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1977-05-26 第80回国会 参議院 社会労働委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和五十二年五月二十六日(木曜日)    午前十一時二十六分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月二十四日     辞任         補欠選任      佐々木 満君     柳田桃太郎君  五月二十五日     選任          長谷川 信君  同日     辞任         補欠選任      最上  進君     今泉 正二君      柳田桃太郎君     佐々木 満君      内田 善利君     小平 芳平君  五月二十六日     辞任         補欠選任      今泉 正二君     福井  勇君      玉置 和郎君     堀内 俊夫君      橋本 繁蔵君     中村 登美君      鹿島 俊雄君     戸塚 進也君      森下  泰君     福岡日出麿君      柏原 ヤス君     内田 善利君      沓脱タケ子君     橋本  敦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         上田  哲君     理 事                 佐々木 満君                 丸茂 重貞君                 浜本 万三君                 小平 芳平君     委 員                 上原 正吉君                 戸塚 進也君                 中村 登美君                 長谷川 信君                 福井  勇君                 福岡日出麿君                 堀内 俊夫君                 片山 甚市君                 田中寿美子君                目黒今朝次郎君                 内田 善利君                 内藤  功君                 橋本  敦君                 柄谷 道一君    国務大臣        労 働 大 臣  石田 博英君    政府委員        労働大臣官房長  石井 甲二君        労働大臣官房審        議官       松尾 弘一君        労働省労働基準        局長       桑原 敬一君        労働省労働基準        局安全衛生部長  山本 秀夫君    事務局側        常任委員会専門        員        今藤 省三君    説明員        法務省刑事局公        安課長      石山  陽君        労働省労働基準        局安全衛生部計        画課長      中村  正君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する  法律案(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二十五日、内田善利君及び最上進君が委員を辞任され、その補欠として小平芳平君及び今泉正二君がそれぞれ選任されました。  また、同日、長谷川信君が委員に選任されました。  また、本日、柏原ヤス君及び沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君及び橋本敦君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  3. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事に二名の欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に佐々木満君及び小平芳平君を指名いたします。     ―――――――――――――
  5. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 内藤功

    ○内藤功君 議事進行についての発言をお許しください。  実は、本日審議される労安法の改正案、非常に関心の高い法案であることは委員長も御存じのとおり。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)それで、きょう私のところを通しまして、この審議を傍聴したいという人がかなり来ておるわけなんです。ところが、いま見るというと、いない。これは、委員長のサインがあれば入れると思うんですが、やはりこれ重要な法案でありますから、せっかく私を初め各委員が質問をするというときに、傍聴人がいないところで質問して、途中で入ってくるということはやっぱりよくない。せっかく来ているのでありますから、私のところへさっきあいさつに来たんですよ、いるんですから、そういう人をまず入れていただきたい。(「賛成、異議なし」と呼ぶ者あり)ひとつよろしくお願いしたいと思うんです。  以上が議事進行の発言であります。
  7. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 先ほど、開会と同時に、傍聴につきましては御三名の方の紹介議員に基づく申請書にサインをいたしました。御発言の趣旨はごもっともでありますから、できるだけ公開の質疑にすべきだと思います。また、きょうの理事会でも法案の重要性にかんがみ、委員長としては運営については最大の配慮をするということを御了承いただいておることでもございますから、御趣旨は最大に受けたいと思います。時間がどのぐらいかかるのか、ちょっとその点を事務局にいま調べますので、お待ちいただきたい。  五、六分だというんですが、ちょっとここでお諮りするんですが、御趣旨を退ける理由もございませんので、五、六分であればお待ちしたらどうかと思いますが。
  8. 内藤功

    ○内藤功君 委員長の言われるように、五、六分であれば私お待ちしますから、傍聴希望の方に全部聞かしていただきたい。
  9. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 各会派の皆さんいかがでございましょう。(「傍聴人のためにやる審議じゃないんだから、始めたらどうだ。おかしいぞ、その扱いは。傍聴人のための質疑じゃないんだから」と呼ぶ者あり)
  10. 内藤功

    ○内藤功君 それはね、ああいうことを丸茂先生おっしゃいますけれどもね、しかし、ちゃんと傍聴を希望の方が出ていて、私が紹介議員になって、ほかの方も紹介議員になって出しているんですからね。ですから、傍聴人のために審議をやるんじゃないと、それはわれわれ国政のためにやることはわかっています。しかし、傍聴したいという人があるんですから、それは冒頭から聞かしたらいいと思う、重要な法案ですからね。(「許可するなら、質問始めたらいい。聴傍人のために審議を中断することはよくない」と呼ぶ者あり)それはね、不規則発言でありましょうけれども、丸茂先生のようなのは私納得できない。これはやはり、きちんと傍聴席に入れて、そしてやるのが当然だと思うんです。ですから委員長、そういうふうにお諮り願いたい。
  11. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 議事規則によりまして、議事進行についての発言は法案質疑に優先することになっておりますから、委員長としては議事進行についての御発言をいただき、それについて決着をつけるべきだと思います。御発言のある方はひとつ挙手をもって御発言いただきたいと思います。内藤委員の御発言に対して。
  12. 丸茂重貞

    ○丸茂重貞君 委員長、議事進行。
  13. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) どうぞ丸茂委員。
  14. 丸茂重貞

    ○丸茂重貞君 ぼくは、法案を審議するために開かれた会なんだから、傍聴人に聞かせることは私も賛成だよ、だから、傍聴人が後で入ってくるならば、質疑は始めるべきであると考えるから、これは当然開会すべきだ、私はそう思います。
  15. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) それでは、採決をするというような問題ではありませんので、ただいま私のところへも続々とサインが求められております。開会と同時に行いましたサインは三枚でありますが、事務局では数分と言うのでありまして、もうすでに二、三分以上たっておりますから、委員長判断としては、中をとるわけではありませんが、趣旨に御反対の方はないので、両二、三分ほどお待ちして、そのために待つということではありませんが、その形の中で第一陣がお入りになるというところで質疑を始めていただくというところが、穏当ではないかと思いますので、ひとつそのように質疑者におきましては十分な質疑を行うような準備を、そこへ向かってお進めいただくというふうにお願いいたしたいと思います。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  16. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 速記を起こして。
  17. 内藤功

    ○内藤功君 労働安全衛生法の改正案については、非常にいま関心が高まっておりますので、私もでき得る限りの質疑を尽くすという立場で質問をしたいと思うんです。  まず、前回、私に対して労働基準局長は、正当な理由なくということが書いてあっても書いてなくても解釈は同じだと、そうしてそれは判例、学説で認められている、こういう答弁であった。同僚の公明党の内田さんに対しても、もう少し強い表現で判例、学説で一致しているという趣旨の御答弁があった。それで、私はそういう判例とはいつの判例か、そういう学説とはだれの学説かということをお聞きしました。答えは調べてから回答するということであった。どうですか、ストレートな判例、学説が私はないと思うんですね、調べた結果どうでしたか。
  18. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 前回、資料の整備が不十分でございまして御迷惑をかけました。  いま御質問の、正当な理由がなくということを明示することとしないことでどう違うかという御質問でございましたが、正確に申しますと、学説は大きく分けますと二つあるようでございます。それで、私どもがこの前申し上げましたのは、幾つか古典的にずっと先生も御承知のように木村亀二先生とか滝川先生とか牧野先生とか小野清一郎先生とかいろいろございますが、そういった方方は正当な理由なくという文言は注意的な意味において書いてあるというような学説として一つございますし、またもう一つの説といたしましては、犯罪の構成要件として意味を持っているというような考え方がございますが、私どもの理解といたしましては、前回も御答弁申し上げましたように、注意的な意味をもって書いてあるというふうなことが通説というふうに理解をいたしているようなわけでございます。  それから、判決例につきましては、こういった秘密に関する判例が非常に少ないということもございまして、真正面からその点に触れたものはきわめて少ないわけでございますけれども、私どもの検索した限りにおいては、昭和三十七年の奈良県の道徳教育指導者講習会阻害事件の大阪高裁判決等で、「故ナク」については正当な理由がなくという意味であって、言いかえれば刑法総則所定の違法性阻却事由を主張するものとした判決というような形で出ておりまして、特にこの違いがあるというような形で判決例を私どもは見出し得なかったということでございます。  以上です。
  19. 内藤功

    ○内藤功君 結局、ストレートな判例、学説はなかったということですよ。判例は、これは「故ナク」の判例ですよ、これはね。正当な理由なくというのがついていてもついていなくても同じだという判例は、結局見出し得ないわけですよ。三十七年のは、これはそのものの判例ではないんです。刑法の住居侵入罪の判例なんです。それから、学説も一致していると言うけれどもそうじゃないですね。学説が二つあるということをあなたは認めているわけです。私はこれはこの前言っておった判例、学説で一致しているとか、判例、学説がそう認めているというのは間違いですね。これはいまのお話で訂正をしたということですね。
  20. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私いま申し上げましたのは、学説的には大きな流れ二つありますけれども、正当な理由があるということを明示するかしないかによっては、その違いがないというのが一般的な伝統的な学説ではないかというふうに理解をいたしております。それから、判例につきましても、確かに正面から具体的に判決をしたものはございませんけれども、その逆の意味において、またそれを否定した判例も見出し得ない。私どもが見出し得るものは、数は少のうございますけれども、正当な理由がなくということについての明記するかしないかによって、その犯罪の範囲が違ってくるというふうには理解をいたさないということについては、前回と答弁は同じだというふうに考えております。
  21. 内藤功

    ○内藤功君 これは判例、学説でそう認められているという議論が軽々しく使われることは、この国会によくないと思うんですよ。時と場合によるんです。判例、学説でこう決まっていますということを言えば、相手が黙って引き下がると思って言うのかもしれぬが大間違い。引き下がらないときもあるんです。この前、あなたの言ったのはぼくはよく覚えている。判例、学説もそう認めていますということをはっきり言っていますね。ところが、判例というのは一つだけ、それも住居侵入の判例だけ。それから、学説というのは二つ分かれている。ただ、きょうの見解では一般的、伝統的な見解がそうであると、こうなりましたから、これは訂正ですね、前回のを訂正するわけでしょう。
  22. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 正反対の意味で表現を変えた意味でございませんで、さらに詳細に具体的に御説明を申したつもりでございます。
  23. 内藤功

    ○内藤功君 これ、重大な問題です。前の考え方は、あなたがここで言ったのは判例、学説で認めているということをいかにも権威ぶって言ったもんですから、私はそんなものは聞いた覚えがない、だからこれは間違いだと、調べろと言った。調べてきた結果が、判例はストレートなものはないんでしょう。まず、そこを確認しておきましょう。判例、ストレートなものはない、学説は一致してない、判例はストレートなものはない、これ、認めますか。
  24. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 確かに、秘密の問題についてストレートなものはないということは認めます。ただ、正当な理由なくについての解釈については、私ども申し上げたような趣旨のことが書いてあるということを申し上げたわけであります。
  25. 内藤功

    ○内藤功君 正当な理由なくの判例じゃないじゃないですか、これは。「故ナク」の判例じゃないですか。あなたは正当な理由なくという文言をつけることについての答弁で、そう答えているのですからね。ですから、明らかにこの前の答弁は訂正すると、こう言わなくちゃならぬです。
  26. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) この前の答弁につきましては、やや言葉の面において多少誤解を招いたと思います。そういった意味では訂正をいたします。
  27. 内藤功

    ○内藤功君 いまのは判決例について誤解を招くから訂正するということですが、学説についても、あなたはこの前、学説はこうだということを言い切った。ところが、きょうの話では二つの説があると。これも同じように誤解を招く言い方だと思うんです。同様にこれも訂正しますね。
  28. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 正確にきょうはお答えいたしているわけでございます。したがって、団藤先生とか何人かの方が構成要件の関係で意味があるということを御指摘されていることございますけれども、ずっと歴史的にひもとき、また、現段階に参りましても、その意味が同じであるというような学説が通説であるというのは、私どもはそういうふうに理解をしているということを申し上げているわけでございます。
  29. 内藤功

    ○内藤功君 ですから、この前あなたは、二つ説が分かれて、こういう通説があるということを言ったんじゃないんですね。この前あなたは学説はこのように一致してますと、こういう言い方なんですよ。ですから、そこは違うんだから、違うところは違うと認めなさいと、こう言っているんです。こういうことで余り時間を食いたくない。
  30. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) きょうの答弁が正確な答弁でございます。
  31. 内藤功

    ○内藤功君 訂正ですね。
  32. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) そういった意味での訂正でございます。
  33. 内藤功

    ○内藤功君 そこで、次に聞きますが、正当な理由なくという明文がある場合と、正当な理由なくという明文がない場合は、今度は刑事裁判の手続の面で、それから捜査の面で、それから刑事事件になった場合の事実認定の面で違うとぼくは思うんです。はっきり違う、実体法上も、手続法上も。労働省が法律をつくって、罰則がなけりゃいいですけれども、罰則をつくって人が何人か牢屋にぶち込まれる可能性のある法律をつくるときは、役所というものは、この法律ができたら、動き出したらどうなるであろうかという洞察は必ずされ、法務省刑事局等とも打ち合わせて、法制局とも打ち合わせて、憲法との関係も問題がないように図ってやると思うんです。憲法問題、後でやりますがね。そういうことから見て、あなた方は立法のときに、正当な理由がなくという明文がある場合とない場合とで、どのように扱いが違うというふうにお考えでしたか、あるいは全く同じだという御見解でしたか、それを伺いたい。重大な問題です、これは。
  34. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) まず、この立法をいたしますときに、当然に法務省の刑事局と御相談しながらつくったわけでございます。  それからもう一つは、先生も御承知と存じますが、現行法の八十九条に、特に安全的な立場から、いろいろな新しい計画が出てまいりまして、危険な状況で出てまいります場合に、今度の仕組みと同じように届け出させて、いろいろな学者に意見を聞くというような制度を設けております。それが、正当な理由がなくという規定を設けておりませんので、それとの平仄を合わせてこの条文をつくったというのが経緯でございます。
  35. 内藤功

    ○内藤功君 刑事局と相談したそうです。それだったら、この正当な理由なくというのが罰条、構成要件の中にある場合と、そこにはない場合とでは、その認定の仕方、捜査のときの調べる対象、起訴した場合の検事の挙証責任、検事が挙証責任があるかどうか、こういう問題で違いが出てくるんですが、それはどういうふうに理解をしましたか。
  36. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私ども、刑事政策の面は直接担当いたしておりませんので、有権的な解釈なり、お答えをすることができないと考えます。  ただ、先生おっしゃいますように、先ほどの学説等もありますから、その構成要件の該当性等の意味があるというような学説もございますから、そういった意味で、訴訟技術上また意味があるというような説もあることも承知いたしておりますが、私どもは、最終的にはその取り扱いについて差異はないというふうに法務省等とも相談しながら、そういうふうに考えておるわけでございます。
  37. 内藤功

    ○内藤功君 差異はないとあなたが考えているのか、それとも法務省と相談をして、これば差異はないんだというふうに決まったというのか、そこのところがはっきりしないんですね。そう考えているのか、法務省と相談してそう一致したのか、それはどうなんですか。
  38. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) もちろん、勝手な解釈を私どもしておるわけではありませんで、法務省と相談した段階においてそういう考え方に立っておるわけでございます。
  39. 内藤功

    ○内藤功君 相談したんなら答えられると思うから聞きますが、さっきぼくが言った、本件が起訴された場合、そういう秘密を漏らした罪で起訴された場合に、正当な理由なくというのがこの百十九条なら百十九条の中にある場合はどっちが立証責任を負いますか。その正当な理由のないことについて、あることについて。検事ですか、被告ですか。これは重大な問題です。
  40. 中村正

    ○説明員(中村正君) 私も、刑法の専門ではございませんけれども、私どもが承知しておりますのは、正当な理由がなくというものを確実なる証拠をもって提出しなくても、その旨を主張するということで足りるというふうに聞いております。
  41. 内藤功

    ○内藤功君 それはあれですか、正当な理由なくというのが書いてあった場合ですか。そうですね。
  42. 中村正

    ○説明員(中村正君) さようでございます。
  43. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、課長に伺いますがね、――どうも局長はこれちょっと答えがむずかしいようなら、課長でもいいですがね。そうすると今度は、正当な理由がなくということが条文に書いてない場合はどうですか、検事は主張しなくていいんですね。
  44. 中村正

    ○説明員(中村正君) 第一義的には、構成要件の該当性があるかないかという議論が出ますから、そのときには、検事は立証する責任はないと思います。
  45. 内藤功

    ○内藤功君 立証責任ない。
  46. 中村正

    ○説明員(中村正君) はい。
  47. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、整理しますと、検事の側は、こういうもし改正ができた場合に、正当な理由がなくということが書いてあれば、検事の方で主張立証の責任があると。しかし、そういう条文がなければ、立証の責任はないと、こういうことですね、課長。
  48. 中村正

    ○説明員(中村正君) はい。
  49. 内藤功

    ○内藤功君 そうですね。
  50. 中村正

    ○説明員(中村正君) そういうことになりますが、それは構成要件該当性を云々する段階ではそうでございますけれども、犯罪であるかどうかということを断定する場合には、さらに違法性ありやなしやという、違法性阻却原因があるかないかという議論に進むかと思います。その場合には、結果としては、違法性はないんだと。すなわち刑法三十五条を援用して、私は正当な行為であったんだということを主張することになって、それに対して検事側は、そうではないという反証を出す必要があるかと思います。   〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
  51. 内藤功

    ○内藤功君 これはあなた、前半の問題をまず押さえていきましょうね。前半の答えでは、検事の方は正当な理由なくという条文があれば主張立証の責任があると。それから、その条文がなければ主張立証責任はないと、こう言った。そうすると、明らかに、いまの答弁でわかるように、課長がお答えになったように、ぼくはその限りでは正しいと思うんだけれども、正当な理由がなくと書いてあった場合と、書いてない場合とでは、明らかに取り扱いが違うんですよ。取り扱いが違うんです、これはね。このことはもうはっきりしています。さっきからの答弁だと、もう正当な理由がなくというのがあろうとなかろうと、そんなことはもう問題ないという局長の答弁、少し考え方が食い違っていると思うんですね。私は、これは課長の答弁の方が正確なように思うんです。ですからぼくらは、正当な理由がなくというのがあるかないかは相当大きな問題だと、こう聞いているわけなんです。どうですか。
  52. 中村正

    ○説明員(中村正君) 局長の御答弁は、犯罪であるかどうかを最終的に判断する段階において、構成要件該当性、それから違法性阻却原因の有無、それから、さらには有責性ということを詰めていくと、結論としては差異がない。確かに、理論的には構成要件に該当するかどうかのまず議論が観念的にはスタートして、その次に違法性阻却原因があるかどうかを検討していくと、こういう過程においては確かに違いがございますが、最終的な、それではこれは果たして犯罪であるかどうかという決断をする場合には、判定をする場合には、結果としては同じになると、こういう意味で局長が、結果としては同じだと、こういう説明を申し上げたんだと私は考えております。
  53. 内藤功

    ○内藤功君 一つずつ片づけていきましょうね。  まず、犯罪が成立するには、構成要件に該当し、違法性があり、かつ学者によっていろいろあるが、責任があると、この三段階を経て犯罪になるわけですね。これはもう共通だろうと思う。そうすると、あなたはいま、第一段階の構成要件の該当論をぼくが聞いているのに、違法性論に持っていこうとする。局長も同じだ、同罪ですよ――同じことだ。そうすると問題は、構成要件該当の場合に、構成要件に正当な理由がなくというのがある場合とない場合とでは、さっき言ったように、実際裁判にかけられた場合、主張立証責任が違うと、このことは認めますね。
  54. 中村正

    ○説明員(中村正君) 先生の御経験に対して、私が対抗し得るような理論も経験もございませんので、具体的な裁判の進行についてどのようになるかということについて、私が正確なお答えはできないかと存じますけれども、私どもが文献をもってささやかな知識で勉強した過程では、かつ刑事局の意見も聞いた過程では、確かに理論的にはまず構成要件の該当性の段階では、そこに正当な理由がなくということを書いてあれば、確かにそこは構成要件の問題として議論が第一段としてある。しかし、犯罪の成立ありや否やという段階に進むには、それだけで進まないんで、次には違法性阻却原因があるかないかの議論に進まざるを得ない。したがって、その訴訟の一連の過程、あるいは捜査もそうかもしれませんけれども、一連の過程でとらえました段階では差異がないというふうに私どもは考えております。
  55. 内藤功

    ○内藤功君 これちょっと、労働省の二人は頭の整理をして、昼休みの後出てきてください。ちょうど昼休みになりました。私は第一段階の構成要件該当の問題だけ聞いているんですよ。落ちついてよく答えてくださいよ。構成要件の該当の問題としては主張責任、立証責任が検事にあるかないかで違いがあると、そこまでで区切りましょう、それはいいですね、そこまでは。それはいいんですね、繰り返しですが。――わからなきゃ、わからないと言ってください。
  56. 中村正

    ○説明員(中村正君) そして……
  57. 内藤功

    ○内藤功君 そしてじゃないんだよ。あんたすぐそしてと言うが、失礼だけれども。さっきから聞いていると、問題が途中で横へ行っちまうんだな。
  58. 中村正

    ○説明員(中村正君) まず、構成要件の該当の有無について。
  59. 内藤功

    ○内藤功君 それだけにしぼって答えてください。
  60. 中村正

    ○説明員(中村正君) はい。そうすると、一応被告と言いましょうか、その罪を問われつつある人間については、正当な理由があると主張をすると、その場合には確実に私はかくかくかくなる理由で正当な理由があるんだということを立証する責任はないんであって、ただ自分はかくかくなことで、正当な理由があると主張するような形での主張をすればいいんであって、後は今度は検事がそうではないと否定する、その理由がないということを立証する責任が出てくると思います。
  61. 内藤功

    ○内藤功君 全然わからぬです、いまの答えは。さっきの方がまだよかった。僕が詰めたのでかえって悪くなった。  これはずいぶん混乱しています。質問の意味もわかっているんだろうけれども、答えが非常に混乱しているので、休憩後にやりたいと思います。
  62. 浜本万三

    ○理事(浜本万三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。    午後、零時二分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十七分開会
  63. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、今泉正二君及び玉置和郎君が委員を辞任され、その補欠として福井勇君及び堀内俊夫君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  64. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 午前に引き続き、労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。質疑のある方は順次御発言願います。
  65. 内藤功

    ○内藤功君 午前中の議論は、今度出された労働安全衛生法の改正案の中に、学識経験者が知り得た秘密を漏らした場合、それから疫学調査などに関係した人が知り得た秘密を漏らした場合、六カ月以下の懲役、三十万円以下の罰金という罰則がついていて、これは公害原因などを知り得た人がそれを公に発表したり、人に話をしたり、論文を書いたり、告発運動をやったり、そういうものを刑事罰で抑えていく、そういう機能を果たすであろうということが、いま問題になっているわけですね。これは人権問題なんです。そうして、日弁連の会長、全国の約一万人ですね、弁護士会の会長、それから東京弁護士会、これは三千人ぐらいいると思いますが、その会長という、こういう法律の専門家の会長の声明でこういうふうに言っているわけですね。いま法制審議会で御議論があった刑法改正草案、この刑法改正草案というのは私どもは反対です。しかし、その刑法改正草案の中の企業秘密漏示罪というその罪を見るというと、正当の理由なくして企業の秘密を漏らしたというふうに、正当の理由なくということでしぼってあるわけですよ。われわれが問題があると言って反対している刑法改正草案でさえ、正当の理由があって漏らした罪というのは罪にならぬ、そういう行為は罪にならぬと、正当な理由なくで、構成要件と言いますね、罰則でしぼってある。ところが、それに比べても今度の安全衛生法の改正案というものは、知り得た秘密を漏らした者は六カ月以下の懲役、三十万円以下の罰金というんですから、これは刑法改正草案よりも悪いじゃないかというのが、弁護士会長の二人の声明なんであります。一万人の弁護士会の会長の声明は重みがありますです。だから、私はこれを取り上げているわけです。法律ができちゃったらどんどん歩いちゃいますから、法律をつくろうというときに提案者に説明を聞いて、納得のいく説明があればいいし、納得のいく説明がなければ、これは納得いくまで討論するというのが国会の役目だと思うんです。そういう意味で聞いているんです。非常に専門的な訴訟法の議論に入って、労働省の管轄でないというふうなお顔色をしている方もいますが、私はそうじゃない。これは労働省の提案でありますから、しかも労働省は法務省刑事局と相談をしてつくったと、さっき局長もおっしゃったんでありますから、その範囲で私は聞くつもりです。もちろん、わからないことは、本当にわからないと言ってくだされば、私はいいですが、わかっている以上は答えてもらいたいというふうに思うんであります。そこで、この午前中に引き続いて聞きますが、正当な理由というものが、刑法改正草案にはあるが、今度の法案にはそれすらもついてないという問題に関して、もう一つ聞いておきたいと思うんです。午前中、正当な理由というものが書いてなくても、刑法の三十五条という条文で罪にならない場合もある。こういうふうに言った。しかし、その二つは違うんだとぼくは思うんです。正当の理由なくというのが書いてある場合は、文字どおり正当な理由があれば罪にならぬと思う。正当な理由があれば罪にならぬ。ところが、それがなくて、一般的な刑法三十五条という一般条項で無罪になるという場合は、いいですか、正当な理由があるだけじゃなくて、いろんな事情ですね、動機だとか、いわゆる行為の態様だとか、結果だとか、その他もろもろの事情を総合して罪にならないか罪になるかを判断するというのが、一般の刑法三十五条の条項だと思うんです。もう一回言いますが、正当な理由なくという条文になっていれば、一般国民は正当な理由があったんだということを主張して、それを法廷で言えば無罪になる可能性がある、理由がはっきりしていれば。ところが、それがないと、理由が正しいだけじゃなくて、いろんな動機だとか行為だとか結果だとかというものを総合しなければ、無罪ということにならないんですよ。この違いがあるんです。私は専門的な議論はなるべく避けて、大きな立法の議論でいきますが、この際この議論をしておかないと、万一これが通った場合、一人歩きして大変なことになる。私は通さない方がいいと思うんです、この罰則は。大変なことになりますから、明確な提案者の考えを聞きたいと思うんです。正当な理由なくと書いてある場合とない場合とでは、もう一つこういう違いがあるんです。これは提案者どう考えますか、労働省は。
  66. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもは繰り返しになりますけれども、この学識経験者の方々に意見を聞いて、いろいろなその段階で、ノーハウとかプライバシーに関係するので、こういう規定を置いたわけでございますけれども、その置いた考え方は、現行の八十九条の例文にならったということがまず一つございます。それから、先生おっしゃいましたそういう訴訟手続的にいろいろ違いがあるというような御意見についても、私どもそういうことも聞いてはおりますが、一応政府の法制意見等をただしてみますと、正当な理由がなくという言葉を明定する、しないにかかわらず、その考え方は犯罪の最終的な形においては同じだという理解のもとに、こういう条文を置いたわけでございます。
  67. 内藤功

    ○内藤功君 答えになってないですね。犯罪の構成要件、つまり罰則の中に正当な理由なくと書いてある場合と、罰則には何にもそういうしぼりがなくて、それには一応該当するが、ただいろんな事情を考えて無罪になる場合、違法性がないという場合、違うんです、判断の基準が。われわれがまあ言葉は悪いが、被告という立場に立った場合、正当な理由なくという条文になっていれば、私はこういう正義感に基づいて、私がたとえば医者として知り得たこの労働者のこの病気の原因は、この工場で使っているこの化学物質が原因ですよと、それを世の中に明らかにしたいと思って私は発表したのですと、理由を言えば罪にならぬというのが、これ訴訟の問題じゃありませんよ、考え方の問題、法律の問題として、これが正当の理由なくを書いた場合の問題なんです。ところがそれがないと、私がもし公害告発をやって、法廷の場に被告として不幸に仮に私が引き出された場合には、理由を言うだけじゃなくて、動機だとか、行為の方法、態様だとか、そのもたらされた行為の結果だとか、その他もろもろのことを、全部有利な事情を言って、それでもまだ私は無罪にならない場合もあるのですよ。そういう違いが、私は訴訟の問題はわかりにくいとさっき言うから、なかなか答えにくいようだから、ぼくは訴訟の問題じゃなくて、法律の理論の問題、つまり提案者の法律の考え方の問題として聞くのですよ。違うんですね、二つは。いまの答えは前例があるということと、法務省に聞いたというだけなんです。法務省にお任せじゃないと思うんですね。労働省御自身のお考えはこの点考えたのですか、考えないのですか。
  68. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもはこの規定の考え方は、正当な理由がなくという、あるいは正当な理由があるというような言葉があるなしにかかわらず、こういうふうに考えているわけでございます。その学識経験者がもし一定の有害的なことについて外部に漏らされると、そのこと自体がその事業場なりの労働者にきわめて健康被害に関係しているというような事情があるとするならば、もしそれが非常に法益的に重要であれば、またその手段が正当――相当性と申しますか、あれば、私はそれはそういう正当な理由がなくとかいう規定がなくても、当然に正当行為ということで罰せられない、こういうふうな考え方でこの条文は考えたわけでございます。
  69. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、いま非常に大事な答弁でありますが、いまのは一定の状況、こういう状況下でそれを発表することが法益的に重要であって、手段が正当な場合は罰せられないというのですね。それは、あなたが罰せられないと言っても、労働省の労働基準局長のこの場での答弁、たかだか労働省の答弁と言っちゃ失礼ですが、そういうものだけで、法律の字づらには、文句には何にもあらわれないわけです。きょうはこの法案を何とか通してもらいたいというお気持ちがあるのはあるでしょうから、なるべくこの法案が害がないように答弁をして、ああ、これもいいです、あれもいいですと答弁するかもしれないが、実際この法律を扱う人はあなたではないのです、刑罰権を扱うのは。ですから、あなたの見解は見解なんですが、それは拘束力がない。検察官や公訴機関や裁判所を拘束するものじゃない、こう思うのですね、そうでしょう。どういうそれは力を持ちますか、刑罰権を拘束しますか。もし本当にそう思うなら、それを法律の条文に書くべきじゃないですか、処罰されない場合を。だから、私どもは構成要件に何も書いてない、のっぺらぼうである。ここに何も書いてない、これはおかしいじゃないか、こう言うのです。
  70. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほど申し上げましたのは、正当な理由がなくというような規定を置かずとも、その目的が正当であり、手段が相当性があるというような事由がある場合には、刑法総則の三十五条の適用があるということを申し上げたつもりでございます。具体的な例をあわせて申し上げたわけでございます。
  71. 内藤功

    ○内藤功君 あなたがここで、こういうこういう場合は罪になりませんよと言ってみても、実際の法律の文面は、秘密を漏らした者と、こうなっているだけなんです。あなたがここで何と言っても、法律の条文このままではそういう解釈は成り立たぬわけです。あなたがそう思っているというだけ、あるいはそう願望しているというだけです。法律にやっぱり手を加えなくちゃいけないんじゃありませんか。
  72. 中村正

    ○説明員(中村正君) 構成要件の中に、正当な理由なくとか、あるいは正当な理由がある場合を除きと書いた場合であっても、それが具体的なケースにその状況が当てはまるかどうかについては、個々にやはり判断すべきことでございまして、その点に関しましては、刑法三十五条を援用する場合と私は同じであるというふうに考えております。
  73. 内藤功

    ○内藤功君 局長に聞きたいんですが、この法文には何も書いてない。しかし、あなたはいま、法益的な重要な問題で、手段が正当の場合は罪にならぬと言った。それでは、ほかにどういう場合が罪にならぬような場合ですか。罪にならぬ場合はこの場合だけなんですか。漏らした者は処罰されるという条文にもかかわらず、いまあなたは一つの例を出して、これは罪にならぬと言った。罪にならぬのはこの場合だけなんですか。ほかにも幾つかあるんですか。
  74. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) まあ具体的な例示はケース・バイ・ケースによってお答えしなければ一概に言えぬと思いますけれども、先ほど申し上げましたのは、正当な目的があり、その手段が相当性で、その法益が守らなきゃならないというような事情があるときには、私はそういった文言がなくても正当行為として処罰されないと、こういうふうに申し上げたわけでございます。
  75. 内藤功

    ○内藤功君 それでは、ますます抽象的になっていくじゃありませんか。私の聞いているのは、具体的に、学識経験者の人が、ある一つの調査に関係をされた。疫学の調査なり、新規化学物質の調査なり、あるいは発がん性の物質の調査に関係をされたと。その方が、これは大変だ、この問題を広く世の中にアピールしましょうと、新聞に書く、雑誌に書く、学会で報告をする、あるいはみずから告発人となって司法官憲に告発する場合だってありますね。こういう場合も、全部処罰される危険のあるのはこの条項なんですよ。そうでしょう。五十七条の二、五十七条の三、百八条の二、百十九条、この四つの条文ですね。だから、このままでいったら全部そういう行為は処罰されるじゃありませんか。処罰されることになるんじゃありませんか。ところが、あなたは一つだけ例を挙げて、こういう場合は罪にならないんですと言ったんだ。しかし、それはあなたの見解にしかすぎない。ただ、あなたの見解として、このほかにもこういう場合は罪になりませんよという例があるのか、これだけなのかと念のために聞いている。
  76. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) なかなか具体的な事例については例示がむずかしいかと思いますが、基本的には、私どもは今回の法律改正の趣旨が、職場において非常に危険な新規化学物質が使われると、そういったことがないように、できるだけ事前にキャッチをして、それに対するいろいろな評価をし、またそれに対するいろいろな防護措置を講ずるということをねらいといたしております。したがって、私どもは、こういった調査に関係された方々の御意見を聞きながら、決まりましたその調査結果というものについては、できるだけ早く公表すると、こういう考え方に立っておりまして、具体的なプライバシーの問題とか、いろいろな永久的に秘密にしなければならないものがございますかもしれませんが、基本的にはそういった有害的な問題については、できるだけこれを明らかにしていく。いまお話しのように一般の方々に公表し、あるいは関係者の方々に注意を喚起していくということが基本的態度でございます。
  77. 内藤功

    ○内藤功君 答えになっていないですね。つまり、私が提起した疑問、たとえば私が学識経験者だと仮にして、そして医学上の知識から見て、この工場で使っているこの物質は非常に危険なものだと、人間の生命、健康を脅かすものだという立場から、私が、じゃ例を挙げて言いましょう、私がこれを犯罪として告発をした。私が学識経験者として調査を担当している者であるが、刑事上の事件として告発をした。これも秘密を漏らす行為というふうにこのままではなってしまいますね。なりませんか。
  78. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) まあ、具体的な態様を見ませんと、その犯罪かどうかの確定はできませんけれども、先ほど申し上げましたように、その方の行為の目的自体がきわめて正当性があって、しかも手段も相当性がある。しかも、その当該事業場の労働者の健康被害に非常にきわめて重要な問題があるというようなことが条件が整えば、それは罪にならないというふうに考えます。
  79. 内藤功

    ○内藤功君 あなたが裁判官じゃないんです。ですから、あなたがここで罪にならないと思いますと言っても、それは国民の側からいけば、いまの心配を少しも解くことにはならないんですね。ならないんです。ですから、この条文のままでいけば、いかにあなたが説明しても、秘密を漏らす行為、これは、たとえばいま私が言ったように、医学者、科学者としてこの工場で使っているこの化学物質は非常に危険なものである、こういう物質を使っているということで告発をする告発行為、これが漏らす行為だとしてまず検挙される、取り調べられるという危険はあるんじゃありませんか。罪になる、ならないというのは、最高裁判所までそれこそ争って、最後に決まっていく問題なんですね、結局は。まず、一番問題をしぼると、私がそういう容疑を受けて、警察官憲に取り調べられる。そして、そこで場合によっては検挙されるという危険を国民は感じますよ、この法案を見れば。専門家の、特にこういう面に携わることの多い医学の専門家の方は感じますよ。現に、産業衛生学会などでは素早く反対声明が出ているじゃございませんか。これは否定することはできないでしょう、このおそれは。どうですか。
  80. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 当該事案につきましては、私どもはもう少し具体的なケースによって判断しなければ最終的にはなりませんけれども、いまのお話しのような場合は、刑法の三十五条の正当行為ということで罰せられないということを申し上げております、可能性があるということを申し上げておるわけでございまして、恐らくそれは、正当な理由がなくという規定を置く置かぬにかかわらず、最終的には、そういった正当行為の問題ということで、結果は同じくなると、こういうふうに私どもは理解をいたしております。
  81. 内藤功

    ○内藤功君 これは、この行為は無罪になりますよ、罪になりませんよということは、専門の職業的な人間でもなかなか言えないことなんです。もし逆になったらどうです。このまま罪になりませんよとは私らの常識ではまず言えませんね、可能性ということは言えても。あなたでもそうだと思うんです。あなたがここで保証したから、私がよしと、この法案が仮に通ったとして――私は通すことは反対ですが、仮に通ったとして、私が日本化工へ行って調べて、その資料に基づいて告発をした。労働基準局長が罪になりませんよと、これは罰せられませんよと言うから安心してやったら、警察は独自の解釈で、やはり罪になると、漏らす罪だと、漏らすというんですからね。積極的に言わなくたって、ちょっと漏らせばみんなひっかかる可能性があるんです、だから問題にしているんですよ。そういう心配を、いまあなたの答弁は何もその心配に対して答えておらぬと私は思うんですよ、くどいようですがね。ただ、そうなるでありましょう、あなたは無罪になるでありましょうというだけの、祝福を賜っているだけなんであります。そういうことでは納得できません。それは、こういう法律は人権にかかわるから厳格にやっぱりやらなくちゃいかぬです。繰り返しもう一回聞きます。
  82. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもは正当な理由がなくという規定がなくても、その目的の正当さなり手段の相当性、あるいはその守るべき法益というものから考えて、最終的にはそういう判断のもとにおいて犯罪とならないことがあるということを申し上げているわけでございます。
  83. 内藤功

    ○内藤功君 話がそこまで来ましたから、もういい時期だと思うんで出しますが、あくまで正当な理由というものがなくてもいいと言うんですね。しかし、日本弁護士連合会長と、東京弁護士会の会長の出された声明、いままではこの二つですが、どんどん出てくると思う。こういう弁護士会の代表者の声明は、刑法改正草案でさえ正当な理由なくというのを書いている。今度の法律はないと。そこに刑法改正草案よりひどいもんだと、これですよ、いま国民の中にずうっと広がっています。  私、いまここへ持ってきたのは、法務省刑事局からいただいた「刑法改正をどう考えるか」という資料です。ごらんになったことがあるかもしれない。この中にこう書いてあるんです。刑法の改正草案の企業秘密漏示罪について「「正当な理由」がない企業秘密の漏示を処罰しようとしているのであって、「正当な理由」がある場合まで処罰されるわけではないのです。したがって、かりに、多数の人の健康に影響を及ぼすような公害が現に発生しつつあるか、あるいは発生する可能性が大きく、企業の技術上の秘密を明らかにしなければ公害が防げないというような事態が生じた場合には、企業の秘密を漏らすことに「正当な理由」があるといえますから、処罰の対象となることはありません。」これもまあ私から言わせればずいぶんいいかげんなことだと思いますよ。思いますがね、法務省の方は正当な理由があれば処罰されることはないと、理由があれば。手段とか何とかいうことは、結果とかいうことは言わない。理由があれば処罰されないというふうに、刑法の方の正当な理由がついている効能を、法律の効能をこういうふうにPRしているんです、これは。われわれにも配られましたし、弁護士会にも配られました。あなたの方は正当な理由があってもなくても同じだと。法務省にはまた別の機会に私は適当な時期を見て、これ法務大臣に僕は聞きたいと思っているんです、実は。聞きたいと思っているんですけれども、違うじゃありませんか。同じ政府の中で労働省のあんたの見解と法務省と違うんです。この法務省の見解は間違いですか、この見解は。
  84. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私から法務省の見解がどうかということは申し上げる立場にないかと思います。  繰り返しになりますけれども、私どもは私どもが現在持っておる法律の立法例、あるいはその他の立法例等と平仄を合わして決めたつもりでございまして、特にいまの刑法の改正案等々を参考にして、今回の立法を考えたものではございません。
  85. 内藤功

    ○内藤功君 さっき、あなたは刑事局といろいろ相談をしたと言うから、私はずうっと聞いておる。私のいまの質問は、正当な理由なくがあるから大丈夫だと、法務省はこう言っているんです。あなたの方は、正当な理由があろうとなかろうと、それは結論においては関係はないと、違いはないと、こういう見解を持っている。そうすると、法務省の見解と労働省の見解は明らかに違っているんですよ、明らかに違っているんです、このことは認めますね。
  86. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私は、現段階で違っているというふうに申し上げるような考えではございません。
  87. 内藤功

    ○内藤功君 現段階ではというのは、どういうことですか。
  88. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私は、刑法改正の経緯について十分承知しておりませんので、そう申し上げたわけであります。
  89. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、その刑法改正の経緯は十分に知らない。なるほど、あなたは法制審議会の委員や幹事ではないでしょう。しかし、罰則をつくるという場合には――いいですか、これ大事な問題ですよ。各省庁がその所管の法案、政令に罰則をつくる場合には、いままであるその省庁の法律と平仄を合わせるという狭い見地ではいかぬのです。日本の法律の中の刑罰法規の大もとは刑法であります、明治時代にできている。基本が刑法なんです。たとえば、あなたは簡単に懲役六カ月と書くけれども、大変なんですよ懲役というのは、これは。行く人は大変なんです。国民に対してそういう刑を科する法律をつくる場合は、大もとの刑法との関係はどうなのかということを考えなくちゃいかぬのです。あなたが考えなくても、あなたの方には法規の担当がいるんだから、刑事局とやるべきなんです。そこまで調べる責任があると思いませんか、その点をもう一つ。  それから、法務省と労働省の意見の違いは明白だと思うのです、法務省と労働省の。この正当の理由があるのは、意味があるというのが法務省、意味がないと言わんばかりが労働省、はっきり違っているのです、ここで。法務と労働と。  それからもう一つ、刑法改正草案知りませんと言うが、大もとの刑法というものとの関連で、刑法総則というのはみんないろんな罰則に響くわけだからね、知りませんじゃ済まないのです。私は立法者、ここへ法案を出してくる政府の責任として聞きたいのです。
  90. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私ども、こういった改正を進めます場合には、実定法の中で、できるだけその関係の規定と平仄を合わせるということでやってまいっております。そういった意味で、よく刑事局と相談をしながら決めております。今回の条文につきましても、くどくなりますが八十九条の、特に安全関係のこういった秘密保持に関する規定と構成要件を同じくし、また量刑とも同じくするというふうなことを考えました。したがって、秘密に関する量刑につきましては、国家公務員法とか刑法等もございますが、そういった量刑と平仄を合わせたということで、あくまでも実定法の中における関係について、十分刑事局と御相談しながら決めたと、こういう経緯でございます。
  91. 内藤功

    ○内藤功君 私は、まず委員長に、後刻、理事会において、法務省と労働省の見解が違っておるわけですよ。法務省の方は正当な理由がなくというのがあれば、公害反対闘争は処罰されないと言うんです。こちらは正当な理由があってもなくても、それは同じだと言うんです。見解が違いますからね。さっき労働基準局長は、法務省を呼んでくださいと言わんばかりの話でした。私は、法務省の刑事局長だけじゃ済まないのです。やっぱり大臣を呼んで、法務省と労働省両方呼んで、法務委員会――きょうはうちの橋本さんもそのつもりで来てもらっているわけです、法務委員会から。法務と社労の連合審査ということがどうしても必要だと思うのです。これは後で理事会でひとつお諮り願いたい。その他、公害委員会などなどの連合審査やっていただきたい。これは後でお諮り願いたいということをお願いしておきます。いかがでしょう。
  92. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 議事、質疑の進行についての正式な御提案と思いますので、後刻理事会において審議いたします。
  93. 内藤功

    ○内藤功君 先ほどから聞いていますと、この罰則をつくるときに参考にした条文、つまりつり合いをとるために参考にした条文は八十九条五項しか言わないですね。八十九条五項というのは性質が違いますよ。いろんな施設設備をつくる場合に、その計画を出させる、その計画をつくるについて学識経験者の意見を聞く、これはどっちかというと建築だとか工学だとか、いわゆる物理とか工学の関係であります。人間の体や健康を直接むしばむ化学物質の問題じゃないですよ、そうでしょう、条文を見ればはっきりしている。今度のは新規化学物質そして発がん性の物質、疫学的な調査をする必要のあるもの、こういう問題ですね。今度のは化学的な、医学的な、すぐれて人間の命を直接奪い取る、人間の体を直接冒す、そういう問題についての秘密を漏らしたという罪であります。まさに、人間の命と健康という一番大事なものを守るための、この専門家の告発を問題にしておるのです。違うじゃありませんか。これを引き合いに出すのはおかしい。引き合いに出すとすれば刑法であり、また後刻詳しく聞きますが、憲法の問題だと私はそう思うんです。人間の命の問題、それから言論の問題ですね、こういう問題と根本的に違うのです、どうです。
  94. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 八十九条が設けられました趣旨は、きわめて最近建設工法あたりが非常に危険を伴ってきている、また新しい技術が入ってくることによって、きわめて人間の生命にいろんな問題を投げかけておるわけでございます。したがって、私どもはそういった新技術、新工法というものは事前にきちっとキャッチをして、そして人間のそういった生命に影響のないような形にするという意味においてこの八十九条が置かれているわけでございまして、私はそういう病気とやはり安全という問題は表裏一体のものであって、あくまでも人間の重要な問題であるということで、同じような性格の規定であるというふうに考えております。
  95. 内藤功

    ○内藤功君 これは直接人間の命、健康というものを冒すことについての秘密を漏らす行為を罰する法律だと思うんです、このいま問題になっているのは。私はこの平仄を合わせるということで、八十九条五項だけしか引っ張り出すことができなかった、私はそう思うんですね。刑法との関係は調べてない。人を罰する法律をつくる上で、これほど私は無責任な態度はないと思うんですよ。しかも、さっき私が聞いたように学識経験者が社会正義の観点に燃えて、そうして自分の医学知識を国民に対して奉仕する観点からこれを告発する、論文に書く、一般に発表する、こういう行為は、さっきのあなたの答弁でも目的、手段、結果がよければ罪にならないでしょうというだけであります。処罰の対象にずっとさらされておるんですね。私はこれは後で詳しくまた質問しますが、人間の言論の自由、それから学者の場合は学問の研究の自由、それから報道関係者にとってはそういうものを取材する自由、こういうものにずっとかかってくると思うんですね。大問題だと思うんです。私は委員長から許された時間がちょうど来ましたし、また、後刻、理事会で今後の質問等も御相談するという約束があるもんですから、私はもっと聞きたいんですが、遺憾ながらここは一応ルールを守って、ここでの質問は、ここで残りの幾つかの問題点を保留しておきます。
  96. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 私は本法に入る前に労働省の、特に労働大臣の考え方についてちょっとお伺いいたします。労働大臣は、労働者の組織である労働組合、労働運動、こういうものについて、一体基本的にどういうお考えを持って指導なさるんですか。
  97. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 労働運動とか労働者の自主的な活動というようなものは、これは指導というような態度で臨むべきものではないと私は考えております。それぞれの歴史的発展の過程において変化はございますが、近代においてはやはり法律的な立場も明確になり、近代社会の構成員としての責任を分担するというたてまえで活動をされておられますし、そういう活動を助長していくというのは、これは私どもの仕事であろう、こう考えております。
  98. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうしますと、憲法二十七条、二十八条あるいはその背景になっている二十五条、こういうもので組合運動が保障されておるわけでありますから、組合運動なり公害運動などについてじゃま者扱いとか危険者扱いにするという点は、基本的に誤りですね。どうですか。
  99. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) そういうつもりは全くございません。
  100. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 それから、憲法九十九条で憲法尊重、擁護の義務、これは国務大臣とか国会議員というのが義務づけられていますが、そういう意味ではいま言った憲法のことについて、ありませんというのですが、大臣としてはそういう意味ではきちっとこの憲法擁護の義務ということについてはお考えあるかどうか。
  101. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 当然のことであります。
  102. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 ちょっとお伺いしますが、大臣は二月の二十八日どこにいらっしゃいましたか。
  103. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 大阪に行っておりました。
  104. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 大阪の関西経営者五団体の会合に出ていらっしゃるようでありますが、そこで何か大事なお話をされておるようでありますが、御記憶ありませんか。
  105. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 現在当面をいたしておりまする労働問題の各般にわたって御説明をいたしました。そして若干の質問にお答えをいたしました。
  106. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 その中で「全金、港湾、動労など」の組合は許せない、こういう意味の発言をしたと聞いておりますが、これは誤まりですか。
  107. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 全くそういう記憶はございません。具体的な組合の名前を挙げた発言はいたした覚えはございません。
  108. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 この「現代の眼」という本は、労働省では読んでいますか。どうですか。
  109. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 私はその雑誌は知っております。私自身も座談会その他に出席をした記憶がございますから、よく知っておりますが、そこにどういうことが書かれておるかは私は知りませんけれども、そういう種類の発言はした覚えはございません。
  110. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、ここに「福田内閣の労相石田博英は、一九五七年の国鉄新潟闘争を押しつぶし、一九六〇年に三池闘争をまるめ込み、さらに池田内閣のときに労働憲章をつくった。そういう大ベテランの、ブルジョアジーにとっては最も有能な労働政治家なわけです。彼はついこの間の二月二八日の関西経営者五団体の席上、「大阪における闘争は、終戦直後のような無秩序なものである」といって、名前をあげて、「全金、港湾、動労など、これは許せない」といっていることは非常に意味がある。」、こういうふうな文章が書かれているんですがね、これは誤りですか。
  111. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 全くの誤りであります。そんな覚えは全然ございません。
  112. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、この樋口さんという方は立ち会って聞いていると言うのですね。だから、あなたは全然関係ないと言うし、この人は、これはやっぱり天下に出している公の本ですからね、公の本に自信を持って書いている。これはどっちが本当ですかね。
  113. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 私はとにかくそういう組合の名前を挙げたり、あるいは現在の大阪における労使関係というようなものが非常に悪化しているものと、悪い状態であるなどというようなことを言った覚えはございません。私は全然ありません。
  114. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうするとあれだね、じゃ、この人は労働大臣も侮辱しているし、全金、港湾、動労などの組合も侮辱しているということになりますね、これじゃ。この人を呼んで抗議するなり、訂正を申し入れるなり、そういう気はありますか。
  115. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) いま初めて私はその事実を知ったのでありますが、事実は全く私にとっては意外でございますので、どういう意図でそういう記事を書いたのか。それから、そういう事情を調べた上で、無論、本人がその記事について責任を持つなら、訂正を要求いたします。
  116. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 じゃ、その訂正を要求したその結果については、いいですね、これはもうそういうことであれば、これ一々、全金のどこがそうなのか、港湾のどこがそうなのか、動労のどこがそうなのか、全部聞かないと、私は安全衛生に入ったって、あなたの答弁は信用できないと思って、前段で質問しているんですよ。それは必ず、それじゃこれはね、この「現代の眼」の何月号だ、これ、五月号、いいですか、きちっと調べてやってもらうと。
  117. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 全く身に覚えのないことでございますので、これは言われるまでもなく、私自身の信条にも反しますから、私の方で調査をいたしまして、訂正を要求いたすなり、所要の措置をとります。
  118. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 では、それを求めます。  それから、私は今回の法案について、労働大臣からこの前趣旨説明を聞いただけで、法案の中身、内容というのは全然政府委員の方から説明を受けてないんですよ。私はこの前の国鉄の反対法案について――大臣が運輸大臣当時だね、去年七時間、八時間あそこでやったけれども、そういう法案でも全部提案説明した後、政府委員が説明しているんですよ。私はこれは原稿皆書いたけれども、さっきの正当な理由じゃないけれども、政府委員から正規の説明がないうちに憶測の質問できませんからね、これは全部逐条的に説明してくださいよ、ここで全部、一条から。  私はその改正に至った理由、具体的な事実、二つ以上、反対があったら反対の理由、それから労働基準審議会ですか、審議会に諮ったと言いますから、諮った内容と審議会の意見と、答申と、それを具体的にもらわないと、私は審議できませんから、それをひとつやってください。
  119. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 条文をずっと説明してまいってもよろしいと思いますけれども、相当時間がかかりますが、よろしゅうございますか。
  120. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 この政府提案の資料によって、全部一条から説明してくださいよ、改正条文。これは一ページから。
  121. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 第一条でございますが……
  122. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 読んで。読んでから。
  123. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 一ページでございますが、  第一条労働安全衛生法(昭和四十七年法律第   五十七号)の一部を次のように改正する。    目次中「第五十四条」を「第五十四条の五」に   改める。    第二条第三号中「行なう」を「行う」に改め、   同号の次に次の一号を加える。    三の二 化学物質 元素及び化合物をい   う。    第三条第一項中「単に」の下に「この法律で   定める」を加える。    第十一条に次の一項を加える。  ここまででございますが、これはもう読みましたように字句整理をやったということが一つでございますし、「三の二」は化学物質についての定義を設けたということでございます。  それから「第三条第一項中「単に」の下に「この法律で定める」」というのを加えましたのは、労働基準法との関係を明らかにするために、この法律で定める基準は最低基準であるということを明確にしたものでございます。  それから、次の一ページの最後の二行目の第三項でございますが、  3 労働基準監督署長は、前項の規定により安   全管理者の解任を命じようとするときは、あ   らかじめ、事業者及び当該安全管理者にその   理由を通知し、意見を述べ、及び証拠を提出   する機会を与えなければならない。  これは、安全管理者の解任を命ずるに当たって、聴聞の機会を与えることを明らかにいたしたものでございます。   第十二条第二項中「前条第二項」の下に「及び  第三項」を加える。  これは、衛生管理者の解任命令に当たって、やはり同じく聴聞の機会を与えることを明らかにしたものでございます。  それから、二ページの第四項の  4 第十条第三項の規定は、統括安全衛生責任   者の業務の執行について準用する。この場合   において、同項中「事業者」とあるのは、「当   該統括安全衛生責任者を選任した事業者」と   読み替えるものとする。  これは、統括安全衛生責任者の業務の執行についての都道府県労働基準局長の勧告権を定めたものでございます。   第二十八条の見出し中「及び望ましい作業環  境の標準」を「等」に改め、同条第三項中「前  二項の規定により」を「前三項の規定により、」  に改め、「技術上の指針」の下に「、労働者の健康  障害を防止するための指針」を加え、「行なう」  を「行う」に改め、同項を同条第四項とし、同  条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に  次の一項を加える。  これは、ということでございます。  それから続けて、二項でございますが、  2 労働大臣は、次の化学物質で労働大臣が定   めるものを製造し、又は取り扱う事業者が当   該化学物質による労働者の健康障害を防止す   るための指針を公表するものとする。   一 第五十七条の二第四項の規定による勧告    又は第五十七条の三第一項の規定による指    示に係る化学物質   二 前号に掲げる化学物質以外の化学物質    で、がんその他の重度の健康障害を労働者    に生ずるおそれのあるもの  これは、技術上の指針を定めるほかに、労働者の健康障害を防止するための指針を定めることができる根拠規定を置いたわけでございます。   第四十四条の見出しを「(個別検定)」に改め、  同条第一項中「機械等のうち、」を「機械等(次  条第一項に規定する機械等を除く。)のうち、そ  の構造、性能等を考慮して」に改め、「、当該機  械等について」を削り、「検定代行機関」を「個  別検定代行機関」に、「行なう」を「個々に行う  当該機械等についての」に改め、同条第四項中  「第二項」を「第三項」に、「附されていない」を  「付されていない」に改め、同項を同条第五項と  し、同条第三項中「検定」を「個別検定」に、「附  し、」を「付し、」に、「附してはならない」を「付  してはならない」に改め、同項を同条第四項と  し、同条第二項中「前項の検定(以下「検定」と  いう。)」を「個別検定」に、「当該検定」を「当  該個別検定」に、「附さなければならない」を「付  さなければならない」に改め、同項を同条第三  項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。  2 労働大臣、都道府県労働基準局長又は個別   検定代行機関は、前項の規定による検定(以   下「個別検定」という。)を受けようとする者   から申請があった場合には、当該申請に係る   機械等が労働省令で定める基準に適合してい   ると認めるときでなければ、当該機械等を個   別検定に合格させてはならない。  これは、検定を個別検定と型式検定に分けることにいたしまして、個別検定及びその基準について定めたものでございます。  それから、第四十四条の二でございますが、  第四十四条の二 第四十二条の機械等のうち、   個別検定によることが適当でない機械等で政   令で定めるものを製造し、又は輸入した者   は、労働省令で定めるところにより、労働大   臣又は労働大臣の指定する者(以下「型式検   定代行機関」という。)が行う当該機械等の型   式についての検定を受けなければならない。  2 労働大臣又は型式検定代行機関は、前項の   規定による検定(以下「型式検定」という。)   を受けようとする者から申請があった場合に   は、当該申請に係る型式の機械等の構造並び   に当該機械等を製造し、及び検査する設備等   が労働省令で定める基準に適合していると認   めるときでなければ、当該型式を型式検定に   合格させてはならない。  3 労働大臣又は型式検定代行機関は、型式検   定に合格した型式について、型式検定合格証   を申請者に交付する。  4 型式検定を受けた者は、当該型式検定に合   格した型式の機械等を製造し、又は輸入した   ときは、当該機械等に、労働省令で定めると   ころにより、型式検定に合格した型式の機械   等である旨の表示を付さなければならない。  5 型式検定に合格した型式の機械等以外の機   械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛   らわしい表示を付してはならない。  6 第一項の機械等で、第四項の表示が付され   ていないものは、使用してはならない。  以上は、検定を個別検定と型式検定とに分けたわけでございますが、型式検定について検定を受けるべき者の範囲、検定の基準、その手続等に関する規定を設けたものでございます。  次に、第四十四条の三でございますが、  型式検定合格証の有効期間(次項の規定により   型式検定合格証の有効期間が更新されたとき   にあっては、当該更新された型式検定合格証   の有効期間)は、前条第一項の機械等の種類   に応じて、労働省令で定める期間とする。  2 型式検定合格証の有効期間の更新を受けよ   うとする者は、労働省令で定めるところによ   り、型式検定を受けなければならない。  これは、型式検定合格証の有効期間及びその更新について定めたものでございます。   第四十五条に次の三項を加える。  2 事業者は、前項の機械等で政令で定めるも   のについて同項の規定による自主検査のうち   労働省令で定める自主検査(以下「特定自主検   査」という。)を行うときは、その使用する労   働者で労働省令で定める資格を有するもの又   は第五十四条の三第一項に規定する登録を受   け、他人の求めに応じて当該機械等について   特定自主検査を行う者(以下「検査業者」と   いう。)に実施させなければならない。  3 労働大臣は、第一項の規定による自主検査   の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主   検査指針を公表するものとする。  4 労働大臣は、前項の自主検査指針を公表し   た場合において必要があると認めるときは、   事業者若しくは検査業者又はこれらの団体に   対し、当該自主検査指針に関し必要な指導等   を行うことができる。  ここは、自主検査のうち一定のものにつきましては、有資格者等に行わせなければならないということを定めるとともに、労働大臣が定める自主検査指針について定めたものでございます。   第四十六条第一項中「この条」の下に「及び第  五十三条」を加え、「行なおう」を「行おう」に、  「行なう」を「行う」に改める。  これは、検査代行機関の指定に関して字句整理を行ったものでございます。  第五十四条(見出しを含む。)中「検定代行機関」  を個別検定代行機関」に、「「検定」」を「「個別検  定」」に改め、第五章第一節中同条の次に次の四  条を加える。   (型式検定代行機関)  第五十四条の二 第四十四条の二第一項の規定   による指定は、労働省令で定める区分ごとに   全国を通じて一を限り、型式検定を行おうと   する者の申請により行う。  2 第四十六条第二項及び第三項並びに第四十   七条から第五十三条までの規定は、型式検定   代行機関に関して準用する。この場合におい   て、第四十六条第二項各号列記以外の部分中   「指定」とあるのは「第四十四条の二第一項の   規定による指定(以下この条及び第五十三条   において「指定」という。)」と、同条第三項中   「第一項」とあるのは「第五十四条の二第一   項」と、第四十七条、第四十八条第一項及び   第三項、第四十九条、第五十一条第一項、第   五十二条並びに第五十三条第二項中「性能検   査」とあるのは「型式検定」と、第五十一条中   「検査員」とあるのは「検定員」と読み替えるも   のとする。  ここは、検定機関制度を個別検定機関と型式検定機関とに分けたことによります条文の整理を行うとともに、型式検定代行機関の検定について定めたものでございます。  それから、「(検査業者)」第五十四条の三でございますが、   検査業者になろうとする者は、労働省令で定  めるところにより、労働省又は都道府県労働基  準局に備える検査業者名簿に、氏名又は名称、  住所その他労働省令で定める事項の登録を受け  なければならない。  2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項   の登録を受けることができない。   一 第四十五条第一項若しくは第二項の規定    若しくはこれらの規定に基づく命令に違反    し、又は第五十四条の五第二項の規定によ    る命令に違反して、罰金以上の刑に処せら    れ、その執行を終わり、又は執行を受ける    ことがなくなった日から起算して二年を経    過しない者   二 第五十四条の五第二項の規定により登録    を取り消され、その取消しの日から起算し    て二年を経過しない者   三 法人で、その業務を行う役員のうちに第    一号に該当する者があるもの  3 第一項の登録は、検査業者になろうとする   者の申請により行う。  4 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前   項の申請が労働省令で定める基準に適合して   いると認めるときでなければ、第一項の登録   をしてはならない。  5 事業者その他の関係者は、検査業者名簿の   閲覧を求めることができる。  自主検査制度の強化の一環といたしまして、検査業者による検査を定めたことに伴いまして、検査業者の登録に関する事項を定めたものでございます。  第五十四条の四 検査業者は、他人の求めに応   じて特定自主検査を行うときは、労働省令で   定める資格を有する者にこれを実施させなけ   ればならない。  検査業者が特定自主検査を行うときの検査を、一定の資格を有する者に行わせなければならないことを規定したものでございます。  第五十四条の五 労働大臣又は都道府県労働基   準局長は、検査業者が第五十四条の三第二項   第一号又は第三号に該当するに至ったとき   は、その登録を取り消さなければならない。  2 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、検   査業者が次の各号のいずれかに該当するに至   つたときは、その登録を取り消し、又は六月   を超えない範囲内で期間を定めて特定自主検   査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずる   ことができる。   一 第五十四条の三第四項の基準に適合しな    くなったと認められるとき。   二 前条の規定に違反したとき。   三 第百十条第一項の条件に違反したとき。  自主検査業者について、登録の取り消し及び取り消し命令等の事由を定めたものでございます。   第五十七条の見出しを「(表示等)」に改め、同  条中「前条第一項の物を」の下に「容器に入れ、  又は包装して、」を加え、「容器(容器に入れない  で譲渡し、又は提供するときにあっては、その  包装。以下同じ。)」を「容器又は包装(容器に入  れ、かつ、包装して、譲渡し、又は提供すると  きにあっては、その容器)」に、「容器のうち」を  「容器又は包装のうち」に改め、同条に次の一項  を加える。  2 前項の政令で定める物又は前条第一項の物   を前項に規定する方法以外の方法により譲渡   し、又は提供する者は、労働省令で定めると   ころにより、同項各号の事項を記載した文書   を、譲渡し、又は提供する相手方に交付しな   ければならない。  これは、表示の対象となる有害物を容器または包装を用いないで譲渡、提供する場合に、表示事項を記載した文書を交付しなければならないことを定めたものでございます。   (化学物質の有害性の調査)  第五十七条の二 化学物質による労働者の健康   障害を防止するため、既存の化学物質として   政令で定める化学物質(第三項の規定により   その名称が公表された化学物質を含む。)以外   の化学物質(以下この条において「新規化学物   質」という。)を製造し、又は輸入しようとす   る事業者は、あらかじめ、労働省令で定める   有害性の調査(当該新規化学物質が労働者の   健康に与える影響についての調査をいう。以   下この条において同じ。)を行い、労働省令で   定めるところにより、当該新規化学物質の名   称、有害性の調査の結果その他の事項を労働   大臣に届け出なければならない。ただし、次   の各号のいずれかに該当するときその他政令   で定める場合は、この限りでない。   一 当該新規化学物質に関し、労働省令で定    めるところにより、当該新規化学物質につ    いて予定されている製造又は取扱いの方法    等からみて労働者が当該新規化学物質にさ    らされるおそれがない旨の労働大臣の確認    を受けたとき。   二 当該新規化学物質に関し、労働省令で定    めるところにより、既に得られている知見    等に基づき労働省令で定める有害性がない    旨の労働大臣の確認を受けたとき。   三 当該新規化学物質を試験研究のため製造    し、又は輸入しようとするとき。   四 当該新規化学物質が主として一般消費者    の生活の用に供される製品(当該新規化学    物質を含有する製品を含む。)として輸入さ    れる場合で、労働省令で定めるとき。  2 有害性の調査を行った事業者は、その結果   に基づいて、当該新規化学物質による労働者   の健康障害を防止するため必要な措置を速や   かに講じなければならない。  3 労働大臣は、第一項の規定による届出があ   つた場合(同項第二号の規定による確認をし   た場合を含む。)には、労働省令で定めるとこ   ろにより、当該新規化学物質の名称を公表す   るものとする。  4労働大臣は、第一項の規定による届出があ   つた場合には、労働省令で定めるところによ   り、有害性の調査の結果について学識経験者   の意見を聴き、当該届出に係る化学物質によ   る労働者の健康障害を防止するため必要があ   ると認めるときは、届出をした事業者に対   し、施設又は設備の設置又は整備、保護具の   備付けその他の措置を講ずべきことを勧告す   ることができる。  5 前項の規定により有害性の調査の結果につ   いて意見を求められた学識経験者は、当該有   害性の調査の結果に関して知り得た秘密を漏   らしてはならない。  新規化学物質を製造し、または輸入しようとする事業者が、一定の有害性の調査の結果等について届け出を行うこと、及び届け出を行った事業者に対して、労働大臣は、学識経験者の意見を聞いて、労働者の健康障害の防止をするため必要な措置を講ずべきことを勧告できることを定めたものでございます。  第五十七条の三 労働大臣は、化学物質で、が   んその他の重度の健康障害を労働者に生ずる   おそれのあるものについて、当該化学物質に   よる労働者の健康障害を防止するため必要が   あると認めるときは、労働省令で定めるとこ   ろにより、当該化学物質を製造し、輸入し、   又は使用している事業者その他労働省令で定   める事業者に対し、政令で定める有害性の調   査(当該化学物質が労働者の健康障害に及ぼ   す影響についての調査をいう。)を行い、その   結果を報告すべきことを指示することができ   る。  2 前項の規定による指示は、化学物質につい   ての有害性の調査に関する技術水準、調査を   実施する機関の整備状況、当該事業者の調査   の能力等を総合的に考慮し、労働大臣の定め   る基準に従って行うものとする。  3 労働大臣は、第一項の規定による指示を行   おうとするときは、あらかじめ、労働省令で   定めるところにより、学識経験者の意見を聴   かなければならない。  4 第一項の規定による有害性の調査を行つた   事業者は、その結果に基づいて、当該化学物   質による労働者の健康障害を防止するため必   要な措置を速やかに講じなければならない。  5 第三項の規定により第一項の規定による指   示について意見を求められた学識経験者は、   当該指示に関して知り得た秘密を漏らしては   ならない。  この五十七条の三は、がん等の重度の健康障害を生ずるおそれがある化学物質につきましては、労働大臣は、学識経験者の意見を聞きました上で、これを製造し、または輸入し、あるいは使用する事業者等に対しまして、一定の有害性の調査を実施させ、その結果の報告を指示することができることを定めたものでございます。   (国の援助等)  第五十七条の四 国は、前二条の規定による有   害性の調査の適切な実施に資するため、化学   物質について、有害性の調査を実施する施設   の整備、資料の提供その他必要な援助に努め   るほか、自ら有害性の調査を実施するよう努   めるものとする。  職業病対策の一環として、有害性の調査につきましては、国も必要な施設を整備したり、いろいろな援助に努めることを規定したものでございます。   第五十八条の見出し中「有害性の」を「事業者  の行うべき」に改め、同条中「化学薬品」を「化  学物質」に改める。  職業病対策の有害性の調査等に関して、字句を整理したものであります。有害性の調査が事業者の行うべきであることをさらに明らかにいたしております。   第六十五条に次の一項を加える。  6 事業者は、第一項又は前項の規定による作   業環境測定の結果、労働者の健康を保持する   ため必要があると認めるときは、施設又は設   備の設置又は整備、健康診断の実施その他の   適切な措置を講じなければならない。  ここは作業環境測定を行った後の措置を定めたものでございます。   第六十六条第六項中「前項ただし書」を「第五  項ただし書」に改め、「短縮」の下に「等の措置  を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は  設備の設置又は整備」を加え、同項を同条第七  項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。  6 事業者は、労働省令で定めるところによ   り、第一項から第四項まで及び前項ただし書   の規定による健康診断の結果を記録しておか   なければならない。  ここは、健康診断を行った後の措置を定めたものでございます。   第六十七条第一項中「離職の際に」の下に「又  は離職の後に」を加える。  健康管理手帳の交付範囲を拡大することといたしたものでございます。   第七十一条中「第六十五条の」を削り、「第六十  六条及び第六十七条の」を「労働者に対する」  に、「又は健康診断」を「又は労働者に対する健  康診断」に改める。  今回の改正に伴いまして、作業環境測定等に関する国の援助に関する規定について、字句整理を行ったものでございます。   第七十五条の見出しを「(免許試験)」に改め、  同条第二項中「免許試験」の下に「(以下「免許試  験」という。)」を加え、「行なう」を「行う」に改  め、同条第四項中「第一項の」及び「同項の」を削  り、同条の次に次の十一条を加える。   (指定試験機関の指定)  第七十五条の二 労働大臣は、労働省令で定め   るところにより、労働大臣の指定する者(以   下「指定試験機関」という。)に前条第一項の規   定により都道府県労働基準局長が行う免許試   験の実施に関する事務(以下「試験事務」とい   う。)の全部又は一部を行わせることができ   る。  2 前項の規定による指定(以下第七十五条の   十二までにおいて「指定」という。)は、試験事   務を行おうとする者の申請により行う。  3 都道府県労働基準局長は、第一項の規定に   より指定試験機関が試験事務の全部又は一部   を行うこととされたときは、当該試験事務の   全部又は一部を行わないものとする。  試験関係でございまして、一括して御説明申し上げます。   (指定の基準)  第七十五条の三 労働大臣は、他に指定を受け   た者がなく、かつ、前条第二項の申請が次の   各号に適合していると認めるときでなけれ   ば、指定をしてはならない。   一 職員、設備、試験事務の実施の方法その    他の事項についての試験事務の実施に関す    る計画が、試験事務の適正かつ確実な実施    に適合したものであること。   二 経理的及び技術的な基礎が、前号の試験    事務の実施に関する計画の適正かつ確実な    実施に足るものであること。  2 労働大臣は、前条第二項の申請が次の各号   のいずれかに該当するときは、指定をしては   ならない。   一 申請者が、民法(明治二十九年法律第八    十九号)第三十四条の規定により設立され    た法人以外の者であること。   二 申請者が行う試験事務以外の業務により    申請者が試験事務を公正に実施することが    できないおそれがあること。   三 申請者がこの法律又はこれに基づく命令    の規定に違反して、刑に処せられ、その執    行を終わり、又は執行を受けることがなく    なった日から起算して二年を経過しない者    であること。   四 申請者が第七十五条の十一第一項の規定    により指定を取り消され、その取消しの日    から起算して二年を経過しない者であるこ    と。   五 申請者の役員のうちに、第三号に該当す    る者があること。   六 申請者の役員のうちに、次条第二項の規    定による命令により解任され、その解任の    日から起算して二年を経過しない者がある    こと。
  124. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 いまのところ、棒読みじゃないか。いまのところ、ただ棒読みじゃ何にもならないよ。目があるから見えるよ。
  125. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) これは試験機関を設置いたしまして、その中の役員の選任、解任等、大体例文に従ってつくった規定でございます。  それから、第七十五条の六でございますが、   (試験事務規程)  第七十五条の六指定試験機関は、試験事務の   開始前に、試験事務の実施に関する規程(以   下この条及び第七十五条の十一第二項第四号   において「試験事務規程」という。)を定め、   労働大臣の認可を受けなければならない。こ   れを変更しようとするときも、同様とする。  2 試験事務規程で定めるべき事項は、労働省   令で定める。  3労働大臣は、第一項の  失礼しました。ちょっと飛ばしたようでございまして失礼いたしました。   (役員の選任及び解任)  第七十五条の四指定試験機関の役員の選任及   び解任は、労働大臣の認可を受けなければ、   その効力を生じない。  2 労働大臣は、指定試験機関の役員が、この   法律(これに基づく命令又は処分を含む。)若   しくは第七十五条の六第一項に規定する試験   事務規程に違反する行為をしたとき、又は試   験事務に関し著しく不適当な行為をしたとき   は、指定試験機関に対し、当該役員を解任す   べきことを命ずることができる。  指定試験機関の役員というのは、常に公正でなければなりませんので、その選任、解任についての労働大臣の権限を定めたものでございます。   (免許試験員)  第七十五条の五 指定試験機関は、試験事務を   行う場合において、免許を受ける者として必   要な知識及び能力を有するかどうかの判定に   関する事務については、免許試験員に行わせ   なければならない。  2 指定試験機関は、免許試験員を選任しよう   とするときは、労働省令で定める要件を備え   る者のうちから選任しなければならない。  3 指定試験機関は、免許試験員を選任したと   きは、労働省令で定めるところにより、労働   大臣にその旨を届け出なければならない。免   許試験員に変更があつたときも、同様とす   る。  4 労働大臣は、免許試験員が、この法律(こ   れに基づく命令又は処分を含む。)若しくは次   条第一項に規定する試験事務規程に違反する   行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく   不適当な行為をしたときは、指定試験機関に   対し、当該免許試験員の解任を命ずることが   できる。  免許試験につきましては、免許試験員を置くことにいたしますが、この免許試験というのは常に公正でなければなりませんので、ここにございますように、労働大臣が一定の事由があった場合にはその解任をするという規定を置いたわけでございます。   (試験事務規程)  第七十五条の六 指定試験機関は、試験事務の   開始前に、試験事務の実施に関する規程(以   下この条及び第七十五条の十一第二項第四号   において「試験事務規程」という。)を定め、労   働大臣の認可を受けなければならない。これ   を変更しようとするときも、同様とする。  2 試験事務規程で定めるべき事項は、労働省   令で定める。  3 労働大臣は、第一項の認可をした試験事務   規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適   当となつたと認めるときは、指定試験機関に   対し、これを変更すべきことを命ずることが   できる。  試験事務をやります場合には、当然に事務規程をつくって、それをあらかじめ労働大臣に認可を受けさせるということを定めたものでございます。  また、不適当な場合は、これを変更させるという労働大臣の権限を定めてございます。   (事業計画の認可等)  第七十五条の七 指定試験機関は、毎事業年   度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事   業年度の開始前に(指定を受けた日の属する   事業年度にあっては、その指定を受けた後遅   滞なく)、労働大臣の認可を受けなければなら   ない。これを変更しようとするときも、同様   とする。  2 指定試験機関は、毎事業年度の経過後三月   以内に、その事業年度の事業報告書及び収支   決算書を作成し、労働大臣に提出しなければ   ならない。  この指定試験機関につきましての毎年度の事業計画、収支予算、または収支決算の提出義務を課したものでございます。   (秘密保持義務等)  第七十五条の八 指定試験機関の役員若しくは   職員(免許試験員を含む。)又はこれらの職に   あつた者は、試験事務に関して知り得た秘密   を漏らしてはならない。  2 試験事務に従事する指定試験機関の役員及   び職員(免許試験員を含む。)は、刑法その他   の罰則の適用については、法令により公務に   従事する職員とみなす。  こういった試験機関の役員というのは、秘密に接するわけでございますので、こういった同じような規定の例文に従いまして、法令による公務に従事する職員とみなして、そういう規定を置いたわけでございます。   (監督命令)  第七十五条の九 労働大臣は、この法律を施行   するため必要があると認めるときは、指定試   験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な   命令をすることができる。   (試験事務の休廃止)  第七十五条の十 指定試験機関は、労働大臣の   許可を受けなければ、試験事務の全部又は一   部を休止し、又は廃止してはならない。  七十五条の九は、当然に監督上の必要な命令が出せることの根拠規定を置いてございます。  それから、試験事務を休廃止する場合には、当然に許可を受けなければならないというような規定を置いたわけでございます。   (指定の取消し等)  第七十五条の十一 労働大臣は、指定試験機関   が第七十五条の三第二項第三号又は第五号に   該当するに至ったときは、その指定を取り消   さなければならない。  2 労働大臣は、指定試験機関が次の各号のい   ずれかに該当するに至つたときは、その指定   を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全   部若しくは一部の停止を命ずることがで弐   る。   一 第七十五条の三第二項第六号に該当する    とき。   二 第七十五条の四第二項、第七十五条の五    第四項、第七十五条の六第三項又は第七十    五条の九の規定による命令に違反したと    き。   三 第七十五条の五第一項から第三項まで、    第七十五条の七又は前条の規定に違反した    とき。   四 第七十五条の六第一項の規定により認可    を受けた試験事務規程によらないで試験事    務を行つたとき。   五 第百十条第一項の条件に違反したとき。  これは、前段ずっと申し上げました、いろいろな法律上義務づけられた項目に違反した場合につきましての、指定の取り消しを定めたものでございます。   (都道府県労働基準局長による免許試験の実   施)  第七十五条の十二 都道府県労働基準局長は、   指定試験機関が第七十五条の十の規定による   労働大臣の許可を受けて試験事務の全部若し   くは一部を休止したとき、前条第二項の規定   により労働大臣が指定試験機関に対し試験事   務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、   又は指定試験機関が天災その他の事由により   試験事務の全部若しくは一部を実施すること   が困難となつた場合において必要があると認   めるときは、当該試験事務の全部若しくは一   部を自ら行うものとする。  これは、指定試験機関がいろいろな事由で、天災その他の事由でできなかった場合に、かわって国がやることを規定したものでございます。  2 都道府県労働基準局長が前項の規定により   試験事務を自ら行う場合、指定試験機関が第   七十五条の十の規定による労働大臣の許可を   受けて試験事務の全部若しくは一部を廃止す   る場合、又は前条の規定により労働大臣が指   定試験機関の指定を取り消した場合における   試験事務の引継ぎその他の必要な事項につい   ては、労働省令で定める。  こういった指定の取り消し等の具体的な事項は、労働省令で決めるということを書いてございます。   第七十七条第一項中「以下この条及び第百十  二条第十二号」を「第百十二条第一項第十二号」  に、「行なおう」を「行おう」に、「行なう」を「行う」  に改め、同条第二項中「行なう」を「行う」に、「以  下」を「第九十六条第二項及び第百十二条第一項  第二号において」に、「第四十六条第三項、」を「第  四十六条第二項各号列記以外の部分中「指定」と  あるのは「第七十七条第一項に規定する指定(以  下この条及び第五十三条において「指定」とい  う。)」と、同条第三項、」に改める。  これは字句整理でございます。   第八十七条第一項中「(明治二十九年法律第八  十九号)」を削る。   第九十三条第三項中「第五十六条第一項の許  可」の下に「、第五十七条の二第四項の規定によ  る勧告、第五十七条の三第一項の規定による指  示」を加え、「に関する事務」を削る。  労働衛生専門家の職務として、有害性の調査に関する事務を加えたものでございます。   第九十六条第二項中「若しくは検定代行機関  又は指定教習機関」を「、個別検定代行機関、型  式検定代行機関、検査業者、指定試験機関又は  指定教習機関(以下「検査代行機関等」という。)」  に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改  め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に  次の一項を加える。  3 都道府県労働基準局長は、労働衛生指導医   を前条第二項の規定による事務に参画させる   ため必要があると認めるときは、当該労働衛   生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に   質問させ、又は作業環境測定若しくは健康診   断の結果の記録その他の物件を検査させるこ   とができる。  これは、都道府県労働基準局長は労働衛生指導医を事業場に立ち入らして、具体的ないろいろな検査をさせることができる根拠規定を置いたわけでございます。   第百条第二項中「検査代行機関、検定代行機  関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に改  める。  これは、今回の改正に伴って、報告等に関する規定についての字句の整理を行ったものでございます。   第百三条第二項中「検査代行機関、検定代行  機関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」  に、「検定、」を「個別検定、型式検定、特定自主  検査、免許試験、」に改める。  これも、書類の保存に関する規定についての字句整理を行ったものでございます。   第百四条中「第六十六条第一項から第四項ま  での」を「第六十五条第六項及び第六十六条第一  項から第四項までに規定する」に改める。  これも、健康診断に関する秘密保持に関する規定についての字句整理を行ったものでございます。   第百五条第一項中「第五十四条」の下に「、第五  十四条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「、  第五十四条の五第二項」を、「第七十四条第二項」  の下に「、第七十五条の十一第二項」を加え、「行  なわなければならない」を「行わなければならな  い」に改める。  これは、聴聞に関する規定についての字句整理でございます。   第百六条中「国は」の下に「、第五十七条の四」  を加え、「行なう」を「行う」に改める。  これも、国の援助に関する規定等の字句整理でございます。   (疫学的調査等)  第百八条の二 労働大臣は、労働者がさらされ   る化学物質等又は労働者の従事する作業と労   働者の疾病との相関関係をは握するため必要   があると認めるときは、疫学的調査その他の   調査(以下この条において「疫学的調査等」と   いう。)を行うことができる。  2 労働大臣は、疫学的調査等の実施に関する   事務の全部又は一部を、疫学的調査等につい   て専門的知識を有する者に委託することがで   きる。  3 労働大臣又は前項の規定による委託を受け   た者は、疫学的調査等の実施に関し必要があ   ると認めるときは、事業者、労働者その他の   関係者に対し、質問し、又は必要な報告若し   くは書類の提出を求めることができる。  4 第二項の規定により労働大臣が委託した疫   学的調査等の実施の事務に従事した者は、そ   の実施に関して知り得た秘密を漏らしてはな   らない。  前回、ずっと申し上げましたいろんな化学的な物質の有害性調査をやりますが、その関連は一般的に微生物とか、あるいは動物実験ということになりますので、やはり人間の疾病状況の疫学的調査が必要でございます。そういった関係の疫学調査に関する事項を定めたものでございまして、専門的な知識を有する方々にそういった疫学調査をお願いする。また、そういった疫学調査につきましては、関係者のいろいろな質問その他に対する協力も書いてございます。また、こういう関係に学識経験者の方々が関係されますので、その秘密を漏らしてはならぬ、こういう規定が置かれております。   第百十条第一項中「又は指定」を「、指定又は登  録」に、「附し」を「付し」に改め、同条第二項中  「又は指定」を「、指定又は登録」に改める。  これも、許可等の条件に関する規定についての字句整理でございます。   第百十一条の見出しを「(不服申立て)」に改  め、同条中「又は検定」を「、個別検定、型式検定  又は免許試験」に改め、同条に次の一項を加え  る。  2 指定試験機関が行う試験事務に係る処分   (免許試験の結果についての処分を除く。)又   はその不作為については、労働大臣に対し、   行政不服審査法による審査請求をすることが   できる。  これは、一つは字句整理でございますし、一つは試験事務に関する処分に問題がありました場合には、不服審査法による審査ができるという規定を明文化したわけでございます。   第百十二条中「手数料を」の下に「国(指定試験  機関が行う免許試験を受けようとする者にあつ  ては、指定試験機関)に」を加え、同条第一号中  「(第七十五条第一項の免許試験に合格した者を  除く。)」を削り、同条第二号及び第六号中「行  なう」を「行う」に改め、同条第七号中「検定(検  定代行機関が行なうものを除く。)」を「個別検定  (個別検定代行機関が行うものを除く。)」に改  め、同号の次に次の二号を加える。   七の二 型式検定(型式検定代行機関が行う       ものを除く。)を受けようとする者   七の三 第五十四条の三第一項の登録を受け       ようとする者   第百十二条第十一号中「第七十五条第一項の」  を削り、同条に次の一項を加える。  2 前項の規定により指定試験機関に納められ   た手数料は、指定試験機関の収入とする。  字句整理と、またこの試験機関に納められた手数料のその収入は、指定試験機関に入るということを書いたものでございます。   第百十二条の次に次の一条を加える。   (公示)  第百十二条の二 労働大臣は、次の場合には、   労働省令で定めるところにより、その旨を官   報で告示しなければならない   一 第四十一条第二項、第四十四条第一項、    第四十四条の二第一項又は第七十五条の二    第一項の規定による指定をしたとき。   二 第四十九条(第五十四条及び第五十四条    の二第二項において準用する場合を含む。)    又は第七十五条の十の許可をしたとき。   三 第五十三条第一項(第五十四条及び第五    十四条の二第二項において準用する場合を    含む。)又は第七十五条の十一第一項の規定    による取消しをしたとき。   四 第五十三条第二項(第五十四条及び第五    十四条の二第二項において準用する場合を    含む。)又は第七十五条の十一第二項の規定    により指定を取り消し、又は業務の全部若    しくは一部の停止を命じたとき。   五 第七十五条の十二第一項の規定により都    道府県労働基準局長が試験事務の全部若し    くは一部を自ら行うものとするとき、又は    同項の規定により都道府県労働基準局長が    自ら行つていた試験事務の全部若しくは一    部を行わないものとするとき。  特に、試験機関を指定した場合等に告示をしなければならないということを、明らかにいたしたものでございます。   第百十六条中「三十万円」を「二百万円」に改め  る。   第百十七条中「第五十六条第一項」を「第四十  四条の二第一項、第五十六条第一項、第七十五  条の八第一項」に、「十万円」を「五十万円」に改め  る。   第百十八条中「第五十四条」の下に「、第五十四  条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「、第  五十四条の五第二項又は第七十五条の十一第二  項」を加え、「検査代行機関、検定代行機関又は  指定教習機関」を「検査代行機関等」に、「十万円」  を「五十万円」に改める。   第百十九条中「五万円」を「三十万円」に改め、  同条第一号中「第四十四条第四項、第五十六条第  三項若しくは第四項」を「第四十四条第五項、第  四十四条の二第六項、第五十六条第三項若しく  は第四項、第五十七条の二第五項、第五十七条の  三第五項」に、「又は第百四条」を「、第百四条又  は第百八条の二第四項」に改め、同条第三号中  「第五十七条」を「第五十七条第一項」に、「又は」  を「若しくは」に、「した者」を「し、又は同条第  二項の規定による文書を交付せず、若しくは虚  偽の文書を交付した者」に改める。   第百二十条中「五万円」を「三十万円」に改め、  同条第一号中「第四十四条第三項、第四十五条」  を「第四十四条第四項、第四十四条の二第五項、  第四十五条第一項若しくは第二項、第五十七条  の二第一項」に改め、「第六十六条第一項から第  三項まで」の下に「若しくは第六項」を加え、同条  第二号中「場合を含む。)」の下に「、第五十七条  の三第一項」を加え、同条第三号中「第四十四条  第二項」を「第四十四条第三項又は第四十四条の  二第四項」に改め、同条第四号虫第九十六条第  一項」の下に「若しくは第三項」を加える。   第百二十一条中「検査代行機関、検定代行機関  又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に、「五  万円」を三十万円」に改め、同条第一号中「第五  十四条」の下に「及び第五十四条の二第二項」を、  「場合を含む。)」の下に「又は第七十五条の十」を  加え、「又は検定」を「、個別検定、型式検定又は  試験事務」に改める。  ずっと書いてございますが、これは最近の立法例にならいまして、いわゆる罰則規定の手直しをしたものでございます。  以上が、安全衛生法の……(「議事進行」「答弁中だよ、答弁中何が議事進行だ、答弁中だよ、答弁続行」と呼ぶ者あり)以上が安全衛生法に関する規定の説明でございます。
  126. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 議事進行についての発言ですから、ちょっとお待ちください。
  127. 佐々木満

    ○佐々木満君 議事進行について発言を申し上げます。  先ほどからお伺いしておりますけれども、定められた時間を大分オーバーしておるようでございますので、政府側の説明が長くなるようにも思うのでございますが、これからの委員会の進め方についてひとつお諮りを願いたいと思います。
  128. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 発言中ですが、それは政府委員の怠慢ですから、怠慢なことを、発言者の私に押しつけられてもしょうがありませんから、怠慢は怠慢として十分あなたたちは責任をとりなさい。私はいまからお願いをしますから。全然そういうことについては私は同意いたしかねます。私はさっぱり質問していないのだから。政府委員の怠慢だから。反対。一言。
  129. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 委員長といたしましては、今朝の理事会で御決定をいただいて御命令をいただいております時間枠を第一にいたしますが、その時間枠に関する限りは目黒議員の質疑時間をすでに超えております。問題は、目黒議員そのものの御指摘のように、ただいまの政府答弁が答弁であるのか趣旨説明の範囲であるのか、この問題になろうかと存じます。一定の時間は超えておりますので、議事進行上委員長の責任において、この問題の考え方については各委員の皆さん方の御見解を統一しておかなければならないと思います。議事進行を取り上げておりますので、この点について御発言があれば御意見を承りたく思います。
  130. 内藤功

    ○内藤功君 一応、説明か答弁かわけがわかりませんけれども、ずっと進んでおりますから、レールどおり走っておりますから、ここでとめてみても、また再開して始めるということになりますと、かえって時間を食いますから、このまま続けさせたらいいと思います。(「反対、反対」「それしかないじゃないか」と呼ぶ者あり)
  131. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 御意見の向きは挙手の上御発言を願います。
  132. 丸茂重貞

    ○丸茂重貞君 佐々木委員の緊急動議については、ぜひお取り上げ願いたいと思います。
  133. 内田善利

    ○内田善利君 いまの進行は、趣旨説明を求めているような感じなのですね。質問じゃないわけです。私は政府委員の趣旨説明がなかったものと判断し、時間外にいま説明を求められておると、このように判断いたします。ですから、このまま進めていったら早く終わるんじゃないかと、こう思います。
  134. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 委員長から念のために政府委員に伺いますが、どの程度、なお時間がかかりますか。
  135. 田中寿美子

    ○田中寿美子君 目黒委員の求めたものは、この改正法案の趣旨を説明しろということなんですけれども、政府委員はただずらずら読むばかりで、一体問題がどこにあるのかちっともわかりません。だから、時間がかかったんじゃないでしょうか。重要なポイントを説明していただけばよかったんじゃないか。もうあとちょっとです。しょうがない、聞いているだけです。問題点はこういうところ、こういうところと一つも説明がない。
  136. 丸茂重貞

    ○丸茂重貞君 趣旨説明は冒頭にあったと私は記憶しておりますが、政府委員、どうなんだ。
  137. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) ただいま、逐条的に説明しろというお話でございましたので、逐条的にやったつもりでございます。  それから、趣旨説明につきましては、冒頭に大臣から申し上げてあったわけでございます。
  138. 内藤功

    ○内藤功君 再度発言させていただきますが、第一回目のときにやった趣旨説明というものは、この六ページだけなんです。石田大臣がお読みになったとおり。これではじん肺法と両方でして、これまたおかしな話なんだけれども、労働安全衛生法については三ページ、しかもこの条文ごとにやっていないんです。ただ、一般的にがんその他の重度の健康障害の化学物質については、報告を指示できるようにいたしておりますというふうな形なんです。ですから、やはり趣旨説明ということであれば、確かに形はやっておるけれども、逐条の解説やっていない。非常に膨大な条文ですからね、そういう意味では、私は目黒委員の言っておられる趣旨説明を求めておきたいというのは、それなりの意味があると理解しております。
  139. 佐々木満

    ○佐々木満君 私が先ほど申し上げておりますのは、きょうのこの会は、この安衛法及びじん肺法の改正案に対する質疑をやるということで理事会の申し合わせをして、それぞれの時間を決めておるわけでございまして、私はいまの会はこれは質疑と理解をいたしているわけでございます。そういう意味から申しまして、もう所定の時間を私の目算でも二十分以上過ぎておりますので、ひとつきょうの理事会どおりにいたしたいと思うのでございますが、そういう趣旨でございますので、お取り上げを願いたいと思います。
  140. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 委員長といたしましては、ただいま行われております政府委員の発言が、趣旨説明であるのか質問に対する答弁であるのか、各委員の中での解釈がはなはだまちまちであると思います。今朝の理事会において御決定をいただきました時間帯を進行するについては、なお各委員の御見解の統一が必要と存じますので、このままの進行をすることは不可能だと思いますから、暫時休憩の上、理事会で協議いたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 暫時休憩いたします。    午後三時四分休憩      ―――――・―――――    午後三時三十四分開会
  142. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  休憩前の問題につきましては、理事会で協議いたしましたが、政府委員の発言が質問に対する答弁であるか、あるいは趣旨説明の一部であるかという解釈には、それぞれ両論がございますけれども、理事会としては、本法案の審議を推進するという立場から、委員会の質疑の維持のために、当面、今朝割り当てられております各党の質疑時間を軸といたしまして、先ほどの目黒委員の質問をあと二十分認めることにいたしまして、目下継続中の政府委員の説明は、そのまま後の補充質問の項目といたします。補充質問そのものの形式、内容、枠等々につきましては、今後の委員会の運営そのものの問題として、後に理事会でこの問題を含めて議論することといたします。したがいまして、今朝の理事会で御確認いただきましたように、この後、目黒委員の御質問を二十分、柄谷委員六十分、浜本理事三十五分、各党の残り質疑を終わりましたところで、理事会を開くことにいたします。御了解をいただきたいと思います。  労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。質疑のある方は順次御発言願います。
  143. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 質問途中で切られちゃったんですけれども、まあ不満でありますけれども、議事進行に協力する意味で、後の段階で切り捨て御免にならないように、委員長に要望しておきます。
  144. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) わかりました。
  145. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 それで、いま言った質問の中で、第三者の審議会ね、審議会に諮ったか、諮らないか。労働基準審議会ですか、諮った内容と答申と。その関係については答弁できるでしょうから、ちょっと御答弁願いたいと、こう思うんです。
  146. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 本法案の骨子につきましては、いま先生お話しのように、労働基準審議会にお諮りしたわけでございますが、この基準審議会は、その法案の要綱をかける前に、昭和五十年の十一月から労働側の委員から提案がございまして、特に化学物質を中心といたしました災害防止対策をいかにあるべきかということを、約一年半にわたって御審議をいただいてまいったわけでございます。そして、昭和五十一年の十二月二十三日に部会報告がまとまったわけでございます。私どもはこの部会報告に基づきまして、五十二年の二月三日に労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱として御諮問をいたしたわけでございます。それで、法律案要綱につきましては、第一は職業病対策の充実強化ということで、一つの柱は新たに一定の化学物質を製造しまたは輸入しようとする者は、当該化学物質について一定の方法によって有害性の調査を行って、その結果を労働大臣に届けなければならない。それから、第二の柱といたしましては、がんその他重度の健康障害を生ずるおそれのあるものについて、製造または輸入している者に対する特別の方法による有害調査をやることと、それからこういった調査については国もみずから調査を必要に応じてやるというようなこと。三番目の柱といたしましては、労働者の健康障害の防止に資するため疫学調査を行うというようなこと、それから安全関係におきましては、先ほど逐条で御説明しましたような、容器または包装を用いないで表示をするものについての表示の方法等について明らかにするとか、あるいは安全衛生管理体制を整備するとか、あるいは検定、自主検査、免許試験等の改善について諮問をいたしましたわけでございます。この諮問に基づきまして、二月の五日に全会一致で基準審議会の会長から大臣に答申があったわけでございます。
  147. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 その答申の中に、この罰則と守秘義務条項という点はあったんですか、なかったんですか。
  148. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 審議会の一年半におままするその中では、いろいろと御議論が出ました。こういった化学物質を事業場から多くの情報として出すためには、ノーハウ等について十分配慮してもらう、あるいは疫学調査について個人のプライバシーに関するものについては十分配慮するというような御意見は出ております。ただ、私どもの法律案要綱を作成するいままでの考え方といたしましては、大筋の項目について諮問するということで、その中には入っておりません。先ほども申し上げましたように、従来の一つの仕組みというものが決まっておりますので、その仕組みに従って諮問をいたしたと、こういうわけでございます。
  149. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 これだけの大事な問題を、あなた方は都合のいいときは中央労働基準審議会に逃げる、都合の悪いところは自分で判断する、そういう非常に中央労働基準審議会を、都合のいいように使い分けでお使いになっているんじゃありませんか。先ほどの内藤先生のいろんな質問がありますね。これだけの議論があれば八十九条の問題も含めて議論されましたから、この問題についてやっぱり中央審議会にもう一回戻して、十分皆さんの意見を聞く、そのくらいの度量があってもいいじゃありませんか。いかがですか。
  150. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもは、学識経験者にいろいろ意見を聞く。それに関連した秘密保持につきましては、現行法にそういう規定を持っておりますので、しかも、それは特に安全、まあ関連して衛生関係のそういった構造物についての項目を置いておりまして、それに合わせて規定いたしたようなわけでございまして、特に新しい規定を置いたつもりではございません。したがって、こういった問題の運用につきましては、もちろん、その運用につきましては基準審議会等の御意見を聞きながら、当然にやっていかなければならぬものだと思っております。
  151. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 いろんなマスコミとか、その他日弁連、あるいは東京弁護士会ありました。それから、労働省でもいろんなお世話になる産業労働医学会、こういう方々が、これはちょっと百三十三名ですか、百三十三名も皆署名されて、やはり問題があると、産業衛生上も。あるいはこれはどこですか、主婦連の高田ユリさん、これは厚生省あたりでちょいちょいお世話になっている先生ですね、食品衛生調査会で。こういう方々も、あなたの認識と大分違って、やっぱりこれは問題があると、こういう世論が問題があるという問題提起をしているんですからね。私は、もう一回この罰則条項の問題だけは中央労働基準審議会に返して、あるいは法務委員会ですか、先ほど言った法務委員会、これは弁護士の方が問題にするわけですから、そういう方々ともう一回十分に審議をする必要があるんじゃなかろうかと、こう思うんですが、どうですか。
  152. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもは、私どもの法案提出の趣旨を申し上げて、現在国会で御審議いただいておりますので、十分そういった御意見を聞きながら運用をやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
  153. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 あんたは勝手に言うけれども、こういう法律の専門家とか、産業衛生学の専門家が協力できませんと言っているんですよ、これ。こういう方々が協力できなければ、俗に言う体制側の労働省に都合のいい御用学者だけ使うんですか。御用学者ばかり使っておったから、いままでいろんな公害病が発生して問題になったんじゃありませんか。少なくともこういう方々の――私もSL問題で、助士廃止で、ずいぶんお世話になった先生がいます、これ。問題のある先生がありますけれども、そういう方々さえも含め、これは今回の問題は危険だと、こういう提起をしているんですよ。もう一回慎重に基準審議会に返すか、あるいは法務委員会なり、法務大臣が出てきてここで合同するなり、そういう国民が考えて危険だという点をもう一回洗い直して、危険じゃありませんということを国民に向かって答弁するだけの立法府の責任があるんじゃないですか、それはどうですか。
  154. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもの、そういった関係方面に対する理解が不十分である点については、私ども反省をいたさなければならぬと思いますけれども、本来の、今度の趣旨は、新規の物質をできるだけ出さして、それを事前にチェックしていく。その段階において、一時的にいろいろノーハウとか、個人のプライバシーに関連してまいりますけれども、基本的にはこの有害性調査というのは秘密では私どもはないと思っておりますので、そういった調査の結果が出ますれば、早急に公表し、一般の方々にも知らしていく、それによって対策を講じていきたいと、こういうふうに考えております。
  155. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 ないないと言うけれども、これは三月十五日、労働大臣、どなたかと会っていますね。これはどういう経過ですか。
  156. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 三月十五日ですか。
  157. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 三月十五日、田邊代議士の紹介で会っていますね。
  158. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 日本化工のクロム被害の方が、亡くなられた方の写真を持ってお見えになりまして、そうしてもっと広く調査をし、検討を速やかにしてもらいたいという御要望がございました。それを承って、その御趣旨に沿って努力をするという旨をお答えをいたしました。
  159. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 もう時間がありませんから言いますがね、この内容を見ますと、基準局長、あんたは、あんたの考えが正しい正しいと言ってるけどもね、労働行政の中にやはりこういうミスがあるから、労働大臣がわざわざ出てきて、広く皆さんの意見を聞いて、至らない点はやり直しましょうと、こういうことで大臣答弁しているんでしょう。大臣答弁をこうしているということは、裏を返せば、労働基準局長が、どんなにあんたが強弁しても、やはりこの守秘義務とかこういうものについて、大きな過ちを犯す素地があるんじゃないですか。だから、あんただけの判断ではなくて、弁護士会とか、法務委員会とか、あるいは学識経験者であるとか、そういう広く多くの方々の意見を聞いて、もう一回労働基準審議会に戻して議論してもらうというぐらいの、やっぱり用心には用心をした方が国民のためにはプラスでないですか。この労働大臣会見だって、結局これは第三者から告発されて問題になったんでしょう。告発ということについては、非常に私はこの守秘義務は大事だと思うんですよ。そういう点でくどいようですが、もう一回法務委員会なり、労働基準審議会なり、あるいは現在、問題にしている日本弁護士会なり、こういう方々と時間をかけて話をするという、こういう気持ちになれませんか、基準局長。
  160. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 私からお答えを申し上げます。  この問題は、新規の化学物質が人体に及ぼす影響というものを、できるだけ早く事前にキャッチをいたしまして、そうして対策を講ずると、こういう趣旨のもとに、どういう方法がそういう趣旨のもとで効果を上げ得るかという、まあメリット、デメリットの問題だと思うんでありますが、そこで、そういう人たちに、新規の化学物質を使う人たちが積極的に協力をしてくれるようにするのには、ここでこういうような措置が必要であるというような観点から、いま申しましたような立法措置がとられ、そしてその立法措置の中にあります守秘義務について御議論があるわけでございます。しかし、御議論を承っておりますと、御心配な向き、問題の向きがあることは私どもにもよく理解ができますし、あるいは感覚的に申しますと、人に物を頼んでおいて、それで、頼んで働いてもらった人に対して遇する態度としては穏当を欠くように私は思います。そこで、しかしながら、これを実施いたしますためには、民間にそれぞれの施設を設け、あるいは民間に設けられないものについては、政府として民間が利用できるような施設を設け、あるいは疫学、動物実験その他の施設を設ける、あるいは技術者を養成する等、相当の時間が必要でございます。したがって、できるだけ早くスタートを切っておかないとおくれてしまうわけでございます。そこで、ぜひひとつこの法案の成立に御協力をお願い申し上げたいのでありますが、しかし、御質問の趣旨その他がございますから、私も承っておりましてごもっともと感ずる点が多いのでありますので、とりあえずは政令、省令等におきまして十分の配慮をいたしまして、御心配のないような措置をいたしますが、なお、これは実施までには二年ございます。この二年の間に、いま御指摘のような問題等につきましても十分検討を加えたいと、こう考えておる次第でございます。
  161. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 大臣、大臣がそういう主体的な感覚を持つのは御自由なんですよ。だけどもね、いままでの公害の問題とか、われわれ職業病問題を扱ってみて、私も林野で振動病、大分扱っていますよ。扱っておりますけれども、結局、そういう熱心な方々、こういう熱心な方々、あるいは弁護士先生の方々、あるいは産業衛生医学とか臨床医学とか、そういう方々が、この法律ができたんでは危険で危険で、ちょっと間違えば六カ月も監獄にぶち込まれる、そういう危険性があれば、だんだん離れていくんじゃないですか、行政から。こんな危険なことやっていられないと。すると、だんだん離れていくから、結局御用学者と行政の中に全部秘密が握られてしまう。大臣が考えているのと全然反対の方向に行ってしまう、こういうことになるんじゃありませんか。私自身も今度林野の仕事をやっておって知り得た秘密を、ちょっとばらしたら、途中でぼこっとつかまえて、ちょっと警察にいらっしゃいと、そういうことに私もかかる可能性があるんですよ、だんだんしまいにやりますと。いまは化学物質だけれども、どんどん新しい機械を使うという場合に、拡大解釈される可能性があるんじゃないですか。私はそういう点から考えると、これはきれいごとで出発しているのであって、行く行くはそういう全体の公害告発ということを抑えると、そういう道具になるんじゃありませんか、これ。ですから、弁護士の先生方とかこういう学者が先行きを心配して、やはり慎重にやれと、弁護士の意見を聞けと、そう言っているんじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
  162. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) まず第一に、前の御質疑にもありましたけれども、一般の人たちがこういう問題について御研究になり、そして、御自分の意見を発表されるということは、これは全く自由でございまして、これはこの法律とは関係がございません。ただ、私どもの方でお願いをした場合の守秘義務は規定されておりますが、その場合に有害であると認定された場合は、できるだけ速やかにこれは公表するのがたてまえであります。公表された以上は守秘義務というものはないわけでございますから、したがって、そういう意味ではいま御指摘のような自由な御活動についての制約というようなことは、これはあり得ないと考えます。しかし、それでもいろいろな御心配や御議論もあると思います。そこで、政令、省令等の設定に当たりましては、十分基準審議会や関係者の御意見をお伺いをいたしまして、御心配のないような万般の措置をとると同時に、実施には後二年ございますから、さらに検討を加えてまいりたい、こう思います。ただ、スタートを早く切らないと、技師の養成、設備の建設、いろいろな点でおくれをとりますので、したがって、今回はひとつ法律の成立に御協力を願いまして、私どもの方も御議論の御趣旨を踏んまえて、そういう御心配のないような万般の措置を審議会その他において十分御意見を伺っていきたい。これは勤労者の作業環境というものを整備し、その健康を守るという趣旨でありますので、逆の方向へ向かって――さっきから御用御用とおっしゃるけれども、その御用という意味はどういう意味か知りませんけれども、そういう逆の方向へ向かって歩もうとするものでないことだけは、ひとつ御了解をいただきたい。そして、もう一つ一番大切なことは、できるだけ早くそういうものに対応できるような施設の準備、技術の準備、そういうものが必要でございますので、スタートを早く切らしていただきたい。御心配の向きについては、くどいようでございますが、万般の措置を講じてまいりたいと思います。
  163. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 どうしても、やっぱり大臣とわれわれの感覚が違うんだね、これは。私は、だんだん設備とか準備と言わっしゃるけれどもね、現在の日本の科学技術をもってすれば、そんなに御心配要らないんじゃないですか。ただ、皆さんが気持ちよく有害物質であるとかそういうものについて、むしろ企業側が私は公開の原則があると思うんですよ。企業側がどんどんやって、これは危ない、危なくないと、そういう企業の方を責めないで、研究する研究の学者を責めるというのは、しかも罰則までつけるということは私は逆だと思うのですよ。ですから、二年の歳月があれば、これだけの世論が出ているんですからね。参議院選挙を終わって、おたくの方でもう一回国会召集するだろうから、それまで弁護士の皆さんの意見、こういう産業医学の皆さんの意見、そういう方々の意見を聞いても、半年やそこらの違いで国民に納得してもらってやる場合と、ごうごうとした反対運動の中でやる場合とでは、大分違うんじゃないですか、後の取り扱いが。私は、その程度の雅量があってもいいじゃないか、慎重さがあってもいいじゃないか。ですから、ここに法務大臣にも来てもらって、あるいは法律専門家の法務委員の皆さんに来てもらって、そういう専門家から、いま基準局長が言っている考え方が、法理論的にもいいのかどうかという点、やっぱり連合審査などをやって明らかにするということをしないと、これは素人同士なんぼ議論したってわかりませんから、私も内藤委員と同じように、この問題について法務委員会との合同審査、それで法務委員のベテランと労働のベテランと両方から見て、この法案は本当に刑法改悪の先取りになっているのか、本当に労働者のためになるのか、国民のためになるのか、今後の公害告発闘争に知る権利は全然制限されないのか、その点をやっぱり専門屋が集まってやってもらう。  同時に、私はもう一つ提案するのは、実際公害を扱っている公害対策委員会、これもやっぱり私は法務、労働、公害対策特別委員会、少なくとも三者の合同委員会で、いま世論が求めている問題についてこたえるのが私は立法府の責任だと、こう思いますから、そういう点について私も提案いたします。ぜひ理事会で諮ってもらいたい、こう思うのです。  それからもう一つ、基準局長、昭和四十五年一月十八日付神戸基準局発第五号という書類ありませんか。もう基準局長の答弁を、こういう具体的な問題をもって裏づけしないと信用できませんから、この書面出してください。
  164. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) ちょっと手元に資料がございませんが。
  165. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 では、これがないとあと質問できませんから、これを出してもらった時点で質問を続行します。一応ここで打ち切っておきます。
  166. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 法務委員会及び公害対策特別委員会との連合審査についての御発言については、さきの内藤委員の御提案とともに、後刻理事会において慎重に御審議いたします。  また、資料の提出を求められておりますので、政府委員側においても御努力をいただきたいと思います。
  167. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 今回のじん肺法の一部改正に当たりましては鉱物性粉じん、無機物質、有機物質などの原因物質の表現を避け、単に粉じんによると定められております。これは、有機じん肺についても医学的なコンセンサスが得られた段階では追加指定を行い得ると、そういう意味に解してよろしゅうございますか。
  168. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) 御指摘のようなことでございまして、われわれはこれまで鉱物性粉じんにつきましてはよく研究が行われておりますが、ベンジンその他の有機粉じんにつきましては、今後検討を要するという専門家の御意見もございましたので、大いに研究を促進をいたしまして、追加する段階に近づけてまいりたいと思っております。
  169. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 綿肺症、綿じん肺、綿じん熱につきましては、欧米諸国におきましては百年来、繊維産業における職業病として取り上げられてきた問題であります。昭和五十年七月に開催されました日米繊維被服労働組合会議でTWUA、テキスタイル・ワーカーズ・ユニオン・オブ・アメリカは、デューク大学とノースカロライナ州立衛生委員会の共同研究の結果として、綿じん量が平方メーター当たり〇・二ミリグラムにおける予測発病率は一二・七%、これを〇・一ミリグラムに規制しても六・五%になると、アメリカ側の研究の結果を日本の労働組合に提示いたしております。  また、昭和四十五年、名古屋市立大学医学部と愛知労働基準局労働衛生課が五千七百二十八名を対象とした臨床的調査を行っておりますが、その際は綿紡績と和紡工場であったため、症度一、二、三に該当する者はなく、二分の一程度の疑いのある者が三十四名、〇・五九%を見出したにすぎなかった、こう発表しておりますが、五十年にその調査研究のスタッフの一人でありました島正吾博士がその後研究を継続した結果、製綿、ガラ紡反毛等の一部作業者六十一名中から三十二名、五二・五%の高率で発見したと報告をいたしております。労働省として今日まで欧米諸国の現状及びその実態把握についてどのような努力をされてきたのか、お伺いをいたします。
  170. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) これまで島先生その他のニュース、それから欧米の状況につきまして検討をしておるところでございますが、このたびのじん肺法改正に絡みまして専門家にまた御検討をいただきまして、おっしゃるところの実態も、御報告の内容も承知をしております。
  171. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 労働大臣にこれをお伺いいたします。  いま答弁がありましたように、繊維産業における有機性粉じんによる呼吸器障害につきましては、医学専門家の申すところによりますと、じん肺性病変、アレルギー性病変、類炎症性病変に分類されると。しかし、これらの内容についてはまだ一般化されていない。その因果関係の解明も尽くされていないというのが率直な現状であろうと思うのであります。今日までその検討が手おくれになってきた、これはまことに遺憾なことではございますけれども、過去にさかのぼって問題を言うよりも、今後に向けての私は質問をしたいわけでございますが、今回の法改正を契機として、専門家による解明を促進し、その因果関係の結論の出ることを鋭意促進すべきではないか、それが本法改正のまた一つの趣旨ではないかと、こう思うのでございますが、大臣の御決意をお伺いします。
  172. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) いわゆる有機性粉じんについての現在の学問的な結論がまだはっきりできていないという点は、いま担当部長からお答えしたとおりで、また御指摘のとおりだと思います。しかし、問題があることは確かに事実なんでございますので、そういう問題の解明に向かって積極的に努力をすることが本法改正の大きな目標の一つであると、こう考えております。そういう方向に向かって努力を続けたいと思います。
  173. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 次に、織布工場の騒音対策について御質問いたします。  この問題につきましては、繊維産業の労働者の結集体であるゼンセン同盟から、昭和四十八年三月二十二日、労働省に対しまして新潟県十日町市における織布工場騒音による難聴の実態調査に対する申し入れが行われております。これを受けまして、同年七月十九日には通産大臣に対する織機騒音を低く抑えるための技術開発に対する申し入れが行われ、また同七月二十一日には労働大臣に対し全国的織機騒音の実態調査の実施と、騒音工場指定基準の引き下げ及び技術開発に関する申し入れが行われております。労働省はこれを受けまして、係官を派遣し、実態調査を行いますとともに、労働、通産両省にプロジェクトチームを編成いたしましてその検討が行われた。その努力は努力として私は評価をするわけでございますが、五十一年の七月二十八日の中央労働基準審議会における諮問にはこれが含まれているわけでございますが、同年十一月二十二日同審議会が答申いたしました際は、部会長報告文として並列した意見が記載されているわけでございます。御承知だと思いますが、一言で言うならば、使用者側からは「騒音測定については労使協力して、その実施方の周知徹底に努めるが、これを法制化するとすれば多数の中小零細企業においてその実行性を担保することは」むずかしい。よって、「当面騒音測定を法制化する基盤条件の整備にいかに取り組むかについて関係労使代表をもって構成する委員会により検討を加える」、こういう意見が述べられている。一方、労働側委員からは「当面労使間で騒音対策特別委員会を設置」、ここで検討することは差し支えないけれども、「労働省からも専門官を派遣し、積極的に助言、指導、監視をしてもらいたい」、また、「特別委員会の検討の進捗状況を勘案して、事業者側に誠意が見られなければ、即時法制化を」図ってもらいたい。二様の意見が並列された部会長報告が提出されております。  この騒音対策について、部会長報告文をどう受けとめ、今後労働省として騒音対策にどのように取り組もうとしておられるのか、明確にお答えを願います。
  174. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 御指摘のように、中央労働基準審議会の部会長報告が昭和五十一年十一月二十二日にございました。お話しのように、使用者側からは騒音測定の基盤整備に関して労使代表の委員会で検討を加える、労働省は行政指導を強化してほしいと。労働者側からは、労使代表の委員会に労働省から専門官を派遣して指導、監視をしてほしい、使用者側に誠意が見られないときには法制化をしてほしいと、こういうような意見が並記されておることは承知をいたしておりますし、私どもはさっそく五十二年の三月に労使で特別委員会が設置されて話し合いが進められておりますので、そこに専門官を派遣いたしまして、助言等をいたしておるわけでございますが、この場において話し合いがさらに促進され、委員会としての結論が出るように、労働省としても積極的に指導、努力してまいりたいと思います。
  175. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 私は騒音の実態は、いわゆる複合的騒音であるということでございます。建物の構造、機械の台数などの条件によりましてその複合した騒音というものが生まれてくる。その対策を一歩誤りますならば、そこに難聴問題というのが生じてくる。いま局長の御答弁でございますけれども、やはり私はこういう並列報告文が出されたという現状に立ちますと、労使協議というものを尊重することは当然でございますけれども、そこに行政官庁としての強い指導というものがなければ、なかなかこの問題は解決がむずかしい。と同時に、この問題は単に労働省一省の問題ではなくて、通産行政とも緊密な連携を持つ、関連を持つものであろう、こう思うのであります。大臣ひとつ通産大臣と十分御協議願いまして、この問題すでに四年を経過しているわけでございますので、早急な結論が出るような御努力をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  176. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 努力は無論いたさなければならぬし、時間がかかり過ぎていると思いますので、積極的にいたします。ただ、私どもも両方並べられて、はあ、さようでございますとか言ったわけじゃないのでありまして、二つ並べられて違っているように見えますけれども、根本的にそう違っているわけではございませんので、より積極的な御意見の方を採用いたしまして、専門官の派遣というようなこともやっているわけでございます
  177. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 次に、化学物質安全性確保のための懇談会の設置について御質問をいたします。化学労働者は一致して昭和五十年の初めから化学物質安全性確保対策に対する要求をいたしまいりました。その結果、昭和五十一年度予算では化学物質に関する安全研究推進各省連絡会議が開催をされ、また五十二年度にも化学物質安全研究連絡会議が引き続き設置をされております。このことは評価をいたします。しかし、これは関係する省庁間のいわばあくまでも連絡機関でございます。私が資料いろいろ調べて研究いたしますと、アメリカでは本年の一月末労働省職業安全健康局、OSHAでございますが、確定的発がん物質及び発がん物質と疑われているものすべてに対する労働者の暴露を規制し、これら化学品に関する連邦規制の作成過程を迅速化すべきであるという内容の勧告が行われております。  ところが、この実態を考えてみますと、国立職業安全健康研究所、NIOSHでございますが、そこが発がん性の疑いがあると認めている物質は一説によりますと千五百くらいある。ところが、先ほどのアメリカのOSHAでは、いまだこのうち十七種類の物質に関する規制措置を完了したという段階にとどまっていると聞いているわけでございます。いち早くこの問題の研究に着手したアメリカでも、このような状態でございます。しかも、化学工業日報三月二日号の環境保安版を読んでみますと、これらの究明を行うには一品目で億単位の費用を要するのではないか。もちろん、この費用の相当部分は民間企業の負担に帰すべきものではありますけれども、その中立性や行政責任の追及の厳しいわが国においては、費用負担を含め政府の果たすべき役割りが大きい、このような指摘を行っております。私はこのような現状を考えます場合には、この化学性物質の調査研究というものは、これは後ほども触れますけれども、事業主から情報、データを取りこの解明に当たっていく、それも一つの方法でございましょう。しかし、もう一つは国際的な連携を十分とりながら、その優先性、計画性、そしてこれに対する費用負担のあり方、こういうものをやはり関係労使及び公益側委員をもって構成する懇談会をもちまして、省庁間に設置されました連絡推進会議と相まちつつ、この対策に当たっていく、そういう配慮が特に必要ではないかと、こう思うのでございます。この件に関する御見解を伺います。
  178. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 新規の化学物質の有害性の調査というやつは、これは日本で有害であって、アメリカでは無害だというわけのものでもございませんので、やはり国際的な連携を保っていって、それぞれの研究結果を照合し合うことが有効であると私どももそう考えて、そういう方向で努力はいたしておるつもりでございますが、いま御指摘の労使それから公益の委員会をあるいは審議会を設けて、そこでこの問題について御討議を願うということも一つの御意見だと思います。本案が衆議院を通過いたしますときに、問題の多い職種については特に集中的な検討をするようにという趣旨の附帯決議をちょうだいをいたしておるわけでありますので、いま御指摘のことを含めまして検討をいたしたいと存じております。
  179. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 衆議院の附帯決議は、中基審の中に専門部会を設ける、こういうふうな趣旨であろうかと思うのであります。私はそれも一つの方法であろう。しかし、それをもっと規模を拡大をした懇談会方式を設置をいたしまして、これと中基審が有効に連携をとりつつ活動していくというのもまた有効な手法の一つではないか、こう思うのであります。この場でいずれの方法をとるかということはなかなか即断のむずかしい問題でございますが、今後の化学性物質の有害性を解明していくためには、ぜひ配慮しなければならぬ一つの問題点であろう、しかもそれは重要な課題である、こう思いますので、大臣のひとつ前向きの積極的検討を改めて重ねて強く要望いたしておきたい、こう思います。  次に、産業医の選任問題でございます。これは衆議院の社労委員会におきましても相当深い議論が交換されておりますので、私はあえてこれに重複することは避けたいと思います。  しかし、一点お伺いしておきたいととは、各工場に安全衛生委員会が法によって設置されているわけでございます、もちろんこれは一定規模以上の工場、事業場でございますが。したがって、産業医を選任するに当たりましては、私は運用上、工場労働者の安全衛生を確保するために設置されておりますこの委員会の運用上、同意といいますか、合意といいますか、そういうものが行われて産業医の選任が行われ、その指示に基づいた現場における活動というものが当然行われるべきではないだろうか。経営者、事業者の一方的恣意によってこの選任が行われるということは決して好ましいことではない。それがまた安全衛生委員会を設置した一つの目的でもないか、こう私は理解をしておるところでございます。いかがでしょう。
  180. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) これはお医者さんと患者さんの関係というのは、何をおいても相互信頼が基礎でございます。したがって、その相互信頼を確保いたしますためには、安全衛生委員会の中の対象となる、つまり診てもらう、守ってもらう側の勤労者のお考えというもの、そういうものを反映させていかなければならぬことは申すまでもないことだと考えます。
  181. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 次は、これも同じく化学物質の有害性調査でございますが、現行労働安全衛生法によりますと、有害性の調査は事業主の単なる努力義務としてとどまっております。また、たとえ調査が行われたといたしましても、国に対する報告義務がありません。したがって、現行法では私は端的に申し上げますならば、有害な化学物質の製造取り扱いの状況について、国としては全く知り得ない状態、これが現行法ではないか、こう理解しております。また、現行法では人体に対する有害性が確定した段階で、初めて規則による規制措置がとられております。したがって、確定はしないが、疑わしいと思われるものには何ら法的な手が打たれていない。また、打つことが法的にできない。これが私は現行法の大きな欠陥であろう、こう理解をしておるわけでございます。化学労働者がいま望んでおりますのは、このような法の改善を行いまして、化学物質による労働者の健康障害を早期に、かつ適切に防止するための系統的、段階的な体制の整備をしてもらいたい、これが一年有半に及ぶ審議会の部会で強く労働者側委員から主張されてきたところであろう、こう思います。しかし、一方では企業擁護、公害隠しではないか、こういう批判がされていることもまた現実でございます。有害性の調査は本法においては当然労働者保護の目的のために設定されたもの、こう理解いたしますが、改めて労働省の明確な回答を求めたいと存じます。
  182. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 御指摘のとおり、現行法ではいわゆる努力義務を課せられているだけでありまして、それ以上の強制力は持たないわけであります。そういう状態のもとにおいて、特に新規の化学物質に対する調査というものは、非常にむずかしい段階にぶつかるわけでございますので、法律を改正いたしまして報告義務を課し、罰則を設け、そうして同時にその報告義務、調査義務というようなものの上に、さらに各種の措置を講じていこう、こういう趣旨でございます。
  183. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 それはそれとして、事業主に対しての勧告、それから指針の違反、これには罰則はございません。調査結果に基づく事業者のとるべき措置も努力義務にとどまっております。これではきわめて不十分ではないかと私は思うのでございますが、いかがでございましょう。
  184. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 今度の化学物質の有害性調査というのは、いま御指摘がございましたように疑わしい段階、つまりまだ有害性が確定しない段階においてその物質を確認をし、審査をするということでございます。したがって、第一段階は微生物を使って、いろいろ有害性の有無を調べるわけでございます。したがって、その段階ではまだ人体には影響があるかどうか、まだ確定はいたしません。しかし、それでもやっぱり少し怪しいということであれば、やはり私どもはきちっと手を打っていくべきではないかというふうに考えるわけでございます。その段階においても、つまり一般法体系では、確定しませんと本当は規制をしていないんですけれども、今回の法律では、疑わしくても規制をしていこうということで、その事業場に対しては勧告をして、具体的な防護措置を講ずる、こういうことをいたしておるわけでございますので、その段階では罰則をもって強行すべきまだ段階ではないというふうな理解をいたしております。それから、さらにがんとかさらに重篤な病気になるようなものについては、動物実験をやってまいります。その段階には、まだそういう意味においては、人体にどういう影響があるかわからないということでございますが、その場合でもやっぱり私どもは具体的な指示をして、そして防護措置を講じていただくというような形で、まだ疑わしいときにどんどん手を打っていこうということでございますから、罰則まで科することについての問題はまだきていないというふうに考えますが、その事業場の扱っている物質が非常に有害性が高くて、これはやっぱり人体に影響がある、したがって疫学調査をしなければいかぬということになりますと、これは人体との関連を見てまいりまして、問題がさらに確定をした場合には安全衛生法に基づく規則をつくりまして、それに対してはいろいろな罰則をつけた具体的な措置を講じていく、一番厳しい場合には製造禁止をする、こういうような体系で進めてまいりたいと思っております。最終段階で人体に影響を与える場合には、必ず罰則をもって強硬的な措置をしていく、こういう仕組みにいたしているわけであります。
  185. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 この改正案によりますと、事業主からはあらゆるデータを提出をさせる。そして、まず第一段階としては微生物を用いた比較的簡単な有害性の調査が行われる。その結果が労働大臣に報告される。そこで、労働省といたしましては、その微生物の調査結果に基づいて、人体的なまた疫学的な調査というものを進めまして、労働者保護に万全を期していこう、こういう大体発想なんですね。そこで、いま御答弁ありましたように、化学物質の人体に対する有害性が確定した場合は、法二十七条第一項の省令によって、いま局長が申されたような必要な措置をとっていく。その中には当然罰則も加わってくる。問題は、この法案の中を読み取ってみますと、確定しないものであっても、いわゆる灰色ですね、疑わしいというものについては、これに対する指針を含めた公表、そして中央労働基準審議会に対する報告、こういうものを行っていこう、こういうことでございましょう。問題は、その灰色の段階といいますか、その段階でどのような対応をしていこうとしておられるのか、お伺いします。
  186. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) いまおっしゃいますように、灰色の段階で押さえていく。その灰色ということがわかりますと、やはり当該事業場に対して具体的な保護措置と申しますか、防護措置と申しますか、そういうものを勧告するわけです。当然に、その勧告に従ってどうやっているかと私どもは十分に指導監督をしていく、こういう仕組みでございます。なおまた、先ほどお話しのように、それが一般的な複数の事業場にわたる場合には、指針を公表していく、それによるべきことを私どもとしては強めていくと、こういうことになるわけでございます。
  187. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 学識経験者に対する守秘義務の問題につきましては、多くの質問者が触れられてまいりました。ここで私は明らかにしてもらいたいと思いますのは、人体に対する有害性が確定した。で、中央労働基準審議会に報告された。その時点をもってこれは守秘義務は解けますね。もう一つは、非常に疑わしいということが明確になってきた。そこで、労働省はこれに対する防護措置を含めた指針を公表する。じゃ、その公表の段階で守秘義務は当然解けると、こう法案の趣旨を読み取るのですか、間違いないですか。
  188. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 前段の有害性調査結果につきましては、そういった結果が出ますれば基準審議会に報告いたしますし、当然に守秘義務は解けます。  それから、指針の公表につきましては、そういう具体的な防護措置についての指針の公表でございますから、そのものにつきましては守秘義務が解けます。
  189. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 それと関連いたしまして、法務省来ていらっしゃいますか。――これまた、いままでの質問でたびたび触れられているところでございますが、刑法改正草案の企業秘密漏示罪との関連でございます。ただいままでの答弁を聞いておりますと、刑法改正草案は企業の生産技術に関する秘密を守ることそのものが目的である。今回の法改正案は、あらゆるデータを遅滞なくかつ早期に事業主から提出させるための一つの妥協的な担保である。したがって、これとはかかわりがないというのが一貫した当局の姿勢、答弁のように思われます。この点に対して法務省当局の見解を改めてお伺いします。
  190. 石山陽

    ○説明員(石山陽君) 結論から申しますというと、いまの柄谷委員の御発言の趣旨と私どもの見解はほとんど一致しておるということを申し上げられると思います。ただいま法制審議会で通りました私どもの発表しました刑法改正草案の三百十八条に、企業秘密の漏示の罪というのを新設を予定しておるという点は、御指摘のとおりでございますが、この犯罪はどういう種類の犯罪かと申しますと、企業の外部におきます産業スパイ等の働きかけに対しまして、それに呼応した役員その他の従業員が内部から外にこれを漏らすという行為を処罰するというのが立法趣旨でございます。したがいまして、その秘密も企業の生産方法その他技術に関する秘密、それのみが秘密の対象でございまして、たとえば営業の秘密とか、あるいは営業技術上の問題とか、一般的な事務的なものはこの秘密の対象になっておりません。それから、今回の労働安全衛生法の一部改正案に見られます御指摘の守秘義務規定は、私どもの立場から法律的に申し上げますると、これは企業秘密の新設との関連で御論じになるのはいささか当を得ていないのでありまして、これは現行刑法の百三十四条に、他人との信頼関係におきまして職務上あるいは業務上知り得た秘密を他に漏らさないという意味におきましては、ただいま柄谷先生がおっしゃいましたように、企業から資料の提出に対し全面的な協力を仰ぐ、それを第三者の公正な審査の機会を与えるということに対します、一つの企業側の担保を保証するという意味の規定でございますから、これは企業外の第三者がこの点に関しまして公正な審査を行う。そしてその結果、いわゆる行政庁が最終決定をし、有害と認めればこれは公表され、すなわち製造とか、あるいは輸入も禁止されるという方向に向かうべき結論に相なるものと思います。これに対しまして、企業秘密漏示罪の方は、その意味におきましては、外からの不法な働きかけによりまして、それを企業内部から漏らすという行為をやっておりますので、法律の立法趣旨が全く違っておるわけでございます。ただいま申し上げました刑法の百三十四条という現行法にも規定ありますものは、たとえば個人の秘密を信頼関係において漏らすことが機会が多いというような、たとえばお医者さんでありますとか、あるいは薬屋さんでありますとか、あるいは産婆さんでありますとか、そういう方々が知り得た個人の秘密を漏らしてはならないという形でございますが、これと同趣旨の規定は行政法には幾多その例があるわけでございまして、たとえば国家公務員法以下各特別刑法におきましてこの種の規定は多数ございます。私どもは、その意味におきましては、今回は刑法百三十四条の流れをくむ特別刑法上の、いわゆる協力義務を担保するためのこの特別守秘義務規定が置かれたものというふうに考えておりますので、その点におきましては、先生御指摘のように企業秘密漏示罪を法務省が先取りをするというような考え方から、このような法案について罰則審議をしたということは全くございません。
  191. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 企業から漏れなくデータを提示させる。これはきわめて必要なことであります。問題は、私はそこで提出されましたデータから有害性の調査を行ったその結果、これを秘匿いたしますと、いわゆる確定ないしは非常に疑わしいといものを秘匿いたしますと、これは指摘されるとおりの公害隠しということになります。これがいち早く公表され、それに対する防護措置の指針が発表されるという運用がとられるならば、これは労働者の健康保持にきわめて有効である、こういうことになってくるわけでございます。私はそういう点からいたしますと、問題の所在は、その有害性調査の結果を速やかに明らかにする。と同時に、先ほどの質問でも申し上げておりますけれども、確定はしなくても、少なくともこの立法の精神が労働者の安全を守るということに置かれる以上、そこに疑わしいと思われるものにつきましては、速やかにこれを公表し、そして労働者の安全のための万全の措置を講じていく、こういうことでなければならないと、私はそう思うんです。この運用が適切に行われるか否か、そこに公害隠しか、労働者の安全保持かという大きな分かれ目が生じてぐる。これはきわめて労働省として今後重要な運用上の問題点であろうと思います。労働大臣、このことに対する明快な所信をひとつ明らかにしていただきたい。
  192. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) これは先ほどから申しましたように、そこが要点だろうと私も思います。できるだけ速やかに結論を得て、そして公表する。はっきりした結論を得ないでも、疑わしい場合にはこれは勧告をしたりあるいは指示をいたします。そういうような場合には、これはできるだけ早くやることが効果を上げることでありますので、それを早くやらしめる、行わしめるように、政令、省令等の設定に当たって配慮をいたしたい。それを早く、そのことが保証されることが、いま世間の一部で言われておりまするいろいろな疑惑に対応する道であると、こう考えております。
  193. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 次の質問に入りますが、いま申されました有害性調査の結果、変異原性ありとされたものについて、私は少なくとも表示義務を課すべきであろう。そのことが労働者の安全保持のためにきわめて必要なことではないか。と同時に、私は単なる有害性の調査というものは、化学性物質にかかわることなく、それのみに限定されることなく、健康障害をもたらす機械等にもその旨の表示義務を課していく。そのような表示義務の対象の拡大をこの際図っていく。それがきわめて重要であろう、こう思います。いかがでしょうか。
  194. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 現行安全衛生法第五十七条におきましては、ベンゼン等有害性が明らかになった化学物質につきましては、注意事項等を表示すべきこととされております。今回の五十七条の二におきましての有害性の調査の結果につきましては、先ほど大臣が答弁いたしましたように、できるだけ速やかにこれを公表していくと。疑わしいものにつきましても、きちっとそれは明らかにしていくということでございます。  ただ、御理解いただきたいと思いますのは、五十七条に規定いたしておりますものは、はっきりもうその有害性が確定をしているということが前提になっております。現在五十七条二につきましては、いわゆるバクテリア等の微生物を使ってやっておりますので、いわゆる人体に確実にそれが被害があるということを表示することがやや問題があるという、有害性であるということはわかりますけれども、人体に確実に有害であるということまで決まっておりませんので、それを表示することがいかがかという感じがあるわけでございますが、今後こういう問題については、ざらに検討さしていただきますけれども、さらに引き続いて機械等につきましても、現在そういう有害性、非常に危険性のものについては、その表示を構造規格等の中で明らかにするようになっておりますので、私どもはこういった機械等に対する、特に騒音のレベルの表示等につきましては、確かに複合的な騒音というようなことでむずかしい面もございますけれども、こういった機械の危険性についての表示の拡大については、さらに検討してまいりたいと思います。
  195. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 すると、確定したものを表示する、これはもう当然のことですが、疑わしいとして、いわゆる防護措置に対する指針を出したというものについては、表示はどうされるわけですか。
  196. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほど申し上げました灰色と申しますか、疑わしいというやつは、当然に防護措置を講じますし、当該事業場にはその勧告をいたすわけでございますから、その勧告の中で十分表示するようにいたしてまいりたいと思います。
  197. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 あわせて、機械等につきましては、私さきにも申し上げましたように、たとえば織機騒音のような場合は複合騒音でございますから、なかなか表示の技術的問題についてはこれから検討していかなければならないと私も現実的には思います。しかし、今日までの機械というのは、性能表示しかないんですね。回転スピードが何ぼであるとか、生産能率がどれだけの生産能率ができるか、そういう機械の性能表示にとどまっておりまして、その技術が近代化され、スピードアップされることによって生ずるおそれがある、いわゆるマイナスの表示というのが全くなされていない。これが私は率直な現状だろうと思うんです。いま局長はそういう問題についても技術的に解明をして、表示のために努力をしたいと、こういうことをお述べになったんですけれども、これも労働省一省ではなかなかできないですね。これはやはり通産行政との間にも緊密な連携が必要になってくると思います。労働大臣、国務大臣としていまの局長の答弁に沿って通産大臣と十分に協議詰めていただけますか。
  198. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 通産行政との関連なしには考えられないこと、無論だと思うんです。しかし、労働者の健康保持というのは、これはやはりあくまで私どもの責任でございます。したがって、私どもの主導権によって、協力をしてもらうことは協力してもらわなければいかぬけれども、相談をして合意を得られなければできないという性質のものではないと、こう考えております。
  199. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 次に、五十七条の二で、最も国民生活に縁の深い消費用品というものが除かれております。それはいかなる理由に基づくものかお答えを願います。
  200. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 改正案の第五十七条の二の第一項の第四号で、新規化学物質が主として一般消費者の生活の用に使用される製品として輸入される場合で、労働省令で定めるときには同項の有害性の調査及びその結果等の届け出を行う必要がないというふうにいたしております。この「労働省令で定めるとき」というのは、たとえばすでに外国で小びんで詰められた香水を輸入する場合とか、日本国内においてはもう小分けとか袋詰め等を行うことがなくて、ストレートに消費者に渡るときを予定いたしております。したがって、そういう場合は労働者に暴露するチャンスがないわけでございますから、そういうことを考えたわけでございます。基本的には消費者物資等につきましては、先生も御承知のように、家庭用品の規制に関する法律とかあるいは薬事法とか、食品衛生法、そういうような他の法律によってそれぞれ規制がございますので、私どもはあくまでも労働者の健康障害に関する法律といたしまして、その部分を担当するような法改正にいたしておるわけでございます。
  201. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 すると、確認いたしますが、この法律は労働者の安全を守るための法律であるので、五十七条の二からは取ってある。しかし、いま私が冒頭申し上げましたように、国民生活に縁の深い消費物品というものについては、いまお答えになりますように、薬事法、食品衛生法、それから有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律などなどの法律が現存するわけであります。これを厳正に執行していく、そのことによって、いわゆる工場の門を出たもの、これに対する措置はそこでやっていくと、こう確認してよろしゅうございますか。
  202. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 法律の分担としてはそうでございます。ただ、現実の運用の面としては、関係行政機関と十分に連絡をとりながらやっていくべき面も多々あろうかと思います。
  203. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 さきの私の質問で、当局は守秘義務は労働者の健康障害を防止するために、各種データを漏れなくかつ早期に提出させるための担保である。法務省も同じような見解を述べられました。そして、速やかに有害性調査と疫学的調査を実施して、化学物質の人体に関する有害性が確定しない段階であっても、予防措置の勧告や広く一般に措置指針を公表する、そういう趣旨である、こう述べられたわけであります。しかし、私はそうだとしても、もう一つの担保が要ると思うんであります。その担保とは、労働大臣が委託する学識経験者の学問的解明の公正さを担保するという必要性がある、こう思います。そこで、私はこれを担保するためには、学識経験者によるいわゆる専門家の検討は必ず複数が必要である。と同時に、その人選に当たりましては、たとえば運用上、事前に関係労使の意見を徴するとか、また事前に中央労働基準審議会の意見を十分尊重する、そういう運営と承認を求めることによって、立法の精神が公正に生かされるような担保、これがなければ、私は労働者もただ不信感を抱くだけに終わるのではないか、これも私の重要な指摘でございます。今後の専門家の委嘱に当たって、公正さを担保するための方法を労働大臣としてどのようにお考えになっているのか、明確にお答えをしてください。
  204. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) 公正も無論必要な要素でございますが、やはり専門的知識とか権威あるいは人格、識見、そういうものが関係者が十分信頼を得られる人でなければならぬことは申すまでもございません。そこで、いまその人選に当たりましては、労働基準審議会等の御意見を十分お伺いをいたしまして、そういういま申しましたような要件を具備した方々にお願いをする、そういう方向で配慮をいたしたいと考えております。   〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
  205. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 しかし、私はこの種の委託を現実的に考えますと、化学物質というのは非常に広範にわたるわけですから、専門分野もそれぞれ違いますね。私はまあ恐らく現実問題としては中央労働基準審議会では、そういう専門家をプールするといいますか、一定の委託を予定すべき専門家をプールしておきまして、個々に生ずる疑い、また微生物検査による変異というものについて、そのプールされた専門家の中から数名の専門委員を委嘱する、こういうことに現実はなってくるんではないかと、こう思うんです。そこで、確かに中央労働基準審議会がそういうプールの専門家の委嘱を行います場合に、経営者側からの推薦もありましょう。また労働組合側からの推薦もございましょう。また、労働省が独自に公正と思われる委員の方を委嘱することもありましょう。しかし、その組み合わせですね、この組み合わせについて公正を欠くならば、幾ら中央労働基準審議会で事前の承認をしておったとしても、それは偏った人々による審査といいますか、学問的研究ということになってくるおそれもあるんではないか。私はこの専門家による調査というものはきわめて公正に、しかも疑いあるものは出すというんですから、その法の立法の精神に沿った人選というものがなされるかどうかがこれ決め手なんですよ。こうなりますと各産業の労働者の中には、個々の工場で労働しております者にとって、この有害性の調査については、当該の労働組合として、こういう委員というものにぜひ研究を願いたい、こういうものも生じてくると思います。したがって、単に中央労働基準審議会の承認を得るということではなくて、これは法律に書くか政令に書くかは別として、当然立法の精神からすれば、運用上関係する化学労働者の意向もくみ入れた人選というものがとられてしかるべきではないか、くどいようですがお伺いします。
  206. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) そのプールという言葉は、なかなかいろんな意味にとれると思いますけれども、非常に広範囲にわたる新規の化学物質、いろいろな影響が出てくる、結果が出てくるというようなものを調査してまいりますためには、それぞれ専門家の御協力を得なきゃならない、どなたがどういうことについて御研究なさっていらっしゃるのか、そういうことをあらかじめ調査をいたしまして準備をしておかなきゃならぬことは、これはもう言うまでもないことだと思います。  それから、これは決して単数であっては絶対にならないことでありまして、やはり複数あるいは複数以上の人々にお願いをしなきゃならぬことは言うまでもありません。  それから、その関係しておる関係者が信頼をして納得をしてもらうということもこれ必要でございますので、必要に応じて労使双方からの御希望や御意見を参考にしなきゃならぬことも言うまでもないと思います。そういう具体的な方法につきましても、御趣旨の方向で政令、省令等の準備に入りたいと、こう考えておる次第であります。
  207. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 アメリカにおけるこの種問題の法律の主管省はEPAでございます。しかし、化学物質の安全性ということの視点からとらまえますと環境保護の問題がございます。また、それをつくる労働者の問題がございます。と同時に、使用する消費者の保護という問題がございます。したがって、アメリカにおきましても主管官庁は一つでございますけれども、数多い各省が連携をとりながら、これらの一連した化学物質に対する有害性の施策というのが進められている。これはまた当然そうあるべきであろう、こう思うんであります。  そこで、私は試験機関のあり方の問題でございます。いろんなデータが出る。各般から、いろんなところからの情報が入ってくる。もちろん、理想的に言うならば、この試験機関の一本化ということが一番理想ではございましょう。しかし、それが無理としても、せめてセンターとなるべき機関、そこを中心に連絡調整を図りながらデータの蓄積を図り、そして解明を行っていく、こういう運用が私は今後考えられてしかるべきではないか、このように思うわけであります。微生物検査が行われる、専門家によってその解明が行われる、これはまことに結構でございましょう。しかし、歩、一歩進めて、そのような試験機関のあり方に対しても、今後の労働者の安全をつかさどる労働省としては、重要な施策の一つとして検討を行っていくべきではないだろうか、こう思うんでありますが、いかがでしょう。これはいま直ちにという問題ではございません。
  208. 石田博英

    ○国務大臣(石田博英君) いや、いま御指摘のことは、私はもうこの役所へ来るたびごとにいつでも痛感をいたしております。いろいろな役所が同じようなことをばらばらにやっておる。これはもう人間のむだ、費用のむだ、それから能率も悪い。したがって、これを統一的に調査検討をする機関、いま御指摘のセンターというようなものがぜひ必要だと、それで行政改革においても十分重点を置いて検討すべきことだと考えておる次第でございます。
  209. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 時間がまいりましたので、これで質問を終わります。   〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕     ―――――――――――――
  210. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、橋本繁蔵君、鹿島俊雄君及び森下泰君が委員を辞任され、その補欠として中村登美君、戸塚進也君及び福岡日出麿君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  211. 浜本万三

    ○浜本万三君 私は、社会党の残り時間三十五分、時間が与えられておりますから、簡潔に答えてもらいたいと思います。  私はこの法案を審議するに当たりまして、次の三つの基本的な考え方を持っておるわけです。一つは、職場で働いている労働者及び国民の健康と命を守るということ。それから第二番目は、有害物質については公開、民主の原則をもって対応するんだということ。それから第三番目は、日本の頭脳と言われております学識経験者の皆さんの積極的な協力体制を得なければならない。こういう三つの基本的な立場で法案は制定されなきゃならぬ、こういう考え方を強く持っておるわけなんです。ところが、この法案は、その三つについて完全と言わないばかりか、相当問題があるというふうに思うわけでございます。基本的な問題については後で補充質問のときにまた申し上げることにして、いま質問が集中しております五十七条関係及び百八条関係について私も質問を申し上げたいと思います。  まず、五十七条関係でございますが、五十七条の二で、新しい化学物質の輸入または製造については届出義務を課するようになっておるわけなんでございますが、そうすると、既存の物質については一体どういう対処をされるのかということが非常に問題になると思うわけです。ある人は、こういう新しい物質についての改正法案は、古いたくさんの灰色物質を隠して企業の利益を守り、そしてまた国民の健康と命を非常に危険にさらす、そういうおそれがあるんだということを指摘をされておるわけでございます。したがって、いわゆる既存物質の問題については今後どのような取り扱いをされるのか。私が伺ったところでは、灰色物質だけでも数千、数百というふうに言われておるわけなんでございますね。この問題の処理を怠りますと、国民の命と健康というものは全く危険にさらされると思うんでありますが、これに対する対策を伺いたいと思います。
  212. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 確かに、既存化学物質は数多くございます。したがって、新規化学物質と同様に、既存化学物質のその人体に及ぼす影響の解明をあわせて強力にやっていかなきゃならぬことは当然でございます。したがって、五十七条の三によって指示をして、事業主にその有害性の調査をやらせるわけでございます。なおまた、中小企業その他では必ずしも十分対応できない面については、国がそういった施設においてかわって調査をしていくというような対応をしながらやってまいります。  ただ、数が多うございますから、どれから手をつけていくかという問題はございます。それはやはり私どもは、発がん性のおそれのある物質その他重篤な健康障害のあるものから手をつけてまいりたい。しかも、それは日本だけではなくて、WHOその他国際的な機関、たとえば国際がん研究機関等の情報等もございますので、そういった情報をチェックしながら、優先順位をつけながら、そういった既存物質の解明に努めてまいりたいと、こういうふうに思います。
  213. 浜本万三

    ○浜本万三君 役所に対する国民の不信感があるというのは、やります、いたしますと、こういうお話がよくあるんですけれども、いまのような、既存の物質につきまして、たくさんあるから五十七条の三でやっていきたいんだと言われましても、具体的なそういうものに対応する計画がやっぱり発表されなくては、国民の皆さんはこれを信用しないと思うんです。  そうすると、当然政府としては、隠される心配のある既存物質について有害調査の計画を年次別に立てて、こういうふうにいたしますということをはっきり約束される必要があると思うんですが、そういう計画性についてはどのような考え方ですか。
  214. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほども申し上げましたように、有害性のその程度によっていろいろございますが、私どもは、やはりそういった調査機関の能力等もありますので、当然に先生おっしゃるような優先順位等をつけながら、計画的にこれは進めてまいりたいと思います。
  215. 浜本万三

    ○浜本万三君 次は、五十七条の二で言われておりますところの、新しく輸入または製造する化学物質のことなんですが、労働省でつかんでおります新しい化学物質というものは、どのぐらいな数、日本の産業で使われるという見通しを立てておられますか。
  216. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) 新規化学物質の数でございますが、毎年約百物質が通産省所管の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして申請されてきております。しかし、このわれわれの御提案申し上げております五十七条の二に基づく有害性調査対象は、単に最終製品だけではございませんで、化学物質の製造工程における中間であって、しかも労働者が暴露するというような物も含みますので、その数は相当数に上るであろうと想像しておるわけであります。
  217. 浜本万三

    ○浜本万三君 そういうふうに、新しく産業で使われる化学物質というのが非常に多いということなんでございます。私ども国民は、そういう化学物質をこれまで企業がどういう有害性があるかということを常に隠したために、各所におきまして職業病あるいは公害がたくさん起きまして、国民の命と健康というものをむしばんだわけでございます。したがって、労働省といたしましては、そういう新しく輸入される化学物質について、一定の方針を今回の改正法案で立てられようとしておるわけなんでございますが、しかし、この有害物質というものを企業が届け出るということになっておるわけですが、この五十七条の二の条項に基づきまして、企業みずからが有害性の調査をいたしまして、そして労働大臣に届け出るわけなんでございますが、企業が行うということについても国民自体が非常に不信感を持っておると思うんでございます。そこで、企業が行う有害性の調査の内容は一体どのようにされるのかということについてお尋ねをいたしたいと思うわけです。
  218. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) お答えいたします。  われわれが五十七条の二に基づきまして企業に指示をいたしますものは、がん原性の有無をスクリーニングするための試験の一つでございますが、微生物を用いて行う変異原性試験を考えております。この試験は、変異原性がある物質につきまして、変異原性のない物質に比べてがん原性物質である確率が高い。変異原性がある物質につきましては一応がん原性を疑うことができること、及び比較的簡単に実施できることでございますので、新規化学物質を製造または輸入する事業者にその実施及び結果の届け出を課したのでございます。
  219. 浜本万三

    ○浜本万三君 どうもいま言われることはよくわからないですがね。たとえば、企業における有害性の調査というものはどういう方法でどういう内容のものを行うのかということはわからないわけなんですよ。そういう点をいまお尋ねしておるんですよ。
  220. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) ただいま変異原性試験のお話を申し上げましたが、この変異原性試験といいますのは、ある物質ががん原性があるかなかろうかというようなスクリーニングのテストの前段階のものであるということでございます。
  221. 浜本万三

    ○浜本万三君 いま内容について答弁があったんですが、方法はどうなんですか。やっぱり、何かの基準がなけりゃどうにもならぬでしょう。そういうものはどうするんですか。
  222. 山本秀夫

    ○政府委員(山本秀夫君) この基準につきましては、労働省で、政令になりますか省令になりますかいま検討中でありますが、学識経験者の意見も十分参酌をいたしながら、この方法論を決めていこうというふうに思っております。
  223. 浜本万三

    ○浜本万三君 いまから方法論を決めるんでは、国民はやっぱり信頼しないわけなんですよ。こういう法案を出す以上、何かやっぱりあるんじゃないですか。
  224. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 事業者にそういった調査をやらせるわけですから、当然に私どもは、その調査の方法、またそれの評価の基準というものを事前に明らかにしておかなきゃならぬと思います。したがって、そういったものについてはあらかじめ公表をいたしたいと、こういうふうに考えております。一応私どもが考えております技術上の基準といたしましては、いろいろ物質によって違いますので、その使用の微生物、こういった物質にはどういう微生物を使ったらいいかといった、そういった使用微生物の種類を明らかにしていく。あるいは、その微生物が生きていくいわゆる培地と申しますけれども、それの組成の条件を明らかにする。それから、そういう微生物を培養するその培養条件。そういったものを技術的基準として明らかにし、これを公表したいと思います。それから評価の基準といたしましては、総体的な変異原性発生率の策定方法、つまりこれががん原性があるかどうかの発生率でございますから、変異原性発生率の策定方法を決める。それから、変異原性の判定基準を決める。こういったような項目をあらかじめ決めまして、そして公表していき、それによらせるように私どもはやってまいりたいと思います。
  225. 浜本万三

    ○浜本万三君 その場合に、企業みずからやるというのは、これは大きい企業しかないと思うんですが、中小企業の場合には他に委託をするということが考えられるんですが、私はいままでの企業の姿勢から申しまして、その調査の届け出に当たって虚偽の報告をするんではないかという心配もございます。また、たちの悪いのは届け出をしない、届け出を怠るというような企業もあるのではないかと思うわけなんです。ところが、そういう企業に対する罰則はこの学識経験者の罰則よりも低い、いわゆる罰金刑だけであるというふうな事情で、私どもは非常に企業に対する甘い対応の措置が改正案でとられておるのではないかというふうに思うんです。そうすると、ますます虚偽の報告をいたしましたり、あるいは場合によっては届け出を怠るというようなことが想定できますが、そういうことのないような措置としてはどういうことを考えておられますか。
  226. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) この五十七条の二の新規化学物質つきましては、その物質名を届けなきゃやならぬ。それから、あわせてその有害性の調査をしなきゃならぬと、こういう義務づけられておりますので、この届け出を怠ったり、あるいは調査結果の虚偽の報告をしたり、あるいは十分でない有害性調査をやった場合につきましては、さらに再調査をやらせますけれども、そういった届け出の義務違反あるいは虚偽の報告につきましては、現行法の百二十条の規定によって罰則を科すことになります。ただ、先ほどの守秘義務とのバランスがとれてないというお話でございますが、大体こういった報告的なものは横並びで同じような量刑になっておりますし、特に守秘義務についても、そういう条項につきましてはそれぞれのその条項において横並びになっておりまして、そういった面においては特に均衡は失してないと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  227. 浜本万三

    ○浜本万三君 五十七条の二の三項で、大臣は、企業からの名称と結果について届け出のあった場合、省令の定めによって新規化学物質の名称を公表するということになっておると思うわけです。この公表の仕方によりましては、また企業の公害隠しに役所が手をかしておるのではないかという疑いが持たれると思うわけなんです。したがって、企業から届け出があると、直ちに名称だけを公表するということになっておるわけなんですが、その名称を公表する時期というのは大体どのぐらいを考えておられるわけですか。
  228. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 結局、この化学物質の名称というものは、その時期によりますと製造工程のいわゆるノーハウに関係するというふうな点もございますので、大体ある程度の時期まとまった物につきましてプールをいたしまして、それを一つの順番に従って公表しようと。その公表の仕方は官報で公表いたしたいと思っております。大体のサイクルといたしましては、四半期に一回ごとに公表してまいりたいと思っております。
  229. 浜本万三

    ○浜本万三君 そういたしますと、企業から労働大臣に届け出があると、届け出があった名称については四半期ごとにその名称を公表すると、こういうことになるわけですね。そして、一番早いのはそうすると三カ月たてば公表されるものもあると。最大長くかかってどの程度を考えておられるわけですか。
  230. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) もちろん、そのノーハウとの関連で一概に言えませんけれども、最大限一年ぐらいだと思います。できるだけ私どもといたしましては早く公表していきたい。そのサイクルといたしましては四半期を考えておりますが、最大限一年ぐらいが一番長いことになろうかと思います。
  231. 浜本万三

    ○浜本万三君 そうしますと、もう一回確認するわけなんですが、一年間に四回官報で公表する月を決める、最大限一年たてば名称だけは公表するようにすると、こういうことでございますね。
  232. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) そのとおりでございます。
  233. 浜本万三

    ○浜本万三君 それでは、今度は五十七条の二の四項の有害性の調査の結果について学識経験者に意見を聞く。そして対応策について必要な措置を講ずるということになっておるわけなんでございますが、この点についても、学識経験者による評価の結果を早く発表させるということが、公害隠しを防ぐことになるし、また国民の命と健康を守ることに通じると思うわけです。ひいては、この条文に書かれておる、私どもがきわめて反対をしておりますところの守秘義務を外す時期を早めると、こういうことになるわけなんでございますが、その点についてまずお尋ねをしたいのは、学識経験者に対してどのような事項をどのような方法で聞こうとされるのか、その点を伺いたいと思います。
  234. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほども申し上げましたけれども、調査の一つのやり方について、方法なり評価の基準について公表して、それによらしめるわけでございますが、変異原性試験の実施方法、つまり、先ほど申しました使用微生物の種類、培地の組成、散布する微生物数、検体である新規化学物質の濃度及び段階数、培養条件――先ほども一部申しましたが、そういったものは適宜、いわゆる調査の条件が合っているかどうかというようなことを聞くわけでございます。それから、変異原性試験の実施結果の評価、それから人に対する有害性の可能性及び程度等を考えております。結局、こういうものを御検討いただくために、資料といたしましてはその化学物質の名称とか、構造式とか示性式とか、物理化学的な性状あるいは有害性の調査の実施方法及び結果、製造、取扱工程の設備あるいは用途、こういったものが一つの資料として出てまいろうと思います。
  235. 内藤功

    ○内藤功君 ちょっとゆっくり言ってくれませんかね、いまのところ。いまのところは大事なところですから、ひとつゆっくりと言ってください。
  236. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) じゃ、もう一度いまのところをゆっくり聞き取れるように答弁してください。
  237. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほども申し上げましたように、五十七条の二の有害性調査についての方法、評価の基準については、あらかじめその基準をつくって公表しております。したがって、その基準に合っているかどうか、いろいろと学識経験者にお尋ねするわけでございますが、それは具体的には変異原性試験の実施方法、つまり、具体的には使用微生物の種類、培地の組成、散布する微生物数、検体である新規化学物質の濃度及び段階数、培養条件等のいわゆる実施方法の適否をお聞きする。それから、二番目に、変異原性試験の実施結果の評価。三番目に人に対する有害性の可能性及び程度を考えています。  結局、こういうものを御議論していただくときに、私どもとしては、その物質の名称、構造式、示性式、物理化学的な性状、有害性の調査の実施方法及び結果、製造、取扱工程及び設備、用途、こういうものが資料として提出されることになると思います。
  238. 浜本万三

    ○浜本万三君 いまの分は、いまの答弁は何か書類にしていただけませんか。そうすればほかの方にもわかるようになりますから。
  239. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) それでは、すぐ政府委員はいまのをメモにして、各委員に配るようにしてください。
  240. 浜本万三

    ○浜本万三君 そうすると、そういう基準による評価をいたしまして、学識経験者による意見をまとめる期間というものは、最大限どのぐらいを要するものと考えておられますか。
  241. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもはできるだけ早く評価、検討が終わることを期待いたしておりますが、また結果が決まりましたら、速やかに中央労働審議会に報告をいたしたいと、こう思っております。なかなか一概には申し上げられませんけれども、遅くとも名称公表後一年以内ぐらいには公表いたしたいと、こういうふうに思っております。
  242. 浜本万三

    ○浜本万三君 そうすると、企業が労働大臣に届け出る。そして労働大臣が名称の公表をする。そして学識経験者によって、その調査結果を評価をして世間に発表する時期というものは、最後が一年で、前は最高一年で早ければ三カ月と、こういう理解でよろしゅうございますか。
  243. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) そういう理解で結構でございます。
  244. 浜本万三

    ○浜本万三君 次は守秘義務規定の問題なんですが、この改正法案によりますと、改正法案に対しまして先ほどから同僚議員からもいろいろお話がございましたが、この企業秘密漏示罪の先取りではないかという疑いがあるわけです。それに対して法務省の答弁もございましたが、私もまだ完全にその疑いを解消しておりません。そういう法曹界の意見に対して、労働省はどのように考えておられますか。
  245. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 午前中にも申し上げましたけれども、私どもは化学物質、特に新規の化学物質が、事前に早くあちらからこちらからできるだけたくさんの情報が出されて、それに対する対応策をやる。最終的には労働者の健康を守るということのために、一定期間そういったノーハウとか個人のプライバシーに接せられる学者がおられます。結果的には、私どもは調査結果というのは公表さるべきものだと考えておりますし、できるだけ早くしかるべき方法で公表してまいりたいと思っております。したがって、あくまでも私どもの考え方は、そういった化学物質を出していただく、そういう関係に対する一つの仕組みとしてお願いをいたしているわけでございます。したがって、刑法の問題は私ども主管省でございませんから、十分に承知しておりませんけれども、あくまでも労働者を健康障害から守るというためにこの守秘義務を設定したわけでございまして、特に企業の利益を守るというようなことから考えておるわけではございません。
  246. 浜本万三

    ○浜本万三君 先ほど同僚議員の質問によりますと、従来のこの法律の横並びだと、こういう答弁があったのですが、ということは、八十八条の計画の届け出ということになると思うのですが、この八十八条の計画の届け出というのは、ぼくはほとんどないのじゃないかというように思うのですけれども、年に何件ぐらいあるのですか。
  247. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもが掌握しております昭和五十年度におきます届け出件数は七万四千件でございます。
  248. 浜本万三

    ○浜本万三君 七万四千件。ぼくはそんなに多くないと思っておったんですけれども、多いということはわかりました。  守秘義務違反で罰則なんか問われたような事件があるんですか。
  249. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 全くございません。
  250. 浜本万三

    ○浜本万三君 これは重要な施設の問題ですから比較的ないんだろうと思うんですが、しかし、先ほどのこの新しく改正されます三つの内容は、守秘義務違反に問われる可能性も非常に多いんではないかと、こういう私は心配を持っておるわけです。  そこでお尋ねするのは、この五十七条の二の五項に言う「秘密」の内容とはどういう内容でしょうか。
  251. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、学識経験者にいろいろと御相談しましたときの項目、後で資料で差し上げるわけでございますが、製造とか取扱工程、あるいは製造取扱設備等について、いろいろとそれを資料としてお出しするという機会があるわけでございます。  それから、新規化学物質の名称に伴う構造式とか物理化学的な性状と、こういうものが関係の方方にお見せするということになるわけでございます。
  252. 内藤功

    ○内藤功君 ちょっと、もう一回言ってくれませんか。
  253. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 製造取扱工程、製造取扱設備、それから新規化学物質の名称、すなわち、構造式、物理化学的な性状、こういうものがいわゆる秘密でございます。
  254. 浜本万三

    ○浜本万三君 ちょっと、いまの分も後で文書にしてくださいよ。ぼくらもよく研究したいと思いますから。
  255. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) それから、引き引続きまして、先ほどお話し申し上げましたように、一定の調査結果が出るまでの有害性調査の種々なデータでございます。
  256. 浜本万三

    ○浜本万三君 それでは、いまのは後でまた文書をいただくことにいたしまして、続いて次の質問に移ります。  この場合の守秘義務というものは、役所の手続から言いますと、調査結果を中央基準審議会に報告をすれば、その段階で解除されるものであるというふうに理解してよろしいですか。
  257. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 有害性調査結果そのものは、いま先生お話しされましたように、その時点から秘密が解除されます。
  258. 浜本万三

    ○浜本万三君 有害性調査結果そのものという、特にアクセントをつけたお話がございましたが、そうすると残るのは何ですか。
  259. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほど三つのうち二つ申しましたが、いわゆるノーハウに関連したものでございます。
  260. 浜本万三

    ○浜本万三君 そうすると、これは後で文書をいただくことにいたしたいと思います。  次の質問は、五十七条の三の一項に関係することなんですが、「労働大臣は、化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのある」場合、または防止する必要があると認めたときは、その事業主に対して有害性の調査を、これは動物実験というふうに聞いているんですが、を行い、「その結果を報告すべきことを指示することができる。」と。その場合、学識経験者の意見を聞くことになるわけなんですが、そこでお尋ねをしたいのは、五十七条の三の三項により、学識経験者に対してどのような事項について意見を聞かれようとしておりますか。
  261. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 学識経験者に御検討をお願いする事項は、各種の情報から、がんその他重度の健康障害を生ずる疑いのある化学物質につきまして、がん原性物質等として規制対象とするためには既存データでは十分か否か。不十分とした場合にはどのような動物実験等をどのような試験方法で行うべきかについて御判断をいただくわけでございます。その御判断をいただきます段階で私どもが資料を提出いたしますが、それは化学物質の名稱、構造式、示性式及び物理化学的な性状、国内、諸外国における情報あるいは製造、取扱業務従事者の死亡、疾病事例、次に製造、取扱工程及び設備、用途、こういうことを資料としてお出ししたつもりでございます。
  262. 浜本万三

    ○浜本万三君 そのお答えも後で文書でいただきたいと思います。  その場合に非常に問題になりますのは、先ほどからも議論になっておりますように、学識経験者の公正の担保をどういう基準で求めていくかということになると思うのです。心配をいたしますのは、企業の方がその調査を委託する、委託した学識経験者が労働省からまた委嘱をされる。そういうふうに企業と役所と学識経験者のこの三者一体の公害隠しというものが行われるのではないかと、そういう疑いすらいまあるわけなんでございますが、公正を担保する条件としてどういうものをお考えでしょうか。
  263. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私ども学識経験者に御意見を聞くわけでございますから、その方々が当然に公正であり、しかもきわめてそういう関係の御専門であるということが大前提でございます。したがって、私どもはこういった方々にお願いする場合には、先ほども大臣がお答え申し上げましたように、中央労働基準審議会の御意見を十分に聞きながら、医学、化学、生物学等についての専門的知識を持っている方、あるいは人格、識見すぐれた方々をお選びしたいと思いますし、先ほども大臣の御答弁いたしましたように、そういう方方をリストアップいたしまして、実際にお願いする場合には複数でお願いをする。また、そういったお願いする場合については、関係の労使の方々の御意見も伺ってお願いをしていくと、こういうようなことを考えております。
  264. 浜本万三

    ○浜本万三君 先ほど同僚議員からも、これも御質問に出ておったんですが、今度の改正法案に対してせっかく協力をしても、守秘義務に違反したというので監獄に入れられてはもうどうにもならぬと、こういう心配をされておる学者が非常に多いわけでございます。そういう中で、学識経験者の協力を得まして公正な調査結果の評価を行うことはなかなか困難ではないかというふうに私は考えておるわけです。そこで、五十七条の三の五項に、この漏らしてはならない秘密という内容がございますが、それはどういう内容を言うのでしょうか。
  265. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 五十七条の三の有害性の調査指示に関しまして次の事項などが、秘密であるというふうに私どもは考えます。  第一番目は、有害性調査の指示を受ける事業者及び化学物質の名稱、こういうものが一つ考えられると思います。  それから、第二番目には、労働者の死亡、疾病事例というものが考えられます。
  266. 浜本万三

    ○浜本万三君 それから、次の五十三条の三の3に、「労働大臣は、第一項の規定による指示を行おうとするときは、あらかじめ、労働省令で定めるところにより、学識経験者の意見を聴かなければならない。」ということになっておりますが、この指示したという事実がなかなか外部の人にわからないんではないかと思うんです。指示したという事実をどのようにして国民の皆さん、外部の皆さんに知らせるわけですか。
  267. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもは、具体的に指示をするにつきましては、その事情につきましては労働基準審議会に定期的に御報告をしてまいりたいと思います。
  268. 浜本万三

    ○浜本万三君 そういたしますと、指示を受けて実施され報告された調査結果は、いつ発表されるのでしょうか。また、発表されるまで、この第五十七条の三の五項の秘密というものは守らなければならないんでしょうか。
  269. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) がん原性物質のための動物試験でございますから、その物質の問題によって非常に差がございます。私どもは一番短い場合で四カ月ぐらいではないか。非常にむずかしい解明が必要な場合は、試験の期間でございますが、専門家の御意見を聞きますと、最長三カ年もかかるものもあるというふうに聞いておりますが、いずれにいたしましても、私どもはこの調査について結果が出ますれば直ちにその評価をしていただいて、その評価にはある程度期間はかかりましょうけれども、決まりましたら、直ちにその結果を明らかにいたしてまいりたいと思います。したがって、その時点において私どもは解除されると、こういうふうに考えます。
  270. 浜本万三

    ○浜本万三君 逆に言いますと、まず守秘義務の問題ですが、公式に有害調査結果を明らかにした後は、学識経験者の守秘義務は解除されるというふうに理解してよろしいですか。
  271. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) ちょっと失礼申し上げました。指示をするにつきましていろいろ御意見を聞くわけでございますから、その分についての守秘義務でございます。したがって、この五十七条の三の調査結果そのものは評価をいただくということにならないと思います。恐らく、私どもの中の専門家が評価することになりますので、その件については守秘義務がかかっておりません。
  272. 浜本万三

    ○浜本万三君 これは非常に私、心配をいたしますのは、この有害調査結果というものがいつまでも隠されておりますと、またまた公害隠しになりまして、国民の命と健康をむしばむという結果になるわけなんでございます。できるだけ早くこの調査結果を発表するというお話なんですけれども、できるだけではやっぱりわれわれは安心できないと思うわけなんですが、その点、重ねて伺いたいと思います。
  273. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもといたしましては、この法律に基づきますそういったいろいろな御不審等もございますので、十分労働基準審議会の御意見を聞きながら、そういった公表のルールについて、政省令、主として規則になると思いますが、そういう段階で十分にその辺を明らかにしていきたいと、こういうふうに考えております。
  274. 浜本万三

    ○浜本万三君 その場合に、公表する以前に、たとえば国民の命と健康に重大なかかわり合いがある。安全性とか、また公益的に重要であるというので、参加した学識経験者が、私は正当な理由で発表するということになると思うんですけれども、参画して知り得た情報を発表した場合にはどうなるんでしょうか。
  275. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 先ほども申し上げましたように、調査結果が公表されれば全く守秘義務はかかってまいりません。  それから、具体的なケースについては、ものによって判断しなければなりませんけれども、午前中にもお答え申しましたように、その漏らされた事実について、その目的が正当であり、その手段に相当性があり、またその漏らされた、何というか、法益と申しますか、それがそういった守秘義務との均衡において正当行為があれば、当然に罰則はかからない、そういうふうに考えます。
  276. 浜本万三

    ○浜本万三君 疫学調査の問題なんですが、このいわゆる守秘義務を負う者というものはどういう範囲に考えられますか。
  277. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) これは労働大臣がお願いしますその事務を行う方及びその手足となっていただく方でございますが、したがって関係事業場の職員の方々は関係ございません。
  278. 浜本万三

    ○浜本万三君 そうすると、この調査の秘密の内容というふうなものは、どう理解したらよろしいですか。
  279. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 主として疫学調査は個人の疾病その他プライバシーに関係することが非常にございますので、そういった点がこの秘密の中心になろうかと思います。
  280. 浜本万三

    ○浜本万三君 いま、いろいろとお尋ねをしたわけなんですが、多くの場合にいわゆる政省令にゆだねるとか、それから恐らく細則で明記するとかいうような、そういう考え方のもとに答弁をされておると思うんでございます。非常に不十分なんですけれども、たとえばそういたしまして私どもが心配をいたしますのは、本法ではいま提案されておるような条文が明記をされておって、仮に労働省の政省令ないしは規則でいま言ったいろいろなことが定められるとして、その規則の法律的効果というものは一体どの程度なんだろうかということを私は心配するわけなんですよ。先ほどお話しになりましたように、企業の方が告発されれば、労働省の見解は別にいたしまして、本人にとってはこれは大変なことだという心配があるわけなんです。したがって、規則の法律的効果というものは一体どういうふうにわれわれは理解したらよろしいのか。その点お答えをいただきたいと思います。
  281. 桑原敬一

    ○政府委員(桑原敬一君) 私どもといたしましては、御心配のいろいろな問題について、その分について十分に配慮しなきゃならぬというふうに考えます。したがって、たとえば公表のルールの問題について規則をつくるといたしますれば、それは私ども行政庁を拘束するというふうに考えます。
  282. 浜本万三

    ○浜本万三君 まだまだ非常に不十分なので、お聞きしたいことがたくさんありますが、時間が来ましたのでひとまず終わりたいと思います。
  283. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 理事会にすでに通告済みの御質問はこれまででありますが、法案の重要性にかんがみて、なお補充質問をもって十分な審議を尽くすべき必要については、委員各位の御同意を得られるものと存じます。  また、委員長は、この質疑の過程におきまして、他の委員会との連合審査の御要求、あるいは目黒委員の政府委員側報告の残余の問題の処理等等の問題がゆだねられております点、さらに修正案の提出も御用意されている等の状況もございますので、これらの問題を含め、今後の委員会の運営につきまして、理事会をもって慎重に審議したいと考えますが、いかがでございましょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  284. 上田哲

    ○委員長(上田哲君) 異議ないものと判断をさせていただきまして、暫時休憩いたします。    午後五時四十分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      ―――――・―――――