運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1973-05-10 第71回国会 参議院 運輸委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和四十八年五月十日(木曜日)    午前十時二十分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月九日     辞任         補欠選任      森中 守義君     藤原 道子君  五月十日     辞任         補欠選任      藤原 道子君     森中 守義君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         長田 裕二君     理 事                 江藤  智君                 木村 睦男君                 小柳  勇君     委 員                 岡本  悟君                 黒住 忠行君                 菅野 儀作君                 松平 勇雄君                 渡辺一太郎君                 伊部  真君                 杉山善太郎君                 瀬谷 英行君                 森中 守義君                 阿部 憲一君                 三木 忠雄君                 田渕 哲也君    国務大臣        運 輸 大 臣  新谷寅三郎君    政府委員        運輸大臣官房長  薗村 泰彦君        運輸大臣官房審        議官       原田昇左右君        運輸省船員局長  丸居 幹一君        運輸省港湾局長  岡部  保君        海上保安庁長官  野村 一彦君        自治省行政局長  林  忠雄君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        環境庁水質保全        局水質規制課長  太田 耕二君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○港湾法等の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ―――――――――――――
  2. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  森中守義君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) 港湾法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 私は、本法の提案されたその時点から、きょうで三回目でありますけれども、若干気がひけないわけではないわけでありますけれども、しかし言うべきは言い、聞くべきは聞き、これが慎重審議の――やはり私は、客観的にはどうあっても、私自身の主観からいくと、これは重要法案だと、そういうふうにとらえておりますので、御了承いただきたいと思います。  そこで大臣にも、またかというふうに聞こえると思いますけれども、私は、やはりこの法案を、現行法と改正案というものを比較対照して三つのポイントを申し上げたわけであります。  一つは、これはオーバーではないけれども、ともかくも地方自治権の侵害というふうに受けとめるべきじゃないか、また侵害にならないかという疑心暗鬼を持つということが一点。それから本来、港湾の管理権はやはり港湾管理者にあることがたてまえであるんだが、この法改正によって管理権が国に集中化されるのではないかと、中央集権化されるのではないかと、そういう疑点を持つということ。それから、これはまさに日本列島改造論海洋版ではないかという、そういうとらえ方をし、しかしそういう限りにおいては、二十三年前、この本法が昭和二十五年の三月か五月の時点だと思いますけれども、その当時の一応提案趣旨の説明というようなものと比較対照してみて、いま申し上げたような三点にこれはどうも比較対照してみるとそういうふうに判断せざるを得ないんだと、そういうふうに考えておるわけであります。  はなはだ恐縮でありますけれども、これは皆さん勉強なさっておると思いますけれども、私も、現行法と、今度改正案が出ておりまするから、改正案と比較対照してみれば旧法である、しかし今日ただいまでは現行法でありますけれども、その当時の提案理由の趣旨というものが、私なりきには、あの当時はまだマッカーサーの発言力が非常に大きかったという点もありまするけれども、しかし比較的地方自治に根をおろしたものだというふうにうかがい知っているわけですが、原点は、一体どのようにうたわれておるのかというような点についても、この時点で、これは港湾局長でけっこうですけれども、お聞かせいただきたいと、こう思うんです。
  5. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいま先生が最後におっしゃいました、いわゆる現行法昭和二十五年制定当時どういう考え方であったかという点につきましては、先生おっしゃいましたように、地方自治を非常に重要視して、この地方自治という上に立って港湾というものを考えなければいかぬ、したがって港湾の管理あるいは計画というものは、あくまでも港湾管理者である地方というものが、みずからの発想に基づいて出てくるべきものではなかろうかということが中心であったことは事実であると存じます。したがって、そのような考え方を今回の法改正においてもくずさないで進まなければならぬということをわれわれの大前提といたしている次第でございます。
  6. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 たとえば現行法第一条は、「港湾管理者の設立による港湾の開発、利用及び管理の方法を定めることを目的とする。」と、これと対照的に改正案第一条は、「交通発達及び国土の適正な理用と均衡ある発展に資するため、港湾秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とする。」と、こういうふうにうたっておるわけでありますが、また提案理由では、これはもちろん改正案の提案理由でありますが、環境保全に重点をかけた説明であるが、目的条項を比べてみれば抜本的な改正であると思うのです。言うならば、法律の性格が変わったと考えるが、そういうようなことは断じてないんだというふうに説明なさると思いますけれども、この時点では大臣のひとつ責任ある見解と所信を含めてお聞かせいただきたいと、こう思うんです。
  7. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) いまのお尋ねの点は、何回か杉山先生にもお答えをしておるとおりでございます。三つの点をおあげになりましたが、地方自治権の関係、それから港湾管理者の管理権の問題、これは裏表になる問題でございますが、この第一条に目的として今度改正案で揚げておりますところは、いまの現行法港湾の機能が非常に変わってきたにもかかわらず、それを端的に表現してないということで、今度の改正の趣旨を端的に目的の中に織り込んでおるということでございまして、これがすぐに地方の自治権の問題とか港湾管理権の問題に、これがいま御心配のような点に触れていわゆる改悪をしようというような意図は毛頭ございませんし、この条文をすらっとお読みになりますと、どこにもそういったものはないということが御了解いただけると思います。  私たちは、この改正案をつくりますについて、終戦後非常な経済の困難な時代から今日になったわけでございますが、その当時における日本の経済政策というもの、それから公共事業についての政策というものは、何とかして立ち上がろうと敗戦によるいろんな苦悩がありましたが、その苦悩から脱却して立ち上がろうというのが主でございました。港湾につきましても、もっと貿易を盛んにして、そうして経済的に立ち直るもとにしようというようなことが主であったと思います。ところが、だんだん日本の経済も回復いたしまして国民の生活も向上してきている。そこで振り返って、過去を振り返り将来をながめてみますと、港湾の機能というものがもっと地域の住民の発展とか、あるいは地域社会の発展とかいうものにつながるようにしなければならぬということで、今度の改正案にはそういう問題についていろいろの規定が盛られておるのでございまして、単に船が出入りをして荷物をどんどん揚げたりおろしたりすることだけが港湾の機能ではない、やはり環境の整備をして地域の発展にも地域住民の幸福にもつながるような港湾にしようというというのがねらいでございますから、この点については、むしろ私どもは、他のいろんな問題についても御質疑があると思いますが、港湾管理者の管理権、これにあまり重きを置いて、むしろ港湾管理者の負担を増大するような面がありまして、今後の港湾の整備にそういう点から逆に支障を来たすんでないかということさえも心配するぐらいでございまして、港湾の管理者の権限というものについては、これを侵して、中央集権的な方向に持っていこうという意図は毛頭ないのであります。この点は全体を通じてごらんになりますと、そういうふうにすらっと読んでいただけることができると思いますし、私どもも再々申し上げているように、そういう意図を持って今度の改正案をつくっております。  この点は何度も申し上げる点でございますけれども、これはそのままに御了承いただいてけっこうでございます。私どもも責任をもちまして、この改正案の運用につきましても考慮をしながら、十分配慮をしながら進んでいきたい、こう思っておるのでございます。
  8. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 大臣のおことばでありますけれども、世間の古いことばでありますけれども、角をためて牛を殺してしまう。あくまでも日本列島は全域を通して大、中、小、あるいは法律的にはいろいろな根拠があって格づけがありますけれども、ともかくも千有余の港があるわけでありまして、そういう視点から、現行法はやはりあくまでも、新旧対照表の中の下段に書いてある現行法のことを言うわけでありまするが、現行法は港湾の管理運営を地方公共団体にまかしておる、住民意思に沿った港湾を開発、利用し、発展させるように非常に重点を置いておるということに、これは名実ともに間違いないわけであります。  したがって政府の監督規制は国家的利益を確保するための必要最小限度にとどめて、地方財政の圧迫を避けるため、国は十分な財政援助を行ない、これらの施策を通して社会的にも施設の面でも、調和のとれた国土の開発、言うならば国民福祉の向上をはかることを期待して制定されたと理解しておるのでありまして、したがって、いまいみじくも大臣の言っておられるように、それは決して角をためて牛を殺すようなことはないんだと、書いてあるとおり、全体を通して一貫して底辺を貫く思想は、あくまでもすべてを時世の推移に相応して、進歩的であり、向上しておって、他意はないんだと、そういうふうに言っておられるのでありまするけれども、だとしますれば、この際、立法精神を理解する必要があるというような点について、私は、先ほど港湾局長にあえてああいう蛇足的な質問をしたのでありますけれども、そういう点については、どうしてもすなおに大臣の言われることをどうも受けとめがたい。  むしろ港湾の管理権が中央に集権化されて、この前私は、これは展望の中で歴史が解決すべき問題だと、このままの状態でいくというと、視点のとらえ方や観点に、いろいろものの取り上げ方はありますけれども、いうところの日本列島の海洋編になってしまうんだと、あるいは軍事基地化のおそれもないではないかと、今日的な軍事基地化であるとかないとかいう問題の、視点のとらえどころは、言うならば輸送基地であるとか、あるいはその輸送基地の周辺に、非常に小型ではあるけれども性能の強い、たとえば魚雷艇であるとか、あるいは新潟の例をとらまえても、やはり新潟の港の中にそういうものを設定されるという、そういう時点があったわけであります。  これは住民パワー運動によって、それは過去の問題として昨年、一昨年の問題でありますけれども、そういうような観点があるわけでありまするから、したがってこの前、最初のときに、これはこのままの状態でずっと前に進んでしまうというと、やはり軍事基地化のおそれもあるんだという、杞憂もあるんだと、この論議は日米安保条約が存続する限りにおいては、そういうことが、いまではそれは杞憂であり、思い過ぎであるということでありまするけれども、歴史がそうであるかないかは実証するであろうというふうに、私は私なりに心配をしておるわけであります。  そこで現行法の期待した中心的題目は、何といっても港務局の設置を通じての港湾の開発、利用であると思うのであります。港務局の設置は進んでいるのかどうか。一体運輸省自治省は、この民主主義的な制度を実現させるためにどんな指導をしてきておられたかどうか。制度の障害になっておるものは何であるか。港湾の管理者というものについて、新潟のようなところは知事が港湾管理者でありますけれども、その地域地域によってそれぞれ違うわけでありまするけれども、港務局といったものについて、どのような発展と推移を持っておるかというような点について、これは港湾局長でけっこうでありますけれども……。
  9. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 先ほど杉山先生の御質問にもございましたように、現行法のでき上がったときの考え方という点が一つの考え方の中に述べられたわけでございますけれども、港湾管理者として港務局というものが一つのあるべき姿である。それで港務局ができない場合には、それを構成する地方公共団体、あるいはその地元の地方公共団体が港湾管理者に単独で、あるいは複数で集まって港湾管理者になるというような法のたてまえが現行法でございます。  そこで、ただいまの先生おっしゃいましたように、港務局がなぜできないか、   〔委員長退席、理事江藤智君着席〕 あるいはこういうものに対して行政指導をしたかという御質問でございますけれども、この港務局というものが管理者の主体であるというあたりが、これは二十五年に法の成立いたしました当時の、言うなれば司令部の考え方というのが非常に強く出ておったということを、私ども考えておるわけでございます。  と申しますのは、アメリカにおいての港湾管理者というのは、やはり市の部局であったり、あるいは州の部局であったりする港もございますが、いわゆるポートオーソリティーというものが非常に多いわけでございます。ポートオーソリティーというのは、たとえばニューヨークのポートオーソリティーというのを例をとって申しますれば、州際――いわゆるニュージャージーとニューヨーク州の州と州との間にあるということから、ひとつ両州の基本的な管轄は受けるけれども、両州の行政から独立したものにするべきではなかろうか、いわゆるインターステートの考え方、それから地方の政治力から分離するべきではなかろうかということからのポートオーソリティーという考え方が強かったわけでございます。  これを日本に当てはめるとすれば、こういう港務局という姿になるであろうというのが現行法のたてまえでございます。ところが、日本の現状において、こういう港務局というものの育つどうも残念ながら土壌が十分なかったと申しますか、あるいは日本的な発想法ではなかったといえるかと存じます。したがって、むしろ日本的な港湾管理者はどういう姿であるかと申しますと、日本の港湾管理者のすべて、一つを除きましてほとんどすべてがありますように、県が港湾管理者になる、あるいは地元の市が港湾管理者になる、あるいは県と市が一部事務組合をつくりまして、管理組合ということで管理者になるというような姿になっておるわけでございます。  したがって確かに現行法のこの法体系からいえば、こういう法務局というのはできておらぬ、おかしいじゃないかとおっしゃるのは全くそのとおりだと存じます。ただ、そういう意味では、この法律の立て方あるいはこれをもっと考え直さなければいかぬのかもしれませんけれども、この港務局という問題について、なかなか日本では育つ土壌が少ないんだというような考え方に立たざるを得ないというのが実情でございます。
  10. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 いまアメリカの話がありましたか、まさにそのとおりだと思いますが、イギリスのほうの状態は、たとえばロンドン港その他の中心についてはどのように、アメリカはむろんマッカーサーの関連で、占領下にあった当時でありますけれども、イギリスの例等についてはどういうふうにいま認識しておられますか。
  11. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) イギリスでもやはりポートオーソリティー、いわゆるロンドンのポート・オブ・ロンドン・オーソリティーというふうにポートオーソリティーが中心でございます。ただ、これはイギリスのいろいろな経緯がございます。もとはプライベートな、たとえば鉄道会社でありますとか、そういうようなプライベートな港の管理主体、それから地方公共団体である市の管理主体である、そういうのが混合しておったというような時代がございます。それがだんだん、むしろ国が乗り出すべきであるというようなことで、国が中央政府として乗り出してきたという時代がございました。いわゆる港湾を国営にすべてするべきであるという時代がございました。それから、そうではないんだ、やはり地方地方での独立した姿であるべきであるということで、結局、現行では地方のポートオーソリティーというもので、やはり独立法人的な考え方に立つべきであるというのが主体を占めております。ただ国として、中央政府として、これをいろいろな意味で、ちょうど何と申しますか、基本的な方針を示すというような意味で、中央にこういうもののための委員会が中央政府の機関としてあるというような姿になっております。
  12. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 まあ諸外国がどういう形態をとろうとも、わが国はわが国のやはり自律性と独自性というものが、これから定着して発展しなければならぬと思いますので、そういう意味において、やはり現行法、これが改正されれば旧法になるわけでありますけれども、比較対照して、前段も申し上げたように、日本列島はだれの発想であろうと改造をするという方向づけの中で、港湾の重要性というものと、列島における役割りと位置づけというものは非常に重視されなければならない。でありまするけれども、たとえば現行憲法が外国のアドバイスによってつくられて、というような論議も、そういう視点のとらえ方もあると思いますけれども、いずれにいたしましても、現行法の立法の精神というものは、確かに地方の自治権というものを尊重しながら、そして衆議を尊重する中から港務局なら港務局が出て、そしておのおの選ばれた人々の衆知によって、学識経験者も含めてそういうものが形成されるというふうに考えるわけであります。  したがって現行法の立法精神が生かされておるとか、自治権の侵害がないとかいうならば、やはりどうしても現行法の第一条の規定というものの中に、それが十分に、形式がどうあろうと、やはり精神が生かされるという、これはいいにせよ悪いにせよ、いまは新谷運輸大臣が厳然として存在しておられまするけれども、やはり一定の時間が経過すれば大臣がおかわりになるという経過もありまするので、この目的条項であるとか、現行の第一条の規定の精神というようなものは、十分にその条文の中に生かされておったかどうかというような点について、大臣はどういうふうに考えておられますか。
  13. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) この問題も、先般杉山先生にお答えをしたことでございますが、繰り返しになりますが、これは要するに、目的の条文というものは、いろいろの公共事業関係の法律を見ますと、目的として抽象的な法律の制定の精神を書いてあるのもございますし、こういうふうに機能的にこの公共事業の機能を主として書いてあるのもございます。いろいろと立法の例がございます。  しかし、私が申し上げましたのは、こういう公共事業に関する立法でございますから、一体公共事業というものが公共の福祉につながり、国土の発展につながるということは、もうこれは言うまでもないのであります。そのために、国費をもって相当のみずから事業を行なったり、援助をしたりということが出てくるわけでございます。でございますから、この書き方いかんによって、第一条の目的のところの書き方いかんによって、法律の性質が全く変わってくるということは考えられない。当然これは、いまの公共の福祉でありますとか、国土の発展でありますとかいうことは、いずれの公共事業関係の法律でございましても、その目標に向かって進むのは、これはもう本来の性質上当然のことであるという考え方でございます。  したがって、この第一条の書き方を変えましたことによって、今度の港湾法は前の港湾法と全く性格の違ったものになるということは、私どもは考えてはおりませんし、そういうことを意識しているわけでももちろんないのでございまして、各条文をごらんになりますとおわかりになりますように、さっき御指摘になりましたような、地方自治の問題あるいは港湾管理者の管理権の問題等につきましても、それぞれに配慮をしながら規定を設けておりますし、なお公共の福祉あるいは地域の開発というような問題につきましても、今度は特にこの点に重点を置いて規定をしているところでございますから、この点については繰り返して申し上げますけれども、いま御心配のような点、それは毛頭考えておりませんし、この規定全体、この改正案全体をごらんになりますと、そういう点は非常に明瞭に規定をしているのでございます。御安心をいただきたいということを繰り返して申し上げておきたいと思います。
  14. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 たとえば、現行法の第一条は次のようにうたってありますね。「港湾管理者の設立による港湾の開発、利用及び管理の方法を定めることを目的とする。」、改正案の第一条は、「交通の発展及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とする。」、こういう関連の中で、これは大臣の提案というかっこうになるわけでありますが、提案理由の中には、環境保全に重点をかけた説明であるが、目的条項に比べてみれば抜本的な改正であると思うのです。いわば法律の性格が変わったと考えるというような、その説明がないわけでありますけれども、いま大臣の見解によって、一応これは納得しておくわけでありまして、別に私の受けとめ方と大臣の考え方とに若干の食い違い、ニュアンスの差はありまするけれども、これはこれとして先に進みましょう。  で、現行法は、ともかくも港湾の管理運営を地方公共団体にまかせて、住民意思に沿った港湾を開発、利用して発展させようとするということには現行法は間違いないわけであります。条文の条章からいっても、立法の精神からいってもそのとおりでありますが、したがって政府の監督規制は、その国家的な利益を確保するための必要最小限度にとどめ、地方財政の圧迫を避けるためには、国は十分な財政援助を行ない、これらの施策を通して社会的にも施設の面でも調和のとれた国土の開発と国民福祉の向上をはかることを期待して制定されたというふうに理解をしているわけでありますが、問題は、この前のときに、私はとにかく横浜につながる川の中の沈船、廃船などの問題を申し上げましたけれども、これらの処理、処置についても、またこの港湾法の改正についても、そのよってきたるところの予算処置ですね、廃船、沈船などを清掃するについても、比較的いま申し上げたような、この現行法について、国が十分な財政の援助を行なうという、そういうたてまえであるけれども、経過の処置の中ではなかなか十分でなかったから、たとえば四十七年度の運輸白書の中でも、企業会計法によっても、代表的な八大港の港湾管理者は相当な赤字を招来しておるんだと、現時点でありまするけれども、だとしますれば、この改正によってある程度の管理権が中央に集中的になる。それから目的条項がどういうふうに変革があっても、相当に予算化が、一体厚みを加えるように配慮されておるかどうかといったような点等、現実の問題として四十八年度の予算的処置の中に、やはりこれは現行法よりも改正法はよりましで、四十八年度はそうであるけれども、将来は幅と厚みを持っていくんだということを保証されますか。また、その辺について、これは立法のスタッフとしておられる、それから法制局段階においても十分発言力を持っておられる港湾局長からでけっこうですけれども、ひとつ……。
  15. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 一般的、包括的なお答えを申し上げまして、あと政府委員から答えさせますが、私は、この今度の法改定だけではなしに、港湾の機能というものが非常に多様化し進んできているということは、これはもう事実でございますから、重要港湾のみならず、地方の港湾につきましても、それぞれ港湾の設備につきましては、もっとこれは急速に改善をしないといけないと考えておるのでございます。  その点については、おそらく政府委員からも御説明をしたかと思いますけれども、衆議院段階でもいろいろ御注文がございまして、いまのこの補助率が低過ぎるんじゃないか、もっと国が力を入れていいんじゃないかというようなことを各委員からお述べになったのであります。この点は、今度の改正案を出しますについて、財務当局といろいろ相談をいたしましたが、十分われわれの期待どおりの成果をあげることができなかったのでございます。  これはしかし、四十九年度を初年度として、もう一ぺんいまの五カ年計画を改定しようと思っておりますから、その場合には、いまの港湾に対する各種の補助率をもう少し検討いたしまして、この港湾管理者がもう少し港湾施設の整備充実ということについてやりやすいように、もっと急速に、実情に合うような港湾施設を整備してもらえるような方向で、これはぜひ考えたいと思っておる次第でございます。  ただ杉山先生、こういうことを御心配になるかもしれませんから、あえて申し上げるのですが、中央からの補助率が高くなる。それで国の負担が多くなればなるほど港湾管理者、つまり地方自治体に対する指導権が強くなって、あなたのおっしゃるような中央集権的な方向に向かうのじゃないかという御心配があるかもしれませんが、その点は、今度のこの法律案によりましても、国の全体の基本方針というようなものを抽象的にきめて、そういう方針の上に乗っけて各地方地方で、それぞれの港湾の整備をしてもらうわけでありますから、こういう方式をきめておりますから、逆にいいますと、そういうような配慮をこれからさらに進めまして、各地方の港湾管理者が、それぞれの港湾に対して、いろいろの計画をお持ちになる場合に、国の補助をもっと厚くするとか、国の施設を多くするとかというようなことについては、もっと努力をいたしますけれども、しかし、それによって管理権をいわば侵害ということばはいいかどうか知りませんが、地方の港湾管理権を、地方団体の港湾管理権を侵すような方向では考えませんと、そういう措置はしませんということを、むしろ逆にこの法律案ではあらわしておるつもりでございますから、その点もひとつ、補助を厚くすると同時に、一方では中央集権というようなことを心配されるかもしれませんが、そういうことはする意思はございませんということも、逆にこの改正案では明らかにしておるというように御理解をいただければけっこうだと思います。具体的な問題は、ひとつ政府委員から答弁させます。
  16. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 先ほど先生のお話のございました、具体的な点について御説明させていただきます。  沈船処理の問題、確かに現段階で港湾内で沈船が非常にふえておる。特に港内のはしけが廃船されまして、それで放置されて沈んでおるというのが、非常に港湾の環境も悪くいたしておりますし、機能も落としておるということは事実でございます。  それで、こういう問題に対して、一体今回の法改正でどういう措置がとられたかという御質問の具体的な点について申し上げますと、まず今回の法改正で、第十二条のところで、いわゆる港湾管理者の業務というところがございます。その業務の第二項に、いわゆる廃船の除去というものを港湾管理者の業務として明定することにいたしました。これはいわゆる何と申しますか、いままで所有者のわかっておる船であれば、これを引き揚げるのは当然その所有者の義務であるわけであります。ところが所有者不明のが、いま申しましたように非常に問題を残しておる。そこでいままで一体、これはだれが責任をもってやるべきかという議論が非常にあったわけでございます。そこで、これに対して、だれの義務でどういうふうにしてやるのだというところまでは残念ながらこの段階でまだ明確化されておりません。しかしながら、いずれにせよ、港湾管理者としては、港内の状態をよりよくするという一つの義務があるわけでございますので、したがって港湾管理者も、ひとつこういう仕事に対しての一半の責任もあるということで、港湾管理者の業務ということにはっきり法律であげたわけでございます。  それから次に、これの国が補助規定ということで、新たに補助をするという問題といたしましては、四十三条の改正で国庫補助の道を新たに講じた部分がございます。それは第四十三条の第五号に、「廃棄物埋立護岸又は海洋性廃棄物処理施設の建設又は改良の港湾工事については十分の二・五以内」というものを加える、これはいわゆる港湾管理者が廃船処理をいたします際に、この廃船を破砕する、あるいは焼却する、こういうような施設について四十八年度から補助をすることといたしまして、これは財政当局も認めまして、現段階で予算を計上いたしまして、まだ具体的に港湾管理者と詰めている最中でございますが、予算も計上している次第でございます。したがって、こういうような国庫補助の道が新たに講じられたということで、今回の法改正に明らかにプラスするようにしたわけでございます。   〔理事江藤智君退席、委員長着席〕 ただ、ここでいつも申し上げておるんでございますが、まことに残念なことは、この引き揚げをするということに対する国の補助の道が、今回の法律、あるいは昭和四十八年度予算においては道が開かれなかった、これが私どもとしてはまことに残念なことでございます。これは予算も要求いたしましたが、残念ながら、そういういわゆる清掃行為であるということで、それに対する補助というのは非常にいろいろもめまして、ついに残念ながら認められなかった。  したがって、ここで沈船を引き揚げるという行為に国が補助ができて、それで、引き揚げた沈船を処理する処理施設というものは、今回認められました処理施設補助をして整備した処理施設で処理をしていくということになれば、私どもとしてはまずまずの成果であろうと思うんでございますか、その一つの前提である引き揚げという行為に対して、国庫補助の道が開けなかったということか残念でございますので、これについては、私ども、今後とも実現方に十分努力をするつもりでございます。
  17. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 いま、港湾管理者の任務を規定つけた改正案の第十二条の問題について、沈船に関連してお話がありましたが、それは理解できました。  ただ港湾事業法というものがありながら、それはテレビだとか、あるいは冷蔵庫などの廃品をやみに乗じて捨てて、それが結局、現象面で大きな政治問題になったり、社会問題になり、廃品の処理ということになりますけれども、どうも相当な機能を持って、ある時代においてはなくてはならないはしけというようなものが、港湾事業法というものがあって、それなりに事業者が登録されておるのに、無籍ものという、その辺の経過が、どうもどこの港においても、非常に困るわけなんですが、この辺は一体どういうふうになっているんですか。そういう点については、かなり一部改正であるとか、特例法、あるいは特別法で補強補完されても、ともあれ今度は、相当な抜本的な改正と位置づけて差しつかえないと思うんですから、すっきりその辺はさして、ない予算は、今後、いまお話しのように、大臣も所管局長も、十分財政的な配慮もしていくんだ、そういう点であるんで、その点はどうなっておりますかね。
  18. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの先生のお話にございましたはしけの、いわゆる沈船と申しますか、廃船されたはしけの所有者が不明になってしまう、おかしいじゃないかというお話、確かに港湾運送事業というものに対する監督法規である港湾運送事業法というのがございます。こういう法律に基づきまして港湾運送事業というものの監督をし、あるいはある意味では助成をしておることは事実でございますが、この港湾運送事業が、現段階でやはり一つの曲がりかどに立ち至っております。これはいわゆる港湾の荷役形態というものが輸送の革新と申しますか、そういうような技術革新のために非常に変わりつつありまして、この事業の内容自体も非常に大きく曲がりかどに立たざるを得ないという状況になっております。  そういうようなことで、一番顕在的な現象を生じておりますのは、はしけが余ってきたということでございます。御承知のように、昔は本船が港に入りまして、積んでおります荷物をおろすというのも、岸壁に着けませんで、沖でとまっておってはしけへおろす、そうしてはしけが陸地へ運んでいく。あるいは積み出すのもはしけが積んでいって沖で船に積んだ。それが岸壁がだんだん整備されまして、岸壁に着いて荷役をするようになりましたけれども、岸壁の外側の、ちょうど海側のほうではしけがやはり荷役をしておるというのが非常に大きなウエートを占めております。  ところが、最近のように、たとえばコンテナ化である、あるいは内航輸送でございますが、フェリーである、そういうような技術手段、輸送手段が変わってまいりましたために、非常にそういうはしけの必要性というのがずっと減ってまいりました。したがって、現在明らかに業者が所有いたしておりますはしけの量の、私どもがつかんでおりますはしけの量の約三分の一は、この四十八、四十九、五十年の三カ年のうちには不要になるのではなかろうかというような見通しまで出ておるところでございます。したがって、こういうはしけが余ってくるということで、これに対する問題として、別途現在いろいろな措置をしておる最中でございますけれども、それはそれといたしまして、この港湾でのそういう沈廃船、はしけの沈んでしまったものというのは、やはりそのような背景を受けまして、昔から、古くから持っておったはしけの、いわゆる事業者としてその事業計画にちゃんとのせておったはしけでも、もうこれをわざわざ修理して、あるいははっきり別の新しいはしけと取りかえて事業計画にのせていくというような手続をせずに、言うなれば登録票などはひっぱがして、だれのものかわからぬようにして沈めておるというのが、確かにあることは事実でございます。  したがって、そういうような問題点がいろいろございますので、こういうものに対しての措置をしなくちゃいかぬという考え方を持っておるわけでございますが、予算的にはこれから努力をさせていただきますけれども、現実の問題としては、どうも業法で取り締まるとかなんとかいうことよりも、やはりいわゆる各業界の一つの良心的な協力というものと、それから今後の業界に対する明るい一つの見通しというものとあわせて、これからそういう問題を少しでも減らしていかなければいかぬというふうに、私ども考えておる次第でございます。
  19. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) ちょっといまの問題で、これは将来の問題ですが、お答えしておきますが、いまのはしけで所有者がわからない、だれが沈めたかわからないというようなはしけが問題でございますね。所有者がわかっていれば、その人に引き揚げてもらうということになっております。所有者がわからない、いつ沈んだかわからないというようなことが問題でございますが、法律上のたてまえとしては、これは港湾管理者が自分の港湾の中をきれいにするというのは、これは当然の義務でございます。  ただ、それにはもう港湾管理者の能力が追いつかない、国が何とかしてくれ、端的に言うとそういうことであると思うのですが、いま局長も申しましたように、私もさっき申し上げたように、そういったことにつきましては、まあ来年度は何とかしたいと考えております。  同時に、これは杉山さんよく御承知のように、港湾運送事業というものが、一方ではもう荷役のやり方が変わってきたもんですから、いままでのようにはしけで積みおろしするというようなケースがだんだん少なくなってきた。そういうような港湾荷役のやり方の非常な変化がある。これに対応して、港湾運送事業者の面から見ますと、非常にこれは気の毒な状態になってきておるわけでございますから。で、そういった点を考えまして、いま非常に港湾運送事業については問題が多うございますが、これについていま根本的に検討を加えさしております。来年までには間に合わせるようにして、港湾運送事業の今後のあり方ということについても、基本的な考え方をきめまして、それに対して必要な監督もし、助成もするという方向で、これから措置をいたします。  そういたしますと、いまのこのはしけの問題ですけれども、はしけを人知れず登録した番号も消してしまって沈めるというようなケースがないようになっていくんじゃないかと思うんです。その両面から、来年度におきましては、いま問題にしていらっしゃる、これは横浜なんか特にひどいようですけれども、こういうはしけの沈船処理についての問題は、そういうふうな措置によって解消していくことができるんじゃないかというふうに考えておりますんで、来年度の港湾運送事業法の改正、それから予算措置、これと並べてひとつわれわれがとろうとする態度について、一応報告しておきますから、そういう点で御了解いただきたいと思います。
  20. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 言うならば、はしけというものと、それからそれを操作する、それが機械化されておっても、やっぱり人というものが要るわけであります。そう思いますと、実はこの港湾労働者の問題の扱いについては、これはいま衆議院段階で港湾労働法の一部改正も情勢の推移の中であるわけですが、港湾法の一部改正のほかに運送業法というものの改正云々というのも出るやに聞いて、それなりにわれわれも見よう見まねで勉強しておったわけですが、それはやはり、いま大臣がいみじくもおっしゃったように、予算も取るし、それから大体れっきとしたはしけ業者がこれは原因者で、もう必要がないからと自分の会社で処理できるところと、船は一ぱいか二はい持っておるけれども、つぶれかかった零細企業者であるから、これを補強補完する意味で、国のほうで港湾管理者に、これはあなたのほうの責任だからあなたのほうで処理しなさいというかっこうでするか、それとも政治的に中央で配慮しなきゃならぬというかね合いの中から、相当に時間を要するというような配慮から、来年に見送りになったんですか。その辺のところは、それはもう閣議か何かで論議されたわけなんですか。その辺はどうでししょうか。
  21. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) 閣議で論議したんじゃございませんで、運輸省の中でずいぶん相談をいたしました。  しかし港湾運送事業法、これはもうずっと古く、もう何年ぐらいたちますか、これは私が役人時代に立案した法律で、もう三十年たっているんじゃないでしょうか。その時代ともう港湾自体が変わってきたわけです。それからいろんなバルキーカーゴーなんかの上げおろしなんかのやり方も変わってきたわけですね。  で、港湾運送事業法というものは、いろいろ必要に応じて最小限度の改正をしながら今日まで引っぱってきたわけでしょうが、基本的にもう考え方を変えないといけないという段階にきていると思うんです。それで、いまのはしけの問題とか、あるいは港湾運送に従事する労務者の問題とかいうような、何といいますか、部分的なことだけでは済まないんです。ですから、これ基本的に全部見直していこうということになりますと、非常に広範な問題になってくるわけですから、急にこれをまとめろとおっしゃってもなかなかできない。で、関係者の意見も十分聞きながら、今後における日本港湾運送事業というものをどうしたらいいか、いまの港湾設備との関連においてどうあったが一番港湾運送事業者もいいかというようなことを根本的に考え直しまして、全部改正するという、全文改正するというくらいの考え方で基本的な取り組み方をしておるのでございまして、そのために短期間では間に合わないということですから、作業は進んでおりますから、来年には間に合わせられる、こう思っておるわけです。  で、これはまだ、閣議段階でいろいろ議論をしたとかなんとかいうことではございませんで、運輸省の中で、そういう姿勢でもって検討をし続けておるということでございますから、来年はひとつ御期待いただいてけっこうだと思います。
  22. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 この沈廃船の問題は、御承知のように、近畿圏にしても大阪を中心として、あるいは中部圏の名古屋を中心としましても、あるいは関東圏の横浜でも、非常に大きな政治問題であり、社会問題であり、重大な問題でありますから、間に合わせであるとか、ほころびを縫うという程度のお茶濁しでは、これは現行法というもののその発想の次元がどういう形でありましても、民主化民主化、それから地方自治の自治の本体、精神というものはやはりありますので、比較対照して、やはり、確かに現行法を改正をして、その価値観は高く評価されるんだと、そういう点は、現実面で、財政面においても、むろん財政の元締めはかりに大蔵省であっても、十分大局的な見地から、これは、むろん審議の場はこういう衆参両院を通して、この運輸委員会を通して慎重審議すべき性質のものであろうと思いますけれども、十分これは配慮してほしいということを、その点は強く要望しておきます。  まだ若干質問を続行いたしますが、具体的な問題として、現行法の第四十八条とそれから改正案の第三条との相違について、近似性はありまするけれども、地方自治の要請は言うまでもなく民主主義である。で、現行の四十八条は第一条を受けて、言うならば住民の意思を反映して港湾管理者の定めた開発計画を、国が最大限尊重して、国は最小限必要な範囲でチェックするという、地方自治尊重と手続的なあり方を含めた規定であるというふうに、しかもきわめて重要な条文であるというふうに、私は私なりに見るわけですが、現行法の四十八条に見合う改正案の第三条の二及び三は、特定の権力が一定の基本方針を示し、すべてをそれに従属させていく全体主義的な、非民主的な、官僚主義的な発想であるのではないかというふうに思うのでありますが、ただそれだけではなくて、この条文をてこにして、言うならば日本列島改造の海洋版を強行していこうというような、その法改正の真のねらいがそういうところにあるのではないか。それはゆえなき杞憂であるというふうに言い切ることができますか、どうですか。その辺のところはなかなか言いにくいところであろうと思いますけれども、ここは論争の場や対立の場を位置づける場所じゃありませんので、それはそんなに苦労性じゃそれはだめですよと言うんなら言うで、はっきりと、それでけっこうですから、ひとつそういうふうに、私は長い目で見て、すべて未来と歴史が解決するんだというふうに思うわけですけれども。
  23. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいまの御意見に対して、まず事実的に現行法の四十八条の「港湾計画の審査」という条文と、それから今回の改正案の三条の二あるいは三条の三というものとの関連と申しますか、これがどういうふうに変わっているかという点について、まず御説明をさせていただきます。  現行法の四十八条で「港湾計画の審査」というのがございまして、第一項から第三項までございますが、これの考え方の趣旨は、今回の第三条の三の「港湾計画」というところにほとんど織り込まれております。と申しますことは、まず第四十八条の第一項で、運輸大臣が「必要があると認めるときは、重要港湾港湾管理者に対し、港湾施設の配置、建設、改良その他当該港湾の開発に関する計画の提出を求めることができる。」という点が、これが今回の港湾計画の項では、第三条の三の第四項に、「重要港湾港湾管理者は、港湾計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、当該港湾計画を運輸大臣に提出しなければならない。」という、これは義務規定になっております。現行法では、大臣が必要と認めたときに提出を求めることができるんだというような規定、この点が兼常に食い違っております。  この違い方がなぜ生じたかと申しますと、これは御承知のように三十八条の二というようなところで、いわゆる港湾の臨港地区内の私人の行為制限港湾管理者ができるような権限を付与をいたしております。そういうような関係から、どうしても港湾計画というものがはっきりオーソライズされてないと、やみくもに港湾管理者の恣意的な非常な私権制限というものがあってはまずいというようなことから、これは計画というものは一つ提出をするという義務規定を設けたわけでございます。その点が違いますが、これを提出されまして、それをどうこうするというような点ではそう変わっておりません。  それから四十八条の第二項で、「運輸大臣は、前項の計画を審査し、」何々「であると認めるとをは、これを変更すべきことを求めることがで曇る。」、これは第三条の三の六項の規定とほとんど同様でございます。ただ、ここで省令基準であるとか、そういうような問題点がつけ加わっております。これは後ほど説明いたします。ただ、四十八条の二項の間でいま省略いたしました「当該計画が全国の港湾の開発のための国の計画に適合しないか、又は当該港湾の利用上著しく不適当であると認めるときは、」云々という字句がございますが、この全国の港湾の開発のための国の計画に適合しないかどうかという判断をするというときに、これはその判断基準というものが全く法文上明定されておりません。そこの辺をはっきり考えなきゃいかぬというのがこの新しい法案での第三条の二で基本方針というものをはっきり運輸大臣が考えなきゃいかぬというあたりに一つの法体系としての整備をはかったという事実でございます。  それから第四十八条の三項の、「運輸大臣は、第一項の計画を審査し、」何々が「適合し、」何々で「認めたときは、運輸省令で定めるところにより、当該計画の概要を公示するものとする。」と、この点につきましては、この三条の三でやはり公示しなきゃならないという第七項の規定と全く同様でございます。ただしここで重要港湾地方港湾との扱い方を、いままでは重要港湾だけの問題でございましたが、地方港湾にもこれを準用するような規定を第三条の三で、たとえば第八項あるいは第九項等、地方港湾準用規定をはっきりここにあらわしたわけでございます。  したがって、この考え方全体といたしまして、この四十八条が三条の二と三条の三になったということについて、いわゆる計画法、最近いろいろの計画法がございますが、そういう計画法の法体系というものとほとんど歩調をそろえまして、同じような考え方でこういう一つの、いままでの法律が計画面ではあまりに簡単であり過ぎたんじゃなかろうかというような点で、こういうふうな整備をいたしたわけでございます。  したがって最後にお答え申し上げる点は、こういうことをやることによって、非常に中央集権であって、いろいろな面で地方の意見というものを押えてしまうという結果になるのではなかろうかという点につきましては、先生にもうすでに先回りして言われたんでございますけれども、これは杞憂であるということを申し上げざるを得ない立場でございます。
  24. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 きょうは自治省からどなたも来ておられませんか――おられませんね。  いまいみじくも港湾局長が言いましたけれども、ずいぶんひどいところがありますよ、実際は。私の県では今太閤と称する総理も出ておられるし、また日本列島全域における日本海方面の拠点県である新潟県の知事という港湾管理者ですけれども、港湾があっち向いてるかこっち向いてるかわけのわからない、そういうところへもって、かなり機雷があったり、リベリアのタンカー船の処置についても全くなっていないんで、それはやはり一事が万事で、港湾の管理者というもの、それから港湾の管理体制というものが、言うがごとく、法できめられたごとくはっきりしておれば、災害は未然に防ぐこともできるであろうし、法のたてまえからいくならば、地方自治が十分尊重されて、そういうスタッフも完備してというふうになろうかと思うんでありますけれども――いや、きょうは別に、これは私の自問自答として、自治省がおられればもう少ししっかりやってもらいたいと、こう思う意味であるわけでありますが、先に進むことにいたします。  改正案の第三条の二の三項に、「基本方針は、交通体系の整備、国土の適正な利用及び均衡ある発展並びに国民福祉の向上のため果たすべき港湾及び開発保全航路の役割を考慮して定めるものとする。」というしぼりがあるわけでありますが、本来は、国民福祉の向上のためにということばは、第一条の目的条項へ規定しなければならない文句であるというふうに、これは私の主観であっても、スタイルとしても、また目的条項からいってもそうすべきであったと思うんでありますが、しかし、このように一読してもぎこちない条文だ。基本方針の中に確かに国民福祉向上ということをうたってあるにはありまするけれども、そういう点で、これは立案の過程においていろいろな論議があったんじゃないかと思いまするけれども、とにかく法律ができて一人歩きをするようになれば、この福祉の向上という問題は、時世の推移からいっても非常に重要なうたい方だと思うんであります。  港湾管理者、言うならば港湾市民の、住民の意思というものを十分尊重するということが、これは陰に陽に出ておることには間違いありませんけれども、どうしてこの目的条文の中に入れられなかったのか、そういった点について、これは何回も説明を、意見も含めて説明を求めておるわけでありますけれども、その辺はどういうふうに今日ただいまの時点でお考えですか。  いずれこれは大臣に最後にお聞きするわけでありますけれども、この条文が衆議院を反対法案というかっこうで通過してこちらへ回ってきておるわけでありますから、そう軽々に修正されるべきものではないというふうにも考えておりまするけれども、私どもの強い考え方からいくならば、こういう点もやはりお伺いしておく必要があるんだと、こう思うんですから、ひとつお答えいただきたいと思います。
  25. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいまの先生のお話、先ほど大臣がお話し申し上げました点とまた重複いたすかと存じますけれども、まず第一条の目的に、いわゆる国民福祉の向上というような問題が入っていない、これは大臣も再々お話をしていただいておりますけれども、私ども法案をいろいろな案で、それこそ何回か修正修正を重ねてここまでまとめてまいって国会に御提出申し上げたわけでございますけれども、原案討議中での段階ではいろいろな案があったわけでございます。  ただいろいろな議論をいたしておりましたが、この現在の法案、第一条の目的条項にまとめましたその一つの理由は、いわゆる国民福祉の向上に資すると、あるいは国民経済のいろいろな問題に対して云々というような字句は、非常に間接的な目的であろう、それよりももっと直接的なぴしっとした目的条項を、むしろ目的にはうたうべきではなかろうかというふうに割り切ってこういう目的条文にいたしたわけでございます。これはもちろんいろいろな法律によって、いろいろな表現のしかたがございますけれども、こういうような条文に踏み切ったというのが事実でございます。  したがいまして、第三条の二の第三項の基本方針というところで、同じような問題でございまして、入れる必要があるかどうかという点で、いろいろこれも議論がございました。ただ、基本方針という非常に具体的な問題になってきて、しかもいろいろな問題点が現在ございます。そういう意味から、ここでひとつ国民福祉の向上というものもここの第三項には入れておくべきものであろう、言うなれば、その港湾の何と申しますか、いわゆる国民福祉の向上のため果たすべき港湾の役割りというようなものを非常に大きく問題視するというようなことで、この第三項に入れたというのが、いわゆるこれを検討いたしてまいりました過程の経緯でございます。
  26. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 同じく第三条二の五項ですが、「港湾管理者は、基本方針に関し、運輸大臣に対し、意見を申し出ることができる。」となっておりますね。この考え方は現行法の発想の精神、言うなれば立法の精神と逆立ちをしているんじゃないかと思うんです。  たとえば現行法の四十八条の一項では、大臣港湾管理者に対し、いわゆる港湾計画の提出を求めることができ、同条第二項で港湾計画を変更することを求めることができるということになっておるわけでありますが、改正案は第三条の三の四項では、「遅滞なく、当該港湾計画を大臣に提出しなければならない。」となっておるわけであります。で、同条の六項では、管理者の提出した港湾計画が、基本方針及び運輸省令で定める基準に適合していないとき及びその他の場合、計画の変更を求めることができるとなっておるわけであります。現行法立法精神のとおり自治権の尊重をする姿勢があるが、改正法案では、国の権限を強めておる。従来から財政力の弱い地方自治体に過大な負担を押しつけてきた国の港湾行政のあり方からして、改正案によって自治体が考えている港づくりを最大限に尊重することになることはとうてい考えられない。  むしろ第三条の三の四項及び六項を最大限に活用したとしても、国の意図する港づくりに従わせて、聞かなければ財政面からひとつ締めつけるぞというような、おどしというまででなくても、一つの拒否権にひとしいものが、条文にあるないにはかかわらず、文意の底にあるのではないかというふうに、私は判断をするわけでありますが、それは意地悪であるか、そんなことはないのだというふうに言い切られますか。その辺はどうですか、これははっきり言ってみてください。
  27. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) はっきり結論を先に申させていただきますと、そういう意思は毛頭私どもございませんし、どうも意地悪な考え方であると申し上げざるを得ないわけでございます。  と申しますのは、先ほどもちょっと先走ってお話し申し上げたのでございますが、四十八条の「港湾計画の審査」という現行法の条文と、それから今度の新しい港湾計画での第三条の三というところで、いま御指摘になりましたように、第三条の三の第四項で、重要港湾の港湾管理者は、運輸大臣に港湾計画を提出しなければならないという義務規定があるじゃないかということ、それが現行法の四十八条の第一項では、「計画の提出を求めることができる。」のだ、運輸大臣が求めることができるという、いわゆる要請権にとどまっている。この食い違いが非常に何か大臣の権限を強くしたのではなかろうかというのが、非常に大きくベースになった御議論かと思います。  これにつきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、今回の法改正によりまして、いわゆる臨港地区内の私人の行為規制というものをはっきり条文で規定するという姿でございます。こういうような私人の行為規制をやろうというときに、そのベースになる一つの計画というものがありまして、そういうものがオーソライズされていて、それに反するからいかぬのだ、規制されるのだということならば、これは公益上しようがないということがいえると思いますけれども、そういうものがオーソライズされていないのに、ただ私権が制限されるというようなことであっては、これはおかしいのじゃなかろうかというようなことから、この港湾計画というものの提出を義務づけたわけでございます。そこで義務づけてこれは公示するのは同じことでございますが、こういうようなものを、一般の住民に対して知らせておいて、その上でこういう規制が初めて働き得るのだというような考え方で、これが非常に大きな違いでございますが、そういう正当性、これを変えた、変えざるを得なかった理由であるかと存じます。  それ以外について、いわゆる計画の、一番最初にお話ございました基本方針のほう、三条の二の第五項でございますか、「港湾管理者は、基本方針に関し、運輸大臣に対し、意見を申し出ることができる。」というような問題、これは「意見を申し出ることができる。」というのではなくて、もっと強く協議をしなければいかぬというような立場で当然あるべきだというような御議論がいろいろあるわけでございます。これについては、私ども決して否定はいたしませんが、実態的に申しますと、全国で九百六十何港の港湾管理者、したがって港湾管理者は九百六十何法人あるわけでございますが、そういうものに対して一々協議をするということは現実に不可能でございます。したがって実態的にこういう条文に法定せざるを得ない。ただ現実に、非常に大きな港湾の管理者と申しますか、港湾のこれからの進む道に対して非常にウエートを大きく占めておる港湾管理者に対しては当然事前にいろいろ御相談をしていくというような運用をしていく考え方であるということは、すでにこの国会の御審議の場でも申し上げておりますし、私ども、したがって、これの運用において、いわゆる中央集権と申しますか、地方の意向を無視しようというような考え方は全然ございませんし、また運用についてもそういう考え方で進めていく、したがって国会でいろいろ御審議いただきまして、御意見を賜わったものについては、十分それに対してお受けして進めていくつもりで考えております。
  28. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 これで最後にいたしますが、これを言いたいためにきょうはどうしても運輸大臣をくぎづけにしておいたわけでありますが、最後に、この法案が日本列島改造論の海洋版であることは、これは間違いないし、そういうことを自負されていいと思うんですよ。列島が、やはり山あり畑あり、新幹線あり、高速自動車道があっても、港湾が十分活用されなければならないと思うんでありますが、改正案の第一条にある「国土の適正な利用と均衡ある発展」ということばは、改造論の中心スローガンであることには間違いないんでありますが、しかも基本方針によって国民の求めておる港湾行政のあるべき姿というものも、やはり一応それなりきにこれは変わってくると思いますけれども、これは時勢の推移としてやはり当然なことだと思います。  しかしながら、やはり大企業や大資本というものに最大限利用されて、地域住民にその犠牲のしわ寄せが片りんでもあってはならないということは十分配慮されなきゃならない性格のものだと、私は判断しておるわけであります。現行法の精神をやはり、形がいかに変容されようとも、現行法の精神そのものはやっぱり踏んまえていただいて、第一条の目的条項に現行の管理者の設立と国民の福祉の向上を明確に規定して、その目的に沿って関係条文を修正しなければならないように、私は考えるのであります。  そこで大臣は、修正に応ずる意思はあるかどうか。その辺のところをひとつ――非常に微妙でありますけれども、一応わがほうの人は――もちろんそれは、私の所属の党には所属の党のたてまえがあるわけでありまするけれども、私は党自体にこれを党の方針だということについては了解も納得も得ておりませんけれども、私の主観でありまするけれども、しかし、いずれにいたしましても、現行法あり、そして歴史の流れがあり、そして情勢の推移によって、いま一部修正であるといっても、かなり抜本的な歴史的な改正の転機に差しかかっておるというふうに考えているわけでありますが、とにかくそういう意味で、いま申し上げたような趣旨で、われわれは提案権をもって厳然として提案をしておるし、衆議院からこちらへ回ってきておるんだからということで胸を張って、とにかくそういうことには一切これを押し通すんだという気がまえであるか、それとも十分その修正の案件を検討して、その時点においてはその時点だというふうに配慮されておるかどうか、その点について、所信をひとつ承りたいと、こう思います。
  29. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 内容の問題におきまして修正に応ずる意思があるかどうかと、こういうお尋ねでございますが、この点は、私から申すまでもなく、われわれ提案者といたしましては、いまの、私も御説明をし政府委員からも御説明をいたしましたところでおわかりいただいていると思いますけれども、提案者としてはこれで十分であり、これによって今後の日本の港湾の管理運営というものについては皆さんの御心配しておられるようなところは毛頭考えていないし、十分これで運営ができると、また港湾の発展も期待し得ると考えておるのでございまして、私が修正に応じないといっても、国会において御決議がありましたらそれに従わざるを得ないのでございます。修正に応じるか応じないかということよりも、これは各党の間で十分御審議をいただきまして、修正したほうがいいかどうかということは、これは国会がおきめになることでございますから、私は、その点につきましては、提案者としてはこれで十分であるし、これがいい案だと思っておりますが、あとは国会の御審議におまかせする以外はございません。そういうように御了解をいただきます。  それから、いろいろ御質疑がございましたので、ちょっと内容についてこの際申し上げておきますが、どうも御質疑を聞いておりますと、政府がこれによって表面に出ておる法律案文の裏に何か考えているのじゃないかと、こういうような意味の御質問が多かったように思いますが、再々申し上げますが、そういうことは毛頭ございませんし、ことに現行四十八条と三条の二、三等の関係につきましては、これは実は現行法をよくごらんになるとわかりますが、現行法ではこれはすベて運輸大臣の自由裁量になっているわけです。いろんなことをきめますのも自由裁量です。運輸大臣がいいと言えばいい、悪いと言えば悪いということになるわけですね。そういうことではいけないと思うのです。でございますから、三条の二、三条の三等によりまして、運輸大臣が自由裁量でいま現行法でやっているのを、内容はこういうものについて審査をいたします、こういう手続によって審査をいたしますということを明瞭にしたのがこの改正案でございまして、港湾計画というようなものにつきましても、現行法では港湾計画とは何だというようなことは書いてございません。港湾計画というのはこういった内容のものをいっているのだ、これについては運輸大臣はこういうふうに考えます、これについてはこういう手続を経て港湾管理者はきめていただいて運輸省とひとつ相談をしてもらいたいと、こういうふうに書いているのでございまして、むしろ非常に港湾管理者の立場を考えて、きわめて民主的に、現在の自由裁量から、そういうふうに手続をきめ内容をきめて進行させるというように、今度は非常に改善をしたと考えておるのでございまして、その点はひとつ全体の質疑応答を通じて御納得いただけたかと思いますけれども、いま最後に締めくくって申し上げましたこと、そういう意味で御了承をいただけたらまことに幸いでございます。
  30. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 もうこれで、一つ二つでやめますが、ずばりで言って、運輸大臣はいみじくも運輸官僚であることには間違いありませんが、私も海からはい上がったどろガメにすぎないんですけれども、とにかく過去は非常に古うございますから、時世も変わり、思いつきもあったり忘れたりなどするわけでありますけれども、正真正銘条文に書いてあるようなことを言うならば、やはり「港湾は、海陸交通の結節点として交通の発達及び国民経済の振興に不可欠の役割を演じてきたところであり、港湾法もまた、その基本法として重要な機能を果たしてきたところであります。」と書いてありますけれども、今日の港湾のあり方というものは、どの港湾をとらまえても、特定重要港湾あろうと地方港であろうと、かなり末端の現場では港湾の安全、保全、それから沈船の処理も含めて廃棄物の処理、環境整備の問題につきましても、海上自衛隊であるとか海上保安庁であるとか運輸省所管の港湾建設局等も含めて非常に多岐にわたっておりますよ。  したがって、ことに海上自衛隊は、新潟県で、ぼくはナンセンスだと思いますけれども、今日の、たとえばこの機雷を収集するところの一つの小さな艦艇にいたしましても、そういう問題でも非常に型が小さいから、どの程度のものがいいかと、非常に混乱を招くわけなんでありますから、その辺についても、ただ海陸の、ここにきれいにうたってある程度のようなぐあいにいっていない点がありますので、そういう点でも十分配慮してもらう必要があると思います。  それで、これは次に、これは港湾局長にちょっとお尋ねして、今後次元の違った点でこの場でいろいろと質問を申し上げるわけでありますけれども、この港湾管理者の任務の中で、こういううたい方がしてありますね。「港湾区域及び港湾局の管理する港湾施設を良好な状態に維持すること(港湾区域内における漂流物その他船舶航行に支障を及ぼすおそれがある物の除去を含む。)」と、この漂流物であるとか、船舶の航行に支障を及ぼすおそれのある物ということの中に、この「物」の中に、機雷というものも含まれておりますか、どうですか。その辺については、この「物」というものについては、これは非常に、ふろしきのようなもので、たいへん多様多岐にわたる内容を意味すると思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
  31. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの先生のお説でございますが、「物」というものに、機雷というものは含まれておるかどうかという点につきましては、私は含まれているという解釈をせざるを得ないと思います。ただ、この残存機雷、非常に大問題でございますが、こういう残存機雷の処理をする義務がどこにあるのかという問題が一番の問題だと思います。  そこで港湾管理者は、やはりその港湾にそういう物騒なものがあるんですから、これを除去したいということでみずからやり、あるいはやるんだというのは必要であると思います。そういう気持ちがなかったら、これはおかしいと思います。ただ、この機雷という特殊な問題について、これの処理をする義務が一体だれであるかという点につきましての問題が最終的な問題だと思うんです。  そこで、私どもこの問題について、たとえば防衛庁、あるいはその他関係省庁といろいろ協議をいたしましたけれども、現段階で、一体残存機雷の処理のほんとうの義務者が一体だれであるのかということについて、まだ残念ながら結論を得ておりません。ただ私どもがはっきりいえますことは、最近の残存機雷によりまして事故を起こしておる実例がいろいろございます。そういうもののほとんどの例が港湾工事、いわゆる海底をしゅんせつするという港湾工事の際に起きた事故であるということが事実でございます。  したがって港湾工事をするときに、この残存機雷の処理というものを十分考えないとあぶないということは、これまた事実でございます。したがって、港湾工事をし、大体機雷の危険海域というのは、大体範囲がわかっておりますので、その海域においてしゅんせつ工事をやるときには、これは事前にいわゆる探査をいたしまして、何か物騒な点がないかということを探査して、それでそういうところを探りまして、ほんとに機雷が発見されたときには、この機雷の具体的な、いわゆる爆発させるか、どこか危険のないところに行って爆発させるとか、そういう処理をするわけでございますが、そういう処理は防衛庁にお願いをいたしておりますが、そういうような発見をし、それから実際に工事をしていくということ、いわゆる工事期の一連の行為としての機雷の探査という問題だけは、これはその工事をいたしますたとえば国の機関で申しますれば港湾建設局であり、あるいは地方港湾管理者であり、こういうものが港湾工事の一環として責任をもって実施しないと非常にあぶないという、そこまでははっきり私どもの方針をきめたわけでございます。
  32. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 わかりました。  で、大臣ね、いま「物」の中で、いまの論議で大体私も納得と理解ができましたが、落とした数ははっきりしているんですよ。そして処理した数もはっきりしておるので、算術計算からいけば大体の海域にこれこれのものがあるということもわかっておりますが、問題は、その探査の方法なんですけどね。これはもう少し金をかけて性能のいい科学的な探査をすれば、百発百中とまでいかなくても探査の方法があるわけでありますので、これは重大な問題であります。  私は、全体としての福祉向上の問題も、目的条項であるとか基本方針の中の問題であるけれども、この港湾の安全という問題についても、やっぱりこの機雷という問題も大きな問題でありますので、ひとつ政治的な次元で、運輸省の大臣の所管の中で配慮してもらいたい。別な次元でまた質問の機会もあろうかと思いますけれども、以上で私の質問を終わります。
  33. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 ちょっといまのに関連して。  いま杉山さんから質問のありました機雷の問題ですけどね。これはたとえば古くなるとそのままさびついちまって使いものにならなくなるとか、溶けるとかというもんなら別ですけれども、これは古くなったからといって、ほっておけば、やっぱり衝撃を受けて爆発をする危険というものはどの程度まで続くものなのですかね。やっぱりこれは永久的なものなのかどうか。だとすると、これは何とか見つけ出して処理をするという以外に、危険を除去する方法はないわけなんでしょう。だから、その場合、その危険を除去するための有効な手段というものは、運輸省として用意してあるのかどうかということですね。海上保安庁なり自衛隊なりがそれ相応に設備は持っているんじゃないかと思うけれども、まあ海上保安庁は運輸省の関係だけども、そういうものは運輸省としてはあるのかどうか、その点ちょっとお伺いしたい。
  34. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの瀬谷先生のお話でございますが、明らかに現段階で、もう戦争中に落とされた機雷でございますから二十何年もたって、まだ衝撃を与えたために爆発したという事故が、昨年あったわけでございますが、そういうようなことで、一体いつまでこの火薬が生きておるのかというような点について、全くまだ私どもつかみ切っておりません。  ただ現段階でまだ死んでいないということだけは明らかにいえるわけでございます。そこで、いわゆる磁気感応機雷といいますか、磁力線によって爆発させるという機構を持っておりましたそういう磁気感応のメカニズム、そういうものはまずほとんど死んでいるようでございます。したがって、いまあぶないのは、その本体に対して変な衝撃を与えたというようなときにどうも爆発するおそれがあるということのようであります。  そこで、後段の御質問でございますけれども、そういうものに対して一体どういうことをやっておるかということを申しますと、防衛庁では、これは掃海の専門の部隊がおりまして、それで掃海をしてくれておりますけれども、これはいわゆる磁気感応であれば、感応させて爆発させるというのが主体のやり方でございます。したがって、いまその磁気感応が死んでしまって、それで衝撃を与えればあぶないけれどもというようなものに対して、必ずしも掃海がうまくいくとは存じません。したがって、そういうものに対して一体どう与えるかと申しますと、先ほど瀬谷先生のお話にもございましたように、海底に一体そういう磁力の、まあ磁力線に影響を与えるような物体が一体あるのかどうかということを調べるほかございません。そういたしますと、たとえば鎖であるとか、あるいはワイヤーであるとか、そんなものも一応そういうものに出てくるわけでございます。ただ何と申しましても、機雷というのは相当大きな鉄のかたまりでございますから大きな影響を与える。したがって相当な大きな影響を与えた地点をたとえばしんちゅうの棒で突っ込んで探してみるとか、非常にプリミティブなやり方でございますけれども、現在いろいろ捜査をいたしております。そういういわゆる磁気探査といっておりますけれども、こういうような磁気探査の機構を持っておりますのは、従来までは、まことに申しわけない話でございますけれども、日本では一私企業の会社だけが持っておりました。それではとてもだめだということで、私ども先年いわゆる科学技術研究費に対する補助金を出しまして、そういう補助をいたしまして、どういうメカニズムにしたらいいかということを民間に研究をさせました。それから当方としてもいろいろ研究をいたしておりまして、それで四十八年度の予算で一応お認めをいただきましたところで、港湾建設局において、先ほど申しましたしゅんせつ工事の事前、事後のそういう危険物の発見ということで、いわゆる機雷の探査をするための船をつくる。そこにそういう新しい探査機構を積み込んだ船をつくるということで、全国的に三ばいの船を建造する予定でございます。それから研究のだいぶん成果が出てまいりましたので、一部建設局においてポータブルなこういう磁気の探査の機械というものを若干購入いたしまして、そういうものの試験もいまいたしておる最中でございます。  したがって、どうも港湾工事に伴う問題が一番大きいということでございますので、やはり、私ども港湾工事を直接担当している人間が中心にならなければ、これはどうも真剣さが足りなくなってしまうということで、われわれとして何とかもっと優秀な方法を開発し、しかも現実にそれを生かしていくという考え方で、ただいま努力している最中でございます。
  35. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) それでは、本案に対する午前中の審査はこの程度といたします。  午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      ―――――・―――――    午後一時九分開会
  36. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、参考人として交通評論家沢富彦君、久留米大学講師駄田井正君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  39. 長田裕二

    ○委員長(長田裕二君) 午前に引き続き、港湾法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  40. 伊部真

    ○伊部真君 まず最初に、この港湾法昭和二十五年に制定されたわけでありますから、海運の、あるいは港湾環境条件というものの変化というものは非常に大きいと思います。特に、最近のように輸送の革命といわれるような時期になりますと、私はそれに対応せなきゃならぬという意味では、港湾を見直すという意味で必要なことだと思うんでありますけれども、だからといってこの法案の内容を変えなきゃならぬかどうかということは私は別問題だと思う。  そこで私は、まずお聞きをしたいんでありますが、これからの港湾、特に国内の輸送の中で占める内航の役割りというもの、これについてどうお考えになっておるかということをひとつ伺いたいんでありますが、具体的に申し上げますと、今日の輸送の一つの問題点といいますのは、やはり輸送需要にどう対応をするかということと、もう一つは、産業立地が変わってまいりますと、輸送範囲、距離というものが延びてくるわけでありますが、そういう意味で陸上輸送と海上の輸送というもの、特に内航の果たすべき役割りというのが浮かんできていると思います。  それからもう一点は、私は、やはりいま陸海ともに問題があります輸送の近代化専用化なりあるいは共同一貫輸送なりあるいはシステムチェンジというものに対して、どう対応するかというふうなことだろうと思うんであります。  そこで、私は順次お尋ねをいたしますが、輸送需要の展望について、内航に関しての輸送需要の展望についてどうお考えになるか。たとえば列島改造でいいますと、田中さんが書いたといわれる改造論の中には、たしか昭和六十年にはトンキロで一兆三千二百億トンキロ運ばなきゃならぬというふうにいわれておるわけであります。それから同じ六十年設定でも、運政審の答申によりますと一兆七千八百億トンキロですか、ということでかなり輸送需要に違いがありますね、見通しの違いがあります。それと同じように、五十二年を設定をしたいわゆる経済社会基本計画によりましても、これもまた新しいものが出ているわけでありますが、これは年数が五十二年でありますから当然それとは相違が出てくるわけです。これらを見ますと、言えることは、輸送需要についての見方というのは、列島改造から割り出すとまたとういう数字が出てくる、あるいは新全総からいってこういうふうなことが出てくる、基本計画からいってこういうふうなのが出てくる。  実績はどうかというと、昭和四十年と四十六年、この六年間ではそれほどの伸びがないと。まあ海運の場合は国鉄とは違ってかなり伸びがありますけれども、それでも当時トン数でいきますと四十年が一億八千万トン、それから四十六年が三億一千八百万トン。トンキロでいくと八百六億トンキロ、それに対して四十六年が千二百七十七億トンキロであります。  こういう実績から見て、六十年を想定した輸送需要に対して、運輸省のほうはどれを基礎に置いてその輸送需要に対応するような施策をとろうとされておるのか、御方針をひとつ承りたいと思います。
  41. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) 今後における輸送需要をどう見るかということについては、いま御質問の中でもお述べになりましたように、これはいろいろの数字が出ているわけです。これはそれぞれが間違っていると思いません。いろいろ前提を置きまして計算してみますと、こういう数字が出るということで、幾つかの数字があることも事実でございますけれども、これはそういう前提条件を幾つか置かなきゃならないわけですから、どの前提条件が一番正しいかということ、正しい正しくないというよりも、どれが一番将来の事実に即しているかという見通しの問題だろうと思うんです。そういったのを踏まえまして、おそらく近いうちに出るでありましょう新全総の計画におきまして、どういった数字を最終的に出してくるか、私はそれに非常に注目をしておるわけでございます。  しかし、ただいまのところ、概括的に言いまして、少なくとも経済社会基本計画などにも述べておりますように、全体の荷動きというのが非常にふえてくることは事実でございまして、海運関係だけからも見ましても内航海運のシェアというものはおそらく非常にふえるであろう、現在の少なくとも二倍ぐらいの数量は予想しなきゃなるまいと思っております。しかし、その荷物が物資別にあるいは方面別にどういうふうに伸びてくるかということにつきましては、これはまあこれから先のいろいろの計画を総合したり、あるいは各地域地域の具体的な事情を考えませんと、出てこないだろうと思うんです、正確には。しかし無計画であっては困りますから、大体二倍ぐらいに、少なくとも五年間に二倍ぐらいになるだろうという見込みをもちまして、現在立てられております各種の計画、そういったものを参考にしながら、われわれとしては海運政策のほうも考えなきゃならないし、港湾計画のほうもそれに応じて考えていかなきゃならぬ、こういう――あなたからごらんになると非常にばく然たるもののようでありますけれども、一応のめどをそういうところに置いて考えていくのが妥当だろう、こう思っておるわけです。
  42. 伊部真

    ○伊部真君 もともと輸送需要というものに対しての見方が、われわれから見れば、非常に政府のほうの手法というのはまちまちで、どれをたよりにしていいかわからぬということでありますけれども、しかし少なくともやっぱりこんなにふくれては困りますけれども、産業規模がそんなに拡大をするということは私どもの立場からいってあんまり好ましいとは思わないけれども、しかし今日までのテンポからいって、たとえば一〇・五%ならどうなる、あるいは八・五ならどうなるというようなことで基礎を置いてこれ出ていると思うんですが、それにしてもあまりこう大きな違いがあるんじゃないかと、たとえば列島改造のいう――田中総理がもしもそれを言われるとしたら、あの場合には一兆三千二百億トンキロのうちの半分は内航だと、こう言っているわけでしょう。そうすると大体七千億トンキロから七千五百億トンキロ、七千億トンキロちょっと切れるぐらいでしょう。そういう数字を列島改造のときには出しておって、そうして新全総ですかね、あるいはこれは運輸政策審議会の答申、また新全総から出ると思うんでありますが、この場合は、海運の場合は八千三十億トンキロと、こういうことになっておりますね。  私は、この数字の場合に一番気になりますことは、昭和五十二年の経済社会基本計画の場合は大体二倍ということですから、うなずけるのです。大体いままでの実績からいって海運の場合はうなずけるわけですけれども、これが八千億トンキロにも七千億トンキロにもなるということについては、どうもうなずけないわけでありますけれども、はたして政府はどの程度に考えておられるのか。  そういう輸送需要があるとすれば、それに対応した入れもの、輸送の道具だとかあるいは輸送の設備というものをやはり考えていくということが私は筋だと思います。ですから、そういう意味で、これが基本計画の場合は二千四百二十億トンキロということでありますが、ほかのほうでは六十年になったら七千億トンキロにも八千億トンキロにもなる。いわゆる八年たったら、これがいままでは二倍計算だけれども、そこからは三倍ぐらいにふえるというふうな非常に急テンポな見通しをつけておられるようでありますが、そこの違いはどう見たらいいのか、あるいはどのようにお考えなのか、これは事実政府のほうで発表した数字ですから。
  43. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) これはあなたも十分御承知の上で御質問だと思いますけれども、日本の経済の動きというもの、これはもう私から言うまでもありませんが、日本経済だけでそれを律していくということは不可能でございますね。やっぱり世界経済の中で日本経済がどういうふうに発展するであろうかということを考えなければなりません。  ことに、これはただいま海運のことにお触れになっておりますから、これを中心にして申し上げると、海上の荷動きというものが国際的にはどうなるであろうかということは、やっぱりこれは各国の経済政策との関連においてきまってくるわけでございましょう。したがって、これは国内だけで、日本政府がこういう政策をとったから海上の荷動きがこうなるというふうにはなかなか――かりに日本政府が非常な計画経済を推進いたしましても、それだけではこれは出てこない問題でございます。世界各国がどんな経済政策をとるか、海運に対してはどうするか、貿易に対してはどうするか、こういうようなことと相照合して考えていきませんと、出てこないと思うんです。でございますから、非常に不確定な要素が入ってくること、これはやむを得ないんじゃないでしょうか。  しかし私たちは、現在のところ、各種の計画、それぞれの立場においていろいろの計画を持っておりますことは御承知のとおりでありますが、その計画を立てます場合に、現在予見し得るような経済事情というものは、これは日本だけじゃなしに、世界経済がこういうふうに向くであろう、したがって成長率というものはどうなるであろうということを一応考えながら計画を立てておるのでございます。ですから、そういうことを申し上げるとほとんど捕捉しがたいということにもなるかもしれませんが、いまわれわれの出しておりますいろいろの計画――まあ列島改造をお取り上げになりましたが、これは田中総理の個人的な御見解でございますが、政府としてとっておりますたとえば経済社会基本計画――前のですね、にいたしましても、今度の新全総の計画にいたしましても、あるいは運輸政策審議会の答申というようなものを見ましても、それぞれいろいろな立場において、いろいろな要素を加味して予測をしておるのでございます。   〔委員長退席、理事江藤智君着席〕 その経済事情の変動によりまして一応こうしたけれども、十年先までこの計画のとおりにいくということは、おそらくいろいろな審議会等においても予測して書いておるものじゃない。いろいろな考量要素を加えてやっていくとこういうところまでいきますよと、こういう数字だと思います。  したがいまして私ども政策上間違っちゃいけないと思いますことは、大体大まかに見てどういうふうな趨勢、どういうふうな傾向をたどるであろうかという、何といいますか、大体の大きな軌道というものを踏みはずさないようにしていかなければならないと思っておるのであります。  ただいまわれわれの考えておりますことは、一応現在におきましては、この間政府で出しました経済社会基本計画、これをやはり一応のめどにいたしまして、これもめどにしてやっていきますが、しかしこれもおそらく五年間あのとおりにいくということは考えられません。世界経済の動向によっても変わってまいりましょうし、それに伴って日本の経済がどう動くかということによっても修正を加えていかなければならないと思いますけれども、ただいまめどとして考えるところは、あの基本計画に基づきまして政府としては計画を立て、そういうめどをもって進んでいくというのがわれわれの態度でございます。
  44. 伊部真

    ○伊部真君 私はこれをなぜ言うかといいますと、これは総体輸送量もそうです、国鉄の場合でもそうなんですけれども、列島改造によっても、あるいは新全総に基づく運政審答申によっても、非常に膨大な数字をあげているわけです。四倍にも五倍にもなる、こういう話があるのです。しかし実際に身近な数字が出てきた場合、五十二年の数字が出たときには、政府のほうはこれは二倍くらいだ、こういうことになってきておるわけです、数字は。ですからこの経済社会基本計画の五千八百億トンキロという総体数量――いま現在は三千三百億トンキロで、そういう数字は私は信憑性はかなり持つのですけれども、それから国鉄の場合でもそうなんですが、国鉄の場合まだ説明を受けておりませんけれども、これからの十年間の国鉄の輸送需要――というよりも輸送能力ですね、おそらく二倍ちょっとになるだろう、いわゆる一千四百億トンぐらいじゃないか、いま現在が六百億トンということなんですから。しかしそれだけで大体二倍ぐらいの程度の話が出ているのに、片一方の運政審答申だとか列島改造になったら四倍もの数字が出るわけです。国鉄の場合でも六十年になったら四千百八十五億トンになるだろうという運政審答申が出てくるということになっておる。そうすると、われわれとしては、これはどうやってレールは運ぶんだろう、船はどうやってそれだけのものを運ぶんだろう、トラックのほうは路上にトラックが一ぱいになりはせぬかというようなことがやっぱりいわれるわけです。  そうすると、列島改造論というのはいいかげんなものかと、あるいは政府の言っている、一番最初に出した運政審の答申というのは、われわれに言わせればおどかしみたいなものじゃないのかということになるから、列島改造論というのは、私から見れば、この数字だけ見たのでは私は産業は輸送からふん詰まりになるというような感じがするのです、あの数字だけ見たら。だから政府のほうでは列島改造論の一一六から一一七ページに書いてある輸送の状態というものを本気で信じておられるのかどうか。私はどうもその点が疑わしいので――もしもそうでないとしたら、私はあの日本列島改造論はわれわれを惑わすのもはなはだしいものであるというふうな感じがするので、大臣の見解をいただきたい。
  45. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほども申し上げましたように、ああいう将来計画を長期的に展望するということになりますと、それには前提条件が非常にたくさんあると思うのです。前提条件をどういうふうに置くかということによりまして全体の計画が非常に違ってくる。それからまた、それを立案されますのに、これはおそらくどなたも非常に真剣に考えられて、あらゆる正確なと思われる前提条件のもとに基礎的な数字を出しておられると思いますが、しかし経済事情の変化というのは非常に著しいですから、かりに一年、二年違いますと、これはまたずいぶん大きく修正をしなければならないという点が出てくるわけです。これはわれわれのほうの前の経済社会基本計画、それから今度の基本計画についても同様だと思います。だから、いろんな計画といいますか、数字が出ておりますけれども、長期計画ですね、その前提条件が違えば非常に結果は大きな開きになってくる。それから一年、二年のつまり時差がありますと、それだけでやはり相当大きな開きが出てくるということは、これはいなめない事実でございますから、私は、政府といたしましては、これはお手元にもありますと思いますが、経済社会基本計画のこの方針によりまして、この基本的な方針によりまして今度は考えてまいります。  また国鉄の問題につきましても、港湾の問題につきましても、大体、ただいまのところは、この線の上に乗っけて計画を策定し、それに必要な予算措置も講じておるということで御了承いただきたいと思うのです。  なお、それなら運政審なんかはずいぶん違った結果を出しているじゃないかと、こうおっしゃる。これは諮問機関でございまして、あの時点において運政審がお立てになったときのいろんな前提条件から見ますと、ああいうことになってしまうのです。これも一つの見解だと思います、無視はできないと思いますけれども、しかし現実にわれわれが政策の基本として持っておりますのは、やはり今度経済審で立てられた基本計画、基本方針、これに基づいてわれわれは具体的な政策を立てておるのだというふうに御理解をいただきたいと思うのです。
  46. 伊部真

    ○伊部真君 私は、ほかの部門に対しては別にして、輸送に関する限りは、列島改造論というのはあの程度じゃ政府のほうもあまり信用していないというふうに理解をしていいと思うのでありますけれども、そうでないとうんと数字が違いますからね。何ぼ六年と八年の違いがあっても、片方のほうでは三倍にもふえて片方のほうは二倍ぐらいしかふえないという、うんと違いがありますから。そういう意味で、この列島改造論の中身というものは、輸送に関する限り、私は非常に根拠の薄いものと言わざるを得ないと思うのでありますが、いま大臣お答えがありましたように、一応政府としては経済社会基本計画、今度新しく出された数字というものが一応の数字だというふうに理解をして、進めていきたいと思います。  そこで環境の変化というものは当然あるわけですし、港湾の条件も非常に変わってくることは当然であります。十年前には三七%ぐらいあった沖取りが四十六年が一六%という数字を見ても、あるいはコンテナの大きな進出というものを見ても画期的な変化だとは思うのでありますけれども、それはそれなりに私は見なければいかぬと思いますけれども、この法案の中身で、けさほど杉山委員からもお話がありましたが、提案理由の説明の中に「国土の適正な利用及び均衡ある発展等、」という字句があります。「現在、社会的に重大となっている諸問題」というこの前提にこの字句がありますから、「国土の適正な利用及び均衡ある発展」に非常に問題になるというのは、どういうことなのか。そうしてその部分が新しい改定によってどのように補完されるとお考えなのか。その点は少し重複するかもわかりませんが、その御説明をいただきたいと思います。
  47. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの先生の御質問でございますが、この法改正の考え方のベースに、いわゆる「国土の適正な利用及び均衡ある発展等、」いろいろな諸問題があるんだということをいっております。その前に、御指摘もございましたように「公害防止等、港湾の環境の保全あるいは」云々といっていまの字句が続いているわけでございますけれども、その「環境の保全」とこれちょっと切り離すと非常に御説明しにくくなるのでございますけれども、一応環境の保全というのが非常に大きな問題であるというのは、これはあえてこまごまと御説明申し上げることはないんじゃないかと存じますけれども、いささかそういう部分も含めまして御説明させていただきたいと存じます。  と申しますのは、まず何と申しましても、私どもの一番感じておりますのは、港湾の環境が悪化しておるという、これはひとり港湾だけにとどまらないのかもしれませんけれども、環境悪化問題というものが非常に大きな社会情勢の変化であるというふうな認識を持っております。そのために、いろいろ環境整備のための施設の問題であったり、あるいは環境整備の施設を整備するための資金の原資として環境整備負担金の制度を新設したり、というようなことがこの法律案で盛り込まれたわけでございます。  また、しばしば大臣がおっしゃっておりますが、港湾の機能が非常に複雑多岐にわたって拡大しておるというような考え方で、いままでの港湾管理者というものがこういう環境問題に対して――いわゆる環境保全の行政の主管者というのは現行法のたてまえでは都道府県であるかと思います、それと港湾管理者である地方公共団体というのは一致する場合もございますし、また一致するにしてもその部局が違うという問題がございます。それから市町村が港湾管理者であるという場合もございますし、そういう食い違いはございますけれども、やはり港湾管理者がこういう臨港地区内の私人の行為に対して制限を与えるということで、やはり環境保全をする必要があるんじゃなかろうかというようなことが一つの問題としてつけ加えられておるわけでございます。  さらに、これは環境――いままで申しましたのは環境保全そのものでございますけれども、環境問題に関連しまして一つの大きな問題点となっておるのは、御承知のように海洋性のレクリエーションに対する国民の要請の強さという問題があると思います。これが港湾と非常に密接な関係があるわけでございます。したがっていわゆるレクリエーションのための港湾と申しますか、そういうようなことを考えなきゃいかぬ。いままでの港湾というのはどうも貨物中心になり過ぎているのではなかろうかというような感じもございます。したがってそういうような意味からいいますれば、たとえばマリーナ港区のいわゆる分区の指定というようなことをはっきりうたいまして、そういうようなものに対して十分考え方をはっきりしなければいかぬというようなことをここに織り込んだわけでございます。  またさらに、これはちょっと話が脱線するかもしれませんけれども、港湾区域の外に港湾施設とほとんど同じような施設ができつつあります。これはどうもある意味では法体系として変な言い方でございますけれども、たとえば極端な例といたしまして、いわゆるマリーナ、民間の企業がおつくりになっているマリーナというものが港湾区域外にございまして、いわゆる港湾法上の港湾ではないという問題がございます。それからまた極端な例を申しますれば、東京電力の大熊の原子力発電所のところに港ができております。これは資材を揚げたりする港でございますが、そういうのが港湾法にいう港湾でございません。そういうような港湾区域外に港湾と同じような施設ができておる。これも一つの、言うなれば、本来でしたら港湾になるべきものであるとは思いますが、これも一つの社会情勢の変化ということが言えるんじゃないかという感じがいたします。それでそういう問題に対して、どうもいわゆる港湾施設の安全性ということから、どうしても港湾施設と同じような考え方で安全性を規制する必要があるんじゃなかろうか、安全を確保する必要があるんじゃなかろうかというような問題で、今回の法改正には港湾区域外のマリーナとかシーバースなどについても都道府県知事がひとつそういうものを規制するというような考え方が織り込まれております。  また港湾区域外でございますが、いわゆる航路、こういうものについて、これは従来は運輸省設置法等によりまして航路の整備ということを実施してまいりましたけれども、そういうものもやはり何と申しますか、港湾区域外で、いわゆる海洋でもそういう港湾に非常に似通った、あるいは運輸面で非常に問題があるというような問題点が出てきておる。  そういうような、言うなれば環境問題が非常に中心でございますが、それから派生した問題がいろいろ出てきております。そういう問題をつかまえて、やはりこの法体系でカバーをしていきたいという考え方であるわけでございます。
  48. 伊部真

    ○伊部真君 局長の言われるような公害問題だとかあるいはシーバースだとかマリーナだとかいう、港の利用の方法として変わってくるということは私もわかるんです。そして公害問題についての処理を入れるということはわかるわけです。  私がなぜその部分を除いたかというと、私が心配なのはそれから次のことなんです。「国土の適正な利用及び均衡ある発展等、」というものが入っているわけです、「あるいは」という以降に。そのことは局長のいまの説明の中には、国土の適正な利用という意味でこれが法文を直さなけりゃならぬというのには当たらぬのじゃないか。いま御説明がありました中にはいろんなことがありましたけれども、国土の利用のために現行法では不十分だという点について、そしてそれを今度の新しい条文でいくとこういうふうになる、国土の適正な利用というものに貢献することができるんだ、そういうところが非常に不明確なんです。そこのところにひとつ焦点を当てて説明願いたいと思います。
  49. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) どうも私の説明がいささか当を得なかった点もあったかと存じますので、その点もう一度説明をし直さしていただきますが、午前中にもいろいろと御質疑のございました、たとえば港湾の計画に対する一つの新しい体系、これがそういう意味でどういうふうに変わっておるかというような点が、私は一つ言えるんじゃないかと存じます。  たとえば現行法の四十八条というもので、各港湾管理者が港湾計画を立てるんだ、そういうものに対して運輸大臣が「全国の港湾の開発のための国の計画に適合しないか、」云々という非常にばくとしたいい方で、あとは運輸大臣の自由裁量でこういうものを判断しておるという点がございました。それが今度の改正法案におきましては、三条の二で一つの「基本方針」というもの、これは要するに、運輸大臣がこれを全般的に見て、あくまでも港湾管理者がおつくりになる計画であるけれども、国の全体のバランスという意味から、国土の利用上そういうバランスという問題から見て、これがいいかどうかという点についての一つの判断をする基準というものを何に求めようかということが第三条の二である「基本方針」であるかと存じます。  ここで「基本方針」、これがこの法案で一番いろいろ御議論のあったところでございますけれども、いわゆる基本方針で、これは第三条の二の二項で「次に掲げる事項を定めるものとする。」ということで三つあがっておりますが、この一番最後の航路の問題、これは別の問題といたしまして、港湾に関して申しますれば、一号と二号で「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」、それから「港湾の配置」、機能及び能力に関する基本的な事項」、こういうことで、いわゆる国全体として基本的な一つの考え方というものがここであらわされるということが、従来の非常に自由裁量で行なわれておったところを、具体的に、少なくもこういう内容のものを公にされて、それによって判断すべきではなかろうか――判断すると申しますか、この基本方針に従うように港湾計画を各管理者でお立てなさいよという、一つの基準に持っていけるのじゃなかろうかというようなあたりが、これが今回の法改正で、いわゆる必要性というよりも、いま先生の御指摘のあったようなところに焦点を合わせて、改正したのがどこであるかということをはっきり言わしていただくならば、そういうところではなかろうかという感じが私はいたします。   〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
  50. 伊部真

    ○伊部真君 それは改正の中身としては、四十八条と第三条の二との関係というものが私はあると思います。しかし私が質問しているのは、その前にどういう支障があったのか、いままでの現行条文でどういう支障があったからこういうふうに直さなければいかぬのか。私はあげ足をとるわけではありませんけれども、この文章からいくと、続けると非常に重大な表現になっているわけですね。ちょっとオーバーな表現に私は感ずるんですけれども、「現在、社会的に重大となっている諸問題に対する」というのは、前にかけると非常にオーバーな形になるわけですけれども、それほど重大な国土の適正な利用あるいは均衡上の問題としてあったのかどうか。  私は、いままでの議論を聞いておりますと、局長の答弁でも大臣の答弁でも、いままでとそんなに変わらないのだと、それは。何も自治体の権限を侵すものではないんだというふうに盛んに一面では言っておられるが、一面では、これは重大な支障があるのでこれを直さなければいかぬと、こう言っておられるわけですから、それはどうも私は矛盾があると思うのでありますが、しかしいずれにしても重大な支障なり問題があったから、これは直そうとされているんだと思いますが、その問題点というのは具体的にどういうふうなことがあるのか、お答えをいただきたい、こう思うのです。
  51. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 ちょっと関連して。その点に関連をしているんですけれども、いま、いみじくも港湾局長が言ったわけですけれども、具体的な問題として、柏崎に百十万キロワット、展望の中では一千万キロワット、いわゆる原発の集中のいま港を掘っておるわけですが、ぼくずっと行ってみたが、これはやはり性格は港湾というような位置づけの中で、三千トン級あるいは五千トン級の船で重量資材を運ぶようになっておるし、同じく巻町という町が新潟県にありますが、角見浜にやっぱり今度五百万キロワットの原発がいま申請されておりますが、そこへもいまやはり三千トン級の船が――問題は、その資材を、いろいろな危険物もあるし、いろいろなものもありますから、鉄道輸送を使わず、海運で、そのために必要な港湾を掘っておるわけですが、言うならば国土の適正なる利用と、そういう点に見るというと、そういう点もこれはやはり知事の権限で、運輸省とは関係なく、それは港湾でないからというけれども、機能は港湾ですが、そういう点もこの中にあわせ含まれておるんですかどうですか、その辺。
  52. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまお話ございましたように、確かに、具体的に「国土の適正な利用及び均衡ある発展」というので、非常に大きく問題視されている問題というのはどういう問題かという点についての、具体的な一つの考え方というものを御説明さしていただきたいと思います。たとえば、これもこの御議論、御審議いただいている最中、たしか衆議院であったかと思いますけれども、お話し申し上げたことがあるわけでございますが、全国的に港湾のたとえば配置というものを見まして、あるいは海岸線というものを見まして、こういう海岸線についてはむしろ自然を温存すべきではなかろうか、今後はむしろ開発しないで温存すべき海岸線というのがこういうところにあるのではなかろうか、こういうところの海岸線はやはりこれからも開発すべきではなかろうかというような考え方、これは地方ともいろいろ打ち合わせしている最中でございますけれども、そういう問題点が現在起こってきております。こういう一つの自然の――また自然に戻ってしまいましたけれども、自然に非常に深い関連があるので、そういう問題がございます。  それからもう一つ、非常に過密問題とうらはらの問題で、たとえば過密都市周辺の港湾というものをどういうふうに考えるかということで、東京湾、大阪湾のこれからの港湾というものをどういうふうに考えていったらいいかというときに、これからの東京湾、大阪湾では、いわゆるその過密都市を通過するような通過交通をふやすような流通港湾施設というものの整備は、もうなるべく避けたほうがいいんではないか。このいわゆる過密都市の消費物資、いわゆる生活必需物資、これの受け入れ口はやはりそういう東京湾、大阪湾に面している港でやらざるを得ませんけれども、その奥地にあるものに行く物の港という海運での窓口というものは、こういうところじゃなくて、むしろたとえば東京湾外で、北関東で考えるとか、あるいは西のほうで考えるとか、何とか別途のルートを考えるべきではなかろうかという問題点が非常にシビアな問題として出ております。  それから先ほど杉山先生がおっしゃいましたが、たとえばそういう産業配置、いわゆる何と申しますか、原子力発電所の配置が港湾計画とぴったり合うべきものと私はまだ考えてはおりません。ただ、こういうような一つの原子力発電所なりあるいはエネルギー源のいろいろな発電所の配置というものが明らかに――これはむしろ通産行政の問題だと思いますけれども、そういう一つの線が出てくる、そういうときにそれに対応しての港湾というものをどういうふうに考えていくべきなのかというような問題、これは一つの例として確かに私は港湾屋として無視できない問題だと思っております。これは個々にばらばらにあげますと切りがないと思いますけれども、そういうように新しい社会情勢でいままでの常識で律していられなくなったという問題点があらわれてきておるということは事実だと存じます。  さらに、たとえば内航海運でこれから非常に伸びるであろうと思われるカーフェリー輸送というものに対して、港がどういうふうな対応をしていくべきであろうかというような問題も出てまいります。これは従来のたとえば離島と本土との間のカーフェリー輸送であれば、これは港湾の配置等々から考えてもたいしたことではございませんでしたが、非常に中距離、長距離のカーフェリーの輸送というものがこれからもどんどん伸びてきそうだというようなことになりますと、こういう問題に対しての港湾のサイドとしての考え方もまとめていかなければならぬ。そういうような、何と申しますか、新しい情勢に対応する一つの考え方というものを、先ほども申しましたように、具体的にはこの法律の中で考えていかなければならない。  それで、それを考えるときに、いままで非常にどうも――伊部先生に皮肉られたわけでございますけれども、いままでとそう変わりないと言っていながら、非常に重要な変更があるという言い方、おかしいじゃないかと言われたわけでございますけれども、現実にいままでの現行法体系でそういうことができないのかと申しますと、できます。これは現行法体系ではっきりできると思います。ただ、そこを、たとえば先ほども大臣が申しましたように、私も言わしていただいたんでございますけれども、非常に運輸大臣の自由裁量の問題点が残っておる。そういう点をむしろ法律的に整備して、こういう段取りでやっていくということがだれにでもわかるような姿にしたほうがこの法律としてもはるかに進んだかっこうになるのじゃなかろうかというような点で、私は改正をお願いをしておるというような理解をしておるわけでございます。
  53. 伊部真

    ○伊部真君 私は、これと結びつけるというのが適当かどうかというのは判断があると思いますけれども、しかし港湾工事というのが最近非常に技術が発達をして、昔のようにここでなければ港湾ができないという状態じゃないんですよ。むしろ背後地域が広大であれば、それはどこでも人間の力で掘ることもできるし、埋めることもできるというところで、港湾工事に対する、あるいは港湾を設定する場所というのは従前とは違う状態になってきておりますね。したがって人の力でどこへでも港湾がつくられるという状態を前提にして考える。  それからもう一つ、新全総で大コンビナートが全国で五つ、中コンビナートが、中工業地域が全国で十三カ所というものが新全総の中ではっきりと出ておるわけでしょう。いわばこれは閣議の決定で、政府の方針として出ていることなんですよ。これは着工する時期のアンバランスはあっても、これは明らかに方針としてあるわけでしょう。そうすれば工事はいつでもどこでもできるということと、それから基本方針というのが明らかに政府としては前に出ておるということになれば、これはいわゆる新しい条文の三条の二、運輸大臣が方針をきめて、そして港湾管理者がそれを受けるという形に変わるということは、明らかに局長の言っておるように、自然を保護するために大臣がそこにブレーキをかけるのだというようなイメージをわれわれが受けるのじゃなしに、逆に、現地のほうでは、やはり自然環境から見て、この港湾はコンビナートとしてあるいは工業基地の港として不適当だというふうな問題であっても、それは管理者のほうの意見を押えて、運輸大臣が、政府のほうがそれを強行するというようなことに運びたいために、この条文の改正があったのではないかというふうに私は見るのがほんとうではないかと思うのでありますけれども、どうも局長の言われているような条文がどこにもないわけですよ。自然環境を保護するということが前提でこの条文が出ているのだということがどこにもない限り、私らの頭には二つのことがあるわけですから、その点は、どうも新全総、言いかえれば改造論とこの条文というものが結びつきが非常に強いと見るのが正しいのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
  54. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 新全総の問題、確かにいろいろな御議論のあるところでございます。ああいう新全総というものをひとつ閣議決定されて、政府の方針としてきめたわけでございますけれども、その後、一昨年から昨年にかけて、閣議で新全総を総点検するということで非常に批判的な考え方で、これは政府として再検討と申しますか、たしか点検ということばを使っていたと思うのですけれども、点検をするという事態にただいまなっておるわけでございます。したがって経済企画庁では総点検作業を一生懸命やっておる最中でございます。  で、いまおっしゃいましたように、確かにたとえば五カ所の大規模工業基地あるいは十カ所程度の中工業基地というようなものの考え方が、あの新全総の表に出ている出ていないは別としても、考え方にあったことは事実でございます。それで、それのうちの明らかに現在足踏み状態であるのが周防灘の大工業基地の開発計画であります。あのときに取り上げられて比較的現実の問題として、もちろん地元でいろいろ騒ぎがございますけれども、むつ小川原あるいは苫小牧東部という計画は少しずつ形をとりつつあるということが言えるかと存じます。まあそういうような考え方で、決して一つの方向に――ある時点で確かに大工業基地に非常にウエートが大きくとられたのが、現段階でもまだその当時とちっとも変わらずにいるかというあたりになりますと、私は非常に変わってきているという感じがいたします。  たとえば、その点検の中でも環境制御システムといっておりますけれども、これはどうもわかったようなわからないような名前でございますけれども、結局、あれだけの大工業というものを――ある広いエリアの中に相当な工業を収容するというときに、環境が制御できるのかどうか、いわゆる総量規制あるいは濃度規制等々いろいろな環境問題がございますけれども、そういう意味で環境が制御できるのかどうかというあたりが非常に問題で、そういうものが一緒に合わさっていかなければ、なかなか大工業基地の計画というのはできないというのが現在の一つの定説であるかと思います。もちろんそれ以上にああいうものは拒否すべきであるという説があることは私も存じておりますけれども、一応そういう考え方であるかと存じます。  したがって、たとえば新全総サイドに立ってみても、そういう考え方が出ておるということ自体、これはやはり港湾――こういう国土の開発計画と申しますか、これからの整備をしていくという意味で、それの一部門である港湾部門で取り上げましても、やはり同じような悩みを持っておりますし、したがって、先生おっしゃるように、ある方向に突っ走るためにこういうものをやっているというふうにおとりいただくのは、私まことに心外でございまして、やはり環境問題というものを考えながら、これから自然保護というものもあわせて、しかも一体どういう需要かという、先ほど輸送需要の問題がいろいろ議論ございましたけれども、そういう輸送需要に合わせて港湾を整備していくというときに考えるべきものごとをここで織り込むのに、一つの法律体系として計画法的手法を取り入れたのだというふうに私は御理解いただいて、決して何かためにしているという意味ではないということをあえて申し上げたいわけでございます。
  55. 伊部真

    ○伊部真君 ただ、これは、大臣政府の方針として出された新全総、それを点検されていると言うけれども、撤回なさっているんじゃないでしょう。撤回しているならわかるんですよ。たとえば五つの分だけ、志布志湾でも周防灘でも、あるいは苫小牧でも、むつ小川原でも、秋田でも、この五つは一応やめるんだということを言われているんなら私はまだ心配もそんなにしないんですけれども、これは厳然として生かしておいてですよ、点検していると言いながらでも、むつ小川原はどんどん進んでいるじゃないですか、あるいは苫小牧もどんどん進んでいるじゃないですか。そういう状態になって、それが方針として政府の方針である限りは、運輸大臣といえどもやっぱりその拘束の中に入ると思うんです。  そうすれば、やはり大臣基本方針――いわゆる新しい条文による、この三条の二ですかの基本方針というのは、その線に沿わなきゃならぬと思うんですよ。そうすれば、これは大臣といえども、いま局長が言われるように、工業基地を申請してきても、自然を守るという意味で運輸大臣がブレーキをかけるのだと言うけれども、その場合にこの条文が必要だということにはならぬのじゃないですか。むしろ全国の五つの工業基地と十三ヵ所の予定された工業基地が申請されてきたら――申請しなかったことに対して基本方針としてものを言うことがあっても、申請したことに対してブレーキをかけるというのは大臣としても私は困るのじゃないかと思うんでありますが、そういう意味で、私はこの港湾法というものと新全総というものの結びつきというのがあるんではないかと。それを否定されるというなら、そうではないと言われるなら、それを具体的に――新全総というものがこれはもういまのところブレーキがかかっているんならわかりますがね、その点はひとつ御説明いただきたいと思います。
  56. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) 新全総をどうするかということについては、これは運輸大臣としての所管事項ではございませんが、しかし、いま局長も申しましたように、これについては基本的に再検討していることは事実なんでございます。  その再検討するということは、いままでの分を、いまやっておる分も途中の分も全部やめてしまうということじゃなくて、その実情に合わしたように、現在のすでに実行途中にある分をどういうふうに内容的に変更を加えるとか修正を加えるというようなこともあわせて考えられておる。で新しいものにつきましては、これを、前にきめた一つの方針がございますから、その方針どおりにやるのがいいかどうか、これはもちろんそうでないという結論が出れば、見直して、やらないという場合ももちろんあると思います。ですから、そういう意味においてこれは文字どおりに再検討しているわけですから、前にきまった新全総はまだ取り消すと言っていないのだからあのままでやるんだろうというふうにお考えになる必要はないし、それだと政府の方針とは違うと思います。ですから、その点についてどうなっているかという、どういうふうにいま作業が進んでおるかということについて具体的にお聞きになりたいとすれば、経企庁長官でもお呼びになって御質問になれば、その点はもっと具体的に明瞭になると思うのです。私は、運輸省といたしましても、いまの新全総というものについてはそのように了解をしておるのでございます。  この三条の二の問題、これについては、いま新全総だけを対象にしていろいろ御議論になっているようでございますけれども、これはそうじゃなくて、新全総があろうと、あるいは将来いまのような経済社会基本計画というようなもので進んでいこうと、これはいろいろな角度からいろいろの国土の開発という問題があったり、あるいは環境の保全の問題があったりして、いろいろな計画がそれぞれに出てくると思います。その間にもちろん整合性というものがなければなりません、ばらばらじゃいかぬと思うのです。しかしそういった計画のすべてのものを受けまして、港湾法というものは、環境のほうも守らなければならないし、国土の利用開発というためにも役に立たなければいかぬ。いろいろな計画を受けまして、それをここで、港湾というところでそういうものをできるだけ消化していくということでございますからね、港湾というのはそういう機能を持たなければならぬと思うのです。ですから、新全総がどうなっているかによってこの書き方がおかしいじゃないかと言われますが、そうじゃなくて、もっと総合的な国土の利用開発というふうなところからいろいろな計画が出てくる、それを受けて、この港湾法ではどういうふうに対応していくかということを書いてあるのでございますから、もう少しこれ、何といいますか、港湾という見地から広い視野でそういった計画をこなしていくんだというふうにごらんいただくとけっこうだと思うのです。
  57. 伊部真

    ○伊部真君 私はそんな狭い視野で見ているわけじゃないけれども、問題になる点はそこだと思いますから、集中的にそこを申し上げているわけです。  それからもう一つは、大臣、点検をしておるということはどういう状態なのかというのは、これ非常にあいまいなのですね、点検をしているというのは。しかし工事は進んでいるわけでしょう。進むところはどんどん進んでいる。抵抗があってやむを得ずブレーキがかかっているところは別ですよ、しかしほかはどんどん進んでいるわけでしょう。で点検点検ということでいつまでも点検していったら、どんどん進んじゃうのじゃないですか。だから、それは経済企画庁との関係が出てきますけれども、しかし私がここで申し上げておるのは、産業開発の問題が基本ではあるけれども、ほとんどは港湾とつながっているわけでしょう。たとえば五つのコンビナートなんというところは、これはもう港をつくらなければどうにもならぬことでしょう。港をつくらなければいかぬわけですから、港湾工事、あるいは政府補助金をそこへ出すか出さぬかというものをきめなければいかぬわけです。運輸省はそれは経済企画庁の問題だとは言えぬわけですよ。直ちに助成金を出すか出さぬかということがあるわけですからね、重要港湾に指定されたら。  ですから、そういう意味で、五大工業基地もそうだし、それから十カ所と言われるところでも、福井新港でも新潟の東港でも酒田新港でも函館港でも石狩新港でもみんなこれ港なんですよ。中規模の工業基地というものも港を基礎に置いて、それをポイントにしてこの工業基地をつくるわけですからね。だから私は先行するのは港だと思うのですよ、先に工事が出てくるのは。一番先にやっぱり助成金なり政府のほうの金が出ていくというのは港から出ていくのだと思うから、やっぱりその問題との関係が私は非常に重大だと思うし、そうしてたまたまそういう点検をするとか、抵抗があってなかなか工事も進まぬという状態の中で、この法案が出てくるものだから、だからそれは進まないのはここで少し無理をするということが起きはせぬかという心配が出てくるわけですよ。  そういう意味で、この工業基地の問題について、私は、やっぱり明確にこれは逆の立場だということが立証されるようなものが何かないかと、そういうことでないと、私らとしては――別にこの危惧を言っているんじゃないんです。明らかに前提としてもう新全総が出ているわけですからね、新全総にストップかけているのなら、これは考えないでおいてほしいと言われればそれまでですけれども、新全総が出ていて、そしてまだこれも撤回をされていない。点検というようなことで何かあいまいな、見守っているというような状態ですから、これは生きておるわけですし、それとこの問題とが関係が出てくるわけですから、やっぱりみんなが列島改造論なり新全総の――あの改造論の海洋版だというふうに杉山委員も言われましたけれども、私もそのとおりだというふうに感ずるのですよ。
  58. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) 新全総の問題についてはいま申し上げたとおりなんですが、これは現実の問題として、新全総に掲げられた開発計画というのはすべて悪いのだと、すべて間違っているのだということは考えておりません。ですから、それが国土開発の上に正しいものである、また非常に有望なものであるというものは、これは進めたほうがいいと思います。ただ、そうでない部分につきましては、いまいろいろ再検討を加えているという段階でございます。  現に、私は場所を全部見たわけじゃありませんから何とも申し上げられませんが、しかし、私の知っている範囲で、計画を途中で中断してやめているところがあります、また計画に載っておりましてもまだ全然具体化していないところもあるんです。ですから再検討しておりますということは、そのままことばどおりにお受け取りくださってけっこうなんで、現実の姿でございます。  そこで、何かこう無理やりに新全総みたいな計画をつくって、強権をもって何か中央政府港湾管理者である地方自治体に押しつけるのじゃないかと、まあちょっとこれは極端な言い方でございますが、そういう御懸念があるとすれば、それはそうでないということを先ほど来杉山先生にも申し上げたのですけれども、ここで現行法とお比べになりまして、これは私さっきもちょっと御説明をしたんですが、現行の四十八条以下に書いてありますこと、これはごらんになると非常に運輸大臣権限が強いのですよ。第二項なんかに書いてありますように、これは運輸大臣がほとんど自由裁量でやられることです。ですからこの計画がいいとか悪いとか言いましても、この現行法の四十八条をごらんになると、運輸大臣がそういったことについてもう最終的な自由裁量による権限を与えられていると見ていいでしょう。それから大事な港湾計画に関する現行法の規定をごらんになりましても、港湾計画というのは一体何だと、どういうふうにしてきまるのだというようなことが現行法では書いてないですね。これではいかぬと思うのです。  で今度の改正案では、むしろ御心配と逆に、運輸大臣が最終的にはそういった権限を持ちますけれども、それについてはこういうような手段方法を講じまして、きわめて民主的に地方自治体の見解も聞き、港湾審議会の意見も聞きまして、そうして最終的に処理をしますということを書いてあるわけですね。港湾計画についても同様でございまして、港湾計画というのは内容はこういうもので、こういうふうな手続、方法によってきめてください、運輸大臣もそれにのっとりまして、運輸大臣としてはこういう方針できめるようにしますよということ、そういったことが今度はきわめて――手続もございますけれども、われわれのほうとしては、その点は、地方との関係においてもあるいは港湾計画を推進していただく場合におきましても、非常にこれは前進した、改善をされた規定をたくさん盛っておるのだというふうに私はさっきも杉山先生に御説明したのですが、お読みくださるとちゃんとそういうふうに書いてあるのです。だから、その点は、裏のほうばっかりごらんにならないで、表のほうからごらんになると、私の申し上げたことがよくおわかりいただけるのじゃないかと思うのです。
  59. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 私の名前が出ましたから申し上げますけれども、これはぼくは極端にずばりで言うわけじゃないのですけれども、運輸大臣は非常な権限を与えられて、そうして裏を返せば拒否権を持っているわけですよ。  基本方針の中に四つの重要なやはりあれがあるし、その基本方針に基づく四つの条項の中で、いろいろ地方審議会あるいは港湾管理者の意見を民主的に伺うこともあるし、また指示もあるけれども、いよいよ最終のぎりぎりの段階になるというと、これは基本方針に合致しないからだめだと、やり直しなさいと、こういうことになるというと、民主的なように見せかけてあるけれども、実際はやはり運輸大臣拒否権も発動することができるのだという面もあるので、非常にこれは重大な問題なんです、そういう点で。
  60. 新谷寅三郎

    国務大臣(新谷寅三郎君) 法律解釈論になりましてたいへん恐縮で、私はあんまり法律に詳しくないですから不適当かもしれませんけれども、私の解釈し得る範囲で申し上げますと、現行法の規定で何年間か昭和二十五年以来運用いたしまして、中央の官庁運輸省が非常な命令権を振り回して地方港湾管理者と対立して動きがとれなかったという例はおそらくないと思います。そういうことにつきましては、今度は急に変わるのかというと変わらないと思います。しかも法律の上では、この四十八条の第二項でごらんになりますとわかりますように、何と書いてあるかといいますと「運輸大臣は、前項の計画を審査し、当該計画が全国の港湾の開発のための国の計画に適合しないか、又は当該港湾の利用上著しく不適当であると認めるときは、これを変更すべきことを求めることができる。」と、どういう手続、方法によって変更を求めるかということは現行法には何もないのですよ。だからそれを、これではいけないと、やっぱり地方港湾管理者の方々にも十分に事前にこういう手続、方法によって 運輸大臣はそういう変更を求める場合でも、こういう手続をして慎重にやりますと、しかもその場合には審議会の意見を聞きましたり、あらゆる手続、方法を講じますというような趣旨を今度は改正案では盛ったつもりなんです。法律に書いてあるところは、これは単なる解釈論ですけれども、そういうふうに私どもは考えまして、これを提案しているということを申し上げたいのです。
  61. 伊部真

    ○伊部真君 これは私は衆議院での討議から見ていっても、どうもふに落ちないので、むしろ今度のほうよりは前のほうが権限運輸大臣は大きかったといま御説明されましたね。それならなぜ港湾管理者の八大市長はこういう要望をわれわれのほうに持ってきているのか。明らかにこれは四十八条と新しい法案の三条の二と、二項、三項ですね、というものを通読すると立案権が移動していますよ。基本方針を立てるというのは明らかに運輸大臣が立てなきゃいかぬわけでしょう。その運輸大臣が立てた基本方針に従って基本計画を立てなきゃいかぬわけでしょう。いままでは基本計画を立てるのは港湾管理者の裁量によって、それは裏でいろいろなことはあるでしょう、しかし原則的にはその裁量によって出したものを大臣が審査するということですよ。立案権は明らかに港湾管理者が持っていたんです。  今度の場合には、基本方針という大きなワク組みの立案権は運輸大臣が持っていて、それに沿った基本計画でなければならぬということは明らかにこの三条の三に出ているじゃないですか。三条の三は御承知のとおりです。三条の三の二項に、「港湾計画は、基本方針に適合し、且つ、」と、こういうふうに出ているわけですよ。だから基本方針というものが出されたらその基本方針に沿ってやらなきゃならぬというワク組みがあるから、だからこれは立案権が移動したことだし、しかもそれは地方自治体権限を侵すことだというので、美濃部知事以下がこれを一様に自治権の侵害だとこう言っているし、われわれもそういうふうに考えているわけです。  大臣は、いま私がほかの説明を聞いてみると、そこら辺はひとつあらかじめのレールを敷くことのほうがかえっていいのだというふうなことで、私は担当者の説明を聞いておったし、そういうふうに理解しておったけれども、いまの大臣の言い方になると、むしろ前のほうが大臣権限が大きかったので、今度の場合はむしろそれは民主的になったのだと、こういう言い方ですが、手続としてはそうですよ。私は、その変更する場合、審議会にかけるとかいうその手続は前よりは今度のほうが明確になったというこのことは認めますよ。しかし立案権そのものを移動したということは、これはもう明らかな事実じゃないですか。
  62. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 多少議論になって恐縮ですが、この基本方針というのは一体何かということですが、これは政府委員から説明させます、基本方針というものは。いままででも運輸大臣は、現行法の場合に、そうするとそういったものについては、運輸省は何らの権限も持ってなかったかというと、そうじゃないと思うんです。これは運輸省の組織法を見ましても、これは道路でも河川でもみなそうだと思いますが、こういう公共事業については全国的に運輸大臣はそういう監督権を持っておるということがいえると思うんです。  ですからこういう四十八条の援用をしまして、運輸大臣がいろいろなことを管理者に対して言います場合でも、それはやっぱり基本的な方針を持っておって言うわけです。その点については、運輸大臣にそういった権限が法律によって与えられているわけですから、それをどういう方法で、たいへんこれは失礼なことばですけれども、一体大臣に権限というものを与えられておっても、それをどういう方法で、どういう限度において行使するかということが問題だと思うんです。いままでは、私は単なる自由裁量じゃないかと、こう言いましたが、いままではほんとうに自由裁量なんですね、四十八条の二項によりまして。運輸大臣がそういうことをかってにというか一人できめまして、それで意見を変更しなさいということを求めるわけです、現行法だと。今度は権限を一般的に持っている、監督権というものを。それをどういう方法でどういう限度において行使するかということがこの法律に書いてあるわけでございます。ですから、私は現行法よりも、これは非常に進んだ近代的な立法だと言っておるのはそこなんです。  で、いま港湾計画の策定権を奪った――奪ったとまではおっしゃいませんでしたが、制限したのだというような意味のおことばがございましたが、これは現行法でも、最終的には全国の港湾の計画というものは、やっぱり運輸大臣が持っておるから変更を求めることができると書いてあるんです。権限がなかったらできないです、そんなことは。だからその権限の行使のしかたにつきまして、今度は各個々の港湾の具体的な計画というものは、これは港湾管理者がみな持っておるわけです。  ただ全国的に見まして、非常に抽象的な、包括的な方針を運輸大臣がきめまして、いままでは、それはあるいは腹の中に持っておったかもしれませんが、それはこういうものですということを示して、その上にのっけて具体的な各港湾それぞれの特殊性を持った計画をおつくりくださいというのが今度の新しい案の趣旨でございます。これにつきましては、基本計画は何だと、それに基づいて運輸省令で基準をきめると書いてございますが、それについては政府委員のほうから説明をさせますが、私が申し上げている現行法と対比いたしまして、非常に方針が変わって、港湾管理者の計画の策定権を縮小するとかなんとかというような考えがあるのかと、こういうことでございますから、それについては、そういったことはございませんと、いままでの大臣の持っている一般の港湾問題についての監督権といいますか、それの権限の行使、限度というふうなものにつきまして、今度の法律ではある程度それを明確にして、前もって港湾管理者のほうにも知らしておいたほうがよい、こういうことで立案をしたんだということを申し上げたわけでございますから、その点ひとつ御了承をいただきたいと思います。
  63. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) いま大臣が申しました中で、具体的に私どもが考えております基本方針というのは、どういうものだというのを、もう少し具体的に申し上げさしていただきたいと思います。  先ほどちょっと申し上げかけたんでございまけれども、この基本方針というのは、第三条の二の二項に一号から三号まで、三つ種類があがっているわけでございますが、まず第一の「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」というもので、どういう項目について考えるのか、定めるのかという点を申しますと、これは非常に基本的な全国的な、何と申しますか、考え方を基本的にあらわすというようなことでございますので、たとえば港湾の役割りが重要化し多様化する情勢にかんがみて、これに適切に対応しなければいけないのだと、あるいは港湾の開発、利用及び保全にあたっては、環境を重視しなければならない、あるいは港湾の開発、利用及び保全にあたっては安全問題に十分配慮しなければならない等々、こういう非常に抽象的な問題点を羅列する、これが一つの基本方針であるという考え方でございます。  それから第二号の「港湾の配置、機能及び能力に関する基本的な事項」、これは若干具体化してまいりまして、たとえばそれぞれの港湾管理者が港湾の規模を決定するにあたっては、全国あるいは地域ブロック別の開発規模に関する一つの長期的見通し、こういうのを参考になすったらどうでしょうかというような考え方、あるいは港湾計画にあたって区分すべき港湾の機能の分類あるいは港湾の基本的性格づけの決定にあたって考慮すべき事項、あるいは港湾の配置決定にあたって考慮すべき港湾の機能別の基本的な事項、こういうものについて、まあせいぜいブロック別の何か方針というもの、考え方というものが記述されるのが、この基本方針であるという考え方でございます。  そこで第三番目の「開発保全航路の配置その他開発に関する基本的な事項」、この問題は、これは開発保全航路自体が運輸大臣が計画を立て、しかも運輸大臣がこの開発保全を実施するというものでございますので、これについてはある程度具体的に開発保全する必要がある航路の指定の方向、あるいは開発保全すべき航路の整備及び維持の目標というようなものを、ある程度個々にわたって固めていくというようなのが、この基本方針になるかという考え方でございます。
  64. 伊部真

    ○伊部真君 どうも説明を聞いていると、説明のしかたが非常にじょうずなものですから、ごまかされやすいんですがね。大臣の説明されているような内容、局長の説明されている内容ですと、じゃ何のために改正するのか。片方では必要だと言うし、片方ではたいしていままでのと変わりがないし、権限を侵すものでもないし、問題は起きないし、いままででも起きていないし、これからも起きないというんなら、いままでどおりでいいじゃないですか。なぜそんなに力を入れてこれを出すのですか。  いままで問題があったのかと言ったら、それはあまりないと言われるし、これからも問題は、これは改正したって、前のとおりだって支障がないと言われる。それならば、みんながこれだけやかましく言って心配をしているんですから、前の条文どおり――それは公害問題は別ですよ。公害問題は別として、公害は新しい問題として考えなければいかぬが、それ以外のことはこれは置いておいたらいいじゃないですか、もとのままで。地方公共団体までが毎日われわれのほうにも来る、あるいは新全総やら列島改造論との関係が出てくるのではないかといって地域住民のほうが心配をするというときに、無理やりに、そんなに変わらぬというて説明されているなら、置いておいたらいいじゃないですか。なぜ、どうしてもそれを変えなければいかぬのですか。国会にこれは提案をしたから、もう引っ込みつかぬから、どうしてもいかぬというのか。どうも大臣の説明があまりうま過ぎるものですから、あっちのほうもそうかいな、こっちもそうかいなと言ったら、結果的にはどっちでもよかったのじゃないかというような感じがするので、その点、もう一度お答え願いたい。
  65. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 別にことばでごまかしているつもりはちっともないのです。ただ法律論を離れて申しますと、そういう、これはいいか悪いかは別としまして、日本の港湾というものの沿革から見まして、やっぱり地方公共団体が中心になりまして、これはもちろん国庫からも補助をしておりますけれども、また国としまして、さっき申し上げたように、運輸大臣が権限を持っておりますから、監督権限を持っておりますから、技術的な指導をしたりアドバイスをしたりというようなことは、これはもう実際問題として法律を離れてやってきたわけでございます。ですから、非常に地方団体との間は、いろいろおっしゃるけれども、非常に緊密にいっていると私は了解しておるんです、今日まで。  しかし、いま申し上げたようなことで、むしろ現行法というのが非常に古い、昭和二十五年ぐらいの法律でございますから、非常にこれは近代的な民主的な法律ではないということでございます。ですからこの目的に、近代的な環境の保全というような、大きな、最近における近代的な港湾にしようと思うと、こうありたいということを、これはどうしても入れないと困るわけです。その点を中心にして今度は入れたわけです。  それをやっていくのに、やはり現行の、われわれ政府の中の一員でなくても、この四十八条のようなものを見ますと、関係の大臣がほんとうに意思一つでもって変更さしたりなんというようなことになっております。そういったものについても、今度の港湾の機能が非常に複雑になり、拡大されておるというようなことがございますから、これを民主的なものにして、そして大臣の権限の行使というものについてもできるだけ限度をこしらえ、行使の方法についてルールをこしらえたほうがいいというようなことが中心で、この改正案をつくったのでありまして、これは決しておっしゃるようにいろんな、裏からごらんになると何かこれはあるんじゃないかなあというふうになりますけれども、そうじゃなくて、これは表からすっきりと読んでいただきますと、非常にそういった点については、現行法の足りないところを補ったということでございまして、この点はむしろほめていただいてもいいのじゃないかと、私は思っておるわけでございます。  だから決して、これは現行法ではどうしても動かないのかというと、それは動かないことありません、今日まで動いてきたのですから。ございませんけれども、むしろそういう今度の改正案に盛られておりますような方向で一つのルールをつくって、そしていわば港湾管理者にもそのルールの上に乗っかって具体的な港湾計画をつくって、国もそれに対して極力援助をしましょう。で、港湾管理者も全国的な、いま政府委員が述べましたようなそういう全国的な、抽象的ではありますけれども、そういう日本の港湾というものはこうあってほしいというような、そういう規模の上に乗っけて、そして各港湾の具体的な計画を立ててもらって、地域の発展、住民の福利というようなものを考えながら、国と一緒になってやってもらいたいと、こういうことですから、まあいま申し上げたことは、何といいますか、言い過ぎでもないし、偽りでもないのです。  ただ御安心いただくために申し上げておきますが、こういうふうに現行法の規定を若干変えてルールをつくりましたと、こう言いますけれども、それにいたしましても、やっぱり最後は主管大臣の裁量によって動かなきゃならぬ部分がどうしても残るのです。それはもう事実でございます。全部法定して法律によって何もかもきめてしまうというわけにいかないのです。この点は裁量権は残ります。残りますが、それはいま皆さんで御議論をいただいておるような趣旨を体しまして、運輸大臣としてはかってなことはしないし、できるだけ地方の港湾管理者の意見も聞き、港湾審議会の意見も聞き、そうして最善と思われる方向で指導をし、補助をしていくというような態度でございますということを、衆議院でも申し上げましたが、そういうふうな運用のしかたで、これは地方と一緒になって近代的な港湾をつくっていくことに努力をいたしますから、その点は御安心をいただきたいと思います。
  66. 伊部真

    ○伊部真君 私は表から読んでいるつもりなんです。すなおに見て、いままでの新全総なり列島改造論というのが先に出ているわけです。あとならこれは私は裏で見ていく。先に出て、それを読まされてこれを見ているわけです。そして現地で港湾工事――港湾工事ということではないでしょうけれども、少なくともこの工業基地の問題から心配をしてトラブルが現地にあるという事実、この事実から見て、ここのこの条文をすなおに見ると、それを心配するなというのは、やはりぼくたちは、むしろ裏から見たほうの意見だと思うのですよ。私はすなおに表から見ていったらそういうことにつながってくるのではないか。そうでないと言われるなら、先ほど大臣言われるように、そうでないと言われるなら、民主的手続の問題とか――大臣の強調されることは、公害問題だとか、港湾の環境条件が変わっておるじゃないかと、これはもうそのとおり。それから港湾審議会なんかに民主的にその答申をするということを、明確にルールを明らかにしたから民主的じゃないかという、それはわれわれが納得していないところじゃないです。これは納得しているのですよ。そこが問題じゃなくて、そこをあまり強調されるから、何かあまり変わらぬみたいになっちゃうのだけれども、そのことは私は何もそういう点で一ぺんも言っているわけじゃない、私もこれを除けとは言わぬ、心配だとも言っていない。心配なのは、ここに条文がいかにあろうとも、やはりこの基本方針というものがそういうところに結びつきはせぬかということが必配なんで、みんなもそれを心配しているわけですから、それを、どうしてもそれはそうでないと言われるなら、私はむしろ、これはいま問題になっているような民主的手続条項を除いてもとへ戻すということでいいのではないかと、むしろそういうことを考えてもらったほうがいいんじゃないかというふうに思います。  しかしこれは非常に大事な争点でありますから、大臣がうんと言うわけにはいかぬと思いますけれども、私は納得できません。したがって、これは意見として保留をしておきます。もうそこだけやっていたんじゃ前に進みませんから、前に進ましていただきますが、そこで私は、港湾の環境条件がいずれにしても大きな変化を来たしておるということ、先ほども申し上げましたように、沖取りの実態から見てもそうだし、コンテナもそうだし、あるいはラッシュ船の問題を見てもどんどん変わってきているわけです。こうなりますと、やはり港湾工事の援助のしかたというのは、港湾法に基づく重要港湾あるいは特定重要港湾ということでの政府の資金の出し方というものが妥当なのかどうか。それからもう一つは四十八年のこの新しい予算案なり、あるいは港湾整備五カ年計画のあの内容を見ても、いままでの情性が少し多過ぎるんではなかろうか、そういう中身について、先入感を捨てて再検討する時期ではないのか。これはひいては港湾工事だけではなしに、運輸関係全般の資金の使い方についても、私は何が公共性を強く持ってきたのかということを考えてくると、私はやっぱり再検討の時期にあるんではないかというふうに思います。  私は、去年の国鉄運賃法の審議のときに、前の運輸大臣に御質疑をしたら前向きでそれはやるというこれはお話だったんですが、前向きでやるということだけで、結局はどういうふうになったのかということがよくわかりませんので、そういう点についてのひとつ大臣の所見を伺いたいと思います。
  67. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 前の大臣との関係は、実は詳しくは存じませんが、いまのお尋ねの要点につきまして、いまの運輸省の立場から御返事を申し上げます。  この港湾計画も、ここにも書いてございますように港湾の機能というものが最近非常な勢いで変化していることは事実でございまして、もう数年前の港湾とは様相が変わってきたし、またその働きも違うわけでございます。またそうなきゃならぬと思います。そこで先ほどもちょっと触れたんですが、まだ港湾整備の五カ年計画には少し年限があるんですけれども、昭和四十九年度を初年度とする五カ年計画を新しくつくりましていまの時世に合うような新しい考え方でもって再出発をしようということで、いま案を練っております。  で、これは今年度の予算にあらわれなかったのは残念でございますが、間に合いませんでした。四十九年度には必ずそれを実現しようというんで非常に熱意をもっていまこの新しい五カ年計画を検討中でございますから、その点はしばらく御猶予をいただきたいと思います。  それからこの港湾に対する地方の港湾管理者と国との関係でございます。つまり内容的に言うと分担の問題もございますし、それから港湾整備の補助率の問題もございますが、そういったことにつきましても、財務当局に対しましては、ことしもずいぶん交渉したんですが、十分の効果をあげ得なかった。新しい予算は多少ふえました、ふえましたけれども、港湾管理者との関係、補助率の関係等につきましては、われわれが考えておったようないい結論が出なかったということでございますから、これは新しい五カ年計画をつくります際には、これも一つの大きな議題として取り上げまして、財務当局と極力折衝をいたしまして、海陸の機関から要望せられるような近代的な効率の高い港湾整備をしていかなきゃならぬと思っておる次第でございます。もう少し具体的に答える必要があれば、政府委員から……。
  68. 伊部真

    ○伊部真君 いや、けっこうです。  私のほうからもう少し具体的に申し上げておきますが、私は、原則的には大臣のこれからの努力に期待をしたいと思うのでありますけれども、たとえば今度の五カ年計画の資金の割り当てなんか見ると、ふえているものの率というのが、いろいろの理由があってアンバランスが出てきているんだろうと思いますけれども、たとえば石油基地だとか鉄鉱基地というものの場合と、あるいはコンテナの場合とはいずれが公共性が強いかといったら、もう今日の場合は明らかだと思うんです。だから専用埠頭の問題についても、少しもう変えていかなければいかぬのじゃないか。いまの状態ですと私はコンテナ埠頭、あるいはフェリーの埠頭だとかというようなところの資金というのは前例がなかったものですから、非常に弱いような感じがいたしますね。  そういう面で、もっと極端な言い方をすると、鹿島と横浜港と見たら、これは横浜港と鹿島と同じ見方をするというのは、私はもう違うんじゃないか。受益者負担というものを鹿島の場合は持っておる、横浜の場合は外貿とか、あるいはもっと公共性が強いわけですから、一般埠頭とこういう場合との問題から見て、あるいは同じ大井なら大井の中でもコンテナ埠頭と専用埠頭との問題なんかを実際に見てみると、どうしても私は心配なのは、前例があるものには予算は非常にスムーズにつきやすいのですが、前例がないものには非常につきにくいんじゃないかという感じがいたします。そういう面でやはり全般の再検討ということが必要ではないかということで、そういう意味を含めて、ひとつ十分に、この新しい立地条件に沿った整備計画を出していただきたいということをお願いをしておきます。
  69. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) いまおっしゃるとおりに私も考えます。そういう方向で、新しいといいますか、新しい時代に応じたような港湾の整備をするための方針をこれからつくり上げようと思っておるのでございます。
  70. 伊部真

    ○伊部真君 それから自治省来ておられましたかな。――自治省のほうにこれをお伺いするのは酷なことかもわかりませんが、新しい港湾がどんどんできますと、公団だとか公社だとか、あるいは私有埠頭だとかというものがいろいろ出てまいりますね。そうすると、その港湾内の総合調整権というものをどこかが持たぬと機能を果たすのには非常に問題が出てきやせぬだろうかというふうに思うわけです。その問題について、どういうお考えなのかということが一つ。  それからもう一つは、同じ港湾の中で埋め立て工事が行なわれるわけですね。その場合には、さっきのお話を蒸し返すようですけれども、公有水面の埋め立て法の各条項を通読してみると、これは明らかに、いわゆる地方自治体の長が一切の権限を持つという形になっておるのですが、そうすると、これとのバランスから見て、どうも今度の法案というものはくずれてくるのではないかというふうな気がいたしますが、その点はいかがでしょうか。
  71. 林忠雄

    ○政府委員(林忠雄君) 御指摘のように、港湾に関していろいろいまの公社その他ができたり、専用埠頭ができたり、総合調整がほしいということは、確かにこの六大港湾都市協議会の要望の中に書いてございます。現実にこういう調整するところがなければ、港湾自体は動かないことになるとは存じますが、現実には現在の港湾というのが自治体の発生とともに、まさにその自治体中心で動いてきたという関係もありまして、港湾管理者というものが、事実上ここで十分調整ができて、したがって、いま現実に調整ができなくて、実は非常に困っているというトラブルを――あるいは運輸省のほうは存じませんけれども、私のほうで別に耳にしておりません。港湾管理者としての総合調整権があることは望ましいと思いますが、現実には現在の港湾を管理しておられる地方公共団体で、おそらくその調整は総合的にできているだろうというふうに考えております。  それから埋め立てについて、おっしゃるとおり、地方団体の長に権限が集中しておる。港湾管理者は、現在一つの港務局を除いては全部が自治体であるわけでございます。したがって、その自治体の長は同時に港湾管理者の長という形になっておりますので、その間に現実上の不都合はないんじゃないか、そういうふうに考えておる次第でございます。
  72. 伊部真

    ○伊部真君 それはまだ港湾関係で引き続いてあるわけですけれども、環境庁海上保安庁長官おいでをいただいておりますので、その関係――環境庁来てないですか、来てますね。ですからその関係をまずお聞きをして、そしてまたちょっともとへ戻りたいというふうに思うわけであります。  まず最初に、四月の二十一日に海上保安庁から発表されました海洋汚染の状況の調査の概要について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
  73. 野村一彦

    政府委員(野村一彦君) 海洋汚染の監視取り締まりは、私どもにとって非常に重要な業務の一つでございますので、いわば随時監視取り締まりを行なうということでやっておったわけでございますが、今年度に入りまして、初めて一斉の監視取り締まりを行なうその状況を申し上げます。  歴年四十七年に行ないました監視取り締まりの状況を四月二十一日に発表したといいますか、説明をいたして明らかにしたわけでございます。状況を申し上げますと、歴年昭和四十七年に発生いたしましたもので、私どもの海上保安庁の出先によりまして確認をいたしました海洋の汚染の状況は、これは全部で二千二百八十三件でございます。これは昭和四十六年の一・四倍、四十五年の五・二倍になっております。これは一つは汚染そのものが非常に増加をしたということももちろんございますが、反面、私どもの監視取り締まりの体制がかなり充実強化をして、その摘発が進んできたという両方の結果であろうと思います。  この内容を申し上げますと、二千二百八十三件の中、油による汚染が千九百八十三件でございます。これは前年の一・五倍、全体の八六・九%を占めております。また赤潮による汚染が瀬戸内海を中心として二百五件発生をし、全体の九%を占めております。  海域別で申し上げますと、東京湾が一四・七%、伊勢湾が一二・四%、瀬戸内海が四六%でございまして、その四六%のうち、大阪湾が一九%になっております。いわゆる非常に交通のふくそうする三海域が多くて、この三海域を全部合わせまして全体の七三%という汚染の件数になっております。  排出源を原因別に申し上げますと、油によるもの千九百八十三件のうち、船舶から出たものが千九十件、陸上からのものが九十八件、それから不明のもの、つまり発生源が不明なもの、私どもで捕捉できなかったものでございますが、これが七百九十五件でございまして、船舶によるものが圧倒的に多い、また船舶または陸上からの不法投棄によるもの、または油の取り扱いの不注意によるものの、人為的な原因によるものが千九件を占めておる、こういう内訳になっております。  なお先ほどちょっと申し上げましたが、私どもはこれを随時取り締まりを強化していきたいということで、これだけにとどまらずに、いま計画的に今後監視取り締まりを実施していきたい、重点的に実施していきたい、かように思っています。  御報告を終わります。
  74. 伊部真

    ○伊部真君 そこで最も大きなウエートを占めているのは、やっぱり船からの問題が大きいですね。これはバラストだとか、あるいはビルジだとか、あるいはタンククリーニング水というような問題が、やはり一つ問題点だと思いますけれども、そういう船の汚染源を湾の外というか、とにかく湾をよごさないような処置というのをやはり講ずべきではないか。前に私は、公害のところで少し聞いたのでは、クエートなんかでも、中ではバラスト水なんか全然やらさないということ、禁じているけれども、そうしてそのためにはやっぱり処理をする設備がちゃんとなければいかぬと思いますね。そういう問題について、どのようにお考えなのかということと、それからそういう設備をもしもするとすれば、私はやっぱり公害のPPPの原則からいって、当然業者負担というものは考えていかなきゃならぬのではないかというふうに思うわけですけれども、そこら辺の考え方について、長官のお答えを聞きたいと思います。
  75. 野村一彦

    政府委員(野村一彦君) 設備の問題、私に御質問でございますが、まあ私のほうは取り締まりをするのが仕事でございまして、港湾における処理設備あるいは船自体の設備の問題、港湾については港湾局長からお答えがあるかと思いますし、また船の問題についてはきょう船舶局おりませんけれども、私どもとしては、お説のように、船自身から設備をして排出をしないようにしてもらいたい。それから陸上の工場から排出しないようにしてもらいたい。また船で処理をしたものにつきましては、これを港湾等の処理施設におきまして、そこできちんと汚水が外に流れ出ないようなかっこうで終末処理をしていただくというようなことをやっていただけば、これは私どもの取り締まりの観点から見ましても、非常に幸いをするわけでございますので、全く先生のおっしゃるとおり、そういう汚水を不法に外に排出しないような設備を、何よりも強化していただきたいというのが私どもの願いでございます。
  76. 原田昇左右

    政府委員(原田昇左右君) まず廃油処理施設の整備についてでございますが、御承知のように、船舶が油を積み出す積み出し港におきまして、貨物油を積み取る場合に、バラスト水を海中に捨てまして、そして油を積み取るという形になっておりますから、積み出し港に廃油処理施設を整備いたしまして、そのバラスト水を海中に捨てないで、廃油処理施設に受け入れるという機能を持った廃油処理施設の整備を、内港の積み出し港において整備を進めておるわけでございます。四十二年度よりその整備を始めまして、四十七年度末までにバラスト等、廃油の発生いたします港湾においての整備はおおむね終了いたしたわけでございます。四十八年度末までに四十六港、七十一カ所を整備することになっておりまして、このうち港湾管理者の施設が二十一港、二十一カ所、民間の施設が三十六港、五十カ所でございます。  なお、この整備につきまして、汚染発生者主義ということから、PPP原則を適用して、全額民間のベースでその発生者がやるべきではないかという御意見でございますが、民間の施設の整備は民間の業者が負担いたしまして、政府は開発銀行の資金その他でその整備の促進をいたすということにいたしておりますが、港湾管理者につきましては、管理者の施設について補助金を出しております。これは不特定多数の船舶を受け入れまして、港湾の一般的な機能の中において、いまの石油のバラスト水だけでなくて、外国船のビルジその他も全部受け入れられるという形から、必ずしも発生者主義をとることが適当でないということで、ちょうど一般の下水の処理あるいは屎尿処理といったようなものと同様に考えるべきではないかということから、二分の一の補助をいたしておるわけでございます。
  77. 伊部真

    ○伊部真君 港湾の汚染の責任というのが非常にあいまいで、それは公害関係というのは全体としてそういうものなんですけれども、これがどうも国民の側にとっては非常に理解ができない。先ほど機雷の問題がありましたし、あるいは私が前に質問したことがあるんですけれども、広島の毒ガスの問題もありました。あれはだれが清掃するというのですか、それを除去する責任を持つべきなのか。政府だということは間違いないということだけれども、運輸省に文句を言うていいのか。運輸省といっても、海上保安庁はたまたま見つけたということだけれども、取り除くのはやっぱり自衛隊かなんかにしてもらわなきゃいかぬということだし、防衛庁は必ずしもそれは私どもの責任ではないというようなことで、あれは最後には田中総理は環境庁だということになったらしいのですが、環境庁の予算にそうなっているのかどうか。最終責任というものの所在が非常にあいまいなんですね。  今度の汚染の問題についても、海上保安庁のほうで説明されましたけれども、これがマスコミの中に出ているわけですよ。発生源は通産省の指導であって、そして港湾のよごれたということになったら、取り締まりは海上保安庁で、廃棄物処理は厚生省で、それから公害行政は環境庁だと、どこへいっていいかわからぬというようなことになっているわけです。その監督の範囲というものは港湾局のほうはどの範囲を言われるのか。上に浮いてる部分だけなのか。あるいは水質の汚染まで言われるのか、あるいは底質汚泥まで言われるのか。そこら辺はどこに限界があるのかというのがよくわかりません。その点、アウトラインを聞かしてもらいたい。  もう一つは、こういう公害問題で、この法案にも出ておりますけれども、やはり取り締まりをやったり、あるいは設備の問題について考える場合には、港湾区域外も、いわゆる湾全体の広域管理というものがなければいかぬのではないかというふうに思うわけですけれども、この二つの点について、ひとつお答えをいただきたい。
  78. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの第一点の港湾内の汚染と申しますか、そういうものに対して一体どこまで港湾管理者がタッチするのかというような点につきまして、これは今回の法改正で、「港務局の業務」でございますが、いわゆる港湾管理者の業務と見ていただいていいわけでございますが、この第十二条に一部改正をいたしまして、「漂流物、廃船その他船舶航行に支障を及ぼすおそれがある物の除去及び港湾区域内の水域の清掃その他の汚染の防除を含む」ということ、こういうものを含んでの、「港湾区域及び港務局の管理する港湾施設を良好な状態に維持すること」というのが港湾管理者の業務であるというふうに申しまして、いま先生の御指摘があったとおりでございまして、業務ではございますが、これは港湾管理者が個々の浮遊物なり、あるいは港湾の水面の清掃をする最終責任者であるかどうかというあたりについては、はなはだ不明確のままになっております。したがって、これは言うなれば、変な言い方でございますけれども、自分のうちの前の道路は清掃を自分でしようやといって、みんながやってようやくきれいになっていくというような感覚で、港湾管理者は少なくも自分の管理している海面、港湾の海面というものは清掃するべきだ。しかし、これが港湾管理者の義務か、最終的にこれがもしもよごれておった責任は港湾管理者であるかどうかというあたりになりますと、はっきり法的に定義づけられたとは私、理解できない段階でございます。  それから第二点の港湾区域外の問題、これにつきましては、従来これは確かにどこがやるのかわけがわからなかったということがございまして、これも最終的な責任をだれが持つかという点については、残念ながら今回の法改正においても何ら措置はされておりませんけれども、少なくもいままでなかった、運輸省として港湾区域外の海面の清掃と申しますか、たとえば東京湾なり、あるいは大阪湾なり瀬戸内海なりというような、そういう非常に港湾区域外の海面で清掃を必要とするというようなところに、少なくも運輸省として、こういうものを清掃できる根拠規定は、今回改正をしようということで織り込んでございますけれども、これはやはり同じような感覚で、その最終的な義務者であるという意味ではございませんで、少なくも清掃をするのに、言うなれば、一役加われるという根拠を与えたということでございます。
  79. 伊部真

    ○伊部真君 いまの問題については、ひとつ自治省のほうでも、同じように港湾管理者という意味で、家の前がよごれたからそれをきれいにするという当然常識的な範囲内での責任というようにお考えなのか。その点を自治省、それから環境庁。それから海上保安庁長官のほうで、取り締まられたらどこへそれの文句を言うていくのかですね。たとえば長官のほうで調べられたあと、赤潮の問題だとか、かなり水質の汚染に関する問題にまで入っておられるわけですが、そこら辺をそれぞれにお答えをいただきたいと、こう思います。
  80. 野村一彦

    ○政府委員(野村一彦君) 私のほうは、業務の性質といたしまして、海上保安庁法の規定及び海洋汚染防止法の規定によって仕事をやるわけでございます。海上保安庁法におきましては、「海上保安庁は、法令の海上における励行、海難救助、海洋の汚染の防止、」云々という規定がございまして、一言で言いますと、海上における安全の確保と、それから公害の防止を含む安全の確保と、それから法令の励行、犯罪の捜査ということを仕事にいたしておるわけでございます。したがいまして、比喩的で恐縮でございますが、たとえば陸上において言いますと、早い話が警察及び消防の仕事をやっているというふうにお考えいただけば御理解いただけると思います。  したがいまして、公害の問題につきましても、現にそういう現場を現認しましたならば、私どもは、これを除去すべきものは、私どもの船艇、航空機等で発見をして除去するということも応急的にいたします。これは応急措置としていたすわけです。その間に、法律違反というものがございますれば、それを事件として調べまして、そして違反の態様によってこれを検察庁に送致するということをやるわけでございます。その違反であるかどうかをはかるものさしというものは、これはひとり運輸省の所管の法律でございませんで、関係各省の海上において励行されるべき法律の全部について、その違反であるかどうかということをやるわけでございます。したがって、その基準については、たとえば、何といいますか、工場排水等についていいますと、環境庁の定められた基準に合致しているかどうか、その基準を上回るものであれば、私どもはこれを違反としてそれを検察庁に送るというような仕事をやるわけでございます。  それから、これは行政官庁の一般的な仕事のやり方として当然でございますが、関係各省に対する要望とか、こういうことはもっとこういうふうにしてほしいという要望は、それぞれの産業を所管をしている官庁、たとえば通産省とか、あるいは水産、農林省とか、そういう官庁にそれぞれの所管産業の分野において、海洋の汚染が起こらないような監督をやっていただきたい、あるいはこういう法規はもっとこういうふうに改めていただきたいというような希望を、これは官庁相互の事務連絡の一つとして行なうものでございます。  なお、私ども自身で海洋の汚染の調査をやっております。いまおっしゃいました赤潮の、これは私どもの水路部が、水産庁においてもやっておられますと大体同様の化学的な立場から、そういう職員と機材もございますので、赤潮の発生の原因等につきまして、いわば水産庁等とも協力し、あるいは科学技術庁等とも協力をしてやっておるということで、これは一つの、研究といいますか、調査といいますか、試験研究機関的な仕事としてやっておるわけでございます。もちろんその結果は、私どもの行政及び取り締まりにこれを反映させるという、そういうのが私どもの仕事でございます。
  81. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 自治省や環境庁の政府委員も来ておられますが、まとめて申し上げますと、港湾を含めましての海洋汚染、それについて、原因者がはっきりしていれば、これはもうきわめて簡単だと思うんですね。そういう、故意によごしたという場合には、いま保安庁長官が申しましたように罰則もございますし、それから、急ぐ問題であれば一応それを防除するような方法をとって、あとで求償権で原因者に求償するというようなことが通例だと思います。  ただ問題は、どこまでいっても困るのは、原因者がわからない問題なんですね。これは単に海そのものをよごすだけじゃなしに、どこからともしれず流したものが河川を通って海をよごしているというような例がたくさんございます。これも原因者がわからないと、いまのところそれを防除するような方法が見つからない。各省とも、それに対する責任の分担がはっきりしないわけですし、これはまあいろいろな法律が出ておりまして、その法律に基づいてそれなりの立場で防除態勢をしがなければならぬ、強化しなければならぬということにはなっておりますけれども、どうしてもその原因がわからないものについては、やはりこれは新しく立法をするか、何か方法を講じまして、やり方というものをここできめなきゃいかぬ段階に来ているんじゃないかと思うんです。これには非常に関係の省が広いと思います。しかし、これについては、おそらく環境庁が主体になられるんじゃないかと思いますけれども、そういう原因不明の公害をどういうふうにして被害を防いでいくか、あるいはそれについての経費の負担をどういうふうにしてやるかというふうなことは、これは関係各省もう一ぺん研究した上で何か基本的な方針をきめないといけないというように私は考えます。  ただ、現実にできた問題につきましては、現実に起こった汚染については、保安庁の長官が申しましたように、これはできるだけ、別に求償しようといっても相手はないんですけれども、予算の許す範囲で、海上保安庁が一方で取り締まりをし、一方でそういう被害の発生があった場合には、地方自治団体と協力しながら防除の措置をとっておるというのが現実でございまして、これについては徹底しないじゃないかという御議論が方々から出ていることはよくわかっているんですが、これは公害関係の法制といいますか、制度というものが近年になって急に高まり、そしてだんだんに整備されておりますので、まだそこまではいってないんじゃないかと思うんです。いま非常に急ぐ問題の一つとして、原因不明のそういう公害をどこでどういうふうにして防除し、またその経費の負担をどうするかという問題をきめなきゃならないという段階に来ているということだけ御了承おき願いたい。私は努力したいと思っております。
  82. 伊部真

    ○伊部真君 一つ私が気になりますのは、公害防止事業費の事業者負担法によって、港湾その他の公共の用に供される水域において実施されるしゅんせつ事業等が、結局事業者に負担させるということが一つ出ているわけですね。これが複合されて、いろいろな事業者が複合で入ってくるときにこれは負担させるかどうかということ、それから家庭用水だとか、そういうものの問題も出てまいりましょうね。だからこれ自身が非常に法適用がむずかしいと思うんです。しかし、これが一つ原則で出て、それからもう一つ、新しく港湾法の一部改正で、港湾の公害、環境というものについての責任は、いわば港湾関係の運輸省が、あるいは港湾管理者が持つというふうな形になりますと、その責任はいままでと違ったものに出てきやしないだろうか。さっき言われたように、水面のよごれという程度は港湾関係者だ、水そのもののよごれはこれは従来どおり環境庁がその責任をとらなければいかぬというふうな形なのか。その範囲はどういうふうなことに――何かでやっぱり出なきゃおかしいんじゃないでしょうか。そうすると浮いているやつは港湾局でするけれども、沈んでいるやつはおれのところの責任じゃないというようなかっこうになるので、そこら辺はどういうふうにしたらいいのかということです。それは港湾と、環境庁もひとつあとで答弁を願いたい。
  83. 太田耕二

    ○説明員(太田耕二君) ただいまの御質問でございますが、一つの例といたしまして瀬戸内海の例で御説明させていただきたいと思います。  瀬戸内海につきましては、非常によごれが目立ちまして、対策を立てなければいけない段階に来ております、そこで、まず第一に現状のよごれをどうするかというふうなこと、その対策をどうするというふうなことになるかと思います。そこで環境庁を中心といたしまして、実は、各省庁、もちろん運輸省も通産省も建設省も入っておるわけでございまして、瀬戸内海環境保全対策推進会議というものを設けまして、現状分析並びにその対策、具体的には、その水がよごれておる、しからばどうしなければいけない。で、その対策は工場排水の規制の強化とか、家庭排水に対しましては下水道の整備、これは建設省の所管になります。それから廃油処理施設の問題、これは当然運輸省とか地方自治体のほうとか、いろいろ関係がございます。それから赤潮対策の原因究明等につきましては水産庁とか環境庁が一緒に調査しよう、というふうなことで、各省がやり得る範囲と申しますか、やらなければいけない仕事をおのおの各省で受け持ちまして、その浄化対策を具体的に立てるべく現在マスタープランを作成中でございます。  したがいまして、その計画がつくられました暁におきまして、各省それぞれに仕事を分担して、瀬戸内海の浄化を行なうという形になろうかと思います。一つの例として申し上げましたので、御了解いただけるかどうか、御説明した次第でございます。
  84. 伊部真

    ○伊部真君 それはぼくも知っているのですよ。瀬戸内海もそうだし琵琶湖法案も、ああいう独立法案をした場合は、私はそれは解消できると思う。  しかし、そうじゃなしに、瀬戸内海じゃなくて、今度はたとえば鹿島ができて、むつ小川原ができることになりますでしょう。そういう場合に、海洋汚染そのものは環境庁でしょうね、環境庁の責任だとは思うんですけれども、今度は鹿島に港ができたら鹿島の港湾の公害はこっちが持つようなかっこうになってくるので、予算措置もついてくる。そうすると、環境庁も責任あるけれども、第一次責任としては運輸省もしくは港湾管理者が持つようになりはせぬだろうか。しかし内容的に見ると、私はこれは非常に無理だと思います、正直言って。それは局長言われたように、ごみがごちゃごちゃになっている家の前を掃除するというのは、法文がなくても当然やらなければいかぬことでしょう、港湾のそういう意味のよごれは。しかし事実上、港湾が汚泥されて、底質なんかもどんどんよごれちゃって魚が住まぬようにその港湾がなってきた、そのよごれは、港だけじゃなしに、湾の外にまで出てきたということになってくると、それはどなたが責任を持つのか。それはやっぱり環境庁だというなら環境庁だとはっきりしないと、この条文があるから、これは当然港湾だからおまえのほうの責任だということになりはせぬだろうか。そういう点で、この公害問題というものについても、責任範囲というものが、この条文が入ったばかりに、かえってぼけてきやせぬだろうかという心配があるのですけれども、そういう問題について、どのようにお考えか、ひとつ運輸省のほうでお答えいただきたいと思います。
  85. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの先生の御指摘まことにごもっともな点がございます。私どもこれを港湾管理者に対して、門前のごみを掃除するような意味での本来的な感覚、これは法的に何ら措置しないでも当然ではないかというお説、ごもっともだと思います。ただ、港湾管理者としての業務にこういうものを織り込んだということ自体、やはり港湾管理者が考え方としてこういうものをもちろん無視するはずはないのでございますけれども、こういう業務をやはり持っているんだということによって、現実にたとえば地方の単独の費用を地方議会で通す、予算で措置をするというようなときに、こういう法律的な一つの業務というものを持っておるということが裏づけとして必要なんだというような意見もございまして、こういう業務というものをはっきりうたったわけでございます。  ただそこで、先生の御指摘のように、こういうことをやるために逆に責任分界がぼけてしまうのではないかというような点については、どうもまことに申しわけございませんが、   〔委員長退席、理事木村睦男君着席〕 それに対して、現実にぼけたのか、あるいははっきりしたのかと申しますと、ちっともはっきりしておりませんので、むしろぼけたといったほうがいいのかもしれません。その点はなはだはっきりしないお答えで申しわけないんでございますけれども、いずれにいたしましても、どうもこういう問題の解決というのが、いままで責任責任でぎりぎりやるのもさることながら、何しろみんなでやっていこうや、できるだけでも分担してきれいにしていこうという感覚がいささかなさ過ぎたのではなかろうかという感じもいたしまして、こういう業務に入れたというのが、私どもの考え方でございます。  さらに先ほども申しましたように、現実にはある程度予算措置というものもございますので、こういう管理者のはっきりした業務というものに織り込む必要も管理者サイドからあったわけでございます。
  86. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 いま関連の同意を得ましたから……。  実ははなはだどうもたよりないと思います。この海洋であるとか海峡では二万トン強クラスの船が衝突をして油が流れたという経過はあります。最近の事例で、日本では新潟で、一昨年でしたか、ジュリアナ号が港湾区域内で――あのときにはそれなりに、たとえば港湾管理者は新潟の場合は知事ですね、港長は保安庁であって、それから海運局もあるし、それから港湾建設局もあるわけですが、ぼくらも地元でもありますし、それからいろいろ見ましたのですけれども、その当時、もちろん一番機能をしたのはやはり保安庁ですか、飛行機が来て、あの当時オイルフェンスもなければ、ほとんど中和剤もないというようなかっこうで、非常な大混乱でしたし、港湾の中ですが、非常に風が出て、船がまっ二つに割れているわけですから、発火すれば当然新潟市がほとんど全部焦土に化すると、そういうような状況の中で、ばらばらだったわけです。しかし結局、出先官庁で、大体一応のかっこうはそれなりについたわけでありますけれども、結局、海上保安庁を主軸として、港湾管理者も管理者が知事でありますから、知事部局を通して、それから海運局等々を交えまして、大体最小限度に事態は収拾できたわけでありますけれども、そういう過去の事例で、結局そういう経験を通して、関係の出先諸官庁で、ひとつ恒常的に――こういう事例が再度ないことの保証はないわけだから、あり得る場合も想定をして、ひとつ恒久的な処置は別として、出先は出先でとにかくお互いがこれを十分にひとつ、というかっこうで、その時点ではそれなりにいろいろとかっこうがついたようでありますけれども、それはそのなりに中央へそれが進達されて、少なくとも前進しておる状態ではないかと、それを踏んまえて、やっぱり一度あることが二度あってはなりませんけれども、しかしない保証はないわけです。  そういう点についても、いまの話を聞いてみるというとどうもたよりないような気がするので、一応時間かせぎになりますけれども、伊部委員に聞いてみたときに、時間は多少はいいじゃないかということですから、聞くわけですけれども、ひとつ……。
  87. 野村一彦

    ○政府委員(野村一彦君) ジュリアナ号事件の件につきましては、杉山先生のいま御指摘のように、関係各団体あるいは官庁が集まって協力をしていろいろやったわけでございますが、私どもはこれを非常に貴重な体験といたしまして、「ジュリアナ号原油流出事故報告書」というかなり分厚い報告書をまとめまして発表したわけでございますが、これはあるいは先生もごらんになったかと思います。そこにもございますように、このジュリアナ号事件の事故を貴重な教訓といたしまして、私ども次のような措置を考えてこれを実施いたしております。  根本的には、もちろん一番大きな問題は、これはそういう大型タンカーの事故を未然に防止をするということが一番重要でございますが、もし不幸にして事故が起こった場合の措置でございます。で、まずこれについては組織と、それから機材の整備と、それからそれを実際に防除するための共同的な作業と、この三つが必要であると思います。  で、組織といたしましては、私どもは関係の地方公共団体、それから警察、消防、私どもの出先、それから港湾管理者、それから海運業者、それから石油の荷主、あるいは精製所、そういうところを含めまして、全国の主要なタンカーの出入いたします港湾に、大型タンカー事故対策連絡協議会という官民合同の機構をつくっておりまして、これがすでに現在四十七全国でできております。そして、そういう組織をつくりまして、互いに事故が起こった場合の通報連絡の体制を強化する。それから、その現場の責任者等を、あらかじめどういうポストの人がそういう現場の責任に当たるかということをきめて、そして相互に密接な連絡をとるという体制をつくっております。  それから資材につきましては、これも御指摘のように、当時は非常に、まあ新潟という、たまたまいままで比較的そういう事故の少なかった地域でございますので、資材の備蓄は少なかったわけでございますが、これは私どもも、国として全国の主要港湾、これもタンカーの出入いたします主要港湾を中心に、予算でもって、海上保安庁としてもある基準をきめまして、そしてオイルフェンス及び油処理剤というものを備蓄をいたしておるわけでございます。それから、それと同時に港湾管理者あるいは海運業者あるいは石油業者、そういう人々に対しても、オイルフェンスとか、あるいは油処理剤を保有をするということを指導をいたしまして、そして現在相当多量の保有をいたしておるわけでございます。そういう態勢でございます。  一例を申し上げますと、大体オイルフェンスは全国で、海上保安庁及び海上保安庁以外の、いま申し上げました機関を含めまして、オイルフェンスを約二十三万メートルを備えております。それから油処理剤は千六百五十五トンの油処理剤を保有をいたしております。  それからなお油処理剤につきましては、いろいろあの当時から問題になりました二次公害等の問題がございますので、これは環境庁その他とも相談をし、また専門の学識経験者の御指導を得て、その油処理剤の規格、それから内容の統一というようなことにつきまして、ある程度私どもも研究をしました結果を取り入れて、現在二十七種の油処理剤の品質の認定をいたしております。そういうことをやっております。  それから第三番目の訓練でございますが、これは私ども、少なくとも一年に一回、先ほど申し上げました連絡協議会において、官民合同で、流出油対策の現場の訓練をやるということで、訓練も実施をいたしております。そして、その結果、関係者のこれに対処する能力というものが、あの当時に比べますと、心がまえの面におきましても、防除の技術の面におきましても、かなり進歩をしたと思っております。  なお、さらにオイルフェンスの開発、それから油処理剤の改良、それから備蓄の強化、それから関係各機関の連絡の強化というようなことについては、今後ともさらに検討して、対処する能力を高めたいということで、みなで協力をしてやるという体制を進めておるところでございます。
  88. 伊部真

    ○伊部真君 港湾の汚染のことがちょっとあとになりますけれども、いま話が出ましたからその点について質問をしておきたいと思います。  ジュリアナ号事件のときには、たしか油の流出が六千トンでありました。それに必要な中和剤は大体二割だということです。当時、日本のあらゆるところにある中和剤を集めて千二百トンというものを投入したというふうに聞いておるわけです。それから見ると、いまの千六百トンというのはそんなにふえてないと思います。たしか流出した油の二割が必要だというふうに当時もいわれておったんですが、それの数字は間違いありませんか。
  89. 野村一彦

    政府委員(野村一彦君) いま申し上げました千六百五十五という数字でございますが、これは関係業者が現場に備蓄をしている数字でございます。あの当時急に中和剤をつくる問題等が起こりましたこと、先生御案内のとおりでございますが、したがいまして、もし緊急の事態が万一起こった場合には、いま申し上げました数字のほかに、メーカーが現在の開発可能な規格のものを直ちにつくって、そして所要の地に移送をするというようなことでございますので、私が申し上げました千六百五十五という数字は、全国の各港湾の現場に備蓄をされている数字。すぐ追っかけてさらに製造が追加的にできる、こういう状況でございます。
  90. 伊部真

    ○伊部真君 ですから、いま直ちに間に合うというのは、やはり一万トンまでの油でなければいかぬわけですね、いま直ちに間に合うというのは。その程度でいいのかどうかですね。そういう問題が私はあろうかと思います。  で、私が心配なのは、ジュリアナ号の事件のときには不幸中の幸いでして、六千トンという油の量だったということ。もう一つは非常にたいへんな風のときに、暴風のときにあれがあったということ。これは救援には非常に困難であったけれども、引火点に達するという点については非常に幸いしたと思うんです。そういう意味で考えますと、やっぱり油の備蓄というのは、相当に用意をせなければいかぬのではなかろうかと思います。これは今後考えていただければいいことなんでありまして、少なくとも何万トンまで対応できる中和剤があるかということを正確につかんでおいていただきたいと思います。  それからもう一つは、そういうジュリアナ号事件新潟の経験を考えますと、一番おそろしいのは引火するということです。中和剤がいくまでに、何ぼ機動的にといったってどこで事故が起きるかわからぬわけですから、引火をするという状態をどうして防ぐのかということだと思います。  これは私、あの当時に委員会質問をしたときに、あれがもしも新潟じゃなしに、伊勢湾であったり大阪湾であったり、あるいは東京湾であったらたいへんなことになりはせぬだろうか。風のないところで原油が流れたら直ちに、どこかで金具がぶち当たったら、ライターで火をつけるようなもので、ぼっと燃えちまうということになると、それは海上だけではなしに、東京湾の周囲が全部やられてしまう。新潟のジュリアナ号事件でも一番心配をしたのは、昭和石油のタンクのほうに引火をしないかどうかということで、それであの救援が非常におくれざるを得なかった。引火するかどうかということが心配でなかなか行けなかったわけでしょう。そんなことを考えると、東京湾の場合その程度の状態でいいのかどうか。むしろ今度の産業計画の中にも出ていろいろ関連もあるんだろうと思うけれども、CTSの問題なんかもそこら辺に考え方としては出てくるかもわかりません。  しかし、いずれにしても港湾の、大きな都市の近辺にはこういうタンカーなんかをもう入れないようにしないと、一たんこれが間違ったらたいへんなことになるんじゃないか、極端に言ったら東京はそのために焦土に化すというふうなことになりはせぬだろうかというふうな心配をいたします。ただ私が、前の委員会のときに、前の手塚長官に聞いたら、東京湾だったら、もうちょっと大きな船でこのようなことがあったらどうなっただろうかということを想定してお答えをいただきたいと言うたら、それはもうおそろしくて言えませんということで、最善を尽くすと言う以外には答えようがありませんということでした。  しかし、そうなら、私はやっぱり勇をふるって、東京湾がどうなるかわからぬ、東京都がどうなるかわからぬということになると、やはり勇をもって進言をし、これは、人間能力の限界というものを明らかにしていかないと、私はたいへんなことになりはせぬかと思うのでありますが、そういう、東京湾だとか大阪湾だとかいう問題について、このタンカーの問題でどうお考えなのか、聞かしていただきたい。
  91. 野村一彦

    政府委員(野村一彦君) ただいま御質問のように、東京湾等の非常に船舶がふくそうし、大型タンカーが出入いたします海湾において、もし流出油事故等が起こりますと、海上のみならず陸上に対しても非常に危険であるということは、これはもう御指摘のとおりでございます。  そこで私どもが考えておりますのは、先般の国会で御承認いただきました海上交通安全法、これをまず防止するという観点から、いままで行政指導でやっておりました、東京湾でいいますと、浦賀水道の航行あるいは安全対策ということを行政指導でやっておりましたことを、今度は法律に基づいて、法令による交通警察として私どもの出先で七月一日からやるわけでございます。その規定によりますと、まず第一に、大型タンカー等が東京湾に入りまして、そして浦賀水道あるいは中ノ瀬航路というあの航路を通ります場合には、まず私どもの出先に出入港時刻の通報をすることになっております。したがいまして、港に到着する予定日の前日の正午に一回、大体二十四時間ぐらい前に一回、何国の何丸、何トンはどういう荷物を積んで東京湾なら東京湾に入るという通知があります。それに基づいて、私どもはこの巨大船に対して指示をいたします。たとえば、いま東京湾は非常にふくそうしているからこの船はもう少しスピードを落として入港時間をもう少しずらしなさい、あるいはもっとスピードを速めてこの時間に入ったほうが、東京湾はふくそう度から見て安全でありますということで、まず入港の通報制度をきめております。そしてそれに基づいて航路管制を行ないます。それから、私どもの巡視船を浦賀水道航路に常時一隻張りつけまして、そしてそこを通過するそういう船舶についての航路の航行の指導をするということをやります。さらに、必要に応じましては、現在行政指導でやっておりますような前路警戒船といいますか、そういう危険物を積んだ大型船がふくそうする海域へ入ってくる場合には、タグボートとか、そういう船を前路警戒のために当てるというような指示をいたして、そしてそれを指示事項として航路管制官を通じて当該船舶、それは内外船を問わずそれに伝えまして、それをそのとおりに実施をさせるということでもって防止をするわけでございます。  それから、万一、不幸にして海難等が起こりまして、そして多量の油が流出した場合の事故防止対策でございますが、これは当然、油そのものの汚染を防止する、被害を少なくする意味から油を回収するということをまず極力やらなければなりません。これには先ほど申し上げましたような機構を利用して、そして吸着剤とか、あるいは港湾局のほうでも今度の法案に関連してお考えになっていることですけれども、いわゆる油の回収船という、そういうものによってこぼれた油をできるだけ回収すると同時に、それが引火をして火災の原因になることを防止をするということでございます。そのためには、いま言いました吸着剤の開発、備蓄、それから回収船の整備ということが必要であると同時に、火災の消火のための消防能力を持った船を整備をするということが必要なわけでございます。私どものほうの巡視船も、性能のいいもの、悪いもの、いろいろございますけれども、大体、現在、巡視船艇の全部の約四割に化学消防能力を持った船がございますし、それから民間の化学消防能力を持った船もございます。そういう船を動員をして、そして私どもとしてはできるだけ消火をする、そういう何といいますか、協力体制というものを進めていかなければならないというふうに思うわけでございます。  これは私ども手をこまねいて放置するわけにはいきませんので、できるだけそういう資器材の開発と、それから関係者の訓練と、そういうことをやると同時に、根本的にはそういう事故が起こらないような防止対策、これを強力にやっていくということで対処をしたいと考えております。
  92. 伊部真

    ○伊部真君 この問題は、やっぱり私は、きめ手としては私ないと思いますから、大臣のほうでも、ひとつよく研究をいただきたいと思うのでありますけれども、私は、予防あるいは起きないようにするという努力は、これはもう当然評価をしたいと思うのであります。けれども、ジュリアナ号のような事件がもしも東京湾で起きたということを想定しますと、これはオイルフェンスだとか、あるいは中和剤を持っていく前に引火をするということがあったときには大事件だと思います。そうなると、やっぱり小さい船でなければ湾に入れないとか、あるいはタンカーはいろんな制限を加えてもう近づけないような方法を考える時期ではないのか、ほかの船と区別をして。そんな問題もやっぱり考えないと……。一番問題なのは、重油なんかのときはいいですけれども、原油のようなとき、引火をするといったときにたいへん私らも心配ですし――心配だけをまき散らすようなことを私言うわけじゃありませんけれども、ぜひひとつ、そういう点は検討の中に入れていただきたいというふうに思います。  それからもう一つは、先ほどに戻りますが、それ以外の汚染の問題であります。この問題は、私やっぱり気になりますことは、水質の汚染にしても汚濁にしても、あるいは底質の汚泥にしても非常に手おくれになっているんですね。琵琶湖の場合でもそうですし瀬戸内海の場合でもそうなんです。先ほど瀬戸内海の話がありましたけれども、私は前に、琵琶湖の湖底を滋賀大の先生から教えてもらったんですが、そのときに聞いたのでは、ちょうど水の底の底質の十センチのところに琵琶湖の場合に百年のどろがあると言うんです。それからもう一つ十センチのところに四百年のどろがたまっておる。その汚泥を縦にすぽっと取ってみると、どの年代に何がここに流れていたかということがずっと残っているというわけです。ですからこの百年の十センチのところにPCBがあり砒素があり、あるいは鉛がありカドミウムがあるということがもうはっきりしているわけです。その前にはないわけですよ。こういうのがわかっておっても、これはどうにもならぬわけです。  それはなぜかと言ったら、家庭用水が流れる、下水が全然処理されてないから。私なんか驚いたのでありますが、滋賀県下で琵琶湖のほうに終末処理をして下水が流れているというのは二万人分だけだ、あとは屎尿処理すら行なわれずにストレートで流れているということですから、しかも琵琶湖のように、湖の外側の内湖だとか、そういうものが埋められてそして自然の浄化作用というものが全然もう後退しているときに、あんなことになっているということになると、これは明らかに濃度規制ではどうにもならぬ、総量規制にならなければならぬということははっきりしてきた。これはもう琵琶湖も瀬戸内海もそうだと思うんであります。  それと同じようなことが、結局湾の中で、義務づけだけは公害の問題で港湾のほうに持っていって、そしてそれがどんどん蓄積されて、これだけよごれが出たじゃないかというふうなことになってきたときに、私は問題だと思うんです。したがって私は、公害での責任分野というのは、やはり各省が打ち合わせをされて、そして明確にしていかないといかぬのではないか。そういう意味で、ひとつこの条項については、その中身を明らかにしていただきたいというふうに思います。これはきょうでなくても何ですが、ひとつぜひ、そういう意味で、公害問題があとで責任問題が出てくるわけですから、田子ノ浦だとか、あるいは水俣というものが、これからほかのほうに絶対出ないということは言い切れないわけでありますから、その場合に、あの条項があったときにどういう影響をもたらすのかという問題を考えますと、やっぱり私、明確にしておかないと、後々に問題を起こすんじゃないかというふうなことを考えます。ぜひそういうことでお願いをしたいと思いますが、御意見をいただきたいと思います。
  93. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほども申し上げたのでありますけれども、ごもっともだと思います。一応こういうふうに十二条で港湾管理者の仕事として書いてございますけれども、結局港湾管理者がそこまでの力があるかどうかと、それについては国がもっと積極的に考えるべきじゃないかと、こういう御趣旨だと思いますが、その点ごもっともだと思います。  現にそれと同じように、先ほどおっしゃったような事業者負担法その他の法律がございまして、地方公共団体を中心にしていろいろ計画をきめて、そういった公害が広がらないように、あるいは防除作業ができるようにということになっておりますけれども、これがなかなかそのとおりには、地方の自治団体の財政状況を見ると、できない部分がこれからも出てくるだろうと思います。ことに原因者がわからないで、いつの間にかそういった公害が広がっていっているという例がこれからも出てくるかと思いますから、その点について先ほども申し上げましたが、関係省庁でそれぞれの立場から、さっき環境庁が言われたように、そういう公害をこれからもふやさないように前向きの努力はしているということは事実なんですけれども、それでもやっぱり出てくるという問題については、これは何か基本的に考えなきゃならぬと思います。  いま私が、環境庁長官にかわりまして法律が必要だとか、こういう制度をこしらえるとかいうことは、ここで申せませんけれども、何かそういったものを考えて港湾管理者にまかせっぱなしということのないようにしなければ、これは結論が出ないと、こう思いますから、この点については積極的に、先ほど申し上げたように努力をしていきたいと思っております。
  94. 伊部真

    ○伊部真君 それから、これは簡単なことですが、機会を得たのでひとつ環境庁のほうにお聞きをしておきますが、四月二十二日の朝日新聞に出ているんですけれども、この新聞の論説というか、意見が出ているわけですけれども、その中に「廃棄物を出す会社は、廃棄物の投棄を下請けの処理会社にまかせきりで、その処理会社が違反しても肝心の廃棄物を出した会社は罰せられない。」というようなことが書いてあるわけなんですけれども、これはどうも私にはわからぬわけですけれども、そういうことなんですか。これはやはり下請にまかそうとも、排出者が当然責任を負うべきことだと思うんで、この意見はちょっと違っているんじゃないかと思うんですけれども、おわかりでしたらひとつ教えていただきたいと思います。
  95. 太田耕二

    ○説明員(太田耕二君) 実は明確な答えが、私実は廃棄物処理法のことは存じておりませんので、はっきり申し上げかねますが、こういうことだと思います。と申しますのは、廃棄物処理する場合には登録業者というのがございます。登録業者と出すほうが契約いたしまして処理をまかせるわけです。現実の問題といたしまして、登録業者とそれから登録されてない無登録の業者のいろんな問題が出てまいりまして、一次下請、二次下請というようなことで、もうわけがわからなくなるということだろうと思います。その辺をどうするか、目下環境庁のほうといたしましても、厚生省との関係がございます、そのほうとたしか議論しておるんじゃなかろうかと思います。はっきりとしたことはちょっと私、担当課長じゃございませんので申し上げかねますが、そうだと思います。
  96. 伊部真

    ○伊部真君 どうも公害関係というのは、いつの場合でも、議論していきますと最後の詰めのところでぼけるのですよ。ですからここでこう言うてもしようがないことですけれども、やはり持って行き場を明らかにするように、私は常々言っているのですけれども、国民がこのよごれはどこへ文句を言っていったらいいか、あるいはたいへんこの水はくさくなったが、そのくさい水はどこへ言ったらいいものだろうかというようなことが、やはり窓口がはっきりするようにこれからしていかぬといけないと思います。これはここでいま課長に言ってもどうかと思いますから、この辺でおきますけれども、ぜひひとつ環境庁のほうでも、その点は議論していただきたいと思います。  それから、またもとへ戻るようでありますけれども、港湾の埠頭の関係で、いま東京湾でもそうでありますが、大阪湾でも非常に大きな南港の工事が出ておるわけであります。そこで感じられることは、公社、公団というやり方ですね。あるいは私有の埠頭という問題。こういう状態がかなり出ているわけですが、これについての考え方をひとつ教えていただきたい、こう思います。
  97. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) まず私有岸壁のほうを先に考え方を申し上げたいと思います。これは私ども港湾の全般的な面を見ておりまして、最近港湾の中で、水際線が非常に貴重であるという感覚を持っております。たとえば、例にあげられました大阪港にいたしましても、いまこれから港湾施設、いわゆる係留施設を整備していくというところで、余地としてはもう南港しかないわけであります。非常に限定されてまいりました。したがって、そういう意味では、個人の独占するような岸壁というような使い方にはするべきではないんじゃないかという感じを私ども持っております。  これは一つには、いままでのこういう港湾の整備の方式で、たとえば港湾管理者であります大阪市が埋め立てをされる。これはいわゆる地方債、起債によって借金で埋め立てをなさる。そうすると、そういう起債の借金返済と申しますか、そういう資金繰りの意味から申しましても、土地の一部を売っていかれるというのが実態でございます。それで売った土地、それが水際線を持っていれば、そこに当然貴重な水際線でございますから、買われた方が、そういう港湾施設をそこに建設されていくというような姿だと。したがって、そこの辺が、どうも残念ながら、貴重な水際線を非常に固定した使用方法に限定されてしまうという点があると存じます。そこで、でき得れば、なるべくならばそういうふうにしたくないという考え方で、最近、そういう方向で、行政指導と申しますか、そういう考え方で各港湾管理者にお話をしているところでございます。  そこで次に、公社あるいは公団でこういう設備をした、港湾施設をつくったと、これはいま申しました私企業の、他を排除するような使い方とは違いまして、ある意味では公共的な性格を持っておる。ただ、それの運営上いろいろな議論はございますけれども、比較的公共的な意味で、従来でしたら公共埠頭を利用されておったというようなものを、それの係留施設をつくるときに公団制度あるいは公社制度を導入したという考え方でございます。これは結局、公共埠頭、いわゆる港湾の活動と申しまして、公共埠頭というのが不特定多数の社の利用をする埠頭であるというふうなことが、一つの公共埠頭の定義かと存じますけれども、必ずしも不特定多数で、だれが来ても、たとえば船が入ってきますと先着順で、次に入ってきたものがちょうどあいているところをどこでも使うというような使い方をかつていたしておりました。しかし、それではどうも港湾の運営上非常に能率が悪い。あるいはせっかくの近代的な荷役がしにくいというような矛盾が出てきておりまして、したがって、そういうようなことから、ある程度、何と申しますか、使う利用者、一時的なその係留施設の利用者というものを特定しなければしようがない。そのかわり、そういう特定された利用者は、実際に運んでおります貨物は不特定多数の社の貨物でございますけれども、そういう一時的な利用者が特定された場合に、そういう一時的な利用者が建設費の一部を負担するというルールにしたらどうかという考え方が、この公団あるいは公社の考え方であるかと存じます。  したがって、コンテナ埠頭であるとか、あるいはカーフェリーの埠頭であるとか、そういう特殊なものに限って、こういう公団埠頭にいたし、あるいは公社埠頭の制度を取り入れているというのが実情でございます。
  98. 伊部真

    ○伊部真君 そこで私は、先ほどから申し上げているように、十年、二十年先を見通しますと、先ほど申し上げたように、思わないようなコンテナだとか、あるいはフェリーだとかいうふうな形で、港湾岸壁それ自体も大きく変わる状況というようなことを考えなきゃいかぬと思いますね。確かにこの十年間というのは、十年前とはもう全然違うと思います。  そういうことを考えますと、たとえば私有岸壁の場合、専用埠頭を与えるとか、こういう場合に、その権益がなくなるわけですからね。十年たって、その港湾を大きく変えなきゃならぬというふうなときに、非常に支障が出てくるんではないか。いわば私有のこういう埠頭をつくるということは、港湾の切り売りになってしまって、残された港湾というのは、いわばへんぱなものになってしまうというふうに思うわけです。  私は、ここに東京湾の地図を持ってきたんですけれども、たとえば局長は御存じだと思いますけれども、十一号地だとか、それから鉄鉱関係だとかという、もう中心のポイントのところで、これもう売られてしまっているわけです。で、ここら私ずっと見てみると、公団あるいは公社に売っているというところは、これはまた私は、話のしようがあると思います。民間の出資金がどうなるかというのは、あとから聞かなきゃいかぬと思いますけれども、しかし、この私有埠頭がこれだけ切り売りされたら、私はたいへんに問題だと思うんでありますけれども、その点は将来的展望からいって、どうお考えになっておるか、御意見をいただきたいと思います。
  99. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 確かに十一号地等いわゆる鉄鉱関係の埠頭につきまして、売ってしまって、水際線に岸壁も私企業がつくっておるという例がだいぶあるわけでございます。そこで、実は先生も御承知かと思いますが、その同じような鉄鉱埠頭でも、一部公共埠頭を残しております。公共埠頭と、それから全く私的なものにしてしまったというところと入りまじって、入りまじってと申しますか、そういう二部分がございます、同じような目的でございますけれども。  そこで私どもの考え方、これは確かに現段階で内航海運の非常に大きなウエートを占める、シェアを占める鉄鉱関係の埠頭というものが必要なことはもう明白でございます。ただ、それをもっと公共的な姿に温存できないかというような点で、私どもだいぶ東京都の港湾局とも相談をいたしました。その際に、いろいろな問題をかかえておりまして、その一つの問題点は、先ほど申し上げました港湾整備のある意味での資金源を生み出すというような感覚から、売却に踏み切ったというような点がございます。そういう点で、私ども理想的に言わしていただくならば、むしろこれは地上権の問題はございますけれども、本来的に考えれば、港湾管理者である地方公共団体・東京港でございましたら東京都が全部都有地のまま温存されて、それを業者に貸されるという、貸す方式のほうが私どもは望ましいということを申し上げておりまして、ただ、これは最近変えられましたけれども、つい最近までは、都の条例は売らなければならぬというような条例であったわけでございます。そういう非常に、これは財政面からきた問題だと思いますけれども、非常に矛盾した感覚の条例がございました。それで、そういうものは貸せないのだということを非常に強く言っておりました。それで最近それも改正されまして、これからはなるべく売らないで温存するという方針で、方針を変えるということで、これもう先生御承知のように、いま東京都の港湾審議会なり、あるいは特別の委員会をおつくりになって、今後の東京港の埋め立ての方針等を再検討されておる最中でございますけれども、そういうあたりで先生のおっしゃった御意見に近い線がだんだん出てくるのじゃないかということを私ども聞いております。
  100. 伊部真

    ○伊部真君 それから次に、公団、公社の問題でありますけれども、公団と公社とを分けられたのは何か根拠がありますか。私は、国と地方自治体とのいわゆる監督の相違から公団と言い、あるいは公社と言っているというようなこと、それだけですか。
  101. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 公団と公社、同じような、たとえばカーフェリーの埠頭をつくります公社というのがあり、それからコンテナ埠頭をつくるための公団というものがありますが、この呼び方の違っておりますのは、むしろ先生がいまおっしゃいましたような感覚で見ていただいて私は差しつかえないと思います。と申しますのは、公団というのは国が一役加わっておりまして、しかも法律的な根拠に基づいて設置された特殊法人であるというふうに考えていただいてけっこうでございます。それから公社というのは、地方の条例によってつくられまして、これは言うなれば資金等には国は出資的な行為はいたしておりません。
  102. 伊部真

    ○伊部真君 次に、このコンテナ埠頭なんかに関連してお聞きしたいのでありますが、私がここに持っているのは大阪南湾の将来図であります。このコンテナの埠頭を見ますと、これは一本線でこうあって、総合的に埠頭を使うようになっておりますね。ですから、これはクレーンがずっと縦横に入るようになっているのだろうと思いますけれども、で、こうういうことになりますと、これはやっぱりコンテナ以外には使えぬ埠頭になってくると思いますね。これを区切るということは公団の中での業務、たとえば公団が下請業者に貸せばその業者の専有物になってしまうというようなことになりかねないと思いますけれども、その場合の監督権というのは非常に問題になると思いますけれども、その点はどうなんでしょうか。
  103. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) いまおっしゃいました監督権という意味、ちょっと私、はっきりつかめ切れなかったのでございますけれども、確かに、たとえば大阪の南港に五バースのコンテナ埠頭をつくるという計画があるわけでございます。そこで、その五バースのコンテナ埠頭というもの、これが、たとえば第一バースと第二バースは同じ会社が使うんだと、これはもちろん一社の場合もございますし、あるいは一社がリースを受けまして、それでほかの社も一緒に使うというような場合もございますけれども、たとえば一バース、二バースが同じ社が使うということであれば、それは二バースを一つの基地として、ヤードとして使うということになりますが、いずれにいたしましても、その使うというリースを受けたものが、ひとつの専用権を持っておるということは事実でございます。  そこで、この施設に対しまして、たとえばガントリークレーンであるとか、あるいは岸壁であるとか、あるいはヤードであるとか、そういうものを使いますその施設の直接の管理権というのは公団が持っておるところでございます。それからもう一つ、このバース、あるいはコンテナヤードを含めまして一体のものとしてリースするというときに、リースをだれがするかといえば、公団がその社に対して、船会社でございますが、に対してリースをするという、そこの契約でリースが行なわれておるということでございますので、直接的な監督というか、それを使う業者にとっての監督権は公団が持っておるということが正確かと存じます。
  104. 伊部真

    ○伊部真君 それで、公団という形が是か否かという問題が一つあるわけですけれども、まあ私は、外国のことあまりよく知りませんけれども、しかし、ある本では外国には長期リースという形が多いというふうにいわれておるわけです。私も考えてみると、切り売りをしたり、公団といえどもそこへ全部渡してしまうというよりも、むしろ国ないしは地方自治体が港湾の工事も全部やはり受け持って、そうして長期リースで貸すと、そうして大きな情勢の変化に対応できるような措置を常に持っておくということが必要なのではないか。それなのにこういう形で、まあ聞きますと国が四割あるいは港湾管理者が四割とか、まあ割合がいろいろ違うようでありますけれども、こういう切り離してしまうということに対して、私は問題がありはせぬかと思うのでありますけれども、やはりこれは、この方針を続けるつもりでありますか。
  105. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 確かに先生の御指摘のような非常な議論がございまして、一応この公団方式に踏み切ったわけでございますが、この踏み切りますまでにいろいろ議論がありました。  ごくかいつまんで申し上げますと、先ほどもちょっと触れましたのですが、いわゆる公共事業によって公共の用に供する埠頭を国の一般財源から出しました財政資金あるいは公共団体の財政資金というものでつくっておる、そういう公共事業でつくった岸壁というものを特定の社に貸すということがおかしいのではなかろうかと、やはりこれは不特定多数のものに使わせるのが原則であろうというのが、これはどうも内務省時代からずっと連綿として続いてきた感覚でございます。  そこで、そういうことで、いままでの公共事業でつくりました岸壁といいますのは、先着順と申しますか、先に着けばあいておるところに先に着けるというような、非常にフリーな使い方をしておった、これが一つの慣習になっておったわけでございます。ところが、どうもそれではあまりよろしくない。ことにこういうコンテナみたいなものになってまいりますと、非常に特定の、たとえば日本の船社を申しましても六社しかないと、非常に限定されたものであります。しかも、どこにどの社の船が着くということが固定されていて初めてコンテナヤードの有効な使い方もできるのである。そうすると、いままでの公共事業方式で、しかもでき上がったものは新しい使わせ方をするというのは、ちょっと混乱を生じ過ぎるのではなかろうか。したがって何らか別の効率的な使用というものを導き出すための新しい整備方式を考えるべきではなかろうかということが議論になったわけでございます。  そこで、いろいろあれをいたしまして、たとえば先ほど先生の御指摘にもございましたように、アメリカあたりでポートオーソリティーがつくりまして、これを長期リースしておる、あるいは非常に強い優先使用形式をとって、優先料を取って優先使用方式をとっているというような例がずいぶんあるわけでございます。ところが、こういう場合のは比較的、これは全部とは申せませんけれども、ほとんどの資金がいわゆる起債と申しますか、借金でそういうポートオーソリティーがつくっておるというのがたてまえでございます。したがって、いわゆるタックスペイアーの払う直接の財政資金をぶち込むということではちょっと行き過ぎではなかろうかという議論が非常にございました。そこでむしろ、そういうことでは方式を変えて、一つの出資金という形で、国が一つのこういう法人に対して金を出して、あとはむしろ借り入れ金という姿でまかなうというような、ちょうど道路ですでに公団がございましたので、こういう公団方式というものによったらどうかというような議論になってまいりまして、公団というものを、あのころでも、いわゆる公団、公社、特殊法人というものをつくるのはあまり望ましくないという世論もございましたし、いろいろな批判もございましたけれども、あえてこういう公団方式というものに踏み切ったといういきさつでございます。  したがって、どうも理屈からいいますと、先生おっしゃるとおりで、必ずしもそうでなければならないということではなくて、むしろいままでの一つの歴史の流れと申しますか、経緯からこういう姿が発生してきたというふうに御理解いただいたほうがいいのじゃないかという感じがいたします。
  106. 伊部真

    ○伊部真君 こういう形がどんどん広がってまいりますと、あるいはこういう公団システムじゃなくても、専用埠頭というものがどんどん出てまいりますと、港湾というものはだれのものか、非常にあいまいな形になってくるのではないか。私もまだよく確かめてはおりませんけれども、たとえば鹿島の場合なんかでも、埠頭が全部仕分けされている。仕分けされていくと、船が着くのには、住友なら住友の船はそこへ着くが、ほかのものはそこへ着けられないわけです。そうして人間もまたそこへ上がったら、産業秘密の問題があるといってシャットアウトされるというならば、完全なこれは私有物になってしまうわけですよ。事実上は、運営上からいえば私有化されているわけですね。国の出した費用でそれの運用は全部私有化されるというようなことが、これがどうも私らには納得ができぬわけです。理解がしにくいわけです。普通の工場とは私は違うと思うのですよ、そういう岸壁の場合はですね。  だから、たとえばこれは、そのことが事実でるのかどうかわからぬけれども、やはりある部分は公共埠頭としての役割りを持たせて、そこは通路をつくるとかなんとかいうふうに、何かやっぱり考えないと、完全にどうも日本産業、ほかの外国でもそういうことがあり得るのかどうか知りませんが、何といっても、そこは企業秘密だとかいうことで、自分の土地でなくて、自分が金出したものでなくて、国がつくったものであってもそこへ近づけないというようなことは、これはどうもはたから見ると、大企業のほうに非常に都合のいい便宜を国が与えているんではないか。私は、必ずしもそうは言い切れぬかもわかりませんけれども、形としてはそうなっているんじゃないか。これは鹿島の例でありますけれども、東京湾ですらそういう傾向が私は出てきていると思います。はたから見たらそういうことだと思います。  たとえば貯木場の問題でもそうです。ここで私がいま計算してみたら、東京湾の貯木場のスペースの大きいことに私も驚いたのです。ですから、そういうスペースを提供することがいいのかどうか、あるいはこういう私物化されるような運営のやり方というものについて、われわれとして黙っておっていいのかどうかという点について、私はだいぶ疑問があるんですね。その点ひとつ意見をいただきたいと思います。
  107. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいま先生の御指摘ございました点、私どもも痛感している点でございます。たとえばいまお話ございました鹿島港について、これは現実に船に乗り組んでおられる全日海の方々からしかられたり、そういうような問題点が明らかに出ております。確かにこういう港湾全体として、いま先生がいみじくもおっしゃった切り売り的な配置というものがいいかどうかという点については、私も非常に反省をしているところでございます。  そこで、確かにこれからの貴重な水際線をどういうふうに活用していくかというようなことを考えますと、やはり、あまりそういう切り売り的なものにしたくないという方向で、私どもこれから進んでまいりたいと考えております。また鹿島の例ではっきりおっしゃったわけでございますけれども、私自身、これからもしも鹿島をもう一度つくり直すとしたならば、ああいう港でほんとうにいいのかどうか、結局工場自体がああいう港湾、水際線を持っておるということで非常にプラスではあったけれども、必ずしもいまのような流通革新、たとえば液体であればパイプライン輸送できるし、あるいは粉体であればベルトコンベヤーの輸送ができるんだと、そういうような時期に、ああいう貴重な水際線を工場自体が持つ必要があったかどうか。むしろああいう港の背後地にもう少し分散して配置して、それの横持ちの輸送体系というものを考えて、むしろ港自体は昔でいう商工的なものであるべきじゃなかったろうかという感じを、私自身反省して持っておる次第でございます。  したがって今後、こういう港湾計画につきましては、管理者ともよく相談しながら、なるべくいま先生の御指摘にありましたような、欠点のないような港にしていくということに努力をしてまいりたいと考えております。
  108. 小柳勇

    ○小柳勇君 関連して。  せっかく長時間かけて審議しますから、やっぱりこの法案の論議の中で矛盾のある点は政府の方針を変えるなり修正するなりしていただいて、ただ聞きっぱなし言いっぱなしでは無意味ですから、いまの問題、私は先般、東北を視察したときによく感じました。したがって、その問題に限って質問いたしますが、第一の、この鹿島の例に見るようなものがいま全国的にどのくらいあるか、見解なり答弁を求めます。  それからもう一つは、東京湾の貯木場のそれも、これだけのスペースを貯木場として独占させていいかどうかという問題が提起されました。これに対して、やっぱり政治の問題として、大臣、どうされるか、ひとつ聞いておきます。
  109. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいまの鹿島のような例が全国的にどこにあるかという点につきまして、これは具体的には調べまして、後刻御必要であれば御説明させていただきますけれども、一言にして言いますと、いわゆる臨海工業地帯、大工業港というところがそういう姿になっております。たとえば同じ一つの港であります横浜港にいたしましても、横浜の昔からの商工部分、これは公共埠頭あるいは公団埠頭も若干ございますけれども、こういうような公共的な埠頭が中心でございますが、裏側の何と申しますか、金沢、杉田のほうでございますか、あちらのほうの工業港、金沢の工業地区は、これは一切いまの鹿島と同じように、各水際線を各工場が分割して持っておるというような姿になっております。まあこれが一つの例でございまして、港にして申しますれば、港の部分でそういうのがあるというふうに御説明せざるを得なくなるかと思いますけれども、一応いわゆる大工業地帯、臨海工業地帯、工業港というものはそういう考え方でございます。  それから第二点の貯木場の問題でございます。私ども確かにこの水面貯木場というものが、これだけ貴重になってきた港湾でああいう広い水面積を占めるというのは、私ども望ましいことではないと思っております。ただ残念ながら、まだこれは、陸上の貯木場あるいはそういう木材関係の陸上での操作というのが、荷役機械が不備なために、だいぶ陸上に移ってまいりましたけれども、まだ十分移っておりません。まだ水面貯木場というのも非常に要請が強うございます。したがって、こういう問題については、どうも残念ながら、まだ極端に、いままで貯木場であったところをほかのものに振りかえていくというところまではいけないと思いますけれども、少なくも東京湾あるいは大阪湾と、そういうようなところで新たに水面貯木場をつくるというようなことがもう許される時代ではないという考え方で、私どもは進んでおります。
  110. 小柳勇

    ○小柳勇君 第一点の鹿島港の例ですが、昨年の新造港の視察のときに、この岸壁、バースのところには、トラックや人が通るそれだけのスペースをもって、次のほうに石油基地重油基地をつくってありました。先般も伊部君といろいろ話したのですが、港にへいをそのままふいて、他のものが通行できないようなことは、これは許すべきじゃない。早急に調査して、これは国の費用をかけて港をつくった趣旨に反するから、早急に修正するような方向に検討してもらいたいのです。将来については、いま局長の答弁を聞きましたからわかりましたが、現状についても非常にこれは問題だと思いますから、一ぺん検討して改造する方向に、業者の協力を得て改造する方向に検討してもらいたいと思う。  もう一つは、これは次の私の質問のときに出そうと思っていたのですが、公有水面の埋め立て地のあとの、たとえば刈田港の場合、大きな貯木場というものがあります。しかし材木はあまりありません。将来そこには倉庫を建てたいという業者がいました。そんなのが、埋め立て地のあとに、しかも将来、重要港として整理しなければならぬところに、貯木場という名のものが相当ありはせぬかと思うわけです。したがって調べてもらいたいと思います。そうしていまの東京湾の貯木場と一体として、これをどういうふうに行政指導をするか、その対策も考えていてください。この二つの問題をテーマとして検討しておいていただきたいと思います。
  111. 岡部保

    政府委員(岡部保君) いまの点につきまして、検討さしていただきます。
  112. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いまの問題にちょっと関連して質問したいのですが、貯木場にしても、この間新聞に出ていましたが、貯木場の材木はちっとも減らないのだけれども、木材の値上がりは去年に比べて何倍であるという一つの事例がありました。この辺に政治の問題として考える必要があるのじゃないか。膨大なスペースを貯木場に使っておる、ところがせっかくその膨大なスペースを使った貯木場に木材が一ぱいあっても、一方において木材のほうはどんどん値上がりをする、商社が材木の値上がりでどのくらいもうけたかわかりませんけれども、ともかく価格操作が行なわれ、投機が行なわれ、庶民が住宅を建てるにしても、あるいはその大工のような、一人一人の職人がこの材木の値上がりで、もうそれこそお手あげになっちまう、こういう社会問題が一方においては起きているわけです。  そういうことを考えると、企業のために公の海を独占をさしておくと、そうして何ら政治の手がそれに対して伸びないということがあってはいかぬと思うんです。それと、先ほども話がありましたように、港というのは公共的な使命を持っているところですね。道路と同じようなものです。公共的な使命を持っておる。ところが、それがそれこそ一企業のために全く独占的に使われておる。他の者がのぞき見をすることも許されないというのは、これはやはり納得できないことなんです。こういう場合に、港湾管理者の権限というものははたしてどうなっておるのか。港湾管理者の権限も及ばないという治外法権的な存在になっておるのかどうか。もしそうなっておるとすれば、それこそこれはそのようなあり方について改革をする必要があるんじゃないかという気がする。公の仕事のために開放するという必要があるんじゃないかと思うんです。もしそういう事実があるとすれば、なかなかこれは事実を改善をするためには業者の反対等もあるかもしれませんけれども、これは公の仕事という観点からするならば、業者が反対しようがどうしようが、再考する必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
  113. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) まず東京港の具体的な意味での貯木場の問題について、実は一昨日の杉山先生の御質問にもあったわけでございまして、この点についてごく、とりあえず昨日調べました結果を御報告させていただきたいと存じます。  東京港で貯木場の総面積が現在どのくらいあるかと申しますと、百五十八万平方メートル東京港で貯木場の面積となっております。これは貯木場といっても囲い等全部ひっくるめた面積でございますので、貯木が可能な面積というのが百二十二万平方メートルでございます。  そこで昭和四十七年度に、一体これがどういうふうに使われたとかいう実態について申しますと、全体で約百八十万立方メートルの木材がここで貯木されたということでございます。そこで一体、これは平均して年間に何回回転したか。ちょうど読売でございましたか、四月二十日の記事には、昨年の何月からか一切動いていないというような記事がございましたので、その点について回転率を確かめましたところ、平均いたしますと四・三回ぐらいの回転をしておるという回答でございました。これは東京都港湾局の管理者としてのデータを照会したわけでございます。  そこで一体、これはどういうふうな運営をしておるかと申しますと、東京都港湾局が管理いたしております水面でございますから、この水面を、この場合はいわゆる倉庫業者と申しますか、貯木場の倉庫業者に対して東京都が専用使用を認めております。これは大半が東京港木材倉庫という会社に専用使用を認めておりまして、ごく一部は東港運輸ですか、それから東京港株式会社ですか、そういうようなものも一部ございますが、大半は東京港木材倉庫という株式会社に対して専用使用を認めております。したがって、東京都はその専用使用料を取っておる。それからそういう専用使用料を出して借りております倉庫業者が荷主から保管料を取っておるというような仕組みになっております。  それじゃ一体荷主がどうであるかというような御質問もあったわけでございますけれども、残念ながら荷主については一切東京都ではわかりませんでした。残念ながら、どうも一番大事そうなところのあれはつかむことはできませんでした。  以上が杉山先生の御質問に対する点でございますが、いま瀬谷先生からもお話ございましたように、貯木場の問題、こういった水面の問題といたしましては、いま申しましたように、一つの専用使用ではございますけれども、港湾管理者が管理しておる、しかも水面を専用使用させておるということで、これは無期限じゃございませんから、これは何年期限で貸しておるかというのは、はっきり確かめませんでしたので、何とも申せませんけれども、有期限でこれは専用使用をさせておりますから、これは相当な意味で管理権が及んでおるということはいえると思います。したがって、こういう契約更改のときに、ここはもうだめだというような当然手段もできるわけでございます。  ところが先ほどお話ございましたような、たとえば鹿島港のごとく埋め立て地を売却してしまったという場合になりますと、その売却した前につくりました岸壁というのは、その買い受けた社が自分の金でつくっておる港湾施設でございます。したがって、直接の係留施設、岸壁、浅橋等の港湾施設の施設管理者も、それから背後の土地の管理者も、これは所有者である私企業になってしまう。したがって、現実には港湾管理権が及んでいるかいないかといいますと、つらい点がございます。これは包括的にもちろん全般的な問題としての管理権はあるわけでございますけれども、現実には非常にそれが及んでいない。したがって、こういうものはこれだけ水際線が貴重になってきた時期においてはなるべく抑制するべきではないかという考え方で、私先ほど申しましたように、売っ払わないでむしろ貸すというたてまえでいくべきではなかろうかということを考えておるところでございます。  大体以上でございます。
  114. 小柳勇

    ○小柳勇君 いまの水面を倉庫業者に専用使用を許可してある使用料、あるいは使用料がありますと、今度荷主から貯木料を取っておるはずなんですがね、そういう金銭的な授受などは調べてありますか。
  115. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) これはどうも一応単価だけ――単価と申しますか、料率みたいなものでございますが、だけは、これを調べてございますが、先ほど申しました東京都が倉庫業者に対して水面を専用使用させる使用料は一月一平方メートルまでごとに十円、これが料率でございます。それから次に、荷主がこの倉庫業者に支払う料金、いわゆる木材の保管料でございますが、これは全く単位が違いますので、どうもあれでございますが、原木一立方メートル当たり十日ごとに五十八円だそうでございます。一立方メートル五十八円。したがって、どうもこの辺のちょっと関連性をつけられませんので、先ほど御説明を申さなかったわけでございます。
  116. 杉山善太郎

    ○杉山善太郎君 その問題は、ぼくは当然都営か私営かという、そういうことは、これはぼくは都営であるということに実態はつかんでおったわけですけれども、まさか又貸しをしてというふうには想像しておりませんでしたし、これはひとつ運輸大臣、いみじくも読売新聞に目を通して、あの時点で調べてほしいと言っておいたんですが、これは管理権を発動して、これはもう東京都の直営のやはり水域だとすれば、そんな気ままかってなことをしておいたら、それはけしからぬですよ。美濃部知事の管理下の港湾局に管理権があっても、しかし全体の総括としては、これは運輸省の管理権の及ぶ範囲だ、こう思うんで、厳重注意して、以後そういうことのないように、結局国民の税金で木材関係者をもうけさせて、結局いまいみじくも瀬谷委員が言ったように、ひとり大工というものが末端で非常に苦しんでおる事実――大体貯木の寿命というものはだれが考えてみても、専門的にいってみても、虫を殺すためにある一定の期間は必要ですが、ずっとふん詰まりさしちゃいかぬものなんですよ。いま言われたのは一年四回転ですか、それは非常に限界を越えておるわけでありまして、非常に悪用されておるということでありますので、厳重にそれは管理権を発動してもらいたいということを強く希望しておきます。
  117. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの先生のおことば、どうもおことばを返すようになりますけれども、実はこれは貯木場でございまして、水面の倉庫でございます。したがって倉庫業の営業として水面を専用しておるということでございます。したがって東京都が倉庫の営業をするということは一切できません。したがって当然、こういう倉庫業法によって認められておる倉庫業者がこれを倉庫で貯留しておるということでございます。したがって、これは東京都じゃなくて、又貸ししておるからとおっしゃることは、私は当たらないと思うんです。  ただ問題は、東京都がこういうものに専用使用させるというのは必要だと思いますけれども、先ほどもお話ございましたように、東京都のように、もう非常に狭くなっておるというところにこれだけの面積を、いわゆる倉庫屋さんに専用使用させるのがいいかどうかという判断が、私は確かに問題点であろうかと思います。したがって、そういう点で、ちょっと先生の話について、誤解をなすっているんじゃないかと思いますので、それだけちょっと申し上げておきます。
  118. 伊部真

    ○伊部真君 これは、私が図面で見ても外貿コンテナ埠頭だとか、大井埠頭を合わせたよりも広いのですね、貯木場のスペースというものは。これはどう考えても東京の表玄関としては大き過ぎるということは明らかです。そこへもってきて、どっちにしても、この間新聞に出されたように、木材があれだけどんどんためられておるということは、これは国が管理をしている、あるいは全部じゃありませんけれども、やはりそれに非常に大きな責任を持っている港の中で、こういう状態になったときには、明らかに価格調整というものと結びつきがあると見られてもしようがないと思うんですよ。生鮮業界のマグロやイカの冷凍の問題でもそうですけれども、業界の育成のために配慮されたことが、逆に逆手とられてそういう価格調整だとか、もうけのためにダミーを使ってまでそういうことをやられるということに対しては、非常に警戒をしてやっぱりたたかなければいかぬと思います。  その意味では、言われるような内容について、だれに貸したのか、それから契約内容と、それから料金と、それは末端まで、やっぱりこの際ですから明らかにしてもらわなければいかぬと思います。それはぜひこの委員会に出していただきたい。私、東京都であろうとも、こういう問題が出てきている以上は、これは運輸省に対して国民の目が向いているわけですから、明らかにする責任があると思います。で、まあ知事がどなたであろうと、何代か前からの習慣があってこうなったんだと思いますから、知事の問題ではないと思うんです。当然内容は明らかにして、そうして運輸省の行政の中に、それが誤りがあれば、それはただしていくということが必要だと思います。したがって、その具体的な内容について、きょうすぐでまずければ、後刻委員会のほうに資料として出していただきます。それに基づいてまた質問をしたいと思います。  これは私は、理事会のほうにお願いしたいのでありますが、大井埠頭、それから品川埠頭、それからいまの貯木場、それから鉄鉱埠頭のように、個人のところへ埋め立ててもう売ってしまった。こういう状態に対して、私非常に、将来的にも問題だと思いますし、それはどういうふうな解決方法を、公共の部面のほうに使えるようなことができるのかどうかという問題も含めて、やはり検討せなければいかぬと思います。そうい意味では、理事会のほうで、ひとつ現場視察についてもぜひ検討いただきたいというように思います。  それからこれに関連をいたしまして、私はぜひ明らかにしていただきたいのは、港の入港料とか、あるいは施設使用料だとかいうものが、どうもあいまいのようですね。公共埠頭、コンテナ埠頭の場合なんかは、公団で新しく渡しているわけですから、当然、運営のために、適当な妥当性のあるものがかなりあるのだと思いますけれども、しかし従来からの公共埠頭の問題については、これはどうも、どこから聞いても妥当なものかどうか、あるいは全国の港湾が普遍性のある入港料なり施設料があるのかどうかということについて非常に疑問なんで、その点、内容的におわかりの程度、ひとつ知らしていただきたいと思います。     ―――――――――――――
  119. 木村睦男

    ○理事(木村睦男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。     ―――――――――――――
  120. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいま先生のお話ございました港湾施設の使用料の問題でございますが、   〔理事木村睦男君退席、理事江藤智君着席〕 これ確かに公団が、たとえば外貿埠頭公団が一バースを背後のヤードまで含めてリースするというときのリース料、これは非常に原価主義でございまして、もうける必要はないわけでございますけれども、実際の資金コストを考えて原価主義でリース料をはじき出しておるわけでございます。ところが一般の公共埠頭における施設の使用料、これは必ずしもそういう原価主義のものであるとは言いかねる点がございます。と申しますのは、一つには公共埠頭が非常に古いもの、それから最近つくったもの、これによってその建設単価が非常に違います。そういう問題もございます。したがって同じような性格のもので、これを原価主義でやりますれば、非常に差が出てくるということがございます。  それからもう一つには、こういう施設使用料、いわゆる公共料金的な感覚で受け取られておりまして、使用者にしてみれば現段階で払っておるものを今度上げるというならば、このくらいの範囲というような要望がございます。それで現実に使用者、利用者のほうから押えられるという点もございます。したがってしばしば御説明申し上げますように、港湾管理者の管理者財政というのは、こういう使用料が主体の収入であるわけでございますが、いわゆる一般の管理費あるいは金利等をまかなうに十分である収入は残念ながらまだ得ておりません。支出の三分の二程度しか収入がないというのが実情でございます。したがって、これをもっと大きく値上げをしたいというのが港湾管理者の要望でございまして、つい先ごろ一部岸壁の使用料を値上げをいたしました。そのときでも、やはり現在の料金の二倍に上げたいという要望でございましたが、これが一・七五倍に押えられまして、しかもそれは三年がかりで実施するというようなことで、とりあえずは、たしか五〇%の値上げて押えられたというような話を聞いております。  したがって、先生のおっしゃるとおりに、一つのはっきりしたベースによってはじかれた料率というものでは、残念ながらないというのが実情であるかと存じます。
  121. 伊部真

    ○伊部真君 当然、専用埠頭にしても、そのスペースを使うのには、それに見合った収入を得ていると思うのです、収入のほうは。使用料のほうは非常に抵抗して、それに弱いというのはどうも私は納得ができないんですね。あるいは運輸省のほうでも、港湾工事にかかるときには非常にやかましく言われるんだけれども、つくったあとの運営についてはいままであんまり、運営上に基準をつくるとか、あるいはその入港料の適当な収入を確保するとかいう点に対して非常に雑であったんではないかというふうな感じがするんですよ。一面的に私は厳格でなければいかぬとは言いませんけれども、それは明らかに、だれが考えても公共性の強い埠頭の場合の問題については、私はそんなに厳格であるかどうかというのは、これは問題があろうかと思います。しかし、そうでないところが非常に多くなっているわけでしょう。たとえば外貿埠頭でもそうですし、あるいは専用埠頭なんというのは特にそうですから、やはりこれは妥当な施設使用料というものを取っていくという、何かの基準をつくって考えていくということが必要であろうと思うんでありますけれども、何か基準をつくられるというような考えがおありですか、どうですか。
  122. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) いま御説明申し上げましたように、たとえば岸壁の使用料あるいは係船ブイの使用料等の問題につきまして、具体的につい先ごろも港湾管理者といろいろ相談しながら、進めていったわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、これはわれわれのほうでも港湾管理者、特にこういう施設の中心でございますから、六大港と申しますか、八大港と申しますか、そういうような大きな港の港湾管理者の方にもお集まり願って、わがほうも必ず顔を出して、一緒にいろいろな御相談をしているのが実情でございます。したがって、決してそういう点では、私ないがしろにしているというようなことは考えておりません。  ただ、そういう場合に、これはある程度利用者の事前に了解を得ておりませんと、最終的には各港湾管理者である地方公共団体の条例でこういうものはきめるわけでございますから、そういう地方公共団体の議会を通さなければならない。そういう問題の際に、事前にある程度利用者の了解を得ているということが必要であるということで、先生おっしゃったように、結果としてはいささか弱み――弱みというか、弱い点が事実ございます。その点は、私どもむしろ港湾管理者サイドに立って応援をしているような立場でございますけれども、なかなか思ったようにいっていないのは事実でございます。
  123. 伊部真

    ○伊部真君 次に私は、港湾というものの範囲といいますか、その点についてお伺いをしたいのでありますが、最近いわゆる共同一貫輸送というもの、あるいはいわゆる輸送のシステム化というものになってまいりますと、積みかえの場所というのが、私たいへん問題になってくるのじゃないかと思います。そういう意味では、大阪南港のようにスペースが非常に限られたところになりますと、デポを外へ持っていかなきゃいかぬということになります。コンテナ、あれは海上コンテナだったら二十トン以上でしょう、二十五トン幾つぐらいなんでありましょうが、二十五トンを積み込んだりするといった場合に、やはりあのスペースでは非常に無理ではないか、在来のところではですね。もう限られてきますからね。これはいまはもしもそうでなくても、将来的には必ずそういう問題が出てくるんじゃないか。そういう場合、ほかへ出ていったときに、それは港湾区域としてみていけるのかどうか。ということはやはり公共投資の関係がそこへ出てまいりますから、その場合の港湾の範囲というものはどうお考えなのか、お聞かせをいただきたい。
  124. 岡部保

    政府委員(岡部保君) ただいま、コンテナのいわゆる内陸デポと申しますか、そういうものの一つの実例によって港湾の陸域というものをどういうふうに考えているかという意味かと存じますけれども、現段階で法的に一つの臨港地区というものがございます。これは決していまおっしゃったような、港湾から少し離れたという地域まで含めておりません。これはいままでの現行法で臨港地区の一つの考え方と申しますれば、その中の都市計画法的な建築規制であり用途規制であるというような考え方の地域地区制でございます。  それからさらに、今回の港湾法の改正をお通しいただければ、三十八条の二というところで、その中での私人の行為の規制ということ、これは環境問題でございますけれども、こういう行為の規制をその臨港地区の中には及ぼしていけるというような考え方でございます。  ただ、これはそういうようなことでありますがゆえに、それほど広い範囲を考えてはおりません。したがって、いま具体的に、たとえばおっしゃったような、大阪港で取り扱うべきコンテナのデポがもう少し離れた内陸地につくられるというときに、これは港湾施設として考えるのか、あるいはそこまで港湾の区域であると考えるのかという御質問でございますが、私は、そういうような場合に、これが大阪港の港湾施設として非常に密着した施設であるということならば、これは運輸大臣が認めるということで港湾施設に認定するという手段がございます。したがって、こういう認定された港湾施設であるという扱いをするべきではなかろうかという考えでございます。  これは実は衆議院の御審議の過程でも話が出た問題でございますけれども、現在清水港の内陸デポとして浜松にデポがつくられまして、施設はもうほとんどできかけております。これをひとつ清水港の港湾施設として認定してくれといろ御要望がございまして、現在それをどうするかということを検討中でございます。そういうような例もすでに具体的に出てまいっております。したがって今後そういう問題は、私は決してない問題じゃないと思いますので、先生のおっしゃったように、そういうような問題を港湾の立場で考えるという場合には、やはりこれはほんとうに港湾施設として港湾サイドでいろいろ考えなければいかぬという場合には、港湾施設に認定するという考え方で措置していくべきではなかろうかというふうに考えます。
  125. 伊部真

    ○伊部真君 私は、この港湾問題は従来ですと港湾独自の機能ということで考えていいと思うのでありますけれども、今日の状態ですと、陸海のやはり共同一貫輸送方式というものが主体になってこなければいかぬだろうし、そうなりますと、やはり結節点の問題について、いろいろ問題が出てくると思います。  これは港と道路との問題あるいは複合ターミナルとの関係、それはどこにいわゆる管轄権があるのかどうかというような問題、いろいろあろうかと思うのでありますけれども、きょうはだいぶ……。
  126. 江藤智

    理事(江藤智君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  127. 江藤智

    理事(江藤智君) 速記を起こして。
  128. 伊部真

    ○伊部真君 私は、そういう意味で、結局港湾だけを考えるわけにはいかぬと思うんですよ。私は、前にも運輸省のほうに、トラックの過積み問題なんかのときに申し上げたのですけれども、運輸省としての一貫した施策というものが、港湾であろうと自動車だろうと、あるいは国鉄だろうと、やっぱり出てこなきゃいかぬと思うんです、ばらばらじゃいかぬと思うんですよ。  その意味で考えますと、やっぱりフェリー基地なんかには、自動車行政の中で一番問題になっているような、たとえば過積み問題だとか、そういう問題についてチェックするような、やはり看貫の施設というものがなければいかぬと思う。われわれはいつもあの問題を考えて議論していくとぶち当たるのは、道路の場合は建設省だと、それで港湾へ行ったら――私は前の栗栖港湾局長に聞いたら、港湾の場合は、カーフェリーに乗ったらそれは何も積載制限はないんです、ないから私のほうではブレーキをかけるわけにいかぬと言うんです。しかし船へ乗るまでは、これは明らかに二十トンなら二十トン、積載制限オーバーをしているわけでしょう。船に乗ったときには制限がないから、それはあまりわれわれのほうでチェックすることができないんだと、こう言う。長さとか容積はあっても、重量はフェリーのほうには制限がないから、私のほうではチェックできぬと、こう言う。これはどうもおかしな話で、それならカーフェリー基地のところで、やはり港湾工事をされたときに、港湾をつくったときに、ちゃんと看貫を設備されるということが必要じゃないかと思うんですよ。  そういうことを、運輸省の中でも、それはおれのところとは違うんだというようなことでは、私は、これはだれが見ても、よそから見たら非常にかっこうの悪い話じゃないかと、こう思います。と同時に、運輸行政全体として、私は非常に大きな抜け道をつくっていると思います。そういうことをぜひひとつ約束をしてもらいたい。新しいところは、フェリー基地なんかには、小さなところまで、スペースのあるところはどこまでもというわけではありませんけれども、つくれる可能性、スペースのあるところは必ずつくるということを、そういうことをやっぱりやっていただかないと、世論の批判を受けると思うので、その点が約束できるかどうか、お答えをいただきたい。
  129. 原田昇左右

    政府委員(原田昇左右君) トラックの過積みの問題につきましては、私ども確かに交通安全上重要な問題であると考えておりまして、これに対していま、看貫といいますか、はかりを道路上に設置したらどうかという御提案も確かにごもっともでございますし、これについても建設省その他関係省とともに検討していかなきゃならぬと思いますけれども、そのほかに車両そのものの過積みを防止できるような何か構造基準なり、あるいは技術開発をするとか、いろいろ重量計の技術開発をするとか、こういういろいろな対策を検討していかなければならぬというように考えております。したがいまして、貴重な御意見でございますので、今後とも関係省とも相談しながら検討さしていただきたいと思います。
  130. 伊部真

    ○伊部真君 いま過積み問題で、これをやれば解決するという手はないんですよ、これは。いろいろな攻め方をせなければいかぬと思う。自重計も技術開発でやってもらわなければいかぬが、これも運輸省の技術関係の人たちから言わせば、なかなか無理だと言うのですよ。車体の構造もそういうふうにできないかと言ったら、これも無理だと言うのですよ。しかし何年間の計画で技術の問題については取り組みましょうと、こう言うている。抽象的な話なんです。  しかし、いま一番可能性があるのは、従来からの素朴なやり方だけれども、看貫ではかるというやり方ですね。これは一番手っとり早いというのか、取り締まりが非常にやりやすい方法なんです。そういう意味で、道路公団も看貫をつくったし、国道にも、建設省あたりにこの間行ったら、四十九カ所かつくった。そして指定道路も何十カ所かつくっているというのですよ。建設省のほうは、ぼくらもやかましく言うて、どんどんそうやって協力しているのに、運輸省の肝心のもとの、フェリーならフェリーの基地をつくるところで努力をせぬというのは、私はどうもおかしいと思うのですよ。だから、それは研究するじゃなくて、私は無理にどの港でも全部つくれというのじゃないけれども、検討します、考えてみますというようなことじゃなしに、少なくとも運輸省運輸省の内部のことは率先して、陸運行政一体になって取り組んでいく。それはやっぱり、やるべきことはみんながやっていく。予算が足りなければ、その分はほかのほうから回してでも、それはつくっていくということでなければ、それは運輸省の内部のほうがちぐはぐで、建設省が一生懸命にやっているというようなかっこうでは、私はどうにもならぬと思いますね。その点ははっきりしておいてもらわなければならぬと思いますね。
  131. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまのカーフェリーのターミナルに関しましては、これは全く私どもの所管でございますし、現実に、たとえば公社で実施をいたしております際の施設の内容等について、私どもただいま先生の御指摘に従いまして、これから指導をさせていただきます。
  132. 伊部真

    ○伊部真君 それから大井南港の場合ですね。当初、国鉄の引き込み線が予定されて、そしてあそこにも大井と同じように複合ターミナルの計画を考えておった。ところがその後、あの引き込み線を引くことが非常に困難なために、これがいわゆる鉄道のデポ的なものに計画を変えるというふうなことを聞いておるわけです。しかし、また一面、これを聞きますと、あそこに何というのですか、大きな橋、安治川のほうに橋があります。あの道路と橋がつくられたときに、あれが二階建てで当時一緒に工事がされておれば、あの引き込み線というのはつくられた。しかし、あれはあれでつくり、新しくここへ引き込み線を継ぎ足そうと思ったら非常にむずかしいということであきらめざるを得ないということ。  そうなると、大阪南港の複合ターミナルというものの効率という点で非常に落ちてきたんではないかという感じがするわけですけれども、こういう問題を考えますと、やっぱりここら辺にもそこのいきさつが、私の言っていることが妥当かどうかということが一つ問題ですけれども、やはり各省の話し合い、協議というものが不十分なために、そういうことが起きたんではなかろうかというふうに思うわけでありますけれども、その点はいかがですかな。
  133. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) ただいまの複合ターミナルの構想についての最近の問題については、官房の審議官のほうからお答えいただきますが、いまおっしゃいました南港大橋の建設、これとこの鉄道の引き込み線との関連、これにつきましては、私ども実はあの南港大橋というものの必要性というのは、むしろ建設省よりも、まず私ども港湾サイドで非常に強く要請をしたわけでございます。必要ならば、私どものほうででも資金投資してもいいというぐらいまで話をいたしまして、建設省とよく話をして、建設省がそれじゃおれのほうでやるというようなことでつくりました橋でございまして、決して、そういういまおっしゃったような、あそこに国鉄を乗せれば非常に楽であったということではないと思います。  と申しますのは、あれの中に相当な船を入れますためにクリアランスをものすごく高くしておりますし、それであそこでまた二階建てにするということで非常な建設費が高くなるということと、それから、そこから取りつけをいたしますときに、そんなに勾配とれませんものですから、たいへんに国鉄の現在線と結びつけるというのは非常にむずかしい問題がございまして、道路であるからできるというようなところまでデスカッショッンをいたしました経緯も、私、覚えておりますので、したがって、そういうあれはなかったと存じます。  それで、確かに複合ターミナルの問題、あれは大和川沿いですか、堺との間の、あちらのほうの沿いのルートを何か考えるというようなことで当初計画があったというところまで私知っておりまして、あとは官房審議官お願いします。
  134. 原田昇左右

    ○政府委員(原田昇左右君) ただいま港湾局長から説明いたしましたように、国鉄の引き込み線を南港まで持ってくる場合に、工事費が巨額にのぼるということで、ルート選定が非常に困難であるというようなことから、残念ながら国鉄のフレートライナーターミナルと一体といたしまして、トラックターミナル、流通倉庫、フェリー埠頭、内貿雑貨埠頭を一体とした複合ターミナル構想というものは実現できなかったわけでございます。  しかし、その後さらに地元の大阪市を中心に検討を続けました結果、構想を若干縮小いたしましたけれども、ほぼ成案ができまして、四十八年度から整備いたすことになっております。  大体、全体の規模としては、複合ターミナル全体として二十五ヘクタールでございまして、四十八年度から五十一年度までの四カ年計画によって、トラックターミナル、流通倉庫の整備を行なうことにしております。四十八年度につきましては、二十六億円の開銀融資を予定いたしております。整備方式としては、大阪市及び民間の出資による第三セクター方式が考えられておりまして、同ターミナル内には、トラックターミナルと流通倉庫のほか、国鉄のコンテナデポも整備されるという見込みでございます。
  135. 伊部真

    ○伊部真君 これは、いま第三セクターの話が出てきましたけれども、これも公団と同じような感じなんですけれども、特に基本的な問題として一ペん大臣にお考えをいただきたいと思いますのは、港というものと、複合ターミナルだとか自動車ターミナルだとかというものとの位置づけは、私はそんなに差がないと思うんです。そんなに差がないと思う。それは、この荷物の中継点という意味では。しかもこれからの輸送になりますと、私はそれを無視して輸送の効率的な運用というものはできないと思うんですね。  そうなってきますと、いまのような自動車ターミナル法あるいは日本自動車ターミナル会社法というあの程度のことで、しかも出資だとか融資とかという問題については、あの程度の政府補助で、それはいいのだろうかというふうに思いますし、結びつきとしてはそれが正しいのかどうかということについては、複合ターミナル、自動車ターミナルを含めて、私は位置づけの問題には再考をせなければいかぬのじゃないか。私はこれをどんどん議論していくと、国鉄の駅までいくんですけれども、駅の問題にも関係してきますけれども、港湾と私はやっぱりターミナルという形を考えますと、これからの物的流通の、いわば政府がそこに援助をするとか、あるいは何らかの誘導をしていくということになれば、その時点で手を打たなければ、私は誘導も何もできないんじゃないか。自動車ターミナルでも複合ターミナルでも、いまのところはほとんどは、ある程度の、四十八年度は四億五千万ですか、ということで自動車ターミナルのほう、二十二億ぐらいの推薦融資がありますけれども、そういうふうなことで考えますと、複合ターミナルの場合でも政府のほうの出資のしかたというのは非常に少ないんじゃないかというふうな感じがいたします。  したがって、この複合ターミナルのいま話が出ましたから、それの位置づけについてはどういうふうにお考えかを、ひとつ大臣にお聞かせをいただきたいと思います。
  136. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) いま問題にされております大阪南港の複合ターミナルのこの問題ですが、具体的な事情を、私よく知りませんので、具体的にはお答えができない。この点は政府委員からお答えをしたので一応御了承いただきたい。私もひとつ研究してみましょう。  ただ一般的、抽象的に申しますと、おっしゃるとおりだと思うんですね。そういったものが総合されて最も港湾機能が効率的に発揮されるように仕組むのが、海陸の輸送の接合点としての港湾の当然の仕事だと思いますから、抽象的におっしゃる方針については、私も同感でございます。  ただ具体的に、現実の問題として、各港湾についてそれをいますぐやろうとしましても、いろいろ既成の事実がありまして、なかなかそうすっきりした形ではまとまっていかないだろうと思うんです。ですから、これは現実の問題としては、具体的な事情に応じましてそういう方向で国も努力をする、港湾の管理者も努力をするというので、具体的に個々の港湾ごとに必要の度に応じまして具体的な計画を策定するようにお互いに協議を進めるというのが、いまの段階のわれわれの仕事じゃないかと思います。  で、おっしゃるように、それをついてどうも新しい考え方ですから、国の援助がいままでは少ないじゃないかというようなこともお考えでしょうと思います。これはごもっともだと思います。私たちは多少経費がかかりましても、さっきも申し上げましたが、そういう新しい経済事情、社会事情に応じましての設備というものは充実していくのが当然でございますから、まあ来年度新しい五カ年計画をつくります際には、何がしかそういったものを入れまして、この予算の要求もし、考えていかなきゃならぬと思っておるんでございます。もう少し事情を具体的に調べて、いまの五カ年計画の策定にあたりまして、そういったことができますようにしたいと思いますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
  137. 伊部真

    ○伊部真君 もう一つだけお尋ねをしておきますが、少し視野が大きくなるかもわかりませんけれども、これからの輸送というのは、物的流通というのは、いままでですと産業があって、それの付帯作業として、付帯的なものとしての物的流通構造というものがあったと思うんですよ。これはやはりそういう部分も残るでしょうけれども、そういう形であってはならぬと思うんですね、これからは。物的流通の部面がかなり産業構造の中に占める割合というのが大きいわけですから、したがって流通を主体にして産業が付帯されるという、そういう形になってくるんではなかろうか。あるいはまたなりつつあると思いますね。  たとえば高速道路の横に流通団地ができてくるとか、あるいはターミナルができてくるという形はそういうことだと思いますし、そういう形を考えますと、やはり先ほど言ったような共同一貫輸送というのが、何と言おうとも、これはそういう形になってくると思います。その意味で考えていきますと、港湾と道路との関係、あるいはターミナルとの関係というものが、やっぱり計画をされて、その構想が初めに出て、そして港湾工事というもの、あるいは道路工事というものになっていかなきゃいかぬというふうに思うわけです。  そこで私は、この間こんな話を聞いたんでありますが、武蔵野線ができた、なるほど新座はたしか年間百三十万トンですか、南越谷が百六十万トン、年間の扱い量が、大体そんなことで、それほどの膨大な扱い量を持つ駅ができるが、それと東京都内との道路はどうなっているのかと、トラックがほんとうにそれだけ配達する能力があるのかどうかと。瀬谷さんは新座のほうの御出身ですから詳しいと思うんでありますけれども、そういう道路と貨物駅との関係というものが非常に断絶をしているわけですよ。私はこの間建設省の道路局長に、あんたたちのほうにこういうことについて相談があったのかと、こういうふうに聞いたら、いやあという話なんです。私はこういうことでは――まあ事実どうなのかということを確かめてみないとわかりませんけれども、局長の話ではそういうことだった。こういうことでは、私は輸送全体が計画的であるとはいえないと思います。港湾工事の場合でも道路との関係についても、やはり建設省と相談があって、あるいはターミナルの関係では国鉄と相談をするとか、自動車ターミナルの関係があれば、それの所轄の官庁と相談をして、合議をして、そしてそこからその計画が進められ、工事が進められるという姿勢でなければいかぬと思うのでありますが、従来はその計画が非常に悪かったと言わざるを得ないんですが、その点では、こういう工事についての協議をされたのかどうか、その点をお聞かせをいただきたい。
  138. 岡部保

    ○政府委員(岡部保君) 港湾の事業につきまして、従来どうであったかと、たとえば国鉄との協議あるいは道路に関して建設省との協議、どうであったかという点につきましては、これは何と申しますか、たとえば先ほども御議論になった港湾計画の段階で、港湾審議会の場等々でもいたしますけれども、具体的な工事を実施するという事前には相当な詰めをいたしております。ただ、それでも先生のおっしゃったような事態がまだまだ発生いたしまして、たとえばこれは極端な例でございますけれども、神戸港で、いわゆるポートアイランドという島ができまして、そこからも新港埠頭の第四突堤に橋が、それこそ二階建ての道路橋がつながったわけでございますけれども、その道路の根元が阪神の高速道路につながるというものはまだできておりません。これは確かに同じ神戸市との中で道路部局と港湾部局との間の意思の疎通が十分でなかったという点、それから私どもも確かに建設省と相談をしながらほんとうの具体的な現地での、実施部隊での打ち合わせが悪かったというために非常におくれてしまったというような点、こういう点がございます。  したがって相当にやっておるつもりでも、現実の問題としてはまだまだ足りない点が出てくると思いますので、これからもそういう点は非常に注意しなきゃいかぬと思いますので、先生のお話、私、拳々服膺してこれからもやるつもりでございます。
  139. 江藤智

    ○理事(江藤智君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十六分散会