運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-03-22 第80回国会 参議院 大蔵委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和五十二年三月二十二日(火曜日)   午後二時六分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月十五日     辞任         補欠選任      渡辺  武君     橋本  敦君  三月十六日     辞任         補欠選任      橋本  敦君     渡辺  武君  三月二十二日     辞任         補欠選任      岩動 道行君     林田悠紀夫君      田渕 哲也君     栗林 卓司君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         安田 隆明君     理 事                 上條 勝久君                 戸塚 進也君                 野々山一三君                 栗林 卓司君     委 員                 青木 一男君                 糸山英太郎君                 河本嘉久蔵君                 嶋崎  均君                 中西 一郎君                 林田悠紀夫君                 竹田 四郎君                 福間 知之君                 村田 秀三君                 和田 静夫君                 鈴木 一弘君                 渡辺  武君                 野末 陳平君    国務大臣        大 蔵 大 臣  坊  秀男君    政府委員        経済企画庁長官        官房参事官    柳井 昭司君        大蔵政務次官   斎藤 十朗君        大蔵省主計局次        長        加藤 隆司君        大蔵省主税局長  大倉 眞隆君        大蔵省関税局長  旦  弘昌君        資源エネルギー        庁石油部長    古田 徳昌君    事務局側        常任委員会専門        員        杉本 金馬君    説明員        外務省経済局国        際経済第一課長  賀来 弓月君        外務省経済局国        際機関第一課長  松田 慶文君        農林省農林経済        局国際部長    志村  純君        通商産業省機械        情報産業局次長  水野上晃章君        通商産業省生活        産業局通商課長  保延  進君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出、  衆議院送付) ○登録免許税法の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付) ○関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  本日、田渕哲也君、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君、林田悠紀夫君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に栗林卓司君を指名いたします。     ―――――――――――――
  5. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) まず、去る十日の本委員会における坊大蔵大臣の所信に対する糸山君の質疑に対し、大蔵省当局から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤次長。
  6. 加藤隆司

    ○政府委員(加藤隆司君) 去る三月十日の本委員会における糸山委員に対する答弁に関しまして、対外経済協力基金の五十年度投融資実績は千三百九十九億円でありまして、未消化分は七百六十六億円でありますので、この旨訂正さしていただきます。
  7. 糸山英太郎

    ○糸山英太郎君 一言それじゃ申し上げます。  ただいまの大蔵省側の訂正答弁は一応了解しますが、この機会に一言はっきりと申し上げたいことがあります。前回、指摘しましたように、少ない予算の中で、未消化分がこれだけあるということは、エコノミスト誌の報道でもわかるように、世界的な大きな大変な問題になっている。わが国の国際信用に直接響く重要問題であります。だからこそ福田総理も坊大蔵大臣も所信表明その他の場でもって強調されているわけです。いま行われています日米首脳会談や近く開かれる先進国首脳会談でも、これは恐らく大変な重要テーマとして論議されるわけであります。ですから私は、けさの日米会談でカーター大統領は福田総理に対し、経済大国世界ナンバーツーの日本は、アジアにおいて経済力に見合う政治上の役割りを果たしてほしい。これは大変な厳しい、本当に日本にとってはショッキングな注文がつけられているわけです。これは恐らくいろいろと考えられますが、私の考えでは、途上国への経済協力の一層の強化を直接強く求めた意味じゃないかと私は考えられます。大蔵大臣の本当は考えをいただきたい、答弁いただきたいのですが、委員長の方から一言だけと言われておりますから、この次の機会にこれは譲りますが、このようなだらしのない現状では、今後ますます日本の国は世界の国から圧力も受けてくるし、大変なことになる。ですからこの大蔵委員会を使って、大蔵当局が、総理や、あるいは大臣の意に反するばかりでなく、わが国の足を引っ張るということの、二度とそういうことのないようにしていただきたい。恐らくこれは言い過ぎじゃないと思う。大蔵省がだらしがないから、こういうようなニュースが出てくる。たとえばカラーテレビの問題に関したって、社会党さんからも言われた、予算委員会で。保護貿易だ、対抗措置をとるということで現実にはね返ってきているじゃないですか。これは大変な問題になりますよ。わが国の立場は国際的にますます深刻な立場に追い込まれてしまうということです。どうか対外経済協力の総予算が、GNPに比べて何%という、単純なぼくはパーセンテージのことを言っているのじゃないのです。その予算をいかに有効に完璧に使うかということを、私はこの場で論じたわけなんです。どうかせっかくの予算なんです。わが国の国益にプラスになるように、未消化分がすべて悪いとは私は言いません、この場をかりて。未消化が多いから悪いとか、そういうことを言うんじゃなくて、どうか有効に完璧に使っていただきたいということを、私はこの場をかりてもう一度申し上げまして、そして今後ともますます厳しく私は見守っていくことを強調して、発言を終わります。     ―――――――――――――
  8. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) 印紙税法の一部を改正する法律案、登録免許税法の一部を改正する法律案及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案、以上三法案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。坊大蔵大臣。
  9. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま議題となりました印紙税法の一部を改正する法律案及び登録免許税法の一部を改正する法律案並びに関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  初めに、印紙税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  政府は、最近における財政・経済事情等に顧み、今次の税制改正の一環として、印紙税について、定額税率の引き上げ等を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一は、定額税率の引き上げであります。  すなわち、現行の定額税率五十円を百円に引き上げるとともに、これに準じて、定款、合併契約書の定額税率を現行の一万円から二万円に引き上げる等の改正を行うことといたしております。  第二は、階級定額税率の調整であります。  すなわち、現行の階級定額税率の最高価格帯に新たな金額区分を設けて税率を引き上げることとするほか、不動産の譲渡契約書等の階級定額税率の一部の引き上げを行うことといたしております。  以上のほか、所要の規定の整備を図ることといたしております。  なお、これらの改正は、本年五月一日以後に作成される文書について適用することといたしております。     ―――――――――――――  次に、登録免許税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  政府は、最近における財政・経済事情等に顧み、今次の税制改正の一環として、登録免許税について、定額税率の引き上げ等を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一は、定額税率の引き上げであります。  すなわち、現行の登録免許税の定額税率は、昭和四十二年に設定されたものでありますが、その後の所得水準等の上昇に照らして、これを原則として三倍に引き上げることとし、更正の登記、登記の抹消等に係る定額税率につきましては、二倍に引き上げることといたしております。  なお、このような定額税率の引き上げに伴い、これとの均衡を図るため、定率課税を行う場合の最低税額につきましても、現行の五百円を千円に引き上げることといたしております。  第二は、所有権の移転に関する仮登記等の定率税率の引き上げであります。  すなわち、その負担の実情等に顧み、所有権の移転に関する仮登記の税率を現行の千分の一から不動産については千分の六、船舶については千分の四に、それぞれ引き上げるとともに、各種の財団抵当権及び企業担保権の設定登記等の税率を現行の千分の一・五から千分の二・五に引き上げることといたしております。  以上のほか、農用地開発公団法の規定による換地等の事業の施行のため必要とされる土地又は建物に関する登記等を非課税登記等の範囲に加えることとする等、所要の規定の整備を図ることといたしております。  なお、これらの改正は、原則として、本年五月一日以後に受ける登記等について適用することといたしております。     ―――――――――――――  次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  この法律案は、最近における内外の経済状勢の変化に対応するため、関税率等について所要の改正を行おうとするものであります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  第一に、石油関税の改正について申し上げます。  まず、原油関税の改正について、石油供給安定化対策の緊急性及び当面の財政事情にかんがみ、二年間の暫定措置として、その税率を現行一キロリットル当たり六百四十円から七百五十円に引き上げることとし、重油関税の一次税率についても、これに見合う引き上げを行うことといたしております。  また、製油用低硫黄原油減税制度につきましては、最近の低硫黄原油の価格動向及び亜硫酸ガスによる大気汚染の改善状況等にかんがみ、廃止することといたしております。  なお、これらのほか、昭和五十二年三月三十一日に適用期限の到来する石油製品の暫定税率及び石油関連減免・還付制度について、その適用期限を二年間延長する等所要の改正を行うことといたしております。  第二に、特恵関税制度の改正について申し上げます。  最近における開発途上国からの要望等にかんがみ、鉱工業産品等に対する特恵関税の適用限度額の算定の基礎となる基準年次を原則として、現行の昭和四十三年から昭和五十年に変更する等所要の改正を行うことといたしております。  第三に、その他の関税率等の改正について申し上げます。  まず、新国際ラウンドにおける合意に基づき、熱帯産品について観賞用熱帯魚等四十二品目の関税率を引き下げることといたしております。  また、関税負担の適正化を図るため、ハムケーシング等五品目について関税率を引き下げる等所要の改正を行うことといたしております。  さらに、最近の市況の低迷等にかんがみ、銅及び亜鉛の関税無税点を引き上げることといたしております。  このほか、昭和五十二年三月三十一日に適用期限の到来する七百九十四品目の暫定税率の適用期限を一年間延長するとともに、同じく適用期限の到来する各種の免税制度について、その適用期限を三年間延長する等所要の改正を行うことといたしております。  以上、三法律案の提案の理由及びその内容の大要を申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同下さいますようお願い申し上げます。
  10. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) これより質疑に入ります。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  11. 福間知之

    ○福間知之君 ただいま御提案のありました印紙税法、登録免許税法ないし間税暫定措置法のそれぞれ一部を改正する法律案の質疑をしたいと思いますが、その前に、きょうは通産省当局に御出席をいただいておりますので、最近のテレビの対米輸出をめぐる問題につきまして当局の見解をただしたいと思います。  申すまでもなく、わが国の対米輸出は、全輸出量の三分の一を占めるとまで言われている重要な問題でございます。なかんずく、そのテレビあるいは携帯ラジオ、テープレコーダー等、かねがねわが国とアメリカとの貿易量の問題をめぐって摩擦が続いてきたわけであります。去る十四日でございましたか、アメリカの国際貿易委員会が、大統領に提出をしたととろの日本の輸出に対する規制措置はきわめて厳しいものがあります。通産省の方では、このITCの規制措置に対して、どのように考えておられるのか、あるいはまた、今日まで国内の関係メーカーに対してどのような行政的な措置といいますか、対応をなされてきたのか。私、先日、福田総理も大変お忙しい中でございましたので、官房長官を通じまして、訪米に際して、この問題についての要請をしたところでありまするけれども、この機会にわが国の通産省としての考え方をお聞きをしたいと思います。
  12. 水野上晃章

    ○説明員(水野上晃章君) 去る三月十四日に国際貿易委員会で決定いたしました措置の内容といたしましては、先生御存じのように、カラーテレビ、白黒テレデ、半製品を通じまして、従来の五%の関税に二〇%の関税をオンいたしまして、当初二年間は二五%、さらにその次の二年間が二〇%、最後の第五年度目が一五%というきわめて厳しい措置の決定が行われております。ただこれは国際貿易委員会といたしましての決定でございまして、アメリカ時間の三月二十二日――日本時間でまいりますと、今夜遅くから明日にかけてでございますが――までに大統領に国際貿易委員会といたしまして勧告を出すことになっております。それから勧告を受け取りますと、大統領といたしましては六十日以内に政府として措置を決定することになっております。私どもといたしましては、この勧告を行いました背景にあります事情といいますか、データ等の詳細なものを入手いたしますとともに、アメリカ政府の考え方等も十分これから協議してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  13. 福間知之

    ○福間知之君 最近のわが国からアメリカへのテレビの輸出が、たとえば昨年一九七六年では二千六百八十二万台という実績になっているようであります。これはアメリカにおけるテレビ需要の三五%を占めている、三分の一強を占めるに至っている、こういうことであります。特にこの点、国内における関係業界に当たってみましても、しかし、それは非常に特殊なアメリカの建国二百年祭だとか、その他の事情によって昨年度はかなり伸びたということはあるけれども、決して輸入制限を正当化する理由というものは、わが方としてはそう見当たらない、いわゆるエスケープクローズに該当する制限措置を受けなきゃならぬという事情にはないんだということが言われているわけでありますが、通産省はどういうふうにお考えになりますか。
  14. 水野上晃章

    ○説明員(水野上晃章君) 先生ただいまおっしゃいましたように、五十一年の日本からアメリカへの輸出は二百六十八万台でございまして、前年五十年の百四万台に比べますと、二・五倍にふえたわけでございます。その事情といたしましては、大統領選挙がございましたり、オリンピックがございましたり、アメリカ二百年祭がございましたというふうなこともございまして、テレビの需要が大幅に伸びましたこと、在庫補てんのための増加がございましたこと等、いろいろあったわけでございますが、こういう急速に伸びますということは、一カ所に集中豪雨的な輸出が行われますということは、自由貿易の原則ではございますけれども、望ましいとも思われませんので、業界に対しましては、つとに伸び率をモデレートなものにいたしますように指導してまいったわけでございます。ただ、今回のこの伸びによりましてアメリカの産業に被害があったかどうかという問題につきましては、日本の業界あるいは私どもとアメリカの業界の間では目下のところ見解が違っておりますので、その点につきましては今後の折衝を通じまして明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
  15. 福間知之

    ○福間知之君 先ほど、私、数字を一けた間違えましたが、訂正をしておきます。二百六十八万二千台程度と、こういうことであります。  ところで、アメリカ側が日本からの輸入量の急増によって、いわゆるテレビ産業にかなりの被害が出ているということを言っているわけですけれども、果たしてそうなんでしょうか。どういう被害が出ているとすればわが方ではつかんでいるのですか。
  16. 水野上晃章

    ○説明員(水野上晃章君) 私どもといたしましては、主要なアメリカのテレビメーカーは増収、増益になっているわけでございまして、被害がないというふうな言い方をしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、国際貿易委員会が被害ありという判定をいたしました資料を入手いたしまして、詳細に検討した上でいろいろアメリカ政府ともお話をしてまいりたいというふうに考えております。
  17. 福間知之

    ○福間知之君 私も、日本側からの輸入量がアメリカからとやかく言われるほど理不尽な一方的なものであってならないことはもちろんですが、すでにこの種問題は、きょう、きのう発生した摩擦現象ではありません。かねがね、したがって、国内各関係メーカーも、いわゆる秩序のある輸出ということを目指しての努力は続けられてきたと信じております。したがって、いまおっしゃるように大統領がその勧告を受けてどのように対処するから見守らなければなりませんが、今後、一日も早くそのような誤解だとか、あるいはそれぞれの立場に余りにもこだわった姿でぎくしゃくが続くことは何としても避けなければならないし、そういう点で通産省としても国内における関係企業との意思の疎通というものを図っていただきたいと思うわけなんです。  私は、かつてこの種問題に携わっておった経験を数年間持っておるわけですけれども、いま一部の企業ではアメリカ国内に現地法人として生産工場を持ち、あるいは販売会社を持ち、現地の労働力を雇用する、あるいはまた関連企業におけるパーツ生産なども行って、日本から持ち込むのじゃなくて、まさしく現地の法人としてりっぱに一定の目的を果たしつつあるという姿があるわけでありますけれども、さらにまた、国内から輸出する商品につきましても、日本のいわば権威にかけましても、りっぱな品質の商品をアメリカの需要者のニーズに沿うような姿でふさわしい価格もつけて、そして輸出に成功しているという事例が非常に多いわけであります。その限りにおいては特段に自由な貿易、秩序ある貿易をたてまえとする限りは、何ら責められる筋のものはないわけでありますけれども、だが、特に日本の昨今は、御承知のとおり不況が長く続いている関係上、この電機産業も非常にすそ野の広い産業でありまするだけに、多くの中小零細企業による分業体制がとられている関係上、あちらからのいわば業者、バイヤーといいますか、そういうものによって必要以上に価格をたたかれたり、さらには商品に対する責任度合いを示すとも言ってもいいブランドについても、日本の国内では全く見受けることのできない特殊なブランドがつけられて輸出される。いわゆるプライベートブランドと言われるものですけれども、そういう部類のものがメーカーズブランドの品物とまじって、とにもかくにも洪水のように日本から流れ込んできちゃっているんだという印象を与える。非常にこの点はまずいと思うんですけれども、私は当局がこれから国内メーカーに対する一つの行政上での指導性として、そういう点についてのまさに秩序とモラルのある輸出という態度をとるように、これはかなり厳しくひとつ指導をしていかなければ、十把一からげで良貨が悪貨に駆逐されるというふうな危険すらなしとしないと思うんで、この点を私は要望したいのですが、いままでにそういう点についてお気づきになったり対策を講じられた実績をお持ちですか。
  18. 水野上晃章

    ○説明員(水野上晃章君) 先生初めにおっしゃいましたように、現在、日本のメーカーからアメリカに出てまいりまして、テレビのアセンブルあるいは生産をやっております企業が三社あるわけでございます。これらに出します半製品につきましても同じような関税引き上げが勧告をされるおそれが出てまいっておるわけでございまして、この点につきましてはまた現地の雇用促進にもなっておるわけでございますので、十分アメリカ政府とも話し合いたいと思っておるところでございます。  また、後段でおっしゃいました秩序ある輸出に関しましても、昨年来何度か業界の首脳の方々と協議を重ねてまいります過程で十分意思の疎通を図ってまいっておる次第でございます。今後とも秩序ある健全な輸出の促進に努めてまいりたいと思っております。
  19. 福間知之

    ○福間知之君 時間の関係でもう一つ申し上げて終わりたいんですけれども、いわば今回のITCの勧告は、主として関税の引き上げと、こういう措置だと承知しているんですけれども、そのほかに数量の規制というようなものがやはり出てくるのじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
  20. 水野上晃章

    ○説明員(水野上晃章君) このたび関税二〇%引き上げということを決定いたしました背後といたしまして、外国からのアメリカの輸入数量を四十八年から五十年までの三年間の平均といいますか、百八十七万台に抑えたい。そのためには関税の二〇%引き上げがそれに相当するという説明がついておりまして、量と関税引き上げという問題はかなり密接に議論された問題だと思います。今後ともアメリカ大統領の決定がどういう形でまいりますか、今後十分なフォローをいたしたいと思いますが、数量の問題には全く関係がないということではなかろうと思います。
  21. 福間知之

    ○福間知之君 いずれにしても、福田総理自身は直接これは大統領と話し合う考えはないとこう言っていますんで、官房長官ほか事務的なレベルで当然これはしかし話し合われて帰ってこられますので、官房長官から報告を受ける約束をいただいていますんで、改めて今後の機会にこの問題については譲りたいと思いますけれども、いずれにしても、かってヨーロッパにおきましても、例のベアリングに対する関税問題、あるいはわが国の造船についての厳しい規制というようなものが出てまいっておりますので、これからのいわゆる交易問題というのは、まさに一企業一業界だけでは対処しきれないきわめて根深い国際関係の上に立っていると思いますので、通産当局としてもせっかくのひとつ御努力を、外務省その他と協力をされた上でやっていただかなければならないかと思いますので、要望をしておきたいと思います。  じゃ、ただいまの提案の問題でございますけれども、一つは、印紙税、それから登録免許税の改正なんですが、まず、この両方あわせまして大臣に冒頭お聞きしたいんですけども、流通税としての一つであるあるいは文書税などとも言われているようですけども、この印紙税はこれは明治の初期からのことだと承知をしておるわけですが、一体これはどういう性格の税、現代的に言うならば、に理解したらいいのか。登録免許税の方も同様なんですが、特にいま税収が非常に伸び悩まざるを得ないという厳しい環境でございますんで、印紙税につきましては、これは何年ぶりですか、三年ぶりなんですか、免許税は約かれこれ十年ぶりだと聞くんですが、引き上げたいという御方針を出されたんですけれども、それぞれの金額からしても決して少ないとは申しませんし、問題があるので私御質問幾つかしたいんですがね。しかし、いまの税収全体の置かれた環境から見るならば、これは一つの増税の手だてではあるけれども、むしろこの背後にある今後の増収を考える考え方の中にいろいろとお聞きしたいことがあるような気がするわけですが、税調でもいろいろ答申がなされてきましたように、また議論が行われたということが報告されておりますように、いわば間接税の引き上げなどかなり積極的に取り組まなければならぬという御意向があるように存ずるんですが、大臣はいかがお考えですか。
  22. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 幾つかの点に分けてお答えいたしたいと思いますが、最初に、この両税の性格は、通常、福間委員がおっしゃいますように、流通税という分類をされることが多いと思います。そして今回五十二年度改正でこの両税につきまして負担の増加をお願いいたしたいと政府が考えるに至りました背景でございますが、ちょうど本日、御審議の参考までに税制調査会の部会長報告をお手元にお配りいたしましたが、実は昨年の二月に予算委員会に中期財政収支試算を出し、そのときにやはり今後何らかの時期にある程度の負担の増加をお願いせざるを得ない。増税というむずかしい道を避けて通れないのではないかという予測に立ちまして、昨年の六月以来、政府の税制調査会に、今後ある時期に増税をお願いせざるを得ないとすれば、どのような税目で考えるのが最もよろしいかと、ひとつ、現在の税目すべてを根元から洗い直していただきたい、なおかつ現在の税目では限度があるということならば、必要に応じては新しい税目も検討してみていただきたいというお願いをいたしました。  六月以降精力的に御審議を続けていただきましたが、五十二年度改正の具体的な御検討のために、昨年の十二月中旬で一度中断いたしております。中断するまでの経緯をただいまお手元にございます部会長報告という形で資料としてお出ししたわけでございますが、その中で、現在ございます各種の税目全部の検討をしていただいた中で、間接税等につきましては、現行税制の仕組みの中にある問題として、定額税率あるいは従量税率というものが所得、物価の動きに対しておくれるという面があるので、適当な時期をとらえて、これを調整するという考え方が必要である。これは従来から言われていたことでございますが、その従来からの基本的な流れを受けまして、印紙税、登録免許税のそれぞれにつきまして、ある時期をとらえて定額税率の見直しを行ったらどうかということが、中期税制の審議として言われておったわけでございます、この報告の中にございます。  そこで、五十二年度改正を具体的に考えますときに、私どもとしましてはやはりこれだけ大量の特例債を抱えておりますので、たとえわずかな金額でも負担の増加をお願いしていいと思われるものはぜひ取り上げたい。ただ、これは五十二年度答申の方に書かれておりますけれども、遺憾ながら五十二年度という年は、財政体質を大幅に改善するような大きな増税を考えるべき時期ではない。経済全体の運営から言うと、むしろそれを不適当とするとしてある。したがって、中期税制での審議の流れの中で、あえて取り上げてしかるべしという部分があるならば、それで極力増収を図ったらどうか。それを五十二年度答申としましては、当面の経済運営に矛盾しない範囲内で、たしか、そういう表現が使われておったと思いますが、増収項目を拾ったらどうかという御指摘がありました。それと、従来からの租税特別措置の整理、合理化は引き続き推進するということを中心にして、五十二年度としての増収を考えるべきであろうという指摘がされました。中期税制の流れと五十二年度の経済運営全体の中での位置づけ、双方合わせまして、おっしゃいましたように大きな数字はございませんけれども、わずかでもあれ、特例債をできるだけ圧縮したいという立場から、この二つの税目を取り上げさしていただいた、そういう背景でございます。
  23. 福間知之

    ○福間知之君 これは、いま配られました「第一部会及び第二部会における審議経過の報告」中身見ている間がないですけれども、膨大なものですが、この二十五ページに、下段の方に「間接税に関する基本的な問題について」のメモがあります。この中で、諸外国に比べて、あるいはまた個人消費に対する割合などから見て、わが国の間接税の負担水準はやっぱり低いと、こういう認識が前提にありますね。私、これは一概にこの際否定をするということで申し上げるわけではないのです。先般、私本会議でも大臣に御質問をしたのですけれども、いわゆる中期、この税収見通しの中でも、法人税あるいは所得税等の弾性値に比べれば、間接税の弾性値は一番低い、こういう試算があるわけですね。具体的な数字ここに私持ち合わせておりませんけれども、いわば先ほど大倉局長がおっしゃったように、これからの財政の中で国債の発行を減らしていくというために、もちろん一般論としては歳出を見直すと、合理化する、行政企業を圧縮するなどなどあるにしても、当然増経費だって一方においてあるわけですし、多少とも物価上昇があれば財政コストは上がっていくわけですから、歳入、歳出全体が絶対額において減るというようなことも考えられないとするならば、どうしてもこの税収増を考えていかなければならぬとなるわけです。  その場合に、法人税あるいはまた所得税、もちろんこの適切な見直しをするにしましても、ここに触れられているように、わが国における間接税は全体として低い水準なんで、まだ負担の能力はそこに求めることはできると、こういう認識に立っておられるわけですよ。だとすれば、私は今回のこの印紙税なり、免許税なりはむしろその一部であって、もっと大がかりな一般消費税的なものがなければ、その平均でいまからこの四年間二一%近くの税収を上げていこうとか、中期経済計画でもとにかく五十五年度には三%の対国民所得比で増税をするとかいうふうな結論、見通しというものは出てこないと思うのです。  これは大蔵大臣、やはり本会議で私は申し上げたのですけれども、これは答弁はネグレクトされておりますので大変不満なんです。ある程度のこの点についての、大蔵当局としては、それは中期経済計画に基づいて立てた収支見通しですでは、これは少し責任がないと思いますので、大臣自身がやはり大変な時期にこの重責を担っておられるわけでありますから、ましてや伯仲国会でこの間のように政府提案、修正して所得減税を実現するということになったと、そういう時期ですから、率直にその大臣としての感懐はやっぱり述べてもらわなければ、これは今後の審議に非常に私は支障を来すというふうに考えているわけです。われわれとしてもいずれこれ、五十二年度の赤字公債の特例法案の審議も行わなければならない委員会です。また租税特別措置の問題も審議しなければなりません。印紙税、登録免許税はそれらとは別だというものでは断じてないわけでありまして、すべてこれはやっぱり強い深い関係を持っておるので、この点を私は大臣から一応審議の冒頭に当たって所信を伺いたいと思います。
  24. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ちょっと局長から。
  25. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 大臣から総括的にお答えいたします前提といたしまして、私からちょっとこの審議報告について補足的に申し上げたいと思うのでございますが、お手元の一ページを恐縮でございますが、ごらんいただきますと、上から六行目に、「具体的な結論については、一般的には、今後のより掘り下げた検討にまたなければならないし、また、当然のことながら、第二部会における審議と合わせて総合的な検討を行うことが必要である。」ということが言われておりまして、いわばその第一部会と第二部会がいまばらばらに御審議を願っているわけでございます。第一部会が所得課税をやっていただいておりまして、第二部会が資産税、消費課税、流通税というものをやっていただいております。それぞれの立場で問題をかなり深く、一遍全部拾い上げるということをやっていただいております。  これから先に、やはり第一、第二部会を両方どういう仕組みになりますか、これからでございますが、両方の考え方を合わせて、やはり全体の選択の問題として、あるいは組み合わせの問題としてこの税とこの税をどう組み合わせるかとか、あるいはどちらによりウエートを置くかとかという御審議は、いわばこれからという段階であることを一つだけ申し上げたい。  もう一つ、先ほどページを示して御指摘ございました、たとえば二十五ページでございますが、この「メモ」と申します部分は、事務当局ができるだけ、何と申しましょうか、客観的にというのは大げさでございますが、できるだけ客観的に各税について挙げられるいろいろな意見を、是とする意見、否とする意見、できるだけ同じウエートで並べて、つまり、今後間接税をもう少し負担してもらっていいという意見があれば、同時に、間接税はやはり逆進的であるとか、物価への影響があるとかという意見も並列して御審議の参考にまずメモをお出しした。そのメモに即して御討議をいただいて、審議の状況がその後ろの「審議の概要」という方に入っている、そういう性格のものであるという点もひとつ、これをお読みいただくに際しまして、前提として念頭に置いておいていただきたい。  なお、御質問の中にございました間接税負担が数字的にどうかという点につきましては、百三十七ページから百四十ページまでに私ども入手し得る限りの資料をお出ししたものが印刷に付されておりますのでごらんいただければ幸いでございます。  ちょっと私がポイントだけ申し上げて今後の全体的な姿は大臣の方から……。
  26. 福間知之

    ○福間知之君 じゃ大臣ひとつ。
  27. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) もう一点だけ。  今回、印紙税と登録免許税を五十二年度改正で特に取り上げましたのは、中期税制の御審議の中で、いまの仕組みの中での間接税のおくれというものをどう考えるかという御審議を踏まえて御提案したわけでございまして、今後の財政収支試算で予測されているような大きな方向の中で、間接税の増税をトッププライオリティーに持ってきて、その中でまずこの二つを取り上げたということではございません。
  28. 福間知之

    ○福間知之君 大臣、ちょっと待っていただきたいんだけれども、いまの関連しまして私申し上げたことの中で、ひとつこれは専門のあなたですから、それは税調の方は段階を追って慎重に国民的なコンセンサスも得なければならぬということで、いろいろ御審議を重ねられて当然のことなんですけれども、大蔵当局としては、いずれにしても、まあこの間接税というものをやはり根本的に一遍見直す必要があるというふうにお考えは持っているんじゃないですか。それはこの印紙税、免許税が突破口なんだ、そういうことではないとおっしゃる意味は、これは私どももそんなもの突破口としていま出されたらたまりませんから、そうは受け取っておりませんがね、もうかねがね私も何度となくこの点は指摘してきていますように。というのは、やはりそういうことを唐突にそれこそやると、私はこの種の問題は社会的に大きな混乱を招来すると危惧するからです。言うところの付加価値税などはまさにその典型でございまして、これはもう釈迦に説法ですから申し上げませんが、やはりそれこそ国会の当該委員会などは、やはり世間の反応もあれこれ受けながら、実はかなりの期間これは審議をしてこそ初めてそういう制度の転換というものは円滑にいくんでありまして、まあ野党側が余りやかましく言うから、それは口をつむって言わないということでないように私はお願いしたいという、そういう気持ちで申し上げているんですが、あなた自身は実際どう考えているんです、見通しを、実際やっていられて。
  29. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 私は、税制調査会に対しまして自治省の税務局と同じように、いわば事務局として補佐する立場にございますので、いまの段階で私の個人的な考え方を具体的に申し上げるということは、やはりこれは差し控えるべきだろうと考えておりますが、ただ、ただいま御質問の御趣旨に即しまして、やはり考える方向としましては、それは所得税の増税というものが観念的にはあり得ても、この中にもそう増税しかるべしという御意見ございますけれども、観念的にあり得ても、なかなか法律上その所得税を増税するというようなことは、まあ私が申し上げるのは変ですけれども、政治的にも社会的にも言うべくしてなかなかできないんだということにもしなるとしますれば、もしそういうことであるとしますれば、それはやはり法人税か、あるいは残りの間接諸税かということにならざるを得ない。その場合に、やはり法人税は今後とも負担増加をお願いする余地は私はないとは考えません。経済情勢を見ながらある時期にお願いをしていいと思いますけれども、しかしそれで予想される財政体質の改善の全部をカバーするほどのものができるかできないか。もしできないとすれば、やはり最後に残るものはもう一つのルートしかない。それをやはり選択の問題として所得税の増税がどうしてもだめだとおっしゃるならば、こことここしかないではないか、その場合にはどういう組み合わせになるかということを時間をかけて御審議を願うよりしようがないだろう。その意味で、毎回の御審議の結果をあえてまとめて印刷をして委員会に資料としてお出しいたしております私の真意も、この中にある各種の審議の過程について、それこそ当委員会から御議論をいただきたい、その御議論を受けてまた税制調査会に御報告をし、審議を進めていただきたい、この印刷物がそのための役に立ってほしいなというのが私の真意でございます。
  30. 福間知之

    ○福間知之君 大臣、じゃいまの点を敷衍しながら御所見を伺いたいと思いますが……。
  31. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま主税局長がお答え申し上げたことによりまして、大体のこの考え方というものは、このよしあしは別ですが、よしあしは別でございますが、大体の考え方を御了解いただいたかと思いますが、いずれにいたしましても御指摘のとおり、五十五年までには何とか財政の健全化をやってのけたいと、赤字公債から脱却したい。こういう方向で歩んでまいりますと、現代の租税制度ということでは御指摘のとおりなかなかむずかしいであろうと、そこでこの目的を完遂、達成していくためには、何らかの租税の増収ということを考えていかなければならない。しかしながら、現在減税は国民の皆さんに歓迎してもらえるところでございますけれども、租税の増収ということにつきましては、これはなかなか国民の皆さんはおいそれと承知していただけ得ない問題であることは私どももよくわかっております。ところが何とかして財政を健全化していかなければならないということになりますと、しからば御心配いただいております、この租税の増収を何で図っていくかということが、いかなる方法、いかなる手段でもって図っていくかということが、まあわれわれに課せられました一番の大きな問題でございますが、そのために現在の租税体系、それから新しく考えられる租税制度といったようなものを全部一遍爼上にのせまして、そうしてこれを検討していくというために、税制調査会で真剣にこれ検討していただいておる。その爼上にはいろんな材料が上がっておると、その材料をどういうふうにこれをあんばいして料理をつくっていくかというのがこれからの、私は、考えでございまして、そこでその材料の中から何を取るとか何を削るとか何をふやすとかいったようなことを、もちろんこれはやっていかなければならない問題でございますが、目下のところは、その材料の吟味をしていただいておるという状態でございまして、この前本会議で大変御不満のお答えを私は申し上げたのでございまして、いまおしかりを受けておるんでございますが、そういうような状態にいまあると、しかしながら、いかなる料理をつくるにいたしましても、これはやっぱり国民の皆さんに、もうそんなものおれはだめだという国民の皆さんの御批判ということは、すなわち国会の皆様の御批判ということにまたねばならない。ここの選択の問題、いかに選択していくかということが、これが大事なところでありまして、しかしいずれにしても、財政の健全化というものはやっていきたい、こういうようないまの私の心境でございます。
  32. 福間知之

    ○福間知之君 大臣の趣旨はそれなりにわかります。財政のまた健全化、これは大いに私どもも賛成だし、むしろ私たちは義務があると思うんです、国会は、与野党通じて。したがって、その方法をめぐっての議論を積極的にむしろやることが大事だと、こういうふうに念じていますから、そういう点では大臣もひとつこれからの審議、大いにひとつ率直に見解を述べていただきたいと思うわけであります。  ところで大臣、これはいまのお話で思いついたんですが、いまのわが国の国民所得水準、まあそこからくるところの、考えられるところの国の歳入、一方におきましては国民に対する財政支出を通じたサービスがありますが、歳入、歳出全体の規模が、先進諸国との見合いにおいて、果たして、まあわかりやすい言葉で言えば、金のかかっている政府なのか、わが国は、どうなのかと。私はよく世間で耳にすることは、まあ政治不信というものが一般論として一般的にありますから、つい無意識に口にする人々が多いんですが、果たしてわが国の政府というのは、これは金のかかり過ぎている政府なのかどうなのか。まあこれからのいわば財政問題を考える場合でも、この点はマクロ的な意味で一つの目安になると思うんで、どのようにお考えですか。まあ余り細かい数字はあえて私ここで問いませんけれども。
  33. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) 現在の日本の政府が安上がりになるか、高くついておるかということにつきましては、私は必ずしも高いという、これで下げていかにゃならぬということではないように思いますけれども、いまここに数字が、きわめて大ざっぱな数字ございますから……。
  34. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) これは国民所得でなくてGNPでございますが、GNP対比で日本は五十二年度、ほかの国はできるだけ新しいもので、分母をGNP、分子を財政総支出で計算いたしますと、日本が二六・四、アメリカ三二・二、イギリス四四・二、西ドイツ四一・六、フランス三七・九、イタリア三九・〇という水準でございまして、やはり今後社会資本の充実、社会福祉水準の向上ということが一方での施策の柱になっておりますので、むだを排除するという努力は当然といたしましても、全体としての水準はもう少し高くなる方向ではないのか。しかし、一方でまたイギリスほど高くなるということには、御承知のように逆にいろいろ問題が出てくる。いまの日本の水準とイギリスの水準との間のどこか適当なところに向かってもう少し財政の水準というのは上がってもいいのではないかなというふうに私どもとしては考えている。五十年代前期経済計画もそういう方向を予測しておるように理解いたしております。
  35. 福間知之

    ○福間知之君 まあこの点はこの一問で終わりますけれども、若干意見を申し述べて、御所見があれば承ることにしますが、やっぱり日本の社会は日本特有の、あるいは伝統的な社会ですから、それは工業化が進んだといってもなかなか、直すべくして簡単には直し得ないという側面があると思う。たとえばよく言われる企業社会だということがありますね。いまおっしゃられた数字見ましても、確かにアメリカに比べても、まあこれで、指数で六ポイント余り低いということです。ドイツに比べましてもこれは一五ポイントほど低いと、こういうことになっていますね。だからそういう点から言えばそう高くついている政府ではないと、こういうことかもしれませんがね。私は、日本の社会はむしろ当然のこととして、これらの諸国で行われているようないわば社会資本、生活関連に必要な設備の充実というようなものを国が手がけている、地方自治体が手がけている、公のものとしてやってきているのを、日本はその点は企業の方に肩がわりされた姿で今日まで至っているということが抽象的に言えると思うんですよ。具体的にもいろいろありますけれども、一般的に言えると思うんですよ。そういうものを見ますと、まあ二六・四というこの何といいますか、対GNP比率というのは低いようですけれども、形が変わっているだけではないのかと。だから当委員会でこれから問題になっていくであろうたとえば法人税制改正にしましても、やはりそういうことを一応念頭に置かないといけないと思う。  たとえば企業が運動場を持ったり社宅を持ったり、あるいはその他のたくさんの形の変わったフレンジベネフィットを給付するというふうなことでは、これは一方においての法人税の引き上げといいましても、また外国との比較で問題が出てくるわけであります。だからやはり私は、税制一つ改革を考えましても、いま申したようなことで法人税なら法人税をとってみれば、それに関連する幾つかの伝統的な、また社会的な日本特有のシステムをどう長期にわたって転換していくのかということが、やはり政治の場面で、政策の上でなければむずかしいと思うんですよ。いままで、たとえば租税特別措置にしても税調で何回か議論されてきましたけれども、なかなか低成長の時代で本当はもうかなり思い切った改革をやらなきゃならぬのがそれが踏み切れないという理由の一つは、わが国の伝統社会に根差したそういう諸要因がやっぱりあると思うんですね。だから私は、先ほどお伺いした安い政府か高い政府かということは、これからの議論をしていく上で実は重要な認識の出発点になると思っていますのでお聞きをしたわけであります。でもこの点はこの程度にとどめておきたいと思います。  ところで、印紙税なんですけれども、大体五十円から百円、二倍にするというふうな案が出てますが、上の方では三千円を五千円ということで必ずしも倍になっておりませんけれども、その違いというのはどういう根拠に基づくものですか。
  36. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 今回の印紙税法の改正の柱は二つでございまして、一つは、定額税率を先ほど申し上げました中間税制の流れに即しまして引き上げをお願いしておる。それは五十円のものを百円、二倍でございまして、あと現在一万円あるいは一千円というふうに決まっておりますものもそれぞれ二倍にお願いをする。それからもう一つの柱は、階級定額税率というものが適用になっておりますグループの文書がございます。これは法律の別表の番号で申し上げますと一号文書、不動産売買等でございます。二号文書、請負契約でございます。三号文書、手形でございます。それから今回新たに入りますのは二十二号文書、売上代金領収証でございますが、これらにつきましては前回印紙税法の改正案を御審議願いました際にも、前回の案でございますと、たとえば不動産売買で、一号で申し上げますと、大きな取引には大きな印紙という考え方をとりながら、契約金額が一億円を超します大型取引は五万円で頭を打っていたわけでございます。そのときに衆参両院の委員会で、取引の大型化につれてもう少し上まで頭を押し上げたらどうかという御指摘がございました。その御指摘も受けまして、今回一号文書で申し上げますと、一番大きい印紙を十五万円まで上げる。そのために一億円超のところへ刻みを新しく二つ設けまして、一億円から五億円まではいままでの五万円でございますが、その上に五億円から十億円までは十万円の印紙、十億円を超えますと十五万円の印紙というふうに、いわば天井を上へ押し上げるという改正案を御提案しているわけでございます。  その二つが柱でございまして、階級定額税率と申しますのは、本質的には比例税率でございます。比例税率を実務の便宜、と言うより、もっと端的に言えば、納税者の便宜のために荒っぽく金額を刻みまして、その金額の間にはまるものはこの金額の印紙というふうに決めている。したがって、本質は比例税率的なものでございますので、間にはまっている場合には取引が大きくなれば張っていただく印紙も大きくなりますから、今回は直さなくてもいいと考えているわけでございますが、ただ、ごく一部分につきまして新しい目でながめて見ますと、どうも比例税率としての刻み方が若干上下ともバランスがとれていないという部分がごく一部でございますがございましたので、それを三千円を五千円というふうに部分的に手直しをさしていただきたいということでございまして、これはいわばかなり補足的な改正でございます。一番柱は定額の五十円を百円に、それから最高を、天井を押し上げるという二つの柱でございます。
  37. 福間知之

    ○福間知之君 五十円を百円あるいは三千円を五千円にというのは、もう一つ数字の上で科学的根拠なるものは、これは見出せという方が無理かもしれませんが、なかなかそういうものは言い切れない面があると。大体五十円を百円だから三千円を五千円か六千円だというところだと思うんですけれども、それを低い方の五千円にした、こういうことなんですかね。  それから、階級定額の方ですね。これはいまおっしゃったように、本質的には比例税率だということ、あるいは多額の取引には大きな税額をということ、それはそのとおりでいいと思うんですけれども、それにしてもこれも何か十万円に対しては百円ですかな。そうすると、十億円では十五万円ですか、先ほどの話では。そうすると、百分比でいったらどうなるんですか、百分の十の百分の十五になるんですかな。十万円に対する百円と十億円に対する十五万円ではちょっと上の方は比率が低過ぎないですか。
  38. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 幾つかの御質問がございましたが、一つは五十円を百円という上げ方でございます。これは登録免許税では、前回改正から今回改正までの所得の動きなどを参酌いたしまして、三倍ということをお願いしておる。で、印紙税は、前回改正が実は四十九年度でございますので、その考え方の基礎になります四十八年度と五十一年度を比べますと、所得で言いますと、大体一・六倍ないし一・七倍で、登録免許税の考え方とは平仄が合います。したがって、登録免許税とのバランスだけを考えますれば、むしろ一・六倍とか七倍とかいう案もあり得ると思いましたけれども、やはりこれはある期間を置いて直さしていただくものでございますのと、七十五円とか八十円というふうな印紙にするよりは、やはりこれは実質負担増だという御批判があるにいたしましても、やはりこの機会には百円というわかりやすい、覚えやすい金額に直さしていただいた方がいいんじゃないかということで、この百円という案を御提示いたしております。  それから、中間段階の三千円を五千円というのは、ちょっと先ほどの説明が舌足らずでございましたが、一号文書でごらんいただきますと、結局百万円から五百万円までが千円であって、改正前は五百万円から一千万円までが三千円であって、その上の一千万円から五千万円までが一万円になっておりまして、上の刻み方とすぐ下の刻み方と平仄を合わせるには五千円の方がいいんではないかという補足的な――部分的手直しとさっき申し上げましたのはそういう意味でございますが、改正前がなぜ三千円になったかということは、実は頭が一億円で抑えられておったために、中途にちょっと逆のゆるみと申しますか、そういうことが出たということのように思います。それを今回頭を押し上げましたので、中間部分も上下にうまく並ぶように五千円にした方が全体の比例税率的な物の考え方がよりはっきりするのではないかというのが三千円、五千円の部分の修正の趣旨でございます。  それから万分比で考えますと、これは階級定額税率というものの一つの宿命でございまして、階級定額税率の適用になる一番下の段階が、ある特定のブラッケットといいまして、一番下の段階が一番負担率が高くなりまして、一番上が低くなります。その次の段階に移りますときの一番下がまたちょっと高くなります。これは全部比例でいかないための一種の宿命的なものでございまして、できるだけそこに余り荒っぽい違いが出ないためには、刻みをもっとうんと細かくしないといけないわけでございますが、刻みを細かくしますと、またこれ納税者が御自分で表を一々ごらんになるというのがとてもやっかいな面もございまして、何となく頭で覚えられる程度の荒っぽい刻みという考え方もございまして、結局実務上の便宜と両方からまいりますと、どうしても特定のポイントをとらえての負担率というものにはある程度ジグザグが出るでしょうと、その点はひとつこの種の税の一種の限界として御勘弁願えないだろうか。全体の負担率が非常に高い場合には非常に問題になりましょうけれども、総体の負担率として低いものでございますから、その中でできるだけ比例に近いような負担をということで、その一つの階級の一番上と一番下ではおっしゃるとおりまさしく負担率が違ってしまうんでございますけれども、そこは全体が軽いのだから何とか御勘弁いただけないかという、これはお願いをするより仕方がないという性質の問題でございます。
  39. 福間知之

    ○福間知之君 これ、低い方と高い方と、いままでの実績で印紙収入ではそれぞれどれぐらいの割合を占めていますか。金額と件数でわかりますか。
  40. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 印紙税の税収が全体として非常に大きいのは手形と金銭の受取書でございますので、その二つで申し上げますと、手形につきましては百万円以下の課税分のウエートが約五〇%、それから免税点以下が二二・六%でございます。したがいまして、百万円を超えます部分が二七%とちょっとになります。これは件数でございます。で、税額の方は、百万円を超えます部分の税額が当然のことながら大きくなるわけでございまして、百万円を超えます部分の税額ウエートが八三・七%でございます。百万円以下の税額のウエートが定額分と百万円以下で合わせまして一六・三%でございます。それが手形でございます。  それから受取書の方は、免税点以下が約九割でございます。残り一割が課税対象でございますが、その一割の中で百万円以下が九%、百万円を超えるものは一%しか枚数としてはないという推計をいたしております。税額では百万円以下が五三%、百万円を超えますものが四七%という推計をいたしております。
  41. 福間知之

    ○福間知之君 そうすると、いまの階級定額税率の改正ということで、先ほど触れられた一万円以上は、一億から五億まで五万円、六億から十億まで十万円、十一億以上十五万円というふうな改正ですね、これ。これ以上上げるについては少し無理があると、税収の面でもかなり高いウエートを占めているんだからという御判断なんですか。
  42. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) ただいま私が申し上げました数字は、今回改正分というだけでなくて前回の姿から申し上げたわけでございまして、今回改正分につきまして一億の上をどこまで刻むかという点につきましては、衆議院の大蔵委員会でも、もう少し上まで天井つけてもいいんではないかという御意見が現にございました。その場合に、余り理屈にはならないのかもしれませんけれども、やはり一番大きい印紙が五万円から十五万円で三倍になっているというあたりで一度今度は切らしていただこうかというのが政府案でございます。今後ともますます取引が大型化すれば、次の機会にさらに天井を接ぐという方向で検討させていただきたいということを申し上げたわけでございます。やはり余り理屈はないのかもしれませんが、一番下は二倍で、一番高い方は三倍の方で一遍とめておくというのが政府案の考え方でございます。
  43. 福間知之

    ○福間知之君 ちょっともとへ戻りますけれども、感じとしてやっぱり五十円――昔はこれ二十円ぐらいだったと思うんですけれども、五十円になって、五十円を今度百円というと、やっぱり件数ではこれは結構あるわけですよね。手形の場合は二二・六ですけれども、手形以外の文書の受け取りという場合に非常に多いと思うんですけれども、そういう点で、百円というのは、またこんなもの上げおったということになってしまって、実際は余り大きな収入にもならぬのですから、政府としても余り得なこれは仕事じゃないと思うんですけれども、できればこれは私は八十円にせいとは申しませんよ。七十円にせいとは申しませんけれども、こういう改正については、いやがられるものだということだけはやっぱり念頭に置かなきゃいかぬと思うんですよ。  それから、免税点はこれはもう引き上げる必要はないと、こういうふうにお考えですけれども、それはさほどの金額じゃないからということですか。
  44. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 免税点は、実は前回改正のときに当時の一万円を思い切って三万円に引き上げまして、私どもなりに実態調査をいたしてみまして、先ほど申し上げましたように受取書の約九割方はいまの三万円という免税点の水準のまま捉え置いて九割方はもう非課税だと、いま世の中でつくられている受取の中の一割だけが相手だということのようでございますので、強いてこれを引き上げる必要はないというふうに判断いたしましてそのままのものとして御提案いたしております。
  45. 福間知之

    ○福間知之君 時間がありませんので、私、登録免許税、関税の方も少しやらなきゃなりませんから、はしょりますけれども、登録免許税も、これは先ほど印紙税でお聞きしたように、この性格を私は余り詳しく知らないんですが、御説明を聞かしていただきたいと思います。
  46. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 登録免許税も一番大ざっぱには流通税という分類をされることが多いように存じますけれども、印紙税に比べますと、もう少し直接税的な色彩は濃いかと思います。と申しますのは、大きく分けまして三つのグループがございます。一つは、権利の保全関係の登記の際の登録免許税でございますが、これは所有権の移転登記あるいは保全登記、抵当権の設定登記など、いずれも民事法上登記をいたしますことによりまして権利が保全され、あるいは対抗力を持つ、それによって反射的に利益を受けるという点に着目して軽い負担を求めるものである。人的資格の登録も、資格登録がなければその業務に従事できない、いわば制限的な業務であるということによって、資格登録によって得る反射的利益に着目する。営業免許につきましても同様という考え方で、ごく軽い率の負担をお願いするという性格の税であるように思います。したがって、基幹的な租税とはとうていなり得ない、非常に補充的な租税である、税収から申してもそういうものにとどまらざるを得ないと思いますが、以上申し上げましたように、民事上の権利であれ、人的資格であれ、制限的営業の免許であれ、それらの登記、登録に伴って得る反射的な利益に着目をして軽い負担をお願いするという性格の税である、そのように考えております。
  47. 福間知之

    ○福間知之君 営業の免許といいますか、営業に関する免許と、営業によって得る利益、あるいは社会的一つの資格による利益というものに対する反射的な一つの税制である、しかも補完的なということ、それはそれでわかるんですけれども、今回の値上げというのは、原則として大体三倍というふうに承知をしていますけれども、一部は二倍というものもあるようですが、これは、いままでの物価の動向だとか国民所得の上昇とか、こういうものとの関係ではタイアップしているわけですか。
  48. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) これは先ほどの印紙税とは若干むしろ逆のようなことになっておりまして、前回改正と今回を比べまして、具体的には四十一年度と五十一年度を比べますと、国民所得で四・七倍、一人当たりで四・二倍、可処分所得で五倍、租税収入で四・五倍、所得税の課税最低限で三・六倍、それから賃金で申しますと、公務員給与で四・四倍、民間賃金で四・六倍というような所得の動きになっておりまして、その面からしますと実は四倍という引き上げをお願いしても理屈はつくというものでございますが、私どもがその間一度でも改正をお願いしておればよかったかもしれませんが、十年たっておって四倍というのはいかにも高過ぎるというような御批判もございまして、今回の改正案は三倍ということで御提案申し上げておるわけでございます。
  49. 福間知之

    ○福間知之君 実質的な所得はそんなに伸びていないんで、二倍足らずだと私は承知しているんですけれども、名目上はいまおっしゃったように四・六、七倍ということですけれども、これは名目でとるのが正しいとお考えなんですか。まあそれはお答えはいいです、時間がないんで。  この中身について、税調のいま配られました資料のこの第二部会の報告の中で、定額税率の部分については、所得水準の最近の動向から見て引き上げをした方がいいという意見が多かったと言われているんですけれども、政府当局の提案と税調の内容とは多少食い違いがあるんですか。
  50. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) これは中期税制の方での審議報告でございます。それから、五十二年度改正で具体的に登録免許税を取り上げたいということで御審議をお願いしまして、それにつきましては五十二年度答申の方に再度答申をいただいております。ここでは、具体的な措置としては、「定額税率について」云々ということが書いてございまして、最後に、「なお、その負担の実情等に顧み、定率課税のうち、所有権移転の仮登記」云々につき、「税率を引き上げる等の措置を講ずることが適当である。」と、年度答申としては定率課税の部分的手直しについても御答申をいただいております。
  51. 福間知之

    ○福間知之君 この点は、今回改正しない場合は、改正が十分でないというふうなお考えのもとに、今後また改めて改正をするという含みがあるわけですか。
  52. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど私が申し上げました、十年間で所得が名目的に四倍を超しておるが今回の引き上げが三倍であるという事実をこの次の改正のときに反映させるのかどうかという点につきましては、それは考え方は二つあるんだろうと思います。今回の改正の姿がとにかく基礎になるんだ、今回改正の後の動きで考えればよろしいという考え方と、前回に若干未調整が残っていれば、それをあわせて考えてもいいという考え方と。それは、こういう性格の税でございますから、毎年改正を御提案するということは恐らくないと思いますが、今後三年とか四年とかいう期間を経過しましたときに改めて御検討をいただいて、その間の所得の動きを横目で見ながら、今回の改正案をベースにして、次には何割増しとか何倍とかを妥当とするかという、その場合の御審議の一つの参考にはなろうと思いますけれども、どこまでいっても四十二年度が絶対的な基準であるとまで固執するのもまたいかがかと思います。
  53. 福間知之

    ○福間知之君 今度は別の問題なんですけれども、ここの提案の中で、所有権の移転に際する仮登記の税率の改正がありますが、これは、これだけ六倍ということでかなり高いんですけれども、もともと大変低いということからそうされたのか。仮登記ということの重要さといいますか、目的といいますか、それからずいぶんかけ離れた運営が実際には行われているんでまずいということからこの引き上げを大幅にされたのかどうか。
  54. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど御質問にお答えしましたように、中期税制の御審議の流れからしまして、実は正直に申し上げて私どもは今回は定率課税をいじらない、定額の方を直したいということで関係各省と御相談を始めました。非常に関係各省多いもんでございますから、かなり前広に御相談を始めたんでございますが、その過程で、登記を実際実務として担当しておられます法務省の御意見を一番詳しくお聞きする機会があって、法務省側から、いまの権利保全の力の強さからすると、所有権移転の仮登記の負担がどうも低きに過ぎるのではないかと。私、専門家ではございませんが、法務省から教えていただいたとおりできるだけ短く申し上げますと、二つあるようでございます。  一つは、所有権の移転の本登記ができる権利を握っておくというために仮登記をしておられる。しかも実際は仮登記のままの状態で次に転売される。不動産取引ではそういうことが起こっていると。もう一つは、債権保全のために所有権移転の仮登記というタクティックを使う。これは、抵当権を設定しますと千分の四でございますから、千分の一という安い方で債権保全の効力を果たすと。どうもその二つに非常に使われているように思われる、登記の現場からすると。したがって、法務省が税金を重くしなさいという立場にはないけれども、どうも本来の仮登記というものから見ると、いまの使われ方からすれば移転登記なり抵当権設定登記とのバランスをとるということを考えてほしいという御意見をいただきまして、そこで具体的な税率の設定についていろいろ議論をいたしまして、所有権の移転の本登記は御承知のように千分の五十でございます、しかも、仮登記をいたしまして後で本登記をいたしますと、前に仮登記で納めた税額は差っ引くということになっておりますから、その意味からしますと二十でもいいし二十五でもいい、仮登記の税率は。  そういう意見もございました。まあしかし、千分の一から上がっていくわけでございますから、一挙に二十なり二十五というのは無理ではなかろうか。やっぱり所有権の移転登記並びに抵当権の設定登記のいろんな税率のバランスで落ちつくところはどこかといって探しましたところ、移転関係でいろいろございまして、一番安いのが千分の六、それから保存登記が千分の六、抵当権の設定登記が千分の四、それらをあわせ考えまして、千分の六という、いわば保存登記並みというのが一つのおさまりであろうということで、法務省とも意見が一致いたしまして、千分の六という御提案をいたしております。したがって、ここは六倍という感覚は全くございません。でなくて、こう逆の方から押してまいりまして、定率課税のいまある税率の中のバランス論ということから、千分の六が今回の改正としては一つの落ちつきであろうという趣旨で御提案申し上げております。
  55. 福間知之

    ○福間知之君 六倍じゃなくて、まあ倍率ではなくて、その他の相互関係だと、こういうことですね。まあ、全くそれは無意味だと、わからぬというわけじゃないんですけれども、何かここだけが高いもんですからお聞きしたわけです。  次に、関税の暫定措置法の方に少し入りたいんですけれども、関税率審議会ですか、による答申で、今回の改正に伴う税率の引き下げ品目は四十七品目だ、引き上げは十二品目だと、こういうふうに言われているんですけれども、その主なものとわが国の国内業界との関係で、何かこう問題が残るというふうな品目ございませんか。
  56. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘のありましたように、今回の改正におきます関税率の引き下げ品目は四十七品目、それから引き上げ品目は十二品目でございます。その四十七品目のうち、特恵関係のいわゆる熱帯産品の引き下げが二十九品目ございまして、その他の暫定税率の引き下げが十八品目ございます。それから引き上げ品目十二品目のうち、今般お願いいたしております原重油関税の関係の引き上げが税目にいたしますと七品目ございます。それから、銅、亜鉛――銅は二品目、亜鉛が一品目でありますがこれが三品目であります。そのほかに、特恵関税の、従来特恵を与えておりましたものを特恵を与えないことにいたしましたのが二品目、いわばこれは増税でございますので、それを合わせまして、引き上げ品目は十二品目ということになっておる次第でございます。業界に及ぼす影響等につきましては、関係の省と十分協議をいたしましてこのような結論に達した次第でございます。
  57. 福間知之

    ○福間知之君 じゃ次に、ガス製造用の揮発油の輸入あるいはアンモニア製造用の揮発油などの関税還付というんですか、さらには輸入アンモニア製造用の原油についてこれは減税ということですが、それぞれリッター当たり五百三十円を六百二十円に軽減ないしは還付するということですか、これは。これは国内の業界とはどういう関係になりますか。
  58. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) ただいま御指摘のありました還付の関係の数字は、税法上では御指摘のような額が上がっておるわけでございます。しかしこれは、従来原油関税につきましては御案内のとおり一キロリットル六百四十円ということでお願いしておりましたのを、百十円増税いたしますので、増税後は一キロリットル七百五十円になるわけでございます。還付の額は、従来の六百四十円から計算いたしましてそのうちの十二分の十の分は負担していただくという頭がございましたが、それを還付さしていただくということでございました。したがいまして、七百四十円の税率が七百五十円に上がることに伴いまして、その還付の額も従来の方式のまま計算いたしますとその額が上がるということでございます。で、これらの点につきましても関係の業界とは関係省を通じまして十分話がついておる問題でございます。
  59. 福間知之

    ○福間知之君 石油の関税の問題ですけれども、リッター当たり六百四十円から百十円引き上げて七百五十円ということでありますが、この時間では十分お聞きはできませんけれども、その背景として問題は、これからのわが国の総合エネルギー問題の中で、いわゆる石油と原重油というようなものの展望なんですがね、いままでの御説明等をお聞きしますと、やはり今回の値上げもその一つだけれども、やっぱりわが国のこれからの石油の九十日備蓄対策というものと見合ってこの措置を生かしていかなきゃならぬ、こういうふうな御趣旨のようでありますけれども、大体世界の消費量の一割近く日本が使っているということから見ましても、確かにこれからのエネルギー対策の中で石油問題非常に重要だと思いますが、かねがね各種の審議会、検討機関がいろんな提言をしてますけれども、当局としては今後の展望についてどういうふうに石油に関してはお考えになっていますか。
  60. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) 現在のわが国のエネルギー政策は、昭和五十年十二月に総合エネルギー対策閣僚会議で決定された総合エネルギー政策の基本方向の線に沿って種々具体的な方策を打ち出しているところでございます。  その内容としましては、ただいま先生御指摘いただきました石油の安定供給の確保策というのが、まず一つ大きな柱としてあるわけでございます。これにつきましては、海外におけるないし国内の大陸だなにおきます石油開発の促進あるいは石油備蓄増強対策の強化あるいは産油国との直接的な関係の強化なり、あるいは石油供給ルートの多角化といったふうな種々の方策が従来からとられているところでございます。これにつきましては、昭和四十八年暮れの石油危機以降、世界的な石油の供給情勢といったものが非常に大幅な変化を来しております。  今後の見通しにつきましても種々の見解がありますが、一九八〇年代の後半あるいは一九九〇年代に入りますと、世界的な意味で石油の需給関係が非常にタイトになるんではないかといったふうな意見が非常に強く出ているわけでございます。こういう情勢を踏まえまして、今後のわが国の石油の確保につきましては、非常に情勢がむずかしい段階に入ってまいりますので、新しいエネルギー政策全体をどういう形で持っていったらいいかということで、現在通産省の総合エネルギー調査会の中で種々の観点からの検討を始めたところでございます。特にこの中では、資金問題あるいは国民的な合意の形成といいますか、パブリックアクセプタンスの問題あるいは長期的なエネルギーの需給問題、さらに、省エネルギーの推進といったふうな観点を強く打ち出しまして、検討を始めたわけでございますが、全体としての方針、具体的な方策の打ち出しといったものを、五十三年の夏ごろをめどにして進めていきたいというふうに思っているところでございます。
  61. 福間知之

    ○福間知之君 石油にかわる代替エネルギーといいますか、そういうものも、確かにいま大きな問題として国会でもしばしば取り上げられるわけですけれども、その展望はなかなか立ちにくいわけであります。しかし、なおかつ、それでも石油に対する依存度というのはかなり長期にわたって高いものがあると思うんですけれども、この点についていわゆるわが国の産油量をふやしていくという方向について、具体的にはどういう政策をとっていこうとされているのか。
  62. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) わが国の産油量と申しますか、わが国の自主的な開発原油の増大ということで、従来から施策は講じられていたわけでございますが、特に昭和四十二年に発足いたしました石油開発公団の業務を中心としまして、海外におきます石油の開発、それから国内の大陸だなの開発の促進といったことが進められてきたわけでございます。  現在、石油開発公団は四十社を対象としまして投融資、債務保証の業務を行っておりますが、そのうち一社が生産をし、ないしは生産の準備をしている段階でございまして、昨年で見ますと二千三百万キロリッターの原油をわが国に持ち込み、それは全体の輸入量の八・九%ということになっております。目標としましては総合エネルギー調査会の答申を受けまして、全体の輸入量の三割を目標とするということにしております。その目標との関係で言いますと、まだまだ不十分でございますが、最も安定的な石油の安定供給確保策は、やはり自主的な開発の促進ということにあるんではないかと思いますしするので、この辺につきましては、先ほど言いました全体のエネルギー政策の見直しの一環ということで再検討の対象となりますが、従来同様重点を置いて進めていくことになるかと思っています。
  63. 福間知之

    ○福間知之君 まあ三年ほど前の中東戦争で、ずいぶんわが国の石油事業への参加ということをめぐって、環境が厳しくなりました。政府においてもそれなりにこれは手を打ってこられたわけですけれども、これからますます民間の企業だけでは資金的にもなかなかこれはむずかしいと。いまおっしゃられた二千三百万キロを持ち込んだ、大体目標値三〇%に対して〇・七少ないという現状から、さらに拡大していこうということですから、これは言うならば世界各国との経済関係の恒常的な安定と、あるいはそういう国同士の良好なおつき合いというものが前提にならなきゃ非常にむずかしいと思うわけであります。もちろん今後鋭意この点については努力をしていかなきゃならぬと思うわけでありますけれども、特に国内の石油に対する賦存量というのは非常に少ないわけですね。こいつはもう全く見込みがないものかどうか。  茨城あたりを走ってみますと、何かこの掘ってた、何と言うんですかあれ、油井と言うんですか、あったんですけれども、最近はなくなっておりますけれども、そのほかいまおっしゃった大陸だな関係、そういうところ、国内における産油というものについてどういうふうに考えるかということと、それから、時間がありませんので端的に今回の値上げで心配なことは、もうすでに一部の業者で値上げが出ているわけでございますが、国内における価格ですね、これへの悪影響というものはいかがなものか、こういう心配を持っているんです。何か聞くところによりますと、ことしの冬は非常に異常な寒波が全国的に続きました。そのために灯油はずいぶんやはり不足をした。で、通産当局は、これは大変だということで、むしろ来年度、来冬の必要分まで何かことしは食ってしまうような、増産をして何とか切り抜けたというふうなことも耳にするんですが、そうだとすれば、それが真実だとすれば、これは大変なことになるんじゃないかと懸念されるんですがね。
  64. 古田徳昌

    ○政府委員(古田徳昌君) まず第一の、国内の産油の可能性なり見通しの問題でございますが、これにつきましては従来陸上でずっと戦前から石油の探鉱開発が行われてきたわけでございますが、地質的に見ましてなかなかむずかしくて、現在でも百万キロリッター以下の水準ということにとどまっております。最近になりまして、これは世界的な傾向でもございますが、大陸だなの開発が非常に見直されてきたところでございます。わが国におきましても、わが国周辺の大陸だなの開発に意を用いますといいますか、重点を置いていくということでこの数年来各種の措置を講じているわけでございますが、現在までのところ、新潟地区で一つ、埋蔵量千万キロリッター程度の規模の油田が発見されております。それから常磐沖でもガス田が発見されて、これはまだ生産には移っておりませんが、ガス田自体は発見されております。  今後につきましてもさらに探鉱が幾つかの会社によって推進されていくわけでございますが、これに対しましては石油開発公団が、海外の開発の場合には五〇%の助成をするわけでございますが、国内につきましてはこの投融資の助成比率を七〇%に高めるということで従来から行ってきております。これを今後も継続していくということが一つございます。  それから、地質的な有望性につきましては、これにつきましてもいろいろな見方がございますが、技術研究機関等の一つの推定によりますと、日本の回りの大陸だな全体を合わせますと、埋蔵量として十億キロリッターを超えるぐらいはあるんじゃないかというふうな見方もございますので、私どもとしましては希望を失わずに可能性を求めて大いに努力していきたいというふうに思っておるわけでございます。  それから、第二の値上げの影響でございますが、今度の関税の引き上げ自体の物価への影響としましては、キロリッター百十円ということで計算しますと、間接効果その他すべて織り込みましても、卸売物価への影響が〇・〇四%程度、消費者物価への影響は〇・〇二%程度ということで、軽微なものではないかというふうに思っております。ただ、ことしの一月一日からOPECが原油の価格の引き上げを行っておりまして、これがそのまま国内にはね返っていくということで考えますと、こちらの方の影響は、一応値上げ幅七、八%程度として計算しますと、卸売物価指数で〇・七ないし〇・八、消費者物価指数で〇・三程度というふうな試算がございます。  それからなお、灯油の問題につきましては、確かに予想を超えまして昨年の十-十二月の消費量の伸びが前年度に比べまして一七%近くなっておるということでございます。これに対応しまして、私どもの方としましては、各石油会社に増産を指示しまして、全石油生産中の灯油の得率を高めるというふうな生産の仕方をいたしまして、量的にはこれに十分対処してきた次第でございます。
  65. 福間知之

    ○福間知之君 時間が参りましたので終わりますが、特にこの関税につきましては、そのほか農林省関係等にもお聞きしたがったことがあるわけですけれども、まあやはりいま貿易問題がいずれの国ともむずかしい環境になっているわけです。特にわが国は世界の工業国のトップレベルにもありますし、いまアメリカへ訪問されている総理大臣ほかもいろいろな荷物を背負って帰ってくるのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、国内の景気を回復して輸入量をふやし、あるいはまた一方において国際収支を適切な水準に維持するということは、なかなか至難なわざだと思うのです。したがいまして、関税問題一つ取りましても、これはある程度長期の展望というものを持って、一方国内的な産業政策というものをあわせて今後積極的に対処をしていかなければ、言うならば、その場しのぎの思いつきでは、これは国民は大変迷惑をこうむるわけでありまして、今後とも政府はその点について慎重な上にも慎重に配慮をされて善処をされるように要望しておきたいと思います。
  66. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 最初に印紙税からお伺いをしていきたいと思います。  この印紙税には流通税、文書税、そういった特徴がありますけれども、衆議院での審議の際に、銀行振り込みによる資金決済の際には印紙の使用はされていない、そういうことから印紙税の捕捉率のアンバランスということが相当論議をされた、こう聞いておりますけれども、印紙税の対象となり得る銀行振り込みの金額及び課税されたならば幾らぐらいの税収になると、そういう推計を現在なさっているかどうか、それからまず伺いたいと思います。
  67. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 申しわけございませんが、ちょっとその推計ができませんものですから、手元に数字がございません。
  68. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これは、だけど、推計というか、一つの銀行調べてみるなり――全部の銀行というわけじゃなくとも、あるいは一つの支店を見てみるなりと、そういうことでお調べになったことはないんですか。
  69. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 申しわけございませんが、新しい時点での調査というのをまだいたしておりません。ただ、非常にマクロ的に一つの見当として申し上げますと、受取書の数というのは、前回改正のころに比べまして一割ぐらい伸びているのではないかという推計が一つございますが、その間に売上金額というのはやっぱり三割ぐらい伸びておりますから、的確にその差が数だというわけにはまいらないと思いますけれども、やはり漸次銀行振り込みが上げつつあるという傾向は、これは間違いないと思います。ただ、具体的にある企業でどうなっておるかという調査は、申しわけございませんが、現在のところございません。
  70. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 一つの企業体から銀行振り込みを企業体が受けると、いろいろガスであるとか電気であるとか使用しておるわけでありますから、そういう点から見ても見当を、一つのそういうところを調べれば、私わかってくるのじゃないかというふうに思いますけれどもね、どうなんですか。
  71. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) これはちょっと古いので恐縮でございますが、四十八年のときには各企業の御協力を得まして受領方法別の受領金額という推計をいたしたことがございます。そのときに総合計を千分比で申し上げますと、受領方法として手形が四三八、小切手が一二五、口座振り込みが二五七、口座振りかえが一二、郵便振りかえが一、現金その他が一六七という計数が出ておりまして、このころよりもさらに口座振り込みがふえているんではないかということは考えておりますけれども、最終時点での調査が申しわけございませんが申し上げられません。
  72. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 したがって、このときで二五%、四分の一ですね、約。ということは、現在なら、まあそれから以降ありとあらゆるものが振り込み、振り込み、振り込みという大宣伝ですし、実際現金で支払うよりも、インチキな集金人等も来ますからね、そういう現金で渡すよりはこういう口座振り込みの方が、銀行振り込みの方がやや安全ですので、そういう人はふえるだろうと思うんですね。そういう点から、この点は一つにはやはり不公平というものもつくっていくんじゃないか、そういうふうに考えざるを得ないと。たとえば銀行振り込みというときには、印紙税でいう文書の作成行為の背後にある担税力に課税すると、そういう意味とは異なってくるだろうと思いますね。で、しかし、文書を作成しないだけで、資金を決済していく。そういうことについては少しも変わりがない。片一方は文書を使ったゆえに課税をする。一方はそうでないということが起きてくるということは、不公平というものをつくり出していく原因になるんではないか。その点はどう考えておりますか。
  73. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 衆議院でもその角度からの御質問を受けたわけでございますが、そのときお答えをいたしましたのは、やはりそれは文書税である印紙税の限界としか申し上げようがない。  資金の受領があるときに、すべて同じバランスで課税しようという考え方をとるならば、それはやはり取引高税か売上税というような仕組みでないと、その意味でのバランスはとれない。しかし、だからといってこれを発展させて取引高税に持っていくというつもりはないわけでございます。したがって、まあ印紙税の負担というものもやはりそういう限界のある税である限り、いまの受取書の比例的負担というのはおおむね万分の一と二の間を走っているわけでございますが、低率の負担率をそれ以上上げるというわけにはまいりますまい。まあごく軽い負担なので、ひとつ文書をおつくりになる場合にはこれを張っていただくということでとまらざるを得ない。そういう御返事を申し上げたわけでございます。
  74. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 まあ私、振り込みだから、それにそのままやれということじゃないし、改めて振り込みしたものに文書をつくって課税を、印紙を張らせろと、そういうことを言っているわけじゃないんですけれども、いまの取引高税のようなものでなければ、動いたたびに課税するというわけにいかないと。文書税なんだから限界があると。で、現在、じゃ取引高の税をすぐに考えるわけじゃないと。そういうことになるとこれは不公平をそのまま残せよということに一面はなるわけですね。先ほど指摘したことについてはこれは解決できないということですね。
  75. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) そこはその文書をつくる方と、つくらない方との間で公平が期せられないという点を非常に強調されますと、それは残らざるを得ないというお答えしかできないように思います。それが文書税の限界である。したがって、また余り高い負担は求めるとひずみができる。ごく軽い負担にしかとめようがないであろう。非常に相手との間で信頼関係がございまして、五千万円でも一億でも契約書なしでいいよということになってしまうと、これは印紙は要らないというような性格の税でございまして、やっぱり御自分の便宜のために契約書をちゃんと持っているというときには印紙を張ってくださいというところでとまってしまうわけでございますので、取引のあるところ必ず同じ負担を求めるというほどの機能を果たすためには、どうしても限界があるということを申し上げざるを得ないかと存じます。
  76. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これは間接税のあり方で問題になってくることだと思うのですね。印紙税も間接税の一種ですから。この間接税のあり方として、今後印紙税も含めて取引高税――取引に伴う税というふうに言いかえたって構いませんけれども、そういうものの方向というのも考えざるを得ないことになると、こういうことを言っているようにも聞こえるんですけれども、その辺は大臣はどうお考えですか。
  77. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど申し上げましたように、私としましてはそういう文書税の限界があるから、公正という観点からむしろ取引高税を考えるべきだと、そういう方向では考えておりません。むしろ取引高税は、それと全く別の角度からそういうものを取り上げて、しかるべきかどうかを議論すべきものである、印紙税の不備を補うために問題を取引高税の方へ持っていくというつもりは私は持っておりませんが、大臣がどうお考えか……。
  78. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま主税局長がお答え申し上げましたとおりに私も考えております。
  79. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 私が申し上げたのも、間接税のあり方として、印紙税をも含めて取引高税というものをどう考えていくのかということを聞きたかったわけですから。  じゃ、時間がとにかく三十分でございますので、三分の一ずつ質問していきます。  次、登録免許税についてお伺いをしていきたいと思いますが、この登録免許税の改正案作成の際に、果たしてこの税の負担のあり方について具体的にどういう論議がされたのか、はなはだわれわれにとっては疑問を持つのです。というのは、税制調査会の答申においても、その内容では、最近の財政事情と十年を経過したからと、こういうことだけで、前回昭和四十二年の改正の際に問題となった点について検討の経過等について全く無視しているように思われるわけでございます。その点はどういうふうに考えていらっしゃるか。たとえばこの審議の経過という概要を見てみますというと、その際に審議をここでされたときに、営業免許での税負担と、個人の人的資格での税負担それぞれの税負担のあり方について相当な議論をされている。そして今後十分な検討をして完全なものに近づけたいということを当時の主税局長が答弁をしていらっしゃるわけです。それからいままでもうすでに十年たっていますけれども、どの程度審議をなさり、検討してきたのか、そこのところをちょっと聞きたい。
  80. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 前回登録免許税法を御審議いただきましたときの記録は、私ども丹念に読み返してみまして、その上で作業にかかったわけでございますが、人的資格に伴います登録免許税の負担の引き上げにつきまして、今回の政府案は一律三倍ということでお願いをいたしております。いかにも機械的ではないか、もっときめ細かい吟味をすべきではないかという御指摘があろうということを覚悟いたしながらこういう御提案をしたわけでございますが、その経緯は実は先ほど福間委員にも申し上げましたけれども、関係省庁が非常にたくさんございまして、また同じ省庁でも関連する業務監督の範囲が非常に多数ございます。したがいまして、私ども五十二年度改正でこれを取り上げたらどうかという判断をいたしましてから、早速関係官庁の方に意見を聞き始めまして、おおむね三カ月近くかかりましてこの政府案にたどりついたわけでございますが、その間にまさしく前回御審議がございましたように、たとえばお医者さんと看護婦さんというのは、いまのバランスでいいのかどうかというようなことも十分議論はしていただいたつもりでございます。  そこで、当初、正直に申し上げますと、所得の動きからすれば、四倍の引き上げをお願いしてもいいんではないかという、スタートしたときの内輪話でございますが、相談したら、いや四倍というのは大き過ぎるという一般的な感触と同時に、四倍はまあ理屈上やむを得ないとするならば、たとえばこの資格は二倍でとめておく、この資格は三倍でとめてほしいという御議論が出てまいりました。  さてその次に、それではこれが三倍であるというなら、そっちは四倍でいいんですかというような議論を繰り返しやっておりますうちに、各省庁ともどうもその一律でないと、言葉はまことに悪いのでございますが、収拾がつかない。どこかが平均より高くて、どこかが平均より安いということだと、横並びで収拾がつかなくなってしまうんで、ひとつ全体を三倍ということで引き上げ、提案をしていただければ、各省庁とも、関係の方面も納得していただけるし、まあこれ増税でございますから、賛成というわけにはいかないけれども、やむを得ないということでまとまるんだというところにたどりつきまして、実は結果としてまことに機械的でございますが、一律三倍という案で閣議の御了承を得たわけでございます。したがいまして、その意味で当時の塩崎主税局長が、いろいろのバランスを考えながらこれが定着するかどうか、より完全なものにしていきたいという御答弁を申し上げたことは十分承知をいたしておりますけれども、逆に申せば、十年たってみてそれなりに定着してきたという感じがあって、それでまあ同じ上げ幅ならば、あっちこっちに波風が立たないということになったのかなと。それでは今回は一律三倍ということでお願いしたらどうだろうか。ちょっと時間をとりまして恐縮でございますが、かなりの時間をかけまして、関係省と相談した結果が、この一律案にたどり着いたという経緯でございます。
  81. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 前回のときの昭和四十二年の藤田正明委員の質問は、医師、公認会計士が二万円、それから保健婦と看護婦が三千円、それに比べて銀行、証券会社の開設の免許、支店の設置の認可が五万円、こういうことで、法人と個人とでは余りにも違うんではないかと、比較して、負担率が、負担力からいって。やはり個人の方の税率が高過ぎると、こういう質問に対して、十分検討する余地がある、こういうことだったわけですね。いまの医師が今度六万円になり、看護婦が九千円になる。やっぱり三倍ずつになりますけれども、その登録のあれとちょっと私は違うような感じがする。当時の質問の趣旨が違うと思います。その辺のいわゆる法人と個人との場合、個人の方に負担が強く法人の方に少ないという印象、この検討はどうなったんですか。
  82. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) その点は私どもなりに、いろいろと議論いたしてみましたが、やはり銀行の例がよく出まして、銀行の設立免許が一件十五万円、今回改正案ですね、改正前五万円ですが。だからそれはそのお医者さんの六万円、弁護士さんの六万円に比べていかがなものか。また同じ金融機関の中でも銀行も信用金庫も十五万円というので一体よろしいかという議論をいたしましたのですが、結論といたしましては、やはり銀行は免許をもらって直ちに開業できるわけではないので、同時に商業登記をしなくてはならない。同じ登録免許税の中で、定率課税で負担をしてもらっておる。したがって、大きさというものはそちらでバランスがとれているんではないだろうか。設立登記千分の七でございますから、千億円の資本でいきなりスタートすれば登録免許税だけで七億円という負担をしていただくわけでございます。それが信用金庫の出資金が百万円であればそれはそれなりに低い負担になる。支店の数が多ければそれなりに一件当たり幾らという負担になる。開業に至る段階で登録免許税という枠の中での商業登記を含めての負担を考えれば、やはり制限的に営業を免許されたというそのポイントだけでは、同じ十五万円でもいいんではなかろうか、大きさに応じての負担が同じ法律の中で別にあるから、それでいいんではなかろうかということで、ただいまのような御提案をするに至っております。
  83. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 いま一つは、医師と看護婦の七倍弱、そういうもので果たしてそれでいいのか、あるいはもっと片っ方は十倍でいいんじゃないかとか、そういう同じ登録については問題が出ると思うのですけれども、それは先ほどの説明で大体ありました。  それから、不動産の所有権の問題の登記ですね、移転登記、現在新築後一年の――まあいろいろ条件はございますけれども、家屋については本則で千分の五十のところを千分の一と、これは新築だけということに、こうなっていますね。ところが、実際に個人住宅の建設の促進ということはよくわかるけれども、庶民が、というか、買う場合にはやっぱり新築より中古の方が購入しやすいという点があります。ところが、中古を買った場合には千分の一じゃないでしょう。本則になるわけですね。千分の五十になる。そういう点で、これはそういうところを特例を何か考える必要があるんじゃないかというように思うのですけれども、その点はどうですか。
  84. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 確かに税率が千分の五十と千分の一で非常に離れておりますので、おっしゃるような問題の指摘を受けるわけでございますが、まあやはり私どもとしては、新築家屋の登録免許税の税制措置というものも、私どもの分類しております中では政策税制である、非常に古くからのものでございますけれども、当時とにかく住宅の戸数が絶対的に世帯数に比べてうんと足りないという時期に、とにかく戸数をふやせということが住宅政策の最も眼目であった時期にできている。それ以後、二十年以上続いておるというものであるように理解をいたしております。  その意味では、やはり政策税制として位置づける、したがって、今回住宅関係の特別措置なのに税率を上げるのは何事かという御指摘も受けたのでありますが、これも政策目的がほぼ世帯数よりも戸数が上回ったという、ここまでくれば、そろそろ縮減という方向に考えていただきたい。つくったものはいつまでもそのままというわけにはいかないでしょうということを御相談して、建設省もそれならばということで、わずかでございますが、千分の一から千分の二に引き上げるということで、別途租税特別措置法で御提案いたしておりますが、そういうふうに私ども頭の中がこれ、かた過ぎるかもしれませんが、できてしまっておりますので、中古の家屋を取得されるというときに、同じような恩典を与えるかどうかという点については、建設省から御要望ございましたけれども、それは住宅政策としてどう位置づけるのか、どうも私どもの中では、中古家屋の取得というものは、マーケットにある現にある住宅の持ち主がかわるというふうにしか思えない。それを住宅政策として中古を買いなさい、中古でも質のいいものを買いなさいというふうになるのかならないのか、そこが政策的な位置づけというものを私どものような頭のかたいところにでもわかるように説明していただければ、それなりに十分検討する用意はございますと申し上げて、いわばそれっきりになっております。したがって、新築と中古とのバランスという角度からおっしゃると、まさしくおっしゃるような問題が出てしまっているとは思いますけれども、政策税制としてどう位置づけるかということで、もう少し建設省の意見も聞いてみたい。もし必要があればまたしかるべき機会に御提案をするというか、あるいはさらに御論議を得るということにさせていただきたい、そう考えております。
  85. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 まあ大きさの制限もあるし、大きさの制限が段階的になりゃいいですけれども、そうじゃないし、そういう点もあるし、いまの御答弁からだけ聞いているというと、古い家を買うより、その家をぶっ壊しちゃって新しいのを建てた方がいいような感じを受けますしね。まあこれは議論のあるところですので、きょうは時間がないからこれでやめておきます。  最後に、関税の方で伺いたいんですが、時間がなくなったんで――外務省がお見えになっていると思いますが……。五十年の三月三十一日にこの委員会でいろいろ逆特恵のことを聞きました。そのときヤウンデ協定だとかいろんな協定等がずっとあって、まあ逆特恵についても廃止の方向に当然動いているというような御答弁をいただいたわけでございますけれども、現行はどういうふうになってきているのかということ、それが一つ。  それからいま一つは、逆特恵について、これはどうしても特恵供与と違って一つの経済ブロックをつくりますので、そういう経済ブロックをつくったことが第二次大戦にもなっていると、福田総理がそんなことをおっしゃってますけれども、そういう点もわれわれとしては考えざるを得ないと思うんですね、延長線上には。そういうところから経済ブロックを世界的につくるということは好ましくないというのは当然だと思いますが、そういう点でECの諸国に対して、いままでのいろんな会議のときに、この逆特恵の問題についてどういうふうに主張してきたかということが第二番目でございます。その二つについてまず答えてください。
  86. 賀来弓月

    ○説明員(賀来弓月君) お答えします。  七五年二月に、アフリカのロメにおきましてEC九カ国とアフリカ、カリブ海、太平洋地域の開発途上国四十六カ国の間にいわゆるロメ協定というものが締結されましたんですが、これに伴い逆特恵は原則として廃止されました。すなわち、いままで開発途上国は、要するに先進工業図に対して特恵を供与していたんでございますが、この協定は内容が片務的になっておりまして、開発途上国はその特恵の供与が義務でなくなったという、そういう協定でございます。で、その協定が締結されたことに伴い、その時点で逆特恵を行っていた国はかなりの国がそれを廃止しますし、それから今後廃止する方針であるというようなことを表明したわけなんですが、私ども現在逆特恵の状況がどうなっているのか調査中でございますが、既存の資料によりますと、アフリカではオートボルタ、これが継続しているようでございます。それからセネガルもやっております。それから、おかしな話でございますが、トンガがこれを契機にして逆特恵の適用を検討するというようなことを言っておりますが、これは現況はよくわかっておりません。  それから第二点の御質問でございますが、私ども日本政府は従来より、御指摘のような理由もございまして、逆特恵は速やかに廃止すべきものであるという立場に立ちまして、これを随時関係国に申し入れたり、あるいはUNCTAD特恵委員会の場で、私どものそのような立場を表明しております。
  87. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 よくわかりました。  で、もうほんのわずかしかなくなってないということで、まだ若干調査中ということですから、これは後で調べ上がったところで資料にしていただきたいと思いますが。  それから、この特恵制度の弱点というか、いわゆる多国籍企業の介入を排除するという原産地証明の、原産地規制の問題について、その後問題はないのかどうか、これを伺いたいんです。
  88. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) ただいまお尋ねの多国籍企業による原産地の問題につきましては、特に最近そういう問題があるようには聞いておりません。
  89. 渡辺武

    ○渡辺武君 最初に関税政策についての基本方針を幾つか伺いたいと思うんです。  七三年に東京で開かれましたガット閣僚会議でまあ新しい多角的関税交渉を進めるといういわゆる東京ラウンドですか、これが決まって、日本が提唱国になっているわけでありますが、大体このランブイエ会議でもサンファン会議でも七七年中に妥結するという趣旨の宣言が出されているわけですが、最近ガットの事務局長のロングさんが弘が国に見えておるのは恐らくそのこともあってのことだろうと思います。  で、大臣に伺いたいんですが、七七年中にこれが妥結する見通しを持っておられるかどうか、どうでしょう。
  90. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 大臣がお答えいたします前に、現在のガットにおきますいわゆる東京ラウンドの進捗状況について簡単に御説明さしていただきたいと思います。  現在、先生いま御指摘のように、七三年九月に東京宣言ございまして、その後も二回の首脳会談におきまして七七年末に実質的に終結させようという合意を見ておりまして、現在そのもとにおきまして貿易交渉委員会、これが全体の組織でございますが、それ、及び七つのそれぞれのグループのもとに分かれまして鋭意その作業を進めておるところでございます。その七つの委員会の一つであります関税グループというところで、それでは今回の引き下げはどういう方式で行うのがよろしいかということにつきまして、昨年の秋までにアメリカ、EC、日本、その他一国の、スイスのそれぞれの提案がなされておるところでございまして、今年の初めにはそういう方式についての合意を得るように現在作業が進められているところであります。また、その七つの委員会の一つであります熱帯産品グループにおきましては作業が一番進んでおりまして、その場で合意に達しましたものの一部につきましては、今回の改正法案の中に協定とは別に先んじて国内法で手当てをいたしたいというふうに作業を進めておるところでございまして、現在のところ七七年末に全体の合意に達することが全然不可能だということではございませんで、少なくともこれを依然として目標にして努力をいたしたい。したがいまして、ガットの事務総長が今回アメリカに次ぎまして日本に参りましたのも、そういう意味で主要国がその交渉を積極的に進めるようにということを要請されに来られたのではないかと、かように考えております。
  91. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣、いかがですか。
  92. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま局長がお答え申し上げましたとおり、七七年の末までに何とかしてこの交渉を妥結したいと鋭意努力をいたしておる最中でございます。
  93. 渡辺武

    ○渡辺武君 この間ロング事務局長が福田総理大臣に会って会談された際、福田さんの方からはこの問題についてはいわば包括的に進めていきたいという趣旨のお話があって、現在の進捗状況――いま伺ったところでもわかりますがね、熱帯産品については確かにきょう御提案のあった関税定率法の一部改正の中に若干は盛られています。しかし、まあこの関税の引き下げのやり方などについては昨年十月案が出ただけで、ことしの初めというけど、もう三月の末ですよね、まだこれについてはほとんど見通しがないという状態でしょう。そのほかにいろいろ難問山積してると思うんですね。で、総理大臣のあの答弁は、まあ七七年中の妥結ということを拙速で急いでやるよりも、やはり来年あたりに延ばして、そして十分成果が上がるようにしたいという趣旨じゃなかろうか、という点がまあ一般に言われているところなんですが、その点どうですか、大臣。
  94. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 先般、ロング事務局長が見えまして、総理と会談、あるいはその他の関係大臣と会談されたのは御指摘のとおりでございます。  それから、今般の東京ラウンドの交渉は、前回のケネディーラウンドの交渉に比べますと非常に範囲が広いということでございます。その対象に参加しております国の数でいたしましても、約倍ぐらいになっておりますほかに、先般のケネディーラウンドにおきましては、工業製品だけの関税率を原則五〇%カットするということで終わったわけでございまして、その他の非関税障壁の問題、あるいは熱帯産品の問題、あるいは農産品の問題等につきましては、これはほとんど触れるところがなかったわけでございます。しかし、今般の関税交渉におきましては、アメリカ、あるいはカナダ、オーストラリア等の農産品の輸出国は、非常に強く、前回のやりました工業製品だけではございませんで、農産品も含めた引き下げをやるべきであるということ、それが第一であります。  そのほかに、非関税障壁につきましても、この際全部洗い出して検討の対象にすべきである。あるいは熱帯産品についてもやるべきであるというふうに、非常に範囲が広くなっておるというところが大きな問題であります。  で、先生御指摘のように、確かに昨年の秋、引き下げのフォーミュラにつきましては提案が出そろいましたけれども、その後、アメリカの大統領選挙がありまして政権がかわる。あるいはECにおきましては経済的な不況のために産業界におきましては、かつてありましたような関税の引き下げ、それに伴います貿易の拡大という点につきましては、若干景気の推移に目を奪われて足並みがそろっておらないというような状況があるわけであります。ただ、日本といたしましては、この問題につきましても従来にも増して積極的に参加をしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、日本として本年じゅうにその妥結に至らない方が好ましいというふうなことはございませんで、できるだけ早く合意に達したいということで努力をいたしておる次第であります。
  95. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣いまお聞きのとおりで、相当難問山積なんですよ。まあ希望はわかりますよね、七七年中というのは。しかし、かなり困難でしょう、どうですか。
  96. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のとおりですね、いろんな複雑な問題もあり、アメリカの政局も非常に変化もしておりますし、そういうことから考えてみまして、そうたやすくこれが解決されるとは思いませんけれども、しかし、わが国といたしましては、どうしてもこれを予定どおり解決をしてまいりたい。鋭意努力を続けてまいります。
  97. 渡辺武

    ○渡辺武君 いま言われたように、やはりいろいろの難問のある中で一番大きい問題ですね、これは農業問題じゃないかというように思うんです。まあ一番典型的なものは、アメリカの農産物の輸出の要求ですね。これに対してECが共通農業政策とぶつかるということでもめているという問題だと思うんです。私は、やはり今度のこのラウンドの農業問題の中には、やっぱり発展途上国ですね、主として農業国が多いわけですが、その利害関係の問題も含まれて、特別複雑だろうと思ってるんですが、この農業問題についてはどんなふうな見通しを持っておられますか。
  98. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 農産品につきましては、先ほど申し上げましたように、アメリカを初めといたしまして主要農産品輸出国の側からは、前回のKRのときと違いまして、一般の関税引き下げフォーミュラを工業製品と同じように適用すべきであるという強い主張をしておるところであります。これに対しましてECは、先生がおっしゃいました可変課徴金の制度を持っておりますほかに関税などもございまして、非常に手厚い保護をしておるところでございます。したがいまして、農産品の扱いをどうするかということをめぐりまして、アメリカ等とECとの間には、原則的な非常に大きな交渉の山場があろうかと思っております。この問題につきまして、わが国はもちろん農業の持つ特殊性を十分認識いたしておりますので、関係の各省とも協議してこれに対処してまいりたいと思いますけれども、昨年の十月に、わが国がわが国自身の関税引き下げのフォーミュラを提案いたしました際に、わが国は、農産物につきましてはできる限り提案いたしました引き下げ方式に沿いつつ、しかも、農業の特殊性を考慮してオファーがなされることが望ましいということを発言しておるわけでありまして、細目につきましては今後どういうふうに動くかということについては現在予断ができない状況でございます。
  99. 渡辺武

    ○渡辺武君 今度のラウンドの一つの目玉になっているのが非関税障壁の縮小もしくは撤廃ということだと思うのですね。いまおっしゃったように、わが国の場合は、国内の農業を保護するという非常に重要な必要があるわけですね。そのために小麦その他はいわゆる政府管理物資になっておりますし、そのほかIQ物資で自由化されていないというものもあるわけですね。今度のいわゆる東京ラウンドがわが国の提唱で始められて、そして日本がアメリカの肩がわりか何かしらぬけれども、しかしかなり中心になって推進すべきものとされているわけですね。そういう事態のもとで、この農業問題でやっぱりいま言ったようなところが守り切れるかどうか、日本の農業の保護という点が果たして十分に貫き得るかどうか、私は非常に心配しているわけです。その点どうでしょうか。
  100. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては日本の農業の特殊性も十分考えまして、農林省とも十分協議をして細目については交渉してまいりたいという態度でございます。交渉のことでございますので、いまそれでは個々のものについてどうするのかということについては申し上げられる段階ではございません。
  101. 渡辺武

    ○渡辺武君 農林省どうですか。
  102. 志村純

    ○説明員(志村純君) ただいま関税局長の答弁ですべて尽きておりまして、私の方から重ねて申し上げることもございませんが、先生御指摘のとおり農業部門では非常にむずかしい問題がございます。相手国側の話もよく聞きながら、しかし、国内農業の面で、すでにたとえばラウンド輸入制限につきましては、非常に基幹的な物資だけにもう数が減らされておりますので、この辺の事情は相手国側によく説明して交渉を乗り切りたい、このように考えております。
  103. 渡辺武

    ○渡辺武君 いま、EC諸国から造船その他の輸出が余り急激にふえているものだから、そこで見返りとして――見返りと言うとおかしいですけれども、そういう意味で、農産物をもっと日本は買うべきだという強い要求があるんですね。これについてはわが国の態度はどういう態度をいまとっておられますか、また今後とるおつもりですか。
  104. 志村純

    ○説明員(志村純君) 農産物について、これは農産加工品の多くのものは農林省所管になっていることは御承知のとおりでございます。で、この問題については、EC側の工業製品の貿易インバランス、これについて何とか逆にEC側からの輸出を拡大するという意味で、農産加工品について関税の引き下げ、あるいは輸入数量の拡大こういった要求が出てきております。しかしながら、農業というものは御承知のように非常に息の長い産業でございまして、そのときの一時的な貿易のインバランスということで、農業政策についてさじかげんをするということはなかなかむずかしい問題でございますので、その辺のところはEC側に対してこれまで何度も説明しておりますし、二月の初めブラッセルでEC側と協議を持ちましたが、その際も詳細にわが方の立場を説明してきております。そういうようなことで、今後もまた話し合いの機会があろうかと思いますので、そういう場合においてもわが方の立場、国内農業政策上の問題点を十分に説明して相手側の納得を得たいと、こう考えております。
  105. 渡辺武

    ○渡辺武君 その問題については、外務省、通産省などと農林省とは意見の違いがあるんだというふうに聞いていますが、外務省や通産省はどういうふうな立場ですか。
  106. 松田慶文

    ○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。  外務省の中では直接このEC問題を担当しておりますのは別の者でございますけれども、私の承知しております限り、いろいろと事柄を処す、あるいは検討するアングルが違って、内部的にはいろいろ勉強し合うことがございますけれども、それを調整した上で日本政府として一つの固まった態度をもってECに当たる次第でございまして、特に立場上の差があるというような問題ではなかろうかと、こう考えております。
  107. 渡辺武

    ○渡辺武君 それではもう一つ伺いますが、いまアメリカが今度のいわゆる東京ラウンドにガット十九条のあのセーフガード条項、これのいわば適用の緩和という方向を打ち出そうというふうな動きになっているそうですし、ECもこのセーフガード条項については、何といいますか、自由無差別という方向ではなくって、特定国に差別的に適用するという方向を出しているというふうに伺っておりますが、そのとおりですか。時間がないからひとつ端的に答弁ください。
  108. 松田慶文

    ○説明員(松田慶文君) 御指摘のようにセーフガードにつきましては、幾つかのアイデアが出ておりますが、まだはっきりした形で現在のガット十九条の改正というアイデアは出ておりません。むしろ、現在の十九条の運用につきましてどのような問題点があるかにつき意見を表明し合っている段階でございます。したがいまして、ECから明確な形でセーフガードを差別的適用に関する提案といったものは必ずしも出ておりません。
  109. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣、この問題は非常にわが国にとっても重要な問題だと思うんですね。というのは、先ほども御質問ありましたけれども、カラーテレビの問題で、もうアメリカとの間にこの問題が表面化している。同時に日本の側からしましても、アメリカからの燐安の輸入という問題について燐安業界からも提訴が出ているということで、非常に重大問題だと思うんですね。この点については日本政府の態度はどういう態度になりますか。この十九条の問題ですね。
  110. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 技術的な問題でもございますのでお答えいたしますけれども、私どもといたしましては、現在のガットの第十九条の規定は基本的にはバランスのとれた規定であると考えておりますので、この基本的な仕組みを変更する必要はないものと考えております。
  111. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣どうですか。
  112. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) 関税局長がお答え申したとおりであります。
  113. 渡辺武

    ○渡辺武君 以上、いろいろ伺いましたけれども、農産物の問題にしましても、それから発展途上国からのいろいろな要求の問題にしましても、それからいま申しましたガット十九条のセーフガード条項の問題にしましても、私は従来のこのガット体制が問われるような重大問題じゃないかというふうに思うんです。従来のガット体制、一言で言えばアメリカの提唱したことにもいみじくもあらわれておりますが、やっぱり世界の工業的な強国が自分の国際市場を拡大するということが中心となって推し進められたと思って差し支えないような点があるんですね。いま日本が特にその点で熱心だというのも、わが国のやはり特別国際競争力の強い重化学工業の大企業、これの利害関係が非常に強く結びついて、自由無差別の貿易体制ということが強調されているんじゃないかというふうに思うんです。  しかし、今度の東京ラウンド参加国の中の三分の二以上は発展途上国だ。この人たちは当然のことながら発達した工業諸国と同じように扱われちゃ困るんだということで、今度の東京ラウンドに対しても貿易体制のあり方について非常に大きな問題を提起しているという状況ですね。いまいった農産物の問題もあり、それからまあセーフガード条項の問題あり、自由無差別というガットのこの原則が問われているということじゃないかと思うんですね。で、私は別にガット体制に反対だという立場を言おうとするわけじゃありませんけれども、しかし、やはりいまの発展途上国の問題、それからこの不況の中で、発達した資本主義国の中にも経済的な格差が非常に生まれてきて、特にいま具体的にあらわれているのはECと日本との貿易紛争のように、個々の産業分野で特別に鋭い問題が起こってきているということからすれば、問題を現実的に対処する上で、やはりいろいろ考えなきゃならぬ点があるんじゃないか、この点はどう思われるのか、これが一つ。  もう一つは、時間節約するためにまとめて伺いますけれども、日本の場合農業が特別に立ちおくれているために、先ほど伺いますと、農業保護のために従来の方針で進むという御趣旨の御答弁でしたけれども、同時にわが国の中小企業、これまた大企業との間には特別な格差があって、この不況の中で外国からの製品の輸入で大きな打撃を受けている、この農業、中小企業保護という点も十分に考慮した上で、このガット体制の討議に臨むべきであるまいかというふうに思いますが、その点どう思われますか。
  114. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) まず、第一点でございますけれども、現在のガット体制が、先生が御指摘になりましたように、自由貿易あるいは平等の扱いという原則に立っていることはそのとおりでございます。ただ、御案内の特恵関税という制度は、その特例でございまして、これはガットの承認を得て、先進請国が途上国に対して実施している問題でございます。  それからまた、東京ラウンドの宣言の中におきましても、途上国に対しては相互主義を期待しないというのが第一。それから第二には、一般特恵関税の現在行っています制度は維持していくということが第二でございまして、また第三には、可能かつ適当な場合には途上国に対して特に有利な利益を与えるということ、この三つの原則については各国合意をしているところであります。  したがいまして、そういう意味では、このガット体制は、単に重化学工業の発展しております先進国の利益を追求するというだけでございませんで、発展途上国の利益も十分考慮に入れた組織であるということを申し上げておきたいと思います。  それから第二の、先進国の一部の産品、たとえば日本の得意とします工業製品が、一部の先進国にはんらんするというような事態につきましては、そのケース・バイ・ケースに基づきましてわが国としても配慮をして、無用の磨擦を避けるべきであろう、かように考えております。  農業問題につきましては、あるいは農林省からお答えがあるかと思います。
  115. 渡辺武

    ○渡辺武君 農業、中小企業保護の問題。
  116. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 申しおくれましたが、農業あるいは中小企業の問題につきましては、今回のガットの東京ラウンドの交渉の際には、十分配慮してまいりたい。その中小企業あるいは農産品の対日輸出に意欲を非常に持っております国々は、単に先進国だけでございませんで、特に中小企業の産品につきましては、発展途上の国々が大きく日本に期待しているところがあるわけでございます。したがいまして、一方におきましては、国内の中小企業の困難の問題があると同時に、近隣の途上国のそれらの願望をどの程度満たし得るか、どの辺にその調和点を見出し得るかということが非常に大きな問題であろうかと思います。しかし、国益といたしまして、農業あるいは中小企業の適正な保護ということは常に念頭に置いて交渉に当たるべきものと考えております。
  117. 渡辺武

    ○渡辺武君 それでは、その国内の中小企業の中でも、端的に言いますと、大島つむぎの話で伺いたいんですが、これは伝統的工芸品産業に指定されていることでもわかりますが、機械化するということが非常に困難なもので、しかも国内市場に限られている特殊な製品つくっているところですね。三百年の伝統持ったものですよ。これがいま韓国から同様ないわゆる競合品の輸入で大きな打撃を受けていると。不況と同時にこれが重なって、その存立の基盤が奪われようとしているという重大な時点にきているわけですね。その点で伺いたいんですが、例年行われる韓国との間の生糸及び絹製品の貿易取り決め交渉ですね、これもう行われる時期だと思いますが、ことしはどういう基本方針で臨んでおられるのか、これまず伺いたいと思います。
  118. 保延進

    ○説明員(保延進君) 絹製品につきましての日韓協議につきましては、先月の十日と十一日の二日間にわたりましてソウルで行われたわけでございますが、この会議におきましては双方の主張を出したわけでございますが、相当大幅な食い違いもございまして、合意に達するに至っておりません。次回は四月の初めに行われるということになっております。何分にも協議中の問題でございますので、ここで対処方針等につきましてはっきり申し上げにくいわけでございますけれども、現在の大島つむぎ業界の窮状、まさに先生が御指摘のとおりでございますけれども、そういった点を十分踏まえまして、来年度の輸入の抑制につきまして、韓国側の十分な協力を得るように対処いたしてまいりたいというふうに考えております。
  119. 渡辺武

    ○渡辺武君 たとえば、何ですか、昨年よりもふやすんですか、減らすんですか。
  120. 保延進

    ○説明員(保延進君) スタートとしては、カットバックということで要求をいたしております。
  121. 渡辺武

    ○渡辺武君 どのくらい減らすつもりですか。
  122. 保延進

    ○説明員(保延進君) 相手があることでございますので、最終的にどういうことになるかはわかりませんが、ある程度カットバックいたしたいというふうに考えております。
  123. 渡辺武

    ○渡辺武君 昨年も約四万反という妥結した点だったと思いますね。ところが、当時業界の方は、少なくとも十万反は入っているということを盛んに強調しておりました。税関を通る物、これだけでなくて、いろいろおみやげ品等々あるいは郵送するものなどで、十万反ぐらいは入っているはずだと。これは業界の需給などの見通し、それから生産の状況等々から、これはもう検討した上での発言であって、かなり実相に近いんじゃないかという気がしているんですね。ところが、昨年九月に協同組合から韓国に視察に行きまして、韓国では大体一万二千台くらいの織り機が動いていると。そうしますと、月に一反とちょっとぐらい生産すると見て、大体いまは二十万反ぐらい入っているんじゃないかということを言っているんですね。したがって、その圧力もあり、不況もあって、いま大島つむぎの在庫は急増しているというのが実情のようです。私は、もし交渉するならば、かなり大幅に昨年よりも輸入を抑える必要があるんじゃないかと思うが、しかし同時に、それだけでは足りないだろうというふうに思うんです。  時間がないから申し上げますけれども、私は、やはりこういう特殊な、機械化もできないような産業が、外国の競合製品の輸入によって大きな打撃を受けているという事態を十分に直視して、ちょうどいまアメリカがカラーテレビでやっていると同じように、私は、やっぱりガットのセーフガード条項を、これを十分発動できる可能性があるじゃないかというふうに思うんです。これは恐らく国内立法が必要じゃないかと思うんですけれども、輸入制限をおやりになるお気持ちがあるかどうか、その点まず伺いたい。
  124. 保延進

    ○説明員(保延進君) 絹製品の輸入抑制につきましては、中国、韓国が主たる輸出先でございます。この二国とは二国間交渉を通じて抑制するという方針になっておりますので、今後ともそういうことでいきたいというふうに考えております。
  125. 渡辺武

    ○渡辺武君 もう一問。  セーフガードを適用して輸入制限をやるというおつもりがないならば、少なくとも現在の関税定率法の第九条によれば、緊急関税という制度もあるわけですね。これを採用して、少なくともいまの業界の窮状を現行法をすぐ発動して救っていくというおつもりがないかどうかですね。これを伺いたい。もし発動するとすれば、どういう手続をとったらいいのか、これもついでに伺いたい。
  126. 旦弘昌

    ○政府委員(旦弘昌君) 緊急関税を発動したらいかがかという御指摘でございますけれども、現在せっかく通産省と韓国政府との間に実質的な輸入制限であります数量の問題について話し合いが行われておるところでございまして、そのような話し合いの結論を待たずに、緊急関税を発動するというような事態ではないんではないか。実質的な数量制限、輸入制限が過去にも行われておりましたし、今後もそういう方向で円満に話をつけようというさなかでございますので、そういう段階ではないと、かように考えております。
  127. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 各論に入る前に、基礎的な問題について若干お尋ねをしたいと思います。  去年つくられました財政収支試算の中を見ますと、五十二年度の数字といま政府が御提案になっております五十二年度予算の数字と、歳出総額を見ますと、当初の想定が二十八兆四千九百億円、予算に計上しましたのが二十八兆五千百億円ですから、その差わずかに二百億円と、大体いい線をいっているわけですけれども、歳入を見ると、当初想定したのが二十兆――税収だけ挙げていますが、二十兆六百億円、今回計上されましたのが十八兆七千九百億円と、その差一兆二千七百億円。相当大きく税収の面では落ち込んでいるわけですけれども、それは見積もりだと言われればそれまでですけれども、歳出の方は大体とんとんに当たっているわけですから、歳入の落ち込みというのはどういうことだったんだろうか、見積もりに比べてですね。御見解を伺いたいと思います。
  128. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 昨年予算委員会に収支試算をお出しいたしましたときにも、これは五十五年度の姿を試算してみたもので、途中年次はそれをGNP比率で機械的に割りつけてございますので、それ自身の絶対額には計画的な意味がないということをくどく申し上げておったかと思います。ところで、でき上がりの姿を見ますと、おっしゃいますように、年割りの五十二年度と歳出はほとんど違わない、歳入が大きく違うということでございますが、これは基本的にはやはり景気に即応するために歳出の方は多目に組んでおる、歳入の方では大きな増税ができるような時期でないということから出てきておると、私どもとしては考えておりまして、と申しますのは、当初の年割りの基礎はGNP一五でございますが、五十二年度の政府見通しは二二・七でございまして、したがって、GNP比例でいくならば、歳出の方はもっと小さくなくてはならない。歳入の方はできれば増税をするというような姿がいままでも予定されておった。しかし、予想されるGNPを二二・七に持っていくためにむしろこれだけの歳出が必要であるということであり、歳入面ではそのためには大幅な企業増税はやるべき時期でないということになる。しかも、率直に申し上げまして、年割りのところでは、自然増収に食い込むような減税は予定していなかったと。政府案でも減税があるということでございますので、歳出と歳入それぞれに計画が財政収支見通しで見ておりましたようなGNP比例の姿にはなっていないということであろうかと考えます。
  129. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 五十五年度までに赤字公債ゼロにしたいということで途中つないでおるわけですから、ここに細かい議論をされても困るということはよくわかるんですが、それはそれとして毎年たどっていかないと目標にはいかないわけですから、その意味でいまの税収を見た場合に、一兆円を超える差があるというのはなかなか大きな意味を持っているんではないんだろうかと思うので、重ねて伺うわけですけれども、本来なら増税で埋めたかったということなのか。実は伺いたいのは、五十年度で大きな落ち込みがありました、その回復ということもここの中に本当は入っていたんだけど、なかなか景気の立ち直りが思うようでないので、実は計算上のこととは言いながらこの差が出たという、二つながらの理由なのか。本当は増税すべきであったんだけど、客観情勢が許されなかったということなのか。その辺の判断は一体どうなんでしょう。
  130. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) これは人によって見方が違うのかもしれませんけれども、私としてはおっしゃった両方の両因がかみ合っておると思います。両方ともかみ合っておると思います。
  131. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 両方ともかみ合っているということになりますと、実は今年度の問題もそうだし、来年度の議論も引き続いてそうなんでしょうけれども、三兆円を超える大きな落ち込みがいつどんなぐあいにして回復をしていくんだろうかということは、三兆という額になりますと、相当の見通しを立てないと、実は五十三年度税制の議論すらできないし、いわんや五十二年度これからどうしていこうかという議論も本当はできない。したがって、その見通しをある程度おぼろげながらにでも立てておかないといけないと思うんですが、いま両方入っているとおっしゃったもんですから伺うんですが、どのぐらい入っているんですか。
  132. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 計量的に申し上げることは私も自信がございませんけれども、昨年お出しした財政収支試算ベースでの一五というGNP成長でありせば、もう少し自然増収が大きくなり、かつ弾性値も大きい姿であったかもしれない。その要因が一つございます。  もう一つは、一五でない、しかも二二・七というよりもむしろ実質の六・七を何とか確保するためには、大きな増税をやれない年であった。つまり逆に申しますと、もっと予測される成長率が高いという姿に五十二年度がなっていれば、それなりの自然増収もあったであろうし、いま御提案している以上の負担の増加もお願いできたかもしれない。両方の要因がかみ合ってここにあるような格差が出てきた。私としてはそのように考えております。
  133. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 くどいようですが、いま一五%という名目成長率を基礎にして計算したんだけど、五十二年度は二二・七であるという話よくわかるんですが、一五と一三・七の比較の前に、大幅な弾性値の落ち込みでいまひっくり返ちゃったわけですから、そうすると、同じ一三・七であったとしても、相当の急カーブで税収が回復してくる、その時点をとらえてみると弾性値が異常に高くなるという意味の回復をひとつ私は申し上げたんだけど、その部分についてはどうお考えになりますか。
  134. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) それは栗林委員がよく御承知のように、五十一年度から五十二年度に移っていく勢いの問題が一つあろうかと思います。それが五十二年度における弾性値をある程度規定しているのかもしれません。五十一年度が後ろに行くほどいわば少しずつ傾斜が上がっていく姿で五十二年度に移っていくという状況でございますれば、恐らく弾性値は、現在結果的に計算されているものよりも相当高いものになって出てくるのかもしれません。それらすべてを含めまして、やはり予想されたような五十一対五十二の勢いでなるということが税収面で非常にデリケートに作用しているんではなかろうか。と申しますのは、租税だけで計算いたしまして弾性値がたしか一・二七になっておったと思います。それで専売益金を含めますと一・二になってしまっておりますから、過去の平均よりもむしろ低い、結果的に、というような姿でございまして、それは一つのかなりの要素であるかもしれません。
  135. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いまの御説明は、その弾性値がなかなか急速に上がるということはにわかに予測しがたいという御説明だと受け取ってよろしいのですか。
  136. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 今後平均的にそうであるという意味で申し上げたのではなくて、五十一と五十二を比べた場合に、やはりそういう要素はかなり大きいのではないかという意味でございます。
  137. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 じゃ、ひとつ五十二年を、たまたま途中で恐縮ですけれども、数字があるものですからお尋ねをするわけですけれども、それも途中の数字だから、なかなか確かなものではないというお答えで結構なんですが、フロットはフロットであるわけですから、そこでことし出された財政収支試算を拝見しますと、五十五年に赤字公債ゼロということを考えていくためには、五十三年度は対前年比税収が二七・四%ふえないと勘定が合わないように数字が入っているわけですけれども、このときにどういう成長率をおとりになったか知りません。ただ、五十年代前期経済計画が言うように、おおむねならして二二%強ということで考えてまいりますと、二七・四%の税収の伸びというのは、目見当で考えますと、二兆円ぐらいの増税をしないと間に合わないぐらいの異常な税収の伸びを書かれているわけですけれども、そこで、将来ともこんなかっこうのものをお考えになっているのか。二兆円みたいなかっこうが出るかもしらぬけれども、相当部分は前の異常値の修正というかっこうでならされていくんだということなのか。ことしにつながった議論としてすぐ出てくるわけですから、重ねてお尋ねをしたいと思います。
  138. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 今回は、昨年と違う意味で二つのケースをお出ししてございまして、ケースAの方は、いわば昨年と同じタイプでのGNP連動でございますから、ただいまおっしゃった二七・四に対応しますときには、一五%が土台に入っているという姿でございます。  それから、ケースBの方は、昨年タイプの一五、一二、一二というのではなくて、今後も平均的に輪切りにしてフロットしていくというものでございまして、ケースBの方でございますと、所要税収伸び率は二三・七でございます。  で、いずれの場合も、GNP弾性値としては同じものを使った結果になりまして、所要弾性値は一・八三ということになります。これが五十二対五十三の経済の勢いが一・八三という弾性値を生むような勢いになるかというのはこれからの問題ではございますけれども、過去の経験で申しますと、一・八という弾性値は十年間に一遍しかございませんので、やはり諸般の情勢が許すならば、何らかの増税をお願いしないと、なかなかここで輪切りにしてみた五十三年度のような姿にはならない。むしろ何もしないでもこうなるであろうというのは余りに楽観的に過ぎている。ちょっとそういう見通しを持って事に当たるということは適当でないと申し上げるのが本当だろうと思います。
  139. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 数字の話ばっかりで恐縮ですけれども、この一・八三という、十年に一遍あるかないかというような数字を、結果論ではじいてみればそうなるということなんでしょうけれども、本当にそれが期待できるかどうかは相当重要なポイントじゃないかと思うんですが、もう少しかみ砕いて、ではお尋ねしますと、大蔵省が税額の見積もりをやる場合には、計算方法とすると、生産指数と物価指数と所得率をそれぞれ掛け合わせながら指数をはじいておいでのようであります。  で、生産指数ということになりますと、御案内の需要の減退でありますから、それは国内にとどまらないで、海外も含めて需要が減退しているから輸出がこれだけの騒ぎになるわけでありまして、これはなかなか早期の回復はむずかしい。その最大の理由は、原油の値上がりを中心にしたオイルショックだったかも一しれない。  では、物価指数はどうかと言いますと、なるほど物価が上がれば税収はふえる理屈でありますけれども、これは政策としてそういう政策はとれない。所得率はどうかと言いますと、これはいわば原因ではなくて結果の数字だと思います。  そう見てまいりますと、いま一・八幾つという数字を挙げながらの御説明でありますけれども、本当は、その数字を当てにしたのではわれわれは判断を間違うのじゃないか。もうそろそろ五十年度の大幅の落ち込みというのは、実は構造的なものである、あれはもう二度と返らないことを考えながら、これからの財政の組み立て方をどうしていくかを考えないと、にっちもさっちもいかないところにいくというのが本当ではなかろうかという気がしてならないのですけれども、いま申し上げた、生産指数に物価指数、所得率を掛けながらの御計算でありますけれども、一番のポイントは、何と言っても生産指数、需要の落ち込みだと思うのです。それが十年に一度あるかなしかみたいな弾性値が期待できるほど生産が上がるのだろうか。  時間がありませんから、絡めて経済企画庁に一つだけお尋ねをしておきますけれども、そういう中で、では足りざる分は、よってもって増税であると、こうなった場合に、簡単にはじいてみても二兆ぐらいの――弾性値が変わらないとすればですよ。二兆ぐらいの増税をしなければいかぬ。半分満足されても一兆円増税だということが、果たしてデフレ効果の心配をしないで政策に乗り得るのだろうか。  その一点ずつだけお尋ねして、時間がありませんから、きょうは打ち切ります。
  140. 大倉眞隆

    ○政府委員(大倉眞隆君) 前半につきましては私の方でお答えいたしたいと思いますが、一・八三と申しますのは、私が先ほど所要弾性値と申し上げましたように、期待されるものではなくて、これだけないとこうならないというものでございまして、したがって、仮に弾性値が一・四であるとして計算をいたしますれば、ケースAの場合には差額は一兆二千百億円、一・三であればもっと差額はふえる、そういう性質の数字でございます。したがって、五十三年度に一体弾性値がどれくらいになるか、それはすべてこれからの勝負でございますけれども、政府が見通しとして期待しておりますような六・七の実質成長率というものが、年度を通じてどのようなプロセスで出てくるか、それが五十三年度に向かってどうやってつながれていくか、それによってかなり大きな幅で揺れるものであると、こう思います。  それから私どもなりに、五十五年度までのプロセスにおきましては、マクロ的には対国民所得比二・〇%一般会計ベース、一・〇%地方財政ベース、合わせまして、国全体で三・〇%負担の増が起こるということを組み入れました上でマクロ計算をして、成長率も物価もはじかれておると思いますので、その意味では、これだけの所要の増収額が計画に新たなるデフレ圧力を加えるという性格のものではないように理解いたしておりますが、その点は企画庁の方からお答えいたしたいと思います。
  141. 柳井昭司

    ○政府委員(柳井昭司君) デフレ効果の問題につきましては、この計画期間内におきまして、三%国民所得対比で租税負担率を上昇するということになるわけでございますが、計画におきましては、そういうことを見込みました上で、たとえば計画五十五年度の期間内におきまして、消費支出が五カ二分の一、あるいは民間住宅投資が八%弱、あるいは民間企業設備投資が七%程度出る。こういうふうなことで、いずれにいたしましても、実質的な経済成長率につきましては、この計画期間内にまあ六%強程度の成長ができるというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、増税ということによるデフレ効果というものは一般的に考えられるわけでございますけれども、この計画期間内まあ六%程度の成長というものは期待できるのではないか、こういうふうに見込んでおるわけでございます。
  142. 安田隆明

    ○委員長(安田隆明君) 三法案に対する本日の質疑はこの程度といたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時十三分散会      ―――――・―――――