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1973-06-14 第71回国会 参議院 文教委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和四十八年六月十四日(木曜日)    午前十時五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月七日     辞任         補欠選任      星野  力君     加藤  進君  六月十四日     辞任         補欠選任      中村 登美君     西田 信一君      二木 謙吾君     青木 一男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         永野 鎮雄君     理 事                 久保田藤麿君                 楠  正俊君                 宮之原貞光君     委 員                 金井 元彦君                 塩見 俊二君                 大松 博文君                 中村 登美君                 濱田 幸雄君                 二木 謙吾君                 宮崎 正雄君                 小林  武君                 鈴木美枝子君                 松永 忠二君                 内田 善利君                 矢追 秀彦君                 萩原幽香子君                 加藤  進君    国務大臣        文 部 大 臣  奥野 誠亮君    政府委員        文部大臣官房審        議官       奥田 真丈君        文部大臣官房会        計課長      三角 哲生君        文部省初等中等        教育局長     岩間英太郎君        文部省体育局長  澁谷 敬三君        文部省管理局長  安嶋  彌君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        大蔵省理財局国        有財産第二課長  川崎 昭典君        文部省管理局助        成課長      西崎 清久君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正  する法律案(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 永野鎮雄

    ○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る六月七日、星野力君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 永野鎮雄

    ○委員長(永野鎮雄君) 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 加藤進

    ○加藤進君 六月一日の地元新聞に、こういう記事があります。新たに当選された本山市長が名古屋市内昭和区天白町にある天白中学を視察されたという記事であります。この学校は、分校を含めると生徒数が二千四百九十八名という名古屋市内でも第一のマンモス中学であります。校舎が足りないために、三年前からプレハブ教室四棟八教室も使用しており、地元からは何とかしてほしいという強い要望にこたえて本山市長が現地に視察に行かれたという記事であります。  そこで、いよいよ夏に入りましてプレハブ教室やあるいは教室不足に悩む学校、生徒の側ではたいへんな日々の状態を迎えると思うわけでございます。このプレハブ教室や不足教室の解消について文部省は現状をどのように見ておられるのか、また、この解消のための対策としてどのような方針を打ち出しておられるか、最初にお聞きしたい。
  5. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) プレハブ校舎の現状でございますが、四十七年の五月一日現在におきまして約四千二百教室があったわけでございますが、四十七年度の当初予算で約二千二百教室、四十七年度の補正予算におきまして約千三百教室、ほかに市町村の単独の事業といたしまして約五百教室の解消をはかりまして、四十七年度中に約四千教室が整備されたわけでございますが、したがいまして、その結果、四十七年度当初のプレハブ教室は約二百校程度残る。それ以外は一応解消されたということでございますが、四十七年度、さらに新たに約二千五百教室が増加をいたしまして、本年度の当初見込みといたしましては約二千七百教室のプレハブが残存しているという状況でございます。四十八年度予算におきましては、小、中学校校舎の整備費を増額をいたしまして、この事態の解消に努力をいたしているわけでございますが、昨年度来法改正を行ないまして、三年前向き整備ということも制度的に認めたわけでございますし、また、今年度におきましては、児童生徒急増市町村の校舎建築費の補助を三分の二に引き上げ、また、用地の補助の充実もはかっておりますので、こうした施策をあわせ遂行いたすことによりまして、プレハブ校舎の解消もさらに推進されるというふうに考えております。
  6. 加藤進

    ○加藤進君 文部省側の御説明を開きますと、万事この問題はうまく進行しつつあるというふうに受けとるわけでございますけれども、しかし、現に日本の有数の大都市である名古屋市内において、しかも、一番大きな中学においてなおプレハブ教室の解消が非常に難渋をきわめている。困難な事態に至っている。何とかしてほしいというので、再三市当局に大衆的な陳情や請願をやられている。こういう状態が現にあるわけでございますけれども、一体これはどこに問題があるのか、そういう点における問題点はどうか、こういう点を文部省側から御説明を願いたいと思います。
  7. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) プレハブが依然として残っております理由はいろいろあるかと思いますが、一般的に申しますと、プレハブ校舎が一、二学級というような場合には、一、二学級の校舎の本建築ということも、これはコストその他の理由によって不適当でございます。また、分離新設が予定されているような場合も、これもある程度不足がまとまりまして、一校の整備をするに必要なところまでそれが見送られるというようなこともございますし、また、基準の坪数が出ないために改築が進まないといったようなこと等が理由としてあげられますが、私どもの先ほど申し上げました施策によりまして、全般的に財政的な裏づけを強化し、この解消の事業がさらに進みますように努力をしておるわけでございます。
  8. 加藤進

    ○加藤進君 私は、地元の問題を特に取り上げておるのは、何も地元だからというんじゃなしに、全国的な人口急増地区における一つのモデルケースとして申し上げておるわけでございますけれども、ここに書かれておりますことを申し上げると、三年前からプレハブ教室、四棟八教室を使っている。三年前から使われておるわけですね。三年前からこういうことが今日なお続いて、しかも解決のめどまで立たないと、市長さん、お願いしますというようなふうに父母の声が出てくるのは、これはやはり文部省側にもそれなりの対策を進めておられるにもかかわらず、なおこの解決が十分にいかないという問題があると思うんですが、この実例一つをとって、いかがでしょうか、どんなふうに解決のめどが立つんでしょうか。
  9. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) それはきわめて個別の問題でございますので、どういう事情があるか、それは名古屋市教育委員会、愛知県教育委員会から十分事情を聞いてみたいと思います。そうでないと、ちょっと答えがいたしかねるということでございます。
  10. 加藤進

    ○加藤進君 私の指摘しているのは、三年も前からあるのに、すでに文部省がそれぞれの施策を進めておられると、解消のめどが立ちつつあるといわれておるわけですから、その中になぜこれが取り残されておるかという点を指摘したいわけでございますから、ぜひ、ひとつこの問題は名古屋市にまかせるということだけでなしに、実情を調査していただきまして、こういう典型的な問題の解決のために文部省は文部省なりの力を尽くすと、こういうふうにぜひ進めていただきたいと思いますが、その点あらためてお答え願いたいと思います。
  11. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、よく事情を聞いてみたいと思います。
  12. 加藤進

    ○加藤進君 それでは、最初に私が文部省側に質問したい点は、学校用地をどう確保していくかという問題でございます。  この点は、人口急増地域の問題ばかりでなしに、全国的な重要な問題として出されてきておると思いますが、去る四月の二日の日に建設省が発表いたしましたこの問題に関係する全国的な用地問題なんですが、三大都市圏と人口三十万以上の地方都市十八市の五千四百九十地点の地価公示価格が発表されました。これによりますと、この一年間で全国で平均三〇・九%の土地価格の値上がりがあるということを建設省は指摘しておるわけでございます。三大都市圏を地域別に見ますと、東京を中心とする圏内では三四%、大阪圏では二五・七%、名古屋を中心とする圏内では二五・七%となっておるようでありますけれども、いわゆるこういう人口急増地域の値上がりについて、これはまさに急上昇を今日、続けておるといわなくてはならぬと思いますけれども、この点、最初に文部大臣にお聞きしたいのは、閣僚の一人として、こういう地価の異常な値上がりというのは、その原因が、一体、どこにあるのか、どうすればこの値上がりを食いとめることができるのか、こういう所見をまずお尋ねしたい。
  13. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 問題は多岐にわたっていると思うのでございますけれども、基本的な一つの問題点としては、過剰流動性ということがよくいわれているわけでございますけれども、一面には、輸出が非常に伸展をした。この外貨を買い取るわけでございますので、その結果、金融が緩慢になると、同時に、多少、円の切り上げの問題などで中小企業対策を心配をいたしまして、引き締めよりもむしろ緩和をはかってきたと、あわせて私は非常に過剰流動性を促進したんじゃないかと、こんな感じを持っているわけでございます。その金が、かなり投機的な意味もございまして、土地に向かっていったということがかなり刺激したんじゃないかと、かように考えているわけでございます。その他あげれば際限がございませんけれども、そういうこともございまして、その反省の上に立って、現在、かなり引き締めを強めていっているということでございます。
  14. 加藤進

    ○加藤進君 建設省は、こういうふうな見解をとっておるわけですね。こういう地価の急上昇は、列島改造論が特に地方開発を呼び起こして、都心部以外の地価の大幅なアップをもたらしたと、これは建設省の指摘する主要な原因だと思いますね。事実、私は建設省のいわれるのが筋の通った見解だというふうに考えるわけでございますけれども、ともかく、日本列島改造論が出されて、これが拍車をかけて土地の買い占めや売り惜しみが行なわれると、土地投機が大規模に行なわれる、こういうことが相重なりまして今日の地価暴騰を呼び起こしたといってもいいと思いますけれども、文部大臣の立場から見て、それほど的確に政府の施策に対する批判めいたことは言いにくいとは思いますけれども、この建設省の見解というのは、文部大臣としても納得し、是認できる見解だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  15. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、その見解に対しましては疑問を持っております。やはり人口が都市に集中してきている。わずかなところへたくさんな人が集まってまいりますと、土地の利用度がふえてくるわけでございますので、自然、大都市の地価は上がってくると思います。そういうような対応策として、国土全域にわたる均衡ある発展をはかろうとする、これが私は日本列島改造のねらいであったと、こう考えるわけでございます。そうしますと、土地の供給というものは非常にふえてくるわけでございますので、元来、価格というものは需要と供給できまってくる、これはもう基本的な問題だろうと思います。そういう意味において、地価問題の解決の一つにもなるはずであった列島改造論が、過剰流動性のために金が余っている、その金が、将来どんどん土地が開発されるんだから、土地に投機しておけば間違いないというようなことで、私は、いまのような土地価格の高騰になった大きな原因がある、こう考えておるわけでございまして、金が流れていく先として、列島改造論がいい対象にされてしまったということは言えると思うのでございますけれども、私は、基本の原因は何かといいますと、列島改造論ではない。列島改造論は、むしろ、私は土地対策が非常に大きなねらいであったと、こう考えるわけでございます。土地の供給をふやす、そのためには、都市におきましてもできる限り高度利用をやっていこうということも一つのねらい、できる限り都市に集中しているのを分散させたいと、同時に、そのかわり、残った土地については高度に利用するような対応策を立てていきたい。そういうことによって土地の供給を実質的にはふやしていくというようなねらいもあったと思うのでございまして、これはまあ見解の相違でございますけれども、私はそういうような判断に立っておるものでございます。
  16. 加藤進

    ○加藤進君 私も、ここで土地騰貴の原因は何かという議論をこれから文部大臣とやるつもりはありませんけれども、しかし、今国会におきましても、この問題は非常に政府の中心問題として国会の論議を呼びました。そして、結論とするところは、建設省の指摘しておるような点がやはり中心問題であるということにほぼ一致しておるというふうに考えますから、その点は、ひとつ文部大臣もさらに政治の全般についてもう少し深い認識を持ってもらいたいということをまず注文いたしまして、次に移りたいと思います。  言うまでもなく、土地投機の問題をここで私が問題にするのは、これが直ちに学校の用地取得に大きな影響を及ぼし、作用をするという点でございますが、こういう土地の異常な暴騰に対応いたしまして、一体これから学校用地をいかに確保するか、こういう緊急、重要な問題が今日起こっておるわけでございますけれども、これに対して文部省の対策はどのように立てておられるのか、その点をお聞きいたします。
  17. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、児童生徒急増町村における用地の問題を解決いたしますために、昭和四十六年度からその購入費についての補助が行なわれているわけでございます。初年度二十億、四十七年度五十二億というふうに増額をしてまいりましたが、四十八年度予算におきましては、前年度に対しまして八九%増の九十八億円の予算を計上いたしております。面積で昨年度の三百六十三万平米を三百九十七万平米に、単価一万六千円を二万一千円に引き上げることによりまして、質、量両面の措置を講じ、この問題に対応したいというふうに考えておるわけでございます。
  18. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、いま実施されておる予算措置で大体十分だという御見解でしょうか。
  19. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 一応、これで対応できるというふうに考えておりますが、そのほかに地方債の措置、あるいは地方交付税の措置もございますので、そうした措置をあわせて小、中学校の用地取得の需要には対応し得るというふうに考えております。
  20. 加藤進

    ○加藤進君 それではお聞きしますけれども、この四十八年度予算で示された学校用地の平米当たりの単価はどれくらいになっておるでしょうか。
  21. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、平米当たり二万一千円でございます。
  22. 加藤進

    ○加藤進君 これは、前年度はどんなふうになっていますか。
  23. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 一万六千円でございました。
  24. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、このような国の単価に基づく予算措置が実際上市町村に行き渡る場合には、どれくらいの受け取り単価になるでしょうか。
  25. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 昨年の実績で申しますと、平米当たり二万一千円でございます。
  26. 加藤進

    ○加藤進君 それはあれですか、市町村が実際受け取る単価は二万一千円ということに理解するんですか。そうでなしに、いまおっしゃったのは、国の予算単価が二万一千円というふうに言われたと思いますけれども、それがまるまる市町村に渡るんですか。
  27. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 予算単価で二万一千円と申し上げましたのは、これは四十八年度の単価でございます。それから、同じ数字で二万一千円と申し上げましたが、四十七年度の補助金の前提になっておる執行上の実績単価が同じく二万一千円ということでございます。
  28. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、ちょっと計算をしていただきたいと思うんですけれども、どういう計算によって学校用地取得費の単価から市町村が実際受け取る単価になっていくのか、その点ちょっと御説明をいただきたいと思います。
  29. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) この補助の一般的な方式でございますが、まず、その坪数、面積につきましては、これは基準の面積がございます。その基準の面積と実際に買収した面積のいずれか少ない面積、それから単価につきましては、これは地価の公示価格またはその公示価格に準ずる鑑定価格と実際の買収単価のいずれか少ない単価、その面積と単価の相乗積につきまして交付率二分の一ということで、二分の一を町村負担にいたしまして、残りの二分の一を補助対象にする、その補助対象となったものにつきまして三分の一の補助をする、そうして、それを三カ年の国庫債務負担行為という形で交付をする、したがって現金の歳出は、当該年度について申しますれば三年分の三分の一ということになるわけでございます。
  30. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、いまの説明によりまして大体わかりましたけれども、四十八年度で国が出す学校用地取得費の単価は二万一千円、そうしてこれの足切り率というのが掛けられてその半分に落ちる、そうしてその半分に落ちたのに補助率は三分の一だから三分の一切られる。こういうことになりますと、数字計算からいって、この数字はちょっとおかしいじゃないでしょうか。どういうふうになりますか、その計算によってまいりますと。大体、平米当たり四千円足らずということに、結果において数字は落ちつくんじゃないでしょうか。それはどうでしょうか、いまの点。
  31. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 補助金の額といたしましては、ごく大ざっぱに申しますと、二万一千円の六分の一ということになるわけでございます。ですから、補助金の金額で申しますならば三千五百円くらいかと思いますが、しかし、さっき申し上げました二万一千円というのは、補助対象単価でございますから二万一千円と、そういう言い方をしたわけでございます。
  32. 加藤進

    ○加藤進君 ともかく、単価としては国の単価に足切り率がかかり、そして補助率三分の一がかかって、結局のところ市町村に渡る単価というのは内容としては一平米当たり三千円台だ、こういうことははっきり言えるわけですね。
  33. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 国の単価を基礎にしておるわけではございません。四十七年度の国の単価は一万六千円でございました。二万一千円というのは、これはちょっと四十八年度の単価と同じ数字なもんですから、そこはちょっとあるいは混同しやすいかと思いますけれども、私はいま四十七年の実績について申し上げておるわけでございまして、その実績が二万一千円だと、それは別に予算単価は一万六千円でございますから、それとはかかわりのない単価でございます。
  34. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、その予算単価が一万六千円で、そうしてそれが二万一千円になるといういわば数字的な計算のからくりは、一体どういうことになるのですか。もう一度説明してください。
  35. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) さっき申し上げましたように、実際の買収面積とそれから基準面積のいずれか少ない面積ということがまず面積の対象でございます。それから単価は実際の購入単価と地価公示価格、地価公示価格がない場合にはその準ずる鑑定価格のいずれか少ない額の相乗積が対象でございます。実際問題といたしまして、四十七年度の場合は当初予定をいたしました面積までその補助対象の面積が出なかったということで、予算単価は一万六千円でございましたけれども、実行は二万一千円で実施が可能になったということでございます。
  36. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、平米当たり二万一千円が事実市町村には渡っていると、こういうふうに見ていいですか。
  37. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) これは平均でございますから、先般松永先生にもお答えをいたしましたが、平米当たり最高は十三万六千円というのがございますし、最低は千二百円というのがございます。平均が二万一千円。それが補助対象単価であって、現実に渡っておるその予算の補助金額といえば、これはその六分の一であるということでございます。
  38. 加藤進

    ○加藤進君 そういう説明を聞いてもわかりますように、実際地価はどんどん上がっておる。特に人口急増地の地価の暴騰は異常なものでございますけれども、これにはたして現実見合っておるかどうかという非常に大きな問題が出てきておると思うのですが、たとえば東京都の住宅地で特に人口急増地の一、二をあげてみますと、町田市では公示価格で最高六万八千円、最低が二万七千円で、平均は四万一千円、八王子市では最高価格が六万八千円、最低が二万二千円、平均は二万七千円になる。東久留米にまいりますと、最高価格は八万二千円、最低が五万円で、平均は六万一千円、こういう数字的な現実があるわけであります。そうしてみますと、これはもちろん東京都だけでなしに、ほとんどの人口急増大都市周辺はそういう状態である、こういうわけでございまして、そういうことからいうなら、大体、平米当たりの地価は平均して五万円くらいになる、こういうのが現実の事態だと思うのですね。したがって、こういう現実の事態に対していろいろ手当ては尽くしておられるようでありますけれども、これがほんとうに現状に見合って、学校用地取得にはこれで足り得る、これで十分確保できたと、こう言える数字であるかどうかということが一番大きな問題になると思うのですね。したがって、単価の問題についてもっと真剣な検討を必要とするのではないか、こういうのが私の言いたいところでありまして、その点どのようにお考えになっておりましょうか。
  39. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、実際の執行は四十七年度の場合、平米当たり最高十三万六千円というものをも補助対象にいたしておりますし、また、最低は平米当たり千二百円というものを対象にしておる。実際の単価は非常なばらつきがあるわけでございまして、それにつきましてさっき申し上げましたような方式で補助金額の算定をしておるということでございます。ごくわずかの圧縮はいたしておりますが、ほぼこの単価で実際の執行が行なわれておるということでございます。したがいまして、いまお話の全国平均は五万でございましたか……。
  40. 加藤進

    ○加藤進君 全国というよりも人口急増地域の。
  41. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 人口急増地域約五万円であろうというお話でございましたが、人口急増地における校地の実際の買収がいま申し上げたように十三万円から千二百円という幅でもって行なわれておって、それぞれに対応した措置が行なわれておるというのが現状でございます。ですから、対応し得ておるということを言っていいかと思います。
  42. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、もう少し突っ込んでお聞きしたいのですけれども、たとえばいま申し上げました町田市でも八王子市でもそうですけれども、最近建てられる学校について具体的にこれこれの土地買収費がかかって、そして、そのために政府が補助をした額がこうなるというような計算は特定の学校についてできるわけだと思いますけれども、特定の学校でけっこうですけれども、そういう計算の数字をお示し願いたいと思います。
  43. 西崎清久

    ○説明員(西崎清久君) ただいま先生のお話の個個具体的な学校の用地買収の事例について私御説明申し上げたいと思います。  まず、八王子市で先ほど局長から単価十三万六千七百円ということを申し上げておりますが、この学校は八王子市立の第一小学校でございます。買収面積は二百八平米、これは拡張でございますので数字としては大きくございません。二百八平米の買収面積に対しまして買収金額が二千八百四十三万三千円でございます。それに対しまして交付申請額が四百七十三万八千円でございます。この点については、このとおりの交付決定をいたしております。八王子以外の点につきましては、先ほど町田市についてのお話が出ておりましたが、町田市につきましては忠生第六小学校というのが四十七年度の買収であがっておるわけでございます。この点につきましては買収面積が二千百七十平米でございまして、単価は四万五千円、買収金額が九百七十六万五千円でございます。交付申請額は百六十二万七千円ということになっております。それからさらに、東久留米についてお話がございましたが、これは一校でございます。神宝小学校でございます。買収面積はかなり大きいのでございまして、一万一千三百九十二平米でございまして単価が四万二千百円、全体の金額としまして四億七千九百六十万三千円、交付申請額としまして七千九百九十三万三千円でございますが、ほぼこのとおりの決定をいたしております。  以上でございます。
  44. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、八王子市の第六小学校ですか、この第六小学校では千二百七十平米で用地買収費は九百七十六万、これに対して文部省の補助は百六十二万ということですね、これは現実ですね。そうすると、あとの金は当然のことながら自治体が負うべきだ、こういうお考えになっておると思いますし、もう一つは、東久留米の例から言いますと、四億七千万以上かかる用地買収費に対して文部省は七千百九十九万、すなわち五分の一以下、こういうことですね。これが事実、文部省の出された用地買収費の補助ということですね。
  45. 西崎清久

    ○説明員(西崎清久君) ただいま先生おっしゃいましたように、補助のやり方といたしましては五割の足切りがございます。それから五割足切りしたあとで三分の一の補助をいたしますから、実質的には先ほど局長から申し上げましたように六分の一になるわけでございます。したがいまして、いま先生のおっしゃいましたのは町田市の例だと思いますが、九百七十六万に対しまして約百六十万でございますからほぼ六分の一。それから東久留米につきましても四億七千九百万に対しまして七千九百万円でございますからほぼ六分の一、そういうふうな考え方でございます。その他につきましては地方債その他において措置がなされておる、こういうふうな考えであります。
  46. 加藤進

    ○加藤進君 私が、率直に聞きたかったのはこの点なんです。事実、用地買収費には今日の土地価格の暴騰その他から見て非常に大きな額になっておる。ところが、文部省側の単価はそれに足切り率をかけ、さらに補助率を三分の一にすれば結局のところ市町村に届く費用は実際にかかる用地買収費の六分の一、こういうことでしょう。そうすれば、いうまでもなくそのあとは自治体まかせ、それにはいろいろ手だてはとっておられるでしょうけれども、現実には国の補助はここでとにかく終わる、こういう状態だということを私は特に文部省からはっきり説明してもらいたかったからこれまで申し上げたわけですけれども、こういう状態ではたして今日のような物価高騰、土地価格の上がるさなかで学校用地の買収が事実可能であるかどうか、そのために自治体がどれほど四苦八苦しておるかどうか、こういう現実の問題があるわけですから、この点で文部省が抜本的に従来のこういう補助のしかたを再検討して、実際の用地価格の高騰に見合うような文部省側の具体的な施策を進行さすべきじゃないかと、こう私は主張したいわけでございますけれども、その点について、たとえば補助単価を引き上げる、これも一つの私は考え方だと思います。補助単価を引き上げることができないかどうか、二番目には足切り率五〇%というのでございますけれども、こういう足切りというようなことをやめるということを文部省は真剣に考え得ないのかどうか。そして最後に補助率でございますけれども、補助率三分の一というのを何らかの意味でもっと引き上げていく、こういう手だてをとって自治体の困難をやはり文部省側としてともに打開していく、こういうことができないものかどうかというのが、私の言いたいところでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
  47. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、土地の単価は、つまり予算単価で切っておるわけではございません。したがって、補助単価を引き上げるという措置は、本年度、昨年度の一万六千円を二万一千円ということで約三一%引き上げた措置は講じておるわけでございますが、それがさらに足りないかどうかということは、これは四十八年度執行してみなきゃわからぬわけでありますが、しかし、四十八年度の場合におきましても二万一千円の予算単価で実際の買収単価を頭打ちにするということではございません。繰り返し申し上げておりますように、実際の買収単価または公示価格あるいは公示価格に準ずる鑑定価格のいずれか少ない額ということでございますが、実際問題といたしまして、公示価格あるいは鑑定価格はほとんど実勢単価に近うございますから、したがって、実績単価がほぼ補助対象単価になるということでございます。ただ、総額を計算いたしまして、非常な不足がくるような場合には、予算の範囲内に若干圧縮するということはございますけれども、考え方の基本はいま申し上げたようなことで予算単価で頭打ちをするということではございません。  それから第二に、交付率をやめる考えはないかというお話でございますが、これも繰り返し申し上げておりますように、土地に対する需要というものは、これは児童生徒急増町村だけではなくて、その他の一般町村でもあるわけでございます。その町村には何ら補助をしないで急増町村についてだけ補助をしておるわけでございますから、両者の均衡ということを考えますと、一般町村が負担しておる程度の土地についての負担は急増町村といえどもこれはお願いをしたい。そのことが両者の均衡を保つゆえんであろうという考え方でございます。  それから第三番目に、補助率を引き上げる考えはないかということでございますが、御承知のとおり土地というのは、これはいわば非償却資産でございまして、老朽化してなくなるという性質のものではございません。したがいまして、これに対する補助ということは、これはあくまでも特例であるというふうに考えておりますので、したがって、購入費の補助率三分の一というところは私ども妥当な補助率ではないかというふうに考えております。
  48. 加藤進

    ○加藤進君 局長の説明は聞きましたが、しかし、現実の数字からいうと、実際の土地買収価格と文部省側、政府側の出す補助との間にとにかく大きな差がある。この差は一体どこが負担するかということになりますと、いやおうなくこれは市町村の負担になる。自治体の負担になる。これは事実でしょう。その点について、私が特に学校用地の取得にあたっていま大きな困難に当面しておるのは、一方では土地はどんどん上がる、これに対応して従来のワクや従来の規格に基づいていくなら、結局のところ、六分の一程度の補助しか現実には渡っていかない。この間、一体市町村はどうしてこういう負担を解消していくのかという重大な問題に当面しておると思うわけでございますから、その点について特にお聞きしておるわけですが、それで重ねて聞きますけれども、この学校用地取得費の単価というのは、基準としてとにかく建設省の地価公示価格にほぼ基づく、こういうふうに見ていいんですか。
  49. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 予算単価は、これは建設省の地価公示価格に基づいて積算をしたわけではございません。これは従来の実績、つまり学校用地の購入に関する実績から見て、こうした三一%というアップ率を算定し、二万一千円という単価をきめておるわけでございます。が、繰り返しになりますが、その実施は、さっき申し上げたように、実際の購入単価または地価公示価格を基準にしてやっておるということでございます。ですから執行上の単価と予算上の単価というのは、繰り返し申し上げておりますように、違いがあるわけでございます。  それから町村負担の問題でございますが、これもさっき申し上げましたように、地方債なり交付税で措置が行なわれておるわけでございます。ですから、学校用地に関する財政措置は国としては補助金、地方債、交付税の全体をもって一体的にやっておるということでございまして、町村負担についてもそうした形での財政的な裏づけ措置がなされておるということでございます。
  50. 加藤進

    ○加藤進君 交付金やあるいは起債の点についてはまたあとで質問いたしますが、単価と足切りと、そして補助率というものが一つの体系になって、とにかく予算の執行に直接の影響を与えるということですから、私は、この点の十分な解決をはかってもう少し実情に合った国のほうの土地特に学校用地の買収についての措置をぜひ真剣にやっていただかなくてはならぬ、こういうふうに考えるわけであります。この点はなおもう少しこれからも別の機会に触れてまいりたいと思います。  続いて国有地の借地問題でございますけれども、最初にお聞きしたいのは、――大蔵省、いらっしゃいますか。学校用地について、特に公立小、中学校が国有地から土地を借りているという件数が大体どれくらいあるのか、面積数がどれくらいあるのか、ちょっと御説明願いたい。
  51. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 学校数で申しまして、小、中学校合わせまして八百五十一校でございます。面積は四百七十九万六千平米でございます。
  52. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、この件数は、昨年に比べてどんなふうに変化しているのでしょうか。
  53. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 昨年に比べましてほとんど変化はございません。多少ふえておる。といいますのは、学校用地につきましては、減額売り払いということで、売るほうが多いわけでございまして、貸し付けておりましたものが売り払いに転化するということがございますので、この貸し付け件数というのは数年にわたりましてそれほどの変化はない。ただ、昨年に比べますと、若干ふえております。
  54. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますとその借地料の総額なんですけれども、これは今年度はどれくらいになっておるでしょうか。
  55. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 今年度といいますか、前年度になるわけでございますが、二億五千三百万でございます。
  56. 加藤進

    ○加藤進君 前年度というのは、これは正確に申しますと昭和四十七年の三月三十一日というふうになりますか。
  57. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) はい。
  58. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、これは私の資料によりますと、昭和四十八年の三月三十一日現在では、三億二千五百九十九万というふうになっておるように私は見ますけれども、その点の数字は間違いでしょうか。
  59. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) ただいま御指摘の数字は、小、中学以外に高等学校その他を入れた数字でございます。
  60. 加藤進

    ○加藤進君 高等学校まで含めてみますと、いま言われたように、三億二千五百九十九万にのぼるということですね。そうしますと、高等学校を含めて前年度はどれくらいの借地料になるんでしょうか。一年前の借地料は。
  61. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) ちょっと正確なデータをいま持っておりませんけれども、借地料も年によってさほどの変化はございません。ごく少ない程度であると思います。
  62. 加藤進

    ○加藤進君 それじゃちょっとあとで調べていただきたいのですけれども、私の資料によりますと、昭和四十七年の三月三十一日現在では一億八千三百万、これが今日の昭和四十八年三月の段階では三億二千五百九十九万、こういうふうに急増しておるように見えるのですけれども、それは間違いかどうか。
  63. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) ただいま御指摘の一億八千三百万という数字は、大蔵省が所管しておる土地だけの、しかも小学校、中学校だけの貸し付け料でございます。で、国有地には大蔵省以外に、所管がたとえば林野庁といったようなものがございますので、それ以外の分が高等学校を含めますと、多くなるんでございまして、大体三億というのが正確な数字でございます。
  64. 加藤進

    ○加藤進君 それじゃ借地料としては昨年に比べてそれほど急増しておるというふうに見なくてもよろしい、見る必要はないということでしょうか。
  65. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 四十六年度と四十七年度を比較しまして、それほどふえないと考えますが、四十七年度と四十八年度と比較すればちょっとまだ何とも申し上げられません。若干ふえる要素がありはせぬかと思っております。
  66. 加藤進

    ○加藤進君 それはどういう理由でしょうか。
  67. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 国有地の貸し付け料というのはやはり改定を行なっておりますので、学校用地の国有地の貸し付けの場合に大蔵省では改定を行ないましたので、場所によっては一・三倍程度になっておるところもございます。したがいまして、トータルをとりますと、四十七年度、四十八年度においては若干ふえるであろう、というふうに考えております。
  68. 加藤進

    ○加藤進君 とにかく公立小、中学校あるいは高校を含めても三億をこえるような借地料を毎年国に払う、こういうのは教育上から見てもあるいは学校そのものの経営、運営からいってもたいへん大きな問題ではないかと、こういうふうに思うわけでございますけれども、今度出されました「国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案」、これは今度国会に出ておるわけですけれども、この場合に、小、中学校の用地についてはどんな措置がとられるのか。
  69. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) いわゆる人口急増といいますか、そういうところとそれから激甚災といいますか、著しい災害があったところ、そういったところに政令で定めましてある期間無償貸し付けをすることができる道を開くように考えております。
  70. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、一般の小、中学校用地については特別の配慮は今回してないと、こういうことですか。
  71. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) ただいま提出をいたしてります法案には直接載っておりませんけれども、一般的には五割減額ということでずっとやっております。これは売り払う場合にも五割減額、貸し付ける場合にも五割減額でございます。また場所によりまして、先ほど言いました激甚災、人口急増といったようなところには七割減額という措置もございます。それからまた、地域によりまして旧軍港市といったようなところでは無償譲与、また沖繩県といったようなところでは沖繩県の復興のための特別振興法というのがございまして、これも振興計画にのっとりました学校建築事業である場合には、無償貸し付けとか、無償譲与とか、そういういろいろな手段がございますので、今回の法律では、先ほど言いました無償貸し付けの道を開くという程度だけでございます。
  72. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、あとはケース・バイ・ケースということですね。
  73. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) はい。
  74. 加藤進

    ○加藤進君 この問題について昨年の参議院予算委員会で問題が出されました。これは大臣も御存じのことだと思いますけれども、わが党の岩間議員の質問に対して佐藤前総理がこう答えていますね。これは議事録がありますけれども、議事録によりますと、佐藤総理は、岩間議員がこういう公立小、中学校への国有地の借地料は無料にすべきではないかと思うがどうかと、こういう質問に対してこう答えていますね。この点はもっと文部省も自治省と協力して、公立学校そのものが一体どれくらい国有林野、国有財産、国有の土地を使っておるか、いまそういうものを明確にしていかないと、これをいまここで云々することはちょっと材料に不足するけれども、たてまえは、まさしくおっしゃるとおり教育を大事に考える、そういう立場からもっと前向きに処理されてしかるべきだと、かように私は思っております。まあ、こういう点で、前総理はこの問題は教育にかかわる重要な問題だから、前向きに処理してしかるべきだと思うという意味で検討するということを確約しておられるわけでございますけれども、この検討は一体どうなったんでしょうか、この点をちょっとお伺いしておきたい。
  75. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 具体的には、沖繩におきまして、振興開発計画の学校等に無償貸し付けとか無償譲与をするといったこと、それから今回の国有財産法の改正案、そういったものにあらわれておるかと思います。また、実行上この趣旨でいろいろやってまいりまして、御承知だと思いますが、立川飛行場といったような大きなところがございますが、これは返還されるという予定になっておりまして、その努力をしておりますが、返還に先立ちまして一部小学校用地とするために、一部だけ小学校用地として先に返還してもらったというような事例もございます。
  76. 加藤進

    ○加藤進君 大蔵省の説明をお聞きしましたので、文部大臣にお尋ねいたしますけれども、とにかく国有の土地を借りると、しかも借りる相手は小、中の公立学校、こういう点から見てどうも国民も納得しがたいし、おそらく教育に関係しておられる方たちも納得しがたい点があると思うのですね。この点で、事柄は義務教育そのものにかかわる重要な問題でございますし、しかも学校の経営、学校の建設が非常に今日困難な状況にあるという点から言うなら、少なくとも国の施策として、国の借地料程度のことは免除してしかるべきではないかと、こういうふうに私は特に思うわけでございますけれども、文部大臣はその点はどうお考えになられるでしょうか、御所見を承わりたいと思います。
  77. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほどおっしゃいましたようなこともございましたりして、大蔵省、自治省、文部省、三省間で話し合いをいたしました結果、結論として、今回、国有財産法の改正案が大蔵省から国会に提案されているわけでございます。国のものを地方公共団体に対して無償で提供していく、地方公共団体も必要に応じて国に無償で提供していくというような行き方も一つあると思うのであります。しかし、現在の体系はそうなっておりません。そういうこともございまして、結論として、義務教育全体に広げたいけれども、まず今回の措置でこの際としてはやむを得ないという判断をいたしまして提案に至ったような次第でございます。
  78. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、文部大臣の見解としても、ぜひ今後はこういう国からの借地料についてはこれをさらに軽減し、あるいはこれを全廃するという立場に立ってひとつ努力されるというふうに理解していいでしょうか。
  79. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、地方公共団体が国に対してどういう態度をとるか、国が地方団体にどういう態度をとるか、私はやっぱり相関連するのじゃないだろうかという考え方を持っておるわけでございます。基本的には私は先ほど申し上げましたように、相互に便宜を提供し合う、できるなら有償じゃなしに、無償で便宜を提供し合うというような姿勢が望ましいのじゃないか、こういうふうな考え方をいたしておるわけでございます。
  80. 加藤進

    ○加藤進君 次に、国有地の払い下げの問題ですけれども、大蔵省にお尋ねします。  国有地の払い下げの中でどれくらい小、中学校に払い下げられる分があるのか、数字がございましたら。
  81. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 学校用地として払い下げしましたものを、実は残念ながらずっと昔から統計をとっておりませんので、ただいまはっきりございますものが、昭和三十一年からでございますが、昭和三十一年から現在までに学校用地として払い下げをしましたのが八百六十六万七千平米ということになっております。
  82. 加藤進

    ○加藤進君 国有地の払い下げについても、先ほどの借地料と同様でございますけれども、できる限り学校教育のために最優先的にとにかく払い下げを進める、こういういわば基本をぜひ大蔵省にもとってほしいと思うんですけれども、文部大臣もその点については、私は御異論はないと思いますけれども、御所見だけお聞きしたいと思います。
  83. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 地方公共団体は、住民全体の福祉の増進を目的にして努力をしているわけでございますので、他のいろんな用途利用が競合します場合には、地方公共団体を最優先していただきたい、こういう考え方を持っておりますし、大蔵省も元来そういう気持ちで運営していただいていると、こう考えているわけでございます。
  84. 加藤進

    ○加藤進君 その点、一つ大蔵省に最後に御所見を聞いておきたいと思います。
  85. 川崎昭典

    ○説明員(川崎昭典君) 最近、国有地に対する需要が非常に多うございます。しかも、公共的な需要が多いわけでございます。たとえば、公園とか学校といった需要が多いわけでございますが、私どものほうとしましては、地方公共団体の希望をよく聞きまして、学校とか公園緑地、そういったものを最優先に扱いたいと考え、ずっとやっておるわけでございます。
  86. 加藤進

    ○加藤進君 それでは次に、超過負担の問題についてお聞きしたいと思います。  これは、私は昨年もこの問題を本委員会で取り上げました。なぜ超過負担がたびたび問題になり、あるいは問題にせざるを得ないかといえば、言うまでもなく超過負担によって、市町村がどれだけいま財政的な困難におちいっておるのか、これは市町村財政そのものの問題として深刻であるばかりでなく、その結果どれだけ教育施設、学校の建設整備がこのためにおくれ、あるいは困難に当面しているかという問題だからであります。さきに見たように、人口急増地の市町村では、学校用地の取得費でほとんど手一ぱいで、そのために教育条件の整備にはほとんど手が回りかねる。ところによってはプレハブ校舎等々が多数存在するというような意味で、普通教育を行なう施設かと疑われるような状態にまでなっておるということは、これはもう文部省側もよく御存じのとおりだと思います。地財法の規定にまで反して、国の行なう超過負担の押しつけということが義務教育の施設整備について、この条件、環境を悪化させる原因になっておると私は考えるわけでございますけれども、こういう状態を一刻も早く改善していかなくてはならぬという立場から、実は重ねてこの超過負担問題を質問申し上げるわけであります。  まず初めに、四十八年度の予算の中で、初めて単価の中に超過負担の解消分というのが組まれましたね。これは一つの私は前進であろうと思っておりますが、超過負担を引き起こす原因のおもなものは、一体どういうところにあるのか。こういう点について文部省側の説明をお願いしたいと思います。
  87. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 超過負担の実態調査が大蔵省、自治省、文部省等合同で行ないまして、その結果、単価につきまして約一三%、面積につきまして約三一%のいわゆる超過負担があるということが明らかになったわけでございます。  まず、その単価の一三%でございますが、このうち国が負担対象といたすべきものといたしまして六・七%、残りの約六・四%はまあ従来どおり市町村の負担というふうな仕分けをいたしたわけでございます。国が負担対象とすべきであると考えましたのは、この標準工法の改善による単価のアップでございます。御承知のとおり、この単価は一定の標準的な工法を前提にいたしまして、単価を決定しておるわけでございますが、時代の進歩とともに、この標準工法の内容の改善もはかっていかなければならぬということで、それに対応した措置が今回行なわれたわけであります。一例を申しますと従来の単価では、床は単なるモルタル塗りでございましたが、今回はこれをアスファルトタイルにする、あるいは窓ワクは従来はスチールサッシでございましたが、これをアルミサッシにするといったような内容的な改善をはかりまして、そのことによって国の補助単価を六・七%引き上げた、この六・七%を二カ年で改善するということで、今年度は三・三五%改善をはかっておるわけでございます。  なお、残りの六・四%でございますが、これはたとえば床でございますと、アスファルトタイルではなくして、フローリングブロックにするとか、あるいはモザイクタイル張りにするとか人造石のとぎ出しにするとかいったようなことが現実にあるわけでございますが、そこまでは国の負担対象にはいたしかねるということで、そうしたものを除外をいたしました。その分が六・四%ということでございます。単価についての超過負担の解消はそうした措置を講じておるわけであります。  それから面積につきましては約三一%のいわゆる超過負担があるということでございますが、特別教室を中心にいたしまして、小、中学校校舎につきまして二〇%の基準面積の引き上げを行ないまして、この問題に対応したというふうに考えておるわけであります。
  88. 加藤進

    ○加藤進君 私は、この前文部省にこの超過負担の問題を尋ねたときに、文部省側の答弁としましては現在超過負担というものはない、こういう御答弁がありました。これに比べて今回、文部省、自治省、大蔵省の共同の調査によって超過負担が現に存在する、そのために何らかの措置をとらなくてはならぬというふうに、前向きに進められたことは私は前進だと思います。ところがこの超過負担問題に関しまして、昭和四十六年十一月三十日に出されております全国知事会の政府に対する要望書を見ますと、四十六年段階においても非常にこの超過負担が大きくて、この現状について強い要望が出されておるわけであります。この調査によりますと昭和四十年度の国の調査結果と比較してみると、きわめてこの超過負担の解消がなされていない、こういう点が指摘され、引き続いて補助単価の是正、補助対象範囲の拡大等々の補助基準を地方の実情に即するように改善し、積極的に超過負担の解消措置を講じてほしいと、こういう問題の提起がありまして、具体的に、じゃ、どのような超過負担の状態かという点を数字においてあらわしておりますけれども、義務教育施設だけをとりましても、単価差における超過負担率は二〇・一%、超過負担額は百九十三億、それから数量差につきましては三四・八%、額につきましては三百三十四億、こうなっています。合計しますと、両方合わせて超過負担率は実に五四・九%、半分をこえている。そして、額につきましては五百二十七億に達する、こういう点の指摘が全国知事会の調査、しかも、これが昭和四十六年十一月段階において指摘されておるわけですけれども、この点で今回の調査と比べましてなお非常にそこに差があるという点を指摘せざるを得ないわけでございますけれども、この食い違いは一体どこから起こっておるのか、全国知事会の調査そのものが決して十分でないというふうに言うのが正しいのか、この点の実情は、むしろ全国知事会の指摘されておる点が本来の実情なのか、その点は文部省としてどう考えておられましょうか。
  89. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ただいまお話がございましたこの全国知事会議の調査は、各都道府県ごとに小、中学校とも各六校のサンプルをとりまして調査をし、全体に推計をしたものでございます。必ずしも私どもは実態を正確に把握しているものだというふうには理解をいたしておりませんし、知事会自体もこの調査の根拠につきましては必ずしも確信を持っておるということでもないようでございまして、私どもが先ほど御説明を申し上げました内容は、これは補助事業につきましての悉皆調査の結果でございまして、数字といたしましては私どもの調査のほうが確実であるというふうに考えております。なお、先ほど申し上げましたように、この調査には自治省も参加をいたしておるわけでございまして、そういった地方の実際を踏まえた役所も参加した上での数字でございます。私どもは先ほど御説明申し上げました数字が実態であろうというふうに理解をいたしております。
  90. 加藤進

    ○加藤進君 この点につきましては、数字的な根拠がどちらが正しいかということを私自身が申し上げることは避けますけれども、現実にはこのような負担に苦しんでおられるということは、これはもう実態だと思うのですね。そういう点から見まして、今回の調査結果に基づく政府側の措置そのものについての若干の前進面は認めますけれども、にもかかわらず自治体側の要望にはまだほど遠いという現実もまた認めざるを得ないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。しかも、特にこの時点から比べてさらに異常な物価の値上がりが今日行なわれております。これは建設省の調査によりましても、卸売り物価指数が非常に各種高騰を続けております。とりわけ建設資材、特にさらにこれに加えて建設労賃の上昇等等が出てきておるわけでございますから、卸売り物価指数のこれだけの上昇が今日続いてきておる。昨年に比べてさらにことしはこの上昇率が高い、こういう点から考えてみまして、しかも、この卸売り物価指数に加えて消費者物価の点から言うなら、おそらくこの三倍になるであろうというほどの物価の値上がりが今日行なわれておるわけであります。六月十三日、きのうの新聞によりますと、卸売り物価は十六カ月の間連続的に高騰を続けてきている、こういうことが指摘されておりまして、いまや再び騰勢は強まり始めている、こういう点であります。こういう現状を私たちが考えてみますと、いま政府、文部省がこれに対応するような超過負担の解消措置をたとえとられたにしても、なおかつ、このような事情が進行しておる状況でございますから、当初の四十八年度予算の積算単価ではこの超過負担の解消そのものが非常にむずかしくなってくるのではないか、こういうふうに私たちは懸念するわけでございますけれども、その点についての見通しと御判断はいかがでございましょうか。
  91. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 資材、労務費の動向につきましては、大勢といたしましては御指摘のような傾向かと思いますが、木材は昨年の十二月をピークにして下向いておりますし、丸鋼、形鋼も本年二月をピークにいたしましてやや下向いております。そういった全体の動向がございますし、かつまた農林省、林野庁、通産省等におきましても資材の確保等につきまして各般の措置を講じておりまするし、また、経済政策全体につきましても、これまた各種の施策が現在進められておるわけでございます。したがいまして、この問題自体は私どもも苦慮いたし、憂慮をしておる点でございますが、そうした各省の施策あるいは努力が続けられておりまする段階でございますので、いましばらくこの事態の推移を見て対処してまいりたいというふうに考えております。
  92. 加藤進

    ○加藤進君 私は、知事会の指摘をそのまますなおに受けて、単価差による超過負担の解消についてもさらに十分な配慮をされていただかなくてはならぬと思いますが、特に数量差、とりわけその中の面積差による超過負担の問題でございますけれども、この問題については、今度二〇%のアップという施策を打ち出しておられるわけですけれども、その内容はどんな内容になっておるでしょうか、御説明を願いたいと思います。
  93. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 小、中学校の基準改定につきましては教室関係に重点を置いております。標準規模の十八学級の学校の場合でございますが、特別教室の準備室、特別活動室、更衣室等の新設、それから視聴覚教室、図書室の面積増を織り込んでおります。特に六学級以下の小規模学校につきましては面積を大幅に引き上げることといたしましたし、また、管理関係の諸室につきましても便所、洗面所等の面積の増加を行なっております。以上の改善によりまして平均して二〇%の基準面積の改善を行なうことにいたしておるわけでございますが、このことによって教育水準が向上し、町村の財政の負担が軽減されるということを期待をいたしておるわけでございます。具体的には、本法律案が改正後政令を改正して対応いたしたいというふうに考えております。
  94. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと、改正の補助面積によると超過負担はなくて済み得る、こういうふうに文部省は考えておられますか、その点はどうでしょうか。
  95. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、超過負担は面積差におきましては約三一%ということでございますが、小、中学校校舎の基準改定は、ただいま申し上げましたように、二〇%ということでございます。もちろん、今後ともこうした問題には前向きで大いに努力をしてまいりたいというふうに考えておりますが、町村が現実に整備されておるものを見ますると、そのすべてを国の補助対象として取り上げることが財政上の観点等からも直ちには困難だということがございますので、本年度は二〇%の基準改定ということにとどめたわけでございます。まあ小、中学校校舎の不足につきましては、先ほど来お話がございましたように、プレハブ解消とか、そうした量的な不足に対応しなければならないという課題も一方にあるわけでございまして、やはり質的な改善と量的な充実、その双方の課題に対応するという観点からいたしまして今回は二〇%程度の引き上げということにいたしたわけでございます。
  96. 加藤進

    ○加藤進君 そこで、いま改正の補助面積と文部省の出しておられる学校施設指導要領にいわれておる適正面積と比べて、今回の補助面積はどんなふうになっておるのか、その比較をひとつお答えいただきたい。
  97. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 学校施設指導要領のいわゆる適正基準案でございますが、これは昭和三十九年、約十年前に作成されまして、四十二年度から設計審査等におきまする指導助言の基礎といたしまして使用されておるわけでございますが、その内容は現行基準に比べまして、小学校十八学級の場合は約二八%増し、中学校十八学級の場合は二五%増しということでございます。今回、このうちで、と申しますとやや不正確でございますが、二〇%の改善を行なったわけでございますから、かなり坪数といたしましてはその目標に近づいたということでございますが、ただ、個々の内容に入ってみますと、たとえば小規模学校における特別教室、それから中学校の器材・器具庫、更衣室等は、これは適正基準案には含まれておりませんけれども、今回の改定案には私どもが含めたいと考えておるものでございます。  それから、視聴覚教室なども適正基準案では一教室ということでございますが、十八学級小学校の場合では、私ども二教室分を積算をしたいというふうに考えておりまして、内容的にむしろその適正基準以上のものを織り込んだ部分もあるわけでございます。それでは下回っている理由は何かと申しますと、これはやはり廊下面積やあるいは管理関係の諸室につきましてなおやや不足があるということでございます。教室関係につきましては適正基準以上のものを盛り込んだ部分もあるわけでございます。
  98. 加藤進

    ○加藤進君 具体的に聞きますけれども、十八教室の場合、ここに数字が出ていますね、十八教室の場合何平米という数字が出ている。二十四教室の場合は何平米と出ていますね。この平米に対してあれですか、改正指導要領のその数字は、十八教室の場合二八%増し、二十四教室の場合に二五%増しであると、こういう改定数字が出てきておるわけですか。その点ひとつ、私はまだそれを持っておりませんけれども、どうでしょうか。
  99. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、政令でこれを定めたいというふうに考えておりまして、本法案の通過後にその措置をとりたいというふうに考えております。御承知のとおり、現行の政令は現行の法律に基づきまして基準面積が木造ということになっておるわけでございますが、今回は実態にあわせまして、木造が基準ではなくて鉄筋を基準にしたいという改正をお願いをしておるわけでございます。したがいまして、その改正が通りましたならば、鉄筋を基準にした新しい面積を示したいということでございまして、したがって、この法律成立を待って政令を出したいということでございます。内容的には小学校の十八学級の場合、現行の鉄筋でございますと約二千九百平米程度でございますが、改定案では三千五百平米、二割増し程度にしたいと思います。適正基準案でございますと、三千八百平米ということでございます。
  100. 加藤進

    ○加藤進君 その面積の数字から見ましても、学校施設指導要領に示された数字をやっぱり下回っておるということはこれは事実でしょうね、その点はどうですか。
  101. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 数字を比較いたしますと下回っておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、廊下とか階段とか、そういった点を除きますと、全体といたしましてはほとんど適正基準を、つまり中に多少の出入りはございますけれども、廊下、階段等を除きますと、ほぼ適正基準の全体面積に近い形になっております。
  102. 加藤進

    ○加藤進君 そうしますと今回の改正の補助面積には、この学習指導要領でいわれておる、理科教育の場合にどの理科教室にも準備室はつける、こういうふうに今度は改正されておるのでしょうか。
  103. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり理科教室につきましては十八学級の場合、三十四平米の準備室をすべて整備するような積算にいたしております。
  104. 加藤進

    ○加藤進君 十八学級の場合はお聞きしましたが、もっと学級の規模の小さい学校も多々あるわけですけれども、そういう学校のすべてについて、理科教育の場合に必要な準備室をつくる、こういうのが今度の改正案なんでしょうか。
  105. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 小学校の場合、六学級の小学校の場合は準備室は積算をいたしておりませんが、十二学級になりますと、十八学級の場合と同じ三十四平米の準備室を積算をいたしております。小規模学校でございましてももちろんこうしたものの必要性はあるわけでございましょうが、学校規模に応じましてその準備すべき器材の量等も少ないわけでございますので、その他の方法によって一応カバーできるであろうという前提でこうした措置が行なわれているわけでございます。
  106. 加藤進

    ○加藤進君 いま、十二学級ということをおっしゃいましたけれども、十二学級以上はとにかく理科教室に準備室をつくる。しかし十一学級、十学級あるいは八学級というのもございますけれども、そういう場合についてはやはり十二学級以上と同様なんでしょうか、それとも違うのでしょうか。
  107. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げておりまするのは、これは基準面積の積算と申しますか考え方でございまして、現実に準備室がそれでは十一学級の学校にはできないかと申しますと、これは基準坪数の範囲内で建築することはもちろんあり得るわけでございますが、積算としては含まれていないということでございます。
  108. 加藤進

    ○加藤進君 積算として含まれていないということは、学習指導要領にはとにかく準備室は必要だということが出ていますし、また、国会での答弁につきましても、その点について準備室は必要だという答弁を私たちはいただいておるわけでございますけれども、にもかかわらず、規模の小さい学校には学習指導要領そのものに従わなくても、とにかく準備室はなくてもよろしいと、結果においてはそういうことに落ちつくわけですけれども、そういういわば学習指導要領に基づいて正しく準備室をつくる学校と、いろいろ事情はあろうけれども、つくらなくても文部省のほうで何らこれについて特別のことを注文しない学校と、こういう二つの種類の学校がこれによってできるのじゃないでしょうか。
  109. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ちょっとおことばでございますが、学習指導要領ではなくて、施設指導要領のことかと思いますが、この施設指導要領は、これは先ほども申し上げましたように、三十九年につくられまして、その後指導助言の資料ということでかなり望ましいという姿で各施設をお示しをしておるわけでございます。したがいまして、もちろん、それは準備室があるにこしたことはない、あったほうが望ましいということをお示ししておるのでございまして、ぜひともつくれという強制的な趣旨でこれをお示しをしておるわけではございません。
  110. 加藤進

    ○加藤進君 私は、施設指導要領と学習指導要領と混同しているわけじゃないのです。学習指導要領に基づいて学習計画が行なわれ、各学科の教育指針が出されておるわけでしょう。そういう中での理科教育の場合に、準備室がなくていい学校と、準備室をつくる学校と、こういう格差ができるのは教育の機会均等の精神から見てもこれは正しくないじゃないか。なぜ学校規模が小さいところにはそういう点の措置がとられておらないのか、この点をなぜ改正の補助面積の中には組み込まれて実施を進めていかないのか、こういう点を私は指摘をしておるわけですけれども、その点はどうでしょうか。
  111. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、もちろん、そういうものがあったほうがいいということはおっしゃるとおりだと思いますが、小規模の学校の場合は比較的そうした器材も量的には少ないわけでございます。理科教室の一部に戸だなを置いて格納するということもこれは可能かと思います。そうした施設使用の効率等を考えますと、今回はこれを見送らざるを得なかったということでございます。
  112. 加藤進

    ○加藤進君 そういう文部省の管理局長の答弁では、現状知っている人はほんとうに困るのですよ。準備室はそんな廊下のすみに置いておけばいいというようなものじゃございませんし、もしそんな管理状況だったらこれはまたたいへんです。これは理科教育の場合にこういう点から見て私は学習指導要領に基づいて正規に理科教育を行なう場合には、準備室が必要だということは、学習指導要領自身の趣旨であるし、国会答弁でもちゃんともうたとえば高見元文部大臣もこれが必要であるということを答弁しておられるわけです。この趣旨に基づいて適正面積というものが出されて当然なわけですけれども、今回もその点についてはおろそかにされているのはどういうわけかと、こういうことを指摘しておるわけですけれども、その点重ねてお答え願いたいと思います。
  113. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、こういうものは必要ではないということを申し上げているわけではございませんで、あったほうが望ましいということは申し上げておるわけでございますが、しかし、そうした施策はこれは漸を追ってやりたいということでございまして、従来は十二学級の学校にも、十八学級の学校にも、二十四学級の学校にも準備室の積算はございませんでした。理科教室だけでございましたが、それを今回の改善によりまして十二学級以上の学校につきまして理科教室の準備室を積算をしたということでございまして、漸を追ってそうした改善をはかっておるということで御了解をいただきたいと思います。
  114. 加藤進

    ○加藤進君 いや、私がこの点を特に強調するのは、とにかく文部省の一貫した方針として学習指導要領には法的な拘束力がある、こういうことでしょう。これが大義名分、たてまえです。そのもとで理科教育を実施していくためには準備室は必要だという結論が明確に出ているわけですね。その必要性はもうすでに答弁の中にも出ています、必要だということは。しかし、それを学校の規模によって区別する。ある部分努力して今回はつけた。つけるのはあたりまえのことをやらなかったんでしょう、いままでは。金がかかるからでしょう。金がかかるからやらなかったんです。学習指導要領に違反しているんですよ、文部省自身が。そういうことをやりながら現に必要な準備室まで金を用意しない、これが私は問題だというんです。私は、何も学習指導要領に法的拘束力はないですから、これはひとつ現場の教師諸君の弾力的な運用にまかせてけっこうですとおっしゃるなら、またこれもこれで考えようがあります。しかし、学習指導要領に、法的な拘束力があるということを強調しておられる立場からいうならば、私はそういう答弁は許されないと思うんです。この点文部大臣いかがでしょうか。
  115. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 理科教室に準備室を設ける、これは大事なことだと私も思うわけでございます。だんだんナショナルミニマムを維持するために国庫補助対象の拡大をはかっていかなければならない、今回、九年ぶりじゃないかと思うんですけれども、二〇%広げさせていただいたわけでございます。その二〇%を拡大したのを基礎にしてどこまで補助対象に取り上げられるか、そういうことから、いま伺っておりますと、準備室が十二学級の学校までは補助対象にできると、こういうことになってきたわけでございます。したがいまして、それ以下の学校につきましては、遺憾ながらなお補助対象にできない、将来二〇%また改定して広げていく際にはぜひそれも補助対象に取り上げていきたいと思います。したがいまして、地方債の金額を計算します場合には、いまおっしゃいますように、理科教室の準備室も当然その金額の算定の中に入れてもらう、これが大切じゃないかと、かように考えているわけであります。なるたけ早い機会に補助対象に取り入れられるように努力していきたいと思いますけれども、さしあたっては必要な地方債資金の場合にはぜひその額を算入していくということが大切だと、かように考えるわけでございます。そういうことを通じまして御指摘のようなことが円滑に準備できますように文部省としても努力をいたしたい、かように考えるわけでございます。
  116. 加藤進

    ○加藤進君 問題は準備室だけではないのでございまして、さらに、音楽教室あるいは学校図書館等々の取り扱いについても、やはり文部省はほぼ同様なやはり態度と見解をとって今日まできておられるんじゃないか、この点についての改善についてどうお考えになるか、御説明を願いたいと思います。
  117. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 基準改定につきましては、平均二〇%という改善をはかりたいと考えているわけでございますが、学校規模によりましてはむしろ差等があるわけでございまして、六学級の小学校の場合は、この改定率が二六%というふうにいたす予定でございます。それから十二学級の場合は、この改定率を二四%というふうにいたす考えでございまして、小規模の学校につきましては標準的な学校以上に面積につきましては特に配慮をいたしておるつもりでございます。  ただいま特別教室の具体的なお尋ねでございますが、従来は一学級から五学級までの学校におきましては音楽教室が積算されておりませんでしたが、これを一教室積算をすることにいたしております。  それから、従来は六学級から十一学級の学校につきましては図画工作の教室が積算されておりませんでしたが、これを新たに算入をするといったような措置を講じておるわけでございまして、全体といたしましては小規模学校につきましてかなり配慮はいたしたつもりでございます。
  118. 加藤進

    ○加藤進君 学校図書館についてはどうですか。
  119. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 視聴覚教室、図書室等についてお答えを申し上げますと、小学校十八学級の場合は現在は器材、器具の置き場、それから図書の収納スペースという広さを考えておったわけでございますが、今回の改定におきましてはそれぞれ多人数でテレビ等が視聴できるスペース二教室分と、閲覧室のスペース一教室分を確保するというような改善措置を講じておる次第でございます。
  120. 加藤進

    ○加藤進君 学習指導要領総則の二ページにこうありますね、「教科書その他の教材・教具を活用し、学校図書館を計画的に利用すること。」学校図書館の設備のないところで計画的に利用できますか。これは例外なしに実施しなくてはならぬ目標として私は総則にうたわれておると思いますが、これが今回の補助面積におきましても、実施を忠実にやられていないというところに問題があるんじゃないかと思います。なぜ、これを忠実に文部省は実施して音楽教室あるいは学校図書館の設備についてもこれを補助面積にしっかり加算するという措置をとられないのか、そのことを徐々に改善するなどというふうに言われますけれども、それでは私は学習指導要領自身が泣きますよ。あなたたちの振りかざしておられる学習指導要領自身が実施されておらぬのですから。そしたら勢いどうなるのか、これは現場の教師の問題にもなりますし、各学校においてやはり音楽教室を自腹でつくらなくてはならぬ、準備室もつくらなくてはならぬ、図書館もつくらなくてはならぬ、こういう事態が現に起こっておるじゃないですか。これを引き起こしておるのは何かといえば、文部省のこの態度じゃないですか、この点を真剣に改善しなければ、私は補助面積の改善とかあるいは補助面積のさらに一そうの内容の充実とかということは私は言い得ないんじゃないかと思います。この点、文部大臣どうお考えになりますか。
  121. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 図書室の点について申し上げますと、現行の小学校六学級の学校におきましては視聴覚教室、資料室、図書室を含めて一室、二十二平米が用意されておるわけでございますが、今回の改善におきましては図書室と特別活動室を合わせて七十七平米の積算をいたしております。それから、十二学級の学校になりますと、図書室だけで七十七平米、従来はこれが三十七平米でございました。それから十八学級の場合でございますと、従来六十八平米であった図書室を百十九平米、それから二十四学級の学校でございますと、従来八十九平米であった図書室を百三十五平米というふうにふやしておるわけでございます。  小規模学校につきましても、ただいま申し上げましたように、従来なかったというか、あるいは視聴覚教室等と込みになっておりました図書室につきまして、これは特別活動室と合せてではございますが、七十七平米という坪数を新たに算入をしたわけでございます。こうした措置によりまして指導要領に示すような学校図書館活動も遂行できるであろうというふうに考えております。
  122. 加藤進

    ○加藤進君 こういう質問を続けていますと、事実、文部省自身が学習指導要領に基づく教育を進める財政的な保障あるいは施設整備の保障ということについてなお十分手を尽くしておらないということがもうはっきりしてくると思うのですね。この点につきましては、先ほどの文部大臣自身の答弁にもありましたように、準備室をぜひ今後努力してつくるということならば、この趣旨と同様に、やはり学校図書館についても、たとえ学校の規模の大小はあろうが、これはもう一貫してこれをつくる。また、音楽室につきましても、これはもう音楽教室、音楽教育の内容を見てみれば明らかなように、このような内容の教育を実行していくためには音楽教室がなくてはとうていこれはできないことはこれ明らかでありまして、こういうことにつきましても事実真剣にやはり基準を明確にして実施の方向に踏み切っていただきたい、こういうことを強く私は要望するわけです。これが第一。  それから、そういう文部省自身の十分財政的にも施設整備の問題についても手を尽くしておらない結果がどういうことになるかというと、いやおうなくそれは地域における超過負担になる。市町村に対する負担になる。国のほうで行なうべき施策についてこれが地方財政の負担になるというようなことはこれはもう地財法の趣旨、精神からいっても違反の事実はこれは明らかでありまして、何回もこれは国会においても論議されておるわけでございますけれども、その面の十分な改善が今日までなされておらぬ。こういう点から見て超過負担問題はなお今後とも非常に深刻な問題としてさらに続けざるを得ない、こういう点が出てくると思いますけれども、その二点の問題について文部大臣、ぜひとも積極的なひとつ見解を表明していただきたいと思います。
  123. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) いまのお話、文部省に対しまする御激励のおことばだと私は承らしていただきたいのでございます。どの程度まで、国も二分の一を負担して全国くまなく義務教育施設を整えるか、そういう点につきまして補助対象を明確に定めているわけでございます。この補助対象もだんだん経済がよくなりまして、個人の住宅も質がよくなる、あわせまして義務教育施設もよくしていかなきゃならない。そういう意味で二割範囲を拡大さしていただいた。その二割拡大さしてもらったのをどう振り向けていくかということについて、先ほど来管理局長から御説明があったところでございました。文部省としては、しかし教育の充実、振興をねらいまして、それにとらわれないで私はある程度もっと充実した目標を示していってもいいんじゃないかと思うのであります。文部省が示したものは全部国庫補助対象にならなきゃならないということになりますと先に向かって進めていくことができない。常に大蔵省の財政的な態度で押えられちまうということになると思うのでございます。文部省としてあるべき姿を示す、それを市町村がつくる、そのときに補助対象にならなかった分をどうするかということでございますけれども、私は、文部省といたしましては、できる限り単独分として地方債資金を必要とする場合には、それに算入できるようにしてもらわなきゃならないと思います。従来どちらかといいますと、地方財政もなかなか苦しかったものでございますので、補助対象の裏負担しか地方債を認めない、単独施行というものは非常に窮屈に押えてきたと思います。この単独分もだんだんゆるめてきているわけでございます。その次に、それじゃ、どの程度まで地方交付税法上の基準財政需要額に算入していくかということでございます。文部省がこうあるべきだと考えておりますものを全額を基準財政需要額に算入できればいいと思うんでございますけれども、これもなかなか理想と現実、話しがつきにくいと思います。そこで、補助対象になっている部分、それから一歩も踏み出さないんじゃなくて、やっぱりある程度まで広げる、それを基準財政需要額に入れてもらう、少なくとも、地方債資金の対象にはしてもらう、こうやってだんだん文部省としてもより充実した方向を私は示していけばいいと思うんです。その結果、補助対象との乖離は広がっていくと思います。同時に、補助対象部分も今回の基準面積二割拡大のようにだんだん、なお一そう将来とも拡大の努力をしていかなきゃならないと思います。こういう方向で努力をすべきものだと、こう考えておりますので、補助対象に入らないものを文部省が示しているからけしからぬという態度はぜひお許しをいただきたい。むしろ、理想を追うて文部省は私は市町村に呼びかけていってもいいんじゃないだろうかと、そのために市町村にはたいへん困難をしていることになると思いますので、できる限り補助対象を広げなきゃなりませんし、基準財政需要額の算入額を広げなきゃいけませんし、同時に、地方債のワクを拡大していかなきゃならない、こういう努力を続けさしていただきたいと思います。そういうことで、市町村が積極的に熱意を持ってもらう。これやっぱり市町村に熱意を持ってもらうような態度を文部省がとることは私は不適当だと、こうおっしゃっていただかないようにしたいと思いますし、その結果ある程度超過負担というものが起こってくると思うんであります。超過負担が、建築費の単価が高くなっているにもかかわらず低い額で補助金額を算定する、その結果起こる超過負担、これは私は避けなきゃならないと思います。それは避けなきゃならぬと思いますが、国が示している基準以上のものを地方団体がつくっていく、その結果超過負担が起こるんだと、これは私は一がいに責めないでおいていただきたい。やっぱりみんな努力をしながら施設の充実をはかっていきたいものだと、こう考えておるわけでございますが、その辺の御理解もぜひ賜わるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
  124. 加藤進

    ○加藤進君 とにかく市町村の現状からいいますと、これを交付税交付金で解決するとか、あるいは起債に依存するとかということではもはや解決し得ないような非常な困難な事態が私はきておると思います。この点についての認識もぜひ議論をしたいと思いますけれども、そういう事態でなおかつ国が責任を負うべき義務教育を実施しなくてはならぬし、その負担がたとえどこにかかれ、これを実行しなくてはならぬということになりますと、これは地方自治体にその犠牲や負担を負わさせるのではなしに、まず何をおいても国の行政の面、国の施策の面においてこの負担をやっぱり負っていかなくてはならぬ、そういう点から申しますならば、きょうここで論議しましたような単価の改正の問題、あるいは、補助率の引き上げの問題、また足切りの解消の問題等々、具体的に検討を要する問題があるわけでございますから、そのような問題について、さらに一そうの検討と研究をしていただいて、この面において国が負うべき義務教育上の責任を学校教育施設整備の面においても努力して改善していくと、こういうことも私は当然要求しなくてはならぬ問題だと思います。その意味においては教育基本法第十条の精神が生きるわけでございますから、そういう精神を明確にしながら地財法違反などというようなことを言われないように、ひとつ学校教育の行政を進めていただきたいということを希望いたしまして、きょうはこれで午前中の質疑を終わって、あとは午後に回したいと思います。
  125. 永野鎮雄

    ○委員長(永野鎮雄君) 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十六分開会
  126. 永野鎮雄

    ○委員長(永野鎮雄君) 休憩前に引き続き、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
  127. 加藤進

    ○加藤進君 高等学校の増設問題で質問します。  政府から提出していただきました資料によりますと、これは沖繩の高等学校の建設工事の問題でございますけれども、沖繩海洋博の工事の進行に伴って高等学校の増設、改築、新築等々が非常に困難におちいっている、十八の高等学校が落札不調になっている、こういう報告があるわけでございますけれども、これについて文部省のほうではどういうふうに考えているわけでしょうか。
  128. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の沖繩の高等学校整備の問題かと思いますが、御指摘のとおり、建築単価の高騰によりましてなかなか落札を見ませんで、予定工事の相当部分を四十八年度に繰り越したというふうに聞いておりますが、沖繩県当局におきましては、県自体におきまして約六億であったかと思いますが、補正予算を組みましてその実施につとめておるというふうに伺っておりますが、ごく最近の状況につきましてはまだ報告を受けておりません。
  129. 加藤進

    ○加藤進君 御承知のように、沖繩県は特殊な事情が積み重なっておりまして、その中で沖繩海洋博が強行されるという状況であるわけですが、ともかく自己財源なるものがほとんどないというのが現状だと思いますが、この事態を何らかの意味で打開していくためには、これはもう予算単価の引き上げ、補助金の補正増額、こういう措置を国のほうでとらざるを得ないし、とる以外に方法はないというふうに私は判断するわけでございますけれども、その点の文部省の見解はどうでございましょうか。
  130. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 沖繩が自主財源につきまして非常に窮屈であるということは御指摘のとおりでございますし、かつまた、いろいろな特殊事情があるということも御指摘のとおりでございますが、そうした状況にかんがみまして、沖繩の負担率につきましては、御承知のとおりに小、中学校の校舎、屋体等につきましては、これは十分の九の補助、それから学校統合や危険改築につきましては四分の三の補助を行なっております。また、特殊教育諸学校の小、中学部につきましては小中学校と同じように十分の九、幼稚園、高等部につきましては三分の二、それから高等学校の建物の新築につきましては、本土の場合は補助対象になっていないわけでございますが、沖繩の場合は三分の二の補助をすると、それから高等学校の危険改築でございますが、本土の場合は三分の一補助でございますが、沖繩の場合は三分の二補助をするといったような措置を講じておるわけでございます。そうした措置によりまして沖繩の特殊事情に対応しておるわけでございますが、昨今の建築単価の高騰の問題につきましては、総理府が中心になりまして物資あるいは労務等の面につきまして総合的な施策を講じつつあるわけでございますので、四十八年度予算の執行につきましては本土の場合と同様のお答えになるわけでございますが、いましばらく推移を見たいということでございます。四十七年度の執行につきましては先ほど申し上げましたような措置がすでに講じられておるわけでございますから、おそらく落札も可能になろうかと考えております。
  131. 加藤進

    ○加藤進君 この表を見ましても、とにかく入札に応ずる企業もない、応ずる工事関係者もいないという現状もありますし、予定単価に比べて入札価格が非常に高くなっていると、こういう状況を打開していくために、いかに自己財源にたよろうと努力されてもこれはもう限度がありまして、どうしても超過負担を覚悟しなくてはならぬし、この負担能力さえないと、こういうのが現実だと思います。したがって、ぜひこの問題について予算単価の引き上げあるいは補助金の補正増額等の措置をぜひ文部省としても検討して、こういう高等学校等々の学校の増改築が行ない得ないような状態を打開していただきたいと、こう思いますが、その点について一言お聞きをいたします。
  132. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の予算の執行は過年度のことでもございますし、沖繩県独自で措置が講ぜられておるわけでございますが、四十八年度の問題につきましてはただいま申し上げましたように、現地の状況等を十分把握をいたしました上で、私どもの態度をきめたいというふうに考えております。
  133. 加藤進

    ○加藤進君 ぜひ、その点御検討を、御努力を願いたいと思います。  そこで、高等学校の問題でございますけれども、現在、中学生で高等学校に進学する率は大体どの程度に達しておるでしょうか。
  134. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 中学から高等学校への進学率でございますが、四十七年度について申し上げますと、全体で八七・二%ということでございます。
  135. 加藤進

    ○加藤進君 八七・二%と申しますと、中教審が計算した高校の進学率をさらに上回ると、こういう状況ですね。東京都では、これはどれくらいのところに到達しておるんでしょうか。
  136. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) ちょっと正確な数字はいま持ち合わせておりませんが、東京都の場合はたしか九五%程度だったかと思います。
  137. 加藤進

    ○加藤進君 私どものほうの資料もそうなっていますから、これはそうだと思います。  そうしてみますと、これは東京都だけではなく、大都市を中心としてとにかく全国的に高等学校の進学者は非常に多い、こういう状況がいやおうなく現実だと思うんですね。そういう状況でありますから、高等学校についての従来の考え方を一度再検討する必要があるんではなかろうか、高等学校をどう見るかということ、小、中校は義務教育だけれども、高等学校は義務教育ではないと、これはもう地方にまかすべきだというような考え方ではもはや進み得ないような国民の要求があり、国民の高等教育に対する熱意がうかがわれると思いますけれども、その点について文部大臣、高等学校についての従来の考え方について何らかの改善をしなくてはならぬと、こういうような御見解はいかがでしょうか。
  138. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 高等学校の進学率は急激に上昇してまいってきているわけでございます。今後もなお一そう上昇してくるものと予想をされるわけでございます。これら高等学校へ進みたい方々すべて高等学校に収容できるだけの施設は整えていかなきゃならない。そういう考え方に立って国・公・私立協力しながら希望者を受け入れられるように努力をしていきたい、かように考えております。
  139. 加藤進

    ○加藤進君 この問題に関して、去る衆議院文教委員会でわが党の栗田委員の質問に答えて文部大臣はこう答えておられます。高等学校は地方公共団体が財政責任を負っていく。大学は大体国が財政責任負っていくというふうに言われたと思いますけれども、この答弁だけを見てみますと、国としては高校増設等のために国庫補助等々の措置を考えていないかのように受け取られるわけでございますけれども、その点、文部大臣の真意はどこにあるのか御説明願いたいと思います。
  140. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) いずれにしましても、広い意味の国で必要な配慮をしていかなきゃならないと思います。その際に、現実に、そのお金を国庫から出すのか、地方公共団体のふところから出すのかという問題になりますと、たてまえとしては高等学校以下は地方公共団体、大学以上は国というようなことできていると思いますし、将来ともそういう考え方でよろしいのじゃないかと、こう思っておるわけでございます。個々の地方公共団体が負担する場合に、その負担ができるように国として配慮をしなければならない。その場合は地方財政上個々の団体にそれだけの財源が向けられるように、地方税で不足する部分は地方交付税交付金その他の財源でまかなわなきゃならない。そういうことについて十分な手当てをしていくべきだと、こういうことだと思います。
  141. 加藤進

    ○加藤進君 いま文部大臣が答弁された、そこに実は問題があるのじゃないかと思うのですね。いまの高等学校を要望する非常に強い世論があります。進学率が非常にこう大きく高まっている。もうほとんど義務教育的な要求になっている。こういう状況のもとで、ではそれに見合う高等学校を増設していこうとして従来のように地方交付税交付金やあるいは起債措置等々だけでこの事態が打開できるのかどうか。私は、この現状認識という点で実は文部大臣と若干違うものを持っておるわけですけれども、この点について文部大臣重ねてお答え願いたいと思います。
  142. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 国民多数に関係します仕事をどこで責任を負っていくのか、その責任を負っていくところで財源も負担する姿のほうが、国民から見ました場合に、責任を果たしているかどうかということを追っていきます場合に都合がいいんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。その場合に、地方公共団体の負担していますものと国の負担していますものと実際の財源の配分がバランスを失しているなら、それはバランスを変えたらいい問題じゃないだろうか。国税の分量を減らして地方税の分量をふやしますとか、あるいは国税の所得税、法人税、酒税の三二%が地方の財源になっているわけでありますけれども、この三二%を分けるとか、そういう問題はあろうかと、こう思います。思いますが、できることなら仕事の責任を負っているところが負担もしていくと、そうしますと責任の所在が明確になってくるわけでございますので、そのたてまえはなろうことなら守っていきたい。原則どおりにいかぬ場合もいろいろありましょうけれども、それは守っていきたいと、こう思います。その結果、国の財源の総量と地方団体の財源の総量とが適合しない場合には、国民にさらに負担の増加を求めるとか、あるいは国から地方へ譲るとか、そういうような変化、変更は試みなきゃならないと、こう思います。
  143. 加藤進

    ○加藤進君 そこで、私は具体的に申し上げますけれども、一体、それぞれの県で高等学校を増設する場合に、どれくらいの数を増設しなくてはならないかという点なんですが、私の愛知県でも進学率が伸び、あるいは生徒数が増加していく等々から算定してみますと、十年後には、すなわち昭和五十八年度までには大体百校以上、数字からいきますと、一学級四十五人、一学年八学級と見て百七校が必要だと、こういう厳然たる数字が出ておりまして、それから、東京都でも今後の試算をされておりますけれども、十年間に少なくとも百校必要だろう、百校以上をこえる高校を増設するとなりますと、年間に少なくとも十校ずつは増設しなくてはならない、こういう事態になるわけですが、こういう事態に対して、いま言われるように弾力的に国の補助その他を考慮するという点で、地方自治体に主体性をまかせながら、この問題について対処していきたいという文部大臣の見解でございますけれども、これを一体どういうふうにしたら現実に自治体においても高校が現状に見合って増設できるのか、その点について、文部大臣、さらに積極的なひとつ御見解を表明していただきたいと、こう思います。
  144. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 今後どの程度高等学校の増設が必要であるかということでございますが、実は、昨年の秋に文部省が調査したところによりますと、将来五年間、四十八年度から五十二年度までの五年間におきまして約二百四十校の高校新設が必要であるという結果が調査で出ているわけでございますが、このうち約半分の百四十校でございますが、これが東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫の七都府県における増設でございます。そこで、これに対してどう対処するかということでございますが、私ども現在あらためて将来の高等学校増設の計画を都府県に照会をし、まとめつつある状況でございますが、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、財源措置といたしましては地方財政の措置を主にするということが適当ではないかというふうに考えておるわけでございますが、特に、ただいま申し上げましたように、大部分の高等学校を増設するこの七都府県というのは比較的財政的にも大きな規模の府県でございますので、起債、交付税等の、まあ起債措置が中心になるかと思いますが、起債措置を中心にした財源措置でもって相当程度カバーできるのではないかというのが私どもの考え方でございます。
  145. 加藤進

    ○加藤進君 一つの高等学校を建設するのに、もちろんところによりまして多少の相違はありましょうけれども、大体どれくらいのめどを見ておられるでしょうか。私たちの計算によりますと、建物だけで少なくとも六億、あるいは十億に達するであろう、用地を含めると二十億を考えなくてはならぬ、こういうわけですから、たとえば愛知の場合、一年に十校程度の増設が必要だとなりますと、用地費を含めて百六十億の予算を伴わなくてはならぬ、こういうのが現実なんですね。こういう現実を踏んまえながら、高校増設を要望に見合って実現していくとなると、並み並みならぬ決意が必要だ。その決意を文部省は持っておられるかどうか、この点を私はお尋ねしたいわけで、これをすべて地方自治体にまかせて地方自治体の交付金で、あるいは起債でやれというようなことでは、私は結局のところ高校増設は現実に見合って不可能、こういう結論が今日各地に起こっている、このことを私は重ねて強調したいと思うんですが、その点について文部大臣に見解を伺います。
  146. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 一校どれくらいの金額が高等学校の設置に必要かということでございますが、これは土地の単価の取り方が非常に大きく響いてくるわけでございますが、自治省に従来申請がございました土地単価を基準にして計算をいたしますと、土地代が約八億七千万、それから校舎の建築費が約三億六千万でございまして、一校の設置費は約十二億三、四千万程度というふうに考えております。したがいまして、これが先ほど申し上げましたように、今後約二百四十校をつくるということになりますと、ほぼ三千億程度の財源が必要だということでございますが、その財源措置につきましては、先ほど大臣から御答弁を申し上げたような形で適当であろうかと考えておりますが、ただ、二百四十校という数字も昨年の秋の私どもの調査でございまして、多少不確かな点もあるように思いますので、先ほど申し上げましたように、六月末で再度調査をしたいということでいま事務を進めておる最中でございます。
  147. 加藤進

    ○加藤進君 現在の進学率も非常に高くなっておりますけれども、さらに進学希望率は一体どうかという点では、これは文部省初中局で調査しておられる結果がございますね。中等学校、高等学校の進学指導に関する調査結果の概要、こういう調査資料がございますね。これによりますと、中学三年生の高校進学希望者は男子で九二・三%、女子で九二・九%、すなわち全体では九二・六%に達しておる、こういう全国的な数字が出ておるわけですね。こうしますと、高等学校に実際進学する率と同時に、この進学希望者の率というものを私たちは考えてみなくてはならぬ。この希望に見合うような高等学校の建設、こういうことが現実に進行できるかどうかということが、かかって私は高等学校の教育の内容充実という点にあると思うんですね。その点で私は、これは非常に重大な決意をもって取り組まない限りはこの事態を打開できないのではなかろうか、こういうふうに考えますけれども、重ねて私は大臣にお伺いしたいのは、こういう事態でいわば義務教育とは言えないけれども、しかし実質的にはもはや義務教育的、準義務教育の意味を持ちつつあるのが現在の高等学校教育の実態なんだと、そういう点から見れば、従来に増して高等学校に対して国の十分な財政的な補助、援助が必要である、こういう点が結論的に出てくるわけでございますから、その点についていままでの御説明もさりながら、さらに、抜本的に将来を見きわめて、十年後のあるべき事態を考えてやっぱりこの点についての施策を前進させていただかなくてはならぬではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  148. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 高校増設の問題は、一つには進学率が全体に高まっていくわけだから、それに応じて収容力をふやしていかなきゃならない、そういう高等学校の増設と、人口が非常にふえてきた、その結果、そういうことを離れて人口増に伴って高校進学者がどんどんふえてくるものだから、それを受け入れられるようにしなきゃならないという問題と、二つあると思うんでございます。あとのほうの問題が、先ほど愛知県とか御指摘になりましたが、そういうところで大問題になってきているわけでございます。また、そういうことを受けまして全国知事会からも、高校を急増施設していかなければならない、それに対応する国庫補助の制度をつくってほしいという御希望も伺っているわけでございます。どういうような形でこれを解決していくか、いずれにしましても、事務当局に対しましては、各県別にどの程度の高等学校の増設をしなければならないか、それに対してどの程度の財源、財政需要になってくるのか、そういうことを調べてくださいと。そして、それをとりあえず関係の役所へも渡しておこうじゃないかと、こう言っておるところでございます。  で、前回のベビーブームを受けましての高校増設、そのときには、地方財政でこれは解決していこうということで、各団体ごとに増設していかなければならない高等学校の建設費を一部は基準財政需要額に算入いたしました。もう一つは、地方債をふやしていったわけでございます。前回そういうことをしておりますので、今回どういう措置をとったらいいだろうかということで考えている最中でございますけれども、やはり地方財政で負担する場合には、それだけの金がかかるのだということで基準財政需要額を増額する。そうしますと、国から交付される地方交付税交付金が、地方税収入がふえません限りにおいては増額をされるわけでございますので、それで処理できると思います。問題は、神奈川県や愛知県は地方交付税の不交付団体なものですから、基準財政需要額をふやしましても地方交付税交付金がふえるわけにはいかない。計算上は財源が余っているようになっているけれども、実際上はそういうわけのものでもございません。そうしますと、そういう団体については、基準財政需要額をふやすけれども、地方債も思い切って増額していく。言いかえれば、二重にふやすことになるのかもしれませんけれども、それで処理する。そうした場合に、その地方債の元利の負担が将来当該団体の財政に対してどういう結果を及ぼしていくのか。その場合に、その状況いかんによるわけでございますけれども、あるいはそのものを基準財政需要額に算入するとかあるいは国庫が元利補給をするとか、いろいろな仕組みもあるだろうと思うのでございます。そういう問題全体を、どのような処理がいいか、関係省とも打ち合わせをしながら考えていきたい。いずれにしても、個々の団体で高等学校を増設しなければならない、それにこたえて増設できるように財政的な処理をしようじゃないか、処理していく道はいろいろあるわけだから、深くなお検討を重ねていきたい、こう思っているところでございます。
  149. 加藤進

    ○加藤進君 現状についてもう一つ私は指摘したいのですけれども、愛知県に名古屋市にすぐ隣接して春日井市というのがございます。ここは人口が十七万、ここの高等学校進学率は九〇%に達しております。じゃ、九〇%の生徒がどこへ行くかという問題ですけれども、ここには公立の高校は二校しかありません。一校が普通高校で、もう一つは商業高校です。したがって、子供たちのうちの三分の二以上はどこへ進学していくかというと、名古屋市なんです。こういう通勤ラッシュのさなかで名古屋市内に行かざるを得ない、こういうのがいつわらない現状になっておるわけですね。このことを県当局もよく存じておりますけれども、財政理由によってここでの学校建設、増設はなかなかできないという点で今日までこれが実現できないわけです。こういう事態が、これは私は春日井市の例をとりましたけれども、至るところに存在する。この事態をどういう立場で、どういう長期的な観点で打開していくかと、こういうことに私は中心的な問題があろうと考えるわけです。  そこで、高等学校進学の現状も、もはや準義務教育的な非常に高い率になっているということもそうでございますけれども、同時に、この高等学校が、学校教育法においてどういう位置づけを持っておるかということを、もう一度お互いに確認し合って、そういう立場で高等学校の増設問題その他をやっぱり推進していかなくてはならぬのではないかと思いますけれども、その点で学校教育法における高等学校の位置づけという点、義務教育との関連、普通教育との関連という点について、ひとつ文部当局側の所見をお伺いしたいと思います。
  150. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 高等学校の学校教育法における位置づけでございますが、学校教育法の条文だけを見ますと、高等学校はいわゆる後期中等教育段階の教育でございまして「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。」ということでございますが、実態としてみますと、御承知のとおりこの進学率が九〇%に近くなっておる。さらに、それを上回るであろうというようなことも予想されておるわけでございますが、そうした観点から中教審におきましても、この高等学校教育のあり方について、いろいろ議論がございまして、方向といたしましては、やはり後期中等教育をすべての青少年に何らかの形で施すべきであるという基本的な方向になっておるわけであります。で、その内容といたしましては、高等学校の正規の教育あり、その他各種学校の教育もありあるいは高等専門学校の教育もあり、多様化した形で、この後期中等教育をすべての該当年齢の少年に与えていくべきであるというのが、中教審の基本的な考え方でもございます。また、文部省もそうした後期中等教育をすべての少年に及ぼすというような基本的な施策で、基本的な考え方で各般の施策を進めておるわけでございます。学校教育全体の中における位置づけと申しますと、おおむねそういうことかと存じます。
  151. 加藤進

    ○加藤進君 とにかく普通教育の一環であることは、もうはっきり学校教育法に明記されておるわけでありまして、これは憲法上からいっても、国が当然普通教育について責任を負うていくというのが基本的な私は姿勢だと思っておる。そういう点から見て、いままで若干なりとも高等学校の教育施設について努力を払われたことは認めつつも、なおかつ、今日の時点においては、高等学校そのもののあり方とまた学校教育上における位置づけを明確にして、国の責任を明確にしながら、これを実施していくということが当然私は必要ではないかと、そういう観点から財政措置についても、もし必要な高等学校が地方自治体の努力にもかかわらずできないというような事態があるならば、これに対してやはり国は責任をもって補助をし、援助の手を差し伸べるということが、私は何おいても必要な姿勢ではないかと考えるわけです。  そこで、聞きますけれども、最近、自治事務次官から各省庁事務次官あてに昭和四十八年度の地方財政措置についてというこういう文書がきておりますね。これはきているはずで、私は文部省からいただいたのですから、そういうのがあります。これについて、特に自治事務次官から文部省に対して要望しておる事項があるわけです。特に、高等学校についての要望がここにも出ておるわけで、この要望に対しておそらく文部省事務当局も、これにこたえるような、何らかの意思表示なり措置なりをされたであろうと、私は推測しておるわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  152. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 毎年、自治事務次官から地方財政に関連する各省の施策につきまして、そうした御要請がくるわけでございますが、四十八年度は。
  153. 加藤進

    ○加藤進君 四十七年七月十日。
  154. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) たしか私どもも拝見をして検討をしたわけでございますが、その結果が四十八年度の概算要求という形で大蔵省等に提出されまして、すでに国会でお認めをいただきました四十八年度予算ということで具体化されておるわけでございます。たしかその中には、午前中も御質疑がございました小、中学校施設の整備について補助率を上げるとかあるいは用地の購入費の内容をさらに充実するといった内容が含まれていたはずでございますが、そうした内容につきましては、私ども検討の上、先ほど来御説明を申し上げているような結論に至っておるわけでございます。
  155. 加藤進

    ○加藤進君 手元にこの資料を持っておられないようですから、私その関係するところだけを読んでみますと、「人口急増地域における義務教育施設の整備の緊急性にかんがみ、学校用地の取得費に対する国庫補助制度の充実をさらにすすめるとともに、校舎、屋内運動場等の整備に要する経費に対する国庫負担率の引上げ、」これはやられたですね。「先行整備の拡充」これも私も要望しましたし、出ておりますね。ただし三百戸以上の人口急増地、こういうことですね、団地その他の。そういうところが出ておりますけれども、「先行整備の拡充等特別の財政措置を講じられたいこと。」その次ですが、「また、これら地域における幼稚園、高等学校、体育施設および社会教育施設等の施設整備に対しても、同様の観点から、義務教育施設に準じ特別の財政措置を講じられたいこと。」と、この最後の点ですね、「義務教育施設に準じ特別の財源措置を講じられたい」と、こういう要望があるわけですけれども、この点についてはまだ十分に検討なり、対策なりを講じておられないかに見受けられますけれども、その点はどうでしょうか。
  156. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 自治省の希望としては、おそらくいまの文面からいいますと、国庫補助制度をつくってくれということなのかもしれません。しかし、政府全体として考える場合には、やはり事務の責任を負うところで経費の負担もしたほうがいいという結論になったから四十八年度は特別に国庫補助制度を高等学校について広げるというやり方はとらなかったということに御理解を賜わりたいと思うんでございます。しかしいずれにしても、当該団体が必要な経費を拠出していけますように国の財政なり、地方財政なりでその配慮はしていくということだと、かように御理解賜わりたいと思います。
  157. 加藤進

    ○加藤進君 地域の父母たちは言うまでもなく、地方自治体もあるいはその声を反映して、自治省もまたこういう要望を政府部内で出すということは、これはやはり重要な問題だと思うんです。このような自治省の見解というのは、それなりの私は理由があるし、また、それに対しては積極的に受けとめてこの方向を推進するような検討と努力をぜひしていただきたいということを特に私はこの問題について要望しておきます。  なお、ちょっとあと時間がありますから、私立の高校の助成の問題について一言触れたいと思いますけれども、今日、各地の地方自治体では父母負担の軽減措置をとるような努力、配慮をしております。特に私立高校生に対する授業料の補助を行なっておるところが非常にたくさんある、こういう状態は御存じのとおりだと思いますけれども、残念ながら国のほうからはこれに対する何らの意思表示も、助成措置もとられておりませんけれども、この助成措置を講じない理由というのはどういうところにあるのか、どういうふうにこの点を考えておられるのか、お尋ねいたします。
  158. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省は財源措置をするわけじゃなしに、大蔵省と自治省とが財源措置をしていくわけでございます。地方団体のふところから出すもの、それを自治省が世話をし、国のふところから出すものを大蔵省が世話をする。したがいまして、ものの性質によりまして地方団体のふところから金を出したほうがいいものもあれば、国のふところから金を出したほうがいいものもある、こう思うわけでございます。私学の助成につきましては、大学以上は国のふところから金を出そうじゃないか、高等学校以下は地方団体のふところから金を出そうじゃないか、そういうことで文部省としては自治省に高等学校以下の私学助成の方法を依頼しているわけでございます。その結果、私立の大学に対して国が助成しますと同じ方式を高等学校以下の私学につきましても都道府県から助成していこう、都道府県の助成に要するものは都道府県の基準財政需要額に算入していこう、こういうことでやってまいってきているわけでございます。その方式に従いまして都道府県は私学に対しましていろいろな形で助成をしているわけでございまして、これは自治団体でございますので、大きな考え方をいま申し上げましたような地方交付税制度の運用の中に織り込んでいるわけでございますけれども、画一的に必ずしも国の言うとおりにする必要はない、結果的には、私立学校法人に対しましてまとめて金を助成しているところもございますれば、授業料を引き下げた分を都道府県から補てんをしようというやり方をしている団体もある。しかし、総体としては、国庫が私立大学に対しまして助成をしている。それに準じた助成が高等学校以下に対しまして都道府県から助成が行なわれている、こう御理解いただきたいと思います。
  159. 加藤進

    ○加藤進君 そういう地方自治体からの助成あるいは地方交付税に基づくいろいろな措置、これは当然でありますけれども、しかし現在私立高校が持っている教育上の役目、位置と申しますと、御承知のように、大都市の都心部に高校がなかなか建てられないという事情もあって、私立高校は今日高等教育においても欠かすことのできない存在になることは、これは言うまでもないことで、高等学校に通学する生徒諸君が教育の機会均等という立場からいって過重な負担を負わされる、こういう事態が現状なんですから、その点についても、私は教育的観点から見て文部省がしかるべき配慮を行なうべき必要があるのではなかろうか。そのことが国のほうの措置として財政上どのような形になるかは私は特に申しませんけれども、少なくとも、こういう私立学校の生徒に対してあるいは父母に対する過重な負担をかけないで、公立高校あるいは国立高校並みの高等学校の生徒と同様な機会均等の立場に立たしていくというのが憲法や教育基本法の精神であり、趣旨でもあると考えるわけですが、その点についての文部省の基本的な考えをひとつお聞きしたいと思います。
  160. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) お考えのようなことで文部省は努力しているわけでございます。そういう意味で、昨年都道府県から高等学校以下の私立学校に対して助成されたのが基本的なことで申し上げますと、専任教員の三割を助成された。ことしはそれが四割になったわけでございます。来年は五割に持っていきたい、こういう考え方に立っておるわけであります。地方財政の中で処理してもらうものでございますから、この分は自治省に頼んでおるわけでございます。自治省がきめました方針が自治省からも都道府県に流れるわけでございますけれども、文部省からもまた都道府県教育委員会に対しまして高等学校以下の私立学校については都道府県からこういう助成が行なわれる、それだけの財源措置がこのようにしてなされているのだということを連絡しているわけでございます。したがいまして、大体こういう方向で、どの都道府県でも高等学校以下の私立学校に対しまして助成が行なわれているというのが現状でございます。
  161. 加藤進

    ○加藤進君 最後に、一言だけ申し上げますと、やはり高等学校というものが、国民教育の立場から見てどういうふうに位置づけらるべきか、その中における公立の高等学校と私立高等学校との関係はどうかという根本的な問題にいま突き当たるわけでございますから、その点において文部省が従来の考えにこだわらないでひとつ準義務教育的な意味を持つ高等学校の存在、あり方だという点から見て、さらに抜本的な改善策を講じていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  162. 小林武

    ○小林武君 私の考えをちょっと、考えというのは、義務教育諸学校施設費国庫負担法、この法律を見ますというと、これはまあ建物に関する問題である。建物の運営に関する経費の問題というふうに法律から見れば理解されるわけですね。そのとおりだと私も思う。しかし、この場合考えなければならないことは、単なる建物の経費をどうするかという考え方には立てない。これは一つは、やはり教育全体をながめて、その建物が教育の施設、設備として非常に大きな役割りを果たす建物である、言うならば建物の問題と、もう一つはその建物の中にあって子供を教育する教師の問題がある。さらには、教師の問題と教育の中身の問題、こういうものがひっくるめて一体的な把握をされるという考え方に立たないというと、これは非常に何といいますか、教育の観点からいえばきわめて人間に対する、人間を大事にするという、尊重するというような、あるいは人間を平等に取り扱うというような観点が見失われると思うのです。私は法律を見て、そして、議論されるところを見ると、大蔵省には大蔵省の論理があるわけです。この場合にはもう金という計数の面からこれを割り切っている。文部省は文部省で、多少そういう――多少じゃなくてだいぶとひとつ評価しておきましょうか、教育というものを単なる計数の問題だけではなくて非常に教育的に考えて処理しようとする、このあれがなかなかうまくいかないわけですね。だから概算要求があれされて、そしていよいよ折衝の段階になると、われわれが見ても文部省のこの要求を通さぬなんというのは不届きだという気持ちがあって、大蔵大臣にも文句言ったことがある。愛知さんにも、あなた文部大臣の経験者のくせに、これ削るというのはおかしいじゃないかと私らが言ったら、あまりはっきりした返事できなかったですけれどもね。そういう私は考え方に立って、この法律を見るということをまず先に申し上げておいたほうがいいと思うのです。  そこで、そういう一体感に立ってながめた場合に、義務制諸学校における設置基準という問題設置基準ということになりますと、この設置基準というのは完璧な形ではないけれども、教育そのものの側から、教育の中身の側から、人間の側からそれを総体的にとらえようとする一つのものがあるように私は判断されるわけです。そのことについてひとつお尋ねをするわけですけれども、まあそういうことを質問しようといま思い立ったわけでありません。実は、東京の都内に住む区会議員、それから都会議員の十人足らずの人たちが集まって、そうしてその中でいろいろなことを雑談していながら、もうきわめて見方としては思いつきのような見方をそのときしたのですけれども、一番話題になったのが、このごろの子供の一体健康、体力というようなものはどうかということが非常に問題になったわけです。おもに体力の問題を非常に重視しまして、そして、一体子供の体力の問題というのはやはり教育環境というところから見て非常に重大な教育環境が影響を与えているのじゃないか、東京の場合ですね。かれらはいずれも区議会とか都議会、特に区議会はそういう点では非常に何かじかにものに触れるという、そういう感じを持っておったようです。そういうことで、それじゃこれから一年くらいを目当てにしてひとつ研究会でもやろうかという話になったわけです。で、一年何カ月かたちました。その間やれたのは、なかなかそう簡単に、初めはだいぶ馬力をかけてやるつもりだったんですけれども、十回をちょっとこすくらいでしょう。いろいろな人の話も聞きましたし、それからいろいろなところを見たり、個人的な調査もやったりしました。私はわりあいにどうも会合に出れませんでしたけれども、それでも五回や六回は出ていると思います。調査室からも講師になって来てもらってそうして話も聞きました。文部省からもたしか何か資料をもらったと思います。  そこで結論から言って、いろいろそのときわかったんですけれども、教育現場にある校長たちが非常にこの設置基準というものをつくってほしいという希望があるわけなんですね。それを知ったわけです。それは毎度そういうあれをあげているということを聞いた。そういうこともあって、私どももいろいろな角度から、いろいろなやり方も、しろうとであまり学問的とか何とかということでございませんから、たまには見当はずれなこともございましたけれども、しかしまた一面、障害児童とそれから一体設置基準というような問題も実はいろいろ検討してみたこともありました。そういういままでの経過がございましたものですから、この法律案を見て、それから実は衆議院の速記録もたんねんに読みました。なかなか、質疑を見るというと、大体だれが言うのもみな同じようなことを野党は言っているんです。答えるほうもだんだん熟練してなかなか当を得たことのようにうまく切り抜けている。それを見まして、これからそのことも多少あとで私の考えを述べながら質問したいんですけれども、まずその前に、この設置基準というものに対してどういう考えを持っているか。どうして一体教育からいえば法的にも、学校教育法施行規則第二章の第十六条「小学校」ですかな、第三章の五十何条かというのが「中学校」、それにつくるように書いていますね。それがつくられないというのは何か理由があるのか。義務教育といえば、私はある程度ここらあたりがほんとうは中心になってやらなければならぬだろうと思うんだけれども、やられていないのはどういうわけだと、そういうことで現場の人たちに対してのアンケートもとってみました。アンケートはあまりたくさん出すとこれは金もかかるから、大体うまく全国的に一つの照準を当てながら、校長とか校長でない人にも出してやりましたが、このアンケートというのは、来ないのもありましたけれども、たった一枚を抜かしては、積極的にやはりつくれという考え方に立っているんですね。つくらないことが義務制教育のやはり前進をはばんでいる、こう見ているんですよ。それはたとえ最低の基準、最低限のことを押えた問題にしろ、どの設置基準を見ましても、これはとにかく現状の維持ではだめなんだと、だんだん改良していかなければならぬということは大学から幼稚園に至るまで書いてある。そういう努力というようなものは、私は設置基準なくても、義務制の学校の法律を見てもこれはあることは認めますよ。だんだん悪くなっていくということはない、だんだんよくなる。法華の太鼓ほどはよくならぬけれども、だんだんよくなっていることは間違いない、認める。しかし、もっといかなければならぬということは確かにありますね。  そこで、これをいま一々読むのもあれですけれども、まあ、この設置基準というもの、もう熱望しているといってもいい。しかし、大阪から一つのあれがありましてね、最低の基準をただ確保するというだけじゃ意味がないというようなやや消極的な、あっていいけれどもそんなところに低迷しているようなあれじゃ困るんだというような、これはやっぱりいまはもっとふえましたけれども、六大都市といわれるのは何といっても財政的に非常にあれなものですから、これは教員の給与の問題でも、待遇の問題でもやっぱりちょっと考え方の違ったところがあるわけですが、そういうのと同じこれやっぱり多少低いほうに右にならえなんかさせられちゃたまらぬというような気持ちがあってのことではないかと私は判断したんですけれども、深く追求して調べたわけでございませんから断言はできません。  そこで、お尋ねを先ほどからすると言っておりますので伺いますが、これをいままで手がけなかったのは何の理由でしょう、これをひとつ、これは担当局はどこなんですか。初中局――首ひねっているけれどもどこの局。これは文部大臣にお聞きしてもあれだから、文部大臣よりかもやっぱり長く文部省におられる方のほうがいいんじゃないかと思うけれども、どちらの局長でもけっこうだけれども、どういうわけなのか、ちょっと聞かしてもらいたい。
  163. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) もう二十年以上も前になったわけでございますけれども、私が財務課長の課長補佐をしておりましたころに上司から命ぜられましてまあ学校の基準を法律でつくろうというふうな作業をしたことがございました。ちょうど新制中学など新しい学制も発足した当時でございます。そういうふうな試みをしたわけでございますけれども、ここにおられます奥野大臣が、自治省でございますか、の財政課長をしておられました。その法律案を自治省に持ち込んだわけでございますけれども、まあ課長のところまでいかないで課長補佐ぐらいのところでこういうふうな法律には賛成しがたいというふうな公文書をもらったような覚えがございますが、まあ当時でございますと、まだ新しい学校の制度をつくるというふうなことで新しい学校ができてくると、しかも土地の問題その他もまだ余裕があったわけでございますけれども、しかし財政的に非常に苦しい時期でございました。まあそういう意味で、そういうふうな設置基準については手が届かなかった、それから現在までそういうような設置基準につきましては御案内のとおり幼稚園とか、高等学校とか、そういうものについては基準があるわけでございます。これは一つは認可基準というふうな性格を持っているわけでございます。私立の高等学校あるいは幼稚園を認可する場合の一つの基準になるわけでございます。ところが、義務教育の場合には御案内のとおり、これはもうどうしても子供がいれば学校をつくらなきゃいかぬ、子供がいれば就学させなければいかぬ、そういう状況で、現実には現在一学級の学校から最高六十二学級の学校まであるわけでございます。そういうことで、義務教育の場合にはどうしても子供を入れなければならない、そのために子供がいれば学校をつくらなければいけないというふうなことでございまして、非常にまあバラエティに富んだ学校があるわけでございます。そういうことで、基準をつくると申しましてもなかなか全面的な基準をつくるということはむずかしいわけでございますので、私どもはその中で特に必要な部分、たとえば定数、学級編制それから建築、建物の基準等につきましていままでそういう基準をつくりました場合のメリットと申しますか、それを洗いましてそういうものをつくってまいったわけでございます。現在、したがって幼稚園や高等学校のようにある程度こういう基準に合わなければ設置を認めないというふうな意味合いが義務教育につきましてはそれだけの実績というのは少ないわけでございます。もちろん、私立のものもございますけれども。   〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕 そういうことで、いままで私どもの可能な部分から、また必要な部分から基準をつくっていくというふうな方法をとってまいったというのが実情なんでございます。
  164. 小林武

    ○小林武君 局長にお尋ねいたしますが、そうすると、あなたのいままでの話を聞いているというと、これからも設置基準というものは全然手をかけない、こういうふうに理解してよろしいですか。
  165. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 手をかけないと申しますよりは、必要なところにつきましては設置基準的なものをつくってまいったわけでございます。たとえば、学級編制でございますとか、それから教員の配置の基準でございますとか、そういうものにつきましては基準をつくってまいったわけでございますけれども、むずかしい部分がございまして、高等学校や幼稚園のように全体につきまして網をかぶせるというふうな基準というのはこれは相当むずかしいんじゃないかというふうな気がするわけでございます。
  166. 小林武

    ○小林武君 その網かぶしたらむずかしいというのは、義務制の学校と高等学校とそれから幼稚園、大学それから短大、高専、あらゆる設置基準を持っているものはみなですがね。どういうところなんですか、網かぶしたら義務制があぶないのは。ほかのほうはみんな網かぶしてもだいじょうぶだ、それから網をかぶしたらとにかくあぶないというのが義務制の学校だと、こう判断できますね。しかし私見るというと、設置基準というのもピンからキリまであって大学の設置基準、よく私は読むんですけれども、「大学時報」という雑誌見ますというと、大学設置基準というのはあなたのおっしゃる認可基準、そのほかに大学基準というのがあります。認可基準というのは一番まあ程度の低い、まあここまでいったから大学にしてやろうかというような、認可してやろうかというような大学基準というのは非常に上のほうの基準だと、こういうことを座談会で言っている。これは自民党の議員も出てやっている座談会ですから、そういうまああれだけれども、認可の基準にはみんなどれを見ても義務制学校というのは達していると、こう見てのお話ですかな、あなたのお話は。
  167. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 私は、義務教育だからむずかしいということを申し上げたわけでございますけれども、それはたとえば、一人子供がおりましてもその子供を収容するのに必要な対策をとらなきゃいけない、極端な場合を申し上げますとそういうことでございますが、したがいまして、僻地の場合には一学級の学校も現実問題としてあるわけでございます。しかし、高等学校とか幼稚園でございますとたとえば何学級、一人子供がおって学校をつくるというようなことはこれは現実問題としてないわけでございます。そこが義務教育と、それから義務教育でない学校との違いだろうと思います。したがいまして、たとえば、小学校の場合は何学級の学校が望ましいということを申しましても現実問題といたしまして子供が少なければ少ないなりにやっぱり学校をつくっていかなきゃならぬということでございます。そういうことでございますから、私どものできる範囲で、たとえば一学級の学級の人数は最高はどれぐらいにするというふうなことはもちろんきめてまいるわけでございますけれども、学校の規模をどうするかとかというふうなことを、かりにたとえば十二学級あるいは十八学級でいいといたしましても、現実にそれよりも小さなものももちろんあるわけでございまして、また、明治以来の長い歴史もございまして非常に大きいものもあるわけでございます。これをいますぐそういうものが望ましくないんだといいましても、現実問題としてどうしようもない場合もあるわけでございまして、そういうものは基準に乗りにくい、そういうふうなことを申し上げているわけでございます。したがいまして、私どもが基準をつくりまして学校の内容をよくしていくというふうな方向が望ましいものにつきましてはできるだけそういう基準をつくってまいったつもりでございます。たとえば学級編制、教職員、それから教材費、それからあるいは建物、そういうものについて、できるところで望ましいものは基準をつくっていく。そういう方向でまいっておるわけでございます。また、今後もそういう方向でまいりたいというふうに考えておるのでございます。
  168. 小林武

    ○小林武君 文部大臣、あなたは、先ほど聞いたら、自治省におられたとき、この設置基準をつくるのをやめろと言った側のほうの人だということです。あとで何かそのときのことをよくわかっておったら――全部わかってるわけじゃないだろうけれども、わかっておったら、ひとつちょっと自治省のその当時の空気としてはこうだということを述べてもらいましょう。全然知らなけりゃそれでけっこうです。ただ、私はここでこう見ますというと、ぜひつくってもらいたいというのがあるんですよ。だから、これを見るというと、とにかくなければ、やっぱりほんとうに義務制学校としての教育に最低基準さえ保たれてないという県なり何なりがあるわけだね。そういう考えを持っているところ、大体これをよこしたのは校長としては中心校の校長です。だからそんなに、いま局長言ったけれども、一人の学校なんて世の中にないと思っているけれども、たまにあったとしても、そんなものは例にあげるほどのことはない。実在しないようなことを大げさに言って速記録に残すなんて根性はけしからぬと思っているけれども、それはそれとして、大体中心校の校長が全体的に自分の管内のレベル、教育のレベルでやっぱりこれをつくるべきだというのがあるわけだ。ここに書いてある。しかし、あなた、いま文部大臣として、局長が言われるように、これからも絶対そういうものには耳を傾けないというふうにお考えになっているのかどうか、それをお伺いしたいわけです。その際、薄いから厚いからというわけじゃないけれども、これは昭和三十九年に修正して四十五年に再修正をした全日本中学校長会の中学校設置基準、これは小学校設置基準第四次案、昭和四十五年の二月の全国の小学校長会のものなんですね。その中を見るというと、私は教員上がりですからよくわかるのです。やっぱり学校というのは手ぶらではできないということ。これは読み書きそろばんといったわれわれの子供のころならばいざ知らず、いまの教育の現場の中に入っていったらそうはいかぬ。そうするというと、設備だとか、あるいは教師の問題も出てくる。建物の問題もそうですよ。私は建物のことはあとで多少申し述べますけれども、そういうものでもどんなくふうが一体されているかというようなこと。建物一つ見ても、たとえば、普通教室と特別教室というのは、どういう考えで一体分けられたのか。運動場が校舎の中からはずれて――校舎でないとは言ってないけれども、校舎からはずれているというのは、これは大蔵省の一つのものの考え方じゃないだろうかと思う。まあ根のほうにいったら、大蔵省が言いやすいようなことですね。これを校舎にしたら、どんなところでも大体屋体というのはつくらなきゃならない。校舎でないということになると、一つの付属の施設になるからなくたってかまわない。だから、いまでも何だか、局長の答弁を聞くと、小学校で二五・六%まだ屋体を持ってない学校がある、こう言うている。屋体というのは、考えようによっては――考えようじゃない。もう考えるまでもないことで、これはいわば体育の教室だ。それが校舎から漏れているということなんていうのは、現場を経験した者はとても考えられない。そういうようなことを考えて、みんなが一体ほしがっているものをどうして、それは法律だとかなんとか、いわゆる文部行政のもっと高いレベルの話ならば、局長さんの意見というのは私はとにかくたいへんあれだと思うけれども、子供を直接育てている現場の教師のものの考え方、教育に対する考え方というのは、やっぱりあなたたちから見れば、ずっと現実的で、ずっと子供に役立つようにできている、こう私は判断している。そういう場合に、これからも絶対やりませんなんということを、いま答弁ありましたけれども、大臣もやっぱりそんなかたくなな気持ちをお持ちですか。ちょっとひとつ意見を述べてください。
  169. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省と自治省との間で二十数年前にどういう議論があったのかは覚えておりません。  同時に、小、中学校の設置基準、教員の配置でありますとか、あるいは校舎の整備でありますとか、ばらして一応の基準ができておるのですというのが、文部省の事務当局の考え方じゃないだろうか、こう思うわけでございます。  しかし、どう整備していったらいいかということをいろいろ議論していきます場合には、まとまったものがあったほうが具体的に長所短所がわかりやすいと思います。私自身、地方交付税法の運用にあたりまして、あるべき姿というものを常に求めておったわけでございまして、たとえば農事試験場は、どういう規模の団体であれば、どういう農業従事者が要るだろうか、それらの種目ごとの農業従事者、それを頭に置いたら、どういう試験科目が要り、またその試験場にはどれぐらいの建物の規模、あるいはまた職員の規模、そういうものを想定をいたしまして、それらを運営するのには一年どれぐらいの金がかかっていくか、それだけのものを個々の団体に保障しなければならない、こういう考え方をつくり出しまして運用してきた人間でございます。いまお話を伺っておりまして、やっぱりそういうモデルを文部省がつくって批判にさらしていくことが大切じゃないかなということを考えておったところでございました。学校ということになりますと、児童生徒の員数と学級構成だろうと思います。それを基礎にして、校舎としてはどういうものでなければならない、また、教材その他としてはどういうものを整えていかなければならない、あるいはまた職員室としてはどういう職員をどの程度必要であるとか、やっぱりそういう絵をかいていく。だから、幾つかの学校の規模と申しますか、あるいは児童生徒の員数と学級数といいましょうか、そういうものを基礎として全体の絵を幾つかかいていく。それを見てもらって、それが基礎になって、今後の義務教育諸学校施設費国庫負担法でありますとか、あるいは義務教育費国庫負担法でありますとか、そういうものの改正を検討するたいへんいい材料になるのじゃないかと、こんな感じを持っておったところでございます。いまいろいろ伺いながら、思いつきみたいなことを申し上げて恐縮でございますけれども、そういうモデルをつくっていく、そして批判を求めていく、こういうことが大切じゃないかなと、こんな判断をしておったところでございます。
  170. 小林武

    ○小林武君 ただしかし、文部省の側も、いまの大臣のあれだというと、検討してやっぱりつくったほうがいいんじゃないかというような御意見だったと思うのです。思うのですけれども、先ほどの局長の答弁ですと、渋っているように見える。渋っているというか、これからもそれでいくというようなことを考えているようなんだが、それは私はわからぬこともない。なぜかというと、やっぱりあなたは教育財政の財政的配慮で、よほど大蔵省にいじめられていると見えまして、大蔵省へ行っても逆ねじ食わされるようなことはなるべく近寄らないほうがいいというような、そういうあれが非常に強過ぎてそうおっしゃっているのじゃないかと思うのです。これは確かにたとえばこの施設費負担法一つ見ましても、たとえば校長の考えているその建物なり設備の問題を見ますというと、それは、現在の教育というものがどう変わってきて、その変わり方の中でどうあらねばならないかということを端的に示しているのですよ。もうわれわれが教員をやった現役時代の考え方とは飛躍的に違っているのです。想像もつかないような変わり方をしているわけです。だから、それは日進月歩といわれる世の中と、それに相応した、ある意味でそれの先導的な役割をする教育というものがどう一体いかなければならないかということを、これは端的にこの中に示されていますよ。そういうことには金がかかる、金のことを御心配のようなものの言い方ですが、大蔵省も来ていますから、それじゃひとつ金のほうをお尋ねしますけれども、文部大臣、今度の国会に出された法律案を見て、いわゆる中教審答申路線というものが非常に強く出ている。いわばあなたたちのほうからいえば第三の教育改革という一つの方向できているというふうに私は見ている。そういうあれでありますが、この答申のときに、あまり長々と言っているわけにいきませんけれども、答申のときに、昭和五十五年には十三兆一千二百億円、国民所得の六・二八%に増額する。昭和四十六年がちょうど教育総投資が国民所得の四・八%に当たる三兆一千五百億円強であると、こう書いてあります。   〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕 これがこれから十三兆幾らになる。これは十三兆でおさまるかどうかわかりませんけれども、これには一つのやはりいわゆる教育投資というものをかなりの大きなあれで高めていこうということだけは出ているわけです。だから、ある学者がこれについて、ほかのところは一つも賛成するところないけれども、ここのところだけ気に入ったということがあるわけです。ただし、これについてもある学者は、また新聞に自分の意見を述べて、何もそれはたいしたことじゃない。それは、そのころになったら、少なくとも、国民総所得の一二%ぐらいのあれは持っていくことになったらもっともっと金を出さなければならぬという考えを述べて、たいしたことはないということを述べている。そういうあれがあるわけですけれども、どうなんですか、金の使い方ということに相当今度の場合でもけちけちしているような気がするのですけれども、今度出されたいろんな予算というようなものは大体あれですか、最後の十三兆何ぼの路線に合わせるような、あるいはそこまで見通した場合にはどのぐらいになる考え方に立っていますか。これは大臣ひとつ御答弁いただければよろしい、そうでなければひとつどなたか答弁してもらいたい。
  171. 奥田真丈

    ○政府委員(奥田真丈君) いまの昭和五十五年度における十三兆一千億円という経費の予測は、中教審が答申いたしました学校教育の総合的な拡充整備のための諸施策を、基本的な施策を実行するにあたってどのぐらいの資源の見積もりがあるかということで計算されたものでございます。したがいまして、きわめていろいろな仮定を設けてやっておりますので、きわめて大まかな試算額でございます。したがいまして、これがこれからの経費の予算を積み上げていくと、こういうことになるということには直接的には結ばれておりません。特に、昭和四十八年度、七年度以降の予算の概算におきまして、中教審答申のすべてを計上してやっておるのではございませんで、一部分でありますので、直接的な連関というものは考えられないのではないかと、こう思っております。
  172. 小林武

    ○小林武君 そのぐらいのことは私もわかっているのだ。だけれども、あなたに言ってもだめなんだな。答申受けたわけでしょう。答申受けて答申の線でやっていくということになったら、これは金のつかないそんな方針なんてないのですよ、世の中に。そうでしょう。まあ、私は筑波には反対しています。なぜかというと、金を使うということになったら、既存の大学で一体みすぼらしいあの大学をどうするかという問題がある。問題のある私立大学をどうするかという問題もある。そういうことを考えますと、金の使いどころの考え方についてはまるっきり考え方が違うし、いま出されてきて、これがとにかく日本の大学教育の一大飛躍の指標になっているというような考え方には私は全然なれないんだけれども、しかし、一応そういう答申がなって、一つの路線をつくっていくということになると、それに伴う予算というものは全然かかわりなくできていったら、これはおかしい話だと思うのですよ。それが一つです。私はそういう意味で、あなたたちのほうにないということはない。それから、大蔵省だって、そのことは少なくとも大蔵省の役人の皆さんはつまらぬことをやっているとかなんとか批判あるかないか知りませんけれども、そういうようなことを考えるか考えないかは別として、一つの政府の方針というようなものにはやっぱり従うことでしょう。これは私が聞いたんですよ。これについては私のほうは反対ですけれども、マル政にはかないませんと、こう言っている、政策予算には。これはそういうことも聞いている。だからあなたのほうだって、一つの路線に沿っていくことは間違いない。  それと、私はこれはどうも雑誌ですから、日本経済研究センター予測のあれによると、これはなかなか似ているんですよ。昭和六十年を目当てにしているが、昭和六十年でもって大体教育に使われる金、もちろんこれは公財政支出教育費というものだけではありません。これが六十年には十四兆になっております。計算はじいている、十四兆と。それから、今度は一般の家庭教育支出というものを九十九兆、この中には、もちろん会社とかなんとかのあれも入っているんだと思うのです。九十九兆、百兆をこす教育産業というようなものは百兆円に向かって、百十三兆円に向かっていくという、そういう想定なんです。しかし、このことは文部省に全然関係がないかというと、全然関係していない人ばかりでもない。たとえば文部省の元の次官がちゃんと経済審議会の教育文化専門委員会の主査として斎藤さんが入っているし、また、この百兆円の教育産業については、先ほど答弁のあった奥田さんじゃないかな、写真見ても似ているから、奥田さんの意見もここに出ている。これは何も私はひやかしているんでもなければ、悪いとも言っているんじゃない。奥田さんも意見も述べている。それから、その中にまた現場の教師であるところの「二十一世紀教育の会」という小学校の先生が、企業はもっと積極的にこれからの新しい教育のために、いわゆる教育産業の教育機器というもの、これの売り込みに積極的になってよろしいんだ、こういう意見も述べている。そのよしあしは私はいまここで判断して言っているわけじゃないですけれども、いわゆるこういうものの見方から見ると、この一体教育費というようなものについて、やっぱり十四兆というのは六十年と五十何年だからちょっと違うけれどもやっぱり一つ合っているでしょう。百兆円というのはこれはうそじゃないと思う。私は百兆円をこすという目当てにして、そうして日本のこのいわゆる産業がここに教育産業として食い込んでいくというのは、これは日本だけじゃないですから、ほかのほうだってけっこうやってるのですからね。それは一つは、教育の内容の問題がそうさせているとも私言えると思うのですけれども。だからこれは私が別にあれでないから、おそらくあなたのほうでも教育の投資ということに対して全然ないということは文部省だって言えないと思う。そうすると、六十年というその見通しということになれば、一体いまのやつが六十年の中のどこのどうなるかという――たとえばあなた、新五カ年計画てなことをこの間おっしゃっておった。一年繰り上げて、そうして四十八年度を初年度とする五カ年計画の話も出ている。あれもよく読ましてもらった。これも一つの考え方なんです。そうするとすでに五カ年というもののあれがあるわけですから、どうやっていくかということが出てくるわけですよ。私は、あの五カ年計画の中の考え方ではちょっとやっぱり金の出し惜しみをやってるというような気がするのですよ。もっとやっぱり教育というものをほんとうにやるならば、これはただしこの法律を大体中心にして考えた場合に、もっとやっぱり速度を速めるなりあるいは金額をふやしたりするべきではないかと、そう思ってるのですがね。そういう批判、考え方を持っているのです。だから奥田さんがいま答弁をされたけれども、もっと局長さんなり何なり、これはだれが担当するのか知らないけれども、もっとすっきりした話を少し聞かしてもらいたいと思うのです。あるいは大臣として、さっき言った一つの絵をかいて、あるいは設計図でもいいですよ、こういくだろうというようなことを、まあ言える大臣だろうと思う。とんでもない大ぼら吹かれてあとでどうなるかわからぬというような話をする奥野さんではない。奥野さんはやっぱり固く踏んでちゃんと一つの設計図をお考えになる方だと思っている。それだから聞いているのですがね。
  173. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 中教審の数字は中教審で書いておるところ、計数的にいけばそういうことになるということだろうと思いますし、経済企画庁中心に五年計画で社会経済発展計画といいましたか、そういうものをつくっている。その場合には各省の施策を集めまして、そしてそれを基礎にして数字をはじいておるわけでございます。文部省の場合、一例を申し上げますと、今後大学の進学率がどうなるだろうか、六十一年には四〇%を収容できるようにしようじゃないかと。それについては国公立の大学はいまの二倍に持っていこうじゃないかというようなことの一応の予定もしているわけでございます。そういうことをはじいてああいう数字が出ているわけでございますので、その中でまた個々に年次のずれのある五カ年計画とか、十カ年計画とかいうのがございまして、それがいま御指摘になった問題だろうと思います。それぞれ計画をオープンにしているわけでございますので国民の批判も絶えず受けられるわけでございます。また、その声を聞いて積極的に修正していってしかるべきだと、こう考えるわけでございます。さしあたっての数字だけは、将来見通しとしては中教審のその数字、一応中教審の答申をいただきましたもの、これは基本的に考えているわけでございまして、中にはいろいろの批判を今後受けた後で決定しなきゃならないものもございましょうし、あるいはまた新しいものが加わったりする場合があろうかと思うのでございます。そういうような形で、長期計画というものを公にしながら施策を進めていきたい、また、進めていっているのだということではなかろうかと、かように思います。
  174. 小林武

    ○小林武君 そこで、この問題をいつまでもやっておくあれもありませんから、ひとつどうですか、これは先ほどの大臣の御答弁の一つの絵をかいてみようということは、このことについて設置基準の設定というようなものを――しかし私も、ほんとうにそれが、つくることによってすべての問題を解決するというような感じではほんとうはありません。先ほど言ったとおりたった十回ぐらいしか、十二、三回かの会合を持っただけでもありますし、それから、そんな結論を出すなんというあれでもありませんけれども、ただ、しかし非常に現場が要請している、しかも年とった人、校長あたりがそういうことを要請しますね。それから若い人はあまりそういうことについてよりかもっとやはり何というか、設計図みたいなものよりか、直接じかにこうしてもらいたいという意見がやはり若い人にはそういうのが多い。  しかし、私は考えなきゃならぬと思っておりますことは、先ほど最初に話しましたが、体力の問題です。東京の子供の体力の問題、いろいろ見方はあると思います、あると思いますけれども、私はそういうことでちょっと自分の子供を振りかえってみますと、うちの子供が北海道から来て、そして小学校は東京の小学校を出た。まあびっくりしたのは、口の字型になった校舎の中の、これはかなり古いりっぱな建物だけれども、焼けたコンクリートづくりの建物で、それを修理して、ちょうどそれが開かれた、そこへ入れてもらった。口の字型の中のコンクリートのところで運動会をやるのです。周辺には別にない。で、北海道から来てやはりそれを見て、これはもう運動なんていうことはとてもできないところだなと、こう思いました。そういうことで考えたことをちょっとこの間、そういう会合を開くようになりましてから思い出したりしまして、ひまがあればちょっとそこへ行ってみるということをやりました。麹町中学というのは名門校だそうでありますが、麹町中学へ行ってみて私はやっぱりびっくりしました。あれもどっか広い場所があるのかと思ったら、おいでになっていらっしゃるんじゃないかと思いますが、たしか直線で何メートル走らせるつもりでやったのかしらぬが、百メートルはないんじゃないかと思うのですけれども、妙なところから飛び出してきて斜めにはすに走って一番長い直線コースみたいなものがつくられていた。これは学校に全然人のいないところに行ったのだから、聞いたわけでも何でもない、私が見てそう感じた。あそこで教育されるというのはどういうことかということを考えますね。それから私の住んでおります調布の学校というのは――教育委員会の人たちの意見や何かを聞くことができましたが、その中で、今度調べてみましたら、調布で一番大きな校庭を持った学校というのは一番古い学校なんです。それが調布でいえば一番草分けの学校です。これが校地の坪数が一万坪です。一万坪あるのは、それは古くからあったからです。しかしそれが百メートル直線コースをとれないのですよ。そのかわり、その学校は百メートル直線コースはとれませんけれども、その一万坪の中にいわゆるいまでいう緑化ができております。昔から木を植えて、行くと、さすがに建物は古いけれども、品のいい学校だなということを感ずるような仕組みになっております。たいへんいいなと私は思いました、思いましたけれども、運動するとなると百メートルの直線コースはとれない。あとはもう標準というか、標準というのは調布に一つの標準をつくっておりまして、ただし、これはやっぱり地方自治体も自分のほうは努力しているということを見せたいのかどうか知りませんけれども、東京都の基準よりも多くとっております、少し広くとっておる。まあそういうのを見ますというと、きわめて小さい校庭ですね。そういうところでやっておるから、この間新聞で、大臣ごらんになりましたかな、あれは毎日新聞ですか、何かもやしっ子とか何とかいう連載で、東京の子供のことを書いている。そうしてもう体位の劣悪なことを二、三回分そのことだけで埋めていましが、これを見ると、ちょっと驚くんですわね。懸垂が三回しかできないなんていうことです、そんな状況になっている。しかし、それはどこからきているかといったら、私は何といっても、学校のやっぱり体育施設の問題だと思うのですよ。環境だと思うのです。しかし、それはだれも責めることのできない問題ですけれどね。まあ、大都市の学校であるというひとつのこともありますし、それから一歩外へ出たらそれは車にひき殺されるようなあれですからそれは出られませんでしょうし、遠足なんというのは東京の学校にはないわけですわね。遠足といえばバスに乗っていくというのが遠足だ。足にまめを出して歩くなんということもこれはないと私は見ているんですがね。そういうような状況です。どこから見たって教育環境というものは全くよろしくない、体育一つ見ても。これはやはり設置基準というようなもの、校地の問題あるいは体育施設の問題とか、いろんな問題を相当考慮しなければ、現状に合わしたようなやり方だけをやっておったんではこれはだめだというようなことを感じたわけですが、大臣の考え方は大体そういう意味で、いわゆる校長たちが問題にしていることを、設置基準を設けるというようなことでなく、検討に入ろうというような、設置基準を設けるか設けないか――私は設置基準というようなものが幼稚園から何からみんなあるのに、なぜ置かぬかということをふしぎに思っている。いままで二十年もよくもほったらかしておいたものだ。何かうわさに聞くというと、文部省の中でもいろいろ検討はしているんだと、すれば賛否の両論は出るということはこれはあたりまえだ。賛成論が負けて反対論が勝っているんだというような話も聞いているんだけれども、その事情はこれは決していろいろな事情があってのことだと思いますけれども、今度おやりになるか、やってみようかと、検討に入ってみようかというようなお考えがあるかどうか、ひとつここで大臣から再度確認させていただきたい。
  175. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) ちょっとくどくなって恐縮でございますが、衆議院の文教委員会でこの法案を審議していただいておりましたときに、ある委員の方が文部省が校舎の姿をモデルとして示している。ところが国庫負担の対象には全部なっていない、けしからぬじゃないか。全部に対象にすべきじゃないかというお話がございました。事務当局のほうでそういうモデルをやめようと思っているんですと、こういう答えがございました。そこで私が引き取りまして、文部省はやはり理想を示していかなければいけないんですと、ナショナルミニマムを保障していく。そのためにここまでは国が二分の一を負担しますよと、それはそれを下がったっていいんですよと、だから文部省は、私は廃止するんじゃなくて示していくべきだ、こんなことを申し上げたことがございました。そこが私は事務当局が一番ひっかかっているところじゃないかというふうに思うんでございます。やはり基準を示す場合には、現在国庫負担をしているその限度の基準では満足されないだろうと思います。やはり前進をさせていかなければならない。そうするとそれを上回った基準を示す。上回った基準を示すということになると、まず財政当局からいろんな批判が出てくるかもしれません。同時にまた、文部省も将来それについてできる限り近づける財政措置をとらなければならない責任を負う。そういう問題もあるんじゃないかと思うんであります。同時にまた、受ける側でもなぜここまで補助対象にとってくれないのかと文部省を責めることもあろうかと思います。ですから、私はやはり先ほどもちょっと申し上げましたように、それぞれの規模に応じたモデルを示していくべきじゃないか。そのモデルについて、国庫負担の対象はこの部分についてはここまでですということをその中で明らかにする。そしてみんな批判しやすいように、同時にまた、みんなが整備しやすいように、そういうものをやはりつくる必要があるんじゃないだろうか。それがやはりいろんなものを前進させていくひとつの強い力になっていくんじゃないだろうか、こんなことを考えているわけでございまして、そういう意味で、そういうモデルを示していくような問題について、事務当局との間でいろいろ検討させていただきたい、こう考えます。そういう方向を通じていまのお話にお答えできるんじゃないだろうか、こう思っいるところでございます。
  176. 小林武

    ○小林武君 たいへんいろんなことを配慮された末の上で、一つの意見をお持ちだから私はその点では非常に大臣の考え方に賛成はいたします。ただしかし、私がものを言いますと、これはやはりせっかちになりますから。せっかちになっても、やはりここまできたら使うべき金は使うべきだ。これはやはり大蔵省なんかも、どうも私は大蔵省の金の使い方というのは、高度成長のほうには使い方がたいへん荒っぽく使うけれども、その根本になる教育のほうにはどうもあれだ。これは新聞のあれで見たのですけれども、何か小さい下の囲み欄で見たのですけれどもね。イギリスの技術屋たちが日本に視察に来て、そして日本の工業の状況を見て、結局イギリスの負けている点は、それはここで働いている労働者の諸君の学歴が、イギリスよりかも高いということ、学歴じゃない、その程度が高いということです。これは非常に歴然としたあれだということを言ったそうです。私は、日本の学校だってそんなりっぱなこと、ほめられるようなあれは一つもないと思うけれども、私はその点では戦後の教育というようなものの中に、多くのやはり問題点を持ったり、これから伸びるために改める必要があったり、常にそれはそういうあれがなければならぬと思う。思うけれども、いろんな批判があったところで、それは非常に日本の躍進的な一つの経済成長なり何なりの陰にやはりそこに成長してきた子供たち、青年たちの非常な努力のおかげだと私は思っております。そのあれは教育というものが非常に大きな役割りを果たしているということを、残念ながらイギリスはそれに及ばぬということを言ったということを聞いて、私は教育というものの投資にあまりけちくさくするなんということは、これは一文惜しみの百失いみたいな話だと思うのです。そういうあれからひとつ脱却してやるべきだ。中教審の答申の中にたった一つほめるところがあればこれだといった。十三兆幾らでね。そういう口の悪い学者か何か知らぬけれども。その金の裏づけということをいうたことは、ある意味で私は答申に対して一つの信頼を持たしたのだなとそのとき思った。ほかのところは悪いと言ったけれども金の出すということはいいというそういう見方も一つあるということを考えたのですけれども、まあひとつ努力していただきたいと思うし、それに、もやしっ子の問題なんかもやはり重大な問題ですからね。子供の体力なんというのは、実際男子の懸垂で全国平均が十回なのに都は三回だと、しかし、全国平均というものがまたこれは一体どうなのか。  私はソ連人なんというのはものすごく体力があると思いますけれども、ソ連の学童の体育とスポーツということをソ連教育次官のミハイル・コンダコフという人がここに書いているのですけれども、これはものすごく力を入れているわけですね。このあれの中にはとにかくいまの文明の進歩というようなものが人間のからだ、体力に非常ないろんな影響を及ぼしている。体力にうんと重点を入れなければいかぬ。十万人の体育教師をつくらなければいかぬとかなんとかいうことを書いているようですが、私はそういう、ソ連の人が、「体育教師の数も著しく増えた(現在、十万人以上)。」と書いておりますが、多少それが少しオーバーに言った、とかくやはりだれでも自分の国をよくいうものでありますから、そういう傾向もあるかもしれませんけれども、体力にものすごく力を入れているということだけは、ソ連のスポーツを見ればわかるわけです。スポーツそのものに対するまた見方というのもいろいろありますけれども、私もソ連のやっていることがみなああいうやり方がいいなどということは思っておりませんけれども、スポーツについては。しかしそういう子供の、青年の、そこの国の国民の体力なり体位なりというものを向上させようという努力は、それは、これはかつてのそれよりかもっと重要なあれになってきたと私は思っているわけです。そういう意味でちょっとつけ加えておきます。  それからもう一つ、設置基準の問題でこれはどなたに聞いたらいいのかわかりませんけれども、幼稚園の設置基準を何か改めるということで、何回か会議を聞いているというのですが、これはどういうことをしようということですか。
  177. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 御案内のとおりただいま幼稚園を普及いたしまして、一応十カ年計画を立てまして四、五歳児で希望する者は全部就園さしたいと、そういうふうな計画を私どもは持っているわけでございます。まあ、それに沿っていろいろ手当てをしているわけでございますが、現実問題といたしまして、私立の幼稚園の占める割合は非常に高いわけでございます。また、それなりの実績をあげてこられているわけでございますので、そういうふうな私立の幼稚園というものをできるだけ振興するという方向もとりたい。その場合にやはり問題になりますのは、現在、私立の大学につきまして助成のお話が先ほど小林先生からもございましたけれども、経営あるいはその私立幼稚園に通う子供の経済的な負担、そういうふうなものを考えてできるだけ助成の道を開いていきたいというふうな気持ちもあるわけでございます。  ところが、現実問題としましては、私立の幼稚園の中に学校法人立の幼稚園というものの占める割合というものがまだ低い。それから私立とか個人立とか、あるいは宗教法人の占める割合が高いというふうな実態があるわけでございまして、個人立の幼稚園をできるだけ学校法人立の幼稚園に切りかえるということが助成の面から申しましても望ましい、また安定した教育を提供するという面からも望ましいというふうな一つの方向があるわけでございまして、その際に、個人立の幼稚園が法人立の幼稚園になる場合のいろいろな制約が現在の設置基準の中にはございます。たとえば、土地の問題一つをとりましてもそういう問題があるわけでございまして、そういう問題とか、あるいは宗教法人立の幼稚園が学校法人立の幼稚園になる場合にも制約がございます。そういうものを検討いたしまして、そうして、なるべく学校法人というふうな安定した教育を提供できるような幼稚園になりやすいようにひとつ考えてみる必要があるんじゃないか、そういうふうな点が中心でございますけれども、現在幼稚園の設置基準につきましてこれは予算をもらいまして検討している段階でございます。
  178. 小林武

    ○小林武君 設置基準のどこを改めるということになりますか。
  179. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 現在調査をいたしております内容は、一つは学級編制の問題、それから一つは幼稚園の園地、それから園舎、運動場等の問題、それから現在は平家建てが原則でございますけれども、二階建て以上の幼稚園というものは考えられるかどうかと、そういうふうな問題。それから、そのほかの園具等の設備の問題、そういうような内容をきょう現在調査し検討いたしておるような段階でございます。
  180. 小林武

    ○小林武君 まあ、何といいますか、設置基準をながめてみますというと、どの設備基準を見ましても、水準の向上ということを、水準低下というものに歯どめをかっているわけですね。水準の低下しないようにという歯どめの規定があるわけです。大学設置基準でも「この省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、その水準の向上を図ることに努めなければならない。」ということは、これは高等学校の中にも十九条にやっぱりそういうことを書いています。幼稚園にいってもそう書いていますね。「この省令で定める設置基準は、幼稚園を設置するのに必要な最低の基準を示すものであるから、幼稚園の設置者は、幼稚園の水準の向上を図ることに努めなければならない。」とこう書いてある。私は設置基準をつくるという、これは最低の基準を割るというような考え方によるのは時代逆行もはなはだしいと私は思うのです。そんなやり方はやるべきじゃない。子供を大事にするというあれじゃないですよ。たとえば、私は私立の幼稚園だって非常に大きな役割りを果たしていると思う。調布にいま六千人いるそうです、幼稚園にいかなければならぬ子供が。その六千人のうちに全部調布で公立や何かに入れるなんということは不可能なわけです。そうしますというと、半分以上が私立のところへ行かなきゃならないのですよ。その場合に質が悪くても入れればいいだろうというような式のやり方はこれは決してやるべきでない。しかも、高度に成長した日本の経済の中でそんなばかなことをやってあとあとで悔いを残すようなことをやっちゃいけない。ただし私は、そういう私立の幼稚園というようなものに国がどう一体それだけの使命を負わせるならば、助成をするということは、これは当然考えなければいかぬと思うのですが、この点はだいじょうぶですかな。私は平井座長さんの新聞に書いたあれをちょっと見ただけなんです。ですから中身の詳しいことはわかりませんし、これからどんなあれになるのかわかりませんけれども、平井先生は私も多少お世話になったこともございますから、まあ子供のためにならぬようなことはやらぬと思いますけれども、二階建てにするというようなことは、東京の場合において、二階建て、まあ三階建てがあったところで――しかし子供はいつでも安全の場所にあって、どんな場合にでも子供が事故によって、特に火事とか地震とかの際に生命を失うなんというようなことのないような配慮があれば、これはちょっとやっぱり土地のたくさんあるところに置かれた幼稚園とは違うということはあっても、設置基準の改正にはひとつ厳重に、やはり現状の最低の基準を下回るようなやり方、劣悪化することによって、どんどんそういうものをやらしておいて入れるなんていうことをやるべきじゃない。私は公立の幼稚園をどんどん思い切ってやるべきだと思うのですが、文部大臣どうですか。公立の幼稚園というのはやっぱりやるべきですよ。膨大に金かかるのですよ。へたな高等学校や、ほんとにへたしたら国立の大学よりかも金かかるような幼稚園だってあるやに聞きますね、入れるとなると。そんなことではだめです。だから公立をふやすということ。しかし、現状はとても急にふやすといったってできない場合もあるでしょう。これに対する対策というのは、たとえば何カ年でどうするというような計画のものはあるわけですか、どうですか。
  181. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 計画につきましては、先ほど申し上げましたように、四十七年度でございますか、四十七年度を起点といたしました十カ年の間に四、五歳児で入園を希望する者は全部収容できるようにいたしたい、そういうふうな計画でございます。
  182. 小林武

    ○小林武君 それではひとつその設置基準にかかわり合いのことにつきましてはやめまして、次に移りますが、私は、ここでちょっと大臣にお尋ねいたしたいわけでありますが、この校舎というのは、建物というと校舎ということになるのですが、先ほどもちょっと述べましたが、屋体というのが校舎でないという、これを分離して考えるという考え方、私はどうしても納得いかないのです。私に言わせれば、体育のこれは教室であると、こういう広さが違うとか、設備が違うだけです。それを校舎でないということになると、そんなことはわれわれが教員やっているときに、屋体は校舎でないなんというあれは全然ないですよ。校舎見回りといったら、それはもう屋体なんというのは必ず行って見なきゃならぬしね。しかもそこには、昔はまたややこしかったのは、御真影の奉安の設備があったりいろいろありました。一体この法律をつくる趣旨にそんなものはなかったから、きれいに考えられたかもしれないけれども、私はそんなことは問題じゃない。そういうことでなくて、校舎でないという考え方、これがある限りにおいては、なかなか屋体というものはいつでも校舎から切り離されて、特別の施設のように思われるという、そういうことになると思うんですが、この点についてどうですか。
  183. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 小林先生のおっしゃるお気持ちもよくわかるわけでございますが、この負担法の第二条の第二項におきまして、「この法律において「建物」とは、校舎、屋内運動場及び寄宿舎をいう。」と、……。
  184. 小林武

    ○小林武君 それが悪いと言うんです。
  185. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 定義があるわけでございますが……。
  186. 小林武

    ○小林武君 それが悪いと言ってるんです、そんな考え方が。
  187. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) こう書いたからと申しまして、校舎に比べて屋体の教育的な意味が低いといったようなことを考えているわけでは全くないわけでございまして、先ほど来御指摘のとおり、これが体育のための教室であるという考え方には立っておるわけでございまして、その点は全くそのとおりだと思います。ただ、基準等を設けます場合には、やはり本来的な性質が教室の場合とはちょっと違うわけでございますから、分けて整理をして、それぞれについて別の基準をつくるということがむしろ技術的に適当だ、そういう観点からこれは分けてあるわけでございます。ですから屋体というものが、体育のための教室だという考え方は全くそのとおりでございますが、しかし、広さその他は全く違った観点から基準ができておるわけでございますから、校舎の中に入れますと、計算上の仕分けが技術的に非常に困難になる、そういう意味で別個に抜き出した趣旨だと思います。
  188. 小林武

    ○小林武君 そんな苦しまぎれの答弁しちゃいかぬですよ。何がそんなにむずかしいことがあるのですか。たとえば、そうすると、校舎の中には入っておりますけれども、普通教室と特別教室と分ける根拠はどこにありますか。普通教室と特別教室と、何で分けるのですか。私は、それについてもおかしな話だと思っているのですよ。普通教室、特別教室というのは、分け方が何のために必要なのか。それはこれはもう私はからだで感じていることなんです。昔は、私らの話になると、大体昔の話になるが、十年一昔としてもずいぶん昔になる、何べんも昔といわなきゃならぬ。いわゆる読み書きそろばんといった時代は、普通教室で間に合ったですよ、皆さんのおっしゃる。どこにも動かんでもいいんだ、読み書きそろばんだったから。私は戦後僻村の学校に行くときに、私の先輩が、「おい小林君、読み書きそろばんということがあるから、読み書きそろばんやればいいんだ。」こう言われて、何しろ戦後のものすごく荒廃している時期だから、それは私の気性を考えて忠告を与えた。しかし、その人はものすごい教育実践家であり、研究者であって、北海道でも非常に名の売れたりっぱな教師なんです。その人があせるなという意味で言ったことばなんです。何にもないときは読み書きそろばんだと、そういう考え方で話したのだが、そういう時代と違うんですね。そういう時代からだんだんだんだん来て、特別教室というようなものを名前いろいろつけてやる。私は、そういう時代から知ってますから、子供のときから知ってますから、言うのだけれども、そんなことを言うのはあとでつけた理屈ですよ。たとえば屋体なんということばだっていつからあれは屋体になったのかよくわかりませんけれども、あれは初めは体操やるというようなことばかりじゃないんですよ。寒冷地へ行けばあれは一種の雨天のときとか、寒冷の季節を迎えれば、それはうちへ入ってとか、そういうことなんですから、それはそこには何も肋木も何もなかった、そんな時代だったんです。だから私はそんなのはへ理屈だと思うんですよ。そんなことに理屈つけるから、普通教室はつくっても特別教室というやつはつくらない。つくってもとにかくふえてきたら特別教室をぶっつぶすんだというやり方、屋体をとにかく幾つかの教室に分けて屋体つぶすというようなやり方が出るわけです。だから私は教科に対する見方の問題から、そういうものが出てくるとこう考えるんです。教科というものの中に軽重のあれがある、いまだにやっぱり読み書きそろばんというような考え方があるんです。だから私はそういう意味でなくて、もっと新しい教育の中では教科というものの見方をわれわれは変えなければならぬ。そうでないというと、ほんとうに円満な人間の教育というものができないんだと私は考えています。しかし、それはいまここで演説やろうというんじゃありません。ただ設備の上からいけば、いつでも特別教室というようなものがある程度の大きさでなければもうつくらせないとか、屋体であるならば、どういうことになるとかいう、なかなかさっきも二五・六%とか何とかできていないとこう言う。そのできたところをながめてもあれでしょう、およそピンからキリまであるんじゃないですか。設備施設その他いろいろなことを考えたら、ピンからキリまであるんじゃないの。ただ、屋根がかかっているというだけで、中にはそれらしいものもなければ、バスケットもできない、バレーもできないようなものも含めて、あなたたちのほうは七十何%というやつを計算しているんじゃないですか。そうでなかったら、一つの近代的な設備されたものは何%あるんですか、その中には七十何%のうち。どうですか、二つあるわな。一つはそういうものの考え方、それはあなたの考え方述べてもう言うことなかったら言わぬでもよろしい。それからあとの問題は、いわゆる屋体に値するような、少なくともいまの、先ほども出たが教材として取り入れられているものを十分こなせるようなそういうものはどうですか、何%くらいあるんですか、その建物の中に。
  189. 澁谷敬三

    ○政府委員(澁谷敬三君) 屋内運動場という用語でございますが、体育スポーツのほうから申しますと、運動する場所が運動場とプールといいますか、運動場は屋外運動場と屋内運動場、屋外運動場というのが運動広場とコートとございます。それから屋内運動場いわゆる体育館と柔剣道場、そういう使い分けをいたしております。したがいまして、私ども体育スポーツの見地からいいますと、やはり運動する場所としては屋外運動場と屋内運動場というものが慣用語になっているといいますか、そういうこともございますので……。
  190. 小林武

    ○小林武君 いや質問のあれが……。あなた局長だからいわゆる屋体というものの中に――プールもわかった、それから屋体もわかったし、それからいまの屋外の運動場のこともわかった。そこで屋体というものにおよそ設備される、備えつけられたこれならば、たとえば中学なら中学であらゆる教材を全部とにかくこなせるような仕組みになっている、小学校なら小学校でやれる、こういうものが一体何%くらいあるのか、こういうことですよ。
  191. 澁谷敬三

    ○政府委員(澁谷敬三君) パーセントの数字はちょっと持ち合わせませんが、いま管理局でもいろいろ御検討されておりますが、学級数が基準で屋内運動場の基準ができておりますが、たとえばバスケットボールとかバレーボールというのをやる場合、最低どれくらいの面積が要るかという問題がございます。
  192. 小林武

    ○小林武君 高さも。
  193. 澁谷敬三

    ○政府委員(澁谷敬三君) はい、高さもですね。それで現在のところ小規模学校では、ちょっとその基準にはとても及んでおらないと思います。
  194. 小林武

    ○小林武君 だからどのくらい体育館といわれるようなものがあるのかと聞いている。私はそういうのは昔のただ屋根がついているというだけなら、そんなものは屋体のうちに入らぬと、こう言うんだ。私はそういう考え方に立っている。それじゃ一体日本の子供の体位がますます衰える時期にますますだめになるばかりだと、こう言っている。
  195. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 屋体についての基本的な考え方は、私は小林先生おっしゃるとおりだと思います。  それから、保有の状況でございますが、先ほど御指摘がございましたように小学校で保有が七四・四%でございます。中学校で八三・六%でございます。  そこで、今度は御指摘の御質問に的確にお答えする資料実はないんでございますが、この補助基準から申しまして七つの段階があるということはこれは政令に明らかでございますが、一学級から三学級まででございますと、これが二百十七平米、それから四学級から五学級でございますと二百七十六平米、それから六学級から七学級が三百三十五平米ということでございますが、この第一段階でございますと、一学級十五人のリズム運動、いまはダンスと申しておりますが、それが可能である。第二段階でございますと、一学級二十五人のダンスが可能である。それから第三段階でございますと、一学級四十五人のダンスが可能である。第四段階の八学級から十三学級の場合が四百二十二平米でございまして、ここでドッジボールが初めてできると、こういうことでございます。したがいまして、小林先生の御趣旨に沿って申しますれば、この第一段階から第三段階まではドッジボールすらできないから、はたしてこれが適正な屋体運動場といえるかというようなお尋ねにあるいはなるかと思いますが、その保有率をさらにこうこまかく仕分けをいたしまして、こういう段階で区切ってその計数をとったものは実は残念ながらございません。
  196. 小林武

    ○小林武君 私は、やっぱりこういうのは調べる価値あると思うのですね。先ほどお話しのあった七四・幾らというのはこれは私もちゃんとあなたの説明を何べんも読みましたからわかっています。しかし二五・六%ですか、それをつくればこれで完備するという考え方にはなかなか立てない、というのは、行ってみればひどいのがあるわけですわね。それは広いだけで天井は低いし、バスケットも何もできはせぬというのもあれば、あるいはもう狭くてどうにもならない、いまのようにやる設備というものはほとんどないというのもある。そういうことからいって、やはり校長さんたちの気持ちの中にやっぱりそういうことがあると思うのです。よい設備をつくって体育なんかでも十分さしてやりたいという気持ちもあるし、それから体育の教師というようなものが、これは体育の教師はいい設備の中で技術的にもやっぱり優秀なものを育てたいという気持ちもある。それがなかったらたいへんなわけですから。だから、そういう観点に立って整備するということになると、七十何%というのはまだ信用できるこれは数字にはならない、私に言わせれば、いわゆる体育場としても。もっとやはり高い水準のところに目を置いて、文部省あたりが考えてもらわないと困るんじゃないかと、こう考えるんです。だから申し上げたわけです。  それから特別教室と普通教室、さっきも出たんですけれども、普通教室と特別教室というのはどこから出た、これはあれですかね。どこから、いつごろから出たのか。私らのときは、教員やっているころは作法室というのがあったですな。あれは特別教室と言わんかったけど、作法室。それから理科室は特別教室と言っていた。音楽教室、そんなのがあげられておりましたけれども、特別教室というものを文部省はこの段階にきてどう考えるべきであるかということを聞きたいんですよ。私は、もう一つあとから聞きますけれども、どう考えるべきか、どう考えているのかということですね、特別教室というのは。まあ大体答弁聞けばわかりますけれども、音楽と理科と何ですか、何だか幾つかありましたね。
  197. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 図工、家庭。
  198. 小林武

    ○小林武君 図工。それが特別教室ということになっているんですけれども、それだけは特別な部屋でやれば効果があると考え、社会科の場合は必要がないのか、国語の場合はどうかというようなこともいろいろありますけれども、そうなりますと、これはひとつ大臣にお考え願いたいんですけれども、私はやっぱりびっくりしているのは、二、三年前から小学校の中に教科担任制とまではいかぬけれども、そういうようなものを持ち込んでいる学校があるんですよ。これは、研究心のきわめて旺盛な、元気のある校長さんが非常に――それで労力はたいへんなことなんです。校長も教頭もみな何かやらんければならぬような仕組みになるんですわ。それは一年生から全部ということじゃないですよ。たとえば小学校の上学年のところへくるとそれをやる。それと専科制と言うのは、いま言った特別教室の考え方と結びつくいき方ですよね。これとこれはもう専科の教員を置かにゃいかぬと、先ほど来理科の準備室のことが話がありましたけれども、私も教員やったときに、体操の時間のあとに――理科室というやつは頭からきめられてくるわけです。何曜日の何時間日はおまえが理科室を使えと、こういうわけだ。そうすると、その前に体操もまた今度屋体の使い方とかグランドの使い方で、またそれもきめられるわけですよ。自分がきめるわけにいかない。何時間日に体操をやれとか、何時間日に屋体を使ってやれよとか、こういうあれが一つあって、そういうものを全部やらぬというと、二十何学級とか三十何学級の教員のあれが割り振りできないわけですわ。だから割り振りやる。そうすると、残されたところに自分の担任の者が自分の教科をはめていくというようなぐあいにやるわけですね。だから、体操のあとに理科の授業なんていうのがある場合があるんですよ。そんな場合は、その当時の中学校ですね、中学校ならば理科室に助手みたいなのがおりまして、そして準備してくれますけれども、小学校はそんなものないわけです。そうなると、かけ込んできて、もう汗だくになってかけ込んできてそして次にやるなんていうことは、これは神さまでもできないだろうと思うんです。ましてや、理科をあまり得意としない者なんかっていうのは、それはもうときどき失敗やらかすのはそれなんですわ、実験のときにね。えらい大きな音立ててやったりしたことも、私も経験ありますしね。そういう授業の実際の動かし方ということを考えた場合に、中学校はもちろんそれでけっこうですけれども、いまで間違いないですけれども、小学校でもある程度考えなければならぬということがあるんです。だから、私の親しい尊敬している友だちが、校長を去年やめていま教育委員やっているのがいますけれども、これがやめたときのことばは何と言ったかといったら、教員というのは何でもできる、小学校で何でも教えられるという考え方は捨てなければならぬと言うんです。それはそうですよ。何の教科でも片っ端から全部教えるなんていう小学校の考え方に立ったらたいへんだと言う、この優秀な教師であり校長である男が最後に言った。それを見て、私はほんとうに正直な言い方をしたと思って感心したんです。何でも教えるなんていうことは不可能だと。ごまかしなんかできるようないまは状況でないんですわ。音楽なんか、へたな音楽のひき方なんかしておったら、子供のほうがずっとうまいのがたくさんいるわけですからね。そうでしょう。そんなことでごまかされるわけも何もないわけです。だから、やっぱり私は小学校の中にある程度教科制というようなものも入り込んでくるような状況になったということを考えて、そうしてさっきの建物の問題は、校舎の建物の問題、設備の問題というようなものをそういう角度からも検討する時期がきたのではないかと、こう思っているのです。いままでのような専科制でいくというなら専科制のワクを拡大していくのか、いろんなことを配慮したやり方というのは文部省は相当考えていいと思うのです。これは学校にまかせるからおまえら適当に予算使ってうまくやれといえば、それはもう町村でもできると思いますけれども、私はだから特別教室、そういうやり方についても、建物と、教育という実際の仕事と、それから教師の力をフルに出せるというようなことは、決してこれは別々ではないということ、そのことを言いたいのですが、どうですか、そういう点は。
  199. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 全くおっしゃるとおりかと思います。現在の負担法におきましては、小学校の場合は理科、音楽、図工、家庭科、この四つが特別教室、それから中学校の場合は理科、音楽、今度は美術と技術が分かれておりまして、それぞれ特別教室がございます。それから家庭科、ほかに職業科という特別教室がございます。こうした特別教室は別掲いたしまして整備を進めておるわけでございますが、御承知のとおりこうした施設は、たとえば水道が机の上にセットされておるとか、あるいはバーナーがセットされておるとかいったような、そういう設備の面から特殊な教室でございますので、やはり特別の教室として整備をする。音楽教室でございますと、これはまあ見かけは普通教室に似かよっておるかと思いますが、たとえば防音天井を張るといったような配慮が特別に必要でございますので、やはりそうしたものの整備は今後とも進めていきたいと思いますが、ただ、ただいま御提案の専科教員、教科担任といったような考え方につきましては、これはやはり基本は初中局で御検討いただく課題かと思いますので、そうした関係の結論が出ますれば、私のほうは建物という観点からそれに対応していくという立場でございますので、そういう方向で検討さしていただきたいと思います。
  200. 小林武

    ○小林武君 初中局長さん、私は小学校の教科担任制というのはいいという話を聞きました。しかし、私はそれをなるほどいいなというようなところまで見ていたわけじゃないですからね、たまたま話を聞いてあれしたのですけれども、わかるところはただ何でも教えられないということだけはよくわかるのです。ある程度そういうことを加味するということになると、たとえば数学のようなものでも、これはやっぱりたんのうな人が五年、六年になったらやってやるというようなことだと思うのです。いままで専科制の中に入れられておったようなものならばあれですけれども、理科とかいろんなものをとにかく教師を総動員してそうして最も効率的に小学校でもやらなければうまくないとこういうのです。だから、私はその考え方は一つの考え方として十分検討に値すると思う。  そこで、そういう考え方でやると、私は教員定数というものをやっぱりいままでのようなあれからもっとゆとりをつけなければできないことだと思うのです。校長も教頭も総出でやらなければならぬというようなやり方だというと、どうもやはりこれは無理だと思うのです。ある時期はやっても必ず校長がかわったとか、どこかからいろんな不満が出たとか、労働力のしわ寄せがきたとかということになると、それはもううまくいくあれではありませんから、そういう必要があると思うのです。初中局としてはいまのような考え方を検討してみる気持ちはありませんか、どうですか。
  201. 岩間英太郎

    ○政府委員(岩間英太郎君) 教育のやり方につきましては、私どももいま研究開発室というものを新しくつくりまして、そこで基礎から調査研究を進めているというふうな段階でございます。ただいま先生が仰せになりましたようなことも当然取り上げて検討すべき問題だと思います。一般的に申しまして、小学校の場合には、従来から音楽だとか図工だとか、そういうものにつきましては、これは専科教員を取り入れるというふうなことが戦前からございました。これは先生も御案内のとおりであります。しかしながら、そのほかのものにつきまして、現在の学級担任制をくずして中学校みたいな形にしていいのかどうか。これは子供の全人格的な発達という点から考えまして、また、年齢的な発達段階という点から考えまして、まだ私どものほうで結論を出す時期にはまいっておりません。しかしながら、そういう点も研究を進めてまいりたいというふうに考えております。  一般的に言われておりますのは、低学年ではやはり学級担任のほうがいいんじゃないか。しかし、高学年にはそういうふうな教科担任というふうな要素を取り入れてもいいんじゃないかという意見が一般的にはございます。こういう点につきましては、今後研究開発室におきまして、十分学問的な基礎に立ちまして、また、いままでの実態にかんがみまして研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
  202. 小林武

    ○小林武君 その担任というものは、どんな教科担任制をとったところで、担任というのは要るわけですから、担任のない教員というのは――別に、全然担任しない教員というのもありますけれども、必ず担任というのはあるわけです。担任をやらないと、ほんとうに教育のおもしろ味というのはないと言ってもよろしいです、非常に減殺されます、これは経験から言えばそうですね。だから、担任というのはなくなっちゃいかぬと思うのです。しかし、やっぱり子供だっていい授業というのはそれはうれしいですからね。技術的な、たとえば体育ならば優秀な技術を持った先生の体育の時間は尊敬もし、自分もそういうふうになってみようという努力も子供心に起ってくるわけですから、だから、それは私はあまり固く考えることはないんじゃないかというふうに考えますが、先ほど言ったとおり、これは検討してみる必要があるのではないか。それはある現場に出てきた一つのあれだし、これはかなりのところでそういうことを手がけているような、試みているようなところもあるやに聞いておりますから、専科制と並んでやっぱり――それができないならば、専科制というものをもっと私は強化するべきだという気持ちを持っております。教師は何でもできる、そんな、何でもできる教師なんというのは養成できないということです、どんなことをやっても。だから、そういうふうに問題に触れてもらいたいと思うわけです。  そこで、もう一ぺん体育のほうに戻りますけれども、先ほど体育局長、いろんな設備の話出ましたけれども、ひとつ十分お調べいただいて、体育の教材にあるだけの十分教育ができるだけの設備というものはどんなところでもできるような、そういう一つのすすめをひとつ文部省の中からつくってもらいたいし、そういう施設設備に対してはどんな援助のしかたがあるか、この間、私は安永委員の砂場の話をだいぶ聞いておった。砂場というのは安永委員の言うとおりです。しかし、それが屋内の運動場の場合は、砂場というのはどのくらいあったらいいのか。一つでいいはずがないんですよ、二十学級も三十学級もあった場合。高飛びのあれと三段飛びや幅飛びの砂場というのはまた違うでしょうし。それから、このごろは中学生でも高飛びの場合は昔みたいに正面飛びばかりじゃなくて、何だか背面飛びもやるというようなことをやりますと、これは昔の砂場でやったら大体背中をおかしくします。そういう設備ということになると、いまはどういうことになっているんですか。よく競技会で見るような様式の、あお向けにそのまま落ちるんでしょう。その場合に、落ちてもだいじょうぶなような砂場。中学には棒高飛びというのはないんですか、教材としては。ない。もしかりになくても、たとえば伸びそうな者があればそういうことをやらせるということもあるんでしょうけれども、砂場の設備とかというものはどういう規格でやらなきゃならぬかとかというようなことについて、一体、これだけのものはというような、そういう、何といいますか、各学校なり何なりに示すというようなあれはあるわけですか。
  203. 澁谷敬三

    ○政府委員(澁谷敬三君) 実は前の学習指導要領の際に、小学校体育の指導書というものをつくりまして、そこに運動場の一つの参考、目安みたいなものを掲げておったことがございます。そこにたとえば、運動場はできたら五十メートルまたは百メートルの直線コースがとれることが望ましいとか、それから砂場などのことも触れております。それで、今度、先般のこともございまして、大臣も特に御関心でございまして、運動場の一つのそういった参考指針といいますか、参考基準みたいなものをひとつつくってみたいということでいま検討を始めております。  それから、さっきのお話でございましたが、棒高飛び、それから背面飛びにつきましては、学校体育の考え方からそこまでは指導はしないということに現在はいたしております。
  204. 小林武

    ○小林武君 何でも、中学の生徒で非常に高く、二メーターぐらい飛んだのがいるんだったかな。そうすると、これは課外かなんか知らぬけれども、やっぱり全然指導していけないということでもないような気がするんです。しかし、あれは落ちるときはなかなか危険だと私は思いますしね。だから、水泳なんというのはもっと小さいときからやっているようだし、それからいろいろありますからね。全部が全部どの学校でもということはありませんけれども、指導力の問題もあって、やるということになれば私はいろいろな意味で文部省というのは指導についての適切なやはり研究があっていいと思うんです。  次にお尋ねいたしたいのは、学校の用地の問題ですけれども、これの取得の問題ですが、これは、いま大都市は平均してどのくらいの土地を一体持っているものなんですか。先ほどもちょっと言いましたけれども、学校のへいぎりぎりのところに建物全部が建っている。まん中の中庭だけが運動場みたいだということがあるんですがね。東京都には東京都の基準というのがあるんですが、これは狭いです。そうすると、これから用地については、健康上の問題、その他いろいろな場合の避難のことなどを考えた場合に、どの程度の用地というものが必要なんだろうか。そうして、それはかなり先取りしなければだめだと思うんです。私のいま住んでいるところに小学校が二つひっついて建ったんですよ。団地に付属した学校が一つあったわけなんです。それがとにかく団地の学校であったが、その次に今度新しい学校を建てようと思ったらだれも売ってくれない。そうして行きついたところが、その前に、団地についている学校、ついていると言うのはおかしいけれども、団地の子供を入れる学校のそばにいきなりひっついて小学校をつくった。しかも、その小学校をつくったときに、つくると、地主はやっぱり売るのは売ってやる、売るのは売ってやるけれども、この売った土地の一・五倍の広さの土地を、新たに代替地をどこかにさがせという条件がついたらしいですね。そういう状況もありますから、この土地の取得ということに対して、文部省に言うのもおかしいかもしらぬけれども、私は、まあしかし、いまみんな、国もそれから地方自治体もみんな一緒になってやらなければ学校も建てられない。話を聞いてみましたら、調布市の場合はたった一カ所、まだ一つあった。あったけれども、高圧線が、それは私のうちの近くなんですけれども、高圧線の下になるものだからおそろしくてそこへ行けないからどうしても隣へ行かなければならなかった。そういうことを言うと、もう小学校が二つそろっている、中学ならまだね。小学校と中学というのはちょっと話わかるけれども、小学校が二つ背中合わせにこうついているなんというようなことになると、そういう状況ですから、私は、ここらあたりでは基準というものが必要ではないかと思うんですわ。基準を示さないでやったら最後はどういうことになるのか、とにかく建物さえ建てばいいというような式の状況になってしまうのではないかと心配するんですが、そういうようなことは、これはどうですか、大都市の場合にもう来ているんじゃないですか。
  205. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 学校用地の基準でございますが、昭和三十九年に決定をいたしまして、四十二年以来、学校新設の際の指導基準になっておりまする学校施設指導要領に一応校地の基準があるわけでございます。その考え方は、午前中も話題になっておりましたが、学校施設指導要領に定める校舎面積の三倍と、それからそれに屋外運動用地をプラスした面積が必要であるということになっておりまして、そうした基準が示されておるわけでございます。一例を申しますと、十二学級の小学校でございますが、施設指導要領でございますと一万六千四百平米が必要であるということになっております。校舎敷地といたしまして、そのうち九千二百平米が必要である、屋外運動場として七千二百平米が必要である、こういう考え方でございます。この屋外運動場の考え方でございますが、十二学級以下の小学校の場合はすべり台、ぶらんこ、砂場、固定円木、遊動木、低鉄棒、高鉄棒と五十メートルの直線コースがとれる、十五学級以上でございますと、二百メートルのトラックと百メートルの直線コースがとれる、こういうことを前提にして、これは具体的に運動場の設計をして、そして必要面積を算定をしておるわけでございます。中学校でございますと、六学級以下の学校では各種の運動器具、スペースのほうは六十ないし八十メートルの直線コースがとれる広さ。それから九学級以上ですと百メートルの直線コースと二百メートルのトラックがとれる。それから十八学級以上でございますと二百メートルのトラックを兼用して野球場もつくれると、こういう具体的な設計図を前提にいたしまして一応その基準面積をつくっておるわけでございます。ところが実際の補助の扱い、あるいは国有財産の払い下げの場合の扱い、あるいは地方債の裏づけをする場合の扱いは、これよりやや下回った面積になっております。それはなぜかと申しますと、運動場につきましてはほぼただいま申し上げました面積が算入されておるわけでございますが、校舎面積、校舎敷地につきましては適正面積ではなくて、補助基準面積の三倍ということで校舎敷地面積が算定されておるものでございますから、学校施設指導要領に定めておる坪数よりも少ないもので実際の運営が行なわれておるということでございます。ですから先ほども御指摘がございましたように、指導上の基準といたしましては学校施設指導要領でやっておりますが、財源措置、補助金、起債、払い下げといったようなものは別途のややそれを下回った基準でそうしたことが行なわれておるということでございます。実際問題といたしまして、こうしたものを私ども一応基準として示しておるわけでございますが、しからば運動場の現状はどうかと申しますと、全国平均は小学校の場合に建物敷地が、校舎敷地が十二平米、これは児童一人当たりでございますが、全国数字は建物、校舎敷地が約十二平米、それから屋外運動場が約十三平米でございます。それに対しまする補助の基準でございますが、小学校十八学級の場合をとってみますと校舎敷地が約十三平米、それから屋外運動場が約十平米でございます。したがいまして、十八学級の小学校の補助基準と全国平均を比べますと、校舎敷地のほうは補助基準のほうがやや高い、現実のほうがやや低い。逆に運動場のほうは補助基準のほうが低くて現実の運動場のほうがやや広いということになっております。ところがこれが東京都ということになりますと、大体、基準ないし全国平均の約半分ということでございます。もっとも東京都と申しましても、区部と三多摩、島嶼部ではかなり事情が違いますけれども、詳しくはもしお尋ねがございますれば分けて申し上げたいと思います。
  206. 小林武

    ○小林武君 岩手県の校長さんのあれの中に、校地、運動場について一人当たり面積をこれだけほしいというのが書いてあります、この中に。これはというと、校地七十平方メーター、それから運動場三十平方メーター、校舎床面積十平方メーターということが書いてありますよ。これは、大体あれですか、いまの基準と比較してどうですか。
  207. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 校舎敷地が七十平米と申しますと、いま校舎の敷地面積が十平米ということでございますから七倍ということでございますが、私どもは三倍という考え方です。それから運動場は十八学級の小学校で十平米ということが補助基準でございますが、ただいまのお話でございますと三十平米ということですから、これも三倍ということになります。
  208. 小林武

    ○小林武君 私は、ここにやっぱりいなかの子供と都会の子供の健康の度合いというのがよくあらわれていると思うのです。やっぱり何はなくてもというような、あんまりいろいろな設備はなくても、屋外の運動場に出れば思い切り走れる、それから校舎だって数が少なければかなり自由に行動できるというようなことで、やっぱりじょうぶな子供ができると思うのですね。だから東京の場合、大都市の場合というのは、もう相当基準をはっきりさせて、最低のあれを維持しないというと、それこそソ連の話じゃないけれども、文明の進歩とともに、ソ連のあの広大な土地の中にいても将来が案ぜられるというのだったら、日本なんか全くこれ案ぜられっぱなしだと、私は思うのですが、そういう意味でひとつ御検討いただきたいと思うのですが。  それから、大体のことはだんだん終わってまいりましたから大臣にちょっとお尋ねしたいのですがね。大臣は衆議院で地方財政法の十条のことを取り上げて、そして述べられた中に、この十条の内容についての話なんですけれども、この十条というものについて私はこれちょっと疑問点があるわけです。というのは、「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であって、国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する」、これは法律用語だけれども、私は義務教育ばかりではない、教育というような問題を取り上げて、相互の間の利害の関係の尺度というのがここへ通用するものだろうかどうかということを非常に疑問を感じているのです。これはどうですか。奥野大臣は何といっても自治省育ち、内務省育ちの方ですから、そんなのおかしいと思うか知らぬけれども、私は国と地方自治体の教育の問題で、利害関係で、おまえのほうが利益得るからとか、害のほうはあまりないだろうけれども、おまえのほうのことはおまえのほうがやらなければならぬというような考え方が出てくるというのはもう誤りになってきたと。それは少なくもいまから五十年も六十年も前の話じゃないかと、こう思うのですがね、どうでしょうか、この点は。
  209. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) この十条におきましては、一つは義務的な事務であるということ、一つが相互の利害に関係がある事務だということ、その中でも「円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する」必要があるものだと、三つこう書いてあるものでありまして、義務教育の場合には、地方のよき住民を育成する、同時にまた、よき国民を育てていくという意味で、双方が関心を持ちながら教育に当たっていかなければならないという意味でこれを取り上げたということでございます。
  210. 小林武

    ○小林武君 というと、国との間に当然国が半分持ってやるということのためには、結局あれでしょう、利害というか、その関係が明らかにならないと金出せないわけでしょう。金を出すとか出さぬとかの判断のもとになるんじゃないですか、基準になるんじゃないですか、こういうものは。それが教育の場合には、どうしても私は納得がいかぬという気持ちがあるんです。おかしいですか。
  211. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) どちらで持てということですか。
  212. 小林武

    ○小林武君 いや、どちらでもけっこうというんじゃない。それは国にもっと見てもらいたいという願望が強いわけでしょう。もちろんこれは税というものに対する地方の配分の問題とか国にいく分とかというようなことをいろいろ、そういえばそういう言い方もあるけれども、それは抜きにして、教育という問題になった場合、もちろんあれですけれども、利害というような考え方に立てるかどうかということは、私はふしぎなんだね。それに私は、このごろやっぱり過疎地帯に特に多いんだけれども、そこで成長して、そこで教育を受けた者を郷土にとどまるというようなことについて非常に強い勧誘があったり、あるいはよそへ出ていく者は、わがふるさとを捨てていったような見方をするんでないかと思うほど、町村長はじめみんなが、どうも若い者はみんな出ていってと、こう言う。しかしそれは、郷土を捨てていくということを奨励するわけじゃないけれども、まあ人間至るところ青山ありという考え方だってあってよろしいし、それからまたいまのこの産業構造の上から、いろんなもう日本のあれも違ってきて、労働力も違ってきているんですから、故郷にとどまっていて十分に自分の力を発揮して、そこで個人として、国民の一人としてりっぱに使命を果たせるというなら、それならいいんですよ。しかし、どう考えたって、そこに育った者を全部そこへ押さえつけておくということのできないようないろんな状況があるものを故郷だから残らなきゃならぬというような考え方は、教育の中からは、私は捨てなきゃいかぬと思っているんです、ほんとうのことは。そんなこといっちゃだめだと思う。だからいまの場合には、私は教育という場合には、どこへ行っても、それはもういいと、それは海外へ出たっていいと思うのですよ。どこへ行ってもいい。しかしどこへ行ってもりっぱに日本人としてやれるような、そういう教育をやればいいんで、そういう見解に立ったら、やっぱり国は、それについて進んでいままでよりかも責任持つやり方をとっていいんではないか。もう一つこういう考え方からいったら、私立学校なんていうのはどういうことになるのかということを考えるんですよ。義務教育を私立学校でやっているという場合があるね。そこへ入学した子供というのは、私立学校だから、先ほども話がたくさん出ておったけれども、私立学校でたくさん金がかかる。それは援助を、国民として、好きなところへ行ったんだから金かかってもいいじゃないかという考え方に立たされるのか、しかも私立学校のほうは、どうかというと経営困難になっちゃってどうにもこうにもならぬというようなことを言っているところがあるわけです。だからそういう場合に、そこには地方財政法の十条は適用しないけれども、たとえば利害関係というようなことで学校法人と国との間でどうこうというようなものでもないだろう。もっと教育というものに対して、日本国民が国で教育を受けるということに対して、もっと自由な考え方で国が金を出すというような、これはいかぬですか。何かこの間は、私がちょっと聞いていて、この前のあれのときに大臣がそういうときに言ったのかどうかわからぬけれども、社会主義の国でない自由主義の国だからというような発言もあった。そういう考えだって私はあまり成り立たないんじゃないかと思うのですがね、それはどうですか。
  213. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 地方財政法は昭和二十三年に制定したんでございますけれども、その当時各省が新しい仕事をどんどん考える、その任務を地方団体に求める、しかし、財政措置は何らなされないというような状態で混乱があるものですから、そこでこういう法律をつくろうと考えて、私まあ鉛筆を持ったわけでございますが、その際には、この御指摘の十条は義務的な仕事であって、そうして国と地方公共団体相互の利害に関係あるもの、それは国も持ち、地方も持とうじゃないかという原則を掲げたわけでございます。その後、昭和二十五年に従来の地方配付税制度、地方団体間の財源調整の制度でございますが、地方交付税制度、当時地方財政平衡交付金といったのでありますけれども、そういう制度に切りかわりまして、地方団体がしなければならない仕事は全部それなりに財政需要額というものを計算しようじゃないかと、税金の足りない分は国のほうから穴埋めしていこうじゃないか、そうなりますと、相互の利害に関係がありましても、何も国から無理に金を出す必要はないわけであります。それだけのものを、地方税で与えるか、国から地方財政平衡交付金で与えればいいわけでございます。そこでさらにもう一つ条件を加えまして、なおかつ進んで国が負担したほうがその仕事が円滑にいくというものに限ろうじゃないかということでございます。その思想はあまり補助金行政をふやしていくと、国の税金をよけいとって、そうして国のほうから補助金を交付することを通じ地方行政を支配する、それではやはり必要なものなら地方税をふやすか、あるいは交付税でとっても、何で使ってもよろしい、使い方はまかせる、地方財政平衡交付金のようなことにしたほうが、地方団体が自主的に運営できるじゃないか、国民の目から見た場合でも、その責任がどこにあるかということがはっきりするじゃないか、国がひもつきの金を渡していると地方団体が思うように運用できない。同時に、財源の問題も国に責任があるのか、地方に責任があるのか明確でない。だからやっぱり民主的な行政運営を考えていく場合には、責任の所在を明確にすることだろうと、そういうような意味で補助金の大幅な整理が行なわれたわけでございます。その際、なおこの義務教育はこういうかっこうで残っているわけでございまして、やはりその際には、ナショナルミニマムというものは国が責任を持って維持していかなければならないだろうと、そのためには一定の規模を国が想定をする、その半分は国が持ちますよということを通じて国土全域にわたって義務教育についてのナショナルミニマムは維持されるじゃないだろうかという配慮があって、こういうふうに持ってきたということでございます。したがいまして、教育全般について、相互に利害の関係があるとかいうようなことじゃなしに、義務教育について、いま申しましたようなことからこういうかっこうになってきているわけでございます。
  214. 小林武

    ○小林武君 まあ、わからぬわけでもないけれども、教育に関してやっぱり私は地方自治体というのは確かにそこに住んで税金を納めているかもしらぬ。その子供だから、地方自治体はある程度責任を持たなければならぬという考えもあるだろうし、それからまた地方自治体においても、もちろんできるだけの力を出して、いい教育条件をつくって住民を喜ばしてやろうというそういう意図だって、やはり首脳者は持っている。そういうことを私は悪いとは言わないのだけれども、何といっても日本の国に住んでいる限り、住んでいる土地の経済力の関係で非常に格差のある教育を受けるというようなことは、やっぱりこれはまずいと思う。だからその点に対しては、やはり国というもので考えたほうがいいのではないかと、こう思うのですよ。国がその場合には大幅にやっぱり考えてやる必要がある。地方自治体だけにまかされるという性格のものじゃないと、しかも教育を受けた者が死ぬまでそこにいるというわけでもないわけです。どこへ行ってもいいから、日本の国の中で、もちろん海外へ行ってもいいから、とにかく活躍をしなさいというような教育をしなければならぬ。そうするともっと教育の場合には、国のその補助なんかについてあまり四角四面の利害の観点からとか何とかいったら、私立学校なんかどういうことになるのか、私立学校に学ぶということは、国からのあれを受けない、国のらち外で教育を受けるということになる、そんなはずはないと私は思う。だからそれをちょっと大臣の考え方の中に私は問題点を感じた。私は、まあやはりこの間だれだったかな、初中局長の答弁の中に、まだこういうことを言っているという感じがしたのですがね。義務教育無償というのは授業料を取らんことだという答弁をやったんだ、私が出ているときに。これは私は授業料を取らぬことだなんというような、そんな答弁をいまどき言うというのはおかしいと思う。そういうときもあったろう。しかし、あの憲法の精神は少なくともどんな経済的な事情の中にあっても、能力に応じた教育というものは受けられるんだという、そういう条件を保障するというのが国の私は責任だと思うんです。そういう考え方で教育してもらうんでなかったら、これはいかぬのじゃないかと思う。自由主義の国はそうはいかぬというような大臣の答弁を聞いて、これもまあ大体、初中局長と同じような考え方で、授業料から少したちがいいぐらいだというようなことを考えますけれども、私はそういう意味では、どうなんですか、たしか文部省から出向しているフランス、パリかどこかの大使館に行っている人ありませんか、二等書記官か一等書記官かしらぬけれども、いますな。その人に、私は、フランスの国というのは、フランスの学校へ入っている父兄の方から、外国人である私がこんなに至れり尽くせりの、父兄負担なんかさっぱりないらしいんだ、こんなに至れり尽くせりの教育を受けているのはほんとうに気の毒みたいだというようなことを聞いたんです。そして、その人のむすこさんか、娘さんか非常にできる人でね、非常に優秀な成績をとったら、市長から何からたいへんなごほうびを持ってきたというようなことなんだそうだ。たいへんな、外国人がこんなにやってもらってどうかというぐらいやったということを言うたものだから、私は文部省出向の方だと聞いたので、ちょっとフランスというのはどのぐらいの一体、日本でいえば文部省の予算が、どのくらいの予算あれしているのか、ちょっと、言うて頼んだ、ちょっと書いてもらって、それをなくしちゃったんだけれども、どうしてなくしたか、なくしたんだけれども、日本の円のあれでもって、単位で書いてくれたけれども、大体私はそのとき見たときに日本の文部省予算と大体似ていると見たんです。それがそう思っているんだけれども、それがなくしたから、どうもはっきりしないんだけれども、大体同じだと思う。大体似たところだ。しかしながらフランスの場合は人口五千万です。五千万の人間の生む子供の数と一億が生む子供の数と、これは生み方にもよるから、必ずしもあれですけれども、大体われわれが考えれば多くはないということになります。そしてその予算が一体大学までなのかどうか、一兆幾らですたしか一兆円をちょっとこしたようなところだと思いますが、間違っているかもわかりません。しかし、私はそのときメモをもらって自分で持ってきたんですが、大体そのくらい書いてあったと思う。そうすると、私はフランスというのは潤沢だと思う、非常に潤沢だと思ったんだけれども、しかしこれはあなたのほうで調べて間違っていたら直さしてください。そういうあれがあるんだけれども、少し日本の場合には、もし私が見たあれが間違いがなければ教育に対する投資というのは、非常にこんなに高度成長やっている国にしてはお粗末だという感じがするんだが、これはどうですかな。
  215. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろなお話がございましたが、一つは教育の義務をどこが負っていくか、日本の場合には大体高等学校までは地方公共団体、大学は国というような荒い一つの考え方があろうと思うんであります。高等学校までは府県の住民がその府県内の高等学校に通う、大学になりますと、その府県を出て東京なり大阪なりに出ていくというようなことではなかろうか、やはり住民の子弟がその団体の中の学校に通う、そうするとその団体の住民ができるだけそれらの教育について関心を深める、また批判をして改善をはかっていく、それがしやすいように、やはり地方団体の議会の中で大いに論ぜられるだろう、こういうたてまえをとっているのだろうと思います。その経費をどう負担するかということは、また、それとは別にものによりまして国が全額負担をしたほうがいいものもございましょうし、あるいは共同で負担をしたほうがいいものもございましょうし、あるいは地方団体だけの負担にゆだねる、そのかわり地方団体が負担できるように国としての配慮をしていく。それは地方交付税制度の運用だと思うのでありますけれども、いろいろな考え方があると思うのであります。ですから、基本的には、その義務をどこにゆだねたほうがいいか、国が直接行なったほうがいいか、府県、市町村が行なったほうがいいか、考えなければならない、その上に立って財政負担を考える、こういうことだと思います。  フランスの場合には、私は先進国の中で一番中央集権的な国だ、こう思っているわけでございまして、義務教育に携わっておられる先生方も国家公務員であり、国費で給与が支払われている、こう理解をしているわけでございます。ただ、財政の額がどうなっているかということになりますと、日本は最近円がどんどん価値を上げてきているわけでございまして、一ドル三百六十円だったものが二百六十円になっているわけでございますけれども、むしろフランのほうは弱くなってきているというような開きもあったりするわけでございますので、正確な比較をいま私ここで申し上げることはできません。しかし、大学への進学率を見てまいりますと、おそらくフランスの場合には十数%だろうと思います。日本はもう三割近くなっているわけでございますので、大学への進学率はフランスをずっと追い越して日本は非常に高くなってきている。それだけで教育の実体を効果的に引き上げているかどうかということになりますと、これはまた別の批判があろうかと思うのでございますけれども、単純に進学率だけを比較しますと、フランスをとっくに追い越しまして、非常に高いところに日本はきているということは言える、かように考えているわけでございます。
  216. 小林武

    ○小林武君 フランスの話をすると、フランスの悪口になるという意味じゃないが、やっぱりあそこにはフランス革命やったような非常に新しいところがありながら、非常に古い一面を持っているということは、これはありますね。あるフランスの青年が日本にあるフランス系のある企業に就職をして、在学中でしょうかな、見習いみたいな、何か実習みたいなようなことで来たのに私は会ったことがあります。そのときやっぱり話が教育の話になりましてね、フランスというのは、一体経済上の理由で上級学校へ進学できないということはあるかと聞いたら、制度的にはやっぱりそんなこと全然ないというのですね。金がなくても必ず上級学校へ行ける。何か日本でいえば昔の高等商業のような学校だと言っていましたね、その通訳の話だというと。そう聞いたのですけれども、いろいろあとあれしてみますというと、フランスというのはおそろしく古いところなんだ。いま大臣から進学率の話が出ましたが、非常に優秀な少年がおっても、やっぱり大学へ行く家柄というようなものがやっぱりあるんだそうです。ところが、私はそれはフランスで聞いた話だけれども、とにかく日本人がびっくりぎょうてんしたのは、それは文部省の人ではないが、フランスの学校へ入れた。そうしたら、子供の友だち、それはやっぱりだれでも選んでいいわけじゃないのだね。たとえば奥野文部大臣のむすこさんがフランスにいて、奥野さんがそこにいてあれやったら、文部大臣の子供が門番の子供と遊ぶなんていうことは絶対許さない。学校でもそのことを好まぬそうですな。そのことをやらぬようにしたほうがいいという親たちに対する注意があるそうです。だから、極端なことを言ったのかもしれませんけれども、もし優秀なそういう者があれば、いろいろな意味でそれが列外に持っていかれるような傾向があるという話を聞いたわけです。これは日本の新聞に出た話ですけれども、何か一流の会社の社長秘書だとかなんとかいう、そういう娘さんが運転手さんと一緒になったら、うちのおやじは運転手だから大体このぐらいのところの結婚でいいと話したのを日本人が聞いて、あんたのような優秀なのがもっといいとこへいけそうじゃないかと、よけいなことを言ったとか言わぬとか、そうしたら、いや家柄がそうだからというようなことを言ったということを、これは日本の新聞で見たんですよ。これは真偽のほどはあまりはっきりしませんけれども、そういうような話を聞くと、一つの古さがある。私は、日本はそれがないからいいところがあると思うんです。だれの子であっても、それはもう身分とか地位とか、そんなことじゃない。いまのところ、残念ながら金の問題はありますけれども、経済的なあれさえあれば、どんな自分の頭に適した学校へもはいれるわけですから。そういうやり方が日本のいわゆる教育のレベルを高めて、先ほどもお話しましたが、イギリスがやっぱり労働者の学歴の問題だと、残念ながらそうだといってくやしがったそうですけれども、日本のある大工場見て。そういう日本の教育のよさもやっぱりあるわけだが、私は、そういう意味で、もっとそれにしたら、日本では教育投資というものを考えたらいいんじゃないかということを考えたものだからいまのようなあれをしたけれども、大臣の考え方がちょっとやっぱり、われわれから言えば役人の何かあれで、地方との何とかいうことになったら、これはもうものすごく格差ができちゃう。それはできますよ。それはもう行ってごらんなさい。いなかの学校と都会の学校と、同じ札幌の小学校でも東洋一といって、東洋一が何年もたたぬうちにこわされてしまったけれども、町のどまん中で、通う生徒がなくなってこわされましたけれども、中央創成という学校が東洋一といった。そのころとにかく暖房つきの、冬でもとにかく全然心配のないのが建った。それがしかし、父兄の力でもってずいぶん金を集めてやったらしい。私は、そういうやり方をやったりすれば格差が大きくなるわけですが、そんな格差の出るようなやり方というようなものは、経済力の差であれができることはまずい。やっぱり教育というのは、どこにいても同じ程度の教育が受けられるというような、そういうあれには国がもっと金を出さなきゃだめだと、こう思うんですが、この点はひとつ大いに検討してもらいたいと思います。
  217. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど申しましたように、民主的な運営、そのためには責任の所在を明確にする、批判をしやすいようにしていくというようなことで、補助金行政はできるだけ整理するというようなことをとって今日に至っておるわけであります。同時に、先ほど小、中学校の施設基準のことをおっしゃっておりましたが、やはり基準を明確にして、実施は地方団体がやる。やるだけの財源は地方財政上各団体に保障していくと、こういういき方があるわけでございまして、そういういき方が一番妥当じゃないだろうかと。しかし、そうはいっても、やはりもうナショナルミニマムを国の手で確保していくというものについては、一定部分は国が持つ。そのかわり基準を明確にするという行き方をしているのが、今日、いろいろまた、この義務教育施設だけじゃなしにあるわけでございまして、ものによるんじゃないかと思うんです。ですから、教育だから国がやっぱり金のつばをつけなきゃならぬというのは、私はあまりそういう意味だけでは必ずしも賛成しがたい。しかし、どのような教職員を配置すべきである、どのような施設を設けるべきである、どのような教材は備えなきゃならない。これは、私は、国として明確に特に教育については示していかなきゃならない、こう思うわけでございまして、それをやれるだけの財源をどのような形で地方団体に保障するか。その場合に、大蔵省が国の予算に組んで、そこから配っていくいき方もございましょうし、あるいは地方交付税法上の基準財政需要額に算入をして、そうして地方団体が必ずそれだけの財源は保障される、しかしそれ以上使おうと、あるいはもっと節約してやれるなら、それもけっこうだといういき方をとるか。これはやはり、一がいに私は言えない。今日、小、中学校につきましても、もし国で全部小、中学校の校舎を建てるんだということになりますと、今日ほどの整備は、あの短期間の間に私はできなかったと思います。国が示している二分の一と同額を出した以上のものを地方団体が出しているわけであります。だから、しばしば超過負担と言われるんですけれども、超過負担の中には質のもっとよいものをつくるという地方団体の熱意が非常に入っている。それでよくなったと思うのです。ですから、一がいに国から金をよけい出せばうまくいくというふうには私はとらないんでして、また同時に、地方団体の熱意をそこに寄せてもらわなければならない性格のものもたくさんございますので、その熱意は期待していかなきゃならない、そういう配慮もあわして行なっていくべきだと、こう思っているわけであります。
  218. 小林武

    ○小林武君 もう三、四点でやめますから。  ただし、その文部大臣の考え方には、ちょっと奈良県という大体文化資源で大きくなっていった考え方でやられちゃ、やっぱり困るのだけれども。やっぱり私も、全額やれなんと言っているんじゃない。全額やれなんて言うんじゃない。やはり地方自治体といえども、教育に熱心になってもらわなければ困る。しかしながら、超過負担をさせるなんということをやらしちゃいかぬということは、これはかたく思っておりますよ。それと同時に、やっぱり大臣は、これはもう少し長くやって、北海道の端からひとつ沖繩の果てまでずっと見て、学校格差というものはどのくらいあるかということを見なきゃだめですよ。まず理科室へ入っていって、一体これで小学校のあれを十分やれるだけの薬品があり、理科器具がありというふうに見るかどうか。中学校に行ってもいい、そういうものを全部見て、格差がないということを確認したらいまのようなことを言ってもいいけれども、そこへいくと私のほうがずっとあんたよく知っているのだから、それはだめだ。体育でも何でも、みんなそれは格差があり過ぎる。ですから、その点をひとつ考慮してもらいたい。  それから超過負担の問題なんかは、もう議論はここではしません。しませんけれども、とにかく物価は上がって、大体、この間来たある市の教育長は、北海道ですが、名前は言わぬが、北海道のある市の教育長が私に、四〇%くらい関係のこの法律案のあれにあるよりもまあ高くつくと、こう言うわけだね。だから、補正予算でも組んでくれるんだろうか、あるいはそうでなくても、何か別途に考えてもらえないだろうかというようなことを話しておりましたが、この物価の値上がりについては言うまでもないでしょう。いま卸売り物価がどうなったとか、何とかというようなことを言わなくても、とにかく政府自体もいま大あわてにあわてていると思う。ですから、それについてどうするのか。心配するなというふうなことを言えるかどうかということが一つ。  もう一つの問題は、それと同時に、公共事業の繰り延べ、公共事業の繰り延べというのは、わが日本社会党も、それはもういまの状況から判断すれば、公共事業の繰り延べというのは、これはやってもしかたがないが、やるべきだという考え方です。しかし、それは、やっぱりおのずからそこに選択が必要だ。どれをやったら効果的であるというようなことと、もう一つは、やっぱりどの部面のことであるかというふうなことを判断しなきゃならない。このことは、私はやはりてまえみそではなしに、教育の問題だけは、そう繰り延べ繰り延べでやられていくというようなことは、大きに問題がある。これは、ひとつ年次計画でも立ててやれるものなら、年次計画をきちっと立てて、順調に進めてもらいたい。超過負担なんというようなことは、ひとつここではやらないようにしてもらいたい。こういう点について、どうですか、文部大臣は、繰り延べについてはいま閣議なんかではどういうあれになっておりますか。それから、超過負担のあれがあれば、補正予算というのは、これは私らは予算委員会の要求をいま参議院でも盛んにしているわけですけれども、これでもう補正予算は組まないでいくなんということは不可能だと思う。そういうあれをひとつ見通してどうするのか、それ局長でもいいから答弁してください。
  219. 安嶋彌

    ○政府委員(安嶋彌君) 単価の問題でございますが、御承知のとおり、最近、資材あるいは労務費の高騰が続いておるわけでございまして、木材につきましては十二月がピークでやや下がりぎみではございます。丸鋼、形鋼は二月をピークにいたしましてやや下がりぎみでございますが、労務費、セメント等につきましてはまだ上向いているようでございます。これに対しまして木材につきましては、農林省、林野庁、それからセメント、鉄材等につきましては通産省等が全体の増産あるいは輸入の増大、需給の調整等行なっておるわけでございますし、また、経済政策全体といたしましては、大蔵省等でも各般の措置が講ぜられているようでございますので、この問題につきましてはもう少し事態の推移を見させていただきたいと思います。しかし、これはなかなかむずかしい問題で私ども非常に苦慮しておるところでございますが、もうちょっと様子を見させていただきまして、これにどう対処するかということをきめてまいりたいというふうに考えております。  それから第二に繰り延べでございますが、これは四月の十二日に閣議了解がございまして、この閣議了解に基づきまして大蔵省は一般会計、特別会計、それから政府関係機関全体を通じて上期の契約の率を五九・六%に押えるという方向を出しておるわけでございます。この方針が五月八日の閣議でもさらに再確認をされたというふうに伺っておりますが、公立文教施設につきましては積雪寒冷関係、それから児童生徒急増関係、児童生徒急増関係は小、中学校の総事業量の約七割に相当するわけでございまして、大部分といっていいかと思いますが、その二つの事業につきましては例年のペースで仕事を進めたいということでございます。その他につきましては、国全体の方針に従って若干抑制をしていきたいというふうに考えておりますが、それは次年度へ繰り延べてしまうということではなく、したがって、五カ年計画に影響を及ぼすというようなことではなくて、下期で契約をするという前提でいま事務を進めておるところでございます。したがいまして、若干の事業地域につきましては例年よりペースダウンをお願いしておるわけでございますが、大体は、何と申しますか、緊急を要する施設の整備につきましてはおおむね従来程度のテンポで対処し得るかと考えております。
  220. 永野鎮雄

    ○委員長(永野鎮雄君) ほかに御発言がなければ本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会      ―――――・―――――