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1973-04-11 第71回国会 参議院 予算委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和四十八年四月十一日(水曜日)    午前十時三十七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  四月十一日     辞任         補欠選任      塩見 俊二君     高橋雄之助君      足鹿  覺君     田  英夫君      宮崎 正義君     塩出 啓典君      中尾 辰義君     内田 善利君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         大竹平八郎君     理 事                 上田  稔君                 佐藤  隆君                 高橋 邦雄君                 西村 尚治君                 米田 正文君                 森中 守義君                 横川 正市君                 鈴木 一弘君                 向井 長年君     委 員                 小笠 公韶君                 梶木 又三君                 川上 為治君                 木村 睦男君                 楠  正俊君                 熊谷太三郎君                 小山邦太郎君                 古賀雷四郎君                 塩見 俊二君                 白井  勇君                 高橋雄之助君                 竹内 藤男君                 玉置 和郎君                 中村 禎二君                 長屋  茂君                 林田悠紀夫君                 細川 護煕君                 山崎 五郎君                 山内 一郎君                 吉武 恵市君                 上田  哲君                 川村 清一君                 小林  武君                 瀬谷 英行君                 田中寿美子君                 田  英夫君                 羽生 三七君                 前川  旦君                 安永 英雄君                 内田 善利君                 塩出 啓典君                 矢追 秀彦君                 木島 則夫君                 岩間 正男君                 渡辺  武君                 山田  勇君    国務大臣        内閣総理大臣   田中 角榮君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  三木 武夫君        法 務 大 臣  田中伊三次君        外 務 大 臣  大平 正芳君        大 蔵 大 臣  愛知 揆一君        文 部 大 臣  奥野 誠亮君        厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君        農 林 大 臣  櫻内 義雄君        通商産業大臣   中曽根康弘君        運 輸 大 臣  新谷寅三郎君        郵 政 大 臣  久野 忠治君        労 働 大 臣  加藤常太郎君        建 設 大 臣        国 務 大 臣        (近畿圏整備長        官)        (中部圏開発整        備長官)        (首都圏整備委        員会委員長)   金丸  信君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)        (北海道開発庁        長官)      江崎 真澄君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 二階堂 進君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)       坪川 信三君        国 務 大 臣        (行政管理庁長        官)       福田 赳夫君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  増原 恵吉君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       小坂善太郎君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       前田佳都男君    政府委員        内閣審議官    粟屋 敏信君        内閣法制局長官  吉國 一郎君        総理府人事局長  皆川 迪夫君        公正取引委員会        委員長      高橋 俊英君        公正取引委員会        事務局長     吉田 文剛君        公正取引委員会        事務局取引部長  熊田淳一郎君        防衛庁参事官   大西誠一郎君        防衛庁参事官   長坂  強君        防衛庁参事官   岡太  直君        防衛庁長官官房        長        田代 一正君        防衛庁防衛局長  久保 卓也君        防衛庁人事教育        局長       高瀬 忠雄君        防衛庁経理局長  小田村四郎君        防衛庁装備局長  山口 衛一君        防衛施設庁長官  高松 敬治君        防衛施設庁総務        部長       河路  康君        防衛施設庁施設        部長       平井 啓一君        防衛施設庁労務        部長       松崎鎮一郎君        経済企画庁長官        官房参事官    北川 博正君        経済企画庁調整        局長       新田 庚一君        経済企画庁国民        生活局長     小島 英敏君        科学技術庁長官        官房長      進   淳君        科学技術庁研究        調整局長     千葉  博君        科学技術庁原子        力局長      成田 壽治君        環境庁大気保全        局長       山形 操六君        環境庁水質保全        局長       岡安  誠君        沖繩開発庁総務        局長       岡田 純夫君        外務省アメリカ        局長       大河原良雄君        外務省条約局長  高島 益郎君        大蔵省主計局長  相澤 英之君        大蔵省主税局長  高木 文雄君        大蔵省理財局長  橋口  收君        大蔵省銀行局長  吉田太郎一君        厚生省環境衛生        局長       浦田 純一君        厚生省社会局長  加藤 威二君        社会保険庁医療        保険部長     江間 時彦君        農林大臣官房長  三善 信二君        農林大臣官房予        算課長      渡邊 文雄君        農林省農蚕園芸        局長       伊藤 俊三君        農林省食品流通        局長       池田 正範君        食糧庁長官    中野 和仁君        林野庁長官    福田 省一君        水産庁長官    荒勝  巖君        通商産業省企業        局長       山下 英明君        通商産業省重工        業局長      山形 栄治君        通商産業省化学        工業局長     齋藤 太一君        通商産業省繊維        雑貨局長     齋藤 英雄君        通商産業省鉱山        石炭局長     外山  弘君        通商産業省公益        事業局長     井上  保君        中小企業庁長官  荘   清君        中小企業庁計画        部長       原山 義史君        運輸省鉄道監督        局長       秋富 公正君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  住田 正二君        運輸省航空局長  内村 信行君        運輸省航空局技        術部長      金井  洋君        労働省労政局長  石黒 拓爾君        労働省労働基準        局長       渡邊 健二君        建設大臣官房長  大津留 温君        建設省計画局長  高橋 弘篤君        自治大臣官房審        議官       近藤 隆之君        自治大臣官房審        議官       山下  稔君        自治省行政局選        挙部長      山本  悟君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君     ―――――――――――――
  2. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十八年度一般会計予算  昭和四十八年度特別会計予算  昭和四十八年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、締めくくり総括質疑を続行いたします。鈴木一弘君。
  3. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 経済企画庁長官に伺いたいのですが、現在の景気動向は、四十八年の経済見通しで考えておられた軌道の上にあるとお考えですか、それとも、はずれているとお考えでございますか。
  4. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) はっきり申しまして、非常に過熱の状態にあるということが言えると思います。しかし、これを何とかして年間を通算して見通しの線におさめなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  5. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 そのいまの答弁からすると、軌道を、過熱ぎみだから、はずれかかっているというか、はずれている、戻したいということなんですけれども、戻せるものかどうか。
  6. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) いわゆるポリシーミックス、財政金融の適切なる運営、外為関係の散布超を出さないようにすること、あるいは円高、実質上の円高でございますわけで、このフロートの実勢をじょうずに物価面に反映すること、あるいは貿易政策を組み合わせること等によって、何としてもこの情勢を平静なものにいたしまして、見通しの線におさめなければならないというふうに固く覚悟しておる次第でございます。
  7. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 覚悟のほどはわかりますけれども、私は、軌道修正、軌道自身を修正する必要がある、こういうように思うのですが、それほど現在の経済動向は、すでに見通しからはずれているのではないか。  具体的に伺いたいのですが、円の長期フロート、現在フロートになっております。これが長期フロートになりそうでありますが、長期フロートということは見通しの中に織り込み済みなのかどうか、それが一つ。  いま一つは、円の再切り上げ、ドルの切り下げ、こういうことも織り込み済みなのかどうか。
  8. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) この一月に見通しをつくりました時点では、円は三百八円ということを考えておったわけであります。その後にできました新事態で私どもは、やはりこれを無理に固定相場制に直すことよりも、現状をそのままに見て相当長期間のフロートはやむを得まい、むしろ、フロートするということによってドルをよけい持つことがなくて済むのでございますから、これが円の実勢を見るのに非常によいことではないか、どういう点になったらば日本の産業にどういう影響が出ていくかということも見ながら、これをあるべき姿に持っていって、そうして固定相場制に復帰するのがよかろう、こう思っております。ところが、御承知のように、ヨーロッパにおいて固定相場制を堅持するといっておった西独においても状況が変わりましたし、そうしてECが共通のフロート制をとるようになりました。この情勢で、私は、今後のドルの再切り下げとかあるいは円の再切り上げとか、そういうようなことはなくて済むであろうというふうに考えております。
  9. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 円の再切り上げがないということは、三百八円でおさまるということですか。そういう意味じゃなくて……。
  10. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のように、いま三百八円に対して一五%前後円は高くなっているわけでございます。そういう状況を頭に入れて申し上げておるわけでございます。
  11. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 したがって、見通しとしての一つの根拠はくずれているように思うんです。衆議院の段階では、固定相場制に復帰することがまだ可能性があるというような、そういう答弁でずっと来ました。ところが、参議院の段階に来て、はっきりとわかってきたことは、ナイロビの会議までフロートは避けられないということがはっきりしてきたわけです。常識的に見ても、このフロートが、ときには必要な措置というような答弁も出てきましたし、今度はナイロビの総会までの九月となると、四十八年度予算の約半分は終わってしまうわけです。当然これは見通しを変更しないわけにはいかないんじゃないかと思うわけですね。見通しの修正は当然のことじゃないですか、ここで。いかがですか。
  12. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほど私は一五%前後と申しましたが、二百六十五円五十銭程度ですから、一五%以上でございます。一六%を境にしておるというふうに申し上げたほうが正確だと思いますが、そこで、ナイロビ総会前には固定相場制に復帰することは困難であろうという見方は、私も鈴木委員と同じように思います。そこで、状況が変わったという問題でございますが見通しの中の貿易収支、これは輸出が三百三十三億ドルで輸入が二百五十二億ドルでございますが、これは、その限りにおけるドルのバリュエーションは変わっておるわけですけれども、しかし、品物そのものがまた上がっておるわけでございますし、そういう点を彼此勘案いたしますと、貿易じりというものは、あまり変わらぬのではないかというふうに思いますし、それから輸入の経常収支においては、これは若干のなにがあると思いますけれども、御承知のように、四十九億五千万ドルの経常収支、これは大体そんなことになるんじゃないか。かなり実はあの見通しをつくるときには、五十億ドルを割るということは苦しいんじゃないかという意見もございましたが、例のハワイ会談のこともこれあり、そこへ何とかおさめようという意欲的な数字を出しておりますので、これはそこにいくんではないかというふうに思っております。
  13. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 まあ、経企長官からは、輸出輸入の国際収支の見通しはそう変更がないだろうと。これは通産大臣にお伺いしたいのですが、現実問題として、この見通しのままいきそうな空気でございますか、それとも、大きく動くような空気でございますか。
  14. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) ことしはなかなか変動的要素が多うございますが、一応あの目標がわれわれの目標として現在においても妥当であると思います。
  15. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 いろいろずっと見てまいりましても、長期フロートという条件は見通しの中に入ってはいない。いますでに一六%ぐらい動いておりますけれども、円の実質上切り上げになっていますけれども、それが織り込まれてこない。国際収支については、いまそのまま保たれるというお話ですけれども、交換レートが変わってくることでもありますし、いろいろな面で、また貿易面での影響が出てこなければならない。ですから、この辺で見通しの改定ということができないということならば、大体こうなるのではないかという試算程度で、影響はこうあらわれるということぐらいは、つかめてよろしいんではないかと思うんです。いままでの御答弁から聞いているのは、まあまあそう動かないだろうというような感じでありますけれども、その点、試算を出すようなお気持ちも経企庁にはないでしょうか。私は、当然、予算を立てるときの経済見通しを立てたときと現実と、もう内容において、経済の情勢が変わっているんですから、もう一度試算をやり直してみるということが国民に対する義務だと思うんです。その点はいかがでございましょうか。
  16. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 従来のやり方を申し上げますと、大体十月ないし十一月ごろになって、その期の見通しと実際とを照らし合わせまして、大体そこでもう一度見直しているというのが実績でございます。しかし、今年どうするかということでございますが、今年も、やはりこの十一月ごろになれば、例年のような見直し作業はやるのが、おっしゃるとおり、従来やっておることでございまするから、義務であろうかと思いますけれども、いま何せ四十八年度が発足する際でございます。きょうおかげさまで予算があげていただけるような情勢でございますので、ひとつその段階では、やはりわれわれとしては、この見通しに沿うて、現実のこの物価高の情勢、決していいものと思っていないわけでございますから、皆さまのお知恵も拝借いたしまして、ぜひこの見通しの中におさめる努力をまずすべきではないか、現段階においてはさように考えております。
  17. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 それでは、民間設備投資は見通しのとおり一四%におさまりますか。これは通産大臣と経企庁長官と両方から伺いたいと思います。
  18. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 結論から申しますと、おさまるというふうに思っております。というのは、いまかなり民間設備投資意欲が伸びておりますが、どうもいわゆる従来型の、いわゆる公害企業等の設備投資が伸びているかというとそうではございませんで、むしろ、公害防除に関する設備投資、そういうものにかなり投資がございますわけで、まあ、私どもとすれば、たびたび申し上げておりまするように、公共施設とかあるいは住宅施設とか、そういうものに投資の向きがいくような誘導型の財政を考えておるわけでございまして、さような方向へ持ってまいりたいというふうに思っております。  それから、企業の全体の経営者等が今後どうなるというふうに見ているかという意識調査をやってみたのでございますが、これはまあ、みんな非常に先行きは楽観的なんでございます。ところが、ここへ来て金融の引き締め等も出てまいりましたので、この楽観ムードにはかなり水がかかると思います。そういう点から、私どもは何とかその見通し内におさまるんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
  19. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 一、二月ごろは民間設備投資に意欲的な徴候が出てまいりました。そういう点では、民間設備投資は、ことしはかなり大きく伸びるのではないかという考えもちょっとしてみましたけれども、最近の金融引き締めがびしびしきいてきているこの情勢を見まして、企業側においても先行き警戒の空気がまた再び出てきておるようです。そういう面から見まして、大体一四%程度でいけるんではないかと思います。
  20. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 経企庁長官、物価の、卸売り物価が二・〇%、消費者物価五・五%、これはどうなりますか。
  21. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) その前に、この四月までの四十七年度のことを申し上げますと、小売り物価は年の初めのほうが騰勢が鈍かったものでございますから、一応目標の五・三%の中へおさまりましたわけです。それから卸売り物価のほうの二・二というのは、これはちょっとオーバーいたしまして三%見当ということでございます。しかし、どうもその後の状況は非常に御承知のようなことでございまして、季節調整をいたしておりまして、その上で、御承知のように小売り物価が九%、卸売り物価が九・二%というような非常な数字が出まして、その後精査いたしましたところ、もっとこれより多いんじゃないかというのが現状でございます。そこで、何とかこれに対しまして――これはまあいろんな要因がございまして、三月には野菜が暖冬でもって出回っていたのが、ここへ来て端境みたいな形になった。そこで上がったとか、あるいは動労のスト等の影響もあって、四十五円ぐらいのジャガイモが百円になるとか、タマネギが百二十円になるとかいうようなこともあったりいたしましたし、いろんな影響がございますわけでございますが、いずれにしても、そういう影響はなくなるわけです。しかし、四月というのは、春闘の影響もあり、入学の影響もあって、かなりその点では――また物価が上がる季節というふうに従来なっているわけです。そこで、私どもは皆さま方のお知恵をいろいろいただきまして、例の買い占め、売り惜しみ、これには非常な鉄槌をくだすことができるような情勢になりまして、商品相場等は毎日下落しております。こういう状況でございまして、何か、卸売り物価のほうはここで押えがきいたんじゃないか、問題は小売り物価である。これには、やはり消費者運動というものとわれわれ手をつなぎまして、消費者の立場に立った、物価値上げは困るぞという運動に政府が大いに協力していくことが一つの策ではないかというふうに思いまして、先般の閣議でも総理から御発議になりまして、もっと情報を的確に知らせることをシステム化しようではないかということになりましたわけです。こういう点は、私どもは、月一回消費者団体の方々とひざを突き合わせて、この情報を知っていただき、私どもと互いに――官製運動とかなんとか言わないで、お互いにひとつ手を携えて、お互いの物価なんだから、これを守る運動をしようじゃないかということを話し合っているわけでございまして、大体これ、いまが高原で言えば頂点であって、これからだんだん道を下っていく、秋ごろには相当これ、締まってくるというふうな情勢だというふうに私どもは見ている次第でございます。
  22. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 総理と経済企画庁長官とが、この予算委員会の席上で、見通しの数字を低くしておいて、そうして毎回実績のほうが高くなってきたと、こういうことは、そういういままでの見通しのつくり方を改めて、今回は実行可能といいますか、実現可能な数字にしたんだと、こういう意味を込めて五・五%という消費者物価指数をきめると、こういうようにあったのでございますが、その上昇率を五・五と見たと、こういうようにあったんですが、総理大臣、だいじょうぶですか。いまの答弁ですと、私は、秋口にいけば何とかなるだろうということですが、実際に騰勢はかなり強いということがもとになっているんですから、発言としては。非常に心配なんですが、その点、いかがでございますか。
  23. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 去年の下期から卸売り物価の高騰が続いておるわけでございますし、当然、消費者物価にもはね返るということも考えられるわけでございまして、それらの問題も踏んまえながら物価対策には万全を期してまいりたいと、こう考えるわけでございます。また、その中には、先ほどから経済企画庁長官が述べておりますように、輸入政策の活用とか、今度の変動為替相場制への移行というような面があるわけでございますから、そういうものの活用その他いろいろな法律案をいま御審議をいただいておりますから、適切なる施策を行なうことによって所期の目的を達成すべく全力を傾けたい、こういうことでございます。
  24. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 まあ、非常に抽象的な答弁なんですけれども、四月三日のこの予算委員会の席上、わが党の阿部委員の質問に答えて小坂長官が、状況を見て経済見通しを再検討せざるを得ないということを言っておられますね。この点はいまも変わっておりませんか。
  25. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 阿部委員に対しまして私が申し上げたのは、物価を担当する大臣という立場におきまして非常な危機感を感じていると、こんなことをしてもう黙っちゃおられぬというふうな、そういう気持ちを込めて、非常に阿部先生、平素尊敬しているものですから、私の気持ちを率直に申し上げたわけです。
  26. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 それに対して、四月五日の本院の大蔵委員会で、総理大臣が、経済見通しの改定を口にすべきではないと、こう発言しているわけです。そうすると、閣内の意見が右と左と両方にあるのです。片方は状況を見て再検討せざるを得ない、総理は口にすべきではない――意見がどちらなのか、もしおさまらないということなら、これは非常な大きな問題だろうと思うのでございますが、その点、いかがお考えですか。
  27. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) これはいま申し上げたようなことで、私の舌足らずでございまして、これは誤解を招く発言であったと思います。私はいても立ってもいられぬような気持ちで、物価を放置してはいかないという気持ちを申し上げたんでございまして、考え直すということは、もう年じゅう責任者としてはいろいろな面で考えておるわけでございまして、従来のやり方としては年の暮れに一応考えるということはやっておるもので、そうした意味を込めて申し上げたんでございますが、まだ予算も通る前から四十八年度の予算を再検討するなどということは、もしそういう誤解を与えたとすれば、これは私の舌足らずでございまして、この点は総理にもおわびをした次第でございます。
  28. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 総理、いかがですか。
  29. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 同じことです。
  30. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 そうすると、どの程度の上昇率になるかは状況を見て再検討せざるを得ないとか、あるいは最近の状況から見て非常にやっかいなことになったと思うというようなものの言い方、それはいままでの、年じゅういろいろなことを考えているというのと、再検討するとか、やっかいなことになったということと、だいぶん違うわけなんです。この委員会で阿部委員の質問に対してのお答えを撤回なさると、こういうことでございますか。
  31. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) あの場でもって阿部委員が、ちょうどいまのようなお話をすぐに切り返していただけば、私はもっと実情は明らかになったと思うのですが、そのままずっと行ったもんですから、いまのような誤解を受けたんだと私は思います。私の気持ちはるる申し上げておるようなことでありまして、やっかいなことというのはほんとうにやっかいだと思っておるわけでございます。これはほっといたらたいへんだと、そこで、財政、金融その他でいろいろやっていかなければならないというふうに思っておるわけでございまして、幸いにして公定歩合もようやく引き上げてもらった、そこでそのやっかいなことが幾らかよくなってきたんじゃないかと、こう思っておるわけでございますが、そういう気持ちでございまして、舌足らずの点は、もう何といいますか、大いに釈明いたしますが、私の気持ちは、これはすぐに変えなければならぬとかなんとかいう、そういう気持ちで申し上げておるわけではございません。もうほんとうに、これはほっといたらいけないという気持ちを率直に申し上げておる次第でございます。
  32. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 ほっといたらいけないということは、これは総理大臣、どう考えても、どう受け取ってみましても、再検討、改定ということが含みになっておる感じがするのです。総理のほうからは修正はいかぬと言う、口にすべきでないと言う。国民にとって一番関心の高い物価問題で閣内不統一という印象を受けるわけなんですよ。これは総理からひとつはっきりとお願いしたいと思います。
  33. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) まだ予算は御審議をいただいておるのでございますから、予算の執行、予算が物価に影響をするということになれば、弾力性を強めればいいわけでございますし、予算だけではなく、財投の問題もございますし、地方財政の問題もございますし、政府関係機関や特別会計の問題もありますし、これは全部合わせて純計をしますと、三十七兆五千億もあるわけでございますから、これは三十七兆五千億というその純計の大きな予算をいま御審議いただいておるわけでございますので、この予算の執行によって物価に対して相当な影響を与えるということは、もう当然のことでございまして、普通まあ十一月ごろになると、ずっと年度が第三四半期に入りますので、実際のものがわかってくるということで改定をすることもございますが、いま予算の審議中に改定をするという印象を与えたとすれば、それは、いま経済企画庁長官の述べたように、舌足らずであったということで、私と経済企画庁長官がその後閣議前に、意思統一ではなく意思の疎通をはかったのですが、狂いはなかったわけでございますから、これはこれから物価を押えるために全力を傾けなければならない、いま法律案を通していただいておるわけでございますから、そしてまた公定歩合が引き上げられたために、株価は日々暴落しておる、他のものも、もうみな商品市場ストップ安であると、こういうこともあるわけでありますから、その中で見通しを改定――少な目にするならいいのですが、上げるというようなことは物価政策上好ましくないことは言うまでもありません。
  34. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 また、この委員会で矢追委員並びに私らの関連質問に、総理は、公共事業の繰り延べが必要であると、場合によれば行なう、ということの答弁をしております。また、衆議院の大蔵委員会などでも、今度は大蔵大臣は、公共事業費の繰り延べ、国債発行時期の調整ということを言っておられる。これは、実質上すでにあのときは四十七年度の予算がまだ執行中でした。まあ、四十八年度に入ってくるわけです。明日から四十八年度予算を執行しなければならない。そうなってまいりましたときに、公共事業費の繰り延べということになり、国債発行時期の調整ということになりますと、これは当然予算を修正すべき、歳出項目の修正になってくるわけでありますし、歳入項目の修正にもなるのではないかと、こう思うので、予算を修正すべきではないかと思うのですが、いかがでございますか。
  35. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 予算の執行には、こういう時期でございますから、注意深く行なっていかなければならないと思います。繰り延べということばが、ときに誤解を生むことばでございますが、年度を越えて繰り延べというようなことは全然考えておりません。年度内の予算の執行について注意深く状況を見てやりたい、こういう姿勢をとっておるわけでございますが、まあ、たとえば歳出の面で言えば、いま物価問題がこれだけお互いに心配な問題でございますけれども、歳出予算の中には低生産性部門の合理化というようなことをはじめといたしまして、この歳出予算の中には、まあ、関連するものを全部合わせれば一兆三千億円もございまして、これらの予算の適実な執行ということは、昨日上田稔委員の御質疑、御指摘もございましたように、物価対策としても、この歳出予算の執行ということは非常に私は有効であろうかと考えます。同時に、公共事業費等につきましては、一面において、セメントにしても、木材にしても、鋼材にしても、非常に大きな需要を伴うものでございますが、一方、やはり生活関連あるいは地域的に言って寒冷地というようなところについては、もうできるだけ早く執行したほうがよろしいし、他面においては所要資材の値上がり等を勘考いたしますると、どっと大きな需要が政府側から出てくることも注意深くやっていかなければなりませんから、年度内の執行につきまして時期的に、あるいは地域的に、あるいは対象的に調整を講じたほうがよろしいのではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。それから歳入の面におきましては、公債につきましては、これまた予算で、歳入として見積りを御審議いただいておりますが、総額もきまっております。それから大体例年の慣行もございますけれども、金融情勢に応じて、あるいはその発行の時期を、許された限度内において多少多目に発行することが必要な場合もあろうかと思います。そういう面で、年度内の執行について、注意深く、また現下の物価対策等ということを十分勘考いたしまして適切に執行いたしたいということでございまして、これは現在御審議を願っておる予算のその執行なのであって、これを修正するとか、年度を越えて云々とかいうことを全然考えておるわけではございません。
  36. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 それから、セメントの問題から公共事業費の繰り延べということがこの前出たわけです。いまの答弁からすると、いまのところは繰り延べていても、年度内では消化をする、来年のまた二月、三月ということになりますと、再びセメントの不足ということが起こりかねないわけでしょう。私は、当然これは修正をすべきじゃないかというふうに感しるのですが、いかがでございますか。
  37. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) いま、セメントの問題とか、鋼材の問題、木材の問題、ベニヤの問題、その他あるわけでございますが、また、そのほかの労賃の引き上げという問題もあります。そういう問題で、物価問題を考えながら、いま実情調査をやっているわけであります。鋼材は百万トンの増産をやっておりますし、また二、三日前に、特に公共事業用とか、建設用の鋼材の増産ということを要請いたしております。それから骨材の不足という問題で、建設省に対しても骨材の規制をゆるめるようにという指示も行なっております。これはもう、これだけ川を持っておって、世界じゅうに最も恵まれておる日本で、公共事業の砂利が立米当たり二千円に近いというようなことで物価が下がるわけはありません。山をやれば乱開発になるということでありますから、当然、検討を命じておるわけであります。  それからセメントは、現在年間を通じて、ことしの多目に見た需要は、年間八千八十万トン、――八千百万トン程度、ラウンドで見て八千百万トン、こういうことでございますが、現在の増設中の施設を入れますと、九千六百万トン、一億トン近い生産能力を持っているわけでございます。だから、まあ、セメントを一万トンとか二万トン韓国から入れなければならぬなんていうところは、これはもう指摘されても、政府が多少見通しを誤っておるということを、これはもう申し上げてもいいと思います。しかし、九千六百万トンの製造能力を持ちながら八千八十万トンというその需要等というものが調整をされて四半期別にうまくいけば、セメントなどの不足が起こるはずはないのであります。セメントが千円だとか千三百円だということが言われましたが、これはよく調べましたら、袋物が二〇%、そのうちのわずか三%が店頭売りなんです。それが三百円が千円になっておるというのだから、こんなもの、直ちにでも三百円に下げられるはずであります。なぜ下げないのだと。こういうところまで私はこまかい数字はみな持っておりますが、資材別に。持っておりますが、そういうことをいま調整しておるわけでありますから、そういう調整が、四-六月というものだけ、幾らか工事が一斉に出るということであって、そういうことであって、下がるべきものが下がらないということになれば物価政策上望ましくないことでありますから、そういうときには第二四半期にある程度移せばよろしい。全部移せば豪雪地帯の五〇%が困りますから、豪雪地帯の五〇%地域は例年どおりやっても、継続事業以外の新規事業は一四半期待っても一向差しつかえないわけであります。一向差しつかえありません。そういうことで、材料費との見合いとか、それから労働力の移動の問題とかいうことを考えながら、いままででも当然やらなければならなかったことなんです。  そういうことで、執行期日の調整を弾力的に行なおうと言っておるのでございまして、まあ、ある意味においては、第三四半期になると不況が来るぞという新聞の論調もあるわけでございますから、そういうような状態を考えれば、第二、第三四半期ぐらいを調整するということは、もう政府としては当然地方公共団体にも要請すべきことであるし、あたりまえのことだと考えております。
  38. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 この委員会で、総理は、列島改造の打ち出し方がまずかったと、反省すべき点があり、その列島改造の訂正版を出したいということをこの席上で御答弁をなさっていらっしゃいます。そこで、諸物価が値上がりしているという、この原因をつくったという列島改造、この一年間休止をするという意味で、列島改造の関係の予算、これは約七兆円から八兆円あります。七兆七千八百億ですか、その相当部分というものを凍結するというようなことをなさったらいかがなんでしょう。誤っていると、まずかったと、反省すべき点があると、こういうふうにおっしゃっているだけに、私はそうしたほうがいいのではないかと思いますが。
  39. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) そんなことを申し上げておりません。列島改造は必要なんですと、列島改造がおそかったために、今日過密が行なわれ、大都市においては地価が暴騰し、社会環境が破壊されたり、来年のいまごろになれば車の速度は半分になりますと、三十分でもって登院できたものが一時間かかりますという前提で、ずっと御答弁申し上げておるのでありますから、列島改造の急なること、これはもう全くますます急である、こういうことでございまして、そういう意味から、予算を削除するなんという考えは毛頭ございません。ただ、あのときの御質問に対して、引き合いに出した指数というものが、昭和六十年度までに一〇%経済成長が行なわれたならば国民総生産は三百四兆円になり、公害はこうなりまして、こうなります、こうなります、だから、社会環境や福祉というものは、自然発生を是認しておる限りにおいては解決できませんと、地価も物価も押えられませんと、こう書いてあるんですが、ただ、これは通産大臣としての手元にある資料と、それから都市政策大綱というものを中心にして書きましたので、批判が一部あることは事実でございますが、これは厚生大臣であったならば、これはもう福祉政策というものを完成するためにはこうしなけりゃなりませんという、その面を別にして書けば、もっと説得力があっただろうということを述べたわけでございまして、私は修正などということを言っておりません。修正ではなく増補すると、こう言っているんです、増補すると。いわゆる日本において効率的な投資を行ない、国民の最も低い負担において効率的な効果をもたらししかも、真にこの国に生まれたことを喜び合えるような国をつくるには、社会環境を整備するには、社会保障を整備するには、これはもう一号によらなければならないんですと、こういうことでもって、もっといまいろんなものを集めておるんです。そういう面から、これは増補しようと考えておるのでございまして、そうすると、これは学校もこうなる、それから託児所もこうなる、青年の家もこうなる、婦人のあれもこうなる、その水準の家庭環境はこうなる、しかもその中には、勤労者住宅法はこういうふうに、公営住宅法はこういうふうに改正されなきゃならないし、ということをいま集めておるのでございまして、それをすなおに述べたんですから、列島改造論というものが、これがやらないでいいんだなどということは全く考えていないんです。これは偽らざる真意であるということを強調いたしておきます。
  40. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 まあ、偽らざる真意であるのはわかりますけれども、そういういろいろな福祉関係、社会保障関係、そういうものを全部織り込んだ列島改造に増補なさる。そうすると、いままでの列島改造の打ち出し方がまずかったと。いままでの列島改造のまま出発するよりは、増補改訂をなさってから出発するというのが一番いいんではないか、ただ物価だけをぐっと押し上げているムードをつくってしまった列島改造ですから、だから、むしろ逆に、ここでは少し鎮静させる意味で、その関係予算というものを若干は凍結をなさったらいいんではないかと、こういうことなんですけれども、いかがですか。
  41. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 列島改造論は必要なんです。私もこの間どなたかの御質問に答えまして、列島改造が地価を――まあ引き上げる要因というのは別にたくさんあったんですが、列島改造というものが時同じくして出たために、列島改造論が地価の引き上げに対して影響がなかったと証明できないものですから、私はそのときに腹の底でもって一言だけ言ったんです。何でもかんでも列島改造のために値上がったと言うけれども、とうふが上がったのは列島改造との関係あるんですかと、これはほんとうに私はそう思ったんです。ほんとうにそう思ったから、真実を述べたんです、私は。ですから、列島改造論必要なんです。で、幾ばくか、それは過疎地帯が上がったとか言われるかもしれませんが、列島改造論を出さなかったら大都会の地価はもっと上がっていますよ。それはもちろんそうなんです。大都会というものを改造しなきゃならない。それで、もっと集まってくるんだということになれば、私、その面は、まあ自分で強調するのはおかしいですけれども、列島改造論というもので新幹線も道路も水も環境も全部できるのだというから、いままで過疎地帯であったものが、それは確かに人に目をつけられたかもしらぬ。しかし、東京の周辺を買い占めておっても、そんなに上がらないという歯どめになったことも事実であります。私は、そういう意味で、列島改造論というものは、そんな一つの角度からだけ批判をすべきものではないと思うのです。列島改造を行なわずして関東地域の六十年の四千百万人に水が一体供給できるかどうかという問題、これは沼田ダムをつくらなければ、信濃川から水を引かなければ水の供給はできないのでありますから、ですから、そういう問題はもう凡百となく例をあげておるのでございまして、私は、列島改造を行なわないで、いまやもろもろの問題が解決できる処方せんはないということは依然として確信を持っております。
  42. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 それは総理大臣とはすれ違うと思うのですけれども、確かに沼田ダムのようなダムとか、あるいは信濃川から水を引っぱってくるという、これは必要です。そういうことを云々しているわけではない。総理大臣は、昨年の臨時国会のときに、いろいろな質疑をずっと調べていくと、諸物価の値上がりも列島改造で押えられる、すべてのものが列島改造でもって解決できる万能膏のような印象をわれわれ受けたのです、あのとき。ところが、案に相違して、ここのところでそれが一つの大きな刺激となって、逆に物価を押し上げたわけです。ですから、進めるのに急でなくて、ゆっくり進めるという意味でも凍結をしたらどうかというのです。いかがです。
  43. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 列島改造というのは、これはおそきに失したのです。これは十年前だったら都会はこんなにならないんです。都会の住宅不足も水不足も環境の悪化も公害の増大も、こんなことにならなかったのです。ですから、これを一年延ばして何の一体メリットがあるのか。延ばすなら延ばすだけのメリットが他に与えられるならば、これは別でございますが、私はそう信じております。しかも、私は前から述べていることを依然として強調しております。物価がいま上がっておるというのは、これは列島改造と関係のないものが上がったんでしょう。ですから、ちょっと押えれば豪州羊もストップ安を続けるのです。大豆もそのとおりです。生糸もそうです。みなそういうような状態があるにもかかわらず、問題は、土地の問題ということになれば、土地は供給をふやさずして値下がりはしません。そうすれば、列島改造を行なって、日本列島すべてを使えるようにするという、供給をふやすということを考えない限りにおいて、土地の値上がりは抑制できません。これは立体化を行なうとか、国有にするとか、収用権を発動するとか、こういう処方はあります。ありますが、それでも直ちにできるものではありません。ですから法律を、とにかくいますぐ商品投機に対して、商品投機の中に踏み込んで調査しようという法律案を出しておっても、やはり一ヵ月や二ヵ月御審議をいただかなければならない。その間にどんどん物が上がっているのですから、ですから、そういう事態と、長期的に考えた物価問題とか、環境整備の問題とか、いろいろ考えるときに、私ば列島改造という処方を大胆に、積極的に、これを遂行することによってのみ最終的に解決できるということであって、これは病人でも薬をやったときには、あしたは下がってもきょうはうんと上がるということもあります。それを、すべてのものを列島改造というものに結びつけて考えておっては、これは政治の上での責任を負うことはできない、私はそう考えております。
  44. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 熱の上がり下がりみたいなたとえになっては困ってしまうのですけれども、まあこの問題は、私はどうも意見を異にしていますので、その点は預けておきたいと思います。  この前、衆参両院のわが党が追及したことによって、C1輸送機のいわゆる研究開発、CXの研究開発を日本航空機製造にさせたことの違法性ということが、政府は認めざるを得なくなりました。で、本委員会で要求をいたしました資料がまいりましたので、この資料に基づいて若干伺いたいと思うのですが、このC1の開発について日本航空機製造に担当させることになったと。その中に「輸送機開発の経験、設計能力等を勘案の上、」とあるんですが、どうしてそういう点からなったのか、その点をひとつ伺いたいと思います。
  45. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) いまお述べになりましたことは、日航製がYS11を開発試作をいたしまして、これに成功した、こういうことの中に、いま申し上げましたような必要な要素、開発に必要な能力、要素が、他の会社に比べまして一番整っておるというふうに判断をいたしたわけでございます。
  46. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 どうして初めから川崎重工等、あるいは三菱等にまかせる、設計の研究開発をさせるということができなかったわけですか。
  47. 山口衛一

    ○政府委員(山口衛一君) お答えいたします。  C1中型輸送機を国産するというような計画のもとに、まず研究開発に取り組むと、こういう段階におきまして、日本航空機製造株式会社は、いわゆる中型以上の輸送機でありますYS11型の日本におきますただ一つの研究開発から製造まで行なった会社であったわけであります。この輸送機を、開発から生産まで持っていくというような過程は、御承知のとおり、非常に巨額の金、また設備、技術能力等を要するわけでございますが、この日本航空機製造が、そのような、これまで手がけたYS11の経験をまず有しておるということ、それからまた、この大きい輸送機を開発するということになりますと、わが国の航空技術の総力をあげましてこれに取り組むということになりませんと、非常にむずかしい。また、航空機工業界全体が協力体制をとりませんと、非常に、何といいますか、研究開発中にロスが出ましたり、あるいはまたよけいな金がかかりましたりということで、私どもといたしましては、なるべく効率的に、しかも早くこのような輸送機の開発が進むということを期待したわけであります。  そういう点からいいますと、ただいま申し上げましたような事情からいいまして、一つの会社だけにやらせるということは、非常に技術面、経費面からリスクも非常に大きい。それからまた、受ける会社のほうにしましても、はたして、基本的な調査から生産まで、一社で全部のリスクを負ってできるかどうかということになりますと、これはいまの航空機工業界が、たとえば、年間販売額が約一千億程度というような規模の航空機工業界におきまして、なかなか一社のみでこのリスクを負担することが非常にむずかしいというような事情もあったというふうに考えております。そのような事情からいいまして、まあ航空機工業界が協力体制をとり、一緒になって、効率的、短期にまとめ上げられるような体制は、日本航空機製造会社が中心になることが最も望ましいという判断を私どもはいたしました。また、これを所管しております通産省の御意見等も十分お聞きいたしまして、協議の上決定したというふうになっております。
  48. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 わが国でただ一社だけ、ほかの民間の航空機製造の会社にやらせるのは、リスクが多いし、耐えられないと、こういう理由だということはわかったんですが、それでは、C1の量産のほうを川崎重工業に担当させることになったのは、これはこの中には「技術力、生産能力等を勘案の上、」と、こうあるんですけれども、どういうような勘案をしたんですか。
  49. 山口衛一

    ○政府委員(山口衛一君) お答えいたします。  ただいまの日本航空機製造に開発段階が依頼されまして、また、これが量産段階というものが決定されました後に、川崎重工業をプライムにいたしまして、その他の四社がそれぞれの生産分担をいたしましたわけでございますが、その点につきまして、いま先生御指摘のように、技術力及び生産能力というような点を勘案したわけでございます。この技術力といいますのは、ただいま申し上げましたような開発試作段階におきまして、それぞれがある分担をしてこの開発に取り組みました、その開発試作段階の分担状況を大体そのまま踏襲いたしまして、それぞれが試作段階におきまして得たノーハウあるいはそれぞれの経験等を生かしまして、この量産段階で取り組むというのが最も適当ではないかというふうに判断いたしたわけでございます。これも通産省と十分協議をいたしまして、そのように決定いたしました。その場合、開発試作段階におきましては、川崎重工業が受け持った分野は、飛行機の前胴部分と、基準翼の部分と、最終の組み立てと、それから最終の飛行試験というような、かなり大きい分野を川崎重工が負担いたしました。それ以外には、富士重工が主翼を担当し、三菱重工が中胴、後胴、尾翼を担当し、また日本飛行機が動異類を担当し、エンジンポッド、パイロン等を担当し、また新明和はローディングシステムを担当するというように、五社が開発試作段階から協力体制をとったわけであります。この場合、御承知のように、最終組み立て、飛行試験、基準翼というような主力の部分は川崎重工業に分担がきまっておりまして、その経過を踏みまして、このような生産能力をその開発試作段階におきまして十分つけましたので、川崎重工業がその場合の取りまとめのプライムというような形にしたわけでございます。
  50. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 それは通産省に伺いたいのですが、通産省の重工業局長から防衛庁の装備局長あてに、この資料によれば書類が出ております。その中で、いまのような川崎航空機工業株式会社へ、飛行試験、最終組み立てということを、そういうような分担が適当と考えられるということが出ておるわけです。四十二年十二月十九日の通達でありますけれども、こういうように、川崎航空機に最終組み立て、飛行試験を持っていった理由はどういうわけですか。
  51. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の航空機製造工業界の内部における各社の能力等を見まして、その力を適当に分配しつつ活用するということを通産省としては考えておるわけです。で、大体大どころで、かなり強い設計能力やあるいは技術陣を擁しておるのは、三菱重工と川崎重工でございます。富士や新明和その他もございますけれども比較的にそう言えます。それで、三菱重工は大体F川の戦闘機のほうをいままでずうっと担当してきておると、主として。そういう面から、輸送機の部分については、むしろ川崎をメインにしたほうが力の分配や技術力の活用という面において適当ではないかと、そういう判断でやったんだろうと私は思います。
  52. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 このC1輸送機が、御承知のように、四十七年度予算の分が凍結をされておりまして、四次防の先取りということで批判をされ、凍結されていたのが、三月三十一日に政府が発注をしておりますが、それの後年度の負担は一体どうなっているのでしょう。これから後の年度です。
  53. 小田村四郎

    ○政府委員(小田村四郎君) お答えいたします。  四十七年度に契約いたしました総額は、C1十一機でございまして、三百二十二億五千五百万円、そのうち四十八年度に歳出が見込まれております額が六十五億二千三百万円。したがいまして、後年度負担は二百五十七億三千二百万円でございます。
  54. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 この三百二十二億のうち、後年度負担が二百五十七億円、その前に二機発注をしておりますが、これはどことどこへ発注しておりますか。金額を言っていただきたいと思います。これだけですと、川崎重工の分だけがわかっております。機体の分だけでありますが、そのほかの分はどうなっておりましょう。
  55. 山口衛一

    ○政府委員(山口衛一君) お答えいたします。  先行生産型の二機、四十六年度に発注いたした分は、この段階におきましてはもう日本航空機製造を離れまして、川崎重工業をプライムにいたしまして、先ほど申し上げましたような生産分担で五社がそれぞれの内容を分担しておりますが、主契約者は川崎重工でございます。
  56. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 このC1輸送機、研究開発をしました、工業所有権となる特許権等について、いま航空機製造から出ているのはどのぐらいあるんですか。何件ぐらいあるんですか。
  57. 岡太直

    ○政府委員(岡太直君) 航空機製造から提出されております発明等に関しまする工業所有権でございますが、現在までのところ、登録されたのはございません。申請中のものが三件ございます。これは航空機のアンテナに関するものでございます。
  58. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 そういう工業所有権の問題、それから設計図等のノーハウ、こういうものについての研究開発をしたときの相手側との取りきめ、これは防衛庁としての通例の行き方はどういう方針なんでございましょうか。
  59. 岡太直

    ○政府委員(岡太直君) 研究上の成果でございますけれども、これは工業所有権の問題とノーハウの問題と二つあると思います。これにつきましては、防衛庁がこれを使用する場合は差しつかえない。それから防衛庁が第三者にこれを使用させる、こういう場合は会社側と協議いたします。それから会社がこれを第三者に利用させる場合、これはやはり防衛庁と協議いたしまして使用すると、こういうことになっております。
  60. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 そうすると、工業所有権は防衛庁にないわけですね。向こうにあるわけですな。
  61. 岡太直

    ○政府委員(岡太直君) 一般の場合を申し上げますと、その工業所有権が会社側の創意くふうというものでできた場合は会社に属しております。それから防衛庁が技術指導をやりまして、そのファクターが多いときは防衛庁に所属しておると、こういう状況でございます。  それで、本件の御質問のありました中型輸送機に関しましては、日本航空機製造が、これは先ほど申し落としましたが、三菱電機という会社と共同で出願しておるわけでございますけれども、この工業所得権はまだ登録されておりません。しかし、登録された暁には、日本航空機製造及び三菱電機に帰属すると、こういう性格のものでございます。
  62. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 そうすると、まあ防衛庁が非常に高い金を、六十億近く、またそれ以上の金を出して研究開発をして、それに基づいて試験研究をして開発した技術、そういうものの工業所有権は相手側が持っていると、そうすると非常におかしいと思うんですが、それまで含めたのがその何十億というお金じゃないんですか。この点、どうですか。
  63. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) いま参事官から申し上げましたように、会社側の創意くふうが主となっておる場合には会社側に工業所有権を認め、防衛庁の技術指導が主となっておるときは防衛庁に帰属せしめるということでいままでやってまいりまして、実績はほとんど防衛庁の工業所有権になっていないという実情でございます。  そういうことで、予算委員会その他でいままでにもいろいろ御質問がございまして、われわれのほうでもやはりその点は、原則としての考え方ばいままでどおりでいいと思いまするが、具体的な処理についてはさらに検討をいたしてみたいというふうに申し上げておるところでございまして、防衛庁の技術指導が主となっておるというところを十分に見まして、将来の工業所有権の帰属は、抽象的な法則は前と同じでございまするが、やってまいりたいと、こういうふうに考えております。
  64. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 設計図等のノーハウは、これはどちらが持っているんですか。先ほどのではどうも私よくわからないんですが、防衛庁なのか、航空機製造なのか。
  65. 岡太直

    ○政府委員(岡太直君) 設計図等を含めたノーハウでございますが、これは開発の途上に発生した、いわばまあ知恵でございまして、これは日本航空機製造にも残っておりますし、防衛庁にも参っております。防衛庁へ参っておるかっこうというのは、製造図面なり、あるいは仕様書というかっこうで防衛庁に参っております。したがって、どちらにあるかという御質問に対しましては、ある意味では両方にあると申し上げなければならないと思います。ただ、その利用に関して条件がきまっておる。防衛庁が第三者に使用さすときは会社と協議するし、日本航空機製造がほかのものに使用さす場合にはやはり防衛庁と協議をすると、こういうかっこうになっております。
  66. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これは、まあ私としては、何十億というお金をかけた研究開発が防衛庁自身のものになっていないということでは、国民の血税がどっかへいっちゃったような気がするわけでありますが、これは今後一つの大きな、これから先どういうように、研究開発をした場合に、持っていくか、一度線をはっきりと出さなくちゃいけないんじゃないかという感じがするんですけれども、  いかがでございますか。
  67. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) ただいま申し上げたとおり、その点は、基本的な考え方は従来のとおりでいいと思いまするが、具体的な処理が、もうほとんど民間企業のほうへ、工業所有権、ノーハウ等が行っておるということは、やはり適当でないと思いますので、具体的な事実の認定にあたって、防衛庁の支払いました経費、防衛庁のいたしました技術指導等を適正に考えまして、防衛庁に帰属すべきものを十分に検討をしてまいりたい、かように考えます。
  68. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 先ほどの御答弁からわかったことは、研究開発を日本航空機製造に担当させたのは、輸送機開発の経験を持っているのはただ一社であったということと、各社のをまとめるには、民間の企業だとリスクが大き過ぎるということから日本航空機製造に担当させたと、こうなっておるわけです。  そうすると、今後防衛庁が航空機の開発をしなきゃならぬ、研究開発をするときに、国内で依頼をすべき相手方がないということでございますよ、これ。そうすると外国へ頼むということになるわけでありますか。
  69. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) この航空機製造に当時発注をしましたのは装備局長から申し上げたとおりでございまして、当時としてYS11というものを開発をしたという総合的な実績を持っておるという航空機製造、そうして、その際にも関係各社を協力させて、当時の主要な日本の航空機企業を全体として参加をさせるという形をとっておったわけでございますが、この航空機製造のそういう技術能力といいまするか、だけでなく、そういう各社が協力をする体制を一度持ったということも考え合わせたわけでございます。  将来の問題は、先般来御指摘がありまして、総理から御答弁がありましたように、航空機製造には防衛庁の航空機を発注いたしませんので、これは他の企業に委託をする、他の企業がやはり関係企業の協力を得るという形で、まあプライムになりまして関係企業の協力を得るという形で開発を進めるということにいたすことになる、日本にはそういう能力のあるものはないというふうには考える必要はないかと思います。もっとも、ものによりまして、なかなか日本のいまの航空機工業ではできないものも、もちろんあろうかと思います。全然ないというふうには申せない、こう思います。
  70. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 いまの答弁は矛盾があります。先ほど、年間販売額は一千億円程度だから、とても開発研究までやるだけの能力がないと言われたのですが、そうすると、これは外国に頼まなければならないじゃないですか、今後は。
  71. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) まあ、日本のいまの航空機企業の関係からいって、手に余ると思われるものも、もちろん出てくるかとも思います。そういう場合には外国製の、まあ従来も間々ありました既製のものを買ってくる場合、あるいは外国の会社に研究開発を委託するということもあり得ないではないと思うわけでございます。あるいは、外国で生産をしましたものの、この特許を買ってきまして、こちらで生産をするというふうな方式があるかと思いまするが、すべてを外国企業にゆだねなければならぬということではないと思います。
  72. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 総理、私どもは、先ほどのずっと答弁からわかることは、違法性から出発した開発研究であったと、そういうことから見ても、やはり四十八年度予算では、これを歳出化していくということを取りやめるべきではないかということを思うわけです。それが一つ。  いま一つは、国会決議、あるいは大臣答弁に違反したようなことをやってきたわけであります。この点は、綱紀の粛正の上から厳密にやらなければならないと思うんです。  まだその答弁はいただいておりませんので、その点いかがお考えか、二つを伺いたいと思います。
  73. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 先ほどから述べておりますとおり、後年度負担のものでございますから、四十六年に発注し、四十七年、八年ということで、最終的に支払いをするものを差しとめるということはできないということでございます。  それから航空機製造に発注をしたということに対しては、これは航空機工業振興法をやるときの大臣答弁、当時の大臣答弁の趣旨や附帯決議の趣旨から考えて妥当性がないと、違法ではないが妥当性はないと、こういうことで善処を約したわけでございまして、善処の内容はと、当委員会で質問を受けましたので、以後航空機製造工業というものには一切発注はいたしません、こう明確になっておるわけでございます。しかも、中曽根通産大臣は、この業務が終われば、航空機製造株式会社は解散をせしめるつもりであるという答弁までしておるわけでございますから、あとは、責任を追及するというと、当時そのような国会決議があるにもかかわらず、また大臣答弁をしておるにもかかわらず、航空機工業に発注をするように要請をした通産省の局長や責任者が存在するわけでございますが、これはもうすでに官を辞しておるわけでございますから、これを追及するわけにもまいらないわけであります。これは違法性があれば追及はできます、当然。しかし、妥当性のない問題公務員としての過去の行為に対して個人的責任を追及するわけにはまいりません。でありますから、行政的には一切今後かかる行為をいたしません、会社はこれを廃止しますという以外には方法はありません。
  74. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 運輸大臣と厚生大臣に伺いたいんですが、国鉄の運賃収入は四月一日からということで予算に組まれているわけですね。実際これは実現しない。予算の修正の必要がないか。健保料金についても同じであります。予算の修正の必要がないかどうか、これを伺いたいんです。
  75. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) ただいま提出しております国鉄の予算の中で、四月一日に関係の法律案が成立するものとして、増収額は千八百五十五億でございます。簡単に計算いたしますと、この法律案の成立がおくれますことによりまして、一日当たり五億円の減収になるのでありますが、四月になりまして成立いたしませんので、今後は国鉄の経営努力、それから経費の節減等を最大限に督励いたしまして、この穴埋めをしなきゃならぬと思いますし、それよりも大事なことは、そういう事情でございますから、一日も早くこの運賃改定の法律案が成立いたしますようにお願いをする次第であります。
  76. 齋藤邦吉

    ○国務大臣(齋藤邦吉君) 健康保険法につきましては、一日も早く成立をこいねがっておるわけでございますが、すでに四月に入ったわけでございます。一ヵ月おくれますと、歳入月六十億ということでございますので、一日も早く御協力をお願い申し上げたいと思いますが、おくれたことによりまして――歳入の見積もりでございますので、歳出につきましては財政当居とも相談いたしまして支障ないようにいたしたいと、かように考えておる次第でございまして、予算の修正は必要はないと、かように考えております。
  77. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これは、総理大臣、国鉄の運賃の問題、健保の問題、収入減になれば歳出減にもなるわけです。当然のこと修正をしなきゃならない。CI輸送機の問題もある。それから経済見通しの問題もあります。また、公共事業費繰り延べの問題もあり、当然ここで予算を修正をすべきだと私は思うんですよ。くどいようでありますけれども、それがほんとの政治の姿勢じゃないかと思いますが、いかがでございますか。
  78. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 予算は確かに法律案を裏づけとして御審議をいただいております。おりますが、法律案が通過をしない限りにおいては、この法律案を前提としておる増収ははかれないわけでございます。予算案では、法律案を前提としておる部分に関するものは、法律が通過しない限り増収をはかれないわけです、歳入はないわけでございますから。また、運賃の値上げができないわけでございますから、その部分は当然法律の制定を待って行なわれるべきものである。そうでなければ行なえない。しかし、いつ通るかということはさだかにわからないわけでございます。政府は三月三十一日まで通していただきたいということでもって国会に御審議をいただいておるわけでございますから、しかも、この予算案も四月一日から執行の新年度を迎えておるわけでありまして、年度内成立をこいねがってまいったわけでございますが、諸般の状態で今日になったということでございます。今日まで関係諸法案が全部通らないということでありますれば、その通らない部分に対する効力は発生しないということは事実でございます。しかし、これはあした通していただけるかもわからぬし、あさって通していただけるかもわからない。これは国会の御意思でございまして、政府はそんたくをすることができないわけでございますから、そういうものを通らないものと判断をして修正するわけにもまいりません。通るものとして、いつ通るといって修正をすれば、なおこれは国会の意向を政府が独自でそんたくすることだと、これは不可能なことでございます。現実的にはどうかというと、これは歳出ができないのかどうかということでございますが、歳出には、いま申し上げたように、借り入れ金の制度もございますし、また、年度間の金繰りの中で十分国民に対する、法律が求めるサービスは行なえるということでございますから、現に修正はできないのでございます。また、修正をする必要もないわけでございます。修正をなしということで法律案を国会に提案をしておって、国会の御意思が最終的に決定しないというだけでございますから、ですから、いつきまるかわからぬものに対してどの部分だけを減額するとか、どの部分だけを何日分減額するかというような修正は、これは物理的にも不可能であります。
  79. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 時間がないようですから次に移りますが、次は合成洗剤について伺いたいんです。  京都大学の根来教授という方が、合成洗剤に含まれている燐酸塩、それがプランクトン、藻類の大増殖の原因であるということを発表しておりますけれども、この点について、いかが掌握なさっておりますか。
  80. 齋藤邦吉

    ○国務大臣(齋藤邦吉君) 環境衛生局長から答弁させます。
  81. 浦田純一

    ○政府委員(浦田純一君) お答えいたします。  燐酸塩は人体にとりまして必要な物質であるという一面を持っておりますが、取り過ぎますと腎石灰症を生じるということが知られております。さて、腎石灰症でございますが、腎石灰症を生じる燐酸塩の濃度は、カルシウムの摂取量によりましても異なるようでございます。FAOとWHOの専門委員会では、許容一日摂取量を体重一キログラム当たり三十から七十ミリグラムといたしております。これは通常の成人に対しますと一日一・五ないし三・五グラムということでございまして、一方では必要量が一日に一ないし二グラムというふうにいわれておりますので、現在の水道原水中に含まれております燐酸塩の濃度は、大体一ないし五PPM程度でございますから、この程度の濃度の水を一日二リットル飲むと仮定いたしましても、これから摂取する燐酸塩の量は二ミリグラム一日当たりということになりますので、必要摂取量に対しまする比率も三千分の一以下ということになりますから、これから考えました限りにおきましては、毒性は問題とされる段階ではないというふうに承知いたしております。
  82. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 委員長、これは京大の根来教授の発表をされたことについてぼくは聞いているんです。全然別のことを答えておる。
  83. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 政府委員、質問の要旨をよく聞いて答弁してください。
  84. 浦田純一

    ○政府委員(浦田純一君) 赤潮の原因には、私どもといたしましては所轄でございませんが、この程度の水の汚濁程度でございますと、私どもといたしましては、赤潮の原因ということにつきましては、原因としては薄いんじゃないか、なお詳しくは所轄の農林省のほうから聞いていただきたいと思います。
  85. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これはよくわかってないようですから……。プランクトン、藻類が大増殖をして、そのために湖水が濁ってくるわけです。透明度が落ちると、こういうことで京都大学で発表されております。そういうものが合成洗剤の中に二〇%以上入っておるからですよ。こういうことを言われているわけですよ。それがはっきりつかめてないというんで、もう話にならないですから。真剣にやっていただきたいと思うんです。  それから中性洗剤の中のABS――アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウムというものが毒性があるということで、ずいぶんと言われてまいりました。非常に残念なことに、最近、三重大学の三上教授という方がネズミで実験をして、皮膚に塗ると有害だということがはっきりと出てまいりました。その点についてはどういうように掌握をしておりますか。厚生省に伺いたいと思います。
  86. 齋藤邦吉

    ○国務大臣(齋藤邦吉君) 先生のお尋ねのABSにつきまして、三重大学の三上教授が催奇性があるじゃないかと、こういうふうな御意見をお持ちになっていることは私ども承知いたしております。そこで、実は私どものほうの安全性の問題につきましては、科学技術庁の調査研究に基づきまして、さらにまた食品衛生調査会で検討をいたし、さらにまた国立衛生試験所で実験をいたしまして、催奇性については問題ない、こういう結論が出ておるわけでございますが、三上教授のそういう御意見のあることは十分承知いたしておりますので、三上教授とも連絡をとりまして、一緒に研究しようではないかと――厚生省の食品衛生研究所、食品衛生調査会の専門の方々だけの閉鎖性的な研究だけでは不十分だということで、三上先生にも入っていただきまして、さらに追試験をやってみようと、こういうふうに現在いたしておるわけでございまして、本人の御了承もいただいておるわけでございますので、今後さらに追試験をやってまいりたいと、かように考えております。
  87. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 時間がないので、この問題は簡単にしますけれども、催奇性のあることは、もうメダカの実験、いろんな実験で全部わかっております。それを放置してあるということが非常に問題だと思うんですが、その点はほんとうに改めてもらいたいと思うんです。これは一斉に各新聞に出たわけでありますが、家庭用合成洗剤工業会からの広告に合成洗剤の安全性というのがあって、わが国の国立衛生試験所の実験、科学技術庁の実験、それで悪い影響がない、人の健康をそこなうおそれがないというような、こういう広告を出しておるわけです。これは、はたしてそうかどうかということが大問題です。科学技術庁の実験結果では、あるということになっておるわけです。この点についてひとつ、公取の関係と、それから厚生省、通産大臣からも、これ、伺いたいと思いますが。
  88. 前田佳都男

    ○国務大臣(前田佳都男君) 合成洗剤につきましては、三十七年四月衆議院の科学技術特別委員会の決議がございます。その決議にのっとりまして、私のほうでは、国立衛生試験研究所慶応大学、東京医科歯科大学、公衆衛生院、労働衛生研究所等を動員いたしまして、取り急ぎこれに取り組みまして、三十七年の九月三十日にその結果を得ております。その概要を詳しく申し上げる時間もございませんから簡単に申し上げますと、食品衛生所からは、通常台所で使用する程度ならば差しつかえない、また、皮膚障害の点でございますが、これも、通常の濃度、方法ならば問題はない、次に、製造工場における障害でございますが、健康調査の結果、顕著な全身的障害はございません。しかし、労働衛生上の立場から濃度を下げることが望ましい――軽度の障害があるわけでございます。それから、上水への影響もたいしたものではございません。ただ、下水への影響でございますが、ABSの使用量の増大に伴いまして、下水処理施設で活性汚泥生物に作用いたしまして下水処理能力への障害が考えられるわけでございます。したがいまして、分解性のよいABSの採用ということが必要じゃないかと、そのうち、ソフトの洗剤が必要じゃないかと、それから下水処理施設の機能改善ということが望まれるわけでございますが、まあ、いろいろ申し上げたいんですが、要するに、通常の濃度、方法で洗浄に使用する程度なら差しつかえないと思っております。ただ、関係各省庁にその研究の成果を報告いたしまして、その成果をもとに、通産省あるいは厚生省では、中性洗剤についてさらに研究をし、また必要な行政措置も講じられておるようでございます。ただ、研究の結果からもう十年経っておりますから、中性洗剤は量的にも非常にふえておりますし、質的にも変わっておる。そして、研究のほうも進んでおりますから、さらにわれわれは積極的にこの問題に取り組まなければいかぬ、そういうふうに考えております。
  89. 齋藤邦吉

    ○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほどもお答えをいたしましたように、中性洗剤につきましてはいろいろの御意見がございますので、閉鎖的でなくて、そういう方々の御意見も聞いて、今後検討を進めるようにいたしたいと考えております。しかし、なお現在のところ、食品衛生調査会におきましては、先ほど科学技術庁長官が仰せになりましたような結論を得ておるわけでございますが、食品衛生法に基づいて、品質なり、規格なり、基準というものを、この際きめる必要があるんではないかというふうに考えております。  そこで、品質につきましては、先生十分御承知のとおり、ハード型でございますと河川汚染等も来たしますので、ハード型の品質は一切使用させない、ソフト型だけに限る、こういう形で品質を制限し、さらに規格、基準等もはっきりきめまして、家庭の主婦の方々がひび割れ等の出ないような、そういうふうなことについて厳重な基準をきめていく、こういうふうなことで目下準備を進めたい、かように考えておる次第でございます。
  90. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生省では、昨年、四十七年六月三十日に食品衛生法上の取り締まり対象に指定いたしましたが、通産省では、昨年八月一日にJIS規格を決定いたしました。それは生分解度八五%以上、螢光増白剤を入れないこと、重金属溶質濃度は水道法の基準による、こういうことでJIS規格をきめまして、これを厳守するように監視しているところでございます。
  91. 高橋俊英

    政府委員(高橋俊英君) 公正取引委員会といたしましては、虚偽または誇大の表示を――これは広告を含みますが、それに該当いたしますれば、これは違法ということになります。いまの問題は、先ほどからお聞きのとおり、科学技術庁研究、それから厚生省等の研究によりまして、一応いまのところでは安全性がある、こういうふうになっておりますので、直ちに違法とは断定できません。しかし、問題がちょっと関係が広いものですから、公正競争規約をつくらせるように業界を指導中であります。その際、公正競争規約の中身を吟味するにあたりましては、ただいまの御指摘の点を十分考慮に入れた上で、厳正なる公正競争規約をつくるよう指導いたしたいと考えております。
  92. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 最後に。これは総理大臣にお伺いしたいと思いますが、三月二十日の閣議で、政府は有害化学品を規制するという方針を決定されたと伝えられております。それで、この中性洗剤の問題をどういうふうに考えているかを伺いたい。  それからもう一つございます。先ほど、いまの広告の問題で、科学技術庁の報告では、心配がないような意見だったんですが、この科学技術庁の行なった研究報告の中でも、肝細胞の中に入れば一千万分の二グラムでもミトコンドリア活性というのが阻害されるとか、あるいはABSが溶血作用を持っているということは全部出ているわけです。だから、この広告は、科学技術庁研究とはまるっきり反対のことを出しているということがはっきり出ておるわけです。こういう点ははっきりしていただきたいということ、この二点でございますが、いかがでございますか。
  93. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 私も、閣議で厚生大臣科学技術庁長官等に指示をした直接の原因は、本を四、五冊読んだわけでございます。その中に、異常に、PCBに似たような状態が書いてあったわけであります。一冊だけで思いつきだと言われると悪いので、何々氏著による何ページにはこう書いてあるからと言うても、これは説得力がないというので、私も同じような本を五、六冊集めて読んでみたわけでございますが、これには非常に有益なものが書いてありました。それは、私の家庭において、特異体質のお手伝いさんが来ますと、洗剤でもって手がはれ上がる、手がはれ上がるだけではなく、どうも下痢症状を起こしたり、いろんなものがあるもんですから、そういう人をいなかへ帰したりしておったのです。やっぱりそういう人が、多い中には、何年かのうちに何人かはあるということで考えておったわけです。そこへそういう本を見ましたので、何冊も読んでみたら、いま御指摘になったように、やっぱり長く使っておりますと、皮膚からの吸収ということだけが研究されておりますが、そうではなく、洗剤でもって洗っていたなま野菜、こういうものが肝に非常に大きな影響を与えるということが書いてありました。で、肝臓だけではなく、いろんな問題に影響がある。この蓄積が行なわれる場合は、PCBと同じような結果をもたらすおそれがある。いままでも衛生研究所その他、いろんなところでやっておったんですが、今度は一人でもって使う場合は害はないということですが、長いこと使っている場合とか、それから、いま科学技術庁長官から述べたように、下水でもって魚に及ぼすものとか、土壌汚染というようなものを考えると、これはいままでの狭い視野で、合法であるし、それから被害はないという観点からだけで律するわけにはいかないということで、新しい立場と新しい視野からひとつ検討してもらいたい、こういうことで、これはひとつ大いに、真にこういうものは勉強しなければならぬということで、厚生省と科学技術庁に対しまして、いままでの、適法であるからということだけではなく、新しい分野の研究ということ、もうPCBのようになっちゃいかぬから、特に新しい分野の研究ということで、大学とも連絡をとったり、広範な研究を進められたいということを指示したわけであります。これは非常に大きな問題だと思います。
  94. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。  午後零時四十分まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ―――――・―――――    午後零時四十六分開会
  95. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。向井長年君。
  96. 向井長年

    ○向井長年君 きょうから東京においてエカフェ総会が開かれますが、今回の総会は、中国が初めて参加しておるということ、それから、ベトナム、ラオスの停戦後の総会であります。私は、まず、こういう中で、この総会に臨む政府の態度を、外務大臣から聞きたいんです。
  97. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 今回は、第二十九回目の総会でございまして、日本が総会を引き受けたわけでございますが、この総会は、一九七〇年代のエカフェ全体の戦略目標をレビューする大事な総会と心得ております。  で、わが国といたしましては、その戦略目標の重点を、最近の経験にかんがみまして、農業問題にまず指向いたしたいと考えております。アジア全体の近代化、工業化を進めてまいる上におきましても、農業生産の基盤がしっかりしていないといけない苦い経験を数々なめてきたわけでございますので、まず、農業問題に重点を指向するのが当然であろうと考えておします。  第二は、地域内各国の協調をどうしてはかるかということでございまして、加盟各国が犠牲になるのでなくて、加盟各国の個性的な特徴を生かしながら、どのようにして協調がとれるか、そういうことを考えていくべきであるということを主張いたしたいと思っております。幸いに、エカフェは、政治的な影響を離れまして、経済社会の開発ということのみに力を傾注してまいりまして、政争の具に供されることがなかったよき伝統を持っておるわけでございまして、これを一そう強化してまいりたいと思っております。  第三点は、いまあなたが御指摘になりましたように、インドシナの和平が達成されたわけでございますので、この和平をどのようにして定着さしてまいるか、そして周辺諸国との協調がどのようにして保たるべきであるか、そういった点が関わるべき総会であろうと思うのでございます。  第四は、御指摘のように、中国が初参加されたのでありますが、けさの中国の代表のボート・オブ・サンクスの中で述べておりましたことは、加盟各国と十分協力して実をあげたいという趣旨のことを述べておられましたので、私どもも、中国が参加いたしまして、充実したエカフェの歩みが確保されることを期待いたしております。
  98. 向井長年

    ○向井長年君 まず、農業開発問題、それに重点を置いてやりたいということでございますが、資本及び技術の協力、このほかに、民間の資本導入、こういう問題について、政府はどういう展望を持っておられますか。
  99. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) これは、本委員会でも御討議がなされましたように、経済協力は量、質とも改善していかなければならない。量的な改善もさることながら、質的な改善、とりわけ、政府援助を少なくとも先進国の平均のレベルまではなるべく早く持っていかなければならぬのじゃないかということでございまして、その点は、今度の総会におきましても、代表として私からも力説していきたいと考えておるわけでございまして、経済協力の面から見ますと、政府による技術援助、技術協力、これがやっぱり力点になってまいると考えます。
  100. 向井長年

    ○向井長年君 民間はどうなんですか、民間の資本。
  101. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) で、民間資本の場合は、量的に資金の流れを、分量から申しますと、決してどこの国にも劣らないだけの分量をわれわれ拠出いたしておるわけでございますが、問題はこれの条件だと思うのであります。その条件につきましては、きのうも大蔵大臣からもお話がございましたように、漸次、日本の力の充実を相まちまして、条件をソフトにしてまいるようにしていきつつございまするし、それは相当われわれは世界の期待にこたえて、可能ではないかと考えております。
  102. 向井長年

    ○向井長年君 そこで、中国代表が特に協調の実をあげたいと、こういうことを言っておられるようでございますが、アジア地域には中国と国交が開かれてない国がありますね。そういう国に対して、特にわが国が、こういう時期に内政干渉にならない――言うならば、経済的な問題について、できるだけあっせんをすることがいいのではないかと、こう思うんですが、これは、それがいわゆる国益につながるんじゃないかと、こう思うんですが、この点はどうですか。
  103. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、エカフェは政治には中立の立場をとるということで、経済社会の開発という点に専念しようという伝統を持っておるわけでございまして、この場に政治的な問題を持ち込むということにつきましては、よほど用心しなければならぬと思うんであります。しかしながら、多くの有力な代表が東京に集まっておるわけでございまして、自然にある種のコンタクトが持たれるわけでございまして、アジアの政治的な雰囲気を緊張緩和の方向に醸成していく上におきましては、相当力を持ってくるのではないかと思っておりますが、わが国はホストといたしまして、なるべく政治的な問題に触れないような立場を堅持していくべきでないかと私は考えております。
  104. 向井長年

    ○向井長年君 この間髪ついては、わが国でたまたま開かれておるわけでございますから、政治的な問題以外の経済的な問題になると思いますが、そういう国々の問題については、協調という立場でわが国はできるだけ強く推し進めるべきじゃないかと、こう思いますので、これはひとつそういうことで検討いただきたいと思います。  そこで、次に外務大臣にお聞きしますが、日米安保条約の問題について、近く事務レベルの協議会が開会されるようですね。これはちょうど三年ぶりということが報道されております。このことが事実とするならば、この協議会は何を話し合うのか、また、何をきめようとするのか、その際、わが国としてはどのような構想をもって臨もうとするのか、この点お聞きいたします。
  105. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 日米間におきまして、安保問題に関する協議の場といたしましてはいろんな場があるわけでございますが、いま御指摘の事務レベルの協議というのもその一つでございまして、昭和四十二年の五月に第一回の会合を開きまして、四十五年の七月に第七回の会合を開いたのでございますが、その後、沖繩交渉等で多忙になってまいりましたので、開催されないまま今日に至った次第でございます。  で、これは、次官ないしこれに準ずるレベルの参加者をもって会合を持っておるんでございますけれども、あなたが言われるように、何かきめるという会議では決してないのでありまして、特定の問題について合意をしたり、決定したりするような性質のものではございません。あくまでも、安保条約、安保問題に対しまして、幅広く、隔意のない意見の交換を行ないまして、日米双方の理解を増進しようというにすぎないわけでございまして、近く、五月の末あるいは六月の初めごろまでには開催したいものと考えております。
  106. 向井長年

    ○向井長年君 これは、きめる会議じゃなくとも、やはりお互いが情勢の話し合いをする、それからそれぞれの国が、アメリカなり日本が、いま当面する問題をやっぱり話し合うと思うんですよ。そういう中で、少なくともベトナム戦争の和平からくる国内においての基地問題、こういう問題を、当然これはわが国から出すべきじゃないか。基地の整理縮小という問題については、少なくとも、これは日米間で話し合う一つの大きなただいまの課題ではないかと、こう思うんです。したがって、そういう中で、やはり幾ら事務レベルといっても、そういう問題を話し合って初めて具体的になってくると思うんですが、この点どうでしょう。
  107. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、ベトナム和平成立後の極東情勢について彼我の意見を交換し、あるいはいま御指摘のように、わがほうでもくろんでおりまする、沖繩、本土を通じましての基地の今後の整理縮小の問題につきましても、隔意のない意見の交換を私はやってもらいたいと考えております。
  108. 向井長年

    ○向井長年君 やってもらいたいだけでなくて、わが国の構想を一応向こうに理解してもらうという立場から、やっぱり主張をすべきだと思うんですよ。主張をしないんですか。
  109. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) これは、かねがねから日本側で主張いたしておることでございますが、もっと具体性を盛った考えをもって臨まなければならぬことは当然と考えております。
  110. 向井長年

    ○向井長年君 外交問題は、時間がございませんから、これで一応あとに回しますが、続いて、経済並びに物価問題について質問いたしますが、まず、建設大臣に、土地の暴騰はなぜ起きたのか、その背景は何であるか、これをまず聞きたい。
  111. 金丸信

    ○国務大臣(金丸信君) 高度経済成長によりまして、都会並びにその周辺に人口、産業が集中したということ、そういうことによって人口が集まり、そのために土地の売り惜しみ、売り控えというようなことが出てきた。また昨年の下期における金融の緩和、あるいは、そういうような状態でございますから、企業が投機的な土地を対象としたというようなところにこの問題が生まれてきた、こう私は思います。
  112. 向井長年

    ○向井長年君 経企庁長官、農林大臣、通産大臣にお聞きいたしますが、先ほどからも討議されております商品投機、あるいは物価高、こういう問題が何の原因によって起きたか、その背景、あわせてお聞きします。
  113. 小坂善太郎

    ○国務大臣(小坂善太郎君) 一昨年非常に不況であった、円の切り上げもあった。その不況から立ち直るために、相当に財政、金融においててこ入れをいたした。その結果、非常に景気が浮揚いたしてまいりましたけれども、その後の情勢が一昨年末からやや過熱ぎみになってきた。今年に至って非常にそういう傾向が顕著になってきた。まずそこにマネーフローの非常な過大というものがあると思っております。そこへもってまいりまして、需要面で、そういうことを背景として非常に購買力がふえる。雇用も超完全雇用というような状態。そこで、それに対する物資の供給は相当あるのでございますけれども、一部にそれがないかのごとき錯覚があり、それが仮需要を呼んだ。それが非常に一般的な物価騰貴を呼んでいる、そういう点があろうかと思います。  それから、やはり口火となりましたものは、木材の投機であります。そこへ大豆の投機、あるいは土地の一般的な投機、株式の投機、そういうものがだんだんそうしたムードを醸成したということもあろうと思います。
  114. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 一言で申し上げれば、需給ギャップの発生だろうと思います。その理由は、一つは、国際的要因として、国際的資源不足。たてえば羊毛のようなものが一〇%ぐらい減産したというようなこと。あるいは木材その他についても言えます。あるいは農産物については、不作ということもございました。それから、国内的要因といたしましては、景気の回復に伴う需要の増大、それから、流動性の問題とか、いろんな問題がかみ合いまして、国内的要因として出てきた。それで、一部には実態に合わない仮需要みた  いなものが出てきて、投機的に高騰させたというところも部分的にはございます。
  115. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 農産物のほうは、まず第一は、国際需給の動向の影響、これは木材とか、大豆とか、あるいは生糸や、モチ米にもそういう影響が見られます。  それから、国内的には過剰流動性、そういうことのからみ合いによる買い急ぎ、そして買い占めとか、投機的な気合いも出てまいったということだと思います。
  116. 向井長年

    ○向井長年君 これは、いまそれぞれの大臣から、国内外の問題として答弁されましたが、特に、私はこれはやっぱり国内的に大きな要因もあると思うのですよ。それはなぜかというと、一昨年のドルショック並びに円の切り上げ、こういう中から、おそらく景気はダウンするであろう、こういうところで、てこ入れ、景気浮揚策をとった。この景気浮揚策が、しかもこれが過度の景気浮揚になった。去年の八月ごろからもう景気は上向いておったと思うんですね。そういうところに私はこういうような状態があらわれたんじゃないか。これはやはり政府は大きく反省しなけりゃならぬ。  それとあわせて、土地問題等については、先ほどもありましたが、総理のやはり列島改造論というものが――これは事実、列島改造論すべてがいかぬとは言いませんけれども、そういう土壌をまずつくっておったかどうかということ、あるいはその他の整備をしておったかどうかということ。これはおそらく欠陥だと思うんですよ。そういう中からこの問題が私は起きたと思う。これは総理、反省されておりますか、この投機問題、あるいは土地問題あわせまして。
  117. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 列島改造論というのは、これは先ほど申し上げましたように、私は全然影響がないとは言いませんが、列島改造論というものが出なければ、大都市の地価はもっと上がっているはずでございます。大都市には寄せないんだ、大都市よりもよりよき環境を提供するんだと、こういうことを言っていますから、提供される面に影響したとしても、これは東京周辺や、大都市の周辺を買ってもそんなに上がらぬぞということが、これはもう当然起こるわけでございます。列島改造でもって全部上がったということはありません。私はそう考えております。  列島改造のことを言うのは――その前提となるものがたくさん出ているわけですから――自民党の都市政策大綱も出ておりますし、その前には新産業都市建設法、農村工業導入法、それから産炭地振興法、雄島振興法、山村振興法、工業地域整備法、もう一ぱい出ておるのです。こういうものを体系的に学問的にやろうというのが列島改造論と、こうなったわけでございますから、私はどうもこれにみな結びつけるというのは、ある意味では無責任なことだと思うのです。
  118. 向井長年

    ○向井長年君 総理、それだけじゃないでしょう。経済情勢全般。その列島だけじゃない。
  119. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 経済情勢全般に対しては、先ほどからもう各大臣が述べたとおりでございまして、一つには、初めての平価調整というもののあと、日本には不況がくる、中小企業も将棋倒しになるというような考えであったものが、そうではなく、景気が急速に立ち直り、中小企業も、考えたような倒産もなかったということから考えてみても、所期の目的は達したわけでありますから、その間に相当大きな過剰流動性というようなものが生じた。これは流通しておる貨幣全体から見て、外貨の積み増しが行なわれた結果国内に散布された円と比べれば、それはもう非常に大きなものでありませんが、しかし、それらの企業の手元が潤沢になったということは、やはり買いだめにもいったわけでありますし、投機にもなっておるし、ということは、これはもう否定できないことだと思います。しかし、それよりも、やっぱり金融というもので、金融機関が返済をしないでいいといって、また貸し出しを行なった、初期に考えなよりも何倍か住宅ローンが拡大されておるというような事実から見ても、これが一つの押し上げの要因になっておるということはもう事実だろうと思います。
  120. 向井長年

    ○向井長年君 いま、総理も言われましたし、各大臣も言われておりますが、この経済政策のやっぱり見通しの誤りですよ、これは。そうでしょう、過剰になったということは。したがって、やはり見通しの誤りと計画性の欠除、これは認められるでしょう、まず。もうこの間、経企庁長官は、土地問題はこれは確かにおそかったということをはっきり言われておる。いま、そういうことでないとするならば、なぜいま土地法案を出したり、商品投機法案を出したりするのですか。やはりそういうことが、見通しが甘かった、あるいは見通しの誤りであったという中から、いまそういう形で規制しなければならぬということになってきたんじゃないですか。金融の緩和なり財政の緩和というものが、これは計画的に誤りがあったということですよ。どうですか、この点。
  121. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) まあ、政府がすべてのものを的確にすべて押え切れるというような統制の権限はありませんし、自由経済を基調としておりますから、結局一つの見通しを立てながら施策を行なってまいることはもとよりでございますが、しかし、結果が起こってきつつあるという過程において対応策を講ずるということも、またあわせて行なわなければならぬわけであります。しかし、物価が上がりつつある。これはインフレ傾向につながっては困る。先進工業国のようになっちゃ困る、ヨーロッパ諸国のようにならないように、いま諸般の準備をしておるわけでございます。しかし、もう物価が上がらないようにしなければならないということは、これは政府の責任でもございますから、そういう意味では、失敗したと言えるのかどうかわかりませんが、もっと早く手を打てばよかったなあということは、もうそう考えておりまして、いま国会でもって御審議いただいておるが、きょうにでも通していただきたいと、こういう考えでございます。
  122. 向井長年

    ○向井長年君 まあ政府は非常に見通しの甘さ、あるいは計画性の欠除、こういう問題がこういう形になったと、これは私が言うのじゃなくて国民世論がそう言っておると思うのですよ。だから、その反省の上に立って次期の問題を考えなければならぬ、こう私は思います。そういう意味で、過剰流動性のいわゆる吸収、特にこれは大蔵大臣にお聞きしたいんですが、それから投機利益に対する抑制、そういう問題から考えて、まず法人税なるものを上げるべきではないかと思うのですよ。少なくとも四〇%までは法人税を上げてもいいんではないかと、こう思います。この点についてはどうか。  あるいはまた、もう一点は、富裕税等の復活をいま検討したらどうか。いま直ちにやるということではなくとも、そろそろ検討をすべき時期ではないか。あまりにも富の偏在が大き過ぎると、こういう立場、この点を特に考えるべきではないかと思いますが、いかがです。
  123. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 法人税の問題ですが、過剰流動性、それから資金の滞留ということに直接関連して法人税の税率を上げるというようなことは、私は率直に言いましていささか御意見と違うところがございます。やはり過剰流動性の問題は、主として金融対策で対策を講じていくべき性格の問題である。で、金融政策については、累次御説明申し上げておりますような、まあいわば陣立てがすっかりそろいまして、相当の効果が期待されるところへ来ていると思います。  それから、税の問題としては、主として公平感と申しましょうか、そういう点から考えるべきものであって、さような点、あるいは財政需要に対応する歳入ということから考えましても、法人税については、これは当委員会でも率直に申し上げておりますように、四十九年度については、税制全体について相当前向きな、建設的な考え方を展開していこうと思っておりますので、たとえば税率にいたしましても、いまの付加税率一・七五というものは基本税率に組み入れるということはもちろんのこと、その他、課税所得の範囲の拡大、特別措置の改廃というようなことをあわせまして、気持ちとしては法人重課という気持ちをもって税制全体の改正に当たっていきたい、こういうふうに考えております。  それから富裕税につきましては、これについても民社党の建設的な御意見は私も勉強いたしておるわけでございます。かつてこれは経験をいたした税制でもございますし、それだけに、理論的にも、徴税上でも、いろいろのメリット、デメリットがございますが、所得税や相続税、全般の体系との中でどういうふうに考えられるであろうかと、こういう点につきましては勉強させていただきたいということを先般も申し上げましたが、そのとおりに考えて取り組んでまいってみたい、こう考えております。
  124. 向井長年

    ○向井長年君 この法人税問題、これはやはり事実上もう上げなければならぬ時期が来ておるのじゃないかと思うのですよ。これはそういう立場でいま政府は取り組まれておると思いますが、これは大蔵大臣、どれくらいを上げなければならぬと思いますか、法人税。
  125. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これはやはり税制全体のバランスの上に立って、実態を十分掌握しながら考えていかなければならぬと思います。民社党の御案では、四〇%以上ということを御提案になっておりますし、他の野党からもそういう御意見がございますが、政府といたしましては、先ほど申し上げました以上にまだ申し上げるところまで研究が進んでおりません。この予算が成立いたしまして、執行の準備がすっかり整いましたならば、直ちにひとつ税制調査会にもおはかりをするような段取りを例年よりも早くやりたい、そして総合的に検討したいと思っておりますので、税率を幾らにするということを前提に考えてやるのではなくて、中身のほうから総合的に考え、あるいは課税所得の範囲の問題、特別措置をどういうふうに考えたらいいか、それらと合わせ、かつ財政需要がどういうふうに来年度はなるであろうかというようなところとも十分考え合わせて、そこで結論を出すべき問題ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  126. 向井長年

    ○向井長年君 着眼点が、私の言っているのは、やはりこういう過剰流動性の中から、しかも投機利益、この抑制のためにこういう問題が必要じゃないのかと、こういう形から私はこの問題を提起しておるわけですよ。税全般の問題のことは普通平常の問題なんですよ。こういう中でどう考えるか、これを大蔵大臣に聞いておりますので。
  127. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) その点のお気持ちはよくわかるわけでございまして、最初に申し上げましたように、過剰流動性対策ずばりこれを税制に期待するというのは、私は率直に言って無理だと思います。しかし同時に、こういう状況でございますから、気持ちとしては法人重課ということを頭に置き、姿勢として税制の改正を考えていきたい、これが私の気持ちでございます。
  128. 向井長年

    ○向井長年君 先ほど冒頭に申しましたように、そういう中から、金がだぶついて、法人は金のやり場を、土地を買ったり、あるいはその他の買い占めをやっておるのですよ。それに対して抑制をするためにはこういうことが必要じゃないのか、こういうことなんですがね。
  129. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 法人の手元資金の過剰ということについては、最近の累次の金融対策によりまして、これは相当の効果をあらわしてくると思います。それから、商社に対する貸し付けは非常にきびしい規制を行なっておりますから、その点からも効果が出てくると思います。それから一方、今日の経済状況から申しますと、先ほども御指摘がございましたが、相当の景気高揚でございます。したがいまして、法人の所得に対する法人税の税収というものは相当大きくなってくるだろうと思います。それからもう一つは、そういう点にかんがみて、一方において、勤労大衆の所得税というのはできるだけ軽減していきたいと考えておりますから、法人に重課をするということで、過剰流動性対策や現在の経済状況をにらみ合わせ、かつ一面において所得税の軽減ということを考えれば、どうしても法人税の重課ということが必要なことでもあるし、また、結果においてそうやらなければならない状況になってくる、こういう角度で、向井さんのお考えと多少ズレがあるかもしれませんけれども、やはり方向としては同じような方向を向いているというふうに御理解いただいてけっこうじゃないかと思います。
  130. 向井長年

    ○向井長年君 いま、所得税の問題が出ましたが、これは所得税はわれわれ不満ですが、若干の軽減がいま法案化されておりますが、その中で、特に逆所得税というやつ、この導入をそろそろ検討していいのじゃないですか、いま直ちに私はやれとは言いません。しかし、そういうことの検討をそろそろしていい時期ではないか。福祉重点ということになれば、少なくとも低所得階層の優遇といいますか、そこに目を向けなければならぬ。これが政治である。この立場から大蔵大臣、どうですか、この点は。
  131. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) いわゆるネガティブ・インカム・タックスの説というものは、外国でも出ておりますが、その中にもいろいろな説がございますから、これは近来の一つの新しい思想、提案として、これはわれわれも勉強しなければならないところだと思います。ただ、課税最低限に達せざる階層に対して、逆に、そこから一つの基準を求めて逆に国からお金を給付するというこの考え方は、日本の場合においては、社会保障というものをどう考えるか。で、これはいろいろ御批判のあるところでありますが、私は、日本の社会保障のやり方というものは、人を中心にし、環境を考えて、ずいぶんこれはきめこまかく考えられている制度でございますから、むしろこの幅を広げていくべきであって、ただ単に所得税の最低課税限度との比較において、一律的にそこから逆所得税の給付ということは、親切ではありますが、少し日本の実情には合わざるところが多いのではないか。私は、私のいまのところは私見でございますけれども、たいへんおもしろい考え方であるけれども、なかなかこれは、特に日本の場合に、直ちに実行政策の課題として考えるのには少し理屈に走り過ぎているのではないだろうかと、こういうふうに感ずるわけでございます。
  132. 向井長年

    ○向井長年君 これは現在でも生活保護費の引き上げとか拡大をやっておりますね。そういう問題等を考え、そしてやはり勤労意欲と、こういう問題を考えるならば、低所得階層に対するそういう問題を取り入れていくということは、非常にこれは今後の勤労意欲をますます増大するためにいいじゃないですか。そういう意味で、いま直ちの問題でなくとも、そういう構想の中で検討するということは、私は、これはアメリカの州でもやっておられるし、あるいはノルウェー、デンマーク等でもこの問題が実施されておる、こういう点を十分ひとつ御検討いただきたいと思います。よろしいですか。
  133. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、世の中はどんどん進歩しておりますし、社会状態も流動的なことでございますから、新しい説が出たのに対して、ただ単にそれに抵抗を示すという保守的な考え方ではございませんが、十分その意図しているところ、それから日本においてこの考え方を取り入れるとしたならばどういう方向にこれを具体化すればいいかということは、先ほど申しましたように勉強をしてみたいという気持ちはございますが、いま直ちにこれを政策課題として、逆所得税説に私が大いに同感を示したということを申し上げるほどには、私は実現性ということからいってちょっとまだほど遠いのではないかと。これは率直に申し上げてそうでございますが、勉強は十分さしていただきたいと思います。
  134. 向井長年

    ○向井長年君 通産大臣にお伺いいたしますが、もうこの間も答弁ありましたが、電力危機はなぜ起きたんですか。
  135. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 端的に申し上げると、立地難であろうと思います。
  136. 向井長年

    ○向井長年君 立地難はなぜ起きたんですか。
  137. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 公害問題等で住民の反対が強いということ、それからその立地の地点にメリットが還元することが少ないということ、こういうような原因だろうと思います。
  138. 向井長年

    ○向井長年君 四十七年度の各社の計画は幾らであって、電調審が何ぼ通ったですか。
  139. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 四十七年度、電源開発調整審議会で目標としたのが千二百万キロワットで、着工ができたのが三百八十万キロワットであったと思います。四十八年度は、できないのがずれ込んで、二千百万キロワットを目標にしております。
  140. 向井長年

    ○向井長年君 毎年の伸びはどのくらいですか、平均。
  141. 井上保

    ○政府委員(井上保君) 電力需要の年間の伸びは、大体一〇%を若干下回る程度でございます。
  142. 向井長年

    ○向井長年君 そういう形で、言うならば、千二百万キロ、これが三割であると、こういうことは重大な問題じゃないですか。今日まで何をしておったんですか。
  143. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) やはり公害問題の防除がはかばかしく進まない、あるいは低硫黄燃料の獲得に狂奔しておるけれども、思うように、期待どおりまかせない、あるいは現地にメリットを還元する法案の作成を一生懸命やったけれども、各省のなわ張り争いでなかなかむずかしくなったと。今回、ようやく日の目を見て提案した次第であります。
  144. 向井長年

    ○向井長年君 そういうメリットだけが阻害された理由ですか。メリットが重点ですか。
  145. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) やはり、公害問題に対する住民の恐怖を去るということが一番根本ではないかと思います。
  146. 向井長年

    ○向井長年君 それが根本でしょう。そうすると、公害を去るためにはどうしたらいいんですか。
  147. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 公害防除施設、なかんずくガス脱硫、これを思い切ってどんどん進めるということ、それから低硫黄燃料、これを確保して配当するということ、この二つが一番中心だろうと思います。
  148. 向井長年

    ○向井長年君 政府がそう考えておるにもかかわらず、低硫黄の油が十分行き届いておりますか。
  149. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) かなり努力しておりまして、昨年のコンビナート点検以来、その低硫黄の配当をふやしておるのです。たしか、昨年度においては三千万キロぐらいの中で低硫黄でないのが七百万キロ、それから低硫黄原油、一%以下が二千二百万キロぐらい配当したはずであります。
  150. 向井長年

    ○向井長年君 結局、これは燃料でしょう、問題は。公害の発生源は燃料でしょう。そうすると、政府はこの燃料対策をまず考えなきゃならぬということでしょう。私は、決して経営者の肩を持つわけじゃなくて、電力というものを知っておるから非常に危機感を持つんですよ。ここ二年、三年向こうどうなるんだろう、こういう危機感を持った場合、電調審では三割しか通らない、需要はどんどんと伸びていっておると、こういう中で燃料対策を今後どう持とうとするのか。このままでいけるのかどうか。
  151. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) いま、低硫黄原油を各地において獲得しようと思って非常に努力しておりますし、またLNG、ガスの方面にもいろいろ手当てをしておるところであります。十分とは言えませんけれども、根の限りを尽くして八方に手を回してやっておるというのが実情であります。
  152. 向井長年

    ○向井長年君 将来の燃料については一つの構想として考えなきゃならぬが、当面する問題として、まず、やはり低硫黄のなまだきをやらなきゃならぬということでしょう。そういう中で、現状においてそれがなかなかむずかしいと。石油業界等、特に通産省鉱山石炭局はどうなんですか。電力の要望するだけをそのなまを十分渡しますか。
  153. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) なまだきというのは、最後の切り札として考えられるやり方で、何しろ、なまだきをしてしまうと大事な軽質油の部分が失われますので、日本全体の油の適正な配分、特に最近は灯油とかそのほかの軽質に対する需要が非常にふえてきておるので、それを、むざむざなまだきで失ってしまうというと、経済的効率の上からも問題が出てきて、日本の全体の石油系統の配分という意味からも考えるところがあるわけです。しかし、やはり公害対策は非常に大事でありますから、最後の切り札として、やむを得ないときにはなまだきの量もふやしていくと、そういう考えに立っておるのであります。
  154. 向井長年

    ○向井長年君 環境庁長官、この公害問題で、大体問題はそういうところにあると思うんです。電源立地の優遇措置だけじゃなくて、そういうところに、問題がやっぱり地域住民にあるわけです。これに対して環境庁においては一つの公害基準を出しておりますね、大気汚染等の。この問題は環境庁ではこうだということで、〇・〇〇五PPMですか。ところが、地方の自治体においてはもっときびしいものを出しておるんですよね。この関係はどうなんですか。
  155. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 環境庁としては、人間の健康を守る、こういう立場に立って環境基準を出すわけです。ただ、いま問題になっておる硫黄分ですが、この排出基準については、地方で上のせを認めてないんです。それはやはり燃料問題と結びつきますから、ばいじんであるとか、有害物質については、地方の自治体がその地域の実情に応じて、国の設定した排出基準を上回るような、そういう基準を県の条例によってできることになっておるんですが、硫黄酸化物に対してはその上のせは認めてないんです。われわれとしては今後硫黄酸化物の環境基準をもっときびしくしたい。それは、何としたところで、やっぱり人間の健康を守るということ、これ以上に重要なことはありませんから、そういうことで、環境基準をきびしくしていきたい。その環境基準を守るためには、いま言ったような、いま通産大臣も御指摘になっておったような、できるだけ良質な燃料、これを獲得する。また一方においては脱硫装置など公害防止の対策というものを、この際思い切ってそういうものに対する研究開発というものに力を入れなければ、向井さんのいま御指摘のようにこれはたいへんな問題になってくる、日本のエネルギーの問題は。そういう点で、これは各省庁というか、政府全体の大きな問題であると、こういうふうに考えています。
  156. 向井長年

    ○向井長年君 これは総理ね、いま言われるように、環境庁は環境庁の立場でそういう形をとっておられる。そこで、通産のほうでは、やはり良質な燃料あるいは脱硫問題、こういう問題でできるだけ公害をなくしようとしておるけれども、現状はこれはやむを得ないということですよ、公害が出るのは。だから公害を出さなかったら電力はこれはつくられないと、こういう結果はどうしたらいいんですか、これ。
  157. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) いままで法律をお願いして、ナフサをたくような場合、税制上の優遇もしていただいておりますが、また液化ガスの開発輸入も現に行なっております。で、またシベリア開発などに対してもヤクートの天然ガスの輸入というようなこと、開発輸入を前提として考えておるわけでありますが、まあ総じて考えますと、電力の需要は思うよりもうんと伸びておりますから、六十年展望で一〇%シェアで大体考えておった原子力発電所はもっと大きくなると思います。二〇%ぐらいになるんじゃないかと。アメリカ自体もそうでありますから。そういう状態で長期的展望をしなければならぬと思います。そして、実際世界の石油事情全体を考えてみると、ローサルファの石油はもちろん必要でありますから、インドネシアからのローサルファ石油というようなものも開発することにいたしましたし、いまスエズが通れないけれども、リビアなどで非常に良質なローサルファの石油がいま問題になっております。世界的に見ると、八五年を展望する石油というものは非常に逼迫するという状態であって、ローサルファというよりも、硫黄分が高かろうが何であろうが石油というものが不足がちになるということで、チュメニ石油、あるいはペルーまで手を出しておるわけでございます。ですから、北海道においては石炭の問題もありますから、石炭専焼の火力発電所をつくって、そして公害を除去するために万全の対策をとる。それから他の地域に対しては、やはりなまだきもありますが、やはりローサルファの石油の重油だけたくというわけにはいかないのです。ですから、脱硫装置をどうしてもやらせなければいかぬ。大都市――東京、大阪、名古屋、北九州というようなところは、これはいまのところはナフサをたいたり、そうする以外にはないわけであります。それで、発電所を新しくつくる場合には敷地がありますが、既設発電所は脱硫装置をつける敷地の余裕がないわけでありますから、そういう面も考えながら、この燃料政策というものに対してはいま広範な検討を進めておるわけでございます。  で、科学技術庁、原子力委員会につきましては、原子力問題に対してはやっぱり政府が責任をもって公害やそういうものの防除と、PRや説得ということを学問的にできるような体制をいまもとるようにいたしてもおります。同時に、あわせて立地問題に対しては、この国会で法律をお願いして、その町村だけは幾ばくか利益を受けることがあっても、近隣町村では何もないわけですから、近隣の市町村にも恩恵を与えようということにしておるわけでございます。問題は、率直に言いますと、東京や大阪――大阪はとにかくいまのままでもって経済が伸びてまいりますと、関西電力などはもうほんとうに電力調整を行なわなければならない状態になっております。東京や大阪や名古屋へ送る電力で、なぜわれわれだけが公害にあわなければいかぬのかという問題もありますから、三〇%しか実際できないんです。ですから、燃料だけの面で電力問題は解決いたしません。広範な問題で、これは電力はもうランプやそういうものではなく、いますべてのものが電化されておるということであります。これがとまったら緊急の手術ができないというような問題もありますので、そういう意味で、電力に対しては政府も業界の事情も調査をしながら、これは全面的な電力対策ということを行なおうと、こう考えております。
  158. 向井長年

    ○向井長年君 政府はようやく電力危機ということがわかってきたんでしょう。いや、総理はそうじゃないかもしらぬけれども、各省そうですよ。各省が電力危機というようなことを考えてないんですよ。みな独占企業である企業がそれぞれやってるわいと、その感じで、まあ通産は通産で、やはり所管だから、ある程度それはわかっていますよ。そうでしょう。そういうことが、もう手おくれですよ。私が一番冒頭に言うた経済政策もそれなんだ。すべてが、やはり事困って初めてやろうということ。地元の優遇措置の問題については、これは一つの方法で、私は必ずしも反対しません。しかし、問題点はあります。これはまた別の問題で言いますが、しかしやっぱり問題は公害ですよ。その公害をいかにこれを除去し、そして良質な燃料を確保するか。もちろん、それに対する技術的な脱硫装置の問題もありましょう。しかし、それもまだ十分じゃないでしょう、脱硫装題の問題も。経済性の問題もあるが技術的にもまだ十分じゃない。こういうことで非常に今日まで置き去りにされていたんじゃないですか。そこらに私は問題があると思う。これは各省、農林省も建設省も自治省も、全部に影響ある問題ですよ、これは。その関係は。この問題に対して、危機感はほんとうに持ったんですか。どうなんですか。ただ、私はそういう地元の優遇措置だけで解決する問題じゃないと思う。少なくとも、先ほど言りた公害問題や、長期問題と短期といいますか、当面する問題と、二つに分けて考えなければならぬ。通産大臣、長期にわたってはどう考え、短期の当面する問題はどう考える。
  159. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 当面する問題は、やはり地元にメリットを思い切って還元していく、発電施設を持ってくれば地元の人が非常に助かると、そういうことが当面する最も緊急なものじゃないかと思いますし、長期的な問題としては、公害に十全を期した対策を講じていく。特にいろいろな脱硫装置、ガス脱硫が中心だと思いますが、それを思い切って開発していくと、そういうことではないかと思います。
  160. 向井長年

    ○向井長年君 それは通産大臣、誤りですよ。いま地元で反対しておるのは三つ要素がありますよ。一つは、純粋に考えて、公害が困るという、これはほんとうにまじめな反対だ。一方においては補償条件といいますか、それに対する条件闘争的な反対が現にありますよ。それからもう一つはイデオロギー反対だ。これは、こんなものはしようがない。こういう三つがあるんです。そういう三つの中でやはり一番問題がまじめなのは公害問題ですよ。まず公害から取り組まなきゃならぬということ、公害から取り組むならば、燃料に取り組まなきゃならぬということになるでしょう、当面は。そうじゃないですか。
  161. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 論理的にはそのとおりなんです。しかし、いまの燃料の問題というのは、一朝一夕にしてすぐは解決できない現状なんです。つまり、油の手当てというようなことは、なかなか、いま一生懸命やっておりますけれども、いまのような世界の石油事情もございまして、むずかしいところがあるわけです。いままで地元の市町村や知事さんが一番要望してきたのは、水力電源地帯並びに火力、原子力の発電施設地帯、これに対するメリットを還元せよという非常に強い御要望がございました。今回はその両方とも法案として提出いたしまして、これを何とかして早く通過させて、まず地元の御要望にこたえるというのが当面の緊急の私の考えていることです。しかし、論理的に一番大事なことは、おっしゃるとおり公害問題でございまして、これは少し時間がかかるけれども営々と努力を重ねていこうと、こういうわけであります。
  162. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) これは、向井さん電力の専門家でございますから、申し上げますと、実際ことしの関西電力が一番困っているんです。これはもう三年前にピーク時の余裕はほとんどゼロでありましたから、しかも、四十六年度は非常に景気がダウンしたためにようやくもったわけであります。ですから、もう昨年の下期からことしにかけてはピンチになっておるわけでございます。ところが、関西電力の電力の需要の一番大きいところは大阪地区でありながら、和歌山の景勝の地に発電所をつくろうとするから、和歌山の発電所はなかなかこれをうんと言わないわけです。三重県もそのとおりであります。これは、ですからこのままにしておきますと、もうすべて節電を求めなきゃならないところまで追い込まれているところが大都市にあるわけです。これは非常にたいへんな問題でございます。私は、通産大臣在職中、こういう状態でありますので、もう電気ガス税というものは、大きな都市では有力な財源であるが、このガス税というものを財源として電源地帯に全部これを振りかえるぐらいに極端なことをやらなければ、これはもうえらいことになるということを述べたこともございますし、そういう意味で各省との調整を行なったんですが、なかなか、非力でございまして、そのときは全部は解決できなかったわけでございます。幾ばくかの改正が行なわれたにすぎないわけでございますが、今度は、もうそういうことだけではどうにもならぬというので、電源立地の解決案として国会にお願いしておるわけです。当面する問題は、どうしてもやっぱり、ナフサをたくとか、ナフサをもうそのまま電力会社が入れられるような状態さえも考えなければピンチは乗り越えられないというところまで追い詰められておることは事実であります。これは開発輸入を待っておっても、液化ガスがすぐ入ってくるわけはありませんから、そういう意味で、ここまで言わなくてもあれですが、その意味で、自分のところに発電所があったら、その電力会社が地元で使われるならそう問題はないんです。そうじゃないところに問題があるので、そこに列島改造があることをひとつ十分御承知をいただきたい。
  163. 向井長年

    ○向井長年君 総理は通産大臣時代からある程度危機感を持っておるようですが、その他の人は持っていませんよ。これは総理、十分各省に言いつけて――建設省なんかそういう点がありますよ。私はここで時間がないから言いませんが、自治省でどうですか、自治省だって、少なくとも地方議会が反対決議をすると、反対決議の理由を聞いて十分指導すべきじゃないですか、決議をする前に。この深刻な状態を打開しようとするなら、自治省はやっぱりその指導監督もしなきゃならぬですよ。知らぬでしょう――そんなもの知らぬ顔してほってあるじゃないですか、いままで。そういうことですから、この問題は私は、まず長期計画というものは、ただ単にそういうことだけでなくて、少なくとも今度の燃料の、燃料といいますかエネルギーの問題は、国自体が真剣に取り組まなきゃならぬということです。業界だけじゃないと思うんですよ。したがって、総合的に長期計画に国が取り組む。当面する問題は、これはウランなんか直ちにできると思いますよ。各社がそれぞれ契約し、あるいは保管をし、処理しておるでしょう。こういう問題は国自体が取り組んで、一本化の中からやるべきじゃないか、これは時間がないから私あまり言えませんけれども、そういう点において総合的なエネルギーのいわゆる購入、契約、保管、処理、そういう問題を今後やる構想がありますか。
  164. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) いままでもやってまいりましたが、今度はさらに本格的に本腰を入れてやろうというので、通産省に資源エネルギー庁をつくりまして、一元的に水力、火力、原子力、その他のエネルギー、そういうものを計画し、推進しようと、こういうことをいま法案でもお願いしているところでございます。
  165. 江崎真澄

    ○国務大臣(江崎真澄君) 自治省も、これは地元の市町村にかかわる非常に重要な問題でありまするので、今度は通産省に対しては全面的に協力態勢をとっておったわけです。法案は御承知のような形で審議をわずらわせるわけですが、今後の推移等を見まして、なおひとつ改善を考慮していく、それくらいの姿勢で臨みたいと思います。
  166. 向井長年

    ○向井長年君 私は、時間がないから、その問題はそれくらいにいたしますが、まず危機感を持って内閣全部当たってください。えらいことですよ、一企業者の問題じゃないですよ、これは。日本のあらゆる産業から生活全般の問題ですから、このままいけば。この点を特に強調をいたしておきます。そこで、このままいくならば、これはもう先ほど総理も言われましたけれども、各企業が電気の制限をしなければならぬ。電気の制限といえば、これは言いかえるならストライキかもしれませんよ。そういう状態があらわれてくるということですよ。そういう問題は、ひとつ今後の問題として、われわれも別な機会にこの問題を取り上げて具体的な問題としてやりたいと思いますから、これで終わります。  次に、長年の歴史を持っております、これは特に総理にお聞きいたしますが、電気労働者並びに炭鉱労働者に対する二十八年来のスト規制法、こういう問題について、たびたびこの問題は提起いたしておりますが、今日まではそのままになっておる。少なくとも公務員の問題もILOの勧告を受けて公制審を持っておる。そういう時期に、情勢の変化が今日あるわけです。こういう中で、今後このスト規制法に対して、二十八年の時限立法ですから、それが恒久立法になったんですから、そういう問題に対して今後政府は、私たちは一日も早く労働基本権という立場で撤廃をしろということを主張してまいりましたが、しかしなかなか今日、至っておりません。この問題、今後総理はどういうように労働省に命令するあるいは示唆するつもりですか、この点をお伺いいたします。
  167. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 御指摘のとおり、二十八年から石炭、電力のスト規制法が時限法としてつくられ、現在恒久法になっておるわけでございますが、これは両事業、特に電力事業のほうが公益性が高い。先ほど申し上げましたように、かつての電力というような観念ではとらえられないほど生活即電力ということでございますので、これらのものが残っておるわけでございまして、またその間における電力労働組合等の真摯な姿に対しては敬意を払っておるわけでございます。しかし、労働基本権の問題もいま問題になっておるわけでございますので、これはスト規制法を廃止をせよということに直ちに、はい、そうでございます、いたします、ということではございませんが、労働基本権の問題としていまいろいろ議論が行なわれておる状態にかんがみ、労働省に学識経験者を含めた研究検討の場――審議会というべきか、まあとにかく勉強し、審議しするような場所を設けたいという考えを持っております。これはやっぱり、こんなにまじめに電力を守っておる労働者という実態を直視するときに、政府も誠意を持って、学識経験者の意見も徴しながら、やっぱりそういう場をつくるべきであろうという考えを明らかにいたしておきます。
  168. 向井長年

    ○向井長年君 いま総理の言われたことは、まず、この問題について労働省内に学識経験者、学識者を含めた審議、勉強の会といいますか、審議の研究会をつくりたい、その中で十分検討したいと、こういうことですね。そうでしょう。
  169. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 学識者を含めた場を労働省の中につくって、そして勉強したいということでございます。
  170. 向井長年

    ○向井長年君 労働大臣に聞きますが、いま総理がそういう答弁――これは国会答弁ですから権威がありますよ、これは。いいですか。なまはんじゃくにやったんじゃないですよ。一国の総理が国会の中で答弁したということは、少なくともそういう立場を尊重してやらなきゃならぬというのが労働省の任務になりますよ。そうすれば、労働大臣は、この学識者を含めたというのはどういう構想を持ってやられるか。
  171. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。  スト規制法をどうするかという審議、研究の場を労働省につくるという問題総理から答弁がありましたとおり、労働省もその線に沿って進みます。次の段階が、しからば組織構成をどうするかという問題に移りますが、いま総理からも話が触れましたが、組織構成については労使その他各方面の意見を十分聞いて、この構成の問題に真剣に対処いたします。
  172. 向井長年

    ○向井長年君 ところが、これはいつごろつくられますか。いま総理が答弁したやつ、いつごろ。いつでもやる……。
  173. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) 先ほど言ったように、真剣でありますから、時期はいまきめておりませんが、真剣にほんとうに検討して、早く、すみやかにさような方法……。
  174. 向井長年

    ○向井長年君 それをまずなるべく早くつくるということですから、これは一応了解しましょう。  そこで、その結論は二年たっても三年たっても出ないというようなことじゃ困る。だからすみやかにやはりそういう構成ができるならば検討を始めて、早い機会にこれに対する結論を出さなければならぬと思いますが、この点どうでしょう。
  175. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) 向井議員の熱意にもこたえまして、一年や二年先のような総理の趣旨でもありませんので、すぐに、国会が済んだらさっそくと、こういうことも申し上げかねますが、これはもう慎重に、早急にやります。
  176. 向井長年

    ○向井長年君 通産大臣、労使のという意見もございますが、使の場合はこれは通産省にも関係すると思いますが、通産大臣、いま総理の意見、労働大臣の意見に対してどうですか。
  177. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 労働省内につくられますその研究会あるいは委員会の結論を見守っていきたいと思います。
  178. 向井長年

    ○向井長年君 見守っていくんじゃなくて、労使の使が入るんですよ。使は通産省所管だ、使の諸君に対しても、いま総理が言われたことで指導されるでしょう。どうなんですか。
  179. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) 公正な結論が出るように指導いたしたいと思います。
  180. 向井長年

    ○向井長年君 じゃあ私は、この問題は、権威あるものとして期待して、労働省の早急な結論を出されることを希望してこの問題をやめます。  時間がございませんがもう一点。  この間わが党の木島君の質問で、運輸大臣、厚生大臣、それから国鉄総裁に、身体障害者のいわゆる国鉄の割引の問題を伝えました。そのとき小坂蔵相代理が、よくわかりますので大蔵大臣に伝えますと、こういう答弁をなされたんです。これは運輸省もそれから厚生省も大賛成である、国鉄はもちろんである、したがって、その身体障害者に対する特急あるいは急行の割引ですね。こういう既成以外の問題について若干の助成をしなきゃならぬ、だからこれは大蔵省がうんと言えばいいと、こう言っておるんです。大蔵大臣どうですか、蔵相代理から聞きましたか。聞いて、それに対してひとつやろうという答弁をしてください。
  181. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは理屈を言いますとなかなか時間がかかりますが、とくと検討いたします。
  182. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) これにて向井君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――
  183. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 岩間正男君。(拍手)
  184. 岩間正男

    ○岩間正男君 本論に入るに先立って、いま沖繩県民が当面する三つの問題について質問します。関係各大臣の率直明快な答弁を求めます。  第一は、沖繩の基幹産業であるサトウキビ価格の問題です。本年度生産者価格は、トン当たり最低六千九百五十円で、この価格は、農林省統計調査部の生産費調査トン当たり八千百四十五円を千二百円も下回っています。これを米穀買い入れ価格算定方式と同じように、生産費及び所得補償方式に改めるべきだと思いますが、どうですか。  第二は、中小企業の融資の問題です。目下沖繩には中小企業特別資金貸し付け並びに特殊資金貸し付けの未消化分が三十四億八千三百四十万円残高となっています。これを次年度に繰り越して貸し付けること、また、沖繩振興開発金融公庫の融資条件を大幅に緩和し、手続を一般銀行並みに簡素化することを県民は望んでおりますが、どうですか。  第三は、駐留軍労働者給与支給日の問題です。すでに間接雇用後十ヵ月を経過しているにもかかわらず、毎月十日の支給日が絶えずおくれています。これは労働基準法をはじめ関係法規にもとるものです。防衛施設庁は米軍、県と三者による統一機関を早急につくり、給与が一日も早く定められた期日に支払えるように万全の措置をとるべきだと思いますが、いかがですか。  以上三点について御答弁願いたい。
  185. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 岩間委員が御質問の根拠にされました八千百四十五円、これは硫球政府当時の調査で、農林省の調査でございません。それから、これが二十二ドル六十三セントを一ドル三百六十円の換算によって八千百四十五円という数字が出ておるのでございまして、これを復帰時の円レート三百五円で換算いたしますと六千九百二円と相なるわけでございます。また、この八千百四十五円の背景になりました状況は、当時の大干ばつ、最も不作の状況というものを踏まえての生産費調査でございまして、これを四十七年にパリティアップいたしますると、推定生産費は六千八百十一円と相なるのでございます。そこで、今回の最低生産者価格の決定が六千九百五十円、これに沖繩は特に五十円を上げて七千円といたし、さらに、従来輸送費を農家持ちでございましたのを会社持ちにいたしまして、このメリットは三百六十円に相なるのでございまして、   〔委員長退席、理事西村尚治君着席〕 昨年十一月の価格決定につきましては、以上のような経緯であることを御承知……。
  186. 岩間正男

    ○岩間正男君 価格保障方式をとるのか。
  187. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) それは生産費所得補償方式をおっしゃったのでございまするが、これは都市労賃並みで計算せよという意味になると思うのでございまするが、これがはたして沖繩の現状に適するかどうか、われわれのパリティ方式で地場労賃で計算をいたしておりまするが、現実には地場労賃のほうがむしろよい場合もあるのではないかと、かように存じます。
  188. 坪川信三

    ○国務大臣(坪川信三君) いま御指摘になりました沖繩の中小企業に対するところの金融制度の問題でございますが、岩間委員御承知のとおりに、沖繩の復帰に伴うところの、ドル経済から円経済への移行に伴う中小企業対策の一環といたしまして、昨年八十億の融資をもってこれに当たらしめたのでございますが、相談を受けました額は六十五億でございますが、実際貸し付けが行なわれ、相談が成立いたしましたのは四十五億でございます。先般沖繩へ参りまして、金融公庫にも参りまして実際をよく調査いたしましたが、貸し付けその他に対しましても、納税等の写しなどの手続も廃止いたしまして、十分簡単に簡素に貸し付け制度を遂行いたしておることで御理解もいただきたいと思うのでございます。
  189. 岩間正男

    ○岩間正男君 残高を繰り越すかどうかということ。
  190. 坪川信三

    ○国務大臣(坪川信三君) これにつきましては、やはり一年という約束でもあり、ことしの別な中小企業に対するところのワクも低利で貸し付けるということで、これはこれといたしまして、目的を達したものとしてわれわれは理解もいたし、向こうのほうもそう理解をいたしておりますので、これを延ばすというような考えは持っていないことを御了解願いたいと思います。
  191. 岩間正男

    ○岩間正男君 融資の条件はどうですか、融資の条件。
  192. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。  沖繩の基地の労働者の賃金の遅払いでありますが、この問題は、沖繩が復帰いたしましても毎月若干の支払いがおくれております。この問題は岩間議員から御質問のように、基準法の観点から見ましてももってのほかで、ほんとうに好ましからざる現状であります。労働省は、防衛施設庁並びに沖繩県当局にいろいろ交渉いたしまして、熱心に関係者が検討いたしまして解決のめどがついております。あとから施設庁のほうからも答弁がありますが、大体解決のめどがついておりますので、これはおっつけ解決いたすと思います。  以上のとおりであります。
  193. 高松敬治

    ○政府委員(高松敬治君) 昨年来の沖繩における給与遅払いにつきましては、まことに遺憾なことでございまして、全力をあげていまやっております。  御指摘のようにそういうふうな委員会をつくってやったらどうかという御提案でございますが、これにつきましては、すでに沖繩県と現地米軍との間で給与支給事務改善のための委員会というものをつくりまして、それに那覇防衛施設局、それから私のほうからも係官を出しまして、そしてあるいはコンピューター会社、銀行等も加えまして、いろいろ事務の改善について検討をすでに数回行なってまいりました。現在は、三月が十日の支払い予定に対して十四日、四日間おくれました。四月が十三日、三日間おくれる見込みでございます。それから五月以降は一体十二日にできる、二日間のおくれというところまでいまこぎつけました。もう二日間を何とかして縮めたいということで、県の組織あるいはコンピュータの一そうの活用を含む事務の再配分、それから県の渉外労管事務所をもう一ヵ所ふやすというふうなことも含めまして、さらにこれを検討いたしてみます。私どもとしては何とか一日も早く十日という本土と同じような日に支払えるように、この二日間のおくれを今後懸命に取り戻すように、沖繩県と一緒になって努力をしてまいるつもりでございます。
  194. 岩間正男

    ○岩間正男君 いつごろまでにできますか。
  195. 高松敬治

    ○政府委員(高松敬治君) これははっきりめどがつかないのでございますが、この間、屋良知事から来年の一月という返事があったそうでございますけれども、そんなにはかかるまいと思います。おそくとももっと早く、ことし前半には大体いけるのではないか、こういうふうに思っておりますけれども、ともかく二日が一日になり、一日が本土なみになるということについてはもう全力をかけてこれはやってまいるつもりでございます。
  196. 坪川信三

    ○国務大臣(坪川信三君) 先ほど落としまして失礼いたしました。期間は七年でございまして、金利は年三%、据え置き期間が二年でございます。
  197. 岩間正男

    ○岩間正男君 融資条件の緩和について。
  198. 西村尚治

    ○理事(西村尚治君) 岩間君、何かはっきりしないのじゃないですか。はっきりおっしゃってください。
  199. 岩間正男

    ○岩間正男君 融資条件をどういうふうに緩和するかということを聞いているんです。  もう一つ総理にお伺いしますが、いまの労働者の賃金の問題、これはどんどんおくれているが、どうしますか。もう少しはっきりする必要があると思う。現地まかせではだめだ。
  200. 坪川信三

    ○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。  いま、融資の緩和というのは、いまのが非常に沖繩にとっても喜んで受けておりますので、これをさらに緩和するという考えは持っておりません。
  201. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 木土並み十日に毎月支払いができるように全力をかげておるということでございますから、御了承願います。
  202. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間の関係から前に進みます。  この前の分科会で、横田基地周辺の境界に、軍用地につき立ち入り禁止という立て札が立っておるわけです。これはどこから考えても、軍用地というのは日本にはないはずなんです。この撤去をわれわれは要求したわけですが、その結果はどうなんですか。
  203. 高松敬治

    ○政府委員(高松敬治君) この前、四月六日の分科会の日に御指摘になりました件につきまして、さっそく調べてみました。そうしたら、横田飛行場の北側と南側に十八個、そういう掲示がございました。で、直ちに米軍に対しまして、その際申し上げましたように、日米合同委員会で合意された正式の標示にあらためるようにということを申し入れを行ないました。それで米軍も早急に措置をする、こういうことでございます。  それからなお、この前横田に地下燃料貯蔵庫があるという御質問がございましたが、これにつきまして調べましたところ、そういうものを最近建設した事実は全然ございません。
  204. 岩間正男

    ○岩間正男君 防衛庁長官に伺いますが、撤去したということは間違いを認めたということになるのだが、これに対する責任はどうなるのか、防衛庁長官に伺います。
  205. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) 合同委員会で合意をされた標識の形式があるわけですが、それを間違えて米軍がいたしたわけでございます。合意されたものに取りかえる。間違えてやったのですから、これはそう責任問題をあれするということではないかと思いまするが、別にいま責任については、私どもが米軍のほうとかけ合いはいたしておりません。
  206. 岩間正男

    ○岩間正男君 あなたの責任は。
  207. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) これは米軍のほうでそういう間違いをしたということでございまして、これは私どもの責任はどうというほどの問題ではないと考えます。
  208. 岩間正男

    ○岩間正男君 自分で放置しておいて、そういう態度だからいかぬと思います。時間の関係から先に進めましょう。  それじゃ本論に入りますが、二年前の七月三十日、岩手県雫石上空で全日空機と自衛隊機が接触事故を起こして、百六十二名のたっとい人命が失われたことはまだ記憶に新たなことだと思います。あの大惨事は国会でも激しく追及され、結局政府は、国民に対して、今後は軍事優先をやめ人命優先の立場を貫くということを約束したはずです。  ところで、この雫石事件の貴重な、貴重に過ぎる教訓が、その後の航空行政にどう生かされているのか。その後政府のとられた措置、法的規制などについて、まず総理大臣、運輸大臣、防衛庁長官に伺いたいと思います。
  209. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) お答えいたします。  あの非常に悲惨な事故が起こりまして以来、政府といたしましては、非常な重大な問題でございましたので、四十六年の八月七日に中央交通安全対策会議におきまして、航空交通安全緊急対策要綱を決定いたしましたことは御承知のとおりと思います。自衛隊機の訓練空域と民間の航空路の分離をはかることが第一であるということ、その他細目にわたりまして結論が出まして、その結果を防衛庁と運輸省の間で覚え書きにいたしておりまして、その防衛庁との間で覚え書きができていることはこれも御承知だと思いますが、そういう覚え書きに基づきまして、具体的に航空の安全体制を確立するために万全を期して努力をしておるということでございます。   〔理事西村尚治君退席、委員長着席〕
  210. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) 雫石の事件は、まことに遺憾千万なことでございました。  いま運輸大臣から申し上げましたように、事故直後、政府で決定をされました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、航空路と自衛隊機の訓練空域との分離を中心としまする訓練飛行の規制を行ない、また運輸省との間で、航空交通の安全を確保することを目的とする覚え書きを交換をいたしました。庁内に飛行安全対策協議委員会を設置をいたしまして、航空事故防止対策の樹立をはかるなどの措置を講じてまいりました。このほか、飛行訓練の諸基準の順守が事故防止の基本であることにかんがみまして、その指導監督を徹底をさせておるわけであります。  防衛庁がやっております安全対策の一応重要なものを申し上げますると、一は、曲技で飛行等を行なう空域を限定をいたしました。二は、操縦練習の空域の限定、三は、衝突防止のための見張りの徹底、四、航空管制月機材及び人員の充実、五、飛行場周辺の障害物の除去、六、教官指導能力の強化、七、防空レーダーによる飛行訓練の監視、などを具体的な問題として取り上げておるわけでございます。
  211. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) いま両大臣が述べましたとおり、運輸、防衛庁等関係省庁の間で緊密な連絡をとって事故の絶滅を期すように指示をしております。
  212. 岩間正男

    ○岩間正男君 増原防衛庁長官に伺いますが、あなたはあのときの事故の犠牲者だ。すぐやめられたわけです。そして、いま協定についての説明があったわけですが、これが十分守られておると考えておりますか。
  213. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) あの悲惨な事故にかんがみまして、申し上げましたような十分の反省と具体的措置を講じたのでございまして、航空安全に関する防衛庁の立場における措置はできておる。なお、その点についてはたえず注意をいたしまして、この上ともさらに遺憾なきを期するという、戒心の態度をとらせておるわけでございます。
  214. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ次に聞きますが、成田国際空港は年内の開港を取りざたされていながら、まだその空域や航空路が決定されていないと聞いておりますが、どうですか。
  215. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) この問題については私どものほうで、相当たくさんの民間航空機が出入りすることでありますから、その安全体制を確立しなければいかぬということを第一義にいたしまして、防衛庁の訓練空域もあることでございますから、それらとの調整をはかりながら、いま細部にわたって検討いたしておる最中でございます。
  216. 岩間正男

    ○岩間正男君 決定がされていないわけですね。決定がおくれている原因は何ですか。
  217. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) きわめて慎重に考慮しているからでございます。
  218. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうことはだけじゃだめだと思うのですが、実際はこうじゃないですか。航空自衛隊百里エリアと成田エリアの競合問題、あるいは成田への航空路が百里エリアを通過する問題がまだ未解決、そういうことが決定をおくらせていると聞いておりますが、そのとおりですか。
  219. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほど申し上げましたように、自衛隊の訓練空域がございます。そこを非常にたくさんの民間航空機が通りまして、それの航空路に当たりますので、いやしくも民間航空の安全に支障がないようにということで、先ほど申し上げましたように両者においても検討し、われわれのほうにおきましては、さらに民間航空の安全ということをモットーにいたしまして、慎重に検討しておるということでございます。
  220. 岩間正男

    ○岩間正男君 おくれている原因は何かと聞いているのですよ。国会論議ですからね、焦点を明確にしてください。
  221. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) これも先ほど申し上げましたが、慎重の上にも慎重を重ねておるのでおくれておるわけであります。
  222. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう答弁じゃしようがないと思うのです。あなたのほうが安全性を主張する、防衛庁のほうはこれはやはり防衛技術のほうからこの問題を押す、そこで話がなかなかスムーズにいかない面があるからおくれているのではないのですか。おくれているというのはそういうことでしょう。  それではお聞きしますが、運輸省は昨年銚子にVORを設置したはずです。それはアンカレジ、シアトルあるいはシベリアなどの線、それを、すべてそういうものは水戸ポイントを通過して、銚子のVORを目指して成田に進入する、こういう計画のもとにこのVORは設置されたと思いますが、それに違いありませんか。
  223. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 銚子にできましたVORの件でございますけれども、御承知のように成田の滑走路は大体南北に向かっております。それで、南から入ってまいります場合は、一方におきましては銚子を通り、片方のほうは三宅島あるいは大島から経由して、房総半島の南方の海上から入ってくるというふうなことのためにつくったものでございます。
  224. 岩間正男

    ○岩間正男君 問題聞いたことにずばっと答えなさい、時間がないのだから。  北回り、そういうもののために銚子をつくったのははっきりしていますね。もう一ぺん。
  225. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) あれは南のためにも、北のためにも両方使われます。
  226. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、北のほうは銚子を目ざして来ると、そういうことですか、そうすれば、アンカレッジとかシアトル、シベリア線、これは、百里スクランブルエリアを通らざるを得なくなると思うのです。当然、成田エリアと百里エリアは重複することになると思いますが、それに違いありませんか。
  227. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 御承知のように、北から回ってくる場合には、銚子に向かってくる場合、これは確かにございます。そういった場合に、百里の上空を通って参るということがございます。そのために、百里の空域をどういうふうに調整するか、あるいは訓練空域をどういうふうに調整するかということについて目下検討中でございます。
  228. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、百里スクランブルエリアを通らざるを得ないということをこれは認めたわけだ。  それから、成田エリアと百里エリアが重複する、こういうこともいまの答弁からはっきりしてきているわけです。そうすると、安全を守るという立場から、当然、運輸省は、これに対して具体的な案を持って防衛庁と折衝しておると思うのですが、その案をここで提示してほしいと思う。概案でいいですから。
  229. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) まだ具体的な案ははっきりはできておりません。現在検討中でございますが、大要を申し上げますと、相当大幅に空域をカットする、あるいは高度において相当大幅にカットしていただくというふうなことで折衝を続けております。
  230. 岩間正男

    ○岩間正男君 大幅にエリアをはずすのですか、あと高度についての折衝、これが案ですか。案なしに折衝したってしょうがないでしょう。ばく然としていますね。
  231. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) ただいま申し上げましたように、はっきりきまっておりませんが、相当大幅に百里のエリアというものをカットしていただく。それから高さにおいても相当制限していただくという方向でもって折衝を続けているというわけでございます。
  232. 岩間正男

    ○岩間正男君 運輸大臣どうですか、案なしにそういう折衝をしたって話にならないですよ。どういう案を持っているんですか。
  233. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 防衛庁と具体的に、先ほど申し上げましたように慎重に検討を進めておるのでありまして、全然お互いに案もなしにただ話し合っているわけではございません。防衛庁は防衛庁の考えがあると思いますけれども、そういう訓練空域の設定につきましては、これは先ほど申し上げました覚え書きによりましても、運輸大臣が最終的に決定するのでありますけれども、この場合に、防衛庁の長官の意見を聞く場合もありますし、また、協議をする場合もございまして、これは覚え書きにちゃんと書いてございます。その方針に従いまして、私どもといたしましては、成田の新空港というものは、日本の民間航空としては非常に重要な土地であります。と同時に、防衛庁といたしましても、百里の飛行場というのは非常に大切な飛行場であるわけでございますから、その間の調整をはかりたいということで、盛んにいま慎重に研究をし、検討を進めておるということでございます。案が全然ないことはありません。
  234. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、防衛庁長官にお伺いしますが、幅を削るとか、高度の問題ですね、これは防衛庁はどう考えますか。
  235. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 運輸省の指導のもとに、わがほうも民間航空の安全を十分に確保しなければいけませんので、進入管制の範囲あるいは高度の差等については十分に調整ができる見込みでおります。具体的には、場所場所によりましては非常に高度、それからコースその他が複雑であるようでありますので、いま運輸省と防衛庁の事務当局で折衝いたしております。
  236. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、その折衝の過程ですが、百里エリアが縮小される、そういうことを理由に他の空域を二つ要求していると、これは聞いているわけですが、防衛庁長官、事実ですか。もしはっきりしたら、どういう空域を要求しているか示してもらいたい。これは防衛庁の立場です、防衛庁が要求している。
  237. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 進入管制のエリアの関係は、これは成田とそれから百里のそれぞれの進入の場合にどういうふうに安全を確保すべきかという問題でありまするし、それから訓練空域の問題は、百里の周辺空域においてどのように訓練空域を確保するかという問題でありまして、おのずから別個の問題であります。それぞれ別個建てで運輸省と協議をいたしております。
  238. 岩間正男

    ○岩間正男君 聞いたことに答えないのです。訓練空域を二つ要求しているかどうかということですよ。
  239. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 名称EとFと称しておりますが、二ヵ所であります。
  240. 岩間正男

    ○岩間正男君 それはどういう広さですか、面積は、位置は。これについてはっきりさせてもらいたい。
  241. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 広さにつきましては、いま資料がございませんので、すぐ計算してお知らせいたします。
  242. 岩間正男

    ○岩間正男君 すぐというのは、いま調べているのですか。
  243. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) ただいまちょっと計算できませんので、あとで資料で差し上げます。
  244. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはE、Fというのはいままでまあなかったわけですがね。これは運輸省の資料によりますというと、A、B、C、D、それからGとか、その先のやつは全部あるわけだ、E、Fはいままでなかったわけだね。そうするとこのE、Fを何ですか、ここに充足する、そうして百里における体制を強化すると、こういうことなんですか。どうなんです、ねらいは。
  245. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 百里周辺におきましても低高度の訓練空域がございますけれども、高高度の訓練空域はございません。したがいまして、高高度におきまする、たとえば音速を越えまする訓練その他ができませんので、やはりそういった訓練空域を確保して、これは百里は特にパイロット養成を目的とする部隊でありまするので、そういう訓練空域を私どものほうとしては必要としたい、かように考えております。
  246. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、私のほうでも調査したのです。これはわれわれなりに、不十分かもしらぬが、こういう空域について調査した資料を持っているわけです。こういうふうに見ますと、非常にこれは膨大な地域がとられるわけですね。Fというのは、これは百里の海岸から大幅にここを通る。さらに、これに交わるような形でEがつくられるわけです。  そこでお聞きしますが、防衛庁はこれは御存じだと思いますが、米軍がいま十ヵ所の訓練空域を日本政府に要求している。これは衆議院でも大きな問題になっている。その中の一つの鹿島灘沖の空域というのはどこなんですか。その位置、面積はどこなんですか。
  247. 久保卓也

    ○政府委員(久保卓也君) 防衛庁は所管ではございませんので、存じません。
  248. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは違いました。外務大臣。
  249. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 日米合同委員会の民間航空委員会に空域利用作業グループというものがつくられまして、いま鋭意、検討しておると承知いたしております。で、この仕事は運輸省の航空局のほうで御担当いただいておると思います。
  250. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) ただいまたいへん申しわけございませんが、手元に図面がございませんので、どの程度の広さかということはわかりかねますが、たしか、鹿島の東方のほうに要求される部分の一つがあるかと存じます。
  251. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、結論をお聞きします。  目下防衛庁の要求しているE訓練空域、これは米軍も要求しておる地域、これは重なる、こういうことを私たちは入手しているわけでありますが、これは違いがございませんか。
  252. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 平面的に見ますと、米軍の要求している訓練空域の中に防衛庁の要求している訓練空域が含まれるというふうに考えます。
  253. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、これは認められたわけですね。日本の自衛隊の訓練空域、これは要求中でありますけれども、それから米軍も要求しているこの訓練空域、それはいろいろ高度とか何かの問題も出てきましょうけれども、とにかく、大部分が重なっている。これがいまのこの日本の中で非常に私は重大な問題じゃないかと思うのです。日米共同作戦体制ということが、これは国会でも論議されてきました。そういう体制の中で、いま自衛隊は四次防に基づいて空の再編強化をこれはやっているわけです。そういう中で、その背景にやはりアメリカの体制があるのじゃないか。とりわけ、E区域という空域は、これは日米共同でこれを要求した、そういうにおいがする。現在の折衝が難航しているという問題、米軍が十ヵ所要求した、その中でこの鹿島灘のそういうところがはっきりこれは日米が重なってくる、こういうことは、非常にこれは私は重要な問題を持っておると思うのです。しかも、E、Fというこの空域は、成田の安全で運輸省が一生懸命に要求している。空域の一部を削るとか、高度についていろいろ協定するということでありますけれども、しかし、そういうものの代がえ的にいまのE、Fのこれは訓練空域が実は要求されておるというふうに考えられる。運輸省は、このような米軍や防衛庁の要求に対して、最後の決定者であります運輸大臣のこれに対する見解が問われておるわけでありますが、これはどのようにお考えになりますか。
  254. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 防衛庁との関係は、先ほど申し上げましたとおりに、覚え書きによって処理されておるのであります。米軍との関係につきましては、先ほど外務大臣から御説明がありましたように、日米合同委員会の下部機構として航空の分科会がありまして、そこで、いろいろの論議が行なわれておるのでありますが、大体、原則といたしまして、これは防衛庁と米軍との関係になるわけですが、訓練空域で防衛庁に割り当てました訓練空域は、原則としていままでのところは防衛庁と共用しているものが多いと聞いております。しかし、あらためて、この防衛庁の担当しております訓練空域のほかに、昨年の九月に米軍のほうから別に十ヵ所の訓練空域を要求してきておることも事実でございますが、これは日本の民間航空から見ますと相当困難な地域が多いんでありますけれども、やはりわれわれといたしましては、その中でどう調整したらばその訓練空域を提供できるかということにつきまして、具体的に技術的に検討を進めておるのでございまして、この点については、今日まであらためて新しい訓練空域を設定した事実はないのであります。
  255. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) 同じ空域について米軍と自衛隊が使用を申し出ておるということにつきまして、これは何というか、日米の航空合同訓練というか、そういうことをねらっておるのではないかという御質問があったと思うんですけれども、そういうことはございません。合同訓練をねらっておるわけではございません。申し上げたように、百里は当分の間操縦訓練を主としてやりまして、スクランブルは行ないませんが、操縦訓練というような関係でそういう空域を要請をしておる。もとよりこれは米軍と話をし合いまして、同じようなところでありまするからこれを使う、日本の周辺における空域がやはり狭いものですから、そういうふうに重なり合うということがやむを得ない結果であるということでございまして、合同訓練を目ざしてこれを要請しておるというわけではございません。
  256. 岩間正男

    ○岩間正男君 運輸大臣に伺いますが、検討中というが、認める方向で検討しているのか、認めない方向で検討しているのかというのが一点であります。  第二には、いまの防衛庁長官の答弁によりますというと、日米合同のためでないと、こういうことです。それなら何でわざわざ重ねる必要があるんです。疑惑が深まる。そういうようなばかなことをやるわけではないですから、はっきり米軍の訓練地は断わるんだと、ここで表明されるべきだと思いますがどうですか、この二点について伺います。
  257. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 検討中でございますから、全部拒否するかどうかということをきめているわけじゃないということを申し上げましたが、先ほどちょっと触れて御説明しておきましたが、米軍のただいま要求しております十ヵ所の新しい訓練空域につきましては、民間航空のたてまえから申しますと、困難な空域が多いというふうに私は感じておりますということを率直に申し上げたわけでございます。決定はしておりません。
  258. 岩間正男

    ○岩間正男君 好ましくないと。
  259. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 好ましくないよりも、非常にそういう困難な空域が多いということを申し上げただけでございます。いま、内容は検討中でございます。  それから、この日本のまわりの訓練空域でありますが、非常に広いようでこれは狭いんです。でありますから、民間のやはり航空機についての訓練をする空域も必要でございますし、防衛庁も必要でございますし、米軍も必要でございましょう。そういうわけで少ないですから、われわれのほうは、防衛庁に割り当てました訓練空域、これをなるべく米軍にほうとも共用されたらば、空域の倹約になるということで、防衛庁がそういう方法をとっておられることは、空域が非常に狭いという点から見まして、これは非常によいことじゃないかと思っておるのでありますが、しかし、これは米軍と防衛庁との間でおきめになることでございます。
  260. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、そういうことを言われますけれども、それは非常におかしいと思うんです。狭いから合同でやってもらいたいんだというが、その合同が非常に問題になっておるときに、そういうことをこれは運輸大臣が答弁されるのはおかしいです。それは安全のためには望ましくないんでしょう、米軍にこういう訓練空域を提供するということは、これははっきりしていると思うんです、困難だと言っている。非常に困難な条件にあるといったら、当然望ましくないでしょう、その感触。それで安全が守れますか、守れないでしょう。だからこれはぐあいが悪い。ところが、これは十ヵ所の中にもっとあるでしょう、自衛隊と重なるところは。
  261. 内村信行

    政府委員(内村信行君) 先ほど大臣から申し上げまして、九月に米国から再び申し出があったという十ヵ所、修正部分を含めると十一ヵ所になりますが、これは全部別のものでございます。防衛庁の訓練空域とは別のものでございます。
  262. 岩間正男

    ○岩間正男君 いや、偶然か何か知らぬけれども、重なる、そういうものはあるでしょう、同じ場所になるのが。ないですか。
  263. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 何か誤解をしていらっしゃるように思います。先ほど申し上げましたように、重なるとか重ならぬとかいう問題は、私のほうは民間航空の安全を守りたいために、防衛庁といわず、あるいは米軍といわず、訓練空域と民間航路とが重なることは非常に弊害がございますから、そういうことを避けるような空域を設定しているということをるる申し上げておるわけでございます。その意味におきましては、重なっても重ならなくても、とにかく、空域を航路と分けておるということは、われわれのこれは民間の航空機の安全をはかるというゆえんでございますから、そういう手段を講じておりますということを言っておるんです。  それから、あとでお話になった問題ですね、これは防衛庁に対しましては全国二十ヵ所と思いましたが、訓練空域の設定をしておることは事実でございます。これは覚え書きによりましてそういったものを設定しておるわけですが、その中で米軍がどの訓練空域を防衛庁と共用しているかということは、これは防衛庁と米軍との間の話し合いによっておやりになっておるんでありまして、われわれはよくその内容は存じません。
  264. 岩間正男

    ○岩間正男君 米軍の訓練空域については全然権限がないわけですね。これは外務省ですか、どうなんですか。
  265. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) どうもその辺、誤解があるように思うんです。先ほど外務大臣も御説明になりましたように、日米合同委員会の下部機構として航空の分科会がございます。そこで、そういう訓練空域をどうしようかというような問題が出てきておることは事実でございますが、米軍に対しましては、いま新しい申請が出ておりますが、これはまだ一件も新しい訓練空域の設定は認めておりませんということを申し上げておるわけです。
  266. 岩間正男

    ○岩間正男君 運輸省はそれを認めないと、こういう方針なんですが、外務省はどうなんですか。
  267. 大平正芳

    ○国務大臣(大平正芳君) 空の安全は何としても確保せなければなりませんし、それはたいへん航空技術上の専門的知識を必要といたしますので、運輸省の航空当局がその検討に当たっておるわけでございますので、私といたしましては、その検討、判断を御信頼申し上げています。
  268. 岩間正男

    ○岩間正男君 総理大臣に伺います。  外務省は外務省で運輸省でやっている、運輸省はいまの日米合同委員会と、こういうことになるわけですけれども、これは明確にしなきゃならぬと思いますが、どうなんですか。
  269. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 最終的には日米の間できめるわけでございますが、専門的な問題でありますから、運輸省、防衛庁、米軍との間で十分専門的に検討しなきゃならない、これは当然のことだと思います。
  270. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、運輸省にお聞きしますが、目下防衛庁が要求しているE訓練空域ですね、これをアンカレッジ、シアトル線で二分し、E1、E2として承認しようとしていると聞きますが、それで成田の民間機の安全は確保されるとお思いですか。
  271. 内村信行

    政府委員(内村信行君) 先ほども申し上げましたとおり、まだこの問題については結論が出ておらないわけでございます。ただ、先ほど防衛庁からもお話がございましたように、防衛庁といたしましては、やはり百里に飛行場がある以上、やはり訓練空域というものがある程度必要だろうということはわかります。しかし、私どもといたしましては、やはり民航の安全第一というふうなことを考えていますのが私どもの本旨でございまして、その意味から、特にそのノースポールのほうのルートに対して訓練空域がじゃまにならないように、こちらもの民航も安全、かつ訓練もできるという方法についていろいろと検討をしておる段階でございます。
  272. 岩間正男

    ○岩間正男君 いろいろ検討で、国会の質問にはっきり答えないというのは、これはいかぬと思うのですね。そうでしょう。最初は、これはE訓練空域は膨大なやつを全部これは防衛庁は要求してきているんでしょう。それに対して運輸省の立場としては、中に道を通せと、そういうことでこれは二分すると、こういうかっこうになっているんじゃないですか。E1、E2というふうに、これは分離されている。そして、その中でいま折衝されているのが現在の段階じゃないですか。そういうことは明確でしょう。どうなんです。
  273. 内村信行

    政府委員(内村信行君) 先ほども申し上げたことと思いますが、最初、防衛庁のほうから相当大幅な訓練空域という要求がございました。それに対しまして、私どものほうは、相当削減をお願いいたしまして、ほぼ三分の一程度に当たるかと思いますが、相当大幅な削減をお願いしたわけでございます。それにつきましてもなお問題がございますので、その問題についてなお詰めているというのが実情でございます。
  274. 岩間正男

    ○岩間正男君 こうしますというと、結局、最初の問題にいくわけですが、雫石のあの教訓、貴重過ぎる教訓というものはほんとうに生かされるようにこれはなっているのかどうか。これは問題だと思う。  ところで、アンカレッジ線はまさにパイロットにとっては疲労度の多い線だと聞いています。成田までの所要時間は八時間、その上、時差などの関係もあって、パイロットにとっては最もつらいところだと言う。かなりの疲労のため、複雑なコースや、軍事基地や、その訓練空域のそばを通ることは避けたい、これが航空安全のために必要だと思うのです。こういう点について考えますと、この百里との競合の問題というのは、非常にやはり大きな問題を今後に残しているんじゃないかと思いますが、これはいかがでしょうか。
  275. 内村信行

    政府委員(内村信行君) ただいま先生のおっしゃいましたように、いわゆるノースポールと申しますアンカレッジ経由路線、これは大体羽田に離発着いたします国際線の約二〇%ぐらいになるかと思います。そこで、先ほど申し上げましたように、銚子を経由して回ってくるとか、いろいろあるわけでございますが、それにつきまして百里との問題があることは確かでございます。したがいまして、いかにすれば、その百里との問題を調整し、安全にできるかということをいま真剣に検討し、これについてはパイロットの意見等も聞きながら検討を続けているということでございます。
  276. 岩間正男

    ○岩間正男君 さらには、この際、危険性を指摘しておきたいと思うんです。  成田への進入路の下を二マッハのF4ファントムが飛ぶんです。しかも、これは必要によれば当然これに対しましてミサイル、レーダーホーミング、スパロー、ファルコン、こういうものをつけるということもこれは迎撃体制では必要になってくる。しかも、スクランブルがかかったとき、その進入路を横切らないというこれは保証はないのです。それだけではない、E1、E2、それからF、この空域中で最も長いといわれる、つまり、いつでも訓練空域をはみ出す危険性を持っている、そんな訓練空域、そのトンネルの中をアンカレッジ、シアトル線が通るという形になるわけです。一体これで安全が保証されるというふうに考えられますか。
  277. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) ただいま先生が申されましたいろいろな航空機の名前あるいは性能等につきましては、私ども必ずしも承知しておりませんけれども、いずれにせよ、そのアンカレッジ方面に行くルートにつきましては一本あるいは二本あるいは三本ぐらいできるかもしれませんけれども、それについての安全を確保するのは最も重要なことでございまして、それにつきましてはスペースによって分離するとか、あるいは高度によって分離するとか、いろいろな方法がございますけれども、いずれにせよ、安全を第一に置いて考えたいというふうに思っております。
  278. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは空路の説明を十分やっているひまはありませんけれども、こういう形でしょう。(資料を示す)こっちからこれは発進する。こっちからこれは入ってくる。そして現在二万三千フィートですか、それを三万フィートにする。そして下のほうはまた二千五百、さらに地域によって変わりますが、三千五百、それから六千、それから進入路のほうは一万フィート、七千フィート、こういうかっこうで、これはずっと押えられるわけですが、その下は、御承知のように、これはスクランプルエリアから出ていくわけでしょう、急速に。しかも、マッハのこれはもうファントムが出ていくわけです。上もこれは通れることになる。そうすると、全くどうも一つのトンネルみたいな、空のトンネルのところをこれは民間機が通る、こういう事態が起こるのですよ。こういう事態が、いまこの百里と成田の間で起こっている問題じゃないですか。こう考えますというと、たいへんだ。だから、かつてIATA、つまり国際航空運送協会が、この成田空港が開港されるにあたって、開設されるにあたって、次のような勧告書を出していることがあった。百里エリアの民間への移管、つまり百里基地というのは取り払ってしまわなければ真の安全はこれは可能でないというのです。  もう一つは、西のほうですが、ブルー14をもっと西側のほうに移動させるべきだ、こういうことを、それは国際的な機関が勧告をしておる。これに対してどうお考えになりますか。
  279. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) だいぶ前でございましたが、IATAのほうからそういう要望書が入ったことは私存じております。で、おもな内容は、つまり百里の関係でございました。それからブルー14の関係、それから三宅島にVOR、DMEを置かないと分離がうまくいかないというふうなこともございました。それで三宅島につきましては、もうすでにVOR、DMEにつきましては、問題は解決しております。  それから、この百里の問題につきましては、先ほど来お話し申し上げますように、高度のセパレーションなり、あるいはスペースのセパレレションなりをやりまして、先ほど先生お持ちの図でございますが、先ほど来申し上げましたように、私どもなお、これ、いろいろな案を持って検討中の段階でございまして、まだはっきりきまったわけではございません。したがいまして、そういう状況でもって鋭意検討いたしておるということでございます。  それからブルー14の問題でございますが、ブルー14の問題も、おっしゃるように、西方に横田エリアがあり、ブルー14がある。それからまん中に羽田のエリアがある。それから百里がある。それから成田がある。こういうふうなかっこうになっておりますので、羽田のエリアを広げますことによって、羽田の効率がよくなるということは、これは確かでございます。そこで、米軍のほうとも折衝いたしまして、ブルーMの先、北側のほうを少し縮小するということによって、羽田から北へ上がる空域をもう少し広げるということについては、最近米軍との間では了承がとれております。  なお、本件につきましては、鋭意折衝いたしまして、民航の安全のために考えたいと思っております。
  280. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、成田がフルに動き出したらどのぐらいになりますか、発着機数は、年間。
  281. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) ただいまの御質問、成田に一本滑走路ができたらば、一体発着回数はどれくらいこなせるかと、こういう御質問と思いますが。
  282. 岩間正男

    ○岩間正男君 それの関連を言った。どのくらい……、全部いまの計画が発動したら。
  283. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) いまの計画でございますか。いまの計画が全部発動いたしますと、一期、二期含めまして、大体二十六万ちょっとではないかと思います。
  284. 岩間正男

    ○岩間正男君 羽田のエリアがあって、百里のエリアがある。その間に今度は成田のエリアができる。そこのところは、非常に大型の今度はジャンボジェット機その他が入り乱れる。そういうとき、一体空の安全はどうなるのか。そして、この百里基地との競合問題が非常に大きな問題になる。結局は、成田国際空港と百里基地は両立しないのではないか。これを両立さして無理にやれば、必ず先にそういう事故というものがこれは予想されるのじゃないか。政府はその決定に迫られているのじゃないかと思いますが、これはどうでしょうか。田中総理にこれはお聞きしたほうがいいと思いますね。どうですか。
  285. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 非常に長い間苦労をしてつくっておる成田空港でございますから、成田空港の機能が十分に発揮できないような、そういう航空管制は絶対にできません。でございますから、おっしゃるように訓練空域のことも当然でございますけれども、もう一つ大事なのは、航空交通管制の問題もございます。これらにつきましては、専門家を集めて最大限の努力をして、両者の調整をはかって、民間航空機がそれによって非常な被害を受けることのないように、これは万全を尽くすことは当然でございますから、その点は、いまそういうことで、関係省との間に鋭意検討を進めておるわけでございますから、しばらくこの結果をお待ちいただいて、その上で御批判をいただきたいと思います。
  286. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、単に技術上だけの問題でないですから、十分にこれば検討してほしいと思う。  最後にお聞きしたいのですが、それは空の事故と米軍との関係です。すでに横田と岩国を見れば明らかなように、日本の空には米軍が依然として君臨し、その広大な空域と航空路、そうして支配権を独占的にこれは維持しています。このため、民航機は常に圧迫されて、ニアミスは続出している。  まず、昨年一ヵ年に起こったニアミスを明らかにしてもらいたい。
  287. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 昭和四十七年の一月から十二月――これは暦年でございます、に起こりましたニアミスとして私どもに報告のあった回数は、全部で三十二件でございます。
  288. 岩間正男

    ○岩間正男君 その中身はわかりませんか、三十二件の中身。つまり、民間機、自衛隊機、米軍機とのニアミス。
  289. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 民間対民間が十六件、それから相手方不明が四件、あとが大体自衛隊機かと思います。十二件と思います。
  290. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間の関係から、この数字に食い違いがあるようですが、次に移りますが、雫石事件のときも国会で米軍との関係が大きな問題となって、安保条約や地位協定がきびしく追及されました。その結果、地位協定第五条による日米合同委員会の合意書、付属文書の撤廃が要求されました。とりわけ三十四年の第三付属文書、この中には「防衛任務に対しては交通管制上再優先権を与える」と書いてある、こういうものの撤廃が要求された。これに対して当時佐藤総理は、米側に協力して善処するの一点ばりでしたが、それはその後どうなりましたか。
  291. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) それにつきましては、ただいま先生御指摘のとおりの国会のお話がございまして、それから合同委員会の中の航空分科委員会、そこでその問題を詰めております。  その方向といたしましては、現在、防衛庁と私どもとの間で中央協定と申しますか、覚え書きを結んでこれを改定いたしたことは、先生御承知のとおりと思いますが、大体そういうふうなことに米軍との間もすべく、そういう方向でもって現在折衝を続けております。
  292. 岩間正男

    ○岩間正男君 それにもかかわらず、依然として支配しているのはどういうわけですか。岩国、横田を見てください。
  293. 内村信行

    ○政府委員(内村信行君) 支配ということばの問題でございますけれども、管制権というものは、航空路管制は全部持っております。沖繩においては、いま事実上は管制行為をやっておりますけれども、内地は全部日本側が管制をやっておる。ただ、提供している基地の横田であるとか、岩国であるとかというところにおける管制は事実上米軍が行なっておる。これはまあ先生御承知のとおりでございますが、そのほかは全部管制権というものはわが国が持っておる、また、現実の管制もしておるという状況でございます。そういった意味では、米軍の支配を受けているとは思っておりません。  ただ、おそらく先生の御指摘になりますのは、優先的な、管制上に優先権を持っているとか、そういうことがあるのではないかというふうなことが御指摘の筋かと思います。確かに、前の合意書の付属書の中では、防空に従事する米軍が優先権を持つというふうなことはございましたけれども、現在、防空は自衛隊が担当しておりますので、実際上、防空のために米軍が優先権を持つということはございません。ただ、その合意書の文言には、確かにそういった内容のものはございますので、そういうものをなくしまして、先ほど申し上げましたような、現在の防衛庁と私どもとが結んでおる覚え書きと同じようなものにするということで、いま鋭意努力中でございます。
  294. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、はっきり、合意書と付属文書を明確に優先権を認めないようにすべきですね。これが一つ。それをはっきりすること。  それから、協力などと言ったが、協力どころか、米軍はますます空の支配を強化しているのが現状じゃないですか。ことにもうアメリカは……。
  295. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 岩間君、時間が参りました。
  296. 岩間正男

    ○岩間正男君 このニクソン戦略と切っても切れない横田、岩国、三沢などを絶対に手放そうとはしていません。これは力の政策のあらわれであって、自衛隊は、その総合戦力構想の一環でもあります。そうして四次防によって、航空自衛隊百里基地はいよいよ強化され、同時に、アメリカの補完的な部隊としての任務も、これは遂行させられようとしている。この力の政策の協力に立つ限り、空の事故をなくすことなど、根本的にこれは解決つかぬ、ますます激増のこれは要因を持っているわけです。  で、田中総理に伺いたい。あなたは、この事実に対してどのように対処をするのか。国の最高責任者として、これは重大な問題ですから、この点について、はっきりと決断を伺いたいと思うのであります。
  297. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 日本の空がふくそうしておることは事実でございまして、航空機が大量輸送機関として登場しておる現在でございますので、人命尊重、安全運航のために万全の措置を講じなければならないことは当然でございます。また、国内航空の安全をはかるとともに、自衛隊の訓練も必要でありますし、また、安保条約上の米軍の試験飛行等も当然考慮し、この三者の調整をはかってまいらなければならぬわけでございます。先ほども、日米間の問題につきましては航空局長から申し述べましたが、昨年九月一日、日米合同委員会の下部機構である航空分科委員会会議の決定によりまして、これらの問題を土台としまして、技術的な角度から、双方で取りきめております問題に対する改定交渉というものも進めるようにいたしておるわけでございますし、日米双方の代表からなる作業部会を設置して改定作業も進めておるわけでございますので、空における事故の絶滅を期して、遺憾なきを期してまいりたいと、こう考えます。
  298. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) これにて岩間君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――
  299. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 山田勇君。
  300. 山田勇

    ○山田勇君 いつものことながら持ち時間がまことに短いので、質問の舌足らずのところは十分御賢察を願いまして、わかりやすく明確に御答弁をお願いいたしたいと思います。  池田内閣の所得倍増政策以来、経済成長は驚異的な発展を遂げたとして、国の内外から大きく評価されてきましたが、一般庶民の立場に立ってじっくりと考えてみますと、はたしてこれでよかったんだろうかと、多くの疑問が浮かんでくるのであります。確かに所得はふえ、カラーテレビや冷蔵庫、それにマイカーなど、物質的にも恵まれてまいりましたが、しかしながら、失われたものも何と多いことでしょう。日本の美しい自然風土、そうして何よりも大切な日本人の豊かな人情、これが、経済成長のひずみから各方面に派生したいまわしい公害と引きかえに、失われていったのであります。いまこそ謙虚な気持ちで、物心ともに豊かな将来の日本のビジョンを真剣に考えるときではないでしょうか。  おそまきながら、ほんとうにこれはおそまきながらです、前の佐藤内閣の末期では、経済第一主義がら福祉優先へと政治の流れを変えるはしりを見せたのですが、そのあとを受けた田中内閣は、日本列島改造論を表看板にして登場したものの、その意図するところとはうらはらに、結果的には、大企業、大手商社などに、土地の買い占めや投機の指標を与えたのみで、日本列島はますます荒れすさみ、環境破壊はとどまるところを知らないといった現状であります。さすがに総理も、列島改造論のもたらした害悪に反省をされたのか、改造論の改訂版を出す心境とか、新聞に報じられておりますが、反省の上に立って書かれようとする列島改造論改訂版の大筋はどのようなものになるのでしょうか。  自由経済の名のもとにあらしのように荒れ狂った大手商社などによる投機、買い占めは、ようやく国民世論の前に頭を下げたかのように見えますが、もともと利潤追求、金もうけが目的である商社にとって、一時は姿勢を低くするものの、またぞろぞろと頭をもたげることは火を見るより明らかなことであります。  そこで、投機規制法は当然、物資の放出命令や強い罰則規定を設けるものでなければ効果はありません。総理は、規制を強化すれば統制経済の印象を国民に与えると申されますが、政府の取り締まり方針がなまぬるいようでは、国民の怒りは爆発します。学生や若者の無軌道な行動には、自由のはき違いとしてきびしく取り締まる政府も、大手企業、大手商社の自由を逸脱した行為には寛大であるというのはどういうわけでしょう。質的には違っても、その国民に与える影響は後者のほうがはかり知れないほど大きいことは言うまでもありません。この二点について、総理の考えを聞かしてください。
  301. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 世界には百四十余の国がございますが、その中で一番いま困難な問題、解決しなければならない問題、政治の重大課題は何かといいますと、貧困からの脱却であります。それから失業の問題でございます。きょうもエカフェの会議がございまして、五百名余の、諸国から代表が集まっておりますが、この第一は、貧困、貧乏の追放であります。失業の排除であります。これは戦後の驚異的な経済成長と言われておるような状態であって、完全雇用を達成し、貧困から脱却できるような状態になりつつあるということは事実でございますから、これは政治的な課題としては、大きな収獲をおさめたものであることは、人類が書いておる歴史の中の一ページを書いたものであると言っても過言でない。これはとにかく事実でございます。  しかも原材料を持たない日本が、原材料を持つ国と自由な市場で競争しなければならない宿命の中にありながら、日本人は国際競争力を培養してまいりました。だから、前半の戦後四半世紀における政策は誤りではない。誤りではないというよりも、非常に大きな成功を得たものであるということはこれは言えるわけであります。同じ原材料を日本に輸出をしておる国々が、いま貧困と失業に泣いておるのでありますから、これは政策的には成功したということをすなおに認めていただかなければならぬわけであります。  しかし、後半における成長の速度が非常に早かったということと、都市に集中するという過程において経済成長がなしとげられたということで、都市における現象が起こっておるわけであります。それは、一つは公害であり、一つは交通の混雑であり、たくさんの住宅をつくっても住宅は依然として千万戸の不足を訴えておるということでございます。社会的生活環境が荒廃しておる。その中に人の心が失われつつある。物と心とのアンバランスが指摘をせられておるのでございます。  ですから、ことしから、この今度は持てる力をもってわれわれは理想に向かって前進をしよう、こういうことで、社会資本の蓄積、生活環境の整備、社会保障の拡充、心の充実のためにいろいろな施策に踏み出したわけでありますから、これは持てないときにはできないのであります。持てないときにはできません。ですから、国民のエネルギーの集積であるこの財産をもととして、これから有効に後代に残る日本をつくりましょうと、こう言っておるのでありますから、私は、そのスタート台に立っておる、こう理解をすべきだと思うのでございます。  商社の問題その他ございましたが、これは平価調整とか変動為替相場制という、われわれが初めて経験をする問題でありましたし、中小企業や零細企業という特殊な階級をたくさんかかえておる日本としては、やはり安全の上に安全をもたなければならぬことは言うまでもありません。あまり合理性を追求することによって、中小企業や零細企業が影響を受けるということは避けなきゃならぬわけであります。その安全を見た過程において、一部企業の手元資金を豊富にしたり、買いあさりや額い占めというような事態が起きたことは事実でございますが、これは国土の総面積からいって何%にも満たないのであります。一%、二%というものでございます。まだ日本は悠久に続くのでございますから、目の前の問題に対して対応策を講じなければならないとともに、悠久な日本人の生命に対して長期的展望に立って政策を行なわなきゃならぬことはこれは当然でございます。まあ国会でもおしかりを受けながら、御叱正を賜わりながら、いろいろなことをしたから、いろんなことはいま暴落をしておるじゃありませんか。ストップ安に対してかんぬきを入れなきゃならぬということが、このごろ紙面に散見をするような状態でございます。私は、御審議をいただいておる四十八年度の総予算の執行に慎重な配慮を払い、しかも金融政策など弾力的に行なうことによって所期の目的は達し得る、私はそう考えておりますし、またそれが政府の責任であると考えております。  列島改造論問題に対しては、先ほども申し上げましたが、これはもう国土の一%に三分の一の人間が住んでおれば、公害も起こるし、車の衝突も起こるし、心もすさむし、もうあたりまえのことであります。地価も上がるしということでございますから、いろんな法律案をいま国会に御審議をいただいておるのでございますから、そういう措置をすることによって、私は当面の問題が解決するだけではなく、列島改造というものがすべり出すと、こう思うのでございます。  先ほど御質問がありました電力の問題ことしの八月になって冷房用の電力を供給できないというのが関西電力の実態でございます。これで一体どうして都市が繁栄するでありましょう。都市の改造がどうして行なわれるでありましょう。私は、自然を守りながら――自然を守るということは、原野のままに、原始的なままにしておくことじゃないんです。一つだけ申し上げますと、ワシントンにはロック・クリークという公園があります。あのまん中には、ちゃんと道路として主要幹線をなしておるのであります。あこ公園の中の道路を取れば、ワシントンの交通は麻痺するのであります。ですから、水や電力や、一次産業との労働調整や、生活環境をほんとうに理想的なものにするということで、列島改造を行なわずしてできるものではありません。私は、その意味において、間違いではないという考えでございますが、ただ、あの立論のしかたが、経済的指数だけを表に出しておりますから、これからほんとうに真に住みよい、この国に生まれたことを喜び合えるような日本をつくり、社会保障の拡充された社会をつくるには列島改造をしなければならないんですと、こういうふうか書きようがあったわけですが、そういうことで、列島改造の第二部をひとつ増補しようと、こういう考え方を述べているんです。そうすると、この列島改造ができればこんなによくなりますという図面をつけたり、透視図をつけたり、そういう、なるほどと、一目瞭然ということでひとつやりたいと、こう思っているんです。
  302. 山田勇

    ○山田勇君 中曽根通産大臣にお尋ねいたします。  先ほど通産省が繊維製品などの不買運動を国民に提唱したことは、おそきに失したとの声があるにせよ、国民サイドに立った行政として一応評価してしかるべきだと思います。しかしながら、これとても政府の人気挽回の見せかけ、行き当たりばったりであるならば、化けの皮はすぐはがれるはずであります。真に国民優先の施策の一環として恒久的にアニマル退治を推進していくならば、政治に対する国民の信頼を少しでも回復できるチャンスになるのではないでしょうか。  政府は、需要に見合う物資があるにもかかわらず、品物不足の風評や業者の買いあおりに乗るようなことのないよう、十分適切な情報を提供すると表明しておりますが、そこで、あらかじめ通産、農林関係の物品について幾つか列挙して、需給関係、買い控えなどの情報をお願いしておいたのでありますが、時間の都合もあると思います。簡単でいいですから、ここに書いてきた表があります、この表に従って、わかりやすくお知らせを願いたいと思います。(図表を掲示)
  303. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) それは、山田君、あの表に対して各大臣の答弁を求めるわけですか。
  304. 山田勇

    ○山田勇君 そうです。
  305. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) お答えを申し上げます。  大体、繊維製品については、需給がバランスしているか、あるいは今後、値が下がっていくだろうと一応予想していいと思います。この中で絹でございますが、絹は、最近中国からの輸入その他がございまして、商品相場その他が暴落しているのは御存じのとおりでございます。これは大体正常化しつつあると思います。  それから毛糸につきましても、需給はバランスしておりまして、先般来、一部投機めいたことがございましたが、いま毛糸の値は下がりつつあります。これも心配はありません。  それから綿糸についても同様でございまして、これも需給はバランスしておりまして、下がりつつあります。  それからせびろについては、毛を買ったときの値が少し高かったので、国産物については多少上がるかもしれません。しかし絶対数量については、大体千万着分ぐらいの毛糸はある。需要は約八百万着です。ですから、需給全体から言えばバランスしておりますから、そのとき手に入れたのは高かったというので、少し高い値で売り出されるものがあったら、がまんしてもらえば下がるだろうと、私はそう思います。ただ外国物は、イギリスのものがいいとかなんとかというのは、これは選好嗜好といいますか、金持ちがやはり買いたがっているというものがあると思うので、贈答品とか、こういうものは上がるかもしれません。しかし国産品については、需給は心配要りません。輸入洋服地はいま申し上げたとおりでございます。  それから花嫁衣装については、これは人件費の値上がりがここの部分には響いてくるようです。ですから、人件費の値上がりがどの程度響いてくるかということによって花嫁衣装の値上がりという問題が心配されております。これは心配されるほうに入っております。  それからガーゼについては、大体需給はバランスしておりまして、特に衛生材料関係については、原反製作者から直接いま資料を供給いたしまして、緊急増産をやっておりますから、それは片づくだろうと思います。  家具については、木材の値段が上がってきまして、これは心配するほうであります。  木材については、農林大臣の分野でございますが、最近は、暴騰したのが反落してきて、大体反落で正常化しつつある。ただ、アメリカが輸出制限を法律で出してきているわけです。アメリカの輸出制限の法律が通ったりして狭まれてくると、思惑が出てくる。それに負けないように国内の木材を緊急伐採をやって出す、これは農林省の腕前にかかっているだろうと、そう思います。合板についても、大体需給はバランスしてまいりました。しかし、これは心配のほうに入ります。いま言ったように、木材の需給関係は、外国との関係が入ってまいります。  あとは大体農林省の品物ですが、貴金属については、これは趣味、好みによるのであって、暴騰するとかなんとかという類のものではないんですね。ちょうど絵や何かを買うというようなもので、金が余ったから買っておこうとか、あるいは近ごろはお医者さんとか弁護士など、金が余ってきているんでしょうか、買うのがうんと多くなっています。そういう趣味嗜好の部分で、一般大衆のものではちょっとこれは考えられない。  それから畳の問題でございますが、これはまだ読み切れないところであったんですが、畳表の問題は、昭和四十七年の畳床の出荷は、前年比一七・六%増の三千二百七十万畳で、かなり大幅な伸びを示しています。価格については、品質による若干の差はあるが、昨年十月ごろから上昇傾向を示し、昨年九月から本年三月までの半年間に約二〇%の上昇を示していると見られます。この傾向は、やはり住宅建築等の需要増というものが大きな原因あるいは工賃の上昇等にもよるようです。そういう情勢からして、まだ住宅需要というのはかなりあるようですから、早急な値下がりはむずかしく、また買い控え等による効果は期待しがたい。こういうところでありますから、やはり畳関係は心配なほうに入ると、そういうことでございます。
  306. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) それでは、大豆から申し上げます。大豆は、一番高いときに六十キロ一万五千円まで上がりましたが、現在四千八百円に下がっておりまするから御安心願います。なお上期百九十万トンの輸入の手配が済んでおります。  それから牛肉でございまするが、これは四十七年の消費量三十四万八千トンに対しまして、国内生産が二十九万一千トンという需給のアンバランスの影響で非常に価格が高騰をいたしましたが、緊急輸入一万トンをいたしましたし、また、この四月以降上期に大幅に輸入割り当てをいたしておりまするので、もうしばらくしたらば値が下がっていくものと思います。  それからマグロにつきましては、これはしばしば委員会で問題になりましたが、一船買いのやり方というものが問題ではございまするが、価格面につきましては、十一、十二、一、二、三とずっと横ばい状況で、少し高い程度でございます。  その次がタラコでございまするが、これは親魚であるスケソウダラの水揚げは前年並みでございますが、無抱卵ものの比率が高まりましたので、その影響を受けて、価格面で若干の値上がりを来たしております。  ラッキョウにつきましては、一万四、五千トンの消費量でございまするが、いま端境期でございまして、そのためにラッキョウの値上がりはある程度見ておると、そういう状況でございます。
  307. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 山田君、もう一覧表、いいですか。
  308. 山田勇

    ○山田勇君 はい、いいです。
  309. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 取りはずしてください。
  310. 山田勇

    ○山田勇君 続いて、もう一点お尋ねいたしますが、四月六日通産省が発表した世界主要都市で調べた消費者物価についてでありますが、調査時点は去年の三月ではありますが、東京都は世界三十四都市中二十一番目にランクされ、物価高に悩む都民にとっては納得のいかぬ数字が示されております。調査品目に問題があると言われていますが、要するに、この調査の発表の意味、目的は何であるのか、その辺をお伺いしたいと思います。  それと、いま言われたとおり、何でもないようなラッキョウの値段、また絹製品の問題等、関係各大臣が、こういう委員会を通じて、こういうものは上がるでしょう、こういうものは需給のバランスがとれましたと言うことによって、一つの大きな国民に与える情報源として、貴重な問題であろうかと思います。そういうことによって、一つの内閣の国民に対する信頼というものも生まれてくるんではないかと思います。今後ともそういうふうな積極的に情報提供といいますか、そういう形で推し進められることを特にお願いをいたします。それと、その調査時点の問題をお答え願いたいと思います。
  311. 中曽根康弘

    ○国務大臣(中曽根康弘君) これは毎年ジェトロでやっておりまして、駐在員を通じて物価調整をやって、日本の都市、特に東京というものが、世界の物価情勢の中でどういうポジションにあるか、大体の概念をお示ししようというのでやっておるのでございます。今度の結果で見ますと、結論から申し上げると、先進国の主要都市の中ではあまり暮らしやすいほうではない、こういう結論を通産省では出しております。そこで、東京を含めた三十四主要都市の中で、東京は高いほうから二十一番と、こういうふうになっておりますが、これは品目のとり方によって、こういう水準が出ておる。これは毎年毎年これを追跡していくことによって、どう移動しているかというのを見るという、そういう意味でございます。それで、実質所得水準がアメリカに比べて日本は低い、大体十番目ぐらいになっているそうですが、それだけに、物価上昇が国民生活に響く響きというのはかなり大きいのだ、そういうことはまた考えられているわけです。概して言えることは、農畜産物及び加工食料品が諸外国に対して東京は高い、その反面、耐久消費材その他工業製品が比較的安い、こういう結論が出ておるわけであります。
  312. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) この四月から民間テレビ放送を通じて、生鮮食料品の市況動向を調べます。また、テレフォンサービスによる生鮮食料品の消費者選択に関する情報の提供をいたすことにしております。ただ、従来どおりのことでございますが、ただいまの二つはこの四月から大いにやりたいと思っております。
  313. 山田勇

    ○山田勇君 続いて、防衛関係について若干お尋ねいたしますが、長官、日本の仮想敵国がよく国会でも問題になり、論議されるわけですが、どこの国でしょうか。
  314. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) 毎々申し上げておりますように、わが国は仮想敵国というものを想定いたしておりません。
  315. 山田勇

    ○山田勇君 三月四日のニューヨークタイムズで、日本の自衛隊はソ連、中国のいかなる攻撃からも日本を守るための軍事計画を起草したという報道を見たのですが、その辺の事情を御説明をいただけないでしょうか。
  316. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) ソ連、中国からのいかなる攻撃にも対処する計画を立てたというんですか。
  317. 山田勇

    ○山田勇君 そうです。軍事計画を起草した……。
  318. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) まだそういう作戦計画みたいなものはつくっておりません。
  319. 山田勇

    ○山田勇君 私は、かねがね防衛問題を考える場合、いつも疑問に思っていることが一つあるんですが、それは民間の防衛体制についてであります。四月五日の読売の小さい囲み欄に「防空ごうはいりませんか」という、ショッキングでもあり、ユーモラスでもあるタイトルの記事を見つけたんでありますが、内容は、防空壕を売りつけるというより、まあ逆に反戦を訴えている人の話でありますが、戦争を体験した人々は、いまでも空襲などというなまなましい思い出が消えないもんであります。四次防、さらには五次防というばく大な予算が考えられていますが、この中には、民間に対する直接の防衛の予算は全然組み入れられてないのでしょうか。  中国を訪問した友人から聞いた話ですが、北京で泊まった宿舎の中庭のあずま屋は地下壕への入口になっていたということです。まあ新聞などでも、地下鉄は防空壕を兼用してつくられていることを現地からの報道として伝えていますが、また毛沢東も、年頭のスローガンの第一に、深く壕を掘れと教えているそうですが、日本では、最近各都市で地下商店街が数多くつくられ、また東京など、この国会周辺や東京駅など、地下四階、五階と掘り進められていますが、もちろん地下鉄本来の目的でつくられたものではあると思いますが、一たん有事のときは待避壕として考えられているんでしょうか。
  320. 増原恵吉

    ○国務大臣(増原恵吉君) おっしゃるように、国の防衛は自衛隊だけでやることはできるものではございませんで、いわゆる民間の防衛といいまするか、そういうこともきわめて重要でございます。しかし、まあ現在のところ、わが国は戦後発足しました自衛隊がこの防衛の任に当たるわけでございまするが、毎々申しまするように、専守防衛という立場でありまして、万一わが国に武力攻撃がありましたらば、小規模なものは自力で、それ以上のものは日米安保体制によってこれを守るということでございまして、そういう意味の自衛力整備のいまの段階でございまして、必要ではございまするが、いわゆる国民の防衛、防空壕の設置などというものには――これは一たん有事の際を考えますれば必要はありまするが、まだそこまで研究が、実施が、手が伸びないという状態でございます。また、そういう問題は防衛庁だけで解決できる問題でもございません。政府全体の立場から民間の協力を得るということでございまするが、現在はまだそういうところまでの検討はできておらない。いまできておる地下街が、いざというときは防空壕に使われるというようなことを考えてつくられておるというものではないと考えます。
  321. 山田勇

    ○山田勇君 日中の国交が回復し、ベトナム、ラオスの停戦、パリ平和会談、また米中共同声明の発表など、緊張緩和が広がっています。一方、自衛隊がアメリカ極東戦略の中に深く組み込まれ、米軍の指揮掌握のもとにたることは常識化され、おのずと仮想敵国も限定されてくると考えるのですが、いずれにしましても、主人公である一般国民の防衛体制についてほとんど論議されないまま、日陰の者のような自衛隊がどんどん大きくなっていきます。だれを守るための自衛隊であるのか、日陰者の自衛隊が主人公の国民に反抗するようなことはないとは思いますが、何となくそらおそろしい感じもなきにしもあらずです。一般の国民の防衛体制を論議する必要がないほどわが国の安全が保たれているならば、いまの防衛力の限界は大幅に縮小、修正されるべきであると私は思います。  それと、時間が来ました。あと一点だけ選挙法を聞きたいと思ったんですが……。
  322. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) じゃ、簡単に一点だけどうぞ。
  323. 山田勇

    ○山田勇君 最後に一点だけお願いします。  最後になりますが、これからの政治は、単に一国だけの利害について考えればよいという時代でないということはだれしも認識していることであります。公害、環境破壊は世界的な規模で増大し、これと逆比例して枯渇していく地球上の資源、この限られた資源を有効に使わなければならない時点に来ている現在、いまだに使い捨て、消費は美徳の思想はぬぐい切れません、というより、使い捨てしなければ生活ができない環境を生み出している社会こそ告発されなければなりません。自動車の激増は排気ガス、交通事故死が年々……。
  324. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 山田君、簡潔に願います。一分過ぎましたから。
  325. 山田勇

    ○山田勇君 年一万六千人をこえ、夜通し突っ走る騒音公害など、GNP世界第二位といばってみても、狭い国土を世界に製品を提供する一大工場としただけで、海も川も陸も、国土全体が汚染されてしまったのではないかと思われるほどの荒れようでございます。一般庶民に持たされたものは、見せかけの繁栄だけ、道徳心はすたれ……
  326. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 簡潔に願います。
  327. 山田勇

    ○山田勇君 子を産み捨てる若い母親はあとを断たず、人間の情けは失われてしまったのです。  いまこそ、総理が先頭に立って、まず、身障難病者、原爆被災者、公害患者、老人、そして低所得者など、社会の下積みとなって苦しんでいる人々を最優先的に援護する政策を打ち出して、決断と実行のお手本を示してほしいものであります。
  328. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 山田君、二分過ぎましたから、簡潔に願います。
  329. 山田勇

    ○山田勇君 庶民宰相として、国民の期待を裏切らぬよう、名実ともに備わった政治を国民の前に展開されるよう、強く要望いたしまして、時間オーバーしましたことをおわびしまして、私の質問を終わります。
  330. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 答弁はよろしいんですね。
  331. 山田勇

    ○山田勇君 けっこうです。
  332. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) ありがとうございました。  これにて山田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、締めくくり総括質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。よって、三案の質疑は終局したものと認めます。     ―――――――――――――
  333. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) これより討論に入ります。  討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べを願います。森中守義君。(拍手)
  334. 森中守義

    ○森中守義君 私は、日本社会党を代表し、昭和四十八年度予算三案に対し、全面的に不満、かつ絶対反対の討論を行ないたいと思います。  まず、三案の内容を問題とする前に、政府に対し、厳重に警告をいたしたいと思います。  その第一の点は、例年のこととは言え、本年もまた、全般にわたる政府見解の不統一、失態等々、まゆをひそめるような醜態のために、いたずらに日程を狂わしめ、おのずから年度内成立を不可能なものとし、またまた財政法三十条をたてに、暫定予算を提出し、憲法六十条を背景に、自然成立を見越して本院での審議を大幅に制限せしめたということであります。  本院は、予算審議が一定期間に拘束されている現実から、いかに効率的、内容的、高次元的に取り組むべきかは、議長をはじめ全議員が党派をこえ、真剣であることを自負しているところであり、政府の態度と措置は、二院制のもとにある本院のべつ視であり、かつ、財政民主主義の原則を破る暴挙であり、あらゆる機会にあらためて問わるべき重大な問題であります。  その第二の点は、予算審議を通じて浮きぼりにされた官僚の姿勢についてであります。あえて顕著な事例をあげておく必要があります。  その一つは、防衛庁の施設庁長官が、指示されていた時間に出席せず、一時間余も審議に障害を与えたこと。  その二は、防衛庁防衛局長が、平然とうその答弁を繰り返し、文民統制の現状に大いなる疑惑を持たせ、ひいては政府答弁全体についてその信憑性をあらためて吟味する必要を痛感をしたことであります。  その三は、外務省事務次官が、閣僚答弁を暗に否定、かつ批判をしたということであります。  第四は、財政当局が、重要な財政資料の提出を頑強に拒み続け、その秘密性を貫こうとし、財政を予算審議の対象外の観念にあくまで立とうとしたこと。他面、その資料が横流しをされ、あまりにも高価に市販をされ、黒い疑惑を持たしたこと等々であります。  これらは、一党独裁のすき間に官僚の独善が台頭し、議会制度の危機感をいまさらのように知らしめたことであります。  総理をはじめ全閣僚は、現状を直視し、信賞必罰を具体的に実行すべきことはもちろん、議会制度下における官僚のあるべき姿勢を事実をもって確立さるべきであり、本院はその推移をきわめて重大な関心を持って見守るものであります。  さて、予算三案の内容についてまず指弾されなければならないことは、予算編成に対する政府の基本姿勢についてであります。  政府は四十八年度予算編成の基本方針として福祉の向上、物価の安定、国際収支の改善を三大課題とし、これを同時に達成することが主目標であるとしているのであります。そして政府みずからこれをトリレンマの悩みと称し、この困難を乗り切ることが財政主導型による四十八年度予算の使命であるとしております。しかし、激動する国際情勢の中での日本経済のあり方と、国民すべての願望をあわせ考えてみますならば、この三本の柱を同時に達成するとか、トリレンマの悩みという発想自体が根本的に間違っていると言わざるを得ません。  今日、国民が最も熱望し、かつ世界じゅうのまなこが注がれているのは、日本経済の見せかけの繁栄、国民福祉を無視し、その犠牲の上に成り立つ無謀とも言うべき国際競争力を生んだ経済構造と政策の運営をいかに是正し、転換するかにあることは明々白々なことであります。してみれば、三つの課題の同時達成ではなく、国民福祉と社会保障の向上一本に政策の基本をしぼり、体質改善を最重点に、思い切った資源配分をすることが、同時に物価の安定と国際収支の改善に役立つことになるのは理の当然と言えるでありましょう。  しかるに政府は、表向きには三本の柱の同時達成という政策を掲げながら、実は列島改造という名のもとに、高度成長維持政策を基本としているところに、国土の荒廃、公害の拡散、物価暴騰から人心の腐敗に至るまで、今日のあらゆる諸悪の源泉があると断言せざるを得ないのであります。虚構の施策、手順の誤り、優先順位を無視したところの列島改造策、これらを撤回しない限り、福祉も生活安定も、さらには国際的信頼すらもかち得ることは不可能だと考えるのであります。  次に指摘をしなければならないのは、内外の情勢についての見通しの誤り、タイミングを失った無責任な政策運営であります。  昨年秋、すでに経済成長のいわゆる瞬間風速は一〇%をこえ、景気は回復過程にありながら、円切り上げ防止には国内景気の早期回復以外にないという硬直的な思考から、公共土木事業を中心とする大型補正予算を組み、外為会計の大幅黒字に基づく国内通貨の膨張と超金融緩慢政策を背景に、金融機関からの巨額な貸し出し増加傾向を放任し、未曽有の量にのぼる過剰流動性資金を発生させたのであります。あまつさえ、内外に対する公約たる円対策の実行をサボり国際通貨情勢の変化を予想外の事態という口実にすりかえ、無為無策に過ごしてきたのが今日までの政府の態度であります。  経済見通しの前提がくずれているのに予算の修正に応ぜず、さらに超大型のインフレ予算を発動させることは、あたかも狂った羅針盤を持った大型タンカーを波荒い大海に出航させるようなもので、これでは、ばく大な手元流動性資金を持つ大企業や商社その他大小もろもろの投機資金保持者が、土地に株式に各種商品に、買い占め、売り惜しみの思惑に出るのは当然のことであります。そして買いだめできるものは買いだめし、もうけるものはすべてもうけるのを見過ごし、平時としては史上たぐいのない物価暴騰を招来するに至って、政府は、ようやくこそくな金融引き締め政策を発動することによりいかにも事態収拾が可能かのような態度をとっているのであります。庶民が生活物資の不足と物価高騰に悩み、一日も早くインフレ退治を切願するや、政府はこのようなインフレマインドこそインフレを促進させるものだとの詭弁を弄し、すべてが後手に回った政策の責任を回避しようとする態度は断じて許すことができません。  もし為替の変動相場制が長期化し、円の大幅切り上げが現実化しているとき、金融引き締め政策が当を得ないとすれば、中小企業は言うに及ばず、経済界全般の激烈な変動を結果することは火を見るより明らかなことであり、これらの責任はあげて政府が負わなければならぬことを、いまから指摘をしておくものであります。  昭和四十八年度予算が生産第一、輸出優先から福祉向上、社会資本の充実、国民生活重視型への切りかえをしようとするものであると、政府はいかに主張いたしましても、当予算委員会における歳入歳出両面にわたる審議の過程を通じて、いかに虚偽に満ちているものであるかは明白になりました。いまさら一々具体的数字をあげて例証する必要はございません。看板と内容とが全く違うものであり、利益団体の圧力に屈し、長期政権の堕性に流れ、硬直的にして大企業優先の内容を持つインフレ促進予算案であることは、だれの目にも明らかであります。  最後に指摘する問題の一つは、わが党多年の主張である財政投融資計画の国会審議が実現をしたにもかかわらず、政府は詳細なる資料の提出を拒み、年金原資の収支不明、大企業への融資トンネルの実態、その他どんぶり勘定的な運営上の疑問など少しも明らかにされず、国会の審議権を名目だけにしている点であります。  そしていま一つは、予算の執行について憲法九十一条で歳入歳出、公債、借り入れ金及び国有財産の現在高その他財政に関する一般事項、これらが義務づけられているのに、これが全然守られておりません。また、四半期ごとに予算使用の状況、国庫の状況その他の財政の状況について国会及び国民に報告すべしと義務づけられているのに、時期はずれの、しかも文字どおり報告に値しないお茶にごしの報告であって、この面における公然たる政府の憲法違反の疑義はすみやかなる機会に徹底的に追及される必要があるということであります。  要するに、国政各般にわたり極度な時間の制限を受けていることを見越して、政府の不誠実きわまりない答弁のために、すべて疑義が解明されないまま予算審議の終局を迎えたことを心から遺憾とし、以上をもちまして昭和四十八年度予算三案に対し絶対反対の意思を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
  335. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 佐藤隆君。(拍手)
  336. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 私は、自由民主党を代表いたしまして、賛成の討論を行ないます。  わが国の経済は、景気後退下の通貨調整という試練を乗り越えて、財政金融政策の積極的な展開による効果もあって、四十七年当初以来着実な景気上昇をたどってきたのでありますが、四十八年度においても引き続いて拡大基調をたどるものと見られます。しかし、物価面ではかなりの上昇傾向が続いております。貿易収支もなおかなりの黒字を続けております。  四十八年度予算は、このような経済事情を背景に、対外的には国際収支の不均衡の是正、国内的には物価の安定と国民福祉の充実という課題の同時解決というむずかしい環境の中で編成されたのであります。新年度予算の一般会計の規模は十四兆二千八百四十億円で、前年度当初予算に比べ二四・六%の伸び率を示しておりますが、国債依存度は二八・四%と、前年度を下回る程度にとどめております。  そこで、四十八年度予算の内容を見ますと、第一は、社会保障の飛躍的充実をはかったことであります。高齢化社会に対応するため、厚生、国民年金では、それぞれ五万円年金の実現をはかり、物価スライド制を導入しております。老齢福祉対策としては、老齢福祉年金を大幅に引き上げたほか、医療無料化の拡充、老人ホーム等に対する助成充実など積極的に推進されております。  また、わが党が力を入れている医療保険制度については、政府管掌健康保険について、家族療養費の給付率の引き上げや、高額医療に対する自己負担の軽減措置など、保険給付の改善と財政健全化をはかっており、関係法律の成立を得てすみやかに実効をあげられんことを期待しているのであります。  第二は、社会資本の充実、整備をはかったことであります。住宅をはじめ上下水道、公園など生活環境の改善と、公害防止など、福祉につながる経費を画期的に増額したほか、国土の均衡ある開発、発展をはかるため、国土総合開発庁の新設などが予定されております。  さらに政府は、最近における物価問題を考慮に入れ、税制の整備をあわせ、土地対策を積極的に推進しようとしていることは、まことに時宜を得たものであります。  その三は、文教対策の充実であります。教育の成果をあげるためには、まず教職員にすぐれた人材を得て、資質を向上させることが先決であります。このため政府は教員給与の抜本的改善をはかることとし、四十八年度を初年度とする年次計画によって、さしあたり新年度予算には、義務教育諸学校の給与の一〇%に相当する額の三ヵ月分を計上しております。今後、計画に従い高校、幼稚園と、待遇改善がはかられることが予想されますが、学制百年を迎えて、意義あることと思います。  予算は、このほか環境保全対策、農林漁業、中小企業の近代化など、各般にわたって意欲的な措置を盛り込んでおり、当面する経済動向に即応した適切な予算であり、国民が期待する自民党政府の面目躍如たるものがあります。  以上、四十八年度予算案について、その特色や当面する課題等に触れましたが、ここで特に政府側に要望したいことは、予算の執行、運用にあたっては格段の配慮が必要だということであります。景気は依然上昇基調にあるのに加え、国民生活に影響する諸物価も、卸売り物価を中心に騰貴の傾向を見せているだけに、大型財政がこうした傾向に拍車をかけ、景気をさらに刺激する側面を持つ以上、その運用にあたっては慎重な配慮が望まれることは当然であり、特に公共事業の繰り延べなど財政支出には細心の注意を払われるよう強く要望いたします。  最後に、予算案審議に関連して、審議の効率化、能率化について一言触れたいと思います。四十八年度予算案をめぐる審議がおくれ、暫定予算を組まざるを得ない事態になったことは、国民への迷惑という一事をとっても好ましいことではありません。審議がおくれた根本的な理由については、ドルの切り下げを中心とした国際通貨情勢の変化など、対外的な面もありますが、政府自身の反省はもとより、参議院の権威にかけて、与野党とも一考を要する面も多々あるのではないかと思います。  その一つには、国会審議に対する政府側の対応策、ことに行政事務当局の資料の不備等、準備の不十分なことがあげられます。当委員会の審議中も、数次にわたって審議中断という事態が見られましたが、これらの中には、行政事務当局側の国会審議に対する安易な取り組みが原因で引き起こされたケースが少なくありません。限られた時間内でより充実した審議を展開するためには、予見されるものの資料完備はもちろん、目方でなく、質的に充実をはかり、資料公開についても事前にその可否などについて検討しておくのは当然のことであります。長期間の行政空白を招かないためにも、これらについての特段のくふうを要請しておきます。  また、これと関連して、予算委員会の一般質問では、他の委員会での審議促進ときらみあわせ、出席閣僚の要求を整理、能率化することも必要であり、お互いが心しなければならぬことと考えます。  また、いま一つ根本的な問題として、暫定予算を避けるためにも、予算案の国会提出時期を早める問題があります。当委員会でも、田中総理は、わが党の質問に対して、できるだけ早める努力をする旨の御答弁がありましたが、その実効をあげ得るようあらためて要望しておきます。  以上、四十八年度予算案とその運用、予算案審議のあり方等についても要望を添え、賛成の討論を終わります。(拍手)
  337. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 矢追秀彦君。
  338. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました四十八年度予算三案に対し反対の討論を行なうものであります。  四十八年度予算案に対する反対理由の第一は、政府が予算編成の重点としたトリレンマ対策が、実際は、福祉無策、円無策、物価対策無策の三無策予算だからであります。  福祉無策については、生活保護基準が、この物価高騰が続くのにわずか一四%の引き上げで、老齢福祉年金も千七百円の引き上げでたった五千円にしたにすぎないこと、さらに、誇大宣伝の五万円年金は、平均加入期間二十七年で、平均標準月額八万四千六百円の人で、これは既裁定者六十万人の一四ないし一五%の人しか該当しないこと、これらの処置を見ただけでも、これが憲法が保障する人間の最低生活を保障するものでないことはあまりにもはっきりしております。  さらに申し上げねばならないことは、田中総理の「四十八年度は年金の年」のかけ声にもかかわらず、年金ゼロという六十歳以上七十歳未満の老齢者が百三十万人にも及ぶ事実を忘れてはなりません。年金の谷間にあるこれら老齢者は、いま直ちに手を差し伸べて救済措置を講じなくては、それこそあすではおそ過ぎるのであります。  世界第三位の経済大国を宣伝する田中内閣のもとで、この貧しい福祉の実態を政府はどう考えておられるのでありましょうか。田中総理は、福祉国家への転換は、「日本に生まれたことを喜び合える環境づくり」と名せりふをこの委員会で言っていましたが、何年たったらこの福祉ギャップが解消されるでありましょうか。四十八年度予算にはそうした意欲は全く感じられないのであります。  円無策については、円の再切り上げを回避するため、佐藤内閣時代に二度、田中内閣にかわってすでに一度の円対策を発表し、その実行を約束しながら、その実施は遅々として進まず、口約束はしても実行しない田中内閣ということで、諸外国の日本に対する信用を失墜せしめたばかりか、今日では一ドル約二百六十円という実質上の円再切り上げに追い込まれており、このフロートによって輸出関連中小企業の経営難と先行きの見通し難は想像を絶するものがあります。  田中内閣は、円再切り上げ防止のために取り組む予算と宣伝した四十八年度予算を、フロートによる実質的円再切り上げ後は、これを円再切り上げ後の救済予算であるかのように言っておりますが、これは国民を愚弄するものであるばかりでなく、みずからの無為無策をおおい隠し、実にこうかつな論理のすりかえで、絶対に認めるわけにはまいりません。  物価無策について言うならば、政府は、物価安定が本年度予算の最重点課題であり、その安定に努力するなどと言っておりますが、例年以上に高率の物価上昇率見通しを掲げた四十八年度の経済見通しの目標である卸売り物価上昇率二%、消費者物価上昇率五・五%ですら、過剰流動性によって生じた過当買い占めも大きな要因となり、すでに年度予算開始前にくずれているのであります。  四十八年度予算編成段階以来われわれが警告してきた財政主導型インフレの危険は、ついに土地、建設資材の異常高騰によって、田中内閣の財政は積極大型で、景気対策は金融引き締めでといった政策運営が実行不可能となり、結局、政府みずからこの超大型予算を、執行の面でとはいえ、否定せざるを得ない事態に追い込まれたのであり、これは大きな失政であります。  反対理由の第二は、列島改造先取り予算によって国民生活を苦しめるのが四十八年度予算であるからであります。過密地帯からの工場移転のために追い出し税をかけ、過疎地への工場誘致のために税の免除を行なうといった列島改造論の目玉商品が欠除したまま、大蔵省発表によれば、四十八年度の列島改造予算は七兆七千八百億円が計上されたとしております。したがって、この中身は従来の公共事業と何ら変わっていないのであります。これでは、田中総理の新構想は、困難な道は回避して、公債を増発して公共事業を大々的に行なうにとどまり、羊頭狗肉の列島改造論と言わざるを得ません。  さらに、列島改造論の発表と七兆円をこえる巨額の予算措置は、民間デベロッパー、建設会社をはじめ、商社、不動産屋に至るまで、土地に投資すれば必ずもうかるという期待をいだかせる結果となり、これらを土地投機にかり立て、日本国じゅうの地価高騰をあおったことは間違いありません。  地価暴騰に何ら打つ手の準備もなしに列島改造を宣伝した総理の責任は重大であります。こうした不用意の結果が、さきに建設省が発表した地価公示価格の三〇%上昇であり、その高騰の範囲が従来の大都市周辺から地方の中小都市へ、さらに過疎地域までに及んでいるのであります。この結果、庶民のマイホームの夢は宅地購入の困難によって完全に打ちくだかれてしまったのであります。  以上のような弊害だらけの列島改造予算を内容とする四十八年度予算には、反対せざるを得ないのであります。  最後に、国民は現在の深刻な事態の早急な解決のために英断を期待しております。政府が責任を持ってこの事態を解決することを強く要望し、そのためにも、予算の修正を強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
  339. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 木島則夫君。(拍手)
  340. 木島則夫

    ○木島則夫君 私は、民社党を代表して、ただいま議題の昭和四十八年度予算三案に対し、以下の理由によって反対をいたします。  第一の理由は、この予算案がインフレを促進するものだからです。すなわち、国鉄運賃などの値上げはもちろんのことでありますが、いたずらに予算を大型化し、財政面からインフレを促進させようというものだからです。総じてこの予算案は、調整インフレによって円の再切り上げ回避を最大のねらいとしたものでありました。しかし、円は事実上切り上げられ、当初のもくろみはついえ去ったわけであります。したがって、この予算案は最大の目標を失い、インフレ促進だけが残されたわけであります。したがって、私はこのような予算案は断じて許せません。  第二の反対理由としては、国民の最も切実な要求であります福祉向上にこの予算案はあまりにも冷淡であるということであります。つまり、ことしこそは「年金の年」と盛んに騒がれてまいりましたが、実際には見せかけだけの幻想にすぎませんでした。これに引きかえて、年金の掛け金はかなり引き上げられることになっております。これでは、国民に低福祉高負担をしいるものと言わざるを得ないわけです。このほかにも老人、心身障害者の福祉施設と、そこに働く従業員対策についても、ほとんど民間に依存するばかりであって、何らの進展も見られておりません。私はこの点をきびしく指摘をするものであります。  第三の反対理由は、土地対策についての無為無策をあげなければなりません。いまや地価の急上昇は、サラリーマンのマイホーム建設を絶望におとしいれるばかりでなく、私が予算案との関連で問題にしたいのは、多額の公共事業費を計上してみても、その大半が用地取得費に食われ、その効果が半減をするという点をつきたいのであります。  しかも、日本列島改造論は、このような関係を、田中総理の意図とは別に、ますます深めているに至っては、その政治責任を免れることはできません。いま、国民の最大の関心事は土地の問題です。この問題の解決なしには政治の不信はぬぐい得ないことを深く肝に銘じてもらいたいものであります。  最後の反対の理由は、防衛費がとめどもなく増大をされている点を指摘いたします。私どもは、わが国の自主防衛の必要性を認める立場に立ちながらも、世界の緊張緩和の現状に目を向けないで、国民的合意なくして、ひたすらに防衛力増強計画だけを独走させることに絶対反対をするものです。とりわけ、日中国交回復、ベトナムに和平など、アジアの緊張緩和の現状を踏まえるならば、むしろ、防衛費を削減し、その分を福祉向上に回すべきでありましょう。したがって、私は九千三百五十四億円もの防衛費に絶対反対をいたします。  以上で私の反対討論を終わります。(拍手)
  341. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 岩間正男君。(拍手)
  342. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十八年度一般会計予算など、政府提出予算三案に対する反対討論を行ないます。  わが党は、衆議院における審議の中でも、ドルの大幅切り下げと変動相場制の長期化により、労働者、農民、中小企業の生活と営業が深刻な打撃を受けざるを得ないことを指摘しました。そして、本予算案がこうした事態に即応し得ないことはもちろん、さらにその編成の前提をなす経済見通し、歳入見積もりの算定の狂い等をあげ、政府の低福祉、低賃金、大企業優先政策等を国民生活優先へ根本的に転換するため、予算案の再編成を主張してきました。  その後の参議院における審議と事態の推移は、わが党の主張が正しかったことをますます裏づけています。大手商社をはじめとする大企業の目に余る商品投機の横行と、政府自身もその上昇率見通しの狂いを認めざるを得ないような異常な物価の高騰など、国民生活の困難は一そう激化し、国民生活優先への政策転換はますます切実なものとなっています。  しかるに、政府は、四十八年度予算を初年度とする大企業中心の社会経済基本計画を発足させ、日本列島改造計画の具体化をばかり、通貨問題でもニクソン政府の対日経済攻勢に追従するなど、依然として大資本優先、アメリカ追従の政策を推進しようとしています。  わが党は、このような田中内閣の基本姿勢をきびしく糾弾するものであります。  次に、本予算案そのものに対する反対理由の第一は、本予算案が二兆三千四百億円に及ぶ赤字公債を織り込んだ超大型インフレ予算にほかならないからであります。これは、国鉄運賃、健保、年金なと公共料金の大幅引き上げと相まって、インフレ、物価高を促進し、国民生活を一そう圧迫することは必至であります。すでに大手総合商社などの投機、買い占めは、国民の衣食住にかかわる重要物資をはじめ、広範にわたっています。このような状況のもとでは、何よりも大手商社など大企業の投機をきびしく規制する立法措置とともに、財政、金融面からインフレを抑制する政策をとらなければならないことは明白であるにもかかわらず、政府の予算案はこれに逆行するものであります。  反対理由の第二は、社会資本の整備の名のもとに二兆八千億円にものぼる膨大な公共投資を計上し、大企業に巨額の需要を与えるとともに、大企業本位の高度成長をねらう列島改造促進予算であるからであります。  今日国民が切望しているものは、産業基盤優先の社会資本整備ではなく、国民生活に密着した生活環境施設、すなわち住宅、下水道、公園、教育、福祉施設などの緊急な整備であり、都市と農村の均衡のとれた発展であります。  しかるにこの予算案は、産業基盤七九・八%に対し、生活関連、教育、福祉関係施設一九・七%の比重にも示されているごとく、新国土総合開発法案と相まって、大規模工業立地、新幹線、縦貫自動車道、新二十五万都市整備など、田中首相の列島改造計画を具体化するものであり、国民の期待に反するものであります。  反対理由の第三は、福祉元年などという政府の宣伝にもかかわらず、その実体は、幻の五万円年金や、年金、健保の保険料値上げなど、高負担先行の低福祉予算にほかならないからであります。  また、大企業に対しては、租税特別措置など、特権的減免税のほとんどを残しながら、要求の強い国民大衆の減税には何らこたえようとしていません。  政府は、料金値上げを撤回するとともに、国民が老後のために積み立てた資金を大資本に流用するのでなく、賦課方式を採用し、夫婦月額六万円年金を実現すべきであります。  さらに、水俣裁判など四大公害裁判の判決の内容に照らして、公害諸法の抜本改正と、公害予算の充実をはかるべきであります。  反対理由の第四は、四次防の本格的予算化と海外援助費の増大であります。政府は、べトナム協定成立によって、アメリカのベトナム侵略と干渉の誤り、これに協力加担してきた日本政府の政策の誤りが明白にされたにもかかわらず、依然として米空母ミッドウェーの横須賀母港化、関東計画の実施などに協力し、アメリカの力の政策に追従するとともに、F4EJファントム戦闘爆撃機や、沖繩の南西航空混成団の発足など、侵略的性格を強め、軍国主義の復活強化をはかろうとしています。わが党は、このような予算をとうてい承認することはできないのであります。  以上の理由により、わが党は、本予算案に反対するものであります。(拍手)
  343. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は全部終了いたしました。よって、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算、昭和四十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕
  344. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 起立多数と認めます。よって、三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  345. 大竹平八郎

    ○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会