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1971-08-17 第66回国会 参議院 内閣委員会 閉2号 公式Web版

  1. 昭和四十六年八月十七日(火曜日)    午前十時四十八分開会     ―――――――――――――    委員の異動  八月三日     辞任         補欠選任      塩出 啓典君     沢田  実君  八月四日     辞任         補欠選任      足鹿  覺君     加瀬  完君  八月九日     辞任         補欠選任      加瀬  完君     足鹿  覺君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         柳田桃太郎君     理 事                 町村 金五君                 安田 隆明君                 上田  哲君                 水口 宏三君     委 員                 源田  実君                 田口長治郎君                 長屋  茂君                 山本茂一郎君                 矢山 有作君                 山崎  昇君                 沢田  実君                 岩間 正男君    国務大臣        運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君        国 務 大 臣  中村 寅太君        国 務 大 臣  西村 直己君        国 務 大 臣  山中 貞則君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        人事院総裁    佐藤 達夫君        人事院事務総局        給与局長     尾崎 朝夷君        総理府総務副長        官        砂田 重民君        行政管理庁行政        管理局長     河合 三良君        防衛庁防衛局長  久保 卓也君        防衛庁人事教育        局長       江藤 淳雄君        防衛庁経理局長  田代 一正君        外務省アメリカ        局長       吉野 文六君        大蔵省主計局給        与課長      岡島 和男君        運輸省航空局長  内村 信行君        運輸省航空局技        術部長      金井  洋君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査  (一般職の職員の給与についての報告並びにそ  の改定についての勧告に関する件) ○国の防衛に関する調査  (自衛隊機の全日空機に対する空中衝突事故に  関する件)  (自衛官の募集に関する件)     ―――――――――――――
  2. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告に関する件を議題といたします。  まず、人事院総裁より説明を聴取いたします。佐藤人事院総裁
  3. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 御承知のとおり、先週十三日に公務員給与の勧告を申し上げたわけであります。勧告後、日ならずして説明聴取の機会をお与えいただきましたことに対して深く御礼を申し上げます。  毎年の例でございますが、四月に民間の側の給与を調査し、片や公務員側の給与を調査いたしまして、その格差を求めておるわけでございますが、本年、右の調査結果に基づく官民給与格差は一一・七四%であることが明らかになりました。この格差を埋めていただきますために給与改定を行なう必要がある。よって勧告に及んだ次第でございます。もちろん給与改定は俸給表に重点を置いておりますが、その他諸手当についても種々の配慮を加えております。しかし、昨年相当各方面にわたって処置をいたしましたので、それを受けての本年は比較的単純な形になっております。  まず、俸給表の改善でございます。これは申すまでもありませんが、民間の初任給は依然として非常に高いのでございます。これに見合う手当てをどうしても必要といたします。なお、これに連なる二人世帯あるいは三人世帯の形成時にかけましての給与、これについても、生計費の高騰等にかんがみまして、われわれとしては重点を置かざるを得ないわけであります。したがいまして、たとえば、行(一)の五等級なり八等級の場合においては、引き上げの率において去年よりも高く、むろん額においても去年よりも高い。あるいは行(二)の五等級の方々についても、率において、額において、ともに昨年よりも上げ方が大きいというような場面も出ております。私どもは決して上厚下薄とか、上薄下厚ということばは使いませんけれども、一般の新聞等においては上薄下厚という表現、これが見られておるようであります。そのかわりに、お気の毒でありますけれども、一等級あたりのところは相当手薄にならざるを得なかったというのが実際でございます。  そのうち初任給につきましては、民間の初任給とも見合わせまして、一般の事務技術系の場合には大学卒五千円を引き上げました。それで四万一千四百円になります。それから高校卒については、四千八百円引き上げまして、その結果三万二千百円ですか、三万二千円そこらになったということになります。なおこれに関連いたしまして、高校卒の初級試験を通った人と、上級乙を通りました大学卒の人との初任早々における号俸の扱い方、多少これに離れ過ぎたところがあるということで、号俸の間引きをいたしまして、高校卒の人を優遇する措置をとっております。  なお、職種別によって俸給表を見まするというと、技能免許職員、あるいは研究職の中の研究補助員、薬剤師あるいは看護婦などについて特に配慮をいたしました。なお、海事職俸給表(二)の適用を受ける人々については初任給の幅を広げまして、やはり適正な待遇に資しておるわけであります。  なお、先般義務教育学校等の教員に対しまして教職調整額を支給する法律が通りまして、明年一月一日から四%の教職調整額が支給されることになりますが、一面、高等専門学校の講師等について見ますというと、高等学校の先生から来られる方などもあって、高等専門学校の講師の俸給を若干調整をしないとアンバランスを生ずるということになりますために、明年一月一日から教職調整額の実施と並行して、高等専門学校の講師などについて一部の調整を行なうということを内容に入れております。  それから諸手当の改善でございますが、まず扶養手当につきましては、昨年は引き上げをいたしませんでしたが、ことしは民間の調査もいたしました結果、配偶者、それから二人目の子という面、及び母子家庭などの世帯主等配偶者のいない世帯主の子についての手当てをいたしております。すなわち、配偶者に関しましては五百円引き上げまして二千二百円とし、二人目の子供については、従来の四百円に二百円をふやしまして六百円、母子家庭世帯主等の子については、二百円をふやしまして一千四百円といたしました。なお、これに関連いたしまして、明年一月一日から児童手当法が施行されることになります。児童手当法が施行されますというと、この法律に該当する児童については三千円の手当が支給されることになるわけでありますが、私どもといたしましては、扶養手当と児童手当法に基づく児童手当と重複支給することはその必要がないというたてまえから、児童手当の支給対象となる子はわがほうの扶養手当の対象とはしないということにいたしております。  それから次に、お医者さんの、いわゆる医療職俸給表(一)の適用を受けます人々の給与について見ますというと、今年も依然として民間と官側との間に大きな開きがございますので、これも何とか手当てを必要といたしますので、前年度に引き続きまして初任給調整手当の大幅の引き上げをいたしました。今年は最高八万円というところまでいたしております。なお、支給期間の限度も三十年にわたることにいたしまして、だんだんと逓減をさしていくということにいたしております。  次に看護婦の夜間の勤務に対します夜間看護手当、これは今回やはりその勤務の特殊性に応じまして、一回当たり五十円増額いたしまして、現在の二円五十円を三百円に引き上げることといたしております。  次に、航空交通管制の業務の関係につきまして、航空管制官及び航空管制通信官、これらの方々の勤務の特殊性から、実は本年の四月にすでに相当の手当等の改善をいたしたのでありますけれども、なおこの際、さらに一歩を進めまして、支給の対象となる空港の範囲を拡大いたしますとともに、その額の引き上げも行なうことにいたしたわけであります。  なお、期末・勤勉手当につきましては、毎年のことでありますが、民間と対応させて調査をいたしておりましたが、今年の場合は、その結果やはり若干の格差が見られましたので、従来の年間支給額四・七カ月分を今回〇・一カ月分ふやしまして四・八カ月分といたしました。これは六月に支給されます期末手当を〇・一カ月分だけ増額するということにいたしております。  なお、この期末・勤勉に関連いたしまして、昨年の報告書に触れました問題点でございますが、民間における特別給の支給状況が、職務段階別によって非常に大きく傾斜をしておるという事実を今回さらに詳しく調査いたしまして、その事実をさらに確認いたしましたし、また民間においてはどういう処置をしておるかということもあわせて本年調べました結果、結局年間の給与という面から、やはりこれらの特別給をも含めて官民の比較をすることが適当であろうという立場から見ました場合に、管理監督の地位にある者については非常にその点で隔たりがあるということが確認できましたので、またその処置として、民間における一つの行き方を取り入れました。要するに、いわゆる管理職手当に当たるものをこの算定の基礎に取り入れるのがよろしかろうということから、大体、おおむねのことでありますが、本省課長級以上、まあ一、二等級の人たちでいわゆる管理職手当をもらっている人たちをまず対象にいたしまして、そうして俸給月額の二五%以内の額を期末・勤勉手当の算定の基礎に加えることにいたしております。勧告では二五%を最高にいたしておりますが、運用上では、当面二〇%を最高にしたらどうかというふうに考えております。  次に、これも新しい問題でございますが、筑波研究学園都市、この移転問題がございまして、大体多くの研究機関等は東京にありますために、東京では八%の調整手当をもらっておる人たちであります。それが無級地の場所へ引っ越すという点にかんがみまして、研究学園地区に移転した機関に引き続き勤務する職員等に対して、一定期間筑波研究学園都市移転手当を支給することといたしました。その額は、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額の八%以内といたしております。  以上によりましてこの比率を見ますというと、官民給与の比較の基礎となる給与についに、俸給で一〇・三六%、諸手当で〇・七一%、その他で〇・六七%、これを合わせまして計一一・七四%の格差を埋めたことになります。一一・七四は、金額にいたしますというと、平均八千五百七十八円となります。  本勧告は五月一日にさかのぼって施行していただきたい。ただ、筑波の関係は十月からということにいたしております。  何とぞよろしくお願い申し上げます。
  4. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 山崎昇

    ○山崎昇君 ただいま人事院総裁からことしの勧告についての説明がございまして、二、三お聞きをしたいと思うのでございますが、その前に、防衛庁長官がたいへん忙しいようでありますから、防衛庁に対して二、三お聞きをしたいと思うのです。  一つは、きょうの委員会で、後ほど各党の委員の方々から相当詳しく質問があろうと思いますが、この間の連合審査で、民間航空機と自衛隊の航空機とのニアミス等を含めまして、航空機の事故対策というものはずいぶん議論になりました。特に長官から、自衛隊が国民に愛される自衛隊になるためには、この問題を真剣に考えて、再びこういうことの起きないようにするのだ、下部に徹底するのだと、こう答弁がありました。しかしそれから何日もおかない間に、再びこのニアミス事件というのが最近また起き出している。こう考えると、私どもは長官国会でなされる答弁と現地の職員との間に必ずしも意思統一がないのではないだろうか。長官長官でりっぱな答弁をされる。現地は現地で、無視はしないでしょうけれども、現実には長官の考えと違った方向に行っているのではないだろうか。私は、まだまだ自衛隊にうぬぼれがあるのではないだろうか、おれたちがやらなければどうなるのだと、そういう考え方が第一線の諸君にはしみ通っておるのではないだろうか、こういう気がしてなりません。具体的な内容はきょう私からは申し上げませんが、いずれにしても、この自衛隊のあり方をめぐって、私は国民にさらに疑惑が起きてきているのではないか、こう思うのです。重ねて、長官の決意といいますか、あなたの部下に対する指導といいますか、そういう観点から、この問題についての見解をまずお聞きをしておきたいと思うのです。
  6. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 先般の、最初着任の日の内閣委員会でも私の決意を申し上げました。その後私といたしましてとりました行動をごく概略申し上げます。  事柄は、たいへん国民に御心配をかけ、また国の防衛に対する疑惑も起こりやすいことでございます。それだけに、私はまず文書をもっていたして、同時に口頭をもっていたすという方針をとったのでありますが、しかし、単に着任したからあいさつという気持ちではございませんで、政府におきまして特に航空安全緊急対策閣議で正式に予承されるのを待ちまして、また空幕長がその朝新旧交代いたしました後に、私は、一つは文書をもちまして私の所信を申し上げました。それはこの委員会において答弁したと同趣旨のものでございます。しかし、それだけでは単に文書がまかれたというだけに終わります。そこで、防衛庁にあります全体の組織を通ずるマイクを通しまして、それをかみ砕いて私は申したのであります。その趣旨の基本は、ただいま申し上げた、もう国民安全というものを前提にしないで自衛隊というものはあり得ないのだと、そこに置けと、こういうことが中心でございます。そしてさらに、これは単に航空事故あるいは航空自衛隊の事故解釈すべきではない。陸上においても火器を持ち、あるいは海上においても艦艇を持っておる。これ自体の操作を誤まれば逆に国民の生命財産を害するということもあり得る。研究機関においてもいろいろ危険物を扱うだろう。一切をあげて、これは国民安全というものを中心にすべきだ。まあ率直に申し上げますと、口頭で全部の隊員に、しかもわざとその際には、遠くにおる諸君も私の声を聞いてくれ、こういうふうにいたしまして、できる限りの措置はとったつもりであります。  それから個々のケースにつきましては、午後の委員会でも御審議がありますれば、また実態を防衛局長から、あるいはその他の関係官から詳細に申し上げてもよろしゅうございますが、少なくとも私は全身全力をあげまして、このあらゆる、私自体じゃございません、緊急対策全体は総理大臣のもとにおいて、関係閣僚、最終的には閣議全体の責任においての意思を到達する、こういうことでやりましたことだけは事実でございまして、その点を御了承願いたいと思うのであります。
  7. 山崎昇

    ○山崎昇君 そのこまかなことを私はいま聞くつもりもありませんし、申し上げませんが、いずれにしても、新聞報道だけ見ても、これは単に運輸省の航空局長がどうだとか、自衛隊の航空の担当者がどうだとか、こういう行政権のなわ張り争いの問題ではないのです、少なくとも。ですから長官委員会ではたいへんりっぱな信念を述べられる、そして国民安全をはかると、こう言う。しかし具体的にはやっぱりそういうことに反した現象が起きてくる。そこにまた私は、先ほども申し上げましたけれども、まだまだ自衛隊の第一線には、少しことばがきついかもしれませんが、うぬぼれがあるのではないだろうか、こういう気がします。ですから、今後ともこういう問題については、私は自衛隊の存立そのものにもいま関係している問題であるだけに重要視をしておりますので、重ねてひとつ長官から、そういうことのないように、それから一日二日を争って訓練をやったからといって国を守れるものではない。軍事力だけにたよって国を守ろうとする、こういうものの考え方に誤りが出てくるのではないか。そういう意味において、再びこういうことを繰り返さないように、私は長官に最大の決断を迫っておきたい、こう思います。  それから、それに関連をしまして、どうも最近、自衛隊の内部に傷害事件が多いようですね。これは一々私は調べているわけではありませんけれども、たとえば隊員同士のけんかを隠しておるとか、あるいは最近は殺人事件あるいはその他傷害事件が相ついで起きています。一体これは防衛庁として、私は、隊員に対するどういう教育をやっているのだろうか。もちろん三十万近い人間がおるわけですから、多少例外の者も出てくるでしょう。人間ですから、私は自衛隊だけに完全な人格を要求するのは無理だと思います。それにしても、いま注目を浴びているときにこういう傷害事件が続発するということは、私は内部に綱紀の弛緩もあるのではないだろうか。訓辞をしたり、文書でやったとしても、現実的に隊員の指導についてどこか欠陥があるのではないだろうか、こう思うのですが、この傷害事件の続発について、長官は一体どのようにお考えになるのか。
  8. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 私の着任前後におきましても、あるいはその前におきましても、武山その他においても傷害事件がありましたことは事実であります。御存じのとおり、若い青年の隊員がおります。したがって、第一は募集の問題があろうと思います。もちろんある程度の隊員の充足はいたさなければならぬけれども、無理に引っぱってきて、ただ形をつくればいい――ですから私はこの間の所信においても、従来の長官のことばであれば士気ということばを使いたいのですが、私は真の勇気を説いたのであります。真の勇気というものは口や形ではない。時と場合によれば、訓練区域が狭くなればそれをしのびながらやるということも真の勇気になるんじゃないか、そういう観点から、国民サイドに立ってのわれわれは自衛隊であるというふうにいこうではないか、したがって自衛隊は自衛隊なりの一つの特殊ないろんな作業がございますから、その間において、安全はもちろんでありますが、同時に隊内あるいは隊外におきましても、やはり今日の開けた民主主義社会における市民の基準からはずれるようなことがあったら、これはたいへんであります。やはり、あくまでも市民であって同時に自衛隊員でありますから、市民の良識が許さないような傷害であるとか、殺人であるとかいうことは、これはもう絶対に避けていきたい。そこで、具体的には、きょうも人事教育局長も来ておりますから、お聞き取りいただいていいのでありますが、こういったことにつきましても、今回の事故で絶えず――いわゆる時代の青年でもあります。その時代の環境を反映しておりますけれども、しかし、時に人間としての生命の尊重であるとか社会的な市民生活から見て、良識のはずれることのないように絶えず点検を加えていく、うっかりすると、こういう組織は一ぺんきめますと、なれが起こって、そのなれのままいってしまうというと、形はできても実質は伴わない、これだけは私は絶えず反省をしなければならぬ、こう思っておる次第であります。
  9. 山崎昇

    ○山崎昇君 いま長官から、なれがおそろしい、組織だから一たんきめるというとなかなか変更することもまた困難だと。それももちろんあると思うんです。しかし、それにしても、相次いで傷害事件が起きておる。一々私は中身は言いません、きょうは。したがって、自衛隊の綱紀の粛正あるいは隊員に対する指導というものについて、もっと私は部隊なりあるいは長官の意を受けて第一線の指導者というものは意を用いるべきではないか、そうしませんと、いかに長官がここでりっぱな答弁をされたとしても、現実的にはそれが何にもならなくなってくる。そういう私は危険性をはらんでおると思いますので、この点も、きょうは精神訓話みたいになってしまいますが、重ねてこの点は部内の引き締めに私は意をもっと用いてもらいたい、こう申し上げておきたいと思います。  これに関連して、最近はやっぱりずいぶん自衛隊について国民は注目しているんですね。その一つに、私は先日投書を一つもらいました。昭和四十一、二年ごろであったでしょうか、御殿場市長選で現職の自衛隊員が選挙に介入し過ぎた、そして公選法違反でこれが起訴されて、罰金刑と公民権停止の判決があった。自衛隊はそれに基づいて一般的な公務員の懲戒処分に従って処分したようでありますが、しかし、それから二、三カ月後には、すでに前のポストよりいいところに転任しているではないか。一体、国会はそういう自衛隊の綱紀についてどういう監視をしているんだという趣旨の実は投書を私はもらいました。最近、自衛隊については航空機事故以来ずいぶん国民の皆さんはやはり目を向けているようであります。そういう点を考えると、この投書の最後に、自衛隊はいろんなことを言うけれども、こういう姿勢だったらなかなか自衛隊はよくならないんだ、長官がここでどんなりっぱな答弁をされても現地はそうはならぬのだ、こういう鋭い指摘が来ております。そういう意味で、ここで聞いておきたいのは、この御殿場の選挙に関連をして処分を食った者にはその後どういう処置をとっておるか、明らかにしてもらいたいと思います。
  10. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) これは具体問題でございますから、まず局長から御説明させます。
  11. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 投書の内容につきましては私は存じませんが、御指摘の点につきましては、刑事処分がありましたあとで、防衛庁におきましては隊員の関係者につきまして厳重な処分をいたしたつもりでございます。その後の人事管理につきましては、いわゆる消極管理と申しますか、人事の消極的な管理をいたしておりまして、決して御指摘のような栄転とか、あるいはそれと同等のようなポストにつけたというような事実はございません。ただ、形式的に部隊のポストにつきましては、どれがいいポストでどれが悪いポストかということにつきましては、対外的には必ずしも評価しにくい面があろうかと思いますけれども、私どもの人事当局におきましては、たとえば第一特科連隊長中村一佐につきましては、その後一応少年工科学校付にいたしまして、現在は少年工科学校の総務部長ということになっておりますが、この少年工科学校の総務部長というものは、決して連隊長よりもいいポストではございません。連隊長に比べますと、はるかに低いポストでございます。その他の隊員につきましては、業務隊長と、業務隊の広報班長はすでに定年で退職しておりますが、その他の第三大隊長につきましては、特科連隊の副連隊長ということになっております。この副連隊長というものは、通常二佐でやめなければならないようなポストでございまして、その後の将来性はないポストになっております。そのほか小佐野二佐につきましても、現在印刷補給隊長ということになっておりますが、これは、御承知のように印刷補給隊というものは後方のきわめてじみなポストでございまして、従来の富士学校の総務課長というようなポストに比べましては、はるかに下位のポストでございまして、将来性は必ずしもあるとは言えない、一佐のうちでは低いポストであるというふうに、すべてのものにつきまして、その後の人事管理につきまして誤解を受けないような消極的な人事管理をしておるつもりでございます。
  12. 山崎昇

    ○山崎昇君 いまここであなたから、どのポストが上か下か、説明を聞いたって私はわかりません。したがって、いまのあなたの説明のあった点は、あとでどの人はどういうふうにいつしたのか、資料で出していただきたい。  しかし、いずれにしても国民の目というものは、こういう小さいと言ったら語弊がありますが、こういう事件にすら、その後自衛隊は一体どういう措置をとっておるのだろうかというところにいま目が向けられておるということを、あなた方は絶えず念頭に置いて、部内の指導なりその他のことに当たってもらいたい、これもまた私から強く指摘をしておきたいと思います。  その次に、長官にお聞きをしたいと思うのは、最近自衛隊は、ヘリコプターにしましてもその他にしましても、天候が悪いから落ちるのか、無理な訓練だから落ちるのかはよくわかりません。しかし、いずれにしても自衛隊の飛行機ぐらい落ちるものはない。大体毎月一機か二機ぐらい事故を起こしておる。こういうことを考えてみると、どうしてこんなに自衛隊というものは事故を起こすのだろうか、私もまたふしぎに思っておるわけです。その点の説明を願うと同時に、この事故によって若い隊員が死んでおるわけですね。それに対する私は補償がまことに低いと思う。これは、あの少年工科学校の生徒のときにも申し上げましたけれども、国家公務員の災害補償ではわずか三万円しか出ない。訓令でやっておる賞じゅつ金で二百万か二百五十万で、私は本末転倒じゃないかと思う。むしろ国家が命じたならば、私は自衛隊に反対であったとしても、現実に起きておる事故の対策について私は意見を持っておるわけです。そういう意味で、国家の補償というものはやはりきちっとすべきではないかということを二、三年前から私は指摘しておるのだが、いまだにその点については何の対策も進んでいないように見受けられます。しかしここで具体的にお聞きしたいのだが、こういう隊員の事故の対策といいますか、遺族の対策といいますか、そういうものが一体どうなっておるのか、あわせて――これは私は札幌に帰りましたらもう少し詳しく調べたいと思っておりますが、新聞紙上だけのことでたいへん恐縮でありますけれども、裁判ざたが起きておるということが報道されております。そういうものを見ますと、わずか七十六万ばかりの遺族補償が出ておって、そうしていま両方の弁護士がいろいろ相談をしておるようでありますが、決裂したそうでありますね。それによれば、国側は五百万ぐらいは出してもいいけれども、それ以上は予算上出せないのだということで決裂した、こういう報道になっております。したがって、いま起きております札幌市在住の隊員の訴訟問題について、どういう経過になっておるのか、明らかにしてもらいたいのです。  それから、時間がありませんからあわせて、この間の全日空機の衝突事件による遺族補償について、一体いつごろまでにどういう方針のもとにこの遺族補償というものをやるのか、この機会にひとつ明快にしてもらいたい。
  13. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 自衛隊のもし内部の整備その他、あるいは訓練の技術等において欠陥があれば、これは大いに反省しなきゃならぬと思います。ただ、自衛隊機あるいは自衛隊のいろいろな行動は、何と申しましてもやはりある意味の戦技訓練等も入ります。したがって、指揮者あるいは教官その他が十分な注意をしながらいかなきゃならぬ。もちろん自衛隊の中でも人命尊重ということは大事なことでありますが、そういう特殊な訓練をやるだけに、細心の注意、また整備上の注意もしなきゃならぬ。今後も事故を少なくするように極力気をつけるつもりでおります。  それから遺族の補償については、あたたかいおことばをいただいて、私はそういう御声援いただくことはありがたいと思うのでありまして、まじめな青年が一つの隊の仕事のために犠牲になっていく場合には、できる限りのあたたかい措置をとるように今後も私は努力はしていかなきゃならぬと思うのでございます。なお、足りない点はひとつ事務当局から御説明申し上げます。  それから、先般の全日空の問題であります。たいへん遺族の方々、また、なくなられた方に対して申しわけないのでありますが、これは二十五日に、すでにきょうの閣議で報告がありましたように、運輸大臣、全日空のほうとの官民合同で合同慰霊祭を行ないます。そうして遺族の方々をお招きする。こうして、これの済みますころから具体的なお話し合いに漸次入ってまいりたいと、こういう考えでございます。で、賠償の方法でございます。これはもちろん事故原因の調査等の進展もありましょうが、一応の方向としては、国の従来の例に従ってホフマン方式などにも立脚して算定を進めるという方向になるのではないかと、こういうふうに考えております。
  14. 田代一正

    ○説明員(田代一正君) 先ほど札幌地裁の事例、御質問がございましたのでお答えいたします。御案内のとおり、四十一年の一月下旬に八戸の航空基地で救難訓練中に、ヘリコプターに同乗していた村田義弘という方が途中で、バスケットによるつり上げ訓練中にバスケットのつりわくが切断した。そこで地上に落下して死亡されたという事案でございます。で、当時、公務災害補償に基づきまして七十一万八千円――先ほど七十六万というお話がございましたが、七十一万八千円お払いした。そこで、その後ことしの三月に遺族の方から訴訟の提起がございまして、現在裁判係属中の事案でございますが、去る八月四日に第一回の和解が行なわれたわけでございますが、不調ということに相なっております。第二回はおそらく十月以降に和解が行なわれると思います。私どもといたしましては、極力遺族の皆さん方と円満なお話し合いをつけまして、極力和解でもって話を処理いたしたい、かように考えております。
  15. 山崎昇

    ○山崎昇君 先ほども申し上げたように、まだ私は新聞報道だけでありますから、自分自身で確かめたわけでありませんからね、確実でないかもしれません。しかし、この報道によれば、問題は二つある。一つは、事故が起きてからの自衛隊の措置が、この報道によれば、四十一年の一月に事故が起きておって、去年の十月まで何の真相も知らされておらない。だから、家族からの訴えによれば、その間の精神的苦痛による慰謝料等が含まれて要求されてるんですね。もっと私はその、まあ言えぬこともあるでしょう、それにしても自衛隊の事後の処置のやり方というものが冷たいのではないだろうか、簡単に言えば。それは任務で死んだんだからやむを得ないんだ、そういう私は気持ちがあるんではないかと思うんですね。やはり一人のむすこを殺されたという家族の身になって、もう少し自衛隊は家族に対して積極的な対策をとるべきではないだろうか、こうこの報道を見て私は感ずるわけです。  もう一つは、額でありますけれども、国のほうから和解の申し入れをして、そうして五百万くらいならばいいけれども、それ以上はだめなんだ、こうなって不調になったと報道されております。これも事実かどうか知りません。もし事実だとすれば、五百万円という限度はどこから出たのか、また民間の一般のこれらの事件も同じような方法をとるとすれば、たとえば、いま交通事故にいたしましてもおおむね一千万円ぐらいが常識みたいになっております。そうだとすれば、当然自衛隊はそういう一般の常識に従うような解決策を持たない限り和解ができないことぐらいはあたりまえだと思う、その点についてどうなりますか。さらに、いま長官から全日空のこの間の問題についても答弁がございましたけれども、一体ホフマン方式けっこうでしょう、その直前に東亜国内航空のばんだい号事件もあります。いろいろ民間航空の例等を見ておりますと、これまたおおむね一千万円前後が相場みたい、相場ということばは悪いのですけれども、基準みたいになっているようであります。したがって、自衛隊はいろいろなことを――もちろん国でありますから法律の制約もあるでしょう、予算の制約もあるでしょう、一切がっさい私は理解をした上で、それでもなおかつあれだけの事故でありますから、少なくとも常識にはずれるようなことがあってはいかぬ。こういう意味でいうならば、民間の過去の実績というものを踏まえて自衛隊はする必要があるのではないだろうか、こう思うのですが、そして大体いつごろをめどにこの遺族の補償というものをほんとうにきめるのか、それらのめどについて長官から聞いておきたい。
  16. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 私は人命のことでありますし、社会から見た合理性というものも判断の材料にならなければならぬと思います。特に今回のは非常に大きな事故でもございます。したがって、これらを最終的に判断するには、単に一防衛庁長官だけの判断でなく私はいきたい、こういう考え方を持っております。ただ、基準をどういうふうに、いま具体的にといえば、一応さっき御質問になったような一つの考え方というものが出るかもしれませんが、最終判断はただいま申し上げたようなことを加えてよく判断をしてまいりたい。  それから時期でございますが、私はできるだけ早いことを望みます。ただ、あまりいたずらに拙速のような形になってもいけない、そこらを十分タイミングを選びましてやりますから、何月ごろというめどはいまのところ申し上げるのはしばらぐ御猶予願いたい、こういうふうに思います。
  17. 山崎昇

    ○山崎昇君 北海道事件はどうなっているか。
  18. 田代一正

    ○説明員(田代一正君) 先ほど御質問ございました一つの点は、事故が起こったあとに自衛隊の遺族の皆さんに対する連絡その他が非常に冷たいじゃないかというお話でございます。これは私以前の問題で、いろいろ聞いてはみたんでございますが、確かに山崎委員のおっしゃるように、こういう問題もあったんではないかということを私はあとで発見している次第であります。  それから今後の和解の進め方でございますが、ホフマン方式で第一回の提示額ということで、先ほどおっしゃったような金額になったのでありますが、ホフマン方式の全体の取り方その他いろいろございますので、そこはお話し合いの途次において解決する余地があるのではないか、かように考えております。
  19. 山崎昇

    ○山崎昇君 そうすると、この報道、大体あなたのほうは認めたんだが、必ずしもいま第一回の会談だから限度の五百万だということにはこだわっておりません。もちろん限界はあるでしょうが、こだわっていない。したがって第二回、第三回となるかわかりませんが、この話し合いのいかんによって、あなた方もある程度弾力的な態度で臨むのだと、こういうように私は理解しておきたいのですが、よろしいですね。
  20. 田代一正

    ○説明員(田代一正君) よろしゅうございます。
  21. 山崎昇

    ○山崎昇君 委員長、きょうは人事院勧告が主力でございますから、防衛問題これで終わらせていただきたいと思うのですが、いずれにしても、いま、はしなくも経理局長から言われましたように、事故の起きたあとの対策があまりいいやり方ではないとあなた自身が認めた。私は、どんな若い隊員でありましても、そういうところからやはりこの自衛隊不信というものは広がる、そういうことも考えて、どんな小さいミスでありましても、あるいはその他のことでありましても十分ひとつ配慮しまして、自衛隊というものは措置をしていってもらいたいということを重ねて私は長官にこれは要望として申し上げて、一応長官に対する質問を終えておきたい。  今回の人事院勧告について、人事院総裁に少しお聞きをしておきたいと思います。  まず、先ほどの説明によりましても、ことしもまた五月実施の勧告になっているわけですね。四月実施についてはずいぶん委員会でも論ぜられた問題でありまして、総裁から、必ずしも五月実施にはこだわらない、四月実施についても一理がある、だから検討いたしますと、こうなっておったんですが、ことしは踏み切れなかった。そこで、これは総裁の談話か何かわかりませんが、何かこの四月実施については、世論として受け入れられるのを少し見てから考えたいんだという趣旨の発言があったようにぼくら聞いておるんです。そこで、この四月実施についてなぜ踏み切れなかったのか、その理由をお聞かせ願いたい、こう思うんです。
  22. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) いまおことばの中に世論というようなこともございましたけれども、私の申し上げたことばの中にそういうことが確かにあるわけです。それらしいことがあるわけです。と申しますのは、これはたびたびこの席でも申し上げてきたように、長年五月一日できておる。まあ一種の定着した形を見せておる。これを四月に切りかえる、こういうことについては、やはり納税大衆を含む一般国民の方々の御納得を得るような、よほどしっかりした根拠がないとなかなか踏み切れないことではありますまいか。よって、いまのことばにつながるわけですけれども、われわれ四月一日説も全然これは問題にならぬとは思っておりません。一理なきにしもあらずとか、一理あるとかということばで来ておるわけです。その一理、二理というところを、さらにいま申しましたような前提の考え方を持ちながら、しっかりした理由づけをしてまいりたいという意味で検討をしておるということになるわけでございます。
  23. 山崎昇

    ○山崎昇君 そうするとあれですか。理由づけをしっかりしたいと、こういういまあなた方が検討されている理由づけというものはどういうものがあるんですか、四月実施について。それをお聞かせいただきたい。
  24. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) きわめて単純な話でございまして、四月調査で出た格差は四月にさかのぼって埋めるのがあたりまえじゃないかという説があるわけです。その限りにおいては、なるほど一理あるなということであります。
  25. 山崎昇

    ○山崎昇君 少なくとも五月実施よりは理論的に正しいと思うんですが、そうでしょう、総裁。あなた方は自分できめた五月実施に縛られて、そしてこの四月実施になかなか踏み切れない。踏み切れない理由は、あとから世論だとかまあ一理だとか、そういう形であなた方が退けているんであって、私は、むしろ五月実施より四月実施のほうが理論的にも正しいし現実的にも正しい。民間賃金を追うという形ならば、当然そうなければならぬのではないか。なぜこの実施の期日だけが民間より一月ずらさなければならぬのか。その点がむしろ不明確じゃないか。またこれもうがった見方でありますが、一説によれば、ことしはたいした特徴もない勧告だから、来年の目玉商品として四月実施はとってあるんだといううがった人もあります。まさかそんな気の長いことをあなた考えているんだとは思いませんが、いずれにしても四月実施のほうがよりいい政府であり、より現実的だし理論的だと思うんですが、どうですか。
  26. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 五月実施よりも四月実施のほうが公務員各位が喜ばれる、賃上げを想定すれば。これは賃金切り下げの場合だったたら今度は逆になりますけれども、実際においては賃金の切り下げなんということは考えられませんから、その限りにおいては有利であろうという気持ちはこれはいたします。したがいまして、公務員諸君の有利になるその考え方をむげに退けて、従来の五月一日が絶対正しいのだ、そういう議論は一切耳にしないという態度は、これまたかたくなに失するのじゃないかという、謙虚な気持ちを持って問題に取り組んでおるわけであります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、昭和三十五年、将来はなるべくすみやかに実施してほしいというような勧告であったわけです。その実施期日は翌年に繰り越されたり、いろいろさかのぼることは絶対になかったわけです。そういう時期からいろいろ議論があって、そして調査時期を考え合わせて五月一日になったと、そういうことで、当初いろいろ記録などを調べてみましたけれども、どなたも五月一日おかしいじゃないかという議論はまだ発見しておりません。そういうことから、おそらく十年以上今日まできたわけです。とにかく、先ほど安定したということばを使いました、定着したと言ったかもしれません、というような形になってきているわけです。したがいまして、これを変えるということについては、よほどの根拠がなければ変えられないという気持ちになるのもこれは当然御推測はいただけることであります。まだその点の理論闘争をここで申し上げるだけのわれわれはまだ準備は整っておりませんけれども、いずれまたその辺の御検討は、集積されてまいりましたならば、ここで五月説、四月説をめぐって御議論いただいてけっこうだと思います。しかしいまの段階は、一理あるという程度で、なお検討を熱心に続けているというわけであります。
  27. 山崎昇

    ○山崎昇君 四月実施については、これは何回もこの委員会で、衆議院でも議論をしておる問題ですよ。五月実施で満足しておる者は一人もおりはせんですよ。満足しておるのはあなただけです。私は、いますぐここで議論をして、これだけでとても終えるわけにはまいりませんから、適当な時期にやりたいと思うけれども、少なくともいまあなた方のやっている作業からいうならば、理論的にいったってそうでしょう。四月一日現在の民間を調べるのですから、そして民間賃金とのバランスをとるというのですから、当然、実施の期日についてもバランスをとらなければならぬ。五月実施なんていうのはバランスのとれたものではないでしょう。現実的にもそれは四月実施のほうが正しい。それから人事院の任務からいうならば、公務員を擁護しなければならぬのですから、五月より四月を公務員が要望するならば、当然積極的にやるべきではないでしょうか。どこから考えたってこの四月実施というのは正しいと思う。そういうあなた方がきわめて消極的であったということについて、私は遺憾だと思う。ことしの勧告は出てしまいましたから、この勧告を改めることはできないでしょう。少なくともことし一年間、私は研究するのもけっこうでしょう。努力をして、あなた自身で、この五月実施にあまりこだわらぬで、この四月実施というものについて、来年こそはきちっと実現するのだ、ある程度のあなたの決意というものを聞いておきたいと思う。どうですか。
  28. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 先ほど述べましたような決意で検討に取り組んで、さらに今後も検討に取り組んでまいりたいという気持ちでおります。
  29. 山崎昇

    ○山崎昇君 次にお聞きをしたいのは、指定職についてお聞きをしたいのですが、今度のこれを見ますというと、指定職の甲は一律方式をとっておるのですね。乙のほうは一万六千円から二万円くらいの格差を設けてやっております。率は、甲と乙と多少違いますが、そんなに違いがないということで、甲の一律方式をとった根拠をまずお聞きをしたい。
  30. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 御承知のように、給与法、現在の法律のたてまえは、職務と責任に応じてということを鉄則にしておるわけであります。片や職階制に関する法律というのがあります。職階制をつくれというのが人事院に対する至上命令になっておりますけれども、残念ながら、その職階制のほうはいまだにできておりませんけれども、それらのたてまえを勘案いたしまして、おそらく法のねらっておるところは厳格な職務給というものをねらっておるのだろうと思います。おそらく理想としてでありましょうけれども、ねらっておるのだろう。しかしながら、片や全面的にそれが、公務員の給与を見ますというと、とてもとても、職務給に徹するようなまだまだ地盤ができていない。むしろ生活給というようなもののほうに重点を置きつつわれわれはやってきておるような実態なんであります。しかし、その申しました法のねらいからいいますというと、たとえば一官一職というような、いまの事務次官とかいうような、そういう方向に上がっておるようなグループについては、相当これははっきり職務と責任が特定できるというたてまえから、一官一給与という甲の俸給表ができたわけであります。その限りにおいては、最初申し述べましたような、法の一応理想とするところには、むしろそれが合った方式だと言えると思います。ただし、いま御指摘の乙の段階、それから先は一等級とかなんとかずっとつながってまいりますけれども、その辺になりますと、まだちょっと、足取りのわれわれとしては危ういところがある。そこで、甲に比べますと、乙の場合は、多少その辺のところを緩和的に考えてきておりますけれども、ほんとうの理想からまいりますと、ずっと全部職階給的になるべきじゃないかと言うこともまあでき得るわけであります。したがいまして、先ほど申しましたような、生活給的な要素というものを考慮せぬでもいいというような時代が来ましたならば、あるいはそういうことになるのではないかというふうに考えております。甲と乙とは大体接点になっておりますから、問題の一つのポイントにはこれは現在においてもなっておるということになります。
  31. 山崎昇

    ○山崎昇君 何かわかったようなわからぬような答弁なんですが、私の聞いているのは、どうして甲だけが一律方式をとったのか。少なくとも去年は、一流企業でありますけれども、五百人以上の従業員がおる千二百社ばかり調べて、あなた方は、まあことばで言えば、客観性を持たして、指定職の俸給表については改廃したのですね。しかしことしは、そういうものが全然発表されていない。言うならば、指定職の俸給表の改定については何の客観性もないというふうな、しいて言うならば、何か物価にスライドしたのじゃないかという気もします。ちょうど符合するのだね。物価の値上がり率と。そういうことを考えてみますと、何で甲だけが一律方式をとったのか、そこがどうしても私はわからない。どういう客観性があって一律二万円という方式をとったのか、甲だけがね。乙のほうはそうではないわけです。そこら辺のところを少し明確にしてください、いろんなことを言わぬでいいですから。
  32. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) いまちょっと御質問の趣旨を取り違えまして、たいへん次元の高いことを申し上げまして、恐縮いたしました。いまのお尋ねでよくわかりました。
  33. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 今回の指定職の給与改定におきましては、昨年の場合には、民間の重役級の給与を調べましてそれとの関係を考慮するということで改定したのでございますけれども、ことしの場合には、民間の調査をいたしておりませんで、民間のほうの一般の事務職員の最高でございます部長級の給与が二万円上がっておりますので、その関係、それより下がることはなかろうということで、二万円の引き上げをしたということでございます。で、これは、高級官職につきましては、端数をつけて給与決定をするということも何でございますので、二万円刻みの金額というようなことでやっておりますので、今回二万円の改定でございます。
  34. 山崎昇

    ○山崎昇君 それじゃ人事院のやり方は何にも客観性がないじゃないですか。去年は、よくても悪くても、民間の賃金を調査して、そうしてあなた方はきめたのです。ことしは何も調査はやっていない。ただ、今度、下の段階の部長とバランスをとるために二万円上げましただけです。指定職の俸給表の切りかえについては何の根拠もない。適当にやっているだけじゃないですか、それじゃ。  それからもう一つ聞きたいのは、乙のほうもそうだと思う。同じ指定職であっても、乙のほうは今度は一号から七号まで段階がある。必ずしもこれは一官一給与になっていない。だから、指定職といったって、あなた方は職務給だとこういうのだけれども、ここだって、厳密に言うならば職務給になっておらない。都合のいいときだけは職務給といい、都合が悪くなればそうではないのだ、なかなかむずかしいのだ、こういうかっこうで、あなた方やはり逃げるじゃないですか。今度の指定職のやり方は、一言でいうならば、何の客観性もない、適当にあなた方が判断してやっているだけだ。どうですか。
  35. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、民間の部長級の給与につきましては二万円の引き上げでございます。したがいまして、その間、その部長級の給与を引き上げませんと逆転関係を生じますので、その部長級の給与が二万円上がっているということは確実でございますから、そういう根拠、客観的な根拠をもって引き上げたということでございます。
  36. 山崎昇

    ○山崎昇君 客観的じゃないじゃないですか。ただ部長とのバランスをとったというだけの話です。民間が指定職についてこうなっているからこうしたというのじゃない。ただ部内の序列でいうと、部長と指定職とひっくり返ったら困るから、まあ部長二万円くらい上がるから指定職も上げたというだけでしょう。去年はあなた方そうではなかった。だから私は、人事院というのは、全くその年その年の勧告で、あなた方の都合のいいようにやっているだけであって、一貫性がないと思うのですよ。この点は指摘をしておきます。  それから、乙のほうについてお伺いしたいのだが、乙の場合には一号から七号まであるわけです。ところがこの法律を見ると、定期昇給というものがなくなっているのですね、指定職については。ところが、どうも私がわかりませんのは、給与法の六条の二を見ますと、定期昇給ができるようにもとれるのですね。それは「長期間を経過したときは、その号俸をこえる俸給月額を定めることができる。」ということばがあるのですが、一体これはどういう内容で、また私ども聞いてみますというと、たとえば七号のものが六号になっている実例もあるようであります。言うならば、これは昇給とみなすのですか。あるいは、昇給という範疇からは法的には排除しているのだが、乙の場合のその号俸の変わるというのはどういう根拠に基づいてやるのか。どうも不明確なので、明らかにしてもらいたい。
  37. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 一般の俸給表の関係につきましては、いわゆる昇給概念がございます。これは、職務の経験の増加、あるいは生活規模の増大、こういうものに見合ったわけでございますけれども、高級官職になってまいりますと、人がかわりましても、その人による給与というよりは、仕事に対する給与という、人によらないでそのポストに対する給与という関係がだんだん濃厚になってくるという点がございます。そういう関係に基づきまして指定職の給与というのは設定されたわけでございまして、実際の運営におきましても、指定職甲の官職につきましては、いわゆる一官一給与ということで、昇給概念というものは、昇給といいますか、そういう格づけがえというものは全くございません。で、一方、指定職乙の関係でございますけれども、これは、一等級官職と、いま申しました完全な一官一給与制とのいわば中間的な職務の関係にあるわけでございますけれども、しかし、どちらかといえば、やはり一官一給与制に近い官職ということになるのでございまして、したがって昇給概念は排除しておりますけれども、指定がえという関係を若干やっております。で、現在の段階では、その関係を三号俸の幅に先般縮めまして、三号の間におきましては指定がえをするということにいたしているわけでございます。いま御指摘の指定職乙につきましては、最高の号俸をこえてさらに別の給与をきめることができるといういわば留保条項がございますけれども、これはよくよくの場合、たとえばらい療養所長等で調整額が二〇何%ももらっている人が、かりに指定職の相当上位号俸になったといったような場合に、あり得る状況に対しましての措置でございまして、みだりにそういう条項を発令すべき必要はないわけでございまして、いままでそういう発令、この条項に従って設定したということはございませんし、今後も原則としてはあり得ないというふうに考えております。
  38. 山崎昇

    ○山崎昇君 そうすると、私はこの六条の二の解釈をお聞きしておきますが、「職員が最高の号俸を受けるに至りた時から長期間を経過したときは、その号俸をこえる俸給月額を定めることができる。」ということは、いま七号から一号までありますね。七号をもらっている者がどうにもならなくなるから八号といいますか、そういうものをつくるんだという趣旨にこれは理解をするんですか、まずこの条文の趣旨というのはね。だから、いまのところはそういうことはないんですと、こういうあなたの説明と私は理解をするんだが、もう一つは、指定がえというあなたことばを使ったが、一体この指定がえというのは、公務員法でも給与法でも、どこにあるんですか、これ指定がえなんというのは。昇格と昇任、昇給しかないですが、どこに指定がえというのがあるのか。ただあなた方人事院だけがそういうことばを使って、適当に昇格あるいは昇給と同じような効果をあらわしているだけなんですよ。法律上のことばでも何でもない。それから一等級と指定職の乙とはいわば中間的だと、こう言う。だがね、指定職というからにはそうではないと思うんですよ、私は。それならばいまの八等級制というのは一体どういうふうに理解をするんだろうか。いまの八等級制ではどうにもならぬから指定職の乙をつくった。それでもどうにもならぬから適当、かってにあなた方はそういうことばを使ってこの処置をしている、こうならざるを得ないと思う。私がさっき聞いたのは、一号に格づけされた者がどういう基準でどういう年限をたったら二号になるのか。しかし本人の職務は何にも変わらないのにそういう者がおると私ども聞くから、一体これは昇給という概念なんですか。それともその人の職務が変わったから二号とか三号にするのか。三号の幅でやるんだが、その辺のところが私わからない。だからこの六条の二と給与法の八条の6との関連をもう少し明確にしてもらいたい。
  39. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) ただいま申し上げましたように、一般の職員につきましては、職務の習熟、経験の増加等に伴いまして昇給概念というものがあるのが官民を通じて普通の給与体系でございます。で、それは行政職について申しますれば、一等級までそういうことになっておるわけでございますけれども、しかし、先ほど申しましたように、どういう人が参りましても、むしろ職務と責任ということではっきりと給与をきめていくというほうが望ましい官職というものがだんだん最高級的な官職にはございます。そういう場合には一官一給与制ということで、昇給概念というものはあり得ない、排除するということになるわけでございますけれども、それでは、一等級からそういう一官一給与制に移っていく場合に、一等級官職から指定職に移った場合に、一等級の場合には一号から十三号ぐらいまでございまして、非常に昇給が相当広く行なわれておるわけでございます。そういう官職からひとつ昇任をしたということによって、次の官職におきましては完全に一官一給与制でもう割り切るということは実際問題として運用上は困難でございます。で、最高官職は一官一給与制でございますけれども、そのちょうど移り変わりのところにおきましては、やはりこういう両方に準じた形の運用というものを実際問題としてせざるを得ないわけでございますけれども、指定職の給与につきましては、号俸そのものは人事院の指令で定めるということになっておるものでございますので、その指令で次の号俸をきめるということで、指定がえと、これはわれわれのほうのまあ術語にしておるわけでございますけれども、しかしその幅は、やはり非常に、いわば普通の昇給みたいなものではないということで、幅を二号とか三号とか、幾ら年限がありましても二号とか三号しか、せいぜい二号しかいわば指定がえはしないといったようなことで、それはわがほうの中の昇給の、昇給といいますか指定がえの運用内規を定めて、こういうふうにやっておるという実情でございます。
  40. 山崎昇

    ○山崎昇君 その指令でやっているんで、ぼくらはその指令がないものだからわからないんだが、この指令は資料で出してもらいたい。それから、いまあなたは指定職ときめておいてね、事実上は昇給じゃないですか。そうでしょう。昇給の規定をはずしておいて、そして何にもないものだから指令で指定がえなんという方向をあなた方やっておって、実際は昇給とおんなじじゃないですか。三号の幅だ。そして前段の説明によれば、ほぼ一官一給与の原則はとっているんですね。しかしそれではもうどうにもならないということになれば、指定職そのものを設けたけれども、指定職の乙についてはもう指定職そのものがくずれているんではないのですか。言うならば、いまの給与体系そのものではどうにもならないというところをここでもあなた方みずから証明しているのじゃないでしょうか。だから私は、この指定職乙のいまのやり方については納得できません、これは。職務給だ職務給だとあなた方ずいぶん私どもに言った。だんだん問い詰めていけば、いや職務給だけれども、ぼくらもそれだけでは割り切れないし、できないんだ。そうすると、いままでのあなた方の説明を総括していえば、ほんとうの職務給と一応胸を張って言えるのは指定職の甲だけであって、乙以下はそうではない。いわんや昇給をやっておる一等級以下については職務給なんという割り切り方はできないということになる。だから、私は人事院のいまの給与政策というのは、最後にもう一ぺんお聞きしますけれども、具体的に私どもが聞いていくというと、あなた方は都合のいいようにところどころいじくっているだけであって、きちっと一定の方向をもってやっているということにはなってこない。はしなくもいま指定職の乙だけでこの問題が露呈をしてきているわけです。指定がえなんということばが全然ないのにかってにやっている。これも私はけしからぬと思うんです。それから人事院規則の九の四二によれば、これは人事院指令でやっていることになっている、乙は。これは人事院指令は載っておりませんから私もわかりませんので、ひとつ資料として出してもらいたい。そして、一体どういうものがどういう指定がえで、三号の幅でそれがどれくらいの年数たったらどうなるのか、これもつけ加えて説明資料として出してもらいたいと思うのです。そうしませんというと、私は何か指定職の乙だけが調子のいいような方向に行っているような気がしてならないのでね、この点は資料として出せるかどうか。ぜひ出してもらいたい。
  41. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 個人個人につきまして、あるいは個々の官職についている個人につきまして号俸の決定をするわけでございますけれども、それは人事院指令できめるということにしております。で、したがいまして、個々の官職についている個人はいつからどの号俸であるという指令を、その官職についている個人個人を明記しまして、号俸を明記しまして、所管大臣に対して人事院から指令が出るということでございまして、一枚一枚について、その官職が動けば、それは新しい指令が出るということになります。したがって、指令全部をごらんにいれるということはこれは不可能でございますけれども、全体としてどういうふうな形になっているかということについては、あるいはそれに内規、こういう運用基準でやっておりますということはごらんにいれたいと思います。
  42. 山崎昇

    ○山崎昇君 それじゃあなたに重ねて聞きますがね、指定職の乙というのは、たとえばAというポストにしますね、Aというポストを人事院指令で指定をしますね、それに職務としてついておる人がおりますね、そうすると、この人はAという職務がそのまんまなんだけれども、その人がAという職務に長くつけば、指令を出して、たとえば一号であったものが二号になるんだということになれば、職務に対する指令ではなくて、属人主義になりますね。その点はどうなりますか。
  43. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 先ほど申しましたように、行政職の一等級以下につきましては十号以上の昇給が行なわれておるわけでございます。それがポストが一つ上がりました場合に、もう完全に一官一給与制であるということになりますと、その間その間の昇格にあたりまして給与自身を相当上げませんと、これはそういう一官一給与制の運用をすることは困難でございます。したがいまして、一等級から昇格をした場合に一官一給与制を維持していこうというお話のようでございますけれども、その場合には、その指定職乙の給与につきましては現在よりも相当上げないと、これは実際問題として困難でございます。やっぱりそういう点は一等級の人との均衡ということもございますので、そういう一官一給与制の完全な維持というのは、何と申しますか、上級指定職甲に限定を現在いたしておりまして、乙についてはいわばその中間的な運用をするほうが金額のバランス上も望ましいというのが実際の運用上の考え方でございます。
  44. 山崎昇

    ○山崎昇君 そんなことを、あんたね、給与制度をとっている人事院が説明するなんてナンセンスだ。何のためにそれじゃ指定職乙なんてつくるんですか。私の聞いてるのは、指定職乙というのは人事院の指令で、たとえばAという職務、Bという職務、Aならば一号俸だと、Bならば二号俸だと、こうあなた方指令すると思う。このAという職務に私なら私が命令されたと、発令されたとする。しかし、私がAという職務に長いものだから、一号だけではどうにもならないんで、あなた方は二号だとか三号とか、三号の幅で上げると言うんでしょう。それは私の職務がAからB――Bのほうが上の職務だとすれば、二号になるのは、いとします。しかし、そうではないのに、何でこの者を二号とか三号にするのか。これは一体昇給という概念に当たるんではないだろうか。だからそれは、あなた方のやってることは不当ではないですかと言うんですよ、そういうことをやるならば。そうすれば昇給と同じではないかと言うのですよ。そのつど人事院の指令で指定がえだなんといういいかげんなことでは、そういうやり方はぼくは許すべきじゃないと思う。私の職務が変わるなら別ですよ。ですからそういう意味で、私は指定職の乙というのはまことに不明確だ、したがって、指令でと言いましたから、どういう職については何号であって、どういう職についてはこの号俸なんだという意味の指令はあなた方持っていると思う。そういうものを資料で出してもらいたいというんです。そうして、私が例として言っているのは、一号が一番下だから言っているのであって、この人が二号だとか、三号だとか、三号の幅を限度としてやるというなら、それはどういう基準で、どういう年数がたったらどうするのか、一定のものがなければなりませんよね、それもまた。そうでなければ全く属人主義になりますね。人についたものになっちゃう。給与は職務だという、仕事だと言っておりながら、やり方はその人になっちゃう。そういうあなた方給与制度をとっているのじゃないですか。そうだとすると、指定職乙をきめた意味がどこにあるのだ。一体いまの八等級制というものは何のためにあるのだ。上の者だけは、あなた方ね、何べんも私は言うようだけれども、いろいろのテクニックを使って、そうして優遇策をとるけれども、これは私はあとでも聞くが、下級の職員は全く押えっぱなしになっている。特に私ども専門家から言えば、いまの人事院の給与制度というものはなっておらぬという気がするんですよ。だから、指定職乙を例にとっていろいろ聞いておるわけです。この点はまず資料をもらってから、法案の段階でもう一ぺん私は具体的に聞いていきたいと思うから、この程度にしておきたいと思う。  その次にあなた方にお聞きしたいのは、官民の格差の調査について二、三お聞きをしておきたいと思う。人事院の資料によりますと、四十六年の春闘はおおむね一六・六%ぐらいが民間だという。そうして、今度の勧告は一一・七四%、定期昇給等を入れれば、おおむね定期昇給は三回でありますから、従来の説明によれば三%ぐらいになるであろう、つまり一四・七四%ぐらいに来年の三月三十一日ぐらいになるのではないか、こう考えて判断をしても、民間より一・八六%ぐらい低いという数字になっちゃう。さらに、公労協とバランスをとっているようでありますけれども、公労協の一一・六八%という平均は、これは本俸だけであります。諸手当は入っていない。そうすると、今度の人事院勧告の本俸の引き上げ率の一〇・三六%というものを比較をすると、これまた公労協より一・三二%ぐらい低いという数字になっちゃう。だから、官民の格差を縮めたというけれども、必ずしも、あなた方の資料で計算をしても縮まっておらない。だんだんだんだん金額が上がってまいりますから、一・何%か違うということはかなりな金額では差になってくる。こういう点については人事院はどういう理解をするのか。どういう説明をするのだろうか。あなた方の見解を聞いておきたいと思います。
  45. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 今回御勧告を申し上げました内容は、御指摘のとおり一一・七四%で、八千五百七十八円の引き上げでございます。これはよく御承知のところでございますけれども、公務員と民間で、両方に同じような職種がある場合に、両方の職種につきまして、職務の段階の同じような人、そうして男なら両方男をとる、そうして学歴も同じにし、年齢も同じにし、全く同条件の人を民間にさがしてまいりまして、その人たちが何万円取っている、公務員がどれだけ取っているかということを、公務員の個人個人について官民を比較をしまして、その格差が、この人については一万円であり、この人については五千円であるということを全平均をしました結果でございます。したがいましてこの格差そのものは、公務員の職員構成、職種構成に応じて格差が出るわけでございます。一般的な単なる平均の格差ではないわけでございます。で、いま御指摘になられましたけれども、民間の平均の昇給、定昇込みの引き上げ率というのは大体一六・六%というのが労働省の調査でございますし、われわれのほうの調査でも一六・六%まあ出たわけでございますけれども、その場合には、民間の職員構成、従業員構成に応じました引き上げ率ということになるわけでございまして、端的に申しますと、民間の平均は、年齢で申しますと三十二歳でございますが、公務員の場合には三十九歳になっておるということで、年齢の若い層では毎年相当な高い引き上げ率が出ますけれども、年齢が高くなってまいりますと引き上げ率が下がってくるという、そういったような現象が最近のいわゆる賃金引き上げの傾向でございますので、そういうやはり職員構成に合わせて両方ごらんいただきませんと――そういうふうにまあ事態をごらんいただきたいというふうに考えるわけです。したがって、われわれの関係は、われわれのほうのいわば学歴が比較的に民間平均よりは高く、年齢が非常に高いという職員構成、しかも職種が民間とは非常に違うという職員構成に基づきまして計算した格差がこうなっておるということでございます。  で、公労協の、あるいは仲裁裁定のお話をなさいましたけれども、これは私どもが直接公労協あるいは仲裁裁定をめどにしてやっているわけじゃございませんで、先ほど申しましたように民間の調査を詳しくやりまして、そして計算した結果、これだけの格差がございますからこれを追いつかしていただきたいというのが私どもの計算の結果でございまして、まあ結果として公労協の関係とどうかという問題はあるわけでございますけれども、直接私どもが公労協自身をめどにしておるということはございません。
  46. 山崎昇

    ○山崎昇君 いまあなたの説明があったんだけれども、しかし一般的にあなた方が新聞その他へ説明するときには、民間がこれくらいです。公務員は今度この程度です、まあバランスがとれているのですと、こういうふうに説明するのです。だから、私どもそれを受けて計算をしてみれば、やっぱり民間より低いんだなんといっても、いまいみじくも、あとで聞こうと思ったらあなたの答弁ありましたけれども、民間は年齢がやっぱり三十二歳といういまあなたのことばがありました。公務員と七歳の開きがある。公務員は年齢が高いんだ、そして平均給与が、いま言うように公務員のほうが低いんです。言うならば、あなた方の出した数字は、どういう作業をやっているか私は具体的にわからぬけれども、まだまだ実質的に言うならば公務員給与は民間より低いというこれは実証だと思うのですよ。だから、少なくとも結論から出るこの数字だけくらいは、やはり民間と合わせる必要があるのではないだろうかという意味でいまあなたに聞いているわけです。何かずいぶん公務員が上がって、民間とバランスがとれたようなことを言われているが、そうはならない。いろいろ分析したら、公務員のほうがまだまだ低いという実情にある、こう思うんですが、どうですかその点。
  47. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) ただいま申し上げましたとおりでございますが、私どもとしては、公務員のいわば個々の職員について、それと同条件の人を民間に行って調べまして、その格差が個々について幾らあるかということを調査しまして、その平均を八千五百七十八円あるということをいわば算定をしたわけでございます。で、その結果四月現在の平均が七万三千六十六円でございましたのが、八千五百七十八円引き上げていただきますと、八万一千六百四十四円ということになるということで、新聞等では八万円台に乗ったと。で、定期昇給を込めますと一万一千円になる。これは民間よりも少しいいじゃないかというようなことをかなり報道されておりますけれども、そうじゃないのでございまして、やはりそこは先ほど申しましたように、公務員の職種構成、年齢構成からいって、そういう平均年齢もどうしても高くなりますし、平均給与もどうしても高くなりますし、またその辺における格差というものは、率としては相対的に若干低目でございますけれども、額としては高くなる。そこで民間と合うようになるのだというのが私どもの調査の結果でございます。そういうふうに正確な、非常に精密に格差を検討するというのが私どもの態度であるわけでございます。
  48. 山崎昇

    ○山崎昇君 そうすると、いまあなたの説明の中に、先廻りして出ちゃったんだが、新聞報道では八万台に乗った、八万一千六百四十四円だ。しかし人事院の資料によれば、全職員の平均が七万一千九百十五円。一万円の開きがあるのですね。八万円台なんてどこにも載っていない。そうすると、この新聞の解説や報道というものは誤りである。これは正確な資料に基づいた報道ではない。一般の国民は、公務員の給与が八万円台に乗った、たいへんな値上がりだというふうになっちゃう。しかし、いまここであなたの説明を聞けば、それは違うのであって、人事院の数字が正しいのだ。厳密な計算をして上げてきたんだ。そうすると、いまあなたから言われましたように、八万一千六百四十四円という数字は違う、新聞の報道は誤りである、こいううふうに私は確認をしておきたいのですが、どうですか。それを明確にしてください。
  49. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 公務員の四月現在の給与が七万三千六十六円でございました。で、給与をもらっております各人について民間と比較をいたしました結果、その平均として八千五百七十八円足りない、格差があったということで、それを引き上げていただきますれば、まあ四月、五月、六月は昇給がございませんので――まあ五月、六月も同じであろうというふうに推定をされますので、五月現在にさかのぼって引き上げていただきますれば、八万一千六百四十四円になるだろうということは、これはそういうことだと思います。  ただ、私が問題として指摘申し上げましたのは、そういう八万円台に平均がなっていることが、民間より高目ではないかといったような問題、あるいは八千五百七十八円に定期昇給を入れますと一万一千円台になるから、これは普通の民間の引き上げよりも多いので、これは全体として公務員は民間よりいいんじゃないか、そういう御疑問がございます。そういう御疑問に対しましては、そうではございませんと、ちょうど民間の平均に合わしていただきますと、八千五百七十八円の引き上げということになるのでございますということを申し上げておるわけでございます。
  50. 山崎昇

    ○山崎昇君 何だかだんだんわからなくなってきちゃった。私の聞いているのは、新聞報道等によれば、四月一日の平均が七万六百三十三円で、定期昇給が二千四百三十三円、パーセントにして三二四%。それと改善額の八千五百七十八円を入れれば八万一千六百四十四円になる。公務員の平均給与は八万円台になった、こう報道される。しかし人事院の資料を見れば、四月一日現在の総平均は七万一千九百十五円にしかならないと書いてある。これは本俸の一〇・三六にその他のはね返りも全部積み込んで入れてある。さらに厳密なことを言えば、民間との格差は一〇八・幾らだったですかね。それに春闘積み残し分、その中には定期昇給の三%も入っているわけであります。それらも入れて計算すれば、人事院のこの七万一千九百十五円という数字にしかならない。だとすれば、ここに一万円の開きがある。どっちを私は信用していいのか、あなた方の説明で言う定期昇給率一つとっても、片方は三%だ、片方は三・一四%だ。多少端数はあるでしょう。あるにしてもかなり開きが違う。それから八千五百七十八円というのは、これはもう定期昇給もみんな込みの上がり方になっているのですね。言うならば、パーセントをかけてみれば二・七四に対する金額が八千五百七十八円です。どっちが正しいのですか。だから私の聞いているのは、新聞報道の八万円台というのはこれは計算が違うのであって、人事院の述べている数字が正しいのだ。公務員の給与は八万円台になっておりません。こういうふうにあなたがここで明快にしてもらいたいということを質問しているわけです。
  51. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 私のほうの御報告いたしております数字が二様に出ておりますので、誤解をしていただいているのじゃないかというふうに思うのでございますが、給与報告の中で、一般職国家公務員の給与はこうなっておりますと、四月現在におきまして平均俸給月額は、本俸、扶養手当、調整手当を含めまして、全職員におきまして七万一千九百十五円でございますということをまず申し上げております。これは計算の基礎といたしましては、四十八万の全職員を含めましたアベレージ、全職員の平均でございますことと、それからもう一つは、給与の項目としては本俸、扶養手当、調整手当の三項目、三つの給与項目について計算したものでございます。で、そういう点の一つ御報告をしておるわけでございますが、それからうしろのほうに官民の給与の格差を御報告いたしておりますときに、公務員給与は七万三千六十六円であるということを申し上げておりますけれども、民間はそれに対して八・一九%高いということを申しておりますが、その公務員給与七万三千六十六円というのは、先ほどの七万一千九百十五円とは若干やや高目になっております。その高目になっております理由は、一つには、先ほどは全職員でございましたが、今度は全職員ではなくて、民間と比較をする職種、つまり、たとえば、税務とか警察とか民間に全くない職種は比較のしょうがございませんので、そういう職種を除きました民間と比較し得る職種であるということ、それからその金額の範囲でございますけれども、本俸、扶養手当、調整手当の三者ではなくて、およそ民間と比較し得るまあ月給総額、そういう意味合いのものであるということで、その二点において違っておりまして、そのために誤解をしていただいているのじゃないかというふうに思うわけでございますが、結局民間と比較するという観点で申しますと、比較し得る職種におきまして、かつ単なる、三者でなくて普通に月給をもらっておる総額ということで比較するのが筋でございますから、七万三千六十六円ということで比較すれば八千五百七十八円の格差があったということを申し上げておるわけでございます。
  52. 山崎昇

    ○山崎昇君 だんだん人事院のからくりがわかってきたね。片方の数字では全職員の平均を出して、それは低い数字で出しておる。それから官民格差のほうは十六種類の俸給表のうち十種類しか比較ができないですから、それの平均だけ出してやっているというならば、これを全職員に引き直したら一体どうなりますか。だから厳密に言うならば、民間の賃金と比較をするということそれ自体が、私は何べんも言っているのだが、やはり無理になっている、そういうことが明らかになってきたと思うのです。しかし、まあこの問題だけ私やっていたら、とてもじゃありませんけれども質問時間がなくなりますので、これまたあらためて、法案段階のときにもっとやりたいと思いますが、いずれにしても、この民間との差というのは、私はやはりパーセントその他から追って、公務員がまだまだ低いことはいなめない事実だと思う。この点は人事院も認めるところではないだろうか、こう思うのですが、そのほか、民間給与との問題についてはたくさんの問題がありますけれども、私の予定されている時間がないものですから、きょうはこの程度にしたいと思うのですが、そこで、これもひとつ資料をもらいたいと思っているのですが、七千二百の事業所についてあなた方お調べになったのだが、これの地域的な分布図がほしいのですよ。社名までは要りません。たとえば、東京都では百人以上の企業は何カ所で、五十人以上の事業所は何カ所、青森県ならばどうだという、そういう程度でけっこうでありますが、七千二百事業所の地域的な分布についての資料をもらいたい。あわせて、対象になった人員についての資料をもらいたい。ほんとうは職別に、あるいは俸給表別にもらえれば一番いいのですけれども、とてもそこまでは作業も私は困難だと思うから、総数でけっこうでありますが、それはひとつ資料として出してもらいたい、こういうふうに申し上げておきたいと思う。  その次に私はお聞きをしておきたいのは、今度の勧告を見ても、医療職(一)表の、いわば医者ですね。これ、総裁、三十年間初任給調整手当というのだけれども、言うならば二十五、六代で学校を出た人は、あなた方のことばでいうならば、定年でやめるときになってもまだ初任給調整手当をもらうことになる。それで、今度どれくらいの年数か知りませんけれども、何か一定年限が来たら逓減法則をとるというのですね。それもまた内容はどこら辺のことを考えているのか、できたらひとつこの機会に明らかにしてもらいたいということと、それから私は、去年の勧告とことしの勧告と比較をしてみるというと、依然としてこの官民比較の中で、医者の問題についてはほとんど差が縮まってないのですね。研究職についても同じだと思う。去年の場合一万一千の差、ことしの場合も一万一千の差、あなた方は特別医者だとかあるいは研究職について配慮した配慮したというのだけれども、結果からいうならばほとんど差が縮まってない。同じような金額の勧告になっておるわけです。これは一体どうしたものだろうか、この点について見解を聞きたい。  それから総務長官、何か用事があるそうでありますけれども、あとでお聞きします。どうぞ用事を足してください。
  53. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) お医者さんの給与の問題はまことに頭痛の種でございまして、もう先年来、なりふりかまわずと申し上げていることばどおり、実際もう死にもの狂いで、なりふりかまわぬ手当てをしてまいって、ちょうどいま御指摘のように、永年勤続の表彰を受ける人がまだ初任給調整手当をもらっている、これは私自身がそう言っておるので、これは初任給調整手当という名前がいよいよいかぬわいということで、これも今度の法律案のときにはもうちょっとぴたっとした名前を考えたいと思って、まことにお恥ずかしいことでありますけれども、そこにわれわれの死にもの狂いの努力をひとつお認めいただきたい。その努力も、いまのお話によると全然格差が縮まらぬということでありますけれども、まあ昨年の手当ての結果がことしはやはりものを言ってあらわれております。ただし、今回の手当てによって完全にこれが解消できるかどうか、そこまではとても保証できませんけれども、だんだん縮まってきてはおる。研究職について、いまたまたまおことばがございましたけれども、昨年は御承知のように、相当これも思い切った手当てをやりまして、在職者調整のようなことまでも入れてまいりましたけれども、これは数字に相当出てきている。ただし、研究補助員のほうがまだちょっと手薄だということで、先ほどちょっと御説明しましたように、研究補助員に相当力を入れたいということで、われわれの努力はそれなりに実を結んできている。しかし、今後もよほど腰を入れねばなるまいという覚悟でおるわけであります。
  54. 山崎昇

    ○山崎昇君 いや、総裁そう言うけれども、去年だって医者の官民差というのは六万円をこえているのですよ。研究職については一万一千円ですね。ことしもまた医者の場合には去年より差は開いていますね。研究職の場合もまた一万一千円の開きがありますね、あなたのほうで出した資料を見ると。だから、人事院が研究職やお医者に対して配慮したと言うけれども、民間もまたそれ以上に配慮しているのですね。ですから、結局差は縮まらない。だから思い切ったやり方は何もしていないじゃないですか、結論から言えば。そういう意味で、私は、研究補助員の問題がいまあなたから答弁がありましたが、これ一つを見ても、行政職(一)表と比較してもひとつもよくなっていない。むしろ六等、七等の行政職(一)表と研究職と比較しても、研究補助員の場合については研究職のほうが上がる率が低い。あるいは三等級への昇格の問題なんかもまた出てくるでしょう。言うならば、あなた方が口で言うほど現実的に数字では配慮していないじゃないですか。ですから、もう少しこの点は法案の作成段階で、必ずしも勧告にこだわらずにひとつ配慮してもらいたい、こういうことを申し上げておきたいと思うんです。  そこで、たいへんもう時間がなくなってしょうがありませんので、その次にあなたに特別給についてお聞きをしておきたい。どうして今度この特別調整額というのを算出の基礎に入れたのですか。まず、その根拠からお聞きをしておきたい。
  55. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 先ほど来の山崎委員のおことば、鋭いおことばを聞いていますと、全然この勧告がなっちゃおらぬということになるわけです。これはまた法案のときにこっちも大いにひとつ意のあるところを説明さしていただきまずから、その心がまえだけはおくみ取りをいただきたいと思います。医者の場合にしたところで、たとえばいまのパーセンテージにしますというと、やはりちゃんと減っているのですから。それはそれといたしまして、ただいまの特別給の問題、これは御承知のように、昨年の報告で問題を指摘いたしましたように、それ以来ずっと検討を続けておったわけでありますが、先ほども触れましたように、要するに年間の総所得の面からいきますというと、階層別にたいへんな違いが出てくるということから、さてその処置をどうするかということについて、さらに民間のやり方をつぶさに今回調査いたしましたところが、もう頭から階層別ということでぶっかけて差別をつけておりますところもありますが、その中に顕著なのは、役付手当というのを基本給の中に込めて算出の基礎にしておるというところが相当顕著にあるわけです。その点から、私どももやはりそういう形でいこうということで、俗にいう管理職手当というようなものが大体それに当たると思いますが、管理職手当まるまるというわけには当面いきませんけれども、多少その中で遠慮をした形のパーセンテージを取りまして、それを基本の給与に込めて、そして何カ月分かを出すという形をとった。これもまたやり方としては民間に相当普及しておるやり方である、こういうふうに考えておるわけでございます。
  56. 山崎昇

    ○山崎昇君 特別調整額や管理職手当の性格をめぐってずいぶん議論したつもりです。そして、当時人事院は、これは制度として超過勤務手当という制度になじまないから、超勤というものの肩がわりとしてこの特別調整額や管理職手当を考えておる、こういうことだったですね。それもいまは変わりはありませんね。
  57. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 同様のお尋ねは、今回の問題に関連ぜずにずっと前にもございまして、私がお答えしたと思っておりますけれども、必ずしも超過勤務手当とうらはらの関係になるものではございません。これは法律の条文にも明らかなように、管理監督の地位にある者の職務の特殊性に応じた手当ということを法文の上でも明らかにしております。ただ、沿革的に見ますと、いまのおことばにもつながりが出てくると思いますけれども、要するに、発想は、管理監督の地位にある人は、この間の教員の方の調整額ではありませんけれども、時間的計測にはなじまない、何時間残ったからどうというものではないということから、今度は超過勤務手当の問題とつながりが出てきて、管理職手当すなわち特別調整額をあげるような人たちには超過勤務手当は支給しないという関係ではうらはらの関係はありますけれども、まともに特別調整額は何かというと、管理監督の地位にある人の職務の特殊性に基づくものであると申し上げるほかはないわけで、これは法文にも明らかになっております。
  58. 山崎昇

    ○山崎昇君 私は、人事院というのはほんとうにけしからぬと思うのは、こういう制度をつくるときのあなた方の答弁といま言っておることとまるっきり違う。これは衆議院の特別調整額をつくるときの議事録によりますと、当時の人事院総裁給与局長もこういう答弁をしておるのですよ。「年末手当や勤勉手当等の基礎になりますとか、また別の一つの計算の基礎になって、その点がまた有利に展開するというような事情がございますので、そういう方法をとることはこの際適当でないというふうに考えまして、従いましてそういう基礎にはいたさないということで特別調整額というものを設けておる次第でございます。」言うならば期末・勤勉手当の基礎にはいたしません、これは超過勤務手当の肩がわりでございますと、時間ではかることが監督者についてはなかなか不便だし、実情に合わない点もあるから、そういう意味で超勤の肩がわりでございまして、そういうものの基礎には一切いたしませんというのが議事録でのあなた方の答弁なんです。どうして特別調整額をつくるときにそういう答弁をしたものがここで期末手当や勤勉手当の基礎にしなければならぬのか。どこでそれが変わったのか。国会で答弁することがいいかげんなものなのかどうなのか。これは私は国会権威の問題にも関すると思っておる。これは人事院の答弁ですよ。いつからこの答弁は変わったんですか。
  59. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 私は先ほど触れましたように、たしかこの委員会だったと思いますけれども、今度のこの問題に関連なしに、これも山崎委員のお尋ねではなかったかと思いますけれども、そのときに、いまの御指摘のような答弁のことは知らずに私なりの答弁を申し上げておるので、私自身の答弁のものの考え方としては、むしろきょう申し上げたのとつながっておるわけですが、おしかりを受けるとすれば前の発言のときにおしかりを受けるべきことではなかったかという気持ちもありますけれども、そんなことはいまさら申し上げませんが、要するに結論は、現実的に見て、当時と比べますとこの特別給というもののウエートというものは非常に高くなっておる。もう四・八カ月分ということになりますと相当の額になるわけです。そういう点から見ますと、その間にあってのアンバランスというものはこれはとうていほうっておけない。われわれとしてはやはり横の階層別の民間とのバランスもとっておきませんと、人材防衛の意味からと申しましてもこれはとてもあぶないことだという意識を持っておりますからして、そういう点に着眼しての発想であるというふうに御了解をいただかなければならぬと思います。
  60. 山崎昇

    ○山崎昇君 ウエートが重かろうが、何に着眼をしょうが、この手当をつくるときに、当時の衆議院人事委員会のもう最大の議論になって、再三再四あなた方が述べたのは、これは課長以上等の者については時間的な点を計算することがなかなか困難であるから、そのかわりとして一定限の超過勤務手当を不足だけれども払うのだと、むしろ超過勤務手当で払えばもっと多くなるんだけれども、それを足切りしたかっこうになっておるんですと、そして繰り返し繰り返し、われわれは職務手当というものをつけようという趣旨ではございませんと、言うならば民間の役付手当とは本質的に性格を異にすると。そういうものをあなた方今度この算定基礎に入れて差別しようなんでいうのは、これはもってのほかだと思うんだ。私はどんなことがあってもこの点は承服できない。そして何回か私もお尋ねした。あなた方はただ、いまの超過勤務制度になじまないと言うんだ、私にね。だから一定額制度をとったんだということをあなた方は述べておる。そういう意味で、私はこの特別給の支給にあたって、この特別調整額を入れることは不当だと思う。国会を冒涜しますよ、こういうことを言うのは。どうですか。もう繰り返し繰り返し、当時の瀧本さんですか、それから人事院総裁は浅井さんだったでしょうか、述べておられる。あくまでも超勤だといって述べておる。もし超勤だということになったら、一般職員はどうしますか。一般職員だって、超勤払ったらあとからそれの分についての期末手当を払わなければおかしいですよ。そして、今度のやり方を見ておるというと、この特別調整額をもらっているうちの一部の者だけ年間給与で比較をしておる。一部分だけは年間給与で比較をして、大半の公務員はそうではない。都合のいいところだけはあなた方の都合のいいような調査方法をとる。そして数字を発表する。こういう歴史的な経過があることを無視をして、それを実現するためにカラスをサギと言いくるめるようなやり方で、言うならば上級職だけはいいようなやり方をとる。これは私はどうしても承服できない。別な方法をとるというならまたお考えはあるでしょう。だが、私は特別調整額のできた経過からいって、これを算定基礎に入れることはどんなことがあっても私は承服できない。これは修正しようと思っているのですよ。そうでなければ、国会であなた方が答弁したことがあとでみんなひっくり返っちゃう。いいかげんになっちゃう。あなた方はみずから自分で制度をこわすことになる。どうですか。
  61. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 発想の経過をお尋ねにつられて申し上げたのでありますけれども、開き直って申し上げれば、先ほど来申し上げましたように、現実の実態から申しまして、昭和二十八年当時は二カ月分の特別手当、これが月給の一割であった。今日においては、先ほど触れましたように四・八カ月分になりますから、これは月給の四割となります。たいへんなウエートを占めますよということは、これは現実問題。それから理屈の問題といたしましては、わがほうの勧告においては、特別調整額とも管理職手当とも一言半句も触れてはおりません、俸給の月額の二五%以内の額を加えることとするということだけでありますからして。ただ、説明の便宜上先ほど来の手当の名前を借りましたけれども、勧告のもとにおいては、まさに単に俸給月額の二五%以内とありますから、法案においてもそういう形になると思います。したがいまして、発想の、思いつきの経過としては先ほど触れたようなことになりますけれども、正式のでき上がりの形としては、全然特別調整額にも関係なければ、管理職手当にも関係のない形になっております。その点はまあ御了承いただけると思います。
  62. 山崎昇

    ○山崎昇君 だんだんあなた方、やっぱり法律技術屋さんがたくさんいるものだから、私どもから指摘をされると、法文解釈だけでのがれようとする。しかし、特別調整額を、あなた先ほどは民間の役付手当と同様だという。民間の役付手当というものが出ているのですね。しかしこちらにはありませんでしょう。じゃあ二五%、何を基礎にしてやりますか。いまの特別調整額というのは一種から五種までありまして、一種が百分の二十五である。五種が百分の十だ。五段階に分かれている。くしくもこれと合っている。それから期末手当についてたいへんウエートが大きくなった。だが皆さん。この〇・二五を一年間やってごらんなさい。これは三カ月分に相当しますよ、合わせて。この間の、去年の国会では、調整手当の基礎にまで入れましたね。そういうことを考えてくると、この特別調整額を使って、あなた方は上級職の優遇策というものをやっているではないですか。さらに言うならば、管理監督に属する者が今度の勧告ではおおむね課長以上である。しかし特別調整額にのっておる、管理監督と称せられる方々のこの特別調整額を支給されている者は、単に課長以上ではないはずです。言うならば、管理監督の職員の中にさらに差別待遇というのが持ち込まれてくる、これは一体どういう考え方になるのだろうか。ちょよど二五%といえば一種ですね。特別調整額の支給でいうならば、一種の特別調整額を支給されている者といえば本省の課長以上になると思う。ちょうど符合している。だから私は、やがてあなた方は――おおむね課長以上なんていうことばを使う。これはまた私は逃げだと思う。まあやがては五種まで特別調整額を支給されている者、通常あなた方は管理監督の職にある者といっているわけですが、それに全員支給されるということは目に見えている。そうでしょう。とりあえずということでしょう、本省課長以上ということは。何でそれじゃ管理監督の中でこれを区別しなければならぬのか。だから私は、人事院というのは都合が悪くなると法文の解釈、できたときの性格はどこかへ行ってしまって、そうして法文の解釈技術論でごまかしている。そういうやり方は私はすべきでないと思うのです。いずれにしても、私はこの制度はどうしても承服できないのです。それから、たとえば一等級の者であるとするならば――おらぬかもしれませんが、しかし一種の特別調整額二五%を受けている者の中にはいるかもしれません。もしこの者が〇・二五ふえるということになると、この者の期末・勤勉手当は六カ月分になる。半年分になりますよ。そういうことを私は考えてみるときに、全く上級職だけ至れり尽くせりだ。いままで人事院のやっていることは、さっきも指摘したけれども、指定職俸給表などをつくって、そうして乙というものについて、先ほど申し上げたように適当なことをやっておる。こういうことを考えるときに、私はもう少し人事院は一般の公務員の利益というものをもっと擁護すべきである。そうでなければ、あなた方自身が内部に差別を持ち込んでくる。課長補佐以下のじゃあ管理監督の職にある者をどうするのですか。そうして、同じ管理監督の職にある者の中で課長以上だけは支給して、そうでない者はやらないというこの差別はどうなりますか。この点について、私はやはり理解ができないのですがね、どうなりますか。それからあなたのいまの表現でいえば、指定職も入っている。ところが、指定職の乙については、勤勉手当の支給がされていない。それに見合う額まではいかぬにしても、一部勤勉手当の復活みたいな結果を招来してくる。だから、そういう俸給制度をつくるときにはやめておいて、あとからこういう個々の制度をどんどんどんどんつくりながらやるならば、一般職と同様のような制度にだんだんなってくる。こういうことについても、一体どういうふうにあなた説明するんですか。聞いておきたい。
  63. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 先ほど申し落としましたが、基本的なわれわれの立場は、従来官民比較と申しながら、大体月給だけを頭に置いて、民間の部長級、こっちの部長級というようなことで対比しておったわけです。特別給の場合については全然そういうような対比もせず、階層別の対比はしておらなかった。したがって、月給だけの面で合わせたと申しておりましたが、さて年間所得を合わせてみますと、先ほど触れましたように、月給の四割くらいもうすでに特別給が占めるような非常にウエートの大きな段階になっておって、そのほうはほうっておったのだということでは、ほんとうの官民比較とは言えないのじゃないかという反省が一つ大きな反省としてあるわけであります。したがって、その辺の調整をとらなければなりません。完全にこれを合わせるというところまでは実際考えておりません。二五%と書いておりますが、せいぜい二〇%ぐらい、あるいは階層の幅にしても、特に顕著なところを押えてとりあえずの組み合わせをしよう。とりあえずというと、課長補佐とか、だんだん下のほうをほうっておくつもりかという御指摘が出てくる。衆議院の内閣委員会でも、やっぱりそういうものはほうっておくべきでなくて、下まで及ぶべきではないかという意味の御指摘もありましたが、われわれとしては、その辺のところはまだ顕著な格差は出ておりません。したがいまして、次々とそっちのほうに及ぼすという気持ちは実際はいまのところ持っておりませんけれども、まあしかし、今後もこういう場所でのいろいろな御意見を拝聴しながら、下のほうに及ぼすべきだというふうになれば、また考えなければならない。また、この辺でとめるべきだということならば、そういうふうに――われわれの態度はいまそういう態度でおりますけれども、そういう方向でまたいきたい。とにかく穴埋めといたしましても、完全にこれを合わせるというところまではいっておりませんので、当面課長以下のところに及ぶということはわれわれとしては考えておらないということでございます。指定職の関係は、これは逆転関係が起こりますものですから、その関係で今回の措置を及ぼすことになろう。  それからもう一つ、大きな声で申し上げておきたいのは、階層的配分ということばをよく便宜上使われますけれども、従来のたとえば四・八カ月受けておる人々、課長補佐以下の人々の分をここでひったくって上のほうに回すということでは絶体ありません。民間の例からいうと、部長級が七カ月分もらっておれば、平の係員は四カ月分、たいへんな落差があるわけですが、わがほうは、従来の人々に対する既存の利益は一切害さない。だから、その原資は横からちょうだいして穴埋めするという立場でおりますから、その辺御了解を願いたいと思います。
  64. 山崎昇

    ○山崎昇君 総裁、あなたいま、俸給というよりも、全体の給与に占める期末手当の地位が大きくなってくる。しかし、指定職であっても期末手当は支給している。支給されていないのは勤勉手当だけでしょう。勤勉手当だけでいうならば、一・ちょっとですよ。それほど大きなウエートを占めるものではないわけですよ。この制度ができたとき、いまあなたは二カ月くらいだと言った。むしろ低いじゃないですか。あなた方は期末と勤勉の手当を分けた。そして指定職のものについても、たとえば乙でいうならば、勤勉手当だけ支給していない。それはあの俸給表の中に全部入っているというあなた方の見解をとった。だから、当時私どもは、極端なことを言うようだけれども、指定職のほうについては、期末・勤勉手当も通勤手当も、そういうものを全部含まれていると言うから、それにすらそれじゃ退職金が出るのではないですか、それすら年金の基礎になっているではありませんかということがここでずいぶん議論になった。それくらい有利になっておる、ふだんは。だから、いまあなたの言うように、何も、全体の収入の中に占めるウエートはそんなに大きなものではありませんよ。どうしてもこれをやらなければならぬというような仕組みではありません、それは。勤勉手当だけではないですか、支給されていないのは。指定職の甲の人は期末手当出ていませんか。出ているでしょう。三・四カ月分の期末手当は出ているはずです。わずか勤勉手当一・二ですか三ですか、それだけのウエートにすぎないじゃないですか。そういういいかげんな答弁はやめてもらいたい。そして、全体のそういう給与総額を調べるなら、当然全職員の全体の給与額を調べて、下級の職員についても、そういう方向をとるべきならとるべきだ。何で特定の人間だけが、そういう全体の給与だけ、年間給与だけ調べて、足りぬから、この分はカラスをサギにするような仕組みでこういうやり方をとるのか。理由が薄弱じゃないですか。さらに管理監督者の中に、課長以上とそうでない者とを区別をする。やがては、あなた方の腹の中には、全部やっていくでしょう。とりあえずは突破口で課長以上と、こうなる。私は課長補佐以下の人でも黙っておらないと思う。いまの特別調整額のこの五種でさえ一割もらうんですから、一〇%違えばたいへんな違いですよ、年間。これは、そういうことを考えると、あなた方みずからが、自分でつくった給与制度を適当なところだけは出してきて、そして体系そのものがずたずたになってくる。言うならば、私はあとで言おうと思ったのだが、そのほか採用試験から始まっていろんな欠陥が出ていますよ。どうしてこういうことを調べなければならぬのか。私は、人事院は制度というものを変える場合にはもっと慎重に扱うべきではないだろうか。さらに私は、人事院のいまやっているこの民間給与の調べ方についても今後もう少し詳しくやりたいと思うけれども、勧告それ自体だっていま二十八条でやっていますね。しかし、ほんとうは私は国家公務員法の六十四条というものが基礎でなければならぬはずだと思う。そうでしょう。六十四条は俸給表等の改定の際には生計費、民間の賃金、その他人事院の決定する適当な事情ということになっている。いまあなたの言っているのは民間賃金だけ、生計費その他はただ資料で出てくるだけ、だから、私は人事院の勧告――あなた方はたいしたものだと思っているかもしれぬけれども、実際にはこれを分析していったらそんなたいしたものじゃないです。こういうことは少なくとも私は人事院はやめるべきだと思うのですよ。もう少し公務員全体に不満のないように、その中で問題点は問題点として解決するのに私どもやぶさかでない。しかし、あまりにもつまみ食い過ぎるのじゃないですか、やり方として。だから私は、今度のこの特別給のこの一部の者だけとるというやり方についてはどうしても承服できない。さっきあなたは四・何カ月と言ったが、訂正してもらいたい。これは期末手当を含めての分だから、支給されていないのは勤勉手当だけだ。その点は訂正して、もう一ぺんあなたの見解を承りたい。
  65. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 問題を虚心たんかいに考えていけば、指定職に勤勉手当をむしろやるべきじゃないか。そういうことによる解決方法があるかもしれません。ともあれ、指定職には期末手当だけという現状からいいますと、先ほどちょっとおことばにもありましたように、行政職の一等級あたりのところがらのつながりによりまして逆転を今度は生ずるという面もございますし、そういう面からやはりほうっておくわけにはいかない。むしろ逆転を防ぐという観点に立って指定職にも及ぼさざるを得ないというふうに御了解をいただいたらいいんじゃないかと思います。
  66. 山崎昇

    ○山崎昇君 だから、あなた方そういう答弁をするなら、あなた方が職務給と言っておるそういうものの給与体系そのものがおかしいことになる。みずから自分で言っているじゃないですか。下の者と上の者とが逆転するから、こういう不合理なことをやってまであなた方は一時金でカバーしようと言うんでしょう。それは邪道じゃないですか。ほんとうにその職務に対してふさわしい賃金を払うのなら、当然これは体系そのものから改めなければならぬじゃないですか。だから、これは最終的に言おうと思っているのだが、いまの公務員賃金体系は昭和三十二年にできてすでに十四年経過して、毎年毎年文句のあるところだけところどころいじくるものだから継ぎはぎだらけになってしまって、もう継ぎはぎできないところにまできている。ですから、いま各省を調べてみても、たとえば職が一ぱいふえている。課長補佐というのが一ぱい出てきてみたり何々官というものが一ぱいつくられてみたり、そうしなければいまの公務員給与はもう施行することが困難になってきているのじゃないですか。むしろ、言うならば、私は人事院は多少時間がかかってもそういう基本的な矛盾を直すなら直して、その中でどうしても直し得ないものがあるならば多少びほう策を講ずることはやむを得ないとしても、いまのは本末転倒ではないですか、人事院のやっていることは。私はこの特別給のあり方については、先ほど来何べんも言っておりますけれども、全くやり方としては不当である、根拠がないということ。あなた方が無理やりに期末、勤勉手当に分けたのです。そして勤勉手当については、俗にいう勤務評定みたいなものを導入をしてあなた方は差別支給をやっている。そのときには、先ほどの指定職については、そろいうもの全部含めてこれは職務にふさわしい賃金体系だと言ってつくった。いまになって、それが下の者と逆転するからこういう一時金によってカバーしなければならぬというのは理屈にならぬ、こんなものは。ですから、私はこの特別給については考え直してもらいたいし、総務長官おいでになりましておそらくいまのあなたの議論を聞いておったと思うけれども、基本給の矛盾を一時金で、それも特定の者だけカバーをしてこの給与制度を持っていこうなんというやり方はすべきではないと思う。長官のほうは、勧告だからそのままだというまた答弁かもしれませんが、少なくともこのやり方だけはそうでないように十分ひとつ人事院と相談をして、これは今回法案の段階では見送って、もう少し真剣に公務員の給与体系そのものについて私は総理府も検討してもらいたいと思うのですが、総務長官、どうですか。
  67. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) いままで私のいない間に人事院とどのようなその問題についてのやりとりがあったのか知りませんが、これは勧告どおりやるという答弁だろうとおっしゃったのですが、それ以外の答弁はちょっとしにくいわけです。たとえば〇・〇七を切ったことがいいのか悪いのか、それはまた民間においては景気の状態、社業等によっていろいろ違いもありましょうし、いろいろ議論のあるところは存在すると思うのです。そういうことからいって、いまの管理監督の立場にある者に対する二五%以内の問題も一つの議論になっているものと思います。これはやはり基本的には、四月実施の基本的な原則論を踏まえての問題等もたくさんあることはわかります。わかりますが、人事院において検討された問題というものは、それなりに、客観的な、恣意を加えない民間との調査対比の結果を政府に対して勧告すべきものとして法的な根拠によってなされたものでありますから、私の法案を作成する段階において部分的にこれを手直しをするということは、昨年もそういう御意見がありましたけれども、いたさないことがむしろ人事院の権威を高め、第三者的な中立機関としての職務を全うさせるものであると考えておりますので、いまのところ、御意見の存するところは私もわかります、わかりますが、それを私の段階で法案で手直しをして出せということについては、ちょっとできかねるという答弁しかできません。
  68. 山崎昇

    ○山崎昇君 先ほど人事院総裁から、たとえば医者の初任給調整手当でも、初任給調整手当なんて名前すらやはりおかしい、三十年間もそんなことをやるのも変だと思うとみずから言っている。だから法案の段階で考えてみたいなんということを言っている、自分でいま勧告出しておいて。だから、そういうことからいけば、私は勧告というのは絶対的なものではない。やはり論議をしてここに矛盾があるというときには、全部を否定するなんということは私も考えていない、それはあなたの言うとおりだと思う。しかし、少なくともこういうことをやることによって体系そのものがもう乱れちゃっている。さらに管理監督者の中に差別がされてくる。こういうことは私はやはり法案段階のときに考えるべきことであって、そうでなければ総理府というのは何のためにあるのだろう。私は、そういう意味で、これはぜひ人事院も謙虚になってもらいたいと思う。この特別給だけはもう少しあなた謙虚になって、ことしやらなければどうなるというものでもない。あなたが出した問題ではあるけれども、これは考え直してもらいたいと思う。そこで、この点は強く私のほうから指摘をして、次の質問に移っていきたいと思う。  次に聞いておきたいのは扶養手当です。今度配偶者が二千二百円になって第二子がやっと昭和二十六年以来二十年かかって二百円上がった。これは上げないよりまあいいと思う、上がったことは。ところが、あなたのほうの出しておったあの資料を見ても、やはり子供が二人、三人になってくるというと、民間よりやはりかなり低いことになっている。だから私は、この第二子の六百円というのは、そういう意味でいうならばまだ低いのではないだろうか。したがって、ことしは勧告が出ているのだが、来年以降もこの点は配慮すべきものではないかということが第一点。  第二点は、児童手当をもらう者については併給しないということになっている。そこで、これらのことについては人事院はどうお考えになっているのかをお聞きをしておきたい。それは扶養手当を算出根拠の中に入れている諸手当がたくさんありますね。その場合に扶養親族としない、こうなるものだから、その点についての一体事務処理はどういうふうになっているのか。それから、この扶養家族手当の扶養親族の認定が、おおむね他の法令あるいは他の事項に対する扶養親族の基礎にもなっていると私は思うのだが、所得税等の控除の問題にも私は引っかかってくるのではないかと思うのだが、そういう場合の扶養親族の場合、どういう取り扱いをするつもりなのか。他の法令あるいは他の給与との関連等の問題について明らかにしてもらいたい。
  69. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 基本的な点から触れてまいりますというと、扶養手当ということが一体給与制度の原則からいってむしろ邪道ではないかというようなことが専門家の間にいわれておりまして、一時もう扶養手当の面の調査もせずそのままほうってあった時代もありましたけれども、私ども、やはり民間で顕著にこの手当が支給されている事実があります以上は、一種の公務員諸君の、私は当時生活防衛と言ったのですが、生活防衛の一つの有力な手段として扶養手当を使わざるを得ないということで、最近またまめに調べてやっておるわけです。しかし、原則から考えてみますと、やはりこれは配分の問題でして、扶養手当にたっぷり差し上げてしまえば、今度独身者やなんかのほうの分け前を取ってしまうのですから、その配分の面をどう考えるかということを念頭に置きながらやらないと、こればかりに重点を置くとお気の毒な人が出てくるという面もあって、今回は民間にならいましたけれども、その民間の数字どおりをまともにここに取り込むということは考えません。しかし、大きな顕者な点を取り入れるということでございます。それから児童手当等の併給関係は、これもいまの原理から申しますというと、たまたまこの三千円おもらいになっている人に、さらにこの扶養手当が重なっていく。そうまでする必要はない。むしろその分のお金はほかの独身者などを含んだそっちのほうに回して差し上げて、給与として適正な配分を考えるべきではないかという面もございますし、かたがた、児童手当審議会の前身となっておりました児童手当懇談会というものがございまして、そこの意見の中に、併給はしないという意見が出ておりますし、そういう面を考えて今回は併給しないという措置をとった。ただ、ほかとのいまのバランスの問題、これはいろいろ考えるべきことはございますでしょう。これはまたあるいは給与局長から答える点があれば答えさせますが、私ども念頭に置かなければならないことであるというふうに考えております。
  70. 山崎昇

    ○山崎昇君 局長でもいいんですが、私のほうで具体的に聞きますのは、児童手当併給の問題については、基本的にはこれは性格が違うから併給してもいいという考えもあろうかと思う。しかし、あなたのほうの勧告の中を見ると併給しないということになっておるのだから、その文書の中に扶養親族としないのだということばがあるから、もし、扶養家族手当の中の扶養親族からはずれるということになりますと、たとえば期末手当の支給のときには扶養手当の額を算入するわけでしょう、基礎に。その場合に、児童手当をもらっておる者の分については一体どういう計算方法をとるのだろうか。あるいは所得税法による所得の控除の場合に扶養親族からはずれてしまうとこれは問題が起きてきはせぬだろうか。あるいはその他の法令等の場合で扶養親族等が中心になるような場合に、扶養親族からはずれておるわけです。そういうものの取り扱いについて一体人事院はどういう処理を考えておるだろうか、この点を明確にしてもらいたい。だから私は、扶養親族とはするけれども、この者については児童手当の該当者だから支給しないのだというなら法律上明確になってくる。しかし、扶養親族に入れないというものだから、事務処理としては私はいろいろ問題が出てくるのではなかろうか、そういう心配をするので聞いておきたい。
  71. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 児童手当と扶養手当との併給の問題でございますけれども、扶養手当と併給的なケースのときには、いま総裁が申されましたような理由で併給はしないことが適当じゃないかというふうに事務的にも考えておるわけでございます。御指摘のように、扶養手当はいろいろな手当の基礎になってくるという面がございます。民間の場合、先ほどのボーナスの関係で御指摘がございましたけれども、民間のボーナスの基礎に扶養手当が算定されておる、役付の方だけが多いわけですが、算定されておるようなケースもございます。しかし、一方におきまして、民間における扶養家族手当は四人で打ち切るといったようなケースが一般的な形になっておるという面もございますので、そういう点も若干考慮を要するのではないかと思っておりますが、たとえば扶養手当が給与法の中における基礎になっておるケースについてどうするか、それから給与法外について基礎になっておるケースでほかの法律についてどうするかという問題が両方ございます。この点は、それぞれのほかの法律についてはそれぞれの関係におきましてよく連絡し、協議をしたいというふうに考えておりますが、法律案をつくるまでの今後の研究課題というふうに考えております。
  72. 山崎昇

    ○山崎昇君 研究課題はいいと思いますが、私がいま具体的に聞いておるのは、一番心配するのは、扶養家族手当台帳から消えてしまいますね、これでいくと扶養親族にしないというのですから。そうすると、かりに六百円でありましても、期末手当算定のときには、これは児童手当が出ているのだから当然これはもらえるものとして基礎計算の中に入れなければおかしいと思うのですね。そうでなければ、児童手当そのものを入れて基礎計算するのかどうかということもあり得る。しかし、私はそうならないと思うんですよ。だから、表現のしかたについても私はこれは少し無理があるのではないか。扶養親族とするけれども競合する者には扶養手当を支給しないのだというなら台帳に載りますわ。台帳に載る。ところが、これは台帳からなくなっちゃうのだ、事務的には。そういう点で私は、よほどこれは厳密に事務処理をしませんとたいへん本人に不利になってくる。それからその他の、この給与法以外の法律との関係につきましても、これはいろいろな法律があるでしょう。たとえば共済組合法もそうであります。それから所得税法もそうです。そういうものが全部、へたすると扶養家族のところから抹消されちゃって、まるきり第三子以下いなくなっちゃうことがある。こうなったのではこれはたいへんなことになると思うのですよ。そういう意味で、これは事務的なことでありますけれども、慎重にやってもらいませんというとたいへんな不利益をこうむると思うのです。その点の見解を人事院としてどうするのか聞いておきたい。それから、こういう表現にはなっておるけれども、事務処理段階でそれは直すというのか、その辺のところをもうひとつ聞いておきたいと思う。
  73. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 御指摘のとおり、ほかの手当、ほかの給与その他につきまして基礎になっているといったような点がございまして、問題となるところでございますけれども、この関係は事務的に申しますと、金額は四百円でございますし、かつ、今後の問題としまして、先ほど申し上げましたように、四人以上の打ち切り制度が非常に普及してきておるという面もございますし、金額も少ないという点で、事務的に申しますと、諸手当の計算のときにまた復活するという点は非常に繁雑でございますので、私どもとしましては、給与法の中における諸手当の算出の基礎にはしないというふうなのが望ましいというふうには考えておるわけでございますが、なお検討したいというふうに考えております。
  74. 山崎昇

    ○山崎昇君 確認しておきますがね。そうするとあれですか、第三子以下については、もう事給与に関する限りは抹殺されちゃって、いまあなたが民間では四子以下切り捨てみたいなことを言っておるけれども、そういう考え方が人事院にあるのですか。そうすると、私は、児童手当というものが創設された理由からいいますと、ちょっと逆なような気がしますがね。何か知らぬけれども、抹殺されちゃって、第三子以下はもう給与法に関する限りは浮かび上がってこない。まあ簡単なことばで言うと、三千円もらうのだから、六百円のやつの期末手当やその他のやつぐらい切ってもいいじゃないか。しかし、これは私は期末手当ばかりではありませんで、退職金の問題もある。超過勤務手当の問題もある。その他あらゆる給与の問題等考えますと、少し私は暴挙でないかと思う。だから、法案作成のときには私はできるならば扶養親族と認めてもらって、ただし第三子以下については、企業者が払う、使用者が払う扶養家族手当としては払わないのだ。そして実際のその他の給与を計算するときには、それが扶養親族としておるものとして計算をして、本人の不利益にならぬようにしてもらいたい。それから所得税の控除だって、一人違って税率が違う場合がありますよ。こういうこと等も考えますというと、これはよほど慎重に扱ってもらいませんと、第三子以下はもういいんだと、そういうことに私はならぬのじゃないかと思うのです。これは少し事務的なことでありますけれども、人事院に要望しておきたいのですが、総裁どうですか。
  75. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) いま一生懸命メモをとって、われわれの研究の重大な課題にしたいと思います。
  76. 山崎昇

    ○山崎昇君 まだまだ私はこまかにいろいろ聞きたいのだけれども、予定された時間が来たから、総務長官に一点お聞きをしておきたいと思うのですが、何か聞くところによれば、二十四日の閣議でこれをきめて、そして十月の臨時国会に提案するんだというようなことが巷間伝わっておるのですが、そういういま段取りですか。
  77. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) これまでの段取りは、十三日、仏滅、金曜日――大蔵大臣にとってはです――勧告がありまして、閣議後その勧告を受けまして、直ちに午後二時から給与関係閣僚会議を招集いたしました。私からその内容の全貌について報告し、さらに大蔵、自治大臣等から、その財源としての見通し等について、大幅な歳入欠陥等もありまして――数字が必要なら私のほうから説明しますが――それにもかかわらず、これはやはり政治の姿勢として完全実施をきめたことだから後退はできないという線で意見が一致いたしました。したがって、完全実施をする。ただし、それは閣議決定を待つということに手続上はなるわけであります。さらに本日の閣議において、私よりその旨を、給与関係閣僚会議の結果を報告し、さらに党との話し合いの国会対策等の問題があって、次の臨時国会は沖縄国会ともいわれるから、したがって沖縄関係法案以外は出さないという方針も一応は内定しておるやに聞くけれども、しかし、公務員の諸君はこれは五月からさかのぼってもらえるのであるから、予算編成の際に私としては、前の大蔵大臣の福田さんのときに、仮払い制度等について財政法その他を議論してみたのですけれども、やはり困難だという事実がありましたから、したがって、沖縄国会が一番近い国会であるとすれば、公務員が本来五月からもらうべき権利をここで一応確立したとするならば、すみやかにそれに対して支給できる措置を法律上講ずるということがこの次の問題であると思うということも、関係閣僚会議並びに本日の閣議で報告をいたしました。だれからも異論はございませんので、したがって、まとめて申しますと、完全実施をする。それの決定は、財源その他をあと一週間かかって詰めまして、来週の火曜の閣議できめる。それは閣議決定になります。そして、方針として、次の一番身近な国会にそれを提出することについて努力するということになるわけであります。
  78. 山崎昇

    ○山崎昇君 大蔵省の給与課長、来ておりますね。一点聞いておきたいのですが、この前委員会で旅費の改正について議論した際に、少なくとも二年に一ぺんぐらいは旅費は改正をする、これは当時の大蔵大臣もその趣旨でやりますという答弁だった。もう旅費が改正になってからかなりな年月がたつんだが、大蔵省で検討しているかどうか、この一点だけきょうは聞いておきたい。
  79. 岡島和男

    ○説明員(岡島和男君) いま先生からおことばがございましたけれども、当時の議事録を取り寄せて福田大蔵大臣の発言を読んでみますと、先生から、「二年に一ぺんかそこらのことは、ひとつ配慮願えるようにしてもらいたい」と、このように御質問があったわけでございますけれども、大臣の答弁は、「なお四年目四年目になっておるのでありますが、これはまあお話しのように、少し長いかもしれませんから、これも考え直してみます。」と、このような答弁になっております。それで、いま先生すでに御指摘のように、旅費法の改正は、内国旅費のほうは三十七年、四十一年、四十五年というふうに改正が行なわれております。外国旅費のほうは三十八年から四十二年、これは四年の間がございましたけれども、四十二年から四十五年、今度は三年で改正になりました。そこで、従来どおりの例にかりになりますと、四十五年から四十九年ということになってしまうわけでございますけれども、それは最近のいろいろな諸情勢を考えますと、少し長きに失するということでわれわれも考えておりますけれども、二年二年というふうになるかどうかにつきましては、なおまだちょっと検討の余地があるのではないか、このように現在のところ考えておる次第でございます。
  80. 山崎昇

    ○山崎昇君 私は何も二年に限定しているわけじゃないが、短ければ短いほどいいんだが、少なくともいまの物価の値上がりだとか経済の変動のしかた等から見れば、やはり二年くらいで考えてやらないことにはたいへんだろうと思うのです。ひとつ大蔵省は早目にこれは検討願って、そしてその対策を講じてもらいたいという、まあ最後はこれは意見として申し上げておきます。  たいへん行管長官、待たせて恐縮でありましたけれども、行管長官に、もう時間ありませんから、一、二点だけお聞きをしておきます。  最近相次いで長官を除く行政監理委員から、いろいろ行政機構改革に基づいての意見が出されてあなたと意見調整しているようであります。その一つに、かつての臨時行政調査会に匹敵するのかどうかわかりませんが、強力な権限を持った行政改革の機関をつくりたい、こういうようなことで意見が一致したと、こう報道されておるのですが、それはどういう構想で、大体どういうことをめどにしてやられるのか、それをひとつお聞きをしておきたい。  それから二つ目に、はしなくもこの間の全日空事件で行政管理庁の行なっておる行政監察がたいへんクローズアップしたと思うのです、まあ不幸なことでありましたけれども。しかし、この部内監査というのはなかなかこれは私はむずかしい点もあるし、技術的な点もあると思うのですが、行政監察の今後の方向といいますか、これは単にこういう点はこうだという指摘だけにとどまらず、できるならば私は行政効果の測定という、これは新しい分野でありますけれども、そういう方向に向けて行政監察というもの等を考えておられるのかどうかですね、この点を二点目にお聞きをしたいということ。  それから三点目には、最近新聞紙上でやたらに、たばこ専売が民間に行くとかあるいはその他のことが出されるのですけれども、そのたびに関係者が、まあ不安動揺までいかぬにしても、何となく落ちつかない気持ちになっちゃうというので、私はこういうことは慎重にやっぱりやってもらうし、もっと国会で議論するなら議論するとか、意見を述べてもらうとか、新聞紙上だけを通じてこういうことが宣伝されるといいますか、そういうことのないように、もう少し私は配慮してもらいたいと思うのです。そうでないと、私どもも行政機関を扱うものだから、しょっちゅう電話が私たちのところまで来たり、そういう意味で、今後のあなた方の行政改革の基本構想がまとまったと、こう新聞報道されておるのですが、大ざっぱでけっこうでありますが、内容があったらひとつお聞かせ願いたい。  それからもう一つは、第二次削減案について閣議決定がありたようであります。ほんとうに私はこれができるのかどうか。これはやれという趣旨でありません。あの総定員法のときにもずいぶん議論されましたが、私はいまの定員削減のやり方というのは本末転倒じゃないかと思っている。なぜかというと、ほとんど行政機構だとか行政事務の分析等があまりなされずに、定員だけは、ある意味でいうと一律に削っておいて、その中にしゃにむに当てはめようというやり方をする。こういうことで、次に来るものは労働強化である。定員外職員の増加である。こういうこと等を考え合わせてみますというと、この第二次削減案というのは、私はかなりな無理を伴うものではないだろうか。そしてこれに関連をして、資料をひとつ出してもらいたいと思うのですが、総定員法ができたときから一体定員の動きというのはどうなったのか。たとえば、こういう行政事務のふえ方についてこちらの定員をこれだけ削ったのを回したとか、そういう定員の動きと自然退職率と新規採用との関係をひとつ一表にして出してもらいたい。これは各省別にお願いをしておきたい。これが出せるかどうか。まあまとめてですが、四点ほどまずお聞きをしておきたい。
  81. 中村寅太

    ○国務大臣(中村寅太君) 山崎委員の質問にお答えいたします前に、一言ごあいさつをさせていただきます。  私は、先般の内閣改造にあたりまして行政管理庁長官を拝命いたしました中村寅太でございますが、きわめて微力でございますが、委員長はじめ委員の皆さま方の御支援によって責任を果たしてまいりたいと、かように考えておるものでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  ただいま山崎委員から御指摘のありました監理委員会の人たちの間で新しい機構の考え方があるやであるということでございます。実はこれは行政監理委員の方々がいままでいろいろやって、いまの委員の方々はちょうど六カ年になるようでございますが、いろいろやってまいりまして、そうしてそれが、行政監察等の結果勧告が行なわれた点がなかなかうまく実現にいっておらぬというような現状等をとらえまして、今後行政監察等によって勧告された点がスムーズに実行に移されていくような何か方法はないだろうかという考え方に立って、新しい機構を考えてみたらどうだろうかという一つの考え方と、あるいは運用の面で何かくふうがもっとあるのではないかというような考え方で、何回も委員の方々は検討会をなさったようでございます。その結果、この間から、その意向をひとつまとめて、そうしてこれを前進させたいというようなお話がございました。私も数回一緒に入りまして、行政監理委員の人たちの考え方も聞いて、もっともだとうなずくような点もございますので、行政監理委員の方々の御意向を尊重しまして、その意向を大体、私の意見というものをまず入れないで、委員の意向をそのまま総理にも話しまして、総理の意向等もひとつできれば入れて参考にして、近く委員の人とさらに検討を加えて、そうしてできるだけ早い機会にひとつ案をまとめようではないかという話し合いをいたしておる段階でございまして、まだ具体的にどういうものということまではまいっておりません。二案も三案も考えておられるようでございますので、そういうものをもう少し煮詰めて、できるだけ早くそういう機構をつくったがいいのか、あるいは運用の面でもっとやっていけるのではないかというようなこともあわせて検討してまいりたい、こういう段階でございます。  それから行政監察の方向といたしましては、いま申しましたように、監察をして、それを勧告に移して、そうしてそれが一向思ったように前進せないということは、これはいろいろそういう反省にも立ちまして、今後の行政効果があがっていくようにひとつ検討し努力をしてまいりたい、こういう考え方でございます。  それから、民営の問題がいろいろ新聞等に出ましてたいへん御迷惑をかけておるようでありますが、実はこれは、仰せられるように、できるだけ表に出ることを避けたいと思いますし、避けなければならぬ。そうしないと皆さん方に御迷惑をかけますが、いろいろ懇談をしております際に、私は、今後の行政改革の一つの方向としまして、役所でやらなければならぬ仕事と、あるいは民間に移していい仕事、あるいは委託したほうがいいようなものをえり分けて、やはり行政の一つのあり方をすっきりさせたい、そういうことが必要ではないか。こういうことから、いろいろ懇談等をしております場合に、そういうことがたまたま話に出たりしまして、それが表に出るようなことになっておると思いますが、これは山崎委員の仰せられるように今後気をつけてまいりたいと思っております。  それから第二次定員削減の問題でございますが、これは御承知のように、第一次削減案が、大体まあ一〇〇%というわけにもいきませんが、まあまあというところまでは実施はできたと思っております。第三次削減案も、この間からいろいろ各省庁と打ち合わせながら検討いたしまして、そうしてこの間の閣議で了解も得たのでありますが、これの実施につきましては、各省庁で行政需要の増減等を勘案してもらって、できるだけ完全に実施できるように努力をしていただくように御協力を願っておる段階でございます。  それから最後に資料の要求がございましたが、これはさっそくつくりまして、できるだけ早い機会にお手元に届けさせたいと思います。
  82. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する午前中の調査はこの程度にいたし、午後二時五分まで三十分休憩いたします。    午後一時三十五分休憩      ―――――・―――――    午後二時十五分開会
  83. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  84. 水口宏三

    ○水口宏三君 人事院総裁に伺いたいのですけれども、まず、さっき山崎委員のほうからも、今回の勧告につきまして具体的な点につきましては詳細にわたって質問がされておりますので、私はなるべく重複を避けまして、多少抽象的になりますけれども、三つの問題点について、時間もあまりございませんので簡単に御質問いたしますので、御答弁のほうも簡単にお願いしたいと思うのです。  第一の点は、現在の公務員の給与というものが民間依存になっている。本来申し上げるならば、公務員給与というものは公務員法の六十四条で、「生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情」と、三つの要素できめられることになっておりますが、実情はほとんど民間の給与に依存しておる。しかも、その民間給与についての調査そのものは、人事院総裁がこの前の委員会でもお話しになったように、非常に大がかりにやってらっしゃるし、的確である。その御努力には敬意を表しますけれども、その実際の取り扱いにつきまして、たとえば下級職員の場合、本省の係長なんかの場合、たとえば五等級は、民間の五百人未満の係長、五百人以上の事業所の事務主任というような両方を比較して金額をきめておる。それから一等級、これは本省の局次長ですか、あるいは部長になるかと思うのですけれども、ここになると、五百人以上の支店の長、工場の長というふうにだいぶ基準が変わってくるわけですね。さらに指定職になってくると、事務次官などの場合には、五百人以上のむしろ会社の役員との比較をして給与をきめている。そういう意味で、民間依存というものが、必ずしも現在の公務員の体系と民間のさまざまな職体系が一致していないために非常にふぞろいな面があると思うのですけれども、そういう点で、これまでいろいろ問題が指摘されたことと重複して私申し上げませんけれども、特に今回の勧告の中で、やはりこれは前回もそうだと思うのですけれども、指定職の俸給表を会社の役員と比較をしている。私は、会社の役員の場合には、申し上げるまでもなく、経営責任を前提とするその社の業績に対応した報酬であって給与でないということは事実だと思うのです。それをただ便宜的に、比べるものがないので比べたというようなこともあろうと思いますし、その矛盾が、先ほど山崎さん御指摘になっておりますけれども、今後の給与改定に甲は一律二万円。しかも、給与局長の答弁によると、これは民間の会社の大体部長の今度の給与が二万円上がっているからだというような御指摘があったわけですけれども、きのうのニクソン・ショックではございませんけれども、会社が不景気になってくれば役員報酬というものがかなり減る可能性があるし、はたして今度の二万円というもののその基礎をおつくりになった――千二百社の役員の俸給を基礎にしておやりになったのではなくて、民間の会社の部長の給与を基準にしてやっておる。そこら辺に民間依存の、特に指定職について、全く給与と報酬という本来なら異なったものを無理に比較をしているところから出てくる矛盾が今回の勧告にも出てきていると思うのですが、それらについてどういうふうにお考えになっているか。  それからもう一つは、これもさっき山崎さんが御指摘になりましたけれども、管理監督の地位にある職の期末手当につきまして、まあ人事院総裁は、何も特別調整額の関係じゃないんだ、これは読んで字のごとく管理監督の職にある者について期末手当を二五%の範囲内で底上げをするということなんだと開き直っておっしゃいましたけれども、それはどちらにしろ、むしろそういうふうな手の込んだ操作をしなければならないということは、いままで非常に無理な形で私はやはり民間給与と比較し、これに何とかして合理性を持たせようとする無理が重なってきて、今度の期末手当について、管理監督の職にある者については二五%を限度として底上げをするというような不自然な形をとらざるを得なくなったんではないかということが考えられますし、それから、これについてどう――これでいいんだとお考えになっているのか。やはりこれはおかしいのであって、もっと端的にいえば、民間で、先ほど総裁自身もおっしゃったように、これは上の者は六カ月もらっている、あるいは七カ月もらっている、普通の係員の場合には四カ月だと、これはむしろはっきり何カ月という形でもって示されているわけですね。これはもちろん公務員法そのものにも関連いたしますけれども、むしろそういうもののワクに縛られながら無理無理に合わせようとしているところに非常に無理が来て、特に民間給与に依存しているところに無理があるのではないか。これらについてどうお考えになっているかということ。  第三には、平均給与についても民間と公務員と比較なさっておいでになりますけれども、これも給与局長の答弁の中に、公務員の平均給与は三十九歳という話があったわけですけれども、昨年だと三十八・八歳ですか、一昨年は三十八・五歳、ことしの民間給与の場合には大体三十二歳というように、実際上平均給与を比較はしておりますけれども、これだけ年齢が開いているということは、民間依存ということから出てくる公務員にとっての、ある意味で公務員給与にとっての大きなマイナスの面になって出てきたということも言えると思います。  その他さまざまこれまで論議されたことがあると思いますけれども、特に今回の勧告の中で考えてもそういう矛盾があると思うのでございますけれども、これらを総括すると、いままでの人事院の勧告ないしは公務員の給与体系そのものを民間依存というところから脱却しない限り、どうもそういう矛盾というものはすっきり解決しないんじゃないだろうか。だから、むしろこの際思い切って、公務員法というものによって拘束されている公務員の給与体系というものを、公務員法には先ほど申し上げましたように三つの要素もあるわけでございますから、あるいは公務員法を改正しなくても、人事院そのものがその気になれば私はやはり公務員の給与体系というものをここで抜本的に改正し得るんじゃないかという気がするのでございますけれども、結論的にはその改正に対して総裁がそういう意図をお持ちになっているのかどうか。持っていらっしゃるとすれば、いつごろどういう形でそれがなるのかという点について、まず第一点としてお伺いしたいと思います。
  85. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 基本的な問題点を指摘されたわけでありますが、私は公の立場を離れて申し上げますれば、旧憲法時代から実は内閣の法制局で官吏の給与関係をずっとやってきておりまして、そのころは民間がどうのこうのなんかは超越して、官吏としての体面を保つためにはどうだとか、職務の関係はどうだとかということを考えながら数字を盛りつけるような作業をやっておりました。しかも、それが最近のように年々俸給改定ということがあるわけじゃなしに、たしか私が知っている限りは、大正四年から戦時中まで同じ俸給表が続いて、その間に一回減俸騒ぎがあったくらいのことであったと思います。私はほんとうはそれがまた――懐古趣味ではありませんけれども――正しい姿じゃないかという気持ちを持っているわけであります。しかし、今日の段階におきましては、憲法も変わりまして、公務員も特権的な地位ではない、憲法二十八条にいう勤労者の一人だ、あるいは労働者だというようなことに立場の変化が起こってきましたものですから、それが一つと、それからもう一つ、やはり経済情勢、社会の労働情勢、賃金情勢というようなものの中において公務員の給与をきめなければならぬという一つの環境がずっと続いております。したがいまして、いまおあげになりました給与法なりあるいは公務員法の中にも、情勢適応の原則とか民間給与を考えるとかということが法律そのものにうたわれておるというようなこともその一つのあらわれだと思いますが、現実的の面から申し上げまして、確かに近ごろ民間追随主義というものは批判の的になっておるわけです。私は、去年あたりからそれが各方面で、新聞の社説などにも顕著にあらわれてきたと思います。ただ、その民間追随主義に対する批判の立場というものは、これまた正反対の立場から論ぜられておるように思うわけです。すなわち、組合側の人たちからもそういう要望がございますけれども、民間の給与などに引きずられないで、むしろ公務員としてのあるべき姿を白紙に書いてというようなことは、いまのような低い給与でなしに、もっと高くてしかるべきじゃないかという意味で民間との比較を脱却しようという要望が一つあります。一つは、日経連あたりの経済団体からもやはり民間追随主義の批判が出ておる。これは金額だけを民間に合わせても、公務員の勤務の密度というものがはたして民間並みにいっておるか、むしろ高過ぎるという批判になって出ておるわけです。そういう角度はやはり違っておるということから考えてみますというと、やはり民間追随主義というものがまあ今日ではやはり一番手がたい無難な方法だろうというふうに思います。先ほど申しました法律の趣旨にもそういうことがうたわれておるということで来ておるわけでありますけれども、これはしかし、何から何まで民間にそっくり追随するかどうかという問題が一つあるわけです。最近御承知のように、イギリス、アメリカその他英米系の諸国において特に顕著でありますけれども、この公務員給与の決定に非常にもてあましてしまって、結局民間の給与と比べて処置をする、いわば日本の足取りを見習いながらついてきておるというような点で、私どもは一番の先進国だと言って冗談まじりに自慢しておるのであります。そういう点から申しましても、やはりこの方式というものは無難ではありますけれども、しかし二つの原則は底にある。いまの追随国の間にも二つの原則を立てておる。私どものはからずもやっておる原則とそれは同じことでありますが、全体としては民間企業との均衡、民間匹敵の原則ということが一つありながら、そうしてそれは特殊の事情による部内均衡の原則、いみじくもその辺も一致しておるわけであります。私どもはやはり部内均衡の原則というものを考えながらやっておりますけれども、えてして、あまりにも民間追随主義じゃないかという批判を受けておるわけであります。この点は今後さらにわれわれとしては反省を重ねて、公務員部内に適正な給与の配分をしたいと思っておりますけれども、一応原則はやはり、民間追随主義ということばは悪うございますが、今後は当分これを続けていくべきじゃないかというふうに考えております。  そういう点から、先ほどたまたまお触れになりました一点だけちょっと申し上げておきますけれども、役職員のものについては五百人以上に比べておるというようなことを言われますが、これは民間の同じような仕事をしておる人との比較という点から申し上げますと、役所で廊下のふき掃除をしていらっしゃる人の仕事の責務、責任というものと、民間における廊下のふき掃除をやっておる人とは同じだ。これはいかに小さい企業の人でも同じだ。ところが、部下を何人かかかえてというような、だんだん組織の頂点に立つような人の場合になってきますと、これは百人以下の企業ではそれに当たるような責務と責任を持っておる人はいないのじゃないか。そこで、五百人以上のところをさがせばそういう人がいるということで対応さしておるのじゃないか。基本的にはそういうことであります。そんなことで外との比較関係を相当緊密にやっておりますけれども、部内の配分関係は、外とのバランスをとりながら、やはりわれわれとしては公務員特有の特色というものを考えながらやらなければ、これは生きた給与にはならない。基本的にはそういう気持ちで臨んでおるということだけを御了解しておいていただきたいと思います。
  86. 水口宏三

    ○水口宏三君 いまのお話で私ちょっと疑問に思うのは、民間追随主義という意味は、さっきお話しの、戦前は公務員の給与というものは全然民間とは無関係に一つの体系を持ち、それでずっと持続できたと。これはある意味で戦前の経済が安定してたからいまみたいなベースアップは年じゅうなかったということもあるでしょうけれども、それとは別にして、民間追随主義という意味が、つまり、公務員である、しかもこれは全体の奉仕者である、国民の税金によって俸給をもらっているのだ。したがって民間給与より高いということは原則的におかしいではないかというような意味であるならば、これはぼくはむしろ特定の比較する、つまり民間と公務員賃金とを比較する何らかの方式をきめて、その結果をむしろ比較して、高ければ全体をダウンすればいいのであって、体系として、いま申し上げたように下級公務員から上級、さらに指定職というような形でそれを全部民間と合わせようとするから、特に指定職あたりのところで先ほど申しましたように矛盾が出るんだと思いますけどね。だから、あくまでそういう体系まで民間と何かの形で結びつけて、そして公務員給与の体系というものを民間追随という形でもって今後もおやりになり、その中で私が先ほど御指摘したような矛盾というものを解決していくというお考えなのか。それを一歩出て、総裁がおっしゃった戦後のこういう状況の中で、民間給与より公務員給与のほうが全体に高いというようなことがあるとまずいと、そういう意味でならば、ぼくは比較方式というものを別にきめて、公務員の給与体系を別につくって、民間との比較方式さえしっかりしておいて、そこで常に民間給与とのバランスがとれていくなら、これは私は民間の公務員給与体系というものはここまで何か無理をして、非常に無理をしていると思うんです。さっき申し上げた指定職と会社の重役の報酬なんというものは全然性質が違う、そこら辺のところはどうお考えになってらっしゃるのか。
  87. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) この比較の方式と申しますか、プリンシプルの立て方というのは、それはいろいろあるかと思いますけれども、私どもがいまやっておるやり方も一つの有力な密度の濃いやり方だろうと思うわけなんで、たとえば先ほど年齢の構成が違うというような御指摘もありましたけれども、その辺もわれわれは公務員の場合における年齢構成に合わせまして民間のほうについてそのウエートを入れて、そして格差を出しておるというようなこともございます。それから今度は縦の階層の間での問題になりますというと、やはり公務員部内独自の均衡の原則というのが先ほど申しましたようにありますけれども、しかし、今度は現実に、たとえばわれわれは人材を採用するについては民間と競争的立場にあるということからいえば、初任給もやはり民間の初任給を考えておかぬことには、みな人がとられてしまう。それから今度、入った人をずっと温存して保留しておいてもらいたい、途中から逃げ出したり流れ出してもらっては困るという意味でも、民間の給与というものを見ておかないと、そういう意味の人材防衛の役にも立たないではないか。役員の報酬と申しましても、最近ではサラリーマン役員とかいうことばがありますように、大体俸給的に定型化してきておるということもありますし、とらえるとすればそれをとらえる以外にないというような考え方でありまして、まあ比較の方式としてはそれほどラフな、また不合理な方式ではないという気持ちを持っておるわけであります。
  88. 水口宏三

    ○水口宏三君 その点、あまり突っ込みませんが、私は、ほかの方式ではなしに、むしろ公務員の賃金の算定基礎なんですね。別に公務員給与をつくって、それを比較なさってるというなら別なんですよ。そうじゃなくて、公務員給与をつくる場合の算定基礎にしているところに問題があるんじゃないか。だから、そういう算定基礎をつくっているから、先ほど山崎さんも言われてるようにさまざまな矛盾点が出てきている。それをあくまでそういう、公務員の賃金体系というものをいまのような民間との比較、そういう方式でもって算定をしていくのか。で、総裁のおっしゃったように、公務員賃金の体系がここにあると、民間賃金と比較するのにそういうふうにやっているならこれはまた別だと思いますけれども、賃金そのものの算定基礎に置いてるという形、これは全く民間追随というか、むしろ公務員法で拘束されている公務員の独自性というものは失われているのじゃないか。だから流出にしたって、もしなにだったらある部分は民間より高くなっていて、そこに民間からさらに公務員のほうにどんどん入ってくることもあり得るだろうし、これはむしろ公務員なり現在の行政の必要性から出てくる問題なのであって、ただ全部初任給がこうだ、ここはこうだ、常に民間とそこだけでやっているのでは公務員というものの特質というものが生かされてこないのじゃないかと思うのです。比較の問題ではなくて、算定の基礎にそれを使っているところに問題があると思います。それらの点について、一言だけでけっこうでありますが、現在の形態であくまでやっておいでになるおつもりなのか。そういう意味で、公務員給与の体系というものは独自に今後考えながら、民間給与とのバランスはもちろんとるけれども、少なくとも給与そのものの算定基礎、体系というものは独自につくっていこうとお考えになっているのか、その点だけ簡単にお聞きしたい。
  89. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) まあ一口でいえば、あまりぎりぎりした、末の末まで民間にならっていくという、追随していくということに対する反省をお求めになっていることが含まれておると思うのです。私どもはもちろんいつも前進のかまえを持っておるわけです。そうして現状に対する御批判は常に承って、たいへん小さい問題でありますけれども、官民給与の比較について、等級を対応させるについて、この職とこの職を対応さすのはアンバランスじゃないかというような小さい点にも気を配っておりますし、いま御指摘のような、もっと大きな視野の広い立場からの御指摘というようなものもやっぱり謙虚に承って、そしてさらにあるべき理想的な姿を追求していきたいというその気持ちは十分持っておりますから、今後またお気づきの点がございましたらそのつどお教えをいただきたいと思います。
  90. 水口宏三

    ○水口宏三君 この点につきましては私自身も具体案があるわけではありませんで、大いに勉強いたしまして、次の国会の法案が出ましたときには、給与体系のあり方なりいろいろ御意見も申し上げたいし、伺いたいと思います。  第二の点は、現在の給与体系そのものが、本来これは職務給というのがこれは公務員法なり給与法によって規定されておるけれども、実際の面では生活給的要素が含まれているということは、これはこれまで総裁もしばしば御答弁なさっていらっしゃる。これは体系として私はむしろ生活給的要素が入っているだけでなしに、特に問題になるのは、実施する場合ほとんどむしろ年功序列的に生活給として実施されているのではないかということです。体系そのものの問題であるより、実施面でその面が強く出てきているのではないか。たとえば行(二)、行(一)の課長補佐以下の場合なんか、これはほとんど年功序列的な生活給として運用されているのが実情じゃないかと思うのです。私の知っているのでも、某省の出張所というようなところは、所長が一人、次長が一人、主任が九人いて、係員が一人しかいない。こういうのも、結局はだんだん年功序列的給与体系でやっていて頭打ちさせていく、そういう変な現象が出一くる。そういう意味でも、いま職務給であると、う形でああいう等級別俸給表をつくっておきな-ら、実質的にはほとんど年功序列でやっていく一でそういう矛盾が出てくるような気がいたしましし、むしろ比較的そういう生活給的、年功序列的なものから離れていくというか、多少職務的なのが強くなっている面が、おそらく課長になった場合二等級、あるいは局長にならなければ指定職になれないというような、そういう点で職階制と申しますか、職務給的性質が強いところだろうと思うのですけれども、ところが、そうなってくると結局局長なり課長なりというものはなかなか増加できない。それで、むしろ局長なり課長になれない人たちを引き上げるために、むしろ参事官と、あるいは審議官とか調査官とか、いわゆる職なるものが非常に多くつくられてきている。これ経過的に見ても、三十一年の河野さんの行政管理長官のときの各省一律課長二%切り捨て、このときに非常に職がふえているわけですね。その後一局削減の場合にもふえてきている。いまどうなっているかつまびらかではありませんが、少なくもここ二、三年前までは参事官あるいは審議官、調査官というような職が非常にふえてきている。このことは言いかえれば、結局課長、局長になれない人たちを救うためにそういうものをむしろ無理してつくっているという面もあるのじゃないか。これについてはおそらく、きょう行管長局お帰りなって聞けないのは残念ですが、行管長官が行政管理庁としてそういう職について妥当性を認めてつくったから、人事院のほうはそれに対して当然その俸給を当てはめていくだろうと思うんでけれども、ただ、人事院の側から見て、いまの職問題というものが、多分にそういう給与救済的面に流れているということが考えられるんじゃいかと思うんですが、それらの点について人事総裁の忌憚のない御意見を伺いたいと思いますこれなんかも、言いかえれば職務給であるとはいながら、ある限度へ来た人たちを引き上げるめのむしろ措置としてこういうものが乱用されて  いるきらいがあるのじゃないか。それからもう一  つは、これとは全然逆に、今度はもう行政管理庁  のほうで、職の増加をなるべく押えるとかあるいは課や局の増設を押えていく。そうなってくれば全部行き詰まってしまう。これを打開するためには、それじゃ二等級であった局長を今度一等級にする。一等級からさらに今度は指定職にする。そうすれば、その次に重要な任務を持つ課長は一等級にするとか、そうして全体の組織そのもので行き詰まると、今度はそういう格上げをして、底上げをして給与の面で救済をしていくというような面もあるんじゃないか。これは言いかえると、私はどうも給与の問題とか、組織の問題とか、無原則に何か給与の問題で職をどんどん拡大していけば組織が乱れてくる。組織のほうを押えていけば給与のほうが行き詰まるから給与の面で底上げをして救済をしていく。何か無原則な状態にあるんじゃないか。これらについて、本来なら私はむしろ問題は組織のほうに問題があると思うんです。本来なら行管長官に伺いたいのですけれども、いまおいでにならないわけですけれども、そういう意味で、結局いまの給与体系というものが、職務給であるとはいいながら、結局生活給的な要素があるために逆に組織との関連で組織を乱している。あるいは組織のほうを締めれば、今度は給与のほうがそういう形になってイタチごっこをやっている状況じゃないかと思うんです。それらの点について人事院総裁の考えと、できれば行管のほうの御意見を伺いたい。
  91. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) これも相当基本的な問題に触れての御質疑だと思いますが、いまのおことばにも、あらかじめ御推測の表現がありましたように、よそ行きのことばでいえば、いまの職名、新しい官職の創設というようなことは、これはまさに組織管理の上から来る事柄であって、参事官とかいろんなものができているというようなお話もございましたけれども、おそらく行管長官にお尋ねになれば、それはまたそれで、その人を今度は機動的に使うのにはこういうポストがぜひ必要だというような、皆それぞれ説明はあると思います。したがってその点については、われわれは組織管理上の要請からできておるものと見なければならぬと思いますが、しかしほんとうは、やはり職務給というものと年功序列的な扱い方に対する要求というものはどうしてもからみ合って、いろんなデリケートな錯綜関係を持っているということが現実で、これはむしろ水口委員が現実的な御経験がありますから、これ以上申し上げなくてもわかると思いますけれども、われわれとしても職務、責任という鉄則のもとに立ちながら、長年同じ仕事をやっておられて、だんだん経験、技能を積んでこられた人、これを一体どういうように扱うべきかという問題は、これは給与の面から一つの苦労の種になっておるわけでございます。したがいまして、その辺のからみ合いの問題というのはありますけれども、しかし、先ほどのようによそ行きの議論になれば、それは公務員給与は年功序列型ではないかということを民間のほうからよく批判を受けますけれども、いやそんなことは決してない、民間こそ年功序列かもしれませんが、われわれのほうは、たとえば職務、等級別によって冷酷な壁を設けている。そこまで行けば頭打ちになっているというような形で、これほど職務給的な面から徹した給与制度はないだろうというようなことを言っておりますけれども、大体は職務給的なたてまえになっておりますけれども、現実問題として、先ほど触れましたように、年功序列的な扱いをしなければならない部面というものは当面あるわけです。その点の調和、調整の問題、それは確かにあると思います。まあそこまで申し上げれば、大体おわかりの上でお尋ねをいただいておると思いますから、この程度にとどめたいと思います。
  92. 水口宏三

    ○水口宏三君 おわかりの上で、とおっしゃいますけれども、総裁はあくまでも職務給に近づけるということが、これは法律上そうなんでございますね。それは法律を尊重するという意味で、あるいは現在ではそうおっしゃっておるかもしれないけれども、ただ職務給というものをたてまえにしておる現在の給与体系の中からそういう矛盾が出て、これは逆にそういう矛盾が、いま言った組織と給与との混乱とか、さっきの職の問題なんかでは、これは実際問題として、職ができたために事務処理ができない、かえって繁雑になるとか、単なる名目的な官職だとか、これはあとから、できれば行管のほうから私は伺いたいし、私の持っている資料は四十三年の古い資料なんでございますけれども、一体どういう職がどういう形で置かれておるということを少し具体的に検討すれば、さっき申し上げたように、急にふえたのが大体河野さんのときに二割削減から出ておるのですから、そういう意味の救済手段であり、年功序列的な給与のあれをあくまで維持していこうというもので、もちろんそうでないものもあるかもしれませんよ。職の中でも、ほんとうに必要な形で置かれているものがあるかもしれませんが、それに藉口して、給与の面から出てくる矛盾を職に持っていくことによって組織が乱れてくるのじゃないか、そういうことを感ずるのです。これはあるいは人事院総裁というよりは行管のほうの問題かもわかりませんが、それらについても、職務給というたてまえを前提にする限りはそうであっても、むしろ、それにどうしても問題があるなら、これはあとで第三の点として御質問したいのですが、抜本的に考えるべき時期じゃないかという気がするのですが、その点についてあとでまとめて申し上げますけれども、行管のほうの…-・。
  93. 河合三良

    ○説明員(河合三良君) お答え申し上げます。  ただいまの職の問題でございますが、ただいま人事院総裁からのおことばの中にもございましたように、それぞれ職の設定につきましては、それが必要である理由ははっきり私ども確認をいたしておるわけでございますが、現実の状態は、昭和四十二年までは相当数ふえておりまして、それが四十三年以降この三年間ほどは、従来のいわゆる他に準ずるような官というものは、ほとんどふえておりません。そんな状態でございまして、確かにおことばのように、ある意味では処遇問題が頭打ちになって詰まってしまうというようなことが、現実問題としてはそういう話も私は耳にいたしたことがあるわけでございます。しかしながら、一方、御承知のように、行政組織の増大ということは、これはほっておきますとどうしてもこの方向に参りますので、かなり無理をいたしましても、国民全体の立場から申しますと、行政組織の拡大ということは、不必要なものについては絶対に押えていかなければならぬというふうに思いますので、そういう意味から、この二、三年、かなりきびしく、従来と比較にならぬほど組織増上を押えておるわけでございます。そういう点、結果といたしまして、ただいま御指摘のように、職員の処遇上の問題について影響が出て来得るかと思いますが、これは私どももちろんその点に間接的には留意をいたすべきかと存じますけれども、主として給与制度上の問題ということで、人事院ともども十分御検討いただいて御解決いただきたい問題ではないかというふうに思っております。
  94. 水口宏三

    ○水口宏三君 職の問題につきましては、私手元に古い資料しかございませんので、ひとつ最近の資料をいただきまして、これは具体的に当たればすぐわかることですね。さっき申し上げたように多くの場合に、おそらく、ほんとうに必要なものもあるでしょうけれども、実際事務をとっている係員なりあるいは主任なりというそういう公務員にとっては、かえって事務が煩雑になって、ほとんど意味がない場合もあるし、そうかと思うと、全く名目的な官職もずいぶんあるわけですね。そういうことをもちろん行管としてもお調べになっているかもわかりませんが、私はどうも、現在の給与関係からそういうものが乱されてきておるしいうふうに思いますので、ぜひこれは現在の資料を、できれば何年にどういうふうに置かれてきたかというのを、できれば最近五年なら五年間のあれを資料として出していただきたいと思いますけれども、それはもう具体的に各省に当たってみればすぐわかることだと思うのです。そういう意味で、私はやはりどうも給与の面から組織が乱されてきているのじゃないか。逆にまた行管が、これはもちろんあまりやり過ぎると風当たりが強いので押えると、今度は給与のほうで、いま言った二等級を一等級に格上げする、あるいは一等級を指定職に格上げするという形でもって給与のほうで逃げていく。そういう相関関係もあるので、これは人事院総裁に給与の面からそういうような点についてお考えを願いたいことと、それから、これは基本的な問題なんで、きょうここでもって結論はけっこうでございますけれども、今後の討議にひとつ残しておきたいと思います。
  95. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 結局ここで名答弁を申し上げることにはなりませんけれども、私どもの考えております立場は、先ほど来申し上げたとおりでございまして、やはり職務と責任ということはあくまでも法律上の鉄則になっている。しかし、それはきわめて冷酷な鉄則であるということが言えるわけです。たとえば、昭和二十三年ごろにどっとたくさんの人が採用になった。その人が押すな押すなで上へ上がっていく。そうしてある程度の、先ほど申しましたように、冷酷なるその壁にもうぶつかってしまって、職務が変わらない以上はそれにとどまらざるを得ないという現実があるわけです。そういう面からやはり年功序列的な扱い、たとえば平のままで上の等級に渡らせてもらえないかというような要望がまたほうはいたる要望としてあるわけですね。そことの調和の問題にわれわれは苦労している。しかし、そうかといって-理由もなしに官職をつくってくださいというようなことをわれわれは申し上げる立場にない。そこの接点の問題があるということを申し上げているので、私どもは、またそれは大きな問題として今後なお検討を続けていかなければならないということであります。
  96. 水口宏三

    ○水口宏三君 今度は総理府長官も含めてお伺いしたいのでございますけれども、以上私は、公務員の給与体系につきましては、現状で問題点として指摘したのは、一つは民間依存ということに問題があるのじゃないかということと、それから、いま申し上げたような給与体系から来るさまざまな矛盾と、組織との関係で給与の面から組織を乱すとか、あるいは組織を押えると給与のほうで問題になってくるというようなこと、組織と給与の関係についての問題をお伺いしたわけなんですけれども、それらを総括しますと、現在の私は公務員というもののあり方、それとの関連における公務員給与体系というものをこの際やはり抜本的にひとつ考える必要があるのではないか。現在給与体系からいきますと、行政職俸給表の(二)適用、あるいは(一)適用、(一)の中でも特別調整額をもらう人、もらわない人、あるいはそれからあとは指定職俸給表と、大きく分けて私は大体この四つぐらいに分類されるのではないかという気がいたしますけれども、少なくとも、第一の問題点としては、先ほど山崎さんの御指摘になったように、現在の給与体系かもう十年以上据え置きになっているので、当然これはこの際再検討を必要とすること、どうせ再検討をするならば、私はむしろこそくな再検討ではなしに、やはり抜本的な再検討をすべきじゃないか。言いかえれば、公務員制度のあり方そのものにまでメスを入れて、そうして、人事院総裁の場合は、私は現在の公務員制度というものを前提にし、その上に立って民間給与とのバランスということで非常に御苦心なさっていると思います。その点、よくわかるけれども、私は逆にいえば、公務員制度そのものに問題があるのじゃないか。この点、すっきり解決すれば、公務員の給与そのものもかなりすっきりしたものに変わってくる可能性があるのじゃないか。よく言われます、大体いまの公務員法で拘束している公務員というのは非常に広範囲になっておりますね。よくいわれますように、草刈り公務員とか、あるいは一日国家から給与をもらって仕事をすればそれがやはり公務員法の適用を受ける。要するに、公務員というのは非常に広範囲に公務員法によって縛られているわけなんですけれども、その中で特に問題があると思いますのは、大体公務の種類というものが一体どういうことできめられているのか。よくこれも例に出されますけれども、自動車の運転とかあるいは人事院からお出しになった勧告の印刷なんか、一体運転をする、印刷をするということは、これは公務じゃないと思うのですね。それは内部でやる場合もあるだろうし、外部に発注される場合もあるだろうと思います。自動車にしたがって月ぎめで雇う場合もあるでしょうし、ある場合には局長が外でタクシーを拾う場合もあるかもしれない。それから自動車の運転そのものが公務というのじゃなしに、乗っかった人が公務をやっているから、その運転も公務になっているのだということになるのかもわかりませんけれども、いずれにしても、公務というものの概念が必ずしも明確ではない。さらに公務員の任務の点から考えても、たとえば国民との関係で、私は窓口業務なんというものは非常に重要な公務だと思うのです。とにかく本省の場合だと比較的少ないわけですが、やはり許認可事務とか届け出事務とかでもって直接接触することがある。この場合には、そのことはやはり公務であり、国民にとっては非常に重要な公務であるけれども、それを担当している人は非常に単純作業なんです。きめられたことを次々処理しているだけであって、これはこういう人たちをやはり公務員法で一括して縛り得るのかどうか、そういうことは私はあると思う。それは窓口業務だけでなしに、一般事務の場合でも非常に単純、ことに最近のように非常に単純化されてまいりますと、そうすると、いま言った公務というものをどう考えるのか、公務員というものをどう考えるのかということが、まさに先ほど佐藤総裁のおっしゃったように、私は社会情勢あるいはすべてのこういう経済情勢が変わってくる、こういう中で再検討されなければいけないのじゃないかという気がするわけです。もちろん、これは私は公務員という呼称の幅を狭めろということを要求しているわけではないのです。というのは、公務員という名称がある意味では社会的なメリットがある。これは残すことはいいと思うのですけれども、一律に公務員法で拘束していることに問題があるということを前提にして、これはこれまでも第一次公務員制度審議会ですか、公務員制度審議会で問題になりました労働基本権の問題、これは先ほど申し上げました給与体系の組織の問題、あるいは総定員の削減ということがやはり一律に行なわれて、そのことがむしろ一般行政職にしわ寄せになって、老齢化し、頭打ちなするとか、さらにしいていえば、それは公務員の定年制の問題も出てくるかと思うのですが、これらの問題を含めて、公務員法そのものがいま言ったような無理な形で公務員制度の基本をなしているがために、給与の問題、組織の問題あるいは機能の問題、これらが相互にむしろ助け合って考かをあげていくならいいけれども、お互いにからみ合って、給与の面で組織をチェックする、あるいけ組織の面でもって給与をゆがめている、あるいはそれらが結び合ってかえって機能を低下さしているというような状況があるのではないかと思うので、この際、公務員法そのものの改正まで含めた、やはり公務員制度のあり方というものを、いま申し上げた考え方を前提にして、具体的には公務員制度審議会でやっております労働基本権、去るいは給与体系、組織関係、あるいは定員の削減の問題、これらを含めてそれぞれがいま非常に行き詰まっているわけなんで、この際抜本的に公務員法の改正をも含めた公務員制度の改革をやる考えがあるのかないのかですね、それをまず第一にお伺いしたい。まず、総理府長官に公務員法の関係で。
  97. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) これはたいへん基本的にしてかつ重要でありますが、簡明直截にこうかという表現をしにくい問題でもあると思います。確かに同じ公務員としての、運転の業務に従事する人、公務員を乗せてその日雇い上げられてハンドルを握る人とどういうように違うのかという疑明などはその接点でありましょうし、勤務形態等-おいては永続して変わりないのに、林野庁等における現業職員等において、いまなおその身分問題等において、永年勤続表彰を受けたような者が依然として毎年度末の切りかえ職員であるというような矛盾等も、これはやはり公務員全体の問題として処理しなければならぬと考えて、それらの部分的な現象については私の手元でも精力的に関係各省に調整を呼びかけているところでもあります。しかしながら、もっと広範な公務員全体の問題、いわば国民のためにあるべき国、地方公共団体の、国民のために行なう公務というものは、はたしてどのくらいの人数が日本においては必要とするのかという基本的な問題から出発をしなければならぬと考えます。これについては、現在の公務員の数は日本国民の納税者の何十名に一人の割合で養っているという意見もあれば、しかしながら一方においては、やり方についての批判であるにしても、公務員の何カ年計画による定員削減というものについては、また一方の立場からの批判もある。いろいろの問題を含んでおるわけであります。しかしながら、やはり私たちは長期的に見て、国民のために公務員はいかにあるべきか、そして公務員の数はどれぐらいであるべきかということについては絶えず念頭に置いて、無期限な、無制限な考え方はとってはならない。パーキンソンの法則とよくいわれますが、そういうことで惰性に流れたあり方であってはならないということは私としては考えているわけでありますけれども、いまここで御質問が突然ありましたから、それについて私が公務員制度をこのように抜本的に改正するという準備をいたしておりませんので、即答はいたしかねる次第でございます。
  98. 水口宏三

    ○水口宏三君 時間がありませんので、ちょっと私の質問がまずかったと思いますけれども、最初に申し上げました現在の給与体系からいきますと、行(二)を適用される一つのグループがある、それから行(一)を適用されるグループ、その中でもいま言った特別調整額を支給されるグループ、それから指定職があるわけですね。これらは給与の面からいった一つの区分けかわかりませんけれども、その背後にはやはり機能の大きな違いがあるということを前提にしてこういうグループがつくられているわけですね。ところが、実際の公務員法ではやっぱり一括してすべての制限を加えている。ここら辺にぼくは非常な矛盾があるのじゃないか。だから、こういうものをむしろ一回ばらしてみて、公務というものにもおそらくいろいろな基準があり得るだろうし、また公務で、非常に重要な公務ではあるが従事する人にとっては単純作業、だれでもかわり得る業務があるわけですね。そういうきめのこまかい形でやっぱり一回現在の公務なり公務員というものの実態をよく調べてみて、その上でぼくはやっぱりここらは、無差別に公務員法で一切の労働基本権を禁止する、政治活動を制約すると、さまざまな制約条項がありますね。こういうものとの適用との関連、それからいま言った給与にしたがってそういう非常に異なったものを一括した公務員法で縛るということによって無理をした給与体系をつくらざるを得ないと思う。そういう意味で、そういう公務なり公務員なんという問題について当然これは再検討して、公務員法の改正を含む公務員制度の改革ということは考えられないものかどうかということなんですね。まあ、いま山中長官自分で考えていないということでありますけれども、私としては、どうも臨調の公務員制度改革案の場合も公務員についてのそれらの問題は問題になっていたわけです。それから第一次、第二次公務員制度審議会でも公務員の労働基本権が非常に問題になっているわけですね。現実に問題になっているわけなんです。それらを含めて、いまの給与問題から出てきた矛盾というものできょうは特に伺っているわけなんですけれども、決して問題が出てないわけじゃないんで、それらを解決していく方向として、むしろいま申し上げたような基本的な改革が必要な時期ではないかという気がするんです。それについてもう一回ひとつ。
  99. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) なおやはり大局論だと思うんですが、これは公務員とは何か、そして公務員のあり方、そして公務員の数、あるいは執務の限界、あるいは場合によっては公災の出勤途上の問題等も含めたいろんな問題等が起こるでありましょうし、いまの単純作業等の問題も、たとえば非常に高度の、ミスを許されない、精密さを要求される航空管制官等、今回人事院勧告でも少し配慮をまたさらにしょうと言っているようでありますが、かといって、その職場は公務員にとってやがては本省の部長、課長というような励みのある職場であるかというとそこらには問題がある。しかも、反射神経的なものでやらなければなりませんから、二十五歳くらいまででだんだん下降線を描いて、三十歳では心身とも消耗し尽くす。そういう職場等に対するあり方等は、やはり現時点では問題があると私は思います。したがって、閣議で運輸大臣にこれらの点については運輸省の人事管理行政として配慮してもらいたい、こういうことも述べておきましたし、また、きょうは行政管理の担当大臣は来ておられませんが、局長に対して言うつもりじゃありませんが、そういう定員削減の方針がかりに前提としてあったにしても、七月一日から出発した環境庁を八月にはやっぱりばっさりと人員整理をかけてみたり、いまの管制官をふやさなければならぬことは行管長官も特ワクとして考えると言いながら、整理はかけていったり、ここらのところ等は、公務員全体を担当する私としては、人事院、行政管理庁においては緩急、軽重、いろいろと苦心し、傾斜をつけているようでありますから、それはよろしいとしても、明らかにそういう点で、そんなことまで形式上しなくてもと思うような点もまだ現在の管理体制の上からもあるようです。したがって、国家公務員法というものを、それを全面的に洗い直すということでなくても、問題点があるとするならば、やはりこれは国民のために、そして国民のためにある公務員諸君のために、あるべき最も正しい姿というものが発見できた場合に、その改定等において部分的にであっても手直しをすることについては、これは勇断を持ってやらなければならないことはやるべきであると思っておるわけでありすす。
  100. 水口宏三

    ○水口宏三君 それじゃ時間がありませんのでれでやめます。  さっき行管のほうにお願いした資料をぜひ出していただきたいことと、本来ならば、いまの問題について行管のほうと人事院の御意見を伺いかったんですが、いれず次の機会に十分ひとつ討議したいと思います。
  101. 沢田実

    ○沢田実君 総務長官お出かけのようですので、最初の一つは早期支払いの件ですが、先ほど質問に対して、総務長官にお伺いになったときに、何とかしたいと思って努力した、だけれども現在の法律のワク内では非常にむずかしい状態だ、それで、今年度においては一番早い国会で何とかきめたいという考えを持っているというお話がございましたが、それはよくわかります。現行の法律内ではもうそれがぎりぎりだと思いますけれども、所要の法律の改正をしてでも早期支払いをするというお考えがあるかないかということですが、これは申し上げるまでもなく、せっかく勧告し、閣議決定をしても、実際公務員に渡るのは十二月末とかなんとかになってしまうんですが、ことしは臨時国会が考えられておりますが、なければおそくなってしまうということですので、そういうことを毎年続けていくということも非常に--せっかく勧告を早くし完全実施をしても、実際に支払われるのはおそくなってしまいますので、これは何らかの方法を講じて、所要の法律の改正をしてでも早期支払いをすべきだと思っておりますが、長官はどうお考えですか。この一点です。  それからもう一つは、人事院のワク外の給与の問題がいろいろございますけれども、その中で守部省の教育手当とか、通信教育手当とか、それから総理府に関係した寒冷地手当とか、それから大蔵省に関係した旅費、それから退職手当等々について、人事院のワクの中に入れてそういうものを検討する方向にしたほうがいいんじゃないかという考えを持ちますけれども、長官としてはそういうお考えをお持ちになっているかどうか、その二点をお伺いしたいと思います。
  102. 山中貞則

    ○国務大臣(山中貞則君) 早期支払いの件は、人事院勧告が出ました内容は完全実施をするとすれば、ことしならば五月から、公務員はなるべく早く、できれば五月と同時にもらわなければならない金としてきまるわけです。これは御承知のとおりですが、しかし一方において、法律の根拠を経ないで支出をするということがいかに困難であるかは、ことしの予算編成の際にも、たとえば、五%以下ということはない、したがって五%は当初予算にも計上しておこうと言ってきて、既計上額分だけでも勧告があったら直ちに出せるような手段はとれないか、それは内払いということで。原則的には過不足があったらあとで調整するという表現にしてもいいんですが、いまは五%なら可ということはあれですが、そういう手段はとれないかというところまでやってみたんですが、やはり困難だということでございました。したがって、私どもがいまなし得ることは、なるべく早く法律を国会に提出をして、それを法にする。したがって、支出の根拠を与えて、すみやかに一カ月でも早くお手元に届けるということが私の義務であろうと考えておるわけであります。今後もしかし、それをどのようなふうにして法律を改正すればいいかは、これは勧告の内容がどう出るかがわからない。たとえば日本がこれからデフレに突入する時期にあるいはきのうあたりのことで起こるかもしれません。そうすると、物価やあるいは民間給与や、そういうものがダウンする方向に転ずる場合、これは恩給等も含めて人事院勧告がどのようになるかについては、遠い未来については、毎年確実に上がっていくんだということすら長期的にいうと言えないということも考えますと、これは非常にむずかしい問題であると私も考えております。しかし、なるべく早目に受け取るべきものをお渡しして差し上げることは私の責任だと考えて努力をいたします。  それから、ただいま例をおあげになりましたもののうち、文部省の定通手当もしくは産振等による手当、こういうものが勧告の対象になっておりませんから、議員立法であるせいもあるいはあったのかもしれませんが、私のほうから文部大臣のほうへは、人事院勧告の対象になっていないので、昨年勧告があったときに、この定通手当の関係で、予算のときに大蔵省とやった、私も中に入ってバランスをとったことがあります。今度はことに教特法等の四%の問題等もさらにからんでまいりましたから、文部大臣において手落ちのないように早期に1手当てをしてもらいたい、措置してもらいたい、やがて将来はこれはやはり人事院勧告の対象にされてしかるべきものと自分は思うので、これをひとつ文部大臣のほうでよく検討されて、人事院のほうとご相談相なりたいということを公式に申し上げてございます。さらに、寒冷地手当等については、これを人事院のほうで金額の勧告をいたしてくれますので、それを受けて織り込むということでありまして、まあ毎年これを勧告はしてないというような点が若干違うかと思いますが、これを人事院のほうでもやっていてもらっておることであります。旅費については、これを毎年変えなければならないというほど旅費、宿泊費というものがこれからも激しい変化を遂げるかどうかについてまだ問題がありますから、これをやはり毎年勧告の中に入れてやらなければならないかどうかは、これは判断を要するところで、いまの方式でも、先ほど大蔵省のほうから答弁があったのを聞いておりましたが、いままで四年に一ぺんとか何年に一ぺんとかやっていたけれども、二年とか、それにこだわらないような、必要な場合には検討してみるつもりだと、こう言っておりますから、そこらのところで、現実とひどく合わないような旅費というものについて考えなければならない点は、政府の中で、部内で相談できることではないかと思います。まあ退職手当等については、これは人事局において、国家公務員全体の立場を考えながらやっているわけでありますが、これとてもやはり人事局としては手足を持ちませんから、人事院のほうにその調査をお願いしているわけですね。そうすると人事院は待ってくれと、いまもう給与勧告のほうで忙しくて、それどころじゃないというので、これから、今度はほっと一息ついたら、総理府恩給局の頼みだから、じゃあ調べてやるかという態度で調べてくださるわけであります。だから、そこまできますと、この退職手当等も、人事院の給与勧告の中で勧告の対象に入れてもらってもいいような気も現実の実務ではいたしますが、これとてもしかし毎年勧告しなければならないものであるか等も問題がありましょうし、また一方においては退職金に対する課税の問題等、人事院を離れた政府全体の問題として、たえずこの退職金といわゆる課税との問題、こういうもの等も考えておかなければならぬ点がありますから、これらの点はどっちがいい悪いということではなくて、ボーダーライン的なものであるというふうに考えているわけでありますが、決して人事院に譲ると、かってに勧告してくるから困るというような姿勢はとっておりませんし、そういう考えもないということであります。
  103. 沢田実

    ○沢田実君 それでは人事院総裁にお伺いをいたしますが、内閣委員会は初めてでございますので、やや初歩的な質問になりまして、御迷惑をかける点があるかもしれませんが、その点はひとつよろしくお願いをしたいと思います。  まず最初にお尋ねをいたしたいのは、人事院が発足してから、いわゆる二十数年になっているのだろうと思いますが、その間にずっとわれわれしろうとの目から見てまいりますと、民間給与を検討をなさって、それに何とか追いつこうということ、政府としてはそれを何とか完全実施しようということ、それだけで二十何年か過ごしてきたような感じを受けるわけでございます。それで、いまいろいろ議論をお聞きしておりましても、将来についても、また、勧告の中に三十年後の手当のことも出ているようでございますので、いまと同じような方法で今後三十年いく方針でいらっしゃるとは思っておりませんけれども、私は公務員給与のあるべき姿といいますか、一つのビジョン一いうものを人事院としてお持ちになっていらしゃるのではないか、それに向かって、やつぱり社会情勢の変化に応じてそういう方向に何とか近づいていくという、こういう御努力があるべきはないかと私は感じておるわけでありますが、いわゆる公務員給与の水準のあるべき姿、あるいは給与体系のあるべき姿等について、お考えにないらっしゃるなら、この際御説明をいただきい、こう思います。
  104. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 先ほどちょっと触れまたげれども、正直に申しますというと、いまの一間追随主義などという制約から完全に離れまて、公務員そのもののすばり、公務員の給与としてはいかにあるべきかという点から、白紙に理的な図を書いてみたい。昔は、先ほど触れましたようにそれでやっていたわけですが、という気持はいたします。そうなれば、それこそ思う存分にビジョンを発揮できると思いますけれども、遺憾ながら現在においてはとてもそこまで行っておりません。一般的に民間の賃金水準と申しますか、これも私としてはまだ生活給の域を脱していないのではないかというような面もございます。これが、もっと水準が一般にずっと高くなりまして、そうして納税者の苦労もなくなるというようない時代であれば、私は素朴な立場に返って、それこそ出発点に戻って見られると思いますけれども、そういうところまで今日は周囲の情勢が熟しておりませんために、公務員もやはり一人の勤者であり、労働者であるというような立場から、どうしてもこれは特権的に考えるわけにいかなという立場から、やはり民間を十分に見ながら処置することがまた今日としては一番手がたい方だと、これはまだまだ給与のあり方について、一や高過ぎるという批判もありますし、失神する蔵大臣もおりますし、片や公務員側、組合側としては、こんな賃上げではきわめて不満であるというような、こういうようなことで、そういう荒の中でわれわれは作業をしているわけでありす。決して安易な態度で民間にたよっているわけではありませんけれども、やはりきわめて精密な民間給与を算定した上で、これだけはぜひ保障していただきたいという立場が一番手がたい方法であろう、そのことは、現実はまさにそう申し上げざるを得ない。したがいまして、当面そういう飛躍的なビジョンを発揮して給与の体系を考え直す、こういうことにはまいっておりません。ことに毎年毎年このように給与勧告で給与法の改正はそのつどお願いしているというようなことで、まだまだ安定した状況にはなっておらないのが現状であろうと、こう思うわけです。しかしそうかと言って、決して、われわれは今日において、たとえば勧告を申し上げたこの勧告はきわめてずさんなものであるかどうかと問われれば、決してそうではない。今日の事態に対処する給与のあり方としては、これでけっこうでございます、適切なものでありますとこれは言わなければならない、また言う自信を持っております。  ただし、おことばの端々にも出てくると思いますけれども、とにかく積み重ね積み重ね、毎年勧告をやっておりますために、いろいろ手当のことがきわめて多かったり、特何等級が入ったり、これは形においてはかっこうはよくありません。そういう意味では、またこれをもう少しきれいにしたら、ということもありましょうけれども、実質においては、私は現状から見てこれが決して不都合な給与体系ではないとまあ思っております。  しかし、先ほど述べましたような気持ちを持ちながら、またいまお触れになりましたような一種のビジョンを持ちながら、われわれとしてはできる限りの周囲の条件のもとで努力をしてまいりたいと、きわめて率直な話になりますけれども、そういう考え方でおります。
  105. 沢田実

    ○沢田実君 現実の問題として、総裁がおっしゃるようなことはわからないわけじゃありませんけれども、いろいろな意見があるので--現在いわゆる民間の給与のところまで何とかやっていこうという、それが一番無難で、またそれ以外にやむを得ないんだというお気持ちはわかります。それはわかりますが、現在の給与水準なら給与水準を民間にいつまでも追随さえしていけばいいんだというものではないと思うのですよ。ですから、いまの考えですと、民間の給与水準というものはイコール公務員の給与水準だということになっているわけです。それでずっとおやりになるのか、あるいは日本の経済状態、あるいはいろいろな国民生活の変化に伴って、やっぱり公務員についてもいろいろ別な基準といいますか給与水準の考え方も私はあるのじゃないか、おそらく人事院ではいろいろお考えになっていらっしゃるのじゃなかろうかと思うわけですが、民間の給与水準だけを公務員の給与水準として将来もいくというお考え以外にいろいろなお考えが私はあるのじゃないか。そのお考えがあれば承りたいということなんです。  ということは、たとえば他の国ではどういうような給与水準をとっているかということもありましょうし、また標準生活費との比較をしてどのくらいアップしたものがいいかということもあるでしょうし、あるいはまた、国の予算の総額に対してどのくらいの率を占めるとかという一つの比較もあるでしょうし、GNPに対する比較もあるでしょうし、いろいろなものがあると思いますけれども、人事院としては実は公務員の給与水準はこういうふうにしていきたいという何かがあれば、それを五年計画なり十年計画なりで別次元にそこに向かっていくということであれば、私は、勧告についてもその方向を示しておる段階なんだということで、もう少しすっきりするのじゃないか。  ところが、毎年毎年、ことしはこういう問題について特に民間を調べたら、この辺がゆがんでいるからこれを直した、ことしはこれだというふうにおやりになっているので、一つの方向というものがはっきりしないので、われわれにもいろいろな疑問が出てくるわけです。そういうわけで、一つの何といいますか目標といいますか、給与水準についてのお考えがあればと、こういうことなんですが、その点、いかがでしょう。
  106. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) ただいまのお話に、他の国というようなおことばがちょっとございましたけれども、まあたしかフランスでありましたか、ある国では物価か何かにスライドさせて、物価を基準にしているというようなところもあると思いますけれども、大体は私どものやっております民間基準ということにやはり諸国はむしろついて、ならってきつつある。ことにイギリス、アメリカにおいては、それが非常に顕著だということを思いますと、やっぱり、たとえばイギリスの場合ならホイットレー協議会か何かで労使が話し合うということになっています。その話の手がかりとして一体、結局何を求めるかといえば、民間水準がこうだからというのが一番手っ取り早い手がかりになるというようなことから、おそらく民間給与の調査ということを非常に力を入れ始めて、やはり民間追随の形をとってきつつあるというような点から申しますというと、民間追随方式というそのものは別にそう度はずれたものではない。むしろ先ほど冗談まじりに申しましたけれども、そういう点ではわれわれが世界の一番の先進国であるとさえ思っていると申し上げているのです。ですから、民間追随主義そのものは別に間違っておると言うわけにはいきませんけれども、しかしその追随のあり方にもいろいろ幅があるのじゃないかという、たとえばきわめて卑近なことを言うならば、現在百人以上の企業規模で比べているじゃないか、国ほど大きな企業体というものはないのだから、日本のトップ企業と比べたらどうかというような、たとえばそういうような意味の批判があります。また幅の問題としても、とらえた格差をそのまま忠実に考えないでいいじゃないか。あるいは配分の問題に、それほど民間にこだわらぬでもいいじゃないか、そういう問題がたしかにあります。私どもとしてはいまの百人以上でとっておりますのは、これはやはり日本の全私企業の従業員のこれはちょうど半分以上を占める従業員をとらえ得る数字です。したがって、日本の全従業員の半分以上の給与水準に合わせた。ぜひまあそこまでは少なくともこちらをひとつ追いつかしていただきたいというようなことでいけば、これはに税大衆も納得していただけるだろうという数山で、この百人という線を引いているのであります。  よけいなことを申し上げますけれども、給与勧告ということを控えますというと、ずいぶん役人――公務員の組合の方々からたくさんの賃上げの要求の手紙なり電報なりをいただきますけれども、その一方においては、やはりいわゆる自前の企業のだんなさま、中小企業のだんなさま、あるk中小企業に雇われている組織されていない労働一の人たち、これらの人からまた痛烈な賃上げ反一のお手紙をいただいております。むしろそういう人たちの手紙のほうが私は心を打つようなものが、まあ切々と書かれておるというものがございますけれども、やはり納税大衆、国民大衆の感覚というものを考えながら、これはやらなければいけないなという気持ちを常に抱かせられているわけであります。したがいまして、私どもほんとうは公務員のためを思いますというと、先ほど触れましたように、日本の一流企業に比べていきたい、あるいはむしろそれを超越して公務員のあるべき給与というものをきめたいという気持ちはありますけれども、当面の環境のもとにおいてはとてもそこまで踏み切る勇気はないということで、何ごとにつけ民間民間と申し上げるのは、そういう点にも一つの根拠があるということを申し上げておきたいと思います。  しかし、先ほど触れたと思いますけれども、部内の均衡の原則というものがあります。これは諸外国においてもわがほうのまねをしてそういうことをやっております。したがって、とことんまで民間に盲従すべきものでもないということのけじめを持ちながら、この給与体系をつくり上げていくという、そこにわれわれの苦心があるわけです。その点についての御批判はまたそのつど伺って、なるほどと思う点があれば反省をさしていだきたい。ただ、基本的な立場はそういう点だというところは御了解願いたい。
  107. 沢田実

    ○沢田実君 何べんも言うことですが、現状はわかります。いまおっしゃいましたように、日本の一流の企業を目標にしたいという、そういうお気持ちがあれば、たとえばそれを五年後の目標にしたいとかなんとかということで前進をするという一つの方法も私はあるのじゃないかと思っているけれども、これ以外に方法がないのだというお考えのようにしか受け取れません。ですから、そういうものをせっかくお持ちならば、年次計画を持たれてその方向に進むことが私はいいのじゃないか。ということは、たとえば防衛についても、国の力に応じた防衛ということで、第三次、第四次防衛計画ということで、これは相当膨大のものを発表しているわけです。ですから、国の防衛のために使う費用なんというのは、国の力がこれだけ大きくなったからこうするのだぞというふうに政府は言っていながら、公務員給与については何とか民間のところについていきたいという、それだけで今後五年、十年、さっきお話があった三十年終始するとすれば、これは実に国家公務員ほど将来に希望のないものはないのじゃないかというふうにすら思える給与水準じゃないか、私はこんなふうに思いますので、そういうことをお聞きしているわけです。  きょう総裁がこういうビジョンを持っているのだということをはっきり言明できないとすればそれでけっこうでございますが、いまお話がございましたように、そういうひとつの目標を持っていきたいというお気持ちはあるようでございますけれども、またひとつせっかく検討なさって、給与水準をもっと高くする方向に御努力をいただきたいと思います。  それから、いま諸外国のお話がちょっと出ましたが、人事院月報でせっかく研究なさった皆さまの記録等をいろいろ見てみますと、アメリカのやり方が日本に似ているのか、日本が向こうのまねしたのかわかりませんが、総裁のお話ですと、アメリカがこちらのまねをしているようでございますけれども、たとえばフランスならフランスの状況なんかをちょっと見てみますと、「俸給は、」官職にふさわしい「社会的地位と家庭における地位をあわせ考慮して、それ相応の生活を許容するものでなくてはならない」、あるいは「官吏の俸給は、」「官吏に対してその官職にふさわしい社会的地位を占める生活水準を確保せしめる目的をもって支給」されるというようなことがフランスあたりでは一つの目標になっているらしいのですが、日本の公務員給与については総裁はどういうふうにお考えですか。
  108. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) それは、先ほども触れました給与法のたてまえとしては、職務と責任ということを大きな柱として打ち出しておりますし、それからまた給与法の条文の中には、生計費だとかあるいは物価ということも一つのファクターとして取り入れられております。したがいましてその点は、いまフランスの例をお出しになりましたけれども、私は矛盾はしてないと、大体基本的には一致しているというふうに思います。ただし私どもとしては、これはよけいなことでありますけれども、先ほどあげられた条文の中に、これはどなたかおあげになりました1水口さんですか、おあげになった条文の中に、生計費だとかあるいは物価ということがありますけれども、これらは私どものような、ただいまやっておりますようなきわめて精密な民間給与の調査をしておりますと、すでにもう民間給与の中に生計費あるいは物価の要素は織り込まれている。したがって、特段に取り立てて物価なり生計費というものをわれわれは給与の構成の中には入れておりません。ただ生計費については、別途標準生計費というものをわれわれのほうで算定いたしまして、これは俸給表が適正であるかどうかを見る一つのものさしとして使っております。たとえば二人家族、三人家族の場合、標準生計費と照らし合わせてみてこれはちょっと無理じゃないかという意味で、給与の盛りつけに使っております。要するに、民間給与を克明に調べれば物価、生計費の要素は織り込まれておるというような立場で、民間給与そのものをきわめて重く見て、対比をしてきておる。よけいなことをつけ加えて申しましたが、そういうことをやっておるわけであります。
  109. 沢田実

    ○沢田実君 いまお話しのように、フランスの考えや何かと同じような考えを持っているのだということであれば、これは民間の水準に追随すればそれで足るということにならないわけですよ。ということは、終戦後ずっと主張されておりました最低賃金といいますか、生活を保障する。憲法で保障された健康で文化的な生活を営むための最低賃金ということが議論されながら、それさえまだはっきりしない。ですから、その最低賃金を満たした上に、しかも公務員として私は体面を保つだけのものでなくちゃならない、こういうふうに思います。それから何といいますか、その役職に対しての対応するものでなくちゃならないものとも思います。そういうふうに考えますと、民間給与水準に何とかいくというだけで一IIそれならそれで完全に標準生計費を上回るかということになりますと、実際問題、対応してもいまお話しのように下回っているところもたくさんあります、表で見てみますと。ですから、標準生計費さえも下回るような状態、給与水準。だから民間給与水準に何とか追いつこうというだけでは、私はこれはもうほんとうにおっしゃったような法の目的にかなった給与水準ではないと思うのですよ。その辺にやっぱりもう少し、ここまでは行くべきだという一つの目標がなくちゃ、ただ民間にさえ追随すれば、国民世論がそういうことで納得するからそれ以外にないのだということでは、私は七百名に余る人事院の陣容を擁して調査しなくても、現在のコンピューター時代で、調査はそんなにいなくてもできると思います。いろんな研究をなさって、やっぱり一つのビジョンをつくり、将来それに持っていくための努力をなさるために私はそれだけの陣容を擁しておやりになっていると思いますので、そういう研究のことがあれば発表していただきたい、こう思うわけです。
  110. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 民間を基準にすることはともあれ、ビジョンもなしに民間に盲従する形になってはいけない、これは重大なる御教訓だと囲います。私どももそういう努力をしておりますし、そういうことをなお今後も十分意を体して処置置を、われわれの仕事に臨んでまいりたいといふうに思います。
  111. 沢田実

    ○沢田実君 それで、民間給与のことで先ほどよいろいろお話がございましたが、局長さんにお昂ねをしたいのですが、参考資料をいただいております。民間給与の実態を調査なさった表がここにございますけれども、これを実際に今度勧告されている給与法にどういうふうに当てはめてみたのだか、さっぱりわれわれにわかりません。ですから、具体的にたとえば本省の係長なら係長に相当する、東京なら東京に住んでいる同じような仕事をやっていらっしゃるような人を集めてやるのだというお話までは抽象的にはお聞きしておりますが、それがどういう作業を経てここに出ているような金額になっているのか、この金額はたまた言行政職俸給表(二)のどこを見ろというようなことをあるいは何等級などもちょこちょこ書いてありますけれども、それをこっちの勧告の表へ当てはめて、こういうわけだからこういう勧告の金額になるのだというつながりが、私ども見てわかりませんが、おそらくそれについていろいろな資料が出て、こういうふうになっているのだろうと思いますが、その経過についてもう少し御説明していただけませんか。
  112. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 先般お出しいたしました給与報告の中に、非常に簡単に書いてございますのであるいはたいへんわかりにくいようなことになっているのじゃないかと思うのでございますが、私どもといたしましては、先ほども少し申し上げましたように、公務員給与と民間の給与を比較いたしまして、その格差を埋めるというとを主眼といたしております。その場合に、それははどういうふうにして比較をするかという問題になるわけでございますけれども、それは結局、賃金というものはそもそも何で決定されておるかということがまず問題になります。つまり、賃金が決定されております条件に従いまして比較をするということでないと正確な比較にはならないわけでございます。そういう点で考えますと、現在の日本における賃金の決定方法というものは、いろいろな統計からわかるわけでございますけれども、やはり職務の種類、職務の段階、それに学歴、年齢と申しますか、経験年数と申してもいいわけですが、それに地域的な要因、あるいは民間では男女差というものも相当ございますけれども、そういう日本賃金が決定されておる要因というものを、強い要因というものを持ってまいりまして、それによってその条件を同じようにして比較をするということが先決でございます。そういう点で、給与報告の中に、「官民給与の比較」のところに、「職務の種類別に、責任の度合、学歴、年齢等の条件が同等と認められる者について、」比較をするということを書いておるわけでございますけれども、その場合に、たとえば公務員のある一人がおりまして、その一人の職員は本省の係長である、学歴大学卒であって、そして年齢が三十五歳であるという条件を、東京でございますけれども、そういう条件を持っておりましたそういう職員につきまして、全く同じ条件を持った民間の職員はどれだけの給与をもらっておるだろうかという点を民間に行きまして調べてまいるということで、こちらの給与が七万円でございまして、向こうの給与の平均が、何人か調べてくるわけでございますけれども、向こうの給与の平均が七万五千円であれば、その間に五千円の開きがございますから、それを埋めさせていただくというたてまえでございます。そういう点で公務員給与のほうも調べます。公務員給与は一月十五日現在で調べまして、四月一日現在で調べまして、四月一日現在でどういう給与になっているかという点をまずきめます。そしてこれこれの条件の人は幾らであるかという公務員給与の実態を調べまして、一応そういう結果を得る。片や民間のほうには、同じ資格を持っている人がどういう条件給与をもらっているかということを調べまして比較をするということでございます。したがいまして比較そのものは、職務の種類が一つ、職務の段階が一つ、それから学歴、年齢、地域という五つの条件で比較をするということでございます。で、そういう五つの条件を、五つの条件を持っている公務員と同じ条件のものを調べてくるということでございまして、したがって一つ一つの条件につきましてすべて調査をしておるわけでございますが、そういう調査、実際は非常にたいへんな資料でございます。したがいましてそれから比較をするという形になっておりますけれども、それを全部膨大な資料をお見せするわけにはなかなかまいりませんので、資料といたしましてはそれを非常に集約した形でお見ぜをしておるわけでございます。その結果としまして比較を、先ほど申しました五つの条件をもって公務員の一人一人について比較をした結果が八・一九%という形になっておるわけでございまして、これと、いわゆる四月に追い払いをいたしますけれども、まだきまっていなかったといういわゆる積み残し事業所の改定関係三・五五%を加えまして八千五百七十八円というふうにして、個々の職員の官民格差の平均を八千五百七十八円という形で算定をするということでやっておるわけでございます。
  113. 沢田実

    ○沢田実君 そこの御説明はよくわかるのですけれども、そういうふうにたとえば係長なら係長と同等のような人を何名ぐらい集めて平均してかということは、この参考資料にはページ二一からずっと載っておりますけれども、これはいまおっしゃったのと、これとどういう関係になるのか。この表と今度はこちらの給与表とのつながりはどうなるのか、そこら辺のところを御説明いただきたい。
  114. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) そこに表でごらんに入れておりますのは、たとえば事務技術関係職種というのがございます。事務技術関係職種は、公務員の場合には、行政職eに対応する職種でございますけれども、そういう職種につきまして、まずそういう職務の種類、その次は、職務の段階といたしまして、課長とか事務主任とかいうことで、職務の段階別に調べております。さらにそれを学歴別に調査いたしておりますという形でございます。で、さらにこの下を分けまして学歴別、年齢別とそれから地域別という形でさらにこれを詳しく分けておるわけでございます。で、これをこの学歴別までは出しておりますけれども、その学歴別からさらに年齢別、地域別という形に分けますと非常に資料が膨大になりまして、ごらんいただくのに非常に不便でございますので、その地域別、学歴別、年齢別はございますけれども、ここでは集約して、平均化してごらんに入れておりますけれども、実際の比較はさらに年齢別に分け、そして地域別に分けますので、それぞれの年齢について何人いるかというのは別の資料になっております。で、それぞれの年齢が何人、そうして地域、東京なら東京の地域において、ある、三十歳という年齢は何人というのがございまして、その平均の給与が幾らかというのがまた別の資料がございまして、非常に膨大な資料でございますので、それと同じ関係の公務員の資料をつき合わせるということで全部総合計をしているというやり方をやっておるわけであります。
  115. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、支店長が千十七名おって、年齢はよろしいけれども、平均は十七万六千五百五十六円になっておりますというこの数字は、こっちの行職俸給表(一)のどこに該当するのですか。
  116. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 一番最初には全規模というのがございまして、いろいろな五百人以上と五百人以下の規模を全部合わせました平均が、「その1 全規模」という形になっております。その次に、ずっとあけていただきますと、各職種が出ますけれども、この職種のあとで、二九ページからは五百人以上、事務技術関係職種でございますけれども、二九ページからはこれを分けまして、大きな規模の事務技術関係職種、それから三三。ページからは、五百人未満の比較的中小規模にける事務技術関係職種という形に分かれております。これを五百人以上におけるたとえば部一と、小さい会社における部長と同じ職務と責任いう形にというふうに見るわけにいきませんし、実際の給与も非常に違うので、一段階も違いまので、それぞれの格づけの仕方を、比較の仕方を、右にございますように、たとえば事務・技関係職種の部長、支店長、工場長、事務部長、一術部長等につきましては、右にございますよう行政職(一)の一等級に対応させるという形にして、たとえば二九ページにはそういうふうにございます。それから三三ページの場合には、事務・技関係職種の支店長、工場長、小さい会社部長は一段階下げまして、行政職(一)の二等級に対応させるという形でございます。で、大きな会社の一長級は行政職eの二等級、小さな会社部長級行政職eの二等級というふうにして、比較対応関係をここで対応等級という形でごらんに入れおるわけでございますが、それを学歴別に表示してございますけれども、またその一等級におけ学歴別、年齢別、地域別という給与をそれぞれこまかくここに書きまして、さらに民間における学歴別、年齢別、地域別という表をまた左のほう書きまして、お互いにつき合わせるということここでさらにやるわけでございます。
  117. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、行(一)の一等級といおっしゃいましたけれども、十七万六千九百六二円というのは行(一)一等級の平均ということですか。
  118. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) これは、ここに表示してございますのは、十七万七千四百六十五円というのは、支店長を、各学歴全部いろいろございますけれども、それを民間で調査した人員は九百八五人でございまして、その九百八十五人の民間単純平均の年齢が四十七・三歳、給与、月給の平均が十七万七千四百六十五円という形、民間のほうの平均でございます。
  119. 沢田実

    ○沢田実君 給与表とどうして照合するのか、どこに該当するのですか。
  120. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) そういう形で一応一等級の関係と民間の学歴別、年齢別の関係を比較をしてみますと、各学歴別、年齢別にここに幾ら違うかという点が出てまいります、個人個人について出てまいります。それを、たとえば一等級について平均的に何%違うというような形で出てまいります。したがいましてそれを、一等級については何%違い、二等級については何%違うという形で出てまいりますので、全体合計としても出てまいりますけれども、一等級、二等級の格差の傾向がございますから、それを一々こまかく、個人個人につきましては格差がございますけれども、その格差を個人個人について全部埋めるといいますと、個人によって非常にばらばらになるものですから、実際の俸給表の作成につきましては、一等級について大体何%違うので、それを結局これを配分――公務員の中の一一%強の金額の八千五百七十八円の金額の中における配分、その配分のしかたは、一等級の格差、二等級の格差が何%あり、三等級の格差が何%あるという格差の傾向によりまして、しかも全体の原資と申しますか、それは八千五百七十八円をもって配分するということで、俸給表といま申しました格差の関係を、いま官民の比較の関係を俸給表にすぐ結びつけるということは、これはできないわけでございます。
  121. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、一人一人のことを大体標準をとって突き合わせます、そして集計しますと、こういうふうになります。平均すると大体こうなりますよ。その平均したのを要するに八千何ぼ上げて俸給表をつくった。このつくったこれとこういうわけでこうつり合うんだという見方があるわけでしょう。それを教えてください。これとのつながりが私にはわからない。
  122. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、こまかい調査は個人個人によってやりまして、そのそれぞれの格差を平均いたしますと八千五百七十八円、全体平均すればそれだけ引き上げることが必要であるということがまずございます。で、その範囲内で職員に配分をするということがまず一つあるわけでございます。同時に、その配分のしかたをどうやるかという点の問題になるわけでございますけれども、それは一等級から八等級までの格差の傾向がまずございます。その……
  123. 沢田実

    ○沢田実君 局長さんね、この参考資料をもらいましたけれども、この参考資料とこれとのつながりさえ教えてもらえばいい。それがこれだけではわからなければ、これに至る経過について、こういうふうにしていくんだということを教えていただけばいいんです。だから、私はいま一応抽象的な御説明は伺いましたけれども、せっかく資料として出ているわけですよ。出ていて、しかも支店長は支店長、五十人以上の支店長、一番上の例をとりますと、平均が、時間外手当を抜いて十七万六千九百六十二円と出ているわけですよ。これに相当するものに公務員のほうもこうなっているんですという突き合うところがあるわけでしょう。それが対応した等級にすれば行(一)の一等級だと。一等級にも一号から十五号までありまして、それの平均を言っているのか、それとも、これとどういうふうに対応するのか。そこをお聞きしたいんですよ。
  124. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、まず全体の格差の合計が出まして、その全体は平均的にして八千五百七十八円、これを埋めるということがまず一つの原則でございます。じゃその八千五百七十八円の平均をみんなに配るという場合に、どういうふうに配ったらいいかという点でございます。格差学歴別、年齢別に出ておりまして、いまごらんになっておりますのは、俸給表別、号俸別ということになるわけでございます。俸給、号俸別になっておりまして、俸給表別、等級別、号俸別の金額というのは、たとえば一等級の五号俸にはいろいろな格差の人が、いろいろな学歴、年齢、格差――いろいろな学歴の人がおり、年齢の人がおり、したがっていろいろな格差の人が中に入っているわけでございます。ですから、それぞれの号俸をどういうふうに上げていったらいいかという点がまあ問題点でございます。で、その問題点を解決してまいりますためには、各等級における官民格差がどの程度であるかという傾向をまずとらえまして、そうしてその次は、下のほうでは初任給を幾ら上げなければならないかという点が一つのキーポイントでございます。それから等級の中では、つまり一号俸、二号俸のような等級の中の若い号俸と、それから等級の中のいわば十何号俸といった高位号俸との関係が、どちらが格差が多いだろうかという問題を考慮しまして、そうしてそういういわば官民格差の傾向によって割りつけるということ、そういう作業をするわけでございます。
  125. 沢田実

    ○沢田実君 わかりました。直接関係ないということがわかった。基本的なもので、標準的なものがつくってあると、そういうことですね。そうおっしゃればわかるのだよ。  それで、次は、調査の実人員が、多いのは九百人、千人というのもありますけれども、中には一人、三人なんていうのもあるわけですけれども、さっきおっしゃったたとえば本省の係長に相当する等級のそういうような人を集めた。東京みたいな、人が多いところもあるでしょうけれども、地方に行った場合には、ちょうど当てはまるところが二人、三人というところがありますね。大体何人ぐらいの平均になっているのですか、この平均は。民間の何人ぐらいの平均を出して、いわゆる公務員と対照しているのですか。
  126. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 調査をいたしております実人員は、初任給関係の職種といたしまして十五万四千人ほど調べております。それからそれ以外の、初任給以外の年齢別、学歴別等の資料といたしましては、実人員は三十九万三千でございますが、それはいわば抽出調査をいたしておりますので、三百八十万の対象人員を選んで調査をしております。それを四十八万と対応させるということでございます。
  127. 沢田実

    ○沢田実君 その全体の対応じゃなしに、一人の公務員の係長なら係長というものを、同じようなものを抽出して調べたのでしょう。その相手が何人ぐらいになっているのかというのですよ。ものすごい数だ。地域別、学歴別、役職別、年齢別にやっているのでしょう。その一つの対応する人数は、それは大小あるでしょうけれども、大体何名くらいの平均を出しているのですかとお聞きしているのです。
  128. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、こちらは四十八万名でございますが、相手の調査人員は約四百万でございまして……。
  129. 沢田実

    ○沢田実君 合計じゃなしに。
  130. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 平均的にいえば一対十といったような勘定になるわけでございますけれども、中身は先ほど申し上げましたように、職種別、学歴別、年齢別、地域別になっておりますので、非常にこまかくなっておりまして、したがってこちらの一つについてはそれこそ御指摘のように高低ございます。平均的にいえば、先ほど申し上げましたように、四十八万対四百万という形になっておるわけでございます。
  131. 沢田実

    ○沢田実君 そんな、何べん申し上げても返答がないのだけれども、合計はわかります、合計は。だけれども、何百種類か何千種類か知らぬけれども、そういうふうに分けて、せっかく抽出して、その平均を出しているとおっしゃるから、その合計を見ますと、千ぐらいのもあるけれども、一つも三つも二十二も、少数のがあるのですよ。これは集計したものでしょう。だから、具体的に、いま申し上げたように、本省の係長なら係長、たとえば三十、三十五歳と、それと対応するものを抽出してやったその人数は何名ぐらいの平均をとっているのですかと申し上げている。三名ぐらいなのか、十名ぐらいなのか、百名ぐらいであるのか。何十万じゃないでしょう。合計すると何十万になる。その何十万の対象を何千種類かに分けて突き合わしているのでしょう。突き合わして平均を出して、官民の格差を出しているのでしょう、そうじゃありませんか。いまの御説明を聞いていると、たとえば大学卒で何歳で係長なら係長をやっておる。それと同じような責任を持っておる民間のそういう立場の人を集めて抽出して、そしてその平均を出して比較するのでしょう。平均を出して比較することはわかった。何人くらいの平均か。合計ではなく、公務員一人について何人くらいの平均を出しておるかということを聞いておる。
  132. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) それは先ほど申しましたように、相手の合計が四百万ほど調べておりますから、公務員一人に対して十人という形に一応対応しておるわけでございます。公務員一人に対して十人という対応が、あるところでは五人になり、あるところでは十人になる、そういう対応の関係になっておるわけであります。
  133. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、何千種類かに分けて、地域別、年齢別、役職別に分けておりますけれども、実際は民間は十人か二十人、三十人を抽出してそして比較をしておると、こういうことでしょう。その平均を出して結局八千何ぼか、こういうことでしょう。
  134. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 端的にいえばそういうことでございますけれども、しかし公務員一人について十人ほどということでございますから、抽象的にはそういう算術計算になるわけですけれども、こちらはたとえば本省の係長級であって、年齢三十五歳であって、そして大学卒、東京にいる人というのは一人じゃございませんですから、その人がたとえば三百人おるという場合には、向こうは三千人を調べたということになるわけでございます。
  135. 沢田実

    ○沢田実君 それは三百人いるとか五百人いるとかということになるでしょうけれども、この表を見ますと、一人、三人というのが合計にある。千人というのもあるけれども、一人、三人のもある。ですから、一人や三人の平均を出して調べるのも、五百人の平均を出して調べるのもあるのですかということを聞いておる。だから比較の対象は何百人を対象にしているとおっしゃるけれども、ほんの少数の五十人か百人の平均を出して比較しているだけでしょう。そうだとするならば、なぜそんな膨大な数を抽出をして比較しなければならぬのか、ぼくは疑問なんです。  その次の段階では、その調査に出てくる人が同じようなことをやっているとおっしゃるけれども、いわゆる大企業、中小企業ということをおっしゃるけれども、どちらがどのくらいの比率になっておるかということも問題でしょう。ということは、大企業の場合は給与水準が高いでしょう。中小企業は安いでしょう。中小企業の数が多くて大企業の数が少なければ給与水準は下がるでしょう。同時に、民間と合わせた――平均ほどおそろしいものはない。そんなことはぼくが言わなくても――ちょっと比較をするとおっしゃるけれども、そういうふうに比較した実態はこの表には出ていない。人事院に聞くと、全部コンピューターの中にあるから説明できないとおっしゃる。しかし表になる段階に、そういうことをおやりになる段階においてどの程度の平均を出して比較しておるかということは、何千種類かに分けた人たちの数はわかるでしょう。三百五十万か、そんなものじゃないですよ。何千種類かに分けて、同じような人を抽出して、そして平均を出すでしょう。そうすれば、必ずしも数の総計だけ言っておっても何にもならぬじゃないですか、実際問題は。その平均は聞きたくないけれども、具体的に、たとえばこういう場合は何十人とか何百人とか、そんな差があるものじゃないんでしょう。ただぼくは調査の実人員を見ますと、三十九人というのもあるし、一人、三人というのもあるのです。この表を見てください。そういうのもこの表に出ておりますので、どのくらいの数というものが平均されて比較しておりますかという、正確な数でなくていい、大体でいいのですが、それはコンピューターの中に入っているからわからない――わからないならわからないでけっこうです。
  136. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 公務員が四十八万で向こうが四百万でございまして、それをいろいろ箱をつくりまして、その一つ一つの箱について比較をすると、箱は両方同じ箱でございますから、全体の合計をすれば同一比率、総体としては大体同じ比率として一対十というふうに申し上げるのが総計的にはやはりよろしいのじゃないかというふうに考えております。
  137. 沢田実

    ○沢田実君 質問の趣旨が通じませんので、後日またやります。委員会の席ではなしに、またゆっくり説明してください。おそらくコンピューターの中に入っているからわからないだろうと思いますので。  それから、次は標準生計費の問題についてお尋ねをしたいのですが、高校を卒業をして、卒業の年に公務員になった。それがたとえば二十五歳で結婚して、二十六歳で一人子供を生んで、三十歳で二人の父親になって、そして四人家族になったという場合に、こっちの号俸でいきますと、大体行(一)だったら何等級の何号俸ぐらいに行きますか。
  138. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いまおっしゃいました結婚年齢、それから子供の生まれる年齢につきまして、非常に若い、早く子供が生まれるような年齢をおっしゃいましたけれども、人口動態調査、家計調査等によって一般に平均的にこの程度という関係でわれわれが想定いたしておりますのは、二十八歳で結婚をする。そして三人世帯になるのは三十二歳程度、それから四人世帯になるのは三十七歳程度というのが人口動態調査等による普通の世帯構成ということになっております。  二十八歳の二人世帯になるのには、標準生計費は一応算定しておりますが、標準生計費全額として四万五千五百五十円を算定しておりますけれども、それに対しては大体行政職(一)で七等級五号俸に見合うというふうに考えております。それから三十二歳におきましては六等級六号俸ないし七号俸のどちらかという形に大体なっておりまして、そこで大体標準生計費六万二十円に見合っておるというふうに考えておるわけです。それから四人世帯は三十七歳でございますけれども、ここは六等級で言えば十一号俸でございまして、三十六歳の場合には六等級十号俸でございますが、この場合には三十六歳でも一応標準生計費六万九千二百三十円に大体見合っているというふうに考えております。
  139. 沢田実

    ○沢田実君 そういうものの考え方が危険なんですよ。平均ほどおそろしいものはないとぼくは申し上げておる。要するに、二十八歳にならなければ結婚できない。三十七歳にならなければ子供二人つくれないというあなたの計算です。子供が一人しかつくれない人もおります。ない人もおります。平均して三十七ということです。実際はおそらく二十五の人だって、二十八で一人できて三十で二人できる人だっておるんじゃないですか。あなただってそのくらいでつくったんだと思いますけれども、三十歳で四人家族になるんじゃないですか、実際問題として。そういうときに、三十歳でいまの表でいうと、大体四万七千か五万くらいの金額でしょう。そうすると四人の標準生計費というものをまかなえる給与にはなっていないわけでしょう。だからこの号俸で言えば――むずかしいことはき、占うはやめますけれども、要するに、標準生活を満たすに足るだけの給与ではないということではありませんか。だから私は公務員給与の原則としては、普通に結婚して普通に子供ができて、平均とはあぶないのですよ。平均の人間ばかりいやしないのだから、平均の人間なんていうのは。普通にはもっと早く四人家族になるのです。そうでなければもっと結婚をおくらさなければならない。そういう給料になっているからみんな結婚をおくらさざるを得なくなってくる。そうじゃなしに、三十なら三十でちゃんと四人家族で標準生計費をまかなえるものでなくちゃならぬということが当然考えられる一つの最低条件じゃありませんか。その標準生計費というのは、これは人事院で調査しているのじゃないでしょう、一つは。それからもう一つは、公務員の生活の実態調査というのはおやりになっておりますか。
  140. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 公務員の生活の実態につきましては、たとえば通勤手当をやる場合には、通勤状況はどうなっておるかというような調査を行ないますし、住宅関係の手当を支給する場合には、住宅、まあその辺に問題があるという場合には住宅関係の調査をするという形でやっておりますけれども、公務員の生活の、たとえば収入支出のすべてにわたりまして調査をするというところまでは現在至っておりません。で、それは一般的にいってそういう生計費の調査につきましては、総理府の統計局でいろいろ調査をしておりまして、その中に官公職員という分類がございまして、民間の職員の分類もございますので、そういう関係の対比で一応見ておるということでございます。なお標準生計費は、これはもう人事院のいわば専売特許でございまして、ほかではそういう関係をつくっておるところは私どもとしては承知しておりません。
  141. 沢田実

    ○沢田実君 それではこの資料の四四ページにあります標準生計費、四人家族、その一、その二とございますが、東京で見ますと、四人ですと七万九千七百円ですよね。その四人になる、いまおっしゃったのは三十七歳にしても、六等級の十一号になると七万一千五百円ですし、もっと私が申し上げたような早い年代で四人になりますと五万九千円ないし六万円しかもらえない。実際に標準生計費七万九千七百円かかりますが、これだけの差があって、この最低が満たされるというふうにお考えなのですか。
  142. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) ここに掲示してございますのは、実際の家計調査の結果からその中の標準的な、標準とは何かという点の問題がいろいろございますけれども、私どもとしてはいわゆる普通の、統計的にいえばモード階層と申しますか、そういった普通の世帯の生計水準のところについてそれを選びまして、これを計算をしまして、今年の四月現在の物価で計算をするということでやって表にしてございます。で、この関係は最低生計費ではないのでございまして、まあ標準という関係でございます。そうしてこれに見合う号俸というのは、たとえば先ほど申しましたように四人世帯の場合には、たとえば三十七歳程度が一応人口動態調査ではその四人になるところでございますけれども、そこでは一応全国の場合には六万九千二百三十円に対して六等級十一号俸が一応見合うということになりますし、東京の場合にはまあ地域給関係がございまして、そういう関係で一応対応させているということにしておるわけでございます。そういう意味で、標準生計費はチェックといいますか、俸給面のチェックの意味に使っておるということでございます。
  143. 沢田実

    ○沢田実君 総裁、いまお話しのように、標準なんだ、最低じゃないのだというお考えなんですか。総裁は、あるべき姿としては、もっとやっぱり公務員の給与の水準は高いところを目ざしていらっしゃるように先ほど伺っておりますので、そういう点についても御考慮いただきたいと思います。  それから、時間がありませんから次に参りますが、参考資料を見ますと、さきのほうですが、人員のところで、等級別、号俸別人員分布のところでワク外というのが盛んに出てくるのですが、人間さまをワク外というのは一体どういうことですか。
  144. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 俸給表のつくり方でございますけれども、各等級の職務の段階別に対応させまして一応等級をつくりまして、そうして号俸といたしましては、大体原則として一年に一号昇給するといったようなことで、一号俸から何号俸まで、その何号俸というのは、いわゆる耐用年数と申しますか、等級にどの程度在職をするかという点を考慮いたしまして、大体標準的にこの程度まで在職をするということで、耐用年数を考慮しまして、何年在職ということで何号俸くらいまでやるということでやっておるわけでございます。したがいまして、その標準的な耐用年数からこえてさらに長期在職をするという方が中にはいらっしゃいます。そういう方はワク外に出てしまうわけでございますけれども、まあ何といいますか、それ以上、最高号俸まで行きましたら昇給させないという考え方もございますけれども、しかしそこは一つのバランス問題といたしまして、最高号俸まで行きましても、まあその昇給年数としては、倍の年数を持てばもう一号くらい昇給させてよかろうという考え方で、ワク外に置いても、相当長期の年限が来れば若干の昇給をしていただくというのがワク外制度でございます。で、ワク外制度――そういう弾力的な昇給制度として一応ワク外ということにしておりますが、外に出ておる方は、そういう意味合いで年齢としては非常に高年齢の方にほとんど限定されておるということでございます。
  145. 沢田実

    ○沢田実君 そのワク外というような扱いをすることがおかしいではないかということを申し上げたい。時間がないので詳しいことは申しませんが、当然号俸の二十なら二十にまいりましたら、その六等級から五等級に上がっていくなり何かすることがこの表をつくったもとなんでしょう。あなたのおっしゃるのはその号に何年滞在しなければ上に上がれないと言っておりますけれども、上げないでいるだけじゃありませんか。人間をワクの外だと言っているわけでしょう、上げればいいんじゃないですか。そうすると、係長にならないから上げないとかなんとかなるでしょう。なぜそれだけ一生懸命やっているのに上げないか、長いことやっているのにワク外に置くのがおかしいでしょう。上げるべきでしょう。なぜワク外――上げればいい。上の等級になぜ上げないでワク外なんという扱いをするのか。その人は公務員としてたえられない人ですか、そんなら別ですよ。公務員としてちゃんとつとめている人を、おまえは一定の年限になったから、毎年昇給できないから二年ごとの昇給だという御無礼なことがありますか。上に上げればいい。なぜワク外に置くか、お聞きしたい。
  146. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 上のほうに上げたらいいじゃないかというお話でございますけれども、そこはなかなかそう簡単には……。中にはやはり上の等級に長いこと在職しまして、何といいますか、そのポストの関係がございますので、そのポストは後進に道を譲るということで御本人は下の等級のワク外に出て、そうしてさらに在職をされるといったようなケースの方もおられます。やはりそこは、上の等級に適格かどうか、やはりそういう点からこちらのほうは考えていかなければならないというふうに思うわけでございます。
  147. 沢田実

    ○沢田実君 これは総裁にお聞きいたします。最初ワクをつくって、そこまで行ったら上に上がるようにつくったものを、ワク外にしておくことはまことにけしからぬと思いますが、総裁はどうお考えになりますか。
  148. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) これはやさしい問題のようでございますから私からお答えさせていただきます。  これは結局等級というものをなぜつくったかという問題に帰着するわけです。それでなければ、ずっとのんべんだらりんと一号俸から百何号俸までべたにやればいいわけですが、それが先ほど来お話に出ております職務と責任という鉄則が一つ給与法に打ち立てられておりますものですから、したがって何等級はどういう職務の人、何等級はどういう職務の人、たとえば課長が二等級であれば課長補佐は三等級というように、標準職務というのがずっとこれに割りつけられているものですから、課長補佐から課長に昇格しなければ上の等級には行けないというたてまえになっているわけです。ところが、課長補佐を課長にするというについては、やはり本人の適性などによって、この人は課長にしてよろしい、これはちょっと課長には向かぬというようなのが出てきて、課長に向かぬ人はいつまでも三等級に置かれるわけですね。そうすると、三等級をだんだんのぼり詰めていって、そうして終着駅、それこそワクのところまで壁にぶつかっちゃったというところが出てくる。そこで、ほんとうからいえば、職務と責任からいえば、気の毒だけれども、そこでおまえはストップだ、頭打ちのままでいてくれやということになりますけれども、そこのところの調査というものがどうしても必要なものですから、特別にワク外の俸給というものをそのつどつくりまして、そうしてそういう人たちが出てくる。しかし、そういうワク外が非常に多く出てきますと、いま局長から専門用語でいう耐用年数そのものの反省の問題になります。その等級の耐用年数というものは、どうもこれだけたくさんの人がワク外に出るようだと、やはりもうちょっと本来長くてもいいのじゃないかというようなぐあいで、今回もやっておりますけれども、さらに号俸をつけ足しまして、いままでワク外の人が本来の号俸の中に入るという場合もあるわけです。しかし、基本的な原則はそういうたてまえになっております。
  149. 沢田実

    ○沢田実君 ワクをつけ足して入れるのは反対です。せっかくワクをつくったのだから、その中で処理してもらいたい。むずかしい問題でしょうけれども、やはりなるべくワク外というような扱いをしないように御考慮いただきたい。
  150. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 上へのぼせろというんでしょう。
  151. 沢田実

    ○沢田実君 そうです。そういうふうにひとつ御検討いただきたいと思います。このワク外が若干出たというようなことなら別ですけれども、たくさん出てきましたし、それから今後またふえていくことも考えられます。こういう扱いをしていくということは非常にまずいと思います。  それから、こういう実態があらわれたということは、先ほど来御議論が出ましたように、すでにもう根本的な問題が出てきたというふうにお考えでしょうし、先ほどから申しますように、ただ民間に追随するというのでなしに、一つのビジョンを示してくださいよ。人事院としては五年後はこうしたい、十年後はこうしたいということを示していただいて、それでことしは民間の状態はこうだからここまでしたい、こういう話なら話は別なんです。ここが公務員給与の終着なんだというふうな、そんなことは議論してもつまりませんし、人事院なんか要りません。すみません、どうも。そういうことでございますので、もう少ししっかりしたビジョンをつくって、そうして公務員の給与水準がもっと上がるように、また給与体系というものをもっと理想に近づけるような努力を希望いたしまして質問を終わります。一言総裁おっしゃいませんか。
  152. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 御鞭撻まことにありがとうございました。今後もその勢いでひとつ当たっていきたいと思います。
  153. 岩間正男

    ○岩間正男君 非常に初歩的な質問になると思いますが、最初にお聞きしたいのは、これは総裁にお聞きしますが、民間給与と公務員給与の性格ですね、これについて同じ点と違う点、こういう点、これ考えられていると思うのですがね。これは人事院の性格を明らかにする、公務員給与を明らかにするために、ちょっと非常に初歩的な原則的な問題ですがお聞きしたいと思います。
  154. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) きわめて素朴な発想でありますけれども、先ほど来申し上げました昔の話をしますると、昔は官吏の体面というようなことが一つの大きな要素に入っていた。しかし世の中が変わってまいりまして、官吏といえども、公務員といえども、別に特権階級ではないということになりますというと、大体われわれが民間給与ということを盛んに申し上げますとおり、やはり民間の従業員と本質においてはほとんど差がなくなってきたのではないか。したがってまた給与面においても一応差はないというたてまえに立って処理していってよろしいのではないか、そういうことに尽きるのではないかという気がいたします。
  155. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ同じだというような御答弁ですけれども、これは公務員としてのやはり責任があり、またその仕事を果たすためのそういう生活的な基盤というものをはっきり確立するということ、これは非常に重要な課題ではないかと思う。つまり生活が、ちゃんと公務員としての国民に奉仕するという任務を完全に遂行するためにはそれなりの待遇面が確立するということがやはり必要だ、こういうふうに思うわけです。特にその点、公務員としての責任から考えてどうですか。
  156. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) まあおっしゃるような趣旨はよくわかります。私もできればそうありたい、それは懐古趣味、復古趣味かもしれませんけれども、そういう気持ちを持っておるわけです。かつてはそうだったわけです。しかし先ほど来申し上げましたように、公務員といえども労働者だ――労働者ということばは私はあまり使わないので、憲法第二十八条に勤労者とありますから、勤労者ということばを使いますけれども、やはり勤労者の一人である。別段の特権階級ではないということは、これはまた憲法のたてまえからいって、一応われわれの念頭に置かなければならぬということになりますというと、民間に比較してどこが悪いとまあ開き直りたくなることにもなるわけですね。
  157. 岩間正男

    ○岩間正男君 むろん労働者であることには変わりはないと思うのですね。当然それは国民に対するそういう奉仕をする、それを完全に遂行する、そういう役割り、任務、責任を持っているわけですから、それを果たすためのこれは労働者であることは間違いないと思う。で、その点に対する地位の確立ということが非常に重要だと思う。これは民間の労働者の生活条件がどうでもいいなどということを言っているわけではありません。しかしもうちょっとその点がかぶさってくるのではないか。その点に対する公務員給与というものの性格というものは検討されていると思いますが、その点いかがですか。
  158. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) その御趣旨は実際心強い御示唆であると思います。しかし当面は、いま申しましたような立場で、またその根拠によって官民比較をやはりやっていくのが適切である。いずれ一般の賃金情勢がずっと高くなってきて、だれがどうの、これがこうのということを皆さん言わずに、大らかな気持ちで各分野の賃金を見てくださるような時期がくれば、伸び伸びとした給与体系というものをつくれるのではないか、そういう期待を持っておるわけです。
  159. 岩間正男

    ○岩間正男君 私がなぜそういう質問をしているかというと、とにかく現在の、ことに下級の公務員諸君の中にはもう赤字を償うのでたいへんな事態になっている人が現実的にいるわけです。それから生活保護よりも低い水準の給与の人もいることは事実です。そういうことは何回も当委員会で指摘している。そういう立場に立って、生活の基盤ががはっきりしないでほんとうにこれは任務を果たせるかどうかというこの課題に対して切実にこたえるということが、やはり人事院の任務の一つでなければならないというふうに考える。そういう点から、先ほども民間依存というようなそういうことばがありましたけれども、民間依存の傾向が非常に強いのではないか。人事院独自の、そういう当然公務員として持っている立場を生活的にはっきり確立するという、そういう努力というものは私は払われていいのではないか、こういうふうに考えるのですが、その点いかがでしょうか。
  160. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) それはおっしゃるとおりなんで、先ほどわれわれの鉄則について申し上げましたが、しかしいま岩間委員のおっしゃるような面についての御指摘はたびたびあった。私どもは公務員諸君から直接そのことを聞いておるわけでもあるわけです。したがいまして、生活の保障という面についてはやはり生活給的な面というものを大きく見ていかざるを得ない。したがいまして、さらに先ほど給与局長から答えましたような標準生計費というようなものを算定して、これは昔は初任給のささえに使ったわけです。民間と初任給を合わした場合に、一応民間に合っているけれども、生計費のほうから見てどうだろう。そのための標準生計費というものを、高校卒独身男子十八歳というめどをつくってその標準生計費を一応得て、初任給が達しないという場合に、その初任給を持ち上げるささえに標準生計費を使った。それが出発だったわけです。幸いにして最近においては、初任給をきめる場合に、標準生計費をむしろ上回っておりますから、標準生計費をそのほうのささえに使う実益がなくなった。したがってそういう標準生計費はやめたらいいんではないかという声もありますけれども、それはまたそれで、二人世帯、三人世帯という場合の基準にこれが使えるわけです。したがいまして、最近では二人世帯、三人世帯等々のめどとして、先ほど給与局長から申しました二十何歳で結婚するというような年ごろのところを押えて、それを比べ合わせて措置をしておるというような面に活用しておるわけです。  それから生活保護基準の問題も、毎年これは生活保護基準は一四%近く上がっております。われわれとしてはこれを追いかけていくのにふうふうしておりますけれども、しかし、たびたびいまのようなことばを現実に聞くわけですから、これらについても十分意を用いて、そうして実はプライバシーの侵害になるきわぎわのところまで私どもは調べて安心感を得ておるということなんです。   〔委員長退席、理事町村金五君着席〕
  161. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは公務員労働者、ことにいま要求されておる公務員労働者は、団結権を持つこと、生活権をはっきり確立すること、そうして社会的地位、政治的地位、経済的地位、これを確立することです。この認識があるかどうかということが非常に私は重大な課題だというように思っております。ところがどうもこのごろ人事院勧告は、その中の生活権の問題に関連するわけですが、人事院の場合は民間の給与にほんとうに準ずるというかっこうで、非常にこれは強く取り出してきておる。準ずるのではなく参考でしょう、これは。どうなんです。このところのたてまえというものを明確にしておく必要がある。どうなんです。参考にするんでしょう。民間の給与に準ずるというかっこうじゃないでしょう。だから依存という問題が先ほどこれは水口君から出されておる。依存ではない。どうなんです。独自の見解があるのかどうか、この点明確にしておきたい。
  162. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 配分の場面になりますというと、これは先ほど来申しましたような原理が別にありますから、とことんまで民間の給与に盲従するという立場はとっておりません。
  163. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあいいです、具体的にあとでやりますから。  そこで、どうも民間の最近の、ことに池田内閣所得倍増計画になってから非常に変わっておりますからな。ことにGNPを世界第二位まで成長させたそういう背景の中で、支配の力が非常に強くなってきて、労働者権利というものはあらゆる面から拘束されてきておる事実がある。そういうものに公務員給与の面だけ通じて、そうしてやっぱりそれに盲従とまではいかないにしても、それに準ずるようなかっこうになっているというのはいいのかどうかという問題です。この点をやはり私は明らかにする必要があると思うのですが、人事院勧告というのは、どうも最近、先ほどから話を聞いていますというと、民間がこうでございますから、したがって、指定職の給与は当然民間ではいわゆる役付でございますから、したがいましてこっちでもそれに相応するものを出さなければなりませんというようなことで、まるで民間が人事院勧告を進めるための一つの指標、原則みたいになっているのですね。こんなことでいいんですか。私は、こういう論議がされているそのところに問題があるというふうに考えるが、どう思いますか。
  164. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) それは一面において真理だろうと思います。とにかく何もかも民間民間と言うことは、かっこうもよくありませんし、われわれの自主性からいってもおもしろくないということで、そういうことを言いながらまあ説明をしておるわけですが、しかし現実にわれわれとして民間の傾向というものをとらえた以上は、そのことに触れることはこれは常識なわけなんです。したがって民間にならった、民間がこうですからと、それだけでわれわれが逃げ出そう、逃げていこうという気持ちはない。たとえば特別給の傾斜の問題にしても、よほど今度は人材防衛という立場で考えてくださいよ、逃げられちゃどうしますかということで、そこは出てくるわけなんですから、何もただめくらめっぽう民間に追随しているというわけではないわけです。
  165. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう御答弁になると思いますが、まあ盲従と言わないまでも、最近非常に民間のプリンシプルをそのまま公務員に当てはめようというそういう傾向がどうもこの論議を通じて私は、非常に聞いていて聞きづらい。どうもやはりもっと明確な、その辺については公務員給与というものはどういうものなのか、一国の行政の中でどんな位置を占めるものかという点については、やはりはっきりした見解を持つべきじゃないかと思うのです。いまの所得倍増政策の中において最近支配が強化され、そうして職場においてもとにかく労働者権利とか地位というものがどうしてもないがしろにされる、そういう方向がだんだん出ている。そういうことは私はとらないのだと思うのです。   〔理事町村金五君退席、委員長着席〕  そこでお聞きしたいのですが、これと関連しますが、今回の勧告は上厚下薄じゃない上薄下厚だというようなことを言っていますがね。しかしどうですか、依然として一部高級官僚の待遇改善を見ますというと、優遇しているじゃないですか。さっきお願いしたの出ましたか。こういう資料を私はお願いしているわけなんです。つまり昨年の勧告によって、次官とそれから次長局長さらには課長あたりまで、どれだけ年間の給与が上がったか、それからさらに二期にわたる期末手当、こういうものについてどれだけ上がって、その総計はどうなのか。それからことしはどういうふうになっているか。これを明確に、概算でいいですから、急な要求でありましたから概算でいいですから、一時間ほど前にお願いしたのですが、まだ出ていないようですね。これはおわかりですか、給与局長、どうです。大体つかんでおりますか、いま出てくるだろうと思うけれども。
  166. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) いま計算をしておりますので、間もなく出てくると思います。
  167. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ出てきてからやってもらいたいと思いますが、どうですこれは。局長あたりは今度の勧告で大体――しかし見当はあるでしょう。正確なやつは出てからでいいですが、どれくらい上がりますか。年間で二百万くらい上がりますか。
  168. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 月の給与が、局長は俸給で約二万円でございますから、調整手当がございまして二万円とちょっとになると思います。それが十二カ月でございますから約二十四万円か五万円くらい。それにボーナス面でかりに二割増しということにいたしますと、それが約三十三万円ぐらいになりまして、全体で五十万円ないし六十万円くらいの年間給与の増ということじゃないかと思います。
  169. 岩間正男

    ○岩間正男君 次官でどうです。
  170. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 次官の場合には、月給与は、月給のほうは同様でございますが、期末手当のほうがややふえまして、約五十万円ぐらいじゃないかと思いますんで、合わせまして約七十五、六万円ではないかというふうに思います。
  171. 岩間正男

    ○岩間正男君 昨年はどれくらいになっていますか、次官局長を言ってください。
  172. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 正確な関係じゃ必ずしもございませんが、昨年の場合には、次官は月給与は約九万円上がりまして、期末手当が約三十二万円年間で上がりましたので、合計して約百四十万円くらいかと思います。で、局長の場合には、月給が平均しまして大体五万四千円ほど上がりまして、いわゆるボーナスのほうが十八万円ぐらい上がったのではないかと思われますので、合わせまして約八十万円ほど上がったんじゃないかというふうに思います。
  173. 岩間正男

    ○岩間正男君 正確なものは概算出してもらってからはっきりしたいと思いますが、そうすると、去年とことしの人事院勧告で、次官クラスだというと、まあ二百万から上がっているわけですね。大体そういう計算になりますね。そういう中で、たとえば、どうですか、八等級二号くらいのやつを、これ出してもらいたいと思うんですが、どれくらいになっていますか、昨年どれぐらい、今年どれぐらい。
  174. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) ここでの概算でございますんであれでございますが、去年もことしも、いわゆる月給としましては約四千八百円上がっておりますんで、ボーナスへのはね返り及び期末手当の増額分を含めまして、月給として年間約六万円くらい、ボーナス面で約二万五千円くらい上がりますので、八万ないし九万円上がってるんじゃないかというふうに思います。
  175. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体いまの数字が物語っていると思いますね。これが民間に準ずるというようなかっこうで、非常にこのごろは、民間がこうでございますから、こうでございますというようなやり方で――最初の議論に戻るわけですが、こういう形でやられているんですね。今年度はさらに、これはどうですか。本省の課長クラス以上の高級官僚に対する期末・勤勉手当については、算定の基礎とする俸給月額の二五%以内の額を加える、こういうことをやったわけですね。そうすると、これはどんな一体根拠によってやったのか、どういうことを検討してやったのか。いまの数字は非常に概算でありますけれども、それを出された。これをもっと格差を広げることになるわけですけれども、どういう根拠なんですか、これは。
  176. 尾崎朝夷

    ○説明員(尾崎朝夷君) 従来私どもとしましては、いわゆる月給面につきまして民間との格差をいろいろ追求をしてまいりまして、民間並みの月給というものを本旨としていろいろやってまいったわけでございますが、ボーナス関係がだんだんふえてまいりまして、現在の段階では、月給総額に対しまして約半分近い形になってきておるわけでございます。で、そうなりますと、やはり年間の給与ということで民間との関係もやはり一応考慮に入れませんと、公務員における人材を維持していくという点がなかなかむずかしくなるという点もいろいろございます。そういう点で、民間におけるボーナス面、月給総額の約四割も占めるボーナス面について、公務員では一応一律に支給しておりますけれども、民間ではどういうふうに支給をしておるかという点を、この二、三年来いろいろ調査をしてまいっておりますが、やはり民間におけるボーナスというのは、職務と責任に従って――先ほどからそういう話がございましたが、職務と責任に従って支給されておるという基本的な事実がございます。たとえば一般の係員級は四カ月分でございますけれども、部長級は七・四月分、課長級は六・三月分、課長代理は五・七月分というようなことで、職務と責任的な支給方法が講じられております。この関係を、一律的に支給している公務員と比較をしてみますと、部長級では約三カ月分も低い、課長級では一・六月分低いといったようなことで、そういう点で非常な格差がございまして、公務員給与は民間給与と比較して非常に問題だといったようなことがしょっちゅういろいろ問題になっているわけでございます。そこで、そういう部長級では三カ月分も違い、課長級では一・六月分も違うという関係を民間では一体どういうふうにして支給しているだろうかという関係を見てみますると、民間ではやはり部長級には一・何倍、課長級には何割増しといったような形で、ある係数をかけて支給しているところが多うございます。それ以外には、手当としまして、役付手当を基礎として支給しているところが普通でございます。したがいまして、公務員にある、あまりにはなはだしい格差という点につきまして、幾ぶんでもそれを埋めたいということで、半分ぐらいでも埋めたいという関係で、係数として部長には何倍ということをやるというのはいろいろ問題がございますので、現在の役付手当の一部をその基礎として含めて支給するということで格差を少しでも埋めたいという趣旨でございます。
  177. 岩間正男

    ○岩間正男君 そこが問題じゃないですか。だから、あなたたちのものさしは全部民間だ。さっきから民間とおっしゃる。必ず民間が出てくる。これでやる。そうすると、これはどうなるのですか。格差というものはますます開く。同時に待遇問題というのは、これは支配関係に関係があるんです。俸給の高い者に頭が下がる。そういう者が上のほうにいて支配的な位置をとる。任務と責任と言ったが、みんな立場立場があるんじゃないですか。この考え方はおかしいのだ。課長には課長の任務と責任があるのでしょう。次官には次官の任務と責任があるのでしょう。しかし、ほんとうは全体の機構、公務員の機構はやはり一つの平等な役割りをなしている。そういう人の責任というのはこれは非常に重要だ。下級公務員の責任というやつは非常に重要ですよ。そいつをいま言ったような、何か役付の管理職というそういうのをつけて、それで、指定職、公務員の場合は指定職、そういうもので、それをだんだんふやしてきているじゃないですか。数からいったらこれは莫大なものになっているでしょう。こういうところが非常に私は、民間民間と言っているけれども、この民間に全くこれはもうおんぶしている。それでそういう体制にこれを変えていっている。そういうものは給与だけじゃないですよ。これは公務員制度全体を変えているわけです。ここのところが非常に重大です。われわれの生活のよって立つ基本給、この給与の問題というやつは、同時にこれは支配関係とかもうそういうものを変えるんだから、体制を変えちゃう。そこのところにあなたたちは気づいているのか気づいていないのか知りませんけれども、単に給与だけの問題とは考えられません。  その次にお伺いしたいのは、一体、ボーナスですね、いわゆるボーナスと呼んでいる期末手当なり勤勉手当なり、こういうかっこうで出されております。これは総裁に伺います。これは生活保障給なのか、あるいはいわゆるボーナスなのか、それから赤字補てん給なのか。これはまるで違うだろうと思う。いまの指定職の人は四十万円もらって、ボーナスが今度のあれでは五カ月何ぼになるのですか――これは普通のなによりも一カ月半ぐらい多くなるわけですから、そうすると、ここの人は年間にもうばく大なボーナスをもらいますね。二百万か何かもらうわけだ、次官級になってくると。こういう人の場合は確かにこれは一つの余裕があるでしょう。しかしどうですか。下級公務員の場合は、先ほども申しましたけれども、赤字でしょう。足りなくて借金をやっている。アルバイトをやっている。親類から借りている。これは何回も当委員会で指摘をしてきたことです。そうすると、このボーナスというやつは全く赤字を補てんする給なんですよ、これを同じに考えることができますか。ここに、はっきりボーナスの階級性というのがある。同じに考えますか。あなたたちは同じような考え方に立ってものを言っているわけです。そうなりますか。それをはっきりしてもらいたい。たとえば、いま言いましたところの次官とかあるいは次長とか局長という場合のもらっているボーナス、それからいま言った非常に下級の人たちのもらっているボーナス、これは性格がまるで違うんだということをお考えになりますか。一言でいいです。
  178. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 私のことを申し上げてたいへん恥ずかしいのでありますけれども、私の場合は赤字補てんにこれを使っているわけですけれども、しかし一般に考えますと、いまお述べになったようないろいろな要素が組み合わさっておるのじゃないかと思います。私の場合は赤字の補てんです。
  179. 岩間正男

    ○岩間正男君 いま、あなた、特殊な趣味を持っているとか、植物を集めておるとか、そういうことかもしらぬし、まあ知らぬけれども、われわれはちょっと納得できないですね。あなたのは幾らもらっているのか、四十万ですか、五十万ですか。それで赤字だ、そういうことを言っておりますけれども、あなたが赤字補てんだったら、これはどうなりますか。月四万円もらっている人はどうなりますか。これは全く話にならぬだろう。そういう日本の現実を考えてください、物価高騰の中で。そういう、実際は生活保障給になっていない。最低賃金制が確立されていない。そういうことからくる――非常にこれはもうやりきれないのです。山中総務長官いませんけれども、あそこの総理府統計局の中には、もう仕事が終わってから三人か四人、組になって、そうして清掃をされているという話だが、そういうものが指摘されたはずですよ。ちゃんと調査の中に出てきている。そういう人に出るボーナスというやつは、もう全く赤字補てん的な性格なんですよ、これは。だからそういう点から考えれば、あなたが赤字補てんだというなら思いやりがあるだろう。あなたにしてしかりだ。そうしたら、あなたの何十分の一、そういう何十分の一しかもらえない人もある。そういうような人の場合はどういうふうにこれをひどいものかということに気がつくだろう。そうしたら、当然、これは上厚下薄――さっき言ったようなそういうすごい格差でボーナスが出されているわけです。これはむしろ逆にしなければならぬということを考えますが、どうですか。これはあなたの体験もあわせて答弁を願いたいです。どうです。
  180. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 三Cといわれるものがありますけれども、私どものところにはその三Cのどれもないので、今度ボーナスをもらったらどれか一つでもと思いながら過ごしているわけです。これはないことは事実なんですから、家へ来ていただけばわかります。それはよけいなことですけれども、いまおっしゃるような趣旨は、これはもう直接公務員諸君から訴えを私も聞いておるわけです。しょっちゅうお会いして聞いております。したがいまして、その点についての理解は十分に持ちながら事に臨んでおるということだけは御了承願いたいと思います。
  181. 岩間正男

    ○岩間正男君 佐藤さんとも長いつき合いだからよく知っておるわけですよね。だからそういう点では、とにかく公務員のそういうことも聞いているだろうけれども、生かされてない、残念ながら。これはあなたも惜しくないのだから、この辺でほんとうに公務員の立場に立って、政府にひとつ私は勧告するならもっとぴしゃっとした勧告をやってもらいたいと思うのですよ、ぼくは。だんだんと実際は格差が開いていく。年々格差が開いていく。こういう勧告じゃだめです。それをきれいにするために今度は上薄下厚でございますなんと言ってみたって、だれ一人信用していますか。してないじゃないですか。五十万――四十八万の公務員諸君は絶対に信用してない。何を言っているか、人事院というのはことばはきれいにやっている――努力しているというのはわかりますよ。それから、あなたが必ずしも本意でなくてやっているという点も私はわからないわけじゃないです。長い間の友人関係で知っている点もある。しかし、ほんとうにそれが一緒に具体的に実現されてこなければならぬのですから、そういう点について私は言っている。  で、これと関連しますけれども、さっき四月実施の問題が出ましたが、四月にして悪いという理由をあげてください。
  182. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) それは検討中であるということを前から申しておりますし、現にそうであります。
  183. 岩間正男

    ○岩間正男君 もう先ほど山崎委員が相当この点もつきましたから私はくどくどやりませんけれども、ないでしょう、理由がない、四月から実施して悪いという。しなければ悪いのだ、全くそのとおりだ、理論的に考えたって。私は、聞いておりましてもそれはそのとおりだ。だから、当然問題は、結局何十億か、七十億くらいこれはもうかるのでしょう、一カ月おくらせば。そうじゃないですか。政府の財政の問題なんです。さいふの問題なんです。そうでしょう。だから、それでなかったらあなた思い切ってやるのでしょう。どうですか。だから政府のふところなんか考える必要ない。人事院総裁というのは政府のふところを考えていたらほんとうのこれは公務員の味方になれない。だから堂々とそこのところは私はやるべきだ、違いますか。だから、考えると言いますが、たぶん来年もあなたは総裁だろうと思いますから、これはやる気ありますか。どうですか。
  184. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) 政府のふところぐあいを心配しておったらわれわれの商売は成り立たぬと、これはおっしゃるとおりで、まさにそのとおりであります。したがいまして、大蔵大臣が失神をいたしましたり、あるいは頭が割れるように痛いというようなこともありますけれども、これはわれわれとしては筋を通すためにはがまんしていただかなければならぬという立場でやっていることは、これはもう御承知のとおりです。
  185. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、そういうことになると、四月説というのはこれは来年の当然のあなたやらなければならぬ問題だと思いますが、理屈からいってこれはどうしても五月にしておく理由はない。四月が当然だ、どこから考えたって。先ほど山崎委員があげたからここでくどく繰り返しません。はっきりとしていることです。  それから初任給の問題だけれども、この初任給の問題、これはどうなんです。われわれの調べたところによりますと、初任給の問題は民間民間というが、この民間は七一年度で高卒男子新採用初任給が三万四千百円になっていますね。ところが、さらに公共企業体で電電公社の場合で見ますと、三万七千三百円。ところが、行(一)の初級の初任給は三万二千円ですね。そういうことになりますけれども、これはどうなんですか。ここはどうして民間と同じにしないのですか。少なくともここのところは努力すべきだ。高級官僚のボーナスに努力する必要はない。こっちのほうを努力しなければならぬ。どうしてこうなったのです。
  186. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) いつも公社の話が引き合いに出される。ことに電電というのは、たしか、ことしでも大学卒五万円ということになっている。なぜそういうふうにしないかという批判を受けているわけであります。これはわれわれとしては、たてまえとしては公社などを比較の対象にしておらぬ。むしろ法律によれば、公社のほうが公務員給与に準ずべきだというたてまえになっておりますから、公社のほうをわれわれのほうとしては気にすべき立場じゃありません。それから、実質的に申しましても御承知のように大体総額がきまって、その原資を配分するときのきめ方の問題ですから、初任給にうんといけば、あとのその上のほうの段階における給与の間差だとかなんとかという点は、またそこにその面がずっと働いていることは目に見えるほど明らかであります。総合的に見た場合においては決してひけはとらぬという言い方もできるわけであります。筋としては、公社のことを引き合いに出されるのははなはだ逆であるということになるわけであります。
  187. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、そういう言い方が悪いのです。初任給を高くするとほかのところが安くなるのだ。それはワクをはっきり考えるから、これは所得政策だ。そうじゃないですか。こういうことじゃいかぬのです。だから、なぜそんなことを考える必要があるのです。あなたは、ほんとうに政府のさいふを考えないと言うなら、そこをもっとはっきり筋を通す必要があると私は思う。初任給が重要なんです。初任給は、非常に若い人がいま食えなくて困っている。そういう中ではっきり初任給を確立させる。それが土台になる。底上げをやれば全部がそれでちゃんとやはり上がる。あと足らないのは向こうから出させればいい。何ぼでもあるのです、財源なんか。それですから、そんなことを心配する必要はない。ところが政府のさいふ、これぐらいしかない、出ないと、大体見込みをやる。これは所得政策です。所得政策の押しつけということになる。その点についてもやはり意識の改造をやる必要があるんじゃないですか。  その次の問題ですが、児童手当の問題です。児童手当の問題は、これは扶養手当は、児童手当をもらう者には適用しない。そうして先ほどお話がありましたけれども、これに対しては親族の扱いをしない、こういうことになるのですが、これもどうも少し政府の政策というものに入り込んでいるようなんですが、どうなんですか。これはそれほどたいしたことなんですか。三千円の児童手当などというものは、とにかくあまり低くて世界に例がない。そういうものをもらう、そういうことによりまして、先ほどもいろいろ出されましたけれども、今度はそれがいろいろな点で、扶養家族は切られてしまう。それがいろいろボーナスにもはね返ってくる。税金にも控除にもはね返ってくる。いろいろ出されているが、そういうところはどうなんです。そうすると、結局は三千円はもらったけれども、とんとんということになる。そういうやり方はちょうど生活保護をもらっている、そこのところの収人のあるものはみなこういうやり方と同じです。こんなのが一体どうして社会保障的な性格を持つことができるのです。これも政府のことをあまり心配する必要がない。ところが、どういうことですか。扶養家族は、そうなると扶養手当は切る、こういうことになったのですが、こういうことはどういうことですか。私はそういうことをすべきじゃないと思う。人事院は人事院として扶養手当ははっきり出したらいい。二重になる、そうするとそれだけまた減るんです。これもさっきと同じ。扶養家族まで出すといえば、それだけ減ってほかの公務員の待遇にやはり影響するから。そんな考え方をする必要はないんです。これは先をあまり見越している。政府の気持ちを読み取っていると思うのです。そういうことを言われてもしかたがない。やはりちょっと政策面に私は立ち入り過ぎているような感じがする。やはり人事院勧告というものは、もう少し給与のそういう点を押し通す必要があるのではないかと考えます。  だいぶ時間がたったようですからやめますけれども、そういうような点、幾つかまだありますありますけれども、これでやめましょう。そうして、こういう点について、やはり明快にこれは対処していくことが必要なんじゃないか、こういうことを今後の人事院勧告を受けて感じたわけです。われわれの見解だけじゃありません。これは主張を、あわせて明確にしてほしいと思うのですが、こういう点についてどう考えますか。
  188. 佐藤達夫

    ○説明員(佐藤達夫君) いずれまた法案御審議の機会がありますから、そのときを楽しみにお待ちしております。
  189. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。     ―――――――――――――
  190. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 自衛隊機の全日空機に対する空中衝突事故に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  191. 上田哲

    ○上田哲君 航空史上最大の事故が発生をいたしまして直後中断をされていました訓練飛行が、このほど再開をされました。低高度の訓練空域が設定をされたのでありますけれども、この点についてお答えいただきたい。  まず、運輸大臣からお伺いいたしますが、このたび設定をされた低高度訓練空域によりまして、事実上民間機の出発、進入、待機などの計器飛行方式がたいへん制限をされてきたという問題が一つあります。もう一つは、この訓練空域というものが事実上制限空域として扱われる、こういうことになってまいりまして、計器飛行の空域を狭める結果になってきている。こういうような状況の中から、問題の管制官のロードが非常に高まっておる。これは非常に短い時間で設定されたというようなこともありますし、そうした問題も含めて非常に過大の負担が飛行機に対して向けられてきておる、こういう状況が起きてきております。一言にして言えば、航空管制上混乱がすでに惹起されておる、こういうふうに指摘しなければならないと思います。この辺の概要について、まず大臣の所見をお聞きします。
  192. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、先般の内閣に設けられました交通安全対策会議の下部機関といたしまして航空交通管制連絡協議会が設けられまして、運輸省、防衛庁、外務省、それぞれ専門家が集まりまして、御承知のとおり一般の航空路、ジェット・ルート、空港と自衛隊の訓練空域とを分離するという方針が確定をされた次第でございます。その方針に基づきまして、自衛隊の訓練空域と、そうして一般の航空路とは分離いたしまして、民間航空機の安全を確保するということになった次第でございますが、一般航空路の下の、最低の航空路の下の約手フィート以下は有視界飛行の場合は飛んでもいいということになった次第でございますが、その点におきましても、やはり民間の訓練空域、それからまた自衛隊の訓練空域ということも分けようと、分けることで両者でもって協議をするということを私承知をしておる次第でございます。また出発経路につきましても、協議の上分けまして、民間の航空に支障のないようにするという話も聞いてる次第でございますが、具体的なことにつきましては航空局長からお答えをさせていただきたい、こう思います。
  193. 上田哲

    ○上田哲君 こまかいことを御存じないということでは非常に困るのです。私はそこのところがいま非常に重要だろうと思うのです。大臣も八月五日ですか、東京管制部に行かれまして――行かれたことはけっこうだと思うのです。そこで大いに安全度を高めようじゃないかというようなお話をされた。ところが、いまのお話では、そのことによって引き起こされている大混乱、私は大という字をつけてもいいと思うのですが、非常な混乱が起きている。もっと言えば、さらに自衛隊機と民間航空機の航空事故が起きる可能性も、この低高度訓練空域の設定によって引き起こされる可能性も増大しているということを指摘しなければならない。ここを大臣がどのように認識をされているかということが問題であります。  具体的に一つお伺いをするならば、この低高度訓練空域の設定にあたって、まことに急がれたのですね。運輸省側からは防衛庁側に抗議を申し込まれたというふうにも聞いています。そうですね。そういう実態があるくらいに、これははなはだ常識的でない。特にあれだけの事故が起きて、その反省の上に立つのであれば、もっと熟慮検討されて、しかもそのうち、担当者に対して十分なそれを周知させるだけの期間を置くのは当然だと思うのです。ところが、たとえば国際民間航空機関の規定によれば、航路の変更なり、進入、発進の変更ということ、経路の変更ということになると、これは四週間というのがありますね。緊急事項によれば、緊急の場合でも一週間ということになっているわけです。ところが、今回はどうなっているかといいますと、これですね、このテレタイプが航空局から、管制部にも、あるいは民間航空会社にも、あるいはその他の関係者にも一斉に出てくるわけです。発信の時間がいつかというと、こっちの時間に換算しなければならぬわけですが、換算すると、たしか十二日の三時四十三分発ですよ、航空局のお打ちになっ発信は。それから、それをいつから実施するかというと、十二日の午前九時ですよ。わずかに五時間と十七分で、この一枚の紙っぺらによって、この訓練空域によってこれからの高度をやりなさい、コントロールしなさい、これははなはだ航空常識に反することでありますね。こういう形は何で行なわれたか、こういう形に対してどういうふうに運輸省当局はお考えになっているか。つまり、こんなことで、安全を第一にすることになっていたはずの最初の、初回のやり方がこれでいいのかどうか。
  194. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、先ほども申しました連絡協議会の決定、また安全会議の決定によりまして、航空路の下千フィートの低空飛行は原則として認められるということが決定をいたしました。それに基づきまして各部局で協議をいたしておった次第でございまして、したがいまして、ただいまお話がございました周知徹底方、NOTAMの方法につきまして、一週間が必要じゃなかったか、こういう御質問でございますが、クラスⅠの場合ににおきましてはテレタイプで周知徹底が可能であるということを認められればいいということで、航空当局と防衛庁と相談をしてやったものと私は信じている次第でございます。
  195. 上田哲

    ○上田哲君 それでは困るのですよ。大臣、いまのお話ですと、これ一枚やったらだいじょうぶだとおっしゃるのですね。これを見落とすかどうかというようなことを私は聞いているのじゃありませんよ。見落としているところはどこにもありませんよ。しかしこの紙っぺら一枚です、これ。これ一枚を見落とすかどうかの問題ではないのですよ。テレタイプはどこにも打たれますよ、世界じゅうに。しかし世界じゅうこういう航路の変更や進入経路や発進経路の変更というようなものについては、もう一ぺん申し上げるが、国際民間航空機関の条項の中で、こういうことを前提としながら、四週間はしなさい、そうしなければ空の危険があるということを言っているわけですね。どうしてもやむを得ない場合には一週間という条項があるのです。条項が入っているじゃないですか。入っているか入っていないかというような問題ではありませんけれども、まぎれもなく入っていますね。そういうことからして、テレタイプが一枚あれば周知徹底できるということでは――たとえば管制官がこれを見て五時間十七分でそんなことができますか。それでいいとお考えになっているのか。いまのお話、十分だからとおっしゃったけれども、これはやっぱり今回こういう大事故があって不安を持っている国民の気持ちに対して、もう少し的確にお答えいただきたいのです。私は運輸省を評価したいのですよ。これではいかぬと思ったのであろうと思う。だから抗議も出されたと思う。話し合いがなされたはずですよ。そのための話し合いをなされたが、それでその結果、これで適当だとお考えになったかどうか、的確にお答えいただきたい。大臣から。
  196. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、確かに短時間でこれは周知徹底がほんとうにできたかどうかという御指摘、これでいいと思うか、こういう御質問でございます。ごもりともな御質問だと私思う次第でございますが、各航空会社、新聞社その他にもこのことを通知をいたしていたという話でございます。したがいまして、確かに時間的には非常に足りなかったのじゃないかと思われる節も相当ある次第でございますが、一応の手続はとったということでございます。将来はやはり相当の時間をかけましてそういう周知徹底をして、いやしくも混乱を起こさないようにやっていきたいと思っている次第であります。
  197. 上田哲

    ○上田哲君 国際慣例に背馳している、はなはだ短時間であった、遺憾であったということをお認めになることが一つ。それから、こういうような無理を、まことに常識的でない無理を、管制官に五時間で全部これを変えなさいと、これはできませんよ。こういうことができないことを運輸省もけっこうだと思っておやりになったなら、これは運輸省自身に対して私はもっと別の角度から追及しなければいけない。はなはだしく遺憾であるということをお認めになること、そしてなぜそういうふうに短時間でしなければならなかったのか、これをしっかりひとつ。あとの部分は政府委員でけっこうです。
  198. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの重ねての御質問でございますが、何しろ管制官その他の関係者に周知徹底させること、これがまあ第一の要件でございます。それに十分の時間があったかなかったかという問題でございます。私どもといたしましては、できるだけそういったような余裕をとりましてやることが望ましいことでございまして、将来はこういうふうにいたしたいと思っております。
  199. 上田哲

    ○上田哲君 遺憾ですね。
  200. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) その点で、一応いま五時間で周知徹底することができるかどうかというようなことは、私、具体的に、恐縮でございますが、そういったような能力を、しょっちゅう忙しい、ニュースになれている人たちでございますから、能力があるかどうか、そういうことが可能であるかということにつきましては専門の航空局長からお答えさしていただきます。
  201. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) ただいまの件につきましていきさつを申し上げたいと思います。  実は、十日でございましたか、八月の十一日から自衛隊が飛行を再開するというふうな話を承ったのであります。私どもといたしましては防衛庁のほうに問い合わせをいたしまして、どういうことなんでしょうか、訓練空域における訓練というものは、いま先生がおっしゃいましたように、ほかの飛行機を飛ばす人に周知する必要があるという話をいたしました。ところが、よく伺いましたら、十一日から再開というのは、必ずしも訓練空域における訓練ではないんです。ただ単に、転回と申しますか、ただ飛んで帰ってくる、そういうふうなものもあるので、これは単に飛行の再開ともいうべきものですというお答えがありました。したがいまして、私どもといたしましては、そういう飛行の再開でしたらけっこうでしょう、しかし訓練空域でしたら、いま先生が御指摘になりましたように、これについては予告期間をとりたいというふうな話を申しました。そこで、いろいろ話しましたけれども、要するにジェット機の高高度訓練、こういうものにつきましては大体こう予定しております。これについては国際線の航路も関係します。したがって、そういうものについては、先生の御指摘のような、やはり原則といたしまして四十八時間のNOTAMをやるべきである。しかし、国内であって、その関係するところが国内の航空機だけというふうなものであるならば、ICAOの規定はこれは勧告でございますから、望ましいということであって、必ずしもそれは絶対に縛るというものでもございません。したがいまして、その趣旨にのっとりますと、一週間をたたなくても、完全に周知徹底できればそれでもよろしいと私は判断いたします。  したがいまして、一方におきましてNOTAMをすぐ出す、これは十一日の十八時四十三分ごろから。と同時に、その前に各航空会社あるいは全航連と申しまして、航空事業所の団体がございます。各航空事業が全部これに参加しております。そういったものでありますとか、あるいは新聞航空あるいは米軍、そういったものに対しても全部この趣旨を伝えまして、十二日の朝からはこういうことになった、必ず飛行場にはNOTAMを掲示するからそれを見てそれに従うようにということを徹底いたしました。そういうことをいたしますれば周知はできる、ICAOの規定の精神にも合うであろうというふうに考えまして、そうして了承いたしたわけでございます。その結果といたしまして、防衛庁のほうでは十三日から――十二日は実際問題として訓練飛行はならぬ、十三日から海上の自衛隊の訓練をやったということがその結果でございます。  なお、今後の問題といたしまして、高高度の訓練空域の設定という問題が残っております。それにつきましては……。
  202. 上田哲

    ○上田哲君 そんなでたらめ言っていると、これは約束の時間で終わりませんよ。何をおっしゃるのか。ICAOの考え方というのは、国際的な感覚としては正しいんですか正しくないんですか。
  203. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 正しいと思います。
  204. 上田哲

    ○上田哲君 ICAOの考え方が正しければ、ICAOの考え方に準じていこうというのが航空行政、安全を守ろうとする運輸省の任務でしょう、その精神に、明らかに四週間、急いでも一週間にしなければ……。それはテレタイプもあるだろうし、掲示板もあるにきまっていますよ。どこの国に行ったって飛行場にそういうものはあるにきまっている。新聞社に通告した。新聞社というのは第一の周知対象じゃありませんよ。まず周知すべきは明らかに管制部じゃないですか。航空会社じゃないですか。パイロットじゃないですか。それからすれば、こういう通達というのは、そういう諸段階を全部踏んだ上で、なおかつICAOの中に、こういう連絡の方法をしなくてもよろしい、掲示も出さなくてよろしい、その場合には四週間にしなさいということを書いてあるわけじゃない。四週間をおくのが望ましいということは、あなたがお認めになったとおり、国際的な常識ですね。急いでも一週間だということになっている。それをとにかく……、しかも何をおっしゃるか。グリニッジの標準時間を、ここには確かに十八時四十三分と書いてある。こんな常識もないのですか、航空局長は。そんなことは専門用語になっていると思うから、私はわざわざ日本時間に直して三時四十三分と言っているのですよ。そんな常識がないようなことで答弁しては話にならぬじゃないですか。恥ずかしいと思いなさい。そんなことで航空局長がつとまるか。まじめにしなければ国民がおこりますよ、もっとまじめにやらなければ。そんな基礎知識すら欠けているようじゃ話にならぬじゃないですか。明らかにこれはグリニッジですよ。知らなかったのですか。どうですか、それは。
  205. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) たいへん先生のおしかりをこうおりまして恐縮でございますが、先ほど申し上げましたICAOの精神云々の問題につきましては……。
  206. 上田哲

    ○上田哲君 いまのことを聞いているんだ。十八時四十三分というのは日本時間じゃないでしょう。グリニッジですよ、それは。
  207. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) もう一回確認してからお答えいたします。
  208. 上田哲

    ○上田哲君 そんなことがわかっていなくて……、運輸大臣、恥ずかしいじゃないですか。それではお笑いになってしまう。私は質問する立場でもそのくらい調べてきた。確かに十八時四十三分と言ったらあなたに笑われたかもしれません。私がこれを日本時間で三時四十三分と読みかえた。逆もひどいじゃないですか。そうでしょう、大臣。こんなことをやっておっては、これは第一歩がなっていないですよ。いいですか。国際常識は四週間ですよ。それを五時間で周知徹底ということができるくらいなら、ICAOはそんなことはきめていませんよ。ICAOがきめているのは、国際的にそうしなければだめだというための基準を示している。しかも、それが正しいという認識であるならば、そこに向かって広めていく努力をすることが、いかに防衛庁当局の、あるいは閣議の、政府の考え方があっても、国民の側に立って空の事故を起こさないようにする基本的な立場じゃありませんか。そういう状況に対して、いまそうした基本的な常識を欠いていたということも含めて、私は運輸省の基本的姿勢をはっきり確認しておきたい。これは非常識な短い時間で航路の変更その他を御決定になったということは遺憾であったということをはっきり大臣から承っておけないならば、これは運輸省もまたこういう事態を促進したという立場で、今度は質問を変えなければならない。いいですか。大臣からその辺をしっかりお答えをお願いいたします。
  209. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、周知徹底するのにICAOで最小限度でも一週間を要するじゃないか、この原則を確保しておるじゃないか、それを縮小することがやはり混乱を招くもとではないか、こういう御質問だろうと思う次第でございます。その点につきまして、ICAOの勧告を十分に守って余裕を得せしめることはもとより一番望ましいことでございますが、一方、ただいま航空局長がお答えを申し上げましたように、大体原則といたしまして航空路の千フィート以下の有視界飛行は……。
  210. 上田哲

    ○上田哲君 それは関係ないでしょう。
  211. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) 認めておることでございますし、そうしてまた……。
  212. 上田哲

    ○上田哲君 あなたは全然違う話をしている。そんなことは違う話です。
  213. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) その空域を認めていることでございますし、いま申しましたような国際線とも遠く離れていることでもあるので、これが周知徹底したかどうか、確かに一週間というあれがございますけれども、そのうちにおきましても、テレタイプその他によりましてやりましたことが管制官その他に周知徹底したかどうかということの認識の問題であろうと思います。  そういう点で、ただいま航空局長が話しましたような点で、時間的の余裕が少なかったことは事実でございますが、それで管制官、それからパイロットが周知徹底ができたかどうかという問題になりますると、これは実際、事実問題として、やはり考えなければならない問題じゃないかと、こう思う次第であります。
  214. 上田哲

    ○上田哲君 きわめて不満ですね。航空局長がまるっきり基礎知識を欠いているのだから。調べなさい、グリニッジかどうか、日本時間かどうか。テレックスはここにあるのだ、これは、あなたのほうがお出しになったのが「一一八四三」と書いてある。いいですか、これはあなた、愚かにも、恥ずかしいことにもだ、十一日の十八時四十三分と御答弁になりた。これはグリニッジなんです。日本時間は三時四十三分なんです。それが間違っているかどうか、そこから答弁しなければ大臣の答弁、全然問題にならない。電話をかけてお聞き願いたい。
  215. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) いま確認いたしております。
  216. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  217. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 速記を再開してください。
  218. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) いま確かめましたら、打ち始めた時間は十一日の十八時四十三分、これが日本時間というふうに言っております。それから内容のほうはグリニッジ・タイムで書いてあるということを申しております。内容で、何日の何時からやるということは、その内容についてはグリニッジ・タイムで書いてございますけれども、打ち始めた時間というのは日本時間だそうでございます。
  219. 上田哲

    上田哲君 それじゃ伺いますけれども、実施は何時からですか、それはグリニッジですか。
  220. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 打ち始めましたのが十一日の十八時四十三分、これは日本時間です。
  221. 上田哲

    上田哲君 そんなことを聞いているんじゃないよ。実施は何時ということになっていて、それはグリニッジかどうか。
  222. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 実施は十二日でございます。
  223. 上田哲

    上田哲君 何時と聞いている。日本語も通じない。けしからぬじゃないか。これはだめだ。あんた方じゃしかたがない。これはグリニッジであるのか。これは航空管制の常識ですよ。聞く必要もないんですよ。
  224. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 内容についてはグリニッジ・タイムでございます。
  225. 上田哲

    上田哲君 午前九時ですよ。わずかな五時間と十七分の余裕しかないんですよ。これは五時間と十七分の余裕しかない。グリニッジで表示されている時間に直すとこうなるんです。そんなことも知らないで、一体これだけのたいへんな訓練空域の設定なり、あるいは進入あるいは発進の経路の変更ということが行なわれるということは世界に例がないのですよ。グリニッジで出しているというものは、これは国内航空――内陸だけの問題じゃなくて、国際線との関係だって出てくるという配慮を当然飛行機はするでしょう。それと切り離して起こるということはあり得ないでしょう。そういう基本的な立場からすると、大臣、ここまできてはっきりしていただきたいのだけれども、こういう形で周知徹底するとかしないとかいうことを、盛んにそっちへ話を持っていかれるけれども、問題は、さっきは航空局長は、一定の基準であるにすぎないと言われているけれども、明らかにICAOに、国際民間航空条約に加盟をしているのですよ。その日本がやっている、当然準拠すべき立場を、四週間、その四週間を捨てて、緊急の場合は一週間だと、その一週間も捨てて、わずかに五時間十七分でこういう形をとったということは、本来ならば、いかに段取りを連ねていっても、航空行政上はそれではいけないのだ、あぶないのだということを踏みにじったことになる。そうですね。そういう形をとられるということは航空行政の責任者として遺憾であるのかないのかということを、その点にしぼってしっかり承らないと質問は先へ進みません。
  226. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの重ねての御質問でございますが、周知徹底をはかるために、ICAOの勧告に従いまして、緊急の場合でも一週間の余裕を見るということは、もちろんそれだけの余裕を見ることは必要であろうかと思う次第でございますが、特に、先ほどからも申しましたとおり、航空路の下千フィートの低空飛行で有視界飛行、そういったような場合におきましては、やはり管制官、パイロットその他に周知徹底をする時間があれば航空の安全上だいじょうぶだと、こういうような見地で行なったことでございまして、将来の問題といたしましては、やはりできるだけひとつ余裕をもって、そういった方途を検討してまいりたい、こう思っている次第でございます。
  227. 上田哲

    上田哲君 どうしてもいまの御答弁、お話しにならないけれども、少なくとも、将来に関してはこれじゃいかぬということはお認めになりましたね。――しからば、今回ぐあい悪かったということは間接的に言われたのだろうと思う。そういう立場で、議論を先へ進めなければいかぬから先へ進めましょう。  そこで、大臣が言われたのは、周知徹底させなければということをおっしゃっている。周知徹底できていないということを、実例をこれからあげるから、しっかりひとつ耳をほじって聞いていただきたい。あなたのところでおきめになったのは、この八つの低高度訓練空域です。たくさん問題が出ている。大混乱というほどの混乱が起きているのです。  順番に申し上げましょう。第一の――もう一ぺんひとつ申し上げておくが、今回この低高度訓練空域設定によって起きている問題というのは、これが事実上、民間機の出発、進入、待機についての計器飛行方式の制限になっているということ。それから、事実上これが制限空域として扱われているから、計器飛行の空域を狭めてしまっているということ。そして、管制官はたいへんこうした新しい方式に熟知しないで、いま混乱が起きているということ。だからあぶないということですね。そういう立場で具体的にお話をしよう。  第一の、ナンバー1ですね。これですね。このナンバー1については、航空局長、これはわかるでしょうね、一年半でも。ここに大子というところがありますね。この大子というところで、本来ならば、北海道からきて羽田へ入ってくるときに、羽田の上が込んでるときはここで待ちますね、航空局長。こまかいことは大臣に言ってもしようがないから。この大子で待つときに、飛行機は一点にとまらない。とまらなければ、待つということは旋回をするということです。旋回をするには、どうしても、航空路というのは中心線から九キロ、合わせて九キロだから、旋回ということを考えると、安全度から考えれば、常識的に十八キロです。二十マイルです。二十マイルないのですよ、ここに。いいですか。ゼロから一万フィートまで全部これをとってしまって、ここから今度はここへ入ったら、自衛隊機がぶつかっても文句を言えないぞということが訓練空域だから、そうすると、ここで待機ができない。羽田へ入ってくる飛行機が待機ができなくなってくる。上へのぼればいいじゃないかということになるでしょう。それは当然です。上へのぼればいいというけれども、急に、そこまで飛んできて、飛行機が上がることはできない。そうすると、はるか向こうから、まっしぐらに向こうからその高度を高めて飛んでこなければならないという不便が生じてきている。このままの高度では、一番空の要衝の待機場所である大子には、このナンバー1の訓練空域の設定によってたいへんな支障が起きている。いまコントロール・タワーはこのために非常に混乱が起きていますよ。こういうことはどうですか、大臣
  228. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘の混乱が起きているかどうかということにつきましては、航空局長から御答弁を申し上げます。
  229. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) ただいま具体的な御指摘がございまして、私どもたいへん恐縮でございますけれども、この設定にあたりましては、あらかじめ東京の管制本部の管制官の意向も十分聞いておりますので、そういうことはないと思っておるわけでございますけれども、現状につきましては、御必要なことがございますれば十分調査いたします。
  230. 上田哲

    上田哲君 調査するということは、そういうことが起きているんだったら、いいですか、具体的にやることは、この訓練空域を削らなきゃならぬということになりますよ。そのことを含みますか。
  231. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 具体的にそういう支障が起きているとすれば、それはそのようにしなければならないと思います。
  232. 上田哲

    上田哲君 はい、わかりました。それならそれでけっこうです。具体的に起きています。松島から六千フィート上げなければできないというのがいま航空管制部の最大の悩みの一つです。お調べになればすぐわかる。あそこは飛べないんだ。十八キロないんですから、十八キロ。ぶつかってしまうということになれば、どうしてもそこで滞空できない。こういう事情が起きています。  時間が進みますから、ナンバー2ですね。このナンバー2が設定されたおかげで、ここのホワイト八番線、それからブルーの十八番線、具体的にいうと新潟から飛んでくるやつですよ、これが同じようにここのところ狭まっちゃう。このあたりに、大体この航空路は夏場は大体四回から五回というのが、これまでのデータだけれども、積乱雲と乱気流が発生する。積乱雲と乱気流の発生を避けるためには、やっぱり中心線から航路をずれなきゃならない。航路をずれるというのはどれぐらいずれるか。一体二十マイルずれなきゃならぬというのがありますね。十マイルや二十マイルすぐいきますね。そういうことができないんですよこれは、この第二訓練空域の設定によって。ということは、積乱雲、つまり雷の雲があったり乱気流があったら――この間、飛行機の、あの日航の前の部分が取られましたね。あれは積乱雲ですね。乱気流でBOACが落ちましたね。ああいう事故を避けようとするならば、この訓練空域に入らなければならぬということになります。管制官に訓練空域に入れということを指示しますか。そうでなければ、あとは飛ばさないということにしかならない。一夏四回から五回の過去のデータが出ているんですよ。避けなければならないんです。それとも、あなたが管制官に対して、積乱雲の中でも乱気流の中でも、ずれることができないから、この航路、白八番、ブルー十八番通ってこいと言いますか。
  233. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) それはその積乱雲の中に突っ込めというふうなことはとうてい言えることじゃございません。したがいまして、引っ返すか、あるいは訓練空域のほうの、自衛隊のほうの管制官と連絡をとってそこに避難をするかいずれかと思います。
  234. 上田哲

    上田哲君 引っ返すなどということは、あなた民間優先ということにならないんだ。そんなところに訓練空域があるということはたいへん問題になってくる。これは防衛庁とやる。しかし、とにかく訓練空域の中に自衛隊と連絡をとって入ることもあるということですね。それが一つあるならば次善の策として承っておきましょう。  三番目です。――一ぱいありますよ。二十くらいありますけれども時間がないから急いでいきます。ナンバー3はこれですね。このナンバー3というのは、御存じのように羽田から高津、那須、ここで曲がるんです。こっちへ。非常に重要です。この、ここの那須のところで曲がるんですね。ここのところで北西に曲がらなければ新潟へ行けないんだから、高津のところはいいが、那須のところを曲がろうと思えばこのかどに完全に引っかかる。いいですか、こんな子供じみたことが検討されていない。完全に引っかかるから、どうしても新潟へ行こうと思えば、この飛行機はここへ入らざるを得ないです。いいですか、十八キロ全然ないんです、ここは。そうなると、このナンバー3のかどを十八キロ分削らなければ羽田発新潟行きの飛行機は飛べないんです。わかりますね。お渡ししてもいいよ。これはどうしますか。
  235. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) いろいろな点、具体的に御指摘があるわけでございますけれども、やはりそれは今後、そういうふうなことが事実でございましたら、やはり試行錯誤によりまして、きちっとしたものに変えるということにしなくちゃいかぬと思います。
  236. 上田哲

    上田哲君 削るという意味ですね。
  237. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) はい。
  238. 上田哲

    上田哲君 削るというならけっこうです。  それからね、運輸大臣に、時間があるというから、あとで防衛庁にまとめて言っておきますがね。この第三訓練空域の設定によって、ここに宇都宮、これは自衛隊のですね、あります。一元化とおっしゃいますね。これは運輸省の問題だ。航空一元化というのなら、この発進も運輸省が握るわけですね。そうですね、大臣
  239. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) これは宇都宮の発進は自衛隊に委任しておりますから、発進自体は宇都宮の管制官がやります。
  240. 上田哲

    上田哲君 これは全然これからも一元化しないわけですね。
  241. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 自衛隊の飛行場については、直ちにこちらが直接やるというようなことは、いますぐには考えておりません。
  242. 上田哲

    上田哲君 これはもし一元化しようとしたら、この訓練空域は自衛隊も使えないんです。こういう形になっております。これが非常に重要なことなんでありましてね。これは防衛庁とやりましょう。  それからナンバー4、ナンバー4は浜松、静岡のこの空域ですね。いいですか、名古屋から飛ぶ飛行機はF104を除いては全然飛べないんですよ。一万フィート、ここにある、これは半分に切れておりまして、こっちは六千フィート、こっちは一万フィート、ここにこういうものがありますから。土岐コースですね。岐阜県の土岐のところから入ってくる土岐コース、土岐コースというのは全然だめになる。現在の飛行機の性能からいったらF104以外はこれだけの距離で一万フィートの上に出られない、いかなる飛行機も訓練空域に突っ込まなければならない。どうですか。
  243. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) ちょっと私具体的なことについてはわかりかねますので、後ほどお答えいたします。
  244. 上田哲

    上田哲君 わからなければしょうがない。ちょっと簡単に言います。土岐発進方式というのは、名古屋から九十二度で瀬戸に向かい、四千フィートで通過して、瀬戸から土岐に向かう、わかりますね、地図は。そうして土岐を五千フィートで通過、土岐から浜松に向かい、途中の遠州において指定の高度に到達する、こういうコースです。これは変えられないでしょう。これを変えなければ当然訓練空域に入っちゃう。F104以外は飛べないということで、名古屋空港いいんですか、こういう形になってしまう。特に静浜ですね、焼津。静浜がそういう形になる。これは、こういうことであれば事実上の制限解除といいますか、手を打たなければなりませんね。
  245. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) いろいろ御指摘がございますけれども、要するに私が申し上げたいところは、やってみて現実にぐあいが悪いというところは訂正しなくちゃならぬ、こういうことでございます。
  246. 上田哲

    上田哲君 それは逆じゃありませんか。やってみて事故が起きたらどうしますか。これは事故が起きるかもしれないという可能性の問題じゃありませんか。いいです。そんな答弁は時間がもったいない。具体的に指摘しておきましよう。全部で大まかなものだけでも十三あります。いいですか。冗談じゃありませんよ。これが東京管制部とよく話をした――東京管制部の、具体的にパイロットはいま悩んでおりますよ。積乱雲に突っ込めという指令は出せない、自衛隊の訓練空域に入れということは、ぶっつけたときの責任はコントロール・タワーにくる。それじゃ飛ばすなということしかないですよ。飛ばすなしかない。そういう状況でもって、やってみてからとはどういうことですか。そういうことをちゃんとやるために話し合いというものがあり、運輸省があるのでしょう。やってみてからなんということばは――このことを議論していると先の結論にいかないから、あとに譲るけれども、大臣、やってみてからなんていうことでいいのかどうかだけはすっきり承っておこう。
  247. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、航空局長も、やってみていけなければということじゃございませんと私も思っておる次第でございます。これはやはりその地方、地方の専門家、両者が相協議をいたしまして、民間航空安全を第一といたしまして協議をしまして、空域をきめたものと私は思っておる次第でございます。  ただいま、いろいろ専門的な御知識によりまして、いろいろ貴重な御意見を承った次第でございますが、運輸省と防衛庁といたしましても、専門家同士で、これならば安全だろうという一応のめどをつけまして、協議がととのいまして空域をきめたものと私は確信をしている次第でございます。  ただいまお話の、管制官の非常にお困りになっておるというお話でございますが、実は私、空域の設定当時でございましたか、東京の管制本部に参りまして、管制官の方々ともいろいろお話し合いをいたしました次第でございましたが、空域のことにつきましてはそういったような御意見も聞かなかった次第でございますが、よく十分に、何と申しましても航空安全を第一といたしましての今回の民間空路と、そうしてまた訓練空域との分離、安全のための分離をもとといたしましてやった次第でございますので、専門的に見ましてどうしてもこれはおかしいんじゃないかということがございましたらば、直ちに防衛庁と協議をいたしましてこの変更をする次第でございますが、ただいま私は、そういう点では、おそれがないというふうな専門家の意見を確信をしている次第でございます。
  248. 上田哲

    ○上田哲君 私はこれだけの重大な社会の関心の中で、防衛庁と運輸省が十分に討議をされて決定をされたということであれば、だれでもそれくらいのことは図を書いてみればわかるようなことなんですから、これは。そんことくらいは十分に検討を済ませた上で、それも四週間ならともかくも、五時間少々でおやりになるならば、デスク・プランだけでもせめて詰めてあると考えたし、質問テーマを、長い時間ではありませんでしたけれども、出しておいたならば、それくらいのことはきちっと答弁ができる人がいるだろうと思ったのですが、そういうことを御存じないのだから、周知できていれば――周知できていればとおっしゃったが、周知できていないのです。むしろ周知できていないどころか、あなた方自身が全く御存じない、そういうことが明らかになったじゃありませんか。そうですね。  一つ一つこれは確かめていかないとわからぬから、具体的に申し上げよう。いまの順番から言いますと、名古屋空港から発進する東京行きの飛行機が土岐発進方式を利用する場合に、土岐と浜松の間において管制間隔がとれない。  だからそれは頭の部分ですね。この頭の部分、やっぱり十八キロ削らなければならないのです。これは航空局長が削ると言われたからそれでけっこうだが、削らなければならないということに全く算術的になる。  それから六番目、名古屋空港を通過する航空機で、浜松から土岐、土岐から名古屋と向かう航空機は、一万一千フィート以下は使用できないということになってしまう。それから焼津の飛行場の計器飛行方式による発進経路、進入経路、待機経路はすべて使用できなくなる。ここですよ。静浜と言いますね、あなた方のほうは。地名で言えば焼津だ。これは全部できなくなる。  それからナンバー五です。これはもう、一つ一つ答弁を求めていてもおわかりにならないからしようがない。ナンバー五はこれですです。これですね。福井のそばですよ。福井のところも、名古屋空港の敦賀発進経路、これが事実上、名古屋から三百十八度でいくんだそうですが、事実上使用できなくなった。それから福井上空の待機経路が全然できなくなった。それからナンバー6ですね。ナンバー6は鳥取県のこっちの美保基地のところですね。美保のところ。この大きいやつです。このナンバー6については美保空港の第二出発経路、これが事実上使用できない。それから鳥取空港のリバーサル、鳥取空港は御存じのように飛び立ってこう回ってこう行くわけですね。そうですね。これが引っかかっちゃってここでこれができないのです。鳥取空港はリバーサルができない。鳥取も福井もつまり飛行場としてはだめだというのですよ。福井はどうしてかわかりますか。福井はこれはどうしてかわかりますか。一つくらい聞いてみましょう。よけいなこと要りまんせよ。
  249. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) 福井は西のほうに出る出発経路があります。福井の訓練空域です。
  250. 上田哲

    ○上田哲君 福井の訓練空域、何ですか、訓練空域。
  251. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) ナンバー5の訓練空域には出発経路がかかっております。
  252. 上田哲

    ○上田哲君 そうでしょう。ぐあいが悪いから、どうしているか御存じないでしょう。一たん小松のほうに持っていっているのですよ。一たん小松のほうに持っていって飛ばす以外になくなっているのですよ。大臣、管制官がどうですか、これで周知徹底せしめて、熟達せしめていると言えますか。これ困っているじゃないですか。あなた方おかしいからこういろことになっているのですよ。しかも運輸省告示はリバーサルを指示しているわけですよ。こういう全然飛べなくなっている訓練空域に設定しておきながら、運輸省の告示はそのままなんです。そのままでいいのですか。これは告示を変えていかなければだめなんです。訓練空域をそのままにしておけば、運輸省告示ですね、これを改定していこうということを含みますか。局長でいい。
  253. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 私、この福井の、あまり具体的に正確な知識は持っておりませんけれども、原則的に、訓練空域がありまして、その上に出発経路がある場合には、出発経路のそこから、最低安全高度からさらに千フィート下で訓練するということになっております。しかしそういうことができない場合にはまた考慮するということになっております。そういうことができない場合には考え直さなければいかぬ……。
  254. 上田哲

    ○上田哲君 だからつまりその場合に、告示を変えるのかですよ。それともこの訓練空域をやめさせるのか、どっちなんです。
  255. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 実情を見てから検討いたします。
  256. 上田哲

    ○上田哲君 そんなこと言えないじゃないか。どっちかは飛びますよ。
  257. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) いずれかにいたします。
  258. 上田哲

    ○上田哲君 どっちかはとらなければならぬ。とらなければ飛行機が飛べぬ。運輸省告示が出ているから、それに従わなければならないから、現場のコントロール・タワーは全然違ったところを飛ばしている。時間ばかりかかりますけれども、鳥取空港の上は着陸飛行経路が支障を来たしている。  それから七番目ですね。七番目は出雲のところですね。この出雲のところは、出雲ポイントというのがありますね。架空の点ですが、航空法上のポイントとして出雲ポイント、出雲空港と出雲ポイントを結ぶ経路がナンバー7とぶつかって、これも管制横間隔がとれなくて、この経路の使用ができないのです。航空局長、出雲ポイント、わかりますか。この出雲ポイントが使えなかったらどうなります。どうすればいいのですか。
  259. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) 出雲ポイント自体はナンバー7にはかかっていないと思います。
  260. 上田哲

    ○上田哲君 ナンバー7にはかかっていないのですよ。出雲ポイントが、この訓練空域がありますので出雲ポイントが使えなくなっているのですよ。そんなことがわかりませんか。出雲ポイントが入っていたらたいへんじゃないですか。法律違反ですよ、それは。驚いたな、これは。
  261. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 出雲ポイントが使えますか使えませんか、それははっきり調査いたしまして、かりに使えない日本にはほかの方法を考えなければいけないと思います。
  262. 上田哲

    ○上田哲君 出雲ポイントが使えなければどうしますか。
  263. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 訓練空域をずらす等のことを考えたいと思います。
  264. 上田哲

    ○上田哲君 念のために言っておきます。いまどうしているか。しようがないから、一たん米子に持ってきて迂回をさして飛ばせているのです、管制官は。そうじゃなければここでじゃまされて飛べないのだから。そんなこともわかっていない。これで周知徹底と言えますか。いいですか。あるいはこの福井の場合でもですね。さっきあなた方責任者は、技術屋が来たはずですけれどもどうもわかりませんが、そこを管制官は具体的にどうしているか。しようがないから東に一万六千フィート上げて十分おくれるのです。十分おくれるというのはどういうことになるかと言いますと、航空局長、私も調べてみたら、大阪へ飛ぶ飛行機が大島を通って飛んでいましたね。あれは遠いというので横須賀を飛ぶようになりました。これが十分の差です。ガソリン代が一年間に二億円だそうです。われわれの十分間とは違う。これでもって、この訓練空域ができたので、民間航空はその十分を横にずらしているのです。こういう事態が一ぱいできているのです。こういう混乱の中で、積乱雲に突っ込ませるとか、横間隔で十八キロ以内からみんな訓練空域に来ているから、飛ぼうと思ったらかどにかかって飛べない。無理してリバーサルやめようにも運輸省告示が変えられないから、その航路が変更されない以上管制官としてどうしていいかわからない、結果的には欠航させるより仕方がないという状態になっているのが今日の状況です。こういう状況に持ち込んで、周知徹底ができていれば支障ないと言われた。運輸大臣の認識とは大違いの実態がある。そのことに対して運輸大臣、これは遺憾であったということは言えますか。
  265. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの専門的な御質問でございますが、運輸省といたしましても各管制官の意見を徴して、今回の空路をきめていると思う次第でございます。また今回の趣旨といたしましては、民間航空の安全を確保するために、空域を民間航空から離してつくるということ。しかも航空路の下千フィート以下においてのいわゆる有視界飛行についての空域をつくるということでやった次第でございまして、ただいまの御指摘のようなことにつきましては、いままで私どものほうに入りました情報としてはさようなことはないと思う次第でございますが、ただいすせっかくの御指摘でございますので、十分また直ちに調査をさしていくつもりでございます。
  266. 矢山有作

    ○矢山有作君 私はいま上田委員と運輸省のやりとりを聞いておりましたが、私の理解するところでは上田委員は専門家じゃないと思うのです。運輸省の皆さんは専門家なんだな、その専門家の運輸省の皆さんが防衛庁と協議をして訓練空域を決定する場合に、いま指摘されたような問題点があるということがわからずにやったのですか。しろうとの上田君が調べてすら、いまあげられたようなたくさんの問題点が出てきた。専門家であるあなた方のほうでは、協議をする前にこういう問題があるということがわからなかったのですか。わからなかったとするなら怠慢の責めは免れませんよ。一体何をやっておったのですか。運輸省の航空局というのは、大体運輸大臣以下何をやっておったのですか。百六十二人という自衛隊機との衝突の事故が起きて、まだその記憶がなくなっておらぬでしょう、あなた方の頭に。そういう時点で、この問題がこういうふうなたくさんの問題点をかかえておることはわからなかったのか。それが聞きたいのですよ。あなた方は、いま指摘された問題点がわからずに協議をし、決定をしておったのか。であるとすれば、運輸省の責任は免れませんよ。一体あなた方、何をやっておったか、それを聞きたい。
  267. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、もとよりいろいろの問題点を十分検討した上で空域を決定したと私は確信をしている次第でございます。しかしながら、ただいまいろいろ貴重な御意見を承りましたので、それらの点につきましても直ちに十分調査をさせるつもりでございます。
  268. 矢山有作

    ○矢山有作君 そういう言い抜けば運輸大臣、許されぬですよ。あなたは運輸大臣になってからあまり間がないから、そういった上田委員の指摘したような専門的なことはわからないかもしれません。しかし、運輸省の航空局はわかっているはずですよ、そんな技術的な問題は。それがわからずに協議、決定をしたのですか。そして公示したのですか。その責任は一体どうなるのだと言っているのです。そして、それがわからずにあなた方が協議をし決定をしたものを運輸大臣はうのみにして、何もわからずにこれもまた公示をしておったのですか。そんなべらぼうな行政はないでしょう。それを聞きたい。事務当局からはっきり言ってもらいたい。何もわからずに協議、決定をしたのですか。そこのところ一点だけでよろしい。
  269. 上田哲

    ○上田哲君 事務当局が答える前に。  具体的にいま私が指摘した――それは矢山委員言われるように、専門家じゃないですよ。しかしこんなことはちょっと勉強すればわかります。そのことをあなた方、検討されたのか。航空局長は具体的に検討の担当者でありましたね。あなた方は、いま私が指摘したようなことを御存じなかったのかどうかを含めて、明確に御答弁ください。
  270. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 私自身は、いま先生がおっしゃいましたことは必ずしも明確に意識しておりませんでした。ただ、航空局におきましては、技術部長以下、技術的な人間がおりまして、その辺は十分技術的な協議をいたしまして決定したわけでございます。
  271. 上田哲

    上田哲君 その辺のところが具体的にこういうふうな支障が――たくさんありますよ、抜き出して言ったんだけれども。こういう支障が起きてくれば非常にこれは危険であって検討を要するのだということは、再三、部分的には言われておるけれども、お認めになりますね。
  272. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 私は、先ほども大臣からお話ししましたように、これが合理的であるというふうに考えてきめたわけでございますが、先生の御指摘のような点があるとすれば、これはやはり変えて、正しいものにしなくちゃならぬと思います。
  273. 上田哲

    上田哲君 全く逆な感じがしますけれども、先ほど、こういうことになったら困ると、私は混乱が起きている、危険の可能性が増しているということを具体的に指摘したのですけれども、一部だけですが、これに対して当然運輸行政の立場からすれば、たとえばナンバー2でもそうでした。その場合には自衛隊と話をつけて訓練空域に入ることもあり得ると。あるいはナンバー3とか、ナンバー4とか、あるいはナンバー5、そういう角の部分等は削らなければならぬということになっていきます。御指摘になったとおりです。運輸大臣ね、そういうことも含めて、この高まっている危険の可能性あるいは引き出された危険の可能性を排除するために、積極的にその方向で努力をされますか。
  274. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、先ほども申しましたとおり、専門家が現地と連絡をいたしまして、また防衛庁とも十分連絡をいたしまして、お互いの安全確保のために十分検討したものと私は信ずる次第でございますが、ただいまいろいろ御指摘がございまして、その点に不合理がある、航空安全に支障があるということが調査の結果わかりますれば、これは直ちに変更する所存でございます。
  275. 上田哲

    上田哲君 あなたのほうにデータもお持ちにならぬ、不勉強でもある、この辺のところに気づいておらぬということを率直にお認めになったのだから、その辺のところを追及するのは当面は時間のむだですから、方向は、大臣防衛庁当局とも話を詰める、直ちにということばがありましたけれども、今回設定された訓練空域の部分的な削除であるとか、あるいは中に飛行機を入れる場合の問題であるとか、さまざまな問題について大きな変更を求める決意であるということを伺って、そうであればはなはだこれは、そういう状態になっているということは、やはりわずかに五時間少々の時間でこういうものを周知せしめていたと考えていたことは、行政担当者としては非常に私は不明であったと思うんですけれども、その辺をきちっともう一ぺんお伺いをしたいと思います。
  276. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 私は、ただいまのところ、この民間航空路と自衛隊の訓練空域との分離につきましては、合理的に専門家によりましてきめたものと信じておる次第でございますが、もしそういういま御指摘のような点が調査の結果ございましたといたしますれば、非常に遺憾だと思う次第でございます。
  277. 上田哲

    上田哲君 こういう非常にあわただしい形で出てきたということは、非常に異常なんですよ。だから相当、専門家というのはそちらにいらっしゃるんだろうけれども、私もしろうとでありながら、しろうとでもこれぐらいはだれでもわかる話なんです。これを、専門家を擁する運輸省がこんなにあわただしい形で決定されたということは、非常にこれは私は不明であったことはもうまぎれもないことだと思います。しかし問題は、なぜこういうようなあわただしい不備な形をきめたのかというところにやはりもっと突っ込んで伺わなければならない問題があると思います。一体何で、防衛庁当局に抗議をされたというふうに聞いておりますけれども、こういうことになったのか。それは、伝えられるように、防衛庁のゴリ押しではないか。運輸省は、これではいけないと思いながら、言うところの専門家たちは、これではいけないと思いながら、防衛庁の圧力に屈したのか。それとも、専門家を含めて、これくらいでいいだろうと考えたのか。これは非常に重要だろうと思います。一体どういう形でこんなに急いでやることになったのか。
  278. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、運輸省といたしましては、防衛庁と緊密なる連絡をとってやっているつもりでございます。防衛庁長官もしばしば言明されておりますとおり、航空安全第一主義で臨まなくてはいかぬということをはっきりと言明をしておりまして、両者の間にいささかもそごはなかったと私は確信をしておる次第でございます。抗議をしたということは私は聞いておりません。いろいろ技術の問題で意見の相違はあるかと思いますが、やはり航空安全第一主義のたてまえにおきましてお互いが結論を得たと私は確信をしておる次第でございます。
  279. 上田哲

    上田哲君 民間と軍事の分離ではなくて、あの百六十二人の事故が起きたのでも明らかなように、これまでも航空法の規制の中に入らない、言ってみれば、法に入らないという意味では、あるいは語弊があるかもしらぬけれども、無法機が飛んでいた。どこでもかってに飛んで行くことができたという飛行機をどこかに狭めたんではなくて、少なくとも低高度ではあるけれども八カ所、しかも非常に大きな危険を惹起させるような条件を踏み越えて八カ所の専用訓練空域をつくったということは、この事故を手がかりにして、ことばはたいへん悪いけれども、俗に言うところの焼け太りという形になっておるわけですよ。これは航空行政として、危険を増大したというのではなくて安全度を高めたんだといまもお考えですか。
  280. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、私はそういうふうには考えておりません。防衛庁と協議をいたしましたのは、やはり民間航空安全を念願といたしまして、そしてやはり特定の空域を定めるという精神によりましてつくったものであると私は確信をいたしておる次第でございます。
  281. 上田哲

    上田哲君 具体的に伺っておくけれども、いま申し上げたような幾つかの点、もっとありますから、しさいに皆さんのほうは御検討になるでしょう。可及的すみやかに内容について御報告をいただきたい。調査の結果こういう危険があったということになったら、あなたはどうなさるか。
  282. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどもお答えをいたしましたとおり、調査の結果そういったような危険が包蔵することを発見をいたしましたならば、直ちにそれらの危険を除去する方法を講じたい、こういうように思います。
  283. 上田哲

    上田哲君 今回設定された訓練空域のつくり方が誤っていたために、そのことによって事故が惹起された場合には、直ちにあなたは責任をおとりになりますね。
  284. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 当然のことであります。
  285. 上田哲

    上田哲君 けっこうです。  それならば一つ伺っておきたい。いまは低高度訓練空域の設定です。間もなく高高度訓練空域の設定がされるはずです。この高高度訓練空域の設定については、言うまでもなく、いま私が指摘したようなことのないように努力をするという御答弁であろうが、少なくとも五瞬間十七分で、こんなテレックス一枚を配って能事終われりということではなくて、今後は十分に国際的な慣習にのっとって、ICAOの決定の線にのっとって、四週間という十分な時間をとって高高度訓練空域を設定されますか。――答えられませんか。
  286. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのICAOの精神は十分に尊重するつもりでございますが、やはり空域の設定によりましてクラスIのところとクラスIIのところがございます。それらは十分検討しまして万遺憾なきを期したい、こう思っておる次第でございます。
  287. 矢山有作

    ○矢山有作君 関連。  もう一つお聞きしておきたいのですけれども、いま上田議員から訓練空域の設定に伴ういろいろな問題点が指摘されたわけですね、それで、やりとりを聞いておると、運輸省のほうでも、そういう指摘された問題点がないという自信は持っていない。ということは、そういう問題点をかかえておるかもしれない、そういう危険をかかえておるかもしれないというような御答弁ですね。そうなると、私は航空安全の立場からいって、そういった問題点が、あなた方が調査をなさって指摘されたような問題なり危険が一切ないということがわかるまでは、自衛隊の訓練を私は停止をさせるように運輸当局は考えるべきではないかと思います。どうですか、その点は。
  288. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 私、再三申し上げましたとおり、ただいまの空域の設定につきましては、専門家同士で話し合いまして、再三申し上げましたとおり、民間航空を安全ならしむるための分離策でございまして、私は、そういういまの御指摘の点はないと確信をしておる次第でございます。したがいまして、ただいまのせっかくの御指摘でございますので、十分早急に調査をいたさせますが、いままでのところ、これの停止を要請するつもりはございません。
  289. 矢山有作

    ○矢山有作君 あなたは、いわゆる専門家が協議をしたことだから、そういう問題点なり危険はないと信じてきたわけだ。あなたは信ずる一方だ。ところが航空局長の答弁によると、指摘された事実、上田議員が指摘した事実について、そういう危険があるならば改めるとかというふうな答弁をたびたび繰り返しておるわけです。そうすると、事務当局としては、上田君の指摘したような問題なり危険があるということを考えておるわけですよ、感じておるわけだ。そうすれば、信じる信じないより、航空安全という立場からいうなら、指摘された問題なり危険が一切ないと言い切れない以上は、自衛隊の訓練をやらすべきじゃないでしょう、運輸省としては。それは運輸省として航空安全の立場から、防衛庁にその問題点、危険がないということが明らかになるまで訓練を停止してほしいという申し入れをすべきじゃないですか。それはあなた、この間の大事故を起こして、航空安全、航空安全と言っているあなた方の当然とるべき態度じゃないですか。防衛庁のほうから訓練飛行を停止しますということはおそらく申しませんよ。あなた方のほうから、指摘されたような問題なりあるいは危険をはらんでおるということに対してのおそれを持っておるわけだから、あなた方はそうすれば当然訓練飛行の停止を要求すべきだと思う。要求しないのですか。しないとなると、これは問題ですよ。航空局長どうなんですか、大臣と両方から答えてもらいたい。
  290. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほど航空局長の申しましたのも私と同じだと思っておる次第でございますが、しかしながらせっかく御調査をいただきましていろいろの御指摘がございましたから、それにつきまして十分な調査を早急にいたさなければなりません。それまでは、私どもはいまの空域設定というものは専門家同士でして危険がない、こういうふうに思っておる次第でございますので、こちらから要求する考えはございません。
  291. 上田哲

    上田哲君 矢山委員の言われるとおりだと思うのですよ。それはそうするのが当然だと思うのです。しかし一歩譲って、あなた方専門家専門家と言われるが、この程度のことは勉強すればすぐできますよ。そこで、その専門家にまかせるとしても、いま指摘したようなことは、いいかげんな話ではないわけです、具体的な事実に基づいているわけです。この十二日以降の具体的な航空管制上の混乱に基づいての話なんですから、そうするとその事態が、そういう支障の可能性があらわれた場合には、再三確認しているように、運輸省はそれに対する措置をとる、これはあたりまえですね。防衛庁のほうに相談しなければ答弁できないというような話ではない。運輸省としても責任がある以上は、運輸省も待ったをかけなければなりませんね。しかし大臣も絶対にそれに対する結論が出るまでは訓練中止の申し入れをするとおっしゃるならなんですけれども、――それはそこまでにしておきましょう。その事故が起きたときのことは、それはそこまでにしておきましょう。  しかし、最小限今日の管制体系なり法体系の上からのがれない問題は、あなた方は運輸省告示を出しておるわけです。その運輸省告示に従って管制官はパイロットをこうやっているわけです。今回の訓練空域ができ上がると、この告示ではやれないのですよ。そうですね。そこで、いろいろな知恵を働かせて混乱を回避しているわけです。まさかの場合は飛ばさないということを言っておるわけです。そこで、それを措置しなければならないということになった場合は、防衛庁のほうへ気がねをなさるということならば運輸省告示を変えるべきです。運輸省告示を変えないのならば。少なくとも当面の問題として、向こうへ入るとか、あるいはそこを削るとか、こういうことをしなければならない。削らなければならないような事態が明らかになったとして、削り終わるまでは少なくとも訓練飛行はとめるべきだということは理の当然ですね、それはいいですか、大臣
  292. 丹羽喬四郎

    国務大臣(丹羽喬四郎君) 検討の結果そういったようなことがございましたならば、これはその期間、改正をするまで防衛庁に対しまして訓練飛行の中止を要請するつもりでございます。
  293. 上田哲

    上田哲君 防衛庁長官、その場合は快くお受けになりますね。
  294. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 問題は具体的であり専門的でありますから、常識はもちろん必要でありますが、一つ一つのケースについて具体的に調べることで客観的な事実がここへ出てくるわけでございます。それに基づきまして今度は私どもは、御存じのとおり空はまだ再開しておりません、陸と海のほうでやっておるわけでございます。したがいまして、いまお指図になっているような訓練空域を使うことはきわめて少ないのであります。その場所はまあ防衛局長から御説明してもよろしゅうございますが、私のほうの隊は御存じのとおり、この間から申し上げておるように、すべては国土の防衛、その目的国民の生命、財産安全ということが基盤でございますから、それに相反するような行動はとらせないということでございます。ただ、訓練を全部やめるというようなことは必ずしも必要ではないと思います。その部分に従ってそれは訓練を制約する、時と場合によれば、それが全体に響けば全部の部分をとめるということもあり得るだろう、そういうふうに具体的なケースによって私は扱ってまいりたい。あくまでも中心は航空の安全、これが絶対命令である、これだけは私もお約束できるわけであります。
  295. 上田哲

    上田哲君 時間が非常に乏しくなっておりますから、簡単に詰めていきますが、運輸大臣、その場合は、事故が起きてからではありませんよ、事故が起きる可能性を発見すれば、いまはそういう想定なんですから、その場合は、あなたのおっしゃったように、その期間少なくとも訓練飛行をやめさせるということを申し入れる、具体的なことについては防衛庁長官も受けるということを言っておりますから、そのことを確認しておきます。  もう一つさっきからいろいろ問題として出ておるのは、精神は尊重するだけでは困る。四週間を守るのがほんとうだと思います。四週間を守れない場合どうするか、具体的にひとつ。抽象的に逃げられないのは、今週中にも決定しようという風聞もあるのですよ。そういうことである以上、一月、二月先の話をしておるわけじゃない。一体四週間を守れないのか、少なくとも最低一週間守れるのか、そうしてたとえば現場の声を完全に聞くのか、その具体的なことを答弁してください、この二つ。
  296. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのICAOの勧告の期間を守るかどうかでございます。先ほどもお答え申しましたように、具体的な問題といたしまして二十八日のクラスIIが必要であるか、また一週間必要であるか、いろいろな問題もあろうかと思う次第でございますが、それぞれの規定をぜひ守らせたいと思っております。
  297. 上田哲

    ○上田哲君 具体的にはありませんか。今週中にやりますか。
  298. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 高高度の練習空域についてはまだ具体的に使っておりません。したがいまして、今週中にやるかやらないかはまだはっきりいたしません。  それからさらにICAOの問題でありますけれども、これは先生おっしゃるとおりに、二十八日間の周知期間を置くのが原則でございます。したがいまして、原則的にそれをやる。それから例外的に国際線の航路よりあまり関係のないところにつきましては、あるいは一週間の場合もあるかもしれません。しかし、いずれかは必ずやるということでございます。
  299. 上田哲

    ○上田哲君 わかった。そうすると、四週間は原則として守る、それから悪くても一週間は守る、ICAOの線から逸脱しないということを確認いたしましょう。  最後に、こうした問題を含めて、やっぱり航空法が弱い。運輸省が弱いということよりもっとそこのところが象徴的だと思う。運輸大臣は航空法の抜本的な改正をやろうという腹を見せておられます。今回の問題も部分的なてこ入れで何かをしようとしているところに問題がある。航空行政がもっと抜本的な立場に立っていないところに、実はどこかをてこ入れをしたつもりで危険がこの分だけ増大しておるということが起きておるわけです。まさかの場合は飛行機を飛ばさないということでは民間優先ではない。そうすると、基本は航空法の改正を抜本的にやるということになります。その問題はいまのところ遠いですけれども、そうすると、その問題のポイントは自衛隊の航空管制を航空法の中にきちっと入れるかどうかということになる。空の過密化が事故の原因じゃない。ジェット化、近代化ということを改正のポイントにするということはすりかえです。自衛隊の管制ということを航空法の中にどのようにきちっと入れるかということがポイントなんです。航空法の改正をおやりになるはずだから、航空法の改正で、自衛隊についての管制というものを航空法の中にどのように入れるのか、そこにしぼってお答え願います。
  300. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、昭和二十七年にできました航空法を抜本的に改正をして、いまのジェット機時代の実情に沿うようにいたしまして、そのもとといたしましては、航空安全第一主義を貫いていくということが根本でございます。それらの観点からいたしまして、ただいま御指摘のような点も重要な検討事項といたしまして十分検討してまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
  301. 上田哲

    ○上田哲君 時間がありませんから、一言だけ運輸大臣に申し上げておきます。  いまのお話では、自衛隊機の管制を航空法の中に含める方向でやるということに理解してよろしいですね。
  302. 丹羽喬四郎

    ○国務大臣(丹羽喬四郎君) それも重要な検討事項としてやっていこうという……。
  303. 上田哲

    ○上田哲君 最大に前向きに承っておきます。  時間も大幅にオーバーしましたから、防衛庁長官に、簡単にします。  今回のようなこういうまことに非常識な形の決定になったということは、これは防衛庁のゴリ押しだろう、こういうように見られています。ゴリ押しということばはたいへん抽象的で、よくわかりませんから、そのこと自体は抽象的な御答弁を求めませんけれども、何でこんなに急いで訓練再開をしなければならなかったのか、ここのところを御説明願います。
  304. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 私は、率直に申し上げましてゴリ押しというような考えは毛頭ございません。最初に申し上げましたように、あくまでも国民の生命財産を守るという基盤を失った自衛隊は自衛隊たる資格はございません。ただ、率直に申し上げますが、自衛隊も隊務としての責任は負わされております。これは御存じのとおり御理解願えると思います。したがって、その隊務をどうやってこの事態で遂行するか。そこで、それには航空安全を基本にした中でやらせていただく。この基本の中で考えまして、具体的に申しますと、七日の日に基本がきまりました。しかし、それだけではいけませんから、その間に専門家の間で詰めていただき、しかもその間にさらに十日に閣議の了承を経て、そして十三日に海のほうはきわめて低い、程度の軽いものから始めていくというふうにいたしたわけであります。と同時に、これはいつまでもほうっておくわけにいかない。私どもの隊の訓練というものを許される範囲でやらせていただきたい、こういう意味で、始めたわけでございます。
  305. 上田哲

    ○上田哲君 承りたいのは、いつまでもそうしておくわけには私のほうではいかないというのは何かということなんです。
  306. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 御存じのとおりに、特にやります訓練というものは、初歩的な訓練もございます。そしてそれは、飛行機の種類もジェットのようなものではありません。メンターであるとか、あるいは陸であればプロペラ、何と申しますか回転翼のものであります。そういうものは今回のいろいろな十数日、まあ安全点検をその前にやったわけでございますね、三十日からずっと訓練を停止させて安全点検をやって、そしていま低高度においての訓練というものの場所を与えた。そういう中で、編隊であるとか、そういう程度の訓練から始めさせていただく。しかも最初のころは、それを単に訓練とも名のつかない、いわば飛行作業とか移動する程度のものから始めている。これは当然自衛隊の仕事としてやらしていただいてもいいんじゃないかというのが私どもの、ただしこれは私一人の判断でいくというと、防衛庁のゴリ押しであるという国民の誤解を招いてもいけませんので、交通安全対策協議会の全閣僚のそろった席で御了解を得て、そういう手続をとりながら始めたわけであります。もちろん、現在まだ空のほうは、したがって始めてはおらぬわけでございます。
  307. 上田哲

    ○上田哲君 よくわかりません。おっしゃることは、簡単に言えば自衛隊の練度を保ちたい。つまりもっと言えば、自衛隊の訓練計画というものをやはり何を置いても遂行しなきゃならぬ、こういうことでしょう。
  308. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 一口に詰めて申せばそれであります。ただし私は、こういう事故が、もし人命を損傷するというような危険性があれば、練度が落ちてもそれは当然だと思います。練度を先に考えるわけではありません。あくまでも人命尊重という中で、したがって、もうすでに三十日から一切訓練はヘリコプターもとめておりましたから、したがってその間には多少の練度は落ちるかもわかりません。それはもとへ戻って楽なところがら始めていくわけでございます。それだけ練度が落ちます。落ちても、私は安全ということの中でやっていく、こういう考えで始めさせていただいたわけであります。
  309. 上田哲

    ○上田哲君 練度が先ではない。つまり訓練計画が先ではなくて安全が先だというのなら、安全には国際的に認められた基準があるのです。そのためには十分な期間を設けなきゃならない。空域が非常に危険である設定だということはありますけれども、これはもう繰り返す時間がありませんからやめます。しかし、それは大きくあるが、それはそれとして、こういうあわただしい訓練再開をしなきゃならないということは、まことに常識的、慣習的にいって、明らかに安全度を無視した訓練優先、練度優先ということになるんですよ。もしそうでないとおっしゃるならば、いまからでもおそくない。この危険な状態があるんですから、この手直しを含めて訓練計画を――航空自衛隊はまだやってない、ほんの一部だとおっしゃるならばなおさらのこと、この訓練空域における訓練を、こうした問題が解消するまでおやめになったらいかがですか。そうでなければ安全第一だと言えません。
  310. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) ただいま御議論のありました大部分というものは航空自衛隊のものでありまして、陸上、海上の問題ではないわけでございます。それは小月とか宇都宮の訓練空域が一部ございます。あとは航空自衛隊が行なうことのようでございます。したがいまして、私どもとしては、ヘリその他が移動から始めていくようなことはまあやってもいいんではないか。しかし、申し上げますが、練度はそれでもずっと落ちておりましてもいいんである、こういう中で私はやらしておるわけであります。
  311. 上田哲

    ○上田哲君 だから、そんなに安全第一とおっしゃるならば、主要部隊はやっていないんだとおっしゃるならばなおさらのことですから、はっきりその話がつくまで、自衛隊は訓練をいまから中止なさるのが正しいじゃないですか。
  312. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) それはICAOと申します国際民間航空機関の精神というものは、運輸省、防衛庁の専門家でも十分検討して、御存じのとおり、ICAOの中でも一番大事なのは、あの精神は、国際航路に関係する部分は国際的に十分周知がなきゃいけないということだ。しかし国内的な、しかも低高度の、しかも、何と申しますか、訓練空域でない部分のことから始めておるわけでありますから、必ずしも私は、ICAOがそこまで義務として決定したものではない。ICAOは勧告の形でやっておりますから、ICAOの精神を踏みつつ、専門家もやり、私どももそういう中でやっていただいておる、こういう考えでございます。
  313. 上田哲

    ○上田哲君 どうも、時間がありませんからあれですが、長官、それは三百代言ですよ。ICAOは勧告ですよ。明らかですよ。しかし、その条約を承認して入っていれば、みずからの規範ではないですか。そんな小学生のようなことを言ってもらっちゃ困る。それでいいですか。まずいでしょう。まずいですね。そんな法解釈、条約解釈ではいけないでしょう。それを確認しておきましょう。
  314. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) もちろんICAOというものは当然航空安全です。しかし中心というものは、何と申しましてもICAOの精神は、世界各国が加盟しておる条約でありまして、国際航空を中心にしたものであります。だから、その精神はあくまでも貫いてまいらなければならない。
  315. 上田哲

    ○上田哲君 それは深追いしません。ICAOの示している周知期間の問題を言っておるわけではないのです。訓練空域設定から生ずる危険の問題ですよ。私はそれを繰り返さないと言っておる。繰り返さないと言っておるのに逃げられちゃ困るのですよ。それは時間がないからいいですけれども、そういうもろもろの含みで、訓練をいま直ちに中止するぐらいの思慮がなければ、あれだけの事故を引き起こしたことに対する防衛庁の反省がないし、それは安全第一、安全優先ということではないでしょう。ことばはともかく、やっぱり練度中心ということになるのじゃないかということを論理的にお尋ねをしておるのです。しかし、水かけ論にならないために申し上げるのだが、こういうように練度を次にする、安全を中心にしなければならないということは、訓練計画をこういう形で遷延せしめる、三次防、四次防に向かっての自隊衛の整備計画というものが基本的にくずれていくということになるのじゃありませんか。
  316. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 基本的にくずれるかどうか、この問題はまだ十分に研究をしなければならぬ点がありますが、問題は、少なくとも今回の事故を中心にしてとられた処置、またこれが与えた影響等は十分私はいわゆる四次防と申されておるものの中に反映をさせていきたい、こういう考えであります。
  317. 上田哲

    ○上田哲君 ということであれば、いま具体的にはデータをお持ちにならないけれども、基本的に安全第一であって練度がその次だということは、安全第一、軍事はその次だとおっしゃっているわけですね。軍事整備はその次だとおっしゃっておるわけですね。こういういまいろいろ調整していることが結果的には危険をもたらすということになれば、安全第一だということをおっしゃるためには、安全第一を守るためには、四次防の遂行が若干おくれることがあってもやむを得ないのだということまでも含んでいるというふうに理解してよろしいですね。
  318. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) この点はこれからの問題でありまして、私どもは、御存じのとおり、防衛庁の原案、また一部の方はこれをたたき台と言っておられますが、いずれにいたしましても、できておる原案に安全の角度からもちろん反映はさせていく。その中で、これは防衛庁だけではございません。御存じのとおり各政府のいろいろな機関がございます。そういうもので検討を経てまいりたい。これがおくれるかおくれないかはまだ今後の作業にかかっておる、こういうふうに解釈いたしております。
  319. 上田哲

    ○上田哲君 いままで安全ということがこれだけ防衛の上に出てきたことはない。そこで、私は新長官の心がまえを伺いたいんだが、それだけ安全を第一にするならば、安全の支障が出てくる場合には、ことばはおかしいけれども、安全の支障が出てくる場合には四次防がその上には立たない。安全のためには四次防の計画遂行がおくれることがあっても――もう半年おくれている、あと半年おくれるなら、そうすれば一つのものが出てくる。安全ということが先行しなければならないような状態の場合には、それを越して四次防の遂行はしない、こういう言い方はいいですね。
  320. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 少なくとも、私どもは何でもかんでも防衛整備をやりさえすれば国の安全と申しますか、国防体制ができるとは考えておりません。国防というものは国民の御理解がないものでやろうといっても、これは国防にはならぬ、この前提は十分に考えております。
  321. 上田哲

    ○上田哲君 私は、まさに四次防計画が裏にあり、航空優先の四次防計画が上にあり、そのための練度を高めるということの計画をストップしては四次防なり全体の整備計画が進まないということの中に、実は安全が犠牲にされているという具体例がここにいつも顔を出しているというふうに考えざるを得ないわけです。たいへん回りくどい言い方で御答弁をなすっているけれども、おっしゃっていることを論理的に詰めていけば。安全がほんとうに大事だとおっしゃるならば、これだけ安全が危殆に瀕しているときに、それを大事にされる限り、四次防というものはその上には出ないわけですね。上に出なければ四次防の計画遷延ということはあり得るんだということをひとつ共通の理解にしておきます。  そして、時間がありませんからこれで最後にしますが、ゴリ押しということばは抽象論ですけれども、少なくとも今回の低高度訓練計画の設定という非常にミスの多い、危険の多い状態ができたということは、私はやはりこれは焼け太りだと思いますよ。いままでは自由自在に確かに飛び回っていた。けれども、これは見えないところで飛んでいたのでだれも知らなかった。それを安全だと思っていた。それが今回は狭められた。狭められたところで頭を低くしてがまんしろと長官はおっしゃっているけれども、実際にはその範囲は、民間航空の飛行をこれだけ阻害しながら、運輸省告示に触れるところで管制官が苦労しなければ飛べないようなところ、雷があるところには飛行機を飛ばせないというところにまで民間航空を圧迫をしておきながら、つくった訓練空域の中では自由自在に飛べる地区をつくった。そういうことからすればこれは焼け太りだと、こういうことが、ことばはたいへん悪いけれども出てくる理由もあろうと思う。そういう意味で明らかにゴリ押しというのは、一つには訓練計画――自衛隊の練度を高める、そのことを第一に考えてこうした方途をつくったということ。  もう一つは、航空行政の一元化ということをおっしゃっているけれども、時間がないからやめますけれども、宇都宮なり静浜なり、そうした自衛隊の飛行場から飛び立つ自衛隊機は、完全に今回もまた航空法上の規制から離脱をするということを前提にされておる。先ほど航空局長の答弁にも片りんが見えた。一元化はできぬですよ、そういうことでは。一元化はできないことを前提として自衛隊は存在をするということを今回の訓練空域設定の中に非常にまざまざと出したというところに、これはゴリ押しだと私は判定せざるを得ません。  時間がもう終わりましたから、超過しましたからこれ以上言いませんが、そういうことについてどういうふうにお考えになるかということと、もう一つ非常に具体的な問題だから……。先ほど航空当局あるいは運輸省当局ですかは、ICAOを守る、四週間ないしは最小限一週間は守るということでありましたけれども、もちろんこれは空域設定の内容の問題を含めてですよ、空域設定の内容を含めて、少なくとも周知期間というものは確実に守る。そういう前提を持ちながら、運輸省側とも十分話し合いをするし、話のしかたとしては、運輸省の航空行政が優位である。いいですか、運輸省の安全対策が優位である。運輸省のほう、しっかりしてくれ。そういう形で防衛庁長官はお話をなさるか。そこのところを最後にきちんと確認をしておきたいと思います。
  322. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) いまのICAOによって四週間か一週間、これは訓練空域等の状況によって、たとえば国際路線にかかるものなどは二十八日とか、いろいろございましょう。その諸規定に従って私どもはやってまいりたい。  それからもう一つは、いまの航空法でも、運輸省は管制は全体を統括している形になっております。ただ、おっしゃるとおりの形であるかもしれません。したがって私どもは、そういう中でやってまいる事柄は、具体的に将来の航空法の中における航空管制のあり方をどうするか、これは運輸大臣も申しましたように、われわれも重要な検討事項として研究をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  323. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はあらためて防衛庁長官にお聞きをしたいのですが、これは軍事優先をはっきりやめて、国民安全を優先させる、こういうふうに踏み切りますか。あらためてお聞きをします。
  324. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 私どもはあくまで国民の国土を守るということは、裏をひっくり返せば国民の生活なり財産なり全体を守るわけでありますから、したがって、いわゆる軍事優先というようなことは毛頭考えておりません。
  325. 岩間正男

    ○岩間正男君 ただいまの答弁で看板に偽りがないとすれば、私は先ほどから上田委員の質問を聞いておって、非常に重大な問題をたくさんはらんでいる、最も切実な問題を。したがって当然これは、八つの今度きめた低高度訓練空域というものを白紙に戻して再検討すべきだというふうに思うわけです。これはいかがでしょう。事実あなたのことばの裏づけとして、ほんとうにそれを行なうかどうかということをきめるべき問題なんです。どうなんですか。
  326. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) いま白紙に戻すか――そういう考えはございません。これは御存じのとおりに、閣議で了承を得ました基本対策に基づきまして空域分離、その中において専門家が集まって航行の安全を前提としてやったものです。ただ、先ほど上田委員から御指摘になりましたような面があればこれは直ちに是正する、われわれのほうもその分は使ってはならないことになりますが、それはおきまして、これを全部白紙に戻すという考えはございません。なお、今後の航空自衛隊等がさらに使うべき部分等は現在綿密に協議をしてもらうようにしております。
  327. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう答弁では、私はほんとうに態度がことばどおりになっていないのではないかと思うのです。これは今度の緊急対策要綱という問題についてはあとで触れますが、非常にずさんなものです。しかもにわか仕立て、一夜づけ、そういう結果が、先ほどのような問題をはらんでおるわけです。上田委員の提出された問題というのは非常にこれは重大な問題ですね。国民は非常にこれは関心を持っている問題です。こういう具体的な問題にどうこたえるか、どう対処するかということが、私はあなたのことばがほんとうに軍事優先をやめて国民の生命安全を第一に考える、そうしてこれをほんとうにこの要綱で貫くかどうかということのバロメーターだと思うのですが、これはどうするか、いまのような答弁では、この委員会というものは、これは国民の前に明らかになるのであれば満足しますよ。一体どうなんです。
  328. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) もちろん国会の御審議なり御批判というものはわれわれ十分耳を傾けなければなりませんが、私の申しておる事柄は、御出席の委員各位におかれても御理解いただいている方もあるのではないか。私は、やはり軍事優先という姿勢は絶対にとらない、航空安全というのが最優先である、しかしその中において国会で認められた態度を私どもは遂行していく、こういう姿勢でございます。
  329. 岩間正男

    ○岩間正男君 危険が具体的に指摘されたんですね。抽象論じゃないんですよ。具体的に出されたわけですね。それに対してはっきり私はあのずさんな、そして全くもう国際法にもこれは違反するようなやり方で、一夜づけでやったやり方、こういうものをほんとうにここで反省するかどうかということは必要だと思うのですが、これは態度は変わりないのですか。あなたは、そういうことであくまでも突っぱられるところに問題があるのじゃないか。ゴリ押し、ゴリ押しということが出てまいりますが、これがひとつのいまの自衛隊の姿勢じゃないかと、こういうふうに考えられるのですが、いかがですか。
  330. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) たいへん岩間委員からおしかりをいただきますが、絶対に私はそのゴリ押しという姿勢はとるつもりはございません。御存じのとおり、先般の事故は単に航空事故だけではない、全自衛隊が反省すべきだとして、われわれはじめ全部やって、期待をし、またその覚悟でございます、決意のもとでございます。したがいまして、ただいまの上田委員から御指摘のあったような問題点がかりに明らかになるとすれば、それはその部分において、あるいはそれを全体にからめてどうするかということはございますが、しかしこれは専門家によって、ケース・バイ・ケース、具体的に、しかも客観的に科学的にやればはっきりわかることでございます。
  331. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう答弁でこれは日をかせいではいかぬと思うのです。  それじゃまあ具体的に、私は軍事優先をやめるという態度とも関連してお聞きしたいのですが、この、問題になりました下関小月基地上空で全日空機が海上自衛隊機とニアミス事件を起こしている。この問題について、この自衛隊の態度というのは、非常にこれは国民は不審に思ってるわけです。私はお聞きしますけれども、これについて運輸省はどういう態度をとっているのですか、一体。運輸省からこの問題の経過を簡単に話して、さらにこれに対してとってきた措置についてお聞きしたい。簡単にやってください、時間がないから。
  332. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) まず今回のニアミスの経過を申し上げますと、これは御承知だと思いますけれども、小倉発の大阪行きのフレンドシップ、これが計器飛行方式で午前九時二十四分に小倉を出発しております。そこで、福岡航空管制部の指示によりまして小月東出発経路というところを通っております。このフレンドシップ機の機長報告によりますと、全日空機は午前九時三十一分小月NDBの上空を四千フィートで通過しました。その一分後の九時三十二分ごろ、小月NDBから七十九度の方向、約二・五マイルの地点上空におきまして、メンターらしき二機編隊が全日空機の前方約二分の一マイルを横切った。そのときの高度は約五千四百フィートであったと思われる。それからさらに高度一万一千フィートに上昇してまいりまして、同機は、直ちにそのことを小倉の管制塔に連絡いたしました後、午前九時四十分に指示された巡航高度一万一千フィートに到達し、大阪に向けて飛行したということが今回の内容でございます。  そこで、そういうことの報告が参りましたので、直ちに私どもといたしましては、小倉のタワー、それから福岡の航空交通管制部、それから防衛庁に連絡をとりましてすぐ調査に入ったわけであります。そこで引き続きなお航空局職員が現地に参りまして調査中でございます。しかし、現在のところ、まだ客観的にどうであったかというようなところまで判明いたしておりません。  なお、自衛隊のほうからのお話によりますと、当時、自衛隊のほうとしては、小月ポイントにおきましては三千フィート以下で行動しておった。したがって、五千四百フィートのところを全日空機が通っておったとすれば、そこと接触することはないだろうということが現在までの状況でございます。
  333. 岩間正男

    ○岩間正男君 どういう態度をとったかということを聞いているのです。だから、はっきりこれは防衛庁に対して、こういうニアミスについて、これはけしからぬというので申し入れをしたのか。それからもう一つは、佐藤総理に対して、これは何かニアミスがあったらすぐに報告しろということをこの前佐藤総理は言っているわけです。これについてはどうしたんですか。
  334. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) そこで、今回のことにつきましては、こういう報告が入りましたので、防衛庁のほうに対しては直ちに、こういうことがあったけれども事実であるかどうかということで、抗議と申しますか、さっそくそういうことは申し入れをいたしました。それから佐藤首相には、当然これは報告いたしました。それから、なお現在引き続き、現地に調査員を派遣いたしまして調査中でございます。
  335. 岩間正男

    ○岩間正男君 この結果は、まだきまっていないと言うんですか。事実であるかどうかということは、申し入れにならぬじゃないですか。ニアミスだってあなたたちは結論を出していないんじゃないか。まだ調査していると、そういう段階ですか。
  336. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) かりに双方の言い分がそのとおりであるならば、ニアミスを起こすはずはないわけであります。と申しますのは、全日空のパイロットは五千四百フィートを飛んでおったと言っておりますし、自衛隊のほうでは三千フィート以下であったと言っておりますので、これは現在のところでは水かけ論で、これは証明する客観的なものはない。したがって、現在調査中で、それ以上客観的なものはまだつかんでいないということでございます。
  337. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはいつごろわかるんですか。非常にやっぱり重大な問題ですな。どうなんですか。あなたのほうは、実際、具体的なそういう記録がない、そういうことを言っているんですけれども、現に機長ははっきり見ている。それから来た機種もはっきり見ている。こういうことでしょう。こういう問題についてはどうなんです。調査したんですか、その後。
  338. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 機長はそのように申しております。しかしそれが事実であったかどうか。片一方、自衛隊のほうはそういう事実はないとおっしゃっておりますので、その辺についてはどうも絶対的にどうであったかということは、まだわかりかねます。
  339. 岩間正男

    ○岩間正男君 先ほどからの態度は全然背骨がないんだ。何です、それは。あなたたち、軍事優先、これをやめさせて、この前のああいう百六十二人の悲惨な事故は繰り返さない、こういう立場に立って、そうしてこの問題は再検討しているんでしょう。ところが、先ほどからのやり方といい、全然主体性がない。そういうかっこうで申し入れたって、いま言ったように、自衛隊のほうに聞いてみたら全然違っている。違っておるんでございますかと申し入れをしたんですか。ばかにもほどがある。
  340. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 私どもは当然、先生がおっしゃいますように、私どもは民間航空の安全運航を第一に考えております。したがいまして、防衛庁に対しましては、これがニアミスであるかどうかということについては、客観的に判定はできませんけれども、それ以前に、小月ポイントにつきましては航空空域を分離いたしまして、民航のほうは四千フィートからのぼっていく、自衛隊のほうは三千フィート以下であるというふうな分離ができております。したがいまして、そろいうふうな分離というものは厳重に守ってもらいたいということは厳重に申し入れております。
  341. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは文書か何かで申し入れたのですか。
  342. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 口頭でございます。
  343. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういうものは、もっと明確にやらなければだめだよ、口頭なんかよりは。だれに申し入れたのか、具体的に。
  344. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 防衛局長です。
  345. 岩間正男

    ○岩間正男君 防衛局長、どういうなにを受けていますか。
  346. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 航空管制圏の中では三千フィート、すなわちこの中では三千フィート以下で飛行してほしいという要望を受けております。われわれのほうでは、小月の航空部隊で飛行訓練をやらせる場合に、三千フィート以下で管制圏の中は飛行するようにということをすでに指導しておりました。
  347. 岩間正男

    ○岩間正男君 厳重に申し入れたということは、厳重だったかな。
  348. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 厳重でありました。
  349. 岩間正男

    ○岩間正男君 八百長はいけませんよ。  それじゃお聞きしますけれども、防衛庁はこれに対してどういう見解を持っているか、防衛庁の立場を聞いておきたい。
  350. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 運輸省から厳重に申し入れがありましたが、私どものほうでは、すでにその趣旨をそのとおり実行しておりましたから、当然のことと思って、そのとおりその後も指導させておるわけであります。したがいまして、運輸省の考え方とわれわれの考え方との中には矛盾するところはないし、協力し合って、この安全のための指導が行なわれているというふうに思っております。
  351. 岩間正男

    ○岩間正男君 そんなでたらめ言っちゃいけませんよね。向こうは、厳重に申し入れをしたというでしょう。協力しているなら、厳重に申し入れる必要はないでしょう。はっきりニアミスというものを認める立場から申し入れしているんでしょう。民航機の安全というものを考えて申し入れをしているんでしょう、少なくとも。その立場に立たなければ守れないじゃないですか。そうでしょう。そうですね。はっきり言ってください。
  352. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 当然、私どもといたしましては、民航機の安全というものを確保する上から申し入れているわけです。
  353. 岩間正男

    ○岩間正男君 ところが、実際はニアミスがないと言うんですが、どういうあなたたちの根拠からそういうことを言っているんですか。
  354. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) これは下でレーダーで見ておるわけではございません。したがいまして私どもは、事件の当日は、こちらから電話で向こうの調査したものを聴取したわけでありますが、その後、昨日それから一昨日、こちらから係官を派遣いたしまして実態を調査させました。  で、編隊機でありますから、当然二機にそれぞれ教官が乗っております。それらの教官の証言によって航跡を書いてみますと、まずこの時間が九時三十二分ということでありましたが、九時三十二分の時刻には管制圏の中に自衛隊機は、少なくとも東半分のほうにはいない。つまり東側のほうには、いまの民航機が飛行しているところでありますから、そこで、東半分を飛行している三つの編隊、これはそれぞれ小月の管制圏の中にいなかったことは当然として、十マイル範囲内にも九時半ごろにはいないということで、もっと先のほうである。九時半現在で三千五百フィートあるいは四、五千フィートのところがありますのは、すでに訓練空域の中でありますが端のほうに入っている。したがって、もし生ずるならば、小月の管制圏外に民航機が出ておりませんと、つまり、この所定の経路をはずれていないともっと接近する可能性が全然ないということで、私どものほうでは、民航機のパイロットを調べておりませんのでわかりませんが、教官の証言を総合してみますると相当遠距離であります。三つの編隊のうち二つは、九時半現在では一つは二千フィート、一つは三千五百フィート、もう一つはいま言いました四千から五千フィートぐらいでありますが、これはさっき言いましたような訓練空域の中に入っているということで、これは私どものほうは視認をいたしておりませんが、ニアミスのケースではないというふうに判定いたしております。
  355. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはニアミスの概念のきめ方ですね。こういうことにも問題があるのだろうけれども、いま問題になっているのは、あのような大惨事を起こしたあとの問題、これに対してはもっと神経を鋭くするのはあたりまえだと思うんです。ところが、防衛庁態度を聞いていると、全部これを否定する側に回っているんですね。そして何回もあなたたちの態度を変えているでしょう。最初はこういうことを言ったでしょう。全日空機が飛行高度を誤ったものと、こういうふうに最初は発表した。ところがその後態度を一変させて運輸省航空管制事務所が全日空機離陸の情報を小月基地に通報しなかったからだというように責任を転嫁させておる。たえず態度が変わっているんですね。どうもつじつまを合わしているようにしか思えない。調査と言っても、この調査の仕方はおかしい。私は現に、この前の岩手の惨事のときに現場に行っているんですよ。そうして松島のあの司令ですね、あそこの現地の司令に話を聞いた。そうすると、全部やっぱり自分たちの非を打ち消すような態度ばかりとっている。時間の関係からこれは詳細にはやりませんが、こういう態度、くさいものにはふたをするという態度、こういうかっこうが出ているのですが、どうしでこんなに態度を一体変更するんですか。おかしいじゃないですか。そうすると、全然これは民航機は偽りを言ったということになるわけですね。そういうことなんですか。
  356. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 民航のパイロットが偽りを言ったという証拠は私は持っておりませんからそれはわかりませんが、しかし、少なくとも民航機が所定の経路をたどっている限りは、わがほうの飛行機とぶつかる可能性もない。高度も違いますし、距離も非常に遠方にあるということを申しているわけです。  それから、この態度が何べんも変わったというふうに御指摘になりました。民航が五千何フィートで、民航のほうが悪いのだという発表は私は存じておりませんが、あるいは、したとすれば、おそらく小月の上が四千フィートあるということと、それを取り違えたのではなかろうかというふうに私は思います。  それからパイロットが、この小月のタワーに小倉の空港事務所のほうからフライトプランを通報するということになっておりますが、それがなかったという事実は、おそらく報道といいますか、発表したのであろうと思いますけれども、そのために今回のミスが起こったということは私どもは考えておりません。
  357. 岩間正男

    ○岩間正男君 これについて航空局長の見解を聞きたい、運輸省側に。どういう、一体正規の航路を飛んでおったのかどうか。どういうことですか。
  358. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 先ほどのパイロットの報告によりますと、先ほど申し上げたのは変わったわけでありますが、私どもといたしましては、交信記録などから調べまして、はたしてそういうようなことが起こっておるかどうかということを調べてみました。ところが、やはりそのとおりの交信記録でございますので、大体パイロットの言っていることは確かだろうというふうに考えます。
  359. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、正規の航路を飛んでいるという確信を持っておりますね。
  360. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 現在の段階では、そのように考えております。
  361. 岩間正男

    ○岩間正男君 私はここで防衛庁長官にお聞きしたいのですが、どうも防衛庁の態度、自衛隊の態度そのものは、非常に国民はこれは疑惑を持っているわけです、この問題について。この問題はやはり安全の問題、最近の事故発生後におけるほんとうに姿勢を問われている。そういう問題として、これはわれわれは明確にしなければならぬ、そういう問題ですよね。  これによりますというと、たとえばこういうことを言ってますな。内田海幕長は、この件について、全日空機が正規のルートを飛んでいたのはほんとうだろう。こう前提しながら、いまのところニアミスしたという自衛隊機はなく、事実はわからない。パイロットがニアミスされたという全日空機を見ていかなったことは、もし、それがほんとうなら憂慮すべきことだ、こう言ってるんですね。ここのところ、私はほんとうにそう思うんだが、これはどうです。防衛庁長官に聞きたい、これを見なかったとすれば非常に憂慮すべきことだと言っている。
  362. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 先ほど来いろいろお話が出まして、防衛庁がまず隠すんじゃないか、こういうことに対してはっきりお答えはしなけりゃならぬと思います。  今日、御存じのとおり、大きな事故を起こし、ややもすれば国民から非常に御信頼をいただけないというおそれもなきにしもあらずであります。そこで、こういうような事故でございましても、私どもとしては、現地で各編隊全部、パイロットを、気がつかないままで帰っておったのを集め、詳細に航跡その他専門的に調べると同時に、これは隊だけでやったんではまた国民が疑惑をお持ちになるかもしれぬというので、宇都宮からさらに上級の幕僚長をやり、さらに航空自衛隊からも特別の監査の責任者を送りまして、そうして航跡そ他詳細に調べまして、時間がございますれば局長からさらに細部を御説明させたいと思いますが、しかし一方において、確かに全日空のパイロットのほうも、そういう通信を出しておられます。また報告も出しておられます。だから、何か客観的なものはあったんじゃないか。ただ、客観的なものがどういう状態だったか、それがほんとうのニアミスであったのか、あるいは大きな雲を背景にして、そうして見ますと、距離感なども違うそうでありますから、そういうような形で、九百メーターというのがもう少し離れておった、そういう状態が類推できるのかどうか、そういう点をかなりわれわれは想像しながら、さらに、運輸省方面でもまた全日空のパイロットにできる限りの事実を明らかにするようにお願いをしておる。  それから、見なかったかという、これは専門のほうの答えをしていただいたほうがいいですが、上のほうは見にくくて下のほうが見えるというような飛行機の機体の構造等もあるだろうと思うんでありまして、そこのところはわれわれ専門的にはわかりませんが、決して私どもは、くさいものにはふたをするというより、むしろ私も、きょうは全部こういうものは出して、そしていくことのほうが国民の御信頼を得ると。ただ、今日現在では、そういうような形で食い違いがある。これはまあ広い空であるし、雲はその間にたくさんかかっておりますししますから、いろいろな目測で考え方がちょっと違うという場合はあり得るんじゃないか、こういうふうに考えております。
  363. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく結論はまだ出ないということですね。調査中だというんですね。私はそういう態度で――いま非常にやはりむしろ自衛隊は神経質になっていいんじゃないか。そうでしょう。あれだけの大惨事を起こした、国民の目がみな向いてるんです、そこへ。ところがこのような、これはやはり異常接近というやつはすぐに事故につながる問題。それが、あれから何日になります、わずかに三週間でしょう。三週間のすぐあとに、しかも国会であれだけ問題にされ、そうしてこれは総理をはじめとして、とにかくまあ軍事優先はやめる、国民の生命をまず第一に考える、こう言って対策要綱までこれは発表した。そういうあとに、今度は、先ほどあったけれども、非常に拙速なやり方でまた訓練を再開した、海自が始めた。こういう事態の中で起こっておるんですよ、問題は。単純な問題じゃない。ニアミスをニアミスと見ないというようなその方向ですね(ここに私は自衛隊の姿勢があるんじゃないかと思う。国民のほうに依然として目は向いていない、そういう方向にあるのじゃないかというふうに思うのですが、その点が重大です。事故を再発させないという誓いのもとに私たちはこうして質問している、国民はみなそれを望んでいる。こんな夜分にかけての審議もそういうことでしょう。上田委員のあのような具体的な事実の指摘というものもまさにそこにつながっている。これにこたえなくて、そういう立場に立てば、私はどうもこれはおかしいと。防衛局長はその先頭に立っていられるわけだけれども、あなたはこういうことを言ったんですか。たとえば夜道の女性が一人歩きで、こわいと思えばこわい、こういうことを、あなたのことばだというふうに聞いていますが、これは事実ですか、どうですか。
  364. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 人のことばをそのとおりに書くということはたいへんむずかしいことでございまして、私の言ったことばは議事録に載っていると思いますが、そのことばではございません。
  365. 岩間正男

    ○岩間正男君 どう言っています。
  366. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) 言おうとしたことは、ニアミスというのは非常に相対的なものであるということを言おうとしたわけであります。問題は、私のほうがこわくなくても、相手のほうがこわい場合もある。これは特に自衛隊機と民間機の場合に多い。自衛隊機は意図的に行動しますけれども、民間機の場合には一定の高度、方向を走っている。したがって、相手がどう来るかわからないという感じを持たれる。したがって、そこに不安感、危険感を感じられる。自衛隊機のほうはこういう行動をしようと思っていますから、二、三千フィートに近づくことがあってもそれほどこわくない、あるいは自分のほうで高度差が十分保たれていると考えるから、それはこわくない。そういう相対的なものであるということを言おうとしまして、悪い例でありますが、こういうことも考えられると申しましたのは、夜道を女性が歩いておりまして、私が、と言いましたが、私が後をついて、ひたひたと歩いて行けば、私はこわくない、前の人をどうこうしようというつもりはありませんから。しかし前の女性はこわいであろう、そういった相対関係のものであるということを言おうとしたのでございます。
  367. 岩間正男

    ○岩間正男君 国民のこわい気持ちはあなたわかっている、これは茶化したことにもなる。このことばは不謹慎ですよ、こういうことば。事態を考えてください。あの大惨事以後、国民の声の中で、激動した感情の推移の中で考えてください。その中でこういうことばは、あなた自衛隊の防衛局長でしょう、一番中心になっておる。そしてさっきは抗議を受けた。だからこれに対して、最初からもうニアミスでない、ニアミスでない、そういうことをほんとうにこれはつくり上げるようなそういう方向でこれは発言されている。私は逆じゃないかと、この問題。むしろこの問題は、本気になって考えるなら、積極的にこれはやはり取り上げて、国民のこわい気持ちがいつでもついて回るから、こわくてしようがないのだ、日本の空は。このこわい気持ちはわからない、麻痺しているんだ、感情が。この点反省がないですか。国民の気持ちに立っていない証拠じゃないか、いままでの答弁だと。どうです。
  368. 久保卓也

    ○説明員(久保卓也君) やはりこのニアミスというのは片方が不安感を感じる、危険感を感じるという事態でありますので、こういった事態をなくさなければいけない。やはり長官も再々言っておられますように、航空交通の安全という見地からするならば、こちらがだいじょうぶと思っても相手が不安と思うような事態、そういった事態は避けなければならない。少なくとも、客観的な事態におきまして、相手が不安を感じる、そういうことを起こさせないようにする必要があるだろう。そういうことで私どもいま検討しようとしておりますのは、ニアミスではありませんが、ニアケースとたとえば言いましょうか、どういう方向の場合に何千フィートに近づいてはいけない、あるいは高度差をどういったふうに考えるといったような具体的な数値でもって自衛隊の行動を規制する。そういうことでニアミスそのものが起こらないようにしたいということで検討を進めたい。そういう思想というものは、いま先生のおっしゃったような思想に合致するだろうと思います。
  369. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく、自衛隊に対する国民の疑惑というものは、こういう問題でますます深まっていく。そして事実、駿河湾で前の日でもニアミス事件があったでしょう。そうしてその背景は、さっき上田委員が説明したように、実にこれは拙速に訓練を急いだ、そういうところからきておる。その背景にはいろいろあるでしょう。あなたたちは戦力増強のそういう至上命令を受けておる。四次防の問題、さっき出ましたけれども、そういう背景がある、そうでしょう。だからそんな点は、やはりほんとうにあなたたち裸になっておるかどうかということはこれはわかりますよ。  私は、次にお聞きしたいのですが、こういうものを起こす原因ですね、これはいろいろ先ほどからも出ております。この前、政府は緊急対策要綱を出したわけですね。この要綱そのもの、これはどうなんです。一体完全なものですか。この要綱そのものについてこれはお聞きをしますけれども、総理府副長官来ていますか、これはどう考えておりますか。
  370. 砂田重民

    ○説明員(砂田重民君) お答えいたします。  先生御承知のように、この要綱は交通安全対策会議、交通安全対策基本法に基づきました閣僚会議で決定したわけでございますけれども、先般の事故にかんがみまして、国民の皆さまが持たれた空の旅行に対する不安感、これを何とかして払拭をしたい、そういう意図から、閣議できまりましたこの交通安全対策会議の下部機構的な航空交通管制連絡協議会、こういうものをつくりまして――総理府、外務省、運輸省、防衛庁で、この協議会で案を練ったものを交通安全対策閣僚会議で決定をしたものでございます。金と時間をかけてやっていかなければならない問題は問題として、緊急に当面やらなければならない運輸省、防衛庁両方の統一見解を出したい、こういうことから決定をしました緊急対策でございます。  したがいまして、表現が非常に簡単なことが書かれてございますが、この中身につきましては、この緊急対策の五番目の項目に書かれておりますように、運輸、防衛両省で具体的にもう少しこまかいことを詰めなければならない問題が残っているわけでございます。その細部の詰めを運輸、防衛両省でいま詰めてもらっておる段階でございまして、引き続いて航空交通管制連絡協議会というものはそのまま存続がしてございまして、この緊急対策に基づいてのこまかいとりきめというものを、逐一、きまるものから順番にこの協議会で決定をしていこう、こういうふうに考えているわけでございます。とりあえずとりました、先般発表いたしました緊急対策要綱につきましては、長い間、運輸、防衛両省で協議を続けながらなかなか方向も決定ができなかったことを、一応方向づけをいたしました。そういう意味では、私は価値のあるものと、かように考えております。
  371. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、完全だかどうかと私聞いているのですけれどもね、たとえば具体的に聞きましょう。これは新聞でも問題になっているのですが、要綱の2、これは、(イ)、(ロ)と分かれていますね。次の空域で有視界飛行方式による訓練飛行ができる、こうなっていますね。それで、その(ロ)では「航空交通管制区における最低高度より一〇〇〇フィート」 約三百メートルですね――「低い高度以下の空域」、ここでは有視界飛行訓練ができる。こういうふうになっているわけですがね。ところで、航空交通管制高度、これは空港で管制官が管制している高度ですね。これはどのくらいなんですか、何メートルですか。
  372. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) ちょっと御質問の趣旨がわからなかったわけでございますが、管制区で管制している高度でございますか。
  373. 岩間正男

    ○岩間正男君 管制高度です。航空交通管制高度。空港で管制官がちゃんと管制している範囲、その高さ、高度はどのくらいですか。
  374. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 高さは、管制区の中にもいろいろな経路がございまして、たとえば上昇経路でございますとか、あるいは待機経路あるいは進入、出発経路、こういうようなものがございまして、それぞれによって最低の高度が違っております。
  375. 岩間正男

    ○岩間正男君 だから、それを言いなさいよ。
  376. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) その場所によってそれぞれ違っております。
  377. 岩間正男

    ○岩間正男君 場所によってと言ったって、これは全部に適用されるのですから、高度言いなさいよ。
  378. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) じゃちょっと御説明申し上げますと、この「航空交通管制区における最低高度」、これは確かに非常にわかりにくい表現でございまして、先生御指摘になりますように非常に誤解されやすいと思います。それで、ここでいま申し上げますのは、これをこのまま読みますと、航空交通管制区の中には、これは告示できめてございますが、その上から下までこういうふうな容積がございまして、この下の下限のところを、あるいは地上から二百メートルとか、あるいは地上から四百五十メートルとかいろいろきめてございますが、その下限の高度を言っているわけではございませんで、その下限の高度は、いま申し上げましたように二百メートルとかあるいは四百五十メートルときまっております。そうじゃなくて、ここに申しております「航空交通管制区における最低高度」と申しますのは、いま申し上げましたような上昇、進入経路、出発経路といったようなものでございまして、それが各空港によってみなそれぞれ違っているわけでございます。
  379. 岩間正男

    ○岩間正男君 各空港できまっているのだけれども、三通りぐらいあるわけでしょう。その中で一番低いのは、それをとっているところは大体これは七百フィートぐらいですよ。そこのところを管制しているのでしょう。そうすると、このような一般的な、この(ロ)で千フィート以下のその低空空域と、こういうことになりますと、どういうふうになるのです。地上から管制しているわけでしょう。その高度が二百十メートルというところがあるわけでしょう。そうすると、一般的にこういうふうに書いておいて、そうして、約三百メートルでしょう、三百メートル以下の一体空域というものはどういうふうになるのです。
  380. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) そこで、その航空交通管制区におけるいわゆる底と申しますか、下限のところ、これは、いま申し上げましたように、あるいは二百メートルであるとか四百五十メートルとかございます。しかし、ここで申しております「航空交通管制区における最低高度」というのはそれを言っているわけではないんであります。そこで、その意味で、いま申し上げましたような上昇経路でありますとか進入経路とかということがそれぞれきまっておりますので、それの最低高度から下の千フィート以下と、こういう意味でございまして、その場合には空域があるわけでございます。
  381. 岩間正男

    ○岩間正男君 解釈を聞いているんじゃないんだ。このことばの客観的な解釈は明確でしょう。二百十メートルと、二百十メートルの下と言ったら地下九十メートル。そういうようなやり方で、たとえば非常にずさんなものだという一例として私はあげておる。こういうかっこうで、これは速成なんですよね。要綱なんて権威のないものだ。この前、連合審査会で山中長官が来て、そうしていかにも権威のあるようにわれわれに説明をして、それから印刷をしてみなに配ったもの。そうでしょう。それで今度の空域をきめたんじゃないですか。そうでしょう。それはそうでしょう。いろいろ多く言う必要ないですよ、時間がないんだから。そうだとか、そうでないとか言えばはっきりするんだ。
  382. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) そこで、初め、語句が非常に誤解を受けやすい語句であるということはお断わり申し上げたわけですけれども、ここに言っております「航空交通管制区における最低高度」ということは、管制区の下限の高度という意味ではないんでございます。したがいまして、かりにその管制区における下限の高度ということになりますと、二百メートルとかあるいは四百五十メートルですから、先生おっしゃいますように空間がなくなるわけですけれども、そうじゃなくて、この場合には――ちょっとこの図をごらんいただくといいんでございますけれども、こういったようなところが、待機経路とかあるいは進入経路とかというのがございまして、こういったところがら千フィート下というふうなことが意味なんでございます。したがいまして、そういうところには空間があるということでございます。
  383. 岩間正男

    ○岩間正男君 この表現について聞いているんです。これでいいんですか。間違いないと思っているんですか。こういう表現で誤りなく今後やっていけるのか。これは新聞の伝えるところだけれども、日曜日にあんたたち責任者寄ったんだ。防衛庁運輸省と、この解釈を統一したのか、あるいは字句を訂正したのか。実際はそういう解釈が非常に不十分で危険、あいまいもことした、そういうものがあるのだよ。これは一例ですよ。一例だ。だから、この要綱というやつはもう一夜づけなんだ。どさくさまぎれの一夜づけで、そうして全く国民に申しわけ的にこれは出したと、こういうきらいのあるものです。これをほんとうにじっくり検討する、そういうことができない。決定させることもできない。そうして、しかも先ほど、これは上田委員の質問になるわけでありますけれども、全く拙速だ。これは国際法だって全部無視したやり方だ。そういうやり方でやっている。そういうところに事故を多発させる根本の根源が依然としてあるんだということですね。この点はどうなんです。そこのところ単純にやってください。時間ないんだ。
  384. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) 確かに先生御指摘のように、この対策、これは要綱でございますから、非常に抽象的に書いてございまして、おわかりにくいということは私もそう思います。ただ、御説明申し上げましたように、したがいまして要綱でございますから、これについてはそれぞれの解釈というものがございます。この解釈を御説明いたしますと、進入経路、そういったものが下でございまして、その場合には、あるいは二千フィートとか三千フィートとか四千フィートとか、そういうものがあるわけでございますから、その場合にはその下に空間が十分にあるという意味でございます。
  385. 岩間正男

    ○岩間正男君 包括的にいっているときに、一乗低いのは二百十メートルというのは、そういう(あるのでしょう。いろいろ種類があるんだ。包件できないでしょう。こんなもの要綱といっても実行できない。廃棄すべきですよ。これはこういうかっこうでつくられているんだ。非常にずさんなものだということは認めざるを得ない。あなたたちなぜ日曜日寄った。それで、それは相談したということは、これは新聞が伝えている。どうなんです。
  386. 内村信行

    ○説明員(内村信行君) これは再々申し上げてございますけれども、初めからこういうふうなことで考えておった。私が先ほど申し上げた意味で考えていたわけでございますけれども、結果として表現いたしましたところ、これを非常に簡略にいたしたものでこういう結果になりました。しかし、これではなかなかわかりにくいということで、もう一回いままでの解釈を確認し合ったというのが実情でございます。
  387. 岩間正男

    ○岩間正男君 これ確認で済む問題ですか。全部こんなのは詳しく書き直すべきだ。そうしてこの要綱をあらためて発表すべきだ。答弁をこれは国務大臣にお聞きします。
  388. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 私は専門ではありませんが、航空局長の言う精神というものはこの点にあると思います。ただ、これを実際確認するのに、両省が専門的に集まりまして意思をさらに統一をしたと、こういうふうに聞いております。
  389. 岩間正男

    ○岩間正男君 改定するんですね。改定しなきゃ平仄が合いませんよ。こんな解釈の余地を残しておったんでは実際話にならぬ。私は、今度のニアミス事件というのは、民間航空とその周辺での米軍機、自衛隊機の訓練がいかに危険きわまりないものであるかということをほんとにあらためてまざまざと知らしたと思う。私はここで先ほどから上田委員の熱心な質問も聞いておりまして、つくづく感ずることだ。どうしてもこれは、われわれはもっと明確な方針を出さなきゃならぬと思うんです。そういう点から考えますというと、第一に、これは民間航空路とその周辺の米軍機、自衛隊機、これはまあ訓練をやめるべきだということが第一。第二には、民間航空路の下にある軍用飛行場の撤去だ。これは即時撤去しなきゃならぬ。この二つの問題が、少なくともこのようなニアミスを起こしたり、さらにこれが高ずれば大事故につながる、そういう要素を持っておるものでありますが、これを根本から改めなければ私はこの問題の徹底的な解決はないだろう。実はこの問題について、この前の連合審査会で政府対策要綱を出しましたね。私たちも党としてこれに対する緊急対策を出したわけです。その項目の中に、今度のニアミス事件のこういう教訓からしますと、少なくともいまのこの民間航空路の周辺で米軍機と自衛隊機が訓練をやめる。それから民間航空路の下にある軍用飛行場の即時撤去をはかるべきだ。この二点が徹底的に行なわれなければ必ずこれは繰り返す。何べんも繰り返す、こう言わざるを得ないと思うのですが、これに対してどういうふうに考えますか。
  390. 西村直己

    国務大臣(西村直己君) 先ほど来申し上げますように、航空安全が第一でありますが、しかしながら、同時に自衛隊の基地、またわれわれは日米安保条約によりまして基地提供の義務を負っております。したがって、その間の調整は十分考えてまいりますが、これを即時撤去というようなことは、これは事実上不可能でございます。
  391. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ同じ緊急対策要綱の中で、アメリカ局長にお聞きをしますけれども、この七項目、これはお読みになったと思います。要綱第七によりますと、米軍の協力を求めるという点ですね。これは何かというと、米軍の空域が御承知のように依然としてあるということ、横田、岩国エリアの問題が出されました。今度の問題だって、岩国エリアを避けるために高度をぐんと上げたんでしょう。それでグリーン4に入る。そのために上げた、そのためにニアミス事件というものがそこで起こる可能性が出てきたわけでしょう。だから、そういうふうに考えますと、どうしても、協力を求めるというのだが、それを具体化しなければならぬと思うのだ。それで、当然これに対して、第一回会合を持ったのですが、日米の間で。この経過についてこれはお聞きをしたい。いつ持ったか。だれとだれが会ったのか。トップレベルの会談、これはマイヤーと外務大臣もおったようでありますけれども、しかしこれは、どのようにこれを具体化していくのか。それから、そのときの問題は何だったのか。とにかく米軍のニアミス問題も非常に起こっておりますね。この岩手の大惨事が起こったあとに、パイロットの夫人から、もうしょっちゅう米軍の危険にさらされておる、何とかこれを問題にしてくださいというので、わが党の「赤旗」にそういう電話が入ったことがございます。そういう点から考えますと、これは隠れた問題です。その背後には、この前指摘しましたように、はっきりこれは日米合同委員会合意書並びに附属書、そういうものがあるわけです。こういうものの撤去というものを明確にこれはしなければならぬというふうに思うのですが、この点について一点、これはお聞きしたいと思います。  もう一つだけあるわけです。
  392. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 続けてやったください、簡単にひとつ。
  393. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃお聞きをします。  もう一つは、管制官の問題でありますけれども、この管制官をもっと組織的に徹底的にやはり私はつくるべきだというか、養成すべきだというふうに考えるわけです。  そこで、行政管理庁の管理局長が見えておるようですが、これは、この前ずいぶん総定員法のときにわれわれ議論したわけです。総定員法でとにかく一律に切ってしまう。こういう中で一番問題になるのは、やはりこの航空管制官、それから気象庁、それから看護婦さん、それから大学の先生、こういうようなところを一律にめちゃくちゃに切ってしまう。その結果は、必ずこれに伴うところのいろいろな被害を国民に与えることになると指摘したわけですね。ところが、結局そういうかっこうで、当時は十分にこのような要求が組み入れられなかったわけです。  ところが、今度のこの問題を見ますというと、まあたいへんだ。人員は非常に不足。それから仕事量がどんどん、どんどんふえていく。そうして、全くこれは労働強化に追い込まれて、問題にならない実情があるわけですね。したがって、こういう体制の中で、もっとほんとうにこの問題に全面的にやはり力を入れて、そうしてもっと長期的な見通しを持った、そういう養成をはっきりと打ち立てなければならぬというふうに思うのです。この点で、まあ時間がないから十分なことは聞けませんけれども、一体どういうふうに考えているのか。とにかく第二次人員整理ということが考えられている。そうして、一方で切る、しかし、必要なところはふやすのだというようなことを言っているけれども、そんななまやさしいやり方では絶対この問題は解決つかぬと思う。根本的にやはりこれに対して人員をもっと大幅に養成していくということが必要だし、これについてのいろいろな訓練とか熟練度を増させる。それからさらに、これは一人では非常に不安定な要素を持っていますから、これは二人で勤務をしていくとか、そういうような複数の体制をとるとかということを考えますと、これは非常に重大な問題だと思うのです。そうして、しかもこれは待遇の問題もありますけれども、もうほんとうに安全を守るためには、まず管制官の安全から守らなければならない。こんな労働強化の中で、全く神経をすり減らすような何時間かの勤務について、しかもまあ技術的にはたいへんらしい。そういうようなことを考えますというと、こういう実態について、ほんとうにこれは調べているのかどうか。調べないんでしょう、おそらく。ただもうほんとうに一律平均でこの問題を考えているというところに大きな問題がある。この二つの問題を最後にこれはお聞きしたいと思います。
  394. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) まず第一問につきましては、すでに御承知のとおり、先般の全日空の事故発生以来、総理大臣はじめ木村外相代理、西村防衛庁長官にマイヤー大使がわざわざ会いに参りまして、米側の協力を約しておりますし……。
  395. 岩間正男

    ○岩間正男君 日にちを言ってください。いつだか。
  396. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) その点の日にちは、ちょっとここに記録がございませんが、事故発生の当日でございました、総理大臣にマイヤー大使がお会いしたのは。
  397. 岩間正男

    ○岩間正男君 二十六日には就任していないじゃないか、事故発生当時。
  398. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) その翌日、西村防衛庁長官がお会いしたわけでございます。なお、今回の安全対策要綱閣議において決定されましたその日に、われわれは在日米軍の参謀長を呼びまして、わがほうから要綱の概要を説明しました。そして続いて、先週半ばから米側を招き、運輸省とともに要綱の説明を行なっておりまして、その細目につきましてやはり先方から、先ほど先生が御指摘のような点等につきまして質問がありました。さらに双方の専門家で問題を詰めるためにずっといままで協議しております。で、この問題は、もちろん日本側においてもさらに細目を詰めなければならないわけでございますから、これらが固まっていくそのつど、先方の専門家とわがほうの専門家がさらに協議をしていくことになっております。
  399. 岩間正男

    ○岩間正男君 だれですか、専門家というのは。具体的に言ってください。だれとだれ、何日に第一回会議をやったんですか。
  400. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) 第一回の会議は八月九日、それからなお専門家運輸省の航空局の担当官でございます。
  401. 岩間正男

    ○岩間正男君 向こうは。
  402. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) 先方は、先ほど申し上げましたように、在日米軍の参謀長、それから第五空軍の専門家
  403. 岩間正男

    ○岩間正男君 議題は。
  404. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) 議題は、先ほど申し上げましたように、今回の緊急安全対策要綱についての先方の協力を求める件と、こういうことになっております。
  405. 岩間正男

    ○岩間正男君 具体的にどうなんですか。
  406. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) 問題は、さらにいままだ細目につきまして質問の段階でございまして、わがほう自体も細目を詰めていかなければならない関係にございますから、それと並行して協議をしておる次第でございます。
  407. 河合三良

    ○説明員(河合三良君) お答え申し上げます。  三年五%削減につきましては、各省庁の業務の実態に応じまして、行政運営の合理化、機械化等による定員削減の問題を十分に検討いたしておりますので、一律にいたしておるわけではございません。  管制官につきましては、管制官以外の航空保安関係職員も含めまして、この削減率の最低の分野に入れてございまして、もちろん管制官につきましては、運輸省の運輸行政の実態から見まして、これを削減しないということができるわけでございます。またそういうふうな御方針と承っております。また管制官につきましては、過去三年間に約二百数十名の増員もいたしておりますし、そういう点で、よく今後の問題につきましては、昭和四十七年度の予算要求に際しましては前向きに、航空行政の安全の万全を期するため、前向きの姿勢で検討いたしたいというふうに思っております。また管制官につきましては、ただいまの御指摘のように、この待遇の問題あるいは訓練の問題、いろいろございますが、それぞれ所轄の部局におかれまして十分に御検討をいただいておると思いますし、そういう点につきましても十分連絡の上、定員問題について対処したいというふうに思います。
  408. 岩間正男

    ○岩間正男君 一つだけ最後に……。
  409. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 時間が非常に過ぎておりますので、一間だけ、要点だけ……。
  410. 岩間正男

    ○岩間正男君 具体的にお聞きしますが、アメリカ局長に、具体的にどうなんです。ブルー14はどうするのか、横田エリアはどうする、岩国エリアはどうする。そうして、これらの法的根底になっておる日米合意書並びにこの附属書、こういうものについてはどうする。そういう議題があるのですか、ないのですか。そういう問題についてお互いに話し合っているのですか、どうなのですか。この点が明確でなければ、さっきのあの抽象的な答弁では、協力を求めると言ったって何に協力を求めるのかわからない。私はどうしてもこの問題で、こういうものを撤去の方向にいかなければどうしても根本的な航空の安全というものははかることができない。その点はどうなのですか。そういう要求をしているのですか、どうなのですか。
  411. 吉野文六

    ○説明員(吉野文六君) 今回の米側との協議は、先般の緊急安全対策要綱についての米側の協力でございまして、先生の御指摘のブルーMとか横田エリア、岩国エリア等の米軍基地の航空管制の問題とは性格を異にいたします。もっともブルーMは、御存じのとおり、これは航空法に基づく通常の航空路の一つでありまして、別に米軍が使っておるというものではございませんから、これはむしろ、わが航空当局が今後どうしていくかという問題だろうと思いますが、少なくとも、先ほど西村防衛庁長官が御指摘のとおり、安保条約によりまして米側に飛行場を含む基地を提供している以上、それに伴う航空管制はやはり地位協定に基づきまして米側と認整することになっておりますから、これは安全対策に関係する限り、われわれは先ほど申しましたように協力を要請するわけでございますが、それ以外の点では本件と関係ないものとわれわれ考えております。
  412. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。     ―――――――――――――
  413. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 自衛官の募集に関する件を議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。
  414. 沢田実

    ○沢田実君 予定時間が非常におくれておりますので、私はいろいろ問題ございますけれども、自衛官の募集についての中の一点だけお尋ねをしたいと思います。  現在、自衛官の募集の現況はどんなふうになっているかということ。その中で、特に未成年の応募について親の同意等を取っているのかどうかというような現況について、まず御報告をいただきたいと思います。
  415. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 現在の自衛官充足状況は、陸は八七・八%、海が九七・二%、空が九九・五%ということになっております。一番新しい資料でございます。それから少年自衛官の――少年自衛官と申しますと、少年工科学校あるいは海空の少年術科学校の生徒でございますが、これは中学校から入っております。こういう者につきましては、もちろん十五歳程度の者でございますから、これは当然親の承諮を得て入隊させております。
  416. 沢田実

    ○沢田実君 航空自衛隊で十八歳、十九歳等の未成年者が入っている場合も親の同意を得て入隊をさせている、こういうことですか。
  417. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 先ほどの御質問は少年自衛官でございますので、少年自衛官について申し上げましたが、一般の二士、いわゆる一般の隊員の募集、これにつきましては、やはり指導方針としましては、極力と申しますか、原則として親の了解を得るように指導いたしております。
  418. 沢田実

    ○沢田実君 親の了解を得るように指導することを原則としているけれども、現実的にはそういうふうに行なわれていないという状況なのか、指導を徹底してそのように実際行なっているのか、その点いかがですか。
  419. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 実際に指導いたしておりますけれども、やはり遠隔地から来ている者とか、たとえば沖縄から来ている人とか、そのほか地理的事情、時間的事情によりまして、なかなか親の了解の得にくい場合もあろうかと思います。その意味におきましては、原則は原則でございますが、実際に親の了解を得ていない者もあろうかと思います。
  420. 沢田実

    ○沢田実君 七月二十六日でございますが、岐阜県の各務原市のある家庭で、十九歳の一人むすこ、青年が家出をいたしました。書き置きがありまして、自衛隊に行ったことがわかったわけでございますけれども、行った場所もわからずに相当親は心配をいたしました。親は前々からそのことに反対でございましたけれども、二、三回自衛隊の方が家にいらして名刺があったことを思い出して、それで連絡いたしましたら、むすこさんは来ておるということでございました。そこで、親といたしましては、帰してほしいということを再三お願いをしたわけでございますが、親の意思は全く取り入れられないで、二十九日には山口県に立ってしまった。そしてその後、両親とも非常にがっかりいたしまして、悩んで、父親のほうはその後半月ほど仕事も手につかない。母親は持病のぜんそくで悩んでいるというような、非常に悩んでいる家庭が事実ございます。  そのことについて、事実問題をおたくのほうでもいろいろ調査していらっしゃると思いますが、そういうような実際の家庭があるわけですが、自衛官の募集について、特に未成年について指導どおりに行なわれない結果がそういうような事件を起こし、自衛隊に対する、あるいは防衛庁に対する国民の不信のもとになっているように考えますので、その点について防衛庁としてはどう考えていらっしゃるか、局長にお尋ねをします。
  421. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) ただいま御指摘の件は、先般わがほうの人事二課長に先生から御指摘がございましたので詳細に調査をいたしました。若干、先生の御指摘の点とは相違する点がございますが、とにかく自衛官の募集につきましては、原則として十八歳以上であるということで、労働基準法の労務協約の面から見ましても、十八歳以上になれば若干事情は違うわけでございますけれども、われわれとしましては、原則として、とにかく親の了解を得て募集を円満に行なう。そしてまた、入隊した後におきましては家庭と十分連絡をとりながら、両親の了解を得て、また広く一般国民の理解を得て自衛隊を育成してまいりたい、そういうような指導方針をとっておりますし、今後さらにその点にも留意いたしたいと考えております。
  422. 沢田実

    ○沢田実君 そういうことですと、親は、帰してほしい、十分相談してからにさしてほしい、こう言っているわけですが、さっそく山口県のほうに連絡して、帰していただけますか。
  423. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 自衛官の具体的な問題につきましては、そのつど十分事情を調べまして、特に市町村長等の証明書等がございましたならば、なるべく家庭の事情に沿うように退職の承認等をいたしております。この点につきましても、その点家庭の事情等も、あるいは本人の意向等も十分調査いたしまして、もしそのような事情がございましたならば、その意思に沿うように努力いたしたいと考えております。
  424. 沢田実

    ○沢田実君 実は課長さんに申し上げましたら、防衛庁のほうではさっそく現地の連絡部のほうですか何かに御連絡があったようです。ところが第一線では、両親の了解を得ておりますという返事なんですよ。ところが、私が調べたこと、あるいは実際に両親に会ったところでは、両親の了解を得ていないのです。そこにいわゆる自衛隊の第一線の考え方と親の考え方の違いがあるのです。それをよく詰めていきますと実ははっきりするのですが、要するに結論を申し上げますと、親は了解していないのです。自分の子供がある日突然いなくなってしまった、自衛隊に連れて行かれてしまったというような非常なショックを受けておるのです。自衛隊の第一線では、いや親の了解を得ておりますと、こう言っておるのです。おとうさんの了解を得ておりますと、こう言っております。  ところが、おとうさんに実際に聞いてみますと、七月二十六日に入隊をしておる。その十日か二十日前に会っておりますけれども、そのときは父親としては、自分のむすこは、いままでいろいろな経過はあるけれども、自衛隊に反対の意思を表明しておる。だから、あなた方がそう言われても、私は自分の子供がほんとうに賛成ならばあくまで反対するわけではないけれども、子供と相談してから返事をさしてくださいという意思表示をしております。それを父親の了解を得ておると、こう言っておる。  それから二十九日の日に山口に出発したあとで、母親から返してくださいという電話にもかかわらず、本人を出発させるようにして、洋服と下着と持って、自衛隊の第一線の人が家へ行っております。それで母親は、自衛隊から参りましたということで、子供はとまず聞いたそうです。ところが、子供さんは実はきょう出発することになっているというふうなことのショックで、何も言いようもありませんでした。何も持っていかない子供さんに対して、せめてそれならと思って三千円渡しました。ところが自衛隊のほうでは、三千円おかあさんが渡したんだからおかあさんは承諾しておると、こう言っておる。第一線のほうと、おたくのほうと、私の調べたところがまるきり違うんです。あなたのおっしゃるように了解を得ているならば、両親が病気までして心配しているわけはないでしょう。そういう事実までありますので、私の申し上げたことはほんの一つのことですけれども、そのような事実で、はたして国民から支持される自衛隊になるだろうかということを心配するんです。ですから、具体的な例を申し上げた事実については、おたくのほうでもう一ぺん調査なさいまして、これはすぐ帰すなり、何か両親の納得のいくような方法をとっていただきたい。  今後については、指導はしているけれども実際はやっていないということでなしに、指導どおり、特に未成年者の入隊については親の同意をはっきりとるべきだと私は思います。あなたのおっしゃるように、沖縄等で同意を得ている人はこれは例外でありまして、実際に目の前におって、何べんか言っているその話の間にそごがあって、同意していないものを同意したものと言って連れていっている。そういうことが起こっていることが問題なんです。これはおたくのほうからは答弁がありませんから、この間の課長さんの御返事をつけ加えて、時間の関係もありますので結論だけを申し上げたわけですが、いきさつはそういう事情です。  おたくのほうで調べた範囲では、いや違うとおっしゃるかもしれませんが、おたくのような、自衛隊のような主張だったら、そんな悩んでいる家庭があらわれるはずがないんです。ほんとうに見ておってかわいそうです。おかあさんはぜんそくの発作を起こして、ゆうべなど私が電話をしても話もできないような状態です。そういう気の毒な家庭もある。そして自衛隊で言っておることは、子供が賛成しておるのに、希望しておるのに親が何を言っておる、あなたは大体過保護だ、こう言っておかあさんをしかりつけているという実情がございます。そのことを近所の婦人が見るに見かねて、ある新聞社に投書しました。その新聞社がさっそく自衛隊の出先に電話をしました。そうしたら、その自衛隊の出先は、さっそくまた両親のところに電話して、投書したのはだれだ、投書した者はわれわれ告訴するぞとおどかしております。そういうような事実を見て、私は黙っておれませんので、こういうところで申し上げるわけですけれども、おたくのほうで調査なさった事実とは違うものを私は掌握しておりますので、そういう状況ですので、その問題に対してどうするか。また、自衛隊全体の未成年者に対する両親の同意ということについては今後どうするか。この二点をひとつ御答弁いただきたい。  それと、そのような問題の起きておりますことをひとつ長官もお知りいただいて、今後の自衛隊の募集については、それ以外の問題はたくさんありますが、きょうは時間がございませんので申し上げません。また次回にいろいろ申し上げますが、そういう問題の一つの例を申し上げたのですが、どうかひとつ対処、善処をしていただきたい。  以上で質問を終わります。
  425. 江藤淳雄

    ○説明員(江藤淳雄君) 御指摘の当人は、現在盲腸炎で入院しているように承っておりますので、退院後、本人の意向を十分確かめ、また両親の意向を十分確かめまして、そのあとで、しかるべき措置をいたしたいというふうに考えております。  なお、後段の問題につきましては、今後ともさらに留意いたしてまいりたいと考えております。
  426. 沢田実

    ○沢田実君 長官からどうぞ。
  427. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 一つの具体例を承りました。募集の姿勢等につきましても、私は最初の基盤であります国民の理解する中で自衛隊を育てなければならぬ、その中で隊を、組織をどう充実するか。したがって、その基本というものは、やはり私どもは絶えず反省しながらやってまいりたい、こういうように考えております。
  428. 柳田桃太郎

    ○委員長(柳田桃太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時四分散会