におきまして、同業者の団体であること、それから中小企業者のウエートの高い団体であること、こういったことが特記をされておりますが、さらに政令でその内容を具体的に示すということになっておりますこと、御指摘のとおりでございます。政令におきましてはいま部内でいろいろ検討いたしておりますが、大体の骨子といたしましては、一つは、原則として都道府県の区域を越える地域的広がりを持っておるということを第一の要件にしていきたい。それから第二の要件としましては、その地区における同業者の一定部分以上を構成員としていることということを第二の要件として考えていってみてはどうか、こういうことでいま議論をいたしております最中でございます。
  111. 桑名義治

    ○桑名義治君 この問題について基本的に伺っておきたいのは、結局商工組合あるいは事業協同組合など法人格を有していなければならないのかどうか、いわゆる任意団体ではだめなのかどうか、この点をまず基本的な問題として伺っておきたいと思いますけれども。
  112. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) いま御指摘の問題につきましては、私どもはやはり法人格を持った団体というものを、一つの要件として考える方が妥当ではないかと思っておるところでございます。これは調査の申し出をし、そして、さらに段階が進みますと調整の申し入れをする、そして、その調整事項に従って大企業の調整を行います場合には、別途中小企業自身の合理化努力というものが要請される、これらのことを具体的に中心となって推進する団体がしっかりした団体であるということがやはり好ましい形態ではないかと思いまして、一応の要件としては、法人格を持った団体ということを念頭に置いて考えております。
  113. 桑名義治

    ○桑名義治君 次に第三条に、大企業者は事業の開始等に当たっては、中小企業者の利益を不当に侵害することのないよう配慮しなければならない、この旨の大企業者の責務に関する訓示規定があるわけでございますが、これは単に大企業者の自主的ないわゆる配慮を促すということだけにとどまらずに、規定の実効を上げるためには、関係当局は大企業者に対して必要な指導をすべきだと、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどのように考えておるわけですか。
  114. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 私は御提案申し上げております法律の中で、「大企業の責務」という特別の条項が設けられたことは非常に意義の深いことではないかと思っておるところでございます。いままではいわば大企業者自身の自覚と申しますか、社会的責任を感ずるという程度に応じて問題が処理されておりましたけれども、この法律の中に一条設けられることによって、それが社会的な一つのルールとしてオーソライズされたという意味は、この法律の持っております大きな意義ではないかと思っておるところでございます。これから大企業が活動いたします場合に、やはり新しい分野へ進出するときには、その行く先である事業分野において一体中小企業がどういう活動をしており、いまどういう状態になっているのか、さらに、進出をしたことの巻き起こす結果がどうなるだろうか、こういったことを事前にやはり判断をした上で進出するということが要請されることになろうかと思うわけでございます。この条文を単なる宣言文というふうに終わらしてはいけませんので、やはりこれが新しいルールとして確立されたんだということを大企業者の団体にも十分徹底を図り、また個々の大企業者にもその趣旨が行き渡るように、私どもとしても配慮していかなければならない事項だろうと考えておるところでございます。
  115. 桑名義治

    ○桑名義治君 次に四条で、大企業の進出に伴う調整については、大企業と中小企業とが自主的に解決する努力をうたっているわけでございますが、これは主務大臣の調整に当たっての必要条件になっているのかどうか、これがまず一点ですね。すなわち中小企業団体はまず大企業者と自主的に調整のための交渉を行います。それがまとまらない場合に初めて調整措置を構ずるよう申し出ができるという趣旨なのか、どっちなのか、どうでしょうか。
  116. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 自主的解決の努力の規定は、いわば自由経済体制下でそれぞれが経済の当事者として日本経済の中で活躍しておる、そういう事態からしますと、いわば当然のことを規定したものであるというふうにも理解できるかと思うわけでございます。で、いま御質問がございましたように、この自主的解決の努力というものを主務大臣の調整にわたっての必要な前置条件とするかどうかという点につきましては、必ずしもそうは考えておりません。もちろん自主的な解決でうまくいけば、それはもう一番結構なことでございますが、やってみても答えが出ない場合、当然主務大臣が乗り出していくべきでございますし、また周囲の客観情勢から見まして、これは自主的解決といって当事者に話してみても恐らくまとまらぬだろうということがあらかじめ予見できるような場合には、これは主務大臣が調整に乗り出すという場合も当然あり得ていいのではないかと思っておるところでございます。
  117. 桑名義治

    ○桑名義治君 実際に中小企業団体と大企業との自主的な交渉ということはこれはもう、結局これができるならばこの法律実際は要らないわけですよね。そういう大きな資本力、宣伝力に物を言わして中小企業の利益が侵害をされるというところから、この本法律案の趣旨があったのではないかと、こういうふうに思うわけです。そうやって考えますと、自主的解決の努力というものが、訓示規定としては一応理解はできますけれども、運営上の問題としてはこれは柱にするのは私も非常にまずいのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そういった立場から主務大臣の調整措置の対象とすべきであるというふうに私は考えるわけですが、その点もう一度確認をしておきたい。
  118. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 具体的な条文でお示しをいたしますと、第七条の「調整勧告」の規定をごらんをいただきたいと思います。第七条には、「主務大臣は、前条第一項の規定による申出」すなわち調整の申し出「があった場合において、当該申出をした中小企業団体及び当該申出に係る大企業者の間において同項に規定する事態の発生を回避することが困難であり、」こういう条文が書いてございます。この規定の趣旨は、両当事者で話し合いをしなさいと、それが壊れたときには主務大臣が調整に乗り出します。こういう趣旨ではなくて、もちろんそういう場合も含まれるわけでございますが、客観情勢から見てこれは話し合いではもう解決つくまいということが明らかに読み取れる場合には、両当事者の話し合いをしなくても調整に入れると、こういう意味で私どもはこの条文を理解をいたしておるところでございます。
  119. 桑名義治

    ○桑名義治君 次に第五条について伺っておきたいと思いますが、中小企業団体は、大企業が進出計画を持っていると認めるときは、主務大臣に対し、計画の内容について調査の申し出をすることになっているわけですが、これを受けて主務大臣はどのような方法で調査を行うのか、また、そのためにどのような予算措置を講じるように考えておられるのか、まず伺っておきたいと思います。
  120. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 条文では第五条になるわけでございますが、中小企業者が業界の会合へ出た、そのときに、どうもあの会社が進出するらしいぞ、というようなうわさを聞いた、また、業界紙にそういうような記事が出てきた、どうも問題がありそうだけれどもその内容がはっきりしない、どうも心配だと、こういったときにこの条文が動いてくるわけでございます。そういう事態になりました場合には、中小企業団体から主務大臣に申し出をいたしまして、大企業者の持っている計画の内容に関し、その開始または拡大の時期はどうであるか、規模がどうであるか、その他主務省令で定める事項、これはまだ内容詰まっておりませんが、一体販路はどの程度のことを考えているか等々、まあこれから大企業がもし大規模な拡大をしたときに中小企業者の経営に重大な影響を及ぼしそうな幾つかのポイント、これについての調査の申し出をするということができる旨の規定でございます。それで、主務大臣はまあどういうやり方でやるかというのは、いわば主務大臣としてできるだけの努力を払うということでございまして、具体的な内容は、既存の資料で活用できる場合もございましょうし、あるいは大企業に聞いてその内容が明らかになったところを通知をするというようなやり方もありましょうし、それは臨機応変で考えていきたいと思っておるところでございます。  この法律の施行に関する経費としましては、いろいろの内容も含まれておりますが、五十二年度予算で約二千六百万円の予算が計上されております。そのかなりの部分をこの調査の費用にも充てるということができると思います。
  121. 桑名義治

    ○桑名義治君 二千六百万というのはちょっと少ないような気もするのですがね、当初ですからその程度の予算化にしたこととは思いますが、今後の運営上の情勢を見ながら、やはりこれは予算化には、まだまだ増額には努力をしていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思います。  そこで主務大臣の調整措置として、政府案は勧告、公表だったわけですが、衆議院の修正によっていわゆる調整命令及び罰則規定、こういうふうに加わったわけです。しかし、法律の上で整備をされましても、問題は運用上の問題であって、やはり法をどういうふうに運用するかによってこれが生かされるわけでございますが、それと同時に一方では消費者の利益等に配慮する必要がある、こういうふうに思うわけですが、中小企業者の事業機会を確保するためにどういう方針で運営をするのか、政府の基本的な運営の方針を伺っておきたい。
  122. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) この法律では、最初の「目的」のところからやはり消費者の利益に配慮するということがうたわれております。私はこの問題を離れましても、これからの中小企業のあり方というものは、やはり消費者の利益というものを念頭に置いて経営が進められなければならないし、また、そういうふうな中小企業でなければこれから伸びていかないというような感じがいたしておるところでございます。ただ、そうは申しましても、大企業が出てまいりまして、それによって中小企業が一挙に打撃を受けるということになりますと、長い目で見ますと、やはり日本経済全体にいろいろなロスが出てまいりまして、これが消費者の利益にもはね返ってくるというような場合もありましょう。したがって必要な調整はやはりやっていかなければならないと思っておるところでございます。しかし、その調整のやり方が余りにも中小企業だけの立場で問題を進めるということでは相済まないわけでございまして、むしろ、私ども率直な気持ちから言いますれば、大企業が出てきて新しい技術を導入しようというようなときに、仮にそれに待ったをかけるということであるならば、多少の時間を置いて中小企業自身も新しい設備を入れ、合理化をし、それに負けないような製品を生み出すために時間の余裕が与えられるというようなことになれば、一番この法律が生きて使われるような形になるのではないかという気すらしておるところでございます。  この法律の中では、目的自身に消費者利益のことをうたってございますが、そのほかにも幾つかの場所で消費者の問題について触れておるところでございます。たとえば「調整勧告」の第七条の二項におきまして、一般消費者の利益を不当に害するようなものでない勧告をするようにということが書いてございます。「一時停止勧告」についてもその条文が引かれておるところでございます。それから中小企業調整審議会、これは名前が変わりまして分野等調整審議会と衆議院で改められておりますが、そのメンバーの中にも消費者代表を入れて消費者の利益を反映するような仕掛けを考えていきたいと思っておるところでございます。それから、申し忘れましたが、第八条の「意見の聴取」という規定がございまして、先ほど申しましたように、調整審議会の中にメンバーとして入るだけではなくて、調整審議会の運営に際しまして一つの案件についての勧告をするというようなときには、一般消費者の意見を聞くというような条文も用意もされておるところでございます。長い目で見て消費者のためになるような運営ということをこの法律全般を通じて考えていきたいと思っておるところでございます。
  123. 桑名義治

    ○桑名義治君 その面が非常に調整の段階でむずかしい点になるのじゃないかと思うんです。したがいまして、この法律の精神にまず立脚をして、そこからやっぱり間違いのない判断が、調整が行われるようにこれは十二分の配慮をしていかなければならないのじゃないかというふうに考えるわけです。  さらに主務大臣は調整措置を講ずるに当たりましては、あらかじめ通産大臣の意見を聞かなければならないことになっているわけでございますが、これは単にいわゆる主務大臣が参考として通産大臣の意見を聞けばいいのか、それとも通産大臣の同意を求めるという趣旨なのか、どちらの方に力点があるんですか。
  124. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) この法律は主務大臣がそれぞれ責任を持って問題を解決するというたてまえになっておりまして、主務大臣の範囲も通産省だけではなくて農林省、運輸省、建設省とその他各省にまたがっておるわけでございます。私どもは、各省もそれぞれの中小企業問題を抱えておられるわけでございまして、各省なりに大企業と中小企業とをいかにして調和をさしていくか、そしてその中で中小企業の経営を守っていくかという意味での配慮は当然なされるはずであると思っておりますものの、それが関係各省によって余りにも取り扱いがばらばらであってはぐあいが悪いという意味におきまして、通産大臣の意見を聞くという条文を用意をした次第でございます。この場合の通商産業大臣という意味は、いわば中小企業を所管する大臣として全体の整合性を図るという意味で、通産大臣がその任に当たるという意味で理解をいたしておるところでございます。これは決して、いまお話がございましたように同意を得るというような強いものではないわけでございますが、しかし、やはり中小企業の立場を踏まえております通産大臣に対してある程度の配慮を示したということを説明をしていただくということは、当然必要なことではないかと思っておるところでございます。
  125. 桑名義治

    ○桑名義治君 その事柄と関連して考えられることは、いわゆる主務省令に委任をしている事項があるわけです。そうしますと、各省によってその基準が異なってくる場合があるのじゃないかというふうに考えられるわけです。そうすると、たとえば大企業の子会社である要件のいわゆる事業活動を実質的に支配することが可能な関係についても、産業分野によって基準に差が出てくることになるのではないかというふうに思われるわけです。そういった立場を踏まえて、基準は統一的に決めることがむしろ望ましいことではなかろうか、こういうふうに私は思うんです。そういった立場から考えた場合には、各大臣の省令をつくる場合にはその基準について協議、調整、これを行う必要があるんじゃないかというように考えるわけですが、その点どうでしょうか。
  126. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 各省それぞれの事情がある場合も当然予想されるわけでございますが、やはりこの法律が統一性のある形で運営されるということの必要性というのは私どもも十分わかるわけでございまして、できる限りは共同省令のような形で処理をしていきたい、特別のそれによりがたい事情があります場合には御相談をして、単独省令ということはあり得ましても、原則としては共同省令のような形で処理していきたいと思っておるところでございます。
  127. 桑名義治

    ○桑名義治君 この本法におきましては、いわゆる主務大臣の権限を都道府県の知事には委任をしていないわけでございますが、将来法を運用していく中において、やはり主務大臣の権限を一部分的でも委任をした方がいいんではないかというような情勢が生まれた場合には委任する意思があるかどうか、その点ちょっと伺っておきたいと思います。
  128. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 発生します問題は、本当にさまざまな業種においてさまざまな形で出てくるんだろうと思うわけでございます。それについて、どういうルールで処理するかということを議論いたしてみたわけでございますが、たとえば製造業などをとってみますと、一つの県で製造したものも結果としては広く一ブロックの範囲で流通をする、あるいは全国にまたがって販売をされるというようなことになりますと、特定の府県だけで調整をしてもほとんど意味がないということになろうかと思いまして、やはり基本のルールとしてはとりあえず主務大臣が調整をするというような形でこの法律の骨組みをつくったわけでございます。卸の場合、サービス業の場合、この辺も具体的なケースになってまいりますといろいろな形が予想されるわけでございますが、卸の場合にもかなり全国府県にまたがる問題が出てくるでありましょうし、サービス業なども従来私どもの手元で扱っておりますクリーニング業などの場合にはかなり全国的に広がりを持った問題がございます。そんなことで、とりあえずは主務大臣が統一的にやるということで当初の原案を用意をいたしたわけでございます。  ただ、お話にもございましたように、実際運営をしてみて、もう少し地方的に処理できるものがあれば、そしてまた非常に件数が多くて、中央だけでも処理し切れないというような事情もそれに加わってまいりました場合には、やはりそれなりの工夫をしなければならないと思います。たとえば都道府県へおろすまでに通産局単位で問題を解決するというようなやり方はできないかどうか、あるいはそういうようなことも将来は研究してみなければならないかと思っておるところでございます。
  129. 桑名義治

    ○桑名義治君 この法律がいよいよ制定されますと、今後新しく起こってくるいわゆる紛争事案につきましては本法の対象になるわけでございますが、既存の紛争事例について本法が適用されるのかどうか、この点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  130. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) たてまえといたしましては、この法律ができまして以降、この要件に該当する事案が出てまいりましたときにこの法律が動き出すというのが基本ルールであろうかと思います。ただし、従来処理しました案件につきまして、さらに当該大企業が次の増設計画を持ってくると、それによって従来一応の平和が保たれていたのがまた混乱に巻き込まれると、こういうような事態にはこれは新しい案件として、この法律の対象になることはあり得るというふうに理解をいたしております。
  131. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、現在紛争が起こっておるけれども、まだ解決に至っていないという事案については、今回この法律は適用されるわけですか。
  132. 岸田文武

    政府委員(岸田文武君) 御意見のとおりかと思います。
  133. 桑名義治

    ○桑名義治君 次に、大手小売業者が従来外部から仕入れていた商品を自社生産に切りかえたり、あるいは大手製造業者が自社製品を直接小売販売するというケースが出始めているわけでございますが、本法律案では、このような場合は規制できることになるのかどうか。  それから、このような動きが最近目立ち、またその影響が大きいだけに何らかの処置を講ずる必要があると、こういうふうにわれわれは思っておるわけでございますが、その点はどうですか。
  134. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 後者のケースは小売の問題になるように思いますので、この法律の対象ではなく、小売商業調整法等でどう扱うかという問題になろうかと思います。  前者の問題につきましては、恐らく自家生産をするときに、かなりの設備の増強をするというようなことが結果として中小企業の経営に打撃を与えるというケースであれば、この法律の対象になり得るケースがあり得るだろうというふうに考えております。
  135. 桑名義治

    ○桑名義治君 先ほどの質問の中にも一部入れておいたわけですが、またお答えを願ったわけですが、消費者利益の保護という点についてもう少しお伺いをしておきたいと思います。  本法は一般消費者の利益の保護に配慮することが目的の中にも入っておりますし、先ほどからの御答弁の中にも、多少条文の中にも入っておるわけでございます。たとえば第七条の第二項でございますか、この中にも入っておるわけでございますが、大企業の事業活動の調整に当たっては、関係中小企業者の事業機会を確保することが第一目的であるということはこれはもう当然のことではございますが、その一方消費者の利益についての配慮も必要であり、両者の調和を図ることが非常に大切になってくるわけでございます。そこで本法運用に当たって消費者利益の保護にどのように配慮するつもりなのか、この点をもう一遍伺っておきたいと思います。
  136. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) やはりいまお話にもございましたように、基本は中小企業の事業活動を適正に確保するということが基本でございます。それが守られずに、たくさんの中小企業がばたばた倒れるというようなことになりますと、一つは社会的な問題になるだけではなくて、経済的に見ましてもいままで相当の設備を入れていたのがむだになる、あるいは相当の従業員が活動していたのが解雇せざるを得なくなる、こういうことは経済的にもロスな問題であるというふうに理解をいたしておるところでございます。したがって、ある意味での調整というものが国民経済的にも理由づけられるだろうと思うわけでございますが、しかしそれを、それだからといって中小企業の経営の確保のためにはすべてを、ほかの要素は無視していいかというとそうはまいりにくい面があるだろうというふうに思います。したがって、これは具体的なケースが起こってきた場合に、やはり必要最小限度の調整をするということが結果としては消費者の利益につながってくると、こういった意味合いで運営をしていくことが必要なのではないかと思っておるところでございます。  したがって、時期をどうするか、あるいは規模をどうするか、こういったときの判断の基準として中小企業の立場も十分踏まえながら、同時に長い目で見ての消費者の利益というものを別途の物差しとして用意をし、そこのところをうまく調和をしていくという運用の仕方が特に大切なのではないかと思っておるところでございます。
  137. 桑名義治

    ○桑名義治君 消費者の利益を保護するという意味で、第八条の中に「中小企業調整審議会は、」云々と書いて、最後の方に「一般消費者、関連事業者その他の利害関係者の意見を聴かなければならない。」、意見を聞くというふうになっておりますけれども、それよりもむしろ調整審議会の構成員の中に消費者団体の代表を加える、そして消費者の意見が審議会の中でも十分に反映をされるという、そういう配慮がむしろ必要なのではなかろうかというふうに考えるわけですが、その点はどうですか。
  138. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) もう調整審議会の委員の中には、当然中小企業ないし産業界の実情に明るい方が相当数入られるわけでございますが、そのほかに、学識経験者の方あるいは消費者の方も入っていただきまして、何とかして、出てきました勧告案の内容が公正妥当なものであり、大企業としてもやはり社会的に見て受け入れざるを得ないというような権威のあるものに持っていきたいと思っておるところでございます。
  139. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうしますと、この第八条の「一般消費者、関連事業者その他の利害関係者の意見を聴かなければならない。」ということは、いわゆる調整審議会の構成員として一般消費者も関連事業者も入れるということに、こういう解釈をしてもよろしゅうございますか。
  140. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 第八条の意味は、御理解いただいておりますのと多少違っております。私どもは審議会の委員の中に消費者の代表の方も入れていきたいということを考えておりますのに加えまして、審議会を運営するときに、一般消費者あるいは関連事業者の意見もあわせて聞くというような形で運営していきたいと思っておるわけでございます。
  141. 桑名義治

    ○桑名義治君 調整審議会の委員の構成員の一部に消費者代表を入れる、それと同時にまた意見を聴取する場合も一般消費者、関連事業者の意見を聴取すると、二重にカバーしていくという意味ですね。
  142. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) はい。
  143. 桑名義治

    ○桑名義治君 そうですね。  そこで今度は、本法からは小売業が除外をされているわけでございますが、この理由は中小企業政策審議会の「意見具申」にもありますように、小売業については大規模小売店舗法等により別途の調整措置が講じられていることにあるようではございますが、しかしながら、最近の各地における大手スーパー等大型店の積極的な進出攻勢、先ほどからいろいろとこの問題についても論議をされておったわけでございますが、地元中小業者との間で紛争が頻繁に起こっているわけです。結局中小企業の利益が犠牲にされる事例が非常に多いわけでございますが、この意味から現行の小売業における調整制度はきわめて不十分であるというふうに考えられるわけです。抜本的な改善が必要であると、こういうふうに思うわけでございますが、政府の御見解を伺っておきたいと思います。
  144. 岸田文武

    ○政府委員(岸田文武君) 御意見の点は、私どももやはり考えておかなければならない問題ではないかと思っておるところでございます。私どもがこの御提案申し上げております法律の中で小売業を適用除外にしたのは、小売業は問題がないから除外をしたわけでもないし、また小売業を見捨てるというような気持ちはさらさらないわけでございまして、別途の法制が用意をされており、そして法案の内容を両者比べてみますと、小売業について別途用意されております法律がかなり強力な使い方もできるし、あるいは弾力的な使い方もできるということなるがゆえにはずしたというのが正直な気持ちでございます。しかし、その強力なものあるいは弾力的なもの自体が十分ワークしておるかということになりますと、現に日本各地でいろいろな問題が起こっておりますことは御承知のとおりでございまして、やはり私どもとしてもこういう問題が多発しておる事態に対して、いまの現行法制が十分その期待にこたえているかどうかということを考えてみる時期に来ておるのではないかと思っておるところでございます。
  145. 桑名義治

    ○桑名義治君 そこでこの紛争の問題ではございますが、現行の大規模小売店舗法におけるいわゆる店舗面積の規制基準は政令都市三千平方メートル以上、その他都市千五百平方メートル以上、最近規制基準以下の準大型店の進出が活発になっているわけでございますが、この問題は先ほどからいろいろと熊本の例なんかも出されて質問にあったわけですが、いずれにしましても人口五万以下の市町村では準大型の店舗が進出をしましても、与える影響というものは非常に大きいわけです。そこで、人口の規模あるいは人口の密度、所得水準、こういった地域の実情に応じたきめの細かい規制基準というものを設けるべきではなかろうかというふうに私は考える。すでに熊本県では一つの基準をつくっているわけでございますが、各地にそういう基準ができることが果たしてこれ適正であるかどうかということに一つの疑問があるわけでございますが、国として、いわゆる先ほど申し上げたような人口の規模あるいは人口密度、その地域の所得水準、こういう地域の実情に応じたきめの細かいいわゆる統一的な規制基準というものを設けた方がベターではなかろうかというふうに考えるわけですが、その用意はございませんか。
  146. 山口和男

    ○政府委員(山口和男君) 大規模小売店舗法によります小売業の経営につきましては、ただいま先生御指摘のとおり店舗面積を特定指定都市につきましては三千平米以上、その他につきましては千五百平米以上を対象といたしまして、それ未満のものについては一応適用の外に置いております。これは大規模小売店舗法の法律に基づきます調整は、大きな店舗の顧客の吸収力というものに着目をいたしまして、大きな店舗ほど顧客吸収力が大きいというような意味で、周辺の中小小売業等に与える影響も大きいというような趣旨で現在のような法律の規制になっているわけでございますが、ただいま御指摘のございましたような人口密度あるいは所得のレベル等によりますきめの細かい、小さな都市等についての問題につきまして、先ほど来お話が出ておりますような中小企業問題小売商問題についてのいろんな問題点含めまして、今後この安定成長下の小売業のあるべき姿あるいは小売業の振興策、そういったものともからめまして基本的な検討をひとつ加えていくという中で、十分検討してみたいと考えております。
  147. 桑名義治

    ○桑名義治君 百貨店、スーパー等の大型店の進出には、地元消費者、小売業代表等関係者代表で構成しておりますいわゆる商調協というものがあるわけでございますが、この商調協の審査が最終的には必要であるというふうになっているわけでございますが、従来進出の是非を決める基準がなくて、そのために各地で紛争解決が遅々として進まない、そういう実例が数多く上がってきておるのではないか、こういうように思うわけです。このために通産省では五十二年度早々にも大規模小売店舗審議会に関係機関を設け、大型店の進出が周辺の小売店に与える影響、都市の人口に対する適正な商業規模等の点について検討し、審査基準を整える方針である、こういうようにお聞きをしているわけでございますが、このため最近大規模小売店舗審査指標策定委員会というものを発足をさせて基準づくりのために具体的な作業に入った、こういうように聞いているわけでございますが、現在その進捗状況がどういうふうになっているのか、差し支えなければお聞かせ願いたいと思います。
  148. 山口和男

    ○政府委員(山口和男君) 大規模小売店舗審議会におきましてこういったただいま先生御指摘いただきましたような実際の商調協における審議の基準といったものがないという点についてのいろいろ御意見が出されまして、去る四月の十二日の審議会におきまして新たに審査指標部会というものをつくろうということが決議されまして、審査指標部会の部会長には早稲田大学の宇野先生に部会長になっていただきまして、実はすでに本日審議を開始いたしているところでございます。今後できるだけこの審議会で活発に御審議いただいて、早急に結論を出すように努力してまいりたいと思っております。
  149. 桑名義治

    ○桑名義治君 最後に、大臣に決意をお聞きをしておきたいと思うのですが、いずれにしてもこういう法律ができても、この法を運営する立場である程度の幅がどうしても出てくるわけです。そういった意味で、この法律の趣旨というものがあくまでも中小企業の分野を確保するというそこに力点があるわけでございますので、その力点の上に立っての運用をしていくという、そういう意思をここで開陳をしておいていただきたい、こういうように思います。
  150. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のごとくに、いろいろと法制をつくりましたり、審議会をつくりましたり、答申をいただいたりいたしましても、要はその法制を運用する心構えの問題だと思います。ただいま桑名さんからのお話のように、われわれはここに新しく分野調整法をお願いをし、さらに他の二法におきましても、構造的な日本経済の転換期に当たりまして思いを新たにして、このいまの中小企業に対しまする分野の問題については、ひとつ敢然とといいますか、毅然とした態度で臨んでいきたい、こういうふうに考えております。
  151. 加藤武徳

    ○委員長(加藤武徳君) 暫時休憩いたします。    午後三時二十九分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      ―――――・―――――