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1975-12-18 第76回国会 参議院 農林水産委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和五十年十二月十八日(木曜日)    午前十時二十八分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月十六日     辞任         補欠選任      青井 政美君     柳田桃太郎君      小笠原貞子君     安武 洋子君      向井 長年君     中沢伊登子君  十二月十七日     辞任         補欠選任      柳田桃太郎君     青井 政美君      相沢 武彦君     桑名 義治君      中沢伊登子君     向井 長年君  十二月十八日     辞任         補欠選任      桑名 義治君     相沢 武彦君      安武 洋子君     小笠原貞子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり     委員長         佐藤  隆君     理 事                 小林 国司君                 高橋雄之助君                 川村 清一君                 神沢  浄君                 原田  立君     委 員                 青井 政美君                久次米健太郎君                 鈴木 省吾君                 温水 三郎君                 初村滝一郎君                 山内 一郎君                 工藤 良平君                 栗原 俊夫君                 志苫  裕君                 鶴園 哲夫君                 相沢 武彦君                 小笠原貞子君                 向井 長年君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        農 林 大 臣  安倍晋太郎君    政府委員        農林大臣官房長  森  整治君        農林省農林経済        局長       吉岡  裕君        農林省構造改善        局長       岡安  誠君        農林省農産園芸        局長       澤邊  守君        農林省畜産局長  大場 敏彦君        農林省食品流通        局長       今村 宣夫君        食糧庁長官   大河原太一郎君        林野庁長官    松形 祐堯君        水産庁長官    内村 良英君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        大蔵省理財局資        金第二課長    行天 豊雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (当面の農林水産行政に関する件) ○甘しよ及び甘しよでん粉価格の引上げ等に関す  る請願(第一二一号) ○米作農家の経営安定に関する請願(第一二七  号) ○漁業経営の危機救済に関する請願(第七二七  号) ○昭和五十年産米穀の政府買入数量の限度引上げ  に関する請願(第九七一号) ○干ばつ被害に対する「天災融資法」の発動等に  関する請願(第一〇八七号) ○太平洋中型さけ・ます流し網漁業に係る漁獲物  の陸揚港の選定に関する請願(第一一〇八号) ○昭和五十年産予約限度超過米の政府買入れに関  する請願(第一一〇九号) ○水田総合利用対策における葉たばこの取扱いに  関する請願(第一一一〇号) ○昭和五十年産米の事前売渡申込限度数量の増わ  くに関する請願(第一二八〇号)(第一二九九  号) ○全国農村保健研修センターの設置助成に関する  請願(第一二八一号)(第一三〇二号) ○乾繭、絹撚糸、絹紡糸、絹織物等の輸入規制に  関する請願(第一二八二号)(第一三〇〇号) ○中国食肉輸入禁止解除に関する請願(第一三七  二号) ○繭、絹撚糸、絹織物等の輸入規制に関する請願  (第一四六三号) ○農業災害補償制度の改正に関する請願(第一四  六四号) ○昭和五十年産米事前売渡申込限度数量超過米の  買入れ措置に関する請願(第一四六五号) ○超過米の政府全量買上げ等に関する請願(第一  八四四号) ○中国産輸入羊腸消毒免除に関する請願(第一九  八二号) ○消費者と牛乳販売業者を犠牲にする牛乳代値上  げ反対等に関する請願(第二四一三号)(第二  四五六号) ○絹糸類等の輸入規制に関する請願(第三三五五  号) ○淡水区水産研究所の存続に関する請願(第三三  七三号)(第三三七八号)(第三七六九号)  (第四四〇〇号) ○果樹農家の経営安定に関する請願(第三六六四  号)(第四七一四号) ○米国産さくらんぼうの輸入解禁阻止に関する請  願(第三八五三号) ○ソ連漁船団の操業から沿岸漁民の操業権、生活  権の保護に関する請願(第四四〇二号)(第六  六〇一号) ○国内産いも及びいもでん粉対策に関する請願  (第六二九七号) ○蚕糸業の発展と養蚕農民の経営安定等に関する  請願(第六三九七号) ○農業用資材価格の引下げ等に関する請願(第六  三九八号) ○野菜の振興と野菜作農民の経営安定等に関する  請願(第六三九九号) ○軽種馬生産者の生活と経営を守る緊急対策に関  する請願(第六六〇二号) ○継続審査要求に関する件 ○継続調査要求に関する件     ―――――――――――――
  2. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査のうち、当面の農林水産行政に関する件を議題といたします。  これより本件の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 臨時国会もいよいよ最終段階に入りました。本来ならば、通常国会でいろいろと質疑しなきゃならぬ問題が多いんでありますが、この際でありますので安倍農政の、最終的な段階において、日本農政の基本姿勢をお伺いしたいと思うんです。  それは昨年、安倍農林大臣がさっそうと、守る農政から攻める農政へという旗印のもとに登場して、一年経過しました。過去一年を振り返ってみますというと、いろいろと功罪があるわけであります。特に批判もたくさんあるわけでありますが、時間もございませんので、そうした問題には触れずに、五十一年度の予算編成を前にして、安倍農政は基本的にどういう姿勢で入っていこうとするのか、過去一年を振り返り、また迎える年を展望して、基本的にどういうところへポイントを置いて構えていくのか、まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
  4. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 私が農政を担当いたしましてから一年たったわけでございますが、微力ではございましたけれど、全力を挙げてがんばってまいったわけでありますが、私は、一番初めにも申し上げましたように、やはり農政はまさに大きな転換期に立っておる。国際的な農産物の情勢、食糧問題というものは緊迫の度を加えておる。あるいは国内的にも、高度成長から安定成長へと移る過程で、経済的な地殻変動が起こっておる。そういう状況を踏まえて農政自体も転換期に立っておる。そういう中にあって、農政が志向する道は、何といいましても、食糧問題が、いわば国の安全保障にもつながる問題であるという基本的な認識のもとに立って、農政をただ、農業のサイドあるいは漁業のサイドからこれを見つめるということでなくて、全体的なやはり国政問題の重要課題としてこれを取り上げるべきである。そういう基本的な考え方で進めてまいったわけでございます。  その間、困難な問題にもいろいろと遭遇をいたしたわけでございますが、解決ができた問題もありますし未解決の問題もあるわけでございまして、その間いろいろと御批判もあったわけでございますが、私は、そうした、さきに申し上げましたような基本的な考え方で農政を進めてまいりまして、その間に農政審議会から、「農産物の需要と生産の長期見通し」につきましての御答申も得ました。あるいはさらにまた、国民食糧会議を開いて国民各層の御意見も承ったわけでございます。そうした御意見を集約しつつ、農林省全体といたしまして、これからの十年を踏まえた新しい農業政策、漁業政策も含めた政策を打ち出していかなければならないということで、検討に検討を重ねまして、御案内のように、総合食糧政策の展開と稱する長期的な視点に立ったところの新政策を打ち出したわけでございます。これは私は、今後長期間にわたって変わらないわが国の農政の基本的な一つの政策であるというふうに考えておるわけでございます。そうした基本的な政策をまずスタートさせるためには、明年度予算というものが非常に重要になってくるわけでございまして、私は、この総合食糧政策の展開をまず明年度をスタートとして、しっかりこれを位置づけなければならない。そしてこれからの十年に向かって着実に進んでいく一つの大きな礎石を、来年度予算には築き上げなければならないという考え方に立っておるわけでございます。いよいよ予算編成も近いわけでございます。私ももちろん全力を挙げてこうした考え方のもとに取り組んでいく決意でございますが、どうかひとつ御協力のほどお願い申し上げたいと思うわけであります。
  5. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 基本的な方向づけは一応わかったわけでありますが、具体的にこれがどう展開されるかが実際の問題であります。  そこで、お尋ねしたいのは、先般三木総理がフランスにおける会議に出かけて、日本の国は、わずか四つの島に一億一千万も住んでおる。原料もない、あるのは労力、技術だ。原料を輸入して加工して輸出する加工貿易の国なんだ。こういう中から貿易自由の原則を強く主張された。しかし、このことは確かに日本の行く道であろうと思うのですが、その中で食糧を中心とした第一次産業である農業は一体どういう立場に立つか。こういう問題等について、三木さんが自由貿易を主張するのはいいけれども、その間に、農業というものについて何か留保するというような話し合い等が、農林大臣との間になされておるのか、あるいは農林大臣から、貿易自由原則を主張するのはいいけれども、一次産業である農業等々についてはこういうことが配慮されなければならない、という申し入れ等がなされておるのか。その間の事情がありましたらお話を願いたい。
  6. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国は、従来から自由で開放的な経済体制のもとでの貿易を基本原則としておるわけでございます。ランブイエ会談におきましても、三木総理はこの原則を再確認されたものと考えておるわけでございます。このような原則はすべての西側諸国において当然のこととして受けとめられておるわけでありますが、個々の貿易問題につきましては種々の要因により必ずしもそのままこの原則が当てはまるわけではなくて、特に農産物貿易については、ほとんどの国におきまして何らかの制限が加えられておる状況にあるわけでございます。これは日本だけでなく、ほとんどの国々においてそういう状況でございます。このようなことから三木総理が、ランブイエ会談で促進方を強調された新国際ラウンドの開始を決めた東京宣言におきましても、農業に関し、その特殊性及び特別な問題を考慮に入れた交渉のアプローチをとるということが合意をされております、私は、まあ農産物貿易につきましては、一般原則に立ちながらも、その特殊性及び特別な問題を考慮に入れて考えていく必要があると考えておるわけでございますし、もちろん三木総理がランブイエ会談に出発されるに当たりましても、そうした私の農産物貿易についての基本的な考え方、わが国の考え方については申し上げておいたわけでございますので、もちろん三木総理もそういうことは踏まえて、以上のような立場で発言をされたものというふうに考えておるわけであります。
  7. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 続いて、ただいま宮澤外務大臣が、国際経済協力会議に出席しておりますが、この会議でも、南北の対話の中で、一次産品というものが大きな議題になっておる。やはり一次産品にかかわるものは国際的に大きな問題になっておりますが、それは単に国際的な問題だけでなくって、やはり国内的にも大きな問題になると思うんですね。したがいまして、今回の宮澤外務大臣が会議に参加するに当たって、特にこれまた日本の農業その他一次産業等についての関連を特に主張する、こういうような関連でお話し合いが持たれましたですか。
  8. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいま行われておる国際会議に、わが国から宮澤外務大臣が出席をされたわけでございますが、一次産品の問題あるいは農業の問題が議論をされるということであるならば、いま私が申し上げましたように、わが国としては、農業につきましては一般的な国際貿易自由化の原則に立ちつつも、農業そのもののやはり特殊性というものを十分背景にして問題を処理すべきである、ということについては、宮澤外務大臣もその認識を持って、そういう立場で会議において発言されることであるというふうに考えておるわけであります。私も数回の国際会議に出席をいたしたわけでございますが、私も含めて、政府全体として、ただいま申し上げましたような農業問題についての考え方に、政府としては統一をいたしておるわけであります。
  9. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 まあ、三木総理も、宮澤外務大臣も恐らくそうであろうと、こういうお話なんですが、私は、やはり日本の農業を担当しておる農林大臣として、国際的には自由貿易が必要なんだ、わが国としてもそうなんだということの中で、あるいは南北の対話の中で、特に南の側から一次産品がたくさん輸出されなければならぬという状況の中で、日本の国内の農業を守るのにどうしなくちゃならぬか、ということを強くやはり主張し、考え方を持っていってもらうような、積極的な努力が必要だったんではないか、まあこのように思うわけです。端的に言えば、たとえば小麦がたくさん入ってくる。後から、同僚議員からも発言があると思いますが、甘味の問題がある。あるいは直接、食糧ではないけれども、後ほど少しく詳しくお尋ねしたいと思う生糸関係の問題等々がある。こういう問題を純然たる経済主義にのっとって、同じものなら安い方がいいんだということに徹していくのかどうか。そうではなくって、農業を守るためにはそういう中でこういうことをしなきゃならぬのだ、ということを積極的に打ち出さねばならぬと思うのですけれども、その点に対する基本的な大臣の考え方はいかがでございますか。
  10. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) これは自由貿易の原則は、もちろん国際的には先進諸国間で合意されておるわけでありますけれども、そういう中にあって農産物については、これはやはり特殊な問題があるということは、お互いの国がそれぞれそういう立場で農産物貿易に対処いたしておりますから、その点については理解が十分進んでおる。また、わが国も農産物問題について発言する場合においては、いま申し上げましたような、農業は特殊な状況にある、特殊な立場にあるということを力説しながらいつも述べておるわけであります。この点は各国ともお互いに理解をしておる。ECにおきましても、アメリカにおきましても、自由貿易の中にあって農産物についてはある程度の保護を加えておることは御承知のとおりでございます。
  11. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 先ほど大臣から、食糧の自給は国の自衛のために絶対に必要なんだというような話がございました。そういう観点に立って、これからの食糧自給を中心にした農政を打ち立てる十カ年の計画も、これから五十一年度を第一年度として出発する、こういうお話であります。その考え方には全く同感でありますが、そこでお尋ねしたいのは、先般の当委員会で、同僚の鶴園君から農業基本法の問題について質問がありました。新聞報道によれば、農業団体また与党自民党との間で農業基本法の全面改正をしようと、こういうことなんですが、どうも当時の大臣の答弁は、いやいや、農業基本法は農業の憲法であり、このままでいいんだ、というような答弁があったように思うんですが、そのように理解していいんですか。
  12. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業基本法は、農政の基本的な考え方が広い角度から織り込まれておるわけでありまして、いわば農政の憲法のようなものでございます。その基本的な考え方は、私は、現在におきましても十分適合性を持ったものであるというふうに考えております。したがって、この農政の憲法であるところの農業基本法の改正といったような問題につきましては、これはもう非常に重要でございますから、軽々しくこれを扱うべきでないというのが私の基本的な考え方でございます。  しかし、農業基本法が実施をされてから、昭和三十五年以来時がたっておるわけでありまして、その運用面におきましては、その時代の社会、経済情勢に応じて具体的な施策を展開していく必要があることは言うまでもないわけでありまして、現に政府は、農業基本法に基づくところの「農産物の需要と生産の長期見通し」において、農産物の自給力の向上を政策目標として掲げ、また農政審議会の建議、「食糧問題の展望と食糧政策の方向」、この建議の方向に従いまして今後の政策を打ち出しておるところでございます。いわゆる総合食糧政策の展開でございまして、なお、その政策の方向につきましては、内閣で開催をいたしました国民食糧会議においても国民的な合意が得られておると考えております。したがって、私といたしましては、目下この政策内容を盛り込んだ明年度予算が編成できるよう全力を傾注しておるところでございまして、まず私は、やはり来年度の予算を充実させるということが先決ではないだろうか、そういうふうに考えておりまして、したがって、農業基本法を現在改正する必要があるというふうには考えていないわけでございます。私の考え方は、前回の委員会で申し上げた点と変わらないわけでございまして、自由民主党の方でいろいろと御論議が行われておるということは聞いておるわけでございますが、政府はこれに意見を求められておるとか、あるいはこれに対してタッチしておるという段階ではないわけでございまして、私の考え方は変わらないわけであります。
  13. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 なかなかどうもがんこなものだと思って感心しているんですが、いま少し柔軟に物を考える大臣になってもちいたいと思うんですね。確かにただいまお読みになった文言の面からすれば、農業基本法もなかなかみごとに書いてあることは、それは認めますけれども、大体、農業基本法の血液がいまの事情に合わぬのですよ。大体、米麦中心農業から選択的拡大の方向を目ざしてと、こういうことで当時論議されて、主食が足らなくなったらどうするかと、それは銭があれば買えばいいじゃないか、というのがこの立法のときの担当大臣の発言でもあり、そういう血の流れた農業基本法なんですね。ですから、やはり与党の青井さんあたりからも、昨年の当委員会でも、強く改正を示唆されておりましたけれども、やはりいま少し柔軟な考え方で、農業基本法の精神を入れかえるというような立場に立った方向をとってもらいたいと私は思うんです。余りがんこにやらずに、党の方ではそうかもしらぬけれども、政府は、てなことを言わずに、いま少し実情に即した考えに立って、やはり農業基本法を改正しなきゃならぬと――そういう時期が来ていますよ。大臣ががんばっておってもそうやらざるを得なくなりますから、これは私はあらかじめ予告しておきますよ。それまで大臣でおるかどうかわからんですけれども、とにかくそれはもう書きかえなきゃならぬ。特に食糧自給を中心にしてということになれば、たとえ宣言的な文言であっても、日本の農業は食糧自給を担当する基礎産業なんだ、というようなことをばっちりとうたった農業基本法をつくる。さらにまあ、きょうは時間がございませんから、そういう内容論議には入る時間もありませんけれども、やはり特に今日までのあり方を見るというと、農業基本法は、それと並行して進んできた経済の高度成長の裏づけのための農業基本法だと、こう言っても差し支えないような運営がなされてきた。これは法の精神と違った運営したんだと、大臣のあり方ではそう説明しそうなんですけれども。とにかく食糧も海外から買えばいいんだと、さらにまた、農地は新都市計画法等々をつくって、そして土地というものを農民から取り上げていく、さらには水を取り上げていく、いろいろな運営があらゆる方面からなされてきた。こういう、言うならば農業基本法は農業の憲法だと言いながら、農業に奉仕するのではなくて、要するに経済の高度成長に奉仕してきた、こういうのが実態だと思うんですね。だから、こういうものはやはりころりと方向を変えて、本当に食糧自給を中心とした基礎産業としての農業づくり、こういうものを中心とした農業基本法の改正と、こういうものが必要なんじゃないですか。  特にいままでのあり方を見ますと、農業の関連産業というものが主客転倒しておる。肥料にしても、飼料にしても、農機具にしても、農薬にしても、そういう産業のために農業が付随しているかのようなあり方なんです。それは実は逆で、農業が主であって、農業の必要物資として肥料もあり、農機具もあり、農薬もあり、こういうことになっていかなきゃならぬ。こういう方向づけと、あるいはまた、私はいつも農民にも話しておるんだけれども、これには非常な問題がある。確かに他産業並みの農業を――農民生活を守るために基盤整備をする、構造改善事業をやる、そして農業を近代化、機械化する、こうした中で必ず農民の生活というものは他産業並みになるんだと、こう説明がされてきましたけれども、確かにそのことはいいことですよ。いいことです。けれども、しかし落とし穴がある。構造改善事業をやり土地の生産性を上げる、近代化、機械化して労働力の生産性を上げる、いい物がたくさんできる。ところがそこに、いい物がたくさんできれば安いのはあたりまえではないかという価格政策の落とし穴がある。こういうことですから、やはり農業基本法の中には価格支持というものをしっかり守る、これは国際関連で労働力の安い国からいろいろ進出してくるものと相対峙しなきゃなりませんから、やはり価格支持を国内的にはめんどうを見ていかなきゃならぬ。それには無政府生産じゃだめだから計画生産が必要なんだというようなこと。あるいはまた、今回、公労協でいろいろ問題になりましたけれども、近ごろこうしたものに関連して農民も権利意識が芽生えてきました。農民にも団結権、団体交渉権があっていいんではないかというような議論が出てきておりますけれども、こうした問題等々の方向づけ等々を規定したやはり農業基本法、これが農業の憲法なんだという形に、まさに守る農政から攻める農政へと大きな旗を打ち振るう安倍農林大臣の手でぜひやってもらいたいと思うんですけども、やはりいままでの農基法でいいんだとがんばりますか。
  14. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 栗原委員もあの農業基本法が論議されるときに非常に活発に論戦に参加されておったことは私も覚えておるわけでございますが、当時論議された結果、農業基本法が生まれた。そして私は、今日もこの農業基本法、もう何回も読み直してみましても、これは今日といえども間違いはないと、一体どこが悪いんだろうかと、どこを改正する必要があるんだろうかと実は思わざるを得ないわけでございます。もちろん当時は、社会党は社会党としての農業基本法を御提出になりまして、その間においていろいろと論戦が交わされたわけでございますが、私は、たとえばいまお話がありました食糧自給力の問題につきましても、農業総生産の拡大、増大というふうなことをはっきりと明記をいたしておりまして、そういう中でこれははっきりと打ち出されておりますし、農業の位置づけ、あるいはいわば農政哲学といいますか、そういった面もこの農業基本法の中には今日の時代においても変わらざるものを持った形ではっきりと打ち出されておるというふうに思います。したがって、その間に高度成長が行なわれまして、農業をめぐるところの諸情勢というのは大きく変化をいたしておるわけでありますけれど、しかし、こうした基本的な農業に対する考え方というものは、これは私は今日といえども変わってないんじゃないかと、何度こう読み直してみてもそういうふうに思わざるを得ないわけでございまして、自民党の中で、したがってどういう点を一体変えようとするのかというふうに実は思っておるわけでございます。もちろん広い立場から私は研究はしなければならぬ、これは当然のことであると思いますが、私は、やはりああした問題を改正する、しないというふうに打ち出す場合に当たっては、もっともっと慎重にやっぱり広く研究、検討を重ねて、その結果生まれる結論でなければならないのじゃないか。農業基本法が制定されるに当たりましても、御案内のように、三年間にわたりまして長い期間を通じての研さん、研究等の結論として農業基本法というものが打ち出されたわけでございます。したがって、これは栗原さんの立場からすれば、これはもう大体、初め農業基本法そのものがこれは間違っておるという考え方に立たれておったわけでございますから、あの当時から。ですから、いまの農業基本法ではだめだ、という考え方に立たれておりますから、改正ということは当然の御主張であると思うわけでございますが、私はいま申し上げましたような考え方ですから、したがって、やっぱりこれは軽々にやはり何か人気とり的な立場で、こういうものを取り扱うのは筋が違うのじゃないか。もっと広く研究をし、検討を重ねた結果、そこにやはりこれからの新しい時代に適応する農政として新しい農業基本法が必要である、ということが出るならば、それは一つの意味があると思うわけです。で、その間に、そういう問題が打ち出される前に、もっともっとやっぱり研究、検討というものをまじめにやらなきゃならぬ。それを無視して、ただ改正、改正と言うのは、これはおかしいのじゃないか、こういうふうに言っておるわけであります。
  15. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 まあ、聞き捨てならないことで、まじめにやらなきゃならぬというのは、不まじめでやっている部分があるな、という受けとめ方をすると、ちょっと腹を立てなきゃならぬわけですけれども、基本法論争は、いずれ通常国会で時間をかけてゆっくりこれはやりましょう。  そこで、先ほども言いましたとおり、自由貿易を原則にひとつ大いにやっていくという三木内閣、そしてその中で、ある程度は考えなきゃならぬという一次産品、そういうことは考えてはおっても、食糧さえいろいろと問題が多い中で、従来の伝統産業である蚕糸業、これが大変窮地に追い込まれて、特に養蚕農家あるいは製糸企業ばかりでなくって、さらにその上層部の加工織物、いわゆる絹業までどうにもならぬという状況になってきておることは御承知のとおりでありますが、これはますます苦しい場面に追い込まれていく、こういう状況にあります。そこで、蚕糸業、絹業の将来の展望、こういうものについてどのように政府は考えておられるか、これは。
  16. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 先にちょっとやります。
  17. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 じゃ、大臣からひとつ。
  18. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国の生糸、絹事業は、和装が国民生活に強く定着しておるところから、景気変動はあるものの、一今後とも現在の需要量を長期的に維持していくものであるというふうに考えておるわけです。で、このような見通しのもとで、わが国蚕糸業は、地域農業経営の重要な一部門でございます。また、重要な農蚕加工業でございまして、絹業とともに今後とも伝統的な民族産業としてその安定、維持、発展を図っていくことが必要であると基本的に考えております。このために、従来から蚕糸価格安定制度によりまして繭及び生糸の価格安定を図るとともに、各種の養蚕業生産振興対策を講じ、蚕糸業の振興に努めておるところでございますが、今後とも、そうした基本的な立場に立って施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
  19. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 まあ、かつてアメリカが日本の生糸の重大消費地であったわけですが、今日は一つも輸出されていない。生糸は国内消費であり、しかも国内消費が国内生産を上回って輸入国になっておる。一体なぜこうなったのか、アメリカはなぜ生糸を使わなくなったのか。そのあり方によっては、日本国内でも生糸を使わなくなる心配が起こりはせぬか、こういうことですが、これらについての御理解はどんな認識でございましょうか。
  20. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 御承知のように、アメリカの生糸需要は、昭和の初めには約六十万俵というピークの水準に達しまして、その当時の用途は、くつ下需要が大部分であったということでございますが、ナイロンのくつ下にとってかわられたということによりまして減退をしました。それにかわるものとして、高級なドレス等の洋装地を主たる用途としてきたわけでございます。三十年代になりましてからは、いまのような事情がございまして、十万俵弱というようなアメリカの需要規模に推移してきました。その後、また四十年代に入りまして、アメリカの絹織物の絹製織の技術者の不足とか、あるいはまた繊維産業の近代化の要請に伴いまして、価格変動の非常に大きい天然繊維であります生糸が、非常に使いにくくなったというような面。これは原料の価格の変動が、他の繊維原料に比べて非常に大きいということのために、生糸を使うことを避けてくるというような傾向があらわれ、またそれに対しまして、わが国の生糸の輸出余力も減退をしてくるというようなことによりまして、四十九年の例で見ますと、生糸、絹製品合計で、アメリカの需要規模は約一万二千俵というふうに言われておるわけでございます。このような歴史的な経過を見ますと、やはり生糸の需要というのは、生糸関連の加工製造関係の企業の寄与といいますか、産業の動向と非常に関連が大きいということが言えるわけでございます。  そういう点からいたしますと、わが国の国内問題といたしましても、生糸の産業、その前提になる養蚕、製糸の産業を、先ほど大臣からお答えしましたように、安定的に伸ばしていくということのためには、生糸を需要する絹織物、絹製品の業界といわば共存共栄といいますか、そういう形で伸ばしていくということが特に必要ではないか。織物業界の安定的な発展ということに、原料生産者である養蚕、生糸も協力していくというようなことをやらないと、アメリカの例で申し上げましたように、絹織物産業自体が衰退するというようなことになるおそれもあるということでございまして、価格安定対策、あるいは流通対策等、あるいは品質の問題につきましても、共存共栄という基本的な考え方に立って今後対処していくべきである、このように考えておるわけでございます。
  21. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 わかったような、わからぬような説明なんですが、アメリカで消費が減っていったということは、生糸を加工する業者が扱わなくなったから消費が減ったのか。最終消費者ですね、ユーザーが、生糸に対する魅力を失って、絹織物というものから離れちゃったのだ、こういうことなんですか、その辺はどう分析しているのですか。
  22. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) ただいまお答えしましたように二つの面があると思います。化学繊維との競争におきまして、くつ下の場合の例のように圧倒されたという点、これは需要者側の動向に十分に対処できなかったという面があるわけでございます。もう一面といたしまして、絹の織物関係の産業から見まして、原料の生糸の価格が非常に不安定であるということが、他の繊維原料と比べて産業として不利な面がある、ということのために生糸から他の繊維産業に移っていった、という両面があるというふうに考えております。
  23. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 いまや日本の養蚕業は完全に国内産業になって、むしろ生産が足らなくて、輸入までするような状況になっているわけですが、国内の需要の展望というものはどのように見ておられますか。
  24. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 最近の動向からも見られますように、景気の変動あるいは経済の成長の度合い等によってかなり大きく影響を受けるわけでございますが、農林省といたしましては、先般出しました長期見通しにおきましては、需要は大体年率一・八%ぐらいで伸びるのではないかというような展望をいたしております。
  25. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 たとえ一・八でも、伸びるという展望を持っておるわけですか。
  26. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 六十年の長期的な展望でございますので。現段階では最近非常に需要が冷えておりますので、そのような現状が続くとすれば、大き過ぎるんじゃないかという見方もあるいはあろうかと思いますけれども、私どもは、安定成長とは言え、経済全体としては伸びていく。これまでのような高度成長ではないにしろ伸びていくという前提に立ちますれば、長期的にはただいま申し上げましたような伸びは、努力をすれば期待できるのではないか、かように考えております。
  27. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 そうすると、養蚕家に対して国内需要はたとえ微々たる数字であるけれども、伸びていく展望だ、だから、安心して業につけと。こう胸を張って大号令が出せますか。
  28. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 需要の面ではもちろん、ただいま申し上げたようなことでございますけれども、生産面につきましては、御承知のように海外からの輸入が非常にふえておる。あるいはまた、世界的に見ましても、現状におきましては、過剰生産であるというような事態がありますので、相当経営努力をいたしまして生産性を上げ、国際競争力を高めていくということが、生産面では要請されますので、そのような努力をするということによりまして――努力をするならば、その需要にこたえるだけの国内生産を、全面的に自給率一〇〇%というわけではございませんけれども、現状をやや上回る程度の自給率を確保しながら生産を伸ばしていくということが目標として妥当ではないか、こういうふうに考えております。
  29. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 養蚕、製糸、繭業集まって大会を持つ、そして、やはりいま御説明のあった海外からの圧迫に大変な危機を感じておる。相手は主として韓国、中国であると、こういうことなんですが、そういう中で一元輸入の措置がとられておるわけですが、これをくぐって撚糸になりあるいは織物になって入ってくる。これに対して、これは単に農林省だけでなくて、通産省にまで関連が及ぶ場面と聞いております。撚糸とか加工されたもの、これは通産省関係ですね。そういうものをこれからどのようにして養蚕、製糸こうしたものを守るために措置していこうとしておるのか、この辺について御説明を願います。
  30. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 御承知のように、現在、繭糸価格安定制度によりまして、国内の価格を一定の安定帯の中におさめるという仕組みになっておりますが、それを補完するものといたしまして、生糸につきましては一元輸入ができる、蚕糸事業団によります一元輸入ができるという仕組みになっておるわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、最近、韓国からの絹撚糸の輸入、中国からの絹織物の輸入というものが非常に増加をいたしておりまして、一-十月の数字で申し上げますと、韓国から撚糸は前年に比べて百二十六倍になっておる。もとの数字が比較的小さかったこともありますけれども、いずれにしても、非常に著増をいたしておる。それからまあ生糸、撚糸、絹織物全体を通じまして中国、韓国その他の国を含めますと一月から十月までで一七%ふえておるという数字になっております。そのような一元輸入の枠外にございます絹撚糸なり絹織物の輸入が著増いたしておりますので、関連の撚糸業界あるいは絹織物業界の一部が非常に圧迫をされて困っておるということと同時に、養蚕、製糸の立場からとりましても、一元輸入によって価格が安定するということが空洞化するおそれがあるということで、われわれは心配をいたしておるわけでございます。  御承知のように、現在、畜産振興事業団は、一元輸入によりまして輸入いたしました生糸、国内で買いました生糸を含めまして五万六千俵ばかり持っているわけでございます。それが現在、市場に売れないという状況でございます。価格は、幸いにして事業団のそのような在庫操作によりまして一応安定帯の中におさまっておりますけれども、将来に対して非常に大きな不安を持っておるということでございますので、私どもといたしましては、生糸の一元輸入だけではだめであって、絹撚糸、絹織物の少なくとも一部を含めました総合的な輸入の計画化といいますか、秩序化につきまして何らかの措置をとる必要がある、このように考えております。  撚糸以降の製品につきましては所管が通産省でございますので、通産省とも協議をいたしまして、早急に結論を得て、生糸から絹織物まで一貫した総合的な輸入の秩序化を、実効あらしめるような措置を考えたいということで、検討を急いでおるところでございます。
  31. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 わが国が、輸出産業であったものが輸入産業にまで転化してしまった。総需要に対して国内生産が足らない、足らない部分を海外に求める。その相手が主として韓国であり中国であると、こういうことなんですね。その中の糸の部分を一応、一元輸入で規制をしておる。そこで、まあいろいろな方法がありましょうけれども、これを単に強権的に制度的に輸入を規制するということではなくて、繭、糸、加工糸、織物、こうしたものを、総合的に足らないものをはじき出すと同時に、相手国と話し合いの中で総量を決めていく。決まった以上はそれぞれ自主規制をする。こういうような形でやっていく方法というものは、これはないものなのでしょうか。
  32. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) ただいまおっしゃいましたような輸出国と協議をいたしまして、何らかの自主的な貿易の秩序化を図っていくということは非常に大事なことだと思います。現に通産省では、韓国と絹撚糸につきまして輸入の自主規制を求め、九月の二十日から約一カ月間は月二千俵というようなことを決めまして、その後の月別の輸入量につきましてはまだ話がついておりませんけれども、そのような努力をいたしておりますし、絹織物につきましても中国からの輸入につきまして、現在事前承認制をとっておるわけでございます。これらは輸出国との話し合い、あるいは話し合いがまとまらない段階でわが方で自主的にやっておる面もございますけれども、今後の生糸から絹製品を含めました総合的な輸入の秩序化を図りますためには、当然輸入国の立場だけではなくして、輸出国の立場も考えなければいけないことは当然でございますので、主要な輸出国であります中国なりあるいは韓国と協議の場を持ちまして、話し合いでできるだけ進めていくということが、私は、先ほど申しましたような国内的な種々の対策を講ずる前提として、当然やるべきことであるというふうに考えます。
  33. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 韓国、中国が相手側でありますが、それぞれかなり民間的にも話が進み、韓国とは、いまお話があったような政府間で話が進む。ところが、中国から言わせると、どうも韓国とは話は決まったように聞いておるけれども、内容的にはどうも話が違うではないか、というような批判も出ておるというようなことですが、そういう点については別にあれですか、表へあらわれたもの、約束事と具体的に行われたものが大きく開きが出て、他から批判を受ける、あるいは違うではないか、というような、そういうような事実などはあらわれてはおらぬのですか。
  34. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 直接的には通産省の所管のことでございますけれども、私の聞いておりますところでは、先ほど言いましたように、絹撚糸につきましては、九月二十日から約一カ月間、月二千俵ということは、これは決めましてその実効は上がっております。十月はかなり減っております。ところが、韓国におきましては、対日輸出向けの在庫が相当ある、あるいは日本の港にすでに着いておる物があるということで十月二十日以降の月別の輸入量につきまして、先般の貿易会議におきましても通産省が話し合いをいたしましたけれども、何俵にするか、というところでまだ話がつかなかったという事態は、事実はございまして、現在なお通産省において努力されておるところでございます。中国が、韓国からの対日輸出について余り実効が上がっていないじゃないか、というような批判は、韓国が、先ほど申し上げましたように、ことしになってから十月までの間に撚糸で見ますと百二十六倍というように、非常にふえている、中国のふえ方よりもはるかに大きいではないか、それを野放しにしておいてと、あるいはその抑え方がまだ足らないと、こういう趣旨のあるいは意見ではないかと思います。
  35. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 なかなか詰めまではまいりません、時間ももう幾ばくもありませんので。  次に、最近お蚕の人工飼料というものが非常に話題になり、養蚕農民が大変心配を始めておりますが、養蚕の人工飼料というものは現在どんな情勢にあり、どんな発展展望であるか、時間もありませんから簡単にひとつ説明願います。
  36. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 人工飼料によります飼育につきましては、試験研究は国の蚕糸試験場、それから県の試験場あるいは民間と、それぞれ行っておるわけでございますが、稚蚕期の人工飼料による飼育は、これは大体全齢、桑による飼育に比べまして、遜色はそれほどないというところにきておりまして、これを技術を確立し、普及の拠点とするために、現在、農林省で補助事業といたしまして実証事業というものを十四県においてやっておるわけでございます。これは今後普及をしていきたいというように考えておりますが、全齢人工飼育ということにつきましては、技術的になおまだ未解決の問題が多いようでございます。これは、人工飼料の品質の問題、それとの関連で蚕の育ちがそろわないとか、繭が小さいとか、あるいは繭をつくらない蚕が出るというような点で、なお問題がございますので、現在、直ちに実用化のできる段階であるというような見通しは持っておりません。農林省の試験場においても研究は進めておるわけでございます。これがもし実現することになりますと、養蚕に対しまして相当大きな影響を及ぼすと思いますので、われわれとしては、慎重に対処していきたいというふうに考えております。
  37. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 人工飼料の主原料は何ですか。
  38. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 詳しいことは、もしあれでしたら、それの専門の担当課長からお答えさせますが、一部は桑の葉を使っておりますけれども、大豆の油かすあたりが主原料だというように聞いております。
  39. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 もしこれができるということになると、桑園というものが要らなくなってくる養蚕になる。養蚕が農業から農業離れということになると思うんですね。そういう事態を展望しながら農林省が養蚕業者にどう対処していくか。これはなかなか重大な問題で、言うならば農業でなくて、人工飼料を工場でつくり、工場でお蚕を飼う、繭をとる、こういう形になっていくと思うんですよね。もしそうなる場合に、一体、養蚕農民はどうなるか。これはなかなか重大な問題であり、技術的にはできても、経済的にはなかなかペイしないという問題もあるかもしれませんが、具体的にできれば、やはりいろいろな経営努力によって近づいてくることは間違いないと、このように思うんですが、こういう展望を持った中で養蚕業をどうしていくか、大臣、これはどうでしょう。
  40. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 先ほどお答えいたしましたように、技術が完成する見通しをまだ持っておりません。もちろん一部の企業におきまして、モデルプラントをつくって実験的に始めている例はございますけれども、人工飼料の品質の問題、品質の組成の問題あるいはその飼育の仕方、特にかなり高温多湿の環境の中でやらなければいけないと、現状ではそう言われているわけでございますが、そうなりますと相当な設備投資が要る。それからまた、えさの価格がどの程度まで下がるかということもまだはっきりわかっておりませんので、果たしてコスト面で引き合うかどうかというような点で、なお見通しの立ちがたい面が非常に多いわけでございますが、もしこれがうまくいくということになりますれば、おっしゃいましたように、十六万ヘクタールの桑畑が要らなくなるということ。あるいはまた養蚕の経営の形も、いまのような農家経営、家族経営の中で養蚕が行われるというのから、工場生産的なものに移るということも考えられますので、これは非常に大きな影響を及ぼすというように考えます。ただ、私どもとしては、現段階ではそういうような見通しを立てがたい状態にありますので、われわれといたしましては、これを慎重に検討をし、技術の進展を見守りながら検討していきたいというふうに考えております。
  41. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 時間もございませんので、最後に一言要望を兼ねてお尋ねをしておきますが、ただいまのように海外からは入ってくる、また国内では人工飼料等の危機感もあるという立場に立って、養蚕農民は大変浮き足立っておるわけですよ。で、長期展望に立てば、一・八%の需要増であると、これに対応する生産は増を求めるという形で、確かに主幹作目に桑も入り、いろいろな養蚕を守るという立場に立った農政が進められておることはよくわかっておるんですが、こういう事態で養蚕農民を本当に安心して農につかしめる、安心して営農できる、こういうことをぜひ農政の中にずばりと打ち立ててもらいたい。この点ひとつ、最後に締めくくりとして農林大臣から、養蚕農民よ安心せよ、というひとつ発言をお願いしたいと思います。
  42. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、輸入、特にこの撚糸であるとか絹織物の輸入量が激増してまいりまして、生糸の一元化輸入制度が空洞化しておるという現状でございますので、現在、先ほどから局長が申し上げましたように、通産省とも調整をとりながら、いかにして秩序ある輸入を行うかということにつきまして鋭意検討を進めております。いわゆる輸入の秩序化というのが第一に必要であろうというふうに考えるわけでございます。  それから第二番目としては、いまの人工飼料の問題で養蚕農民も非常に不安にかられておる、確かにこれはその面はあると思います。私も養蚕試験所等を見てまいりましたが、相当人工飼料が進んでおる。あの技術がそのままマスプロということになってきますと、大変な、桑畑が要らないというふうな状態になってきて、養蚕が壊滅をしてしまうというおそれすらあるんじゃないかというふうな感じを持ったわけでございます。が、これについてもいま、局長が申し上げましたようになかなか、これをいよいよマスプロ化するということにつきましてはまだまだいろいろと問題があるようでございますし、この点につきましては農林省としても養蚕農民という立場を十分配慮して慎重にこれに対処していかなきゃならないというふうに私は考えておるわけでございます。  同時にまた、この生産につきましては、いろいろと生産振興対策をつくっておりますが、生産性の向上という面につきましては、まだ工夫をこらす余地があるわけでございますので、これは今後安定成長という一つの見通しもあるわけでございますから、生産性向上につきましては、いろいろとこれは今後とも政府の施策を進めてまいりたいと考えております。  同時に、現在、価格安定制度があるわけでございますので、この価格安定制度を維持しながら生産農民の再生産が確保されるような、そうしたこの価格が妥当に決定されるように、今後とも政府としては努力を続けていかなきゃならない。そうして生産農民の皆さんに安心をしていただきながら、今後の安定成長に備えて養蚕に励んでいただきたい、こういうふうに考えております。
  43. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 時間が来たので終わります。
  44. 神沢浄

    ○神沢浄君 私は、いただいた時間の範囲内で、果樹共済制度のみにしぼってお尋ねをするつもりです。というのは、たしか、以前やはりこの委員会の中でもって一度取り上げて質問をしたことがあるわけなんですが、その後も一向に果樹共済の実効というのは上がっていないように見受けられるわけなんです。私の県などは、御承知のとおりに、ブドウにしましても、桃にいたしましても、これはもう全国的の代表的な主産地になってまいりましたんですが、したがって、この果樹農家からいたしますと、果樹共済制度というものに対してその必要性については、みんな認識をしているわけなんです。強く認識をしているわけなんです。しかし実際に、それでは国が施行いたしましたところの制度の運用の上について見ますと、これは現実の問題ですけれども、農家の方から歓迎をされて、その成果が思わしくない、こういうのが実態だと、こう私は見ているわけなんです。そこで、今回再度この問題を取り上げて、少し政府側の考え方等についてお尋ねをしたい、論議を加えてみたいと、こう思います。  第一に、後の論議の必要上、この果樹共済の制度というものの沿革につきまして。たしか試験実施の期間もありましたり、本格実施に入ってからもう三年ぐらい経過しているように思うわけなんですが、きょうまで政府が、農林省がやってまいりましたその経過、それから現状、こういうようなものについてまず御説明を受けたいと、こう思います。
  45. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) 果樹共済の経緯でございますが、これは昭和三十四年の台風七号と伊勢湾台風の結果、非常にまあ激甚な災害が起きたことは御承知のとおりでございますが、そのときに端を発しまして果樹栽培農家から非常に強い要望がございましたために、昭和三十五年から制度化の調査の検討に着手をいたしまして、四十三年から四十七年の五年間試験実施期間を設けて試験実施をし、その結果を踏まえまして四十八年から本格実施に入ったということで、四十八、四十九、五十と、三年目に当たっておるというのが現状でございます。  そういう試験的な時期あるいは調査の期間等を通じまして、農林省といたしましては、十分果樹農家の、まあ保険需要と申しますか、要望というものをくみ取り、まあ調査をしながらその結果に基づいて今日の本格実施の中身を決めておる。こういう実情になっておることは先生御承知のとおりでございます。  そういうことで、まあ本格実施に入りまして三年目に当たるわけでございますが、実績を若干数字で申し上げますと、今日まあわかっております四十九年度の果樹共済の引受面積で申し上げますと、収穫共済と樹体共済と二種類あるわけでございますが、収穫共済で見ますと、共済面積四万八百九十一ヘクタールということで、四十八年に比べまして約二三%の増加ということになっております。また、樹体共済の方でございますが、これは五千二百五十七ヘクタールということで、絶対値はまだ小そうございますが、伸び率から見ますと前年に比べまして三三・四%の増ということでございます。五十年度の引受実績はまだ取りまとめ中でございますので、正確なところは出ておりませんが、現在の見込みでは収穫共済で五万三千ヘクタール、対前年比二九・六%増。それから樹体共済では六千九百ヘクタール、対前年比三一・三%増というふうな見込みでございます。  以上が引き受け関係でございますが、共済金の支払い関係で申し上げますと、昭和四十八年度の引き受けされたもので四十九年産の果樹の収穫共済の支払い共済金が三十一億五千百万円ということになっておりまして、この中で再保険金の支払いは十九億五千七百万円ということでございます。共済事故の主なものは、雪の害――雪害、それから干ばつの害、それに寒さの害――寒害、病虫害というふうなのが原因になっております。それから樹体共済の方でございますが、四十八年度引き受けに関しますもので、共済金の支払いが三億六千二百万円、そのうち再保険金は二億八千八百万円ということでございまして、共済事故の主な原因は、雪の害による樹体損傷ということになっております。  最後に、再保険金の収支状況を申し上げますと、これは四十八年度の引き受けにかかるものでございますが、収穫共済、樹体共済を通じまして、特別会計は十八億四千五百万円余の不足と申しますか、赤字ということになっておるわけでございます。
  46. 神沢浄

    ○神沢浄君 それで、もう一度ちょっとその点をはっきりお聞きをしたいのですけれども、まあ四十九年度におけるところの全国平均の加入率、要するに、対象となる条件を備えておるところの園地面積に対して、実際に加入しておる面積の比率というようなものはどんなようになっていますか。
  47. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) 結果樹面積が母集団になるわけでございますが、それに対しまして共済引き受けをいたしました面積の比率は全国で一七%ということになっています。
  48. 神沢浄

    ○神沢浄君 冒頭にも申し上げたように、試験実施を五カ年間済ませて本格実施へ入って三年目になってきているわけなんですが、いま御説明がありましたとおり、一七%というようなことになりますと、これはまあ決して――この強い要望に基づいて実施をされた制度であるにもかかわらず、その成績というものはまことに上がっていないということにならざるを得ないと思うわけなんです。そこで、関係の団体あるいは農家の側などからもいろんな要望や問題点の提起などもありますが、それらは後から私触れていきたいと思いますけれども、農林省として、なぜ、この成績の上がり方が遅々としているのかというような点について恐らくきっと検討はされているだろうと思いますので、その理由だとか原因だとか、あるいは運営技術上の問題点だとか、こういうふうな点でもって農林省が総括をしてみておる点等についてまず説明をしていただきたいと、こう思います。
  49. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) ただいま先生から一七%程度の加入率というのは非常に遅々として低いではないか、というお話でございまして、まあこれが三年目として非常に低いかどうかという点はなお議論はあろうかと思いますが、とにかく今日のところ一七%程度ということになっておるわけでございます。この点を私どもなりにいろいろ検討をしてみますと、一つは、一番広範に行われております水稲などに比べてみた場合に、水稲などでは非常に全国的に技術水準も均平化しておりますし、農家間あるいは産地の間で非常な栽培形態とか技術水準の格差というようなものがそれほど大きくないというふうな事情がございまして、そういうものが非常に保険制度というものになじむという点が一つあるのではないかと思うわけでございます。そういうものに比べまして、現在やっております六つの果樹の状況と申しますのは、それぞれの果樹の形態によっても事情が異なりますけれども、やはり農家の間に、あるいは産地の間に、栽培の形態とか技術というものについて相当なやはり格差がいろいろあるということが一つございまして、こういうふうなことは当然保険業務の運営上に水稲などとは違ったいろんな困難な条件を生んでおるのではないかというふうに一つは考えられます。  また、まあ先ほども申し上げましたように、やはり本格実施に入りましての期間がまだ非常に浅うございまして、やはりこのような全国的な形での保険制度といたしましては、もう少しやはり時間をかさなくてはこの加入率の促進というふうなことがなかなかむずかしいんではなかろうかというふうに思うわけでございます。したがいまして、私どもとしては、以上のような果樹につきましてのいろんな問題点を踏まえながら、とにかく今後とも制度の趣旨徹底というものを十分に全国の果樹農家の方々に徹底を図りまして、そういうことによって加入率の向上に努めていきたいというのが私どもの考えでございます。
  50. 神沢浄

    ○神沢浄君 以前この問題を検討をし合いました際にも、やっぱりこの制度の認識がまだ十分でない、したがって、その普及徹底にひとつ重点を置いてやっていくつもりである。こういうような御答弁があったわけなんです。しかし、たしか私が、この問題をこの委員会で取り上げてからもう一年以上くらいたっていると思うわけなんですが、私の見たところでは、依然として状況の改善というようなものがあるようには思えないわけであります。そこで、関係の共済の団体の意見だとか、それから農家直接の意見だとかいうようなものを聞いてみますと、やっぱりこれは率直な――保険制度というふうな見地から政府が考える立場とは、これはあるいは食い違いもあるのかもしれませんけれども、農家やそれから関係団体の意見というようなものの中でもって特徴的なものは、というよりか、むしろそれがせっかくの制度であるけれども、成績が思わしく前進しないということの一番の原因になっておるのではないかという点について見ますと、一つは、被害がありましてもなかなか、現行の制度の中では実際には対象になりにくい。掛金は納めておるけれども、現実にこの共済の支払いを受けるようなそういうことにならないというような点が、これは非常に率直な意見なんです。そこで、それじゃどうしたらいいか、こういうようなことについての意見を求めますと、   〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕 前にも実は議論をした点でありますが、これは保険理論上は、やっぱり農家単位ということの方が非常に合理的なものなんでしょうけれども、農家の側や関係団体の側からすると、むしろやっぱりいまの米麦と同様に園地を対象にしてほしいと。園地を対象にしてもらえば、被害も園地ごとにあらわれてくるわけであるから、したがって、まず園地対象の制度に改めてほしいというのが、これはもう大体一致した意見なんです。実は前にもその問題を取り上げましたけれども、これはどうも保険理論上、同時に国が考えております制度の方向の上からいっても一致できないと、こういうことでありました。  これはしたがってそうであるならば、やっぱりこれは共済団体などは半相殺方式というようなことを、私これ、どういう意味のことだか最初はわからなかったんですが、半相殺方式というようなことを言っておりますが、内容的には、この評価については、被害のあった園地について行って、それから被害のなかった園地に対しましては基準収穫量でもって押さえておいてほしいと。こうなれば、やっぱり本来ならば園地対象を望むのだけれども、それがなかなかむずかしいということであれば、せめてこの評価のやり方という面において、いま言った半相殺方式というものくらいには変えてもらえないだろうかと、こういう意見が、これはほとんど一致をしているわけであります。というのは、実際問題として、米麦などと違って果樹経営の農家の規模というものは比較的大きいわけですから、そういう相当の規模を持ったところの農家が主体になっておるのだから、その主体になっておる農家が歓迎をするような制度でなければ、理屈ばかりが幾らりっぱに成り立ちましても、現実に果樹農業というものを守っていこうという共済の目的には沿わないことになりますので、この辺はやっぱりまた真剣に検討しなきゃならない点ではないか。そういう点をそのままにしておく限りにおいては、幾らやっぱり制度の普及に努められてみたところでもって、問題の解消には、解決にはなっていかないじゃないか、こういうふうに私は認識をしているわけであります。  そこで、いま申し上げました園地共済の問題それからさらにはこの団体の言っております半相殺方式の問題、これらの問題についてのひとつ見解をお尋ねをしたいと、こう思います。
  51. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) ただいま先生が御説明ございましたような考え方が、確かに農業団体あるいは地域によりましてあることは私どもも承知をいたしております。そこで、まず現在の果樹共済の農家単位制度を園地単位にすべきではないかということについての私どもの考えでございますが、これは先ほど先生からもお話がございましたように、やはり園地単位ということにいたしました場合には、確かに共済金の支払いのケースというものは多くなるということがございますが、同時に、農家の掛金も増加をするという問題がございますし、また、農業経営上は余り、何と申しますか、ウエートがかからないような、非常に少額な共済金というものを支払うケースが多くなるというふうな結果になることが予想されるわけでございまして、そういうようなことを踏まえますと、やはり果樹経営について損害の合理的な補てんを行うという観点をとってみますと、私どもとしては、農家単位の引き受け方式というものの方が適当なのではないかというふうに考えておるわけでございます。それからさらに、技術的な問題になりますが、損害評価のやり方というものが、園地単位と農家単位では変わってくるわけでございまして、現在の農家単位の損害評価方式では、出荷団体等の流通資料を活用いたしまして、共選所等のデータをもとに、果実の品質の保証まで含めまして共済の対象にしておるというふうなことをやっておるわけでございますが、それが今度は園地単位ということになりますと、そういう資料は活用できないというふうなことになりまして、これを園地ごとにさらに調査をするというふうなことは、非常な労力と、さちに品質を見るという点からもそういう方式では適応できないというようなことがございまして、やはり農家単位というものが適当ではないかというふうに私どもは思っておるわけでございます。   〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕  そこで、損害評価方法を、いわゆる半相殺方式というものにしたらどうかという意見があるわけでございますが、現在の農家単位の共済では、要するに農家全体の経営の問題でございますので、増収分と減収分というものをやはり相殺をするということが農家単位という立場に立つ限りは合理的であるということでございますし、いま申し上げましたような損害評価の点からもそれが適しておるということで、現在、増収分と減収分を相殺をいたしますいわゆる全相殺方式というものをとっておるということでございます。  そこで、議論は結局もとに戻りますけれども、半相殺方式というふうなことにいたしました場合には、先ほど申し上げましたように、出荷実績を活用するというふうなことができなくなりますし、したがいまして品質を取り込むということができなくなるということでございます。さらに、技術的、労力的には園地の実測調査というものを全面的に取り入れていかなければ対応できないという問題がございまして、これらの問題をあわせ考えました場合に、やはり半相殺方式というものに切りかえ、園地単位にするというのは非常にむずかしい問題ではなかろうかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
  52. 神沢浄

    ○神沢浄君 米麦の場合は、これは一筆単位でもってきょうまでその制度というものが続いてきているわけなんですけれども、これに対してもいま農林省では、これを農家単位に変えようというふうな考えから、試験的な実施などもやっておられるように聞いております。この場合の足切りは、現在一筆単位は三割なんですけれども、これを農家単位に変える場合には、二割ということでもってやっておられるように承知をしておるわけなんですが、そうすると、この果樹の場合は農家単位で三割になっていますね。したがって、果樹においても三割を二割に引き下げるというような考え方ですか。これはついでにお伺いをするんですけれども、そういう点についてはどんな見解を持っておられるか、ちょっとお聞きをしたいと思うんです。
  53. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) 損失てん補の基準ということになろうかと思いますが、現在、果樹につきましては三割足切りということになっておるわけでございます。この点水稲等との差を考えてみますと、やはり果樹ないし果樹経営というものの特徴と申しますか、特殊性というようなことからこういう考え方になるというふうに思うわけでございますが、一つは、御承知のように、果樹には隔年結果というふうな性格がございまして、収穫量の変動が年によっていろいろあるという、水稲などとは違った特徴を一つ持っております。それからもう一つは、やはり果樹経営というのは非常に高度の技術と経営能力というふうなものを要しますし、農家のそのような自主性というものが非常に発揮しやすい、可能な分野でございまして、したがいまして経営能力も非常に高いというふうなことがございます。これは、言いかえますと、農家の自家保険能力が高いというふうに言うことができるかと思いますが、要するに、こういう農家の自発的な自家保険能力というものをやはり生かしていくということが必要ではないかというのが第二点でございます。  それから、第三点といたしまして、試験実施の期間にいろいろ試験をいたしました結果、三割を超える被害というものも非常に多かったということから考えまして、以上のような諸要素を含めてやはり三割足切りということに現在しておるわけでございますが、これをまあ二割足切りにいたしますと、言うまでもなく農家の掛金負担が非常にふえるということばかりでございませんで、共済団体の事業不足金がさらに大幅に増加するというふうなこともございまして、私どもとしましては、現状の三割足切りというのが現状の諸要素を含めますと適当ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
  54. 神沢浄

    ○神沢浄君 いままでの御意見だと、農業団体やそれから農家直接の要望、意見というようなものと国が考えておることとは一致してはいけないということになると思うんです。そうなりますと、これは、まあせっかく必要な制度として実施をされたにもかかわらず、実際には、これは農家の側から、ほとんど歓迎をされないままでもって終始をしていかなければならぬようなことにならざるを得ないと思うんです。  もう一つ、これも時間の関係もありますから、要点だけをお尋ねをしておくわけなんですけれども、農家側あるいは関係の団体側が強く要望をしているもう一つの問題点としまして、この引き受けのてん補方式の選択制という問題がありますね。いまのところは、現行ではこれはいわゆる総合危険というようなことで、この自然災害であろうと、病虫害であろうと、すべてのものを一括してということなんですけれども、それですと、いま農家側があんまり歓迎をしていないように一面においてはもう病虫害などについては相当これは、いまお話もありましたように、米麦などの場合と違ってかなり経営の規模も相当規模を持っておるし、まあ施設から何から防除などのものも整備をされてきておりますので、したがって、病虫害などはこれはもう農家自体の努力でもってもうかなりその防除できてきておるというような点からして、これをそういう総括的なものだけの対象でなくて、自然災害、たとえば一つの例ですけれども自然災害だけに限定したような一つのその制度にしまして、これは農家側の選択に任せるというようなことにしてもらわなければ、これはもう農家の側からいたしますと、このせっかくの制度だけれども、どうもついていけない。こういうような意見がこれは圧倒的に強くあります。したがって、そういう点でまあこんなことは私はできないことはないと思うんだけれども、たとえばこれは建物共済なんかそうなっていますがね。建物共済なんか、火災なら火災だけ、あるいはその総合的な危険を対象にしておるもの、というふうに分けられておるんですから、これは果樹共済の場合も、そのことができないことはないと私は思うんだし、とにかくこの制度を、少しでも成果が上げ得るような方向へ改善をしていかなければならぬということは、これはもう非常に大切なことだと、こう思うんです。けれども、現実に農家や関係団体の方の意見というふうなものがどれ一つとしてどうも取り上げられないというようなことになりますと、これはいまのように歓迎されざる制度として一向にこれはもうこの制度が生きていかないということになりかねないじゃないか。こういう点が非常に危惧されます。その選択制の問題についてはどうでしょうか。
  55. 吉岡裕

    ○政府委員(吉岡裕君) 共済事故は、先生おっしゃいますようにオールリスク制ということで、台風とか凍霜害、干害、ひょう害、病虫害というふうなことを含めてやっておるわけでございますが、これは試験実施等をいたしまして、その被害状況を見てみますと、こういうものが重複をして発生している場合が多いということから、そういうオールリスク制ということできておるわけでございます。そこで、現在いろいろ被害の状況を見てみますと、やはり災害別に分けて被害を評価をするということは、実際問題として非常に技術的に困難な問題が多いございます。これは確かに一般的には非常に困難であろうというふうに思われます。ただ、地域によりまして、主にある特定の災害で損害を受けておるというふうな状況がはっきりしておるというような地域もあるように私どもとしては見られるわけでございます。したがいまして、こういったいまお話しの問題につきましては、いわゆる共済事故の選択制ということで、今後もう少しいろいろと検討をさしていただきたいというふうに考えております。
  56. 神沢浄

    ○神沢浄君 それでは、それについての検討をぜひ真剣にしていただくことに受け取りまして、もう時間もないようですから、最後に私は、大臣にお尋ねをして終わりたいと思うわけですが、実際のところ、大変農家の要望等に沿って実現をされた制度であることは、これは間違いないわけですよ。ところが、実施をして今日まで、さっき説明もありましたように、試験実施五年間、本格実験に入って三年間、加えてもう八年間というようなことになるわけなんですが、これは農家側等へ入って聞いていただければすぐわかりますが、とにかくいまのままではどうもついていけない。これは簡単な言い方ですけれども、たとえば掛金は掛けているけれどもなかなか、これはせっかくの制度だが対象にはなりにくい。農林省の方では、非常にりっぱな保険理論などの組み立てでもって、そういう制度ができ上がっておることはよくわかります。しかし農家の側では、そんな理論の問題じゃなくて、現実に掛金も掛けておる以上は、被害がある場合には、なるほどその被害に対してこの制度の恩恵でもってこうだ、制度があるからこそ、われわれとすれば救済もされるんだ。こういうようなことになっていかなければ、幾らこの制度の普及等に努められましても、これは農家側ではついてはこないですよ。これはもう私などは果樹の主産地の中におりますだけに、右に左に絶えず農家との接触というものはあるわけなんです。さっきも園地共済の、これは園地の対象に変えてもらえば、われわれとしちゃ非常にありがたいというようなこと、せめて、それができないならば評価の面でもって、いわゆる半相殺方式というんですかね、そのくらいのことはひとつ考慮してほしい。また、いま御説明をいただきましたような引き受けのてん補方式などにつきましても、もう病虫害の方の防除には自信があるんだから、せめて自然災害だけというようなものだけに限定をしたような、選択のできるような、こういう制度くらいには直してほしいと。これは一部の意見ではなくて、私の感ずる限りにおきましては果樹農家の全く一致した考え方ということなんです。これの制度を生かす上においては、まあ理論は理論ですけれども、現実にその理論が生きないんじゃ、この制度の意味もなさないのですから、これはやっぱり国としても真剣に検討する必要というものがあると思うのです。そうでない限りは、せっかく制度ばかりあったってももうかえって何か農家の方から遠ざかられてしまうようなことになってしまうと思います。  そういうような点でひとつこの際、私がいまいろいろ申し上げましたような意見なども内容にしていただいて、これは国としてもひとつ真剣にやっぱりこの制度を生かすために、ことにいまとにかく日本の農業というものは見直されなきやならぬという重大な時期へも際会をしておりますからなおさらのこと、これはぜひひとつ検討をしていただかなきゃならぬと思うのですよ。そのくらいの姿勢を私は見せなければ、この果樹共済制度というものは全く、これはもう今後成果を望むことはむずかしいじゃないか。農家の中へ入って見ていただけばすぐわかることなんですがね。そういうふうな実情でありますので、ひとつ大臣からこの制度についての検討をやっていただくお考えがあるかどうかお尋ねをしたいと、こう思うのです。
  57. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) いまいろいろと御意見をお聞かせいただいたわけですが、果樹共済につきましては、これは農家の非常に強い要請によりましてでき上がりました制度でございますが、今日に至るまでの間に、加入者はどんどんふえてはおるわけでございますが、しかし、いまのお話のように、この制度のあり方につきまして農家の中でいろいろとやはり問題があるという御指摘があることも承知をいたしておるわけでございます。確かにいまの御議論のようにいろいろ問題点があるわけでございますので、これは今後の加入及び被害実績の推移等も見まして改善措置を検討してまいりたいと、こういうふうに考えます。
  58. 工藤良平

    ○工藤良平君 私は、麦の問題とお米の問題について、一時間ぐらいの予定ですから、忙しい時期ですから、できるだけはしょって聞いてまいりたいと思います。  いろいろ質問の順序は御通告を申し上げたんですが、できるだけ時間を割愛する意味ではしょっていきたいと思いますが、今回この麦価に対する諮問、そして答申、決定という形で進んでまいったようでございますけれども、この点についてひとつ私質問を続けていきたいと思います。  まず、今回のこの麦価の値上げにつきましては、主として目的をどこに置いてその引き上げが行われたのか、主要な目的というものをまずお知らせをいただきたいと思います。
  59. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の政府売り渡し麦価につきましては二〇%の値上げを米価審議会に諮問いたしまして、これが適正であるという御答申をいただきまして、そのように政府としては昨日決定をいたしたわけでございます。もちろん実施の時期につきましては一月二十日ということでございますが、この二〇%値上げを私たちが踏み切った理由は、第一には、何としても外麦の、政府が外国から買い入れる価格と、そして政府が消費者に、実需者に売り渡す価格との間に大きな逆ざやが存在をしていること、これは六〇%に近い逆ざやがずっと続いてきておるわけでございます。これは考えようによっては、外国の農産物に対して補助金を出すということにもつながっていくわけでございまして、きわめて不自然である。こういうことからこの逆ざやを解消をすることが必要であるという考え方でございます。しかし、物価等の情勢もありまして一挙に逆ざやを解消するということにつきましては、いろいろと経済的、社会的な問題もあるわけでございますので、これを段階的に解消するという見地に立ちまして第一回として二〇%の値上げを行ったわけでございます。  それから次に、やはり昨年の十二月、ことしの六月と、この改定時期に麦を据え置いてきたわけでございます。そういうふうな状況で米との間におきまして、いわゆる対米価比といいますか、米との間におきましてアンバランスがだんだんと拡大をしてきておる、対米価比がどんどんと下がってきておって、現在は四一%台に落ち込んでおる。こういうふうなことから、やはり米とのバランスをとっていかなきゃならないということが第二番目の理由でございます。  これは、もうよく御存じのように米は国内の生産農産物でございますが、麦につきましては大半を外国に依存をしておるという状況にあるわけでございます。したがって、やはり米の消費を拡大をしていくということは今日のわが国の国政上重要な課題でございますから、そういう面から見ましても米と麦とのバランスが崩れておるという点からこれを是正しなければならないという見地が第二の理由でございます。そういうふうな考え方に基づきまして、今回の値上げに踏み切ったわけであります。
  60. 工藤良平

    ○工藤良平君 それではこの資料ですね、ちょっと私、拝見をさしていただきまして、たとえば六ページですね、この算定の説明の中の最近三カ月間の平均の国際価格水準で算定した割合、それから最近半年間、最近一年間、最近二年間ということで四つのデータが出ておりますけれども、これを見ますと、もちろん最近二年間というのは以前非常に暴騰しておりましたから、そういうことが言えると思いますが、この一年間の状況を見ますと、最近また上昇しているという傾向がこの数字を見ましても一番高く出ているわけですが、今回二〇%の値上げをする。私は、後ほど質問いたしますけれども、もっと対米価比あたりを縮めてもいいんじゃないかという気がしているわけですけれども、後でこれはまた質問しますが、これを見ても、またどうも上がる傾向があるんじゃないかというような気がいたします。ただ、このアメリカの、特にアメリカ、カナダの麦の生産状況を見ると、伸びているというような数字が出ているわけですけれども、その辺は食糧庁としては将来、最も近いこれから三カ月あるいは六カ月の間にそう大幅な変動はないだろう、こういうような判断の上にこの二〇%というものは積算をされているかどうか、その点をちょっとお聞きしたい。
  61. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  麦の国際相場、したがいまして政府の外麦買い付け価格につきましては、本年の六月、政府買い入れ価格――国内産麦の買い入れ価格決定の際、非常に下がりまして、その動向がどうかというようなこともございまして、流動的でございましたので見送った経緯もございます。本年の状況を見ますと、これは御案内のとおりでございますけれども、アメリカやその他輸出国の増産が相当ございました。したがいまして、背景といたしましては、何と申しますか、世界的な景気の後退なり国際商品相場の鎮静とか、あるいは穀物価格が非常に高水準でございますので、需要の減退等ございまして、弱含みでまいったわけでございます。ところが、御案内のとおり、ソ連の生産が大幅に減退した、二億一千五百万トンの生産予定が一億六千万トン、さらに今日では一億三千万トンというような大幅な減退がございまして、三千万トン以上の穀物を輸出国から買い付けを開始したというようなことで反騰に転じたわけでございまして、一ころシカゴ現物で二ドル七十セント程度のものが三ドル四、五十セントとなったというようなことでございます。  今後いかがかというような先生の御指摘でございますけれども、まあ今回は四十七年度の轍を踏まぬという輸出国アメリカの、対ソ連との調整というようなことが行われまして穀物の長期取引も行われまして、安定的な供給というようなこともできまして、相場は堅調でございますけれども、大体、これは内外の関係者の見方といたしましても、もう、かつての安置には絶対戻らぬけれども、三ドル五十セントから四ドルというような水準で推移するのではないかというようなことで、いわば小麦につきましての新しい価格水準が形成されてきている。したがいまして、それを前提といたしまして、ただいま大臣が申し上げました逆ざやの解消に努めたいということでございます。
  62. 工藤良平

    ○工藤良平君 この問題はいろいろな考え方があると思いますけれども、私もさっき大臣がおっしゃったように、カナダや、あるいはアメリカの麦を日本の貴重なお金で、実は大変優遇しているようなかっこうになっているけれども、もちろんそれは日本の消費者にとりましてはいいことではありますけれども、ただ、それを全体的に農業のサイドから私はやっぱり見ていく必要もあろう、こういうふうに実は考えているわけですが……。  そこで、またこの資料を使わしていただきますけれども、十ページの中に「過去における小麦粉の対米価比の推移は次のとおりである。」ということで表が出ております。これと私は輸入小麦の輸入の状況を、推移を見てみたわけであります。たとえば三十五年の小麦の輸入が二百六十万四千トン、これを一〇〇といたしまして、たとえば四十年を見ますと一三二%に伸び、それから四十五年が一七五%、四十九年が二〇九・三%、五十年の推定でいくと二一七%というように、麦の輸入が非常に伸びている。ということは麦の消費が伸びたということに逆になるわけですね。それとこの対米価比の問題を見ますと、たとえば三十五年が八二・八であったわけですね。それが四十年には六九%になり、四十五年には五一%、さらに今日では四一%まで下がっておったという経緯をたどっております。ですから、これは日本の国内における食糧消費の傾向というものと、いま言う輸入というものはこれは並行的に進んでいくということが、統計的にもはっきりあらわれているわけですね。これが、私は、今日の米生産の問題と非常に重要なからみ合いを持つというように実は思うわけであります。  ですから、そういうことを考えてみると、やはり消費者にとっては、できるだけ安い方がいいわけでありますけれども、全体的な米との関連なり消費の傾向というものを押えてみると、四〇%に落ちたこの対米価比の問題については、私は、若干問題があるような気がする。ですから、二〇%今度引き上げたことによって四一・四が四六・九という計算が出てくるわけなんですが、それでもなおかつ、私は、低いように思うのですが、こういうバランスをとるためには、もう少し思い切った施策というものが私は必要ではないのかという気がいたしますが、その点大臣どうでしょう。  いま二〇%を大きく変えろということじゃありませんけれども、決定しておりますから。農林省決定前なら、少しやかましく言おうと思ったんですが、もう決定したようですから。これは次の機会でも言わなければしようがないと思って満を持しておったんですけれども。その点、大臣としては、今後、将来の問題として、こういうような傾向で、大体四〇%台でいくのか、それともやっぱりもう少し上げていかないと、米の消費をどんなに推進をしてみても、こっちの方でやはり問題が起こるように思いますが、その点どうでしょう。
  63. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) まさにいまおっしゃるようなとおりであろうと思いますが、やっぱり日本の金を補助金に使って、そして麦の消費をふやして、米の消費を圧迫するという結論になっておるわけで、確かに麦の米に対する対米比価が落ちるにつれてこの麦の消費がふえておる。それは食生活の変化ということもあるでしょうが、やはり米よりも麦の方が割安であるというふうな一つの方向が、やっぱり麦の消費をふやしておるということにもつながるわけでありまして、これはわれわれとしては、米がとにかく過剰基調にある、そして水田の総合利用対策を今後も続けて、稲作転換も行わなければならない。こういうふうなことを考えてみますと、やっぱり米の消費を拡大をする、そして国内の、日本の国民の主食は米にしていかなければならない。そういう状況からみますと、ここで外麦に対する消費の奨励策をとるということは、まことにこれは国の政策のあり方としては相反することでございますので、これはやはり一日も早く逆ざや現象の解消、あるいは対米比価の改善ということはやっていかなければならないというふうに私は考えるわけでございます。  実は、今回もそういう立場に立って、もっと逆ざやを縮小すべきであるというふうに農政当局としてわれわれは考えておったわけでございますけれども、しかし現在の物価問題、来年の三月末には対前年度対比九・九%以内に押えるという政府の公約もあるわけでございますので、そういう点とも調整をとらなければならぬというふうなことで、まあ二〇%やむを得ないということで決定をいたしたわけでございます。米価審議会におきましては、生産者委員、中立委員、消費者委員がそれぞれおられるわけでございますが、今回の二〇%上げるにつきましては、各委員ともほとんどもう上げることはやむを得ないという御意見でございまして、いわゆる二〇%の値上げは妥当であるといういままでにない一本化答申が出たわけでございます。したがって、これはもう二〇%の今回の麦の改定というのは、いわば私は国民的な一つのコンセンサスがあったといってもいいというふうに判断をいたしておるわけでございます。が、私としてはこの二〇%で事足りるとは思っておらないわけでございまして、やはりこれからの米の問題を考えるときに、この二〇%でまだ四〇%ばかり逆ざやが残っておるわけでございますから、これをやはり一挙にやるということはいろいろと問題があるわけですから、段階的に数年の間に解消をしていきたいというのがわれわれの考え方であります。
  64. 工藤良平

    ○工藤良平君 それから具体的にもう一つ聞きますが、この説明の一ページを私計算をしてみました。上昇率を見たわけであります。もちろん、それは内地産の小麦、大麦、裸麦の上昇率が低くて、外国産の小麦、大麦が高いということについては、私は、その数字については了解をするわけなんですが、ただ、ここで外国産の大麦と小麦を比較をした場合に、大麦が高く出ていますね、二〇%――二〇・二。それから外国産小麦、もちろんこれは全部じゃありませんけれども、ウエスタン・ホワイトを見ますと一七・七ということが出ております。量からいたしますと、もちろんこのウエスタン・ホワイトの方が約百万トン、それから大麦の方が少ないわけなんですけれども。で、これを私、統計的にずっと計算をしてみたわけなんですが、これは農林省の資料ですけれども。たとえば四十三会計年度の食糧庁の買い付け価格、それと四十九年の買い付け価格というものの上昇率、それから一番安かったときの四十六年の買い付け価格と四十九年の買い付け価格を統計的に見てみました。そうすると、やはり小麦の上昇率の方が非常に高いわけですね、大麦よりも高くなっている。それにもかかわらず、小麦よりも大麦の方が今度の格差縮小が大きいというのは、私はちょっと数字的にどうしたことだろうかと、こう思っているんですけれども、この点はどういうことなのか、別に他意はないのかですね。
  65. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) きわめて技術的な問題も入るわけでございますので御説明を申し上げますと、今度の価格改定は、小麦のグループと大裸のグループと平均二〇%の改定をさせていただきました。小麦につきましては、現在でもその銘柄格差を設けております。と申しますのは、先生御案内のとおり、ハード系もありソフト系もある。それについて売り渡し価格の格差を設けておりますが、最近の輸入価格の格差が現行の銘柄間格差よりもはるかに開いておる。したがって、それはどっちかと申しますと、ハード系が相当割り安になっておるその格差を是正いたしたいということでございまして、それが一つです。そのために、今回は、現行の格差と実際の四十九年度におきます輸入価格の買い入れ価格の格差との半分を今回是正して、二年間で格差を是正したいということでございます。したがいまして、結果におきまして、小麦系においてはソフト系が平均二〇%の上昇でございますが、そのソフト系がアップ率が低くなっている。そのかわり、実はここでは書いてございませんが、ハード系のあれは二二とか二三というような格差になっておりまして、大麦につきましては、銘柄間格差が平均の引き上げ額で開いておりますために、額で。したがいまして、比較的割り安であった、四十八年十二月改定の際に割り安でございました銘柄が、アップ率が高くなるというような関係でございましたことを申し上げさせていただきたいと思います。
  66. 工藤良平

    ○工藤良平君 それからもう一つお聞きしますが、今回の外国産大麦、二〇・二%の上昇率なんですけれども、これには、政府が買い入れております飼料用の大麦ですね、飼料用に向ける大麦は、当然この売却価格については含まれないわけですね、その点ちょっと確認を。もし含まれているとするならば私は大変だと思いまして、ずいぶん張り切ってきたのですけれども、どうも入っていないようですから……。これは全然別個に当分は据え置くというように見ているうちに、そういうことではないのかと思ったのですが、そういうことであればひとつはっきりしておきたいと思います。
  67. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) これは、大裸の主食としての消費量は減りましたが、約三十万トンでございますので。その主食としての大裸の価格改定をさしていただいたということで、お話のとおりでございます。
  68. 工藤良平

    ○工藤良平君 そうしますと、いま言う、これは、全体の量からいたしますと、この飼料が約百十五万トン、食糧用が三十二万トンですね。そういたしますと、残りの百十五万トンの売却が非常に問題になるわけで、これは畜産振興のためにも非常に重要な問題ですから、私は、ここ当分――二カ月以内とか半年以内に上げるという可能性は全くないと、こう私は判断をするのですが。今回は外したけれども、すぐ二、三カ月して上げるなんということになると問題がありますが、その点大臣どうですか。これからそう異常な上昇が起こらない限りにおいては当分は見送るというように理解をしていいんじゃないかと私は思うんですが。
  69. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、これは畜産局の所管でございまして、先生、これは余りにも御案内のとおりの飼料需給安定法に基づいて売り渡す価格でございます。これは例のコスト価格とかあるいは例の栄養価によるピーターソン方式の価格とか、そういうものを勘案いたしましてこれを売り渡すということでございまして、これはやはりコスト価格が上がっておる、したがって、その主食用との均衡をとらざるを得ないということでございまして、先生おっしゃるようにこれは据え置くんだと、別だというわけには私どもとしてはまいらないというように思っております。
  70. 工藤良平

    ○工藤良平君 ここが非常に大事なところなんで、いま、これから畜産が本格的にひとつ何とかがんばろうということで、はい上がろうとしている時期なんですね。あの飼料高の中において、一度たたかれたその中で、はい上がろうとしている。しかも、いま私どもが回って見ましても、配合飼料よりもむしろ単味で大麦がほしいということの要望が非常に高いんですね。そうしますと、やはり、畜産振興をここで一発支えてやらなきゃならぬという非常に重要な時期なんですから、これは食糧庁は関係ないといたしまして、畜産局なんでしょうけれども、大臣はこれは両方にまたがっているわけですから、大臣ひとつ、そういう意味では何とかしてこれはしばらくは見送っていただいて、異常に上がれば別ですけれども、そうじゃない限りにおいては、小麦にも格差をつけたように大麦にも格差があって当然だと思いますから、その点は、大臣、ひとつぜひ畜産農家のためにも約束していただきたいと思うんです。
  71. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 畜産振興ということは、基本的な農政の課題ではあるわけでございますが、やはり国際価格がありまして、それによって今度の逆ざやを縮めるということで平均で二〇%上げるわけでございますので、この点で、畜産ということだけに限ってこれをそのまま据え置くということは、私はやはりなかなか困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。が、畜産政策上いろいろの今後の問題については十分配慮をしていかなきゃならないとも思うわけであります。
  72. 工藤良平

    ○工藤良平君 非常に歯切れが悪いわけですけれども、この点は、上げるということはいま言わなくて、ひとつ大臣、畜産農家のために私はぜひ配慮をしていただきたいということを意見として申し上げておきます。  それでは、時間をこればかりにとっているわけにもいきませんから、ちょっと米の問題についてお聞かせをいただきたいと思いますが、これからの稲転目標のあり方の問題でございますけれども、先般、水田総合利用対策というのを出しておりまして、もちろん、これからも稲作転換の方向は推進をしていかれるというように私は聞いているわけでありますけれども、そういう点について、特に作目の問題について、もう少し知恵を出す必要があるのではないか。たとえば、先ほど養蚕の話が出ましたけれども、葉たばこ生産者などでは、当然、水田総合利用対策の中に葉たばこを入れてほしいと、水田を利用してやるということが非常に進んでいるわけですから、そういう点はぜひ考慮してほしいという意見が出ておりますし、さらに、通年上地整備事業という点につきましても、これは全体的に米の生産調整ということを考えてみると、私は大いに利用すべきではないだろうかという気がするわけですが、その点について、時間がありませんから一緒にまとめて御意見を聞きますけれども、御見解を聞かしていただきたいと思います。
  73. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 五十一年度の米の需給計画につきましては、五十年産米が非常に豊作でございましたために五十一年、米穀年度末の古米持ち越しが当初の予定を相当大幅に上回る見通しになってまいりましたために、現在所要の見直しを行っておるところでございますが、大体このような米の需給の状況を考慮すれば、いずれにいたしましても転作目標も当初予定していた規模、これは大体通年施行も含めて八十万トンという予定をしておったわけでございますが、これをふやさざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから稲作転換の対象作物につきましては食用農産物という基本的な考え方を持っておるわけでございますが、しかし地域の特産物という点については、地域農業発展という点からも、これは配慮を加えなきゃならぬとも思っておりますので、いま御指摘のたばこであるとか、あるいはイグサといったような、これはまあ直接食用ではありませんけれども、地域農業の発展という見地から見てもこれに対しても対象作物に入れるという方向でいま検討をいたしておるわけであります。
  74. 工藤良平

    ○工藤良平君 大変前向きの御意見ですから、ぜひ、たばことか、あるいはイグサとか、食用作物以外のものにつきましても――いまこの手持ちがふえている米を減らすということについてはもちろん問題はありましょうけれども、やむを得ない措置だということを考えてみると、通年施行なりというものもあわせながら、いま言った食用作物外のものについても、それで対策を講ずるということは農民の方々も望んでいる地域もあるわけですから、ぜひ御配慮していただきたい、こういうように思います。  それから次の問題ですが、これは、この前も志苫委員がかなり時間をかけて御質問いたしました超過米の問題でございます。  私は先日、これはある自民党の方の資料なんですけれども、これを見まして、この中に、残量米は政府においてこれを全量買い取ると、こういうような実はチラシが出ておりまして、末端に参りますと農協で大変混乱をしている傾向があるわけなんです。これは、政府において買い取るということをも含めて検討する、ということを私どもは、実はこの委員会で確認をしておるわけで、農林省としてはそういう気持ちかおありになるということは大変ありがたいことなんで、そうあってほしいと思うんです。が、いまそんなことを言ってしまうと、いま食糧庁が出している、できるだけ自主流通のルートに乗せて、ということが崩れてしまいますから、それは口が裂けても言えないのじゃないかと私は思ったんですけれども。こういう文書が出ているのですが、それは恐らく間違いだろうと、買うということをも含めて来年の四月ごろまでには考えたいということなんだと、私はそういうふうに説明をしたんですけれども、この点をひとつ事実問題として確認をしておきたいということが一つです。  それからもう一つは、予約限度数量の県間調整の問題が迫っておると思います。私も先日資料をいただきまして、あらゆる角度から検討してみたわけです。限度数量の割り当て数量から、生産高から、反当収量から、さまざまな角度から二晩かかって計算機で計算を仕上げてみたんです。仕上げてみますと、かなり県間のアンバランスが、四十六年から五十年にかけての予約限度数量の中にある数字が出てまいりました。私は何県がどうの、こうのということは言いません。全体的に見て、非常にアンバランスがあるということだけはこれでかなり明確になってまいりました。それはどこに原因があるのかということで見てみたんですが、もちろんそれは反当収量にもよりましょうし、いろいろあると思いますが、一つには私は、減反政策にきわめて積極的に協力をしたところがむしろ余りよくないという数字が出てまいりました。これはおもしろい数字だなと思った。それはなぜかと言いますと、協力したものですから、一四〇%も一五〇%も協力したところがあるんですね。最初政府が限度数量を割り当てた、余り協力し過ぎて、たとえば十五トンの限度数量の割り当てに十トンしか出なかったと、まあ極端な例ですよ。たとえば十五万トン割り当てもらったのに十三万トンしか出なかったとか、あるいは十二万トンしか出なかったという数字が出てきたわけですね。それが四十六年、七年と続いて、ところが八年、九年と緩んできたわけですね。減反政策緩めました。それにあわして数字が緩んできて、急速にその地域が、きわめて協力したところが、この際緩んだからということでもとに戻った、生産が上がった。ところが、限度数量というのはその以前からの推移によって出てきたという数字が、実は五年間を私は平均をしてトータルを出してみると、かなりそういう面が表面に出てきているような気がいたします。これはまあ私ごとで明確には申し上げませんけれども、確かにそれがあるんですね。ずっと拾ってみました。  ですから、この際私は、いま、この限度数量が緩んで――減反が緩んできて、限度数量も数がふえてきましたですね。七百六十万トンが八百八十五万トンまで、こう緩んできたわけです。そういうことになりますと私は、ここでもう一遍あらゆるデータを駆使して、一つの線を引いてやらないと大変な不公平が、もちろんいい米をつくっているところは自主流通米で流せばいいのですけれども、なかなかそうはいきませんから。同じ米をつくった農家の中で四苦八苦ねじりはち巻きで売り込まなきゃあならぬというところと、平然として腕を組んで一万五千五百四十五円で買ってくれるというのとではずいぶん大きな差が実は出てくる。かつて足らないときに、強権で取り上げていったときには、なるべく割り当ての数量を減らしてやみ米を流すという傾向でありました。いまは逆に割り当て数量をよけいもらって、そうして政府に売ろうという実は逆現象が起こっておるわけですね。ですから、私はそういう意味でもう少しこれを全部洗い直してみる必要があるのじゃないだろうかという気がいたします。  で、そういう矛盾を考えてみると、ことしの場合には農林大臣、いまは口が裂けても言えないでしょうけれども、最終的には全量買わなければならぬという、このパンフレットには流れておりますけれども、本心としてはやはりそういうことにならざるを得ないのではないかという私は気がするのですけれども、そういう点についてひとつ御見解を伺いたいと思います。
  75. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 限度超過米につきましては、これは政府としても方針を決定をいたしたわけでございますが、自主流通のルートに乗せる、まず第一に自主流通に乗せてこれを処理をしていく。これは農林省だけでできる仕事じゃないわけでございまして、やはり農協を初めといたしまして関係団体の協力がなければできぬわけでございます。団体とも十分詰めに詰めた結果、団体の方もそれではやろうということになりました。そこで政府としては、できるだけの助成措置をとりまして、団体側もこれを了承いたしまして、目下懸命に自主流通に乗せて余剰米の消化に努めておられるわけでございますが、さらに、これによってもなおかつ余剰米が出る――これは四月ごろでないとはっきりしないと思いますが、出るということになるかもしれないわけでございます。その場合におきましては、政府は責任を持って必要な措置をとる、こういうことを約束をいたしておりますので、そういう基本的な考え方で処理をしていきたいというふうに思っております。  先ほど、パンフレットでそういう何か全量買い上げ、というふうなことが出ておるということでございますが、それはわれわれは全く考えておらないところでございまして、先ほど申し上げましたような基本的な方向でいま処理をいたしておるわけでございます。  なお、いまの県間調整等の具体的な問題につきましては食糧庁長官から申し上げさせます。
  76. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) 県間調整との関連におきまして、予約限度の各県別配分について先生から御指摘があったわけでございますが、これは先生も御案内のとおり、政府に売り渡すべき米穀に関する政令におきましては、四十二年から四十四年までの三カ年間の平均政府売り渡し実績というものを、生産調整が始まる前の政府に対する売り渡し実績を基礎にいたしまして、その年の計画されている生産調整の目標数量なりあるいは土地改良の避年施行というものの数量を差し引いた数量を基礎といたしまして、あるいは、事は、それが基礎になりまして、またそのいま申し上げました基準年次以降の当該県におきますつぶれ地とか、あるいは反収の傾向とか、そういう諸般の状況を見さしていただきまして決めさしていただいておるつもりでございます。  ただ、四十二年から四十四年までの平均売り渡し実績でございますので、地域によりましてはその年たまたま相当作が悪かった、したがって、売り渡し実績がその年が平年よりも悪かった。平年収量を前提とすれば売り渡し実績等が低かったとか、いろいろそれぞれの固有の実績がございますし、またその地域、県におきます反収の傾向もございます。それらの諸般の要因というものを慎重に配慮さしていただいて現在では決めておるつもりでございますが、この配分等についてなお問題があるというような御指摘でございますので、これについては、五十一年度の限度量の配分につきましては、さらに従来の実績等について十分検証いたしましてその最終の数字を決めさしていただきたいというふうに考えております。
  77. 工藤良平

    ○工藤良平君 まあ、この点はいろいろな要素がありますから、一概に――私はこういうような判断をするけれども、しかしもっと違った要素が入ってまいりますとこれは狂ってまいります。その点は十分私わかるわけです。しかし全体的にこう数字を並べてみましても、いろいろな角度から並べてみますとかなりなやっぱり県間のアンバランスがあるようですから、これはこの際、今後なお重要な問題でありますから、私はぜひ全体的な総合的な検討というものをしていただいて、たとえば五十一年なら五十一年段階ではかなり均衡のとれたものに持っていく必要があるんじゃないかという、私はそういう印象を受けておりますので、きょうあえて、この県間の極端なものは引き出しては申し上げませんけれども、そういうような気がいたしますので、ぜひひとつ五十一年のこの目標に向かっての数字の調整については格段の御努力をしていただきたい。なお、この本年度の県間調整につきましてはできるだけ早く数字を示していただくようにその点も御要望申し上げておきたいと、このように思います。  それから続いてその点と関連をいたしまして、この米の在庫量が非常に予想外にふえているという大臣の先ほどのお話もありました。私も実は検査場所等も回りましてその実態を見て回っているわけでありますけれども、近ごろ非常に、消費者の傾向でもありましょうけれども水分――米の水分ですね。これが大体私どもの地域で従来硬質米が一二%から一三%程度の水分含有量でありましたけれども、それが現在は大体一四から一五ぐらいでないと自主流通米として卸が買わないと、こういうような状況が出ております。もちろん検査の規定も私どものところで大体一五%――軟質米で一六%ですか、そういうようなことに変更になっております。食味の上からはそれは私は大事なことだと、そういうことにこたえていくということは大事なことだと思います。ただ、この積み増しがどんどんふえてまいりますとやはり二梅雨越さなきゃならぬという状態が出てまいります。したがって、そういうことになるとかなり貯蔵用の米としては水分を下げた形で買い取りをしておかなければならない部分があるのではないかという気がいたしますから、この点についての御見解をひとつ伺っておきたいと、このように思います。
  78. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  本問題については、諸般の角度から御検討をいただいておるようでございますが、現在の水分の含有量の検査規格については、各等級とも一律一五%ということに相なっておりますが、われわれといたしましては、生産の実態なりあるいは貯蔵中の品質の保持とか消費面での加工性等を考慮いたしまして規定しておるつもりでございます。で、特にまあ何と申しますか、火力乾燥が進みまして、どちらかというと急速乾燥とかオーバードライニングと申しますか、過乾燥、それによりまして米に対する消費者の嗜好というもの等が非常に問題があるというような点もございますので、私どもといたしましては、一五%というふうな規格を定めさしていただいておるわけでございます。が、在庫増勢というものが非常に進んで、したがって保管の問題等が出た場合においては、その水分規格についてもまた考えるべきではないかというような御意見もございまして、確かに、現在の検査規格におきます水分規格のパーセンテージについては、その面からの検証も必要かと思います。ただ、私どもとしては、御案内のとおり、低温倉庫の普及率が相当進んでまいりましたので、その点についてのかつてのような問題は相当解消されておるのではないかというふうにも思いますが、なお、問題の御提起を受けておりますので検討をさしていただきたいというふうに考えております。
  79. 工藤良平

    ○工藤良平君 確かに低温倉庫は普及いたしました、あの過剰な時代に。私もよく知っております。ところが、この前、検査場所を回りますと、ことし検査されたものが来年の春あたりまで低温倉庫からほとんど出てしまっている、特に生産地の場合はですね。そういう点もあるわけです。しかも消費地におきまして、私はついこの前とりましたお米ですね、ここに持ってきているんですがね。標準米をとりましたら、これはおそらく古々米かあるいは発酵米ですか、全くにおいがあって、もう食われないんです。しんぼうして三分の一ばかり食べましたけれどもね、とうとう持って帰らせました。  そこで私は、問題になりますのは、この間この米屋さんに政府管理米の銘柄米があるだろうと思うから、その銘柄米を持ってきてくれと念を押したわけですね。そしたら、何ですかと、自主流通米ですかと、いや、自主流通米じゃなくて、政府管理米の銘柄米があるだろう、と言うと、はいわかりました、と言って、五キロ持ってきてくれたんです。ところがそれが、ここには領収書ありますが、千九百九十円、いわゆる自主流通米の最高の米なんです。そこで、けさ私来るときに、米屋さんに寄りまして、ここの、東京は一体どういう表示をしているんだろうか、ということで行ってみたわけですね。そしたら、内地米一、二、三、四と、その下に標準価格米、それから徳用上米、徳用米という価格表示が出ているわけですね。ところが、これ私ども大分県の例なんですけれども、これは新聞に出してあるわけですがね。政府管理米、もちろん自主流通米も政府管理米ですね。その政府管理米の中で自主流通米と、それから政府配給米として内地米の上、特上、特、並、そして標準価格米というように……。自主流通米というものと、それから政府配給米、いわゆる政府が買い取った銘柄米、これをこちらでは格差を一俵八百円つけて売却している。それで、これが千九百九十円に化けているんです、東京の場合には。明示してないです、明確に明示してないんです、これ。こういうやり方で結局格上げして売っている。それが私は、米の消費を、高いという印象を――標準米買ったら、発酵米か古々米みたいなのを持ってきたということで、やっぱり高い米買わざるを得ない。ところが、皆さん方はわからないわけです。電話でかけたら絶対わかりませんよ、これ。私は、内容知っているからこそ念を押したんです。政府管理米の銘柄米というのを、一俵八百円高く政府は売却している、標準米よりも高くしている。――自主流通米と違う米があるはずだから、それを持ってきてくれ、とわざわざ念を押した。はい、わかりました、ということで米屋さんが納得して持ってきたんですが、持ってきたのは自主流通米の最高の米なんですね。ということで店に行ってみると、その表示が全然ない。こういうことでは私はいけないような気がいたします。大分県の場合には、こういうようにきちんと新聞にこの内訳を全部入れて出してありますから、こうなりますと。いや、見て買わないものが悪い、と言えば食糧庁が。そりゃそうだなと、新聞にも出してあるんだからなと、こうなるんですけれども、東京の場合には全く、こう内地米ということで一、二、三と、そして標準米、それから徳用上米、徳用米ということしか書いてありませんから、これでは私は不親切だと思う。せっかく政府銘柄米というものが安くて買えるわけですから、しかもこれはおいしい米です。自主流通米にはいかなかったけれども、同じ銘柄米が政府は持っているわけですから、私はそういう親切な行政指導することによって米の消費というのは伸びていくんじゃないかと思うんですが、その点についての指導ですね、お聞きしたいと思います。
  80. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  ただいまのお話につきまして申し上げますと、政府の売却いたします非銘柄米につきましては、これは標準価格米の原料になっておるということでございますが、政府が買い入れる米の中の銘柄米につきましては、これは大体上米、いわゆる自主流通米本来の優良銘柄等、扱いとしては自主流通米との中間の米として売られておるわけでございます。これにつきましては、米屋さんの方で自主流通米なり、あるいは非銘柄米も一部まぜて売る場合もございます。これについては、われわれとしては禁止はいたしておりませんが、その混入割合とか、またそれに応じました適正な価格による販売ということについては指導に努めておるわけでございます。  たまたま東京都の例が出ましたけれども、東京都におきましては内地米の一というのは、これは自主流通米全量だと。それから先生からただいまお話が出ました内地米の二というのは、銘柄米が六〇%以上ということ、非銘柄米四〇%ということで、その内地米の二というようなふうに指導を東京都としてはしておるわけでございます。  この点についての表示等その他について指導に努めておるわけでございますが、その徹底の問題その他については、なお努力をしなければならない点があるというふうに考えておるわけでございます。
  81. 工藤良平

    ○工藤良平君 これはマージンを非常に抑えているという関係もあって、若干そこら辺は、という業者に対する気持ちもわからないことはないけれども、しかし、それは消費者に対しては不親切だと私は思うんですね。しかも、それが米の消費を鈍化させ、むしろパンの方に、あるいは粉食の方に持っていくということであれば、せっかくのこの農業政策が生きてこないわけですから、ぜひそういうことについては、大臣、この前も――きのうですか、おとついですか、これ値上げしても、指導の方でパンの値上げについては抑えるようにします、と言ってみても、法律的に拘束できないわけですから。それは大臣、言うだけの話で、これみんなに知らせるということが私は大事だと思う。そうすると、それから先は、個々が、私どもが選択をしていくわけですからぜひ、そういう指導についてはもう少し徹底した指導を、この伝票一枚見てもわかりませんので、していただきたいと思います。  時間がありませんから、最後の項目の五十一年度予算の重点目標の中身について……。これは特に、私は、先般の予算委員会でも総理、それから大蔵大臣にも質問をいたしまして、大蔵大臣からも御回答いただいたわけです。けれども、特にことしの場合には予算がかなり圧縮されてまいりますから、財投資金に対して各省とも非常にウの目タカの目でこれに群がるような気配が感じられるわけでありまして、先般この財投の方針が大蔵省から出されたようでありますが、私が予算委員会でも御指摘申し上げましたように、たとえば四十九年の農林関係の財投の伸び率を見ますと、全体で百十億伸びたということになっております。けれども、ある、たとえば三井に対しては一社でもって七百五十億円ふやしているという事実がこの前明らかになりまして、私は大蔵省から、予算委員会でつい先日提示を求めてみたら驚きました。一社に対して一年間に七百五十億円ふえたのに、農林関係に百十億円しかふえていないという事実を見て唖然としたわけであります。  いま私ども農家を回ってみましても、たとえば営農資金がほしい、また、後継者資金が非常に金利が安くて、ただで貸してくれる。しかし、これは償還期限をもっと延ばしてほしいとか、そういいことがあるわけです。あるいは総合資金等につきましても、もっと枠がほしい、あるいは条件緩和をしてほしい、こういうことがたくさん要求として出ております。そのためには全体的な枠をふやしてもらう必要があると私は思うのです。これを調査をしてみますと、特に最近の全体の財投資金の中に占める割合を見ますと、農林省関係で大体三・九%というようなことなんですね。これは、かつて三十四、五年ごろは七%を超えておった。現在、半分以下に落ちているわけですね。そういうことを考えてみると、私は、土地改良政策とか、あるいは農業後継者の育成のために、ひとつ大いにがんばろうじゃないかと言っておりますけれども、現実には、こういう形で年々予算ではかなり圧縮をされ、財投についても締め出されてしまうということについては、非常に大きな問題があるということで、先般もこういう事例をあえて出して申し上げたわけです。すでに予算の最終段階にも入ろうとしているわけでありますから、十兆七千億という大変大幅な枠を持っているわけでありますから、この点について、特に本年度編成に当たって、大蔵省としてどのような考え方を持っているか、時間もありませんから、ひとつ、ぜひ御見解を聞かしていただきたいと思います。
  82. 行天豊雄

    ○説明員(行天豊雄君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、先般参議院の予算委員会におきまして、先生の御質問に対しまして、私どもの大蔵大臣から御答弁をいたしましたとおり、私ども財政投融資計画の作成に当たりましては、従来から農林水産関係、特に農業基盤の整備については、決して軽視をしておるわけではございませんで、限られた資金の中でできるだけの効率的な配分を図ってまいったわけでございます。確かに先生御指摘のとおり、財政投融資計画全体の中で、この農林水産関係の占める比率を見てみますと、余りふえておらないということは御指摘のとおりかと思います。  ただ、まあ私、あえて申し上げさしていただきますと、それでは一体この期間にどういう項目がそれじゃふえたのかということを見てみますと、数字的には、たとえば住宅関係であるとか、生活環境の整備であるとか、福祉厚生関係であるとかいうものがふえておりますわけでございます。したがいまして、確かに財政投融資計画に当たりましても、そのときどきの経済的な要請というものを踏まえて、適切な資金配分を図ってまいったということであろうかと思います。ただ、来年度の計画につきましては、ただいま目下編成作業の最中でございますので、具体的なことは申し上げる段階じゃございませんけれども、私ども、御承知のとおり、財政投融資計画、来年度につきましては、原資の面での制約が従来にない厳しい状況にございます。したがいまして、その面では限られた資金の配分ということになるんでございますが、先般の大蔵大臣の御答弁を踏まえまして、私どもといたしましては、限られた資金の中で、現行の制度に基づきまして、事業の緊急性に応じて、できるだけ効果的な配分をしたいというふうに、いま努力しておるんでございます。
  83. 工藤良平

    ○工藤良平君 もう時間がありませんから、もう一言私は大蔵省に申し上げておきたいと思うんですが、確かに農業というのは効果があらわれる期間というのは長いわけであります。十年、二十年かかるわけであります。この前も申し上げたように、いまその施策を誤るということになりますと、大変な事態が起こるわけで、そういう意味で緊急に、たとえば消費者にも金を出さなきゃならぬということは、石油パニックの状態からいたしましても、必要性があると同時に、また非常に大きな問題点もはらんでいるわけです。買い占めや売り惜しみをした商社に対して、一年間に七百五十億もけしからぬじゃないか、農民には百十億しか全体でふえてないじゃないかと、私は本当に憤りを持ってたわけです。が、そういう意味を考えあわせまして、農林の場合には十五年、二十年先のことを考えて、いま施策をやらなきゃならぬという私は、逆に必然性があると思っているわけで、そういう意味からぜひひとつ本年度の、五十一年度の財投資金の割り当てにつきましては、農林に対する私は十分なる配慮をしていただきたい。これは私は、また予算委員会にも出たいと思いますし、決算委員会でも、あらゆる機会に、この財投の問題についてはもう徹底的にやりたいと思っているわけですから、どこまでも参りまして、私は、輸出入銀行や開発銀行に参りまして、もうとにかく書類を引っくり返してでもやろうという決意を持っておりますから、ぜひ、農民に対するそういう配慮をいただきたいということを大臣にもしっかりと伝えていただきたい、このように思います。  大体最後に回答をいただきまして、終わりたいと思います。
  84. 行天豊雄

    ○説明員(行天豊雄君) ただいまの先生のお言葉につきましては、私どもこれから編成作業を行っていくに当たりまして、十分体してまいりたいと思います。  ただ、先ほども申しましたとおり、財政投融資計画の方も非常に厳しい状態でございます。これは繰り返しになりますが、今年度数次にわたる不況対策であるとか、あるいは地方財政対策であるとか、いろいろと需要の方が強いものでございますから、資金状況が非常に厳しいということを、これを機会に十分御理解をいただきたいというふうに考えております。
  85. 工藤良平

    ○工藤良平君 上司に伝えてください。
  86. 行天豊雄

    ○説明員(行天豊雄君) かしこまりました。
  87. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 午前中の質疑はこの程度にとどめます。  これにて休憩いたします。午後は二時から再開いたします。    午後一時休憩      ―――――・―――――    午後二時八分開会
  88. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  89. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 二つほどお尋ねをいたしたいわけですが、一つは、サトウキビの問題です。これはこの間伺おうと思っておりましたが、時間がございませんで残ったわけですが、砂糖の自給率が五、六年前――四、五年前ですか、三〇%ぐらいの自給率だったんですが、二〇%に落ちまして、それが若干二、三年続いて、そしてまた急速にダウンしてきている。たしか、この間の新聞の発表を見ますというと、一五%に下がったというふうに発表されたように思うんですけれども、まあ長期目標によりますと、六十年に二八%とすることになっておるわけです。ですから、三〇%の自給率が落ちてきて、半分程度に落ちてしまった。これから二八%という目標を持ってやられるわけですけれども、これは一体どういうふうにおやりになるのかという点を聞きたいということもあるわけです。しかし、きょうは時間もございませんので、二つほどお尋ねをしたいわけですが、一つは、ビートとサトウキビを見ます場合に、ずっと傾向を見てみますと、やはりサトウキビをふやしていくという方向をこの際とるべきではないかという考え方を持っている者です。どんどん下がっておりましたが、昨年当たりからとまりましてふえてまいっております。作付面積がふえてまいっておりますし、沖縄も海洋博が終わりますと、さらにふえる可能性は十分あると思います。そこで、サトウキビの作付面積をふやしていくという方向をとるべきではないかというふうに考えております。  そこで、二つお尋ねをしたいのは、この間サトウキビ、トン一万六千百円、ビートがトン一万六千円と奨励金を含めまして決まったわけです。ところが、サトウキビの方は大変労働力がかかるわけですね。ビートの四倍ぐらいの労働力がかかる。反当で言いますと、ビートの方がすでに四十時間を割っている、サトウキビの方は百五十時間を超しているという実情です。で、それは、何からくるかと言えば、私は、やはり最も大きな原因は、圃場整備、基盤整備だと思います。奄美の群島の畑を見、沖縄の畑を見ました場合に、大正時代の畑のような気がしてならないわけです。そこへ機械化の問題が入らない大きな原因があるし、労働力も大変にかかるという理由があると思うんです。で、この間決まりました価格でビートが一万六千円で、サトウキビが一万六千百円で見ました場合に計算をいたしますと、一日当たりの家族労働報酬が、ビートは八千円近くなるのではないかと思いますし、サトウキビの方は四千円を割るだろうというふうに思っておりますが、その四千円という程度では、これは大変問題がある。したがって、これには基盤整備、圃場整備というものについて、もっと本格的にやっていく必要があるのではないかと私は思っております。沖縄が日本に復帰いたしまして、その間の問題が非常に大きくありますし、奄美が昭和二十八年に日本に復帰いたしました。しかし、一昨年までは自治省の管轄に入っておりまして、サトウキビの圃場整備も自治省の関係に入っておりました。昨年からだと思いますが、農林省の所管に入ってきたという等々の関係もありまして、その基盤整備が恐ろしくおくれているという点について、どう考えていらっしゃるのか、それからどういうふうにしようとしていらっしゃるのかという点が一つです。  それからもう一つは、きのう沖特で、私の方の、いまいらっしゃる川村議員の方からも質疑があったそうですが、いま一万六千百円のサトウキビの価格で砂糖をつくったのでは、なかなか引き合わないということで買わないという事態が起きているわけです。これについてどういうふうに処理されるのか、この二点です。
  90. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) 沖縄、奄美地域等につきましての基盤整備のおくれ、今後の対策等の御質問でございますが、確かに現状を見ますると、灌漑施設、排水施設、それから農道等、すべての面におきまして、沖縄、奄美はほかの地域に比べまして相当整備の実情はおくれております。そこで私どもは、まず重点的にこれらの地域につきまして基盤整備を実施すべく、まず予算額におきましても、最近におきましては、たとえば沖縄県については、五十年度におきまして、一般的に基盤整備が一〇三・四%の伸び率であったのにかかわらず、沖縄県については対前年費一四五・四というような基盤整備事業の国費を割り当てておりますし、補正後におきましては一六七・五というようなこともやっております。奄美につきましても同様で、二〇%を超え、三〇%に及ぶような国費を割り当てておるわけでございまして、私どもも、そういうような姿勢で今後とも基盤整備の促進を図りたいと思っております。ただ問題は、金をつけただけで基盤整備は進むかという問題もございます。やはり地元の態勢の整備というものもほかの地域に比べれば非常におくれておると言わざるを得ないわけでございまして、それらにつきましては、さらに整備するように指導もいたしたいと思いますが、整備しやすいような形をとるために、現状でも採択基準、それから補助率等につきまして、ほかの地域に比べ格段の優遇措置を講じているわけでございます。私どもはそういうような手立てといいますか、を講じまして、今後ともお説のとおり、奄美、沖縄等につきましては、ほかより比べて積極的な基盤整備を進めるというようなつもりでございます。
  91. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) お尋ねのサトウキビの最低生産者価格は、トン当たりブリックス一九度以上の場合が一万二千三百四十円ということで決定、告示をしたところでございますが、この価格決定に際しまして、別途トン当たり三千七百六十円の奨励金が支払われるようにいたしまして、農家手取りの額がトン当たりブリックス一九度以上の場合で一万六千百円になるようにということで措置をしたところでございます。この生産者価格の支払いについては、従来と同様に、サトウキビが搬入されたときに支払うように製糖メーカーを指導しておるところでございます。したがいまして、サトウキビを買わないということはございませんが、問題は国内産カンショ等の精製糖メーカー、要するに親会社への売り方といいますか、その売買条件というのが現在まだ決まっておりません。これはそれぞれの会社によって、親会社、子会社の関係がございますから、なかなか一律にいかないという実情があるわけでございますが、当事者間において、なお話し合いを詰めさすと同時に、近く私たちといたしましても、その取引の基準となるべき事項を提示をいたしまして、それに基づいて話し合いが円滑に進められるように指導をいたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  92. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 基盤整備の問題ですけれども、いま局長の御答弁がございましたように積極的にお進めになっていらっしゃる。何分長い間の問題なわけですし、ですから、これはやはり自給率を高めていくには、どうしても私はサトウキビをふやすということが最も得策だというふうに思っております。かつてのような作付面積に持っていくことは可能だというふうに思うのですが、したがって、それにはいま私が申しましたように、基盤整備というものをやらなければ……。まあ奄美に行ってごらんになればわかりますように、とてもああいうところで大変ですわ。農道はもうそれは大正時代の農道みたいなもの、畑は段々がありますし、高低ありますし、しかもサトウキビは農作物の中では最も大きな、重い作物ですし、それを刈り取って、そしてそれを農道まで肩にかついで持ってくる。トラックに載せるところまで持ってこなければならない。とても農道はそういうようなことになっていないのです。ですから、やはり農道にいたしましても、圃場整備にしても、あるいは基盤整備にしても、それから排水の問題にしても、灌漑の問題にいたしましても、これはやはり積極的にやっていただきたいというふうに考えております。五十一年度の農林省の予算要求にいたしましても、相当努力をなさっていらっしゃるということはわかりますが、一層進めていただきたいと思っております。  それから、この砂糖の問題ですね、サトウキビとそれから工場側の支払いの問題。これはどうしても話がつかないという場合にはどうなさるおつもりなのか。当事者間のいろいろな交渉もありましょうが、しかし最終的には政府の方として、どうしても話がつかないでまとまらないという場合にはどうなさりおつもりなのか、という点をお尋ねしておきます。
  93. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 問題は、引き取りますときに、要するに、時価で引き取るのか、あるいは国際糖価水準で引き取るのかという、そういう引き取り条件の問題が一つあります。現在は、時価の方が国際取引価格水準よりも下がっておりますから、引き取る力としては安い方がいい、こういうふうになるわけです。そこで、売る方としましてはそれはやはり高い方がいいという、こういう問題がございます。  それからもう一つ、手形の決済条件で、現金で行っていたものもあり、それから六十日済度で行っていたものあり、それからもうちょっと長いものもありということで、いろいろ会社の状況によって違います。違いますが、そこはそれぞれ親会社、子会社の関係ですから、よく話し合いを詰めると同時に、国としてはかくのごときことを考えるんだ、という基準を示して話し合いを行えば、話し合いはつくものであるというふうに理解をいたしております。
  94. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 この価格が決まりますときに、一万六千百円、農家の手取りができるように指導をするということになっておるんですが、これに達しないという場合はどうなさるのか、一万六千百円に。
  95. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 一万六千百円はブリックス一九度以上の場合でございますから、一九度以下のものにつきましては、そこは若干の格差がつくということは私は、やむを得ないのではないかと思っておりますが、ブリックス一九度のものについて一万六千百円ということで、要するに、奨励金部分の三千七百六十円は、これはサトウキビについては国と会社で責任を持つということになっております。したがいまして、明年度予算におきましては事業団売買を通じてそれを埋めていくのか、あるいはまた会社がどうしても出さないということがはっきりしました段階で、国が、その三千七百六十円の負担すべき部分を支出するのか。それは来年度予算にその所要経費を計上いたしまして、一定の時期に、国の責任を持つべき部分については、国が責任をもって払うという措置をいたしたいと思っております。
  96. 川村清一

    ○川村清一君 関連で私もちょっとお尋ねしたいんですが、実はただいま鶴園委員からもお話がございましたように、きのう沖縄特別委員会がありまして、その席で私は質問したんですが、衆議院の方で農林水産委員会がございまして、農林大臣もそれから食品流通局長もその方に出ていらっしゃいましたために、私の方には砂糖類課長がおいでになったわけです。で、課長にいろいろ質問をいたしましたが、御答弁がどうもすきっとしないわけです、局長の話ほど。やはり課長ですから、そう責任持てませんので答弁ができなかったと思うんです。  私の聞いたことは、もう端的に言って、ことしのサトウキビ価格というものは、農林省告示とそれに奨励金を加えて引き取り価格は一万六千百円である。ブリックス一九度というところはまた問題がありますが、これはさておいて、できればこういうものをはずして一本化したいわけでありますけれども、そこには触れないで、とにかく一万六千百円というものがこれが農林省の指示価格であるんだと。しかも、サトウキビの刈り取りというのは沖縄においては一月十日ごろから始まるわけでありまして、もうそろそろ刈り取り時期になります。農民は刈り取ったものを製糖工場に持っていって、現品と引きかえに一万六千百円をもらわなければならぬわけです。その一万六千百円という価格について、生産農民と引き取りメーカーとの間に話し合いがつかないで、それで引き取ってもらえなければ、これはもう大変なことになるのであって、沖縄の基幹作物であるサトウキビがだめになるということは、要するに沖縄の農業がだめになるということであり、沖縄農民はもう生活ができないんだから、何が何でも一万六千百円で引き取ってもらわなければならないんだと。しかしながら、当時者との間に話し合いがどうしてもつかない場合には、政府が中に入って、政府の責任でもって、政府が決めた一万六千百円でこれは引き取ってもらうように、そういう措置を政府が責任を持ってやれるかどうか、この一点なんです。これを答弁してくれと、こう聞いているんですが、どうも、のらりくらり、のらりくらりで、さっぱり話がわからぬ。  なぜこういうような問題が出てきておるかというと、沖縄の製糖メーカーというのは、御案内のように中小メーカーである。この中小メーカーは本土の大企業のいわゆる系列に属しておるわけであって、沖縄のつくった砂糖を本土のメーカーがそのままの価格で買わない。二十五円引き下げろ、二十五円下げないと買わないということになっておる。二十五円引き下げるというと沖縄総体でもって約四十億の赤字になる。四十億の赤字になっては、とても沖縄のメーカーが農民に対して一万六千百円を支払う能力がないと、こういうことなんです。したがいまして、政府は、沖縄のメーカーと本土の大企業との間に入って、二十五円引き下げるなんというけしからぬ話はこれはなくして、そうしてきちっとした価格で引き取ってもらって、結局は農民に一万六千百円を必ずこれは支払ってもらいたい、その価格で買い取ってもらいたい。これを政府がやるかやらぬか、こういうことなんです、端的に言って。これをお聞きするんですが、どうも砂糖類課長の答弁ははっきりしない。いま局長のお話を聞いておってもその辺がはっきりしないんですが、鶴園委員の質問に関連して私もお尋ねしますので、この点をひとつはっきりお答えいただきたいと思うわけです。
  97. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 両当事者間の話し合いによりましても自主的な解決が困難である場合には、農林省といたしましては、取引の基準となるべき考え方についてこれを両者に示して、話し合いが円滑に進むように指導をいたしたいと思っております。
  98. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 そこまではわかる。それで円滑に進まない場合、いま言ったように二十五円で争っているというような場合には、それを二十五円を十円負けさせる、そうするとあとの十五円なりというものを政府が持つ、という形で一万六千百円という、きちっと指導価格のようにやる、というふうに考えていいのかどうか。
  99. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 親会社の方は三十五円引きであるとか、あるいは手形済度百二十日であるというふうなことを言っておりますが、これはなかなかそういうことにはまいらないのでありまして、そこは従来のいろいろな実績も踏まえまして、一定の合理的な線を引いて話をつけてもらうということであろうと思います。それについて、政府が中に入るならば政府が中に入って話をつけるというふうに指導いたしたいと思っております。それがつきましたならば、今度はサトウキビの農家に対する支払いでございます。これは農家に対しては一万六千百円ということの指導価格を出したわけですから、これは農家には一万六千百円の価格を払ってもらわなければいけないと思います。ただ、その場合に、そうすれば、それを払ったときの先ほど申し上げました三千七百六十円の、要するに奨励金部分をどうしてくれるのだというふうに、必ず製糖会社は第一にそれを言うと思います。これは先ほど申し上げましたように、国と会社が責任を持つということですから、現在のような糖価の水準、二百円あるいは二百十円そこそこのところではっておるようなそういう糖価の水準が今後も続くとすれば、これは私は恐らく全額政府が持たざるを得ないというふうに思っております。したがいまして、問題は、今後の糖価の水準いかんということでありまして、できるだけ糖価を安定させる、たとえば糖価が十円上がったといたしますとビートだけで二十億でございますから、これは糖価の上がり下がりというのは決定的要因でございます。したがいまして糖価の安定を今後図っていく必要がある。図っていったとしてもなお会社に赤字が残るということは、私はある程度あり得ると思っております。農家に一万六千百円を払って、しかも奄美、沖縄の製糖会社に全く赤字が出ないというふうな状況を実現しようといいましても、これはなかなかむずかしい問題で、これは今後の糖価の安定の努力いかんにあるということに考えています。したがいまして、農家には一万六千百円を払い、奨励金についての三千七百六十円については国と会社が責任を持つ、同時に親会社と子会社の円滑な話し合いを進めるということによって、御要請のような線に落ちつくような努力をしたい、かように考えておる次第でございます。
  100. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 時間の関係がありまして、いまの回答でひとつ承っておきます。  それからもう一つは、でん粉ですが、この間でん粉の問題、カンでんの問題ですが、どうも指導価格の千五十円というものでカンでんをつくった場合に、いまの状況ではなかなか売れにくい。しかし、だからといって、そのままほうっておくわけにはいかない。そこで、民間の企業にいたしましても、農協の企業にいたしましても、そこのところはもう目をつぶって、何とかはけるように、でん粉が売れるように、その環境づくりに一生懸命やるんだという前提で操業が始まっているという状況なんです。ですが、これはなかなか大変な問題ですね。いま、たくさん陳情電報も参っておりますが、関税審議会が開かれている。そこでどうするのかということで、農林省としては御検討なさっていらっしゃるという状況だと思うんですが、いま関税審議会にどのような考え方で農林省の案を持ち出そうとしていらっしゃるのか、その点をお伺いいたします。
  101. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) カンショでん粉につきましては、御存じのとおり従来からの関税割り当て制度の運用によって糖化用、すなわちブドウ糖、水あめ向けにその優先消化を図ってきたところでございます。しかし、なかなか容易な事態ではございませんので、今後その販売確保を図るために関税割り当て制度につきまして関税率の見直しあるいは抱き合わせ範囲の拡大等、所要の改善を加える必要があるということで、そういう改善を加えて、引き続きカンショでん粉の優先消化ということに努めてまいる考えでありますが、このため、トウモロコシの割り当て制度の関税につきましては、これを見直すような方向で関税率審議会に御審議をいただくことにいたしておるわけでございます。
  102. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 関税の見直しの話がございましたのですが、いま無税と一〇%と、これは金額ですが、ほぼ二〇%の二次関税というふうに分かれておるわけですけれども、これを一体どういうふうにしようとしていらっしゃるのか。盛んにいま要望されておりますのは、二次関税を引き上げてもらいたいという、これは非常に強いわけですね。  それからもう一つは、抱き合わせの適正化、いま一対三・六という形になっているんですかね。前は一対四・二というような形になって、その前は一対六・二ぐらいですか、そういうような抱き合わせになっておったんですが、その抱き合わせの適正化というものを図る必要があると。その中身をもう少し――抱き合わせをどのようにしようというふうに考えていらっしゃるのか。それから関税審議会に対してどのような考え方を持って、案を持って臨んでいらっしゃるのか。きのうから始まっているわけですし、どういうふうな案を持っていらっしゃるのか。  それからもう一つは、一般用の物につきまして五十年の前期十七万トンというやつを十一万トンに抑えられた。いま後期が始まっている、十四万トン。これをどのように抑えるような考え方でいらっしゃるのか、この三点につきましてお尋ねをいたします。
  103. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) まず関税割り当て制度におきます関税率の改定の考え方でございますが、現在、二次は八円六十銭でございます。キログラム当たり八円六十銭で、これが六体二〇%相当でございます。これを、私たちといたしましては、十五円ぐらいまでに二次を引き上げたいと考えております。それから現在糖化用に抱き合わしておりますトウモロコシの輸入税率はゼロでございますから、これはいじりようがございません。それから一般用のコーンスターチは現在一〇%でございますから、その一〇%をむしろゼロにすると同時に、一般用コーンスターチについても抱き合わせの制度を適用するということにいたしたいと考えております。一次も二次も上げるという考え方もございますが、一次を上げたら、ただ上げただけの話でございまして、仮に一次を一〇%、二〇%に上げれば関税収入はなるほどふえますけれども、でん粉の消化には余り役に立たないのではないか。あるいは役に立つかもしれませんが、ただ関税を上げただけに終わってはいけませんので、むしろそれをゼロにして、同時にでん粉を抱き合わして消化を図るという措置をとりたいと思っております。  それから抱き合わせ比率でございますが、現在、来年の三月までは一対三・六六ということでこれは決まっておりますので、下期はその比率で処理をいたしたいというふうに考えております。  それから今後のそれでは抱き合わせ問題といいますか、割り当てをどういうふうに運用していくかということでございますけれども、これはカンショ及びコーンスターチの全体の需給を考えまして、そうしてそのでん粉の十万トンが消化し得るように全体の枠を十分関係方面とも協議して詰めると同時に、その中においてでん粉は十万トンが円滑に消化されるような、そういう適正な需給見通しと抱き合わせ比率を決めたいと、かように考えておる次第でございます。
  104. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 この一般用のものを、いま一〇%かかっているものを無税にするということは、これは一般用のものをその抱き合わせのものに使うと、こういうことなんでしょうね。そうしますと、一対三・六六というやつが、もう少し一対五ぐらいか何かそういったものになってくるという考え方なんでしょうね。で、それはいつからやられることになるんでしょう。いま、先ほどお話のありましたように、一対三・六六というのは来年の三月まではこれでいくんだというお話ですけれども、いつからおやりになるのかですね、その点お伺いします。
  105. 今村宣夫

    ○政府委員(今村宣夫君) 関税割り当て制度は、暫定税率でございますから法律の改正を要します。したがいまして、いまから大蔵省の方で、関税審議会が通りますならば、その法律改正を準備をいたしまして、国会の御審議を受けてやるということになりまして、その法律の有効期限は一年間ということでございますから、来年の四月から再来年の三月までそれが適用になるということでございます。
  106. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 いいです。
  107. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 前の委員会で積み残しました畜産振興の問題につきまして、若干政府の考え方を伺っておきたいと思います。  最初に飼料基盤の問題ですが、牛は元来草食動物でありますし、草資源の造成いかんによっては、問題になっている配合飼料のウエートを相当少なくすることができると思うわけです。わが国においては、山林原野等でまだ畜産的に利用できる余地は非常に大きいと思われているわけですが、先般、農用地開発公団法というのが成立しまして、未利用あるいは低利用の広大な土地を畜産的に利用することができるように、それを目的として事業が開始されているわけですが、   〔委員長退席、理事小林国司君着席〕 これもやはり飼料基盤の造成の一還であると、このように思われるわけであります。日本において開発可能な農用地面積は昭和四十四年度の調べで見ますと、百五十万ヘクタール程度であると、このように見込まれておりますし、土地の改良長期計画によりますと、四十八年度から五十七年度まで十年間にこの開発可能面積のうち七十万ヘクタール、この開発を行うということに予定されております。  食糧の六十年見通しにおきましても、農用地開発造成の促進と里山の利用、あるいはその他畜産的利用が可能な林地においての林業経営との調和をはかりながら林間放牧等の利用を拡大していくということが重要であるということが述べられているわけでございますが、そこで、まず三点お伺いしたいんですが、飼料自給対策について現況はどうなっているのかということがまず一点。  次に、最近における物価高や総需要の抑制政策によって土地基盤整備というのが、いま非常におくれているわけでありますが、土地改良長期計画も大幅におくれていると推察されますが、現在までの実績はどうなっているのか。また、その実現の見通し、完全にそれを実施するためには今後毎年どれぐらいの額を投資すればよいのか、を数字的にお示しをいただきたい。  また、第三点目として、物価高によって土地改良投資は実質的においては相当ダウンしていると思われるのですが、ことしの実質投資額は一体昭和何年ぐらいに当たるのか、まず最初にこの三点お伺いいたします。
  108. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 私の方から最初の点につきましてお答え申し上げます。  飼料の加工対策がどうなっているかということでございますが、つまるところ、結局、畜産、いろいろ問題がございますが結局は、飼料問題をどうやって解決するかということにまず尽きるということでございます。この点につきましては、一つはあるいは低利用地あるいは未墾地、そういったところにおける草地利用、草地開発の拡大といったことが一つございますし、この草地開発につきましても、その量的拡大と同時に、質的な改良を図っていくといった方向があろうかと思います。  それから、もう一つは、そういった既耕地への外延的な拡大だけにとどまらず、むしろ既墾地におきます、既耕地におきまする自給飼料作物の生産を増加していく、こういった方向の政策をとろうとしておるわけで、現に今年度におきましても、粗飼料の緊急増産対策というものを打ち出しておりまして、こういった仕事をしております。  それから、あるいは今後さらに水田の裏をどうやって利用していくか、こういったことにつきましても政策を展開していきたいと思っておるわけでありますし、それから飼料穀物等につきましても、たとえば飼料用の麦の増産対策を進める、こういった万般の対策を現在展開中でございます。
  109. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) まず最初に基盤整備について土地改良長期計画に対しての実績はどうか、今後の見通しはどうかという点でございますが、五十年度の予算、これは五十年度は御承知のとおり、補正がございましたので、補正も入れまして、四十八、四十九、五十というものと土地改良長期計画十カ年間の計画との対比を見ますと、大体実施率は一六・二%ということになります。  それから、補正後を基準といたしまして、じゃあ今後、土地改良長期計画を完全に消化するためには、どれくらいの事業規模が必要であろうかという点でございますが、年率化にしまして大体一八・三%ぐらいの事業量のアップが必要であるというようなことになっているわけでございます。これもなかなか容易ならぬことでございます。  二番目の御質問で、それでは五十年度の補正後の事業量は大体実質換算どのくらい、何年ぐらいの事業量に相当するかという御質問でございますが、五十年度の農業基盤整備その他を入れまして長期計画ベースにおきます事業量は、補正後七千七百五十六億でございます。これを四十五年度を一〇〇としまして、物価その他の補正をいたしますと、大体その事業量は四十五年度と四十六年度の間といいますか、その程度の事業量だというふうに私どもは考えております。
  110. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 五十年度、ことしで大体昭和四十五年か四十六年度程度の実質投資額になっているわけでありますが、となりますと、六十年の食糧の需給の見通しというのは、相当狂ってくるんじゃないかと思われるんですけれども、その点いかがですか。
  111. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) したがって、私どもはぜひ土地改良の長期計画並びに先般閣議決定いたしました六十年の食糧の需給見通しに挙げております農用地の確保、農用地の拡大の目標はぜひ達成をいたしたいというふうに考えておりまして、来年度予算要求におきましても格段の飛躍を、基盤整備事業において確保をいたしたいというふうに考えまして予算要求をいたしておりますし、そのように現在努力をいたしております。
  112. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 六十年の長期見通しにおいて肉用牛の場合飼養頭数三百三十万頭、また肉牛の牛肉の需要六十二万トンと計算をしておりますね。これは国内生産量が五十万八千トン、輸入で十一万七千トン、これは国内自給率八一%という数字になるようでございますが、この見通しの実現のための諸施策はどのように考えておられますか。
  113. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 長期見通しでは、ただいま先生おっしゃったような需要の見通しと生産量を見込んでおりますけれども、かなり意欲的な政策を前提としているわけであります。この長期見通しの達成のためには、具体的には肉の専用種につきましては、適地におきまする多頭経営を集団的に育成する、こういった方向で飼養頭数を増加していくということではないかと思っておるわけでありますが、さらに具体的に申し上げますれば、先ほど先生が御指摘になりましたように、山林原野だとかあるいは低利用の資源をどうやって活用するか、こういったことが一点。  それからただいま私が申し上げましたように、既耕地やあるいは裏作地、そういったところに、いかにして飼料作物を増加していくか、こういった問題、それから経営規模拡大のための家畜の導入の問題等いろいろあるわけでありますけれども、そういった適地におきまして繁殖から肥育に至る地域的な、これは個々の経営では必ずしもできないと思いますが、地域的な一貫生産体制といったものを増していくこと。それから同時に、生産物の価格の安定ということが不可欠の問題でございますから、それを充実するといったことじゃないかと思っているわけであります。  一方、乳用種につきましては、これは先生御承知のとおり、酪農経営の副産物でありますから、基本的にはやはり酪農経営というものを安定さしていくということだろうと思いますけれども、同時に、やはり生産者団体によります組織的なホイールの問題だとか、あるいは肥育を促進する、そういった問題とか、肉専用種と同様に価格の安定を図っていく、こういうもろもろの施策がかなり積み重ねられていって初めて達成できる見通しであろうというふうに私どもは思っております。   〔理事小林国司君退席、委員長着席〕
  114. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 特に和牛飼育の場合なんですが、山林地の利用の中で、国有林の活用ということは非常に今後大きな課題になると思うんですが、そこで国有林の活用について非常に、和牛飼育に積極的に取り組んでいる畜産基地の建設を推進している地区では、その当該地区の国有林の開放を望む声が非常にいま強いわけであります。ところが、御承知のように、保安林等の制限等もありましてなかなか、各地における事業の推進地区では計画案を何度も組み直さなければならない、そういうことで足踏み状態でなかなか事業が推進できていない、こういう実情にあります。こういう点について畜産局としてはどのように推進を今後図ろうとするのか、また林野庁としてはその辺の連携はどうなっているのか両方の方からお尋ねしたいと思います。
  115. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 私どもといたしましては、当然林野庁と協力いたしまして国有林野の活用の問題につきましては、活用に関する法律がございますから、その法律を最大限に活用して、国有林野の適切な利用を図っていきたいと思っておるわけであります。具体的には、林野庁の方におきましても、これは四十二年度、かなり以前から国有林野の内部におきまして、肉用牛の放牧という実験事業を重ねてかなりのデータを私どももいただいております。それから、畜産局におきましても、別途五十年度から農林地の畜産的利用、つまり農林地におきまする畜産的利用と、それから林業の経営というものの調和をどうやって図っていくか、こういったことにつきまして一歩立ち入った調査を展開してございますので、そういったデータに基づきまして国有林の、あるいは国有林に限りません、林地の積極的な活用を図っていきたいと思っておるわけであります。
  116. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、畜産のための林間放牧草を含めまして活用するということが大変要望が強いわけでございまして、私どもも、森林の持っております公益的機能等に配慮しながら積極的に進めておるところでございます。  実は、国有林の活用の実態でございますけれども、全国で林間放牧いたしておりますのが約三万八千ヘクタールございます。また草地といたしまして、でき上がって貸付いたしておるのが一万四千ヘクタールございます。そのようなことで、私ども、先ほど畜産局長の方からお話申し上げましたように、四十二年来、実験牧場を全国十カ所設けまして、林業と畜産が両立するような実験等も重ねておるわけでございまして、今後とも、このような要請にこたえるべく畜産局とも十分連絡を申し上げながら積極的な活用を図ってまいりたいと、かように考えておるのでございます。特に北海道等につきましては、農用地開発事業団の仕事というものが具体的に進んでいる段階でございますので、ケース・バイ・ケースで十分御相談申し上げたい、かように考えているわけでございます。
  117. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 そうしますと、林野庁としては、特に北海道での事業の内容等を検討されて現在の計画をさらにもう一歩推し進めるということは見通しがございますか。
  118. 松形祐堯

    ○政府委員(松形祐堯君) 全体的なお話を申し上げたわけでございますが、北海道で出てまいっておりますのを調べてみますと、国営草地開発事業とか、国営農地開発事業、さらに事業団が行います畜産基地の建設、この三つございまして、それぞれ地区を私ども承知いたしておりまして、現在、畜産局と一緒になりましてこれが内容の検討に入っているわけでございまして、そのケース・バイ・ケースというようなことで、十分御相談できると、かように考えておるわけでございます。
  119. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 この際、肉用小牛の価格安定基金制度についてお伺いをしておきたいと思いますが、農林省では、畜産物価格安定対策の一つとして、昭和五十一年度から保証基準価格の引き上げと補てん率の引き上げを実施するための計画予算というものを大蔵省に要求をされておるようでありますけれども、この小牛の安定制度というものは非常に各方面から歓迎をされております。ところが、まだまだ内容的には充実されてない面もありまして、生産農家からは、補てん率が満額保証されてない、あるいは地方自治体の財政がきわめて悪化をしておりますので、非常に財源づくりに苦慮をしている、こういった点で不満の声も聞かれるわけであります。この点一農林省は再保証する等の内容充実等について、どのように取り組むお考えでありますか。
  120. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 小牛価格の安定につきましては基金制度があるわけですが、それにつきまして、いま御指摘になりましたように、来年度の予算要求の重点事項として、保証基準価格を上げたり、あるいは加入頭数のアップを図ったり、あるいは保証の基準となるような価格を上げる。こういったことを中心といたしまして、大幅な予算要求を現在折衝中でございますが、これは非常に大切な事柄でありますので、一生懸命がんばりたいと思っておるわけであります。それから、どうも保証のレベルが十分に保証し切ってないという問題がありますれば、これは全国に基金もございますから、それによる融資というものも、融資制度も開かれておりますので、そういった活用を図っていきたい。それから、やはり十分対応し切れないというのは十分に資金が造成されていないということから出てくるわけでありますから、十分に資金を造成しておく、大幅な計画をも予想して十分な資金を準備しておく。それに対応する国庫補助金を充実しておく。こういったことになるわけでありまして、そういったことも含めまして予算折衝に臨みたいと思っているわけであります。
  121. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 せっかく関係者の人たちから歓迎された制度ができましたわけですから、その活用については一層円滑に行われるように督励をしていただきたいと思います。  もう一点、肉用牛の飼育農家の所得免税の点でありますが、肉用牛の飼育農家の所得内容というのは地域によって非常に格差が大きいわけでありますが、兼業農家もありますし、たとえば北海道の方では半農半漁形態というのが非常に大きいわけです。こういった特殊な地域では、肉用牛売却所得の免税措置は非常にありがたい制度だということで、地元では定着をしているわけでありますが、この措置は農林事務次官通達で期限が決められておりまして、五十二年の三月までということであります。やはりこの制度は将来とも継続措置をしてもらいたい、こういう農家の人たちの切実な希望が出されておりますが、この免税措置については農林当局はどのようにお考えになりますか。
  122. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) ただいま御指摘になりました肉用牛売却所得に対する所得税の免税措置でありますが、これは肉用牛の生産振興対策の一環として五十二年の二月末まで適用されております。これは租税特別措置法で規定があるわけでありますが、これを延長するということはいろいろ農家の要望もございますし、それから五十二年はまだ若干期間がございますので、その間におきまする肉牛の飼養農家の経営の動向等、そういったものもにらみ合わせながら関係機関と今後折衝をしていきたい。私どもといたしましては、これはやはり存続するような気持ちで折衝はしていきたいと思っておるわけであります。
  123. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 飼育農家の人たちはいろいろ長期のプランも立てなきゃならないので、大綱的には存続ということで承っておきますが、やはり明確な通達が出されませんと不安も残りますので、できるだけ早い時期に継続ということを発表できるように御努力いただきたいと思うわけであります。  飼料の問題でお尋ねをいたしますが、飼料の安定供給の問題は、肉の価格水準及び小牛価格の安定とともに肉畜経営安定にとってきわめて重要な要素になっているわけであります。わが国においては昭和六十年の肉牛飼養頭数、先ほどの資料に、見通しとしては三百三十万頭ということになっておりますが、今後世界における穀物の需要の予想から見ましてますます飼料用穀物の不足というものは考えられるわけであります。この問題についてはずいぶんこれまでにも論議されておりますが、ここでもう一回明らかにしておきたいと思いますので、次の諸点について御答弁をいただきたいと思います。  現在のような高い飼料輸入依存をいつまで維持できるとお考えになっていますか。それからもう一点は、輸入の依存を漸次縮小していって自給率の向上を図るという方針でありますが、その方策として、開発輸入の長期的展望の見通しをどうとっておられるのか。それから飼料備蓄対策はどのように考えているか。それから農用地の完全利用対策、飼料価格の安定対策、以上の諸点について、簡単で結構でございますから明らかにしていただきたいと思います。
  124. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 飼料問題についての基本的な考え方といたしましては、大家畜につきましてはこれは国内でできるだけ自給率を高めていくという形で対応していく、そのために粗飼料が中心になるわけでありますが、粗飼料の依存率をできるだけ大家畜については高めていく、こういったことだろうと思うわけであります。それから、ただし、中小家畜につきましては、これは飼料穀物で飼養しなきゃなりませんから、これは海外に依存せざるを得ない。たとえばトウモロコシ、マイロ等につきましては、これは海外に依存しなきゃいけないと、こういったことであろうと思っているわけであります。六十年見通しで、かなり意欲的な見通しを、飼養頭数、それから飼料穀物について見通しておりますけれども、そのために日本の、世界の中で占める飼料の依存率というものは極端にふえる、そういうような形では見通しておりませんで、決して飼料の安定的な輸入というものをネグって考えているわけではございません。そう極端に日本の海外依存率と言いますか、日本が世界の飼料をみんなこちらにかっさらってくるという形では考えていないわけであります。  それから、開発輸入の問題につきましては、これはいろいろ現在の飼料穀物の輸入は、アメリカが中心でございますが、やはり市場の多角化ということが輸入の安定化ということにつながるわけでありますから、アメリカあるいは特定の市場のみ依存せず、できるだけそれを多角化していく。そのためには開発輸入ということの対策をとる必要があるというふうに思っているわけであります。  それから、飼料備蓄につきましては、御指摘になりましたように、今後の世界的な飼料の穀物需給というものは、かなりタイトな状況で推移するということが予想されるわけでありますから、不測の事態に備えましてこれを備蓄しておくということは当然必要であるわけでありまして、いまその具体策につきまして検討中でございます。  それから、飼料価格の安定ということにつきましては、これは一つは御承知のとおり、食管で、えさ勘定で輸入飼料を、特定のものにつきましては操作してその安定を図っている。それから、いずれにいたしましても、海外からの輸入飼料でございますから、海外の相場によって変動することがあるわけであります。その場合には、飼料価格の大幅な変動によって畜産経営に与える影響をできるだけ少なくする、そのショックを緩和するという形で配合飼料の基金をつくっておりまして、今年の二月から新たに政府が助成いたしまして、親基金をまたつくった。こういった施策をとっておるわけであります。なお、具体的に国内の配合飼料価格をメーカー、全農が四半期ごとに改定する場合には、当然畜産局がその具体的な資料の提出を求めまして、それにつきましていろいろガイド――指導をして、値上げをできるだけ抑制するようにも要望しておるということは御承知のことだろうと思うわけであります。
  125. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 飼料価格安定対策は現在、食管特別会計のえさ勘定、それから親基金の二つ。これで賄っているわけでありますが、今後、その他これに追加する政策等は考えておられないでしょうか。
  126. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 先ほど申し上げましたように、根幹といたしましては、飼料需給安定法に基づきまして食管特別会計でやっておる。それから、価格の変動による影響の緩和というものは配合飼料基金で対応しているということでございますが、そのほかに配合飼料の具体的な価格改定の都度、全農はもとより、各メーカーに対し適正な価格形成が行われるよう、それぞれ具体的に指導しているわけであります。  それから、対外的にはやはり長期的な輸入の安定といいますか、そういった対策を今後進める必要がある。ことしの八月に大臣が向こうの、アメリカのバッツと一緒になりまして、御会談になりまして、取引目標数量というものを飼料穀物についてお決めになった。こういったこともその一つのあらわれであろうと私どもは思っているわけでありますが、それと一方、先ほども申し上げましたように、不測の事態に備えて備蓄ということも考えておる。こういったもろもろの対策が必要であるというふうに思っているわけであります。
  127. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 最後に、流通の問題で一点ただしておきたいと思いますけれども、わが国の肉畜の流通は食肉需要規模の拡大と生産構造の変化に伴って、その流通機構は漸次近代化の方向に向かいつつあるとは思います。しかし、その中にあって最も近代化がおくれて、しかも複雑な流通機構を持って、複雑な価格形成をなしているというのが肉牛の実態だと思うのですが、牛肉は市場間格差も大きいし、それは必ずしも需給事情を適正に反映したものではない、適正に反映したものとは言いがたい、こういう現状であります。  そこで、牛肉の流通機構の整備近代化が他の肉畜に比べて立ちおくれた原因はどこにあるのか。また、近代化がおくれると指摘されながらも、なかなかその対策が行いづらいのはどこにあるのか。今後それに対してどう対処されるのか。この点の御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
  128. 大場敏彦

    ○政府委員(大場敏彦君) 牛肉の流通機構は御指摘のように非常に複雑であるということは事実でございます。原因としてはいろいろあろうかと思いますけれども、一つは牛肉は生体から屠体、それから枝肉、部分肉、それから精肉というぐあいにかなり流通の過程においても形を変えていく。そのたびにいろいろ専門的な流通業者、取扱業者が関与する。それによって最終的にはテーブルミートというかっこうで食卓に供するという形になりまして、次々に商品形態が変わっていくという一つの特色がありまして、それが牛肉流通が非常に複雑であるという一つの原因ではないかと思っているわけであります。  それから、あるいは牛肉というものは品質格差がなかなかあるわけでありますが、その客観的な基準がないというために勢いやはり先物取引とか、そういったものができず、現物取引になりがちである。こういったことも一つ立ちおくれの原因ではないか。それから生体の処理過程で必ずプロセスを経なければならない屠場という問題もありまして、これも非常に零細でございまして老朽化している。こういった施設上の問題もあるわけであります。  そういった、数え上げればいろいろ原因があるわけですが、いずれにいたしましても、流通機構を整備近代化するということが必要であるわけでありまして、具体的にはどうするかということでございますが、肉畜の流通につきましては、やはりその取引の中心となります家畜市場、これが非常に零細である。それをもう少し近代的な大規模なものに再編成していくということが必要でありまして、その助成も実際実施中でございます。  それから、食肉の流通部面におきましては、従来からも産地におきまして食肉センター、こういったものを設置しておりますが、今後はさらに消費地におきまして部分肉まで処理するようなそういったセンターというものを積極的に整備していくということが必要ではないかということで、これも予算措置を講じつつあります。  それから、問題は、やはり食肉卸売市場というものの占める位置が食肉の取引の中では少ないわけでありますから、このシェアをふやしていく。そのためには卸売市場というものの施設の整備を積極的に図っていくといったことも必要ではないかと思っております。  それから、やはり規格取引というものがどうしても取引の近代化のためには前提となるわけでありますから、それを普及させていく。いろいろな方法があろうかと思いますが、そういった事柄を私どもは当面の施策として重点的に進めていきたいと思っております。
  129. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  130. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。     ―――――――――――――
  131. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) これより請願の審査を行います。  第一二一号甘しょ及び甘しょでん粉価格の引上げ等に関する請願外三十六件を議題といたします。  本委員会に付託されております三十七件の請願につきましては先ほどの理事会におきまして協議いたしました結果、第一二七号米作農家の経営安定に関する請願外十一件は議院の会議に付することを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一二一号甘しょ及び甘しょでん粉価格の引上げ等に関する請願外二十四件は保留とすることに意見の一致を見ました。  つきましては、右のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。   〔午後三時十一分速記中止〕   〔午後三時二十三分速記開始〕
  134. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。  継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。  農産物価格安定法の一部を改正する法律案及び砂糖の価格安定等に関する法律及び甘味資源特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、両法律案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出時期につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  137. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出時期につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  140. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 引き続き質疑を続行いたします。
  141. 原田立

    ○原田立君 会計検査院が十二月の十一日、昭和四十九年度の決算検査報告を発表しております。この発表の中で、予算の使い方がずさんだとして、いわゆる不当事項の指摘を受けた件数が全体で七十九件、四億三千余万円となっております。しかし、今回の検査結果は、検査対象が限られていたことから、ごく一部であり、当然氷山の一角であろうと思うのであります。今回の指摘されているうちで、農林省に関する件数、金額とも群を抜いていることは一体どうしたことなのかと心配をしておるわけであります。金額にして全体が四億三千二百四十九万円。このうち農林省関係は一億二千百三十五万円、これは全体の約三割であります。それからまた、件数にして全体で七十九件、このうち四十一件、件数にして四十一件、実に五割以上の数字になっております。全く不名誉この上もないことであろうと思うのであります。で、この一億二千百三十五万円のうち、実はどこの局が一番不当事項があったのか調べてみましたらば、このうち、農業構造改善事業が二十件で八千七百四十三万円、実に全体の七二%もあります。国民の多くは、食糧自給率の向上という大目的のために使われていることには何の心配も不安もないと思うのでありますが、それを悪用して、またその使途の目的に反して国民の血税をむだ遣いすることは断じて許せない、こういうふうに私は思うのであります。大臣はこの件について御承知であろうと思いますが、所感はいかがですか。
  142. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘のように、不当事項の指摘が絶えませんことにつきましてはまことに遺憾に存じております。  ただ、先生御指摘でございますが、従来の傾向から見ますと、いわゆる工事関係の指摘が多かったわけでございますが、そういう問題につきましては、最近たとえば公共事業、そういうようなものにつきましては、漸次減少の傾向になってきております。ただ、御指摘のように、そういういまの構造改善事業のごときものにつきまして非常に指摘が多いということにつきましては御指摘のとおりでございまして、内容をただいま精査をいたしておりますところでは、一つは共同事業――個人事業には補助金が出ません。共同事業というものを進めていくというのが一つの考え方でございます。そういうものが実際は個人の事業になっておるというような問題を指摘されている点が一つ多うございます。  それからもう一つは、工事の、何といいますか、精算関係につきまして、いろいろ請負なり――実際には直営でやっておるものが請負になっておる。そういうような、これは非常に初歩的な誤りなりが指摘されておるようでございまして、これらの点につきましては、やはり指導監督が不十分であるということを痛感をいたしております。  御指摘の点については今後十分そういう間違いの起こらないように努めてまいりたいと、かように存じておる次第でございます。
  143. 原田立

    ○原田立君 ただいまも申し上げたところでありますが、今回の指摘の中では、そのほとんどが補助金に関するものとされております。この指摘を機に補助金等に対して何らかの対策を講ずるべきではないでしょうか。  今回指摘されていないものでも、予算のむだ遣いとされるものも多くあります。たとえば大分県の東国東地方におけるミカン園の荒廃。この地方では四十二、三年に国営パイロット事業として多額の費用を投入して造成したところであります。また、先日の委員会でも少しく申し上げましたが、山口県の阿知須干拓にしても、工事完了後、十年以上経過している今日でも、そのまま不使用の状態になっておるのであります。補助金等を合わせて、国営開拓あるいは干拓事業等についても総点検をするとか、何らかの対策を講じ、国民が納得できるものにすべきであろうと思うのであります。その上に立って食糧自給率の向上等の諸対策を強力に推進すべきことを強く要望するものでありますが、ただ、森官房長は、遺憾の意であるというだけの話でありますけれども、精査して納得のいくような内容を公表なさるお気持ちはありますか。
  144. 森整治

    ○政府委員(森整治君) 御指摘の点につきましてはごもっともでございます。今後そういう事業を実施する場合に、そういう責任の体制なり、事業の実施につきましての指導なり監督をさらに一層強化するということが当面の課題ではなかろうかというふうに考えております。そのような方向で処置いたしたいというふうに思っております。
  145. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕
  146. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記起こしてください。
  147. 原田立

    ○原田立君 食糧自給率の問題についてお伺いします。  この食糧自給率の問題は放置できない重大な問題であります。わが国の食糧自給率は低下の一途をたどり、全体の自給率では昭和三十五年の九〇%から四十九年では七二%に低下、穀物に至っては九〇%から四〇%に急落しているのであります。農林省が発表している「農産物の需要と生産の長期見通し」では、総合自給率を四十七年度の七三%から六十年度には七五%と二%のアップを目標にしておりますが、このわずか二%の目標達成すら不可能ではないかと、こう一部において言われているのであります。その原因として、日本列島総荒廃化の進行、基幹労働者の減少などが考えられるわけでありますが、大臣にお伺いしたいことは、まずこの食糧自給率に取り組む基本姿勢、これはいかがですか。
  148. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、しばしばこの委員会におきましても申し上げたわけでありますが、農政、われわれがこれから取り組んでいく農政の基本的な課題はやはり自給力を高めていくということであります。この観点に立ちまして、農政審議会からの答申を受けました「農産物の需要と生産の長期見通し」に基づきまして、現在総合食糧政策の展開という新しい今後の基本的な方向づけをした施策を打ち出しておるわけでありまして、この施策を着実に実施をいたしまして、昭和六十年には、現在七一%か二%に落ち込んでおるところの総合食糧自給率を、七五%に持っていくというのがわれわれの方向でございます。
  149. 原田立

    ○原田立君 それは大臣、わかっているんですよ。だけど、その二%のアップすら達成できないんじゃないか、という一般の意見、各学者の意見等があるわけなんです。その点を心配して言っているわけなんです。ただ、簡単に、やります、というだけでは、それでは納得しがたい。どういう点でおやりになるんですか。
  150. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、たとえば農用地の開発にいたしましても、昭和六十年目標で八十六万ヘクタールの農用地開発を計画をいたしておるわけでありますし、あるいはまた、麦につきましても裏作振興によりまして、現在の自給率を倍以上に高めていくとか、その他大豆その他の現在非常におくれております自給率につきまして、これを増産体制を進めて自給率を高めていく、そういう総合的な自給対策を講ずることによって、われわれとしては六十年には七五%を確保できる。もちろん、その間に人口の増加ということもあるわけであります。あるいはまた、それに伴う食生活、消費生活の向上といった面もあるわけでございます。現在のままの食生活あるいは人口ということで判断をすれば八〇%、九〇%となるわけでありますが、人口の増加も相当見込まれるわけでありますし、あるいは消費生活の水準という面も考えに入れました結果、われわれとしては六十年にはそうしたいろいろの諸施策を講ずることによって七五%の、総合食糧の自給率の確保はできる、こういうふうに考えております。
  151. 原田立

    ○原田立君 自給度向上に欠かすことのできないものに優良農用地の確保、いま大臣も言われましたけれども、優良農用地の確保と、この確保された土地を担う基幹労働力の確保という二つの点があろうと思うのであります。この優良農用地と労働力の確保に対して、その目標達成に十分なる対策は一体いかがなんですか。
  152. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 優良農用地の確保につきましては、一つはやはり農用地の造成を図っていくということが大きな課題でございます。先ほど申し上げましたように、これからも土地改良計画を着実に進めて八十六万ヘクタールに持っていこうということでもありますし、同時にまた、農地の、特に優良農用地の壊廃を防いでいくということもこれは大きな課題でなきゃならぬわけであります。そのためには、農地法の厳正な適用とか、あるいはまた今回成立をいただきました改正農振法の施行等によりまして、農用地が壊廃をしていく、特に優良農用地が壊廃をしていくということは厳にこれを規制をしていかなきゃならない。そうした二つの面から優良農用地を確保していこうということであります。
  153. 原田立

    ○原田立君 造成を図る、あるいは壊廃を防いでいく、規制をしていく。こういうようなことがお答えの中身であろうと思うのでありますが、もう少し具体的にいかがですか。
  154. 岡安誠

    ○政府委員(岡安誠君) いま大臣からお答えがありましたとおりでございますが、多少具体的に申し上げますと、農用地の造成につきましては、御承知のとおり最近なかなか素材である土地の入手等非常に困難になってきている面もございます。それらの点につきましてはあらかじめ合理化法人等によりまして先買いをいたしまして、土地を確保して農用地開発を促進するというような方法も漸次軌道に乗りつつあるわけでございます。それから事業実施のための事業量の確保のためには、来年度におきまして現在の国営農用地開発につきましては、これを特別会計の対象にしまして財投資金を導入するというようなことも工夫をいたしておりますが、そのような方法によりまして、当初の予定どおり八十六万ヘクタールの開発を確保いたしたいというふうに思っているわけでございます。  それから農地法の厳正な運用につきましては、これは一時土地の買い占め等のブームがありまして、一部につきまして農地法違反というような事例があったことは非常に残念に思っておりますが、私どもは、先般も小作主事会議等を開きまして、今後とも農用地の確保につきましては厳正にこれを運用する、特に集団優良農地につきましては、この壊廃を認めないというような運用をするように指示をいたしているわけでございます。  それから農振法の運用につきましても、これは遊休地その他につきましては新たに特別の利用権を設定するような方法等をとりまして、遊休農用地の活用、有効利用というものを進めたいということで、これはまだ法律施行後間もないわけでございますが、現在各県それから市町村を通じましてその趣旨の徹底活用方を指導しているというのが現状でございます。
  155. 原田立

    ○原田立君 大臣、先ほど後段の基幹労働力の確保については一言も触れてなかったんですが、いかがですか。
  156. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、やはり農村で労働力を確保していくということについては、農業の担い手、農業に対するところの生産意欲をやっぱり持たせるということが最も肝要なことであります。そのためには、やはり魅力のある農業といいますか、農業に引きつける力を持たせなければならぬわけで、そういう面から総合食糧政策の展開の中におきましても、われわれは、自給力の拡大措置、あるいはまた、中核農家の育成のためのいろいろの諸施策、あるいは価格安定制度の充実といったような金融制度の整備、改善といったようないろいろの施策を総合的に行って、その結果、農業が魅力あるような農業にしていくということが労働力を確保する最大の道であると私は思っております。
  157. 原田立

    ○原田立君 そこで大臣ね、魅力ある農業をつくる。これはもう大変結構なことなんです。またそうあるべきだと思うんです。現在のように借金で追われているような農業であってはならないと思うんです。ちゃんとやっぱり食える農業、貯金もできるような農業、そういうものに仕立て上げていかなきゃいけない。それに対しては、その収入の確保ということが重大な問題になっていくわけでありますが、それはまた後に、もう少し後にまた取り上げたいと思うんでありますが、食える農業、そういうものを確立していくんだ、ということに焦点が合わせられなければならないと思うんですが、いかがですか。
  158. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろんやはり再生産が確保されるといいますか、食える農業といいますか、農家において農業生産に専念することによって十分その生活が確保され、また生活の将来に対して希望が持てる、そういう農村でなければならぬ。こういうふうに考えておるわけでありまして、そのための総合的な施策を着実に進めるということが農政の課題であろうと思います。
  159. 原田立

    ○原田立君 穀物の場合などは、確かに六十年代では国際的な穀物低価格時代で、大量の海外依存も可能であったかもしれないが、七十二年以降から一転して海外相場は高騰の傾向に進んでおります。また八十年以降の見通しでは、さらに不足基調に転ずるとの見方が大方を占めているわけでありますが、わが国の食生活も変化を来たしてきて、穀物自給率の向上、国内生産の強化が不可欠の対策であります。ところが、農林省の六十年見通しでは、四十七年度の四二%から実に三七%にと、現在よりも低い見通しとなっているのであります。また、総合自給度向上から見た場合でも、この農業政策のあり方が目標達成の大きな要因となっておりますが、この点についての見通し、対策をお伺いしたい。
  160. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) この穀物については確かに四二%から三七%に落ちざるを得ないというふうにわれわれは見ておるわけでございますが、この最大の原因は、畜産が今後ともやはり安定的に伸びていく、その中にあって伸びていくということは、畜産物に対する需要が日本の消費生活の中において着実に進んでいくであろうということであります。その場合に、畜産のうちの中小家畜の生産につきましては、御存知のように、トウモロコシ、コウリヤンという、わが国では生産がほとんど不可能な農産物がその飼料でございます。この飼料が、畜産物の消費とともに、その生産の伸びとともに、必要量が増加していくわけでありますから、したがって、こうしたトウモロコシ、コウリヤンについては、外国から今後やはり輸入を増大せざるを得ない。現在一千万トンぐらいのトウモロコシ、コウリヤンを大体千五百万トンぐらいまでには拡大せざるを得ない。これが全体の穀物のバランスの中にあって、比率の中にあって、大きくウエートを占めておりますから、したがって、一千万トンが千五百万トンに伸びるということによりまして、わが国の穀物の自給率が四二%から三七%に下がらざるを得ない。こういうふうにわれわれは残念ですが判断をせざるを得ないわけであります。
  161. 原田立

    ○原田立君 残念ですが判断せざるを得ないというのではなしに、穀物の需要率が高まってくるということは、大臣もお認めになっているわけです。とすれば、やっぱりその目標が下がるのじゃなくて、やはり一%でも二%でも多くふやそうというのが農林省の姿勢ではないでしょうか。それが海外から入れざるを得ないんだと、それだけの理由だけでは、目標設定額が低下したことについてどうも理解がしがたい。なお御答弁願いたい。
  162. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) これは理想としてはもちろんそういうことでございます。が、しかし、現実問題としては、われわれはそうした厳しさというものは、客観的な情勢はやっぱり厳しく判断をして、その上に立てた計画というものを、農政というものを行わざるを得ないわけでございまして、もちろん穀物の中においても、麦等につきましては、これは米は一〇〇%自給でありますが、麦等につきましては、裏作の振興等によってこれを二倍以上にふやすわけでございます。しかし、その他のトウモロコシ、コウリヤンといった穀物は、これは現在のわが国の農業の実情の中にあって増産するにも、これは増産をすることがほとんど不可能であるという客観的な事実は、われわれはこれは認識せざるを得ないわけで、そういう面に立って三七%にならざるを得ないということであります。
  163. 原田立

    ○原田立君 十六日の、消費者麦価を審議した米価審議会の答申の中の建議として「食糧自給度向上のための諸施策をこの際一層充実すること。」と、こういう一項目がありますが、この答申に対してどのような対策をお立てになるわけですか。
  164. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん、食糧増産対策、自給力を高めるということが、建議の形で出されておるわけでありますが、これは米価審議会における麦の、国内麦の増産対策を積極的に進めるべきである、裏作の振興に対して思い切った施策を講ずべきである、というのが、米審の委員の皆さんの大方の御意見でございました。それが建議の形で出たわけでありまして、私たちも、この建議の趣旨も十分尊重するとともに、われわれ自体も農政の基本的な方向として、この麦の増産というものに対しては、来年度予算も含めて非常な決意を持って取り組んでいるわけであります。
  165. 原田立

    ○原田立君 尊重するということでありますけれども、じゃあ、具体的に一体どのぐらいの向上を目指しているのですか。
  166. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 麦につきましては、六十年に百四十四万三千トンの目標を設定をいたしております。これは基準年次四十七年になっておりますが、四十七年に比べますと二三七%という目標になっております。この内訳を申し上げますと、小麦につきましては五十五万三千トン、それから大裸麦は八十九万トンでございます。考え方といたしましては、小麦につきましては、めん用小麦の六割を国内で生産をする。それから食用の大麦は、これは全量国内で生産をする、それからビール麦は二分の一を国内で生産する。さらに飼料穀物用といたしまして三十万トンの大麦を生産する。そのような考え方に基づきましてただいま申し上げたような目標を設定しておるわけでございます。
  167. 原田立

    ○原田立君 内閣官房広報室が行った食生活と食糧に関する世論調査の結果が発表されておりますが、この中で十年ぐらい後の食糧事情に対する問いに対して五%がよくなるとし、半分以上の五八%が不安であり現在より悪くなるという考え方を答えておりますが、この数字からも明らかなとおり、食糧の自給度向上はますます重大な問題となってきております。このような食糧不安をなくして安心して食生活が確保できるよう、最大の努力と対策が必要であろうと思うのでありますが、大臣、十月二十日に新聞で私は見たのでありますが、資料御存じだろうと思いますが、この世論調査に対してどのようにこたえていかれるおつもりですか。
  168. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 国民の皆さん方もやっぱり将来のわが国のこの食生活、食糧の確保ということにつきましては非常に心配をしておられると思います。これはやはり最近の世界の食糧事情というものが非常に厳しいものである、今後も厳しく推移するであろうという、皆感じを持っておられるということではないか。ソ連の最近における大不作、これに対応して、アメリカは大豊作ではあったわけではございますが、この大不作、そういうことによるところの農産物の価格の高騰ということも見られたわけでございますし、あるいはまた、食糧のうちの大きなウエートを占めております水産につきましても、海洋法の問題とか、あるいはソ連漁船団の進出というようなこともありまして水産漁獲物の減少ということも、これは国民としても厳しくこれを見ておるというふうに私は感じておるわけでございます。そしてまあ、世界的には人口はどんどん増加をしていく、あるいはまた北半球の異常な気象状態がこの数年来続いておる。そういうふうなことからやはり国民の皆さんが心配しておられるわけでありますから、そういう中にあって、最大の食料農産物の輸入国であるところの日本としては、やはりこの情勢に対応して農政を進めていかなきゃならぬ、食糧行政を進めていかなきゃならぬ。それはやはりまず第一には国内において増産できる農作物については可能な限りの増産を進めていく。しかし、国内において増産できない農産物があるわけであります。これは先ほど申し上げましたトウモロコシとかコウリャン、これは国内においては増産できない。この国内において自給できない農産物についてはいままでと違って、海外からの安定輸入の道を開いていく。いままでのようにその場その場で買っていくということでなくて、安定輸入の、長期的な安定輸入の道を開いていくということによって国民食糧の確保を図り、国民の皆さんに安心感を与えなきゃならぬ。同時にまた、備蓄という問題もその間にあってわれわれは真剣に考えなきゃならぬ問題だ、こういうふうに思うわけです。
  169. 原田立

    ○原田立君 国土庁が十一月十五日新全総見直しで「農林水産問題とその対策」についての中間報告を発表しておりますが、この中間報告の中でも農用地の確保、労働力確保の二点を指摘しております。七五年目標で農地は六百五十万ヘクタール、基幹労働力も二百万人が必要であると提案しております。また、勤労者の平均以上の、都市従業者の平均以上の農業所得を保障しなくてはならない。こういうふうに提案しておりますけれども、農林省としては、この中間報告をどのように受けとめておられるのか。また、この具体的提案に対する見解をお伺いしたい。
  170. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 三全総の農業の部といいますか、国土庁が発表いたしました農業に関する部門につきましては、私たちは適切な指摘であると、こういうふうに考えておりますし、国土庁が指摘されておるのも、われわれが立てました六十年計画に向かって、農政としても真剣に取り組んで、この目標を実現できるようにやっていけ、ということがその主体になっておると、こういうふうに考えております。
  171. 原田立

    ○原田立君 また、中間報告では、無秩序な農用地の壊廃の方針に伴う抑制について指摘しております。先ほど壊廃問題についても大臣より一言話がありましたが、この農用地の壊廃については、前回の委員会で千葉県の例を引いて私も申し上げたわけでありますが、このように農外需要からの侵食等、農用地の壊廃に伴う抑制に対して具体的に――ただ、農用地を確保いたしますではなしに、どのような対策で臨むつもりでいるのかお伺いしたい。
  172. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) これは先ほどから申し上げましたように、農用地の壊廃、特に優良農用地の確保ということに対しては、われわれは、これを絶対に確保するという基本的な考え方で進めなきゃならぬことは当然でありまして、農用地の壊廃が高度経済成長の時代とは異なりまして、安定成長の時代においては比較的その勢いも鈍化をすることが考えられるわけでございますが、しかし、その中にあっても、私たちは農用地がいたずらに壊廃されないように、農地法というのがあるわけですから、その農地法を先ほども申し上げましたように、厳正に適用をするということは、これはもう当然なことであります。あるいはまた、農用地区域を設定をいたしておるわけでございますが、この農用地区域内における開発行為の制限並みに農用地区域以外の区域における開発行為についての勧告及び公表の制度というのが、今回改正農振法によりまして設けられたわけでございますから、この制度を厳しく適用をしていく。さらにまた先ほどから申し上げましたような農用地の確保のための農用地造成等につきましても、われわれは予算措置等も含めて積極的に十カ年計画に向かって進んでいく、こういうことであります。
  173. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 まず、消費者麦価の問題についてお伺いしたいと思います。  いよいよ来年の一月二十日から、またまた麦の売り渡し価格を二〇%上げるということが決定されたわけですけれども、この問題について第一に私が伺いたいことは、政府の当初予算を見ていった場合に、政府見込みでも一トン約七万円と算定していたのが、実際は二万円下がった、そうすると、予算上では三百億浮いたという計算ができるわけです。それくらい下がって予算が浮いているのに、またここでみんなが値上げで苦しんでいるときに、なぜ値上げをしなければならないのか、どうも筋が通らないのではないか。予算上から見た、この問題の見方についてお伺いしたいと思います。
  174. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 外麦の価格につきましては、国際相場でございますから、いろいろと変動があるわけでありまして、予算で見ました価格から低落をしておることは事実でございますが、しかし、最近の外麦の情勢は、今後さらに低落をするという傾向になくて、むしろ私たちは、これが強含みになっていくのではないかというふうに判断をしております。   〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕 確かに予算で盛り込んだ価格から比べれば下がっておるわけでございますが、それにしても、予算上は、われわれは千三百七十五億逆ざや分について食管赤字を、食管の予算をつけたわけでありますが、これがたとえ三百億下がったとしても、一千億のまだ依然として食管の赤字を持っておるわけでございます。私たちは、こうした赤字というのは、結局、依然として続いておるところの逆ざやというものが最大の原因であることは申すまでもないわけでありまして、この逆ざやは、先ほど申し上げましたように、外国から高い農産物を買って、そして政府が補助金をつけて国内に売り渡すということで、結局外国の農産物に補助金をつけるというようなことになるわけでありますから、そうした不自然な姿というものは、これはやっぱり一日も早く解消をすることは当然のことであろう、こういうふうに考えております。私たちは、むしろ逆ざやをもう少し解消したいと、こういうふうにすら思っておったわけでありますが、物価その他の情勢から見まして二〇%というところに落ちついたわけでございます。  さらに、またこの麦価を改正をいたしましたもう一つの理由は、米との関係におきまして、対米価比が十数年前は八〇%ぐらいありましたのが、どんどん下がってきて現在は四一%になっている、非常に、米と比較して麦が割り安になってきておる、こういうことでございます。これは強いて言えば、外国の農産物に補助金を出してそして米との差をつけて、むしろ米の消費を圧迫をする。こういうことにもつながっていくわけでございますから、やっぱり米と麦というものの位置づけを正当にしなきゃならない、特に米の位置づけを明確にしなきゃならない。そういうふうに考えまして、私たちは、今回の価格の改定に踏み切ったわけでございます。われわれは、今後の方向としては、これを第一歩として段階的に解消をしていきたいと、こういうふうに考えております。
  175. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 先ほどもそういう趣旨の御答弁がございまして、よくわかりました。しかし大臣、なられてからちょうど一年でございますね。いまおっしゃった逆ざやの問題だとか、それから米との関係というのは、別に去年と比べてことし出てきたという問題でもないわけです。去年も同じだった、その前も同じだった。やっぱり逆ざやで悩んでいらした。しかし、去年の十二月二十六日に安倍大臣は、逆ざやはあるけれども物価の安定を図るためと、据え置いて、大変いいかっこうで、さっそうと出ていらしたというのが去年のことなんですね。そうすると、去年に比べて逆ざやの問題も米との関係というものも変わった情勢ではない。しかし、ことしは二〇%も上げるということになったのは、結局は、この諮問についての説明もありますけれども、「最近における物価の動向はなお慎重な配慮を要するもののかなり鎮静化してまいっております。」というところが去年と違うという一つの状態だと思うのです。やっぱりそこのところに重点を置いて、ことしは大体よさそうだから、ということが基礎になっているんじゃないですか。
  176. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいまおっしゃいますように、私が申し上げました逆ざや解消、農政から見た逆ざや解消に対する基本的な考え方、対米価比等の問題、それと合わせて物価上の問題もあったわけでございますが、最近の物価は鎮静化の方向に進んでおるというふうに判断しております。十一月も十二月も対前年度比一〇%を切っておるわけでございまして、われわれは、このままの情勢を続けることができるならば、三月の末には前年対比九・九%という、いわゆる政府全体の公約が実現できるという見通しもありまして、そういう面も踏まえて二〇%ということで、これは各省との調整の結果落ちついたわけであります。
  177. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 物価が鎮静してきたとか、これから先も物価はだんだん安定していくというふうにごらんになるのは大臣とごく少数の方くらいでして、日本の中で、どれだけの人がこんなふうに見ますか。この前あんまり上がったから、ちょっと下がったから下がったみたいに見えるけれども、全世界的に見たって、この消費者物価が下がったなんて言ったって、上がってるの、ひどいですよね。そういう面から見たら、物価鎮静だとか、まあこれで何とかいけそうだなんて言ってるのは、本当にごく少数、大臣グループのあたりだと思うのです。私のあたりは全部いま心配してますよ。それで、いま大臣は大丈夫だというふうに、自信ありげにおっしゃったけれども、私はそんなことないということだけ言って、次の質問に移りたいと思います。  政府は、消費者物価指数へのはね返りは〇・〇八六%、大変細かく出しておられます、しかし、その根拠になってるのは、パン類が四・四%しか上昇しないからという試算から――まあパンだけじゃありません。めん類なんかも入っておりますけれども、試算から出されているわけですね。そこでお伺いしたいのですけれども、おととしの十二月、麦価上げられましたね。あのとき何%上げられましたか。そして、あのパンは実際に何円上がりましたか。それで、その上がり分は何%になったでしょう。
  178. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、四十八年十二月の改定の際の消費者物価に対する影響というものが、直接の原麦価格の売り上げの影響よりもさらに大きかったのではないかということの視点からの御指摘でございますが、当時はオイルショックと狂乱物価ということで、物が皆上がるという段階でございまして、人件費なりあるいは副資材費、すべて三割程度上がったというような時代でございました。したがいまして、それらの条件等で、小麦と申しますか、原麦価格だけの値上がりと、そのほかの一般的なもののいわば便乗的な値上がりと、それと合わせますと、相当的な値上がりになったというふうに考えております。しかし、これは反対の御意見もあるようでございますけれども、今回の全体の、経済全体の観点、あるいはその他、いわゆる需給なり価格というものについての鎮静化なり安定ということを考えますと、便乗値上げ的なものに対する指導のよろしきを得れば、先生御指摘の四十八年末のような売り渡し価格の上昇に伴うはね上がり、製品のはね上がりというものはないというふうにわれわれ判断しております。
  179. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それじゃ、四十八年十二月、麦価が三五%アップで、パンが七十円から九十円に上がって、上がったそのアップ率というのは約三〇%だと。非常にひどい上がり方をした。しかし、これは石油ショックなどで便乗値上げということがあったからだと。これからの問題としては、そういう点は心配ないというふうにおっしゃるわけですね。で、指導がよろしければ、ということをつけ加えられました。  それじゃお伺いしますけれども、すでに製粉業界のトップの日清製粉さんなんかが言ってますね、もう御存じだと思います。麦価が上がれば現行価格ではとても吸収できない。やっぱり二〇%くらいの値上げをしないとだめだと、こう言ってますし、日清製粉さんだけではなくて、ほかもそういうふうに言っているということは御承知だと思うのです、新聞などには出ております。  そこでお伺いしたいのですけれども、まず二〇%の麦価の値上げでパン類においては消費者価格が四・四%しか上がらないというこの計算を出されておりますけれども、それはどういう根拠からそういう計算が出たのか、ちょっと教えてください。
  180. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  これは食パンの中に占める原麦ウエート、これが二〇%でございます。したがいまして、消費者価格の上昇率は四・四%程度であろうというふうな点でございます。  なお、先生ただいま小麦粉の値上げ率は二割程度だということをおっしゃっておりましたが、私ども今度の原麦価格の改定に対して米価審議会に対しましても適正な……。御案内のとおり小麦粉は非常に原麦ウエートが高いわけでございますが、そのウエートの高い小麦製品におきましても、小売店頭価格等で現在百三十五円、物価指数による実効価格が百三十三円ぐらいになっておりますが、これはせいぜい百四十五円だと。原麦が二割上がりましても百四十五円程度であるというふうに判断しておりまして、その価格で私どもも指導いたしたいということでございます。業界等の希望的な値上げ等の観測ではなくて、われわれが原麦の売り渡し価格に伴いまして、コストの適正なはね返りということを考えた指導でございますと、先生おっしゃるように二割というようなことは万々一ないというふうに思っております。
  181. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それじゃ、メーカーの方は二〇%くらいは上げてもらわないと困るというふうに言っているんですけれども、それじゃ、おたくの立場では、パンの原料になる小麦粉は何%ぐらいアップするというふうに、原料の小麦粉としてのアップ率はどれくらいが妥当だというふうにごらんになりますか。
  182. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) 実はただいまお答え申し上げたことに尽きておるわけでございまして、十一月の小麦粉の消費者実効価格は百三十三円、これを前提といたしますと、そのアップ率は、われわれがはっきり米審にその限度等をお示しいたしましても百四十五円ということに相なっております。
  183. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 アップ率は何ぼになっていますか、率で。
  184. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) 約一割ということです。
  185. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それじゃ、大体一割は上がってもしょうがない、というふうにおたくでもごらんになるわけですね。それなのに、業界の方は二〇%ぐらいは上げなきゃ吸収していけないと。そういうときに、一割程度で試算なすったように抑えられる、という自信ありますか。抑えられなかったときどうしてくださいますか。
  186. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) 多少、私の答弁も先生の質問と少しはすっかいになった感じがございますが、小麦粉のわれわれの方の百三十三円が百四十五円というのはソフトの関係ですね。家庭用小袋詰めの現在の百三十五円が百四十五円だろうということでございます。パンの場合におきましては、今度ハード系の小麦は引き上げ率を内麦その他ソフト系に比べてアップ率を高くしております。したがいまして、その原麦の値上がり率は格差是正の結果二二%というようなことでございますので、業務用のパンにつきましては、これはパン用小麦粉は二〇%、二二%。ただし、それを前提といたしましても、   〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 一斤九十円の標準パンが四円と、原料のサイドから言えば四円ということになるということでございます。
  187. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 数字でそう言われると、何だかごまかされちゃったわけなんですけれども、やっぱりパンの原料である小麦粉の方が上がると、二〇%ぐらい上がるということも、これ仕方ないということになってきて、パンもまた上がってくるわけでしょう。そうしたら、給食費もまた上がる。こういうふうにずっと上がってくるわけですね、どっちにしても。問題は、そこなんですね。給食費のパンも当然上がる。パン屋さんなんかでも、パン業界が出しているわけですね。二十円くらい値上げしなければやっていけないと。パン業界が今度できたパンについて言っているわけですよね。そうすると、これも二二%ぐらいのアップになってくるわけですよ。それで今度給食費になってくれば、またこれがパン代の値上げで給食費が響いてくる。そうするともう本当にやり切れないんですね、次々、次々と上がってくるということで。だから、もうこの物価鎮静どころでない。私ら四苦八苦しているのに、またここで上げて、そしてまた苦しめられるのかと。一体どういうふうに考えていらっしゃるのかな、ということなんです。給食費上がりますでしょう。パンも上がってくるし、みんなの生活大変困ってくるんですけどね。その辺のところはどういうふうに見ていらっしゃるんですか。
  188. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  この点につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、パンの世界で申し上げますと、原麦の値上り率に伴っていわゆる標準パンがわれわれは一斤九十円程度というふうに思っております。先ほど先生のお話でも七十円が九十円とおっしゃったその九十円でございます。その九十円については約四円です。一斤当たり四円と。しかし、四十九年一月以来据え置かれておりますから、人件費なりその他マーガリン、ショートニングとか、そういうものの値上がり、副資材の値上がりもあるだろう。しかし、これは先般の米審の席でも大臣から指導の考え方についてはっきり言っていただいたわけでございますが、まあ十円以内の指導だというようにしておるわけでございまして、いわゆる便乗的要素を排除いたしまして、本当にコストの部分だけでこの製品価格にはね返らせたいというふうに考えておるわけです。  さて、学校給食でございますが、これについてもわれわれとしては――まあそれについて非常に影響が大きいという御判断に立つかどうか、これはまた一つのあれでございますけれども、われわれといたしましては、原麦だけの値上がりであれば、これは四・四%だと、パンについてはですね。ということで一斤当たり九十円が四円だというようなことでございますので、この程度の負担については吸収さしていただきたいと。また、本年度中におきましては、われわれ文部省ともいろいろ連絡をとりまして、学校給食会の本年度の給食用のパンにつきましては旧価格で、学校給食用パンの小麦粉の手当てもできるという見通しでございますので、五十年度におきましては、その点の政府売り渡し価格の増加に伴います給食へのはね返りというものは避け得るものというふうに思っておるわけでございます。
  189. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 一斤九十円だったのが、四円ちょっと上がる程度だからがまんできるはずだと、それなら話はわかるんだけれども、現実にはもうパン屋さん、二十円また九十円にプラスしなければならないと言ってて、そしていままでの経験から見ると、どうしてもそう上がってくるわけですよね。だから、もしもあなたの方で、そういうふうなはね返り幅が出るはずないということで、四円程度とおっしゃるなら、そうしたらパン屋さんだけいじめるんじゃなくて、上げなくても済むように、大きな製粉メーカなんかに対しても、上がるということについて便乗値上げというようなことは本当に抑えれるということで――いままでを見ると、ずっとそれですからね、みんな便乗値上げでずっと上がってきているんですから。そういうことないと本当に確信持って指導なさいますね。
  190. 大河原太一郎

    ○政府委員(大河原太一郎君) 今回の政府売り渡し価格の改定の際は、麦という食生活に非常にウエートを持っているものの価格改定で、したがいまして、単に二割なら二割という引き上げ率以上に、特に麦製品はわりに一次製品、二次製品が多い、加工製品が多い。パン、菓子、めんというように、多いので、その点についての便乗的な値上げに対する配慮が非常に必要である、というふうにわれわれ自身も判断しておるわけでございます。したがいまして、実はすでにもう値上げを決定いたしました二十四関係のそれぞれの業界に昨日、食糧庁の方に来てもらいまして、その麦の売り渡し価格の改定に伴う原価性を持ったもの以外の便乗値上げについては、絶対に自粛されたい、というふうな要請を終わったわけでございますし、また、都道府県なりあるいは食糧事務所を通じてのこの値上げの調査、監視というものについては半年ぐらい集中的に濃密にいたしまして、先生御指摘のような御懸念のことは万々一ないように全力を尽くしたいというふうに考えております。
  191. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 繰り返しになるから、これで次の質問に入りますけれども、いつもそういうふうに自信たっぷりにおっしゃるけれども、結果的にはどんどん上がっていく。まあ今度は確認しましたから、上がったときにはどうしてもらえるか、またひざ詰め談判でお伺いしたと思います。  それじゃ次に、サケ・マスふ化事業の問題についてお伺いしたいと思います。  御承知のように、ことしは大変な豊漁でございまして、一千四百万尾というくらいのサケが揚がってまあ、うれしいような、悲しいような、いろんな事件が起きましたけれども、こういうようないままで史上かつてなかったようなサケの豊漁について、政府として、基本的にこの問題をどう評価されているかという評価の問題と、それから、こういうふうになるについて政府としては、サケ・マスふ化事業についてどんな方針を持って臨んでこられたか、どこで、どういう方針がつくられて、そしてこれがどういうふうに運用されていったかというその二つの点についてお伺いしたいと思います。
  192. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 先生御指摘のとおり、本年は非常にサケの来遊量が多うございまして、十二月十日現在の数字でございますが、来遊量が一千四百八十一万尾になっております。これは四十九年が九百六十二万尾でございますから五百万尾以上ふえておりまして、私どもの推定では、恐らく千五百万尾を超すんであろうというふうに見ているわけでございます。そこで、なぜこんなに来遊量がふえたかということでございますが、第一には、四十六年に放流したサケがことしは帰ってきたわけでございますけれども、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年と数字を見てみますと、四十六年の遡上量が四十五年、四十七年、四十八年に比べて非常に多い。したがって、放流した尾数も多かったということが一つ言えるのではないか。それから第二に、やはりこれは自然の海流の条件その他が非常にことしはよかったんじゃないか、というふうに考えているわけでございます。  それから、どういうやり方になっているのかということでございますけれども、先生御案内のように、サケ・マスのふ化放流事業は昭和二十六年の水産資源保護法ができて以来、北海道においては国及び道が主体となり、本州においては漁業協同組合等が行う事業を、国及び県が助成して実施するというかっこうになっておりまして、現在は、北海道では主として国が中心となってふ化放流事業を実施しているわけでございます。なお、このふ化放流事業の実施につきましては、毎年計画をつくりまして、その計画は中央漁業――毎年中審でこれを承認を受けているというようなかっこうになっております。
  193. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 確かにいまおっしゃったように、四十六年放流された数が多かったという結果が出てきていると思います。そこで、一つ問題なのは、来遊してきた数というのは非常に順調になっているんですけれども、河川に上がりてきた遡上率というのが減少していました、四十九年まで。ことしは違いますけれども。たとえば四十年には一七%河川に上がってきていますが、四十九年には六%と、一〇%も下がってきているわけなんです。それはどういう原因だったんでしょうか。
  194. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 河川の遡上率が低下しておりますのは、昨年まではやはり沿岸におけるサケの漁獲努力がかなり強かったということが言えるのではないかというふうに考えております。
  195. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 採卵の目標が八・二億粒に対して十・三三億粒と一二六%になっているわけですけれども、なお過去を見ますと七五ないし九〇%であるというようなことにもなっている。それもいまおっしゃったような原因というふうに見ていいわけですね。
  196. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) そのようなことが原因になっているかと思います。
  197. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 やっぱりいま国民のたん白源を扱うということで漁業というのは非常に重要な役割りを果たさなければならないし、その中でも、本当に増養殖という立場で放流すれば、きちっと帰ってくるというサケ・マスふ化事業というのは、私は、本当にいま大変大事な事業だと思います。特に二百海里の問題というようなこともある中ですから、だから、このことについて私は本当に大きく取り組んでいただきたいと思うんです。しかしいま言ったように、とれたのと、それから今度遡上してきて採卵――卵をとるというところでうまくいってないということがよくあるわけですね。そういうことの原因は何だといったら、ふ化事業と、それからとる方の捕獲というようなのが現在のところ別々になっているわけですね。とる方は、漁業者がとるというようなことで、実際行って聞いてみると、採卵が足りなくなって困っているというような時期もありましたし、こういうことから考えると漁業、とる方と、それから採卵する方というようなことで、いろいろとそこに連絡がなければいけないんじゃないか。まあ北海道としてまたサケ・マス増殖事業協会というのがございます。それから漁業者があり、そしてふ化場というふ化専門の国営のが、多く北海道でございますけれども、こういうものが本当によく連絡調整されて、そしてやっぱり再生産するという立場からふ化場の意見というものが十分に尊重されるということが必要なことだと思う。それがやっぱりいまのところ、きちっとそこが、四者が連携とれて、というようなところには、不十分さもあるというふうに私は見るんですけれども、長官の方はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
  198. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 過去におきまして、ただいま先生御指摘のとおりのような事実があったわけでございます。すなわち、沿岸でとる漁業者の漁業と、ふ化場の親魚の採卵とが必ずしも調整がとれてなかったというようなことがございまして、遡上率が下がった。したがって放流する数も減るというようなこともあったわけでございますが、先生御案内のように、昭和四十九年度にそれまで三つございました社団法人が合併いたしまして北海道サケ・マス増殖事業協会というものができたわけでございます。それからさらに今年になりまして、水産庁が指導いたしまして、沿岸の漁業につきまして、主として定置でございますけれども、休漁期を設けましてなるべく早く網を揚げさせるというようなこともやったわけでございます。したがいまして、逐次、漁業と、ふ化場の事業活動との調整というものは調整をとるように私どもとして努力しておりますし、新しく四十九年にできました北海道のサケ・マス増殖事業協会は関係の漁業者から賦課金を徴収して、いろいろな事業をするというようなことになってきておりますようなこともございまして、逐次この面の体制は整備されていくのではないかというふうに考えております。
  199. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 いまおっしゃったように、道の内水面漁業調整規則というものがあって、そして海区漁業調整委員会の答申に基づいてというようなことで、いままでもその時期に合わせて休漁期にしたりということをやっておりましたけれども、漁期の短縮だとか、休漁期間の設定とか、操業などについて具体的にいまの段階でそれでいいというふうにごらんになるか、もっとそこのところに国の水産庁として、これにもっと指導して改善させなければいけないというふうに見ていらっしゃるか。いまのままで、さっきの説明でよくなってきたという評価でございますか。
  200. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 制度的な問題は離れまして、運用面につきましてはさらに関係者とよく討議しながら改善しなければならぬ面がまだあると思っております。
  201. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 私は、そこをなぜ固執するかというと、やっぱり国が非常にお金も出して再生産されているわけだから、道だとか、そういう増殖協会だけではなくて、やっぱり国の立場できちっと責任を持って効果あるものにしていただきたいという立場からいま申し上げたわけです。  それじゃ次に、サケ・マス資源増大再生産計画というのがございますですね。それが前期と後期に分かれて、そして前期計画というのが昭和四十六年から四十九年度ということで出されていたわけなんですけれども、この四十九年度の実績。これは実績というのは、目標達成の見通しはどれくらいに見ていらっしゃるかという点と、それからこれは放流して、そしてこのその放流した数の実績というだけではなくて、前期で立てられた計画、この計画が、予算も計画どおりつけられて、人員だとか、それから施設などの面でも計画どおりになされているか、といった全般的な内容での実績はどういうふうに出していらっしゃるでしょうか。
  202. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) まず最初に、サケ・マス資源増大再生産計画の性格でございますが、これは水産庁内部の計画といたしまして、努力目標として定めたわけでございます。で、毎年の計画につきましては、中審の御了解を得ているわけでございますが、これは水産庁内部の計画でございまして、あくまで努力目標ということの扱いをしているわけでございます。  そこで、前期は昭和五十年度まででございますが、確かに御指摘のとおり、北海道では、四十九年までの進捗率は余りございませんでした。ところが、本年はすでに計画目標を達成しているということになっております。これは中審の審議を得ました計画もすでに本年はこれを達しているということになっております。  それから本州につきましては、大体計画どおり目標を達成しておりまして、私どもといたしましては、これを努力目標としていろいろな施策を進めますときに使っているわけでございますが、実績はただいま申し上げたとおりということになったわけでございます。
  203. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 放流実績なんかはそうだと思いますけれども、先ほどつけ加えました施設だとか、それから研究の面だとか、そこの努力目標としてここに出されましたものの見通し、実績はどういうふうに、目標に比べてなっていますでしょうか。
  204. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 私ども、北海道におきまして、国営でいろいろふ化放流事業をやっているわけでございますから、その面の施設の充実等につきましては、毎年毎年予算の際に努力をしながら逐次拡充してきているわけでございます。しかしながら、この計画と予算の問題とは直接的には結びついていない性格のものでございます。
  205. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 水揚げも順調に伸びて、回帰率も二%から二・二%台になったといって、非常に明るい増殖事業だと思いますので、ぜひ、これは積極的に取り組んでいただくということをお願いしたいわけですけれども、具体的にそれじゃ、いま何が必要かといったら、ふ化施設がどうしても早く拡充してほしいということなんですね。今回の豊漁で、本当にとれてとれて、とれたものをどこへ持ってっていいかというようなことで、みすみすながめていなければならないというようなことなので、ふ化施設がどうしても足りないと思う。で、稚魚の育成とか飼育施設というものをつくるために、国としても当然支出もし、それに当たっていただかなければならないと思うわけですけれども、その前期で四十六年から四十九年の間に、国としてその施設などにどれくらいの予算をつぎ込んでやってこられたでしょうか、その額。
  206. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) ふ化場の施設費につきましては、四十六年から五十年まで大体七億五千万円の予算を使っております。それから当然これに伴いまして事業用の機械器具等も必要でございますが、それにつきましては八千八百五十万円の予算をこの五年間に使っているわけでございます。  なお、御参考までにちょっと数字を申しますと、五十年の予算は施設が約一億五千万円でございます。ところが、この事業の重要性にかんがみまして、現在、水産庁として五十一年度予算において大蔵省に要求中の数字は二億五千万円、こういうことになっております。
  207. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 四十六年から四十九年までに施設として七億何ぼ、機械として八千幾らですね。そうすると、ざっと八億ぐらいということになりますね。国として出された分が。それじゃ一方、民間の方を調べてみたんですけれども、民間でどれくらい出しているかといいますと、計画で十四億四千万円だったと、それが実績で出されているのが七億四千万円という数になるわけです。そうすると、額において、民間で出した施設や機械の費用と、それから国として出されたというのとそんなに差がないというくらいの額になりますですね。  そこで、ここのところが一つ問題じゃないかなと思うんですけれども、ふ化能力というのがどれくらいかというと、国営のふ化能力というのは八億二千八十五万粒と、こういうふうに道の水産調査というのに出ておりました。そして民営というのが一億三千七百万粒と、こういうふうに出ているわけなんですね。そうすると、国営の方が八億からで、民営が一億程度と、それなのに国が出したお金と民営が出したお金というものが大体同じだというと、民営の方は非常にやる気があるけれども、国営の方はやったつもりでもやっぱり予算が大変少なくて、これではなかなか足りないという問題は解決しないじゃないかと。これは別に責めているわけじゃないけれども、実態としてはそういうふうに見なければならないと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
  208. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 私どもの方も、民営の数字については私必ずしもつまびらかな知識はございませんけれども、民営の七億というのは全部施設費に投じられているのかどうか……。
  209. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 施設と、機械も入っているはずです。
  210. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) それから、国営の方は、過去からのいろんな投資もございますので、その期間だけの投資で比較することがいいかどうかということもあろうかと思います。なお、その民営の数字についてつまびらかな知識を持っておりませんので、十分承知した上で御答弁すべきことだと思います。
  211. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 いろいろ細かく見れば見方が違うかもしれませんけれども、大ざっぱに見てやっぱり民営は非常に努力しているということは評価できるし、国営としても当然いい事業団だから、もっと金を出してふ化施設を充実させてほしいということについては、同じ立場に立って考えていただけると思うんです。  そこで、公称能力国営が八億二千八十五万粒ということなわけなんですけれども、それじゃ、実際にそのいわれているだけの能力があるかということで、また今度の豊漁でも大変足りなくなったということなんで、実際に一つ一つがどういうふうなものだというのを調べてみました。で、たとえば北見の支場の湧別ふ化場というのがあるんですけれども、ここのを調べますと、公称能力は八千九百万粒になっているんです。しかし、実際は半分以下の四千万粒でしかありません。で、ここは水のリサイクルによってフル操業みたいにやっても六千万粒しか入れることができないというんで、公称能力と比べて非常に少ない。また渡島支庁の利別ふ化場というのも調べてみましたら、公称が五百万粒で、もう限界が二百八十万粒だと、ここも半分くらいになっているわけなんですね。だから、公称よりはもう実質には相当下がっているんではないかと心配するわけです。で、何としても、これふやしてほしい、つくってほしいということなわけです。金がない、予算がない中で、やれ、やれと言うだけでは、建設的ではありません。で、そういう立場から、桧山管内から水産庁の方に陳情書が行っていると私は思うんです。桧山管内のサケ・マス増殖対策協議会というところから、ふ化場拡充のために土地を確保する、土地は提供します。だから、ぜひ、その上にいろいろ施設をつくって、一千万粒くらいまではふ化させたいんだ、という陳情書が行っているはずなんですけれども、ぜひ私は、こういう積極的な意見というものを取り上げて、その増殖に力を入れていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
  212. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 湧別、利別のふ化場につきましては、それぞれ問題があることは、私どもも承知しております。ただ、国全体といたしまして、採卵量が六億ないし九億粒であったわけでございますけれども、最近、先ほど申しましたような数字のとおり、施設に金を注ぎましてこれを拡充いたしました結果、十億粒の増殖能力に達しております。そこで、本年の動向を見ますと、大体十億粒を収容いたしまして機能を十分果たしている現状であるというふうに考えております。  なお、利別のふ化場につきましては、御指摘のように、ふ化用水中にどろ並びにアオミドロ等が混入して水がよくないと、そういう問題がございます。したがいまして利別のふ化場の整備につきましては、現地からさらに追加をしてほしい、土地も取得しているというような要望があることは私どもも承知しておりまして、現在その用水の状況について調査中でございます。で、電気深査機によって掘ってみますと、地下約五十メートルのところに水脈があることは確認しておりますので、こういった面をさらに調査し、今後の全体計画の整備とあわして必要があればそういった措置も講ずべきではないかというふうに思っております。
  213. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それじゃあ、長官の立場から、十億粒のふ化能力があるというのは、それは国営だけでおっしゃってるんですか、十億粒という数。
  214. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) それは道も――道営のもの、民間のものも入っております。
  215. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 で、全部合わせまして十億七千八百五十万粒というようなふ化能力があると、公称は。ということになっているわけです。それじゃあ、ことしは四十六年の回帰でうんと豊漁になりましたし、その後またどんどんたくさん放流しています。で、非常に技術が進んで回帰率というのも高くなってきます。で、ことしでももう能力がないということで大騒ぎしたわけですから、ことしでも大変だったんだから来年、再来年と増殖していく上では決してこれで十分だというふうには言えませんでしょう。
  216. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) ふ化場の能力以上の遡上がございます場合には、やはり資源の浪費が起こるということもあり得るわけでございます。そこで、まあ私どもといたしましては、明年以降の問題については、御指摘のとおり、ふ化場の施設の増強にはこれは国として努力しなきゃならぬわけでございます。ただ、そこには全体の予算の限界その他がございますので、必ずしも理想的な施設の拡充はできない。そうすると、来遊量がそれを上回るというような場合には、これは沿岸の漁業というものを調整しまして、やはり資源の合理的な利用というような観点から、そのような場合には沿岸の漁獲をふやさなきゃならない。あくまで施設に合った遡上を確保していくということが資源の合理的な利用の道に通ずるわけでございます。
  217. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 確かにそれも一理だと思います。でも、ほんとにおいしいサケをたくさん食べさせたいという立場に立てば、もうふ化場の能力がこれだけだから、あとは、とらしてしまうということじゃなくて、ふ化場の能力をもっともっとふやして、もっともっとサケ・マスをたくさんつくるという、そういう立場に立って私は努力していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  で、そういうことから考えましてもやっぱり、実際行ってみますと、非常にランスというのは微妙な敏感な生物で、その水温が一度違うというと、その温度差で成長は一カ月くらいの差が出てきて回帰率が非常に高くなったというようなことですが、これは少し元気な稚魚にして、そして一カ月、二カ月というふうに大きくして放した結果が、こういう結果になってきたということになると、やっぱりそのランスに対する温度というものもちゃんと低温で暖かくというようなことをしなければならないと。そこで希望としては、現場の労働者が、自動水温調整装置というものがいまほんとに必要なんだということを要求していましたし、また、前期計画の中でも放流効果を向上させるための施策という中で、放流適期に合わせたふ化管理を行うためにぜひ必要だというふうにも書かれておりましたので、ぜひ、その自動水温調整装置というものについても、つけてあげれるような、そういう御努力をいただきたいと思うわけですけれども、いかがですか。
  218. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) サケの卵をふ化さすためには、大体水温が八度から十三度ぐらいの水温が理想的なわけでございます。そこで、いわゆるわき水の場合には、ほぼその温度が確保できるわけでございますけれども、わき水が足りなくて河川の水を利用しているというような場合には、特に冬場は水の温度が非常に下がるということがございます。そこで、そういった問題を調整するために自動水温調整装置の整備ということが必要なことは先生御指摘のとおりでございますけれども、私どもが承知しているところでは現在、北海道の一カ所、たしか増毛ふ化場に一基あるだけでございまして、ほかにはございません。と申しますのは、水産庁のふ化場の場合には、大体わき水が確保されているところが多くて、いまのところ、私どものふ化場からぜひこれが必要だという、そういう強い要望は出ておりませんけれども、ただいま申し上げましたように、河川の水を利用してふ化事業をやるというような場合には、御指摘のとおり、こういった機械も必要になりますので、将来必要に応じまして整備の必要があれば整備するというふうにしたいと思っております。
  219. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 ぜひそういうふうに御援助をいただきたいと思います。  それから今度は、施設そのものなんですけれども、北海道で調べましたら、調査費を五十一年度つけまして、二、三年で三カ所くらいのふ化場をつくりたいというふうに言っておりました。そして民営のふ化場の場合には、道が二分の一補助するというようなこともやっていたわけですけれども、国として、道営のふ化場新設というようなところに補助をするというようなことはお考えにならないでしょうか。
  220. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 最初に御答弁申し上げましたように、今日のサケ・マスのふ化事業は、北海道においては国が主体となり、本州においては、民間の事業に対しまして国及び都道府県がこれを助成するという形で行れているわけでございます。確かにサケ・マスの資源状況から見まして、北海道が一番いい、日本の中では一番いいということが言えるわけでございますが、一方、内地におきましても、十以上の府県においてふ化事業をやっているわけでございます。したがいまして、水産庁といたしましては、北海道は国営を主として、それから国の助成事業は、いまの現状では、内地のほうを充実していく。内地が十分充足されましたら道営のもの、現在まあ、たしか三つあるように聞いておりますけれども、それを増強するような必要があればそれを援助するということで、いまやはり内地の充実が先ではないかというふうに考えているわけでございます。
  221. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 それじゃ次に、定置網の漁業権の問題についてお伺いしたいわけですけれども、まあいわゆる増殖事業というのは非常に、国やまた道なんかもお金を出しております。非常に再生産のために費用は出すけれども、それじゃその利益を受ける者は一体だれなのか、そういう利益を受けるところに一体だれが参加できるのか、ということを考えますと、資源の配分や、収益の配分や、またその機会に参加できるかどうかというところに非常に著しい問題がある。私は、このサケ・マス増殖ということを考えたときに、定置網の漁業権の問題と切り離して考えられないと思うんですけれども、長官としては定置網漁業権の問題をどういうふうにごらんになっていらっしゃるでしょうか。
  222. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 確かに資源がふえていけば、その利益の多くが定置網の漁業者の方々に帰属するというのは現実だと思います。現在御案内のように、たしか五百七十五統でしたか定置網漁業が、共同漁業権のものが北海道にございます。したがいまして私どもといたしましては、今後において漁業権更新の時期に道庁その他関係機関とも十分相談いたしまして、この定置網の漁業権の問題をどうするかということは検討すべき問題だと思います。現在のところは先ほど申しましたけれども、協会が北海道に四十九年からできまして、そこへ定置網の漁業者の方々も会員として参加して、その漁獲高に応じて賦課金を払っているというようなことになっているわけでございます。したがいまして、そういった面で関係の業者の方もふ化事業に大いに協力していただくということを中心にして進めながら、さらに統数をどうするかとかいうような問題は、今後の資源の状況、それから漁業権の切りかえ時期にこの問題は検討すべき問題ではないかというふうに考えております。
  223. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 ことしのように、豊漁になればなるほどまた矛盾が大きくなってまいりまして、この豊漁を喜び合えるというようなことにならないわけです。私も、方々歩くたんびにその問題聞きまして、漁協が、直営で漁業権を持ってやっているというときは、もう本当に気持ちが一つになって喜んでその豊漁に作業しているわけですね。そういう漁協直営というのが北海道の場合は、上磯と石狩と別海しかございません。それで定置網の漁業権も九十%ぐらいは個人または共同経営で持っている。しかも、それは戦前から持っている。いわゆるボスみたいなのが持っていて、そしてどんどん豊漁になってというような、利益配分をたくさん取るというようなことで、非常に不満がうっせきしているわけでございますね。  四十四年から四十九年までの漁業形態がどういうふうに変わっているかというのを調べてみました。そしたら、個人で持っている漁業権というのは、四十四年には百八十五だったのが、四十九年には百四十に減ってきた。これはやっぱりそういうような批判の中から減ってきているという結果で、いいと思います。共同が二百二十七から三百十一にふえました。これも結構だと思います。しかし、この共同っていうのは、法人というのも次に出てきますけれども、非常に小規模なんですね、調べてみると。もう二、三人というような規模というのが非常に多いわけです。だから、共同や法人というものがふえてきているけれども、まだまだ機会均等、収益、利益の均等とか、資源の均等というところには非常に遠い現状だということになっております。  そこで、漁業権の改正というのは、まあ五年ごとでございますから、今度も五十四年の一月一日ですね、たしか。
  224. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 五十三年です。
  225. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 五十三年ですか。それまで待たなければならないということになっているわけなんです。  いまの具体的な問題として、刺し網ですね、サケ・マスの刺し網を認可するというようなことが出ているわけですけれども、それは私は、好ましいことではないかと思うんですけれども、長官はどうお考えになりますか。
  226. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) サケの固定式の刺し網漁業につきましては、北海道の海面漁業調整規則において、漁業権、入漁権に基づくもののほかは禁止されております。そこで、漁業権としては、昭和四十八年から根室地区の一部海域におきまして、いわゆる第二種共同漁業権の一種として免許されております。  そこで、これを拡充してほしいという御要望かと思いますけれども、先ほども申しましたように、サケ・マス資源につきましては、資源の増殖、そ上量の確保等の関係で、漁業の問題を考えなければならぬ、という問題もございます。したがいまして、私どもといたしましては、全体の資源量、資源保護の問題その他を考えながら、今後どうするかということにつきましては、関係者と十分話し合って慎重に対処していきたいと思っております。
  227. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 結局、定置網の権利を持っている者が、どんと、とっていくか、それが刺し網で分配されていくか、という問題ですね。だから私は、さっき言っているような趣旨から、やっぱり刺し網というものも許可すべきではないかと。定置網だと、五千万だか七千万だかという金がかかるが、刺し網ならせいぜい三十万くらいでできる。そうすると、本当に国が金をかけた再生産事業の結果というものが、みんなに配分される。それも、いまもおっしゃったように、根室海区では認められているわけですから、その辺のところをぜひ御検討くださって、全部が平等に与えられるように、ということは考えていただけますでしょうか。これからいつまで、という期限は切りませんけれども、早急に具体的にこの問題について検討していただきたいと思います。
  228. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) 先生御案内のとおり、漁業権の調整という問題は、これは大変な問題でございます。そこで、まあ私どもといたしましても、関係者の納得が十分なしにこれをやることは、なかなか問題がございますことは、他の漁業権の調整の事例から見てもおわかりいただけると思います。  それからなお、できるだけ多数の人が参加するような形にしなければならぬということは御指摘のとおりでございます。そこで、定置網の免許につきましても、現在の漁業法の第十六条第八項におきまして、免許する場合に、優先権は漁民団体の者に優先しなければならぬということが法律ではっきりしております。したがいまして、次の漁業権の切りかえ時期におきまして、そういった要望が出てくれば、なるべくたくさんの漁業者が参加できる方向で問題を処理しなければならぬということはもう御指摘のとおりでございます。  そこで、刺し網を許可するかどうかという問題でございますが、これは道庁とも、よく相談して検討しなければならぬ問題でございますので、慎重に対処したい、こう思っているわけでございます。いずれにいたしましても、漁業権の調整というのは、なかなかむずかしい問題がございます。
  229. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 時間なのであとちょっと、切りがいいですからこれでおしまいにしたいと思いますけれども、こういう問題ずっと考えて、私は、一つ大事だなと思ったのは、サケ・マス増殖事業協会というものの役割。これは私もよく知らなかったんですけれども、調べてみたら、ここのところ大変大事な問題だと思いました。そこで具体的な問題としては、収入の面ですね、その収入の面というのが、どういう収入があるかといったら、親魚の処理とか、漁獲高割りとか、網のことって言うんでしょうか、統数割りというようなことで収入を取ってやっていっているわけなんですけれども、これが捕獲事業所が直営で二十一で、代行が五十九と、合計八十あるうち五十まで赤字になってしまっているという事実が出てきたわけですね。そうすると、この増殖事業協会というものがこんなに苦労していては、これからの発展のために大変私は問題だと思ったんですけれども、こういう増殖事業協会に対しての何らかの補助とか手だてとか、これどういうふうにして健全にしてサケ・マス増殖の事業に役立てたらいいかというような点についての長官の御見解を伺って終わりにしたいと思います。
  230. 内村良英

    ○政府委員(内村良英君) この協会の経営にあまり支障のないように収支を整えなければならないということは、先生御指摘のとおりでございます。そこで五十年度におきましては、賦課金の徴収の方法に改善を加えまして、その賦課金が十分集まるように実は多少修正を加えたわけでございますが、たまたまことしは来遊量が非常に多いものでございますから、少なくともことしについては赤字が出るというようなことはなくなってくるんじゃないか。ただ、将来の問題もございますので、こういう協会に助成するかどうかにつきましては、十分検討しながら適切な指導を加えていくようにしたいと思っております。
  231. 喜屋武眞榮

    ○喜屋武眞榮君 ちょっと委員長一言。  詳しいことは委員部を通して私、確認いたします。本日の農水委員会において二院クラブの喜屋武に質問の時間を与えられない理由は何ですか、それをお聞きいたしまして終わります。
  232. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 開会前直前に喜屋武委員に私自身が御説明いたしましたとおりであります。  本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会      ―――――・―――――