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1976-05-08 第77回国会 参議院 本会議 8号 公式Web版

  1. 昭和五十一年五月八日(土曜日)    午後八時三分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第八号   昭和五十一年五月八日    午後三時 本会議     ―――――――――――――  第一 昭和五十一年度一般会計予算  第二 昭和五十一年度特別会計予算  第三 昭和五十一年度政府関係機関予算     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  以下 議事日程のとおり      ―――――・―――――
  2. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  宮崎正義君、三治重信君から、いずれも病気のため十七日間請暇の申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。      ―――――・―――――
  4. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 日程第一 昭和五十一年度  一般会計予算  日程第二 昭和五十一年度特別会計予算  日程第三 昭和五十一年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長八木一郎君。    〔八木一郎君登壇、拍手〕
  5. 八木一郎

    ○八木一郎君 ただいま議題となりました昭和五十一年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  五十一年度予算は、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配慮し、景気の回復と雇用の安定を図るとともに、財政体質の改善合理化を主眼に編成されております。  一般会計予算の規模は二十四兆三千九百六十億円、前年度当初予算に比べ一四・一%の増、財政投融資計画は十兆六千百九十億円で、前年度当初計画に対し一四・一%の増となっております。また、公債発行予定額は七兆二千七百五十億円で、そのうち三兆五千二百五十億円が建設公債で、残りの三兆百千五百億円が特例公債で、公債依存率は二九・九%になっております。  昭和五十一年度予算三案は、一月二十三日国会に提出され、一月二十八日提案理由の説明を聴取いたしました。衆議院の予算の途中で突発したロッキード事件とその真相究明などのために審査が大幅におくれ、四月九日ようやく本院に送付されてまいりました。  本院における予算審査は、衆議院での最終審査と議決が異例であったこと、また、ロッキード問題に関する国会決議に対する政府の措置が不十分であったこと等によって審査の開始に手間取り、結局、四月二十二日の両院議長裁定による国会正常化を待って、四月二十四日から質疑に入りました。自来、本日までの審査日程をすべて総括質疑に当て、その間五月六日に公聴会を開くなど、慎重かつ精力的に審査を行ってまいりました。  以下、質疑の主な点につき、その要旨を御報告申し上げます。  まず、三木内閣の政治姿勢について、ロッキード事件は金権政治の是正を唱えた三木内閣の根本が問われているという観点から、「三木首相は、真相究明がわが国の政治改革の出発点だなどと言うものの、その行動は、両院の議長裁定でも明らかなとおり、不十分の一語に尽き、結局臭い物にふたをし、事件をうやむやのうちに葬ろうとする姿勢が感じられる。また、三木内閣は、国会のロッキード事件究明に不可決な資料提供に消極的で、さきの議長裁定第四項に言う最善の協力を怠っているばかりか、みずから主張した資料公開の公約を踏みにじり、さらに刑事訴訟法四十百条ただし書きによる灰色高官名の公表も後退させてしまった。こうした有言不実行の三木内閣のやり方に国民は激しい怒りと憤りを感じており、これが政治不信にもつながっている」という旨の指摘がなされました。  これに対し三木内閣総理大臣から、「ロッキード問題の真相究明はわが国民主政治の根幹にかかわる重要問題であり、日本の民主主義の健全な発展のために、迅速かつ徹底的な解明を政府は終始願っており、米国からの資料入手を初め、捜査当局も非常な熱意をもって事件の解明に当たっており、真相究明にふたをしたり、うやむやにする考えは毛頭なく、三木内閣のこの問題に関する基本姿勢はいささかの後退もない。事件の究明に当たっては刑事上の責任と政治的、道義的責任を分けて行うべきで、刑事責任の追及は捜査当局、司法当局を信頼して任せ、政治責任については、議長裁定に決められている特別委員会を早く設置して、そこで行うように願いたい。政府は常に国権の最高機関である国会の国政調査に最善の協力をする決意である。  ロッキード事件に関する資料の国会への提供については、捜査中の資料を公にすることは今後の捜査及び公判維持に支障を来すおそれがあるので、いま直ちにロッキード事件の資料を国会に提出することはできない。また、灰色高官名の公表についても、捜査が継続中のいまの時点で断定的なことを言うことは捜査に重大な影響を与えるので約束はできない。これらの問題については、公共の福祉、人権の尊重などの刑事訴訟法の立法趣旨を踏まえ、事態の推移を見て、ケース・バイ・ケースで判断したい。なお、刑事責任の追及と政治的側面からの解明は、それぞれ別の観点からなされるべきで、捜査に関係する資料がなければ政治責任の究明ができないということではないとの政府の考えを御理解願いたい」旨の答弁がありました。  次に、経済、財政問題については、景気の現状と対策、公共投資と減税、新価格体系と公共料金などの諸点について論戦が行われました。  すなわち、景気については、「昨年春以来、政府は何度も景気の回復を宣言しているが、失業者は百万人の大台を突破したままであるし、中小企業の倒産も依然として続いている。政府はこうした景気の現状をどのように把握しているか。また、生産、出荷等をマクロ的に見た場合、回復基調にあるとしても、ミクロの景気が回復せず、依然として水面下に停滞している、いわゆるマクロとミクロの乖離に対し政府はどのような解消策を考えているか。さらに、最近の輸出主導のもとに景気回復という動きは、輸出価格の低落をもたらし、ダンピングの疑いをかけられるだけでなく、海外の輸入制限を誘発するおそれがある。景気の回復は、他力本願でなく、個人消費の増加を軸とした国内需要の拡大により行うべきではないか」との質疑がありました。  これに対し福田副総理並びに関係各大臣より、「景気は輸出が大幅な増加を示し、回復のリード役を果たしているほか、鉱工業生産は昨年十月を底に、三月までの各月がいずれも前月比二%程度の増加となっており、出荷も順調に伸び、滞貨整理が進んでいる。雇用面でも有効求人倍率が昨年十一月の〇・五二から月を追って改善し、今年三月には〇・六八となったほか、時間外手当も三月には対前年同月比で四〇%増となり、個人消費も堅実な足取りで増加し、設備投資もようやく上昇に転じた気配で、景気は着実に回復に向かっている。さらに、五十一年度予算が成立すれば、おくれがちであった公共事業を中心とする景気対策も効果を発揮するので、本年度のわが国経済は、政府見通しの実質五・六%の成長達成は可能である。マクロとミクロの乖離は、企業の操業率がなお低く、企業が過剰雇用と借金経営による過剰金利負担の重荷を担っておるためで、この点は、景気回復に伴って操業率が上昇していけば解消される。さらに、企業も減速経済に見合った体質改善を進めることと、構造的にわが国経済がV字型回復が不可能になったことを認識して対処するならばミクロとマクロの乖離が改められると思う。  輸出主導の景気回復がダンピングになる危険があるとの指摘については、石油を初め海外の資源が大幅に値上がりした反面、輸出品価格は世界経済の停滞から相対的に低価格になって、わが国の交易条件は悪化しているのであるが、輸出立国のわが国にとり、交易条件の改善は重要な課題である。景気の回復には、輸出ばかりでなく公共投資の拡大をあわせ行うこととしているが、輸出は単なる総需要の構成としてだけでなく、経済運営の天井を高くするという点からも重要であり、輸出を軽視する見方は当たらない」旨の答弁がありました。  また五十一年度の政府の景気対策に関連して、「公共投資拡大一本やりの財政運用よりも、アメリカなどで効果を上げているように、赤字財政下でも減税を行い、これにより個人消費の拡大を図るべきでないか。年間を通じた減税が困難であるなら、ボーナス時のスポット減税を実施してはどうか。さらに、政府の公共投資は大型プロジェクトに重点が置かれ、これでは地域的に偏った対策で、全国的な景気回復は望めないのではないか」などの質疑がありました。  これに対し、「政府は個人消費拡大のための減税は考えていない。不況下でも個人消費支出は着実に増加しているほか、わが国財政は百兆円余の国債を発行せざるを得ないほど状況が悪化しており、国債発行による減税は財政悪化に拍車をかけることになる。また、所得税の標準世帯の課税最低限は百八十三万円で、国際的に見てもアメリカに次ぐ高い水準となっている。さらに、同じ額の財政負担であれば減税より公共投資の方が波及的効果が大きく、景気回復に役立つと考えている。公共投資が大型プロジェクトに偏っているとの批判は当たらず、生活基盤、生活環境改善等に力を入れており、大型プロジェクトは東北、上越新幹線等すでに手をつけたものを実施するにとどめ、新規のプロジェクトには手をつけていない。  なお、生活関連並びに農業基盤整備等の公共事業を大幅に伸ばしているので、地域的に偏った景気回復の心配はない」旨の答弁がありました。  さらに、「新価格体系ということで、公共料金の値上げを安易に認めることは、一けたになったとはいえ、定期金利を上回る消費者物価の上昇が不可避の現在、財政面の収支のみを考えた安易な道ではないか。また、卸売物価の動向は最近再び危険性をはらんでおり、企業が新価格体系移行ということで、製品の値上げを行うことはインフレ再発の危険性を増幅させることにならないか」との質疑があり、これに対し、「新価格体系は民間企業が不況による収益減少を製品価格の値上げで補おうとするものであればはなはだ危険で、企業は操業率を上げ、合理化を進めてコストの引き下げに努めることが大切で、安易な新価格体系論は好ましくない。政府が所管している公共料金については、狂乱物価、石油ショック当時に物価鎮静のために非常に無理をして抑制した結果、大変なアンバランスの状態になっているので、五十、五十一、五十二の三年間に分けて、新価格水準になだらかに移行させたい」旨の答弁がありました。  次に、地方財政問題について、「これまでも苦しかった地方財政は、三年余に及ぶ不況の影響で税収が大きく落ち込み非常な苦境に立たされている。しかるに五十一年度の地方財政は抜本的な対策が講じられないまま、交付税の不足分を借入金で措置しているが、こうしたやり方では一、二年で地方財政は破綻してしまう。交付税率の引き上げを検討すべきではないか。不交付団体の基準財政収支が赤字になった場合直ちに交付団体にするのではなく、一定期間を経過した後に交付団体にするようにすべきではないか。また、地方六団体の調査によると、超過負担は六千三百六十億円にもなっているが、その解消策を聞きたい」等の質疑がありました。  これに対し福田自治大臣から、「五十一年度はとにかく、来年度も地方財政の収支不均衡が続くようであれば、当然地方交付税法第六条の三の規定に従って交付税率を改めることになる。本年九、十月ごろまでの景気の推移を見た上で大蔵省とも相談する考えである。不交付団体は、景気が回復すると税収の増加も大きく、潜在的な財政力があることは確かだが、現在の仕組みを大きく変えることでもあり、また、不交付団体の多い大都市には大都市特有の財政需要もあるので、果たして経過期間を置くようなことが妥当かどうか即断しかねるが、傾聴に値する御意見なので検討することにしたい。地方六団体が主張する超過負担を全額承認できるかどうかはなお検討を加えなくてはならないが、超過負担解消は五十年度補正予算でもすでに行っており、さらに超過負担の原因となる各種補助金についてはメニュー方式を積極的に進めているところであるが、今後さらに負担金、補助金等の実態を明らかにし、新方式の採用を含め各省と相談して超過負担の解消を図りたい」旨の答弁がありました。  最後に、「本年四月十四日行われた最高裁判所の衆議院定数不均衡訴訟の違憲判決に対する総理の見解はどうか。並びに、この違憲判決の趣旨を尊重して参議院地方区の定数是正を行うべきではないか」との質疑があり、これに対し三木総理より、「投票の価値に差があることは客観的に見て正当な理由が認められない場合違憲であるとのこの判決は、一票の重さという点で重大な意味を持つ。ただ、衆議院の定数是正はすでに行っており、この判決が直接の影響を与えるというものではない。参議院地方区の定数是正は、都道府県単位で選挙が行われていること、全国区制度もあることなどから、人口比例だけで定数是正を行うことが果たして妥当かどうか考慮の余地がある。いずれにしても、選挙制度には絶対正しいというものがあるわけではないので、国会の公職選挙法改正特別委員会等において各党間で十分話し合い、その結論に従って定数是正を行うようにしたい」旨の答弁がありました。  質疑はさらにロッキード事件に関連して、エアバス導入延期の経緯、次期対潜哨戒機の国産化方針変更など、連日数多くの質疑があり、その他憲法問題、外交、防衛問題、政党・政治資金のあり方、国会空白の責任、産業政策、独禁法改正、エネルギー問題、経済計画、労働問題社会保障、食糧問題等国政全般にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、本日をもちまして質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小野委員が反対、自由民主党を代表して高田委員が賛成、公明党を代表して太田委員が反対、日本共産党を代表して岩間委員が反対、民社党を代表して木島委員が反対の意見をそれぞれ述べられました。  討論を終局し、採決の結果、可否同数となりましたので、国会法第五十条により委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  6. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。森中守義君。    〔森中守義君登壇、拍手〕
  7. 森中守義

    ○森中守義君 私は、日本社会党を代表いたしまして、五十一年度予算三案に対し、反対の意思を表明いたしたいと思います。  三案について意見を述べる前に、その問題点を二点ほど明らかにしておきたいと思います。第一の点は、三木内閣の経済政策、財政政策についてであります。第二の点は、ロッキード事件とこれに対する三木内閣の姿勢についてであります。  三木内閣は、列島改造と狂乱物価と金脈事件による田中内閣の後を受けて発足し、以来、インフレと不況の克服、社会的不公正の是正を経済政策の重要な公約としてまいりました。しかるに、今日の状況を見ると、狂乱物価は全治三カ年と言っていたにもかかわらず、消費者物価の水準はいまだ年度平均で前年度比八%と定期預金の金利をも上回る高さにあり、不況は最悪期を脱出したとはいいながら、中小企業の倒産や完全失業者の数は依然として過去に例を見ない高水準にあり、社会的不公正は是正されるどころか、かえって拡大をいたしております。これは三木内閣が賃金と物価抑制に偏した経済運営を行い、景気政策転換のタイミングを誤った結果であることはもはや天下周知の事実であり、今日の不況は、一言にして言えば、三木内閣が景気政策を誤ったことによる政策不況と言うべきであります。財政もまた五十年度に続き五十一年度も百兆円を超える赤字を出して、その半分以上は赤字国債によって賄わざるを得ない状況にあります。このような事態は、戦後歴代内閣にいまだかつて例を見ないことであり、わが党は国民とともに三木内閣の経済政策、財政政策失敗の責任を厳しく追及するものであります。  第二の点は、ロッキード事件と三木内閣のこれに対する姿勢についてであります。三木内閣の政治姿勢の基本は、金権政治を打破し、清潔政治を打ち立てることにあったはずであります。しかるに今日の状況は、田中金脈問題さえはっきりした決着がついていないのに、いままたロッキード事件という世紀の一大構造疑獄事件を起こしていることは、きわめて遺憾千万であります。今日の政活不信の根源はロッキード事件に対する疑惑が解明されないことにあり、そもそも国会が米国に対し資料要請の決議をしたのも、ロッキード事件の真相究明を望む国民の声にこたえようとしたものであります。しかるに、政府・与党の態度を見ていますと、総理自身が公開を約束していた米国の資料を結果において非公開とする協定を結び、米国に再交渉を要求するわれわれの主張を拒否し、ために長期にわたる国会審議の空白を招き、四十日間の暫定予算の編成を余儀なくされたのみならず、国会審議の最重要案件である本予算を、実質上の単独審議にも等しい自民、民社の二党による強行採決により衆議院を可決をさせ本院に送付いたしましたことは、対話と協調を旨とする三木内閣の政治理念とは全く相反する行為であるとともに、憲政史上例を見ない暴挙と言わなければなりません。したがって、本院の予算審議を事実上空洞化した責任は、挙げて政府・与党にあることは論をまたないのであります。しかし、ロッキード事件の真相を究明し、政治不信の根源をただそうというわが党の姿勢はいささかも変わるものではなく、本院の予算審議に当たっては、期間の短い制約にもかかわらず、経済問題や国民生活の問題とともに、ロッキード事件の解明に相当な時間を割いてきたことは言うまでもありません。しかるに、政府側の答弁はほとんど、捜査中の事件であるから言えないとか、抽象的な質問には答えられない、こういうことに終始したことはきわめて遺憾であります。ロッキード事件の刑事責任の追及は捜査当局であるといたしましても、政治的、道義的責任を明らかにし得る機関は国会以外にはないにもかかわらず、このような答弁に終始した政府の態度は、四十九年十二月二十三日の本院予算委員会で述べた、「政府は国政調査活動が十分その目的を達成できるよう最大限の協力をすべきものと考える」との統一見解に沿うものでないことはもとより、今回の国会正常化の条件である「国政調査権の行使に当たっては刑事訴訟法の立法趣旨をも踏まえて最善の協力を行うものとする」両院議長裁定の四項の趣旨にももとるものであることは明らかであります。  わが党は、国政調査権と守秘義務並びに刑事訴訟法四十百条ただし書き等について、衆議院における第一段階の質問主意書に続き、第二段階の質問主意書を去る六日提出をいたしましたが、これに対し明確な答弁を要求するとともに、今後国政調査権に基づいて、不起訴になった場合の政府高官名及び関係資料の提出を要求したときは、速やかにこれを国会に提出することを強く求めるのであります。もし、三木内閣にしてこの要求にこたえないというならば、もはや政権担当能力を失った内閣と断定せざるを得ません。したがって、その場合三木内閣は、当面の生活関連法案を処理した後、総辞職を行うか、衆議院を解散し信を国民に問うべきであります。  次に、五十一年度予算三案について意見を申し上げます。  日本経済の現状は、インフレと不況の併存するスタグフレーションの状態にあり、財政も企業も家計もすべて赤字で、国民は将来の生活設計すら立て得られない状況にあります。このような状態から国民経済を守るためには、これまでの大企業、高所得者中心の高度成長政策をやめ、雇用不安もインフレもない、真に安定した生活中心の経済政策への転換が必要であります。しかるに、五十一年度予算を見ますと、経済政策転換への姿勢が全くあらわれていないのみならず、経済政策の失敗の結果を国民負担の増加という形で国民に転嫁しており、われわれのとうてい賛成でき得るものではありません。  以下、主要な点について理由を申し上げます。  第一は景気対策についてであります。戦後最大の不況の中で国民が一番望んでいるものは速やかなる不況からの脱出であり、景気の回復であります。しかるに、景気の現状を見ますと、ようやく停滞期を抜け出したとはいうものの、その回復力はきわめて微弱である。しかるに、五十一年度予算の景気対策を見れば、大規模プロジェクトを中心とする公共投資と輸銀を中心とする輸出振興対策だけであります。公共事業費は二年間も伸び率ゼロであり、雇用対策や社会資本整備の立ちおくれから考えましても、ある程度の増額は必要であります。しかし、今後の経済政策は再び高度成長への復帰は許されないとするならば、公共事業費の内容は当然住宅や生活環境の整備を中心とした生活関連事業が中心でなければならないのに、五十一年度の公共投資は依然として道路や新幹線等の大規模プロジェクトに中心が置かれております。これでは田中内閣時代の列島改造論の再来と言われてもいたし方ありますまい。不況の原因が個人消費の停滞にある以上、当然低所得者を中心とした所得税の減税こそ必要であり、国民の多数の声でもあります。にもかかわらず、これも行わず、公共料金や社会保険の保険料を軒並み値上げし、しかも、公共事業は地方財政の窮迫で進捗率が落ちているとすれば、政府の言う財政主導による景気対策とは一体何かと問わざるを得ません。  第二は、公共料金の値上げであります。インフレと不況の併存するスタグフレーションのもとにおいて、景気対策は物価に悪影響を与えるようなものであってはならないことは言うまでもありません。しかるに、五十一年度予算の内容を見れば、国鉄、電電、住宅の家賃、授業料、加えてNHK受信料等、公共料金は軒並みに値上げが織り込んであり、地方財政関係の手数料、使用料の値上げまで含めれば、公共料金はほとんどすべてが値上げになります。政府の公共料金値上げに対する基本的な考え方は石油値上げに伴う価格体系の是正ということでありますが、このような考え方は、製品価格の値上げによって不況を脱出しようと考えている企業の値上げ機運を促進することは明らかであり、物価に対する配慮を全く忘却した予算と言わなければなりません。欧米諸国の経済運営はすでにインフレ対策に移っているとさえ言われますのに、このような公共料金の大幅値上げを予算に織り込んだことはきわめて遺憾であり、本年度予算は物価に対する配慮を全く欠いた予算と言わなければなりません。  第三は、福祉政策についてであります。経済政策の最終目標は国民福祉の確保であり、福祉政策を財政事情により後退させるようなことはあってはならないことは言うまでもありません。しかるに、本年度予算を見ますと、社会保障費の伸び率が最近四年間の最低となっており、その内容も、福祉年金の引き上げが二万円という公約が一万三千五百円にとどまったのを初め、生活保護費など社会福祉関係の諸手当の引き上げ率は平均一二・五%になり、物価上昇率を考えれば、この改善率はわずかに三%にも満たない金額であります。しかも、公共事業費は、生活関連事業の比率がほとんど高まっていないとすれば、福祉政策は大幅な後退と言わなければなりません。その上、保険料は値上げされ、所得税は名目所得の増加に伴う物価調整減税すら行われていないとすれば、高福祉高負担どころか、低福祉高負担以外の何ものでもありません。  第四は、地方財政についてであります。地方財政の現状は、不況に伴う税収の減少と義務的経費の増加によって深刻な状態にあり、景気対策や福祉政策にも支障を来す状況にあります。しかるに、本年度予算の地方財政対策を見ますと、政府の財源措置はわずかに二兆六千億であり、その大部分は運用部資金からの借入金と地方債の増発であります。また交付税については、三二%の交付税率は国債の大量発行時代のもとではもはや全く存在の理由がなくなっているのにそのまま据え置かれ、地方団体が常に問題にしている超過負担は、自治体側の発表によれば、四十九年度だけでも六千億を超すと言われているのに、本年度予算の解消措置はわずかに六百四十二億円であります。国家財政が大幅な赤字のもとでは、地方財政も当然耐乏は必要としても、税収の減少は政府の景気政策の失敗によるものであり、補てん措置の内容も大部分が自治体の借金で賄わなければならないとすれば、経済政策失敗の責任を二重に地方に転嫁するものであり、地方財政対策はきわめて不適切、不十分と言うべきであります。  第五は、財政赤字の補てん対策と公債政策についてであります。本年度予算の歳入は租税収入の二兆円の減少と歳出需要の確保のため、七兆二千七百五十億円の公債が計上されており、そのうち半分以上は赤字公債である特例公債であります。公債依存率は二九・九%であり、戦時中を除いては全く例のない高さであり、先進国中最高であります。公債政策はすでに限界であります。公債政策については、経済政策における政策手段の一つであることはわれわれも承知しております。したがって、何が何でも反対しているものではございません。しかし、一たび運用を誤るならば財政インフレを通じてインフレの促進要因になることは、戦前の例を引くまでもなく明らかであります。しかも、赤字公債が毎年発行され、市中消化された公債は一年後には日銀に買いオペで買い上げられるとすれば、建設公債と市中消化という、政府の言う公債の歯どめはすでにないのも同然であります。今年度の公共債の発行額は国債、地方債を合わせれば十四兆三千六十億円の巨額であり、これが景気回復に伴う民間の資金需要と競合すれば、新たな景気過熱の要因となりかねないことは火を見るよりも明らかなことであります。公社債市場の整備も行われず、公債管理政策の用意もなく、単なる財政赤字の補てん策として発行される政府の公債政策は、財政政策としてきわめて危険と言わざるを得ません。真に国民のサイドに立って財政赤字の補てん策を考えるならば、不公平税制を改革して富と所得の再配分をこそ考えなければならないのに、不公平税制はわずかに法人関係の特例措置を廃止して百五十億円を増徴しただけにすぎません。しかも、企業には臨特税を廃止しながら、配当課税や医師の不公平税制すら直せないとすれば、一体三木内閣の公約である社会的不公平是正はどうなっているのかと、いまさら疑わざるを得ません。  このほか、私学助成策、農林漁業、中小企業予算もきわめて不十分であります。  以上、要するに、五十一年度予算案には、経済政策転換への姿勢は全くあらわれておらず、その内容も、政策失敗の結果を国民大衆に転嫁する形で予算が組まれており、わが社会党はとうていこの予算案に賛成でき得ないのであります。  以上の理由によりまして、予算三案に対し絶対反対の意見を表明するものであります。(拍手)     ―――――――――――――
  8. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 山内一郎君。    〔山内一郎君登壇、拍手〕
  9. 山内一郎

    ○山内一郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十一年度一般会計予算外二案につきまして、賛成の討論を行います。  申すまでもなく、現在わが国財政の最大の課題は景気の着実な回復と雇用の安定を実現することであります。石油危機を転機として世界経済の構造変化が起こり、資源の有限性の自覚と資源保有国の資源ナショナリズムの高まりによって全世界がいわゆる減速経済に移行するに至ったのであります。当然のことながら、資源小国であるわが国経済にとっても例外ではなく、経済の高度成長を支えた内外の条件はいまやほとんど失われたのであります。そして、その後に待ち受けたインフレと不況の共存というかつて味わったことのない深刻な傷跡を残したのであります。すなわち、経済のゼロ成長、企業収益の悪化、雇用不安が続き、国も自治体も極度の財政難に見舞われ、経済全体が深刻な不況にあえいでいるのが現状であります。最近ようやく物価も安定し、経済活動も昨年来の財政を主軸とした景気対策によって回復の兆しを見せてまいりました。しかし、経済活動の水準はなお低く、足取りは必ずしも力強いものとは言えない状況であります。このような推移の中で財政とともに景気浮揚の牽引力である貿易が盛んになってきたことは、景気の先行きに一段の明るさを取り戻すことでありましょう。  経済運営の当面の課題は、経済の回復を一層確実なものとすることによって企業活動を健全なものとし、雇用の安定の実現を図ることでありますが、同時に、今後の日本経済の均衡のとれた発展を確保するため、内外の厳しい制約条件のもとで、中、長期に見て経済の減速に耐えられる財政の体質改善に着手することであり、五十一年度はそこへの橋渡しの年とすることであります。  五十一年度予算は、以上の課題を担い、財政が景気回復の主導的な役割りを果たすことを最優先課題として、財源の重点的配分と一般的な経費を極力圧縮するという厳しい経済情勢のもとで編成されたものであります。この点まことに適切な配慮を加えられたものとして高く評価するものであります。  以下、五つの主な項目について述べてみたいと思います。  第一点は、予算の規模と性格についてであります。五十一年度予算の規模は二十四兆二千九百六十億円、財政投融資は十兆六千百九十億円であり、前年度当初予算に比べ、ともに一四・一%の伸びとなっております。歳入に当たっては、経済活動の停滞により税収不足が生じたので、既定経費の見直しを行うとともに、国債をもって財源の確保を図り、歳出に当たっては、厳しい財政事情の中において、需要喚起効果の高いとされる公共事業の伸び率を対前年度比二一・二%増とし、景気浮揚を最重点に置いております。  さらに、社会保障関係費についても、公共事業の伸び率を上回り社会保障の充実が図られ、地方財政についても手厚い対策が講ぜられております。また、財政投融資計画につきましても、その資金配分は国民生活に最も関係深い部門に重点を置いたことは妥当な措置であります。  第二点は、国債の発行についてであります。長期にわたる景気の停滞を反映して税収の大幅な落ち込みにより財政危機を招き、一方、不況克服という政治課題を抱え、五十一年度は一般会計の国債依存度を二九・九%、発行総額七兆二千七百五十億円とし、このうち、財政法四条一項ただし書きの建設公債三兆五千二百五十億円のほか、三兆七千五百億円の特例公債の発行を予定するものとなっております。財政の正常なバランスの回復と当面の景気回復の促進という二つの矛盾した経済運営の中での選択は議論の分かれるところでありますが、今日の経済情勢のもとではこのような措置は必要やむを得なかったものと考えられます。  政府は、特例公債の発行に先立ち、今国会に特例法案を提出し、償還期限までに全額償還、借りかえは行わず、発行は五十二年の出納整理期間までとし、税収の動向によりできるだけ発行の限度を少なくする余地を考慮していることは財政に対する節度を示しております。国債の発行は、インフレとの関係からも市中消化の原則を守るべきことはもちろんのことでありますが、国債管理政策面においても、流通市場において魅力ある国債の位置づけについて一層の検討を願うものであります。政府におかれては、今後できるだけ速やかに特例公債依存の財政から切り抜け、財政運営の健全性を確保されんことを切に望むものであります。  第三点は、景気対策についてであります。政府は、物価の安定を踏まえ、不況の脱出と雇用の安定を図るため需要創出効果や雇用吸収効果の大きい部門に財源を重点的に配分されたことはまことに当を得た配慮と思うのであります。すなわち、四十九年度、五十年度は伸び率ゼロであった公共事業関係費を、五十一年度は予算規模の伸び率を百%も上回る二一・二%増とし、との中でも住宅は二三・三%、生活環境整備費は、三一・二%と大幅な伸びを示しております。特にわが党が強く推進したのは住宅建設の促進であります。五十一年度は総戸数八百六十万戸の第三期住宅建設五カ年計画の発足を認め、うち公的資金住宅については三百五十万戸の初年度分予算と財投融資を確保するとともに、戸数も前年度当初計画より増加するなど手厚い対策をとっているのであります。なお、住宅のほか、五十一年度を初年度とする下水道、公園、港湾等七事業の五カ年計画を樹立し、長期的視野に立って社会資本の充実が図られることになっております。  一方、雇用の安定についてでありますが、生産の落ち込みと収益の悪化により雇用不安も懸念されておりましたが、政府もこれまで雇用調整給付金制度の活用等を中心に失業の防止と安定に努めるとともに、今回さらに中高年齢者雇用率制度及び納付金制度の創設による身体障害者の雇用の促進、あるいは企業倒産等による賃金不払いに対する救済制度を設けたことは、雇用の安定と福祉の向上を図る上で大きな福音と言えるのであります。しかし、雇用安定の決め手は何と言っても景気の回復、不況からの脱出であります。したがいまして、公共事業対策を中心として予算と財政投融資を重点的、集中的に配分されたことは、おくれている住宅建設、社会資本整備等を著しく促進するとともに、需要創出と雇用吸収に直接結びつき、また景気の基本条件である貿易を振興させ、さらに不況下の経営に苦しむ中小企業の安定に大きく寄与するものと確信するものであります。  第四点は、社会保障についてであります。国民生活安定のため社会保障の充実は重要でありますが、特に不況が深刻なときこそ、恵まれない階層に対し福祉の充実が重要であることは申すまでもないことであります。五十一年度予算においては、厳しい財源の中から社会保障関係費には特に配慮が加えられ、前年度当初予算に対し二二・四%増の四兆八千百十六億円を計上いたしております。この伸び率は一般会計予算総額の伸び率一四・一%を上回るばかりでなく、金額においても公共事業費をはるかに上回っております。また、社会保障費の占めるウエートは一九・八%と上昇を見せているのであります。このことは五十一年度予算が前年度予算以上に福祉予算の性格の強いことを意味するもので、わが党、政府が常に国民福祉を最優先とする一貫した姿勢を示すものであります。  主な内容は、厚生年金、国民年金等各種年金について給付の引き上げ等改善を行うことを初め、生活扶助基準の一二・五%の引き上げ、心身障害者等に対するきめ細かい配慮を行うほか、社会福祉施設の職員の処遇改善等各般の施策を積極的に推進しているのであります。しかし、今後本格化する老齢化時代と低成長への転換期を迎えるに当たってこれをいかに充実していくかはきわめて重要な問題でありますが、今後は国民の適正な負担を考慮しつつ効率的な福祉施策を図るべきであります。  第五点は、地方財政についてであります。国の財政とともに、当面の緊急課題である地方財政の危機についても、これを乗り切るため、五十年度補正予算に引き続き五十一年度も政府は財政事情の許す最大限の措置を講ずることといたしております。すなわち、地方の固有財源である道路目的財源を主として平年度約三千億円の新規税源を付与するとともに、国庫補助負担事業の単価、基準等を地方の実情に即するよう改善し、地方超過負担の解消を図ったほか、国税三税の落ち込みにより地方交付税交付金の伸び悩みの補てん措置を講じ、地方交付税特別会計に政府資金一兆三千百四十一億円を貸し付け、また一兆四千二百億円の地方債を政府資金で引き受け、さらに一兆二千五百億円の地方債に対し国が元利の一部を補給することとしたのであります。このような国の施策によって五十一年度の地方財政は十分乗り切れることとなっていたのでありますが、予算成立の遅延並びに地方交付税等改正案の成立がおくれているので、一日約七千万円の一時借り入れによる利子負担を生じ、地方自治体の資金繰りの悪化と行政の停滞が起こり、政治の空白にあえいでいるのであります。しかし、当面の最大課題である不況を乗り越えるためには、地方自治体においても国と同一の基調に立ち、安易な財政運営は絶対に許されなくなったとの強い認識のもとに、自治体みずからが厳しい姿勢で自主的な努力を傾け、現状打開に取り組まれんことを切に望むものであります。  最後に、政府に要望いたしたいのでありますが、今日一番大きな課題は不況からの脱出でありますが、第五次不況対策とも言われる本年度予算の成立が大幅におくれたことは、景気が回復基調にあるだけに、その及ぼす影響が懸念されるところであり、それがまた直ちに雇用の安定につながるものだけに、まことに遺憾とするところであります。政府は予算の執行に当たっては遺漏なきを期されんことを要望して、昭和五十一年度一般会計外二案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  10. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 桑名義治君。    〔桑名義治君登壇、拍手〕
  11. 桑名義治

    ○桑名義治君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十一年度予算三案に反対の討論を行います。  反対の第一は、三木内閣の虚像クリーンの政治、有言不実行の政治姿勢についてであります。世間では三木内閣にロッキード事件究明の期待をかけてまいりました。しかし、初めのかっこうよさと威勢のよさは後退に後退を重ね、ことに事件解明のための国会決議を無視したことは、名誉と責任を重んずる政治家なら、みずからの進退を明らかにして責任をとるべきであります。しかるに、その後の本予算委員会の審議では、資料提出も灰色高官名の公表もすべて捜査上の秘密を理由に国会の国政調査権に完全非協力の態度をとっております。これは議長裁定違反であるばかりか、戦後わが国最大の国際的疑獄事件と見られるロッキード問題を刑事事件に矮小化して国民の目をごまかす行為にほかなりません。この姿勢こそ三木内閣の有言不実行とごまかし政治のあらわれで、断じて許すわけにはまいりません。  第二に、政府・自民党の責任によって国会は議会史上前例のない四十日余の空白となり、そのしわ寄せを参議院はもろに受け、五十一年度予算は公聴会を含め、たった十日間しか審査ができず、これで予算を議了してほしいという三木内閣の言い方はまさに参議院軽視であり、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。  反対理由の第三は、不公正是正、弱者救済の看板を偽った財政経済運営であります。石油危機以降のスタグフレーションに三木内閣の総需要抑制が上乗せされ、さらに景気回復の転換時点を完全に誤った等の三木内閣の政策不況で国民生活は二年余りにわたる大打撃をこうむっております。三木内閣の誤った政策によって中小企業と大企業、金持ちと貧乏人、高所得者と低所得者等々の格差は拡大し、これまで以上に不公平と不公正な社会がつくられつつあります。  また、独禁法改正は実質のたな上げをし、景気対策はもっぱら大型プロジェクトにより大企業を優遇し、さらに会社臨時特別税を廃止し、二千億円余りのプレゼントをするなど、大企業優先の姿勢をさらに強めております。これに引きかえ、不況によって職を奪われた公称約百二十万人、実質四百万人の人々に職を与える努力を怠り、なお、生活保護世帯、母子家庭、身障者、老人等々の弱者に見るべき政策はなく、まさに弱者切り捨て、弱い者いじめの政策をとっております。このことはまさしく公約違反で、社会正義に反するものであり、私はこうした三木内閣の財政経済の運営に強く反対いたします。  反対の第四は、財政危機に対処する対策が何一つとられていないということであります。五十一年度予算は七兆二千七百五十億円、依存率二九・九%の国債発行に追い込まれております。予算の三割を借金で賄わなければならないという状態は、戦後はもちろん、戦前でもほとんどその例がありません。そうした財政危機の原因は、一つには三木内閣の経済運営の失敗による景気回復のおくれであり、二つには不公平税制の放置によって、改正されれば当然増収となるべき税が六、七兆円もあるとの学者の指摘もされていましたが、まさに税金を取るべきところから取っていないことを証明して余りあるのであります。そうした原因にメスを加えることをせず、安易に借金財政に頼り、わが国財政を一展困難と危険に落とし込んでいるのが三木内閣であります。  一般会計負担の長期国債のうち、赤字国債は五十、五十一年の両年度で六兆四千億円発行され、長期国債に占める割合は二六・二%にもなるのであります。さらに、政府の中期財政展望によりますと、赤字国債脱出のめどとされる五十四年三月末には、赤字国債十四兆円、長期国債に占める比率は三一%となり、このような財政悪化の見通しの中で、その日暮らしを続け、償還計画なしの財政運営が財政破綻の道に通じていることを強く警告しておきます。  反対理由の第五は、当面の課題である景気浮揚政策が間違っているからであります。政府が景気回復策として最も重点を置いた公共投資の中身は高速道路、橋梁、新幹線など産業基盤強化の大型公共投資が中心で、公共住宅、学校、下水道整備、保育所、病院などの生活環境関連公共投資はほんの申しわけ程度となっております。不況対策として生活関連公共投資の拡大促進が先進国中最悪の生活環境社会資本の水準を引き上げ、福祉型経済への転換を容易にし、さらに過疎過密と産業の偏在が少ない、すそ野の広い景気回復となるなど一石二鳥の効果があるのに、大企業奉仕の三木内閣にはそうした政策の選択が全く欠落しているのであります。  さらに、わが党は、公共投資一本の景気回復策よりも、国民総生産の五百%を占める個人消費支出の健全な拡大を図る必要を主張してまいりました。米国、西ドイツ等の景気回復が減税による効果が大きかったことは周知のとおりであります。政府は、赤字国債の増額になる減税は困るとか、百八十三万円の課税最低限は世界に誇れる水準とか、個人消費は着実に伸びる等々と言っておりますが、実質増税と雇用者所得の伸びの小さい五十一年度にどうして消費が伸びられるのか、不思議でなりません。  また、国債を増発しなくても、公共事業予備費千五百億円と補正予算財源の先取りをねらって巨額に計上された予備費を実績に照らして千五百億円削るならば、物価調整減税所要額二千二百億円におつりが来ますし、その二つのやり方が財政法の規定に違反している疑問が持たれていることから見ても、必要妥当な処置なのであります。  反対理由の第六は、公共料金の大幅値上げをもくろむ本予算案であるということです。政府は、五十一年度予算で国鉄運賃の五〇%値上げを初め、電話・電報料金、医療費と軒並み大幅な値上げをもくろんでおります。政府は五十年度の物価が一けたにおさまったことを鬼の首でも取ったように大宣伝を行っておりますが、最近の卸売物価の急速な上昇、企業の製品価格値上げの動き等を見れば、物価が鎮静したとか、安定化の方向にあるなどと楽観できるものではありません。こうした時期に公共料金の大幅値上げを行うことが再び狂乱物価、インフレの引き金となるのは明らかで、政府答弁のごとく、消費者物価指数への影響が二%などは、宣伝のための言いわけとしか思えません。政府は、数年前までは独立採算を理由に、昨年来新価格体系移行を理由に公共料金値上げを行おうとしておりますが、このやり方こそ、公営企業の経営であるべき国の責任を放棄し、公共料金の理論も国民的コンセンサスもないまま、なりふり構わず値上げに突っ走るやり方で、三木内閣が物価政策を放棄し、国民生活の破綻をたくらむ暴挙と言わざるを得ません。  反対理由の第七は、非常な財政危機に直面している地方財政対策に全く見るべきものがないということであります。すなわち、五十一年度予算は、地方税や地方交付税の落ち込みによる地方財源の不足分の大半を政府資金の福借り入れ、財源不足債という借金で賄わされ、苦しい地方財政をさらに苦しくするやり方がとられております。また、地方債の発行予定額は三兆九千億を超え、五十年度に比べ二・三倍にもなっております。しかも、その消化は地元銀行による消化を予定しておりますが、消化についての確実なめどは大蔵省、自治省とも持っておりません。まさに政府は苦しい地方財政に借金政策を押しつけながら、その借金のめんどうも見ない。机上の空論を振り回しているのであります。  わが党は常に、地方財政の自主性が増大してこそ、自治と福祉とさらに民主主義の前進の基礎が生まれると主張し続けてまいりました。そうした重大な役割りを担っております地方財政を無視した三木内閣の予算を認めるわけにはまいりません。  以上のような国民無視の予算を提出した政治姿勢を厳しく追及し、三木内閣の総辞職、解散を強く要求して私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  12. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇、拍手〕
  13. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっている昭和五十一年度予算三案に対し、反対の討論を行います。  まず、本予算案の審議が、本院では公聴会を含めてわずか九日間しか行われないまま本日ここに本会議の討論を行わねばならぬというこの異常な事態について一言せざるを得ません。参議院の権威を傷つけ、議会制民主主義を踏みにじるかかる事態を招いた責任は、挙げて自民党と政府のロッキード事件の院議じゅうりんによるもみ消しの策動にあることは論議の余地はありません。  言うまでもなく、ロッキード事件こそは、日米安保体制のもとでアメリカの軍需独占企業が、A級戦犯容疑者であり政界の黒幕である児玉譽士夫などの影響力を利用して政府高官を買収したという一大疑獄事件であり、歴代自民党の政治が戦犯政治、金権政治、売国政治にほかならないことを明白に示した事件であります。そこに見られるのは、日米双方の最高首脳にかかわる疑惑、アメリカの航空多国籍企業と日本の航空業界と商社にかかわる疑惑、CIAの対日反共工作にかかわる疑惑、米日韓軍事同盟にかかわる疑惑等々であり、その広がりと深さにおいてかつて例を見ないものであります。これはわが国の主権と民主主義、国政の根幹にかかわる重大な問題であります。したがって、このロッキード事件の真相を究明することは、今日国会に課せられた緊急かつ最大の責務であると言わねばなりません。しかるに、政府・自民党は真相の徹底的かつ迅速な究明と政府高官名を含む一切の未公開資料の国会への提供を求めた衆参両院の、自民党を含めた全会一致による決議をじゅうりんして資料の公開と国会での徹底究明を妨げたのであります。  さらに政府・自民党は、国会正常化のためのわが党などの努力を、中曽根テレホンサービスがみずから告白しているように、民社党との密約によってぶち壊し、二党のみの予算の採決を衆議院で強行するという、かつてない暴挙を行ったのであります。このように国会史上空前の長期にわたる審議中断という議会制民主主義の破壊の責任は政府・自民党の負うべきものであり、またこれと協力した民社党ともどもその責任を糾弾せざるを得ないのであります。  さて、私が本予算案に反対する理由の第一は、今日不況とインフレの同時進行、農業、資源、エネルギー危機など、歴代自民党政府の高度成長政策のもたらした害悪が明々白々となっているにもかかわらず、この予算案が依然として財界の意を受け、国民を犠牲にした高度成長型、大企業本位の仕組みを骨格としていることであります。特に政府は、不況対策を口実に、田中内閣の列島改造政策で出されていた国鉄新幹線、高速道路、本四架橋など、大型プロジェクト中心の産業基盤整備の予算を一斉に復活させ、さらには大企業のプラント輸出促進のために日本輸出入銀行の輸出融資枠を八一%も広げるなど、大企業のための需要喚起策を最大の重点としております。一般会計公共事業費三兆六千百百百十二億円のうち、道路、港湾、空港、工業用水など大企業中心の産業基盤投資は四〇・二%を占めているのに対し、住宅、生活環境整備は三〇%にとどまっているのであります。しかも政府は、わが党議員が指摘したように、昭和五十五年度までの経済計画概案においても、公共投資の内容を、生活関連施設二九%に対し産業基盤整備三九%と予定するなど、将来ともに産業優先、大企業本位の政策を続けようとしております。これこそ、再開された財界の自民党への莫大な政治献金と相まって、今年度予算がロッキード事件など構造的汚職の重要な根源である金権政治に貫かれたものであることを最も端的に物語るものにほかなりません。(拍手)  反対の第二の理由は、このような大企業本位の政策の財源として、財政法の基本を踏みにじる赤字公債の発行や公共事業等予備費を新設する一方、依然として大企業のための特権的減免税を温存していることであります。三兆七千五百億円の赤字公債を含む長期国債の発行額は予算総額の一九・九%、七兆二千七百五十億円という異常なものであります。大蔵省の財政収支試算が五十三、四年度まで赤字公債の発行を予定し、累積する公債の利払いなどのための大増税を予定していることにも明らかなように、この莫大な国債発行は、とどまるところを知らない財政破綻、インフレと重税に直結するものであり、断じて認めることはできません。しかも、政府が付加価値税など将来の大増税の布石をもねらった本年度の租税特別措置の見直しなるものは、引当金や配当軽課措置など、減税額の特に大きなものにはほとんど手も触れず、百八十一項目の租税特別措置のうち、大企業にとっても不必要となったわずか十一項目を廃止したにすぎないというきわめて欺瞞的なものであり、それすらも会社臨時特別税の廃止によって逆に初年度八百億円もの大企業減税となるなど、大企業のための特権的減免税を温存し、不公正税制を続けているのであります。  反対の第三の理由は、本予算案が、このような大企業優遇の反面で、国民の負担の増加と国民生活への圧迫を一層強めるものであることです。昨年の酒、たばこ、郵便料金に続き、本年もまた国鉄運賃、電報・電話料金など軒並み公共料金の引き上げ、各種年金の掛金や健康保険料などの大幅値上げ、さらに自動車関係諸税の増税、住民税均等割りの三倍引き上げ、所得税減税の見送りによる実質増税など、全体として三兆円に及ぶ負担増を強いる収奪を深めているのであります。国民の生活難がきわめて厳しい今日、このような大収奪は絶対に認めるわけにはまいりません。  それだけでなく、政府は老齢福祉年金、生活保護費などの引き上げはわずかにとどめ、失対事業は就労人員を前年度よりも抑えて、深刻な失業、雇用問題の解決を事実上放棄するなど、残酷な福祉切り捨てをまで国民に押しつけておるのであります。しかも政府は、わが党議員が審議の中で明らかにしたように、将来にわたって低福祉を固定化し、一層の局負担を強いようとしております。特に生活保護費の算定基礎の食費にまで男女差を設け、わが党議員の是正要求を拒否するという言語道断の態度をとっております。  次に、中小企業対策費は予算全体のわずか〇・六%にすぎず、財政投融資計画でも中小零細企業向けの国民金融公庫、中小企業金融公庫への合計が総融資額の一三・二%という、大企業向けの融資に比べてはるかに少なく、零細企業対策の柱の一つとされている小企業経営改善資金金融でさえ商工会議所の推薦が要るという条件をつけて制限しているのであります。まさに中小企業見殺し政策と言わなければなりません。  今日、地方財政の窮乏はその極に達しており、その対策がいま切実に要求されております。しかるに政府は、大企業奉仕の景気対策を押しつけるばかりでなく、算定基準を改悪して交付税の縮小を図り、莫大な借金財政を余儀なくさせ、地方財政の危機をさらに深刻なものにしているのであります。  最後に、この予算は対米従属、軍国主義の復活と民主主義の破壊、日本型ファシズムへの道を進めるものとなっていることであります。  防衛費は一兆五千百二十三億円と昨年度を一三%上回り、自衛官の増員、F4EJファントムジェット機やヘリコプター搭載護衛艦の新規発注など、日米共同作戦体制強化の名のもとに、アメリカの極東戦略に沿った米軍補完機能の強化を図っているのであります。私はこれに強く反対すると同時に、いま疑惑の中にあるP3C対潜哨戒機の導入計画を直ちに取りやめることを要求いたします。  さらに、わが党議員の追及によって明らかになったように、陸海空の自衛隊に日本版CIAとも言うべきスパイ組織を置き、米軍諜報部隊と緊密な連絡をとって共産党など野党の動向調査や国外の情報収集などの暗躍を行い、そのための報償費として国費を違法に乱費しているのであります。私は、CIA要員や輸送隊の国外退去とあわせ、このような自衛隊内の憲法違反、売国的な民主主義破壊の部隊を廃止し、その活動を直ちに停止するよう要求するものであります。  以上述べたように、本予算案の反国民的な内容がロッキード疑獄を生んだ自民党の金権、売国、戦犯の政治と同じ根を持っていることは明白であります。私は、このような予算ではなく、わが党が強く主張しているように、国民生活の改善と購買力の向上によって国内市場拡大による景気回復を図り、さらに投資の流れを変えて、生活基盤整備などの公共投資と産業構造転換のための投資を促進する予算、さらに地方財政危機の打開を図る予算をこそ組むべきであることをここに重ねて強く主張するものであります。  最後に、私は、民社党の要求による資料提出の問題について一言します。民社党春日一幸氏、参議院では藤井恒男氏など、共産党のスパイ調査問題に関する資料の提出を要求したのに対し、参議院ではわが党などの反対を押し切って、異例な採決でこれを強行しました。そもそもこの資料要求は、すでに歴史的にも法的にも決着のついている……
  14. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 岩間君、岩間君、岩間君。
  15. 岩間正男

    ○岩間正男君(続) はい。  本問題について……
  16. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 岩間君、岩間君。
  17. 岩間正男

    ○岩間正男君(続) はい。
  18. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 時間が経過いたしました。
  19. 岩間正男

    ○岩間正男君(続) 急いでやります。  不当な言いがかりをつけ、三権分立と基本的人権の保障を定めた憲法の原則に反し、国会において過去の判決の当否とそれにかかわる問題について審議する目的で出してきたものであり、明白な憲法違反であり、絶対に容認することのできないものであります。  以上をもって私の反対討論を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  20. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 木島則夫君。    〔木島則夫君登壇、拍手〕
  21. 木島則夫

    ○木島則夫君 私は、民社党を代表して、ただいま上程されました昭和五十一年度一般会計を初めとする予算三案に対し、一括して反対の討論を行うものであります。  ここで私は本論に入る前に、わが党が本国会においてとった案件審議に臨む方針と態度について、再度明確にしておきたいと思います。  それは不況下に呻吟する中小企業、雇用不安、失業の恐怖を前にした勤労者等の実態に照らし、予算案審議の重要性と同時に、ロッキード問題の真相究明の重要性という国政にとってきわめて重大な二つの課題に直面して、わが党は、この二つの課題を同時に並行的に審議し究明することは十分可能であり、かつ、そうすることこそ国会に課せられた使命の達成であるという確信を持って、ロッキード問題については両院に権威の高い調査特別委員会を設置し、国会として適切に対処すべき諸事項を明らかにするなどの措置を講じ、この問題の真相解明に確信ある見通しをもって国民の要望切なる予算案の審議に入り、今日に至っているのであります。  この間、両院議長による空白国会の収拾のための裁定案により五党党首の合意が成立して、国会審議の正常化が実現されたことは高く評価するものであります。  そもそも五十一年度予算を国民の要望するものとするならば、まず現状の深刻な不況を克服するため、予算規模を前年度当初に対して一五%増とし、庶民住宅の大量建設、社会保障の拡大充実による福祉向上型景気回復予算にすること、そして消費の需要を拡大するとともに、インフレから生活を守るため一兆円の所得税減税を行う。さらには、国債の発行額を極力抑えるために税の不公平是正を抜本的に行うと同時に、行財政の合理化による歳入の強化を図るべきです。また、公共料金については経営の姿勢を抜本的に改め、合理化、近代化が行われるまで値上げは抑制する点であります。ところが政府・自民党は、このような要望をことごとく退け、大衆犠牲の予算案を固持して譲りませんでした。  さて、このような予算案を具体的に吟味するときに、第一の反対理由としては、累積する膨大な赤字国債を抱え、減速経済の時代をどう乗り切るかという財政計画の基礎づくりを怠ったことであります。つまり、本予算案は、ただ目先の歳入欠陥をいかに覆いつくろうかに終始してしまっております。膨大な赤字国債の発行を必要としながらも、行財政の合理化に対する熱意は一向に見られないのであります。  また、税制改正を見ますと、ついに所得税減税は見送られてしまいました。これがために勤労者の所得税は、今年度収入がふえますと、必然的に大幅増税になります。たとえば夫婦と子供二人の標準世帯で五十年の年収が三百万円の場合、所得税は十三万五十円でありますが、ことし一〇%の賃上げがあった場合には十六万五千六百五十円にはね上がり、実に三万五千五百円の増税になるわけです。このような大幅増税は、消費者物価の上昇率と相まって、庶民の生活は非常に苦しいものになるでありましょう。このほかにも、税の不公平是正並びに高額所得者の税の強化については全く微温的な対策に終わり、逆に自動車関係の税は大幅に引き上げられ、かえって税負担の不公平を増大しております。私がこの予算案に反対する最大の理由はここにあります。  第二の反対理由でありますが、公共料金の軒並み大幅値上げについての疑問です。つまり、国鉄運賃五〇%、電話基本料金、電報通常各二倍、そのほか国立大学の授業料、健保初診料などの値上げが、果たして物価対策の見地から考えて妥当な措置であったでありましょうか。私どもはかねがね公共料金の値上げについてはすべて長期にわたって凍結しなさいとは言っておりません。本当に値上げすべきものについては最小限これを行うとしても、そのための条件としては、一般物価が安定をし、経営の合理化、近代化が徹底して行われ、正常な労使関係が確立され、サービスの向上などが満たされることが最低の条件であります。この観点から見るならば、国鉄の現状は全くこういった条件を満たしておらず、ただ運賃値上げだけで赤字解消を図ろうとする安易な姿勢を許すことはできません。政府は、こういった公共料金の値上げを織り込んでも、五十一年度の物価上昇率は八%程度に抑えることができると言っておりますが、むしろ公共料金を抑え、その上さらに独禁法の改正等の手だてを講じなければこのような結果は生まれてこないと思います。政府においてもそのような厳しさを知るべきでありましょう。  最後に、反対すべき理由は、社会保障関係予算について二二・四%伸び、総額四兆八千七十八億円に達しましたが、この伸び率はここ数年で最も低く、その特徴は福祉の後退と国民負担の増大を意図した点であります。政府は昭和四十八年を福祉元年として、遅まきながらも漸次社会保障の給付内容の強化を目指し、関係予算を伸ばしてまいりました。特に五十一年度は社会的不公正の是正、それに個人消費の拡大による不況の克服という観点からも社会保障の充実強化が絶対に必要でありました。しかし、今回関係予算の伸び率を二二・四%に抑え、福祉の後退を前面に打ち出しております。その典型的な例として老人医療の無料化を有料化する、また児童手当制度についても五十一年度は手当額の引き上げを行わず、さらに五十二年度にはこの制度自体を廃止しようとしている点であります。このほかにも大事な問題は、老齢福祉年金の引き上げについて、財政難を理由にその引き上げ幅を千五百円にとどめております。こうした政府の姿勢は、まさに社会的不公平是正を放棄した態度にほかなりません。また健保の一部負担金、年金保険料の大幅引き上げなど国民負担の増大を意図しており、こういった国民生活軽視の姿勢は断じて容認できないものであります。  以上、この予算案に対し主な反対理由を挙げて討論を終わるものであります。(拍手)
  22. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) これにて討論を終局いたしました。  これより三案を一括して採決いたします。  表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  23. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  24. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  25. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十票   白色票          百二十五票   青色票           百十五票  よって、三案は可決されました。(拍手)      ―――――・―――――   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百二十五名       安孫子藤吉君    青井 政美君       有田 一寿君    井上 吉夫君       伊藤 五郎君    岩動 道行君       石破 二朗君    石本  茂君       糸山英太郎君    稲嶺 一郎君       今泉 正二君    岩男 頴一君       岩上 妙子君    上田  稔君       上原 正吉君    植木 光教君       江藤  智君    遠藤  要君       小笠 公韶君    小川 半次君       大島 友治君    大鷹 淑子君       大谷藤之助君    大森 久司君       岡田  広君    岡本  悟君       長田 裕二君    鹿島 俊雄君       梶木 又三君    片山 正英君       金井 元彦君    上條 勝久君       亀井 久興君    川野 辺静君       河本嘉久蔵君    神田  博君       木内 四郎君    木村 睦男君       久次米健太郎君    久保田藤麿君       楠  正俊君    熊谷太三郎君       黒住 忠行君    剱木 亨弘君       源田  実君    小林 国司君       古賀雷四郎君    郡  祐一君       佐多 宗二君    佐藤 信二君       佐藤  隆君    斎藤栄三郎君       斎藤 十朗君    坂野 重信君       迫水 久常君    山東 昭子君       志村 愛子君    塩見 俊二君       嶋崎  均君    新谷寅三郎君       菅野 儀作君    鈴木 省吾君       世耕 政隆君    園田 清充君       高田 浩運君    高橋 邦雄君       高橋 誉冨君    高橋雄之助君       橘直  治君    棚辺 四郎君       玉置 和郎君    土屋 義彦君       寺下 岩蔵君    寺本 廣作君       戸塚 進也君    徳永 正利君       内藤誉三郎君    中西 一郎君       中村 太郎君    中村 禎二君       中村 登美君    中山 太郎君       永野 嚴雄君    夏目 忠雄君       鍋島 直紹君    西村 尚治君       温水 三郎君    橋本 繁蔵君       秦野  章君    初村滝一郎君       鳩山威一郎君    林  ゆう君       林田悠紀夫君    原 文兵衛君       桧垣徳太郎君    平井 卓志君       平泉  渉君    福井  勇君       福岡日出麿君    藤井 丙午君       藤川 一秋君    藤田 正明君       二木 謙吾君    細川 護煕君       前田佳都男君    増田  盛君       増原 恵吉君    町村 金五君       丸茂 重貞君    宮崎 正雄君       宮田  輝君    最上  進君       望月 邦夫君    森下  泰君       八木 一郎君    矢野  登君       安井  謙君    安田 隆明君       柳田桃太郎君    山崎 竜男君       山本茂一郎君    山内 一郎君       吉田  実君    吉武 恵市君       亘  四郎君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名      百十五名       阿具根 登君    青木 薪次君       赤桐  操君    茜ケ久保重光君       秋山 長造君    案納  勝君       上田  哲君    小野  明君       大塚  喬君    加瀬  完君       粕谷 照美君    片岡 勝治君       片山 甚市君    川村 清一君       神沢  浄君    久保  亘君       工藤 良平君    栗原 俊夫君       小谷  守君    小柳  勇君       小山 一平君    佐々木静子君       杉山善太郎君    鈴木美枝子君       鈴木  力君    瀬谷 英行君       田中寿美子君    竹田 現照君       竹田 四郎君    対馬 孝且君       辻  一彦君    鶴園 哲夫君       寺田 熊雄君    田  英夫君       戸叶  武君    戸田 菊雄君       中村 波男君    野口 忠夫君       野田  哲君    野々山一三君       羽生 三七君    秦   豊君       浜本 万三君    福間 知之君       藤田  進君    前川  旦君       松永 忠二君    松本 英一君       宮之原貞光君    村田 秀三君       目黒今朝次郎君    森  勝治君       森下 昭司君    森中 守義君       矢田部 理君    安永 英雄君       山崎  昇君    吉田忠三郎君       和田 静夫君    阿部 憲一君       相沢 武彦君    内田 善利君       太田 淳夫君    柏原 ヤス君       上林繁次郎君    黒柳  明君       桑名 義治君    小平 芳平君       塩出 啓典君    白木義一郎君       鈴木 一弘君    田代富士男君       多田 省吾君    中尾 辰義君       二宮 文造君    原田  立君       藤原 房雄君    三木 忠雄君       峯山 昭範君    矢追 秀彦君       矢原 秀男君    山田 徹一君       岩間 正男君    上田耕一郎君       小笠原貞子君    加藤  進君       春日 正一君    神谷信之助君       河田 賢治君    沓脱タケ子君       小巻 敏雄君    近藤 忠孝君       須藤 五郎君    立木  洋君       塚田 大願君    内藤  功君       野坂 參三君    橋本  敦君       星野  力君    山中 郁子君       渡辺  武君    木島 則夫君       栗林 卓司君    田渕 哲也君       中沢伊登子君    中村 利次君       藤井 恒男君    向井 長年君       和田 春生君    青島 幸男君       市川 房枝君    喜屋武眞榮君       下村  泰君    野末 陳平君       松岡 克由君      ―――――・―――――
  26. 河野謙三

    ○議長(河野謙三君) 本日はこれにて散会いたします。   午後九時四十八分散会