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1970-12-16 第64回国会 参議院 農林水産委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十五年十二月十六日(水曜日)    午前十時三十九分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十二月十六日     辞任         補欠選任      宮崎 正義君     矢追 秀彦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         園田 清充君     理 事                 亀井 善彰君                 達田 龍彦君                 村田 秀三君                 沢田  実君     委 員                 青田源太郎君                 河口 陽一君                 小枝 一雄君                 小林 国司君                 櫻井 志郎君                 鈴木 省吾君                 田口長治郎君                 森 八三一君                 和田 鶴一君                 川村 清一君                 北村  暢君                 武内 五郎君                 中村 波男君                 前川  旦君                 宮崎 正義君                 向井 長年君                 河田 賢治君    国務大臣        農 林 大 臣  倉石 忠雄君    政府委員        農林政務次官   宮崎 正雄君        農林省農政局長  中野 和仁君        農林省農地局長  岩本 道夫君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        内閣審議官    小泉 孝夫君        厚生省環境衛生        局食品衛生課長  鴛淵  茂君        厚生省環境衛生        局食品化学課長  小島 康平君        食糧庁次長    内村 良英君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付) ○農用地の土壌の汚染防止等に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。
  3. 沢田実

    ○沢田実君 まず最初に、農薬取締法の一部を改正する法案が提案されたいきさつ等を考えてみたいと思うわけですが、最近日本における公害による自然の破壊というのはたいへんな状況になりまして、植物から動物、そしてまた人間の生命の危険をもいろいろ議論されるような状態になりましたので、御承知のような公害に対する国会が開かれ、その一環として私はこの取締法についても改正を加えようというようなことが経過じゃなかろうかと思います。  戦後二十数年農薬が使われてまいりまして、あるいはドジョウもフナもみんな死んでしまう、あるいは秋になっても赤トンボもいなくなってしまう、そういう虫がいなくなりますので、それをえさにしている鳥も少なくなってしまった。動植物に対する汚染だけではなしに、それを通じて人間の生命にいろんな危険な状態があらわれている。毎日の新聞が報道しておりますように、農薬による被害が大きく出ております。そういう観点から農薬の取締法改正は、その根本精神を、まず人間の健康、人間の生命を尊重しよう、こういうことを私は第一にしてこの改正がなされたんじゃないかと思うんですが、この改正をなさった当局は、何を一体根本にしておやりになったのか。きのうのお話を承りますと、農業生産ということが大事だと、それと健康と両方考えたというような御答弁のように私承っておりますが、農業生産に対する貢献ということはあたりまえのことで、特別いま取り立てておっしゃらなくとも当然のことだと思います。それがまた貢献してきたことも事実でございますが、それよりも人間の生命に対する危険が非常に起こっている。それに対して何とかしようということが今度の改正の私は本旨だと思うんですが、その点についてのお考えをまず承りたいと思います。
  4. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 昨日大臣がるるその点について申し上げたわけでございますが、いま御指摘のように、最近におきます公害問題、農薬につきましてもその一つと見られるという状況の中で、われわれ立案いたしました気持ちといたしましては、戦後からあります取り締まり制度を強化いたしまして、農薬の品質の適正化とそれから農家の使い方が適正なふうにもつていくという観点から、したがいましてそれによって来たるところは、国民の健康の保持なり、国民の生活環境の保全ということになると思いますが、そういう観上をどうしても取締法の中に明瞭に入れなければならないということをまず念頭に置いたわけでございます。そういう中で、したがいましてきのうも申し上げましたが、安全なできるだけ無害な農薬を使って農業生産の安定をはかる、こういう気持ちで立案をしたわけでございます。
  5. 沢田実

    ○沢田実君 いまおっしゃったように慢性毒性と残留性ということを加えて、そして人間の健康を守っていこうということが趣旨であれば、私は第一条の目的に、きのうも議論になりましたが、「農業生産の安定」ということを冒頭に書くよりも、それをなくするか、あるいは「国民の健康の保護」及び「国民の生活環境の保全」、その次ぐらいに「農業生産の安定」ということが出てくれば、農林省としても国民の健康優先という考え方でこの法案を提出なさったということが理解できるわけですが、きのうからのいろんな議論を聞いておりますと、なるほどこういう順序に並列に考えている、その結果が国民の健康ということが軽視されているんだというようなことを痛切に感ぜざるを得ないわけです。その点についてのお考えはどうでしょうか。
  6. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 取り締まり制度のこの目的にもありますように、登録制度を設けまして販売と使用の規制を行なうと、それがこの法律の手段でございます。そういうことによりまして農薬の品質の適正化とそれからその安全かつ適正な使用の確保をはかるということがこの法律といたしましてもまあ直接の目的になっております。そして広い意味での目的を、先ほど御指摘がありましたけれども、われわれといたしましては、文章としては並列に見えますけれども、いま申し上げましたように、手段と直接の目的というのが一番先にかぶっておりますので、その範囲内で農業生産の安定をはかるというふうに御理解いただきたいと思います。
  7. 沢田実

    ○沢田実君 そういうことですと、いまこの第一条を、おっしゃったように、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全と農業生産の安定に寄与することを目的とする、というようなことにおやりになったほうが、いままでのお話よりぴんとくるように思うんですが、そういう考えについてはどうでしょうか。
  8. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 気持ちとしてはそういう気持ちを私たちも持っておるわけでございますが、繰り返して申し上げて恐縮でございますけれども、きのうも大臣が申し上げておりましたが、農業というものは、他産業特に工場、事業場というものからの公害というものとはかなり様相を異にしております。他方では、零細な農家が国民の食糧を供給するという面がございますので、やはりわれわれといたしましては、この農薬取締法という観点から見ましても、農薬というものが農業生産の安定にも寄与する必要があろう、こういうことも考えておりますので、公害基本法で「産業との調和」という字句は取りましたけれども、やはり零細な農家ということを考えますと、ここまで言うと少しおかしいかもわかりませんけれども、あらゆる農薬を、国民の健康の保護という観点から、それを押してまで農業生産を第一に考えるということは毛頭ございませんけれども、やはり目的としまして農業生産の安定を加えたほうが妥当ではないかということを考えておるわけでございます。
  9. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、もう一度確認をいたしますが、こういうふうに並列的には文章は書いたけれども、実際の農薬の取り締まりについては、当然国民の健康を最優先に考えるのだ、今後の行政についても当然そういうことだと理解してよろしゅうございますか。
  10. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それは御指摘のとおりでございまして、改正案の内容をごらんいただきましても、毒性、残留性についての問題は毒性、残留性が強いというものまで押して使おうという気持ちは持っておりませんし、そういうことを押えていくための種々の規制を設けておるわけでございますから、御指摘のとおりだと思います。
  11. 沢田実

    ○沢田実君 それでは次に第六条のことについてちょっと御質問したいのですが、いままでは登録が許可になりますと、途中でいろいろ毒性の問題が問題になりましても、すぐ取り消しはできなかったわけですが、今度の改正で、登録後においてもそういうことが問題になれば、さっそく品質の変更なりあるいは製造の中止なり、販売の取り消しをさせよう、登録の取り消しをするというようなことが趣旨だと思いますが、その条文の中で、この資料の九ページになりますが、九ページの最後に、「やむをえない必要があるときは、その必要の範囲内において、」という文字が入っておりますけれども、提案理由の説明あるいはその他の説明では、そういう問題があれば即刻登録を取り消すことができるようになっているわけですけれども、本文にはこういう文字が入っております。ということは、実際にそういう問題が起きた場合、登録を取り消すまでにはどういうような段階を経て取り消しになるのか、相当いろんな段階を経なくちゃならないからこういう文字を入れたんだろうと思いますが、その点についての御説明をお願いします。
  12. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 一旦登録をしましたものは、この法律にもございますように、第三条の保留要件に該当しなかったという意味で登録されておるわけでございます。それがその後の科学技術の進歩によりまして、毒性が解明をされたり、あるいはいままでの分析技術ではそこまでわからなかったものがそれがわかるようになったということになりました場合に、人畜に危害を与えるおそれがあるということになりますと、これは当然職権でもって取り消すべきではないかということで、今回こういう改正案にしたわけでございますが、その順序といたしましては、おそらくいま申し上げましたような理由でございますから、試験研究機関がいろいろな調査、試験をやりました結果、これはやはりあぶないということになるわけでございます。そうなりますと、農林大臣がそれを取り上げまして取り消すかどうかを判断を下すわけでございますが、農林大臣が行政的に一方的にやるということは問題があろうかと思いますので、その法律の改正案にもございますように、農業資材審議会の意見を聞いた上でそういう判断をする、こういう順序になるわけです。
  13. 沢田実

    ○沢田実君 そういう順序であれば、そういうような事態が生ずると認められるに至った場合には当然審議会にかかりますけれども、登録の取り消しをするということで十分ではなかろうかと思うわけですが、それがそういうような事態が起こっても、その事態が「やむをえない必要があるとき」、あるいは「その必要の範囲内において」と、わざわざこういう制限をおつけになったのはどういうわけでしょう。
  14. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほども申し上げましたように、これは一たん登録はされておるわけです。それを取り消しますといろいろ影響があるわけでございます。したがいまして、ただ、こんなことはもちろんございませんことですが、法文といたしまして、農林大臣がちょっとそういう話があるからといってぱっとやるというようなことではなくて、やはりその点はよく調べた上で慎重にして――一ぺん登録したものでございますからこれを登録を取り消すのはよほどのことでございます。そういう趣旨で、ここにありますように、先ほど申しました第三条の保留要件に該当するような事態が生じて、それを取り消さないとなかなかあとあと問題が起きるといったようなやむを得ない場合に取り消すということにしてあるわけでございまして、別に他意はないわけでございます。
  15. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、そういう事態が起こりましてもこれはやむを得ない必要がないと判断されれば取り消ししなくてもいいということになりませんか。当然これはそういう事態が起きて、「やむをえない必要がある」という問題と、その処置についても「必要の範囲内」と、非常に二重に制限を受けておるように思うわけですが、私はこういうことなしに、最初御説明のあったように、そういう事態が発生したと、これは科学的にはっきりしておるわけですから、そうすればおっしゃるように、審議会にはかることは当然必要だと思いますけれども、大臣が登録を取り消すという段階になって差しつかえないのじゃないか、こう思うわけですが、その点非常に、一ぺん登録したものをまた取り消すということはそう簡単にできないのだという印象を受けます。また、この条文をたてにして、こういう問題があるから、こういう問題があるから取り消されちゃ困りますということで取り消しが延び延びになったりすることは、健康の上から非常に問題が起こると、こう思うわけですが、その点もう少し御説明お願いいたします。
  16. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほども申し上げましたように、これはなるほどおっしゃいましたように、客観的に三条の二号から七号までに該当する事態になるわけでございますが、その場合に必要の範囲でやるということでございまして、不必要なところまでやるという意味ではないという趣旨でこう書いたわけでございまして、これがあるからといって非常に慎重にしてしまって、危険があるのに、この規定によりまして農林大臣がやむを得ないということは認めないということはもちろんないわけでございます。
  17. 沢田実

    ○沢田実君 いまおっしゃるようなことでしたら、この条文がなくても私はいいでしょうということです。これがなければならない理由はどういうことですか。
  18. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) これは先ほども申し上げましたように、一応保留要件に該当しないとして登録をしておるわけでございますから、やはりそれを取り消す、しかもきのうも申し上げましたように、これは取り消された場合には、登録の性格からいいましても、それから製造業者の持っております社会的義務からいいましても、これは国として別に補償の必要はないということは裏にあるわけでございますから、やはりそういう危害を与えるおそれがあるということがわかりました薬につきましても、先ほどから申し上げておりますような手続をとった上でやるということでございまして、私はここの条文を取ってしまわなくてもいいのではないかというふうに思います。
  19. 沢田実

    ○沢田実君 いま農林省でおやりになっていらっしゃることは、きのうのお話にもいろいろ出ましたが、権威ある農林省の機関ではっきり結論が出て、やはりほんとうにここで登録を取り消すなり、あるいは現在はできませんが、行政指導とか製造を自粛させようというようなことをするにしても現段階でもそんなに簡単にやっておりません。ですから、いまやってることを考えてみますと、おそらくそういうことを十分に検討され、しかもこれは実験上も人命に危険を与えるということがはっきりして、しかも大臣は審議会を経てやることですから、何もこんなことをつけなくても私はいいんじゃないかと、こう思うわけです。それをわざわざつけてあるということは、そこで何か実際にそういう問題が起きたときに、いまでさえわれわれが議論しても、なかなかそう簡単に、きのうもお話がございましたような、一応製造を保留することができないのじゃないかということについても、それははっきりしないのだからできないのだ、ということをおっしゃってるわけですから、そうしますと、実際上法律が動きましたときに、そういうものは試験結果が出てもこういう問題があるから、「やむをえない必要があるとき」という条文があるからここで考えなければいけないのだといって登録の取り消しが延びることが危惧されます。ですから、あってもなくても同じような条文なら、こんなものは取ってしまったほうがいいと私は思うわけですが、どうですか。
  20. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 私はあってもなくてもいいとは考えていないのでございまして、先ほどから申し上げておりますように、一たん登録したものでございますから、その後の科学技術の進歩等によりまして、これはやはり人畜に危害があるというようなことになってきたという場合でございますので、一ぺん有効に登録をしたものを取り消す場合には、これはやむを得ない必要の範囲内において行なうべきだということでございます。したがいましてこういう規定を置いてあるわけでございまして、このほうがいいのではないか。ただ、いまおっしゃいました意味が若干わかりかねる面もございますが、これはあぶなそうだというわけでぽんと取り消すということにはなかなかまいらない。やはりそこではきちっとした科学的な調査、それに基づいて危害があるということを明らかにするということが必要だという意味でございます。
  21. 沢田実

    ○沢田実君 私の申し上げておることがわからないとおっしゃるからもう一度申し上げますけれども、そうすると反対にお聞きをしますと、これがないとこういう不都合なことが起こるということはないでしょう。私の言いたいのは、私が取っちゃったほうがいいと申し上げると、これは取ってはぐあいが悪いとおっしゃるから、それじゃあこれがないとこういう不都合なことが起こるのだということを教えてください。
  22. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 農林大臣が恣意にやるということはございませんけれども、農林大臣が恣意にやるということではなくて、やはり取り消しでございますから、その事態をよく調べた上で必要の範囲内でやるというふうな趣旨でなければ、法律としては私は一貫しないというふうに考えます。
  23. 沢田実

    ○沢田実君 法律の形態としてはこうでなくちゃぐあいが悪い、実際の取り扱いについてはこんなものがなくても大臣はそういうことをやるわけがないのだから心配ないと、こういう趣旨ですね。  それでは、その次にまいりますが、附則の経過措置のところでお尋ねしたいのですけれども、附則の経過措置の4ですが、この法律が国会を通過をいたしますと施行の日がきまるのでありますけれども、施行の日から起算して二年を経過するまでは再登録については毒性及び残留性の試験成績の記載は必要ないと、こういうような経過措置が載っておりますが、その点についての御説明をお願いしたいと思います。
  24. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま、昨日差し上げました資料によりましても、銘柄にしますと約六千近いものがございますし、有効成分別に見ましても約四百の農薬がございますが、こういう現況の中にありまして、今回毒性とそれから残留性につきまして正規に試験成績書をつけてこいということにしてあるわけですが、この法律にありますように、農薬の登録というのは三年間が有効期限であります。農薬が順次登録されておりますので、毎月のように登録が切れていって再申請のときがまたくるということでございます。その際に、一ぺん切られた場合に再申請をしてまいります場合に、すべていま直ちに残留性及び慢性毒性の試験成績書をつけてこいと言いましても、これはなかなか困難でございます。と申しますのは、残留性なり慢性毒性の試験につきましては少なくとも一年なり二年なりの試験をやってみなければ、そういう試験成績というものはつけられないわけです。そこでわれわれといたしましては、かなり努力を要すると思いますけれども、その最低二年をとりまして、その間は法文といたしましては試験成績はつけなくてよろしい、その間の再申請についてはつけなくてよろしいということにしたわけです。新規の申請はこれは当然つけていただくということになるわけです。したがいまして、いまある薬については二年間は要らないということにしたわけです。  ただここで申し上げたいことは、その間にありましても主要な農薬につきましては、厚生省も農林省もいろいろ試験をやっております。昨日もお話しいたしましたように、農林省といたしましても技術会議でことしもやりましたし、来年からは農政局で一億近い金を使いまして残留性の試験をしようと思っておりますが、そういうことをやりますし、また国際機関でもいろいろ残留性や毒性についての調査が行なわれております。そういうことを見まして、この薬は安全性については問題があるといった場合には、今度の新法に照らしまして、必要な場合には使用方法の変更の登録をしたり、あるいは極端な場合には取り消しをしたり、またそれに伴いまして販売を禁止するという措置がこの二年間の間でもできますので、法文といたしましては、全体の農薬については二年間この成績書はつけなくていいということにしたわけでございます。
  25. 沢田実

    ○沢田実君 六千も一ぺんにやることが困難であることはよくわかりますけれども、きのう来局長のお話を聞いておりますと、その中の慢性毒性あるいは残留性等で心配されるのは二、三%だというようなお話もおやりになっていらっしゃいます。いまのお話でも、特に要注意の農薬についてはこちらでやるというようなお話ですが、それであればここのところで全部再登録必要ないというのじゃなしに、原則としては必要だけれども、現代の科学の範囲内で心配ないというものだけは省令か何かで提出をしなくてもいいというようなふうにおやりになったほうがこの法律の精神にぼくは合うんじゃないか。要するに現在はっきりしないけれども、慢性毒性、残留性のことが非常に問題化しているわけですから、この法律ができればまずそれに取り組むんだ、法律でもちゃんとそういうふうになっておるんだ、メーカーについてもまずその責任があると、しかし、数の問題もありますので、現代の科学でまあ心配なかろうと思われる分については省令なんかで除くという考え方のほうが私はいいんじゃないかと思うのですが、そうせずにあえて二年間はいいんだというふうに、メーカーもその研究の必要もないような、こういう経過措置をおとりになったことについてもう少し御説明をいただきたいと思います。
  26. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先生のお話は私もよくわかるわけでございますが、法律の体系といたしましては、これ形式論やって非常に恐縮でございますが、心配性がないかどうかは正式には試験をしなければなりません。われわれ技術的にはこれは心配ないということはわかっておりましても、いまの先生のおっしゃるような体系にこの法律を組みかえるといたしますれば、試験成績というものはやはり形式的にもなきゃいかぬというふうになるわけですから、先ほど申し上げましたように、四百というような多い有効成分の薬でございますので、二年間はこういう成績書はつけなくてもよろしいということをしながら、その間にありまして、われわれが疑いを持っておりますような薬につきましては試験を進めますと同時に、この法律の体系によりましても、先ほど申し上げましたように変更の登録なり、あるいは登録の取り消しなりその他ができるわけなんですし、また指定農薬にすることも可能なわけでございますから、そういうことで対処して、実質的には先生のおっしゃることと同様なことができるというふうに考えております。
  27. 沢田実

    ○沢田実君 あなたのおっしゃることもわからないわけではありませんけれども、こういうふうにいたしますとメーカーは二年間責任がないわけですよ。この法律が実際にこれがなしに発効しますと、メーカーはさっそく試験制にならぬわけです。だけれども、六千ですから、農林省のほうはこの分はよろしいということを一部きめておいて、心配のような分についてメーカーにもやらせるのがより安全じゃないかと申し上げているのです。どうですか。
  28. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 新規の農薬については別でございますけれども、継続している分について再登録の申請がきましたとき、農林省があぶなそうなものを試験もしないであぶないという判断をして登録をしませんと、これはその登録が切れてメーカーは売れなくなる、こういうことになるわけです。で、そうなりますと、これはどういう根拠に基づいてそういうことにしたのかと、これは農林省がどういう……、そういう慣例であったということではやはりいろいろ問題が起きるというふうにわれわれ考えます。そこで、むしろあの法律制度といたしましては、こういうふうにした上で慎重を期して、先ほどからるる申し上げているようなやり方でしか対応できないんではないかというふうに思います。
  29. 沢田実

    ○沢田実君 現在登録されている農薬でそう心配がないならば、かまわないんです。ところが、すでに何十年使って、登録を何べんも登録がえをしてきた薬品の中にいろんな問題が起きておるわけですよ。ですから、現在ほんとうは六千種類のものは、この法律ができたらさっそく全部検査しなければならないということが私は原則でなくちゃならないと思います。ですから、おっしゃるように六千種類一ぺんにできませんから、だからこの分についてはいいということを農林省できめてもいいんじゃないか。いま局長私が申し上げましたことについて若干誤解がありまして、再登録の許可を与えないわけにはいかないと、そう私申し上げているのじゃなしに、取り消せと申し上げているのじゃなしに、要するに再登録をする場合に、その申請書に研究資料をつけるということを原則にしなければならないという姿勢でないとメーカーは二年間いいことになってしまいますよ。そうして二年間ざる法になりませんか。あなたのおっしゃることは、それは農林省でもやります、こうおっしゃいますが、農林省としてやることは法律がなくたっていまやっていることなんですよ。そうしてこれから二年間というものは、いままで農林省が残留性もあるいは厚生省で慢性毒性もやってきた、それを続けるといみことに、同じことになっちゃうわけです。新規の農薬については違うでしょうけれども、再登録の農薬については二年間は、いままでと同じことになってしまうということを私は心配している。その点どうでしょう。
  30. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御心配は私もわかるわけでございますが、先生のおっしゃいますようにやりますと、これは施行と同時に全部成績書をつけてこい、こういうことになるわけです。ところがつけてくるような試験を、先ほど申し上げましたようにやるためにはやはり一年ないし二年かかる。これではメーカーなり公的機関に委託するなりしてやらなければそういう成績書はつけられません。ところが先ほどから申し上げているように大部分と言いましょうか、問題のある薬のほうが少ないわけでございますので、われわれはこういうふうなほうがいいと思っているわけでございますが、問題ないものもつけてこいというのが原則だということは、なかなかできないのでございます。それを農林省が適当な判断で、省令で、おまえはつけてこなくてよろしい、おまえはつけてこいというようなやり方は、なかなかやりにくいということがあるわけです。したがってねらっているところは、われわれもこの二年間この施行を延ばすような気持ちは何らございません。問題のあるものから先に手をつけまして、それについては再登録のくるまでにいろいろのことが、手が打てるようにしたいということを考えているわけでございまして、ねらっているところは私は先生と一つも変わっていないというふうに思います。
  31. 沢田実

    ○沢田実君 私専門的なことはわかりませんけれども、たとえばアメリカで特許をとっているのを日本が買ったりすると、そういうものには慢性毒性の検査なんかの実績がついているものもあるわけでしょう。それから日本は四十二年から農薬検査所を農林省でつくって、残留性の検査もしているわけです。あるいはアメリカの残留性の検査もあるわけです。そういうわけですから、いま局長の話を聞くと慢性毒性と残留性はもう何もないから、みな一から始めるような感じを受けるわけですけれども、私は決してそういうことじゃないと思うのですね。ですからいま心配される農薬というのは、きのうも局長言われたように、二%か三%だとおっしゃっているのですけれども、その二%か三%は農林省でもそう思うでしょう。しかしいろんな試験をしないと確定的には言えないにしても、心配性が考えられるわけですから、そういうものについてはやはりメーカーが、さっそくこういうものをつけるくらいの慎重さがあってもいいのじゃないか。だからこれがどうしてもいまおっしゃるように半年なり一年では無理だということであったら、いままでのいろんな資料もあるでしょうし、あるいは農林省の検査した資料もあるでしょうし、いろいろあるわけですから、そういうものをつけることが原則だというくらいに私はきびしくやっていただかないと、この法律をつくっても結局同じことだ。新規の新しい農薬だけに事故が起きているならいまの法律だけで問題ありません。だけれども何十年使ってきた農薬からいろんな毒性が出てきているところに問題があると思うのですが、局長これでほんとうにだいじょうぶでしょうか。
  32. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほどから申し上げておりますように、私は二年の猶予期間を現在登録されている薬につきましてはつけましても、われわれのほうで別に単なる勘ではございませんけれども、過去のデータ等から見まして、必要なものにつきましては先ほど申しましたように登録につきまして変更登録を職権でやったりあるいは取り消しまでできるわけでございますから、そういうものについては、そちらのほうで処置をしたほうがいいのではないか、試験成績書をつけてこいということになりますと、やはりこれは先ほどから何べんも申し上げますように、一年ないし二年かからなければつけられないわけです。その間に登録が切れてしまったら、そこでおしまいということになるという問題があるわけでございますので、われわれのほうの考え方でやらしていただいたほうが、スムーズではないかというふうに思います。
  33. 沢田実

    ○沢田実君 いままでの実績が確かに農林省でいま使っている農薬で農林省の試験の結果これは危険だと、だからこれは登録について保留するとかあるいはいろいろな注意を与えるとかというような実績があるんならよろしいのですよ。ところがいままでの、実際問題はきのうもお話出ましたけれども、地方の主婦連からいろいろな問題が出たり、町医者が二十年も三十年も研究して母乳からこういうものが出ているということを発表したり結局農林省の機関以外のところから問題が出て、そして農林省なり厚生省であとから研究して、試験して、そうして問題になっているのですから、いま局長おっしゃるように、それでも私のほうでやるからよろしいと言われても信用できませんね。その辺が問題だ。だから私は何べんも申し上げているようにメーカーにもやっぱり責任を持たせる最初から。そういう計画でなければこの法律をつくってもざる法になっちゃうんじゃないかということを心配しているのですが、よろしゅうございますか。
  34. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御心配は私も別に否定はいたしません。そういうことがあるものですから何度も繰り返すようですけれども、この二年間の間にできるだけあぶなそうなものについてはやってみる。過去のデータ等もこういうものについてはそういう判断の上で、この改正法によりますいろいろな措置もいたしますということを申し上げているわけでございます。
  35. 沢田実

    ○沢田実君 それでわかりました。二年間でおやりになるということですので、問題をかえてお尋ねをしたいと思うわけですが、まず厚生省の方に課長さんにお尋ねしたいのですが、厚生省では現在どういう体制で慢性毒性というものを試験していらっしゃるか。この新規の農薬が出てきて、厚生省で慢性毒性をこういう要領で検査するということを詳しく教えていただきたいと思うのですが、心配ないという農林省の判断をなさるまでの検査の順序、検査体制というものをちょっとお願いしたいと思います。
  36. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) 現在厚生省のほうには毒性の検査機関として国立衛生試験所がありましてそこでやっているわけでございますが、そのやり方といたしましては、新規の農薬につきましては一昨年からその登録の申請の際に農林省のほうに三カ月の毒性試験データが提出されることになっておりますけれども、それを私どものほうの食品衛生調査会にございます残留農薬の部会にかけまして、そちらで三カ月のデータをもとにいたしまして、非常に高い安全率を見込みまして、農林省のほうにこれならば使用しても差しつかえないという意見を差し上げまして、それによって農林省は御協力をなさる。そういたしまして、私どもとしてはさらに新規に登録になりました農薬につきまして、国立衛生試験所において二年の絶えず試験を行なう。それからまたさらに催奇形性の試験というようなものも、これは大学に委託をして行なうということでやっておるわけでございます。それから過去において登録になっております農薬につきましては、実はそういう体制になっておりません。先生御指摘のとおり、国際的に規格といいますか、国際的にそういった試験成績のあるものはそういうものを採用いたしますが、そういった資料のないものにつきましては、私どものほうで過去に許可になりました農薬の洗い直しというものをやっております。国立衛生試験所におきまして、年次計画を組みまして洗い直しを行なっておりまして、大体昭和四十八年までに食べものに残ってくる農薬で主要なもので国際的なデータのないものというものは洗い直しが済むというような体制でやっておるわけでございます。
  37. 沢田実

    ○沢田実君 そうすると、いまおっしゃったのは、三カ月の試験というのはメーカーがやる、それから厚生省では二年間の試験をやる、こういうことでしょうか。
  38. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) はい。
  39. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、今度この法律ができまして、すでに登録されている分が二年間の猶予期間ということですが、その間に検査をするということになりますと、実際問題は、六千種類の登録されたものは全部厚生省のほうではこの二年間に慢性毒性については検査をする、こういうふうになりますか。
  40. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) これは農林省のほうから御説明をいただいたほうがよろしいのではないかと思いますが、農林省では再登録に際して提出させます毒性試験データというものは、その製造者に義務づけるというお考えと存じまして、私どもとしては、農林省で御登録になっておられる農薬の中には、全く食品の中に残存しないほかの用途のものもございます。私どもとしては、独自の立場で食品に残ります主要な農薬について洗い直しをするという姿勢をとっておるわけでございます
  41. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、いま六千種類の農薬登録されている農薬の中で、厚生省としては先ほどおっしゃった四十八年までですか、一つの目標をきめてやりたいとおっしゃっているのは、何種類くらいおやりになる予定ですか。
  42. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) 大体二十四農薬程度でございます。
  43. 沢田実

    ○沢田実君 厚生省ではその毒性検査をなさるいわゆる専門の技官と、あるいは機械の設備等はどのような規模でおやりになっているのでしょうか。
  44. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) 国立衛生試験所におきまして、行なっておるわけでございますが、その人員は国立衛生試験所は総員が約二百二十名、そのほか、大阪に支所がございまして、四十五名ばかりおりますが、実際にこの仕事を担当しておりますのは、毒性部でございまして、毒性部では約十数名の人員がおりまして、そしてここで毒性研究施設を持ちまして試験を行なっておる次第でございます。
  45. 沢田実

    ○沢田実君 その毒性部、現在十二名いらっしゃるらしいのですが、その中でいわゆる専門的に研究できる技官が何名いらっしゃるか。事務を担当する人等を除いて、あるいは同じ技官であっても慢性毒性を検査するような専門でない人もいらっしゃるかもしれませんので、それから年次別にそういう専門技官をどのくらい増員する計画になっていらっしゃるか。
  46. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) 私、ちょっといまその詳細な数字を持っておりませんが、先生のお許しをいただければ、後日詳細な資料を提出させていただきます。それから私、これは所管が私の省で薬務局になっておりまして、人員の増につきましては毎年要求をしているようでございますが、あまりふえてないということは承知しております。もう人員はむしろ例の人員削減を食いまして、衛生試験所全体として、むしろ減っているというような状況でございますので、おそらく毒性部についてもふえていないのではないかというふうに考えております。
  47. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますとも四十八年までに二十四農薬をおやりになるという御方針はお聞きしましたが、現在十二名ほどの陣容で二年間かかって毒性検査をする、この農薬について、あと余裕がどのくらいあるかおわかりになりませんでしょうか、検査できる余裕。
  48. 小島康平

    ○説明員(小島康平君) 実は国立衛生試験所の毒性部におきましては、こういった農薬以外に添加物の再点検あるいは食品以外のたとえば医薬品等につきましても試験をいたしておりまして、精一ぱいでございますが、とにかく私どもとしてはやらなければならないものについてはやってもらうという姿勢でお願いをしているところでございます。
  49. 沢田実

    ○沢田実君 次は農林省のほうにお尋ねしたいのですが、いま厚生省の慢性毒性の検査体制ですが、農林省の残留性の検査体制について御説明いただきたいと思います。
  50. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 農林省におきましては、農薬検査所がございます。そこに四十二年から残留検査課というのをつくりまして、現在十三名になっておりますが、来年は技術調査課というのもつくりまして、それとあわせまして農林省としての直接の検査をやっておるわけでございます。
  51. 沢田実

    ○沢田実君 殺虫剤と除草剤と殺菌剤と三種類あるのをあそこで検査しておるようですが、実際にあそこでやりますには、残留性の検査ですから、農業試験場で農薬を実際に散布してみる、そこで収穫されたいわゆる農作物を持ってきてそして分析をするというようなことをやっているようですので、幾ら少なくとも一年間はかかるのじゃないかと思うのですが、そこで一体何種類くらいの農薬を一年間にあの検査所では検査できるのか、その検査能力はどうでしょうか。
  52. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 新規の化合物につきましては、一年間に最大五十くらいはできるというふうになっております。
  53. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、先ほど二年間の経過の期間をきめて、二年過ぎれば今度一切、再登録の場合についてもメーカーも書類をつける。それについていわゆる慢性毒性あるいは残留性については厚生省と農林省が全部試験をする、こういうふうになると思うのですが、このいまお話があったような検査体制では厚生省では二十四農薬でせいぜいじゃないか、しかも四十八年まで。それで農林省では一年間五十農薬くらいしかできないじゃないかということになりますと、六千種類の農薬についてはとても不可能なようにも考えられるわけですが、その点についてはどんな対策をお持ちなんでしょうか。
  54. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 最初に申し上げましたように、銘柄は六千でございますけれども、成分で分類しますとこれは四百くらいです。それで一年間で五十やりますとこれは百やれるわけです。で、先ほどから申し上げましたように、全部が全部そんなに残留性が強いあるいは慢性毒性があるというものではございませんので、われわれのほうでわかっておりますものの中からそういうものが強そうなのを先へ取り上げてやっていくということになるわけです。
  55. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、この法律ができても慢性毒性、残留性については全農薬についてやるというのじゃないのですか。二年間の猶予期間が過ぎれば全農薬についてやる。四百種類で有効成分とおっしゃいましたが、登録されているのは五千何百――六千種類の登録ですよ。再登録というのは六千種類出てくるわけですよ。四百何ぼじゃ検査のしようがないじゃないですか。
  56. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 四百が会社の銘柄でみな違っていて六千になっているわけです。同じ成分のものは一つやればこれはどの会社でも共通のものになるわけです。その点は六千を全部別々に試験をする必要はない。同じ種類の成分のものは一つやればこれはどれにも共通ということになるわけです。
  57. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、四百種類の銘柄ですから、一つの銘柄で、たとえば二%、三%と混入率が違うものやら、三共だ武田だというメーカーの違うものやら、そういうふうにしますと六千になるわけですよ。登録というのは一つ一つじゃないんですか。登録というのは、四百何ぼの有効成分で検査をしておけば、あとはどんなものをつくっても登録のときは通るのですか。
  58. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 失礼いたしました。いまおっしゃいましたように、成分が二%か三%、これは架空の数字といたしましても、そういうふうに違っているものはまたやるわけでございます。同じ成分のものは一つの試験でいいということでございます。そういうことでいま成分が同じもので分けていきますと四百である、こういうことです
  59. 沢田実

    ○沢田実君 成分が違うというのは、含有のパーセントの違いじゃないですか。BHCならBHCというものを一つにして数えたものが四百何ぼ、そのパーセントが違うというと、メーカーが違うと六千のほうに入るのです。登録は六千は一つ一つやっているのでしょう。そんな四百何ぼの有効成分別に試験すれば、あと六千のほうは関係ないのだと、どんなにふえてこようがだから対象にされるのは四百十一ということでしょうか。
  60. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 慢性毒性の試験につきましては、これは同じ成分でやるものですから、これは一つになると思います。製剤になりますとおっしゃいましたように二%、三%でございますが、これは使用方法の違いになってくるわけでございまして、慢性毒性の試験についてはもうその一つでいいのではないか、こういうことでございます。
  61. 沢田実

    ○沢田実君 残留性は……。
  62. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それから残留性につきましては、使用法が違いますればこれは別にやらざるを得ないというふうに思っております。
  63. 沢田実

    ○沢田実君 ちょっとわれわれしろうとでよくわからないのですけれども、残留性というのは、いまのお話ですと、慢性毒性のほうは四百何ぼでいいと、残留性についてはそういうわけにはいかぬということは、パーセントが違えばやっぱり違うわけです。使用方法が違うということは、そのパーセントとか何か、そういう有効成分と、いろいろな何といいますか、混入率ですか、そういうことで使用方法というのはきまるわけでしょう。そうしますと、四百何ぼではいかぬわけでしょう残留性の研究は、それはどうなるわけですか。
  64. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それは私が先ほど一年に五十と申し上げましたのは、その成分での話でございまして、それの全体の製剤の中に何%入っているかによっての違い、これはもう作物に与えてみればいいわけでございますから、もっと簡単にいろいろな面で残留が、何%入っているものはどうなるかということはわかるわけでございますこれは先ほどの五十ではございません。もっとたくさんやれます。
  65. 沢田実

    ○沢田実君 いや、パーセントの違うのをやりましても、農事試験場で散布をして分析機関で分析するというのは、幾ら短くても半年や一年かかるわけでしょう。そうしますと、実際に残留検査をしなければならない、いわば登録をされている種類というのは何ぼあるのですか。概略でけっこうです。
  66. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 有効成分で見まして、残留性でわれわれ大きいと考えておりますのは、いまの四百の四%約十六程度、それから慢性毒性の大きいものと考えておりますのは大体十二程度というふうにいまは見ております。しかしこれはもちろん正確ではございません。やってみなければわからぬという問題もございます。そういう程度でございます。
  67. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、そういうのは優先して結局慢性毒性についても残留性についても検査をするのでしょうけれども、実際に登録をする場合には、会社もつけ、農林省でもやる、厚生省でもやるという、いわゆる六千種類の扱いについては、逆に申し上げますと、二年を経過すれば一切できるのだと、こういうふうになりますか。
  68. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) いろいろわれわれこれを立案するときに、その辺の能力の問題、それからその他の問題も考えましてやったわけでございますが、やはり趣旨から言いまして、できるだけ短い間にそれをやってしまわなければいかぬということでございまして、御提案申し上げました以上、この二年の間にいろいろなことを考え、また立証をいたしまして、そういう二年後にはすべて試験成績書は毒性、それから残留性についてつけさせるということに踏み切ったわけでございます。やるつもりでございます。
  69. 沢田実

    ○沢田実君 検査所で実際に慢性毒性、残留性と両方パスした数なんというのはほんの少しだというふうに私は聞いているんです。しかも残留性について現在申請中のものが約二十もある。現在の十名ちょっとの陣容で、しかも残留性を分析するような専門の技官というのは九名ばかりしかいないんですね。農薬検査所の実際の陣容というのは、先ほど厚生省のほうからもお話ありましたように、人員削減だからふやせない、こういうような現況だと、農薬検査所のほうで一人や二人は毎年ふやしているようですけれども、学卒の専門の人を採らないで、よその職場から回しているわけですよ。ですから残留性を検査できる能力のある人はいないわけですよ、人間ふえても、おそらくことしも一人か二人ふえているようですけれども、専門の人じゃないんですね。そういうようなことを考えますと、いま有効成分で一年で五十できると局長おっしゃっていますけれども、私はとってもそれはできないと思います。その辺についてきのうも話がありましたが、財団法人の残留農薬試験所ですか、これは起工式もやったかやらないかで、土地だけ買ったような程度ですから、これが完成して実際の調査に動き出すのは一年か二年先である。実際に動くかと言えばそれから一年から二年たたないと実際の検査はできないわけですから、ですから、逆に申し上げますと、二年過ぎたら一切この法律で全部やれるんだという体制がほんとうにできるかどうか、逆に申し上げますと、ほんとうに心配なんです。その点はいかがですか。
  70. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御心配の点は私もそのとおりだと思います。しかし法律で先ほども申し上げましたように、こういうふうに割り切ったわけでございますので、最大の努力をしたい、これはもちろん人員の増強、予算の獲得、その他あると思いますけれども、それからまた試験検査をする人の技術の向上ということも必要だと思います。それからなお、農薬検査所がまた主として県の試験場に補助試験等をもちろん委託をして手伝ってもらうということも同時にやらなければならないということも考えております。
  71. 沢田実

    ○沢田実君 それから県のほうでも県の試験場に対して機械を新しくだいぶ配付されたようですが実際の機械を使って正確に検査できる専門家みたいな者は全国の農事試験場にどのくらいおるんですか
  72. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいまのところ、県は平均しまして二名程度でございます。これではもちろん人数的には私たちも足りないと、いろいろ配置転換、その他でそういうことをやっていかなくちゃならぬというふうに考えております。
  73. 沢田実

    ○沢田実君 それから話は別ですが、農薬検査所ですか、機械もそろえて人も一応そろったようなかっこうになっておりますけれども、実際に検査所の方々のお話を聞きますと、この機械があるじゃないかと農林省言われるけれども、それが二つも三つもよけいあったほうが作業が進むんですね。幾ら申請してもちっとも機械を買ってもらえないようですが、その辺の法律ができた場合についての予算措置についてはお考えになっていらっしゃいますか。
  74. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 四十五年は定員が四十七名で九千四百万円で運用しておりますが、来年度の予算要求としましては、これは人員は三ないし五名増、予算額では約一億四千万円というつもりでおります。それからなお、一つの課を、技術調査課というのを新設していきたいというふうに考えております。
  75. 沢田実

    ○沢田実君 そうすると一億四千万円のうち新しい機械等の施設費はどのくらいですか。――けっこうです、なかったら。
  76. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それじゃ後ほど差し上げることにします。
  77. 沢田実

    ○沢田実君 農薬検査所の話が出ましたので、ついでに直接これに関係ないことですけれども、あそこの試験課でしたか、課の名前忘れましたけれども、実際の市販されている農薬を持ってきまして、表示している成分と同じであるかどうか、あるいは混合しておるパーセントは表示どおりであるかということを研究しているようですが、実際に試験してみますと表示どおりでないのがだいぶあるらしいですね。その実績等はそちらで掌握していらっしゃいますか。
  78. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 掌握しております。ちょっといま資料を探しております。後刻御報告申し上げます。
  79. 沢田実

    ○沢田実君 そういうようなメーカーに対しては適切な行政指導なんかおやりになっていらっしゃいますか。
  80. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) いま資料を探しますけれども、抜き取り検査をやりました結果、表示の違反なりいろいろな害がありました場合には行政処分、場合によっては一年間営業停止というようなこともやっております。
  81. 沢田実

    ○沢田実君 農薬の問題についてはきのうからいろいろ議論されておりますように、われわれの健康ということを考えますと、もっともっときびしくしていただきたいし、ところが実際検査体制を見てみますと、これは時間がないからやめますが、たいへんな問題です。その点について局長の答弁のとおり、ほんとうにできるようにしっかりやっていただきたいと思います。  それから農薬のほうで、もう一つお尋ねしておきたいのは、土壌汚染のほうでまたお尋ねしようと思っているわけですが、現在の農薬で土壌が汚染されて相当長い期間土壌に残留するために、今度議論になる土壌汚染防止法のような措置をしなくちゃならないような残留性を持った、土壌の中に残留する農薬というものはないのですか。
  82. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 最近、残留問題がやかましくなってきておりまして、ドリン系の農薬につきましては数年は残留する、その点についてどの程度どうかということはいま農林省で試験研究やっておりますが、少くとも一ぺん土壌に蓄積しますと、そのまま永久に抜けないというものは農薬についてはないようでございます。しいて申し上げますればボルドー液に銅が入っております。銅が蓄積するということはございますけれども、土壌汚染との関連で申し上げますれば、これは鉱山その他の銅の蓄積が大部分でございまして、農薬だけがボルドー液の中の銅が残留して、これが防止対策までやらなければいかぬというところまではいっていないというふうにわれわれ見ております。
  83. 沢田実

    ○沢田実君 それから農薬のこの登録申請されて実際に却下せられた例というのがございますか。
  84. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 実際の取り扱いといたしましては、いろいろ事前にお持ちになった場合に、これはいけないとか何とかいう指導をしておりまして、法律上正式に農林大臣が却下したというものは最近はほとんどございません。
  85. 沢田実

    ○沢田実君 最後にもう一点だけお尋ねをいたしますが、昭和四十一年に衆議院の科学技術振興対策特別委員会ですか、そこで農薬の残留性の科学的究明及び対策樹立に関する決議というのがなされまして、詳細は申しませんが、三項目の決議がなされているわけです。この当時から、四十一年ですから、ほんとうに腰を入れてやっていれば、いまこんな問題は起こらなかったわけです。これは一生懸命やったけれどもとおっしゃるかもしれませんけれど、いや私はそのときにもつともっと本腰を入れて対策を立てれば現在のような農薬による被害というものはこんなに起こらなかったのじゃないかと思います。それで同じようにこの法律ができた。あるいは、二年間はいま申し上げまように若干問題もありますけれども、実際この法律ができることによって、この辺で議論されておるようなこと、あるいはいま国民が非常に心配しているようなこと、それから実際に効果があがるかどうかということが非常にまた疑問になります。そういうことですので、過去の実績に照らして、将来についてはこの法律ができる以上は農林省も全力を尽くして農薬禍というものをなくしていく努力をしていただきたいわけですが、農林省としての決意のほどを最後に政務次官に御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
  86. 宮崎正雄

    ○政府委員(宮崎正雄君) 科学技術特別委員で問題になった当時と現時点ではまあ背景が非常に変わってきていると思います。その当時はある程度予測とかあるいは理論的な問題のほうが主だったのでありますが、今日のように現実的な問題はこのようにきびしくなり、さらにまたそれに対する国民の世論もこのように高まっておるときに、農林省が国民の健康を保持増進するという立場からこの問題に従来とは全く別な新しい決意を持って取り組まなければならぬということは、これはもう申すまでもないことでございます。御趣旨を体して今後全力を尽くして御期待に沿いたいとこのように思います。
  87. 河田賢治

    ○河田賢治君 時間がきわめて制約されておりますので、できるだけ簡単に質問し、また簡単に明瞭に御答弁願いたいと思うのですが、一つは農薬が販売禁止される、あるいは使用禁止されるという場合に、回収ということが問題で、一応このことは衆議院でもだいぶ問題になりました。しかし販売してはならないようなものはもう廃棄すべきであると大体考えられるわけですから、これについてやはり廃棄をする、農林省の職員なり何かが立ち会って廃棄をしてしまうというようにしませんと、いろいろな形で残留――まだ売れ残りがあったり、あるいは回収ができなかったりするというようなことがあると思います。この点が一つでございます。  それから、一度に聞きますが、次は農薬の検査ですが、局長は農薬検査所の能力というものは十分間に合うようにおっしゃっておりましたけれども、実際ここの人々に聞きますと、再登録というようなものはほとんど検査が省略されておる。たくさんになって、一年間、新しい登録もありそれから再登録もあるということで、これに追われて十分な検査もできない。特に新規登録なんかでも追試験なんということはほとんどやられていないんで、ただ添付された試験成績などを勘案して許可をするというようなやり方になっているわけです。こういうやはり状態であるならば、決して安全な農薬をつくり出す、またそういう規制をするということにもこと欠くと思うのです。したがいまして農薬検査所の機能なり、またそこの人員は多少ともこのほうに重点を回して、そうして今日の農薬公害を早く防いでいくことが必要だと考えます。その点が一つ。  それから農薬の検査については、大体三カ月ぐらいの実験でラット、マウスぐらいの小動物しか使っておりません。これは御承知のとおりアメリカあたりになりますと、非常に大動物なんかを使って、一つの新しい新薬を開発するにしても六年、七年かかるというふうに、大規模な民間自体がそういう設備を持っているようでありますがなかなか日本ではそういうことがない。しかしながら試験のあり方というものは、やはり大動物などを使って、たとえば犬とかサルとかというものを使って、しかも品種をたくさんそろえて検査をしませんと、十分な、農薬が安全であるということは保証できないと思うんです。ある専門学者によりますと、たとえばいま日本の学界では神経系統などについて、毒性の農薬ですね、神経の問題についてはまだ学界でも討論されていないほど、今日まだこの分野が未発達であります。しかし一方学者としては、たとえば人間に非常に似ておるのは鶏の神経と人間の神経、それから豚の皮膚と人間の皮膚とは非常にまた似ておる。それから馬の肺と人間の肺も、これもよく似ておる。形体、外見ですね、こういうものはサルが一番よく似ておる。したがって残留毒性やあるいはまたその他毒物性の農薬を研究する場合には、こういうふうに多種多様な動物を実験してみることが必要ではないか、こういう意見を今日持っておる方々もおります。これはまだそういう一般の検査内容がそこまでは来ておりませんけれども、きわめてわずかな動物で、しかも小動物だけでやるということは、農薬を検査するには非常に不十分だと思うのです。こういう点について、今後新しくこういうような問題を取り入れて、検査能力を拡充する考えはおありかどうかという問題が一つ。  それからもう一つは、残留農薬研究所、これは私もこまかい設立趣意書をいただきました。これは大体日本の学術会議が昭和四十三年ですか、総理大臣に報告しておりますが、これに基づいてこれができたようでありますが、やはり財団ですけれども、この出資金が多くはやはり農薬をつくる工業会等々がかなり中心になっておるようであります。しかし趣旨に沿う中立性を保つためには、できるだけこういう、いわゆる製造業者を中心にする業界からの金は少なくして、できる限りこういう試験研究機関に対しては、国が大体保障するという方向が私は必要でないかと思うのです。どうしても、こういう財界にある程度でも干渉されたりくちばしを入れられるような結果になりますと、中立公正な研究機関というものはできないと思うのです。これが一つ。  それからもう一つは、研究所の能力について若干ここに説明がございますけれども、主として農産物の残留性を研究するように書かれております。しかし、いま農薬の中には、かなり土壌残留性というものも必要なわけです。たとえば権威のある若月俊一さん、佐久病院の院長さんが、水銀剤、これは米のほうの防除のために最近これが禁止されてからはずっと米の水銀含有量が非常に減ってきた、しかしながらいまなお畑作の中で土壌を消毒するためにこういうものが使われて、高原地では御承知のとおりレタスなんかに相当これが残留しておるということで、若月さん自身がこういう報告をされております。したがいまして、この水銀などの使用についても、即刻こういうものの使用をできるだけ制約することと、新しくできる農薬研究所ですね、残留農薬の研究所などには、単に作物だけでなく、土壌、水質汚染、こういう今日非常に毒性のあるすべての農薬の残留性などを広範にしかも大規模に早くこれを研究する必要があると私たちは考えるわけです。したがいましてここの資金などももっと政府がどんどん出して、そうしてこの方向で拡充されて、安全な農薬を供給するという趣旨に沿っていただくということを私たちは要求するものでありますが、これに対する御所見を承って質問を終わりたいと思います。
  88. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 最初にお話のございました登録を取り消された場合の農薬の廃棄の問題でございますが、お説のように私も回収をして一カ所にまとめて大きく積み上げても、これはなかなか処分に困ると思います。やはり農家の手元あるいは農家に各自に廃棄させるとなるとなかなか問題があるのならば、村で集めるという程度にして廃棄をすべきだというふうに私は考えております。  それから二番目の農薬検査所の問題でございますが、確かに御指摘のように人員が少なくて非常に再登録等も多いものですから、再登録についてはやや形式に流れるということはあり得たと思いますが、こういう今回のような改正法を出します機会にできるだけの範囲内でわれわれは人員の増強、予算の獲得その他で努力をいたしまして、もっと精密な検査ができる方向に持っていきたいと考えております。それに関連いたしまして、いまのわれわれのほうの慢性毒性の試験は亜急性試験で三カ月、それも小動物でやっておりますが、御指摘のように、これは国際的にも二年やるというようなこともあるようでございます。大動物を使っております。将来われわれは必要なものについてはそういう方向に持っていくよう、技術者にもよく相談をしてやっていきたいと思っております。  それから残留農薬研究所の問題につきましては、御指摘の点、そういう点もあろうかと思いますが、これをつくりましたのは、そこにお持ちになっております趣意書にありますような趣旨でございまして、ここで新規の農薬を開発メーカーがいたしましたものをここへ持ってまいりまして、そこで残留性等の試験をやってもらうと、こういうことでございます。そうしますと、そこでやった結果、新しい農薬が誕生をいたしますと、これはもうメーカーの非常な利益になる。ある意味じゃ、私は受益者負担としていただくのが当然じゃないかという気もいたします。ただし、この運営についてメーカーから非常に多くの金が出ているからそれのひもつきだということになりますと、これは何のためにつくったものかわかりません。そこで、御承知かと思いますが、残留農薬研究所の理事の構成をごらんいただきましても、大部分は農林省、厚生省の人、それから植物防疫関係の団体ということで、メーカーの代表である者は二十一人中三人しか入れておりません。それから技術者等もメーカーのひもつきでやっておるのじゃなくて、この研究をみずからがやっておるということで、中立性の運営はこれはやっていけるというふうにわれわれは考えております。  それから、最後の御指摘の単なる農作物残留だけではないと、それはもうそのとおりでございまして、今度の改正にもございますように、土壌残留の問題、水質汚濁性の問題、これも含めましてわれわれは、一方ではそういう農薬の規制をしながら、一方ではそういう面の研究を進めなければならぬというふうに考えております。以上でございます。
  89. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) 本案に対する質疑はこの程度にとどめておきます。  これにて午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十六分開会
  90. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  農用地の土壌の汚染防止等に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
  91. 中村波男

    ○中村波男君 農用地の汚染防止法について、疑問点を条を追って質問をいたしたいと思うんでありますが、まず第一といたしましては、第二条の三項の「「特定有害物質」とは、」というところに、衆議院で「カドミウム等」という字句が入ったわけでありますが、具体的には政令で定めるとしておりますが、政令で定めます特定有害物質とは何を考えておるのか、明らかにしていただきたいと思います。
  92. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) お話ございましたように、衆議院の修正で「カドミウム」という字句が入りましたので、政令では当然カドミウムは指定するわけでございますが、そのほかに、今回の法律案におきましては、人の健康をそこなうおそれのある農畜産物が生産される場合、それから農作物等の生育が阻害される場合、二つあるわけでございますが、農産物の生育が阻害される場合としまして、われわれは、カドミウムのあとに引き続き、銅、亜鉛を指定をしたいと考えております。それから鉛、砒素につきましては、これは人の健康をそこなうおそれがあるものとも言われておりますので、厚生省ともよく連絡をしながらその辺が明確になり次第指定をしたい、こういうふうに考えております。
  93. 中村波男

    ○中村波男君 農政局長の御答弁に基づいて、さらに確認をいたしたいと思うのでありますが、カドミウムはもちろんのこと、銅、亜鉛についても指定をしたいということでありますが、これは同時指定をおやりになる考えでありますか。
  94. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 気持ちとしてはそうしたい面もあるわけでございますが、銅、亜鉛につきましては、過去のデータ等もございますけれども、この法律に基づきまして、至急に調査をいたしまして、できるだけ早く指定をしたいと考えております。
  95. 中村波男

    ○中村波男君 新聞等の伝えるところによりますと、農林省は最初はカドミウム、銅、亜鉛の三重金属を有害物質として指定する案をおつくりにななっておった。しかし公害罪等の後退等々から政府と自民党との調整とのかかわり合いからこれを抜いたということを新聞が指摘をしておったわけでありますが、そのいきさつについて、大臣からひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  96. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話のような新聞記事は、私ども見ておりませんけれども、ただいまお話のようなことはございませんで、私ども立案の当時から、農政局長がお答えいたしましたような方針でやってまいっております。あとは続いて研究した上で政令で定めると、こういうふうに考えております。
  97. 中村波男

    ○中村波男君 できるだけ早く、銅、鉛についても指定をしたいということでありますが、それはいつになりますか。年限をば切って質問をいたすといたしますならば、一年以内ぐらいのうちには銅、亜鉛というものを政令で出させるという予定といいますか、計画といいますか、お考えがあるでしょうか。
  98. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) できればそうしたいと思っておりますけれども、調査の進捗度合いということもございますので、私、一、二年以内のうちでできるだけ早くというふうに考えております。
  99. 中村波男

    ○中村波男君 そこで、これは厚生省が出席がまだないようでありますから……。それでは現実に被害が出ていなくとも、また少なくとも、発見されておらなくとも、危険であると思われるようなものについては、いわゆるおそれのあるものについては指定をして、土壌が汚染をされない対策というものを立てる必要が最も肝要ではないかと思うわけです。汚染されてからこれを防除するということは容易なことではないわけでありますから、したがって、残念ながらいまお話を聞きましても、銅、鉛等についてはまだ完全なデータ等もないので、さらに研究をした上で指定をするというような状況にあるわけでありますが、したがって予防対策、あるいは測定発見等のために、政府はどのような制度、予算等を措置して、これに対処しようとするのか、そういう点が全く、おくれておるということはいなめない事実であるというふうに思うわけでありますが、それらの対策について、大臣からお考えを明らかにしていただきたいと思います。
  100. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 農林省では、従来から農用地の土壌を対象にいたしまして、かなり組織的な調査を実施いたしておりますので、今後はこの結果をもとに土壌の汚染状況について、全国的な概況調査を行なうことといたしておりますと同時に、汚染が懸念されます地域につきましては、さらに精密な調査を実施いたしまして、対策地域の指定、それから対策計画の樹立を行なうことといたしております。
  101. 中村波男

    ○中村波男君 汚染地域の調査を早急に、全国的な規模でおやりいただくことは特に要望したいわけでありますが、問題はカドミウムがイタイイタイ病の直接の原因であるかどうかということについて、私の知る範囲では、まだ厚生省も断定的な結論というものは出せないような状況にあると思うんです。したがって、銅、鉛等についても、それが人体に悪い影響を与えるということは言えるにしても、科学的にあるいは医学的にどの程度それが究明されておるかということになりますればまだまだ、いわゆる何といいますか、研究の分野において確定をしておらないものがたくさんあるんじゃないか。そういう点についても、これは国として予防対策としてですね、やはり研究機関の充実あるいはそれに伴う人員の強化等々の措置がとられないと、あとからあとから起きてくるところの新しい汚染源を追求し、これを防ぐということはむずかしいのではないか、そういう立場で大臣に御質問をいたしたわけでありますが、したがってそれらについてですね、いま申し上げますように、体制的にあるいは予算的に、今後どのように対処していこうとされているのか、具体的な内容がなければないでやむを得ませんけれども、あるならば明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
  102. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま大臣から御答弁ありましたような考え方で、具体的に予算の問題に触れてみたいと思いますが、ことしすでに農林省におきましては要観察地域等、カドミウムで問題になっております地域については、障害性の物質の調査ということですでに調査に着手しております。そういうことで緊急にやっておるわけでございますが、この法律の提案と同時に、われわれは先ほど大臣がお答えになりましたように、過去もう大体日本の農用地の八割はもう調査が済んでおります。必ずしもそれは汚染対策という意味ではやっておりません。しかしかなりのデータを持っております。その上に立ちまして、来年は全国一斉の点検という意味で、概況調査をしたいと同時に、その概況調査が済んでからということになりますと間に合わないという地域もありますので、そこで精密調査、名前はこれから考えるわけでございますが、精密調査を四、五十地区ぐらいはもっと詳しくやってみたい。それからなお、緊急にカドミウムの要観察地帯等もございますので、対策を立てるための調査、これもやってみたいということで、追加要求としてただいま大蔵省と折衝しているわけであります。  ただ、先生おっしゃいました銅、亜鉛につきましては、これは人体の影響はただいまのところございません。しかしわれわれとしましては、先生御承知のように、日本の公害の第一号は足尾銅山事件、これは作物の生育障害、この点につきましても農林省としてはかなりのデータを持っておりますので、その辺の各地の鉱山の周辺の生育障害のデータを集めまして、できるだけ早く指定をしたいということでございますので、生育障害のことにつきましては、これは農林省独自の判断で調査でき次第やれるということでございます。ただ、あとの砒素、鉛ということになりますと、これは人の健康をそこなうおそれがあるということでございますので、最終的には厚生省のほうの食品衛生の面からの判断、これに基づいて農林省はやるということになるわけでございます。
  103. 中村波男

    ○中村波男君 次は第三条の農用地の土壌汚染に対する地域の指定でありますが、この指定をいたしますのには、「政令で定める要件に該当するもの」とあるのでございますが、「政令で定める要件に該当するもの」という内容ですね、基準等について、すでに用意があると思いますので、この際明らかにしていただきたいと思います。
  104. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) これは土壌対策でございますから、本来ならばこの第三条にございますように、農用地の土壌に含まれる特定有害物質の種類、量というものから判断をすべきだと思っておるわけでありますが、まだ残念ながらカドミウムにつきましては、たとえば土壌に一OPPMカドミウムが含まれている、これは人体に影響があるというまだ断定ができるところまでいっておりません。米と土壌との関係があるということはわかっておりますけれども、それでは土壌に一〇PPMカドミウムがあれば米には一PPM完全にカドミウムが含まれておるというふうにはなかなかまいりません。そこで緊急性がございますので、当面われわれは先般厚生省が食品衛生法に基づきまして告示をされました、カドミウムを一PPM以上含む玄米が生産されると認められる区域、それから土壌の問題でございますので、排出がゼロにならない限りは徐々にではありますけれども蓄積をしていきますので、近く米に一PPMカドミウムを含むと認められる地域が広がってくるということがありますので、この条文にもありますように、「それらのおそれが著しいと認められるもの」という、そこまで含めまして地域指定をしたい。したがいまして、政令ではいま申し上げました趣旨を書きたいと考えております。ただ将来は、先ほど申し上げましたように、土壌にカドミウムがありますれば、何PPM以上含んでいればということできめたいというふうに考えております。
  105. 中村波男

    ○中村波男君 局長のいま御答弁によりますと、大体厚生省が指定をしております要観察地域の基準とほぼ同じ意味であるように伺うのですが、したがって、要観察地域即農用地の土壌汚染対策地として指定をされるのか、農林省の指定とは別建てで農林省独自の政令による基準において指定をされるのか、その点明らかにしていただきたい。
  106. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 要観察地域は、厚生省のほうが〇・四PPMというのは自然汚染をこえておるということで、要観察地域をきめます判断をする場合の、調査をする場合の端緒というふうに言っておられる、そういうような地帯につきましては厚生省のほうからあるいは説明があるかと思いますが、いろいろな面の調査をやりました上で、これを指定をしております。それと、われわれのほうの指定との関係でございますが、われわれのほうは土壌から指定をするというのがたてまえでございますが、先ほど申し上げましたように当面米からやるということでございますので、大体は地域指定としては私は似てくると思います。しかし、いまのとおり、そのとおりになるかどうか。これは先ほど申し上げました精密調査をやった上できめることだというふうに考えております
  107. 中村波男

    ○中村波男君 そうしますと、大体米の汚染率が一PPM以上というのが政令の下限と言いますかそういう考え方のようにまあ承ったわけでありますが、そこで面積についての制限――制限と言いますか、どんなに、少なくとも政令で定める基準をこえる地域というのは汚染対策地域として指定をされるのかどうかという、面積の規模には関係があるのかないのか、こういう点いかがですか。
  108. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) いまの面積の点でございますが、対策地域を指定いたしまして、あとで第五条にございますように対策計画を立てます。これはわれわれのほうとしましては公共事業でこれをやっていこうということを考えております。したがいまして、たとえば五反歩だとか一町歩だとかいうことになりますと、なかなか公共事業としては採択しかねるということがございます。そこで現在では、あるいは農地局からお話があったほうがいいかと思いますが、団体営の限界というのは二十ヘクタールということに普通なっておりますので、こういう特殊の事情のもとでございますので、その採択基準を緩和してもっと下げたいという気持ちをもって、これから具体化する場合の折衝をこれからしたいということを考えております。まだ最低それでは何ヘクタール以上のところをやるということは明確にはできない段階でございます。いずれにしましても、それを下げたいと考えているわけでございます。
  109. 中村波男

    ○中村波男君 これは重大だと思うのですが、現実の問題として、五十アールなら五十アールが一PPM以上の汚染をされている。しかし、公共事業でやるという考え方でありますと、現在は二十ヘクタール以上、これを下げるにいたしましてもいわゆる五十アール、五反まで下げるというようなことがおそらく私は考えの中にないのじゃないだろうか。そうしますと、そういうところはしからば汚染を防除する客土等をやらなければならぬというような地域があるといたしますならば、どう対処されようとするのか、この点を明らかにしていただきませんと、汚染地域が必ずしも十ヘクタールなり二十ヘクタールに集団的にあるというふうには考えられないと思うのです。その点いかがですか。
  110. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) まだ具体的に調査をしてみませんと、そういう小さいのがあるかどうかということもわれわれ現在わかりませんが、仮定の問題としてはいま言われるようなことはあると思います。その場合に、一つには公共事業の限界を下げていくということ、それ以下の場合をどうするかということにつきましては、これはまた公共事業でなくて政府のほうでいろいろな手がとれるかどうかという検討が一つと、それから非常に小さいものでありますれば県なりが間に入りまして、原因者が明確な場合には会社との話し合いで損害賠償の一つの形態としてやらせるということも可能であるわけでございますので、調査の結果を待ちまして具体的には対処をしたいと考えております。
  111. 中村波男

    ○中村波男君 調査の結果を見て対処したいとおっしゃいますけれども、私は現実の問題として、汚染地域というのは、極端なことを言えば、一反だけが汚染をされているというような例だって厳密に調査をしてみますとあり得ると思うのですよ。そういう点から見れば、大規模なところはこの法律のワクの中に入るけれども、小規模なところは入らないという、実際問題としてはそういうことが起こり得ると思うのです。したがって、これは一般的な公共事業のワクというものをこえて、汚染防止事業として一つの方法、やり方というのを考えるべきではないか、こういうふうに考えるのでありますが、いまの政府のお考えになっておのは、そういう考え方であるということになりますと、これはわれわれは意外な感に打たれるわけでありますし、問題の根本的な解決にはならない、こういうふうに考えるのでありますが、大臣、いまの質疑応答をお聞きになって、それらの点について大臣のお考えをお示しいただけたらと思います。
  112. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 特例的な措置でやろうということを、調査に応じてそういう考えであることを農政局長がお答え申し上げたわけでありますが、いま中村さんのおっしゃるような、もっと小さいのがある場合にという、そういうこともあり得るかもしれませんので、ひとつそういうことについてはさらに検討して、そういう全然小さいから問題にならぬというわけにもいきませんので、それはそれなりにやはり対処していくことを考えなければいけないと思います。
  113. 中村波男

    ○中村波男君 できれば土壌汚染防止法の審議でありますから、土壌汚染ということから言えば、二十ヘクタール以上汚染されておるところはこれはまあ集団的であって、生産するものも多いから人体あるいは生産の面から見て重大だとは言えまするけれども、しかし、今日の公害の状況、実態から言いまして、私は全国調査を完了されるならば小規模なところが数多く出てくるということを考えておるわけなんです。これはあとからまとめて神岡町――岐阜県の吉城郡の神岡町の例を考えてみても、そういう実態というのはあると思うんです。したがって、そういう問題については今後検討します、研究して対処いたしますということではこの法案の審議にはならないと思うんですよ、私は。そういう点はもう少し煮詰めた計画をもって提案になっておるというふうに考えておったわけでありまするけれども、はなはだ残念に思うわけでありますが、次の通常国会までには早急にひとつ結論を出して、この問題を明らかにしていただきたいということを強く要望いたしまして次の質問に移りたいと思うわけであります。  そこで、今度は五条の二項にありますところの「汚染の程度等を勘案して定める利用上の区分」というのがありますが、これはさいぜんお話しのあったのとも関連があるわけでありますが、この具体的な基準をさらに確認をいたしたいと思いますので、御説明を願います。
  114. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) これは具体的な地域を調査いたしました結果、たとえば非常にカドミウムが多くてしかも下層までもうカドミウムで汚染され過ぎておる、もはや農地としての復旧が困難だというようなところもございます。それとは全く逆に、ほんの表層に固まっておるというようなこともあります。そういうような状況を調査しました結果、もはや非農地としたほうがいいようなところ、あるいは客土までやりましてもとの水田なら水田に戻したほうがいいようなところ、あるいはそうではなくて非食物性の作物にしたほうがいいようなところ、こういうようなところを利用上区分をする、こういう趣旨でございます。
  115. 中村波男

    ○中村波男君 この文章の説明はいま局長から承らなくても大体わかるわけでありますが、具体的に政令でこれお出しになるわけでしょう。これは政令でお出しにならぬのですか。この内容について「利用上の区分」というのは政令でお出しになるのかならないのですか。
  116. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 第五条の利用上の区分を政令で定めるというふうにはこの法律はなっておりませんので、これは運用としまして当然指導通達を出さなきゃいけません。そこで明確にしたいと思います。
  117. 中村波男

    ○中村波男君 そこで、第五条の第一項にあります「都道府県知事は、対策地域を指定したときは当該対策地域について、その区域内にある農用地の土壌の特定有害物質による汚染を防止し、若しくは除去し、又はその汚染に係る農用地の利用の合理化を図るため、遅滞なく、農用地土壌汚染対策計画を定めなければならない。」、こういうふうにありますけれども、これは遅滞なく立てよといいましても、利用上の区分がはっきりしない上においては遅滞なく対策は立てられないと思うわけなんですよね。したがって、そういう点からもでき得るならば法案審議の付属文書としてこれらの内容をお示しいただくことが親切でなかったかというふうに思うわけでありますが、したがって、これとの関連において、さいぜん御質問をいたしました第三条の「農用地土壌汚染対策地域」というのを指定するわけでありますが、いま農林省は農用地土壌汚染対策地域に指定する地域というのは幾つくらいになるとお考えになっておるのか、その点いかがですか。
  118. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま、現時点ではおそらく要観察地域としていま厚生省のほうできめておりますところが中心になると思っております。それ以上は先ほども申し上げました、ことしもうすでに概況調査に入っておりますから、その調査の結果とそれから来年度本格的に精密調査をやりますので、その結果を見ませんと幾つになるということはただいまのところ申し上げられないわけでございます。
  119. 中村波男

    ○中村波男君 対策地域の事業の実施主体はどこになるかということが重要だというように考えておるわけでありますが、したがってその事業はどのような性格を持つのか。さいぜん局長は公共事業でやるということを言われたわけでありますが公共事業でやるということになりますればこれは県が主体になるということですか。
  120. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 先ほど農政局長から御答弁がありましたように、この事業は主として公共事業として県が中心になってやるのが妥当であろうと考えております。もちろん各地域の実情を勘案しなきゃなりませんから、すべてが県だと言い切るわけにはまいりませんけれども、公共事業として汚染対策事業を取り上げます場合の原則的な考え方として県が妥当であろうというふうに判断しております。
  121. 中村波男

    ○中村波男君 農政局長にさいぜんお尋ねをいたしましたときには、公共事業でやるということになるといまの利用面積が二十ヘクタールというワクがあるわけでありますが、実際問題としては、汚染地域というものはもう少し小規模な地域というものが相当出るのではないか、したがって、ただ特例的に二十ヘクタールという面積を下げるということでは限界がありまして、五十アールあるいは百アールというような地域には公共事業では無理なような感じがするわけでありますが、農地局長としてこの問題についてどうお考えになっておるか、この機会に参考までに聞いておきたいと思うわけであります。
  122. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) どの規模の面積について事業を実施するかということは、現地におきまする汚染の実態、そこに仕組まれる対策計画、その対策計画の内容となります事業の内容によってきまることでございまして、まだその対策地域が指定されてない現段階においてまあどうこうこうと断言するわけにはまいりませんが、先ほどから御答弁申し上げておりますように、事業の性格汚染対策という事業の性格から、公共団体の中心になっております県が事業主体になることが一番妥当ではないかと考えております。したがって、二十ヘクタール程度のものであれ、あるいは二百ヘクタール、三百ヘクタール程度であれ、県営事業としてやることが望ましいのじゃないかという判断を目下しておるところでございます。
  123. 中村波男

    ○中村波男君 もう一つお尋ねしておきたいと思いますのは、公害源と言いますか、汚染源がはっきりしております場合は、これは事業費の負担等を汚染をさせた事業体に請求をされることができると思いますが、それらが全く究明できないような汚染地域というものも出てくるし、現にあると思うわけであります。したがって人為の加わらない自然的な土壌汚染の対象としては、従来公害対策土地改良事業があったと思うわけでありますが、いま私が申し上げましたように、人為が加わらないか加わったかはっきり断定できないものに対する事業というのは、どういう法律と言いますか、どういうワクの中でこれを施行し消化をしていこうとされるのか、その点はいかがですか。
  124. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 汚染の原因者がはっきりしない場合には事業の考え方はどうかという御質問でございますが、御質問のとおり、たとえば江戸時代以来のあるいはそれより前の鉱毒によります汚染があったというような場合、現在の事業者だけの問題でないというような場合にどうするかというような問題にも引っかかるわけでございますが、原因者が明確でない場合におきましては、事業費負担法によりまして、事業者から費用を徴収する道がございませんので、一般の土地改良事業に準じまして、土地改良事業として対策事業を実施するほかはないと思います。現在でも自然的な鉱毒による汚染対策につきましては、公害対策事業という特別の土地改良事業を仕組んでおりますので、それらに準じまして、事業を実施してまいりたいと、かように考えております。
  125. 中村波男

    ○中村波男君 その質問に関連いたしまして大臣にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、公害の第一義的な責任が国にあるのかどうかという問題で相当論議を呼びまして、統一見解が出たわけでありますが、衆議院の連合審査の議事録を拝見いたしますと、山中国務大臣が「企業者がいないで、明らかに、たとえば今回の基準ならば、カドミウム一PPM以上の米が産出をされている、複合的な原因も追及したがそれも発見できない、あるいはまた、徳川時代からの対馬等におけるような、何百年か前からのものであるというような場合において、どうしてもそれが必要な場合においてはこれは全額国、地方公共団体の負担するところになるのが原則であろうと考えます。」、こういうふうにおっしゃっておられますね。また倉石農林大臣もこれを肯定する答弁をしておられるのでありますが、そこでいま農地局長の答弁によりましても、そういうものについては一般的な土地改良事業で施行せざるを得ないであろう、こういうことでありますが、一般土地改良事業というのはこれは事業のやり方が一般土地改良事業のやり方であって、いわゆるその事業費、その負担割合というものはいわゆる汚染地域として指定された場合には国と県で全額負担をするという、こういう措置をおとりになるとするならば、新しい法律を出さないとおかしいではないかというふうに考えるわけでありますが、その点いかがですか。
  126. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 汚染の原因者がはっきりしない場合におきましては、一般の土地改正事業に準じて、対策事業を実施いたす場合の費用負担の問題でございますが、衆議院の連合審査会におきまして、山中国務大臣から御答弁があったとおりでございますが、考え方としましては、公害対策事業、すなわち公害によって汚染された農地を汚染前の状況と申しますか、原状に回復する限りにおきましては、御指摘のようなことで努力をしなければならぬということでございまして、この事業の特殊な性格から、事業者がはっきりしない場合に土地改良法の手続によりまして、他の土地改良に準じて事業はやるわけでございますが、負担の面についてはそれ相応の配慮をするのが原則であるというふうに理解をいたしております。
  127. 中村波男

    ○中村波男君 そうしますと、法律的な手続としては、土地改良法の一部改正かもしくは別途な方法で、そういう場合に備えての法律をお出しになる用意等が大臣、ひとつこれは重大な問題ですから、責任のある答弁をお願いしたいと思います。
  128. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いま農地局長が申し上げておりますのは、つまり最近になって、最近、何といいますか、汚染源の責任者のない昔からよごれておったような地域について、土地改良法によって行なった場合に、そこに生じてくる受益者につきましては、ある程度の負担もこれは当然ではないかという意味のことを申し上げたのだと思っておりますが、私どもこの公害に関する土壌汚染その他の法律を御審議を願う過程におきましてやはりこれは最近になりまして汚染源の明らかな地域とそうでない何百年来蓄積されておって、最近になって発見されたというふうな地域とはおのずから違うのではないか、こういうことだと思います。そこで古い、最近になっての汚染源者が明らかでないような場合の土地改良については、先ほど農地局長がお答えいたしましたとおりに考えているわけであります。
  129. 中村波男

    ○中村波男君 考えておっていただくことについては当然だといえばそれまででありますが、前向きの姿勢に敬意を表しますが、しかしただ行政上の運用として、国が、たとえて申し上げますなら国が五割、県が五割、そして受益者には負担をかけないということもわれわれ私経済ならできますけれども、国の事業として、公共事業として、あるいは土地改良法に基づく事業としてやる場合には、何らかの法律改正をやらなければできないのではないかと思いますが、運用上でそういうことはできますか。
  130. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 費用の負担割合をどうするかという点につきまして、全部が全部、法律に規定がなければできないということではございません。運用でやっている例が多うございます。
  131. 中村波男

    ○中村波男君 だとしますと、法律の改正とか、そういうことは考えておらないと、運用でいわゆる受害者――汚染地の当該農地を持っておるものに対しては負担をかけないと、こういうふうに確認してよろしいですか。
  132. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 原因者のはっきりしない公害対策事業の実施にあたりまして、事業の特殊性にかんがみ、できるだけ農民に負担をかけないようにつとめてまいりたいと考えます。
  133. 中村波男

    ○中村波男君 いまの農地局長の答弁は少し後退したと思うのですがね。私が山中国務大臣の連合審査の答弁を引用して、これは間違いありませんかというときにはそれを肯定する答弁をされたわけであります。具体的にそれを運用する面で質問をいたしますと、つとめて負担のかからないようにするということでありますが、そういうあいまいな答弁でこれ以上質問を続けるわけにいきませんからはっきりしていただきたいと思うわけでありますが、これは大臣からはっきりした答弁を願えないと意見の食い違いのままで私は質問を先へ進むわけにまいりません。
  134. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 先ほどから御答弁申し上げておるとおりでございますが、汚染原因者のはっきりしない鉱毒対策事業の実施にあたりましては、山中国務大臣の連合審査会における御答弁もありますように、その汚染前の状況と申しますか原状に回復する限度におきまして、国と地方公共団体が負担すべき筋合いのものでありますが、ただ事業の実態は、その地域地域の具体的な実情に即した計画になるわけでございまして、これはその地域を具体的に見てみないと何とも申し上げかねるわけでありますが、たとえば汚染対策として客土をやる、あるいは水田転換をするというようなことを頭に置いて考えてみますと、汚染前の状況を越えてこの効果が出る、要するに過効果と申しますか、費用負担法に言っております公害防止機能以上の機能効果が出る場合もあり得ますのでそれらの具体的な実情を勘案して費用負担を現実にその。プロジェクトごとにきめつけていかなければならぬと思います。したがって、そういう意味も含めましてできるだけ実質的に農民の負担がかからないようにつとめてまいりたいと御答弁申し上げておるわけでございまして、山中長官の御答弁と矛盾するものではないと思います。
  135. 中村波男

    ○中村波男君 私が質問したのは、明快な論拠に立って質問しているわけですよ。山中さんは「複合的な原因も追及したがそれも発見できない、あるいはまた、徳川時代からの対馬等におけるような、何百年か前からのものであるというような場合において、どうしてもそれが必要な場合においては、これは全額国、地方公共団体の負担するところになるのが原則であろうと考えます。」と、こう言っておるわけですね。いろいろな状態、あるいは条件、また、汚染の程度等によって一律にはいけないかもしれませんけれども、少なくとも複合的な原因も追及したけれどもわからない――これは長い間の汚染によって今日では土壌が汚染をされ、そこから生産される農産物が汚染を受けているのだ、これはやはり具体的な事業としては土壌の更新いわゆる客土事業をやるということが根本的な解決ではないかと思いますが、そういう事業に対して県と国が全額負担でやるのかどうか。それを私は聞いておるわけですから、その上に立って御答弁をいただくというのが第一点。  それからさいぜんの御答弁では、山中長官の言われたように、全額負担をしますという御答弁最初はなされたわけでありますから、そういう場合に、いわゆる土地改良法なりその他の法律の改正を行なわずにおやりになるということで確認してよろしいか、こういうふうに私は聞いておるわけですから、この二つについてはっきりお答えをいただきます。
  136. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 先ほどからお答えしておりますように、原状に被害を回復する限度においては国と地方公共団体で負担すべき筋合いのものと思いますが、それ以上に効果が出る場合もございますので、個々の計画を見て費用負担はきめていかなきゃならぬわけでございます。したがいまして、山中長官も「原則」であるという表現をとっておられると思いますが、しかしこの事業は、土地改良事業として土地改良法でやる仕事でございまして、それで十分でございますから、その土地改良法で事業をやる場合も運用を通じまして御指摘のような努力をしてまいりたいというふうにお答えをしているところでございます。
  137. 北村暢

    ○北村暢君 ちょっと関連をして。いま中村さんの御質問しているのは、山中長官の衆議院における答弁を引用して質問しているわけですね。ですから、農地局長の答弁が、原状に――公害を受ける前の状態に復させるという余分なことがついているわけですよね。それだからこんがらかっちまうのです。いま山中長官の答弁の中には、徳川時代からとかいう問題について、それは徳川時代から長い間かかっているのに、原状、公害を受ける以前の状態なんと言ったらどんな状態なのか、 ちょっとわからないでしょう。そんなことを認定するのがまたたいへんなことじゃないですか。じゃあかりにその被害を受けた人が前の状態に戻してくださいと、それ以上はやってもらわなくていいから客土も何なりもやって前のところまで戻してください、それ以上やってもらったら私は費用を払いませんよと、ちょうどそこまでやってください、こうなったら一体どうなるのですか、これは。工事できないじゃないですか、大体。そういう抽象的なことではなしに、いまやる事業というのは復旧事業なんだから余分に少々反収がふえたとか、そんなものまで農民に負担させるとかさせないとかということ自体が、そこに限界をどこに引くかなんということは非常にめんどうでしょう。そんなことできないでしょう、事実問題として。だから山中長官の言っているような答弁そのものについていま聞いているわけなんだから、もっとわかりやすく答弁されないというと、これはいつまで論議してたって尽きませんよ。だから私は大臣にそこのところをはっきり答弁すべきであると、農地局長だめです、これは。
  138. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 聞いておりまして少し誤解があるんじゃないかと思うのでありますが、きわめて最近土壌の汚染が発見された――そんなに最近でなくてもいいのですが、そういう場合については原因者がわかっておるわけでありますから、これは費用負担法によってそれぞれ分担がきまります。ところがいままではまあ一般に気がつかなかった地域で、何百年か何千年か前にそこで同じような――たとえば鉱業をやっておった製錬所があったとかというふうなことによって土壌がおかされておったというふうな地域があったといたしましょう。これでは、たとえば稲がつくれない、何とかしてもらいたい、こういうような場合には原因者がわからないわけでございますので、そこで原状回復でいいか、あるいはついでのことに土地改良的な土壌改善をひとつ頼むと、こういうようなことになりました場合には本来ならば原状回復までならばこれは国と県でやるべきでありましょうし、それからまた土地改良法でやる場合には御承知のように当初の予算で国の負担分はきまっておりますし、 それから地方の自治体の補助等もそこできまっておるわけでありますから、別に新しい法律を要せずに土地改良をそれぞれの地域を指定してやればいいことでありますが、そのほかにまあいわばよけいな効果のあがるようなことをやると、こういうことについては全部国と自治体で持つということがどうか。そこで受益者に若干の負担をしてもらうのがあたりまえではないか、こういう思想なんでありますが、それはそれぞれそういうことを希望された場合に国、自治体当事者と話し合ってやることでありますから、そういう場合には、さっき申し上げておりますのはなるべくそういう農民の負担をないようにつとめたいと、こういうことを言っておるのでありまして、筋としてはやっぱり原状回復以上にいろいろなことをやったものは若干受益者負担があるのは、当然ではないかという思想であるが、その場合になるべく負担をさせないようにいたしたい、こう言っているのであります。
  139. 北村暢

    ○北村暢君 最近のものでもね、山中さんは複合の公害で最近のものでもどうも原因者がはっきりしないというものについては全部国でやるのだという趣旨のことを言われておりますね。  それからいま最後のほうの大臣の、よけいな効果が出てくるというのは、たとえばいままでの水路が簡単なお堀的な水路だったのをまっすぐにしてコンクリートにしたとかなんとかいうものであればこれはまあある程度のものをついでにやるんだからということで理解されるようですけれどもそうではなしに――そういうことならこれはもう当然大臣の言われるようなことは理解できる、付帯してその工事をついでにやるというのですからそうじゃなしに原形に復旧する、原形に復するというか、何か汚染そのものを予防するというようなことでやる事業こういうものは、原因者のわからないものは全額最近のものでもやはりやらざるを得ないのじゃないかということを言っておるように私は聞いたんですけれどもね。それを大臣も肯定しておったけれども、というふうにそこら辺のところをはっきりさしてくれと、こう言っている。しかもそれはいま事業そのものが公共事業かどうかということになれば、これは公害関係なんだから規模その他について公共事業の基準に合致しないものもあるだろう。したがって、法律改正等必要があるのではないかと、こういう質問なんですよね。それで法律改正してもなおかっこの公害に関する特別な処置として農民に負担にならないようにすべきじゃないかというのが質問の趣旨のように私は受け取っているんですがね。まあ、これは間違っていれば質問者は中村さんですから……
  140. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いや、あなたのおっししゃることはちっとも間違っていると思っていない。普通そういう考え――私どももそうだと思うのですけれども、いまの農地局長が申しておりますのは、原状回復以外にやはり客土してもらったり経済効果のあがるように造成する、そういうことを依頼する場合にはそういうことを考えるのでしょうからそういうものはやはり受益者が何ぶんの負担をするのはあたりまえではないか、これは当然考えられることなんでありますけれども、その場合といえどもなるべく負担をさせないように努力をいたしたいと、こういうわけなんでありますから、そこで土地改良法改正というふうな、そういうことは必要ありませんと、こういう考え方であります。
  141. 中村波男

    ○中村波男君 きょう質問しておるのは農用地の土壌の汚染防止に関係する具体的な問題として質問をしておるわけですがね。何かのことで大臣に陳情があったときに、皆さんの負担をできるだけ軽くいたします、原状回復までは国と県が持ちまするけれども、それを機会に圃場整備や区画整理をやるという場合には、この分については御負担願わなければなりませんが、そのときもできるだけ軽くいたします――それで済むんでしょう。しかしきょうは法案を審議しておりまして具体的な汚染地域を更新するといいますか、もとに戻すという、こういうことがこの法律の中の一つの大きな事業でもありますから、したがって、そういう抽象的なことばで逃げられては困るわけなんです。  私もう一ぺん確認いたします。くどいようで恐縮でありますが、具体的に申し上げます。土壌が汚染をされておる。しかしその発生源というのはいろいろ因果関係を究明したけどもわからない。しかし現実に土壌の汚染はひどい。だからこれはこの土壌を客土等によって更新しなければならない。この更新する、客土をする費用は全額国と県で持つのだ、そういうことですわね。その場合に、もうちょっと聞きたいのは、国と県で持つということですが、いまのお考えでは国が何割出して県が何割出していわゆる原状に復旧する。その事業費については農民には負担をかけない。そういうふうにはっきり御答弁をいただかないと、できるだけ負担は軽くします、若干の負担は願わなければならぬということでは、具体的にそれらの事業に取り組まなければならぬという地域が私の岐阜県にもあるわけでありまするから、したがって明快にひとつ示していただきたいと思うわけであります。
  142. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 御質問の、その原因者がわからない場合におきます汚染対策事業をやります場合の補助率及び負担区分の問題でございまするが、新しい事業でございますから、国が何ぼ持つかということは、今後予算折衝の過程において大蔵省と協議をしてきめていくべき性格のものであろうと思います。さらにその国庫補助以外の残額については、お説のように県と市町村まで含めまして公費負担にして、農民に御負担をかけぬような方向で折衝してまいりたいと思います。
  143. 中村波男

    ○中村波男君 まだ明快な御答弁いただけませんので納得がいきませんけれども、最後に岐阜県のカドミウム汚染に関連して、もう少し詰めて御質問をいたしたいと思いますので、次の質問に入りたいと思いますが、いわゆる有害と認められる農産物、あるいは飼料等を供することが適当でないところを特別地区として指定するという条項があるわけでありますが、この特別地区指定を行なう場合の面積の規模ですね、また「指定農作物」ということばが使ってありますが、「指定農作物」とは何をお考えになっているのか、この具体的な内容を明らかにしていただきたいと思います。
  144. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) この面積の規模は別に制限をしておりません。ただ大気と水が大部分の原因でございますので、ぽつんと一つあるということは私たちはないと思っております。現に要観察地域の中で食糧庁の米の買い上げの関係で線引きいたしておりまして、やはりかなりの面積の広がりがあるようでございます。それから農産物の種類といたしましては、現在人の健康をそこなうおそれがある農畜産物ということで食品衛生法上規定がありますのが米だけでございます。だから当面は米でございますが、厚生省のほうの調査が進みまして、小麦その他というものが食品衛生法上、これ以上カドミウムを含んでおれば有害である、人の健康をそこなうおそれがあるということになりますれば、これは当然またこの指定する作物の中に入ってくるわけであります。
  145. 中村波男

    ○中村波男君 これは面積等の制限はない、こういうことでありますが、だといたしますと、この特別地区と対策地域ですね、対策地域は土壌汚染対策計画を立てるということになるわけですね、その関連はどういうことになりますか。
  146. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほど三条の御質問のときにお答えいたしましたように、カドミウムにつきまして申し上げますと、米にカドミウムが一PPM以上含んでいると思われる地区というのは、今度米につきましては、この特別地区の指定に全部入るということになるわけでございます。対策地域は、そういうような土壌に近くまで達しそうなところまで含めまして、対策地域の指定をしたいというように考えております。
  147. 中村波男

    ○中村波男君 ここでも問題になるわけですが、面積は限定しない。とにかく食用として、あるいは飼料として有害であるという作物については作付を制限していくんだ、こういうことでありますが、こちらでは作付を制限いたしますけれども土地の汚染防止事業ということになりますと、公共事業というワクの中で処理をしていこうということになるわけでしょう。これでは公共事業のワクからはずれる地域というのは、物はつくっていかぬということだけで、極端な言い方をすれば、自力で土壌汚染を排除しないと、いわゆる有害作物として、いまは米だけでありますけれども、その他をつけ加えられることも考えられると思うのですが、つくれなくなる。こういう地域の農民は今後どうして農業経営をやっていくのか、こういう点について農林省はどう考えておりますか。
  148. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほど申しましたように、実際に要観察地域の実態を見ておりましても、ただいまのところ少なくとも米に一PPM以上のカドミウムを含んでおる線引きされました地域が十ヘクタール以上ございます。したがって、われわれは現在公共事業でやれるというふうに考えておりますし、また特別地区もそういうようになると思っております。ただ先ほどから何べんも申し上げておりますように、これは精密な調査をしました結果、あるいは先生御指摘のような小さいものも出てくるかもしれません。その場合、われわれは放置するということを申し上げているのでなくて、そういう場合が出てきた場合には、公共事業でやれない場合には、これは一般会計でどういうようにやるか、そのとき具体的に詰めた上で措置するということを先ほど申し上げたわけであります。
  149. 中村波男

    ○中村波男君 次の第十条の関係でありますが、いわゆる有害な農作物の作付をしないように、あるいは家畜の飼料に供しないようにという勧告をすることになっておりますですね。勧告権では強い規制措置には私はならないというように思うわけでありますが、この点を勧告制にした理由といいますか、お伺いいたします。
  150. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 米につきましては先ほど申し上げておりますように、一PPM以上のカドミウムを含んだ米は食品衛生法でそれを製造して販売するということは禁止されております。そういうことが前提にありますので、そういうような土壌を持っておる圃場については、ここには米は植えないようにという勧告をするというのがこの法律の趣旨でございまして、ここでも作付禁止命令を出しまして、農家に罰則をかけるということになりますと二重になるわけでございます。いずれにしましても食品衛生法のほうでそういうように禁止されておりますので、そういう禁止されておるような米ができそうな土壌については作付をしないようにという勧告で十分だとわれわれは考えておるわけでございます。
  151. 中村波男

    ○中村波男君 今度は食糧管理法との関連でお伺いしておきたいと思うのでありますが、一PPM以上は買わないということを方針としてきめられて実際そういう地域の米というのが現在どれくらいあるのかということも含めて聞いておきたいと思うのでありますが、買わないということはそれでいいわけでありますが、その買わない米を農家が今度はだれかに売った場合に、食管法に違反するのかどうかという問題をひとつ聞いておきたいと思うのです。
  152. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) お答え申し上げます。  食管法上一PPM以上の米はこれは米でございます。ところが一方、十月に食品衛生法で告示を受けまして食品衛生法上一PPM以上の米につきましては処分を禁止されているわけでございます。したがいまして、そういうものを売れば、これは食品衛生法上の罰則がかかるわけでございます。
  153. 中村波男

    ○中村波男君 食品衛生法上の罰則はかかるけれども、食管法違反にはならぬということですか。
  154. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 現在の食糧管理法では米につきましていわゆる農産物検査法のいろいろな検査の規格があるわけでございます。その中にカドミウムの汚染米というものは全然予定されておりません。したがいまして、食管法上それは米でございます。
  155. 中村波男

    ○中村波男君 そういう法律解釈は私どもわかるのですが、米でありますが、しかし米であるならば本来なら政府が買う責任がありますね。しかしこれは有害食品だということで買わないわけです。買わないから農家が持っておる。それを今度はたとえて言うならのりに売るとかあるいはその他の買い手があれば売る、こういう場合には厳密に言って食管法の違反には問わないのか、問うのかということです。
  156. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) ただいま申し上げましたように、その米は食管法上は米でございます。ころが、御承知のとおり食管法というものは現在いろいろな流通の規制がございまして、たとえば政府に売る場合以外には売ってはいかぬとかあるいは買ってはいかぬとか、自主流通米はいいとかいうことは政令できまっているわけでございます。したがいまして、農家が汚染米一PPM以上の米を保有している。これはもう食品衛生法上処分ができない。しかし、のりに売る、動物や人間の口に入らないからいいかということになりますと、これはやはり食品衛生法との関係でいろいろ問題があるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう場合は農林大臣の許可を受けてやらなければ食糧管理法の違反になるわけでございます。それは一般の米でもかってに処分することはできませんので、あくまでも食糧管理法の定めるところに基づいて処分しなければならないということになっておりますから、汚染米についてもその点については例外ではないわけでございます。
  157. 中村波男

    ○中村波男君 愚問になるかもしれませんが、そうするとその米を食糧庁へ申請いたしますと、許可しますか。
  158. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 現在までのところ食糧庁といたしましては、それをのりなり、要するに人間及び動物の口に入らない形で処理することについては許可した例がございます。
  159. 中村波男

    ○中村波男君 これは特殊な状態が出てきて、食管法が予想しなかった鬼子ができたようなものでありますが、性格的には実にあいまいであり、取り扱い上も困ると思うのであります。食管法上は米である、しかし買うことはしない、売れば違反である、こういうことではすっきりしないので、何らかの措置というものを考える必要があるのじゃないか。今後さらに一PPM以上の汚染米というのは相当な量に達することも予想されますので、それらの点はひとつ大臣も腹に置いていただいて御検討をいただく必要があるのじゃないかと思います。   〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕  それから作付をするなという勧告をされることについて、具体的に農民の立場に立って考えます場合に、米はつくっていかぬというのですから、米以外の作物に転換をするということでありますが、米以外の作物ならいまのところ何をつくってもよろしいという方針ですか、農林省。
  160. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 食品衛生法上はまだ米以外には何ら指定がございませんので、形式的にはそういうことになるわけでございますが、各地の試験場の調査によりましても、米にカドミウムが含んでいる場合、同じ地域には小麦にカドミウムが入っておるということがございますので、その辺のデータを勘案した上で、やはり農家には懇切に作付の指導をすべきだと思います。米以外は何でもよろしいというような指導は、私はいけないのではないかと思います。
  161. 中村波男

    ○中村波男君 具体的な例をあげてただしておきたいと思うのですが、御承知のように岐阜県の吉城郡神岡町というところに、最近になりましてカドミウムの汚染が明らかになったわけでありますそれによりますと、〇・八四というのが一番高い検出されたカドミウムの含有量であるわけです。それから、土壌汚染が一番高いところは一五・六〇という、こういう高い地域もあるわけです。したがって、いま県の農務部は、特にこの土壌汚染のひどいところといいますか、高いところについては来年は米をつくらないように作付転換を指導するということを言っておるわけです。そこで、御承知のように、今日の時点で、山間地ですからもう四月ごろから種をおろしまして六月の初めには田植えだという、こういう時間的な関係もありまして、米をつくらせてもらえなければ何をつくるのだということで、地域農民は全く困惑をし、不安動揺の中に今後の出方を見守っているわけです。   〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕  したがいまして、この法律によれば一PPM以上米の中に含有した地域については作付をするなという勧告をするという、こういうことでありますが、したがって、一PPM以下についても、土壌汚染が激しい高いところについては勧告をするというような、そういう運用面で行政的な措置をおとりになるのかどうか。こういう点をまずお伺いしておきたいと思います。
  162. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 神岡町のこの問題につきましては、最近岐阜県の農業試験場で調べた結果でございますが、これは八十ヘクタールほど、十五件ばかりしか調べておりませんそうです。それからまた調べ方自体も、どうも圃場のまん中をとってやったというようなことになっておるようでありますから、もう少し細密に調べた上で来年の作付をどう持っていくかということは、岐阜県庁と農林省とよく相談した上で現地にどういう指導をするかということをきめたいと思っております。
  163. 中村波男

    ○中村波男君 もうすでに十日ぐらい前に、県は汚染地域のひどいところについては、作付転換をしてもらうというような談話を発表しておるわけなんですよ。したがって、一般論としてさらに質問をしておきたいと思いますのは、作付転換をせよという行政指導はこれは簡単であります。しかし受けて立つ農民ですね、しかも自家保有米に毛のはえたぐらいの耕作反別しか持っておらないような地帯ばかりであるだけに、何をつくるといっても、米ならばつくれるけれども、ほかのものではいわゆる農業従事者の年齢構成その他から見てもできないというような事情があるわけなんですしたがって、これらについて具体的に指導をされないと、全く農民いじめの措置ということになってしまうおそれがあるというふうに思うわけです  それからもう一つは、これは汚染をみずから招いた農民というものは、私はほとんど土壌についてはないと思うのです。原因はとにかくとして、自分以外の関係から汚染をされたということであるわけでありますから、こういう面では被害者の立場に農民が立っておると思うわけです。それだけに、一般農政のサイドで考えるという以上に、特別な、やはり転作をするような場合には、予算的にも指導の面でも考える必要があるんじゃないか、そういう点はどう考えておいででありますか。
  164. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 神岡町の問題についての具体的指導をすべきではないかということはお話のとおりでございます。われわれとしましては、県のほうともよく連絡をとりまして、指導の方法等、具体的に考えたいと思います。  それからいまお話の、確かに農家としては土壌汚染の場合は多くの場合、原因者が明確な場合、そうでない場合でありましても、被害者であることは問違いございません。それによりまして米が植えられなくなったための救済措置と申しましょうか、あるいは転作のための指導の措置、これにつきましても具体的にどうするかということをきめると同時に、必要な援助措置というのは、当然われわれ考えなければならないというふうに考えております。
  165. 中村波男

    ○中村波男君 農林省は〇・四PPMから一・〇PPM以下の汚染米について配給停止の措置をおとりになっている。これは消費者からいえば適切な措置だというふうに言えると思うわけであります。しかし、厚生省は安全基準として一PPというのを設けておるわけですね。当委員会で審議が行なわれたときにも、厚生省の環境衛生局長の浦田純一さんはこう言っておられますね、ここではっきり申し上げられますことは、現在のありとあらゆる科学的データ等を検討いたしまして一・ ○PPM未満であればそれは安全であるということは御安心願いたいと思います、こう言っております。それにもかかわらず、農林省が〇・四から一・〇PPM以下を配給停止にしたということについてその理由ですね、またそのような措置をおとりになった理由について、それぞれひとつこの機会にお聞かせいただきたいと思うわけです。
  166. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 御承知のとおり、厚生省の見解が出る前に、特に五月ごろでございましたが、富山県におきましてカドミウム汚染米問題が起こったわけでございます。なぜそういう問題が起こりましたかといいますと、要するに富山を要観察地域にするかどうかという、これは厚生省の問題でございますが、そのとき米のカドミウム含有量〇・四というのが、その地域を要観察地域に指定するかどうかの一つの基準として、調査を開始する基準としての〇・四PPMという数字があるわけでございます。それが新聞に出まして、その〇・四があたかも汚染米の基準のごとき印象を消費者の方、特に富山の米がいっております大阪と名古屋の消費者にそういった印象を与えたわけでございます。その結果卸屋さんがもう富山の米は要らぬというようなことで、食糧庁から売ろうといたしましても買わないというような事態が起こったわけでございます。一方、そうした事態が起こりましたので、私どもといたしましても、基準が出ていないのでは困るということで、厚生省に強く申し入れまして、そこで厚生省が学者をお集めになって、いろいろ検討された結果が、いま先生からお話のございましたような結果になりまして、一・〇以下のものは安全であるという見解が出たわけでございます。そこでそういった見解が出まして、私どもといたしましては、それでは配給をどうするかということでございますが、一応そうした印象が出ておりまして、消費者のほうに若干の不安感がある一方、現在の米の需給事情を調べてみますと、御承知のとおり、米が余っておるという状況にございますので、現在の米の需給事情及び消費者のそうした感情を考慮いたしまして、配給をしないという措置をとったわけでございます。したがいまして、私どもも厚生省の発表の一・〇未満の米は、食糧庁といたしましてもこれは食糧に適する米だと思っております。
  167. 中村波男

    ○中村波男君 いま現在配給停止で凍結をしていらっしゃる米の量はどのくらいありますか。
  168. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 約三千五百トンでございます。
  169. 中村波男

    ○中村波男君 四PPM以上を配給凍結をされたのは、いわゆる米の需給事情が緩和して、率直に言えば七百万トンも余っているから、あえて不安、心配を国民がするような米は配給しなくとも、どうせ飼料なりその他へ処分をしなければならぬ、こういう単純な考えでこういう措置をおとりにななったというふうに理解していいわけですか。
  170. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 当時食糧庁で考えましたことは、やはり配給米について国民の不安が起こることはいかぬということで、別にどうせ余剰米にするんだからというようなことは全然考えなかったわけでございます。
  171. 中村波男

    ○中村波男君 そこで三千五百トン現在凍結してありますね。これはいまの需給事情から言えば、結局国民の食糧以外の用途に振り向けるということははっきり言えるでしょう。この米はどうするんですか。
  172. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) ただいま申し上げましたような事情で、食糧庁といたしましては、とりあえずそういう米は配給に回さないということで持っているわけでございます。
  173. 中村波男

    ○中村波男君 とりあえずという前置きがつくということは、都合によっては再び配給するということもあり得るということですか。
  174. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 食糧の需給関係はわかりません。現在、食糧庁といたしましては、そういう米を配給する必要がないので持っているわけでございます(「大臣に聞け、大臣の答弁と違うんだよ」と呼ぶ者あり)
  175. 中村波男

    ○中村波男君 大臣、農林省が、消費者が不安に感ずるような米は配給しないほうがいいんだということで凍結をされたことについては、消費者は歓迎しておると思いますね。しかし、食糧事情によってはこれを今度再び国民に食わせるというようなことをやった場合には、これは前の、国民が歓迎したこととは逆な、農林省の措置というものは非難ごうごうたるものが出ると思います。そういう見通しのないようなことをやるということについては、これは私は問題があると思うんです。厚生省は一PPM以上が有害食品だというふうに認定しておるけれども、農林省独自の調査なりあるいは化学的な分析なりによって、〇・四PPM以上はこれは食糧に供すべきでない、だから配給しないんだということなら別でありますが、それはどうなんですか、実際は。大臣はこの凍結しておる米を、これも三年も五年も凍結しておくわけにはまいらぬでしょう。結局は、二年か三年後には処分をしなきゃならぬわけでしょう。どうされますか。
  176. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 事務当局の言っておりますことと私が言っていることとはちっとも違ってないのであります。そのとおりでありまして、そこで、いまのお話がございましたように、〇・四PPM以上の米はいわゆる汚染米であるという観念ではないわけでありまして、内田厚生大臣も、公害関係の連合審査等でも明確にそれを述べております。それならおまえはそれを食うかと、こう言われれば喜んで食うと、こういう御答弁があったわけでありまして、食用に供せられるものであると私ども思っておりますけれども、先ほど食糧庁のほうでお答えいたしましたように、あの当時、いかにも〇・四PPMというものが限界であるように世間に伝わりましたので、消費者方面で誤解を生ぜられて御不安をお持ちである。それが積もって、いまお答えいたしました中にありましたように、富山の米などは、富山県産の米は全部お断わりだというふうなことを言われたので、県知事さんたちはたいへんにあわてられていろいろ御心配になった。そういうこともありますので、これはまあ配給に回せば御不安であろうからして配給しないほうがよかろう、農家の保有米で、そういう地域の人からお申し入れがあれば交換もしてあげましょうという、たいへん思いやりのある措置を講じておるわけでありますが、政府は、ただいまストックいたしております米を、できるだけ早くストックを解消していくことに努力をしなければなりません。したがって、そういう米を特に御希望の向きがあれば喜んで差し上げますし、そうでなくてほかの用途でも、飼料関係だとかそういうことで、いまの農林省手持ちの米の処分についてやっぱりいたさなければなりません。大体、一年にどのくらいというふうな計画を立てて、できるだけ早く処分をして、国の負担を軽くしていくというたてまえでありまするので、そういうときには害のない方法によって――害はもともとないのでありますが、そういうことを、いま保有米処理について、どういうふうにするかという方針とともに検討して処理をしていくつもりでおります。古々米を処理するときに一緒にやはりそういう中で検討されるべきものだと、こう思っているわけであります。
  177. 中村波男

    ○中村波男君 もう一度確認しますが、現在三千五百トンのカドミウムの汚染米が凍結されておる、さらにふえるでしょう。それは再び一般消費者用として国民に配給することはない、こういうふうに理解してよろしいのかどうか。それから、国民に配給しないということになれば、他の用途に転用するということになりますが、その一番転用の多いものが飼料だと思いますが、人間には食わせないけれども、飼料としてはその米を処分することも考えておるというふうに、具体的にそういう方針ですか。
  178. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これは何しろ八百万トン近くあるわけでありますから、その中でどういう米をほしいという需要者の御希望等もありまししょうから、そういうときに、それぞれ相談をして、ぜひああいうものもほしいという人があるかもしれません。内田厚生大臣のように、喜んで食べるという人もあるかもしれませんし、食べたくないが安けりゃ飼料にでもという人もあるかもしれません。いろいろ、私どもとしてはそういう需要の場合に御相談をして、なるべく早く手持ち米を処理しなきゃなりませんので、そういうこととともに計画を進めてまいるつもりであります。
  179. 中村波男

    ○中村波男君 くどい質問になりますが、人間には、心配するから食わせないが、飼料等については、あるいはその他希望があって、菓子等に払い下げてくれという希望があれば、これはいわゆる安全基準以下の米だから、絶対に人畜に被害はないから払い下げを行ないますと、こういうおおらかな方針ですか。
  180. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) このことについては、事務当局もいろいろ検討しておるようでありますから、食糧庁のほうの考え方も申し上げたほうがいいと思います。
  181. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) ただいま大臣から御答弁ございましたように、将来これを過剰米処理の一環として処理していくという場合には、アルコール用、のり用等に考えたいと思っております。
  182. 中村波男

    ○中村波男君 もう一つ、吉城郡の神岡町の例でありますが、神岡町の部落が四十五ありまして、十五の部落で検査をして汚染米が出た、土壌からも検出された、こういうことなんですね。したががって、残った三十、さらに高原川の上流に当たります上宝村の米も、農林省の岐阜出張所ですか、これをいま凍結しておるわけですね。したがって全く検査もしておらないようなところを、 これこそ危険のおそれがあるという立場に立って凍結をいたしたということは、 少し私は行き過ぎではないかという感じがするわけです。したがって、まだやってみて出るかもわかりませんから断定的なことは言いませんけれども、全く関係のない地域の農民も、米が政府は余るものだからこの機会に便乗して作付制限をするためにこういうやり方をやるのだ、こういう不信感を根強くいま持っております。この点については報告を受けておられると思うのでありますが、こういうやり方が適切であるとお思いになっておるのか、どうですか。
  183. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 神岡町のケースにつきましては報告を受けております。で、私どもといたしましては、なるべく早く県が調査をいたしまして具体的な処置ができることを希望しておりますすなわちはっきり調査ができまして一・OPPM以上の米が出ておるというところにつきましては線引きをしてもらいましてそこの米は政府は買わない。それから加害者から補償を求めるというような、農家も生活が困らないようにし、さらに配給もし、必要があればその一・〇以内の人工的な汚染米のあるところは保有米の措置もするというようなことを食糧庁として考えております。したがいまして、私どもといたしましては、県がなるべく早く調査をしてはっきりした結果を出してほしいということを希望しておりますし、現に県はサンプルをふやして調査をしているという報告を受けております。
  184. 中村波男

    ○中村波男君 現状を御答弁いただくのではなくて、農林省がとった、上宝地域まで、検査を全く行なっておらない部落の米まで含めて凍結をした措置について、いわゆる上級官庁として食糧庁は適切な措置だというふうに考えておいでになるのかどうか。またこういう例がほかにも出てくると思いますのでお聞きをしておきたいと思うのですが、いかがですか。
  185. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) そういったようなカドミウム汚染米の問題が起こりました場合に、県に線引きをしろと言いましてもいろいろな調査の都合その他でおくれることがあるわけでございます。そうすると、制度の問題として出来秋になって農家はどんどん政府に売らなければならぬというような問題になってくるケースがございます。そういった場合には、食糧庁といたしましては、すでに県知事及び食糧事務所に通達を出しまして、食糧庁のほうに申請をしてくれ、そこで食糧庁のほうで審査いたしまして、そういう場合には政府が買うことを考慮する。すなわち一・〇以上か以下かまだはっきりしないという場合等において、出来秋等におきまして出荷期になれば政府がその米をある程度買うことも考えよう、したがって、具体的なケースについて申請をしてほしいという通達をすでに出しております。
  186. 中村波男

    ○中村波男君 私の質問に全然次長答えていませんよ。岐阜の農林省の出先がとった措置が食糧庁としては適切な措置であったかどうかをどうお考えになりますかということを質問しているのですよ。
  187. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) とりあえず売却を押えたということでございまして、その県の検査の結果を待っているというところでございます。したがいまして、一方、農家のほうからその食糧庁が買い入れを押えているということは全然ございません。
  188. 中村波男

    ○中村波男君 それはないでしょう。  この機会にお願いをしておきたいと思いますのは、もちろん県にも強く要請はしてありますが、早く凍結地帯全体について調査をして、そうして実態というのを明らかにしていただきませんと、農民はやたら不安動揺をいたしますので。もっとも神岡の場合は一PPM以上の汚染は発見されておらないわけですから、したがって神岡町以外の地域まで、流域が上流であるからということで凍結をする措置というのは少し私は慎重を欠いたのではないか、こういう立場で御質問をいたすわけであります。と申しますのは、厚生省の見解のように、一PPM以下であるならば絶対に安全なんだという前提があるならば、ただ配給を停止するという措置がいろいろな方面に影響を与えるということから、慎重にひとつ今後に対処の方法を考えていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  第十七条についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、「国及び都道府県は、対策計画の達成のために必要な助言、」――というのが衆議院で「助成」に変わりましたけれども、「指導その他の援助を行なうように努めるものとする。」というふうにあるわけでありますが、対策計画を策定いたしますには相当の経費と事務分量が必要だというふうに思うわけでありますが、十七条における「対策計画の達成のために必要な助成、指導その他援助を行なうように努めるものとする。」とありますけれども、この助成、援助というのは、予算的に経費の補助等の財政措置を考えておられるのかどうか。この助成、援助というのは内容的にどういうものであるかどうかということをこの機会にお聞きをしたいと思います。
  189. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) いまお話のように、衆議院で「助成」ということばに変わっておりますわれわれといたしましては、この法律に関連いたしまする予算要求といたしまして、これは県が計画を立てるということになっているわけです。県の計画樹立のための事務費も補助をするつもりでおります。それから立ちました計画につきまして「助成」という意味は、これは先ほど費用負担のところでいろいろ御議論がありましたように、国なり県なりも助成の必要があろうということをさしておるわけであります。
  190. 中村波男

    ○中村波男君 もう一つ、この計画に対する国や県の――地方公共団体と言い直したほうがいいと思うのでありますが、責務規定というのを設けておりませんね。責務規定を設けなかった根拠はどこにあるのか。いかがですか。
  191. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) この規定に特別に書かないでも、公害基本法のほうで公害に対する責務というのは、国とそれから県ということに、地方公共団体ということになっておるわけでありますので、特別にこの法律に書かなかったわけであります。
  192. 中村波男

    ○中村波男君 立ち入り調査の条項が十五条にあるわけでありますが、私は立ち入り調査権というものをただ農用地や農作物に限っておりまするけれども、これではほんとうの発生源を追求する調査には欠ける結果になりはしないかというふうに思うわけです。したがって企業あるいはその施設に対しても立ち入り調査権というのをこの法律の中で規定をしておくべきではなかったかというふうに思うわけでありますが、この点はどのようなお考えでありますか。
  193. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御指摘の点につきましては、法律の第七条におきまして「排水基準設定等のための都道府県知事の措置」ということで、汚染の度合い等から見まして、必要がある場合は大気の汚染、それから水質の汚濁、いずれの場合におきましてもきびしい許容限度をきめるということに、この法律で措置がしてあるわけです。そうしますと、こういう基準をつくったり、それからその基準を守っていないかどうかということで改善命令等を出すということは、水質汚濁防止法、それから大気汚染防止法によりましてそれぞれの規定がございまして、そこで都道府県知事は排出者に対しましては立ち入り検査ができるということに、それぞれの法律でなっております。当然その法律で工場、事業場に対しましては立ち入りをするわけであります。
  194. 中村波男

    ○中村波男君 予定の時間をだいぶオーバーいたしましたので、まだ質問を残しておりますけれどもこれで終わりたいと思いますが、施行期日ですね、六カ月をこえない範囲を想定しておるようでありますが、これはできるだけ早く施行をしてもらいたいと思うんでありますが、具体的にはいつごろ施行ができる予定でありますか。
  195. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 私たちとしましてはいつ六ケ月以内でできるだけ早くというふうに考えておりますが、ただいまも申し上げました大気の法律、あるいは水の法律の施行ということと同時にやる必要があるわけでございますので、関係各省と連絡をしまして、施行期日をきめたいと思います。
  196. 北村暢

    ○北村暢君 私は、あす同僚議員から法案の内容についていろいろ質問があるようでございますから、先ほどの中村君の質問とも関連する面が多いのですが、この法案並びに今後の損害の補償関係等にも関係をもってくると思われる、非常に基礎的な問題について若干お伺いいたしたいと思います。先ほども安全基準の問題について要観察地域の指定の場合の〇・四PPM、それから食用としての許容量一PPMの問題が出ているのですが、一応の方針としては先ほどの論議でもわかったんですが、やはりこの基準をきめるにあたって、非常に問題があるから先ほどのような論議がやはり出ているのだと私は思うのですが、厚生省にまずお伺いしますが、要観察地域指定の〇・四PPMというのをきめたのは、平常の非汚染地域における平均が〇・〇七PPMですか、それの最高が〇・四PPMである。したがって〇・四PPM以上は何らかの人為的な作用があったということからして要観察地域にするのだ、こういう説明のようですね。それが、先ほど来食糧庁の次長からも言われているように、何か基準であったかのごとくに伝えられて、安全基準であったかのごとくに伝えられて、いろいろ問題が起こった。こういうことなんですが、その後、食用としての安全基準一PPM、玄米で一PPMというものを決定するに至った経過について若干御説明を願いたい。これはやはりいろいろ学者によってこの安全基準について疑義を持っている人もたくさんいるわけです。したがって、それに至りました事情をひとつお伺いいたしたい。
  197. 鴛淵茂

    ○説明員(鴛淵茂君) ただいまの先生のカドミウムの安全基準をきめるに至りました経過について説明せいというお話でございます。御存じのように、富山県におきまして、工場汚染による住民の方の不安が高まりまして、住民の方の健康診断をするための基準をどうやってきめるかというようなことで、これは厚生省の公害部が中心でございますが、厚生省の公害調査委託研究費を出しまして、学者の先生方にいろいろ御相談を申し上げた大体労働衛生の観点から、住民の方の尿中のカドミウム量が三十マイクログラム・パー・リッター、一リッター当たりの尿中のカドミウム量が三十マイクログラム以上ありますと、やはり第一次検診から第二次検診への観察を続ける目安にしたいということで、大体三十マイクログラム・パー・リッターに尿中のカドミウム量を押さえますためには、米のカドミウム量を一PPM未満に押さえる必要があるというようなことから、富山県の要観察地域に限ってそういう基準を定めたわけでございます。  ところが、先ほど食糧庁のほうからもお話がございましたように、また先生からも御指摘がございましたように、カドミウムは自然の状態で含有する金属でございます。その汚染されない自然の状態の最高が〇・四PPMである。そこで、この〇・四PPM以上あるところは一応人為的汚染の可能性があるということで、要観察地域に公害課のほうで指定してまいったわけでございまして、そこらあたりから〇・四があたかも先ほどもお話がございましたように、それをこえると非常にあぶないというような認識を持たれましたために混乱が生じまして、さらにその要観察地域の一PPMという数字を、富山県のその要観察地域に限ってそういうことを申しましたために、それじゃあ全国の米は一体どうなるのかと、そういう声が高まりまして、食糧庁からも強い御要請がございまして、そこで食品衛生上の立場から、先ほどの労働衛生の観点からとは別に、食品衛生法上どうであるかというような、観点をかえまして学者の先生方に御相談申し上げたわけでございます。そこで、局長がこの本委員会でも御答弁申し上げましたとおりに、カドミウムを御研究なさっている先生方と、それから厚生省のほうの大臣の諮問機関でございます食品衛生調査会というのがございますが、そこの毒性部会の毒性をやっておられる部会の先生方と、両方の合同で微量重金属調査研究会というのをつくっていただきました。そこで内外の文献を検討していただきまして、そこで四十五年の七月二十四日に結論を出したわけでございます。  その概略を申し上げますと、まず日本国民の米の一日平均摂取量は三百三十四・七グラムでございますが、これをたくさん食べる方もいらっしゃるということで、大きめに見まして、まず五百グラム摂取されることといたします。そうなりますと、一PPMの米を五百グラム食べたといたしますと、カドミウムはその五百グラムの米の中に五百マイクログラムということになります。それから汚染地域における米以外の食品のデータがございまして、大体八十二から百五十マイクログラムの間でございますが、その最高をとりまして一日百五十マイクログラム摂取するといたしますと、先ほどの五百マイクログラムとを加えまして、米と米以外の食品から六百五十マイクログラムを毎日摂取するということになります。またそのほかに水を飲みますので、水は大体〇・〇一PPMというのが水中に含まれるカドミウムの最高量とされておりますが、その最高をとりまして、それを一・五リットル毎日飲むことといたします。そういたしますと、大体十五マイクログラム摂取する。それも合わせまして、この六百六十五マイクログラムのカドミウムを毎日摂取した場合に、はたして安全かどうかというような検討をやっていただいたわけでございます。  その結果、いろいろの文献がございますが、ちょうど犬でカドミウムを一〇〇〇PPM水の中に含ましまして毎日飲ませますと、四年間継続して調査したデータでありますが、それによりますと、毎日千マイクログラム・パー・キログラムでございますが、千マイクログラム・パー・キログラム摂取しても大体安全であったというようなデータ等を比較いたしますと、この六百六十五マイクログラムというのは成人の――おとなの量でごさいますから、これをキログラムに換算いたしますと、大体十三マイクログラム・パー・キログラムということになります。大体千マイクログラム・パーキログラムから見ますと約八十分の一くらいの量でございます。ただ犬の実験につきましては、水に溶かして水溶液で与えました実験でございますので、文献によりますと大体吸収率が水溶液のほうが一般食品に含まれたカドミウムの吸収率よりも高いということが言われております。それと勘案いたしますと、大体食品衛生のほうで換算します場合には最大の量と申しますか、中毒を起こさない、害を起こさない最大の量に安全量を大体百分の一かける。それでその量であれば一生毎日食べ続けても大丈夫であるという量をきめるのででございます。そういうことで大体それが八十分の一の安全率でございますが、吸収率を勘案いたしますと大体百分の一と考えてもけっこうであるというようなことから、一PPM未満の米を規定すれば大体安全であるという結論が出たわけでございます。  以上、ちょっと長くなりましたが、経過の状況を御報告申し上げました。
  198. 北村暢

    ○北村暢君 そういう事情はなかなかこれは専門家でなければ一度説明を聞いても、私どもそれで正しいとか正しくないとか、批判する意味ではありませんけれども、とにかくこの基準のきめ方が、もともと食品衛生法の食品の許容量というのをきめるのは厚生省であなたの課が担当なわけですね。ところがこれはもともとは公害課が、いわゆる先ほど説明がありました尿一リットル中の三十マイクログラムから逆算をして出した数値であるということはもうはっきりしているわけなんですね。それは食品衛生調査会並びにその中の微量重金属調査研究会ですか、研究調査会等にはかって裏づけをした、こういういきさつがある。もともとこれは動物実験をやってそのまま出てきた数値ではなく、先ほど言ったように尿の一マイクログラムから逆算したものである。ところが摂取量と尿の相関性からこれを出したというのですけれども、この排出する尿というものとの相関性はあるが、非常に人によっても違うし、体質によっても違うし、そもそも基準になる大もとが非常に不確実な要素によってこれができているというところに専門学者が、医学書なり、なんなりが、疑問を持っておるのですね。ですからあなたのところの国立衛生試験所の専門家も、これは技術が進んでくればこの基準は高くもなり低くもなるということはあり得ることだけれども、現状ではもうどうにもしようがない、これが正しいのだ、こういうことのような説明がもうすでに新聞等に出ておりますがね。  ですからそもそも食糧庁が富山県のイタイイタイ病の問題で実際は富山県に限ってつくった基準が全国の基準になった、これは非常に暫定的な基準であったわけでしょう。暫定的な基準、しかも暫定的な基準としてきめたものが全国基準に肩がわりした。こういういきさつがある。ですからそういう点で実際にイタイイタイ病の問題を取り扱っている専門的なお医者さんから疑問が出ているわけですよね。ですからこの問題はなかなか複雑なんでありまして、厚生大臣が胸を張って一・〇PPM以下の米ならば喜んで食べますと、こういって胸を張ったんですけれども、まあそう言わざるを得ません、それはきめたのですから言わざるを得ないのですが、私は問題がやはりあるんだろうと思います。  そこで実際にこの基準を、試験を実際にやるとするならば少なくとも二年はかかると、こう言われているのですね、言われているわけです。したがってこれは暫定基準であるのか、これからこの食品衛生法に基づく許容基準というものを、米に対して許容基準というものをいま直ちにこれからその基準について研究し、それを究明するための作業というものが実際にやられるのかどうなのかこういう点について方針を承りたい。
  199. 鴛淵茂

    ○説明員(鴛淵茂君) ただいまのお話でございますが、私どもは調査会の、研究会の御報告もいただきました結果、いろいろ手続等の関係もございまして事務上いろいろ手続関係を詰めました結果、本年の十月十五日の厚生省の告示をもちまして一応米の成分規格を定めました。一応食品衛生法上の第七条に基づく成分規格で米の一PPMを基準といたしております。ただ先生の御指摘のございましたように、まだこのカドミウムについては、なかなか本格的な実験成績がございませんので、私は可及的すみやかにこの慢性毒性、あるいは体内の吸収の状況がどうであるかというような問題につきまして研究を、本年度から国立衛試のほうで始めてできるだけ早く安全性についてのはっきりした基準を確立したいと考えているわけでございますがいま御指摘になりましたように動物実験で確かめる場合には、大体三年ぐらい年月がかかるようでございますので、一応それまでは、そのはっきりした成績が出ますまでは、この基準でまいりたいと思っております。
  200. 北村暢

    ○北村暢君 いまお聞きのとおりカドミウムに対する試験というものが、いままで全然データというものは持っておられないで、きのうの厚生省の課長の話では、アメリカよりもはるかに日本のほうが技術的に進んでいるので、農薬の残留許容量というものについても、日本のほうが正しいのだと、こういうことでありましたがね。実際は非常にまだ問題のある基準であることは間違いないと思いますね。ですからそういう点でまだまだやはりこの基準そのものに問題があるし、そのためにいま各地でこの問題について問題が起こってきている、事実、問題が起こってきている。それで厚生省のきめた白米で〇・九、玄米で一・〇PPMというのは、これは安易にすぎる。もう少し基準は厳格にすべきだという、まあお医者さんである萩野さんは〇・四PPMぐらいが安全基準としては妥当ではないかという意見を述べているわけですね。そういう点で先ほど来問題になっている配給米等についてもこの汚染指定地域、感染地域の米は配給するとか、しないとかという問題が出てきている、こういうことだと思うのです。  しかもこの前の東京都の立川と府中等に問題が出てきているのも、東京都がそういったあぶない米については、汚染されている米については買い上げろということで、これが食管法違反であるとかないとかということが国会で論議になったようなくらい、厚生省が声を大にしても、これは許容基準で絶対安全だといっても、なおかつ東京都では、それ以下の米も東京都で買い上げるというような問題が現実に起きているわけですね。それは非常にその基準を決定する上において急いだために、多くの問題を残しながら急遽きまった、急いできめたというところに問題があるわけです。ですから、いまその点についてはこれデータないものを環境衛生局の担当の食品衛生課でいま直ちに結論を出せといってもこれはもちろん出ないわけなんで、やむを得ない措置であったと思うのですけれども、そういうやはり背景というものがあるということだろうと思うのです。  そこでこれは告示をされましたから、これは法律的効力は当然食品衛生上の効果として発動されるわけですね。ですから一・OPPM以上の玄米、これは食用に適しないということに告示されたのですからそういうふうになるわけですが、そういうふうにすると、食品衛生上の基準ではこれはあるわけなんですけれども、問題は、今度の法律に関連をして特別の工事をやる、汚染防止のための工事をやるという場合に、一体費用負担の問題と関連をしてどの程度の汚染がなされれば費用負担の責任が出てくるのか。この問題はこれは食品衛生上の告示の問題とは別の問題で私はこの問題が出てくるのではないかと思うのですよ。ということは、先ほど来話がありましたが、費用負担法と今度の農用地汚染防止法との費用負担について若干違う面がありますね。ありますが、今度の事業の場合は「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、若しくは」 「農作物等の生育が阻害されると認められるもの又はそのおそれが著しいと認められるもの」、こういうようなことで不確定要素を含めてこの事業が行なわれるようになっているわけですね。  その場合、一体、先ほど話がありましたように、米の全国平均が〇・〇七PPM。ところが非汚染地域の最高でも〇・四PPMになっております。それじゃ〇・四以上であるならば、何らかの人為的な作用によってカドミウム汚染が進んでおる、こういうことになるわけです。その場合に〇・一PPM以上の工事をやった場合に費用の負担の責任があるのか、〇・四PPM以上の場合はその工事を、企業が明らかなる場合は、原因明らかなる場合は普通より以上ということになって責任が出てくるのか、ここら辺のところはどのように解釈されるかということが問題になってくるのじゃないかと思うのですよ。これらの意思統一というものはどういうふうになるか。まあ法案そのものには作物の損害とか何とか関係ないわけですけれどもね。作物そのものについては一・OPPM以上はこれは食用に適しないのですから、企業が当然これは負担しなければならないということが起こる。それ以下であるならばこれは食管法で買い上げるのですから被害はないわけですね。しかしながら実際問題としては、一・〇PPM以下でも交換をするとかいうことで、先ほど厳密に言わなかったのですけれども、配給には回さないということになれば、これは間接的に国は損害を受けるということが出てくる。そこら辺のところのそういう作物の問題は、これはいまの法案に関係ないのでありますけれども、実際に工事をやる場合にどういう基準でもって費用負担の責任が生じてくるのかということについて私は若干、いろいろな場合が出てくるから、疑問が出てくるのじゃないかと思うのですが、そういう点について検討されて結論が出ておったならばひとつお示しをいただきたい。
  201. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいまの点でございますが、費用負担法におきましては、「公害の原因となる物質により被害が生じている農用地」というふうに定義づけております。それから土壌汚染防止法のほうでは、先ほどお話がございましたように、「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」ということで、農畜産物のほうできめてございます。したがいまして論理的にそれが全く一致するかどうかというようなことになりますと若干問題があるかと思いますけれども、いまお話に出ておりますカドミウムの問題につきましては、るるお話が厚生省のほうからもありましたようにカドミウムによる汚染米については、これは一PPM以上ということになったものをわれわれは「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」というふうに考えております。そういうふうに考えておりますので、費用負担法のほうによりますとそういうものがまた、農地から見れば被害が生じておるということになるわけであります。したがって、カドミウム一PPM以上含む米が生産されると認められる農用地というのを具体的にこれはこれから調査をするわけでございます。そこについては費用負担法によって企業者側が費用を負担する、こういうことになるわけであります。ただ工事は、先ほどちょっとお話がありましたように、対策地域全体について工事をやることがある場合がございます。それからなおまた農用水路を同時に直したほうがいいというようなことで、この対策地域外の事業が行なわれる場合があるわけでありますが、その場合の企業者側の費用負担は先ほど私が申し上げましたとおり、残りのものにつきましては、先ほど何度も御議論がありましたようないろいろな費用負担の、費用負担といいますか、国費、県費の負担の方法ということをこれから、農地局長が申し上げましたように、詰めた上でこれを持つ、こういう関係になるわけであります。
  202. 北村暢

    ○北村暢君 そういう法律的な問題ですが、ちょっとその辺に関連して、これは農政局長から、この法案以外の問題でも、費用負担の問題、やはり問題が農産物について出てくるのじゃないかと思う。で、いませっかくそこへいきましたから、関連してお伺いしておきたいのですが、いまのお話ですというと、一PPM以上のものは企業側が費用負担をすることが起こる、それ以外のものは起こらないとおっしゃる。ところが、農家の保有米あるいは、これはやみ米あっちゃいけないことなんですけれども、やみ米、そういうものが地域において、その地域から出たということで売れない。これは適当な表現かどうかしりませんが、そういう見えない損害というものが出てくる場合があるわけですね。たとえばこれは米が余っているから、先ほどのように配給しないで済む。操作できるかもしれません。これは余ってないということを考えたならば、余ってないで〇・四から一・〇までの間のものを買い上げた。事実問題としてそれは問屋は買わない。売ろうたって買ってくれないといった場合に、これは国損になりますわねそういう問題が出てくるわけなんです。その場合に、それじゃ一・〇以下だから企業の負担する責任はないのだ、こういうことになるかというと、やはり現実にはこれは国が損したから、例はあれですけれども、国が損したか、個人が損したかという問題はやはり出てきて、今後裁判で争うなんといったときにこれは問題になってくると思う。どこを基準に企業者が負担しなければならないかという問題が出てくると思うのです。これは土壌汚染の場合でもどこを基準に損害の費用負担というものが起こってくるか、これは非常に不明確だと思うのです。いま厚生省の告示でもって米の許容量というものがきめられましたからいいんですけれども、これも厳密に争うというと、非常に法律的には問題が将来出てくるのじゃないかという感じがしているわけです。ですから、企業負担の線の引き方、どこからかという問題、先ほど言ったように、企業は現実に非汚染地域の最高の〇・四より以上出しておることだけはもう間違いない場合に、いま言った米の場合は一PPM以上の米が出た場合に損害がはっきりしますけれども、それ以外の、土地を売る場合に汚染されているから安くなるとか何とかいう問題が出てくることはあり得ると思うのですよ、経済的には。そういう点について一体どういうふうに考えられるのか、どこが基準なのかということがはっきりしないじゃないですか。そういうことはまだ検討されておらないのでしょうか。
  203. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 費用負担の問題は、企業者側の故意とか過失とか、そういうこととは全然別に、先ほど申し上げましたように、公害の原因となる物質による被害が生じておる農畜産物については、これは企業者が負担するということが明確になっているわけです。いまお尋ねの〇・四とかなんとかということで経済的に損失を受けたか、ここら辺になりますと、これは農家と企業者との間の損害賠償の問題になると思うのです。その場合の損害の範囲ということになりますと、企業者の排出した有害物質によって経済的な損失を受けたという因果関係をどういうふうにつかむか、そういうことの民事上の問題としていろいろ争いが出てくる。こういうことになるわけでございまして、これは極端に申し上げれば、両者の見解が違えばこれは裁判問題にもなる、こういうことになるかと思います。
  204. 北村暢

    ○北村暢君 そうするというと、この事業をやる場合ですが、企業者の負担の場合、一・OPPM以上の場合は企業者が工事の負担をする。しかしながら、基準の地域は〇・四から要観察地域が指定されているわけでしょう。したがって、〇・四から〇・九の間の土地改良事業等についても、普通であるならばこれはやらなくてもいいという結果になるでしょう。しかし、信用問題からしてそれを広げてやる場合、現実問題としてはやはり〇・四から〇・九までは企業が汚染していることは間違いないわけですね。非汚染地域から比べればこれは汚染していることは間違いないわけです。それはその程度に応じて負担をするという責任は出てこないのでしょうか。どうなんですか。
  205. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げましたように、この法律でも人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産されるということに限っておりますから、おそれがある農畜産物というのは、米でいえばいま一PPM以上となっております。それ以下はまだ人の健康をそこなうおそれがないわけでございます。したがって、この法律でそういうことで区別をしますけれども、土壌は排出規制をゼロにしない限りはやはり年々の蓄積があるわけです。そこでもう少し範囲を広げて地域指定にして対策をとるわけですけれども、義務的に企業が費用負担をするのは、まさに現実に被害を一PPM以上の米をつくっておる土壌、こういうことになるわけです。それじゃそれ以下のところはどうするか、こういうことになりますと、これは国、県、あるいは地元の市町村、あるいは企業も、いまお話のように、おそれのあるのを、すなわちそういう状態を起こしておるのではないかという問題で別に協力する、そういう問題は別に出てくるかと思いますが、費用負担法を厳密に解釈をすれば、法律上はそいうことになるということを申し上げたのであります。
  206. 北村暢

    ○北村暢君 この点は非常に末梢的のように思われますからあまりくどくやってもあれだと思いますから、この点についてはこの程度にいたしますが、もう一つお伺いしておきたいのは、問題は先ほど来言っております基準そのものに疑問があるので、東京都のように一・OPPM以下でも都が買い上げた、そして農家の保有米等についても処置をしているわけですね、現実にそういう処置をしているわけです。これについて都としてはそういう問題が別途もう間髪を入れずそういう処置をしたわけです。これが食管法違反とかどうとかいう問題になっているのですが、立川その他多摩川の流域の地域について、これは厚生省関係になると思いますが、〇・四PPM以上の結果が出ているというのでありますから、これは要観察地域に指定されなければならない問題だろうと思うのです。この点は一体どのようになっているか、お伺いいたしたいと思います。
  207. 鴛淵茂

    ○説明員(鴛淵茂君) 要観察地域の指定につきましては、公害部のほうで御存じのようにやっておりますので、私は食品衛生担当でございますので当を得たお答えをできかねますが、先生の御指摘のように、〇・四以上のものについては、いろいろ資料を取りそろえて御報告いだだきましたものについて指定をするというようなことに聞いております。
  208. 北村暢

    ○北村暢君 このように要観察地域の指定をされたものが現在何地区かあるわけですが、これらのものもどんどん次々にふえていくわけですね。それで農林省は、大体この厚生省の要観察地域指定を待ってこの問題の処理というのが、大体いままでそういうふうにやっているようですが、資料を見ましても、それ以外に農林省独自で調査をやっているようです。やっておるようですが、このカドミウムの問題についてはこれは全国的に高い数値が出るだろうと予測のつくところが相当あるわけですが、一体これはそういう面に対して、この法案が通れば農林省が独自にそういう調査をして対処をしていくというような能力というか、そういう姿勢というものがあるのですか、どうですか。
  209. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 能力も姿勢もございます。と申しますのは、先ほど大臣からも御答弁がありましたが、土壌の問題というのは農林省がもう昔から調査をしておりますので、おおよそのことは大体わかっておるのです。ただ、カドミウム問題等、こういう汚染土壌という問題からつかまえるということは最近のことでございますので、そういう面からの一斉点検を来年もやりまして、同時に緊急性のあるカドミウムの問題につきましては、来年はそれを中心に銅、亜鉛も含めまして数十カ所の精密調査をしたい。それからすでに要観察地域等は大体わかっております。そこにつきましては対策をやるためのもっと具体的な調査までやるということで予算要求もいま大蔵省と追加要求をいたしまして折衝をしておるところでございます。そういうことで対処はできると思っております。それに関連をいたします調査対象といたしましても、国立の試験場に土壌関係に約三十名それから県の試験場関係に、これは補助職員でございますけれども、予算定員を三百九名現在置いておりまして、試験場には調査部というものをつくっておるわけでありますから、対処は十分できると思っております。
  210. 北村暢

    ○北村暢君 農地関係の調査についてはそういう積極姿勢があるわけですが、それじゃ生産された米に対する、この食品衛生法上の許容量が告示できまりましたが、これを検査する体制というのは一体どうなっているのか、これはいまの要観察地域以外のところにも、〇・四PPM以上のところは観察地域になっている。そして観察地域以外のところにも〇・四PPM以上のものがおそらくあるに相違ない。いま局長の言われたように大体想像はついているのだけれどもという話ですから、あるに相違ない。そうすれば、それを調べる方法というのは、これは厚生省としては、全国的に全国の産米についてどういう規模でもってこの許容基準が守られているかどうかを確かめる機構なり組織なり方法なりというもの、またその方針というものにどういうように対処されているか、この点お伺いしておきたい。
  211. 鴛淵茂

    ○説明員(鴛淵茂君) 検査の方法につきましては食糧庁の方ともよく御相談を申し上げまして、大体サンプリングの方法を、やはり産地によって非常に異なっておるわけでございますから、産地別にわかるような方法でサンプリングをしていく、それのその試料を検査するという形に告示ではいたしておるわけでございます。やはり生産の段階で把握をしておられる食糧庁のほうで事前にチェックしていただくのが一番効率的でございます。その点につきましては、先ほどお話がございましたように、汚染のおそれのある地域を重点にやっていただきますように、私どものほうは、都道府県の衛生研究所が主としてその窓口になるかと思いますが、県によりましては農事試験場のほうで能力をお持ちの方、ところもあるようでございます。現地の各都道府県の知事の段階でよく相談してもらって、その検査体制を整備してもらう。お願いをしておるわけでございます。
  212. 北村暢

    ○北村暢君 これは農林省は食糧を預かっているのですから、食品衛生上の監督はこれは厚生省でありますけれども、無関係ではないわけですね。ところが前からこれは論議になりましたけれども、食糧庁自体としては、このカドミウム含有量を調査する能力も機能も持っておらない。持っておらない。ところが、農地局に行けば大体疑わしいところはわかっている。いま説明を聞くというと食糧庁のほうと連絡をして各県の衛生試験所がやると一回何か連絡があったことはあるのですか、一体おそらくこれはなかなか末端の食糧事務所が米を買い上げる際にそこまで配慮してやっているということは聞いたことがないし、私も見たことがない。ですから、その体制というものがあるのかないのかということ、これはもうきのうもくどくど言いましたけども、必ずこれはどこかほかのところから大学が調べに行って許容基準よりも高いものが出たとかなんとか、そういうところから出てきているのです。厚生省なり食糧庁なり役所側から進んでそういうものが発見されたという事例というのはあるかもしれませんけれども、ごくまれでないか、まれでないのかもしれない、私の聞いた範囲ではないようですね。今度の磐梯地区であろうと、各地の例がほかから出てきている。したがっていまおっしゃられたようなことが、これだけいまカドミウム米の問題が公害問題と関連して大きな政治問題になっているのですから、この際私はやはり全国の供出米についてこれは早急に調査する必要があるのではないだろうかというふうに思います。そういう点について、これはいままでそういう農地局のいまの体制は聞きましたけれども、食糧事務所はとかく一PPM以上は買わないという政令が出ているのですから買えないのですから、買っていいのか悪いのか、買ったものにまた出てくるかもしれないという心配はあるわけですよね、これは。ですからこれは早急に今度もいまもどんどん買い入れているわけですから、そういう中でひとつこの問題が国民食糧に不安のないようにするためにそういう調査をやるべきではないか。これは前から言っているわけなんですけれども、そういう措置が一体とられたのか、とられないのか、大臣にこれはお伺いしておきます。これは七月か八月の当委員会でもって大いに論議になった問題でありますから、おそらくこれはこの論議になったことがやられていないのじゃないかと思うのです。これは大臣おられなかったから大臣は聞いておられなかったかもしれませんが、はっきりそういうことを大臣は食糧庁あたりから聞いたことがありますか。おそらくやってないのじゃないかと思うのですがどうですか。そうして、聞いておらないとすれば、これだけ大きな問題になっているのですから、積極的に私は取り組む姿勢というものがあってしかるべきだと、こう思う。農地局のほうのこの土壌のほうについては、先ほど聞きましたが、生産されている米の問題についてそういう体制があるのかないのかですね、ひとつお伺いしておきたいと思います。  これで私の質問を終わります。
  213. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 食糧庁が来ておりますので、どういうふうにやっているか、ひとつ御報告をさせたいと思います。
  214. 内村良英

    ○説明員(内村良英君) 先刻も申し上げましたとおり、現在の農産物検査法によって定めた規格にはカドミウム問題は入っておりません。ところが本年十月中旬厚生省のほうから食品衛生法におきましてカドミウム汚染米についての成分規格がきまったわけでございます。そこで、食糧庁といたしましてはカドミウム汚染米であるかどうかということはやはり県の衛生試験所あるいは農事試験場その他都道府県知事が適当と認めた機関でやってもらいたい、と申しますのは、私どもが聞いているところでは、カドミウムの汚染を調べるには三百万円くらいの機械が要るわけでございます。ところが、現在食糧事務所にはそういう機械がございませんし、とりあえずはとにかく県の衛生試験所あるいは農事試験場その他そういう施設を持っておるところにやってもらいたい、こう考えております。  なお、厚生省と食糧庁の連絡はどうかというお話がございましたが、本庁の段階におきましては厚生省の食品衛生課とよく相談をしながら仕事をしております。
  215. 北村暢

    ○北村暢君 よく通達、通達といって通達好きなんだが、そういうことは上のほうで連絡していたって買い上げるほうは何も関係なしに、やってもらいたいというだけのことで、何もやっていないのでしょう、買い上げるときに。これは事実、県にやってもらいたいというので、大体あぶないと思われるようなところはわかるわけなんですから、わかるのですから、三百万円かの機械も食糧庁で持ってない、それは持ってなくても、持っていてわかるのだったらこれは厚生大臣のほうから委任を受けて検査しなければならないことになるでしょう、そういう検査する権限ないわけですからね、食品衛生法上の権限ないわけですから。したがって、県の衛生試験所なり何なりでもって検査しなければならない筋合いのものでしょう。それが実際に行なわれているかどうかということなんですよ。こういう規制がきめられたのだからしたがって買い入れるときには立ち合って、県の衛生試験所なり何なりと立ち合ってひとつ検査しなさいというようなことが両省間に話し合いがなされて、実際の行政の中に生きてきてなければならない。こういうことを私は言っているわけなんですよ。いまのことはそういうたてまえにはなっているというだけの話で、やっているということはなってないですね、したがってそれは、大臣、いま事務当局の言ったとおりですよ、やってないです。厚生省もやってないし、食糧庁もやってない。そういうたてまえになっているというだけの話で、国民食糧を扱う、安心して食べてもらわなければならない農林省ですからね、ですから、そういう面で、一体この面について大臣はどう指導されようとしているのか、事務当局はいま聞いたとおりですから、事務的に話し合っている程度で、何もやってない、どうなんですか。
  216. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 法律ができますれば、そういうようなことについても、まず土壌の検査もやるし、それからいま話し合ってこういうふうにやるようになっておるということでありますので、御注意もございますし、当局もそのつもりでおりますので、十分ひとつその機能を生かして万遺憾なきを期するように私自身も指導したいと思っております。
  217. 沢田実

    ○沢田実君 連合審査に際しまして、実は政省令のことがたいへん問題になりまして、公害担当大臣は、衆議院の議論の段階及び参議院の連合審査の段階では政省令は間に合わなかったけれども、参議院の委員会の審査の段階では政省令の案を出して一緒に審議をしていただきますと、こういうふうな御答弁がございましたが、こちらの委員会にはさっぱり出てまいりませんが、どういうわけでしょう。
  218. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 御質問に応じてお答えしておりますが、政省令の規定見込み事項は提出いたしたいと思います。
  219. 沢田実

    ○沢田実君 この委員会の場に、その案を配付して、参考にして審議をすると、 こういうふうなことでしたけれども、来ておりませんが、どういうわけですか。
  220. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいま申し上げましたように、御質問に応じて全部お答えをしておりますけれども、政省令の見込み事項を書いたものを差し上げたいと、こういうことでございます。
  221. 沢田実

    ○沢田実君 それでは政令できめる部分についてお尋ねをいたしたいわけですが、第三条についていろいろ議論がございましたけれども、まだはっきりしない部分がございますので、重複する点があるかもしれませんが、もう一度ひとつ御答弁をいただきたいと思います。  先ほど来、この三条の中の、「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」というところは、たとえばカドミウムに汚染された米であれば一・OPPM以上だと、こういうようなお話がございましたが、その次の「農作物等の生育が阻害されると認められるもの又はそれらのおそれが著しいと認められるもの」というのは、いま申し上げたカドミウムの例にとれば、米であればいわゆる何以上に当たるのか、その点を教えていただきたいと思います。
  222. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 先ほど中村先生のときにお答え申し上げたわけでございますが、本来ならば「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」につきましては、土壌にたとえばカドミウムであれば一〇PPM入っておる、こういうふうにきめるべきだと思うのです。ところがまだ試験研究の結論が出ておりません。土壌に一OPPM以上カドミウムが入っておればこれは米に一PPM出てくるんだ、こういうふうには一義的にまだきめかねておるわけであります。しかし事は緊急性を要しますので、今回は当面は米のほうからものを考えるということにいたしてでも手を打つべきではないかというふうに考えておりますので、先ほどから御説明しておりますように、厚生省の告示に基づきまして、米にカドミウムが一PPM以上含んでおると認められるもの、これを「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」と考えたわけであります。それから生育阻害のほうにつきましてはこれはわれわれは銅、亜鉛のことを考えております。この場合は、人の健康とは関係ございませんで、農産物の生育が相当重い程度といいましょうか、どの程度阻害されておるか、たとえば減収で見ましたら一割であるとか、一割五分であるとか、そういうふうな程度の減収が相当期間続くというような地域を指定をするということに政令ではなってくるわけでございます。ただ、銅、亜鉛につきましては、私たちは政令でそういうふうにきめたいと考えておりますけれども、これはなお調査研究を進めた上で、具体的に政令の要件はそれがその調査研究が済みました際に、今度の土壌汚染の審議会を置いておりますので、それにかけまして、きめるということにいたしたいと思います。
  223. 沢田実

    ○沢田実君 負担法のほうでお聞きをしたいのですが、負担法の第二条の二項の三ですね、「公害の原因となる物質により被害が生じている農用地」というのは、カドミウムの場合にはどんな基準にお考えになるんでしょうか。
  224. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) いまの御質問の、公害防止事業費事業者負担法の第二条、定義の関係、しかも第三号の農用地の被害を受けているという程度はどの程度のことか、こういう御質問だと伺ったわけでございますが、実はそもそも費用負担法という法律は、公害対策基本法の第二十二条の趣旨を受けているわけでございまして、これは申すまでもなく、第一は事業者の事業活動による公害を防止するための事業でなければならない、それから二番目にそういうような事業でありますが、それを国または地方公共団体が公共事業として行なうわけでございます。そうしますと、具体的にどのような事業をやるかというふうなことは、この費用負担法の審議会がきめることでございますが、一般的に申しますと、たとえば都市計画事業一環として行なう場合には、都市計画法による手続というものに従わなければなりませんし、またただいま御質問がありましたこの土壌汚染による、たとえば客土事業というふうなことをやるという場合には、やはり農用地の土壌の汚染防止に関する法律によりまして、その中で必要なものについて行なう、こういうことになるわけでございまして、いわばそういうわけで公害防止事業の実施のための、そういう意味の基本法というような感じでございますので、いまの御質問につきましては、やはり農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の実施のしかたに考えてこの費用負担法が動いておるわけでございます。したがって土壌汚染防止法の考え方と変わるものではございませんということでございます。そういうのがこの法律でございます。
  225. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、カドミウムの例でお尋ねをしたのですが、いま農林省からお話があった、銅とか亜鉛とかそういうことで実際に土壌汚染防止法によって事業が計画されるところは全部入るというわけですか。
  226. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) 再度ちょっと。先ほど舌足らずだったかもしれませんが、この費用負担法という法律は、そもそも公害防止事業をやる場合に、事業活動によるものが原因であれば、その費用を事業者にどう負担させるかというふうな仕組みをきめたということになっておるわけでございます。
  227. 沢田実

    ○沢田実君 その仕組みはわかるのですけれどもたとえばいま盛んに議論になっております人の健康をそこなうおそれがある農産物が生産される土壌のカドミウムというのは一・〇PPM以上のところだと、こういっているのですよ。ところが〇・八、〇・九のところも企業がやってもらいたいというかもしれませんでしょう、それをこっちが負担しないでしょうと申し上げておる。銅とか亜鉛とかいった話が出たけれども、それは一体どういうふうになるのですか。全く土壌汚染防止法の第三条と同じことを書いているなら問題ないんですよ。違うんですから、書いてあることが。土壌汚染防止法に書いてある対策地域の指定の条文と負担法の条文とが同じじゃないものですから、そこをお聞きしている。これは全く同じなら問題ないのです。
  228. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) いま先生の御質問の書き方についてでございますけれども、この費用負担法というのは、たいへん私ども考えまして前向きの法律だと、こういうふうに考えておるわけでございまして、いまの地域についての書き方が違うじゃないかというふうに御指摘でございますが、私ども見ますと、ここはおおむね一致しておるというふうに考えておるわけでございます。したがいましてあとのほうのおそれのあるというところについての御指摘かとも思いますけれども、これはやはりこの二条の3号でいいます被害を受けている農用地云々その他の政令で定める事業というふうな取り扱いの問題なんでございまして、入るわけでございます。
  229. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、たとえばカドミウムで一・〇PPM以上の米がとれたところは、その被害が生じている農用地だから、その土壌汚染の防止をするための工事については、それは企業が負担しなくちゃならないというかもしれませんよ。だけれども農林省のほうがもっと拡大して、〇・七でも〇・八でもやろうと、またそれ以下でもやろう、あるいはもっと水源転換とかいろいろなこともやろうと、やった場合に、土壌汚染防止法による事業だから全部企業が負担しろといっても企業はこの防止法、負担法のこの条文をたてにとって、私はそんな負担する義務はないと言うかもしれませんよ。それに対してどうして負担させるのですか。
  230. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) 重ねて申し上げますけれども、やはりこの法律というのは、たとえば一般的には都市計画事業ならば都市計画事業の都市計画法によるもの、それから農用地の土壌汚染なら、客土事業として行うとすれば、やはり農用地の土壌汚染の防止に関する法律によってやる、こういうふうに考えておりますので、先生御指摘のありましたように、この第3号で、農用地の土壌の汚染防止法の、これで費用負担の対象にこの事業者が入るんじゃないかという指摘をされた場合に、この被害を受けている農用地ということばと第三条のことばとの違いがあるからというふうにたてにとられましてやろうとはちょっと考えられないと思いますけれども……。
  231. 沢田実

    ○沢田実君 農林省のほうにそれではお尋ねしますが、先ほど来土壌汚染防止法の事業については復元をするということが盛んに言われておりましたけれども、復元だけが考えられるんですか、それともこの事業では、いわゆる土壌汚染を防止するというところまで事業として考えられるんですか。
  232. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それは第五条をごらんいただきましても書いてございますが、第五条の2項の二のイをごらんいただきますと「農用地の土壌の特定有害物質による汚染を防止するためのかんがい排水施設その他の施設」をやります。これは単に排土、客土などの復元だけではございませんで、これ以上そこへもうカドミウムを含んだ水が流れないような水源転換あるいは沈でん池をつくるとか、そういう防止対策もやるわけでございます。  それからもう一つは、七条にもございますように、これ以上土壌に蓄積しないような排出規制について知事が特別な措置をとるということもあわせてやるわけでございます。
  233. 沢田実

    ○沢田実君 その工事に付随して先ほど私から申しましたように、もっと拡大して土地改良をやろうというようなことも対策地域として地域指定はできるんですか、農林省のほうは。
  234. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 地域指定といたしましては、この三条にございますように、カドミウムでありますれば、一PPMのカドミウムを含んでいる米が生産されると認められる地域と「それらのおそれが著しい」地域と書いてございます。これを土壌の蓄積が進みまして、もうしばらくしたらそうなるというところまで含めましてやるわけでございます。
  235. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、局長さんもう一ぺんお尋ねしますが、この三条のあとのほうですね、それはいまお話がございましたように、もうしばらく過ぎれば蓄積されて、米の場合には一・〇PPM以上の米ができるかもしれない、現在は〇・八なり〇・九だというようなところも対策地域としては含むわけでしょう。
  236. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) お話のとおりでございます。
  237. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、総理府のほうですね、そういうところはこの負担法を見ますと、被害が生じていないわけですよ、まだ。被害は一・〇にならないと生じないわけです、被害が生ずるおそれはありますけれども。「被害が生じている農用地」というこういうことでは、あなたがここでどう答弁されようと、法律が通って施行されますと、法律の条文解釈になりますから、私はおそらくそうならないだろうと、こういうことを考えますので、その土壌汚染防止法と一致するようにこの条文を訂正なさるお気持ちはございませんか。
  238. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) この被害を受けている農用地ということばとそれから農用地の土壌汚染防止法の第三条のほうに書いてありますいわゆる「農作物等の生育が阻害されると認められるもの又はそれらのおそれが著しいと認められるものとして」と、こう書いてございますが、その違いを先生が御指摘されていると思いますけれども、どもの解釈では、公害防止事業を実施するかどうかということは別として考えますと、そういうなおそれのある状態というものでもやはり農用地というところから見ますと、被害が生じて、というふうに見られるわけでございます。と申しますのは、かなり御質問があろうかと思いまして説明してあれでございますけれども、公害対策基本法の今般第二条に公害概念を広げまして典型公害に「土壌の汚染」ということばを入れたわけでございますが、そのときの審議過程を見ましても、土壌というものはやはり動植物の生育環境というふうなものであるという限りにおいては、やはり生活環境であり、それが生活環境が土壌であればそういう意味でいろいろ汚染物質で汚染をされておるという限りにおきましては、やはり被害を受けている農用地である、こういうふうに解釈できるわけでございます。
  239. 沢田実

    ○沢田実君 それではもう一ぺん確認いたしますが、あなたのほうではカドミウムで汚染されている――汚染されていると言っていいかどうかわかりませんが、〇・七、〇・八、〇・九というようなそういうところを、農林省のほうで対策地域にして、そこで対策事業をすれば、それについては間違いなく負担法のほうで負担できますね。
  240. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) いまの先生の御質問は、もう一つ費用負担法の第三条の「費用を負担させる事業者の範囲」ともからむわけでございまして、「公害防止事業に要する費用を負担させることができる事業者は、当該公害防止事業に係る地域において当該公害防止事業に係る公害の原因となる事業活動を行ない、又は行なうことが確実と認められる事業者とする。」と、こう定義してあるわけでございます。そういう意味からいたしまして、公害防止事業というものが実施される限りは、その公害防止事業を必要とした事業活動を行なっている事業者がその費用を負担すべきことは当然であろうかと思います。
  241. 沢田実

    ○沢田実君 それでは農林省のほうにお尋ねしますが、先ほど銅、亜鉛とおっしゃられましたが、カドミウムの場合には、これは政令ではどんなふうにきめようと思っていらっしゃいますか。――もう一ぺん申し上げましょうか。土壌汚染防止法の第三条の「農作物等の生育が阻害され」云々と。私質問申し上げました点については、銅ですか、亜鉛ですか鉛ですか、おっしゃいましたね。それをカドミウムの場合にはどの辺に基準を置くようにお考えでしょうか。
  242. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) カドミウムの場合には先ほどから申し上げておりますように、当面は一PPM以上のカドミウムの米に含まれておる場合というのを、「人の健康をそこなうおそれがある農畜産物」というふうに考えております。
  243. 沢田実

    ○沢田実君 それは前のほうなんです。カドミウムでそのあとのほうがあるでしょう。「農作物等の生育が阻害される」云々ということにはならないですか、カドミウムでは。農作物はカドミウムとは関係ないから、その農作物の生育のほうには入らない、こういうお考えですか。
  244. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) カドミウムにつきましては、直接農作物の生育障害をまだ起こしておりませんので、よほどのカドミウムが入っておりますればそういうことがあり得ますけれども、カドミウム自体では生育障害は起こしておりませんので、私は先ほどそう申し上げました。
  245. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、いま総理府で御答弁くださったとおりで農林省としてもいいんですか
  246. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) ただいまのお話はこの費用負担法の解釈でございますので、総理府のほうの有権解釈に従うべきだと思いますが、私先ほど申し上げましたのは、当面カドミウムについては一PPMということから出発するものですからそういうことで出発している間は一PPM以下はこれは被害はないということを米については言っておるものですから、先ほどこの費用負担法の解釈でも、公害の原因となる物質により被害が生じているというのは一PPM以上だということを申し上げたわけです。ただわれわれの研究が進みまして、土壌にたとえば一〇PPMが入っておれば人の健康をそこなうということになりますと、その一PPMというのは消えまして、土壌でものを考えるということになりますと、たとえば一〇できめますれば、一〇以上土壌にカドミウムが入っておる場合は被害が生じておる、こういうことになるわけでございます。
  247. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、総理府の方もう一回お尋ねしますがね、いま局長さんから答弁のあったとおりですが、現在は米のほうから土壌のほうへいっておる、将来は土壌を基礎にしてそして対策地域をきめたい、こういうふうに農林省で政令できめて、そして土壌汚染防止法の対策地域というふうに農林省がきめれば、その対策事業については全部負担法の負担の適用を受ける、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  248. 小泉孝夫

    ○説明員(小泉孝夫君) 先生御指摘ありましたけれども、私が申し上げていますことは、費用負担法の法律解釈のことでございまして、それからもう一つのいまの御質問は、具体的事業にかかわるものでございます。それで、費用負担法の解釈といたしましては、事業者に公害対策基本法第二十二条第一項に定める費用を負担させる場合における負担の対象となるいろいろな仕組みをきめるというだけでございまして、じゃどういう事業者にどういうような費用を負担させるかというふうな問題が具体的なことになりましたらば、たとえば都市計画法であれば建設省のほうでありますし、それから農用地の問題であれば農林省さんのおっしゃっているようになろうかと思います。
  249. 沢田実

    ○沢田実君 それから先ほど御質問が出たかどうかはわかりませんが、対策地域については、私がおりましたときは二十ヘクタールよりもっと小さくしたい、こういうことでしたが、政令では何ぼにする御予定ですか。
  250. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) これは別に表にもございますように、政令できめるということにはなっておりません。これは財政当局との折衝のこともございますけれども、折衝をいたしました上で予算措置としてどの程度まで公共事業費として引き下げられるかということでこれから折衝するわけでございます。
  251. 沢田実

    ○沢田実君 非常にばく然としていますが、大体の目標はないんですか、基準はないんですか。
  252. 岩本道夫

    ○政府委員(岩本道夫君) 公共事業でございますから、そう小さいものまでやるわけにはまいらぬと思いますけれども、御参考までに申し上げますと、団体営事業で土地改良区等が事業を実施いたします場合は二十ヘクタールが一応採択の下限になっております。しかし、この事業の特殊性にかんがみまして、できるだけその基準を下げるようにこれから大蔵当局とも折衝してまいりたいと考えております。
  253. 沢田実

    ○沢田実君 この参考資料の一番ですが、汚染されている面積が出ているんですけれども、これは銅、亜鉛、カドミウム、鉛なお砒素による汚染は出ているんですが、いま議論になっておりますのはカドミウムが主になっているんですけれども、カドミウムによる汚染の面積というのは出ていないんでしょうか。
  254. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) カドミウムにつきましては、これは最近のことでございますので分析しなければ具体的な数字は出ません。ただ、われわれの推定では大体カドミウムというのは銅なり、あるいは亜鉛なり、非常に共存しておりますのは亜鉛でございます。亜鉛は大体われわれの調べでも二万六千ヘクタールということになっておりますので、カドミウムもそれに近い程度は一応人為的な汚染があるところがあるんではないかという推定はつくわけです。
  255. 沢田実

    ○沢田実君 それからその次のページの――三ページですが、要観察地域が出ておりますが、おそらくここは全部十ヘクタールくらいのところで全部対象になる地域だと思いますが、さしあたってこの法律が通れば要観察地域については全部対策地域として事業計画に繰り入れるというようなお考えでしょうか。
  256. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) われわれの現在までの県からの報告、あるいは厚生省から伺いましたことによりましても、最低の地域でも十四ヘクタールでございます。大きいところは相当な面積にななっておりますので、われわれは県知事さんが当然計画をお立てになるというふうに考えております。
  257. 沢田実

    ○沢田実君 それからNHKなんかの報道によりますと、これに準じたところが十八カ所あるとかあるいは東洋経済週刊誌によりますと五十五カ所あるとかというような問題が出ているんですが、この要観察地域以外に汚染されて、当然この対策地域になるのじゃないかと考えられるようなところは現在ではどのくらいありますか。
  258. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) それはこれから調査をいたしますのでいま的確な数字は申し上げられませんが、来年度の予算要求といたしましても、少なくとも先ほどは四、五十と申し上げましたけれども、できますれば四、五十の地域については調査をしたいということを考えております。
  259. 沢田実

    ○沢田実君 第三条の対策地域とそれから特別地域というのが、いまいろいろお聞きしておると、大体同じ内容のようなんですが、どう違うんですか、具体的には。
  260. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) 対策地域は、先ほど申し上げましたように、カドミウムでいえば一ppM以上のところ、それに近いところということになっております。特別地区というのは、この中で厚生省の基準にもございますように、現実に一PPM以上の米がとれると認められる農用地でございますから、こちらのほうが狭いわけでございます。
  261. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、いまは、人の健康をそこなうおそれがある農産物が生産されるところですから一PPM以上を要観察地域と考えておる。それは全部特別地域で、実際に実施においてその地域は一致するところですから、これから特別地域よりも対策地域が研究によってだんだん広がっていく、こういうことですか。
  262. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) いま一PPM以上の米が出ておる地区を特別地区といたしますれば、対策地区は近くそれに近づくことが明らかなところまで含めてありますから、当然そのほうか広いわけでございます。
  263. 沢田実

    ○沢田実君 そうしますと、また蒸し返しみたいになりますけれども、さしあたって考えるのは、一PPM以上だというようなお話ですが、土壌を検査してからそれ以上入れると、こういうふうに理解したのですが、そうでなしに、最初から一PPMに近い、〇・八とか〇・九とか、そこまで広げてこっちをきめようと、こういうお考えですか。
  264. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) その辺は調査結果いかんによりますけれども、いまおっしゃいましたように、〇・八とか〇・九とかそういう数字ではきめられませんけれども、そういうところも含めてやるつもりです。
  265. 沢田実

    ○沢田実君 そうすると、岐阜県の神岡で、中村委員の質問があったかもしれませんが、〇・八ぐらいのものが出まして、富山のイタイイタイ病のもとであるカドミウムの排水口よりももっと上流のところで問題になっておるのです。おそらく何年か何十年か前のところだと思いますが、岐阜県で検討して、法律が通ったらこの地域にひとつやってもらいたい、こういうようなことが考えられて申請されれば、この法律でその地域も該当すると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  266. 中野和仁

    ○政府委員(中野和仁君) この三条にございますように、一PPM以上の米が認められるもの、またはそれらのおそれが著しいとなっております地帯をしようと思えばできるわけでございます。
  267. 沢田実

    ○沢田実君 それでは時間でございますので、以上で終わりますが、土壌汚染防止法についても実際に実施するには相当たいへんな問題でございますので、今後のひとつ大臣の決意を話していただきまして質問を終わりたいと思います。
  268. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 農政局長がお答えいたしておりますように、これから……いま私どもはこれだけで十分であるなどとは思っておりませんで、さらに検討を進めまして不安のなからしめるように最善の努力をいたさなければならないと思っておるわけでございます。
  269. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) 本案に対する質疑はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十八分散会