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1970-03-31 第63回国会 参議院 運輸委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月三十一日(火曜日)    午後一時十七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月三十日     辞任         補欠選任      鈴木  強君     森  勝治君  三月三十一日     辞任         補欠選任      森  勝治君     鈴木  強君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     理 事                 金丸 冨夫君                 谷口 慶吉君     委 員                 木村 睦男君                 河野 謙三君                 佐田 一郎君                 前田佳都男君                 岡  三郎君                 鈴木  強君                 森中 守義君                 三木 忠雄君                 山田  勇君    政府委員        運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        警察庁警備局警        備課長      赤木 泰二君        運輸省航空局技        術部長      金井  洋君    参考人        日本航空株式会        社航務本部管理        部長       茂呂  豊君        日本航空株式会        社航務本部運送        部長       野村 豊吉君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (日航機乗っ取り事件に関する件)     ―――――――――――――   〔理事金丸冨夫君委員長席に着く〕
  2. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  日航機乗っ取り事件に関する調査のため、本日、日本航空株式会社航務本部管理部長茂呂豊君、同運送部長野村豊吉君の両名を参考人として出、席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  日航機乗っ取り事件について、政府から、まず、その状況について報告を聴取いたします。
  5. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) 日航機乗っ取りを企図した事件が本日早朝発生いたしましたので、現在までに私どものほうに入っております報告に基づきまして、その概要を報告させていただきます。  飛行機は、本日の午前七時十五分羽田発福岡行の三五一便でございます。乗務員は石田真二さんという機長以下七名、そのほか乗客百二十九人、そのほかに乗客名簿にない幼児の方が二人ほど乗っておられるようでございますが、この飛行機が羽田を予定どおり立ちましてから富士山の上空を過ぎ、名古屋方面に差しかかった際に、乗客の中に乗っておりました十四人ぐらいの若い男が、北鮮系の赤軍派と称したようでございますが、短刀を示しまして、ほかに爆薬も持っておる、これからこの飛行機はまっすぐ北鮮に向かえと、こういう脅迫がなされました。しかし、機長との間に、これからすぐ北鮮に向かうには燃料が不足するというようなやりとりがございまして、日航機はそのままのコースで飛んだわけでございますが、この脅迫事件があったことの第一報が羽田空港を通じまして警視庁に入りましたので、警視庁から直ちにお願いをいたしまして、自衛隊機も発進いたしまして、途中この飛行機が岩国の上空に差しかかった際に、飛び立ちました自衛隊機が誘導についたようでございますが、追尾してきたのがついたようでございますが、日航機は八時五十八分に板付に着陸いたしました。  九時四分にタラップをつけまして、直ちに日航当局と警察側とが出向きまして、飛行機に乗っております赤軍派と称する連中に対しまして、客をおろせと、客をおろせば給油をすると、客をおろさなければ給油をしないというようなことで、乗客を無事におろさせるように折衝をいたしたわけでございますが、内部の赤軍派と称する者は言うことを聞きませんで、逆に、飛行機がおりましてから視界の中にありました警察パトロールカーとか新聞記者等の退去を要求いたしました。これについては、直ちに向こう側の要求をのんで、そのとおり実施いたしております。  それから九時二十分ごろになりましてから、まだ乗客はおろせませんで、給油の一応準備のような仕事はやっておりましたが、給油はまだ実際にやりません。それから、乗客の様子は外から小さな窓から見るだけでございますのでよくわかりませんけれども、どうやら、どんな形かで自由は束縛されているような感じでございました。それから、黒めがねの男が日本刀らしいものを持っておるのもちらと見えておりますが。  それから九時三十五分ごろ、ずっと最初から――申し落としましたが、飛行機の中とそれから外におります者との折衝は、飛行機のボデーに外から何か差し込めるプラグがございまして、インターホーンで機長席と話ができるようになっておるらしいのでございますが、それを通じて話しておるわけでございますが、なお引き続いて折衝は、乗客をおろせば給油をすると、それから、中に乗っております赤軍派と称する者は、給油をしなければ乗客をおろさないということの繰り返しでございました。で、その乗っておりました赤軍派と称する連中は、北鮮の富寧というところ、これは清津という日本海側の港がございますが、その近くのようでございますが、そちらのほうへ行くというような名前もちらと漏らしておったようでございます。  それから九時四十分ごろ、日本航空のほうで窓越しに、要するに外側から、タイヤがパンクしておるから修理したいというようなことも言ったようでございますが、中からは拒否をされております。それで、十分以内に給油してすぐ飛び立てと、そうじゃなければ爆弾を投げるというようなことを口走っておったようでございますが、十時五分ごろになりまして、まだそのころまでは給油の準備のようなことをいたしておりますが、実際には給油をいたしておりませんでした。ところが、その犯人の中に飛行機の操縦席にたぶんあるだろうと思いますが、ゲージを見まして、油が入っておらないじゃないか、すぐ給油しろという要求がございまして、やむを得ず給油作業に、実際に油を入れる作業に移っております。  それから十時四十五分ごろの報告によりますと、そのころ給油中でございますが、中の犯人側が三万ガロン給油されたら出発するというようなことを言っております。  それから十一時十五分に入りました報告では、やはり依然として乗客は拘束されている模様でございます。それからやはり通信方法はインターホーンで、先ほど申し上げましたようなインターホーンでやっておりますが、これらの状況は全部犯人側には聞かれておるようでございますが、その犯人側の要求を、その段階での要求を整理いたしますと、満タンに、要するに給油をせよということ、乗客は絶対におろさない。それから定時の整備でございますが、その整備は認めない。それから北鮮の地図をよこせというようなことを言っておったようでございますが、空港、こちら側では自衛隊機がたまたま滑走路で故障をいたしまして、いま滑走路が使えないということ、それから給油は十一時十五分ごろまでかかるだろうというようなこと、それから満タンに、満タンといいますか、四万ガロンと言っていますが、四万ガロンでは海上経由で北鮮行きはまだ油が足りないというようなことを相手方に、向こう側に申し向けております。  十一時二十一分現在になりますと、犯人側との交渉は依然として継続をしておるわけでございますけれども、中には病人の方もおられますので、それから先ほど御報告しましたように幼児が含まれておりますので、こういった子供と病人だけはひとつおろしてくれということを要求いたしましたところ、抑留に耐えられない者は出すけれども、滑走路に故障してとまっておる自衛隊機を取り片づけて、その飛行機が離陸できるようにしろ、その条件をのまなければその病人子供も出さないという答えがきておるようでございますが、この病人につきましては、熊本病院に行く予定でこの飛行機に乗り込んできた患者さんのようでございます。  そういうことで、基本的な相手方の要求を整理いたしますと、満タンになれば飛行機は直ちに北鮮のほうへ飛び立てということと、それから老人子供をおろすけれども、滑走路の自衛隊機を片づけろという要求の段階のようでございまして、これに対しまして、私どもの基本的な方針といたしましては、この行為自体は強盗――現在まあ進行中でございますけれども、飛行機の乗っ取りについては強盗罪、乗客に対しましては不法監禁罪、その他航空法違反の犯罪成立するものと考えておりますが、当面の方針といたしましては、人命尊重を第一にいたしまして、粘り強く乗客の救出のために折衝を続ける。それから第二は、説得その他の措置によりまして、福岡空港からは飛び立たせないような努力をする。それから、飛行機の中ではどうやらラジオ等は傍受しておるようでございますので、警察の、あるいは当局側のとります処置等につきまして、これが放送等で流れますと、犯人の側にも筒抜けになるわけでございますので、これらの手段につきましての秘密の保持については十分慎重にしていきたい。そういうわけで、基本方針は以上のとおりでございますが、私どもといたしましては、考えられる万全の態勢をとって、これに臨みたいというふうに考えております。  なお、犯人らは一応赤軍派ということを申しておりますので、赤軍派につきましても簡単に報告させていただきたいと思います。この赤軍派と称しますのは、極左暴力集団の中に共産主義者同盟というのがございます。これは従来からあるわけでございますが、その共産主義者同盟の分派として、昨年の九月四日はっきり分かれて旗上げをいたしましたやはり同じような最も過激な暴力集団でございます。この赤軍派のねらいとしておりますところは、彼らが言っておりますのは、一応日本におきまして暴力革命を起こして共産主義政権を樹立して、終局的には世界革命を目ざすということを言っておりまして、とりあえず、昨年来、その世界革命のための、前段階の武装蜂起ということを考えまして、いろいろと不法事犯を重ねてきております。現在の勢力は一応約三百名というふうに、私どものほうで見ておりますが、昨年来非常にたくさんの不法行為をしてきておりますが、その中で代表的な事犯を申し上げますと、十一月五日に大菩薩峠でいろいろな爆発物等の凶器を準備して集合しておりましたのを、四十四名検挙いたしておりますのが代表的な事件でございます。そのほかに銃器を集めたり、集めるために他人の銃器を盗んだりするような事件も起こしておりますが、現在までに三百十五人の赤軍派の人員に対しまして、二百八十八名延べにいたしまして検挙いたしております。  なお、塩見孝也と称するのが彼らの指導者でございますが、これも本年になりまして検挙しております。現在勾留中でございます。  赤軍派と申しますのは、大体以上のような団体でございます。  ただし、先ほど申し上げましたように、本日この日航機の乗っ取りを企てておる連中、十四、五人の連中が、はたしてほんとうの赤軍派であるかどうかということはまだ何とも申し上げかねるわけでございますが、赤軍派そのものについては、以上申し上げたとおりでございます。
  6. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) 本件について質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 森中守義

    ○森中守義君 ただいま御説明いただいて、大体事件の概要がわかりました。そこで、だれしも予期しないことだったという以外にないのですね。いま赤軍派の内容等もお話がありましたけれども、何かこういう不穏な空気というのか、あるいは異様な事件が発生するのじゃないか、こういうことは警察庁のほうではあまり事前に察知できませんでしたか。
  8. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) お答えいたします。  このような航空機の乗っ取り事件を起こすような具体的な情報は、私どものほうでも事前にキャッチはいたしておりません。  ただ、赤軍派と申しますのは、先ほど御説明申し上げましたように、終局的には世界革命を考えるというようなことを言っておりまして、特定の外国との連帯云々というようなことも言っておりましたが、ただ、最近の言動の中に、たとえば今回地名をあげております北鮮との関係でどうこうというような言動はございませんでした。
  9. 森中守義

    ○森中守義君 それから、百三十六名のほかに二名の幼児がいるということですね。合計百三十八名ですね。
  10. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) はい。ただいま私どもでつかんでおりますのはそのとおりでございます。
  11. 森中守義

    ○森中守義君 これはお尋ねすると言いましても、とにかく一刻も早く問題が解決することを念ずる以外にないのですよ、率直に申し上げましてね。で、自衛隊機を排除して離陸態勢についたならば、幼児あるいは婦女子はおろそうという、その辺のインターホーンを通じての話し合いは詰めているんでしょうか。何かその辺の状態というか、あるいは話し合いというものがどういう進行状態にあるのか。いま課長のほうから、時間をずっと追いながら、何時何分の段階ではどうであった、次はどうであったかということが、かなり段階的なお話でありましたけれども、その辺の話し合いというものは継続的にどういう状態で行なわれているか。つまり、機長と相手方との話し合いなのか、あるいは機外の所長か何かがそういう措置をとったという何も出ていますね、その辺の実際の状況はどうなんですか。
  12. 茂呂豊

    参考人(茂呂豊君) 先ほど十五分ないし二十分ぐらい前に、福岡のほうと電話連絡で聞きました状況を申し上げます。  先ほど赤木課長からお話がありましたあとでございますが、乗客を全員おろしてほしい、おろすことによって滑走路上の飛行機を除去するという条件交渉をいたしましたが、先方は拒否をいたしまして、その後、じゃ幼児、病人それから子供さんを何とかおろしてもらえないかという交渉をいたしました結果、では十名おろす、そのかわり滑走路上の飛行機を早く撤去してほしいということで、その点につきましての交渉はできまして、それで、目下十名の方をおろす段取りをやっております。それで、燃料のほうは四万ポンド補給を終わりました。それから滑走路上の障害となります飛行機も撤去いたしました。目下飛行機を現在位置から発進させるかどうかという時点にきております。で、その十名の方をおろす場所は、現在の飛行機を置いてある場所ではまずいということで、飛行機を出しまして、いわゆるタクシーウエーと称するところから出まして、滑走路の端から離陸するわけでございますが、その途中のタクシーウエーのところでおろすということを犯人は言っておりました。目下その交渉をいたしておる状況でございます。
  13. 前田佳都男

    ○前田佳都男君 まあ非常にショッキングなニュースでして、ただ問題が進展中といいますか、いま犯罪が行なわれておる最中ですから、詳しいことはわかりませんし、またこれをいろいろ報道すると、それが機内にわかるという関係で、これは秘密にやらなくちゃなりませんので、秘密をお守りになる立場からいろいろ詳しいことは言えないだろうと思うのですが、とにかくこの平和な世界に、人心に与えたショック、影響というものは実に大きいと思うのですね。したがって、これはいまやってくれということじゃありませんけれども、その原因、実態等をできるだけ詳しくはっきりしていただいて、人心を安定せしめるようにしていただきたいということが一つ。  それから、航空機の乗っ取り事件というのは、これは日本で初めてでありますけれども、われわれの知る範囲では、外国では二、三べんあるいは四、五へんもあったように思うのです。こういう乗っ取り事件日本でも流行するといいますか、今後続発するおそれがある。したがって、これに対する処置を、何の罪もない乗客も大事にしなければいけませんけれども、相当きびしい態度で処理をしていかなくてはならない。断固として処置をしていただきたいということが一つ。  それから、今後こういう事件が起こると思うんですが、そういったことが起こらないことを熱望いたしますけれども、起こらないとも限らない、ちょっとやってみようかというやつが出てくるかもわからぬ。それに対してどういうふうに考えるか。赤軍派は別といたしまして、あるいはそういうことを考えるやつがあるかもしれない。  それで、これは日本航空の仕事かもしれませんけれども、乗客名簿といいますか、これはどういうふうに具体的に、その乗客によって飛行機の搭乗を断わるというわけにはいきませんけれども、乗客名簿というのは、その赤軍派の名簿、十四名というのはどういうふうに記載されておるのかということがわかればちょっと教えていただきたい、いま差しつかえなければひとつ。  それから、今後飛行機に搭乗する人の身辺を捜査すると、いかにも疑うような、人間自由を侵害するからいけませんけれども、あるいは爆弾を持ち込むかもしれない。そういうふうな点についても、日本航空としてもどういうふうにお考えになるかということと、まとめてみなお尋ねしますけれども、飛行機の機長が――こういうことは起こるかわからない、これからの問題ですが。そういうときには、機長としてはどういうふうにすればいいかということを平生から訓練しておく必要があると思うんですが、その点についてまずお答え願いたい。
  14. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) ただいまの御質問ですけれども、先生御指摘のとおり、この航空機の乗っ取りというのは最近非常にふえております。一九六一年ごろキューバで起こって以来、昨年の一月から十一月まで、五十件。いままでの八年間分ぐらいがわずか十一カ月の間に起こっておるということでございまして、これについては各国も、こういう乗っ取り罪というようなものを立法化するというような動きがありまするし、検討しておりまして、それから同時に運輸省としましても、このような事件が起こった場合に機長はどのような態度をとらなければならないということを、運航規程というのがございまして、これは運輸大臣認可することになっておりますが、この運航規程の中に、この乗っ取りのような事態が発生した場合に、機長のとるべき態度、処置、これを克明に規定してございます。たとえば、まず第一に、乗客の安全を第一義に考え、乗客はできるだけ安全目的地に着くような処置を講ずるとか、そういうようなことを克明に規定してございます。  それからさらに、例のスイス航空でございましたけれども、爆破事件がありました。それ以来、航空機に積む荷物については厳重にチェックするように行政指導をしております。ただこの場合に、飛行機の中に積み込む荷物は職員がチェックしますけれども、手で持って機内に持ち込むもの、こういうものはポケットに入れたり、身に隠したり、あるいは手に持ったりして、これはなかなかチェックできなかったのが、実情でございます。今回のこともおそらくそのような形で持ち込まれたのではないかと思いますけれども、今度の課題としまして、そういうような手荷物のチェックをどのようにするか、あるいは立法の問題その他も関連いたしまして、そういう問題をどのようにするかということは今後検討しなければならないと思っております。
  15. 前田佳都男

    ○前田佳都男君 それから、十四名のそういう乗客名簿、いまわかっていますか。何という名前ですか。
  16. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) 日本航空のほうからお答えいただいたほうがいいと思います。
  17. 野村豊吉

    参考人(野村豊吉君) 私からお答え申し上げます。  御承知のように、飛行機にお乗りになる場合に、電話でもって座席予約を承るわけです。その際に、お名前と、それから電話番号、それから必要に応じては住所、こういうものを電話で承るわけです。で、予約が完了いたしまして、航空券をお買いいただくという段階で、お名前を航空券に記入いたしまして、その一片制のうちの半券が私どもで御搭乗のおりにいただきまして、それがわれわれのほうの何かありました場合の名簿のかわりになる氏名をその半片の航空券によって保管いたしておるわけでございます。けさほどもその航空券の半券によりまして、お名前とそれからリザーべーションのおりの電話番号、住所によってすぐに旅客名簿を作成いたしました。私一部持って来ております。
  18. 森中守義

    ○森中守義君 どうなんでしょう、日本航空の場合、飲料水、あるいは食糧は大体どの程度――百三十八名ですね、子供さんが二人いますから、百三十六名で一体許容限度はどの程度のものでしょうか、それが一つ。  それから、極度な緊張というか、恐怖といいますか、そういう時間が刻々続いているわけですが、大体パイロットの場合どの程度の時間が耐え得る限度ですか、それが二点。  それから、これは非常にむずかしい問題だろうけれども、夕方までたちますと、十時間余りたっているんで、非常に何かやりきれない気持ちになるでしょうが、その場合に立たせない、おろさないという場合に予想される状態というものはどういうものですか。したがって、その辺、非常に機微に属するならば無理にお答えいただかなくてもいいけれども、要するに、百三十八名の生命だけ何とかして安全を保たねばなりません。一つの方策に類するかもわからぬが、答えられるならばその程度のことを聞かしておいていただきたいと思う。
  19. 茂呂豊

    参考人(茂呂豊君) ただいまの飲料水食糧でございますが、本日の事件の飛行機は国内線の東京福岡ということでございまして、それで朝の発でございますので、途中の軽い食糧だけを用意してございます。それから飲料水のほうも、一時間半、二時間以内の飛行でございますので、十分なといいますか、たっぷりとした水があるわけではございません。あとは、飲料水以外の、便所その他に使います水ももちろんついてございます。以上の状態でございますが、現実問題といたしましては、いろいろお客さんの中にものどがかわかれる方もある、水がなくなれば補充しなければならぬわけでございます。その辺はどういうふうに今後として処置をするかということになるかと思います。それから食糧につきましてもそうでございますが、先ほどのお客さん十名おろされるというと、結局機内との交通は一応できるわけでございますので、燃料補給すると同じように、水とか飲料というもの、あるいは食糧等も補充という問題ができるわけでございます。  それから、機長はどの程度の緊張に耐えられるかということでございますが、大体これは先例のないことでございますので、そこまでの解析その他が、十分お答えはできませんけれども、一般に一つの飛行、離陸いたしまして着陸いたしますのに八時間か十時間が一般的で、長い場合でも十三時間とか十四時間ということでございます。したがいまして、その間は機長としての責任がございますので、それだけは十分できるような形で、機長は飛行機に乗り込む前に十分な休息をとって出てきております。したがいまして、こういうふうな非常事態でもございますし、それから機長としてきびしい訓練も相当積んでまいっておりますので、相当な時間耐えられるものと確信をいたしております。
  20. 森中守義

    ○森中守義君 要するに、一刻も早く最善を尽くして解決のできるように、最後のお願いをして私の質問を終わります。
  21. 前田佳都男

    ○前田佳都男君 これはなかなかむずかしいお尋ねだと思うのですけれども、赤軍派の問題ですね。これは、大菩薩峠で山の中に立てこもって爆弾を投げる練習をやったり、そういうことを事前に察知されてうまく検挙された。非常に手ぎわがあざやかだったと私は非常に感心をしたのですが、今度はそういう手ぎわがあざやかでないというか、まあむずかしい。こういうことはなかなかわからぬのですけれども、いまのお話を聞きますと、赤軍派が三百人というのですが、そのうち二百八十八名の検挙者があったということを聞いておるのですが、こういうことになりますと、あと十二名ぐらいですが、これがはたして本物の赤軍か何軍か知らぬけれども、とにかく、こういう過激集団については相当、まあどういう社会にいろいろなことするか、これは、赤軍派に対する措置というものは秘密の問題でありましょうが、どうも、三百名のうちの二百八十八名検挙されたらあとたいしたことはないというふうに私は思うのですが、実際はもっと上回っておるのじゃないかと思うのですが、そういう危惧を持っておるのですがね。非常にみな国民が心配しておると思いますので、その点をひとつ。
  22. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) 実は、昨年の数々の違法行為によりまして多数の逮捕者を出しましたことは先ほど御報告申し上げたとおりでございますが、ただ、それでなぜ現在三百名ほどおるということになるのかというお尋ねでございましたが、実は、本年に入りましてから、一月十六日以降、この一月十六日は東京都内で会合を開いておりますが、それ以降全国各地でこの赤軍派の会合を開きまして、昨年受けました打撃から立ち直るための一種のオルグ活動をやっております。それで、あす四月一日に日比谷公会堂で全日本革命戦線結成大会というような名前で大会を開くという予定も持っております。そういうことで、実は昨年違法行為を行ないました段階では、先ほど申し上げましたとおり、二百八十八名の、これは延べでございますので、一人の人間が何回か逮捕されたものがございますので、二百八十人名になりますが、実数で申しますと二百二十二名でございます。その当時、被疑者としてこちらが追及しておりまして、いまだ逮捕されておらない者がわずか二十一名でございます。しかも、その中で最高指導者であります塩見孝也というのがこれが事実上の独裁的な指導をしておったわけでございますが、この者も昨年の一連の違法行為によりましてとりました逮捕状によりまして、本年、通常逮捕して現在身柄拘束中でございます。そのほか、昨年来からの活動をしておりましたおもなる幹部はほとんど逮捕しておりますが、若干未逮捕の者がいると、こういう状況でございます。
  23. 前田佳都男

    ○前田佳都男君 今度は航空機の乗っ取り事件でありますが、これまた外国で船を乗っ取って、脅迫して指定する航路に船を就航せしめるとか、そういう事件もあったようでありまして、これも違法になると思うのですけれども、これは航空局の所管でなくて、ここに運輸省海運の人もおりませんけれども、これについてやはり相当考えておかなくちゃいかぬと思うのですが、ちょうど官房長いらっしゃるから、官房長お答えできぬでしょうが、一応これどうですか。
  24. 鈴木珊吉

    政府委員(鈴木珊吉君) いま突然のお尋ねでございますのですけれども、船につきましても相当あり得るかとも存じます。しかし、いまそういった関係の、航空法にありますようなそういったような法的な規制は、船につきましてはないのではないか、いま私、資料を持っておりませんので、確実ではございませんけれども、ないのではないかと思うのでございますが、今後そういう点については検討すべきではないかというふうに考える次第であります。
  25. 岡三郎

    ○岡三郎君 私、どうもふしぎに思うのは、日本刀ですが、日本刀というから、どのくらい長いものかちょっとわかりませんけれども、日本刀を隠して入るというのは、これは警備課長、どういうふうにできるのか。まあ短いものなら別にして、日本刀と称せられるやつはちょっと長いものだろうと思うのですがね。これを結局、荷物にしてやれば、あれは機内のどっかに別に入っちゃうでしょう。自分でどこか携えていくものは別にしていくわけです。そうすると、結局どの中に入れたのかどうかわかりませんが、問題はやはり一番端的にいって十四ないし十五人というものが、どういう年齢層か知りませんが、若いと見れば、そういう人が何の用で行くかということについて、特にこれから若い層のそういうふうな面についてのチェックというか、そういうようなものをやるようになるのかどうか、これもわかりませんけれども、その荷物を全部改めるというようなこと自体についても、これは外国行きの場合と違って国内の場合はちょっと手荷物を持っていくというような形になると思うのです。だから、いまの航空法ではこれはちょっとできないと思うのですが、そういうことを考えていく場合に、これに対する何か処置の方法というのはあるかどうか。これは警備の面について、あるいは航空法その他の両面から見る対策ですな。これは初めてのことだから、いますぐにこういたしますというわけにはいかぬと思うのですけれども、これをやってもらわぬと、非常に心配の種、さっきも前田さんも言ったように、不安の種が尽きないと思うのですね。両面からのチェック、考え方ですね。
  26. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) 先ほど日本刀云々と御報告いたしましたのは、窓越しに黒めがねの男がそれらしいものを持っているのが見えると、こういうことでございまして、まだこれは……。
  27. 岡三郎

    ○岡三郎君 はっきり確認していない。
  28. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) ええ、確認ではございませんで、短刀といい、日本刀といい、どうもその辺もう一つはっきりしかねるのでございますが、ただ、かりに日本刀を携えて飛行機等に乗ってくるということになりますと、これは街頭を歩いておっても同じでございますが、一応警察官が、それらしいものを持っておるということになりますと職務質問をいたしまして、それが日本刀でありますならば、所持許可を持っておるかどうかということを確かめる。それが確かめられなければ適当なところへ来ていただいて十分調査するとか、そういう正式な許可を持たずに日本刀を持ち歩いているということになりますと、銃砲刀剣類の所持違反になるわけでございます。ただ、非常に長いわけでございますが、たとえば昨年来の過激派集団がいろいろな凶器を持ち歩いたのも、たとえばゴルフバッグに入れたり、いろいろとくふうをしてやりますと、なかなか発見がむずかしいということもございます。
  29. 山田勇

    ○山田勇君 先ほどの十二時四十五分のNHKのニュースで私も聞いたのですが、日本赤十字から国際赤十字を通じるか、またそれに対し北朝鮮のほうへ連絡をしてもらうと、これは最悪の場合飛行機が北鮮へ向けて離陸した場合に、やはりその航空ルートがないものですから、不法侵入機として攻撃を受ける可能性も出てくるということで、それに大体どのくらいの時間がかかるのか、それが第一点。  それから先ほど日本航空の方がおっしゃいました、リザーベーションを受けたとたんに氏名並びに連絡電話番号というものを聴取するはずです。その場合、全部、いまのパッセンジャー名簿を確認しまして電話番号を入れますと、当然偽名で乗っていると私は思いますので、電話番号もでたらめかもわかりませんが、警察当局としては、そのリザーベーションの電話からその百三十六人のいわゆる電話を確認なさったかどうかということです。  それと、いま森中委員がおっしゃったように、最悪の場合、北鮮に離陸した場合、機内食の確保、水ということでやはり万全を期していただきたいと思いますし、御承知のとおり、赤軍派というのはかなり過激な行動派ですから、いたずらに時間ばかりをかけるということはお互いに刺激するし、乗客もやはりそれに対して若干のエキサイトをしてくると思いますので、この四項目、最初にあげておりました、乗客を安全におろす、車輪の空気を抜く、時間をかけて給油をする並びに自衛隊機によって離陸を妨げるというようなことは一応撤去をしたようには思うのですが、そういうふうにして、これ以上、一応赤軍派と称する学生たちに対する刺激を私は避けていただきたい。そうして、最悪の場合、北鮮に行った場合のいわゆる航空管制塔との連絡というものはどうなるのか、またはソ連大使館を通じているのか、それとも日本赤十字から国際赤十字にいま現在そういう連絡をとりつつあるのか、侵入機じゃないということを確認して着陸の安全をはかるということもぼくは大切じゃないかと思うのですが、その点どうなっておるのでしょうか。
  30. 金井洋

    ○説明員(金井洋君) お答えします。  十三時四十分現在、まだ運輸省としてはそのようなことは直接にきめておりません。といいますのは、まず福岡で乗客をおろしなさいと説得を続けておるような事態でして、これから北鮮に飛んだ場合にどうだとか、そういうことは全然まだ運輸省として考えておりません。まず乗客を安全におろしなさいということで説得を続けております。
  31. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) ただいま報告の入りましたところによりますと、一時五十九分に乗客のうち二十名、老人、子供、病人の方だろうと思いますが二十名をおろしまして、いま飛行機は北に向かって出発したそうでございます。御報告いたします。
  32. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、結局、これは何かこの前南鮮でやりましたね、南鮮から北鮮に奪取しましたね、飛行機を。あれと同じケースになったわけですね、事実上は場所は違うけれども。結局、人命保護のために機長はやはり行かざるを得なかったということに判断せざるを得ないと思いますが、その場合に老人とか、子供とか、病人はおろしたということで、あと健全な、いわゆるおとなというものが同行させられたということで、ちょうど形は南鮮のいわゆる飛行機を奪取したケースと同じような形になってきたということで……。これは赤軍の学生ということははっきりしているのですか、学生は。これは学生と書いてあるけれども……。
  33. 赤木泰二

    ○説明員(赤木泰二君) 失礼いたしました。どういうものに学生と書いてあるか私は存じませんが、実は学生ということははっきりいたしておりません。それから、ただ若い青年であるということで、そういうので学生となったんではないかと思いますが、それははっきりいたしておりません。  それから、先生御指摘のとおり、南鮮でございました事件といまや全く同じような少なくとも状態になりました。で、できるだけ私どもといたしましては、現場で時間かせぎと申しては何でございますが、給油その他の措置をとりながら、犯人と粘り強く折衝をいたしまして、少しでも多く、できれば乗客を全員おろしたいということで、これは単に私どもだけじゃなくて、関係者みんなでそういう努力をしたと思うのでございますが、ところがやはり相当興奮もいたしておるようでございますし、ついに二十人おろしただけということにとどまったのだと思います。いまの報告は、ただ二十人おろして飛び立ったというとりあえず報告が入りましたのをそのまま申し上げましただけで、詳しいことはまだわかっておりません。
  34. 森中守義

    ○森中守義君 そうなると、もうすでに国内における事件から国際的に移ったわけだ。事件は、あと運輸省、あるいは日本航空それから外務省、当然関係してくるでしょうが、ここでそこまで聞くのは少々無理なような気がしますが、どういうことが想定されますか。全く新しい事件エスカレートしちゃったわけだ。
  35. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  36. 金丸冨夫

    理事(金丸冨夫君) 速記をつけて。  本件についての質疑は、本日はこの程度でとどめ、本日はこれをもって散会いたします。    午後二時八分散会      ―――――・―――――