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1977-04-30 第80回国会 参議院 農林水産委員会、運輸委員会連合審査会 1号 公式Web版

  1. 昭和五十二年四月三十日(土曜日)    午前十時二分開会     ―――――――――――――   委員氏名    農林水産委員     委員長         橘  直治君     理 事         青井 政美君     理 事         鈴木 省吾君     理 事         粕谷 照美君     理 事         鶴園 哲夫君     理 事         原田  立君                 大島 友治君                 長田 裕二君                 梶木 又三君                 後藤 正夫君                 佐多 宗二君                 坂元 親男君                 菅野 儀作君                 塚田十一郎君                 初村滝一郎君                 細川 護熙君                 川村 清一君                 工藤 良平君                 対馬 孝且君                 前川  旦君                 相沢 武彦君                 小笠原貞子君                 塚田 大願君                 和田 春生君                 喜屋武眞榮君    運輸委員     委員長         上林繁次郎君     理 事         岡本  悟君     理 事         三木 忠雄君                 江藤  智君                 木村 睦男君                 黒住 忠行君                 小林 国司君                 佐藤 信二君                 中村 太郎君                 永野 嚴雄君                 福井  勇君                 藤田 正明君                 青木 薪次君                 杉山善太郎君                 瀬谷 英行君                 田中寿美子君                 藤田  進君                 安武 洋子君                 柄谷 道一君                 松岡 克由君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。    農林水産委員会     委員長         橘  直治君     理 事                 鈴木 省吾君                 粕谷 照美君                 鶴園 哲夫君     委 員                 長田 裕二君                 梶木 又三君                 後藤 正夫君                 菅野 儀作君                 初村滝一郎君                 相沢 武彦君                 塚田 大願君                 和田 春生君                 喜屋武眞榮君    運輸委員会     委員長         上林繁次郎君     理 事                 三木 忠雄君     委 員                 江藤  智君                 小林 国司君                 中村 太郎君                 永野 嚴雄君                 福井  勇君                 青木 薪次君                 瀬谷 英行君                 安武 洋子君                 柄谷 道一君    国務大臣        外 務 大 臣  鳩山威一郎君        農 林 大 臣  鈴木 善幸君        運 輸 大 臣  田村  元君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  三原 朝雄君    政府委員        防衛庁長官官房        防衛審議官    渡邊 伊助君        防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君        外務省アジア局        次長       大森 誠一君        外務省欧亜局長  宮澤  泰君        大蔵省主計局次        長        松下 康雄君        農林大臣官房長  澤邊  守君        水産庁長官    岡安  誠君        海上保安庁長官  薗村 泰彦君        海上保安庁次長  間   孝君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        大蔵省主計局主        計官       宍倉 宗夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○領海法案(内閣提出、衆議院送付) ○漁業水域に関する暫定措置法案(内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――   〔農林水産委員長橘直治君委員長席に着く〕
  2. 橘直治

    ○委員長(橘直治君) ただいまから農林水産委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。  領海法案及び漁業水域に関する暫定措置法案、以上両案を一括して議題といたします。  両案についての趣旨説明は、お手元に配付してあります資料によって御了承願うことといたします。  この際、政府側にお願いいたしますが、質疑者の持ち時間は答弁時間を含めた時間でありますので、簡潔適切な御答弁をいただきますようお願いしておきます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。瀬谷君。
  3. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 時間の関係で端的に質問いたしますが、ソビエトから漁業条約破棄通告があったということであります。このことは、あらかじめ日本政府として予期していたことなのか、あるいは突然のことだったのか、その点どうだったのかということ、それからこの破棄通告に伴ってこれからの漁業条約に臨む日本側の態度ということもそれ相応に考えていかなけりゃならぬと思うんでありますが、その辺の政府側の見解を明らかにしていただきたいと思います。
  4. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御質問がございましたように、昨日、日ソ漁業条約の一方的なソ側からの破棄通告があったわけでございます。これは、御承知のように締約国の一国が破棄通告をいたしました場合におきましては一ヵ年間は条約は有効であると、こういうことに相なっております。また、このことは、三月に私訪ソいたしましてイシコフ大臣等とお会いをいたしました際におきましてすでにこのことを示唆されておりまして、このことはわが方としては十分予期いたしておったところでございます。  なお、今後はこのサケ・マスの交渉、このことを私、五月の上旬に訪ソいたしまして、早急に公海上の操業につきまして取り決めをいたしたいと、このように考えております。
  5. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 農林大臣がこれからソビエトへ行かれて交渉に臨まれるということは、大変な問題があると思います。そこでその前提になることでありますが、どちらかというと、この二百海里のわれわれがいま審議しようとしている問題が成立をする前に、ソビエト側から破棄通告という先手を打たれたと、こういう感じがするわけであります。したがって、いまの農林大臣の答弁によれば、あらかじめ予期されたことであると、このようにおっしゃっておられますけれども、それならばなおさら、これからの交渉というものはいろいろな問題を片づけていかなければならないということになると思うんであります。  その一つとして、これは外務大臣にお伺いしたいと思うんでありますけれども、二百海里という問題が出てまいりますと、いままでと違って、これは領土問題も適当にごまかすわけにいかないと思うんですね。はっきりしてくると思う。領土問題について絶対に譲らないと、こういう態度を堅持をしていく場合には、北洋漁業の問題でも壁にぶつかるということを覚悟しなければならぬと思うんでありますが、その点は外務大臣としてこれまた予期しておられることなのかどうか。  それから、時間の関係でほかのこともあわせて質問してしまいますが、領土問題は、北方領土の問題だけではないと思う。竹島の問題しかり、あるいは尖閣列島においてしかり、これらの問題はすべて二百海里を日本が宣言をするならば、はっきりさせてしまわなければならないことではないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか、あわせてお伺いしたいと思うんです。
  6. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 二百海里時代を迎えまして、領土問題が急速に大変重要な問題になってきたということは否定できないことでございます。このたびの日ソ間の漁業交渉におきまして、領土問題と切り離して漁業自体として解決を図りたいと、いわゆる領土問題と漁業問題を切り離して対処をするという方針で臨んでおるわけでございます。しかしながら、領土問題はいよいよ重要になってまいりましたので、ソ連との間に北方四島の解決を早急に図らなければならない、そのように考えておるところであります。  また、竹島問題、尖閣列島の問題、それぞれやはり二百海里時代を迎えまして、ますます緊要かつ重要な早急に解決を迫られた問題であると、このように認識をいたしておるわけでございます。
  7. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 領土問題を切り離してということを外務大臣が言われました。そういうふうにしたいという気持ちはわかるんです。われわれもそう思うんです。だが、切り離すことを相手が承知すれば別だ。ところが、相手がそれに応じなかったならば一体どうするのかと。これは農林大臣がモスクワまで出かけて行って交渉するのに、外務大臣がいま考えているように相手が出てくれば話は別だ。相手が出てこなかったら、農林大臣どうなりますか。立ち往生するんじゃないですか。そういう心配はないのかどうか。その場合のことをどのように考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
  8. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 鈴木農林大臣が近々第三回目の折衝に行かれるわけでございます。わが国の北方領土問題に対しております主張というもの、これを損なわないように漁業問題を解決しなければならない。また、北方漁業というものは、わが国の長い間かかって築き上げた伝統的な漁業でございます。この伝統的な漁業を傷つけないように、この二つの使命を持って鈴木農林大臣は折衝に当たられているわけでございまして、今日この段階におきまして、先方がどういう態度に出た場合にはどうするというようなことは、これは今日鈴木農林大臣に最大の御努力を願う段階でございますので、仮定のことについては何とも申し上げられませんが、北方領土に対します日本の主張というものを傷つけないで解決を図る、これがこの問題の大変むずかしいまさに焦点であろうと思うわけでございます。そのような方針で努力をいたすところでございます。そして、北方領土問題自体、これはなるべく早い機会にどうしても解決を見なきゃならない問題でございますので、私自身ももうこの年内には必ず訪ソいたしましてあらゆる努力を傾けたい、こう考えているところでございます。
  9. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 農林大臣の先ほどの答弁にも、漁業条約の破棄ということは三月に訪ソをしてイシコフ漁業相と話をした段階にすでに示唆をされている、したがって今日あることは予期していたと、こういう答弁でしょう。そうすると、これから先ソビエトと交渉する際に、領土問題と切り離して漁業問題に向こうが応ずるか応じないかということは、いまから考えたってわかることじゃないんですか、これは。向こうが今日までとってきた数々の態度というものは、そう柔軟なものじゃないと思う。とすれば、こちらも、日本政府の気持ちとしてはなるほど領土問題と漁業問題を切り離してやりたいと思っているかもしれないけれども、向こうさんが切り離さなかったならばどうするか。むしろ、切り離さないということを想定して臨む方が正しいんじゃないかという気がするんですね。だから、どっちともいいようにというわけにいかないと思うのですよ。そういうことをあらかじめ考えて臨むべきではないのか。それはどちらにとは言いません、そこまでの答えを求めるのは無理だと思うから。そういうことはもうむずかしいということを覚悟して行くべきではないかと思うのでありますが、どうですか。
  10. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 漁業問題は漁業問題として解決を図りたい、これが政府の変わらざる方針でございます。そしてそのことは、政府といたしましても、大変むずかしいことではありますけれども可能なことである、このように考えております。領土問題は領土問題といたしまして私自身がなるべく早い機会に、遅くとも年内には訪ソをいたしまして、定期協議の場を通じましてこの問題につきましては最大限の努力を図ると、このように考えておるところでございます。
  11. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いまの外務大臣のお答えだと、遅くとも年内に訪ソをしてということを言われましたが、そうすると、鈴木農林大臣がこれから出かけようとするこの交渉については、さしあたりこれはむずかしいと、簡単にはいかないということをあらかじめ念頭に置いた御答弁のように聞き取れるんですが、その点はどうですか。
  12. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 鈴木農林大臣が三回目の訪ソをされます。私どもはその成功を心から祈っておるわけでございます。しかしながら、ただいまおっしゃいましたように、この交渉は領土問題に必ずしも絡んでいる問題ではないのでございます。漁業交渉として鋭意努力をされてまいられましたものでございますので、私どもといたしましては、鈴木・イシコフ会談の成功を期待をいたしているわけでございます。
  13. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、領土問題が必ずしも絡んでいないということであります。それで、絡んでいないで鈴木農林大臣の交渉が成功することを期待をするということですが、そういう外務大臣の要望のとおりに事が運べば、恐らく今度は外務大臣の出番も必要がなくなってくると思うんですよ。そうはいかないだろうというふうに思うから、私は心配しているわけです。つまり、絡んでいないと言ったって、こっちが絡まなくたって向こうさんで絡んでいれば、話すればこれはもう絡まざるを得ないでしょう。つまり、二者択一という問題に迫られる心配があるのじゃないかと言うんですよね。そうならなきゃいい、なりたくないという気持ちはわかる。しかし、漁業条約の破棄通告があったということ、海洋二法の成立に先手が打たれたということ、これらを考えるならば、むしろ日本政府とすれば、領土問題が絡んでこれは並み並みならぬことであるということを、あらかじめ覚悟して農林大臣を派遣するのが正しいのじゃないかと思うんです。  それをしないで、どっちともうまいこといくだろうというふうな、そういう言い方をしていけば、かえって向こうへ行ってから農林大臣が困ることになるのじゃないかという気がするんですよ。むしろ、漁業問題を解決するのなら解決をするということに重点を置くということをはっきりされるのならされるで、国民は納得すると思うんです、漁民も納得すると思うんです。そんなに何もかもうまくいくということは外交交渉においてはあり得ない。体をぬらさずに泳ぐなんというわけにいかないんですから。その点は、むしろ外務大臣としてもいろいろな手を考えておくべきではないかと思うんでありますが、その点はどうなんですか。
  14. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 領土問題と漁業問題を切り離すと、こういうことでございますが、それは、漁業問題が将来の領土問題につきまして悪い影響と申しますか、この際に領土問題につきまして日本が一歩引き下がったではないかと、こういうことにならないようにという意味でございまして、そのような努力を続けておられるわけでございます。しかし、根本的には、二百海里時代になり、領土問題が解決をしなければすっきりした漁業の慣行というものができないという意味では、おっしゃるとおりだろうと思います。しかしそのようなことは、急速にはなかなか期待できない相当時間のかかる折衝でございます。なかなか難航する折衝になると思います。しかし、それができないからといって、日本の北洋漁業が動かなくなるということは大変でございます。したがいまして、漁業問題は漁業問題として解決を図る、しかも領土問題に悪い影響が出ないようにと、ここが鈴木農林大臣の御苦労なさっている焦点でありまして、もともと領土問題が解決しなければ漁業は認めない、こういうことを先方が申しているわけでは決してないわけでございますから、したがいまして、領土問題と漁業問題が一緒になって先方が主張をしている、こういうことではないというふうに考えておる次第でございます。
  15. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 この二百海里の問題は、外務大臣が理屈でもってかくあるべきであると言う以上に、いろんな問題が出てくると思うんです。これは、ソビエトとの漁業交渉だってそうだと思うんですが、それだけじゃない。竹島の問題だってそうです。竹島は日本領土であるということをはっきりさせるならば、韓国が不法占拠しているという事態に対してどうするかということも明らかにしなきゃならぬと思うんです。二百海里をわれわれが宣言をする以上は、北の方だけ二百海里宣言をして、そして西の方は別だというわけにいかなくなってくると思う。そうすると、竹島も、あるいは尖閣列島も日本の領土であるということを明らかにするならばするように、この際外務大臣としても、じゃ不法占拠されている竹島の問題をどうするのかといったようなことも、はっきりさせる必要があるんじゃないかと思うのでありますが、その点はどうですか。
  16. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) おっしゃるとおりであろうと思います。
  17. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 おっしゃるとおりならば、具体的にどうなさるおつもりですか。
  18. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 二百海里時代を迎えまして、竹島という小さな島でありますけれども、これが二百海里という大きな漁業水域というものをしょってまいりますから大変な問題になるわけでございます。御承知のように、竹島問題は日韓の国交正常化の際に当方の主張が決着を見ませんでした。正常化の際におきましても解決ができなかった問題で、したがいまして、これらのいわば両国間の紛争につきましては、了解事項をつくりまして一応のその当時としての解決を図ったわけでありますが、実体問題としては残っておるわけで、これは外交交渉で決着をつける、それができなければ仲裁にかけると、このようなことになっておるわけでございますが、現実問題として平和的な処理がなかなかできないというのが現実でございます。私どもといたしましては粘り強く交渉をいたしますが、いよいよ二百海里時代が目の前に迫っておりますので、この問題につきましては真剣に取り組むべきであると考えております。
  19. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 小さな島だというふうにおっしゃったけれども、事を誤れば、しまったじゃ済まないことになる。これはやっぱり考えなきゃいかぬ。  まず、平和的にいま解決していないというふうにおっしゃったんですけれども、じゃ、一体どうするのか。国際的な問題として決着をつけるという意思があるなら、あるということをはっきりさせるべきだと思う。  それから、大陸だなの問題だって、韓国の方がやきもきしている。しかし、だからといって日本がそれに調子を合わせる義理はないんだ。向こうが向こうならこっちもこっちだというのが外交交渉です。だから私は、この竹島なら竹島の問題で毅然とした態度をとると、煮え切らない態度をとっているとかえって紛争はいつまでも長引くということになると思うんです。したがってこの機会に、困ったものだと言っているんじゃなくて、具体的に紛争処理のために一歩踏み出すべきではないかと思うのでありますが、政府としてはその覚悟がどのようにおありなのか、お伺いしたいと思う。
  20. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 竹島問題につきましては、事あるごとに強硬な抗議をし続けているわけでございます。しかし、御承知のように、この竹島問題は韓国におきましても大変国民的なバックを持ちまして、大変な問題意識を持っておるものでございますから、日韓関係全体を好転をさしていくという方向でなければ、この問題はなかなか解決がむずかしいのでございます。したがいまして、そのような考え方に基づきましてこの竹島問題を解決する上にも、私は日韓関係というものは友好関係を増進していくという方向でなければ、なかなか解決困難であるというように考えておるわけでございまして、大陸だなの問題につきましてもいまお触れになりましたけれども、三年以上前に調印いたしましたこの協定につきましては、ぜひとも私どもといたしましては、この国会におきましての成立を強く期待をいたしているところでございます。
  21. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうはまいりません、せっかくですけれども。しかし時間の関係がありますから、それじゃあもう一点、領土問題、二百海里問題、これは不可分の問題でありますので、尖閣列島という問題があります。この尖閣列島はどのように日本としては考えておるのか、問題が起きた場合にはどういうふうに対処なさるおつもりなのか、このことをお伺いしたいと思う。
  22. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 尖閣列島につきましては、わが国の巡視艇が常時警戒をいたしておりまして、他国に占拠をされるというそのような状態にはないわけでございまして、わが国といたしましては、尖閣列島はわが国の有効な支配下にある、占有下にあるというふうに解し、そういう状態を保つことができておるわけでございます。ただ、尖閣列島につきましては、御承知のように、中国側からの主張があるということでございまして、竹島並びに北方四島とはやや状況が違っておるということを述べさしていただきます。
  23. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 尖閣列島は中国側からの主張があるということになれば、主張の上ではやはり食い違っておるということになるんですよ。食い違っておる問題は、尖閣列島、竹島、択捉、国後、歯舞、色丹、これらの島々いずれも食い違っているわけです。したがって、食い違っている問題に対応するこちら側の態度というものは一貫してなきゃならぬと思う。一貫をして臨まなければ漁業問題が全部絡んでくるというふうに考えられますので、その点はどのように政府としては、矛盾なくこの領土問題とそれから漁業問題あるいはまたそれにまつわるもろもろのトラブルを解決なさるおつもりなのか。これは、この国に対してはその友好関係、いま竹島については日韓の友好関係ということを言われましたけれども、それならば北方領土だって尖閣列島だって、問題が起きたならば友好関係でもって臨まなければ事は解決しないということになるわけですね、理屈として。その点はどうですか。
  24. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもまさしくそのように考えております。北方四島の問題におきましても日ソの友好関係を増進していくという方向に進まなければ、この北方四島の問題もなかなか本格的な決着はむずかしいと考えますし、また尖閣列島の問題につきましても、これは中国並びに台湾との関係があるわけでございますが、私どもは中国との関係である、このように考えますので、この尖閣列島の問題も中国との友好関係の増進という方向においてのみ解決できるものと考えております。
  25. 青木薪次

    ○青木薪次君 農林大臣にお伺いしたいと思いますが、ソ連による日ソ漁業条約の破棄通告は、すでに示唆されたことでもあるし、予期されておった。ところが、官房長官の談話を聞いたわけですけれども、これは漁業条約に基づくサケ・マスの取り決めをいま話し合っている最中に一方的破棄通告というものははなはだ残念だと、こういう談話を発表いたしているわけでありますけれども、この点は閣内において認識の統一を欠いているんじゃないかと、こう思われますけれども、いかがですか。
  26. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 公海上のサケ・マスの取り決めにつきましては、御承知のように、六万二千トンの漁獲割り当てを行うということで意見が一致をいたしまして、議事録もほとんど一致いたしまして、署名の寸前において、御承知の暫定協定第一条と同じような幹部会令適用海域の問題が出てきたわけでございます。これは全く予期しない、ソ連の漁業省の諸君も、これはわれわれの段階でなしに上の方の段階からの指示でこうなったということで、二十五日にサインをし、二十八日に東京でシャルクを再開をしてそこで正式に署名をすると、そういう段取りまで決まっておったわけでございますが、そのような急な事態に相なったと。園田官房長官は、そのことを非常に遺憾に思っておるのだということを申し上げておるわけでございます。  アメリカが二百海里法を実施をしたその事態において、御承知のように、北太平洋の日米加三国の漁業条約並びに北大西洋における北大西洋漁業条約機構、ICNAF、これからも脱退を通告をいたしておるわけでございます。と申しますことは、アメリカの二百海里海域の設定をした、その上にICNAFなりあるいは北西太平洋の日米加三国の条約がかぶっておるということでは、このアメリカの二百海里の専管水域に対する主権的権利の行使ということにどうしても制約を受けるということで、アメリカはこの二百海里の専管水域の実施と同時に破棄通告をしてきたわけでございます。ソ連におきましても、幹部会令を北西太平洋の海域二百海里に適用すると、こういう段階におきまして、すでに日ソ漁業条約を破棄するという考えを持っておったようでございます。これは三月に私が訪ソいたしました際に示唆されておったところでございまして、私どもはそのことを十分頭に置きまして今日折衝してきたと、こういうことでございます。
  27. 青木薪次

    ○青木薪次君 そういたしますと、先ほども鳩山外務大臣が触れられましたけれども、日韓大陸だな協定がいまちょっとすえかかっていると、私ども野党としてはこの問題については相当な問題の協定として反対いたしているわけでありますが、参議院選挙の関係等もあり、延長にはやはりおのずから限度があるわけであります。したがいまして、この日韓大陸だな協定が流れたということになりますと、韓国は二百海里の漁業水域を設定するということになってまいるわけでありますが、この点についてどういうようにお考えになっておられますか。
  28. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) わが国が二百海里の漁業水域を設定をするという方針を閣議で決めましたので、私ども、韓国、中国等に連絡をいたしました。そしてその両国の態度というものは、必ずしも最終的な態度を決めておるわけではございませんけれども、日本の決め方がいかようになるかということをよく注視してまいると、で、それぞれ自国としてもその対応策を検討中であると、こういうことを私どもは聞いておるわけでございます。したがいまして、すでに二百海里時代を迎えつつあるという環境のもとに検討に入っていることは事実でございます。したがいまして、検討の結果、いつの日にか結論が出てまいるのではないかと思いますが、今回の大陸だな問題と特にどのように関係してくるかということは推測以外にないわけでございますけれども、私どもといたしましては、大陸だな条約がこの国会でぜひとも御承認をいただきますように心から期待をいたしておるところでございまして、漁業問題としての二百海里問題は、先方が検討をしておるということで御承知をいただきたいのでございます。
  29. 青木薪次

    ○青木薪次君 そういたしますと、向こうが検討中だということになりますと、わが日本の立場としても、韓国や将来は中国を含めて二百海里の漁業水域を設定されるものとして対応の姿勢をとらなきゃならぬというように考えておりますけれども、その点はソ連、アメリカの漁業水域二百海里の設定に伴う問題と連動されるじゃないかというようなことについては、どういうようにお考えになっていますか。
  30. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) ソ連でも、必ずしも全体の海域につきまして二百海里を設定したということでないようでございますし、区域を限って二百海里の漁業水域を設定するということも行われておりますので、相互主義に基づきまして区域を限って設定をするということは、これは国際法的にも許されるものというふうに解しておるところでございます。したがいまして、現在、日韓間、日中間の漁業は、そのそれぞれの協定に基づきまして非常に円滑に行われているというのでございますので、現行体制を維持することが好ましいと、こういう観点から先方が二百海里を引かなければこちらも引かないと、こういう態度で進むべきものと考えておるわけでございます。
  31. 青木薪次

    ○青木薪次君 まあ、大臣はなるべく触れたくないという発言をされているようでありますが、私の申し上げたいのは、北方水域で韓国漁船がいわゆる締め出されて、北海道周辺に来て、漁民に大変迷惑をかけているわけですね。そういうような問題等について、片方は、ソ連は二百海里、日本も二百海里を引くと、そうして韓国との関係は関係ないわけですから、これはどんどん入ってきても漁業水域での操業は自由なんですね。それがたとえば領海十二海里の問題と、それからもう一つはいわゆる対馬海峡の西、東の水道の関係の国際海峡の設定と相まって非常に混乱が予想されるので、私は特に大陸だな協定の問題の取り扱いに対する対応の姿勢もいろいろ考えているようだということも含めて、そのことについては政府としても対応のやはり構えをとっておかなきゃいかぬじゃないか、隠して通れるものじゃないというように思うんですけれども、その点いかがですか。
  32. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 私どもといたしましては、大陸だな協定をどうかこの会期中に御承認をいただくことを心から念願をいたしておるところでございます。領海十二海里に拡張すること、二百海里の漁業水域を設けること、この二つの点につきましては韓国政府も検討をいたしておるわけでございます。したがいまして、その検討の結果いかんによりましては、この大陸だな問題がいかになりましょうとも、いずれの日かはこの問題はやはり解決をせざるを得ないと思いまして、そういう心構えのもとにわが方といたしましても検討をいたしているところでございます。
  33. 青木薪次

    ○青木薪次君 農林大臣にお伺いしたいと思いますが、現行三海里の領海法と言っていいんですか、その設定をしているとかいないとかいう問題は、太政官通達とかいろいろありますね。そのことはよくわかるんですけれども、この段階で十二海里とする法的根拠と言いますかね、それはどうなんでしょうか。そしてまた、いままで踏み切らなかった理由というものについて、ひとつ説明してもらいたいと思う。
  34. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) この領海の幅員を三海里から十二海里に広げると、この問題は、国際的には御承知のように六十ヵ国もすでに十二海里をとっております。これは領海に対する国際的な考え方が定着の方向に収斂されておると、こういう認識を私ども持っておるわけでございます。  もう一つ、国内的には、いままで三海里であったわけでございますけれども、ソ連漁船あるいは韓国漁船等々が日本の近海で無秩序な操業をやる。そのためにわが国の沿岸漁業の操業が大きな制約を受ける。また、漁具、漁網等の被害も続発をしておると、こういう事態を考えまして、海洋法会議の動向もそういうことでございますので、今回、領海幅員を三海里から十二海里に拡張するように政府としても決断をし、国会の御承認を得るようにいま御審議を賜っておると、こういうことでございます。
  35. 青木薪次

    ○青木薪次君 各大臣も非常に歯に衣を着せてしゃべられずに、端的に申し上げて答弁してもらいたいと思うんですが、私は農林大臣のいまのお話もあるでしょうけれども、非核三原則の問題とそれから国際海峡の自由航行の問題、自由通航の問題というのは、これはやっぱり日本として十二海里に踏み切れなかった大きな理由だと思うんですよ。そうじゃないですか。
  36. 鈴木善幸

    国務大臣(鈴木善幸君) 私は、農林大臣をお引き受けする前からこの新しい海洋時代、また最近におけるわが国近海における外国漁船の動向等から見まして、一日も早くこの実施をやるべきであると、こういう主張を一貫して持っておったわけでございます。福田内閣成立をし、私どもその責任の立場に立ちましたので、関係閣僚並びに閣議の方針を御決定をいただきましてこれに決断をしたと、こういうことでございます。  これは重ねて申し上げるまでもないことでございますけれども、いわゆる国際海峡につきましては、国連海洋法会議におきましても無害通航よりもより自由な通航制度、こういうものが海洋法会議の一つの方向として固まりつつある、収斂されつつある、こういうことを踏まえまして、またわが国が海洋国家として、また近代工業国家として原材料等を海外から仰いでおる、また自由貿易がわが国の基本的な政策である、そういうようなことを総合判断をいたし、海洋法会議におきましても、より自由な通航制度というものを主張してきておったわけでございますので、そういう基本的な方針に基づきまして、わが国の五海峡につきましてもあのような現状に凍結をすると、こういう方針をとった次第でございます。
  37. 青木薪次

    ○青木薪次君 農林大臣、そういうふうに言ってくれればある程度そうかなと思うんですよ。それを初めから言ってくれなきゃ困るんですよね。  それから、国論の統一と言いますかね、ソ連がなぜこんなに協定の実施に対して理不尽な態度をとっているのかという点について、私はやはり認識の統一をする必要があるというように考えますので、私はこの点については、ソ連がなぜ頑強な態度をとっているかという点について私は私の考えを申し上げますから、ひとつ御答弁を簡単にお願いしたいと思いますけれども、ソ連北方四島の周辺を自国の領土として考えて、しかも既成事実化したいために四島周辺に対する専管水域を設定した、これはまあ領土問題は解決済みという強硬姿勢が裏づけになっている。それからソ連が漁業問題でEC沖やアメリカ沖から締め出されて、そして撤退を余儀なくされているために、北西太平洋オホーツク海、ベーリング海峡その他に対してはとれるだけ自国のものとしてとってしまおうという構えがある。それから自分の国で二百海里内で漁獲量を確保しようとしているんだから、そのため日本の割り当て量が減ってもそんなことは構わないというようなこと。あるいはまた、日本中国との関係等について、平和友好条約成立という問題について中ソ関係の背景をもって牽制を図っているというような点。あるいはまた、政府は触れたくないと思っているミグ25の解体作業等についてアメリカと一緒になってやられたということに対するソ連政府感情の逆なでといいますか、そういったものが背景となって、何か非常に理不尽な態度をとっているというように思うんですけれども、その点いかがですか。
  38. 鈴木善幸

    国務大臣(鈴木善幸君) ただいまお話になりましたような分析あるいは認識と申しますか、これは私も大体似たような認識を持っておるわけでございますが、具体的に交渉の任にあります私からあれこれ申し上げることは適当ではないだろうと、こう思っております。  ただ、私は、さらに青木先生のお話につけ加えまして、戦後三十年にわたるところの日ソの友好親善関係への両国の努力、これがもっともっと温かくまた厚いものであれば、相互のこの不信感と申しますか、そういうものがなかったであろう、今後やはりこういう問題に私ども当面をいたしまして、日ソ関係というものも将来に向かって大いにもっともっと維持発展さしていく努力が必要であるという認識を、つけ加えて申し上げておきたいと思います。
  39. 青木薪次

    ○青木薪次君 いまの農林大臣の一番後段に言われたことを背景としまして申し上げたいと思うんでありますが、国際的には領海条約があり、この領海条約に幅とかそういうものは書いてないですね。今日世界海洋法会議の結論があるけれども、いまの実情の中で、たとえばソビエトがわが国の近海に出漁してそして漁民が迷惑を受けているけれども、この問題は二百海里の漁業水域時代に対応して急拠わが国がそれに対応せざるを得ない。いわゆる領土問題と漁業問題を切り離そうということなんだけれども、漁業問題が前に出てきて、そうして及び腰でこれに対応しているという姿勢があるということがまず第一点。  それから、今回の国際海峡の設定の問題で五海峡を決めたようでありますけれども、これに対してやはり私は対アメリカに対応する政府の姿勢、いわゆる日米安保条約を背景とする姿勢と、それから対ソ連に対する国際海峡の設定に対する対応のわが国の姿勢というものについては、これは根本的な相違がある。たとえば宗谷海峡にしても、津軽海峡にしても、あるいはまた対馬海峡の西、東の水道にしても、あるいはまた大隅海峡の設定についても、その辺が軍事的側面とかかわり合いがあるんじゃないかというように思われているし、またソ連は現にそう思っているわけでありますけれども、その点については農林大臣、どうお考えになっておりますか。
  40. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私どもは、先ほど来るるお話しを申し上げておるように、国連海洋法会議に対するわが国の主張、無害通航よりもより自由な通航制度と、そういうような観点からやっておるわけでございまして、アメリカだからこう、ソ連だからこうというような、国別にこの通航制度を運用しようというような考えは毛頭ないわけでございまして、現状のままに当分の間やっていくと、こういうことでもその点は明確になっていると思うわけでございます。
  41. 青木薪次

    ○青木薪次君 時間がございませんからはしょって申し上げますけれども、国際的に領海十二海里となった場合における、マラッカ海峡におけるインドネシアとマレーシアは十二海里説をとっておりますね。それからシンガポールは三海里。今日これら三国は、UKCですか、船底から海底までの段階をシンガポールは四メーター、それから他の二国が三メーター、足して二で割って三・五メーターというような結論が出されたやに聞いております。これらのことはわが国がどう思おうとこう思おうと、すでにそういうようなヨーロッパにおけるジブラルタル海峡と同じように、海峡国がやはり自分たちの権益を守るというような立場に立っているわけです。したがって、先ほど鳩山外務大臣がおっしゃったようなこととはうらはらな関係で、逆な方向に進んでいるということが今日のいまの実情だと思うんですけれども、この点についてはどうお考えになりますか、外務大臣。
  42. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) マラッカ海峡の沿岸三ヵ国が、外相会議を持ちまして協定を結んだわけでございます。その内容は、御承知のようにただいまのUKCの問題、その他安全航行帯をどうするかというような問題を話し合われたわけでございますけれども、この問題はやはり海峡の安全通航と、それから公害の予防という観点から取り決められておるわけでございます。で、この協定の内容につきましては、これが所定の手続をとりまして国際機関がこれも認めるというようなことになれば、日本としてもそれを尊重すべきものと考えております。  しかし、問題は、マラッカ海峡の通航問題につきましても、艦種別な規制が行われなかったということを私どもは大変評価をしているところでございます。一定の危険物と言いますか、大型タンカーというようなものは、それは大変公害を起こしやすい問題であると危険視されておりますから、そういった大型タンカーに対する特定の規制というものが行われないように私どもは期待をいたしておったところでございますが、沿岸三ヵ国の話し合いというものも、そのような船種別の規制というような方向にいかないで、共通のルールというものを決めるという方向でありますので、わが国としては尊重をいたしたいと、こう考えておりまして、これがいわゆる国際海峡のより自由な通航を確保するという観点からどのような判断をされるかということでありますけれども、今回のような措置は、私どもはそれは所定の適切な手続がとられれば、尊重してしかるべきであろうというふうに考えております。
  43. 青木薪次

    ○青木薪次君 時間がございませんから先に進みますけれども、海洋二百海里時代に突入いたしまして、いまの海上保安庁の警備体制ですね。これは運輸大臣にお伺いしたいと思いますけれども、領海十二海里では対応できる、二百海里には対応できないんじゃないか、こういう海上保安庁の現状がいろいろ議論されているようでございますけれども、この点はいかがですか。
  44. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いま海上保安庁には巡視船艇が三百十隻ございます。航空機等三十四機ございます。でありますから、当面、警備につきましては対応し得るものと考えておりますけれども、率直なことを申しまして、二百海里時代というのが予想より早く到来いたしました。でありますので、従来、もちろん二百海里時代を想定して警備の力の増強を図っておりましたけれども、これから一層スピードを速めて増強を図らなければならない、このように考えております。
  45. 青木薪次

    ○青木薪次君 三原防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが、四月二十一日の閣議後の記者会見で、海洋新時代に対応するわが国の海上警備管理体制の現状について、海上保安庁の能力では疑問があるので、新しく自衛隊法の改正を考えている旨の発言をして、自衛隊に海上警備や管理の機能を付与したいとしているようでありますけれども、この点については、いまの法体系の中で海上警備については、沿岸警備ですね、海上保安庁の任務とされているんですけれども、この点どういう認識をされておりますか。
  46. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ただいま運輸大臣が申されましたように、現在の私どもの法体系におきましては、あくまでも海上の一般的な警備任務は海上保安庁によってなされるものと思っております。内閣官房長官の方で自衛隊法の云々というようなのが二十四日出されたようでございまするけれども、したがって、私どもはいまの現体制において海上保安庁の任務遂行に積極的に協力していく、そういう態度でおるわけでございまして、いま自衛隊法を改正をするというような考え方は持っておりません。
  47. 青木薪次

    ○青木薪次君 積極的に協力するということは、これは場合によっては内閣総理大臣の命令によって自衛隊が前へ出ることはあり得るというようなことが言われているわけですけれども、農林大臣、いまの漁業監督官というのがありますね。これは水産庁の関係として、この点については海上保安庁との協力関係等について非常に明確にされておらないわけですね。片や自衛隊がある。しかし、現実には漁業監督官は漁船に乗って監督するといってもなかなかむずかしいのじゃないかと思うし、それから現に水産庁で漁業水域に入漁することを許可する、漁獲量を許可する、船種を許可する、あるいはまた、魚を取る場所について許可を与えるといったような問題等について、じゃこの取り締まりをどうしたらいいかという点について非常に不明確だと思うんですけれども、この点、農林大臣と運輸大臣に、ひとつ簡単に、簡潔に答弁をお願いいたしたいと思います。
  48. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 農林省水産庁の監督船は漁業の面におけるところの行政指導をやる、また漁業法等に基づきまして免許並びに許可をやる、それが適正に行われて漁業秩序が維持されると、こういうことをもっぱら行政指導としてやっておるわけでございます。私は、海上保安庁の方はそういう違反行為等を取り締まる警察権を行使すると、そういう任務を持っておると思うわけでございまして、私どもはこの水産行政、漁業行政、許可あるいは免許制度、これが確保され、そして漁業秩序が保持されるように行政指導をすると、こういう立場で農林省の監視船、監督船はやっておると、こういうことで御理解を賜りたいと思います。
  49. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 海上保安業務はあくまでも海上保安庁でございます。
  50. 青木薪次

    ○青木薪次君 三分までいいようですから申し上げたいと思うんでありますけれども、この新しい海洋法時代というのに対して、私どもはアメリカ並びにソ連は沿岸警備について海軍と海上保安庁と言うのですか、この点については、分担関係については明確に沿岸警備については海上保安庁、それからその他の関係、空の関係はこれはもちろん軍隊という関係になっているらしいですね。日本の関係等についてはなかなかその点が、明確になっているんだけれども、はっきりと明確になっているというようには私は言い得ないと思うのですけれども、二百海里の漁業水域の警備については海上保安庁は完全にこれはなし遂げる、やり遂げるという気持ちがおありですか、どうですか。
  51. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) もちろんその決意でありますし、その任務の重大さというものを痛感いたしております。
  52. 青木薪次

    ○青木薪次君 大蔵省に最後に。  したがいまして、たとえば海上保安庁関係の予算が五十四年度にまたがっているものもあるし、それから五十二年度につくるものでも、これはできてくるのは五十三年度ですね。一年おくれ、または三年ぐらいおくれて警備艇その他ができるということなんですけれども、その点は補正予算で考えるというようなことはありませんか。
  53. 松下康雄

    ○政府委員(松下康雄君) 新海洋秩序に対応いたしますところの海上の警備体制の充実ということにつきましては、実は本年度予算編成の段階から保安庁からもお話がございまして、本年度の当初予算におきましても関係の予算につきましては前年度に対して約六七%の増額をいたしまして、百六億円を計上いたしたところでございます。ただ現実にこの領海の拡大、それから漁業水域の設定がいよいよ現実問題となってまいりますというと、やはり保安庁当局におかれましても、水産庁等の関係省庁と御相談をされて、警備体制を今後どのように強化していくべきかということをさらに御検討を始められておるように伺っております。この問題は、当面緊急を要する措置あるいはやや時間をかけて対応していく措置と二通りあると存じますけれども、私どもも関係省の検討の煮詰まりぐあいに応じまして、これに対してそれぞれどのような財政の対応措置を考えていったらよろしいかという点を、よく検討いたしたいと思っております。
  54. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 まず最初に、漁業交渉の問題で一、二伺っておきたいと思うんです。  御苦労ですけれども、農林大臣が三たび訪ソされるわけでありますが、この五月から行われる今回の漁業交渉の基本方針は、いままでの漁業交渉と変わった観点に立っての基本方針で貫かれるのかどうか、この点についてまず伺いたい。
  55. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) いままで前二回の交渉と基本的には変わっておりません。もっと具体的に申し上げますと、一番いま日ソの間で意見が一致を見ないでおります点は、暫定協定案第一条の適用海域の問題でございます。この点につきましては、私どもは北方四島の問題につきましては、これは戦後未解決の問題であると、こういうことで平和条約の交渉でこの問題は処理さるべき問題であると、こういう点が日ソの間で基本的に共通の認識としてはっきりいたしますれば、私はそれに即応したところの適用海域の問題はおのずから解決の道を見出せるものであると、こういう方向で努力をしてまいる考えでございます。
  56. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 時間がありませんので端的に申し上げたいんですけれども、前回中断になった二回目の交渉のこの最後の段階で、日本政府案とソ連政府案の中で、この暫定協定の取り決めの両国案のこの文章の中で、特に日本側の農林大臣が出した案ですね、これはソ連最高会議幹部会令の効力の及ぶ水域での日本の操業に関する日本政府代表と――幹部会令の効力の及ぶ水域と、こういうふうに日本政府案を出しているわけですね。これは私は、ちょっと領土問題をたな上げにした玉虫色であるとかいろんな意見が言われているわけでありますけれども、昨年の十二月十日にソ連の最高幹部会令が発布されて、この第六条にやはりソ連邦大臣会議が規定すると、こういうふうに明確にこの第六条でうたっているわけですね。そうしますと、この幹部会令をこのまま用いるということは、とりもなおさずこの北方領土の水域の問題をのんだ形になっての交渉になるのではないかと、こう私は考えるんですけれども、この点はいかがですか。
  57. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 第一点は、この幹部会令、これはアメリカの場合におきましては二百海里専管水域法、これを全然頭から認めないということになりますれば、漁業交渉はもう入口にも入れない、ノックもできないと、こういうことになるわけでございます。私は幹部会令というものはこれは認めて、そして交渉に入らなければならないというのが第一の基本的な認識でございます。  それから幹部会令そのものの内容でございますが、幹部会令の第一条、私はこれが海域をうたっておるものだと、こういう認識を持っておるわけでございます。第二条以下は第一条に定められた海域と、こういうことで全部第一条に定められた海域と、こういうぐあいにうたっておるのであります。第六条というのは、具体的な海域内におけるところの水産動植物の管理とか、あるいは具体的な規制方法であるとか、それを定めるということでございまして、私どもの日本的なこの幹部会令の読み方としては、海域の指定というのは、ソ連邦沿岸に接続する北西太平洋の海域と、こういうことが第一条にうたわれておる、そういう認識でございます。
  58. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、二月二十四日の、ソ連邦最高会議幹部令第六条に従いと、こういう文を受けておりますので、私はこの解釈が、どうも日本政府の中でやはり農林大臣の意見とそれから外務大臣の意見、あるいは外務省筋の意見と食い違っているんじゃないかと、こう私は考えるのですけれども、この点について。
  59. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、筋論を申し上げたわけでございますが、しかし具体的にソ連政府は第六条に基づいてああいう指定海域を決めておる、つまり線引きと一般に言われておりますけれども、そういうものを決めておる、こういうことが明らかになってきたわけでございます。そうなってまいりましたから、一九七七年の二月二十四日のあの閣僚会議の決定の適用海域、これはのめない、こういうことになるわけでございまして、その点は農林省も外務省も完全に意見は一致いたしておるところでございます。
  60. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、外務大臣、園田・コスイギン会議が行われたわけですね。それからその要請を受けて、鈴木農林大臣が再びソ連へ行かれたわけです。そこまでは、この幹部会令で政府案は進める予定であったわけですね。ところが、モスクワの方からの情報かどうか知りませんけれども、外務省筋の方から、やはりこれは領土を、線引きを含む問題だということで非常に問題になって、実は漁業交渉がまとまらなかったという、こういうふうな意見すらあるわけですね。その点で私は外務省と水産庁、特に農林省との間にやはり意見が食い違っているんじゃないか、ソ連へ行って出先でいろいろ閣内が不統一になっているんじゃないか、いろいろ現地のマスコミ筋の話を聞くとやはり福田内閣の意思が統一されていない、どっちの問題どうこうじゃなしに、まず日本の漁業交渉に臨む基本態度がはっきりしてないのじゃないか、こういう点が実はうかがわれるわけなんです。したがって、この幹部会令の問題に対する外務省の考え方はどうなのか、この点もう一回私は伺っておきたい。
  61. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 外務省と農林省との間で食い違いがあるというようなことは、これは新聞等でいろいろ出ますけれども、そのようなことは全くございません。福田総理のもとで、統一した態度で鈴木農林大臣が折衝にお臨みになったわけでございます。幹部会令につきましては、昨年十二月十日に幹部会令が出ましたときに、この二百海里というものをいよいよソ連が引く、こういうことであったわけでありますけれども、二月の二十四日に出ました大臣会議決定というもの、これにつきましてはわが方としては納得できないということを、これは直ちにそういう考え方を決めまして、官房長官談話をもちましてソ連に対しましてわが国の見解を申し述べたわけでございまして、そのとおりの考え方で今日もなお貫いておるということで、御了承をいただきたいのでございます。
  62. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、外務省は暫定交渉の取り決め部分の、この幹部会令によるというところの問題は了解をしているわけですね。この点、もう一度念のために伺います。
  63. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) そのとおりでございます。
  64. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、農林大臣、一条だけの問題が今回の漁業交渉の問題でぶつかってくる、こういう形になるわけですね。私も外務省のいろいろな意見を実は時間があったら聞きたいのですけれども、詳細にわたるいろいろな問題を聞きたいんですけれども、そうしますと、一条の問題が実は問題になってくる。この問題でお互いにぶつかり合った場合には、どうしても北方四島の問題が実は解決をしなきゃならない問題になってくるのですね。これをどう絡まして農林大臣が解決されようと努力するのか。
  65. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、この北方四島の問題は戦後未解決の問題である、これは一九七三年の田中・ブレジネフ両国の首脳で合意をし、共同声明で明らかにしておるところでございます。この戦後未解決の問題として、今後平和条約の締結交渉で具体的に詰めていくのだと、こういうことを両国がそのとおりに受けとめますれば、それに即したところの漁業協定の第一条というのは、私は両国の立場を損なわないようにできるのではないかと、こう考えております。それを、もうこの北方四島の領土問題は解決済みである、こういう前提で臨んでこられますと、わが方としては今後の平和条約交渉に大きな支障を来すわけでございますから、そういう前提では絶対にのめない、こういう立場でございます。
  66. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、この本法律案がいずれ近いうち通ると、こういう形になりますと、二百海里を前提にして農林大臣が漁業交渉に今回臨まれるわけですね。そうしますと、この法律が施行までに約二ヵ月ぐらいかかると、こういう形になりますね。特に政令とか省令に時間をとると、これはもう当然私もわかるわけでありますけれども、この中で何が一番やはり時間をかけ、ポイントになってくるかということを農林大臣考えているか。
  67. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) 二百海里法の施行につきましては、法律は衆議院の修正もございますけれども、二ヵ月というような期間ぜひとも私どもは必要だと考えておりますが、その内容につきましては、政省令におきまして私ども二百海里の法律の施行の内容を定めることが一点でございますけれども、もう一つは、やはりわが国が二百海里法を設定したということ、二百海里内で外国漁船が漁労する場合には、国際約束その他の合意に基づかなければ、私どもとしましては許可証を発行しないということを明らかにしているわけでございますので、それらの周知徹底並びに準備の期間というものを与えなければならない。これらを考え合わせまして、私どもは施行につきましてはしかるべき日数が必要であるというふうに考えているわけであります。
  68. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、外務省――外務大臣でなくて事務当局でも結構ですけれども、二百海里の水域の海図ですね、この問題については、ソ連とか、あるいはカナダとか、アメリカとか、そういうところから日本に送られておりますか。届けられておりますか。
  69. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) そのような、二百海里はここまでであるというような海図は送られてきておりません。
  70. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、日本の二百海里のこの第三条の「定義」の中にもありますけれども、第三条第二項の「中間線」について、二百海里の水域の海図は、日本はいずれにしてもつくらなきゃならないわけですね。これは海上保安庁がつくるのか、どっかがつくったものを海上保安庁長官が承認するのだろうと思うのですけれども、この領海は北方四島を当然含めて引く海図になってくると思うのですね。これはどういう計画でつくられる予定ですか。
  71. 薗村泰彦

    政府委員(薗村泰彦君) 実施期間中によく各省と詰めたいと思っている点ですけれども、現在考えていることをお話しをしたいと思います。  二百海里については、外国に守ってもらわなきゃ何にもならぬ。私どももまた取り締まりをやる必要がございますので、適当な地図に二百海里の限界を書いて周知方を図りたいということが一つでございます。  それから十二海里ないし三海里という一つ特定海域の問題がございますが、これは海図で明示をして、これも周知徹底方を図りたい。  それから外国との境界というお話がございましたが、ソ連との境界については、これは海図に書いてはっきりしたいということを三点考えております。
  72. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、それは大体いつごろまでにその海図に、特にソ連と接近するところ、それはいつまでにつくる予定ですか。
  73. 薗村泰彦

    政府委員(薗村泰彦君) 二ヵ月の期間中に作業をやりたい――間違いがあったらいけませんので、慎重にやらしていただきたいと思います。
  74. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、農林大臣は二百海里の法案をひっ提げて、日本は二百海里できたと、そういう形で交渉に臨むわけでしょう。ところが、実務的には、海図の問題にしましても明確なものを諸外国に配るのが実はおくれるわけですね。こういう点に対しての、交渉の問題としてどうですか、その点は。
  75. 鈴木善幸

    国務大臣(鈴木善幸君) 海図等が完成いたしますのは、いま政府委員から答弁があったとおりでございますが、いま、第一条の適用海域の問題はきわめて高度の政治的な問題でございます。わが方は、本邦沿岸沖合い二百海里と、こういうことになりますし、また、いままでの領海三海里を十二海里に幅員を広げると、こういうことで明らかでございます。具体的には海図で示すわけでございますけれども、政治的にはもうそのとおり明らかになるわけでございます。私は、今度両法案国会で御協力いただきまして審議の促進をお願いできておるわけでございますが、これができ上がりますことによりまして、ソ側も今度はわが国の漁業水域の中に入ってくることになります。わが方はこれを一定の条件で受け入れるという方針をとっておるわけでございます。そういたしますと、ここ二ヵ月間の間に、今度は日本の沖合いにおけるところのソ連漁船の操業に関する協定というものが、これは結ばれることに相なるわけでございます。  そうなりますと、いま交渉しておりますものと、もうすぐに交渉しなければならないものというのが、こう各条項ともこれは私はパラレルに物事が考えられると、こういうことになろうかと思います。いままで全然わが方にはそういうものがないという場合でありますと、ソ連の原案そのものを基礎にしていろいろ論議をすると、こういうことになりますが、今度は両方のその法体系、制度というものをにらみ合わして交渉ができると、こういうようなことで、議論の整理といいますか、交渉の整理といいますか、整合性といいますか、そういう点は非常にやりやすくなると、このように存じております。
  76. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、これは実は、農林大臣に課された交渉というのは非常に複雑になっているわけですね。二百海里外のサケ・マスの問題が一点ありますね。それからこの暫定交渉の問題が一つあるわけです。それから、ソ連から日本の二百海里の中に入ってくる、たとえばイワシの問題なんかをどう処理するかという、この問題があるわけですね。この問題と、それから本協定をいずれ年内にやらなきゃならないだろう、こういう問題になってきますと、この五月に交渉に臨まれる態度として、やはりこの二百海里は実際上は施行は二ヵ月後になりますね。ソ連のイワシをとる問題についての相当な問題が私は出てくると思うんですね。これらの問題を、どういうふうに農林大臣は手分けをして交渉に臨まれようとされているんですか。
  77. 鈴木善幸

    国務大臣(鈴木善幸君) いま三木先生が御指摘になったように、いろいろの問題を抱えております。今回の交渉はいろいろの問題を抱えてはおるわけでございますが、しかし、問題点というのは大分煮詰まってきておる、整理されてきておるわけでございます。わが方の二百海里漁業水域内にソ連漁船を迎えるという、その場合における漁業の方法、条件、規制の仕方、こういうようなものもいま交渉を進めておりますものとほとんど――変わったものではこれはなかなか合意がいかない、両方共通のような仕組みでもってやるということになるわけでございまして、第一条の問題を除きましては、ほとんど協定文については問題が煮詰まってきておる。その他を除いてはもうほとんど成文化が進んでおる。その付属書につきましてもすでに進んでおると、こういうことに相なっております。  それからわが方の領海が三海里から十二海里になった場合におきまして、三-十二海里の間のソ側の実績と、これは十二海里の外百八十八海里のわが方の漁業水域内のクォータの算定の基礎に実績として加算をしてやると、こういうことにつきましても、イシコフ大臣にるる私説明もして、もうこの点についてはソ側も了解をしておるわけでございます。そういうようなことで、問題は非常に広範な問題を抱えておりますけれども、問題点は煮詰まっておる、こういうことでございます。
  78. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 もう一点、農林大臣、二百海里の取り方の問題ですね、基線の問題がソ連側と日本側との考え方が違うわけですね。日本は十二海里プラス百八十八海里になるわけですね。ソ連は領海のある基線と同じような形で取るわけですね。この問題は、これはソ連が、イシコフ漁業大臣等の話を聞くと、海洋法会議が決まれば世界の類例に従うと、こういうふうな言い方をしておるわけですね。しかし、暫定交渉においてはこの考え方は違うわけですね。そこらの見解は、農林大臣はどう思っていますか。
  79. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 三木先生御指摘のとおりでございまして、わが方の領海並びに漁業水域の適用海域というのは、国連海洋法会議の統一草案、それに基づいてやっておるものでございます。ところが、ソ測の方はソ連邦沿岸の基線から二百海里の間これ全部に幹部会令が適用になる、その中に領海十二海里というものが存在をする、こういうことでございます。そこから、成文化におきましてはソ連としては、幹部会令が全体に適用になっておりますから、十二海里の中にも相手国との協定によっては入漁も認められる、こういうことが出てくるわけでございます。  ところが、わが方におきましては領海の十二海里の中には外国船は一切入れない、法律のたてまえからいっても、一切これはどこがどう希望を表明しても、またその部分についての別途の協定をしようといいましても、わが方は法律上からいって受け入れられない。問題は、その外百八十八海里の中における実績のある国、これに対して一定の条件で入れてやる、もうそれ以外に方法はない。問題が非常に整理されてまいりますから、協定案文の第二条の問題も、今度はこの実務家の段階で整理をいたします場合にも非常にわかりやすくなっておると、こう認識をしております。
  80. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 もう余り時間がないようですけれども、もう一点外務大臣に、この海洋法会議において、二百海里水域については国際的にも相手国の経済問題を過度の混乱に陥れないと、こういうふうに海洋法会議のいろいろな話し合いの中で実施の前提とされているわけですね。相手国の経済を過度に陥れないというのはどういう見解を外務省は持っているのか、その点について。
  81. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 海洋法会議の二百海里の経済水域の問題が煮詰まりかけているわけでございますけれども、その中でそのような考え方が出ておるわけでございまして、漁業の観点からいえば、従来の伝統的な実績というものを尊重して、この規制をかけるにいたしましても尊重していくべきものというふうに、私どもは理解をしているところでございます。
  82. 橘直治

    ○委員長(橘直治君) 三木君、あと一問で。
  83. 三木忠雄

    ○三木忠雄君 そうしますと、今後の五月から開かれますこの海洋法会議に臨む日本の態度として、二百海里の問題についてはエクセプトワンと言われて日本だけが何か反対しとったようなことでいろいろ言われているわけでありますけれども、実際に過度の混乱に陥れないという問題について、海洋法会議で日本が強く主張できるかどうかということですね。こういう問題は、日本の国がやはり水産業を主力として、まあいわば過度の混乱に陥れられているわけですね。こういう問題についてはやはり外交ルート、特に海洋法会議等でも日本が強く主張すべき国際的な問題ではないかと、こう思うんですけれども、この海洋法会議に臨むに当たっての方針を伺って、質問を終わりたいと思うんです。
  84. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) わが国といたしまして、ただいまおっしゃいましたような過度の経済混乱に陥れないというようなことはきわめて大事なことでございますから、わが国といたしまして強く主張いたしてまいりたいと思います。
  85. 安武洋子

    ○安武洋子君 まず最初に、海上保安庁の基本的な任務についてお伺いをいたします。  大別すると四つほどあると思うんですけれども、御答弁をお願いいたします。
  86. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 海上保安庁の任務は、基本的には海上における人命、財産の保護という問題がございますけれども、海上保安庁法二条にございますように、法令の海上における励行、それから犯人の捜査、逮捕、犯罪の予防、鎮圧、海難救助、それから海上における船舶の交通の規制、それから海洋汚染防止、その他水路関係、それから航路標識関係を合わせまして、海上における安全の確保を任務としておるのが海上保安庁でございます。
  87. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、二百海里設定に伴う海域のパトロール、こういう行政行為というのは、漁業の操業を守る、こういうことが主な任務として加わることになりますね。
  88. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) もちろん海上における警備の問題、いまお話し、がございました日本の漁民の操業の安全を守ります。それから外国の不法操業を取り締まるということ、すべて海上警備の問題として海上保安庁の任務であると思っております。
  89. 安武洋子

    ○安武洋子君 警察権の行使とそれから自衛権の行使、これは基本的に相違していると思いますけれども、海上保安庁と海上自衛隊の任務の基本的な違いを聞きとうございます。御答弁ください。
  90. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私どもの任務は、いまお話を申し上げたとおり、そこで、別に自衛隊法の八十二条に、特別な場合に自衛隊も海上警備行動ができると、それは海上における人命、財産の保護あるいは治安の維持のために特別に必要があるときには、防衛庁長官は総理大臣の承認を得て海上行動をできることとなっております。平素のわれわれと自衛隊との関係は、自衛隊法百一条によって緊密な連絡を平素とるということになっております。
  91. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま海上自衛隊の海上における警備行動について自衛隊法の第八十二条においての定め、これはおっしゃいましたけれども、いままで海上保安庁でこの条文に照らして特別な必要があると、こういう事態があったでしょうか。
  92. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 現在までは、その規定の発動は行われる必要がございませんでした。
  93. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、新海洋法の設定に伴って今後海上保安庁だけで処理できないと、こういうふうなお考えはありますでしょうか。
  94. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 海上警備の一義的な責任は海上保安庁にございますので、今後の事態に備えても、私どもは全力を挙げて海上保安庁の手でやりたいと考えております。
  95. 安武洋子

    ○安武洋子君 外国にはコーストガードがあって、先進国ではほとんど海軍とコーストガードが任務を分担しております。日本の海上保安庁もジャパンコーストガード、まあ外国ではこう呼ばれているわけです。また、コーストガードのみの国もあるというふうに聞いておりますけれども、諸外国ではどうなっているのか。コーストガードと海軍のある国はどれぐらいで、どのような国なのか、あるいは海軍がなくってコーストガードだけの国はどのような国なのか、こういうことをお伺いいたしとうございます。
  96. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私どもが現実に日本の海上警備の問題で接しております国を申し上げますと、アメリカはただいま先生お話がございましたとおりコーストガードでございます。その制度にならって私どもが二十三年からできて、現在に至っておるということでございます。それから、ソ連の方は、現実に海上警備をやっておりますのは、漁業の取り締まりなどの関係でやっておりますのは国境警備隊ということで、これは警察機関であると聞いております。それから、韓国は海洋警察隊というのがその任に当たっておりますが、これも警察機関であるということでございます。
  97. 安武洋子

    ○安武洋子君 その程度のお調べしかついていないんでしょうか。私どもの資料では、大体コーストガードと海軍がある国というふうなことでは、アルゼンチン、カナダ、フィンランド、西ドイツ、東ドイツ、それから日本もそれに入りますけれども、フィリピンとかアメリカ合衆国ですね、ベネズエラというふうな国、まだ少し抜けておりますけれども。そうして、海軍がなくてコーストガードだけを持つ国としては、ハイチとか、ホンジュラスとか、アイスランド、ジャマイカ、ヨルダン、マルタ。特徴的なのは、海軍があって別組織としてコーストガードを持っている国というのは、いわゆる先進国なんです。海軍がなくてコーストガードだけを持つ国というのは、小さな国というふうな姿なんです。私、日本の海上保安庁というのはアメリカのコーストガードをモデルに創設された、いまもおっしゃっておりますけれども、このアメリカのコーストガードの主な任務はどういうものでしょうか、お伺いいたします。
  98. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私どもの先ほど申し上げた任務と大体同じですが、水路関係の仕事が私どもと違って入っていない、これは恐らく海軍に入っているのじゃないかと思います。
  99. 安武洋子

    ○安武洋子君 まあ明らかにコーストガードと軍隊の任務は相違しているわけなんです。これが世界の先進国の姿であって、これはいたずらな国際物争を起こさないというふうな配慮が私は働いていると思います。海軍がなくって、先ほども申し上げましたけれども、コーストガードだけという国は、一般に小国と言われている国なんです。しかし、海軍があって、その海軍と明らかに性格、任務が違う、こういうコーストガードが海上警備に、管理に当たっている、このいわゆる先進国、日本もここに入ると思いますけれども、海上保安庁も基本的任務はこの私が申し上げたコーストガードの範疇に入りますね。
  100. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私どもは、先ほどもお答えいたしましたが、アメリカのコーストガードとほぼ大半同じと御理解願って結構でございます。
  101. 安武洋子

    ○安武洋子君 海上自衛隊が二百海里水域内で海上保安庁の活動を本格的にバックアップするために自衛隊法八十二条を弾力的に解釈するか、あるいは同法を改正する必要がある、こういうことが関係閣僚会議で意見調整を行うというふうなことなど報道されているわけです、新聞では。いままでの討議の中では私はその必要はないと思いますけれども、海上保安庁、いかがお考えでしょうか。
  102. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私どもは現在、先ほども御説明申し上げましたように、私どもの任務は海上保安庁法の二条であると。現状ではその任務に基づいて一義的責任を全うするために全力を挙げたいと。自衛隊との関係は八十二条というところに関係があると。それは、防衛庁長官が特別に必要があるということを認められた場合には、総理大臣の承認を得て海上の警備行動に移ることができるというふうに了解をしております。
  103. 安武洋子

    ○安武洋子君 新聞報道でも、海上自衛隊がこの問題で乗り出そうというふうなことが報道されている背景としまして、私は経団連防衛生産委員会がことしの一月に防衛庁に対しまして防衛力強化の提言をしております。防衛庁は、こういう経団連の意向を受けて、しかもいま国民の中には大変反ソ感情が高まっております。これを利用して、こういう新海洋法制定、これをバネにしようと、これをバネにして新しく軍事力を増強しようとする、こういうことをたくらんでいるんではなかろうかと、こう思われても仕方がないと思うんです。で、園田官房長官も、国民感情を利用してこの機会に軍備の強化を図ることは慎まなければならないと、こういう御発言もあるわけですから、私はこのようなことをしないように、こういうことのないように強く要求いたします。  それと同時に、私は海上保安庁の監視体制、これを強化する必要があると思うわけです。お伺いいたしますけれども、現在一体どれぐらいのヘリコプターとか船舶とか人員とか、これをお持ちなのか。今後新たにどれぐらい必要なのか、こういうことをお伺いいたします。
  104. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 海上保安庁の現在の勢力でございますが、お話がありました船艇は三百十隻、航空機は三十四機、人員は一万一千人ということでございます。当面、これを最も重点的に使って、有効に使って、警察機関としての責めを果たしたいということを考えておりますが、何分、二百海里時代の到来が予想以上に早かったものですから、今後その整備増強計画の促進を図っていきたいということを、目下検討している最中でございます。
  105. 安武洋子

    ○安武洋子君 具体的にはどれぐらいをお考えでございましょう。
  106. 薗村泰彦

    政府委員(薗村泰彦君) 五十二年度の予算の中に盛られている内容は、ヘリコプター搭載の巡視船一隻、それから大型航空機一機、それから三十ノットの高速巡視艇二隻、それから中型ヘリコプター一機ということでございますが、そういった項目を中心に、今後その計画の促進方を図っていきたいと思っておりますが、どういう計画でどれだけの金額になるかは、まだいまのところ検討中でございます。
  107. 安武洋子

    ○安武洋子君 人員は現状のままで足りるのでしょうか。物がふえれば人員は私はふやさなければならないと思うんですけれども、その中に外国語、特にロシア語のできる人たちは何人ぐらいいるんでしょうか、いま現在。そして、そのような人をふやす予定、これはないんでしょうか。
  108. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 現在の一万一千人の人員が、整備の増強に伴って必要な増員をしていくということは当然必要でございます。それからいまお話しのロシア語でございますが、現状では、十人の養成が過去において行われて、必要な船艇、部署に配備をしてございますが、特に今後増強するために、五十二年度五人を増強してやりたいということを考えております。
  109. 安武洋子

    ○安武洋子君 最近、わが国の領海内に不法侵犯が相次いでおります。漁民は非常に不安におびえているわけですし、被害も受けているわけなんです。最近の領海内の不法侵犯それから領海周辺の不法操業、こういうものでどれぐらいの被害が出ているか、これについてお答えいただきとうございます。
  110. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 五十一年の数字で申しますと、外国船舶による不法入域が二百六十九隻でございます。国別には、台湾船が多うございまして二百五十六隻。それから、したがって海域別には南西諸島、沖繩県周辺海域が多いということでございます。それから態様別に申しますと、不法操業はそのうちの約六割、百七十四隻であると。それから国別に申し上げまして、それに次いで多い不法入域につきましてはフィリピン船、ソ連船、韓国船、こういうことになっております。態様別に申し上げまして、不法操業に続いて多いのは漂泊、停泊、無許可入港、密入国ということになっております。
  111. 安武洋子

    ○安武洋子君 農林大臣にお伺いいたしますが、この問題は、一つは漁業者をどう守るかということが問われている問題であると思うわけです。いまのような状況では、これは漁業者が非常な不安を持っているということは否めないと思うんですけれども、農林大臣として漁業者が守られていると、このままの体制で漁業者が守られると、こうお考えでございましょうか。いかがですか。
  112. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 現在外国漁船によりましてわが国の近海が、いまのような沿岸漁業者に大きな被害を与えておるという現状を、私は非常に残念に思っておるわけでありますが、今回の領海十二海里法さらに二百海里の漁業水域法、これが設定をされますれば、政府としてもこの両法案に基づきまして外国漁船の操業違反、こういう違反行為は大部分これを抑制ができると、このように考えておりますし、そのために最善を尽くす所存でございます。
  113. 安武洋子

    ○安武洋子君 海上保安庁の体制を強化すると、このことは非常に急務であろうかと思うわけです。予算の面についても先ほど大蔵省お答えでございましたけれども、やはりいま大枠というものはどれぐらい必要かわかっていると。ですから、私はどうしても補正予算でも緊急に組んでこういう保安庁の体制を強化すべきだと、こういうふうに思いますけれども、大蔵省は、福田大臣も指示をなさっていらっしゃいました。で、予算要求については、出ましたら誠意を持っておこたえになるでしょうか。
  114. 宍倉宗夫

    ○説明員(宍倉宗夫君) お答えいたします。  先ほども御答弁申し上げましたとおり、ただいま関係各省庁の間で、新しい海洋秩序に対応いたしますために海上保安庁の警備体制はいかにあるべきかということを検討しておりますので、その検討の結果を見まして、私どもといたしましては適宜対処いたしたいと思っております。
  115. 安武洋子

    ○安武洋子君 運輸大臣にお伺いいたします。  もうどれくらい必要かということは、やはり大枠ではわかるというふうなことですので、これは緊急に補正予算でも組んで要求なさるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  116. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いまおっしゃいましたように、確かにその必要性を私自身は痛感をいたしております。でありますから、先般も閣議で若干そのようなニュアンスで物を申したわけでありますが、いずれにいたしましても、二百海里時代が思ったより早く来たということは事実でございますから、われわれとしては急いで所要の体制強化を図りたいと、こう考えております。
  117. 安武洋子

    ○安武洋子君 時間が参ったそうですので、終わります。
  118. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 ただいままでの質問にもございましたように、現行法で平時の警備を行います海上保安庁に配置されております監視艇及び監視船三百十隻、ヘリコプター十九機、YS11十五機、これが現状でございます。で、領海十二海里と漁業二百海里水域が制定された場合、この現勢力で新海洋秩序に対応できるのかどうか、お伺いします。
  119. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) とりあえず、いまおっしゃったような三百十隻の船艇、三十四機の航空機、これをもって重点海域を定めて対処し得ると考えております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、意外に早かった二百海里時代ということで、警備体制の強化を急がなければならないということは当然でございます。
  120. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 問題は、この三百十隻の今度は量とともに質の問題でございますが、聞くところによりますと、二百海里海域まで航行できる船はうち九十隻足らず、しかもスピードが十数ノットという、漁船よりもまさにスピードの遅い、いわゆる性能の悪い船が多数含まれている。とするならば、重点的に問題をしぼっても、二百海里全域ということにつきましてはまさに穴だらけというのが実態ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  121. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 二百海里に行く船が少ないではないかというお話でございますが、先生いまおっしゃられたように、巡視船の中でPL、PM、PS型と称して、PLとPM型で九十数隻ございます。これはもう十分現在、特に一番遠いところで申しますとマリアナの前進哨戒、それから毎年いまごろでございますとサケ・マスの北洋哨戒、そういったところに行っておる船でございまして、速力は十九ノット。したがって、漁船よりも遅いというようなこともございません。それから性能も、特に荒い海ということに備えて十分考えてございます。私どもは重点的な海域に有効に利用して、その責任を果たしたいと考えております。
  122. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 三百十隻のうち、いわゆる外まで、遠くまで出て行けるのは約九十隻前後と。そこで海上保安庁は、昭和五十二年度から三年計画で新海洋秩序対応策に乗り出したと聞いております。現在検討中のようでございますが、新聞報道されているところによりますと、ヘリコプター積載の大型巡視艇三千八百トン、速力二十一ないし二十二ノット二隻、三十ノット高速巡視艇六隻、中型ヘリコプター四機、YS11三機というのがその内容だと報道されているわけでございます。しかし、これが仮に達成されたとしましても、達成年度は五十四年でございます。それまでの間のいわゆる経過的な措置が現体制でできるのかどうかということであります。
  123. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 私ども、いま先生からお話しございました計画をもう一度見直しまして、それぞれの項目についてどの程度必要か、どの程度促進方を図るかということをいま検討しております。それまでは、現在の勢力を有効に利用してやっていきたいと思っております。
  124. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 運輸大臣にお伺いいたしますけれども、いま述べられましたような現状でございます。とするならば、当面海上保安庁のこの監視体制はきわめて弱体である、こう言わなければなりません。といたしますと、当面する緊急対策として、たとえば遊休化しておりますキャッチャーボートないしは北転船の中からもこれの転用が考えられるのではないか。たとえば、現在南氷捕鯨が中止されましたために、四十一隻のキャッチャーボートが係留されております。うち、直ちに改装、就航できるものは十五隻ある。しかも、そのスピードは十七ないし十八ノット、耐波性にも富み、外洋遠く二百海里水域まで十分出動の可能性を持つ性能を持っているわけでございます。こういう問題について、運輸大臣は慎重に検討されるお考えをお持ちではございませんか。
  125. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 大変ユニークな御提案であります。検討いたしてみたいと思います。
  126. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 前向きに御検討願う場合、海上保安庁の職員についても充足しなければならない、こういうことになります。この場合、転換もしくは用船する船員を登用する、こういうお考えがあるかどうかをお伺いします。
  127. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 海上保安官という仕事が非常に特殊な仕事でございますから、海になれておる、いわゆる海の男というものが一般論として、いまのお話としては非常にユニークなお話でありますけれども、直ちにこれが適用できるかどうかということになりますと、私も海上保安官という仕事になりますと素人でございます。一度、そういう対応ぶりができるかどうか検討してみたいと、このように思います。ただ、先ほど申し上げましたように、海上保安官の仕事の特殊性ということから、いかがなものであろうかなという感じはいたしますけれども、いずれにしても検討いたしたい、こう思います。
  128. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 三原防衛庁長官は二十一日の臨時閣議終了後の記者会見で、自衛隊法の改正は考えていないということを前提としつつも、二百海里内での漁業規制が海上保安庁だけでできるのかどうか、新しい体制を考えなければならないと述べられたと、こう報道されております。私は、昭和三十五年に海上警備行動及び治安出動に関する海上自衛隊と海上保安庁との間に結ばれました協定でございますけれども、ただいままでの質問にありましたように、今日までこの協定が発動されたことはございません。今後この協定の活用を含めて洗い直す、そういうおつもりを持っておられるのかどうか、お伺いします。
  129. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ただいま承っておりますと、運輸大臣からの御答弁があり、海上保安庁長官からの御答弁がありまして、いまのお尋ねの線と結び合わせて考えるのでございますが、私自身、現在の体制で何とか対処できるのではないかと思っておるわけでございます。したがいまして、現在ございます海上保安庁と自衛隊との協定につきまして、これをいますぐ検討をし見直すというような考え方はいま持っておらないところでございます。
  130. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 自衛隊法八十二条関係は、ただいままでもいろいろ質問が出ましたけれども、「海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、」云々と、こうなっております。その「特別の必要」とは、海賊や不法行為をなす船舶が多数出没した場合に限るというのが政府の今日までの解釈である、こう言われております。といたしますと、この権限規定から逆に推定いたしますと、国際法でいう海賊行為などより程度の軽い事態に対応することを念頭に置いているのではないかとも読み取れるわけでございます。これはある雑誌に掲載されていた記事でございますが、海上自衛隊の中村海幕長が、「経済水域内にいる護衛艦の近くで不法行為が行われている時、権限がないというだけでこれを看過できるだろうか。自衛官の心情としては見逃せないし、国民感情もこれを許さないであろう。実際にやるかどうかはともかくとしてその権限だけは明確な形で与えてほしい」、こう述べたと掲載されております。ということは、自衛隊法八十二条の洗い直し、ないしはこの特別の場合という解釈の洗い直し、これを現場は強く求めていると、こう受け取れるわけでございます。いかがでございますか。
  131. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ただいまのお尋ねの点、かつて実はそうした現場に逢着したことがあったことは事実でございます。その際にそういうことを感じたものと思うのでございまするが、しかし私ども今回のこういう新しい海洋時代に対しましては、防衛庁といたしましては、慎重に冷静に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。したがいまして、第一次的にはやはり海上保安庁の最大のひとつ御活動を願い、これに協力をするということでおるわけでございます。  なお、八十二条の問題に触れてのお尋ねでございまするが、このこと自体につきましても、やはり私どもが監視体制の中で不法船舶が非常に横行しておるという事態を把握いたしましたときには、直ちに海上保安庁に連格をする。なおまた、そうした事態がどうしてもやっていけないという場合に、初めて八十二条の適用になるわけでございます。しかし、先ほど来もほかの先生から御意見がありましたように、海上自衛隊が直接前に出るということ自体は、やはり非常にエキサイトする体制をつくり、戦争につながるというようなおそれも生じてまいりまするので、やはりあくまでも私どもの現在のこれの対処策といたしましては、いま八十二条自身を見直すというようなことは慎重な態度で進むべきものであるというわけで、いま八十二条を見直すというような考え方におりません。ただ、積極的にいまの海上保安庁に協力をするためには、何がわれわれでできるのかというような点についていま鋭意勉強さしておるという事態でございまして、現在の体制で、現体制で可能であるという前提のもとにそうした検討をさしておるというのが、現在の事態でございます。
  132. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 すでに本年の三月、漁業専管水域を二百海里に拡大いたしましたアメリカの場合、七百六十二万平方キロという世界一膨大な漁業専管水域を抱えるに至りました。その際のアメリカ議会における論議の中で、この水域を完全にチェックするためには、世界一の米海軍の全勢力を投入してもその監視は不可能であろう。また、監視経費は毎年五千六百万ドル、約百六十八億円必要であろう。こういった事態に対応するために、監視省力化の切り札としていまアメリカで検討されておりますのが、シーサット一号、すなわち海洋観測衛星にその機能を持たせる。そして、協定により二百海里以内で操業する船につきましては、特殊の電波を掲載することを義務づけまして、そして海洋衛星の監視と、この電波の中から協定に基づく操業であるか否か、こういう識別を行っていこうという、こういうシステムがいまアメリカで真剣に検討されている、こう聞いております。  で、運輸省はこの海洋監視を行うために新年度予算でこのような予算要求をしたけれども、大蔵査定であっさりこれはゼロになったとも聞いております。運輸大臣としてこのような新しいシステムの監視体制というものに対して、今後どのように対応されていかれるのか、お伺いしたいと思う。
  133. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) いま御指摘のような予算要求をしたのかどうか、にべもなくけられたのかどうか、ちょっといま聞いてみましたが、これはそういう目的でなしに、海洋開発ということでのことであったやにいま説明を受けました。  いまアメリカの話を承りましたが、さすがにアメリカというのは、言うこともすることも大きいなあと思って実は聞いておったわけでありますが、海上保安庁としては、当面、とにもかくにも今日の巡視船艇や航空機それから人員、こういうものの増強を目指したいと、こう考えております。
  134. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 領海を拡大し、漁業専管水域を拡大いたしましても、これに対するチェックの体制が伴わないということになりますならば、これは主権が侵害されることでありますし、かつわが国の威信を傷つけるということになります。いまいろいろ御質問をいたしましたけれども、質問のお答えは、まあとにもかくにも現在の体制でと、現在の法の範囲でという答弁から一歩も出ていないわけであります。私は重ねて、新海洋時代に備えるこの監視のための政府の総合施策についてお伺いをいたしたい。と同時に、自衛隊法八十二条の関連もいろいろ出ておりますけれども、防衛庁長官として新しい海洋時代に対応するために国防会議を招集開催されるお考えをお持ちかどうか、あわせてお伺いします。
  135. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 私は、新海洋時代を迎えて今日のままで推移してよいというふうに考えておるものではございません。先ほど来申し上げておりますように、当面重点海域を定めて、それに現有勢力を全面投入をして万遺憾なきを期したいと、こう考えておりますが、しかしその増強を急がなければならないことも当然であるし、思い切った増強をしなければならないことも当然でございます。海上保安業務を一身に担っておる責任というものは大きゅうございます。その意味で、全力を挙げて責任遂行の任に当たりたいと、こう考えておるわけであります。
  136. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 五十年の一年間にわが国の領海に不法侵犯したなどの不審船は八十五隻、五十一年は二百六十九隻に上っていると言われております。今後外国船が領海を侵犯した場合もしくは漁業専管区域に侵犯した場合、漁業問題、軍事問題双方の場合があるわけでございますが、政府はこの双方に対してどのような対応策をとろうとしておられるのか、お伺いします。
  137. 薗村泰彦

    ○政府委員(薗村泰彦君) 先生御指摘のような領海問題、今後いろいろ起こってくると思います。まず一般船舶については、領海条約で御承知のとおり無害通航権がございますけれども、それに対応して、沿岸国はまたその無害でない通航に対して所要の措置をとることができるということになっておりますから、私どもはそれに基づいて所要の措置をとっていきたいと思います。  それから、漁業関係についてはそれとは別個にまた漁業の秩序、操業秩序維持のために取り締まり法規もできておりますから、それに基づいて私どもはさらに海上保安庁法で警察機関としての適当な行動もとり得ることになっておりますので、取り締まりを現実に行っていきたいと思います。
  138. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 私は、今回の領海及び漁業専管水域、いわゆる海洋二法、これは日ソ漁業交渉が発端となりまして急速につくらなければならない、まあはなはだ失礼な表現ではございますが、そのためにいわばこれに対して相適応しなければならない諸般の施策についてはおくれている、いわばどろなわ的にこの海洋二法が制定されるという感を深くするわけでございます。このような意味において、今後、領海及び漁業専管水域の拡大に伴うわが国の防衛、そして監視の体制がいかにあるべきか、また、その議論の進展いかんによっては国防会議というものでどのような真剣な討議を行わなければならないのか、これはまさに残されたわが国にとってきわめて重要な課題である。その課題が、ただいままでの質問におきましてはまだ検討中、ないしは今後早急にという答弁の範囲にとどまっております。ここに残された重大な問題があるということを指摘いたしまして、質問時間が参りましたので、私の質問を終わります。
  139. 橘直治

    ○委員長(橘直治君) 以上で予定の質疑は全部終了いたしました。  本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 橘直治

    ○委員長(橘直治君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。  これにて散会いたします。    午後零時十一分散会