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1976-05-11 第77回国会 参議院 農林水産委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和五十一年五月十一日(火曜日)    午前十一時七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月十日     辞任         補欠選任      原田  立君     宮崎 正義君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         小林 国司君     理 事                 青井 政美君                 鈴木 省吾君                 辻  一彦君                 鶴園 哲夫君     委 員                 岩上 妙子君                 大島 友治君                 片山 正英君                 佐多 宗二君                 佐藤  隆君                 温水 三郎君                 初村滝一郎君                 神沢  浄君                 工藤 良平君                 志苫  裕君                 前川  旦君                 相沢 武彦君                 小笠原貞子君    衆議院議員        農林水産委員長        代理理事     今井  勇君    国務大臣        農 林 大 臣  安倍晋太郎君    政府委員        農林大臣官房長  森  整治君        農林省構造改善        局次長      福澤 達一君        林野庁長官    松形 祐堯君        林野庁林政部長  犬伏 孝治君        水産庁長官    内村 良英君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        労働省労働基準        局補償課長    溝辺 秀郎君        労働省労働基準        局安全衛生部計        画課長      中村  正君        労働省労働基準        局安全衛生部労        働衛生課長    山本 秀夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○林業改善資金助成法案(内閣提出、衆議院送  付) ○漁業再建整備特別措置法案(内閣提出、衆議院  送付) ○中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案  (内閣提出、衆議院送付) ○漁船船主責任保険臨時措置法案(内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――
  2. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十日、原田立君が委員を辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  漁業再建整備特別措置法案、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案及び漁船船主責任保険臨時措置法案の審査のため、五月十三日に、大日本水産会会長亀長友義君、全国漁業協同組合連合会専務理事池尻文二君及び焼津漁業協同組合長滝口佐左衛門君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  5. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 林業改善資金助成法案を議題といたします。  まず政府から趣旨説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
  6. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 林業改善資金助成法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  わが国林業は、国民生活にとって不可欠な木材等の林産物の供給と、森林の持つ国土の保全、水資源の酒養等の公益的機能の維持増進とを通じて、また、山村地域住民に就業の場を提供すること等により、地域の振興に寄与するとともに、国民経済の発展と国民生活の向上に大きく貢献してきたところであります。  このような森林・林業の果たす役割に対する国民的要請は、今後も一層増大するものと考えられますが、わが国の森林・林業の現況を見ますと、戦後の拡大造林の積極的な推進により造成された広大な森林が逐次間伐期を迎えつつあるにもかかわらず、必要な間伐が適切に実施されておらず、このため、森林の資源内容のぜい弱化をもたらすおそれがあること、林業機械の使用に伴う労働安全衛生の問題が深刻化してきていること、山村において若年層の林業従事者の確保が困難となってきていること等厳しい情勢にあり、これらが林業経営の健全な発展、林業生産力の増大及び林業従事者の福祉の向上を図る上で大きな制約条件となりつつあります。  政府におきましては、さきに述べました森林・林業に対する国民的要請にこたえるため、これまで、造林、林道等生産基盤の整備、林業構造改善事業の推進、林産物の流通・加工の合理化、林業労働力対策等の各般の施策を推進してきたところでありますが、以上のような最近における林業経営の状況等にかんがみ、これらの施策に加えて、林業従事者等が自主的に行う林野の林業的利用の高度化と林業技術の向上を図るための林業生産の方式の導入及び林業労働に係る安全衛生施設の導入の促進並びに林業後継者等による近代的な林業の経営方法または技術の実地習得を積極的に助長するための新たな施策を講ずることが緊要と考えられるのであります。このため、これらに必要な中・短期の無利子の資金の貸し付けを行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を創設することとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  まず第一に、この法律の対象といたします資金を林業生産高度化資金、林業労働安全衛生施設資金及び林業後継者等養成資金に分けて、それぞれの内容を定めますとともに、都道府県が、林業従事者等に対するこれらの資金の貸し付けの事業を行うときは、政府は、当該都道府県に対し、予算の範囲内においてその事業に必要な資金につき、原則としてその三分の二を助成することといたしております。  第二に、都道府県が行うこれらの資金の貸し付けにつきまして、その利率を無利子とするとともに、一林業従事者等ごとの限度及び償還期間等について定めております。  第三に、都道府県がこの貸し付けの事業を行う場合には、当該事業の経理は、特別会計を設けて行わなければならないこととするとともに、その事務の一部を森林組合連合会等に委託することができることといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。  なお、政府提案に係る本法律案につきましては、衆議院において貸付金の限度及び担保または保証人の規定について修正がなされております。
  7. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 次に、補足説明を聴取いたします。松形林野庁長官。
  8. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 林業改善資金助成法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  この法律案は、本則十五条及び附則から成っております。  まず、第一条におきましては、この法律の目的を定めております。  すなわち、この法律は、林業従事者等に対する林業生産高度化資金、林業労働安全衛生施設資金または林業後継者等養成資金の貸し付けを行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を確立し、もって林業経営の健全な発展、林業生産力の増大及び林業従事者の福祉の向上に資することをその目的といたしております。  次に、第二条におきましては、都道府県が貸し付けを行うこれらの資金をそれぞれ定義しております。  まず、林業生産高度化資金は、間伐の団地的な実施等林業経営の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる林野の林業的利用の高度化及び林業技術の向上を図るための林業生産の方式を導入するのに必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。  次に、林業労働安全衛生施設資金は、林業労働に係る労働災害を防止するために普及を図る必要があると認められる防振チェーンソー等林業労働に係る安全衛生施設を導入するのに必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。  また、林業後継者等養成資金は、林業後継者たる青年または林業労働に従事する者が近代的な林業経営を担当し、または近代的な林業経営に係る林業技術に従事するのにふさわしい者となるために必要な近代的な林業の経営方法または技術を実地に習得するのに必要な資金で政令で定めるものをいうことといたしております。  第三条におきましては、都道府県に対する政府の助成につきまして定めております。  すなわち、政府は、都道府県がこの法律の定めるところにより林業従事者等に対する林業生産高度化資金、林業労働安全衛生施設資金または林業後継者等養成資金の貸し付けの事業を行うときは、当該都道府県に対し、予算の範囲内において、当該事業に必要な資金の一部に充てるため補助金を交付することができることといたしております。  第四条及び第五条におきましては、貸付金の貸付条件につきまして、その限度額、利率及び償還期間について定めております。  すなわち、一林業従事者等ごとの限度額は、それぞれの資金の種類ごとに、農林大臣が定める額とすることといたしております。  また、利率につきましては、これらの資金の性格にかんがみ、これを無利子とするとともに、償還期間は、林業生産高度化資金及び林業後継者等養成資金にあっては五年を超えない範囲内で、林業労働安全衛生施設資金にあっては七年を超えない範囲内で、それぞれ、その種類ごとに、政令で定める期間とすることといたしております。  第六条から第十一条までにおきましては、貸し付けに当たって担保を提供させ、または保証人を立てさせること、災害等の場合において償還金の支払いを猶予できること等の資金の貸し付け及び貸付金に係る債権の管理を適正に実施するための所要の事項を定めております。  第十二条及び第十三条におきましては、都道府県がこの貸し付けの事業を行う場合には、当該事業の経理は、特別会計を設けて行わなければならないこととするとともに、当該事業に係る事務の一部を森林組合連合会等に委託することができることといたしております。  第十四条及び第十五条におきましては、交付する補助金の額は、都道府県が貸付金の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する金額または都道府県ごとに農林大臣が定める金額のいずれか低い額以内とすること及び都道府県が当該貸し付けの事業を廃止したときは、政府の補助を受けた割合に応じて政府に納付金を納付しなければならないことについて定めております。  最後に、附則におきましては、この法律の施行期日等について定めておりまして、この法律は、公布の日から施行することといたしております。  なお、政府提案に係る本法律案につきましては、衆議院において修正がなされておりますが、その内容は、貸付金の限度については農林省令で定めることとするとともに、貸し付けに当たって担保を提供させるか保証人を立てさせることとしていたものをすべて保証人を立てさせることとするものであります。  以上をもちまして林業改善資金助成法案の提案理由の補足説明を終わります。
  9. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 本案に対し、衆議院において修正がなされておりますので、この際、修正部分について衆議院農林水産委員長代理理事今井勇君から設明を聴取いたします。今井代理理事。
  10. 今井勇

    ○衆議院議員(今井勇君) 林業改善資金助成法案に対する衆議院における修正の内容を御説明申し上げます。  修正の第一は、一林業従事者等ごとの貸付金の限度額については、林業生産高度化資金、林業労働安全衛生施設資金及び林業後継者等養成資金のそれぞれの種類ごとに農林大臣が定める額とすることとなっておりますが、これを本資金と類似する農業改良資金の規定の例にならい、農林省令で定める額としたことであります。  第二は、本資金の貸し付けに当たっては、都道府県は、貸し付けを受ける者に対し担保を提供させまたは保証人を立てさせなければならないこととしておりますが、前項に同じく農業改良資金の規定の例にならい、貸し付けを受ける者に対し、保証人を立てさせなければならないこととしたことであります。  なお、この修正は各党一致による委員長提案であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  11. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 まず、林業の全体の問題としまして二つぐらいお伺いをいたしたいと思います。  この間四月の十三日か十四日だったと思いますが、五十年度の林業白書が出されましたですが、この白書につきまして大変評判がいいような、毎日新聞の社説によりますと、なかなかの力作だというふうに社説に載っておりまして、また朝日新聞は、社説の中で、昨年に続いて大変読みごたえがある、林家だけではなくて、一般国民にも一読を進めたい、などと言って、大変昨年に続いてことしの白書についての全国紙の評価がいいわけです。が、私は若干不審に思う点もあるんですけれども、ですが、その二つの社説を見まして察するところ、こういうことだと思うんですね、四十九年度の白書が、一枚四百ヘクタール、六万二千枚という大変な地図と言いますか、あるいは航空写真と言いますか、そういうものによりまして日本の山林を三つの類型に区分したと。一つは、旧来の林業地、美林として栄えているそういう従来の林業地。もう一つは戦後地、戦後植林をしたと言いますか、てこ入れれば美林として大いに見込みのある地帯。もう一つは里山の旧薪炭林地帯、大変粗放な状態になっているそういう地域を三つの類型に区分した。さらに五十一年度は――続きまして五十年はさらに一歩進んで、林家を三つの区分をした、類型をつくった。一つは林家と言われているもの、林業経営として先駆的な役割りを果たしているそういう林家と、もう一つは農業を主体とする林家、さらにもう一つはその他主業の林家、そういう、林家を三つの類型に分けた。分類して、地域の分類とそれから林家の分類、これを結びつけて林業を考えていこうという方針を打ち出してきた。こういう点が社説等によりますと、評価されているんではないかと思います。確かに、地域からのアプローチと林家からのアプローチとの結びつきを求めて、そこから、林業の問題を考えていくという点については評価すべきものがあるんではないかと思います。農業白書の方も盛んに複合経営というものを出してまいりましたし、さらに中核農家を中心といたしました組織化あるいは集団化、そういうものを非常に強く打ち出してまいっております。従来とはかなり違った形で強く打ち出している。林業の場合も、この農業を主体とする林家、これが林業面積の半分を占めている。大変、そこの労働力というものとそこの資本というものと、それを主体にして林業を盛り上げていこう、こういう考え方とはなはだつながっている点も受け取れますし、また林業の場合も複合経営というものを打ち出しまして、林業と農業との結びつきを求めて複合経営というものを主張している、という点等から言いますと、何か、私ども戦後昭和二十三、四年ごろ農業と林業との結びつきということが盛んに論議されたわけでございますが、何か再びここでそういう問題が出てきたような感じがしてならないわけですけれども、そのことはいいことだと私は思っています。  しかし、現実に社説も指摘をしているんですが、農林省という枠の中にはあるけれども、かさの下にはあるけれども、農政というものと林政というものは大変なじまない形のものになっている。そういう点から言いますと大きな問題があるというふうに思います。農政の組織、機構というものとそれから林政の組織、機構というものとの連携と言いますか、非常に大きな問題があると思います。さらに、林野庁が行っている民有林に対する施策、国有林の二倍以上の面積を持っております民有林についての林業行政というものについての組織と施策の貧弱さと言いますか、特に行政組織の貧弱さという点等から言いますと大変問題があると思う。そういった問題につきまして非常に漠然としておりますが、いずれ機会を改めましてまたこの問題を論議をしたいと思いますけれども、そういう農政の機構というものと林業の、林政の機構というもの、組織というもの、その相関性と言いますか、一体性と言いますか、関連性と言いますか、そういったような問題につきましてどういう考え方を持っていらっしゃるのか、ひとつお尋ねしたいと思います。
  13. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) いま鶴園委員から林業白書を中心にいたしまして林業のこれからのあるべき姿、あるいはまた林業と農業との相関関係につきまして非常に適切な御指摘をいただいたわけでございますが、私も全く鶴園委員と同じような考え方を持っておるわけであります。  林業につきましては、わが国においてこの資源は七割にも達するというふうな状況、資源の中の七割を占めているというふうな状況の中にあって、今日まで林業振興のための幾多の施策が講じられてきたわけでございますが、しかしこれを振り返ってみますると、いろいろと問題が出ておることは事実でございまして、こうした問題点を今回の林業白書は一応明らかにいたしまして、特にその中におけるところの担い手問題と言いますか、後継者問題等に焦点を当てておるわけであります。同時にまた、農業との結びつきという面を、これから林業振興ともあわせて大いに助長をしなきゃならないということも、その中においてこれからの林業のあるべき姿として書かれておるわけであります。私たちも、そうした観点に立ちまして、やはりこれからの林業につきましては、一つはやはり林業そのものの振興を図っていく、同時にまた、森林の広域的な機能の拡充を図っていくというような二面を持っているわけでございますが、そうした中にあって林業の振興につきましては、あるいは林家と農家というものの複合的な一つの結びつきというものを経営の中で考えていくということも必要になってくるわけでございます。これはたとえば畜産的な活用という面も大いに考えられるわけでございますし、シイタケその他の栽培といったような形の、林業の長期的な展望に立った経営と同時に、短期的な形での林業収益を得るというふうな面との結びつきということも今後考えていかなければならぬわけでございますので、そうしたこれからの農業についても一つの複合形式というのが考えられるわけでございますが、今後もやはり林業につきましても、林家の経営安定ということを考えますと、やはりそうした農・林の複合的な経営をさらに助長をさせて、そして林業の担い手に定着性を与え、そしてこれからの希望を持たせるということは、私は非常に大事なことじゃないだろうかと考えております。そうした観点から今回の法案等も提案をいたしたわけでございますが、われわれとしても、いまの鶴園委員の御指摘のような方向、分析を一つの基礎といたしまして、今後とも積極的に進めてまいりたいと、このように考えておるわけであります。
  14. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 これは先ほど申し上げましたように、また機会を改めまして時間がありますときに論議をいたしたいと思っておりますが、農林行政、農政の機構、組織というものと、それから林野行政の組織、機構、特に民有林を扱う機構、組織というものとの関連性と一体性、こういう問題について、さらに農業改良普及員というものと林業改良普及員というものとの連携、一体性というものをどう考えていらっしゃるのか。あるいは十三あります営林局の中に、民有林を取り扱うそういう機構というものが、組織というものが全くありません、ないと言っていいと思います。そういう中で、千四百万ヘクタール、公有林を入れますと千七百万ヘクタールに及ぶ民有林の組織、ここで扱う組織なり機構という問題について非常に私は問題があるように思っております。  ですが、これはひとつまた機会を改めまして論議することといたしまして、もう一つは、大変林業が危機だと言われておりますけれども、私ども危機というよりも、もう崩壊しつつあるのではないかという心配を大変しておるわけであります。今度この林改資金――林業改善資金。簡単にいたしまして林改資金と言った方が短かくていいんですが、この林改資金について参考資料をいただいたのでありますが、大変簡単な参考資料、統計資料をもらいましたが、その資料から見ましても、大変な状態だと思います。たとえば林業の生産力といいますか、国産材、これは四十年から四十九年にかけまして大幅に減少しておるわけですね。――一〇〇といたしますと四十九年は七八%という下がり方なんですね。もし農業にありましてこれほど生産が減ってくるというようなことになりますと、これは大変な問題だと思うんです、農業でいいますと。これはえらいことで、農林大臣なんかそこには立っちゃおれぬと思うんです。林業は国の、国産材の生産高が毎年非常な勢いで減ってきましてもそう感じないわけですね。需要そのものは五〇%――五六%あるわけです。ところが、国産材は二二%、二三%減る、こういう状態なんですね。で、その間隙は外材で埋めるということになりますが、それが六五%、自給率が七二%であったものがわずか八年か九年の間に三五%という自給率になる。問題は国産材というものが非常な勢いで減少しておるということだろう。さらに将来の林業と言われる造林面積がこれまた非常な勢いで減少している。現在の林業の生産力というのは非常に落ちている。落ちてきただけではなくて、将来の林業を示す造林の面積というものが非常な勢いで減った。この四十年から四十九年の間に一〇〇から六八という減少、大変な造林面積が減っている。いま造林面積というのは四十九年度で民有林で十八万ヘクタール、そこまで減ってきた。この十八万ヘクタールといいますと、昭和二十四年ごろの造林面積なんです。それで戦後、農地改革に続いて林業の山林改革があるんじゃないかということで、当時は、林地にいたしまして、戦前戦中の乱伐をいたしましたものについての植林というのがほとんど行われなかった。ところが、農地改革が終わって林野の解放、林業改革、林地改革というのが行われないという見通しが立って急速に、一挙に植林がふえてくるわけですが、そのふえたときのはしりが昭和二十四年なんですね。そのときは十七万ヘクタールです。それが二十万台になり、三十万台に上って四十万台に上がってきた。それが今度だんだん下がってきまして、いまや昭和二十四年の段階に返っているというふうな大変な民有林の落ち方。国有林も大変毎年毎年造林面積が落ちてきまして、いま六万三千ヘクタール。この六万三千ヘクタールといいますと、これは昭和三十四、五年ごろの造林面積です。大昔に戻りつつある。  ですから、この二つから見まして、これは林業を占う最も大きな基本だと思うのですけれども、生産力が、生産高というものが非常に低落する。さらに将来の林業を示す造林面積というものが非常な落ち方をする。四十万ヘクタールまで上ったものが十七万ヘクタールというところまで落ちてしまう。国有林もしかり、例外じゃない、という点等を見ますと、林業というものは、これは危機じゃなくて崩壊しつつあるのじゃないかというふうに私は大変心配をするものです。国有林というものの存在というのが、日本におけるところの林産物木材価格の安定に対して国有林が一つの役割りを果たした、大変な役割りだったのですけれども、国内に流通する木材の中の三割あるいは四割を占めておったそういう国有林がいま一割ぐらいになっちゃった。国有林の意味というものも非常に変わっちゃったですね。それは別にしまして、この林業が崩壊しつつあるという考え方についてどういうふうに見ていらっしゃるのか、またどういう対策をとろうとされるのか。林業というのは、御承知のように、ことし植えて来年というわけにいかぬわけですから、五十年、六十年というふうに考えなければならぬわけですから、これはとても悲観も悲観、どうにもならぬという感じがしますね。どういうふうに見ていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
  15. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) この伐採や造林の林業生産活動が近年停滞をしておるということは、私はこれは事実であると思うわけでございますが、これの原因といたしましては、伐採につきましては人工林に幼齢林が多い、また伐採適期に達したものが少ない、こういうふうなことが一つの原因だろうと思います。  それからまた、造林につきましては、造林対象というのは相当奥地化をしておりまして、施業する場合にいろいろと制約が多くなっておる、そういうこともあるわけでございます。  さらに、四十九年、御案内のような非常な災害、全国的な気象災害が起こりまして、被害造林地の復旧に多くの資金や労力を要した。そういうことで造林にもなかなか手が回りかねたということ等の原因もあるわけでございますし、さらに近年の景気の後退、いわゆる不況に伴いまして、パルプ・チップ材の需要の不振によりまして造林に先行するところの前生樹の伐採が困難な事情にあること等の事情によるものであって、今日確かに林業をめぐるところの情勢は非常に厳しいわけでございまして、木材につきましても、国内が三五%、外国材に依存しているのが六五%という非常に厳しい状態にはなっておりますけれど、いまお話しのように林業そのものが崩壊をしつつある、こういうふうには私は考えてはいないわけでございます。これからのやり方次第では、林業につきましてもこれを振興させ、国民の要請にもこたえることができるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、それをやるためには、やはり林業の担い手の確保が困難になっておるわけでございます。これが林業政策を推進する場合におきまして非常な制約になっておる等の事情もありますから、今後は森林の資源の整備あるいはこれに必要な林業の担い手の確保、定着を図ることを目的として林業振興のための諸施策についての一層の充実強化を図って林業の振興に努めてまいらなけりゃならぬ。この一つの大きな停滞というもの、それに伴うそれのいろいろの原因というものをわれわれははっきり認識をいたしまして、しかし将来に対して一つの希望を持ち、夢を持って、これからの総合的な抜本的な施策を進めてまいるということを行えば、私は林業にも将来に対して明るい展望が開けてくる、こういうふうに考えておるわけであります。
  16. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 大臣は停滞しているという言葉を使われまして、崩壊しているということじゃないというお話ですが、ですが、私が先ほど言うように、林業の生産力といいますか生産高といいますか、それは停滞じゃないです、これ。私が言いましたように、どんどん下がっているのですよ。非常な勢いで下がっている。そしてさらに、将来の林業とよく言われますが、造林面積というのが、これがまたどんどん下がっておる。さっき申し上げましたように、民有林のごときに至っては昭和二十四年ごろの水準ですよ。一時は四十万ヘクタールを超したんですから、民有林の造林面積というのが。それがいまや十七万ヘクタールまで落ちちゃった。国有林についても、これは八万から九万近くまでいって、それがいまや六万に落ちちゃっているのです。それは特にことしや去年落ちたというんじゃない、その前の年に落ちたというんじゃない、年々下がってきておるわけですから。この十数年にわたって年々下がっているのです。いまや昭和三十四、五年ごろの状態になっている、造林面積というのは。高度経済成長の前に戻っているわけです。民有林は戦争直後のあの大変な林業危機といわれた時代、あの時代の造林面積に戻っておるのですからね。これが、これからの将来の林業――いまが悪い。いまどんどん落ちちゃっている。将来を見た場合に、これもどんどん落ちていく。はっきりしているんじゃないでしょうか。これから二十年、三十年の後は、という懸念を私はしておるわけですけれども、まあ中間に四十万ヘクタールまで上がった、あるいは国有林の場合は八万ヘクタールを超して九万ヘクタールまで近づいた時代というのがありましたから――それが二十年後、三十年後には来る。その後がまた大変ですわね、これ。いまのような、造林面積がどんどん落ちてきている。十数年にわたって連続低下ですよ。これは、だから私は停滞ではない、崩壊しつつあるという、そういう考え方に立って、造林の問題についても、林野行政の問題についても考えていただくという姿勢が必要ではないかと私は強調したいわけなんです。
  17. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  ただいま大臣お答えいただいたのでありますけれども、ちょっと補足さしていただきますが、停滞ということの単語は別といたしまして、国産材の生産の減退でございますけれども、戦後、先ほど御指摘ございましたような造林を推進してまいったわけでございますが、民有林等につきましては大体七六%がまだ二十年生以下でございます。したがって、その成長量なりあるいは直径等から見まして生産に参加するという段階に来てないということ等が主な原因でございますが、同時に、林道等の未整備なり、あるいは労力の不足とか、あるいは次第に奥地化しているとか、こういうことが重なりまして生産が国産材については減退している。したがって、その穴を埋めると申しますか、増大する需要に対応した木材の供給の大方六五%を外材に依存せざるを得ない、こういうのが実態でございますが、この七五%相当の二十年生以下のものが次第に生産に参加するという形が、まず第一歩として間伐という形で生産に参加してまいるわけでございます。そういう意味からも、この改善資金というものを私どもは十分活用いたしまして間伐材の促進というものを図ってまいりたい、そして国産材の生産の一翼をも担わしたい、こういう気持ちでございます。  また造林の停滞でございますけれども、御指摘のような傾向でございますけれども、実は私ども日本の民有林、国有林合わして約二千五百万ヘクタールございますが、約千三百万ヘクタール程度のものを将来造林したいと、こういう長期計画を持っておるわけでございまして、現在七割程度の九百万ヘクタールというものの造林地を確保したのでございますけれども、そのような関係から次第に奥地化してくるということは、またこれ、やむを得ない点がございますと同時に、先ほど大臣お答え申し上げましたように、この二ヵ年による不況あるいは紙の生産の停滞と申しますか、減退等によりまして薪炭林等を切るパルプ・チップというようなもの等の需要が急激に減ってまいりまして、切ることが造林の前提でございますので、その辺が非常に大きく影響している。ただ御指摘のような面積に落ちておりますけれども、それらを踏まえまして、私ども長期計画に即し、また全国計画あるいは地域森林計画と現地に落としながらこの面積を予定どおり確保するべく努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
  18. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 造林の面積が大変な勢いでこの十数年の間減ってきたということについては、これ、やはりいろいろ考えなきゃならぬ点があるんじゃないかと思いますですけれどもね。ですから、私ども社会党といたしましては、国営によるところの造林というものを考える必要があるんじゃないか、あるいはかつてのような官行造林というものを積極的にやる必要があるんじゃないかというような主張もいままでやってきておるわけなんですね。いずれにいたしましても、この造林面積というのが大変な勢いで減少する。減少するにはいろんな理由がありますよ。ありますが、しかし、それは私はやっぱり林政の問題として考えなきゃならぬことではないかというふうに思っておるわけなんです。だから、これは国の金をつぎ込んでも積極的にやるという姿勢が要るんじゃないか。いまのような造林面積が大変な勢いで減少してくる。先ほど申し上げましたように、この二、三年の話じゃないんですから。この十数年にわたってどんどんどんどん減ってきているわけですから。そこで、それはそういうことでぜひ、停滞しているというような考え方ではなくて、これはやはり大変だということでぜひひとつ進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に林改資金でありますが、この林改資金も確かにそれを補うものの一つとして新しく創設されることになるわけでありますが、まあ農改資金というのが昭和三十一年にできましてもう二十年以上を経過しておるわけです。まあ林業にありましてやっと二十年後にこの林改資金というのが新しく出てきたわけでありますが、なぜおくれたのかということも、これはぜひ聞きたいという気もするんですが、それは別にいたしまして、この林改資金というのは今後私どもは画期的なものになるのではないかという期待もまた大きくあります。  そこで、この林改資金につきまして大臣の提案理由説明が三つありまして、一つは戦後の造林、これを積極的に推進してきたと、確かに戦後大変な勢いで造林が行われました。そして四十万ヘクタールという造林まで、民有林の場合は行われたわけです。それがいまは間伐の時期に達した。ですから、これは何としても間伐を積極的に進めなきゃいけないというお話だと思います。いま林業関係者に話を聞きますと、林業地帯に行かなくても、県庁所在地でも、どこでも聞きますことは、戦後植えたもの、どんどん植えたものがいまや間伐期に入った。しかし、なかなか間伐ができない、大変なことになると、こういうことをよく言われるわけであります。それを林改資金で、無利子の林改資金でやっていこうというお考えでありますが、そこで参考資料を見ますと、民有林の間伐を要する面積というのが約二百万ヘクタール――二百六万ヘクタールだと。そしてさらにこれから十年間、これにプラス二百二十万ヘクタールというものが積み重なるという資料を出していらっしゃるわけですが、大変な状態であります。それに対しまして、この間伐面積というのがわずかに三十二万ヘクタール、一六%にすぎない、こういう数字が出ておるわけでありますが、まさに異常な状態であります。ですから、いま歩きますというと、間伐をどうするんだ、どうするんだという大変な要望であり、大変な問題になっておるわけです。林業の中で、この数字がどんどん減ったりするのは、ここ十数年見なれておりますから余り驚きませんが、間伐の一六%はちょっと驚きますね。大変なこれは低い。これはもちろん農作物と違ってそう一年や二年や三年を争って――農作物で言えば十日や二十日を争わなきゃならぬわけですが、林業の場合はそうではありませんから、若干時期を逸してもやれるという可能性もあるわけですけれども、それにいたしましてもここ五、六年間の間の間伐のやられた面積というのは一六%というのは余りにも低いのじゃないか、余りにもひどすぎる。この理由はどこにあるのかという点をお尋ねします。
  19. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  ただいまお話ございましたように二百万ヘクタール以上の要間伐面積がございまして、今後十年間にさらに三百八十万ヘクタールが対象になると、こういうことでございまして、大変私ども危惧いたしておりまして、そのためにこのような資金の御審議をいただいておるわけでございますけれども、間伐がおくれております理由といたしましては、まず生産面では作業道等を含めました、林道、作業道等を含めた搬出設備が、施設というものが未整備であるということと、それから民有林の特徴といたしましてきわめて小規模で分散的でございます。まあそういうことからまとまった形で出てこない、したがって生産原価が高くつくということが一つございます、大きく一つございます。また同時に、間伐材ということについての需要の問題、どのような形でこれが、需要が喚起できるかというようなこともございますし、また流通の体制がそのように分散的であるというようなこと等から整備が十分されてないというようなこともございます。さらに販売面でございますけれども、品質が一般材に対しまして低位であるということも一つございますし、また従来間伐材の大方の需要の大宗は足場丸太等が中心でございましたけれども、近ごろこのような伝統的な需要が減少しつつある。さらに新製品の需要がまだ定着してない。このように生産面、流通面、販売面等につきまして、それぞれいろんな原因があって複合的に間伐がおくれておる、こういうことの原因と私どもは考えておるわけでございます。
  20. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 いま、この間伐の問題が大変な問題になって、現地でいろいろ話を聞きますというと、間伐したものが売れない。これが一番大きな問題のようにわれわれは受け取っておるわけなんです。それはいまおっしゃったような理由があると思いますけれども、何せ結論的に言いますと、間伐してみても売れない、利益を伴わないということが一番大きいんじゃないかと思います。もちろん労力の問題もあります。労力の問題もありますが、売れればこれはやると思うんです。そもそも売れないというところに一番大きな問題があるんじゃないか、あるいは林道が足りないという問題もあると思います。四十九年の林野庁が行いました林家の林業経営意識調査によりますと、最近間伐材が売れない、売れないという、それが四割を占める。それから林道がないというのが四割、労力不足が三割。四割、四割、三割という数字が出ておるわけですが、まさにそのようじゃないかと思うんですね。私が受け取っておるところでは売れないというのが一番大きな原因じゃないかと思うんです。ですから、そういうことが理由になって、この一六%という非常に低い間伐になっているんだと思うんですけれども、ですが、融資という形でそういうものがどの程度解決するのかという心配があるわけですけれどもね。もちろんこの間伐を促進するということと、それからもう一つは、間伐材を高度利用するそういう施設をつくる、その二つに対して融資をされることになっております。ですから、その二つによって一体、いま一六%というものの理由ははっきりしているわけですから、それらが片づくのかどうか、片づいていくのかどうかという点ですね。融資で解決されていくのかという問題を聞きたいわけですよ。
  21. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたように、間伐が不振である。これは売れないことが主なる原因である。また売れないということは生産原価の高さに比べて販売価格が安い。そういうこと等が絡み合いましていろいろこのような不振の原因になっているわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、本融資だけでこれが解決するというふうには私ども思っていないわけでございます。当然これの間伐材のための作業道をつくるとか、あるいは必要な製材機器とか、あるいはまた間伐するための労賃とかそういうものが貸し付けの対象になっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、林道、作業道等の整備等、機械化を推進するということも一つでございますし、また間伐の計画化と作業の集団化、あるいは生産する森林組合と製材業者との結びつきの実行体制をつくるとかいうようなことも当然大事でございますと同時に、また安定的に供給、生産される流通過程というものも合理化する必要があろうと思います。さらに新しい需要開発ということに対する技術開発、あるいはそれの普及、宣伝、展示、そういうもの等を絡めまして総合的にこれは対策しないと、これだけの大きな面積に対する施策というものは十分でないというふうに思っておりまして、御指摘のとおりに融資だけでこの問題が解決するものだとは思っておりませんので、総合的な施策の展開を図ろうと思っているわけでございます。
  22. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 私は二つほどいまの長官のお答えに対しまして伺いたいと思うんですが、一つは間伐材の高度利用と、その施設を援助されるわけですが、無利子の金を貸されるわけですが、実際現地に行きますと、何とか林野庁が間伐材の高度利用の問題について開発をしてもらいたい、という期待は非常に大きいですね。で、間伐材の高度利用の施設をされるというんですが、どういうような間伐材の高度利用というのを考えていらっしゃいますのかということが一つと、もう一つは、今度間伐の問題について二つ、つまり間伐を促進する、もう一つは間伐した物の高度利用という二つの問題について融資をされるわけです。五十一年度この二つについては七億円。で、間伐促進についてみますというと一ヘクタール三十五万という限度があります、三十五万円。それで七億ですから、四十県としますと一県当たり千七百万円ぐらいの融資になるわけですよね。それで一ヘクタール三十五万円といたしますと、全部間伐促進に向けるわけにいかぬでしょうから、大体県当たり三十ヘクタール足らずですね。まあ三十万ヘクタールぐらい間伐面積がことしどうしてもやらなきゃならぬ、三十五万ヘクタールやらなきゃならぬという場合に、全国で千二、三百ヘクタールというものがこの融資によって行われるということになるんじゃないか、それがどれだけの促進力を持ち、あるいはそれ以外の間伐を促進していく力があるのかという点について疑問を感ずるわけです。これはまあ初めてできる、創設されるわけですから、急にこの金を七億を十億なり二十億なりというふうにふやすわけにいきますまいけれども、ですから来年あたりからぐっとふやしてもらいたいと思うんですが、まあいま言ったいまのことしの七億ではせいぜい全国で千二、三百ヘクタールじゃないか。まあ三十万ヘクタール、五十万ヘクタール、いや本当言うならことし恐らく五十万ヘクタール程度の間伐をやらなきゃならぬでしょう。もっとそれ以上をやらなきゃならぬのかもしれぬ。その中で全く九牛の一毛みたいなもののような感じを受けるわけなんですね。それが促進剤になっていくのかどうか、その二つですね、お尋ねをしたいと思います。
  23. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 高度利用施設をどのようなものを今後の技術開発と含めて考えているかということが一点でございますが、いま間伐材の需要の形を申し上げますと、先ほどちょっと申し上げましたが、丸太のまま使う分野といたしまして足場丸太とか、くいとか、あるいは緑化木等の支柱とかそういうものがございます。また二番目としては、建築用材あるいはダンネイジと申しまして、これも相当量あるわけでございますが、たとえば船などで鉄板を輸出するとか、あるいは機械等をやる場合の敷き物にする木材でございますが、そういうもの、あるいは大量的には将来期待されるのはパルプ・チップと、こういう三つくらいの形が考えられるのでございまして、私どもが考えておりますのは、加工技術の改善等を図るということで、たとえば集成材、これは間伐材が小さいということもございますが、これらを集成材といたしまして柱に使うとかいろいろ構造材に使う、あるいはガーデンセットとかいろいろなことがございます。また住宅には間伐材で建てた住宅を現在東京の潮見の方でございますが、林野庁で設計、建設した物をいま展示中でございます。そういう新しい形の住宅に使う、こういうこと等も考えておるわけでございます。さらにパルプ・チップの原材料としての利用というものはこれはもうすでに研究もされておりますし、大きいロットでこれが生産されますならば大変大きな消費が期待されるのではないか、こういうこと等を考えまして、それぞれ技術開発といたしましても、私ども、そのような間伐の建設、建築のための予算なり、あるいは木造住宅の合理化調査事業等、あるいはまた七センチ角の間伐材を使った住宅開発、これらの予算も実は持って現在やっておるわけでございます。  なお第二点目でございますが、ヘクタール三十五万円、これは作業道をつくったり伐採のための労賃等を含んでおるわけでございますが、確かにことしの全体の資金枠といたしましては二十億でございます。初年度としての二十億でございまして、各県の資金需要等ににらみ合わせまして、大体この程度のものでスタートできるのではなかろうか。なお来年度以降につきましては、おっしゃるように大変大きな面積が期待し、またわれわれは実行すべきことでございますので、必要な資金需要というものには予算なりそういうものは確保するように私どもは努力してまいるつもりでございます。
  24. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 これは間伐の促進というものを奨励金といいますか、あるいは補助金、奨励金というような形で進めることはお考えにならないのか。造林については補助金が行われているわけですが、間伐も言うならば育林の一種でありますから、でありますから、つる切りなりそういうものと似たような性格を持っておるわけですが、ですからこういう補助金とそれから制度融資との中間に当たるような無利子の金というだけではなくて、奨励金のようなものを考えて間伐の促進というものをやる、それだけの意味を持っているのだというふうに私は思うんですけれども、奨励金あるいは補助金という制度をお考えにならなかったのかどうかをお尋ねをしたいと思います。
  25. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  ただいまお話ございましたように、間伐には主伐収入を見返りといたしました二十年生ごろまでの保育間伐というものと、それ以上の年齢に達しまして利用できるということで言う利用間伐と二つに分かれると思うのでございますが、保育間伐というようなものにつきましては、いまお話がございましたように造林補助金とかあるいは低利長期の農林公庫の造林資金等が出されておるわけでございまして、この保育間伐に対するそのような補助というものはやはり主伐収入を見返りといたしますものでございまして、一応私どもは現在の補助の内容なりあるいは農林公庫の融資条件あるいは枠の拡大、そういうことを改善する、あるいは拡充することによりまして対応できるというふうに思っておりまして、この利用間伐というのは少なくともこの間伐ということによりまして何がしかの収入があるわけでございます。そのような収入があるというようなことでございまして、先ほど申し上げましたような主伐時期の収入を見返りとするような長期の保育資金というようなものとはおのずから性格が違うというようなことで、私どもとすればこの融資、貸し付けというようなことで対応してまいりたいと思っておるわけでございます。  なお、間伐の対策事業の一つとして林分改良事業等がございましたけれども、これはこの資金とともに一応間伐の分はやめることにいたしておりますけれども、このような補助金で従来やってきたものにいたしましても、間伐はヘクタール当たり大体二万円見当しか実は出せないというようなことがございます。これは一応必要な資金のヘクタール三十五万円というようなことでございますので、私どもはこの融資を十分拡大することによりまして対応できる、このように思っておるわけでございます。
  26. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 次に、国有林の中の国有林の間伐、これはどういうふうに進んでいるのか、国有林の要間伐面積とそれから伐積といいますか、それはどの程度進んでおるのかという点についてお尋ねをします。
  27. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げますが、私ども、国有林につきましても、森林資源の内容の充実には鋭意努力いたしているわけでございますが、昭和四十八年度と四十九年度の間伐は、丸太に換算いたしてみますと、約六十万立方程度でございます。これは必要な間伐の量の八割程度が実行率になっているわけでございます。
  28. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 造林面積は、民有林と同じようにどんどん低下している、国有林もですね。それから生産高につきましても、民有林と同じようにどんどん低下してきている。しかし、間伐については、民有林は一六%ぐらいで著しくおくれている、ただし、国有林は大変高い、八割だというお話であります。民有林と国有林の間にそういう差があるということは、どこから来るのか。国有林が模範的に仕事をしているということになるのかどうか。どうも私が考えますと、同じような条件にあるんじゃないか、原有林も国有林も同じような条件にあるんじゃないか。にかかわらず、間伐については民有林は一六%、国有林は八割というんじゃ、不可解な面があります。
  29. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 民有林が約二〇%弱でございまして、国有林が八〇%程度、私ども、当資金の運営によりまして、十年間にはほぼ六〇%程度の民有林の間伐が本資金の活用によってできるだろうと、さらに残りの四〇%等につきましては、需要が増大することによりまして外部資本も入るであろうし、あるいは所有者の方々の間伐意欲も次第に、需要があれば出てくるであろう。そういうこと等を期待して民有林は対応いたしているわけでございますが、現実にはそのような差がある。国有林の場合は、少なくとも地域森林施業計画に基づきまして計画的な森林の育成というものが十分、私どもの意思によって行われるわけでございますし、同時に、あるまとまりがあってまとまった数量が出てくる。したがって、これはまとめた形で売れるということが一つあろうと思います。民有林につきましては、先ほど申し上げましたように、きわめて分散的で、また小面積である、こういうことでございます。たとえば、どの程度小面積であるかと申し上げますと、全国の造林の一筆当たりの面積は約四反歩でございます、補助金の対象といたしまして、平均的には。そのようなことからいたしますと、やはり一ヘクタールの中に二人半ぐらいの所有者がおられる、それが齢級的にもばらばらではございますし、まとまった形でそれが出ない。したがって、本資金によって団地的な共同の施業によりましてまとめてこれを出そうというのがこの間伐資金でございますので、何か零細、分散的というものを克服しながら、協業化なりあるいは共同で仕事をしよう、こういうことで克服してまいりたいと思っているわけでございます。
  30. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 まあ一六%と、この資料に出ておりますのは民有林は一六%、国有林が八〇%という、その余りにも大きな差にいささかびっくりするんですが、いま長官のお話を承っておってある程度納得できる面もありますけれども、余りにもその差があり過ぎるんですね。これは、民有林の場合は小面積であるとかなんとかという問題もあります。それだけに、これを進めていく上には今後大変だと思うんですが、総合的に相当思い切った施策をしていかなければならぬと思うのでありますが、いずれにしましても、どうも民有林はなかなか売れないとかいうことでやらない。あるいは林道の関係がありますけれども、売れないというようなことでやらない。国有林がこれだけ進んでいるということになりますと、ある意味で国有林は損をしても、赤字を出しても間伐を進めていくという考え方が十分入っておるのかどうか。そう考えませんというと、八〇%という数字は、なかなか私としては納得できない面がある。  もう一つ、これから五年間のこの伐採計画というものがあるわけですか、間伐計画というのは。そして、その間伐しました生産量、いま丸太に換算しますと六十万立方メートルだという話ですが、そういうものはこの年間の生産量の中に含まれておるわけですか。この二つについて。
  31. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 国有林の場合に間伐が八〇%程度は実行しておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、間伐を計画的にわれわれは育林というような感覚を含めましてやっておるわけでございまして、少なくとも赤字になるということは、国有林の場合ほとんどないと思っております。これはまとまった数量、面積というようなものから、あるいは林道等の整備がそれなりに計画的に先行投資されるというような面があろうかと思うのでございます。  なお、間伐の将来五カ年なら五カ年の数量というようなものは、当然私どもは計画いたしておりまして、昭和五十一年から五十五年の間におきましては、年平均七十万立方程度を計画いたしております。また、五十六年から六十年の間における年平均約百万立方程度を予定しておるわけでございます。
  32. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 その間伐の材積は生産量の中に入っておるわけですね。
  33. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 入っております。
  34. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 次に、この第二番目の大臣の説明にございました振動病についてお尋ねをしたいわけです。  提案理由にございますように、林業機械の使用に伴う労働安全衛生の問題が深刻化している、こういうふうに大臣言っておられるわけですが、確かにこの林業に使われております機械、特に振動機械が与えている、林業に従事する労働者に与えている影響は大変に深刻なものがありますし、さらにまた、雇用者の側あるいは事業者の間にありましても非常な不安感を持っております。したがって、これらを速やかに解消していく努力をしなければならないと私どもは思っております。今回こういうような資金をもちまして、その方法の一つとしてこれをとられるわけでありますが、そこで、この振動のチェーンソーですね、これがまあ日本の経済が高度経済成長に入りますころ、昭和三十三年から昭和三十六年に当たりまして、爆発的に国有林の中に導入されるわけであります。けた台であった、二けた台であった、三けた台であったものが、一挙に三十六年には四千台になって、これがいま大体五千台、チェーンソーがですね。民有林は国有林が主導型でありまして――この場合は主導型であります。主導型であって、国有林が先導型でいたしまして、民有林も続いて爆発的に導入されるわけでありますが、三十八年に一万台になって、いま十八万台というような大変な怒濤のように林野の中にこれが殺倒したわけですね、この機械が。そうして国有林の中にありましては、三十四年にもうすでに、伐木労働者の間から白ろう病の訴えが出始めた。いまで言えば、白ろう病の訴えが始まって、それで四十一年に職業病として指定をされる。そうして四十四年に振動工具の使用の規制、二時間規制というのが行われたり、あるいは認定者は機械から隔離するとか、あるいは受療制度がある程度行われてくるとか、休業補償が行われるとかというような形になってまいったわけです。それで認定患者が四十三年に四百三名であったものが、いま五十年に二千七百九十七名という状態になっておるわけでして、チェーンソーを使用している台数というのは、国有林の中で五千台と見ていいと思いますが、その中で三千に近いものがはっきり認定病患者として受けているということになりますと、これはチェーンソーという機械そのものに大変な大きな問題があるということを証明するものだと思いますけれども、いずれにいたしましても、職業病の中にあっては、日本における最大の職業病という形になってきたわけですね。けい肺病はうんと少ないですから、けたが違うんですね。ですから、大変な職業病、最大の職業病という形になってきたわけですが、しかもこれが受療する、完全に受療する方法というのがない。したがって、この病気にかかりますと、もとの職場に戻った人はない、あるいは完治した人はないという状態で、非常にあらゆる面において大きな問題を露呈をしておるわけです。  そこでまず、全国的にチェーンソーというのは大変に大きな問題になっているにかかわらず、また、政府も、今回こういうような資金を創設いたしまして、機械の防振機械を使わせるとか、あるいは予防のための施設をつくるとかいうような形で、二つの方向から融資を行って、そしてやっていこうというお考えなんでありますが、民間のチェーンソーの使用者、これはどのぐらいあるのかと言いますと、私もちょっと想定をしますと、二万はおるだろうというふうな感じがしますですね。国有林の中に五千というものが使われている、民間に十八万台ありますけれども、これは大部分遊んでいるだろうと思うんです。実際使われているものがどの程度あるかわかりませんけれども、これは二万や三万という人たちがこれによって食っているんだろうと思うんです。  ところが民間の場合におきまして、民有林の労働者、チェーンソー使っている労働者のその白ろう病の認定というのは非常に少ないんですね、異常に少ない。労働省の発表ですと、五十年の三月末で認定者四百二十四名、五十一年はまだ上がってきてないそうですが-四百二十四名。この民有林が国有林よりははるかに、何倍とチェーンソーを使っている。そうしてそれによって飯を食っていると思うんですけれども、にかかわらず、この認定患者が非常に少ないというのはどういうところに理由があるのか、それを伺いたいわけです。
  35. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま、言うなれば民有林におきます伐木、造材のチェーンソーに従事するプロといいますか、年間相当な日数をその仕事に従事する方々が、私どもは、約三万ぐらいおられるのだろうというふうには想像しているわけでございますが、国有林の五、六千名に対して、そのような人数がおられるのに、四百名程度であるということについての御指摘でございますが、一つは、国有林の労働者、従業員につきましては、年に二回、あるいは必要があれば随時に健康診断をいたしておるわけでございまして、これは全員が把握されているということが一つございます。それに対して民有林につきましては、もう先生御承知と思いますけれども、労働省からの林業労働災害防止協会へ委託して行っておりますいわゆる六千人健診、そういうもの等を中心としての巡回の委託診断でございまして、必ずしも全部を網羅してないというようなことが一つございます。それからもう一つは、国有林でございますと、大変大面積で、継続的にいろいろ伐採等が行われるわけでございますけれども、民有林は先ほど申し上げましたようにきわめて零細所有と分散的でございます。したがって、移動するのに日にちがかかるとか、あるいは所有が小さいわけでございますから、伐木に従事する日数が少ない、あるいはそれから造林に回るとか、あるいは集材の方に回るとか、必ずしも専門的に伐木だけに専念するというようなことが少ないという作業仕組みの辺が国有林の仕事の作業仕組みとは違っていると、そういうことが私どもは原因ではなかろうかとかように考えておるわけでございます。
  36. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 いま長官のおっしゃいましたように、私どもも、確かにその労働省なりあるいは林野庁が補助を出して、そうして県にありますところの林災協の支部、そこが巡回しまして健診をしておるわけですが、ですが、これがなかなか――国有林で、いまお話のありましたように年二回健診をしている、あるいは必要によっては随時健診をしているという体制とは大変に違う。そこに民有林の場合に、認定患者といいますか、それが大変に少ないというふうに、四百二十何名という数字にもあらわれているのではないかという考え方を持っておるわけですが……。  そこで労働省にお尋ねしたいんですけれども、この林災協に委託をしまして、そうして巡回診断を行っているわけですが、ところが、これは巡回方式というのはいろんな欠陥がありますわけですね、いろんな欠陥がある。ですから、なかなかこれは問題があると思うんですが、この巡回方式でこういうような診察をしていらっしゃるわけですけれども、始まったのは四十九年からですか……
  37. 山本秀夫

    ○説明員(山本秀夫君) 四十八年です。
  38. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 四十八年ですか、四十八年から始まっておるわけですが、国有林で見ますと、もう四十八年は大変な認定患者が出まして、四十八年だけでも四百三十六名という、国有林の場合は認定患者が出ているんですね、ですから、四十一年からもうずっとその三けた台の認定患者がずうっと出てきて、そうして四十八年というのはさらに一段とふえまして、四百三十六名という認定患者が出ている。そういう中で、労働省の場合は、初めてその委託をいたしまして、そうして民有林を全国的に六千名という規模で調査をされる、巡回方式で調査をされるということになるわけですけれども。ですから、始まった時期が非常におくれているという、もう四十一年から出ているのに、それからちょっと十年ぐらいおくれて四十八年にこの巡回方式による健診が始まった。それも全国的に見ますと、大変限られた地域だけに行われておるわけですね。そこへ非常に、発見する体制といいますか、予防する体制というのか、まあ発見する体制というのは非常に大変におくれているというふうに言わなきゃならぬと思うんですけれども、この体制のおくれという問題についてどういうふうに考えていらっしゃるかということと、もう一つは白ろう病というものについて、これは最大の職業病になっているわけですね。どうも構えが労働省として非常に少ないんじゃないかという感じがしますが、そこら辺についてのこの二つお尋ねします。
  39. 山本秀夫

    ○説明員(山本秀夫君) お答えをいたします。  労働省が手をつけまして当初に通達を出しましたのは四十五年でございます。そのときにすでに二時間の作業時間を守るように、それからチェーンソーそれ自身につきましても整備されたものを使いなさい、なおその次に健診を励行するようにということにしたわけであります。  当時、四十五年当時はまだ労働基準法の施行されているときでありまして、基準法は御承知のように、林業あるいは漁業の一部の方々につきましては健康診断の義務づけが実はございませんで、た。で、そのようなことではいけませんということで、四十七年になりまして安全衛生につきまして抜本的な見直しをいたしました際に、労働安全衛生法で林業及び水産業の方々につきましても、これはまあ次第に健康診断をやる体制が基盤としてできつつあるという認識をいたしまして、健康診断の義務づけを行った次第でございます。  この林業問題につきましての、特にチェーンソ-従事者に対する健康診断はこれはまあ普通の労働者の健診の方式とやや趣を異にいたしまして、非常にまだ医学的に未解明の領域がたくさんにあるものの項目をつかんでしっかりした健診をやりたいということでございましたので、専門家の方々にお集まりをいただきまして健診をしっかりやる手法の開発を一生懸命やっていただいたわけであります。その結果、およそ四十五年当時に出しました通達はおよそはよかったんでありますが、具体論にもう少し欠けているという点の御指摘また御意見ありまして、それを整備をいたしました上で四十八年にようやく予算を決定いたしまして、労働省の委託による健診を開始した次第でございます。何しろ新しい領域の疾病ということだものでございますから、われわれもいろんな面で努力はいたしましたけれども、なかなか思うように進まなかったということにつきましては残念に思っている次第であります。  なお、その後その健診が毎年続けられまして、漸次普及を見つつございます。昨年度――五十年度でございますが、これが六千人を上回るような時代になりまして、それから、ことしも予算が成立を見まして、その中に林業の健診の労働者数をよりふやすということにしております。それで把握をしたいと思っております。  一番しかしそうは申しましても、ネックとなりますのは医療資源の不足といいますか、つまり医師及び熟練した技師の方あるいは看護婦の方、こういった医療ソースが非常に不足している。特に僻地でございますので、その面が強いわけでございます。そこで都会の方から巡回という方式でやらざるを得ないということで、これ始まっているわけでございますけれども、まあできるだけそれは、ところを変え、対象者も変えて広げてまいりたい。もともとこの労働関係のこういった種類の職業性疾病についての健診は使用者の義務でございますので、事業者にその健診を見せることによって、またその地域の医師の方あるいは労働者の方々に対しましてもこのようにして健診が行われるということをきちっとお見せすることによりまして、それで誘い水的にそういうことをやりましてやっていただくということでやっておるわけでありまして、これは本来使用者の義務でございます。したがいまして、労働者の方が診療に行かれるというような時間あるいは費用は、これは当然経営者が持つということで、これはそのように指導を推進しております。  それから一番大事なことはやはりただ六千人、あるいはことしはもう少しふえますが、それもレポートをもらうというだけでありませんので、自主的に近ごろはおやりになっている方々があります。神奈川県でもあるいは先進の奈良県、高知県でありましても、事業者の方々がみずから健診をおやりになっているということを聞いております。その健診の状況につきましてのレポートを近いうちにいただくようにしたい、で、把握に努めたいというふうに考えておる次第でございます。  以上、把握の方法は健診によってやりたい、このように考えております。
  40. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 国がやっております国有林の場合と民有林の場合と比較しました場合に大変に差がありますですね。まあ労働省のお考えですと、健診の仕方が、何といいますか、刺激剤と言いますかね。あるいは事業主が本来やるべきものであって、それに対して巡回で一つの刺激を与えて、そして事業主がこういうようにして診断をするものだとか、診察をするものだとかいうようなことで利用さしていこうというような考え方のようですが、そういうような形で民有林の振動病の問題というのは一体把握できるのかどうかという点について非常に疑問がありますですね。  で、いまおっしゃった四十五年に労働省から通達を出して、振動機械は二時間以上使っちゃならぬというような時間規制もしていらっしゃる。しかし私どもが、この間三月にこの白ろう病の調査に行ってみますというと、やはり時間なんていうものは、もう全然そんなものは知っちゃいないですね、労働者は。へえ、そんなのあるか、というわけですね。行われてないですよ。そんなものはもう知っちゃいない。それから機械だって指定をしていらっしゃるだろうと思う。いまも、さっき機具についても振動の少ないものを指定をしていらっしゃる。しかし、道路ばたで使っているのを見ると、これはもう十年前の機械をやっぱり依然として使っている。堂々たる企業が、堂々たる木材会社が使っている、びっくりするような重いやつを、十年ぐらい前のやつを、五年ぐらい前のやつを使っている。だから、通達というものが一体どの程度そういう木材業者の間に、あるいは素材生産者の業者の間に行われているのかという点になりますと、これはもう大変な疑問がありますね。  実際行きまして、そして民間のチェーンソーを使っている人たちに三、四十名集ってもらいました、夜ですね。ところが、その集まること自体が問題なんですね。まあ事業主ににらまれやせぬかという心配があるわけです。そういう中で三十名か四十名の人たちに集まってもらっていろいろ聞いてみますというと、第一、事業主が診断を、診察をすることになっているわけですね。そうしますと、一日休まなきゃいけない。そうすると、賃金カットされるわけですよ。賃金はカットしないように、あるいは行く運賃は、交通費は事業主が負担するように指導していらっしゃるとおっしゃるけれども、とんでもないですね。これはもう自分で負担している。一日の賃金というのは切られますから、自分で負担している。おまけに診察料というのは二千円、三千円、多い人は五千円、六千円払っている。そしておまけに、もし万一ちょっとひっかかるということになりますと、雇用上の不安がある。断られることになるし、不安定ですから、それは第一行かないです。行く者は自信のある者が行くんじゃないですか、ひっかからぬ者が。私の県でやりましたよ。林災防協の支部がある市でやった。そうしたら、予定の数字が集まらないという見通しが立って、あわてて隣のちょっと離れた、一時間ぐらい離れた市からマイクロバスで連れて行って人数を合わしておる、チェーンソーを使ってたらいいんですから。ごそごそっと連れて行って人数を、四十名という人数を合わしたというのが新聞で報道されましたですね。  そういうのを見ますというと、いま申し上げたようにせっかく健診はやるが、行けないような形になっている。賃金は払わぬ、取られてしまう。賃金は受け取れぬことになる。そう指導していらっしゃらないと言うけれども、賃金は払わない。一日賃金ふいにしてしまう。八千円なり九千円というのをふいにする。しかも、診察料を二千円なり三千円なり、人によっては六千円、八千円取られてしまう。これは任意だから取るでしょう、義務づけられていないから。そして、もし発見されるというと雇用上の不安がある。これじゃ行かないですよ。ですから、私は、年間に、一年間に六千名労働省が巡回診察をしていらっしゃると言うけれども、恐らくそこには堂々と自信のある者が行っているんじゃないですか。危ないような者は行かないんじゃないですか、という気がするんです。そうしますと、労働省が行っていらっしゃるいまの巡回方式によるところの、全国のチェーンソーを扱っている民間労働者のその発見すると言いますか、振動病を発見する体制というのははなはだしく不備だ。それが四百何名という数字にあらわれているんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、その点についての労働省の考え方を聞きたいんですね。
  41. 山本秀夫

    ○説明員(山本秀夫君) 御指摘のような点は多々あると思います。しかし、いまの賃金の問題でありますとかというようなことで受検したがらないというようなことでは困ります。そこで、手前どもはそういう御指摘が非常に多いものですから、たとえば鹿児島県、それから先生御指摘の例の屋久島なんかでは一人親方も少ないというお話も聞いております。ぜひ職員を派遣いたしましてこのようなばかげたことと言いますか、をいま義務づけはございませんけれども、指導して労働省がやらせるということにしたいと思います。いろんな面でこれは不行き届きな点はあろうと思いますけれども、きちっとやるべき点はやって、何らかの健康障害を申し出る者があるならば、これはやはり保護措置を講ずるというのが筋であろうかと思います。保護措置を推進してまいりたいと思っております。
  42. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 私は、これに関連しまして労働省の出先である労働基準局それから労働基準監督署に伺ったのです。弱いですよ、この白ろう病に対する考え方が。非常に弱い。最大の職業病になっておるのにかかわらず大変弱いですね。ですから、いまおっしゃったように、二時間以上使ってはならぬという通達を出しているとか、あるいはチェーンソーについてもこういう機具というふうな指定もしていらっしゃるとか――通達を出しているとかいうお話がありますけれども、あるいは先ほど申しましたいろいろなまた指導もしていらっしゃるようですけれども、それが実際はこういうところに行ってみますというとほとんど行われていないんじゃないでしょうか。これから一生懸命やるというお話ですが、そういうことでは片づかぬ問題じゃないでしょうかね。ですから、労働省の体制というのをもっと発揮してもらわなきゃ困るですね、これ。それから林野庁も、これは同じく林野庁はまた民間に対する林業労働者についての福祉については林業基本法によってはっきり責任を持っているわけですから、林野庁としても同じような通達を出したり指導していらっしゃると思う。ですが、非常に弱いですね、これ。労働省はまず本腰を入れてもらわにゃ困ると思うですね。もっと時間がありますれば――とっても時間が過ぎちゃって一時になろうとしているんですが、時間が足らなくてしようがないですが、これはこんなこっちゃ処置ないですな。ですから、労働省は、一体どうしたらこの労働者が健診を受けるようになるか、巡回診断でも本当に危ないと思っている者が健診受けるようになるのか、あるいは、事業主がやるのか、事業主がその健診をやるのか。こういうことについてどうするというんですか。私がさっき言ったような問題を解決してもらえばそれは労働者行きますよ。行かぬですよ、いまの状態では。行くのは少ないというふうに言っていいんじゃないでしょうか。  たとえばこの間、屋久島でやりました。診察をやりました、診断やりました。その場合は行政機関がやってるわけでもないし、雇用主がやってるわけでもない。それは純然たる民間の機関がやっとるわけですから、これは三十何名集まりました。診察しますというと、これはまあ二十九名受けましたですが、全部要注意ですね。受療を要する者が九〇%です。ですから、おそらく民間にありましても、国有林にはいま先ほど言ったような数字が出ておるんですが、おそらく民間の場合にはもっと非常に大きな数字が出てくるんじゃないか。言うならば驚くべき数字が出てくるんじゃないかというふうに私ども思うわけですね。ところが、その体制が非常に弱い。行けないようになっているんだな、言うならば。そういうことでは労働省として労働者の健康、安全を守るということは、労働省が事業主に責任を転稼するだけでは済まないと思うんですね。もっとはっきりとした態度を示してもらいたいと思いますね。
  43. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 労働省の方からお答えがある前に私お答え申し上げますが、ただいま御指摘のような実態はまことに遺憾なことでございまして、今後も労働省と私ども十分連絡をとりながらこれが対策を立ててまいりたいと思っておりますが、特に六千人健診等についての枠の拡大とかというようなもの等につきましては、労働省の方とも今後打ち合わしてまいりたいと思っておりますし、先生御承知いただいておりますとおりに、五十年度から事業地の点検パトロールという予算をとって、五十年度は大体三千七百カ所の作業現場についてのこのような指導をいたしておりますし、五十一年度の予算案につきましては約四千カ所というものを具体的にパトロールすることによって指導してまいりたいと思っておるわけでございます。また、五十一年度につきましては新しい作業仕組みをつくりまして、このような二時間規制等を織り込んだ新しい作業仕組みを作成いたしまして、これをさらに現地に適用していく、あるいは普及していくという予算も確保しておるわけでございます。また、五十一年度新しいものといたしまして、全国の林業地域三百四十カ所について三百四十名の人を配置いたしまして、雇用の明確化とか、あるいは労働の安全衛生、あるいは社会保障制度等に加入への促進とか、そういうこと等も私ども指導してまいりたいと思っておるわけでございます。さらに、労働省と私どもの間に、ある協議会等を設けまして、今後このような予防なり治療、いろんなことを含めました協議会等を設けまして、両方相まって、これは非常な事態でございますから、対応していこうということを考えている次第でございます。
  44. 山本秀夫

    ○説明員(山本秀夫君) ただいま長官から御説明がございましたが、労働省では監督指導を非常に推進したいと思っております。先ほどちょっと触れましたが、職員の活動が不十分であるという御指摘でございます。それにはやはり職員のこの問題につきましての認識ということもあろうかと思います。したがいまして、われわれは先般の局長あるいは全国課長会議におきまして、ことしはぜひとも山に入って現実にそれらをやっているところを見、しかも、そのやっている作業の実態につきまして技術上どういう問題がある、ということがあったならば、それはちゃんとそれを指摘するという監督を、行為を行うようにということを申しております。  それからその健診でございますが、事業者責任ということでございますけれども、先ほど言いましたように、やっぱり事業者も援助しなければなかなかやらないということもございまして、その面につきましても監督をし、同時にまた、一方におきまして巡回健診でそれを補うということにしてまいりたいと思っております。  それからなお、いま安全パトロールのことも御紹介がございましたが、私どもの方で林災協の支部の方々あるいはその指導に従事する方々、技術を持っておられる方々、こういった方の御協力をいただきまして、現地指導を十分に徹底するようにいたしたいというふうに考えている次第でございます。  そのほかに私どもは、昨年指導をいたしまして、何よりもよいチェーンソー、振動の少ないチェーンソーを使うということが必要なことでございますので、二時間規制、防寒といった保護措置と同時に、改良されたチェーンソーをぜひ使うようにということを推進しているわけであります。これは林野庁の方のこのたびの法律にも定められておりますところの措置とあわせてこの普及を図ってまいりたい。五年、十年前に使われておった、がたがたの機械がまだまだたくさんあるという御指摘でございました。これを、できるだけこういったものを早く新しいよいものにかえていくようにということも指導したいと思っております。
  45. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 労働省として労働者に対する啓蒙宣伝もやってもらいたい。それから事業主に対しましても――賃金が払われないことになるわけですよ、行けば。そうならないように指導していらっしゃるというんですけれども、それも指導を徹底してもらわなければ困る。それからその健診料が要るわけですよ。二千円なり三千円なり、人によっては六千円なんという金を払わなきゃならない。これじゃ受けないですよ。それと、それが発見されますと、雇用は非常に不安定ですよ。断られる。働きに来ぬでもいい、ということになっちまうということになりますと、これは受けないですよ。そういう点の根本的な点についてやはり指導なりを強化してもらわないと困ると思いますね。  それから次に問題を一つ。それ答弁がありましたあとで答弁をいただきます。  そのもう一つというのは、認定は四百二十四名受けておるわけですが、その認定を受けた効果が非常にないわけですね。認定を受けている人たちに会ってきまして、会ってみるというと、認定を受けますと、認定を受けたときというか、そのときから三カ月さかのぼった平均賃金の八〇%ということになっているわけですね。で、補償する、休業補償する。ところが、診療を受けるという段階になりますと、だんだんもう振動病がきつくなりまして、それで一カ月のうちに十日しか働かぬとか、十二、三日しか働かぬというような形で診療所へ行くことになってくるわけですよ。そうしますと、三ヵ月さかのぼってということになりますと、十二、三日しか働かないような賃金の八〇%になってしまう。これが問題です。ですから、もうちょっぴりしか補償が受けられないのです。一年前は完全に働いておった、六カ月前も完全に働いておった、しかしながらもう三カ月前になりますと、働けなくなっちゃって――働けないと食えないわけですから、最後まで働いている。そして、いよいよどうにもならなくなって行くときには、三カ月前には一カ月の間に十日しか働かぬとか、二週しか働けないという状態になって行くわけですね。そうしますと、賃金はいま言ったように非常に低いものになってしまう、その八〇%になっちまう。これは法律でそうきめられているから。ですけれども、これは三十年前にできた法律になりますね、これは。その当時はこんなものは想定しなかったんだろう、こういうものをですね。ですから、何か特別措置をとるような考え方が必要じゃないかと思いますね。現状そうじゃないですか。しっかり調査してもらいたいと思うですね。してないんじゃないですか。どうにもならぬですよ、この認定の補償受けてみても。賃金が非常に低い段階で受けますから。法律で強くそうきまっているからしかたがない、いまの段階では。しかし、何か特別の措置というものがとれるような法律の改正が必要じゃないかと私は思いますね。しかも今後これは、いまでもそうですが、いまでも最大の職業病ですよ、労働省の抱えている最大の職業病でしょう。その職業病に対する対策が不十分だというんじゃ何の労働省かと言いたいですね、考え方を聞かしてください。
  46. 溝辺秀郎

    ○説明員(溝辺秀郎君) 先生御指摘のように振動病に限りませず、現在の法規では業務上の疾病によって休業している者につきましては、休業補償給付が給与基礎日額の六〇%、そのほかに休業八日目以降につきましては、特別給付として二〇%が支給されておる。合計八〇%が支給されているわけでございます。これの考え方は平均賃金の考え方をそのまま入れておりますので、御指摘のように疾病にかかった労働者について平均賃金が低くなるという問題があるわけでございます。そこで、労働省としましては、今国会に労災保険法の改正案を提出いたしまして御審議を願っているところでございますが、この改正では休業の特別支給金を休業四日目から支給することにいたしている点が一つと、それから疾病にかかった労働者の賃金、休んだ期間があるために低くなる点を防止するという意味合いにおきまして業務上の疾病による疾病はもちろんのこと、業務上の疾病以外で休んだ日にちにつきましても、これを除外するという形で現在御審議を願っているところでございます。したがいまして、簡単に言いますと、分子分母から除かれた形、通常の労働した日の賃金がその日額となるような形で現在御審議を願っているところでございます。
  47. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 もう一つ問題は、民間のチェーンソーを使っている人たちの中に一人親方というのがあるわけですよね。これは雇用されている場合もあるし、あるいは自分で一人親方になってやる場合もある。それでよくまあ一人親方と言われている。この問題が非常に大きな問題になっておりまして、鹿児島県では県が一生懸命になりましてて、そして一人親方の調査を県下全部の市町村に委託をしまして調査をいたしました。これは調査だけです。いまのところは半分の市町村から出ておりますが、約六百名近いチェーンソーを使っている一人親方というのが出ている。県下全体では、鹿児島で言いますと一人親方というチェーンソーを使っている者が千名ぐらいじゃないか、千名を超すのではないかと言われておるのです。これは製材工場なんかにくっついたような形で一人親方おるわけで、製材工場に頼まれてあっち行ったり、こっち行ったりして木切っているわけですね。それで賃金を得て生活をしているわけですが、こういう一人親方というものはこれは労災法による救済の方法がないわけですね。ですけれども、大変大きな問題になっていることはもう御承知のとおりです。労働省も昨年から何カ月かにわたってこの一人親方の全国的な調査もやっておられるようですが、またその調査まとまっておるという話を聞いておりますが、まとまった段階でこの一人親方についてどういうような対策をとられるのか、それを伺いたいですね。
  48. 溝辺秀郎

    ○説明員(溝辺秀郎君) 先生御指摘のとおり、労災保険では、労働者が業務災害をこうむった場合に所定の保険給付を行うことを目的とした法律でございます。しかしながらその業務の実態が、あるいは労働災害の発生状況が労働基準法の適用労働者に準じて取り扱って保護をする必要があるような者、これを労災保険の中で保護するという形の処理ができる規定がございます。特別加入と申しております。で、この規定の根拠は労災保険法に根拠がございまして、省令でその範囲を決めているわけでございますが、現在林業労働者につきましてはその範囲の中に入っておりません。したがって、昨年労働省では林業の一人親方の実態調査を行いまして、その調査も終わりましたので、林業労働者についての特別加入をどういう形で認めていくか現在検討を重ねているところでございます。近く結論を出すことを予定しております。
  49. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 これは私の村で、県の調査によりまして私の村がチェーンソーを使っている一人親方を報告したんです。六名いるのです。その六員がこれは白ろう病にかかっているのですよ、全部。ところが、これは一人親方だということで、これはいまの基準からいきますと、雇われてる場合もあるし、一人でやっている場合もあるしということになりますと、基準局にぽいとはがれております。仮に認定されましても、職業病であったと認定されましてもいまは救済の方法はないわけですね。ですから、労働省が昨年この一人親方について全国にわたって詳細な調査をやられて、その就業の状況、働いておる状況というものも把握しておられるわけです。  そこで、いまおっしゃるように特別加入という制度をつくって制度の中に入れて、そして救済の方法を考えていかれるということのようでありますけれども、ぜひそういうふうにしてもらいたいということと、もう一つは、これは掛金を相当払わなきゃならぬのじゃないかと思う。労働者はその掛金を払わぬでもいいわけですね。これは事業主の負担になるわけですから労働者の方は払わぬでもいいんだが、一人親方が何らかの集団をつくって、そして特別加入というものの中に繰り入れられるとしますというと、これは負担というのは非常に大きいんじゃないかという懸念がありますですね。で、大工さんの場合に、同じような一人親方について同じような特別加入の制度というのを設けておられるようでありますが、大工さんの場合とこのチェーンソーを使っている一人親方の場合との間には若干の差があるかもしれませんですが、いろんな意味の差はあるかもしれませんですが、私はこの一人親方の場合についての掛金の問題が非常に大きな問題になりはしないか、年間に二十万を超すようなものになりはせぬかというような心配もしますね。そうしますと、これはもう実際上できないというぐあいになりますですね。そこら辺の検討をどうなさるのか。そうでないと、特別加入は認めたけれども、有名無実だと、実際上はこれは役に立たぬという形になりますわな。全国的に一人親方というのは大変な数だと思うのですよ、これ。しかも、これは職業としていますから、かかっている人多いですね、この振動病に。えらいと思うのですがな。これはどうなさるのかという点をひとつお尋ねします。
  50. 溝辺秀郎

    ○説明員(溝辺秀郎君) 一人親方の特別加入を認めました場合に、幾つかの問題が起こるわけでございますが、現在検討している事項といたしましては、いまの料率の決定問題のほかに特別加入者の範囲の問題あるいは特別加入の場合に現在の法規では団体を組織させることになっておりますが、その団体をどういうものに求めるかという問題、あるいは給付基礎日額、いわゆる賃金というようなものをどうするかというような問題等々あるわけでございます。その中の一つに料率の問題がございますが、この料率に関しまして現在検討を行っておりますのは、特別加入者の中にもいろいろな仕事をしている人があろう、たとえば伐木あり、造林があり、製薪炭あり等区々ございますが、これらのものを一律に料率を決めるか、あるいは別々にするかのような問題等がございまして、災害の発生状況等を見まして、現在検討中でございます。なお、現在まで決められました特別加入が認められております一人親方等の料率につきましては、一般の労働者の料率よりも低く決まっているのが実態でございまして、今回のこの林業についてどういう結論が出るかわかりませんけれども、現状そういうことであるということだけを御報告申し上げます。
  51. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 これはこれ以上入れませんですね。また改めてやりますが、ぜひ有名無実にならないように要望いたしておきたいと思います。  もう一つは、国有林の中に働いております民間のチェーンソー使っている者、国有林は御承知のように、国有林の生産量の三割四分というのが大体直営でやっているわけです。九%が請負になっている。あと五九%ぐらいのものが立木販売になる。ですから、仕事の量の大体三分の一というのが国有林の林野庁の職員によって、労働者によって行われる。あとの三分の二の労働というのは、これは民間に委託をし、民間の人が国有林の中に入って仕事をしておるわけです。ですから、ほぼ一万人近い者がチェーンソー使って国有林の中に働いておるというふうに見なきゃならぬのだろうと思うんです。林野庁は、これは民有林を含め、国有林を含めてこのチェーンソーの問題について、振動病の問題についてはその責任を負っている機関でありますが、その国有林に働いている民間のチェーンソー使っている労働者について一体振動病に関する予防なり、そういうものについてはどういう考え方を持っていらっしゃるのか、それをお尋ねいたします。
  52. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 振動病についてのいままでのいろいろ先生の御指摘なり、私どもがお答え申し上げておるようなことにつきましては大変緊急な労働衛生上の問題であるというふうに私ども認識いたしておるわけでございまして、したがって、国有林野事業内で素材生産なり、あるいは立木処分等を受けまして作業している方々につきましても、二時間規制等につきましては、あるいは振動の少ない機械の使用等につきましても、十分指導の徹底をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  53. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 請負で九%ぐらい、国有林の中で生産の九%というのが請負になっているわけですが、それからあと五七%というのが立木販売になるわけですが、ですから、三分の二は先ほど申したように国有林の中で仕事やっておるわけです。ですから、大体一万人の人が務めている、国有林で伐木に従事している者が大体五千と見ていいですから、そうしますと、大体一万の者が国有林の中でとにかくしょっちゅう木を切っている、チェンソーを使っているということになるわけですが、それについての二時間規制なりあるいは機具の指導なりというものについて、これは特殊なやはり考え方をもって対処される必要があるのじゃないだろうか。たとえば請負契約の中の契約事項の一つに、その時間規制を入れるとかあるいは機具の問題について入れるとかいうことも考える必要があると思いますし、それから立木処分の場合についても、同じように契約の中にそういうものを入れて検討する必要があるのではないか。まず国有林の中に働いている、四六時中働いているわけですから、そのチェーンソーを使っている約一万人の人たちについて、もっと具体的な指導なり見解を持ってしかるべきじゃないかと私は思いますけれども……。
  54. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  二時間規制というものは、先ほど労働省等からもお話ございましたように、行政指導上の順守事項でありますと同時に、事業主と労働者の間の労働条件の問題であるわけでございます。一方、ただいまお話ございましたように、立木販売の契約とか素材生産の請負契約は、それぞれ契約といたしましては、立木物件の売買あるいは素材の生産を契約目的としているものでございまして、これを直接契約内容とすることには私どもはなじみにくいというふうに思っておるわけでございます。ただ、ただいまお話ございました素材生産請負契約、これにつきましては、さらに私ども内容を検討いたして改善をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  55. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 長官が衆議院の林改資金を審議する場合の答弁の中に、請負の契約については特約事項の中に入れることを検討してみたいというような答弁をしていらっしゃる、私はこれは大変いい話だと思いまして、注目をいたしておったわけです。ですから、請負の契約の中の特約事項といいますか、そういうものの中にこういったような予防的なものをやはり検討する必要があるのじゃないか。立木販売も非常に大きいわけですが、この場合もやはり同じような意味の非常に、そういうようなものを検討する必要があるのではないかと私は考えているわけなんです。そういうことの検討を進める必要があるのじゃないかというように思いますですがね。
  56. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  素材生産の請負契約でございますけれども、このことは事業の完成にかかる契約といたしまして素材生産の実行過程というものを得まして、つまり伐木造材というものの実行過程を得て契約目的が達成されるということでございますので、事業の実行に当たりまして、労働安全衛生管理に関する諸法令あるいは諸通達の指導事項を順守することというようなことを契約の内容といたしまして、明らかに資してまいりたいと、そういう方向で検討しておるわけでございます。なお、立木販売契約につきましては、素材生産の場合と違いまして、立木の所有権の移転とその売り払い代金の収受が一つの目的でございまして、そのとき所有権の移転等が行われるのでございますが、移転後の立木に対する伐木造材の加工の態様等にかかるような問題につきましては、いささか疑問が残るところでございます。したがって、私どもこのような立木処分の場合に、販売契約にあっては契約時におきまして、労働安全衛生等が十分に確保されるように、その機会を利用しまして買い受け人に十分徹底するように指導をしてまいりたい、こういうことでございます。
  57. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 私はいま国有林の中で木を切る、それに伴うこれはチェーンソーを使って切らなければいけない、それが大変な大きな衝撃を与えておるわけですね。その場合に、直営事業というものが三割四分であとは全部三分の二というものは民間に移していくということは、これは振動病というものを恐れて何か民間の方にしわ寄せしているというような懸念すらこれは抱くおそれがあると思いますね。そうじゃないと思いますけれども、そういうような懸念すらあります。ですから、私は、その振動病というものが、木を切るという、チェーンソーを使うということに対して大きな衝撃を与えている。その場合に、民有林の民間の方に立木処分をするあるいは請負に出す、直営が減ってくるということは、これはいろいろな意味で大きな疑問を持たざるを得ないと思うのです。したがって私は、林野庁としてはこの振動病について、これは林野庁としてはどうしたって責任を持っていなければならぬ問題ですから、請負の問題については、あるいは立木処分問題についての指導といいますか、そういう問題についての指導というものは、これは十分配慮してもらわないとこれは困ると私は思います。  この問題は時間の関係もありまして一時で終わる約束になっておったのですが、大分時間過ぎましたのでこれだけにしまして、もう一つ、後継者資金というのが出ておるわけですが、農業の場合も農改資金の場合に後継者資金というものが出されることになっております。ですから、農業と違いまして林業の場合において、後継者と同時に、これは事業の後継者、農業と違う点は労働者――労働者の後継をどうするかという点が非常に大きいのじゃないんでしょうか。農業にはもういまほとんどないと言っていい。農業者は文字どおり後継者の育成資金になりますが、林業の場合は「後継者等」という「等」がついておりまして、それはもちろん経営者の後継者と同時に労働者の後継者という点が含まれていると思うのですが、労働者の後継者についてはどういう具体的な対策をとられるのか。いままではゼロに等しいと私どもは思っております。ですが、ゼロに等しいと言いますと、言い過ぎかもしれませんですが、この新しい資金を創設されました際に、一体どういう、労働者の後継者をどうされるのか。若干具体的に、簡単でいいですが、説明をいただきたいと思います。
  58. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) この労働者と後継養成資金の中にはつまり二つございまして、研修教育資金と、それと共同でいろいろな事業を後継者の方々が始めようという二つがあるわけでございますが、御指摘のように、林業の労働者であってもこの研修というものは、先ほど来御議論のような労働安全という面でも大変大事なことでございまして、したがって、私ども現在この研修教育資金の中身といたしましては、全国で実は一カ所一億円程度で、事業費でございますが、林業技術の実習指導施設というものを整備しつつございます。そこでは具体的にトラクターの運転とか、チェーンソーの伐木造材等の基礎訓練等もあわせて、機械の整備等もあわせて訓練をしてみたいと思っておるわけでございます。現在しつつございます。また都道府県あるいは林業試験場とか、県の教育機関等による技術研修というものも積極的に行いますと同時に、伐木安全士の講習会等も行ってまいりたいと思っております。また同時に、国内のすぐれた林家における実地研修、こういうもの等を含めて考えておるわけでございまして、少なくとも一カ月以上の研修期間というようなこと等も考えておるわけでございます。
  59. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 林業従事者というのは二十万人というふうにいま総理府は発表いたしておりますが、その中の労働者というのは約十万というふうに見ていいと思うのです。ですから、後継者を育成するということは、その経営者の後継者の育成ということが一つ、もう一つは、労働者というのは半分おりますが、これは農民とは全然違う、農業とは違う。ですから、その労働者の後継者というものをどう育てていくかということが重要だと思うのです。  ですから、そういう面について、ひとつ具体的に一層注意をしてやっていただきたいということを申し上げて、それからもう一つ、最後に時間がたちましたので、もう一つ最後に申し上げたいのは、今度の二十億の林改資金の窓口といいますか、は森林組合になるわけですが、貸付業務の一部を森林組合に委託をするということになるわけです。ところが、森林組合が、実際森林組合というのは、農協と違っておりますから一切専従役員がいないし専従職員もいないという森林組合というのは相当あるんじゃないでしょうか。相当どころじゃない、大変あるんじゃないかと思うんです。統計の数字を見ますというと大変ですね。専従職員がいない、もちろん専従役員もいない、そういう森林組合というのが相当あるでしょう。そこが今度は、いま申し上げたいま問題になっておりますその二十億の金の問題についての事務を受ける窓口になる、書類の窓口になりますし、それから貸し付けの窓口になってくる、あるいは債権を確保するための事務を取り扱うということになるわけです。農協とは非常に違うんです。農協で専従職員のないとこないですよ、漁協はありますけれども。森林組合の場合には相当のものが専従職員がいない、専従役員がいないという状況だと思うんですね。したがって、私はこの問題については今後、森林組合がそういう面において組織的に強化されるという点が大変必要じゃないかと思うんです。しかもこの二十億の金というのは急速に私は拡大していくだろうと思うんです。また拡大しなきゃならぬと思っております。当然大きく拡大していくだろう。さらに林業は、農業やまた漁業とも違った面があって、農業が約四千五百億円の農業近代化資金というのを持っておりますが、さらに漁業が御承知のように四百六十億、四百七十億の漁業近代化資金というのを持っております。林業にはこれはないわけでありますが、当然この近代化資金というものも林業としてはどうしても考えていかなきゃならぬと思うんです。ですから、従来から問題になっておりますこの森林組合を協同組合にしていくという、そういう検討をする段階に入ったのじゃないかと私は感じております。そういう意味でいまあります森林組合のこういった仕事を担当していく上についての組織の強化、どういうふうに指導せられていくのかということと、将来の問題としてこれが非常に飛躍的に拡大をしていくだろうと思います。さらにまた農業近代化資金なり漁業近代化資金に該当するようなものも考えていかなきゃならない段階に来ていると思うんです。そうしますと、これはどうしてもいまの森林組合というものを協同組合に、従来から問題になっておりますけれども、協同組合に考えていくという検討の段階に入ったと私は思いますけれども、その二つの点についてお尋ねをいたします。
  60. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 御存じのように、森林組合は農林漁業金融公庫あるいは農林中金の林業関係資金の貸し付け及び債権管理につきまして現在大きな役割りを果たしておりまして、一部確かに御指摘のような脆弱な組合があるわけですが、これを除きましては林業改善資金に関する事務を取り扱わしても特段な問題はないと思っておるわけでありますが、今後とも合併の促進等によりましてやっぱり組合の体質は強化していかなきゃならぬわけでございますから、その点については今後の課題としてわれわれも積極的に取り組んでまいりたいと考えておるわけであります。  また、近代化資金の問題が出ましたが、まあ林業におけるところの資本装備の高度化のための機械や施設等に係る資金需要につきましては農林漁業金融公庫の林業関係資金で一応対応しておると、こういうふうに考えておりますので、いわゆる近代化資金の創設ということについては現在のところは考えてないわけでございまして、さらに森林組合に信用事業を認めておらないというのは農協等の信用事業との調整の問題があるのと、これは林業者であると同時に農業者であるということで大半が農協にも属しておるという面があるわけでございますから、そうした農協等の信用事業との間の調整にこれは非常に問題が出てくると思います。そういう問題があるのと、あるいは現在の森林組合の規模ではなかなかこの預貯金の確保が困難で、安定的な預貯金の確保というものが困難である。そうして、そういうことによりまして組合の経営そのものにつきましていろいろと不安も見込まれるわけでございますので、貸付事業等の事務処理能力のみを理由とするものではないと、私はそういうふうに考えておるわけでございます。もちろん森林組合につきましてはこれはいろいろと検討すべき問題があるわけでございますので、その点につきましては現在林野庁に森林組合制度等検討会を設けておるわけでございまして、御質問の点も含めて検討を進めていきたいと考えております。
  61. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 最後になりましたですが、いま大臣御答弁をいただいたんですが、森林組合員というのは、林野庁の林業統計によりますと森林組合の組合員数というのは百七十九万人という数字が出ております。それでセンサスによりますと林家というのは二百五十六万となっております。これは大臣御存じないと思うんですが、約八十万ぐらいの差があるんですよ。これは森林組合というのが農協と大分違う点だと思うんです。つまり森林組合員というのは百七十九万人だけれども森家は二百五十何万人だと、その間八十万という差がある。それから森林組合で専従職員のいない森林組合というのが二割ぐらいあるんじゃないですか、そういうふうに私は記憶しております。ですから、おっしゃいました農林漁業金融公庫あるいは農林中央金庫等々の事務の一部を扱っているというのは、その専従職員がおる森林組合というんだろうと思うんです。しかし、これからはそうはいかないです、こういう状態では。という私は感じを持っているわけです。ですから、この新しく画期的とも言うべき林改資金の創設、そしてそれが事務の一部を扱うという段階で、この森林組合のそういう面の組織の強化というもの、これを指導していかないというと、いろんな面で問題が出てくるのではないかという私は懸念をしておるわけです。大体農協も金融で大きくなったんですからね、金融で信望ができておるわけですから。ですから、これは私は林業近代化資金というものを考えなければならぬと思うんですよ。そうなると森林組合というのは、どうしてもやっぱり森林法からはずして、そして協同組合にしなければいけないというふうに思いますね。そういう段階に来ているんじゃないですかなあ。いつまでも森林組合というものを森林法の中に入れて何かやっておったんじゃいけないと思うんですね。これは森林組合の御意見もそうでしょう。協同組合にしてくれ、というような、何回も大きな要望を受けていますよ。そういう段階に来ているんじゃないか、お尋ねします。
  62. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま、森林組合の強化のために単独立法にすべきであるとか、あるいは強化のために信用事業等を、あるいは共済事業とかいろいろあるわけでございますが、それらをあわせて行うことによって強化を図るべきではないかという御意見でございます。その段階に来ているのではないかということでございますが、現在、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、公庫総裁の武田総裁を座長にいたしまして、現在、昨年の九月からでございますけれども、林野庁内に検討会を設けまして、現在、検討すべき課題とその方向につきまして一応のめどを立てたわけでございまして、新しく、近くこれを解散いたしまして、もっと大きな組織で正式な検討会というようなことで、関係機関も入りまして、本格的な検討をするということで段取りいたしておりまして、先般の森林法改正の附則にもございますことでございますから、私ども真剣な検討をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
  63. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) これにて休憩いたします。    午後一時三十分休憩      ―――――・―――――    午後二時四十分開会
  64. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  65. 片山正英

    ○片山正英君 林業改善助成法、間伐材――平たく言いますと間伐材対策、レイノー等の労働安全の機械導入あるいは後継者養成対策、そして無利子資金の貸付制度の創設、こういうことでございますから、林業関係者すべてが渇望しておる法案であろうと思います。私は前論を余り長くしますと要点がぼけますから、持ち時間三十分ということでございますから、簡単に要点だけに触れていきたいと思います。  まず、間伐材の問題でございますが、これについて少し話を詰めてみたいと思います。  まず、わが国森林の五四%を、約千三百万ヘクタール、これを人工造林にする、こういうことが四十八年の二月に森林資源に関する基本計画として閣議の決定を見ておるわけでございます。その中で約七〇%の九百万ヘクタールがすでに造林を完了しておる、そしてその造林を完了した九百万の大部分が終戦後に植えられておる。かつ、もう少し詳しく言うと、二十四、五年を境として急激に造林が実行されておる。その林分はいままさに間伐の時期に差しかかった、こういう状態であろうと思います。したがって、その間伐材の取り扱いいかん、これが私は今後の森林を成林させるのか、りっぱな林にするのかどうなのかという重大な影響を持つ時期に差しかかっておる、こういうまず私は認識をいたします。そしてその間伐の量、これは林政史上初めてのことだと思います。人工造林をこれだけ実施し、そしてそれを成林をせしむるまずポイントの間伐、これは林政史上初めての私は大事業であり、大きな量であろうと思います。  そこで、まず第一に長官にお伺いするわけでございますが、既往の造林地の中で当面五カ年を一応限って間伐すべき面積それから出てくるであろう量、出材量、それについてお伺いしまして、そしてその生産、流通、販売対策について林野庁のまずお考えをお聞きしたい、まず第一点以上でございます。
  66. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  昭和五十一年度の当初におきます要間伐面積は約百六十万ヘクタールに達するものと思っておりますが、当面今後五カ年間におきます要間伐面積というものは二百七十万ヘクタールに達するんではないかと思っております。なおこの材積でございますが、現在国有林、民有林を合わせまして間伐材は約百六十万立方程度が出材されておりますけれども、今後は約四百四十万立方というような大量のものが出るわけでございます。計画になっておるのでございます。このように間伐を促進いたしますためには、生産原価を下げるという意味をもちまして林道とか作業路の整備、あるいは機械化の推進ということも必要でございますし、また間伐を能率的にやるためにも集団化あるいは実行組織、実行したいというものを育成する必要があろうと思うのでございます。また、間伐材の用途開発、これも流通過程等の合理化を含めまして当然これの対策を積極的にとるべきものであろうと思っておりますし、また加工技術の向上と需要開発、これら一連のものを総合的に推進することによりましてこのような大量の間伐というものは処理しなくてはならないと私どもは考えておるわけでございます。
  67. 片山正英

    ○片山正英君 いまの当初は百六十万ヘクタールあるいは百六十万立方、しかし五年後には毎年百七十万ヘクタールないしは四百四十万立方、こう理解していいわけですね。
  68. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 年平均四百四十万立方でございますが、要間伐面積に約二百七十万ヘクタールと申し上げましたのは五ヵ年間における累計でございます。
  69. 片山正英

    ○片山正英君 そうすると大体四百万あるいは四百四十万立米、これが要間伐で出てくるであろう出材可能だという数字であろうと思います。そうしますと、これは大体わが国の毎年生産している針葉樹、その生産量の大体一六、七%に私は相当すると思うんです。相当のウエートだとまず思います。そこで、間伐というものは本当に構わぬでおけば森林はおかしくなってしまうんですから、どうしても森林をよくするためには、かつて造林したその林をりっぱに育てるためには間伐をしなければならない。それともう一つは、ただいま申しました自給上いま国内生産にとっては二割近い出材量に値する、こういうふうに考えます。また一方、これをもし四百万立米というものを仮定しまして、これを外材で補ったとこう仮定しますと、その金額、概数でございますが一立方二万円と仮定しますと八百億円に相当する私は仕事になるわけです。そういう大きなウエートを持ったのがこの間伐材に対する対処、こういうことになろうと思います。したがって、これは何としても知恵をしぼってこのやり方を達成していかなければならない、相当の気構えを持って新しい気持ちで対処していかなければならない。こういう気構えと、それから本当に基本的な方針、こういうものを打ち出さないと、これはせっかく無利子のりっぱな制度ができますけれども、それのみではできないと私は思います。したがって、そういう点の大きな方針、安倍大臣は攻めの農政といって大変評判がいいわけでございますが、攻めの林政という角度からひとつお答えをお額いしたいと思います。
  70. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 間伐はこれからの林業政策上非常に重要な意味を持つわけでありますが、この間伐を促進していくためには林道、作業路の整備、機械化の推進等によるところの伐採、搬出等、コストの低減を図っていくということ、さらにまた間伐材の流通の合理化、これは非常に大事だと思います、いまお話がございましたように。間伐材の利用価値を高めるための加工技術の向上と需要の開拓、そうしたこと等によりまして各般にわたる対策を総合的に推進していく必要があるわけでございます。こうした見地から新たに林業改善資金制度というものを創設をいたしまして、間伐の実施を推進するための伐採、加工についての中短期の無利子の資金措置を講ずることといたしておるわけでございます。林業は非常に息の長い仕事でございますが、この間伐促進のためには中短期の無利子の資金の措置、これが必要でございますから、これを講ずることとしておるわけでございますが、今後ともさきに述べましたような間伐に関するところの各般の施策の充実強化については、これは積極的に努力をしていかなければならない。いまさっきから片山委員の御指摘をお聞きいたしまして、まさにそのとおりであるというふうな感じを強く持っておるわけでございまして、政府としても今後ともそうした問題に対して力を尽くしてまいる決意であります。
  71. 片山正英

    ○片山正英君 それでは少し、いささか具体的な問題に入っていきたいと思います。  まず、あちこち歩きますと、間伐材のいわゆる売れる価格――販売価格、それに対して生産コスト、これが林野庁の長官もおっしゃっているように、労賃が非常に高くなってきた。そのわりにはどうも山の整備が、近代化がおくれておる。そういうようなことから、間伐材のコストはどうも販売価格より高い。そういう声が非常に多いわけです。したがって、そういう角度から間伐材を進めようとしても、なかなかやり得ない、こういうようなのが実態のようにお伺いします。林野庁のさっき、前の統計かあるいはアンケートか何か知りませんが、四・四・三の比率で何か間伐材が停滞している、こう言っておりますが、具体的にもう少し、採算的な面と販売価格の面とをもう少し具体的に現況をお伺いいたしたいと思います。
  72. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、間伐材が、生産費が非常に大きくかかると同時に、価格が安いというようなことが、間伐材の販売という面におきまして大変問題であるということは、御指摘のとおりでございます。たとえば、間伐材と一般材、これは皆伐をした場合のコストを考えてみますと、皆伐いたしました場合は、立方当たり六千円程度でございますけれども、間伐材は一万一千円から一万八千円もかかる、こういう生産コストがかかるわけでございます。またそうして、売れる価格でございますけれども、足場丸太、間伐材の丸太としての利用の主体は足場丸太が多いんでございますけれども、足場太丸は一立方当たり四万一千円と、こういうふうでわりあい高いわけでございますが、組み丸太になりますと途端にその半値くらいになってまいりますし、このことは杉の一般材に比べまして、一般材が三万円、あるいはヒノキにつきましては、一立方当たり五万六千円というものに対しましては、大変低いというようなことでございます。当然、それから製材されるものにつきましても安い。こういう現実がございまして、私どもはそれについては、先ほど申し上げましたように、作業道等をつくるというようなこと等によって生産費を下げる、あるいはそれを集団的に計画的に出すことによってまた伐出コストを引き下げるというような努力をいたしますと同時に、流通面におきます合理化、あるいは新しい需要というものを開発していく、この努力というものが総合的に私どもはなされないと、これが間伐の採算という面においてネックになるであろうということで、今後積極的な努力をするつもりでございます。
  73. 片山正英

    ○片山正英君 問題の一つはやはりそこにあると、私は思います。したがってやはり、この無利子制度の、非常にいい制度にプラスして、総合対策というものをどうしても進めていただかねばならない、かように思います。私は、ちょっと例を言うんですけれども、苗木一本いま植えると仮定いたしますと、苗木代と労賃を入れますと、一本が大体八十円から九十円、山に植えるとかかるんじゃないか。そうして植えたその木が、二十年たって売ろうとすると、八十円にも百円にも売れない。いまここで費用は百円近くかかるのに、その二十年たったその木を間伐して売ろうとすると、売れない。その値段でも売れない。こういう実態も大変あるんじゃないかと私は思います。そういうことから、いま長官もおっしゃったように、片方じゃ六千円ぐらいで出材できるのに、その三倍近く間伐代にかかる。しかし、放置しておけば、山は元も子もなくなってしまう。悪い山に転化していく。これはどうしても、国として何らかのやはり施策で推進しなければいけない、こう思います。  したがって、私は、これは一例でございます。一例でございますが、外材を入れれば八百億ぐらいの価値に相当するものでございますから、したがって、価格差補給といいますか、そういう考え、あるいは先ほど鶴園委員も言っておられましたが奨励金、多少精神運動も入るかもしれませんが、そしてまた具体的の経済面を多少カバーするという意味において奨励金という、あるいはまた私は農林漁業金融公庫がいま金を貸しておる、で、造林資金として大変低利でありがたいわけですが、まあ一応三分五厘で借りておる、ところが、それを二十年据え置き、三十年ないし三十五年で返さなければならない。ところが、昔であれば二十年たてば間伐すると労賃も安かったですから売れてペイをしている、大体返せる。お金を返すことができた。ところが、最近は、二十年たった木を切っても、お金を返せるどころかむしろマイナスになる、先ほど申しましたような情勢であります。したがって、お金は返さなくちゃならぬ、切ってもむしろ損失になる、こういうジレンマにあると思います。したがって、そういう意味で私はやっぱり、これ一例でございますが、金融のあり方、林業に対する金融のあり方、こういうものをひとつ抜本的に御検討をいただかなければならないのではないか、こう思います。いま仮に金を借りても二十年たって払えないということになりますと、先ほど言ったように、造林の意欲もそのために低下せざるを得ない。これはそう思います。したがって、そういう意味から含めて、いろいろな対策があろうと思いますが、金融のやはり相当の見直し、まあ私一例を言っただけでございます。相当の見直しということをぜひ御検討をいただきたい。これをひとつお答えいただきたいと思います。
  74. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま間伐材が一般材に比べて不利であるということについて、価格差補給あるいは奨励金を出したらどうだ、あるいは農林漁業金融公庫の造林融資についての融資条件の緩和というようなことについて、金融という面からも検討すべきであるというお話でございます。先ほど申し上げましたように、間伐の不利ということが克服のために、生産面あるいは流通面、需要面等を通じまして、あるいは消費等を通じまして、総合的な対策で私どもは対応しようとしているのでございますが、ただいま御指摘のように、このような間伐対策の拡充あるいは造林対策の充実の助成の強化ということ等を含めまして、今後慎重に検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  75. 片山正英

    ○片山正英君 それから、間伐林の販売の問題です。結局新しい材ですから、使いなれない材が多くなるということでもありますから、この販路の拡張、あるいはどういうものに使ったらいいかという研究、こういうものは、私は国自身がもう少し、これは国有林も同じことでございますが、国自身がもう少し積極的にこれを研究していただきたいと思います。いまでもやっておられると思いますが、その概要をちょっとお聞かせいただくのとともに、民間の人も一生懸命これの開拓に努力をしております。そして、新製品なんかをつくっております。私も見てきております。ところが、一民間人はそれをつくってもPRするだけの能力がありません、個人ですから。したがって、そういうものをPRする場合の場所の提供、たとえば国有林のある名古屋、大阪の土場がございますが、そういうところも含めて場所の提供等も考える。そうして初めて官民一体となってこの問題を解決するということになろうと思いますが、研究の状況とそういう点についてお伺いいたします。
  76. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) このように間伐材の新しい利用を開発していくということが、間伐材対策についての非常に重要な対策でございます。いま私ども、昨年からでございます、五十年度からでございますけれども、新しく間伐材を使った建築ということで設計し、建築いたしまして、現在潮見の方に展示いたしております。まあこういう新しい住宅への進出、それから七センチ角、セブン・ツー・セブンといいますか、セブン・バイ・セブンと申しておりますけれども、この予算を確保しながら、あるいは新しく、木造住宅というのは大変たくさんの部品が要るわけでございまして、これらを新しく建築法にかえようと、簡略化しようというような、そういう予算をとってやっておりまして、これらも当然間伐材の利用ということも頭に入れながら対策を立てておるところでございます。ただいま先生が御指摘ございましたように、このように建築の内装材とかあるいはガーデンセットとかいろんな家具類にも使っておりますし、日曜大工の用品とかいろんなアイデアの製品が続々と出てきておりまして、これらを総合して、この大量に出てくるであろう間伐材を活用していくということを考えておるわけでございまして、いま御指摘のように、展示する、そうしてお客の方々に十分これを見ていただきまして、理解していただいて、またこれを買っていただくというようなことによる活用と申しますか、そういうものを私どもも積極的に考えていく段階でございます。私ども、この間伐材全体が先ほど先生おっしゃいましたように、本当に林業にとっていまだに経験しないような大量な間伐対策でございますので、総合的な対策を講ずる必要があるわけでございまして、その中の一環といたしまして検討さしていただきたいと思います。
  77. 片山正英

    ○片山正英君 そういうPR、あるいは施策、そういうものに対してひとつ積極的にお願いしたいと思います。  たとえを申しては恐縮でございますが、いま建設省あるいは通産省で、ハウス五十五計画なんというのがある。紙と鉄で住宅をつくってやっていこう、そのために三十五億円のPR費を出そう、こういうような話さえある事態でございますから、七割を占める山をりっぱにするという意味合いから、こういう点についてひとつ特段の御努力をいただいて、そして推進していただきたい、これは本当に大臣にもお願いする次第でございます。  ところで、時間も大変ないんで、法案の修正についてちょっとお伺いします。  衆議院で修正、二点おやりになったわけでございます。そうして「農林大臣」から「農林省令」、あるいは「担保又は保証人」というのは「保証人」だけ、こういうような修正をなさったわけでございますが、この運用上どうなのか、どこが違うのか、その点だけ簡単にお答えいただきたい。
  78. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 二点ございます。  第四条についての限度額につきまして、「農林大臣が定める額」ということを、「農林省令で定める」ということになったんでございますが、内容的には特に差異はございません。農林省令で定めることによりまして、法規範性を与えることとしたわけでございまして、内容及び運営面で特に異なるところはないと思っております。  二番目の第六条関係の担保のことでございますが、担保を提供させるか、保証人を立てさせるかどちらかでということであったわけでございますが、今度は保証人だけということになったのでございます。物的担保または保証人を徴しなければならない旨を法文上規定しておりまして、保証人を、私どもは運用方針では保証人を原則といたしまして、一件当たりの貸付金額の大きい間伐材の加工施設のようなものについてだけ担保をいただこうという、考えておったのでございますが、修正によりまして、物的担保の提供が削除されたのでございます。このことは、この保証人を今度は原則とすることを法文上明確にしたものでございまして、その趣旨を十分尊重して運用してまいりたいと思いますが、なお、修正後の第六条の規定の趣旨は、担保の提供を求めることを禁止するものではないと理解しておりまして、借り受け者の利便と債権管理の適正化の要請の双方を総合的に勘案しながら、必要な場合には物的担保をも例外的に提供されることについて、その運用方針を今後も具体的に定めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  79. 片山正英

    ○片山正英君 それでは、その間伐を初めとする今回の法案の改正の運用になりますが、これを実際やっていくのはやはり森林組合が主体になろうと思います。したがって、その森林組合の今後これを取り扱う上においても、育成強化というものがどうしても、先ほどこれもまた鶴園委員が御指摘されましたけれども、育成強化の面がやっぱり必要であります。かねがね、育成強化については林野庁が御検討されておる。したがって、その育成強化の林野庁としての所見、どのようにするか、まずお伺いしたいと思います。
  80. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  確かに、この間伐の大きな生産の担い手としての、森林組合が大部分を占めるわけでございまして、この育成強化ということは大変大事なことでございます。特にその役割りを果たしていきますためには、どうしても体質の強化と、あるいは組合員との結びつきの強化を図っていくということが基本的に大事でございますが、従来から広域の協業体制の整備、あるいは受託経営、受託施業の推進、あるいは経営管理の近代化等の経営改善等を通じて、いろいろ構造改善事業等を通じましても協業活動の推進を図っているところでございますし、また、五十一年度からは青年部育成事業等を新しくスタートさせることを図ることによりまして、一層私どもこの森林組合の真に担い手としての育成強化ということを真剣に今後も考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
  81. 片山正英

    ○片山正英君 それでは相関連しますけれども、森林法の改正、森林法の四十九年の改正で附帯決議がついております。附則二条の附帯決議がついてありますが、説明を省略しますが、その二条の、林野庁としての現在までにとっていること、そうしていつそれを大体結論を出せるのか、要点だけ簡単にお答えいただきます。
  82. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 附則二条によりましての規定を受けまして、林野庁としては、現在、昨年の九月から森林組合制度等の検討懇談会を開いておるわけでございます。ことしの二月までにその検討する課題と、その検討の方向についての一つのめどを持ったのでございまして、今後この懇談会を発展的に解消いたしまして、新しい検討会、本検討会といたしまして、今後一年間程度を目途に、この附則二条の問題に取り組んでまいりたいと思っているわけでございます。
  83. 片山正英

    ○片山正英君 たくさん本当は質問して詰めたいんですが、時間がございません。  最後に一点だけ、土地利用についてお伺いしたいと思います。  まあ七割を占める森林、森林もまたいま各国民の方の要請もあり、多目的な使命達成ということが言われている。水の問題あるいは木材等の林産物の問題、あるいは健康的なレクリエーションの場の提供の問題等々、非常に多目的な目的達成、こういうことが期待されております。したがって、そういうそれぞれの目的に沿うような森林の本当の力を発揮するような、そういう配慮が必要であろうと思います。それに対する所見並びに森林法も改正されて、土地の林地開発の規制等もまた出ております。それらの対処の方針、この二つをかいつまんで御説明をいただきたいと思います。
  84. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) いま御指摘ございましたように、森林の持っている木材生産機能と、公益的機能、両面を果たすために、この森林の維持、培養、あるいはそれの適正な管理ということは、私ども国民的な課題ということで理解いたしておるのでございまして、この国民的要請というものは、今後ますます強くなっていくものだと思っております。それに対応いたしまして、土地利用面におきましても十分考慮されていくことがこの大事な資源、そういう多目的な目的達成のためにも、十分配慮されていかなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。したがって、いろんな土地利用の計画等もございますが、十分その辺を理解しながら対処してまいるつもりでございます。  なお、御質問ございました林地の開発規制、先般の法改正によるものでございますが、大体昭和四十九年の十月三十一日から昨年の九月三十日までの十一ヵ月間の処理状況をちょっと申し上げてみますと、開発の受理件数は二千百件ほどございますし、面積が約二万五千ヘクタール程度申請を受けつけておりますが、許可を行いましたのは、その約半分の件数の千四百十件、開発面積としては約一万二千となっておるわけでございます。この許可件数の中には、防災施設をつくっていただくとか、あるいは森林の存置――残しておくことをすすめるとか、いろいろ窓口段階におきまして十分な指導を行いまして、この開発規制が適正に運営されるよう、今後も進めていくつもりでございます。
  85. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) ただいま長官からお話のありました土地利用に関連して、具体的事例について、一言関連質問をいたしたいと思います。  青森県上北郡七戸町の町長さんから口頭及び文書をもって数回にわたり私あてに陳情があったわけでありますが、同町内に所存する野々上放牧地主組合が所有していた共有地約五百八十ヘクタールについてレジャー施設の建設が昭和四十七年以来計画されております。この計画地は全部が農業振興地域に指定され、大半が水源涵養保安林の指定を受けております。さらに一部に農用地及び観光造林地が含まれておったようであります。また、区域内で小規模草地改良事業、団体営草地改良事業、林業構造改善事業等が実施されていた事情があったために、四十八年三月の参議院予算委員会において開発の是否について論議があった際、当時の櫻内農林大臣から開発は困難と考える旨の見解表明があったと聞いております。その後開発計画が根本的に再検討されまして、観光造林地及び農用地を開発対象から除外し、小規模草地改良事業及び林業構造改善事業の国庫補助金返還の措置がとられており、さらに開発に伴う公害を未然に防止するためダムの新設等の措置が計画の中に新しく盛り込まれております。あるいはまた、同一水系内に新規の保安林代替土地、保安林のかわるべき土地が配慮されておる等、相当の工夫が加えられております。地域住民は過疎対策上の見地からも一人の反対もなく、また町議会も全会一致、こぞって強く開発を望んでいると聞いておりますが、保安林の一部の指定解除について林野庁におかれてはどういう見解を持っていらっしゃるか、所見をお伺いいたしたいと思います。
  86. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいまお尋ねの件でございますけれども、大体先生のお話のような経過でございまして、私どももそのように承知いたしておりまして、四十八年の三月に参議院の予算委員会におきまして、当時の農林大臣からお答えになりました状況とは相当変化しておりまして、林野庁としても、その後、県とか町当局から保安林解除につきまして強い要請は受けておるのでございますが、今後青森県知事から解除の進達がありました場合は、保安林には保安林解除のそれぞれ基準がございますので、所定の基準に照らして審査を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  87. 片山正英

    ○片山正英君 最後に一つだけお願いしておきたいのですが、ただいま間伐材を中心にしていろいろ森林組合を含めて本当に飛び飛びの議論になったわけでございますが、要は、間伐材の総合対策というものをぜひ樹立をしていただきたい、こう思います。その点について大臣並びに長官、一言お答えをいただきたいと思います。
  88. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどもお答えしたわけでございますが、今後間伐が進むにつれて、間伐材の用途というものは、これは非常に大事なことになってくるわけでございますので、そうした間伐材につきましての総合的な対策を早急に樹立して、改善資金の法律等が実施された場合においてこれが円滑に行われるように対処してまいりたいと思います。
  89. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま大臣からお答えございましたように、総合的な対策が前提でございますし、また、私どもが経験しない初めての大事業でもございますので、真剣に取り組んでこれが解決に努力してまいりたいと思うわけでございます。
  90. 辻一彦

    ○辻一彦君 かなり論議がありましたので重複する点を避けながら二、三質問いたしたいと思います。  まず第一に、先ほどからも論議がありましたが、やはり、わが国の林業が不振というか、停滞というか、非常に十分でない状況にあるということはみんな認識が一致しておると思います。それは、この木材の供給が、国産が三五%、外材六五%、こういう数字にもはっきりあらわれておると思います。これは、乱伐なり、あるいは切るだけで、造林をしても十分な保育ができなかった等々の問題が第一にあると思いますが、もう一面では、やはり外材のかなり秩序のない輸入ということも一つの大きな原因でなかったかと思われる。そこで、わが国の東南アジア諸国に対する外材の開発輸入の実態がどういう状況にあるか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  91. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 東南アジアの特にラワンを中心といたしました木材の開発輸入の実態等でございますが、大体三つぐらいの種類がございます。一つは、日本の商社等が現地に法人をつくりまして、伐採権を得まして伐採輸入する、つまり一般的に言われます開発輸入でございます。二番目といたしまして、現地の木材生産者に対しまして予約金等を渡して出材した材を購入するという、つまり融資買材と私ども呼んでいるわけでございますが、これが二番目でございまして、そのほか、一般的な取引、つまりスポット買いというので私ども呼んでおりますけれども、このような三つがございます。そのうち、二番目に申し上げました予約金等を渡してというのが大部分でございます。この、特にインドネシアにおきましての東カリマンタン等を中心といたしまして、昭和四十年代の中ごろから日本の企業が相当進出いたしておりまして、現在、十数企業が活躍いたしておるのでございます。しかし、この木材業界がこの二年間の深刻な不況がございまして、輸入量が相当程度減少いたしまして、それに伴いまして価格も低迷したわけでございますが、産地におきましては、このことが社会経済的にも大変大きな問題を提供いたしておりまして、失業者が出るというようなこと等も問題になったわけでございます。したがって、安定した輸出なり――向こうから言えば輸出でございますが、また、適正な価格というものが安定するということが必要であるということで、特に主要産地国でございますインドネシア、マレーシア、フィリピン、この三国の木材生産者による木材生産者連合と、一名、SEALPAと言っておりますけれども、これが結成されまして、日本の私どもの方、あるいは関係業界とも接触しながら、何とか安定した適正な価格で輸入が秩序あるものにできないだろうかということで、現在、お互いに連絡をとっているというのが実態でございます。
  92. 辻一彦

    ○辻一彦君 いま長官の御答弁の中にもありましたが、私も一昨年の夏に国会の派遣でインドネシアの方にしばらく行ったことがあります。そしてスマトラに渡って三井、三菱それから伊藤忠や日綿がやっている農業開発を中心に見たのですが、そのときにやはり木材の問題がいろいろ出ておりました。それは日本でも、非常に高成長で大量に木材を輸入しようとした時期の問題ですが、幾らでも木材を買うから合弁をやろう、あるいは経費を出すから山を切れと、こういうことでインドネシアのスマトラではずいぶん伐採をやった。いよいよ木を切って川から海の港のところにおろしてきて、その時期になると、日本の国内の経済が思わしくないので、そのために輸出ができない――こちらから言えば輸入ができない。輸出ができない、こういう状況になった。そこでいまお話しのとおりに非常に社会的不安を起こして当時、港に大変な木材が積まれたり、あるいは海に漂っている、港に漂っている、そのために失業者が出るし倒産が出る、こういう問題があって非常に現地でも問題になっているところでありました。  そこで私は、やはりこういう大手商社のやっているいろいろな問題がありますが、特に外材の輸入等々について言っても、これは日本の林業をやる経営者、あるいは林家も、こういうむちゃくちゃな秩序のない輸入をどんどんやればもちろん非常に困るし、価格のいろんな不安定要因にもなる。同時に、東南アジア諸国に対しても非常に悪い影響を与えて、住民の人はもちろん、それにかかわる人はもちろん、また日本のいろんな信用の面にも大変なマイナスになっている、こういう点が私は指摘されると思うのです。この点は農業開発という形で昨年の春の予算委員会で一度指摘したことがあるのですが、このような木材に限って言うならば、いわゆる大手の開発輸入というやり方には非常にいままで問題があったと思います。  そこで、生産側いわゆるインドネシア、マレーシア、フィリピン諸国では生産者の連合等をつくってこれに対処しているというのでありますが、それだけにゆだねておくのではなしに、わが国としてもまた農林省や林野庁としてもこれに対してやはり適切なる行政上の指導等々が必要でないかと思いますが、これについての見解と方針というものを大臣並びに長官からそれぞれ承りたいと思います。
  93. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 近年のわが国の経済変動に伴いまして木材の急激な輸入増であるとかあるいは輸入減というものがありまして、これはもう相手の輸出国側に非常に大きな混乱を招いておるということは事実であるわけでございまして、わが国としては、今後はやはり依然として外材の輸入を相当行わなければならぬわけでございますので、そうした相手国の、これは開発途上国が多いわけでございますので、御指摘のように相手国側のやはり経済事情というふうなものに十分留意をしていくことは当然でございますが、国内の林業であるとかあるいはまた林産業と調整が図られるように相当これは今後はきめの細かい対策を行っていく必要がより重要になってきたと私は思っておるわけであります。  このために長期的な対策として国際協力事業団というのがございますが、この協力事業団によるところの海外の森林資源の開発造成を推進をする一方、農林省の指導のもとに木材需給の安定化のための協議会を開催をいたしまして木材の輸入、流通、加工等の関係業界、建設省等関係各省庁の参加を求めて外材の産地事情、木材需要の動向等を迅速、的確に把握をし、適切な行政指導を行う等によりまして木材の輸入が適正、円滑に行われるよう努めておるところでございますが、今後ともこの方針にのっとりまして施策の拡充を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  94. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 補足いたしましてお答え申し上げますが、私、先ほど先生御指摘ございましたように、秩序ある外材の輸入あるいは安定した形における外材の輸入ということは、単なる国際的問題ということだけでなくて、国内林業を安定して発展させるためにもこの秩序ある輸入というものは私は必要なものであると思うのでございまして、特にこの二ヵ年間に見られますような乱高下するような価格あるいは需要の動向というものは、これは大変国内、国際的にも不幸なことでございまして、この大宗をなしますのは、やはり木材の需要の大宗は住宅でございます。したがって、五十年度におきましても、補正予算のトップに住宅産業の育成とかいろんなことがとられたわけでございまして、ようやく現在安定した形による木造住宅の着工が行われつつございまして、やや安定を見つつございますが、先ほど大臣お答えいただきましたように木材需給の協議会――単なる私ども関係する各省というだけではなくて、関係業界あるいは商社あるいは海外の情報等をもとにいたしました国際的なあるいは国内的な需給の安定というものを図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
  95. 辻一彦

    ○辻一彦君 私もこの問題を指摘したのは、やはり第一に国内の林業生産あるいは林業の正常な発展というためにやはり絶対量が足りなければこれは輸入もやむを得ないわけですが、秩序ある輸入をやりつつ国内林業の発展を第一に考えながらやっていただきたい、こういう意味でありますから、いま御答弁の趣旨でこれからとも努力を願いたいと思います。  きょうは時間的にわずかの時間でありますからはしょった質問になりますが、次に本法の関係にちょっと入りますが、この林業改善資金助成法案が成立することになりますと、その運用に当たって府県にある林業事務所あるいは林業普及員というものの役割りというのが大変大きいと思うのでありますが、これがいよいよ運用される場合に林業普及員、林業事務所等はどういう役割りが期待をされておるのか、またどうしなくてはならないか、この点についてちょっと伺いたいと思います。
  96. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  このたび御審議いただいております林業改善資金制度そのものは中短期の無利子資金を供給するということでございますけれども、間伐の促進とかあるいは後継者の養成対策とか、きわめて政策的に緊急を要するというものについて政策的にとろうとしておるものでございます。したがって、こういう政策を推進するためには、当然各県に配置されております林業改良普及員の普及事業そのものとセットされることによりましてこの政策が、その目的が十分果たせるであろうと私ども期待しておるのでございます。特にたとえば後継者の共同のシイタケ栽培等スタートするというような場合は非常に最初から危険が伴うわけでございますから、それの設計からあるいは技術、アフターケア、濃密な指導、そういうものがあって初めてこの資金が生きるわけでございます。そのような意味からも普及指導というものがお互いかみ合いましてこの資金が目的どおり効果を発揮するものと期待しておるわけでございます。
  97. 辻一彦

    ○辻一彦君 そうすれば、後継者がかなり高い技術や能力というものをいろんな形で研修をし、身につけなければならない、当然だろうと思います。しかし、その場合その世話をする林業普及員のいわゆる研修といいますか、中身をさらによくしていく、そういうこともあわせて大変大事だと思いますが、その後継者を指導し育成をしていく、そういう役割りを持つ林業普及員の研修等について具体的にお考えになっておりますか。
  98. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、高度な知識、技術というものが普及員の中に身に備わってないと、後継者の方々を引っ張っていくということはできないわけでございますから、おのずからこの指導普及員の教育というものにつきましては私どもかねがね努力しておるわけでございますけれども、さらにこの資金等を契機といたしまして、人に接するということの機会が、あるいは間伐にいたしましても、後継者資金等につきましても、多くなるわけでございます。人に接することが多いということは、つまり林業従事者と接触することは、これ自体が普及であり、また林業の振興にもつながるというふうに私ども理解いたしておりまして、現在専門普及員につきましても、一般研修、あるいは新任者研修、ブロック研修、あるいは内地留学研修とか、あるいは改良指導員等につきましては、地区主任研修、特技研修とか、いろいろなものを実行いたしておりますけれども、さらに内容を私どもは充実さしていくべきだと思っておるわけでございます。
  99. 辻一彦

    ○辻一彦君 地方へ行きますと、たとえば農業の場合でも、ハウスであるとか、果樹であるとか、こういうことをやる若い方というか、後継者というものは非常にレベルが高くなって、ちょっとそっと勉強しても、もう追っつかないぐらいの実際の経験と勉強をして、それから、全国の有名な大学とかをずいぶん見に回って、いろんな勉強をしておりますね。恐らく、私は林業後継者についても、こういう形でこの後継者問題が本格的に考えられてくるとなれば、これは私はかなりそれぞれのレベルというものは上がっていくと思うんですね。そうしますと、同様に高い知識とそして、その技術指導ということがこれからとも要請されてくると思うんです。そこで、いま長官が幾らか挙げられたそれは、従来の林業改良普及員の研修の中身であって、本邦の発展をこれから踏まえて、いわゆる林業普及員等々の研修、あるいは充実をしていくというものについては必ずしも十分でないと思いますが、これからの問題としてどうお考えになっているか、その点いかがでしょうか。
  100. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘でございますが、私も県の農林水産部長等をやった経験からいたしまして、確かに農業という分野は非常に専門化いたしておりますし、またそれだけに後継者の方々も大変勉強されておるわけでございます。ただ、まだ林業分野という面につきましては、農業ほどの分類とまたその技術というものが、それほど専門化、分類されてないという面がございます。しかし、この後継者、御指摘のような若い人たちの研究熱心な方々が技術を練摩されましてさらに伸びていかれるという場合に、これにおくれをとるような普及員であってはこれは困るわけでございますから、おっしゃるようなことも十分考えまして、十分私ども検討さしていただきたいと思うわけでございます。
  101. 辻一彦

    ○辻一彦君 具体的な施策の中でいまの答弁がぜひ生きるように努力をいただきたいと思います。  先ほどから間伐材の問題についてずいぶん御論議がありましたが、若干重複する懸念もありますが、私も二、三点伺ってみたいと思います。  間伐はいままで採算がなかなか合わないと、こういうことでいままでもなかなか進まなかったと思いますが、この融資の道が開かれる、こういうことによってかなりな促進がこれからされる可能性はあると思いますですね。しかし、そうなってまいりますと、さっきから問題になっている需要供給との関係、需要の見通し、新しい市場や販売の対策ということが具体的に取り組まれてこないと、これは切っても後処理ができないとなればなかなか進まないと思います。そこでさっきから幾つか出ておりますが、たとえば建設省等で建築等における基準がありますね、いろいろ。そういう中でも丸太材よりも、使うについてのいろいろ基準があると思いますが、鉄骨への使用ということが一般的な方向になって、いろいろ設計等にもそうなっていく、そうなりますと丸太材とその利用、活用ということがなかなかむずかしいわけでありますが、こういう問題についてかなりの配慮をして、もう少し活用を図るというようなことについてお考えになっておられるかどうか、この点いかがでしょうか。
  102. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 確かに御指摘のように、間伐材の需要を拡大し、あるいは価格を安定させ、またそして生産費を下げていくということにつきましての投資金のいろいろな活用という面もあるわけでございまして、今後集団的なあるいは計画的な搬出によるコストの低減あるいは流通対策、技術の開発、あるいは先ほど片山先生おっしゃいました試作品等の展示というようなもの等をかみ合わせまして、総合的に対策を進めていくわけでございます。先ほど御指摘ございましたように、官公庁等の設計仕様書の中に何か入れ込んだらどうだという御意見でございますが、特に間伐材の小径木でございまして、通常使用されておりますのは、くいとか仮設材等が主なものでございまして、その分野については、一部あるいは間伐材を緑化木の支柱等に使うというようなこと等につきまして建設省とか道路公団に要請いたしまして、その中へ入れ込んだ例はございます。また、先ほどちょっと御紹介いたしましたように、間伐材による新しい建築方法というものも現在日本で東京に展示いたしておりますけれども、そのようなことを通じまして建設省の方にもこのような設計等に、あるいは試作等についても連絡しながら実はやっているような段階でございまして、建築そのものが建設省の非常に大きなシェアでございますので、私ども住宅需要が拡大することが、そして木材産業の発展につながるというような感覚を持っておりまして、十分建設省と連絡をとりながら、このような仕様書という言葉でいくかどうかは別といたしまして、十分この間伐材の利用ができますよう協調してまいりたいと思うわけでございます。
  103. 辻一彦

    ○辻一彦君 いま官公需の発注に中小企業の分野を拡大せよということはずいぶん国会で論議をされておりますが、官公需分野に間伐材の需要を拡大していくというような見通しはありませんか、あるとすれば何か対策を打っていますか。
  104. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 建築基準法上の構造材とかあるいは内装材として間伐材だけを使ったらどうだとかいうような話等もあるわけでございますけれども、一般的に製材なりにいたしますと、これが間伐によるものか、一般材によるものかというような区分等ができないというようなことがございまして、そのような仕様書上にそういう区分をして間伐材を使うということはなかなかむずかしいのじゃないかと思うわけでございまして、先ほど来申し上げましたような総合的な施策ということによる需要の拡大というようなことを考えておるわけでございまして、建設省とも十分その辺は連絡をとってまいりたいと思うわけでございます。
  105. 辻一彦

    ○辻一彦君 さっき御答弁の中で、融資の道が間 伐材の加工施設等が云々ということに触れられておりましたですね。乙の場合の加工施設等というのは製材業者がやる加工施設を指しておるのか、あるいはいま森林組合や林業を経営する方、やっている方からの御希望があって、自分たちでそういう加工の施設を持ってやっていきたいという、そういう中身を主として指しておるのか、どちらをお考えになっておりますか。
  106. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 間伐材の利用のための加工施設でございますが、これは森林組合、あるいは森林組合連合会、あるいは製材所、あるいは木林の製造業者の協同等を相手方と考えておりまして、中身といたしましては、丸のこが二つ一遍に回って柱がとれるような、ツイン丸のこと称しておりますけれども、そういうものと、皮をはぐ剥皮機、この二つを考えているわけでございます。
  107. 辻一彦

    ○辻一彦君 林業を実際にやっている方、森林組合の皆さんが御希望されているのとはちょっと距離がまだあるようにも感じますが、これはこれからの具体的な中で検討しながら進めていただきたいと思います。  で、時間的な点でちょっと追われておりますが、あと二点をお伺いしたい。一つは、さっき触れました後継者の問題ですが、農業の後継者問題が叫ばれてからはずいぶん時間がたっておりますが、林業の後継者問題は、これも以前からありましたが、最近特に論議をされるようになってまいりました。しかし、農業における後継者対策と林業の後継者対策を比べますと、まだその間にかなりな開きがあるように私は感じますが、これをひとつ早く埋めてもらわなくてはならないと思います。そこで、林業後継者に対して、研修旅行等に融資の道を講ずる等々が挙げられておりますが、これはあれですか、いま若い方は、たとえば青年の船だとか、青年の翼等々で農業や林業をやっている若い方がグループをつくって、そして海外に勉強に行く機会がかなり多くなっておりますが、これも広く言えば、私は広い意味のやはり後継者が広い視野を勉強していく一つの機会になると思いますが、これらに対してこの対象となり得るかどうか、いかがです。
  108. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 海外のそのような視察が対象になるかということでございますが、実はこの後継者の研修教育資金でございますけれども、りっぱな実地を学んだ真の林業従事者というようなことを考えておるわけでございまして、たとえば本を読むとか、あるいは講義を聞くとか、見学で旅行をするとかいうようなことだけではございませんので、実際の林業実習ということを中心といたしております。また、いま海外のことでございますが、私どもは当面は、国内においての林業の実習施設等がございまして、そこで研修するとか、あるいは先進地のすぐれた林業家のところに泊まり込んで習得するとか、実地習得するとか、そういうことを考えておるわけでございまして、いま海外という、農業等にあるということでございますけれども、それは将来の課題といたしまして検討さしていただきたいと思います。
  109. 辻一彦

    ○辻一彦君 まあ大量の人が行くのは、そういうのは別として、いま十人とか二十人程度でかなり厳選されたグループがじっくり勉強してくるために外に出る場合がかなりありますが、これはひとつ将来の検討課題であるならば、なお考えていただくようにしたいと思います。  そこで、もう一つ、いま私たちの県でも、全国そうですが、農業後継者に対して農業士という制度があって、これは一つの希望を若い方、農業を跡を継ぎ本格的にやる、こういう希望を持っている人に一つの希望を与えておるんじゃないかと思います、まだまだ不十分ですが。同様に、たとえば長野県では、林業士の制度というのを県が取り組んでおるんですが、こういう府県が取り組んでおる自発的な、自主的な計画といいますか、こういうものをやはり国として助成をし、あるいは取り上げていく。そして農業士と同じように林業士によって、林業を跡を継ごうという、こういう若い人たちに一つの希望をさらに持ってもらうようにする、こういうことについての考え方はないかどうか。いかがでしょうか。
  110. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 農業士制度は五十一年度からということでございますが、ただいま御指摘ございました長野県の林業士制度というものは、四十八年度からそれぞれ将来その地域の農林業の推進者となれる見込みの後継者を対象として発足しているというふうに聞いておるわけでございます。大変興味のある課題でございます。しかし、これを全国的に推進するということになりますと、林業士の認定の基準なり、あるいは優遇する措置をどのように考えていくかというようなこと等が付随的に問題として出てくるわけでございまして、今後の林業後継者の実態を踏まえながら、また後継者養成施設等の関連等も考慮しながら、総合的に私ども検討さしていただきたいと思っております。
  111. 辻一彦

    ○辻一彦君 この前、災害の委員会で私たちは、参議院から新潟の豪雪地帯を見たことがありますが、一月の下旬で大雪の中、そのときに、部落の保安要員という新潟県独自の制度があって、非常に国道、県道から隔絶をされた部落で保安要員を置いて豪雪の中での雪害対策をやっているが、こういう制度があり、これを災害の委員会等で論議をされて、国土庁はこれをこの間見に行って、これを取り上げるというような方向を示しております。が、農業士と並んで私は林業士の制度も、長い将来の検討課目というような一般的な答弁ではなしに、長野でこういうことを取り組んでおるならば、どのぐらいの成果が上がっているのか、あるいはどういう状況であるか、こういうことを現地あたりに行ってもっと調べてもらって、県が始めてもよい方法であるならば、国の方でもこれに対してやはり助成をし、一般的に広げていく。こういう考えを持っていただいていいんじゃないかと思いますが、これは長官いかがでしょう。
  112. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 長野県等のその研修の内容等につきましては、私ども実は承知いたしておりますけれども、その将来構想なり、あるいはその林業士の方がどのような場でどのような活躍をしておられるのか、その辺十分承知いたしておりませんので、現地に私ども関係者が参りまして、その辺を調査しますと同時に、これが全国的に広げ得るものかどうか、それらを含めて検討さしていただきたいと思うわけでございます。
  113. 辻一彦

    ○辻一彦君 先ほどから林業金融のあり方についていろいろ論議がありまして、ちょっとこの論議を少ししたいと思いましたが、あと一つ問題残しておるので時間がかけられませんが、補助金、奨励金というところと、それから金利を補給してやっていく政策金融、今度の無利子のようないろんな段階があるわけですが、林業金融の将来、あり方というものについて、先ほどから農業近代化資金、漁業近代化資金に見合うような林業近代化資金をつくれという御意見も強くありましたが、それらを含めて、将来の林業金融のあり方をどういうように考えるか、こういうことについてお伺いいたしたい。
  114. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  私ども林業金融の大宗をなしておりますのが、設備資金といたしましては、農林漁業金融公庫の長期資金等が中心になるわけでございます。運転資金といたしましては、市中銀行あるいは農中というようなかっこうで、市中銀行等には信用基金等がございまして担保すると、保証するという制度の仕組みになっておるわけでございます。ただ、その大部分を占めておりますのが農林漁業金融公庫のような制度金融でございますが、これは大変長期のものでございます。しかし、本資金のように中短期というものは、当面林業の発展のために、あるいは林業が目前に迫っておりまして解決すべき問題を解決していく、一歩でも前進させるという意味でのこの金融でございまして、中短期ということで私どもはそれなりの位置づけ、あるいは意義があるものと思っておるわけでございます。  なお、近代化資金でございますけれども、農業における近代化資金というようなものにかわるものとして公庫資金の設備資金等があるわけでございますが、御承知のように森林組合は信用事業をやってないわけでございまして、したがって、資金が流出するというようなこと、あるいは還流する、させなくちゃならぬということもございませんし、公庫資金の枠の拡大なり、あるいはその制度の中身の改善というようなこと等で対応していきますと同時に、このような中短期資金を絡めて政策的な必要性を解決していくと、このように私どもは考えておるわけでございます。
  115. 辻一彦

    ○辻一彦君 この問題はどうも舌足らずになりましたから別の機会にもう少し伺いたいと思います。  最後に、私は、林業構造改善事業の推進とそれに絡む若干の同様問題を持つ農業関係の一、二点について伺いたいと思います。  まず最初に、第二次の林構が山村でかなり期待をされておるということは、これは私は事実であると思います。しかし、その事業の推進についていろいろと気を使ってやっておると思いますが、門々面一的なおそれがなしとしないんでありますが、事業の推進に当たって、より以上に地元住民あるいは林業関係者等の意見をくみ入れた推進を図る必要があると思いますが、まず、一般論としてこれについてどうお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
  116. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 林業の構造改善事業につきましては、事業の内容の選択、組み合わせ、あるいは地域の実情に応じた特認事業の採択等、いわゆるメニュー方式によりまして実施することといたしておりまして、これは林業構造改善事業の一つの特色であろうというふうに考えておるわけであります。したがって、地域の指定を受けた市町村長が、地域住民を初めとする事業主体等の意向を取りまとめて策定される自主的な事業計画に基づき実施しておるところでございまして、地元住民の意向に沿って推進されておるというふうに私は考えておるわけでございますが、今後とも地域住民の意向が十分反映されるように林業構造改善の推進に当たっては努力を続けていかなきゃならぬと、こういうふうに思うわけであります。
  117. 辻一彦

    ○辻一彦君 長官、いま大臣答弁を受けられて――時間の点から具体的に私余り触れる時間はありませんが、いろいろこの計画がある程度つくられて進んでいる中で、もうちょっとそういう住民の声を聞き入れてほしいと。しかし、計画が進んでおって、もうどうもならぬか、こういう気持ちのところも幾つかあるように私は歩いて見受けますが、こういう点について、さらにひとつ住民の意向をくみ入れて、そういう点で遺憾のないように努力を願いたいと思うんですが、いかがでしょう。
  118. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま大臣の御答弁がございましたような方式で構造改善事業が計画され、行われているわけでございますが、当初の計画というようなものがあくまでもコンクリートなものじゃございませんので、途中における事業計画の変更というようなもの等は、これは地元の住民の意向とかいろいろあろうと思いますが、これはケース・バイ・ケースというようなことで処理さしていただくのが至当ではなかろうかと思っておるわけでございます。
  119. 辻一彦

    ○辻一彦君 この林構の中で施設等は林業後継者にも関係があるわけですね。そこで、そういう同じような施設という点で最後に一点お伺いしたいんですが、これは、きょうの主題ではありませんが、農林総合整備モデル事業というのがあって、これも農村では各地域とも非常に期待を持って、希望が強い事業種目になっておると思います。ところが、たとえば中心に管理センターというか、建物をつくろう、つくるということが一つの基準になっておりますね。で、いま農村で町村が合併をして、そして中心にセンター等がない場合は、私はそれは必要なことであると思います。しかし、山振によるところの住民センターであるとか、あるいは福祉のセンターであるとか、いろんな名前で、いま事業によって合併町村の中心部にほぼかなりなセンターができている地域もかなりある。そういうところへ、やはり基準であるから、ほぼ同じような、二億とか前後をかけたそういう管理のセンターをつくると、こうなりますと、その地域の事業推進をやっている人たちは、まあこれはいま中心部にあるのだからもう少し旧村であるとかあるいは五つ、六つの生活圏――部落の生活圏というのが一つありますが、そういうところに、中心的なところにこのセンターを分散をさしてやってもらいたいというこの声は非常に強いと思うんです。  これはまあ私の県で恐縮ですが、いま八つこの事業をやっておりますが、私の方、南から言いますと上中という町、それから南条、朝日、それから宮崎、春江、丸岡、それからことし採択になったのが今立、美山と八つありますが、どこへ行っても、この声は大変強いわけなんですね。で、南条という町では当初に取り組みましたが、これは農林、大蔵の合議によって特認で五つのセンター、この拠点的な部落におけるセンターがつくられることになっておりますが、このような方式を広く広げてほしいという声は、歩いて見るとそういう声が大変強い。  で私は、中心部に何も、中心的センターがない場合はそれはやはり大事だからつくるのは結構だと思いますが、かわるものがあるならばそれを生かして、せっかくの国の助成をもう少し住民の声に合うような方向に活用する方がより効果的でないかと、こう思いますが、これについて農林大臣いかがでしょうか。
  120. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 農村総合整備モデル事業につきましては、地元の要請等も踏まえてメニュー方式でやっておるわけでございまして、その場合において、まあ原則として一地区一施設に限るものというふうにいたしておるわけでございますけれど、いま辻さんから御指摘のような福井県では、南条地区で特認事業という形で農村集落多目的共同利用施設を五カ所設置することを認めておりまして、この点は相当、ある意味においては現状を踏まえた効果も上がっておるということを聞いておるわけでございますので、農村総合整備モデル事業の本来の趣旨にのっとってやっぱり地元の住民等の声が上がってきて、それだけに環境整備という実が上るということになってくれば、こうした集落の集会所の設置につきましてもこれはやはり今後前向きに検討していくべきじゃないかと、こういうふうに私は考えておるわけであります。
  121. 辻一彦

    ○辻一彦君 せっかく次長見えていますから、大臣答弁を受けて、事務当局として具体的にどう考えておるか、もう一言お聞きしたい。
  122. 福澤達一

    ○政府委員(福澤達一君) 農村総合整備モデル事業につきましては、ただいま大臣がお答え申し上げましたとおりでございますが、特にいま先生から問題になった農村環境改善センター整備につきましては、これはまあ農村の居住者の農業生産とか生活等のいろいろな多面的な目的ということを中心として、その地域地域によって非常に実情が異なって、しかもその異なった中で要求が非常に強いというようなことを私どもも非常に強く感じておるわけでございます。したがいまして、今後とも農村集落をまとめるような、そういう一つの集会施設というようなものにつきましては、先生ただいま御指摘がありましたように、それぞれの地区の実情をよく踏まえまして、そして地域住民の意向というものが十分反映できるような形で対処してまいりたいと思っております。
  123. 辻一彦

    ○辻一彦君 これで終わりますが、いま大臣、それから構造改善局の次長からもお伺いしました。基準は国の行政を進める上において大変大事でありまして、基準がなければ、これは日本じゅうたくさんありますから、大変でありますが、また定食を無理やりに食わして、下痢を起こす場合もありますから、メニューは主食を変えぬ範囲でやはり住民の意向をくんで、十分消化をして効果的になるように、いまの答弁をひとつぜひ具体化さしていただきたい。このことを最後に申し上げて終わりたいと思います。
  124. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 今回提出されました法案は、林業金融という面につきましては、初めての無利子の資金を貸し付ける制度を創設しようというものでありますから、きわめて関係者にとっては期待を持たれている法案であろうと思います。しかし、すでに言われておりますように、農業の方では昭和三十一年に農業改良資金制度が設けられているわけでありますから、そうしますと、農業の面に比べて林業関係は非常に政府の施策がおくれてきた。もし、もっと早い対策が講じられ、こういった制度ができていれば、今日のような林業のひどい衰退ということはなかったんではないか、こうも思われるわけでございます。せっかくできる法案でありますので、それを最も有効に活用しまして、林業の発展に努めなければならないと思います。  そこで、持ち時間六十分の中でいろいろとお尋ねをしたいと思いますが、まず農林大臣に森林資源の整備という点について最初にお尋ねをしておきたいと思います。  御承知のように、日本の場合は国土の約七割の森林を保有しているわけでありますので、先進国の中でも有数の森林国ということは言えると思います。一方考えますと、日本の場合は人口密度もきわめて高い高密度社会、これを構成しているわけでありまして、一人当たりの森林面積で日本とアメリカ比較いたしますと、わが国の〇・二五ヘクタールに比べてアメリカの場合は一・五五ヘクタール、約六分の一の規模しか日本は保有していないということになります。今後わが国が森林資源の内容を充実しまして、木材の生産といった観点ばかりでなくて、災害の防止であるとか、あるいは水の確保、あるいは近年しきりに言われております森林レクリエーション、こういった森林の機能を国民が十分に享受できるようにしていくところまで考えていく必要があるんではないか、こう思うわけであります。森林資源の整備というのは、特に長い期間かかりますし、長期的な立場からの比較検討というものは非常に重要になってくるわけでありますが、安倍農林大臣として、林業に関する現況の認識と対策につきまして、まず基本的に問題からお尋ねをしたいと思います。
  125. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 森林資源は林産物の生産、あるいは国土の保全、水資源の涵養等、多面的な機能を有しておりまして、これのやはり総合的なかつ高度な発揮が要請をされるわけでございますが、しかるにわが国の森林資源の現状を見ますると、まだ十分整備されているとは言えないわけでございまして、人工林の面積をとってみましても、将来目標の七割を達成したにすぎないわけであります。かつ、戦後植栽された若齢人工林が主体を占めておるというのが現在の状況でございます。このために、長期的な視点に立って計画的に森林資源の整備を進めることが必要でございまして、このような観点から、林業基本法に基づきまして昭和四十八年二月には森林資源に関する基本計画を策定をいたし、これに基づき造林、林道等の生産基盤の整備であるとかあるいは森林施業の確保等の各般にわたる諸施策の総合的実施に努めておるところでございますが、今後ともこれらの施策の一層の拡充に努めてまいらなければならない、こういうふうに認識をいたしておるわけであります。
  126. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 森林は、単に植えただけでは育たないわけでありまして、下刈りあるいは除伐、間伐、こういった手入れを進めていかなければならないことは言うまでもないわけでありますが、わが国の森林は、植えてから年数の少ない若齢林がきわめて多いわけでありまして、特に戦後、中でも三十五年以降植えたものが非常に多い、このように認識しております。林野庁からいただきました資料で拝見しましても、直ちに伐採できる四十年以上の人工林、これは全体のわずか九%にすぎない、こういう状況になっているようでありまして、こうして若い森林に対する育林作業というものを今後積極的に進めていかなくては林業は成りたたないと思うわけでありますが、その対策についてはどのように考えられておりますか。
  127. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。ただいま先生から御指摘ございましたように、森林資源の内容からいいますと戦後植栽したものが七十数%という造林値でございまして、きわめて若齢級にあるということでございます。したがって、御指摘のように下刈りから除伐あるいは間伐というような育林というものに重点を置くべきであるということはそのとおりでございまして、私どもも鋭意これに努力いたしておるわけでございます。たとえば五十年度でございますけれども、従来保安林しか適用しておりませんでしたけれども、下刈り、除間伐につきまして、ある一定の条件のものにつきましては除間伐を普通林についても対象にするということをいたしますと同時に、農林漁業金融公庫の、そのような保育の年齢というものを従来十二年程度まで考えておったのを、これまた制約はございますけれども一応二十年まで延長したというようなことをとりました。さらに五十一年度につきましては、造林補助金につきまして、下刈り、雪起こしというようなものにつきまして、普通林にも、これまた制約はございますけれども適用するということにいたしましたと同時に、本資金のような間伐を推進するための制度も創設するというようなことで対処しておるところでございます。  従来、木を植えるときは造林補助金というものがあったわけでございます。これは昭和の初期からでございますけれども、この五十一年度のこのような制度をもちまして、いろいろ制約はございますけれども、下刈り、除間伐、それまで一貫いたしました単なる植えるということだけでなくて、森林を緑に育て上げるまではめんどうを見るという制度が一貫してでき上がるというところに私は重要な意義があるというふうに思っておるわけでございまして、今後も一層これを整備拡充してまいりたい、かように考えているわけでございます。
  128. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 農林大臣からこの法案の主要な内容につきまして御説明ありましたが、眼目の一つは間伐を促進させるということであると思います。林野庁は、今後十年間で約四百万ヘクタール近くの間伐を行う計画をされているわけでありますが、間伐はこれまで進まなかった理由として、先ほどからも論議されてますように、なかなか思うように売れ行きがないということや、あるいは林道などの搬出面について整備されていない、あるいは労働力が不足である、また労力を要するわりあいに木材の値段は安い。こういったいろんな条件が重なりまして、非常に実施が困難であるということであると思います。  そこで、こうした諸問題を解決して、この重要な問題になっている間伐のおくれ、これを進めるためには今回の資金制度を活用するばかりでなくて、もっと総合的な施策の推進が必要ではないか、このように考えられますが、その点につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。カラマツの場合で見ますと、今後大量の間伐が必要である。特に北海道ではこのカラマツの間伐という問題が大きな問題になっているわけでありますが、特に木材生産の多い北見の例でいきますと、現地の森林組合と流通加工業者の共同出資によって間伐センターをつくっているようです。間伐の集荷、加工利用あるいは需要の開発、販路の確保、ここに至る過程を総合的に行っている。このように聞いておりますが、資料で見ますと、ここの北見地方カラマツセンターは、操業開始が五十年五月ということで、まだようやく一年を迎えたところなんですが、いま現在、大体この発足当時の構想に基づいて成功しつつあるのかどうか、その点まず現況をどうつかんでおられるか。
  129. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 北見地方のカラマツは、私、手元の資料で見ますと、大体民有林、国有林を合わせまして十三万ヘクタール程度の大面積造林地ができ上がっているわけでございまして、したがって、これから間伐時期に入ってまいります関係から、ただいま御指摘のような北見地方のカラマツセンターというものを森林組合、林産協同組合、木工業協同組合、これは留辺蘂町でございますけれども、ここでこの三者を構成員といたしましてスタートいたしておりまして、現在カラマツの消費量は、昨年スタートしたばっかりでございますから、三千立方程度でございます。が、現在テーブル、いす、家財、花びん、あるいは集成材による家具、木工品等の開発というようなことまでいっておりまして、なお設立間もないんでございますけれども、大変順調に進んでいるというふうに聞いておるわけでございまして、すでに東京にもその製品が進出しつつあるというようなことで、私どもも内々その辺についての御支援は申し上げている段階でございます。
  130. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 操業開始して一年ということですので、もう少し長期的に見なきゃならないと思いますが、特に産炭地へ進出した企業なんかの例を見ますと、最初のうちは調子よくてもなかなか長続きしないという例があるわけです。もっとも石油ショックにひっかかったときには非常に影響が大きかったわけですから、今回のこの北見地方カラマツセンターの場合はそれ以降発足して、まあいわゆる今後の低成長経済時代に向かって十分準備をしてから発足をしたん、だろうと思いますので、この一年間の成果は、いま長官おっしゃるように、ある程度成功である、今後もこの方式が進めばかなりな効果を上げるんではないか。こういうように評価をされるとするならば、この北見の地方カラマツセンターの場合は、設立に際して道やあるいは地元の留辺蘂町の助成も受けているようでありますけれども、こういった方式を全国的に推進するという方向で考えてもいいんではないか、このようにも思いますが、その点についてはどのような御見解を持っていらっしゃるか。
  131. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 先ほどちょっと申し上げましたように、この構成員といたしまして森林組合とそのような製材の協同組合等が一緒になってつくる、これは生産とそういう加工とが一つのパイプのつながった形におきましてこのカラマツセンターができておるというのが一つの特徴ではないかと思うわけでございます。その意味でこの将来性があると申し上げたのでございまして、このような製材と森林組合が結びつくというような方式、あるいはこのような製品をいろいろ開発しながら普及していくというようなことでございますので、全国いろんな形がございます。特にこの北見地方では森林組合ですでに間伐材の専門の工場をつくりつつございます。そしてまたその一部の製品といたしまして千葉等の製鉄所等にダンネージという形で相当出回ってきております。そういうこと等もございますし、生産、流通、加工というような各地の状況等に応じまして今後も各地の方式等を検討いたしまして、私どもなりにこれの対策というものを今後検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
  132. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 間伐を効果的に進めるためには森林組合が大きな役割りを持つことになると思うんですが、森林組合の造林や林産事業の現況はどうなっているのか。それから林業の担い手として森林組合がもっと事業活動を活発化させなくてはならないんではないか、このように思いますが、どのような手だてを講じようとされるのか、これについて御見解を伺いたい。
  133. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  確かに造林とか林業生産というようなものの担い手として森林組合の果たす役割りは大変大きいと思っているわけでございます。特に造林の面で大きいわけでございまして、森林組合が昭和四十八年度におきまして七万六千ヘクタールの新植を実施いたしております。この面積は全国の造林面積、四十八年は約二十六万八千ヘクタールやっておりますが、それの二八%に相当いたしますし、私有林、公有林等におきます造林面積の三六%を森林組合系統が造林している。非常に大きなシェアを占めて意義があるのでございます。また素材生産は二百二十万立方というのを四十八年度に生産いたしておりますが、これは国内生産の約五、六%を占めておる。なお素材生産等につきましてはまだまだでございますけれども、これから次第に組織化されるものと思っているわけでございます。  このように非常に大事な森林組合でございますので、これの体質を強化して組合員との結びつきを強力にしていくということは非常に大事な仕事でございます。したがって、森林組合の広域協業体制の整備、あるいは先ほど申し上げましたような造林等における受託経営の促進あるいは森林組合自体の経営改善というようなこと等が対策として重要だと思っておりますし、そのための林業構造改善事業等を通じましてより一層の活動を期待すべきであろうと思うのでございます。  なお、今年度は森林組合の活動を支える青年組合の育成を図るための予算等も計上いたしておるようなわけでございます。
  134. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 先ほど申しましたように、現在、間伐にはいろんな制約条件がありまして、間伐すべき森林面積の一部しか現行実施されていないわけでありますが、過去五年間のデータで見ましても、間伐必要量の約二割程度しか実施をされていないという現状なんですが、今回のこの資金制度が活用されるとして、今後どの程度まで促進をされるのか、この見通しについてはいかがですか。
  135. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 御指摘ございましたように、間伐が、民有林につきましては大体二〇%程度しか実行できてないというのが現状でございます。今後十年間に約三百八十万ヘクタールが間伐対象の森齢になってまいります。したがって、この本資金を活用し、あるいはそれの周辺部における効果とか、そういうものを入れまして、おおむね五、六〇%程度に引き上げたいと思っておるわけでございます。なお、四〇%程度というものは残るわけでございますが、これはこのように需要なりあるいはその生産のための林道等がつくことによります所有者の熱意といいましょうか、そういうものが次第に出てくると同時に、ほかの資本等による投入というようなこと等も期待してあとの四〇%程度を期待するというようなことでございまして、それにいたしましても、資金の造成量との関係、あるいは先ほど来申し上げておりますように、間伐林の流通加工の条件整備というような点等が解決されることが前提でございますけれども、総合的な施策を待って、このような五、六〇%までは持っていきたい、こういうことでございます。
  136. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 わが国の造林の場合、非常に落ち込んでおりますし、せっかく植えた、特に人工林、今後十年間で三百八十万ヘクタール間伐を進める、それで民有林の方は六〇%まで何とかやりたいというのですが、あとは関係者の熱意によって、その他の総合的な施策によって、それはもっと促進されるだろうと期待的に見ていらっしゃるわけですが、もう少し厳しく見た場合、やはり今後十年間で一OO%達成するようなもっと強気といいますか、あるいは予算面でも林業に対する資金の投入、こういったものをもっと強調して、やはり直接担当の林野庁としては、もっともっと促進を図る方向で具体案を立てるべきじゃないか。そうしないと、これ計画どおりいっても六〇%、それでとどまったとした場合には、残り四〇%の間伐できないままの人工林は、ほとんど材料としては使えないような木になってしまう。それだけでも大きな損失になってしまう、そう思うのですが、その辺のところは当初の計画段階ではどのようになっておりますか。
  137. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 私どもも一〇〇%に一歩でも近づこうという気持ちでおるわけでございます。ただ、当初このような資金でスタートするということでございまして、その資金需要とかあるいは県の財政とかそういうこととにらみ合いながら、五十二年度なり五十三年度、それに見合うだけの、資金需要を賄うだけの資金というものを私どもは用意いたしまして、これを一〇〇%に一歩でも近づくような、そのような予算計上と同時に、先ほど来申し上げておりますような総合施策というものを早く打ち立てまして、需要の開発、技術開発あるいは加工施設への投資というようなもの等も含めまして、総合的に前進してまいりたい気持ちでおるわけでございます。
  138. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 林業の就業者数というのは、総理府の労働調査によりますと四十九年度で二十一万人ということで前年度とほぼ同数になっておるようであります。数の上からだけ見ますと、就業者数というのは減少するのがとまったというように一応見受けられるわけでありますが、年齢構成を見ますとやはり農業と同じように高齢化が進んでいるわけでありまして、林業の将来を考えますときに、非常にこの点心配をするわけであります。結局この衰退をしている日本の林業を回復させる、さらに発展させるためには言うまでもなく林業の労働力の確保というものが不可欠でありますし、ぜひこの労働力確保というものを真剣に取り組まなければならないわけでありますが、林業の場合は、他産業に比べましても労働条件が非常に厳しくなっておりまして、若い人たちが自分の将来にわたる職業として林業に従事しようという気持ちになかなかなりがたいというのが現状であろうと思います。ところが、今日まで林業ではこの労働力対策というものは、他産業に比べると著しく立ちおくれていたのではないか、このように指摘をせざるを得ないわけでありますが、林業労働というものは季節に左右されるということから、非常に就職が不安定である、こういうことが一つの大きな問題点であろうとは思います。と同時に、社会保障の面で、やはり他産業の労働者に比べると非常に施策がおくれているのではないかと思うのですが、このことが林業労働に対して魅力の乏しいものにしている大きな原因である。このように思いますが、今後林業労働従事者に対する社会保障の充実という点で、どのように計画をお持ちなのか伺いたい。
  139. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 林業労働従事者の就労条件の向上を図り、優秀な林業労働力を確保することは林業の発展にとりましては欠くべからざる重大な課題であろうと思うわけでございます。やはりこのためには、基本的にはこの林業、事業体の経営基盤の確立が必要であるので、従来から構造改善事業等によりまして、基盤の整備、協業の推進、資本装備の高度化等に努めてきておるわけでございますが、またいま御指摘がございましたが、林業労働力対策としても、就労期間の計画化、長期化に努め、なおかつ、社会保障制度の適用条件の整備を待たなければならない。これはもう図っていかなければならぬことは当然のことでありまして、今後ともさらに本資金の、林改資金の活用とも相まちまして、林業従事者の福祉の向上を図るための各般の施策の充実に努めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  140. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 林業労働というのは、建設労働やまた港湾労働と並んで非常に危険率の高い労働の一つだとされているわけですが、そういったことで労働災害発生率も非常に高い、加えて近年先ほどから論議されていました振動障害、いわゆる白ろう病というものは大きな問題になっていまして、ようやく職業病に認定されまして、認定者数からいくと先ほど鶴園委員おっしゃるように最大の職業病ということになってきているわけです。今回のこの資金制度でも振動の少ない機械の買いかえ等について資金の貸し付けを考えているようでありますけれども、労働安全衛生資金というものは林業労働対策の中でどのように位置づけられ、どんな役割りを果たすことになるのか、まずその点承りたい。
  141. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 今後の林業の発展のためには、その担い手として林業労働者の確保を図るということがこれはもう一番大事なことでございまして、ただいま大臣の御答弁あったとおりでございます。そのためにも、あるいはその前提といたしましても林業経営基盤の充実ということを図ると同時に、いろいろ問題になっております林業労働の特質に基づきます就労の安定ということも考えなくちゃなりませんし、また、いま問題になっておる安全衛生の確保というような面の施策も充実しなくてはならないのでございます。この資金がチェーンソーを買いかえるということのほかに、あるいは人員輸送車とか、あるいは振動機械に直接触れないで木を玉切りするとか、そういう機械とか休憩施設とか、そういうもの等が含まっておるわけでございます。したがって、本資金の活用によりまして林業労働の安全衛生という面につきましては相当大きく私どもは寄与するものと期待しているのでございます。
  142. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 林業生産のための機械あるいは施設、いろいろあると思うのですけれども、一番いま当面緊急な問題は防振チェーンソーの買いかえというものになると思うのですが、資料を見ますと、防振チェーンソーの場合限度額が一台十八万、償還期間が五年以内、こうなっておりますが、最高限度額十八万ですが、最低の場合は何万ぐらいを予定しておりますか。
  143. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 一応十八万円ということでございまして、大体その辺の価格というのがチェーンソーの相場になっておりますが、必要な額というふうに御理解いただければと思うわけでございます。
  144. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 この防振チェーンソーを使用している人たちは国有林で働く直轄の人、それから国有林の中に請負で入っている人たち、それから民間の人、さらには民有林で働いている特に一人親方と言われる人たち、あるいは会社の従業員、いろいろ種別があろうかと思うのですが、この機械等の取得に必要な資金の貸し付けの種別といいますか、直轄の人の場合は今年度予算のうち何%とか、あるいは一人親方の場合は何%とか、そういった率を考えられてなるべくいろんな立場の人たちに機械の買いかえができるような、そういう配慮をされておりますか。
  145. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) このチェーンソーの買いかえというのは政策的にきわめて緊急を要するということで、なるべく広い範囲の方々に買いかえていただきたい、こう思っておりまして、会社、個人あるいは森林組合あるいは一人親方、そういうことの区分は、割り振りをするとか、そういうことは考えておりません。実質これを審査と申しますか、申し込み等がございましたときには、県の地方林業事務所等に市町村なり森林組合あるいは林業改良普及員とか、それらが一つの協議会を設けまして、真にこれを貸し付けるに適している人ということ等を十分相談いたしました上でこれを貸し付けるということでございまして、特に一人親方というようなことで資金調達力の弱い人たちが不利にならないように私どもは運営してまいりたいと思うわけでございます。なお、国有林の請負等の会社等に対するこの資金の買いかえということは対象にいたしてない、このように御理解いただきたいと思います。
  146. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 いま長官おっしゃったように、資金調達力の弱い人たち、そういうものはともすると後回しにされる、外される、こういう例が従来まで多かったように聞いているわけですよね。ですから、白ろう病にかかっている潜在的な患者もかなり民有林で働く一般労働者の人が多いんじゃないかと思う。そういった人たちの方へ早くこういった新しくできた買いかえの制度の適用をできるだけさしてあげる。若干でも力がある、余裕があるところまで――いまあるのかどうかわかりませんけれども、そういった会社関係の場合はできるだけ自力で買い取るようにして、それこそこういった五年償還の貸付制度でも利用しない限りは、かなり振動障害に影響のある古い機械をしようがなく使っている、こういう人たちに早くこの制度を適用さしていくというように、協議会で十分検討はされるでしょうけれども、特に関係官庁におけるそういった面の実態よく監督をしていただきたいし、指導も十分にしていただきたい、こう思いますが、もう一回御答弁いただきたいと思います。
  147. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 森林組合とか、あるいは林業従事者とか、一部会社とか、それぞれ対象にするわけでございますが、林業を経営する法人とか、あるいは製材業等営むような大きい産業のものについては、私ども一応一定規模というものを決めまして、それ以上の人たちはどうせ自己資金というようなものでできるというようなことで一定規模以下の方々に限定したいと、こういうふうに思っております。  なお、先ほど私ちょっと答弁で申しわけない御答弁申し上げたんですが、請負事業体というものについてはこれは対象にしないということを申し上げたんでございますが、国等はその対象にしないということでございまして、その請負事業体でもチェーンソーによる白ろう病というもの等はあるわけでございますから、これは当然対象にするということで訂正さしていただきたいと思います。
  148. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 白ろう病の認定患者年々増加の一途をたどっているわけでありまして、先ほども出てましたように、昭和四十年度九人が昭和五十年十二月現在では国有林で二千七百九十七名、民有林では療養中のものが四百二十四名、五十年三月現在、こういうような資料が出ているわけですが、白ろう病に対する政府の対策は非常に甘いと、こういう特に労働者からの強い不満が出ているわけです。特に振動病対策、各省にまたがってばらばら行政というようなことなんですが、今後この白ろう病対策を強化するために一本化して、特別対策グループ、こういうようなものをつくってやるべきだ、こういう意見もあるんですが、この点について長官はどういう御見解を持っていらっしゃいますか。
  149. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘ございましたように、また先ほど来御議論がございますように、振動障害というのは大変な問題でございます。したがって、予防、健診、治療、補償と、この多岐にわたる問題があるわけでございます。したがって、今後御指摘ございましたように、労働省を中心とする関係省庁の担当者連絡会議というようなものを設けることで現在話し合いを進めつつございまして、その中で予防、健診、治療、補償というような多岐にわたる問題をお互いに連絡しながら一歩一歩解決に進んでまいりたいと思うわけでございます。
  150. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 労働省、来ていましたらこの問題について。
  151. 中村正

    ○説明員(中村正君) ただいま林野庁長官から御答弁ございましたように、白ろう病の問題は非常に重要な問題であるということから、従来から労働省といたしましては農林省その他関係各庁と相互に連絡をとりながら諸対策を講じてきたところでございます。林業労働は御存じのとおり、先ほども先生が御指摘のございましたように、就業形態についてはいろいろな形態がある。雇用という関係が明白なものもあるし一人親方もある。あるいはその一人親方が今度は人を使うときもある。いろいろな雇用形態上問題がございますので、一概に振動障害につきまして一本化するということがいいのかどうか、それよりもやはり実際に政策を実行するとなると各官庁にまた戻らなければならぬということから、やはりいま長官が御指摘のとおり関係各省の連絡を密にするということによって実効を期していくということがよろしいかと思っております。労働省もいま長官の御指摘のとおりの線でやっていきたいと考えております。
  152. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 振動障害防止についてはいろいろ提言もされていますし、また、いろいろと、たとえば振動機械の使用制限、こういうこともやって防止に努めているわけでありますが、一日当たりの制限時間も設けているわけです。しかし、このチェーンソーを使用している人たちは使用年数というのは全部労働者によって違うと思うんですね。そういうわけで長年使用してきた人たちはいわゆる症状が蓄積をされているんではないか。それから、比較的新しく後継者としてチェーンソーを使い始めた人たち、この人たちの場合はまだそんなに振動障害の蓄積がない、こういった個人差があるんじゃないかと思うんです。そこで、一日当たりの使用時間、あるいは一回当たりの使用時間についてこれまでの稼働年数に応じてある程度区分をするということも検討の必要があるんではないかということを思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。  もっとも、現在決めている使用制限にしても、経営悪化ということや、あるいは労働力不足ということで、非常に守らない業者も多いし、労働者自身も生活苦や雇用不安から無理して長時間使っている。通達も知らされていない、あるいは聞いたことがない。こういう人たちも多いわけで、非常に予防対策としてはむずかしい状況ではありますけれども、やはり今後白ろう病患者をこれ以上増加させない、こういう決心に立ってやるからには相当覚悟してやらなければいけないんじゃないか。こういう観点からいま私が申し上げましたことについての御検討の必要性をどう考えられますか。
  153. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま先生の御提案があったわけでございますが、私ども昭和四十五年から二時間規制というようなことで、労働省と一緒になりまして予防ということを中心といたしまして進めてまいっておりまして、そのことが必ずしも十分守られていないというようないろいろ御指摘等も民有林についてはございます。したがって、私どもとすれば五十年度来、点検パトロールというようなこと等でそのようなことがないように具体的な事業地に出向きましてこれを指導いたしますと同時に、五十一年度は主な林業地における改善、そのような労働安全衛生の改善、雇用の明確化とか、長期化とか、いろんなこと等を含めた指導員等も配置するし、また、二時間規制を中心といたしました作業仕組みの改善促進というような事業等も行うわけでございます。と同時に、これまた労働省と一緒になって指導あるいは政策、あるいは普及に努力しているわけでございますが、振動機械の振動加速度値でございますが、三G程度に改善しようということで、この一年間かかりましてやっと四十五機種ぐらいが三G程度に振動加速度値が落ちてまいりまして、そのことにつきましては国立林業試験場でこれをテストしながら、そしてそれを公表いたしております。そういうことで、公表いたしますことによって補助金の対象とか、本資金の対象とかというものに、このような公表されて安全であるという、三G程度であるというようなことがわかった機種について私どもは助成しようとしているわけでございまして、このような時間規制、あるいはこういう機械の改良というようなこと等を十分やることによりまして、私はさらにこの資金による買いかえ、古いものを買いかえるというようなこと等を含めまして総合的にこの振動障害対策というものは進むと思っておりまして、さらに前進したものと思っておるわけでございます。今後も当然これが改善には努力するということでございます。  また、先ほど連絡会議を持つということでございましたが、これもただいまお話のございましたような点も一つの議題といたしまして労働省との連絡会議には検討してみたいと思うわけでございます。
  154. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 時間が切迫してきましたが、法案の内容について何点かただしておきたいと思いますが、林業後継者等の養成資金の貸し付け対象の年齢階層、これをどのように考えておるのか、また選定の基準や方法はどうなのか。それにあわせ、たとえば山林におけるシイタケ栽培が最近多くなっているようなんですが、山村に住んでおり、現在は山を所有してないけれども、若い人たちがグループ的に新たにシイタケ栽培をする場合に、この資金制度の貸し付け対象になるのかどうか。  それと第二点目は、法第三条第一項のただし書きにいう資金が一定額に達した場合の助成の打ち切りの趣旨というのは一体どういうことなんですか。
  155. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 林業後継者等の研修教育資金でございますが、これは後継者たる青年または林業労働に従事する者の使用者ということで、林業経営共同開始資金にあっては林業後継者たる青年またはそのグループという考えでおるわけでございます。なお、この後継者としては、林業にとりましては十代の後半から三十代まで程度を考えておりますし、林業の労働に従事する方は農業と違いまして四十代ぐらいまでを貸し付け対象と考えているわけでございます。  また、法三条第一項のただし書きで、一定額に達したら助成の打ち切りということでございますが、これは資金需要を満たすことができる程度に資金が造成された場合には償還金でこれを行うことができる、貸し付けができるようになるわけでございますから、したがって、資金造成のための補助金交付というのは必要でなくなるということでこのただし書きがついているわけでございますが、農業改良資金等の例から見ますと、すでに二十年になるわけでございますが、発足以来まだ、この一定額に達した場合、助成の打ち切りということが適用されていないというような実態でございまして、発足当初の林業におきましては、この一定額を定める事態に至るというようなことはないと、このように考えておるわけでございます。  なお、シイタケの共同経営でございますけれども、この後継者という以上はやはり林地を多少でも持っているということが前提でございます。つまり林業というのは四十年、五十年という長期の経営でございまして、現金収入が途中でないということ、したがってそういう短期収獲による現金を得るというためにシイタケだとかナメコなりいろんな栽培をする、共同で経営開始するということでございまして、単にこのことだけで後継者ということでなしに、一部でも林業というもの、森林というものを持っていろということを前提に考えている次第でございます。
  156. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 その場合、もともと持ってなくても借り受けた場合は適用されますか。
  157. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) もちろん借り受けてもよろしゅうございますし、またそれら林地取得資金とかそういうものもあるわけでございますから、十分それで対応できると思うわけでございます。
  158. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 あと数点お尋ねをしたいんですが、各県の末端では、森林組合は、借り受け者から事務委託手数料を取っている例が多いようですけれども、今回無利子資金制度を創設した趣旨から考えますと、今後もこの事務委託手数料を取り続けるということは問題じゃないかと思うんですが、この点今後どういう指導をしていこうとされるのか。  それから次は、資金造成について都道府県も負担するとなっていますが、この負担部分については地方交付税等の措置が講じられているのかどうか、すでに自治省との話し合いが進められてなくちゃならないと思うんですが、この点を確認したい。  もう一点、この資金について今後運転資金あるいは木材の高度利用を図るための施設資金等にもその貸し付けの対象を拡大すべきだと、このように思いますけれども、これについての御所見。  以上三点。
  159. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) この資金は御承知のような無利子でございます。したがって、事務費につきましては、農業改良資金の例にならいまして県に、貸付資金の三%相当額の二分の一を国が補助することにいたしております。したがって、また都道府県からは受託者である森林組合に手数料が支払われるようになっているのでございまして、無利子ということでございますから、この手数料を取るというような事態が生じないように厳に指導してまいりたいと思っておるわけでございます。なお、この三分の一の都道府県分が交付税の算定因子になっているのかどうかということでございますが、すでに自治省と話し合いを調整済みでございます。また一応こういうかっこうでスタートしておっても、今後さらに必要な事態が起こった場合は拡大するのかということでございますが、当面必要な課題として三つを取り上げて御審議いただいているのでございますが、以上のようないろんな問題が今後出ると思います。さらに新たな資金措置を講じなければならないような問題が出ました場合は、その段階で検討してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
  160. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 それじゃ、最後に大臣にお伺いしたいと思うんですが、最初に述べましたように、この資金制度の創設というのはまあ喜ばしいことであると同時に遅きに失した、両面の評価になると思うんですが、資金の貸し付けの範囲を見ましても、間伐の推進、労働安全衛生の確保、後継者の養成確保と、いずれをとってみてもこれまでの施策の十分及ばなかった分野に対して今後大いに進めていかなければならない事柄だと思います。それにしては全国の資金総額が二十億円ということできわめて少ないように思うんですが、今後思い切った増額を図るべきではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えになっているか。  それからもう一点、この資金制度が創設されますと林業金融もこれまでよりは厚みが出てくるとは思いますけれども、現在人工林の大半が先ほど申しましたように若齢林が占めておりますし、伐採収入に多くを期待できないわけでありますから、そこで日本の林業を将来に向かって積極的に進めていくためには、林業への資金の流れを制度資金あるいは民間資金いずれについてもさらに円滑化していくことが必要だと思いますが、こういった意味から林業金融全般の充実について大臣はどのようにお考えなのか、またこの一環として林業信用基金の業務の拡大を図るお考えはないか、以上承って質問を終わりたいと思います。
  161. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) この林業改善資金の資金枠は二十億でございますが、まあこれが少ないのではないかというふうな御意見もあるわけでございますが、発足早々の資金でございますし、各道府県からいろいろと要請等も承りまして、その大体要請を満たすことができるというふうに判断をいたしておるわけでございますが、しかしこれからは、大事ないまの間伐の促進であるとか、あるいはまた後継者対策等を積極的に進めていかなければならないこの改善資金でございますから、これは今後ともその資金の資金枠というものを積極的に拡大をして、そうして林業進展、発展のための大きな政策の柱ということに私は持っていかなければならない、そういうふうに考えておるわけでございます。  なお、林業資金関係全体につきましては、これは農林漁業金融公庫資金、これは設備資金になっておりますし、あるいは農林中金、これは運転資金に充てておるわけでございますし、同時に民間金融機関からの林業への融資の円滑を図るためには、林業信用基金による債務保証等を行っておるわけでございますが、この林業は非常に長期資金によるところの、その性格上依存度が非常に大きいわけでございますから、これらの農林漁業金融公庫、農林中金、そういう金融の流れをいまおっしゃいましたように円滑化し拡大をしていくということは、これまた林業振興にとっては欠くべからざる問題でありまして、今後ともそうした金融の改善強化には努めていきたい、林業改善資金の拡充とあわせて長期資金あるいは運転資金の拡大には今後一層の努力を払い、そして林業の進展を進めてまいらなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
  162. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 本法につきまして、第一に貸し付け対象者の問題について、二番目に林業安全衛生資金の問題について、そして三番目に団地間伐促進資金についての三つをお伺いし、その後、造林事業について伺っていきたいと思います。  まず第一の貸し付け対象者についての問題ですけれども、すでに昭和三十一年農業改良資金助成法に基づいて農業にはこのような制度が行われておりました。で、林業には初めて無利子の貸し付け制度というのが今度出てきたわけでございますけれども、農業と比べまして林業の場合にはいろいろな問題点があると思います。  まず、事業体の中には会社経営がある、また同じ林家といっても経営規模が非常に小さい零細な農家や、賃労働を主としているという林家から、またいわゆる山林地主と言われるような非常に大規模な林家というように、大変な階層間の格差というのがきわめて多いわけです。そういうものを対象にしてのこの資金の貸し付けでございますから、それに加えて、限りのある無利子の貸し付けというような金額から考えてみますと、そこにやっぱり当然対象者については相当配慮していただかなければならないと思う。で、経営面積による一定の上限を設ける必要があるのではないかというのが私の考え方でございます。そこで、本法の第三条のところに、「林業従事者、その組織する団体その他政令で定める者」と、こういうふうに出ておりますけれども、その政令の内容について初めに御説明いただきたいと思います。
  163. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 法第三条第一項の政令で定めますものは、木材製造業を営む者も、これは常時使用する従業者の数等が一定規模以下の者に限るということを考えております。またその組織する団体、林業を行う法人であって林業従事者の組織する団体以外の者、会社でございます等の見込みでございますが、会社等にありましては常時使用する従業者の数等が一定規模の以下のものに限るという、いま御指摘ございましたような限定するということに私どもは定めたいと思っておるわけでございます。
  164. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 いまの御説明のように、会社については常時使用する従事者数というように、一定の上限というものが設けられるというふうに御説明いただきましたけれども、林家についてもその制限、制約というようなものが考えられてはいいのではないか、つまり中小の林家が困難の中で切り捨てられるというようなことがあってはならないと、こう考えるわけです。で、林業白書を拝見いたしまして、この中に林業主業林家というような項目がございました。この中に書かれておりますことは、林業主業林家というものは地域林業の発展を図る先駆的役割りを期待するものと、以下ずっと書いてあるわけですけれども、こういうふうにこの林業主業林家というものが非常に林業における中核的なものとして位置づけられるというふうに書かれているわけです。こういう点で、先ほど言ったように、中小のものに日が当たらなくなっていくという心配がないかどうかと、こういう点で御見解を伺いたいと思います。
  165. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘ございましたように、この資金というものは必要なものに適切に貸し付けられる、しかもこれが公平でなくちゃならぬと私どもは思っているわけでございまして、資し付けに際しましては、林業事業所ごとに市町村なり森林組合あるいは林業の普及指導職員等で構成いたしましたその協議会によりまして適正にこれが配賦されるように私どもは運営したいと思っております。ただ、御指摘ございましたように、この資金には実は当初二十億というような枠もございます。したがって、そういう大きい人等にいくという前に、このような資金調達で非常に苦労するであろう中小規模の所有者とか、あるいはその共同組織とか、あるいは林業労働者というような方々に重点的に回るように、私どもは運営したいと思っておるわけです。ただ、一つ大所有者のある部分でございますけれども、たとえばここに五ヘクタール、十ヘクタール、その中に数名の所有者がおる、その中にたまたま大所有者の一ヘクタールがまざっているというような場合に、これをまた共同でやる場合に、排除するというようなことは、これは現実的でございませんので、そういうものはそういうケースとして対処しますけれども、先ほど申し上げましような考え方で私どもは公平にいくように対処してまいりたいと思っているわけでございます。
  166. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 私の心配が杞憂にならないように御配慮いただきたいと思います。  それからもう一つ、貸し付け対象としてお考えいただけるかどうかという点なんですけれども、全国山林労働組合――全山労と略して言っておりますけれども、また農村労働組合全国連合会――農村労連とわれわれ略しておりますけれども、こういうものは対象となるのかどうかという点なんです。それは農村労組にいろいろ聞いてみますと、これは全国組織ですけれども、地方へ行って単位組合というものを見ますと、林業労働者のみで組織されているというところも出てくるわけなんですね。そうすると、こういう労働組合に対しても、特に対象として貸し付けいただきたいというのは、防振チェーンソーの取得資金なわけですけれども、こういうようなところに対象として考えていただけるのかどうか。大変具体的ですけれどもお伺いしたいと思います。
  167. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 林業の労働者で組織する労働組合、これは対象になるというふうに私どもは思っております。  それからなお、先ほど来ちょっと問題になっております一人親方というような方々もおられるわけでございますが、これは森林組合でなくてそのような方もおられるわけでございますが、このような方々も、窓口は森林組合あるいは木協というようなことも考えられますけれども、そのような窓口を通じてチェーンソーの買いかえとか、非常に緊急を要するものでございますから、これが受けられるように、そしてまた不都合が生じないように私どもは指導してまいりたいと思っております。
  168. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 そういたしますと、これは農村労連の労働者も対象になるということですと、いまおっしゃいました一人親方のフリーでもってやるチェーンソーマンといいますか、これも当然借りたいというようなことになりますね。そうすると、いままでだと森林組合の労務班に組織されて、森林組合を通じて取得資金を借りるというような形になっていたのではないか。それが一人で、森林組合の労務班に組織されていないというような場合にでも特別にその森林組合に申し出をして、具体的な手続としては森林組合を通して申し出て、そして対象にしてもらうということになるわけですか。
  169. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) そのように理解していただいて結構でございます。
  170. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それでは第二番目の問題として、林業安全衛生資金の問題についてお伺いしたいと思います。  民有林におけるチェーンソーの保有状況というのを資料で見せていただきました。四十九年で十八万一千台という数字になっております。このうち防振チェーンソーにぜひとも買いかえてほしい、また買いかえさせたいというふうにお思いになっていらっしゃると思いますけれども、この全体十八万一千台というものの数字の中から買いかえは何台ぐらいというふうに目算を持っていらっしゃるか、お伺いいたします。
  171. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 民有林におきますチェーンソーの数でございますが、ただいま御指摘のように十八万台、あるいは五十年になりますと約二十万台に近くなっております。実はその中身でございますが、たとえば日躍大工で使うような小さなものから、あるいはシイタケ原木を一年に一回切るとか、まあそういうことで使う方々がまず十四、五万台じゃなかろうか。現実に木材の伐採をプロでやるという方々がまず五万台から四万台というふうに理解いたしております。したがって、しかも、大体チェーンソーというのは三カ年が大体耐用年数でございまして、まず五万台程度のものを三カ年間ぐらいで買いかえる。特に自力で買いかえれる人等もおられるものですから、私ども想定として、三カ年で二万二千台ぐらいを予定したらという心組みで現在はおるわけでございます。
  172. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 安全衛生資金というのは二十億のうちに七・八億円ということに予定されているわけですね。その七・八億円の安全衛生施設資金のうちに、また安全生産施設と負荷除去等施設資金というふうに分かれていて、安全生産施設資金の中には防振チェーンと盤台玉切装置、小型ツリーフェラー、ツリーモンキー、自走式刈払機、電動式刈払機と、大変いろいろなものが含まれておりますし、小型ツリーフェラーなどというと三百五十万円ですか、こういうようなのがたくさんあるわけですね。そうすると、七・八億という中で防振チェーンの買いかえというようなものにはどれくらいを見込んでいまの数字が出てきたのか。自力でというのは、大体推測で自力でというふうに、おたくの方で、大体のところではじき出してた、予算の方から逆にはじき出していらした数字なんでしょうか。
  173. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) これの中身としての予算の割り振りというのは、実は私ども予算の積算としてはいたしておりますけれども、運営でこれをしてまいりたいと思っております。特にいま一番緊急なものは、やはり防振付きのチェーンソーが主体になろうかと思います。特にいま御指摘ございましたような盤台玉切装置二百万とか、このような装置は近ごろ実用化されたようなものでございまして、民間に直ちにこのような大型のものが入るかどうかというようなこと等もございまして、私どもとすれば、チェーンソーの買いかえに重点を置きまして、そして、ことしは初年度でございますから、資金需要の動き、あるいは要望等を見まして、また五十二年度においての予算措置というようなもの等を考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
  174. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 次に、それでは白ろう病対策という問題についてお伺いしたいと思います。  これはいままでずいぶん言われておりましたし、実際その病気で悩んでいらっしゃる方とお会いいたしますと、大変僻地の山林にいらっしゃる、そしてまた病気になっても外には全然見えないというような病気なものですから、非常に悩みは深刻な方たちでございます。この白ろう病をまずつくらないというためには、機械の改良や、お出しになった通達のように時間の制限、そして治療をやる、早期認定、完全治療、そしてまた保健休養施設による療養と、いろいろと総合的な施策が必要になってくるわけなんです。特にやっぱり大事なことは早期診断を早目、早くに徹底させなければならないと思うわけですけれども、民間のこういう方たちの場合には非常にその態勢というものがとられていない。また、いろいろ先ほどからのとろうとなさっていらっしゃる御努力のほどはわかりますけれども、非常に立ちおくれているわけですね。  で、林業白書を見せていただきましたところでも、四十九年で、公務災害、国有林の方は二千五百四十五人に対して、民間の場合は、労災保険による療養継続中の者が四百二十四人というのが四十九年の数字で出ております。決してこれは少なくなったのではなくて、五十年度もまたあの数もふえているのではないかというふうに考えられるわけですね。で、この数字を見ただけでも、国有林で二千五百四十五人、民有林の方で四百二十四人と、この数だけでも五分の一以下でございます。それでは、働いている人の割合というのを考えてみると、民間でチェーンソーを扱っている労働者というものは、大体のところ五倍くらいになるんじゃないか。そうしますと、五分の一と五倍で、五、五、二十五分の一になってしまいますし、その労働条件も、国有林の場合には労働者団結していろいろと手袋をよこせとか、温い食事にしろとか、暖房設備というようなことでも徐々に改善の兆しは見えているわけですけれども、民有林の場合は全くそういうことが要求としてあっても、具体的に雇用者の負担になるというようなことで大変苦労している。こういうことから考えますと、この数字――民間の白ろう病の、労災で認定されて、というものは全く少ない数字だろうと。実際にはもっともっとあるのではないかというふうに考えられるわけですね。  そうすると、もう先ほどから言われて、もう時間もおそくなりましたのでダブりますから省きますけれども、これを真剣に考えるのには具体的にどうするかということで具体的に考えていただきたいわけです。労働省といろいろ相談をいたしまして鋭意検討というのがいつまでの検討になるのか。それから具体的にどういう問題でどう進められるのかということがないと非常に私は不安なんです。で、年間六千人が健康診断とおっしゃいましたけれども、その対象者の人間というのが一体何人と見て考えていただけるかどうか。たとえば三万人とすれば、六千人だと五年目に一回くらいしか健康診断当たってこないじゃないかと。そうしますと、健康診断一回やった、それで予防というような手にはならない。大変進んできたことは結構だけれども、現実には非常におぼつかない数字だということを言わざるを得ないわけなんですね。  そこで、要求としてその人たちが言っていました。これは振動工具を使っていればいろいろ時間制限するとか、休みをとれと言ってもなかなかそこが徹底しないというようなこともございます。白ろう病の対象にもなるわけですから、振動工具を使用する労働者、民間林業労働者の中でチェーンソーを使う労働者を登録制にしてほしいと、そして一回の健診ではなくて、健康態状を記録する手帳を交付してもらいたいと、そしていろいろと自分の体のことだから継続して健康診断もしてもらえるというような、そういう具体的な方法を考えてほしい、ということが非常に民間の労働者からは具体的な要求として出されていたわけなんですけれども、そういうような具体的な問題についてどうお考えになるのか。これがちょっと無理だとおっしゃるならば、具体的にもう少しどういうふうに考えていらっしゃるのかという御見解を伺いたいと思います。先ほどの中では非常に前向きの御答弁でございましたけれども、前向きに検討するという立ちん坊みたいなところなんで、もうちょっと具体的な点をお示しいただきたいと思います。
  175. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 私、総括的に御答弁申し上げたいと思いますが、確かにいまお話がございましたように、振動障害対策としては、振動障害が発生しないようにすることが基本的に重要でありますが、それとともに、障害にかかった方々に対してその補償治療に努力することが肝要であるわけであります。農林省は御存じのように、これから振動機械使用時間の規制の一層の徹底とか、あるいは低振動機械の開発改良、または本資金によるところの安全衛生関係施設の整備等の措置を講じてまいる考えでございますが、振動障害問題につきましては、今後なお解明すべき点も残っておるわけでございますが、関係各省と連絡をとりながら所要の対策の充実に努めてまいりたいと思うわけでありまして、いまお話がございましたように、国有林と比べて民有林は白ろう病にかかっておる人たちが少ない、これは実態を把握していないということじゃないか、というお話でございますけれども、御案内のように、国有林は一年間に二回それぞれ健診をしておるわけでございますが、民有林におきましては、作業個所が非常に分散をしており、あるいは事業規模が小さいというふうなことがありまして、国有林のようにチェーンソーだけ専門に使用するということが少なくて、集搬、集運や造林等の作業を交えながら就労する形態が多いという作業方法の相違が振動障害の発生にも影響しておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。しかし、いま出ておる数字が本当に具体的な確実な数字かどうかということについては、やはり再検討する必要もあるわけですし、先ほど労働省もお答えをいたしておりましたように、六千人健診といいますか、巡回健診をやっておりますが、そういうことをさらに積極的に進めることによって、やはり振動障害、特に民有林における振動障害の実態を確実につかんで、そしてこれに対する措置を行うということが今後とも大事な課題になってくるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけであります。
  176. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま大臣に御答弁いただいたとおりでございますが、いわゆる六千人健診ということで四十八年度から進めてまいっておりまして、林野庁としても、この民有林の実態をいかに把握するかということ、これが第一歩だと思っておりまして、この枠の拡大等につきましても、労働省に申し込んでまいりたいと思っているところでございます。特に私どもはその六千人健診というだけじゃなくて、その実際の、全国分散しております事業地、そこに具体的に参りまして、そして、そこでいろんなことを指導申し上げるということが大事だということで、五十年度から点検パトロールということで、五十年度は約三千七百カ所の現地でこれを具体的に指導、もちろん経営者を含めまして指導申し上げたのでございますし、五十一年度は約四千カ所予定しておりますし、さらに、五十一年度におきましては、それをさらにいろんな意味を含めた仕事の内容をもちまして、労働の指導員と申しますか、三百四十名を全国に配置してまいりたい。そのことがパトロールと合わさりまして、より実態がわかると同時に、健診を受けなさい、あなたはこういうふうなことを、社会保険にも入っていませんよとか、そういうことを具体的に指導してまいると。先ほど登録制というお話がございましたけれども、林業労働の実態は先生御承知いただいておりますとおりに、きわめて分散的でございますと同時に、ある時期はチェーンソーマンでありますけれども、大臣お答えいただいたように、造林に従事しておったり、また、これは農業に従事しておったり、まことに多種多様でございまして、港湾労働者みたいに登録制というようなことはなかなか困難でございます。そういうことから、パトロールとか、あるいは三百四十名の指導員を配置するとか、そういうことによってこれを指導してまいりたい、万全を期したいというのが私どもがとろうとしている方針でございます。
  177. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 本当に健康の問題ですから具体的に、万全の措置を積極的に早く進めていただきたいということを重ねて要望して、第三の問題の団地間伐促進資金についてお伺いしていきたいと思います。  昭和四十六年から五十年度までの間伐の実施率というものを調べますと、一六%と非常に低い実施率になっておりますね。今後、五十一年度から六十年度の必要間伐の面積というのが先ほどから出ておりました、三百八十一ヘクタールとなっているわけです。これに対して間伐資金の資金量というものを見るとこれまた大変なすごく低い額なんですね。単純にちょっと計算してみますと、貸し付け限度がヘクタール当たり三十五万という資金枠、これに高度利用施設資金も含めて七億なわけなんですけれども、大体一年でどれくらいかなと計算してみますと、一年で二千ヘクタールというようなはまり方しかしない。そうすると、三百八十一万ヘクタールを二千ヘクタールで割ったら、御想像つきますように、これは大変大変少ない量なので、この辺のところは相当大きく伸ばしていただかなければならないという問題について御見解も伺いたいし、それから時間も迫ってきますから、続いて伺いますけれども、これまで間伐促進のための補助事業として、一般会計から林分改良開発事業というものを実施してこられました。五十年度の予算中、この間伐分は幾らになっていましたか。そうして五十一年度はこれがどういうことになりましたかということをお伺いいたします。
  178. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) この間伐資金でございますが、確かに、初年度のことでございまして、御指摘のような金額を予定しているわけでございます。ただ、今後といたしましては、資金需要なり、あるいは都道府県の資金造成に対する財政需要とか、そういうこと等を見ながら必要な資金というものは私どもは確保してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  なお、林分改良開発事業でございますが、間伐関係事業は五十年度で廃止することにいたしておりまして、林分改良開発事業の五十年度予算分としましては三億二千五百万ということでございます。
  179. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 五十年度でやめるということになるわけなんですね。融資制度によって補助金は打ち切らせるという形になってしまうわけなんで、その辺のところ、ちょっと問題ではないかというふうに心配するわけなんですけれども、どういうふうに見ていらっしゃいますか。
  180. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 補助を行った方がいいんではないかという、ややそういうお気持ちもあっての御質問かと思うのでありますけれども、この林分改良開発事業というのは、実はパイロット的な補助事業としたものでございまして、その助成の対象範囲とか、規模、対象者というふうな面ではいろいろ制約がございます。より広範囲に効果的にやるにはこのような無利子による資金の方がベターであって、弾力的な運営ができるというふうに私どもは思っておりまして、この資金を拡充したいというふうに思っているわけでございます。たとえば林分改良開発事業は、一ヘクタール当たりに見ますと、平均二万二千円というような助成になっておりますが、御指摘のように、この資金はヘクタール当たり三十五万円、また、対象者といたしましても林分改良は市町村森林組合協業体ということで、個人は対象外になっております。当資金は個人を入れておるわけでございまして、そういう意味でも幅広くかつ弾力的に、また将来的に、貸付金でございますから予算もある程度枠の拡大ができるのではなかろうか、また、当然すべきであろうと私は思っているわけでございます。
  181. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 今後、間伐を促進するということの必要性の上から、作業道の整備がどんどん進められるということになりますけれども、これまでの例でいくと、作業路を毎年どれくらいつくられてきたか、今後毎年どれくらいの距離を見込んでいらっしゃるのかという点と、確かに、間伐を促進するために、この道というのは必要なわけだと思いますけれども、一年にしても相当なキロ数になると思うんですね。そうすると、環境に対する影響だとか、それから土地保全の問題というようなものも、ちょっと問題点として出てくると思うわけですけれども、この作業路についても、林道なんかと同じように、ある基準というものが必要になるのではないか。そういう基準がないと、さっき言ったような環境の問題だとか、土地保全、土砂の流出というような問題もございますし、また自動車なんかも通るというようなことになってくるわけなんで、作業路に対する基準というものを考えていらっしゃるかどうかお伺いしたいと思います。一年にどれくらいを見込んでいらっしゃるか、延長した距離。
  182. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 作業路の開設の実績いかんということでございますが、この作業路は造林の補助事業の中にも含まっておりますし、また、ただいまお話しの林分改良開発事業の中にもございます。また、林業構造改善事業でもやっている。大方三つでございますが、四十九年度は約七百八十キロ、五十年が約九百八十キロ、五十一年度が一千三十キロ程度を作業路として見込んでおります。なお造林あるいは構造改善事業等が主力でございますけれども、この改善資金による五十一年度の作業路は百七十キロぐらいを予定いたしておるわけでございます。  また、作業路の基準でございますが、作業道と塗りものは一般的に幅員も三メーター以下でございますし、切り取りの土量も少ない、永久的に使うものじゃございませんし、使い方が終わればまた林地に返すという性格のものでございますので、単価も安いわけでございます。ただ、それにいたしましても、自然保護とかいろんなこと等は当然考えなくちゃならぬということは一般林道と同じようでございますが、この施行基準等につきましては実行段階に通達等をもって指導したいと私ども思っているわけでございます。
  183. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 確かにそういう性質の道路だと思うわけですけれども、林道と比べて幅員でそれほど差がない。三メートルということでしたけれども、そこに自動車も走るというようなこともございますのでしょう、作業路の中でも。それから林地に戻すのだとおっしゃるけれども、その作業路から林道に昇格になっていくということも当然あるわけですね。だからこれは作業路だから狭くて、それで済んだら返すのだから、だから、心配ないのだということではちょっと私は心配な点があるわけなんですけれども、その辺のところ大丈夫だともう保証なさるわけですか。
  184. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 作業路はメーター当たりにいたしますと、上下がございますけれども、一メーター千五百円から五千円程度のものでございまして、一般の林道が四万、五万というのとは違っております。したがって、これを作業路から林道に格上げするという場合には全くこれはやりかえなくちゃならぬだろうと思っております。それにいたしましても、やはり間伐材を運び出す間は車が通ったりブルドーザーが通ったりするわけでございまして、そのことによっていろんなことに迷惑をかけるというようなことがないような程度のものには私どもはしてまいりたいと思っております。
  185. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 作業路といっても、道路交通法の一条の一項の一号にかかるものになるわけじゃないんですか。道路法にはかからないけれども道交法にはなおかかってくると。そうなると、やっぱり車も通るし、という立場から環境保全だとか、土地の流出というようなことのほかに安全ということも考えなきゃならないしというようなことで、ちょっと私心配になったわけなんですけれども、その辺はどうなんですか。
  186. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 言うなれば工場内における道路みたいなものでございまして、一般交通道でございませんから道路法の網がかかるというものじゃございません。あくまでもこれは作業道として団地共同でやる場合の、数人共同してそれを開いた場合はこの個人の道路というようなことでございます。つまり、工場内の道路と同じようにお考えいただいてもいいんじゃないかと思います。
  187. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 そうしたら、道路交通法関係なしということですね。
  188. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) はい。
  189. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 一千五十キロですか――五十一年度一千三十キロという長さですよね。そうすると、ちょっと考えると稚内から鹿児島までが約三千キロ。そうすると、一年に日本の三分の一くらいずっと道路ができちゃうということから考えますと、やっぱり林業の問題としても、またいろいろ環境の問題だとかということもちょっと心配になってお伺いしたわけでございます。  それじゃ、この法案と直接は関係ございませんけれども、日本の林業にとって非常に重要な問題だと思いますので、造林事業についてお伺いしたいと思います。  「造林面積の推移」というものを拝見いたしますと、年々縮小しております。これはおたくの方の資料から拝見させていただいたわけですけれども、再造林の場合を見ますと、昭和四十年度で六万六千ヘクタールだったのが四十九年には三万ヘクタール、それから拡大造林に至りますと、四十年度が二十一万八千ヘクタールから十五万ヘクタールと、これが四十九年以来だんだん非常に造林というのが面積が少なく減ってきているわけでございますね、数字で見ますと。それから「全国森林計画」というのをお出しになっていらっしゃいますけれども、この「全国森林計画」で年平均の造林計画というのを単純に割ってみましたら、再造林は九万二千、拡大造林は十七万六千ヘクタールということになるわけです。これに照らしても非常に大幅におくれている。こういうような民有林の造林事業がおくれているということに対してどういうふうにごらんになっていらっしゃるか。何らかの対策やいろいろなことを考えていらっしゃるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
  190. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 後で長官から補足説明をいたさせますが、造林事業予算につきましては、伐採面積を考慮しながら「全国森林計画」に即して適正に計上されておるところでございまして、他の林業関係公共事業と比業と比較をいたしましても、その伸び率は遜色がないものとなっておるわけでございます。これは五十一年度予算をごらんいただけばわかると思います。造林事業推進のための施策としては、公共事業による造林補助事業のほか、農林漁業金融公庫資金による融資が行われておるところでございまして、造林事業は健全な優良な森林を造成し、森林の多面的機能の向上を図る上できわめて重要な役割りを果たしていることから、今後ともこれらの補助及び融資の充実に努めてまいりたいと考えております。
  191. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘がございましたように、最近の造林の動向というものは次第に減少いたしております。たとえば奥地化するとか、あるいは不況のために、切ることが前提で植えられるわけでございますから、パルプ・チップ等の需要が不振のために薪炭林等が切られなかったということがございます。また総需要抑制というようなこと等で資金あるいは労力というような面等の調達の困難というようなこと等もございまして、一応いま停滞しているのが現状でございます。しかし私ども、造林というものは、木材生産のためであると同時に、幅広い公益的機能を持っている森林でございますから、先ほどもお答え申し上げたのでございますけれども、造林ということだけでなしに、これに保育あるいは間伐、除間伐と、そういうものを制度を加えることによりまして、単なる植えるということだけでなしに、いかに健全な森林をつくっていくかということが私どものいまの与えられた段階でございます。したがって、全国計画とか、それに即しまして私ども造林を実行いたしますと同時に、ただいま大臣からお答えいただきましたように、農林漁業金融公庫の保育林齢を上げるとか、融資条件を改善するとか、あるいは普通林に対しましても下刈りとか除伐等の助成をするという制度等を確立し整備していくということによりまして、私ども、活力のある森林をつくる、そのことが木材生産なり公益的機能を果たす森林の造成である、こういう感覚を持って今後も一層整備、充実してまいりたいと思っておるわけでございます。
  192. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 確かに植えるだけが能じゃありませんから、いろいろ総合的にしていただかなきゃならないですけれども、九年間に半分、六万六千が三万というように再造林の面積が減っているということは、それにしてもちょっと心配だというふうに私は見なければならないんじゃないかと、そう思うわけです。  予算の面については、公庫資金の方が三百二十六億円が四百四十七億とふえました。三七%増になったことをいま大臣がお答えになったと思いますけれども、造林事業の補助は一八%の伸びというように、補助から融資への傾斜が強まったというようなことにちょっと私は心配をしたわけです。いま大臣おっしゃいましたので結構でございますけれども、補助事業の場合、四十八年五月「造林補助事業実施要領」というものが改正されて、林業振興地域、特定開発地域など地域区分というのが行われて、補助、融資上の格差をつけ、また補助対象事業規模として〇・一ヘクタール以上を要件とされております。そのために都市近郊周辺部では非常に緑が欲しいという、重要性が高いにもかかわらず助成が低くされたり、〇・一ヘクタール以上というような要件のために補助が受けられないというようなことになっている。その穴埋めとして、たとえばお隣の埼玉県とか福岡県では、大変厳しい財政状態ですけれども県の単独事業で救済しています。特に造林事業促進のために、この際、〇・一ヘクタール以上の基準という、その辺をちょっと緩和するというようなお考えはないでしょうか。
  193. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) ただいま御指摘ございましたように、補助対象としては〇・一ヘクタール以上のものを採択基準にいたしております。ただし、保安林等につきましては、これは特殊な目的ございますので、それ以下でも補助対象といたしておりますけれども、つまり〇・一ヘクタールという小規模なものにも補助を出しているということを御理解をいただきたいのでございますが、わが国の森林所有者がまことに零細、分散的でございますので、その自主的な努力を助長するということで、この〇・一ヘクタール以上を対象にしているということでございまして、もしこれを下げる、〇・一ヘクタール以下にするということになりますと、さらに森林施業が零細に分散するということになりますと同時に、一般にいわれる零細補助金というようなことが一つの問題になるわけでございまして、私どもは普通林地については〇・一ヘクタール以上というのがもう最低の限度ではなかろうかと思っているわけでございます。
  194. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 下限の条件というのはちょっと零細になり過ぎて緩和しにくいというふうなお答えだったわけですけれども、この事業の対象事業者の要件の中で、下限はむずかしいけれども上限というようなものについては非常に弾力的に次々と変更してきておりますですね。  昭和四十四年の「造林補助事業実施要領」というものでは、一般造林事業の対象から除外するものとなって、「ア」の項で「経営する森林面積が五〇〇haをこえる個人もしくは会社が拡大造林を行なうとき。」、「イ」の項で「経営する森林面積が二〇〇haをこえる個人もしくは会社が再造林するとき。」、「ウ」の項では「人工用材林を連年一ha以上伐採しうる林分構成を有する個人もしくは会社が再造林を行なうとき。」、「エ」で「一施行地が二ha以上の規模で再造林を行なうとき。」、あと省略いたしますけれども、こういうふうになっていたわけです。  それが昭和四十六年に、再造林について「経営する森林面積二〇〇ha以上の個人や会社」、また「人工用材林を連年一ha以上伐採しうる林分構成を有する個人や会社」等々というように、面積による除外規定が全面的に削除されて、かわりに補助の対象となる再造林の内容を「A」、「保安林で行なわれる再造林」というふうに規定がされてきたわけです。  それから四十七年になりますと、補助の対象となる再造林に「森林法第十一条第五項に基づいて都道府県知事が認定した森林施行計画に基づいて行なわれる再造林」というのが今度加わってきたわけですね。  それから昭和四十八年になりますと、再造林と拡大造林の区分を、これ、なくしてしまって、人工造林として「経営面積五〇〇ha以上の個人と会社を除外する」と、こういうふうにずっと年度を追って、これ読ませて、ちょっと調べさせていただきましたら、ずうっと上限の方が緩和されている。  この経過を見ますと、再造林についての要件が、先ほど言いました四十四年の経営面積二百ヘクタール、連年一ヘクタール以上伐採し得る林分構成、一施行地域二ヘクタール以上という厳しい上限要件というものが、経営面積五百ヘクタールまでというふうに、非常に大幅に緩和されてきたということが一目瞭然、こう出てくるわけですね。で、再造林に対する補助対象者の条件緩和をしてきた、こういうふうに。非常に、五百ヘクタールまで緩和してきたという根拠は一体何なのか。下限では零細だからうまくない、大きくなればそれだけ効果があるというふうにおっしゃるのだろうと思いますけれども、一体どういう根拠なのかということをちょっと伺わせていただきたいと思います。
  195. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 再造林につきまして、ただいまいろんな変遷を経ておるわけでございますが、従来相当な、まあ戦後の主力は皆伐された約百万ヘクタールの再造林に集中いたしておりました。したがって、これに、もう全面的な補助体系で参っておったわけでございますが、経済安定してまいりますと、さらに拡大する木材需要に対応するには拡大造林に重点を移す、そして、ある面積規模以上は融資へ回す、そして零細な方々の拡大造林を中心として展開していく、こういうことで参っておりまして、従来の再造林対象がずうっと下がって制約を受けてまいりました。いまのようないろいろ経緯はございますけれども、先生御指摘のような、そういう再造林の経緯はあったにいたしましても、これは施業計画をつくるということを前提としてそのような条件の変化をやったわけでございます。現在、施業計画をつくるということが前提になっている、こういうことで、ある意味では国の政策対象として完全につかまえたものについての再造林である、このように御理解いただきたいと思うわけでございます。
  196. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 その問題と同時にまた出てくるわけですけれども、こうやって年々上限の方は緩和されて、五百ヘクタール以上の経営面積を有する個人、会社は造林事業から除外されるということにきているわけなんですけれども、こういう規定にもかかわらず、実際調べてみますと、これは北海道だけのことなんですけれども、毎年北海道においては、こういう対象にも補助が実施されているわけなんですね。この実施の、四十七年度以降の何件あったかということをお出しいただきたいと思います。
  197. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 五百ヘクタール以上は融資ということで――保有規模五百ヘクタール以上のものは原則として国庫融資ということにいたして運営しているのでございますが、北海道におきましては御指摘のような補助で行っているものがございます。会社でございます。法人でございますが、四十七年度は二十三件、千八百九十三ヘクタール、これは補助金として道費を含んでおりますが二億百万、四十八年度二十件千七百四十三ヘクタール、同じく二億五千五百万、四十九年度二十一件、千五百十ヘクタール、二億六千七百万円、こういうことでございまして、四十九年度を例示いたしますと、北海道における造林補助事業の約六%がこの千五百十ヘクタールに見合う補助金になっておるわけでございます。
  198. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 五百ヘクタール以上というのを、大規模な山林所有者、法人などに対して、まあ北海道という特殊性はあろうかと思いますけれども、補助金を出すということについては、この要領から考えても何か根拠がないというふうに私は思うわけです。造林費が割り高で採算性が合わないというような北海道の特殊な問題ということもお考えになるのかもしれませんけれども、採算性が低いとか、そういうような問題は決してそこにだけ当てはまるのではなくて、むしろ中小林家に特殊性というものの困難というのは出てくると思うわけなんですね。そうすると、千五百ヘクタール以上のところにいま言ったような大変なお金をつぎ込んでということよりも、苦労している中小林家に対して補助率を引き上げるとか融資条件の緩和というものを考慮していただけばその方が本筋ではないか。これは北海道だけでございますね。北海道だけの特例ということになりますけれども、補助事業実施要領のどこに、これ見たんですけれども、このような特別な措置をやってもいい、というような規定が、どう読んでも読めないんですね、この中で。どこにもそういうものはない。そうすると、実施要領というものの違反にもなるのではないかということで、非常にこの辺が私は大きな問題だと思うわけなんで、それについての御見解、御反論などありましたらいただきたいと思いますが……。  もう時間がありません。これで終わりますが、最後に先ほどおっしゃいましたけれども、ちょっとまた資料としてお伺いしたいと思うわけです。林野庁の方の資料で面積ということで出していただけたわけなんですけれども、補助残融資額、これの五百ヘクタール以上の個人と会社別に分けて提出していただけませんでしょうか。補助件数と面積というのは先ほどおっしゃって、補助額というのも出していただきました。で、そのうちの国庫補助分、それに合わせて補助残融資額の五百ヘクタール以上の個人と会社別、というのを後でも結構でございますけれども、出していただくことをお願いして私の質問終わりにいたします。よろしくお願いします。
  199. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 北海道だけがこのような五百ヘクタール以上に補助金を出しておるということでございますが、これは補助金の実施要領によりまして、この要領によりがたい事項では長官の承認を受けるということの特例として認めておるわけでございまして、実は北海道の場合に、いろいろそれなりの理由がございまして気象条件の厳しいところでございますし、エゾ松、トド松というようなものは伐採する伐期が大体六十年ぐらいでございます。御承知おきいただいておるとおりでございます。杉、ヒノキより二十年も長いということと、また価格も杉、ヒノキの半値でございます、現実には。そういうこと等から造林事業の採算制がきわめて悪いということ、それから人工林家の目標達成率は内地の約七五%に対して北海道は六五%と低い。したがって、拡大造林を積極的に推進する必要のために、これもある程度やむを得ない、また、森林組合の受託で行われているのが多いわけでございまして、たとえば全国的には受託は三六%程度でございますが、北海道は森林組合の受託が全体的に五〇%程度になりまして、この大所有者の法人のものが六七%と、森林組合の労務班の大きな職場という感じがあるわけでございまして、したがって、一気にこれをというようなことはなかなかむずかしいことでございまして、いろいろ事情は、そのようなことはございますが、いま直ちに廃止してこれを切りかえるということは私どもは問題があるのじゃないか。これは北海道なりの特殊事情というものをもう少し私どもは洗って見る必要があろう、かように考えておるわけでございます。  なお、資料でございますが、件数なり金額等につきまして、私どものわかる範囲で調べまして御報告させていただきたいと思います。
  200. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 いまおっしゃったように、確かに北海道の場合、木の種類だとか、それからいろいろなもので条件的に考えなければならない点があろうかと思います。これはわかるわけなんですけれども、私が言いたいのは、そういう北海道で同じ条件の中にいる――五百ヘクタール以上という大規模なところに特例でもって出してあげているなら、やっぱりその同じような北海道の条件で苦労しているという中小林家に対しても、もうちょっと補助率を引き上げるとか、融資するとかというような、そういう点にやっぱり目を向けていただきたいな、という立場から、この問題を出しているわけなんです。そういう点でも、いますぐこれを切れということは別に大変なことだと思いますけれども、五百ヘクタール以上にするんだったらば、こっちにももっと温かい手を差し伸べていただきたい。こっち少し削って、こっちの中小のものも、やっぱり同じ北海道で、気象条件も同じだし、木の種類も同じだということになれば、そういうところに、より融資条件の緩和といったようなそういう手を伸べていただきたい、そういう点からも御検討いただきたいということをお願いをしたいわけなんです。
  201. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 零細な方々に対する補助あるいは融資についての条件をもっとよくしたらどうだという御意見でございます。われわれも補助単価なり補助率というものはなかなかこれは一朝一夕でまいるものではございませんけれども、補助単価というものは毎年実態に即して私ども修正いたしておりますし、また、公庫融資等につきましては、保育年齢を引き上げるとか、あるいは融資率をもっとよくするとか、そういう改善をやっておるわけでございまして、今後とも森林の持っているいろいろな機能が万全にできますように、またりっぱな森林が育成でき、つくり上げることができますように、私どもはそれなりの真剣な努力を今後も続けてまいりたいと思っているわけでございます。
  202. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 よろしくお願いします。
  203. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  204. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 御異議ないと認めます。  本案に対する討論及び採決はこれを後日に譲ることといたします。     ―――――――――――――
  205. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 漁業再建整備特別措置法案、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案及び漁船船主責任保険臨時措置法案、以上三案を一括して議題といたします。  まず、政府から三案の趣旨説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
  206. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 漁業再建整備特別措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  最近における我が国漁業につきましては、燃油その他漁業用資材価格の高騰等により支出が著しく増大する反面、魚価の相対的な低迷等のため収入が伸び悩んでいることにより漁業経営は総じて不振に陥っており、加えて、漁業をめぐる国際環境は一段と厳しさを増すなど、極めて困難な事態に直面いたしております。  このような状況に対処し、経営が困難となっている中小漁業者についてその経営の再建を図るため緊急に必要な固定化債務の整理等のための資金の融資の円滑化を図るほか、特定の業種に係る中小漁業について構造改善を促進するとともに、漁船の隻数の縮減を必要とする業種についてその円滑な推進のための措置を講ずること等により、漁業の再建整備を図ることとし、この法律案を提案した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、漁業経営再建のための措置についてであります。すなわち、経営が困難となっている中小漁業者でその経営の再建を図ろうとするものは、漁業経営再建計画を作成し、その固定化債務の整理等のために緊急に必要な低利資金の融通を受けた場合においては、政府は、都道府県または漁業者団体が行う当該資金に係る利子補給に必要な経費について補助することといたしております。  第二は、中小漁業の構造改善についてであります。構造改善を図ることにより経営の近代化を促進することが緊急に必要なものとして政令で定める業種に係る漁業を営む中小漁業者を構成員とする漁業者団体は、国の定める基本方針に即して構造改善計画を作成し、これに従って構造改善事業を実施する中小漁業者等は、必要な低利資金の融通を受けることができるとともに、税制上の特例措置を受けることができることといたしております。  第三は、漁業の整備についてであります。国際環境の変化、水産資源の状況等に照らし漁船の隻数の縮減を行うことが必要なものとして政令で定める業種に係る漁業を営む漁業者を構成員とする漁業者団体は、漁船の隻数の縮減等についての整備計画を作成し、これに従って整備事業を実施する漁業者等は、必要な資金の融通を受けることができることといたしております。  第四に、漁船の隻数の縮減に伴い離職を余儀なくされた漁業離職者に対し、就職のあっせん等に努めるとともに、職業転換給付金の支給等の措置を講ずることといたしております。  このほか、報告の徴収等につき所要の規定を設けております。  以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  次に、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  中小漁業融資保証保険制度は、昭和二十七年に制定された中小漁業融資保証法に基づき、中小漁業者等に対する融資の円滑化を図る制度として運営されてまいりましたが、四十九年度末における漁業信用基金協会の債務保証残高の合計額は、おおよそ千五百億円に上っており、中小漁業の振興に大きな役割りを果たしてきているところであります。  本制度につきましては、制度創設以来、逐次改善を図ってきたところでありますが、最近における漁業事情等に対応して中小漁業者等の資金の融通を一層円滑にするため、所要の改善措置を講じて制度の運営に遺憾なきを期することとし、本法律案を提案した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  改正の第一点は、従来、漁業信用基金協会が行う債務の保証につき中小漁業融資保証保険特別会計において行ってきた保証保険の業務を中央漁業信用基金へ移行し、同基金の業務を拡充することであります。この改正によりまして、現在中央漁業信用基金が行っている農林中央金庫に対する融資保険の業務及び漁業信用基金協会に対する貸し付けの業務と保証保険業務が一元的に実施されることとなり、制度の一層円滑かつ機能的な運営が図られるものと考えております。  改正の第二点は、緊急融資資金の保険のてん補率の引き上げであります。すなわち、今国会で御審議をお願いしております漁業再建整備特別措置法の規定に基づき中小漁業者の漁業経営の再建を図るために融資される資金その他国の助成に係る利子補給を受けて緊急に融資される資金のうち主務大臣の指定するものに係る保証保険及び融資保険のてん補率を八割に引き上げ、これら資金の円滑な融通に資することといたしております。  このほか、改正の第一点において申し述べました保証保険業務の中央漁業信用基金への移行に伴い、中小漁業融資保証保険特別会計を廃止するとともに、同会計に属する一切の権利義務を中央漁業信用基金に承継させる等、所要の規定の整備を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内要であります。  次に、漁船船主責任保険臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  漁船の運航に伴って生ずる漁船の船体及び積荷に関する損害につきましては、政府は、漁船損害補償制度及び漁船積荷保険制度を通じその損害のてん補を図ることにより、漁業経営の安定に多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。  しかしながら、近年における漁船の大型化、高速化等に伴って、油の流出、他船との衝突その他の偶発的な事故が発生する危険性は高まっており、漁船の船主等が、水面清掃費用等の不測の費用を負担し、または漁船乗組合等の人的損害や第三者の物的損害に関し賠償することによる損害は、漁業経営に重大な影響を及ぼすようになってきておりまして、漁船の船主等のこれらの費用及び責任等を適切に保険する制度の創設が強く要請されるに至っております。  このような事情にかんがみまして、政府は、昭和四十八年度以来漁船船主責任保険の制度化に必要な各種調査を実施してまいったところでありますが、漁船船主責任につきましては、保険制度を樹立するのに必要な諸種の資料がなお十分整備されていない状況にありますので、漁船船主責任保険の本格的な制度化を図るための準備として、まず試験的に保険事業を実施し、保険料率算定のための基礎資料の収集、損害の評価等事業運営上の諸問題の検討を行い、その成果に基づいて適切な保険制度の確立を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、漁船保険組合は、農林大臣の認可を受けて、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険の事業を行うことができることとし、これに必要な手続を規定いたしております。  第二に、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険の内容につきまして、被保険者、保険契約者、保険期間、純保険料率及び漁船保険組合の責任等につき所要の規定を設けることといたしております。  第三に、漁船保険中央会は、農林大臣の認可を受けて、漁船保険組合の漁船船主責任保険事業等による保険責任についての再保険の事業を行うことができることとし、これに必要な手続を規定いたしております。  このほか、漁船船主責任保険事業及び漁船乗組船主保険事業並びにこれらの再保険事業の適正かつ円滑な運営を期するため必要な国の援助規定その他の規定を設けることといたしております。  なお、この法律は、昭和五十一年十月一日から施行し、この法律が試験実施のための臨時措置法であることにかんがみ、その施行日から五年以内に別に法律で定める日に失効することといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  207. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 次に、三案の補足説明を順次聴取いたします。内村水産庁長官。
  208. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 漁業再建整備特別措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  この法律案は、提案理由の説明にもありましたとおり、経営が困難となっている中小漁業者についてその経営の再建を図るため緊急に必要な固定化債務の整理等のための資金の融通の円滑化の措置、特定の業種に係る中小漁業についての構造改善の促進のための措置及び漁船の隻数の縮減を必要とする業種についてその推進を図るための措置をその主要な内容といたしております。  以下、その内容について概要を御説明申し上げます。  第一に、この法律案にいう「中小漁業者」の範囲についてであります。これは、第二条に規定いたしておりますように、漁業を営む個人または会社であって、その常時従業者が三百人以下であり、かつ、その使用する漁船の合計総トン数が三千トン以下であるもの、漁業を営む漁業協同組合及び漁業生産組合をいうものといたしております。  第二に、漁業経営再建のための措置についてでありますが、これは第三条及び第八条に規定いたしております。すなわち、漁業経営の維持が困難となっている中小漁業者であってその経営の再建を図ろうとするものは、漁業経営の状況、経営再建措置の概要等を記載した漁業経営再建計画を作成し、農林大臣または都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。  この認定を受けた中小漁業者に対しては、融資機関が、固定化債務の整理等に緊急に必要な資金を利率年六.五%以内、その他の貸付条件で貸し付ける場合において、政府は、都道府県または漁業者団体が当該資金について利子補給を行うのに必要な経費の全部または一部を補助することができることといたしております。  第三に、中小漁業の構造改善の促進のための措置についてでありますが、これは、第四条及び第五条並びに第九条から第十一条までに規定いたしております。まず、中小漁業のうち構造改善を図ること等により経営の近代化を促進することが緊急に必要であると認められる業種につきましては、これを特定業種として政令で指定することといたしておりますが、構造改善を計画的に推進するためには、特定業種ごとに、その構造改善の具体的方向を明示する必要があることにかんがみ、農林大臣は、おおむね五年を一期として中小漁業構造改善基本方針を定めることといたしております。  次に、特定業種に係る漁業を営む中小漁業者を構成員とする漁業者団体は、経営規模の拡大、生産行程についての協業化その他の構造改善に関する事業について構造改善計画を作成し、農林大臣の認定を受けることができることといたしております。  この構造改善事業の円滑な実施を図るため、必要な資金の融通措置及び税制上の特例措置を講ずることといたしております。  すなわち、構造改善計画に従い、構造改善事業を実施するために必要な資金につきましては、農林漁業金融公庫または沖繩振興開発金融公庫が、それぞれ農林漁業金融公庫法または沖繩振興開発金融公庫法で定めるところにより、貸し付けを行うものといたしております。  税制上の特例措置につきましては、まず、構造改善計画に従って行われる中小漁業者の合併、現物出資等につきまして、農林大臣が、経営の近代化を著しく促進することとなると認める場合には、租税特別措置法で定めるところにより、法人税または登録免許税を軽減することといたしております。また、構造改善計画の認定を受けた漁業者団体の構成員である中小漁業者の有する固定資産につきましては、租税特別措置法で定めるところにより、特別償却をすることができることといたしております。  第四に、漁業の整備計画についてでありますが、これは第六条及び第九条に規定いたしております。まず、その漁業に関連する国際環境の変化、資源の状況等に照らし漁船の隻数の縮減その他当該漁業の整備を行うことが必要であると認められる業種につきましては、政令で業種指定をすることといたしております。この指定を受けた業種に係る漁業者を構成員とする漁業者団体は、当該漁業に使用される漁船の隻数の縮減その他の漁業の整備事業について整備計画を作成し、農林大臣の認定を受けることができることといたしております。  この整備計画に従い整備事業を実施するために必要な資金につきましては、構造改善事業の場合と同じく農林漁業金融公庫または沖繩振興開発金融公庫が貸し付けを行うものといたしております。  なお、以上の構造改善計画または整備計画の円滑な達成を図るため、政府は、これに必要な助言、指導及び資金の融通のあっせんその他の援助を行うように努めるべき旨の一般的援助規定を第七条に設けております。  第五に、国際環境の変化等に対処するために実施された漁船の隻数の縮減に伴い離職を余儀なくされた者に対する措置でありますが、これは第十二条から第十四条までに規定いたしております。まず、このような離職者に対して、政府は、就職のあっせん等の措置を講ずるよう努めるものといたしております。また、これらの離職者のうち政令で定める業種に係る漁業に従事していた者で船員となろうとするものがその有する能力に適合する職業につくことを促進するため、政府は、職業転換給付金を支給することができることといたしますとともに、職業転換給付金に対する公課の禁止等の措置を講ずることといたしております。なお、陸上の職業につこうとする離職者につきましては、雇用対策法に基づき同様の措置がとられることとなっております。  その他、第十五条及び第十六条におきましては、整備計画及びこれに基づいてする行為に対する独占禁止法の適用除外等に関する規定、第十七条以下に報告の徴収及び罰則についての規定をそれぞれ設けておりますほか、附則におきましては、中小漁業振興特別措置法の廃止及び農林漁業金融公庫法の一部改正等所要の事項について規定いたしております。  以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。  次に中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一は、中央漁業信用基金の業務の拡充であります。  まず、中央基金は漁業信用基金協会を相手方として、協会が漁業近代化資金等に係る借り入れに対して行う債務の保証につき、中央基金とその協会との間に保険関係が成立する旨の契約を締結することができることといたしております。この保険関係における条件は、現在政府が行っている保証保険に係る保険関係の条件と同一の内容といたしております。  次に、中央基金は、保証保険の事業に関して保険資金を設け、政府出資をもってこれに充てることとするとともに、当該保証保険の業務と現在行っている融資保険の業務及び貸し付けの業務とをそれぞれ区分して経理させることといたしております。  第二は、緊急融資資金の保険のてん補率の引上げであります。  まず、保証保険のてん補率は、従来地方公共団体の基金協会に対する出資の多少によって一般には七割または五割とされておりましたが、漁業再建整備特別措置法第八条第一項の規定に基づき融資される資金その他漁業経営に関する事情の著しい変化により事業活動に支障を生じている中小漁業者等に対しその事業活動の継続を図るため緊急に融資される資金のうち国の助成に係る利子補給が行われる資金で主務大臣が指定するものにつきましては、これら資金の融通の円滑化を図るため、地方公共団体の出資の有無にかかわらず、八割に引き上げることといたしております。  また、これら資金に係る融資保険のてん補率につきましても同様の趣旨により八割に引き上げることといたしております。  第三は、中小漁業融資保証保険特別会計に属する権利義務の承継等についてであります。  まず、同特別会計による保証保険業務の中央基金への移行に伴い、中小漁業融資保証保険特別会計法を廃止するとともに、同会計の決算の処理方法等について規定しております。  次に、同特別会計に属する一切の権利義務を中央基金に承継させ、政府と協会との間で成立している保険関係を中央基金との間の保険関係として移行させることといたしておりますほか、同特別会計の資産から負債を控除した残額に相当する金額は、保証保険に係る保険資金に充てるべきものとして政府から中央基金に対して出資されたものとすることといたしております。  以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。  次に、漁船船主責任保険臨時措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  この法律案は、全五章及び附則から成っておりますが、まず第一章におきましては、この法律の趣旨と定義とを定めております。  この法律は、漁船の運航に伴って生ずることのある漁船の所有者または借り受け人の費用及び責任等を漁業経営の安定を図る見地から適切に保険する制度の確立に資するため、漁船保険組合による漁船船主責任保険事業及び漁船保険中央会によるその再保険事業を試験的に実施するための必要な措置を定めることをその趣旨としております。  また、漁船船主責任保険は、漁船の所有者または借り受け人が、その所有し、借り受け、もしくは用船し、もしくは回航を請け負う漁船の運航に伴って生じた費用で自己が負担しなければならないものを負担し、または当該漁船の運航に伴って生じた損害につき自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害をてん補する保険と定義し、漁船乗組船主保険は、漁船の所有者または借り受け人であってその所有しまたは借り受ける漁船の乗組員であるものにつき当該漁船の運航に伴って死亡その他の事故が生じた場合に一定の金額を支払う保険と定義しております。  第二章におきましては、漁船保険組合の行う漁船船主責任保険事業等につきまして、その実施の手続と事業の内容を定めております。  実施の手続といたしましては、漁船保険組合が漁船船主責任保険事業等を行おうとするときは、総会の議決を経て、事業計画及び保険約款を定めた上、農林大臣の認可を受けなければならないこととしております。  次に事業の内容でありますが、被保険者は、漁船船主責任保険におきましては漁船の所有者または借り受け人とし、漁船乗組船主保険におきましてはこれらの者のうち当該漁船の乗組員であるものとしており、保険契約者はいずれの保険におきましても組合員等であって保険契約の成立によって被保険者となる者に限っております。  なお、漁船乗組船主保険につきましては、漁業における就労の特殊性により特に設けることとしたという事情にかんがみ、漁船船主責任保険と一体的に契約するのでなければ、保険契約を締結することができないこととしております。  第三章におきましては、漁船保険中央会の行う再保険事業につきまして、その実施の手続と事業の内容を定めております。  実施の手続といたしましては、漁船保険中央会が再保険事業を行おうとするときは、総会の議決を経て再保険約款を定めた上、農林大臣の認可を受けなければならないことといたしております。  次に事業の内容でありますが、再保険契約は、漁船保険組合段階において保険契約が成立したときに当然成立することとし、所要の規定を設けることといたしております。  第四章におきましては、国の援助、印紙税の非課税措置等について規定いたしております。  第五章は、罰則に関する規定であります。  附則におきましては、この法律案の施行期日乃び失効について定めております。  この法律は、昭和五十一年十月一日から施行し、その日から五年を超えない範囲内で別に法律で定める日に失効することといたしております。  以上をもちまして、漁船船主責任保険臨時措置法案の提案理由の補足説明を終わります。
  209. 小林国司

    ○委員長(小林国司君) 以上で三案の趣旨説明及び補足説明の聴取は終わりました。  なお、三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十分散会      ―――――・―――――