運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1977-02-05 第80回国会 参議院 本会議 4号 公式Web版

  1. 昭和五十二年二月五日(土曜日)    午前十時二分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第四号   昭和五十二年二月五日    午前十時開議  第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官   訴追委員辞任の件  一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官   訴追委員の選挙  以下 議事日程のとおり      ―――――・―――――
  2. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  藤井恒男君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、木島則夫君から裁判官訴追委員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。      ―――――・―――――
  4. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) つきましては、この際、欠員となりました裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、  裁判官訴追委員各一名の選挙を行います。
  5. 柄谷道一

    ○柄谷道一君 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴追委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
  6. 井上吉夫

    ○井上吉夫君 私は、ただいまの柄谷君の動議に賛成いたします。
  7. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 柄谷君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に柄谷道一君を、  裁判官訴追委員に三治重信君を、それぞれ指名いたします。(拍手)      ―――――・―――――
  9. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。原田立君。    〔原田立君登壇、拍手〕
  10. 原田立

    ○原田立君 私は、公明党を代表して、政府の施政方針に対し、総理並びに関係閣僚に対して若干の質問をいたします。  まず初めに、日中平和友好条約の件について伺いたい。  総理は、きのうの衆議院本会議で、わが党の竹入委員長の質問に答えて、双方の満足し得る状態が整えば締結するという趣旨の答弁をしました。私は、双方が満足し得る状態はすでに来ていると思いますが、総理の言ういわゆる満足し得る状態とはどういうことか、また、その満足を得るために今後どのような行動を考えているのか、お伺いしたい。  ちょうど一年前、米国議会で発端となったロッキード事件は、田中元総理の逮捕、起訴という、いまだかつてない不祥事を招きました。政府・自民党は、国民の前に深く悔い改めるべきでありましたのに、口先だけの反省はあっても行動を伴う心からの反省は全く見られず、挙党協の動きに象徴されるようなロッキード隠しに終始したのであります。そうして政府・自民党は国民不在の派閥争いに明け暮れ、打つべき手も打たず、その結果、不況を深刻化させ、中小企業の未曾有の倒産、物価の上昇、そして勤労者の実質賃金の低下を招いたのであります。さきの総選挙での自民党の大敗は国民の痛烈な批判であったと言うべきでありましょう。この中にあって、いつも自民党政府の要職にあった福田総理は、今日このような事態を招いたことに対して一体どのように責任を感じ、どのように反省しているのか、総理としての基本姿勢をまず伺っておきたいと思うのであります。  福田総理、あなたは三年前、あの石油ショックの直後、経済のことは福田にお任せくださいと大みえを切り、全治三年論を主張しました。あれからすでに三年、潜在的な失業者は二百万人と言われ、国民は実質的な生活の低下を余儀なくされ、物価は再び二けた台、国家財政は予算の三分の一は借金財政という現状であります。これらはすべて、経済総理と自認した福田さん、すべてあなたの責任です。  そこで、まず、不況対策を中心として政府の経済財政政策について伺います。  まず第一に、巨額の国債発行についてお伺いいたします。  五十二年度末で国債の発行残高は三十兆円にもなるということは、わが国の財政にとって大変な事態であり、これは健全な歳入確保の努力を怠って、借金財政に頼ればよいという安易な姿勢に終始した結果ではありませんか。  政府は、一年前に、五十五年度までに赤字国債をなくするという中期財政展望をつくりましたが、その一年目で大幅に狂い、税収は一兆八千億円の減収、赤字国債は六千億円の増加となっております。これでは五十五年度赤字国債をなくすことは可能なのでしょうか。どのような財政再建の計画を持っているのか、お伺いしたい。  さらに、高度成長時代に放置されてきた特殊法人の徹底整理、補助金行政の整理などを勇断をもって行うなど、行政の改革、むだな経費の節減を図り、財政難に対処すべきは当然であります。総理の考えをお伺いします。  この際、予算編成のあり方も、前年度に比し何%増という増分主義を改め、根本から再検討するようにすべきと思うが、あわせてお伺いしたい。  第二は、五十二年度予算政府案についてです。  政府の公共事業中心の景気浮揚策に対して、わが党を初めとする各野党は、一兆円程度の大幅な所得税減税を主張してきました。しかし、総理は、財源難を理由に一兆円減税を拒否し、さらに、資源の有限性から考えて大幅な消費の拡大よりもむしろ公共事業を優先すべきと主張しております。オイルショックより三年、相次ぐ物価高、実質賃金の低下、社会保険料や税金の増加等のため、国民は生活費の切り詰めを余儀なくされ、特にその傾向は低所得者ほど厳しいのであります。このようなときに、いまこそ率先して行財政に抜本的なメスを入れ、経費の節減を図るべき政府がその努力を怠り、昨日来の総理の答弁では、これから改革案をつくろうという実情であります。これで政府が国民に対して、いたずらな物欲を捨てよと言う資格がありましょうか。一兆円減税がむだな消費拡大になるでしょうか。もし協調と連帯を説く福田内閣ならば、大勇断をもって、予算案を再検討し、むだを省いて、あと六千五百億円の財源を確保し、せめて戻し税方式による一兆円減税を断行すべきであります。総理の明確なる答弁を求めます。  第三に、公共事業について伺います。  公共事業の内容でありますが、本四架橋、新東京国際空港、高速道路、新幹線などの大型プロジェクトを中心といたしております。確かに公共事業の波及効果は少なくありませんが、これでは一部の大企業に需要が集中し、工事は地域に偏在するため、需要波及効果は偏るという欠陥があります。  また、一般公共事業の三分の一を占める道路関係費を見ても、そのかなりの部分が土地買収費となり、これまでの実績からすれば、景気刺激効果は薄いのであります。こうした財政運用こそ、大企業優先、高度経済政策の典型であり、このやり方がすでに通用しないことは、五十年、五十一年度の政府の不況対策の失政からも明らかであります。むしろ、幼稚園や保育園の増設、あるいは土地買収費の要らない老朽校舎の改築など、国民生活に関係の深い公共投資を重点とし、不況対策と福祉充実の両面を行うべきであります。総理のお考えをお聞きします。  また、生活環境整備事業にしても、国庫負担率は住宅二四%、下水道四四%、都市公園整備二四%などで、かなり低いのであります。このため、実際に工事を受け持つ地方自治体の裏負担が大きな問題となるのですが、景気刺激を図るためには、地方交付税率の引き上げや超過負担の解消、地方債の発行条件の緩和などを政府が積極的かつ大胆に行うことによって、その波及効果は大きくなるのです。こうした地方財源措置を行うべきだと考えますが、政府の明快なる答弁をいただきたい。  第四に、住宅問題について伺います。  いま真に政府がなすべき住宅対策の中心は、安い公営、公団住宅の建設です。いまや公団住宅は高家賃団地と化し、東京赤羽北二丁目団地に至っては傾斜減額措置を採用しても三DKで六万五千六百円、公営住宅も三万円を超えるところが出現しています。総理、この家賃の高額化抑制をどう考えていますか。  公営住宅については、第一種を三分の二、第二種を四分の三の国庫補助にするとともに、建設単価の是正を行い、地方公共団体の超過負担を解消すべきです。  また、公団賃貸住宅については、現在家賃構成の三割程度を占めている地代相当額を、用地が公団財産として残ることを考慮し、家賃の算定計算から外すべきではないでしょうか。  さらに、同居親族がいないことから、現在公営住宅から締め出されている一人暮らしのお年寄り、夫に先立たれた御婦人、中高年の独身女性などの単身世帯を救済するために、早急に公営住宅法の入居基準の改正を行うとともに、比較的に狭い公営、公団住宅をこれら単身世帯に開放すべきだと考えますが、どうですか。  また、高家賃から国民の生活を守るため、賃貸住宅居住者に対して、所得控除として家賃控除制を採用すべきだと思いますが、どうですか。  あわせて、持ち家対策として、年間所得五百万円以下の人を対象に、民間住宅ローンの償還金の一定割合を所得税から控除するいわゆるマイホームローン減税を創設すべきだと考えますが、どうですか。  次に、当面する諸問題について質問いたします。  第一に、不公平税制の是正であります。  政府は、健全財政への移行という口実で、何かといえば増税構想を打ち上げますが、不公平税制改革なくして国民の増税など断じて認められません。五十二年度の税制改革案を見ますと、悪名高い租税特別措置の改廃は、期限切れの二十項目を中心に、わずか二十九項目の整理を行うだけであります。政府は、いまこそ思い切って不公平税制の改革をすべきであります。わが党が主張している富裕税、土地増価税の創設、利子配当の分離課税の廃止など、思い切ってメスを入れるべきであります。さらに、相対的に重税となっている地方個人住民税の課税最低限の引き上げ、中小零細企業に対する減税など、福祉型税制を断行すべきだと考えます。総理の見解をお伺いしたい。  第二に、物価についてであります。  インフレと不況が併存する今日の経済情勢のもとで、常に注意を怠ってはならないのが物価対策であります。福田総理は、三木内閣の経済企画庁長官として五十一年度の政府の物価目標を年度末八%にすると約束しておりますが、昨年十二月の東京都区部の消費者物価指数は、前年同月比で一〇・五%と、すでに二けたの上昇率を記録しております。これで果たして五十一年度末の目標が達成できるのかどうか、大いに疑問であります。  われわれは、五十一年度の消費者物価がこのような大幅上昇をしたのは、政府主導の公共料金の値上げと、不況下で企業が操業度の低下による損失を価格の引き上げによって補おうとした工業製品の値上げによるものだと考えますが、どうですか。  また、五十二年度は、政府の経済見通しによれば消費者物価の上昇率は七・七%となっておりますが、三月には都営交通、営団地下鉄、民営バス、タクシー、四月以降は航空運賃、米価、国鉄、私鉄と値上げが続いております。また、昨年末のOPECの原油値上げは、石油製品や電力、ガスの値上げに波及すると憂慮されております。したがって、消費者物価が政府の見通しどおりにいく可能性は非常に少ないと思うが、政府の所見を求めます。  次に、独禁法の改正についてであります。  公正取引委員会の発表によれば、集中度の高い企業の製品ほど価格の上昇が顕著になっております。不当な値上げを阻止し、国民生活を守るためにも、独禁法の改正は不可欠であります。昨日来の総理の答弁では、あなたは、自民党も賛成できる内容でなければならないと述べ、さきの与野党共同修正案より大幅後退のようであります。福田総理、あなたはどのような内容にしようとするのか、あなたの独禁法に対する考えをお聞きしたい。  第三に、社会保障関係についてお伺いいたします。政府の社会保障対策に対する基本的な考え方、特に長期計画策定についてであります。  先般五十二年度社会保障関係予算を見ても、福祉年金や老人医療の扶養義務者の所得制限の据え置きに見られる福祉切り捨てや、健康保険の一方的な国民負担増による財政対策等、福祉に対する政府の姿勢に大きな憤りを禁じ得ません。低成長時代における福祉対策の充実は思いつきでできるものではなく、目標を定め、それに向かって長期的視野に立って一歩一歩積み上げていかねばなりません。政府として、社会保障充実の長期計画策定に対してどう定めるのか、お伺いしたい。  さらに、三木前総理が私的提言としてライフサイクル計画を発表しましたが、この計画はどうなっているのか、福田総理はこの計画をどうするつもりか、また、福田総理御自身の社会保障長期計画はどう考えておられるのか、お伺いしたい。  次に、医療保険制度について伺います。  老齢化社会を迎えるにもかかわらず、わが国の医療保険制度はそれに対応していません。各市町村の国民健康保険及び中小企業を対象とする政府管掌保険などに占めるお年寄りの割合が多い制度ほど財政も悪化しております。こうした分析の結果に対応する財政対策をせず、初診料の引き上げやボーナスからも保険料を取るという一方的な被保険者の負担増による財政対策には納得できません。健保の改正案の再検討を強く要求いたします。  さらに、年々赤字財政に悩む国民健康保険のあり方について政府はどのように対応するのか、医療保険制度全体の長期的展望もあわせて明らかにしていただきたいと思います。  次に、国民の老後の所得保障としての年金制度の改正についてであります。  政府は、昨年末、厚生年金のモデル年金が年額百万円に、あるいは国民年金が二十五年加入者が夫婦で年額九十万円になり、給付水準は先進諸国並みになったと宣伝しておりますが、厚生年金で実質百万円以上給付されるものは新たに受給者となるもののわずか十数矢にしかすぎません。国民年金に至っては、モデル年金額の給付を受けるものは十数年後になっております。したがって、わが党が主張する修正賦課方式による国民基本年金制度、十八歳から六十歳までの働く世代が保険料を拠出し、それによって六十五歳以上のお年寄りに年金を支給する方式を実現すべきであります。このような世代間の相互扶助制度を確立すれば、労働者平均賃金の三五%、現在では約六万円ですから、夫婦で十二万円の支給は、試算により実現可能であります。政府の改革意思ありや否やをお伺いしたい。  さらに、この際指摘しておかなければならないのは、現在七十歳以上の老人に支給されている無拠出の老齢福祉年金についてであります。  この制度は、拠出制国民年金の発足がおくれたために、これに加入する機会を与えられなかったお年寄りが受給されるのですから、当然今日では生活保障的色彩を加味したものでなければならないと考えます。しかるに、今回の改正案では、現行月額一万三千五百円がわずか千五百円に引き上げられたにすぎません。日額にしてわずか五十円です。これでは国民を欺瞞することはなはだしいと言わざるを得ません。大幅な引き上げを要求いたします。  以上申し述べましたように、来年度の福祉予算は財政至上主義に立った福祉見直し論であり、とうてい国民は納得できません。予算案審議の過程での見通しをこの際はっきりと約束していただきたい。  次に、国民の健康に関連し、最近特に国民を不安に陥れている薬害の問題についてお伺いしたいと思います。  今日、薬剤の消費額は国民総医療費の四〇先にも達しており、製薬会社の大量生産、大量消費の体制にわが国医療が組み込まれていることを示しているのであります。現在、スモン病、大腿四頭筋拘縮症を初めとして、数多くの医療過誤、薬害裁判が起こされている背景には、薬害が科学として予知できなかったものではなく、いち早く防止対策を講じていれば未然に防ぎ得たものであります。そのような点から、国としてもこれらの医療薬害について責任を明確にするとともに、薬事法の改正を行い、被害者救済についても万全を期すべきであると考えます。政府の明確な御答弁をお願いします。  あわせて、カネミ油症等に代表される食品公害被害者の救済についても政府の態度を明らかにしていただきたいと思います。  第四に、教育問題でございます。  資源なきわが国の現状とその将来に思いをいたすとき、教育問題ほど重要かつ実行のむずかしい問題はありません。いわゆる学歴偏重社会、すなわち、人間をその人柄や能力で判断するのではなく、その人の学歴で判断するという風潮が、本来あるべき教育の姿を大きくゆがめています。そのため、このような学歴偏重社会を生き抜くため、伸び盛りの子供が高い月謝を払い塾に通っていることは、まさに異常と言う以外ありません。  私は、よき科学者、よき技術者、よき医者である前に、まず、よき人間であることが最も肝心であろうと思うのであります。教育は、あくまでもよき人間をつくることが第一で、そのため、人間性豊かな、潤いのある個性をとうとぶことが重要であります。  このような学歴偏重社会を生んだ根源は、政、官、財癒着の現在の機構にあり、根本的にはこれを改めねばなりません。入試地獄の解消、公務員や大企業の任用基準の抜本的改正、就職試験は全部公開、公募制にするなど、学歴偏重社会の是正に全力を挙げるべきであります。政府の具体的な見解を求めます。  次に、幼児教育の問題であります。  義務教育就学前の幼児期ほど、人間の将来にとって大きな影響を与える時期はありません。わが党は、次のことを提唱したい。  まず第一に、昭和五十五年度までには四、五歳児の希望者全入を実現すること。第二には、幼稚園と保育所における幼児教育面の一元化を、さしあたり四、五歳児を対象とする後期保育で図ること。第三には、無認可保育所、私立幼稚園への大幅助成を行うことであります。この三点の提言に対する政府の見解をお伺いしたい。  第五に、農林漁業問題であります。  国民食糧の安定確保のため食糧の自給率向上が強く叫ばれてきながら、穀類自給率は、昭和三十五年の七九%から、四十七年には三九%と急落し、六十年ではさらに三四先に低下が予想されています。  また、耕地面積は減少の一路をたどり、農業に希望を失った青年たちが農村を離れています。私が住んでおります福岡県のある町では、今春、県立農業高校卒業予定者百六十数名のうち、故郷にとどまり農業に従事する人は、わずか一、二名というのが現状でありました。政府は、農地の確保、拡大、また、後継者育成にどのような対策を考えているのか、伺いたい。  さらに、食糧の自給率向上を図り、国民の食糧を長期的に安定確保するためにも、水産物を含めた食糧基本法を制定し、抜本的に農漁業の再建を図るべきだと考えますが、どうでしょうか。  以下、具体的な問題について若干伺っておきたい。  第一に、自給率四%にすぎない小麦や大豆の生産拡大を図るため、生産意欲をわかせることができるような一層の価格補償の確立を図るべきではないでしょうか。  第二に、土地改良等の農業基盤整備への投資は大幅におくれています。国の投資の拡大と農家の負担軽減は、日本農業の将来を考えるとき、必須のことであります。政府の見解を承りたいのであります。  第三に、農協のあっせんで、農家が年間わずか数日しか使用しない農機具を各戸別に買い、その支払いなどのため出かせぎに行っている現状は、不合理きわまりないものであります。農業機械を貸与させたり、共同利用を促進する等の施策を一層積極的に推進すべきと思うが、どうですか。  第四に、化学肥料偏重の農業は、地力を低下させ、その結果農薬多消費の農業となっています。一方、かつての重要な肥料であった屎尿やふん尿等の投棄によって環境破壊を進め、公害の原因となっています。そのため堆肥センターの創設を図る等、化学肥料から有機肥料への転換を図るべきではないでしょうか。  第五に、九州、中国、四国、中部等では、ミカンの生産過剰で、ミカン農家は厳しい経営に追い込まれております。これに対する対策をどう考えているのか、お伺いしたい。  次に、漁業問題について伺います。  国際的な漁業規制の強化によって、日本の沿岸・沖合い漁業の整備振興が一層重要な課題となってまいりました。漁業たん白資源の安定確保のためにも、沿岸漁場整備開発計画に基づく大規模魚礁帯の増設、あるいは栽培漁業の充実などを強力に推進する必要があると思います。政府の具体的答弁を求めます。  第二に、領海十二海里設定の問題で政府の姿勢をただしておきたい。  北海道漁連の発表によれば、四十九年一月より五十一年十二月の三年間を見ても、外国漁船等による被害件数約二千百十二件、被害総額は十億円余に上り、その大半が三海里から十二海里の海域で起こっていたことを考えるとき、政府の領海十二海里に踏み切ったことは多とするも、全く遅きに失したと言わざるを得ません。十二海里設定後の安全操業の確保と、今日までの漁民の受けた被害の補償について、政府の対策を聞いておきたい。  さらに、重要な問題は、津軽海峡等の国際海峡における米ソの核兵器搭載の潜水艦、軍艦の通過を可能にするため、これらの海峡に限って領海三海里にしようという政府の態度であります。世界に類のない平和憲法を持つわが国こそ、世界に向かって核兵器の絶滅を叫び、国際世論の形成に努めるべきであります。これとそ、後世の子孫に対しても、わが国の崇高な責務と言わなければなりません。わが国の国是とも言うべき非核三原則の考えを、この際米国やソ連にも深刻な理解をさせるために、国を挙げ、党派を超えて推進することは当然であります。その努力もせず、日本側から一方的に非核三原則の空洞化を図ろうとする政府の姿勢を強く糾弾せざるを得ません。福田総理にその決意ありや否や、承りたい。  第三に、当面の漁業専管水域についてでありますが、米国、カナダに次ぐソ連の宣言、さらには大西洋、南太平洋、インド洋など、他の遠洋漁場関係各国でも二百海里をめぐる動きが表面化しております。これにより、入域料、入漁料、認可制度等が伝えられておりますが、これらの問題は、水産関係にあっては重大な問題であります。二百海里時代の対応策として、遠洋漁業者を守るための積極的な水産外交の推進が強く望まれるところであります。特に、関係省庁一体の総合的な対策本部を設置し、強力な外交を推進すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  なお、減船に伴う補償問題、漁船乗組員の雇用問題などが考えられますが、政府の対策を伺いたい。  また、中小漁業者の中には、漁業水域侵犯等の理由で過大な罰金を科せられ、その負担能力がなく困惑していると聞くが、これらについて、あわせて総理の見解を求めます。  当面する諸問題の第六に、中小企業対策について若干お尋ねいたします。  低成長、不況時代において最も大きなしわ寄せを受け、苦しむのはいつも弱い立場の人たちであり、その代表の一つが中小企業、下請企業であります。経済は景気回復過程にあると言われておりながらも、中小企業の倒産件数は、昨年十二月現在、十六カ月連続して一千件台を超え、負債総額も二十二カ月連続して一千億円を上回り、五十一年一月から十二月の負債総額は何と二兆二千六百億円という、史上最高、最悪の事態となっています。政府は、緊急を要するこれら中小企業の救済、倒産防止に対してどのような具体策を考えているのか、伺いたい。  特に、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用を行い、支払い期限の延長、手形サイトの決済引き延ばし等については法の基準を超えることのないよう規制し、さらに下請関係法規の改正を図るべきと思いますが、どうですか。  また、最近大きな問題となっております大企業と中小企業の事業分野の調整問題についてであります。自由主義経済下とはいえ、大企業がその資本力に物を言わせ中小企業の事業分野に進出し、既存の関係事業者の経営に大きな脅威を与えることは、中小企業の保護対策の立場からも容認することはできません。そのため、中小企業と大企業の事業活動分野調整法の早期制定を図り、中小企業の保護に遺憾なきよう期すべきだと思います。政府の見解を伺いたい。  第七に、わが国の発展途上国に対する経済協力の問題であります。  エネルギー、原材料の大半を外国から輸入している資源なきわが国が二十一世紀以後に生き延びるには、世界各国との平和友好が不可欠であることはいまさら申すまでもありません。わが国の経済協力の実態については、その金額の面、質の面においても多くの批判があり、経済協力が逆に相手国の対日批判の因となっていることは周知のとおりであります。国民の血税でもある海外援助が十分にその効果を発揮し、わが国への石油や資源の安定的輸入に役立つように日本の経済援助のあり方を抜本的に改革する決意があるのかどうか、伺っておきます。  また、今日までの経済援助は特別の国に集中し、その援助にまつわる黒いうわさが絶えないのであります。さらに、経済援助の内容は、国会の決議事項でもないため、国民の前に明らかにされておりません。また、これからの援助は、むしろ、物や金の援助だけではなく、人的、文化的交流の促進、教育や技術の面での援助などにも重点を移していくべきだと思いますが、このような点も含めて改革をされるのかどうか、伺っておきたいのであります。  最後に、福田内閣の政治姿勢についてただしておきたいと思います。  福田内閣が誕生したとき、最も喜び、かつ大きな期待を抱いたのは、国民ではなく財界であったことは周知のとおりであります。しかし、国民が新内閣に期待するものは、大衆が納得する公平で清潔な政治を行うことであります。予算編成等で見られる福田内閣の姿勢では、過去三十年間続いてきた政、官、財癒着の保守本流の単なる延長としか考えられません。新内閣としての反省と決意のほどを伺っておきたいと思います。  まず第一に、選挙制度の問題であります。自民党は選挙のたびごとに示される支持率の低下に対して、みずからの姿勢を反省するどころか、選挙制度の改悪をし、衆議院小選挙区制を実現し、議席減を食いとめようという考えが自民党の中に根強くあることは、まさに民主政治の敵と言わなければなりません。自民党が衆議院において四割の得票率で八割の議席を占めることができる小選挙区制への改悪は断じてやるべきではないと思いますが、お考えを承りたい。むしろ、一票の重みに五倍以上の差がある現在の参議院地方区の定数是正を全国区制と切り離して断固行い、最高裁の判決の精神を守る義務があると思いますが、どうですか。そして、福田内閣が過去の単なる自民党の延長ではないというのならば、その証拠を示すためにも、政治献金は個人に限定するよう政治資金規正法を改正する考えはないかどうか、お考えを承りたい。  第二に、ロッキード疑獄事件における道義的、政治的責任の追及は今後に残された問題であり、与野党を含めてわれわれ政治家の国民に対する責務でもあります。現職国会議員の証人喚問、内外の資料の公開、汚職防止の種々の立法の関係等についての福田内閣の姿勢をしかと承っておきたいと思います。総理、あなたは刑法の一部改正などをすると答弁しておりますが、このような言いわけ程度の改正では国民を欺くものであり、 ロッキード事件に対する反省は全くないと言わざるを得ません。あわせて、昨日の竹入委員長に対する答弁で、ロッキード事件の起きた原因の第一に社会風潮をあなたは挙げております。これは、自民党の金権体質こそがこのような社会風潮をつくったのではありませんか。  以上、これらの重要問題を放置しては、福田内閣は時代逆行の反動内閣として悪名を歴史にとどめるであろうことをここに強く警告し、政府の誠実な答弁を要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  11. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。  まず、私が、日中平和友好条約につきまして竹入委員長の質問に答え、双方が満足し得る状態になればこれを締結したい、そのような方向で取り急ぎたいと、こういうお答えをしたのに対しまして、ただいま原田さんから、その満足し得べき状態とは一体何だと、こういうお話でございますが、それはまあ、さあ双方でよかろうと、こういうことなんです。これを事細かにここで明らかにするということになりますと、日中平和友好条約の締結交渉そのものに私は支障が出てくるんじゃないか、そんな感じがするので、しばらくお許しを願いたい。  なおまた、竹入委員長初め公明党の皆さんにおかれましては、日中平和友好条約の締結に大変御協力にあずかりましたが、御礼を申し上げるとともに、今後ともなお御協力を賜りたいとお願いを申し上げます。  いま原田さんは、わが国の経済状態を論ぜられまして、これは政治の責任である、こういうようなお話でございますが、私は、このいまの日本の経済状態というものは、われわれから見ると不満なところが多いです。多うございますが、世界的、国際的、また一般的に見まして、そう悪い状態ではない。とにかく、いま世界の経済の混乱期でございます。南の国々なんかは国際収支を中心として非常な困窮の状態である。また、北の中におきましても、石油ショックから立ち上がれない国が多いんです。そういう中で、わが日本、アメリカ、ドイツ、この三カ国はかなりの安定を示しておるという状態でございます。わが国について見ましても、五十一年度は、政府経済見通しで申し述べました五・六%成長、これが大体達成できそうでございます。それから物価はどうかというと、いま豪雪の関係で値上がりする生活物資が多うございますが、しかし、基調といたしましては安定の傾向である。それからさらに国際収支はどうかと言いますれば、これはもうすでに均衡の状態である。悪くないんです、総体的には。ただ、昨年の経済が上半期に急成長した、その反動といいますか、世界経済の影響といいますか、そこで少しこう、横ばいの状態が出てきておるんです。そこで、就業の問題あるいは企業活動の問題、いろいろ問題が出てきておるのが現状でございまして、ぜひ早急に、てこ入れをいたしましてこの状態は是正したいと、かように考えております。  申し上げましたように、日本の経済の状態は大方まあまあというところに来ております。しかし、そういうしわ寄せが財政の方へいっているんです。財政が非常に重大な状態になっておる。いま原田さん御指摘のように、特にその中で国債の問題、これはまことに憂慮すべき状態だと思うのです。とにかく国の一般会計の予算の三割近くを国債に依存する、こういう状態は健全であるとは申せません。私は一刻も早くこの状態から脱却しなければならぬという考えです。昭和五十五年度までには何としても赤字公債に依存する状態からは脱却したいと、こういうふうに考えておりますが、それにしても、それに至る間、多額の公債を発行しなきゃならぬ。この公債が消化されないということになると、これは日本社会の根幹を揺るがすような財政インフレという危険があるんです。そこで、その完全消化に非常に私は腐心をいたしておるという状態でありますが、今後とも財政の運営につきましては、これは格段の努力をしたい。  特に、いま原田さんが行政改革に触れられました。なお、特殊法人や補助金行政の整理、そういう点に触れられましたが、いまこの世界の情勢が変わってきた、それに対してわが日本国は、政府も地方公共団体も、企業も家庭も、みんな対応の構えをとらなきゃならぬ。そういう中で、まず政府が率先しなきゃならぬということは当然であります。私は、そういう意味において、行政改革、これを重視しておるのでありますが、何せ私も昨年の十二月二十四日に出発したばかりでございまして、まだ余日がない。行政改革の具体案を持っておりません。しかし、この問題は非常に重要でありますので、これはことしの夏、八月ごろまでには成案を得て、そして法律を要するものにつきましては次の通常国会において、法律を要しないものにつきましては逐次これを実施してまいりたいと、こういうふうに考えます。原田さんは、そういう行政整理をして、払い戻し方式による一兆円減税を行ったらどうだと、こういうお話でございますが、私は、ただいま申し上げましたように、これからの財政は非常にその運営がむずかしい。ことに、当分出していかなきゃならぬ公債が完全消化をされなきゃならぬ。消化とは一体何だと言えば、国民にその公債を買っていただくということなんです。直接買っていただく、あるいは銀行預金を通じて買っていただく。いずれにしても国民一人一人が公債を買っていただくということがなけりゃ完全消化ができないんです。そういうようなことを考えますと、どうしても国民の所得の中から、一部は国債を買っていただかなけりゃならぬということになる。むしろ消費を節しても国に協力していただきたいということにならざるを得ないのです。  そういう際に、景気が問題である、景気をよくしなけりゃならぬ、そのためにはひとつ減税をいたしましょう、消費をひとつしてください、というお願いは私としてはできないんです、これは。まして、減税とすればこの財源が要る。一兆円というお話でありますが、一兆円なら一兆円の財源が要るんです。同じ財源を使って、景気のためにどういうふうにしたら有効であるかということを考えますと、これは減税というよりは公共事業です、これは。公共事業は、なお当面問題になっておりまするところのこの雇用の増大に直接的な影響がある。減税ということじゃ、それは納税している人が年に三万円、四万円の戻し税を受けるというだけにとどまる。しかし、それじゃ直接雇用増大の効果はないんです。公共事業をいたしますれば雇用を増大させるということになる。私は、そういうことを考えまするときに、一兆円の減税にいまこれを踏み切るということは妥当じゃない、さように考えます。  それから、それじゃ公共事業をやると言うが、公共事業につきましては、これは大規模プロジェクトでなくて、住宅だとか、あるいは老朽校舎でありますとか、そういうものに重点を置くべきじゃないかというお話でございますが、これはそのとおりに考えております。しかし、いわゆる大規模プロジェクトにいたしましても、東北新幹線をほっておいていいのかと、こういうことになりますと、東北の季節労働者等がこれを待望しておるんです。この際、これを促進するということは当然だと思います。また、地方の裏負担を充実せよということは、これは私どもそう考えておりますので、そういうふうな方式をとっております。  公営、公団家賃等についての御質問でございますが、これは補助単価の引き上げをせい、それから公団家賃から地代相当額を外せというようなお話でございますが、これはなかなかむずかしいと思います。しかし、個別原価主義採用の結果、新旧家賃の不均衡という問題がありますので、これは是正したいと、こういうふうに考えております。  それから公営住宅の入居基準、これは検討いたします。  それから、いわゆる住宅ローン、これに対する所得税減税、これはなかなかむずかしいことかと思います。私も実はいろいろ考えてみたんです。みたんですが、なかなか税の均衡の見地からむずかしい。  それから、富裕税だとか土地増価税、これも考えてみましたが、ただいまのところ、むずかしいと思います。  それから、個人住民税の課税最低限を引き上げろ、これはそのとおりに実行いたします。  それから中小企業、これはその対策を重視いたしております。  それから物価の問題、これは先ほど申し上げましたが、豪雪等の関係がありまして、なかなか予定どおりいきません。しかし、まあ見込みは八%程度と言っておるんですが、その程度には何とかしたいという、最大の努力をしてみたいと、かように考えております。  独占禁止法につきましては、すでに申し上げたとおりであります。何とかこの国会で決着を得たいと、こういうふうに考えておるのであります。ただ、決着と申しましても、これは各党の了承を得なきゃいかぬ。野党ばかりじゃないんです。与党の了承も得なきゃならぬ。ただいまその調整を鋭意進めておるという段階でございます。  それから、福祉予算を軽視しておる、こういうお話でございますが、決して軽視しておりません。ことしの予算は、これは特別な事情がありまして非常に大きくなっておる。国債費が非常な伸びです。それから地方公共団体に対する助成、この関係で大きくなっておりますが、その二つの特殊要因を除きますと一三・六%です。その中で福祉予算はとにかく一七・七%ふやすんですよ、これは。これは相当の配慮をしたと、こういうふうに御理解を願います。  また、社会保障の長期計画を立てろと、こういうお話でございますが、これはなかなかむずかしい問題でありますが、なるべく長期展望ぐらいのものは得たいと、こういうふうに考えております。  それから、三木前総理のライフサイクル計画に対してどういうふうな扱いをしておるか、どういう考えであるかと、こういうお話でございますが、私は、このライフサイクル計画はなお三木構想に従って検討してみたいと思うのです。しかし同時に、社会保障だけではなくて、教育や労働や文化や、その他福祉政策の全般にわたってこの長期的見通しを得たいと、こういうふうに考えております。そういう見地から鋭意勉強してまいりたいと、かような考えでございます。  それから、医療保険制度の長期展望ということでございますが、これは、お話のように、いまこの制度が区々に分かれておる、これを統合する、五十三年度を目途にこの種制度の見直しをしたいと、こういうふうに考えております。  それから、国民基本年金制度というようなものを実現すべきではないかというお話でございますが、これはむずかしい賦課方式なんかの問題もありますので、そう簡単には結論は出ませんけれども、鋭意検討してみたいと、かように考えております。  それから、老齢福祉年金を大幅に引き上ぐべしと、こういうお話でございますが、これはそうしたいんです。したいけれども、何せこれは非常に金がかかる。そういうようなことで、まあ段階的にこれを引き上げていくということになるわけでございます。  それから薬剤の問題、食品公害の問題等は、厚生大臣からお答えを申し上げます。  次に、教育の問題でありますが、原田さんから学歴偏重社会の是正ということを強調されましたが、私もこの点はつとに考えておるところでございます。学歴というものが必要以上にいま幅をきかしておる、こういう世の中でございまするけれども、これは何としても是正しなければならぬ。しかし、これは政府だけの力じゃできません。これはもう、何といいますか、国民全体、特に採用者側に立つところの政府だとか、あるいは地方公共団体でありますとか、あるいは企業でありますとか、そういう方面との対応が必要である、こういうふうに考えておりますが、政府みずからそういうことを実行しなければならぬ、これはもとよりですが、企業等に対しましてもいま協力を求めておるという最中でございます。  それから、幼児教育問題につきましてはいろいろの御提言がありましたが、入園希望のすべての四、五歳児が就園できるように、毎年度幼稚園施設の整備を促進したいと思います。それから、幼稚園と保育所とは目的、機能を異にするので、それぞれの整備、充実に努めていきたい、こういう考え方でございます。  それから、私立の幼稚園に対する国庫の助成につきましては、その御趣旨のように実行いたしたいと思います。ただ、無認可の保育所そのものにつきましては助成をする考えはございません。むしろ、この無認可という保育所がなくなるような方向で努力をいたしたい、かように考えております。  次に農業問題でございますが、農地の確保、拡大、後継者の育成、保護、また食糧自給率の向上、そういうために食糧基本法とも申すべきものを制定したらどうかというようなお話でございますが、この食糧基本法、これは農業基本法とちょっと重複をするところが多々あろうかと思うのでありまして、まあ重複になるような感じがいたしまするけれども、その内容となるべき優良農地の確保でありますとか、あるいは後継者の育成問題でありますとか、こういうことにつきましては、私は原田さんと全く考えが同じでございますので、そういう方向で努力してまいりたいと、かように考えております。  それから、領海十二海里拡大の問題につきまして、そういう事態になった場合に監視体制を一体どうするんだという御指摘でございますが、これはやはり、領海が拡大されるのでございまするから、巡視艇をふやすとか、あるいは航空機もふやすとか、そういうようなことも考えなきゃなりませんけれども、やっぱり監視体制の強化、整備、それにつきましては、これを取り進めてまいる所存でございます。  それから、いままでの漁業被害者に対する補償をどうするんだというお話でございまするけれども、この問題は基本的には民事訴訟の問題になるわけであります。民事の損害賠償の問題であります。しかし、幸いに日ソ間におきましては漁業操業協定ができまして、その協定に基づく賠償請求処理委員会ができたわけであります。そこで処理するということになっておりますが、この実施がおくれておった。しかしながら、これは円滑に動くようになってまいりましたので、大変私はよかったと、かように考えております。  それから、領海問題に関連いたしまして、非核三原則を厳守すべし、堅持せよと、こういうお話でございますが、これはもうそのとおりに考えております。わが国の権限の及ぶ限りにおきまして非核三原則を堅持する、これが一貫した方針でございます。  なお、国際海峡につきまして、これを十二海里から当分海洋法会議の結論が出るまで据え置きとすると、こういうことにつきましての異論がありましたが、これは私ども、何も核の問題から考えておるわけじゃないんです。つまり、いま海洋法会議の方は、国際海峡というものは自由航行にする、そういう方向で話が進んでいるんです。海洋の自由を守り抜かなきゃならぬというわが国といたしますと、事は非常に大事なことであります。その推移を見なきゃならぬ。また同時に、私どもは津軽海峡だけを見ちゃいかないのです。やっぱりこれは、私どもの国の存立の生命線とも申すべきマラッカ海峡のことも考えなきゃならぬ。そういうようなことも考えますと、いたずらに国際海峡を、これを領海拡大によって制限をするという考え方は私は妥当でないのじゃないかと、こういうふうに思うのでありまして、この核の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、これを堅持してまいる考えでございまするけれども、国際海峡の特殊性、わが日本における特殊な立場、これは篤と考えなければならぬ問題であると、こういうふうに考えております。  それから、二百海里時代になったので強力な漁業外交というものが必要になってくる、関係各省は一体となってこれに取り組めというお話でございますが、まことに御説のとおりでありまして、その決意を持って臨みたいと、かように考えております。  それから、二百海里時代になれば、あるいは減船問題でありますとか、雇用問題でありますとか、水域侵犯に伴うところの負担問題とか、いろいろ出てくる、それをどう考えるかというお話でございますが、お話のとおりの問題が出てくるんです。そこで減船の事態というものも予想されますが、これは関係漁業者と協議する必要がありますが、協議の結果、必要な施策はとります。  それから新漁場の積極的な開発、これもやらなきゃならぬ。それらはとにかく業界とよく協議いたしまして、万遺憾なき態勢をとりたいと、かように考えております。  離職者につきましては、漁業再建整備特別措置法、この適用によって対処したい。  それから拿捕に伴う損害につきましては、漁船の損害につきましては漁船保険事業の措置にまつことにいたします。  それから抑留乗組員の給与支払いにつきましては乗組員給与保険事業によって対処したいと、かように考えております。  それから中小企業の救済、倒産防止の具体的政策いかんと、こういうことでございますが、この倒産防止対策につきましては、もう何と言ったって、申し上げるまでもございませんけれども、景気の回復がこれはもう大前提です。景気の回復ということができますれば、これはもう大方の中小企業問題というものは解消するわけであります。景気のてこ入れを適切にやって、速やかに景気の回復を図りたいと、かように考えておりますが、これを補完する政策といたしまして、政府系の中小企業金融機関の融資を拡大する、あるいは信用補完制度を活用する、下請企業振興協会によるあっせん、さようなものを強力に取り進めてまいりたい、かように考えておるのであります。  それから下請代金支払い遅延の問題につきましては、これは御承知のとおり、すでに下請代金支払遅延等防止法があるわけでありますから、これを強力に運用、強化してまいる、こういう考え方でございます。  それから、中小企業の産業分野の確保に関する法律を早期に提出ぜいと、こういうお話でございますが、これはそのとおりに考えておりまして、与野党間において意見の調整を進めておる段階でございます。  なお、一転いたしまして、原田さんから、わが国の対外経済協力について、これは考え直すべきじゃないか、そういうようなお話でございますが、私もこの点につきましては同感でございます。わが国は、世界の平和がなくて、また繁栄がなくてわが国に平和も繁栄もない国である。特にいま南の国々が非常な困窮な状態にある。そういう際に、まあとにかく日本といたしますると苦しい状態ではありまするけれども、しかし、総体的に見るときは、まあとにかくわが日本は回復の先端に立っているというような立場でございますので、このおくれた国々に対しまして温かい協力の手を差し伸べるということは非常に大事である。しかるに、五十一年度なんか見てみますると、先進諸国の対外政府援助、これがGNP対比〇・三四%に先進諸国が平均なっておるんです。しかるに、わが国はそれに対しまして〇・二二ぐらいにどうもなるんじゃないかというふうに思います。これでは私は、わが国の置かれておる国際社会における責任を尽くしておるというふうには考えられない。しかし、一挙に〇・三四に持っていくだけの財政上の事情でないのであります。そこで、中間の〇・二八まで持っていくというに五十二年度予算を編成しておるわけでございます。  なお、原田さんは、もう経済ばかりじゃないじゃないか、文化におきましても、あるいは人的な面におきましても、交流を盛んにすべきであるというお話でございます。私もその点は全く同感でございます。同感であるのみならず、非常にこれは必要なことじゃないかと思うのです。つまり、いわれのないところの、根拠のないところの誤解、それが国際紛争のもとになる場合が非常に多いわけでありますが、ふだんから人的交流を盛んにし、文化交流を広め、そして問題が起きましても正しい理解がお互いになし得るという状態に置くこと、そのために私は大いに努力をしてまいるつもりであり、五十二年度予算でも国際交流基金の拡充を予算に組み入れた次第であります。  それから、原田さんから、私の内閣は財界中心、政、官、財癒着の保守本流の延長であるという厳しい御批判でございましたが、昨日も申し上げたんですが、私は保守本流であるというような、そんな、けちな狭い根性は持っておりません。日本本流である。癒着、癒着とおっしゃいますが、癒着は確かにありますよ。ありまするけれども、財界と癒着しているんじゃない、各界、各層と癒着しているんだ、そういう態勢であることを、しかと御認識をお願いしたいのであります。  そういう立場でございますが、御指摘の小選挙区制の問題です。これも私は、小選挙区制、これを前面に押し出しておるということはいたしておりません。私は、しかし選挙制度というものは、ロッキード事件の措置なんかどうするかということを考えてみても、非常に重要であると思うんです。やっぱり政治にかかわれば金がかかる、その政治とは一体何だというと、選挙が主であります。選挙に金がかかるという状態はどうしても解消しなければならぬ。そうして金のかからないきれいな選挙制度をどうするか、これは各党の関心事ではあるまいか、そういうふうに私は考えるのであります。そういう見地から、選挙制度、また、それをめぐって選挙資金制度、さらに選挙制度の中には定数の是正の問題も入りまするし、また、場合によれば政党法をどうするかというような問題もありましょうが、とにかく選挙制度、金のかからないきれいな選挙をどうしたら実現できるかということにつきまして、私は、この共同の土俵であるこの問題を各党各派がこぞって協議に入るということが大事なことであると、こういうふうに考えます。同時に、その間におきまして合意が得られた事項は逐次実施していくということでいいと思うのです。最終的な合意が得られなければ一つも実行しないという考えでなくていいと思うのでありまして、参議院の地方区定員是正の問題につきましてお話がありましたが、これもそういうような考えで対処してまいりたい、かように考えております。  それから、政治資金の問題につきまして、個人献金にこれを限る、企業献金は取りやめよと、こういうお話でございますが、これも、金のかからない選挙制度を一体どうするかと、こういうことと並行して論議すべき問題であり、考え方におきましては私は異存はございません。  それからロッキード事件、これは徹底的に解明するという考え方を申しておりますが、その方向でまいっております。いま公判中でございますが、公判の維持に検察当局は全力を尽くしております。それからなお、今後ロッキード事件につきまして新たなる証拠物件等が出てきますれば、それに順応いたしまして調査を進め、最終的にこれが処置ができた段階におきましては、これを国会に報告をするという考えでございます。しかし、私は、いま原田さんが御指摘のように、この事件は事件としてこれを徹底的に解明する、これはもとより大事なことです。これをしなきゃいかぬ。これは私は同感でございますが、同時に、この事件を再び起こさせないところの措置が必要である。私の見解は、このロッキード事件というものは、ただ単に偶発的にできてきたんじゃないと、こういう見解でございます。つまり、根があって、根っこがあって、そこから吹き出した一つの芽、これがロッキード事件である、こういうふうに思うのです。ですから、ロッキード事件という芽の始末をしなけりゃなりませんけれども、同時に、これを吹き出したところの根っこ、これをえぐり出すということを実行しない限り、第二、第三、第四、第五の同種の事件が起こってくる可能性があることを恐れるのであります。  そういうことから考えまするときには、いま原田さんから御批判がありましたが、私は、この事件を巻き起こした原因は何かというと、一つは社会風潮がそういうところがあるんだと、つまり、高度成長というか、経済側面とうらはらをなすかのように、物、物、物、金、金、金、この風潮が世の中にずっとしみていってきておると、こういうふうに思うのであります。その社会風潮というものがこのロッキード事件の背景に広く横たわっておる。これは近因じゃありませんよ。これは遠因と申していいと思いますけれども、そういう背景、これは私はこの際反省すべき一点であると思う。  同時に、私は、自由民主党も反省しなけりゃならぬと、こういうふうに思うのです。自由民主党は、とにかく政権担当二十二年、この間におきまして、やっぱり自由民主党にも、たるみ、おごりというものが出てきておる。政権の上にあぐらをかいたと、こういうふうに言われますが、そういう実態が私はあったと思うんです。そういうことから、自由民主党はまた、これからこの機会にこれを反省しなけりゃならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。  そういうことが私は大きなこの根っこを形成しておると、こういうふうに思うのでありますけれども、しかし、この根っこ問題を処理するというだけでは、これは足らない。なお、補完的ないろんな施策をしなけりゃならぬ。それには制度の問題もある。制度の問題には法律を要する問題もある。あるいは行政措置で片づく問題もあります。そういういろんな問題がありまするけれども、可能なものはこの際どしどし片づけていくと、こういう考え方でございまして、まあとにかく、私が念願しておるところのものは、再びこのロッキード事件というようなものを起こさせないためのいろんな処置を、深くかつ広く、また即効的な効果のあるものは即効的に、あらゆる角度から考えていかなけりゃならぬことである。これが非常に大事なことであるという考えであることを申し上げてお答えといたします。(拍手)    〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
  12. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) 私に対する御質問は、国債発行の問題、不況対策の問題、公共事業の問題というふうに拝承いたしましたが、この問題につきましては福田総理から非常に明快なるお答えがありましたが、私も大蔵大臣といたしまして御答弁を申し上げます。ただ、私は福田内閣の一員でございますので、そこで福田総理御答弁の趣旨と全く趣旨は同様でございますので、若干重複するような点がございますが、その点はどうぞひとつ御了解を願いたいと思います。  五十二年度予算においては、諸般の事情によりまして、特例公債を含む大量の公債発行に依存せざるを得なかったが、このような大量の公債発行が今後とも続くとすれば、公債残高の累増、国債費の増高等を通じ、財政が硬直化し、ひいては国民経済の運営に支障を来すおそれがなしといたしません。政府としては、今後とも、財政の健全化を図るため、既存の制度、慣行の見直しを含む歳出の一層の効率化、租税や公共料金の負担水準の適正化等に引き続き全力を尽くし、できるだけ速やかに大量の公債への依存、特に特例公債への依存から脱却いたしたいと思っております。  いわゆる財政計画の導入については、種々問題がありますので、現在財政制度審議会において検討をいたしているところでございますが、政府としてはその検討の結果を待って研究を進めてまいりたいと、かように考えております。  それから、特殊法人、補助金行政等に対して整理をしろと、こういう御注文、御意見でございますが、全く私も同様に考えております。財源の重点的、効率的な配分を行うことといたしまして、今度の予算におきましては、公共事業関係、社会保障関係、地方財政関係費等の主要経費を除くその他の経費については、極力経費増加の抑制とその効率化を図ってまいったのでございます。補助金等については、新規補助金等はスクラップ・アンド・ビルドの考え方で厳しく抑制するとともに、既存の補助金等は補助効果を再検討するなど、全体についてこれを洗い直し、廃止、減額等の整理合理化を図っております。行政機構については、極力既存の機構の合理的再編成等により対処することとし、特に各省庁の部局及び特殊法人の新設は一切これを認めないことといたしております。部局及び特殊法人の新設を行わなかったのは、一局削減を行った四十三年度以来のことでございます。  以上に見られるように、五十二年度予算編成においては、極力歳出の節減合理化に努めた次第でありますが、今後の行財政の運営に当たってもさらに努力をしてまいりたいと、かように考えております。  不況対策のために一兆円以上の減税を行うべきだと、こういう御意見でございますが、この点につきましては総理が実に明快にお答え申し上げておりますけれども、私からも、若干の重複をお許し願いまして、申し上げさしていただきます。  景気回復、国民生活の観点から一兆円以上の減税を実施せよとの御意見につきましては、まず、現在の厳しい財政事情のもとで大幅減税をするとすれば、その財源はやはり特例公債に求めざるを得ないのでございますが、このことは、現在の国民が将来の国民の負担において利益を受けるようなことに相なります。そのようなことは安易に行うべきではないと考えます。また、わが国の税負担は主要諸外国のそれに比べまして、かなり低い水準にありますことは御案内のとおりでございますが、今後、わが国におきましては、福祉その他の公共サービスの確保を図るためにも、ある程度の税負担の増加は避けられないと見られておりますが、このような状況のもとで大幅な減税を行うということは、将来における問題の解決を一層困難にするものであるということを覚悟いたさなければなりません。さらに、景気回復を図るためということであれば、その政策効果及び財政の弾力的運用の観点から公共事業費に重点を賢くべきであると考えております。  以上のような理由から、この際大幅減税を実施すべきであるという御意見には同意いたしかねるのでございます。  公共事業等は、大きなプロジェクトよりも、たとえば幼稚園とか、あるいは保育所とか老朽校舎といったようなものに中心点を置くべきだという御意見でございますが、これも、私もまさに同感でございますが、これにつきましては総理から詳しい御説明がございましたから、差し控えさしていただきます。  それから、生活環境の整備事業の国庫負担率が非常に低いが、超過負担の解消、地方交付税等の引き上げ、地方債の発行条件の緩和等の地方自治体の財政対策をどう考えるかと、こういうお話でございますが、超過負担の解消については従来から努力を払ってきたところでございますが、五十二年度の予算編成に当たりましては、建物建設費補助、人件費補助の補助対象範囲の拡大等、補助基準の改善等にできるだけの配慮をいたしております。  それから地方交付税率のことでございますが、現在のわが国経済は高度成長から安定成長への変動の過程にあり、このような状況の中で長期的抜本的な制度を改めるということは困難であり、ある程度経済、財政が安定期に入るまでは暫定的な制度改善を行うことが適当であると考えます。  五十二年度の地方財政対策に当たりましては地方交付税率の引き上げを行いま包んでしたが、地方交付税法の趣旨に照らして、後年度の地方財政への影響を考慮しながら、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにするため、地方団体へ交付すべき地方交付税の総額を一兆三百五十億円増額し、このうち、九百五十億円については臨時地方特例交付金の繰り入れによることとするとともに、新たに昭和五十五年度以降八年間にわたって、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を計画的に繰り入れることとする制度に改正を行うことといたしております。  それから地方債でございますが、地方債については、従来より起債枠の確保に努めるとともに、金利面においても、低利の政府資金、公営公庫資金を優先的に充当して、事業の促進を図っているところでございます。  不公平税制の改革として、富裕税とか、土地増価税とか、あるいは利子配当分離課税の廃止などを行い、中小零細企業の減税をするなど、福祉税制を断行せよ、こういうお話でございますが、御質問の中の富裕税、土地増価税の新税の創設については、現在税制調査会において中期税制の検討項目として審議が行われているところであるが、税制としていろいろな問題が含まれており、結論を得るにはなお相当の時間をかけて種々の角度から検討が必要であるというのが現在までの審議過程でございます。したがって、政府としては、御提案の新税についてはいましばらく税制調査会の審議の経過を慎重に見守ることといたしたいと思います。  利子配当課税等につきましては、すでに何回か申し上げましたが、利子配当分離課税については、五十二年度の税制改正において、源泉分離選択課税の税率を引き上げる等、課税の適正化を図ることとしております。  なお、中小企業については、中小法人の軽減税率、機械設備の特別償却、貸し倒れ引当金の繰入率の特例等、従来から税制上格別の配慮を行っております。  以上、重複の点は御了解願いたいと思います。(拍手)    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
  13. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えを申し上げます。  先ほどの御質問の中に、社会保障費が非常に圧縮されているんじゃないかというようなことがありましたが、これはよく御理解をいただきたいのでございますが、福田内閣としては、景気の浮揚ということと同時に、恵まれない人々を救うということで、非常に社会福祉を大きな柱に取り上げております。したがいまして、圧縮されておることはございません。一番ふえておるわけであります。それはなぜそういうことが言われたかというと、予算編成前におきまして、何せ社会保障費の大部分のものは厚生省の予算になっておるわけですから、それが全予算の二〇%もある、五年前からすると倍以上にふくらんじゃっておると、たった五年間で。ですから、これは今度はがばっとやられるんじゃないかという心配があったものですから、非常に危機感があったことは事実なんです。ところが、予算を編成してみるというと、先ほど福田総理から言っておるように、それはもう伸び率も一八%と非常に高い伸び率で、それで、現在の中ではともかく私としては非常なこれは重点の項目であるということを強調しておきたいと存じます。  それから、健康保険法の改正について、これ再検討しろというようなことでございます。健康保険法は確かに一千六百億も累積赤字ができるようになって支払いに支障を来すというような状態になったものですから、応急的な措置として今回保険法の改正案というものを提出することにしました。この大きな理由、一番大きなものは何かと。まあいろいろございますけれども、医療の高度化というのも赤字の原因であることは事実でございます。かつては、昔は健康保険で見られなかった、たとえば脳外科の手術とか、心臓の手術とか、あるいは、人工透析と言うんだそうですが、体じゅうの血を全部抜いちゃって、洗たくしてまた体の中へ入れる、こういうようなことは、これは皆健康保険でできるようになった。したがって、一人で五十人分も百人分も保険料を使うということだってあり得るわけでありますから、そういうようなものなども赤字の大きな原因であって、これらのものは、やはりそれだけの非常に高度の医療を受けるわけですから、したがって、高度のある程度の負担をするということはこれはある程度やむを得ない。たとえば、日本の場合とドイツの場合と健康保険料を比較いたしましても、ドイツは千分の百十二ということなんです。日本は千分の七十八というようなことでもありますから、まあ国際的に見てもこれはある程度やむを得ない。それと、また、今回は傷病手当の延長ということで、まあともかく六カ月のやつを今度は一年半に延長するというような、給付の改善というようなものも織りまぜて出しておりますので、何とぞ、そういうふうなことをおっしゃらずに、御賛成賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。  それから、この国民健康保険等に対する赤字対策をどうするんだというようなことでございますが、これらにおきましても、やはり先ほど言った医療の高度化の問題もございます。これ以上に、これはやっぱり老人層というものは国民保険に非常に多く出ておるというようなことで、赤字がかさんでおることは事実です。しかし、これに対して政府としては、今回の予算でも一兆三千億円という金をつぎ込んでおるのです、国民健康保険だけで。そのほかに、さらに財政措置として千百八十八億円、合計約一兆四千何がしというものを単年度でつぎ込んでおるわけでございますので、これはできるだけのことはやっておるということについて御了解を賜りたいと存ずるわけであります。  それから、その次に薬害の問題でございますが、スモン病の問題とか四頭筋症等薬害の問題、こういうようなことにつきましていま御質問がございました。この薬害の問題につきましては、そういうふうな薬害が起きないように、要するに、あらかじめ防止をしなければならぬ、安全対策第一と、こういうことから新薬の承認を厳格にするというようなことをやっておるわけであります。それから副作用の情報収集ということをすぐにとって、それを評価をして、それをすぐ伝達すると、こういうふうなことをやったり、昭和四十二年以前に許可したものはもう一遍洗い直しをする、で、御利益ないものは落としちゃうし、というようなことで、それをやっておるわけであります。その他いろんなことをやっておるわけでございます。しかしながら、この医薬品の副作用というものを全然なくしろというと、これはなかなかむずかしいですよ。医薬品の副作用を、できるだけそういうものをなくするようにするわけでございますが、たとえばストレプトマイシンを打ったと。結核が治った、おかげさまで。しかし耳が遠くなった、しかし打たなければ死んじゃったと。どっちがいいんだというような問題もこれはあるわけなんでありまして、全然薬害を皆無にしろといっても、薬というのはもう両刃の剣であって、それは確かに熱は下がるけれども、胃袋が少ししくしくとするとか、どっちを使うんだというような問題等もございますので、薬害の問題は極力これはなくするということの大方針でやっておるわけです。しかし、そういう問題もございますということを御承知おきをいただきたいのであります。  したがって、このスモン病等の問題につきましては、目下これは患者の救済をどういうふうにしてやったらいいかということについて政府内部においても鋭意検討をしておるところでございます。  大腿四頭筋短縮症に関する問題につきましても、治療、診断等に関する研究を行うとともに、患者の把握、それから育成医療を行っております。今後ともそれらをどんどん推進をしてまいりたい、かように考えております。  それから、カネミ油症の患者の救済の問題についても、原因者である企業が医療費等の負担を現在しておるわけです。国は、事故の特殊性から、その油症治療研究をさらに推進をする、継続的にその健康管理を行うということを、これを進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
  14. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 私に対する御質問は、農業問題五問、漁業問題一問でございますから、順次お答えをいたします。  最初の問題は、食糧の自給力を高めて国民に対して安定的に食糧の供給を確保するという問題でございますが、これは御指摘のとおり、農政の最大の課題でございます。そこで、御承知のように、主食でありますお米は過剰基調に推移をいたしております。ところが、麦でありますとか、大豆でありますとか、あるいは飼料作物、これは大部分を海外から仰いでおるというようなことで、自給率が非常に低いわけでございます。今後、この状況を私ども直視いたしまして、総合的な自給力を高めていくという施策を進めてまいる所存でございます。そのためには、農業基盤の整備等の問題がございますし、さらに生産奨励あるいは価格政策、そういうものを総合的に勘案をいたしまして、あるいは水田の総合利用というようなこと等の政策も進めまして、環境と条件をつくりながら全体としての総合自給力を高めるようにやってまいりたい。特に、麦並びに大豆の生産につきましては今後力を入れてまいりたいと考えております。  第二の問題は、農業基盤整備の予算、この予算の確保を十分にすべきだと、また農民の負担を軽くせよと、こういう御指摘でございます。農業基盤整備の充実は、これは今後の足腰の強い日本の農業を育成してまいります基本になるわけでございまして、今年度の、五十二年度の予算の編成に当たりましても最善を尽くしてまいったつもりでございます。五千三百五十四億円と、前年度に比べましても二二・四%も伸びたわけでございますが、これで十分とは決して考えておりません。今後とも努力をしてまいる所存でございます。またその際、農民の負担、地元の負担を軽減をするということもきわめて大事なことでございまして、国営の事業の長期延べ払い、あるいは農林漁業金融公庫の長期融資、こういう枠の拡大等につきましても十分配慮しながら、農民の負担の軽減に努力を今後ともしてまいりたいと考えております。  その次の問題は、農機具の問題についての御質問がございました。年間わずかしか使わないのに各戸に農機具が普及をしておる、その負担が農業経営の上で非常な重圧になっておる、こういう問題でございますが、そのためには、共同作業であるとか、集団生産体制の整備であるとか、そういうことが私は必要だと、こう考えております。今後とも農業団体その他各生産団体等と十分話し合いをいたしまして、生産体制の整備あるいは共同利用の推進、そういうことで対処してまいりたいと、このように考えております。  第三の問題は、化学肥料等の過度の使用によって最近地力が非常に低下してきておる、これにどう対応するかと、こういうお話でございますが、この点につきましては、畜産を一方でやって、そして環境の汚染の問題が一方出ております。この耕種と畜産部門というものを総合的に組み合わせまして、そのために必要なところの運搬手段あるいは施設というものもやってまいりまして、有機質の肥料が土地に還元できるような施策をやって地力を強めていきたい、そういう施策に対しまして、国としても助成措置を講じてまいる所存でございます。  それから、温州ミカン等の生産過剰対策の問題でございますが、この点につきましては、生産調整も関係団体と協議をいたしまして進めておりますが、またジュース、かん詰め、あるいは貯蔵、その他の加工保蔵施設等の整備等と相まちまして、今後ミカン、柑橘農民の経営の安定を図ってまいりたい、このように考えております。  第五の問題は、二百海里時代に入って、外国の漁場で、海外の漁場で生産が規制を受ける、これをカバーするために沿岸の漁場の積極的な開発が必要である、こういう御指摘でございますが、全く御指摘のとおりでございます。  そこで、昭和五十一年度から二千億、七カ年計画で沿岸漁場の開発整備事業というものを進めております。五十二年度予算におきましても、この予算の確保には漁港予算とともに相当の努力をいたしました。栽培漁業あるいは沿岸の資源をふやして、そうして海外で失う分を日本列島周辺の沿岸沖合いでカバーをしていこう、そういう政策を今後着実に進めてまいる考えでございます。そのために、瀬戸内海にございました国立の栽培漁業センターを北日本にも一カ所つくることに五十二年度予算でお願いをしております。また、全国に十六カ所程度の県の栽培漁業センターを設置をする、そういう総合的な施策で今後沿岸漁場の開発整備を進めてまいりたい、このように考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  15. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 春日正一君。    〔春日正一君登壇、拍手〕
  16. 春日正一

    ○春日正一君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。  総選挙の結果は、歴代自民党政府の大企業本位の政治を国民本位の政治に転換すること、金権腐敗の政治を清潔な政治に転換することが国民の要求であることを示しました。総理は、この国民の審判を厳しく受けとめるなどと言っていますが、これを言葉だけでなく、実行に移すべきであります。  そこで、私はまず、国民本位の経済政策への転換について質問します。    〔議長退席、副議長着席〕  いま国民は高い物価で苦しんでいます。中小企業の倒産も、これで三年間も戦後最高を続けています。農民は出かせぎ口さえなくなってきています。経済危機は構造的危機と言われるような厳しい状態に置かれております。  ところが、提出された予算案は、国民に対しては低福祉と実質増税、公共料金引き上げなどを押しつけながら、物価より不況対策という財界の要求にこたえて、最大の重点を高速自動車道路などの大型公共事業に置き、さらに軍事力増強、韓国への援助、石油備蓄などにたっぷり予算をつけています。国民を苦しめてきたのは、こうした内容の予算だったのではありませんか。  わが党は、国の財政の破産状態、不況とインフレの同時進行など、自民党の残した悪しき遺産を解決し、国民の暮らしを守り、経済を建て直すために、昨年末、経済再建五ヵ年計画を発表しました。その内容は、最初の二年間で物価安定、福祉充実、生活環境整備、農業、漁業、中小企業の振興など緊急の問題を優先的に解決しながら、大企業優先の税、財政、金融の仕組みや、投資の流れを国民本位のものに転換させ、五年間で経済の安定的発展の土台を固めるというものであります。総理は、このような方向で国民生活防衛、国民経済再建のための年次計画を策定するつもりはありませんか。  また、予算案について、総理は一兆円の減税でさえ言を左右にして、かたくなに拒否しています。しかし、総理の主張の誤りは後に明らかにするとして、これは全野党の一致した要求であり、その得票率五三%が示しているように、多数の国民の声であることを冷静に考えなければなりません。いま、どの党も耳を傾けなければならないのは、この国民の声ではありませんか。総理は、国会審議を尊重し、一兆円減税はもとより、福祉充実、大企業本位の税制の改廃など、予算案を再検討する意図はないかどうか、明確な答弁を求めます。  言うまでもなく、国民生活を守り、不況を克服していく上で重大な基本問題は、かつての高度成長型の財政経済政策を根本的に改めることです。特に公共投資の流れを、大企業から国民生活基盤の公共事業に予算の大幅増額を行うべきであります。このことが行われるなら、国民経済に潮力を与えることは明らかであります。不急不要の大型需要は抑え、住宅、学校、幼稚園、保育所、上下水道、生活道路など広範な国民の要求、地方自治体の要請にこたえることがきわめて重要であります。この点についてわが党は一貫した要求をしてまいりましたが、総理の見解を改めて求めるものであります。  次に、物価問題について質問します。  物価は、この不況のもとでも九%を超える上昇であります。総理府の家計収支調査でも、勤労者の家計収入は物価値上がりのために、実質的には、昨年四月以来数カ月にわたって前年以下に下がっています。特に、昨年の実質増税や社会保険料の引き上げのために、可処分所得の実質的低下が激しいことを示しているではありませんか。物価を安定させ、国民の購買力をつけること、これこそは当然の不況対策ではありませんか。政府の考えをただします。  特に政府は、今回国鉄運賃の法定制を緩め、国会に諮らずに自由に値上げできるようにしようとしています。破産状態にある国鉄の再建策をどうするかを抜きにして、ただ値上げだけを押しつけることは、きわめて愚劣で不当でもあります。もう三年間も上げ続けても再建できないではありませんか。わが党がすでに七十八国会で提案したように、今国会では、まず国鉄再建政策を集中的に審議、確立し、運賃問題はその上で検討すべきではありませんか。  物価安定とともに、大幅減税、社会保障の充実、労働者、農民、漁民、中小企業家の生活と経営の安定は、国民の切実な要求であり、不況対策としても重要であります。ところが、日経連会長の桜田武氏を会長とする財政制度審議会は、わが国の隠れもない低福祉を総花的なばらまき福祉などと攻撃し、その見直しを強調しています。福祉切り詰め予算と言われる今回の予算案が、この財界の方針に沿ったものであることは明白です。総理、あなたには、老人医療有料化の企てを食いとめるために、九十歳を越える老人までがあの寒空のもとで座り込みを続けたその切実さが、また、ある新聞に、このままじわじわ死んでいくんですねと語っている生活保護世帯の苦しみがわからないのですか。総理は、第七十五国会での経済演説の中で、経済の成長は目的ではなく手段である、今後は成長の成果をより多く国民の福祉に振り向けなければならないという趣旨を強調されましたが、国政の最高責任者となった現在の基本政策はどうですか、具体的にお答えいただきたい。  特に、厚生省の国民生活実態調査でも、国民の貧富の差はますます開き、低所得層の生活苦は深刻となっています。政府は、生活保護基準をさらに引き上げ、多くの自治体で実施している夏期一時扶助を行い、級地格差、男女格差を早急に是正すべきであります。特に、昨年から突然実施されて三十二万六千人もの老人を苦しめている老齢福祉年金との併給禁止措置は撤廃すべきであります。特に、いま四十万人もの老人が寝たきりの生活をしています。冷たい社会保障制度のもとで寝ている老人のつらさ、家族のつらさ、これを考えるなら、この寝たきり老人に対する訪問看護の制度化をいますぐ始めるべきだと思います。苦しんでいる老人に、総理はこの演壇から、はっきり答えていただきたいのであります。  次に、深刻な失業問題特に重大な問題になっている高齢者の失業について質問します。  政府は、労働団体の要求に押されて若干の措置をとりましたが、事態はきわめて深刻です。この際、中高年失業者の失業給付金と給付日数を引き上げ、さらに、中高年雇用促進法を改正して雇用を義務化するとともに、また、定年制を六十歳まで延長するよう総理御自身が財界に要請すべきではありませんか。また、北海道、東北、北陸など、豪雪寒冷地帯の季節労働者に緊急措置として九十日の失業給付を継続すべきであります。  また、今日わが国の農業が穀物の自給率わずか四割、小麦、大豆は四%、肉類七六%にも低下し、就業人口や農地の激減など危機的な状態にあり、いまこそ抜本的な再建策が必要です。  ところが、今回の予算は、農林漁業関係費を予算総額の一割以下に落としています。その上、政府はいま、自動車、鉄鋼、電機、造船などの大企業の輸出急増のしりぬぐいとして、アメリカ、EC、豪州などからの農産物輸入拡大要求を受け入れようとし、二百海里経済水域の問題では、アメリカなどにきわめて屈辱的な態度をとっております。  総理、あなたはかつて、だれよりも農民を愛すなどと言われましたが、このような事態をどうなさるのか。また、今日の農業、漁業の危機を打開する抜本的で具体的な政策は何か、明確に示されたい。  今日の危機を打開するためには、農業を基幹産業として位置づけ、自給率を五ヵ年で、たとえば小麦を二〇%に、肉類を九二%に高めるなど、大幅に引き上げること、このためには五千五百億円の予算を追加して、主な農産物に米並みの労働報酬を実現する価格補償制度を確立し、過度な輸入を制限しなければなりません。五十万ヘクタールの農地造成も必要であります。総理も自給力の向上を図ると述べておられます。わが党のこの具体策を実行する誠意がおありかどうか、伺いたいものであります。  また、二百海里経済水域の問題について、政府は、昨年の日米漁業交渉ではアメリカの専管水域法を事実上うのみにし、漁獲量、入漁料や罰則などをアメリカの判断にゆだねるという従属的な態度をとっています。政府は、米国、ソ連などに対し、過去の漁獲実績を踏まえて公正な条約や協定を結ぶことに努め、それまでの間は二百海里水域の設定を延期するよう交渉すべきであり、また、北洋水域の共同管理方式を提案すべきだと思いますが、見解を伺います。  同時に、領海を十二海里に拡大し、非核三原則を完全に適用するとともに、沿岸、沖合い漁業の本格的な振興のために、沿岸漁場整備開発計画と魚価安定基金制度を思い切って拡充強化することを求めます。  中小企業もまた戦後最大の倒産など、深刻な危機にあります。ところが、政府は、わずか千七百億円、軍事費の十分の一の中小企業対策費を組んでいるにすぎません。中小企業見殺し政策と言わなければなりません。しかも、最も増額された小企業経営改善資金なるものは、商工会議所や商工会の経営指導を半年以上受けることなどを融資の条件としているために、最も窮迫した小零細企業の緊急の必要にこたえていません。政府は、このような融資の条件をなくし、すべての小企業が利用できるようにすべきではありませんか。  また、いま大企業の横暴な進出が中小企業の存立の基礎を危くしています。政府は、中小企業の分野を指定し、資本金三十億円以上の巨大企業の進出を禁止し、その他は通産大臣の許可事項とするなどの内容を盛った実効のある分野確保法を提出する意図はないかどうか。また、大スーパーなどの横暴な進出を制限するために、大規模小売店舗法の規制面積を千平方メートル以上に引き下げ、知事の許可事項とするよう改正するとともに、小売商業調整特別措置法の指定地域を大幅に拡大すべきだと思いますが、積極的な方針を伺いたいのであります。  ところで、政府はいま、三全総の策定も、アセスメント制度の確立も待たずに、苫小牧、むつ小川原、周防灘、志布志などの大規模工業開発を見切り発車させております。山形県酒田港ではアセスメントのないままに四十万本の松林が伐採され、天下の美観である鳥取県弓ケ浜では五万トンバースの建設を機会に埋め立てが行われています。今回の高速道路その他の大型公共事業が、これらのための交通ネットワークづくりであることは明らかです。総理が資源有限時代を憂うるなら、このような資源浪費型、環境破壊型の公共投資をこそ制限して、住宅、下水道、都市災害対策など、生活基盤重点に変えるべきではありませんか。  特に、いま国民は、住宅の狭い、高い、遠いことに苦しんでいます。これを解決するためには、質の高い公共住宅を大量に供給することが第一です。ところが、地方自治体の超過負担と関連公共施設の負担が当面の隘路になっております。政府は、超過負担の解消と同時に、人口集中の原因となっている大企業に住宅負担金を課して地方財源を賄うようにする意図はありませんか。  また、今回政府は、石油備蓄のために百四億円の利子補給を石油大企業に出そうとしております。この一部、二十七億円を住宅公団に利子補給すれば、新設の公団住宅の資金コストを一%引き下げ、家賃を平均九千円下げることができます。これを実行し、さらに補助をふやして、公団家賃の一斉値上げを抑え、傾斜家賃は凍結する意図はありませんかどうか、お伺いします。  また、低水準の民間住宅などの改善も重要であります。政府は、町づくり、環境整備などと一体で、住宅の修復、建てかえを促進する総合的な補助制度を確立し、特に木賃アパートなど、共同住宅の建てかえを援助する制度を設ける意思はないか、答弁を求めます。  以上のような、生活基盤整備、福祉充実の上で欠くことのできないものは、地方財政の危機打開であります。政府は、このために、第一に、地方交付税率を四〇%に引き上げるべきです。第二に、莫大な超過負担を過去五ヵ年にさかのぼって計画的に解消し、第三に、地方債の政府引受率を八〇%程度に高め、また、第四に、交付税率引き上げ分を人口数に応じて配分するなど、大都市財源を確保し、人口急増地域、過疎地域に補助率のかさ上げを行うべきであります。  さて、総理は、赤字公債の解消をするのだから一兆円減税はできないなどと言い張っております。しかし、大企業には不況の底であった昭和五十年度でも、たとえば日産自動車に百三十四億円も特別の減税をしているではありませんか。このような特別な税の減免をやめただけでも二兆円から三兆円の財源が生まれるのであります。ところが、政府が貸し倒れ引当金など若干の手直しで五十二年度に予想している増収額は、わずか七百三十億円にすぎません。三菱銀行の調査でも、大企業は昨年三月と九月の決算で連続して五割以上も利益をふやし、一年間で二倍以上の利益になっているではありませんか。大企業に対する特権的減免税制度をもっと思い切って改廃すれば、減税も、福祉の充実も、赤字公債の解消もできるではありませんか。これをやらないのが自民党の一番大きな病気であります。これをおやりになるかどうか、答弁を求めます。  次に、国民の求める清潔な政治への転換についてであります。  言うまでもなく、ロッキード事件の全容を徹底的に究明することこそ、清潔な政治を実現する大前提であります。いま国民は、総理のこれまでの言動や内閣の顔ぶれなどから、幕引き内閣としての役割りを果たすのではないかと深い危惧の念を抱いております。総理が徹底究明すると言われるなら、事件の核心であり、未解明の児玉・小佐野ルートとPXLをめぐる疑惑を、どう徹底究明されるのか。総理は犯罪容疑がないなどと言われるが、それならば、米側提供資料のすべてを国会に提出すべきであります。そのための対米交渉を行うべきではありませんか。  また、さきにわが党の調査団として訪米した橋本議員が、レイナード元米国務省韓国部長から得た金大中事件に関する証言の問題について、総理は大使館を通じて調べているなどと言っておられます。しかし、問題は、わが国の首都東京のホテルから白昼公然と金大中氏を拉致したのがKCIAの組織的な犯行であり、また、政府がこれを知りながら国会と国民を欺瞞して政治決着を図り、わが国の主権侵害を容認してきたという重大な問題であります。政府は、外国頼みにせずに、みずから調査を始めるべきではありませんか、また、金大中事件の政治決着を図った田中・金鍾泌会談直後の閣議で、当時の大平外相は、今後の日韓の捜査に重大な食い違いがある場合には改めて措置をとることを保留すると言明していますが、政府は再調査の上で断固たる外交的措置をとるべきだと思いますが、どうですか、  さらに、KCIAによるわが国の政府高官、新韓国派議員への買収工作、対韓援助をめぐる日韓の政財界の黒い疑惑などが、レイナード氏らアメリカ側の証言で次々と明るみに出ております。まず、政府自身がその実態究明を直ちに開始し、米国務省に保管されていると言われる関係資料の公表を要求すべきであります。  次に、このような汚職の再発を防止することは国民共通の強い要求であります。総理はあれこれ言いわけをするよりも、汚職の最も太い根である企業献金をきっぱり禁止すべきではありませんか。また、国会が任免する行政監査官の設置、情報公開法による国民監視などの法的措置をとるべきであります。総理の考えをお聞きいたします。  次に、総理は、金のかからない選挙を口実に、小選挙区制の導入と政党法の制定を考えているのではありませんか。政党法は、結社の自由を侵し、政党の内部運営に介入、干渉する道を開くものであります。小選挙区制は、自民党の没落を食いとめて一党独裁永久化に道を開くものであります。民主主義の名において絶対に許すことはできません。総理はこのような企てを今後ともやらないと断言できますか、明確にお答え願いたいのであります。  いま緊急にやらなければならないことは、参議院地方区の定数是正です。一九七五年の国勢調査人口では、鳥取県と神奈川県の格差は一対五・五までにも拡大しております。これは国民の主権を損なうものであります。昨年四月に最高裁から出された衆議院定数の不均衡問題の判決の判旨に照らしても、その違憲、不当性は明らかであります。総理は、自民党総裁として、一昨年野党四党一致して主張した二十六人増員案を受け入れ、この夏の参議院選挙に間に合わせる決断をする意思があるかどうか、答弁を求めます。  さて、先日、国立教育研究所の学力調査の結果が発表されました。小学校二年と四年で出てくる「関心を持つ」の「関心」という字を書けない子供が、六年で七割以上、中学三年と高校二年で四割以上、分数の足し算ができない子が、中学三年で約四割、高校二年で約三割です。学力の低下、たくさんのおくれる子供、非行、暴力、自殺等々、心あるだれもが胸を痛める教育のこの荒廃は、次代を背負う青少年と民族の未来にかかわる重大な問題であります。総理は「これからの日本、祖国新生論」なる書物の中で、教育勅語は国際的にもりっぱに通用する倫理である。教育勅語が余り無視され過ぎてきたことは問題だなどと述べています。あなたは、あの侵略戦争の道具となった教育勅語に基づく戦前の教育については反省しておりません。ことしは教育基本法の施行満三十年の年であります。今日総理に求められているのは、教育勅語に郷愁を寄せるのではなくて、この教育基本法の根本理念に基づいて、個人の尊厳、真理と正義、平和と民主主義を掲げ、学校で一人一人の子供の成長発達を助ける学習を十分に保障することを教育の基本とすることであります。政府は、この見地に立って教育内容を精選し、算数、国語など基礎的な学習事項を十分時間をかけて理解できるようにすべきであり、学習指導要領の画一的な押しつけをやめて、各学校が自主的に子供や地域の実情を生かした教育計画を編成で曇るようにすべきであります。行き届いた教育ができるよう学級定数を四十名以下にするという四十九年の国会決議を直ちに実行すべきであります。苛烈な高校の入試競争をなくすためにも、政府は高校新増設のために補助金を大幅に増額し、青少年に自信と希望を与えるべきであります。また、学校に官僚統制を持ち込む主任の制度化はやめるべきであります。  以上の諸点について政府の明確な答弁を求めます。  次に、先日政府は、男女平等、婦人の地位向上を目標とした国際婦人年の世界行動計画に基づいて日本での計画を発表しました。言うまでもなく、婦人に対する差別とべっ視は、戦後、憲法によって条文の上からはなくなりました。しかし、現実には、行政機関や全国の職場でも、都市や農村でも婦人が差別され、その社会的地位が依然として圧迫されていることは、多くの婦人が体験しているところであります。政府が発表した行動計画に対して、新聞はもちろん、多くの婦人団体から、実行の裏づけのない、働く婦人に対しては改悪の意図さえ見える計画として批判が起きているのは当然であります。今後婦人の声を聞き、計画の改善、是正はもちろん、年次計画をつくるべきだと思うが、受け入れる用意がおありかどうか、伺います。  次に、外交問題について伺います。  現在の世界の動向の中で、非同盟中立諸国の果たす役割りはますます大きくなっています。世界人口の半分を超え、八十六カ国を結集しているこの非同盟諸国は、民族自決、世界平和にとって重大な貢献をしています。総理は、この世界の大勢、その国際政治の動向をどう考えておいでか。わが国の平和と安全、資源、国際貿易の面からも重大な問題でありますので、その見解を明らかにするよう求めます。  間もなく日米首脳会談が開かれ、ここで在韓米軍の削減問題が話し合われることになっています。この点について、さきに来日したモンデール米副大統領は、在韓米軍の削減は、朝鮮半島の安定を維持し、さらに日本、韓国との密接な協議と協力によって行うと述べています。総理は、カーター大統領とどのようなことを協議し、どのようなことに協力するおつもりか。政府はいま、韓国の安全は日本の安全にとって緊要であるとの趣旨の立場をとっており、総理も、わが国の平和と安定に深いかかわりを持っておりますと述べています。総理は在韓米軍の削減がわが国の平和と安定にどんな影響があると考えておられるか、具体的にお答えいただきたい。  総理が朝鮮半島の情勢を重視するというなら、民族自決の要求が世界の主要な潮流となっている今日、首脳会談ではむしろ、二つの朝鮮の分断固定化に反対し、朝鮮の自主的、平和的統一のために在韓米軍の全面撤退を主張すべきであります。また、金大中事件など激しい人権抑圧とKCIAの国際的暗躍など、そのファッショ的性格が世界の世論の指弾を受けている朴政権に対する援助は直ちに取りやめるべきであります。この点について明確な答弁を求めます。  わが党は、戦後三十一年にわたる自民党政治がもたらしたわが国の政治、経済、道徳その他の深刻な危機を打開するために、国民の合意を広げ、革新統一戦線による国政の民主的転換を実現するために奮闘することを表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  17. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 春日さんは、冒頭から、私の政府が大企業癒着であると、こういう立場に立ちまして御批判があったわけでございまするけれども、先ほど公明党の原田さんにお答え申し上げたとおり、私どもは大企業だけのことを考えておるのじゃないんです。国民各界各層のことを考えておるのでありまして、しかしながら、春日さんは大企業敵視政策というか、そういうお考えのような考え方でございますが、私は各界各層をですね、これは均等ににらんでおりまするけれども、どの階層も敵視いたしません。大企業につきましてもそうであります。大企業というものが、これはわが国の社会からなくなったら一体どうなるのか。いまこの小さい国が、世界でアメリカに次ぐ日本と言われるような工業力を持つに至った。これはやっぱりわが国の経済力が非常に高度に集約されていると、そういう結果と見るべきだと、こういうふうに思うのです。ですから、大企業を殺してしまってわが国の経済の発展も安定も私はないと思います。ただ、大企業を私は特に重視するという、そういう考え方はとりません。  五十二年度の予算に対しましていろいろ御批判があり、これは社会保障、文教等を軽視した、やはり大企業優先の予算ではないかというような御批判でございますが、さようなことはございません。ただ、私がこの予算において重視いたしましたのは、これはいま日本の経済界をほっておきますと、これは非常な活力喪失というようなことを恐れるんです。この際、この時点における日本社会の大きな問題は、この景気停滞というところに対しましてひとつ、てこ入れをすると、こういう問題だと。ですから、私は五十二年度予算において決して福祉政策を軽視したわけじゃございません。これはかなり重視した性格でございますが、しかし同時に、この景気政策、そのために何といっても公共事業をやるほかはないんでございまするが、この予算額を重視したということになるまでのことでありまして、予算の性格はどこまでも福祉社会を建設すると、そのためには結局景気をよくしなければならぬと、こういう考え方に基づく次第でございます。  共産党におきましては経済再建五ヵ年計画というものをつくっておられるというお話でございまするけれども、政府におきましても五カ年計画を持っておるわけです。五十年代前期経済計画、これを策定しておるわけでありまするが、これは私は、この間も見直してみましたけれども、妥当な計画である、かように考えますので、その線に従って経済政策を誘導してまいりたい、かように考えます。  それから物価の安定の問題を強調されましたが、私はもう物価のことにつきましては、これは春日さんに劣らず神経質になっておるわけでありまして、経済運営のかなめは何といっても物価、それから国際収支、それから新たに加わってきた資源、エネルギー、こういう点をしっかりと見ながら、かじ取りに誤りなきを期さなければならぬ、こういうふうに考えております。  そういう際に国鉄の運賃を上げるのはどうだと、こういうようなお話でございまするけれども、物価対策は重視します。しかし、私が一番重視しておりますのは、その基調でございます。いま公共料金全体といたしまして改定期にあるわけであります。その中で国鉄問題というものがあるわけでございまするけれども、この問題をよけて通るわけにいかない。もしここで国鉄運賃の改定を見合わすということなら、どうしたって一、二年の後にはやってのけなきゃならぬ、こういう問題になるわけでございます。そういうことを考えますると、公共料金問題につきましても、これは漸次段階的にこれを改定に踏み切らなけりゃならぬ、こういうふうに考えておるのでありまして、公共料金改定の最盛期が過ぎますれば、私は基調のみならず、消費者物価水準というものも、数字の上からもかなり低位になし得るものである、かように考え、五十二年度におきましては、これは私は、とにかく消費者物価は七%台までの上昇にとどめることにしたいと、こういうふうに考えておりまするけれども、私どもの前期五カ年計画の計画期間中には何とかして預金金利以下の水準まで物価上昇率を下げていきたい、かように考える次第でございます。  なおまた、国鉄の再建に関連いたしまして、国鉄の運賃の引き上げに関連いたしまして、再建計画抜きでは承知できないというお話でございますが、それはそのとおりに考えております。再建という計画、その中の一環といたしまして料金の改定を行う。その再建の中では、企業の合理化、これを重視してまいりたいと、かように考えておるのであります。  それから、インフレ抑制、物価安定の見地から、日本銀行の通貨発行額をコントロールすべきであると、こういうようなお話でございますが、私は、そういう考え方、これは当然あってしかるべきだと思うのです。しかし、その日本銀行における抑制というものが、これが強権的にいくということであってはならぬと思うのです。つまり、経済が安定的に運営されまして、そうしてそのはね返りとしての通貨発行、これもまた安定的に動くと、自然にそういうふうな日本銀行の通貨調節がいくように経済全体の運営をしなけりゃならぬということであって、日本銀行はこれしか通貨を発行することはできないというふうにもう決めつけまして、そうして経済の方がそのような調子でいかないという際には、非常に大きな問題が起こると思いますので、まあとにかく、通貨量につきましては、経済政策の運営の結果としてこれの適正が維持されるというふうにいたしたいと、かように考えております。  先ほども申し上げたんですが、五十二年度予算は福祉切り詰め予算であると、こういう批判でございますが、そうじゃないのです。今度の五十二年度予算というのは、これは規模において総体としてふくれ上がりましたが、国債を増発しましたものですから、その影響があるのです。それからもう一つは、地方財政に対して万全の対策をとる、そういうような結果、地方財政に対する支出がふえる。その二つの要素でふくれ上がっておる。その二つの要素を除いて考えますと、この五十二年度予算の伸び率というものは一三・六%なんですよ。その中で、とにかく福祉予算、社会保障予算は一七・七%の増額だと、こういうのでありまするから、これはかなりの配慮をしたものであるというふうに御理解を願いたいのであります。  今後国政の最高責任者として、おまえはどういうふうに経済を運営していくかというお話でございますが、これは、かじ取りを誤っちゃならぬ。そのかじを取る上において見詰めなきゃならぬ焦点は何だというと、物価、国際収支及び資源、エネルギーであります。この三つについて支障があるという経済の運営は、私は非常に危険であると、こういうふうに考えておるわけでありまして、こういう安定的な経済運営の中で物心ともに豊かな社会を実現をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。  それから、生活保護世帯に対する補給基準を引き上げろとか、いろいろ話がありますが、最大の努力をいたしておるわけであります。  また、ボーナス保険料の新設反対、そういうようなお話でございまするけれども、これは、医療財政が非常に悪化してまいりました。これを放置しておきますると、いよいよ五十二年度中に壁に突き当たらなけりゃならぬというような事態になりましたので、これはボーナスも保険料の対象とするということに踏み切らざるを得なかったわけでありまするが、とにかく、五十三年度以降におきましては総合的な検討をいたすことといたしまして、当面五十二年度をとにかく何とか切り抜けるというための臨時、緊急的な性格のものであるというふうに御理解を願いたいのであります。  それからさらに、各種の年金を引き上げろ、そのかわり財源として大企業、大資産家に年金特別税を設けろと、こういうお話でございますが、これは御意見として承るにとどめておきます。  それから、年金保険料の負担割合を改定すべし、年金財政を賦課制にというようなお話でございますが、保険料負担のあり方につきましては、これを軽々に変更することは私は危険であると、こういうふうに考えております。また、賦課方式への移行、これはいろいろと論議をされておりまするけれども、世代間の不均衡を生ずるというような問題もありまして、これはまだその方向へ移行するというふうに申し上げることはできませんが、今後の検討問題にいたしたいと、かように考えておる次第でございます。  中高年者の失業給付金を八〇%、給付日数最高四百八十日に延長せよというお話でございます。こういうのは、パーセンテージにいたしましても、日数にいたしましても、それは長くなれば長いほどいいという一面もありまするけれども、また同時に、これは国家財政に関係する。つまり、一般の納税者の負担においてやるわけでございまするから、そういう角度のことも考えなきゃならぬ、私どもはそういう角度から精いっぱいのことをしておるわけでありまして、雇用保険では給付日数を最高三百日、それから給付率につきましては低所得者についてのみ最高八〇%としておるのでありまして、まずまず妥当なところではあるまいか、さように考えております。  また、中高年雇用促進法を改正いたしまして、そして雇用を義務化すべしというお話でございますが、これは、いまの促進法でかなりのことをやっておるわけでありまして、さらにこれを法制化するということにつきましては、これはまだそういう考え方にはなり切れません。  それから、定年制を六十歳まで延長するように財界に要請すべし、総理大臣としてはっきりそういう姿勢をとれというお話でございますが、これはもうすでに政府として労使に対しまして、当面六十歳定年をひとつやっていただきたいんだということを求めておるわけでありまして、私も機会がありましたらそのことを私自身からも求めたいと、かように考えます。  北海道、東北等、豪雪寒冷地域の季節労働者に九十日の失業給付を継続せよと、こういうお話でございますが、いま五十日となっております。これは大体現実に即した日数であると、かように考えております。  また、農業危機の今日、農林予算を切り下げたのは一体どうだというお話でありますが、いまの農林予算の中には食管補給金が入っておるのです。それがそう伸ばす展望ではない。そういうようなことから、食糧管理特別会計への繰入金を除いて考えますと、これはもうかなり大幅な農林予算の増額をしておるんです。二〇%も増額しておる。こういう状態でありますので、決して農林予算を軽視しておるわけではない。むしろ、農林予算というものは、これからわが国の食糧事情、海陸あわせ考えて非常に重大な時期だというので、特に重視しておるのでございます。  それから、農産物輸入の拡大はどうなんだというようなお話でございますが、これは決して、自動車、鉄鋼、家電などが大量に輸出されたという、その見返りという、そんなようなことじゃございません。特に自動車、家電なんかが大量に去年輸出されたのは、これはアメリカなんです。いま御指摘の点はオーストラリアの牛肉の点かと思うのでありまするが、相手が違うんです。それが見返りになっておるんだというようなことはございませんです。  それからまた、二百海里経済水域問題でアメリカに屈従的な態度をとっておるというお話でありまするが、さようじゃございません。アメリカにもアメリカの事情がある。そうしてアメリカは二百海里水域問題をとらんとする、こういう決定をしたわけでございまするけれども、それに対しまして、わが方はわが方の既得の漁獲量というものがある。そういうものを踏まえまして、わが国のいままで積み重ねてきた努力が、そうこれによって損なわれないような最大の努力をし、アメリカ側におきましても決してわれわれの要請を無視しておるわけじゃございません。むしろ、かなりわれわれの要請というものを、立場というものを理解しておる、こういうことでございます。  要するに、農林漁業の問題につきましては、これは生産基盤と生活環境の整備、需要に即応した生産の増大、生産の担い手と後継者の確保、価格政策の充実、これらの施策をもう着実に進めていくというほかはないのでありまして、いま、五ヵ年計画によって自給率を向上せよ、価格補償制度を確立せよ、五十万ヘクタールの農地造成を実施せよ、こういうお話でございまするけれども、まあ考え方としては、これは私はそう反駁はいたしませんけれども、主な農作物に米並みの価格補償制度をつくれというのは、これはなかなか無理です。しかし、価格政策は重視をするという考え方でございます。  それから、自給率を五ヵ年計画でいまおっしゃるような方向で引き上げろと言うんですが、これはなかなかむずかしゅうございます。しかし、これも大変大事なことであります。自給力を向上するという方向で善処してまいりたいし、農地の造成の面につきましても最大の努力をしてまいりたい、かように存じます。  それから、中小企業問題に転じまして、商工会や商工会議所が経営指導をやっておる、それに見合いながら小規模経営改善資金が融資されておる、こういう行き方は妥当でないというような御指摘でございますが、私どもはそうは思わない。小企業経営改善資金というものは、ただ単に赤字補てんという意味じゃないんです。これを融資することによりまして小企業の体質自体を近代化していただきたいと、こういう趣旨でありまして、経営指導の伴わない融資ということは、これは妥当でないと、かように考えております。  それから、分野調整法につきましての言及がありましたが、これは与野党間において協議を進め、また、政府部内においても協議を進めると、そういう方向でただいま進行中であります。  大規模小売店舗法の改正、こういうお話でございますが、いま消費者のことも考えなけりゃならぬ。そういうことから申しまして、私はいまそれを考える意思はございません。  また、小売商業調整特別措置法の指定地域の拡大、積極的方針でやれ、こういうお話でございますが、これは社会経済環境の変化に応じまして、弾力的、機動的にやってまいりたいと、かように考えております。  それから、大規模プロジェクトを排撃する、そうして住宅、学校、下水道、老朽校舎等、そういうものに公共事業はやっていくべしと、こういうお話でございますが、そういう気持ちです。しかし、大規模プロジェクトと申しましても、さあ、成田の空港をああいう状態にしておいていいのか、あるいは東北新幹線、これを中途半端でさびつかしていいのかと、こういう問題もあるし、また、それぞれの地域において就業を促進する、こういう問題もあるのでありまして、一概に大規模プロジェクトはいかぬというふうには考えられないのです。大規模、たとえば苫小牧というような問題もありまするけれども、やっぱりこれからわが国の経済というものは発展していくのです。北海道においてもそうなんです。そういう際に、やっぱりその基幹となる産業がどういうふうなロケーションに位置するかということ、そういうようなことにつきましても、また考えなければならぬ。大企業のことは何も構わぬで、われわれの国民生活が進むんだと、そうは考えられません。これはやっぱり大企業も、中小企業も、また相並行して進んでいくというところに国家の安定的な繁栄というものがあるんだと、こういうふうに思うわけであります。  それから、地方交付税等の問題につきましてお話がありましたが、これは、交付税率の引き上げこそはやりませんでしたけれども、地方自治団体におきましても大体納得されたという形の対策を十分とったということを御承知願いたいのであります。  それから、住宅公団に補給金を出せ、そのかわり石油備蓄のための利子補給はやめろと、こういうようなお話でございますが、私はこの点はよくわからないです。いまエネルギーという問題が大変な問題になってきている。その大事なエネルギーを確保する道というのは、やっぱりこれは第一にまず石油ですよ。その石油の備蓄をしなければならぬというのは、これは当然のことじゃありませんか。その備蓄も、これは民間企業に任せておいたのじゃ、やるという気を起こさないのはこれは当然です。政府が何らかの刺激をしなきゃならぬ。利子補給をする、それをやめちゃえと、そう言いながら、国民の生活を安定させよ、保障せよ、これは全く矛盾している考え方、こう考えざるを得ないのであります。  それから、軍事費やその他の冗費を節減せよというお話でございますが、これは、節減は諸経費につきましてできる限りのことをいたしております。行政機構の改革、これはそこまで手が届かなかったのです。八月までにその全貌を決めますけれども、冗費につきましては今度の予算では相当の削減をやっておる、そういうふうに御理解願います。  それから、租税特別措置につきましても、これももうとにかく、利子あるいは配当、これに対しまして源泉の天引き率、これが今日三〇%であるわけでありますが、これを三五%にするという改正までするわけなんです。かなりきつい改正でございますが、あえてそこまでする。その他の特別措置につきましても相当数多くの整理をするということにいたしておりますることも御了承願いたいのであります。  それから次はロッキード問題でございますが、これは何か、ロッキード問題はもう打ち切りにしちゃって、そうしてもうこれで幕引きだというふうに私どもが考えておるかのごときお話でございますが、そうは考えておりません。まあ大方の捜査は終了したんでありまするけれども、まだ児玉、小佐野関係におきましては、まあ両名が病気であるという関係もありまして、追及できなかった部面が多々あるわけであります。しかし、これから新しい状況が出てくるというに応じましてこの追及というものはやっていくということにいたしておりますので、決してこの問題の最終処理を軽視しておるということではありません。  それから、PXLについての言及でありますが、これにつきましては、ずいぶん検察当局は調べたそうです。しかし、犯罪の容疑は認められないという報告を受けておるのであります。  それから、すべての米側の提供資料を国会に提出すべきではないかというお話でございますが、この問題に関する米側提供の資料は、いま進行中の公判と非常に大きな関係のある問題でありまして、公判、そういう関係から、これをいま直ちに公開するということは妥当でないと、かように考えております。  それから、レイナード氏の発言問題でございますが、まあ政府が金大中事件について、それがKCIAの組織的犯行と知りながら政治的決着を図ったと言っておるが、いかなる措置をとるかというふうなお話でございます。一々個人の言うことを取り上げておったら、これはまあ切りがありません。しかし、それと同時に、そういう、政府といたしましては金大中事件にKCIAが関与しておったという認識ではございません。しかし、せっかく新聞なんかでもいろいろ取り上げておりますので、念のため、これを在韓大使、在米大使、これに対しまして調査を指示した次第でございます。  それからこの問題に、その他KCIAのいわゆる買収問題、これにつきまして超党派の議員が訪米して調査されることはどうかというお話でございますが、とにかく一個人が何を言ったというようなことで、一々日本から顔を並べて出かけていくというようなことはいかがであろうか、こういうふうに思うのです。まあ私は、各政党においてどういう行動をとるか、それに対して容喙する立場にはございませんけれども、少なくともわが自由民主党といたしましては参加いたしません。  それから、汚職再発防止のために企業献金を禁止せよというお話でございますが、これはさっき公明党の原田さんにもるる申し上げたんですが、私は、ロッキード事件の事件的処理、これも非常に大事なことだと思うのです。しかし、このような事件が再発しないその措置もまた大事である、こういうふうに考えます。その一つといたしましては、やっぱり政治に金がかかる、その政治に金がかかる最も大きな問題は、これは選挙に金がかかるということだろうと、こういうふうに思うのです。したがいまして、きれいな、そうして金のかからない選挙は一体どういうふうにするかということについて、この共同の土俵である選挙制度でありまするから、各党の間において真剣な話し合いを始めてもらいたい、こういうふうに考えておるのであります。その一環といたしまして政治資金の問題に当然触れなければならない、かように考えておるのであります。ただ、政治資金だけ詰めましょう、そして、選挙制度、つまり金のかかる制度は温存しましょうというのじゃ、またロッキード事件が起こってくる、その土壌を温存するというようなことにもなるわけであります。  それから、それに関連いたしまして、春日さんは政党法や小選挙区法は絶対推進しないということを約束ぜいというお話でございますが、そういう約束はいたしません。私は、金のかからない清潔な選挙はどうやってできるかということを真剣に論議すべきである、その論議の結果、さあみんな、皆さんが、これは小選挙区制、比例代表制がいい、あるいは政党法もあわせてつくるがいいということになれば、それはそれも結構じゃございませんか。しかし、私は表面に立って、小選挙区制だ、あるいは比例代表制だ、それを推し進めるというんじゃなくて、みんなして相談した結果、どれが一番金のかからない清潔な選挙を志向するものであるかという、その結論に従って行動いたしたいと、かように考えております。そういう相談の中で参議院の地方区の定数問題も当然論ぜられるべき問題である、かように考えます。これは共同の利害のある問題でありますので、ぜひそういう場で論議し、結論が出たらこれを実施すると、こういうことにすべき問題であると、かように考えます。  また、私が教育勅語に何か言及したことがあるというお話でございますが、私は、教育勅語ですね、いま読んでみても、人の道というものをこんなに明快に示しておる、そういう資料というものは、これはもう他に見ないです、これは。私は、教育勅語の示しておる人の道というものは、これは今日においても脈々として生きておるし、またこれを生かしていかなければならぬと、こういうふうに考えるのであります。(拍手)ただ、戦前と戦後は事情が違いまするから、教育の問題の処理に当たりましては、教育基本法に基づいてこれを実行するということについては、これはお話のとおりであります。  また、国際婦人年に関連いたしまして、先般政府において策定いたしました国内行動計画が余り実行の裏づけがないじゃないかというようなお話でございますが、これは国際行動計画の趣旨に準じまして策定いたしたものでありまして、そういう御批判は当たらないと思うんです。しかし、十年の間を展望しての婦人問題でありまするから、その間にいろいろの事情の変化もありましょう。その事情の変化等に対応いたしまして婦人問題を向上すると、進展させるという立場に立ちまして具体的施策をとるということにいたしたいと、かように考えております。  それから、日本は非同盟中立の方向の外交政策をとるべきじゃないか、そういうお話でございますが、まあわが国は御承知のとおり日米安全保障条約、これをわが国の安全保障体制のかなめとしておるわけでありまして、このわが国の安全保障の基本となるべき体制を崩すことはできません。  それから、在韓米軍問題でございますが、この間モンデール副大統領と会談した際に、私はこの朝鮮半島の問題、特に米軍の引き揚げ問題、これにつきましては、これは米韓間の問題だと、したがって、考え方の基本として、わが日本とすると、これは米韓間の問題であり、日本の介入すべき問題じゃないと、こういうことを申し上げております。ただ、しかし、韓国において平和が乱されるというような事態がありますれば、これはひとり日本ばかりじゃない、アジア全域に波及するところの大きな問題になってくる。したがって、朝鮮半島のいま平和があのような国際的な枠組みで維持されておりまするけれども、この枠組みに大きな変化を来すということは好まないということを明快に申し上げておるわけであります。  また、それに関連いたしまして、米軍の削減の肩がわりとして、軍事・経済の負担をアメリカ側から要請されるのではないかという御懸念でありまするが、これは、先ほど申し上げましたような、この問題は米韓間の問題であるというふうに考えまして、わが国にさようなツケが来るということは考えられないことであります。いずれにいたしましても、わが国は他の国に対しまして内政の干渉はいたしませんから、その点はひとつ御理解のほどをお願い申し上げます。(拍手)    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
  18. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 私に対するお尋ねでは、二百海里問題がございます。米ソに対しまして、条約・協定に努めて、それまで二百海里水域の設定を延期するよう交渉せよというお話でございますが、すでに御承知のように、アメリカが二百海里の漁業専管水域を国内法で実施して、これは三月一日から実施となる。また、ソ連も御承知のような幹部会の決定を公布しております。このようなことは、わが国としては、特に漁業問題が遠洋漁業に依存している率が高いわが国としては、大変遺憾なことであります。しかしながら、漁業水域二百海里というのは、相当これを実施する国がふえてまいりまして、今日二百海里時代になりつつあるということもまた事実でございます。そういうことから、わが国としては、ただこれ遺憾としておるのでは出漁ができなくなる、こういう現実的な問題が起こってきておることもまた事実でございまして、今日の段階では、アメリカに対しまして、新たな現実を踏まえまして従来の実績を確保できるよう漁業交渉を行う、またソ連に対しましても、従来の伝統的な北洋漁場におきます漁業活動をできるだけ確保できるような努力を継続するということを考えている次第でございます。  また、したがって共同管理方式をやれと、こういうお話でございますが、そういう点は提案を行う意思はございません。  それから領海十二海里の問題でございますが、これはもうたびたび総理大臣から御趣旨の説明があったわけでありまして、海洋法会議におきまして、わが国といたしましては、いわゆる国際海峡の自由通航ということを主張してきたわけであります。わが国としては、国益の観点から、どうしてもこの国際海峡は自由通航を確保したい、こう考えておりますので、この問題と非核三原則、これはもう当然従来どおり確保するわけでありますが、これとは関係のないことであると、こうお考えいただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
  19. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 春日さんにお答えをいたします。  二百海里時代を迎えて、日本列島周辺の沿岸漁業を積極的に開発すべきではないかと、こういう御主張でございますが、全くそのとおりでございます。二百海里時代を迎えますと――日本の海外での漁獲は約四百五十万トンございます。年間千百万トンの総漁獲量のらち四割を占めるわけでございまして、特に北洋の漁場、これは三百万トンの漁獲を現在揚げておるわけでございまして、対アメリカ、対カナダ、対ソ連、これからの漁業交渉いかんによりましては日本の漁業に重大な影響があると、こういう基本的な考え方で取り組んでおるわけでございます。  そこで、日本列島周辺の沿岸の漁場を開発、整備をするということで、五十一年度予算から、二千億、七カ年計画の沿岸漁場整備開発事業を実施をいたしております。五十二年度予算におきましても、三十数%をさらに上乗せをいたしまして、今後積極的にこれを実施してまいる考えでございます。と同時に、育ててとる漁業を盛んにする必要があるということで、栽培漁業の振興には特に力を入れてまいる所存でございます。  第二の問題は、魚価安定対策についての御質問でございます。畜産あるいは農産物等におきましては、価格安定対策がいろいろございますが、漁業、魚価の安定対策は立ちおくれをいたしておったわけでございます。しかし、昭和五十一年度から魚価安定基金というものを設定をいたしました。また、五十二年度もそれに基金を上乗せをいたしまして、逐次強力な安定基金に育てていきたい、こう思っております。  また、その運営に当たりましても、無利子の資金の貸し付け枠を広げるとか、あるいはまた、魚価安定のための調整保管、この運用を強化するとか、いろいろの改善を加えまして、今後魚価安定対策を図りまして、漁業の振興に寄与すると同時に、消費者である国民の皆さんにも安定的な供給ができるように、そういう努力をしてまいる所存でございます。  それから第三の問題は、十二海里の問題でございますが、この問題は、総理からも外務大臣からもお話がございました基本方針で取り組んでおります。ただ、私がその担当大臣を命ぜられておりますので、政府部内の意見を調整をいたしまして、できるだけその立法化をまとめまして御審議を煩わしたいと、このように考えております。(拍手)    〔国務大臣長谷川四郎君登壇、拍手〕
  20. 長谷川四郎

    ○国務大臣(長谷川四郎君) 大都市集中の企業者に対して、それがゆえに人口がふえるから、それに対する住宅資金の一部を負担をさせよと、こういうお話でございます。この問題につきましては、住宅宅地審議会というのがございまして、その答申も出ておることでもございますし、また、こればかりじゃなくて、さらに関係方面といろいろの問い合わせをして、そして今後の問題は慎重に検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。  それからなお、大都市の都市環境の整備に必要な地方財源の確保を図る、こういうことでございますが、企業に負担を求めること、事業所の税が昭和五十年度からすでにもう発足をしておるのでございまして、これらに対しては御了承のことと願うのであります。  それから、低水準の民間住宅などを環境改善と一体で修理をしたり建て直しをせよと、そしてこれをなるべく早く行えということでございますけれども、建設省としては、そのために不良住宅地区の環境整備を図っておりますし、それらの住宅地域の改良事業を促進するとともに、さらに、公的住宅の建設と一体的に周辺環境の整備を行う、そして過密住宅地区の更新事業を実施しているところでございます。また、都市部における木造の家、この賃貸アパートの建てかえの促進につきましては、従来から、優良な民間賃貸住宅の建設のために、公的の資金による融資のほかに、地方公共団体等にも共同してこれを行い、建設省といたしましては、建設資金に対する利子補給などの制度を設けて進めてきておるのでありますが、昭和五十二年度においては、特に建てかえを促進するための建設費について優遇措置を講じておるのでございます。御了承いただきます。(拍手)    〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
  21. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 教育についての御質問の一つは、実例を挙げて、算数、国語など基本的な学習事項は時間をかけてよく理解できるようにせよとのことでございます。私もそう思います。このことに関しましては、三年にわたって論議を重ねました審議会の答申にも、国語、算数に関する基礎的な学力を重視すること、また、教育課程の編成に当たっては学校の創意を十分生かしていくこと、これが指摘されております。現在、文部省で学習指導要領の改定作業を行っておりますが、この審議会の答申の趣旨を十分に反映してまいりたいと考えます。  学級編制に関しましては、御承知のように、ただいま第四次の五ヵ年計画を実施中であり、複式学級、特殊学級の改善に努力をしておりますが、今後とも、教員養成の需給計画並びに国と地方との財政事情等も勘案して、慎重に検討を続けてまいる所存であります。  なお、高校増設の問題につきましては、御承知のように、今年から、生徒数の急増という事態に対処するため、国の補助をする制度に踏み出しておりますが、来年度予算案の中には三倍に近い額を計上いたしており、地方債計画の財源措置の拡充と相まって整備を充実していきたいと考えております。  最後に、主任の制度についての問題でありますが、これは学校運営を活発に推進をして、教育の質的向上を図るとともに、教育効果を高めていくことを願って設置したものでございますから、御指摘のように、官僚統制を持ち込むものではありませんし、そのようなつもりもありませんので、どうぞこの制度の持っております趣旨を御理解を賜りたいと思います。(拍手)
  22. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 答弁の補足があります。鳩山外務大臣。    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
  23. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 朴政権に対する援助をやめろと、こういうお話でございましたが、従来わが国は韓国に対して経済協力を行っておるわけで、これは韓国におきます民生の安定向上とか、韓国経済の発展に貢献する見地から行ってきたものでございまして、金大中事件あるいはKCIA事件等の政治的な問題とは関係なく、今後とも具体的な要請について検討してまいりたいと、こう考えておる次第でございます。(拍手)
  24. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これにて午後一時四十五分まで休憩いたします。    午後一時六分休憩      ―――――・―――――    午後一時五十分開議
  25. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣の演説に対する質疑を続けます、木島則夫君。    〔木島則夫君登壇、拍手〕
  26. 木島則夫

    ○木島則夫君 ちょうど一年前のきょう、海の向こうから忌まわしいロッキードのニュースが飛び込んでまいりました。保守の体質に迫るこの問題は、ここ一年日本の政治を揺さぶり続けてまいりました。今後の捜査の続行はもちろんでありますが、現在はむしろ政治の場での解明に重点が置かれています。一年目のこの日に当たり、福田総理のこの問題への徹底解明を望みながら、質問に入りたいと思います。  過ぐる総選挙で、自民党は金権体質を鋭く問われ、衆議院でも与野党伯仲の状態が生まれました。政府・自民党の数に物を言わせた政治は終わりました。残念ながら、これまでは自民党の圧倒的な数と力で政治がつくられ、国会はスタンプマシンのような存在でした。野党も、これまで常に与党を意識し、たとえるならば、自民党にボールを投げつけて、そのはね返る距離と音の大きさで野党の存在を誇示してまいりました。その結果は、非現実的な野党というイメージをつくり、実りのない対決の政治、あるいはいつもたてまえと本音を使い分けるわかりにくい日本の政治をつくってきたことも否定できません。ところが、事態は大きく変わって、新しい政治状況に与党も野党もその対応を迫られているのが実情です。  ところで、福田内閣成立早々、あなたは各党党首との話し合いを持たれ、さらに消費者、婦人団体、労働組合、福祉関係の代表とも会われました。いままでになかったことです。しかし、野党の一斉反発、各代表者の失望からも明らかなように、対話の成果は生まれませんでした。  野党一致の要求である一兆円減税をそでにしたことにも示されるように、政府・与党と野党の考え方には抜きがたい距離があるようであります。中身だけでなく、予算案、予算編成自体についての認識の違いでもありましょうか。予算案は野党には指一本触れさせないで成立をさせるもの、言いかえれば、予算は政府・与党の専権という意識がへばりついていないでしょうか。もしも過去の栄光への夢とこれまでの惰性があなたの協調性を抑えているとしたら、国会がようやく政治の中心になり得るチャンスをつぶすことにもなりかねないと思います。  福田総理、あなたは与野党伯仲という新しい事態をどのように認識され、どう対処されようとなさるのか、まず、この点から伺いたいと思います。  一兆円減税につきましては後ほど詳しく触れたいと思いますが、与野党伯仲の中で与野党修正でまとめられる御意思は全くないのか。新事態の中での福田内閣の政治姿勢として、まずこの問題を取り上げるわけです。  ところで、田中さんの跡を継いだ三木さんは、金にきれいな政治と社会的不公平是正を政治の目標にされましたが、ロッキード事件、党内紛争のため、ついにこの二つともなし得ず、かけ声だけに終わりました。金権政治の象徴たるロッキード問題もまだ解明が終わっていない。小佐野、児玉ルートの厚い壁は依然として崩せず、灰色高官の公表もはなはだ不徹底でありますし、証人の国会喚問もこれからの仕事です。また、三木さんが指摘をされた社会的不公平も、そこらじゅうにごろごろ転がっています。物価も、政府の約束の前年比八・六%におさまるかどうか、はなはだ疑問です。不況からの脱出もおくれています。問題山積の中での福田内閣の出発です。あなたは総理就任早々、ことしは経済の年、このことを強調され、連帯と協調を連発されています。しかし、経済は政治の理念によって裏づけされるものです。連帯と協調といっても、それは姿勢であっても、政治の目標そのものにはなり得ないはずであります。したがって、福田内閣と言われましても、どうももうひとつぴんとこないわけであります。ロッキード問題で挙党協側に回り、党内の結束こそが必要だとしたあなたの言動は、新しい時代に対応する保守政治の理念よりも、数こそ正義だと言わんばかりの旧来的体質を持った方のようにも受けとめられています。さらには、御自分たちが党内紛争に狂奔をし、不況を長引かせておきながら、経済だ、経済だというのはちょっと虫がよ過ぎると、こういう声もきっとお耳に入っていることだろうと思います。  そこで、お伺いをいたします。福田内閣の政治目標というのは一体何なのかということです。経済の年と言われるけれど、どのような政治理念に基づく経済なのか。さらに、資源有限の中での連帯と協調を説かれておりますけれども、抵抗なく連帯と協調が可能な社会とは一体どのような社会で、どのようにこれをつくるのでしょうか。  なるほど、連帯と協調も結構でありますけれど、それには前提が必要です。私は、この前提こそ、公開と参加と責任があってこそ初めて可能だと信じています。公開については、たとえば国会にわれわれがかねてから主張している防衛委員会をつくっておく。きっとPXLの疑惑などはとうに出なかったと思います。わかりやすい政治のため、徹底した情報公開もこれに当たります。参加――予算に大きな関連を持つ財政制度審議会に、働く者、消費者あるいは中小企業の代表を参加させること。こうしたことから、結果的に責任のある政治が導き出されるんだと思います。  福田総理、抵抗なく自然に連帯と協調が可能な社会とは一体どういうものか、それはどのようにつくられるものか、総理のお考えをはっきりとお示しをいただきたいと思います。  次に、経済の問題です。これは内政問題として大変大事な問題です。  わが国の経済の現状は、完全失業者百万人を超え、企業の倒産は十月千四百八十五件、十一月千五百九十八件と、大変高くなっています。また、消費者物価の大幅上昇、所得減税が見送られての実質的な増税など、国民はやりきれない負担を感じています。このままの状態が続きますと、日本の経済は回復力を失ってしまう。したがって、いま必要なことは、不況克服の緊急対策と同時に、これまでのすべての政策が見直され、安定向上への展望と計画図が、設計図がつくられ、新しい時代への方向づけがなされなければならないと思うわけであります。  で、福田総理は、しばしば資源には限りがあると力説され、高度成長から抜け出ることを呼びかけられております。真に高度成長からの脱却を図るんでしたら、過去の制度、慣行などを見直して、新しい秩序を打ち立てるための手順を示すべきであります。この点、いかがでしょうか。つまり、現在の事態は単なる不況問題ではありません。経済構造に根を張った大変深刻な問題であります。言うならば、自由主義体制経済が大きな曲がり角に差しかかっていて、たとえば企業の社会的な責任を明確にする、あるいは経済の計画化など、新しい時代に対する仕組みをつくり上げていかない限り、安定成長の基礎は確立されないと思いますが、総理はそのようには痛感なさいませんでしょうか。  以上のような観点から、具体的にただしてまいりたいと思います。  第一、失業と企業の倒産をなくすのに必要限度とされている実質経済成長率約七%を確保するために、消費需要を拡大するてことして、何としても一兆円減税を断行すべきであります。この点につきましては、あなたは公共事業中心の景気対策を挙げまして、私どもが主張をしている一兆円減税論を退けられました。この議論は予算委員会で深く追及をするといたしまして、見逃してならないのが、あなたの減税に対する基本的な考え方です。減税によって消費を刺激し、景気を回復させようとするのは高度成長時代の遺物であって、資源有限時代に逆行するというものであります。使い捨て、浪費を戒める意味ならばそれなりにわかります。でも、福田総理、現実は一体どうなんでしょうか。国民の大多数は、物価の上昇、社会保険料の引き上げなどで実質所得が減って、生活を維持するのに精いっぱいです。加えて、税制をめぐる不公平にも不満は依然として根強いということ。したがって、私どもの主張には、一兆円減税によって景気回復を図ると同時に、国民生活の維持、向上、税の不公平是正、こういったことにも配慮があることを見逃してもらっては困るということであります。  第二は、物価対策に関連をいたしまして、さきに衆議院を通過した独占禁止法の改正案を早急に提出され、成立を図るとともに、寡占価格規制法の制定を図るべきだと思いますが、いかがでございましょうか。  第三に、中小企業について。製造業などにおいて、おおむね五分の四以上が中小企業によって占められているものを中小企業分野として業種を指定し、大企業の進出からこれを守るための中小企業分野確保法の成立を図り、公正な競争ができるようにすべきであります。もちろん、法律をつくるだけで事足りるものではなく、政府のこれら業種に対する近代化政策と相まちまして、中小企業御自身の懸命なる企業努力がなされることは当然でございます。このことがまた消費者の利益にもつながっていくんだろうと思います。  第四に、経済の中期展望を明らかにしていただきたいということです。あわせて、現在ございます経済五ヵ年計画をそのまま踏襲なさいますのか、それとも再検討をされるのかも、この際お聞かせをいただきたい。  以上、経済問題四点について質問を申し上げました。  次に、減税の財源にもつながり、私どもがかねがねどうしてもやってもらわなければ困ると力説をしてまいりました行政改革の問題に触れたいと思います。  まず、行政機構の改革を断行し、初年度最低――よろしいですか、三千億円の行政経費を削減する御意思はございませんでしょうか。これを断行することで三千億円です。すでに、政府の減税財源である三千五百三十億円、このほか、会社臨時特別税、高額所得者に対する付加税で一兆円減税の財源たり得るはずでございますけれど、福田総理いかがでしょうか。行政機構の改革で初年度最低三千億です。この行政改革は、三木内閣からも関心を持たれまして、行財政全般について見直しが必要だとして、行政監理委員会に対して何回も何回もアドバイスを求めてまいりましたが、定員管理のあり方、あるいは特殊法人の整理統合、補助金の整理など、大事な問題だ、早くやれやれと言われてきながら、一向に進んでいない、らちが明かない問題であります。政府は、五十二年の予算編成でも、われわれが強く要求している一兆円減税について、歳入の三〇%を国債に頼っているような状況では財源に余裕がなくてとても減税には回せない、減税はできないと繰り返すだけであります。  大変卑近な例で恐縮でありますけれど、家庭経済に例をとるまでもなく、赤字が出ましたら、家庭の主婦、奥さんは、まず切り詰められるものを徹底的に切り詰めて、どうにもならないときに他人様に相談をする、銀行から借金をする、あるいは人からお金を借りることだってあるでしょう。中小企業でも大きな会社でも、内部努力を血みどろになっていまやっています。ところが、政府は、従来から行政改革をやるやると言いながら、これをお題目に終わらせ、行政のコストを下げる改革を怠ってきたところに、私は借金財政の大きな原因をつくっていると思う。いかがでしょうか。補助金を整理することも緊急の課題です。  ところで、政府は、来年度の予算編成に当たりまして、部や局、特殊法人の新設は一切認めないことを決めておりますが、これ以上組織をふやさないということでありましょうが、反面、不必要な組織をそのままにし、本当に必要なものを抑えるという、行政の沈滞にもつながるおそれがあります。もっと弾力的な措置がとれないものでしょうか。  次に、現在公団、公社などの特殊法人は、その数が何と百十三の多数に上っています。実は十年前の四十二年も百十三、多少の曲折はあったけれど、百十三というのは十年たっても全然変わってない。皆さんが汗水たらして貯蓄をした郵便貯金などの資金のきわめて大きい部分が特殊法人によって使われていることを考えても、これはゆゆしい問題であります。この特殊法人の整理についても何回も意見が出され、五十年十二月の閣議で十八の法人について整理をすることを決めています。たとえば――はっきり名前を出します。この中の東北開発株式会社のごときは、昭和三十九年の臨時行政調査会の意見、また四十二年の行管の意見でも、さらに四十二年の閣議でも、その整理を決めております。しかし、三十九年から十三年たった今日でも一向に整理されず、しかも、五十年十二月の閣議では、さらに――よろしいですか。この会社を昭和六十一年まで持っていこうということを決めています。ほかの十七の特殊法人についての整理統合も、閣議で決めておきながら、いまだに決着がついていない。福田さん、福田総理、閣議というのはこんなにいいかげんなものなんでしょうか。また、こんなことなら、私は行政管理庁なんというのは要らないと思う。――これは極言だと思いますけれど、国民の皆さんはそういうふうに思うんです、はっきり。この十八の特殊法人の処置をこの場でお約束をいただきたいと思います。このように整理統合がむずかしいのは、特殊法人が高級公務員の天下り機関であって、すでに使命が終わってその存在の意味の薄れたものでも、関係各省の抵抗が大変強いんです。そうして、天下った人たちは役員となりまして、高給をはんでおります。特殊法人の常勤の役員は、五十年十二月三十一日で総数八百二十五名、この中に占める天下りは六一%に当たる五百四名です。企業の倒産で職を見つけて駆け回る方、退職はしたものの一家の家計のために再就職に奔走する方たちに比べて、何とぬくぬくとした方たちでございましょうか。  福田総理、行政改革はあなたが勇気、そして決断をもって実行する私はかっこうの政治課題だと思います。夏までに具体案が出るそうでございますけれど、その規模は一体どの程度のもので、どのような手順でこれをやろうとなさるのか。さらに、こういった問題こそ、私は国会の問題として、たとえば行政改革特別委員会を設けるなど、あなた方の一方的な御意思だけでなくって、伯仲時代ですから、やっぱり野党も一緒に加わって、こうあるべきだ、あああるべきだという方向づけをされてはいかがでございましょうか。きのうも、私どもの佐々木副委員長がこの問題についてずいぶん徹底的に追及をされたけれど、肝心のお答えがないんですね。したがって、私は再度この問題について具体的にお答えが返ってくるように、福田総理にお願いを申し上げたいわけです。  次に、福祉問題について伺います。  いま政治がしなければならない大事などとは、社会的不公平を正し、計画的に福祉の向上を図ることです。そのためには、財政状況に応じてふやしたり減らしたりする場当たり的な福祉をやめて、本当に福祉を必要とする方たちには手厚い給付を行うのが肝心でございましょう。また、制度間にわたるいろんな格差や不平等を直し、すべての国民が高い給付が受けられるよう、制度の抜本的な改正を推進することがいま一番必要だと思います。  特に私が申し上げたいことは、年金制度に絡む諸問題に福田内閣がどう取り組まれようとしているかであります。年金制度は八つの制度に分かれ、その間に受給年齢、給付額などに著しい格差がございます。とりわけ、給付額の格差が問題でございます。年金受給者の大半を占める老齢福祉年金に至りましては一万五千円にすぎず、これじゃとっても生活できる年金とは言えないわけでございます。こうした低い水準から抜け出せないのは、やはり一つには、年金制度を横断するナショナルミニマムを設定していないからだと思います。私は、男子一人当たり定期給与の三〇%に相当する額、つまり月額五万円をナショナルミニマムとし、老齢福祉年金については計画的にこれに到達させるように制度を改革すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。政府は、ナショナルミニマムについてどうお考えになるか。制度的格差を是正するためにどのような長期展望に立って取り組んでいかれるのか、ここもやはり具体的にお示しをいただきたいと思うわけであります。  次に、大変大事な問題であります領海の問題について触れておきます。  御承知のように、わが国の沿岸漁業に従事されていらっしゃる方は、ここ数年、日本沿岸へのソ連の大型船団の進出によりまして、網を切られたり、また、せっかくとった魚を全部逃がしてやらなければならないなど、大きな損害をこうむっています。その被害は、昭和四十六年以降、約千八百件、六億円にも上っております。私どもは、こうした現状を打ち破り、沿岸漁業者の生活を守るために、政府が速やかに領海十二海里宣言をなさるよう、これまで再三にわたって要求をしてまいりました。伝えられる政府案は、一応十二海里領海としておりますけれど、いわゆる国際海峡について領海三海里で凍結する方針のようでありますが、これは次の点できわめて矛盾をはらむものであり、これが実施されますと困難な問題を生じ、混乱が起こることは必定でございます。  それは、いわゆる国際海峡に該当すると見られるものは、わが国の十二海里以内に約七十カ所ございます。七十ございます。これらについて、十二海里と三海里の区分、線引きをどうなさるのか。領海と領海でない境界があいまいとなってトラブルが起こる可能性がございます。十二海里以内を領海としながら、国際海峡とするものについて三海里外の主権を放棄するのは国際的にも例を見ない珍妙な領海規定ではないでしょうか。いかがでしょうか。  非核三原則は、これは堅持すべきでございますが、これと、従来国際通航に当てられていた海峡の新たな領海拡張部分とをじかに絡ませるのは、国際問題の処理としては適切ではないと思います。これに対して、私どもが主張をする、国際海峡については沿岸国の恣意に任せるのではなく、新たに無害通航のルールをつくるべきで、国際海峡通航の国際的合意が調うまでの暫定措置として、当面は従来どおりの通航を認めるという主張、この主張こそ私は、すべて十二海里領海とし、国際的合意の成立していない部分についてはわが国主権のもとに当面従来どおりの通航を認める立場に立つものでありますから、現実的であり、最も私は理屈にかなったものであるというふうに胸を張りたいと思います。  以上の点について明確なお答えをちょうだいしたいと思います。  次に、いま私どもの台所に大きく迫りつつある問題に、海洋法問題、二百海里問題がございます。  サケ、タラ、カレイ、タコ、エビなど、私どもの食卓になじみの深い魚が、このままではだんだん食べられなくなりそうであります。また、アメリカやソ連などの二百海里水域まで魚をとりに出かけている漁船員の方たちは十五万人にも上っております。こういった方々にとっては失業の危険が迫っています。これは何も好んで招いたことではなく、個々人で解決できる問題でもありません。政府の責任で解決しなければならない問題です。これまで捨てていた魚を活用するとか、沿岸漁業を立て直すとか、具体的な失業対策をとるとか、やはり総合的な対策が急務と考えますけれど、政府としてはどんな具体案をお進めになるのか、この際差し迫った問題として、また将来の問題として、具体的にお示しをいただきたいと思います。  次は、地震の予知について伺います。  過日、駿河湾で地震予知のための海中爆破実験が学者グループによって計画をされましたが、地元関係者との話し合いがつかずに実験が中止となりMAした。実は地元関係者も地震予知については大きな関心を持って心配をされていたんでありますが、資源が被害を受けることへの補償がなされないのではないかなどがその中止の原因であったようであります。このことに象徴されますのは、本当ならば政治、行政というものが学者と地元の方たちとの間に入って調整役を務めるとか、その間の下ごしらえをするというような、本当だったらばそういうことを行政がやらなきゃいけないんでありますけれど、行政の無関心さ、怠慢さということに象徴されると思います。地震予知の研究は、学者によって、専門機関によって精力的に行われています。問題は、これらをどう行政に集約するかであります。地震による災害を最小限度に食いとめるためにも、地震予知は、東京あるいは駿河湾沿岸、東海地方の方たちの関心の的でありましよう。  そこでお伺いをいたします。各種の学者や専門機関がそれぞれに行っている研究活動をどう国家の責任体制の中に組み込むか。つまり、科学と政治というものをどこでどうドッキングをさせるか、受け入れ体制を、受けざらをどうやってつくっていくかということが、いま一番必要だと思います。いま私がしゃべっているこの時点で、ちょっと数字を申し上げると、東京二十三区、車が二百六十万台いて、大体ガソリンを満載して走っているのが八〇万台から百万台だそうであります。新幹線ですと、ちょうどこの時間、東京-名古屋を三十五本が二百キロの猛スピードで走っています。だから、予知というものが可能ならば、予知という方向で予算の裏づけをし、その責任体制をつくらなければいけないところに来ているという、これが私どもの判断であります。東京でも防災拠点づくりのための施策が行われておりますが、はかばかしくいっていない。いろんな原因がありますけれど、ここでは省きます。要するに、地震が起こった後の対策も必要でありますけれど、予知が可能ならば、そのことのために金を使い、政治の責任体制を整える時期に来ていることを強調したいわけであります。  最後に、参議院地方区の定数是正についてお尋ねをいたします。  この問題は、すでに最近の最高裁の判決、そうして去る五十年の六月の二十七日に、本参議院において、河野議長立ち会いのもとに各党議員会長の申し合わせで次のような申し合わせ、約束が取り交わされている問題であります。それは、「人口の動態の著しい変化にもとずきこれを是正する要あることを認め、次期参議院通常選挙を目途として実施するよう取り計らう。」、こういうものであります。これは自民党の安井議員会長も申し合わせをされ、お約束をされております。約束を守る福田総理のことでございますから、必ずこれは実行をされると信じております。推進方、そして一票の格差をなくす意味からも、ぜひ実行をされたいと思います。  質問を終わるに当たりまして一言申し上げます。  福田総理、あなたはしきりに日本丸、日本丸というふうにおっしゃいます。さしずめ――これは私の個人的見解です。船長は、総理のあなただと思います。船に乗り込む方々は、ここに居並ぶ閣僚の皆さんだと思います。でも、これだけでは日本丸は運航されません。やっぱり野党もとの日本丸に乗り組まなければだめであります。それをあなたは、野党は乗り込まないで陸地にいればいい、こう言いたげなところが、どうもこの数日の代表質問を拝見していて、ちらちらのぞいているわけであります。これは、野党を通じて政治に望む国民の声を切り捨てることにもなるわけであります。伯仲時代の政治、言いかえれば野党の乗り組まない日本丸は沈没することを肝に銘じて政治の局に当たっていただきたい。このことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。具体的にお答えをいただきたいと思います。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  27. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まず、与野党伯仲下の国会運営はどういうふうに考えるかというお話でございまするが、これはもう申し上げるまでもない。協調と連帯、この一筋でやっていきたいと、かように存ずるものであります。私は、協調と連帯ということは、これはひとり国会だけのこととして言っているのじゃないんです。これはもう前々から、この世の中があんまりエゴになり過ぎたと、そうじゃないと、お互いに助け合わなきゃならぬ、助け合いの中からお互いがお互いに成長していくんだと、この連帯と協調の精神、これは私は、社会のあらゆる部分における行動原理でなけりゃならぬと、こういうことを前から言っている。しかし、国会運営という、そういう側面となりますると、これはもうその私の考え方の是非は別といたしまして、与野党伯仲でございまするから、好むと好まざるとにかかわらず、協調と連帯でいかなければならぬというふうに思うのであります。  ただ、協調と連帯と申しますが、それは野党の皆さんのおっしゃることを与党がそのまま聞くことが協調と連帯じゃないと思います。野党の言うこと、これは与党も十分聞いて、そしてそしゃくし、吟味しなければならないと、こういうふうに考えまするけれども、やっぱり国会全体が国政に責任を持つわけでありまするから、野党の皆さんにおかれましても、与党の主張というものを十分理解し、評価すべきものは評価し、そうして採用してもらいたいと、こういうふうに思うのでありまして、私が連帯ということを言っているのは、その意味であります。  私は、そういう行動原理、つまり連帯と協調というもとに国政全体の運営に当たっていきたいと、こういうふうに考えておりますが、そういう中で、初めて、これから日本の行く先が、道が狭い、また厳しい、そういう中での日本丸の運営というものができていくんじゃないか、そういうふうに思うんです。この日本丸に乗り組んでいる人、これはいまお触れになりましたけれども、与党だけが乗り組んでいるんじゃないんです。これは一億一千万人全体が乗組員であります。一億一千万人がこの船に乗っているんだと、運命は共同だという考え方でこの難局の打開に当たって初めて私は平和国家建設という彼岸に到達し得るのじゃないか、そういうふうに思います。  私は、いま政治理念、目標は何だというふうに掲げましたが、そういう理念のもとに、この狭い、厳しい道を乗り切って、そして世界において、さすがは日本人だと、さすがは日本の国だといって尊敬されるような日本国を形成することだと、こう申し上げさしていただきたいのであります。そういう考え方のもとで、当面する諸問題を一つ一つ処理していきたい。  私は、そう申し上げますのは、そうは申しましても、私どもの歩む道は長いです。そして、長い道のりの中にはいろいろ環境の変化も出てくる。そういう中で、その環境の変化に応じながら、しかし、基本的には協調と連帯、そして世界に誇り得る日本国の建設、これをにらみながらの運営だということになりますが、さて、当面のことを考えてみますると、私は、これはもう内外ともに、この年は経済の年であると、こういうふうに思うのです。  なぜそう思うのかと、こう申しますと、わが日本の経済を考えてみましても、これはまあまあ世界の中でまず先端を切って安定化の方向に動いている日本の経済とは思いまするけれども、当面、景気停滞現象が見られる。この現象が続くということになると、日本社会における活力、これが失われる、そのことを憂うるのであります。  同時に、しかしもっと大事なことがある。これは何だと言いますると、世界の動きなんです。世界の動きを見ないと、わが日本国の動きということを論ずることはできません。これはもう一体不可分のものとして考えなければなりませんけれども、その世界の動きが、これはデタント、デタントといって、緊張緩和、つまり政治的な努力が非常にされておって、また、その成果も上げておる。しかし、いかに政治的にデタントヘの努力が尽くされましても、経済が混乱するということになりますると、またそれが政治的な混乱に発展をする。これは歴史が非常に雄弁にそれを物語っておるんじゃないかと思うのです。  第二次世界大戦争、あれはどうして起きたんだ。これはもう世界各国が経済困窮からその国を守るというためのブロック体制をとった。そこからあの戦争の悲劇へ発展したと、こう私は見ておりますが、多くの人がそう見ておりますが、いま世界の情勢というものは、あのときによく似てきておる。つまり、資源有限時代、資源をめぐりましていろんな不安が出てくる。そして特に国際収支における不安というもので多くの国が苦しんでおるわけです。それから抜け出ようとすると、ややもすると保護貿易主義というか、封鎖、閉鎖経済といいますか、そういう方向に走りがちだ。そういうことになりますと、世界が総沈みになっちゃうんです。これを脱出する道はどうかというと、私は、核兵器が開発された今日において、これは核戦争、つまり第三次世界大戦争ということは考えられないと思いまするけれども、それだけに資源戦争的な様相を帯びてくる、経済戦争的様相の世界になってくるだろう、そういうことを心配するのであります。そのためには、世界の政治家たちが再び閉鎖経済、封鎖経済、保護貿易体制にこれを後戻りさしてはならない。いかに苦しくとも、問題があったらそれは話し合いで解決する。保護体制への後戻りは許さぬという決意をしなけりゃならぬと、こういうふうに思うのでありますが、そういうためには、どうしても私は世界の指導的立場にある国々の首脳がその決意を確認し合うという必要があると、こういうふうに思うのです。そういうことで、私は世界首脳会談というものを提唱しておりますが、まあそういう世界的局面もまた経済の年になってきておる。私は、世界の指導者たちも大方そういう考え方だろうと、こういうふうに思いますが、内外ともに経済の年であるということは、さような意味に基づくものであります。  まあしからば、協調と連帯と言うが、福田さん、あんたはそれを実行する、抵抗なく受け入れられていただくには前提として公開と参加と責任というものが必要じゃないかという御説でございますが、私はそれはもっともな話だと思います。やっぱり協調、連帯を願うためには、問題を公開し、なるべくこれを判断する知識を持っていただかなきゃならぬ。同時に、この問題に対する参加、こういうことも大事になってくるだろうと、こういうふうに思うのです。同時に、連帯ということはまあ責任の分かち合いということを意味しておるわけで、当然そういうことでありますが、その点につきましては、私は木島さんと考え方が同じであります。  そういう認識のもとにこれから中・長期にわたっての経済のかじの取り方をどうするかと、こういう問題でありまするが、私は、この狭い、しかも厳しい環境での日本経済の運営というもの、これは単なる自由放任経済であってはできないと思うのです。やっぱり私は、これはある程度の経済に計画性を持たせなけりゃならぬだろうと、こういうふうに思います。しかし、これを法的にまで発展させるという民社党のお考え、それとはちょっと私は違うんでございますがね。しかし、いやしくも経済を安定的に、しかもあんまり高く伸びさしてもいかぬ、また、これを余り低く落ち込ましてもいかぬ、そういうかじ取りをするために、どうしてもその需要管理政策、これが必要だと、こういうふうに考えておるのであります。民社党の、いろいろそういう側面から検討されておる諸問題につきましては、私は常々関心と敬意を払っておるわけでございまするけれども、なおそういう考え方を発展さしていきたいと、かように考えております。  なお、これに関連いたしまして、木島さんから、現在の経済計画を踏襲するのか、つまり五十年代前期五ヵ年計画のことだと思いまするけれども、これを踏襲するのかというお話でございます。私は、組閣直後、この計画を見直してみました。しかし、大体あの計画は、まああの線で実行していったらよかろうという経済審議会の意見でもありまするし、私もそういうふうに思います。あの線に従ってこれからの経済を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。  それに関連いたしまして、木島さんから独占禁止法を改正せよというお話、これはごもっともなことだと存じます。ただ、この独占禁止法、私はいま、今日のように宙ぶらりんでこれが置かれている状態はよくない、早くこれは決着、結論をつけなけりゃならぬと、こういうふうに考えておるんですが、それには、これはもう国会の皆さん多数の人の御理解と御協力を得なけりゃできないんです。私は党首会談におきまして野党の皆さんの御意見を承りましたけれども、これはいわゆる五党修正案でやっていけと、こういうようなお話でございます。しかし、この問題は与党の理解も得なけりゃやっていけない問題であります。で、いま与党との間に意見の調整を進めておる、こういう状態でございます。  寡占価格規制法を設定すべしというお話でございますが、これは両面の効果があると思うのです。いまこの寡占価格問題、これはまあ重要な問題でございまするけれども、これを法律をもって規制する――まあ独占禁止法である程度のことはできまするけれども、法律をもって規制するということになりますと、さあ、その法律をいかなる法律にするか、なかなかむずかしい問題でありますので、慎重に検討さしていただきます。  それから、御指摘の中小企業の事業分野調整法、これにつきましては御指摘のとおりでありまして、鋭意ただいま法案の検討を進めております。  なお、経済運営に関連いたしまして、政府の行政改革への努力が足りないんじゃないか、冗費節減への努力が不足しておるという御指摘でございます。私は、この問題は非常に実は重視しておるんです。もう資源有限と、こういうようなときに、これは政府も地方公共団体も、企業も家庭も、みんなその対応の構えを変えなけりゃならぬ。そういうときに、まず政府の行政に対する、あるいは財政に対する構えというもの、これは非常に大事である。そこで、私もそのことは本当に頭の真ん中にあることなんでございまするけれども、ただ、とにかく私も組閣いたしまして四十日、このむずかしい問題についてどういうふうにするかという、まだ具体的な構想は得られないんです。しかし、思いはそこに至っておる。この思いに立ちまして、この八月ごろまでに成案を得て、そうして国民に評価されるような行財政の改革をやってみたいと、かように考えておる次第でございます。  それに関連いたしまして、行政監理委員会の勧告、提言に対し政府は怠慢じゃなかったかと、こういうお話でございますが、このいろんな提言、提案に対しましては、政府といたしまして従来かなりの努力をしてきておるんです。しかし、まだこの提言の重要なる部分が実行されない、こういう問題もありますが、まあ東北開発株式会社の問題なんか提起されましたけれども、いずれにいたしましても、行政各般にわたりまして再点検をいたし、夏ごろまでには成案を得て、そうして法律を要するという問題につきましては、これはもう五十三年度の通常国会において御論議願う、法律を要しないというようなものにつきましては直ちにこれを実行する、かようにいたしたい、こういうふうに存じております。そうして、この行政改革という問題は、これは非常に実現のむずかしい問題です。提案はできましても、これを実行するという段階になりますと、各方面からの抵抗がある。私は、そういうむずかしい問題でありますので、いま木島さんから御提案がありましたけれども、国会がこの作業に参加してくれるという御意思でありますれば、その参加と協力を力強く心から期待し、お願いをする、こういう立場を表明いたします。  それから、そういうような行政改革ができれば、ことし三千億やれ、できるじゃないかという――どういう根拠でその三千億ということを言っておられるか、私もつぶさには承知いたしませんけれども、この冗費という点につきましては、五十二年度の予算におきましては相当の削減をいたしておるわけなんです。その上、機構の改正、そういうものを伴わないでどうやって三千億の金がしぼり出されるのか、私もちょっと見当がつきませんけれども、いずれにいたしましても、一兆円減税、これを賄うに足るそういう大きな金は出てこない。  税制改正のこともおっしゃいまするけれども、税制改正、これにつきましても当面やれることはあらゆる努力をしてやってきたわけでございます。しかし、この税制について申し上げておることは、これはそういう財源のこともありまするけれども、問題は、一体今日のこの社会環境の中で、減税をします、余裕ができますからそれだけひとつ大いにお使いください、いま日本の経済が困っております、不況です、どうかこの不況を皆さんの消費刺激によって救ってくださいという、そういう行き方に対して私は反対しているんです。いま、これからずっと先々を考えますれば、そんな消費してください――私は施政方針演説で申し上げましたが、つくりましょう、使いましょう、捨てましょうという、そういう世の中から抜け出なけりゃわれわれはやっていけないんです。そういう際に、さあ減税です、さあ余裕ができた、ひとつお使いください、これは私は、本当に考え方として矛盾する考え方になってくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、同時に、いま大変な国債を出さなければならぬ。これは大変な、驚くべき額の国債が出ているわけでありますが、それがいま完全に消化されようとしておるので問題ありませんけれども、これが消化されるということは何だというと、国民がその生活の中から何がしかを出して国債を買ってくれるということなんです。直接買わぬでも、銀行に預金をしてくださってもいい。とにかく収入の中から一部を割いて、その公債の消化に協力してくださるということでこの消化ができるんです。その消化をお願いしますという立場の政府が、さあ消化は要りませんということを思わせるような、消費を刺激するということができますか、これは。私は、そういうことはできないと思うのです。理論的に矛盾した考え方だと、こういうふうに思うわけでございます。まあいろいろ御提言のかどかどにつきましては貴重な材料として私も使わしていただきまするけれども、減税問題に対する考え方につきましては私は承服できません。  それから地震予知につきまして、これを政治と科学技術を結びつけて、そして強力にやれと、こういう御指摘でございますが、地震問題というのは、私はこれは本当に真剣に考えなけりゃならぬ問題だと思うのです。しかも、災害が起こって幾ら対策をしたって、その万全の対策ができるはずがない。やっぱり予知ということができるならば、これに最大の努力をすべきであると、こういうふうに考えます。御指摘の点でありまするけれども、いま政府におきましては地震予知推進本部というものをつくっておりますので、その機構等を通じまして、御趣旨のような方向を強力に推し進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。  なお、参議院の地方区の定員の是正を早くやれと、こういうお話があります。私は、先ほどもこの場から申し上げたんですが、いまロッキード事件、この問題に当面しているわけでありまするけれども、この問題の徹底解明、これは必要です。これはもうやってのけます。しかし、それよりもなお重要なことは、あの種の腐敗事件というものが次々と起こらないための措置ということを考えなけりゃならぬ。その上におきまして最大の問題は、これはやっぱり金のかかる政治、これに対してメスを入れなけりゃならぬ。なぜ金がかかるかというと、いろんな意味においてかかりまするけれども、最も大きな原因は選挙制度なんです。選挙制度につきましては、これは定数の問題もあります。あるいは政治資金の問題もあります。あるいは政党法の改正が必要だというような議論をする人もありまするけれども、全部ひっくるめまして与野党の間において協議し、そして結論を出していくべき問題である、こういうふうに考えるわけであります。そういう協議の中から結論の出たものを逐次実施するというふうにいたしていったらよかろうじゃないか、そういうふうに思います。何とぞ各党間において速やかに十分に御協議せられることを希望いたします。(拍手)    〔国務大臣坊秀男君登壇拍手〕
  28. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) 私に対する御質問は、一兆の減税をどうするか、こういうことだと受けとめさしていただいております。この問題につきましては、総理がしばしば御言明になり、私もまたお答え申しておりますが、ぜひ皆さん方の御理解に資するために、原案を作成いたしました財政当局といたしましての意見を申し述べさしていただきます。  景気回復、国民生活の観点からいたしまして一兆円以上の減税を実施せよとの御意見につきましては、現在の厳しい財政事情のもとで大幅減税を行うとすれば、その財源はしょせんは特例公債に求めなければならない。このことは、現在の国民が将来の国民の負担において利益を得るということでございまして、まさにこれは児孫のために負担を残す、こういうことに相なりますので、そのようなことは安易に行わるべきことではないと考えます。また、わが国の税負担は主要諸外国のそれに比べまして低い水準にあることは、皆様すでに御案内のことだと思います。たとえば、国民所得比米国が三〇%、わが日本は二一%というような状態でございます。今後、福祉その他の公共サービスの確保を図るためにも、ある程度の税負担というものが避けられないということでございますが、このような状況のもとで今日大幅な減税を行うということは、将来における問題の解決を非常に困難ならしめるということでございます。さらに、景気回復を図るためということであるならば、その政策的効果及び財政の弾力的運用の観点から、公共事業に重点を置くということが一番これは妥当であるというふうに考えたような次第でございます。  以上のような理由から、この際大幅減税を実施するという御意見には賛成いたしかねる次第でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
  29. 渡辺美智雄

    ○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えを申し上げます。  社会保障は経済の変動によって後退してはいかぬということでございますが、これは、先ほど申し上げましたように、社会保障は重要な新内閣の目玉でございますから、後退はいたしておりません。  それから年金制度につきましては、給付内容等についてかなりみんな格差がある、だから年金ナショナルミニマムを確立をして、そして格差の是正等を図っていけ、こういうふうなお話でございますが、あるべき姿といたしましては、そういう方向が望ましいと思います。思いますが、御承知のとおり、この年金にはそれぞれ長い歴史がみんなございまして、したがって、開始の時期も違いますし、給付水準も違うし、費用負担等いろいろ不権衡がたくさんあります。しかし、これは一遍になかなかすぐ解消できるというほど簡単なものではございません。ございませんが、御指摘のようなことも重要なことでありますので、厚生省といたしましては、大臣の諮問機関として年金制度基本構想懇談会というものを設置をいたしております。それでいろいろといま検討しております。特に老齢化というものが急速に進むというような中で、また負担の問題等もこれあり、いろいろな問題がございますから、総合的にそれらは検討したいということで、鋭意検討しておるところでございます。  以上です。(拍手)    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
  30. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 木島先生の国際海峡の問題につきましてお答え申し上げます。  木島先生のおっしゃったことは、領海、国際海峡、これを三海里にしておくのはおかしいではないか、こういう珍妙なことはないというふうにおっしゃったわけであります。しかし、現在国際海洋法会議におきましてこの国際海峡の通過の問題が問題になっているわけでありまして、わが国といたしましては、海洋国家として、より自由な通航を主張しているわけでございます。そういう意味で、今日一律に十二海里の領海にしてしまって、そして、まだ決まってないところの、より自由な通航制度というものを日本だけで勝手につくるというのは大変むずかしいと、こういう考えから、領海は三海里にとどめておいた方がよりわかりいいと、こういう趣旨で、いわゆる国際海峡という部分は現状どおりとどめてあると、こういうふうに御承知願いたいわけであります。  国際海峡の線引きはどうするかというお尋ねでありますけれども、これは、仮に国際海峡というものを決めるときにも、これはどうしても、どの地域からを国際海峡とするかという問題がありまして、これは線引きが不可能なことはないわけでございますから、これは技術的に解決できると、このように御承知願いたいと思います。(拍手)    〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
  31. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 二百海里時代に対してどう対応していくのかと、こういう御質問でございました。アメリカの漁業保存管理法の制定、ソ連の二百海里宣言、EC等のそういう動向等にかんがみまして、二百海里時代が現実に到来をしたわけでございます。わが国としては、海外の漁場で漁獲をして、今日まで四百五十万トン以上の実績を持っておるわけでありますが、この二百海里時代に対応いたしましては、この実績を、今日までの歴史的な実績を確保するということを基本といたしまして、二国間交渉あるいは多国間の交渉を精力的にいま進めております。何としてでもこの実績は確保いたしたいということで努力をいたしておるところでございます。しかし、業種によりましては、その実績を十分認めさすということが困難な場合も予想されるわけでございまして、そういう際におきましては減船等が問題になってくるわけでございます。そういう際におきましては、政府としてもできるだけの援助措置を講ずる考えでございますし、また、乗組員の失業問題、雇用問題が起こってまいりますわけでございますが、その点につきましては漁業の再建整備特別措置法というのもございます。職業のあっせんでありますとか、あるいは職業訓練でありますとか、あるいは職業転換に当たりましての給付金の交付等がございます。あらゆる角度から、乗組員の方々のそういう事態に対しましては、政府としてはあとう限りのことをやってまいる考えでございます。  なお、たん白食糧の確保の問題につきましては、日本沿岸の漁場の開発整備を図り、資源をふやし、また、栽培漁業等を盛んにいたしまして、そうして国民のたん白食糧の確保に最大限の努力を試みてまいりたいと、こう考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  32. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 川村清一君。    〔川村清一君登壇、拍手〕
  33. 川村清一

    ○川村清一君 私は、日本社会党を代表して、福田総理大臣の施政方針演説に関連して、漁業、教育、地方財政等の国民生活上緊急の問題について、総理初め関係大臣に質問し、所信をお伺いいたします。  まず最初に、わが国漁業をめぐる領海十二海里、経済水域二百海里の問題について質問をいたします。  第一に、領海十二海里を問題にいたします。  社会党は、沿岸漁民の命と暮らしを守り、漁民の利益を確保するために、領海十二海里を設定すべきであると、ここ十年間主張し続けてきました。私自身もこの壇上から、党を代表して、二度もこのことを政府に要求してきました。  昭和四十六年五月十九日、本院本会議において、当時の佐藤総理大臣は、三海里説を従来からとっている日本の領海説は当然改めるべきであろうと考えて外務当局にいろいろ検討を命じていると答弁し、これを受けて愛知揆一外務大臣は、大体領海六海里、専管水域六海里、合わせて十二海里という説を政府としてとることが適当ではなかろうかと考えていると、相当具体的に答えたのであります。その後、ソ連漁船団による被害件数が激増し、沿岸漁民からの突き上げが強くなるにつれて、歴代の農林大臣は、領海十二海里早期設定を約束しながらも無為に今日まで時を過ごし、四十六年から今日までに、件数にして千七百六十五件、金額にして五億八千万円に及ぶ被害を与え、さらに、危険を避けて休漁を余儀なくされた損失を加えるならば膨大な損害であり、これはすべて自民党政府の誠意のない怠慢によって生じたものであり、この責任はきわめて重大であります。この指摘を福田総理大臣はどう受けとめますか、総理の御見解を伺います。  次に、一九七五年に締結された日ソ漁業操業協定に基づいて、損害賠償請求処理委員会が設置されましたが、何ら機能を発揮していないのが実態であります。昭和五十一年十二月末現在、東京委員会に七百九件の申請が提出され、賠償請求額は約五億七千万円に及んでおりますが、そのうち九件が東京委員会で審議され、うち二件がモスクワ委員会に送付されただけであります。解決決済件数は全くゼロであります。このような状態で被害漁民は果たして損害賠償を期待できるのかどうか。もし実現が困難であれば、当然の措置として政府がかわって弁済すべきであります。政府の責任ある答弁を要求します。  次に、領海十二海里を設定するについて、津軽海峡等のいわゆる国際海峡については、非核三原則との関連で領海三海里に凍結するとの政府決定がなされたが、いかなる理由があるにせよ、自国の主権の及ぶ範囲をみずからの手で限定、縮小する国がどこにありますか。余りにもその主体性のなささに唖然とするものであります。非核三原則はわが国の国是であり、これを厳守するのは政府の責任であります。核保有国、特に米ソ両国に対して理解と尊重を求める強力な外交努力を行わずして、領海十二海里と取引するがごとき政府の態度は許すことができません。新海洋法の制定までの暫定措置として、商船等の通過、通航権は認めるとしても、核積載艦艇の通航は認めるべきではありません。総理の御見解を求めます。  次に、領海十二海里の設定については、必然的に北方領土、竹島、尖閣列島等の領土問題が不可欠の問題として関連してきますが、この問題について政府はどのような方針で対処されようとしているのか、政府の御見解をお尋ねいたします。  第二に、経済水域二百海里設定に関してわが党の考え方を述べて、政府の見解を求めます。  わが党は、第三次海洋法会議における開発途上国による二百海里経済水域設定の主張は、これまで先進国によって支配されてきた発展途上国による資源ナショナリズムであり、復権の要求であって、歴史的に回避できないものと理解しております。また、今次海洋法会議でまとまらなければ、沿岸国による権利の乱用を防止する国際法がないまま、世界の海は無秩序の状態となって混乱し、混乱状態によって受けるであろうわが国遠洋漁業の損失ははかり知れないものがあると判断し、秩序はないよりもあった方がよいとの立場から、一九七三年のニューヨーク会議以後、一貫して海洋法会議がまとまる方向で努力すべきであることを主張してきました。  さらに、わが党は政府当局に対し、予想され得る二百海里経済水域体制の時代において、わが国遠洋漁業に及ぶ影響を最小限に食いとめ、遠洋漁業の適正規模を維持していくために、外国経済水域内における漁場を確保するための強力な漁業外交を展開すべきであると主張し、現在に至っております。さらに国内対策として、遠洋漁業部門の公社化の検討、沿岸漁場の開発整備など、従来の遠洋漁業に偏重してきたわが国漁業構造の転換など、国内体制の整備を要求してきましたが、政府は何らの具体的対策を講ずることなく今日に至っていることは、まことに遺憾であります。特に強調しておきたいことは、今日まで政府と同一歩調で海洋法会議に臨んでいたはずのアメリカが、会議の結論を待つことなく、一方的に漁業専管水域法を制定し、本年三月一日より施行ぜんとしております。加えて、ソ連もアメリカへの対抗上の措置として二百海里経済水域を宣言いたしました。これはまさに外交上の大失態と言わざるを得ません。昨年一年間、ロッキード問題から自民党内部の権力抗争に明け暮れ、外交不在がもたらした結果であり、自民党政府の責任は重大であります。これに対する福田総理大臣の御見解を伺います。  第二に、これら海域におけるわが国遠洋漁業の比重は、アメリカ二百海里以内百六十万トン、ソ連二百海里以内百八十万トンと、きわめて高いのであります。政府は、今後の日米あるいは日ソ漁業交渉にどのような態度で臨む決意か、さらに本年五月再開される海洋法会議第六会期にはいかなる姿勢で臨むのか、その方針を明らかにしていただきたいのであります。  第三に、今後の経済水域体制下においてますます重要となってくる沿岸、沖合い漁業対策はいかにするのか。公害による海洋汚染は拡大され、漁場の荒廃と資源の悪化は著しいのであります。遠洋で減った生産量を沿岸、沖合いで最大限増産する施策が必要であります。具体的にその対策を示していただきたいのであります。  第四に、わが国漁業におけるこのような危機的状況は、単に漁民、漁業労働者の生活の問題であるばかりでなく、関連産業、特に中小零細な水産加工業者に波及し、さらに貴重な動物性たん白食糧の大半を魚介類で摂取する国民の食糧問題として、食糧の自給を確保する観点からもきわめて重大であり、国の政治が他の案件に優先しても解決しなければならない問題でありますが、総理の御見解を伺います。  第五に、経済水域二百海里の実施によって、やむを得ず減船の対象になるものが出てくることが予想されますが、この場合、これらについては国の責任で減船補償措置を講ずべきであると思いますが、この点についての政府の見解を示していただきたいと存じます。  次に、教育の問題について質問いたします。  今日、日本の教育には問題が山積し、現状に満足し、肯定しているものはほとんどいないと言っても言い過ぎではないと思います。しかも、問題の根本原因はほぼ明らかであり、基本的認識では国民的合意が得られつつあると思われます。すなわち、わが国の学歴社会的傾向と、それに拍車をかける高等学校、大学のすさまじいばかりの学校間格差。また、義務制の小中学校にあっては、指導要領の法的拘束性による教育内容の国家統制と、それに伴う改訂ごとに増加される膨大な量の知識の押しつけが原因であります。  いま、わが国の青年、子供たちは、果てしない受験競争の激化にその貴重な青春をすり減らしております。受験競争は、大学から高校、中学、現在では小学生から幼稚園児までも巻き込んでおり、結果的には子供や青年の学習意欲の減退となり、冷たい競争主義が横行して、人間的連帯感が欠落し、教育環境の荒廃と相まって、青少年の非行は増加し、学校教育そのものさえ崩壊しようとしています。これらは今日の教育問題のすべてではありませんが、最も根幹にかかわるものであり、一日も早く解決の糸口を見出して、国民的合意のもとに努力されなければならない課題であります。  以上を前提として、以下質問をいたしますが、まず第一に、今日、文部省は、学歴偏重是正に対する手段として、入社試験の指定校制度の全廃を企業側に呼びかけ、労働省との間に連絡会議を設置する方針を明らかにしております。これ自体はぜひ実現したいことでありますが、学歴偏重の最も激しいのは中央官庁自身であることは周知の事実であります。みずからが姿勢を正さずして他に及ぼそうということでは、目的達成は困難であります。まず政府の姿勢が大事でありますが、これに対する福田総理の御見解をお尋ねいたします。  次に、指定校制度なるものが横行するのは、もちろん入社試験における企業側の安易な御都合主義が内在するかもしれませんが、基本的には、今日の教育における能力主義に起因すると考えてよいのではないでしょうか。子供を成績と能力に応じて分類し、上下の序列をつけ、進学する子供と進学しなくてもよい子供に分け、さらに一流校から何流校まで格差をつけ、選別していくことが現実の教育の中に存在する限り、政府の政策が意図するしないは別として、現に学校間格差を拡大させる限り、指定校制度そのもののみを問題にされても学歴偏重是正は不可能と言わざるを得ません。つまり、学歴偏重是正を教育制度から実現していくためにも、あるいは行政の側から実現していくとしても、最も可能な方法は、学校間格差の是正であることを深く考えなければなりません。  その方法として、一つには、国公立大学、私学をも含めて抜本的に改革案を制度的に詰めていく、その努力を国民的規模で行うことであります。しかし、これを直ちに実現させることは困難でありますが、学校間格差是正を目標として、政府が推進役、産婆役となって、国民各層の意見を謙虚に受け入れる体制をつくり出すことは、すぐにでも可能なことであります。  二つには、施設、設備、あるいは研究費等に関する内容であります。今日の文部省国立学校関係予算では、その三〇・五%までが旧帝国大学によって占められており、このような状況では学歴偏重是正は思いも及ばないことであります。私学も含めて、格差を施設、設備から埋めていく、これが教育政策の柱として明確に国民にわかるようにしていく、予算的に明らかにしていく、これは政府の決意一つで直ちに実行ができることであります。  また、学校間格差是正で最も緊急を要するものは高等学校であります。今日、高等学校の進学率は九〇%を超している状態で、現象的にはすでに義務教育的状況になっています。しかも、最も人間の成長にとって重要な時期の青少年たちが高等学校の数だけ格差がつくと言われるような中で、受験競争に追われ、膨大な量の知識の棒暗記を強いられています。現在、進学率が九〇%を超えた現実を踏まえて、いまや高校の義務化を展望する時期になったと考えてよいのではないでしょうか。そして、今日の状況に見合う新しい高校のあり方について、国民的合意を取りつける時期になったと考えます。  以上、私は、国公立大学、私学、高校を含めて、学校間格差是正を展望する教育政策のあり方、高校義務制への展望についてお尋ねしましたので、政府の御見解をお伺いいたします。  最後に、昨年十二月、文部省の教育課程審議会の答申がなされました。その内容については、評価のできる改善部分と改悪部分がありますが、それはさておいて、改善部分についても、果たして実効あるものとすることができるかどうか、心配せざるを得ません。生き生きした楽しい学校を実現するためには、教職員の自発的、創造的な教育活動が確実に保障されなくてはなりません。教職員の横の連帯を重視し、創造的な教育実践が実現してこそ、教育内容の量の削減を学校生活の充実につなげることができます。今日問題になっている任命制主任の制度化は、真理が最も尊重され、したがって命令行為が最もなじまない教育の営みにおいては、教育の破壊にこそつながれ、その民主的発展には何ら寄与するものではありません。教育課程の改善実施に当たっては、まず、文部省と教育関係者、とりわけ教職員の圧倒的多数を組織している日本教職員組合との十分な話し合い、理解と納得が重要なことであります。そのためには、政府みずからが、まず対立する部分については保留し、理解と協力を得られるよう具体的に努力すべきであります。福田内閣の言う協調と連帯は、教育の場こそその発現が最も重要な場であります。主任問題については、総理は英断をもって保留し、教育課程の改善に向けて教育関係者が一致協力できる条件をつくるために努力されたいことを強く要望して、総理の積極的、前向きの答弁を期待します。  次に、地方財政の問題について質問をいたします。  昭和二十二年の地方自治法制定以来、わが国地方自治は三十年目を迎えることになりました。これを契機に、三分の一世紀にわたる戦後の地方自治の歩みと現状を直視し、その成果と欠陥を今後の地方自治確立に向けて生かすことは、福田内閣に課せられた重要な課題だと考えます。特に、ここ数年顕著になっている構造的な財政の危機を一日も早く根本的に打開することは、インフレ下の不況から住民生活を守ることはもちろん、民主主義確立のためにもきわめて緊急な課題だと言わなければなりません。しかしながら、政府は、五十二年度地方財政対策でも明らかなように、地方財政危機をもたらした根本的原因、すなわち貧困な自主財源、膨大な超過負担の押しつけなど、地方自治軽視の態度を何ら改めることなく、逆に住民負担の増大と福祉抑制を中心に、借金財政の押しつけによって財政危機を乗り切ろうとしております。事実、政府の五十二年度地方財政対策は、地方交付税の大幅引き上げ、地方団体金融金庫の創設、地方超過負担の廃止など、住民や自治体関係者の切実な要求に全く背を向けているばかりでなく、逆に、地方財政総額を意図的に抑制するなど、不法、不当な対策に終始しているのであります。すなわち、政府は、五十二年度地方財政総額を二十八兆八千億円と定め、二兆七百億円に上る財源不足額については地方交付税率の引き上げによって措置することなく、一部後年度の政府負担とはいえ、借り入れを中心に一兆三百五十億円増額するとともに、地方債においても同額を増発するなど、借金政策によって穴埋めしているのであります。  そこで、まず第一にお尋ねしたいことは、五十二年度地方財政総額及び財源不足額の決定の根拠についてであります。昨年政府が明らかにした地方財政収支試算によれば、五十二年度地方財政総額は二十九兆一千五百億円、財源不足額は一兆九千二百億円とされているにもかかわらず、実際には、総額で三千五百億円抑制され、不足額では逆に一千五百億円増額されているのであります。この地方財政収支見通しの乖離に加えて、公共事業費の拡大による政府予算のもとでは、地方財政総額が一般会計を大幅に上回ることは過去の実績から明らかであるにもかかわらず、一般会計と大差なく決定されたことは、明らかに五十二年度地方財政対策が不当の意図のもとに決定されたと断ぜざるを得ないのであります。事実、政府の対策は、給与関係の伸び、生活関連財政需要を極力抑え、景気回復のための公共事業を優先させたものになっております。この際、地方財政総額及び財政不足額の積算根拠を明らかにするよう強く要求いたします。  次に、地方交付税の税率引き上げの問題についてお尋ねいたします。五十、五十一両年におけるそれぞれ一兆円をはるかに超す交付税の財源不足は、五十二年度を迎え何ら解消することなく、引き続き推移することが明らかになっております。地方交付税率の引き上げは、地方交付税法上はもとより、自治体の財政需要の実態からしても不可避の問題と言わねばなりません。にもかかわらず、政府は、交付税率の引き上げは暴論として退け、一兆三百五十億円の増額によって現状を糊塗しているのでありますが、これは明らかに地方交付税法第六条の三の二項に違反するものであります。国と地方は車の両輪と総理は強調されますが、それならば、当然の措置として政府は法律どおり地方交付税率を大幅に引き上げ、自治体の要求に正しくこたえるべきであります。これに対する総理の率直な見解をいただきたいと思います。  最後に、地方交付税や地方税収入の激減により増大の一途をたどる地方債は、五十年度において約二十兆円に上っており、これに五十、五十一両年度の減収補てん債及び財政対策債を中心とする地方債の大量発行分を加えると、いまや地方債残高は地方財政総額とほぼ匹敵するものとなっております。自主財源に乏しい地方財政の実態からすれば、このような膨大な地方債は、公債に依存する国の一般会計よりもきわめて過重かつ異常な状態と言わねばなりません。このような事態を放置するならば、今後の住民負担はきわめて過重となるばかりか、起債償還のための新たな地方債を発行せざるを得ない事態が予測されるのであります。このような地方財政運営に終止符を打つために、政府は、膨大な地方債の償還計画を含めて、地方財政健全化計画を明らかにすべきであります。政府の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  34. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まず、領海十二海里問題でありますが、政府はこの問題について今日まで無為無策、その責任をどうするかと、こういうような御詰問でございますが、この問題はなかなか判断のむずかしい問題なんです。つまり、わが国は海洋国家である。これは海洋の自由を主張しなければならぬ立場にあるのです。わが国が領海十二海里を主張する、採用するということになれば、他の国が十二海里を主張する、採用する、それに対して文句を言えない、そういう立場にもある。かたがた、わが国におきましては、沿岸漁業、これが相当多いわけでございまするから、その立場も考えなければならぬ。こういうようなことで、判断のむずかしい問題でありますが、海洋法会議の成り行きを見ることが妥当であるというので、情勢を見守ってきたわけでございますが、    〔議長退席、副議長着席〕 最近、海洋秩序についての国際社会の動きは急速に変わってきておる。それから沿岸漁民の切実な要望もある。そういうようなことを考慮いたしまして、今回十二海里を採用するという踏ん切りをいたしたわけであります。そういう踏ん切りをいたしましたが、しかし、それを全域に例外なくというわけにはいかない問題があるのです。これは国際海峡の問題でございます。この国際海峡、これを十二海里を適用する、よその船は通さぬ、あるいは無害通航しか認めぬというようなことになりますると、これはわが国がよその国際海峡を通過する場合に、同様の措置をされても文句の言えない立場に相なるわけであります。ことに、マラッカ海峡はわが国の生命線と言ってもいいくらいな地点でございますが、わが国が津軽海峡を領海化したという場合に、マラッカ海峡が関係国の領海化されたというようなことになると、これは非常にむずかしい問題が起こってくる。そういうことも考えなければなりませんし、また、そういうことを考えながら、そういうむずかしい問題が起こるであろうということを考えながら、いま海洋法会議が動いておるんです。海洋法会議の動きというのは、十二海里説をとらなきゃならぬだろう、しかし国際海峡につきましては例外としなきゃならぬだろうという方向になっておるわけでありまして、その動きも見た方がよかろう。こういう考え方で、いまとらんとする政策は、十二海里説は採用するけれども国際海峡につきましてはこれは当分の問いままでのようにして国際海洋法会議の成り行き待ちとする、こういうふうにまあ考えておるのでありまして、これは妥当な考え方であるというふうに考えております。  それから、十二海里を設定した場合に北方領土、竹島、尖閣列島、これはどういうふうになるのかというお話でございますが、これは大事な点でございます。この点につきましては、これはいずれもわが国の固有の領土でありますので、その固有の領土であるという前提に立って十二海里ということが設定される、さように御理解を願いたいのであります。  また、米ソで二百海里を設定し、あるいはそういう動きがあるが、この点に対応する構え、これが政府としては失態があったのではないかというような、これも御詰問でございまするけれども、先ほども申し上げましたように、わが国はどうしても海洋の自由、これを主張しなければならぬ立場であります。わが国が二百海里水域を設定するというようなことになれば、またよその国がそういうことをしても文句を言えない立場であります。そういうことで、わが国としては二百海里水域設定というものに非常に慎重な構えをしてきたわけでありまするが、ところが、世界各地域におきまして二百海里の動きが始まってくる、そうして米ソ二大国におきましてそういう動きになり、ことにアメリカはこれをもう法律で決めちゃうというようなことにもなってきたので、わが国としてはそういう新事態に対しまして新たなる対応をしなけりゃならぬ立場になってきておるわけであります。  対応の構えとは何ぞやと、こういうことは、一つは、相手国の設定する二百海里水域内においてわが国の漁船が操業しておった、その操業実績、漁獲実績、これを確保することである。また、相手国におきまして入漁料の設定をするというような動きがありますけれども、その入漁料をなくしてしまうか、あるいはなるべくこれを低額にするかというような問題があるわけでありまして、とにかく、いずれにいたしましても、二百海里水域というものが世界の大勢的動きになってきておりますので、それに対しましては、これはいわゆる漁業外交というか、海洋外交といいますか、そういう線も強く押し出していかなければならぬだろう、かように考えております。なお、そういうような動きでありまするから、沿岸漁民を保護するためのいろんな施策を同時に国内においても進めなければならぬと、かように考えておる次第でございます。  それから、日ソ漁業操業協定に基づきまして損害賠償請求処理委員会が設置されたのでありますが、その機能が少しも動いておらぬじゃないかというようなお尋ねでございますが、この委員会は、まあ発足当初の諸機構を整備するという必要もありましたし、また、この動き方が非常に問題なんです。損害が出てくる、その損害を初めてこの機関に申請をするというのです。その申請がどういうふうに裁かれるかということは、初めての申請であり、初めての裁きでありますので、これは後に前例として非常に大きな響きを持つわけであります。そういうことから、この新しい機構の動き出しがちょっとおくれておったことは事実でございます。しかし、やっとこの運営も軌道に乗ってまいりまして、円滑な処理ができると、さように期待をいたしておるわけであります。  次に、教育の問題についていろいろ触れられましたが、私からはっきり申し上げますけれども、学歴偏重、この是正のためには中央官庁においてはっきりした姿勢をとっておりまするし、今後もさらにその姿勢を強化してまいります。国家公務員試験におきましては、これはもう公開、平等、門戸完全開放でありまして、もちろん指定校制度なんというものはないわけであります。国家公務員の採用につきましても大体そういうような趣旨でやっておるわけでございます。また、民間の企業に対しましても、さようなことにつきまして政府としてお願いをいたしておる次第でございます。  それから、高校の義務制についての展望をお尋ねでございましたが、高校入学がもう九〇%を超える、こういう段階になってきますと、そのような展望問題が起こってくると思うのです。しかしまあ、いまのところの政府の方針といたしましては、高校入学の希望者に対しましてできるだけ機会を与える、こういうことに努力することがただいまの政府の姿勢であるべきである、なお情勢の推移を見て判断しなけりゃならぬ問題であると、かように考えます。  また、教育問題につきまして、文部当局と日本教職員組合との話し合い、これが協調と連帯の精神でいかなけりゃならぬ、こういうことの御主張は、まさに私は同感でございます。あらゆる問題につきまして――教育課程の問題はもちろんでありますが、あらゆる問題につきましてその精神で両方がやっていただきたいということを切に期待いたします。  それから、地方交付税率を今回変えない方針であるのは法律違反ではないかという御質問でございます。確かに、地方交付税法第六条の三第二項には、地方交付税の総額と地方財源の不足額との間に引き続き著しい差異あるときは地方行財政制度の改正を行うか、地方交付税率の変更を行うものとすると書いてある。それを理由といたしまして、川村さんは、この際地方交付税率が変更されないことは、これは法律違反である、こういう御議論のようでありまするが、地方交付税率変更一本でいけと、こういうふうには書いてないんです。地方行財政制度の改正も選択的に行うというふうに書いてあるわけでありまして、まさに政府といたしましては、地方交付税率の改正は行いませんけれども、今度所要の法律案を御審議をお願いいたしまして、交付税率引き上げにかわる完璧な税源対策をとることにいたしておりますので、これは法律違反ということにはならない、かように考えております。  また、地方債が膨大になってきて、その償還に不安があるというお話でございまするけれども、これは重大問題です。国におきましても赤字財政、これは早く何とかしなけりゃなりませんけれども、地方におきましても同様の問題があるわけであります。これはしかし、償還計画――年次別にどういう財源でどういうふうに返していくというところまでは、これはなかなかできないと思いまするけれども、長期の展望を持って、そうして不安のない財政運営をしなけりゃならぬ。そのためには、やっぱり毎年度の地方財政計画を適実に策定いたしまして、そうして所要の償還費を計上するということに遺憾なきを期してまいらなければならない、かように考えております。  関係大臣から残りの問題はお答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
  35. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。  二百海里時代を迎えて、川村さんから、たん白食糧の確保の面でどうなるのかと、また、漁船の減船等の余儀なき事態が発生した場合に、どうそれに対応するか、乗組員の離職問題をどう解決するのか、また、加工原料等が不足して加工業界に大きな影響があるのではないか、その対応はどうかと、まあ相当広範にわたって御質問があったわけでございます。  アメリカ、ソ連、カナダを初めとしまして、二百海里国内法の制定、二百海里宣言をいたしたわけでございますが、特に北太平洋の日本の漁業は海外漁業の中でも最も重要な海域でございまして、三百万トン程度の漁獲をこの海域でやっておりますから、これからの日米、日カ、日ソ漁業交渉、この成り行きによりましては、わが国の漁業に大きな影響があるわけでございます。私どもは、今日までのわが国の実績を確保するために、二国間交渉等を全力を挙げてこれに努力をしておるところでございます。そこで、どうしてもこれは実績が一〇〇%確保できない場合もあるわけでございますから、今後は、まだ開発をされていない海域の漁場の開発の問題、あるいは深海の魚族等を食用化する問題、そういう問題にも意欲的に取り組んでいきたいと、こう考えております。  また、もとより日本列島周辺の沿岸、沖合い漁業の振興を図る、そのために沿岸漁場の開発整備事業、育ててとる漁業、そういう面の振興に力を入れてまいる考えでございます。専門家の検討によりますと、日本列島周辺には二百メーターよりも浅い部分が三千万ヘクタールあるそうでございます。そのうち現在増殖、養殖等に利用されておる海域は百五万ヘクタールにすぎない。もし、今後その三分の一の一千万ヘクタールを積極的に開発利用する、資源をふやして沿岸漁業の振興を図るということになれば、優に一千万トンの漁獲の増産が可能である、こう言われておるわけであります。そういうこともございますので、私どもは、新しい海洋秩序に即応いたしまして、沿岸漁場開発整備事業等を積極的にやりまして対応していきたい、このように考えております。  なお、漁船の減船等を余儀なくされた場合にどうするかという問題でございますが、これは業種によっていろいろ対応の仕方が違ってくると思います。しかし、できるだけ政府としても援助の措置を講じてまいる所存でございますし、離職者、この雇用の問題につきましては、漁業再建整備特別措置法等によりまして、あるいは就職のあっせん、職業訓練の問題、あるいは転職に当たっての給付金の交付、いろいろ生活を守るためにあとう限りの努力をしてまいる考えでございます。  また、漁獲がどうしても減ってくる可能性が一時的にございますから、多獲性の魚族、イワシでありますとか、サバでありますとかいうような多獲性の魚族は、これをミールにするとか魚かすにするとかいうことでなしに、できるだけこれを付加価値を高めるように、加工、保蔵、流通の問題を改善をいたしまして、食糧の確保に万全を期する。なお、加工業を盛んにする、そういう方面にも力をいたしてまいりたい、このように考えております。(拍手)    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
  36. 鳩山威一郎

    ○国務大臣(鳩山威一郎君) 福田総理が詳細にお答えになりましたので、残りました五月に再開されます海洋法会議にわが国はどういう立場で臨むかという点につきましてお答え申し上げます。  今度の会期はまさに大詰めの段階を迎えておるわけでございますが、わが国といたしましては、当然のことながら、わが国の利益、すなわち、海洋国家であるということ、また漁業に関しましては沿岸並びに遠洋両方の利益に関するということ、また、資源を持たないわが国としては、資源の開発の問題、これらわが国の利益を最大限に確保しようという立場でございます。しかし、発展途上国の要望もいろいろございますので、これらを配慮して新しい公正な海洋秩序をつくり出すと、こういうことがわが国の基本方針でございます。御了承のほどお願いいたします。(拍手)    〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
  37. 海部俊樹

    ○国務大臣(海部俊樹君) 学歴偏重打破のためにはいろいろな方策が指摘されておりますが、先生おっしゃったように、学校間格差の是正もきわめて大切な問題であると、こう理解しております。このため、大学などの高等教育機関がそれぞれの特色、それを発揮して充実した教育ができますように、また、国民の多様な要望にこたえることができますように鋭意努力をいたしておるところでありますが、各界の方々のこれらに対する御意見を聞くため高等教育懇談会を設置しておりますが、ここよりの御意見等もあり、まず地方の大学の整備充実、御指摘のように公私立大学の助成の拡充等を行いまして、均衡のとれた高等教育に持っていきたい、こういう考えでおります。  高等学校の義務制に関しましては、総理大臣が答えられたとおりでございます。  最後に、教育課程の改善実施につきましては、御承知のように、審議会が三年にわたって審議を重ねてまいりました。その間二度にわたって審議の中間経過を公表をし、その都度広く各界の方々をお招きして御意見を承りながらまとめ上げてきた答申でございまして、私は、この答申の趣旨を十分に尊重しながら改定作業を進めてまいるつもりでございます。(拍手)    〔国務大臣小川平二君登壇、拍手〕
  38. 小川平二

    ○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。  昭和五十二年度の地方財政計画はただいま策定中でございますが、生活環境の整備あるいは社会福祉施策の充実等に重点を置きまして財源配分をいたします。その際、地方団体にとって必要な歳出はことごとく計上いたしまするので、御指摘がありましたように、生活関連の経費が不当な圧迫を受けるというような結果にはならないと信じております。  なお、こういう基本的な考え方で所要の歳出をすべて計上いたしました結果、予想される歳入との間に二兆七百億円に上る財源不足が生ずるわけでございます。  それから財源不足対策につきましては、総理から答弁がございましたとおり、交付税率の引き上げはいたしませんが、後年度の地方財政への影響をも考慮しつつ、地方財政の運営に支障が生じませんように、交付税の総額を一兆三百五十億円増額いたしまして、そのうち九百五十億円は臨時地方特例交付金の繰り入れによることといたしまするとともに、新たに昭和五十五年度以降八年間にわたりまして、総額四千二百二十五億円の臨時特例交付金を交付することにするという制度の改正を行うのでございますので、これが地方交付税法第六条の三の二項に違反するものだとは存じておりません。  地方債の償還につきましては、総理から答弁のありましたとおりでございます。(拍手)     ―――――――――――――
  39. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 辻一彦君。    〔辻一彦君登壇、拍手〕
  40. 辻一彦

    ○辻一彦君 私は、日本社会党を代表して、福田総理を初め政府に対して、農業政策、中小企業政策並びに豪雪対策、地方行政問題につきまして質問をいたしたいと思います。  いまや、衆参両院とも与野党伯仲の中で、大きな政策転換のときを迎えたと思います。長い間の単独政権での強権政治はいまや通用いたしません。福田総理、このような状況の中で、野党の政策提起を取り入れた真に国民のための政治を行う用意があるかどうか、御所見をまず承りたいと思います。  第一に、農業政策について伺いたいと思います。  御存じのとおり、わが国の食糧自給率は、皮肉にも、昭和三十六年農業基本法が制定されて以来、高度経済成長政策のため土地と人と水を奪われて低下の一途をたどっています。すなわち、世界主要国を見れば、穀物において、フランスは一六三%、西ドイツは八三%、あの島国であるイギリスでさえも六五%、アメリカは世界の穀倉をもって任じ、中国もまた一年分の備蓄を目指している中で、わが日本は、穀物において四一%、先進主要国中に例を見ない低さであります。小麦の自給率はわずか四%、大豆また四%。えさを含めた穀物輸入量は二千万トン、世界の穀物貿易量の一三・一%に達し、その約七〇%はアメリカからの輸入であります。わが国の総合食糧自給率をカロリーで換算しますと、四〇%を割っています。これが現状であります。これではどこにいままでの攻めの農政、食糧自給率向上の成果があるのか。日本の食糧政策、自給政策は完全に低迷していると言わなくてはなりません。福田総理、この責任はきわめて重いと思いますが、この原因はどこにあるとお考えですか、お伺いをいたします。  いまや世界は挙げて食糧自給率の向上を目指しており、加えて経済水域二百海里により、漁獲資源の減少による水産たん白資源の将来が懸念される中で、わが国のみが依然として食糧の海外依存政策を続けているのはいかなる理由によるのか。エネルギー資源の約九〇%を輸入に頼り、その上に国民食糧の六〇%以上を輸入に依存して、国の真の安全保障はないと思います。政府は速やかに少なくも自給率八〇%を目指すべきであり、政府の食糧自給体制確立についての基本姿勢を伺いたいと思います。  総理は、施政方針演説の中で自給率向上をうたっていますが、外需依存、輸出主導型の日本経済は、大量の資源を買い入れ、強力な輸出中心の経済であり、この道は、さきに貿易不均衡是正の名のもとに大量のアメリカの農産物を受け入れ、欧州諸国、ECからも農産物輸入の圧力を受け、大量の資源を買う豪州からは、日本が大幅な入超であるにもかかわらず、二万トンの牛肉を追加で押しつけられております。内需、国内購買力を軽視する日本経済の体質をそのままでは、国内農業の縮小再生産につながるのでないか。外需中心の日本経済のツケは、結局は農民の犠牲と農業の縮小で賄われていると言わざるを得ません。総理は、輸出主導型の日本経済と食糧自給率の向上が両立するものと考えておられるのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。  稲作は、古来わが国の気象条件に合い、長い間の農家の努力によって世界でも最高の生産力を上げられるわが国唯一の自給作物であります。この世界一の米づくりの技術と能力を力いっぱい発揮させるのが日本の農政のもとではないか。日本の民族を支える米と稲作についてどう考えておられるかを明らかにしていただきたいと思います。  政府に言わせると、米の消費が減少し、需給均衡のため米の生産制限はやむなしと言いますが、百万トンの米を余らせて、五百万トンの小麦を輸入しているのは農政の矛盾であり、世界農政七不思議の一つであり、明らかな食糧政策の失敗であると断ぜざるを得ません。米を農業経営の柱とする米単作地帯の農家にとっては、政府の減反政策は、農民の心を荒らし、農業に対する生産意欲さえ失わしております。政府は直ちに減反政策を中止をし、米の消費拡大に本格的に取り組むべきであると考えるが、御所見をお伺いいたします。  ことしの予算案を見ますと、確かに学校米飯給食も前進はしていますものの、月平均二・五回では問題になりません。次代の日本を担う子供たちの給食に民族の主食たる米を使うのは、民族の心と体を養うため当然であると思うが、どうお考えになりますか。全面的米飯給食のため、抜本的助成策を講じるべきでないか。仮に一億の国民が現在よりも一日に茶わん一杯米飯を多く食べれば、百万トンの米の消費が拡大をすると言われます。年間三百万トンのパン用小麦粉に玄米粉末を三〇%まぜれば九十万トンの米が吸収をされ、農民は減反政策に泣かずに済み、外国小麦の輸入は百万トン節約をされ、自給率はそれだけ向上します。政府にやる気があれば可能なはずであります。日本の農業を荒廃させ、農民の心を荒らす減反政策をやめるためにも、政府は本気になって米の消費拡大を図るべきでないか、総理の決意を伺いたいと思います。  われわれが外国に行けば、フランスではワイン、ドイツではビール、イギリスではスコッチ、アメリカでもトウモロコシのウイスキー、中国はマオタイ酒、ソ連はウオッカ、いずれも自国産の穀物でつくったアルコールで乾杯をいたしております。わが国で、エリザベス女王を招いて日本酒で乾杯したという例を、残念ながら聞かないのであります。米を大事にするため、自今政府は、外国の賓客に、まず日本酒で乾杯すべきでないか、総理の所信をお伺いいたしたいと思います。(拍手)  食糧自給向上を図るためには、既耕地の裏作利用の徹底、未利用地の農用地開発など、積極的な基盤整備を行わなければならないのは当然であります。政府予算における基盤整備費の比率は、近年著しく低下の一途であります。すなわち、昭和三十年は国の公共事業費の中に占める農業基盤整備費は二五・八%、四十年は一五・一%、五十年は一三・八%、五十一年は一三・七%と低下の一途であり、基盤整備事業がおくれておるのは周知の事実であります。このおくれを取り戻すためには約六兆円の経費が必要だと言われております。政府は、いまこそ大胆な決断によって、本四架橋等の公共事業費を削減しても、農業基盤整備事業のため、団体営、県営、国営を含めた財政収支を行い、しかも、三年から五年の短期計画によって基盤整備を行うべきだと思いますが、どうか。  さらに、土地改良事業等に財政投融資の枠を拡大し、事業の促進を図るとともに、国営農用地開発等の償還年限の延長を図る考えはないかどうか、総理、大蔵大臣、農林大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。  飼料生産にしましても、奨励金を幾らかさ上げしても大幅に伸びるものではないと思います。たとえば、今日わが国のゴルフ場は千五百カ所、十五万ヘクタールと言われておりますが、これは山形、熊本県の全耕地に匹敵するものであり、北陸の福井県の田畑の三倍に当たり、三―五兆円の投資と推定をされます。これを全部つぶせと言うわけではありませんが、仮にこれに牧草をつくって酪農をやるとするならば、一ヘクタール当たり、南で二頭、北で一頭は優に飼えるはずであり、二十二万頭の酪農基地ができるわけであります。農林省の言う開拓可能な未墾地二百万ヘクタールを開発すれば、五十―百ヘクタール単位のえさの生産基地、畜産の基地ができるはずであります。わが国の食糧自給率の向上のために、牧草、飼料生産を目指して大幅な農用地開発をやるべきではないか、総理の所信をお伺いをいたします。  日本の農業にとり心配される一つは、地力低下の問題であります。化学肥料と農薬だけで米をつくり、せっかくの稲わらを燃やしていては、地力の低下は歴然たるものであります。将来、わが国の農業生産力の低下が大きく懸念をされるわけでございます。これはすでに、連作による野菜指定団地や東北冷害地では現実のものとなっております。これは畜産と耕種を切り離した農政の責任と言わなくてはなりません。  五十二年度予算にわずかながら地力対策費が出てはおりますが、これでは問題になりません。農地の地力回復は畜産との複合経営が必要でありますが、いま個別農家に二、三頭の牛を飼えと言っても、価格保証もなく、働き手のない現実の農家では大変無理であります。そこで、集落単位に畜産共同センターを置き、集落ぐるみに稲わらを持ち込み、生産された堆厩肥は集落の全耕地に配分するといった、きめ細かい施策が必要だと思うが、このような考えを持っているかどうか、農林大臣にお伺いいたします。  最後に、私は農民の福祉について若干お伺いしたい。  農民の老後の保障のため、不十分ながらも農業者年金制度が発足しました。しかし、農家の主婦には、ごく一部を除いて、その道が閉ざされておるわけであります。これでは後継者への嫁の来手もなくなるのは当然であります。今日、農村婦人は、農作業、育児、家事、出かせぎという四重苦の中に日本の農業を守っているのであります。この農村婦人に無条件に農業者年金加入の道を開くべきと思うが、どうか。  また、今日、農業機械の事故による死亡者は、北海道では交通事故死の二倍に達し、全国では、農林省によれば、四十九年二百七十七名死亡、厚生省の人口動態調査では四百四十五名と推定をされ、けがをする農民は膨大な数に上っております。五十年、五十一年度はさらに増加の見込みであります。農作業中農業機械による事故は、農民も勤労者と同様に労働災害補償の対象とすべきであり、労災法がカバーし切れない以上、農業労働災害補償法の単独立法の必要ありと思うが、どうか。  総理はかつて、農民をこの上なく愛するとの名せりふを吐いたが、それが事実であるならば、そのあかしをこの二つで具体的に見せてもらいたい。  総理は、組閣に当たり、老壮青の三結合でいくと言われましたが、その言葉は大変よいと思います。いかなる社会であれ、地域であれ、青年の若い情熱と行動力は正しく生かされなくてはならないと思います。青年がわが道を行く気概を持ち、人生を支え合うよき友をつくるためにも、青年の健全な集団活動が必要であります。広く青年の集団活動を育てるために、都道府県における青少年会館などの施設に対する課税はこれを減免すべきであると思いますが、どうお考えになりますか。  老人の生きがいは、相集まって話し合う小さな集団の活動にあります。老人クラブ育成などに積極策を講ずべきではないか。  以上二点をお伺いいたします。  次に、林業と治山治水問題について二点をお伺いします。  今日、林業の中で最大の課題は間伐のおくれであり、もし十年間このまま放任すれば、山は大きく荒れることは必然であります。間伐材を立木のまま売ろうとすれば、逆にお金を払えと言われる。これでは進みません。間伐への助成と、間伐材の活用の道を大きく開く必要があると思うが、その対策はどうか。  また、わが国土を守り、水資源を確保するため、第五次治水事業五ヵ年計画はきわめて重要なものでありますが、これが推進には異常な決意が必要と思われます。総理並びに農林大臣の所信をお伺いをいたします。  今日、水産、漁業問題を考えるとき、領海十二海里の速やかな宣言、経済水域二百海里、漁港拡充、沿岸漁業の振興など、多くの課題がありますが、すでに同僚川村議員の論議もあり、私はこれらの取り組みを強く要望して、質問は割愛します。  東北、北陸等の豪雪地における降雪は昨年にも増して厳しいものがあり、住宅、交通、学校、暖房、除雪など、雪のない地域では想像することのできない厳しい冬を今日迎えております。雪のあるなしによる生活の格差は余りにも大きく、これをなくすることは日本の政治の大きな課題と思いますが、これについての総理の所信を、まずお伺いをいたします。  次に、具体的な問題を端的に伺います。  一、豪雪地域対策特別措置法について、その基本法的な性格を事業振興法的な内容に改正するとともに、地域指定を実態に即して拡大すべきでないかと思うが、検討の用意があるかどうか。  二、豪雪地帯の道路の無雪化、融雪化のため、市町村道路整備に対する補助のかさ上げ、文教施設整備のための補助対象、補助基準面積の拡大など、単価の引き上げ、救急医療、消防施設整備等のために特別の措置をとるべきであると思うが、どう考えるか。  三、財政の小さな町村では、現在除雪費の増加に大きく頭を抱えております。貧弱な町村で数千万円を超える予算を使い切っている町村も多いわけであります。これら除雪費に特別な助成の道を講ずべきでないか。これについてどうお考えになるか。  四、豪積雪地におきましては、土地改良事業、漁港修築などの公共事業の内示がおくれ、最もよい仕事のできる夏場を過ぎて冬にずれ込み、年度内消化が困難な場合があります。公共事業内示を年度当初に早め、地方債の許可を早期に行うことは、豪積雪地帯自治体関係者の強い要望であります。今後における早期着工の対策はどうか。特に、景気浮揚をねらった五十一年度補正予算による地方公共事業の追加は、東北、北陸では思わぬ豪積雪のために年度内消化の不可能な地域も出てくると思いますが、景気浮揚策を全地域に及ぼすため、これらについては翌年度繰り越しを認めるべきであると思うが、どうか。具体的にお伺いをいたしたい。  五、昨年暮れ、北陸地方を襲った雪は一夜にして一メートル近い降雪となり、北陸道は十二月の二十七日より二泊三日、五千台の自動車が雪の中に閉じ込められました。暖房が切れ、食糧もなく、空腹と寒さにふるえながら、特に長大トンネル内では排気ガス中毒により急病人が出る状況になりました。積雪時における交通管理対策に問題はなかったか。また、今後このようなことが再び起こらないために、どのような対策があるか、国土庁長官にお伺いをいたします。  六、また、滋賀から北陸にかけて、豪雪のため施設園芸のビニールハウスが倒壊して二億を超える被害が出ております。被害農家は施設園芸に打ち込んでいる熱心な農家でありまして、第二次農業構造改善事業で建てたものは、まだ融資の返済が終わっておりません。再建のため助成の道を開くべきではないかと考えるが、農林大臣にお伺いいたしたい。  次に、地方事務官制度の問題についてお尋ねいたします。  総理は、かつて行政管理庁長官当時、地方事務官制度を廃止し、地方公務員とすることについて積極的に賛成をされたことは、よもやお忘れではないと思います。本院においても、昭和五十一年三月三十一日を目途に、地方事務官制度を廃止し、地方公務員とすることが決議されたにもかかわらず、政府部内の不統一によって、いまだ実現を見ていないことは、国会軽視もはなはだしいと言わねばなりません。役所のなわ張り主義を抑えることもできず、地方事務官制度の廃止に背を向ける政府の態度では、この先の行政改革についても何一つ期待ができません。この際、総理は決断をもって、国会決議に従い、戦後地方自治法の恥部とも言うべき地方事務官制度について、今国会中に決着をつけるべきだと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。  今日、中小企業は、長期にわたる不況、その中で続く物価上昇で受注や売り上げの減少、資金難など、かつてない危機に見舞われております。景気が回復しつつあるといっても、それは一部の大企業のことであり、昨年十一月の企業倒産数は千五百件を超えるという史上最高を記録したことに見られるように、依然深刻な事態であります。ことに、大企業による中小企業分野への進出、親企業からの下請企業に対するしわ寄せ、輸入増大による経営圧迫に対して、今日適切な措置を行うべきであります。  すなわち、第一は、中小企業事業分野確保法の問題であります。分野確保法については社会党がかねてから議員立法をもって強く要求してきたところでありますが、ようやく政府も重い腰を上げて、今国会に提出を準備していると聞いております。しかし、伝えられるところによりますと、政府案の内容は、業種指定をせず、大企業の進出制限は、勧告、公表の訓示の規定にとどめる内容であり、これでは実効が上がるとは思われないのであります。したがって、分野法は、業種の指定、指定業種には、新たに大企業の進出、事業拡大を禁止する措置を明確にすべきであると思いますが、どうか。  第二は、大規模小売店舗規制の問題であります。最近、スーパー等大規模小売店が地方中小都市にも進出して、地元中小企業とのトラブルが激発し、地方自治体でもその解決に頭を悩ましているのが現状であります。ことに大規模小売店舗は、店舗面積を小さくして、法の網をくぐり進出する例が多く、大規模小売店舗法の改正を求める中小小売業者の声が強まっておるわけであります。したがって、大規模小売店舗法は、規制対象面積を小さくする、人口の少ない市町村へは進出をやめさせる、都道府県に規制権限をおろす、などの法改正を行うべきだと考えるものでありますが、政府の見解を明確にしていただきたいと思います。  第三は、中小企業の倒産には、資金繰りに詰まって、わずかな借金ができなくて手形が落とせず、倒産する例が大変多いのであります。これらに対処するため、中小企業倒産防止基金制度の創設を要求したいのであります。この制度について政府は検討する用意があるか、お伺いをしておきたいと思います。  最後に、中小企業繊維対策の問題であります。  繊維業は産地を形成しており、地域経済に果たす役割りはきわめて高いのであります。ところが、近年、米国市場からは輸入規制を受け、韓国を初め開発途上国からは輸入が増大をし、国内中小繊維業者は非常な困難に直面をしております。最近は不況の中で繊維製品輸入はやや鎮静化をしておりますが、景気の回復とともに輸入が急増するおそれがあり、特に将来韓国合繊織物にそのおそれが強いのであります。繊維製品の輸入については、需給動向を把握し、輸入ガイドラインの設定を行い、流通業者が国内製品を優先的に取り扱うよう行政指導を強化をすべきであります。それでも輸入がふえ、中小繊維業者に影響を及ぼす場合は、欧米並みの関税引き上げ、輸入規制立法を講ずべきであります。これにつきましての御見解を承りたいと思います。  さらに、中小繊維業者は、繊維構造改善を初め、多くの融資の返済に迫られておるのであります。たとえば、北陸の福井産地では、政府三機関――国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、三機関の融資残は二百四十六億、市中金融機関融資残は約八百四十億、計千八十六億の巨額に上るものと推定をされます。いままで不況の中で、確かに返済猶予措置がとられましたが、最終返済期限が延長されるわけではなく、返済額が最後にたまって増大することであり、これは大変であります。返済期限そのものの延長措置をとるべきであります。これは全国主要な繊維産地の死活にもかかわる問題でありますので、さきの予算委員会におきまして通産大臣からかなり前向きの答弁が出てはおりますが、私は総理の明確な御方針をいただきたいと思います。  次に、繊維工業構造改善臨時措置法であります。五十四年六月で期限切れになりますが、綿、スフ紡績では三〇%、毛紡績では二〇%、織物業では三〇%、福井産地でも合繊三六%が過剰設備と言われているように、その効果がなお上がっていないのが現状であります。したがって、構造改善事業につきましては再延長を図るべきであると思いますが、どうか、お伺いをいたします。  また、過剰織機に対する共同廃棄は、せっかく予算化されてはおりますが、膨大な借金に悩んでいる小規模繊維業では、残存業者の負担が重くて、これが残念ながら活用できないのが実情であります。深刻な不況下で共同廃棄を推進するには、残存業者負担分に対してこれを軽減するため特別措置を講ずべきであると思うが、どうか。  以上、中小企業問題について明確な政府の答弁を求める次第であります。  最後に私は、農林漁業、中小企業、過疎、豪積雪地のごとく恵まれない環境の人々に政府が政治の温かい手を差し伸べることを心から強く要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  41. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 与野党伯仲下の国会運営についてお尋ねでございますが、これはしばしば私が申し上げておりまするように、協調と連帯、これでいくほかはないと思います。私は、政府といたしましても、あるいは与党の総裁といたしましても、その構えで国会運営に当たりたい。でありまするから、野党の方でもどうかそのような態度でいってもらたい。両々相まちまして成果を上げる、こういうことになろうかと思います。  それから、わが国の食糧問題を論ぜられまして、なぜ自給率が低くなってきたんだろうか。実にこれはもう激減をいたしておるわけであります。私が農林大臣をやっておったころは、たしか、小麦にいたしましても、大豆にいたしましても、三五%ぐらいの自給率があったんです。今日は四、五%になっておるということでございますが、実は私は安定成長論というのを前から言っておったんです。なぜかというと、国内の各界各層がなるべくつり合いのとれた形で同じ歩調で歩まぬと、いろいろな問題が起きてくる、そういう点を指摘し、その背景には、農業が、これが立ちおくれをするであろう、農業という問題をちゃんとにらみながらいかぬと大変な不均衡が出てくる、いろんな問題が出てくるということを恐れたんです。実際、ずっと今日まで経過してみますると、いま申し上げましたような、また御指摘のような自給率問題というのが出てきている。その原因は私は二つあると思うのです。これはいろいろありましょうが、大きく言うと二つある。一つは、日本農業が本質的に生産性が低い。つまり、世界の平和のもとで世界的な交流が盛んになる、自由交流が盛んになる、そういう中で生産性が低い。どうしても国際的にコストの高いわが国の農業というものがなかなか太刀打ちができないという、そういう問題が一つある。同時に、もう一つは、わが国国内における問題です。つまり、高度成長という状態がずっと続く、そういう中で、この高度成長を引っ張る力は何と言っても工業です。工業方面におきましては、所得の水準がどんどん上がる。ところが、農業の方面におきましては生産性の上がりというものが少ない。そういうようなことで、そこに所得の格差というものがやや出てき、そうして農業人口というものが都市へ都市へと流れていくと、こういう現象になってくる。したがって労働力の不足というようなこと、それから先ほども申し上げました、国土が狭いというようなことが相作用いたしまして、生産がだんだん落ちてきて今日のような状態になってくる、こういうことになってきたと思うのです。私は、そういう認識に立って今日の農業を考えるとき、非常にこれは深刻な状態だ、ことに今後の世界情勢というものを考えまするときに、人口は増加する、しかし食糧はそうはふやし得ない、こういうような状態でありまするから、いずれ食糧問題というものが非常に深刻な状態になってくるだろうと思うのです。そういう中で、わが国がそういう状態であっていいのかと、こう言いますると、やっぱりここで私は諸政策を転換しなきゃなりませんけれども、その中で、農業につきましては自給力の向上、こういう方向への転換をしなけりゃならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。それは、経済政策全体の転換、その中の一つではございまするけれども、同時に、その転換のためには農業に対してかなりの助成をしていくという考え方、しかし価格助成はなるべくこれは避くべきだと、こういうふうに思うのです。やっぱり生産基盤に対する助成政策、これを中心として推し進めていくほかはないのじゃあるまいか。そして生産基盤、それから生活環境、そういうものを推し進める、それからしたがって生産の増大政策をとる、それから生産の担い手、後継者対策というようなものを推める、そういうことに対しまして政府が助成し、刺激するという政策が必要になってくる、こういうふうに思うのであります。  そして辻さんは、しかしそういう政策と、外需に依存するという、またその見返りとして輸出をしなけりゃならぬという、そういうわが国の貿易構造と両立し得るものかというお話でございますが、私は、これはまあ両立し得るものであるし、またさせなけりゃならぬと、こういうふうに考えておるんです。これは幾ら自給自給と申しましても、わが国の食糧全部を自給するわけにはまいりません。それから、自給度を向上するといったって、そうけばけばしい向上はなかなかできません。そういう中で、自給力は向上はいたしまするけれども、しかし同時に、海外から求める量というものは、これも相当膨大なものに上るわけでありますから、その辺の調整、調和というものは、これはもう必ずつけられるものであると、私はこういうふうに確信しております。自給力を、わが国は食糧の全部にわたってつくって、海外のものには一切依存しませんだなんというようなことを考えたら、これは大変なことになりますが、私どもが考えておるのはそんなことじゃないんです。節度ある、ほどほどの自給力の向上という結果しか得られないだろう。また同時に、海外から何もかにも買ってくるという体制、そういうことも考えているわけじゃないんです。  そういう中で、辻さんは米の問題に非常に熱心にお触れになりましたけれども、私は、この米の問題は、これは辻さんと同じ疑問を持つんです。こんなにあり余るようなお米をどうしてみんなが食べないんだろうかと。私は、需要の拡大ということが非常に大事な問題になってきておる、こういうふうに思うのでありまして、これはもう、いまこれからでも遅くありませんから、需要の拡大につきまして思い切ったそういう政策をとる必要があるだろうと思うのです。学校給食なんかも一つの方法であろうし、また、いろいろ乾杯するお酒のことまでお触れになられましたけれども、とにかく、いろんな面でこのことを考えていく必要があるだろうと、こういうふうに思います。そうして、減反というようなことをする必要がないように、早く私は需給のバランスがとれるようにしたいというふうに考えておる次第でございます。  また、辻さんは農用地の開発につきまして力説されたわけでありまするが、これは畜産振興というような見地を考えますると、特に私は重要になってきておると思うのです。国土が狭隘でございますので、そう多くを期待することもなかなかむずかしゅうございまするけれども、今後も積極的にこれに力を入れてまいりたいと、かように存じます。  それから、農家の主婦を無条件で農業者年金に加入さすべしと、こういう御意見でございますが、農業者年金というこの仕組みが、その趣旨から言いまして、主婦が無条件でこれに入るという制度、それはなかなかむずかしいんじゃないかというふうに思います。しかし、主婦の立場、農家の主婦の立場、これはもう尊重されなけりゃならぬことはもちろんでございまするので、その老後、農家の主婦の老後問題という点につきましてはいろいろ配慮してまいりたいと、かように考えております。  それから、農業労働災害補償法を立法化せよというお話でございますが、これは立法化せぬでも、すでに労働災害補償制度があるわけでありまして、これは特別加入制度というのがありまして、農業者などにつきましても適用されるわけでありまするから、この制度を適用していただきますれば、いまでもこれに順応できるという立場にあるわけであります。  それから、青少年会館に対する固定資産税の減免をというお話でありまするが、これも原則といたしましては、国、地方団体以外のものの経営する、設置する青少年会館につきましては課税という原則です。原則ではありまするけれども、これは公益上必要なものだという証明を市町村長がするということになりますれば、それは減免ということになっておりますので、その制度を適用せられたい。どうもこれは趣旨が徹底しておらないきらいがあるのじゃないかというような感じもいたします。  また、老人クラブを大いに育成せよというお話でありまするが、これはもとよりのことでございます。  それから治山治水計画に対しまして熱意はあるかというお確かめでございまするが、私もこれには大変な関心を持っております。災害、被害の状況というようなことを考えましても、あるいは水の問題、いずれこれが相当大きな問題になってくる、用水の不足問題、そういうようなことを考えまするときに、治山治水、これは大変大事な問題になってくるんです。今度、予算編成の一環といたしまして、第五次治山治水事業五ヵ年計画を発足させますが、これを軸として、その方向を強力に推進してまいりたい、かように考えます。  それから東北、北陸の豪雪地帯の問題、これは、特に昨年冷害があった、そういうようなことで、日本全体の景気は去年の上半年はまあよかったんですが、しかし、地域的に見ると、そういう非常に格差が出ておるような感じがいたしまして、国の諸経費を配分するというに当たりましても、そのような配慮を努めてするようにいたしたわけでありまするが、さらに今度の大雪の問題があります。この問題なんかも踏まえまして、積極的にその方向の努力をいたしたいと、かように考えます。  なお、大雪地帯におきまするところの公共事業を早期に着工せよというお話でありますが、大雪の今日でありまするから、なかなかこれはむずかしいことになってきておりまするけれども、この障害を乗り越えられるだけ乗り越えまして、早期着工の実を上げたいと、かように考えます。  それからさらに、補正予算に計上されるところの公共事業費が、これが工事がおくれた場合に繰り越しさるべきであるという話でありますが、これは当然のことです。しかし、繰り越しにならないように早く補正予算を御審議、御成立願って、そして繰り越しを必要としないようにひとつ御協力のほどをお願いしたいと思います。  それから地方事務官制度、これは難問でありまして、私も行政管理庁長官のとき、一生懸命これはやったんですが、とうとうこれは実現しないままに今日に至っておるんです。しかし、私は今度政府の最高責任者の立場に立ちましたので、何とかこれに決着をつけたいというような気持ちでございますが、関係省庁間の調整、これ、精力的にやってみたいと、かように考えます。  それから政府系三機関の中小繊維業融資の問題につきまして、最終返還期限の再延長をせられたいと、こういうお話でございますが、これはケース・バイ・ケース、弾力的にやってまいります。  以上であります。(拍手)    〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
  42. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 辻さんの第一のお尋ねは、食糧の増産確保のために必要な農業生産基盤の予算が年々少なくなっておるのではないか、一般公共事業に占めるシェアが低下をしておる、こういう御質問でございました。  確かに、昭和四十五年当時はそのシェアは一四%程度でございましたものが、五十年度ころまでに落ち込んでまいりましたが、五十一年度、五十二年度は、それが各方面の御理解と御支持によりまして伸びてまいりまして、五十二年度の予算では、御承知のように、五千三百五十四億円、そのシェアは一三・九%と、四十五年当時にだんだん回復をしてきておると、こういうことでございまして、今後農政の重要な一環をなします土地改良事業等の農業基盤整備には今後とも一層の努力を傾けてまいりたいと、こう考えております。  それから、土地改良事業におけるところの財政投融資、この枠も拡大、確保すべきではないかと、こういう御質問でございます。全くそのとおりでございまして、昨年、御承知のように、特定土地改良工事特別会計制度を改正しまして、財政投融資の資金を導入をしましてこの土地改良事業を促進をすると、こういうことにいたしたわけでございます。今後もこの財政投融資も活用いたしまして、土地改良事業の促進を図っていきたい。また、その際における償還条件等の緩和を図ったらどうかと、こういう御意見もございましたが、この点も今後とも十分検討を加えてまいりたいと、こう考えております。  それから第三のお尋ねは、最近化学肥料を多用する、その結果地力が落ちておる、これをもっと耕種部門と畜産部門を有機的にかみ合わして、そして地力をつけるような施策をやるべきだと、こういう御意見でございます。全く同感でございまして、それを助長するような運搬手段でありますとか、あるいは施設の整備でありますとか、そういうことを助成をいたしてまいりたい。また、現在全国にわたって地力の調査をやっておりますので、その結果をまとめまして、これに対する積極的な対応を考えていきたい、このように考えております。  それから間伐対策を十分やるべきではないか、こういう御意見でございます。この問題は、植林をいたしましたものがもう間伐をしなければならない樹齢に達しておるわけでございまして、五十二年度予算におきましても、これに対応するために、間伐のための林道の予算等も確保することにいたしましたし、間伐材の有効利用と、そういう問題の研究も進めることにいたしております。今後間伐が順調に進められるように、また間伐材の有効利用ができるように、そういう対策も講じてまいりたい、こう考えております。  それから、豪雪地域におけるビニールハウス等の施設園芸の被害が相当出ておる、この対策いかんということでございますが、いまその被害程度の把握に努めておるところでございますけれども、これに対しましては、農林漁業金融公庫の施設災害復旧資金、あるいは農業近代化資金等によって、災害復旧については十分な御協力ができるようにやってまいりたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
  43. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) お答え申し上げます。  農業基盤整備事業は、農業の自給力を伸長していく上にきわめて大事な政策と考えております。したがいまして、この政策の整備のためには、財政当局といたしましても、でき得る限りこれを尊重してまいっております。鈴木農林大臣から五十二年度における一般公共事業費の中で占める割合が一三・九%というお話がございましたが、まことにそのとおりでございまして、その伸び率を申し上げますと、前年度に比べまして二二・四%という伸びを示しております。一般公共事業費の伸び率は二〇・七%でございまするから、それよりもはるかに上回っておるということを御了解願いたいと思います。  それから財政投融資につきましてもだんだんと伸び率がふえてまいりまして、財政投融資計画において農業関係の占める割合は四・九%と、これも前年よりふえております。それを御了解願いたいと思います。  次に、豪雪対策につきまして二、三申し上げますが、特別豪雪地帯におきましては、基幹的な市町村道で建設大臣が指定するものの改築につきましては道府県が代行することができることとされておりまして、当該代行事業については後進地域の補助率がかさ上げの対象になっております。  それからまた、豪雪地帯における市町村道の整備につきましては、豪雪地帯対策特別措置法第十四条の規定によりまして、「基幹的な市町村道で建設大臣が指定するもの」、五十一年度では九十五ございますが、これにつきましては都道府県が代行することができることとされておりまして、当該事業については、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律による国の補助のかさ上げの対象と相なっております。  また、市町村道に係る防雪等の事業として、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法に基づきまして、防雪さく等の防雪事業及び凍雪害防止のための事業を実施しております。これらの措置により、豪雪地帯における市町村道の整備に遺憾なきを期してまいりたいと考えております。  さらに、文教施設設備の補助対象、補助基準等につきまして申し上げます。  五十二年度においては厳しい財政事情にある中で、公立文教施設整備費補助金の大幅増を図っているので、豪雪地帯の文教施設の整備についても一層促進されております。五十二年度に新たに豪雪地帯の小中学校屋内運動場の補助基準面積の拡大を図ることとしております。さらに単価についても所要の引き上げを図っているのでございます。  豪雪地帯の公立文教施設の整備については、従来からその整備に努めてまいったところでございますが、昭和五十二年度の公立文教施設整備費補助金は前年度に比べまして大幅な増額をしており、したがって、豪雪地帯の文教施設の整備も一層促進されるものと考えております。  国庫補助基準面積につきましては、校舎は従来から一般地帯に比しまして約一六%の割り増しをいたしております。さらに、屋内運動場についても五十二年度から新たに約三〇%の割り増しを行っておりますので、冬期間屋内運動場における体育の授業を充足できるものと考えております。  単価の引き上げを申しますが、国庫補助単価については、昭和五十二年度は七・三%の引き上げを行い、また、ただいまの屋内運動場の補助基準面積については割り増しを行うこととともに、あわせて豪雪地帯の地方公共団体の負担は相当軽減されるものと思います。  さらに、豪雪地帯の救急医療のことについて申しますが、救急医療対策につきましては、五十二年度においてその体系的整備を図ることとして、予算の飛躍的増額を図っておりますが、その運用に当たっては、御指摘のような点が円滑に実施されるよう、厚生省当局と十分協議してまいりたいと、かように考えております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣田澤吉郎君登壇、拍手〕
  44. 田澤吉郎

    ○国務大臣(田澤吉郎君) お答えいたします。  豪雪対策特別措置法を事業振興法的な内容に変えて、さらにまた、地域の指定を拡大してはどうかということでございますが、辻先生御案内のように、この法律は昭和三十七年に、豪雪地帯の産業の振興と民生の安定のために、いわゆる議員立法として誕生いたしたわけでございまして、私たちはそれを基礎にいたしまして、鋭意豪雪対策にこれまで努めてまいったわけでございますが、御承知のように、豪雪地帯は年々恒常的にいわゆる雪害に見舞われる地域でございますために、その産業の振興やら、あるいはまた生活環境の向上に大きな影響を与えておるわけでございます。また一方、住民のいわゆる生活欲求と申しましょうか、あるいはまた生活様式の向上という面から、だんだん災害の範囲というもの、雪害の範囲というものは拡大されてまいっておる現状でございますので、私たちは一層豪雪対策というものに注意を払ってまいらなければならないのでございますので、ただいま先生の御指摘の地域指定の拡大をも含めて、この問題は豪雪対策審議会の意見をも聞いて検討してまいりたいと考えております。  また、除雪費が地方財政に大きな負担になっているということでございますが、先ほど申し上げました豪雪地帯対策特別措置法にのっとって私たちはこれまでも地方財政の援助をしてまいっておるのでございますが、今年のように、いわゆる豪雪の場合には、どうしても御指摘のように地方財政に除雪費の負担がかかってまいりますので、私たちは、これは関係省庁と連絡をとって、極力この方法を検討してまいりたいと考えております。  さらに、昨年の十二月でございますが、国道八号線の豪雪のために交通が麻痺いたした折には、辻先生から早速照会がございまして、私も早速その対策を講ずることができまして、本当にありがとうございました。そこで、豪雪における交通麻痺というものはいろんな要素から生まれてまいるものでございますし、また、豪雪地帯のいわゆる産業の振興だとか、あるいは民生の安定のためには交通体系を確保するということは絶対的に必要でございますので、この点についても先生の御指摘のようなことのないように最善を尽くしてまいりたいと考えますので、御了承を願いたいと思います。  以上です。(拍手)    〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
  45. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  御質問の七件のうちで総理から一件お答えをいたしましたので、六件申し上げます。  中小企業の分野調整の問題でございまするが、との分野調整の件につきましては、前大臣が今国会に法律を御提案するお約束もいたされておるやに聞いておりまするが、昨年の国会の決議を受けまして、新規立法の検討に着手いたしまして、中小企業政策審議会に審議を御依頼いたし、その答申を昨年の十二月に受けた次第でございます。今国会への政府案の提出を目途に、目下立法化の作業を鋭意急いでおる次第でございまするが、御指摘の分野調整の問題につきましては、けだし、なかなか容易ならざるものがあるようでございます。  次に、大規模小売店舗法の改正の問題でありまするが、消費者の利益を配慮いたしまして、小規模店舗の周辺の中小企業者に過大な影響を与えないように必要な調整を行うものでございまするが、同法の規制対象店舗の面積の引き下げ等、改正のいろいろと御意見があることは承知いたしております。消費者利益を配慮する必要もありまして、現在、本法を改正することはいまだ考えておりませんが、中小規模店舗の進出問題につきましては、小売商業調整特別措置法等の現行法制を活用し、また、行政指導によってこれに対処いたしたい、かように考えております。  次は、中小企業倒産防止の基金制度を創設せよという御意見でございまするが、根本は、景気が回復いたしますれば倒産もなくなるわけでございまするが、この景気の着実な回復を待つことは、なかなか当面の問題としては間に合いません。倒産を防止いたしまするために、資金面の対策が重要でございますので、政府系の中小企業金融機関の融資、あるいはまた、信用補完制度を活用いたしまして、きめの細かい対策を講じておる次第でありますが、効果的かつ機動的な実施によりまして中小企業の倒産防止に全力を挙げて目下努めておる次第でございます。  次は、外国からの繊維輸入等に対しまして、欧米並みの関税の引き上げや、輸入規制の立法化の検討をせよという御意見でございまするが、わが国自体が繊維の主要な輸出国でもありまするし、同時にまた貿易立国をたてまえといたしておるのにかんがみまして、関税引き上げ等の輸入制限的な措置に踏み切ることがなかなか困難でございまするが、輸入監視体制の整備等、昨年十二月の繊維工業審議会の提言に盛られました輸入安定化対策につきまして現在検討を進めてまいっております。ことに、今日先進国の多くの品目の関税率について数次の関税交渉を目下いたしておるような次第でありまして、この関税の引き上げをいたしますると反対に代償品目の提供が必要であるというようなことから、わが国は現在関税一括引き下げ交渉をば推進しておる立場もありまして、関税水準の引き上げを行うことはきわめて困難であろうと存じます。  次は、繊維法の再延長と申しますか、繊維構造改善事業の成果が上がっていない法律をば再延長しろという問題でございまするが、繊維工業の構造改善事業につきましては、昨年十二月に繊維工業審議会から繊維工業構造改善臨時措置法の期限でありまする昭和五十四年六月までに総力を挙げて構造改善に取り組むよう提言がございました。政府といたしましては、この提言に基づきまして、目下構造改善事業の広範な展開を図るように努めておる次第でございます。  最後に、過剰の織機につきまして、共同廃棄事業の残存業者分の負担が大きい、予算がいつも実効が上がっていないじゃないかというおしかりでございまするが、中小企業振興事業団の設備共同廃棄事業の助成措置を活用いたしまして、中小織布業者の織機廃棄事業を推進していきたいと存じております。この制度につきましては、その返済を通常残存業者が共同して負担することと相なっておりまするが、融資の比率でありますとか、あるいは返済期間、金利等の融資条件が、一般の高度化融資に比べまして特段に有利な内容と相なっておりますので、本制度の積極的な活用によりまして、過剰織機の廃棄事業がスムーズに進められることと期待いたしておる次第でございます。  以上であります。(拍手)
  46. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 辻一彦君。    〔辻一彦君登壇、拍手〕
  47. 辻一彦

    ○辻一彦君 先ほど、総理の答弁で、早期着工は冬にできないというお話がありましたが、これはちょっと質問の趣旨を御理解いただけなかったと思います。と申しますのは、私の言うのは、普通の年におきまして、雪の降る地域は夏、一番仕事のしやすいときに公共事業を進めなければ、予算がついても、冬では十分な仕事ができない。だから、内示を早くして、豪積雪地帯におきましては早く着工ができるようにしてほしいと、こういう要望でありますから、この点につきまして、補正の扱いと別でありますから、この点につきましていま一度御答弁を願いたいと思います。    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  48. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) ただいまのお話、まことにごもっともです。私も当然そういうふうに考えておるわけで、早く予算を通過さしていただきまして、早く仕事に着手いたしたい、かように考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  49. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 喜屋武眞榮君。    〔喜屋武眞榮君登壇、拍手〕
  50. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 私は、第二院クラブを代表し、総理並びに関係大臣に対し、若干の質問をいたします。  まず最初に、総理の政治姿勢についてお尋ねいたします。  総理の所信表明を拝聴いたしましたとき、率直に申し上げまして、国民に対して求めることが多く、みずからえりを正して厳しく自省するという姿勢に欠けているということであります。去年という年は、ロッキードに明けロッキードに暮れた一年でありました。その最中に総選挙が行われました。選挙中至るところに、「いま日本を野党に任ぜることができるでしょうか 自由民主党」というポスターが張り出されていました。私はこれを見て、思い上がりもはなはだしいという反発を感じました。果たして選挙の結果は御存じのとおりでありましたが、このことをどう受けとめておられるか、お伺いしたい。  次に、日本の政治を明るくし、国民の政治不信をなくし、真に議会制民主主義を確立していくためには、まず、自民党一党独裁だと言われたこれまでの内閣中心の政治のあり方を改め、国民本位の、国会中心の政治に改めねばならないと思いますが、いかがでしょうか。  また、総理は協調と連帯の精神を述べておられますが、予算案あるいは減税などについても、衆知を集めて、修正するものは修正していくという態度が必要であると思いますが、その意思がおありでしょうか、総理の決断を求めます。  第三に、国民本位の政治からしますと、参議院地方区は一票の価値に差が大きく、一対五以上になって、これでは国民本位の政治とは言えません。ことしの参議院選挙前に定数是正をすべきだと思いますが、総理の御見解を承りたい。  第四に、所信表明の中で、総理は、ロッキード事件を徹底的に究明し、このような不祥事が再発しないよう、腐敗防止のために必要な措置を講ずると述べておられるが、その必要な措置を具体的に示してもらいたい。  また、最近の新聞報道によりますと、レイナード元米国務省韓国部長が、韓国政府が自民党議員らに多額の金を渡したと発表しております。政府としては、その問題についても早急に調査し、国民の前に明らかにすべきだと考えますが、総理の御見解を承りたい。また、かような政治腐敗を防止するためには、単なる刑法改正では不十分であり、特別立法をすべきであると思いますが、総理の御見解をいま一度伺いたい。  第五に、婦人問題について伺います。総理は、国連の国際婦人年世界会議の決定に留意して国内行動計画の策定をしたと言っておられますが、しかし、計画は具体性を欠き、まことにお粗末なものであると民間の多くの婦人団体から抗議が出されているようですが、あれで婦人の地位と福祉の向上に役立つものとお考えでしょうか、率直な御見解を承りたい。  次に、内政問題について伺います。  カーター米大統領は韓国からの米軍撤去を示唆しておるにもかかわらず、沖繩基地を強化するために政府は沖繩基地確保新法案を強引に立法化する動きにあることは、沖繩の最前線基地化をねらうものであり、断じて容認できません。この法案は戦時中の日本軍や占領中の米軍が軍事優先を目標に土地を県民から強制収用したやり方と全く異なるところがありません。また、この法案は違憲の疑いが強いことが日弁連からも強く指摘されております。すなわち、第一に、沖繩の土地所有者に限って地籍がはっきりしないことを理由に基地として強制使用することは、法のもとの平等に反するものではないか。第二に、強制使用の手続に当たって土地所有者を保護し、公正さを確保する手続がないことは財産権保障の趣旨に反するのではないか。第三に、もともと違憲の疑いがある公用地暫定使用法を事実上無制限に延長しようとするものではないか。第四に、本法案は憲法第九十五条に該当し、住民投票が当然必要ではないかということであります。  かような違憲の疑いのある基地確保法に対して、地主を初め多数の沖繩県民、沖繩県議会、さらに沖繩県知事も絶対反対を表明しております。われわれも、このような法案は断じて容認できるものではありません。このような法案の提案はすべからく取りやめるよう強く要求するものでありますが、総理の御見解を承りたい。  また、この法案は地籍の確定についても定めておりますが、具体性に乏しく、また、地籍の確定は当然国が主体となって行わなければならないのに、その規定もなく、これではとうてい地籍の確定はできるはずがありません。まさに、この法案の目的が基地収奪法であることを示しております。沖繩県でも、このような認識の上に基づいて、地籍確定法案を独自で作成し、その立法化を関係省庁及び各政党に要請しております。政府は基地確保新法案の提案を直ちに取り下げて、沖繩県案に沿った立法化を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。  次に、総理は、地方公共団体に関する所信表明の中で沖繩の問題に触れておられます。御承知のとおり、復帰五年目を迎えた沖繩は、本土とのあらゆる面での格差はいまだに大きく、まだ本土並みになっておりません。また、「基地の中の沖繩」という状態も依然として変わっておりません。復帰特別措置法の期限切れをこの五月十四日に迎えるわけですが、特別措置法の目的が達成されていないのが現状であります。政府の復帰特別措置法の延長の問題を初めとした沖繩県振興の具体策をお伺いいたします。  沖繩県は全体が離島でありますが、さらにまた三十八の離島を抱えております。それにもかかわらず、本土並びに離島の間に国による公共輸送機関が全くないために、流通機構面の不備、交通の不便、過疎過密の調整のおくれ、物価高などのしわ寄せが生じてきております。政府は、この点についてどのように考えておられるのか、承りたい。  次に、海洋博後の企業倒産及び中小企業対策等について伺います。  沖繩海洋博は沖繩の復帰記念事業の一つでありました。しかし、海洋博関連事業の投資額約三千二百億円の七五%が本土大企業によって吸い上げられたと言われ、そのために沖繩の企業倒産に拍車をかけておる結果となっております。特に沖繩では、中小企業は全企業数の実に九九・七%を占めており、経済的にも社会的にも重要な役割りを果たしておりますが、すでに倒産も続出し、負債総額は史上最高の三百二十三億円余という(「時間」と呼ぶ者あり)まさに深刻な社会混乱、経済混乱を引き起こしております。
  51. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 喜屋武君、時間が経過しております。簡単に願います。
  52. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君(続) このような企業の救済策並びに中小企業の振興策について政府の施策を伺いたい。  また、かような企業倒産と基地従業員の一方的な大量解雇によって、失業率が実に……
  53. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 簡単に願います。
  54. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君(続) はい。本土の三倍以上という状態でありますが、政府の失業者対策を承りたい。  最後に……
  55. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しております。
  56. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君(続) 放棄請求権問題について伺います。  沖繩は戦後三十二年、いまだに戦後処理もなされないままに今日に至っております。最後の要求として、放棄請求権一千二百余件、金額にして一千百五十九億円余の要請をいたしておりますが……
  57. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) 時間が超過しておりますから……
  58. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君(続) 政府は、この問題についてどのように対処しておられるか、そして、いつまでにどのように解決するつもりであるか、承りたい。  以上の質問に対し、総理初め関係大臣の納得のいく御答弁を求めて、私の質問を終わります。失礼いたしました。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
  59. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えします。  まず、総選挙の結果をどういうふうに受けとめておるかと、こういうことでございますが、私は、自由社会を標榜する自由民主党、それに対しまして審判が下ったわけでございますが、自由社会が批判されたとは思いません、これは。自由社会を守ると言いながら、自由民主党の姿勢、ていたらくは何だと、こういう審判が下ったんだという受けとめでございます。そういう受けとめの上に立ちまして、自由民主党の改革、これを断行いたしたいと、かように考えております。  国会の運営をいままでと違って考えなきゃならぬというようなお話ですが、これは協調と連帯、これはもう各政党間の問題もそうだし、また、政府と国会との間もそういう関係でなければならぬと、かように考えます。  予算につきまして、これを修正に応ずるかという話でありますが、私は、予算につきましては、これはもう党首会談におきまして各野党のお話も聞いたんです。その結果、皆さんが一兆円、一兆円とおっしゃる。まあしかし、なかなかそういうような国の状態じゃない。しかし、皆さんがおっしゃるんだから、ということも考慮いたしまして、三千五百億円、中央地方を通じますと四千三百億円の減税ということに踏み切ったわけでありまして、もうくどくどしく、そう大幅減税を容認するような状態じゃないということは申し上げませんけれども、篤と御理解をいただき、政府の立場にも御理解を賜りたい、御協力を賜りたい、かように考えます。  それから、参議院地方区の定数問題でありますが、これは選挙制度につきましていろんな問題がある。特にロッキード問題の処置として、金のかかる選挙制度、これはもうどうしても何とかしなきゃならぬ、そういう問題がありまするけれども、定数の問題は取り急ぐ問題である。しかし、定数問題というのは、ほかの問題もそうでありまするけれども、これはもう各政党の共通の土俵つくりの問題ですから、政党間におきまして十分協議を進めてもらいたい、かように考えます。  ロッキード問題の解明につきまして、私はこれは厳然たる姿勢であることはすでに申し上げておるとおりであります。ただ、PXLにつきましては、これは検察当局幾ら調べてみても犯罪の容疑が認められたということになってこないんです。そういう状態にあります。しかし、ロッキード事件全体につきましては、今後新しい事態が発生する、そういうようなことがあれば、これはもうどこまでも追及してまいる、さような考えでございます。  親韓派議員買収工作のレイナード証言等につき捜査する考えはあるか、こういうお話でございますが、私はあの報道を見まして、あんなことはあり得ないと思います。これは私ども政党の活動の中におるんですから、大体のことはわかる。わかりますけれども、あのようなことはあり得ざることであると、こういうふうに思います。思いますが、皆さんも御関心のあることであろうと思いますので、念のため駐米大使、駐韓大使に対して、この調査方を命令いたしております。  それから、政治腐敗防止法案、これを単独法案として、そういう形のもとで制定すべしという御意見でございまするけれども、政治腐敗の再発防止のためには、これはいろいろ考えなきゃならぬことが多々ある。行政においてしかり、あるいは行政の運用面においてしかり、また制度面においてしかり、こういうことで広範に問題をとらえていかなければならないと存じまするけれども、この刑事犯の問題につきましては、これは刑法改正と贈収賄罪の法定刑の拡大と、こういうことで対処しようかと、こういうふうに考えております。  それから、国際婦人年に関係する国内行動計画につきまして御意見が述べられましたけれども、これは私もこれに関係しておるんですが、これはもう私は、世界行動計画、この線に沿って適正に作成されておると、こういうふうに理解をいたしております。今後とも政府は一体となりまして、婦人問題、特にその福祉並びに地位の向上につきまして努力をいたしたいと、かように考えております。  また、沖繩に関しまして、基地確保法案は違憲じゃないか、不当じゃないかというお話でございまするけれども、これは私ども日米安全保障条約を尊重し、また自衛力を強化すると、こういう立場から言うと、ぜひともこういうふうに御理解を賜らなきゃならぬ立場にあるわけです。これは土地所有権者とも十分な調整をいたしまして、その利益が不当にじゅうりんされるというようなことは絶対にいたしません。  それから、沖繩博終了後における経済状態、これは私も憂慮いたしておるんですが、万全の対策をとります。  それから失業対策、これも本土に比べますと非常に心配すべき状態でありますが、これも政府といたしましては最善を尽くします。  また、対米放棄請求権の補償問題、これはいまやっと沖繩県から要請についての概況調査が出てきたんです。そういう段階でありますので、速やかに概況調査をもとに処理方針を検討する、こういうふうにいたしたいと存じます。(拍手)    〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕
  60. 三原朝雄

    ○国務大臣(三原朝雄君) ただいま総理から沖繩基地確保法案については誠意のこもった御意見、御回答がございましたので、私からつけ加えるものもございませんが、この問題は、基地の重要性にかんがみまして誠心誠意私どもも当たってまいりまするし、憲法違反にならないよう十分努めてまいる所存でございます。どうかひとつ御理解を願いまして、この法案を提出することについて、また可決することについて御協力を賜りたいと思うのでございます。終わります。(拍手)    〔国務大臣藤田正明君登壇、拍手〕
  61. 藤田正明

    ○国務大臣(藤田正明君) ただいま喜屋武議員から沖繩開発庁に対しては二つの御質問があったと思います。  その一つの質問は、沖繩県における昭和五十二年に期限切れとなりますところの復帰特別措置についてでありますが、この復帰特別措置は、沖繩県当局を初めとしまして、地元県民の方々の期間延長の希望は強くわれわれも感じておりますし、また、その必要性を認めております。そういうことでございまして、開発庁といたしましては十分に地元の方々と協議を重ねておりまして、地元の要望はほぼ取り入れられたという内容の現状になっておると考えております。税、関税事案につきましては、県民生活に与える影響の大きいものは五年以内延長をいたす、それからまた、事案によりましては延長五年以内に漸次本則に近づけるという措置をとるような方針で、本国会に沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、これを提出する準備を進めております。また、予算関連事案につきましては、すでに本国会に提出してありますところの昭和五十二年度予算案において所要の措置が講じてございます。  以上のような方針のもとに、御要望の点につきましては沖繩の県民諸君の御期待にこたえるべく進行中であるということで御答弁申し上げておきます。  もう一つの質問は、沖繩の振興開発計画についてでありますが、これは、沖繩の復帰に際しまして本土との格差を是正するために、昭和四十七年度から五十六年度までを十カ年計画といたしまして策定をされたもので、御承知のとおりでございます。本年がちょうど計画の五年目に当たりますけれども、御承知のように、石油ショックがございましたし、それからまた例の沖繩海洋博の後の一年間の空白というふうなこともございまして、なかなか計画どおりには進行もいたしておりません。しかしながら、前期五ヵ年間におきましては、道路、港湾、文教などの公共設備の整備はほぼ目標達成の見通しがついてきております。で、県民の所得も、全国の国民所得が停滞をいたしておりますけれども、沖繩県民の方々におかれましては相対的に高い伸びを示しておるという現況でございます。しかし、沖繩の産業構造は依然として第三次産業に偏っておりますし、県内の雇用力を増大させることがなかなかできないという問題がございます。で、政府といたしまして、これらの成果、現況、今後の見通しについての展望を行いましたけれども、この十カ年の政策をここで変更する必要はない、このまま続けていこう、そうしまして、後期五ヵ年におきまして目標の達成のために大いに努力をする次第でございますけれども、特に第一次産業の整備、それから第二次産業基盤の整備、農林水産事業を初めとして、地場産業の振興とともに雇用不安の解消を図りたい、かように考えてこの十カ年計画の後半を大いにがんばりたい、かように考えておる次第でございます。  以上御答弁申し上げます。(拍手)    〔国務大臣田村元君登壇、拍手〕
  62. 田村元

    ○国務大臣(田村元君) 沖繩県に国の公共輸送機関を設けろということでございます。慎重に検討してまいりたいと考えております。  また、運賃の割引問題でございますが、沖繩県は特にたくさんの島からでき上がっておりますから、航空あるいは定期船等につきましては国の助成措置をいたしております。同時にまた、運賃割引も実施をさせております。  沖繩県と本土との物資の輸送でございますが、この点につきましては、特に生活関連の物資につきましては極力運賃を抑えるように指導をいたしております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
  63. 田中龍夫

    ○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  沖繩県におきまする海洋博の後のサービス業等を中心といたしました倒産の問題は、われわれ一同も非常に心配をいたしておった次第でありますが、関係省庁に御協力を願いまして、御案内の政府系三機関の金融を初め、特に沖繩県とされましても、制度融資を積極的に御活用いただきたいということと、倒産関連保証特例措置を機動的に大いに御活用いただきまして、同時にまた、この倒産に当たりましては、地元の皆様方と、またわれわれも御一緒になりまして一日も速やかに解決いたしたい、かように念願をいたしておるものでございます。(拍手)
  64. 前田佳都男

    ○副議長(前田佳都男君) これにて質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十三分散会