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1973-06-14 第71回国会 参議院 逓信委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和四十八年六月十四日(木曜日)    午後一時三十六分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長        茜ケ久保重光君     理 事                 今泉 正二君                 古池 信三君                 森  勝治君     委 員                 植竹 春彦君                 郡  祐一君                 白井  勇君                 塚田十一郎君                 松岡 克由君                 松本 賢一君                 山田 徹一君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  久野 忠治君    政府委員        厚生政務次官   山口 敏夫君        厚生大臣官房審        議官       出原 孝夫君        郵政政務次官   鬼丸 勝之君        郵政大臣官房長  廣瀬  弘君        郵政省郵務局長  溝呂木 繁君        郵政省簡易保険        局長       野田誠二郎君        郵政省電波監理        局長       齋藤 義郎君        郵政省人事局長  北 雄一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君    説明員        郵政省簡易保険        局業務課長    榎本 利雄君        郵政省人事局審        議官       浅尾  宏君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 茜ケ久保重光

    ○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。
  3. 森勝治

    ○森勝治君 簡保の法案審議に入るに先立ちまして、大臣の真意を一つお伺いしておきたいんです。  すでにもう御承知のように、本日は、午前の部は衆議院、午後の部は参議院ということに当委員会は定まっております。このことは厳たるものであります。にもかかわらず、定刻を過ぎても大臣が来ないということはいかなる理由なのか。  かつて小林武治という有名な郵政大臣がおりましたが、定刻に大臣の出席せざるゆえをもって開けなかったというのは小林さんだけでした。当時は開かずに散会をした例があるんです。それ以後ずっとないんです。あなたで二番目であります。これはあまり芳しくない記録でありまして、こういうことをしばしば踏襲されては、私ども正常なる議会の運営はできません。したがいまして、あなたの、いま私が御質問申し上げた点についての御意見を承りたい。
  4. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 御指摘のとおり、たいへん定刻をおくれて参りましたこと、まことに申しわけない次第でございまして、この機会に、委員長はじめ委員の各位に深くおわびを申し上げる次第でございます。  本日は、五つの会議に出るように時間繰りを皆さんの御好意によってしていただいておりまして、朝、午前十時から参議院の法務委員会に出席をいたしました。十一時から衆議院の逓信委員会に出席をさしていただきました。十二時半には終わるという予定で出席をいたしましたのでございますが、ただいままで質疑が継続をされまして、そのために当委員会に出席する時間がたいへんおくれましたことをほんとうに申しわけない次第に存ずるのでございまして、深く、あらためておわびを申し上げる次第でございます。  今後、このようなことが二度とないように、十分注意をいたしますので、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
  5. 森勝治

    ○森勝治君 官房長、官房長に聞きますが、各委員会の出席等の手配はあなたの手でなされると思うのでありますが、どうしてきょうのようなふしだらなことをするのですか。
  6. 廣瀬弘

    ○政府委員(廣瀬弘君) 予定時間をあらかじめ伺っておったのでございますけれども、質問時間が予定どおり運ばれなくて、私どものほうもいろいろお願いを申し上げた次第でございますけれども、予定どおり委員会のほうが終わらなかったものですから、たいへん御迷惑をかけて申しわけないと思っております。今後十分気をつけたいと思っております。
  7. 森勝治

    ○森勝治君 官房長は気をつけると言っているが、一週間前とこのことは同じことでしょう、きょうの姿は一週間前の再現でしょう、官房長、失敬だが、そうでしょう。  法務委員会から何と抗議されたか、社労から何と抗議されたか、郵政省は。どこの委員会でも出るって都合のいいことを言って、時間の調整もしない。出席すると言ったから、その委員会では大臣に質問できると思って、各委員会手ぐすね引いて待っている。同じ時間に三つも四つも出るなんということはできっこないでしょう。それなのにあなた方は返事しておったじゃないか。だから、いま大臣は御配慮いただいたと言ったが、各委員会に出ると言えば、議員の立場でやらざるを得ないじゃないか。なぜ同じ時間に各委員会に出ることをあなた方は了承を与えているんだ、一週間前で試験済みじゃないか。にもかかわらず同じ姿をきょう現出することは残念ながら前轍を踏んでいるじゃないですか。何たることだ、これは。初めてというならいざ知らず、一週間前もそうでしょう。法務で竹田君、社労で森中君、そして私がここでというふうになって、あのときの委員会は諸般の事情で開かれずに終わってしまったけれども、あのときだって、各委員会にあなた方はただ出る出ると言っただけで、了承を求めましたか、求めないでしょう。  議員の場できょうはそういうふうに時間をきめたんじゃないですか、われわれの場で。同じ大臣を各委員会で引っ張り合ってはいかぬから、われわれがわれわれの範囲でそれぞれの委員会と打ち合わせてきめたんだよ。あなた方がやりゃせぬじゃないか。そのきめた委員会にどうして、約束破って、来ないんだ。本来君たちがやることだ、そのことは、大臣、失敬だが。自分たちがやらずに、われわれにやらしておいて、だからわれわれもちゃんと時間を守ってくれるかと思ったら、しかも法案審議でない衆議院は時間外だ。さっきもちょっと話しておったんだが、法案議了の寸前だとか、採決とかというときにはたまたまそういうこともあり得るでしょう。時間がきても来ないで、こちらから催促されて、実は衆議院へ行っていま答弁中とは、よくもぬけぬけとそういう答弁ができるね。  大臣だってけしからぬ、失敬だが。私は、就任のときのあなたのまじめな発言を聞いて、ああこの大臣ならやるなと思った。口ばかりじゃないか、あなたは。約束して何ですか、マル生の問題だって何だって、何ですか、あのていたらくは。だんだん悪質になってくるじゃないか。一を聞いて十をはかるということは失敬かもしらぬ。何事だ、約束して守らぬなんて、全く失敬な話だよ。私はこういう苦言を呈したくない。しかし一週間前の時点でそういうことに遭遇したにもかかわらず、同じことをきょう再現するとは何事ですか、一体。一生懸命やります、すみませんでした、それで世の中はいいんですか。初めてやったのなら、それは突発的にはそういうこともあり得るでしょう、それなら責めやしません。  重ねて一週間前のことを申し上げますが、きょうと同じ事態で各方面で引っ張りだこになったのでしょう。各方面と連絡とったと言ったが、どこととったのだ。主管の委員会ですぞ、われわれは。委員長、理事――与党の理事、野党の理事の私に、大臣がおくれる、各委員会に呼び出されているという話をだれが一言耳打ちしたか、ささやいたか。何もしないじゃないか。われわれが連絡とって初めてああだこうだと言っただけじゃないですか。そんな大臣がどこにある、そんな官房長がどこにある。口では調子のいいことを言って、何ですか、このていたらくは。幸いにして当委員会は法案が少ないから今回はよかったかもしらぬが、こんなべらぼうなことがありますか。当然こちらに出るのですから黙って出てくるわけにはいかぬでしょう、大臣も。当該委員会にわけを話して時間をもらってくる努力をすべきでしょう。出席すべき時間の迫った委員会には、何用で出られませんから待ってくれということは、当然、事前に、あるいはまたその事件に遭遇した直後に連絡があってしかるべきではないですか。どういうことですか、一体これは。重ねて大臣の考えを聞かしていただきたい。
  8. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 不行き届きの点につきましては、重々おわびを申し上げる次第でございます。今後、当委員会の皆さんにこのようなことがないように、御迷惑をかけないように十分注意をいたしたいと存じます。あらためておわびを申し上げる次第でございます。
  9. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、私は、このことについて、もう一点苦言を呈したい。  郵政省は沈滞をしている。人事の一新をはかりなさい。全部どなたの幹部の顔を拝見しても、あたかも人のことのような顔つきが出ている、失敬だが。人事を一新したまえ。期待にこたえる郵政事業のあり方というものを実践していただきたい。このことを重ねて大臣に申し上げます。
  10. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 御意見につきましては、十分検討いたしまして、配慮いたしたいと存じます。
  11. 森勝治

    ○森勝治君 まあ言いにくいことも申し上げました。善処してくださるというお約束ですから、もう一度大臣のことばを信用いたします。今度だまされたら二度と信用いたしません。  そこで、簡易生命保険法の一部改正に関する問題の質疑を行ないたいと思います。  基本的な問題をお伺いする前に、派生的な問題で恐縮でありますが、気にしているのは私でありますけれども、この簡易生命保険に関する話でありますから、所管外だと思われて不審の眼でおいでの各局長の皆さんもおありの模様ですけれども、ひとつ私の質問を聞いていただきたいのであります。  まず保険局長にお伺いいたしますが、保険についての広告をおやりになりました。これですね、これはプリントですが、おやりになりました。「遠慮なければ近憂あり」という表現で、これは奨学保険ですか、そうですね、学資金関係の傷害特約付学資保険であります。この保険の広告の内容についての質問でありますから、あげ足とりだと言われるかもしれませんけれども、私が気にする疑点についての質問でありますから、まげてお答えいただきたいのであります。  そこで保険局長に第一に聞きたいのは、いま申し上げた見出しで一ページにわたって、ある週刊誌に掲載されたものでありますが、保険の広告というものはこれが郵政の広告の型でしょうか。私が質問内容通告のときにも申し上げたが、これはそちらからの資料ですから、この資料に基づいてお答えいただきたいのでありますが、一ぱい書いてありますね、これが郵政省の保険等の募集の一つの型でしょうか、このことをお聞きしたい。
  12. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 毎年、簡易保険のPRといたしまして、週刊誌及び婦人雑誌に一ページ分のこういう広告を出しておりますが、私どもほんとうに詳しくは実は勉強しておりませんので、どうも答弁としていささか不適切かと思いますが、最近の広告の形式として、そのものずばりで――たとえば一ページの半分ぐらいを簡易保険云々という広告をしないで、こういう全然簡易保険と関係ないような形でするっと読まれて、最後に簡易保険――これは学資保険でございますが、こういう形式の広告といいますか、PRというのが最近の一つのタイプだと、こういうことでございます。  こういう形の広告は――実は、昨年もこれにやや近かったかと思いますが、こういう全然簡易保険と関係ないような記事でのPRといいますか、雑誌広告はことしが初めてです。
  13. 森勝治

    ○森勝治君 さらにお伺いいたしますが、この案文、いわゆる原稿は広告会社におまかせして作成したものか、案文の内容については逐一郵政省が作成したものか、この点をお答え願いたい。
  14. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 案文につきましては、広告社にまかせまして、こちらが監修をするという形をとっておりまして、これは広告社がつくりましたものをこちらが監修しまして、先ほど申し上げましたような傾向だということでございます。一応これでよかろうと、こういう形で掲載をした、こういうことでございます。
  15. 森勝治

    ○森勝治君 本をあらわす等の場合に、監修という形を用いることは常識でございますが、広告案文の監修などということは前代未開でありまして、一体、監修にふさわしい監修をきれましたか、それでは。監修という用語はそう簡単にやすやすと使うべきものではないでしょう。監修に値しないことですね、これは。どう思いますか。
  16. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先ほど申し上げましたように、案文といいますか、原文は広告社において作成をいたしまして、当局に提示があったわけでございまして、それを読んで掲載を許したということになります。一応、監修ということばに値しないかと思いますが、不十分だったと思うんでありますが、じゃこれでやってくれという形で、最終的には責任はこっちにある、こういうことでございます。
  17. 森勝治

    ○森勝治君 広告主はあなたでしょう、あなたというのは郵政省でしょう。監修というのは客観的な表現と違いますか、監修というのは。――そういうむずかしいことはさておきます。  そこで案文に入りますが、いまの話だと、広告会社に案文をつくらした、しかし責任は私どもにある、こういうお答えだと私は理解をいたします。したがってその理解の線に沿って次の質問をいたしますが、いかに広告会社がつくったといいながら、やはりこれは最終的には郵政省がつくったものということになりますが、そのとおりですね。だれにつくらせようとも、郵政省の広告物であることは厳として疑いを差しはさむことはないんですから、郵政省の広告だという理解ですね、だれがつくろうと。
  18. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) お説のとおりでございます。
  19. 森勝治

    ○森勝治君 ならば聞くのであります。電波監理局長にお伺いするのでありますが、ここにこういうのがあります。ちょっと見せてあげてくれませんか。――「テレビが家庭をむしばむ――と警鐘をならす人たちがいる。テレビを見ていると何もできないから、ナマクラ人間をつくるということがその理由である。しかし一方では、サラリーマンの多くが、寝不足の原因として、テレビの深夜映画をあげているのも事実である。」ということでありますね。そこで私は電波局長に聞くのですが、保険部門ではテレビを非難しているのです。私が見てこれはテレビ非難に当たるのですね。あなたはこれをどう受け取りますか。
  20. 齋藤義郎

    ○政府委員(齋藤義郎君) テレビの視聴者に与える影響につきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、たとえばここに一つの世論調査を例にとりますと、これは一九六九年の十月にNHKが行ないました世論調査でございますけれども、まあこれも一つの参考になろうかとは思いますが、テレビがどういう影響を与えるかということに対する答えといたしまして、よい影響のほうが大きいと答えた方が四九%でございます。それから悪い影響のほうが大きいというのが八・八%、両方とも同じくらいと答えた方が三九%、こういろ数字になっておりますので、これも一つの判断の資料になるかと思います。
  21. 森勝治

    ○森勝治君 私の質問にお答えになっていないのです。統計を読んでくださいと申し上げているのではないのです。  この案文から見ると、同じ郵政省部内でありながら、いま私が読み上げた内容からすると、テレビを保険部門は非難をしている、しかも郵政省の金をかけてまで対外的にテレビを非難しなくてもよかろうというのが私の設問の趣意ですから、それにお答えをいただきたい。
  22. 齋藤義郎

    ○政府委員(齋藤義郎君) ここに書かれてありますのは「テレビが家庭をむしばむ――と警鐘をならす人たちがいる。」すべてが警鐘を鳴らすという表現ではないわけでございますけれども、誤解を生ずるおそれがありますので、適切な表現ではなかろう、こういうぐあいに考えます。
  23. 森勝治

    ○森勝治君 もう少し明快に言ってくれませんか、すみませんが。
  24. 齋藤義郎

    ○政府委員(齋藤義郎君) ここの広告の表現は「テレビが家庭をむしばむ――と警鐘をならす人たちがいる。」ということでございまして、すべての人が警鐘を鳴らしているということでもなさそうでございますので断言はいたしかねますけれども、すべてテレビは家庭をむしばむのだというような誤解を生むおそれのある表現は適切でないと思います。
  25. 森勝治

    ○森勝治君 そこで大臣にお尋ねするのですが、電波監理局は放送をつかさどるところでしょう、同じ郵政省の中で、他部門が所管するようなことを広告にまで出して非難するようなことはやっぱりやめなければならぬでしょう。私は非難と見ているのです、私はそう思う。  大臣にお答え願うと同時に、保険局長に聞くのだが、「サラリーマンの多くが、寝不足の原因として、テレビの深夜映画をあげているのも事実である。」というふうに断定しているのは、根拠はどこからきたのですか。いま電波局長はNHKのテレビの世論調査の数字をあげましたが、これは統計はどこから出たのですか。
  26. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) この表現の中には、適切でない文言があるように私も拝察をいたします。今後、十分注意いたしたいと思います。
  27. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) ただいま大臣が述べられましたとおり、私のほうでももう少し十分に検討をいたすべき点が多々あって、広告としては不適切であったと、このように考えております。  先生御指摘のサラリーマンの寝不足につきましての根拠は、先ほど申しましたように、これは広告社がつくりまして、私のほうでよかろうということでやらしましたいきさつを申し上げましたような状況でございまして、根拠を私どもとしては掌握いたしておりません。
  28. 森勝治

    ○森勝治君 いまのお答えは、郵政省の簡易保険に対する広告がいかにずさんなものであるかということの率直なる告白だと私は思う。大臣、いいですか、私はそう思うのです。  しかしまあそう言われたからあれですが、どうかひとつ、たとえ広告でも郵政省の真価を問われることになるわけですから、金さえ出しゃいいんだ、おつき合いすればいいんだという考え方で安易にしてもらいたくないんです。特に郵政省は赤字赤字といわれて労使が血みどろな問題をかかえている段階ですから、十分効果のある方法をもってPRしてもらいたい、もしおやりになるなら。広告を出すなとは申し上げません。しかし、いいかげんなものは――しかも広告会社に頼んで広告案文を監修したんだと、そういうようなやり方は今後慎んでいただきたい。  そこで、次にお伺いをするんでありますが、何かこのあとを見ますと、この案文だと、父親のこけんを守るためには傷害特約付学資保険に入ることだと断定しているんですね。親としてのこけんを守るために保険に入らなければという、この思い上がりの断定ということはふざけた話ですね、保険局長。「沽券を持った父親であるためには、ニュークローバー保険という、絶対安心の救命ボートをつげておけば、保障も七倍と厚く、完璧だろう。」というてまえみそに至っては噴飯その極に達すると私は申し上げたい。いかに広告といいながら、ここまで御託を並べられたんじゃやりきれないですね。どういうつもりでこういう文章をお書きになるんですか。広告会社がつくったから知らぬ知らぬと言って局長はいまお逃げになっていられるけれども、傷害保険へ入ればおやじのこけんが守れる――そもそも人間の生活はそんななまやさしいものじゃないでしょう、もっと高度なものじゃないでしょうか。高度のもので、かつ深いものじゃないですか。どうお考えですか、これれ。  さらにもう一つ「統計によれば、」と、ここにまた統計を出している。「統計によれば、将来はほとんどの子どもが大学に進学するだろうという。」一体これはどこの統計ですか。統計だとか世論だとか、そういうことをよく好んでお使いになるけれども、これはどこの世論ですか、統計ですか。  簡易保険に子供を入れてやらなければ父親のこけんが守れない――こんなお役所の広告なんてありますか。一企業の広告ならいざ知らず、国営事業である簡易保険の広告でこんなのは失敬だな。よいとおっしゃる方もおるかもしれません。しかし私の立場ではいただけない、失敬でありますが。あるいは広告ごときささいなものであげ足をとるなとおっしゃるかもしれませんが、簡易保険に取り組む職員の皆さん方の熱意がこういう問題で推しはかれたら、あなた方たいへんでしょう、簡易保険てそんなものかと。簡易保険に入らなければおやじのこけんが守れない、どこの郵政省の世界にこんな広告を出すところがありますか、簡易保険に入らなければおやじのこけんが守れませんぞとね。  しかも、これは「遠慮なければ近憂あり」と書いてある。私がきょう郵務局長と人事局長に来ていただいたのは、この「遠慮なければ近憂あり」ということば、この広告は即刻いまの郵政省の郵務局長や人事局長に警告を発した広告文だろうと私は推測をしたから来てもらったんですよ。目先のことばかりやってて将来のことを考えないやつはだめだと書いてある。郵政省の郵務政策であり、それは労務政策が書かれている。保険局からまたこれ批判されているんだよ、両局長、私はそういうふうに受け取ったんですが、あなた方――あれ、人事局長はいないな、人事局長はどこへ行った、呼んでいるのに。両局長お答え願いたい。
  29. 溝呂木繁

    ○政府委員(溝呂木繁君) 「遠慮なければ近憂あり」一つの名書だと思います。そういう意味において、私どもの郵便関係の事業について、先生からまさにそのことばが適するようなやり方であって不十分であるというおしかりを受けまして、私ども一生懸命でやっておるわけでございますが、皆さんからながめて、まだまだいわゆる遠慮がないように非難されましたことにつきましては、十分身にしみてそのことばをちょうだいしたいと思うわけであります。
  30. 浅尾宏

    ○説明員(浅尾宏君) お答えいたします。  論語に「遠慮なければ近憂あり」ということで、非常に名言だと思うわけでございます。郵政省の労使関係につきましても鋭意正常化について私たち努力しておるわけでございますが、まだ完全ではございません。そういう意味におきまして、よくこのことばをかみしめて今後さらに努力をしてまいりたい、かように考えております。
  31. 森勝治

    ○森勝治君 まだ完全ではないと言うけれども、完全とか不完全だという表現を用いて事足りる段階ですか。ばらばらじゃないですか、いまの郵政省の人事は。新宿の局の問題だっておわかりでしょう、新聞にでかでかと出たでしょう。われわれがすでに警告を発して久しきにわたるでしょう。ばらばらじゃないですか。努力努力とおっしゃるが、だんだん悪くなって陰うつじゃないですか。  いまも社労で郵政当局の不当性の追及が行なわれているんですよ、いいですか、今朝は法務委員会で行なわれたんですよ。このような国会の各種委員会で次から次へと不当性を追及されている省というのは他にありますか、ないでしょう。どういうことです、これ一体。いまだ完全でありませんなんてそんななまやさしい段階じゃないでしょう。当面の最高の責任者でない方にあまりたたみかけるのは失敬だけれども、ばらばらじゃないですか。完全とか不完全なんていう表現を用いるまでにまだいってないんじゃないですか、まだ、失敬だが。  あなた方の指令というものは下部に徹底しておらんじゃないですか。徹底しようとすれば下部からあなた方反抗がくるでしょう、最近は。人事局の統制がゆるんで、ちょうど田中内閣のようになっちゃったでしょう、失敬ですが。どうするおつもりですか。
  32. 浅尾宏

    ○説明員(浅尾宏君) 再びの御指摘でございます。私たちも非常に残念に思っておるわけでございます。そういう意味におきまして、今後さらに正常化に努力をしてまいりたい。  本省の指示あるいは郵政局の指示等に従わない局長等がございました場合には、上司ともよく相談いたしまして、適正に処置を考えなければならない、かように考えております。
  33. 森勝治

    ○森勝治君 あなたの言を待つまでもなく、過去しばしばそういうお答えをいただいておるのです。現に上局の指令を守らない局長が至るところおるんじゃないですか。私も当委員会でことあげしたし、他の諸君も他の委員会等でそれぞれ反省を当局に求めておるでしょう。われわれの発言については、もっともだ、もっともだと言いながら、その実のあがるようなことは最近何をされましたか。
  34. 浅尾宏

    ○説明員(浅尾宏君) 最近、機会あるたびに、郵政局の人事部長あるいは管理課長等の会議でも、その徹底方について再三注意はしております。また郵政局におきましても、現場の責任者、管理者を招集いたしまして、その機会あるごとに一二・一四あるいはその後の人事局長の見解等の徹底方に十分配慮してきておるつもりでございます。
  35. 森勝治

    ○森勝治君 きょうは人事問題や他の部門についてのお答えは本旨でありませんから、この程度にいたしますが、いまお答えいただいた部門の皆さんに特にお願いしたいのでありますが、郵政省――これは簡易保険ばかりでございません、失敬でありますが、私が人事の刷新をはかれと大臣に迫ったゆえんのものは、私どもの眼からもってしますならば、自局にかかわりなければというので、あたかも対岸視する傾向が各局にあるのじゃないか、私はこう思うのです。  おれのところに関係なければいいやと、これが事業の連帯感というものを薄れさせる一つの要因になっておるような気がするのです。したがって、これが郵政という歯車をすなおに回すことのできない、自分さえよければよいという、このいわばプチブル的な根性というものが郵政省の幹部の皆さんの胸に横溢しているような気がしてならぬ。これは私の単なる杞憂であれかしと願いながら、私はこの質問をしているわけですけれども、口ではなるほど事業連帯性、近代性、期待される逓信事業などと皆さんはおっしゃるけれども、そんな連帯感がないような気がするのです。はしなくもこの広告の案文の中にそれが示されているものと、私は残念ながら推察をしたところです。  したがって、かりそめにも自分のところでなければかまわないという考え方、たとえばいま申し上げたように、保険部門でテレビの所管部門の悪口を言ってみたり、電波部門の悪口を言ってみたり、そういうようなやり方というものが従来の郵政省のやり方であり、これが時代に取り残された郵政省の姿。したがって時代に取り残されたという自我意識があるものだから、この時代の進展におくれをとるまいとあがく無理な仕事の押しつけというものが職員団体の反撃を買うということになって、これがトラブルの原因になってくるということになるわけですから、因果はめぐるということばがありますけれども、どうぞひとつもう少し心を新たにして事業に取り組んでもらいたいという願い、これが私が人心を一新せよと大臣に迫ったところであります。局長連中のポストをかえよということで私は申し上げているのではないのです。いまこそ思いを新たにして事業に取り組まなければ、国民から捨てられてしまう郵政事業になり下がってしまうではないか、すでにそのきざしがあるわけです。  簡易保険事業にしてもまたしかりであります。いまのような募集のやり方や何かをしておって、唯我独尊的な、手当さえふところに入れば何をしてもいいのだという解釈だと、やがてはこの簡易保険事業も国民から弊履のごとく捨てられる時期が近い将来に来るのではないか、残念ながら私はそういう悲観論をとらざるを得ないのであります。だから、とくとひとつその点は人心を新たにして事業に取り組んでいただきたい、これを念願しながら具体的な質問に移りたいと思います。  事業の全般についてお伺いしたいのでありますが、最近の社会情勢、特に経済事情の変化というものは保険事業の動向にも必然的に大きな変化をもたらしております。なかんずく簡易保険事業はいわゆる国営として御承知のようにとり行なわれているわけでありますが、いま申し上げたように、周囲の環境が変化した今日では、私はいまその悲観論を述べたのでありますけれども、この簡易保険の事業の将来の展望というものを、私はこのままでいけば国民から弊履のごとく捨てられるというどぎつい表現を用いましたが、一体、当局としてはどのように見ておるのか、前途洋々たるものありと楽観論をお持ちなのか、このままでいけば時代の推移にくっついていけないというのか。最も悲観論で表現いたしました私の説をとるのか、あるいはまた他の説を求めようとされるのか、この点、局長お答えを願いたい。
  36. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先生御指摘のように、確かに最近の社会経済事情の推移というものが非常に目ざましいといいますか、スピードも早くなっておりますし、幅も大きくなっております。それが国民生活にまた与える影響というものが非常に甚大であること、御指摘のとおりであります。それに対応いたしまして、保険の需要というものにつきましても、ますます高度化、多様化してきておるようにわれわれ判断いたしております。  簡易保険としましては、国営という性格から、国の信用をバックにいたしまして、全国に存在する郵便局組織を利用した浸透力、さらに大規模経営によります利点を活用いたしまして、法律で定められております簡便な手続と低廉な料金によって全国あまねく生命保険を普及させ得る長所を持っておると、このように確信をいたしておるわけでありまして、今後の展望におきましても、簡易保険は民間保険にないこうした長所を生かしまして、その普及に一そうの努力を払うならば、その前途につきましては必ずしも悲観すべきものでない、考えようによっては洋々たるものがあろうかと、このように考えておる次第であります。
  37. 森勝治

    ○森勝治君 将来の見通しありというお答えでありますが、だからこそこういういま言った広告が出てくるのですよ。だから私が思いを新たにせよという苦言を呈さざるを得ないのですよ。  民間の保険の事業団体等の取り組み方と郵政省の取り組み方とは、前途に対する見通しが全く逆だ。なるほど国家事業でありますから、これを称して親方日の丸という表現がありますけれども、そういう気分が横溢しておるのじゃないかと私は思うのです。  前途洋々でなくして、いま第一線に働く簡保を募集する諸君は、危機感を内蔵しながらも、現行の省の方針に従って行動しているというのが現状ではないでしょうか。簡保事業は洋々たる将来だなんて考えて保険募集をしている人はほとんどいないのではないかと私は思うのです。深い憂いをしながら、与えられた任務を何とか全うしようとやっているのが大方の諸君じゃないかと私は思うんです。だから局長が言うような、そんな楽観論で保険募集はできない、私はこう思うんですがね。私はむしろより深刻だと思うのですが、この点あらためて御質問をします。
  38. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 私どもも、親方日の丸で、手放しで現状のままで推移した場合に前途が洋々であり、あるいは楽観すべきものであるというふうには考えていないわけでありまして、先ほど申し上げましたように、簡易保険の発展につきましてはなお一そうの努力が必要であるわけでありまして、具体的には、先ほど申し上げました国民生活の推移に伴います保険需要にマッチするといいますか、即応する体制、たとえば新種保険の開発なり、最高制限額の引き上げというような制度改善なり、あるいは低いコストで良質なサービスを提供する――具体的に申し上げますと、たとえば運用利回りの向上をはかっていくというようなこと、そのほか加入者の福祉施設の充実等を通じまして事業利益を加入者に還元するというような方法での非常な努力が前提になっておるわけでありまして、このままの状況で前途が楽観すべきものであるというふうには申し上げていないつもりでございまして、これは簡易保険の全従業員が一緒になりましてそういう努力が必要であろうかと、かように考えます。
  39. 森勝治

    ○森勝治君 四十四年の三月から実施された生保事業の資本自由化に伴う外国系の生保会社の進出、その実態とその進出の影響を受けたわが国の保険業界の動揺と申しましょうか、この対応する情勢と申しましょうか、その点わかっていたら、ひとつお聞かせを願いたい。
  40. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 現在のところ、わが国の生命保険市場におきます外国資本の進出の形が二つございます。  一つは、昨年八月から外国の保険会社と日本の生命保険会社が資本を五〇%ずつ持って設立をいたしました平和オクシデンタルという合弁会社がございます。これの営業の内容は保険事業を営むということではなくて、平和オクシデンタル――これはオクシデンタル生命と平和生命が合弁でつくった会社でございます。平和生命の商品を販売するといういわゆる生命保険の販売会社でありまして、その活動は目下活発ではございませんで、さしたる影響はないと、このように判断をいたしております。  もう一つの型は、ことしの二月一日から営業を始めたわけでございますが、外国保険事業者法に基づきまして、いままで在日の外国人に対して営業をいたしておりました外国生命保険会社に対して、日本人向けの営業を認可し、それがことしの二月一日から営業を始めたのであります。この会社につきましては、実は、取り扱う保険商品が保険料の高額割引というようなものを取り入れました無配当の定期保険及び無配当の養老保険という、わが国ではかつて発売いたしておりません特色ある保険を売り出しております。そのほか各種の特約を設けまして、これは九種類ばかりございますが、これらが各種いろんな結び合い方をいたしまして、要するにオーダーメイドの保険が購入できるという、とにかく日本でいままで発売していない保険種類をアメリカン・ライフという会社が現実に発売を始めたのでございますけれども、現在のところ、実際の影響といたしましては、非常に外務員が少ないこと、また代理店が東京を中心に非常に数が少のうございますので、契約件数も月平均百件程度の獲得契約ということになっておりまして、実態的にはさしたる影響がない、こういうように判断いたしておるのでございます。  しかしながら、こういう日本でかつてない保険を日本人向けに発売をいたしておりますそういう関係から、国内の生命保険会社におきましても、こういう特色を取り入れた新種保険の開発というものを生命保険協会あたりが中心になりましていろいろ研究を進めておるようでありまして、すでに民間保険の一つの会社では、大体これと似たような新種の保険というようなものの発売の準備を進めておるところもあるわけであります。  簡易保険といたしましても、いずれにいたしましても国民の保険需要というようなものの動向を十分よく見きわめました上で、これら新種保険の創設なり、制度の改善というようなものにおくれをとらないように研究を進めていきたい、このように考えております。
  41. 森勝治

    ○森勝治君 昨年の十二月でしたか、全国の一世帯二人以上の家庭の実態調査をしましたね。これは保険の需要の動向に関する市場調査ということでありましたが、この調査方法や調査した結果が出ましたならば、ひとつどういう形がもたらされたか、お話し願いたい。
  42. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 昨年の十二月に、全国二千五百八十五万世帯――これは二人以上の普通世帯でございますが、この中から統計的な手法によりまして無作為に三千世帯を選び出しまして、個別面接聴取という方法によりまして具体的な調査を行ないました。  調査の概要につきましては、先ほどもお話ございましたように、最近における国民の生活水準の高度化、多様化に伴う生活意識の変化が国民の保険需要にどのような影響を与えているかということを把握するのが目的でございました。項目といたしましては、生命保険の加入実態、加入意向、さらには最近話題になっております無配当保険等、各種の新種保険についての意向というようなものを調査するのがねらいといいますか、項目でございました。  これらでわかりました部分について簡単に御説明申し上げますと、まず無配当保険でございますが、現在の保険はほとんど有配当保険でございますが、配当金がない、その分だけまた掛け金が安いという無配当保険について、この三千世帯におきまして調査しました結果でございますが、配当金をもらうより掛け金の安いほうがいいというものが四四%、現在のようなやはり配当金があるほうがいいというのが三一%ございまして、この調査の結果では無配当保険を希望する者のほうが現行の有配当保険希望者よりも若干多くなっておる、このような結果が出てきております。  さらに変額保険、これは物価等にスライドするといいますか、物価の変動に応じた保険の原価を維持するという保険でございますが、変額保険について申し上げますと、希望するかいなかの質問に対して、あったらよいというのが四三%でございまして、必要ないというのが二二%と、こういう結果になっておりまして、調査結果としてはあったほうがよいというのが、なくてもいいという答えの二倍ということになっておりまして、やはりその背景に物価上昇に対する不安感あるいは貯蓄をインフレ・ヘッジさせたいという国民の願望といいますか、需要というものが相当強いということがわれわれこれから一応判断できたわけであります。  大体、簡単に申し上げまして、以上のようであります。
  43. 森勝治

    ○森勝治君 何か全国二千世帯ということですね、三千世帯を選んだ方法というのは、無作為抽出方法ですか、それとも階層別、年齢別、性別等の計画的な抽出方法ですか。
  44. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先ほど申し上げましたように、統計的手法を用いた無作為抽出でございます。
  45. 森勝治

    ○森勝治君 三千世帯ですから、これは無作為といっても、簡易保険に加入している方々でしょう、そうじゃないですか。従来の各種の統計をやる方法を用いたとおっしゃるが、対象は簡易保険に入っている人の中から抽出したんでしょう。
  46. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) これはほんとうに無作為でございますので、これらの世帯には簡易保険に入ってない世帯も当然含まれております。
  47. 森勝治

    ○森勝治君 簡易保険のような特殊なものにかかわりあるものですね、いわば保険ですから。一般の市場調査等の無作為抽出のようなことでやるのと違った方法を用いる場合が当然あるわけですが、私はこういうやり方での簡易保険の市場調査というのは必ずしも適切だとは、私の立場では考えられないんですよ。しかも全国三千世帯で無作為ということでありますが、簡易保険等の需要動向等について三千程度で、これを基礎にして省が今後いろいろ方針を編み出すということだとすると、調査の方法が若干範囲が狭いのではないか、こう思うのですが、どうですか。
  48. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 実は、簡易保険局で、保険の需要動向調査につきましては、三年に一ぺんずつ六千世帯を対象にしてやっているわけでございますが、今回は特別に行ないまして、われわれといたしましては、たとえば先ほど申し上げました無配当保険とか変額保険あるいは簡易災害保険というような、今後予想されます新種保険についての国民意向の把握ということを主たる眼目にいたしまして臨時に行ないました調査でございまして、そういう意味から、通例行なっております世帯数の半分ということで計画をいたしたわけでございます。
  49. 森勝治

    ○森勝治君 私は、保険の動向等の市場調査をする場合には、やはり簡易保険を掛けている人の中から抽出法をもってしたほうがより身近な協力を得られるような気がするんです、私はそう思うんです。  そういう立場で、さらに質問するんでありますけれども、この三千世帯を無作為で抽出調査をした中に、一体、簡易保険の加入者は何世帯おるのか、これをお伺いしたい。
  50. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 今回のこの三千世帯の調査結果によりますと、簡易保険加入世帯の率は、五六・九%という数字が出てきております。
  51. 森勝治

    ○森勝治君 新種保険の需要動向として、いまお話がありました無配当保険や変動保険等を要望するものが多数あったという模様でありますけれども、この状況等についておわかりになれば、もう少し詳しくお聞かせを願いたい。
  52. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 無配当保険につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、配当金をもらうより掛け金の安いほうがいいと答えたものが四四%でございました。現在のように配当金があるほうがよいと答えましたものが三一%でございました。そのほかわからない、どちらともいえないというふうに分類される分が二五%でございました。  次に、変額保険でございますが、これは変額保険を希望するかいなかという質問でございます。あったらよいというふうの答えが四三%でございまして、必要がない、これが二二%でございます。なおわからないというふうに分類される分が三五%でございました。そのほかこれが市郡別、年齢別等々こまかい分類がいろいろできてきております。
  53. 森勝治

    ○森勝治君 そこで、先ほどちょっとお伺いしました五六・九%の簡易保険契約者の動向はどうですか。
  54. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 全体の数字はつかんでおりますけれども、簡易保険加入世帯と非加入世帯との分類というのはまだ行なっておりません。
  55. 森勝治

    ○森勝治君 冗談じゃないですよ、それをやらなきゃ最終的な集約にならぬじゃないですか。三千世帯のそんな集約がなぜできないんです。完全なのができないでなぜ対外的に発表するんだ、それじゃ。固まってなきゃ発表しなきゃいいじゃないですか。そのくらいの調査が行き届かないで、どうしてこれが新たなる動向だと断定的な表現を用いるんですか。もう少しひとつ詳しく答えていただきたい。
  56. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、簡易保険の加入世帯と簡易保険に加入をしておりません世帯の動向別に調査はいたしておりませんで、今回は、簡易保険に加入しております世帯の保険に対する需要の動向というよりも、一応のたてまえといたしまして、簡易保険に加入しておるあるいは加入していないというこの区別を問わずに、どういう形の保険に対する需要というのが多いか、こういうことを調査しようというのが目的であったわけです。
  57. 森勝治

    ○森勝治君 いや、主たる目的はそうであっても、簡易保険契約の経験者がこれからの新種保険についてどういう関心を示すかというのがやっぱり当然この調査の目的の中に含まれてなければおかしいんですよ。もしそういうことを全然配慮せずにやったとするならば、それは従来の惰性で、ことしもまた予算を取ったからそれをやりましょうというだけにすぎないと言わざるを得ないんですよ。  私はもう先ほどから前提をあげて申し上げているんですよ。無作為抽出ということでおやりになった模様だが、私をもってするならば、簡易保険の加入経験者の中から抽出してやったほうがよい結果が得られるだろうという前提に立って申し上げているのですから、その前提から申し上げるならば、当然いま私が質問したような御調査もあってしかるべきものという立場の者もおるんですから、そのくらいの配慮がなされないで、この生存競争の激しい保険業界で生き抜いていくことができますか。私はそういうおざなり――失敬でありますが、私から言わせればおざなり調査だよ。そういうことばかりやっておるから、だから私のような将来の簡易保険事業に対する悲観論がそこで台頭してくるんですよ。――ちょっとそこで相談しなさい。
  58. 茜ケ久保重光

    ○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  59. 茜ケ久保重光

    ○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
  60. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) ただいま御指摘のあれは調査票がございますので、できるだけまとめまして、われわれのほうも検討いたしたいと、このように考えております。
  61. 森勝治

    ○森勝治君 いまのお答えは、調査票がありますからまとめるというのは、私の質問にこたえて、そういう調査を――その資料があるから調査してみると、こういうことですね。
  62. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 私のほうとしまして、実は、いま先生の御指摘の点につきましての配意ができておりませんでしたけれども、三千世帯のうちの五六・九%につきましては、これは簡易保険に入っておるということがはっきりわかっておりますし、その世帯についての調査票といいますか、これもはっきりしておるわけでございますので、その分の分析というのが可能でございますので、私のほうもこれをまとめまして、今後の参考にいたしたいと、こういうことでございます。
  63. 森勝治

    ○森勝治君 皆さんは、保険契約者の動向の細分化、しさいの検討というのは必要ないという立場で御調査をされた模様ですけれども、やはり簡易保険事業に協力している皆さんの貴重な、この調査に応じた気持ちを無にしてはならぬと私は申し上げたいんですよ。それが事業の動向をトとする重大な要素になるということをお忘れになってはならぬという意味で私は申し上げているんですよ、そうでしょう。簡易保険を契約してない人に意見を聞いても、それはやっぱり客観的な表現にしかならぬでしょうと言うんだよ。みずから額に汗した金で掛け金してみて初めて簡易保険の存在というのがわかってくるんじゃないですか。皆さんは、従来、国民にはそういう説明をしておったんですよ、いいですか。  それは未開拓の市場を開拓するためには、未加入の皆さん方からの意見を徴することも重要な要素でしょう。しかし、現契約者がどう考えているのか――簡易保険なんてもうこりごりだと、十万円保険に入っても物価高で何にもならぬと。私ども、ついせんだって十万ばかりもらいましたけれども、五十銭、三十銭で掛けたときはたいへんな額でしたが、いま十万円もらってもほんとうにありがたみが薄い。私の簡易保険の契約者としての経験がものを言わせるんですね。  だから、契約者の中にはそう答える方もあるし、自分はいまこういう保険に入っているが、じゃこの次はいまおっしゃられた無配当保険で、変額――変動保険、変額保険、どちらでも呼称はいいんですか、それは通称でしょうから。――そのほうがいいとか、こういういわば経験の中から割り出した助言、進言、提案というのがこれからの事業に大切ではないかと私は思うんです。そういう意味で、当然その辺まで配慮をして調査を完ぺきなものにすべきではないかということで申し上げたんですからね。そういう意味ですから、皆さんのほうでこれからどう資料をお使いになるかは別として、おまとめになるという御意見ですから、まとめられたら、ひとつそれはあとでお聞かせを願いたい。  そこで次の問題に移りますが、もうごく最近ですが、ことしになってから、アメリカン・ライフ・インシュアランスという会社が発売をしております保険料高額割引を取り入れた、いまちょっと触れました無配当の定期保険、養老保険、これはわが国に初めてのいわゆる特色ある保険として評価されておる模様であって、民間各社もこれに何か対応をして、低料・低配保険を含めて発売の機運も漸次高まってきた、こういうふうに聞いておるわけですが、こうした情勢の中で、簡易保険としてもその対策を検討すべき時期が迫ってきている、どう配慮するかということになるだろうと思うんでありますが、この点についてどう配慮され、どう処置されようとされておるのかお聞かせを願いたい。
  64. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 最近の国民の保険に対します需要動向といたしまして、低料で高額の保障を得たいという希望が非常に強くなってきております。アメリカン・ライフ・インシュアランスで売り出しております商品、並びにこれに対応して日本の民間保険会社で売り出そうといまいろいろ準備を進めておりますが、そういう低料・低配あるいは無配当保険というようなものにつきまして、簡易保険といたしましても現在審議を詰めておるところでございまして、今回のこの法案の内容になっておりまする定期保険もまさに非常に低料で高額な保障が得られると、こういう形のものでございますが、昨年度は、二倍保障型といいますか、満期の場合百万円でございますと、死亡の場合には二百万円の保険になると、こういう要するに保障の高い保険でございます。毎年そういうものを発売いたしておりますが、今後引き続きまして検討を進めて、さらにこういうような発売というものにまでこぎつけたいと、このように考えております。
  65. 森勝治

    ○森勝治君 火災、風水害あるいはまた地震等の災害に対して、いわゆる簡易災害保険の実施を望むという気配が最近非常に顕著になってきている模様でありますが、この種の保険については、去る四十三年の郵政審議会の中でもすでに答申で明らかになっているわけでありまして、また当委員会でもわれわれ再三この問題について言及をしてきたところでありますが、一体、郵政省は、その具体的な方法すなわち実現方についての熱意が何かほど遠いような気がするわけですが、この点について、おやりになるのか、おやりになる方向で裏づけをされておるのか、全く手も足も出ないものなのか、その方向性についてお伺いをしたい。
  66. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) ただいま御指摘の簡易災害保険の制度につきましては、これは簡易保険を創設した六十年前のあの努力と同じようなやはり努力が要るだろうと思います。私ども、これの実現につきましては相当な準備、研究、こういうのが要るだろうと思います。ただいまの先生の御指摘でございますが、やる気は十分持っておるわけでございますが、現在、この検討の緒についた、こういう程度でございます。
  67. 森勝治

    ○森勝治君 答申からすでに五年たっていますね。検討の緒についたというのは、対外的な圧力があったんですか。
  68. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 対外的な圧力といいますより、むしろ内部的な事情でございまして、そういう圧力はございません。
  69. 森勝治

    ○森勝治君 内部的な事情で延び延びになってきたと、こういうことですか。
  70. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そのとおりでございます。
  71. 森勝治

    ○森勝治君 その原因はどういうところにあるんですか。
  72. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この四十三年の郵政審議会の答申におきましては、新しい保険種類といたしまして、傷害保険、学資保険、疾病保険それから保険金増額保険、団体定期保険、簡易災害保険と、これだけのものが簡易保険にふさわしいといいますか、実施することが適当と思われる新しい保険種類ということで郵政大臣あてに答申をされておりますが、自後、傷害保険、学資保険、疾病それから定期保険――これは今回の法案でお願いをいたしておるわけでございます。まあ逐次実現をいたしてきておりまして、現在残っておりますのが保険金増額保険と簡易災害保険でございます。できるだけ早い機会にこれの実現を見たい、このように考えておる次第でございます。
  73. 森勝治

    ○森勝治君 局長、ことばを返すようですが、省内事情でおくれているものが早い機会に提案できますか。早い機会という表現は、常識的に私をもって言わしむるならば、向こう両三年以内ですよ、早い機会というのは。いいですか、もう五年とか六年とかということばはすでに長期ということばに置きかえられるのですよ。三年以内に実現できますか。
  74. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) いずれにいたしましても、新しい保険について六つ答申を受けましたうち、四つが大体形を整えようとしておるわけでございますが、残る二つにつきましても、何といいますか、可能な限り早くという趣旨で申し上げたわけでございます。私どもの力を振りしぼってできるだけ早く、こういう趣旨でございます。
  75. 森勝治

    ○森勝治君 どうもことばじりをとらえなければならないが、可能な限り早くということは、結果的にはやらないということでしょう。いままでの各大臣の答弁を聞きますと、みんなそうですよ。可能な限り早くというのは、やらないということだ。できればやります、できなければだめです、あしからずということになるのです、いままでのあれだと。可能な限り早くなんと言っても、早いためしはなかった、失敬だが。ですから、これは実現する省の意思は固まったのですね、早くやるということですから。
  76. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 基本的に郵政審議会から受けました答申につきましては、その答申を尊重し、その線に沿って検討する、こういう大基本方針がきまっておりますが、具体的にこの簡易災害保険の検討にこれこれの人間を投じて何年後に実現するという、そういう形での省の方針というものは固まっておりません。
  77. 森勝治

    ○森勝治君 郵政審議会の答申を尊重するのは郵政省の伝統的な考え方ですよ、これはあたりまえでしょう、自分たちが諮問するのですから。諮問しておいてなかなか――もっともだ、もっともだと言ってやらないのがいま私が質問している中身の問題ですね。  省内の事情でできないということは、やっぱり大蔵省や民間保険会社とのかね合いもあって省内で議論が沸騰したのでしょう。いわゆる作業がおくれてやらないのじゃなくて、賛否が相分かれておるからなかなか実現の運びにいかない、こういうことですか。あと回しでいいやって、ただ何となくじんぜんと日を過ごしたということですか。いずれにしてもこの種の問題はすでに答申から五年を経ているわけですから、決着をつける時期が来ているでしょう。世の中もだいぶ変わってきましたよ、もう。
  78. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この問題を体系的にいろいろなデータを集めまして省内で論議をし、これをどうするかという段階まで実は至っていないわけでございまして、この答申の実現方につきましては、ただいまから見てみますと、やはり比較的できやすいものから手をつけたということがあるいは言えるかと思いますが、傷害保険一つとりましても、これの実現につきましてはやはり相当の苦労があったようでございまして、この簡易災害保険の実現につきましては、これは先ほど先生もちょっとおっしゃいましたけれども、各方面からの相当な意見なり何なりが出てこようかと思います。  ただ、私が申し上げたいのは、これは現実にいろいろな資料、データを整えまして、成案をつくって、これが審議の対象になり、あるいは論議の対象になるという段階にまでまだ至っていない。今後、できるだけ早い時期にこれをまとめて、そういう形に持ち込みたい、こういう段階だということでございます。
  79. 森勝治

    ○森勝治君 省内で賛否相分かれてまとめるに至っていないんじゃなくて、省内の議論の高まりがなかったということですね。他の問題に明け暮れて、しばらくそのままになっておったということでしょう。  ちょうど時期的には昨年の調査で希望の向きが多く出てきたんですから、この三千という世帯の調査だけをもってするならば、四十三年の審議会の答申と軌を一にするわけですから、皆さんは当然力を得て、実現の運びにするのが自然の成り行きということになりますね、そうでしょう。そうなれば当然省内の議論も現実に向かって走っていくということでしょう。だからあなたの言う早い機会ということになるわけだ。だから早い機会というのは両三年以内だろうというふうに私がたたみかけたわけですが、そうしたら可能な限り早い機会というふうにまたあなたが逃げておられるから、私はいまこうして食らいついておるんです、そうですね。  ですから、いまのお話だと、早い機会というんですから、大体、両三年の間に実現できればしたいという御意見だというふうに承っていいですね。
  80. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) これはむしろ逆に先生のほうからどうしたというふうに激励を得て、御鞭撻を受けておるわけなんでございますけれども、ここで、私のほうから、これは二年以内、三年以内に必ず出しますという、あるいは成案を得ますというお約束を申し上げるには、実は保険としては非常に大きな問題でございまして、これは事務的にただ計数が整い、法案の案文が整ったということだけではなかなかそういうふうにはまいらないと思うのでありますが、事務的には、先生がおっしゃいましたように、両三年のうちにはぜひ実現をいたしたいという、そういう意欲は持っております。
  81. 森勝治

    ○森勝治君 大事なことですから申し上げますがね、早い機会というのは両三年だと私は申し上げて、この点については大体両三年でよかろうという御意見です。だから郵政省としては実現したいと。もちろん、これは大蔵省とか民間の動向等も見ますから、いろいろ障害物が時にはあるでしょう、だからそのときに多少おくれたり、でこぼこすることは、これはもう従来のあれでやむを得ないと思うが、ただ皆さんの考え方としては、少なくとも三年以内にこのままでいけば実現したいという省の意向がここで明らかになったわけですね。この点だけひとつ確認をしておきたいのです。
  82. 鬼丸勝之

    ○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほどから森先生の御激励、御鞭撻のおことばを伺いまして、私も同感でございます。  いままで五年間余り論議もされずに今日に至っておりますが、他の新種保険もだいぶ処理されましたので、いよいよこれからこの簡易災害保険にしっかり取り組んで、お話のように両三年、できるだけ早い機会にということで、何とか成案を得るように持っていきたい。  ただ、先生御指摘のように、この問題は郵政省内で事務的に具体的な案を取りまとめましても、大蔵省筋なり損保業界等の相当論議あるいは反論を招くことも予想されますので、何とかしかし具体案をまとめまして、それでそういう論議を十分尽くしていくということで進めさしていただきたいと思います。大体、三年をめどにひとつまとめていきたいと、かように考えております。
  83. 森勝治

    ○森勝治君 ここ数年間の簡保契約者貸し付けの状況はどうなっているか、このことをお伺いしたい。  さらに、簡保と民保との契約者貸し付けの条件の相違等について聞きたいのです。  先般創設しました貯金の貸し付け等は、何かあまり貸し付け状況が芳しくないということでありますね。にもかかわらず、大臣はきのう、けさの新聞に載っているように、総理に何か取りつけた模様であります。大臣がおれば、ここで聞きたいのですが、いませんから、お戻りになってからその点聞きたいと思うんでありますが、当然そうなれば、この貸し付けの限度額等の増加とか、そういうことにも、貯金ばかりでなくて、保険のほうも当然これは前向きで処理されてしかるべきものと私は思って、そういう立場で質問をするわけです。
  84. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険の契約者貸し付けの状況でございますが、これは年度末の件数と金額で申し上げたいと思いますが、四十四年度末が件数で五百七十二万件、これは貸し付けを受けておる件数でございます。それから金額が千三十五億円でございます。四十五年度が五百七十四万件の千百七十四億。四十六年度末が五百七十二万八千件、千三百五十八億。四十七年度末が五百五十八万二千件、貸し付け金額が一千五百四十億でございまして、資金総額に対します貸し付け金額の割合が四・二%ということになっております。  なお、民間におきます契約者貸し付けの状況、これは四十六年度末までしかわかっておりませんけれども、金額で四千四百二十二億円でございまして、民間生命保険の総資金に対します比率が六・四%、こういうことになっております。  なお、この貸し付けの条件につきまして、貸し付けし得る金額の範囲等につきましては、民間と簡易保険の場合、ほとんど差がございません。ただ簡易保険のほうがいささか有利になっている、こういうことでございますが、貸し付け利率が非常に違いまして、簡易保険の普通貸し付けの場合は年六%の利率でございますが、民間の保険におきましては八%、こういうことになっております。  なお、われわれのほうで保険料に振りかえて貸し付けをいたします場合には、年四・八%、いわゆる振替貸し付けと称しておりますが、これが四・八%でございますが、これと同じような民間の保険料自動振替貸し付け、これは簡易保険が四・八%に対しまして六%と、こういうことになっております。  そのほか、簡易保険の独特な貸し付けといたしまして、普通貸し付けの一つの態様といたしまして団体貸し付けという制度がございまして、これは保険契約者十五人以上が一団となって保健衛生施設とかあるいは厚生施設をつくります場合に、月額保険料の三十倍まで借りられる、こういう特別な制度もございまして、この点、民間と違っておる制度かと思います。
  85. 森勝治

    ○森勝治君 契約者貸し付け制度のほかに、先般の調査によると、住宅ローン――何ですか簡易保険に住宅ローンもくっつけるのですか、そんな制度の設定を望んでいる向きもある、こう聞いておるのですが、もしそういう声が多くなった場合に、郵政省はどうしますか、その声に沿って実現する努力をしますか、それは手に負えないといってかぶとを脱ぎますか。
  86. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この簡易保険の資金につきましては、先生御承知のとおり、これは簡易保険の加入者から払い込まれた保険料の集積でございまして、本来的に言いますと、加入者自身のものだと、こういうことが言えようかと思います。したがいまして、これを管理しておりますわれわれといたしましても、有利に運用することは当然でございまして、そのほか、たとえば住宅というふうな形での希望があります場合には、加入者に直接還元する融資ということも必要であろうかと、その必要性は十分に承知をいたしております。  今回の市場調査の結果によりますと、こういう加入者への直接貸し付け制度の創設をぜひやってもらいたいという声が三三%ございましたし、あったほうがいいという声が三五%の世帯にございまして、実に七割近くの方々からそういう要望が出てきておる実情でございます。私どもといたしましても、こういう非常な大きな支持を得まして、現在、どういう形でか、加入者に簡保資金の直接融資の制度というものを真剣に検討を続けております。  この調査結果を申し上げますと、住宅に対します需要が大体五三%ぐらいございます。そのほか二〇%は土地購入の資金を貸してもらいたい、二七%が事業資金、そのほか教育資金とか、あるいは自動車等の物品購入、こういうふうに分類されておりますが、私ども、そういう支持を得まして、いま検討をいたしておりますのは、さしむき住宅を手がけるべくいろいろ検討いたしておるわけであります。
  87. 森勝治

    ○森勝治君 いまおっしゃった住宅の希望が五三三%、土地が二〇%、こういうことになりますと、既契約者はさておいて、未加入の皆さんは、住宅ローンがつく保険ならば入りますとか、あるいは貸してくれるならば土地を買いますという条件で、保険に入るか入らないかという問題に相当なってくるのじゃないかと思うのです。したがって加入者と未加入者との彼我の分析をして検討すれば、それがおのずから統計上に明らかになってくるわけですから、そういう面からいたしましても、私は分類して御調査をしなさいという提案をしたわけです。  それで、いまのお話ですと、特に住宅貸し付け、住宅ローンなどを簡易保険で始めたとなると、また風当たりが強くなるでしょう。しかし簡易保険というものに賛意を表する皆さんのそういう声が多いとするならば、やはりその期待にこたえるように、郵政省も考え方をそっちへ持っていかなきゃならぬと思うのです。国民の皆さんの多くの方がこれをお求めになるならば、これが郵政事業のやり方だと思うのです。お上のわれわれがきめたのだからと、それを国民に押しつけるのじゃなくて、民間世論の動向等を十分勘案して、時代に対応した施策というものを実施に移していく、こういうふうに郵政省の特に簡易保険事業でも、時代に対応するいわば対応策というものがないと、私の先ほど冒頭に申し上げた悲観論が台頭してくるわけですから、その辺は十分ひとつ考えて、そういう各種の調査が、予算があるからしたんだとかつけたりだとか言わずに――そうでないでしょうけれども、十分それぞれの調査の中身もしさいに検討して、むだのないようにしてもらいたいと思うのです。  それで私は次の問題もお伺いしたいんでありますが、これから申し上げる問題については、しばしば当委員会で議論をいたしましたが、すなわち最高限度額の引き上げですね――これは貸し付けでありません、加入保険金の。何といっても保険法を改正するというメリットは、この最高制限額の引き上げだと私は思うのです。  こういうことで、郵政省は、この点についてはしばしば大蔵省等とも折衝を続けてまいった――この前の改正のときに、まいったわけでありますが、たとえばこの市場調査で四十五年の場合には六百万以上、こういう希望が多数あったというふうにいわれております。今回の調査でも、これはもう一千万以上の高額保障を望んでおられるというのが調査の結果でも明らかになったわけですから、実態に即応し新時代に対応する簡易保険事業という、いま私が申し上げた趣旨を皆さんが了とされるならば、当然この辺で最高限度額の引き上げということもこれはおはかりになられるはずだと思っておったところが、あにはからんや今回はこの制限額の引き上げを見送られてしまったんであります。  そうなりますと、新時代に対応する保険事業という私の質問の趣旨からやや遠のいてくるわけです。お答えの趣旨からもまた遠のいてくるわけでありまして、一体、どうして今回は見送ったのか、あれほど強く大蔵省と先般は折衝した郵政省が今回は一言も触れてない。聞くところによると、大蔵省との折衝も一つもおやりになってない、こういうふうに聞いておるわけですね。執拗に食い下がって激論を重ねられた郵政省がなぜ今回はこれを見送られたのか、私はこの点ちょっと合点がいかないんですよ。この前、あれだけ激しく大蔵省に食らいついた――という表現は失敬でありますが、大蔵省と激しいやりとりをした郵政省は、当然、時代の要請にこたえて今度はおやりになってくださるものと期待感を持って見たところ、何と一つも議論をしていない、要求も出していない、折衝もしないということになると、また投げやりの保険事業かと指摘せざるを得ないんでありますから、この点、私が理解できるようにわかりやすくひとつお話しを願いたい。
  88. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 現在の簡易保険の保険金の最高制限額は三百万円でございますが、確かに、御指摘のように、最近におきます国民の生活水準の向上というような点から考えますと、遺族の生活あるいは保険金受け取り人の老後の生活の安定をはかるためには、必ずしも十分であるというふうには私ども考えていないわけでございます。  しかし、この三百万円への引き上げが実現いたしましたのは実は四十七年の五月でございまして、昨年引き上げたばかりであるということ、いままでのこの最高制限額の引き上げの沿革等々にかんがみましても、大体やはり三年に一回程度で引き上げを実現しておるというような事情がございます。そのほか民間の生命保険の無診査の限度額、これが三百万円でございますし、農協の生命共済の限度額も三百万というようなことで、結局どちらが先に口火を切るかというような形で、これは実は民間先行型がずっといままでの慣例でございました。そういう点を考えますと、三百万から引き上げます場合の一応のめどというのは、やはり五百万円というのが最高制限額の限度になろうかと思います。四百万円は飛び越していくというふうにわれわれも一応考えるわけでございます。そういたしますと、昨年に引き続いてまたことしということはいささか無理がくるのではないかということでございます。  まさに御指摘のように、簡易保険の経営というようなことを考えますと、三百万円の限度額というのは相当なかせになるということは御指摘のとおりでございますが、今後できるだけ早い機会にこれをまた引き上げるということで、今回は見送ったということでございます。
  89. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、そういうお答えは私が新時代に対応するあり方ではないと御指摘をしたそのとおりになったわけです。ですから、これはひとつ改めていただきたいのです。  あなたのほうで、本省で簡易保険の募集をせい、せいと言っても、三百万ではという国民の魅力のなさが指摘されているわけですから、第一線の諸君は、この点、身をもって痛感されているわけですから、だから皆さんも先般あれほど大蔵省と渡り合ったじゃないですか、国民の期待にこたえるといって。今年になったら土地は四割も上がっているのです、三五%去年の暮れまでに上がって、物価でさえももう一一%上がっているんですよ、御承知のとおりでしょう。せっかくつとめ人が家を買おうとしても、昔だと五百万でささやかな家が買えたのが、いまは建て売りは最低一千万以上です。マンションだってそうでしょう、五百万台というのがしばらく続いたのが近年ばたばたと上がって、一千万から一千二百万でないと買えない。簡易保険だけが時代にそぐわず、だんだんそれだけでも取り残されてしまうわけであります。  従業員のしりをひっぱたくならば、従業員がやはり簡易保険を募集できるように、しやすい方法の努力を本省はしなくて、募集せい、募集せいと言うからこそ、変な募集のしかたが苦しまぎれに始まるんじゃないですか、私はそう思うのです。なぜ今年あたり大蔵省と渡り合わないのですか、一言も言及しないなんて。一言も今年やらないなら、去年大蔵省とあんなに口角あわを飛ばしなさるな。あのときの勢いはさすがに郵政省だと、時代の期待にこたえよう、従業員の諸君が一生懸命やろうとする期待にこたえよう、三百万では魅力がない、ないよりはいいけど、三百万ではあまり魅力がないという、これはもう全国の出先で至るところ報告があるでしょう。皆さんは身をもって御存じなんです。なぜ、これを大蔵省とおやりにならなかったのか、どうですか、この点。
  90. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) むしろ私のほうが激励を受けておる立場で、立場がちょっとおかしいのですが、確かに、先生おっしゃいますように、現場第一線の士気を鼓舞し、募集の推進というようなことを考え、さらに国民の経済生活の安定なり国民福祉の向上という点を考えますと、まさに御指摘のとおり三百万では低きに失するということは十分承知をいたしておりますが、先ほど申し上げましたような沿革なり実情ということで、今回この引き上げの要求を出さなかったわけでありますが、実情はまさに先生のおっしゃるとおりでございます。今後努力をしたい、こういうことでございます。
  91. 森勝治

    ○森勝治君 けさの新聞で、先ほどちょっと触れました郵政大臣と総理の会見で貯金の問題が出ましたね。すでに私のところには農協の幹部が先ほど来ておったのですよ、私が委員会に出る前に。郵便局さんがああいうことを始めると農協預金を郵便局にみんな持っていかれてしまう、こういう意見が出たのです。限度額引き上げの問題も出ましたね。  ですから、これがまたふえれば、そういう点のあるいはいろいろな異論が出てくると思う。出てくると思うけれども、現時点における社会的背景を考えるならば、当然、これはこの辺で皆さんが大蔵省と折衝して国民の期待にこたえ得るような簡易保険に持っていかなければならないと思うのです。この点は、ぜひともひとつ、今後とも努力をしてもらいたいと思うのです。  そこで、私はさらにお伺いしたいのでありますが、死亡・傷害保険の場合、重点保険の場合、当然これは制限額を撤廃する時期に来たんじゃないか。そして貯蓄性保険のみに制限額を設けるという、二段がまえと申しましょうか、二重構造と申しましょうか、そういう時期が来たと思うのですけれども、この点については、御見解はどうですか、もう検討する余地はないですか。
  92. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険の最高制限額の規定の趣旨というのが、やはり簡易保険が無診査保険として負担し得る危険の限度、これを定めるという一つの意味合いがあろうかと思います。したがいまして、その問題がない貯蓄部分に対するものと、それから死亡危険に対します部分というのは確かに理論的にも分かれようかと、このように考えるのであります。  われわれも一応この検討はいたしたことがございます。今後もさらに検討をいたしていきたいと思います。確かに死亡保険に対する部分と貯蓄の保険に対する部分と、最高制限度の二段がまえという考え方、今後ともひとつ検討を進めていきたい、このように考えております。
  93. 森勝治

    ○森勝治君 保険約款に団体払い込みの場合の保険料割引制度を設けているわけですが、これはどうして団体保険の場合に割引をするようになったのか。  最近、まさに雨後のタケノコのように、職域団体のみかと思ったら地域団体までがどんどんできて、あまり多過ぎたもので郵政省の本省ではあわを食っているというこの現状、あけてみたら全部保険関係の諸君が先頭に立って地域団体の育成、結成をやっていたという、すべてではございませんが、たいていそういう現状なんです。だから、私はいま一応その点の質問をして、これからこの種関係の質問を続けたい。
  94. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険におきます団体払い込みの保険料割引の制度について簡単に申し上げます。  これは簡易生命保険約款の第五十三条に規定がございまして、十五個以上の保険契約の保険料を一括して払い込ませることによって、国の集金手数を省き、契約の保全をはかるということを目的として設けられた制度でございます。一方、加入者の側のほうからこれを見ました場合には、保険料が安くなる、また割引額をもって団体の活動の資金とすることができる、こういう利点があるわけでございまして、この団体払い込みの制度は大正五年の事業創始当時から設けられておりまして、最初は保険料の割引は行なっておりませんでしたが、昭和六年の十月一日から、この団体払い込みにつきまして、保険料の割引制度が設けられて今日に至っておるわけであります。
  95. 森勝治

    ○森勝治君 いまおっしゃられたこの五十三条ですね、これは主として職場をさしておったわけですね。後尾の「その他の団体」というところに準じてやった模様でありますけれども、このごろ「その他の団体」のほうが多くなってしまうような傾向があるわけです。それからどうにもならない――歌の文句じゃないが、どうにもならなくなって――このままでいけばそうなるわけですね。  したがって、一体、昭和六年ですか、いま団体払い込みは最初からあるけれども、実際は昭和六年ですね、いまの説明は。昭和六年のときの「その他の団体」というものが、今日郵政省が認めている団体を、この法制定の当時さしておったものかどうか。全くこのいわゆる地域団体というのは、当時の議論の中からは生まれてこなかったような気がするんです。ここに私は時代の激しい移り変わりが端的に今回の地域団体のこの続出ということになってくるのじゃないかと思うんですけれども、おそらく当時は予想もしなかったのじゃないかと思うんです。ただこれは条文の整理上「その他」ということばを当時つけたのではないか、こんな気がするんですが、こういう昔のことですから私もわかりませんけれども、そういうことだったでしょうか。
  96. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この団体取り扱いにつきましては、創業当初から、職域団体それから地域団体の双方について取り扱っておりました。事業創始当時は――官公署、会社、工場、事業場又はその他の団体に属する者ということになっておりました。旧団体特別取扱規則第一条によりまして「その他の団体」ということになっておりました。地域団体も認められているわけです。
  97. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、私は申し上げているんですよ。確かに「その他の団体」とあるが、今日のように簡易保険を募集するために、割引をもらうためにのみ現存する団体なんということは夢にも想定しないで、これがつくられたのではないかと私は思うが、どうかと、私はこう聞いてるんですよ、いいですか。
  98. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 確かに、何といいますか、経済生活の発展なり、国民生活の態様の移り変わりというようなものから、地域団体の中におきましても、たとえば町内会あるいは自治会というような地域団体のほかに、同業者の団体、これは小売り商とかいろいろあろうかと思いますが、そういうものも含まれてきております。さらには、地域団体の中に、これは現在非常に問題になっております趣味を同じくするような、たとえば旅行とか観劇とか、そういう団体もやっぱり地域団体の一つの態様として、われわれ把握をいたしておるわけでございます。
  99. 森勝治

    ○森勝治君 それはわかりますよ、それはわかりますが、私が言ったように、保険料の割引のみをもって目的とする団体が続出しているでしょう、いま。いまは「その他」というので、何でも「その他」に入ってきているが、この案をつくった当時は、保険料の割引をもって旨とする地域団体が生まれようとは、予想もしなかったのではないかということを聞いてるんですよ。
  100. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 昭和六年当時の実情を実はつまびらかにいたしませんけれども、たしか、いまみたいな形での団体はなかったと、あるいは予想もしてなかったと、このように思います。
  101. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、いま言ったように、新時代にふさわしくない――ふさわしくないというのは、魅力のない簡易保険だ、いまは最高の限度額が三百万で押えられているから。そうかといって、上からやれやれ、募集しろ、募集しろと言われているから、民間の保険募集よりも、いま郵政省の出先をひっぱたくむちというのはひどいですからね、失敬だが。ですから現場の諸君が苦しまぎれに編み出したのが「その他の団体」というところに着目をして――いいですか、そこで保険の担当の諸君も団体をどんどんつくらしたのじゃないですか、そうでしょう。そうして私が先般指摘したようないろいろな問題が起こっている。  最近は、特に、この保険契約にからむトラブルがたくさん生まれてきた。私はいま申し上げたようなことがすべてその原因だとは言わないけれども、それもその原因の一つだと思うのです。したがって、最近、団体保険契約にからむトラブルというのが非常に多くなってきたということは、一体、何を物語るのか、その原因はどこにあるのか、これをひとつお伺いしたい。
  102. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この団体の組成の問題及び団体の運営につきまして、いろいろ御指摘のようなトラブルあるいは不祥事等が起こっておるわけでございますが、これの原因につきまして考えますに、この会の設立及び運営について、完全な形で会員の了解が――会員といいますか、その団体構成員の了解が得られていないということにやはり基本的な原因があろうかと、このように考えるわけであります。
  103. 森勝治

    ○森勝治君 団体構成員の了解が得られてない、これが多くの原因だとおっしゃるんです。しかし、これは省側の指導する体質というものがそういうトラブルの遠い原因をつくっていったんじゃないですか、私はそう思うんですね。  いわゆる簡易保険は無診査、小口、月掛け、集金、これが簡易保険の事業の特色でしょう。ところが三百万じゃ魅力がないという。そこで観劇とか旅行とか人間ドックとか、あたかも加入すればその恩典にあずかれるがごとく、あけてみたらいつの間にやら見ず知らずの人が自分の仲間であったという団体構成にされてしまうから、いま局長がいみじくもおっしゃったように、団体構成員の理解が得られない、あけてみたら自分が割引団体の加入者であったということにされちゃうんですよ。一体、だれがしたかというんだ、問題は。  あめとむちもときによりけりですよ、局長、いいですか、あめとむちもときによりけり。募集手当というあめをちらつかせながら民間を追い越せ、進め、やれということでむちをもってする。むちをもってするならば、簡易保険を魅力のあるもの、すなわちさっき言ったように最高限度額をもう少し大蔵省と折衝して上げなければ、第一線に立つ諸君だって元気がない。――何です、いまごろ三百万、家買うんだって一千万かかると言われる。保険募集の出先の諸君のなまなましい報告を皆さんはもう身をもって知っているはずなんです、いいですか。それにもかかわらず募集だけはやれ、やれって、毎年のようにノルマを課す。ノルマを課されるから職員はしかたなしに出先に行く。普通では加入してもらえない。だから、いま言ったように、次から次へと知恵を働かしてそういう募集を始める。団体構成員の十分な理解が得られないというのは、それは本省の募集のそういうむちをもってする姿が彼らをかり立て、そういうはめに落ち込ませた原因だとは思いませんか。
  104. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先生も先ほどちょっとお話ございましたように、簡易保険の特色というのはやはり無診査、小口、月掛け、集金、この本質はやはりいまでも変わっていないと思うわけでありまして、新契約の募集実態を見ましても、やはりこの特色の上に立って、要するに一たん事故があった場合における保障という、この保障話法というのがほとんどの新規契約の、何といいますか、話法の分類によりますと、これが五〇先以上を占めておると、われわれこのように考えております。したがって、いま問題になっております観劇なり旅行なりあるいは人間ドックというような、これをわれわれは特殊話法といっておりますが、この話法によって新契約を募集するという割合は、私どもそれほど大きな割合になっておるというふうには考えていないわけであります。  ただ、先ほども申し上げましたけれども、国民生活の上でも非常に福祉部面の向上ということが重視をされてきておりまして、生活設計の中にレジャーとかあるいは健康の増進、維持というような計画が積極的に織り込まれてきておる。こういう国民の需要に沿って、需要といいますか、国民の意向というものがたまたま団体払い込みによる割引制度の利用というものと符合したと、こういう面もやはり見のがせない部分ではないか、このように考えているわけでありますが、先ほども申し上げましたように、ただ、この話法の使い方が団体の設立なりあるいは運営につきまして十分に契約者に納得をしてもらい了解を得ていないということから、やはり何といいますか、その後の取り扱いについていろいろトラブルが起こってきておる、このように考えているわけでございます。  今後は、こういう団体の組成なり運営につきましても、団体規約というようなものを十分整備をしてもらいまして、また具体的な団体としての、たとえば旅行なり観劇というような団体行動というものを厳格に行なう、それから割引保険料の行くえ、これは運営の一番大きな部分でございますけれども、団体割引保険料の管理というようなものを十分にしてもらう、こういう指導を十分にしていきたい、このように考えているわけでございます。
  105. 森勝治

    ○森勝治君 いまお話しの中で、観劇、旅行等をえさとして、たとい少ない部分だが、そういう傾向で、そういうものを釣りものにして、見せびらかして募集をしているという事実をお認めですね。大勢ではないけれども、そういう実態があるということをお認めですね、いまのお話しの中でお認めになりましたね、その点は。
  106. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 話法として確かにそういう話法がございます。
  107. 森勝治

    ○森勝治君 話法じゃない。それは募集方法でしょう。
  108. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 募集の方法のうちになるわけでございます。
  109. 森勝治

    ○森勝治君 話し方教室じゃないんですからね、保険募集のことですから。あなたそれをお認めになった。  さらに、私は申し上げる。これは六月四日の朝日新聞の投書ですが、「簡易保険、知らぬ間に加入」というんですよ。大臣、いいですか、知らない間に簡易保険に入れられてしまったという投書なんですよ、これが事実ならこれは暗黒ですね。これは投書に出た。いまこれを読むとたいへんでありますけれども、これはこればかりじゃなくて、大臣、その他もあるんですよ、実を言うと。病院に入っている人を、いいですか、無診査だという名目のもとに病人を保険に入れさせるんですよ、大臣、いいですか。私は耳ざわりの悪い話ばかりして恐縮でありますが、残念ながらそういう例が実態です。  いま、担当局長は観劇とか旅行などをえさにして募集する一部の者があると言われますが、国営事業の中で、たとえ一部であっても、そういうことが出るということは事業のマイナスであるし、国民の信頼に沿わないことなんですから、そういう逸脱した行為をさせてはいかぬのです。いいですか、局長、だから一部分だなどと言って絵そらごとのようなことを言ってはならぬのですよ。一部分といってもそういう架空な募集の方法ということは世人をいたずらに惑わすのみですから、こういうことは厳重にやめさせなければならぬのです、私はそう思う。  いいですか、担当局長、よく聞いてくださいよ。あなたは一部分だとおっしゃる。たとえ一部分であっても郵政事業全般のことがそれで推量され、それで点数がつけられてしまうんですよ、そうでしょう。したがって省の指導方針というものは、この非については何といっても国民の信をつながなければ、郵政事業全般、簡易保険事業もまた伸展がないんですから、国民の信をつなぐことができない簡易保険事業だから、やがて没落するであろうと、このままでいけば。そういう悲観論を私は先ほど冒頭で申し述べたわけです。大臣、いいですね。  ですから、期待される簡易保険事業にするためには、やはりまじめに取り組まなきゃならぬし、まじめに加入説得をしなきゃならぬのです。公取法の疑いを持たれるような保険の募集のしかたは、かりそめにも郵政事業ではやるものではないと私は思うのです。この点、基本的な問題ですから、大臣、ちょっとお答えをいただきたい。
  110. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の同趣同好の団体の保険加入の問題でございますが、これにはいろいろトラブルが起きておるということを私はよく耳にいたします。承知をいたしておるところでございまして、何らかの形でこうした問題につきましても、省内でも検討してみたいと考えておるような次第でございます。
  111. 森勝治

    ○森勝治君 昨年の十二月二十五日、郵保業第二七三号で出された「保険料払込団体の組織運営について」というこの通達のねらいはどこにあるんですか。  これを見ると、どうもねらいは雨後のタケノコのごとく続出するいかがわしい、いわば信頼の置けない団体の規制というふうに出されたのではないかと思うけれども、どうもこの中身を見ると、団体が続々出ることを歓迎すると、指導すると、こんな文章のような気がしてならぬのでありまして、私のこういう解釈は間違っておるでしょうか。
  112. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘の通達のねらいとするところにつきましては、団体事務を自主的かつ効率的に行なわせ、かつ団体割引の保険料の経理を適正かつ明確にすることによりまして、加入者の利益の増進、集金事故の防止及び保険契約の保全というものをはかりたいということで、郵便局が団体に対しまして指導していく場合の指針を与える、これがこの通達の目的でございます。
  113. 森勝治

    ○森勝治君 ならばですね、郵便局員が全然知らない人をあたかも知ったごとく装ってつくらした団体、簡易保険の割引料のみをねらいとする団体を全国で幾つもつくらしていますが、なぜそれを規制する、やめさせる指導を同時に出さなかったんですか。それをほっかむりして、あまり規制をすると職員の意欲にかかわるという、そういう面ばかり考えて、間違ったことをなぜ規制しないんですか。  その辺から規制していかないから、国民から今日のように簡易保険の是非論がやかましく出されてきておるんでしょう、私はそう思うんですね。あんたがそういうように健全なる団体の指導をおやりなら、誤ってやったそういうものは解消する――局員が先立ってやったやつを局長以下が改めれば、そんな不良団体はなくなるじゃないですか。その指導もあわせて行なわなきゃだめですよ。なぜそのほうをほっかむりしているんですか。  だから、私は、むしろあなた方は健全なことをやろうというねらいだろうけれども、片一方をほうっておくから、逆な面に私はこの通達を理解するがよろしいかと、私は逆な質問をしているわけですからね。その点をあわせてもう一ぺん答えてください。
  114. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡単に申し上げ過ぎまして、実は肝心なところが抜けておったわけでございますが、昨年の十二月の通達が目的としますところは、ただいま非常に問題になっております旅行、観劇、人間ドック等、これは省としては団体として認めておる団体でございますが、これはよろしいと。旅行なり観劇なり人間ドックというような団体の独自の行動を伴う団体のみを認めて、リベート団体といいますか、ただ保険料の割引だけを目的とする団体、あるいは金品の贈与――商品券なり特定の品物を贈与する団体の組成、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたけれども、これの禁止、そういう団体はつくったらいけないという禁止、これをこの通達ではっきりさせておるわけでございまして、この団体の運営を正確にやっていくということから、いま申し上げましたような団体組成を禁止し、また現在すでにあります団体は押えていく。  それから、われわれのほうで認めております旅行、観劇及び人間ドック、これは非常に同趣同好の団体の中でも限定された団体でございますが、これらの団体の組成及び運営について適正に行なわれるように、いやしくも契約者から批判、非難が出ることのないように、こういう運営の基準を定める、こういうことを目的としておる通達でございます。
  115. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、私は質問しているのですよ。これからやがて続出するであろう好ましくない団体を未然に防ぐためにこの種のものを出されたならば、すでにいかがわしい団体があるという指摘は全国出ておるわけですから、皆さん方の調査でも。こういうものは、これを出すと同時に、解消させる指導もなぜ行なわないのかと言うんだよ。過去にできたものはそのまま認めていきますよと、これからできますのは規制しますよと、それじゃ何にもならないじゃないかと言うんだよ。  えてしてこの種のものは、皆さんがあまりむちをもって保険を募集せい募集せいと言うものだから、ない知恵を――失敬だが、ない知恵をしぼって編み出したのが地域団体割引――団体なんですから、最近の雨後のタケノコのごとく出てきたものは、そうでしょう。みんなそれは局員が簡易保険募集のあまり、やや軌道を逸したかのごとき形でつくられていくんですから、それをもとのさやにおさめなければ信頼を取り戻すことはできませんぞと、私はこう申し上げておるんです。  できちゃったものは知らないと、これを育成していくというんじゃ、これを出したほんとうの趣旨はないでしょう。いかがわしいものができるおそれがあるから、できないように規制しようというので、出した。いかがわしいようなものに類似するものはだ、局員に、君たちはいかがわしい団体から手を引けということを勇敢にあなた方が通達を出せば、郵政省のき然たる態度がわかるから、知らずにやった諸君もそれじゃ省の方針だからと、指導している諸君もじゃやめようということになるんですよ。それをやると今度は募集の意欲がそがれるからだめだ、だめだと、つまらぬところに力点を置いておるから、体質改善ができないんではないか、私はこう思うんです。  いかがわしいのは困るでしょう、このままどんどんできたら、あなた方もどうしようもなくなるでしょう。だから類似のものは厳に整理していくと、基本的な考えを持たないといけませんよ、それは。
  116. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この通達も非常に長うございますので、十分に申し上げられませんでしたけれども、今後つくっていく団体だけでなく、既成の団体もこの適正化の対象にいたしておるわけでございまして、こういうふうにいっております。  現金なり小切手というような、あるいは品物等の交付だけを目的とする払い込み団体は今後つくらないことにすると、なお「現にあるこの種の払込団体」については「すみやかに改組または廃止するよう指導すること。」ということで、われわれのほうで認めております団体以外に、そういうすでにできておるこういう団体については、これを改組するとか、あるいは廃止するように指示をいたしております。
  117. 森勝治

    ○森勝治君 それならば、当然、もうこれ出してから半年たつのですから、全国で一つや二つの廃止の報告があってしかるべきでしょう、そうでしょう、何にもないじゃないですか。どこの県でそういうのを廃止したという声を聞きますか、ないでしょう、そのままじゃないですか。それじゃいけませんと言うのですよ。知らず知らずのうちに踏み入った山かもしらぬが、山に踏み迷ったら、軌道修正をさせなければならぬでしょうと言うのだよ。それをほうっておいて、保険を募集せい募集せいと言うから、ますますわからない山に踏み入ってしまうではないかと言うのです、私はそれを言っているのです。  昔と違って簡易保険は魅力のないものになってきているから、募集する人はたいへんだ。そのたいへんな気持ちはよく理解できる。だからといって、そういう馬の鼻づらにニンジン式な募集のしかたはいけないぞと、こう言っているのです。通り一ぺんの通達はだめだと言うのです。全国で一つや二つの局、どこでもいいですから一つでも二つでも実施してみなさい、現にいかがわしい団体があるのだから。一つでも二つでもあなた方が勇断をもって処理してみなさい。そうすれば省の方針がなるほどとわかるのですから。それを、局長、そんなことをやられては今度は募集に行く人はありませんよとかなんとか言われるものですから、そのままになってしまうから、このような投書や、次から次に世間がだんだん騒がしくなってくる。  大体、この問題、東海管内で一番最初にできたのでしょう、簡易保険のいかがわしい募集というのは。あのときに皆さんが皆さんの苦衷を披瀝して、当該地域の皆さん方に協力を求めて省の方針を即座に改めれば、全国的にこんな問題は非難されないで済んだはずじゃないですか。われわれが苦言を呈したときに方針転換をすればよかったのじゃないですか。それを黙って、局員の募集意欲が低下するからとかなんとか、そういう美名に隠れてほうっておくから、これ幸いとして一部の不心得が動き出す。一部の不心得が動いても省全体の方針だと言われがちなんです、国営事業においては。国営事業は何といっても信用が大事だとは思いませんか。  いまのように悪口を言われようが何しようが、法に触れなければ何やってもいいというしぐさだから、皆さんから批判がくるのです、私はそう思うのです。ぜひともこの点はひとつこれから御指導を願いたい。部外というよりも、省内の姿勢を正してほしい、このことについては。まじめな職員がそうでなければ迷惑をいたしますから。この点は、大臣、お約束してください。――いいです、発言はしてくださらぬでもいいです。  そこで、いまお話がありました同趣同好団体というのは、一体、どういうものですか。いま言われた観劇とかそういうものですか。
  118. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) これは、普通、同趣同好団体とわれわれいっておりますけれども、同好会、同趣会等、趣味趣向というようなものが中心になりまして特定の活動目的によって組織された団体、これを一応同趣同好団体といっております。われわれといたしましては、地域団体の一つの形態というふうに分類をいたしております。  具体的な活動としましては、会員相互の親睦をはかるために、観劇、旅行というようなもの、これが主でありますが、そのほか先ほども話題になっております人間ドックというようなものがございますが、現在、われわれは、この観劇、旅行、人間ドック、この三つだけを狭く限定しまして、これだけは認めていこう、こういう形でございます。
  119. 森勝治

    ○森勝治君 観劇、旅行、人間ドック、官製じゃないですか、これは。郵政省指導じゃないですか、皆さんの出先がそれをつくらしたんじゃないですか、そうでしょう、あなた方の出先がつくらしたんでしょう、それをえさにして募集してきたんでしょう、今日まで。そこが問題なんじゃないですか、そう思いませんか。他人さまがやったんじゃないんですよ、郵便局の最先端の募集の諸君がそれをやったんですよ。よく考えを改めてくださいよ。いいですか、同趣同好の団体の諸君がやったんじゃないんじゃないですか。皆さんの部下が簡易保険募集の熱心なあまりに、歌舞伎に連れていきましょう、旅行に連れていきましょうと言って、団体をつくったんじゃないですか、そうじゃないですか、皆さんでつくったのはそうでしょう。それならば、その点は改めていかなくちゃいかぬじゃないですか。  善意の第三者の集まりと違うでしょう、いわゆる民間の釣りの会だとか俳句の会だとかいう団体と違うでしょう、これは。簡易保険を募集する一つのいわば手練手管的なものでしょう。観劇させます、何かそこに入ればやりますと、こういうことでしょう。郵便局から始まったんで、だからそれを規制しなきゃ何にもならぬじゃないですか。それだけは残しておく、これは部内の抵抗がそんなに多いんですか。郵便局が簡易保険を募集するのに、入れば歌舞伎座へ招待します、旅行に連れていきます――これは国家事業としての郵政省の正しいあり方ではありませんぞ、私はそうはっきり指摘する。この点をお答えいただきたい。   〔委員長退席、理事今泉正二君着席〕
  120. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 確かに、この同趣同好団体ができる経過といいますか、あるいは契機になったものとしましては、まず郵便局の外部の人たちが勧奨をして一つの団体、まあ十五人なら十五人という団体ができるわけでございますが、これで団体ができたあとに新しくどんどん加入をしてその団体が大きくなっていく、こういう事例が相当多いと思います。  もう一つは、これは郵便局で施策募集と称しておるわけでありますが、簡易保険に入ることによって、たとえば再来年になりますか、沖繩で海洋博が開催されるわけでありますが、海洋博を見に行く団体、これを保険の団体として見に行こうということで、そういう団体ができるわけでございます。そこに見に行くまでも、団体の保険料の割引額で九州の中を年に一回ぐらい旅行しよう、こういうのが一つの保険料払い込み団体としての旅行団体、したがって確かにその団体が組成されるモメントとしては外務員の働きかけがあるわけでありますが、全部が全部それがっくり上げるということでなくて、やはり先ほど申し上げました国民全般についてのレジャー志向といいますか、福祉生活の向上、そういうこととマッチしたと、こういうことが言えようかと、こういうように考えるわけであります。
  121. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、全部が全部あなたはそうじゃないと言っているが、郵便局員がやっているところが問題を起こしているんじゃないですか。純然たる同趣同好の士の会の集まりでそんなトラブルが起こっていますか、起こっちゃいないでしょう、みんな知り合いの中で一人一人了解をとっているから。郵便局の職員が簡易保険募集をするに熱心なあまりに行なったその点が世の指弾を受けているんじゃないですか、そうでしょう。どこかほかで、同趣同好の中で郵便局とトラブルを起こしたところがありますか、ありゃせぬじゃないですか。皆さん方の部下が熱心なあまり、いわゆる勇み足というやつですと言うんだ。だからそこが批判されておるんだから、そこはやがて改めるようにしていかなければいけないのじゃないかと言っているんだ、私は。募集の本来の心に戻らなければいけませんぞと言っているのです。局長、この点で明確にしておかなければだめですよ、いいですか、皆さんの出先が募集して団体をつくったのだから。  トラブルの原因は何だと聞いたら、団体の構成員の十分な理解が得られなかったと。得られないはずだ、あなた知らない間に入れちゃうんだから。すべてじゃないけれども、一部にそういうのが。だから浮き上がってしまうんですよ。したがって釣りの会だとか、純然たる民間人の、その保険を募集する諸君と関係のない民間人の同趣同好会のところでは、そういうトラブルは起こらないでしょう。そこに問題があるのですから、本論をすりかえてはなりませんよ、その点は。
  122. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そういうトラブルが起きませんような募集のしかたなり、あるいは団体のしかたなり、これを指導していきたい、このように考えます。
  123. 森勝治

    ○森勝治君 そこで、いまこの通達にもあります同趣同好会、これは通達では今後とも認めていきたい、しかしトラブルの起こらないようにしていきたいということでありますが、郵政省が認める、今後も認めるとおっしゃっているこの同趣同好会なるものは、私的独占禁止法に抵触をするのかしないのか、この点をお伺いしたい。いわゆる私的独占禁止法にいう事業者団体とみなされているのかどうかということです。
  124. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 申し上げますと、団体割引は、国の集金手数が省かれることへの見返り及び保険料の取りまとめに対する報労としてなされるわけでありまして、また保険約款の定める要件を満たす保険契約については、おしなべてその取り扱いをするわけであります。したがいまして、これが公正取引委員会告示にいう「正当な理由がないのに、地域または相手方により差別的な対価をもつて、物資、資金その他の経済上の利益を供給」すること、あるいは「不当に低い対価をもつて、物資、資金その他の経済上の利益を供給」することにはならないと、このように考えておるわけであります。  また、団体割引は、冒頭申し上げたような趣旨のものでありますので、その取り扱いを受けられることを周知して新規契約の募集を行なうことについても、この私用独占禁止法の規定に触れるという問題にはならない、このように考えておるわけであります。
  125. 森勝治

    ○森勝治君 消極的なお答えでありますので、血のめぐりの悪い私にはわからないのですよ、いまのは。だから、そのものずばりでさっきお伺いしたのでありますが、いわゆる独占禁止法にかなっている団体かどうかということだから、それに答えてくださいよ。そんな条文読み上げられたって、理解に苦しむ、私は。
  126. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 払い込み団体は、私的独占禁止法にいう事業者に該当する、このように考えます。
  127. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、独禁法にいう事業者団体ということですね。――そういう独禁法にいう裏業者団体ということだそうです、うなずいておられるようですから。  そこで、お伺いするんでありますが、観劇、旅行あるいはまた人間ドック等を引き合いに加入者を募るというこの行為は、独禁法に触れるおそれはあるのかないのか、この点お伺いしたい。
  128. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 触れるおそれがない、このように考えております。
  129. 森勝治

    ○森勝治君 それならば、不当景品類及び不当表示防止法第三条との関係はどうでしょう。
  130. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この第三条でいっております「(景品類の制限及び禁止)」この条項にも抵触をしない、このように解釈しております。
  131. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、この観劇等の場合、全員を連れていくというのですか、抽せんで一部の者を連れていくというのですか。保険募集のとき、どういうことを言っておりますか。
  132. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 団体払い込みの保険料の割引額が一定の度合いに達しました場合に、その構成員全部を連れていく、こういうたてまえになっております。
  133. 森勝治

    ○森勝治君 加入者全員を連れていくということになれば、独禁法第十九条との関係はどうなりますか。
  134. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) ただいま検討いたしておりますので、しばらく御猶予をお願いしたいと思います。
  135. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、検討中だそうですから大臣にお伺いしたいのですが、この問題は、公取と十分御相談あってからこういうことをおやりにならないと、だんだん世間が騒々しくなりますよ。これは大臣に御注意しておきます。
  136. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) いろいろ審議中に、皆さんから、問題点につきまして御指摘を受けております。私も、その弊害についてはいろいろ考えておるところでございまして、そういう点等を踏まえまして、やはり何らかの措置を講ずべきではないかというふうに考えておる次第でございます。
  137. 森勝治

    ○森勝治君 局長、こうしましょう、これはやはり公取と皆さんはよく相談をしてください。皆さんの立場もあるでしょうから、私がいま直ちにここでイエス、ノーを求めるというのは若干酷だと思う。  私がいま課題を投げ、大臣から真摯にお答えをいただいたから、大臣が知らぬ存ぜぬ、おれのがあたりまえだと言うならば、次の質問を用意しておったのですが、大臣が正直におっしゃっておられますから、私のほうもこれ以上きょうは深追いいたしません。あなた方のお答えも、いま直ちにとここで言われたらお困りの場合もあるでしょうから、したがって公取と十分相談をして、しかるべきよき結論を求めて、それでこの種の問題の処理をしてください。  きょうは他に厚生省も来ておりますから、これだと一時間もかかってしまいますから、私も予定よりおくれており、時間をはしょって、きょうは課題として皆さん方に差し上げておきます、いいですね。
  138. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そのようにいたします。   〔理事今泉正二君退席、委員長着席〕
  139. 森勝治

    ○森勝治君 先ほど私が指摘いたしました郵保業第二七三号によりますと、「払込団体の集金事務等は、原則として公益法人に委託する」こういう表現を用いておられるわけですが、公益法人なるものの存在はまだ私は認めてないし、さだかでもありません。認めてないというより、私はその存在を知りません。しかしいまこういう指導が当局の方針として出されているわけですから、法人に委託するのでありましょう、そちらの御意見では。  ならば、いまは特殊団体かもしらぬけれども、将来、一般保険料の集金等もこの公益法人に委託するのですか。これは非常に重要な要素を帯びていると思うのでありますが、通達では淡々と述べられている。私は、これでは職員団体に協力を求めようとしても、おっとどっこいそうは問屋はおろさないと思う。なぜならば郵政事業のこの部門に働く諸君の生活がかかっているからであります。簡単にこういう通達を出されては困ります。この点、どうされるおつもりですか、しかもこの公益法人というものはどういうものですか。
  140. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 昨年十二月に出しました通達は、先ほど来申し上げておりますように、同好会、同趣会を母体とする払い込み団体を対象としておるわけでございまして、各方面からいろいろ批判もございますし、また実際問題としてトラブルもございまして、これら同趣同好会の設立、運営、特に集金事務につきましていろいろ問題が起こってきておりますので、あの通達はこの同趣同好会を母体とする払い込み団体の集金事務の委託にだけ限定をいたしておりまして、これら同趣同好団体のあり方を秩序づけるということを主眼にいたしております。  先先の御指摘の、簡易保険全般の集金の問題というようなことにつきましては、全然関係のないことかと、私どもはこのように考えております。
  141. 森勝治

    ○森勝治君 いわゆるあなた方が指摘される公益法人と目されるものは、いま言われた同趣同好会等のごときものをさすのですか。
  142. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この同趣同好会に限りませず、現在のたてまえ上、これが団体として郵便局に一応の形式要件を整えてまいりますと、この取り扱いを認める、こういうことになっております。しかもこの団体代表者が保険料をまとめて払い込めばいいわけでございまして、まとめて払い込むいわゆる集金の事務を第三者に委託することもできます。  現在の同趣同好団体につきましては、保険料を取りまとめて払い込むことにつきましてのいろんなトラブル、これが非常に多いわけでございまして、これにつきましては、簡易保険局としましては、契約者の保護それから契約の保全、こういう観点から十分に指導ができる――現在、集金の委託は団体代表者と集金人、これはフリーの委託契約がなされておりまして、その中身にまで郵便局が手を入れるということはできないわけでございまして、これらの集金の委託等につきましては、これを秩序づけるためにはやはり郵便局のある程度の指導権といいますか、強制権というものがなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございまして、団体代表者が、集金人として郵政大臣が設立を認めた公益法人に、委託をするならば、郵便局の指導なりあるいは規制、秩序づけというものが容易にできるであろう、こういう発想からこの集金の委託を公益法人に委託するように指導をしなさい、こういうことがあの通達のねらいでございます。
  143. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、いまあなたもおっしゃったように、公益法人ということになりますと任意団体とは違いますぞ、いいですか、そうでしょう。だから集金事務を公益法人に委託するということならば、任意団体はその範疇に属さないでしょう、それはどうするんです。
  144. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) たてまえ上、どうしても私的な契約がたてまえでございますから、どうしても団体代表者が公益法人に集金事務の委託をしないで、自分はこっちのほうだと、こういうふうな場合には、現在の段階ではこれはあくまでも指導ということが限界でございますので、これはそのままいかざるを得ない、こういうことになろうかと思います。
  145. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、集金事務をつかさどる公益法人というのは現存をしておらないような気がするし、それも聞いてないから、そういうのは新しくおつくりになるのかどうかという意味を含めて、先ほど質問をしているんですよ、そのことには全然触れておらないわけです。
  146. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のように、集金を業務とする公益法人は現在ございませんで、現在ございます財団法人の簡易保険加入者協会というのが、郵政大臣の監督のもとに、簡易保険の外郭団体としていろいろやっております。われわれとしましては、簡易保険加入者協会というものを一応想定いたしておるわけでございます。
  147. 森勝治

    ○森勝治君 その問題はあとで聞きます。  この通達の中で、私はふしぎなことばを発見するのです。  きょうは貯金局長来ていますか――来ていなければいいです。  保険局長、郵便局では預託を受ける場所は貯金の窓口ですね、そうですね、保険の窓口ももちろんありますが。ところが、なぜ、この種の団体に限り、集金した金は銀行に持っていけという指導をしているのですか。自分のところでそういう部門がありながら、なぜ銀行に持っていけと言うのですか。こんなべらぼうな――第一義的に郵便局、もしそこになければ銀行等あるいは農協さんというなら話はわかるが、自分のところのそういう部門を差しおいて、銀行に持っていけという指導は何事です、これは。  だから先ほど言うのです、大臣はおらなかったですが、他の部門のことはわれ関せず、そういう傾向があるんじゃないかと。電波監理局というのは電波をつかさどっている所管の局だけれども、簡易保険局はこのものについて批判をしている。貯金という窓口事務があるのに、隣の保険という窓口事務をつかさどる保険局は、郵便局の窓口へ持っていけという第一義的な指導をせずに、銀行に貯金をしなさいと、そんなべらぼうな、ばかな話があるか。保険で募集した金を銀行に持っていけとは何事ですか、ばかもほどほどにしなさい。
  148. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 私ども先生がそういうふうにおおこりになるそういうつもりで、つもりといいますか、そういう感覚でこの通達を考えたわけではございませんで、現在の同趣同好団体の実態を見ますと、ほとんどの団体が月額の払い込み保険料を取りまとめますと、現在の郵便貯金の総額制限をはるかにオーバーするというような団体が非常に多いわけでございまして、そういう点を勘案いたしまして、一応、銀行とこういうことにいたしたわけでございます。  でき得べくんば、まさに先生のおっしゃいますとおり、当然、郵便局に納める、こういうことにしたがったわけでございます。
  149. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、私の発言をどう考えますか。
  150. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) ただいま保険局長から御答弁申し上げましたように、貯金の最高限度額がきめられておりますために、やむを得ざる措置だと私は考えます。
  151. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、そんなのを是認されては困りますよ。  本来ならば、これは郵政省の国庫に入るべきものです、即刻、いいですか。民間の銀行なんてかりそめにも置くべきしろものじゃないですよ。即刻、郵便局の窓口がやらなければだめなんだ。  あなたが言ったように、百歩譲って最高限度額でもしだめだということなら、なぜ保険の窓口へ振り込みをさせないのですか。そんな便宜主義ばかり言ってはだめですよ。郵政省が赤字だ赤字だと言って大騒ぎしているじゃないですか、全国でこれは巨額の額でしょう、なぜこれを窓口で扱わないのですか。  報償金との関係は、窓口で引き受けてあとで出してやればいいじゃないですか、幾らでも方法があるんじゃないか、そんなことは。郵便貯金法だって、この金が受け入れられないはずはないでしょう、やろうと思えば幾らでもできるはずだ、現行法令のもとに。  どだい、これは保険の窓口に即刻入れるものですよ、集金をしたら窓口へ入れるものなんです。それをあなた方がそんな任意団体――われわれに言わせれば、まじめな団体もあるけれども、いかがわしい団体も郵便局員が指導してつくらして、郵便局へ持ってこないで、それを一ヵ月、月末までためて銀行に保管しておくなんて、こんな郵政事業がどこの世界にありますか。自分のところでそういう事務を扱っている部門があるのに、それを第三者に持っていかしたりして、第三者に集金事務を移管するだけでも、そもそも簡易保険事業の国営事業としての逸脱行為だよ、これは。にもかかわらず集金したものを保険の窓口へ入れずに、民間の金融機関に預金しなさいとは何事ですか。改めなさい、これは。こんなべらぼうな話はない。自分とこのそういう所管の窓口がないなら別だが、所管の事務があったら、第一、優先的な郵便局の貯金の窓口で悪けりゃ、保険の窓口で受け入れたらいいじゃないですか、こんなの。明確にしなさい、この点を。
  152. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先生の御指摘とちょっと違って、どうもおことばを返すようでございますけれども、この集金団体が取りまとめました保険料というのは、保険契約の関係からいきますと、全部の金額をまとめて局に払い込む、こういうたてまえになっております。
  153. 森勝治

    ○森勝治君 だから巨額になるって言うんだ。
  154. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、これが保険料の払い込みが完了するということは全部の契約者の金がまとまったときということになりますので、郵便貯金にいたしますと、先ほど申し上げました総額制限のワクにひっかかると、こういうことでございます。  また、これを郵便局と銀行とに口座を別々に設けまして入れるということになりますと経理がめんどうになって、これは実際の事務上の都合もあるわけでございます。そういう点から、まとめて銀行に預け、たまってこれが二百万なり三百万になったら郵便局の窓口に保険料として払い込みなさいと、こういう趣旨の通達でございます。
  155. 森勝治

    ○森勝治君 てまえみそを並べられても困るんですよ。だから言ったでしょう、百歩譲って、貯金の窓口がだめなら保険の窓口で受けなさいと言っているじゃないか。保険の窓口へ本来即刻入れるべきものなんだよ。それを何で民間企業に一カ月ばかり月末まで預けておくんだと言うんだ。そういう委託事業をやらなければ、直ちに保険の窓口に入ってきて国庫に納入されるものだ、そうでしょう。それをためておくんだから、これは直ちに保険の窓口でやりなさい、そんなの。もしそういうことができなければ、そういう委託なんてやめたまえ、そんなのは私は大きらいだ。自分のところに窓口があって、その窓口を利用しないなんてだめだよ。  民間に委託してもいいですよ、条件としてそうすりゃいいじゃないですか、条件として。それは取引銀行があるかもしらぬが、この簡易保険で集金したものは郵便局の保険の窓口へ持ってきなさいという契約ができるじゃないですか。それをやれないようなら認めなきゃいいんです。おかしいですよ、どだい郵政は赤字だ赤字だと言いながら、たとえかりそめの金でも全国では巨額な金になるだろう、その利息でもたいへんでしょう。
  156. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 現在の約款のたてまえが「団体の取扱を受ける団体の保険料は、代表者において、これを取りまとめて払い込んで下さい。」ということになっておりますので、百人の構成員の団体でございますと、百人の団体の構成員の保険料が全部まとまりませんと、保険の窓口では引き受けられない、保険料としては引き受けられない、こういうことになりますので、先生の御指摘の、貯金といえども保険の窓口に払い込むということになりますと、これは割引を受けられない、こういう形に、いまの約款のたてまえでいうと、なるわけなんです。
  157. 森勝治

    ○森勝治君 君は何を言ってるんだ、そういうふうに直せばいいじゃないか、直す努力をしないから、できないだけの話じゃないか、努力すればいいじゃないか。
  158. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 十分に検討さしていただきます。
  159. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、いま担当局長はね、検討と言ったんですよ。これは直ちに――いままでそうやっているものを急に改めろと言っても、はいと言うわけにいかぬかもしれぬ。しかし、おかしいとは思いませんか。  簡易保険の集金は、本来、郵便局で直接やるべきものなんです。やるべきものだが、いいですか、加入者をふやすという熱心なあまり、集金事務をだれか第三者に頼む、頼んだその金を関係のない銀行に預金をさしておく、そうじゃなくて、なぜそれを保険の窓口へ持ってこさせないかと言うんだ。そうすれば、これが国庫に回って、また新しい事業の芽ばえが出てくるでしょう、私はそう思うんだよ。  だから、さっき言ったでしょう、どうも郵政当局の幹部の諸君は親方日の丸的でしようがない、新しい時代に即応する知恵を働かせよと、先ほど言ったばかりなんですよ。ぜひそれは、大臣、改めてください。自分のところに金を預かる窓口があって、それが一番正しいのに――百歩譲って、多過ぎるから、かりにそういう集金事務を任意団体に頼むのかしらぬ、しかし加入者自体から取った金を、民間企業に預けないで、それはやっぱり国庫に入れるべきですよ。これが国営事業の正しいあり方です。これはひとつ、大臣、改められるように――局長は検討するとおっしゃっているから、これ以上言うのもどうかと思うが、ぜひともひとつ改めてもらいたい。
  160. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘の点は、全く同感です。私はよく理解のできるところでございます。  しかし、そのためにはいろいろの改善が必要であろうと思いますので、局長は検討すると申し上げたと思うのでございます。でございますから、前向きで善処できるように検討さしていただきます。
  161. 森勝治

    ○森勝治君 それは軌道を修正してくださるお約束だというふうに理解をいたします。  そこで、先ほど簡易保険加入者協会に委託するという話でありますけれども、この簡易保険加入者協会は、現在は、出版事業、災害見舞金事業及び全国簡保加入者の会の庶務的事項を行なっているわけですから、現在の陣容をもってしては集金、募集などということはできない。にもかかわらず、これに委託するというのは一体どういうことですか。現在人員では全くできない、これは。
  162. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この簡易保険加入者協会につきましては、私どもは集金事務を委託するにふさわしい公益法人であると、このように考えておるわけでございますが、御指摘のように、現在手持ちの人員だけではその取りまとめはできないわけでございまして、新たに受託業務が加わりました場合には、業務量に応じた人員を募集する、このことによって業務の円滑な運行が期待できる、このように考えておるわけでございます。
  163. 森勝治

    ○森勝治君 前にちょっと戻りますが、局長、観劇といい旅行といい、もともとは加入者それ自体から出た金でしょう。加入者自身が、いわば自分が金を出して自分が観劇をする、旅行をするということでしょう。ならば、いまのような募集方法で、あたかも天からの授かりもののごとき募集はおやめなさい。  それは募集するんですから多少苦労は要るでしょうけれども、簡易保険に入ればあなたに何を上げますとか、旅行に連れていきますなんて、あんまり大々的におやりなさるな。もともとそれは恩典でも何でもないでしょう、自分が払い込んだ金から出てくるのですから。それをよく説明しないからトラブルが起こるんですよ。あとで見たら、何だ、自分が、あんた、保険料を払い込んだ金で人を旅行に連れていきやがって恩に着せて何事だと、こういうのがあるわけですからね。その辺は保険でこの競争の激しい民間とやるんですから、それは第一線の諸君は御苦労でしょう、たいへんだ、私なんか残念ながらあの努力はできないでしょう、たいへんなものです。それは理解できますけれども、出先の諸君をして誤ることのないようなやっぱり指導をしてもらわなきゃなりませんね、この点はひとつお願いをしておきます。   〔委員長退席、理事古池信三君着席〕  そこで、皆さんの構想の中では、何か個人に委託をする、まあ何というのですか、個人委託の集金人ですか、何かこうだんだん拡大解釈をしますね。  私は、ママさん配達のときでも、現行のママさん配達の委託は反対だと言ったんです。なぜか、心と心をつなぐ大切な信書、いわばしあわせをもたらす方々であるから、身分保証の完全な者でなければいけませんという線を出したわけです、当時は。そうしたら、いまは不完全雇用だが、将来はママさんであろうと何であろうと適当な者は完全雇用にしますという当時の大臣の御答弁があったわけですが、今度の場合はそれと違うんですよ。ノルマによって変わってくるんですね。  このことによって、またこれが拡大されると、いいですか、現在集金等をつかさどっている保険部門の諸君の職場がまたここで問題になってくるような気がするんです。従業員の生活のかてがここでまた断たれてくるような気がするんです。なぜか、私がこの前申し上げたように、職域団体のみならず――職域団体ならばいざ知らず、民間でも任意の加入団体を従来の線に沿って指導してつくらせるとするならば、これが全国くまなく行き渡った暁には、郵便局においては保険の集金人という存在は影が薄れてしまうおそれがあると思うのですが、この点、私の質問は単なる杞憂でしょうか。しかしわれわれが受けた印象では、完全に、あなた方のいうこの指導要綱に基づいて地域の団体が続々出てくるようなことになると、そうなりかねない。私はこの辺に職員の動揺があるような気がしてならぬのですが、その点ひとつお聞かせ願いたい。
  164. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) これは先生にお答えするまでもなく、簡易保険の基本は集金ということがたてまえになっております。募集も、簡易保険の整備されました外野の陣営で、集金即募集という体制をとっております。少なくとも簡易保険が存在する限り、この集金即募集というこのやり方、これは変わりないものと、このように考えております。  御指摘の、団体がどんどん組成されていって、本来職員がやるべき集金の部門がなくなるんではないか、こういう御指摘でございます。いずれにいたしましても全部の簡易保険の加入者が観劇なり旅行というような団体に組成されると、こういうふうにも考えられません。現在の実態を見ましても、これはほとんど大都市の一部にある、大数的に見ますとそういうことであります。少なくとも職員にそういう杞憂の念を抱かせないように、同趣同好団体等につきましても数量的にわれわれは規制していきたい。大体この程度までなら認められるけれども、それ以上の同趣同好団体は認められない、こういうことを現在検討中でございます。全部野方図に、たとえば観劇なり旅行団体といえども野方図にこれを認めていこう、こういうつもりにはいたしておりません。
  165. 森勝治

    ○森勝治君 しかし、いずれかの地域社会の何かのグループにわれわれは属しておるんですよ。複数的に属している場合と単独で属している場合とありますが、しかし元来どれかに属しておるんですから、どれかの機関で簡易保険に入れば、もう皆さんのいまの考えでいけば、集金人なんということはやがてなくなってしまう、こう理論的には裏づけができるわけですね。あなたは現実になくならぬだろうと言っているが、理論的にはなくなってしまうんですよ。そういうおそれがあるでしょう、そう思いませんか。
  166. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 冒頭に申し上げましたのがいささか観念的かとも思うのでございますが、少なくとも保険事業というものがやはり毎年毎年の新規契約の募集にささえられております限り、集金体制が即募集体制であるということが簡易保険のあり方として一番適当な体制であると、このように考えますので、いま御指摘の、全部が団体になってしまったというような場合には、われわれはこの団体割引制度それ自体を検討すべきものだ、このように考えておるわけでございます。
  167. 森勝治

    ○森勝治君 これは異なことを承る。全部団体加入したら団体割引を打ち切る、それじゃ首尾一貫しないじゃないですか。では私がおそれて質問した、将来は集金人の業務がなくなるということの裏打ちになるのですよ。団体のいわゆる料金割引があるからこそ団体が存在するのですよ、その種の仕事を扱うのですよ。今度は全部集金人がなくなったら団体を分けてまた集金事務を要請するのですか。ちょっとその点はふに落ちませんな。それはもう出たとこ勝負、まさに親方日の丸の尤たる経営の姿ですね。その点ちょっと合点がいきませんな。再考をしてお答えをいただきたい。
  168. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 私が申し上げたのはそういう意味じゃございませんで、現在、年々ある程度この団体の件数なり組数がふえておりますが、これはやはり団体保険料の割引額が七%ということがやはり一つの契機になっておるわけでございます。したがいましてこの七%の現行の割引率を維持しております現在、この募集のあり方というものがまたいまのような形よりもさらに過熱していくというような形に向かいます場合には、この割引の保険料なり何なり、率なりを考え直さなければいけない時期があるのではないかと、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
  169. 森勝治

    ○森勝治君 いずれにしても、それはあまりにも飛躍した話ですよ。なぜか、職場に集金人がいなくなったという前提の話ですから、これはお互いに、設問するほうも仮定、お答えするのも仮定の話をしているわけです。ですから、これ以上の深入りは避けますけれども、私は職場に集金人が全然いなくなるなんということは夢にも考えたくないのです。  集金などというものは、国営事業で機械的に振り込めなんという調子で振り込ませるものと違うのですから、先端は、保険で皆さんの経済の手助けになればということ、万一の事ということで、国民とささやかであっても経済的な対話のできる唯一の国営事業の窓口ですから、民間企業とはやはり――その最終的な国民の福祉、福利ということについては軌を一にいたしますけれども、保険という国民の生活を守る国営事業の――たてまえからするなれば、営利を旨とする会社とは、おのずからその行動についても使命観についても異なるわけですから、その分別だけはわきまえてくださらなければ困るのです。ほんとうはその問題についてもやりたいのですが、時間がだいぶ迫りましたから、残念ながら次の問題に移ります。いわゆる外務活動、すなわち外務員の募集の――あなたは何か対話とか話法とかいうことばを用いておられましたが、いわゆる募集態度とかその他について、先ほど知らぬ間に簡易保険に入れられたという、民間ならいざ知らず、こういうことの指摘があるので非常に残念なんであります。そこで外野活動においては、何といっても外務員諸君の健闘を求めざるを得ないのです。一生懸命やってくださるから、年々累増する皆さんの割り当てに現場の諸君がこたえることができるのでありますが、これは外務員職員の――あなたのいう話法という話ですね、いわばこれは募集技術というか募集技能というかな、いわゆる保険外務のセールスのあり方について、省はどういう考えで現場を指導されておるのか、この点お伺いしたい。
  170. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 外務員の指導につきまして、簡易保険局としましては、やはり国家公務員であるという立場からは、全般的に国家公務員に要請されるそういう資質の涵養その他、これは人事局で担当いたしておるわけであります。事業知識それから高度の勧奨技術、これを身につけさせる、これをわれわれ保険局のほうで担当いたしておるわけであります。
  171. 森勝治

    ○森勝治君 それだけじゃお答えになりませんね。私は先般の委員会でも具体的にいわゆる戸別訪問の、あなたがたの言う話法について詳細かつ綿密な指摘をしているわけですから、いま通り一ぺんのお答えでは困るんですよ。  少なくとも、釈迦に説法でほんとうに恐縮でありますけれども、やはり国営事業でありますから、国営事業としての簡保の外務もおのずから品性というものを高めた中での募集でなきゃいかぬし、拡張でなきゃならぬのです。ところが御承知のように、皆さんがノルマを課すものですから、先を急ぐあまり、やや脱線する傾向が顕著でありまして、これは新聞等で指摘され、世論のわき立っているところであります。しかし大方の諸君はまじめにやっているんです。これは皆さんもその点はお認めのはずです。  しかし、今日のように郵政の労務政策というものがむちをもってするという、この考え方の基本的な態度を改めない限り、なかなか事業の明るい伸び方、伸展を期待することはできないと思うのです。ですから、このことについてはやはり職員をもっともっと信頼をしなければならぬと思うのです。したがって、それぞれ特徴がやはり募集する者にはあるんですから、回覧板を回すように、格子をあげれば回覧板というような調子で、微に入り細をうがつ戸別訪問の方法の手ほどきはけっこうですけれども、おのずから信頼と節度と事業愛というものを職員が胸に持っているというこの前提に立っての指導をしていただかなきゃならぬと思うのです、私はそう思うんです。  ところが、いま申し上げたように、これはこの前も指摘した事項ですから言いませんけれども、それはもうすごいといいましょうか、微に入り細をうがつどころじゃありませんね、全く。――ここで語気を強め、ここで思い入れよろしくじっと顔を見るなんて、石川啄木の歌の文句のような、これでは――それはそれでいいかもしれません、それも民間と対抗してやっているんですからよいじゃないかと、それもいいかしれませんけれども、何か現象面だけをとらまえて、募集する人間そのものの人間性というものをそこねるような指導をしているきらいが私はあるような気がするんです。  だから、職員の資質を伸ばしながら、国営事業としての簡保の理解を深めさせるようなそういう指導に持っていってもらって、いわゆる売らんかな主義というのはできるだけ前面に出さないように、しかも所期の目的を遂げるような、そういう方法でやってもらいたいんですね。これは私の注文もちょっとむずかしいですけれども、そういうふうにしていただきたいと思うんですが、どうですか。
  172. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) まさに先生御指摘のとおりであろうかと思います。  われわれといたしましても、ただ短期の視野に立って民間保険と競争する、あるいはほかの部面と競争する、そういう態度はとっていないわけでありまして、これは昨年の初めに出しました外務員の指導手引きでございますが、「簡保セールスマンによる募集活動は、今までのような無計画、無奉仕、小手先の技術、顧客管理を忘れた場当り的なやり方ではますます通用しなくなってきたといわねばなりません。」「強引に募集すれば、それだけお客の心証を害し、商品の検討と選択権を主張する消費者としての反発にあい、国営事業への不信感を醸成することにもなりかねません。」というようなことで、募集する担当者自体にも、やはり保険が長期の契約関係でありますし、そういう観点から国営事業としての品位と矜持、これを最近は強く要請をしておる、こういう状況でございます。
  173. 森勝治

    ○森勝治君 おっしゃるとおりならば、トラブルも起こらぬし、世のひんしゅくを招くこともないだろうと思うのです。願わくばそういう考え方を下部、末端まで浸透をしてもらいたい。  いま労使の紛争問題で世の指弾を浴びているところを保険募集でまたひんしゅくを買っているわけです。しかも額が最高三百万ということで魅力がないということになるならば、やがてその末路というものはあわれむべきものだろうということは私が冒頭に指摘したところであります。しかし何といっても簡易保険というものが国民生活の中で重要な役割りを果たしてきたこの厳たる事実というものを念頭に置いて、今後も果たすであろうこの使命を全うするために、やはり最善の努力を尽くしていただきたい。いつもいつも苦言を呈して恐縮ですが、これなくしては信をつなぐことはできません。何だ郵便局か、何だ郵政省かと言われて批判されること、指弾を受けることばかりであってはならぬと思うのです。  したがってもう新しい時代になってきたんですから、いまお話しになったような、もう昔のようなやり方であってはならぬと思うのですけれども、やはり物質文明のなせるしわざかしりませんが、やれとれ、やれ進めということでありますから、どうしてもそこで一口でも多くと職員は先を急がざるを得ない。このときに間々あやまちをおかす。いろいろ指摘された現象面でうかがい知れるような事柄が次から次へと出ることは事業にとって好ましいことでないことは当然であります。しかし最近の募集のむずかしさということはわれわれも十分理解しております。理解しておるけれども、だからといって募集成績を上げるためには何をしてもよろしいというわけではありませんから、その点はひとつよくおやりになっていただいて、全国的に指摘された問題がやや解消の方向に向かっていることは大体そのとおりだろうと思いますので、もう少し努力をしてもらいたい。  そこで、もう時間がありませんから、基本的総体的な問題は一点だけで、今度あとは法案の内容に入りたいと思うんでありますが、去る二月の十一日、朝日新聞の大阪版に――市長や教育長名を連ね、学資保険の協力をと、ゴジック見出しの記事が掲載されていた模様でありますが、どうしてこういうことに相なったのか。  このことについては、すでにわが党の調査団が調査した内容等に基づきまして、衆議院の予算委員会等でも取り上げたわけでありますが、この問題が起きた姫路局管内でこの要請文を配られたところの一般家庭で、この内容を見て、一体これは何じゃろうということで、寄異の念を抱かざる者は一人もなかったと指摘されておるわけでありまして、郵政省は事前に次官通達をもって文部省や自治省に対して依頼しているということを言っている模様でありますが、国営事業である簡易保険がこのような手段をとってまで募集をする必要性が一体どこにあるのか。  だから、私は品性をもって事に当たれとかねてから言っておるわけでありまして、いまも局長はそれをお約束したけれども、皆さんが通達を出された後でも、なおかつこういうものが陸続としてあとを断たないというこの姿というもの、これが私は大臣に要望した高級官僚から下部末端までの人事の一新をはかれというこのことばに、大臣、つながるわけですから、そのつもりでお聞きを願いたいのでありますが、一体、こういうことをやらせている省はどういう考えなのか、この点ひとつ、局長、お聞かせ願いたい。
  174. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険は、御承知のとおり、創業以来、資金の地方還元融資によりまして加入者の利益増進をはかってきているわけでありますが、この簡易保険の特質――いま申し上げました資金が公共的な方面かつ地方に回っておるというこの特質を国民に正しく理解してもらうということは、やはり簡易保険の普及のたてまえからいきましても、われわれとしては非常に有意義なことだと、このように考えておるわけであります。  たまたま姫路局区内で学資保険の勧奨状に市長、教育長その他の方々の連名の要請文が出たわけでありますが、これは先生御指摘のように、一月から三月までに、簡易保険といたしましては、明るい暮らしの設計、簡易保険新加入運動ということで、大蔵、文部、自治それから関係の各団体の後援を得まして、この加入運動を展開しておりますが、この期間に、現場の郵便局では、たとえば市町村等の公共団体あるいは教育委員会等に一応要請をいたしております。だからといいまして勧奨状等の表現で、協賛団体に対して恩着せがましいように受け取られるようなもの、あるいは特に学資保険等におきまして、児童・生徒の父兄に対しまして何か強制にわたるというような感じを持たれること自体、非常に好ましくないことでございますので、実際の現場のその接点におきまして、そういう点、今後こういうことのないように十分注意をいたしたい、このように考えておるわけでございます。  姫路局のこの勤奨状の問題につきましては、例年こういう例文的なものでやっておるということで、比較的軽く考えておったようでありますが、時代もだいぶ変わってきておりますし、いま申し上げましたような、少なくも恩着せがましい、あるいは強制にわたるというようなことのないように、十分注意をしていきたいと思います。
  175. 森勝治

    ○森勝治君 この簡易保険加入者に対する還元としては、安い保険料と多額の剰余金の分配にあるということは言うまでもないわけですが、何といってもその根本は運用の利回りの向上にあること、これは私がかねてからしばしば当委員会で主張したところであります。したがってそういう立場で、先ほどの団体保険の集金等についても、民間の銀行に入れずに、直接自分のところへ入れなさいという主張をしている。こういうこともありますから、当然そういう主張をしてきたところであります。  何といっても、郵政骨としては、保険事業の基幹ともいうべき資金の運用問題、これは皆さんが毎年頭を悩ましているところでありますけれども、今後、資金の運用問題というものをどういう方策をもって改善をされようとするのか、改善、改善という声はするけれども、いわゆる運用資金の利回りが悪くなるように、民間会社に貯金をしなさいというような調子で、自分のところに入れようとしないいまのようなやり方だから、私は、げすなことばで、相変わらず親方日の丸ではないかという指摘をしたところでありますので、この点、ひとつ基本的な問題でありますから、大臣からお答えをいただきたい。
  176. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 加入者に対しまする利益の還元の方法といたしましては、できるだけ多くの剰余金を分配し、加入者の実質保険料の負担を軽くすることにありますことは申すまでもありません。  そのために、四十八年度からは、最も利回りの高い電力債、金融債に対し、財投計画とは別個に、四百億円の運用が実現をいたしておるような次第でございまして、このような観点から、郵政省といたしましては、運用利回りの向上に従来からの努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  177. 森勝治

    ○森勝治君 厚生省、待たしてすみませんが、これから改正法律案の内容についての質問をしたいと思うのです。時間がだいぶたちましたが、できるだけはしょってやります。  第一点は、四十三年に行なわれました郵政審議会の答申の中で、定期保険の需要は増大する傾向にあり、組織的社会活動が活発化するに伴い、集団保障機能を有する定期保険の需要はさらに高まったとありますが、今回、郵政省が団体定期保険を見送って、あえて個人定期保険のみ取り上げた理由はどこにあるのか、この点をお伺いしたい。
  178. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) まず第一に、現在、わが国におきまして、個人を対象といたします定期保険の普及はまだ十分とは申せないわけでございますが、これに対しまして団体定期保険につきましては、民間生命保険におきましてかなり普及をいたしておるというのが現状でございます。非常に普及をいたしておりますと申し上げても過言でないこの団体定期保険の分野に簡易保険が割り込んでいくということに、まず第一の問題点があろうかと、このように判断をくだしたわけでございます。  次に、団体定期保険につきましては、現在、民間生命保険会社が資本系列等に従いまして販売をいたしております。簡易保険がこれに進出していくにも非常に困難が伴うのではないかという点が第二点でございます。  さらに、団体定期保険の制度は、従来の個人保険とはその仕組みが基本的に違っておるわけでございまして、この団体保険制度を実施する上におきましては、なおわれわれとしましても準備、たとえば外務員の訓練――内務員も同じでございますが、というような問題がある。この三点がおもな理由でございます。  さらに、今回おはかりをしておりますこの個人の、個別の定期保険におきましても、これを団体取り扱いというような集団の取り扱いを行なうことによりまして 団体保険にほぼ準じた機能を発揮し、その効果をあげ得る、このように判断いたしたことによりまして、個人定期ということをお願いをいたしておるわけでございます。
  179. 森勝治

    ○森勝治君 個人定期保険は団体定期保険よりも事務費がかさんでくるといわれていますね、保険料が割り高になると、こう思うわけでありますが、その点はどうなのか。  さらにまた、御承知のように簡易保険は無診査であり、定期保険を販売することは事業経営の悪化を来たすのではないか、こう思うのですが、そういうおそれはありませんか。
  180. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のように、個人定期保険は団体定期保険に比べますと、その保険料は割り高になりまして、事務費の面でも相当割り高になることはいなめないわけでございますが、簡易保険は、そのたてまえといたしまして、国民だれでもが希望すれば加入できる、こういうたてまえをとっておるのでございます。現行の団体定期保険におきましては、会社、工場、官公庁等に勤務する人々を一括して取り扱い対象といたしておりますので、簡易保険がその目的としております国民だれでもが希望すれば加入できる、こういうたてまえからいたしますと、やはり少し割り高になりましても、国民全般に保険を提供いたしておりますわれわれといたしまして、この期待にこたえる意味からも、少し割り高とはなっても個人定期を発売いたしたい、こういう基本的な考え方に立ったわけでございます。  しかしながら、実施にあたりましては、保険料の払い込みの前納あるいは団体払い込みというものを勧奨いたしまして、できるだけ事務費の節減をはかっていきたい、このように考えておるわけであります。  また、この定期保険がその危険性から経営の悪化を招くのではないかという御指摘でございますが、定期保険の販売にあたりましても、従来の保険種類と同様に、面接観査の励行、告知の受領を厳格にやっていく、そういうことによりまして、逆選択を招かないようにしていきたい。また法律的には、事故が起こりました場合の削減の規定というようなものを置いておるわけでございまして、できるだけ経営の健全化を目ざしていきたい、このように措置をいたしたいと思います。
  181. 森勝治

    ○森勝治君 改正案の上から見ますと、定期保険の内容が不明であります。したがって販売しようとするこの保険の種類等について、お聞かせ願いたい。
  182. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 売り出そうと予定しております保険種類、これは簡易生命保険約款で規定をする、こういうことになっております。  現在考えておりますのは、保険期間が五年の五年定期保険と、保険期間が十年の十年定期保険の二種類を考えております。その加入年齢は、五年定期保険におきましては十五歳から五十五歳まで、十年定期保険におきましては十五歳から五十歳まででございまして、保険料払い込み期間はいずれも全保険期間、このようにいたしたいと考えております。  なお、保険金額の範囲でございますけれども、これは定期保険でございまして非常に保険料が安いという関係、先ほど御指摘がございました事務費の割り高といいますか、こういう点から、あまり小さいものは取り扱いに適しませんので、保険金額の範囲は五十万から三百万ということにいたしたい、このように考えております。
  183. 森勝治

    ○森勝治君 いまのお話を聞きますと、法律を改正してまで発売しようとする新種保険としては、種類があまりにも少ないような気がするのです。定期保険はいわゆる掛け捨て保険ということでありますから、加入者の立場というものをそんたくするならば、もう少し短期なものを販売したほうがいわゆるニーズに合ったように思うのだけれども、この点はどう考えますか。
  184. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のように、保険期間が非常に短期な一年なり二年というような保険種類も一応考えられるわけでございまして、民間でも一部、非常に少のうございますが、そういう保険もあるようでございます。  ただ、私どもといたしましては、そのような短期の保険種類をつくりました場合に、非常に逆選択が多くなる、また新契約費の負担が大きくなるというようなことのために、まず第一点として、保険料が相当割り高になるだろうということが考えられます。  第二点といたしましては、契約者にとりましても死亡率の関係から更新ごとに保険料が高くなっていく、さらに当然面接観査を行なうわけでございますから、この期間が切れました場合に再加入の保証がない、そういうことから契約者にとりましても不便ではないか、こういう理由から、いま申し上げましたように、五年ものと十年ものと二つを考えたわけでございます。
  185. 森勝治

    ○森勝治君 この定期保険について、保険金の倍額支払いというものをしないのは、どういう理由ですか。
  186. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御承知のように、簡易保険の倍額保険金の支払い制度につきましては、特別に保険料をいただいておりません。経営上生じた剰余金をもってこれをまかなう一つのサービス条項ということにいたしておるわけでございます。  短期保険につきましては、普通の死亡保険あるいは養老保険等等に比べまして、保険料が非常に割り安であります。したがいまして多くの剰余金の発生が期待できないわけでございまして、そういう観点から、定期保険につきましては、倍額保険金の支払いということをしないことにいたしたわけでございます。
  187. 森勝治

    ○森勝治君 最近は、民保等においては、いわゆる定期保険と養老保険とをセットにした――何というのですか、大型商品ですか、というものを、企業の経営者を対象として販売をしている模様でありますが、その内容がわかったらお聞かせ願いたい。  と同時に、簡保でもこのようなものを創設するつもりがあるかどうか、これも聞いておきたい。
  188. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) お話のように、企業の経営者を対象として、死亡保障が一億円程度のいわゆる大型商品を発売いたしております保険会社が現在十一社ございます。  この商品は、単独の保険種類であります定期保険と養老保険あるいは終身保険、これをセットとして一つの商品として設計をいたしておるようであります。またこの組み合わせ方でございますが、定期保険と養老保険の割合は、加入者の任意にしておるものが多いようでありますが、一般的には、保障額を定期保険四に対しまして養老保険一という組み合わせが一般的であるようであります。またこの定期保険部分の保険料につきましては、法人の所得の計算上はこれを損金算入ができる、これは税法上の関係で損金算入が可能である、こういうシステムになっております。  ところで、簡易保険といたしましては、今回、定期保険を創設するようにお願いをしておることでもございますので、この際、加入者の好みに応じ、養老保険と定期保険を組み合わせて販売をするというふうなことを検討いたしたい、このように考えておるわけでございますが、先ほど来お話ございますように、最高制限額とのかね合いの問題がやはりこの場合もつきまとうわけでございまして、できるだけいい商品にするには、やはりちょっと問題がいろいろあろうかと、このように考えております。
  189. 森勝治

    ○森勝治君 時間がありませんから先を急ぎまして、疾病傷害特約の問題についてお伺いをしたいのであります。  御承知のように、わが国の政策が経済指向型から福祉増進へと大きく転換されつつあるとはいいながら、国民皆保険制度の充実ということを考えますと、まだまだという感をぬぐい切れません。こうしたわが国の現状下にあって、医療ベットの絶対数の不足や差額ベッドの解消等がまだ未解決になっておるこの今日の段階で、国営保険であるこの簡易保険が疾病傷害制度を設けることはいたずらに社会保険の医療給付の増加を招くおそれがある、こう指弾する向きもあるのでありますが、郵政省がこの疾病傷害特約の線を打ち出した根拠というものは、どういうところにこれを求めたのか、お伺いをしたい。
  190. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 近年、御承知のように、医療保険の制度は漸次拡充されてきておりまして、国民のすべてがその対象になっておるわけでございます。その制度が強制保険でありますところから、その給付が均一なものとされております。そのため、国民の間には、疾病によるさまざまな経済的な損失に対しても保障を行なう任意の保険に対する需要が高い、こういうことでございます。  簡易保険では、御承知のように、四十四年の九月に傷害特約の制度を設けまして、これを国民に提供してきましたけれども、この制度は不慮の事故による傷害を保障するにとどまりまして、疾病に対する保障はまだ行なっていないのでございます。さらに加えて、民間生命保険会社におきましても、現在、少数の会社がこの疾病保険につきましては手をつけておるにすぎません。また損害保険会社においても、見るべきものがないわけであります。四十三年三月の郵政審議会から出されました特色ある簡易保険とするための答申の中でも、疾病保険をすみやかに創設するようにという答申がなされておることは御指摘のとおりであります。  これらのことから、この疾病に対する保障を行なう保険の創設について鋭意検討をしてきました結果、今回、簡易な手続で、安い保険料で利用できる疾病傷害特約の制度を創設しまして、すでにできております生死、傷害とくるめまして、総合的な生命保険を国民に提供し、その普及をはかろう、こういう意図で創設いたしたわけでございます。
  191. 森勝治

    ○森勝治君 これはやはり何といっても関係する省はいわば大蔵省と厚生省でありますが、厚生省との詰めは円満にいったのですか。
  192. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 円満にいきました。
  193. 森勝治

    ○森勝治君 反対も何もありませんで、こぞって賛成だったですか。
  194. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 国民医療関係の主管省としまして、厚生省からいろいろな意見はございました。
  195. 森勝治

    ○森勝治君 その意見はどういう意見ですか、差しつかえなければここで漏らしてください。
  196. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) あまり実は詳しく記憶をいたしておりませんところから、それほど重大な御意見の表明であったというふうにも、私記憶をいたしておりません。
  197. 森勝治

    ○森勝治君 いまさら事新たに折衝段階のものを持ち出そうとはいたしませんが、法案を提案するにあたり、関係方面の折衝についてのことを忘れたなんて、引責辞職をした寝ぼけ大臣のような答弁ではここは通りませんぞ。いいですか、思い出してください、待ってあげますから。
  198. 古池信三

    ○理事(古池信三君) 速記をやめてください。   〔速記中止〕
  199. 古池信三

    ○理事(古池信三君) それじゃ、速記を起こしてください。
  200. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 厚生省のほうからは、社会保険の財政を圧迫することとならないよう特に配意をしてくれと、こういう意見がありました。
  201. 森勝治

    ○森勝治君 それだけですか、そんな簡単なものですか。基本的な問題の論争はありませんでしたか。郵政省がこの種保険をつくることについて、基本的に反対だと、しかし、やむを得ないならやむを得ないと、こういう議論はなされませんでしたか。あまりにも美辞麗句じゃ困ります、このことは。  当然、厚生省からは反対の意向が示されたものと、私はそういうふうに風のたよりで聞いているんですよ。厚生省はこの問題にもろ手をあげて賛成だなんて言いっこないですから、その立場上。
  202. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この簡易生命保険で行ないます疾病傷害特約は、これはあくまで任意の保険でございまして、しかもこれは医療保険でございませんので、これについての厚生省の基本的な反対というものはございませんでした。  ただ、先ほど申し上げましたような点から、これの実際の実施については、いろいろ調整をはかりたいと、こういう意見の表明はございました。
  203. 森勝治

    ○森勝治君 それじゃ、これが実際の実施の場合にあたって調整をはかりたいという中身は何ですか。厚生省もここに来ていますから、いずれ厚生省にあとで聞きますから。
  204. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) われわれのほうで実施をいたそうとしておりますこの疾病特約制度の入院給付につきまして、入院日数何日以上からこの入院保険金を支払うかという期間の問題、さらに入院保険金の給付の内容等につきまして、厚生省と調整を今後ともとっていきたいと、このように思います。
  205. 森勝治

    ○森勝治君 失敬でありますが、厚生省からこういう発言はなかったですか――基本的には反対であるが、現行のいわゆる国民皆保険までいかない時代で、いわば過渡的なものであるから、基本的には反対だが、やむを得ずして暫定的には認めざるを得ないという、いわば最終的な詰めによって消極的に――悪い意味で言えば、いわば郵政省がわがままを通した、こういうことにはなりませんでしたか。
  206. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先ほど申し上げましたように、基本的に反対ではないということでございます。
  207. 森勝治

    ○森勝治君 局長はその折衝をしておりませんでしたね。折衝していた課長はどなたですか、特にきょうは発言を求めます。
  208. 榎本利雄

    ○説明員(榎本利雄君) 私、疾病傷害特約の問題につきまして、厚生省といろいろ折衝を持ったわけでございますけれども、その過程におきまして、基本的な反対はなかったというふうに受けとめております。
  209. 森勝治

    ○森勝治君 それはいわゆるそんたくということですね、基本的に反対はなかったと思ったということですね、いまの話は。
  210. 榎本利雄

    ○説明員(榎本利雄君) 基本的な反対はなかったのでございます。
  211. 森勝治

    ○森勝治君 厚生省にお伺いいたしますがね、いまお聞きのとおり、郵政省側に、本件に関する事前折衝の問題のいきさつについて、いま問いただしたところです、お聞きのとおりであります。  そこで、基本的な問題について反対をしなかったということですが、私は基本的問題としては反対したろうという理解をただいままで持ち続け、いまも持っているんですよ。ただ現状やむを得ないという意味でそう言われたのを、郵政省は郵政省なりにかってにいわゆるそんたくして、自己流にそういう解釈のいま表現になったんだと私は思うのですけれども、この疾病傷害特約制度についての厚生省の考え方をひとつ聞かせてほしい。
  212. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 今回のこの改正にあたりまして、厚生省の事務当局、保険局でございますが、郵政省のほうから御相談を受けております。  その際におきまして、私どもが医療保険に関しまして基本的に持っておる態度から申し上げますと、私どもは、社会保障としての医療保障はわが国では保険を中心に行なわれておりますので、この保険の給付の内容を改善していくことによって国民の需要にこたえるということが基本的なものの考え方であると思っております。したがいまして、医療保険の側から見まして、今回御相談を受けました簡易保険での疾病特約の給付につきまして、医療保険で、本来、将来あるいは現在急いででも内容を改善すべき性質のものであるか、あるいはそうでなくして別のものと考えることができるか、ということが私どもの基本的な判断の基準でございます。  今回御相談を受けましたものの内容につきましては、先生御案内のように、医療保険の内容としましては、現在、健康保険法を国会に御審議をお願いいたしておりますように、保険制度として改善を進めていきたいということで、基本的な姿勢はそのとおりなんでございますが、今回のこの疾病傷害特約を見てまいりますと、いわば保険金にリンクした見舞い金的な性格のものである、したがいまして本来の社会保険の医療の給付とは重複しないものであるというように理解することができましたので、今回の郵政省の御相談につきましては、かなり詳細にその内容についてはお伺いをし、かつ御注文もつけた上で、これならばということで了承をした次第でございます。
  213. 森勝治

    ○森勝治君 本来、社会保障というものが充実したもの、完備されたものであるならば、郵政省がいま考えているようなことはやらなくてもよいことでしょう。いわばわが国の社会保障といわれる保険制度は、社会保障に名をかりた受益者負担的要素が多分に含まれたものですから、厳密な意味でいえば、これは完全なる社会保障とは言いかねるものです。いわば不完全保険制度、この点はお認めになりますね。
  214. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 現在の医療保険を中核といたします医療保障の制度につきまして、なお改善を要すべき部分があるということはお話しのとおりでございます。
  215. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、完全に社会保障というものが実施されれば、いま郵政省が提案をしているこの種の法案というものは配慮しなくても本来よいものですね、そうでしょう。不完全社会保障制度であればこそ、過渡的段階として認めざるを得ないという厚生省の立場でしょう。これは厚生省がもろ手をあげて賛成するものじゃないでしょう。
  216. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 医療保障の中での大きな問題の一つは、医療の給付そのものを充実させることでございます。それからもう一つは、医療で所得が中断した期間におきまして、医療費とは関係のない所得をどのように保障していくかという問題がございます。  現在、健康保険の制度では、これを傷病手当金という制度で実施をしておるわけでございますけれども、なお患者が入院したというような場合を想定してまいりますと、そういったふだんの生活費のほかに、たとえば家族が病院に入っておる患者との連絡、あるいは入院するにあたって特別に身の回りのものを新調するといったような事柄とかいったようなことで、入院に伴うそういった特別な出費が出てくる場合があるわけでございます。こういったものにつきましては、こういうボランティアの保険での見舞い金的な性格のものがある程度カバーをされるというようなことも、これはあっても差しつかえのない性質のものではなかろうか。本来の社会保障そのものとしての医療保障の充実はもちろんでございますけれども、そういった意味では、こういうものがやはりあってもいい性質のものではなかろうか。これが、実は、数年前に、生命保険の会社におきましても今回提案されておるものと類似のものが行なわれようとした際に、厚生省としてもこの程度のものはあってもよろしかろうというように判断したのと、同じ理由でございます。
  217. 森勝治

    ○森勝治君 本論をすりかえてあなたはお答えになっているのです。  私が申し上げたのは、社会保障が完全に行き渡るならば、この種のものは行なわなくても、社会保障で十分生活等を見ることができるから、医療はもちろん生活を見ることができるから、この種の配慮はするに及ばない、必要ない、完全にいけば。わが国での現行のものは受益者負担的な要素を多分に持っているいわゆる不完全な――社会保障という形をとっているけれども、不完全なものであるから、過程的な措置としてこういうものもやむを得ないという立場だろうと思ったら、いまのあなたの話は、特別ないいものという表現を用いた。  私どもは、これを審議するのに、わが国の医療給付が全きを期することができないから、生活費や傷病の費用のほかの全然別な部門で、その他のものでこの疾病傷害特約というものが提案されたというふうには聞いていないのです。この保険が実施されるときには、一部は生活費の一助になるであろう、一部は医療給付の何がしかの足しになるであろう、こういうことでの提案であるし、そういう受け取り方をしているわけですから、あなたのように、何か全然常には要らないと、要らないものに何かちょっとほしいというものでこれをやったというのと全然違うのです。ですから、あなたは、失敬だが、すりかえてお答えになっているから、医療行政の本論に立ち戻ってお答えをいただきたい。
  218. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 先生御案内のように、現在の国民健康保険は七割給付でございます。したがいましてこの被保険者は三割の自己負担があるわけでございます。そういう意味で、疾病傷害特約で給付されることになるお金、それにはひもがついておらないわけでございますから、結果的に、そういうことも現在の給付の率から申し上げましてあり得ることではございます。  しかしながら、要するに社会保障、医療保障そのものを将来いろいろな形で充実をするといたしまして、それについては高額医療等も今回考えておるわけでございますけれども、そういうものを充実するといたしましても、なおかつ、こういった入院する際におけるいろいろな出費があると、それはそれぞれの生活レベルに応じてなおより多くを必要とするという方があるわけでございますから、そういったものは社会保障の範疇から出るものもやはり相当ございますので、そういう意味においては、こういうものがあっても、私どもはしかるべきものだというように考えておる、こういうことでございます。
  219. 森勝治

    ○森勝治君 あなたの言うのは、社会保障制度を狭義に解釈されているのですよ。従来、厚生省のお役人がお答えになったのとあなたは角度が違うんだ、失敬だが。うしろに保険課長がいるけれども、従来の諸君はそういう狭義の解釈はしないのです。  国民医療の立場から考えれば、当然、これは包容力のある発言をし、包容力のある行政であったはずです、失敬でありますが。あなたの言う、そういうのにも必要でしょうというのは――わが国の医療行政が完全でないから、補足的な意味で郵政省が出してきているんですよ、いいですか、完全なら必要がない。医療というものが不完全だから、わが国の医療行政が不完全だから、社会保障が不完全だから、国民の間からせめてそういうことで何かの足しになるものをという希望が出てくるんですよ、そうじゃないですか。私のこの発言をお認めになりますか、あなた、審議官。
  220. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 実情から考えますと、特に国民の側からこの要望が出れば……
  221. 森勝治

    ○森勝治君 そのものずばりで言ってくださいませんか、認めるか認めないか。
  222. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) そういった面もあるかとは存じます。
  223. 森勝治

    ○森勝治君 私の発言を認めるか認めないか――質問しないことは答えないでいいですから。私の発言を認めるか認めないか。そんなんじゃないとか、大体そうでしょうとか、どっちかにしてくださいよ。回りくどく言われてもわからんから、私は。
  224. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) こまかく申し上げますと、いろいろあるかと思いますが……
  225. 森勝治

    ○森勝治君 イエス、ノーを言ってくださいと言うんだ、イエス、ノーを。こまかく聞かないんだから。
  226. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 大体のところにおいて、先生のおっしゃることは、そういう線だろうと思います。
  227. 森勝治

    ○森勝治君 私の発言を基本的に認めるわけですね。
  228. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) そういうこともあるだろうと思います。
  229. 森勝治

    ○森勝治君 そういうこともあるだろうというのは、そういうこともないことに通ずるんですから、失敬でありますが、私は文章とことばにうるさい男ですから、明快に言ってくださいよ。あなたのは間違っているとか、あなたのでいいですとか、理解でそれでいいですとか、どっちかで言ってくださいよ。
  230. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 先生のほうのおっしゃる御趣旨は私どももよくわかるわけでございますが、いま申し上げましたように、この疾病傷害特約に私どもが同意いたしました本旨ではございませんので、それを申し上げておるわけでございます。
  231. 森勝治

    ○森勝治君 その意味がわからない、いま言っているのは。いまの御発言の内容がわからない。本旨でないというのは何を言っているのか。
  232. 山口敏夫

    ○政府委員(山口敏夫君) 森先生が最初に御指摘になりましたように、経済成長の政治的考えから福祉社会を実現しようと、大きな流れのあることも事実でございますし、そうした意味におきましては、医療保障制度の中におきますところの国民的制度や施策のたてまえと実際面における開きの点につきましては、森先生の御指摘を私どもも十分理解しなきゃならないというふうに考えております。
  233. 森勝治

    ○森勝治君 私がかつて社会労働委員であった時代に、審議官の言うような発言をした人はいないんですよ。うそだと思ったら議事録を見てみなさい。  いいですか、わが国の社会保障制度は、あなたもいま大体お認めになったように、完全なる社会保障でないということをお役人ひとしく認めているんですよ。ですから完全な社会保障の制度を実現しようと思って、皆さん、厚生省はほんとうに一生懸命に夜もおそくまで、徹夜して、何とかして自分たちのこの考え方を通そうと思って御努力になっているんじゃないですか。  その過渡的段階において、せめて生活の一助ともなれ、医療費の手助けともなれということで、郵政省でそういう制度を設けたらどうだという意見が出されて、そしてこれが郵政審議会その他からの線として出てきたんですよ。だから社会保障が完全になればそういう苦労は要らなくなるんですよ、そうでしょう。医療費も生活費も完全になるんですから要らなくなる。そこまでいくのには、やはり理想を語っても現実がほど遠いから、理想と現実の谷間にある国民のこの悲しい叫びというものが、苦しみや悩みというものがこういう形になってあらわれてきているんですよ。私はそういう意味のことを申し上げているんです。  この私が申し上げたことは、お認めになるでしょう、いまの基本的なことを。
  234. 山口敏夫

    ○政府委員(山口敏夫君) ただいまお答えいたしましたように、森先生の御指摘につきましては、私ども十分理解するところであります。
  235. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、そういう線に立てば、医療行政が完全ならばこれは必要ありません。必要のないような世の中をつくりたい、医療行政の完全を期したいというのが厚生省の願いであり、国民のまた願いでありますから、本来そういうのは必要ありませんと言いたいところだが、不完全ないまの医療行政の、社会保障の段階ではやむを得ずして、いわばやむを得ずして、そういう形でもないよりはいいということで、よかろうと、いわば消極的な、基本的にはそういう一本を持っているけれども、現実の面でこれを認めたと、こういうことでしょう。基本的に反対はないと郵政省は言っているが、基本的には必要ないんですよ、そんなことは、医療行政や社会保障が完全になれば。しかし現行では理想に遠いから、やむを得ずして郵政省の案をのんだというのが厚生省の考え方でしょう。私はそれを聞いているんですよ。  だから、ああそうだ、違うと、こう言ってもらえばいいんです。その点お答えください。
  236. 山口敏夫

    ○政府委員(山口敏夫君) 先ほどお答えさせていただいたとおり、十分理解させていただきます。
  237. 森勝治

    ○森勝治君 それでは厚生省の考え方がわかりました、現段階ではそうだと。  そこで、厚生省に重ねて聞くんでありますが、いわゆる保団連等では、私が先ほど若干ことあげしましたような理由で、この問題については、この制度はいわゆる厚生省が主唱している方針と違って、いわば逆な方向に進んでいるという指摘をしているんですよ、保団連等では。それは医師の中の一部の団体かもしれません。しかし現実に医療に従事している現場の医師の中では、そういう意見を出している人もおるわけであります。これは事実でありますから、皆さんにもその声は届いているでしょうが、こういう方々もおる中で、厚生省がこのものをのんだということの理由は何ですか。今度は角度を変えて御質問をします。
  238. 出原孝夫

    ○政府委員(出原孝夫君) 先ほども申し上げましたように、私どもは、医療保障につきましては、保険を中心にいたしまして、これらの社会保険なり社会保障の給付を充実させることによってやっていくべきだ、こういうことで、それは先生の御指摘のとおりの考え方を持っております。  ただ、今回、先ほど申し上げましたように、郵政省から御相談のありました内容につきましては、主契約である生命保険金額にリンクした生命保険の付加的な給付として、いわば見舞い金的な性格を有するものであるというように考えられますので、この特約制度は、国の社会保障制度を今後伸ばしていくについて、競合するというようなことはなかろう、あるいはこれを代替するようなものにはしないということがはっきりいたしましたので、今回のこれはあってしかるべきだろうというようにして、郵政省のほうに御同意を申し上げた、こういうことでございます。
  239. 森勝治

    ○森勝治君 それでは前段にこだわって恐縮でありますが、大切な基本的なことでありますから、もう一ぺん確認を求めますが、以上の御発言に基づきますと、過渡的措置としては認めるが、社会保障が完全になった場合には、この種の配慮は必要がなくなるわけですから、必要がなくなると思っていいんですね。角度を変えて、さっきの再確認を求めたのです。
  240. 山口敏夫

    ○政府委員(山口敏夫君) 簡易保険の加入者の方々のこの保険に対する認識なり理解の上に立って、この疾病傷害特約制度が、いずれ、森先生ただいま御指摘のような方向の中で、解決されるということが望ましいというふうに私ども考えております。
  241. 森勝治

    ○森勝治君 厚生審議官、郵政省の国家事業の保険の中で、こういう声が国民の中からわき上がって実施に移されるような段階になったのは、何といってもいまの医療給付は少ないということ、そういうことも一つあるでしょう。これはもちろんいろいろの掛け金やその他の問題にやがては波及してくる問題になりますけれども、そういうことも出て、国民の願いが、わが国の医療行政は、皆さんの誠意は国民は認めつつも、完全な社会保障の医療行政ではないから、自衛手段として、いわば受益者負担的なこの保険にかからざるを得ないであろうというのが私どもの立場なのですよ。  だから、われわれもうこれは過渡的措置の段階として、いま郵政省が提案したこの所見は認めたいと思っているんです。しかしいま言ったように、社会保障が完全になれば、こういうのは杞憂になるから、十分その保障の中で生活をすることができるし、医者にも安心してかかれる、そういう世の中がくることを願いつつ、この法案を認めていこうという是認の立場で私は発言しているのです。  だから、完全になれば、それはもう要らなくなると、山口次官のお話も私の言うのとそうは違わない。立場上、多少回りくどいお答えになっていますが、これは厚生次官という肩書きがそうさせたと思って、私も山口次官はよく知っていますから、その山口君が、たとえ回りくどい表現であろうとも、そういうことをお答えになったということは、従来の厚生省の医療行政に対する考え方、社会保障に対する考え方は、従来もいまもまた将来も変わることがないであろうという発言の内容と私は理解するんです。  皆さんをたいへん待たせましたが、きょうはそういうことで、せっかく待たしておいて、一時間ぐらいこのことについてやりたいと思ったのでありますが、そんならおまえまた社労に戻ってこいと言われかねませんから、ことばを慎んでもっともだいぶ言いたいこと言いましたが、きょうはこれで終わります。  厚生省ありがとうございました。厚生省お帰りになってください。  そこで、保険局長に聞くのでありますが、長保が発売している疾病保険の普及状況と、その内容がわかりましたら、その点ひとつお聞かせを願いたい。
  242. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 疾病保険の普及状況でございますが、少し資料が古うございますが、昭和四十七年三月末、疾病保険を販売しております生命保険会社、これは農協生命共済を含めまして、十社でございます。  なお、この疾病保険の保有契約高でございますが、民間生命保険と農協の生命共済と合わせまして、先ほど申し上げました四十七年三月でございますが、二百三十七万件でございます。保険金額にいたしまして一兆七千百三十五億円、全個人保険中に占める割合でございますが、これは件数率におきまして三・一%、保険金額におきましては二・一%、こういう状況でございます。
  243. 森勝治

    ○森勝治君 この制度が実施されたときに、保険料の算定基礎、いわば算出根拠、これはどうなるのですか、それを説明してほしい。
  244. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この制度は疾病傷害というふうに両方くっつけておりますが、傷害関係につきましては、現在販売いたしております傷害特約と同様でございます。  疾病による入院給付及び手術給付につきましては、厚生省の患者調査それから社会医療調査等の資料を基礎にする考えでございます。  また、事業費をまかなうための付加保険料は、保険料の二〇%程度を予定いたしております。
  245. 森勝治

    ○森勝治君 この改正案の十六条の四によれば、保険金の支払いは「保険約款の定めるところにより、」とありますが、具体的にはどのようなものをさすのですか。いわゆるどういう規定をつくるのかということです。
  246. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 疾病傷害特約におきましては、被保険者が保険期間中にかかった疾病により入院したとき――以下申し上げますのは、傷害特約と同じでございますが、また保険期間中に受けた不慮の事故等による傷害を直接の原因として、死亡、一定の身体障害、入院等に対しまして保険金を支払うのであります。  疾病特約だけの部分について申し上げますと、被保険者が疾病治療のために入院をいたしましたときには、二十日以上入院したとき、百二十日分を限度といたしまして、一日につき保険金額の千分の一・五を支払う。百万円の疾病傷害特約がついておりますと、一日千五百円と、こういうことになります。  さらに、この入院中に一定の手術を受けたときに、手術後二十日間に限り、この千分の一・五の率によって支払われる入院保険金にこれと同額の保険金を加算して支払うということで、一定の手術を受けました場合には、二十日間に限りまして、百万円の特約でございますと、一日につきさらに千五百円を支払う、こういう内容にいたしたい、このように考えております。
  247. 森勝治

    ○森勝治君 同じ十六条の四でありますが、「当該疾病又は傷害を直接の原因とする」とありますが、この「直接の原因」というものは、解釈する場合には何をさすのですか。
  248. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 疾病によって生じました結果としての入院との間――疾病と入院との因果関係の強さの度合いに関します規定、これが「直接の原因」としてと、こういうことでございますが、一般的に原因と結果との間に相当因果関係があること、これを「直接の原因」としてと、こういうふうに表現をいたすものと、このように考えております。
  249. 森勝治

    ○森勝治君 この解釈はだれの解釈をもって認めるのですか。たとえば保険を勧誘した本人、当該契約局の局長あるいは本省の保険局長、あるいはその被保険者の入院先の医師あるいはまた逓信医、いずれの者が認定をするのですか。
  250. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険契約に関します権利義務の取り扱いに関しましては、簡易保険局長が法律によって委任せられておりますが、この保険金の支払いにつきましては、さらに地方簡易保険局長に委任をいたしております。したがいまして保険金の支払いのこの「直接の原因」としてという判定につきましては、地方簡易保険局長がこれを解釈し、執行する、こういうことになります。
  251. 森勝治

    ○森勝治君 地方簡易保険局長が執行するというのは、執行にあたっての証拠は何に求めるのですか。
  252. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 当然、疾病傷害特約の給付でございますので、一番大きな要素をなすものはやはり医師の診断書だと、このように思います。
  253. 森勝治

    ○森勝治君 それは他の例にも見られるように、その患者のかかった医者の発行する診断書を信用して払うということですね、いわば結論づければ。
  254. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 地方簡易保険局長に保険金の支払いを委任してございますが、地方簡易保険局長も、医師的な素養といいますか、判断につきましては、各地方簡易保険局に保険医事官というのを置いておりますが、この保険医事官の判断の助けを受けまして認定を下す、こういうことになっております。
  255. 森勝治

    ○森勝治君 保険医事官ですか、保険医事官ですね。
  256. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そうでございます。
  257. 森勝治

    ○森勝治君 保険医事官はいわゆる証拠を見て判断する役目を持つんでしょう、その人がみずから聴診器を行使するわけじゃないでしょう。だからその証拠となるものはその被保険者がかかった医者の発行する診断書によるんでしょう、それを見てきめるんでしょう、それをもとにして。  なぜ私がこういう質問をするかというと、実は、人事局長と郵務局長をさっきまで待たしておいたんですが、あまり時間がかかるから帰ってもらったんだが、ほんとうはこの点で質問したかったんです。特に郵務関係では医者が発行する診断書を認めないんですよ。大臣、いいですか、だからそのことをいま聞いているんです。保険部門もそう。何とかよ、おまもかということわざがあるけれども、聞いたんですよ。  だから、おそらく地方簡易保険局長も、形式的には、その人が認めたと、判を押すんだろうが、実際的には、被保険者がかかった医師の診断書が保険局へ提出されて、それで医事官が見て、ああこれは無理だと、これはよろしいと、こういうふうに局長の最終的な判を押させるか却下するかという資料にするものは、被保険者がかかった医者の診断書の提出を求めて、これによって判定を下す、こういうことですね、そうでしょう。その点だけ明らかにしてもらいたい。
  258. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 複数の医者の場合もございますし、保険医事官が判定しがたい場合には、また新しい医者の診断をと、いろいろございますが、おっしゃいますとおり、被保険者がかかりました医者の診断書といいますか、あるいは証明書、これが判断の材料になることは間違いございません。
  259. 森勝治

    ○森勝治君 先ほどもちょっと触れましたが、病人等をこの種の保険に加入させる場合、たとえばアルコール中毒患者あるいは麻薬――麻薬にはモルヒネ、マリファナも含まれておりますけれども、これらの患者の入院に対しても被保険者なるゆえをもって支払うものなのか、あるいはまた被保険者の重大な過失による疾病であっても払うのか、この点もひとつ明らかにしてほしい。
  260. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のアルコール中毒と麻薬中毒の関係でございますが、アルコール中毒は反道徳的な行為によって発病する、また麻薬中毒は犯罪行為に関係する場合が非常に多いわけでございまして、これらの中毒による結果に対して保険的保護をはかるのは、見方によりますと、社会的妥当性を欠くのではないかという疑問がございます。  またもう一つは、被保険者の重大な過失による疾病の場合でございますが、このように被保険者自身の行為によって生じた結果に対してまで保険金を支払うのは、保険者にとって負担が大き過ぎるのではないかという問題がございます。しかし簡易保険につきましては、御承知のとおり、国民生活の安定をはかるという目的を持っております。したがって、すべての加入者に対して広く保険的保護をはかるということにしておりますので、この特約は別にいたしまして、基本契約におきましては、被保険者が自殺をした場合あるいは犯罪行為によって死亡した場合におきましても、保険金を支払っております。また傷害特約、これは単独の傷害特約でございますが、傷害特約においては、犯罪行為が関係する不慮の事故による傷害の場合におきましても、保険金を支払うこととしております。  また、一般論といたしまして、犯罪行為につきましてはすでに刑事法において制裁を加えられる、こういうたてまえになっております。その上に法体系を異にする私法上の制裁を加えるということは、簡易保険のこの国民生活の安定をはかる目的にかんがみましても、いささか妥当を欠くのではないかというような点から、これらの中毒による入院に対しましても保険金を支払うことにいたしております。同様の考え方から、被保険者の重大な過失による疾病等によります入院につきましても、保険金を支払う、こういうことにいたしております。
  261. 森勝治

    ○森勝治君 はい、わかりました。  それはこういうことですね、保険を募集する募集規則というのがありますね、被保険者になり得る資格のある者が被保険者となった場合は、いかなる疾病であっても定むるところによって見舞い金なりあるいはそういう保険金を支払う、一言で言えばこういうことですね。
  262. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そのとおりでございます。
  263. 森勝治

    ○森勝治君 大体、わかりました。  そこで、この給付内容等をいわば拡大するというか、まあ温情あふれる、社会保障という面で、国営事業のたてまえで、いまのようなお話をお出しになることであろうと思いますが、いわば給付内容を拡大するのはよいとしても、俗にいう弱体者と目される者ね、これはときどき問題になりますね。  保険のときに死亡その他でよく問題になりますが、これらのいわゆる弱体者の加入防止ということは従来もおやりになっている模様でありますが、そうすると、この弱体者の加入防止についての方策というのもみずからお立てになっている模様でありますけれども、それはどういうふうにされるんですか。
  264. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 現在発売いたしております傷害特約につきましても、告知義務は課さない、こういうことにしておりますが、今度お願いをいたしております疾病傷害特約についても告知義務は課さない、こういうことにいたしております。  これにつきまして当然危険というものが相当大きくなるわけでございますが、この防止策といたしましては、保険契約の効力発生前の疾病による結果に対しては保険金は支払わない、こういう規定を置いております。また疾病による入院に対しましては、一定期間、保険金の削減を行なう、こういうことにいたしておりまして、危険の防止をはかっていきたい、このように考えております。
  265. 森勝治

    ○森勝治君 重ねて聞きますが、これはいわゆる被保険者が患者となった場合、病人になった場合には、入院をしなければ絶対だめなのですか、この点をお聞きしたい。
  266. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 病院または診療所に入院をしなければ、保険金の支給といいますか、保険金の支払いはございません。
  267. 森勝治

    ○森勝治君 そうなりますと、脳溢血患者のように初期療養のときに絶対安静を要する場合がありますね。職場、外出先で倒れた場合には、大体、脳溢血患者は動かしてはならぬといわれております。したがって、病院でなくして、知人の家でもいい――しかしまあ法的な表現で言えば、これも自宅療養の範疇に入るんでしょう。  そういう方々には、いまのお答えでは、出せないということになるわけでありますけれども、そうなれば、前のほうでお答えになった広い意味における、ある面では非常にアルコール患者やそういう者でもといういわばゆるやかな線というものが、現実に病気にかかって身動きもできない者に対する仕打ちとしては、逆に酷な面が出てきそうな気がするのでありますので、そういう例はあまりないし、またそういうことがあまりあっては困りますけれども、そういうものはいわば医師がこれを認め、とにかく本人が動けないのですからね、動けば神経がまた切れるとかなんとかということで動かせない場合には、これはやっぱり特別な配慮というものがあってしかるべきだと思うんですが、この点の理解というか配慮はどうなります。
  268. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のような場合、非常に情において忍びない点もございますし、また公平の原則からもなかなかむずかしい問題であろうかと思うのでありますが、自宅療養についてまで保険金を支払うといたしました場合に、いろいろ問題があろうと思うのであります。  第一点として、かりに自宅療養者に入院保険金を支払うということにいたしました場合に、どの程度の症状の者に支払うか、また療養が事実必要であったかどうか、療養期間はどのくらいが適切かというふうな認定上の困難というものが伴うわけでございまして、これは簡易保険だけではございません、非常に手続の簡素化というようなことを使命とします簡易保険だけでございませんで、民間各社が発売をしております疾病保険につきましても同様の事情から、自宅療養に対する給付を行なっておりません。  さらに、これは一つのへ理屈みたいになろうかと思いますが、理論的には保険料の計算基礎、これは先ほどちょっと申し上げましたが、入院統計を使用しておりまして、自宅療養についての保険料計算の基礎となるというような統計は現在存在しておりませんので、保険料計算の基礎はあくまでやはり入院ということになっておるということから、さしむき困難であるというふうに思っております。
  269. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、たとえば五日なら五日自宅に安静にしていて、それから病院で加療させようとする場合に、いまのお話だと、病院に入院した日から起算するから、前段の五日は計算に入らないわけですね。だから、こういうふうな脳溢血患者のような者については――これはすべてのいわゆる自宅患者についてという意味で申し上げたんじゃない、そういう脳溢血とか特殊な場合、動かしてはだめだという場合、動かしても入院できる者でそれでも行かない者は別ですけれども、入院させたいが、させることによってだめになるという脳溢血患者のような場合には、これは当然自宅療養が五日あれば、それは入院した者に準じた扱いをすべきが法を生かす一番の道だと思うんですが、これは他の病気と画一的になるのは、ちょっとこの辺がいわば国家保険の手が届かない、少し冷ややかな面があるような気がするんですが、それはどうでしょう、検討してみてくれませんか、この点は。  全部の患者を言っているんじゃないんです。脳溢血のような特殊な場合ですよ。だからそれは脳溢血なら脳溢血と規定しておいていいです、脳溢血の者には自宅の場合でもと。これはうそ偽りは言えませんよ、これだけは、これはどうごまかそうともね。その場合には、これは特別扱いにするならすると皆さんがおきめになればできるんですからね。しかもこれは保険だって無制限にするわけじゃない、一定の期間で切れるわけですから。そういう場合の配慮ができないかどうかということです。
  270. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) これに類似の場合、いろいろございまして、たとえば傷害特約の、われわれの経験しております実例でも、病院が満員で入れなかったというような場合どうするのかという現実の問題も発生してきておりますし、大体、先生のおっしゃいますように、理論的といいますか、確かに公平の原則なり、また情においてもこういう場合確かに忍びない、こういうふうに思います。  さしむき、いまの形でスタートいたしまして、この疾病傷害特約の売れ行き等を勘案いたしまして、十分検討していきたい、このように思います。
  271. 森勝治

    ○森勝治君 やはり前のことば、病気になったらだれでも普遍的に扱うということばが、脳溢血患者も入院しなければだめだということでいいますと、せっかく前の度量のあるところが、脳溢血患者には給付しないのだということで、打ち消されてしまうような気がするのですよ。だから、せっかく皆さんが御努力されたのが、何だ保険はぴんぴんしているやつでなければ保険金くれないのかと変なことを言われがちですから、それはひとつ十分考えて処置してもらいたいと思うのです。  それから、疾病傷害特約を付することができない場合を保険約款で定めることとしているが、これから法が通ってから具体的におやりになるというのだろうけれども、大まかに言って具体的にはどのようなものを、どのような場合を規定するのか、どのような場合をさすのか、ひとつお答えをいただきたい。
  272. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 保険約款で定めようといたしておりますのは、疾病傷害特約制度の趣旨からいたしましてつけることが不適切であると思われるもの及び事務取り扱いの能率化の観点からつけることが不適当であろうと思われるものをきめたいと思っております。  一つは、一個の保険契約につきましては傷害特約と疾病傷害特約をあわせてつけることができないようにいたしたい、このように考えております。第二点といたしましては、保険金額があまり小額な保険契約には疾病傷害特約を付しても意味がありません。保険金額が十万円未満の保険契約にはこの疾病傷害特約をつけることができないようにしたい、このように考えております。  そのほか、保険料の払い込みが困難という、これは非常に技術的な理由でございますが、保険料払い済み保険契約に変更したもの、保険料払い込みの免除を受けている保険契約について、こういうものは疾病傷害特約はつけられない。さらに、間もなく保険期間が満了する保険契約、これは大体一年ということを考えておりますが、もう一年で終わりになるような、満期になるような保険契約には疾病傷害特約をつけない。また保険料の払い込みが終わっている保険契約、これには疾病傷害特約を付することができない、このようにきめたいと考えております。
  273. 森勝治

    ○森勝治君 この提案にあたって、国民からの御希望があるということで郵政省は踏み切った模様でありますが、これは運用によってはいろいろ問題が出てきそうな気がするのですね。  国民が日夜すこやかなれとわれわれは願いながら国政に参画している者の一人ですが、お天気の日ばかり続かない場合がありますね。たまたままあ中東アジアのほうでは何か疫病がはやるとか、そうするとそういうことがいろいろ出てきますね、いわば大ぜいの人が病気になってくるような場合も考え、それからこの疾病傷害特約というこの保険の性格からいっても、従来の保険とはやや趣を異にしている、そんな気がするのです。  したがって、その歳入や歳出については、従来の保険と区分をして経理状況を明らかにしておいたほうがよいのではないか、私はこう思うのでありますが、この点をどうされようとしますか。
  274. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 現在、簡易生命保険事業の特別会計におきましては、保険勘定と年金勘定と、勘定制度といたしましては二つでございます。この疾病傷害特約につきましては、これは保険勘定に含めて経理さるべきものと、このように考えております。  しかし、これはどんぶりというわけにもいきませんので、御指摘のように、在来の保険と非常に異なる性質を有しておるものでございますので、現在発売をいたしております傷害特約と同様に、その収支分析は厳密に判然とできるようにいたしていきたい。したがって疾病傷害特約だけの収支、利益、こういうのがわかるように、そのようにいたしていきたい、このように考えております。
  275. 森勝治

    ○森勝治君 家族保険の問題について一、二質問したいのです。  家族保険制度が実施になってから約十五年近くになるわけです。当時は一〇%程度だったのが、四十六年末ではわずか一%に激減をしたそうでありますが、その理由をどのように把握していますか、減少の理由。
  276. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御承知のように、家族保険は、家族全員を一つの契約で保障するという非常にユニークなものでございますけれども、たてまえ上、主たる被保険者の給付が主体となっておりまして、配偶者はその主たる被保険者の保険金に対しまして四〇%、子供は二〇%の給付にすぎない、こういうことのために、非常に高い保障を求める最近の趨勢からは、保障力の点で若干魅力がなかったのではないかと思います。これが第一点でございます。  しかも、傷害特約が被保険者全員に付加できないという難点がございました。制度的には、以上申し上げました点、これが大きな原因であろうかと、このように考えております。
  277. 森勝治

    ○森勝治君 提案されております家族保険制度の改正点を、かいつまんでひとつお聞かせ願いたい。そしてこの支払いの保険料は、従来のものに比べれば、どういうことになるのか、あわせてそれもお聞かせ願いたい。
  278. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 今回の家族保険制度の改正点は三つございまして、第一点は、配偶者及び子供の保険金額を引き上げるわけでございますが、引き上げる額は、従来は主たる被保険者にかかる保険金額の百分の四十、配偶者が百分の四十でありましたのを百分の六十に、子供に対しましては百分の二十から百分の三十に引き上げる、これが第一点であります。  第二点といたしましては、従来、被保険者たる配偶者及び子供につきましては傷害特約が付加できないことになっておりましたが、今回の改正によりまして、傷害特約または今回創設をいたします疾病傷害特約を付することができるようにいたしたい、このように考えております。  以上、二点が法律の改正にかかります改正点でございますが、今回、約款によりまして主たる被保険者にかかる保険金額を、いままでは単純なる養老保険でありましたが、これを特別養老保険型とするということになりまして、死亡の場合は二百万円、生存の満期保険金の場合百万円というような第一種の特別養老型の保険にいたしたい、この三点が今度の改正の内容でございます。  さらに、保険料について申し上げますと、五十五歳満期家族保険、保険金額百万円、三十歳加入の場合を申し上げます。従来は月額三千二百五十円でございました。今回の改正で死亡の場合の百万円ということになりますと、三千二百五十円から二千百円というふうになります。しかし満期の場合は百万で、死亡の場合には二百万ということにいたしますと、四千二百円、こういう保険料になります。
  279. 森勝治

    ○森勝治君 この家族保険に特約をつけた場合に、配偶者の妻や子供は選択の自由がきくのですか。
  280. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 家族保険制度の趣旨から申し上げまして、すべての被保険者に特約を付することといたしましたことと、また取り扱いは統一いたしまして、事務取り扱いが煩瑣となりませんように、家族保険の保険契約に特約を付する場合には選択ができない、こういうことにいたしたいと思っております。
  281. 森勝治

    ○森勝治君 家族全員――。
  282. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そうでございます。
  283. 森勝治

    ○森勝治君 その家族というのは何を家族といいますか、この場合。
  284. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 主たる被保険者の配偶者及びその子ということでございまして、これは民法の規定を全部引っぱりまして、配偶者と子供だけに限定をいたしております。
  285. 森勝治

    ○森勝治君 そうしますと、配偶者と子供という範囲がありますが、これは同居、非同居の別を問わずですね。
  286. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そのとおりでございます。
  287. 森勝治

    ○森勝治君 法律的に親子の関係があれば、これをこの保険では家族と称するわけですね。  たとえば別居等にしますね、親子の関係があっても、新しい戸籍を設ければ、親子ではあるかしらんが、戸籍が別なのです。しかし、いまのお話からすれば、それらも全部家族保険の中に包含するようにも受け取れるんですが、その点を私は重ねて聞きたい。新戸籍法では親子別々でもいいわけですから、いまの親子だとなると、そうなる。
  288. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 婚姻によりまして籍が移りました場合、養子によりまして籍が移りました場合以外は、戸籍が別になりましても被保険者の資格はそのまま残るわけでございます。
  289. 森勝治

    ○森勝治君 その家族から戸籍が抜かされない場合は、結婚しててもいいということですか、結婚した場合はだめだということですか、その点ちょっと私の受け取り方が混乱しているのかしらんがですね。法律に基づく同一戸籍の者を全部認めるというのか、俗にいう同居の親子関係しか認めないというのか。結婚したといっても、現実に結婚した――いまのいわゆる同棲というかっこうでしょう、法律的には。しかし戸籍の面ではもとのうちにおったという場合とかいろいろあると思うんですよ。その点、明確にしておかないと混乱のもとです。  たとえば死んだ場合ですね、遺産相続等では必ずこれは骨肉相はむ悲しむべき現象が至るところにあるんですから、そういう遺産相続の争いを招くようなあやふやなきめ方はいかぬですから、明快にどんぴしゃりこれはこれというふうにきめておいてもらいたいんです。
  290. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この簡易生命保険法の第七条の二に、これは子供だけでございますが、「(被保険者となる子の資格)」ということで、四十行ぐらい書いてございまして、なかなかめんどうになっておりますが、この第一項の中に、主たる被保険者の子というのがございますが、カッコいたしまして「(配偶者のある者並びに主たる被保険者及びその配偶者以外の者の養子となっている者を除く。)」という規定がございまして、二十年に満たない子供であって配偶者のない子並びに主たる被保険者及びその配偶者以外の者の養子となっていない子供は、同居、非同居に関係なく、被保険者の資格を有するということであります。  また「(被保険者の資格の喪失)」というのが、これは約款の八十八条の二に規定してございますが、子供につきましては「子が婚姻をし、若しくは主たる被保険者及びその配偶者以外の者の養子となったとき、又は子が主たる被保険者の養子である場合においてその子につき離縁若しくは縁組の取消があったとき」には、被保険者の資格を喪失するということでございますので、先ほどの法律をさらに詳しく書いてあるだけでございますが、子供は同居ということを要件にいたしませんで、配偶者のある子、また法律上被保険者及びその配偶者以外の者の養子となっている者を除きまして、全部被保険者になる、こういう規定になっております。
  291. 森勝治

    ○森勝治君 配偶者があっても、いわゆる戸籍上明確性を欠いた者はやっぱり入れるんでしょう。いまこれは同棲ということばではやり文句になっておりますね。結婚はしていたが届けはしなかった、区役所や市役所に持っていかなかったというのが間々ありますね。
  292. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 家族保険の取り扱いにつきましては、やはり戸籍上の配偶者であるということが要件になっております。
  293. 森勝治

    ○森勝治君 そうですね。ですから、すべて戸籍を基本とするということでしょう、この点明確ですね。  さっきの話だと、親子関係があればだれでもという、そういう拡大解釈に受け取れるようなお答えをしたから、私は重ねて――皆さんは専門家で、愚劣な質問だとおっしゃるかしらんが、これは一般庶民にとっては大切なことですから、だから重ねて聞いておるんですよ。親子関係があればだれでもいいと局長はおっしゃったんですよ。ところがいまの話は、親子関係があっても、戸籍を他にする者は違ってくるんですよ、いま言ったように。
  294. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 配偶者の関係につきましては、戸籍上配偶者であるということが要件になりますけれども、子供につきましては、よその籍に入っておっても、その者の子であるということで被保険者の資格がある、こういうことでございます。戸籍がその場合には基準にならない。
  295. 森勝治

    ○森勝治君 それでは、奥さんの場合には、俗にいう未亡人が受ける年金等は配偶者の未亡人である証明があればもらえたが、他の男と結婚した場合には、これは喪失しますね、軍恩でも何でも。それと同じ扱いをするけれども、子供という段階になったら、結婚しようが戸籍が違おうが何しようが、これはその中に該当するということですね、いまの説明は。そうすると、またちょっとさっきのと違ってくるのですけれどもね。すまんけれども、大切なことですから、お答えいただきたい。
  296. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 結婚の場合は被保険者資格を喪失いたします。先ほど読み上げました約款によりまして、婚姻関係……
  297. 森勝治

    ○森勝治君 配偶者はでしょう。
  298. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 子供たる資格を失うわけです。
  299. 森勝治

    ○森勝治君 さっきは、配偶者の結婚のときには資格は喪失するが、子供は、いようといまいと、どこに行ったって子供は子供だから出すと、こうおっしゃっているんでしょう。
  300. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 八十八条を読み上げましたけれども「子が婚姻をし、若しくは主たる被保険者及びその配偶者以外の者の養子となつたとき、」には資格を喪失すると、婚姻した場合には、十六でも十七でも資格がなくなる、こういうことでございます。
  301. 森勝治

    ○森勝治君 だから、婚姻でも同棲という婚姻もあるから、明確にしなければならぬから聞いているんですよ。  婚姻というのは、法的手続をとって、夫婦ということが戸籍法上立証された場合は、これを婚姻と認めて資格喪失と、こういうことですね、運用解釈上。
  302. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) そういうことでございます。
  303. 森勝治

    ○森勝治君 大事なことですから、聞いておかなければなりません。いいですね、それで。
  304. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 御指摘のように、婚姻につきましては、法律上の婚姻だけを婚姻と、こういうことにいたしております。
  305. 森勝治

    ○森勝治君 それは同一戸籍内でも、親子関係があればいいんですね、いまの話だと。  いま婚姻のことばかり言いましたが、親子関係は遠く離れた場合に、学生等は住居を移すと、住民票をもらって、これは一個の世帯を持つことができるのですね、いまの法律は戸籍票じゃなくても、住民票を持っていけば公民として登記その他は有効ですからね。
  306. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 家族保険におきます被保険者である子につきましては、実子であればこれは全部認めるわけでありまして、戸籍が同一であるか、また同居をしているかどうかということは要件でございませんで、ただ実子であります子が法律上の婚姻をいたしている場合、それから他人の養子となっている場合、これだけが資格を喪失する、こういうたてまえになっております。
  307. 森勝治

    ○森勝治君 わかりました。結局、同一戸籍内になければだめだということですね、いまの話は。そういうふうにきめていいですか。ところが説明はそうではないでしょう。時間がないから私が言います。  同一戸籍内におった子が婚姻をして、法的に正式に婚姻ということが立証された場合には、資格喪失だが、同一戸籍内になくても、実子であるならば認めると。だから、したがって同一戸籍内にあっても、いわゆる庶子であっても親子関係が立証されれば与えるということですね、いいですね、大切なことですから答えてください。裁判で年じゅうこれはもめているんですから。昔は法律的に認められた子供でなければ遺産相続する資格はなかったわけですが、いまは実子であれば遺産はそっくり、ただ一人の相続人にそっくり行っちゃうんですから、これと同じことを考えるんですよ。これはやはり個人の財産の分与、贈与等の問題がありますから。  じゃいいです、局長、こうしてくださいよ、時間も時間ですから、私はこれは聞きたいところだが、あなたのほうでそれじゃ整理してくださいよ、このことを。このときはだめです、これはよいですということで図表にして、私のところに持ってきてください。それのほうがいいです。議事の進行上そうしてください。  次に移ります。あと二点ばかりです。既契約の家族保険であっても、配偶者及び子に傷害特約または疾病傷害特約を付することは当然できますね、
  308. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) この法改正が施行せられます前に効力が発生しました家族保険の保険契約には、改正後の傷害特約それから疾病傷害特約はつけることができない、こういうことにいたしております。
  309. 森勝治

    ○森勝治君 その理由は何ですか。
  310. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 法改正前の家族保険と法改正後の家族保険では、その配偶者、子に対する主契約の保険金額が異なっております。したがってその配偶者、子に特約を付することとしました場合には、勢い特約保険金額、ひいては保険料額も異なる、こういうことになるわけであります。したがって法改正前の家族保険の保険契約に配偶者、子をもその被保険者とする新しい形の特約を付することといたしました場合には、そのために保険料額の異なる特別の特約制度を設ける必要がございますが、そのようにしてまで、この法律施行前の家族保険に特約を認めるという必要性もそう大きくないのではないかという判断をいたしたことが第一点と、またこのように各様の特約が存在することになりますと、取り扱いが非常に繁雑になる、このような理由でございます。  しかしながら、改正後におきましても、この法改正前の家族保険には、古い形の傷害特約、これは主たる被保険者だけに特約がつきまして、配偶者、子供にはつかないものでございますが、改正前の家族保険には古い形の傷害特約を付すること、これは従来どおりできると、こういうことにいたしております。
  311. 森勝治

    ○森勝治君 その御説明だと、まだ議論の余地があるのですが、時間がありませんからあとに譲って次の問題に移りますが、この家族保険の場合、保険金の倍額支払いは主たる被保険者に限られているわけですが、配偶者及び子についてはこれを認めないという、この理由はどこからきたのですか。
  312. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、簡易保険の倍額支払い制度は、特別に保険料を徴収しませんで、サービスとして剰余金をもってまかなう、こういうことにいたしております。  家族保険の配偶者と子に関します保険部分につきましては、これは定期保険でございますので、保険料が低廉で、これによる剰余金の発生も多額を期待することができない、こういう事情にございますので、配偶者及び子供につきましては、倍額保険金の支払いをしない、こういうことにいたしております。
  313. 森勝治

    ○森勝治君 この法案が通った場合に、すなわち来年の一月一日から、この新種保険が販売されるわけですが、そうすると、この新種保険等の販売見込みというのはどの程度もくろんでいるのでししょうか。
  314. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 定期保険から申し上げますと、定期保険につきましては、年間の発売の見込み件数約十万件ということを考えております。それから疾病傷害特約につきましては、疾病傷害特約が新契約の約三〇%程度につくだろうということから、大体百万件前後ではなかろうかというふうに見込んでおります。家族保険につきましては、この見込み件数は定期保険と同じように約十万件程度を見込んでおるわけであります。
  315. 森勝治

    ○森勝治君 これで終わります。  御承知のように、ここ数年間、まあ年々というほど、毎年というほど簡易生命保険法が改正されて、各種の新しい保険が売り出されておるわけです。したがいまして保険業務の内容が複雑化している。先ほどの説明でも、既契約の家族保険に新しいものをつけることはできない、その理由の一つはやっぱり繁雑になるからというようなことが盛られているように、保険業務の内容も複雑化していますから、当然職員にその負担がかかってくるわけです。したがって最近における保険関係職員の増員状況というものがどうなっているのか、この新種保険の開拓によって職員の増加をどのように考えておるのか、この点を聞きたいのです。  実は、この点については、人事局長等にも所見をただしたかったのでありますが、何といっても、これはまあ事業が赤字だというせいもあるでありましょう。まあ保険は黒字だと、こう保険局の皆さんはおっしゃるわけだが、郵政全体としては、変転きわまりないこの世の移り変わりについていけませんので、なかなか黒字というわけにはまいりませんね。したがっていわばひがんだ表現をするならば、斜陽だと、こう言われかねないのが職場の実態でありますから、職員のオーバー労働というのも上司は見て十分承知しておりながら、予算等の措置から見ると、この職員の期待にこたえ得られず、自然とオーバー労働が職員の双肩にかかってくる形勢があるわけです。だから募集成績が、事業年度計画から見れば比較的順調に事業が伸展しているかのごとく見える保険事業にあっても、なかなか職員の増加というのは現場の期待どおりいっていないのが実態でありますが、やはり生産の意欲をかき立てるためには、何といっても人間の適正な配置と同様に、十分オーバー労働にならぬように、職員のそれらの期待にこたえるような要員配置というものをしなければならぬと思うのでありますので、この点をひとつあわせてお答えをいただきたい。
  316. 野田誠二郎

    ○政府委員(野田誠二郎君) 簡易保険の要員関係でございますけれども、新種保険を含む総体としまして、取扱い件数の推移及び全般業務の合理化なり簡素化の進展状況等を勘案しまして、毎年定員の改定、増員の要求等を行なっております。  最近五ヵ年間の状況を申し上げますと、地方簡易保険局方面におきまして、EDPS、機械化が軌道に乗ってきておる関係から、千二十二名の減員を行なっておりますが、郵便局方面におきましては八百十三名の増員が行なわれておるわけでございます。  ただ、新種保険の発売に関連いたしましての要員関係でございますが、この新種保険の発売によって取り扱い件数の飛躍的な増加があるというふうには――先ほどの見込み件数でも申し上げたのでございますが、そういう飛躍的な増加というようなものも一応は考えておりません。したがってこの新種保険の発売に伴います要員措置につきましては、さしむき必要に応じて非常勤職員の雇用と職員の超過勤務によって対処をしていく、こういうことにいたす予定にいたしております。
  317. 古池信三

    ○理事(古池信三君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時三十六分散会