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1975-06-24 第75回国会 参議院 農林水産委員会 17号 公式Web版

  1. 昭和五十年六月二十四日(火曜日)   午前十時十二分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤  隆君     理 事                 小林 国司君                 高橋雄之助君                 川村 清一君                 神沢  浄君                 原田  立君     委 員                 青井 政美君                 岩上 妙子君                 大島 友治君                久次米健太郎君                 鈴木 省吾君                 園田 清充君                 初村滝一郎君                 平泉  渉君                 山内 一郎君                 工藤 良平君                 栗原 俊夫君                 志苫  裕君                 鶴園 哲夫君                 小笠原貞子君    国務大臣        農 林 大 臣  安倍晋太郎君    政府委員        農林省構造改善        局長       大山 一生君        農林省農蚕園芸        局長       松元 威雄君        農林省畜産局長  澤邊  守君        農林水産技術会        議事務局長    小山 義夫君        食糧庁次長    下浦 静平君        水産庁次長事務        代理       兵藤 節郎君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        厚生省環境衛生        局乳肉衛生課長  岡部 祥治君        農林省畜産局流        通飼料課長    金田 辰夫君    参考人        国立予防衛生研        究所食品衛生部        長        粟飯原景昭君        中部地区連合獣        医師会代表幹事  八竹 昭夫君        東京大学講師   高橋 晄正君        協同組合日本飼        料工業会会長   河田 四郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する  法律案(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  参考人として、国立予防衛生研究所食品衛生部長粟飯原景昭君、中部地区連合獣医師会代表幹事八竹昭夫君、東京大学講師高橋晄正君、協同組合日本飼料工業会会長河田四郎君の御出席をいただいております。  この際、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして厚く御礼申し上げます。参考人におかれましては忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願い申し上げます。  なお、議事の順序について申し上げます。  初めに、粟飯原参考人、八竹参考人、高橋参考人、河田参考人の順序でそれぞれ十五分ないし二十分程度の御意見をお述べいただき、次いで委員から御質疑を申し上げるという順序で議事を進めてまいります。  それでは粟飯原参考人からまず御意見をお願い申し上げます。粟飯原参考人。
  3. 粟飯原景昭

    ○参考人(粟飯原景昭君) おはようございます。  国立予防衛生研究所食品衛生部に勤務いたします粟飯原景昭でございます。御指名によりまして今回の法律に関しましての私の意見を述べさせていただきますに先立ちまして、いかなる見地と申しますか、方向からこの問題を私が見たかについて申し上げ、皆様方の御理解をいただきたいと存じます。  国立予防衛生研究所の性格並びにその中における食品衛生部の研究責任分担範囲として食中毒菌を中心とする病原微生物、たとえば腸炎ビブリオ、サルモネラ、コレラ菌、並びに微生物が生産いたします毒素類、特に最近十一年間はある種のカビの生産いたします強力な発がん性カビ毒アフラトキシンの研究を中心に仕事をしてまいりました。したがいまして、本日は食品衛生、特に食品衛生生物学の研究を通じて得ました知見、並びにその間にそれと関連して学びました事柄を基礎といたしまして飼料と食品とのかかわり合いを考察して述べさせていただきたいと存じます。先生方の御審議の御参考になりますれば幸いでございます。  限られました時間でございますので、お手元にお配りいたしましたような資料を用意させていただいたわけでございます。まことにちょっとお恥ずかしい次第でございますけれども、あるいはこの漢字がここの一字勘違いして、この環の字が違っていたかとも存じますので、御訂正いただきたいと思います。還と環と勘違いいたしました。  この図は、食品の流れを、飼料を中心に食品衛生生物学的な観点に立ちまして模式化したものであります。大層複雑な三次元あるいは四次元的な自然界の現象をこの一枚の紙に平面的に押し込めましたので、多少無理もございますが、それは皆様御理解いただけると存じます。  たとえて申しますと、丸いリンゴを横に切った、食品衛生生物学というような観点から横に切ったと考えていただければ幸いでございます。したがいまして別の角度、たとえば農業経済であるとか、あるいは食品衛生化学あるいは栄養学、経済というふうな角度で切ればまた別の形、観点が出てくるとは思いますけれども、いま申し上げましたように、食品衛生生物学的な見地からながめてみたわけでございます。  では、この図によりまして、食品と飼料とのかかわり合いを次に申し上げます幾つかのポイントに整理して考えてみたわけでございます。第一は、人間と自然界の関係、第二が、食糧・食品と人間との関係、そのうちで全般的なことと、二の二は、飼料と家畜、そして食物との関係、三が、自然界の生物たちと飼料、食品との関係、四が、衛生学的に特に重要なカビ毒並びに食中毒菌とのかかわり合い。そして最後に、いわばこの四点のまとめといたしまして、食品衛生と飼料衛生とのかかわり合いについて意見を述べさせていただきたいと思います。  では、人間と自然界との関係でございますけれども、この黄色い枠内は、ここでは食生活の流れというふうに書いてございますけれども、人間全体の生活と最初に考えていただきたいと思います。現在、私ども人間は、すべての生物のうちで、ある意味で一番発達した生物であると言われております。しかしながらこの地球の上で私たちが生きていけるのも私たちを取り巻きます人間以外の無数の生物たちのお陰であります。生物学の教科書によりますと、約百万種の動物と三十万種の植物がこの地球上に現在、存在していると言われておりますけれども、私たち人類というものは、そのうちの一種類の生物であります。  さて、このような無数の生物たちが、この地球上で生きていく上に最も基本的な、そして最も大きな働きをになっておりますのは、海陸も含めましてここに書きました大地の微生物並びにその働きであります。この地球上に植物や動物が姿をあらわしましたのは、はるか昔三十億年以上と言われておりますけれども、この地球上に延々と生き続けてきた生物が微生物であります。そしてこの働きは地球の上におけるすべての物質循環にかかわっているわけであります。物質循環と申しますのは、この大地の微生物がすべての地球上のものを腐らせるという非常に大きな役目をしていることであります。大地にほうり出されましたほとんどすべての物質の分解者の役目をしているということであります。もちろん早く腐るものもありますし、ゆっくり腐るものもそれは当然でございますけれども、特に動植物、動物であるとか植物であるとかいうふうな生き物は、その命を失いました生き物の体は、微生物の働きによりまして、たとえば、肉によって代表されまするたん白質を考えますと、それはペプチド、アミノ酸、アミン、アンモニア、硝酸、亜硝酸というふうにだんだん小さな物質へと分解されていくわけであります。そして、その小さな物質へと分解されたそれらの小さい物質は、再び植物の根を通って吸収され、植物の栄養になっていくわけであります。そして、この図で見ていただきますればおわかりのように、生物学的に地球上の生産者と呼ばれている植物、消費者と呼ばれている人間を含めた動物たち、そして分解者と呼ばれているこの微生物と、こういうサイクルができ上がる、こう輪ができ上がるわけであります。したがいまして、もしも、一切の微生物がこの地球上からいなくなった、姿を消してしまったといたしますと、分解者を失った生産者である植物、あるいは消費者である動物、それらのものは、生きるのに大変であいの悪い状態が生じてくる。言いかえますると、この地球上の生物どもはごみの山の中で生きていくことができなくなってします。要するに、分解者である微生物がいればこそ、たとえば、枯れた植物、あるいは動物の死骸、排泄物、私たち人間の排泄物、あるいは廃棄物などは、この地面の中で、さっき申し上げました微生物の働きで分解され、分解され、そして分解される。そして小さなものは再びこの植物へ戻るということになるわけでございます。  さて、三十数億年この地球上に生き続けてきました微生物が、すべての生物の生命現象に重要な働きをしていることが初めて明らかになりましたのは、わずかに百年ほど前、フランスのルイ・パスツールによってであります。彼は、その生涯を微生物の重要性と同時に、後に述べますような微生物の有害性について研究し、その研究は現代医学、生物学の礎となっております。  では、次に第二のポイントに移りたいと思います。食料・食品と人間との関係であります。まず全般的関係から見ますと、色分けいたしておきましたけれども、大地の微生物の働きを、助けを借りて育った植物、私どもは、それを農産物という呼び方もございますけれども、収穫され、貯蔵され、あるものは一部加工され、あるものは直接流通販売に回り、あるものはさらに直接私どもの消費に、そして人間の口の中へ入る、摂食というふうな流れがこの青い流れで記されております。それから水産物も水場げされ、貯蔵され、一部は加工され、流通し、あるいは調理され、直接口に入る。それから畜産物も、えさを食べて育った畜産物あるいは、肉あるいは牛乳、卵というふうに、この白い線の流れですべて最後に調理されて、そして口の中に入ってくるというふうな流れになっているわけであります。特に畜産物の場合には多少複雑でございまして、屠殺、解体とか、そのほかのわりに作業が間に入っていることは御承知のとおりでございます。  さて、畜産物につきましてもう少し見てみたいと思います。私ども人の食料となります家畜、家禽などの動物は、その健康な生命の維持と成長のためには、動物であるがゆえに、植物を主成分とするえさを必要とするわけであります。その量と構成成分は動物の種類によっておのずから異なりますけれども、しかし、いまは栄養学的問題を申し述べているいとまもございませんし、また私自身、動物栄養学の分野のものでもございませんので、詳しく申し上げるすべもございませんのでお許しいただきたいと思います。  しかし、簡単に常識的な知識で申し上げますれば、すでに皆様御承知のように、この図のようになるわけでありまして、植物を動物が食べる、あるいは家庭での台所の廃棄物などを食べる。それを自給飼料と呼んでいいかどうかは私専門でございませんのでよくわかりませんけれども、そういうふうな形、自然の草を食べる、そういうふうな形の飼い方、いまもそういう飼い方もありますし、昔は大部分がそういう飼い方だったと思いますけれども、さらに、戦後、いわゆる配合飼料というふうなものがつくられましたけれども、これもその主成分はやはり植物の穀類その他の植物体を主成分とし、それに飼料用の水産物の一部あるいは家畜の廃棄物と申しますか、などをまぜ合わせまして栄養的な調節を図り、現在ではさらにいろいろな添加物などが加わって、これに、ミックスした形での飼料というものができた。それが家畜に与えられ、家畜はそれで育ち、肉牛であれば屠殺、解体というふうな経路、あるいは直接販売されるものもございますし、加工されるものもある。あるいは卵のようなものであれば流通販売、牛乳であれば加工処理というふうな過程を経て、そして、この流れに乗って動くということになるわけでございます。その前者の型、いわゆる自給飼料型と申しますか、あるいは配合飼料型と申しますか、そのいずれにもせよ、えさは動物の体内に入りまして消化され栄養分となってその可食部が利用されるわけであります。その際にも自然の微生物というのは大変大きな役割りを果たしておりまして、特に自然の、その腸内微生物の働きは重要であります。特に牛などの反すう獣にありましては、第一胃内における微生物の存在なくしては、牛という生物は全く成長・生育というものは考えられないわけであります。  あえて、ただいま申し上げました第二の部分で皆様と御一緒に食物の流れをもう一度復習させていただきました理由は、次の第三の問題点、自然界の生物たちと飼料・食品との関係を、より明確に理解するためであります。  いままでのところでは、意識的に食物の流れと自然界の生物とのかかわり合いには触れてまいりませんでした。しかし、われわれ人間を初め、植物にしろ、動物にしろ、自然界のすべての生物は実験室内の特殊な条件の無菌状態の中で生活しているわけではございません。すべての生物が互いに影響し合った状態、一応、人は除外して考えてみますと、自然界は、ある意味で、互いにえさの関係という表現は穏やかではございませんけれども、もっとも、そのような観点から書かれた基礎生物学の専門書も現在、河出書房などから出されておりますけれども、生物同士がお互いに攻撃し合うというふうな関係で生物界というものは成り立っていることは事実であります。  さて、この図でおわかりいただきましたごとく、すべての飼料あるいは食品は本質的にはそれぞれ生物、生き物であるということであります。繰り返しますと、飼料とか食べ物というものは、本質的にはもともと生き物なんだということであります。言いかえますれば、腐るものだということであります。  最初のころに申し上げましたことをもう一度思い返していただきたいと存じますけれども、腐るということは微生物の働きを受けるということ。すなわち、人や動物にとっておいしいごちそうであります食品、飼料というものは、自然界の他の生物たちにとっても絶好のごちそうであるということになります。この図の中でそれらの関係を赤い矢印で記してみました。すなわち、食品、飼料の流れというのがこういう黄色い枠の中にあるとすれば、それに対して自然界にいるいろんな生物あるいは動植物、昆虫、寄生虫あるいは植物病原菌、カビ、食中毒菌、腐敗菌あるいは経口伝染病菌などというものがその中へ入り込んでいる。要するに、腐る食べ物であるがゆえに、そういうものを食べて生きる生物、ほかの生物たちがこの中に入り込んでくるわけであります。言うなれば飼料、食物というものは常にそういう人間以外の生物からの攻撃にさらされているということができます。もちろん有害生物、ここに有害微生物・有害生物と書きましたけれども、これは人間の立場に立って言ったわけでありまして、それらの生物そのものにとっては、そういうふうな表現は大変迷惑だとは思いますけれども、ネズミであるとか昆虫、寄生虫あるいは植物病原菌、カビ、食中毒菌、腐敗細菌あるいはウイルス等々、いま申し上げましたものは、この食物の流れの最初から終わりまでどこのポイントでも、すきあれば、その食物あるいは飼料についてくるという宿命を持った飼料あるいは食物をわれわれは食べているということであります。特に食糧の生産というものが集約的に行われるようになればなるほど、攻撃する側の微生物類、あるいはほかの生物にとってもかっこうの場を得るということになります。言いかえますと、植物なら植物、稲なら稲、あるいは家畜なら家畜というものの個体と個体との距離が近くなれば近くなるほど、病原菌の侵害などを受けやすくなるということであります。それは大都会においてインフルエンザなどが非常にはやるということ、あるいは特に学級などのような閉鎖されて大ぜいの人間がいるところに入るということなどからも、微生物と生物、微生物と人間との関係は御理解いただけると存じます。  自然界のこのような攻撃に対して、飼料について申しますれば、初めはささやかなニコチンのごとき防虫あるいは防植物病原菌物質を用いてまいりましたけれども、第二次世界大戦後、世界的に発達いたしました合成化学技術は一連の農薬を生み、合成添加物質を生み、またフレミングのペニシリンの発見は次々と抗生物質を生み、われわれ人類はそれらの諸物質が自然の脅威に対して防衛手段として有効であると考えてきました。  一方、物理的な手段といたしまして、生活の知恵として昔から塩づけ、あるいは熱をかけて微生物を殺す、あるいは干物にするという乾燥あるいは冷やす――最近の技術では冷凍というふうないわば物理的な方法というものも私どもは知っているわけであります。しかし、その大部分の物理的な方法というものは、特に乾燥、冷蔵、冷凍などという方法は大変大量のエネルギーを必要とする、そして費用を必要とするということも事実でありますし、また、食糧の生活段階で受ける、この部分で受ける自然界の侵害に対して、これらの方法というものは全く無力であります。たとえば害虫、植物病原菌、寄生虫など、そういうふうな攻撃に対しては、どうもこの乾燥、冷蔵、冷凍などというような方法はフィールドでは使い得ないことは事実であります。収穫以後の流れ、この以後の流れ、貯蔵その他ですね、ここから言えばここから先、あるいはここから先というふうな流れにはこれらの物理的な方法というものは大変有効な働きをし、その原理は、外界にこれら有害微生物その他の生物がいるということを前提といたしまして、そしてそれらの微生物その他の有害生物が、いることはいてもよろしいと、しかし、ふえないようにしようというふうな方法が乾燥であり、冷蔵であり、冷凍であると言うこともできます。そういう意味では、たとえ莫大な費用がかかりましても有効な手段と言うことができます。  このように、近年に至りまして、われわれ人類は、自然界の生物たちによる恐怖に加えまして、それから自分たち自身を、私自身を含め、私たち自身を含めた人間が、それらの自然界の恐怖から守るために、守るはずであった化学的な手段が、思いもかけぬ反作用を及ぼしている。その恐怖というものは、両方の恐怖にさらされるに至ったと言うこともできます。  しかし、この後者の問題は、冷静に考えてみますと、実はこの自然からの、人間以外の生物からの脅威というものの形を変えた、姿を変えた攻撃であると言うこともできます。  これは大事な問題でございますけれども、私自身ほとんどこれら合成化学物質についての研究の経験がございませんので、問題の重要さの指摘は、他の先生方の御意見を御一緒に拝聴したいと思います。  さて、ここに飼料と食品にかかわり合いの深い二つの自然の脅威の実例を御紹介したいと思います。  その一つは、ことに飼料との関係においてはサルモネラの問題でございます。サルモネラ食中毒は、過去にも浜松大福もち事件で多数の死者を出した。約三千人が食べまして二千人余が食中毒を起こし、約四十四人が死亡した事件でございますけれども、近くは新生児のサルモネラによる死亡例などかなり危険な食中毒菌であります。その自然界における循環と申しますか、プールに、家畜、特に鳥や卵あるいは一部の畜産家畜、そして飼料が大きな役割りを果たしていることは、学問的に世界的な定説になっております。それも、サルモネラというばい菌が人や動物の腸管の中に絶好の住みかを持っているという性質の菌であることからもうなずけます。  また、第二に穀物、これは農産物などに深いかかわりのあります「かび」と、「かび毒」の問題を一言申し上げておかねばならないと思います。  最も強烈な経口発がん性を示し、しかも人の肝がん発生にも無縁ではないことがほほ疫学的に世界各地で証明されておりますアフラトキシンという物質は、ある特定な、かびの生産するかび毒と言われるものであります。ちなみに、そして私ども、このアフラトキシンというかび毒は、幾つかの経口発がん物質というものが、現在経口でがんを起こす物質というものが幾つか知られておりますけれども、その強さは群を抜いて強く、これは動物実験の例でございますけれども、ラットに対する動物実験、一日に〇・二マイクログラム――マイクログラムと申しますのは、一ミリグラムの千分の一でございますけれども。で、約十六カ月飼育いたしますと、一〇〇%の肝臓がんができてまいります。  その他、最近、世界で問題になっておりますのは、ニトロソジメチルアミンというものでございますけれども、以下こういうふうな関係にある。これをごらんいただきましても、ここだけ見ていただきますけれども、この強さ、これは逆で、たとえばバターイエローと称せられるDABに比べてアフラトキシンは四万五千倍の強さがあるということになるわけでありまして、現在私ども人類が知っております物質の中では、最高の発がん物質と言うことができます。しかも、その発がん物質がかびという天然物質で出されているということが非常に重要な問題であります。  で、ここに回覧申し上げますけれども、(資料を示す)一番こちらがそのアフラトキシンを入れまして飼育いたしましたアヒルの肝臓で、これは正常なものでございます。で、これは一週間たったアヒルの肝臓、これは二週間目でございますけれども、普通のアフラトキシンの入ってないえさであれば、こういうふうな状態で育つのが、一週間たつとこうなり、二週間たつとこうなると。非常に、これはまだ前がん症状で決してがんになっている状態じゃございませんけれども、私どもの研究室でやりました実験でございますけれども、このように強烈な発がん物質が自然界の中にはあるということであります。  さて、大分時間も超過いたしますので、最後にこのような関係から、従来食品衛生の分野というのは、ここで点線の書いてありますところが、ございますけれども、真ん中に。それから、こちらの方が食品衛生の分野として私どもが働いてきたわけであります。しかし、かねがね食品衛生で勉強しております者として、どうもここからだけでは心もとない、もちろん研究的にはこちらをなさっている方々ともいろいろ協力もするし、部分的にはやっておりましたけれども、ここの部分も何とかして守っていかなければならないとかねがね思っていたわけでございます。で、私は、法文その他についての詳しいことはなかなかむずかしくてわかりにくいので、よくわからない点もございますけれども、ここの部分にも、食品衛生と対応した形のこの部分を守るというふうな方法が講ぜられるということが非常に大事なことであり、将来協力的な、総合的な、そして食糧の生産から消費、摂食に至る一貫した流れとして自然界の有毒微生物、あるいは有毒生物、有害生物などとの問題を対処していく必要があると感ずる次第でございます。  時間を超過いたしまして失礼いたしました。
  4. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ありがとうございました。  次に八竹参考人にお願いいたします。八竹参考人。
  5. 八竹昭夫

    ○参考人(八竹昭夫君) 中部地区連合獣医師会代表幹事の八竹昭夫でございます。  私は、岐阜市内で家畜の診療を業とする診療所を開設する一開業獣医師でございます。このたび国政の審議の場で意見開陳の機会を与えていただきましたことについて、まずお礼申し上げたいと思います。  現在、畜産は戦後、最大の苦境に立たされております。その原因は飼料高と並んで畜産の企業化、工業化の進行とともに、畜産食品の安全性に対する国民、消費者の不安、不信からくる消費不振でございます。そればかりか、農民は農業畜産そのものへの意欲減退現象を示しております。私、このお正月過ぎ、二月ごろでございましたが、私の診療範囲でございます岐阜市郊外のある養豚農家のところに診療に行きましたところが、農家が飼料高を非常に嘆いていて、もうやめようかな、というようなことを言うわけなんです。で、横に、その豚舎の隣に広大な農地が、秋、稲を刈り入れたままで放置されておる。これ、どこの土地だと言ったら、私の農地だということで、その農地では、稲作だけしかつくっていないということで、こういうところで麦をつくったら、飼料の面でも助かるじゃないか、ということを私申し上げたところが、その農家の主人は、先生何を言ってなさると、そんなの、いま麦つくっても四千円にも売れないんだと、それより町に働きに出りゃ八千円も一万円にもなるんだと。こういうことを聞きまして、私それ以上のことは申さなかったわけでございますが、いまこのように、農民の心にまでペンペン草がはえつつあるこの現状を、われわれ自然科学の中におる者も、政治の中にいらっしゃる方々も、行政の中にいらっしゃる方々も深く考える必要があるんじゃないかと、私、考えたわけでございます。私も先ほど申しましたように、自然科学者の端くれに位置する獣医師として本来の農業の姿から遠ざかることに力をかしてきた過去の姿勢、私ども含めまして、深い反省と決意に迫られたわけでございます。これは政治、行政の場に位置する人たちにも言えるのではないかと考えるわけでございます。  現在、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案が今国会に上程されていることに、私は深い意義と賛意を感じるものではございますが、この法律成立の意義は安全性の確立が目的であり、その実効を上げ得るものでなくてはならないはずでございます。そして、究極は国民の不信感を一掃して安心して消費者に提供できる畜産物を生産するための手だてとともに、これが国民の健康を守るために効を上げ得る法律でなくてはならないと思います。この基本的な観点から次の意見を開陳いたしたいと思います。  まず一番初めに、一昨年飼料の原料表示が実現いたしましたが、これと並んで配合割合の表示を実現していただきたい。これはいま多くの畜産農家の願いであろうと思うわけでございます。飼料は形を形えた食品であるという原則を踏まえて、食品並みの概念をもって処すべきであろうと考えるわけでございます。現在、飼料メーカーはその配合率の確立のために相当の経費を使って企業努力をしておられることは否定はいたしませんが、それを主原料の配合割合まで秘密にするのは企業のエゴイズムではないかと考えるわけでございます。少なくともこの主原料の多い順番から表示する、現在食品にあるようなことならばすぐに取り組める問題ではないかと考えるわけでございます。現在配合割合の基礎というのは世界共通のものとして学問的な飼料計算によってなされておる。これが公開できないというのは企業そのものに何かがあるんじゃないかというようにわれわれも考えますが、国民自身も不信の念を抱くんじゃないか。そういう意味においても、こういう配合割合はできるだけ早く実現できる方向づけをしていただきたいとお願いするわけでございます。  二番目に、現在の農家は畜産を経営する上におきまして、物事を考えるというか、経営上の思考力を必要としない機構の中に、その歯車的存在でしかないわけでございます。しかし、今日のような飼料高になりますと、農民は好むと好まざるとにかかわらず考えざるを得なくなってきた。このことは失政――飼料高が生んだただ一つのメリットであろうと考えるわけであります。そして、農民はいま飼料の単品購入、自家配合を望んでおります。農林省はこの現実を厳しく受けとめ、これを助成せしめるよう関税面等の考慮等を前向きに処していただきたいと考えるわけでございます。  三番目に、厚生省は昨年AF2の使用禁止を打ち出されました。ところが家畜用配合飼料にはこれと同様のニトロフラン誘導体の薬剤がいまもなお大量に使われております。これにつきましてもいろいろのことが言われるわけでございますが、先般来、きょう、政府委員の方でいらっしゃっております流通飼料課長さんと、私NHKテレビで対談したときに-流通飼料課長は、ニトロフフン誘導体は七十二時間で家畜の体内から消失するんだから安全なんだ、このように述べておられるわけです。私も驚きましたが、きょうは高橋参考人もいらっしゃっておられまして、例の郡司裁判のときの意見書等ございまして、私もその面からいろいろ勉強さしていただいたわけでございますが、こほニトロフラン誘導体というのは、体内に入った場合、排せつされるものよりも別の物質に変わっているということから、これは未知の現象であるわけです。そういうものを、出てしまっているから、検出されないから安全だというような考えは、これは避けるべきじゃないかというようなことを考えるわけでございます。まあ、この問題は高橋参考人もいらっしゃいますからこの程度にいたしまして、これらの問題は、人に有害なものは家畜にも有害なんだ、畜産物を通じて人の健康を損うおそれのあるものは、食品衛生法第四条にも触れるんじゃないか、そういうことからこういうものを即時中止していただくような手だてをお願いしたいと思うわけでございます。  四番目に、乳牛に対するダイブの中毒事件の恐しさは、富山県、石川県、北海道で証明済みでございます。この件に端を発して農林省は、乳牛に対してダイブの使用を中止されましたが、ダイブは使い方によって牛の生命を奪い、また健康を損うと同時に、食肉、牛乳中に、この成分の中にありますイソブチルアルデヒドの残留する可能性はきわめて高いわけでございます。このような危険な化学飼料は、安全性の見地から速やかに使用を禁止していただきたい。このように考えるわけでございます。  五番目に、石油たん白の問題でございますが、石油たん白は、先般来消費者運動等によって一たん影をひそめたような印象を受けたわけでございますが、その後、農林省の未定稿文書等を見ますれば、石油たん白を再びSCPと名前を変えて再登場願っているとしうことが明らかであります。  いま食糧危機説は食糧の安全性無視を生んで、国民の健康を虫ばむのではないかと私ども非常に心配しているわけでございます。石油たん白は、未知の物質でありまして、われわれはもっと、千古の昔から祖先の残してくれた体験による安全性を尊重したいと思うわけでございます。また、石油資源は後三十年で底をつくと言われております。いま有限なもので国の、そして人類の未来を託す食糧としての依存は、われわれの次の世代に対しても、無責任な方策であり、罪悪であろうと考え、倫理面からも許されないと思います。また、石油たん白の生産過程に大気を汚染し、産業廃棄物として海を汚し、これが魚等のたん白源の汚染につながる、こういう面も大いに心配するわけでございます。われわれは、太陽、水、土、大気の自然エネルギーの天然のサイクルの中で従来の食糧生産をもっと真剣に考えるべきときだと考えるわけでございます。特に、農林省にお願いしておきたい。太陽エネルギーは無限である、まず食糧生産の基本理念の中に位置すべきであろうと考えるわけでございます。そのような考えから、私は石油たん白は安全性云々よりも本質的考えから飼料化また食糧化の望みをいまきっぱりと捨て去る勇気が必要であろうと考えます。  六番目に、本法律の主眼は安全性のチェックであろうと考えます。それを現在の農林省の機構、技術で対応することは私は不可能である、現在の機構で対応するということは不可能であると思います。まず本法律の実効を願うならば、まずもって安全性を確保できる機構を農林省内に設けるべきでありましょう。その機構は厚生省レベルの機構拡充を図るべきで、当面広く厚生省等の技術も導入して農林省、厚生省の共管体制をとることが現実性のある問題点であろうと考えるわけでございます。これは獣医学教育の問題等にいたしましても、いままでは四年制で、このような安全性の教育は余りなされていなかった。やはり今後はこのような年限延長を図って、獣医師に対するこのような安全性に対するウエートを高くすべきであろう。そうすれば、農林省内においての人材等も確保できるのじゃないかと考えるわけでございます。  いままで農林省初め、私ども一も含めまして、畜産農業の中に増産第一主義で、安全性に対する配慮が足らなかった。この面は深く広省するわけでございますが、現在もなお農林見の検査機関、研究機関で、安全性の基準というものに対して、何千羽の鶏、何代にわたって与えてきたが、発育、産卵率、ふ化率に異常がなかった、だから安全であるという程度のものでございます。このことは、先般来、日本獣医師会主催の有害物質対策懇談会におきまして、農林省の研究機関の、ある担当者が、番ほ質問に答えた内容でございます。私は、そんなものは安全のチェックじゃないと申し上げると、どうすっぱいいというのか、と逆に開き直られる始末であったわけであります。  私は厚生省の安全性の姿勢を肯定はいたしません。それは初めにも申し上げたとおり消費者の同意が得られない、不信を生むような過去の姿勢が余りにも多かったということから、さらに別の観点から、これは飼料の安全というものは農林省の中に置くべきであろうと考えるわけでございます。少なくとも農林省の関係者は薬と食べ物を一緒に考えないでいただきたい。これはそうじゃなしに、一般農民にも申し上げたいことであるわけですけれども、薬と食べ物は元来異質のものであるということをわれわれの基本的なものとしたいと思うわけです。こういう姿勢がありますから、頼まれもしない飼料添加物を無神経にばかばか入れている。そういうのが現状でございますが、この原点に立って安全性のチェックに謙虚に当たっていただきたいと考えるわけでございます。  七番目に、飼料添加物の規制は、畜産物の汚染を防ぐためにも、本法律の実効を上げるためにも重要でございます。そのためには本法律のみでは不完全であり、獣医師法二十二条、薬事法四十九条の歯どめ、改正を急ぐことが絶対条件であります。この獣医師法の二十二条、まあ現在、一昨年薬事法の四十九条の一項は改正されて、指示書がなければこういうものは販売できないことになったわけでございますが、獣医師法の二十二条には、「診療施設を開設した者は、その開設の日から十日以内に、当該施設の所在地を管轄する都道府県知事に省令で定める事項を届け出なければならない。」云々と、こういうことがございます。これはあくまでも届け出さえすれば企業であろうが、だから診療を業とする者であっても、薬の販売、飼料販売を業とする者であっても診療所は開設できるわけでございます。続きまして薬事法の四十九条の中には、特例事項として、こういうものは一般に与えられないという前置きがありまして、「ただし、」云々の中に「獣医師又は病院、診療所若しくは家畜診療施設の開設者に販売し、又は授与するときは、この限りでない。」と、こういう形で逃げられているわけです。だから、幾ら飼料の品質改善に対する法律を完璧にしておいても、こういうふうな法律を整備しない限りは、抜け穴というような、恐ろしい抗生物質等の添加物が幾らでも企業の手に――企業というか、こういうものの手に渡っていくんじゃないかということで、あわせてこの面の検討も国会の先生方にお願いしたい。現在、この四十九条の改正以降、農林省衛生課においても、この面はこうすれば法律に触れないんだ、というような行政指導をしておられた事実を私は知っております。その点からひとつ先生方にこの面今後の問題としてお考えいただきたいと思うんです。  八番目に、現在の家畜用飼料は銘柄数が多過ぎて、そのことが畜産農民が畜産経営上の思考力を差しはさむ余地がない。先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、現在、衆議院の附帯決議の中にもございましたように、銘柄を整理縮小していく、これはきわめて好ましいことであろうと考えるわけでございますが、私ちょっと恐れることは、これは私の危惧であればいいわけなんですけれども、零細企業とか家内工業的な製粉所の単品原料が安全性の美名のもとに締め出されやしないか。現在大企業の製粉技術には、ふすま等も、本当のふすまの皮だけになっているわけなんですけれども、一般の町工場の古い機械等では、非常にまだ小麦粉のたくさんついた非常に純良な飼料があるわけなんです。これをどうこう言うわけじゃないが、こういうふうな面にならないような方策をお考え願いたいと思うわけです。  また、昨今の飼料の中には「完全配合飼料」の表示がある。「完全」という表示がございます。特にこの「完全」という表示は大手メーカーに多いわけでございますが、現在、あらゆる条件下に飼育される家畜に与えるえさが完全だということはあり得ないわけでございます。こういう面は飼料の消費者である農民を惑わすものであると同時に、メーカーの真の飼料に対する認識不足によるものではないかと思いますので、完全という表示はやめさせていただきたい。先般来も私、飼料の学術の関係の人を問い詰めると、これは国が認めているじゃないか、という形で逃げておりました。このことを申し添えておきます。  九番目に、安全性に関するデータは常に国民に公開するようにしていただきたいと考えるわけでございます。  十番目に、現在の養殖魚に用いられております添加物については、速やかに薬事法の枠内で規制するとともに、養魚飼料原料においても明確にするよう善処していただきたいと考えるわけでございます。  十一番目でございますが、規制家畜の範囲が非常に不明確である。どの辺までの規制にするのかという面がありますが、本法律の二条で家畜とは「家畜、家きんその他の動物で政令で定めるものをいう」となっておるわけでございます。私は、当然獣医師法十七条で言う家畜、これに魚類を書くべきじゃないかと考えるわけでございます。私どもは別にかねてより、全日本小動物臨床獣医師協議会、これは全小協と申しますが、これを組織して、一昨年より担当課並びに公正取引委員会にも申し出ておりますが、ペットフード、つまり犬、ネコの飼料の品質に大きな疑義を持っております。これは非常に盲点であるわけでございますが、きわめて品質の悪いものが横行しておりますが、いままで担当課である流通飼料課も積極的に取り組んでおられなかったようでございます。これが盲点となってペットフードの野放し現象がある。ペット飼育者の不満、不信ともなっている。この面の運用も十分に考えていただきたいと存じます。  最後に特に申し上げたいことは、食糧不足、食糧危機、即化学工業化で対応しようとする最近の考えは、これは詭弁であって、自然科学を生かさない限りわれわれ生き残ることのできないわれわれの人類の生命を、本末転倒することでございます。また、これを忘れて企業に利用される学者、行政者のいかに多いことか。いまわれわれはすべての者が結集して、人類福祉のための原点に返る勇気を迫られていると考えるわけであります。日本の農業を根本的に立て直し、農民が食糧生産者としての誇りを持つ農政確立が必要であります。このことが私たちの子孫に対する責任でもありましょう。本法律の実効が上がる処置を国政に当たられる先生方にお願いして、私の意見開陳を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  6. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ありがとうございました。  次に、高橋参考人にお願いいたします。高橋参考人。
  7. 高橋晄正

    ○参考人(高橋晄正君) 私は、東大病院の内科で診療しております臨床医でありますが、いろいろなデータの解析に役に立ちます推測統計学、推しはかる統計学ですが、こういうことを勉強したものですから、その後いろいろアリナミン、グロンサン、チオクタン、アスパラというような薬品の有効性、安全性の分析をしたり、最近ではこの合成殺菌料AF2、ハム、ソーセージ、かまぼこ、はんぺん、ちくわ、豆腐等に加えられておりましたものの安全性論争のときに、郡司被告のこの鑑定証人としまして、AF2問題をまとめたこともございますし、特に最近におきましては、いろいろな病人がふえてまいりますので、私どもその原因としまして、いろいろな食品添加物にどうしても目を向けざるを得なくなってまいりまして、学校給食用のパンに加えられておりますリジンだとか、あるいはいま加えられようとしておりますところの合成人工甘味料のサッカリンの危険性とか、あるいは飼料ないしわれわれの食品として開発されようとしております石油たん白、あるいは酵母たん白といった方がいいかもしれませんけれども、そういうものの分析もいたしております。  本日は、五、六項目について基本的な問題を申し上げてみたいと思いますが、私ども食べる側ないしは実際に被害者が出ましてから診療する側の立場から見まして、この食べ物の体系、食の体系というものの安全性ということはいかにして保障されているのかということを、まず考えてみたいと思います。これは第一には、長い間の歴史の中でやはり絶えざる失敗を重ねながら、毒草、毒魚に無数にやられた未開人の犠牲の上に、私たちが経験的に選択してきたものが、食の体系であるということが言えるだろうと思います。ですから、第一が選択原理である。第二がその間にいろいろな酵素が胃、消化管あるいは肝臓等にできてまいりまして、現在、約百種類のこの酵素の体系が人体内にできておりまして、そこを通る間にわれわれの体になじむものにすっかり分解される、分解された上で血液の中に入るという、この酵素による適応現象と、この二つによって歴史的に形成されたものが食の安全性であるだろうと思います。  ところが、それじゃ公害に強くなり得るかということでありますが、一つの酵素がわれわれの体内で固定されますのは約一千年かかるといわれておりますが、これはルネ・デュボスというアメリカの生物学者の言でありますけれども、そういうことを考えますというと、なかなか公害には強くなり得ないというふうに考えるべきだと思います。そこで、この食べ物は毎日のように食べていても七、八十歳まで生きるのに十分でありますけれども、薬は本質的に食べ物とは違って毒であると。薬は本質的に毒であるということはどうしてなのかと言いますと、薬というのは肝臓で完全に無毒に分解されるものでない。完全に分解されてしまいますものであるならば、たとえばペニシリンを飲んで肺炎菌にくっつけようとしましても、肝臓で完全に分解されましたからには、これはもう肺炎菌にくっついても役に立たないわけでございまして、不完全分解ないしはあるいは肝臓で活性化されまして血液の中に入るがゆえに、われわれは肝炎菌を殺すことができるわけです。しかしその場合に、ペニシリンはこれはカビがつくった毒素でありますので、これは体じゅう回ります間に、肝臓とか膵臓その他あるいは骨髄、賢臓と、こういういろいろなところに化学反応、それとちょうど合います化学的に対応しますところで化学反応を起こしましてまいりますので、薬物というものは一般的に血液の中に入ってしまったら多面作用を持っておると。その中の、こちらの目的としました肺炎菌にくっついてくれというのが主作用でありますけれども、それ以外は全部副作用でありますが、副作用はわれわれの主目的以外のところの臓器にとっては要らない害作用となりますので、結局、害作用のない薬はないということになってしまうわけです。したがいまして、私ども食品添加物に関しましてはかなり厳重な安全性試験をやらなきゃいけないし、あるいは基本的に安全な食品添加物というものはあり得るだろうかどうかということに関しまして、基本的には疑問を持っておりますが、これは一つ一つ確認していかなきゃならないわけであります。これが第一の食体系の安全性に関する一般的な問題であります。  二番目に、現在、いま日本人に何が起こっているかといいますと、これは先般国立がんセンターの平山雄疫学部長及び国立公衆衛生院の木村部長がまとめられましたことでありますが、昭和二十五年以後の届け出られました死産――二十五年から死産は届け出しなければならなくなっております、四カ月以後の死産でございますか。その分析をしてみますというと、二十五年から三十年に向けましては奇形、死産の中の奇形が下がってきておりますけれども、三十年、つまり高度成長が始まりましてからまっしぐらにふえてまいりまして、その当時は三百名に一分の奇形でございましたが、その奇形の種類は脳のない子供だとか、背骨の割れた子供だとか、指の数の足りない子供、くっついた子供、これはざらにありますけれども、無脳児などというような子供がたくさん出てきておりますけれども、それは三百人に一人でありましたけれども、現時点におきましては五十人に一人、二・〇二%となっております。さらに奇形はまだ四カ月ごろにははっきりわからない場合もありますので、八カ月以後の後期死産の例を見てみますというと、これは昭和三十年当時でも二・八%ほどで、つまり三十人に一人ぐらいの割合でございましたけれども、現在では九・八%。約十人に一人がそういう奇形児であるという状況が起こってきております。もちろんこれは死産児におきます奇形の発生状況が、直ちに現在生存しております子供たちの奇形率を示すものとは考えられませんけれども、しかし、あちらこちらで散見しますところによりますというと、やはりその奇形児もどうもふえているようであると。しかし、これはなかなかプライバシーの問題もありまして、厳密な調査は現在のところ不可能であります。こういう事実がありますが、ちょうどそういう日本の死産届けの中の奇形児が急増しました時期が、アリナミンというこれも奇形児をつくる薬でありますけれども、これができました二十九年、あるいは農薬のパラチオンが採用されました昭和二十九年、あるいはAF2という合成殺菌料の前身であるZフラン、これが採用されました二十九年、あるいは中性洗剤が日本に入ってまいりまして大量に消費されました昭和三十一年、その前後からまっしぐらにこの奇形児のカーブが上昇してきておりますので、これははなはだ気持ちの悪いことでございますが、これがさらにこの延長上に、二十一世紀の入口でどのくらいになるかといいますと、これは数十%に及ぶ計算になるわけであります。この事実がありますので私ども工場排水、あるいは動物の屎尿中に出てくるいろいろな廃棄化学物質がまた自然界に廃棄されて流れてくる、また食べ物の中に入ってくるというこの自然の循環を考えますときに、自然界を自然分解しない化学物質で汚染しないように、厳重に注意しなきゃならないというふうに考えております。  三番目に、私たちにとりまして、この家畜の飼料の中にいろいろなものが加えられますということは、実は愛玩動物としての動物を見る立場も必要でありましょうけれども、私たちは食べ物としてその肉を見る、食肉、食料としてそれを見るわけでありますが、いろいろな薬品づけで飼育されました肉を今後永久に食べていて大丈夫なのかということを非常に心配するわけでございます。この問題を、今度の法律によりますというと、農林省で全部保証してくれるということでありますけれども、人間に対する安全性をどうして農林省で保証可能であるのかということを種々疑問に思うわけでありますが、もちろん、厚生省そのものも――私ども、いままでやってきました薬物ないしは人工添加物から見まして、厚生省そのものも全面的に信頼できるというわけではございませんけれども、私たち、厚生省ですとまだ若干手が届きますけれども、農林省となってしまいますと全然手が届かないので、やはり、われわれが食べるものは私たちも発言できるような形で、農林省段階でまず一段階やりましたら、そうやってその次にもう一遍、厚生省段階でチェックできるようにぜひしていただきたい、二重チェックが必要じゃなかろうかというふうに考えるわけです。これはいろいろな書類を見てみましても、食肉としての食べ物を、肉食動物について慢性実験をやるべきであるということがどこにも書いてないのでありますけれども、この食肉を食べて大丈夫だということであるならば、それはネコでもいいし、犬でも構いませんから、そういうのを一生にわたるぐらい食べさして、そして安全であるということの保証をしてもらわなきゃいけないというふうに考えるわけです。それから、特に最近抗生物質が盛んに使われているようでありますけれども、これはアレルギーのもとになりはしないのか。人間にアレルギー現象を起こします抗生物質の量はきわめて少量でも起こし得ますので、そういう現象がないのかどうかということに関するチェックをすべきであるという規定が、どこにもないということで、いま、文明が進むにつれましてアレルギー体質がどんどんふえてきておりますけれども、こういうことを助長しないようにしなければいけないというようなことを考えております。大体、食品添加物の安全性につきましては一九五七年にWHO、FAOの基準がございまして、慢性毒性実験、つまり、その種族におきましての一生を、ネズミですと約二年間食べ続けさせまして、それで何ら、どの臓器にも、あるいは体重その他につきましても何ら影響の認められないという量を、これを無作用量と言いまして、さらにそれの数百分の一を添加することを認めるというのがWHO、FAOの基準でございますが、これはなぜ数百分の一にするかと言いますというと、動物と人間との間の種族差、これが約十倍程度のものが多いものですから、十倍と。それから人間の中での個人差、これが十倍ないし数十倍ということで、数百倍の安全率を見ておかないと、一番弱い人間をも保護することができないと。これがWHO、FAOで採用しました食品添加物に対する安全基準でございますが、こういうことをやはり食肉に関してもやるべきではないかというふうに考えるわけです。  四番目に、私ども心配なのは、現在、自然界の汚染ということが盛んに言われておりますけれども、相当大量の添加物が人間の食べるものにも使われておりますし、家畜にも使われておりますが、そういったものによるところの自然界の汚染に関する推測が一体行われているだろうかどうかと。家畜の屎尿の中にいろいろな化学物質が一杯入れられておるようでありますけれども、そういったものが流れていって、河川・海洋の汚染、それがさらに生物の中にまた濃縮されまして、海藻だとかあるいは海産物、エビ、カニの仲間から貝の仲間から魚の方に入って、そこでどんどん濃縮される現象がございまして、たれ流しにしたものがだんだん薄まっていくということがどうも生物と無生物とが共存する系にはないようでありまして、生物濃縮という現象がございまして、そういうことのために極度に濃縮されました毒物が再びわれわれの食べ物として戻ってくるという危険性はないのかと。この点のどうも十分なチェックがされていないようでありますが、これは日本で生産しますところのそういった添加物の総量というものの中で、われわれの体に残るものが若干ありましょうけれども、排泄されるものの総量を考えてみますならば、これは大変なことではなかろうかというふうに思うわけです。  それから五番目に、いま、いろいろな大臣の諮問機関の審議会が一切公開されておりませんし、いよいよこれが実施されましてから、私どもその科学的根拠を知りたいと思って、主として厚生省ですが、参りましても、それは企業秘密であると言って一切、いかなる根拠に基づいて許可したかということを明らかにしてくれない。こういう問題がありますので、私自身も科学者のはしくれでありますけれども、にもかかわらず、自分が食べるもの、あるいは患者たちが食べておるものの安全性に関して科学的な確信を持ったことができないということがございます。スエーデンにおきましては、審議会そのものは公開されてないのでありますけれども、それが実施された後では審議記録は全面公開されていると。だれでも行って見ることができるというふうに聞いておりますので、今後の科学行政につきましてはぜひそういうことをやっていただきたい。  最後に、農林省の研究能力が果たして大丈夫だろうかということにつきまして若干疑念がございますが、これは、お手元にございますところの二枚の紙がございますか、農林省石油たん白――酵母をノルマルパラフィンの中で培養しましてつくったたん白質を、鶏に食べさした実験でございまして、これは農林省の畜産試験場の吉田さんという人がいろいろ解析されたんですけれども、吉田さんは、六編の論文の最終結論としまして、これは、五代目まで鶏を飼いまして、これは全国の畜産試験場でやったんでありましょうけれども、何ら毒物は認められないというふうに結論をしております。しかし、私どもが分析しましたところによりますと、明らかに体重の増加が普通食を食べさしたものよりも悪い、飼料の摂取量が低い、性の成熟期に到達するのが遅い、それから産卵率が低い、卵一個生産するのに飼料をよけい食べる。それから、その他必須アミノ酸の含有量が低い、などというようなことが、重大な事実が出ております。  その具体的な例は二枚目の図表で、プラス・マイナスを書いたものがございますが、これは下の段からごらんいただきますと、下の段の一代目、二代目、三代目、四代目、五代目と書いてありますのは、四週目、十二週目、二十週目、普通食群、対象群と比較しまして体重が減少しているものをマイナスとしてあります。体重がふえておるものをプラスとしてあります。そうすると、一代目、二代目、三代目、四代目、五代目まで、四週、十二週、二十週の全体を通じまして大半のものが体重減少を呈しておるということがはっきり出ております。それからさらに、表の一番上のところをごらんいただきますというと、五〇%産卵、つまり、卵を全部産み切るまでのちょうど真ん中辺に到達する日数が、マイナスと書いてあるのは延びる、プラスの方が早く産むと、こういうことでありますが、これは二十一対五。これは大ざっぱな考えですが、二十一対五で遅く卵を産む、ゆっくり産むと。それから卵一個産むのに飼料をどのくらいとるかと言いますと、これは二十一対九でよけい食べるということです。はなはだ好ましくない。それから産卵率、これは鶏一羽当たりの産卵個数を見てみますというと十対二十で少なくなる。これはどういうことであるのかと見てみますというと、どうも甲状腺の機能低下が起こっておるようであります。したがって、これはえさをよけい食べなくても大体、体重はふえていきますけれども、それでも、食べ方が悪いために体重は全体として減っているということであります。これは、ほかの石油たん白――厚生省のデータあるいはイギリス石油のデータを見ましても全部共通に出ておりまして、共通の毒素が存在する。しかも、それは体重減少は何のせいかわかりませんけれども、甲状腺の機能低下が存在すると。つまり、粘液水腫とわれわれが言っております体がむくんで、鈍くなってという、新陳代謝が低下するという、そういう状態でこれが生きているということが出ておりますが、そういう肉を食っていて大丈夫なのかということをわれわれは心配いたすわけでありますが、これが完全に見逃がされております。ところが、それが大丈夫であるというデータが出ておるわけでございますが、こういうことであって、果たして農林省の研究能力を信用していいのかどうかということが大きな問題だろうと思います。  もう一つは、こちらに「薬のひろば」という雑誌がありますが、これは私どもの「薬を監視する国民運動の会」の機関誌でございますが、これの四十八ページ、「畜産食品中の抗生物質〃ゼロ化吉田理論〃の批判」、これは日本科学技術者連盟というところで吉田さんを招いて勉強をしたときの話を聞いて、大変これは危ないことだなと思ったんでありますが、たとえば飼料添加物を与えましても、五日目以後ならば、その肉の中には添加物は入ってないということを理論的裏づけをしようとしたのでありますけれども、なくなっているということはどういうふうにこの吉田さんは考えているかといいますというと、その次のページの五十ページの下の欄の終わりの方に書いてありますが、つまり検出できなくなった段階でそれはなしと考えている。つまり〇・五ppmという、われわれから考えますというと、かなり多いと思われるところ、それ以下になりますというと、ばい菌の発育阻止という形では抗生物質は検出できなくなりますが、それでもうないものというふうに決めていますけれども、これでは不十分である。ゼロと、検出不能ということでは違うと。しかもこれはばい菌の培養阻止ということで見ているわけでありますが、それから二番目に、それにもかかわらず、そこで得られました卵なり肉なりを長くほかの動物に食べさせた場合、安全かどうかということの、ごく微量に残ったものの安全性試験がやられていない。これが第二の批判であります。それから三番目に、私たち心配なのは、私は物療内科というところでアレルギーのことをやっていますが、この微量の抗生物質を使いましたが、微量に残っている可能性のあるものを食べた場合に、アレルギー患者がふえてこないだろうかどうか。こういうことのチェックが全然されないで、四日間とめて、五日目以後は大丈夫であるというふうに、きわめて大ざっぱな理論をつくっておりますけれども、私どもは、AF問題のときに、ニトロフラン加合物を飼料からはずしてくれと言ったとき、農林省の方々が五日以後使わせないようにすれば大丈夫であると、この理論はちゃんとあると。それがどうもこの理論だったわけですが、この程度の理論でありましたらきわめて危険であるということでございます。  それから最後に石油たん白ですが、「たん白質油脂資源の開発利用について」という農林大臣官房企画室で四十九年七月に出した文書がございますが、この中で見ますと、これは慢性毒性試験は三カ月以上というふうに規定してあります。これはきわめてお粗末でありまして、いまわれわれ人間の飲食に供しますところの食品添加物に関しましては、先ほど申しましたように、WHO、FAOの基準に従いまして、その動物の一生にわたる期間、つまりネズミなら二年以上というふうに規定されておりますけれども、農林省の規定では三カ月以上ですから、三カ月半ぐらいでもいいわけでありますが、これで慢性毒性試験が済んだというふうに言われましては、見逃しをする危険性がある。こういう点で、いろいろ農林省のこういう点での中心になると思われる若い科学者の能力、それからいろいろな行政上の規定の緩さという点から考えまして、これはどうも厚生省よりもはるかに危険じゃないかというふうに私どもは思いますので、ぜひとも、私どもがもう少し発言可能であるような、厚生省でのダブルチェックというシステムを採用していただきたい。  以上、私の考えを申し上げまして御参考に供します。
  8. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ありがとうございました。  次に河田参考人にお願いいたします。河田参考人。
  9. 河田四郎

    ○参考人(河田四郎君) ただいま御指名いただきました河田であります。  それでは組合の組織から簡単に御説明いたします。  まず協同組合日本飼料工業会の組織と運営について申し上げます。  本会の組合員は七十四企業百四十九工場で昭和四十九年度においては、九百七十万トンの配合飼料を製造をいたしております。  運営に当たりましては、各地区から選出された理事と委員で、理事会と委員会を設置いたしまして、議題に応じ検討、協議を行いまして、配合飼料産業の健全なる発展を図っております。  組合員の使用する原料につきましては、輸入割り当て原料、たとえば脱脂粉乳、関税割り当て原料、たとえば輸入魚粉の原料は本会で共同買い付けを行い、政府操作飼料につきましては、組合員の希望する数量の買い付けを行ない、輸入自由化品目のトウモロコシを初めとする原料等はそれぞれの組合員が各企業ごとに買い付けをいたしております。また、製品の銘柄、配合内容等についても、飼料の品質改善に関する法律を基本として、農林省の行政指導を遵守し、各企業別にそれぞれの企業が研究努力を基礎として、製造販売をいたしております。  次に、飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の審議に当りまして、見解を申し上げます。  改正案は飼料の安全性の確立と品質のより一層の改善向上を目的としており、特に畜産物と飼料及び飼料添加物が原因となりまして、人体あるいは人間の健康を損なうおそれのあるものの生産防止または禁止をいたすことは、食品の安全性の観点から時宜を得たものと存じ、法の速やかな施行が望まれます。  御高承のとおり、配合飼料は昭和の初期に始まり、長い歴史の間に飼料製造業者と畜産農民との相互信頼の上に立ち、農林省の行政指導による検査等をあわせて今日の生産拡大を見てまいった次第であります。  配合飼料の基本は原料手当、製造技術、給与であり、他の単一商品とは異なるいろいろの特殊性がありまするが、特に原料は農産物、水産物等の天然の産物を使用いたしております関係上、気象条件等により豊作、凶作等が常に価格、品質に大きく関連をいたします。製造業者としては良質の原料による高栄養成分のものを廉価に提供する姿勢を堅持し、よって畜産農家の安定的経営に寄与してまいった次第であります。  配合飼料は、国民所得の向上に伴いまして、食生活改善による畜産物摂取が高まり、畜産農家の飼養する家畜頭羽数が増加いたしますとともに飼料の需要は年々加速度に増高してまいりました。最近では配合飼料の生産量は年間千七百万トンを超える数量に達しております。その間飼料業界は畜産農家とともに畜産経営に当っての家畜の品種改良、肥育畜舎の環境改善、飼料品質の向上、飼料の流通経費の軽減等につきまして、先進諸外国の例も取り入れ、あらゆる合理化を図ってまいりました。このことは畜産物が過去諸物価の上昇に追随しない価格傾向を示したことを見ても判断できる次第であります。  しかし、近年配合飼料の主な原料供給先であるアメリカ合衆国を初めとする需要国を含めた国々の天候異変に基づく、穀類の収穫減収及び食糧としての需要増、さらにソビエト連邦等の大量買い付け等が重なり、飼料穀物の需給に不安定な様相を示しましたため、著しい価格の高騰を招来いたしました。  このことは、配合飼料価格の数次にわたる値上がりにつながり、折からの経済動向による消費減退と相まって、畜産経営上支障を来す問題が惹起した次第であります。その際は諸先生方の深い御理解と農林省御当局の行政指導によりまして、畜産農家救済のため配合飼料価格安定特別基金制度の発足を見ましたことは、心より感謝申し上げる次第であります。  配合飼料の原料は、御高承のとおり、大部分を海外からの供給に依存しております関係上、輸出国の穀物生産の動向が輸入する量及び価格に反映され、直接畜産経営に影響を及ぼすわけであります。  飼料業界としては、畜産農家に配合飼料を安定的に供給できる企業努力として、輸入先国の多元化、穀類の品目別使用の多様化、さらにまた、輸出国における予測できる短期的な争議行為等に対応するための事前の買い付け対策等によりまして、異常事態の回避に努力を行っておる次第でございます。  最近世論としての飼料穀物の備蓄問題は、目的としては、有意義と存じますが、実施に当たりましての問題点は、収容する穀物サイロの不足及び備蓄穀物の買い入れ代金と諸経費の増高等が考えられ、これに要する費用は莫大なものとなりますので、特別なる御配慮を期待するものであります。  配合飼料の製造は関税定率法で定められました配合飼料の規格に基づき、その上にまた農林省で定められた現行の飼料の品質改善法の公定規格に基づきまして製造しており、畜種別に適切なる栄養成分を含有したものであります。また使用原料はそれぞれ原料別に海外相場を十分勘案し、買い付けたものであり、買い付けした原料は同一品目であっても、産地、銘柄、等級により成分を異にいたしており、均一化された成分となっておりません。したがいまして入港時に見本の採取を行い分析結果によりまして、最も適切なる原料を選択使用するわけであります。  配合飼料を畜産農家が家畜家禽に給与する場合、その必要な給与量は、TDN、DCPあるいは燐、カルシウムのバランス等の栄養成分を考慮して、設定するのが普通であります。農林省も家畜飼養標準をもとに行政指導をいたしております。したがいまして、栄養成分量の表示で家畜飼養上の支障を来さないものと判断されます。また各企業においては、銘柄別の栄養成分量を達成するための原料の組み合わせは試験研究の成果であり、かつ製品の特徴となっております。製品製造のための原料割合を公開しますと、企業の意欲と経営の存続にも大きな影響を及ぼすわけであります。また、われわれの調査したところでは、国内での、他食品業界及び諸外国においても、原料割合を公表されている例は見ません。したがいまして配合飼料の表示は、改正法第八条に定められた栄養成分量と特定原料の表示で家畜飼養上支障ないと判断をいたします。  一方、畜産経営の動向は、急激な経済の発展に伴い畜産用地の取得難、または環境汚染問題等が深刻化しつつありますが、飼養形態の多頭化、集団化により、できるだけ経営のコストダウンを図っておる次第であります。  飼料業界はこの趨勢に対応するために試験研究を重ね農林省の指導のもとに、より一層品質の改善向上に努力をしておる次第であります。  この目的のため本会組合員は家畜家禽、養魚の飼養実験を含めた試験研究所五十カ所また、工場ごとに試験分析室を設け、飼料製造責任者、品質管理責任者等をそれぞれ専門分野での技術者八百五十名を配置して、原料及び製品の成分、安全性等の検査を実施いたしております。  問題となっております抗生物質、フラゾリドン等の添加物は、現行では農林省の行政指導に従い、主として幼動物のみに使用いたしており、人間の食用に供する卵、牛乳、牛肉を生産する採卵鶏用、乳牛用、肉牛用には使用しておりません。肉豚用につきましても、ごく一部を除き使用いたしておりません。その上にさらに安全性を確保するため休薬飼料を製造しております。また、ホルモン剤は一切使用いたしておりません。  今後改正案第二条の三で定める農業資材審議会の意見を聞いて、指定されるもの及び第二条の二で成分規格を定めてありますので、安全性は確立されるものと存じます。衆議院において、本法改正案の審議に当り、飼料添加物、抗生物質の使用、または原料確保と安定供給、さらに表示問題等について慎重に討議されましたことを聞き及んでおります。本院においても、細部にわたる御検討を賜り、法成立後は本法の趣旨を十分理解し、遵守して行きたいと存じます。  以上の見解を申し述べ、今後とも畜産物が国民の食糧としての需要を十分満たすことができますよう適切なる御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
  10. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) どうもありがとうございました。  それでは質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 青井政美

    ○青井政美君 私は、高橋参考人に対し、第一にお尋ねをいたしたいと思うのでございます。  御承知のように、わが国の畜産物は、その生産と経済性とそうして安全性の確保を両立させることは非常に重要な課題であると思うのでございますが、先生のお話をお伺いをいたしておりますと、この問題を進めてまいります中で、世界的に使用をされておる有用な添加物の使用もやらぬがよかろうというふうに受け取れるのでございます。そのような状況を考えてみますときには、将来の日本の畜産物の生産性というものは非常に低下をいたします。また、わが国の動物たん白食糧資源というものを確保するということにも非常に大きな困難性が出てくるのじゃないかというふうに思うのでございますが、この点についての御意見をお伺いいたしたい。
  12. 高橋晄正

    ○参考人(高橋晄正君) 世界じゅうで使っておるものでも、やがて科学の進歩によって、それが批判されて消えていくというのは、薬の世界ではもう決してまれじゃございません。食品添加物につきましても、発色剤として使われています亜硝酸が、これは魚の若干変敗したものの中にある二級アミンと一緒になってニトロソアミンという、先ほどの図表にも出てまいりましたが、発がん物質であるということがわかって、これがかなりやめられてきているという事実もございますので、人類がある時期に、科学の進歩に大きく依存する余り、いろいろ自然界ないしは生物体内を汚染した事実があっても、やはりそれの危険性が指摘されたならば、逐次それを排除していかなければならないだろう。しかしながら同時に、これは、生産量の低下ということを、そのままですと当然招来いたしますので、やっぱり品種の改善、収量は悪くても病気に強い品種にかえていくとか、あるいはいろいろ、われわれの食生活を変えていくとかということで耐えなければ、このままではやはり人類が徐々に滅亡していく方向に行くんじゃないか。それから、たっぷり食べて短く生きるか、少ししか食べられない肉よりは、植物性たん白の方がおいしくないだろうと思いますけれども、おいしくなくても、末永く生きるか、そういう選択が、いま問われてきているのではないかというふうに考えます。
  13. 青井政美

    ○青井政美君 栗飯原参考人さんにお尋ねいたしたいんですが、ただいま高橋参考人にお尋ねしました問題についての御見解を伺いたいと思います。
  14. 粟飯原景昭

    ○参考人(粟飯原景昭君) 大変むずかしい御質問かと思います。高橋先生の先ほどの御参考意見、またいまのお答え、もっともな点が非常に多いと思います。ただ、問題は、いま世界で問題になっておりますのは、それをどう調和させようかという問題が世界じゅうの問題になっております。で、たとえば亜硝酸にしても、ある場合にはどうしても使わなければならない部分が、残る部分がある。それは本当にそれを残さなくちゃいけないのかどうかというふうな問題、あるいは先ほどのアフラトキシンをお回しいたしましたけれども、あのようなアフラトキシンというものが、主要穀類、特に主生産地帯であります南北米大陸でございますね、に広くその生産品が分布し、またアフラトキシソの汚染が非常に多いという事実があるわけであります。アメリカ政府は、一九六四年からこの問題を非常に重視いたしまして、毎年二十億円以上の研究費をそれに投入して研究を続けてきているわけであります。で、最近、マサチューセッツ工科大学のウォーガンというこのアフラトキシンの権威者が研究を発表いたしまして、先ほど私が表でお示しいたしましたよりもさらに十五分の一ぐらいの量でも、実験動物の約二〇%が発がんするという事実を突きとめたわけであります。その報告は、昨年の十月号と申しますか「フード・アンド・コスメティック・トキシコロジー」という本に、昨年の暮れの本に掲載されまして、要するに、一ppbという量でもそのアフラトキシンは発がんするということを指摘したわけであります。もちろんそれは、一〇〇%の発がんではございません。ということは、これはいろんな議論、専門家の間でもいろんな議論があると思いますけれども、量によってやはりある病気というものが左右されるということを示されている一つの例だと思いますけれども、その中でウォーガン教授はこういうことを書いているわけであります。普通の科学論文としては珍しい報告だと思いますけれども、最後の方で、われわれはいまアフラトキシンが大変強力な発がん物質であるという事実を、そういう自然界の事実と直面してしまったと。この自然界の現象というものを避けて通ることはできない。われわれが食べようとしている穀類というものはもうそういうふうな汚染を受けている。そのときにわれわれはそのリスタ――彼はこういう言葉を使っています。リスク・ベネフィット・コンセプトという言葉を使っておりまして、要するにそれを食べるということによって得られる栄養学的な重要さと、それを食べたそのものを、そういう汚染物質を含んでいるものを食べることによって起こされるであろう障害とを調和させること。高橋先生のお言葉を拝借すれば選択ですね、そういう選択のときにわれわれは直面しているということを申しております。  で、そういうふうな選択を一般の、たとえば私自身がたとえば航空機のこととか、そのほかのことで全くわかりませんように、たとえば食べ物の、あるいは飼料の安全性の評価ということは一般の人にはわからないので、いろんなそれにかかわり合いのある人たち、特に化学者の責任は非常に重いと。で、高橋先生が指摘されますような、そういうふうな御意見を持っている方、あるいは先ほど高橋先生の参考意見の中に出てまいりました吉田さんのような実験、あるいは私どものやっておりますアフラトキシンのような研究、そういうふうなすべての人々の衆知、特に化学者がそういうことに前向きでいろんな角度からいろんな意見を出し合って、そしてその実験的事実を一つ一つ積み上げていくことのみがこの問題を解決していく唯一の方法だろう。そのためには、実は私は安全性というものは大変お金のかかることだと思います。で、お金がかかっても私は将来の国民のためにやらなければならないし、そのために先生方に特にお願いしたいのは、そういうふうなところへお金をつぎ込むような施策というものを選んでいただきたい。そういうことが私ども化学者がみんなでそのことにまた一生懸命やって責任を果たしていくことになると思います。
  15. 青井政美

    ○青井政美君 高橋参考人さんにお尋ねします。高橋先生は石油たん白の問題について非常に御造詣が深く、またヨーロッパの御事情等につきましても御調査されたというふうに伺っておるのでございますが、諸外国での動向がどのようになっておるのか、また先生の御見解を伺いたいと思います。
  16. 高橋晄正

    ○参考人(高橋晄正君) 私が石油たん白の飼料について調べましたのは、厚生省で審議しました大日本インキ、鐘淵化学の約一千ページにわたるデータと、それから農林省のこの吉田さんのまとめたのと、それからイギリスのブリティッシュペトロウリアムス――英国石油のこのチータの三つでございますが、この三社に共通に認められますのは、やはりこの対照群と比べて確実に体重が少ないということですね。体重が少ないのは何のせいかこれはわかりませんけれども、私ども子供を見てます場合に、体重がちっともふえないというときに、どこか悪いじゃないかということを考えるわけですけれども、そういう一般的な好ましくない徴候が共通に存在する。それから、先ほど申しました下がくの甲状腺が張れてまいりますけれども、これは機能低下であると。それから産卵率なんかが若干悪いという問題がありますが、日本のこの厚生省データだけで奇形が出ておりますけれども、ほかの方は奇形が出ないという報告になっておりますが、ただし農林省データでは死ごもり卵と言うんだそうですが、かえらなかった卵を解剖しておりませんので、それがどうだったかはわからない。  イギリスのデータで非常に貴重なのは臨床検査と同じように、私たちが患者さんを病院で診ると同しように、血液の分析を非常に丹念にやっておりますので、それで見ますというと、血液が非常に濃くなってくる、これはやはり皮下にむくみが起こっていくせいだろうと思いますが、そういうことが血液学的検査でわかっております。それからもう一つは、われわれが肝臓が悪いときよく血液の中に酵素がこう、トランスアミナーゼというのがふえてまいりますが、やっぱりそういう現象がある。これは肝臓障害の徴候である可能性もあると。それから、もう一つの酵素ですね、アルカリフォスファターゼという、これがやっぱりこうふえてまいりますが、これも可能性は二つありまして、やっぱり肝臓の障害で、細胞ではなくて、胆管のところにけいれんが起こりますというと、アルカリフォスファターゼがふえますが、それであるのか、それとも骨が溶けていって燐酸やカルシウムがどんどん出ていく場合にこの酵素が働きますので、そういうようなことが考えられるデータが得られております。それからさらに、尿素が血中にふえてまいりますので、どうも石油たん白というのは、アミノ酸結合状況か何かが変わっていて、アミノ基をちょん切って捨てなきゃならない、利用しにくいたん白質じゃなかろうかなと思われるような徴候がございます。  しかし、イギリスでは、現在飼料としまして発売しておりまして、数代にわたってやっておるけれども心配ないと言っておりますけれども、その詳しいデータを、非常に大版の、厚さ五センチぐらいの資料集見せて説明されましたけれども、それをくれないかなと申しましたら、日本政府に渡してあるので、そっちへ行って見てくれと言って、もらえなかったわけです。しかし厚生省に確かめましても、それがどこへ来ているかどうもわからないと。で、私どもそれ以上の分析はできない状態でおりますが、大体私ども勉強しましたのはそのようなところでございます。
  17. 青井政美

    ○青井政美君 粟飯原参考人にお尋ねいたしたいのでございますが、わが国における畜産物の細菌の汚染の実態がどのようになっておるのか、あるいはまた汚染の防止対策としてはどのようなことが考えられておるのか、お伺いいたしたいと思います。
  18. 粟飯原景昭

    ○参考人(粟飯原景昭君) 実は、私自身畜産物の汚染調査はいたしておりませんので、私自身の経験をお話しすることはできないわけでございます。  ただし、一般的に一般論を申し上げますと、先ほども申し上げましたように、サルモネラの汚染ということは、これは日本のみならず世界的な問題としてその制御ということ、何とかしてそれを除こうということが問題になっております。それにはもちろん環境を、要するに飼育環境をよりよくするということが最も大事なことの一つであろうと思っております。
  19. 青井政美

    ○青井政美君 八竹参考人さんにお尋ねいたします。  先ほど来いろいろお話がございましたが、私どもが伺っておることでは、日本獣医師会の中に有害物質対策懇談会というものを設けられて、いろいろ化学物質の安全性の問題について検討をせられておるというふうに伺っておるのでございますが、ただいまのお話を伺っておると、もう結論が出ているやに伺ったわけでございますが、私どもが承知いたしておる範囲では、まだ検討の段階であって結論は出ていないというふうに伺っておるのでございますが、日本獣医師会としてニトロフラン系の薬剤の使用中止を決められたということについては、どのような経緯でそれを決められたのか、その見解を伺いたい。いわゆるニトロフラン系の薬剤の使用を禁じたということは、家畜の生産性への影響、あるいはまた畜産物の細菌汚染への影響をどのように考えておいでるか、この二つの問題をお伺いいたします。
  20. 八竹昭夫

    ○参考人(八竹昭夫君) ただいまの御質問にお答えいたします。  私は、日本獣医師会の例の有害物質懇談会の副委員長をしておりますが、いまおっしゃいましたように、この有害物質懇談会はまだ緒についたばかりで、審議の中におきましても、この有害物質懇談会をいかに進めるかという基本的な問題を見出したばかりでございます。先般来、分科会を開きまして、やっと化学合成飼料の問題の審議に入ったばかりでございまして、いまおっしゃいましたように、結論そのものは出ておりません。今後、われわれはこの問題を国民の皆様方と一緒に考えていきたいと考えているわけでございます。  で、いま日本獣医師会がこの問題をどう打ち出したかと、ニトロフラン誘導体をやめたということについての御質問でございますが、この有害物質懇談会におきましても、われわれは、有害な、また有害であるおそれのあるものを国民に与えてはならない、あくまでも利益、何というか、純良な畜産食品を提供するんだと。その考えのもとにこの委員会を運営していこう、また日本獣医師会の基本姿勢もそこにございます。  そういう観点から、ニトロフラン誘導体、こういう具体的にこの物を規制しようというような、具体的な決議、まだ、理事会とか、この有害物質懇談会としての結論はございませんが、先ほども申し上げましたような基本的な考え方、このような疑いのあるもの、特に危険であることがはっきりしたもの――この問題ははっきりしたもののうちにも入るんじゃないかと思うわけですが、こういうものは当然反対すべきであろうということで、私どもの方でやっております中部地区連合獣医師会と、ともどもに先生方に陳情申し上げたわけでございます。  以上でございます。
  21. 神沢浄

    ○神沢浄君 まず八竹参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、さきの御意見の中で、飼料添加物の規制の完全を図っていくにはこの法律だけでは十分ではない、獣医師法の二十二条、薬事法の四十九条等の検討開始が必要じゃないかと、こういう御意見だったのでありますけれども、法案に盛られておる点では、まずこの添加物については国が指定をする、それから、これを使用した飼料につきましては規格、基準を定めるというような内容にもなっているわけであります。が、そこで、いま御意見の中でもって、農家の自家配合というふうな点がこれからの方向だということを強調もなさっておったわけでありますけれども、したがって、その獣医師法二十二条、薬事法四十九条の改正を要するというふうな点については、私ども不勉強でもって、まだ非常に十分理解しにくいような点がございますので、ひとつもうちょっと詳しい御説明をいただきたいと、こう思うんです。
  22. 八竹昭夫

    ○参考人(八竹昭夫君) それじゃお答えいたします。  獣医師法の二十二条の中では、だれでもが診療所を開設することができるわけでございます。これは獣医師でなくても、どのような人でもできるわけです、まあ診療行為を行うのはやはり獣医師でなければならぬわけでございますけれども。だから、何の規制もなく、診療所を開設してそれから十日以内に所轄する都道府県知事に届け出ればいいというだけでございますから、だれでもできるわけですね。これが一つの問題。それから薬事法四十九条の中には、獣医師とか、そういう者以外には売れないということがはっきりと表に書いてあるわけです。しかしそのあとに、「ただし、」と、こういうような、診療所の開設者に対してはこれは例外である、ということが、先ほども条文を読み上げましたが、例外であるということが、「家畜診療施設の開設者に販売し、又は授与するときは、この限りでない。」という項目があるわけです。でありますれば、こういう法律で完全に規制していても片手落ちになるんじゃないか。現に、昨年七月から薬事法の四十九条の一項要指示薬の項目の一部改正がございましたが、このときに非常に薬品メーカー、ディーラー、また飼料メーカーがあわてまして、農林省にいろいろ問い合わせておるわけでございます。そのときに、確かにそうだと、君たちがそういうことをすると違法になるから、それならば診療所をあなた方は開設しなさい、そうすればいいんだ、ということを指導なさったということを、また指導を受けたということも聞いております。現在、畜産物衛生指導協会の中にも、鶏に関するワクチン、薬を末端に流す手だてとしてそのような機関に診療所の開設をしております。私どもの方にも開設しておりますが、診療行為は一切しない機関でございます。これはそういう薬を流通するためにやっている。これは本末転倒もはなはだしいのじゃないかと考えるわけでございます。これは安全性の見地からも大いに言えることでございますから、私どもはひとつ、こういうものに関しては診療所の開設は――診療を業とするものの開設を規制するというのは、これは憲法の精神にも反すると思いますが、こういうものをチェックするためにおいても、中には、そういう企業の中にもまじめに診療行為をやっていこうという者もあろうとも思うわけですけれども、こういうものをチェックする審議会のようなものを、各都道府県に設けて、獣医師会並びにもちろん行政官庁も入っていただかなきゃいかぬですけれども、消費者の声まで入れられるような、目にとまるような機関をつくって、そこでチェックしていく。どういう目的でこういうことをなさるのかと、こういうものが表に出ていった場合、当然前向きでないものに対しては一般の消費者等も疑いの目で見る、そういうものは、その会社の信用にもかかわるというようなことになるんじゃないかということですね。何とかこのチェック体制をできるだけ幅広く広げて、こういうふうなことのないようにしていただきたいと思うんです。  また、自家配合の件でございますが、現在農民は、私の回っている地域におきましてもやろうとしております。ところが、なかなか原料が手に入らない。先般来もその農家が、先生やっと魚粉手に入りた、見てくれというので、私見てみましたら、非常に脂肪の多いというか、フィッシュソリュブルとフェザーミールという鶏の毛を粉にしたのでございます。これはたん白であることは間違いないんでしょうけれども、果たしてどの程度消化能力があるか、これは非常に疑問のものでございますが。こういうものが入ったけれどもと、真夏のさなかに手に入ったと喜んでいるわけですけれども、これが栄養的な価値がないとは申しませんけれども、酸化の進みやすいこのようなものしか手に入らない。フィッシュミールを手に入れようと思ったけれども、どうしても手に入らない。またこれは私らの県下ですけれども、ある農家が買おうと思ってもどうしても入らない。農協に頼むと組合飼料のものとだき合わせにすれば少し売ってやるというふうなこと。現に品物が一般に――自家配合すりゃいいじゃないかというようなことを行政側はおっしゃいますが、買おうと思っても大変な苦労しないと手に入らないというのが現状でございます。だから、この点何とか流通の道を畜産農家に与えていただくような処置をしていただく必要があるんじゃないかということを考えるわけでございます。
  23. 神沢浄

    ○神沢浄君 続いて粟飯原参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、御意見を拝聴しておりますと、その表にもありますように、自然と生物というものの秩序というか、そういう点を特に強調なさっておられたとお聞きをいたしたわけなんです。  そこで、先ほど来出ております石油たん白の問題、それから最近農林省がSCPというようなことを言っておるんですけれども、ある一説によれば、どうも名前を変えたようなものじゃないかというようなことなどさえも言われておる、私ども耳にしているところでは。  そこで、私どもも、とにかく食べ物というのはこれは安全性というものが第一でございますから、疑わしきものについてはこれは反対であります。しかしまた、一面におきますと、小資源国日本、畜産の将来、こういうふうなものを考えますと、やはり人工飼料というような問題も決してこれは軽視されるべきじゃないじゃないかという意見もあるようであります。そういうふうな見地に立ちまして先生の御見解を伺いたいんですけれども、いわゆる自然と生物との秩序というか、大自然の摂理というか、あるいはきょうまでの歴史の示す法則というか、こういうものの上に立って石油たん白とか、人工その他いろんな名前が言われておりますけれども、人工飼料というふうなものに対しまして、どういうふうな御見解を基本的にお持ちなのかという点をちょっと伺ってみたいと思うわけでございます。
  24. 粟飯原景昭

    ○参考人(粟飯原景昭君) いま石油たん白という言葉が出てまいりまして、そしてそれに対してSCPという言葉があるというお話でございました。  石油たん白という称号を用いておりますのは、私の知る限りにおいては日本だけだと思います。シンプル・セル・プロテインと申します言い方でございますけれども、要するにシンプル・セル・プロテインというわけで、これはシンプルというのは単、それから細胞、たん白質ということでございます。単細胞たん白質と申しますのは、要するに、一つの細胞でできた生物ということでございますね。われわれは多細胞生物なわけです。たくさんでできているわけで、多細胞生物ですね。したがって、これを単細胞生物と呼ぶか微生物たん白と呼ぶかということになるわけですけれども、それは、たん白質ということでございまして、問題はたん白質ということであって、たん白質というのは生き物だけがつくることができるわけです。要するに、生きてるものだけがつくることができるものである。ですから、多細胞であろうと、こういうふうな単細胞のものであろうと、要するに、さっき大地の微生物と書きましたようなものもすべて単細胞生物でございます。そして逆に言いますと、たん白質というのは生物がつくることができるものであって、またそれを逆に言いますと、そのたん白質ができるということは生物であるという証拠なわけです。ですから、さっき人工飼料と言いますか、人工何とかとおっしゃいましたけども、人工的にいま人間は、いまの科学というものは、しゃっちょこ立ちしてもたん白質をつくることができない。要するに、この単細胞という目に見ることのできない一センチの一万分の一ぐらいの大きさの微生物ですけれども、多細胞のわれわれがどんな努力してもそのたん白質はつくることができないわけです。しかし、その微生物はそういうたん白質をつくることができる。そして、そのたん白質というのは、からだの非常に重要な働きをしておりまして、私たちの血も肉も脳も、もう皮膚もすべてたん白質なわけです。そして、そのたん白質は、その生物によりまして多少、性質が違いまして、植物と動物とではたん白質の性質が違うわけでございます。われわれの人間というのは植物のたん白質を食べただけでは生きていくことができないということを栄養学は教えてくれているわけでございます。そしてしたがいまして、さっきの微生物たん白質は、微生物というものはどちらかというと植物に近いんであって、要するに一種の植物たん白であると言うことはできるわけです。もちろん成分は、いわゆるたとえば大根なら大根、穀類なら穀類とは違いますけれども、違ったまたたん白を持っている。  そして、さっき高橋先生がたん白質のことについてお触れになりましたけれども、そもそも飼料というものは、その単体だけで使っても大して意味がないわけで、ことに動物というのは、草食獣を除きましてたん白質、いわゆる植物のたん白質だけではやはり正常な働きはできない。しかし、草食獣といえども最初に、要するに家畜の大部分は哺乳動物でございますので、生まれました最初は、母親の乳を飲むわけでございますが、母親の乳というのは、動物たん白質の中で最も調和のとれたたん白質であるということができるわけでございます。したがいまして、ここで微生物たん白、シンプル・セル・プロテインが人口たん白であるという考えは、たん白質という方からものを見れば正確ではない。要するに、確かに培養するということは、人間が助けてはおりますけれども、それはあくまでも自然界における生物のふえ方を人間が助けているということであって、たん白質そのものをつくっているのは生物そのものであるということができる。そういう意味で、石油たん白という言葉は、ある意味で、石油と申しますものをそっくり何かどっかでこね回して何かたん白質ができたような印象を受けますけれども、それはやはり非常に誤解を生むというおそれがある。しかし、ほかの見方をすれば、もとは石油の中のある成分を使ったということでございますので、そういう言い方がなされるのも無理からぬとは私は思いますけれども、世界的には、ほかにちょっとなかなかいい名称がないので、SCPというふうな言い方がされているというふうに御理解いただければいいと思います。  それから、確かに、この石油たん白といわれているもの、微生物たん白質というものが、長い歴史の中で使われたものでないことはもちろんでございます。というのは、そういうふうな技術というものは、最近になってわれわれ人類が持った技術でございます。そういうわけで、最近できてきたことには確かに相違ない。しかし、先ほど申し上げましたけれども、菌の種類は違いますけれども、牛という生物は胃が四つございまして、中に御専門家もいらっしゃるのですけれども、胃が四つございまして、最初の胃というのは、要するに微生物の集まりみたいなところでございます。そこで、牛が草を食べますと、その草はかまれて胃の中に入ってそれを、胃の中にいる第一胃の、牛の胃の中にいる微生物がそれを食べて大きくなる。大きくなってふえるわけでございます。そして、そのふえた微生物が次へ次へと送られていって、そしてそれが牛の体を形づくっていく。要するに、牛の栄養になっていくという性質を持っているわけでございます。そういう意味で、牛は簡単に言えばステンレスでないタンクを自分の中に抱えて歩いている。要するに、製造工場を抱えて歩いている生物ということができる。その場合には、ある見方、ある角度から見ればそれは牛は微生物たん白を食べて成長しているという言い方もできるわけでございます。そして、家畜飼養学のいろんな実験の結果から言いますと、外で食べた草類と申しますか、飼料から食べたたん白質がそっくりそのままと申しますか、そのたん白質が最後まで吸収される形になって、たん白質として利用される率というものは一七、八%からせいぜいよくて二二、三%しかない。それでは牛が必要とするたん白質は絶対数が足りないわけです。その足りない分というのは、牛が自分の体の中に持っている四つある胃の最初の胃の中で、自分で培養いたしました微生物のたん白質が、牛の生体を形づくるのに利用されているということでございます。人間とは多少その辺は問題が違う。  それからもう一度話が戻りまして、確かにこれは長い歴史の中では使われてこなかった。しかし、私は有限な地球の上で植物を培養し、そして多くのものは人間が直接使い、あるいはさらにこの一部を、動物を飼うという方式。  で、さっき高橋先生非常にいいことをおっしゃいましたのは、食生活をやっぱり変えるか、あるいはこれをふやすかという選択に迫られているとおっしゃったことは、一面の私はやっぱり真理だと思います。しかし、現実に世界の中でこういう畜産物をふやしていくという、またそういうものを食べる人がふえているということも事実でございますので、そうしますと、ある一定の、これだけの土地が、地球の中で使える土地があるとした場合に、こちらをふやそうと思えば、要するに飼料をつくる分がどんどんふえてくる。そういたしますと、人間が直接食べる穀類をつくる場というのはやっぱり減ってきてしまうということが心配されているわけでございます。そして国際連合の中に、あまり一般には知られておりませんけれども、たん白カロリー諮問委員会というものが、もう一九五五年からできております。たん白カロリー諮問委員会というのは、いまのような食糧危機が叫ばれる以前から、特に低開発諸国などを考慮いたしまして、もう二十年昔から、人類の食糧というのは足りなくなるということを心配いたしまして、特に足りなくなるのはたん白質なんだ、しかも良質なたん白質なんだ、ということを心配しましてたん白カロリー諮問委員会というものができております。そしてこれはWHO、FAO、ユニセフ、それから世界銀行などが関与いたしまして、そして世界の食糧問題、特にあん白質とカロリーの問題について長い間世界の学者を集めていろいろな角度から検討してまいりました。その結果、いろいろな工夫がされたわけです。たとえば大豆のたん白の利用、あるいはピーナッツたん白の利用、それからいわゆる種子、たとえば綿実かすの利用。大豆の利用はわれわれ日本人にとっては非常によく知られたことでございますけれども、外国においては大豆のたん白を利用しようということは決してあまり考えられていなかった。大豆というのは油をつくるためのものである。それから魚のたん白を利用するということ、それも考えられてこなかった。そういったようなことを順番に考えて、いろいろな努力が二十年間にされてきたわけであります。ところが、いまから約十年ほど前になりまして、魚とかあるいは大豆たん白とか、いわゆるこういうふうな従来のたん白質を利用していく方法も、それももちろん大事だし一生懸命やってきた、しかし、これだけではやっぱりどうしても足りなくなってくる見通しであるという結論になったわけでございます。そこに、一方で人間が自然界にいる微生物を人間が助けて、そしてそれをふやすという方法があるじゃないかということを考え出されてきて、そして約十年。この十年ほどその問題が国連のこのたん白カロリー諮問委員会で討議されたわけであります。そしてすでに四つの指針というものが出されております。そしてこの四つの指針を貫いておりますのは、やはり安全性でございます。どうしたらば、われわれ人類が長く使ってこなかった、見出せなかったものを利用できるか。確かに歴史の中で、私どもが微生物を利用してこなかったことは確かでありますけれども、実際にはたとえばおしょうゆとか、みそとか、そういう形で自然に利用してまいりましたけれども、こういうふうな形での利用というのはなされなかった。  理由は非常に簡単なことで、微生物そのものの存在が発見されたのは、そしてその作用が発見されたのはわずかに百年前でございますね。ですから、そこだけ技術としてはおくれている。しかし、われわれ人類が農業を発見したのは一万五千年ぐらい前でございます。そして一万五千年の歴史と、わずか百年前に、何しろ一センチメートルの一万分の一という小さなものですから見ることができなかった。大根と言えばわれわれは大根を想像し、ハムを見ればある場合は牛まで想像できますけれども、微生物と言ってもわからないわけですね。この世界的に新しいたん白の資源として、何かやはりほかにも探しておかなければならないということとして、微生物を使う方法というものが考えられてきたわけであります。先ほど申し上げましたように、この四つの指針が出て、その精神は、どうして安全性を評価するかということでありまして、安全性を評価するということと、微生物を利用する方法を考えなければならないということとは区別して考える必要が一応あるわけですね。区別というか、技術的には。しかし、一緒に考えていかなければならない。要するに、微生物を利用するということと、それを安全に利用できる形にするということとは並行した形で進まなければならないと思うわけであります。
  25. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  26. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
  27. 粟飯原景昭

    ○参考人(粟飯原景昭君) そういうわけで、少しはしょりまして、高橋先生が御指摘になりましたみたいに、安全性を評価するいまの段階ではあるいは不十分な点が多々あるかもしれません。しかし、将来私たちは植物を利用し動物を利用し、そしてわれわれ人間の数がふえてきたために食べ物がだんだんなくなりつつあるわけですね。そうしたら、もう一つの新しい第三の家畜とも言うべき、このたくさんわれわれの回りにいる微生物を利用する方法というのは将来に私たちはやはり考えなくちゃいけない。その場合に、先ほどここで赤で引いてございますように、微生物の中には毒なものもあるわけです。人間に害のあるものもある。ですから何が害で、何が有効に利用できるかということを進めていくのが科学者の責任だと思いますし、そうしなければならない。現時点においての問題はまだ多々あるということはまさに高橋先生のおっしゃるとおりでございます。私もそう思います。
  28. 原田立

    ○原田立君 高橋先生にお伺いいたします。  先ほど食品添加物に対しては厳しいチェックが必要である、こういう御指摘があったわけですが、AF2が発がん性があって使用禁止になりました。ところが、同じような親戚である、AF2の親戚みたいなようなニトロフラン系のフラゾリドン、これは現在まだ使われております。農林省の話では、それをずっと極度に減らして使っていくのだ、というようなことを言っているわけでありますけれども、そういうようなことを、いいのかどうか、御専門のお立場から御意見を伺えればありがたいと思うのでありまして、それが一つです。  それからもう一つは、先ほども抗生物質は百種類もたくさんあると、そういう面で、そういう扱いについては厳しいチェックをする必要がある、ということなんですが、まさにそのように抗生物質が多い。抗生物質のそういうたくさんあるその多量使用の効果ですね。鶏、牛、豚等いまたくさん配合飼料として使われているわけなんですけれども、われわれしろうと目に見ても、これは余り多過ぎて、人体に悪い影響があるのじゃないか、こう心配するわけですが、この二点についてまずお伺いしたい。
  29. 高橋晄正

    ○参考人(高橋晄正君) 最初に、ニトロフラン系統の添加物について申し上げますと、ニトロフランというまあ共通の部分ですけれども、そのほかにいろいろな鎖が長くついておりまして、それによって名前がいろいろ違っておりますけれども、ニトロフランのニの位置に鎖がついて、五の位置にニトロがついた。これは共通にばい菌を抑える働きがあるということが一九四四年にわかっておりますが、一々の化学構造は申し上げませんけれども。それから六年後の一九五〇年には、人間で睾丸の萎縮が起こるということが、その一連の薬物を使っていてわかって、問題になったわけですが、五六年には今度は染色体の障害が起こる。細胞の中に核がある、その中に染色体というのがありまして、この中に何万何十万という遺伝情報が入っておりますし、いろんな酵素をつくったり、たん白を合成したりするような指令が全部その中に入っておりますけれども、これに変化を与えるということがわかったわけでありますが、さらに六三年になりますというと、今度はそれを化学的に調べますと、核酸そのものがうまく合成されないということを、日本の九州大学の遠藤という教授が見つけております。それから六四年になりますというと突然変異が起こるということを、ザンピエーリという人が認めまして、大体ここら辺で、ニトロフラン化合物というのは放射線類似物質という概念が確立されまして、どうも死の灰、放射能の灰とほぼ同じようなものであるという概念が確立いたしましたのですが、で、放射線類似物質という概念の中に入っております。それで、一九七二年だと思いますけれども、これは日本の遺伝学者たちがAF2について、やはり染色体障害、突然変異が起こるということを三島の遺伝研究所及び大阪大学の医学部あるいは東京医科歯科大学あたりで発見いたしたわけでございます。私自身は、先ほどの郡司裁判の中で、大阪大学の宮地教授の論文を調べている中から肝臓障害――肝臓がうんとはれまして、それで睾丸がやはり萎縮するということを見つけたわけでございますが、一九六七年ごろから続々と、がんができるということが四つ五つくらい論文が続いて出ております。  で、ちょうどその裁判当時のことでありますけれども、二十五種類のニトロフラン化合物のうち、突然変異と発がんとが並行しているものは十八種類までも確認されたということが出ておりまして、全部ではありませんけれども、発がん性と染色体障害性。発がん性と染色体障害性とどっちがこわいかと言いますと、発がん性の方はその一代が死ぬだけでございますけれども、染色体障害性の方はずっと後までその民族を奇形化するわけで非常にこわいわけでございます。大阪大学の工学部の大学院の学生が計算したところによりますと、われわれはAF2を食べただけでも、毎年約十トンくらいずつ二十九年から、AF2の前のZフラン時代から数えますというと約十年間食べてきたわけでございますけれども、これで日本人の奇形発生率、これは約三〇%増加をしたことになるだろう。それがだんだん掛け合わされてまいりますので、大変な数になるわけでございますが、こういう計算が出ております。そういうことでありますので、いろいろ製薬会社方面から送られてまいりましたニトロフラン化合物、これ飼料として大丈夫であるという資料を見せていただきましたけれども、どうも私の方は非常に不安であるという点です。特に、これは飼料添加物じゃありませんけれども、いま除草剤の中にMOという三井東圧で出しておる除草剤があります。これは低毒性で五〇%、半分の動物を殺すのに十一グラムでしたか、かなり安全なものだと言われておりますけれども、これは実際、土の中にまかれましてから土の中のばい菌でどんどん変わってきまして、きわめて危険な発がん性物質をつくる時期もあるのじゃなかろうかというようなことが言われておりまして、土は生きておるということで、その中で何ができるかわからないという状態になってきております。ですから、このニトロフラン化合物の、その世代だけは大丈夫であるということでは困るのであって、それが土の中に入り、海の中に入ったような場合に一体どうなるのだろうかということは、かなり長期にわたっての観察が必要であると思います。日本ではまだ四種類ほど飼料添加物として使われているようでありますけれども、これはかなり慎重でないというと危ないのではないか。原水爆反対ということをやりましても、自分たちでこういうものを一生懸命食べていたんじゃ将来どうなるかわからないというふうに考えますが、これは学問的にきちんと整理をやはりしなきゃならぬと思いまするので、もし必要がありますれば、全文献を調べて報告書でも提出したいと思います。  それから、抗生物質に関しましても先ほど申し上げましたが、いま問題になっておりますクロロマイセチンという抗生物質は、これも動物あるいは水産の方にも大分使われているそうでありますけれども、これは四十三年から、これは人間では骨髄障害を起こして再生不良性貧血を起こすから使うべきではない、やむを得ず使うのは腸チフスの場合とロッキー山脈斑状熱、こういったふうにアメリカでは制限されておりますが、日本ではいまなおこれが乱用されまして、先般「文藝春秋」三月号に井上さんという奥さんが八歳になるお嬢ちゃんをこれでなくしてしまった記事を書いておりますけれども、これが日本ではまだ物すごく乱用されておるわけです。もちろんこれは水産関係の方にも乱用されている。こういう回復不能な慢性毒性を持っているということが一つ。それから耐性菌をつくりまして、このクロマイでも何でもいいんですけれども、抗生物質を使っておりますと、それではもう死なないようなばい菌がいっぱい出てまいりますので、われわれはまた新しい抗生物質を見つけていかなきゃいけない。いま黄色い色をしました緑色ブドウ状球菌というのは、病院の中であれ感染しますとほとんど抗生物質が効かないのでありまして、大変な化膿症をもらってしまうことがありますけれども、そういうふうに動物の中にそういう耐性菌が出ていまして、それが切った瞬間に、今度は包丁についてわれわれの体の中へ入ってということなんかになりますと、耐性菌をつくったために、日本民族がまたそれに対するもっと強い抗生物質をつくるまでの間にいろいろ事故が起こり得るという問題もあります。  それから三番目に、これも人間でもしばしば起こることでありますが、抗生物質をずうっと乱用しておりますというと、やはりわれわれの体の中は、ばい菌とわれわれとの共存関係がありますけれども、それを徹底的に殺してしまいますとカビが入り込みまして、先ほどの石油たん白をつくらせるキャンディーダーという酵母みたいなものですけれども、その中の微生物の一種がやっぱり肺やその他の中にいっぱいくっつきまして、どうにもこれはしようがないという事態が起こる、カビによるところの感染症が出てくる場合がございます。それから、あとそのほかアレルギーショック、こういうようなことがございまして、アメリカではかぜ引き程度だったら絶対抗生物質を使うなと、肺炎になってからで間に合うというようなことまで言いまして、簡単なものには抗生物質の乱用を厳しく戒めておりますが、この日本ではお医者さんたちも乱用しますけれども、畜産、水産方面でも乱用されておりますと、いずれこういうような事態が次から次へと起こってくる可能性がありますので、これは何か別の方法を考えて安全な生産をするようにしなければいけないというふうに思います。  ニトロフランにつきましては、ごく最近業界の方からの資料を手に入れましたのですが、全部まだ原論文を読んでおりませんので、必ずしも安全とはこれでは言えないな、特に自然界にそれが流れていってどうなのかなということがかなり心配だなと思いましたけれども、抗生物質の乱用に関しましてはもう世界の定説、この危険性につきましては世界の定説であると思います。  不十分でございますが、以上でお答えにしたいと思います。
  30. 原田立

    ○原田立君 余り時間がないようなんで簡単にお伺いしますので……。  もう一つは、先ほどのお話の中で、ただいまも申し上げましたように食品添加物には厳しいチェックが必要である。農林省が人間の安全性を保証してくれるのではちょっとたるいんじゃないか、厚生省ならば手が届く。農林省は手が届かないんじゃないか、二重のチェックが必要じゃないか、こういう御意見がありましたけれども、この点についてもう一言お願いしたい。  それから、石油たん白については農林省の見解は三カ月以上実験すればいいということになっておるけれども、WHOは二年以上ということになっているというお話ございましたけれども、この点ももう少しお教え願いたいと思いますが。
  31. 高橋晄正

    ○参考人(高橋晄正君) 食肉として使います家畜に与える飼料につきましては、やはりその家畜が何世代にわたっても大丈夫かということ、これは農林省の方でチェックしていただいていいと思うんですがね。何代にわたっても奇形もできないし、だんだん種族が絶滅する心配もないというようなことのチェックがしていただければよろしいと思いますけれども、人間が食べても大丈夫かということのチェックは、やはりこれは人間の病気を見ています私たちにもぜひ若干発言する機会を与えてほしい。そのためには制度上はやっぱり農林省の方の委員会が通ったら厚生省の方の委員会に回す。われわれは、その厚生省の委員会といいますか、諮問機関のようなところへ入れてもらえばなお結構ですけれども、入れてくれなければそれなりに、そこへ関係する方々にいろいろ意見を申し上げて、人間での食べ物としての安全性ということをちゃんとチェックされているかどうか、両方通らなければその飼料添加物は許可されないというような制度化をぜひしていただきたいというふうに考えるわけです。  それから石油たん白の点は、これは最初はどうも、これは厚生省の件に関してですが、最初はどうも大臣から食品衛生調査会に諮問されたように私どもは聞いておりますけれども、途中でその諮問が外されまして、そして、この石油たん白特別調査会の方ですか、そちらの方から今度は食品衛生調査会の特別部会の方に回された段階で、これは安全であるという見解を表明した、大臣に対する答申は行われていないわけですが。ところが、安全であるという厚生省見解では本当はなくって食品衛生調査会の見解なわけですけれども、これが出ました段階でルーマニアとかイタリーなんかに対しては、日本政府が安全と認めたということでプラント輸出がされているというふうに聞いております。しかしながら、日本ではこれが簡単にでしたか、簡単でなかったかわかりませんが、大分奥さん方の反対がありまして、直ちに生産は開始しないというふうに大臣が言明しておられるようでありますが、これはなぜああいうふうに簡単にストップされたのか私どもよくわからなかったのでございますけれども、先般いろいろ聞いてみますというと、やっぱりこれは石油たん白――その石油というのは実はノルマルパラフィンで、いまリジシンで問題になっております石油精製生産物のノルマルパラフィンを炭素源として与えまして、それで窒素源としては硫酸アンモニウムか何かを与えるわけですけれども、そのためだと思いますけれども、〇・六から一・二、平均しまして一ppb程度の三、四-ベンツピレンという発がん物質がこの石油たん白酵母の中に入ってくるわけですね。もともとの酵母はそんなに持っていない、〇・二ぐらいしか持っていませんけれども、やっぱり生物濃縮で体の中へ蓄えるらしくて、五倍ぐらいにふえてくるという事実がございます。こういうようなことが問題になったのか、一応日本国内ではストップされておりますけれども、これはしかし外国にプラント輸出しておりますルーマニアの人たち、それからイタリーの人たちは食べている可能性ありますし、また向こうでつくったのをかん詰めや何かになって、あるいは飼料になって食べたのが日本に入ってくるという危険性もありますので、日本人がストップしているものだったら、外国にも出さないようにしなければいけないのじゃないかと思っております。  それからこの実験期間ですけれども、日本で何カ月になっているかということ私存じませんが、実験としましてはかなり長期間にわたって厚生省データもやっていたようでありますけれども、ただし共通に体重減少と甲状腺の機能低下と思われる状況、それから繁殖力の低下、それから日本の場合には奇形が確実に出ております。そういうようなことがございますので、いま厚生省関係の方では今後引き続きこれを実験するというようなことはないようでありますけれども、もし、これ農林省の方で今後どんどんやられますならば、やはり石油原料を使わなければいいのかもしれませんけれども、やはりこの発がん物質のチェック、それから奇形のチェックというようなことをかなり厳重にやっていただかなければならないし、特にこの観察期間はその実験動物の一生にわたる期間、それから動物の種類も、鶏だけでなしに数種類の動物でやってみていただかないというと安心だというふうには言えないようでございます。この石油たん白の審議の詳しい実験条件のことについて、実験データの方ばかり見ていまして条文の方を見ておりませんので、お答えが不十分だと思いますけれども、以上でお答えといたします。
  32. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 河田参考人にお伺いしたいと思います。  飼料工業会として、飼料の品質の改善、そして管理等についていろいろ対策を講じておられると思うわけですけれども、とりわけ魚粉とかそれから魚かすというのは酸敗しやすいと伺っております。そういうものについてどういう対策を立てていらっしゃるかということでございますね。  それから最近の例を見ますと、富山県で三菱化成のダイブというのが問題になりましたし、北九州ではPCBによる鶏の大量死というものが耳新しい事実として出てきております。配合飼料の場合いろんなものが入っておりましても、表面上では非常に判別しにくいという中で、結果的には被害が各地でいろんな種類のものが出ていると、こういうわけです。消費者である農民にいたしますれば、全く飼料会社任せ、メーカー任せで預けているという中で、その飼料を使用しているわけでございますので、飼料会社としては、非常に大きなそこに社会的責任をお持ちになっていただかなければならない。そういう点についてまず最初にお伺いしたいと思います。
  33. 河田四郎

    ○参考人(河田四郎君) 第一番に魚粉についてお答えいたします。魚粉は現在日本でつくっておりますのとそれから外国から輸入しているのと二種類ございます。日本のものは沿岸でその都度時期によりましては、サンマになりましたり、イワシになりましたり、それからサバになったりしたものを使っております。これの品種にいたしましても、そのプロテインのたん白含有量が大体五〇から六五までぐらいの比率のがたくさんございます。とにかくいまおっしゃるように、魚粉には非常に鮮度が必要でございますので、その鮮度に注意いたしておりまして、いま申しましたように、魚粉というのは国内では沿岸のもの、それから外国から入れますのは、大体ペルー、それから南アフリカ、南西アフリカ、これが大体の主なものでございます。その他まあ一部アンゴラだとか、それからエジプトの海岸でできたのが若干入ったことがございますけれども、こういうスポットのものは品質が要するに安定しておりません。われわれが大体主として買っておりますのは、海外のものは南ア連邦のものとそれから南西アフリカ、これは一つの南ア連邦での規格を持った協会がございます。そこで規定をしっかり決めております。プロテインはどれだけだとかアッシュはどれだけだとかという厳重なあれをいたしております。それから太平洋岸のペルーでございますけれども、これも最近漁獲が少なくなりまして、大した数量は入っておりませんけれども、これは世界で一番生産の多いところでございますので、これに対しまして、われわれは供給源としまして非常に期待をかけております。そういうわけで、魚粉につきましては、産地の規格をとり、それからわれわれも、その規格に合うものを輸入業者その他に条件をつけまして買っております。それからこちらの方では船が入りますと、その本船からとりましたものをすぐにサンプリングいたしまして、各工場ごとにこれを検査をいたしましたり、自分の会社でやることもありますけれども、やはり公なところへ持っていってするところもございます。これは企業は別別でございますけれども、非常な厳重な要するに査定のもとに入れておりまして、昔はペルーのものに対しましては多少心配しておりましたが、最近は国営になりましたので、これなんかも心配ないと思います。国営の一本立てで売ってきております。それから南アは、いま申しましたように、アソシエーションが向こうで厳重な責任を持ちましたものを持って来る。そのものを当地に入れまして、それを厳重にまたサンプリングしたものを注意して使っておるというのが現状でございます。  なお、ダイブの富山の問題、それからPCBの九州にありました問題の、それをどういうふうに措置したかという責任のことでございますが、これはダイブの方は私の方の関係ではあまりなかったんじゃないかと思います。ほかの方だと思います。それから、PCBの北九州の問題につきましては、これははっきり原因がいたしておりますので、これをそこの油をお使いになったり、そこのものをお使いになったお方ははっきりわかっておりますので、その方々が追及されまして、お使いになったお方と、それから製造されたお方、いろいろ油の出たところといろいろ話し合いをされまして、おそらく私は油屋さんからの補償はもらっていないと思いますけれども、えさ屋の方は、これは全部その原因がわかっておりましたので補償しております。これは私は、企業は別々でございますのでわかりませんけれども、おそらく私は一企業は三億ぐらい出したんじゃないか、それから一企業はおそらく一億近いものを出しているんじゃないか。そういう責任体制はとっておりますということを申し上げます。
  34. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 私がダイブだとかPCBを出しましたのは、それぞれの会社がどういう責任をとったのかということを申し上げたんではなくって、やっぱり責任をとっているはずだといまおっしゃったけれども、補償について金を出して、それで責任が済んだというものではございませんわけですから、だから飼料メーカーの飼料工業会としても、そういうことが起きないようにということを重々考えて、それをもう農民の方はそれを使わなければならないというわけだから、全くあなた任せの中ですから、その立場に立ってしっかりと社会的責任をどの程度お持ちになっていらっしゃるかというのが私の質問の意味でございましたんです。責任をとっておるはずだとおっしゃったところではちょっと落第ですね。金を払ったから責任をとったということでは、ちょっとやっぱり工業会としては考えていただかなければならないと思うわけです。  で、時間もございませんので、せっかくおいでいただきましたので、具体的な河田飼料株式会社の社長さんとしての立場でちょっと私いろいろ伺わせていただきたいと思うわけなんです。  御承知のように、栃木県の国分寺のブロイラー養鶏家でおたくの飼料を食べさせて鶏が、げりを起こして大量に死んだというような事件がございまして、これに対して五月二十六日、その態倉さんという方でしたけれども、おたくの会社と合意書を取り変わして四百五十万円を、それこそ責任をおとりになったんだと思いますが、お金をお払いになっていらっしゃるわけなんですが、この責任のとり方ですね。どういうふうに考えてそれを、四百五十万円をお出しになったのか、そこのところを――あとちょっともう少し質問がございますので、簡潔に要領よくお答えいただきたいと思います。
  35. 河田四郎

    ○参考人(河田四郎君) 大変、この問題につきましては、私皆様に、お騒がせしたことにつきまして、おわびを申し上げたいと存じます。  態倉さんの方との解決その他の――ちょっと簡単にと言われますけれども、前からのいきさつがございますんです。非常に長い経過がございますんですけれども、それははしょりまして、最後的なところを御報告いたします。  これは、私の方はこのえさは、実は埼玉県の特約店を通じて、それからもう一軒の小売り問屋さんでございますかを通じまして熊倉さんのところに行っておりますんです。これも昨年の六月ごろからお取引が開始されたと思います。これは私の方は先でございますのでよくわかりませんけれども、うちのえさが行ったところはいろいろみんなが巡回しておりますので、六月ごろから行っておったということでございますが、その後大体この使われましたえさは昨年の十二月ごろに工場から出たえさじゃないかと思います。十二月ごろに、そのえさが使われておったのじゃないかと思いまするが、その後いろいろ原因につきまして――はしょって話しますけれども、向こうから四百五十万にまいりますまでの過程はありまするけれども、最終的には五月の十七、八日ごろでございますが、話し合いをしているときに四百五十万という数字が出てまいりました。四百五十万円につきまして、この飼料が、原因が実際においてえさであったかどうかということにつきまして、現在もまだ最終的な結論を出しておりません。その間におきまして、四百五十万円払ったということでございますので、われわれとしましてもこの関係を究明し、また同時に先ほど先生のおっしゃったように、われわれ工業会としまして、えさはわれわれの生命線でございまして、われわれは本業でございまして、ほかのこと何もやってない。これ一本で昔は五十年これやって来たんですから。だからそんな簡単にほうっておくわけじゃございませんけれども、そのときのいきさつで金額が当然出てまいります。そのときに私どもも、いま申しますように、はっきりえさであるという結論がいただけなく、また同時に私どももそれ追及して反省をいたしておりますけれども、はっきりしておりません。だけれども、その時期になりまして、その土地の有力者の方々のお立ち会いをいただいて、そうして御迷惑をかけたり、そういう事態が起こったということにつきましては非常に申しわけないという意味におきまして四百五十万をお支払いしまして、これは私どもの飼料が悪かったから金を払って、先生のいまおっしゃいますように、金で済んだというような考えは毛頭持っておりません。これは、私たちは将来えさで立っていくわれわれでございますので、そういう安易な考えでそれを払ったわけではございません。しかし、これにつきましては、これからもこのえさがなぜこういうことに、そういうお小言をいただくような原因をつくったのか、何でそうなったんであろうか、これは私どもの全体の経営にも関係をいたします。これからの問題もございます。究明していきたいと思いますが、とりあえずそういうようなことでお金を支払ったということでございまして、決して金によってこれが私たちは責任が解消したなんということは毛頭考えておりません。
  36. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  37. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
  38. 小笠原貞子

    ○小笠原貞子君 いまおっしゃったこと、理解する一面もございますけれども、飼料会社として事故が起こった。それじゃ大変だからすぐ補償するというようなことは、いままでそう簡単にはなかったわけですからね。だから、そこら辺で話しているのを聞きましても、やっぱり飼料についての何か弱みがあるから出すことになったのではないかということを勘ぐられても、これはしようがないことだと思うわけなんでございますね。また五月の八日に実験をいたしましたんです、御承知のように、おたくの飼料とそれからほかの飼料ということで実験しました結果、よその会社の飼料では全然そういう事故がなかったというようなことで、その実験した終了のときに、おたくの社員もお立ち会いをいただきまして、その結果の確認もして、やっぱり河田さんの飼料でこういう結果になったということも確認しているということも私の方知っておりますし、それからまた東京営業所長の溝呂木さんという方が熊倉さんのお宅に来て、そして被害を出して申しわけないと、えさが原因でというようなことも認めていらっしゃるわけなんで、私の方もこれは実際行って調べてまいりました。ここで私が言いたいことは、おたくときょうは飼料の工業会の会長さんでいらっしゃいますから、ここでやりとりして何も、やっつけようと思ってお呼びしたわけでもございませんけれども、ただ、問題になりますのは、こういうようなことが今後起こるということが絶対ないとは言い切れないわけでございますよね。また不幸にして、万全のと言ってもこれは人間の仕事でございますし、またいろいろな条件の中でそういう事故というものがあるいは起こるかもしれない。そういうときに、おたくの会社だけではないんだけれども、すべての飼料メーカーとしてはそのときに一体、どういう適切な手を早急に打っていただけるかというようなことが、一つは私は大きな問題にしなければならないと思うわけなんです。  で、ちょっと申し上げれば、その四百五十万払うという合意書の中では、このことは口外しないようにということも一項目きちっとあったりいたしまして、まあ、しゃべるな、ということでお金を出しているということもございますし、その後で、いろいろ会社の方の方なんかからだとは思いますけれども、代理特約店なんかの方からも、いやもうあそこの農家っていうのは、前にも飼料メーカーから損害賠償取って今度も取ったんだと、あれは常習犯だ、というようなことをやっぱり流されているわけですね。一方では口ふさぎをしながら、一方では、あの農家は常習犯だみたいなことを言われれば、もう先ほど農家との信頼関係において、飼料というものはここまで発展してきたとおっしゃったけれども、これはもうその信頼を損なうものなんですね。そういう意味からも、やっぱり飼料会社としての社会的な責任と、農民にこたえる信義ということのその立場に立って、しっかり業界の中で会長さんとしての責任でやっていただきたいということをお願いしたいわけなんですね。  それから、こういうようなことが起こりましたとき、先ほど申しましたけれども、まず第一にすぐに調査してほしい。これはおかしいというような問題になったときに、それについての会社の、飼料会社から売ったえさについて事故が起こるんだから、当然会社側としてもそれにすぐ、おたくも飼料一本で立ってこられたとおっしゃったけれども、ほかの会社だってそうだと思う。そういう事故が起こって農民から要求されたときに、それじゃあすぐにそれに立ち会って、それじゃこの問題について、こういう在庫の飼料について、どういうふうに分析して、どういうふうに原因を究明しようかというような態度というのが、非常に今回の場合にもおくれているわけなんですね。おくれているといいましょうか、具体的な調査にすぐ立ち上がっていただけていなかったということが、私は非常に残念な問題なんですね。だからその辺のところを、売るだけじゃなくて、売った物についての責任も持って、事故が起こったときにはそれに直ちに立ち上がって調査をするという、具体的な調査を進めていただきたいと、そう思うわけなんですけれども、それについてのお考えを伺わせていただきたいと思います。
  39. 河田四郎

    ○参考人(河田四郎君) いまおっしゃるとおりに、その合意書につきましても、それから、その後におきましての立ち会い人とかなんとかということで判を押しているということの物を、その後にわれわれ承知いたしましたけれども、これらにつきましては、非常に私の不手際でございますことは重々よくわきまえておりまして、こういうことはあるべきことじゃないじゃないかと思っております。しかしながら、そういうことでその書類は確かにおっしゃるとおり見ました。だけど、それと先生のおっしゃった私の方がそれを口どめに、いまのどこそこのやつ、うちの前のえさは、どこそこのやつは、どれだけ取ったとかなんとかというようなことを、私の方は、社員は絶対に言い散らしておりません。それは私どもの前の関係その他についても、おぼろげながら私たちは実態は存じませんけれども聞いておりますが、そういうことは禁句にいたしておりますので、先生にぜひこれはひとつ御信頼をいただきたい。その私の前の人のときに、四百どれだけもらったとか、もらわない、そんなことは私たちは関係がございませんので、申しておるわけではございませんので、この点をひとつ御了承いただきたい。  それからもう一つ、そのときに試験をしております、私どもも。一部におきましては、町村を通じましてそのえさだとか、それから屠体等につきましても調査をしていただきまして、その結果が出ているのもございます。茨城県にあるのは、総和村の役場を通じまして、それから県の保健所でこの試験をしていただいておりますけれども、その結果も私たちの手には入っておりませんけれども、おそらく私は、そんなにえさによってできたという結果が出ているというふうには私は想像いたしておりません、いまでもまだ信用いたしておりますから。だけどこれ、いまおっしゃるように、早く解決しなかったらいかぬじゃないかということにつきましては、これはしかし私の方も、早くそういうものは即座に解決をし、同時に向こう様と、せっかくのお得意様との話し合いをいたしまして、そうして両方が納得のいく線でいかなくちゃいかぬと思います。だから、今後はそれにつきましては十分注意をするつもりでおりますし、同時に、ああいう、私の方も簡単に自分の責任かどうかわからないような、まだ不確定要素があるものに対しましてはお金を今後払うようなことは一切いたしません。それはなぜかと申しますれば、いま先生のおっしゃったように、悪かったから口どめ料で払ったじゃないかと言われては、私の方の金も死にますし、同時に信用にかかわりますから、とにかくこれは今後も追求をいたしまして、そしてとにかくはっきりしたいということでいたしております。  それからもう一点で、今後工業会としてどうするんだという、これは、生き物でございますし、それから先ほど先生方もおっしゃっておりますように、えさはこれは生鮮飼料なんです。これは私たちは、大体えさの製品のストックとか原料というものは、カビの生えるまでも、湿気で変色、変敗するまで持っておりません。工場なんかの設備を見ましても、一日に五百トンから六百トン出す工場でも、おそらく私はその製品置き場はまあ四日から五日ぐらいだと思います。そのくらいの製品よりかできるだけ鮮度の高いものを渡すことによってよりよい結果が出ますので、私の方はそういう古い、貯蔵したり変敗、腐敗するようなものは渡さないようにしておりますけれども、気候風土、置き場の関係でできないという保証はできませんので、そういうものもよく注意しております。  それからもう一つ、最後に先生お尋ねの、今後工業会としてそれをどうするんだということでございます。これは私、実はこの問題もあり、一部の役員とも話しておりますが、これはやはり公正な第三者の方にお立ち会いをいただいて、これはそうして解決すべきものだと。だから、今後私は、工業会の組織にするか外郭団体にするか、とにかく相対で話をしないで、公正な第三者の方にお立ち会いをいただきましてこれを究明しまして、どちらの、要するにどうだと、まあ仮に管理が悪かったか、えさが悪かったか、病気であったか、鶏舎の消毒が悪くてコクシジウムが出ておったか、こういうようなことにつきまして諸般の問題を私は検討いたしまして今後は解決に当たらしていただきたい。工業会のことでございますので、大ぜいの皆様の御意見を拝聴しなくちゃ、ここで私は約束するわけにはまいりませんけれども、そういう方向に私は持っていきたいというふうに考えております。
  40. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記とめてください。   〔速記中止〕
  41. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。  ほかに御発言もないようですので、参考人に対する質疑はこれをもって終わります。  参考人の方には、長時間にわたり本委員会に御出席くださり、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  これにて休憩いたします。    午後一時四分休憩      ―――――・―――――    午後二時十二分開会
  42. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  43. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 私は、三つほどお伺いをしたいと思っておったんですけれども、一つは、えさとの関連で、麦の問題につきまして、それからもう一つは、石油たん白系のえさの添加物あるいはそのえさの問題について、それからもう一つは、今度のこの法律の改正によりまして検査機構、それから試験研究、こういう三つの問題をお伺いしようと思っておったんですが、時間の関係もありまして、また、原田委員の方も石油たん白系の問題については御質問があるようであります。  そこで、そいつは後へ延ばしまして、二つだけお尋ねをしたいと思いますが、一つは、麦の問題でありますけれども、その前に、まあ従来からつい最近まで農林省が、あるいは農政当局が米に振り回されてきたわけなんですけれども、米の生産調整に大変振り回されてきたわけなんですが、この間の衆議院の農林水産委員会で、大臣が米の生産調整について、来年の五十一年度も進めるような意味のことを発言になっておるわけです。これは一体どういう構想なのか、どういうお考えなのかという点がお伺いしたいわけなんです。私の考えを若干申し上げますと、何せこの米の生産調整につきましては、四十六年に始まったわけですね。それで五年でやるということで閣議了解を得て、そして休耕の方は三年間、で、転作関係につきましては五年ということでお進めになって、それで休耕の関係は三年で終わったわけですけれども、転作の関係がことしで終わることになっておるんですけれども、その間約一兆円を超す金になるだろうと思うんです。本年だけでも直接の転作関係は一千億円をちょっと欠ける程度ですが、関連等々挙げますと、やっぱり千七百億ぐらいの金だと思うんです。ですから一兆円を超すような大変な大きな予算を使って、そして五年で生産調整を終わらせるということだったんですけれども、それがそうならないということは、これは大変問題だというふうに考えておるものですから、その意味でお尋ねをしておるわけです。まず五十一年度も生産調整をおやりになるというその構想について、どういうふうに進めていこうとされておるのか、それをまずお尋ねをいたします。
  44. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 米の生産転換対策につきましては、稲作転換対策につきましては、いま御指摘がございましたように、四十六年から始めまして、四十九年からは休耕田はやめたわけでありますけれど、稲作転換は進めてきておりまして、五十年度でこれが終わるわけでございます。まあ五十一年度からどうするかというお尋ねでございます。私は、これは今後の農政上の大きな課題であるというふうに考えて、現在、農林省におきましても米の需給事情とか、あるいは米以外の農産物で生産振興の必要な農産物は何かといったような問題につきまして鋭意検討を進めて、大体結論を得る段階に至っておるわけでございますが、まあ基本的には、私といたしましては、米は依然としてやはり過剰の基調にあるというふうな考え方を持っております。そうした判断のもとに今後とも稲作転換事業という形にするかどうかといったことにつきましては検討中でございますが、いずれにしても、やはり今後増産をしなければならない作物への転換というものを、ある程度はやはり今後とも引き続いて実施するといいますか、考えなければならない。それはいままでのような転換事業の形でやるかどうかということにつきましては、まだ最終的な結論を得ていないわけでございますが、基本的な方向としては、やはり稲作転換事業といった形のものを今後とも継続する必要があるのではないか、まあそういうふうに思っておるわけでございます。まあいろいろとやはり御意見を、各方面の御意見を聞きながら対策を立てなきゃならぬわけでございまして、最終的な結論を出すまでに至っておりませんけれど、基本方向としてはそういう形でいま煮詰めておるという状態でございます。
  45. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 ことしは百万トンでしたですかね、百万トン。五十年は百万トンの生産調整やっておられるわけですが、五十一年もやはりその程度のものをやらなきゃならぬということになるだろうと思うのです。これもう少しやらなきゃならぬじゃないかと思うのです。また五十二年もそういうことになりゃしないかと私は考えるわけです。で、四十六年からお進めになっております経緯を見てみますというとなかなか、特に昨年からまた水田の面積は相当顕著にふえてまいってますですね。作付面積は大変ふえておりますですね。ですからどうもいまのような情勢、いまのような農政の中でいきますと、どうしても五十一年も五十二年も生産調整やらなきゃならぬのじゃないか、ことしよりもっとでかいものを、もう少し数の多い生産調整やらなきゃならぬのじゃないかという心配をしておるわけなんです。そこで、大臣、来年おやりになるという話なんですが、五十二年度もやっぱりおやりになることになるんでしょうね。どうも踏ん切りつかないですよ、これ。というふうに私は見ますが、もっと論議をしたいんですが、五十二年度もおやりにならざるを得ないだろうという気になるですよ、これは。それはまあ一応もうそういうことになるでしょう。間違いない。  そこで、問題は、私は、五年で終わるということでお進めになって一兆円の金をお使いになったんだけども、終わらなかったということに対する農政上の責任といいますかね、これは重大だと思うんですけどね。この生産調整については、食糧庁や農蚕園芸局を初め林野庁まで含めて、農林省は一体になって取り組むという大政策であったわけですね。そして一兆円という金が使われて五年という年数かけた。それが終わらない。それもしかも私の見方によるというと、それはもちろん五十一年度見通しのつく話じゃないんじゃないかという気がしますと、一体これはどういうことなんだ。長期見通しが狂ったとかいう問題とはもう全然違うわけであって、これは裏づけの一兆円を超す金がついておる。一年で生産調整やれと言ったんじゃなくて、五年ということでやれということになっておった。その問題はどういうふうにお考えなのかという点ですね。
  46. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 五年間で生産調整をやってまいったわけでございますが、しかし、まだ米の需給事情というものが依然として過剰な基調にあるということは今後続いていくわけでございますので、そういう判断からいたしますると、何らかのやはり転作についても今後行っていかなきゃならない、そのための奨励措置も講じていかなきゃならぬ。一面におきましては、ことし米についての在庫の積み増しを行いまして百万トン、来年度は百五十万トンというふうに一応予定をいたしておるわけでございますので、そうした米の在庫積み増しというものは今後ともそういう形で行っていくわけでありますが、しかし過剰基調というのはあるわけでありまして、相当五年間の転作奨励、生産調整によりまして他作物への転換というものは相当程度定着はいたしたわけでございます。が、やはりまだその面で十分でないというのは、過剰基調が今後とも続いていくという面があるわけでございますから、これをこのまま放置していくわけにはいきませんので、一方における米の在庫積み増しとともに、やはり何らかの奨励措置によるところの転作というものは考えていかなきゃならぬのじゃないかと、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。
  47. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 なぜできなかったのか。五年年数があるし、金も一兆円という、ふんだんの金といってもいいと思うんですが、なぜできなかったのかと。しかも、今後まだ見通しもはっきりしない、そのなぜできなかったかということをはっきりしない以上、私は、この問題は片づかない問題ではないかというふうに思うんですけども、これは種々技術的な問題なり、あるいは具体的ないろいろの問題あると思います。農蚕園芸局長もこの間、なられたばかりと言っちゃ失礼だけども、ぼくらに言わせれば、この間局長になられたばかりで、その前は農政局長――地方農政局におられたわけで、これは農蚕園芸局長のどうだこうだという問題じゃないと思うのですよ。農林省全体の私は問題だと思うんですけどね。なぜできなかったのか、その点がはっきりしなけりゃ今後の見通しが立たんじゃないかということですね。
  48. 松元威雄

    ○政府委員(松元威雄君) 当面、農蚕園芸局がこれ実施いたしておるもんでございますから、まず私から申し上げますと、そもそも転換奨励金を出しましたのは、ほかの転作作物が一般的には米に比べまして収益性が低いわけでございます。したがって、それをカバーするというふうにいたしまして、それを五年間ということにいたしたわけでございます。したがいまして、中には永年作物のようにもう大体定着できるものもございます。しかし、たとえば飼料作物でございますとか、大豆等につきましては、まだまだ現状では収益性から見まして米になかなか及ばない、もちろんその間に農家の方は経営の中に取り入れまして、あるいは収量増とか、省力化とか、生産性は向上化しておりますけれども、まだ現状では米に対しまして収益性の面でそれに及ばない。そういたしますと、永年作物等まず大体定着が見込まれるものを除きますと、転換奨励金をやめてしまいますと、やはり米に戻るものが相当あると思われるわけでございます。私ども当初、転換奨励金出しまして、五年かけまして、その間の中に転作の定着ということに種々努力いたしまして、農家の努力もございますし、それからまた稲作転換対策特別事業もいたしまして、機械施設等を導入いたしまして定着に努力はいたしたわけでございますが、やはり農家の経営の中に完全に溶け込むにはまだ時間がちょっと足りなかったという面もございまして、したがいまして、いまの需給情勢のもとでは五十一年以降も稲作転換をする必要がある、こういうふうに考えております。
  49. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 いま局長がおっしゃった、要するに収益性が米に劣ったという点が一番大きな原因だと思うのですよね。それで四十六年から生産調整を始められたのですけれども、これを見ましても作付の面積が出ておりますけれども、豆類にしたってどんどん減っているわけですし、ふえているわけじゃないのです。ふえたのは緑肥作物、飼肥料作物、これが十万ヘクタールちょっとぐらいふえたということと、あと果樹園芸がちょっとふえたというだけです。しかし、そんなものは、今度去年改正しただけで、すぐに十二万町歩、稲作の作付面積ふえているわけです。それですぐ御破算になってしまうぐらいの調子なんですね。そのことは、いまおっしゃるように、やはり価格の面について収益性が少なかったというお話、その収益性が少なかったという最も大きな原因は、私は価格政策にあったのだと思うのです。つまり農産物の価格の均衡性について、大いに欠けるところがあると、こういう問題だと思うのですよ。その問題を処理することなくおやりにやっても、そう私は効果がないのじゃないかというふうに思いますがね。いつまでも三万五千なり四万なりの補助金を出していくというわけにいかないだろうと思う。これから後も、五年たったけれども、六年目も七年目も八年目もやるんだという話では、これはどうにも筋が通らないです。私は、米を中心とした農産物の価格についての整合性というものを発揮させるということが先決じゃないかと思うのですよ。それはほうっておいて、補助金でおやりになってみても始まらぬというふうに思いますね、そういう点についてはどういうふうにお考えですか。   〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
  50. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) やはりいま局長が申し上げましたように、収益性がやはり大きな問題であろうとはもちろん思うわけでございます。そのために収益性をカバーするという形で奨励金を出して、転換事業を進めるということで今日きたわけでありますが、これを今回やめれば、これまた米に返ってくるという事態も予想されるわけでございますので、私たちは、今後ともやはり米の過剰基調が続いている以上は転作というものは進めていかなければならぬ。それにはやはり奨励金も必要でございますが、同時に、転換対策についてのその他の総合対策もあわせて実施をして、今後とも長期間にわたって、そうした転作事業を行わないでも定着ができるというような形には何としても持っていかなければならない。もちろん価格の問題もその中においては大きな役割りを、ウエートを持っているわけでございますので、そういう点もあわせて今後ともわれわれとしては全体的に再検討する時期がきておるというふうにもちろん認識いたしておるわけであります。
  51. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 ここで価格の問題どうこう言ってみても論議の場所ではないように思いますが、この間から私問題出しております、また、あしたから米審で問題になります麦価の問題につきまして、私は、いまのパリティ方式をやはり考え直さなきゃいけないというふうに思うんですね。で、米について働いた、麦について働いたと、その働いたについて賃金が補償される、そういうやはり価格というものを考える必要がある。それにはやはり米と同じような生産費所得補償方式をつくる必要があるというように思うんです。この間、大臣の、ここの委員会におきます答弁の中で、検討したいという発言をなさったというふうに私は聞いたのですが、検討するというような段階は、これは確かに検討しなきゃならぬが、そういう段階はもう前の話であって、来年なら来年ですね、五十一年はそれでいくんだと、そういう方向でいくんだという程度の決意が要るんじゃないかというふうに思いますですね。これは今後、農産物の需給はどうだとか、穀類の需給をどうだと、あるいはこれからの農業はどうだという場合の一番やっぱり大きな柱になってくるのは麦なんですね。あるいは国土の資源というものを積極的に活用するという面から言っても麦なんですね。何といっても麦なんだ、どういう立場から言っても麦だと。あるいはそれは乳牛なり肉牛なりそういうもののえさの需給の問題から言ってもこれはもう麦だと。その麦について、まず生産費所得補償方式というものを来年はとるんだということで検討するというような構えが必要ではないか、そういう姿勢が必要ではないか。そういうふうに思っているんですけれども、大臣のこの間の御発言を聞いていますと、検討をしたいということで終わっているわけですけれども、もう一遍考え方をお伺いします。
  52. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 麦につきましては、いま御指摘がございましたように、われわれも今後、増産というものに農政上の大きな目標を持って、これに対して施策を集中していかなきゃならぬと考えておるわけでありまして、昭和六十年には小麦については二倍、大麦、裸麦については二・七倍というふうな長期目標も立てておるわけでありまして、これを実現をしていく上におきましては、麦の価格を初めといたしまして、総合的なやはり政策をあわして推進をしていく必要があると、こういうふうに考えるわけでございます。現在は御存じのように、麦価についてはパリティ方式でこれを試算をいたしまして決定をし、さらに四十九年度からは生産奨励金を出して奨励を図っておる。同時にまた、機械化のための助成措置であるとか、あるいは集団的モデル麦作事業に対する助成措置であるとか、いろいろの施策も同時に講じてあるわけでございまして、来年度はさらにその上に裏作の麦対策というものを思い切って講ずる必要があるんじゃないだろうかということも現在検討中でございます。そうしたこの麦対策についてはただ、価格問題だけではなくて、全体的、総合的な形でこれを進めていくことによって、やはり麦に対するところの農民の生産意欲というものが生まれ、育ち、そして六十年目標を実現ができるのじゃないか。四十九年度から生産奨励金を交付するということによりまして、いままで三割近く毎年減産をしておりました麦の急落状況というものに歯どめがかかって、五十年度はわずか四%ではありましたが、これが増産に向かったということは、いろいろの施策を講ずればこれはもう十分増産できるというふうに私は考えるわけでございます。そういう面から、麦について総合的、全体的な政策を進めたいと思うわけでございます。今回はパリティ方式によって決定をさしていただきたいと考えておるわけであります。  なお、米価審議会からも毎年の答申の際の附帯決議といいますか、そういう中で麦対策をもっと積極的に講ずべきであると、価格の算定のあり方等についても検討する必要があるんじゃないかというふうな決議もなされておるわけでございますので、そうした国会の御論議あるいは米価審議会の御指摘等も十分こちらとしても勘案をしながら全体政策とともに価格問題についてもあわしてひとつ研究はしてみたいと、こういうふうに思っておるわけであります。
  53. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 大臣は歯どめがかかったとおっしゃいますけれども、確かに四%増加したんです。ですが、これは北海道が大変な増加をしただけであって、都府県、さらに最も必要な水での裏作としては増加してないんですよ。減っているんですよ。北海道がべらぼうにふえたわけですね。これは大変な増加をしたわけで、これは理由があると思うんですよ。ですから、最も必要な都道府県、特に水田の裏作がふえないというのがこれは問題なんで、歯どめがかかったなんという話にはならないと思うんですよ。あれだけの奨励金を出しますれば、それは北海道でふえますわ、べらぼうにふえる。それで幾らか歯どめがかかった。ただ、私は、あの奨励金をお出しになると、奨励金が一俵二千円、それでこれは四十八年度の基礎でやられたわけですから上げなければならぬわけです。ほうっておくわけにいかない、上げなければいけないということになってくるんでしょうけれども、そういうものを入れますと、これは生産費所得補償方式でやっても同じような値段になるんじゃないでしょうか。農家の方の立場からしますと、麦類が足りなくなったために政府はあわてて奨励金をふやしてきたと、これはいつまで続くのかと、本当にやる気があるんだろうかという心配をするのはこれは当然だと思うんですね。だから、そうではなくて、やはり価格算定としてやるということが農家に対しては大変なこれは奨励策になると思うんです。いつ、ひっぱがされるかわからないという気でいるんじゃないでしょうか。対物価政策の問題とかいろいろな問題があると思うけれども、大蔵省の問題だとかというような問題はありましょうけれども、奨励金の問題にしても、これはこれを加えていけば生産費所得補償方式とそう変わらないと思うんですね。だから、米つくっても、麦つくっても、そこで得られる労賃というのは似たようなものであるということになるんじゃないでしょうか。実質上なりつつあるんじゃないでしょうか。お変えになったらどうかと思うんですよ、検討じゃなくて。しかし、これは米価審議会の何かが要るんでしょうけれども、大臣が検討すると言われたから、速やかにこれは検討してもらいたい。そして、いつひっぱがされるかわからないというような不安感をなくすることが必要だと思うんですよ。その点についてもう一遍お尋ねします。
  54. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに奨励金は価格そのものではありませんが、しかし、農家の立場からすれば、価格に等しいというふうなことにもなるわけでございまして、そういう意味では、麦の生産に大きく寄与しておるということは言えると思うわけでございますが、それなら、いっそ思い切って生産費所得補償方式にしたらどうだと。その方が安心ができるんじゃないかという御議論、確かに一つの御議論であろうと思うわけでございますが、現在の食管法第四条二項ですか、麦価の決定に当たってはパリティー指数を基準として決めると、こういうふうに食管法では規定されておるわけでございまして、ですから、食管法のたてまえからいっても、法律改正を行わないでこれを行うということは、いまの法律のもとでは問題があると思うわけでございますし、同時にまた、生産費所得補償方式をとるかどうかにつきましては、麦の生産の状態、態様というものが、規模が非常に零細化している、あるいは多様化している。あるいはたんぼでつくっているのがあるし、畑でつくっておる麦もある。そういうふうな形でありますし、生産費も御存じのように、各県によってずいぶんまちまちでございます。そうしたところからみると、これは米と同じようにやはり生産費所得補償方式をとるということは、実態の上からも私は困難じゃないかと。ですから、一つは現在の食管では生産費所得補償方式をとることは法律の解釈上これは無理がある。それから一つは、法律論は別にしても、現実の麦の生産の状況から見て、生産所得補償方式に一ぺんに持っていくということは、非常にむずかしいと。こういう点からわれわれは今日までずっと続けてきたパリティー方式というものでやることが適切であるというふうに考えておるわけでございまして、今回もそういう考え方のもとに諮問をいたすわけでございますが、しかし総合的な麦対策というものはこれはやっぱり農政の一つの大きな基本でございますから、今後ともこれをやっぱり思い切って推進する上におきましては、これはもう価格問題も含めていろいろと研究をする余地は十分あるのじゃないかと、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。
  55. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 食管法の四条を大臣はお出しになったんですが、食管法の四条はパリティー指数を乗じた額を下らざることと、そして再生産を確保することと、こうなっている。再生産を確保する。維持するんですな。再生産を確保すると書いてあるんだな。そして、それは昭和二十五年、二十六年の価格に対してパリティー指数をかけていくと。昭和二十五年、二十六年というときは麦類は百七十八万ヘクタールあるんですよ。それがいま幾らある。十七万ヘクタールを切っているでしょう。十分の一以下ですよ。再生産を確保できたと言えますか。もう歴史がはっきり示しておるじゃありませんか。百七十八万ヘクタールが十七万ヘクタールを切っちまったと。それでパリティー指数を下回っている。これ下回ってはならないと書いてある。下らざることと。そして、再生産を確保すると。確保なんかしてないですよ。はっきりしてるじゃないですか。これは私は理屈にならぬと思うんですね。この点を一つ。  ですから、これはお役人の、お役人というのはいろいろへ理屈を並べるんですけれどもね。私も長いこと役人の方法を知ってるんですよ。全くへ理屈を言う。へ理屈はうまいです、これは。ぐあいが悪いかもしれませんですがね。理屈がなかなかうまいですが、やっぱりそうじゃない立場で見てもらわにゃいかぬと思う。  それから、もう一つ、これは私はいま大臣がおっしゃったのですが、この間の委員会で食糧庁長官が、きょう見えてないですけれども、長官が、大臣がいまおっしゃったようなこと言ったですよ。畑でどうだ、水田でどうだと。だって水稲だって水田も畑もつくっているんです。陸稲というのがあるんです。その価格だってはじいている。あるいは面積がどうだ、こうだというのですが、百七十八万ヘクタールあったときはばちっとしておったんですよ。いまみたいに十七万ヘクタールに減っちまえば、ぽちょんぽちょんとなってますわ。それでもとまったところはある。そして水田と畑と半々ぐらいです。むしろ畑の方が多い、これは。収量は畑の方が多いんです。これはもう本来は畑作物です。ですから、そういう点から言って、生産が零細であるとか、畑があるとか、水田があるとかいうようなことはへ理屈です、これ、きょうは食糧庁長官はいないものですからね。――来ているのかな、どうも長官はおかしなことを言うんだ。てんで話にならぬ、これは。やりたくない方から理屈をつけるんです。ですから、そういう意味で、私、これは大臣ですね、ぜひ大臣も検討されるとおっしゃるけれども、食糧庁長官言ってるのはあれは間違いです。とんでもない話なんです。これは答弁要りませんです。  そこで、ついでにもう一つ。今度は答弁を必要としますけれども、この間私、食糧庁長官に質問したんですけれども、四割近い、三割以上の麦類というのが検査からはずされているんじゃないかという話をしましたら、そうしたら、食糧庁長官が、いや検査場に持ってきたものの中で規格外になるのは二%だという話がありまして、それで私は、だいぶ話が違うものだからそのままにしておいて調べてみました。調べてみたら、この麦で言いますと生産量の六二、三%というのがその検査場に出てくるのですね。それで、ですから四割近いものがその検査場に出てこないわけですね。六条大麦、えさ――飼料になる六条大麦、これなんか、四割ちょっとしか検査場に出てこないわけですよ。六割近いものが検査場に出てきてないんですね。私は、そのことが言いたかったわけなんですね。だから、その意味では、若干親切さを欠いた答弁になったんですけれども、私は小麦で言いますと、南九州の場合は、三割ぐらいしか検査場に出てこないんです。七割というのは検査場に出てこないんです。大麦で言いますと、いま申し上げたように、全国平均でも四割しか出てこない。六割というものはえさになっておるんです。だからそこで、それじゃそういう麦なり大麦というのは、いま政府が盛んに進めようとする、あるいはこれから進めなきゃならない麦類の生産に対しては貢献してないのかというと、これはりっぱに貢献しているわけですよ。二、三俵しかないから持っていってみたってしようがないということなんでしょう。で、農協を通じてどうだこうだというよりも、もう自分の家で処理しちまおうかとか、あるいはもう出さないで、えさに回してしまうとかというような形で処理されているものじゃないでしょうか。ですから、そういう南九州で言えば、小麦については三割ぐらいしか出てこないでしょう。大麦は全国平均で、裸麦でもそうですが、六条大麦でも四割ぐらいしか検査場に出てこない。そういった問題について一体麦作を根本的にやろうという場合に、これをどう取り扱うかという点が私は重要ではないかと思うんです。今後とも大麦が増産された場合に、一ぺん流通機構に乗ってまた農家の手に戻っていくというような、そういうことを望んでやっていらっしゃらないでしょう。やっぱり農家がつくったものが、これが肉牛のえさになっていくということを望んでいらっしゃるだろうと思うんです。それならばこの生産奨励というものについての考え方というものを、いまのような考え方ではだめだというふうに私は思うんですけれども、その点について食糧庁なりあるいは農蚕園芸局はどういうふうに考えているのかという点をお伺いします。
  56. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 先般の当委員会におきましての鶴園先生の御質問でございますが、確かに食糧庁長官から二、三%というお答えを申し上げております。その後、私どもの方でいろいろ詳しく調べましたところ、その二、三%と長官から申し上げましたのは、等外下あるいは規格外の数量の物が検査数量に対比をいたしましてどのくらいあるかという数字でございまして、確かに検査に出てくる数量という点からいたしますと、特に鹿児島県の場合には、御指摘のとおり非常に高い比率が自家消費に充てられておるというぐあいに見られるほどの数量でございます。六割ないしは七割ぐらいになるのではないかというぐあいに考えております。全国平均では三割程度だというぐあいに理解をいたしております。
  57. 松元威雄

    ○政府委員(松元威雄君) 麦の増産政策と自給麦との関係についての御質問でございますが、御指摘のとおり、麦の生産はこれは自給麦もございますし、それから販売麦もあるわけでございます。確かに麦の種類によりまして、それからまた地域によりまして両者のウエートは違うわけでございますが、大づかみに申しますると、全国平均では七割が流通麦であるわけでございます。そういたしますと、やっぱり増産の中心は流通麦ということにするのが一番便宜と、こういう言葉を使うといかがかと存じますが、一番実際的であろうというふうに考えるわけでございます。それからまた、もちろん生産奨励補助金の出し方につきましても、販売量で出すやり方もございますし、それからまた面積で出すやり方も理屈上あり得るわけでございますが、面積の場合にはなかなか確認がむずかしいという技術的問題もございます。特に畑麦の場合にはこれは間混作等ございまして、非常にこれは把握が困難でございます。そういうことを考えまして、やはり増産されるものの中心は流通麦であると。もちろん自給部分でも減らないようにするということが必要でございますけれども、今後、伸ばす中心はやはり販売される麦である。かたがたそういった技術的な問題もあるわけでございまして、したがって販売麦を対象といたしまして現在、生産奨励補助金を出しているわけでございます。今後、麦の生産をさらに伸ばすために各般の施設を目下検討中の段階でございますが、特に先ほどお話がございましたが、都府県の場合、今後伸ばすべき本命は水田裏であるわけでございまして、都府県の場合には畑麦は減少傾向でございます。特に水田裏は四十九年が一二%、五十年が七%という増加傾向をたどっております。したがって、この芽を大事に、さらに伸ばすということが大事でございますので、そういった水田裏作麦の生産振興を中心に、いろいろ総合施策の比較検討をしたわけでございますが、その中で、こういった問題も含めて検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
  58. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 局長、農蚕園芸局長、これは、   〔理事高橋雄之助君退席、理事小林国司君着席〕 この麦は、四十九年度で六二・五%、生産量の六二・五%が検査場へ出ているんでしょう。ですから、四割近いものが出ていないわけですよ。それから、最も必要な六条大麦、これは四〇%検査場へ出ていますよ、四〇%。あなた小麦は七〇%ぐらい検査場に出るようなお話し、そうじゃないんですよ。小麦は約三八%というものしか出てこないんです、検査場に。裸麦は六〇%出てこないんです。それで言っているんですよ。おたくは、だから農家がつくったものは一遍売りに出して、それをまた農家は使えばいいという頭でいるんじゃないんですか。それは農家には通用しないんです。それがお役人の考えだと言うんです。私はお役人の気持ちはようわかるんだ、つまらない理屈立てるんだ。一遍農家に戻って、今度出したらいいじゃないか、という考えです。そんならみんなやります。それをやったらいいじゃないですか、それじゃあ。一遍出して持ってきたらいい。そういうことじゃなくて、じきこれだけ、これしか出てこないんだから、だから、これをどうするかということが今後の麦作の問題じゃないですかと、ぼくは指摘しているんですよ。みんなそう考えているんですよ。そう考えていないとすれば、これ農蚕園芸局長だけが考えていないことで、現場みんな考えている、それ。農政局だってみんなそう、地方農政局もみんなそうですよ。これ、出てこないものをどうするかと。六割出てこないですから、大麦の場合は。だから、これをどうかしなければ、これは増産にならぬというんですよ。だから考えなさいと、こう言っているんですよ。
  59. 松元威雄

    ○政府委員(松元威雄君) 全体が数字の問題でございますから、これ、間違いがあってはこれは重大でございますから……。私、先ほど約七割が全国平均で、しかも四麦合計では約七割が流通と申し上げました。これは四十九年三麦の収穫量とそれから流通量――検査数量と置きまして並べた比率でございますが、さらに、麦別に申し上げますと、小麦は七〇%が流通、すなわち検査数量でございます。それから六条大麦は、確かに低くくて四二%でございます。それから二条大麦は七六%が流通でございまして、裸麦は六四%と、四麦合計六九%でございまして、これをラウンドナンバーで、私、先ほど七割というふうに申し上げたわけでございまして、もちろんこれは年による振れは多少ございます。それから、地域的な偏差もかなりございます。ございますが、私、先ほど七割と申し上げましたのは、この四十九年の数字をもって、六九%を約七割と申し上げたわけでございます。  その数字の問題はさておきまして、先生の御指摘の論点といたしまして、麦の生産を伸ばすには需給も大事であるという論点、私はそれはちっとも否定はいたしておりません。ただ、その場合、先ほど申しました技術的問題もございますし、七割が、全国平均で見ますと、しかも麦の種類別に通して見ますと、流通量あるから、やはり中心は、販売麦において生産奨励金、補助金を交付するのは一番実際的でなかろうかと、まず、そう申し上げたわけでございます。それからさらに、しかしながら、今後、水田裏作を中心に伸ばす場合には、いろんな方策を考えておりますから、その中の一環としてそういう問題も検討いたしたいというふうに申し上げた次第でございます。
  60. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 いや、局長、あなた、麦、四麦一緒に計算するなんというのは、ぼくは、農蚕園芸局長らしくないと言うんだ。それはあんた、麦の問題を論議をする場合に、四麦合計で話をするなんというのは、これはずさんですよ。だって、数がほぼ似ておればいいですよ。ここは私の数字だと六二%、これはちゃんと農林省の資料ですよ。これは四十九年の十二月の米審に農林省が出した資料から引っ張り出したんですよ。四十九年の十二月に米審やったでしょう。あのときに「麦価に関する資料」というのを農林省出しているんですよ、その資料から引っ張り出したんです、これ。ですから、これはちょっと違うのは、政府の買い入れ麦と生産量との比較です。検査に出てきたって、この中から検査をはずされるのがありますから、幾らかね。だからそこの数字は違いますよ。若干違うと思いますが、政府の買い入れとそれからその生産量とは、いま言ったような形になっております。ただ、この四麦合計でなんて、ずさんな話じゃあ農産園芸局長らしくないです、これは。これは全部きちっとしてもらって――それでいま言ったようなこの大麦の場合に、四割しか出てこない、四割は政府買い入れですよ。あと六割というのはそうでなくなっているわけですね。これは、麦を生産する場合に、増産する場合にどうしたらいいかという場合には、重要な問題でしょう。各局の各地方農政局長、頭にきているんじゃないですか、この問題で。そこら辺が、私はそういうようなことではこれは麦の増産奨励にはなっていかないということ、これが一番心配な種じゃないかというふうに思いますよ。ですから、この奨励金の問題についても、考えに考え、さらに検討する必要があるというふうに私は思っているわけです。
  61. 松元威雄

    ○政府委員(松元威雄君) 数字の多少のあれは別といたしまして、御指摘のように、麦別に相当違う、これは事実でございます。それはまた自家消費の内容が、いわゆる自分で食べる消費と、えさ用と、またいろいろ形態もあるわけでございます。相違があるわけでございます。  ただ、私、申し上げましたのは、一緒くたはずさんだ、という御指摘もあったわけでございますが、やはり一番大宗が流通麦であるということ、かたがたあわせまして、やはり奨励金の出し方の技術的方法といたしまして、たとえば面積把握について、特に畑の場合非常にむずかしい、これ何としても非常に頭の痛いむずかしい問題でございます。これはなかなか面積確認というのは、役人らしいとおっしゃるそうでございますが、これは非常に頭の痛い問題であるわけでございます。それに比べて、水田の場合にはまだ把握しやすい問題もございます。まあ、それらを考え合わせまして先ほど申し上げましたが、一今後の麦対策といたしまして、特に水田裏作麦の振興を中心に、現在検討いたしておりますが、その場合の総合的検討の一環として、その問題も検討いたしたいという考え方を申し述べた次第でございます。
  62. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 さて、この問題はこれだけにしまして、あと、先ほど私申し上げましたダイブと、それから先ほど高橋参考人からもお話しありましたニトロフラン系の薬剤ですね、こういう問題について、もう少しこう詰めて論議をしたいとも思っておったんですが、これはひとつ延ばしまして……。  次に、この検査とその検査機構ですね。せっかく法律が改まって、そして安全性の問題についても大変新しくつけ加わりまして、大変仕事がふえるわけですが、そこで、先ほども安全性の問題について、農林省の検査機構なり、試験研究について大変疑義があるといいますか、不安があるというんですか、そういうような話がありましたですね。私もその点については、どうも似たような感じを持っておるわけなんですけれども、畜産局長にお尋ねをいたしますが、安全性の問題について、いまの検査機構なり、それからいまの畜産局が持っております家畜衛生試験場なり、あるいは畜産試験場なり等々において、十分であるのかどうかという点をまずお尋ねをします。
  63. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 改正法律が成立いたしまして、これを旋行する場合に、技術的な監視体制を強化しなければいけないということは、本法の円滑な運営のために大きな条件になるわけでございますが、そうなりますと、検査機関を、技術的にも、あるいは設備の面におきましても、人員におきましても、整備をする必要があるというふうに考えております。現在、検査機関は、国の検査機関は、肥飼料検査所というのが、本州ほか全国六カ所に設置せられております。肥料とあわせまして飼料の検査をやっておるわけでございます。都道府県におきましても、飼料検査所、あるいは飼料分析所等の名称によりまして、大体各県とも検査機関が設置をせられておりまして、従来、現行法に基づきます立ち入り検査を行いまして、収去いたしました飼料の成分の検査、あるいは異物検査等をやっておるわけでございますが、飼料の安全性につきましては、法に基づく検査はございませんけれども、関連業務といたしまして有害物質の汚染状態の把握等をやりまして、農薬、あるいはアフラトキシン、重金属、PCB等につきまして、飼料あるいは飼料添加物の抜き取り検査を実施をいたしておるわけでございます。この法律ができますれば、これらの安全性に基づく検査も法に基づくものとして厳正的確にやらなければいけないということになるわけでございますので、われわれといたしましては、現在の検査機構をこの法律改正案が施行されます約一年先までの間にできるだけ充実をいたしまして、人員の面におきましても、あるいは施設の面、機械器具の面におきまして、あるいは技術水準の面におきましても、できるだけ整備をしてまいることによりまして万全を期してまいりたいというふうに考えます。  なお、今後の本法運用の状況を見ながら、さらに時間をかけて一層強化をする必要があるというふうにも考えられますので、その辺も運用の実態を見ながら拡充強化を図ってまいりたいというふうに考えております。私どもの考え方といたしましては、安全性に基づく検査と品質、栄養成分の確保に関する検査と両面あるわけでございますが、国の検査機関は安全性の検査に重点を置きまして、都道府県の検査機関あるいは一部検定を民間機関にやらせることにいたしておりますが、これらの検定業務につきましてはできるだけ県なり民間の機関を活用しながらやっていくと。安全性の検査は原則といたしまして国が中心になってやれるように力点をそこに指向してまいりたいというふうに考えております。
  64. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 試験研究はどうですか。
  65. 小山義夫

    ○政府委員(小山義夫君) 試験研究機関におきましては、国の畜産試験場とそれから家畜衛生試験場が安全性の研究の中心になっておりまして、これに食品総合研究所とか若干の地域農業試験場が加わっております。いまの検査の安全性に関する研究に直接、間接に従事しております研究者の数は約百三十名程度でございまして、研究の内容を一々申し上げますと時間がかかりますので省略をさせていただきますけれども、結論的にこれで大丈夫なのかという御指摘がございまして、まだ私どもも人員並びに予算、設備その他重点的に安全性の問題については拡充をしている過程でございまして、現段階でもうこれで十分の体制が整っているというふうにはなかなか申し上げかねる面があるわけでございますけれども、従来から相当基礎的な研究の蓄積はございまして、これがいろいろ行政判断をする場合の判断材料として提起をしておるわけでございます。今後のといいますか、いまの比較的弱い面、したがいまして、さらに今後、重点的に拡充をしたいというふうに考えておりますのは、やはり何といいましても家畜に対する有害物質の残留とか、あるいは代謝機構とか、そういう方面の研究、それからいまもう一つは、午前中の参考人の方の御意見にもありましたけれども、遺伝障害等に関する研究につきましては、正直言って私どもの現在の、現段階の研究体制では――もちろんやっております、かなりのことはやっておりますけれども、なお今後も重点的に充実を図らなければいけない点であろうというふうに考えております。ただ、これらの分野は非常に共通基礎的な、といいますのは、農林省とかあるいは家畜関係だけではなくて共通基礎的な分野になりますので、当面の措置といたしましては、大学の研究機関等、これらに関連する研究機関の協力、連絡等を十分に図りまして対応していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  66. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 私は農林省の名簿を見まして、家畜衛生試験場、それから畜産試験場、これちゃんと部門分かれておりますし、それから研究官のちらっとこう名前が載っていますね。これを見ると、大体何をやっておられるかということはわかるわけですけれどもね。それでいまおっしゃった、それから、あれはやっぱり畜産局関係の動物医薬品検査所、これもあるんでしょう。ばらばらになっているの、これは。いやそれはまあいいです。それを見まして、どこでおやりになるんだろうと思ってね。かっこのいい話なんですけれども、いまの事務局長の話ですと。どこでしかし、やるんだろう。畜産試験場で言いますとどうも、どこでやるんだろうか、しいて言えば生理部かなと思うのだが、あとは栄養部。どうもかっこつかないように思うのですが。だから何か、あっちでもやっている、こっちでもやっているというお話なんだろうと思うんだけれども。それからもう一つ、大学の研究機関をどうだこうだっていう話は、この間もそうおっしゃったけれども、そういうときは大体隠れみのであって、どうもうまくいっていないように思いますね。ですから、私も細かく論議いたしませんですけれども、この安全性の問題についての試験研究について大変不備であるというような印象を持っているわけですし、それから高橋参考人の方からも出ましたけれども、確かに不安感があるという話、それからもう一人、獣医師の方がおっしゃったのは、とても不安、これも不安だと言うんですな。とても不安だという話ですよ。だからそういうことを感じさせないような形のものへ、ひとつやってもらいたい。急速にそういうような体制をとっていかないというと、これは畜産農家にとっても、国民にとっても、大変これ、まだ評判になっていないからまだいいようなものの、これぱっぱ、ぱっぱ評判になってくると心配の種になってくるんですね。ですからそういう点で、この点については十分ひとつ努力をしてもらいたいと思いますね。これはなかなか試験研究というのは惰性がありまして、むずかしいんだろうと思うのですが、しかしそれにしてもそう言っておれないです、これ。これから問題が出てくるたびに出てくると思いますよ。そういうことでひとつ御努力を要望しておきたいと思います。  それから畜産局長がお述べになりました、えさとそれから肥料とを一緒に検査することになっておるんですか、肥飼料検査所――肥料の方か上についているわけだ。肥飼料検査所、これを見てみましてね、どうも大変充実足りないと、困るな、という感じがするんですが、さっき局長もいろいろおっしゃいました。私もいろいろ挙げてこれどうだ、こうだということは言いませんが、ただ、この配置の状況は努力してこられたんですけれども、実際畜産局の参考資料によりますというと、えさの検査の人間というのはふえてないわけですよね、四十九年までは。五十年は出してないから、畜産局の方は、参考資料を。だから四十九年までで言うとふえてない。都道府県は御承知のとおり三年計画で、主としてこれは器具について援助なさった、四十八年に終わった。ですが、私は、この体制じゃ非常に不備だというふうに思うんですけどね。そこで、もう少し具体的に札幌の肥飼料検査所、それから仙台の肥飼料検査所、これはえさと肥料を課制をとってありませんから、課制がとってないので登録係長というのが兼務で一人おるんですね。この人が、登録をやり、えさも肥料もやる。それから鑑定係長というのが一人いるんですね。課はないから一人おるんですよ、鑑定係長。これがえさの鑑定と肥料の鑑定をやる責任者になっておるわけですよ。私はこれは仙台もそうですし、それから札幌もそうですが、少なくともこれはやはり課制をしていて、それぞれきちっとする必要がある。もし課制がしけないのなら、えさについては課制をしく。そしてえさの鑑定とそれからえさの検査と係長を置くというふうにしませんと、えさと肥料と全く違う話です、これ。えさと肥料は、もう全然違ってきちゃっているんですよ。昔は似たような点もありましたけれども。これはできましたのはいまから十四、五年前ですから、三十六年ですか、できたわけですから。それ以降の変化から見て、こんなような機構ではどうもまずい。言うならば、いままで肥飼料検査所というのは日が当たらなかりたんですけれども、俄然この法律が出てきまして、最近その脚光を浴びるようになりまして、注目を集めておるわけですけれども、非常に貧弱ですよ。ですから、まず私の提案はですね、提案というか意見は、まず札幌と仙台についてひとつ課制をおしきになったらどうか。一人の登録係長がえさも肥料も、一人の係長がえさも肥料も登録の仕事もやっている。鑑定の問題も、一人の鑑定の人が、えさも肥料もやるという話じゃ困るじゃないか。きちっとなすってみたらどうかという点、その点について伺います。
  67. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 札幌、仙台の場合は、現在定員が十名でございまして、定員数も少なく、事業量も検査機関に比べれば少ないということもございまして、現在肥料、飼料別に係を設けることをせずして、いわゆる横割り式で、肥料、飼料を通じまして、管理係、検査係等を置いておるわけでございますが、現在の定員を前提とする限り、縦割りの組織にするよりもこのような横割り組織の方が所長の判断で弾力的に対処できるということで、このような係の組織になっておるわけでございます。しかし、先ほど申しましたように、今後この本法施行に伴いまして業務量等ともにらみ合わせまして、定員の拡充をするというような場合には、御指摘ございましたように、縦割りにすると、課を設けるということも十分検討してまいりたいというふうに思います。
  68. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 局長ね、この肥飼料検査所の、えさの問題については、四十九年に四十四名いるわけですが、これの増加の計画というのはあるんですか。こういうふうに増加していきたいという計画ですね。五十年はこういうふうにして、五十一年はこういうふうにしたいというふうな計画はあるんですか。
  69. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 具体的に、何名を何年間で増員をするという目標を持っておりませんけれども、検定部門を中心にいたしまして、今後人員の充実を図っていきたいというように考えております。
  70. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 せっかくこういう大きな改正をされて、時代に即応したような形のものに法律の改正が行われるわけですから、当然それに即応した、それを実行する検査機構というものについてのやっぱり年度計画ぐらいはあってしかるべきですね。大体、農林省の局長というのは、大臣、言っておきますけれども、こういう点について関心がないんです、余り。いい点はあるんだが、政策には熱心だけれども、こういう問題については関心が余りないですな、よくないです、これ。両方とも熱心じゃないと、やるものをどうするかという点と、法律をどう改正するかという点について、両方とも熱心じゃないと困ると思うんですね。法律はつくったが、まだ年次計画もないんじゃ、これはやっぱり貧弱ですな。だから先ほど出たように、不安定だとか不安感だとか皆言うわけですわな。さっきのたん白質の問題を突くと、この点がはっきりすると思うんですけれどもね。  まあいずれにしましても、この肥飼料検査所というのは、えさと肥料をやっておるわけですけれども、もともとは、これは別々であったわけですよ。それを一本にしたわけです、三十六年か七年に河野一郎さんが農林大臣のときに。彼は肥料専門でしたからね、河野一郎さんというのは。ですから、肥料のところへ飼料をぶつけたわけだ。それで一本にしたわけですよね。それでいまになって、それでいいのかどうかという点はあると思うんですよ。  大変肥料もふえましたし、そしていま肥料というのは、言うならば産業廃棄物ですから、ほとんどが。産業廃棄物ですわ、これ。でしょう。若干あと肥料専門というのがありますけれども、ほとんどこれは産業の廃棄物ですわな。それで多種多様にわたっているし、中にはカドミウムが入っている、重金属が入っているというようなわけで、えらい産業廃棄物ですから、だからそういう意味で肥料の問題については大変変わっておりますし、それからえさの問題については非常に変わってきているわけですよ。私が見ますところは、この三十六年に一本にぶっつけて一本にして、まあ無理やりにこれ一本にしたんです、たしか。そう思っているんです、私は。無理やりにえさを肥料の方にぶっつけてしまって、いまになってみて私はこれは大変問題になるんじゃないだろうかという気がするわけなんですよ。そういう面についての御検討をなさっていらっしゃるのか、あるいはこれでいいとお思いになっていらっしゃるのか、その点をお伺いします。
  71. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 御指摘のような経過で、それまで別個の機関でございましたのを統合いたした経緯はあるわけでございますが、技術的に共通する部面もございますので、機構全体の合理化の一環としてそのような措置をとられたのでございます。今後、先ほど申しましたように、人員の面におきましても、機器、設備の面におきましても拡充をしていかなければならないということでございますので、当面、現在の組織を前提として拡充に努力をしてまいりたいというふうに思いますが、将来の問題としては、運営の実態を見まして、御指摘のような点も検討をしてみたいというふうに考えております。
  72. 鶴園哲夫

    ○鶴園哲夫君 それからもう一点ですね、私はこの東京肥飼料、それから名古屋、福岡、大阪、そして仙台、札幌と六カ所あるわけですが、その六カ所がそれぞれ独立をして、そして畜産局と農蚕園芸局につながっているという形になっているんですね。   〔理事小林国司君退席、委員長着席〕 それでかっこうは、農蚕園芸局に所属しているわけですね。畜産局じゃないんですね。これはやりにくい点も大変あるだろうというふうな気がしますがね。それは一応おきます、細かくなりますから。  問題は、肥飼料検査所の格が大変に低いということですね。少なくとも私は、東京の肥飼料検査所、これはやはり部長制をしくべきだと思うんですよ、部制を。それで所長なんかも一等級上げてやらなければいかぬですね。部長つくったり、課長つくったりせなければいかぬと思うんです、これ。というのは、これはこれから一層化学関係の専門職、それから獣医師、そして薬剤師、こういう人たちがどんどん入ってこなければいけないです。そうしないと、大変不安感を与えます。いまもいらっしゃいますけれども、もっともっとそういう意味の専門職というものは入れてこなければならないという場合に、いまの組織というのはそういう形になっていないわけなんです。単に一般的な機関としての――まあこれは県にある機関よりまだ小さいですね、組織としては。だからここら辺が、東京なら東京は、ブロック、ブロックを取り扱っているわけですから、これだけの大きな仕事をやるのにこんな組織ではお恥ずかしい。ですから、そういう面も含めて検討してもらいたいと思うんですね。活気を争えてもらわぬことには、せっかく法律はつくったけれども、大変に苦労することになりますよ。  それともう一つ、この間私ちょっと言い忘れたんですが、同じ畜産局長ですからついでに補足して追加しておきますが、動物検疫所、これ、動物検疫所というのは、これは獣医師がいっぱいいるんですよ。まあ待遇が大変悪いわけだな。大体出張所に皆おるわけ。出張所長というのは四等級ですよ。出張所長にならぬ以上は四等級になれぬわけだ。これは大変な問題だな、これ。統計の出張所と食糧の出張所と同じような体制になっているわけですよ。それでまあ統計や食糧の人たちが皆同情しているんですな、いやあ、かわいそうなものだと。これは幾らやってもわれわれ四等級になれないんだと。てなわけですから、動物検疫所の問題についても、これはそういう面の配慮が要るんじゃないですか、絶対要るです、これは。もうやってもらわぬことには、この次はぼくは具体的な資料挙げてやりますよ。これおかしいな。それで、その二つについて局長の答弁をいただきたい。
  73. 松元威雄

    ○政府委員(松元威雄君) 前段の問題は肥飼料検査所で、農蚕園芸局が一応まとめておりますものですから、私から答弁させていただきますが、現状では、ただいまお話のようで、全体の資金の影響の問題もございまして、東京の所長の格づけの問題とか、あるいは部制の問題という御指摘があったわけでございますが、特にこれは飼料関係の業務量の増大、さらに専門的ないわば技能と申しますか、そういうことを備えた人の充実ということを含めての御質問かと存ずるわけでございますが、現状では、東京の場合でも、人数の問題とか関理する業務量の関係からいたしましてなかなかやはり格上げはむずかしいわけでございます。が、今後、確かに御指摘のように業務量がふえて、量質ともにふえてくる。そういう場合には、これはやはり機構も含めて格づけの問題等につきましても、検討しなきゃならぬというふうに考えるわけでございまして、現状のままでは、なかなかこれはいまの全般のバランスがございましてむずかしゅうございますが、今後の業務量との見合いで検討してまいりたいと考えております。
  74. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 動物検疫所の所長以下家畜防疫官は、海外からの伝染病の侵入を防遏するという非常に技術的にも高度なものを要します重要な使命を持っておりますので、その処遇の改善につきましては今後とも遺漏のないように努力してまいりたいと思いますが、具体的には等級別定数枠の確保、その他勤務条件の改善につきまして関係方面とも十分協議をいたしましてできるだけ配慮してまいるように努力をしたいと思います。現在、所長で申し上げると本所長が二等級、支所長が三等級、出張所長は四等級というような格づけになっておりますけれども、人員も毎年ふやしておりますので、それらの実態に合った格づけにしていただくように今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
  75. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 法案の質疑に入る前にちょっと一問だけ。先般九日、十日のひょう害の視察に行ってまいりましたので、一言だけ大臣並びに関係部局の意向をただしておきたいと思います。  実はその一つ、群馬の昭和村というところへ参ったんですが、ひょう害のほかに集中豪雨を受けまして、単に生産物、農産物をやられたことだけでなしに、かなり膨大な農地が流失被害を受けておる、こういうことであります。こういう災害についていろいろと手だてがあることは一応わかっておるわけですが、特に地元の人たちが非常に心配しておることは、この村が非常に珍しい農村で、農家戸数の八割までが専業農家をやっておるという農村です。特に開拓地が多くて、赤城山の火山灰土等が多くて非常に弱いところで被害を受けたわけなんですが、専業農家が八割あり、その大部分に後継者がぴたりと居座っておる、こういう農村であり、ぜひともこれを復旧して続けていきたいと。ただ非常に貧困な村で、今回受けた被害は村の当初予算総額八億のところへ約二十億の被害を受けておる。こういうような村なので、農産物の被害等々については、それぞれの筋向きの御援助をいただきたいと思っておるが、農地の復旧だけはぜひひとつ国の方で本格的にやってもらいたい。  私も実は、先般農振法の一部改正等も審議さしていただいて、これからの農業の方向で農地がいかに大事かと、有効に使うかという基本的な姿勢が確立されたばかりである。しかもそうした農村で流失した農地をとてもこれは自己負担ではやれないし、さればといって村でも、わずか七億の村ですから、当初予算は。こういうところなので、ぜひともひとつその方向について全面的な協力を願うということをお願いしておこうと、こういう話をしてきたわけですが、明々後日、災害特別委員会でやるわけですが、当日はたまたま農水もまたお開きになって大臣もどっちへ出席になるかわからない、こういうことでもありますので、特にこの際、大臣並びに関係部長の温かいお答えをいただいておきたい、このように思うんです。
  76. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の豪雨あるいはひょう害等によりまして全国では相当な被害が続出をいたしまして、これに対しても農林省としてもその対策を急いでおるわけでありますが、いま御指摘がございました群馬県昭和村につきましても、農林省としても十六、十七の両日にわたりまして係官を派遣をいたしまして、復旧計画につきまして調査をするとともに、その指導をいたしておるわけでございますが、この災害に対しましていま栗原さんのお話しのように、やはり農地の復旧というのが大変大事である。特に専業農家が多いわけですから、農地の復旧は非常に大切なことであるということは私もそのとおりだと思うわけでございます。この農地復旧に対しましては、御存じの農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律があるわけでございまして、この法律に基づきまして、農地復旧を急いで行わなきゃならぬわけでございまして、せっかく御質問を受けたわけでございますから、査定を急ぎましてこれが対策を早急に進めたいと考えておるわけであります。
  77. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 お話はわかりました。現地の人たちにも非常に前向きな温かい気持ちでやるから心配せずに元気よくやれと、こう答えておいてよろしゅうございますね。
  78. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 災害で苦労されておる現地の復旧は一日も早く急いでやらなければなりませんし、いま御質問のとおりの気持ちで対処いたしたいと思います。
  79. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 ありがとうございました。現地の人たちにそのように伝えますからひとつよろしくお願いいたします。  それでは法案に関連した質問に入りますが、本日午前に参考人のいろいろ話を聞きまして、これはどうもなかなかわれわれ素人もびっくりするような気持ちに実はなりました。かねがね少しは安全性についてと考えてはおりましたけれども、きょうの参考人の話を聞いて、ある意味では冷や汗が出るほど実はびっくりするような話を聞かしていただきました。ただ問題は、農業基本法の中で日本の食生活が変わっていく、米麦中心から畜産の方へ大きく方向を変えていく。こういう大転換があって、その路線で日本の農協も進んできたわけでありますが、今回そうした畜産物のえさの安全性というものを本格的に取り組むと。こういうことはいままでだって無論、畜産物は食料の一つであったのですが、いよいよ本気になって畜産物を食料として位置づける気持ちになったなあと、こういうような感じがいたします。  そこでお聞きしたいのは、畜産物を日本の食糧の大きな一つの柱としてやっていくという、こうした基本的な立場をとる限り今後、畜産について、穀物食糧と畜産物との関係をどんなぐあいに位置づけていこうとするのか、この点についての一つの展望といいますか、考え方をひとつ述べていただきたい、このように思います。
  80. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) わが国の食糧全体の需要の中で畜産物がどのような位置に位置づけられるのかというような御趣旨の御質問かと思いますが、先般、閣議決定をいたしました昭和六十年を目標といたします需給の長期見通しにおきまして、畜産物につきましてもそれぞれ需給の見通しを立てたわけでございますが、御承知のように、従来のテンポで今後とも需要が伸びるというところまでは、今後安定成長に経済全体の運営が変わるという前提に立ちますと見るわけにはまいりませんけれども農産物の中では依然として着実に、最も需要の伸びる部門であるというふうにわれわれは考えておりますので、牛乳につきましては、たとえて申し上げれば四十七年度の基準年次に比べまして、六十年度は五五%ばかりの、国内生産を、消費の増大に対応して伸ばしていく、また肉類につきましては総合で約五八%生産を伸ばしていくというようなことを考えておるわけでございまして、自給率について申し上げれば牛乳につきましては九四%、さらに肉類につきましては牛肉以下それぞれ若干違いはありますけれども、総合で九四%というような国内自給率を目標にいたしまして着実に増大します需要に対応した国内生産をできるだけ確保していくという考えに立っております。
  81. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 そこでお尋ねするのは、これはそれぞれの関係した向きに利害関係があるから少し問題を醸すかもしれませんけれども、全体的に食糧が足らない方向に向かっておる、そして、日本国内の食糧自給率はきわめて低い。これをなるべく自給率を上げていくとこういう中で、もちろん確かに、畜産物は嗜好に合った、それは栄養価も高いいい食料であるには相違ありませんけれども、少なくともそうした畜産物をつくるには、一般穀物をその生のままで食べるよりも八分の一に集約されると、こう聞いておるわけです。肉類その他畜産物にすれば八分の一になると。そういうようなあり方がどういうぐあいに受け取められるのか。そして一方では、米は過剰ぎみであるからまだ生産調整をすると、こういうようなこと。こういう取り組みが、どうもよくわかりました、となかなか理解しにくいのですが、この辺の、食糧全般足らぬ中で米は過剰であるから生産調整をすると。畜産物はもちろん、畜産を勧めてきているのですからこれを盛んにしていくことは結構だけれども、その飼料の主力をなす穀類は、畜産物にすれば八分の一に集約されると、こういうようなものをどんなぐあいに受け取め考えたらいいのか、この辺をひとつわかりやすく納得のいくように御解明を願いたいのですが。
  82. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 畜産の振興を図りますためには、どうしましても飼料の安定的供給を確保するということが基本的な条件になるわけでございますが、先ほど申しましたような畜産物の生産を伸ばすためには、その基盤といたしまして飼料の需要は、TDNという単位に換算をいたしまして現在の――現在のといいますか、基準年次であります四十七年度の二千二十五万トンに対しまして二千九百八十七万トンぐらいにふやすと。約五割近い需要が伸びると。それに対応いたしまして国内で飼料を供給するということになりますと、特に御指摘ございました飼料穀物等につきましては、なかなか国内で生産をふやすということは非常に困難でございます。したがいまして、私どもの考えといたしましては乳牛あるいは肉牛等の大家畜につきましては、けさほどの参考人の話もありましたように草食動物でございますので、これは国内の草資源を開発する、あるいは既耕地に飼料作物を、たとえて申し上げれば水田裏作――現在あいております水田裏作にも麦と並んで飼料作物を導入するというような形で、既耕地に飼料を作付していくということによりまして粗飼料の、草なり飼料作物を中心といたしました粗飼料の国内供給を、国内資源を開発することによってできるだけ高めていくということに努力をする。そのためには公共事業を初め各種の生産対策が必要になるわけでございます。  ただ、濃厚飼料、配合飼料を中心とした濃厚飼料につきましては、その大宗でございますトウモロコシとかコウリャンといったようなものが中心になる、あるいは大豆かすでございますが、これは国内でそれらの作物を増産をするということは土地利用の競合の面あるいは生産性の国外との格差の面その他種々の条件を考えますと、国内で大いに増産をするということは現段階においては非常にむずかしいというふうに言わざるを得ませんので、濃厚飼料原料といたしましては、麦類につきまして食料麦と並びまして飼料用麦を水田の裏作等を活用することによりまして丸麦にいたしまして、六十年度で約三十万トン程度の増産を期待したいというふうには考えておりますけれども、その他の濃厚飼料原料につきましては、国内でこの際増産に踏み切るというのは非常に困難であるというふうに考えております。したがいまして、これらは海外から安定的に輸入をするということに重点を置いて考えていくべきではないか。そういうことになりますと、輸入先多元化の問題あるいは長期取り決めの問題あるいは輸入飼料穀物の備蓄の問題等が具体的な施策として必要になるわけでございます。  そういう意味で、お尋ねがございました人間が穀物を直接摂取する場合に比べて家畜の腹を通して穀物を摂取する場合には、肉なり卵という形で摂取する場合には八倍のエネルギーを要するということはよくオリジナルカロリーというような観点から言われておるところでございますが、この点につきまして私どもといたしましては、中小家畜を中心といたしまして、もちろん一部大家畜も使います穀物を中心といたします濃厚飼料原料につきましては、麦の一部を除きまして主として海外に当面依存をしていくというような考えでおりますので、国内の生産します穀物を直接食品として摂取する、それが家畜のえさになる場合の競合という問題は直接的にはそれほど考える必要はないのではないかというふうに考えておるわけでございます。もちろん飼料作物あるいは牧草でありましても、これは穀物をつくった方がいいんじゃないかと、こういう御議論もあろうかと思いますけれども、現在やっておりますような草地造成等は、これを米麦等がなかなかできないような場所において栽培をしておるという場合も多いわけでございますし、他方また競合する場合でございましても、国内におきます飼料基盤をできるだけ拡充をして畜産物の国内生産をふやしていくというような要請からいたしますれば、そのような考え方が許されるのではないかというように考えております。
  83. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 先ほど同僚鶴園君からも話があったわけですが、国内で自給するといえばやはり麦である。特に水田裏作が中心になって考えられると思うのですけれども、これは単に飼料としてばかりでなくて人間様の食糧としても米が過剰ぎみにあるという陰には、やはり小麦の消費というものが大変入れかわっておるわけですから、これはやはりある意味においては価格関係というものが大きく作用して、まあ米と麦を同じ値にしたらそれではどうなるかというようなことにもなりましょう。そういうことを考えるときに、人間の食糧、そしてまた濃厚飼料としての裏作の小麦、こういうものを自給にウエートを置くのか、経済主義にウエートを置くのかというところで大変いき方が変わってくると思うんですよね。やはり自給することが本当に大事なんだと、ぜに金の問題じゃないんだと、こういう立場をとれば、これはおそらくいままでつくっておった水田の裏作というものは一斉に再開されるんではないかと私は思うんですよ。実際において、そろばんに合わぬからといって裏作は放られておるんですからね、実際において。つくれないからつくらないんじゃなくて、つくっても引き合わないからつくらずにおるわけなんですから、そういう点等を考えると、一体人間の食糧問題もあり、一方、畜産の濃厚飼料としての小麦の国内生産の問題もあり、これらを経済主義と自給と両々相まっていけばいいんだけれども、どっちへウエートを置いてこれを本当に推進しようとしておるのか。これはなかなかこれからの農政の大きな一つのやっぱり分岐点になってきはせぬかと思うんですけれども、この辺はどうですか、安倍農林大臣。
  84. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、やはり農政の基本的な課題は、国民食糧の確保だと思うわけでございます。そうした観点に立てば、国内におきましてはいろいろと資源的な制約はあるわけでございますが、まだまだ自給力を高めていく余地はあるというふうに考えるわけでございます。いまお話がございましたように、たとえばこの裏作の利用というふうなことにつきましても、最近までは非常に裏作の活用は減退をし続けてきたわけでございますが、完全にそういう裏作利用という面は残っておるわけでありまして、そうした面で、制約された資源の中においてやはり可能な限りの自給力を高めるという措置は、これはもうわれわれはとっていかなきゃならぬわけでございます。それを行うにつけましても、いまお話がございましたように、やはり農民にとりまして生産意欲がわく形で農業に取り組んでいただかなきゃならぬ。したがって、やはり引き合う農作物の価格というものも、あるいはその他の対策というものもやっぱり講じなければ農民に対応していただけないわけでございますので、私たちは、まず第一に自給力を高めるというところに主眼を置いて積極的なやはり麦なら麦の増産対策というものを進めていく。そして全体的に見れば幾ら増産をしても資源的制約があるわけですから、麦についてもたとえば国内における消費の増加、特に畜産の今後の発展というものを考え、また畜産物に対する需要の増加というものを考えますと、制約された資源では幾らつくってもなかなか需要に対して供給することができないわけでありますから、これはやはりその足らざる分については外国に依存せざるを得ない、飼料穀物等は大半はやっぱり依然として外国に依存せざるを得ないという形は続いていくと思うわけでございます。が、そうした中にあって可能な限りの増産というものは、これはやはりただ単に経済性ということのみ考えないで、国民食糧の確保という今後の民族の大きな見地に立っての農政というものを私は推進していくべきだ、こういうふうに考えるわけでございます。
  85. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 明後日は米麦にしぼって当委員会を開くらしいふうですから、そこでぎっちり議論をしてもらうわけでございますけれども、先般も食える農業とは何かとの質問を大臣にして、それは少なくとも農業労働力が他産業並みに評価される、評価に基づく農産物価格の設定、こういうことを私は主張しておったわけですけれども、まあとにかく水田があって、表では米をつくり、裏では麦をつくる。まあ一期のところは別として、その他そういうことが行われてきたわけですよ。しかし、MSA小麦の輸入から始まってどんどんどんどん麦は減っていく、七〇%も自給しておったものが一〇%を割り込むというようなことになってしまった。それは消費がなくなったのじゃない、消費はあるんだけれども、海外から入れた方がいい、こういう形の下へ農民は追い込まれておるわけですからね。ひとつやはりそうしたいろいろな事情もあることもわかりますし、また、経済的な問題のあることもわかりますけれども、やはり事食糧ということは、何といっても自給が一番基本である。先般も菅原さんが本を書いて送って来てくれました。恐らく大臣も読んだろうと思うんですけれども、食い物を自給することこそが一番基本の問題だというような議論を展開しておるんですが、ひとつそういう点でぜひ毅然たる態度で農業の基本的な路線を敷いていただきたい、このように思います。  そこで、これは畜産局長にお尋ねするんですが、基本農政の始まった段階で畜産三倍と指導したときに、畜産それ自体を非常に農民にあれやこれやと、金がなければ金を貸す、小頭羽経営では食えなければ多頭羽経営になれ、金がなければ貸してやる、こういう形でさっさと持ってきましたね。このとき、これと見合ってえさは一体どういう段取りをしておったのか、そのあたりの事情をひとつ説明していただきたい。
  86. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 基本法ができた当時の考えといたしまして、御承知のように需要の拡大するものを中心といたしました農産物の選択的拡大というような目標が当時考えられておりまして、畜産につきましても生産対策あるいは経営技術対策、資金対策等、各般の対策をその後も種々講じてまいったわけでございますが、畜産の増大に伴いまして飼料需要ももちろん拡大をしていくということが前提でございましたが、当時としては、現在のような膨大な海外に対する飼料の穀物原料の依存ということは恐らく当時としては想定をしておらなかったというふうに思います。と申しますのは、畜産物の消費自体が当時予測いたしました以上に急速に伸びております。それに必要な飼料資源につきましても、国内の国産資源等の開発あるいは麦等の飼料化につきましてもある程度、いま細かい数字は持っておりませんけれども、当然国内の資源を活用するという考えでおりましたので、現在のように飼料穀物、特に濃厚飼料の原料である飼料穀物あるいは大豆かす等につきまして、ほとんど全面的に海外に依存をするというようなところまでは恐らく想定をしていなかったのではないかと思います。
  87. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 先ほど参考人からいろいろお話を聞きました中で、協同組合の河田さんからは飼料を供給する側の立場に立っていろいろと話がありました。これに対して八竹さんやあるいは高橋さんからは、かなり配合飼料の中へ混入される添加物等についていろいろと心配があるというようなお話がありました。率直に言って、われわれしろうとですからね、わからぬのですよ、はっきり言って。これは一般の国民大衆が全くわからぬと思うんですね。  そこで、具体的には一体どうなのかと、配合飼料というものはどんな調子でやられており――普通は濃厚飼料といっても穀物が中心であると。一体どんなものが加えられて、そしてその中で危険なものがあるのかないのか。こういうこと等については、もちろん農林省が責任を持って監督をし、今度改めて法律をつくってまでもいろいろと規制してくれると、こういうことになってきたわけなんですが、こういう法律をつくらなきゃならぬということは、危険なものがあるからつくるんだと、しろうと考えではこう思うんですね、これは。全然危険なものがなければこんなものをつくる必要がないんで、危険なものがあるからこういう法律をつくって規制しようと、こういうんだろうと思うんですけれども、その辺をひとつ、これは栗原俊夫が聞いているんだけれども、一億一千万日本国民が聞いているんですからね、安心できるようなひとつ説明をしてください。
  88. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 畜産がだんだん伸びてまいりまして、具体的には飼養規模が非常に大きくなる、また非常に集団的な飼育をするというような形になってきておるわけでございます。御承知のように、ブロイラーならば平飼いで相当多数の羽数を畜舎の中に密飼い――人口じゃございませんが、非常に調密に飼っておるというようなことで、また養豚につきましても同じような傾向が出ておりますし、鶏、採卵養鶏ならばケージ養鶏ということで、ああいうかごの中で一羽ずつ飼っているとかいうことで、非常に人工的にコントロールした環境の中で飼っている。その意味では自然のままではないわけでございます。そういうことがございまして、一たん何か病気が発生した場合には、かなりそれが一気に爆発的に伝播するおそれがありますし、あるいはまた、そういう人工的にコントロールされた環境で住んでおりますので、ストレスが出るというようなこと等で、ある意味では生産の能率を上げるためにいろいろやっているわけでございますけれども、半面そういう危険が出てまいっております。したがいまして、それに対応する種々の天然の飼料原料のほかに各種の添加物を使っておるということでございます。典型的なのは抗生物質等の抗菌性製剤物質と言われるものでございまして、これは成長を促進するとかあるいは疾病を予防するとか、あるいは飼料の効率をよくするとか、種々のことをやっております。完全に究明されていない面もありますけれども、とにかく、これを添加することによって非常に能率がよくなるということは間違いないし、特に幼齢期に病気が発生しないというようなメリットがあるわけでございます。そういうことをやっているわけでございます。それらが飼料添加物の中心でございまして、そのほかには、これはミネラルとかビタミンだとか、アミノ酸とか、天然の飼料原料では栄養が必ずしも十分でないと、それを補充する意味で添加するというものもございますし、あるいは防カビ剤とかあるいは抗酸化剤とかいうような、品質が保管中に低下するのを防ぐために、またカビが発生しないとかいうようなですね、そういうことのために添加するものもございます。それら目的は種々ございますが、現在百六種の添加物の添加を行政指導によって認めておるわけでございます。これは昭和四十五年に飼料添加物公定書というのを定めまして、法律にはそのようなことを定めて強制をするといいますか、規制する根拠を持っておりませんので、行政指導としてやっておるわけです。  そこで、そういうような飼料添加物あるいは飼料そのものにつきましても、特に安全性の観点から必要なものにつきまして、成分の規格だとかあるいは製造、保管、使用あるいは表示の基準というものを決めまして、それによって行政指導による規制を加えておるわけでございます。それは、ただいま申しましたように、主として安全性の観点から加えているわけで、それらの添加物は非常にうまく使えばといいますか、適正に使えば非常に効果があるわけでございますけれども、半面、そういう抗生物質等その典型でございますけれども、使い方の適正を損いますと、不適正な使用に流れますと有害畜産物を発生すると、有毒あるいは病原菌が発生するとかいうようなことがございますので、そういう適正な使用を行うことによって畜産物を通ずる人間の安全性を確保するために、そのような公定書を定めて規制をしておるということ、それからもう一つの安全性の観点は、人間の健康には必ずしも直接関係はないけれども、その飼料を給与することによって家畜に被害が及んで畜産の生産を阻害するというような、人体とは関係ないけれども、家畜そのものに被害を及ぼすと。けさほどもちょっと議論があったかと思いますが、ダイブというものはそういう性格のものであろうと思います。そういうような家畜に対する安全性、人の健康に対する安全性と、二つの観点から先ほど来申し上げておりますような飼料添加物についての規制を行政指導としてやっておりますが、これは何と申しましても、行政指導ということでは徹底をいたしませんので、これをはっきりと法律に基づく規制に切りかえていきたいというのが今回の法律改正の第一の主要なねらいでございます。  その際、飼料添加物につきましては、けさの参考人の御意見にもいろいろありましたように、種々やっぱり規制をしていくべきだ、余り使い過ぎておると、幾ら畜産の振興といいますか、家畜の肥育効率をよくするとかいろいろなために使っておるとしても、それは人間の健康に対して非常に不安があるんじゃないかというような関心が御承知のように非常に高まっております。したがいまして、私どもといたしましては、飼料添加物につきまして、現在約百六種のものをこの法律を施行いたしますまでにもう一回総点検をいたしまして、一々全部、栄養効率ということと合わせて安全性について改めて検討して、特に使わなくても何とかなると、環境をよくすることによって必ずしも使わなくても済むじゃないかというようなものもあるかと思いますし、あるいは非常に有用性はあるけれども、半面、安全性については心配をすればかなりまだ心配が残るというようなもの、これはけさほどもお話がありましたように、耐性菌と申しまして、ストレプトマイシンでも人間に何度も使っておればそれに抵抗力のある菌が出てくるというようなお話がありましたけれども、人畜共通の抗生物質を使っておるものがございます、飼料添加物として。そういうものが家畜にも使え人間にも使うと。しかも、その菌が家畜から人間に移行することもあり得るわけですから、こういうものが耐性菌を発生する恐れが非常にあるわけでございますので、人間のために大事な抗生物質は残しておくというような観点から、家畜の方はできるだけ使わぬようにしていくというようなことも、そういう観点も含めて再検討いたしまして、できるだけ最小限度にした上できちっとした規制をしていきたいと、こういうように考えておるわけでございます。
  89. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 けさほどの参考人のお話は、どこまでも人間の食料として人間の体に危険のあるもの、ある恐れのあるものについては、安全性が確認されるまでは御遠慮願いたいという主張がありましたし、私もそういう意見を持つ一人です。先般、環境の委員会でも中性洗剤、合成洗剤についていろいろ議論が展開されました。有害だという証明はまだないけれども、安全だという証明もまだないと。そして、一般には危険を感じておるという段階のものについては、というような問題があるわけですが、おそらく、この問題にもそういう段階があるんではないかというような感じがしますね。実際に、人体にまでこのとおり危険なんだよ、ということが出てしまうまで、ほうっておいたのでは、これは大変だと思いますので、そういう点についてはやっぱり厳しく臨んでもらわなきゃならぬ。このように思いますが、これらについての姿勢はどんなぐあいでございますか。
  90. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) ただいまお尋ねの件につきましては、今回の改正法案の第二条の六、「有害な物質を含む飼料等の販売の禁止」という規定がございますが、その中で三号載っておりますけれども、そのうちの最後の第三号に「使用の経験が少ないため、有害でない旨の確証がないと認められる飼料」につきましては、資材審議会の意見を聴いて、農林大臣は販売を禁止することができるという規定を新たに設けております。これはただいま先生がおっしゃいましたように、無言であるという確証がないもの、ここでは有害でない旨の確証がないということでございますが、要するに、そういうものは仮に有害だということがはっきりわからなくても販売を禁止していくという考えでございます。いわば疑わしきは罰するというやり方で臨んでいくという趣旨の規定を入れております。けさほども参考人から、二人ばかりから御議論がございました。石油たん白につきましても、SCPの中に入る石油たん白飼料につきましても、これまでの経過で一時は安全性は大丈夫だという意見もあったわけですけれども、国民的に非常に関心が深くて不安があったということで、現在販売を行政指導として認めておりません。これは現在は法律的には禁止はできないわけでございますが、今回はただいま申し上げました二条の六の第三号に基づきまして、石油たん白飼料につきましては、これは有害でない旨の確証がないということで販売を禁止していくという考えでございます。もちろんSCPの中におきましても、いろいろなものもございますので、これらにつきましては、有害でない旨の確証を得られるものもございますから、そういうものは認めていくことが考えられますけれども、石油たん白につきましては、確証が得られたという段階でございませんし、国民的な合意も得られておりませんので、この法律が施行されるときには、第二条の六におきまして、もしそういうものが販売されれば禁止をしていくというような態度で臨む考えでございます。
  91. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 濃厚飼料の主原料である穀類等は、主としてアメリカ方面から入ってきておるのでありますが、こういう単味飼料それ自体に、具体的に言えばアメリカでそういうことがあるかどうかわかりませんけれども、農薬を使ったとかなんとかというようなことで、単味飼料それ自体に危険性が感じられるというような場面が、あることがありますか。
  92. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 現在一番厳重にやっておりますのは、けさほども話が出ました落下生油かす、これは海外から輸入しておるわけでございますが、これはアフラトキシンという一種のカビ毒によって発がん性ありというお話でございます。これにつきましては、基準を設けましてアフラトキシンの含有量の限度を設けまして一ppm以下ということで基準を決めておりまして、輸出国におきまして相手国の検査をロットごとにやってもらっております。それからわが国へ入港した場合も、現在は財団法人の日本穀物検定協会というのが各ロットごとに全部検査をするということによって、一ppm以上のものは全部廃棄をする、飼料として使わないというような規制をいたしております。さらに、農薬につきましては、特に輸入のものにつきましてBHCが問題になるわけでございますが、これも基準を決めておりまして、これは全量やっておるというわけでは、現状ではございませんけれども、ときどき検査をいたしまして、抜き取り的に検査をいたしまして、それを超えるものがあれば禁止をする、これはあくまでも行政指導でございます。これを今度二条の二に基づきまして基準、規格等を決めますれば、こういう問題につきまして法的な措置として規制をすることができるようになるわけでございます。現在やっておりますことは、そのようなことで、主として行政指導として実施をしておるわけであります。
  93. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 現在は、海外から輸入する飼料で、単味のほかに、いわゆるまぜた飼料の輸入というものは、入れない制度になっているのですか、具体的にそういうものはないという状態なのですか。
  94. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) やはり配合飼料と申しますのは国内の畜種にもよりますし、それから飼養の形態、あるいは発育段階あるいは環境によって違いますので、やはり日本にあります、日本で製造されております配合飼料は一番日本向けの、非常にきめの細かい、銘柄の非常に多い飼料でございますので、また、わが国の配合飼料技術というのは非常に進んでいるという現状でございますので、海外からは一切入っておりません。
  95. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 聞くところによると、サンプル的に中国から少しく入ったとかいうような話を聞きましたけれども、そういうものはありませんか。
  96. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 私自身がいま聞いておりませんし、ただいま担当の課長にも聞きましたけれども、聞いておりませんと言いますので、もしあれでしたら調べてみたいと思います。
  97. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 今後の家畜飼料を充足していく、基本的には国内自給をできるだけ伸ばしていく。しかし、これはどうしても国内自給ができ切れないことはわかり切っておって、海外に依存しなければならない。しかし、輸入先を一ところに偏ることなしに広げていく、こういう立場をとるときに、私も実は中国へ何回か行きまして、相手方といろいろ話もしてみましたが、アメリカ一辺倒でなくて、より広く飼料を求める、こういう方向で話を進めたらどんなものかなというような感じを持ちましたが、こういう考え方について御所見があったら承りたいと思います。
  98. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 中国からの飼料輸入の問題でございますが、私どもは先ほど申しましたように、濃厚飼料原料は穀物あるいは大豆、それから製品になります大豆油かすを含めまして、国内で増産をするということは、なかなか現実的でないということを申しましたので、海外から安定的に輸入するということに重点を置いているわけでございますが、海外から安定的に輸入する手だての一つといたしましては、やはり輸入先を多元化していくという考えが必要になろうかと思います。余り特定の国にのみ大きく依存するということは、その国の需給の変動等によりまして受ける影響が大きいわけでございますので、なるべく分散をするということが望ましいわけでございます。そういう意味からいたしますと、現在、主としてアメリカに依存しておるわけでございますが、特にこの二、三年来世界的な穀物の生産の不安定ということがございまして、一層アメリカに依存率が高まっておりますが、これは当分の間はアメリカからの依存率を大きく減らすということはまいらないといたしましても、できるだけ輸入先を多元化していくということが必要だと。そういう点からいたしますと、中国からの飼料原料の輸入ということは、昔はかなり輸入したということも聞いておりますので、また非常に近接したところですから、輸送上も非常に便利である。輸送については変わらないという点からいたしますと、可能であるならば輸入をふやしていくということは望ましいことだと思います。  ただ現状は、中国からの飼料輸入はトウモロコシ、ふすま、大豆油かす、ビートパルプ、アルファルファミールなどがございますけれども、数量的にはきわめて少なく、最も多いトウモロコシですら年間約六万トン程度という数字にとどまっているわけでございます。トウモロコシ以外を含めましてもわが国の全飼料の輸入量に占める比率は一%以下ということでございます。まあ、他方われわれが聞いておるところによりますと、中国自身がトウモロコシについては一部をわが国等に輸出している反面、中国自身が他の国からかなり輸入しているというふうに聞いております。アメリカを初め多いときには二百万トン近い輸入をしておる。百万トンをちょっと下ったところの輸入は毎年大体しておるというようなことも聞いておりますし、また公的な統計がつまびらかではありませんので、中国国内におきます生産なり需給事情、あるいは今後の見通し等なかなか把握できなくて判断がむずかしいわけでございますけれども、今後急速に大幅にふやすということはなかなかむずかしいのではないかというように思います。まあしかし、パイプは切らないように少しでも輸入する努力はしていくべきではないかというふうに考えております。
  99. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 まあちょっと中国問題に触れたので、一言だけ希望しておきますが、私も幾たびか渉風という農林部長に会いました。えさ問題について話もしました。当時向こうでは冗談話に、日本では米のつくれるところへ草を生えらかしているというような、いやみなども言われましたが、本気になって、長期見通しで本当に要求があるならば、十分話し合って、三年なり五年なりの長期の話し合いができれば、計画生産の中へ組み込む用意がないわけではないと、こういう表現等もしておりますので、輸入先を多元化するという観点に立てば、必ずしもその時点で値が安いとかなんとかではなくて、向こうでは、五年なら五年を平均してもらえば、決してばかをみたということでないように、よかったという答えが必ず出ると……。まあ国の経済が違いますからね。いわゆるもうかるとか、もうからぬからとかいうような形ばかりじゃなしに、話にのるわけですから、ひとつ大きな飼料をしっかり求めていく枠の中の一つとして考えていただいたらどうか、こんなぐあいに思います。これは希望です。  最後に、先ほど参考人からも話がありましたが、配合飼料の表示の中に、効率表示というもののほかに、配合表示というようなものを求めておる向きがあるというようなことを主張されておりましたけれど、これは恐らくいろいろな面から言って、やはりよってくる原価をうかがい知ったりするいろいろな観点からの要求もあるんではないか、というようなことだと思うんですけれども、こういう要求に対する当局の方の考え方はどんなものでございますか。
  100. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 表示につきましては、安全性の観点からの表示と、それから栄養成分の確保という観点からの表示と二つあるわけでございますが、安全性の観点からの表示は、抗生物質等につきましては、全部容量を書かせることにしておりますので、これは非常に徴量なものでございますけれども、それらは、現在は行政指導でやっているところのものを、法律に基づく表示義務にはっきりするということでございます。それから、いままでも衆議院等でも種々御議論ございました第八条の「表示の基準」という条文がございますが、これは、品質確保という面からの、栄養成分の確保という観点からの表示を、現在の制度をさらに強化をしてまいりたいという観点から規定を設けておるわけでございますが、その中に、八条の第一号に「栄養成分量、原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」、これを告示で決めることになっております。したがいまして、「原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」という表現は、これは全原材料について配合割合を全部書け、ということを告示で決めることは可能な条文になっております。ただし、私どもの考えといたしましては、最終的には資材審議会の意見を聞いた上で最終的に決めるべきだと思っております。  私どもの考えでは、これは原材料名は全部書かせることにはいたしたいと思っておりますが、その個々の配合割合につきましては、栄養成分を従来以上に詳しく表示することを義務づけますれば、農家としては大体それで間に合うんじゃないかという感じがいたしますことと、けさほどもどなたか参考人からも御意見がありましたが、各配合飼料企業は、それぞれ研究開発をし努力をして、自分の特徴のある飼料をつくり出しておるわけでございますが、その際、やはり原料の配合率というのは非常に技術の一つのノーハウになっているということがございますので、それを全部表示するということは、すぐ人にまねされてしまうということで、せっかく開発しても、それがすぐまねされるようでは開発したかいがないというようなことになって、改善意欲を、開発意欲を損うおそれがありゃしないかという点をわれわれはちょっと心配をしておるわけでございます。それからまあ原料の需給あるいは価格の変動によりまして、同じ成分であっても原料の混入率は、たとえばトウモロコシとかコウリャンの混入割合を変えて、ただ、できたものは成分的には同じものであるということで、そのときどきの価格の安いものをなるべく使いながら、そして決められた成分に合うものをつくるというような努力をやっておりますので、その価格が絶えず変わるということでございますので、すぐにまた表示も直さなければいけないということは、迅速に対応できないというような事情もございます。これは金と暇をかければできることでございますけれども、迅速に対応できないという面もございます。そういうようなこともございまして、海外も私どもなりに調べましたけれども、諸外国でもそこまで義務づけている例は私どもは承知しておりませんし、それから他の類似物質につきましても、たとえば食品につきましても、そこの配合割合まで書かせておる例は、法律上ない。ただ一つございますのは、濃縮ジュースだけがございます。それ以外のものはございません、自主的に書いているものはあるかと思いますけれども。そういう点を考えまして、あらゆる原材料について全部書かせるのはいかがかというふうにわれわれは現段階で考えております。ただ、衆議院等でもこの点が一番議論になりまして、附帯決議でも、主要原料につきましては、なおそういう方向で検討するようにということでございますので、われわれといたしましては、さらに検討を加えまして、最終的には審議会の意見も聞いた上で決めてまいりたいというふうに思っております。
  101. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 これはまことに素人質問になるわけなんですけれども、栄養成分が同じならば、配合内容はどう変わっても家畜の生育その他については変わりはないんですか、これはどうなんですか。栄養成分が同じであれば、それを組み合わせる配合飼料の内容はどういうものであっても、同じ効果が出るんですか。組み合わせによって栄養成分が同じでも違う効果が出るんですか、家畜によっては。その辺はどうなんですか。
  102. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) ずっと突き詰めてみますと、細かい点であるいは差異が全くないとまでは申し上げませんけれども、大体主要な成分につきまして同じでありますれば、農家の実際に使用する場合差し支えはないというように考えております。
  103. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 まあその辺がちょっとね。同じまあ栄養価があれば、牛の肉を食っても、豚の肉を食っても、鳥の肉を食っても、魚を食っても同じだというようなことになるのかどうか。その辺が一つわからぬのですが、まあ先ほど、審議会の方で十分研究されるそうですから、しっかりした結論を出してもらいたいと思います。  これは最後に、私かつての農協の指導者であった一楽さんと中国へ行った帰りに一楽さんいわく、人間の食い物を金もうけの対象にしてはならぬ、投機の対象にしてはならぬということを一楽さんがおっしゃいましたけれどもね、全くいいことを言ってくれたと思いました。と同時に、やっぱり農業基本法で畜産三倍と言って本格的に畜産を推し進めたときに、生き物を飼わして、そのえさを余り金もうけの対象にされては困ると思うんですよ、これは。そこで海外から輸入するのはこれは商社がやるでしょうけれども、その後の流通過程というものは、余り金もうけで左右されないようなやっぱり流通段階をつくらなければいかぬと、こう思うんですけれども、この点についてはいかがです。これは大臣から。
  104. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ飼料、穀物等につきましては、外国から輸入する、その場合は、商社がやるわけですが、外国の農産物そのものが、たとえばシカゴ相場とかなんとか言われますけれども、毎日毎日変わっておるということで、非常に外国でも投機的な要素があるわけであります。それを高いとき買ってくればこちらで高く売る。安いとき買ってくれば安く売るというようなことになって、これがまた非常にわが国の畜産の安定というものに対して問題が出てくるわけでありますから、まあわれわれ農政の立場としては、非常に高いときに買った農産物の影響が畜産の経営等にあらわれないように、たとえば飼料につきまする基金制度等も充足をいたしまして、高く買っても財政的にこれを補てんをして、そうして農家には安定した価格で飼料供給する。こういうことで現在進んできておるわけでありますが、私は、今後とも、こうした飼料等についての安定したやはり生産者に対する供給というものは、制度的にもあるいは行政の面においてもこれを進めていかなければ、畜産の安定した発展というものはあり得ない。そういう観点に立って今日までやっておりますし、今後ともこれは強化をしていかなきゃならぬと考えておるわけであります。
  105. 栗原俊夫

    ○栗原俊夫君 ひとつ人間の大きな食糧の部分を担当する畜産、そのえさについて、ひとつぜひ安全を確保すると同時に、安定価格、安定供給という線をぎっちりと固めてもらう、このことを強くお願いして質問を終わります。
  106. 原田立

    ○原田立君 前回の委員会においていろいろお尋ねしたいことがたくさんございましたが、時間の都合もあり、半分ぐらいしかお聞きできませんでしたので、前回に引き続き問題点をお尋ねいたします。  初めに、休薬飼料の件であります。前回の委員会でもお聞きしたのでございますが、再確認の意味もかねてお伺いいたします。前回も指摘したことでありますが、末端の農家では休薬飼料の使用が不徹底であるということであります。これは、実際、各農家を回り、足で調べた結果をもとにしていることでありますので。この法案が改正され施行されるのは半年も一年も先のことになる、即時施行ではありませんから。そうしますと、実際徹底されているかどうかという実態調査、もし守られていない場合の再徹底の方法について、いつごろ調査し再徹底をはかるのか、具体的にお伺いいたします。
  107. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 昨年の十一月から、抗生物質等につきまして添加しないように休薬期間を設けて、その間はいわゆる休薬飼料を製造するように、行政指導で実施をしておるところでございます。これにつきましては、私どもとしては、所期の目的に近く実施されておるというように把握はしておりますけれども、ただ御指摘の、これは茨城県の例でございますけれども、御指摘のこともございますので、末端農家の段階でどこまで十分に励行されているかという点につきましては、なお不備な点があるいは残っておるということは、われわれとしても認めざるを得ないと思います。したがいまして、そういうこともございますので、今回法律改正によって法律的な規制措置といたしまして、休薬飼料をつくらせる、その間は抗生物質を使わせない。そういうようなことを法律に基づいてやれるようにまあ法改正をお願いしているわけでございます。それに違反した場合には、もちろん罰則が適用されます。廃棄処分等もできることになるわけでございます。  ただ、具体的な規制方法といたしましては、現在は出荷前五日間を休薬期間、これはブロイラーなり養豚についてそのような休薬期間を設けておるわけでございますけれども、出荷前五日間というようなことではなしに、えさの切りかえ時、えさの切りかえ時を基準とする。といいますのは、たとえて申し上げますと、ブロイラーでございますと、現在えさが途中で切りかわるわけでございます。前期用と後期用ということで、四週間ずつぐらい七、八週で出荷いたしますので、ちょうど中間期間で前期用のえさとそれから後期用のえさに切りかえるわけでございます。私どもは現在、休薬期間として決めておりますのは、後期用のえさの中で出荷前五日間だけはその当該添加物の入っておらない飼料をつくりなさいと、こういうことを言っておるわけでございますが、これを後期用については全部使わないというようなことにいたしますれば、えさの前期から後期に切りかわった際の後期には一切入れないというようなことにいたしますと守りやすくなるというふうなことも検討をいたしておりまして、そういう意味で出荷前五日間というのをもう少し延ばして、ブロイラーの場合なら後期ずっと使わせないと、あるいは豚の場合で申しますれば三カ月半ごろから出荷までに使う若豚用の飼料には一切使わせないと。五日間よりそうすると長くなるわけでございます。まあそういうような方法も考えて、実行しやすくまた確認も点検もしやすくするというようにしてまいりたいと思います。  なお、農家でどの程度励行されているかという点につきまして、品質改善実態調査を近くやって調べてみたいということを申し上げましたが、これは休薬飼料をどの程度農家なんかで使っておるかということを、農家にアンケート調査をして早急に調べたい。これは八月にでも調査を開始したいというふうに思っております。それによって実態も把握した上で、できるだけ徹底するように対策を講じてまいりたいと考えております。
  108. 原田立

    ○原田立君 そうすると、いまの話は八月ごろには調査をしてそうして再徹底を図りたいと、こういうことでしたね、局長。
  109. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 八月ごろから調査を始めたいと思います。で、それによって実態を把握いたしまして、もし御指摘のような点があればさらに一層徹底方について努力をしたいということでございます。
  110. 原田立

    ○原田立君 私も論拠のないことを言っているわけじゃないんであって、実際それを守っている農家の方もおいででしょう。だけれども、守ってない方もおいでになるわけなんです。だから、それを早く実際調査して守るようにしなさいよと、こう申し上げているわけです。八月ごろから調査を開始するっていうと、この法律がたとえば施行されてもまあ大分先の話になるし、そうすると、やっぱりその五日前に休薬飼料を使いなさいと言ったっても、実際は野放しということになりやしませんか。
  111. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 実態調査はそのように八月から一、二カ月かかるかと思いますが、実施をしたいと思いますが、その前におきましても、都道府県あるいは第一線の技術者を通じまして、農家に対してさらに一層徹底するように、それからまた飼料製造業者に対しましても休薬飼料を必ずその休薬期間はつくるようにというように指導を徹底することは、調査結果を待たずにやりたいと考えております。
  112. 原田立

    ○原田立君 使用状況の調査は当然のこととして、すでに私の知っているところによれば、全く守られていないという結果であります。通達が守られていない。これだけでも重大な問題であります。何らかの方法で再徹底されたい。いつからやるのかとお聞きしたわけでありますが、八月ごろから一、二カ月かげてやるということでありますが、やっぱり家畜、家禽の健康状態、あるいは人間に対する影響度等も考えれば、この問題はやっぱり決めたことはしっかりと実行するような方向で極力やってもらいたい、こう思います。出荷前五日から使用しないという決め方についても、実は疑問があるわけであります。  先ほどは、私の質問以外の答えで、ちょっとはみ出した答弁があったので、また改めてお伺いするわけでありますが、五日前から抗生物質の入っているその配合飼料は使わないということがあったわけでありますけれども、使用禁止の根拠は一体どこにあるのか。それから、残留性の問題等、学識者の間にも疑問のあるところでありますが、即時使用禁止というふうに持っていくべきではないかと思うか、どうですか。――要するに、局長、先ほどブロイラーは肥育前期は使っていいが、後期は使用しないようにするとか、――これは出荷三十日前ぐらいにはなるそうでありますが、あるいは豚については、子豚のみ使用してよいが、若豚は使用してはならないというようなお答えがあったでしょう。そんなような、この期間はいいですよ、この期間はだめですよと、こういうふうなことじゃなしに、フラゾリドンみたいなようなそういう抗生物質については一部だけでも使用させるんだなんというんじゃなくて、その危険性はいろいろと言われているわけなんですから、先ほどの高橋参考人の意見の中には、放射性物質あるいは骨髄炎の発生等もあるから、アメリカあたりでは禁止しているんだなんというような話もありました。だから、一部だけでも使用させるのではなくて、全面禁止、こういうふうに持っていくべきではないかと思うんですが、いかがですか。
  113. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 現在、行政指導でやっておりますことが本法改正案が施行されますれば、当然、法律に基づいてやるわけでございます。それまでにはもちろん、全添加物について安全性の観点を含めまして洗い直しをいたしますので、その審議会の意見によって最終的には措置を決めたいというように考えておりますが、私どもの現段階の考えといたしましては、残留性につきましては五日間の休薬期間を設ければほとんどないということでございますので、現在、五日間という休薬期間を設けているわけでございますけれども、いろいろ御心配になる向きもございますので、休薬期間をさらに延長するというようなことは検討したい。本法施行までの間に十分検討してそのようにしたいというふうに考えておりますけれども、きょうの参考人のおっしゃった点につきましては一つの御意見かと思いますけれども、そのようなことにつきまして、はっきりとした多数の意見にはまだなっておらないように思いますので、現在のところ、そのように考えているわけでございます。いずれにいたしましても、最終的には審議会に諮った上で、専門家の御意見に従って決めたいというふうに考えております。
  114. 原田立

    ○原田立君 先ほど言った、肥育前期は使っていいが、後期は使用しないようにするとか、そういう、あるいは豚については、子豚のみ使用してよいが、若豚は使用してはいけないとか、それはもう省の方針として決定しているんですか、それでまた、いつごろから実施する予定なんですか。
  115. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 私どもといたしましては、そのような案を持っておりますが、これはこの法律が通りますと、資材審議会は、この法律の全面的施行をせられます一年先以前でも活動を始めますので、それにお諮りをして決めていきたいというふうに考えておりますが、大体私どもの腹づもりとしては、十一月ごろまでにはただいま申し上げましたような休薬期間を延長するということにつきましては決めていただいて、改めたいというように予定をいたしております。
  116. 原田立

    ○原田立君 さきの点とあわせて、農林省の説明によると、フラゾリドンの使用についてはただいまもお話がありましたように、農業資材審議会で安全性が確認されない場合は使用禁止するとのことでありますが、危険性は認めるけれども、審議会が禁止せよと言わないので、現段階では使用を認めているという逆なような面で、安全面ではまるで消極的な姿勢で、責任は審議会にあると言わぬばかりの局長の説明であろうと思うんであります。こんな対策では国民は納得できません。まず使用を禁止し、安全性が十分確認された上で再検討すべきであろうと思うのであります。大臣いかがですか。
  117. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) いま聞き漏らしまして、大変申しわけありませんが、この問題につきましては、局長からもいままで答弁いたしておるわけでありますが、審議会の意見等も十分尊重いたしまして対処したいと思います。
  118. 原田立

    ○原田立君 初歩的な質問で恐縮でありますが、一体このような抗生物質、抗菌製剤を家畜に使用するメカニズムといいますか、構成の理由については局長いかがですか。
  119. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 飼料添加物につきましては、現在百六種を指定をして使用を認めておるわけでございますが、それぞれ目的が若干違います。一つは、保管中の品質低下を防止する目的で防カビ剤、あるいは防酸化剤というようなものを使う、添加する場合が一つでございます。それから、天然の飼料、農産物である飼料原料では不足するビタミンとかミネラル、アミノ酸というようなものを補給する目的で添加をする添加物がございます。それから第三番目に、先ほど来申し上げておりますような抗生物質等の抗菌性製剤物質といわれるものでございます。フラゾリドンもそれに入るわけでございます。これは成長促進をしたり、あるいは病気の予防の効果を期待したり、あるいは飼料の効率を高めるというようなことで、全体といたしまして、生産性の向上を図るという目的で添加をしておるものがあるわけでございます。それらを含めまして、全体で現在百六種指定をしておるわけでございますが、これは前回からも申し上げておりますように、種々問題のあるものも、問題の指摘をされておるものもございますので、本法の施行されるまでの間に総点検をいたしまして、特に耐性菌の発生するおそれのあるような人畜共通の抗生物質等につきましては、できるだけ使用をやめていくという方向で審議会に諮った上で整理をしてまいりたいというふうに考えております。
  120. 原田立

    ○原田立君 人畜ともに影響のある危険な抗生物質は整理をしていくと、こういうことでありますが、その点はそれでよしとして、このような抗生物質を使うために現実に胃潰瘍やなんかの牛、豚なんかが、あるいは鶏なんかもあるわけでありますが、抗生物質にかわるものがないのか。聞くところによれば、多控質のもので代用が可能だという意見もあるわけでありますが、その見解をお伺いしたい。
  121. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 抗生物質を添加物として用いておるのを認めておりますのは、先ほど申しましたような成長促進とかあるいは体内の有害微生物の活動を抑制するとか、栄養素の吸収を促進するとかというような目的で、一言で言えば生産性を上げるというような目的で使っておるわけでございますが、現在天然の物質でこれと同様の機能を有するものがあるという点につきましては承知をいたしておりません。多控性の物質ということをただいま先生おっしゃいましたが、あるいはもみがらのような多控性の物質のことかとも思いますけれども、これは繊維源として反すう家畜には少量であれば用い得るというふうに考えておりますが、これは栄養源そのものでありまして、抗生物質のような機能を有するものではないというふうに考えております。
  122. 原田立

    ○原田立君 フラゾリドンは、現在年間どのぐらい使われているんですか。それから現在五日前以後は使用禁止をすると、そういうことの処置を講じてどのくらいになるんですか。それから先ほども局長は、前期、後期と分けて、後期は使用しないようにするんだというふうになるとどんなふうになるんですか。
  123. 金田辰夫

    ○説明員(金田辰夫君) 私からお答えします。  フラゾリドンは昨年までは約四百トンの使用でございます。これが昨年の規制によりまして、約二百トンに減少することになっております。これからさらに規制を強化しますと、約百トンに低下するんじゃないかというふうに考えております。
  124. 原田立

    ○原田立君 使用を制限するというそういうことによって、そういうフラゾリドンの使用量を減らしていくと、こういうことですね。
  125. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 先ほど来お答えしておりますように、休薬期間を延長いたしますと、添加量も全期間を通じて減るわけでございますので、使用量全体といたしまして、先ほど課長からお答えしたように減る見込みでございます。
  126. 原田立

    ○原田立君 水産庁来てますか。――水産庁にお伺いしますが、現在養殖水産物は十五万トンぐらいの収穫量があると言われておりますが、この養殖水産の収穫に必要とされているえさの量、人工飼料、それから生きえさはそれぞれどのぐらいの量が現在使われていますか。
  127. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) いま先生がお話のように、養殖水産物が年々伸びておるわけでございまして、海面養殖、それから内水面養殖合わせまして、十五万トン程度の生産があるわけでございます。これに使用されているところの飼料は、海面養殖の場合には主として生えでありまして、鮮魚冷凍魚、これが大体七十三万トンといったような数字が四十八年に記録されております。それから淡水魚等につきましては人工配合飼料が主でございまして、これの使用量は同じく四十八年十二万トンというふうに記録されておるわけでございます。
  128. 原田立

    ○原田立君 養殖水産に使用されている飼料にはどれぐらいの抗生物質が使われているのか、医薬品も含めての量をお伺いしたい。また、そのうち飼料添加物としての量はどのぐらいか、種類とあわせて御答弁をいただきたい。
  129. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) 養殖用の飼料添加物の使用実態につきましては、昭和四十八年の使用状況を水産庁で調査したわけでございますが、先生も御承知のように添加物としましてはいろいろの種類のビタミン、ミネラル等の微量栄養素のほかに飼料の保存中のカビの発生を防止するための防黴剤、それから稚魚期の斃死予防のための抗菌剤が一部使用されておるわけでございます。この使用総量は同じく四十八年に約一千五百トン程度でありまして、そのほとんどがビタミン、ミネラル類であるということで、抗生物質は流通する飼料添加物としては使用されていないというふうな現状でございます。  また医薬品としてどうかという御質問でございますが、この医薬品として使用されている抗生物質は四十八年で一トン足らず、約三百十キログラムというふうに調査されておる現在でございます。
  130. 原田立

    ○原田立君 いま、医薬品のところをちょっと聞き漏らしたので、もう一遍。
  131. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) 医薬品として使用されている抗生物質は四十八年でおおむね三百十キログラム、一トン未満でございます。
  132. 原田立

    ○原田立君 養殖水産物が今回の法改正からは適用範囲に加えられることになりますが、この養殖水産物に使用されている抗生物質の使用基準あるいは規制方法については現在はどのようになっているのか、その実態をお伺いしたい。
  133. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) 四十八年における使用状況を調査したところによりますと、飼料添加物として抗生物質が使用されている例はないわけであります。これは魚類のまあ生理的な特性から、抗生物質の微量連続投与による病害の予防あるいは成長促進効果が、家畜等の場合と違って効果ないというふうに一般的に認められている現状からしまして、そういった使用例がないというふうになっておるわけでございます。
  134. 原田立

    ○原田立君 じゃ、使用例はないということは使用していない、抗生物質は使用されていないと、こういうことですか。
  135. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) 私がただいま申し上げましたのは飼料添加物としては使用されていないということでございますか、魚病――魚の病気、魚病の被害を防止するため、魚病流行期に発病の予防あるいは治療のため抗生物質の投与を必要とする場合があるわけでございます。これは使っておるわけでございますが、これは水産用の医薬品としまして承認されているものに限って使用することとしまして、また、その使用に際しましては、定められた用法及び用量を厳守させる一方、都道府県にそれぞれ水産試験所があるわけでございますから、そこの魚法専門技術者の指導を受けて使う、こういうふうな行政指導を水産庁としてはいたしてやらせておるわけでございます。
  136. 原田立

    ○原田立君 そうすると、やはり何らかの規制がされていると、こう理解してよろしいわけですか。
  137. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) 仰せのとおりでございます。
  138. 原田立

    ○原田立君 厚生省にお伺いしますが、来てますか。――養殖水産飼料についてお伺いするわけでありますが、厚生省の調査によりますと、伝染病の予防と成長促進の目的でペニシリンやテトラサイクリンなどの抗生物質が使用されている。ところで発ガン性で問題となったAF2の同系でもあるニトロフラン剤についてその残留量を調べ許容基準をつくるとのことでありますが、この問題に対して現在どのような作業が進められているのか、具体的にお伺いしたい。
  139. 岡部祥治

    ○説明員(岡部祥治君) ただいま先生御指摘の養殖漁業の抗菌性剤でございますが、これはただいま水産庁からお答えのございましたように、成長促進というよりもむしろ疾病の予防あるいは治療という面で使われておると承知しております。したがいまして、これらが使用された後に直ちに出荷されたといたしますと、まあ残存の恐れがございますので、これらの使用の実態と残存の関係について本年度から調査をいたしたいという計画でございます。
  140. 原田立

    ○原田立君 それはペニシリンやテトラサイクリンなどの話でしょう。ニトロフラン剤の使用残留量やあるいは許容基準をつくる、その調査をこれからやるというんですか。
  141. 岡部祥治

    ○説明員(岡部祥治君) 当面本年度は抗生物質を主体にして考えております。
  142. 原田立

    ○原田立君 ニトロフラン剤はどうなんですか。
  143. 岡部祥治

    ○説明員(岡部祥治君) いろいろな医薬品が使われておりますので、今年度の予定といたしましては抗生物質を考えております。
  144. 原田立

    ○原田立君 抗生物質はわかっているんですよ。AF2は発がん性があるからいかぬということで去年八月ごろですか、使用禁止になったわけでしょう。私が心配しているのは、AF2の親戚みたいなニトロフラン剤、それについての調査を、その残留量を調べたり、許容基準をつくるこれはあたりまえの話なんですよね。だけれども、厚生省としてはもうとっくの昔にできているんじゃないのかとこう思って質問しているんです。ところがこれからやろうだなんていうような話で、ちょっと話が食い違っているんですけれどもね。その点はどうなんですか。
  145. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  146. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 速記を起こしてください。
  147. 岡部祥治

    ○説明員(岡部祥治君) 養殖魚の飼料添加物につきましては、先ほど水産庁から御答弁のあったとおりでございまして、飼料用等に使われております使用実態の多いものから私どもは調査を始めたいと考えておる次第であります。
  148. 原田立

    ○原田立君 そうすると、先ほどから何度も言っているように一番最初、当初の質問、私の質問は、発がん性で問題となったAF2の同系統であるニトロフラン剤についてその残留量を調べ、許容基準をつくるその作業については現在どうなっておりますか、ということをさっきから何度も聞いているわけです。全然答えになっておりませんよ、厚生省。
  149. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) ただいまのAF2の問題でございますが、これは飼料添加物としては使用しておりません。  それからこの抗生物質としまして、抗菌性物質であるところのフラゾリドン一種のみがこれは治療期の細菌感染等による斃死を予防する目的で若干使用されているということでございますが、今後はこのフラゾリドンの使用についても禁止の方向で検討してまいりたいと、こう思っております。
  150. 原田立

    ○原田立君 少量だって使用しているんじゃないですか。ニトロフラン剤というのはフラゾリドンのことを言っているんですよ、私は。話がこんがらがらないように。畜産物においてはすでに人体への影響を考え縮小の方向で進めているニトロフラン剤について、養殖水産物に対しても、同様の規制、対策を行うべきであろうと思うんであります。いまのお話では禁止するということでありますので、なおその規制、禁止するに当たっての監督徹底について、きちっとやってもらいたいと思います。その点いかがですか。
  151. 兵藤節郎

    ○政府委員(兵藤節郎君) ただいまの先生のお話、私ども、この飼料添加物として使う場合、審議会等に十分御相談をいたしまして、いま申し上げたような使用は認めない方向ということで対処してまいるつもりでございます。
  152. 原田立

    ○原田立君 ほかの問題へ移りますが、現在、食糧庁で保管しているカドミ汚染米の量は、食糧庁来ていますか。――現在、食糧庁で保管しているカドミ汚染米の量はどのぐらいあるのか。一ppm未満と一ppm以上に分けてお伺いしたい。
  153. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 政府で所有しておりますカドミウム含有米でございますけれども、トータルで申し上げまして、在庫量は約七万三千トンでございます。内訳を申し上げますと、一ppm以上のものが約三千トン、それから一ppm未満〇・四までのものが約七万トンでございます。なお、この中には四十九年産のものも入っておりまして、これはまだ確定的な数字ではございませんけれども、一部推定のものが入っております。
  154. 原田立

    ○原田立君 すでに一般報道されているカドミ汚染米を家畜の飼料として使用、利用するための調査研究、人体への影響等について実験を行っており、実用化が進んでいるというようなことを聞いたわけでありますが、どの程度のカドミ米をその対象と考えているのか。実験状況やいままでの経過についてお伺いしたい。
  155. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) ただいま先生御指摘の実験でございますけれども、これは昭和四十九年度から実施をいたしまして、五十年度も継続実施をすることにいたしております。これは先ほど申し上げましたように、〇・四から一・〇ppmまでの米でございますけれども、これは食品衛生法上安全ではございますが、消費者感情を考慮をして、配給をしていないわけでございまして、これの処理と申しますか、処理対策上の一環といたしまして行っております実験でございます。その内容は、カドミウム含有米を混合いたしました飼料を家畜に給与いたしまして、畜産物に対するカドミウムの移行量その他残留量等を調査試験しておるものでございます。なお、四十九年度におきましては、採卵鶏について行いまして、五十年度におきましては豚及び食肉鶏について行う予定をいたしております。
  156. 原田立

    ○原田立君 畜産局長、いまの食糧庁の話のように、カドミ汚染米を家畜用の飼料として実用するとの考えに対してどのように考えておられますか。
  157. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) カドミウム含有米に対する許容基準は、食品衛生法に基づきまして一ppm以下とされており、家畜に対してもこの程度の量であれば畜産物への残留とか、あるいは家畜に対する障害はないものとは考えられますけれども、これを飼料化することにつきましては、一般国民感情等も考える必要がございますし、飼料メーカーがこれを飼料原料として使いたいという希望もございませんので、当面、飼料化は考えておりません。
  158. 原田立

    ○原田立君 農林大臣にお伺いしますけれども、これはもうひとつ厳禁ということでやってもらいたいと思う。要望がないからやらないという局長のいまの答弁は、わかったような、わからないような非常に消極的な姿勢での答弁であろうと思うんです。カドミウム公害の悲惨さはいまさら申し上げるまでもないわけであります。学者の間でも、カドミ米を家畜の飼料に使用することになれば、人体への安全は保障できないとの強い危惧の指摘もされておりますし、このような汚染米を家畜のえさとして使用することに対しては、実際、局長自身も言っているように、国民感情にそぐわない、そういう重大な問題であろうと思うのです。なお、繰り返して申しますけれども、局長の先ほどの答弁は飼料業者の方から要求がないから使わないのだと、こういうような答弁であった。そうじゃなくて、国民感情もあるから、もう絶対にこんなカドミ米は飼料なんかには使わないと、こうすべきだと思いますが、大臣いかがですか。
  159. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) カドミ米につきましては、一ppm以上ということになれば、食品衛生上これは厳禁をするわけですが、一ppm以下〇・四ppmまでは、これは食糧庁が保管をいたしておりまして、この程度のものならば、これは食べても、家畜の飼料としても、特に障害はないと、こういうふうに考えておるわけであります。また、実験結果もそういうふうに出ているのではないかと思うわけです、一ppm以下〇・四ppmまでは。ただ、食糧庁としては、国民感情もあるわけだから、また、いまの飼料メーカー等も要望がないわけですから、あえていま直ちに飼料化する、配給するという考えは持っておらないわけですが、私自身は、やはり一ppm以上ということになりますと、法定されておりまして、これは問題があるわけですが、一ppm以下〇・四ppmまでなら、これは別に残留性も何もないわけですから――ただ、国民感情という立場を配慮して、食糧庁が行政的に保管をしているということですから、厳禁をするという考え方はとっておらぬわけです。
  160. 原田立

    ○原田立君 それは大臣重大な問題ですよ。じゃ、一ppm以下〇・〇四ppmのそこいら辺のカドミ米ならばえさに使って心配はございません、という何か科学的なデータ、検査結果は報告はあるんですか。
  161. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 一ppmから〇・四ppmまでの米につきましては、これは人間が食べましても無害であるということでございます。  ただ、先ほど大臣からも申し上げましたように、消費者感情が一つございますので、それを考慮いたしまして、私どもといたしましては、ただいまのところ配給をいたしていないということでございます。さらにこの一・〇ppmという基準につきましては、かなり長期間これを食しました場合に、害があるというような判断でございまして、たとえば養鶏の場合、これは食肉鶏で、ブロイラーでございますけれども、これは御承知のとおり、大体六十日未満ぐらいで出荷をされますし、採卵鶏の場合におきましても、大方卵を産みます期間は一年程度ということでございますので、まず問題はなかろうということでございますが、私ども実験をしまして、その結果を待ちまして判断したいということで実験をやったわけでございます。  で、この実験の結果でございますが、これはまだ採卵鶏の場合しか出ておりませんけれども、一・五二ppmのカドミウム含有米を飼料に五五%まで配合をいたしまして給餌をしました結果、産卵成績は正常という結果が出ております。なお、卵及び肉へのカドミウムの移行も認められておりません。それから産卵試験が終了後に、屠殺をいたしまして、主要な内臓の重量の比較を行っておりますけれども、これも異常が見られていないというような結果でございます。
  162. 原田立

    ○原田立君 それはどこで検査したんですか。
  163. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) これは財団法人でございます科学飼料協会に頼みまして、実験をいたしました。
  164. 原田立

    ○原田立君 その調査報告書は公表されていますか。
  165. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 五十年度に引き続き先ほど申し上げましたように、食肉鶏それから肉豚、これの実験を行いますので、これをあわせまして集大成されるものでございまして、ただいまのところまだ実は未完成という段階でございます。
  166. 原田立

    ○原田立君 そんな未完成の段階で、大丈夫だなんて断言するような言い方するのはおやめなさいよ。大臣いま言ったようなことですよ。まだ何カ所で調査したか、一カ所しか名前が出てこないから、恐らく一カ所だろうと思うんですけれども、やっぱりやるんだったら権威ある、責任あるそういう調査をして、そのデータの上にたってから言うべきだと思うんです。それを食糧庁の方で言うから、一ppm以下〇・〇四ppmのカドミ米は心配ないだなんて、大臣が言うのはちょっと軽率過ぎるんじゃないでしょうか。
  167. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 食品衛生上、厚生省でも厚生省でもといっては失礼ですが、厚生省が一ppm以下は食用に供してもいい、一ppm以上は食用に供してはならないということですから、これは厚生省の研究調査の結果、そういうことになったんです。したがって、厚生省の食品衛生法によっても一ppm以下ならば食用に供してもいいわけです。ただ、農林省は国民感情というものがあるから、一ppm以下〇・四ppmまでは配給はしてないと、飼料にもこれを使っていないということであります。したがって、本来ならば、一ppm以下〇・四ppmまでも、私は食用に供してもいいと思いますし、飼料化しても差し支えないと思いますが、ただ、国民感情を考慮して食糧庁としては、念には念を入れて調査をしておると、その結果がいま次長から答弁をしたような形になっておると、こういうふうに考えております。
  168. 原田立

    ○原田立君 それは大臣、一ppm以下〇・〇四ppmのカドミ米は一般国民に食わしても心配ねえんだなんて、それは大臣の発言としてはちょっと大変ですよ、それ。ただ、その前段のお話のように、国民感情もあるから使用させないようにいま禁止しているんだと、そういうお話でしょう。そこのところはわかるんですよ。その後の話の、権威ある食糧庁が言うんだから、〇・〇四ppmまでは人間が食ったってもいいんだなんというのは、ちょっと乱暴な議論じゃないですか、大臣。
  169. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 人間が食っていいか悪いかというのは、食品衛生上の見地から判断をされるべき問題であろうと思うわけで、そういう意味においては、一ppm以上は食用に供してはならないということになっております。しかし、一ppm以下については食用に供してはならないということにはなっていないわけですから、ただ、食糧庁としては国民感情というものも考慮して配給をしていない。また配給所等もやはりこうした米は配給はしたくないという拒否反応等もあるわけでございますので、そういう点も考慮して保管をしておると、こういうことでございまして、科学的には一ppm以下も食用に供しても差し支えないということであろうと考えておるわけであります。
  170. 原田立

    ○原田立君 人間の方の食糧の話になっちゃったから、ちょっともとへ戻すんですけどね。一ppm以下〇・〇四ppmのカドミ米は飼料として使っても心配ないという安全性ですね、安全性の実験。これは先ほど次長ですか課長ですか、一カ所名前あげたけども、まだそれ公表されていないんですよ。内々の研究みたいなものであって公表されていない。五十年度まとめてそれできちっと公表するという、そういう、言ってみれば過渡的段階にあるんですから、だから大臣国民的感情のことをよく何度もあなた言うけれども、もちろん人間だって食わしちゃならぬと思うんだけども、飼料にしても前段の話のように食べさせない、使用させないということの方が、これが国民感情に合ったことじゃないでしょうか。食糧庁はそれをいまやっているわけです。だけども一説には、いま大臣自身が言っているように、飼料に使おうだなんてそう言っている。それは非常に危険じゃないかと思うんです。再度御答弁願います。
  171. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) 科学的な見地からすれば一ppm以下であれば食用に供しても差し支えないし、飼料に使っても差し支えないということでありますけれど、しかし、国民感情もあることでございますので、現在はこれを使ってないということであります。しかし、国民感情の問題もありますから、食糧庁としては念には念を入れて、さらに研究調査をして、果たして一ppmから〇・四ppmまでの実験の結果どういうことになるのか、それは念には念を入れて検査をして、そしてその結果のデータに基づいて最終的には決めるべきものであろう。また国民感情もそういう中にあって、実験の結果というものに対してどういうふうに対応をしてくるかは、そういう推移も見ながら判断をすべきであろうと、こういうふうに言っているわけであります。
  172. 原田立

    ○原田立君 食糧庁ね、カドミ汚染米の研究は何年ごろからやってんですか。
  173. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) ただいま申し上げました飼料としての研究は四十九年度からでございます。
  174. 原田立

    ○原田立君 四十九年。そうすると、四十九年、五十年、まだ一年ちょっと過ぎですね。そんな段階で〇・〇四ppm以下のカドミ米は飼料に使っても安全だと、こう食糧庁は断言できますか。
  175. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 先ほど申し上げましたように、採卵鶏につきましては、異常は認められなかったという結論でございますけれども、なお食肉鶏及び肉豚につきまして、本年度継続実験をやるわけでございますので、先ほど大臣のお答えにもございましたように、今後十分その検討結果を踏まえまして対処をしてまいりたいと思っております。
  176. 原田立

    ○原田立君 先ほどの高橋参考人の話じゃないけれども、WHOで、ある一つのものを検査すると、そうすると、それを二年も三年もかかって検査する。そうして人体、家畜等に使用するときには、その百分の一ぐらいの量を規定するというような厳しい姿勢をもっているというふうな説明があったわけです。ぼくはそのぐらいの姿勢があってしかるべきだと思うのです。まだ四十九年何月からやり出したか、月は聞かなかったけれども、まだ二年には――一年ちょっと過ぎだ、そんな研究。言ってみれば不十分な体制で、あの悲惨なカドミ汚染を巻き起こしたカドミ米を使わせるだなんて、飼料に使わせるだなんて、とんでもない話だとぼくは思う。またやかましいことを言えば、残留量は一体どうなっているのかというようなことまでも聞きたいわけだけれども、そこら辺のデータありますか。
  177. 下浦静平

    ○政府委員(下浦静平君) 先ほどこれも総括的にお話をいたしましたけれども、卵及び肉につきましてのカドミウムの移行というものは認められないと、これは採卵鶏だけでございますけれども。そういう結果でございます。
  178. 原田立

    ○原田立君 法案に戻りますが、飼料の品質表示の問題は、最近特に飼料の原料価格の値上がりに伴い配合飼料の品質が低下していることが問題になっておりますが、農林省は品質の低下を防止するため四十八年九月に、配混合飼料等の表示について農林省畜産局長名で出しておるんでありますが、その通達を出し、四十九年一月一日から原料表示の義務づけを指導しているが、最近における実施状況、成果はどうなっておりますか。お伺いします。
  179. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 配混合飼料の原材料名の表示は、四十八年の九月二十七日に通達を出しまして、四十九年の一月一日から行政指導により実施をしたものでありますが、当初は、御承知のように石油ショックの真っただ中でございまして、包装資材である紙袋が非常に不足すると、表示は紙袋に記載するわけですけれども、非常に包装資材が不足するというようなこともございまして、古い袋を使用するというなこともございまして、そういう特殊事情もありまして、十分、四十九年の一月一日から徹底しない向きもございまして、本委員会でも、確かこの点についての御指摘があったと思います。で、したがいまして四十九年の二月の二十七日に再度通達を出しまして、その徹底方について指導をいたしまして、現在はおおむね完全に実施されている状態であるというふうに考えております。この点につきましては、飼料の立ち入り検査をやります場合にも検査官が確認をいたしておりますが、おおむね完全に実施されておるのではないかというふうに思っております。
  180. 原田立

    ○原田立君 原料の表示に伴い、やはり原料、材料の配合割合の表示についてはどのように考えておられるかお伺いしたい。
  181. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 原料の配合あるいは混合、混入割合の表示につきましては、二条の二に基づきます安全性の観点からの表示と、それから八条に基づきます栄養成分に関する品質の識別を飼養農家にできるようにするという面からの表示義務と、両方あるわけでございますが、飼料添加物等につきましては二条の二によります表示基準によりまして、徴量であっても、適正に使用されないと、いろいろ人の安全あるいは家畜の安全に対して問題を生ずるというので、容量を、使用量を規制をし、しかもそれを表示をさせるということにしておりますし、八条の二におきましては、これまでやっておりました品質確保の面からの表示義務を一層拡充をいたしまして、これまでの栄養成分のほかにTDN、DCPあるいは燐、カルシウムといったようなものの栄養成分を法律ではっきり義務づけることといたしましたほか、先ほどお答えいたしました四十九年一月一日からやっております、原材料名を指導通達によって行政指導という形で表示をさせるようにしておりますものを、法律に基づいてはっきり義務づけるというような規制措置をやることにいたしております。さらに増量材的なものにつきましては、これを配合割合を品質確保の面からも表示をさせるように考えておるわけであります。  そこでそれをやります根拠は、改正法案の八条の第一項第一号「原料又は材料その他品質につき表示すべき事項」ということで、ただいまのようなことをやる考えでおりますが、この法文自体の解釈といたしましては、もちろん各種の原料の混入割合の表示を全部製造業者に義務づけることも可能な表現になっております。後は、どこまでやらせるかということは運用の問題になるわけでございまして、これは私どもといたしましては、栄養成分につきまして先ほど言いましたように、従来の表示義務をさらに拡充するということをやりますれば、家畜の飼養農家は大体飼養管理上支障はないというように考えますし、現在製造業者は飼料の配合率をどのようにするかということは、しのぎを削って研究開発に努力をしておるわけでございまして、それがその企業の特徴になっておるところでございまして、そのことが飼料の品質向上をもたらし、農家飼養管理面を補っておるということもございますので、それを全部表示をいたしますと、他の企業に模倣されるというようなことがございまして、せっかく努力しても意味がないというようなことになっては、企業の品質改善に対する努力の支障になるというふうにも考えます。さらに原料の需給事情、価格の変動によりまして、一定の成分は保ちながら配合率等については代替性がありますので変えております。そういうこともございますので、配合割合についての表示を書きかえるということが迅速に対応できないという面もございます。  それらの事情もございますし、同じような事情からだと思いますけれども、諸外国におきましても、われわれの知る限りでは、原材料の配合率について全部、法的に表示義務を課しているという例は聞いておりませんし、他の国内の類似の物資、たとえば食品等につきましても、ごく例外はございますけれども、全面的にそのような原材料の使用割合を表示させておるということはないわけでございます。で、他の制度とのバランスということも考えまして、われわれといたしましては、いま直ちに全飼料の原料について配合割合を書かせるということは適当ではないのではないかというふうに考えますけれども、衆議院におきますこの点についての非常に強い御要望もございますし、御意見もございましたし、附帯決議にも、主要原料についてはなおさらに表示について検討するように、ということでございますので、その趣旨に沿ってさらに検討いたしまして、最終的には審議会に諮った上で、どこまで配合割合について表示させるかを決めたいというふうに考えております。
  182. 原田立

    ○原田立君 大臣、お伺いしますけれども、酪農経営者等からも特に要望が強い問題でありますが、この点わが党は衆議院の修正案の中にもぜひとも配合割合の表示を義務づけるよう要望しております。また、いまの局長の答弁によれば、衆議院の段階での話もこれあり、農業資材審議会に諮ってやりたいということの答弁がありましたけれども、大臣としての御見解をぜひともお伺いします。
  183. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) いま畜産局長が答弁したことで尽きておりますけれど、最後の、主要な原料につきましては、これを明示するかどうかについて審議会に諮りたいということでありまして、私も主要原料については、これは国会におけるいろいろの審議の経過等から見ても、これを明らかにする必要もあるのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございますが、しかし、すべてについて配合率を明示する必要はないものである。これは先ほどから申し上げましたように、安全性の問題につきましては、抗生物質等につきましても、これを明らかにすることになっておりますし、栄養成分についてもこれを明示することになっておりますから、あと主要原料についてのこれをある程度明らかにすれば、もうすべての配合率を明らかにする必要はない。飼養管理技術上からもその必要はないと、こういうふうに考えておるわけであります。
  184. 原田立

    ○原田立君 大臣の答弁は局長よりも大変後退した答弁でどうも理解しがたい。またこの次の機会に、参議院に、当委員会においても、わが党はまた修正案を提出するつもりでおりますから十分検討してもらいたいと思う。  次に、農業資材審議会についてお伺いするわけでありますが、飼料等の安全性の確保が今回改正案の大きな柱であり、その中に占める農業資材審議会の役割りはきわめて重要であるわけであります。改正案においては、飼料等の安全施策の重要な決定に関してはすべて農業資材審議会の意見を聞くことになっておりますが、その運営に関して委員会の構成案についてお伺いしたいのであります。  委員会の構成メンバーはどのような構成を考えているのか、公正中立で広く国民全般に理解が得られるような体制を確立する必要があると思うが、その点はいかがですか。
  185. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 審議会の構成は、農業資材審議会の中に飼料品質部会というのをつくっていただくことにしまして、それに所属する委員として新たに二十名の専門の方々を委嘱をしたいというように考えております。その選任は安全性、家畜栄養学あるいは飼料学、畜産学といったような部門の専門的な学識経験者の中からお願いをしたい。それによりまして一方に偏することなく、中立的でしかも科学的、客観的な検討をお願いをしたいというように考えております。専門の学問分野といたしまして先ほど二、三申し上げましたけれども、家畜栄養学、飼料学、畜産学、薬理学、微生物学、病理学、毒性学、遺伝学、生理学といったような方面の専門の方、したがって、畜産関係だけではなしに、人体の医学といいますか、栄養学といいますか、そういう安全性の関係の方々も入っていただくという予定にいたしております。
  186. 原田立

    ○原田立君 学識経験者でありますから、業者の利害関係者なんていうのは当然入らないだろうと思うんでありますが、それを確認していいかどうかが一つ。それから消費者の選んだ公正中立な学識経験者の参加など、広く公開性に富んだ構成、運営が可能にならしめるべきであると思うのでありますが、御見解をお伺いしたい。
  187. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 利害関係者は一切加わっていただかないという予定をいたしております。消費者関係の方も、学識経験者として何人も認めるというような方がおられれば、もちろんそういう方にお願いすることもあり得るかと思いますが、単に消費者関係の代表というような意味では、加わっていただく予定はいたしておりません。もっぱら専門的学者の方々を中心にして、科学的といいますか、学問的な検討をしていただくというふうに考えております。
  188. 原田立

    ○原田立君 試験研究制度のあり方についてお伺いいたします。従来、飼料に対する試験研究のあり方を見るに、余りにも企業サイドからの研究データに由来した傾向にあり、国の機関がこれを追認するといった程度のもので、実質的な面で公正中立かつ、広く国民の納得のいく研究機関とは言いがたい。畜産物、ひいては人の健康にも関する安全性の見地から、今回の法改正に伴い、この試験研究機関の持つ意味は重大であると思うのであります。そこで、現在わが国の試験研究機関の実態を人員、施設、機能等、詳しくお伺いしたいわけでありますが、また、安全性の見地からどのようにその機能を果たしているのか、実情を御報告願いたい。
  189. 小山義夫

    ○政府委員(小山義夫君) 安全性の研究につきましては、やはり国民の不安を解消するためには、何といっても科学的な根拠を明らかにするということが一番大事なことでございます。そういう意味で、われわれ研究を進めておるわけでありますけれども、企業中心のデータ云々といういま御指摘がございました。企業のデータをうのみにして物事を処理するのはこれは大変誤りでございますけれども、だからといって、個々の開発された飼料のすべてについて、それでは国が全部これの点検をできるかということになりますと、これは実際問題として不可能になるわけでございまして、やはり第一義的には、その開発の当事者がその安全性のデータを出す、ただ問題は、それを科学的、合理的な根拠に基づいて国がチェックできるようにしておくことが必要だと思います。その上で必要なものについては、さらに再点検を国自身がやるというふうな仕組みになろうかと思います。そこで、国の研究機関がまず第一にしなければならないことは、その安全性を確認をするための手法を確立をしておく、そういう方法を確かにしておいて、企業自身が、その開発した人自身が定められた手法に従ってデータを出してくる、それをまた国自身が的確に判断をすることができる。判断をした結果、必要があれば、これは疑わしいものがあれば改めて国がチェックをする、こういうふうにすることが必要だということで、手法の開発を中心に国が進めておるわけでございます。  なお安全性の研究についての陣容についていま御質問がございましたけれども家畜衛生試験場、それから畜産試験場等を中心といたしまして、これに加わっております研究員の数は、約百三十名、研究室の数にして四十三研究室でございます。
  190. 原田立

    ○原田立君 いま最後にお話があったのだけれども、大変少ないですね、体制が。それで、それぐらいの、いま人員百三十名ですか。予算額はどのぐらいか、それはお話がなかったけれども、そんな体制で企業からどんどん出てくる新しい飼料、それの研究、検討、これは十分にできる御自信はおありですか。
  191. 小山義夫

    ○政府委員(小山義夫君) 人数についても、あるいは予算は先ほど申し上げませんでしたけれども、前年度は二億円余りでありましたけれども、本年度はこれを大幅にふやして三億円に拡大をしております。そのほかに、さらにいろんな関係の研究費がついておりますけれども、個々のいろんな判定は、行政部局における検査機関がかなりやることになると思います。私どもとしましては、それの検査の手法の開発が中心になるようなわけでございます。  それからなお現段階で、これで十分であるかという点につきましては、さらに拡充をしていかなければならないということは、十分に考えておりますが、ちょっとお話がございました、午前中の高橋参考人の方が、農林省の研究機関について、これは非常にレベルが低いという御指摘がございましたので、一言釈明をさしていただきますけれども。どのように低いかという意味で、昭和四十四年から五年間継続してやりました、いわゆる石油たん白の安全性、累代試験のデータについて各委員の方に印刷物を配って、この点がおかしいということがございましたが、時間的にお許しがいただければ逐一反論を申し上げたいところでございますけれども、あのようなレベルのものであるということでは絶対にございません。私が、なお十分でなくて今後も充実をしたいと言っておりますのは、もっと高い水準をねらってのことでございます。これからの法律改正が行われた時点で、安全性の研究について万遺漏なきを期したいというふうな水準で申し上げているということを一言釈明さしていただきます。
  192. 原田立

    ○原田立君 今回の法改正は、飼料等に対する安全性の確保を主眼としており、中でも法文中の第二条の二の基準、規格の設定、第二条の四の特定飼料の指定、第二条の六の新飼料の開発など、特に厳重な試験研究を必要とするものでありますが、今後、飼料等による事故発生の防止を図る上からもどのようなチェック機関を考えておられるのか、具体的にお伺いしたい。チェック機関ですね。また、安全性の見地から試験研究機関の充実対策についてもあわせてお伺いしたい。
  193. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) チェック機関につきましては、一つは特定飼料につきましては、事前にチェックをするということにしております。これは、検定ということによりまして、全量、ロットごとに検査をして、基準、規格に合っておるかどうかということを事前にチェックをするというやり方をしております。一般のものにつきましては、基準、規格をあらかじめ定めておきまして、それを販売したり、あるいは輸入をしたときに、一々全部事前のチェックを受ける必要はないわけでございますが、特定の飼料につきましては、事前にチェックをするということにいたしております。あと、チェックの方法といたしましては、国及び都道府県の検査機関による立入検査を実施をする、その際、国は特に安全性の観点からのチェックに重点を置いた立入検査をやることにいたしまして、違反の飼料が流通して事故を招くことのないように監視の徹底を図るということを考えております。
  194. 原田立

    ○原田立君 飼料の安全性は、そのまま家畜の健康はもとより、人間の健康につながる重要な問題であります。食品衛生の立場から安全性確保の所管官庁は厚生省でありますが、そうなると、畜産食品の安全性確保についても、厚生省としても無視できないと考えるわけでありますが、厚生省との関係はどのようになるのですか。
  195. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 今回の改正法案の狙いは安全性でございますが、その中で家畜に対して被害を及ぼさないようにという意味での安全性の問題は別といたしまして、人の健康にかかわる安全性の問題につきましては、厚生省の公衆衛生の観点からの安全性の行政と非常に関連するところが大きいわけでございます。具体的な関係といたしましては、厚生省の所管する食品衛生法に基づいて公衆衛生の見地から、公衆衛生上の安全性という見地から設定されます食品についての成分規格、いろいろ定められるわけでありますが、それを前提といたしまして、その規格に、最終食品である畜産物、食肉だとか、卵だとか、牛乳が食品になった場合、その厚生省で定めます成分規格に適合するようにするためには、家畜に給与する飼料及び飼料添加物について、どのような規制をしたらいいかということを農林大臣が判断をして、農林省で飼料及び飼料添加物の規制を行うと、こういう関係になるわけでございます。したがいまして、人間の食品になります場合に至るまで、えさの段階でのチェックと、それから食品の段階でのチェック、この食品としての段階のチェック、これは厚生省の所管でございます。その意味では、けさの参考人の高橋さんがおっしゃっていたような意味での二重チェックになっておるわけでございます。  具体的にはしからば、どのような連絡をとるかということにつきましては、二十二条にありますように、厚生大臣は農林大臣に対しまして、飼料添加物の指定だとか、あるいは基準、規格の設定、その他販売禁止の具体的な措置をとる場合に、意見を出すことができますし、さらに一定の措置をとることを要請することもできることになっております。さらに先ほど申し上げましたような、審議会がこの制度運用の一つのかなめになるわけでございますが、審議会の中には厚生省関係の専門の方々の参加も得たいと思いますし、それから二十二条で申し上げましたような意見を述べるとか、あるいは措置を要求するとかということを待たずに、それ以前に案の段階から十分にわれわれとしては事実上は協議をし、連絡をして、事を運んで参りたいというように考えております。
  196. 原田立

    ○原田立君 大臣と厚生省等にお伺いするわけでありますが、いまも局長のお話がありました。厚生省との関係については、本法案第二十二条で「厚生大臣は、公衆衛生の見地から必要があると認めるときは、農林大臣に対し」、意見を述べる、これが一つですね、それから、要請することができる。この二つですね。意見を述べ、要請をするということのみでありますが、やはり厚生省との関係は、協議制を明確に、明文化する必要があると思うのでありますが、厚生省との関係性について見解をお伺いしたい。
  197. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) この法律を適用し、実施するに当たりましては、これは人の健康に関する問題が中心になるわけでもございますので、やはり厚生省とはあらゆる面において密接に連携をとっていかなければならないということは当然のことであります。いま畜産局長も答弁をいたしましたように、審議会等においても厚生省から出向を求めるという考え方を持っておるわけでありましょうし、私も農林大臣としての立場において、厚生大臣とはこの法律の実施の中にあって、積極的に相談をしたい、そうしてまた厚生大臣からも積極的に意見を述べていただいて、それに基づいて適正な運営を図っていきたいということでありまして、私はこの規定というものは、そういう意味においては、この法律を実施する上においては、非常に積極的な意味を持ったものであると、こういうふうに解釈をいたしておるわけであります。
  198. 岡部祥治

    ○説明員(岡部祥治君) ただいま御審議いただいております改正案の二十二条でございますが、御指摘のとおり厚生省は食品衛生に関することを所管いたしておるものでございます。したがいまして、農林省におきましてこの飼料あるいは飼料添加物の基準あるいは規格等を設定いたしますにつきましても、この食品衛生の前提を踏まえましてこれの規格、基準というものが設定されるものでございまして、したがいまして、これらの問題につきましても、厚生省は農林省との情報の交換等に努めまして、農林省におきまして考えておられます規格、基準等の設定の措置につきまして、いわゆる有害畜産物というようなもの、あるいは食品衛生上不適当なものが生産されるということを防止するために、これが十分でないと思われる場合には、厚生大臣が意見を申し述べるというような規定でございまして、これにより食品衛生の確保を図ってまいりたいということでございます。
  199. 原田立

    ○原田立君 もう時間がないから、いいでしょう。もう中途半端な答弁で、ちっとも納得しがたい。だけども時間がないから、次へ、先へ進みます。  検査体制についてお伺いいたします。飼料等に対する検査体制は、現行法上、国及び都道府県は立入検査により収去した飼料及び原料についてそれぞれ検査機関において成分、異物等の検査を実施するほか、最近では行政指導に基づき、有害物質、飼料添加物の検査も実施されておると聞いておりますが、過去の検査実績はどうであったか、その点はどうですか。   〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
  200. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 農林省が六カ所の肥飼料検査所において検査をしております件数は、四十九年度で二千百四十件やっております。都道府県におきましては、約四千五百件の検査を行っております。そこで問題になります安全性につきましては、これは法的な根拠に基づかずして抜き取り検査をやっておるわけでございますが、残留農薬、PCB、重金属等の汚染実態の検査の結果について概要を御説明いたしますと、農薬につきましては、輸入飼料を中心に検査を実施しておりますが、いままでのところ、BHCの場合でも、その検出値はおおむね食品衛生法に基づく穀類の許容基準〇・二ppmでございますが、それ以下であり、特に問題はないというふうに現在のところの結果では考えております。  それから、PCBについては、魚粉を中心に検査を実施しておりますが、検出値は〇・三ppm以下であり、いずれもその許容基準である五ppmを下回る結果を得ております。  それから、重金属では、カドミウム、水銀について検査を実施をしておりますが、カドミウムでは、配合飼料について〇・五ppm以下、水銀では、魚粉について〇・二ppm以下でありまして、特に問題となる結果は得ておりません。  なお、アフラトキシンについては、輸入落花生油かすについて、民間検査機関が、輸入のつど、ロット単位に全量検査を実施しておりますが、現在までのところ、許容基準である一ppmを超えるものはほとんどございません。
  201. 原田立

    ○原田立君 今回の法改正に伴い、飼料のほか飼料添加物も検査対象に加わり、検査事項及び検査範囲及びその内容の拡大が図られることになるわけでありますが、検査を実施する機関は、現在、いまもお話のあるように、国の機関で六カ所、各都道府県にも検査機関を設置しているとはいえ、現行法に基づく検査事業量を処理することだけでも、施設、人員等、現状でも十分とは言えないのではないか、不十分ではないのか。この改正案が施行されることになると、検査業務の飛躍的な増大が予想されるわけでありますが、現状の検査量などから、検査機関の実態についてどのように認識しているのかお伺いします。
  202. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 検査機関は、現在、国の肥飼料検査所と、県の、各県にございます飼料検査機関、それから一部民間の機関を予定をいたしておるわけでございますが、新たに法的な根拠に基づきます安全性についての規制をすることになりますので、その観点からの検査が重要になるわけでございますが、われわれといたしましては、国の検査機関は特に安全性に関する検査を重点にして実施をしてまいる、一部民間の検定機関を使いますけれども、主として国がやる。それから品質改善という観点からの、栄養成分の確保という観点からの検査は、これは県あるいは民間の機関をできるだけ活用をしていくということによりまして、ある程度の分担をして、重点的にやってまいりたいと考えております。現在、国の機関の飼料関係の専任職員は四十四名でございますが、この制度を、法律を全面的に実施いたします場合には、技術者のさらに増員あるいは分析機器あるいは施設等の改善あるいは分析技術の確立等につきまして、一層検査体制の整備に努力をしてまいりたいと思いますし、県の検査機関に対しましても、施設等を充実するように援助をしていきたいというふうに考えております。
  203. 原田立

    ○原田立君 国の方も、施設の改善、増員等を図っていきたい、県の方にもそういうふうな援助を差し伸べていきたいと、こういうことでありますが、抽象的な話で具体性が余りないんですが、それはそれとして、法改正に伴う検査量の増大、事務量の拡大にはどのように対処するつもりなのか。よほどの充実拡充対策を図らなければなるまいと思うのでありますが、強化拡充の具体策、もう少し数字的なものがあれば答えてもらいたいし、なければ次の機会に回してもいい。
  204. 澤邊守

    ○政府委員(澤邊守君) 人員につきまして今後増員をしてまいりたい、それから施設等につきましても予算的な裏づけをもちまして整備をしてまいりたいというふうに考えておりますが、これ、現在、具体的に何年計画でどれだけという計画はまだ立てておりませんが、来年、一年先に実施するまでの間に、来年度予算を含めまして拡充に努力をしたいと思います。必要がありますれば、年次計画的なものも検討したいと思っております。
  205. 原田立

    ○原田立君 最後に大臣にお伺いしたいのでありますが、やはりこの検査機関の役割りが今後ますます重要になってくるわけでありますが、安心して検査、施策ができるよう、予算面などあらゆる方面からの対策が必要であろうと思うのであります。ただいまも局長からもお話がありましたが、こうするという方向性だけの話しかないんですけれども、それはそれとして、大臣の所見をお伺いしたい。   〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
  206. 安倍晋太郎

    ○国務大臣(安倍晋太郎君) この法律が成立をいたしまして実施するまでには、一年間余裕があるわけでございますし、その間に万遺憾のないような実施体制をつくっていかなければならぬわけであります。検査体制はこの法律の中でも非常に重要な部門でございますので、検査体制につきましては、特に予算等においてもこれを充実してまいるという基本的な考え方のもとに、来年度予算も含めて実施の万全を期する検査体制の整備を図る決意でございます。
  207. 佐藤隆

    ○委員長(佐藤隆君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後五時四十九分散会      ―――――・―――――