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1972-03-16 第68回国会 参議院 大蔵委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和四十七年三月十六日(木曜日)    午前十時二十三分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         前田佳都男君     理 事                 柴田  栄君                 嶋崎  均君                 戸田 菊雄君                 多田 省吾君                 栗林 卓司君     委 員                 伊藤 五郎君                 大竹平八郎君                 河本嘉久蔵君                 棚辺 四郎君                 津島 文治君                 西田 信一君                 藤田 正明君                 竹田 四郎君                 成瀬 幡治君                 松井  誠君                 松永 忠二君                 横川 正市君                 鈴木 一弘君                 渡辺  武君                 野末 和彦君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君    政府委員        大蔵政務次官   船田  譲君        大蔵省関税局長  赤羽  桂君        大蔵省銀行局長  近藤 道生君        大蔵省国際金融        局長       稲村 光一君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君    説明員        大蔵大臣官房審        議官       大谷 邦夫君        大蔵省銀行局金        融制度調査官   米里  恕君        通商産業省貿易        振興局為替金融        課長       田口健次郎君        通商産業省鉱山        石炭局鉱業課長  佐藤淳一郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付) ○準備預金制度に関する法律の一部を改正する法  律案(内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
  3. 船田譲

    ○政府委員(船田譲君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  最近における内外の経済情勢の変化に対応し、国民生活の安定、自由貿易の推進に資する等の見地から、生活関連物資を中心に関税率の引き下げをはかる等関税率について所要の調整を行なうこととするほか、関税制度につき所要の整備を行なうため、関税定率法、関税法及び関税暫定措置法について改正を行なう必要がありますので、この法律案を提出することにした次第であります。  以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。  最初に関税率の改正について申し上げます。  まず、国民生活の安定・充実をはかるため、国民生活に関連の深い物資で、その関税の引き下げがわが国の対外経済政策の推進に寄与すると考えられるものを中心に七十三品目について関税率の引き下げを行なうことといたしております。主要な物資としては、農産品では紅茶、タマネギ、大豆、食用植物油などが含まれており、また、工業品では、乗用自動車、家庭用電気製品、写真機、化粧品などがその対象となっております。  次に、輸入自由化に対応するため、ハム・ベーコン、配合飼料、重油等十二品目について関税率の調整を行ない、自由化実施の日から適用することといたしております。  さらに、各種の産業政策上の要請に対応するため、酒類用粗留アルコール、銅の塊等九十三品目について所要の関税率の調整を行なうほか、すでに暫定税率を適用している小麦、ニッケルの塊等八十二品目についてその期限の延長を行なうことといたしております。  また、昨年三月の当委員会における附帯決議の御趣旨に沿いまして、協定税率が適用されない国または地域からの輸入品で関税格差の生じているもののうち、干しガキ等三十一品目について格差解消のための措置を講ずるほか、従来関税格差解消措置を講じている品目について引き続き同措置を継続することといたしております。  このほか、税関実務を簡素化し輸入者の便宜をはかる見地から、関税率の調整を行ない、また、関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約の改正に伴い、分類が変更となる品目について所要の関税率の調整等を行なうことといたしております。  なお、以上の関税率の改正に伴い、輸入者の携帯品に対して適用される簡易税率について、所要の調整を行なうことといたしております。  次に関税制度の改正について申し上げます。  まず、本邦への住所移転に際し、入国者が輸入する乗用自動車の免税要件を緩和するほか、関税の減免・還付制度の拡充をはかることといたしております。  また、特定の用途に供することを条件として関税の減免を受けて輸入された物品を他の減免税要件を満たす用途に転用することを認めるための規定を設けるほか、保税地域への貨物の搬出入、指定保税地域等に関する規定について、税関手続の円滑化をはかるため、所要の整備を行なうことといたしております。  このほか、今国会で承認をお願いいたしております税関における物品の評価に関する条約への加入に備え、課税価格に関する規定について所要の改正を行なうことといたしております。  以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  4. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 次に、補足説明を聴取いたします。赤羽関税局長。
  5. 赤羽桂

    ○政府委員(赤羽桂君) 関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、改正の内容を補足して御説明申し上げます。  最初に関税率の改正について申し上げます。  参考資料として提出いたしました「昭和四十七年度関税改正案一覧表」の総括表にございますように、今回の改正対象品目は合計七百七十八品目でございます。その内訳は、新たに関税率の引き下げを行なうもの二百三十八品目、関税率の引き上げを行なうもの十四品目、暫定税率の適用期限を延長し現行税率を据え置くもの八十二品目、その他従価税率を引き下げるとともに低価品に対しスライド関税を設けるもの等五品目のほか、いわゆる関税格差の解消等の措置を継続するもの四百二十九品目と相なっております。  個別の品目に関する現行税率及び改正案につきましては、この資料を御参照いただきたいと存じますが、以下今回の改正の主要点について、改正の趣旨ごとに御説明いたします。  まず生活関連物資の関税引き下げについて申し上げます。  国民生活に関連の深い物資の関税引き下げにつきましては、昨年三月の当委員会の附帯決議においても物価対策の見地からこれを積極的に行なうべきであるとの御指摘をいただいているところでありますが、国民生活の安定とともに対外経済政策の推進にも資すると考えられる品目を中心に、合計七十三品目について関税率の引き下げを行なうことといたしております。  これら七十三品目の内訳は、資料の「改正趣旨別内訳」に示すとおりでございます。以下そのおもなものについて御説明いたします。  タマネギにつきましては、野菜価格の安定に資する見地から、新たにスライド関税を採用することとし一定価格(キログラム当たり五十六円十銭)をこえる輸入品については無税とするとともに、低価品については従来どおりの一〇%の税率を適用することといたしております。  紅茶につきましては、最近における国内生産減退の状況あるいは本品が開発途上国の関心品目であることを考慮し通常の輸入形態でありますバラものにつきましては二〇%から五%に、また小売り用に包装したものにつきましては三五%から三〇%にそれぞれ関税率を引き下げることといたしております。  次に大豆につきましては、本品が国民の食生活に広い関連を有しており、またその輸入品に対する依存度もきわめて高い点にかんがみ、その関税を現在のキログラム当たり二円四十銭から無税に引き下げることといたしております。  なお、大豆の関税引き下げとともに、なたね・からし菜の種及び大豆油かすの関税を無税とするほか、大豆油等各種の食用植物油につきましてもキログラム当たり三円の関税引き下げを行なうことといたしております。  次に香水につきましては、国内需要の動向等を勘案し、関税率を二五%から一五%に引き下げることとし、あわせて他の化粧品類につきましても一律一五%の水準にまで引き下げることといたしております。  次に乗用自動車につきましては、大幅な増加を見せております輸出の状況等に照らし大型、小型ともそれぞれ一〇%から八%に関税率の引き下げをはかることといたしております。  また写真機につきましては、わが国企業の国際競争力の現状にかんがみ、現行税率一五%を七・五%に引き下げることとし、その他の写真関連機器につきましても、同様に現行税率の二分の一の水準まで引き下げることといたしております。  以上のほか、関係業界の現状、輸出入の動向等を勘案し、国際経済環境の改善にも配意の上、家庭用電気製品等につきまして、それぞれ関税率の引き下げを行なうことといたしております。  次に輸入自由化に対応するための関税措置について申し上げます。  資料の「改正趣旨別内訳」にありますように、輸入自由化の促進をはかる上で、国内産業保護の必要から十二品目につき所要の関税措置を講ずることといたしておりますが、これらの措置を講ずるにあたっては自由化の効果を無にしないよう配意することといたしております。  以下そのおもなものについて申し上げます。  ハム及びベーコンにつきましては、その原料である豚肉に対してすでに畜産業保護の観点から差額関税が設定されておりますが、これとの整合性等に配意しつつ新たにスライド関税を採用いたしますとともに、需要者の立場にも配慮し一定価格以上の輸入品に対しましては、現行関税率二五%を一〇%に引き下げることといたしております。  また配合飼料につきましては、内外価格差等に対応し、通常の規格のものに対し一五%の関税率を設ける等の措置を講ずることといたしております。  重油につきましては、わが国石油政策との調和に配意し、新たに関税割り当て制度を設定することといたしております。  以上のほか、内外価格差の大きい精製糖、硫黄等につきましては、それぞれ関税率の引き上げを行なう等その実態に即応した関税措置を講ずることといたしております。  次に産業政策上の要請に基づく関税措置について申し上げます。  各種の産業政策上の要請に基づき関税上の措置を講ずることとしております品目は、従来の暫定措置をそのまま延長するものを含めまして合計百七十五品目であります。これらの内訳につきましては、資料の「改正趣旨別内訳」に示すとおりでありますが、酒類用粗留アルコールにつきまして、産業立地上の制約あるいは開発途上国に対する配慮等から新たに関税割り当て制度を採用し、一次税率を無税とすることといたしておりますほか、銅の塊につきまして、最近の市況、生産コストの推移等を勘案いたしまして関税率の調整を行なうこととする等九十三品目の関税率につき所要の改正を行なうことといたしております。  なお、小麦、ニッケルの塊等八十二品目につきましては、内外の諸情勢にかんがみ、それぞれ現行の関税率を据え置くことといたしております。  次に協定税率が適用されない国または地域の産品に対する関税格差の解消について御説明申し上げます。  いわゆる関税格差の問題につきましては、従来より国内産業事情の許す限り極力その解消につとめてまいりましたが、今回の改正におきましても、昨年三月の当委員会における附帯決議の御趣旨に沿いまして、現在関税格差の生じております三十九品目のうち、干しガキ等三十一品目について格差の解消をはかることとしております。この結果、格差の残されるものは、生糸、絹織物等国内産業の実情、市況の推移等からみて格差解消が困難である八品目のみとなります。  以上のほか、今回の改正におきましては、税関実務を簡素化し輸入者の便宜に資する見地から識別の困難な同種類似の品目について関税率の調整を行なうとともに、関税率表における物品の分類のための条約の改正に伴い分類が変更となる品目について、税表の簡素、明確化に配意しつつ所要の関税率の調整措置を講ずることといたしております。  なお、香水、腕時計、ウイスキー等の関税率引き下げ等に伴い、輸入者の携帯品に対して適用される簡易税率について、所要の調整を行なうことといたしております。  次に関税制度の改正について申し上げます。  まず、本邦への住所移転に際し、入国者が輸入する乗用自動車については、外国において一年以上使用したものであることが免税要件の一つになっておりますが、この要件を緩和してすでに使用したものであればよいことといたしております。  また、加工のため輸出された貨物を原材料とする製品の輸入につき減税制度がとられておりますが、その対象範囲を拡大する等関税の減免・還付制度の拡充をはかることといたしております。  さらに、特定の用途に供することを条件として関税の減免を受けて輸入された物品を他の減免税要件を満たす用途に転用することを認めるための規定を設けるほか、保税地域への貨物の搬出入、指定保税地域に関する規定等について、税関手続の円滑化をはかるため、所要の整備を行なうことといたしております。  このほか、今国会で承認をお願いしております税関における物品の評価に関する条約への加入に備え、輸入貨物に関税を課する際の課税価格に関する規定について所要の改正を行なうことといたしております。  これらの改正による昭和四十七年度の関税の減税総額は、約百二十三億円にのぼるものと見込まれます。  以上で関税定率法等の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
  6. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 本案に対する質疑はこれを後日に譲ります。     ―――――――――――――
  7. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 次に、前回に引き続き、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 松井誠

    ○松井誠君 この法律案が、当面少なくとも主たるねらいは投機的な短資の流入を防ぐという、そういうことにあるということでありますので、その問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。  十二月の通貨調整後のわが国に対する短資の流入の状況ですね、そのことをまずお伺いをしたいのですが、まず数字からお伺いをしましょうか。
  9. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 通貨調整後の短資の移動の問題でございますが、これは通貨調整直後、通貨調整は御承知のとおり十二月十八日の会議できまったわけでございますが、それから具体的にきまりましてから年末まではリーズ・アンド・ラッグズの逆転と申しますか、逆転がございまして流出が起こったわけでございます。ところが一月に入りましてから最近までのところを申し上げますと、御承知のとおり通貨再調整までの間、八月のニクソン声明以後短資の規制を特に厳重に強めておったわけでございますが、これは通貨再調整後若干ニクソン声明のありました前の状況に戻したわけでございますが、しかし、いずれにしましてもこの短資規制というのは全般としてはほかの輸入に比べましては規制をずっと強くやっておるわけでございますが、ただ輸出前受けという形の短資の流入は、やはりことしの一月に入りましてからずっとではございませんが、いろんな外国の状況その他によりまして起こっておったわけでございます。それが一月は大体どのくらいあったかと申しますと、これはなかなか先般の御質問にもございましてあれでございますが、これは一月におきましては約七億ドルぐらいの輸出前受けという形での短資の流入があったのではないか。これは同時にその前に起こっておりました短資の前受けが輸出に充てられていくというそれもございますから、そういうものを引きません前の、いわば一月に起こったグロスの前受けというふうに御了解いただきたいわけでございますが、それが七億ドルぐらい、それから二月につきましてはまだ十分に集計が整っておりませんけれども、ほぼ同じくらいの前受けという形での短資の流入があったとみております。これにつきましては、こういうような状況でございましたので、二月の二十五日に輸出前受けの規制の復活をいたしまして規制をいたしましたために、その後は短資の前受けがとまっておりますので、したがいまして、短資の流入は押えられているという状況でございます。
  10. 松井誠

    ○松井誠君 十二月の十八日に通貨調整があってから月末までの間には大体どれくらいの流出があったんでしょうか。  それから、十二月全体のグロスじゃなくて収支というのは数字があるんですけれども、調整後どういう動き、があったかという具体的な数字としてはどうなんですか。
  11. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) およそで申しますと、ほぼ五億ドルくらいの流出であったと思います。
  12. 松井誠

    ○松井誠君 で、一月が七億ドル、これはもらった国際収支の資料によりますと短期資本収支、これはグロスでなくて約五億ドルという、つまり流入した二億ドル、その出入りの差額がこれだけということで、前受け金の流入額だけであったら七億ドル、こういうことですね。短資というのはもっぱら輸出前受け金だけですか。
  13. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 国際収支の表にございますその短期資本、これは通常の場合でございますと輸出前受けというあれではなくて、ユーザンスの中の為銀を通じないユーザンス――BCユーザンスと言っておりますけれども、この企業同士のユーザンス、為銀を通じない部分のユーザンスがございまして、これがここに入ってまいります。通常の場合でございますと、この短期資本収支の大きな部分がそれでございますが、この通貨がこういう不安になってまいります昨年の八月以降の状況で申し上げますと、大体前受けというようなかっこうの短資は、御存じのように多く通常の意味のユーザンスというのは、これはあまり大きな変化はありませんので、むしろそちらのほうがきわ立っておるということでございます。
  14. 松井誠

    ○松井誠君 輸出前受けの規制を二月の終わり近くにやったわけですが、そこから先の動きはどうなんですか。
  15. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) これは統計そのものがまだ非常に最近の時点でございますので、数字が得られておりませんけれども、為替市場の状況等から判断いたしますと、為替市場は、ドルの売りの圧力が平静になっておりますので、その短資の流入というのはとまっておると、非常に異常な流入というのはとまっておるというふうに解釈できると存じます。
  16. 松井誠

    ○松井誠君 このもらった資料によると、二月の短期資本収支が三億五千万ドルということになっておりますね。これは収支ですからわかりませんけれども、しかし、それにしても二月の前受け金の調整までが約七億ドルだとすると、ほうって置けば一月から二月とさらにエスカレートする情勢だったというふうに見ていいわけですか。
  17. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 御指摘のとおりでございまして、この二月の半ばになりまして輸出前受けというのが毎日毎日の市場の状況を見ておりますと、非常に流入のプレッシャーが強くなっておりました。ここで措置をとらなければさらにそういう状況が続き、短資の流入がふえるであろうというおそれがございましたので、輸出前受けの規制の通達を出しまして、二十五日からとめたわけでございます。それでその二月の統計、これはまだ詳細についての数字が集まっておりませんので速報で申し上げますと、ただいま御指摘のように短資、誤差脱漏合わせまして三億五千万くらいの流入ということになっておりますが、これは先ほども申しましたとおり前受け金だけを考えますと約七億ドルくらいの流入、グロスのほうでは流入があった、逆にこの前受けが輸出に充てられた分もあると存じますので、これが全部ここに出てくるわけではございませんが、ネットといたしましては。そういうこともございまして、二月の短資、誤差脱漏の数字は、速報では三億五千万ドルぐらいの流入ということになっておりますが、この二月二十五日に前受け金の規制をいたしましてからあとは、先ほど申しましたとおり毎日の為替市場を見ております限りにおきましては、ドルの売り圧力というのはほとんど平静になっております。
  18. 松井誠

    ○松井誠君 その規制を復活する前の流入の圧力、これは問わずもがなでしょうけれども、どうしてそういう状況になっているか、その理由ですね。
  19. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) これは推測の域を出ないわけでございますけれども、やはりこのワイダーバンドの中でドルがだんだんと底値に近づいてきておりました。そこでだんだんとおそらくワイダーバンドの底にひっつくであろう、そこにいく前にひとつ早目に輸出代金を取り寄せておこうという考慮ではなかったかと存じます。
  20. 松井誠

    ○松井誠君 きわめて好意的に解釈をすればそういうことになると思う。しかしそうでなくて、実はやはり円の再切り上げというものを目ざした投機的なもののにおいというものが十分あると思うんですね。特にこれはドルは金の交換を停止をされておる限り再引き上げの気配というものは消えないわけですね。したがって前受け代金という形での流入圧力というのは、やはり依然として続いてくるだろうと思うのですね。そこでそれを為替管理、日本のように為替管理を強化するという、それを主たる手段として今度のような準備率の引き上げという、いわば間接的な方法というものを従的な手段にするいわば規制の方法ですね、よくわかりませんけれども、ドイツなんかでは為替管理がもっと自由で、こういう間接的な規制の手段というものに主たる機能を期待をしておるということがほんとうだとすると、その違いというのは一体どこからくるか、政策選択の違いですね、日本の役人が統制が好きだというそれだけではないと思いますが、何かそういう貿易構造なり何なりからくる必然性みたいなものがあるのかどうか。
  21. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) この為替管理に基づく直接の規制と申しますか、それとこのプライスメカニズムを通ずる間接の規制、そういうほうのいずれをとるか、あるいはそれぞれどういうメリットなりデメリットなりがあるかという問題につきましては、これはいろいろと御議論があろうかと存じますが、非常に端的に申し上げますと、おそらくこの最近の、これは日本に限らないこの通貸調整後のヨーロッパ諸国及び日本共通の問題でございますが、ドルの通貸調整後アメリカに対するドルの還流があるであろうというふうに思われていたわけでございますが、それが実際には還流が起こらない、むしろ逆に流出のプレッシャーさえ強い。アメリカからヨーロッパなり日本への流出のプレッシャーさえ強いということにつきましては、これは原因といたしましては二つあるのじゃなかろうか。  一つは、これは何も私の考えというよりも、いまヨーロッパ諸国の当局者においても同じ考えでございまして、これは先般出席いたしましたOECDの第三作業部会の議論でもそうであったわけでございますが、二つの要因と申しますか、一つは、アメリカとヨーロッパ及び日本との短期の金利差でございます。アメリカの金利が非常に低いということによりましてアメリカに短資が還流するインセンティブが少ない、逆に出てくるインセンティブが多い、こういういわば金利差の問題が一つございます。  それからもう一つは、ドルに対する信認の問題、ドル不安と申しますか、心理的なそういう意味の不安、これは逆にいえばヨーロッパ諸国及び日本におけるレートに関する心理的な不安と申しますか、この二つの要因によっておるかと思いますが、このうちの第一の金利差の要因につきましては、これは準備預金制度等によりまして。プライス・メカニズムに基づく実質的な金利差を平衡化するということによりまして防ぐことができるわけでございます。それから、もう一つの心理的な方面の要因につきましては、これはなかなかこの金利差と違いましてプライス・メカニズムでは防ぎ得ない問題でございますから、それに基づく投機というものが起こります場合には、これはやはり相当の金利差でもってそれに対して対抗しようとすれば、相当の逆の高さの金利を、あるいは金利差を逆転させなければいけないという問題がございますが、非常にレートに対する不安が強いという場合には、それに対抗するためにはやはり直接の規制でないと効果がない、こういう二つの面があろうかと存じます。  それで、ドイツにおきましては、実はもう一九五〇年代に為替管理を全面的に撤廃をしておりまして、したがって、直接の為替管理をやる。これはもう銀行部門の統制はできるわけでございますが、非銀行部門つまりノン・バンクの部門につきましては為替管理を再導入することは機構的にもできない、むずかしい。非常に機構の問題もあり、人の問題もあり、そういうシステムができておりませんからこれはできないわけでございます。それが非常なドイツの悩みであるわけでございまして、それにつきましてこの非銀行部門につきましては従来金利差を調整するという意味の預託制度もやってなかったわけでございまして、それがいままでドイツにおきましての短資対策の大きな抜け穴であったわけでございますが、この点につきましては最近、御高承のとおり、現金預託制度というものを実施いたしまして、その点につきましては新しい措置をとったということでございます。
  22. 松井誠

    ○松井誠君 確かに少しばかりの金利差を求めて動くというようなことは、これは通貨調整、切り上げの不安というようなものの前では飛んでしまうわけでしょうね。ですから少しぐらいの金利差があっても投機的に動くということ、切り上げというものが目の前にぶらさがっている場合には動くんでしょうね。確かに間接的な方法、手段には限界があるだろうとは思う。私よくわからないんですけれども、その資本のほうから言えば、これはなるべく為替管理がなくて商取引の自由化がいいということに一応はなるわけですが、企業のエゴイズムの結果、こういう形で、輸出前受けという形でどんどん流入して、結局円の切り上げに追い込まれるとなると、全体の、資本全体としても言ってみれば利益ではないわけです。それだけでなしに、国民の側から言ってみれば、これは再切り上げということに追い込まれる。しかもそれが企業のエゴイズムの結果追い込まれるということになると、黙視するわけにいかない。それをどうして規制するかということになれば、私たちも技術的問題もからんでよくわからないんですが、心配なのは、この間のような八月に大蔵大臣は、日本は完全武装しているからだいじょうぶだと言ったけれども、輸出前受けという大きな穴があったわけですね。今度の場合、この輸出前受けの規制をやっておればあとはだいじょうぶだという、今度は去年八月の失敗を繰り返さないという、そういうものですか。
  23. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) これは率直に申しまして、為替管理と申しましてもやはり全く完全に全部の短資をシャット・アウトできるというところまで完全な為替管理というものはなかなかむずかしいかと存じますが、問題は、実際問題としてそれで済むかどうかということであろうと存じますが、それで、八月のニクソン声明後の短資の巨額な流入というものは御高承のとおり、その大きな部分が輸出前受けのそういう形をとって入ってきたわけでございます。これにつきましては九月一日にこの措置をとったわけでございます。その後は平静になったわけでございますが、今回この二月二十五日に復活いたしました措置は、先般の九月一日でございましたか、とりました措置と同じ措置をまたとったわけでございます。これは八月の前受け金が大量に流入いたしましたときの経験にかんがみてとった措置でございます。いまのようなこの措置は、現在とっておりますこの措置を続けていけば八月のような事態が起こりましても、前受け金という形で入ってくることは防げるというふうに存じております。ただ、今回の措置は、通常の商慣習からいたしますと、相当強い措置でございますから、その意味でこれが非常に長く続くということは問題がないことはないかと存じますが、しかし、そういうような、いまのような短資流入のプレッシャーが今後続いております間はやはり続けていかざるを得ない、これを続けていけば輸出前受けという形の短資の流入は有効に防げるというふうに考えております。
  24. 松井誠

    ○松井誠君 資本の側から言えばそういう商取引の阻害をされるという理屈はわかるのですけれども、しかし、ほんとうに商取引かどうか、われわれは全部が全部そうではないと思う、疑問を持つんです。かりに、商取引があったにしたところで、それだけで是認さるべきかと言えば、これは必ずしもそうではないと思う。これはいま言ったように、そのことで言えば、そういう形で国内の通貨、国際通貨が混乱を受けて、結局日本の場合で言えば円の切り上げということに追い込まれるとなると、かりにそれがヘッジであろうと、自己防衛であろうと、そのためにわれわれ全体が犠牲にならなければならないことはない。そういうことを考えると、これは商取引という大義名分でもって必ずしもわれわれはたじろぐ必要はないと思う。しかし、最近ではそういう声に押されてかどうかわかりませんけれども、何か輸出前受けの規制を緩和する前提として、普通一年先のものまでは許されておるのに、もっと期間を短かくしろとか、プラント類は三年先まで許されておるのにそれを一年ぐらいにしようかと、そういう動き、つまり、そういう形で輸出前受けというものを認めるかわりに規制をはずすと、そういう動きがあるやに聞いておるのですが、そういうことはあるのですか。
  25. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) その点に関しましては、現在の標準決済規則が、ただいま御指摘のとおり通常の輸出でございますと、それから延べ払いにつきましても、いまの御指摘のような規則になっておりますが、通常のものであれば一年以内、延べ払いのものであれば三年以内、これは実は現状に即しましてやややはり問題がある。いわば率直に申しますと、日本が国際収支の赤字に悩んでおったころが背景になってできておる制度であるということは否定できないことであろうと存じます。その受け取りのほうはなるべく早くという感じが実はそこに出ておるわけでございますが、そういうような背景でできた標準決済規則でございますので、これは現在のような状況におきましては、むしろ見直すことが適当ではないかという議論が一つあるわけでございますが、しかしそのことと、現在のような特別に心理的要因その他で流入プレッシャーの強いときにどう対処すべきかという、いわば臨時的緊急の事態に対する考え方とは別途にして考えるべきであろうと存じます。御指摘のように、現在のようなときにたとえば輸出前受けを三カ月にしてあったとすれば、その。プレッシャーを防げたかと申しますと、それはそうではございませんで、やはり現在のような状況におきましては、むしろ二月二十五日にとりましたような措置をとっておりませんと、やはり輸出前受けというものは入ってきたでございましょうから、その意味では現在の状況におきましては標準決済規則を三カ月とかということに直したことによりましては解決できないであろうと存じます。
  26. 松井誠

    ○松井誠君 何か、確かに在外支店から金を送ってもらって、それが輸出前受け代金だという、そういう形が六割ぐらいあるというのでしょう、六割ですか七割ですか。ですから一年先にしようと、三カ月にしようと一カ月にしようと、言ってみれば幾らでもつくれるわけですよね。ですからそういう日本の貿易のあり方の形を考えても、この輸出前受けの規制はけしからぬという声にそう譲歩をなすべきではないと思うのですが、それじゃ、具体的に、この法律に基づいて政令にゆだねられておる部分がありますね、ゆだねられておる部分があるというより、政令にゆだねられておる部分が一番これは問題のわけで、政令案を見ますと、二条の三項の四号で「政令で定めるもの」ということになっておって、その政令案というのは居住者自由円勘定というのが一つあって、あとはないのですね。ないというよりも大蔵大臣が指定するものということで何が入るかわからない。新聞には具体的にいろいろ報ぜられておるわけですが、自由円勘定のほかに本支店勘定だとかユーロダラーとかいろいろ書いてあるわけですけれども、これはあれですか、あらかじめ政令に載せないでどういう処置をするのですか。あるいはいまもう政令の内容として固まっておるのですか。
  27. 米里恕

    ○説明員(米里恕君) 政令の中がおっしゃるように二つにこの関係分かれておりまして、一つは非居住者自由円勘定、もう一つは大蔵大臣の指定する外貨債務となっております。外貨債務となっておりますので、これは非常に広い意味で補足が可能なように考えてつくっておりまして、したがいしまて、概念的にはこの中には非居住者も入りますし、また同時に居住者も入るということになると思うのです。それから資金の性格で申しますと、短期性のものも長期性のものも、必要に応じて取り入れられるようにしておるという考え方でございます。外貨債務の中身につきましては、一応これまた概念的に考えられますのは、外貨建ての預金であるとか、あるいは外貨建て借り入れ金、あるいは外貨建ての本支店勘定、いずれも入ってくるということになろうかと思います。具体的に大蔵大臣が何を指定しますかということにつきましては、そのときどきの国際金融情勢、金の流れがどういうルートでわが国に入ってきつつあるか、あるいはその勘定について為替管理の現状がどうなっているかというようなことを総合的に勘案いたしまして、そのつど最も必要と考えられる勘定をとらえていくということになろうかと思います。特に勘定と申しましても、いわゆるバランスシート上の勘定よりははるかにこまかいものをとらえるということになろうかと思いますので、内容としては固定的にあらかじめ政令で定めておくということではなしに、必要に応じて大蔵大臣が指定する外貨債務という書き方をしておるわけでございます。
  28. 松井誠

    ○松井誠君 指定というのはどういうことですか。
  29. 米里恕

    ○説明員(米里恕君) 具体的な形態は、政令自体が実はここに書いてございますように、まだ固まったものではございませんので、どういう形で指定が出るか、公告になるか告示になるか、その辺の形態はまだはっきり詰めておりません。
  30. 松井誠

    ○松井誠君 その問題に関連をして、たとえばこういう政令の中身は一体どうなんだということを銀行局に聞きますと、銀行局は、それは国金局がもっぱらやっておりますので私のほうはわかりませんと言うんですね。どうも話がおかしいのは、つまりこの法律が、一つは国内銀行、一つは国際銀行、つながらないわけじゃないでしょうけれども、そういうものを一つの法律にしたために管轄は二つあって、銀行局では、この短資流入問題については全く国金局まかせという状況が出てくるわけですが。  そこでお伺いしたいのは、さっきもちょっとドイツの話が出ましたけれども、ドイツではこういう短資の流入措置については、何か対外経済法ですか、そういうもので処理をしておる、こういうわけですね。一ころちょっと新聞で何かそれに近いようなニュースを私見た記憶があるんですけれども、こういう多少違ったものというのは、むしろ独立の法律にしてやるということのほうが体系から言ってもいいし、実際の運用から言ってもむしろいいのではないかという、いささかしろうと考えですけれども、これは銀行局長、国金局長からお答えいただきたい。
  31. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) ドイツの対外経済法との関係でございますが、これは先ほども申し上げましたように、ドイツでは原則としてたしか一九五〇年代の後半でございましたか、いわゆる為替管理、戦後やっておりました為替管理を撤廃いたしまして、そのかわり対外経済法というかっこうでいろいろ必要な場合に政府が取り得る措置を書いてあるということでございまして、従来、最近に至りますまでのドイツがやっておりましたこの措置、ことにまああの問題が短資の流入のことでございますから、その点について申し上げますれば、銀行法につきましては、銀行部門を通ずる特別な法律措置というよりも、いわば銀行に対する監督と申しますか、ブンデスバンク――連銀の監督権その他によりましていろいろな規制をやる、その他準備預金についてもそういう方向の措置を講ずる、そういう系統からの措置をとっておる。ところが先ほども申し上げましたように、銀行以外の部門、一般の企業につきましてはそういう規制措置がとられていなかったわけでございますが、したがって、それは日本におきましては、一般の企業のインパクトローンの取り入れ、その他の外資の取り入れにつきましてこの為替管理法で規制いたしておりますので、その点は抜け穴がないわけでございますが、ドイツにつきましてはその点の規制が法的にとられておらなかったわけでございます。  そこで、今般この対外経済法の系統の措置といたしまして、この現金預託制度というのをとったということのようでございますが、したがってこれはまさに、このいわゆる銀行部門に対する準備預金の制度、これはドイツには前からあるわけでございますが、銀行以外の部門につきまして直接の為替管理によるその規制をやらないで、むしろ銀行と同じような預託制度、預託を義務づけるということによりまして間接的な規制をやろうということに、やっとドイツは踏み切ったということのようでございます。日本におきましては、一般的に為替管理法がございますので、それによりまして直接の規制をいたすことができますから、先ほども申し上げました輸出前受けの規制というのはそっちのほうの系統からの規制をやったわけでございます。それで、申し上げるまでもございませんけれども、この準備預金の制度は、これは銀行に対するものでございますから、輸出前受けに対しましては直接はこの関係がございませんわけでございます。
  32. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) ただいま国際金融局長からお答え申し上げたとおりでございますが、これを要約いたしますれば、まず準備預金制度というものはもっぱら国内金融の撹乱要因、これを取り除くための金融政策の一環といたしまして発展をいたしてきております。たとえばドイツの場合で申しますと、先ほど御指摘のございました対外経済法、これは企業に対する措置としてやられております。それから、銀行関係のものはブンデスバンク法によりまして別途措置をされております。そうして、企業に対しまする対外経済法に類するようなものを日本でも準備するかどうか、その辺は目下国際金融局等で鋭意研究をいたしておりますが、現在御審議をお願い申し上げておりますものは、もっぱら金融政策の一環といたしましての準備預金制度、これは各国いずれもみな似た制度があるわけでございますが、そういうものとして御審議をお願い申し上げているわけでございます。
  33. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 貿易振興局長に――通産省にまず質問をいたしたいと思うのです。  それでは、輸入ユーザンスの採用について若干質問をいたしたいと思いますが、これは本ぎまりにきまったのですか。制度設定についてどうなんですか。
  34. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) お答え申し上げます。  実は銅、鉛、亜鉛等の非鉄金属、鉱石等につきましては、海外の鉱山との間に以前から長期契約を結んでおりまして、引き取りの義務があるというものが数品目あるわけでございます。
  35. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 ちょっと聞こえないんですがね。
  36. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) もう一度申し上げますが、銅、鉛、亜鉛等数品目の鉱石につきましては、海外から長期契約で輸入をするという契約を結んでいるものがあるわけでございます。これが国内の景気停滞によりましてわが国企業サイドの海外鉱石の引き取りが非常にむずかしくなってきた、で、鉱石の引き取りを何とかして削減しようとしておる、こういう動きが最近あるわけでございます。で、国内の在庫はふやしているわけでございますけれども消費がぐっと減っておりますので、やはり引き取りを減らさざるを得ない。そういたしますと、以前から、この海外鉱山の立場から見ますと、日本が長期にわたってこれだけの量を買ってくれるということでございましたので、従業員をふやしましたり、あるいは生産規模をふやしましたり、あるいは場合によっては新しい町ができ、新しい、何といいますか開発ができるというような状況にございました。ところが、最近、いま申し上げましたような事情でいろいろな海外鉱石の引き取りが困難になっている。それで海外の幾つかの国から、やはりこれでは非常に困る、日本の企業が鉱石を引き取ってくれないと、そういう発展途上国経済あるいはオーストラリア、カナダ等の未開発地域の地域経済の発展上非常に困るという声が非常にふえております。で、そういう対外経済外交あるいは経済協力の観点から、何とかそういう鉱石の引き取りを促進しないといけないのではないか、こういうふうな問題が起こってきたわけでございます。で、通産省といたしましては、この一月の下旬でございましたけれども大蔵省に申し入れまして、何とか急遽こういった鉱石の引き取りを促進しないと、海外と非常な摩擦を生じつつあるということで検討してまいったわけでございますけれども、やっと大体、線を出していただきました。  その大体内容でございますけれども、これにつきましては一応、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、タングステン、クローム、それからほたる石でございます。この七品目につきまして一応引き取りの促進措置を講ずる。  引き取りの促進措置の内容はどうかと申しますと、従来から当然普通の在庫として持っておった分については、何ら措置をいたさないわけでございますけれども、通常在庫を越える過剰引き取り分につきまして一年のユーザンスを認める。このユーザンスは、実は日本から海外に払うお金の支払いを延ばすということになりますと海外鉱山が困るわけで、日本から外国に対しては輸入と同時に現金を支払う。国内のいわゆる居住者間同士のユーザンスということで国内で一応その金融といいますか、結果として輸入ユーザンス金融がつく。通常でございますと、標準決済の関係で輸入ユーザンスは入着後四カ月でございますけれども、通常のユーザンスではとても金融が――企業のほうも非常に常に過剰在庫をかかえておりまして、短期の借り入れもやっておりまして、これ以上金融の負担能力がないということでございまするので、通常の四カ月のユーザンスではとてもこれは引き取れませんということで、結局、措置の内容といたしましては、過剰引き取り分につきまして一年のユーザンスを認める、国内の居住者間のいわば外貨の貸し付けと申しますか、これを認める、こういう内容でございます。  で、過剰引き取り分は何かということでございますけれども、これは一応考え方といたしまして、昭和四十四、四十五年度大体企業が持っておった在庫がございますけれども、その在庫率を一応めどといたしまして、それを越える部分について一応その一年のユーザンスの延長を認める、越えない分については従来どおりの通常の四カ月の標準決済の範囲内でやってもらう。で、一応数字的に申しますと、銅、鉛、亜鉛は大体四十四、四十五年度の企業の在庫率が一・五カ月分でございます。それからニッケル、クローム、タングステン、ほたる石につきましては三カ月分でございました。したがいまして、それぞれが持ちました在庫率を越える部分のこれからの引き取りにつきまして一年間のユーザンスを認める。金利その他の面では通常の輸入ユーザンス金融と同様になろうかと思います。で、金額的には、実は景気のこれからの動向によりまして消費の数値等が変わりますと、在庫のたとえば額は同じでも消費の額が違いますと在庫率が変わってくるということで、見通しにすぎないわけでございますけれども、大体いま申し上げました七品目、これから一年間四十七年度の末まで一応やるということでございますけれども、金額的にはその間に約三・六億ドルぐらいに及ぶ予定でございます。で実施のほうは、それは実施細目をまだ詰めておりませんので至急詰めまして、詰まり次第実施したい。期間は一応四十七年度一ぱい、こういうようなことで大蔵省との間で話し合いがついているところまできておるわけでございます。
  37. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 それは鉛ないし銅、亜鉛等に対して、ただいま言った七品目、その鉱山資源等に対しての最近の経営状況が非常に悪いというようなことは、前々から言われておったわけですけれどもね。それに対して今回の制度では金利面のこの補てん策をひとつ考えておるということだろうと思うんですけれども、従来四カ月のものを、特例措置として一年間ユーザンス採用によって一体メリットはどのくらい生ずるという見通しなんですか。  それからもう一つ、その輸出国の、相手国はどういう国ですか。  それから国内の企業はどういう企業ですか。
  38. 佐藤淳一郎

    ○説明員(佐藤淳一郎君) 第一番目のメリットの問題でございますが、大体特に非鉄各社が大半まあ十年ぐらいの長期契約でなければ相手国から買えなかったという事情もございまして、こういう結果に相なったわけでございますが、本来であれば、これは通常の経済状態であれば、地金として販売できるものはまるまる在庫になってしまうということでございますので、その意味ではその分が金融の企業として負担まるまるかかってくるわけでございまして、その意味ではできるだけ低金利であることが企業側にとっては望ましいわけでございますが、一般的には大体四カ月のユーザンスを過ぎますと、市中銀行でつなぐわけでございますが、市中銀行の金利が一般的にいろいろ金融によって違いますけれども、八%ないし九%ということかと考えますと、これが四カ月が一年にわたってまあユーザンスの金利でやっていただくということになりますと、少なくともその分についてのメリットは相当出てまいると思います。ただいずれにしても、これはもともとメリットがあると申しましても、本来売れると予想しておったものが売れなくて、在庫としてかかえるわけでございますので、その意味ではメリットの計算と言ってもなかなかむずかしいわけでございますけれども、かりに従来の制度でこの在庫をかかえなくちゃならないということに比較いたしますと、少なくともあとの八カ月につきましては、金利差としては相当期待できるというふうに考えておるわけでございます。  それから具体的な実施の細目につきましては、これから法律に従いまして大蔵省と協議してきめるわけでございますが、いままでの過程でお願いいたしております。内容を申し上げますと、要するに相手国側と長期契約をやって輸入しておりまして、それで過剰在庫をかかえておるという企業を対象にいたすつもりでございまして、具体的に申し上げますと、銅につきましては八社の予定でございます。それから鉛につきましては……。
  39. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 八社の内容を具体的に言ってください。
  40. 佐藤淳一郎

    ○説明員(佐藤淳一郎君) 内容と言いますと会社の名前でございますか。
  41. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 もしあれならあとで資料でもいいですよ。
  42. 佐藤淳一郎

    ○説明員(佐藤淳一郎君) ではあとで資料でお届けいたします。  では数字でざっと申し上げます。鉛が六社、亜鉛が七社、クロームが五社、タングステンが九社、ニッケルが七社、ほたる石はこれは相当、数十の会社になると予定されております。  それから鉱石を輸入いたしておりますところの対象の国でございますけれども、全部申し上げますとたいへんなあれでございますので、これもあとで資料で申し上げたいと思います。おもなところを申し上げますと、銅が非常に金額も大きいもんですから、銅でちょっと申し上げますと、銅鉱石はフィリピン、ペルー、チリ、コンゴー最近名前が変わりましてザイール、それからカナダ、オーストラリア等が主要国でございまして、そのほかブリスターといたしましてやはりザンビア等が入っております。これはおもなやつでございますが、そのほか発展途上国の相当の国から輸入しておるわけでございます。ほかの鉱石も大体これらの国から輸入しておるような現状でございます。
  43. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 銅の場合も、鉛の場合も、会社名、ちょっと代表的なものを。
  44. 佐藤淳一郎

    ○説明員(佐藤淳一郎君) それじゃ申し上げますと、日本鉱業、三菱金属鉱業、三井金属鉱業、住友金属鉱山、古河鉱業、同和鉱業、日鉄鉱業、東邦亜鉛、この八社でございます。
  45. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 この第一点のいわゆるユーザンス採用によって、金利上のメリットはどのくらいかということになれば、相当メリットはあるだろうけれども、具体的にいまあらわすことはできないということですが、これは大体そのことによるメリット、金額にしてどのくらい想定できますか。その辺ちょっともしわかれば教えていただきたい。
  46. 佐藤淳一郎

    ○説明員(佐藤淳一郎君) 実は金利につきましても、いろいろ大蔵省と御折衝申し上げましたもんですから、まだきまりましたのがつい最近でございますために、正確な計算、メリットは出しておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、市中金利との差というものが大体二、三%あると思いますので、それにトータルの金額をかけて、期間をかけてやらなければいかぬわけでございますが、これは計算いたしまして、資料をお持ちするときに一緒に申し上げたいと思いますので。ちょっと計算いたしておりません。
  47. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 結局あれですか。金利操作による一つのメリットというものは、この政府がそれだけ買った側に、いわば何といいますか、金利を補給というようなかっこうになるのですかね、くれてやると、結果的には、この措置によって。それは結局外貨に食い込んでいくわけですか。金利操作はどういうことになるのですか、最終的にその辺。
  48. 田口健次郎

    ○説明員(田口健次郎君) ただいま現在通常の四カ月の輸入ユーザンスの金利でございますけれども、これは昨日まで大体六・三七五%、それからきょうから六・五%に引き上げられるというふうに伺っております。鉱石の引き取りをこういう措置を講じないで従来の方式でやった場合にどうなるかということでございますけれども、その場合でも最初の四カ月問は輸入ユーザンスでございますから、同じ六・三七五あるいは六・五%という金利で四カ月間は同じなわけでございます。それからあとの大体四カ月ぐらいは、普通の商社金融で輸入しておるわけでありますから、商社の金融をいわゆるハネ金融、これでそう変わらない金利で、これは商社と鉱山会社の間でやっております。さらにそれをこえまして、いわゆる在庫金融ということになりますと、わりと在庫金融の金利が高いあるいは正確なことは私ども存じませんが、八%ぐらいの見当でありますというふうに思うわけでございます。そこですでに四十六年度におきましても異常な過剰の在庫を持っておりまして、銅、鉛、亜鉛といったような鉱山の会社だけでも単名手形の買い入れの増が一千億前後に達するというようなことで、金利負担が大きいようでございます。今度の措置を講ずることによりましても、結局最初の四カ月間は六・五で同じでございますけれども、あとの分がいわゆる在庫金融と、従来は在庫金融でございますが、一応六・五のまま大体十二カ月間いけるということで、そのあとの期間について約二%程度の金利……。しかしながら、これは特段の措置と申しますよりも、金利面では通常のマーケットにおきます輸入ユーザンス金利が適用になるわけでございまして、鉱石のみにつきまして特別の金利を適用するということではない――かと思います。
  49. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 時間もありませんから、いずれこの問題についてはいろいろと検討してまいりたいと思うんですが、従来炭鉱などが斜陽産業に入って非常に経営が困ったというようなときには、金融面から国が一定の保障をする。あるいは山一証券が非常に落ち込みを生じて困ったようなときに国がやる。これはいずれにしても、しかし国会の承認を得てそれぞれ会計上の特別会計をつくるとか、こういうかっこうにおいていわばガラス張りで一つはやっておったような気がするんですよ。が、どうも今回の銅、鉛、亜鉛等について、いろいろな輸出国との十年長期契約その他の、いわば経済外交の分も政治的にいろいろあるでありましょう。あるでありましょうけれども、国内の主要会社を見ますると、たとえば日本鉱業とか三菱、住友、あるいは古河、同和、いずれにしても銅、鉛、そういったことに対しては筆頭を行く会社ですね。こういうことです。そういうものに対していまさら政治的にそういうユーザンス採用によって一応金利上のメリットだけ与えていくというようなことは、どうも私は割り切れないものがあるんですね。まあいずれこの問題についてはこれからあれしますけれども、これは国際局長、結局何らかの形でこれをやって、なおかつうまいこといかないというときには、金融上の措置を大蔵省としてはとっていくという、そういうところまで検討されてるんですか。
  50. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 本件に関しましては、先ほど通産省のほうから答弁ございましたように、いろいろ問題点もございましたので、最近まで時間をかけていろいろと検討をしたのでございますが、これはやはり一つの、まあ先ほど通産省のほうから御答弁がありましたような外交上の問題、後進国あるいは友好国に対する問題等の外交上の問題を緊急に解決しなければいけないという観点に立ちまして、現行制度の範囲内で極力筋の通る制度にしなくてはいかぬ、筋の通る制度でなくては採用できないという観点から種々検討いたしました結果、今回、ただいま通産省のほうから申し上げましたような制度につきまして、大蔵省といたしましても同意を与えたわけでございまして、これはしたがいまして、このような事態が長引いては困るわけでございまして、臨時、緊急の措置としてやったわけでございますので、まあほぼこの一年間ぐらいやれば当然――むしろそこまでいかなくても解決を見るのではないかという観点に立ちまして考えておるわけでございます。
  51. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 時間が四十分までですからあと五分ですが、銀行局長に。  まあ準備預金制度については同僚議員がいろいろ質問してまいりました。私きのう資料請求しまして、国債の機関別引き受けシェア、この一覧をもらった。これによりますと、都市銀行は、四十六年の四月から二月まで、四三・五%、以下いろいろと出てるわけですけれども、ことに地方銀行は一九・二%、相互銀行が三・六%。そこで、日銀にこの前も質問したのですけれども、この「金融機関主要資力および投資一覧」というもので出ているわけですけれども、これを見ますると、やはり全国銀行とか都市銀行というものは何といっても筆頭を握っているわけですよ、相互銀行とかなんかは非常に低いのですね。これから見て、この国債の今後の引き受け等について支障はないかと、そうしたら日銀総裁としては、いやそれは目下の金融緩和基調の中では心配ございません。――しかし、いま政府が進めている今後のねらいというものは、やはり経済浮揚政策ですから、ことしの十月ないし十一月等にいけばこれが再度景気過熱、浮揚過熱ということになりやしないか。かりに景気が浮揚していった場合、そういう場合にまた金融引き締めという、そういう政策に来ないのか。  それからまた、大体国債の残高を見ましても三兆九千億見当ですが、現在どのくらいあるか、三兆こえていることは間違いない。こういう面を考えますると、相互銀行とか中金とか信金とか、こういう中小企業の銀行がいまの割り当てで十分だといえるのかどうか、その辺が一つ心配です。  それから、もう一つは、銀行のいわゆる住宅金融等を見ますると、あまり一般の住宅金融等についてはそう熱意を持っておらない、各中小金融も。そこで何らかの措置を講じなければいけないと思うのですけれども、ただ不動産等のこういったものには非常に融資が高いと言われている。このような状況がある。それが東北縦貫道とか各種高速道とか、あるいは新幹線とか、こういうものが建設される途上にあるわけですから、先回りして土地取得をやる。それが大不動産会社が全部先回りしてやっている。こういうものが結果的に地価騰貴というようなかっこうになっている。だからそういう面で金融操作上やはり地価抑制等も含めて金融面で若干のそういうものをひとつ配慮していく必要がないだろうかというようなことが考えられるわけです。そういう問題について銀行局長としてはどういうふうに一体考えられておるか。  それから金利の問題ですね。たとえば、開発資金にしても、いわゆる財投資金貸し付けが七・二%だと思うのですが、それをどんどん上回っている、開発資金でも。たとえば、この政府出資の東北開発とか、あるいは北海道とか、これから沖繩に対していろいろ設置をされていく開発構想、これなんかを見ましても、大体八・二%見当ですね。だからそういう面が非常にアンバランスだと思われる。この投資形態について金利上何らかの処置をとっていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるのです。それから、国債にしましても、いま利子上から言えば、日本銀行からこれを担保にして金を借りる場合は明らかに逆ざやですね。だからいわば金利上いろいろな角度から見て不合理というものが存在をするわけですけれども、こういった金利上について何か抜本的な対応措置をとっていく必要があるのじゃないかと思うのですけれども、それはいろいろなケースがありますから一様にこうだというようなことは言えませんけれども、いま言ったように、一つは開発資金、ことに沖繩とか、あるいは過疎地帯に対する開発、こういったもの、あるいは政府対民間のそういう逆ざや現象というようなもの、こういうものについては早いところ何らかの形で是正をしていく必要があるのじゃないか、そういう考えについて、三点ですけれども、時間がありませんから聞いて私は終わりたいと思います。
  52. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) ただいまの御質疑の第一点国債のシェアの問題でございます。国債のシェアにつきましては、都市銀行、長期信用銀行、地方銀行、信託銀行、相互銀行、信用金庫連合会、農中、生保、証券会社、その間の比率をどういうふうにしたらいいかということにつきましては、これは御高承のとおり、お互いのシンジケート団の内部でかなり激しい議論をやりまして、引き受け能力、あるいは先ほどお話しのございました預貸率、いろいろな点を総合的に勘案いたしまして、最終的に話のついたところでシェアをきめるという仕組みになっております。おそらくは今明日中に今回のシェアの決定が行なわれると思いますが、先ほどお示しのような中小金融機関の立場、それらも十分に反映したものになるだろうということを期待いたしております。それが一つ。  それから次に、土地取得資金の問題でございますが、これは先般もいろいろと御指摘がございましたように、土地取得資金が、最近一、二月特にふえておりますことは事実でございます。特に不動産業、建設業等を通じて貸し出されております資金量はかなりふえております。その相当の部分が税制の改正、昨年末までが一割で、新年になりまして一割五分になりまして、売り手の側にかかります税率の変化、これは地方税を合わせますと、かなりの負担の増加に一月一日からなったわけでございますが、この関係もございまして、昨年末にかなりの取引が集中的に行なわれ、その決済資金が一月、二月に出ていったというような面もございます。そのほかに先般も問題になりました健全な意味での土地取得資金と、それから土地の値上がりを期待する投機的な資金、両方があろうかと存じます。特に後者につきましては、これは反社会的行為であることが明らかでございますので、その点につきましては、金融団体の集まり等を通じまして、経営者の一つの存在理由は、そういう反社会的な行為を自粛する、チェックするという点にございますので、その点に特に力を入れるように指導をいたしております。土地取得資金につきましてはそういうところでございます。  最後に、長期金利全般の水準の問題、政府関係機関の金利の問題でございますが、これは、確かに御指摘のように、いまの情勢から見まして引き下げる必要があると存じております。今月中にも成案を得まして、できれば来月あたりから引き下げるという方向で検討中でございます。
  53. 多田省吾

    ○多田省吾君 初めに国際金融局長にお尋ねしたいと思いますが、アメリカ国務省のサミュエルズ次官代理が、十四日の記者会見で、アメリカは間もなく何らかの暫定的な措置をとらなければならない、こういうようなことを述べまして、二国間ないし少数国間の公式接触をやろうというようなことを発表したわけです。さらに国際金融筋の十五日発表によりますと、まあオーストラリアとか、あるいは開発途上国を加えて、この国際通貨問題で二十ヵ国蔵相会議を開きたいと、こういう発表をしておるわけでございますが、大蔵当局といたしまして、そのいずれが先行するのか、またこれに対してどういう認識を持っておられるのか、まずお尋ねしたいと思います。
  54. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) ただいまのお尋ねの件は、これからの国際通貨制度を各国間で議論をしていきますにつきまして、どういう場と申しますか、どういう場において議論を進めるかという問題であろうかと存じますが、これにつきましては、外電によりますと、ただいま先生御指摘のように、サミュエルズ国務次官補が、その正確なところ、どういう表現で言ったか、ちょっとわかりませんが、何かそういう問題についての言及をしたようでございます。  それから実は日本時間でけさの十時からコナリー長官が全般的な国際金融問題についての演説をやったと申しますか、あるいはやりつつあるのかもしれませんが、ということだと存じますが、これにつきましては、今後将来どういう場面でやっていくかという点については、けさの連絡によりますと、特に新しい提案をコナリー長官がやったということではないようでございます。まあ自分としても将来どういう場において国際通貨問題の議論をしていくかということについては、特にきまったアイデアをいま持っているわけではない。ボルカー次官にその点について検討するように言ってある。で、ボルカー次官は、各国といろいろな場におきまして相談をしながらアメリカとしても考えをまとめていきたい、こういう趣旨のことを言ったようでございまして、その中には、ただいま御指摘のように、IMFの場において現在の理事会をややレベルを上げたようなかっこうでの一つの集まりというのを考えることも一つのアイデアとして出ておるようでございますが、まあいずれにいたしましても、全体を通じましてこの点については今後各国それぞれ相談をいたしてまいる問題であろうかと存じます。
  55. 多田省吾

    ○多田省吾君 アメリカあるいはIMFが国際通貨対策で動き出した状況でございますが、当然私どもといたしましては、アメリカがまあ失業対策といたしまして、ドル問題で非常に消極的な態度を示しておるが、その問題等についてやはり日本として積極的な要求をすべきである、このように思うわけでございます。  またさらに、日本のドル減らしの方向でございますが、一昨日の当委員会におきましても、大蔵大臣が、現在二月末で百六十五億ドルの外貨保有量の中で、流動性のあるものは百十億ドルだ、その中で必要なものは六十億ドル程度であるから、五十億ドル程度は減らしたいというような意向を述べられた。で、今後のことを考えますと、昭和四十七年度末、すなわち来年の三月まで考えますと、やはり今後さらに五十億ドル程度ふえそうだというようなことを予定すれば、合わせて百億ドルを減らしていく、来年の三月までに百億ドル程度を減らしていくという考えを大臣は示したものだろうと私たちは理解しております。それに対していままで、一つは外国為替銀行に対する外貨預託をさらに進める、あるいは中・長期債券を買い入れていく、あるいは非鉄金属等の原料の買い入れに使っていく、こういうようなことを言っておりますけれども、そのほかにいろいろ言われているのは、為替変動点を創設して対外直接投資を進めるのだとか、あるいは輸出急増品に対して何らかの形で課徴金を課する案だとか、いろいろな案が言われておりますけれども、先ほど言った三つの方策のほかに、いま言ったような二つの方策を考えておられるのかどうかですね。それともこんなものはやらないで、先ほどの三つの方策で十分やっていけると、こうお考えになっておられるのか。まずそれをお聞きしたい。
  56. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 現在の外貨及び今後予想されまする増加分についてどういうふうに外貨活用の方策を考えていくかという点につきましては、先般当委員会におきまして大臣が答弁されましたとおりでございますが、ただいま先生のあげられましたこの輸出保険、輸出保険と申しますか、為替リスク保険、それから輸出税と申しますか、輸出規制の直接の方策等、これは実は為替保険、為替リスク保険につきましてはいろいろと財政負担の問題も出てまいりますし、また輸出促進措置になってもまた対外的に問題があるというようなこともございます。いろいろと問題がございますけれども、ヨーロッパ各国で長期の延べ払い輸出について為替保険を最近になりまして実施をしてきておるというようなこともございますので、現在担当官を派遣いたしまして、その実態について調査をさせておるわけでございますが、その調査の結果を待ちまして具体的にわれわれのほうとしては検討を始めたいというふうに存じております。輸出に対する直接規制のことに関しましては、これはやはり輸出をそういう意味で抑制するということがはたして日本の経済全体にとっていいのかどうか。景気を回復するという点に関しまする輸出の持つ意義というのも大きいわけでございますので、なかなかそちらのほうの問題に、第二の問題につきましてはいろいろ問題が多いのではないか。第一の問題につきましては、ただいま申し上げましたように、制度としていろいろとメリット、デメリット両方あると存じますが、これは検討をいたしてまいりたい、ただこれを日本として制度として採用するのがいいかどうかは、これにはまたいろいろな問題があろうかと存じます。
  57. 多田省吾

    ○多田省吾君 先ほどの質問に続きますけれども、いわゆる外国為替銀行に対する外貨預託のドルの数量でございますが、現在二億ドルちょっとだと思いますけれども、昭和四十七年度末あたりに、ある人は、三十億ドルくらい預託するんではないか、ある人は、四十億ドルから四十五億ドルくらい預託しなければならないんじゃないかというようなことを言っておりますけれども、当局としては大体どの程度を考えておられるのか。
  58. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) ただいま先生御指摘のように、二億ドルと申されましたのは、そのほかに従来から輸入預託をやっておりますので、その残高の上にそれは更新されておるわけでございますが、それの上に先月末二億ドルをいたしたわけでございますが、さらにこれを将来ふやしてまいりたいということ、これは先般大臣が御答弁申し上げたとおりと存じますが、その金額につきましては、これは今後の国際収支の実際の動きがどうなっていくか、それからまた、外国銀行からの買い入れを、これはいろいろな意味で、やはり今後とも日本の貿易、金融の面で外国の銀行との関係というのは保っていかなければならないと存じますので、これを全くゼロにしてしまうというふうにはむろんまいらないと思います。そういう両方を勘案しながら、毎月毎月様子を見て実施をしてまいりたいと、こういうふうに存じておりまして、現在のところ目標幾らというようなことは特にございません。しかし、状況によっては相当多額の預託を、少しずつではございますがやってまいりまして、結果としては相当大きな額になり得るということは考えられると存じます。
  59. 多田省吾

    ○多田省吾君 もう一つの中・長期債券の買い入れでございますが、その中にはそういう債券を買い入れても、やはり外貨保有量の中に数えられるという種類のものも多少はあると思う。その種類ですね。  それから、大体どの程度までこれによって減らす目標があるのか。  さらに、非鉄金属原料の買い入れなんかにはどのくらい来年度末まで減らす予定なのか、その二つをお伺いしたい。
  60. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) お尋ねの第一の点につきましては、あるいはこれはやはり公的保有の運用形態でございますから、やはり収益性の高いものということと同時に、この安全性を考えなければなりませんし、いざというときにはこれを換金できる流動性の点も考えなければなりませんので、問題はどのくらい一体そういうようないろいろな状況を考えた場合に市中から買えるか。またこれは日本があまりたくさん買うということになりますと、それだけで相場が上がってしまうという問題もございます。したがいまして、そのいろいろな状況を考えてやっていきたいと存じますので、具体的にはなかなか金額のところはいまの段階ではっきりこのくらいということを考えているわけではございません。  それから、外貨準備に計上するかどうかという点につきましては、まあ元来外貨資産をどれだけどういうものを外貨準備に計上し、どういうものを計上しないかという点につきましては、これは国際的に特に厳格な基準があるわけではございません。まあ各国の判断にまかされておるという点もございます。あまり、と申しまして、非常識なことはむろん国際的にも問題になると存じますが、まあその両方勘案しながらいずれにしても運用し得るものはそうした市場性のあるものに限られることは当然でございます。  それから、その次の非鉄金属の問題につきましては、先ほど申し上げました今回の臨時緊急の措置としてやります非鉄金属の部分についてだけでございまして、   〔委員長退席、理事柴田榮君着席〕 今後どうするかという点につきましては、これはいまのところ特に考えておりません。今後の状況によりましてさらに、まあいわゆるいろいろと民間の御意見その他としては金を物にかえて持っていたらどうだというような御意見があることは事実でございますが、これはいずれもなかなか制度的に現行の制度では認めがたい面も多いわけでございまして、こういう点は今後の問題として検討させていただきたいと思っておりますが、現在の制度では、そういう備蓄というようなことは制度上はできないと存じております。
  61. 多田省吾

    ○多田省吾君 銀行局長に準備預金制度について二点お尋ねしたいと思います。  一点は、一昨日の参考人公述におきましても、信金のほうではやはり中小企業専門金融機関のコスト高ということを考えまして、もし一〇%以上準備率が高められるような場合には、銀行との間のいまの格差が五〇%、二分の一くらいの差になっておりますけれども、それを二五%程度まで下げてもらいたいというような希望があるわけでございます。まあその具体的なパーセントは別といたしまして、現在以上の差をそのような場合に設けるお考えがあるのかどうかですね。まあ五〇%から二五%くらいまでの間に押えるようなお考えがあるのかどうか。  それからもう一点は、館教授のほうから、昭和四十二、三年度のころだと思いますけれども、まああのころ準備預金率を引き上げてもよかったのではないか。当局がそういう判断に立たなかったのは遺憾だと言って、準備預金率を引き上げて、そうして思い切った買いオペをやればよかったんじゃないかという意見を述べられておりますけれども、私がこの前お尋ねしたときは、過少流動性のために無理だったというようなお答え一点ばりであったわけでありますが、今後の運用というものを考えますと、やはりそういった準備預金率を引き上げて、また買いオペなども思い切ってやっていくというような併用制をとっていけば相当運用できるのじゃないかと思いますけれども、これはどのようにお考えですか。
  62. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) まず第一点でございますが、全国銀行、大銀行と中小金融機関との比率につきましては、従来とも固定的な比率で推移してきたわけではございません。今後とも準備率の水準、中小金融機関の経営状況等を考慮いたしまして、日本銀行と御協議をいたしてまいる際には、ただいまお示しのような点を十分考慮に入れて運用をはかってまいりたいと考えております。  それから第二点の準備率の引き上げ、そしてオペレーションとの併用というようなことを今後考えるかということでございますが、これは御意見どおりに今後はそういうことを十分に考えて運営をいたしてまいりたいという考えでございます。
  63. 多田省吾

    ○多田省吾君 最後に、船田政務次官に関連して要望しておきたいのですが、一昨日、大臣は、今度の暫定予算の中に、生活保護費等は入れるけれども、いわゆる大学の授業料値上げ予算なんかは入れない、このように明言されたわけです。きのうの衆議院文教委員会におきましても、文部大臣は、暫定予算に組めないために入学金等はちょっと無理だろうというようなことを示唆しております。まあ値上げしないということですね。しかし、授業料のほうは、予算が通った段階で文部省令によって値上げするようなことばかり言っているわけです。私はもちろん育英資金なんかは、これは三千円から六千円に上げることはこれは当然やるべきだ、このように思いますけれども、入学金はもちろん値上げしてはならない。しかも授業料も、この際、前々から当委員会で言っておりますように、まあ暫定予算を組まれるような状況になったからというわけじゃありませんけれども、そういうことも考えて、途中から、四月の末ころ、四月一日にさかのぼって授業料を値上げするなんていうこそくな手段をとらないで、思い切ってこの際入学金はもとより、授業料の値上げもやめるべきだ、そのようにすべきだと思いますけれども、ひとつ大蔵当局としてそういう姿勢で臨まれんことを強く要望しておきます。まあこれは要望です。
  64. 船田譲

    ○政府委員(船田譲君) 先日の委員会で、多田委員から御質問がありました際に、大臣が答弁申し上げましたとおり、暫定予算には新規政策というものをどの程度まで組み込むべきかという問題でいろいろ議論があると思います。いまのお話の趣旨は十分に今後の作業にも反映させてまいりたいと思います。
  65. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 海外短資の流入対策ということでこれまでの質疑に続けて一点お伺いしたいと思います。  海外短資と言っても、中身がいわゆる純粋な投機資金だけではないことは、これは言うまでもございません。そこで、投機資金ということではなくて、海外短期資金の動きということで考えてみますと、こういう見方が正しいのかどうか、御意見を伺いたいと思います。  一つは、背景として米国の国際収支赤字が続いているということは、ドルの過剰流動性が増幅をされているということだと思います。そういう中で、ドルの交換性が将来にわたって回復の可能性がないとなると、海外の民間銀行なりあるいは多国籍企業なりの持っている準備流動資産というものを考えますと、当然のこととして、どこの国の通貨で持っていたほうが一番有利かということを考えた運用をする。片一方ではドルの過剰流動性が増幅されてくるということになりますと、結局その面からもドル安が助長される。そうなったとき日本における現象はどうかと考えますと、先行きドル不安ということで、輸出前受け金の増加ということが、これまでもあったように起こってまいります。そのとき輸出前受け金の支払い資金をどこから借りてくるかというと、いろいろな道筋は考えられるとしても、海外銀行から借金をしてくる。ところが海外銀行のほうは何とか有利な形で通貨を持ちたい。端的に言えばドルを手離したいということでありますから、喜んで貸してくれる。したがって、とどのつまり日本に海外できらわれるドルが集まってぐる。これが今日の外貨準備高がふえていく一面の性格ではなかろうかと思いますが、こういう見方は正しいでしょうか。
  66. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) この短資の流入ということがどういうかっこうで起こってくるか、ただいま先生御指摘のような、いわゆる多国籍企業がその流動資産をどう運用するかということで、日本への流入がふえてくるんじゃないかという点につきましては、確かにそういうようなプレッシャーと申しますか、そういう圧力が強くなってくるであろうということは申せるかと存じますが、やはり他方何と申しましても、多国籍企業がヨーロッパにほとんど集まっておるわけでございまして、この点はヨーロッパのほうから見ますと、非居住者の円に対する運用ということは、親近感と申しますか、そういうような点で、やはり隣の市場なり、国なり、ヨーロッパの中での問題に比べると、そういう意味での圧力というのはそれほど大きくはないのではないか。ただそういう多国籍企業も、だんだん円の強さ、あるいはそういうものを考えまして、たとえば日本の公社債に運用したいとか、そういう意味の関係の需要と申しますか、それは出てくるかと存じます。こういう点につきましては、実は昨年のいまごろからそういうことになっては困るということから、短期の大蔵省証券なり、要するに短期証券につきましては三月に取得を禁止いたしまして、それから五月のときに非上場の公社債についてもやはり取得を禁止いたしました。そういうようなことで、この八月のときにおきましても、おっしゃるような意味の、非居住者からする広い意味での投機といいますか、そういう動きというのはほとんどなかったというように考えておりますが、ただこれが御指摘のように、外国の銀行が日本の商社なり何なりの海外支店に貸しまして、そうしてそれが輸出前受けという形で入ってきたことは御指摘のとおりございました。ただ銀行が日本の在外商社に貸すと申しましても、これはやはり何と言っても、いわゆるレートの関係のリスクだけが大きなあれではございませんで、一番問題なのは、返してもらえるかというような、そちらのほうの心配が大きいわけでありますから、これは日本の海外の支店なり子会社、商社、その他のそれが信用がなければ、とうていやはり貸せないということになると存じます。この点につきましては、やはり次第に信用力が高まってきておるということは事実でございまして、それが昨年の八月におきましては、そういう道を通じての外銀からの借り入れということが輸出前受けの一つのソースになったということ、これも御指摘のとおりと存じます。
  67. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 多国籍企業、これは一つの顕著な例として申し上げたので、それから直接の日本への働きかけがあるだろうということではなくて、多国籍企業を含めて何とかドルをほかの通貨に乗りかえたいという傾向は強まっているが、そうなってくると、銀行のドル残高というものが、何とかほかの運用を求めて動き始める、日本のほうは輸出前受けということで何とかドルがほしい、したがって、日本にはドルを何とかほかの通貨に乗りかえたいというヨーロッパの傾向のまさに逆作用として銀行の借金がふえる、海外銀行に対する借金がふえるというかっこうで外貨準備高がふえているんではありますまいか。もちろん直接の介入はないと思いますよ。ただ輸出前受けということを一つのファンクションにしながら、結果としてドルが日本に流れ込んでくる、海外銀行に対する借金がふえる、見かけの外貨準備高がドル建てでふえるということではないんでしょうかということなんです。
  68. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 一般的なバックグラウンドとしましては御指摘のとおりの状況はあろうかと存じます。したがいまして、われわれのほうといたしましては、それに対処するために銀行部門におきましてはいろいろな円転換規制その他の措置によりまして、またインパクトローンの規制でございますとか、一般の企業で申しますと、そういう措置によりまして、これは従来からやっておるわけでございますが、さらに最近におきましては御指摘のような前受け金の規制というようなことで、そういう意味のそういうプレッシャーがございますからこそ、いろいろと従来からやっておりました措置を続けておるわけでございます。また最近も新しい措置をとったわけでございます。
  69. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 そこで外貨減らしということをいまの別な呼び方で言えば、海外銀行に対する借金をどうやって返すかということであろうかと思います。これが外貨預託に託した当局の希望だと思うんですけれども、ただこまかい数字をお伺いしませんけれども、最近急速にふえている海外銀行に対する日本の借金の額というものを考えますと、二億ドルというその幅ではなくて、もっと実は巨額な外貨預託がほんとうは必要なんでしょうし、そのときにその制度が生きてくるためには、海外銀行よりもより有利な金利で提供するということになると思います。そうなりますと、先ほど言われました海外決済資金との関係で外国銀行との関係も将来とも考えていかないといけないということが御配慮として当然あると思いますけれども、ただ時間がございませんので申し上げてまいりますと、そうやって外貨預託をふやしていくということは、世界的に見るとドル不安をさらに強める効果になってくるのかもしれません。その分だけさらにドルの過剰流動性といいますか、ドル安傾向につながるかもしれない。そうなると通貨不安をさらに促進していくのかもしれない。ただそうは言ったって、今日の通貨不安というのは、もともとがドルの交換性がないところに出発していたとすると、その時期に日本がどうやって有利な立場に立っていたほうがいいのか、むしろそこに着目して、多少あちらこちらに問題が出ても、早く海外銀行の借金は返す、当面の政策として、外貨預託は有利な金利を付して急速に拡大していくということも私は必要ではないかと思いますが、その点の御意見だけ伺いまして、時間がきてしまいましたので終わりたいと思います。  あわせて最後に御意見申し上げておきますと、ただいまのこうした対策というのは、準備預金制度として今回改正になりましたものでは対応し得ない分野だと思います。典型的な投機資金の流入ということを考えますと、一〇〇%金利を付利しない対象ということも一応考えられますけれども、そうではなくて、いま申し上げた海外短期資金の流入というのは、事実上取り入れ禁止にひとしい一〇〇%付利せずという対策はほんとうはとれないと、実際問題としては。そう考えていくと、その外貨預託制度を含めたほかのまわりの対策というものをむしろ当面の重要政策としてお考えになって急いでいく必要があるんではないかと思いますが、お伺いいたします。
  70. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 外貨預託を急いで、その対外借り入れをできるだけ早く、まあ今後の増加をとどめ、さらにできれば減らしていきたいという点につきましては御指摘のとおりでございます。ただ、いろいろと先ほども申し上げましたような問題がございまして、やはり有利な金利とおっしゃったわけでございますが、またこれが日本の国が公的な資金をもちまして、外国の銀行と競争をするというようなかっこうになりますと、これまたジャパン・インコーポレーテッドというような非難が出てくる可能性もございますし、そういうことも勘案いたしまして国際的な金利、国際的に見ましても問題がないというようなところで、やっぱり慎重にいたさないといけないという問題は他方であろうかと存じますが、そういうことを配慮いたしつつ、できる限りいまのような御趣旨の線でわれわれのほうといたしましても今後対処してまいりたいと、こういうふうに存じております。
  71. 栗林卓司

    ○栗林卓司君 いま金利のことでジャパン・インコーポレーテッドと言われたというお話よくわかるのですけれども、ただ、とどのつまり、つらい立場でまた会議にお出になるよりも、どこかにしわが出るんだったら覚悟の上でなさったらどうかということを申し上げているのです。ただ、これは関連して新聞記事でお伺いするのは失礼なんですけれども、東京を一つの為替市場としてということが載っておりました。もし関係のことであればお伺いして終わりたいと思います。
  72. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) 東京為替市場と申しますか、国際金融市場として育てていきたいということにつきましては、われわれのほうといたしましても、ぜひそういう方向で今後考えてまいりたいというふうに存じておりますが、これは御承知のとおり一朝一夕にできる問題ではございませんので、そういう点でこのいろいろな情勢を考えながら進めてまいりたい。まあすでにこの長期のいわゆる非居住者の外債と申しますか、東京で債券を出すという点につきましては、御承知のとおり一昨年の十二月でございますか、から始まっておりまして、まあ今後とも長期の外債市場としての東京というのがこれはだんだんまさに伸びていくであろうということはすでに始まっておるわけでございますが、短期資金のほうにつきましても、東京におきましてドルのコール市場というようなことができるようになるようには検討してやっておるわけでございますが、これは役所の指導というよりも、いわば実際に取引をされる市場の問題でございますから、なかなか一朝一夕にやっていくあれではございません。  それからもう一つ、国際金融市場になった場合に、国内金融市場との関係がどうなるか。たとえばロンドンのように、非常に国際的な金融市場となったために、国内の金融政策までいろいろと悪い影響と申しますか、が及ぶというようなことになってはなりません。ロンドンが現在そうであるという意味ではございませんが、そこのところはやはり国内の金融市場と、これは将来の問題でございますけれども、それとの関連も考えなければなりませんし、いろいろと問題がございますが、方向といたしましては、そういう方向で考えてまいりたいというふうに存じております。
  73. 渡辺武

    ○渡辺武君 私、持ち時間が非常に少ないので答弁はひとつ簡明にお願いしたいと思います。  最初に伺いたいのは、日本の消費者物価の上昇率が主要国でも一番激しいということがはっきり示しておりますように、従来やはりインフレーションが日本でずっと高進してきたということはこれは否定できないと思います。そうしてその大きな根源が高度成長を続けるための企業のオーバーボローイング、そうしてまたそれをささえる銀行のオーバーローン、さらにはまた日本銀行の放漫な通貨信用政策にあったということも私質問の中で明らかにしたとおりであります。ところがいまそれに新しく外貨インフレーションという要因がつけ加わってきているというところに現在の重要な問題点があるんじゃないか。昨年外為会計の払い超が四兆四千億円にも及んだということがはっきりしておりますが、ドルの急速な流入、これが通貨増発の大きな要因になっている、国際的なインフレーションの波及というのがそういう形であらわれてきているというのが非常に重要だと思うのです。で、こういう情勢のもとで今後通貨の安定、それからインフレ抑制という見地でどのような対策をお考えなすっておられるのか、これを伺いたい。  あわせていま問題になっております準備預金制度をそのためにどう活用なさるのか、これも伺いたいと思います。
  74. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) 外為会計の大幅払い超によりまして、市中金融機関にいわゆる過剰流動性が生じているということに対しましては、昨年来日本銀行が日常の金融調節におきまして、日銀貸し出しの回収、政府短期証券等の売りオペレーションによりましてその調節をはかってきておりまして、外貨の流入によりましてインフレ要因が形成されてくることを防いでいるわけでございます。今後も外為会計の払い超が続くようでございますれば、日本銀行としては同様にオペレーション政策を中心といたしまして過剰流動性の発生を防止していくものと思われますが、必要とあれば準備預金制度、ただいま御審議願っております準備預金制度、これを積極的に活用いたしまして対処するということも考えられるわけでございます。
  75. 渡辺武

    ○渡辺武君 いろいろ問題のある点ございますが、伺いたいことは、今度の準備預金制度についての法改正の根本趣旨ですね。この中に通貨価値の安定とか、預金者保護というような、この制度の本来の趣旨が抜き去られている、忘れられているというふうに思われます。そして単なる金融調整の手段としてしか、この準備預金制度が考えられていないんじゃないかというふうに思われるのです。  そこで、伺いたいんですけれども、今度法定最高限度を二〇%というふうに定めた理由はどこにあるのか。その計算根拠を、これをお示しいただきたい。あわせて現行の準備預金制度が最高限度一〇%としておるけれども、実際の適用準備率は、わずかに一・五%程度という、その一・五%ときめたその理由もあわせてお願いします。
  76. 米里恕

    ○説明員(米里恕君) まず現行の一〇%の最高限度を二〇%に引き上げるということの案を提出さしていただいております根拠でございますが、お手元に委員会提出資料といたしまして、準備率最高限度の引き上げについてという資料を提出させていただいております。この中に詳しくは計算根拠などが書いてございますが、なるべく簡単に申し上げますと、いろいろ二〇%にいたしました理由はございます。  わが国の金融構造が今後西欧先進諸国並みになる、そういった意味で、アメリカ、西ドイツあるいはフランスあたりの諸外国の例を参考にしたというような点もございます。  ただ、計算基準というお話でございますので、その点について若干説明さしていただきますと、私どもは普通、資金の需給実績、あるいは現金通貨の増減ということをとらえます際に、一般の財政の払いと、外為会計の払いというものが通貨の発行要因になっている。それでそれに対しまして現実に必要な経済活動に適切な通貨量、これを日銀券の増発額であらわしておるというように考えております。そこで、通貨発行要因と必要通貨量の間の調整というものは、日本銀行の対民間信用の増減ということで、おもに調整をはかってまいる、こういう考え方でございます。  なお、資金需給実績表によりますと、実は準備預金制度というものは、この日銀の対民間信用減少という、あるいは増加という中には入っておりませんで、一番最後にその他の日銀勘定という中に入っておりますが、性格的には、準備預金制度も、他の日銀の対民間信用の増減の手段と同様のものであるというように考えております。そういった角度から、準備率の最高限度というものを考えてみますと、一般財政の受け払いにつきましては、長期的には、これは均衡する性格があるというように私どもは考えております。そういたしますと、通貨発行要因の中で最も大きなものは、外為会計の受け払いというものがどうなっているか、それと必要通貨量を比較いたしまして、その調整を日銀で準備預金制度、オペレーション、貸し出しなどを使いながら調整していく、こういう考え方をとっております。  そういう考え方から計算いたしますと、昨年の外為会計の払い超は、まさに御指摘のとおり四兆四千億円という数字になったわけでございますが、これをかりに準備預金制度で調整する、全額吸い上げるというような計算をいたしますと、この四兆四千億円という数字は、準備預金を適用される金融機関の預金総額に対しまして七・八%という数字になります。ただ、準備率は御承知のように、金融機関の種類だとか、預金の種類といったようなものによって異なっておりますので、現行の準備率で案分して吸収したといたしますと、平均七・八%というものを吸い上げますためには、最高率を適用する最も規模の大きな銀行の要求払い預金については一五・六%という準備率を課さなければ、全体として七・八%は吸い上げられない、こういう計算になります。この一五・六%を一つの根拠にいたしまして、二〇%ということをはじいたというのが計算上の問題でございます。  ただ、現実の問題といたしましては、通貨調節にあたりまして、必ずしも外為会計の払い超の全額を吸収する必要はございません。それから準備預金制度でなしに、オペレーションなどの他の手段の併用も可能でございます。また一方、準備預金制度は四兆四千億全部引き揚げるということを申し上げましたが、この制度が引き締めが必要になる場合に発動されるんだというようなことも勘案しなければならない。そういったことを総合いたしまして、最高限度二〇%までは必要ではなかろうか。また、それで十分ではなかろうかというように考えたわけでございます。  現在一・五%になっておりますのも、いま申し上げましたのと全く同様な考え方でございます。確かに四十六年一年をとってみますと、外為会計の払い超四兆四千億円でございますが、四十六年度の個別的な事情、四十六年、暦年でございますが、個別的な事情を考えてみますと、その他の財政は揚げになっております。それから必要通貨量ということも勘案いたしまして、あるいはまた引き揚げる手段として、金融の正常化をはかるということから、日銀貸し出しをできるだけ返済させるというような方法を講じたわけでございます。そういったことを勘案いたしまして、準備預金制度によって、市中から吸い上げる必要の量を計算いたしまして、それと対象金融機関の預金量という関係を計算してみますと、平均率で〇・七六%、これを準備率適用区分といたしましては、一番大きなところに対しては一・五%とすることが適当だということでバランスをとっておる、こういうわけでございます。
  77. 渡辺武

    ○渡辺武君 いまの御説明を伺いまして、やはりそれじゃだめだと思うんですね。それでは、つまり発想の根本が外為会計の払い超、これの影響をできるだけ除外する、そうして必要通貨量を保持するという発想ですね。ところが問題は、その必要通貨量なるものに問題があると思うんですね。いまも申しましたように、そしてまたこの前、日銀総裁も申されましたけれども、通貨価値の安定という点では、必ずしもうまくいかなかったことをはっきり言っておられる。だから、いままでのやはり必要通貨量の確保ということ自身の中に問題がある。だから、その点でやはりこの準備預金制度の運用にあたってはインフレを抑制する、通貨価値の安定ということを第一にしてやっていかなければならぬじゃないか。ただ単に、金融の調整ということだけでは、不十分じゃないかというふうに私思われるわけです。その点に関連して、これは大蔵大臣に伺いたいところなんですが、かわりに船田政務次官にひとつ御答弁いただきたいんですが、そのような日本銀行の通貨金融政策、これがこの前の日銀総裁の答弁ですと、卸売り物価を通じて消費者物価に影響を及ぼすんだということを言っておられましたけれども、私はそれじゃだめだと思うのですね。やはり消費者物価の安定ということを第一義にした通貨信用政策をとるべきだと思う。その点どうお思いになるか。これが第一点。  それから第二点として、この準備預金制度が創設された当時の討論の中でも、やはり財政の健全性の保持ということが、これが通貨価値の安定のために必要だし、準備預金制度を有効なものにならしめるためにも必要だというりっぱな議論が出ております。その点で財政の健全性の保持、特に赤字公債の発行をやめるということが重要な前提条件になるんじゃないかと思われますが、その点どう思われるか。
  78. 船田譲

    ○政府委員(船田譲君) ただいま渡辺委員から特に御指摘のありました、卸売り物価だけでなくて、消費者物価の安定をはかることが通貸の健全性を維持するためにも重要なことであるというお説はごもっともでございます。ただ、なかなか卸売り物価と違いまして、消費者物価に直ちに影響を及ぼす政策を強力に進めていくことにはいろいろとむずかしいところがございます。しかし、お説のとおり、通貸の健全性を維持するためには金融政策を適切に行なうと同時に、やはり財政上もそれが放漫に流れるようなことがないような節度が必要であると思うのです。そういう意味から、昭和四十年度以来政府は国債を発行したりしてきたわけでございますけれども、その国債の発行におきましても、財政法の精神にのっとりまして、これが過度に後年度の負担にならないように注意を払ってきたところでございますが、先生のいろいろな御指摘をさらに参考にいたしまして、今後金融財政の健全化を一そうつとめてまいりたい、こう考えております。
  79. 渡辺武

    ○渡辺武君 もう時間がきましたので、やむを得ない、やめます。
  80. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 いままで準備預金制度の問題につきましては相当長い時間をかけて審議を尽くされておるので、同僚の委員の方からほとんど質問が出て解明されてきておると判断をしておりますが、なお二、三点私自身が問題と思われること、また角度を変えて考えていかなければならぬと思われるような事項につきまして御質問申し上げたいと思います。  最近における内外の金融事情の推移あるいは進展を考えますと、非常に複雑、多様化した経済政策の目的を整合性を保ちながら総合的に達成をしていくということのためには、財政、金融、為替などの諸政策をほんとうに文字どおりポリシーミックスして対処していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。  ところで、人間はその環境においてしかものを考えられられないというようなことわざもございますけれども、現在は御承知のように、たいへんに金融の緩慢のもとにおいて国際収支が大幅な黒字基調を続けておるわけでございます。こういう状況のもとで引き締めの手段としての準備預金の制度ということを考えるということは、非常に考えにくいわけでございますが、先般来のいろんな議論でも明らかなように、一体この準備預金の制度をどういう事態において発動をするのかということでございます。私自身は、国際収支が黒字のもとにおいて金融を引き締める必要がある場合、それを具体的にどういう場合に想定するかということについて、民間設備投資が非常な緩和基調のもとに過熱をするおそれがある、そういう場合を想定して考えておるわけでございますけれども、その点についてどう考えておられるか伺いたい。   〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
  81. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) ただいまのような金融緩和、本格的な金融緩和の状態におきまして、一体たとえば準備預金制度のようないわゆる締めのための道具、これを発動できるような環境というのはどういう環境になった場合を考えるのかという御質疑でございます。当面、設備投資が燃え上がるというようなことは私どもの見込みでまいりましてもそうすみやかにはないものと考えておりますが、ただ、先々の状態といたしましては、いままでのような形での設備投資の燃え上がりというものはあるいはないかと存じますが、金融機関の資産運用の形態も次第に時勢、環境とともに変化をいたしてまいりまして、やはり資金需要がかなり旺盛になる。その資金需要の内容が製造業の設備投資であるか、非製造の設備投資であるか、あるいは消費者に対する資金供給であるか、あるいはそのほかの形態の資金運用であるか、そういう状況はそのときどきの状況によって変わろうかと存じますが、いずれにいたしましても新しい形での引き締めを必要とするような場合というものは当然起こってまいることがあろうかと存じます。その際には、やはり準備預金制度などを中心といたしまして、ただいまお示しになりましたような、あらゆる政策をミックスして活用してまいるということが必要になるであろうと考えております。
  82. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 一般に国際収支が黒字であって金融を引き締めなければならない、国内経済の状態から見て引き締めなければならない場合ということの想定はともかくとしまして、そういう場合は基本的な政策としてマンデル方式というんですか、財政を縮小して金融を緩和をするというのが六〇年代の経済政策運営の基本的な方向であるということが、ほぼ定説化されておるというふうに思うわけでございますけれども、一般的に諸外国の状態とわが国の場合を比べてみますと、わが国の場合には最近非常にやかましく議論をされているように、社会資本の立ちおくれとか、あるいは高い経済成長のひずみとしてのいろんな問題、そういう問題のために財政の果たす役割りというものが非常に大きいのではないかと私は考えております。そういう意味でマンデル方式というんですか、財政を縮小をし金融を緩和するというまあ定説化されておる考え方というものを、わが国の場合には少し適用のやり方を考え直して修正したもので考えていかなければならぬというふうに私は考えておるのですが、御意見はいかがですか。
  83. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) お説のとおりに考えております。外国におきましてもそのような方式自体につきましては、一時期は非常にいい形でのポリシーミックスではあるまいかということが言われていたわけでありますが、その後実行の結果いろいろと批判が出ておりまして、財政の縮小ということがはたして実際上できるかどうか。それからまた、資源配分その他の財政本来の目的から見てはたしていいことかどうかというような議論が外国においても非常に盛んに出ているようでございまして、わが国の場合も当然ただいまお示しがありましたように、そういう方式でいけるかどうかには非常に疑問があると考えております。
  84. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 ただいま御答弁のありましたように、わが国の実情から考えますと、公共部門の投資のおくれ、あるいは財政というものの性格が、どちらかというと機動性に富んでおらないというか、景気対応性に乏しいというか、そういう性格を持っておるものでございますから、私はどうしても、今後相当金融が緩和しておっても、国際収支の黒字下において財政を縮小するというような考え方というものは当分とられにくい対応策ではないかというふうに思っておるわけでございます。で、もしそういうことであるとするならば、今後黒字のもとにおける引き締め政策をとるというようなときの方式として考えられるのは、わが国の場合には、財政はやはりある程度拡大というか、あるいは相当思い切った拡大基調を保持しなきゃならぬという現実を踏まえて低金利ということを前提とする。で、そういう中で引き締めをするということになれば、この準備率の制度を準備するということが非常に必要なのではないか、そういうシェーマが描けるのではないかというふうに思うわけでございます。そこで、しかしそれはどこまでも抽象的な議論としてやっておってもなんでございますけれども、先般館参考人がお話しになりましたように、また先ほど多田先生からもちょっと触れられましたけれども、昭和四十四年から五年にかけて景気の調整策が行なわれたわけです。そのときの情勢で何のために金融引き締めをするんだという議論がありました。物価を目標にするのか。国際収支という点の天井はもうあまり意識しなくてもいい。しかし一方、将来の国内の需給ギャップの可能性というものを考える場合に、民間設備投資をある程度抑制をしたいという気持ちからそういう政策が必要であったということ。そういう意味で、私はこの四十四年秋の景気調整策のときに、かりに限度額が一〇%であったにしましても、低金利政策を片方で準備しながら、どちらかというと、この準備預金の制度をやはり活用すべきではなかったかという考え方をとるわけでございますが、いかがでございましょう。
  85. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) あの際におきまして、準備預金の率を高めるということも実は内部的な議論にのぼったことは事実でございます。ただその際に、やはりまだ本格的な過剰流動性の状態にはほど遠い状態であり、平たいことばで申しますれば、日本銀行が片方で貸して片方で積ませる、いわゆる両建て状態になる可能性が多分にあるということから、むしろ金利政策であの場面は対処するということにきめられたわけでありまして、ただいまお示しのような意見も十分に存在はいたしたわけでございます。
  86. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 まあその辺のところは議論が分かれるところであろうと思いますけれども、今後の問題としていろいろ考えていく場合に、御存じのように、現在は金融が超緩慢な状況にあることは事実でございます。また、本委員会のいままでのいろんな御議論を聞いておりましても、こういう状態でこの四十年以後のサイクルから考えたような同じようなことがことしの秋ぐらいからあるいは出てくるかもしれない。あるいは秋といかないまでも当面あるのではないかという御意見があったかと思います。私自身はそういう考え方を必ずしもとっておらないわけでございますけれども、しかし、こういう制度の問題を考えると、いまの準備率の問題で、こういう金融緩和と、またいよいよ国際収支の黒字が心配される時期に準備をするということは、何か非常に場違いのような感じを一般的に受けるかもしれませんけれども、いまにしてこの制度を準備をしておくということは非常に大事なことではないか。またそういう制度を準備をすることによって、実は、私自身が望んでおるところの思い切った低金利政策の推進なり、金融緩和の政策というものが推し進められるのではなかろうかというふうに判断をしておるわけでございますが、そういう歯どめとしてこの制度がとられる必要があるという考え方についてはどうお考えでございましょうか。
  87. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) その点は全くお示しのとおりでありまして、私どももそういう形で準備預金制度というものが活用されるということを願っている次第でございます。
  88. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 いろいろと、金融政策の三手段と申しますか、公定歩合の操作あるいはオペレーション、それから今回実施されるところの準備預金の制度、その三つの機能をポリシーミックスするやり方ということ、非常に現在の経済状態自体が複雑ですし、国際化した世の中に対応していくわけですから、政策当局の総合的と申しますか、あるいは均衡のとれた判断というものが非常に必要であろうというふうに思っております。またこれは、それぞれの政策の機能と限界ということもわれわれ意識をするわけでございますが、これらの点については、実は、いろいろと質問をしたいところが多いわけでございますけれども、時間的な関係がありますので、一応、それを省略して、一点、今度の改正におきまして、海外の短資の流入対策という意味で、その国内金融市場に与える影響を防止をしたいということで、非居住者の預金に対しまして最高一〇〇%までの無利子の積み立てを準備する、こういう制度になっておるわけでございます。そのこと自体は非常にけっこうなことですが。  一つお聞きいたしたいのは、これは金融機関を対象としての制度でございます。最近の国際収支で非常に問題になりました輸出の前受け金というようなことの例から考えますと、わが国の商社は、――ことばがあるいは適当じゃないかもしれませんけれども、多国籍企業的な、少なくとも国際企業としての活躍というものが相当広範囲に行なわれるような状態になってきておるわけでございます。最近の状況では、ドイツなんかでも、そういう企業の外貨の借り入れに対しまして、直接預金の現金預託制度というものを設けておる。もちろん、そのやり方が、――外貨債務そのものを、ドイツの場合でフランとかドルとかでそのまま積ますのか、マルクにかえたものを積ますのか、その辺の技術的な点はよくわかりませんけれども、やはり何か、そういう金融機関対象外に対して、この短資的な対策というものを広める必要があるのだというふうに考えておるわけでございますが、その点についてどう考えておられますか、国際金融局長に伺います。
  89. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) ただいま御指摘の銀行以外の部門につきましての短資対策につきましては、これは確かに御指摘のような問題があるわけでございまして、従来とも――現在もそうでございますが、日本におきましては、これを為替管理の系統に基づきまする直接の規制というほうで短資の流入を抑制する措置をとっておるわけでございます。したがいまして、現状においての必要性から申しますと、これはいろいろと当委員会でも御議論になりましたように、直接的な現在の短資流入の原因が内外金利差と、それからドルに対するコンフィデンスの問題――レートに対するコンフィデンスの問題というような両面の要素がございますので、したがいまして、こういう現在の状況におきましては、むしろ、直接規制というほうが有効であろうというふうに存じておりますが、確かに御指摘のように、将来の問題あるいは長い制度の問題といたしましては、直接規制のほうがいいのか、あるいは間接規制のほうがいいのか。ドイツにおきまして最近実施をせられました非銀行部門におきまするこの現金預託制度というものは、まさにその間接規制と申しますか、そういうほうの考え方であろうと存じます。これにはこれでまた、ドイツとしての、直接規制は制度上非常にむずかしいという問題があるということは別といたしまして、わが国におきましても、将来の制度としてこういうものを研究してみる必要はあるであろうということで、現在担当官が現地に参りまして、いろいろとこまかい点の調査をいたしておりますが、その調査の結果を待ちまして、また検討いたしたいと存じております。
  90. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 この法第二条の第三項第四号というのですか、法律的な点をお聞きしたいと思いますが、この規定によりますと、居住者にかかるところの外貨預金、その他の債務で大蔵大臣の指定したもの、あるいは「非居住者に係る預金その他の指定金融機関の債務で政令で定めるもの」、こういうような点、結果的には、政令では、大蔵大臣の指定した外貨債務というような規定のしかたがされるように資料でお見受けするわけでございますけれども、この規定は債務に着目してその準備不胎化を考えられておりますけれども、外貨債務として規定する場合に、債権債務――債務から債権を差し引いたものを対象にするという場合が相当考えられなければならないように思うのです。いまのところで、法律の規定で、「債務で政令で定めるもの」という規定になり、それから政令のほうでも、大蔵大臣の指定する外貨債務という書き方をされておるわけですが、そういう規定のしかたで一体債務から債権を差し引きした残高というか、そういうものの何というか、規制を、基準として規制を行なうという場合、それができるかどうか、その点についてちょっとお聞きしたいと思います。
  91. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) その点につきましては、ただいま御指摘のような問題点もございましたので、内閣法制局と打ち合わせました結果、本制度のように、状況によって債務の総額ではなく、債権との差額を対象とすることが必要となるような場合、そういうような場合におきまして、制度の対象どなりますのは債務の一部ということになるわけでございますが、その場合におきましても、債務としての本質は失われていないということで、このような形による適用も法律上可能であるという解釈をとっておるわけでございます。
  92. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 そういう読み方ができるということをここで確認をいたしておきたいと思います。  しかし、いずれにしましても、外貨債務を基準にしまして、それを一〇〇%まで無利子で積めるということの、運用のやり方のいかんでは、従来、金融制度調査会の答申等にもありましたけれども、為替専門銀行に与える影響というようなことが相当問題になってくるんじゃなかろうか。もちろん、金融行政全般の立場から、ある程度の摩擦は避けられないし、影響というものを否定するわけじゃありませんけれども、制度上はともかくといたしまして、ともかく運用面で相当配慮をする必要があると思いますけれども、いかがでございましょうか。
  93. 近藤道生

    ○政府委員(近藤道生君) その点につきましても、御指摘のように慎重な配慮をすることが必要と思われます。特に、今後具体的に国際金融関係の業務にどのような影響を及ぼすか。その辺を見ながら金融事情等をも勘案いた、しまして実際の適用上、対外取引に支障を来たすようなことがありませんように、事情の許す限り配慮をいたしてまいらなければならないと思います。
  94. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 時間の制約もありますので、もう二点ほど聞きたいと思うんですが、一つは、わが国の外貸の準備高でございます。これは百六十億というような非常な大きなものになっておる。その中身等につきましては、もうすでに大蔵大臣の説明にもありましたけれども、きょうも御説明があったわけでございますが、わが国の準備高の状況というものをいろいろ考えますと、わが国の場合にはドル建ての取引が非常に大きいということがあります。それから従来から為替集中制をとっておる。現にいまもとっておる。もちろん、最近の事情においては、円の切り上げ不安というような問題がありまして、それがどこまで影響を与えているかということは問題があるにいたしましても、そういう集中制をとっておる。さらに、リーズ・アンド・ラッグズということで、輸出前受け金の制度で明らかなように、外国貿易が大きくなった今日、輸出代金の早期徴収、それから輸入代金の支払い遅延というようなかっこうで、非常に大きな外貸準備がそのことのために出てきている。あるいはまた、ユーザンスの状態でございますが、諸外国から比較して、わが国の場合には、過去において慢性的な金融梗塞の状態であったというようなことから、外銀に輸出、輸入のユーザンスを大きく依存してきている。以上のような事情のもとに最近の金融情勢が加わって、外貨債務をふやしたり、支払い延期をしたりというような動きがあって、西欧諸外国に比べて実質以上に外貨準備高が多くなっておるように思っております。そういうようなことから考えますと、諸外国の場合と比べまして、特にヨーロッパ諸国と比べまして、わが国の場合には、この外貨準備が実力以上に大きくなっておるというようなことがあるのではないかと思いますが、この点お伺いします。
  95. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) その点につきましては、まさに御指摘のような要素があるわけでございまして、短期の外国からの借り入れというのが相当の残高になっておりまして、先般大蔵大臣が御答弁申し上げたと存じますが、七、八十億ドルくらいにはなっておるわけでございます。これは外貨準備と直接につながっておるわけではございませんけれども、そういうような短期の借り入れの残高が多いということが一つの特色であることは御指摘のとおりでございます。
  96. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 過去の、輸出ユーザンスに対しまして、過去においては日銀の外貨の資金貸しという制度がありまして、私の記憶ではそれが四億ドルをこえた時点があったと思います。最近においてはそれがほとんどゼロになっておるというような状況もうかがわれるわけでございます。本委員会で何回も同僚の委員のほうから御質問がありましたけれども、私はいま国際金融局長がお答えになったようなことでありますと、わが国の場合に、あんまり――何というのですか、外貨準備を減らすとか、外貨を減らすというような思想じゃなしに、もう少し外貨を、有利に運用するというようなことから考えても、外貨預託の制度は思い切って運用しなければならぬと思っておるわけであります。私の手元で調べてみますと、外為資金特別会計の昨年度の借り入れ金の限度額は一兆円である。それが四十七年度の予算を見ますと二兆四千億というような数字になっております。その差額を単純に三百八円のレートで割ってみますと、四十五億ドルくらいの金額が出るわけでございます。そういうような点から――それが全部外貨預託ができるかどうか、問題があるかもしれませんが、たまたま、先ほど御指摘しました日銀の外貨貸し振りかえられた金額とある程度符号しておるわけです。そういうことを考えますと、外国銀行が、その業務を拡張、推持したいという気持ちは相当あると思いますけれども、思い切って西欧諸国並みに正常化の線でこの外貨預託を進めることが必要である。外貨減らしという観点でものを言ったり、したりするのはどうもあんまり適当ではないような、そういう感じを私は持っておるわけですが、いかがでございましょう。
  97. 稲村光一

    ○政府委員(稲村光一君) この点につきましては全く御指摘のとおりでございまして、外貨減らしというのは、何か余っているものを減らすべきだというような感じでございますれば、それはまさにわれわれの考えておりますことと違うわけでございます。御指摘のように外貨準備が多額にある、他方、短期の借り入れが多いということは事実でございますので、その点につきましては外貨預託という方法を活用いたしまして、先ほども申し上げましたようないろんな問題がございますけれども、そういうことを勘案しながら極力短期債務の増加をとめ、でき得ればさらに借り入れ残高を減らしていくという方向で考えてまいりたいと存じております。
  98. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 時間もありませんのでもう最後に一点だけお聞きいたしたいと思います。  わが国の証券資本の市場は、従来の慢性的な金融梗塞、資金不足のもとに形成されました金融、間接金融構造のもとにおいて、限界的な資金調達の市場になってきておるわけです。量的にも質的にも非常に未成熟の段階にあるというのが一般の見方でございます。私自身もそう考えるわけでございます。しかもこの証券資本市場というものは性格的に自由市場でございますので、わが国金融構造の矛盾が集中的にそこにあらわれておるというのが私の認識でございます。最近は御承知のように非常に大幅な金融緩和が続いております。また公的部門の資金調達の必要性というような問題もあります。また、金融資産がどんどんふえてきまして、どちらかというと金利の選好性がだんだん強くなってきています。さらに、国際化というようなこともあって、日本の資本市場で外貨債が募集されるというようなことにもなってきておるわけです。そういうことで、証券資本市場を取り巻く環境が非常に変わってきておるというふうに私は思うわけでございます。しかし、従来の間接金融中心のものの考え方からいきますと、証券資本市場というものの育成、これをほんとうにこの機会をとらえて充実をしてやっていかなきゃならないというふうに私は考えておるわけでございますが、この点につきまして従来金融面からいろんな問題がありました。現にいろいろ行なわれているオペレーションにしましても相対的なオペレーション、公開市場というような形ではないというようなことから考えますと、非常に金融サイドからと、それからまた証券サイドからと両方議論しなきゃならぬと思いますが、そういう証券市場のやはり育成という点についてどういうぐあいにお考えになっているかということが一点。  それからそれに関連しまして、フランスの例なんかを見ましても、この準備率を引き上げるというときには、逆にオペレーションをやることによって資本市場に対する影響というものを緩和しながら対処するというようなことが行なわれているように思っているわけでございます。そういう意味で総合的な運用、特にせっかくいまチャンスにあるところでございますから、証券市場の育成ということに支障のないよう運用がはかられなければならないというふうに考えております。これは要望になりますので、最後の点は御答弁は要りませんが、第一点の点について証券局長から答弁いただきたいと思います。これで終わります。
  99. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 時間があまりありませんのでできるだけ要領よく御答弁を願います。
  100. 大谷邦夫

    ○説明員(大谷邦夫君) ただいまの嶋崎委員の御意見に全く賛成でございます。われわれもいままでの日本の企業というのは非常に借金が多い、これはいままでの高度成長時代にしかるべき理由があったと思いますが、今後やはり国際的な環境の中で企業が競争をやっていくためには、何といいましても資本市場の育成が必要であろうと思っております。たまたま環境が最近非常によくなってきておりますが、こういう環境がいつまでも続くということもございませんので、こういう環境を利用いたしまして、たとえば発行者が発行しやすいような状況をつくり出すとか、流通市場ももっとうまく債券が流通するような仕組みを考えるとか、いろいろ検討を加えてまいりたいと存じます。証券取引審議会でもそういう観点でいま検討中でございます。はなはだ簡単でございますがこれでよろしければ……。
  101. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) ほかに御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もなければ討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  104. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  105. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 私はただいま可決されました準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案に対し自由民主党、日本社会党、公明党、及び民社党の四派共同による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。  以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  106. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) ただいま嶋崎君提出の附帯決議案を議題といたします。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  107. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 全会一致と認めます。  よって嶋崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、水田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。水田大蔵大臣。
  108. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、政府といたしましても御趣旨を体して十分努力してまいりたいと存じます。
  109. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 前田佳都男

    ○委員長(前田佳都男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次会の委員会は三月二十一日午後二時から再開することといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十分散会      ―――――・―――――