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1971-03-20 第65回国会 参議院 決算委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和四十六年三月二十日(土曜日)    午前十時十七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月二十日     辞任         補欠選任      今  春聴君     河口 陽一君      向井 長年君     田渕 哲也君      渡辺  武君     岩間 正男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         森 元治郎君     理 事                 初村滝一郎君                 和田 鶴一君                 和田 静夫君                 二宮 文造君     委 員                 長田 裕二君                 河口 陽一君                 田口長治郎君                 高橋雄之助君                 長屋  茂君                 前田佳都男君                 矢野  登君                 黒柳  明君                 沢田  実君                 渡辺  武君    国務大臣        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君    政府委員        農林省農政局長  中野 和仁君        運輸省海運局長  鈴木 珊吉君        運輸省船員局長  佐原  亨君        労働省労働基準        局長       岡部 實夫君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        大蔵大臣官房審        議官       中橋敬次郎君        大蔵省銀行局中        小金融課長    結城  茂君        国税庁直税部審        理課長      中村 平男君        会計検査院事務        総局第一局長   中村 祐三君        会計検査院事務        総局第三局長   桜木 拳一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算昭和四  十三年度特別会計歳入歳出決算昭和四十三年  度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三  年度政府関係機関決算書(第六十三回国会提  出) ○昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第六十三回国会提出) ○昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書  (第六十三回国会提出)     ―――――――――――――
  2. 森元治郎

    ○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、今春聴君が委員を辞任され、その補欠として河口陽一君が選任されました。
  3. 森元治郎

    ○委員長(森元治郎君) 昭和四十一二年度決算外二件を議題とし、きのうに引き続き、締めくくりの総括質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 和田静夫

    和田静夫君 まず農林省にお聞きしますが、あの佐藤造機の倒産の問題でありますが、佐藤造機の倒産で全購連の資金がまあ三十億円焦げついた。なぜこの三十億円という額にまで高じてしまったのか。どのように考えられていますかj
  5. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 全購連が会社更生手続を三月の五日にとったわけでございますが、われわれのただいままでの調査によりますと、一月末現在、御指摘のように約三十億円の佐藤造機に対する前渡し金がございました。その後、前渡し金の一部を在庫品の買い取りに充てまして、更生手続をとりました際には約十八億円に前渡し金としてはなっておるわけでございます。これは昨年のたしか十月決算でございますので、そのときに約七億円の赤字を佐藤造機が出しましたあと、その再建を自主的にはかるということでいろいろやっておったわけでございますが、自主的な再建ということが無理だということで更生手続をとったわけでございます。その間、先ほど最初に申し上げましたように、一月三十日現在では約三十億円あったということでありますが、これが全部焦げついたということではございませんで、ただいま会社更生法の手続のもとでの再建計画を立てておるところでございます。
  6. 和田静夫

    和田静夫君 けさも二、三伝えられるところに基づき、まず聞きますが、前渡金についてまず一つは支払い方法に不明な点があった、こういう報道がなされていますが、事実ですか。
  7. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 新聞報道は、まあいろいろ当時あったようでございますが、われわれが現在全購連を検査中でございますので、詳細はいずれわかってくるかと思っておりますが、われわれの現在までの調査によりますと、全購連の前渡金につきましては一つのルールに従って出しておるわけでございます。農機具の場合にも、 メーカーとの契約をしますときに、前年度の実績によりまして策定した供給計画の五〇%を限度として支払いまして、その後正規の受注に基づきまして、さらにもう二〇%上積みをするということで七〇%を限度として前渡し金を渡すという全購連はルールにしているようでございます。  それで、特に新聞報道で不明があったというようなことでございますが、われわれが承知しているところによりますと、そういう点は当時はなかったんではないかというふうに思っております。
  8. 和田静夫

    和田静夫君 一定のルールとはどんなルールですか。
  9. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) ただいま申し上げましたように、それぞれのメーカーと契約をいたします前に、前年度の実績等によりまして策定しました供給計画に基づいて、まず五〇%を限度として前渡し金を出す。その後正規な受注に基づきまして、もう二〇%上積みをいたしまして、合計しまして七〇%を限度として当初支払い額との差額二〇%を払うということでございまして、これはおととし、昨年と見てみましても、大体例年の前渡し金の支払い状況と同じということになっておりまして、特に非常に不当になっておる、大幅にふえておるということでもないようでございます。  それからなお、一定のルールの中の一つでございますが、前渡し金の債権保全につきましては、全購連の内部の債権確保措置細則という細則をきめておりまして、その手続に従って出しておるというふうにわれわれ見ておるわけでございますが、詳細はただいま検査をしておるところでございます。
  10. 和田静夫

    ○和田静夫君 昨年の六月には、まあ担当部長の裁断の形で約百億円に達していた、こういわれていますね。これは事実ですか。
  11. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それは某新聞にそういう報道がなされたようでございますが、これは全然事実に反しておりまして、昨年の六月現在は残高ゼロでございます。おそらくこの百億円といいますのは、われわれの推測するところによりますと、四十四年の七月から四十五年の六月まで一年間、佐藤造機に前渡し金の累計が百七億五千万円になっておるわけでございます。それは前渡し金を出しまして、農機具が製品として全購連に入りますと、その前渡し金が引き落とされまして、ちょうど六月は決算期でございましてゼロになっておるわけでございます。
  12. 和田静夫

    ○和田静夫君 そうしますと、ことしに入ってから同社の経営が非常に思わしくなくて、それで倒産寸前のような状態にあった。そこにまた前渡金が支払われる。で、いま言われるように契約受注が行なわれたから五〇%、さらに一〇%、二〇%という上積み、そういう関係で前渡金が支払われていった、そう理解をしてよろしいですか。
  13. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 今度のような事態になりませんでも、大体冬に受注を、最初に御説明申し上げましたように契約をずっと結びまして、そうして春の需要期までに間に合わせるということで、例年冬にかなりの金が出ていくわけでございます。ただ佐藤造機の場合は、最初に申し上げましたように、昨年の十月赤字決算ということになりましたあと、この佐藤造機という会社が、御承知のように組合マークまでつけまして、全購連とまあ非常に密接な関係がございますので、すでに佐藤造機の農機具が農家の手に約八百億円から千億円くらい渡っておるということでございますので、ここで倒産ということになりますと下請企業の問題もございますけれども、また別の面で農家の部品供給ということに非常に差しつかえるということで、やはり何とか自主的に再建をしなければならぬということもあわせ重なっておったかと思いますが、そのためには農機具をやはり生産を続けるという意味で前渡金を出したというふうにわれわれは判断をしているわけです。
  14. 和田静夫

    ○和田静夫君 生産を続けることが妥当であるという判断を出されるにあたっての条件ですね、判断の基礎になっているもの、それはどんなものですか。
  15. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) これはあとから私たちがそういう判断をしておるという面もございますけれども、先ほど申し上げましたように、この会社があの段階でほんとうの意味で倒産をしてしまうということになりますと、先ほども申し上げましたように農家に対する部品供給というのが全然きかなくなる、そうなると、相当農家に迷惑をかけるということがございます。それからまたこれは島根県に本社があります会社でございまして、かなりの下請企業がこれに連なっているということがございますので、やはりそういう不安を解消するためには極力すみやかに立ち直らせる必要があるのではないかと、当時全購連を中心に、そういう判断を下したということはやむを得ないと申しましょうか、妥当ではなかったかと私は考えるわけでございます。
  16. 和田静夫

    ○和田静夫君 これは、あの佐藤造機そのものが、言ってみれば社会的に与えた影響というのは非常に大きい。農民に与えた不安というものは非常に大きい。それをいまから振り返ってみて、あなたは妥当であったと、前渡金を出したのが。いまでもそう思っていらっしゃるか。
  17. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) なお最終的な判断をいたしますのは、先ほど申し上げましたように、われわれ三月まで約五十日かけまして検査をしているところの中での一つの問題でございますので、最終的にはそういうところで結論を出すべきだと思いますけれども、ただいままでのわれわれの調査なりそれから全購連等からの報告によりますれば、倒産をさせてしまうよりも何とか再建させるという方向に持っていったほうが妥当ではなかったかというふうに見ておるわけでございます。
  18. 和田静夫

    ○和田静夫君 この前渡金というのは、商習慣としてはある程度やむを得ないけれども、一定の需給計画に基づく範囲内という全購連の規定を悪用をして、非常識なほどに金をつぎ込むということは、社会通念上非常に疑問だという考え方を農林省が発表されていますね。
  19. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 私いま先生の言われた発表というのがちょっとよくわからないのでございますが、いつのことでございましょうか。
  20. 和田静夫

    ○和田静夫君 この事件が起きたときに、農林省は幾つかの見解を述べていましょう。述べませんか、全然。
  21. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 正式に農林省が見解を表明したということはございません。
  22. 和田静夫

    ○和田静夫君 佐藤造機の経理の実態もつかまずに、結果的には同社の言いなりになって資金をつぎ込み、農民や下請に不安を与えたという報道が当時なされました。この事実関係、どうです。
  23. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 報道関係のほうのものの見方でそういう見方もあるいはあろうかと思いますが、私のただいままでの調査なりから見た考え方としましては、先ほど申し上げましたように、全く佐藤造機が経理がずさんなのに、どんどんそういうこととは別に金をつぎ込んでいったというふうにはやはり考えられないのでございまして、昨年の暮れから自主再建について、全購連を中心に農林中金等も資金の面の援助も考えたかもわかりませんけれども、そういう面からどうして自主再建をやるかということを考えておった中での、例年その次の年の生産を続けていくための前渡し金を出したというふうに考えるべきではないかというふうに考えております。
  24. 和田静夫

    ○和田静夫君 そういう答弁をされておるのならお聞きをするが、農協法九十四条に基づくところの常例的な検査というものは、あなたのほうで法規どおりにやられていますか。
  25. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御指摘の農協法の検査は、毎年常例として一回検査をするということになっております。ただ残念ながら予算、人員の関係がございまして、これは単位農協あるいは県段階あるいは中央段階を通じて同じように全部の農協を毎年一回やるというところまではいっておりません。その点につきましては法規どおりではないではないかという御指摘は、われわれ受けなければならぬと思うわけでございますが、実情はそういうところでございます。ただわれわれといたしましては、予算面、人員面の拡充につとめておりまして、できるだけ早くそういうことができるようにいたしたいと考えております。
  26. 和田静夫

    ○和田静夫君 農協法の施行はいつですか。
  27. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 昭和二十二年十一月であります。
  28. 和田静夫

    ○和田静夫君 いま何年ですか。すでに二十有余年にわたってあなたのほうが法違反を犯している、結果的にはね。それにもかかわらず先ほどの答弁に見られるように反省がないわけです。まさにこういう事態が惹起してきておることに対しての責任を全然感ぜず答弁をされておる。したがって、つまらない法律、法規まで出さざるを得ない、私のほうは。そうじゃありませんか。昭和二十二年から行なっていなければならないものを、二十有余年間法が求めておるところの、言ってみれば、常例の検査が行ない得ない状態にある。行ない得ない状態にあるということに籍口して行なってきていない。こういうことでしょう。私が実は、きょう言いたかったことは、その辺に結果的には帰着することになりますが、農協による事業に対して実は農林省が常時検査する、そういうシステムというものはほとんど内部規程にゆだねられているという感じがするのですね。そこらに実は問題はないかと思うのですが、全購連の内部規程はいまお持ちですか。
  29. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいまここに全部は持ってきておりません。
  30. 和田静夫

    ○和田静夫君 全購連の内部規程を、あとで資料としていただきたいと思います。
  31. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま検査もやっておりますので、調製をいたしまして主要なものをお出しいたしたいと思います。
  32. 和田静夫

    ○和田静夫君 農協法施行以来今日まで、全購連に対するところのいわゆる常例検査なるものは何回行なわれましたか。
  33. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま、農協法発足以来何回検査したかというのは持っておりませんが、全購連に対しましては、ただいまやっておる前は昭和四十年でございます。
  34. 和田静夫

    ○和田静夫君 約五年間行なわれていなかったということですね。これは確認しておいていいわけですね。
  35. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 仰せのとおりでございます。
  36. 和田静夫

    ○和田静夫君 もう一つお聞きをしますが、役員の経営責任のその取り方について、これは明記されていませんね、どこにも。
  37. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 農協法の三十一条の二におきまして、「理事は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款、規約共有規程、信託規程及び総会の決議を遵守し、組合のため忠実にその職務を遂行しなければならない。理事がその任務を怠ったときは、その理事は、組合に対して連帯して損害賠償の責に任ずる。」というふうになっております。
  38. 和田静夫

    和田静夫君 進退については、ないわけでしょう。
  39. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 進退について法律上どうということはございません。
  40. 和田静夫

    和田静夫君 そこで、常例検査が行なわれなかった、言ってみれば農林省としては法違反をずっと続けてこられた、現実に、実態はどうであろうとも、形の上ではそうなってきた。そういうことが今度の事件につながっているとはお思いになりませんか。
  41. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 御指摘のように、本来当然毎年一回常例検査をすべきだと思います。それが、ただいまも申し上げておりますように、弁解をしておるのではございませんけれども、実態はそういうところまでいっておりません。その間にこういうようなことがありましたとすれば、もちろんその検査を毎年やっておればわかることもわからなかったという点がございますので、あるいは若干そういうこともあり得たかと思います。ただ今回の場合は、先ほども申し上げましたように、二月からずっと検査を始めておりまして、その間にこの問題が持ち上がってまいりました。その点も十分注意をしてただいまやっておるところでございます。
  42. 和田静夫

    和田静夫君 もう一ぺん聞きますがね、農協法九十四条におけるところの常例検査が法どおりに行なわれる条件をあなた方がお持ちになれるのはいつですか。
  43. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) これはいま単位農協が全国で六千数百、そのほかに専門農協を合わせますと一万幾つございます。それから県段階にもかなりの連合会があり、中央にも連合会があるわけでございます。したがいまして現在の検査の人員それから予算では、なかなか容易ではないと私考えます。そこで、今回のこういう事件等もありましたので検討しておるわけでございますが、たとえば今回の全購連の監査によりましても、二十五名を約五十日間動員をしてやっと一つの全購連の検査ができるというようなことがございますので、全購連なら全購連の全体の業務、会計をやるよりも、あるいは場合によっては重点的にこの点だけは中心に、あとはもう少し簡略にものを見るという考え方を入れてまいりませんと、なかなか毎年一回全部にわたるというのはむずかしいのではないかと私は考えますので、至急そういう方向で検討して、来年の検査からはなるべくそういうことで活用して、ふだんの業務報告を受けておりますので、重点的にどういうところを押えればいいかということもわかってくると思いますので、そういう方向でもって、先ほど申し上げましたように全購連の場合なら四十年から四十五年、五年間抜けておるということがないように私はいたしたいというように考えております。
  44. 和田静夫

    和田静夫君 今度の事件との関係で思うのですけれどもね、全購連の前開発室長を佐藤造機の社長に送り込んでいた、そういうことが裏目に出たというふうにはお思いになりませんか。
  45. 中野和仁

    政府委員(中野和仁君) 裏目に出たかどうかと申し上げるよりも、佐藤造機と全購連と非常に密接な関係があるということは、先ほど申し上げましたようにたしか昭和三十四年から組合マークをつけて佐藤造機の製品の八割は全購連が販売に当たるということになっておるわけでございますので、やはり自主再建ということから、佐藤造機の契約者に対しまして全購連あるいは農林中金もそこへ役員を送り込みましてやったということでございますが、それが自主再建ができまぜずこういうことになっというふうに私は考えております。
  46. 和田静夫

    和田静夫君 今後の再建計画を説明してください。
  47. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 三月の五日に会社更生手続の申し立てをやりましたあと、三月六日に債務弁済中止命令が裁判所から出まして、三月八日に財産保全命令が出ました。全購連におきましては三月の十日に緊急理事会を開きまして、今後の再建といたしまして、全購連が中心になりまして農林中金の協力を得まして会社の再建に努力する、そして経営の刷新をはかり、生産の継続をはかる、それから従来の欠陥を是正するための品質管理の徹底、部品供給、技術サービスの円滑化等をはかる、そういうことをやりますために全購連は佐藤造機に対しまして三月中に十億円、四月中に二億円のとりあえず生産を再開し、そして部品等をつくるための前渡し金を供給する、ただこれは更生法下にあるものですから裁判所の許可を受けるということで、裁判所の許可を三月の十五日に取りまして、そして、確かきのう連絡を受けたところによりますと、本日その十億円の中の二億一千万円を会社に供給をするということでございます。そういうことで再建計画をただいま立てておるわけでございますが、これは更生計画としまして裁判所の認可が要るわけでございますが、まだ裁判所の認可を受けるところまで固まっていないわけでございます。
  48. 和田静夫

    ○和田静夫君 総じて述べましたように、九十四条に基づくところの常例的な検査制度と機構、同時にあなた方のほうからいえば予算要求が満足に通らないからであろうという不満もありましょう、それらのことを含んでのことでありますが、やはり法が定めているところの手続というのは責任を持って履行する、そういう態度でなければ、こういう事件の続発が実は予想される。たまたまその前日、きょうお見えになっている大蔵省の中橋さんが私の部屋に見えられて、信用金庫その他の問題で打ち合わせをしているとき、私は、この次起こるのはおそらく農業協同組合関係の資金をめぐるいろいろの事件が起こるのではなかろうかということを言った。そうしたら、その二日後にこの事件が明るみに出たのですが、しろうとが大体予測できる状態にあります。それをプロであるあなた方が、言ってみれば結果的には行政手続上のサボリから予見をすることができない、チェックをすることができない。そういうことはもう許されないと思う。したがって、今後十分これを戒めとしながら対処していただきたいと思います。
  49. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいまのお話ごもっともでございまして、また、私も先ほど検査の私の考え方を申し上げましたようなわけでございますので、できるだけ――というとまずいわけでございまして、なるべく早く、年に一回やれる方法、もちろん予算の拡充、人員の拡充もございますけれども、その制約があります中で、どういうふうに持っていってただいま先生御指摘のようなこういう事件が次々に起こらない手をどういうふうにやるかということは、今回の事件を契機としまして私たちも十分反省をいたしますと同時に、前向きにどういうふうにやるかということを検討いたしたいと思います。
  50. 和田静夫

    ○和田静夫君 金融機関の問題に入りますが、金融機関と暴力団という関係がときどき氷山の一角的にうわさにのぼるのであります。警察庁関係は準備ができません、答弁の用意ができませんでしたから、きょうはその辺のところは残念ながら省略せざるを得ませんが、したがって大蔵省にのみにお聞きをいたしますが、昭和四十年当時、和歌山の相互銀行の梅田支店が暴力団から一億七千万円おどし取られた事件がありました。また例の富士銀行の事件でもずいぶんいろいろの人物が暗躍をしたこと、昨年の暮れも大洋信用金庫があの俳優だった上原謙のパシフィック観光への二億円の焦げつきが、あるいは会員外融資をねたに事件屋といわれる野崎こと山田伍郎からゆすられたことがすでに明るみに出ています。金融機関によるかなり広範囲にわたる不正融資の存在ということが、暴力団あるいはそれに類するものと金融機関との腐れ縁をつくっているのではないかと思われますが、これはまさに一般論でありますけれども、いかがでございますか。
  51. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) 過去いろいろいま御指摘のような事件が明るみに出まして、確かに私どもも非常に反省をしておるわけでございます。  ただ、その一連のいろいろ事件を考えてみますと、いま和田委員は金融機関と暴力団の関連というふうにおっしゃいましたけれども、必ずしも私は金融機関と暴力団というふうには見ていないわけでございます。もっとも金融機関の中につとめます者が十分その金融機関の公共性という認識がないままに、あるいは従来の友人関係でございますとか、また自己が犯しました不正事件を種に脅迫を受けまして、そういう者にずるずると引っぱり込まれたということはございますけれども、いずれにしましても、そういう公共性に十分徹しなければならない。金融機関の職員の中にそういった心得違いをする者がございまして、そういう方面に資金が流れたことについては私どもも十分反省をしております。それに対しましては、何といいましてももうしばしば申し上げておりますように、内部牽制組織を十分確立いたしまして、また管理者の管理というものを徹底をいたしまして、そういうものを手続上あり得ないようにしなければならないという、ふうに考えておりまして、今後もそういう体制をつくり上げるように努力いたしてまいりたいと思っております。
  52. 和田静夫

    ○和田静夫君 私は、去る二月十七日の本委員会で尼崎信用金庫による暴力団への融資を問題にいたしました。  そこで、徳島相互銀行の鹿児島支店長による不正融資事件三千八百万円、手形割り引き料などを差し引いた二千万円という金が、競艇やら競輪の八百長会社を暴力団につくらせたその資金になったといわれていますが、この事件関係について……。
  53. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) 私どもが知っております概要を申し上げます。  昭和四十三年十一月以降でございますが、ただいま御指摘の徳島相互銀行の石井支店長相原某という者が、病院に入院中にたまたま知り合いました者の依頼によりまして、暴力団に流れたという資金を融資をいたした事例がございます。これにつきましては、四十五年三月、こういった内容を当該相互銀行側におきましても知りまして、本人を懲戒解雇いたしており、あわせまして管理責任者に対しまして減俸等の処分をいたしております。なおその事件につきましては、昨年の十一月に新聞等にも報道をされております。以上であります。
  54. 和田静夫

    ○和田静夫君 平和相互銀行をめぐっていろいろなことが伝えられています。すでに週刊誌等に載ったものもありますが、平和相互銀行と特殊な関係にある暴力団的なものを、何か把握されているなり、報告を受けているなりされていますか。
  55. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) そういったものについては私どもも知りません。
  56. 和田静夫

    ○和田静夫君 平和相互銀行の下請会社、子会社に清和興業という会社があることを大蔵省は御存じですか。
  57. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) ただいま手持ちの資料もございませんので、存じません。
  58. 和田静夫

    ○和田静夫君 相互銀行と子会社というような関係は大蔵省は調査をする権能をお持ちですか。
  59. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) 金融機関は独禁法におきまして一〇%までの出資をすすことが認められておりまして、それをこえますときには、公正取引委員会の認可を得るたてまえになっております。そういった場合には、私どものほうにも、公正取引委員会から認可についての意見というのを聴取されることがございます。一般的に金融機関の子会社につきまして、私ども直接検査の権限はございません。しかしそういった先ほど申しましたような関係から、金融検査におきましても、出資会社については一応検討はいたすたてまえになっております。
  60. 和田静夫

    ○和田静夫君 それでは平和相互銀行とその子会社といわれる清和興業の関係について、後ほどお調べになって教えていただきたいと思います。
  61. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) 検討いたしまして、後日御報告申し上げます。
  62. 和田静夫

    ○和田静夫君 平和相互銀行の問題は、きょう警察庁の関係がお尋ねできなくなりましたから、一応質問は後日に譲ることにいたしましたが、一つは横浜信用金庫と信用組合の問題に平和相互が介入をした問題、もう一つは去る二月二十三日に東京地裁第十五号法廷で問題になった吉祥寺の富士ビルをめぐる問題そして第三に、大和銀行が一度は救済に乗り出し、手を引いてしまったほどの乱脈経理がささやかれる勧業信用組合と福徳信用組合との合併問題をプロモートしたといわれる問題、これらの問題を、いま大蔵省がつかんでいらっしゃる状態があれば、その範囲内で明らかにしていただきたいと思います。
  63. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 私のほうで承知しておる限りで申し上げたいと思います。  横浜の信用金庫と信用組合との合併の問題についての関連でございますが、これはほぼ二年ほど前からのお話でございまして、最近になって信用組合側が合併について総代会で白紙還元したい、こういうふうな成り行きになって、現時点で合併がとんざしている、こういう状況になっております。で、その合併の話の過程で、これに対して信用組合の組合員の中から合併反対、こういう声が一部から出たわけでございますが、それに関連しまして護国団が関与していると、こういうことも私ども伺っております。しかしその問題に関連して、平和相互銀行が護国団と特別な関係がある、このようには聞いておりませんし、また平和相互銀行にその点を確かめたところ、銀行側では関係がない、こういうふうに返答をいたしてきております。  それから富士ビルの関係については、私ども承知をしておりません。  次の大和銀行の問題との関連で、勧業信用組合と福徳信用組合のことを御指摘でございましたが、勧業信用組合につきましては、実は昨年経営上の問題から大和銀行が役員を派遣しておりましたところ、大和銀行として勧業信用組合との合併ということも考えたわけでございますが、やはり都市銀行との合併ということについて種々問題がございます関係で、その問題は撤回されております。その後、勧業信用組合の経営の立て直しということで、特に東京都庁のほうの要請もあって、平和相互銀行に経営のための役員あるいは職員の派遣、こういうことが要請されまして、現在平和相互銀行から何名か職員が派遣されて、いわゆる業務提携の関係に立っていると、こういうふうに承知いたしております。
  64. 和田静夫

    ○和田静夫君 それに基づいた質問は後日に譲ります。  そこで、大蔵省による金融機関における不祥事件種類別発生状況で確認をまずいたしますが、昭和四十二年、業態別で言えば、銀行で四十一件、それから相互銀行で三十七件、信金で八十四件、合計百六十二件、四十三年で銀行百三十一件、相互銀行五十三件、信用金庫百十二件、計二百九十六件、四十四年で銀行八十四件、相互銀行四十二件、信用金庫七十八件、計二百四件、四十五年で銀行八十一件、相互銀行三十一件、信用金庫八十四件、計百九十六件、こうなっていますが、この件数と、その件数に対応する金額について――金額は教えていただいて――確認を願いたい。
  65. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) 四十二年について申し上げますと、銀行四十一件に対しまして十三億九千八百万円、相互銀行三十七件に対しまして三億九千五百万円、信用金庫八十四件に対しまして十九億七千二百万円。四十三年、銀行百三十一件に対しまして九億九千三百万円、相互銀行五十三件に対しまして十四億四千万円、信用金庫百十二件に対しまして十九億四百万円。四十四年、銀行八十四件に対しまして十四億六千二百万円、相互銀行四十二件に対しまして十二億九千四百万円、信用金庫七十八件に対しまして十四億五千百万円。それで四十五年は、いま和田委員お示しの数字とちょっと違いますので、あるいは私どもの持っておりますのが途中の四十五年のある月までかもしれませんが、数字が違っておりますけれども、私どもの手持ちで申し上げますと、四十五年、銀行百件に対しまして二十九億三百万円、相互銀行四十件に対しまして五億五百万円、信用金庫百二件に対しまして六十億五千九百万円となっております。
  66. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこで、これは大蔵省に届け出のあったものでこれだけあるということであります。この状況を検査行政に携わる大蔵省として、どのように総合的に判断をされ、今後どういう手を打っていくおつもりですか。
  67. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) これは前の富士銀行事件の際にもいろいろ申し上げたところでございます。まず、基本的には、こういう不祥事件の絶滅を期さなければならないわけであります。それに対しまして、私どもの行政面からの銀行検査というものがございますけれども、これは前にも申し上げましたように、何といいましても人員が限られておりまするので、金融機関自体の検査体制をもっと充実してもらうということが何といっても必要なわけでございます。その前にもう一つ、金融機関としまして、検査だけにたよるのでなしに、むしろ日常の業務の処理の管理を徹底してやっていただくということが必要なわけでございます。  それに対応しまして、昨年かなりの不祥事件が起とりましたのを契機に、各種の金融機関の協会におきましても、それぞれ事務改善の方策というのを検討中でございまして、逐次その事務改善の方策をきめては各個別の金融機関に指示をいたしております。一つの例で申しますと、連続休暇をとるというような制度も導入をするということもそのあらわれでございます。そういうことで内部事務の手続の適正化あるいは内部牽制組織の確立、管理者の監督を十分にやるということをやるわけでございます。  それから内部の検査というものを充実するという方策といたしましては、従来とかくまず当該支店におきますところの検査では、自分の係が定期的に検査をしておったというようでございました。これはあまりにも効果が薄いということで、他の係の人でもって行内の検査をまずやってみるという体制をとりつつあります。  それから本店検査部が支店の検査に臨むにつきまして、従来とかく事前に予報をいたしまして参っておったようでございます。これも効果を非常にそぐものでございますから、本店検査部が臨検いたします場合に、抜き打ち検査を励行するということで、そういう方策をとりつつございます。  それから、最後に行政機関の検査でございまして、これも従来大銀行でどうしても二年あるいは二年半に一回くらいしか行けない。しかもそれはほとんどの支店に臨場できないというような、人間あるいは時間の制約がございます。それを、何とかその制約のもとにおきましても検査の部面を総合的でなしに、いわば部分検査的なものもかみ合わせることによりまして、頻度を多くしたいということを現在研究しております。しかし、どうしましてもそれは限りがございますから、行政機関の検査の基本的な体制としましては、先ほど申しました金融機関自体の検査体制をまたチェックをしていくという方向で二重三重に検査体制をやってまいりたい。あわせまして日本銀行ではまたそれぞれの取引関係がございます。金融機関に対しては考査ということを行なっております。これとも十分の連絡をとって、自行の検査、行政機関の検査、日本銀行の考査、この三つをうまくかみ合わせることによりましてこういう不祥事件をなくすように努力してまいりたいと思っております。  なお、あわせまして、昨年の七月、これも前々申し上げておることでございますけれども、とかく従来不祥事件を金融機関で取り扱います場合には、金融機関の信用ということから内部的に処理をする傾向がございました。せいぜい不祥事件を働いた者の解職ということで終わったのが通例でございます。これをできるだけ刑事事件として司直の調査を待つ、あわせましてそれについての責任者の責任を十分とるというような通達を出してございまして、その後の不祥事件の処理についてもそういう方向で指導をしておる次第でございます。
  68. 和田静夫

    ○和田静夫君 昨年の事故金額二千万円以上の大口不祥事件、これはまあ一々確認をいたしませんが、この一覧を見てですね、頭取辞任という形できっちりと責任がとられたのは北越銀行十日町支店長事件の場合だけですね。大蔵省の検査行政というのは、いまも言われたとおり帳簿上の検査の強化の必要性はもちろんでございますが、やはりそこにはまあ人員その他の点から見ての限界が、富士銀行以来いろいろお聞きしても、あるようでございます。で、いつも言われるように、内部検査の強化ということが何よりも必要であるというのであれば、大蔵省ももっとき然たる態度でトップ経営陣の経営責任の面から、モラルの面から、きびしく経営者の姿勢を正す、そういう必要が私はあると思うのですが、いかがですか。
  69. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) その点については全く同感でございます。ただ、その責任のとり方でございますが、いまお示しのように、たとえば頭取がそのために辞任した事例が少ないではないかというお話のようでございましたが、責任のとり方といたしまして、必ずしも辞任ということだけではなしに、いろいろなその事態の内容に応じまして十分責任体制をとる必要があると考えております。
  70. 和田静夫

    ○和田静夫君 まして都市銀行に比べて機構も小さく個人経営的な性格の強い信用金庫などの場合に、さまざまな不祥事件が直接経営者のモラルの問題と結びついてあらわれる。それがゆえに私はいわゆるトップ経営陣の責任というものを強調して、し過ぎることはないと思っておりますが、先ほど述べた大洋信用金庫の専務がたとえば四十五年の五月の検査で、取引先からリベートを妻名義の預金通帳に振り込んでいたのが明るみに出たにもかかわらず円満退職の形で二千万円の退職金が支払われたなどというのは、私は不当な例だと思います。そうした観点に立って私はさきの委員会で西武信用金庫の問題を取り上げましたが、事態が司直の手にゆだねられつつあるようでありますから、もうそれ以上は触れません。一点だけまあ小さなことですが質問しておきたいのは、西武信用金庫の小原理事長の子息小原喜悦郎さん、この方は西武信用金庫の三鷹支店長でありますが、都内の中野区中野五丁目六二の六五の吉澤土地株式会社の取締役を兼務しております。これは登記がありますから事実でしょう。もし事実でなければ教えていただきたいと思いますが。そして西武信用金庫からこの吉澤土地株式会社に一億八千二百万円にのぼる限度外融資が行なわれています。この点についてはいかがですか。
  71. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 御指摘の吉澤土地の取締役を小原理事長の子息である現三鷹支店長が兼務しているという点についてはそのとおりでございます。で、御承知のことと思いますが、信用金庫法のたてまえとしましては、相手方の業務に従事するものでない場合には兼務しても差しつかえないことになっておりますので、その点について法律的に問題があるということはないと考えております。それから吉澤土地に対する限度外融資一億八千万の融資の問題でございますが、私どもも十分まだ調べておりませんが、現在調べた限りにおいて申し上げますと、同金庫の現在の一取引先に対する貸し出し限度は七億三千五百万円が法律上の限度になっております。したがいましてその一億八千万というものがそれをこえているのであればもちろん限度外になりますが、貸し出し額が一億八千万ということであれば限度内の貸し出しであるというふうに考えられるわけでございます。
  72. 和田静夫

    ○和田静夫君 この限度内外の問題についてひとつ明確に後ほど教えてもらいたいと思います。  それから同時に、先ほどのこの不祥事件の種類別発生状況で具体的に四、五点指摘をしておきますので、ここで答弁が間に合わなければ後ほどいただきたいと思います。  一つは、八千代信用金庫、神奈川県の相模原市のゴルフクラブの専務取締役兼成田カントリークラブの副社長の高橋武勇氏に六千万円の融資をして、さらに成田カントリークラブ、相模原カントリークラブ専務高橋武勇氏の債務保証で一億二千五百万円ここへ融資をしている。成田カントリークラブの経営がうまく行かずに相模原クラブでは高橋さんを告訴すると、こういう事件ですね。これはちょっと告訴をされたあとの事態を見てみなければわかりませんが、信用金庫としては限度外、会員外、不要不急先への貸し出しと思われ、したがって八千代信用金庫の新納理事長と、いま述べた高橋専務との結びつきというのもやはり一つ問題に思います。この辺については、事件が拡大をしない前に調査をする必要がある、そういうことを思いますが、いまお答えになれますか。
  73. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 内容についてただいま承知しておりませんので、調べてみたいと思います。後ほどまた御報告いたします。
  74. 和田静夫

    和田静夫君 あとは、まあ言ってみれば数限りなくあるのですがね、結果的にはこういう状態に対しての皆さん方の検査姿勢と検査態度というものを尋ねたいと思うのですが、たとえば北群馬信用金庫草津支店・支店長代理森村準一、これは有印私文書偽造、同行使、詐欺の疑いで二月十三日逮捕されています。もう一つは吾妻支店得意先係として在任しておった藤村という人が、四十五年の九月ごろから得意先の印鑑を使って、どうも他人名義の普通預金を引き出している、そういう疑いが寄せられています。諫早信用金庫、これは長崎県の県警捜査二課と諫早署が二月二十八日に同信用金庫の本店と前本店長の自宅、東洋鉱業、明洋鉱業の社長の堀さん、こういうようなところなどの五カ所を詐欺、背任、公正証書原本不実記載で捜査をして、佐藤という人を逮捕した、こういうような事件が出ております。天草信用金庫竜ケ丘支店長、これも九千四百万円の不正融資、背任で逮捕、あるいは森という人は四十五年の六月から四カ月の間に地元の造船、建設石炭業の七人に合計九千四百万円の不正融資、これは実際には融通手形の代金裏づけとして百五十回にわたって、百八人の名義に分割融資をしたように見せかけて、実際には七人に融資をした。この場合もちょっと調べてみますと、信用金庫の支店長の決裁権限は五十万円、ところが業者との情実がからんで、小口に分割操作をして、本店稟議を避けてきた。あるいは石川県の鶴来信用金庫の金沢支店、これは八千万円の手形不正事件、これも事件となって表に出ているなどなどというような、こういうような形で調べていくと、ずっと信用金庫関係というのは無数にありまして、それぞれ信用金庫――後ほど触れますが、銀行関係も出てきているのであります。四十四年の二月に千葉相互銀行稲毛支店、同じく五月に徳島相互銀行洲本支店、七月に大東相互銀行郡山南支店、九月には兵庫相互銀行布引支店、近畿相互銀行松屋町支店が九月、東邦相互銀行の新居浜支店が九月、福岡相互銀行大名支店が十一月、四十五年には東邦相互銀行の宇和島支店が四月、滋賀相互銀行の天満支店が五月、北洋相互銀行南六条支店が六月、旭相互銀行宮之城支店が六月、肥後相互銀行牛深支店が七月、東京相互銀行浦和支店が七月、北洋相互銀行士別支店が八月、大東相互銀行郡山南支店が九月、中央相互銀行本店営業部が九月と四十五年度にずっと情実がからんでいるような不正融資が続いている、こういう状態にいまなっておりますですね。これは調べれば調べるほどたいへんな状態だと思うのです。ある意味では金融再編にからみながら、都市銀行との関係で相互銀行やあるいは信用金庫というような形のものに、こういう事態があらわれるのかとも、これは全く私の想像の段階でしかありませんが、思われる。こういう状態が群生しておるといいますか、続々と発生している事態に対して、大蔵当局としてはどのように対処されるつもりですか。そして同時に、いまそれらの事実関係等については後ほど具体的にひとつ資料を提出していただきたい。
  75. 中橋敬次郎

    ○説明員(中橋敬次郎君) ただいま和田委員から個別事件につきまして数多くの御指摘を受けました。監督官庁に属します者の一人としましてざんきの至りでございます。いずれまたその具体的な内容については、後刻調査いたしまして御報告を申し上げます。これに対する大蔵省の態度というのは、これは先ほど少し詳しく私どもの不正事件に対する体制の整備ということを申し上げたので尽きるのでございます。それにさらに加えさしていただきますならば、やはり何と言いましても金融機関の役職員意識基本的に変えなければならないと思います。従来ともすれば、過保護、過保護と言われておった行政の中に眠って、信用機関のあり方というものについての十分の認識がなかった点が多々あったのじゃないか。それでもって十分やれてきた時代というのはすでに去った、こう思っております。私どもが、金融機関について公共性と効率化という問題を、昨年来、金融制度調査会の答申を受けまして推進をしておるのも、一つのねらいはそこにあるわけでございます。また、続々と表にこういう事件が出るということは、やはり一般の預金者の批判も受けるわけでございまして、企業の経営としてもだんだん置き去られてくるわけでございます。そこで、私どもがさつき申しましたような新しい金融情勢というものにかみ合わない、そういうことであれば、とても企業として成り立っていかないはずでございます。そういう面もありますから経営者としまして、みずからの効率化と、それから先ほど申しました金融機関公共性というものを十分認識させるべきである。あわせまして、先ほどるる申しました内部体制から検査体制の充実ということを兼ね合わせてやってまいりたい、こう思っております。
  76. 和田静夫

    和田静夫君 次に、三和信用金庫の問題で若干お尋ねをいたします。  三和信用金庫における大口貸し出しとよる延滞に伴う未収利息が年間八千四百五十万円にのぼる、これはほんとうですか。
  77. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告申し上げます。
  78. 和田静夫

    和田静夫君 三和信用金庫の石田金属への固定貸し出し、さらに約十億円の延滞、または不良貸し付けが累加されてきた年度が四十三年、四十四年にわたっています。これなどは不良貸し出しと、上昇した預貸率を低下させるために大口貸し出しの代理貸し制度が悪用されているように思われる。信用金庫から単独貸し付けにあわせて、全信連の代理貸しが大口貸し付けに悪用されたケースの典型的なものではないかと思うのですが、ここら辺への大蔵省の検査指導はどうだったんですか。
  79. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 三和信用金庫のただいまの石田金属への固定貸し出しの中身については、私どもただいま内容は具体的に承知しておりませんが、先ほどの代理貸しの問題に関連しましての御指摘でございますが、全信連の代理貸しが大口融資に悪用されているケースがあるということでございますが、この件につきましてはもちろん私ども個別に検査する場合に、代理貸しが適正になされているかどうかということは、一般の融資と同じような形で審査するわけでございまして、ただ代理貸しの場合には、当該金庫がその融資について一〇〇%保証する、こういうことで比較的安易に利用されやすいという点は確かにございますので、代理貸しの運用については特に審査をしっかりするようにということを、全信連サイドにも特に注意をいたしておるところでございます。
  80. 和田静夫

    和田静夫君 三和信用金庫の預金の伸びをずっと分析をしました。すると四十一年九月から四十二年三月までに預金量の増加はわずかに三億七千万円にすぎませんでした。四十三年ごろから延滞貸し出し増加の傾向があらわれて、延滞化比率が二〇%をこしております。理由は、代理業務からの大口貸し出しの逆戻りと、肩がわりによって不良大口債権がここに流入したためであると思われますが、貸し出し総額九十五億円台の続いた四十三年、四十四年は一七%強の十七億を上回る数字に達しておるわけです。その内訳は本部に移管をされたものが十二億円で、そのうち石田金属関係が五係円を占めておるのであります。この三年間にわたっての十七億の総延滞貸し出し中、十二億の管理口債権の整理状況はどうなっておりますか。
  81. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) ただいま資料がございませんので、調べた上で御報告申し上げたいと思います。
  82. 和田静夫

    ○和田静夫君 私の手元に、三和銀行が自分の焦げつき債権を消すために、善良な個人を泣かしておるという個人からの訴えが実は来ておるのです。いまその事実を調査中でありますが、ところで過日触れました日野泉之助理事長・専務父子はいずみマンションというものを経営いたしておりますね。これは兼職禁止規定に違反をいたしませんか。
  83. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) はなはだ申しわけございませんが、日野理事長・専務のいずみマンションの兼職の状態につきましては、これから調べましてのちほど御報告いたしたいと思います。
  84. 和田静夫

    ○和田静夫君 私はどうも、マンションの経営、しかも大きなマンション一の経営というのは兼職規定にかかるような気がいたしますが、そこは調べてもらうことにいたしまして、余分なことでありますが、このいずみマンションに村上孝太郎さんの秘書が住んでいたり、日野泉之助氏は愛媛県人会長で、愛媛県人会が三和信金の本店の建物にある。ところが大蔵省の澄田現次官、前銀行局長は群馬県の人ではありますが、澄田次官のおとうさんの澄田中将は愛媛県人であるというような結びつきがある。そういった関係から日野理事長と大蔵省の関係は深いと思われる、村上孝太郎さんの後援会の有力メンバーである。こういうことからどうも巷の噂は、大蔵省の三和信用金庫に対する態度が甘いということになってくるなどということがあります。その辺は噂程度に一応しておきましょう。  そこでお尋ねをしたいのは、過日問題にいたしました中野に移転をした三和信用金庫の本店、あれは本店の移転と言いますが、この前説明を受けましたけれども、移転がああいう形で簡単に認められるということは、どうもあまりすっきりした話ではないように思うのです。旧本店は支店として認められたわけですが、それで本店が中野に新設されたというのは、言ってみれば一店舗の純増であります。この中野本店と大同信用金庫中野支店とはどのくらい離れておりますか。
  85. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) ただいまちょっと資料がございませんので、これも後ほど調べて御報告したいと思います。
  86. 和田静夫

    ○和田静夫君 これは五百メートルと離れていませんよ。そこで私は、この前取り上げたのです。よって、接店舗と五百メートルは離れていることという、あなた方の認可基準にどうも違反しているので、前段申し上げたうわさ話を実は披露したということになるわけです。この辺も一緒に調べてもらいたいと思います。
  87. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 私どものほうの店舗を認める場合の考え方でございますが、金融機関が過密しているところに対しては新設することを認めない。こういうことで臨んでおりますが、現在ある店舗を廃止いたしまして、それをまた代替として、いわゆる配置転換するというふうな場合には、特に過密でなければ認める、こういう状況になっております。ただいまの本店の問題の経緯でございますが、この点につきましては、和田先生に先般御説明したとおりのような状況で、特に当金庫の場合には、中野、新宿地区が、その昔信用組合時代にその営業の本拠であったということで、中野とチェーン性があるということが一つでございます。それからもう一つは、やはり現在、それまで入っておりました旧本店が三ノ輪にございまして、非常に古くなっております。また狭隘であり、まあでき得ればその地区に本店を建てる、こういうことも可能なわけでございますが、旧店舗の所在地はきわめて狭隘で、当該地に適地を求めることがむずかしい、こういうことで、中野への本店の移転を要望してきた。こういうふうな点が第二の申請の理由になっております。さらには、当該金庫の場合には、その発生の過程におきまして、どちらかといいますと地域に密着した信用金庫というよりも、割賦販売業者を中心にいたしました業域の信用金庫であるというふうな状態でございまして、そういうことから店舗につきましても、それぞれ山の手沿線に分散しているような関係から、三ノ輪に本店を置くよりも中野に本店を置くことが、地理的にも、あるいは交通的な諸条件から見ても、既存店舗網の中心部に所在するし、全店舗の統轄管理がそのために容易になる、こういう経営効率の向上に役立つ。こういうような面がございまして、金庫のほうから話があり、財務局段階で審査して、その事情を認めて認可した、こういうふうな経緯になっております。
  88. 和田静夫

    ○和田静夫君 四十二年ごろ問題になった三和開発に対する東京産業、八千代、神田など十にのぼる信用金庫等の金融機関による焦げつき融資、この処理はどうなりましたか。
  89. 結城茂

    ○説明員(結城茂君) 後ほど調べまして御報告いたしたいと思います。
  90. 和田静夫

    ○和田静夫君 いま約束されたやつは急いでください。  労働省にお尋ねをいたしますが、公害がさまざまな悲惨な状態をつくり出していますけれども、労災事故は企業内で起こる一時的事故であるがゆえに、過失があったかなかったかという問題でどうしても被害者に不利な形で処理されがちであります。こういうことは、企業の冷徹な論理を認めるがゆえにそう言えると思う。過日も千葉県下におけるところの労災事故問題について質疑をいたしました。労働基準局としては被害者の立場に立って労災事故を調査して、その結果を第三者にも私はどんどん提供していくべきだと思う。それから教訓を導き出すことによって、いわゆる労災事故の減少をはかっていくということも、また労働省に課せられているところの一つの行政上の課題ではなかろうか、そう思うわけです。ところが逆に、調査資料を隠し続けていらっしゃる。そういう意味では企業の側に立ってしまっているといいますか、企業の側に傾斜をしている状態というものを強く感ずるんです。そういう指摘については、まずどうですか。
  91. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) 災害等に関しましては、労働基準局といたしましては、まず第一には、その災害が業務上の災害であったかどうかという点の認定をしなければなりませんので、その意味で災害の業務上、外の認定ということを、これは法律上やらなければならない。それからもう一つは、災害が発生をした場合に、それが基準法の規定、安全衛生規則を含めまして、そういったような違反の事実があるかどうかという、この点を重点的に監督あるいは調査をいたすことにしております。その場合に、特段、企業側のサイドに立っていろいろ調査をするということはいたさない。いまの二点につきまして法と照らしながら調査、監督をする、こういうことにいたしておるわけでございます。
  92. 和田静夫

    ○和田静夫君 したがって、その調査結果というものをもう少し克明に出して、それらの中から労災事故をなくするための教訓を導き出させる、そういうことが先ほど指摘したとおり労働行政の中でたいへん必要だと思う。そういう面があなた方によって、いまのところはサボられ続けてきているという結果になっている。反省はしませんか。
  93. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) 調査の結果につきまして、一般的には、先般も実は災害白書というような形で調査結果等に基づきまして、それを公表をいたしておるわけでございます。ただ、いま先生御指摘の点は、個々の事実に関してどこまで公表するかという問題であろうかと思いますが、その点につきましては、一般的に裁判所あるいは弁護士会、あるいはその災害を受けられました直接の関係者の方からいろいろ具体的な事案につきまして要請があった場合には、必要な範囲につきましてはできるだけ事実をお知らせする、こういうことにいたしております。そういう指導をいたしております。
  94. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこはちょっと答弁がおかしくないですか。神奈川労働基準局長からの労働省労働基準局長あての四十五年一月八日の文書、これに基づくところのものでいけば、こういうことになっていませんか。「裁判所以外からの要請に対しては原則として拒否する。」「(弁護士法第23条の2第2項による報告の請求を含む)」。いまの答弁では、弁護士等からの請求についてはなるたけ知らしていく、こういうふうな御答弁ですが、いまの御答弁のほうが正しいと思っていいですか。
  95. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) ただいま御指摘の文書は、神奈川の労働基準局長から本省の基準局長に対しまして、実は、業務上災害の賠償請求等に伴いまして第三者から関係書類の閲覧要請があった場合に、こういうような処理のしかたでいいかという問い合わせの文書でございまして、その中で、たとえば裁判所以外の要請に対しては、原則として拒否するというような方法でよろしいかという伺いの文書でございます。それに対しまして、私どもが神奈川の基準局長に対しまして出した通達は、「裁判所若しくは弁護士会又は被害者の遺族その他直接の利害関係のあることが明らかな者から、業務上災害について災害調査復命書、捜査報告書等行政上作成した書類について、閲覧又はその写の交付を要請された場合には、次のことに留意の上、回答して差し支えない」、ただし、その他の者からの要請に対しては原則としては出さないということで、災害発生の事実関係を明確にするために必要な事項を除いては要請があれば出してよろしいと、こういう回答をいたしましたので、ただいま私申しましたのはその回答のほうの部分を申し上げました。
  96. 和田静夫

    ○和田静夫君 それはわかっているんです。そこで問題は、いま言われた中で、「例えば、災害調査復命書についていえば、次の如き事項」、こうなっていて、言ってみれば「調査官意見」、「署長意見及び局意見」は除く、ですね。それから「最近の安全(衛生)活動の状況、その他参考となるべき事項」、「同種災害防止のためとった措置及び今後の対策」、「災害発生前の監督指導の有無及びその状況」、こういうものを除くのでしょう。こんなものを除いたら何にもならぬじゃないかということを私言っている。
  97. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) 実は、この復命書自体につきましては、復命書は内部の書類でございますので、その中で、冒頭申し上げましたように、裁判所、弁護士あるいは直接の関係者がお知りになりたいことにつきまして、その事実関係について明らかにする必要があろう、その場合は当然利用していただく。ただ、そのほかのことは行政上の活動の問題、あるいはその間の内部的な意見等もございますので、これらは、直接外部に公表することに適する性質のものでないという判断をいたしておりますので、その点については慎重に取り扱うということにいたしておるわけでございます。
  98. 和田静夫

    ○和田静夫君 あのね、したがって私は冒頭にその趣旨について確認をしたのですよ。「災害発生前の監督指導の有無及びその状況」、あるいは「同種災害防止のためとった措置及び今後の対策」、「最近の安全(衛生)活動の状況、その他参考となるべき事項」、これらは労働行政上他に範をたれるという意味を含んでここに教訓を求めるということ、言ってみれば内外に明らかにしていくことが労働省が持っておる労働行政上の義務でもある、それを除外してしまったのでは何にもならぬじゃないか、そうお思いになりませんか。
  99. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) その点は御趣旨ごもっともでございますので、一般的な形では、これらの災害の調査に基づきまして災害に関する白書その他の形を通じて公表いたしまして、災害活動の参考に資する。ただ、この場合には多くは特別の事案に関連いたしまして関係者からの特定の事業場についての事実の照会でございますので、それらについては、やはり先ほど申しましたように取り扱いについては、ある事項については慎重にやるべきだと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  100. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこで、あなた方が答えられたことを全国に通達としてお流しになった、その通達が守られていない場合は、どうされます。
  101. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) そういう場合には行政指導でこの通達が守られるように指導をしてまいりたい、こう思っております。
  102. 和田静夫

    ○和田静夫君 これから、その通達が守られるような行政指導をやっぱり早急に一ぺん点検をして強化をしていただきたい。労働災害に対するところの労働基準局の弁護士やあるいは被災者の関係者に対するところの協力の度合いというのは、たいへん悪いですよ。労働省というのは本来的には逆の立場に立たなければならないのに、どうも企業の論理の側を尊重し過ぎる、末端は。いまのお答えの趣旨がいかにあろうとも。したがって、お答えの趣旨がもっと労働基準行政全体のものになる努力というものをやっていただきたいと思うのですが、まして裁判所による提出要求に対して拒むということが起こっています。この前もちょっと申し上げました。で、これは私は民事訴訟法の二百六十二条、それから民事訴訟法の三百十二条に実は労働省が違反をしておると思うのですが、いかがですか。
  103. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) その法律自体には直接違反しているとは考えておりませんが、ただいまのその運用の問題につきまして、現実にどこまでが私どもの通達でいっておる線かというところが、現実にはなかなか不分明なところがあろうかと思います。したがいまして、先ほどの御指摘のように、この通達の運営にあたりましては、現実にその災害を受けられた方の訴訟等に関連して具体的な人から資料をお求めになると思いますので、それに必要な資料は特に事実関係をはっきりさせるという点にあろうかと思いますので、そういう点については十分協力をしてやってまいるというふうに、今後さらに運営指導を徹底してまいりたいと、こう思っております。
  104. 和田静夫

    ○和田静夫君 「事案の性質上回答することが不適当と判断される部分は除く」、こういう通達になっています。「事案の性質上回答することが不適当」ということも、その検討はどのようなことを検討されたのですか。
  105. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) 基準法では、一方におきましてその監督官について特に業務の執行上知り得た秘密についてはこれを外部に流してはならない、こういう一般公務員以外に監督官が特別な、たとえば立ち入り検査その他の権限を持っておりますが、その業務上知り得た秘密についての、「秘密を漏してはならない。」という義務が一応ございます。その趣旨は、やはり特定な権限の行使に伴いまして、具体的に個々の事件を通じていろいろな事実を監督機関としては掌握するわけでございますが、それは必要な範囲に限られて公表をされるべきであって、一般的にいわばこのいまの条文によりまする秘密を外部に漏らすような事態にならぬよう、その辺の両方の調和が必要であろうと思いますので、その辺の趣旨を書いておるわけでございます。
  106. 和田静夫

    ○和田静夫君 私がさきの本委員会で問題にした故野村治良さんの死をめぐって訴訟に伴う裁判所からの資料要求ですね――提出要求、これを拒まれる原因、この点でもいまの質問との関連で、事案の内容をどう検討された結果、それを出さないと結論づけられたのか、説得的に答弁をしてください。
  107. 岡部實夫

    ○政府委員(岡部實夫君) いまの具体的な事案については私、どこまでを資料が出せないというふうに申し上げたのか、具体的にわかりませんが、そういう場合にもここにあります通達の線に沿って必要なものは出すというたてまえでやっておりますので、全部を拒否したということではなかろうと思っております。なお、いまここで事案を正確につかんでおりませんので、即刻正確に実態を、事実をつかんで御報告を申し上げたいと思います。
  108. 和田静夫

    ○和田静夫君 この場合、事実をあれしてもらいたいんですけれども、実際問題として事案の内容をどう検討した結果、たとえば出さないと結論づけられた部分があるならば、どういう理由で出さないとされたものかというところまで含んで、調査をされ、返答をいただけますか。
  109. 岡部實夫

    政府委員(岡部實夫君) 御趣旨の線に沿いまして、調査を御報告いたします。
  110. 和田静夫

    和田静夫君 その場合に、念のために申し上げますが、民訴法三百十二条二号によるところの「挙証者カ文書所持者二対シ其ノ引渡又ハ閲覧ヲ求ムルコトヲ得ルトキ」「其ノ提出ヲ拒ムコトヲ得ス」、ここの部分との関連も十分検討されながら返答を賜わると――よろしいですか。
  111. 岡部實夫

    政府委員(岡部實夫君) 承知いたしました。
  112. 黒柳明

    ○黒柳明君 大臣もお忙しいと思いますので、要点だけ端的に御質問いたしたいと思いますが、水先案内人の案内料が先般――七、八年前ですか、上がりまして、これは認可料金であり、これが港湾荷役費とともに物価を構成しておるというふうなこともいわれておりますが、その値上げ申請の時期、それが閣議了解で決定されたと、こういうことですが、その内容、それからそれに伴って日本海事財団が設立された、さらにそこを中心にして外郭団体の荷役料値上げの分が流れている、そこらあたりの経緯、さらに三十九年から四十四年までどのくらい海事団体収入があったか。さらに配分したのは幾らぐらいか。そこら辺ひとつ概括的に御説明をいただきたい。
  113. 佐原亨

    政府委員(佐原亨君) 昭和三十八年の七月に海上航行安全審議会、これは運輸大臣の諮問機関でございますが、そこに対しまして水先料の値上げが諮問されまして、検討されました結果、一応七七%の値上げが適当であるという答申がございました。さらに翌年、三十九年の五月には国際収支改善の見地から諸外国と比較いたしましてさらに相当の値上げをしてもしかるべきという旨の答申がございました。三十八年十月と三十九年六月の二回にわたりまして値上げが実施されました。二十八年から一応据え置かれておったわけでございますが、そのときに二十八年と比べますと三倍の水先料になったわけでございます。この値上げの実施に際しまして三十九年六月二日の閣議了解が行なわれました。その水先人の総収入のうち四〇%を海事思想の普及宣伝、海難の防止、海運の合理化安定等海事の振興に特に必要と認められる事業に使用するために特別交付制度という考え方が打ち出されました。三十九年から海事財団等の公益団体が発足するに至ったわけでございます。金額その他につきましては海運局長のほうからお答えいたします。
  114. 鈴木珊吉

    政府委員(鈴木珊吉君) お答え申し上げます。海事財団のほうへパイロット協会のほうから回りました金額、それは三十九年度から毎年これは行なわれておりますが、四十五年度の金額はまだ締めておりませんですが、予定額を入れまして約五十五億の額となっております。
  115. 黒柳明

    ○黒柳明君 三十九年から四十四年の総収入――いまのは合計してないんですか。
  116. 鈴木珊吉

    政府委員(鈴木珊吉君) いまのを、四十四年度までの資料がございましたので申し上げます。八十三億一千二百万でございます。それにつきまして、いわゆる特別交付金というものと、それからその他と分けまして、特別交付金といたしまして四十四億九千四百万、これを二つに分けまして、そのうちの三十四億九千二百万というものを財団法人日本海運振興会のほうに交付しております。残りの十億百万というものは、これは日本海洋振興会に交付しております。それからそれ以外に、特別交付金以外の資金がございます。これらを合わせますと約二十八億に相なるわけでございまして、これは各種の公益法人基金あるいはまた事業費、そういったものへの出資あるいは補助。したがいまして、特別交付金とそれから一般交付金を合計いたしまして七十三億八百七十五万二千円でございます。
  117. 黒柳明

    ○黒柳明君 そこで確かに、この海事財団の設立の経緯、それの中に、いまおっしゃったように、調査研究とか海難防止とか、海事思想の普及宣伝とか書いてありますけれども、この実態なんですよ、大臣。これから問題に入っていきますが、またごたごたいうと時間が長くなります。大臣、御予定があると思うんですが、これの実態ですよ。これをまず私はここで端的に指摘してまいりたいと思うんです。  そこで、なぜ水先料をこういうふうに単純にピンハネの閣議決定をしたかということはあとの論議にしまして、その実態はほんとうに海運の普及宣伝というようなことに使われておるかどうかということなんですが、この表を、ちょっと局長お二人にもメモしてもらいたいんですが、幾つも問題点があるんです。これは私が調べた範囲ですが、私いま非常に忙しいものですから、なかなか徹底的に調べられませんでした、いつものように。私の調べた範囲では、ごく氷山の一角ですが、これを言いますと七十三億、これが配分されておる団体ですね、海事財団から。二十九団体になっておりますね。  その中で、まず第一点を指摘いたしますと、この閣議了解で要するに――変なことはですみませんけれども、水先料をピンはねした。日本海事財団が設立された、それ以後できた外郭団体――これはいまの七十三億が配分されておるうちの十五団体全部がそうなんです。三十九年以後。二十九団体のうちの十五団体が全部三十九年以後。しかも、ひどいのはその設立の期限、たとえばここに一例をあげますと、海事産業研究所の設立が四十一年五月二十一日、それに日本海事財団からいわゆる水先案内料のピンはね――すみません、こういうことばを使わせていただきたいんですが一それが四十一年に六千万円きているんです。ですから海事財団から六千万円の資金をもらって、海事産業研究所というのは四十一年五月に設立されているんですね。ですから設立されたときの基金というのは、海事財団を通して、すなわち閣議了解で水先案内人の料金――ほんとうなら水先案内人がもらうべき料金、これについてはあとからいろいろ質疑したいと思うんですが一それをピンはねした分をもらって、これを設立しているわけです。こういう例を申し上げます。海事産業研究所、海上労働科学研究所、東京湾海難防止会、神戸海難防止会、西部海難防止会、日本海洋振興会、運輸経済研究センター、マラッカ海峡協議会、戦没船員の碑建立会、これら九社は、設立のときの基金というのを、要するにこの海事財団からもらっているんです。しかも、あとの六社もこれは三十九年以後に設立されている。非常にこれは天下りがこのあと出てきますよ。こういう外郭団体の設立は明らかにこのピンはね料をもらって、それで設立された、これははっきりしているわけですね。  それからさらに、そのような二十九の配分金を受けている外郭団体のうち天下りが二十一。いろんな例がありますが、まあ個人の名前をあげるのは申しわけありませんが、あげますと、海上労働科学研究所・下田行夫、いま専務になっています、元海運局長。海難審判協会、これは藤枝盛さん、元高等海難審判所長官、いま理事長になっています。日本海事広報協会、これは粟沢一男さん、いま理事長です。元運輸事務次官です。日本船舶職員養成協会、これは元気象庁次長の太田九州男さん、いま会長になっております。さらにいろんなのがありますね。港湾荷役機械化協会・秋山竜さん、これも元運輸事務次官。それからマラッカ海峡協議会、これは元海上保安庁長官・亀山信郎さん。粟沢一男さんのごときはさらに戦没船員の碑建立会、ここの理事長にもなっているわけですね。配分金を受けている二十九団体のうち二十一団体に、要するに運輸省の高級官僚がずらっと天下っている、これが第二点。  しかも、その中にはもっとひどいのがいるんですよ。運輸省を退官したと同時に、この外郭団体の役員になっている。海難審判協会の藤枝盛さん、四十三年六月十五日です。この方が退官したのが。四十三年七月一日にこの協会が創立しているんです。それから日本海洋少年団連盟・仲西克己さん一いま運輸経済研究センター、元運輸大臣官房付の湊恒生さん、退官が四十三年十月一日、この研究センターの設立が四十三年十月一日です。それから船員災害防止協会・木内文治さん、これは元新潟海運局長で四十二年十月三十一日退官とともに協会入り。この協会は四十二年十月三十一日設立、こういうことですね。ですから、二十一団体に運輸省の高級官僚が天下っている。天下りもいいですけれども、退官と同時に天下り、水先案内料のピンはねを海事財団からもらって、それで設立しているのはどうか。さらに、この給料が高いですね。いろんな例がありますけれども藤枝盛さん、海難審判協会のいまの理事長、この場合には十七万円。それからもっと高いのがいますね、二十五万円の人が。東京湾海難防止協会常務の山口久次さん、これは元巡視艇「いず」の船長ですが、二十五万円。それからもっと高いのは、先ほど言った元運輸事務次官、いま日本海事広報協会の理事長粟沢一男さんの二十六万。さらにもっと高いのがありますね。日本海員抜済会、いま副会長をやっている元関東海運局長の三村令二郎さん、三十八万円。それから先ほど言った運輸経済研究センターの湊恒生さん、三十万円。それからマラッカ海峡協議会の元海上保安庁長官亀山信郎さん、いまの理事長、三十万円。これは天下りの通例として非常な高給をもらっていますね、こういう点。さらには、これは仕事をやっているのか、やっていないのか、こういう点。役員の構成は、東京湾海難防止会は、理事が四十五名で職員が六名です。琴平海洋会館は、理事が三十名、職員が三名。日本船長協会は、理事が三十九名で、職員が六名。港湾荷役機械化協会は、理事が四十五名、職員が五名。マラッカ海峡協議会は、理事が十名、職員が五名。戦没船員の碑建立会は、理事が十九名、職員が三名。現にそこに行ってみますと、そう言っちゃなんですが、全部が全部とは言いませんけれども、ひどいのはマージャンをやっていたり、ゴルフに行っていたりして、役員はいやしませんよ。もっとひどいのは常勤職員が一人もいないところがある。灯光会、日本海法会は常勤役員は一人もいない。しかも、ここに四十三年度で一千五百万円、一千二百万円、合計三千万円も――二千数百万円も出ている。常勤職員がいないのに、なぜそんなに三千万円も二千万円も金を出してやる必要があるのか。こういうことがありますね。  さらに、この配分金を受けている二十九団体についてはいろいろなケースがあります。たとえば日本船員奨学会というのは七五%を海事財団の配分金に依存している。日本海洋少年団連盟、これは子供さんのためにいいところだと思うのですが、こういう実態がわかると非常に問題ですね、これが八四%海事財団の配分金に依存している。それからまだありますね、東京湾海難防止会が四〇%。それから西部海難防止会が五〇%。ということは、これらの団体が全面的にこの海事財団からきている配分金に依存しているということですね。しかも、仕事といったら、これだけ理事が多いのに、常勤の役員で職員は、現場に行ってみると、仕事なんか何をやっているのかわからない。こういう問題が出てくる。その中の特異な問題は、日本海洋少年団連盟の仲西克己さん一いま常務です。元海上保安庁第八管区本部長をやっていた方です。この方は四十三年に退官して、いまの少年団に入った。その前の四十一年、四十二年までは二千万円、三千万円だったのが、この人が入ったとたんに五千万円の配分金になった。これは三千万円の持参金つきじゃないかということが言われた。私はそう思いませんよ。外部の人がうるさく、そういうふうにうわさをしている。まだまだこれば一ぱいありますけれども、いま言いましたように、これはごくわずかの判明した分であります。  しかも、この水先案内のパイロットの人は収入がいいところは非常にいいのですよ、しかし全部じゃない。収入の悪い北海道の人なんかはおこっている。何のために閣議了解をしたのか。おれたちのもらう分をピンはねして、それでこういう高級官僚を養うような外郭団体にストレートに、海事団体を通じて流す。こんなために閣議了解をされるなんということはとんでもない。こういうことなんですね。まあ水先案内人というものは高級技術者でありますから、確かに収入が多いのですが、全部が全部ではない。収入が少ないところのパイロットはこのことを非常に憤慨している。本来私たちに入るものを、どうしてこういう高級官僚を養うために――変なことはですけれども、食わせるためにやり、私たちが彼らのために働かなければならないのか。まあ、これについてはいろいろな問題があるかと思うのですが、大臣、この実態をどうごらんになるか。これはちょっとごちゃごちゃしていて申しわけありませんけれども、これを見てください。(資料を示す)この実態にもう少し目を通していただいて、大臣、お忙しいと思いますけれども、その実態をどういうふうにごらんになるか。その実態は非常に問題なわけですよ。
  118. 鈴木珊吉

    ○政府委員(鈴木珊吉君) ただいまの御説明でございますが、確かに役人出の人が入っているところが多うございます。特にいま御指摘になったように、退職してすぐ入られたという方も含んでおる……。
  119. 黒柳明

    ○黒柳明君 入られたのじゃなくて、つくったということですよ。退職と同時に。新設ですよ。
  120. 鈴木珊吉

    ○政府委員(鈴木珊吉君) それはいろいろとりょうはあるかと思いますけれども…・
  121. 黒柳明

    ○黒柳明君 いや、とりょうじゃなくて、事実そうなんです。そうなっておるんです。
  122. 鈴木珊吉

    ○政府委員(鈴木珊吉君) 事実そうなっておりますけれども、一適任者がおりません場合には、やはりそういう人がならざるを得ないことがあると思います。それから、民間から適当な方をお迎えしたいということもございますけれども、なかなか得られないということもございます。御本人が食うためにつくるというふうにわれわれは考えておりませんが、結果はそういうふうにとる方もおられようかと思います。つくりました趣旨はそういうことでございまして、適任者がいないからというふうに私たちは考えております。それからまた、理事ばかり多くて、という御批判でございましたけれども、たとえば海難防止協会等におきましては、これは私直接監督しておりませんけれども、海上保安庁の関係でございますけれども、やはり専門的な理事さんがおられまして、そこで検討しておるということで、それほどの、何といいますか、職員は必要がないというような性格の団体もございます。ですから、これは一々私反論できませんけれども、何か役人の古手が集まって、わけのわからぬことをやっているというふうにとられたのでは、私ども実際面目ないところでございまして、そういうような実態はなかったと私存じます。まあパイロットの中でいろいろ御批判もございますようでございますけれども、たとえば釧路方面とか、ああいう不便なところのパイロットの方々の収入はそれほだ多くない。ただし、こういった特別会費の徴収は、現在四十六万円でございますか、それ以下の収入の方からは取っておらないという配慮もやっておりますし、それから阪神とかあるいは京浜とか、非常に忙しいところはたいへんな収入になっております。しかしながら、一応パイロットといたしまして適正な料金を決定いたしまして、それ以上のものは――ピンはねと先生はおっしゃいましたけれども、ピンはねという意味じゃないんでありまして、これはそうしていただきまして、公益的な方面に使っているというのが趣旨なんでございます。決して役人がそれを食いものにしているというふうなものではないと、実は確信している次第でございます。
  123. 黒柳明

    ○黒柳明君 私も確かにそう確信したいし、私はもともと気だてのいいほうで、そんな曲解するなんということはきらいなほうなんです。だけれども、現状がこうなわけですよ、現状が。ですから、この現状についてどう思うかということなんですね。私は別に予想とか、憶測とか、主観なんというのは絶対まぜたくないわけなんです。ですけれども、現状かいま言った一また繰り返して申しわけないけれども、二十九団体のうちの十五団体がはっきり天下り一これは全部じゃないですよ、私はほんのわずかの、最高幹部だけ調べただけの天下りです。もっと、全部出てくるかもしれない。そこまで時間がなかった。しかも高級官僚をとっている、しかも退官と同時に新設している。全部、パイロットの値上げの料金が適切であるとかないとかというのは別にして、そこから取っているわけなんでしょう。ですから、本来ならばパイロットの方に払う分野かもしれません、実際上。それがこういう人たちの給料になっているということは非常に……。現状を言っているんです。現状。どうですか。大臣、この現状について。
  124. 橋本登美三郎

    ○国務大臣(橋本登美三郎君) 御意見ごもっともでありますが、また一つ、パイロットの料金問題、これは私が申し上げるよりは、あるいは黒柳さんが詳しくお調べのようでありますが、実はパイロットというのは国際的な仕事でありまして、日本の船が向こうに行きますればやはり向こうの水先案内人に料金が取られるわけであります。そこで、この閣議決定の際に行ないました料金改定で、当時は大体二対一の割合で、日本のほうが外国の水先案内よりも二分の一というふうに低い料金でありました。ということは、結局日本の船が向こうに行って水先案内をされるということになると、それだけ外貨を取られるということになります。したがって、日本の船が、いま御承知のように世界の海運界では非常に国籍船として、ほんとうの意味の国籍船としては日本の船が最大の船を持っているわけでありまして、それが外国に行った場合に水先案内料が日本の倍も取られるということは、結局日本の収支の上においてマイナスになるということが一つ問題になったわけでございます。しかし、そうは言いましても、国際料金的なものでありますが、あまり高くすれば、結局は日本の船が向こうへ行くんですから、結局はまた向こうに上げられますから損になるということで、大体近づける、多少は外国よりは安いけれども、それに近づける料金をきめることが国際収支の上で妥当であろうということで、こういうことから閣議了解でさような方針をきめたわけでありますが、その際に、もしそのままパイロットに還元しますというと、国内のもろもろの賃金制度と全く隔絶したものになるわけです。そういうことからして、もちろんこれはパイロットの生活条件及び企業条件等を十分に考慮した上で、そうしてなお余裕がある場合にはこれを一つの交付金制度を設けて、それによって海事関係のいわゆる事業助成等に使ってはどうだろうかという意見がまとまりまして、先ほど申しましたような交付金制度ができたわけでございます。  しかし、いま黒柳さんからお話がありました第一の要点の、それはけっこうだけれども、それにしてもあまり役人が多すぎるんじゃないか、わざわざ天下りのための協会をつくったのじゃなかろうかという御注意であります。まあ局長から、必ずしもそういう意味ではなかったという弁明がありましたけれども、いろんな必要性があって、従来資金がなかったためにできなかったが、幸いにしてそういう基金ができたものでありますから、そこで発足をしたという場合もあるだろうと思います。たまたまそれがそういう機会でありましたから、役人を持っていくためにごしらえたように見えますけれども、その点はひとつ海運局長の弁明を御了解願いたいと思いますが、そこでそういう協会の場合に、私自身も役所の人が関係団体に行くことはあまり好ましく思いません。私、就任以来はできるだけこの点を整理いたしまして、かなり私自身は是正をしてまいったつもりでありますが、これは古いことでありますから、このようなことがありましたが、しかし、また一面において、役所において三十年なり三十五年なりつとめておって大過ない、人間もまじめである、こういうような一つは証明がつくわけでありますね。これか突然に第三者――財界から持ってきた場合に、その人がはたしてそういう人かどうかという証明もつきにくい点もありましょう。これは、三十年、四十年と役所におって、しかも仕事も適当にでき、人間も間違いがないと同時に、海事関係でありますからその方面の知識もある、こういうようなことで便宜上そのようなことがあったと思いますけれども、今後このようないわゆる任命制度は、できるだけ一般からも、有能な人がおるんでありますから、こういう方面からもとっていくように処理をいたしたいと考えております。  第二に御質問のありました――御質問といいまするか、御意見でありますが、北海道等のパイロットは収入が低いということで非常に困っておられる方もあるようであります。実は、この問題については、私は就任後、なるほどいま海運局長が言いましたように、ある程度以下の収入の者に対してはこのいわゆるカット制度がないわけであります。しかし、問題はそれだけの収入――パイロットとして生活する、あるいは企業を運営していくためには最小限度のある程度の収入がなければいかぬわけですね、自分でボートを持ったり、あるいは助手を使ったりしますから。ところが、いまの制度は、御承知のように一つの収入のプール制度がなかったわけです。ただ、この収入のプール制度がはたしてやれるかどうか、まあ研究してみたまえと言ってあるんですが、いまの制度でありますというと、したがってパイロットの諸君は横浜とか東京とか、あるいは大阪湾のように収入の多いところを希望する。ところが、これにはある程度のワクがあって、なかなかそうよけいな人はとれない。同時に、最近の港湾政策はかなり地方におきましても五万トン、十万トンの船が入れるような港をつくらなければならぬようになってまいりましたので、したがって地方の港湾にもどうしても水先案内人を置かなきゃならない。ところが実際は入る船が少ないものでありますから、収入が全く、自分の事業を運営していく上において足らないという状況が出ておるわけであります。そこで、年間これだけの――四十四年度の決算的なもの、実績を見ましても、十八億円という金がいわゆる交付金のほうに回されるわけでありますから、したがって私は、これはどういう形でとったらいいかわかりませんけれども、そういうように中央において、あるこれだけのものはどうしても必要だと、たとえば一回出たら三十万円なら三十万円、三十五万円なら三十五万円、最小限度これだけのものがなければタグボートは引っぱってやっていくわけにはいかない、こういう点があるだろうと思うのです。そういうものに対して、こういう一種のカットした収入の中からこれに助成する道はないだろうか。まあこれは、あるいは協会等で話をすれば私はできるのではないかと思いますけれども、こういうことにしませんと、これからせっかく大きな港を地方につくって、御承知のように四十六年度から全国で数カ所も大規模港湾を検討しておりますけれども、これは当初は当然大きな船が入ってまいりませんから、そこに水先案内人を置きましても、この人は全く収入に困るということになります。こういう点を考えますというと、いままでの制度はやはり改善をする必要がありはしないかということを私は痛感いたしております。この点はちょうど黒柳さんが地方の港湾における水先案内人が非常に困っているんだという問題に対する一つの回答と申しましょうか、考え方として、これは積極的に検討していかなければならぬのではないかと、かように考えております。  なお、いわゆる関係方面への交付金の問題ですが、まあ金があるからむやみに幾つも団体をこしらえたらいいということは非常に好ましくない。したがってこの点につきましては、できてまいったものをつぶすわけにもまいりますまいけれども、できるだけ内容等は十分に審査をし、そうして適正ないわゆる助成策――必要以上のことは、これは慎まなくちゃならぬと思います。こういうような運営方法あるいは改善策につきましては、いろいろ御注意がありましたので、その御注意の線に沿って積極的に処理をいたしてまいりたい、かように考えております。
  125. 黒柳明

    ○黒柳明君 大臣のるるの説明、前向きな御答弁で納得したいと思いますけれども、局長さんは全面的に否定しましたけれども、この中心の日本海事財団にしましても、御存じのように会長は若狭さん、これは閣議了解をした当時の海運局長ですね。それから海事財団の四十四年の収入が十八億一千六百万、これは全部パイロット協会からきたわけですよ。そしてその使い方は、要するに二十九団体に使ったのが十九億五千六百三十四万八千百五十七円。ほとんどこの協会というのはやはり金を操作するだけの財団ですね。この金を操作するだけの財団に何人専門家が必要なのか、そこも私は言いたいわけですよ。確かに専門知識が必要なところもあるでしょう。民間から有能な人を採用しろと言われようが、そういう専門家を入れると、こういうことも理屈はわかりますけれども、その中心の海事財団の理事が六名、職員が八名。完全にこれはパイロット協会からのピンはねを二十九団体に配分するだけの団体なんですよ、ここは。ここはだれだってできるわけですよ。こういうことがもう端的にその一つをあらわしているのでありまして、ここの個々の内容をもっと検討していかなければ――いま大臣は前向きに検討されるということでありまして、私は了承したいが、もう一つ大臣、いま大臣は国際的に云々とおっしゃったんですけれども、さっき局長さんの答弁で日本海運振興会、これは日本の船主の協会ですね。これにリベートとして十九億行っている。一二・五で%ですかを配分。ところが国際信義の面からこれは問題になりませんか。外国の船主からクレームがつきませんか、日本の船主にばかり配分して、外国の船主に配分してなかったら。現に、私が「つきませんか」というだけでなくて、外国の船主が問題だと言っているのです。われわれは国際的にこれを問題にすると言っているのです。この前、課長さんとも話したのですけれども、こういう問題について、これはまさか、このままほおかぶりできないだろう、国際的にこれが問題になったらどうなるのか、こういうことですけれども、どうですか。
  126. 鈴木珊吉

    ○政府委員(鈴木珊吉君) 確かに、リベートとおっしゃいましたけれども、それはリベートじゃございませんで、一応船会社が払ったものから、いま言ったように四割五分をこちらに回す、その四割五分につきましていわゆる船主サイドのほうとパイロットサイドのほうに分けて交付する。ただ国際的に申しまして、このお金が支払った船主さんにまた返るのでは、まさにリベートなんでございますが、この支出はそうではないのでございまして、海運関係の公益的な事業に使っている。その中には、先ほどおっしゃいましたように船員の奨学金もございますが、それ以外に、たとえばいま海難防止の研究とか、あるいはまた国際船員センターとか、そういった港を中心といたしました公益事業についても、ずいぶんお金を使っておりますので、そういった面で、船会社そのものに返せばこれはいけませんが、そうじゃなしに、そういう面に使っておりますので、この点については現在までそういった非難は外国から来ておりません。したがいまして、問題はそういった性格のお金でございますから、そういう趣旨に沿わないようじゃいけないわけでございますので、十分その点につきましては公益の目的を達するように使うということで、慎重に検討していくべきではないかというふうに私どもは考えております。
  127. 黒柳明

    ○黒柳明君 それもありますけれども、日本の船員養成なんかでは、それじゃ外国船員はどうなんですか。当然そういう問題が起こる可能性が一〇〇%あるじゃないですか。
  128. 鈴木珊吉

    ○政府委員(鈴木珊吉君) それは、船主さんそのものに直接じゃございませんで、間接的になりますけれども、やはりこれは日本の海運全般からいってやはり船員を確保するという趣旨でございます。これは、めぐりめぐって世界全般の輸送を担当する良質船員という意味にも通じますので、必ずしもこれがそのまま日本船主の利益にはね返っているというふうに私ども考えていないわけであります。パイロテージでは問題でございますから、これは外国でもやはり国としてきめまして、ただしパイロットには収支相償う特殊な利益のあるお金だけは出すというところもございますのでございまして、現在におきましては別に外国から非難を受けていないというのが実情でございます。
  129. 黒柳明

    ○黒柳明君 最後に、閣議了解は一定金額を水先人から拠出させると、こうありますが、これは当然強制的なものじゃないのですね。これはどうなんでしょう。
  130. 佐原亨

    ○政府委員(佐原亨君) 先ほど大臣から御説明がございましたように、国際的なパイロテージと、それから国内的な水先人の所得水準との格差を拠出させる、こういう制度設立の趣旨がございますので、事実上強制しないとあまり意味がないと思いますけれども、形式的にはこれは何にも法律で強制しているのではございません。パイロットの自発的な御寄付だと、こういうふうに了解しております。
  131. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、この国税庁長官の、これは特別会費の徴収は各水先案内人に対して強制的に行なわれるものである。だから課税の対象にしなくてもいい、非課税である、こういうのはどうですか、国税庁の方、来ておりませんか。
  132. 中村平男

    ○説明員(中村平男君) 水先人が自分の収入から引かれるというのは、強制的ということばの問題ですが、それは特別会費としてパイロット協会に出さなければならない、その会費を出さなければ除名されるというような定款があるわけです。それで、法律的に強制であるかどうかという問題が一つあると思いますが、そういう面からいきますと、俗に言えば半強制的といいますか、そういう性格のもので、水先人としてやはり強制的に取られているものだという解釈というふうに考えます。
  133. 黒柳明

    ○黒柳明君 そこで大臣、それはちょっと食い違うわけですよ。国税庁の見方は、これは強制的に取っているのだ、だから非課税の対象にする、値上げ分は。要するに配分としての分は。ところが、こちらでは要するに形式的にはそうじゃない。だからパイロットのほうも非常におこるわけなんですよ。どうなのか。だから大臣、これは閣議了解をするのに何か法的根拠がありますか。そういうみずから稼いだ一定のものを…-、それについての見解は若干分かれますよ、そちらとこちらと。稼いだものをいわゆるピンはねして――ことばが悪ければ、配分金として使う。それを閣議了解というのは法的根拠がありますか。みずから労働して、汗水たらして稼いだ金を、それを閣議でこの一定分を配分金として海難防止あるいはいろいろな海運発展のために使う、これを閣議了解するための、拘束するための法的根拠がありますか。大臣、強制なんです。これは。
  134. 橋本登美三郎

    ○国務大臣(橋本登美三郎君) 法的根拠ということになりますと、さあどうですか。私は法律家でありませんので見当はつきませんが、ただ行政措置として行なうのでありますから、おそらく関係者との間に合意が成り立った上で、その上で閣議決定というところに持ってきているのだと、まあ当時のことを私は存じませんけれども、おそらく関係者の間はこういう事情であると。したがって、本来の水先案内人の平均水準をきめるということ、これは国際関係とか、こういうことがあるから、そこでそういうものに対しては、ひとつ収入の水揚げのうちからこういうものに回すということの話し合いの結果が、ここに来ていると思うので、いきなり一方的に運輸省なり政府側がきめて、おまえらこれでやれと、こういうものでもないんじゃないかと思います。
  135. 黒柳明

    ○黒柳明君 たいへん失礼ですけれども、大臣は現状をお知りになりませんから。――それは個々のパイロットとの了解なんです。パイロットとの了解なんです。パイロットの組合なんかないわけですよ。みんな個々ですよ。要するに事務所がありまして、そこから仕事が行くわけです。ですから、ここがこれは一つの問題なんです。ですから、まとまりがないことも一つの欠陥なんです。一人一人の了解なんて不可能ですよ。もし個人個人が了解してなかったら、こんなことできやしない。ですから法的根拠がない了解なんて――これはもう一方的な強制だったらうまくない、こういうふうに言えますが、要するに私は、何回も繰り返すように、閣議でそういう高級官僚を養う――と言っちゃ失礼ですが、養うためのそういう現状は、そういう欠陥になっていますよ。そういうものを閣議で了解をした。これは法的根拠がない。個々に了承してなかったと、こうなったら、これは大問題になります。了承してなければ、これは大問題です。了承しているということですか。断定できますか。法的根拠がなきゃ個々に了承していると思います。これは大問題になっているんですよ、年間二十億もの金ですから。ですからそんな簡単に、了承していると思いますぐらいでは、これはたいへんな問題です。国際的にも、パイロット個人にしても。その点どうですかね、個人の了承はありませんよ。
  136. 佐原亨

    ○政府委員(佐原亨君) 私も実は、当時はおりませんでしたので、また聞きの話になるのでございますが、大臣がおっしゃいましたように、当時は、パイロットとの間に合意が成立して、閣議了解に持ち込まれた。そのときのパイロットからは、個々に、一応合意書と申しますか、確約書と申しますか、そういったものがとられているというふうに伺っております。
  137. 黒柳明

    ○黒柳明君 それは、個々のパイロットから全部それをとっているんですか。一回それ、見せてください、どんなものであるか。
  138. 佐原亨

    ○政府委員(佐原亨君) パイロット協会に保存してあると私は思っております。
  139. 黒柳明

    ○黒柳明君 その点もひとつ大至急出してください。委員長、お願いします。資料提出で。また、それがあるかどうか、これは大問題です。合意書ありません、すぐ電話で聞いてもらってもいいですけれども。時間がありませんからあれしますが、要するに、法的根拠がないんですよ。個々のパイロットの合意なんかされていないんですよ。これはその点をしっかり踏まえていただいて――でなければ、いまごろこんなクレームが出る問題じゃないですよ。その点ひとつお調べいただくとともに、またひとつ大臣に――何かありますか。
  140. 佐原亨

    ○政府委員(佐原亨君) さっそく調査いたしますが、そういうふうに私は聞いております。ただ、その後新しく水先案内人に採用になった人がございますので、そういった点で、多少先生のおっしゃるような点があるかもしれません。
  141. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、そういうことも含めて私論じているわけですよ。私の接触した人が、その三十九年に了解した人か、四十年にパイロットの許可をとった人か、これはわかりません。そんなことはともかく、そういうクレームが多いから、私は個々の問題として取り上げたわけでありますから、了解を得ているものはどういうものであるか。その了解をたとえ万が一得たとしても、現状にクレームがあるということは問題であるということなんですよ。その点も含めて、ひとつ大臣、前向きな手を打っていただきまして、言われているような、非常にこれは高級官僚を養うためにおれたち働かされているのかと、こういうことが絶対ないように、ひとつ善処方をお願いしたいと思います。こう思いますが、もう時間でありますので、最後に一言。
  142. 橋本登美三郎

    ○国務大臣(橋本登美三郎君) 合意書の問題等につきましては、十分調査した上で、係のほうから御説明をいたすようにいたします。なお、御注意のありました点は、今後運営上十分気をつけ、かつまた改善すべきところは徹底的に改善をして、善処いたしたいと思います。
  143. 森元治郎

    ○委員長(森元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会