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1975-06-18 第75回国会 参議院 本会議 16号 公式Web版

  1. 昭和五十年六月十八日(水曜日)    午前十時三分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十六号  昭和五十年六月十八日    午前十時開議  第一 国務大臣の報告に関する件(農業基本法   に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五   十年度農業施策、林業基本法に基づく昭和四   十九年度年次報告及び昭和五十年度林業施策   並びに沿岸漁業等振興法に基づく昭和四十九   年度年次報告及び昭和五十年度沿岸漁業等の   施策について)  第二 文化財保護法の一部を改正する法律案   (衆議院提出)  第三 外国人漁業の規制に関する法律の一部を   改正する法律案衆議院提出)  第四 宅地開発公団法案(第七十二回国会内閣   提出、第七十五回国会衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、故元内閣総理大臣衆議院議員佐藤榮作君に   対し弔詞贈呈の件  一、請暇の件  一、日程第一  一、国際婦人年にあたり、婦人の社会地位の   向上をはかる決議案(石本茂君外五名発議)   (委員会審査省略要求事件)  一、日程第二より第四まで      ―――――・―――――
  2. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより会議を開きます。  元内閣総理大臣衆議院議員佐藤榮作君は、去る三日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。  同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。  ここにその弔詞を朗読いたします。    〔総員起立〕  参議院は多年わが国の民主政治発展に力を尽くされまた国力の増進と国際地位の向上に貢献し殊に沖繩の復帰を成就されさらにまたノーベル平和賞を授与されました元内閣総理大臣衆議院議員従一位大勲位佐藤榮作君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます      ―――――・―――――
  3. 河野謙三

    議長河野謙三君) この際、お諮りいたします。  相沢武彦君から病気のため十七日間請暇の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      ―――――・―――――
  5. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(農業基本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度農業施策、林業基本法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度林業施策並びに沿岸漁業等振興法に基づく昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年沿度岸漁業等の施策について)  農林大臣から発言を求められております。発言を許します。安倍農林大臣。    〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
  6. 安倍晋太郎

    国務大臣安倍晋太郎君) 農業林業及び漁業の各昭和四十九年度年次報告及び昭和五十年度において講じようとするそれぞれの施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、農業について申し上げます。  最近のわが国農業を取り巻く諸情勢を見ますと、長期間にわたって過剰を続けてきた世界の農産物需給は、近年、基調の変化を来しており、国内経済も高度成長から安定成長への転換の過渡期に当たっております。  このような経済情勢の変化の中で、農業生産資材価格は高騰し、農業経営に大きな影響を及ぼしましたが、日時は要したものの、現在、農業は徐々に新しい条件に対応しつつあります。  一方、経済活動の停滞に伴って、農業就業人口の減少率の低下や農用地の農業外への流出の減少など、従来とは異なった動きも生じております。  農業の他産業に対する比較生産性は、四十八年度においてはかなり上昇し、農家の生活水準世帯員一人当たり家計費において勤労者世帯を上回っております。  また、基幹男子農業専従者のいる農家は、総農家数の三割、農業生産の六割強を占めており、最近、これらの農家を中核として、農作業の受託や集団的生産組織の形成が進んでおります。  このような農業をめぐる諸情勢の変化のもとで、第一に、土地・水等の国土資源の確保とその有効な活用を通じて農業の健全な発展を図り、国内の食糧供給を強化していくこと、第二に、食糧の安定的供給農産物価格の安定を図るための価格政策の充実、第三に、農業生産の中核的担い手となる農家を育成し、これを中核として、生産の組織化を図ることが重要な課題となっております。  以上のような最近の農業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、国民食糧の安定確保を図るための土地・水資源の確保整備とその高度利用、農業生産の中核的担い手の育成農産物の価格の安定、農村地域の計画的な整備開発、食料品の流通加工近代化消費者保護対策の拡充を図るとともに、農産物輸入の安定化を進めるなど総合的な食糧政策を推進することといたしております。  第二に、林業について申し上げます。  まず、四十八年から四十九年にかけての木材の需給関係を見ますと、木材需要は、四十八年には大幅な増加、四十九年には一転して急減と大きく変動しました。木材供給は、国産材が停滞傾向を続けているのに対し、外材輸入は、四十八年には大幅な増加を示し、四十九年は逆に前年を下回っております。また、木材価格は、四十八年には上昇し、四十九年には急落しております。このような需給及び価格の急激な変動は、国内林業の振興、流通加工近代化、合理化、住宅建設の円滑な推進等に支障を及ぼしておりますほか、わが国への木材輸出国、とりわけ開発途上国に多大の影響を与えており、木材の需給及び価格の安定が強く求められております。  次に、四十八年の国内林業の動向を見ますと、素材生産量、人工造林面積ともに前年を下回りましたが、林業経営の収支は、木材価格の上昇等により、前年に引き続きかなりの改善が見られるに至っております。  また、近年、急速に高まっている森林林業に対する国民の多面的な要請にこたえるためには、林業従事者による適切な森林施業を通じ、活力ある森林資源を維持、造成することが必要となっております。  以上のような森林林業の動向にかんがみ、第一に、木材需給の安定のため、需要面での安定が要請され、供給面においては国内生産体制の整備、輸入の安定的確保、流通加工近代化合理化の推進が必要であり、第二に、国内林業の振興のため、林業生産基盤の整備等の施策の積極的な推進とともに、林業地域振興の全体的計画のもとに適切に位置づけて山村地域の振興を図ることが重要な課題となっております。  以上のような最近の林業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、林道及び造林事業の計画的推進、林業構造の改善、林産物の需給の安定及び流通加工の合理化の推進、林業従事者の福祉の向上等に重点を置いて施策を推進することといたしております。  第三に、漁業について申し上げます。  まず、漁業生産の動向を見ますと、最近、その伸び率はやや鈍化傾向を示しておりますが、水産物消費は中高級魚介類を中心に増大しており、動物性たん白質の約半分が水産物によって供給されております。  水産物価格は生産地価格、消費者価格ともかなり上昇しましたが、四十九年に入りますと、消費者価格は一般物価並みに上昇しているのに対し、生産地価格の上昇率は鈍化しております。  漁業経営は、四十八年には魚価の堅調に支えられて好収益を上げましたが、四十九年に入ると、資材費の高騰に加え、賃金の上昇もあって、経営条件はきわめて厳しいものになっております。  漁業をめぐる環境は、国内的には、沿岸水域における公害の発生等により漁場環境が悪化し、また、国際的には、第三次国連海洋法会議における各国の意向にも見られるように、広範な経済水域設定の動きが大勢を占めようとしており、わが国の沖合い、遠洋漁業をめぐる環境はきわめて厳しい状況になってまいりました。  以上のようなわが国漁業が直面している事態のもとで、今後のわが国漁業において、第一には新しい海洋秩序へのわが国漁業の対応、第二には沿岸漁場の見直しと沿岸漁業の振興、第三には漁業経営の安定、第四には水産物有効利用の促進が重要な課題となっております。  以上のような最近の漁業の動向を踏まえて、昭和五十年度におきましては、海洋水産資源の開発と海外漁場の確保、沿岸漁場漁港等の生産基盤の整備、漁業公害対策等の拡充強化、漁業経営の近代化の促進、水産物の流通加工の合理化等の施策を推進することといたしております。  以上をもちまして、農業林業及び漁業の各年次報告及び講じようとする施策の概要の説明を終わります。(拍手)
  7. 河野謙三

    議長河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。志苫裕君。    〔志苫裕君登壇、拍手〕
  8. 志苫裕

    ○志苫裕君 私は、日本社会党代表をして、ただいま報告のありました農業林業漁業に関するそれぞれの報告について、総理並びに関係大臣質問いたします。  三木総理には御静養のところ、おいでいただきまして感謝いたしますが、無理のない程度にお答えをいただきたいと思います。  さて、ことしの農業白書は、端的に言って、不況は農業発展のチャンスだという見方をとっております。つまり、わが国農業は、これまでの高度成長のもとで、消費水準が急に上がったり、労働力や土地の流出、生産資材の高騰、地力の減退、生態系環境の問題など、さまざまな困難を抱え込んでいたが、景気の鎮静化、不況で消費の伸びも山を越し、農地の転用も鈍り、人手も幾らか帰ってくるなど、農業のためにはいい動きになってきたというのであります。大変結構ですが、およそ人々の気持ちとはかけ離れた楽観論だというのがもっぱらの評判であります。  それはともかく、白書の現状認識と農業発展の契機はこのようなものでありますが、果たして日本経済の現状、すなわち低成長は構造的なものでしょうか、それとも景気の循環なのか、今後の農政の前提問題でありますだけに、総理の見解を伺っておきます。  農政当局者には気の毒でありますが、およそ評判は芳しくありません。農民はあいさつがわりに農政の悪口を言うのでありまして、農業再建のチャンスをうたい上げる白書は、こうした悪評に対して何らの反応も反省も示しておりません。高度成長十五年にわたる農業と農民の苦悩に対し、それは高度成長のせいだと言うだけでいいものでしょうか。それを是認し、それに追随し、積極的に調和してきた農政そのものに責任はないとでも言うのでありましょうか。われわれはいたずらに過去を責めるのではない。景気がよかろうと悪かろうと、弱いところに犠牲を強いるのが資本の本性であるだけに、体質の弱い農業がまたしてもしわ寄せを受けないために、反省の中から知恵をくみ取ろうとしておるのであります。農林大臣の答弁を求めます。  今日、農政が目標とする国民食糧確保の緊急課題は、政府命令をすればそれでできるものではなく、農民の理解と全国民合意を必要といたします。その国民合意を農政への不信で妨げることがあっては断じてなりません。総理の見解も伺いたいと思います。  とまれ、白書は、低成長は農業の出番だと言うのでありますが、そのことの当否は後ほど問うとして、私は、周りの状況次第でくるくる変わる他力本願的発想が気に入りません。国土を循環的に活用して生産活動を続けることのできる農業こそ、まさに全産業の基盤であり、国民生活と国の安全保障なのでありますから、これを基本にむしろ周りを対応させるという姿勢が求められておるのであります。農林業はまた、単に食糧供給だけではなく、大気を浄化し、水源を涵養し、国土を保全する等の機能を持ち、価格に換算をすると、年間十八兆円と試算をされるのであります。やれ見直しであるとか、攻めだとか、またその見直しだとか言っておりますけれども、まさに国家百年の計で、大地に根を張ったこの価値を見詰め、これに正当な地位を与え、財政投資を惜しんではならぬのであります。総理、農林大臣、そして大蔵大臣の答弁を求めます。  さて、白書は、食糧供給力を高めるために、農業生産の担い手を、経営規模の大きい生産性の高い農家として育成しようとしております。このために相当のスペースを割いて、中核農家への土地の集積の必然性、必要性を説き、低成長はその好機だと分析をしていますが、私は、この際、農業基本法を引用をして注意を喚起したいと思います。  農業基本法は、高度成長に伴って、他産業との格差や、消費水準の向上、労働力の移動等が行われておるから、経営規模の拡大をやって効率的な農業生産をやろうというものであります。農基法は、高成長だから規模拡大を、白書は、低成長だから規模拡大を、というのでありまして、状況が変わり、基本目標が変わっても、この基調だけは変化がありません。農基法では自立経営農家百万戸を、白書では三割の中核的農家をそれぞれ対象とすることもまた同じ発想であります。何よりも国民食糧の確保を強調しながら、輸入依存の基調はいささかも変わっていないのであります。一体、これで構造的な世界の食糧危機のもとで、日本国民の食糧が確保できるでありましょうか。農基法は高成長のための受け皿の整備と格差是正が目標とされ、今日は国内における食糧供給力の確保が要求されておるのでありますから、発想も手段も根本的に変わってこなければならぬと考えるのでありますが、総理、農林大臣の答弁を求めます。  この際、指摘したいのは、白書が好材料とする消費の頭打ちとか、労働力の還流などは景気後退の現象であり、農外所得の伸びや受託、委託進行等は高成長の現象だというのであります。矛盾する二つの現象を都合よく継ぎ合わせて、政策意図に誘導しようとするのは農民を信頼をしたやり方ではありません。  農林大臣、農民は農業でやれないから飯米取りか、荒らしづくりで農外所得にありつこうとしておるのであります。そして、この不況で一層苦しくなっているわけです。土地の資産的保有は地価や農地制度のせいだけではなく、いつ還流者、すなわち潜在失業者になるかもしれぬ不安定性、古くて新しい農民の宿命のような生存への不安から生じておるのであります。不況を農村が肩がわりをすれば、還流者は潜在過剰人口になり、必然的に零細土地所有は固定化をいたします。決して還流者の人手を当てにできて都合がいいなどというのんきなものではないのであります。事情はどうあれ、規模拡大、効率生産だというのでは破綻の上塗りではありませんか。農民と苦悩をともにして、もっと丁寧な論議と扱いを要求します。規模拡大によって農業の担い手となるであろう農家も、不況で農外収入の影響を受ける農家も含めて、今日の事態が農業の集団的社会組織の契機となるように農政を展開すべきであるし、農振地区からも外される山村など九十万ヘクタール農地を耕す農民にも適切な対策が講じられるべきであります。農林大臣の答弁を求めます。  価格政策の重要性を指摘をしておることも白書のポイントであります。農業者に相応の所得をという表現は、「分相応」という意味できわめて不遜な言葉でありますが、とまれ、価格政策の強調に異論はありません。だが、どういう意味で重要かは不鮮明であります。言うまでもありませんが、農基法は価格政策への傾斜はむしろ排除をして、日本農業が非効率な生産で国際価格よりも割り高になるというのであれば外国農産物輸入せよという発想を持ったものでありますが、価格政策の強調はこの発想の転換を意味するのでありますか、農林大臣の見解を求めます。  政府の自賛をする新価格体系は、たとえば五十年度の豚肉加工原乳がいずれも農家の生産意欲を失わせるものであったように、安定成長を名目に農民に犠牲を強いるようなものであってはなりません。  わが党は、かねてから農産物価格の不統一がわが国農業の発展をゆがめる大きな要因であること、主な農産物は生産費所得補償方式で統一すべきことを主張し、さしあたって農安法、糖安法の改正を提案しているところであります。政府は、作物ごとの性質の相違から支持価格の算定方式を単一化できぬとして普通作物を安楽死させてしまいましたが、白書の強調する価格政策の重要性とはいかなるものなんでありましょうか。また、一定の評価を与えている複合経営は、モノカルチュアに比べて生産性の低下を認めなければなりませんが、これを安定させるための所得保障、さらにはコストの重要部分を占める資材の独占価格と価格操作の規制をどうするか、あわせて農林大臣の答弁を求めます。  なお、関連をして、ことしの米価決定をめぐって、歳入欠陥を理由とする抑制の動きがあり、逆ざや解消をねらう同時諮問も云々されておりますが、財政的理由をもって本来のたてまえを崩すことは許されません。大蔵大臣農林大臣の方針をこの際伺っておきたいのであります。  わが国の食糧自給率はどんどんと低下をしています。三十五年に八九%だったものがついに七一%に、穀物では四一%に下がったと指摘をしております。一体、事の原因を明らかにすべきであります。カロリー換算では恐らく五〇%を割っているものと考えられますが、一億一千万の国民のうち六千万近くが外国食糧に依存をし、もしものことでもあればたちまちにして飢える、その混乱は石油どころの比ではありません。もしもの場合、国内食糧だけでは一体一人当たり何カロリーになるのでしょうか、参考のために伺っておきます。  ところで、白書は、世界穀物の在庫の減少や不安定性、わが国自給率が最低で、世界貿易の一割も食っていると認めながら、なお輸入依存を譲らず、その理由に資源的制約と高い消費水準を挙げておるのであります。確かにパン食は普及していますが、そうなった要因は、敗戦後食糧不足をよい契機にして、アメリカの余剰小麦が米に強制的に代替をさせられて定着をしたからであります。肉もまたアメリカ等の穀物を前提にして拡大をしたものです。アメリカはこのようにして余剰農産物で世界支配の足場を築き、今日では食糧危機を背景に戦略物資といたしております。この支配から抜け出さない限り、輸入日本の農業破壊をされ、食糧危機は固定化をされてしまいます。高い食糧水準を口実に輸入を続ける政策を改め、思い切った農業拡大と、濃厚飼料から粗飼料に重点を移した畜産の振興で飛躍的な自給率の向上を図るべきであります。  昭和六十年を目標とした農業政策の方向では、穀物自給をさらに三七%まで下げるとしておりますが、全くの暴挙です。この際、食糧問題はそれをつくる農漁民だけの問題ではないということを念頭に置いて、農産物の自給と備蓄のための法律をつくる用意があるかどうか、総理大臣農林大臣の答弁を求めるとともに、繰り返し自給体制の放棄に警鐘を鳴らすものであります。  次に、林業についてお尋ねいたします。  わが国の木材もまた年々自給率が低下をいたしております。四十八年は三六%となっておりますが、昭和四十八年の三月に閣議で決定をした長期需給の見通しでは、五十六年には二七%ぐらいに下がるだろう、こう考えられておったのでありますが、早くもその初年度でそこまで落ち込んだわけでありまして、ゆゆしき事態であります。しかも、輸入量が世界総量の五三%を占めるとあっては、輸出国の経済社会に及ぼす影響と責任もまた大きいわけであります。このような事態についてどのような理解を持っておられるかお伺いをいたします。  資源問題の台頭以来木材資源ナショナリズムの対象となっている中で、昨年は不況の進行木材需要が激減をし、国内業界はもちろんのこと、東南アジア輸出国に深刻な影響を与えました。そこで、白書は、総需要抑制の転換を待望する印象で貫かれるわけでありますが、果たして需要拡大で根本問題の解決になるものでありましょうか。長期的に見た木材の需要の急激な変動を避ける政策が必要と考えるのでありまして、具体策を農林大臣にお伺いいたします。  木材の伐採量と造林面積の年々低下が示すように、林業生産はじり貧であります。林業の持つさまざまな制約、農山村の過疎化、労働力の不足等で民有林の不振が大きく、公社、公団の造林もかなりの成果を上げているとはいうものの、なお飛躍的に進めるためには、国による分収方式で拡大造林を行うことが、雇用対策等の意味も含めて必要と考えます。農林大臣の答弁を求めます。また、大商社や資本資源略奪、価格操作、輸入の独占的支配が問題となっておりますが、その規制と、さらに生産の担い手である林業労働者福祉、すなわち社会保険の適用、振動対策、時間規制、賃金等に積極的な配慮を求めるものでありますが、農林大臣の答弁を求めます。  次に、漁業についてお伺いいたします。  わが国漁業の総生産量は引き続いて世界一位ではありますが、その環境は著しく悪化をいたしております。特に沿岸における漁業は高度成長の犠牲にされ、これまでに三百四十平方キロ漁場、八百平方キロ漁業権がつぶされ、汚染は深刻であります。さらに、国連海洋法会議での経済水域二百キロという資源ナショナリズムの反撃に遭って、世界一の漁業も大変な危機であります。それだけに実に多くの問題をはらんでいるのでありまして、時間の関係で多くを尋ねることができませんので、この際は、価格政策国際漁業の二つにしぼって質問をいたします。  水産物の価格形成はきわめて大きな矛盾を持っておりますが、白書も指摘をしておりますように、依然として大漁貧乏から解放されないのは政府の価格政策責任であります。漁民も消費者も一様に水産物の複雑な流通機構の改革を求めておりますし、魚の供給を安定的に増大をさせるためには、生産費所得補償方式を取り入れた価格制度が不可欠なのであります。遠洋一本やりの漁業政策をこの際改めて、水産物価格安定法の制定を軸にして、流通から消費にわたる総合的な価格政策を確立する意思がありますかどうか、農林大臣の答弁をお願いいたします。  最後に、国際漁業問題についてお尋ねいたします。領海十二海里、経済水域二百海里はすでに大勢であります。これによってわが国は、漁獲量で四百五十万トン、金額にして四千億円、職場を失う労働者延べ十五万三千人と言われております。この事態を見越してすでに大手業界は、たとえば、日魯漁業の新規採用中止、マグロ部門の切り捨て、加工部門の閉鎖など、労働者への犠牲で切り抜けようといたしております。政府はこのような業界をどう指導されますか、遠洋部門をどのように整理し、再編成をいたしますか、職場を失う労働者雇用には政府責任を持つべきだと考えるのでありますが、あわせて農林大臣の答弁をお願いいたします。  わが党は、資源経済における先進国主権侵害と安全侵害は許さないという発展途上国の主張と水産資源保護の主張を支持し、この観点で新しい国際秩序を確立すべきだと述べてきたところでありますが、さらに、国内的には総合食糧政策の中に水産政策を明確に位置づけ、漁業生産を利潤追求、企業採算主義の大資本漁業に依存をしないで、資源保護食糧の生産、労働者雇用確保の三点を基本に置いた大改革をすべきだと主張しておるのでありますが、ポスト海洋法における日本漁業のあり方について総理の明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
  9. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 志苫議員の御質問にお答えをいたします。私には五問ばかりの御質問があったと思います。他は農林大臣からお答えいたします。  高度成長のもとにおける農業の不振、これは構造的なものか、循環の一局面かという御質問でございますが、今日までの高度経済成長という、それを支えてきた条件はすべて失われてきたわけであります。したがって、これからは安定成長といわれておる、そういう経済運営の軌道軌道を切りかえていかなければならない。農業というものは、これはわが国の食糧供給という社会生活の大前提をなす重要な産業でありますから、正当な地位が与えられなければならぬわけでありますが、これが高度経済成長のもとにおいては、むしろいままでよりもバランスのとれた日本の発展をこれは意図していかなければなりませんから、農業が正当な地位というものをわが国産業の中でこれは確立する一つの機会だととらえておるわけでございます。  第二の点は、国民食糧確保のためには農民の理解、全国民合意が必要であるということは、全く同感であります。そういう国民的な合意がなければ、農業の、食糧の確保というものは達成できるものではありませんから、政府においても、先般国民食糧会議という広範な各階層の方々にお集まりを願って、食糧問題の重要性に対する国民的関心を喚起いたしたわけでございます。この会議でもいろいろ御検討願うことになっておりますが、政府の方においても、農作物需給の長期的見通しなどに沿って、わが国の自給力の向上を図っていく、そして総合的な農業政策を展開していく。国民的理解を得るためには、その背景としてしっかりした農業政策がなければなりませんから、そういう点に一段と力を入れてまいるわけでございます。  また、農業は全産業の基盤であるから、正当な行財政地位が与えられなければならないという志苫議員の御発言に対しても全く同感でございます。やはり農業というものの、食糧という基礎物資の生産ばかりでなしに、国土の自然環境の保全という大きな役割りもございますし、農業というものの健全な発展なくして、地域社会というものの、健全な地域社会は維持できないというので、農業の持つ役割りを高く評価するものであります。したがって、今後は国内の生産体制を整備し、また一方において潜在的な農業生産力というものを培養しなければいかぬ、土地基盤整備なども重要なこれは政策の根幹をなすものだと考えております。自給力を高めるほか、全部食糧を自給するということは不可能でありますから、輸入の安定化に努めるなどして、総合的な政策を積極的に推進していきたい。そういう政策を実施していくについて、行財政上正当な地位が与えらるべきは当然のことだと考えるものでございます。  それから木材の問題についていろいろ御懸念の点をお述べになりましたが、われわれも全く木材輸入が非常に激増していく、また森林資源というものは、やはり各国ともこれを大事にしなければならぬという資源ナショナリズムの一環として木材資源というものは取り扱われてきておる。しかし、今日の日本は、戦後乱伐と言ってもいい、森林資源というものを消費いたしましたがために、まだ造林した森林が伐採期に達してないというような状態がありまして、木材輸入というものは相当やはり続くものと見なければならない。そうなってくると、輸入にとにかくある程度――国内の需要を、国内のやはり森林資源の培養ということには力を入れますにしても、相当期間輸入木材に依存しなければなりませんので、海外森林資源の造成の面などにも力を入れなければならぬ。ただ海外から木材輸入してくるというだけでなくして、相手の国々の伐採された後の森林資源のやはり造成などに対しても国際協力を大いに行って、ただ日本が収奪するというような、森林資源を収奪するというような印象を与えることは避けなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。  次には、水産政策についていろいろ御質問がございましたが、私も大変に心配をしている。まあ、海洋会議の結果がどういうふうになりますか、今日の予測では、日本漁場は次第に狭められてくるというわけでございます。また石油や資材費の高騰によって漁業経営が一段と困難にもなっていく。しかし、水産業というものは、わが国食糧の中における動物性たん白質食料の約五〇%という率を占めておるわけでございますから、これはもう欠かせないものである、こういう観点に立って、漁業資源の保存、労働力の確保というものは、これは国際環境も非常に厳しくなっておる中で、今後水産資源を確保していくのには、従来のような安易な方法ではいけない。よほどこの問題についてはきめの細かい水産政策政府はとっていかなければ、この動物性たん白質食料の確保というものは非常に困難が起こると、こういう心配のもとに、まあ、これは国内問題ばかりではございませんから、国際協力などを通じて今後積極的に取り組んでまいりたい所存でございます。(拍手)    〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕
  10. 安倍晋太郎

    国務大臣安倍晋太郎君) まず、第一点の、農業の位置づけの問題でございますが、先ほども総理から御答弁がありましたように、われわれは、農業につきましては国民生活の基礎物資であるところの食糧供給するという重要な使命を果たしておるだけでなくて、国土と自然環境を保全し、健全な地域社会を維持する上で大きな役割りを果たしておる。したがって、農業の健全な発展なくしてはわが国経済社会の調和のある発展はないものと確信をいたしておるわけであります。  農政の推進に当たりましては、国際的な食糧の最近の事情の変化等から見まして、将来にわたる国民食糧の安定的な供給を確保するために、国内生産体制を整備をいたしまして、可能な限りの自給力を高めていくことはもちろん必要でございますが、同時に、国土の資源の制約等からして海外に依存せざるを得ない農産物につきましては、輸入の安定化に努めるなどして、今後とも長期的な視点に立った総合的な食糧政策を展開してまいる考えでございます。  また、農政の展開に当たりまして、食糧問題、農業問題について国民的な理解を深めていく必要があるという御指摘についてはまさに同感でございます。このために、最近、国民食糧会議を開きまして国民各層の御意見を承っておるわけでございます。  第三点の、農業基本法の問題でございますが、農業基本法につきましては、御存じのように、農業国民食糧供給等、国民生活の安定に寄与している役割りを評価し、その上に立った構造改善あるいは経営規模、総生産の増大といった必要な施策を講ずべき旨を規定をいたしておるわけでございまして、したがって、私は現在においても、こうした農業基本法の考え方は変更されてないというふうに認識をいたしておるわけでございます。  第四点の中核農家、さらに兼業農家等を含めた適切な施策を講ずべきであるという御指摘につきましては、私も同感でございます。  今後、農業生産のわれわれは中核的な担い手に着目をいたしまして、その育成、強化を図っておるわけでございますが、同時に、最近におきましては、農作業の受委託等につきましては、中核的担い手と兼業依存度の高い農家とが協力をして農業生産を行っておること、あるいは兼業農家も現に農業生産において一つの役割りを示しておる等の事情も十分考えまして、今後は、中核農家を中心として、兼業農家も包摂をした形の集団的生産組織育成等を通じまして生産性の向上を図ってまいりたいと思うわけでございます。  価格政策につきましては、従来から農業基本法の方向に従いまして生産・構造政策の推進とあわせて、その充実を図り、適正な価格水準の実現に努めてまいってきておるわけでございまして、今後ともこの価格政策農業における最も大きな役割りを持っておるわけでございますので、価格政策の充実、強化を図っていきたいと思うわけでございます。  なお、価格政策に当たりまして、先ほど御指摘がございましたが、すべての農産物について生産費所得補償方式を適用すべきであるという御意見でございますが、われわれは、現在の農産物の多様性あるいは生産の条件等の多様性にかんがみまして、一律に生産費所得補償方式を価格政策として取り上げるということは困難であるというふうに考えておるわけでございます。  複合経営につきましては、今後複合経営の重要性はますます高くなっていくものと考えておるわけでございまして、複合経営については、われわれは積極的な姿勢で取り組んでいきたいと思うわけでございます。  また、肥料農薬農業機械等の農業生産資材の供給の確保と価格の安定につきましても十分留意をいたしておるわけでございまして、私たちは肥料農薬、農機具等については今後とも価格を安定し、価格を上昇させないということに対して、積極的に行政的な介入をいたしたいと思っておるわけでございます。  また、米価の問題についての御質問がございましたが、ことしの生産者米価につきましては、御存じのように、食管法の定めるところによりまして、生産費、物価等の動向、さらに生産及び需給事情、全体としての農業食糧政策のあり方等、諸般の情勢を総合的に考慮して決定をしなければならぬわけでございますが、現段階では具体的にその取り扱いはまだ決めていないわけであります。  また、同時諮問につきましても、同じように現在のところはまだ何も決めていない。私たちは、しかし、基本的には両米価を、生産者米価と消費者米価ともに相互に関連をさして決定をすべきものであるというふうな基本的な考え方を持っておるわけでございます。  自給率につきましては、御指摘のように、最近の総合自給率は、四十八年には七一%、穀物自給率は四一%となっておるわけでございます。こうした自給率の低下につきましては、最近の所得水準の向上を背景として、需要が非常に高いテンポで増加をした。一方、国内生産は畜産物、園芸作物などは順調に拡大したものの、畜産の発展に伴いまして飼料穀物等の輸入が著増したことと、経済の高度成長の中で生産性の低い小麦、大豆等の生産が減少してきたことにその大きな原因があるものと考えておるわけでございます。  先般政府が発表いたしました昭和六十年度を目標年次とするところの「農産物の需要と生産の長期見通し」は、今後国民食糧の安定的供給の確保を図るために、長期的な視点に立って、限られた国土資源を高度に利用し、可能なものは極力国内で生産をし、自給力を向上させることを基本として取りまとめたものでございます。政府は、今後この長期的な見通しに沿って今後の総合的な施策を推進してまいりたいと思うわけであります。  備蓄につきましては、備蓄食糧の安定的供給に果たす役割りを十分評価しなければならないと思いますし、このような考え方のもとに立って、米麦につきましては、食管による十分な余裕を持った在庫の造成に配慮をしなければならないと思います。また、トウモロコシ、大豆につきましては、民間備蓄に対して国の助成を現在講じておるわけでございますが、なお、今後ともこれを推進をしたいというふうに考えておるわけでございます。今後、備蓄を拡充していくことにつきましては、その実施の仕組み、物流体系、費用分担等につきましていろいろと問題があるので、この点については今後の検討の課題であろうと思うわけでございます。  なお、輸入がストップした場合における一人当たりの自給食糧によるところのカロリーはどうかというふうな御質問がございましたけれども、私たちは輸入が全面ストップした場合を想定をいたしておらないわけでございます。  なお、林業関係でございますが、木材需給が急激な変動をいたしておるわけでありまして、近年のわが国の木材輸入の大幅な変動が主要輸出国、とりわけ南方の開発途上国経済に大きな影響を及ぼしたこと等から見まして、わが国としても、国内の木材需要の急激かつ大幅な変動をできるだけ避ける必要がある。このような観点から、木材需要の過半を占める住宅建設投資の計画的な遂行が図られるようにすることが基本的に重要なことではないかと考えております。  なお、これとともに、木材の需給及び価格変動に適切に対処をするために、木材の流通に関する情報システムの強化、あるいは加工、流通関係の改善、合理化に取り組んでまいるとともに、現在実施しておるところの木材備蓄対策事業によりまして、短期的な需給不均衡による木材価格の高騰が起こらないようにしてまいりたいと思うわけであります。  なお、国によるところの分収方式で拡大造林を行ってはどうかという御意見でございますが、民有林の造林推進は林業者の自主的な努力を助長するという方向でこれを進めていかなければならないわけでありますし、これを推進しておるわけでございますが、国によるところの分収方式で拡大造林を行うことにつきましては、造林公社、森林開発公団等による分収造林との関係もあるので、なおこれは慎重な検討が必要であると考えておるわけでございます。  また、林業の担い手であるところの林業労働者福祉の向上を図るための措置でございますが、われわれとしても、社会保障制度の適用促進あるいは振動障害、その他林業労働災害の防止等のために、今後とも施策を充実してまいりたいと思っております。  水産関係につきましては、水産物の生産が自然的な条件に非常に左右される、大漁貧乏が起こるということでございますので、との価格の安定ということにつきましては非常に大事なことであると考えておるわけでございます。現在、五十年度におきましても、共販体制を整備するとか、あるいはまた大規模な冷蔵庫の計画的整備等も行っておるわけでございますが、今後とも総合的な価格政策の充実のためには積極的に努力してまいりたいと思います。  また、海洋関係につきましては、現在第三次海洋法、非常に深刻な状態でございますが、これに対処して、やはり今後とも海洋をめぐって予想されるいろいろな事態に対処をいたしまして、国際的な漁業協力を推進をいたして、わが国の海外における漁獲の確保を図っていかなければならないと思います。  漁業労働者雇用の問題につきましては、運輸省あるいは労働省等関係省庁とも十分連絡をとりまして、漁業労働者に不安のないように対処していきたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
  11. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 私に対する第一の御質問は、農業に対する財政投資の問題でございます。  農業が、御指摘のように全産業国民生活の基盤を形成するものであり、国土と自然環境を保全する上において重要な役割りを果たしておりますこと、御指摘のとおりでございまするし、最近の国際的な環境は、食糧の需給が緊張いたしておる中で、食糧の安定的な供給を確保するということは容易ならぬ工夫と努力が要ることは、これまた御指摘のとおりでございます。そういった認識に立ちまして、財政面から農業に対しまして所要の財政投資を考えていくべきでありますこと、財政当局といたしましても、今日までも考えてまいりましたし、今後も鋭意努力してまいるつもりでございます。  第二の点は、ことしの米価の決定についてのお話でございました。  この点につきましては、すでに農林大臣から政府の立場がお話がされたわけでございます。もとより、財政当局といたしましても、米価というものは、産業政策経済政策福祉政策労働政策、いろんな角度から見なけりゃならぬもので、財政的な都合ばかりで物を申し上げるつもりは毛頭ございません。ただ、今日、食管に対する一般会計の繰り入れが八千四百億にも上っておるという事実は、食管制度の安定的な運営を図る上から大きな問題を投げかけておるわけでございまして、私といたしましては、鋭意この改善に努力をしなければならないと考えておることだけを申し上げさしていただきたいと思います。(拍手)
  12. 河野謙三

    議長河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。      ―――――・―――――
  13. 河野謙三

    議長河野謙三君) この際、お諮りいたします。  石本茂君外五名発議にかかる国際婦人年にあたり、婦人の社会地位の向上をはかる決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。市川房枝君。    〔市川房枝君登壇、拍手〕
  15. 市川房枝

    ○市川房枝君 ただいま議題となりました国際婦人年にあたり、婦人の社会地位の向上をはかる決議案の提案の経緯と、その趣旨を簡単に説明いたします。  国際連合主催の世界婦人会議は、明十九日よりメキシコ市で開催されることになり、政府任命の代表団は十六日に出発いたしました。  なお、この会議には、出席を希望された各党の婦人議員十名が顧問として今夕出発されることになっております。  この大会では、二十日に、日本の首席代表であります藤田たき氏が日本代表して演説をすることになっております。その中で、日本の国会が婦人の地位の向上を図る決議をしていただいたことも報告できれば日本の面目と存じ、せんだって来、衆議院七名、参議院十八名の全婦人議員が超党派の立場で集まりまして、決議文の案を起草し、婦人議員からそれぞれの党の御了解を得た次第でございます。  参議院におきましては、五常のほかに二院クラブも加わり、自由民主党の石本茂氏、日本社会党の田中寿美子氏、公明党の柏原ヤス氏、日本共産党小笠原貞子氏、民社党中沢伊登子氏と私の六名が発議し、志村政務次官を除く十一名の全婦人議員を賛成者として提出、年長のゆえをもって私が説明することになりました。(拍手)  決議文を朗読いたします。     国際婦人年にあたり、婦人の社会地位の向上をはかる決議   国際連合は、国連憲章世界人権宣言の趣旨に基づき本一九七五年を国際婦人年と宣言し、男女平等の促進、政治経済社会文化の発展計画への婦人の十分な参加の確保、国際平和にとり増大しつつある婦人の役割の認識、これら三目標を達成するため、集中的な行動を行う年と決定している。   国際連合第二十二回総会の「婦人に対する差別撤廃宣言」は、第一条で、「男子との平等を事実上、否定または制限する婦人に対する差別は、基本的に不正であり、人間の尊厳に対する侵犯である」とうたつている。日本国憲法第十四条は、「すべて国民は法の下に平等であつて、人権、信条、性別、社会身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定していることをここに改めて確認する。   現在、我が国おいて、人口の過半数を占める婦人は、政治経済社会文化の諸分野においてその役割をはたしつつあるとはいえ、なお、その能力を全面的に発揮しうる社会環境が必ずしも十分とはいえず、賃金雇用の機会をはじめ社会生活における事実上の男女不平等存在している。   このように婦人を差別的に取扱う慣行を是正するとともに、特に母性としての社会的責務に照らし、十分な保護を確立するために、すべての適切な方策がとられるべきである。   政府は、国際婦人年を契機として、婦人に対する差別撤廃、婦人の地位向上に関する国際連合の宣言、決議条約及び勧告を国内の施策に反映し、これを実現するための行動計画を策定し、実効を上げるために全力をつくすべきである。   右決議する。  以上でございます。皆様の御賛成をいただけましたらありがたいと存じます。(拍手)
  16. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  17. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。  ただいまの決議に対し、植木国務大臣から発言を求められました。植木国務大臣。    〔国務大臣植木光教君登壇、拍手〕
  18. 植木光教

    国務大臣(植木光教君) 国際婦人年に当たり、婦人の社会地位の向上を図る決議に対しまして、政府の所信を申し述べます。  政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、婦人の地位の向上に万全を期することとし、これを実現するため、関係各方面の御意見を拝聴しつつ、実効を上げ得る施策を策定するよう努力してまいる所存でございます。(拍手)      ―――――・―――――
  19. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第二 文化財保護法の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長内藤誉三郎君。    〔内藤誉三郎君登壇、拍手〕
  20. 内藤誉三郎

    内藤誉三郎君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、昭和二十五年に制定されました文化財保護法は、本院文部委員会から提案された議員立法であり、当時としては世界に類例を見ない画期的な法律でありました。その後、昭和二十九年に一部改正が行われたほかは、実質的な改正が行われないまま今日に及んだのであります。  しかるに、近年、わが国の社会経済情勢の急変と開発ブームに伴い、貴重な文化財破壊にさらされていることは、現行法では文化財保護有効に対処できない面が多々出てまいりました。そこで、当面の課題にこたえるべく、衆議院文教委員会において取りまとめられたものが本法律案でございます。  本案の内容は、埋蔵文化財保護制度の充実整備と地方公共団体における文化財保護行政の拡充強化を図るとともに、新たに、伝統的な町並み・集落の保存制度文化財の保存技術保護制度を確立する等の措置を講じ、もってわが国の文化財保護の一層の推進を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、本改正案に文化財保護基本理念を盛り込まなかった理由、文化財保護行政に取り組む文部大臣及び文化庁長官基本姿勢、埋蔵文化財の発掘について許可制をとらなかった理由、遺跡発見の届け出にかかる現状変更の停止または禁止期間の妥当性、市町村における文化財保護行政組織の整備、文化財保護に対する国民の理解と協力の推進、伝統的な町並み等の保存に対する国の援助強化等の問題について熱心な質疑が行われました。  また、六月十日には、日本考古学協会の代表者等四人の学識経験者を参考人として招き、意見聴取を行いました。  これらの詳細は会議録により御承知願いたいと思います。  質疑を終わり、討論もなく、採択の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、久保委員より、文化財保護法については、今後、確たる理念のもとに根本的改正に取り組むべきであるとともに、法の運用に当たっては、文化財保存事業に対する国及び地方における財源を十分確保すべきである等十項目にわたる五党共同の附帯決議案が提出され、これを委員会決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)
  21. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  22. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――
  23. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第三 外国人漁業の規制に関する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長佐藤隆君。    〔佐藤隆君登壇、拍手〕
  24. 佐藤隆

    佐藤隆君 御報告いたします。  本法律案は、最近におけるマグロ類等の輸入の増大により需給事情が悪化し、漁業経営が圧迫されている現状にかんがみ、必要に応じてこれら魚種を特定漁獲物等として政令で指定し、その特定漁獲物等について、外国漁船による本邦への陸揚げ並びにその他の船舶による漁港及び漁港区への陸揚げを禁止する等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、特定漁獲物等の政令の指定、韓国とのマグロ輸入調整交渉、商社の無秩序水産物輸入、既往の特別融資の償還期限の延長、生産資材費高騰対策水産物価格安定対策等をめぐって各般の質疑が行われました。  質疑を終わり、別に討論もなぐ、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上であります。(拍手)
  25. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  26. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ―――――・―――――
  27. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第四 宅地開発公団法案(第七十二回国会内閣提出、第七十五回国会衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。建設委員長中村波男君。    〔中村波男君登壇、拍手〕
  28. 中村波男

    中村波男君 ただいま議題となりました宅地開発公団法案について、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、人口及び産業の集中が著しく、住宅不足のはなはだしい大都市の周辺の地域において、住宅地の大量供給による住宅地の需給の緩和と健全な市街地の形成を図るため、新たに宅地開発公団を設立しようとするものであります。  その主な内容は、第一に、宅地開発公団は、大都市の周辺地域において、住宅地の大規模な造成等を行うとともに、関連公共公益施設交通施設等の整備等を行い、宅地の大量供給と健全な市街地の形成を図ること。  第二に、公団の設立に際しての資本金は五億円とし、政府がその全額を出資することとし、必要がある場合には、建設大臣認可を受けて政府及び地方公共団体の出資によりその資本金を増加することができること。  第三に、公団は、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業等により住宅地の造成等を行い、また、住宅地の造成にあわせて整備されるべき健全な市街地形成上必要な施設の用に供する宅地の造成、工業団地及び流通業務団地の造成を行うとともに、みずから地方鉄道業または軌道業を行うことができること。  第四に、特定の関連公共施設の整備に当たっては、公団が、当該公共施設の管理者の同意を得、直接、国の負担金または補助金の交付を受けて、みずからその工事を施工することができること。  第五に、公団に関連施設整備事業助成基金を設け、その運用によって、地方公共団体財政負担の軽減を図ること。  第六に、公団は、業務内容に応じて建設大臣または運輸大臣が監督すること等であります。  なお、衆議院において、本案が第七十二回国会からの継続案件でありましたため、所要の規定の整備をする必要が生じ、附則中、公団の最初の事案年度・法律番号等に関する部分について修正が行われております。  委員会におきましては、日本住宅公団との業務の分担関係、宅地分譲価格の問題、地方財政の圧迫問題等広範多岐にわたって、きわめて熱心な質疑が行われました。  なお、本案の重要性にかんがみ、現地を調査し、また、参考人の意見を聴取し、さらに、地方行政委員会農林水産委員会及び運輸委員会と連合審査会を開く等、慎重に審査を行いました。これらの詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党代表して沢田委員より反対の旨の、自由民主党代表して増田委員より賛成の旨の、また、公明党田代委員、日本共産党春日委員、民社党三治委員より、各党を代表しそれぞれ反対の旨の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次いで、上田委員より、自由民主党日本社会党公明党日本共産党民社党の各派共同提案による附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  その内容は、宅地造成計画と国土利用計画等との整合に対する配慮、土地投機の防止対策公共賃貸住宅用地の優先確保、地方公共団体財政負担の軽減等八項目から成るものであります。  以上御報告をいたします。(拍手)
  29. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。  表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  30. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  31. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  32. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十六票   白色票          百二十六票   青色票            百十票  よって、本案は可決されました。(拍手)      ─────・─────   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名     百二十六名       宮田  輝君    寺下 岩蔵君       平井 卓志君    吉田  実君       中西 一郎君    山本茂一郎君       園田 清充君    山内 一郎君       久保田藤麿君    前田佳都男君       最上  進君    望月 邦夫君       森下  泰君    梶木 又三君       藤川 一秋君    福岡日出麿君       鳩山威一郎君    秦野  章君       夏目 忠雄君    永野 嚴雄君       林  ゆう君    安孫子藤吉君       青井 政美君    有田 一寿君       井上 吉夫君    石破 二朗君       中村 登美君    藤井 丙午君       桧垣徳太郎君    原 文兵衛君       中村 禎二君    高橋 邦雄君       細川 護煕君    寺本 広作君       林田悠紀夫君    佐藤  隆君       菅野 儀作君    石本  茂君       中山 太郎君    小林 国司君       宮崎 正雄君    柳田桃太郎君       内藤誉三郎君    玉置 和郎君       高橋雄之助君    楠  正俊君       岩動 道行君    西村 尚治君       鍋島 直紹君    新谷寅三郎君       上原 正吉君    郡  祐一君       青木 一男君    迫水 久常君       徳永 正利君    小川 半次君       八木 一郎君    丸茂 重貞君       塩見 俊二君    志村 愛子君       片山 正英君    柴立 芳文君       嶋崎  均君    棚辺 四郎君       中村 太郎君    戸塚 進也君       高橋 誉冨君    坂野 重信君       斎藤栄三郎君    山東 昭子君       糸山英太郎君    岩男 頴一君       岩上 妙子君    遠藤  要君       大島 友治君    大鷹 淑子君       斎藤 十朗君    古賀雷四郎君       黒住 忠行君    河本嘉久蔵君       川野 辺静君    金井 元彦君       今泉 正二君    土屋 義彦君       山崎 竜男君    上田  稔君       初村滝一郎君    長田 裕二君       久次米健太郎君    鈴木 省吾君       世耕 政隆君    江藤  智君       藤田 正明君    大森 久司君       岡本  悟君    平泉  渉君       橘直  治君    町村 金五君       加藤 武徳君    安井  謙君       剱木 亨弘君    吉武 恵市君       増原 恵吉君    神田  博君       伊藤 五郎君    鹿島 俊雄君       大谷藤之助君    小笠 公韶君       亘  四郎君    橋本 繁蔵君       佐藤 信二君    亀井 久興君       岡田  広君    上條 勝久君       稲嶺 一郎君    矢野  登君       山崎 五郎君    高田 浩運君       増田  盛君    二木 謙吾君       源田  実君    熊谷太三郎君       植木 光教君    木村 睦男君       温水 三郎君    福井  勇君     ―――――――――――――  反対者(青色票)氏名      百十名       太田 淳夫君    矢原 秀男君       野末 陳平君    喜屋武眞榮君       下村  泰君    塩出 啓典君       青島 幸男君    市川 房枝君       柄谷 道一君    内田 善利君       峯山 昭範君    桑名 義治君       三治 重信君    上林繁次郎君       阿部 憲一君    三木 忠雄君       藤原 房雄君    和田 春生君       黒柳  明君    矢追 秀彦君       原田  立君    田代富士男君       藤井 恒男君    木島 則夫君       鈴木 一弘君    山田 徹一君       宮崎 正義君    柏原 ヤス君       田渕 哲也君    二宮 文造君       白木義一郎君    小平 芳平君       多田 省吾君    中尾 辰義君       中沢伊登子君    福間 知之君       矢田部 理君    案納  勝君       久保  亘君    青木 薪次君       野田  哲君    対馬 孝且君       秦   豊君    浜本 万三君       大塚  喬君    小山 一平君       片岡 勝治君    田  英夫君       宮之原貞光君    鈴木美枝子君       神沢  浄君    前川  旦君       竹田 現照君    山崎  昇君       村田 秀三君    小野  明君       野口 忠夫君    茜ケ久保重光君       瀬谷 英行君    森  勝治君       田中寿美子君    竹田 四郎君       戸田 菊雄君    森中 守義君       志苫  裕君    森下 昭司君       近藤 忠孝君    山中 郁子君       粕谷 照美君    片山 甚市君       目黒今朝次郎君    橋本  敦君       安武 洋子君    内藤  功君       寺田 熊雄君    辻  一彦君       小巻 敏雄君    神谷信之助君       小谷  守君    工藤 良平君       上田  哲君    和田 静夫君       松本 英一君    小笠原貞子君       立木  洋君    沓脱タケ子君       鈴木  力君    中村 波男君       川村 清一君    杉山善太郎君       沢田 政治君    加藤  進君       渡辺  武君    塚田 大願君       安永 英雄君    吉田忠三郎君       松永 忠二君    小柳  勇君       須藤 五郎君    岩間 正男君       星野  力君    阿具根 登君       野々山一三君    秋山 長造君       藤田  進君    加瀬  完君       河田 賢治君    野坂 參三君       上田耕一郎君    春日 正一君      ―――――・―――――
  33. 河野謙三

    議長河野謙三君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十七分散会      ―――――・―――――