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1975-06-18 第75回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和五十年六月十八日(水曜日)    午後一時十五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月九日     辞任         補欠選任      茜ケ久保重光君    前川  旦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         吉田忠三郎君     理 事                 黒住 忠行君                 中村 登美君                目黒今朝次郎君                 阿部 憲一君                 栗林 卓司君     委 員                 小川 半次君                 加藤 武徳君                 土屋 義彦君                 中村 太郎君                 山崎 竜男君                 小柳  勇君                 前川  旦君                 太田 淳夫君                 河田 賢治君                 安武 洋子君    国務大臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    福田  一君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       竹岡 勝美君        警察庁長官    浅沼清太郎君        警察庁交通局長  勝田 俊男君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        警察庁交通局参        事官       鈴木金太郎君        警察庁交通局交        通企画課長    池田 速雄君        林野庁業務部長  須藤 徹男君        建設省都市局都        市計画課長    野呂田芳成君        日本国有鉄道理        事        山岸 勘六君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○自動車安全運転センター法案(内閣提出、衆議  院送付)     ―――――――――――――
  2. 吉田忠三郎

    ○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る六月九日、茜ケ久保重光君が委員を辞任され、その補欠として前川旦君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 吉田忠三郎

    ○委員長(吉田忠三郎君) 自動車安全運転センター法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 私は、与えられた四十分の時間内で、当面入梅時に入っておるわけでありますから一点だけ緊急に質問して、あと残された時間を交通安全の時間帯にしたいと、こう思いますので、御協力をお願いいたします。  この四月の十四日、九時四十分から上越線の土砂崩壊がありまして一万五千平米の土砂が落下したと、それで五月二十六日やっと開通したという事件がありましたが、この案件について私も現地に行って山に登って現地を見てまいりました。それで、まあ辛うじて列車の運転を停止しておった段階の土砂流出でありましたから、仮にあの時点で列車が通っておったならば、少なくとも千人は亡くなったろうと、私も乗務員の経験から千人近い方が亡くなったろうと、そういう現場を目撃してまいりました。  それで、国鉄側にお伺いいたしますが、あのような危険な山間部を通る線路について、あるいはがけ崩れなどの危険個所について、大体どのくらい現在考えていらっしゃるのか、要注意個所などについてわかっておれば教えてもらいたいと、こう思うのです。
  5. 山岸勘六

    ○説明員(山岸勘六君) 私どもの調査で現在国鉄自体で管理しなければいかぬ斜面、あるいはまた国有林、私有林等を含めまして、われわれが重点的に警戒に当たらなければいかぬというふうに考えている個所は、全線で七百五十カ所でございます。しかし、その規模は必ずしも上越線のような大きいものばかりとは限りませんですけれども、私どもの把握では七百五十カ所という把握で現在さらに詳細な調査に当たっております。
  6. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 林野庁にお伺いしますが、時間がありませんから結論だけ申し上げますと、あの土砂崩壊した場所は、保安林であって、昭和二十一年に一部伐採しただけで全然その後手をつけていないと、そういう現地であることについては間違いないでしょうか。
  7. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) いま御指摘のように、あそこは保安林になっておりまして、それ以後伐採はいたしておりません。
  8. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、私は非常に不思議に思いましたのは、あれだけの土砂崩壊をする現地が、林野庁の管轄の中で事前に何らの異常も発見されなかったというところに突然の土砂崩壊だということはどうしても解せないのですが、土砂崩壊の原因は林野庁としてはどう考えているのでしょうか。
  9. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 本災害発生の原因はことしの異常気象にあるというふうに考えております。すなわち、当地方におきます本年の積雪量は例年に比しまして著しく多く、しかも、三月、春先の積雪が多かったのであります。加えて、四月上旬から気温が連続的に上昇いたしたために融雪水が急激に増加いたしまして、地下水あるいは地上水となって流下して山地の崩壊を引き起こしたというふうに考えておるのでございます。ちなみに、現地の林況は、ただいまも先生が御指摘ございましたように、三十度前後の急傾斜地ではございますけれども、崩壊の発生地点であります、私の方で「ほ小班」と言っておりますが、この個所は、なだれ防止保安林に指定されておりまして、最近の三十年間は全く手を加えていない平均林齢七十四年生のブナ林でございます。そのようなことから事前に予知ができなかったということでございます。
  10. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 私はいまのような原因も現地で聞いたのですが、しかし、素人のわれわれとして、ことしは雪の量が多いとか、雨が降っているとか、あるいは気候が異常であると、こういうような場合には、災害防止上その予防措置をいわゆる山の管理で行うのが当然ではなかろうかと、保安安全上ですね、そう思うのですが、どうもこの原因は、事故が発生してから原因を後でつけ足したと、こんな気がするのですが、このような雪が多い、雨量が多い、異常天候だという場合には、こういう線路であるとか、それから国有の道路であるとか、それにかかわる山林の管理については、もっとやっぱり念入りに行うべきではなかろうかと、こんなふうに思うのですが、いかがでしょうか。
  11. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 全般的には、ただいまお話しございましたように、融雪時期あるいは梅雨時期等につきましては、林野にかかる山地災害の未然防止ということで、林野庁長官から各都道府県知事なりあるいは営林局長あてに警戒を厳重にするように警告を発しておるのでございますが、当該災害地につきましては、先生も御承知かと思いますが、上越線沿線は過去にほとんど災害らしい災害がなかったというような実績もございまして、私どもとしましてはあの付近にも四十七年の調査のときに危険地を指定いたしておりますが、当該災害地はたまたまこの危険地に入っていなかったということでございまして、いわゆる森林の効用限界を越えた雨量なり積雪量であったというふうに私ども考えておるのであります。
  12. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、国鉄側にお伺いしますが、あの構内は北湯檜曾構内と言っているのですけれども、当該乗務員からは、新潟管理局に対して、もう一カ月ぐらい前から、あそこの個所を通ると、土砂崩れまではいかなくとも、非常に激しい斜面ですから、斜面から土がぞろぞろとおりてくる、どうも変ではないかと、そういうことを再三にわたって現場長を通して新潟局に異状の申告をしておるわけですが、現地から聞きますと、モチはモチ屋に任せておけと、いわゆる保線の方で何も言わないからいいではないかと。保線の方に聞くと、林野庁が管理するのであるから、林野庁が異状ないと言うんだからいいじゃないかというふうに、再三にわたって、その前兆とは言わないまでも、当該乗務員からおかしいという申告が二回、三回にわたってあったということなんですが、この点はいかがしょうか。
  13. 山岸勘六

    ○説明員(山岸勘六君) 先生も御承知のように、この列車が不通になったという時点は十四日の午後でございますけれども、すでに十二日からこの異状状況が把握されまして警戒に当たっておったわけであります。なお、それ以前に、いま先生がおっしゃられました乗務員からぼろぼろと砂利等が落ちてくるじゃないかというような話も確かにございまして、保線掛員が調査いたしましたところ、その個所は、実は非常に近くではありますけれども、あの沢の近くには該当していない個所であったわけであります。いずれにしても、乗務員からもそういったあの付近での話がありまして、保線の方としても警戒に当たっておったわけでありますが、十二日の朝保線掛員が異状を認め、それからずっと固定警戒をいたしまして、そして十四日の午後に至りまして、列車の運転に危険であるという判断のもとに列車をとめているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、乗務員の申告に対して何ら手を打たなかったというわけでもありませんし、私ども聞いておるところでは、乗務員の申告した場所、いわゆる一カ月ほど前からというお話しの場所は当該個所ではなかったという点が一つ報告されております。  以上でございます。
  14. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 新潟局で発行した事故報告によりますと、「四月十二日八時二十分ころ、出勤途上の軌道検査掛が」云々と、こうあるんですよ。ところが、いま常務はそう言いますけれども、この個所は、四月の十二日ダイヤ二一の乗務員でありまする山田順一郎機関士、これが七時三十一分現地を通過して、どうもおかしいというので十五キロで徐行してみたと。そうしたら、土砂が崩れている、あるいは水が流れている、濁っている、従来と違うということで帰ってまいりまして、七時四十五分高橋運転助役に報告した。高橋運転助役が直ちに保線に連絡した。保線から営林署に連絡した。そうすると、営林署の段階ではもう八時にはわかっているわけですよ。ところが、この事故報告は八時二十分なんですよ。一体どっちが本当なのか。私は、結論として言いたいのは、やはり保線の方も林野の方もわからない。ところが、乗務員は百二十キロで走っている、百キロで走っていると、その際の振動ですね、振動が一番危険な状態を把握するという前兆があるのではなかろうか。そういう申告があった際には、現場の助役なり区長なりあるいは保線の助役なり、同じ列車に乗ってみて現地を点検してみると、そのぐらいの慎重さがあってもいいのじゃないか。ですから、私は、本件問題はやっぱり乗務員の申告を非常に軽はずみに見て――この土砂流出が十二日に始まって十四日まで非常にスローにおりてきたからよかった。だから、不幸中の幸いで、もしもこれが一遍にぱっと落ちてきたら、もうあの民家も皆つぶれる。列車が来たら列車もぽろっとなってしまう。乗務員の申告を無視するというところに一つ問題点があるのじゃなかろうか。この点の事実関係については、わかれば私はここで答えてもらいたいし、わからなければ、私がいま言った議事録をよく調べて、この事実関係については、新潟局なり林野庁が一体どの時点でこの土砂すべりの現象を把握したかということを、この事故報告と現場の申告とは全然違いますから、ぜひ調査をしてもらいたい。わかればここで答えてもらいたいと、こう思うのです。
  15. 山岸勘六

    ○説明員(山岸勘六君) 山田乗務員の異状状況発見につきまして、私も聞いております。一体どの時点での発動が行われたのかということにつきまして、高橋助役は確かに報告を受けているわけでありまして、ただ、高橋助役が保線支区に電話をしたところ、支区員がちょうで支区を留守にして表に出ておったというようなことで、結果的にこの軌道検査掛の発見によっての発動が早くなったというふうに聞いているわけであります。  なお、先生の御指摘の御疑問個所につきまして、私もまたもう一遍調査をし直してみたいと、このように思いますので、御了承願いたいと存じます。
  16. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 ですから、それは調べて報告してもらいたいと思うのです。   〔委員長退席、理事黒住忠行君着席〕  それからこれは林野庁か国鉄かわかりませんが、現地に地震予告器がついていると。ところが、今回の土砂すべりで地震予告器が全然作動しなかったというような現地の報告なんですが、これはどういうわけでしょうか、わかったところから御報告してもらいたいと、こう思うのです。
  17. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 私の方では、崩壊が起こりましてからその後のつまり移動の経過を的確に把握するために予知器を設置した事実はございます。しかし、事前に私の方で設置しておるということはございません。
  18. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、結論として、この保安林はもう先ほど林野庁から言った年齢七十四林齢だと。こういうところである日突然こういう事故が起きるわけですね。そうすると、鉄道の線路であるとか、それから高速道路であるとか、国道であるとか、こういう関係の安全の確保ということになると、一体どうしたらいいのかという点が、こう皆さんに問題を出す私自身もそういうことについて安全確保についてどうすればいいのかと、こういう点で非常に迷うのですが、やはりこういう事態が発生したということを念頭に置いて、林野庁の方では、より一層この保安林を確保する、土砂崩壊を防止する、そういうための念入りな点検とか検査の充実という点が必要だろうし、国鉄側としては、機械で探知することもいろいろ使っているようでありますが、しかし、なかなかこの探知というのは十分に発動しないという点もありますと、もっとこの営林関係を強化するとか、あるいは林野庁と提携して線路巡回を密にするとか、あるいは一般道路の場合はやっぱり道路の点検もやると、こういうことにしないと、入梅時に入りまして不測の事態が起こるのじゃなかろうかと、こんな気もするのですが、この事故の教訓から、国鉄なり、林野庁なり、あるいは道路関係も含めて、今後どんな取り組みでこういう事故防止をするのか、お考えがあったら聞かしてもらいたいと、各々からお願いします。
  19. 山岸勘六

    ○説明員(山岸勘六君) まず、一般論としまして、私ども、昨年の七月に大変な災害が新幹線、在来線ともに起こったわけでありまして、今年度の構えといたしまして、いわゆる線区防災強化工事を昨年度の三倍ぐらいの枠の予算を計上いたして対策にただいま当たっているところであります。なお、河川改修その他に伴う改良工事の推進につきましても、今年度は昨年にもまして力を入れているところであります。また、先ほど申しましたように、七百五十カ所も警戒個所があるということでございますので、これらにつきましては、さらに雨量計の整備、あるいは地すべり計の整備等を進めると同時に、事前の調査というものを推進してまいりたいと存ずるわけであります。  また、この四月に、ことしはたまたま、きょう林野庁の方もおいでになりますけれども、国有林の関連の土砂崩壊に基づく事故が三件発生いたしているわけでありまして、私どもといたしましても、林野庁と折々対策等について御相談をしておったわけでありますが、六月の十三日に総裁から林野庁長官あての書類をもって御協力方をお願いしているわけでありまして、先ほど申しました七百五十カ所のうちの幾つかにつきましては、当の林野庁と直接調査に御協力を願って、あるいはまた、地形の非常にむずかしいところについては私どもとしては部外の学識経験者の御調査もお願いするというようなことも含めて考えている次第であります。なお、大方の個所につきましては、私有林あるいは地方公共団体の所属する山野になっておりますので、それらにつきましても林野庁からの御指導を強くお願いしているところでございます。
  20. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 先ほどもちょっと触れましたが、昭和四十七年に全国的な激甚災害が発生いたしましたので、そのときを契機といたしまして、発生が予想される危険地域の実態を調査したのでございます。これらの危険地につきましては従来から点検整備を図るように努めておりまして、緊要な個所から治山工事によりまして堰堤工あるいは谷どめ工あるいは土どめ工等を施工いたしまして被害防止に努めているところでございます。先ほども申し上げましたように、今年もそういうような意味で長官から各都道府県知事あるいは営林局長に対しまして点検を十分するように、万全を期するような通達を出しておるのでございます。  また、特に国鉄との関連でございますが、ただいま国鉄の方からお話しがございましたような総裁名の御要請もございますので、林野庁といたしましてもできるだけ協力をいたしまして危険個所についての立会調査あるいは防災対策の検討等をいたします。また、民有林等に対しましてはそれぞれの地方公共団体に十分指導してまいりたいというふうに考えております。  なお、この現場につきまして十分打ち合わせを行って事業を進めているわけでございますが、いま申し上げましたような国鉄沿線の要注意個所の実態把握につきましてさらに精度を高めていきたいというふうに考えておるのでございます。
  21. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 林野庁にお伺いしますが、何か四十七年から五十一年まで閣議決定で千二百億治山の整備をやると、そういう決定がなされておるけれども、この五十年の段階ではわずか五〇%しか行われていない、こういう話を聞いたのですが、これは間違いないでしょうか。民間の場合は六五%程度で、非常に国有林がおくれていると。したがって、こういう計画も、もう五十一年来年で終わるやつがまだ五〇%では、このような事故を考えると非常に恐ろしいので、これも早急にやっぱり政府全体で予算をつけて、計画どおりこの計画が進むような御配慮をしてもらいたいと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  22. 須藤徹男

    ○説明員(須藤徹男君) 御指摘のとおり、残念ながら民有林に比較いたしまして国有林の治山の進捗状況が若干おくれておるのは事実でございます。
  23. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 じゃ、それは早急に来年度あたりを含めて完成するように要請いたします。  それから国鉄側にもう少しお伺いしますが、この今回の土砂崩壊の関係かその前の二、三回の地震の関係か知りませんが、湯檜曾の第二トンネルか、こう傾いていると。私もセンターに立って見たのですが、傾いているんです。ですから、何か現場の話を聞きますと、緊急の措置はやったと言っていますが、やはり抜本的な――当面その緊急な措置はやったと。ある程度徐行はやっていると。ところが、乗務員にしてみれば、お客さんも含めて、このセンターが狂っているトンネルがいつの時点でまた崩れるかわからないと、こういうこともありますので、このトンネルの改修工事については早急に再検討なり善処をお願いしたいと、こういうふうに私も現地を見て感じてきたのですが、いかがでしょうか。
  24. 山岸勘六

    ○説明員(山岸勘六君) いまここに土木課長も参っておるのでありますけれども、一応専門家としては列車の運行に心配のある状況ではないという判断に立っているそうでありますが、先生もごらんになって非常に心配だということのお話しでございますので、私どももなお一層調査いたしまして手を打ってみたいと、こういうふうに存じます。
  25. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 まあそれは乗っている者の立場に立って、ひとつ事故の起こらない前に、金はかかるでしょうけれども再検討を十分してもらいたいということを要請します。時間がありませんから、これはこれくらいにして、あとその他の問題は次回に譲ります。  このセンター関係で一つ教えてもらいたいのですが、今回のセンターの設立なり効果というのは、一応法案でこう棒読みされたのですが、具体的に何をねらってどういう効果があるのか、それを端的に国民にわかるように教えてもらいたいと、こう思うのです。
  26. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  御案内のように、交通事故の死傷者数が昭和四十六年以降減少してきていますけれども、なお昭和四十九年中には一万一千人以上の死者、しかも六十五万人以上の負傷者を数えているような現状でございます。このような実情にかんがみまして、交通安全施設の整備や指導取り締まりの強化はもちろん、さらに運転免許を取得した後の運転者の資質の向上と安全運転の徹底を図る必要があると考えておる次第であります。しかし、警察の性格上、その対策が、免許の試験とか、違反とか、事故を起こした運転者に対する行政処分などの面に主な取り締まりの面が置かれておりまして、運転者の利便の増進とか、あるいは優良運転者の賞揚等によって運転者の安全運転に対する関心を高めるなどの面につきましては必ずしも十分と言えない実情にあります。このような諸点を補完するためにセンターを設立いたしまして、運転免許取得後の運転者に対して累積点数の通報であるとか、経歴の証明、事故証明、運転研修等を実施することによりまして交通事故等の防止と運転者等の利便の増進に資することとしたものでございまして、このことによりまして事故防止の効果は大きいものとわれわれは期待をいたしているわけでございます。
  27. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、運輸省に自動車事故対策センターというのがありますね、これとの関連なり、あるいは免許の関係は交通安全協会や指定自動車学校で現在行っておるところもあると思うのですが、これらとの関連なり、あるいは整理統合といいますか、そんな関係はどうなるのでしょうか。
  28. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 自動車事故対策センターでございますが、事故対策センターにつきましては、事業用自動車の運行管理者に対する指導講習、それから事業用自動車の運転者に対する適性診断、交通遺児に対する資金の貸し付け、こういったことを主たる事業とするものでございますが、このセンターでは、警察庁の電子計算機による資料の活用によりまして、処分直前の運転者に対する通知、運転経歴等の証明を行うとともに、交通事故の証明、免許取得者に対する運転研修等を行うことを主たる業務とするものでございまして、業務の内容が異なるわけでございます。しかし、いずれも交通事故の防止ということを目的とするものでございますので、それぞれの分野において特徴を生かし協力をしてもらいたいと思います。  また、指定自動車教習所でございますが、これは主として初心運転者、免許を取る前の運転者の教習をやって免許を取らせるということでございまして、こういった面で運転者教育について非常に大きな貢献をいたしておるわけではございますが、この点につきましてもこのセンターとは事業の性質が異なるわけでございます。  また、安全協会につきましては、交通安全思想の普及、あるいは運転者なり一般市民の方に対する安全教育という面について大変な御努力をいただいているわけでございまして、交通事故防止について大変効果を上げていただいておるわけでございますが、このセンターで行うような警察庁の持っている資料の活用ということについては必ずしも適当でないということでございますが、これもいずれも事故防止ということに非常に御尽力をいただいている団体であるということで、相協力して事故防止に努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  29. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 じゃ、次は、この提案があった際に五千万の出資でやるという考えですが、いま五千万の出資で一体何ができるのだろうかという気がするのですが、それから発起人が七人以上の発起人、この発起人という方々はどういう方が――学識経験とか交通事故に経験のある方と、こう抽象的になっているのですが、提案者の皆さんとしてどういう構想を持っておるのか、そんなことをわかっておったら参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
  30. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 国の出資金は五千万円ということでございますけれども、この出資金は主として事務所の借り上げの保証費に充てられるという性質のものでございまして、事業自体につきましては、このセンターの行う各種の事業に伴う手数料収入、そういったものでまかなってまいりたいというふうに考えているわけでございます。予算折衝時の一応の試算では、初年度は三億五千万程度、平年度では十億程度の規模になろうかというように考えておりますが、今後の事業の拡大というような点から見ますと、事業の予算上の問題というものにつきましては、財政傾向の面から見ましてはかなり安定した計画ができるのじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。  また、発起人につきましては、道路における交通の障害防止について識見を有する人ということでございますが、交通管理なり運転者管理に識見を有する方、あるいは運転者心理、交通広告などに関する専門の方々、あるいは運転者教育に関し識見を有する方、その他交通評論家等で、おのおのセンターの趣旨を理解し、その目的を推進する熱意のある方が当たられるものというふうに考えているわけでございます。従来から、警察庁におきましては、交通警察の運営につきまして、そのときどきの問題を取り上げまして、交通のいま申し上げたような専門家の方々にお集まりをいただきまして、交通警察懇談会という形でいろいろ御意見を拝聴いたしているわけでございます。交通警察懇談会の方々におかれましても、このセンターということについては深い理解を持って、推進すべきであるというような御意見を賜っておりますので、こういった方が中心になって発起人になっていただけるのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
  31. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、もう一回聞きますが、五千万というのは事務所などの買収費と言うと変でありますが、買収費であるとか、土地代であるとか、そういうものが大体主であって、実際の運営費についてはいま言った三億八千万ですか、三億八千万の事業計画があってそれで回転すると、そういうふうに理解していいんですか。
  32. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 事務所の借り上げのための保証金でございまして、月々の事務所の借料というものはその事業費の中から払う。出資金でございますから、後に残るものだということで借り上げの保証金に使いたい。それ以外については、事業の運営ということの中で賄い得るようになるのじゃなかろうかというふうに考えております。
  33. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 わかりました。じゃ、事業計画というのはある程度おたくの方で青写真があるわけですね。できればそれをやっぱり参考までに出してもらいたいということを要望すると同時に、この組織人員は大体どのくらいですか。これは各県に置くのですか、中央と各県に。そうすると、中央は幾らぐらいで各県は幾らぐらいと、こういう構想があったらそれも聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
  34. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 発足に際しましては、中央は二十四、五人ということになろうかと思います。それから各県につきましては、県の事業量によって異なりますので、小さいところでは二人ぐらい、大きいところで五、六人というような形になるかと思います。発足の当初は大体百五十人前後ということを考えておりますが、翌年度ということになりますと百九十人ぐらい、その後は事業量の拡大に応じて体制の整備というものを進めてまいりたいというふうに考えております。
  35. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 この方々の身分は、これは後で公務員の秘密云々という規制事項があるのですが、この方々の身分は、国家公務員ですか、それとも純粋の民間人ですか、それとも準公務員か、その辺の身分上の取り扱いがあったら教えてもらいたいと、こう思うのです。
  36. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 公務員に準ずるものという形になるかと思います。このセンターで行う仕事につきましては、公的な性格もかなり強いわけでございまして、職員につきましては秘密保持の義務を課している。それからその業務につきましては、一方においては公務としての保護を与えておりますし、一方、法を適正に行うために公務として犯罪が行われればそれに対して処罰されるというような保障を行っておりますので、公務員に準ずるようなものというふうに考えております。
  37. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、これは今後問題になりますから、わかっていれば教えてもらいたいのですが、たとえば民間人でなくて公務員に準ずるとなると、労働関係の適用が公務員法の適用になるのか、あるいはその他の特別立法の適用になるのか、わかっておったら教えてもらいたい、こう思うのです。
  38. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 労働三法の適用は当然ございます。
  39. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 わかりました。  それからいま発起人の話を聞いたのですが、いまから云々ということですが、これが成立すれば三カ月以内にできるわけですね。ですから、この際、衆議院でも附帯決議があったように、いつも問題になる役人の天下りというようなことの批判を受けないように公正な人事運営をしてもらいたいということでありますが、この衆議院の附帯決議を受けてどんな考えでおるか、お答え願いたいと、こう思うのです。
  40. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) この発起人なりにつきましては、先ほど申し上げたような方々が自発的に集まって発起人となっていただけるということでございまして、さらに役員の選任につきましては、当初は発起人が理事長と監事を御指名をいただく。御指名いただいた方の中から国家公安委員会が本人に要請する。理事につきましては、理事長が国家公安委員会の認可を得て任命されるという手続になっているわけでございますが、こういったセンターの性質から考えましてこういった運営につきまして十分学識経験のあるりっぱな方が任命されることになるものと考えております。
  41. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 この法案を見ますと、運転経歴証明を出すと、こういうふうになるのですが、いままではそういう規定がありませんから、就職の際などは御自由と、こうなっておるわけですが、これはちょっと運用を誤れば個人の秘密保持と就職の際の機会均等を失うと、そういうまあ相手のあることですから逆用される危険性があるのじゃないかと、こんなように個人の人権を含めて心配されるのですが、その点についてはどんな運用と配慮を考えているか聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
  42. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 運転経歴の証明書でございますが、これは本人の自発的な意思に基づく申請に応じて出されるものでございます。そういった面で、無事故、無違反の証明など、本人のメリットとなる面で活用される場合が多いというふうに考えているのでございまして、また、この経歴証明書のねらいは、あくまでも運転者の資質の向上、安全運転の慫慂のために利用されることが本来の趣旨でございます。警察といたしましても、安全運転管理者等に対しまして各般の機会をとらえましてその趣旨の徹底を図りまして、御指摘のような問題のないように指導してまいりたいと考えております。
  43. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうしますと、いまあくまでも自主的な本人の申し出だと、こういうのが立法の趣旨だといっても、雇用関係になってくると、少しでも運転者の前歴をよく知りたいという雇用側の意欲が発動しちゃって、だんだん時間がたっとそのようなむしろいまの答弁とは逆な方向になりかねないという私は危惧を持つわけですよ。それで、これはやっぱり総理府なり労働省なり、まあ労働省が一番窓口でしょうが、この法律の立法と同時に、雇用の際に運転免許を必要とする場合には運転経歴証明の提出を強要してはならないと、こういうやはり雇用面の保障をどこかで抑えておかないと、いま交通局長の言ったことが裏目に出てしまうと、こんな危惧を持つのですが、こういう労働省関係と雇用の機会に対するいわゆる保障ということについてもう一歩突っ込んで考える気持ちがあるかどうか聞かしてもらいたいと、こう思うのです。   〔理事黒住忠行君退席、委員長着席〕
  44. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 運転者を管理しているところにおきましては全部安全運転管理者というのがございまして、これは各府県警察においてそれぞれ指導をいたしているわけでございます。そういった面で安全運転管理者に対する指導徹底ということにつきましては各府県警察でかなり徹底した指導もできるのじゃなかろうかというふうに考えておりますので、そういったことのないような指導を考えてまいりたいというふうに考えますす。
  45. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 これはしつこいようですけれども、私は労働者を守る立場なりいままでの経験から考えますと、やはり運転免許というものが非常に安全でということが必ず就職の機会均等に影響するということをいまから私は危惧するのですから、これらの問題については、この条文で補強するか、あるいは雇用関係を指導する労働省が、この立法と同時に、私がいま言ったことについては強要してはならないと、あくまでも本人の申し出だということをきちっとするような労働省の政令なりをきちっと出して保護するということについて、きょうは結構ですから、十分に関係庁と連絡をとって、次回に何とかまとめた答弁を大臣の方からでもしてもらいたいということをこれは要望しておきます。次回まで、この就職の問題に関する保障ですね、ぜひお願いいたします。いかがですか、その問題。
  46. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) よく検討いたしまして次回に御答弁いたすようにいたしたいと思います。
  47. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 それからセンターの業務の中に、青少年運転者に対しその資質の向上を図る云々と、こうあるのですが、特に青少年云々と取り上げたのは、いま俗に言われている暴走族などを想定した提案なのかどうか、それも含めてお答え願いたいと思うのです。
  48. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 暴走族というものも一応頭に入れて考えているわけでございまして、暴走族はやはりスピードとかスリルとか他人に迷惑をかけるというようなことも意に介しないでやっているというところに非常に問題があるわけでございまして、こういったものをやはりこういったところで十分に指導し訓練し、運転の一番の基本的な心構えなり運転の基本的なテクニックというものを教えることによって暴走族になることを防止できるのではなかろうか、あるいは暴走族にすでに入った者についてもこういったところで是正できるのではなかろうかといったことも考えているわけでございます。
  49. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 そうすると、参考までに、現在暴走の問題が社会の指弾を浴びているのですが、もう入梅時で不快指数が一〇〇%になるし、それから七月に入れば学校が夏休みになって、いまからこの問題がより深刻な社会問題になるのですが、私たちも子供を持つ親として子供には非常に苦労しますが、この暴走族対策について当面どういう措置で社会の批判にこたえようとしているのか、考えがあったら聞かせてもらいたいと、こう思うのです。
  50. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 暴走族の状況でございますが、一昨年は大変集団巻き込みの事件が起き、昨年は大変対立抗争が多かったわけでございます。本年に入りましてからの状況でございますが、暴走事案の発生回数は二百七十四件でございました。それから参加延べ人員が三万二千四百五十一人、参加車両は九千六百七十二台ということで、これはいずれも昨年をかなり大幅に上回っているわけでございます。  こういったことから、暴走族に対する対策も、昨年は五月に通達という形で、単にこれは交通だけの問題ではない、少年の問題もあるというふうなことで警察の総力を挙げてこれに対して取り組むということにしたわけでございますが、本年も五月に入りましてから神戸なり岡崎で群衆を巻き込んで暴行するというような事案が起こりましたし、先般神奈川でも大規模な対立抗争事件がございましたが、そういった違法な状態というものを決して放置することはできないわけでございまして、そういった暴走族につきましてはこれを抑制するための基本的な諸般の対策が必要であるということで、私どもといたしましては、集団暴走やあるいは暴力事件、こういうものに対しましては、やはり暴走族にいろいろなグループが分かれて、事前にできるだけそういった動きを探知するということを努めまして、その動向を把握しました上で、その現場現場、あるいは事前にリーダーなどを呼びまして説得をして、違法なことはできるだけやらないように事前に警告をまずやっていく。未然防止にまず第一の努力をする。さらに、そういった情報のある場合には、随所に警察官を配置しまして、暴走の途中におきましても検問をして暴走行為を続行することをやめさせるというような方策をとっているわけでございます。そういった中でも、なかなか機動力を持っておるものですから、全場所を検問で抑えるということもなかなかむずかしい面もございますし、そういった中で対立抗争とか大変な暴力事犯を起こすというようなことになりますと、これはもう徹底的な取り締まりをやっていくという以外にはないわけでございまして、こうした悪質なグループに対しましては、やはり徹底的な取り締まりをやってこういった事犯を二度と起こさないように取り締まりをやっていきたい。  また、この暴走族のグループの七〇%以上が少年でございます。したがいまして、こういった少年に対する補導の面からも暴走族になるというような面を断っていこう。また、暴走族になっている君につきましては、これをできるだけ解体に導いていこうということも考えているわけでございます。  さらに、暴走事案を繰り返して行うというような場合については、行政処分も従来の処分よりきつくして、停止処分の期間を長くすることによって暴走行為をやらせないようにしようというような総合的な対策を考えていきたいと思っています。  また、この暴走問題につきましては、やはり家庭とか職場あるいは学校、その地域の方々のいろいろな理解、そして社会的な抑制というものも非常に大きいと思いますので、こういった方々にもよく御連絡をして抑制ができるように努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  51. 目黒今朝次郎

    ○目黒今朝次郎君 もう時間が参りましたから、できれば私は、取り締まりと同時に、なぜ子供たちがそういうふうになってしまうのかといういわゆる補導の面といいますか、あるいはその説得といいますか、そういう面を含めますと、この問題が余り大きくならないうちに文教委員会なりそういう委員会と、あるいは社会労働委員会などと総合的な何か対策委員会的なものを設けて、そこから子供たちが立ち直ってすくすくなっていくと、そういう方向に、まあ厚生省も関係がありますわね、これは若い衆の発散ですから。そういう総合的な対策を早急に国会内に設けて、一日も早くこの問題が絶滅するような方向についてきょうは御提案だけ申し上げて、あと御検討願ったらしかるべき機会にお答え願いたいと、私はそういう要望をして質問を終わります。
  52. 中村太郎

    ○中村太郎君 警察庁に二、三お伺いしたいと思います。  御同慶にたえないところでございますが、昭和四十六年以降陸上交通事故はだんだん減っております。特に昨年は一万一千台に死亡者がなったということでございます。結構なことだと思うのですけれども、まあこれは警察庁初め関係機関あるいは国民各界各層の強力な御協力があったということでこういうことになったと思うのですが、そこで、御案内のように、全国一律に警察署単位で交通安全協会が設立されております。これは三十年になんなんという歴史を持っておるわけでございますけれども、現在で総会員数は恐らく千八百万ぐらいあるのじゃないかと思います。年間約百億円ぐらいの経費を使って交通安全運動に挺身いたしておるわけでございます。この交通安全協会がいままでの交通安全上果たした役割り、交通安全協会があったために交通安全についてどのような裨益するところがあったかと、この評価をまずお伺いしておきたいと思うのです。
  53. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 交通安全協会の方々が、これは民間で自発的にできた団体でございまして、むしろ地域から発達して最後に中央の安全協会ができたというような経緯をたどっているわけではございますが、その地域地域において非常にきめ細かい対策なりPRを持っていただいているということにつきましては、交通事故の防止について大変大きな効果があったのじゃないか。最近におきまして、連続、事故が減少してきているということも、そういった多年にわたる安全協会の御努力の成果の積み重ねが出てきたものである。ただ、それ全体の中でどれがどれだということはなかなか評価できないというふうには思いますけれども、交通事故防止について果たしてこられました役割りというものは非常に大きいというふうに考えておりまして、われわれは今後ともに交通安全協会のさらに活発な活動に期待しますとともに相協力して事故防止に努力をしたいというふうに考えております。
  54. 中村太郎

    ○中村太郎君 そのとおりだと思うわけでございます。  ところで、単位交通安全協会を見ましても、あるいは県の単位にこれを見ましても、四十七都道府県全部あって、そのうち財団法人が三十六、社団法人が十一で、いわゆる民法上の公益法人に相なっているわけなんです。で、会員は、御案内のように、全部自分の金を出して会費で運営している、官公庁の補助金でもほとんど当てにしないでやっているという実態でございます。ところが、これだけの長い歴史を持って、これだけの活発な活動をやって、交通保安上非常な活動をしておるにもかかりませず、今日、法的な地位の裏づけというものは全然ないのですね。公益法人であるけれども任意団体ということになっているのです。これが、実は、会員獲得の上で、あるいはより以上活発な積極的な活動をする上で、障害になっておるのです。ですから、私は、たとえば交通安全基本法をつくるとき、あるいは道路交通法をつくるときに、従来の交通安全協会に対する法的な位置づけという問題が話題にならなかったかどうか、話題になったけれども法文化することができなかったとすればその理由は一体何か、この点をお伺いしたいと思うのです。
  55. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 安全協会の歴史はいまお話しになったとおりでございますが、本来民間の自発的な意思によって出てきているということで、その県段階あるいは地区段階の安全協会それぞれ態様も大変区々でもある。また、それが民間の任意団体として非常にフリーに活動していただいたというところで交通安全の面についても大変りっぱな成果を上げていただいたという点もあるかと思います。これを法的に位置づけるということにつきましては、そういったいろいろないきさつから見ましてなかなかむずかしい問題があって現在までそういう形にはなっていないのじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。
  56. 中村太郎

    ○中村太郎君 御承知のように、例のいわゆるダンプ規制法、この十二条の中では団体規制をしておりますよね。かくかく交通安全その他の事業をやる者については団体をつくれという奨励をしておる。しかも、これについては指導育成をしなきゃいかぬということを言っているんですよね。このダンプ規制法の中で言う団体の仕事を交通安全協会はほとんど総じてやっているんですよ。片っ方においては、ある幾つかある中の一つの事業をやればそれは団体として認めて、それには指導育成するという条項がありながら、これだけの長い歴史を持って、しかもりっぱな活動をしている安全協会だけが置き去りにされるという理由は一体何ですか、このダンプ規制法との関連の中において。特に、交通安全対策基本法、この中にいろいろ書いてあるのですが、たとえば三十条に、「国は、交通の安全に関する知識の普及及び交通安全思想の高揚を図るため、交通の安全に関する教育の振興、交通の安全に関する広報活動の充実等必要な措置を講ずるものとする。」二項に、「国は、交通の安全に関する民間の健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。」と、この三十条にずばり当てはまるんですよね、これは。こういう交通安全協会のようなものがこの二項に該当する、こういうものをつくらなきゃいかぬという趣旨だと思うんですよ。どうしてここに挿入することができなかったのか、検討なされたのですか。
  57. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 当時、道交法の内なりに入れるかどうかということについて検討をしたわけでございますが、法的な性格がいろいろと団体によって若干違いがある、現にやっている事業も各団体によって違っているというようなこともありまして、ずばりそのものを規定することはなかなかむずかしいのではなかろうか。まあ、しかし、各県内におきましてもそれぞれ安全協会の存在価値というものを十分認めておりまして、県なりでいろいろな助成の道を考えておる県も多うございますし、あるいはいろいろ安全協会に委託してやっていただいているという仕事も多いわけでございます。そういった面で、ややそういった統一的な規定という点にむずかしい点があった、ずばりと法律に書くという点については。そんなようなことで困難であったというふうに考えております。
  58. 中村太郎

    ○中村太郎君 道交法の百八条でしたか、例の行政処分の強制講習、これに対する委託をやっておりますわね。そういう委託をする場合にも、やっぱりこの法律的な地位の明確化を図っておいた方がやりいいのじゃないですか。まあここで即座に入れますというわけにもまいりませんけれども、まあそれらの実態を踏まえて十分今後慎重に実現するような方向の中で御検討いただきたい。これはそのことを申し上げておきたいと思います。  それからそれに関連して、交通安全協会の実態活動、その中で特に安全の日、あるいはまた、春夏の交通安全旬間、このときはほとんど役員の全員が出動して街頭指導をやりますよね。先般の春の交通安全旬間に対しましてどのくらい会員が出動して街頭指導に当たったか、把握されておりますか。――数です。
  59. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) いま手元に数字は持っていないのでございます。
  60. 中村太郎

    ○中村太郎君 持っていませんか。山梨県で大体一万一千人なんですよ、延べ出動、十日間。これから類推しますると、御承知のように山梨県は百分の一ですから、大体百倍ぐらいは出ていると思うのですね。一番大きな活動の眼目でございます、街頭指導が。ところが、残念ながら、せっかく交通安全母の会あるいは役員が出まして一生懸命やりましても、万が一不慮の事故があった場合、これに対する補償措置がほとんどないのですね。まあ場所によって所によっては交通安全協会自体で見舞い規定をつくっておる。あるいはまた、市町村では市町村で補償規定をつくっているところがあります。しかし、画一的なものは全然ない。やっていないところもあるんですよね。これは私は大きな問題だと思うのですね。消防と同じようなことをやって、一身をときには犠牲にしなきゃならぬような危険の中で街頭指導をする。しかも、一方においては手厚い救済措置があるけれども、これはもう全然ない。御承知のように、交通安全協会の出動は全部無料です。勤労奉仕なんですよね。せめて、御苦労願っているんだから、災害があった場合の補償ぐらい最低限考えてやるべきだと思うのですけれども、このことに対する警察庁の考え方は一体どうなんですか。
  61. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 確かに、抑せのとおりであるかというふうに思います。街頭に立って交通指導に当たっていられる方につきまして万一災害があった場合に、それに対する補償というものを今後も検討していく必要があろうかと思います。従来、場所によりましては、保険にかけてそれを実際に補助をするというような形でやっておられるところもあるわけでございますが、ただ、こうして街頭に立っていただいているその立ち方、これがいろいろな形のものがあるわけでございまして、それをどういう形で色づけていくかという点について、統一的に全部同じような形で法的に色づけるという形になるのか、あるいは、そういった形のものを行政指導というような形でやっていく方が適当なのかどうかというような問題がございます。この点につきましては、総理府の方におきましてもいろいろと御検討いただいておりますので、われわれからもいろいろと検討いたしましてそういった方向が実現できるように努力をしたいと考えております。
  62. 中村太郎

    ○中村太郎君 あのね、少なくともこの立ち番、街頭指導というのは、今日まで約三十年間やっているんですよね、三十年間。いままでに何らこれが検討されなくて、しかも、交通局長は、いまのような、これから検討したいと思うなんて言うことは、これは交通安全活動の認識がないと言われても私はしょうがないと思うのですね。きのうきょうのことじゃないんですもの。とにかく三十年間やって、しかも、先ほどお話しがあったように、そのことが交通安全上多く裨益しているんだという御理解の中だとすれば、そのうらはらの関係でありまするこういうことについてはもっと周到な用意がなされてしかるべきだと思うのです。ですから、私は、いま各県あるいは各市町村区々になっておりますので、これはこういう方法で救済が望ましいというような一つの全国的な指針というものを総理府とも御相談の上早急に確立してもらいたいと思うのですが、いかがでございますか。
  63. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 私ども従来から大変気にはなっていたわけでございます。そういった面で、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律、そういうものができるまでそういったものをできるだけ適用してまいりたいということで努力をしてまいったわけですが、法制的に大変むずかしい問題があるように思うわけでございまして、法制的に解決できない場合については行政指導という形で各県なりを指導していただくというやり方もあろうかと思いますし、法制的な解決の方法があるかどうか、この点につきまましてはさらに検討を進めてまいりたい、総理府の方とよく御連絡をとって検討を進めてまいりたいと思います。
  64. 中村太郎

    ○中村太郎君 総理府の対策室の方ではどうお考えですか。
  65. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 私、昨年の十一月に交通安全対策室長になりまして、第一線の警察本部長をしておりました当時から、民間の交通指導員、その多くは交通安全協会の役員で、非常に貴重なボランティア活動をやっていただいておるわけです。それの補償問題を調べてみますと、大体最近は公務災害として扱う方法をとるべきだということで市町村長が委嘱なり任命をする形をとるのがだんだんふえてきました。と同時に、一方では、安全協会の方でも掛金を出して民間の交通災害保険に加入させて事故のあった場合は保険金を支払うというような方式もとられております。それから一部にはこれらの補償制度のとられていないところも残っております。そういうことで、これはどうしても何とかして消防にも負けないぐらい、あるいは自賠責の補償は出るとはいうものの、公務にあらずして公務とみなしてもいいものでございますから、公務災害補償として扱うか、あるいは従来の歴史がございますから民間の保険には必ず公共団体が入れてやって出すとかというような措置を統一的にとろうということで一応の試案をいまつくっておりまして、警察庁と現在協議中でございまして、近いうちに私はこれは第一線に流したい、こういうふうに考えております。
  66. 中村太郎

    ○中村太郎君 それは大体いつごろ成案になりますか。
  67. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) いま警察庁で御検討中でございますので、もうそう時間がかからないと思います。大体七月中ぐらいには私の方と警察庁の方でこういう方針でやられるのが妥当ではなかろうかということを出したいと思います。特に、御承知だと思いますが、臨時的に出られるPTAなんかの方々の補償なんかもあるのです。これらは団体保険でやるとか、一つの基準を出してみたいと思います。
  68. 中村太郎

    ○中村太郎君 それからもう一つ、例の道路交通法九十八条の自動車教習所の指定の問題でございます。御承知のように、これは一定の要件を備えれば指定することができるという法律内容でございますが、しかし、いままでの実態をながめてまいりますると、指定することができるでなくして、指定しなければならないという、そういう考え方の中で事件処理に当たってきたように私ども思うのですよ。この結果、ともしますると、指定教習所の乱立というようなことで、それがまたひいては過当競になっている。粗悪な運転手を養成するということにつながっているのですね。これは私は、否めないと思うのですよ。したがって、元来、こういう法律用語の中で指定という言葉はほかにもあるんでしょうか。私はこの道交法の九十八条の教習所だけじゃないかと思うのですけれどもね。まあいずれにしても、指定ということは、指定することができるというのが指定しなければならないという法理解釈にも相なっております、実態的には。そのことと、これを指定することができるというものを、指定しなきゃならないという考え方で今後とも推移するのかどうか。当然、私は、あれだけの大事な仕事で、しかもこの際優秀なドライバーをつくらなきゃならぬということが目的である以上、やっぱり厳密な基準を設けなければならぬと思うのですよ。それに合格した者だけを認めてやるといういわゆる許認可あるいは免許、こういう考え方の中で当然やるべきだと思うのですよ。この辺の御感触はいかがでございまか。
  69. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 指定というのは道交法にはございませんが、ほかの法律で整備工場などで指定するというのがあるように伺っております。  なお、この法律の読み方でございますが、「指定することができる。」ということでございますが、「指定することができる。」ということは、やはり行政がシビアに許さないということで、それだけの基準、条件が備わっていれば指定することになる、指定するものとするということでございます。  教習所が非常に乱立してそれが粗雑になるじゃないかという御心配でございますが、そういった面については、教習所の実態についての監督については十分にそういったことのないように努力したいと思います。
  70. 中村太郎

    ○中村太郎君 そうしますと、一定の条件がいろいろ書いてありますけれども、あれさえ整えば、多い少ないにかかわらず、需給にかかわらず、指定しなければならないという考え方で今後とも進むのですか。そして、うんと出れば、そのときは乱増が出てはならぬから指導の方だけでやるんだと、こういうお考えですか。それでそれが可能ですかね。
  71. 鈴木金太郎

    ○説明員(鈴木金太郎君) お答えいたします。  先生すでに御案内で、私の方から蛇足でございますが、九十八条は一応政令で指定基準を定めてあります。政令の指定基準の最後の方に実際に合格基準――実際にテストしていますね、先生御案内のように。そういうのがございまして、その辺の今格の基準が、余りにも数が少ない、一定のコースが非常に少なくて、その中からの合格基準でございますと、これはまた問題が残ります。やはり相当な数の中からの合格基準で一応指定の基準にしたというふうな関係もございまして、やはりその辺は先生の御指摘のとおり実情に即して運用していかなければならぬと考えております。ただ、最近の数字を申し上げますと、ほとんど指定教習所の数が固定しておりまして、ふえておらないのが実情でございます。
  72. 中村太郎

    ○中村太郎君 山梨県の一つの例で言いますると、大体人口四万人に対して一校なんです。非常に厳しいんですよ。過当競争をやらざるを得ない。追い込まれている。そして、いまおっしゃられたのですが、いま言った「指定することができる。」というのが指定しなければならないというふうに重点が置かれておって、後段で言われたことは比較的軽く言われている。これが実態です。したがって、そういう面でいまおっしゃったようなことをこれからシビアにひとつやっていただきたい、これを要望しておきます。  それからこれは御提案ですが、例の原動機付自転車の問題でございますが、いわゆる五十cc以下の原付でございますけれども、これは御承知のように学科だけですね。簡単な学科をやればそれでもって自由に求めることができる、自由に運転ができるということですね。これは、御承知のとおり、この法律制定の当時はまだよかったかもしらぬけれども、五十ccでも最近はものすごい性能を持っているんですよね。大きな二輪車と余り変わらないぐらいの性能を持っているんです。これが実はいまの暴走族の芽生えにもつながっているのじゃないかと私は思うのですね。簡単に安直に運転できる、持つことができるということです。したがって、これは、あえてむずかしい免許制度、試験制度にしなくてもいいのですけれども、せめて講習会を、確実にこの者ならば乗っても差し支えないぐらいの講習会を義務づけることは、本人にとっても大事だろうし、一般大衆にとっても交通保安上大事ではないかと、こう思うのです。まあいまの状態では、御承知のように、五十ccのバイクを買ってくれなきゃ学校へ行かないぞと親をおどかしてみたり、家へは入らぬぞ、百姓はやらぬぞと言ってみたりということなんですよね。せめて、こういう一つの厳しい基準をつくる、講習の義務づけというようなことをすることが、私は、技能の向上は無論、交通保安上も必要ではないかと思います。ということは、四十八年の統計で御案内のとおりですよ。第一当事者としての原付第一種の事故は二万一千百四十四件、それで五百二十人が死んでいるのですよね。第二当事者までいきますると、これは相当膨大な事故が発生しておると思うのです。したがって、事故の予防、こういう面からも、私は、どうしてもある一定の講習の義務づけだけは法改正してやるべきではないか、それは決してうるさくなるとかむずかしくなるとかではなくて、本人のためにも大事ではなかろうかと、こういうように考えているのですけれども、お考えはいかがですか。
  73. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 二輪車の中で特に原付の数が圧倒的に多いわけでございます。そういったことで事故の数も二輪車全体の中で大変比率が多い。若い方からお年寄りまで非常に幅が広い。そういったことで、われわれとしても、二輪車というのはある意味では非常に弱者にもなる、被害者にもなりやすいということで、交通安全の点から言いましても二輪車に対する安全教育というものを今後ますます推進していく必要があろうかというふうに考えております。それで、学科だけでなしに実科についても講習をしたらどうかというお話しでございます。非常に数が多い中でございますけれども、今後の問題としてひとつ検討さしていただきたいというふうに思います。
  74. 中村太郎

    ○中村太郎君 それからこれも提案でございますが、自転車対策の問題でございます。最近の自転車ブーム、これはすばらしいものがあるわけでございます。これに伴いまして、各地で自転車の正しい乗り方、そういうような指導が行われておりますけれども、これはまあいまをもって十分とするわけにはまいりません。このために、自転車事故が老人と子供に非常に多い。御承知のとおりでございます。そこで、交通弱者対策の一環として自転車乗りを歩行者並みに扱ったらどうでしょうか。対面交通で、自転車は。いまの御案内のような事故の大部分が、並列行進というか、こっちへ自転車が行く、この横を車が通る、この事故が一番多いのですよね、この接触事故が。ですから、私は、歩行者と同じように自動車と対面交通さしたらば、これはどっちも気がつくでしょうし、運転者はその方がやりやすいし。ですから、その中で自転車の歩道通行を奨励する。あるいはまた、今度は自転車と歩行者が競合するようになりますからね、そうなりますと。けれども、その中ではやっぱり歩行者優先だという行政指導をしていけばこれは可能だと思うのですよ。そうすれば恐らく事故は半減すると思うのですが、これはまあひとつ提案です。いかがでございましょうか。
  75. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 自転車の事故防止につきましては、やはり車ととにかくできるだけ分離をしていくということが一番の基本になるかと思います。そういった点から、できれば自転車道路というものをつくってまいりたい。あるいは、自転車専用の通行帯をつくる。あるいは歩行者道路に自転車通行可というような形で一般の車両と自転車を分離をしていくという方策を考えているわけでございまして、こういった点について今後ともに大いに推進をしてまいりたい。ただ、大多数は非常に自転車に乗っている方が多いりけですから、通行方法を急に変えるということについては、直ちにその効果が徹底するかどうかというような点についてやはり問題もあるのじゃなかろうかという気もいたします。そういった面から、これは慎重な検討が必要じゃなかろうかというふうに思います。
  76. 中村太郎

    ○中村太郎君 それからこれはまあ古い話で警察庁も御案内だと思いますけれども、去年の四十九年十月二十七日の「サンケイ新聞」に、「交通標識、全面的に見直しを」とあるんですよね。これは、要するに、小学校一年生が横断禁止の標識を横断歩道の標識と間違えて渡っちゃった、そのために横断歩道でひかれて死んじゃったと、こういう事故ですが、そのときの提言の中に、いままでの標識というものはあくまでも大人向けであった、あるいは自動車向けであった、子供向けではないということが提案されているんです。特に、たとえば「横断禁止」の漢字にしても、小学校学習指導要領の学年別に漢字配当表によれば、「止」という字は三年生で覚える。それから同じく横断の「横」は四年生、禁止の「禁」と横断の「断」の字は六年生になっている。これは私は貴重な提言だと思うのですね。いままで大人だけ相手にしておって、自動車だけ相手にして、いまの標識全体がやっぱりそういう感覚の中でとらえられていることは、やっぱりこの際私も、私どもも長い間気がつかなかったのですけれども、大事なことだと思うのですね。サブシステムの補助信号機、こういうようなものを考える必要があると思うのですが、やっぱり、きめの細かい、あるいは子供用、そういうところにも十分配慮すべきだと思うのですが、いかがでございますか。
  77. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 幼児の事故がなかなか少なくならぬ。それで、これはまあ大変痛ましく残念なことだというふうに思うわけでございます。そういった面で、特に幼児の場合には母親の教育が大変大事で、幼児と母親を含めました幼児交通安全クラブというようなものをそれぞれの県におきまして強力に推進をしていただいて、それぞれ母親、幼児ともに百万を超えているわけでありまして、おそらく全体の一五%ぐらいの数字になるのでなかろうかと思います。そういった場で標識等につきましてもできるだけ覚えていただく。まあ標識というのは大体図案化されておりますので、よく見せて話をすればわりに覚えやすいのではないかと思いますが、そういった点の努力をしていきたい。また、場合によっては補助的なもので言葉で「渡るな」というような表現をとる。警視庁なんかで一部やっておりますが、こういったことも考えて、やはりだれもが安全に見分けられるというような努力というものを考えていきたい。特に幼児については非常に痛ましいということでございますので、努力をしてまいりたいと思います。
  78. 中村太郎

    ○中村太郎君 交通対策室長にお伺いいたしますが、例の土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、これは長ったらしいのですけれども、通称ダンプ規制法ですね。これによって、先ほど申し上げました十二条ですかによるダンプ使用団体、これが生まれた県はどのくらいございますか。
  79. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 現在十六道県です。
  80. 中村太郎

    ○中村太郎君 その目的はそこにうたってあるのですけれども、そのダンプ協会に入っている会員ですね。この実態調査はなされましたか。
  81. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) いま調べさせておりますので、間もなく数字がまいります。
  82. 中村太郎

    ○中村太郎君 いや、これは各地区で総理府や陸運局や警察の指導によってダンプ協会をつくっているんですよね。たとえば、山武郡土砂安全運転輸送協議会、埼玉県ダンプカー協会、いろいろあるんですよ。この中の会員資格は、土砂等を運搬する車を所有する人、またはその所有する人を使っている人、これが会員なんですよ。したがって、巷間伝わるものすごいダンプがたくさんいましょう。中には、まるでやくざみたいな、関東組何々一家なんというやつをダンプの表面へ書いて飛び回っていますよ。こういう所有者が入っているんですよ、実態は。実態はむしろこういう人がほとんど多い。一台持ちの一匹オオカミが多いんですよ。それらが入って、まあ交通安全の指導というのは、現実に車を動かしているのですから、これは指導しなきゃいかぬと思います。この発想の趣旨というものはいいのですけれども、ところが、その中に、総理府交通安全対策室長が出した――これは昭和四十九年七月五日に運輸省官房審議官あて対策室長から出ていますよ。この要綱をひとつごらんになってください、ずうっと。「行政措置等における指導」からずうっと幾つも掲げてありますよ。おありになりますか。ありますれば、こういうことが書いてあるんですよ。(4)に「国若しくは地方公共団体又は国若しくは地方公共団体が設立し若しくは出資した団体が行う大規模な工事の発注」その次に2に「ダンプカー協会の加入車の優先使用」と書いてあるんですよ。さらに、2の項の(1)に「発注当局がダンプカー協会加入車を優先的に使用するよう措置すること。」(2)に「民間における大規模工事において発注者等がダンプカー協会加入車を優先的に使用するよう指導すること。」(3)に「採石業者、砂利採取業者、砂利販売業者等がダンプカー協会加入車を優先的に使用するよう指導すること。」と、こう書いてあるのですね。ところが、いま言った一匹オオカミの自家用車、これはいわゆる白トラックなんですよ。道路運送法百一条に厳禁しておる、自家用車を有償の用に供してはならないと、これに該当する車両なんですよ。そうすると、道路運送法では、自家用車の営業行為はやってはいけない、白トラを取り締まれという指導をしているんですね、運輸省は。そのやってはならない違反車に仕事を優先的に与えろとは、一体これはどういうことですか、法体系は。どうなんでしょうかね。私はこういうばかげたことがあっていいのかどうかと思うんですよね。これはやみトラックを助長する、育成する温床になっているじゃありませんか。同じ法律を、しかも総理府が、まあ言うならば法律の総元締めだ。他の法律のバランスの中で考えていかなきゃならない。それが一方的に白トラを育成するようなそういう行政指導の通達を出していいのかどうか。これは正しいのでしょうか、それとも間違いでしょうか、この辺はどうなんですか。
  83. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 御承知のとおりに、このダンプカー協会は、先生御指摘のとおり、ダンプカー個々の運転者の事故率が高いということと、ダンプカーに従事する者の安全意識が低いのじゃないだろうかということで、こういう団体を育成して、そしてそこで安全意識の高揚やなんかをその団体が主としてやれと、そういう自発的な十体をつくれという趣旨でこのダンプカー協会というものの育成を進めておるわけです。そういうお互いが安全意識を持った者が持ち寄ってやるようなダンプカーの協会をできるだけ育成するためには、公共事業なんかでもそういう団体をせっかくつくっているのなら優先的に取り扱ってやれという趣旨のものなんですが、あるいは中に、いまおっしゃるとおり、このダンプカーは全部で約二十万台ございますけれども、このダンプカーの中にいわゆる道路運送法違反車両、いわゆる白ダンプというものがかなりおることは、これは警察の取り締まりなり陸運局の取り締まりをやっていただいておりますけれども、事実上そういう違反車が相当数あると思います。だから、そのダンプカー協会も、本来なら当然合法的な営業ダンプなりあるいは自家用ダンプというもの、合法的なダンプの集まりでありますけれども、中には自家用でありながら有償行為をしておるようなあるいは白トラがあるかもしれません、白ダンプがあるかもしれません。これはダンプ全体の問題でございます。これはわれわれの方で十分取り締まりをやり、あるいはダンプカー協会にそういう違法車は排除すべきだというように指導しなければならないと思いますし、また、できますならばこれをできるだけ協業組織にいたしまして、そして、協業組織にしていただくならば、運輸省、陸運当局の方もこれを営業用に認めようという方針もあるようでございますから、一匹オオカミ的な違法な白ダンプはこの協会からできるだけ排除しなければ――もしあるものだとするならば排除しなければならない。ダンプカー協会そのものが違法であってはならない。確かに、一部、茨城県のたとえばダンプカー協会の会長が、自分の会の中にもそういう違法なものがあるらしい、こういうものはできるだけ早く協業化して陸運の正式な営業許可をもらうように努めたいということを言っておりました。事実そういうことがあってはならないと思いますが、現実にあるとするならば、せっかくの補助金まで出して育成しようという協会でございますので、そういう違法行為を改善すべく努めたいと思います。今後一層努力をしたいと思います。
  84. 中村太郎

    ○中村太郎君 対策室長さんね、ダンプ協会の一部にそれがあるのじゃないんですよ、実態は。大部分それなんですよ。それではだめですね。もう少し細かく実態的な調査をしてください。そして、あのダンプ規制法の第一条に協業化を図るとあるでしょう。あれは白トラの一匹オオカミを集めて一緒になれじゃないんですよ。それよりも、その前提に道路運送法の免許をとらなければならない、この指導ですよ。何か知らぬ交通安全という隠れみのに隠れて、そこの一番大事な急所、ポイントを忘れておる、おろそかにしておるという感じを私はぬぐえないと思うんですよ、これは。ですから、少なくともダンプカー協会に大体二百十万円ぐらいの補助金をやっているでしょう。補助金をやって悪の温床をつくらしておる。こんなばかげたことが行政の中にあっていいかどうかですよ。しかも、法治国家で、法律を守りなさい、免許を受けた車でなければ運送できません、違反車を取り締まりますという、言うならば交通安全対策室も警察行政の一環であることは間違いない。この当局がそういうものを黙認してこれに補助金を与えているに至っては、これは私は重大問題、由々しき問題だと思います。したがって、この次の機会までに十分実態を御調査の上、非があるとすればこれは削除する、この指導要綱の中から。免許を持って正式な職を持っておる者については当然こうする。いま、日本トラック協会では、官公庁に向かって、官公需の発注については営業車を使ってくださいと、当然のことながら使いなさいと、白トラはだめですということを言っているんですよ。この要望、陳情と真っ向からこれは反対する。反対するどころじゃないですよね。本質的に先ほど申し上げましたように法律違反の車を指導育成助長するようなやり方については私は納得できないと思う。したがって、ぜひひとつこの次の機会までに十分御調査の上、納得のできるような御回答を願いたいと、こう思います。いいですか。
  85. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 十分に調査して御回答いたします。
  86. 中村太郎

    ○中村太郎君 それから例の交通遺児の問題でございます。これは、去年の暮れでしたか、交通遺児の実態調査が出ております。あれを見ますと、実態はわれわれが考えている以上に無残なもの、悲惨なものであるという認識を私は強くしたわけでございます。御承知のとおり、いま大体十二万ぐらい交通遺児があると言われておりますね。大体、交通遺児の母親が平均四十一歳、まあ三十代の事故なんですよね。これが平均収入が三万円から五万円ぐらいということですね。この中で、特に母親の一家を支えるという職業とそれから家事をやるというこの両立のために、五人に二人はまいっておる、病身であるということですよ。その病身の場合の何らの救済規定がないんですね。それで、しかも、この人たちは、どういうことか私もわからないんですが、保護家庭を受けない。保護基準に適合するのですけれども、いやだと言うんです。聞いてみましたら、嫁入りをする子供を持っていると、世間体がはばかれてとても保護家庭になる気になれないと歯を食いしばってがんばっているのですね。私は、こういう実態を見て、せめて、時間がありませんから簡単に言いますけれども、その場合の病気した母親、交通遺児の家庭の貧困な母親の医療無料化の問題、あるいは子供だけの医療無料化の問題、これをひとつ真剣に検討してみてくれませんか、いまここで直ちにどうということにまいりませんけれども。それと、もう一つ、住居で困っているんですよ。三畳に四人ぐらいいて、内職をやってもう寝るところはないという状態、この実態をもう少し御検討いただいて、道があればひとつ研究していただきたいと、このことを要望して、私の質問を終わります。
  87. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 まず最初に福田大臣にお伺いしますが、この自動車安全運転センターの設置の目的といいましょうか、これを伺いたいと思います。
  88. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 実は、先ほども同趣旨の御質問がございましたのでお答えをいたしたわけでございますが、御案内のように、昭和四十九年には交通事故で亡くなる者が一万一千人までになりまして、大分減ったわけでありますけれども、しかし、負傷者というのはもう六十五万人というような程度でございまして、何と言ってもこの交通事故をできるだけなくするあらゆる方途を講ずる必要があるのではないか、こういう観点から考えまして、いろいろのことがございますけれども、交通安全施設の整備や指導取り締まりはもちろんのこと、運転免許を取得しました後の運転者の資質の向上とか安全運転の徹底ということをなさなければなりません。まあ警察の方から考えますというと、取り締まりということがどうしてもちょっと重点になりまして、何といいますか、運転者の利便の増進とか、それからあるいは非常にまじめにやっている人を何らかの形で表彰するというか、認めてやるというようなこと、それから運転者が安全運転をするということについてのもう今度失敗すると今度は免許証を取り上げられるんだというようなこともなるべくわからせて、そして事故をなくするという努力を重ねていきたい。これにつきましては運輸省関係にもそういうものもあるわけでありますが、私はあらゆる面からあらゆる方法をもって運転による事故を防止することが必要であるという見地からいたしまして、運転免許証取得後の運転者に対しましても、どれくらいいまもう累積の点数があるか、もう一つ交通事故を起こすともう免許証を取り上げられるぞとか、あるいは何かなりますよ、あなた方それはもう注意しなけりゃいけませんよというようなことを言うとか、あるいは何か経歴の証明がぜひ欲しいというような場合にそういうものを出してやるとか、あるいは事故証明を考えるとか、それから運転のもう一遍再研修をするようなことをいたしますとかというようなことをやりまして、そして交通事故の防止と運転者等のある意味で利益を擁護するとというようなことを兼ねてこの種のセンターをうまく活用して、そして先ほど申し上げた事故防止にひとつ大いに努力をいたしていくというのがこのセンターを設立する目的でございます。
  89. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いま大臣の言われた設置の目的というものに対しては理解もできますし、また、交通安全対策というものがいかに重要かということも私自身もよく認識しております。しかし、この自動車安全運転センターというような一つのいわば外郭団体ですね、このような団体あるいは機関ということにつきまして、いろいろといままで政府においても設置されておるのじゃないかと思います。いま大臣のお話しの中にも運輸省云々のお話しもありましたが、現実に運輸省、もちろん警察庁、それからさらには建設省等々の役所が直接このような交通安全対策に対する行政もやっておられるわけでございますし、また、さらにいま申し上げましたようないろいろな外郭団体というような公共機関を設けてこれに当たっておるわけでございます。そこで、そういってある程度交通安全対策の成果も十分とは言えませんけれどもおさめつつある際に、さらに警察庁関係としてこのようなセンターを設けるということにつきましては、その重要性と申しましょうか、それが本当に重要なものかとか、あるいはやっぱりあった方がいいからだというようなものか、そのような点について実は大臣のお考えを承りたい。といいますのは、実は衆議院の方でこの法案審議に当たりまして大臣からもいろいろとまた表向きの設置目的以外の目的もあったような御発言もあったものですから、改めてその辺についてざっくばらんにお伺いしたい。といいますのは、私、何も大臣の揚げ足を取るとかせっかくの警察庁の交通安全対策に水を差そうなんというようなけちな気持ちは持っていませんけれども、しかし、やはりこうして国でもってこれだけのりっぱな運転センターをつくられるわけですから、それについてのやはり担当大臣のお考えも承っておきたいと、こう思うわけでございます。
  90. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 衆議院においてもそういう御質問がございましたが、私は、一万四、五千人もの死者が年間にあると、こんなことというものは、これは戦争戦死者の例から見ましても、まあこんなことは古い話ですけれども、ほとんど一個師団全滅するようなことで、しかも六十五万人の食傷者があるということは、これは人命を尊重するといういわゆる民主主義というものの原則から言って、個人の生命、身体を保護するということはどんなに手当てを厚くしてもそれで足れりというような考え方では本当の意味でのいわゆる民主主義といいますか、人の生命、財産を守るということにはならないと思うので、方法があればたとえいささか重複するところがあっても二重、三重にそういう施設をつくっておくということは、決して意味のないことではないと私は考えておるわけであります。そこで、先ほど申し上げた趣旨に基づいて、やはり運転者等々にいろいろの注意も与え、あるいはまた再研修をするチャンスを与え、あるいはまたその人たちの就職の利便等も考えるというようなことを含めてこういうことをすることは意味のあることである。もとより、私も、一応は自治大臣とかあるいはまた公安委員長という仕事を抑せつかっておるのでありますからして、何にも理由がないのに事をやるというわけにはいきません。ただ、幾つもいろいろのことがあるんだからもう君そんなにまでやらぬでもいいじゃないかというようなざっくばらんなお話しもありましていろいろ発言をしたこともあると思いますけれども、しかし、当然理由があるから内閣においてもそれを認め、また予算的にもこれをある程度実施しようということが決まったわけでございまして、私としては、人命尊重という立場からすれば、二重にも三重にもそういうような意味で手当てをしておくことが必要であるという見地に立ってこういう法案を提案いたしておるというふうに御理解をしていただきたいと思うのであります。
  91. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 私、いま質問申し上げたのも、結局、外郭団体そのものが、非常な有用な外郭団体もありますし、機能を発揮している外郭団体もありますけれども、その中にはほとんど有名無実というようなものも残念ながら見受けられますので、そのような意味におきまして、全般的な考え方からすればなるべく外郭団体はこれ以上ふやすべきではないというような意見を持っておりますので、そのことから、何もいまお尋ねしている交通安全センターが余り役に立たないセンターの方に属するとは思っておりませんが、ただ、外郭団体の乱造と申しましょうか、そのようなことに通ずるのは非常に残念だと思っておりますし、御承知のように非常に財政逼迫の折から、なるべくこういったことに対しては慎重に審議して、それでどうしても設置する必要があるかないかというようなことを検討すべきではないか、こう思ったからお尋ねしたわけでございます。まだ、私自身、この必要性について、これはぜひなければ困るんだと、いま大臣の言われたように人命尊重という立場からすればこのような機関があればあるほど生命の安全を確保するために必要だというお考えはわかりますけれども、必要程度というものがございますので、どの辺かということについて実は伺いたいと思ったわけでございます。  そこで、とかくいま私はっきりは申しませんでしたけれども、警察関係の外郭団体としてやっぱり交通事故防止という大きな目的はあるにしても、もう一つの目的としてはやっぱり警察関係にもこういった外郭団体がほしいんだというようなことからことさらにいまの時点におきまして設置法案が提案されたのじゃないかとも勘ぐったもんですからお尋ねしたわけですけれども、その辺についてもう一度ひとつ大臣にお伺いします。
  92. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 先ほどもお答えをいたしたところでございますが、私は人命尊重という意味で言えば、運輸省も、あるいは総理府も、建設省も、あるいはまたわれわれの警察も、いろいろの意味でそれぞれ努力はいたしておるわけでございますが、しかし、数にして一万人以上もの人が死んでいるわけなんですね。それからまた、六十五万人もの人が負傷をしておる。これは何としても防止をするというか、そういうことのないようにする努力というものは幾らやっても、一人の人の生死の問題でもこれはもう重要な問題としていままで論議をされてきておるわけでございますからして、こんなにたくさんの死者があり負傷者があるということであれば、これを防止するということは、私は方法があればできるだけこれは努力をすべきものであると、こういう見地に立っておるわけであります。  それと、いまあなたのおっしゃったのは、それなら警察には外郭団体がないから一つぐらいつくってもいいんじゃないかというような意味のあれかと思いますけれども、それもないことだけは事実であります、外郭団体というのは。警察関係の分がないということは事実であります。しかし、それを理由にこういうものをつくるということは筋が通らない。それはやはり筋が通りません。やはり本来の目的というものがなくて、そうして何らかの利便のためにだけつくるということでは、私としては曠職の責めを免れることはできないと思っております。しかし、いま言ったような人命尊重ということが一つの大きな理由がございまして、そのために一生懸命努力をする、方法を考えるということが主でございまして、結果において警察関係にそういう団体がないということが実際の問題としてはある種の何らかの警察に対する、警察官の将来に対するあるいは一つの安心感を与えるとか、何らかの効果は出てくると思っても、それは副目的であって、本来の目的としてこれを推進していくということは私はできないと思っておるのでございまして、私が申し上げておる趣旨をひとつ十分に御理解をいただきたいと思うところでございます。   〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
  93. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 次に、法案の内審についてちょっと二、三お伺いしたいと思いますが、第一条の「交通事故等に関する調査研究」というのは、具体的にはどのような調査研究なんですか、簡単に御説明願いたいと思います。
  94. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 交通事故に直接結びつくいろいろな原因についての調査研究ということになるわけでございますが、まず第一に、運転の正しいあり方、安全運転の方法についていろいろ調査研究を進めていきたい。それに関連をいたしまして、安全運転を教えるためにはどのような教え方がいいかということについて調査研究を進めていきたい。それから交通事故についていままでいろいろ細かい統計をとっておりまして統計的な分析はやってきているわけでございますが、そういった統計的な分析に加えまして、生の事故、そういった事故を加えて生きた資料をもった分析研究というものをやっていきたい。それから今後の事故の予測というようなことについても研究をしてみたい。それからいままでいろいろとられておりますような安全対策についての効果、対費用効果、そういったものについてのどれだけの安全施設を講ずればそれがどのような効果を生ずるか、今後の安全対策を進めていく上に参考になるというようなことでそういった研究、主としてそういったことを中心に調査研究を進めていきたいと考えております。
  95. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いまの調査研究の内容についてわかりましたが、いまあなたおっしゃった生の調査ですね、これはこれまでの警察でもって全部やっていたのじゃないかと思いますのでそれが重複するような感じがするのですが、その場合に、警察と一緒になってこのセンターがやるのか、それとも独自の立場でもって、たとえば生の研究、たとえば事故が起きたと、そら行けと、これはもう警察ではもちろん交通の関係の方は行きますが、それとまたセンターの方も行ってやるというようなことになるわけですか。
  96. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 従来、そうした大きな事故が起きますと、各府県警察でそれぞれその事故につきまして道路管理者なりとも同道いたしまして、その現場現場についてその事故の調査研究をやっているわけでございます。私が申し上げましたのは、現場に行くということもあろうかと思いますが、事故を数字にした抽象的な統計で全体で見るということでなしに、事故の詳しいデータを一つ一つ取り上げてそれをより詳しく学問的な見地から学者先生などにも参加をしていただいて事故の本義を見きわめていく。統計的な範囲だけだとなかなか本質が見きわめにくいという点もございますので、そういった大きな事故について具体的な事故例、具体的なものを取り上げて事故の本質というものの研究を進めていきたいということでございます。   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕
  97. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そうすると、くどいようですけれども、たとえば大きな衝突事故があったと。そこへもちろん警察の方で行くと。それとは別行動といいますよりは同じ目的で行くようになるのですけれども、そういった形になるわけですね。
  98. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) まあ簡単に言いますと、事例研究といいますか、現場に行ってやるというよりは、一つ一つの事例に基づいて研究をしていくということでございまして、いままでやっていますのは統計で抽象的にどういう事故は何件あると、だからこういう点を注意しろということでございますが、具体的な事故についてもそのデータをもってきて、一つの事故について深めて研究をしてもらう、そこからいろいろな原因なり対策というものが浮かんでくるであろうということでございます。
  99. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 次に、役員という項目ですが、十八条の「(役員の任命)」となっていますが、これはどのような人がなられるお考えですか。
  100. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 役員の任命につきましては、当初は発起人が理事長及び監事となるべき人を指名するということになっております。その指名された者のうちから国家公安委員会が理事長及び監事をまず任命されるということになるわけでございます。その後は、理事長及び監事は国家公安委員会が任命し、理事は国家公安委員会の認可を受けて理事長が任命するという形になるわけでございます。この理事長なり理事、監事といわれる方につきましては、それぞれやはり道路交通のそれなりの方針について識見を有するりっぱな方が任命されることになろうかというふうに考えております。
  101. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 私ちょっとお伺いしたかったのは、その役員になる人がいわゆるお役人なのか、それとも民間人かということについて特に伺いたかったわけです。
  102. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 最初に申し上げましたように、一番最初に任命される方は発起人の方が一応だれが理事長になるかということを協議をして御指名いただく、あるいは監事になる方を御指名いただくということでございますので、われわれがだれがなるかということをちょっと申し上げる立場でないわけでございます。
  103. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いや、そうすると、発起人のことになるわけですけれども、発起人は「識見を有する者」となっておりますが、これについては、警察庁長官は何か具体的なお考えがあるわけでしょうか。この発起人を任命し、さらにまたいま私がお尋ねしておりまする役員の、何といいましょうか、どういう立場の人を主に任命されるのかということについてのお考えがあったら承りたいと思います。
  104. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 発起人につきましては、道路交通の障害防止について識見を有する方が自発的にお集まりをいただいて発起人になっていただくというたてまえになっているわけでございます。そこで、道路交通によって生ずる障害の防止について識見を有する方という方はどういう方であろうかということでございますが、これは交通管理なり運転者管理についての見識を持っておる方、あるいは道路工学なり運転者心理ということについて見識を持っておられる方、あるいは交通評論家、運転者教育ということについて非常に関心を持っておるし知識もある方、そういったいろいろな方々がこの免職を持っておるという方になろうかと思います。こういった方々につきましては、警察庁におきましても、交通警察のいろいろな問題についてときどき、臨時でございますが、その問題に応じて人も違うわけでございますが、お集まりをいただいていろいろと御意見を承っているわけでございます。こういった方々が中心になって発起人になっていただけるのじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
  105. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 「役員の任期は、三年とする。」となっていますが、これは何か根拠はありますか。
  106. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) これは同種の団体、法人といろいろと比較し検討しまして、やはり三年というのが長からず少なからず適当な時期じゃなかろうかというふうに考えた次第でございます。
  107. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 ちょっと細かいことをお伺いして恐縮ですが、役員の方々の報酬といいますか、給与といいましょうか、それはどの程度の予算を立てていらっしゃいますか。   〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
  108. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 役員の方々の給与、これにつきましては、いずれも関係機関とも協議をして最終的にはきめられるということになろうかと思いますが、役員につきましてはやはり役人の指定職の程度のものは考えなければならぬじゃなかろうか、そういった線で折衝を進めたいというふうに考えております。
  109. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 この役員、それから理事長ですか、その就任された方々は結局三年間の任期になりますが、いま世間でいろいろ言われておりまするような例の退職金の問題ですね、このような問題について何か特別な基準とかをお考えですか。
  110. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 退職金等につきましてもそれぞれ給与なり退職金についてはいずれ基準を決めなくちゃいかぬと思います。これはやはり同種の団体との均衡というふうなこともありまして、関係機関と十分協議をして、おかしくないものを決めてまいりたいというふうに考えております。
  111. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 第二十九条の一号に通報業務ということもうたってありますが、これが事故防止での効果、これはどのくらいお考えになっていますか。
  112. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 通報業務でございますが、これは、道路交通法令に違反した人について現在点数制によって処分をやっております。そこで、行政処分、運転停止の処分を受ける前に、処分直前の点数に達した場合、現在六点に点数が達すれば行政処分をやっております。一回行政処分を受けた者については四点の点数に達すれば行政処分をやることができるということになっておりますので、その点数が直前の点数に達した者、あるいは前歴のない方につきましては五点なり四点に達した場合に通報して、あなたはもう一回違反をいたしますと今度行政処分を受けることになりますからひとつ安全運転に心がけてくださいという通報をするわけでございます。これにつきまして試験実施的に福岡でやった例はございます。データは必ずしも多くないわけでございましてそういった点では正確な予測というわけにはいかぬかというように思いますけれども、一応の推測、それで言いましても、通報をして注意を喚起した人とそれから注意を喚起しなかった人とで、違反につきましては、その次に違反を犯した回数という点から見ますと、一年間で一五%ぐらい通報した人の方が違反を犯していることが少ない、事故につきましては一二・五%ぐらい事故を起こす回数が少ないということでございますので、これにつきましてはやはり事故防止にかなり効果が出るのじゃなかろうかというふうに期待しているわけでございます。
  113. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 二十九条の第二号に経歴証明業務というのがありますが、これは運転経歴証明書を発行するわけですね。この影響というのはなかなか甚大だと思いますが、これについてお考えを承りたいと思います。
  114. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 経歴証明につきましては、無事故無違反であるということを証明してもらいたいという希望もかなりあるわけでございます。こういった点につきましては無事故無違反の証明をやるということになります。これは運転者の賞揚といった面についていろいろな効果がそこにある。そういった面で無事故無違反に心がけるということで事故防止にも役立ってくるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。それから運転の経歴の証明、それから免許経歴の証明、それから累積点数について通知をするというようなことを考えているわけでございますが、実は、点数につきましては、現在はどうしても点数になっているものですから運転者の中で点数を知りたいという希望がかなりあるわけでございます。われわれもこれは更新時講習の際に若干の人にいろいろと意向調査をしたわけでございますが、過去に違反をした経験のある人につきましては、七%はどうしても点数を知りたいと、一三%ぐらいはできれば知りたいということで、二〇%ぐらいの方が点数を知りたいということを言っておられるわけでございます。そういった点から見ますと、運転者の利便あるいは要望にこたえるということができるのじゃなかろうかと思います。また、それの運転経歴なり免許経歴というものは、自分がかつてこういう免許を持っておったんだというようなことについてやはり証明が必要であるというような場合、自分がなかなか――現に現在持っておる免許は免許証を見せればわかるわけなんですけれども、そういった場合に、こういった事情も出てくるのじゃなかろうか。そういった面でこれはいずれも運転者の要望が出るであろうというようなものについて運転者の利便に資するという面で出すわけでございまして、それが同時にまたできるだけいい証明をもらいたいということもあって事故防止にも役立ってくるのじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
  115. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 私、この経歴証明業務、また経歴証明書を発行するということは運転者にとっては事実有効だと思いますけれども、逆にいわゆる就職する場合とか何かにそれを盾に就職の機会を失ったとかあるいは非常に条件が悪くなったというようなことも起こり得ると考えられるものですからお伺いしたのですが、この辺のところはどうお考えですか。
  116. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) この運転経歴証明書につきましては、本人の自発的な申請に基づいて初めて出されるというわけでございまして、やはり本人のメリットとか利便に資するためにこれを出そうというのが趣旨でございますので、こういったものがいま仰せの御心配なように使用されることがないように、これは十分にそういうことがないように指導してまいりたいというふうに考えております。
  117. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 その条の五号ですけれども、「自動車の安全運転に必要な技能に関する調査研究その他道路の交通に起因する障害の防止に資するための調査研究」と、こういうふうに書いてありますけれども、このようなことにつきましてはほかにもこのようなことに当たっている機関が多々あるように思います。それで先ほどちょっと大臣にもお伺いしたことにも多少関連するのですけれども、このような調査研究というものが各省庁でもある、またいまの外郭団体にもあるというようなことは、私は、やっぱり各省庁間の縦割り行政というようなことがこのような複雑な横の連絡がないために各機関でもってまた調査研究もするというふうにも考えられるのですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
  118. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 各省庁でそれぞれやはり交通事故防止ということに大変努力をしている、そうして各省庁合わしての努力が交通事故防止に役立っているわけでございます。建設省でいろいろ研究をして交通事故の関係についても努力してもらっております。それは、道路構造の面から見て交通安全にどのようにすれば役に立つであろうかと。あるいは運輸省でもいろいろ交通事故防止ということに努力していただいており、自動車の保安基準というような点から見てこれが事故防止に役に立つであろうということでいろいろと研究もしていただいておると。そういったことで、それぞれの役所の特色に応じてその仕事に密着した調査研究をやっているわけでございますが、そういった研究が総合的にまとめて生かされていく必要があろうということでございます。お互いによく知識を交換して事故防止を推進するように努力をしてまいりたいと思います。
  119. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 以前、国民交通安全会議というのがあったのですが、現在これはどうなっていますか。
  120. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) これは交通安全対策基本法で国民交通安全会議を必要ある場合には開くということになっておりますけれども、大体いままで春秋二回の交通安全運動なんかを事務的には決裁をもらっておりますが、現在幸い事務が減っておりますので大きな問題はございませんから、最近はちょっと開いておりません。
  121. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 もう一つ伺います。各都道府県に安全協会というのがありますが、この今度できるセンターとどういう関係になりますか。
  122. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 交通安全協会は交通安全思想の普及徹底ということを主たる業務としていただいているわけでございまして、そういった面で、各種の資料の配布とか、先ほどお話しがありましたように、安全協会の方が街頭に立っていろいろと御指導いただくというようなことで、民間の盛り上がる力で交通事故の防止にいろいろと御努力をいただいている団体でございます。今度のセンターは、先ほど来御説明いたしておりますように、警察の持っている資料を活用して運転者の利便なり交通事故の防止に役立てようということでございまして、事務の性質はやはり異なっているように思いますが、同じく事故防止に役立つということでそれぞれの成果あるいは個々のセンターでやったいろいろな成果について生かし得る点については安全協会でも生かしていただく、相協力して事故防止に努力をいたしたいと考えております。
  123. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 研修のことでちょっと伺いたいのですが、高度な運転の技能を要する業務というのはどんな業務でしょうか。
  124. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 警察の車で言えば、白バイとかそれから緊急用に使うパトカーとか、あるいは消防車、あるいは一般でも緊急車に指定されているガスとか電気の緊急自動車、こういった車につきましては、現在の道交法に決められている一般的な交通ルールについてそれを除外規定を設けられているわけでございますので、そういった走行をする場合には大変危険も伴うわけでございまして、それ以上に高度な技術が必要なわけでございます。そういった観点から、そういった高度な技能を必要とするような方につきまして、緊急に避けるというような訓練、あるいは悪路に行った場合にハンドルを取られてひっくり返ることのないようにする、あるいは下に水が流れておるということで非常に車がスリップしやすい、スリップしやすいような状況でも走らなくちゃいかぬというような場合がありますので、そういったスリップしやすい場所についても安全な運転ができるような訓練、こういった訓練をすることによってその業務が完全に遂行できるような訓練というものをやっていきたい。あるいは一般の方であっても高度道路上をしょっちゅう走るとか、まあ一般高速道路というのは非常にスピードがつきますから――一般の方であっても普通の免許で走れるわけでございますが、高速道路については、非常にスリップがしやすいとか、急停車した場合に非常に危険であるとか、そういった問題がございますので、こういった方につきましてもまあ要望があれば受け入れて高速運転の訓練といったようなことについても進めていきたいと考えておるわけでございます。
  125. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 資金計画の中ですけれども、時間がないのではしょって要点だけ承りますが、五十年度の資金計画をその他の収入ということで二億二千三百万円見込んでいますけれども、この内訳はどうなっておりますか。
  126. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) これは自賠責の滞留資金の運用益の拠出をお願いいたしたいというふうに考えておるわけでございまして、自賠責の運用益につきましては、自賠責審議会の答申によりまして、交通事故の防止等に役立てるようにという答申もございますので、その趣旨に従って拠出をお願いいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  127. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そうすると、あれでしょうか、損害保険会社にも依存するということになるわけですか。
  128. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 損保協会、全共連にお願いすると、こういうふうなことでございます。
  129. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 こういうことであんまり保険会社に負担させるということは感心したことじゃないと思うのですが、これについて当局はどうお考えですか。
  130. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 自賠責の滞留黄金の運用益につきましては、昭和四十八年十一月十六日に自賠責審議会の答申が出ておりまして、この運用益につきましては交通事故防止対策等に活用しなさいということが決められているわけでございまして、この運用益につきましては会社が自由に使えるというわけのものでありませんで、会社がもうけてはならぬというふうに規定されておりまして一般の民間の金とは違うわけでございまして、これは従来からも事故防止用の資器材等に拠出していただいているという例もございますし、まあ一般の民間の金とは性格が異なるものであるというふうに考えておるのでございます。
  131. 安武洋子

    ○安武洋子君 ここ数年交通事故による死傷者が減少してきているわけですけれども、これはよいことだと思うのです。しかし、減ったといっても、先ほど大臣も言われましたように、交通事故による死者が一万四、五千人と、そして負傷者が六十五万人にも上っているわけなんです。総理府にお伺いいたしますけれども、政府として一層の事故減少のために総合的な対策を講じられていると思うわけですけれども、その内容をお聞かせいただけますでしょうか。
  132. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) ちょうど昭和四十六年に交通安全対策基本法というものが施行されまして、各省庁の持っております交通安全対策を総合的に国並びに地方公共団体が総合した計画をつくろうということで四十六年から現在五十年までの交通安全計画を進めておりまして、その中の大きな柱は、交通安全施設の整備関係、それから交通安全教育関係、あるいは交通指導取り締まり関係、こういったものに重点を置いて、あるいは児童公園とか、子供の遊び場とか、あるいは交通労働者の保護とか、そういった各省庁が関連します交通安全計画の大半を盛り込みまして、この計画に基づいて現在やっております。ちょうどこの昭和四十六年の交通安全基本計画ができましたその年から交通事故が非常に減少してきた。特に大きく減少した大きな原因は、やはり交通安全施設が非常に伸びたということも大きな原因であろうかと思っております。今後もこの交通安全基本計画を進めていきたいと思っております。
  133. 安武洋子

    ○安武洋子君 重ねてお伺いしますが、いまおっしゃった中で警察が担当すべき業務というのはどのようなものだとお考えになっていますか。
  134. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 警察が担当しますのは、警察はもとより道路交通法の主管官庁でございますから、交通規制関係、それから交通指導取り締まり関係、また交通警察が持ちます信号機とか横断歩道等の交通安全施設の整備、それから運転免許関係を警察が持っておりますので、ドライバーに対します交通安全教育、ドライバーの資質の向上、こういった点が主たるものであろうかと思います。もちろん免許関係を持っておりますから、不正な者に対します免許の行政処分等もあろうかと思います。
  135. 安武洋子

    ○安武洋子君 警察庁にお伺いいたしますけれども、警察庁として、交通警察の目的、任務、それからさらにそれを達成する上での具体的な業務の柱、これは何か、お伺いいたします。
  136. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 交通警察の目的でございますが、交通警察の仕事は主として道路交通法に基づいて行っているわけでございまして、一つには、交通事故の防止、交通安全の達成ということでございます。また一つには、交通の円滑、流れを円滑に図っていくということでございます。さらに一つは、道路の交通に起因する障害の防止ということで、最近いろいろ交通に伴う交通公害、こういったものにつきましても道路交通の方の範囲内でできることはやっていこうということで、こういった点が交通警察の主たる仕事に相なっているわけでございます。  そこで、こういった目的を達成するための手段ということですけれども、いま申し上げましたいずれの目的につきましても警察だけで達成できるというものとはわれわれ考えていないわけでございまして、交通事故の防止なり、あるいは交通公害の防止なり、円滑化と、これは関係機関の御協力のもとに達成したいというふうに考えていますが、その中で警察の果たす役割り、やはり警察だけに与えられている権限としてやるものとして、交通の指導取り締まり、あるいは交通規制という権限、さらに、先ほど話もありましたように、問題になっておりまする運転免許、あるいは運転者に対する行政処分、こういったものを中心として仕事を進めているということになるかと思います。
  137. 安武洋子

    ○安武洋子君 総理府にお伺いいたします。今度の法案についての説明を見ますと、交通警察業務から、サービス部門、それから運転者管理部門、この一部を独立させて法人にゆだねると、こういうふうになっておりますのですけれども、交通安全に寄与する目的を持つこういう業務ですね、この業務の一部を、関係する省庁が必ずしも自分のところで直接やらなければできぬ業務ではない、こういうことで法人なり民間なりに委託すると、こういうことを放任しておきますと、政府の交通安全対策の体系に支障が生じるのではないか、こういうふうに思いますけれども、いかがお考えでございましょう。
  138. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) 今回の安全運転センターはまさに警察が所管します運転者の安全教育、これに重点を置きました団体でございまして、こういう団体がたとえば運輸省等には自動車事故対策センターが運輸省の所管する関係について行っております。それぞれの官庁のあり方によりまして一部そういうものを法人に任せてやるということは、大事な仕事でありますだけに、そうして法人に任せてやることは私の方では非常に大切なことだと思っております。もちろんそれぞれの各省の法人がダブらないように、あるいは各省の法人関係が交通安全で協調できますように十分に連絡し合うことは私どもも努めたいと思っております。
  139. 安武洋子

    ○安武洋子君 勝田政府委員は、三月二十日の衆議院の交通安全対策特別委員会の中の御答弁ですが、この中で、安全センターで考えております業務は、必ずしも警察が直接やらなければできないという業務ではなく、サービス的性格の強いものだ、このような業務は他に適当な機関があってやり得るならそこでやってもらう、その方が効率的だと、こういうふうなことを御答弁されているわけです。私は三点伺いますので、この三点について御答弁をお願いいたしたいと思いますけれども、こういう御発言、これから考えられますのは、警察がやるのにいま安全センターに委託しようとしている業務はふさわしくないのかどうか、これが一つです。それから警察がやったら効率が上がらないのかどうか。それから第三点は、他に委託した方が効率が上がるというのは、警察はサービス的な業務を軽視なさっていらっしゃるのかどうか。この三点をお答えくださいませ。
  140. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 今度安全センターでやらせようと考えております業務は、交通事故処理につきましては従来から警察でやっている。それからそれ以外の業務につきましては、今回こういったものがやることが適当じゃなかろうかということでこのセンターにやらせるという業務でございまして、その業務の性質から見ますと、やはり運転者の利便に資するという点に対するサービスの提供ということが主たる業務の内容でございます。そういった点から言いますと、警察でやれぬかどうかという問題ではございますが、警察でやることがベターか、こういった機関でやらせる方がベターかというやはり比較の問題になってくるのじゃなかろうか。そういった面から言いますと、警察の第一線の仕事というのも大変に多忙でございまして、警察としてはできるだけ第一線に出て街頭で指導し、そうして事故をなくしていくということがやはり一番のサービスではなかろうか。どうしても警察官でなければできないという仕事でなければ、適当な機関でこれがうまくやっていけるということであれば、そういった機関に任せる、そうして警察は第一線のそういった仕事に十分に力を発揮するということが適当じゃなかろうかというようなことで申し上げたわけでございまして、この機関の運営というものが、われわれは、おそらくそれぞれこういった機関ができればその運営についてやはりサービスという面からの専門の機関として大変な努力と研究も続けられる、そういった面でサービス水準というものも向上していくのじゃなかろうかというふうに思うわけでございまして、民衆、国民の利便という点から見ても、こういった機関がやることが一層効果的に行われるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。また、こういった機関にやらせることは、警察はサービスというものをやらぬということじゃなかろうかということを御質問でございますが、われわれは、警察の一番のサービスということは、事故防止に役立つ、街頭において直接活動をして一人でも多くの人が事故にかかることを街頭活動によって防いでいくということが警察の大きなサービスじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、また、国民の目から見ましても、国民により利便になるような機関があってそれにやらしていく、それに適当な指導をやるということは国民により一層利便になるということであれば、そういった機関にやってもらうということもこれまたサービスの向上じゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。
  141. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま警察としてのサービスは事故防止のために街頭に行くことだというふうな御答弁がありましたけれども、じゃ、警察はデスクワークのサービス業務というのは本来やるべきでないというふうにお考えなのかどうか、これをお伺いいたします。
  142. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 警察は警察でなければできないというような仕事に専念し、警察以外の機関でやれるというようなものにつきましてはそういった機関にやらせる、適当な機関があればそういったところにやらせて、両々相待ってよりサービスの水準が向上するのではないかという意味で申し上げたわけでございます。
  143. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまの御答弁を聞いておりましても、やはりデスクワークのサービス業務というのは本来警察がやるべきものじゃないと、こういうふうなお考えに立っての御答弁としか受け取れないわけですけれども、それともう一つ、非常に多忙であると、だからどんどん本来の業務である街頭に出ていくというふうなことで、警察も多忙なんだからというふうなことも御答弁にあったと思うのですけれども、一体、人手が足りないのですか、人手が足りたらおやりになるおつもりがあるのですか、その辺をお伺いいたします。
  144. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 私は事務の性格から見て申し上げておるわけでございまして、人手がそれはあるに越したことはないわけでありますが、あればあったでやはり警察の仕事としてできるだけ警察でなければならない仕事というものに力を入れていくということになるかと思うのでございます。
  145. 安武洋子

    ○安武洋子君 重ねて伺いますが、じゃ、デスクワークのサービス業務というのは交通安全にはさほど寄与しないと、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  146. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) デスクワークのサービス業務というのは具体的にどういうこと――いまのようなことでおっしゃっているのか、どういうことをおっしゃっているのかわかりませんが……
  147. 安武洋子

    ○安武洋子君 いえ、街頭とおっしゃるから。
  148. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) やはりほかに適当な機関があってそれにやらせることができるかどうかという問題であるかと思います。適当な機関がなくてどうしても警察でなければやれないというようなことであるならば、警察でやらざるを得ないということになる仕事もあろうかと思います。現に、交通警察の面におきましても、各種の交通の情報、これは警察に入ってくる情報でございますけれども、これを道路交通情報センターを通じまして一般の運転者に提供をしている、情報センターはそれぞれその情報をいかに運転者にうまく流せるかということを工夫していただいて、一般の運転者の間に定着した情報として流れて非常に利便になっておるというようなことでございまして、そういったものができる前はやはり警察としても警察自体でできるものは広報もやっていたということで、したがって、そういったものをできる機関があれば、警察としては警察でなければできないような仕事に専心をしたいというふうに考えております。
  149. 安武洋子

    ○安武洋子君 具体的に伺いますけれども、じゃ、今回安全センターに委託を考えておられる業務ですね、五点ありますけれども、この一つずつの業務、これがなぜ警察でやらなくてもよいとお考えになるのか、その根拠をお聞かせください。五つについて全部一つずつお答え願います。
  150. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 警察でやるよりはセンターにやらした方がベターであるというふうに考えるわけでございます。  まず、通報業務につきましても、それはどうしても警察でやらなくちゃならぬという仕事ではないわけでございまして、それによって運転者の利便に直接影響があるという問題でもないわけでございまして、運転者に対するサービス的な情報の提供という業務でございます。  二号業務につきましても、同様な趣旨でございます。  また、三号業務につきましても、同様な趣旨のものであろうと思います。  また、調査研究、あるいは運転研修といったものにつきましても、これいずれも運転者の任意の意思に基づいてやるべきものでございまして、これは四号業務の研修につきましても任意の意思に基づいてやるべきものでございまして、これは必ずしも警察でなければできないという性質のものではないと思いますし、調査研究などもこういった機関でやらせることがよりベターであろうというふうに考えるわけでございます。
  151. 安武洋子

    ○安武洋子君 御答弁を聞いていましたら、警察でやっていけないという根拠は一つもないと思います。  総理府にお伺いいたしますけれども、安全センターでやるこの仕事ですね、これは警察のやる任務でないとお考えでしょうか、お答えいただきます。
  152. 竹岡勝美

    ○政府委員(竹岡勝美君) これは警察がやられてもいいし、また警察の内部の事情があって警察の法人に任すというようにされることも私は正しいことだと思っております。
  153. 安武洋子

    ○安武洋子君 警察は、現在国民へのサービス的な事務業務、これを行っていらっしゃると思うのです。安全センターに今度委嘱を一部なさるわけですけれども、そのほかにも委託可能なそういう業務があるかどうか、お伺いいたします。
  154. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 現に委託してやっておりますのは、先ほど申し上げましたような、道路交通情報センター、これにつきましては、交通情報についての一般への伝達ということを委託してやっているわけでございますし、また、運転者に対する更新時の講習等につきましても、安全協会に委託してやっているわけでございます。
  155. 安武洋子

    ○安武洋子君 ちょっとお答えが違っております。いま現在安全センターに委託をされようとしている業務があるわけなんです。いままだ警察にはそれ以外にも委託をなさるおつもりの業務があるのかないのか、そういう業務があるのかないのかということなんです。
  156. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 現時点当面では考えておりません。
  157. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、もう安全センターに委託なさったら、ほかには委託可能な業務はないと、こう受け取ってよろしゅうございますか。
  158. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 現時点では考えていないということでございます。
  159. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、安全センターができれば、警察は国民へのデスクワークのサービス業務は全く何もないと、こういうことになると思うのですが、それでよろしいわけですね。私は、日夜第一線で働いていらっしゃる警察官の方は、国民に親しまれる警察官になろう、こういう努力をされていると思うのです。ところが、警察は、いまの御答弁のように、国民に対するサービスの部門、これは切り捨てて民間に委託をなさる、こういうふうなことで、衆議院の御答弁の中にもあったと思いますけれども、警察に事務手続や申請に来るとかたい印象を持たれるから、やわらかい法人をつくってやると、こういうふうなことを言われているわけなんです。つまり、サービスカットをしてますますかたいこわい警察になると、こういうイメージづくりが進むということになれば、第一線で親しまれる警察官であろうと努力をされている警察官に対してどう言いわけをなさるおつもりなんですか、お伺いをいたします。
  160. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) サービス業務を全部カットするというお話しでございますが、そういうわけじゃございませんで、ほかに適当な機関がなければ、警察に来ていろいろな御相談もあるわけでございまして、そういった相談についてやはり警察で受け取っていろいろと親切に相談に乗っているわけでございまして、警察の受けている相談業務の約半数は交通問題についていろいろと御相談に見えているわけでございまして、騒音が大変やかましいから取り締まってくれとか、その他いろいろな相談もあるわけでありまして、こういった相談に乗っている回数も非常に多いわけでございまして、こういった相談はやはり警察に来ていただいて警察に話をしていただかないとなかなかおこたえもできない、それに対する対策も立たないということで、いろいろな国民の方々の御要望にこたえ、それに対する対応をしているわけでございまして、そういった面で国民の声にこたえて仕事をやっていくということを切り捨てるという考えは毛頭もないわけでございまして、まして、交通警察につきましては三千二百万の運転者とそれから一般国民というものを対象とした仕事をやっているわけで、日々の仕事を通じてそういった方々の安全を守るということについてできるだけのサービスをしているという誇りを持って仕事をしております。
  161. 安武洋子

    ○安武洋子君 そうはおっしゃいましても、現実に今度の法案でサービス部門の一部と管理部門の一部を警察でやらなくてもよいのだということで委託をされている、それにはっきり姿勢が私は出ていると思います。  ちょっと論点を変えてお伺いいたしますけれども、昭和四十四年の十月から点数制度が実施されているわけですが、ここ十年間の交通違反の推移、これをお伺いいたします。
  162. 池田速雄

    ○説明員(池田速雄君) お答えいたします。  昨年の道路交通法違反の状況でございますけれども、総件数が八百八十三万三千四百七十二件ということになっております。なお、十年前の四十年に例をとりますと、五百十二万一千四百八十五件の違反、こういうことになっております。
  163. 安武洋子

    ○安武洋子君 違反がふえている、そういう原因はどこにあるとお考えでしょうか。ずっとふえてきている原因ですね。
  164. 池田速雄

    ○説明員(池田速雄君) 一つは、検挙の関係上もございますけれども、ちょうど昭和四十二年からは反則制度というものができまして軽微なものにつきましては軽微な措置がとられるようになったというような点もあろうかと思いますが、さらに申し上げますならば、いろいろな交通の規制等も、より交通が複雑になってまいりますので、それに対応するような規制のされ方をしてきたというようなこともございましょうし、背景には運転者数の増加と、こういったものが一番大きな要素であろう、こういうふうに考えております。
  165. 安武洋子

    ○安武洋子君 昭和四十四年の五月に点数制が実施されておりますけれども、「人と車」という本の中で当時の警察庁の交通局運転免許課の原田春吉警視正という方が「点数制度の発足にあたって」という文書を発表されております。その中で、点数制度発足当時ですね、今回提案なさっていらっしゃる点数の通知制度とほぼ同じ内容のことを警察庁としては実施されようとしておられたというふうなことがわかるわけです。私、資料を持って来ておりますけれども、いま時間がありませんので読み上げませんけれども、この点数通知制は警察がやる仕事だというふうに考えておられたということがこの文書を読んでも明らかなわけなんです。なぜこれをおやりにならなかったのか、その理由をお伺いいたします。
  166. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 四十四年に運転者管理センターが発足しましたときに、運転者管理センターの一番のねらいとしますところは、不正免許の取得を防止するということと、それから点数制による行政処分の実施ということであったわけであります。その際に、いま考えております通報制度というようなものについてもできればいいのじゃなかろうかというような検討はされたわけでございますが、当時はこの管理センター発足でそういったデータの導入とかその他非常に多忙であったということと、第一線におきまして交通の仕事が非常に忙しくなっている、ちょうど交通事故がふえている最中でございました。そういったことで第一線におきましてもなかなか受け入れがむずかしかったという情勢でございます。そういった点で、まあこれは特別法的な地位に影響を及ぼすものではないということで、第一線でできるところはひとつ考えてみたらよかろうではないかということで第一線の判断に任したわけでございます。そういったことでこれが実施できなかったというのが実情でございます。
  167. 安武洋子

    ○安武洋子君 人手が不足をしているということですか。
  168. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 当時、第一線では、いろいろと交通の第一線業務で非常に事故も増加している最中で、それぞれそういった面に全力を傾注しておるということで、そういった面の仕事まではちょっと手に及ばないということで直ちに踏み切ることができなかった点が多かったように記憶しております。
  169. 安武洋子

    ○安武洋子君 じゃ、いまのお答えからは、人手さえ十分あればできると、こういうことになると思うのです。私は、いま安全センターに委嘱をなさろうとしているお仕事ですね、センターで行う業務、これは全部警察でやれると思うのです。また、やるのが一番ふさわしいと思うのです。私はその論拠を申し上げますのでそちらのお考えを聞かせていただきたいと思うのですけれども、まず点数の通知制度ですね、これは、先ほどもお答えがあったように、以前は警察の仕事の一部だというふうに考えておられたということが先ほどの論議の中でも明らかになったと思うのです。それとともに、データが警察の運転者管理センターにある。県警察、ここでこういう業務をやられるのが一番合理的であろう、こういうふうに思います。  それから重ねて言います。経歴証明書の発行です。これは外国の例では、おたくの方からの資料の提示もございますけれども、みんな警察がやっております。それからやはりこれもデータのあるところでやるのがふさわしい、これが合理的でなかろうかと、こういうふうに考えます。  第三点、事故証明の発行です。これは事故証明の性格上、事故を処理する権限とデータを持つ警察がやるのがこれはまたあたりまえのことです。他府県で起こした事故でも、これは郵送で手続ができるように改善すればいいわけです。事故証明についてはこの二点でお伺いいたします。  それから第四点、運転技術研修所です。これは警察が土地を買ってつくれば簡単にできることです。  それから第五点、調査研究の件ですけれども、これも従来から警察の中でやっておられる、データも豊富に持っておられる。この警察でやるのがあたりまえです。安全センターでやられるのがよりいいことだというふうなことですけれども、私は、それどころか、警察でやるのがあたりまえ、警察でやられるのがふさわしいと、こういうふうに思います。御答弁をお伺いいたします。
  170. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) まず、点数通報の問題でございます。先ほど答弁いたしましたように、点数通報をやったらどうかという検討がされた事実はございます。それが結局できなくて今日に至っているということは、やはり警察の仕事としては、第一線の警察というのは事があればすぐに現場に出て行ってこれを処してくる機関でございますので、なかなかそういったところに手が回らなかったというのが実情であろうかと思います。そこで、今回、こういった業務をもう一回やってみようという場合に、どういうところにやらせればいいだろうか、これは警察でやるか、こういったセンターでやるか、どちらがいいかという比較考量の問題になろうかというふうに考えるわけでごいますが、こういった業務は、まあ必ずしも警察でやらなければならない、警察でなければできないという性質のものでもないので、そういったセンターに専属的にやらせるということが、それを専門にやることによってさらにサービスの向上なり何なりに力が尽くされるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。  また、経歴証明の業務でございますが、これも今回初めてやろうとする業務でございますが、いま申し上げたと同様な理由で、やはり警察でなければできないという業務でもないわけでございますし、経歴証明のあり方その他についてやはり専門的にいろいろと研究をして水準の向上を図っていこうということが一層サービスの向上になるのじゃなかろうか。  また、事故証明の問題でございますが、これも、本来、事故証明は自賠法ができた際に事故を証明する書類が必要である、どこでやるかということでいろいろと協議をした結果、まあ当面警察が事故処理をしているから警察でやる方がいいのじゃないかということでやってきたわけでございます。こういった経緯のものでございまして、特に今回こういった機関ができれば、むしろこの機関にやらした方がすっきりするのじゃなかろうか。そういった面でこれを専門にやるということになれば、やはりその利便の面でいろいろと研究がされて一層水準の向上が図っていかれるのじゃなかろうか。  また、研修等につきましても、これは一般の運転者の研修、これも受け入れてやるわけでございまして、これ自身警察で必ずやらなきゃならぬという性質のものではない。こういったものを専門にやるところでやるということの方が一層効果が上がるのじゃなかろうか。  また、調査研究等につきましても、調査研究に専念される機関という形でやっていただいた方が一層効果が上がるのじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
  171. 安武洋子

    ○安武洋子君 センターが発足しましても、必要な人員というのは最初は百五十人、だから各県では二、三名ずつです。しかも、事故証明の発行、運転訓練、それから交通にかかる調査研究、これは従来から警察がやっておられたそういう延長線上です。それから点数制度も、先ほども言ったように最初から御自分のところの仕事というふうに考えておられたわけです。だから、今度発足する仕事の中で新しくふえるのは経歴証明だけと、こういうことになろうかと思うのです。ですから、こういうことをする新しい業務に対して人員を配置したところで大した人員じゃない。警察がやったところで公権力の行使に影響が出るほどの人員じゃないと、こういうふうに思いますし、先ほどの御答弁のようにサービス部門を切り捨てることが何かすっきりすると、こういうふうなことでは私は困ると思うのです。大臣、いかがでしょうか、これは元来警察でやるべきだと私は思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
  172. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) まあいろいろお話しを承っておったわけでございますが、警察は何といっても治安の維持というのがまず第一の目的でなければなりません。それからもちろんサービスということが必要でございます。しかし、警察がやっておりますうちでそれぞれの各地の交番がやっておる仕事は相当の意味でいわゆるサービス的なことをやっておると思うのです。たとえば、迷い子が出たとか、それをどうしてやるとか、道を聞かれればどう知らしてやるとか、火事があったときにはどういうふうに誘導してやるとか、いろいろのサービスがたくさんあると思うのですね。だから、私は、サービスの仕事を警察でやっていけないという意味はないと思います。これからもできるだけ警察はやらなければならないと思いますけれども、その一部であります交通関係の死傷者が非常に多く出ている。先ほども申し上げましたけれども、二万一千人も二千人も人が死に、六十数万人も負傷する。そうしてこの気の毒な交通事故の母子家庭が十二万戸もある。こういうのを何としても防ぐようにせにゃならぬというたてまえで特にそういうような専門的なものをつくってそれに一部の仕事を分けてこれをやらせるということは、警察が持っておるところの本来のサービスの精神を決して無視しておるものじゃない。まだまだたくさんサービス関係のものが残っておると私は考えておるのでございます。そういう意味で、あなたがサービスという点に非常に重点を置いていただいておるお気持ちはよくわかりますけれども、それだからといってこういうものをつくることがかえって警察がいわゆる大衆に親しまれる警察にならないのじゃないかというお考えのように承るのでありますが、私はそうではなくて、本来外に出て、まあ警官が交番その他においてあるいは交通関係においていろいろのことをやっておりますあのときに本当に親切な気持ちで民衆に接するということが非常に大事な、一番大事なことだと私は考えております。そういう意味から考えまして、私は、今回の法案は決して警察からサービスの精神を取り除く意味を得っておるとは考えておりません。
  173. 安武洋子

    ○安武洋子君 街頭に出て親切にするということならば、どんどん人手をふやされて街頭に出て親切になさるべきだ、そして警察はもっとサービス部門をふやしてこそしかるべきじゃないかというふうに思いますので、まあ私は何度も言っておりますように、安全センターに委嘱なさろうとする業務は、警察が十分にやれる、むしろ当然警察がやるべき業務だと、こういうふうに思うわけです。だから、わざわざ法人をつくって、そして幾らでもお金が出せるような内容の法案を提案するというのは、私は、いま歳入欠陥が問題になっているときでもありますし、税金のむだ遣いだと、こう言われてもやむを得ないんじゃないかと思うのです。それで、福田大臣は自治大臣でもございますし、地方自治体にはむだを省けと、こういうふうに言われているわけです。ですから、こういう点についてはどうお答えになるのでしょうか、お伺いいたします。
  174. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいまあなたのお話しを承っておりますというと、警察が大いにサービスをやるんならどんどん警官をふやして街頭に出てサービスをやれというような意味のことをおっしゃったかと思いますが、いま地方公共体が歳入に不足を生じている、あるいはいろいろな面で苦労をしておるときに、そうそう警察をふやすということは私は困難ではなかろうかと思うのでありまして、本来、物の効用というものは、そこに勤めておる人がどれだけ自分の職務というものの本質を知ってそして努力をするかということが一番大事なことだと私は考えております。だから、警察官にもう少しサービス精神を徹底させろという御趣旨であれば、私はごもっともの御意見であると考えるのでありますが、人をふやすというようなことでそれをやるというのでは私は意味が通らないかと思います。もっとも、あなたはそんな意味でおっしゃったのじゃないと思うのですけれども。いずれにしても、私は、この種のものをつくるということは、警察からサービス精神をなくする、そういう結果を招来するとはどうしても考えることができません。
  175. 安武洋子

    ○安武洋子君 私はまだ大臣にもたくさんお伺いしたいこともありますし、私はきょうのこの法案審議については三時間を要求したのですけれども、諸般の事情がございますので、質疑を残念ながら一応きょうは途中で打ち切ります。委員長が次回の私の発言時間を保証してくださっておりますし、大臣も御出席くださると思いますので、私はきょうは時間きっちりに質問を終わらせていただきます。
  176. 目黒今朝次郎

    ○理事(目黒今朝次郎君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  177. 目黒今朝次郎

    ○理事(目黒今朝次郎君) 速記を起こして。
  178. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 手短に伺います。ただ、ちょっと前段階がありますので最初から大臣というわけにはまいりませんけれども。  最初にお伺いしたいのは、今回のセンター法案は簡単に言いますと運転者の自己管理に対して要請を強めていくというのが中心であろうかと思うのです。そこでお伺いしたいのは、運転者の資質というものが今後向上するのか、横ばいなのか、低下するのか、どういう見通しを持っておいででございますか。質問を省く意味でもう少し申し上げますと、運転免許者がふえてくると思います。どういう人たちが今後運転免許を持ってまいるのか。それから昨今の状況の中で社会的な不満感というのがどうなっていくのであろうか。それやこれやを考えながらどういう展望をお持ちでございますか。
  179. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 運転者の資質の問題でございますが、これは全般的にはやはり向上していくのじゃなかろうかというふうに考えております。社会的な教育というようなものも徹底していきましょうし、一般の方々の車に対する考え方というものもいろいろと批判の面を含めて高まってきておるというような面は当然運転者の面に反映してきて、資質というものは高まってくるであろうと思いますし、そういったことを期待しております。  それから運転者にどういう人がふえるか。最近の状況を見ておりますと、やはり婦人の免許を取る方が従来に比べて比率が高まってきておる。そういった面から見ますと、婦人の免許取得者の比率が全体の中において比率を高めてくるのではなかろうかという気がいたします。  それからこういった社会的ないろいろな不安、暴走族の問題なんかもあるわけでございますが、そういった面が運転の面にどうあらわれるかという点につきましては、なかなかこれは推測もむずかしい問題だと思います。これは運転だけの面から推測するということもむずかしくて、社会全般の動きがどうなっていくかというような推測の中で考えなくちゃいかぬというふうに思うわけでございますが、まあいろいろとぽつぽつとしたことはあろうというふうに思いますけれども、全体としては余り心配する必要はないという気もするわけでございます。
  180. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 向上してほしいというんですか、根拠に基づいて向上するだろうと予測をされるんですか。お伺いしている理由は、事故は確かにそれぞれが注意をしなければいけません。ただし、期待して、その限界がどこにあるかということも同時に考えておかなければいけないだろう。事故の原因は決して一つではありません。その意味で、今回センターをつくられながら、大いに運転をする者は努力をしなさいということは全く賛成でございますが、それだけにゆだねておけるのだろうかという観点で見た場合に、向上してほしいという願望はわかりますけれども、果たしてどうでございましょうか、不安はありませんかということです。
  181. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 見通しと言われますと大変に困るわけでございますが、まあわれわれとしては資質は向上してほしいという願望を持っておるわけで、ただ、社会の動きだけに任しておってそれじゃ向上するだろうかということになると、なかなかそうもいかぬ面があると思います。そういった面では、その向上のための施策というものをいろいろと考えていかなくちゃいかぬ。このセンターの設立ということもそういった面の資質の向上に役立つであろうと思いますし、また、同時に、運転環境というようなもの、それが悪くなれば、運転者の資質いかんにかかわらずいろいろな問題が出てくる可能性もある。そういった面で運転環境というものをできるだけよくしていく。そういったいい運転環境のもとではやはり運転者の方も資質が向上してこざるを得ないという面もあろうかと存じます。そういった面で、やはり幅広い施策というものを考えていくことがわれわれの願望を達するためにも必要であろうかというふうに考えております。
  182. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 その運転環境というのは、具体的に言うと最も何を頭に置いていまお答えになりましたか。
  183. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) われわれが直接扱っている仕事から言いますと、直接の道路環境――道路が歩車分離が完全にできているかどうかというような問題、あるいは安全施設が完全にできているかどうかというような問題、これはまあ直接われわれが扱っていて一番痛切に環境として感ずるわけでございます。さらに、全般的に都市の中の交通の流れなり都市計画とかいったようなものがそういった交通環境に適するような形ででき上がっているであろうか、また、それができ上がるように努力をしていく必要があるのじゃなかろうかというような点を感ずるわけでございます。
  184. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 四十八年の一万台当たり事故件数を見ますと、営業用の普通乗用自動車となりますとよほど慣れている人たちが運転していると思うのですが、一万台当たりで千六十四件、自家用普通乗用車、ちょっと当てにならないというのが一万台当たり百九十四件、ほぼ五分の一。なぜこういう数字が出るのだろうか。かたがた、じゃ自家用とはいいましてもしょっちゅうこう動いている人はどうなんだろうかということで普通貨物をとってみますと、一万台当たり二百十一件。最も運転能力も高いし自己管理能力も高いだろうと思われる営業用普通乗用自動車が一万台当たりなぜかくも際立って事故件数が高いのか、どの辺に常識的な理由があるとお考えになりますか。
  185. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) いまお話しがございましたように、走行キロ数がやはり非常に長いということで、走行が一つの原因であろうかと思います。まあ、しかし、いまの御指摘だと、やはり走行キロだけではないのじゃなかろうかという御指摘でございます。これにつきましては、やはりこういった運転者の置かれている環境というものが影響をしてきている面もあるのじゃなかろうか。これも勘でございまして、いろいろな事故のデータなりから出した数字じゃございませんので、私も大変自信のない言い方で恐縮でございますが、そういった面が影響しているのじゃなかろうかという気もいたします。
  186. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 大臣の時間の都合もありますから、深くは議論いたしません。ただ、センターに渡した部分があるとしても相当部分が残るはずですということを後の議論につなげたいので申し上げているわけですが、話を戻して、走行量というものが、台当たりという意味ではなくて総体でお考えになって結構です、それが事故と相当強い交通環境という意味で相関関係にあるのではないかと素朴に思いますが、この点は間違いないと思いますが、いかがですか。
  187. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 過去におきまして事故の状況を見ますと、四十五年まではほとんど自動車台数に応じて事故が伸びておりますので、仰せのとおりではなかろうかというふうに考えております。
  188. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 そこで、よく交通量をどう管理するかというときに、道路容量ということが言われたりします。これは頭の中ではなるほどわかるように思いますが、実際の行政上の基準とすると、道路容量というのはなかなかつくれたものではないと思います。そこで、その絶対的な基準というのはないとあきらめるとしても、相対的な基準というものが考え得るのだろうか。これも、平たく言いまして、いまよりふえたら困る、いまのままでいい、いまよりはとにかく減らさなきゃいかぬ。その意味で、どこに限界があるかは理論的に立証し得ないまでも、少なくも目で見ながら、はだで感じながら、相対的な道路容量というものが行政基準として言えるのじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
  189. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 道路の容量がどれぐらいであるかという点については建設省あたりでもいろいろと御検討もいただいておりますし、われわれも、道路容量はどれくらいであるか、あるいは一定の速度のもとにおいてどれぐらいの車が入るかというような点についても検討しているわけでございますが、いまの大都市の状況から見ると、ほぼ限界に近いのじゃないかという気がするわけでございます。  さらに、道路容量のほかに、一定量以上の交通量になると、いまや排気ガスという問題もそれに加わってきておりますので、そういった面から見ると、道路容量の面から見ても、それ以外の面から見ても、何とか交通総量を減らす方法を考える必要があるのじゃなかろうかという気がいたすわけでございます。
  190. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いや、私が申し上げたのは、いまよりふやされたら困る、いまのままでよろしいという大変常識的な枠組みで判断をしながら行政的に対応するということは大変むずかしいことでしょうかとお伺いしているのです。
  191. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) まあ現状から見ますと、ほっておけばずんずん新たな交通需要というものが出てくる可能性が非常に強いわけでございます。現状から見ると、やはりこれ以上にふえてくるということはますますいろいろな問題が起こる。やはり現在の実情も多過ぎるのじゃなかろうかという気がするわけでございます。
  192. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 では、ひとつ具体的な例を思い描きながら伺いますと、いま新宿副都心の周辺をながめて、交通容量はもうふえ過ぎたとお考えになりますか。
  193. 鈴木金太郎

    ○説明員(鈴木金太郎君) 御指摘のとおり、私どもはその方の都市計画の専門ではございませんですが、私ども通常交通規制を行う場合に一番問題になりますのは、やはり交通需要をどうさばくか。交通需要そのものを減らすわけにはまいりません。交通需要を都市内の人なりそれから車の流れというものなどをどう合理化して組み込むかというふうなことであろうかと思います。そういう意味合いにおきまして問題になりますのは、やっぱり、非常に古い言葉ではありますが、職住近接ということに相なるかと存じます。私どもが専門家の御意見などをお聞きいたしますと、やはり新しいビルができまして、そのフロアスペースというものは、それに比例して交通需要が生まれるといわれておるわけです。そうしますと、そのビルが職住近接していれは新たな交通需要は生まれませんですけれども、それが全然分離されて職だけであるといたしますれば、新たな膨大な交通需要が生まれる。そういう意味合いでは警察としては直面する大きな問題があるであろう、こういうふうに考えております。
  194. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 という前段で大臣に伺うわけですが、先ほども言われたように、とにかく一個軍団、大変な数が死傷しているのだということを見ながら、しかも運転者の自己管理能力だけに期待していけるかというと、実は最も細かく見ているはずの営業用自動車でもなかなかの問題がある。したがって、事故原因というのは複数でありますから、交通環境の問題も同時もしくはそれ以上に場合によっては重く見ていかなきゃいかぬかもしらぬ。ここまでは御異論ないと思います。  そこで、その事故原因と何が一番関係があるかといいますと、まあごく素朴に言えば、交通量が多くなれば事故もふえるということだと思うのです。そこで、ずっと見ておりまして、何が道路容量で現在の交通量がそれに見合っているかという厳格な議論は抜きにして、第一線の行政官としてもうとにかくこれが目いっぱいなんだと感じているときに、そこで交通需要を起こすようないろいろな事業に対して、開発行為に対して、どうしていったらいいんだろう。たとえば国家公安委員会として交通安全の責任者として考えてみたときに、そういう問題についてどういうアプローチをしていったらいいとお考えになりますか。まずその点の問題についての御見解と、あとの後段の部分と承りたいと思うのです。
  195. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいまのお話しがございました点でちょっと感じましたことを申し上げますと、私は、営業車の事故が多いのは、やっぱり利益追求の気持ちが非常にあることが一つだと思うのです。それからもう一つは、やはり若い者が元気を発散する手段としてのスピード違反というやつをやるのが大きく事故をふやしておるのだと思うのです。大体、私は、まあ日本のような国では、本当はもう余り自家用車などというものはこれ以上ふえない方が国のためにはいいのじゃないかという私は考えを持っておるのでありまして、特にまた、東京都内あたりは、もっとこう通勤用の自動車なんというのは絶対認めないくらいの方途が考えられていいのではないかということを実はしばしば言っておるわけであります。あなたのおっしゃる意味は、交通量が多いということは事業が起きることによって交通量が大きくなると思うが、その点をどう考えるかというお説だと思うのでありますが、これはやはり事業といいましても、非常に大きい工場をつくるというような場合にはすぐにこれは目立ちますから考え得るところがある、また取り締まりもできるのでありますが、小さい小売店にいたしましてもそれが必要が起きてどんどんふえていきます場合には、やはり一軒に一台ぐらいの車は営業用としても持たにゃいかぬという場合があって、なかなかそこいらをどう規制していくかということは非常にむずかしい問題が起きるかと思うのであります。御質問の趣旨が、もし大企業が何か工場でも大きいものをつくろうというような場合にはひとつ考えにゃいかぬではないかという御趣旨であれば、私はごもっともな御意見であり、われわれとしても考えていかなきゃならないと思っておりますが、一般の小さいものがふえるようなことになりますと、何というか、通うためにといいますか、東京へ自家用車が乗り入れるというのとはまたちょっと違いますからして、そこいらをどう判断していっていいか、なかなかむずかしい問題があろうかと存じております。
  196. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 大臣にお尋ねしますが、東京を走っているいわゆる自家用自動車、そこで通勤目的であるいは全くプライベートな目的で走っている交通量というのが全体のどれぐらいだと想像しておいでになりますか。
  197. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) それはちょっと……。
  198. 勝田俊男

    ○政府委員(勝田俊男君) 東京の場合は、たしか、朝通勤に使っているのは五%ぐらいというふうに記憶しております。
  199. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いま大臣は知らないとおっしゃいましたけれども、本当にみんな知らないのです。いま五%とおっしゃいましたが、そういう数字もあります。一〇%という数字もあります。ただ言えることは、想像以上に少ない。そこで、実態が何かというと、ほとんど業務交通なんです。業務交通を誘発するのは工場では本当はないんです。事務所であり、ホテルなんです。新宿副都心と申し上げたのは、すでに三本高層ビルが建っているわけです。さらに追加一本が建とうとしているわけです。これが大変な交通需要を喚起するであろうことは間違いないと、こう置いてみますと、これは通勤を幾らいじめてみても解決にならないわけです。そのときにどうなさいますかということなんですが、改めて伺います。
  200. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 私は、それは都市計画をどう持っていくかという問題から見ていかなければならぬ。たとえば新宿の都心に大きなビルをもう一つつくれば、確かにおっしゃるようにいろいろな自動車がそれは入ってくることになることは明瞭であります。また、人の通勤のためにバスもやはり増発せねばならぬ。自家用車でなくてバスだけでも大変です。あるいはまた、省線あたりも非常な影響が及ぶと思いますから、ここいらは、警察の問題もさることながら、都市計画というような観点から建設省あたりが十分にひとつ研究をしてもらわねばならないかと考えております。
  201. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 そこで私がお尋ねしたいのは、建設省というのは交通安全に関する主管官庁でございましょうか。都市計画の問題ですと、いま大臣がお答えになったのは、そういう分野について公費委員会としてかまわなくてよろしいのですか、あるいはどのような形で実際に国家公安委員会としての交通安全という観点からの政策を押し込んでおいでになるのか、その道が開かれているのか開かれていないのか。
  202. 鈴木金太郎

    ○説明員(鈴木金太郎君) 御趣旨の点、私は建設省の話をする立場にはございませんですけれども、一応安全施設の緊急整備五カ年計画というものがありますが、これは私どもの方と建設省の両方で共同で一応計画をお願いするようにしているわけでございますが、そういう意味合いにおきまして、いま交通安全に関する主管官庁というふうに考えてもよろしいのではなかろうかと考えております。
  203. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 そうしますと、建設省の方もおいでですから一応引き続いてお伺いしますと、交通容量と交通安全との見合いで、建設省がみずから、たとえば今度新宿の副都心にもう一本高いのが建つけれども、これは従来の建築基準あるいは都市計画という観点だけではなくて、そこから派生する交通需要をどうやって管理するかということも含めて認可許可をしなければいけないとまで考えているということになるのでしょうか。
  204. 野呂田芳成

    ○説明員(野呂田芳成君) 先生いま御指摘の部分は、交通量に見合った容積率がこの場合問題だと思うのですけれども、この容量の規制というものは建築基準法に基づいて規制を行っておりまして、この容積率を決める場合に、将来の建築需要をまず出しまして、それに必要な道路とか下水とか上水の整備の現況あるいは計画というものを勘案して容積率を決めていくという手順をとっております。たとえば、いまお話しが出ました高層ビルを建てられることが可能な地域というのは商業地域でございますけれども、この商業地域の容積率の決定に当たりましては行政通達で基準を設けておりまして、たとえば商業地域につきましては原則として十分の四十、五十、六十というかっこうをとっております。つまり、商業地域は建蔽率一〇〇%としますと、十分の四十というのは四階建てということになりますが、地下ができますと地下一階であれば上が三階ということになるのですが、そういうことで定めている。その場合にも、原則として私どもは十分の四十を基本としていくべきであるというふうに指導しております。ただ、現実には、十分の五十とか十分の六十というものを決めておりますけれども、その場合は商業地として特に土地の高度利用を図らなければならないという場所でございまして、その場合は必要な道路とか上下水道とかそういうものが整備されている地域、されていなければそういう十分の五十とか六十というものはしない、整備されている地域にやっていく、あるいは市街地再開発事業に関する都市計画が定められた地区に限って十分の五十、六十をやるということにしております。特に十分の六十の容積率は一般基準としては幹線道路で二十二メートル以上の幅員のある道路に面していないと許可しないということにしております。また、いま御指摘ありました新宿副都心のような場合は、十分の七十以上の容積率を定めているところに該当するわけですけれども、そういう場合は大都市の都心とか副都心に限る。しかも、具体的に道路等の立地条件を考えまして、先ほど申し上げましたような幹線道路が複数以上に存在するという場所に限って地域区分を限定的に決めていくというような手法をとっております。   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕  いま御指摘ありました副都心の具体的な問題についてでございますけれども、この地区では、実は東京都の計画によりますと、将来の昼間進入車数と申しますが、発生交通量というのは約十万近いといわれておりまして、その場合であっても、都が時間をかけまして調査した計画によりますと、甲州街道と青梅街道にはさまれた副都心の地域内では十分交通量がさばけるという計算でこの副都心が指定をされている。ただ、問題になりますのは、甲州街道の南側の陸橋部分、つまり山手線をまたぐ、それから青梅街道のガード下あたりが相当混雑するということが都の都市計画審議会でも十分議論になっておるわけでございまして、その対策といたしましては、地下鉄の十二号線とか十号線の建設をいたしまして、自動車交通を大量輸送機関に切りかえる。同時に、地下鉄四号線の新駅をあの周辺に開設いたしまして、極力大量輸送機関に交通量を切りかえていきたい。それから地下道を完全に整備いたしまして歩行者と車を完全に分離したいというふうに計画されておりまして、これができると、いま申し上げました二カ所の交通のネックも解消されるという前提で都の都市計画審議会を通過しているということでございまして、そのほかに、交通量のほかに廃棄物の問題とかいろいろありますけれども、この問題につきましても、一応処理できるという前提に立って副都心の指定がなされ、あそこの容積率が定められたというふうに考えております。
  205. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いまの御答弁は、一言で言いますと、いろいろな条件が整備されたらうまくいくであろうということを考えて決めましたということだと思うのです。そういったものが整備されるかされないかとその建物をつくるかつくらないかは、時期的に連動しながらそこまで建設省は管理されるわけですか。
  206. 野呂田芳成

    ○説明員(野呂田芳成君) 実は、いま御指摘いただきましたように、長期構想としては私どもはネックの解消はできるということでございますが、あそこにそういう副都心が指定されまして容積率が決まる。そうすると、このネックの解消になる施設の整備が終わらない段階で巨大なビルができてくるということになれば、暫定的にそういった障害が起こることは当然のことなので、そうなりますと、具体的な実施面でございまして、あそこはさらに防火地区と特定街区という制度をまたかけておりまして、従来の容積率にさらにボーナスがついているわけでございまして、これはもっぱらそれらの権限は知事の専管事項である。しかも、特定の巨大ビルが建築確認を持っていきますと、いまの基準法の立て方でいけば、持ってきたものは受理せざるを得ない。受理する以上は瑕疵がなければ確認しなければいかぬということになっておりまして、それもまた東京都の建築主事の専管事項ということになっておりますので、副都心につきまして現在いま申し上げましたようなそこのネックを解消しないままに巨大ビルがそういった都の相互間の連絡がないままに建っていくおそれがあるということでございますので、私どもも実はそれを憂えておりまして、極力その問題について行政指導を加えたいというふうに考えております。
  207. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 そこで、大臣にお尋ねしますが、建設省の方は、長い御答弁でしたが、簡単に旨いますと、建設省としてのブループリントがございますから将来は御心配召さるなと、こういうことなんです。実際はちぐはぐで物事が進んでいくわけで、事故はそのちぐはぐの谷間で起きてくるわけです。それを国家公安委員会は管理せざるを得ない。そこで、その辺について、建設省はいまいろいろ見ておりますというお話しでございますが、建築基準法にしても、都市計画法にしても、云々しかじかというものについて、交通安全に実際にタッチしている側からのクロスチェックというものをしなくてよろしいのか、自己管理だけにゆだねると言っても限界があるわけでございますから、その辺のクロスチェックをどうするかということも真剣に考えないと、この過密都市はどうにもならないことになってこないか。世界にたぐいまれな名ドライバーばかりそれえたところでどうにもならないのじゃないか。この辺についてどうお考えになりますか。
  208. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ごもっともな御趣旨でございますが、国家公安委員会としてそこまでの問題に思いをいたしてやっていくにはいかにも力がまだ足りないというか、私はむしろいまの御指摘は政治全体の問題ではなかろうかと思うのです。それは、ビルをつくるということになれば、副都心にビルをつくるということ一つをとってみても、ビルをつくる場合に下水道の工事をどうやるかということによってもう交通事情はまるで違ってきます。地下鉄工事一つやっても、たくさん鉄板を敷いてこうやりますと、大変事情が違ってきて、その間にまた事故が起きたりする可能性がございます。でありますから、行政がもっと相関関係で円滑にこう動くようにすれば一番いいのですから、そういう意味で、これはどこで主管するのがいいかは知りませんが、私はこれを警察の面から見ていいのかどうか。そういうことになれば、むしろ、建設省なら建設省とか、そういうようなところが見る方があるいはいいのじゃないかと思います。もちろんわれわれが連絡をとらにゃいけません、これは。連絡をとって、そうして、本当を言いますと、東京都ほどよく下水を掘り起こしたり道路を掘り起こす都会は世界じゅうにないと思うのです。これは明らかに過密な状況に置かれて、そうしていままでそれを無計画につくったものですから、だんだん後から後から要求ができるたんびに、そういう、いや地下鉄道だ、今度は上下水道だ、今度はガス管だ、今度は電線も下へ埋めるんだと、一々みんなやっておる。ここに私は非常に大きな問題があるので、都市計画というもので本当は一本に、たとえば海外にあるように下に一つの大きなマンプといいますか、隧道みたいなものをつくってそこへ全部入れてしまうような計画をつくればいいのですけれども、そこまでいっていないものですからまことに遺憾だと思うのでありますが、われわれとしても、御趣旨は十分考えて、そうしてそういう面も考えながら建設省なりあるいは東京都なりによく連絡をしながら問題の解決に当たっていかなければならないかと考えます。
  209. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 時間ですからこれでやめますが、最後に一つだけ大臣にお伺いしますのは、おっしゃるように行政の整合性、総合性の問題だと思うのです。それは当然建設省がございますからというお答えですが、建設省にしても、従来から生い立ってきた畑というものがありますから、なかなか交通事故という切り口で物事を見直すということができるかというと、どうも私は自信がない気がいたします。一方、都市計画法にしても、都道府県知事、これを建設大臣が認可するわけですが、協議対象部署というのは、農林省、環境庁、通産省、運輸省、それぞれみな御堪能の方々の集まりですが、交通事故安全という角度で見直すだろうかというと、これも私は不安な気がいたします。そこで、実際に第一線で安全問題を見ている、しかもその交通政策の欠陥を身にしみて味わっているはずの警察のノーハウをそこに織り込むことを考えたらどうかと思いますが、これは意見だけにとどめます。  いずれにしても、政策は総合的にしていかなきゃいかぬ。と考えたときに、センターの部分を法人に分離独立させることが本当によかったんでしょうか、この点だけお伺いしておきたいと思います。
  210. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 私は、警察の業務のうちで警察というものが本来やらなければならない仕事が非常に重大な仕事がございますから、その一部分をほかのもので代替できるものがあれば、むしろ代替した方が警察本来の目的を達することができると考えておりまして、先ほど共産党の方からもそういう御指摘があったわけでございますけれども、私としては警察本来の目的を推進するためにできるだけ自分の本来の目的に専念できるようにしたい。それは決してオイコラというような警察になろうという意味ではございません。本当にみんなのために治安を守り、みんなに親切なサービスをそこにしていくという意味でまだまだやらなくちゃならない、もっと注意をしなければならないことがあると思いますから、今度のこの種のものをやることは、警察のためにマイナスになると私は考えておりません。むしろできたらひとつこういうふうにやっていただいて、とにかく十二万人もある母子家庭なんというような、しかも交通事故による母子家庭が毎年一万人ずつもふえているなんということは、どう考えてみてもわれわれとしては黙視するに忍びない。あらゆる方法をもってこれを防止する。二重、三重の、少しやり過ぎじゃないかといわれても、やっぱりやるべきことはやらなきゃならぬというのが私たちが今度法案を出した気持ちといいますか考え方であるということを御理解を願いたいと思う次第であります。
  211. 吉田忠三郎

    ○委員長(吉田忠三郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会