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1971-05-20 第65回国会 参議院 外務委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和四十六年五月二十日(木曜日)    午前十時二十一分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月十八日     辞任         補欠選任      岩間 正男君     野坂 参三君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 長谷川 仁君                 山本 利壽君                 西村 関一君     委 員                 梶原 茂嘉君                 木内 四郎君                 杉原 荒太君                 廣瀬 久忠君                 加藤シヅエ君                 羽生 三七君                 白木義一郎君    国務大臣        外 務 大 臣  愛知 揆一君    政府委員        外務政務次官   竹内 黎一君        外務省アジア局        長        須之部量三君        外務省条約局外        務参事官     山崎 敏夫君    事務局側        常任委員会専門        員        小倉  満君    説明員        外務省経済局外        務参事官     小山田 隆君        農林省農林経済        局流通部長    森  整治君        農林省農林経済        局国際部長    吉岡  裕君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三  十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正  し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉  の結果に関する文書の締結について承認を求め  るの件(内閣提出、衆議院送付) ○国際情勢等に関する調査  (沖繩の施政権返還交渉に関する件)     ―――――――――――――
  2. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件  を議題といたします。  本件につきましては、前回趣旨説明及び補足説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  3. 西村関一

    ○西村関一君 まず第一に、本件の説明書によりますと、本件の経緯いきさつの項を見ますると、「原交渉国たる米国と交渉した結果、本年二月二十五日に交渉結果を収録する文書に署名を了し、交渉は妥結した」と、こういうことになっておりますね。ところが、本国会の冒頭に提出されました予定条約の案件の中には本件は入ってないですね。あとからこれが入ってきた、あとから提案されたわけでございますが、その間、どういう事情があったのか。たいてい普通の場合は国会の初めに予定案件が出てくるのですが、それがなかった。それが、あとから出てきたのはどういう事情でございますか。
  4. 山崎敏夫

    ○政府委員(山崎敏夫君) 仰せのとおり、最初の提出予定条約の表にはこの文書は入っていなかったのでありますが、それは全く事務的な事情によるものでございまして、われわれとしては今国会に提出いたしたかったのでございますが、何ぶんにもその当時東京及びジュネーブにおいて交渉を継続しておりまして、交渉の継続中のものについて「予定」ということはいかがかと思いまして、入れていなかったわけでございます。ただ、その当時からこの文書は提出する考えではおりましたが、一応そのリストには除いておいたわけでございます。ただ、非常に最終段階でいろいろとこまかい点で手間どりまして、ようやく本年の二月二十五日に交渉結果がまとまったということで提出したので、全くこれは事務的な事情によるものでございます。
  5. 西村関一

    ○西村関一君 事務的な事情以外に何ものもないという御答弁でございますが、ほかの案件につきましても、同じく十分な妥結を見てない場合でも必ずこれは出来るという見通しで予定案件のリストの中に入っているものも従来からあったと思うのであります。この件につきましては、いまの御答弁をそのまま受け取っていればよろしいと思いますけれども、これから質問申し上げます中でも、私どもが、私自身が感じておることなんでございますが、何か事務的以外の事情があってにわかに提出せられたのではないかという――疑惑と言ってはちょっと言い過ぎかもわかりませんが――そういう他の理由があったのではないかという印象を受けるのですが、その点はいかがでございますか。
  6. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) いまの山崎参事官の説明をちょっと補足させていただきたいのでございますけれども、実は本件、東京でずっと交渉をやりまして、私が担当しておりました。で、交渉自体は二月の初めに大体実体については話がついたのでございます。ただ御承知のように、ガットは事務局がジュネーブにございまして、ジュネーブのほうで日本の代表とアメリカ側の代表と署名させる、そういう事務的な手続は向こうでやらせたのでございます。その間に、非常にささいな、やれコンマをどうする、ハイフンをどうすると、そういう字句上の問題で、むしろこれははなはだおかしいのでございますが、英語につきまして日本側の主張のほうが非常に正しかったのでございます。で、アメリカのほうは、それでは本国に聞いてみようと言って本国に照会して、やはり日本代表団の表現のほうが正しいと、そういうこともございまして、いろいろほんとうにこまかい手続の問題で時間をとったのが実情でございます。
  7. 西村関一

    ○西村関一君 そのくらいのことであれば、当初からリストの中へ入れておかれてもよかったのではないかという気がするのですが、それが入ってなかった。あとからにわかにこれが出てきたということに対して、何かほかの理由があったのじゃないかということを勘ぐるわけなんですね。そういうことはありませんか。
  8. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) 実はその点、全くそういう小さい問題ではございますけれども、やはり正式に署名を了するまでは国会のほうで御承認を仰ぐという手続をとることはちょっと大胆過ぎると思いまして、そのために時間をとってはなはだ申しわけないのでございますが、全く私自身その交渉をやっておりまして、事務的にはほんとうにすらっと――こまかい問題ではいろいろなあれがございましたけれども、処理ぶりはすらっとしていたと思っております。
  9. 西村関一

    ○西村関一君 質問の第二は、わが国のチューインガムの生産及び輸出入の実績についてどなたかからお伺いしたいと思います。
  10. 森整治

    ○説明員(森整治君) お答えいたします。  一番新しい数字で申し上げますと、生産が四十五年で大体五万トン――五万一千トンでございます。  それから輸出、輸入もございますが、それら差し引きまして大体四万八千トンの消費になっております。輸入量は、そのうち二百七十五トンということでございます。
  11. 西村関一

    ○西村関一君 日本におけるチューインガムの生産高と米国における生産高との比較はどんなになっておりますか。
  12. 森整治

    ○説明員(森整治君) アメリカのほうで、全体がちょっとあれでございますが、たとえばアメリカの一番大きなチューインガムの生産をしておりますのが、これは子会社も含めまして、リグレーでございますが、これが、業界の推定ですと、大体九百四十億ということになっておりまして、そのうちアメリカでは六百億というふうにいわれておるようでございます。日本の生産額全体が約三百億になろうかと思いますが、大体そんなものでございます。
  13. 西村関一

    ○西村関一君 それは単位は。
  14. 森整治

    ○説明員(森整治君) 販売額、売り上げ高でございます。億円でございます。
  15. 西村関一

    ○西村関一君 それは、数量にしますとどうなりますか、トンにしますと。
  16. 森整治

    ○説明員(森整治君) ちょっと、日本の数字はございますのですが、世界の数字がございません。日本のほうを申し上げますと、先ほどの五万トン、これは四十五年度。四十四年度で四万六千トンでございます。アメリカのほうの数字は、ちょっと資料が古うございますが、アメリカの四十三年の生産量が十四万六千トンというふうになっております。最近の数字はちょっと手元にございません。
  17. 西村関一

    ○西村関一君 その同じ年の日本の生産量はどのくらいですか。
  18. 森整治

    ○説明員(森整治君) 三万三千トンでございます。
  19. 西村関一

    ○西村関一君 結局、三倍か四倍ということですね。大体そういう状態ですね。
  20. 森整治

    ○説明員(森整治君) さようでございます。
  21. 西村関一

    ○西村関一君 そこで、わが国のチューインガム産業の生産額、これはまあ円で伺いたいのですが、それからチューインガム生産の主要企業のシェアについてお伺いをいたしたいと思います。
  22. 森整治

    ○説明員(森整治君) 四十四年で申し上げますと、全体で二百九十八億。販売額でございます。そのうち上位二社で約八割のシェアを占めております。
  23. 西村関一

    ○西村関一君 上位といえば、ハリスとロッテですね。そういうことですね。それはどういうシェアになっておりますか。
  24. 森整治

    ○説明員(森整治君) 四十四年、販売額、ロッテが百十億、それからカネボウハリスが百二十七億という数字になっております。
  25. 西村関一

    ○西村関一君 週刊誌などの伝えるところによりますと、ロッテとカネボウハリスとの間にかなり競争が激しく行なわれているということがいわれているのですが、いずれにいたしましても、カネボウハリス、ロッテがお互いにしのぎを削っているという状態には間違いないのであります。市場の八〇%以上を占めているということでありますが、これは国民一人平均にいたしますと、いま現在、七枚入りのチューインガムでありますけれども、一年間にどのくらいの使用になっておりますか。つまり、年寄りから子供に至るまで、どのくらいのものか使用されていますか。――こまかいことがわからなければけっけうですけれども、とにかく、赤ん坊からお年寄りに至るまで、相当なガムが用いられるということだろうと思うのですが、それで、概していえば国内の生産が伸びていると考えてよろしいですか。
  26. 森整治

    ○説明員(森整治君) 大体の傾向を申し上げますと、四十三年までは大体頭打ちでございます。約三万トン台で、ほとんどガムの消費が動いておりません。むしろ、まあこれで頭打ちになったのではないかという実は見方をしておったのでありますが、その後、先ほど先生ちょっとお触れになりました、チューイングボンといいまして、ガムの上にキャンディで巻いた新製品が、これはカネボウハリスのほうで出しまして、それが相当消費を開拓をしたというふうに見ております。したがいまして、その後、先ほど申し上げましたように、約五万トン近い水準へ伸びてきているというのが実情ではなかろうか、こういうふうに思います。
  27. 西村関一

    ○西村関一君 私も、きょうこの案件について質問をするために、初めてガムというものを買ってみて、食べてみましたというか試みてみましたが、こういうものだなということがわかったのですけれども、まだこれはアメリカの製品、アメリカ、オランダその他の製品も入っておりイタリア、イギリス等も入っているようですが、アメリカの製品リグレーが輸入の一番大きなところだというふうに思うのですが、その輸入されておりますチューインガムの状態はどんなふうですか。
  28. 森整治

    ○説明員(森整治君) 大体はアメリカがおもでございます。要するに、日本で輸入をしておりますチューインガムの輸入先はアメリカがおもでございまして、たとえば先ほどの数字で申し上げますと、輸入二百七十五トンと申し上げました。そのうち、アメリカから二百二十七トン輸入をしている。大体アメリカのほうが主力になっているというふうに思います。
  29. 西村関一

    ○西村関一君 日本からの日本製のチューインガムの輸出の状態は、実績はどんなふうになっておりますか。
  30. 森整治

    ○説明員(森整治君) 二千六百トンぐらい輸出をされておるようでございますが、これは大体風船ガムというのが中心でございまして、大体東南アジア等が主力になっておるというふうに承知しております。
  31. 西村関一

    ○西村関一君 そういたしますと、日本がアメリカその他から輸入をしているところのガムと日本から輸出をいたしておりますガムとの比較は、十倍以上になるというずいぶん大きな数字が出ておりますね。そういうことですか。
  32. 森整治

    ○説明員(森整治君) ちょっと御説明が足りなかったのですが、チューインガムには、厳密に申し上げますと、板ガムといった、何枚か入っている、そういうのと、風船ガムというのがある。板ガムのほうは大体ガムベースを外国から入れます。リグレーは板ガムでございます。ですから、ここで輸入といっておりますのは板ガムそのものでございまして、風船ガムの競争力というのはわりに日本は強い。したがって、それが東南アジア方面に輸出をされておる。そのガム・ベースというのがちょっと違うわけです。むしろ、酢酸ビニールということで、ある意味では国産で問に合うという性格のものでございます。その辺の違いが、数字的にはちょっと奇異に見えますけれども、ものの中身につきましてはそういうことでございます。
  33. 西村関一

    ○西村関一君 それは、企業のほうでいろいろイメージ・チェンジをして、製品のイメージを変えて風船ガムその他をつくっておる。それは国内的にも国外的にもつくっておる。そういうことで、いずれにしましても、輸入しているところのものよりは輸出しているところのもののほうが十倍ぐらいある。そういうことは、いまの御説明がありましたけれども、大まかなところでつかむことができると思いますが、よろしいですか。十倍の輸出がある。どうですか。
  34. 森整治

    ○説明員(森整治君) いま申し上げましたように、板ガムと風船ガム、いろんな、先ほど言いました新しい製品全部合わせましたものを一つの数量単位でチューインガムと表現して入れておりますと、いまおっしゃるとおりになります。
  35. 西村関一

    ○西村関一君 私が伺いたいと思います点は、自由化を行なうにあたって関税率を引き上げるというのは、いかにもガットの精神に逆行すると考えられます。総理も、先ごろの閣議で、貿易自由化の遂行にあたって関税を引き上げることは遺憾である、こういう発言をされたということが新聞に報ぜられております。それで、この案件につきましては、関税を逆に引き上げるということになっている点がどうも納得がいかないのですね。私は納得がいかない。これは新聞報道でありますが、ことしの三月三日の日経新聞の「ニュースの周辺」という記事を見ますると、この案件につきましては、昨年の七月のガット理事会におきまして、アメリカその他から、「輸入の自由化と引き替えに関税を引き上げるのはガット精神に反する」という反発を受けた。なかなか難航した。九月になってやっと承認されたというようなことが新聞報道で出ておりました。その間の事情につきまして、交渉に当たられました参事官から御説明を伺いたいと思います。
  36. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) 確かに、関税を引き上げるということはガットの精神にはそぐわないかもしれませんけれども、その前に、これは先生よく御承知のように、いま政府のほうでは、これが国益に合致するという考え方で自由化を推し進めるということをやっております。それで、その自由化品目を選定する場合に、これはやはり相手があることでございますから、相手国の要望というのもある程度は勘案し、結局は日本の国益に合致するものについて自由化をやっていく。ただ、その自由化をやるに際して、何がしかの国内産業への影響があるものも出てまいりますので、そういうものにつきましてはある程度の保護をする。ガットの面で保護をするのに一番適当だといわれておりますのが関税または課徴金の制度でございますから、チューインガムにつきましても、自由化は推し進める、ただし、国内産業への影響を最小限にとどめるために、自由化の効果をそこなわない限度ということで、関係各省と協議いたしまして、この五%の引き上げを決定したわけでございます。
  37. 西村関一

    ○西村関一君 そこがわからぬのですね。私はそこがわからぬのです。弱い国内産業を保護するというのですが、ロッテにしましてもカネボウハリスにしましても、これは大きな産業、大メーカーですね。いわば大メーカーですよ。保護する必要があるでしょうか。それで、いま私が質疑の中でも明らかにいたしましたように、輸入よりはむしろ輸出が伸びているのです。十倍も伸びている。そういう産業ですよ。だから、ロッテにしましてもプロ野球団などを持っているし、非常に大きくはでにやっている会社です。いま先ほどの質疑の中でも明らかになりましたように、八〇%以上は二大メーカーがシェアを占めておる。そういうものを保護するために関税を引き上げるということはどうも私にはわからないのですが、そういうことをしないでも、モデル・チェンジをやっているのだし、いろいろ企業の中で新しい創意工夫をこらして国際的な競争に耐える努力をやっているのですから、その上なおガットの精神に反してまで関税を引き上げるというのは、どうもわからない。その点、どうですか。
  38. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) 具体的な企業の問題につきましてはこれは主管官庁のほうでまたお答えいたしますけれども、まず基本的には、チューインガムの関税を引き上げざるを得なかった理由というのが三つございまして、これは、西村先生は先ほど、初めてチューインガムを食べてみたとおっしゃいましたけれども、戦争前には、日本国内でも、チューインガムといえばリグレーしかなかった。国産は絶無だったんでございますね。それが、戦後チューインガムの生産が始まりましたので、まだ、アメリカのリグレーの歴史の古さと比較しますと、日本のチューインガム産業というのは基盤が非常に弱い、これが第一点でございます。  それから、第二点といたしましては、これは先ほど企業流通部長からもお答えしましたけれども、チューインガムのベースというのは、これはガム・ベースでございますが、メキシコを中心とする中米地域でできる天然のチクル、これを原料としているのでございます。そちらのほうが、非常にかんだときの感じがよろしい。ところが、日本にはそれができない。そこでやむを得ず酢酸ビニールを代用品として使っておるのでございます。その酢酸ビニールというのは、これは、先生御承知のように、ビニールでございますから、風船ガムなんかには非常にいいのでございます。かんでふくらますと非常によく伸びるのでございます。ところが、板ガムのほうは、主としてリグレー、要するに輸入品には対抗できない。そういうふうに、板ガムの品質上の相違がございます。それから、第三点は、チューインガムは、かんだ感じと、同時に香味、――フレーバー、これが非常に大事なんでございますね。これを保つためには包装の技術が進んでなければいけない。ところが、日本のチューインガム産業は、歴史も浅いせいもありまして、まだその包装技術、――パッキングの技術がそれほど発達してない。この三つの点で、もしリグレーが自由化された結果大量に入ってまいりますと、これはかなり日本の国内産業としては影響を受けるだろうというふうに考えたわけでございます。もちろん先生御指摘のとおり、いろいろな新製品をつくりまして、また企業内部の努力もいたしまして、ただ保護してもらうということだけではなくて、国内企業としても企業努力を大いにやっておりますけれども、なおかつ追いつけない部分は関税を五%程度のものを引き上げたいというふうに考えたわけでございます。
  39. 西村関一

    ○西村関一君 どうもいまの御説明によりますと、大企業、大メーカーを保護するということのみにしか聞こえないんです。酢酸ビニールを使ってアメリカの製品と対抗できないということより、そういうことによってむしろいい面も出てくる。たとえばリグレーの場合だと、私のような入れ歯をしております者は入れ歯にはまっちゃってどうもぐあいが悪い。けれども、国産のやつを食べてみましたところ、そういうものはわりあいにないんですよ。非常にいいんですよ。それは入れ歯の老人にはむしろ国産のほうがいいんですよ。これは私の実感ですから間違ってるかもしれません。香料の点からいいましてもね、そう落ちはないと思うのです。包装の点からいってもそう落ちはないと思う。これはカネボウハリスにしても、私は両方食べてみました。一長一短があるようでございますが、そういうことから考えても、これだけの大メーカーですからね、創意くふうをしてやっておる。しかも、この関税を引き上げるということによってガットの基本的な精神がくずれていくし、また同時に、このことが消費者にはね返ってくるということも心配するし、その点も私は釈然としないんでありますが、まあ、これはこの辺にしておきましょう。これはロッテとかカネボウハリスが大きな力を持っているということは周知の事実ですから、それが八〇%以上の国内の消費をまかなっておるし、輸入に対して十倍の輸出をしている。東南アジア、香港その他に対して輸出をしているという点からいって、その上なお関税の引き上げを五%もしなきゃならぬという理由はどこにあるかということが私には納得がいかないんであります。それはまあその程度にいたしますが、これも補足説明の中で参事官がおっしゃったんですが、競争力が弱い場合にはほかの例もある、こういう関税を引き上げたほかにも例があるということを言われましたね。補足説明の中で言われました。そういう例がありますか。
  40. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) 自由化を推進するにあたりまして、ある程度国内産業への影響があると見られる場合には何がしかの関税上の保護をやりますけれども、その保護はこのガットの譲許表の修正によるほか、関税定率法あるいは関税暫定措置法の一部改正ということでいろいろとやっております。たまたまこのチューインガムの関税率につきましては、日本が加入するとき――昭和三十年にアメリカに対して譲許した関税なんでございますね。そこで譲許関税の場合には国内で一方的にできない。国際的に約束したものであるから、ガットの場でまず交渉することについて承認を取った上で交渉を行なう、というので交渉をやったわけでありますが、そのほかに関税法の改正でもっていろいろと必要な措置は講じております。たとえば生きた馬、これにつきましては四百万円、それから牛につきましても関税を上げております。その他の関税措置の方法としましては、関税を上げる問題のほかに季節関税を適用するとか、あるいは関税割り当て制を行なう、あるいは従量、従価税、いずれか高いほうを選択するとか、いろいろな方法がございます。そういう関税暫定措置法についてこの国会で御審議願いましてこれはもう成立しております。
  41. 西村関一

    ○西村関一君 関税定率法の改正につきましては私も承知しておりますが、その際に、いまおっしゃったように、牛だとか馬だとか生きものの関税を引き上げるということでありますけれども、自由化に対処して関税を引き上げる、国内メーカーを保護するということとはだいぶ違うと思うのですよこの点は。そういう点、チューインガムの二大メーカーに対してこれだけの関税の引き上げをして保護をするということはまだもう一つ釈然としませんが、もう一回だけ御答弁いただきたい。
  42. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) この関税引き上げの例は、私、たまたま牛と馬を申し上げましたけれども、そのほかにまだいろいろございまして、たとえばソーダ灰、それからパテントレザー、革製のはきもの、そういうふうなものがございます。これは関税の引き上げでございますね。それから季節関税の採用としましては、これはグレープフルーツがございます。それから、関税割り当て制度の採用で必要な保護を受けるものは、木炭、魚粉、ハッカ油、硫化鉄鉱、天然黒鉛、タングステン鋼、そういうものがございます。それから、従量税の採用によりますものは変性アルコール。それから従量、従価いずれか高いものというのは着色の糖類、メントール、デキストリン、それから仕上げのり、そういうものがございます。こういうふうにいろいろな品目につきまして自由化対策として関税上の措置を講じております。
  43. 西村関一

    ○西村関一君 時間がありませんから次の資疑に移りたいと思いますが、本案件の文書の締結にあたって代償品目を提供する、何を提供するかということについて最終的には三つにきまったようですが、そこにきまるまでのいきさつについて御説明願えますか、代償品目をきめるについてのいきさつ。
  44. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) このチューインガムの関税譲許、これはガットで約束しましたものなので、その譲許を修正する場合には、まずガットの場で話をしまして承認を得る。これは先ほど御説明いたしました。それで関係国と交渉に入るわけでございますが、日本のほうでチューインガムの関税を五%引き上げたい、そういうことを申しますと、相手国、この場合には一番大きな関係のある国はアメリカでございますが、アメリカ側からは、向こうのほうで、これじゃあそのかわり代償をほしい、その代償品目及びその引き下げの幅についてのリストを出してくるわけでございます。そのリストをこちらが受け取りまして、それでこれは困るとか、これは大体下げ幅がひどいじゃないかとか、日本側はこれくらいだからもう少しおまえのほうまけろとか、あるいは、向こうのほうから言ってこない品目で日本側であまり痛くない品目など出して、こういう品目はどうだ、向こうは、それは興味ない、これは考えてみようとか、いろいろ交渉をしたのでございますので、品目についてはなかなか詰めたわけではないのでございますが、そういうことで向こうも関心のありそうなもの、こちらも痛くなさそうなものを選んで交渉した結果、この三品目におさまったわけでございます。ただ、七面鳥それからスイート・アーモンド、ペット・フード、いずれもアメリカ側のほうでは初めから非常に関心があるということを示していた品目ではございます。
  45. 西村関一

    ○西村関一君 さきに述べました「ニュースの周辺」という記事によりますと、通産省と農林省との間において代償品目の選び方の作業をやった、結局チューインガムに関しての代償品目なんだから、所管の農林省できめろということになって、農林省首脳の裁判でサフラワー油というものを代償に出したが、それは米国においては関心を示さなかった、米側からはグレープフルーツの関税引き下げの要請が行なわれたが、農林省としてはとうてい受けられない、ということが書いてありますが、こういういきさつはあったのですか。
  46. 小山田隆

    ○説明員(小山田隆君) これは確かに「ニュースの周辺」ということで、いろいろ交渉の周辺にはそれはいきさつはございました。これ全部がそのとおりかどうか、これはいろいろ話は出るのでございますが、ただ、話も正式の会談、非公式の会談、電話で、こういう品目はどうだということもございますから、その辺、出たり入ったりで、特にどの品目をまずこちらが出してみたという交渉の非常にこまかいことは、詰めたわけではございませんから、ごかんべんいただけないかと思うのでございますが、確かに品目の話は出ました。
  47. 西村関一

    ○西村関一君 それで、グレープフルーツの話なんですが、政府は昨年の閣僚協議会においてグレープフルーツの自由化を約束しておられる。四月から実施されるという予定であったと聞いておる。ところが、いまだにグレープフレーツの自由化ができないというのは、これは私も知っておりますが、温州ミカンの問題が関係している。そういうことにつきまして、閣僚協議会で決定されたことがいまだに実行されていないということについて日本の国内事情があるということも私は承知しておりますが、政府はこの点についてグレープフルーツの自由化をやられるお考えですか。外務大臣、いかがですか。
  48. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来いろいろチューインガムについても御質疑が出ておりますが、自由化につきましては、自由化を大幅に急ぎたいというのが政府の基本方針でありますけれども、やはり一つ一つの自由化についてはいろいろ国内的に問題がありますから、たとえばチューインガムについては関税譲許ということで、国内的な、何といいますか、裏打ちをしておりますし、それから、たとえばグレープフルーツについては、温州ミカン等の米国における受け入れ体制をもう少し楽にしてもらいたいということで現に交渉をやっておるというぐあいで、一つ一つについてやはり国内が対応し得るような体制づくりが必要であると考えております。そういう関係で、グレープフルーツの自由化については、御指摘のように、今年四月末を目途にして自由化するということに繰り上げ実施を決定いたしたわけですけれども、他のたしか十九品目と思いますが、これと合わせまして目下実施の時期を検討中でございます。四月下旬と言っておりましたのが、目途が少しおくれておりますけれども、いまのところその時期について慎重に考究中であるという次第でございます  なお、温州ミカンのアメリカにおける受け入れ緩和につきましても交渉を継続しておりますが、ただ、これは各州の州法によって決定されておりますから、米国政府だけを相手ではなかなかこの交渉ももどかしいわけで、そういうことである程度の時間的な延びがここに支障になっているということを申し上げることができるかと思います。
  49. 西村関一

    ○西村関一君 スイート・アーモンド、七面鳥の断片肉、ペット・フードにつきましても、国内において、スイート・アーモンド、これはできない。七面鳥もできない。ペット・フードにつきましては国内の生産は幾らかあるのじゃないですか、農林省。
  50. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) ペット・フードの生産でございますが、昭和四十五年でとりまして、八千三百五十トンほどの生産がございます。
  51. 西村関一

    ○西村関一君 これらの三品目につきまして関税を今度引さ下げるということですね。七面鳥やペット・フードにつきましてはたいしたこともないと思いますが、スイート・アーモンドにつきましては、これは関税が下がって入ってくるのですから、これを使うところのメーカーはたいへんもうかる、そういうことになります。スイート・アーモンドというのは、これはやはり菓子をつくるところの会社が一番必要とする品目だと思うのです。結局、これを私どもしろうとが考えますと、ロッテは関税引き上げでもうかる。また一方アーモンド等につきましては引き下げでまたもうかる。二重にもうかる。二重の利益を受けるように考えますが、その点はどうなんですか。そういうふうに受け取れませんか。
  52. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 先ほど小山田参事官から御説明申し上げましたように、スイート・アーモンドは米国から希望として提示されたものの中に入っておりまして、私どもも、国内のスイート・アーモンドの生産そのものがございませんので、国内産業に直接そのことによって打撃を与えるという心配がない。それからカット幅がこの場合には一%という非常にノミナルな数字で米側と妥結できましたので、この点につきましてもそう大幅な譲許ではないというふうに考えておるわけでございます。
  53. 西村関一

    ○西村関一君 もう私の時間がありませんから、この辺でやめますが、先ほど来の質疑応答の中でも、私はいまだに釈然としていない。どうしてこういうことに対して政府は急がれるかということに対してまだ釈然としないものがあるわけであります。私は、巷間伝えられておりますような、政治介入がある、有力な与党の政治家が介入しているというようなうわさ、そういうものは信じたくありません。そういうものによってこういう国際的な文書の締結がなされるということは考えたくありませんし、そういうことでないと信じます。しかし、国民が釈然としない幾つかの問題が残っている。私は全くしろうとなんですけれども、しろうとはしろうとなりにいろいろ勉強してみまして、この御提案に対してわれわれとしての態度をきめなければなりません。一応勉強しましたが、まだ十分わからない点がありますので、幾つかのことを聞いてみたわけなんでありますが、まだ十分理解がついたということではありませんが、一応これで質問を終ります。
  54. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 私は、ただいまの西村委員の御発言の、大メーカーがどうしてこんなに保護される必要があるかということに対しては、私は全く納得ができないことであるということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。  私は短い時間で伺いたいのでございますが、この新譲許率によって下げられましたこの品目の中で少し内容を伺いたいのでございますが、七面鳥の断片肉にしたものというようなものはどんなふうなものでございますか。
  55. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 七面鳥の商品の形としまして、いわゆるまるのもの、つまり全体を、内臓だけを取ったようなものと、それからいわゆる断片肉ということで、手羽の部分でございますとか、いわゆる普通の鶏の解体したようなものがございます。大体主としてそういうふうなもの、カット肉、部分的に断片にしたもの、こういうことでございます。
  56. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 それはかん詰めになっているのでございますか。冷凍でございますか、どういう形のものでございますか。
  57. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 冷凍または冷蔵でございます。
  58. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 その次に、ペット・フードでございますが、先ほどの御答弁の中の国内生産の八千三百五十トンに対しまして、この関税が今度下がりますと、さらによけいの輸入が見られるということになるわけでございますか。
  59. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 実は先ほど御質問のございました生産量について、私ちょっと数字を見間違えまして申しわけございませんですが、国内生産量は一万七千トンばかりございます。御訂正申し上げます。それで先ほど申し上げました数字がアメリカからのペット・フードの輸入量でございます。申しわけございませんでした。それから、ただいまの御質問、ちょっと私、聞きのがしまして失礼でございますが……。
  60. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 関税を引き下げることによってさらに輸入がふえるというお見通しでございますか。ペット・フードでございます。
  61. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 現在ペット・フードのわが国の需要と申しますのが、所得の向上に伴いましてペットの飼育というのが非常に多くなっておりまして、しかも、最近はえさとして簡単にやれるということで、ペット・フード自体の需要が相当伸びてきております。したがいまして、この国内生産も並行的に伸びてきておりますが、輸入も、関税の引き下げということも一因にはなるかと思いますが、従来とも輸入のほうも伸びてきておるということでございますので、私どもは、国内生産も輸入も並行的に伸びていくだろう、こういうふうに考えております。
  62. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 ペットと申しますと、具体的にどういう動物でございますか。
  63. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 犬またはネコということでございまして、大体そういうものだろうと思いますが、現在のところ、ペット・フードということで使われております商品の九割は一応犬用ということになっております。
  64. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 いま英国あるいはオーストラリアからだいぶ犬を輸入いたしておりまして、それがたいへんに問題になっていることは御承知だろうと思うのでございますけれども、この際、またこのペット・フードをよけい輸入をして、ペットを管理もしないまま非常にいろいろな問題を起こしている、そのペット・フードをさらにたくさん入れるというようなことは、これは非常に考えものだと思うのでございますけれども、現在その犬の輸入ということはどういうようになっているのですか。
  65. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 犬の輸入につきましては、私、いま数字を持ち合わせておりませんが、聞き及びますところでは、輸入もかなりふえつつあるというように聞いております。
  66. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 それは自由なんでございますか。金額とか何か制限があるのですか。幾ら輸入してもかまわないのですか。
  67. 吉岡裕

    ○説明員(吉岡裕君) 現在、犬につきましては、輸入割り当て制度等はとっておりませんで、自由に輸入できるということになっておりますので、その貿易上の制限はございません。ただ、御承知のように、狂犬病その他の病疫の問題がございますので、農林省の動物検疫所におきまして検疫をして、そのような心配のないものについて輸入を認める、こういう体制になっております。
  68. 加藤シヅエ

    ○加藤シヅエ君 あまり心配ないこともないと思うのでございますが、いろいろ心配が今後も起こると思うのでございます。それで私は、この犬の輸入が国際問題として非常にいま問題を起こしつつございます。そしていま愛知外務大臣が陛下にお供して、この問題について非常にやかましいことを言う国々においでになるわけなんです。で、その場合、日本でペット・フードをさらにたくさん輸入して、またいろいろ問題を起こす犬をさらにたくさん輸入するというような、そうした放任したやり方をやっているということは、外務大臣としても、片一方で表面どういうようなことをおっしゃっても、片一方、日本に来てから、非常に適切でない取り扱いを受けている輸入犬を業者の輸入にまかせておくというようなやり方というのは、これは非常に私、考えなければいけないことだと思うのです。これに対しては、やはり法律というものが、特にこのペットの飼育についての管理の法律が必要であるにもかかわらず、その法律が今日までできていないために、これをどういうところで取り締まったらいいかということがどうもはっきりしないで問題があるわけでございますけれども、これは外務当局としても、これからが国際問題なんです。日本人が動物の扱い方に対しては非常に人道的でない、これを低開発国よりももっとひどいのじゃないかという問題でして、世界一の大都市の東京で犬にかまれて子供が死んだり、たくさんの人が咬傷――かみつかれてたいへんな被害を受けている。それに対して何も適切な管理がなされていない。あとからあとから追いかけてはおりますけれども、少しばかり犬を追いかけたところで、ふえるのが多いという状態。そこに持ってきて、なおどんどん輸入して、またペット・フードのほうも、税金が下がったから、またこれを入れるというようなことは、これはいま社会問題が起こっているその問題に逆行するものだと私は考えるわけでございます。これに対しまして、やはりただ農林省の問題ではなくて、外務当局の問題としてもこれはお考えになる必要があると、私はこう思いますので、外務大臣からどうぞひとつ御答弁をお願いいたします。
  69. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 犬の問題については、先年私もイギリスでたいへん苦い経験をいたしまして、自来、ただいまもお話しのように、一つの国際的な問題として何とか根本的な対策を講ずべきであると考えでおりますが、率直に申しまして、そういうような前向きな意見が、なかなか現実のものとして通っておりません。幸いにして議員立法も非常に熱心な動きがございますので、私どもも大いに期待をいたしておるような次第でございますので、なお一そうそういう点について外務省といたしましても尽力いたしたいと思います。実はペット・フードのこの関税の譲許がその問題にまで関連して御指摘を受けるとは、うかつにも私、思いませんでした。たいへんどうも恐縮をいたします。御指摘をいただきまして、まことにありがとうございました。
  70. 白木義一郎

    ○白木義一郎君 ただいま政府の御答弁を伺ってていると、たいへん歯切れの悪い御答弁で、したがって、西村先生も加藤先生も全く納得がいかない。納得のいかないままでこれが成立するということもどうかと思うので、もう少しただいまの両先生の質疑について、重複になりますけれど、自由化に逆行する問題等について政府側としてもう一度納得につとめていただきたい。こう思いますが、なぜ、自由化の際に五%の関税を上げるか。しかも、いろいろな要素があるわけです。国益というようなことをおっしゃっておりますけれども、国益が消費者にしわ寄せになって、すでにモデル・チェンジが行なわれている。さらにこの関税の改定が行なわれれば、ますます独占的な業者がさらに価格の改定に進むようなおそれがわれわれも心配なところです。その点、どのように政府は今後対策を考えているかどうか。さらにアメリカの側とすれば、この五%の値上げを乗り越えて、チューインガムの問題をこれは一応譲ったとしても、他の品目について、これにからませて自由化の波をさらに激しく攻勢に転じていこうというような理由にならないかというような点をわれわれは心配をするわけです。
  71. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来の御意見、それからただいまの白木委員の御意見もまことにごもっともだと思いますが、総括的にもう一度繰り返して申し上げますと、こういうことに相なると思います。自由化は大いに促進しなければならない、そしてその際に関税を引き上げるとか、他の国内的な保護措置をとるとかいうことはなるべくこれは慎みたいところなんでありますけれども、現在残っております非自由化の残存輸入制限のものは、いずれもだんだんに問題の多い、国内的に守らなければならないハードコアの品目になってまいりましただけに、その一つ一つの自由化については相当やはり国内的に苦労があるわけでございますから、一つ一つに対して、あるものは関税、あるものはその他の保護あるいは代償ということをある程度考えて自由化に踏み切らなきゃならないという情勢になっておるわけでございまして、これからもまだ残った輸入制限品目等については、これからも同種の問題が起こってくると思います。  それから、関税を引き上げるということによって、自由化をしたとはいうけれどもアメリカ側にかえって変な感じを起こさせるんではないか。これもごもっともでございますが、たまたまこのチューインガムについては、先ほど来御説明申し上げておりますように、譲許関税でありますためにアメリカとの交渉が必要になり、そして、交渉において、率直に申しますれば、この話し合いで、日本としてはあまりたいしたことのないところを譲って、チューインガムの五%の税率を引き上げるということをとることができたという結果に相なっておるわけであります。したがって、アメリカとの関係はこの問題についてはないと思います。  それから、国内的にはどういうことになるか。たとえば消費者が五%かぶることになりやしないかという御指摘もごもっともではございますけれども、しかし、国内的にも、自由化されるということが非常に関係業者に大きな刺激になるわけでございます。それだけに、国内の業界としては相当な合理化や生産性向上の努力をしなければならない。あるいは品質の改善にも大きな努力をしなければならないということになりましょうし、また、価格も引き下げるということにこれは通ずるわけでございますから、自由化ということを踏み切ることによって、消費者の側に対しましては、私はかえっていい影響をもたらすのではないか。国内的に農林省その他物資を扱っておられるほかの官庁の見方もさようなことで政府としてもこの態度に踏み切ったと、こう考えていただいてけっこうではないかと思います。要するに、一番根本は、もうしばらく自由化しないで済むならば、それも一つの行き方でございましょうが、自由化ということをどうしてもどんどんやりたいという基本的な方針を進めていくために、なかなか説明のむずかしいところもありましょうが、いろいろの要素をかみ合わせてみまして、まずこの程度の保護をさせていただいて、ここで自由化に踏み切る。消費者に対しても、かえって自由化に踏み切ることがよい結果を生むのではないか、こういうふうに考えたというのが、総合判断としての政府の決定であり、また関税譲許の考え方でございます点を御理解いただきたいと思う次第であります。
  72. 白木義一郎

    ○白木義一郎君 そうしますと、大臣は、この措置によって国内産業を保護すると同時に、消費者にも値下げ等の措置が予想される、こういうような御答弁でしたけれども、すでに値上げというようなことが行なわれている。その点をわれわれ心配するわけですけれども、その点について、この措置によってチューインガムの値上げを阻止するということが、どういうような点で予想されるか、その点をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  73. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは要するに、五%関税が引き上げになった状態におけるリグレーその他外国製品の自由化による侵入攻勢に対してどういうふうに戦っていくかという問題になろうかと思います。日本品の日本国内における消費率を上げていくためには、業界自身は相当な私は努力をしなければ、五%程度の関税の引き上げでは、十分対抗できないんじゃないだろうか、率直に私はそう考えるわけでございます。しかし、現実に値上げになるであろうというようなお話もございますが、これは理屈の上のお話になるかと思いますが、他のいろいろの要素のために値上げということになっても、もし自由化しなければもっと値上がりになるものをその程度で防げるというような、理屈の上からいえば、そういうことも言えるのではないかと思います。とにかく、先ほど申しましたように、やはりこれは自由化をすることが大事であって、そのためにやむを得ず五%の引き上げで保護――と申しますか、外国製品の流入、侵入ということに対する一つの防壁ということを考えざるを得なかったということでございます。
  74. 白木義一郎

    ○白木義一郎君 政府のほうではそのようなお考えになるのもやむを得ないと思いますけれども、われわれの消費者の立場としては、現段階において自由化によって消費者の生活が潤うことをみな期待しているわけです。しかし、この問題についてはすでに事前に値上げが行なわれているというような心配があるわけです。その点を政府としては、巷間いわれている、――ずいぶん世の中には気を回す人が多いので、これは政府がロッテにてこ入れをしているんじゃないかというようなうがったことまで言う人もあるというような問題について、もう少し政府としては、その心配はないというような点を明らかにしていただきたいのが国民の側じゃないか。リグレーであろうが、ロッテであろうが、おいしくて安いものを消費者は望んでいる。そういう点でもう少しこまかい点の配慮が望ましい、このように思うわけです。その点が見られないのが非常に残念です。今後の自由化の進行上そういう点も政府は重々検討していただきたい。  以上です。
  75. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  77. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  79. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  80. 羽生三七

    ○羽生三七君 沖繩返還協定に関する質問をする機会がほとんどなくなりますので、きょうは一つだけこの機会にお尋ねをしたいと思います。  それは先日も連合審査の際にお尋ねしたことに関連いたしますが、沖繩返還協定の中に核抜きをなぜ明記できないのかという一点であります。  そこで、この具体的な問題に入る前にお尋ねをいたしたいことは、つまり、日本の政府は核抜きの明記を主張しておるのかどうか。それをアメリカが受け入れないために難航しておるのか。日本の政府自身がそういうことを明記することは必要ないと考えて、そのためにこれが明記することが実行できないというように言われておるのか、その辺はどうなんでしょうか。   〔委員長退席、理事長谷川仁君着席〕  その事情をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  81. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 沖繩返還のときには核が抜かれて返還になって、そうしてそれからあとが日本の本土並みで安保条約の適用を受けて、たとえば核の持ち込みというようなことは事前協議の対象になる。日本政府としては核に対する御承知の政策を持ち、そうしてアメリカ側が十分の理解をしておりますから、持ち込みというようなことを事前協議にかけてくることはないでしょうし、また万一あったとしても、ノーという立場で、こういうことになるわけでございます。そういうようになるようにがっちりした仕組み、あるいは運用をいたせば私は十分ではないか、かように考えております。
  82. 羽生三七

    ○羽生三七君 私はそれではまずいと思うので、仕組みはどうあろうとも、返還協定の中にそれが明記されるかどうかが、沖繩の住民あるいは本土におけるわれわれの関心事であるわけです。というのは、たとえば明日にもこの核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約、これは審議することになるかもしれない、明日か明後日に。それから世界全体が核不拡散といこと――核の拡散に反対するということが世界の当面の課題になっておる。それから、大量殺戮兵器である核というものが将来の人類にどういう影響をもたらすかということが今日の大きな世界の課題であることも、これも言うまでもない。しかも、日本は原爆の最初の被爆国で、今日まで政府自身が重ねて繰り返し繰り返し核を持たないということを明らかにしておる。アメリカもそれを認めたという。しかも、その核を持たないということが世界の新しい方向で、それに先べんをつけていくのに最もいい立場にある日本が、沖繩返還の態様についてそういうさまざまな形を整えることは大事でしょうが、同時に、それを返還協定の中に明記するということは、少なくとも日本のいままでの長い主張を生かすことでもあるし、また、アメリカが認めておるというならば、それによって少しも日米友好を妨げるものでも私はないと思う。ですから、むしろそれを明記することによって、世界の中に日本のような国もあるということを明らかにして、しかも、そういう条件の上に立って、あるいは国連であれ、あるいはジュネーブにおける軍縮委員会であれ、いかなる国際場面においても、あるいは二国間の間においても、さらにこの問題を一そう明らかにすることによって、世界のあるべき姿、方向というものを日本が先達となって切り開いていくという、そういう気魄があってこそ私は日本外交というものに非常に意義があると思う。そういう意味で形を整えるということはよくわかりますが、しかし、それを返還協定の中に明記するということは非常に私は重大、重要な意義があると思う。それができないということは私どうしても理解できないし、この前も予算委員会で総理に申したのですが、たとえば国会における非核武装宣言もやらない。あるいは返還協定の中に核抜き明記もしない。あるいは中曾根長官がこの前提起をされた「国防の基本方針」を改正しようという意図があって、その中に非核三原則を盛り込みたいと中曾根長官答えたが、総理はそれに消極的な態度を示された。非核三原則、「国防の基本方針」を改定するかしないかは別として、それにも盛り込むことは消極的である。   〔理事長谷川仁君退席、委員長着席〕  また、返還協定の中に核抜きを明記することも賛成はできない。国会における非核武装宣言にもこれは反対だ。しかも、日本は核を持たない。どうも私、ほんとうに持たないのなら、今後とも持たないのなら、それを明らかにすることがどうして妨げになるのかということですね。それから、将来のフリーハンドを縛るというようなことをもし考えておられるなら、それはたいへんな間違いなんで、将来こそ日本のような国が先べんをつけて最終的な禁止にまで持っていく努力をするべきで、将来のことを考えて今日の自由性を留保していくということは大きな間違いではないかと思います。その意味で、私は、アメリカが反対してくる、それに抵抗するということはこれは別の問題として、日本自身が、アメリカと同じ考えに立って核抜き明記をしないというそういう立場をとられることは非常に遺憾なので、ぜひ外相、積極的にその主張を貫いていただきたいと思う。そのことが少しも日米友好に妨げになるとは思わないし、一昨日もアメリカの議員団と会談をした際に私たちの考え方も一部述べておきましたが、外相の積極的なひとつ意図を聞かしていただきたい。
  83. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 御意見は十分私も承っております。核について日本の国民の態度、立場をどういうふうに世界的に表明するかということは大きな問題であり、大いに前向きに検討すべき問題であると私自身は考えております。  それから、沖繩返協定に核抜きを取り上げるかどうかということは、ちょっとまた違うんではないかと思いますが、協定のほうは、先ごろ中間報告でも申し上げましたように、全く政府としては異例な措置を思い切ってやりましただけに、内容がまだきまっておらぬことは率直に申し上げたとおりでございます。したがって、協定のワーディングがどうなるかということはまだ煮詰まっておりませんので、その点も御了承いただきたいと思います。
  84. 羽生三七

    ○羽生三七君 それで、たとえば沖繩返還協定の中に明記できなければそれは条約のていさい上変だというようなら、私は他に方法が幾らでもあると思う。それが、たとえば国会における非核武装宣言でもいいし、あるいは、他の何らかの機会における日本政府の声明でもいいし、国連の場における何らかの決議案の提起というような問題でもいいし、やる方法は幾らでもあると思う。やる意思があるかないかという問題です。  それからもう一つは、これも先日連合審査の際に申したことですが、どうも私は、アメリカに対する遠慮だけではなしに、日本の当局の考え方の中に、核抑止力との関連を非常に重く見ておるのではないか。この三月の予算委員会で、それに近いようなことを総理が答弁をされたことがあります。私はそれに対して、それはまずいのではないでしょうかということだけを申しておきましたが、先日も申し上げたように、日本自身が核を持たないということを明らかにしたところで、そのこととこの核抑止力とは私は全く無縁のものだと思う。ですから、アメリカの核のかさに入る、その抑止力にたよるということ、それのいい悪いは別として、日本の政府がそういう立場に立つ場合には、やはりアメリカの核戦略というものが、一体その中心が、日本の場合、日本を中心としてどういうところに置かれておるのか。第七艦隊とか、あるいはポラリス潜水艦とか、あるいはICBMとか、あるいは日本近隣の諸国、アメリカ寄りの諸国の中かもしれない。そういうものの所在を明らかにして、あるとか、ないとかということを言えば、それは政府自身の立場でいえば、あるいはアメリカの立場でいえば、核抑止力に関連があって、あるともないとも言わないほうがよいという、そういう立場もあるかもしれない。しかし、日本自身は絶対持たないということを明らかにしているのですから、それをあらゆる機会に明らかにすることがどうして障害になるのか、私はどうしても理解ができない。日本が国際的に何かほんとうに役立つことをやろうと思えば、そういう意味で日本が先べんをつけていく。平和外交なり、大量殺戮兵器の廃棄というような問題について、たとえそれが現実的には非常に困難な条件があり、非常な将来の問題にかかわる問題であるかもしれないけれども、そういう問題について、積極的な意欲を燃やして日本が働いていくということに私は意義があると思う。  そういう意味で、先日お尋ねしたことをもう一度確認したいのですが、この中間報告の中には、核持ち込みあるいは日本からの発進というふうなものは事前協議の対象になると言われた、いまも外相の発言の中に、ちょっとそういうことがありましたが。これは、そういうことはあり得ざることだ申し上げて、総理も同調されたわけですね、私の質問に対して。というのは、絶対に持ち込まないし、持ち込みを許さない。またアメリカも、ニクソン大統領も、佐藤総理、日本側の言うことを理解したと言う。したがって、理論上はとにかく、現実の問題として核持ち込みが起こってそれが事前協議の対象になるはずがないわけですね。だから、それはそのとおりだと総理が答えられたのは、当然だと思うのです。そんなことは起こり得るはずはないわけですね、本来。ですから、そういうことが明らかである以上、それを明記することは一向さしっかえない問題である。明記の問題はともかくとして、先日の、つまり核持ち込みというふうなものが事前協議の対象になるというようなことは、理論上はとにかく、現実の問題としては起こり得ざるものであるということは、ここで外相はもう一度確認をしていただきたいと思う。総理はそう答えられたが、外相はどうでしょう。
  85. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは、先ほど私もお答えしたとおりでございます。返還になれば完全に本土並みであって、そういうことは起こり得ざること、そういうことにするのが返還の本土並みであり、核抜き返還ということであります。そうして、返還のときに核が抜かれて返されるという事態をはっきりつくり上げれば、それで完全な本土並みになる。私は、それで沖繩返還の核抜き・本土並みは貫徹できると思っております。  そうして、先ほど申し上げましたように、日本の国民として核についてどういうことをやったらいいかということは、これは賛成、反対は別でございますけれども、別に取り上げてしかるべき問題である。私などが、これは個人的な意見になりますが、昨年の二月のことになりますけれども、核の拡散防止条約の署名をするのにあんなに骨が折れるとは思いませんでした。また、いわゆる革新陣営の方々にも、ああいうふうな御批判を受けるとは思いも寄りませんでした。したがいまして、核の問題につきましても、私は羽生委員の御意見はよくわかりますけれども、これが全体としての意見として、書いたものとして、大体それにどういう重さをつけるか別でございますけれども、そういうものをつくり上げるということについて、やはり国内的にもよほど論議に論議が要るのじゃないでございましょうか。私は昨年二月のときに、自分の不明を恥じました。私はああいうものに対しては、日本国民がほとんど何らの反対なく、抵抗なしに御賛成いただけるものと思いましたが、いまだに批准という声も一つも出てまいりません。これが、拡散防止条約を例にとっての、核をめぐる一つの日本の動きである。こういうことから見ましても、いま私、沖繩の問題については確信を持ってやってまいりますけれども、核全体についてどういうふうなお取り上げをなさるかということは、羽生委員の御提案、お考えに私は個人的には満腔の賛意を表しますけれども、これが日本全体の問題としてどうなるであろうかということについて、ただ単にここで私と羽生委員とが同感し合っても、まだまだ、それがはたしてどういうふうになるかということについては、私は自信を持つことができません。
  86. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、返還の時点のあとからは、その後においては、アメリカ側から核問題で事前協議を求められるようなケースは絶対に予想されない、断じてない、あるはずがないのですから。そう理解してよろしゅうございますね。
  87. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 私はそう思います。しかし、先ほども申しましたように、条約上は事前協議の対象の問題でございますから、論理的にいえば、事前協議がされることはあり得る。あったとしても、日本が主体的にノーと言うというのがもう一つつけ加わって考えられなければ万全とは言えないと思います。
  88. 羽生三七

    ○羽生三七君 「あったとしても」というところが、ちょっと一言余分じゃないかと思うのですが、あり得るはずがないというのが、私どもの考え方です。まあ、それはぜひそういうこととして私は確認をさせていただいておきます。  それから、まあ日中の国交回復ということが当面の緊要な課題になっておりますが、この場合やはり私はいつも申すことでありますけれども、中国の核開発がだんだん進んでいく。ICBMも実戦配備に着くこともそう遠い将来ではない。そういうことになってくると、いよいよ、まあそういう面から、日本だけがいま私が言ったような議論をしておってもいいのかどうかというような議論も出かねない。そういう場合に、それではこっちもアメリカの核持ち込みを許すというのじゃなしに、中国も含めて世界じゅうが、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国等すべて核保有国が、これを持たないし、また今後もこれを製造するというようなことはないし、最終的には廃棄をするという、そういう方向へ持っていくことが私は非常に重要なことになると思う。ですから、そういう意味でも私はやはり日本が核を持たないということは明らかにして、アメリカやソ連と国連の場でそういう主張をするだけでなしに、お隣の中国に対してもそういう立場でものの言えるような条件をみずからつくる。国交回復の問題もありますが、きょうはそれは別にいたしまして、そういう意味からいっても、私は何らかの機会にこれをこの協定の中に明記することはちっともおかしいとは思わないのですが、これを明らかにしていくことが必要ではないかと思います。どうもこういう重要なことが非常に私軽く扱われているのではないか。条約のていさい上とか日米の友好の妨げになるんではないか、周囲の条件が整えばそれでいいんじゃないかとか、そういう問題ではない。私は、世界のいわば唯一の最初の原爆被爆国である日本が、やはりこの問題では、いろいろな困難があっても、最も世界に訴えやすい立場にあるので、それを最大限に生かしていく努力というものが私、日本の基本的な姿勢にあっていいんではないかということを考えるわけですが、そういう抽象論は別として、最終的には、結局、日本側として核抜きの明記は主張しないということなんですか。
  89. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 核抜きを主張しておればこそ、そしてこれはゆるがざる主張であればこそ、先ほど来御説明申しておりますように、私は実際問題として確信を持っております。  それから、一般的な問題として、協定の文言はまだきまっておりませんですから、一般的な問題として協定の文言についてはいましばらく時をかしていただきたいと思います。
  90. 羽生三七

    ○羽生三七君 もう一つ、これはちょっとまた問題が違うんですが、この協定本文以外の附属文書に重要な問題が持ち込まれるというようなことはございませんか。
  91. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 現在考えておりますところでは、何もほかの約束のようなものはないはずでございます。
  92. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、もしほかに必要なことがあれば、国内法で規制をすることになるので、二国間の、日米間の条約・協定関係では本文が中心で、他はたいしたことはないと、こういうことですか。
  93. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 大体そういうふうになると思います。と申しますのは、返還後は完全に日本の法令が適用の対象になるわけでございますから、その後における措置については日本の完全な自主性のもとに行なわれるわけでございますから、両国で約束するというようなことはあまりないのではないかと思います。つまり、協定でやらなければならないこと以外にはあまり予想されないと思います。
  94. 羽生三七

    ○羽生三七君 もう一つ、これでやめますが、お尋ねしたいことは、VOAなんかをどうしてアメリカがそう頑強にがんばるのでしょうか。その辺がどうも私、日本の本土に返ってくるものだし、それからアメリカとしても、謀略放送でない、通常の放送だというなら、何もそんなにがんばって固執しなければならぬことはないと思うし、それも、撤去の間のしばらくの間――三カ月とか四カ月、時間がかかるからというならわかりますが、伝えられるような五年とかなんとかいうようなこと、どうにも理解できない。日本の本土に返ってその自主性にまかせるといい、しかも、その放送が外国に対する謀略放送でないというなら、そんなものは、あくまでがんばっても存置しなければならないということはどうしても理解に苦しむのですが、その辺はどういうことでしょう。
  95. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) この点は、ですから、政府としてもまことに困難な問題であると、いまだに考えておるわけでございまして、中間報告のときに申し上げたのが、もうすなおなそのままの現状を御報告しているわけでございます。日本の立場はこうこうで強く主張しております、それに対して米国側の主張の中心はこういうところにございますということをありのまま申し上げておるわけでございます。これは安保とか、安保のワク組みの施設・区域というものではございませんで、前々から申し上げておりますように、先方の主張はUSIAの海外広報機関であるし、友好国との間にもこうやってやっておりますから、どうか日本でもやらしていただきたいと、こういう態度でいるわけでございます。そして現に施設を持っておると、こういうかっこうで、まあ先方の主張というものも相当に強いのが現状でございます。
  96. 羽生三七

    ○羽生三七君 もう一つ、これは先日の連合審査の中で出なかった問題ですが、サブロックを積んでくる原潜がしばしば入るといわれるホワイトビーチ軍港ですね、これ、取り扱いはどうなっておるのでしょう。
  97. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは返還後は本土並みになりますから、いわゆる核弾頭を積んだものの入ってくるというのは、これは事前協議の対象になる、これは当然そういうことになると思います。
  98. 羽生三七

    ○羽生三七君 事前協議の対象になることはない、だからそれはサブロックを積んではこないという理解でいいわけですね。
  99. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりでございます。
  100. 松平勇雄

    ○委員長(松平勇雄君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会