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1977-06-03 第80回国会 参議院 外務委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和五十二年六月三日(金曜日)    午前十時五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月三日     辞任         補欠選任      岡田  広君     望月 邦夫君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         寺本 広作君     理 事                 大鷹 淑子君                 亀井 久興君                 秦野  章君                 小柳  勇君     委 員                 大島 友治君                 福井  勇君                 二木 謙吾君                 望月 邦夫君                 青木 薪次君                 大塚  喬君                 矢田部 理君                 塩出 啓典君                 矢原 秀男君                 立木  洋君                 渡辺  武君                 田渕 哲也君    事務局側        常任委員会専門        員        服部比左治君    参考人        明治大学教授   宮崎 繁樹君        海洋法・海洋問        題研究家     麓  多禎君        評  論  家  北沢 洋子君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸  棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と  大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部  の共同開発に関する協定締結について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) ただいまから、外務委員会を開会いたします。  日本国と大輔民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  本日は、午前中は明治大学教授宮崎繁樹君及び海洋法・海洋問題研究家麓多禎君に参考人として御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  皆様には御多忙中のところを御出席いただき、まことにありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本件審査の参考にしたいと存じます。  つきましては議事の都合上、まず、皆様から一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後で委員の質疑にお答え願いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、宮崎参考人にお願いします。
  3. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 明治大学の宮崎でございます。  日韓大陸だな協定について意見を申し述べます。  去る五月二十三日から第三次海洋法会議の第六会期がニューヨークで開かれ、新しい海洋法秩序の総仕上げが行われようとしております。  また、この会議の結果いかんにかかわらず、ことしは年頭から二百海里時代の幕あけを迎え、領海十二海里、経済水域二百海里は動かしがたい事実としてすでに国際社会に定着しつつあります。わが国でも、去る四月二十九日、領海法と二百海里法が当参議院で全会一致採択され、近くその発効を迎えようとしております。  ところがいま、その世界的大勢に目をつぶって、日本の主権のもとに置かるべき広大な区域とその貴重な資源が、無理押しに外国や外国のメジャーに白昼公然と譲り渡されようとしております。  過日来の日ソ漁業交渉において北方領土が問題になりました。多くの日本国民は、ソビエトが今回の漁業交渉で、北方領土を自国領土として既成事実化しようとしたことを許しがたいと感じていると思います。  北方領土問題が今日なお問題になっておりますのは、二十六年前の日本政府が、連合国側の公約した領土不拡大原則に反する千島列島の放棄条項を不見識にも受け入れた結果なのであります。  いま政府は、日韓大陸だな協定という名において、わが国の主権のもとに置かるべき、九州と四国を合わせたよりも広大な約八万二千平方キロメートルの区域を、今後五十間、実に半世紀にもわたる長期にわたり、韓国政府ないしその選定した外国石油資本の利用、使用にゆだねようとしております。これは国辱的な不平等条約であり、一種の擬装的な領土割譲条約でさえあります。このような協定をそのまま認めるならば、将来の日本国民から何とわれわれは不見識であったかと批判されるに違いありません。  過日の十二日間の会期延長により、日韓大陸だな協定は自然承認になるのだというようなことが言われております。これほど参議院の審議権と良識を無視した話はありましょうか。ぜひとも当参議院においては天下にその良識を示されたいと思います。  協定は、御承知のとおり二つに分かれております。  そのうち、日韓両国に隣接する大陸だなの北部の境界画定に関する協定につきましては、座標三十五が竹島の存在を無視して定められている点不適当であり、再調査を要すると考えますけれども、そのほかは、両国大陸だなの等距離中間線によって境界を定めたものでございますので、さして問題はないと考えます。  これに対しまして、日韓両国に隣接する大陸だな南部の共同開発協定、以下共同開発協定と申しますが、これは種々問題点があり、これを批准すべきものではないと考えますので、以下この協定について意見を申し述べます。なお、この協定が万一発効する場合にはどういうふうな留保をつけるべきかということについても補足して申し述べたいと思います。  それでは、一、わが国の領海との関係、二、排他的経済水域との関係、三、大陸だなのいわゆる自然延長論との関係、四、国際信義の問題、五、海洋環境保護との関係、六、開発可能性の問題という順序で述べてまいります。  第一に、この共同開発協定はわが国の領海さえも侵しております。近く発効する領海法第一条によりますと、わが国の領海幅は十二海里となり、この共同開発協定による共同開発区域の座標十五と十六、十六と十七を結んだ画線の部分が、男女群島の女島南方約三キロメートルにある鮫瀬の領海を侵すことになります。  この事実は、四月十一日の口上書により、決して消すことはできません。少なくとも明確な留保を必要とする点であります。しからずんば、政府間協定、交換公文等、明白な国際法上の協定によってその点を明確にすべきであります。  第二に、この共同開発協定による共同開発区域は、全部わが国の排他的経済水域に含まるべき区域であります。  冒頭に申し述べましたように、距岸二百海里の排他的経済水域は、現在ではすでに国際社会のコンセンサスが得られ、第三次海洋法会議第三会期で作成されました非公式単一交渉草案にも、また第四会期で作成されました改訂非公式単一交渉草案においても、明文の規定によって認められております。そして、この問題を現に審議しております第二委員会においても、細部の点は別として、二百海里の排他的経済水域設定自体に反対する国はないのであります。  すなわち、世界の大勢は二百海里の排他的経済水域を認めており、この共同開発協定で日韓の共同開発区域とされている区域は、すっぽりと日本の排他的経済水域に含まれるのであります。これに対して、韓国が排他的経済水域を設けるといたしましても、この共同開発区域が全部それに含まれるということはなく、韓国沿岸から二百海里の線は共同開発区域とされている区域の南限よりもはるか北であり、共同開発区域の北限が日韓両国の排他的経済水域の中間線となります。  改訂非公式単一交渉草案、以下海洋法草案と申しますが、その第二部第三編が排他的経済水域の規定をなしております。その第四十四条は、領海の外側に隣接する排他的経済水域といわれる区域において、沿岸国は次のものを有する。(a)、その海底及び海底地下並びにその上部水域の生物及び非生物天然資源を探査、開発、保存及び管理するための主権的権利と定めております。そして、向かい合った国の間の排他的経済水域の境界画定は、適当な場合には中間線または等距離線を使用し、かつ、すべての関連状況を考慮して、衡平の原則に従って合意により行われるものとすると第六十二条は定めております。  共同開発区域がわが国の排他的経済水域に含まれることは疑いありません。わが国は、まずこの二百海里排他的経済水域を早急に設定すべきものと考えます。もし韓国側に異論があれば、正々堂々と国際司法裁判所において黒白を決すべきであります。  第三次海洋法会議においてこの二百海里排他的経済水域が確認されようというそのやさきに、なぜこのような等距離中間線の韓国側は全部韓国の独占となることを認め、中間線の日本側、つまりわが国の排他的経済水域に含まれるこの水域とその資源を韓国の朴政権に献上しなければならないのでありましょうか。これは明らかな不平等条約であり、共同開発に名をかりた擬装的、仮装的領土割譲条約であります。われわれ国民はとうていそれを納得し得ないのであります。少なくとも、わが国が排他的経済水域を設定した場合には、一方的通告によって協定を無効となし得る旨の留保を付すべきであります。  第三に、大陸だなのいわゆる自然延長論の問題について申し述べます。  政府が発行しておられる日韓大陸だなの批准促進のパンフレットを拝見いたしますと、国連海洋法会議では大陸だなの範囲を大陸だなの自然の延長とするいわゆる自然延長論がますます大勢を占めつつあり、待てば待つほどわが国にとって不利な情勢が固まりつつある、したがって、共同開発協定を早く批准した方がよいとされているようであります。しかし、その点にも疑問があります。一九五八年の大陸棚に関する条約は、大陸だなの範囲を水深二百メートルないし開発可能な限度としておりました。これに対し、昨年、第三次海洋法会議第四会期が作成いたしました海洋法草案の第二部六十四条は、大陸縁――コンチネンタルマージンの外端または距岸二百海里としております。つまり、水深よりは沿岸からの距離によろうという考え方が主流になってきております。  向かい合った大陸だなの境界画定について、海洋法草案第七十一条は、排他的経済水域の場合と同様に、適当な場合には中間線または等距離線を使用し、かつ、すべての関連状況を考慮して衡平の原則に従って合意により行われるものとする、と定めております。決して相対立する大陸だなの境界画定に当たって等距離中間線説が無視されてきているわけではありません。  また、大陸だなというと北海大陸だながよく参考に引用されますが、北海大陸だなを囲む国の中で、ノルウェーとイギリス、ノルウェーとデンマークとの間には、御承知のようにノルウェー寄りにスカゲラック海溝という海の深いところがありますが、そのどちらも海溝を無視し、両国の中間線をもって両国大陸だなの境界としております。国際的に見ましても、向かい合った大陸だなの境界画定は原則的に中間線を採用しており、今回の日韓大陸だなのような方式は皆無であります。  この共同開発協定正当化のため、大陸だなのいわゆる自然延長論によって韓国側の主張が有利であると政府は主張しておりますが、それについても疑いがあります。北海大陸だな事件についての国際司法裁判所の判決は、すべての場合に強制的かつ十分な境界面定の唯一の方法がないとしながら、境界は衡平の原則に従い、関連あるすべての状況を考慮し、海中及び海底への領土の自然の延長を形成する大陸だなのすべての部分を他国の領土の自然の延長を侵害することなく、できる限り多く各当事国に残すような方法で合意によって決定しなければならないとし、考慮すべきファクターとして、当該大陸だなの物理的、地質的構造並びに天然資源などを挙げております。  政府が発表しておられます啓蒙文書によりますと、韓国麗水付近から沖繩にかけて、つまり北から南に共同開発区域を縦に切った断面図により説明しておられますが、それによりますと、共同開発区域は韓国側の大陸だなの上にあるように見られます。つまり、沖繩との間には深い海溝があって、韓国側の主張を裏づけるかのように見られるのであります。しかし、公刊されている地図、海図、ESCAPの報告書添付の地質図、また、後に麓さんが提示されます地図にもあるかと思いますけれども、それを見てみますと、沖繩は近畿の南部から四国、九州南部につながる、その延長をなしておりますが、それに対して近畿の北部、中国地方の地域、それから九州の北部に連なる線の延長が、五島列島から男女群島を経てこの共同開発地域に延びております。韓国の大陸だなはむしろ共同開発区域より北にとどまっており、もし考慮するとするならば、中国大陸の大陸だなが共同開発区域の西部に及んでいるのであります。  このような点からすると、韓国政府の主張をたやすく容認して等距離中間線以南をそっくり共同開発区域としたこの共同開発協定はきわめて疑点がある、疑いがあると考える次第であります。  第四に、国際信義の問題に触れたいと思います。  この日韓大陸だな協定は、第七十二国会以来国会に提出されたが審議未了となっており、早く批准しないと国際信義に反すると一部に言う方があります。しかし、決してそんなことはございません。条約というのは両国でそれぞれ十分に検討し、納得がいった場合に批准すべきもので、そのため国会の承認も求められているわけであります。政府の派遣した全権委員が署名してきたのだから批准しなければ国際信義に反すると国会をせき立てるのは、国権の最高機関である国会無視もはなはだしく、政府代表を国会より重しとすることになります。  従来も、ベルサイユ平和条約の場合、アメリカは署名いたしましたが上院が反対して批准を拒否し、ヨーロッパ防衛共同体の場合にも、フランスは署名いたしましたが批准いたしませんでした。このような態度が現在において決して道義的に非難の対象になってはおりません。  特にここで強調をいたしたいのは中国との関係であります。本件大陸だなにおいて外国を考慮すべきであるとするならば、先ほども申し述べましたように、韓国ではなくてむしろ中国であります。本件共同開発区域は、わが国の男女群島が属する海底隆起と中国の大陸だなによって合成された海底区域であり、自然延長を考慮すべきものならば、中国と交渉すべきであります。従来政府は、中国は黙認しているというふうに説明しておりましたけれども、御案内のように、七四年の二月四日、ことしの四月二十一日、二十三日、そして五月の二十七日にも中国は明白に異議を申し述べております。国会としては、ぜひ国家百年の計で後々に悔いを残さぬよう、国民の利益を考え、批准についての承認の可否を審議し、正しい判断を下されるように希望いたします。特に、五十年もの長い間国家の行動をこのような不平等の形で固定することは不適当であり、期間を短縮し、廃棄可能とするよう明白な留保をすべきであると考えます。  第五に、本協定は海洋の自然環境、漁業保護につき真剣な対策が全く考慮されていないことを指摘しなければなりません。  すでに、一九六八年一月二十八日サンタバーバラの石油流出事故がございましたが、つい最近、四月二十二日に北海のノルウェー沖の油田でも事故が発生したことは皆様の御記憶に生々しいと思います。  最後に、開発の可能性に関連して一言申し添えます。  本来、このような問題の多い共同開発協定、五十年もの間わが国を縛ることになる協定をなぜ急いで早急に進める必要があるのでありましょうか。エネルギー問題が緊急を要する問題であることは確かでありますが、この共同開発を早急に進めることによってエネルギー問題が本当に解決されるのでありましょうか。もしこの地域から石油が出たとしても、その大半は外国の石油資本のものとなり、四分の一しかわが国には帰属しないと言われております。そして、この共同開発区域から石油が本当に採掘される見込みはあるのでありましょうか。この点については麓参考人からも御意見があるかと思いますけれども、国民は、この共同開発協定が急がれている真の理由は、政治資金の油田を日韓両国政府に提供するためではないかという疑念を抱いております。  わが国では、莫大な成功払いの資金が不確定な油田の探査、開発のため石油開発公団を通じて石油開発企業に流され、韓国の朴政権には国際石油資本から鉱区使用料名義で金銭が支払われ、その間に黒い政治的資金が動くのではないか。さらに、この協定が動き出せば第十七条、第十八条によって開発業者が共同開発区域内での事業活動のため固定資産の所有、資材の搬入搬出について税金を免除されているということなどのために、共同開発区域を経由して密輸が公然と行われるのではないかとさえ言われております。  このような政治不信を政府はまず完全に払拭する必要があります。そのためには、まだ未解決になっている金大中事件についてもすっきりした解決を行うべきでありますし、カーター政権も指摘しておりますように、人権抑圧政策をとり、アリバイのある日本の在日韓国人の人たちに死刑判決を言い渡したり、その他大勢弾圧をして重刑を科しております韓国政府に対して、わが国政府はまず毅然たる態度で臨まれなければならないと思うのであります。  時間がありませんので、以上をもって意見の開陳を終わります。     ―――――――――――――
  4. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) この際、委員の異動について御報告します。  本日、岡田広君が委員を辞任され、その補欠として望月邦夫君が選任されました。     ―――――――――――――
  5. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 次に、麓参考人にお願いをいたします。
  6. 麓多禎

    ○参考人(麓多禎君) 私は、まず結論を簡単に申し上げます。  批准に反対いたします。  ただ、私のはそれ以前の反対でありまして、私は衆議院でも、青嵐会の一番右の方から共産党の一番左の方まですべて私の友人として考えるということを申し上げたんです。ここでも私はそういうつもりで申し上げます。三つだけ先に問題点を申し上げまして、後は一応お手元に差し上げた資料に基づいて御説明を申し上げたいと思います。  第一の問題点は、何といいましてもこれは東アジアの平和の問題、特に朝鮮半島の平和の問題に非常によくない影響を及ぼす。この細かい点につきましては、お話しすれば一時間でも二時間でもお話ししなきゃならないと思いますので、むしろ皆様の御質問の方に譲りたいと思いますが、ただ、私は一番最初この協定に疑問を持ちましたのは、四十八年の十月九日の決算委員会、この議事録を読みまして、社会党の小林先生がいろいろ松浦先生と一緒に質問をされておる。そこで私は大変疑問に思いまして、それから調査を始めたわけです。  おととしの四月に公明党の渡部議員から、おまえ参考人に呼ぶかもしれぬぞと言われましたんで、私はすぐジュネーブに飛びました。ちょうど当時海洋法会議のジュネーブの草案のできる直前でございまして、ぜひとも新しいテキストを持ってきたいと。それにかねがねジュネーブでは、日韓関係に妙な金が動いてそこにうろうろ何かあるという話を聞きましたので、私はジュネーブに多少の知人もおりまして、できればそんなことも知りたいと思った。ところが驚いたことに、私がパレデナシオンのプレスクラブに入りますといきなりその話を聞かされたんです。  そういうことで、話が長くなりますからこの問題は後ほどに譲りますけれども、よくよくお考えになっていただきたい。私は率直に純真な気持ちで、最後には、どうして韓国がこういう無理難題を言うのかということを真剣に考えたんです。その結果私が一番困ったのは、韓国に対する歴史の知識がないということで、まあ及びませんけれども、お手元に差し上げた中にこういうものが入っております。これは私が苦労いたしましてまとめ上げた、ソウル大学の韓先生の厚い通史からピックアップしたものです。  その中で、最初の図をごらんになるとわかりますように、南北の朝鮮の分断された歴史は三千年以上ございますけれども、常にどうにか一緒になってきておる。したがってわれわれとしては、日本人としてあくまでこれが一緒になるように努力するのがあたりまえだと考えるわけです。そういう意味で、一体、この不合理なことを知りながらなぜ韓国政府はあくまで大陸だなの協同開発に基づく主権的権利を主張するのか、なぜ竹島をあれほどまでに守るのかということは、われわれ日本人として、すべてのかみしもを脱いで過去の歴史というものを考えなきゃいかぬと私は率直に思う次第です。  そういう意味におきまして、結論的に、この協定は韓国の住民の利益に沿わない。なぜか。それは最後に申しますが、仮に油がある程度出てもそれは非常に高いものにつく。そういうものを実際に、まあ午後北沢さんがお話しになると思いますけど、何か韓国の場合は出る石油の一割しかもらえないとかいう話です。しかも韓国の場合にはいろいろな保護があって、企業あるいは政府は損をしないようになっている。そういうことは午後お話があると思いますけれども、私もそれを聞いて驚いたんです。したがって結論的には、油が出るといいましても、たとえ出たところでとても経済性に合うものが出ないということになれば、結局これは韓国の国民の利益に沿うものではない。  それで、一番簡単にお話をしますためにちょっと図を用意しましたんですが、結局われわれは、東アジアの安全を願うためには、とにかく東アジアの石油の資源の現状と、現在韓国にどんな石油が入っておるかということを一応よく考えてみる必要がある。  私がどなたにも申し上げたいことは、これが大慶でございます。大慶は御承知のように中国の主力油田であります。じゃ朝鮮がどういう油をいままで買ってたのかと申しますと、中国の大慶油田が開発されるまではチュメニの油田からパイプラインでイルクーツクへ運びまして、貨車でこう持ってきている。それから、第二バクーの油をインド洋を通してタンカーで持ってきている。そういう高い油を朝鮮の住民は買わされておった。  これが、幸いにしてここが開発できまして、昨年と思いますが、一昨年ですか、ピョンヤンにまで来ているかどうかわかりませんけれども鴨緑江を越えてパイプが入っておる。だから、一番安い油を韓国の国民に与えるならば、この障壁を取ってパイプをソウルまで延ばせばいい、浦項あるいは釜山まで。そういうことを妨げるのがこの協定であるということです。  で、これは、私が特に強調したいことは、大慶の油のコストとチュメニのコストを比べますと、掘削コストが約五分の一と私は概略判断いたします。というのは、井戸が浅い、それからこちらは非常に深い、それからここは大変な湿地帯で、冬は凍ってしまいます、夏はもうブヨがいっぱいわいてくると。どうにもならないで、結局チュメニの油田は開発は失敗したわけです。それが、この間アメリカのCIAか何か報告にありましたとおりですけれども、そういうことで基本的に掘削コストが五分の一、油送コストは恐らく五十分の一くらいです。そういう油があるのに、ここに障壁を置いて南の朝鮮の人に使わせないようにしておる。こういうばかげたことはないわけです。こういうものを一日も早く取り払うことが日本人として民族的な義務であると私はかたく信ずるものです。  時間もございませんのでそのくらいにしまして、次は海洋法の問題、私はこの問題につきましては、先ほど先生のお話もございましたけれども、なお念には念を入れまして、かつまた、私が二、三の議員さん並びに海洋法の先生とも御相談したり、あるいは私も昨日中国の大使館に行きまして、かねがね楊一等書記官とはいろいろお話ししているんですが、そういう意味も含めまして申しますと、いま宮崎先生からお話しになりました一つの大きな問題点としまして、二百海里の経済水域、二百海里の大陸だなの限界という二つの問題がございます。これは理論的に大変むずかしい問題で、実はこれだけしゃべっても大変なんですが、要点だけ申しますと、現在のいわゆるニューヨークの最終テキストでは、大陸だなの限界としまして、一応コンチネンタルマージンと申しますのはちょっとここには出ませんけれども、率直にお話し申し上げれば、日本の南を走っている日本海溝という約九千メーター、七千メーターの海溝がございます。そこが要するに最近の海洋学の理論で言う、太平洋の底には何枚かの大きなプレートがあって、それが徐々に移動していると。そこに大陸がこうかぶさるようにあって、そこの境目が要するにそういう海溝になっているという理論で、私は海洋学者じゃございませんので細かくは御説明申し上げられませんけれども、そういうようなことで考えていきまして、ここに一つの大きな問題点があるんです。  これは従来先生方余り御指摘にならないのは、大陸だなの限界はいわゆるコンチネンタルマージンであると、ところがコンチネンタルマージンが二百海里よりも中に入っている場合には二百海里までが大陸だなの限界であると、大陸だなと認めるということですね。それはどういうことかと申しますと、これは逆な方に考えていただきたいんです。仮にマリアナあるいは小笠原がある外国の領土であった、そのたながあって、日本の方に延びて来ているとした場合に、一応日本の東にある日本海溝は二百海里以内のところにありますが、もし仮にそういう外から来ている大陸だなが二百海里の線に触れたらどうなるかというと、そこは海底の状況がどうあろうとも、とにかく沿岸国の主権的権利を認める大陸だなであるというのがこの規定の考えであります。この点について外務省の条約局と私は基本的な見解は異にします。  詳しくは書面をもって御報告申したいと思いますが、そのいま申しました二百海里のところに来ればいやおうなしにぷっつり切られるというのは、外からある国の主権的権利が日本に及ぼうとしているその限界を二百海里に決めているわけです。ということは、逆な意味で、東シナ海を例にとりますと、東シナ海の場合は、この図は余り適当ではございませんけれども、要するにここで二百海里がラップすると、外務省方のお考えは一応ここが韓国のたなであるということで譲歩しておられるわけですが、いまの理論から申しますとそうではない。日本はここがどんなに深くとも二百海里までは一応海底の主権的権利を要求する諸条件がニューヨーク・テキストに書いてあるというのが私の見解であります。したがって、こういうようにオーバーラップする場合には当然中間線というものが浮かんでくると。ただ、ここで中間線というものはあくまで合意によって権威を認められるのであって、その合意がどうなっているかということにつきましては、遺憾ながら先ほど宮崎先生もお話しのように、一番このたなに主権的権利を地形上主張する資格のある中国との間について合意はないと。私はこの問題で三回大使館で話し合いました。話し合った都度遺憾に思ったことは、中国の意向が十分新聞に発表されておらない。私がこの前の外務委員会の後で会いました書記官のお話ですが、こういう話をしたんです。  中国にはこういう話がある。いま川があります、川にスイカが流れて来る、ところがゴマも流れて来る、日本のやり方は、麓さん、これはゴマを拾ってスイカが流れて来るんですよと。ということはなぜかと申しますと、私は決して東シナ海を掘ってならぬとは言っておらないんです。掘るなら出るところをちゃんと掘りなさいというわけです。それが場所としては、後からまた時間があれば申し述べますが、このかいわいです。このかいわいならば石油も確かにあるし、また日中両国で境界の話し合いもできると。細かくは尖閣諸島の中間線にも入らない部分がここに何がしかあるわけです。  そういうことが一応それらの結論になるわけでございますが、ちょっと御説明が足らないと思いますが、次の問題点に移りまして、したがって、それじゃなぜスイカが流れて行くのを日本が見ているのかと申しますと、結局ここで資源の賦存の論争が起こるわけです。私は地質学者ではございません。したがって、石油があるとかないとかいうことをしゃしゃり出て申す立場にはございませんけれども、ただ言えますことは、特に参議院のような国家の最高の立法の権威の府で審議される場合には、技術屋のあるなしの論議ではなくて、政策としていわゆる権威ある資料に基づいて結論を出すべきである。その意味におきまして、私は一九七五年七月十日にアメリカの上下両院の経済委員会にウィリアムスさんが出した報告書の中に非常に重要な点の指摘がある。  私はこの問題でいろいろ反論を受けました。おまえは一九六九年のエカフェのことだけしか言わぬじゃないかという反論です。外務省の方々はそれだけしかおっしゃらないから私はそれを言ってきた。ところが、その後日本の政府は何をやったか。エカフェの調査の終わりました後、尖閣諸島を内閣総理府の名前で予算を取ってやっております。年が明けて翌年に日本石油開発がこの区域をエアガンでやっております。専門的になりますが、スパーカーは一応力は十二万ジュールと報告されておりますんで、エカフェの四倍です。それからここの状況は、日本石油開発が資料をお持ちになっておると思いますが、一九七一年に三千五十キロメーターの間一応のエアガンの探査をやったということは、大体面積にしますと、メッシュを幾らにしてどうということは私はわかりませんけれども、大体の重要な部分は調査になっておる。その結果本当にあったのかということははなはだ疑問でありまして、マスコミの方々の御意見ですから私ははっきりは申し上げられませんけれども、日本石油開発さんも実は石油はないことはわかっているんですよ、こういう話を聞いている。  したがって、ここで問題点はやはり最終的には投資効果という問題になります。投資効果の問題につきましてはいろいろの御判断があると思いますけれども、あるいは私が深いところを掘ることをよくないと言うと千メーターでも掘れますと言う。問題は千メーターで掘った場合に出てきた石油の単価が幾らになるかということです。その場合に、仮に千メーターでも膨大な資源があって五十年、百年と掘れるようなものがあるならばそれでも見合うかもしれない。ところが、従来の石油の大体の単位でいきますと二十五年で終わってしまうということになっておる。したがって、二十五年で終わるということは千メーターで掘った場合にはやはりその大きな開発コストというものは十分償却できないだろう、そういうものは、ちょっとこのお手元の資料の三十七ページ、これはまあ子供だましの資料と言われてもしょうがないんですが、一応フランスの石油研究所が掘削用のプラットホームをつくるためのコストをはじいたものが、非常に古い資料ですけれども、こういうカーブが出ております。  見ていただきたいのは、要するにここに渤海とか黄海とか東シナ海入れましたけれども、中国は渤海で非常な安い油が掘れるということ、東シナ海は非常に高い油につくということはよほどの資源がない限り採算がとれないということです。したがって、従来の探査ではっきり日本の政府が意識しているのは、やはりこの尖閣諸島付近の油である。したがって、私は油のないことを一番よく知っているのは政府であると考えます。  まあ余談ではございますけれども、実際にあったお話なんで申し上げますが、外務大臣がこれをお読みになった、それである人に、何だ油はないそうじゃないか、ないんならおれはこんな一生懸命やるようなつもりなかったよということを言われたということを私は議員の方から聞いたんです。ところが、この外務省から出ましたパンフレットには七億というようなものが出ております。そんなことで、要するにあるなしということは投資効果、出てくる油がどれだけ予想されてキロ当たりどれくらいの値段になるのかということが重大な問題でありまして、ここにあるかないかということはむしろ二義的な問題と思います。  以上三点で、私はこの協定に絶対の反対をとるわけでございますが、なおせっかく用意しましたので簡単に御説明申しますと、ここに、お手元の資料に六ページから五つの項目に分けまして私が政府のお申し出に対して反論を出しております。  一つは、「共同開発区域は、石油の賦存が有望とされる東シナ海大陸棚の北部に当り、その開発によってエネルギー資源事情の改善が期待される。」、これは先ほど申しましたとおりで、結局石油の資源というものははっきりしてないんだと、日本の政府は一番尖閣列島諸島付近にあるのを情報をキャッチしているんだということです。  それで、ここは一応飛びまして、次が第二の問題点、先ほどとダブりますが、共同開発区域は、日中の中間線の日本側に限定しているから、中国の大陸だなに対する国際法上の権利を損なうことのないように十分配慮が加えられているんだと、こういう話でございます。  それで、これは実はもう一回これを御説明いたしますと、これだけはちょっとよく見ていただきたい。これは私がつくったものじゃないんです、エカフェの報告に出ているのを私が皆さんに御説明のために書きました。黒いところは百五十メーターの水深です。いわゆる問題のある沖繩の二千メーター以上の深いところというのはここにあるわけです。深さと浅さから図を書いてみますと、結局こういう方向に深くなってきて、こういう方向に深くなってきている。日本のたなはここで限られている。したがって、ここの共同開発部分をとりますと韓国の自然延長というものは実際的にはない、自然延長であるのは中国、そういうことであります。先ほどちょっと申しました二百海里の問題がこの辺で非常になにでございます、説明が――一応この問題がまたひっかかりますけれども、とにかくごらんのように、私うそを言っているわけじゃないんで、作り事じゃないんで、こういうふうになっておりますので、もともとここに韓国のたながあるというのはおかしいんじゃないか。これは黄河の昔の口です、これが残っておる。これは学者の先生も皆認められておるわけで、はっきりしたいわゆる地形上の、地質上は違いますが、地形上の海がある。地質上はさらにこの七ページの図にありますように、先ほど先生もおっしゃったように斜めに一応こういうふうな地質の流れがある。  時間も参りましたので、自後につきましては御質問にお答えすることにしまして、一応私の大変失礼を申し上げましたが、説明をこれで終らしていただきます。
  7. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 以上で意見の陳述は終わりました。  これより質疑に入ります。なお、宮崎参考人は都合により午前十一時三十分に退席されますので、先に同参考人に対する質疑を行い、その後麓参考人に対する質疑を行うことといたします。  それでは、宮崎参考人に対して質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 秦野章

    ○秦野章君 宮崎先生にちょっとお伺いしたいんですが、私は主として政治論、政治経済論をむしろ抜きに、国際法的な角度で伺うんですが、朴大統領が政権をとっておりますね。朴大統領と日本の当時佐藤さんですが、政権をとった政府の代表が共同開発の署名をしましたね。その署名自体は合法ですか。
  9. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 署名自体は条約的に有効、合法だと思います。
  10. 秦野章

    ○秦野章君 それで、先ほど領海を侵すということをしきりにおっしゃるのだけれども、共同開発ということを前提にしての話ならば侵すということはない、領海を侵すということはないんじゃないか。なぜならば、よその領土でも了解すれば基地を置くことだってできるのだから、要するに問題は合意があれば、これは公式論ですよ、私の、国際法的な公式論ですよ、領海を侵すという問題はないんじゃないかということが第一点。  それからいま一つ、国際司法裁判所になぜやらぬかというお話ですけれども、国際司法裁判所は、これも制度論、公式論になりますけれども、こちらが提訴をしようとしても向こうが受けないというとそれは乗ってこない。これが国内の実定法上の裁判制度と国際法の場合は全然違いますわね。これは日本の場合、韓国に提案をして向こうが応じないという事実があるから、国際裁判所へ持ち込むということは非常にいいことなんですね、いいことだし、そのことは国際秩序の一つの国際法上のあり方として大変重大な一つの規範になるのだと思うのだけれども、向こうが乗ってこなければしょうがないので、国際裁判所になぜ訴えないかという問題はどうしようもないんじゃないかということがその次の問題。  それから、時間もありませんからついでにあれしますけれども、国際信義の問題で圧力をかけとおっしゃるけれども、国際信義の問題というのは政府間の問題ではあるでしょう。つまり、韓国は批准してこっちは批准がないというのは困ると言って、政府が韓国に対して国際信義という問題はあるでしょう。われわれは国会だから、国会と政府というものは、われわれも政府から別に圧力をかけられているつもりもないし、それからまた、われわれ国会議員の見識はそういうものじゃない、そうわれわれは考えているんですが、以上の点を根本論の法理に関連するからちょっと御意見を承っておきたいと思います。
  11. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  第一の点につきまして、まずこの共同開発協定によりまして日本の主権というものを認めないということが決まっているということはおわかりだと思います。本来領海というものに対しては領海条約、これはわが国も入っておりますけれども、それによりまして国家の主権の及ぶ地域であります。国会で制定されました領海条約によれば、それを十二海里とするのでございますけれども、御案内のように、あるいは麓参考人がつくられましたこの書面の中にも出ておりますように、この共同開発区域は、その十二海里になる領海というものを侵しているわけですね。秦野先生がおっしゃいますように、もちろん領土でも条約によって割譲することはできますし、中国においてございましたように、租借条約によって租借することもできます。それができないかとおっしゃれば、私はできると思いますけれども、しかしそれはやはり中国の主権を侵したものだと歴史家は非難しております。また、国内において外国人の犯した犯罪について外国の領事館に裁判権を認めるということだって、条約で決めたのでございますからこれはよさそうでございますが、明治初年に不平等条約として国論が沸騰いたしました。それと同じような意味において私は主権が侵されると言ったわけであります。  第二の点でございますが、秦野先生おっしゃいますように、確かに国際司法裁判所は強制的管轄権を持っておりません。そして、韓国は国際連合にも入っておりませんけれども、韓国が合意をすればこれは国際司法裁判所の管轄が及ぶのであります。また、日韓大陸だな協定におきましても、日韓交渉の初期に日本政府はこの紛争を国際司法裁判所で片づけようではないかと政府自体が言われたわけであります。もし、自分の国が正しいという自信があれば正々常々と国際司法裁判所で解決するはずであります。それを韓国がしないというのは、自分の方が間違っている、あるいは国際社会における大勢に合致しないと思っているからこそそういう公正な場に出さないのではないでしょうか。それを日本政府が、最初はそう言っておきながら後で引っ込めてなぜ韓国の言い分にそっくり乗ってしまったのでしょうか。それが疑点であります。  三番目の点でございますが、これは私は秦野先生の御意見に全く同感であります。条約についての承認権は国会にあるのでございますから、韓国との間に協定を結んだのだから国際信義に基づいて早急に批准しなければならないということはあり得ません。批准を拒否して結構なのであります。ぜひともそういうお考えで進んでいただきたいと思います。
  12. 秦野章

    ○秦野章君 最後に一つだけ。  大陸だなの国際公法上の経済水域との地位ですね、位置づけというか、これは経済水域という概念は新しく登場してきたと思うんですね。大陸だなは例のトルーマン大統領宣言からずっと始まって、したがって、国際公法上の形成といいますか、慣習法的なものまでいっているかどうかは疑問だけれども、いずれにしても、この国際公法上の規範としての形成は大陸だなの方が上位にあるのではないかと、私はそう見ているんですけれども、そしてしかも、いろいろ海洋法の単一草案その他が出ていますけれども、これがまだ正直言って海のものとも山のものともといったような段階だから、今日までの時間的経過の中では大陸だなの理論というか、考え方の方が優位に立っているというふうに国際公法の上では見るべきででないかと、こう思うんですよ。  それから、さっき先生がおっしゃった、ぜひ批准に反対してくれというお話だけれども、それは別な話で、私は法理論だけを伺ってますので、誤解のないようにひとつ……。
  13. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  大陸だなの方が上ということはないと思うのでございます。まず大陸だなの考え方が出てまいりましたのは、御承知のように一九四五年の終戦のときのトルーマン宣言から出てきているわけでございまして、僅々三十年でございます。そして現在大陸だな条約が言っておりますのは、水深二百メートルという考え方なのであります。今度の大陸だなならば、水深二百メートルならこれは韓国の主張は認められません。現在出てきておりますのは、さっきも申し述べましたように距岸二百海里、それから二百海里を越えてもコンチネンタルマージンの外までは認めよという考え方ですが、これはまさに今度の第三次海洋法会議で新しくできるものであります。自然延長論ということも今度その中に入ってくるわけですね。そういう韓国が言おうとしている大陸だなの法理というものは、これはもう経済水域と時を同じくして今度の第三次海洋法会議で決めるかどうかということであります。しかも、経済水域二百海里ということについては、先ほども申し述べましたように、これを異論を言う国はありません。日本だけが唯一反対していたわけですけれども、ほかの国は反対をしていないわけです。日本も実はこの海底の問題につきましては、従来はコースタル・シーベッド・エリア――大陸だなと言うと途中にこう段があるといけないんで、沿岸の海底区域ということで二百海里はこれはもう認めたわけですね。経済水域より前に日本政府はそういう二百海里の沿岸海底水域は認めようということを言っていた。それは水深に関係ありません。距岸二百海里です。そういう考え方に立てば、これは経済水域二百海里と大陸だなの二百海里というのはすっぽり一致するわけです。ただ、大陸だなの方が優先するというのは、その二百海里を越えたコンチネンタルマージンの部分について、これは大陸だなの法理が優先するわけです。経済水域が決まればもう上から下まですぱっと沿岸国のものになるわけであります。  今度の場合においても、もし韓国の大陸だなが日本の大陸だなと関係なく二百海里を越えて出ていれば、これは大陸だな理論が優先いたしますでしょうけれども、双方は向かい合っているわけですから、これは大陸だなの法理から申しましても、経済水域の法理から申しましても、相互に中間線あるいはすべての状況を考えて衡平に決めるという――中間線の自分の方は全部自分のものにしておいて、相手方の方だけ共同にしようというのは、これは衡平だと秦野先生はお考えでしょうか。まあ国会では議員さんに質問してはいけないそうですけれども、私は衡平だと思いませんね。
  14. 亀井久興

    ○亀井久興君 先生の御意見の中で、後半の部分でかなり啓示的な御発言があったように思うんですけれども、その点につきまして、いまの秦野委員の御質問ともいささか関連をするんですが、やはり領土とか、まあいま漁業交渉をいろいろやっておりますけれども、また資源とか、こういうものについてはやはりそれぞれの国が非常に強く自分の主張というものを出してくるのは当然のことだと思うんですね。ですから、先ほどのお話で朴政権の問題も出てきたわけですけれども、それでは朴政権というものがかわったといたしまして、韓国側の大陸だな自然延長論というものが果たして変わってくるんだろうか、その辺をどういうようにお考えになっているかということが第一点。  それから、よくこの大陸だな協定をめぐっていろいろ政治的な問題が取りざたされておるわけですけれども、実際に、南部の共同開発協定の中で具体的にどういう規定が日韓癒着とか言われているようなそういうものに結びついてくるとお考えになっているのか、その点を伺いたいと思います。
  15. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 第一でございますが、朴政権がかわればこれは変わってくるだろうと思います。なぜかという一つの点は、朴政権はこの協定において韓国自身で開発しようという考え方は毛頭持っておりません。アメリカのメジャーに鉱区使用権を渡してそれでお金をもらおうという考え方であります。決して韓国の国民の利益ということを本当に考えているとは考えられないからであります。第二に、これは麓参考人もおっしゃいましたように、もし南北の平和統一あるいはそれに近い緩和した友好政策がとられるならば、あるいはあのように極端な反共主義というものをとらないならば、北の方から、あるいは中国から石油を入れるということができるからであります。現在におけるような韓国の朴政権の方針というのは、決して韓国国民の利益にもならない。先ほど、一割しか韓国のものにならないだろうというふうに言われておりましたけれども、メジャーとの契約によりますと、少なくとも八割はメジャーのものになるという契約が韓国との間にはできていると言われているわけですね。こういうことは変わっていくだろうと思います。  二番目に、どういう点が日韓癒着かと言いますと、この協定が全体としてこの癒着というものの象徴であるというふうに思うわけであります。つまり、先ほど来申し上げましたように非常な無理をしている。海洋法会議で、これはどうなるかわかりませんけれども、非他的経済水域というのはもう目の前に来ているのになぜここで急にしなければいけないのかということであります。ですから、御質問について言いますと、この日韓大陸だな協定、特に南部協定が全体として癒着の象徴であるというふうに思うわけであります。
  16. 大塚喬

    ○大塚喬君 若干お尋ねをして教えをいただきたいと思うんですが、いまもお話がありましたように、韓国がこの協定成立を強引なまでに急いでおる。一体その背景は何だ、こういう素朴な疑問が依然として解明されません。それらの事情について先生が御理解いただいておる点がございましたらひとつ教えていただきたい。  それから第二番目は、御承知のように竹島、尖閣諸島の問題が依然日本と韓国、朝鮮の間に、日本と中国との間に未解決であります。これらの問題が決着をしてこういう問題は論議をされるべきだ。私の基本的な考え方は、ここにもし豊富な資源があるとすれば日本と中国と朝鮮、それらの国が円満に話し合いをして、それらの国の繁栄のために、ほかに収奪されるようなことなくてこの資源が完全に利用されるようなそういうことが望ましい。何とかして、海洋法会議が半年おくれるまで、半年程度の期間があれば一応決着が出るんだから、それまで待てないかということでやったわけですが、残念ながらそういう情勢が御理解いただけないで今日まで来てしまったわけですが、そういう竹島や尖閣列島の問題がもしどちらかの帰属になった場合に、これらの問題が日中間の、あるいは朝鮮日本との間のそういうことで国際紛争の種になるのではないかという大きな心配がございます。これらの点についてひとつ御解明をいただければと。  それから、五十年という長期間協定の根拠は一体何だ。そういうことについてもひとつ御指導をいただければと思います。
  17. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) いずれもむずかしい御質問でございます。  第一の点は二つほど考えられるかと思います。一つは法的な問題でございまして、もう海洋法会議で先生も御指摘のように排他的経済水域というのは決まるかもしれない。決まった後ではこの協定がいかにも不合理だということは明らかになってしまう。だからその決まる前に何とか滑り込もうということで急いでいるのではないか。二番目には、韓国は御承知のように借金外交であります。目で見ますと繁栄しているようですけれども、借金に苦しんでおります。何としても朴政権はお金が欲しいのではないかということが二番目であります。しかしこれは国際法上の問題ではございませんので、私のただ推測でございます。  二番目の問題は、先生がおっしゃるとおりだと思います。もっとも竹島の問題はこれは北の方は北部協定に関連いたしますのでこれはごくわずかでございます。だから竹島の問題の帰属が決まらなくても北部協定はその一部修正をすれば可能かもしれません。ですから、竹島問題が根本的にこの協定に響いているとは思いません。しかしながら、共同開発という場合に、中国を除いて韓国の朴政権とだけで決めようとしているという点については非常に問題があります。これは先ほども申し述べましたように、中国が明白にこれに対して異議を申し述べているということと、公平に見ましても、中国の大陸だなの主張というものを無視することができない状況にあるからであります。私は、共同開発という考え方そのものについては実は反対でございません。しかしながら、それは東シナ海の資源について、先生がおっしゃいましたように、韓国、中国、朝鮮、日本が本当によく話し合い、また国民のためになるようにこの資源を開発をしていくということであってこそ共同開発の実が上がるわけであります。ところがこれは、本当の意味の共同開発ではございません。アメリカのメジャーにそれを売り渡すということの利権協定だというふうに思うのであります。  それから三番目の点でございますが、五十年という根拠もこれは実に薄弱であります。確かに、石油を掘るという場合に、一年、二年でこれは決まるというわけにはまいりませんでしょう。もしそれを進めるとすればかなりの期間が必要だということは言えます。しかし、それについては、まず科学的に調査をして、どこで掘れば出るのか、どれくらいかかるのかということがあらかじめ科学的にある程度は解明されなければならない問題だと思います。まさに政治的に五十年というのが決まったわけであります。これはちょうど、租借条約についても御承知のように九十九カ年とかそういうふうに決めております、それと全く同じではないか。半世紀ということであります。恐らく、私もここにおります皆様方も、大部分は五十年あと生きられるということはないはずであります。将来の国民の利益というものを前もってこれはもう譲ってしまう、そういう全く遺憾な取り決めである。少なくとも科学的にどれくらいかかるのかということは確かめられた上で期限も定めるべきでありますし、排他的経済水域についても、目の前にそれが国際慣習法化し、さらにそれが条約法化している状況でございますから、そういうことについての留保、そういうことがはっきりしたならばこれは打ち切るぞということの留保はつけておくべきだというふうに思うわけであります。
  18. 大塚喬

    ○大塚喬君 もう一点。共同開発区域、韓国の主張をまるまる認めて今度協定が、案文ができ上がったと。国連の報告によれば、尖閣諸島周辺、台湾の北東部が最も有望な資源がある、こう言われておる際にもしこのような協定を今回日本で認める、批准をする、こういうことになれば、日本の本来の主張である中間線という主張、そういうものが今度の場合に大きな足かせになって、台湾北東部の資源の開発、中国との話し合いの場合に、この協定を結ぶということが重大な国益の損失をもたらすものになるのじゃないか。日本の主張が共同水域、今度の開発区域といわゆる東シナ海、台湾北東部のこれから先の主張する場合に全く論理的に一貫しないものになってくるんじゃないかという素朴な心配があるんですが、この点についていかがでしょう。
  19. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 私も、いまおっしゃいました御意見、危惧と全く同一でございます。私もそういう疑念を持っております。ですから、この協定だけにとどまらない、将来尖閣列島を含む東シナ海の石油開発について、もし石油がとれるということになれば大きな足かせになりマイナスになるというふうに考えております。
  20. 矢田部理

    ○矢田部理君 先ほど先生から基本的な問題点についてお話があったわけですが、その認識、私、全く同じであります。非常に傾聴いたしたわけでありますが、やや各論的な問題二、三についてお尋ねをしていきたいと思います。  その一つは、領海十二海里の問題でありますが、共同開発区域は日本が十二海里の宣言をしますと二つの場所で交錯します。その場合の法律関係がどうなるかということがかねてから指摘をされておるわけでありますが、外務省の説明によりますと、領海十二海里宣言をすれば、共同開発地域と重複した部分については当然この協定で決めた共同開発区域はその限りでへこむんだと、領海十二海里宣言が優先をする、こういう説明をしているわけです。しかし、その説明だけでは外務省も説得力がないと思ったのか、口上書なるものを韓国政府に出している。そのとおりであるという口上書に対する返答みたいなものをもらって裏づけようとしているわけであります。いわば領海十十二海里宣言というのは一般法、大陸だな協定は特別法の関係に立つだろうというふうに構造上思われるわけであります。特別法である大陸だな協定が結ばれているのに、領海十二海里宣言をしたから当然その重なる部分はへこむんだという議論は、特別法は一般法に優先するという議論はわかるが、特別法があるのに一般法をつくったから当然にそれが優先してくるんだという議論にはならないんじゃないかというのが一つであります。  もう一つは、口上書の法的性格でありますが、これは口上書でいろんな取り交わしをしたとしても、いわば条約や協定を修正する法的な力にはならないのではないかというふうにこれは思われるわけでありますが、その辺についての先生の御見解を第一に伺いたいというふうに考えております。  それから二番目の問題でありますが、この協定の中には随所に法令に従うということで法令を適用している部分があるわけであります。特に、共同開発区域では開発権者同士が操業管理者等を決めて法令上の適用については操業管理者が所属する国の法令に従う、こういう規定などもあるわけでありますが、その法令の中に韓国と企業との間で結んだ契約を韓国側だけは含むと、こういう協定に実はなっているわけです。これについて外務省の説明は、日本の法令事項になっている部分で韓国に法令が欠落している部分がある。したがって、均衡を失するがゆえに韓国では契約でその穴を埋めていきたい、こういう意向であるので契約を含めたんだというのが外務省の説明なんであります。ところが、その契約条項や契約の範囲については全く白紙委任的に任せてしまっている。いわば異例、異常の協定だというふうに受けとめられるわけでありますが、その問題点。また、条約の中に法令部分があるのに、その法令にいわば一民間会社と韓国政府の契約まで入れてしまうというような条約が一体国際的にあるのかないのか、きわめて珍奇な協定ではないかというふうに私自身は考えているんですが、それが第二点であります。  それから三番目の問題点、三問でほかの方もあるだろうと思いますので終わりますが、共同開発区域は日本の主権的権利が二百海里宣言をすれば当然及ぶ地域であることは御指摘のとおりでありますが、そこで外務省は、妙な説明というか一応の説明をするために、主権的権利や境界を区切ったわけではない、韓国側の自然延長論もあり、日本の中間線論もある。ここで日韓双方で話しがまとまらない。しかし資源はある。その資源をめざして韓国は一方的に開発をやってしまう。それをとどめる方法はしかもない、抑える方法がない。だからやむなく共同開発という方向に持っていかざるを得なかったと、これが今日的段階における解決、現実的解決法だったんだという説明をする。そのために、法制的にはいわば主権的権利や境界を決めたものではないという抑え方を条項上しているわけです。それも形式論理的には一応の説明がつくわけでありますが、実体的には先生の先ほど御指摘したとおりであります。そこで、主権的権利がないところからとれるものに主権をあるものとみなす規定を置かなければ、そこからとった石油資源は自分のものにならないという矛盾した状況になってしまうわけです。そこでもう一項を置いて、実はそこからとれたものを自分の主権のあるところからとれたものだとみなそうじゃないか、こういう協定を日韓双方で実は決めたわけです。  ところが、このことに関する主権というのは、先ほど麓さんからの御指摘もあったように、中国の大陸だなが延びてきているじゃないか、中国がまた主権的権利を主張しているじゃないか、少なくとも中国も含む三者が利害関係に立つ場所であることはきわめて明白なんですね。ところが三者のうちの一つ、一国を除外し二国間だけでこれはおれたちのものだということとみなそうじゃないか、こういう擬制をしたからといって排他的に所有権が確立をするというものではないのではないかというふうにも思われるわけでありますが、その辺についての先生の御見解、ほかにもありますが、以上三点を。
  21. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 簡単にお答えいたします。  第一の点は、先生がおっしゃることと結論においては同じでございますけれども、やや論理的な考え方が違うと思いますので申し述べたいと思います。  なぜかと申しますと、この協定は国際条約でございます。ところが領海法というのは国内法でございます。ですから、特別法と一般法ということの法理だけでは説明ができないのではないかと思うのでございます。一たんもしこの協定が発効してしまいますと、その後で日本が領海現在三海里を十三海里というふうにいたしましても、その抵触した場合に国内法によっては条約を変えることができないからであります。条約法に関するウィーン条約の第二十七条は、「当事国は国内法の規程を理由として条約の履行を怠ることはできない。」とあるのであります。本来ならば、領海である場合に日本の主権が完全に及ぶわけでございますけれども、事前にこの条約を結んだということによってそれが排除されることになるのであります。もっとも、条約の規定が一般国際法の強行規範に抵触するという場合は無効であります。しかし、大陸だなを沿岸から三海里より沖に設けるか、沿岸から十二海里より沖に設定するかということは、現在も共同開発協定署名当時も国際慣習法上は任意でございまして、十二海里よりも沖に大陸だなを設けるということが国際法上の強行規範に反するということにはなりませんので、この協定というものを結んだ以上はそれを日本が拘束してしまうということになるのであります。したがって、もし領海十二海里に反するということが明らかであるならば、その点を明確にする必要がございます。この点、御指摘のように四月十一日に政府は韓国の外交部と日本の大使館との間の口上書を結んだというふうに言って、国会にも参考文書として提出されておりますけれども、口上書は条約法条約に言う条約ではございません。それは口頭で申し入れた内容を書きとめた、いわばメモであります。こういうものをもってしては国家を拘束する条約ということは言えないのであります。もっとも口頭による条約というものがないわけではございません。これは条約法条約では書面による形式ということが様式行為になっておりますけれども、一般国際法上は可能でございますが、しかしその場合においても、国家の主権者からそういうことを約束した人がそういう約束をするという全権委任状をもたされておらなければなりません。ですから、この協定を変えようと思えば、この協定と同等な形式におけるところの条約とか、少なくとも交換公文という正式の方式をとらないと条約は変えられないのであります。これは、もしこの条約が発効すれば官報にも載り、そして国際連合の条約集にも載るわけでございますけれども、口上書は載りません。そのようなものをもってこの協定自体を変えることはできないのであります。したがって、政府の説明というのは、これは成り立たないと思います。  第二点の先生の御質問でございますけれども、私もこれは非常に珍しい、珍奇な協定であると思います。条約の中に、そういう私人間との契約というものにその一部分をゆだねるというようなことは、私の見る限りにおいてはございませんでした。  三番目に御指摘のございました点でございますけれども、確かにこれは主権を譲った、あるいは大陸だなの範囲を決めたという協定ではございません。しかしながら、日本の主権を排除した協定であるということは明らかであります。本来ならば排他的経済水域として日本が主権的な権利を行使できるのをできないことにしたのであります。しかも、五十年間それができないのであります。かつての中国における租借条約も第一条では中国の主権を認めておりました。しかしながら、内容的にそれは明らかに中国の主権を侵したものだというふうに言われているのであります。先ほども申し述べましたように、本来共同開発ということについて異存はございませんけれども、そういう場合には、やはり公正にそれに関連する国々と話し合いをした上でその内容を取り決め、内容的にも各国の国民の利益になるようなものでなければならないと思うのであります。それを中国を排除して韓国との間だけで決めても、法的に問題があればそれは中国に対して影響力がない、つまり排他的に決め得ないことは明らかであると思います。
  22. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 先ほど申し上げましたとおり、宮崎参考人は十一時三十分には退席をされますので、それをお含みの上で質疑を願います。
  23. 田渕哲也

    ○田渕哲也君 宮崎先生にお伺いしますが、大陸だな条約に直接関係がありませんが、先生がお触れになったので私の見解を申し上げたいと思いますが、会期を延長して自然承認にもっていくことは参議院の審議権の無視だと言われましたが、私はそうは思わないわけです。なぜかと言いますと、この会期は審議期間があと十九日しか残っていない、したがって、あと三十日の審議期間は憲法で保障されておるわけですね。ところが、憲法六十条、六十一条で予算と条約については衆議院の決定があった後は三十日をたって参議院が結論を出さないときは衆議院の決定が国会の決定となる、こういう規定があるわけですから、この会期の中で会期を延長して三十日の審議期間を確保するということが参議院の審議権無視にはならない、私はそう思います。これが審議権無視だとされるならば憲法六十条、六十一条そのものが参議院の、審議権を無視しておるということになるのであります。これは無視じゃなくて制約を設けておるわけで、これは憲法の精神だと思います。予算と条約はあんまり期間を要してはいけない、衆議院の決定があってから発効までに期間を要してはいけない、こういう趣旨だと思います。したがって、各党で賛成、反対がありますから、会期の延長について賛成、反対それぞれ国会対策上の戦術はありますけれども、それは審議権無視とかそういうものとは全く別個のものである。したがって、先生の御意見というものは、私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますがね。
  24. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  私が申し述べましたのは、会期延長により日韓大陸だな協定は自然承認になる、それでこの問題が解決済みだというふうに解するのは参議院の審議権と良識を無視したというふうにお話をしたわけであります。ですから、本来規定はございますけれども、会期延長をするということによって、国会はそういう会期延長をするという権限はありますけれども、この問題について十分に参議院において検討されるということが必要でありますし、衆議院と異なる議決をするということも可能であります。そういう場合には両院協議会を開いて、そうして衆議院の方が間違っているからということで衆議院に返させることもできるわけですね。会期延長をしたから自然承認になると、もうこの問題解決済みだという考え方が参議院の審議権と良識を無視したと先ほど申し上げたはずであります。
  25. 田渕哲也

    ○田渕哲也君 私は、会期延長したからこの問題が解決済みだというのは、一体だれがそういうことを言っているわけですか。われわれは何にもそういうこと言っておりません。参議院でどういう結果が出るかもまだわかりません。それから両院協議会に持ち込むか持ち込まないかも、これは今後の問題でしょう。
  26. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) 誤解があるようですが、私は、先生が、あるいはここにいる方がそういうふうに解決済みだというふうにお考えになっているとは思いませんが、新聞その他において会期延長ということが論ぜられたときに、それは会期延長により自然承認になるということを先生もごらんになったと思います。
  27. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 二点ほど宮崎さんに質問いたします。  一つは、経済水域制度と大陸だなの今回の問題でございますが、私たちは経済水域の制度によって、これはもうすでに国際慣習で二百海里にこれがなっている大勢でございますけれども、日本の中間線の主張というものは私はもう当然だと思うわけなんです。そういう意味で先生もお話がございました第三次の海洋法会議の動向というものを待って、それから慎重審議と、こういう形の進めをしなさいと、こういうふうに言っているわけでございますが、外務省の方では海洋法会議も余り重視をされてないようにも思うし、そういうことで先生の御意見をお伺いしたいのが第一点。  もう一点は、海底油田の開発に非常にお金がかかってくるわけです。ところが、きのうまでの議論では、掘ってみないと出るのか出ないのか、まあこういうふうなことで結論めいたものは出ておりません。しかしながら、この共同開発計画によっては莫大な資金需要というものが協定五十年の中では左右されていると、そうなってくると融資の窓口である日本の石油開発公団という形の中で国民のお金が本当に有効に生かされるのかどうか、そういう懸念の中で、いま先生も言われておりますようないわゆる日韓癒着のような形というものが、このお金の不明朗なものがもし今後国民の中に疑惑の残る形で進んでいくことになれば非常にこれは残念なことであるという感じを持っております。そういうわけで、この投下資本の内容等の資金需要の不明朗な点、こういうところが疑惑があるんだと、心配なんだと、そういうことがございましたら、簡単で結構でございますからお答えいただきたいと思います。
  28. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  結論としては先生の御意見と私も全く同じでございます。  第一の点は、排他的経済水域の問題はまさに今度の第三次海洋法会議において決められようとしている、そうではないにしても、世界の大勢なりコンセンサスが得られている、そういう状況であります。もう少し待てばそれはもう揺るぎのない制度になる。そういう状況を前にしてこのような問題のある協定の批准を急ぐということは問題であります。  それから第二の点でございますけれども、これは先ほども触れましたし、諸先生方御承知のように、ここで開発を進めるということになれば、一本石油の井戸を掘るのに何億、何十億というものがかかる。全体としては兆というお金になるわけでございますけれども、それは現在の規定によって成功払いということになります。石油が出なくてもそれはもう返す必要がないということになるわけであります。もちろん石油というものについてはそう一本掘ったから出てくるものではございませんけれども、そういう莫大なお金を、国民の税金から出るお金でございますから、少なくとももっと科学的にこの点を検討され、異論がないということを踏まえた上で承認、批准に進まれるということを国民としては願っているというふうに思います。
  29. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 宮崎参考人にお伺いします。予定の時刻超過しましたが、よろしゅうございますか。
  30. 宮崎繁樹

    参考人(宮崎繁樹君) はい、結構でございます。
  31. 立木洋

    ○立木洋君 先ほど、権益がメジャーに渡されようとしておるという御指摘がありまして、私も全く賛成なわけですが、事実上メジャーが一九六〇年代に支配の体制が揺るいでいくという状況の中で、メジャーの支配を強めるために海外の進出を強める、資源の再分割を図るという動きが強まってきた。その対象の一つとして東シナ海の問題も浮かび上がってきたと思うんですが、今度の協定が事実上こういうメジャーの進出、資源の再分割を助ける、あるいは保障するといいますか、そういうものになっているんではないかというふうに考えるわけですが、この点先生の御見解を第一点。  それから第二点は、政府が言っておりますので、御承知のように日韓の交渉の過程で韓国側が自然延長説を唱え、日本側が中間線説を唱えたという当初のいきさつですね。この主張の中に、日本政府、外務省としては、韓国の言い分にも国際法上一定の根拠があるというふうに考えられたというふうな見方をしているわけですが、私たちとしてはそれを認めるわけにはいかない。今回のこういう韓国の主張にはやはり相対する対岸国が境界を画定する場合に衡平の原則を貫かなければならないというのを事実上韓国が踏みにじっているんではないかというふうに考えるわけですが、その点についての御見解を伺いたい。
  32. 宮崎繁樹

    参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  第一点は、私も国際経済の問題については詳しいわけではございませんけれども、石油の問題は非常に重大な問題でございまして、国際石油資本というものが現在において大きく石油エネルギーの問題について権限を持っているわけでございますけれども、これに対して日本としては独自の石油というものを持ちたいという考え方を持ち、政府もそのためにこの日韓大陸だな協定によって石油を掘るんだというふうに申しておりますが、その実はそうではなくて、先般来のいろいろの方のお話をお聞きいたしますと、日本ではそれを掘る技術がない、だからどうしても国際石油資本にくんでもらわなければならないということで、半分の権利は日本の方もメジャーに渡さなきゃならぬ。韓国の方はまるまるメジャーに渡すということであります。そうしますと、何のことはない、やはり先生もおっしゃいましたように、この日韓大陸だなの共同開発地域もメジャーの支配するところとなる。そういうことであります。  第二の問題でございますけれども、これについては韓国の言い分が全くゼロかといえばそうではないと思います。確かに大陸だなは二百海里、経済水域二百海里ということが決まった場合に、この共同開発区域の一部に――一部と申しますか、共同開発区域にも韓国の排他的経済水域とされる二百海里の分が及ぶということは言えるでありましょう。しかし、より大きく日本の排他的経済水域というのは全部この共同開発区域をカバーするわけであります。また、海底の地質構造その他についても考える必要があります。そういうことを考えた場合に、よし等距離中間線が無理だとしても、公平に考えてみた場合にこの共同開発協定は余りにも衡平の原則をも侵しているというふうに思うのであります。したがって、結論としては先生がおっしゃったとおりだと思います。
  33. 秦野章

    ○秦野章君 ちょっといまひとつだけ最後に。  私は、外務省の言っていることもちょっと疑問に思っていたけれども、先生のおっしゃる例の海洋法会議の問題、これがどうも私の感じているのではそんなになかなか簡単に成功する見込みがないという情勢ではないのか、経済水域にしても大陸だなのあの単一草案の中に書かれているようなことにしても。何となれば、やっぱり海のない国がたくさんあるわけですね。この国がまだ多少眠っているようなところもある。しかし半分ぐらい目を覚ましているようなところもあるらしい。そうすると、この沿岸国とかそういった資源を持つ、海を近くに持っている国のエゴイスティックな発想なんですね、そもそも。だからそれがそう私は簡単に成功すると思わない。その点先生は海洋法がいかにもじきに、まあ経済水域二百海里も間違いないとおっしゃるけれども、そういうことが、海という人類共同の資源とも言うべきものを、二百海里も海があるからといって、おれのものだと言って各国が取り合うというような、そういう新しい海の秩序というものが一体人類の理想であるか。私は理想でないと思う。そんな海洋法会議ならぶっつぶした方がいいというぐらいに私思っているんだ。先生はしかし非常に期待をされているようですけれどもね。  それからいま一つの点は、国際裁判所の問題でも向こうがけしからぬと、乗ってこないのは。ところが国際法秩序では全部向こうがけしからぬのですよ、すべて。国際裁判所に乗ってこない国は幾らでもあるわけですよ。国際法の関係では国家を越える権威がないということなんだ。だから私はなかなかまとまらぬ。またまとまらぬのはけしからぬと言ったってしようがないんだと、そういう現実だと思うんですよ。この現実はやっぱり素直に見ていって、どこがけしからぬけしからぬということを言ってしまうと、またこれナショナリスティックな方向に行くしかないんじゃないかと、こう思うんですがね。海洋法会議の将来を考えながら私はそういう気持ちを持っているんです。
  34. 青木薪次

    ○青木薪次君 関連で、それじゃひとつ。  大陸だな条約というのは一九五八年に大体議論してまとまったものだと思うんですね。その後、これは十八世紀ごろからの公海自由の原則というものがこういうように決まってきたということなんですけれども、近ごろの海洋法会議の結論というものは、これは古いものがどんどん否定されているんですね。そこにやはり経済水域の議論というのが前に出てきているということだけでもひとつわかると思うんですね。今度の第三次海洋法会議なんかについても、各国の提案と議論の内容というのは相当変わってきているんですね。たとえばアイスランドの提案というようなものも相当変わってきている。  私は百歩譲って、国際法上の水深二百メートルから開発可能のたなという議論、この議論と地質学的な大陸だなの議論というものとこれ違っていることはわかるけれども、しかし、今日少なくともやはり堆積構造上のいわゆる地形を考慮したたなの議論というやつが前に出てきている。だから先ほどから議論されているように沖繩海溝というのは単なるひだだ、したがって日本海溝というものが、これがいわゆるコンチネンタルマージンである、こういうように規定するのはもう時間の問題だと。いま秦野先生のお話もあったけれども、私は時間の問題だと、こう思っているんですけれども、その点どうなんでしょう。
  35. 宮崎繁樹

    ○参考人(宮崎繁樹君) お答えいたします。  秦野先生の第一の点でございますけれども、私も立法論としては秦野先生と考え方が同じでございます。元来海というものについても、その海の資源というものは私は人類の共通の財産だと思います。これは深海海底の問題について、コモンヘリテージ オブ マンカインド――人類共同の財産だという海底法原則宣言がございますけれども、これは私は海の資源全体に及ぼすべきものだと、立法論的には思います。しかしながら、現在の実定法的な体制はそれと違っております。むしろ従来の領土拡張と同じように、各国が沿岸の権限を拡張しようという考え方になっております。  海洋法会議の見通しについての秦野先生のお見通しでございますけれども、私も楽観はいたしておりません。御承知のように、深海海底問題について現在難航しております。ですから、ことし海洋法条約ができるなどと私は断言しようと思いません。しかしながら、なぜそれが延びているかといいますと、実は、二百海里の排他的経済水域はもう第三次海洋法会議を待たなくてもこれは得られるということを、中南米諸国、この二百海里を言っていた国がもう自信を持ったからです。本来なら第三次海洋法会議でそれを決めようと思ったけれども、もう先取りできる自信を持ったんですね。そのことが重要であります。つまり、排他的経済水域はこの海洋法条約の成立を待たずして国際慣習法になるであろう、これはもう公平に見てそういうことであります。会議においてもこの原則に反対する国はございません。そのことを忘れてはならないと思います。  第二の点につきましても、これはもう先生がおっしゃるとおりであります。なかなか国際社会は思うようにまいりません。しかしながら、もとへ返って考えますと、これは主権平等のはずであります。平等ならなぜ等距離中間線が主張できないのか、秦野先生どうお考えになりますか。私はそれを言いたいのであります。  第三の問題でございますけれども、このコンチネンタルマージンの問題は、これは地質学の問題でございまして、私は残念ながら地質構造はわかりませんが、ごくわかりやすく申しますと、これは地球がこうどろどろの太陽のようだったのが固まってきた。重いものは下の方に沈んでいくわけです。そして、まあ溶鉱炉のかすみたいなのは上に上がってきたわけです。上がったものはその重いものの上に固まって乗っているわけであります。ちょうど水の上に氷が乗っているように乗っかっている。それが大陸のかたまりなのであります。ですから、日本列島というのは、いわばアジア地域の大陸だなの縁に乗っているようなものです。そういう考え方に立てば、大きく見ればもう大陸というものは日本の外側の日本海溝だということは、これは言えると思います。ただ、それ以上のことにつきましては、これは地質学者か何かにお聞きいただきまして。
  36. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 宮崎参考人に対する質疑はこの程度といたします。  宮崎参考人には大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表してお礼を申し上げます。(拍手)  引き続き、麓参考人に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
  37. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは、麓参考人にお尋ねいたします。きょうは本当にいろいろありがとうございました。  まず第一点は、先ほど来も問題になっております大陸だなの権利と二百海里経済水域の権利、どちらが優先するかという点につきまして、麓参考人は外務省と全く真っ向から対立をしておると。私たちも常識から考えてみても、当然二百海里経済水域というものが優先するようにならなければおかしいとは思うわけですが、外務省は逆のことを言って大陸だなの方が優先する方向にあると。そのあたりがわれわれはなかなかよくわからないわけでありますが、麓参考人はいかなることを根拠として外務省の意見と対立をされておるのか、こういう点の御見解を承りたいと思います。  それからもう一点は、このいただきましたパンフレットの中に、いわゆる深さとそれからコストの問題、お話の中にもそのような点があったわけでありますが、この共同開発区域は半分がもう二百メートル以上の水深で、果たしてコスト的にどうなるのか、これはもちろん掘ってどれだけの油があるかによってコストも違ってくると思うんですけれども、いろいろ北海の例等もこの中に引かれておりますので、そういう点のお考えをお聞きしたい。  もう一点は、ここには七億トンあると。しかしいろいろ聞いてみますと、これは七億トン存在をしているということで、実際に掘れる油は二億トンとか三億トンとか、しかも半分が向こうへ行っちゃうわけですから、三億トンあっても一億五千万トンしか入ってこない。そうするとわれわれは、このデータの中にも中国の方がはるかに石油も多いわけで、この協定を強行して中国とのトラブルを起こすよりも、むしろ中国の輸入の方が、ある時期の熟すまで待ったにしても、その方がより日本のエネルギーの安定確保の上にプラスではないかなと、こういう点を考えておるわけでありますが、御見解を承りたいと思います。
  38. 麓多禎

    ○参考人(麓多禎君) まず第一の海洋法の問題についてお答え申します。  先ほど大変舌足らずのことをしゃべりまして、皆さんすべて疑問のままでおられると思いますが、ここで問題点は、いつもやはり大陸だなというものを、その限界というものをすべてを白紙にした上で大陸だなというものはどこまでかということを考える限界と、それから相対する国の境界をどうするかということの境界線の問題と、この二つが大きな問題であるわけです。  ところが私が先ほど申しましたのは、実はその両方に関係ある結論的なことを申し上げて、いわゆる中間線の優位性を申し上げたことになるわけです。それと関連して、いま先生のお話があった基本的な大陸だなと経済水域という問題が起こってくるわけです。  まず最初に、やはり大陸だなの境界ということは非常に大事でございますので、最初にまた繰り返して申しますが、一応いまのテキストのたしか七十一条でしたか、結局コンチネンタルマージンと二百海里という問題が出ていると。そこでこれは大変海洋法上のきわめて基本的なものに触れますので、私は、余りまだこういう意見をはっきり申されていないと思いますので、要するに海洋に及ぶ、あるいは海底でもいいんですが、海洋に及ぶ沿岸国の主権的の権利の限界を示します二つの標準がある。一つは距離であります、距離主義、一つは自然延長、その自然延長の理論をとったものが現在の大陸だな協定による二百海里の問題であります。これが基本的な問題なんです。したがって、いま自然延長論が盛り上がったということは大変な間違いであります。  私は、実は海洋法は昔の海軍で勉強しただけなんで、後は主として社会主義諸国の海洋法というものを主体に物を勉強してまいりました。その関係で、私はその問題に今日でも触れる基本的な問題点があるんですが、それは結局陸地から海へ向かって沿岸国の主権が延びていくという物の考え方と、海洋は自由であり、自由な海洋からどれだけほかの国の沿岸に向かって自分の主権が延びる可能性があるかという、この二つの大きな物の考え方の相違があるわけです。その相違につきまして、いま申し述べましたように二百海里の限界というものはどういう意味があるのかと申しますと、この自然延長論の限界に手を打った、それが二百海里の距離でございます。これは先ほども秦野先生からもいろいろ御意見がありましたし、宮崎先生の御意見がございました。この二百海里の問題については、基本的にお話申し上げればいろいろな物の考え方があると思いますが、いまここで一応の二百海里というものが国の主権的権利の及ぶ限界であるというのは、いわゆる距離主義として出てきていると。距離主義がいわゆる自然延長論と手を打って二百海里でとにかく妥協したというのが私は現状と見るわけです。したがって、この二百海里というのは大変大きな意味がある。  そういう意味で、逆に今度は相対する国の境界線について考えてみます。そうすると、この場合もまず大陸だなの境界ということになりますが、この場合に、私が先ほど申しましたのは、これは、相対する国の大陸だなの境界を切ります条件はいわゆる衡平の原則で、十分いろいろ考えていく中にいわゆる自然延長という問題が入るわけですが、その論議の前に、一応私は二百海里というものは原則で、距離主義によって沿岸国の主権的権利が及ぶ限界である。日本もそれについて同じような主権的権利を共有できるという立場に、現在国際海洋法会議の審議が進んでいるというふうに解釈するわけです。したがって、日本海、黄海――黄海は違いますが、東シナ海に対しても二百海里までは原則的に日本の主権的権利が及ぶ。これはあくまで原則でありまして、ただ、いま沖繩海盆のために、琉球海盆ですか、非常に日本に近いところに深いところがあるから大変に不利であるということではなくて、現在の海洋法の趨勢というふうな距離主義でいくならば、どんな深いところがすぐ近くにあっても一応二百海里までは主権的権利が及ぶのだと。  そこで、この見解につきまして現在の大陸だな並びに経済水域の相対する国の境界を決める条項についての問題点を考えてみなきゃならぬということになるんです。それで、原則的には大陸だな条約というものは、まずもう意味を失っておる。経済水域というものにその海底に及ぶ主権的権利というものをはっきり認めている以上意味はないとも言えるわけですが、なぜそれでは大陸だな条項というものがやかましく言われるかと言いますと、これは主として一応一番最初に問題になりました二百海里の限界を越えてまでまだ大陸だなの地形が延びている場合には、そこの資源について沿岸国は、全部じゃないにしても、とにかく利益を得たいというところが最大の焦点になっているのであって、したがって、相対する国の大陸だなの境界を決める場合には、経済水域の境界を決めることによって自然に決まってしまうと、でなければ経済水域というものの条項は全く意味がなくなってしまう。だから、なぜ地下資源まで入れておいたのかということになるわけです。  そこで、二百海里の経済水域の、先ほども話がありましたけれども、制度というものはどうなるか。実は私も二、三日前にある人と同じような話をしているときに、この制度はこのままいかないんじゃないか、まだまだ未決定のまま進むんじゃないかというような議論もございました。ただ、その議論につきましては、私としましては、一応現在の第二委員会の経済水域の条項につきましては、第三に属する科学調査並びに汚染防止の条項については多少の問題が残るけれども、基本的な線では経済水域制度というものは今度の会議で一応大きな論議はないと、これはすでにカラカス以来の大体の趨勢であります。したがって、二百海里の経済水域というものはアメリカの主張、多少性格は異なりますけれども、あるいはECあるいはソ連、そういう世界の主要な海洋国がいずれも二百海里の経済水域を要求しておる、主張しておる現状において、今後日本の立場において二百海里の水域というものが、何がしか国際情勢が緩和して海洋法上もっとやわらかな線が出てくるんじゃないかということは、現状の国際情勢としては望み得ないものと私は判断しているわけです。  というのは、現在の海洋法会議、ことしで六回目ですかになりますが、その根本に流れるものは、実は、アメラシンゲ議長がローマの第九回のFAOの会議で、あの会議の始まる直前に長い講演をされましたが、その中にはっきり出ておる。それは何かというと、いわゆる国際法と国際政治との関連であります。したがって、私は海軍でありますからその点はっきり申し上げるんですが、過去においては日本の海洋法というものはただ軍隊に奉仕するためだけにあった。ということは、現状においてもいろいろ論議はありますが、海洋法の会議の論議の本当の焦点というものはやはりアメリカとソ連の海軍力、これが背景にあっての論争になっているわけです。そういうような意味で、いわゆる武力をもって海洋の一部に自分の国の主権的権利を主張するという、そういう背景のもとに、それの反対的な条件として二百海里の問題が出てきた。いわゆるナチュラルプロロンゲーションという、自然延長論としまして多少理解の足らないのは、一体それでは何がナチュラルプロロンゲーションであるかということになりますと、私は、単に自然科学だけでなく社会科学の分野においてもナチュラルプロロンゲーションという物の考え方をとる立場に立ちます。  というのはなぜかということで、ここにやや問題は錯綜してまいりましたが、経済水域というものが、現在の制度が国際的に権威があるという意味づけとして申し上げているのであって、つまり七十七カ国をもって代表される開発途上国というものは、かつて植民地であり、かつては巨大海軍国のじゅうりんに任されておった土地が独立をしてそういうことになったということにおいて、とにかく沿岸から自分の主権的権利を延ばしていこうといういわゆるナチュラルプロロンゲーションの考えが自然に浮いてきて、そこで最初に申しましたように、二百海里で手を打ったわけです。もっと広いところ、もっと狭いところも、いろいろな主張がありましたけれども、一応そういうことになった。  ところが、ごく最近になってからそれが逆にアメリカに逆用され、ソ連にまた逆用されてきたというような状況において、今後二百海里の経済水域というものが、たとえこの会議が不成功に終わっても、慣習的なものとして当分の間世界の海に一つの制度として残ってしまう、そういう見解を私はとります。したがって、この点につきましては、経済水域の制度というものは、私は率直に言えば、もうすでに国際慣習化してしまったと判断せざるを得ないわけです。  その場合に日本の立場はどうかと言いますと、二つの立場がある。一つは、海洋国としてあくまで狭い沿岸国の管轄権と広い海洋の自由を求める従来の考え方と、あるいは逆に、沿岸国としてなるべく広い沿岸からの管轄権をとろうという二つの考え方が錯綜して、まさに日本がそこにジレンマにおるわけですけれども、基本的な問題の考え方として外務省の意見と私が合わないというのはそこにあるわけです。そこにあると申しますのは、日本は一体どっちの立場に立つべきかと言えば、やはりナチュラルプロロンゲーションの立場において二百海里を利用するんです。したがって、ナチュラルプロロンゲーションということは、単に深い浅い、あるいは海底がどうなっているということじゃなくて、その歴史あるいは資源の賦存というものに対して一応の自然条件を入れながら、そこに一つの合致点を認めていくというところで、このパンフレットにも書いておきましたけれども、まず中間線というものが話し合いの議題になってくると。したがって、中間線というのは絶対に決められるものではないけれども、そういう背景のもとに、現在の海洋法の海洋秩序の趨勢を背景にしたところのもので日本の中間線主張というものが正当づけられるんであって、したがって、今後二百海里というものは国際法の海洋法として総合的に法典化される有無にかかわらず、日本というものは今後中間線というものをそういう意味からはっきり主張していかなきゃならない。  それで、日本海の問題もあるわけです。日本海にはやはり東シナ海と同じように境界線を決めなきゃならない問題がありますけれども、その立場に立つ日本の立場というものは若干、ここには深浅図がありませんけれども、日本海の場合は日本がソ連に対して優位には立ちますけれども、ただ基本線として二百海里までは必ず沿岸国の主権が及ぶんですぞという物の基本線を持っていないとまた後退していってしまう。そこにいまの千島の問題につきましても、基本的な物の考え方がやはりそういうところにあるじゃないかと思うわけです。  いささか説明がへたでございましたけれども、要するに、私は大陸だな条項というものは一応海底地形、地質の現状から二百海里以上に広い海洋に向かってたなが延びている国についてのみ必要なことであって、われわれが相対的に相対している国の境界線を考える場合には、一応もう経済水域ということですでに事足りるというふうに考えるわけでございます。第一点のお答えは不十分でございましたが、よろしゅうございましょうか。  それでは第二点の深さとコストでございましたね。深さとコストにつきましては、実は私は余り率直に言って科学的に経済問題として勉強したものではございません。ただ、やむを得ずということを申し上げると大変失礼なんですけれども、私は最初申しましたように、この調査をやりますときにおどかされました。二つほどおどかされた。日韓関係をやった場合ろくなことないぞと、命は大丈夫かというそういうことです。それから一つは、おまえそんなことやったって結局は強行採決でもって延長になっちゃうんだ、ばかなことやるなと、こういう私は友達から言われた。だから私は一つの使命感に燃えています。  簡単に申しますと、そういうことで、なるべくおもしろく話した方がいいと思いまして、つまらぬことを申しました。  ここをごらんになっていただきますと、結局ここが五十メーター、これが百メーター、これが二百メーターです。いま北海でございますが、北海はイギリス、ノールウェー、西ドイツ、この一番集中している資源は北の方にあります。たしか水深が大体百五十メーターから二百メーターの間ですね。それから一昨年の新聞で皆さんも御承知のように、エリザベス女王が来て開通式やったというのはフォーティーズ、これが百メーター、それからエコフィスク、この間事故がありました、これが五十メーター。それでこのコストとの問題でございますが、これが大変むずかしい問題で、ただ先ほども申しましたように、深さが深いから掘れないというのではございません。この点は私も技術の方がおっしゃるように、千メーターだろうが千五百だろうが掘れないことはない。したがって、ここに一つの例をとりまして御説明申し上げますが、三十五ページでございますか、下の方に油田の名前が載っております。オーク油田というのはたしかここで、それからこれがエコフィスク、これがフォーティーズ、これがブレントですね。ここに埋蔵が億バレルで書いてございます。オーク油田に対しては非常に少ない資源だから投資も少ない。しかし得られる油は少ない。これはほとんどもう干上がっております、もう三年目ぐらいに。それからいま盛んに掘っておりますこのブレントは一応ここに書いてありますように百五十メーターでこれだけの資源が十七・五億バレル、それから投資が三十五・五億ドルで日産四十八万バレルが一応は大体この辺ですと二十年程度のもので出てくるということでやっているわけです。  したがって、この投資効果からいきました場合に、この東シナ海を持ってきますと、私は率直に言って結論として言えば、どうぞここを掘っていただけないだろうかというのが私のお願いなんです。そのために先ほどからも反対、不賛成にかかわらず、もっともっと審議をちゃんとやっていただいて、もっと真剣にこの資源のことを考えていただくのが私の本論でございまして、そのためには与党だろうが野党だろうがそういうことはかまわなく、もっと何でも徹底的に論議していただくということで私はここを掘った方がいいんですよと、こう申し上げているわけです。それは結局はっきりした数字はございませんけれども、これはむしろ政府の方々が御存じなので、ここの方がはるかに油田がいいと、これは先ほど申しましたウィリアムズの報告には良質の油があるということを日本政府は知ってるんだ、確信しているんだ、こういう報告になっている。まあちょっと舌足らずでございますが。  次に最後のエネルギー、エネルギーの全体の需給関係でございましたね、中国との関係でございましたね。  これは一番大切な問題なのでありまして、私みたいな余り勉強しない者が申す段階じゃございませんが、ただ申し上げられることは、この図は私が自分で書きましたんで、将来中国の石油が一〇〇%うまいぐあいにいった場合にはこうなるぞということなんです。現在はサウジアラビアから大部分が入っております。そうしますと、私の略算では後十五年もしますと、少なくとも二十一世紀の直前には中国の油がサウジと同じようなレベルまでくる。その場合に国内消費が幾らになって輸出が幾らになるか、これは大変な問題でございまして、別に詳しい論議をしなきゃいけないので、ただ私がアイデアとして頭に浮かぶことは、順調に中国の油が出た場合には海外の依存度が、要するにアジア以外の依存度が非常に減るということです。一時問題になりましたチュメニはここです。チュメニもまだ余地がございますが、すでにいろいろな条件で斜陽化してしまった。ここが北海の場合には、大体あと数年たちますと八〇%ですか、ここからヨーロッパの燃料を補給できるようになる。そういう意味で最後のものがこの東シナ海の油田なんです。それで、急いで掘るというよりもじっくり調べて、ちゃんとしたことをして掘らなければ資本のない日本がどうにもならなくなってしまう。ここがいまのヤクートでございます。ヤクートからのガスも入るでしょう。それからさらにここにはことしからサハリン石油が掘削を、試掘を始めます。これもかなり有望である。そういうものを引っくるめていくと、全体としては東アジアというものは世界で騒がれるほど石油の資源に不足していないのです。ただ何が不足しているかというと、ここでつまらぬ争いをして、いわゆる東西の障壁を高めるものだからますますもって日本に燃料がうまいこと流れなくなるということでございます。  いささかまあ舌足らずになりましたけれども、そういう意味でじっくり考えていただいて、この協定は五十年ということでございますから、これは少々おくれても構わない、もう参議院で徹底的に、それが参議院の意味があるということと私は思いますので、私は法律上これを自然承認にしたらどうこうと、そういうことはわかりませんし、余り重視しない。ただ、とにかくまじめにゆっくりと考えていただくことが参議院にお願いしたい最大のお願いでございます。  よろしゅうございますか。
  39. 大塚喬

    ○大塚喬君 二点質問をさしていただきます。  一つはこの共同開発区域について、先生の研究所で出されております資料、それからきょういただいた資料、いずれも朝鮮は一つという立場に立ってお考えをいただいておると、こう受けとめております。この問題について朝鮮民主主義人民共和国外交部スポークスマンの抗議声明があって、この点についていままでの審議の中で私は北朝鮮とこの問題について話し合いを進めたかと、こういうことを聞いたが、一切外務省はこれは北朝鮮は無縁でございますと、関係がないということで一度もこれらについての話し合いがなされておりません。私自身は納得できませんのですが、この問題についての先生の御見解を簡単で結構ですがひとつお聞かせいただきたいと思います。  もう一つは、先ほども図面の中で大陸だなが、揚子江砂堆という緑になっておる中国の大陸だな、もう一つは朝鮮半島の方から出ておる大陸だな、あそこのところをひとつもう少し具体的に御説明をいただきたいと思いますが。
  40. 麓多禎

    ○参考人(麓多禎君) 最後のところから先に申し上げましょう。  たなの説明は大そう技術的になってしまうので、この図だけでは申し上げられないのです。私もずいぶん苦労したのです、どうしたら皆さんにわかっていただけるかと思って。その結果、ぼくのところに非常にりっぱな製図する若い人がおりますんで、これをつくってくれた。  これは結局はっきり申し上げますと、もとは皆さん政府の方々全部論議されておるエカフェの一九六九年五月発表の報告で、前年の六八年にハント号と申しますアメリカの海軍の指導のもとにやった調査船が、三万ジュールと申しますから大きなスパーカーではございませんが、要するに電波でみんなはかっていって、その結果日本の水路部と合同してつくった水深の深い浅いの図でございますが、これにはいわゆる底質は表面だけで、表面の高低だけで、その底は何らあらわしてございません。ただこの図をしさいに見て私がまず疑問に思ったのは済州島というものとこの五島、これが五島海谷、それからここに沖繩海盆、こういう一つの流れがございまして、これは地質学上いろいろな論議がされておりますが、あるときには陥没したわけです。こういう、とにかく地形になっております。したがって、地質を度外しますと、ここに積もってきた砂というものがどこからきたかということがわかるわけですけれども、深さ浅さで言いますと、結局こういう線が引かれるのでここにはっきりした一つのみぞが出てくる。このみぞはやはり昔から、ここが干上がっている時代に黄河がここに流れておったと申しますが、そういう関係で高い低いというところから、ここにくっきりした一つの線が出てくるのです。日本の場合は遺憾ながらそういうたなというものはこのくらいでしかありません、自然のたなは。ただ、それが深い浅いの大体の状況から申しますと、最初ここで申しましたように、中国からの自然延長になっている。私はまあ、ここを書きましたのは、大体二百メーター――ここは違いますけれども、この辺は二百メーターですが、黄海沿いにもこういう非常にはっきりしたみぞがある。こういうことになっております。一応ここで、深い浅いで見ますと、少なくともここでもってこっちへきている土の積もりがなくなります。これをさらに理論的に分けますと、一部のものはここに入れておきましたけれども、大変専門的になりますが、二十八ページの水理構造がございます。これを見ますと、沿岸水というものがありまして、明らかにこういう堆積と関連して、水の構造がやはり大陸だなの構造の基本になっているということになると、やはり同じような境界ができてくるということで、表面上の深い浅いから言いますと、結局韓国のものが遺憾ながらこっちには延びていない。じゃ地下構造はどうなっているかにつきましては、無論いろいろな学説がございますので一概には申せませんが、この図に示しましたように、これは最初に御説明したように、七ページの図で、一応こちらからこういう方につながった何がしかの地質的の連係があるんだということは、異論はあるにせよ国連のエカフェの報告によってこういうふうに出たということは、いまここで判断する場合には、地質的にはつながっていないという判断の資料になるわけです。  それで、最初の、何でございましたか。
  41. 大塚喬

    ○大塚喬君 北の方に何にも、縁もないんだということでけったわけですが、この点について先生の御見解をひとつ。
  42. 麓多禎

    ○参考人(麓多禎君) 私はこの問題について北朝鮮の人にも会いたかったのですけれども、いまのところは中国の人しか会っておりません。したがって、ただ原則的に言うならば、私は中国の大使館で基本的にはどう考えるかと聞きましたときに、楊書記官は、一応私としてはこういうふうに考えると、この大陸だなの境というものは、朝鮮二カ国と日本と中国と四カ国で話し合いをしなきゃならぬでしょうということです。したがって、南北分立をするというものの考え方は、ある程度実務的には存在するんであって、その意味において外務省の方々の御見解が、いわゆる現在の南北の線というものを、いわゆる一つの沿岸国として別に考える場合には、二つの国として考える場合に、ここに果たして北朝鮮の方々が何か言われる資格があるかどうかということになりますと、これはやはり線を引いてみますと、現在の共同開発区域にはどうしても及び得ないということは言えるわけです。  ところが、これが一番大事なところで、われわれがやはり大きな見方で、常に温かい目で朝鮮半島というものを見ていかなきゃいけないと、私はここにわざわざ小さなパンフレットの最後に三・一の独立宣言をつけたのです。なぜかと申しますと、私は、実にあるときは韓国が憎かった、ところがいまは憎いと思っておらない。何とかしてこういう向こうの不平というものを利益と合理的に結びつけなきゃいけない、そして平和に持っていかなきゃいけないということで、この独立宣言を書いてございます。これほどりっぱな独立宣言をした民族はありません、世界中どこでも。したがって、その意味から申しまして北朝鮮というものをやはり何とかして引っ張り込まなきゃいけないということになりますと、一応私は、まあちょっと理論的にはそれますけれども、海洋法のテキストに閉鎖海という条項がある。閉鎖海と申しますのは一応ここでは、日本海もそうですけれども、台湾海峡と沖繩とこの黄海と東シナ海は海洋法上の閉鎖海。その条項の中には、これは水産資源ではございますけれども、共同して開発に当たらなきゃならないという、いまの希望的には過ぎると思いますけれども、そういう条項があるわけです。そういうことを考えれば、やはりこの海域の問題は北朝鮮というものをどうしてもなるべく入れるようにしなきゃいけない。いまのように来るな来るなというようなかっこうでやっておったんではいつまでたってもやはり朝鮮半島の平和というものはこないじゃないか。そういう意味におきまして、この協定が日韓ただ二国の間で進められてしまったということは大変に遺憾なことだと思います。
  43. 立木洋

    ○立木洋君 一点だけお尋ねしたいんですが、今度の共同開発に調印されるに至った経緯についていろいろ、突如として日本の政府が態度を変えたと、おかしいんではないかというふうな問題が問題になっていますし、いままでも、いま新聞紙上でいろいろ日韓の癒着の問題等々が議論になっておりますけれども、こういう点について何かお感じになっている点があれば、その点お話を聞かせていただきたいと思います。
  44. 麓多禎

    参考人(麓多禎君) その点につきましては、お気に召さない方も多数おありになると思いますけれど、私はここに一つの結論を出してございます。三十一ページをごらんいただきたい。そのゴシックのところに、「日韓大陸棚協定による東シナ海大陸棚共同開発の企画は、密室外交の謀議による構造汚職の予備行為にほかならない。南北どちらの協定にも、海洋問題と真剣に取組もうとする政治の姿は見当らない。」これが私の結論、最終の報告でございます。  それでは、なぜそんなことを私が言うのかといいますと、私もかなり甲らに毛が生えておりますんで条約を見るのは初めてではございません。条約を見る場合には、必ず作者の意図というものが漏れるものです。それで、私は最初この条約を外務省へ行ってもらいました。それで持てきて読みました。途端に驚いちゃった、大変なことじゃないかと。結論がここにあったわけで、それはどういうことでそういうことを輪をかけて申しますかというと、先ほど申しました社会党の小林先生の決算委員会における御発言、それからさらに、これは当時自民党の宇都宮議員が書かれました中に、当時調印したときには閣僚の全部も知らなかったし自民党の幹部もほとんど知らなかった。こそこそと調印しちゃった。しかも委員会で一応外務省は説明するということを言ったのに何も説明しなかったということも私も聞いております。そして、じゃあ韓国の批准はどうか。批准はしたけれども、もちろん――議案は八つあったそうです、細かいことは知りませんけれども。そこで結局怒号ともみ合いの中に批准された。いわく因縁づきのものであります。  そうしますと、何かそこにわだかまりがあった。私は先ほど、青嵐会から共産党までと申しましたのは、そういうことが議会政治において納得いかないままに党派と派閥というような単純な利益に縛られて投票が行われるんだったら、これは善意に基づく国家に貢献できる多数決にはなり得ない。そこで私は特にこの委員会にお願いしたいことは、もっともっとできるだけ掘り下げて何でもいいから調べていただきたいと、こういうことを申し上げているわけでございます。  まだそのほかにもいろいろお話しすればございます。私が直接議会のある部屋で読みましたものにつきまして単に申しますと、一応金大中氏の政敵である大統領の方が当選されるときにガルフから三百万ドルの金が行ったということがまことしやかに現に言われており、それが金大中氏の政敵の当選した理由であるとさえ言われておる。ところが、そのときにそれに上回る金が日本から流れておる。それは政府並びに自民党の方々が一番よく御存じのはずと私は思う。その一部に明らかにある商社から何百万ドル、ある商社から何百万ドルというようなこともある程度書物になって活字になったものもあるわけです。私はそういうような意味で、先ほどの結論で申しまして大変お気に召さない方も多いかと思いますけれども、とにかくこの条文を見て本当にわけがわからない。その裏が読めてくるということになりまして、構造汚職ということを申し上げたのは、実は私は大変心配しますのは、ついこの間私のところに週刊誌の記者が来まして、もう最後だから何でも言ってくださいというので何か私も言いました、結局記事にはなりませんでしたが。そのときに私はこういうことを申し上げたんです。  結局、一億ぬるま湯につかってしまっているんですと、与党野党にかかわらずこの問題に対する真剣に論議するという空気が消えてしまった。それはやはり企業体制の中において主力は石油の開発担当の各社の方々がやはり当座の目が当座の現金に向くということで、開発の資金がどこに出るにせよ、一応業界として動きになるというので、どうにかならないから何とか金を動かしたいというのが真実のぬるま湯の最後の火をつけたようなものでございまして、この流れをずっと見ていきますと、最初のころはまず日韓の汚職の問題が盛んに論議された。続いては、かなり突っ込んでいろいろとこの不合理が論じられた中に、やがて昨年の夏になりますと、資源論が浮かび出してきた。私は先ほど鳩山外相の言葉を申しました。これは申しわけないので、ひとついまの名前だけは速記録から取っていただきたいと思いますが、私は個人の攻撃をするわけじゃないのです。外務省がこういうものを出されたのに、私は外務省の方々もよく存じておりますし、外務省の本意ではないことが進んでおると。何らの力がこれをさせておるのだと、それがいわゆる日韓汚職の本当の尾を引いている何がしかのものであって、それが私が率直にこの調査をやりますたった一人でありました。最初は何人かの人にも聞きましたけれども、最後にこれは御迷惑をかけてはいけないと思ったので、一切それから一人でやりました。ですから、いろいろなことを、足らないこともございますけれども、中に私は正面切って意見が違うと申します中に、外務省の本当の方々は本当の自分の本心をあらわすことができないでおられる。そういうものでこういうものが次々に出てきちゃってえらいものもできゃったというようなことで、毎日新聞にも多く出ましたけれども、あの課長がそんなに悪意を持ってやられたこととは私は思いません。そういう一つのぬるま湯というものができてしまったということがいま一番恐ろしいことであり、どうかひとつ皆さんでこのぬるま湯のたがを割っていただいて、右から左までひとつ本当に日本の将来海洋問題というものを考えて、一応よくよく考えていただきたい。日韓問題につきましてのいろいろの細かく申しますときりはございませんが、カーター政権は恐らく八月以降にはかなり突っ込んだ米韓関係の問題が出てくるだろう。その場合に、必ず日韓の問題も出てくるだろう。はなはだ言葉を極めますれば、ある相当の録音テープは向こうへとられておる。その中にこの韓国のたなの開発についても日本の相当の責任者の発言が私は必ずテープにとられていると思う。その場合、それが国際的な問題から、こういうものがありましたということはだれも言わぬでしょうが、あと五年もたたないうちにそういう問題が必ず私はどこからか出てくると思うわけです。したがって、この問題はいろいろの利益関係もございましょう。現にきょうはどこかの倒産の問題が朝からテレビをにぎわしております。そのもとはやはり日韓関係であるという。そういう意味で考えますと、この協定自体をもっともっと深刻に考えていただきたい。特に与党の自民党の方々には本当に真剣に考えていただきたい、これが私の個人的にきょう席を汚しましたお願いの一つでもございます。  いまの御質問に当を得なかったと思いますけれども、そういうことでよろしゅうございましょうか。
  45. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 麓参考人に対する質疑はこの程度といたします。  麓参考人には大変貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表してお礼を申し上げます。(拍手)  午前はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時三十分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会
  46. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  午前に引き続き、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  午後は、評論家北沢洋子君に参考人として御出席をいただいております。  この際、参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  北沢参考人には御多忙中のところ御出席いただき、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見を拝聴し、本件審査の参考にしたいと存じます。  議事の都合上、まず参考人から二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えくださるようお願いしたいと存じます。  それでは北沢参考人にお願いいたします。
  47. 北沢洋子

    ○参考人(北沢洋子君) 北沢でございます。  現在、参議院外務委員会において審議されている案件、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定、すなわち日韓大陸だな協定についての私の意見を述べたいと思います。  わが国外務省は、一九七四年一月三十日に日韓両政府間によってソウルで署名されたこの協定の批准を本国会に求めるに当たって、次のような三つの理由を挙げております。  その一、日韓両政府が署名してからすでに三年以上も経過している。したがって、これ以上日本が批准を延ばせば韓国に対する国際信義にもとる。  その二、この協定の早期批准は日本の国益に合致する。もし国連海洋法会議の結果を待つとしたら、それだけ日本に不利な情勢が生まれる。  その三、日本のような資源小国、石油大消費国にとってエネルギー自給に役立つ、などであります。  まず、私はこれら日本政府の主張が全く根拠がないばかりか、事実をねじ曲げてさえいるものであるということを証明していきたいと思います。次いで、日韓大陸だな協定の中で、特に南部の共同開発に関する協定の内容について幾つかの問題点を指摘していきたいと思います。最後に、この協定は日本国民ばかりでなく、韓国国民の利益をも害するものであるばかりでなく、この共同開発区域に隣接する全東アジア諸国間の平和と友好の発展に対する最大の阻害要因の一つとなるであろうということを指摘し、この協定の廃棄を強く主張したいと思います。  では本願に入ります。  第一点、日本政府は一九七七年四月、外務省情報文化局の名前で、「日韓大陸棚協定 早期締結の必要な理由」というパンフレットを作成しました。そこには、この協定は七四年一月三十日に日韓両国間で署名され、韓国国会はこれを七四年十二月十七日に批准している。したがって、これ以上日本国会が批准を引き延ばすのは韓国に対する国際信義にもとると言っております。  この主張に対する私の反論は次のようであります。  韓国政府は、一九七四年十二月十三日韓国国会に提出した資料によりますと、日韓両政府間でこの協定案が作成されたのは一九七三年七月であります。にもかかわらず、日本政府はこの行為を国会及び国民の目からひた隠しにしてきました。日本政府が協定文の存在とその内容を明らかにしたのは、何と両国政府が署名した一九七四年一月以降のことであります。このこと自体、すでに憲法七十三条第三号の規定に違反しているのであります。その上、日本国会は早くから政府に対して再三協定文の内容を明らかにするよう要求してきたのであります。たとえば、七三年十月九日の衆議院決算委員会においては、野党の松浦委員が協定文の提出を政府に要求いたしております。これに対して外務省大森アジア局次長はこれを拒否しました。  このような経過から見て、国会側、つまり立法府側が怠慢であったと言うことはできません。憲法第七十三条に基づいて政府が事前の承認を国会に要求すべきであったのであります。このことは、日韓大陸だな協定の署名に至るまでの経過が、ひとえに日本政府の独善的な秘密外交であったことを示しています。  また韓国側について言っても、韓国側に対しても日本政府はあたかも国民の合意の上の行為であるかのように見せかけて協定の署名を行ったのであります。したがって、韓国に対して国際信義を守らなかったのは日本政府自体であります。政府は韓国政府、国会に対して、日本国憲法に違反した行為であったことを説明し自己批判すべきであり、事態を七三年七月前の段階に戻すべきであります。したがって、今国会がこの協定を廃棄したとしても、韓国に対する国際信義に反するなどといったいわば脅迫を日韓両国政府から受けるいわれはないのであります。  第二点、日本政府はこの協定の早期批准は日本の国益に合致すると言っております。この国益なるものについて、六八年エカフェ調査から七四年一月の協定署名に至るまでと、それ以後今日に至るまでとの二つの期間に分けて私は考えていきたいと思います。  まず第一段階について、エカフェ調査が行われたのは六八年秋でした。この時期はベトナム戦争が進行しており、テト攻勢の直後でありました。当時ポストベトナムのアジアに備えて国際石油資本が東シナ海全域にわたって埋蔵されているとされていた海底石油の調査に動いていたころであって、国連は確かにその隠れみのに使われたとしか言えません。エカフェの調査自体、米日韓台の科学者の手によって行われております。エカフェの調査が公表されたのは一九六九年五月ですが、それを待つまでもなく、日韓台各国は競って東シナ海の大陸だなに鉱区を設定し、これを石油会社に売り渡したのであります。  鉱区の紛争が起こったのはそのうちの二カ所でした。一つは、日台間で起こった尖閣列島付近、それに日韓間で西九州沖の、つまり現在の共同開発地域に当たるその二カ所でした。  この問題に関して、ここに興味深い本があります。東洋経済新報社七三年十月五日発行の矢次一夫著、「わが浪人外交を語る」という本であります。その中の二百六十一ページには、紛争の火種になる大陸だな開発についてとありまして、日韓台の三国の連絡委員会が連絡することにしたとあります。尖閣列島の方は中共を刺激するだろうからしばらく様子を見ることにして、まずモデルケースとして日韓間の大陸だなを中心に話を進めていこうということになった。新聞が大きく書き立てたので、以後極秘というか、忍者的な方法で、日韓協力委員会常任委員会がソウルで開かれた際、私が政府首脳者に話を持ち込み、これがとんとん拍子に決まったと書いてあります。この日韓協力委員会とは七二年七月にソウルで開かれたもので、岸信介氏を会長にし、現田中通産大臣が事務局長をしているものであります。  私は、参議院外務委員会に対して次のことを提案したいと思います。  この七二年七月、日韓協力委員会に出席した岸信介氏、矢次一夫及び田中龍夫氏の三名を参考人として出席を要求すること。そこで、どのようなプロセスでもって日本、韓国両政府はそれぞれに対してそれまでの主張を取り下げさせて、しかも日韓の両国の共同開発区域にするということをそれら政府に受け入れさせたかという、そのプロセスについて国民が抱いている疑惑を明らかにすべきであるからであります。  このように、日韓協力委員会の忍者的工作で共同開発の話が進められていた同じころ、日本政府のレベルでは、一貫してこの区域の大陸だなの領有権、つまりこの大陸だなに主権的権利を日本が持っていると主張していました。七二年四月二十四日には、日本外務省は韓国に対して国際司法裁に調停を求める提案をさえ行っております。これは日韓間のケースによく似た北海大陸だなをめぐるイギリス、ノルウェーの境界線の画定に当たって、すでに一九六五年の両国政府間協定で中間線が引かれた事実を外務省当局はよく承知していたからであります。イギリスが島国でノルウェー海溝がノルウェーに近いというそのような違いはあっても、ちょうど日本と韓国との関係で言えば逆になっていたとしても、この境界の画定は中間線をもってなされています。これに従うと日韓の場合は紛争区域はほとんど日本の大陸だなになってしまったのであります。  日韓両国政府の間で紛争区域を共同開発するということが決まったのは、七二年九月の第六回日韓閣僚会議の際でした。この事実が明らかになったのは何と昨年秋の国会でありました。すると、日本政府がそれまでの主張を引っ込めて共同開発に賛成するという百八十度の態度の転換は、わずか七二年四月から九月までの数カ月間に起こったということになります。この間に矢次氏の言う日韓協力委員会が開かれています。したがって、日本政府の態度を変えさせたのは大陸だな条約という国際法が変わったわけではなく、日韓協力委員会の人々の裏工作の結果であると推測されるのであります。彼らのために日本政府はみずから主張してきた当大陸だなに対する日本の主権的権利を放棄したのであります。したがって、この協定が日本の国益に合致するというのはこの段階でもすでに証明できないところであります。  第二段階に入ります。この協定の署名は作成時より半年間もおくれて行われました。この間には金大中氏誘拐事件が起こっております。いずれにせよ、七四年一月に署名した段階ではすでに国連の第三次海洋法会議が開かれておりました。そして、この会議の第六会期がニューヨークでことしの五月二十三日より始まっていることは皆さんもよく御存じだと思います。  第三次国連海洋法会議では、日本政府は大陸だな条約、領海条約、公海条約、漁業水域条約など四木の海洋法を採択した一九五八年当時と世界情勢が全く変わっていることを理解せず、国際的に孤立しました。七四年五月のカラカス会期では、第三世界ばかりでなく、先進工業国までが二百海里経済水域に踏み切っているのも知らず、ひとり反対をいたしました。問題を大陸だなに限定しても、七六年五月のニューヨーク第四会期の第二委員会でつくられた改訂単一草案では、第四十六条で二百海里の排他的経済水域が制定されております。海岸線から十二海里の領海プラス百八十八海里の水域内の天然資源については沿岸国の主権的権利が及ぶとしたものであります。この天然資源については生物ばかりではなく、石油などの鉱物資源のすべてを含んでいるのであります。  一方、大陸だなと言えば第六十四条で領土の自然延長と定義されておりますが、二百海里プラス二百、つまり四百海里の中に相対する沿岸国がある場合、つまり日韓のケースのような場合には衡平の原則に基づいて中間線をもって境界とするということになっております。  外務省のパンフレットの十一ページには、経済水域理論は大陸だな理論に優先すると規定されていないと書いてありますが、全く逆であります。二百海里経済水域理論が大陸だな理論に優先しているのであります。それは二つの根拠によって証明されます。  同じ第六十四条にコンチネンタルマージンの外縁、つまり大陸だなが二百海里の距離に達しない場合、つまり大陸だなが二百海里よりもっと短い場合に二百海里の海底区域にするとあります。  さらに第七十条には、大陸だなが二百海里を越える場合には、その越えた部分の鉱物資源のX%を国際的に還元すべきだと決められております。つまり、その部分に関しては主権的権利を一〇〇%ふるうことができないのであります。大陸だなが狭い場合は二百海里をとり、二百海里の外側部分についての二百海里を越える部分については外側部分についての資源の領有権は一〇〇%ないと決めているのであります。言いかえれば、いかように考えても大陸だな自然延長論が優先するとは言えません。しかも日韓の場合、双方の二百海里が重複しております。いずれにせよ、中間線をもってここに境界とされるわけであります。韓国の言う自然延長論が問題となるのは、大陸だなが大西洋に向かって二百海里の範囲を越えて広がっている南米のような場合であります。この場合でさえ、自然延長論に基づいて二百海里を越える部分の天然資源の主権的権利を沿岸国が主張し得るわけではないのであります。この部分のX%は海のない国のために国際的に拠出しなければなりません。たとえ日本という相対国がなくて韓国の大陸だなが太平洋に広がっていると仮定したとしても、韓国は自然延長の部分のすべての天然資源に対して自分の物とすることはできないのであります。  今日の世界は、かつてのように大国が力に任せて世界の富を一人占めにしていた時代ではありません。今日の世界は富める国が貧しい国に富をシェアする時代に入ったのであります。日本政府はこのことを理解できないばかりか、日本が資源のないことを理由にしてよその国の資源を金や技術に任せて買い占めることはできない時代だということを理解しておりません。日本政府はそのような世界が新しい時代に入ったということを認識すべきであり、その上にエネルギー政策を抜本的に立て直す必要があります。  今回、ニューヨークの海洋法会議は、この草案の採択をすることになっております。とすれば、日本側はここに二百海里経済水域を設定できるわけで、そうすると共同開発区域は日本側の水城内にほとんど入ることになります。したがって、日本は海洋法会議の結論を待てば不利になるという政府の主張は間違っているのであって、反対に有利になるわけであります。これは二国間条約である日韓大陸だな協定を今国会会期中に成立させれば、たとえそれと反する国際法である海洋法が決まったとしても、国際法より優先するということで押し通してしまおうとする日本政府の魂胆がありありとうかがえます。ここでも国益に反しているのは日本政府であって、もし国会がこの協定の廃棄を決定すれば、それは国益を守ったことになるのであります。  第三点、日韓大陸だな協定が成立すれば日本のエネルギー自給ができるというふうに日本政府は主張しています。政府はこの区域の石油埋蔵量七億キロリットルというのは根拠のない数字であったことはすでに外務大臣自身明らかにされたわけですから、私が繰り返す必要もありません。また、四月二十三日の衆議院外務委員会で参考人としてすでに意見を述べましたので、議事録をよくごらんください。  しかし、ここで注意を喚起したいのは、この区域に石油が埋蔵されているかどうかはこの協定の根本問題にかかわるところであります。ここで採掘可能な石油埋蔵量を算出し、わが国年間需要量に占める割合を算出し、共同開発するに足るものであるか、まず検討されるべきであります。この場合、生産される石油の開発費を計数に入れるべきであることは言うまでもありません。  第四点、協定文の中で特に問題と思われる個所について条文に従って検討し、私の意見を述べたいと思います。  まず第一に、政府はこれを日韓で海底石油の共同開発を行うのだ、費用も折半して出して、そして石油も両国で折半する、こんなすばらしい例は世界でないではないかと宣伝しています。しかし実態はそうではないのです。この協定の各条項をよく読めば、日韓両国によるところの石油の共同開発ではなくて、単に区域を共同にしたにすぎません。しかも、問題はこの協定が起草される以前にすでに両国政府ともそれぞれ鉱区を設定し、石油会社に鉱区権を売り渡してしまっているのであります。もっとも日本の場合は鉱業法によって開発業者は鉱区権を申請できるというわけで、鉱区を取得したということはないというふうに言うでしょうが、いずれにせよデ・ファクトとして鉱区と開発業者が決まっているわけであります。しかも、この場合その上に立って日韓大陸だな協定が起草されたのであります。しかも、この場合両国政府の開発に関する法律がそれぞれ異なっているのです。協定はこれらのデ・ファクトを単に条文化したにすぎないのです。ですから、二国間条約として見た場合、次に述べるようにまことに抜け穴、矛盾だらけの協定であるのは当然のことと言えましょう。  この協定で重要な点は、一体だれの手によって開発されることになるかという点であります。  第六条は操業管理者、すなわちオペレーターは両国政府がそれぞれ許可した、認可した開発業者の間の合意によって決まるとあります。この場合、各小区域には日本政府の許可した業者か、または韓国政府が認可した業者の二者が並ぶことになります。日本の場合は、開発業者が日本国籍を持っているということにいまのところなっています。今日までのところ、明治時代に制定された鉱業法に基づいて共同開発区域のほぼ大部分を日本石油開発、その他一部を帝国石油、西日本石油が鉱区申請をして先願権を持っております。各社の資産内容については本委員会に通産省が出した資料の九ページから十一ページをごらんください。韓国の方は、一九七〇年五月三十日に公布された海底鉱物資源開発法に基づいて今日ではテキサコ・コリアが一万平方キロ、コアムが七万平方キロの鉱区権を七六年七月五日に韓国商工部と再協約しております。二つの会社とも米国石油会社であります。  ここでわかりやすく説明するために、区域の中で水深が百五十メートル以内で堆積層の存在する可能性がある第五小区域を協定文第四十九ページを例にとってみましょう。ここは最も中国寄りの区域であります。第五小区域の開発権者は日本側は日石開発、韓国側はテキサコ・コリアです。この三社間の話し合いで、もし日本側の日石開発がオペレーターに決まった場合とする。日石開発はカルテックスと五〇、五〇の開発契約を結んでおります、この場合、開発費の半分は日石が出して、操業はカルテックスが行います。とれた石油の半分は韓国のものとなり、残りの半分のそのまた半分が日石のものとなります。残りの二五%については日石が金を出してカルテックスから買い取ることになるのであります。この場合、協定のどこにもとれた石油の価格については規定してありません。開発費が高ければ価格は高くなるのが常識です。政府はこれを石油の半分は日本のものとなるというふうに決められている、どこにも他国に輸出することができないと説明しています。そうすると、逆に日石はとれた石油の半分を引き取る義務があるということです。ですから、カルテックスの二五%の分について言えば、それがどんなに高くても、たとえアラビア湾価格プラスタンカー代より高くても買い取らねばならないのです。つまり、カルテックス側は開発費がどんなにかさんでも、みずからの利潤がなくなることを心配する必要なく開発できるので、世界じゅうどこを探してもこんなうまい商売はないと言えます。  第二に、今度は韓国側が鉱区権を取得したらテキサコ・コリアがオペレーターとなるわけで、テキサコは開発費の半分を日石開発からとります。そして、とれた石油は韓国政府との契約に基づいてまず一二・五%を原油で韓国政府にロイアルティーとして払うわけです。残りの八七・五%をテキサコと日石とが半分に分けるわけであります。つまり日石の取り分は、開発費は五〇%を負担しておきながら四三・七五%しかないわけです。この場合、また開発費の半分負担といっても、開発費とは何を指すのかはっきりしておりません。たとえば韓国政府が取るところの税金、テキサコの利潤は入るのかどうかなどという。しかも、第八条にはテキサコ側が韓国と結んだ契約を法令とみなし、日石開発側はその履行を妨げてはならないと書いてあります。つまり、日石側はどんな契約をテキサコと韓国の間に決められていようとも、それを自分に不利となった場合でも法令として認めなければならないのです。この協定は日本に石油が半分入ってくるという保証はないし、またどんなに高くても引き取らねばならないという義務がかえって課せられているのであります。  ここで参考のために、両国政府から鉱区権を取得している業者を簡単に説明します。日石開発はカルテックス、帝石はガルフ、西日本はシェルというメジャーと五〇対五〇の業務契約を結んでいます。いずれにしても、海底石油の開発に関してはこれらメジャーの手によるわけです。テキサコ・コリアは資本金千ドル、約三十万円、韓国政府の資本が二〇%入り、残りの八〇%をメジャーのテキサコとソーカル、つまりカルテックスが持っています。カルテックスはサウジアラビア、インドネシアの石油を掘っているメジャーであります。コアムは、私の知る限りでは、七〇年九月に韓国から鉱区権を買ったフィリップス石油の後身であって、資本金一万ドル、三百万円、韓国政府が資本の二〇%、残り五〇%をフィリップス石油、残りの三〇%をユニバーサル、ハミルトン、LGウイークスの三社が分割して所有しています。  第二に、第十七条において開発業者に対する課税が決められています。オペレーターが韓国政府と鉱区権を結んだ業者となった場合、十七条一項の規定により、日本側は政府、地方公共団体ともいかなる課税もできないのです。もしこれら韓国側と契約を結んだ開発業者が全区域にわたって米系石油資本に決まった場合、つまり彼らに決まった場合、日本側は何の税金も入ってこないことになります。政府はそんなことはないと、議事録の第六項によってそんなことはないと言うでしょう。議事録の第六項によれば、オペレーターの指定は衡平になるようにしてあると言うでしょうが、これは単にそうなるように両国政府が努力するとなっているだけで、ねばならないという義務規定ではないのであります。北海のケースで参考のために申し上げますと、一九七六年から一九八〇年間のイギリス政府の税収入の見込みは、ロイアルティー、石油収入税、法人税ともに合わせて七十八億八千万ドル、約二兆四千億円が予測されています。米国石油会社が開発することになった場合、海底石油開発に伴う巨額な日本への税収入が全く入ってこないことになります。  第三に、第十八条ではこの共同開発区域で使われる資材に対して関税をかけないということが決まっています。すでに第七条においては、この区域での石油開発に必要な資材をいずれの国でも調達したり処分したりすることはできると決めてあります。そして、それを区域内に搬出入するときには無税になっております。つまり、何が持ち込まれるかということを関税のレベルでもってチェックすることができないのです。このことは、もしテキサコなり日石なりがオペレーターになった場合、資材を日本の領土内において調達し、これを共同開発区域を通って韓国に持ち込み処分した場合、全く税金がかからないことになります。つまり共同開発区域をトンネルにして日韓間の大がかりな密輸ができるわけであります。しかも十七条に見たように、これがテキサコの場合、日本側は法人税、事業税をかけられないのですから、この区域への立ち入りする権限を日本政府並びに地方公共団体は持っていないわけで、密輸がわかっていてもお手上げの状態になると言わなければなりません。  第三に、この協定の第九条には、日韓それぞれの国に認可された業者がこの区域でとれた石油の半分を取得すると決めてあります。ここで注意したいのは、半分の取り分を持っているのは国ではなくてあくまで業者であるということであります。業者がここでとれた石油の半分を取得することができるということの法的根拠は第十六条に書いてあります。なぜならば、この共同開発区域は日韓の領海外の公海であるから、そこでとれた生産物を取得するためにはここに主権的権利を定めなければなりません。ここでは日本、韓国それぞれがこの区域の大陸だなに主権的権利を持っているがゆえに石油の半分を取得する権利があるのだと書いてあります。ところが、同じ協定の第二十八条には、この協定のいかなる規定、つまり十六条も含めて共同開発区域の全部もしくは一部に対する主権的権利の問題を決定するのではないと書いてあります。協定正文の英語ではもっとはっきり決定しないと書いてあります。まさに矢次一夫氏の言うように、この協定は大陸だなの領有権問題をたな上げしたところに作成されているわけです。とすると、この大陸だなは主権的権利がだれのものとも決められていない公海になります。日韓以外の国が領有権にクレームをつけたとしても、それに対抗できる法的根拠を持っておりません。そして、現実問題としては中国側が自然延長論をもってして、この区域の大陸だなの領有権をすでに何度か主張しているのであります。それからまた、海洋法会議の結論を待ってもし中国が二百海里経済水域を宣言するとすれば、中国側の二百海里がこの区域内に入り込んでくるわけで、中国政府はここに産出された石油を取得する権利を持っているということになります。この協定はその場合対抗する法定根拠を持っていないばかりか、協定は無効になってしまうのであります。つまり平たく言えば、日韓両国は何も法的根拠のない公海で、お互いが認可した業者が石油を掘ったり取得したり生産物を取得したりすることはできるということをいっているだけであって、ここでは国際条約としてのていをなしているとは言えないのであります。  もう一つの問題は、この協定には開発業者に対する政府の権限がほとんど明記されていないという点であります。確かに政府は開発業者を認可します。しかし、その後はほとんど業者間の取り決めによって進められるわけであります。ここの石油開発は協定成立後のいわば将来のことであります。しかし、これまでエネルギー資源の確保について業者主導であった例がほとんどであります。たとえば、原子力発電所用のウラン資源確保についても、七〇年に三菱商事と関電がナミビアから八千二百トンの買い付け契約を結んだケースがあります。後七四年九月、国連はナミビアの天然資源をこの国が独立するまで一切買い付けてはならないと決めました。そういう法令を制定したのであります。日本政府は、国会において総理大臣みずから国連決議に従って処理すると言明しておきながら、今日政府は国連非加盟国であるところのスイスを通じて堂々とナミビア産ウランが輸入されているという事実を知っているのにもかかわらず、企業の自由をたてまえにしてその不法行為に目をつぶっているのであります。そしてこの行為は非常に近い将来、思わぬところから厳しい糾弾を受けるであろうということを私はここに警告しておきたいと思います。ナミビアのウランの例に見られるように、日本政府は事エネルギー問題に関しては行政指導する権限さえ行使しようとしていないのです。このような政府が、韓国政府と米系石油資本と共同開発すれば一体どのような事態が将来到来するか、外務委員会の方々には明確におわかりいただけると思います。  最後に、海洋汚染について一言述べたいと思います。  外務省はパンフレットの中で、一九六九年、サンタバーバラの事故を挙げていますが、それは噴出防止装置をつけていなかったから起こった特異なケースであるといって、今回の共同開発区域ではこのような事故は不可能なものだというふうに断言しています。しかし、このパンフレットが発行された直後に、北海のノルウェー沖でフィリップス石油がプラットホームから石油を噴出させました。エコフィスク油田群のブラボ十四号油田で噴出防止装置がはずれたのであります。ここでわかっていることは、このような事故を直すことのできる会社は世界に一つしかなく、それも六十二歳になるテキサス男が現地に飛んでやっとふたをしたということであります。この間二週間にわたって五百万ガロン、すなわち約一千八百八十五万キロリットルの原油が直径八十キロの広さの海に流れ、ゆっくりとヨーロッパの海洋に向かって流れていったのであります。海に流れた原油を回収する技術は、残念ながら開発されていません。水島石油のときのように手杓子ですくいとるということしかできないということなのであります。石油会社は利潤の追求に熱心であって、このような事故対策の技術の開発を怠ってきたのだということを私たちははっきりとここに認識しなければなりません。特にこの共同開発区域が政府も認めるように日本の重要な漁場となっています。無責任な政府の保証など国会は聞かずに、独自に北海のフィリップス石油の事故の調査報告を手に入れ、検討すべきだと思います。なぜなら、共同開発区域の最大の鉱区権保持者コアムの前身は同じフィリップス石油であるからで、決して遠い北海の事故ではないのです。  以上述べたところでも明らかなように、この協定は余りにも多くの欠陥、矛盾を含んでおり、しかも二国間条約としての法的根拠すらないというしろものであります。にもかかわらず、この協定は日韓両国を五十年という長期にわたって縛ることになるのであります。この協定こそは今日これまで韓国政権を朝鮮半島唯一の合法政権とみなして軍事的、経済的、政治的に朴政権を支えてきた米国が、その対韓政策を大きく転換させ、軍事撤退、人権侵害、KCIA贈賄などをもってゆさぶり始めているとき、国際的に孤立した朴政権の危機を救う唯一の国際的援助となっているのであります。この協定は朝鮮半島の分断を永久化することにつながり、朴独裁政権の寿命を保証することになるのです。この意味において、この協定を廃棄すべきであると同時に、海洋法会議の結論を待つばかりでなく、東アジアの政治情勢が正常化するまでこの地域の海底石油開発を延期すべきであります。いやむしろ日本は朝鮮の平和的統一、日中平和条約の締結などに対して積極的に努力すべきなのであります。
  48. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 以上で意見の陳述を終わりました。  これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
  49. 矢田部理

    ○矢田部理君 最後のところで述べられました朝鮮半島をめぐる情勢といいますか、朴政権の評価についてもう少し詳しくお話をいただきたいし、それとこの協定との関係について言及をしていただきたいと思います。  もう一つは、午前中の議論にもありましたが、国連海洋法会議の動向、見通しといいますか、これをもう少し具体的に明らかにしてほしいと考えます。  それから第三点でありますが、エカフェが調査をしました。しかしエカフェの調査の実態は、アメリカの軍艦を使って、主としてアメリカが中心になって調査をした。ですから表に出た報告以上に、アメリカあるいはメジャーがむしろこの海底の状況については詳細な資料を持っているとも伝えられているわけでありますが、その辺の状況についてどうお考えになっているのか、知っておられるだけ。とりあえず三点。
  50. 北沢洋子

    ○参考人(北沢洋子君) 最初に第一点についてお答えいたします。  ここで重要なのは、政府が三年間の猶予の後、つまり二回にわたって国会で廃案となったところの協定批准の問題を今国会に出してきたという事実がまずあります。その事実を踏まえて考えますと、逆に朝鮮半島、つまり朝鮮半島というよりかむしろ韓国朴政権の事態というもの、朴政権をめぐるところの国際環境というものが過去二年間ないしは三年間に比べてはるかにことしは悪くなっているという事実を私たちは知っているわけであります。それで、その事実の中にひとつ――御承知のように、韓国政権を朝鮮半島全体に主権が及ぶところの合法政権であると決めたのは約二十年前の国連決議であります。そしてその決議をつくったのはアメリカであります。日本はそれに追従してきたわけでありますけれども、この朝鮮半島全体に及ぶところの合法政権であるとしたところの考え、つまり韓国政権自体に対する国際的な考え方というものが、その当事者であったところのアメリカによって大きく変わっている。つまりアメリカがはっきりとこういう虚構の上に立ったところの韓国政権観というもの並びに韓国に対する対韓政策、アメリカの対韓政策そのものをいま大きく変えようとしているのであります。  ということは、朝鮮半島をめぐる、つまり南北が分断されていて、そしてしかも地理的には分断されていて、しかも政治的には自由世界側が、つまりアメリカを先頭とする同盟国が韓国政権を朝鮮半島全体によるところの合法政権であると考えていたその考え方そのものを変えるさまざまな方策というもの、つまりその政策の転換というものがさまざまな形であらわれているのであります。ですから、たとえばKCIAによるところの米国議員の贈賄事件というものは単なる偶発的な問題ではない。それはただだれかが飛行場でメモを落としたとか落とさないとかという問題ではなくて、はっきりとした政策転換の中で起こった、そういう事態なのであります。  そういうことを考えてみると、その一連の出来事、つまりKCIAの贈賄事件から始まって米軍撤退のスケジュールの発表、それは四年ないし五年という、そういうスケジュールの立て方、それから人権、つまり韓国の朴政権が反対勢力の人権を侵している。つまり韓国政府が持っているところのさまざまな法令を含めた人権侵害の事実をあばいていく、非難をしていく。そういうふうな事態というものが単なる一人の人間の、つまりカーターとかある特別な議員の個人的な趣味とか道徳的な道徳観によるものではなくて、はっきりとしたアメリカの対韓政策の転換の中で起こっているということを私たちは見なきゃいけないわけです。そうするということは、朴政権の言われているところの政治的な危機というものがどのような危機であるかということを私たちは理解することができる。日本政府が朴政権のクレジビリティーについていろいろな説を立てていることは私は知っています。にもかかわらず、日本政府がこのような韓国の朴政権に限らず、いままでどのように外交的に日本政府の情報並びにその評価というものが間違ってきたかという例は多々あるわけで、それを幾つか列挙して皆様の注意を喚起したいわけですけれども、たとえば中国と台湾の場合、国府政権というものを中国全体に主権の及ぶ政権であると認めてきた虚構が一九七二年に崩れたわけですけれども、その最後の最後まで日本政府というものはそういうふうな国際的な転換というものが、対中政策の転換というものが起こるということを予測できなかった。そして最後の最後まで日本は国府政権にしがみついていたわけであります。それは国連の動向を見てわかるわけです。  それからもう一つ、たとえば一九七四年にカンボジアのロンノル政権を日本政府は支持の政策を打ち出しました。そして国連で猛烈なロビーを展開したのであります。ところが、ロンノル政権がもはやもう政権と呼ぶに足るものではない、そしてカンプチア王国連合政府側がすでに国土の大部分にわたって支配しているという事実を国際的にはほとんどの国が認めていたのであります。ところが日本政府だけがそのことに、つまりロンノルが唯一の合法政権であるということを認めて、そして最後の最後までロビー工作をやった。  そういうふうな日本政府の国際的な評価、情勢の評価、それからその情報の収集の仕方の間違いというものが、今度また朝鮮半島をめぐるこの韓国政権の評価についても起こっているのでないかということを私は非常に憂えているのであります。  このことを、この協定の批准を問題にする以前に、つまり韓国政権に対する国際的な援助というものはもはやどこにもない、アメリカでさえもその援助というものを控えている、それからECも人権侵害の問題を取り上げるとすればそれは遠いアジアのことで、東アジアのことを取り上げたいというそういう機運が起こっているわけですから、朴政権を支持するという国際的な、つまり先進工業国の中で支援することのできる国というのはほとんどないわけで、その意味においては日本の経済的な支援ということもありますけれども、特にこの日韓大陸だな協定の批准をもってして日本はその朴政権の危機を救うというふうな事態に追い込まれている。そのような関係にあるわけですから、この批准は単に批准するしないの問題でなくて、大きく世界が動きつつあるということを私たちは冷静に判断してどのような対応をすべきかということを私たちは出すべきであって、その評価が終わったところで、その評価が、正しい評価が出された後でこの協定についての批准をすべきか、または協定をどういうふうに修正すべきか、またそれを廃棄すべきかということをここの委員会で討論すべきだと私は考えています。  それから第二の海洋法会議の動向と見通しですけれども、国際法上の問題についてはすでにさまざまな国際法の権威の方、学者の方がおっしゃったと思うんで、私はその国際法会議の中、国連海洋法会議の中に流れている思想というものを、つまり大変な価値転換というものがこの世界に起きているということを私は述べたいと思います。  それで一九五八年に第一回の国連海洋法会議が開かれたわけで、そのときの海洋法会議の中で四本の柱が決まって、条約が決まったわけですけれども、その中に大陸だな条約というのが一本あったわけです。この大陸だな条約を決めた段階においては、第三世界の数というのは、つまり南の低開発国の数というのはほとんどもう無に等しかった、つまりアフリカはいま四十七カ国ありますけれども、当時はたった九カ国しかなかったわけで、その意味においては第三世界がブロックとして南が北に対していままでの経済的な不正義というものを変革を要求するというような事態になっていなかったわけであります。アフリカのほとんどは独立していなかった。それからラテンアメリカもその意味においてはアメリカの言いなりになっている、まだ投票機械でしがなかった段階であります。  そのような段階において大陸だな条約が決まったという、大陸だな条約が創案されたその内容というものは、したがって、必然的に大国の意思そのものであったし、それからもう一つは、それを決めたのは大陸だな条約を決めたその力、その背後の力というものは国際石油資本だったのです。ですから大陸だなのたなの広さを決定する、つまり大陸だなそのものの定義を決定したときの考え方の中には、水深が二百メートルプラス開発可能というふうなことが言われた、つまりそれは石油会社がその段階において水深二百メートルのところで開発する能力というものを持っていたわけで、しかもそれはもう少し能力がふえるという、つまり陸のところで開発してきたものが海上に延びていって、それが領海三海里並びに、もしくは領海十二海里を越える部分においてどう開発するか、開発できるようになった、その開発する場合にそれは公海上であるから何らかの形でそこに対するその沿岸国の領有権を決めなければならない、つまり石油会社がそのような意向のもとにおいて、各国政府を動かして、大陸だな条約というものを結ばせたわけであります。  ところが現在、一九七三年末から始まったところの第三回国連海洋法会議においては全く状況が違っている。つまり、いままでは石油資本の見えざる神の御手のもとに進められて書かれてきたところの海洋法そのものを、海洋法体系そのものを変えようという、つまりいままでそのような大国の権益にあずかれなかった、そしてまた自分の国の権益が侵され続けてきたところの第三世界というものが、もはや富を南から北へ流れるところの、その富が流れるというその流れるメカニズムというものを変えたいということを言っている。これは大きく言えば資本主義のメカニズムそのものを変えたい、資本主義の法則そのものに対して変更もしくは変革させたいということを言っている。そのような状況のもとで海洋法会議が七三年末から開かれたということを私たちは認識しなければならない。だから、石油を取るか、だれが取るか取らないかという問題ではないのであって、いま討論されている、いま問題になっているいろいろな、すべての国連の会議の中で南北対決ということが言われているけれども、その南北対決の南の意見というものは大きな歴史的な流れの中に起こっていることで、これ動かしがたい事実であり潮流であるわけですけれども、その言っている内容というものが、私たちがいままであたりまえだと考えてきたところの資本主義の論理というものを改定または変革しようとしているという、そういう状況のもとに始まっているんだということを私たち押えなければならない。  そうすれば、海洋法会議で大陸だなの条項が決まるということは、単に一九五八年の延長ではないわけで、全く力のバランスというものは南北の間に変わっているところで起こっているわけであって、日本は北に属するわけですけれども、その潮流というものをやはり見越さない限り、日本のような国は、つまり人種的に言えば有色人種、つまり黒い人種に属するわけであって、私たちはそういうアジアの中に、しかもアジアの中に存在するわけですから、第三世界とは無縁ではないわけで、その中に生きていかなきゃならない国にとってそういうふうな歴史の潮流というものを見過ごしてはならないわけです。そのような違いというものを、根本的な思想的な違いというものが、第一回と第三回の間に大きく起こっていると。それはベトナム戦争があったし、北のさまざまな国の中でもさまざまな変革というものが行われてきた。だから、すでにアメリカのような国はいままで世界の支配国であったわけですけれども、その国がそれであったがゆえに時代の潮流というものを見ようとしているわけで、日本はいままで政治に対しては全く関係ない。ただ経済的に何か物をとってくればいいと。原料をとってきてそれを加工して日本は輸出すればいいと。工業製品を輸出すればそれでいいのだという考え方そのものが近い将来問われるような状態になっているわけですから、単にこの大陸だな条約を、石油をとるかとらないか、だれがとるか、どうやってとるかということだけではなくて、その大陸だな条約の中に含まれているところの精神、すなわち天然資源をどのように人類は有効に使うか、資源を保護し、かつそれから海というものをどのように保護していくか。海は無限のものではなく、だれのものであって、どういうふうに扱ってもいいというものではなくて、大陸だなを設定する場合、二百海里の経済水域を設定する場合には、それは権利と同時に大きな義務というものが備わってきているわけで、その意味においては長い、第三回海洋法会議というのが非常に長く続いているわけですけれども、そこのところで問題が紛糾している。しかもそれは、その国のところに所属するからその国のものがすべてとっていいということではなくて、持たない国、つまり海洋のない国、または海洋があっても非常に狭い国というもの、つまり地理的に不利な国に対して、われわれはどのように国際的に協力してその国にも還元しなければならないかという、つまり資源をシェアするという、富をシェアあるという精神のもとにこの海洋法会議が開かれているということを私たちは認識しなきゃならないわけです。  だから、条文の解釈そのものと同時に、そこに流れているところの精神、それは資本主義の論理をも否定するかもしれないような大きな流れ、つまり弱い者は弱い者であって、強い者は強い者であって、強い者が弱い者を支配してきていいと、強い者が富を一人占めにしてもいいという、そういういままで約数百年にわたって世界を支配してきた論理というものがいま崩れ去ろうとしているということを私たちは認識しなきゃならないと思うのです。  そのような意味において私は見通しというものを皆さんに考えていただきたい。つまり条文は条文として存在するだろう、そのようなことを官僚的につまり法解釈することは幾らでも自由、しかしその法解釈だからそれだけにとどまっていいというのではなくて、精神そのものを含めて私たちはそれを取り上げていかなきゃならないのであって、そういう論理というものが国会において全くなされてないということにおいて私は国会に提案をしたいわけです。  南北の問題というものを、ちょうどいい例ですから、この大陸だな条約というものが非常にいい例、つまり南北激突の問題が含まれているわけですから、単にこの条約の条文を審議して、それでこれが賛成か反対かということを問うのではなくて、このような機会にこの南北問題というものを根本的に考えていただきたいと思います。  それからもう一つ、エカフェの調査の問題ですけれども、そのエカフェの英文の調査報告にはっきり書いてあるように、これをやったのは米海軍に所属するところのハント号という海洋調査船がやったわけです。それで注意を喚起したいのは、日本とそれから日本のような石油の開発に関しては後発国であるところの国と、それからアメリカ、ヨーロッパのような過去一八〇〇年代から、つまり百年間にわたって石油をとり続けてきた、つまり世界の石油を独占してきたメジャー並びにそのような国というものの力の違いというものを私たちははっきり認識しなきゃならない。だから石油の開発の技術というものが、探査を含めた、調査を含めたところの石油に関する海底であれ地上であれ、石油の技術というものが約半世紀または一世紀のおくれというものを日本が持っているということをまず認識しなきゃいけない。ですから、エカフェの調査が行われたときに日本の科学者は参加しているし、韓国の科学者は参加しているし、台湾の科学者は参加している。しかしながら、そこの一番最も根本的な海図とか、それから埋蔵の細かい規定、それからそのものをどのようにしてまた科学的に分析するかという能力について、それは全くアメリカのメジャーが握っているわけです。アメリカのメジャーと米国海軍との関係というのは、すでに一九三六年のサウジアラビアにおけるアラムコがつくられたときの経過から見ても明らかであって、赤線条約から外れたところのカルテックス、つまりそのときはソーカルとテキサコですけれども、それがアラビア半島に石油の権益を確立しようとしたときに、当時のルーズベルト大統領の法律顧問であり、しかもまた石油の専門家であり石油の法律家であり、それから国防長官代理であったところのマックロイ氏――現在マックロイ報告として韓国のガルフの贈賄事件をあばいた男ですけれども、そのマックロイ氏が国防長官代理として米海軍を動員して、アメリカの権益、つまりサウジアラビアに対する赤線協定破りを守ろうとしたという、そういう歴史があるわけで、米海軍とメジャーとの関係というのは歴史的につながっているわけであります。だから、そのところから私は推測できるわけですけれども、この本当の、どこに一体、どのところを開発し、どの時点においてどのところが一番石油があり、そしてどのような開発方法がとられなきゃならないかというすべての、一切の根本的な資料というものを日本もそれから韓国も持っていないということは容易に推測できるわけでありまして、これはひとえにアメリカのメジャーの手によって押えられていると考えなければならないと思います。  その一つの証拠として、たとえばエカフェの調査が発表されたのは一九六九年の五月ですけれども、日石が日本石油開発という一〇〇%の子会社をつくって、日本の鉱業法に基づいてここに鉱区権を設定したのが一九六八年の十二月なんです。そのこと自体をとってみても、日石がカルテックスから情報をもらって鉱区権を設定した。しかもその鉱区権の設定に関して言えば、鉱業法は日本の国内だけの鉱業法であって、国外、つまり公海上に鉱区権を設定することはできないけれども、あえてそのようなことを破らせてまでも鉱区権の設定をしたという、つまり申請をしたということの事実の裏に隠された一つの流れというものを私は指摘したいと思う。これはあくまでも私の推測にすぎないところであります。
  51. 矢田部理

    ○矢田部理君 いろいろ具体的な問題も含めて多くの指摘をしていただいたわけでありますが、一つだけつけ加えてお聞きをしておきたいのは、この開発はたとえば石油開発公団が七割見当のお金を出すことになるかもしらぬ。もちろん紛争国その他の問題がまだまだありますけれども、そういう動きが顕著になってきておるわけです。お金は出して、うまくいけばそのお金は返ってくるわけです。成功払いの約束になっています。加えて、うまくいった場合についてどういう賦課をしていくのかということが国際的に非常に問題になっているわけです。韓国の諸法令を見ますと、御承知のように一二・五%の租鉱料なんです。それから課税所得の百分の五十を賦課するというのは今度の法令によって決まっているわけですが、いわばそういう開発をやった場合に、どの程度の賦課なり負担なりを成功した場合にさせることになっているのか、国際的なレベルは一体どうなっているのか。韓国もこの程度ではけしからぬじゃないかという声が国内にも上がっているわけですが、同時に日本の場合を考えてみますと、そういう賦課の規定すらも基本的にはない。失敗すれば成功払いですから払わなくてもよろしい。成功した場合にも、いわば法人税程度のものはあるのかもしれませんが、ほとんどその式の賦課的なものはないと言ってもいいような制度になってはしないか。失敗すれば政府の負担、成功すればまるもうけという問題も実はもう一面で含まれているのではないかという感じがしないではないんですが、その辺の国際的な状況と日韓両国の問題点みたいなものについて、もし資料がございましたらお話しをいただきたい。  以上です。
  52. 北沢洋子

    ○参考人(北沢洋子君) 私は発表された資料でしかわからないわけで、本当のところ、韓国政府とそれから米系開発業者とが結んだ業務協定についての詳細はわからないわけです。しかし言われているところの、韓国政府が韓国国会に出したところの資料によりますと、ロイアルティー一二・五%、生産物の一二・五%を原油で取る、それから純益の五〇%を税金として課税する、そういうことが書かれているわけです。この契約そのもの、つまり一二・五%のロイアルティー契約。それからもう一つは、韓国側の資本参加二〇%ということが言われている。この形というものは、まさに一九五〇年代にメジャーがアラビアの王様たちと結んでいた契約、中東の王様たちと結んでいた契約にほかならないわけで、まさに二十年の時代のおくれというものを感じさせるわけです。もうこのような契約をどのような国も世界では結んではいないわけです。一二・五%のロイアルティー契約、それから純益に対する五〇%の課税というのはアングロ・イラニアンが一九五〇年、つまりモサデグ博士がアングロ・イラニアンを国有化する以前にイランの王室とそれからアングロ・イラニアン石油会社との間に結ばれていた契約であって――アングロ・イラニアンというのは、その後身は現在のブリティッシュ・ペトロリアム――そのような契約というものがそのときのモサデグの国有化の最大の、その契約が非常に不当であるということをもってモサデグ博士がそのとき国有化を宣言したわけであって、彼の国有化は失敗したわけですけれども、現在はその彼の遺志というものを継いでアラビア、中東の王様を含めて全体がそのようなものを撤廃する動きというものが一九六〇年代にすでに始まったわけです。現在は一〇〇%国有化、つまり一〇〇%の資本参加というものはほとんど普通ですし、それからイギリスが北海でBPと結んだ契約も、詳しいことは忘れましたけれども、段階的に一〇〇%の資本参加というものに持っていくという、そういうふうな動きというものを見せているわけであって、初めから二〇%の資本参加を決めてしまっているところの韓国政府とメジャーとの契約内容というものは全く時代おくれであるし、韓国の国民の利益にとって見れば非常に国益に反していると言わなければならないわけです。  それから利潤の問題ですけれども、純利益に対する五〇%の課税というものはもはやあり得ないわけで、アングロ・イラニアンが当時その契約に基づいて常に純利潤のところをゼロにして、つまりマイナスまたはゼロにしてきた。ですからイラン政府には全く入らないというふうな状況になってきたわけです。いまは税金をかける場合には粗利益に対する五〇%または七〇%または八〇%というのが普通なのであって、北海の例を見てもそのようなことが言えると思う。こういうふうなことは日本側の方から言っても、このような韓国とアメリカの会社の契約というものは日本にとっても縛られるわけです。つまり業者間が合意によってどちらかの開発業者、オペレーターを決めるわけですから日本にとっても無縁なことではない。日本にとって非常に利害の関係のあるところであるので、そのような内容を決めた法律というものは一九七〇年の五月に決まっているわけですけれども、すでに決められているデ・ファクトとしてあるわけで、それをこの協締がそのまま認めているという、そういう不備があるわけで、そのことを私たちは何らかの形で韓国側に通告して変えさせるとか、そのようなことを明らかにするとか、そういう行為がなければ、この問題は私たち日本国会を含めて、一九五〇年代にあったところのメジャーとアラビアの王様との間の古い契約というものを、私たちは現在において、一九七七年において認めるというような愚を繰り返すということに、そういうふうな行為をしてしまうということになると思います。  それから、もう一つ石油開発公団に関して言えば、石油開発公団は日本の業者が、つまり日石開発――さっきの第五小区域の例で言えば、日石開発がオペレーターとなった場合には日本政府は探査の段階では七割を石油輸入税から融資することができるし、その利率というものも通常の利率に対して非常に低く抑えられているわけです。これは成功払いであって、探査を続ける限りその融資というものは行われていくわけです。一般的に言われていることは、そのことを裏返してみれば、探査さえ続ければ石油会社は無限に近い額の融資というものを石油開発公団から探査の段階で受けることができる。したがって、そのような融資を受けた場合に、逆に今度は石油が見つかった場合には、その段階でいままでの借金というもの、融資というものを、元金を含めて、利潤を含めて返済しなきゃならないという事態に追い込まれるわけですから、そのような開発公団の法律そのものはかえって石油会社がまじめに開発をしない、つまり探査をまともにしないということ、熱心にしないということを許容するような法律であって、これはもう断然変えなければならないことだと私は思います。そのことは、石油開発公団法の問題に関してはここの問題ではないかもしれない。しかし、この協定というものは石油の開発ということを目的とした協定なのですから、どこからお金が出てどのように使われるかということも、ここのところではっきりと見きわめなきゃならない。  そうすると、私がもう一つ言えることは、韓国側と契約を結んだ業者が、つまりアメリカの会社がオペレーターになった場合にどういうことが起こるかというと、韓国側の資本参加というものが二〇%あるわけです。それで石油開発公団法に従えば、改正点にはっきり書いてあるわけですけれども、外国政府並びにその法人に対しても融資できるということが書いてあるわけです。そうなれば、この二〇%の資本参加をしている、それを韓国の将来、いま準備中の石油開発公社というものを通じてこの二〇%の資本参加というものが行われた場合には、堂々と日本の開発公団からお金が、探査を含めて開発資金が韓国政府の石油開発公社を通じて出されるということになる。そうなれば、これは石油開発公団法を改正するときの日本政府の、日本の通産省の説明ですけれども、日本が外国とアラビア半島などで石油の共同開発をする場合にどうしても合弁でなくちゃならない、その場合には相手側は政府である場合が多い、だから日本の側の業者ばかりではなくて相手の政府並びにその公団に対しても融資できるようにしてほしい、そのためにこの公団法を改正するんだということが公団法の要綱の中に書いてある。提案したときの要綱のところに書いてある。そういうことを見ると、この韓国の場合には堂々と、つまりとれた石油の半分は日本に入ってくるわけですから、少なくともその半分について日本は融資できるわけで、その場合の融資の流れ、お金の流れは日本の業者を通って日本の業者から韓国側に渡されるか、もしくは石油開発公団から直接韓国政府に融資されるか、その両方になる。その場合に、韓国に融資された場合に、それがこのような石油開発という大きな事業の中においてどのようにチェックされ、つまり使途がどのようなものであるかと、会計監査を含めたものがどういうメカニズムでできるかということが決められてなきやならないわけですけれども、この協定によればそれが全く決まらない。のみならず、韓国側と契約を結んだ業者というものが開発をした場合、つまりオペレーターになった場合には、日本側は政府並びに地方公共団体を含めて課税することができないということは、そこでどのような人が働いてどのような資材が使われているかということを、どのようなことが行われているかということ自体もチェックすることができないわけです。そういう権限はないわけですから、日本のお金がどのように入っていって、石油開発公団に対して会計検査院がチェックするわけですけれども、石油開発公団が会計検査院に満足すべき資料というものを提出できるわけがないわけで、そのような意味において私は非常に危険な傾向だというふうに思います。  それからもう一つ、これは注意を喚起したいわけですけれども、現在日本は石油開発公団法によれば備蓄精製に対しても融資できるということは決められているわけです。この備蓄精製という問題に関して、私は現在進められている、韓国において現在三井グループが麗水に年産三十七万トンの石油化学コンビナート、エチレン生産で年産三十五万トンの石油化学コンビナートの建設計画を進めています。すでに第一回の融資は済んでいるわけで、韓国と日本との間の合併企業にはなっておりますけれども、ほとんどの資材からすべてのものが日本から持ち込まれるわけです。この三十五万トンのエチレンセンターの、そのための石油並びにそのための精製並びに備蓄という問題が起こってくるわけで、その備蓄精製の基地が韓国にできた場合に、日本の石油開発公団からお金を出すことができるわけで、その場合に、この日韓の共同開発区域というものが理由づけに使われるのじゃないかということを私は警告したいわけです。ここで取れる石油の半分というものは日本のものになるわけだけれども、その石油を日本に持ってこないで韓国に備蓄する、そして韓国で精製して、そして三井グループがやるところの麗水の石油化学コンビナートでエチレン段階まで生産する工程まで持っていくと、そういうふうなことが成り立たないということはない。つまり、この協定というものはすべて仮定の事実であって、将来起こり得ることをさまざまな角度から調べて、そしてその不備な点、間違っている点というものを直していかなければならないわけですから、私はあくまでも仮定の問題として提起するわけですけれども、そういう問題が起こらないとも限らないということを私は警告しておきたいわけです。そのような備蓄精製、それからエチレン段階、化学コンビナートに至るところまでの目配りというものをこの外務委員会の中でも、ただ条約の条文の解釈だけではなくて、検討だけではなくて、そのような視野を広めたところで検討していただきたいと私は思います。
  53. 小柳勇

    ○小柳勇君 一つだけ質問いたしますが、いままでのお話では、大変問題のある協定だから廃棄すべきである、この国会で廃棄しなさいというのが主張でございます。残念ながら五月の二十八日に会期延長十二日間が決まりましたので、今月の八日の晩十二時には自然成立するんです。ただ私どもは、なおいま商工委員会にかかっています特別措置法の問題もあります。この協定を実施するための鉱業法の制定などでありますが、そういう問題でも、この大陸だな協定を当然論議しなければなりませんので、今国会では議了、可決までということはとうていできないという見解で、いま慎重審議しているわけであります。  そこで一つは、たとえばいまの海洋法会議で経済水域二百海里が決定された場合に、中国に対抗する主権的なものはないというお話がありました。いま一つは、朝鮮半島の南北統一した後この協定は一体どういうふうになっていくかということであります。私はまだ勉強不足で、ベトナムが南北統一したときに、南ベトナムがこのような協定で他の外国企業などとの協定で類似のものがあったかどうかも十分勉強しておりませんが、あの南ベトナム政府が北ベトナムに統一された。その後へ外国との協定の扱い、これに類似した協定の扱いでどういうものがあるのか。その扱いがどうなったかということをお聞きしたいわけです。そのことによって南北の平和的統一、われわれがこの前の予算委員会でも、いまの朝鮮半島の南北統一について福田内閣はもっと積極的にやるべきだと。したがって、南北統一した後のこの韓国と日本との協定がどういうふうな位置づけになるのか。したがって聞きたいのは、経済水域二百海里が今期の海洋法会議でいま先生がおっしゃったような方向に決まった場合に、どういうふうなアクションを起こすことによってこの協定が骨抜きされていくか。たとえば中国の方からクレームがついた、これに対抗するうちに、あるいは国連なりあるいは裁判なりによってこの協定が骨抜きにされていくのであるかどうか。  第二は、南北が平和的に統一された後、日韓条約というものが、この条約というものがどういうふうに改廃されるものであろうか。残念ながらもう自然成立いたします。商工委員会の特別措置法が可決されますと、当然半年内には探査活動に入っていきます。ただ私は、いまの歴史の流れの早いこの時期にこれから五十年間、いまのように論議された問題のある日韓大陸だな協定が五十年間いま想定されておるような情勢で生き延びるとは考えられない、考えたくないのであります。先般来の質疑で政府の答弁も不十分です。外務省も通産省も十分な意見の統合もない。よくまあこの法律が衆議院からこちらにきたと驚いておるくらいです。普通の法律ならば衆議院で十分論議してきますから、われわれが質問しますと政府の答弁はもう二番せんじですから立て板に水のように答弁が出てわれわれ納得する。その上で参議院で可決しています。これが常道です。だが今回のこの法律は、外務省も通産省も、横の連絡も悪いし、われわれに対する答弁も十分でない。しかも資料も、昨日、委員長が怒りましたように、小出しに、初めは出さないと言う、次には少し出す、また補充するというような情勢です。したがって、この法律の不備、協定の不備については、もういま先生が言われたと同じようにわれわれも理解しています。残念ながらしかし、自然成立いたします。本当にもう断腸の思いであります。ただ私は、これがそのまま五十年日韓の関係を縛るというようなことは想像したくないし、想像できないのでありますが、いま言った二点について、先生のいままでの研究の成果と予想をお話し願いたいと思います。
  54. 北沢洋子

    ○参考人(北沢洋子君) 私は、その五十年間の有効期間があるということ自体が非常に政治的な問題だというふうに考えています。むしろこの協定の批准というものを促進し、そしてそれを、要請しているところの政府の考え方の中には、これはむしろ三国間条約とか法的な問題ではなくて、法的、経済的な、つまり経済的にももうすでにその埋蔵量が審議の中で非常に疑問とされているわけで、まあ私の考えでは、恐らく日本の年間需要量に比べてみると五、六カ月分しかないのではないか、それ以下ではないかというふうに思うわけですけれども、そのような、経済性からいっても法的な問題からいっても不備な問題のある協定をなぜここでもって批准しなきゃならないかということが、そのこと自体が非常に政治的な問題であるというふうに私は考えます。五十年間有効かどうかという問題よりも、現在の韓国の朴政権が五十年間続くということを内外に示してあげること、つまり韓国の国内事情――国内にとっても国外にとっても、国際的にとってもそれから国際政治の上でも、日本という国が、つまり隣国が、五十年間その政権が続くということを推定した上で、その理解の上に立ってこの協定を批准したというふうなことそのものが及ぼすところの政治的な意味というものをねらったのだというふうに私は思います。だから、問題は非常に政治的だと私は思います。  すでにいままでの例で、ベトナムの例でお聞きになりましたけれども、ベトナムではチュー政権の時代に、インドシナのベトナム沖にも石油の――エカフェの調査と同じことですけれども、石油の埋蔵があるということが発見されたわけです。そこでもってチュー政権は、当時鉱区を設定して、そして国際的な石油資本に鉱区権を譲り渡したわけです。この中で日本の海洋石油という会社がベトナムのチュー政権から鉱区権を獲得して、その直後にチュー政権は崩壊して臨時革命政府がサイゴンを占拠したわけです。つまりサイゴンを解放したわけですけれども、その以前に日本やそれからヨーロッパ、アメリカの石油資本が鉱区権を獲得し、まあ買い取っているその過程の中で、当時のベトナム臨時革命政府が次のようなことを言っています。そのような契約をかいらいであるチュー政権とあなた方が結ぼうとも、そのことについてわれわれ、つまり臨時革命政府はいかなる責任を持つものではないと。そのような結んだことの決着というか、そのようないかなる結果が及ぼうとも、そのような責任についてはあなた方のところにあるのであって、われわれの周知するところではないという声明を出したわけです。同じようなことが日韓の問題についても言われているわけで、この共同開発区域そのものについても言われているわけで、海洋石油の行く末というか、運命というものは皆様よく御存じだと思いますし、すでに、議事録をお読みになるとわかりますけれども、五十二年一月二十八日の参議院の決算委員会で石油開発公団の問題が出ておりまして、そのときの石油開発公団が融資した先の休眠会社の中に海洋石油というものが挙げられております。そのように海洋石油の運命というものは、チュー政権と結んだがゆえに現在の統一したベトナムの新しい政権、社会主義政権によって無効というふうに自動的になってしまっているわけで、そのことは同じことがこの日韓大陸だなの問題についても言えるわけで、すでに中国が一九七四年の二月に中国外交部の声明として出しているところによりますと、いかなる契約を結ぼうとも、どのような行為を行おうとも、そのことの結果がどのようなことになろうとも中国政府としては責任を負うことはない、そのようなことは日韓両国側に責任があるのだということを警告しているわけです。その警告に基づいて、中国はこの場合には自然延長論に基づいて全鉱区の領有権を主張しているわけですけれども、仮に中国が海洋法会議の決定に基づいて――まあ海洋法会議の採決を前にしても後にしても、みずからそれを宣言することはできるわけですから、二百海里の経済水域を宣言し、その海底資源に関する領有権を主張した場合に、この日韓大陸だな協定というものは全く無効になってしまう、つまりその重要な部分というものが削られてしまうわけで、この第二条に書かれたところの線引きの中に含まれたところの共同開発区域というものは全く成り立たないことになってしまうわけで、その意味においてもこの協定というものは対抗する力を持っていないということを先ほど申し上げたわけであります。  で、国連の海洋法会議の動向ですけれども、この海洋法会議で採択されるそのときに、大陸だなの問題を含めて二百海里排他的経済水域の問題を含めて単一草案というものが採決に付されるわけですけれども、この場合、三分の二の賛成というものを必要としているわけですけれども、こういうつまり国際法の問題に関して言えば、三分の二で機械的に採決されて初めて有効になるという問題ではなくて、各国がそれに基づいて、その採決が有効であるかどうかにかかわりなく、各国が宣言することによってそれは実効的に有効となっていくと、国際慣習法として成立していくという問題であって、これは二国間条約のように両方とも批准しなければならないという問題じゃないわけです。そのような意味においては、すでに日本は二百海里の漁業水域というものを宣言していて、わざわざここのところで海底の鉱物資源を除いてるわけです。ですから、中国がこの場合にその漁業水域のところを漁業の問題を逆に除いて海底における天然資源、つまり鉱物資源についての主権的権利を主張した場合には、日本は現存の、この間海洋二法を国会の全野党も含めて賛成のところで通したわけです。それは全くソ連というものを見たところだけで、日ソという関係だけでやったわけですけれども、そういう狭い見方でもってそのような海洋二法というものを採決したわけですけれども、その中身は、この場合に中国がさっき言いましたような二百海里経済水域宣言でそのときのその天然資源の内容を海底石油資源というものに、鉱物資源というものに限った場合には、何にも日本側としては対抗することのできない二百海里漁業水域宣言というものがなされているわけですから、何ら日中の間に競合する問題ではなくて、すんなりと中国の宣言というものが通ることになるわけです。
  55. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 どうも御苦労さまでございます。  二点だけ質問さしていただきますが、ちょうど韓国の国会での論議を読んでおりまして、私も海底資源開発法、いま先生も言われましたように一九七〇年の五月三十日発令された、これが一方的に主張されるような形で鉱区というものが日本も共同開発区域として容認をしている感じを非常に私受けたわけなんですが、そういうことについて、もし先生があの韓国の国会の論議の資料読まれておりましたらどういう感じを持たれたのか、それが一点と、これを読んでおりまして感じることは、この区域がすべて中間線の南方に当たって、特に言えば日本の経済水域、しかも九州男女群島寄りであるというふうなことで、大陸だなというものも日本の排他的な経済水域の中に存在する、まあ早く言えば日本の主権的な権利の範疇にあると、こういうふうに私感じるわけでございますが、先生の方はどういうふうに考えていらっしゃるか。  もう一点は、条文によりましても、資源の面についても、課税の面についても、裁判権の面についても、環境管理の件についても、電波管理の件についても、鉱業権等についても、日本の主権的な権利というものが放棄されているのではないかという感じを受けるわけです。それについて先生はどのように感じていらっしゃるか。  最後の一点は、いまお話がございましたように、やはり海洋汚染の問題でございますけれども、協定の附属文書の汚濁防止規定についても、二十四年の鉱山保安法というもので現在の海洋工事の公害に対して対応できるのかどうか、極論すれば自由放棄さえ認めているのではないか、こういうふうなことで海洋汚染というものが、ロスアンゼルス沖の漏油の問題、北海事故の問題等々、私たちは現地に行って見ておりませんけれども、多量のこういうふうな漏油の問題等から通して、また漁場というものが、いま先生もお話ございましたが、良好な漁場でございまして、年間三万九千トンもとれているような状況の中で、こういうことを含めて本当に海洋汚染というものが防止できる規定というものが完全なのかどうかいうことになるときに、私は不備であると、もう大変懸念をしているわけでございますが、先生の具体的なそういうものについての議論がございましたらお伺いをしたいと思います。
  56. 北沢洋子

    ○参考人(北沢洋子君) 最初の点ですけれども、七〇年の五月の韓国が制定したところの海底鉱物資源開発法のことですが、この鉱区に関して、この法律に基づいて鉱区権を設定したわけですけれども、その当時の韓国側の考え方というのはいまとは違っていて、この問題の現在の共同開発区域についても韓国の主権が、大陸だなの主権的権利が及ぶものというふうな考え方のもとにこの法律が書かれている。日本側もそのときに、それより少し前ですけれども、日石開発が鉱区権を申請したところの、そのときの西九州沖の設定のその考え方の中には、これは日本の大陸だなであるという考え方に基づいてやっているわけで、韓国も日本も双方ともその意味においては同じ考え方――全く関係なく鉱区権を設定しているわけで、そこの中で韓国は韓国政府の考え方に基づいてメジャーと開発契約を結んだわけです。その意味においてはそういうデ・ファクトというのがすでにあって、それを認めた上でこの協定というものをつくり上げたわけですから、それを変えることなく、つまり日韓双方のそれぞれの考えというものを変えることなく、それを認めた上で協定というものをつくったわけですから、双方はそれを認めよと、それがいいものであろうか、あるいはどういう感じを抱くにしろ、それに対して意見を言ってはならないという、それを認めたわけですから、このような協定のつくり方そのものが問題であったのであって、おっしゃるように、確かに韓国側の考え方の中には、これは自分のものであるという主権的権利が一〇〇%及んでいるという考え方のもとに、自分の立場においてメジャーと韓国政府との力関係において結ばれたものであるわけですから、私たちにとっては非常に驚きであるし、それからまた一九五〇年代の契約であるということについては、私は韓国の国民に対してもアピールしたいというふうに思うぐらいのものなんです。  それで、次の問題は、さっきおっしゃいましたところの二百海里の経済水域を設定した場合に、これが日本の主権の中に及ぶものであるというふうにおっしゃいました。確かにそうなんです。私が言いたいのはその二百海里を宣言すればいいと――さっきは日本政府が国益に反する、つまり海洋法会議の結論を待てば不利になると言ったから、それは不利ではなくて有利になるということを申し上げただけのことであって、私は二百海里経済水域を宣言しろということを言っているわけじゃないんです。というのは、このような国連海洋法会議の精神というものをもう一遍返って考えていただきたいわけですけれども、精神は、これは国際協調のもとにやらなきゃならない。だから、宣言したからそれは今度は全部日本がとっていいということにはならないわけなんです。こういう日韓の大陸だな、あるいはこの問題の区域だけじゃなくて、もっと大きな区域、ここの全体に、東シナ海に広がっているところの、埋蔵されているところの石油の開発に関しては、まずその関係諸国間でもって協議できるような体制というものをつくり上げなきゃならない。そうするとその体制をつくり上げるところの政治的な環境づくりというものがまずなされなきゃならないわけで、そのためには日中平和条約が結ばれなきゃならないし、米中の台湾問題を解決しなきゃならないし、朝鮮半島の統一問題というものが解決されなきゃならないし、それからもう一つは、日朝の関係というものも整備されなきゃならない。そういう政治的な問題がすべて解決したところの中で、その暁において何らかの国際機関というものをこの関係諸国が設けて、そしてその合意の上でもって全体の石油開発というものを、つまりその石油開発をどう海洋汚染を防ぎながら、そして天然資源をどのような形で、つまり乱開発するのではなくて、どのように私たちの生活、つまりGNPの成長率と合わせながらその全体の地域が潤うような形でもって石油開発というものをやらなきゃならない、そういう時代にきているということを認識していただきたいということを、さっき海洋法会議の問題でも申し上げたわけですが、ここで重ねてそういうふうな私の意見である。つまり、だからその全体の政治的な環境が片づくまで、東アジアの全体の政治的な環境が片づくまで、この地域の海底石油開発という問題に関してはモラトリアムを宣言すべきだと私は考えています。  それからもう一つ、同じことですけれども、同じ意味の海洋汚染のこと、それも含まれているわけですけれども、そのような国際的な協調の精神の中に含まれている、その根本のところに資源をみんなでシェアする、資源をどのように大事に使っていくか、それから海をどのように守っていくかということがいま一番大きなこととして言われているわけです。だからはっきりしていることでも、たとえば深海におけるマンガンとか、鉱物資源のモラトリアムが国連で宣言されたわけですけれども、日本政府側はこれは第三世界が物取りのために、それを自分が欲しいがためにごり押しにモラトリアムを宣言したというふうに言っていますけれども、そうではなくて、そのような乱開発が始まっちゃった場合には、深海という全くの公海ですけれども、人類が手をつけてないところの、人類共通の資源がある一部の人間によって取り去られてしまう、奪い去られてしまうということに対してモラトリアムを宣言したわけですから、ここの問題でも同じようなことが言えるんだと思うんです。そういう意味においては、私はこれは海洋汚染のことも含めて資源の確保、資源の使い方を含めて、そしてあらゆる政治的な国際的な関係というものを整備した上でここの共同開発というものを、そのときには理想的な形で私は共同開発ができるのではないかと、その場合には、単にこのように石油も余りないような、わからないようなところを共同開発するんではなくて、もっと確かにエカフェがあると判断したところ、つまり尖閣列島の近くですけれども、そこを含めた大開発というものを私たち東アジア全体の友好と平和のもとに、その促進に役立つような形でつくることができるんではないかと思うんです。それが五十年先の問題ではないということを申し上げて、もう恐らく五年先のことではないかと、その間に私たちは石油が枯渇して死ぬわけでも何でもないわけですから、その間は待つことができないだろうかということを私は提案したいと思います。
  57. 寺本廣作

    ○委員長(寺本広作君) 質疑はこの程度といたします。  北沢参考人には大変貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表してお礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十九分散会