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1970-03-24 第63回国会 参議院 農林水産委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月二十四日(火曜日)    午後二時四十分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         園田 清充君     理 事                 亀井 善彰君                 高橋雄之助君                 北村  暢君                 達田 龍彦君                 藤原 房雄君     委 員                久次米健太郎君                 小枝 一雄君                 小林 国司君                 鈴木 省吾君                 田口長治郎君                 任田 新治君                 森 八三一君                 川村 清一君                 中村 波男君                 沢田  実君                 向井 長年君                 河田 賢治君    国務大臣        農 林 大 臣  倉石 忠雄君    政府委員        農林政務次官   宮崎 正雄君        農林大臣官房長  亀長 友義君        農林省農地局長  中野 和仁君        農林省畜産局長  太田 康二君        食糧庁長官    森本  修君        水産庁長官    大和田啓気君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        農林省農政局参        事官       岡安  誠君        農林省農地局管        理部長      小山 義夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (昭和四十五年度農林省関係の施策及び予算に  関する件)     ―――――――――――――
  2. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) これより農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査を議題とし、昭和四十五年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 任田新治

    ○任田新治君 大臣が予算委員会に出られておりますので、各局長さんに対して大臣の所信表明を中心として質問をいたしたいと思います。  まず、大臣の所信表明に、農政の推進上最も重要なポイントは、自立経営農家の育成とそれから兼業を含めた集団的生産組織の育成、この二つを言っておられる。また、広域営農集団の形成も進めていかなければならない、こういうふうに言っておられるのですが、この三つのことが私自身もきわめて重要なことだと思うわけでありますが、日本農業の地域的な分担というもを考えた場合に、これらをどういうふうに見通しておられるかという問題があります。私は特に北陸農業の地帯におる者として、特に北陸農業に対してはいま大臣がおっしゃっておる三つの問題については、地域分担の立場から見てどんなふうに考えておられるのか、大臣自身ではございませんが、官房長もまた担当それぞれおられますので、どなたからでもけっこうですが御答弁を願いたいと思います。
  4. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 地域の問題につきましては御承知のように地域分担という考え方がございまして、私どももこの作業にいま取りかかっておるような実情でございます。将来――将来というよりもこれはできるだけ早くやるということで、私どもできれば夏ごろ、あるいは年内には各団体、あるいは県とも協議に入るような作業の進捗を想定して、いま一生懸命やっておるところでございますが、具体的にそれが出てまいりませんと、たとえば北陸地方についてどういう形を想定するということはきわめてむずかしいわけでございますが、まあ御承知のように、地域的に特化される傾向というのは私どもの需給見通しでも多少述べておりますように、地域の特化傾向というのがかなり出ております。北陸などの場合は米についても特化傾向が特に強いということは言えるわけでございます。ただ、地域分担ということになりますと、これはもう少し根本的に現在の与えられておる条件だけでなくて、将来の見通しあるいは市場条件の変動、輸送条件等もいろいろ数値を入れてみて計算をいたしますので、いままで出てきた特化傾向は今後とも地域分担の形にそのまま生かせるかどうかという点について私ども必ずしも確信を持っていないわけでございますけれども、やはり現在まで生産されてきたという現実は何としてもそういう場合に大きく作用するということは私言えるだろうと思います。  そこで、具体的にこの大臣の所信表明で述べておりますような自立経営の育成あるいは広域営農集団というふうな形の具体的な地域分担との結びつきも、実は地域分担内の構想が明らかになって初めてそこで指導方針として打ち出せるという段階になりますので、現段階で、どういう地域でどういう集団経営が伸びるという段階まで実は作業が進んでおりません。ただ、抽象的には私どもが「農産物の需要と生産の長期見通し」の中でも述べておりますように、たとえば北陸について考えますと、これは大体中間地帯という地域区分で、私どもこの「需給見通し」の際には考えたわけでございます。その中間地帯という考え方の場合には、たとえば三十年から四十一年の変化を見ますと、作目としてはやはりこれはもちろん米、あるいはその他の関係では果樹、野菜というふうなものが比較的伸びが大きくなってきている。一方肉用牛とか乳用牛については、それほど伸びてきていない、こういうふうな中間地帯の場合には特化の傾向というものがございます。将来地域分担が出ました際に、こういう特化の傾向がさらにどういう形で計数的に出てくるかを見まして、広域営農集団なり、あるいは自立農家の育成という方向と結びつけて指導方針をつくりたいと考えております。
  5. 任田新治

    ○任田新治君 大体わかりましたが、非常にこの問題はむずかしくて、しかも、これからの構造政策はどうしても地域分担というものが基本になると思いますし、地域分担に対して広域営農集団であるとか、いま申し上げた三つの事柄は、どっちをあとに考えるべきか、先に考えるべきかわからないような問題でありますが、とにかく当面、米の生産調整の問題もありますし、これとも密接な関係がありますので、極力早く具体的に各地域の構想をまとめて、そうしてその上で、手段としていろいろの生産組織、三つのものが考えられておるわけですが、これをどういうふうに当てはめていかれるか、そういうようなことが作業として出てくるだろうと思います。ぜひとも早く進めていっていただきたいものだと思います。ただ、私は農地の流動化対策、それから、もちろん農地価格、この問題に対して農林省が積極的に取り組んだ方策を講じない限り、なかなかこの見通しは困難であろうと思います。この点について今国会に出ておりますところの四つの法律だげでいいと思っておられるのか、さらにもう少し前進する考え方でおられるのか、この点を伺いたいと思います。
  6. 小山義夫

    ○説明員(小山義夫君) 日本の農業の将来を考えましたときに、農業の生産性を高めていく、そのためには目先の対症療法だけではなくて、根本的な原因療法といいますか、体質改善が必要なわけであります。そのためには何と言っても農地ができるだけ生産性の高い経営によって利用されるということが必要になるわけであります。そのためには、農地の流動化をはからなければならない、現在のような経済的な条件の中では所有権による流動化だけではなかなかむずかしいという点がございまして、あわせて貸し借りによる流動化も含めて、今後一そう農地の流動化対策を進めてまいりたいという考え方のもとに、ただいま衆議院のほうで御審議を願っております農地法の改正案を初めといたしまして、さらに農業者年金制度の創設でありますとか、また法律制度の対策ではございませんけれども、いろいろ農林省の守備範囲をこえても、広く農業外の雇用の機会の拡大をはかるといったようなことが必要になってまいるわけであります。農地法の改正はそういう意味では条件整備といった意味合いがあるかと思いますが、広く各般の施策を積極的に講じてまいらなければならないというふうに考えて、鋭意努力をしておる次第でございます。  またお尋ねの農地価格の問題につきましては、これは農地だけ切り離された価格というわけにはまいりませんので、基本的には国民経済全体の中で解決をしなければならない問題が多いわけでありますけれども、農地価格につきましても、いろいろ規模拡大をはかる、あるいは農地の流動化を促進するということから考えましたときにも、農地価格が安定しておるということが絶対必要な前提にもなるわけでありまして、そういう意味でいろいろ対策を考えておりますが、特に今後とも農業として残していく地域につきましては、先般成立を見ました農業振興地域の整備に関する法律によりまして、農用地区域については土地の利用区分を非常にはっきりさしておる。またその利用区分に従って農地の転用等もそれに従って扱っていく、きびしく運用していくことになるのでありますので、一般農地についての農地法の転用許可の扱いとあわせて、農地の投機的な取り引き、資産保有目的の農地保有といったようなことを規制してまいるといったことによりまして農地価格の安定につとめてまいりたいと思います。なかなか地価問題というのはむずかしいことでございますので、関係各省とも十分連絡協調いたしまして、より一そうの効果をあげてまいりたいというふうに考えております。
  7. 任田新治

    ○任田新治君 ぜひひとつそういう方向で、一そうの努力をされるようにお願いをしたいと思います。  話が具体的になりますけれども、こまかい話を二、三伺ってみたいと思います。  広域営農集団の形成ということがうたわれておるのですが、これは具体的にその主体となるものをどういうふうにしていこうという考え方になっておられるか。たとえば単協であるとか、あるいはその単協が幾つか集まっての複合体でいこうとしておるのか、あるいはまた市町村単位で考えておられるのか、またいままでやっておるいわゆる第一次構造改善事業、ああいう際に設けられておったグループ、そのようなことがいろいろ考えられるのですが、この広域営農集団というものについて、その主体はどこに置く、大体どういう考え方でおるということがあれば伺いたいと思います。  それから集団生産組織というものを広域営農集団のこの二つの名前があがっておりますが、文字のままで見れば私も十分差がわかるのですが、特にこの両者の差というものはどういうふうに考えておられるか一応伺っておきたいと思います。
  8. 岡安誠

    ○説明員(岡安誠君) 農林省で考えております広域営農団地の育成対策は、大体数カ町村といいますか、相当広域なものを対象にして考えております。したがってその地域に含まれますものは数個の農業振興地域ということになりまして、その地域内におきまして農産物の生産なり、出荷、流通、加工というような各種の段階を組織化しようと考えておるわけであります。具体的な事業はいろいろ考えられますが、従来から行なわれておりましたものを申し上げれば、たとえば米につきましては、総合改善のパイロット事業というものもございますし、それから四十五年度からは、特に農林省で考えております大規模農道を整備するということを根幹といたしまして各種の施策を組み合わしてまいりたいと考えております。したがいまして、この組織といいますか、この団地の事業を推進してまいりますのは、農協のみならず地域内の土地改良区とか農業委員会とかそういう各種の団体や機関がいろいろ協力をいたしましてそれぞれその機能に応じまして仕事を分担するということになろうかと実は考えておるのでございます。  で、あとの御質問の集団的生産組織との違いはどうかということでございますが、私どもの考えております集団的生産組織と申しますのは、いわば自立経営が可能であるような中核農民を中心としました生産主体と申しますか、それを集団的生産組織というふうに考えておりますので、この広域営農団地の中におきましては、このような集団的生産組織といいますか、そういうものがそれぞれ、生産の面を担当する、それが先ほど申し上げました出荷とか流通段階の各機関と協力をしまして広域団地としての生産を続けまして、いわばその団地全体といたしましては需要に見合った生産ができるというようなことを実は考えておるわけであります。
  9. 任田新治

    ○任田新治君 大体わかりましたが、要するに、その事業目的に応じて主体がいろいろな形であらわれていくと、もちろんその事業目的によってのことだ、そういうふうに私考えるのですが、この場合に、特にそうとすれば、各県のそれぞれ持っておりますところの構造政策というものがこれが非常に大事なことで、それによってその県その県によっていろいろなフォームができ上がっていくだろうと思う。国全体として何も統一的な、各府県それぞれ画一的なものでなくてもいいわけですから、よほど各都道府県当局に対する皆さん方の考え方を徹底させていかなければなかなかうまくいかないというふうに私思います。  次に、先ほど幾らか触れましたが、今度出てまいりますところの法律、それぞれ改正もあれば新規に出るのもありますが、四本あるわけでありますが、これ以外に将来考えるというか、将来改正する、あるいは新規につくるというような法律、そういうものの構想がありますか。どうですか。
  10. 小山義夫

    ○説明員(小山義夫君) 農林省全体のことは私ちょっと適格でございませんので、農地局関係で申し上げますと、やはりいま提案をされております農地法改正のほかには、実は課題として持っておりますのは、土地改良法についていろいろ検討をしなければならない点が出てきておるということでございます。  と申しますのは、いろいろ世の中が変わってきておりまして、幾つか問題点を申し上げますと、一つは、現行の土地改良法は、御承知のようにいろいろな土地改良事業をやりますけれども、その受益地が農地に直接結びついておる、そういう事業についていろいろ規定が設けられております。ことばをかえて申し上げますと、農業の生産の基盤整備ということでいろいろな仕組みができておるわけでありますけれども、これからのいろいろなことを考えますと、農地だけではなくて、広く農村の環境整備――道路とか水路とかあるいは場合によっては住宅の移転等も伴うような広い村づくりをやっていく。もちろん農業の生産基盤の整備を中心としてやっていくわけでございますけれども、現行法のように、直接受益地が農地に結びついているという制度のもとのそのワクの中だけではなかなか大きな仕事ができないというふうな問題にぶつかっておりますので、そういった点で、必ずしも直接農地に結びつかない仕事も総合的にやっていく、環境整備を進めていくというふうな制度、仕組みが必要になってきているのではないだろうかという点が一つであります。  それから、また水の問題につきましても農業用水だけではなくて、都市用水の需要が非常に出てきておりますので、上水道あるいは工業用水等も含めて都市用水と農業用水との調整をはかりながら水の必要量を確保していく、そういう事業もあるいは必要になってくる。そういうことも考えますと、いまの土地改良法は狭過ぎて必ずしも対応できないといったような問題があるわけでございます。そういった点をいろいろ現在検討中でございますが、なかなかこれは現行土地改良法の基本に触れますことでありますので、そう簡単に結論が見出せないで苦慮しておる段階でありまして、ただいまのところ、たとえばこんな骨子のものを考えておるというふうなことを申し上げられる段階に達しておりませんけれども、鋭意これから検討いたしまして、いろいろ広く関係者の方々の知恵も拝借して慎重に検討してまいるというふうに考えております。
  11. 任田新治

    ○任田新治君 私がお尋ねしましたのに対して、それ以上に考えていないというような話が出たら、土地改良法あたりを改正しなければならぬじゃないかと申し上げたかったんですけれども、管理部長さんからそういう話がありましたし、またその改正の概略を聞きますと、あまり私の考え方とは違っておりませんので、この点はまあこれだけにしておきたいと思います。  ただ農村の環境整備の問題ですが、ことしの予算の中でそのほうがだいぶあらわれてきておる。この点は非常に私は喜ばしいことだと思います。先年ロンドンのほうへ行きましたところが、農業の側からの問題ではないんですが、ロンドン市内の工場を極力地方に分散させたいというような考え方からあっちこっちで考えておったことがあるわけですが、結局は地方分散を奨励する意味合いから、いわゆる日本でいえば通産省側というか、そういうような立場からだろうと思いますが、とにかく地方に分散する工場に対して税金の問題、軽減をする。それからもう一つは、工場移転のための必要な諸経費に対処して、長期低利の貸し付け金の大きなワクを設けてやっておるというような事実を知ったのでありますが、いま前々から工場誘致――農業の側から工場を誘致しようということが前々から言われておったし、特に四十五年度の予算編成にあたってこの声が大きくなった。また政府自体も所信表明にその話がうたわれておるのですが、ただそういう話だけにしないで、積極的に通産省と農林省とが話し合って国全体の過密対策にもなるし、また農林省が考えておるところのいわゆる農家の総所得を上げるというような考え方からの工場誘致ということにもなるわけでありますから、そういう点で税金の問題、あるいは貸し付け金のワクの問題、こうしたことでいま何か具体的に考えておられるかどうか、あわせてお聞きしたいと思います。
  12. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) いわゆる工場の地方分散、私どもこの問題につきまして、昨年来通産省、労働省といろいろ話を進めてまいりまして、この二月に各省の間で農村地域工場適地において工業開発の促進をはかるための特別措置というものを三省で申し合わせをした次第でございます。この趣旨につきましては、本年度予算の段階では実はまだ実態調査の段階でございまして、調査費として通産省に一千万円計上されておる段階でございますが、構想といたしましては大体この中にまとめておりまして、本年度の実態調査の結果を待って具体的に着手をするという考えでございます。  この構想の内容といたしましては農村地域工場適地というのを定める。これはやはり農業の振興あるいは通勤可能な形で農業者の所得をふやすという意味も含めまして、農業振興地域に指定された市町村、またはこれに隣接する市町村に含まれる地域、こういうのを対象にしていこうという考えであります。同時に通産省では工場立地の調査等に関する法律というのがございまして、従来この工場立地調査簿というので、すでにそういう適地も記載されておりますから、両者を照合しましてここに新しく農村地域工業振興計画というのをつくって、各省大臣がそれを承認して、この実態調査を進めるという形にいたしております。  そこで本年度当面の施策としましては、そういうものができれば、まずこれは用地取得について便宜をはかる。さらに地方債の起債ワクを優先的に考慮する。さらに公営企業金融公庫引き受け分については利率の引き下げをはかる、こういうような施策を当面の目標にいたしております。さらに公営企業金融公庫以外の日本開発銀行、北海道東北開発公庫、中小企業金融公庫等からの設備資金の融資について特別の配慮をする、こういうたてまえで進んでおります。今後の施策といたしましては実態調査の結果を勘案しまして、さらに以下申し上げますような措置をだんだん進めてまいる。必要があれば今後特別立法もやりたいというふうな申し合わせもしております。具体的には、たとえば道路、港湾等の建設についての国の負担割合を引き上げる。それから立地企業に対する税法上の優遇措置を講ずる。工業団地先行造成のための地方債に対する利子補給及び造成の方式について検討する。こういうふうな方針がすでに私どもの問でできておるわけでございます。具体的になりますと、これは明年度以降の予算なり、あるいは立法措置ということになりますが、方向といたしましてはもうすでに三省で申し合わせを得ておりまして、閣議にも御報告をいたして、総合農政の一環として強力にこれを進めるということに相なっておる次第でございます。
  13. 任田新治

    ○任田新治君 だいぶこまかく突っ込んでおられますので、私も安心しましたが、極力ひとつ単に農林省だけでものを考えるということでなくて、通産とあわせて国全体で農業に取っ組んでいただきたいものだと思います。  いま、私は農村生活の環境の整備ということをちょっと申しましたが、ことしの四十五年度の予算編成で私は何といっても環境整備というものを大きく打ち出して、ある程度その具体策について予算の上でも措置ができたということは非常によかったというふうに思います。フランスではたしか人口二千人以下の村では、その村の実際の行政指導は日本の農林省にあたる行政機関が一括やっておりますが、まあそういうような点から見てやはり日本の農村というものはどうしても農林省が責任を持って農村の生活環境の整備をやらなければならぬというふうに私は思います。とかく日本では各省のセクショナリズムがあってなかなかこの点はむずかしいわけでありますけれども、少なくとも現在の段階では、農村計画は農林省が立てるのだということでいって、その上で事業の実施が各省それぞれなわ張りが排除できればいいけれども、もし排除できないにしても、そこでいわゆる事業の上での分担を明確にしておけば、計画はとにかく農林省で立てるということで相当効果があがっていくだろう、そういうふうに私は思います。ぜひこの構想を農林省内でも積極的に立てていただきたい。  まあその上でお尋ねするわけですが、いま農林省自体を見てみますと、土地の利用計画というものが、村で言えばいわゆる村士計画というようなものが一番基本にこれからなっていくだろうと思います。この土地利用計画について農林省はどうしているかという点を見ますと、あるいは構造改善事業、また農道網の整備であるとか、もちろん土地改良の仕事がある、あるいは農用地の造成があるというようなことになりまして、これが農成局あるいは農地局に分担されているわけであります。また農村の住宅という問題が、生活環境ということからいけばもちろん出てまいりますし、どんぴしゃりで生活改善の事業もやっておられるのですが、この点になりますと農業改良普及部門でやってござる、あるいはまた電気導入であるとか、農村の住宅団地の建設であるとか、こういうことにつきましてもそれぞれの分野があろうと思いますけれども、この際どうしても生活環境の整備を農村については農林省がやるということになりますと、そこにいま申しました各部門からある程度引き抜いて、そうしてどこかに指導性を持たした部局がなければならないというふうに考えられるのですが、こうした考え方について何か持ち合わせがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
  14. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 土地利用計画、国全体としての土地利用計画というものもしばしば非常に叫ばれることでございますけれども、御承知のように、それぞれの用途それぞれを主管する役所がありまして、全国的なまだ土地利用計画というものは、言われるべくしてなかなか具体的にはでき上がらない。土地のそれぞれの利用を示さないで、いわゆる全体的な、たとえば全国総合開発計画的なものはできますけれども、個々の土地をそれぞれどのように利用するかという地図と内訳は、実際上まだできておらない。結局、原則的には住宅あるいは都市としての利用であれば都市計画、農業であれば農業振興地域というふうに、それぞれの目的に応じてそれぞれの利用計画ができるということに相なっております。私ども、全国的な土地利用計画、土地利用区分ができることは望ましいと思いますけれども、実際問題としての処理は、従来各省がやってきたような都市としての利用のための計画あるいは農業としての利用計画ということで個々に進んでいかざるを得ないだろうと思います。  そこで次の御指摘の問題の、農業として利用する場合に、たとえばそこを住宅に利用する、あるいはここを畜舎に利用する、こういう計画を立てたらどうかというお話だろうと思いますが、農業振興地域に該当する区域につきましては、私は市町村長のやり方によっておそらくそういうことは可能であろうと思います。  それから農林省の部局のお話が出ましたが、確かに生活面あるいは構造改善、それぞれ分かれております。非常にその間の連絡ということがうまくいかないというふうな御指摘でないかと思いますが、そうかといいまして、一挙に特定のたとえば農業用地を利用する部局というのをつくりましても、結局また行政のことでございますので、他の分野とのかみ合わせがなかなかうまくいかないことも御承知のとおりでございます。私どもの現段階としましても、やり方としましては農政局で生活環境の整備、同時にこれは構造改善というものもあるいは農業振興地域というのも農政局で処理することには相なっておりますので、やはりこれは農政局を中心にそれぞれの局が関係の事業に関して協力をする、こういう体制で進んでまいりたいと思います。いろいろ横の連絡ということも非常に私ども今後気をつけなければならぬ問題かと思いますので、一挙に組織的にたとえば生活環境だけを取り上げてつくるということには他の部面での困難がございますけれども、横の連絡につきましては、御指摘のように農政局を中心に十分連絡をとりながら進んでまいりたいと考えております。
  15. 任田新治

    ○任田新治君 私の持ち時間というか与えられた時間が大体なくなったようでありますので、まだいろいろお尋ねしたいこともありますが、別途予算委員会の分科会に譲りましてこれで質問を終わります。
  16. 川村清一

    ○川村清一君 私は先般大臣が所信表明演説で明らかにされました諸施策の中で、水産部門に関する政策につきまして、許された時間、御質問申し上げたいと思います。所信表明演説の原稿は一ページから十一ページにわたる印刷物で配付されたわけでございます。この中で水産部門に関するものは九ページの後半から十一ページの前半にかけて書かれておりますが、これをさらに検討しますと、施策として具体的に述べられておる部面は十一ページの三行目から終わりから二行目までの八行あるわけでございます。しかしこの八行の中に書かれております事項を検討してみますというと、非常に抽象的な表現で書かれておりますので、内容をつかむことがなかなかむずかしいのでございます。農業部門につきましては、具体的に非常にきめこまかく重点を志向されておる施策が述べられておりますのでわかりますが、水産業につきましてはきわめて抽象的でございます。そこで私はここに表現されております問題につきましで具体的にお尋ねし、具体的に明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。  施策のおもなものは、一つには「第四次漁港整備計画に基づいて重点的整備につとめる」ということであります。その次には「海洋開発の立場から新漁場の開発、試験研究の推進、新技術の企業化の促進につとめる」、こういうことであります。それからもう一つ、「沿岸漁業の振興をはかるため、沿岸漁業構造改善事業の推進をはかる」ということ、さらに「資本装備の高度化等による経営の近代化を進める」ということ、そして最後に「水産物の流通改善を促進する諸施策を推進してまいる所存である」ということでございます。  第一の「漁港整備計画に基づいて重点的整備につとめる」ということは、これはまあ読めばわかることでございますが、次の、私がいま申し上げた問題等につきましては、具体的にどういうことを述べられておるのか、具体的に何をやろうとなさっておるのか、それがちょっとわかりませんので、これらの問題についてもう少し明らかに御説明を願いたい。第一番目にこのことを御質問します。
  17. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 所信表明でございまして、わりあいに要約いたしておると思いますので、ただいまのお話の水産についての私の考え方をひとつ申し上げたいと思います。  申すまでもなく、われわれが与えられた任務として、この水産の政策は、第一に国民に安定的に優良なる水産物を供給することでありますから、わが国漁業は年々その生産量を増大いたしまして、国民のとります動物性たん白質食料の供給上重要な役割りを水産業は果たしておるわけであります。今日でも御承知のように、国民の摂取いたしております動物性たん白の六割弱は水産物であります。そこで水産物の消費の趨勢と国民生活の向上等を考慮いたしてみますると、将来ともに食用需要はだんだん高度化して、多様化の傾向を強めながら堅調にその需要が増大するものと私どもは予想いたしておるわけであります。特に、中高級魚介類につきましては、国内生産をかなり上回るものと想定されておるわけであります。したがって、今後ともわが国漁業のすぐれた生産力を活用いたしまして、生産性の向上につとめながら一段と需要の動向に即した生産の拡大をはかる必要があると考えております。  それから水産政策の中でもう一つ大事なことは、漁業経営の確立、それから漁業従事者の福祉の向上ということでありまして、これがなければこの生産をますます盛んならしめることはできないものでございますから、私どもといたしましては漁業経営の動向を見まするに、近年の傾向として、その所得水準は漁獲高にささえられながら順調に伸びてはまいっておりますけれども、一部の業種に停滞の傾向が見られますし、漁業従業者の賃金水準も上昇率が鈍化いたしてきておると思います。また活発な投資はなされておりますけれども、資源事情や労働力の事情等から、そのわりには生産性の向上が進んでおりません。このため漁業経営の一そうの近代化を進めることには漁業の労働条件を改善して、漁業者の福祉の向上をはかることが必要であると考えております。  以上申し上げましたような動向に対処いたしまして、水産施策の方向といたしましては、増養殖等による水産資源の維持増大と遠洋漁場の積極的な開発、沿岸漁業の構造改善事業の推進、漁港等、漁業の生産基盤の整備、漁業近代化資金等の水産金融の充実、それから漁業協同組合の育成強化、漁業労働条件の改善、水産物流通加工の合理化などに重点を置いて、水産に関する諸施策を推進いたしてまいりたいと思っております。
  18. 川村清一

    ○川村清一君 ただいま大臣から水産業に対する基本的な考え方、またそれに基づいて行なおうとする施策の重点的なものにつきましてやや具体的に御説明を願ったわけでありますが、そこで私はそれぞれの問題についてさらに深めてお尋ねしたいと思いますが、まず漁業の基盤に当たるべき漁港問題についてお尋ねしたいと思います。  申し上げるまでもなく、漁港は漁業の基盤でございまして、この基盤を整備することによって漁業の発展と振興がはかられることであり、農業における土地改良事業に匹敵すべき事業であると考えておるわけであります。しかしこの漁港整備の問題は、全国の漁業従事者の非常な期待にかかわらず、期待にこたえるような事業の進捗がなされておらないことは大臣もこれは認められることだろうと思うわけであります。  そこでお尋ねいたしますが、漁港整備につきましては、昨年度から第四次整備計画が実施に入っておるわけでございますが、この計画に基づきまして四十五年度の漁港整備予算というものは幾らであるか、さらに昨年四十四年度は幾らであったか、この点につきまして、事務当局でけっこうですからひとつ教えていただきたいと思います。
  19. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 漁港整備の予算でございますが、四十四年度は百七十三億でございますが、四十五年度は二百十六億というふうに相当大幅に伸びておるわけでございます。
  20. 川村清一

    ○川村清一君 まあ四十四年から第四次計画に入っております。この第四次計画は言うまでもなく四十四年から四十八年に至る五カ年計画でありますが、この第四次計画の中で、四十四年、四十五年両年度で、いまの御説明によりますと百七十三億に二百十六億でございますから三百八十九億でございますが、この三百八十九億で全体計画に対して何%実施したことになりますか。
  21. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 四十四年及び四十五年度を通じまして二六%ほどの進捗率でございます。
  22. 川村清一

    ○川村清一君 そうすると、第四次計画の事業量の総額は幾らでございますか。
  23. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 全体で二千三百億でございますが、内訳を申し上げますと、修築関係千五百億、改修で四百億、局部改良で二百億、このほか調整費として二百億ございまして、合計して二千三百億でございます。
  24. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、二六%というのは、幾らに対して二六%でございますか。
  25. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 調整費を別にいたしまして、二千百億に対しまして二六%強でございます。
  26. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、この二千百億という数字はまあ全体計画二千三百億のうち二千百億というのが事業費で、そうすると二百億というのは、調整費というのは何ですか。
  27. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 二百億は調整費でございます。ただ四十四年度と四十五年度と両年度を合わせまして二千百億に対しまして二六%強、二千三百億に対しましては二六%弱でございます。
  28. 川村清一

    ○川村清一君 だから調整費というのは何ですか。
  29. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 調整費は文字どおり調整費でございまして、必要の場合に当然計上いたすわけでございます。
  30. 川村清一

    ○川村清一君 いや、私の聞いているのは、それは事業費ですか、事務費ですか。
  31. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 事業費でございます。
  32. 川村清一

    ○川村清一君 これはちょっとわからないのですがね。二百億が事業費であるとすればその全体事業費が二千三百億で、その事業費の二千三百億の中から二百億調整費という事業費を別にしているのはどういうわけですか。
  33. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 漁港関係の事業費と申しますのは、建設事業にそのまま付属いたしますような調査費は当然入っている意味の事業費でございます。
  34. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、実際にまあ調査も漁港をつくるときに調査をしますから、それはまあ事業費でございますけれども、名実ともに事業費というものは二千百億でございますね、実際の事業費は。
  35. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 漁港整備計画といたしましては、事業費は二千三百億でございまして、そのうちで修築事業あるいは改修事業、局部改良事業という形できちっときまっておりますのは二千百億で、事業達成上必要になりました場合にはなお二百億調整費としてある。これを各事業に必要であれば当然振り向けるというそういう金でございます。
  36. 川村清一

    ○川村清一君 あまりこまかいことを突っ込んで恐縮なんですけれども、わからぬものですから聞くのですが1二千百億はわかるのです。それは実際の漁港をつくっていくに要するお金ですから、これはわかりますよ。そこでさらに必要なら二百億の調整費をつけるということは、もっと具体的に、先ほど調整費というようなお話でありましたが、私そう受け取ったのですが、たとえばこの漁港が一億五千万という経費でやったと、ところが、ちょっと計画変更とかその他いろいろな条件があって、この所が三億足りないとか四億足りなくなったとした場合に、この二百億の中からそっちのほうに回してやるという、そういう予算なんでありますか。
  37. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) まあ実例といいますか、具体的にお答えいたしますと、たとえばある漁港について予定より金を食う場合が起こりましても、全体としてのきめられた予算で、たとえば昭和四十五年で申し上げますれば、二百十六億という予算の中で配分が一応できるわけでございますから、ある漁港についてよけい金が食いましても十分の手当てができるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、二千百億という大体のめどでなお第四次漁港計画達成上金が不足いたしますれば、その分はさらにいわば予備費的なものとして追加をして予算に組むという、そういう性質の調整費でございます。したがいまして、個々の具体的な港、漁港についての建設費が不足する場合ではございませんで、全体としての不足する場合の手当てでございます。
  38. 川村清一

    ○川村清一君 それでは別な問題をお聞きしますが、漁港の整備計画実施は第一次計画では達成率が何%、第二次計画では達成率何%、第三次計画では達成率が何%になっておりますか。
  39. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 漁港の計画は第四次までになっておりますが、第一次、第二次、それぞれ一〇〇%の達成率にはなっておりませんで、第三次について申し上げますと、これは三十八年度から四十五年度までの八カ年の計画でございますが、四十三年度までの六カ年に全体計画に対しまして進度率は六三%でございます。それで八カ年の計画は六年で一応打ち切りまして、昭和四十四年度から第四次計画に入ったわけでございます。
  40. 川村清一

    ○川村清一君 第一次、第二次は……。
  41. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) いま数字は手元に持っておりませんけれども、一〇〇%の進捗率ではございません。
  42. 川村清一

    ○川村清一君 私は新しい資料はないのですが、私の手元にあるのは四十三年度に出された漁業白書なんですが、この四十三年度の白書では四十二年度まで出ているわけです。それらの中から調べてみますと、いろいろ数字を拾ってみますというと、第一次は三二%、第二次は七二%になっておりますが、これは間違いありませんか。
  43. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 計画は、全部期間がたつ前に改定をしているようでございますが、第一次の漁港整備計画は進捗率二二%、第二次が七一%、第三次が六三%というのが数字でございます。
  44. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、第一次、第二次も進捗率というものは非常に達成率が低い、こう言ってもいいですね、計画そのものは。
  45. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) そのとおりであります。
  46. 川村清一

    ○川村清一君 そこで第三次でございますが、これはもちろん第三次計画というのは三十八年から四十五年まで八カ年計画でありますから、そこで四十四年、四十五年というのは第四次のほうに繰り越された――繰り越されたと申しますか、それを含めて第四次計画というものが作成されましたから、したがって、第三次では達成率が六三%でしたね。そうすると、六三%ということになれば、第三次における残量というものはまだ三七%あるわけですね。この三七%というものが残ったまま第四次に引き継がれた、こういうことになりますね。そこで、第三次計画における残事業量の三七%というものは、これは金額にすればどのくらいになりますか。
  47. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) まず金額よりも港の数で申し上げますと、第三次漁港整備計画に採択されております漁港の数が三百八十でございます。このうち第三次の計画の達成として四十三年度までに完成したものが四十九港でございます。したがいまして、三百八十から四十九を引きまして三百三十一港が未完成のものでございますが、このほとんど全部は第四次に引き継がれまして、第四次計画といたしましては、修築事業によって整備されるものが二百五十六港、それから改修事業によって整備されるものが七十二港でございます。三港残るわけでございますが、この三港は港あるいは周囲の事情の変化等によりまして事業の計画が不適当として行なわれないものでございます。
  48. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、いまの御説明から第三次計画では完成港が四十九港、計画では三百八十港、したがって、未完成が三百三十一港、そうすると、未完成の三百三十一港というものはそのまま第四次計画になったのでありますから、新規のものは入らないわけですか。しかもいろいろな事情から三港は削られた、三百三十一の中から三港は消えてしまったと、こういうことでございますか。第三次計画の余ったものがそのまま第四次計画になったんであって、四次計画には何も新しいもの、がない、いまの御説明ではそういうふうに受け取られるのですが……。
  49. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) そうではございませんで、第四次の計画に入っております港は修築で三百七十、それから改修で五百五十港ございます。そして第三次の計画から第四次の計画に移りましたものは、修築二百五十六港、改修七十二港でございますから、第四次計画で相当新しい計画が入っておるわけでございます。
  50. 川村清一

    ○川村清一君 いずれにいたしましても、ただいまの御説明をいろいろ聞いてみますと、数字ですからびんときませんで、恐縮ですがあとでいまの長官の言われた数字を私のほうにいただきたいと思います、資料として。  そこでお聞きするわけでありますが、私の聞こうとするポイントはこれからなんですが、第一次計画の達成率は非常に低い。第二次も低い。第三次も六三%。そこで第四次の問題は、全体計画二千三百億、これが四十四年度において百七十三億、四十五年度二百十六億、合計三百八十九億。全体に対して二六%。そうするとまだ七四%残っておる。どうも私ちょっとぴんとこないのですが、この三百八十九億を引きますとなお千九百十一億あるわけです。残っている。この千九百十一億をそれから四十六年、四十七年、四十八年と三カ年でこれを達成するとすると、算術計算で平均をとっても年間六百三十七億出さなければ千九百十一億にならぬわけです。そこで、第一次計画の項、二次計画の項、三次計画の項と数字が明らかに出てきておるのですから、この実績を前提にして第四次計画も、第四次計画の初年度四十四年度においてわずか百七十三億、二年度で二百十六億、合計三百八十九億。それで全体が二千三百億。これを引くというと千九百十一億。これを三年間で今度は達成されなければならないということは、大臣の所信表明の第一番に「第四次漁港整備計画に基づいて重点的に整備につとめるとともに、」と大上段に振りかざして表明されておる。そこで、大臣はこの三年間で、あと来年からの三年間で残された残量を全部達成されるような自信があるのかということ、そういう不退転の意思をここに表明されたのかどうかということを、そこを私はお尋ねしておる。
  51. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) こまかい数字でございますから、またあとで資料として差し上げてけっこうでございますが、二千百億あるいは二千三百億という数字は国費でございませんで、事業費でございます。そうして四十四年度予算による進捗率は一一%、四十五年度でだいぶ予算がふえましたので、先ほど申し上げましたように四十五年度末における進捗率は二六%でございます。したがいまして今後三年間は二八%ずつ予算をふやしていけば三年間で第四次漁港整備計画は完遂されることになります。四十四年度の予算に比べまして四十五年度の予算は二五%ふえておりますが、今後三年間に二八%ずつ予算をふやしていけば第四次計画は完了します。したがいまして、大臣が整備計画の完遂ということを言われますことは、決して根拠のないことではございませんわけで、私どもそのつもりで四十五年度の予算の増加にも骨を折ったわけでございます。
  52. 北村暢

    ○北村暢君 関連。いまの質問に対して長官は今後三年間に二八%ずつふやしていけば計画完遂できるという答弁のようですがね。これは第一次、第二次、第三次とやってきて、いずれもその進捗率は計画どおりにいっておらぬ、はっきりしているわけです。四次もおそらくこの状態でいけば計画は完全にできないであろうという想像はつくわけです。つくわけなんですが、私はこの一次、二次、三次、四次の進捗率が五%か一〇%狂ったというなら計画が狂ったということもあるかもしれないけれども、六三%で、三七%も不足なんというのは、これは計画と実行が全然なっておらないわけです。計画の間違いなのか、予算が要求したけれどもつかなかったのか、ここら辺に大きな問題があると思う。これは漁港だけでない、ほかの一般公共事業費についても目標の計画と実行では非常に大きな差がある。これはいかなる原因に基づいてこういうふうになるのか。計画は計画で、目標であって、いわばビジョンであって、夢のような計画であるということなのか。そして大体予算折衝する場合にはこの計画に基づいてやるのでしょうから、皆さんはそのくらい、この倍くらいの計画を持っていかないと半分くらいの予算しか獲得できないと、こういうことなのではないのかというふうに私は勘ぐらざるを得ない。これは漁港ばかりではない。いろいろな公共事業全体について言えることなんですが、特に農林関係の公共事業については、計画に対してあまりにも大きな差があり過ぎる、こういう問題がある。したがっていま川村委員から質問があって、今後二八%ずつやっていけば計画完遂でございます。大体漁港の毎年の予算の延び率が十何%であるというのが、一挙に二八%に来年の予算でふえるか、ふえないか、常識的に考えれば、そんなあなた、ごまかしの答弁じゃ、はあさようでございますかといって聞いているわけにいかない、これは。ですからこれは一体どういうところに原因があるのか。やはり大臣検討されて、はっきりした責任のある答弁をしてもらいたい。
  53. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 大臣がお答えいたします前に、数字のことでございますからまず私から申し上げます。  これからの予算でございますから、何%ふやすといって意気張っても結果を見ないとわからないということをおっしゃるわけですけれども、漁港予算の過去の伸びは大体一九%程度でございますが、四十五年度の漁港予算の伸びは二五%でございます。二五%四十五年度にふえました。だから今後三年間二八%ふやそうとがんばることは、これはそんなにむちゃくちゃなことではないというふうに私は考えます。  それからいままでの実は漁港計画と第四次漁港計画とのスタイルの違いがございまして、第四次漁港計画では昭和四十四年度以降五カ年間にというふうにはっきり計画に、国会の御承認を受けた計画に書いてあるわけでございますけれども、第一次から第三次までは、国会の承認を得た計画には、こういう何年間にという数字はなかったということが、私どもは予算を要求する際に非常な違いがあるというふうに考えておるわけでございます。  それから第四次漁港整備計画の前の第三次分でございますが、八年間の計画を六年間で六三%達成いたしたわけでございますが、かりに四十四年度と四十五年度の予算で八カ年を見ますと、ほとんど一〇〇%完遂でございます。これは四十四年度から第四次計画ができてまいりましたから、事情の変化ということはもちろん言えますけれども、八カ年間で通してみますと、第三次計画は完遂されたというふうでございます。将来のことでございますから、あまり意気張ってどうこう言うつもりはございませんけれども、私が申し上げたことはそんなにむちゃくちゃなことを申し上げておるわけではございません。
  54. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま水産庁長官、御説明申し上げましたようなわけでありますが、先ほども私、御質問にお答えいたしましたように、私ども日本人の食生活から考えまして、漁業については特段の努力をしなければならないという考え方をもちまして、こういうお話までどうですか、予算折衝当時第一次、第二次というふうな査定がありました最終査定におきましては、漁港、それから林道、造林というようなものに非常な主力を注ぎまして予算に努力をいたしました。その結果は、漁港について非常に支持していただいた多くの方々にたいへん感謝をされたわけでありますが、私はこの漁港整備につきましては、特段の関心を持っておりますので、いま水産庁長官のお話もございましたように、この目的達成のためにはなお引き総いて最大の努力をしてまいりたい、こう思っております。
  55. 北村暢

    ○北村暢君 いまの決意表明で了解はしますがね。ただ、私も先ほど来の質疑応答を聞いておって、この五カ年計画で二千三百億でしたか、計画期間中における予算の総額ですね、これをきめているということについては非常に前進していると思うんです。いままでは事業量の目標はあるんだけれども、なかなか総予算のワクをはめるということは大蔵と予算折衝をやった際にも応じない。これは経験上皆さんも御存じのとおり。したがって、そういう面では非常に前進したことは認めております。ただ、一般の予算の伸びが一七、八%のときに二五%伸びたと言うから、これは飛躍的に伸びたほうでしょう。したがって、二八%にするのはそうむずかしいことではないと言うけれども、二五%にすることはたいへんなことだったと思うのですよ。それはいまおっしゃられたように関係者は満足したものだろうと思う、従来の例から言えば。したがって、何も五カ年計画が完遂できないことを望んでいるわけではない。私どもも完遂できることを望んでいるので、そういう意味で、いままでの経験からしてなかなかむずかしい問題であるから、二八%ずつやっていけば完全に終わります、こう簡単に言われましたから、私もだいぶん反発を感じたのでありまして、努力してもらう点については大いにやってもらわなければならぬ、こういうことですから……。
  56. 川村清一

    ○川村清一君 私がいろいろお尋ねしているのも、ただいま北村委員が言われたようなことを熱願して言っているわけなんです。大体第一次の達成率が二五%、七五%余して第二次に移っているわけです。第二次七一%、そうすると二九%余して第三次に行っているわけです。第三次は六三%三七%余して第四次に行っているわけです。そうすると、国民の皆さん方は、農林省は第一次をやった、第二次をやった、第三次だ、第四次だ、それぞれの計画というものを、まあ完全にはなかなかできないと思うけれども、少なくとも七割か八割は達成して次の計画に移っていると、こう理解していると思うのですよ。ところが実際はそうでは全然ないのです。そうして、これ意地悪く言えば第二、三、四とこうやっているのは、前に残したのをごまかすために、そのまま移して二次やって――二次といったって第一次に残したのが大半。第三次、第三次といったってこの第三次計画の大半は第二次に残ったのがおもで、第四次、第四次といったって第三次に三〇何%余ったやつをそのまま受けて第四次なんですね。だからさもやったように見せかけて、内容は全然やっておらぬ、ごまかしである、こう私は断定せざるを得ないわけなんで、そこで、ぜひ第四次は完全に達成するようにあと三カ年がんばっていただきたい。これは私の熱願ですから、そのまますなおに受けていただきたい。そうしてそのほかの公共事業、たとえば道路、港湾、河川、治水、住宅、土地改良、こういったものは公共事業の達成率と遜色のないように、これも完全にいっていない。いっていないけれども、道路なんというのは相当いいところまでいっているわけです。ですから、この道路などに比べても遜色のないところまでぜひ漁港計画というものは進めてもらわなければ、大臣は水産につきましては非常な熱意を持っていらっしゃるようなことをおっしゃっておりますけれども、これは実際に絵にかいたもちであってはどうにもならないということを私は御指摘申し上げたいわけなんです。  そこで、また角度を変えてお尋ねいたしますが、これは官房長にお尋ねいたしますが、四十五年度の……それじゃ水産庁長官でよろしゅうございますが、農林省の全体予算は幾らですか。これに対して水産庁所管の予算全体は一体何ぼになるか。これは予算の説明書にありますからわかりますけれども、直接お尋ねしたくて。
  57. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) あるいは官房長の代役で間違うかもわかりませんが、お許しをいただきまして、農林予算の総額は四十五年度九千百七十七億円でございます。水産庁の予算は四百四億でございます。
  58. 川村清一

    ○川村清一君 これに書かれておるとおりでございますね。  そこで、私はさらにこの数字を分析してお尋ねしたいわけでありますが、農林省の全体予算は九千百七十七億という、もう一兆円に近い膨大な予算でございます。その中で、水産庁を所管しておる予算全体、これは四百四億、この中にただいま問題になりました漁港だとか、大型漁礁であるとか、こういう公共事業費を含めておる。漁港は四十五年度は先ほどおっしゃっておりましたように百十六億、四百四億の中に含まれておる。そのほかに大型漁礁、こういう公共事業、が入っておりますね。そうしますと、大臣が先ほど言われておりますように、国民の食料として動物性たん白質を、これは四十三年度は私資料ございませんが、四十三年度出された漁業白書を見ますと、動物性たん白質食料というものを七百八十万トン、日本の漁業は生産し、これを国民に供給しているわけです。この七百八十万トンという、しかも国民が摂取する動物性たん白質の六一%、これは漁業から生産されるものによって摂取しておるわけでありますが、こういうような国民食料を生産しておる大事な漁業水産業に対しましての予算というものが、農林省総体予算の五%にも及ばない――九千百七十七億に対する四百四億でございますから五%にも満たないんですよ。これで一体妥当な予算だとお考えになられますかどうか。もちろんこの農林省全体予算の中には食糧管理費三千八百三十億という膨大な数字が含まれておりますから、それを差し引いたところで五千三百四十七億です。そうすると、水産庁予算は四百四億ですから、これとても一〇%に満たない七・五%にしかならない。これが水産庁予算でございますが、この予算でこれはけっこうだと、妥当だと、こういうような認識を長官は持たれておるのか、農林大臣は持たれておるのか、その点を私は承りたい。
  59. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 私は決してこの予算で十分だというふうには思っておりません。さらに予算をふやすことに努力すべきだと思っておりますが、御承知のように、水産庁の予算というのは、ずっと二百億台を続けておりまして、四十四年度にたしか初めて三百三十億という三百億台を示したわけで、三百億台が一年にして四十五年に四百億台になったわけですから、私ども予算はそう一ぺんに天地がひつくり返るようにふえることもございませんので、できるだけ忍耐強く毎年毎年努力を続けていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  60. 川村清一

    ○川村清一君 私、農林省の各局の予算を検討してみましたが、農林経済局は六百八十一億、農政局は千三百五十九億、農地局は二千七十億、畜産局は四百九億、蚕糸園芸局は百二十一億、食糧庁は三千二十億、林野庁は六百六十四億、これに対して水産庁は四百四億でございます。水産庁長官というのは各農林省の機構の中ではどういう地位におられるんですか。水産庁長官というのは相当上のほうじゃないか、ちょっと大臣、お聞かせいただきたいのですが。
  61. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 水産庁長官は一番右翼の長官でありますが、予算のことにつきましてはそのときにいろいろ政策的な考えもそのときどきの政府にあるかもしれませんが、私ども先ほど申し上げましたような趣旨によりまして日本における漁業は特別な任務を帯びた大事なものであるという認識のもとにそれに関連している漁港整備などには特段の力を入れて水産庁でもそういう考えで努力いたしておるわけでございます。
  62. 川村清一

    ○川村清一君 実は私昭和四十年に出てまいりまして、農林水産委員会に席を置かしていただきまして、昭和四十三年までおりまして、去年一年だけは文教委員会で、また今回古巣に戻らしていただいて非常に喜んでいるわけでありますが、実は四十三年度の予算審査のときに私は時の西村農林大臣にやはり同じような質問を当時の予算総額は――おととしでございますけれども、たしか農林省の総体予算は六千五百億、それに対して水産庁の予算は二百八十四億であります。これではあまりひどいのではないか、全く五%にも満たない水産予算というのは、これはわれわれは納得できない、しかもそのときに食管会計に繰り越し赤字の解消のために繰り越し金がたしか二千四百十五億、それを六千五百億から引いてもなおかつ一割に満たないのであります。いま言ったのと同じことであります。これが一体国民に動物性たん白質七百万トンを供給している水産業、これに従事している漁民に対する手だてとしてはまことにこれはあわれだ、さようなことを質問いたしまして、当時の西村農林大臣を大いに御鞭撻申し上げたのですが、同時にその年出されました漁業白書について本会議で質問した同じ趣旨の、意味のことを入れまして、そうして時の水田大蔵大臣に対しまして、大臣は漁業というものにどれだけ一体理解を持っているのだという、大蔵大臣は全然理解がないではないかというようなことから、もっと水産予算をふやすべきである、こういうことを申し上げて大蔵大臣の意見を求めましたところが、大蔵大臣は最後にこういうようなことをおっしゃった。これは結びのことばでありますが、「はたしてこの水産関係の社会投資が全体と比べて比重がどうなっているか、立ちおくれがないかということについては、やはり問題があると思いますので、今後これは十分に主管官庁にも検討していただくと同時に、私どもとしても、次の問題としてこれは十分考慮したいと考えております。」、これは大蔵大臣の答弁、会議録にもちゃんと載っているわけです。こういうふうに大蔵大臣も今後十分に主管官庁に検討していただく、そうして大蔵大臣もこういうふうにして予算をふやすように前向きで努力するという意思を表明されておるわけですね。しかし先ほど長官の御説明によると、漁港予算については二五%伸びた、まことにけっこうである。これは二八%伸びていくというと三ヵ年で完全に達成する、どちらかというと十分だといわんばかりの御答弁がなされておるわけでありますが、漁港についてはそうかもしれぬ。しかし水産政策全体から考えてみますならば私はまだまだやらなければならないことがある。そこで水産というものに対しての認識が非常に倉石大臣は深いようでございますので非常にけっこうなことで喜んでおりますが、そこで私は角度を変えてお尋ねしたいと思います。  大臣はそのような認識の上に立っていらっしゃるのでありますから、漁業というものを単なる一般的な産業という立場で認識するのではなくして、漁業というものは食料産業である。いわゆる日本経済の中に占めておる水産業の位置というもの、また別なことばで言うならば、国民生活とこの漁業というものをどう結びつけるかというふうに考えてみますというと、国民生活の中において漁業というものは食料をいわゆる生産する産業である。農業と同じような産業である。しかも日本人が摂取しておる動物性たん白質の六〇%というものは水産業がこれを生産し、供給しておる、こういう認識の上に立って水産業というものを考えてみれば、いかに重要かということは、はっきり認識されると思うわけであります。そういう立場でこの漁業というものを把握されておるとするならば、これはまあ今度は漁業政策としてどういう政策をとればいいか。私はある程度においてはやはり保護政策をとっていかなければならない。これは食料政策であるからであります。  いま日本が、経済が非常に高度発展いたしまして、もう世界において第二番目だ、第三番目だという、そういう高度経済、成長を遂げた。で、そのような高度に経済が成長したその要素は何か。まあいろいろあるでありましょうけれども、やはり最大のものは日本国民が非常に勤勉であるということだと思うのであります。その勤勉なる日本国民がこの日本の経済を発展させるべく働かれたそのエネルギーを与えたものというのは何かといったら、やはりこれは食料だ、こういう意味において日本の農業というものを見、日本の漁業というものを私は見なければならないと思うのであります。したがって世界はどこの国においても、アメリカにおいても、あるいはEECにおいてもこれは多かれ少なかれ、やはり第一次産業である農業であるとか、漁業というものについては私は保護政策をとっておる、かように考えております。しかしながら日本においてはこれは非常に冷酷である。しかし農業につきましては、もちろんこれはきわめて冷たい仕打ちでありますけれども、それでも漁業よりは少しはやはり優遇措置というか、保護政策というか、そういうものはとられていると思うのであります。漁業に対して全然ない。特に沿岸漁業に対しましては全然私はないといっても過言でないと思うのであります。こういったような問題に対して、これは基本的な問題ですが、大臣はどのような御見解を持たれておるのか。これは漁業政策を立てる基本的な問題として私はお尋ねしておきたい。
  63. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 私ども政府におりまして農業及び漁業、これはもう国民の食生活の部面をになって働く方々でありますので、いまお話のように冷たいなどということは全然考えておりませんで、全力をあげてやっておるわけでありますが、何と申しましても、やはり沿岸の中小漁業の方々、及びその仕事を見ますというと、その従業者のまず所得水準及び生活水準を向上することを考えなければならない。そうでなければ生産がうまくいくはずはないのでありますから、そこでこの方々に近代的な技術と装備を持つ生産性の高い漁業の育成を重点としてしてあげることが必要ではないか、そういうことを基本的には考えておるわけであります。ことに沿岸漁業につきましては、従来の沿岸漁業の構造改善対策事業を引き続いて熱心に実施いたしますとともに、四十五年度からは、第二次沿岸漁業構造改善事業、これがございます。これもこの実施のための調査を行なうことといたしておるわけであります。中小漁業につきましては、中小漁業振興特別措置法に基づいて指定業種の近代化、合理化を推進することといたしております。それからまたこのほかに漁業近代化資金、それから日本開発銀行の特別融資資金などの水産金融をできるだけ充実すること、それから漁業協同組合の育成強化、漁業従事者の育成などについてまいる所存であります。その他沿岸の方々につきましては、一般のその地方の環境整備等にできるだけ力を注いで、やはりこの漁業を守っていただくようにつとめる必要があるということを感じておるわけであります。
  64. 川村清一

    ○川村清一君 いろいろ漁業の育成振興を指向した政策につきまして御説明があったわけでございますが、もちろん大臣のただいま示されたこれらの政策は、これはぜひ強力にやっていただきたい政策でございます。しかしながらいま大臣がお考えになられているような政策が強力に行なわれて、そうして沿岸漁業なり中小漁業というものが振興し、それに従事している漁業者の生活が安定し、福祉が向上しているかというと、私はそうではないと思うわけであります。やはり国の政治というものが非常に漁業に対しては他産業に比べては冷たい、冷たいことはないというようなお話でございますが、私は冷たいと思う。漁業は農業なんかど違いまして非常に階層分化が行なわれまして、独占企業ともいわれるような大資本漁業から中小漁業、あるいは沿岸漁業、それから零細漁業というふうに、もう非常に階層が広くあるわけでございますが、一体どこに重点を置いて漁業政策というものは指向されているのか。  これはこういうことをお尋ねするというと、全部に、特に沿岸漁業や中小漁業に重点を指向して施策を行なうというふうに答弁があると私は思うのでありますけれども、しかし実際問題として考えてみますというと、高度経済成長の現実に伴ってこの沿岸漁業なんかは、もう壊滅的な状態にさらされようとしているではありませんか。漁業者にとって一番大事なのは漁業の問題です。その漁場というものが、いわゆる高度経済成長に伴って臨海工業地帯の造成なんということで埋め立てがどんどん行なわれ、漁場は荒らされて漁場はなくなってしまう、あるいは工場の廃液等によって海水が汚染され、もう資源はどんどん枯渇していっている、これが実態だと思うのであります。そこで漁場を守るために、漁業をつくるためにどうするかということをお尋ねすると、それは漁場をつくるところの政策があるという御答弁が必ずある、もうこういう予算をとって、こういう事業をやっている。大臣の所信表明の中には「海洋開発の立場から新漁場の開発、試験研究の推進、新技術の企業化」だとか、うまいことを言っている。実際にはどうなんですか。ここを私はお尋ねしている。  そこで長官にお尋ねしますがね、こういう問題がからんでくるわけですが、これは今国会に出るか出ないかわかりませんよ。わかりませんが、前国会でも問題になりました。たとえば運輸省が出そうとしておる海上交通法、この法律が成立しますと、これは漁民にとっては漁場という問題で大きな問題がありますね。それから通産省が考えておる大陸だな鉱物資源開発促進法、こういう法律ができるとこれまた沿岸漁民には重大なやはり影響があるわけですね。そうすると運輸省なり通産省が考えておるこういう法案というものに対して水産庁はどういうふうに考えておるか、そしてこれらの省庁とどういうふうな話し合いをしようとしておるか。いわゆるあくまでも沿岸漁民の生活を守るという立場からこういう法案の中には水産庁の考え方をきちっと入れるために努力する、そういう立場で今日まで努力してきたのか、こういった点を明らかにしていただきたい。
  65. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) いまお尋ねの二つの法案でございますが、両方とも沿岸漁業あるいは近海漁業に非常に影響のある法案でございますので、それぞれの官庁と水産の立場からの調整を相当長いことやっておりまして、まだ十分の調整がつかないために法案の提案に至らないという状態でございます。これは両省におきましても当然水産の立場について十分の考慮を払う必要があるということをお認めの上でその成文化なりあるいは条文の整理なりについて相当時間をかけてそれぞれ作業をされておるわけでございます。私どもと未調整のままで法案が出されるということはまずないというふうに確信をしておる次第でございます。
  66. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、長官のただいま御説明を裏を返して解釈すれば、沿岸漁業を困らせるようなそういう法律案ができることに対しては、漁業を守り漁民を守るという立場から、水産庁としては絶対容認できない、そういう考えで対処しておる、こう受け取って差しつかえございませんね。
  67. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) なかなかことば使いに注意を要する問題でございますけれども、私は水産の立場だけを主張してほかは何もかまわないというふうには申し上げておらないので、それぞれの立場で必要なことはやるとしても十分水産との調整をはかってくれ、水産だけが全部荷物を背負うようなことは絶対困るということでやっておるわけでございます。また水産だけにしわが寄るような法案は私は提案されないだろうというふうに考えております。
  68. 川村清一

    ○川村清一君 そこで一歩進めまして、海洋資源を開発するということはこれはもう重大な問題、単に、水産だけを守るためにこれを等閑に付するわけにいかぬ一これは日本の経済は、日本の経済だけでなく、世界の経済は今後海洋に伸びていかなければならないのですから、したがってそういう点からいうならば海洋にあるところの資源を、鉱物資源から、それからこういう水産資源から全部これは第一に開発していかなければならないことは、これは言うまでもないのです。そこでこれらの調整が大事なんですね。そこで一歩進めて、こういう海洋資源を開発するというそういう中で、もっと水産庁、が受けとめるだけでなくして、全体の中で今度は水産資源をどう開発していくかという前向きで積極的に、仮称でいえば沿岸漁場開発整備法とでもいいますか、何かもっと積極的にこの沿岸資源、沿岸漁場、海洋資源、水産関係の資源を開発推進していくような、そうして大陸だなの鉱物資源開発と調和をとっていくというようなそういう法律案を、いわゆる水産庁独自、農林省独自でつくっていくというそういうかまえ、考えはございませんか。
  69. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 沿岸漁業を守る立場から法案をつくるべきではないかという御意見がいろいろあるわけで、私ども十分検討いたしておりますけれども、法律としてなかなか条文にならないような内容のものが多いわけでございます。私ども海洋開発の立場から食用魚類の養殖の問題でありますとか、あるいは漁場開発の問題でありますとか、新漁場の探査の問題でありますとかいろいろ事業としてやっておりますけれども、それを法案にまで仕上げるということについては、いまの段階ではまだ決心をつけておらないわけでございます。
  70. 川村清一

    ○川村清一君 いまの段階ではそこまでいっていないということは、私はいささか不満なんです。  そこでさらに議論を進めようと思うわけでございますけれども、先ほど大臣は、水産振興の基本方針として一つには生産増強、一つには経営の安定、漁業従事者の福祉の向上、こういうような基本的な柱を述べられておる。まさにそれはそのとおりだと思うわけであります。そこで生産の増強でございますが、これは四十二年度は七百八十五万トン、漁業の総生産です。これは四十年は六百九十万トン、四十一年は七百十万トン、最高の生産をあげておるわけでございます。四十三年度の資料がないですから、四十三年度の総生産は幾らですか。
  71. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 四十三年は、海面、内水面漁業合計いたしまして水産物として八百六十七万トンをあげております。
  72. 川村清一

    ○川村清一君 ずいぶんこれは伸びたもので、これは喜びにたえないわけです。まあしかし、四十二年度で七百八十五万トンといっても、これは最高であっても、この年で水産物の輸入が金額にして六百九十億円あるのですね。四十二年は六百九十億が輸入でそのうち食用の水産物が五百五十億、四十年は食用の水産物が二百六十六億、四十一年は四百五十億、四十二年は五百五十億、年々輸入もふえていっておる。生産も伸びておるけれども輸入も非常にふえておるということは、魚介類に対する需要が非常に拡大されてきておるということを示しておるわけです。こういうような点から考えて、年々再々輸入がふえるということはこれはもちろんいいことではありませんからどうしても生産を拡大していかななければならない、これが水産に与えられた最大の課題だと私は思うわけであります。  そこで今後の見通しですが、四十三年は八百六十七万トンという、これは膨大にふえたわけですが、一体昭和五十年ごろになるというと需要と供給の関係はどのような関係になるか、推定してどうなりますか。
  73. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 将来の姿を描くことはなかなか水産でむずかしいわけでございますが、過去の姿をそのまま将来に延ばすというふうに考えまして、大体需要が千二百万トンで生産が九百五、六十万トン程度というふうに想定いたしておるわけでございます。
  74. 川村清一

    ○川村清一君 そうしますと、需要が千二百万トン、生産が九百六十万トンで頭打ち、これ以上はふえないということになりますれば、やはり二百五十万トンくらいは輸入しなければならない、こういうことですな。これを何とかやはり輸入をできるだけ食いとめて生産をふやしていくところに施策の最大のポイントがあるわけでしょう。そうですね。
  75. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 私ただいま申し上げました数字は過去の趨勢をそのまま伸ばしますと、そういうことになりますという、いわば仮定の数字を申し上げたわけで、後進国におきましてもだんだん生活程度が高くなりますから、水産物の需要もふえまして、私ども昭和五十年先に二、三百万トンの水産物が日本に輸入されるということを考えることはなかなかむずかしいのではないか。むしろ需要がそれほど強くなれば、生産を増強することが必要ではないか。そういう立場から今後水産問題を考えるべきだというふうに思っておるわけであります。
  76. 川村清一

    ○川村清一君 そこで生産増強に最大のウエートを置いて努力される、これは至上命令ですからそうしなければなりません。そこでいろいろな施策が持たれるのでありましょうけれども、そこで一つの問題があるのですね。これは実例ですがね、四十二年度において総生産が七百八十五万トンと、前年比一〇・五%伸びた。その原因は、白書を読むというと、「母船式底びき網漁業、北洋および南方海域での遠洋底びき網漁業の発展によるもの」と、こう書いてある。これはそのとおりだと思うのです。それをさらに検討しますというと、母船式及び遠洋底びき網漁業のスケソーダラの生産が増大したことがこの一〇・五%の生産が伸びた一つの大きな原因なんですね。その結果どういう事態が出てきたかというと、これは白書を読みますと、価格においてカレイ、スケソーと、底ものの価格ですね、これが五・四%も下落している。だから、生産はうんと伸びたことはけっこうです、ところが、今度はそういうふうに伸びるというと、特にカレイとかスケソーというものに集約して価格が下がっておる。白書に出ておる。この場合問題があるのです。それはどういうところに問題があるかというと、母船式底びき網漁業とか、北洋底びき網漁業なんというのは生産性が高いのですよ。生産性が高いからこの五・四%も魚価が下落しても経営は成り立つのです。生産性が高いだけに成り立つのです。ところが、スケソーとかカレイという魚は、御承知のように、北洋海でだけとれるものではなくして、たとえば北海道あたりは沿岸漁業者の一番依存しておるこれは魚種なんですね。そうすると、五・四%も魚価が下がったと、それは大資本漁業というか、非常に生産性の高い漁業経営者があげておるその水揚げによって下がった。ところが、沿岸漁業者はそんなに生産性は上がっていないんですよ。それほど漁獲も前年より伸びてないのです。ところが、価格だけが五・四%も下落するというと、生産が非常に上がった、国全体から見ると、まことにけっこうなことなんです、けっこうなことだけれども、このことによって資本漁業のほうは大した影響はないけれども、経営は安定して成り立つのだけれども、沿岸漁業のほうはこれはたいへんな痛手を受けるということになるわけですね。  そこで価格政策というものが必要になってくるわけです。そこで現在の水産庁の施策というものは、大企業に重点を置いて施策を行なおうとするのか、沿岸零細、あるいは中小企業に重点を置いてやろうとしているのかということを聞こうということはそこから出てくるわけです。これは保護政策もある程度必要でないかということもそれはその辺から議論が出てくるわけです。そこで、この価格政策、特にこういう生産性の低い漁業経営者に対する価格政策ということに対してどのようにお考えになっておられるか、これをお聞きしたい。
  77. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) いまスケソーダラのことで具体的にお話がございましたが、確かにこの二年ほど水産物が七、八十万トンずつもふえておるわけですが、その大部分はスケソーダラあるいはサバあるいはイカなどの増産であるわけです。スケソーダラでもいまお示しいただきました昭和四十二年には百二十四万七千トンでございますが、四十三年にはこれが百六十万六千トンにふえております。四十四年はまだ締めておりませんけれども、大体四十三年と同じくらいのスケソーダラの生産があったのではないかというふうに思います。で、魚の場合は、農産物と違いまして、国が買い入れたりあるいはいきなり価格支持をするということがなかなか本質的にむずかしいものでございますから、やはり一つは流通改善で水産庁としていろいろ補助金を出して産地冷蔵庫あるいは冷凍の自動車等の措置をいたしておりますけれども、同時に、スケソーダラが非常に一つのいい見本になっておるわけですが、御承知の、四十二年にスケソーダラの大増産で非常に値が下がってまいったわけですけれども、すり身の技術が非常に進歩いたしまして、スケソーダラの大部分がすり身あるいはそのあとミールといいますが、まあ新しい加工業が魚価の下落を防いだ一つのいい例になるわけでございますが、私どもも中へ入りまして、スケソーダラのすり身についての業界の懇談会を年二回ほど催しまして、そこで需要をにらみながら大体のその生産を相談をすると、また母船式のスケソーダラの加工以外に、まあ北海道あるいは内地にスケソーダラを持って来てすり身をつくるということがあるわけですけれども、港へ一ぺんにスケソーダラの船が入りますと非常に魚価が下がるということがございますので、私どもも港に入る隻数をできるだけ調節をいたしまして、一ぺんにわっとスケソーダラの大群がある港に集中するということがないようにして価格の安定をはかっておるわけでございます。  それでこのように、まあ四、五年前まではとても想像できないような百六十万トンぐらいのスケソーダラがとれるわけですが、価格は大体――決して高い価格ではございませんけれども――安定をしてきて、現在のところ百六十万トンのスケソーダラがとれてもかまぼこ等の需要によってすり身の需要が安定していると、さらに港に入港の調整がある程度行なわれているということで、私はスケソーダラの魚価というものは相当安定しているというふうに考えます。これはまあ大衆魚その他、まあ大衆魚といっても内容が相当最近は変わっておるわけでございますが、幸いにスケソーダラを除けば魚価の点で非常に心配になるというものは現在のところはあまりないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  78. 川村清一

    ○川村清一君 昨年の九月の末に私北海道の利尻、礼文島に行きまして漁民と懇談会をやったわけですが、いまから、そうですね、いま五、六年くらい前まではあの島に行きますと漁民の方々は私どもの顔を見るというともう第一に訴えることは、底びきの禁止区域の拡大を訴える。で、その理由は何かというと、稚内と利尻、礼文の島の間に、ポケット地帯というのがあるのですが、そこにタコのばけなわがあるわけです。ところが、そのタコ釣りなわをスケソーダラにみな切られてしまう。そこで、クコの漁業というものにあの島の漁民はほとんど依存しておるものでありますから、それを守るために底びき禁止区域を拡大してくれという陳情が集中しておったわけです。ところが、昨年九月に行ってみると、驚くことに底びきのソの字もなければタコのタの字もないわけです。何を一体われわれに陳情するかというと、領海三海里を十二海里にふやしてくれと、こういう陳情ですね。これは妙なことになったものだと。何といいますか、外交関係できめなければならないようなそういう問題を陳情されましてちょっと戸惑いまして、どういうことでこういうことになったのかと思っていろいろ聞いてみますというと、領海三海里を十二海里にふやしてくれということは、御承知のように、あの島は北緯四十五度からもう以北なんですね。あるいは四十六度か四十七度になるわけですね。そこで、日ソの漁業条約、いわゆるサケ、マスの規制海域というものは四十五度以北ですから、したがって、その島のあるところはもう四十五度より北なんですよ。そこで、いわゆるマス、日本海マスを漁獲できないという、そういう地域ですね。そこで、領海三海里――三海里といったって五千四、五百メートルぐらいですから、そんなところ出てつだってマスなんか釣えるわけがないし、そこで、十二海里まで延ばせればマスがとれるのではないかといったところがらそういう陳情になったんだと。それじゃタコはとれないのかと言ったら、タコはあると。それからホッケという魚はあるわけです。どうしてこれはだめなのかということを聞いてみましたら、ホッケは十キロ七十円だというのです。タコはアフリカダコにもう値段が圧迫されてしまって、タコとったって全然商売にならぬ、安くて。こういうことなんです。ですから、もうホッケもだめだ、タコもだめだ。だからせめてマスをとらしてくれと。もうこんな島におったってしょうがないというわけで、どんどん島から出て行ってしまう。島に残っておるのはもう少なくとも四十代以上の人ばかり、二十代、三十代の人はほとんどいない、こういう実態です。これは一例を利尻、礼文の島にとって申し上げたんですが、全国的にこういうところがたくさんあるのではないかと私は思うんです。  そこで、価格の問題――スケソーの問題、すり身の問題等につきましては時間がありませんからやめますが、いずれかの機会に長官といろいろお話し合いをしたいと思うんですが、まあスケソーの問題は長官の言われることをそのとおり受け取れば価格は下落することもないわけで、私も安心しておるわけですが、幸か不幸か、昨年あたり不漁でしたから……。四十二年は大漁であったために、私もこの委員会でいろいろ質問しまして、母船式の底びきをあまり水産庁は許可し過ぎるのではないかというような議論をしたり、それから冷凍すり身の需要につきましてもいろいろ議論したことがありますが、いずれまたやりますが、きょうはそれはやめておきます。いずれにしましても、生産を上げることに大いに努力しなければならない。これは、生産が上がった反面、生産性の低い漁業経営者が非常に困る、価格的に。そこで、これに対して何か強力な施策をや?ていただきたいというのが私の言っていることですから、この点をよく踏んまえてひとつがんばっていただきたいと思う。  で、最後に――もう時間がありませんから最後に申し上げて、私は大臣のお考えを聞きたいのですが、この六十三国会にこの農林水産委員会に出されてくる法案は大体承知したんですが、水産庁関係の法案が一本もない、一件もないというのは、これはどういうわけでございますか。この点が、いろいろ理由はあると思うのでございますが、私はきわめて不満なんです。問題ないならいざ知らず、水産関係には、いま私は大きな問題だけ取り上げたのですが問題一ぱいあるんですよ。解決してもらわなければならない問題がたくさんあるんですよ。しかし、この国会にはその問題を何一つ解決しようとする法律案が一本も出てこないというのはこれはどういうわけでございますか。大臣は、水産に対しましては、非常に大事なものであるからと言って、非常に熱意を示されておるんですよ。しかし、こんなにたくさんの問題を解決しようとするその積極的な姿勢というものが見られないんですよ。いや、長官は頭をかしげていらっしゃるけれども、ないでしょう、実際に。この国会ではこの問題をぜひひとつ解決してくれと、このことによって日本の漁業の振興と、それに従事しておる漁民の生活の安定、福祉の向上のためにっとめたいのだと、これ一本だけはこの国会でひとつやってくれといったものは何にもないじゃないですか。この点はどういうわけなんですか。――いやいや、ちょっと待ってください。これは大臣にお聞きしたい。大臣はたいへん御熱意を示されておるのです、ことばでは。そのことばを態度で示していただきたい。
  79. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 水産関係は、一応いろいろな問題が解決して、前進できる形になっておりますし、今国会は期間も短いし、なるべく御迷惑をかけないように数を制限して調整してまいりたいとこういう方針であったものですから、法律案を提出いたすのをつとめて政府としては節約をいたしたと、こういうわけでございます。
  80. 川村清一

    ○川村清一君 時間がもう切れますから終わります。
  81. 中村波男

    ○中村波男君 きわめて時間が少ないようでありますから、端的に畜産問題、特に酪農を中心にして御質問をいたしたいと思います。  畜産は過剰の米に対する文字どおり選択的拡大の基幹作目であることは言うまでもないわけでありますが、したがって、政府の将来の展望におきましても、二倍以上の生産を必要とする戦略的な作目にしておられるのであります。そこで、本年度の牛乳の関係を見ておりますと、いわゆる過剰傾向、また乳価は停滞を続けておる、こういう状況にあると思うわけであります。酪農法によります酪農近代化方針によれば、四十六年の生乳需要を七百八万トンと見ておられる。また、経営規模では副業で五頭以上、専業で十頭から十五頭と、こういう目安が置かれているのであります。しかしながら、私の調査では、四十四年度は生乳の生産が四百五十万トンである。そういう中で、こういう混迷を続けておるということは、政府の見通しからいってもこれはおかしいのでありまして、こういう状況が今日あるということを、政府としてはどういうふうに判断をし、理由づけをされておるのか、この点からお伺いをしてまいりたい、こう思うわけです。
  82. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、昭和四十年に酪農振興法を改正いたしまして、酪農近代化計画の制度を取り入れまして、昭和四十年のたしか十月に、国が酪農近代化の基本方針を示したのでございます。で、その数字につきましていま先生がおっしゃったわけでございますが、実は当時は非常に生産も伸びておりましたし、需要もかなり高い伸びを示していたというようなことで、確かに非常に強気の見通しであったかと思うのでございます。その後、御承知のとおり昭和四十三年の十一月に「農産物の需要と生産の長期見通し」を立てまして、その際の見通しといたしましては、四十一年を基準年次といたしまして、五十二年に大体一・九倍ないし二・一倍ぐらい伸びるであろうということで、まあ酪農近代化基本方針を示した以後の酪農の歩みを見まして、これらを勘案しつついま申し上げたような数値に改定をいたしております。  そこで、酪農近代化の基本方針につきましては、おおむね五年ごとに定めるということになっておりますので、昭和四十五年にはひとつこの問題に取り組みたいというふうに考えておるのでございます。たとえば生産もそれほど伸びなかったし、需要もやや停滞ではないかというようなお話があるわけでございますが、生産の面におきましては四十一、四十二が停滞をいたしまして、四十三年以降はまたがってのようにかなり高い生産の伸びを示しております。それから需要のほうでございますが、需要はむしろ逆の動きを示しまして、四十一、四十二年はかなり高い水準で伸びたわけでございますが、四十三、四十四とやや停滞をいたしております。特に飲用乳の伸びが鈍化をいたしておることがいろいろ問題の発端になっておるわけでございます。これは一つには、まことに残念ではございますが、まだ牛乳が必ずしも日本の消費生活に定着していないというようなことがあるわけでございまして、たとえば夏場と冬場におきまして消費の量が非常に違っておるというようなこと、特に最近におきましては、ここ引き続き小売り価格の値上げというようなことも実はございまして、これらが消費の停滞にもつながるというようなことで、いま言ったような状況になっておるというふうに認識をいたしております。
  83. 中村波男

    ○中村波男君 まあ一つ一つ具体的にお尋ねをしていきたいと思いますが、こういう停滞な状況に追い込んでおる原因の中に、畜産局長のいまの御答弁では指摘がなかったわけでありますが、乳製品の輸入の増大ということをどう見ておられるかということ、この点が私は重大だと思うわけなんであります。申し上げるまでもなく、実勢としてナチュラル・チーズ、乳糖、ミルク・カゼイン等の輸入圧力というのは、やはり国内産の牛乳を大きく足を引っぱると、圧力を加えておると、こういう問題をどう政府は認識をしておられるかということをまずお尋ねいたしたいと、こう思うわけです。
  84. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 乳製品の輸入の問題でございますが、国内生産が伸びますれば、必ずしも輸入の必要がないわけでございますが、御承知のとおり、現在ナチュラル・チーズ、それからミルク・カゼイン、乳糖等の輸入が相当あることは事実でございます。これらはいずれも乳糖はAIQの物資にいたしておりますが、ミルク・カゼイン、ナチュラル・チーズ等はすでに自由化をいたしておるというようなことでございまして、御承知のとおり、主要な乳製品につきましては、畜産振興事業団に一元輸入というたてまえをとっておりますが、昨今の状況にかんがみまして実は四十三年度、四十四年度は事業団輸入は全然いたしておらないというようなことでございます。  それからミルク・カゼインと乳糖につきましては、実は乳糖につきましては昭和四十三年度の八月からAIQにAAを切りかえまして、関係各省で用途確認をいたしておるのでございまして、これらの効果もございまして、実は四十三年に比べますと四十四年は輸入が減っておるというような状況でございます。ただナチュラル・チーズは、御承知のとおりプロセス・チーズの原料になるわけでございますが、チーズ需要が非常に旺盛でございまして、そのために原料でありますところのナチュラル・チーズの輸入がかなりふえておるというようなことは、実態としてそういったことがあるということでございます。
  85. 中村波男

    ○中村波男君 そこで四十四年度の実績から見て、行政措置としては輸入を品目によっては全然しておらない、そういう御説明でありますが、いまの需給関係からいえば、完全な国内での自給体制というのがつくられるのではないか、こういうふうに考えておるわけでありますが、それと輸入対策と、政府はどういうように今後対処されようとしておるか。
  86. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 先ほど申し上げましたように、実はナチュラル・チーズとか、ミルク・カゼイン――乳糖は今度――AAの物資になっておるわけでございまして、カゼインにいたしましても乳糖にいたしましても、それぞれ固有の用途があるわけでございまして、これを実はいまさら押えるというわけにもまいらないわけでございますので、われわれといたしましては、乳糖等につきましては、先ほど来申し上げているようなAIQというような形で用途確認をいたすことによりまして、できる限り輸入をまあ許される範囲でチェックをするというようなことも実はいたしておるのでございまして、その効果もございまして、四十四年は四十三年に比べますと輸入量が減ったというようなことも出てきておるわけでございます。  それからナチュラル・チーズでございますが、これは年々一〇%から一五%ぐらいプロセス・チーズの消費がふえておりますので、われわれは将来の酪農を伸ばしてまいりますために、この需要の伸びというものに注目しなければならない。したがって、ナチュラル・チーズの国産化ということも今後は真剣に取り組んでまいらなければならないだろうということで、実は先般のMKチーズの認可の問題等もからみまして、国産化の育成措置ということをいたす方針を決定いたしまして、関税暫定措置法の一部改正を実はこの国会にも提出して御審議をお願いしておるというようなことでございます。
  87. 北村暢

    ○北村暢君 ちょっと関連してお伺いしますが、乳糖とミルク・カゼインを加工乳に使用することは禁止しているわけですね。それが実際に使われておらないのか、どうなのか。この確認はできているかどうか。いま畜産局長は、固有の用途があるので、それの輸入を差しとめるわけにいかない、こう言っているんだが、従来の乳糖とミルク・カゼインの加工乳に還元しているこういうものとの割合はどうだったろうか、そうしてその当時の輸入量と現在の輸入量とどうなっているか、そうして先ほど最初に聞きました、こういうものは、禁止されているものは実際に使っていないということの保証があるのかどうなのか、この点をお伺いいたしたい。
  88. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、食品衛生法に基づきますところの厚生省令によりまして、普通牛乳並びに加工乳につきましての定義がございます。これによりますと、当然カゼインとか乳糖等を牛乳または加工乳に使用することができないことになっていることは御承知のとおりでございまして、実はミルク・カゼイン、乳糖等の輸入量がふえるに伴いまして、一部そういった声が非常に出ましたので、牛乳に対する不信感を生んだことも事実でございます。そこで昨年の六月十一日に厚生省から、カゼインと乳糖を、いまさらではございませんが、牛乳または加工乳に使用することは食品衛生法に違反するものであるということを明確にいたしますとともに、その指導、取り締まりをするための通達が出されたのでございます。で、実はこれはわれわれのほうもお願いをいたしたわけですが、農林省といたしましては、単に食品衛生の見地からだけではなく、わが国の酪農及び乳業の健全な発展をはかる見地からもまことに時宜を得た措置であるということで、直ちに関係都道府県及び関係者団体に対しまして、飲用牛乳の正しい知識の普及とその消費の拡大をはかるという観点から、厚生省通達の趣旨の徹底をはかるような通達をいたした次第でございます。  そこで実は昨年の四月に東京都の衛生局が牛乳の抽出検査を行なっておりますが、その検査結果によりますれば、牛乳及び加工乳にはカゼイン、乳糖は使用されていないということに相なっておる次第でございます。
  89. 北村暢

    ○北村暢君 その禁止というのは、最近やかましく言われているその輸入量に影響があるのかどうなのか。実際には使っていないということがはっきりしたと、こう言うんだけれども、その分析の結果が、使っているのか使っていないかがわからないと、こう言っているんですね。そう言っているんですよ、あなたのほうの関係者。役人ではないですけれども、関係者で、分析した結果がわからないと、使っているか使っていないかがわからない。したがって、そういうことが言われておるものですから、これは使っている可能性があるんじゃないかというふうにも言われておるのです。そこら辺のところは、東京都でやった結果が、入っていなかったというのは分析した結果わからなかったんで、入っていないということなんでしょうけれども、入っているか入っていないかがわからないということを言っているんですよ、あなたのほうの関係者がね。したがって、入れるところの現場を見ないとわからないと言っているんです。そういうところまで言っている人がおるんです。ですからこれは使っているということになれば、これは加工乳にこれを使うということは非常に大きな影響が出てまいりますからね。だから個別の使用目的というのは一体どのくらいな量になっているのが妥当なのか、そこら辺のところを輸入量との関係において聞いておるわけです。
  90. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) だから昨年四月の東京都の抽出検査によれば、生乳なり加工乳にカゼイン、乳糖を使っている事実はないということが、東京都の衛生局の検査の結果、わかっているわけでございます。  それから乳糖とカゼインの輸入量の問題でございますが、四十三年が乳糖が四万一千三百八十二トン、四十四年が三万九千九十ミトンというふうに減っております。それからカゼインも四十三年が二万五千八百二トン、これが四十四年には二万四千四百三十五トンというふうに減じております。
  91. 中村波男

    ○中村波男君 そこでまあ農林省としてまとまっております、一番近い時点におきます一年間のチーズの消費量、これを生乳に換算してどれくらいになるか、あわせて粉乳とバターの消費量も御報告いただきたい、こう思うわけです。
  92. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) チーズの輸入量でございますが、プロセス・チーズの消費量は、昭和四十三年が三万三千百九十四トン、四十四年が三万七千八百二十七トンでございます。バターの消費量が、私の手持ちでは四十三年の数字でございますが、三万二千三百七十八トン、それから脱脂粉乳が四万九千七百六十九トンでございます。
  93. 中村波男

    ○中村波男君 生乳換算はわかりませんか。
  94. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) ちょっといま手持ちの数字がございませんので、後ほど調べまして……。
  95. 中村波男

    ○中村波男君 そこでチーズに消化をしておる、いわゆる国内で消化をしておる量はどれくらいになっておりますか。
  96. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) ナチュラル・チーズの国内生産量が昭和四十三年が七千九百四十六トンで全消費量の二三・九%、それから四十四年が八千二百四十九トンで二一・八%、こういうことに相なっております。
  97. 中村波男

    ○中村波男君 私はことしの牛乳の需給動向から見まして、大半を、特にチーズ等は輸入原料なり製品輸入に仰いでいるという、こういう実態から見て、これはやはり国内の酪農を守るという立場からいいまして、チーズの国産化といいますか、国内生産を高めるような方針を早急に進めるべきであるというふうに前々から考えておったわけです。この点は政府の政策というのはまことに私はおくれておったと言わなければならないと思うわけでありますが、そこでさいぜんナチュラル・チーズの国産化について農林省が相当まとめつつあるということを聞いておりますので、その内容を具体的にひとつ御説明を賜わりたいと、こう思うわけです。
  98. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 実は一昨年の暮に森永乳業とクラフトコ会社の合弁会社ができるというので認可申請が出まして、これをめぐって関係業界とわれわれ大いに話し合いをいたしのでございますが、その過程におきまして、ただいま中村先生のおっしゃいますように、将来需要が非常に伸びますところのナチュラル・チーズの国産化ということにこれから真剣に取り組まなければならないだろうということでいろいろ検討いたしたのでございます。その検討の過程におきましていろいろな案があったわけですが、最終的にはナチュラル・チーズにつきまして関税割り当て制度を導入して、国産ナチュラル・チーズの育成策をとるということにいたしたのでございます。  その関税割り当て制度の内容を申し上げますと、御承知のとおり現在のナチュラル・チーズに対する関税率は三五%ということに相なっておるのでございまして、大体輸入ものが二百十円前後、国産はまだ雪印しかまだ実はやっておりませんような実情でございますが、それの倍以上のコストがかかっておるというようなことに相なっておるのでございまして、したがいまして国産化はなかなかそのためにもむずかしいということにも相なるわけでございますが、そこでナチュラル・チーズに適用する税率を当分の問、政府の割り当てを受けた数量の範囲内において輸入するものにつきましては二五%関税を切りまして一〇%にする。その他のものにつきましては従来どおり三五%の関税をかける。  そこで政府の割り当てでございますが、プロセス・チーズの製造原料として国産ナチュラル・チーズを使用するものに対しましては、国産ナチュラル・チーズの使用数量の二倍を限度として――これを要するに平たく言えば、国産で百トンつくっておる、で、輸入を二百トンなさるという場合のその二百トンにつきましては関税を従来の三五%から一〇%の関税にするということにいたしたのでございまして、これをいまの関税暫定措置法の一部改正という形で、こういった育成化の措置を内容としたものを今国会に提出して御審議をいただいておる、こういうことでございます。
  99. 中村波男

    ○中村波男君 その問題との関連で、この機会にお聞きしたいと思っておりますのは、MKチーズを条件づきとはいいながら許可されたのでありますが、日本のチーズ産業と申しますか、チーズの製造が企業的にほとんど成り立っておらない、こういう状況の中でMKチーズを条件づきとはいいながらこれを認めたということは、たとえて申し上げますならば子供とおとなが相撲を取る、ふんどしかつぎと横綱が相撲をとるというようなことになって、片方でナチュラル・チーズの国産化に農林省がまあある程度腰を上げたといいながら、片方ではそれを圧迫するようなことを認めたということは、どう考えても本腰でこの問題に対処しようとする農林省の姿勢としては納得がいかないわけなんですよ。ひとつその間の事情と条件つきで認めたMKチーズの今後の日本における市場にしめるシェア、あるいはチーズ産業に対する影響等々を具体的にひとつ率直に御説明をいただきたいと思うわけです。
  100. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 関税割り当て制度を実はとりましたわけでございますが、これはなぜそういうことになったかということでございますが、御承知のとおり、現在雪印乳業は国産ものを大体三八%ぐらい使っております。にもかかわらずオール輸入の安い原料を使っておるメーカーとの間にりっぱに競争が実はできておるということは、卸売り価格にかなりの価格差が、実はブランド差があるわけでございます。そういった実態も踏まえまして実は関税割り当て制度という制度に踏み切ったのでございます。そこで、MKチーズの認可の問題からみまして、いま先生御指摘のとおりに念書を取ったわけでございますが、これはまあ企業の秘密ということで外にはあまり申し上げておりませんが、その内容を概括的に申し上げますと、やはりMKチーズもできる限り国産化に協力してもらうということがたてまえでございますから、一応われわれが取りました念書の内容といたしまして、生産初年度においては少なくとも一〇%以上は国産ナチュラル・チーズを使用する、以後逐年その国産化の比率を高めまして、数年後には国産ナチュラル・チーズを三分の一以上使用するというような一札を取っております。  それからシェアの問題でございますが、これは当面国内のシェアは一〇%を上回らないというようなことでございます。それ以外に企業活動はチーズ部門に限るとか、あるいは国内同種企業との協調を保つとかいうようなこと、それから役員比率を変更する場合には農林省の承認を得るというような念書を提出さしたのでございます。
  101. 中村波男

    ○中村波男君 さらに乳製品の資本の自由化の農林省としての日程ですね、昭和四十六年にはほとんど資本あるいは物による自由化というのが全面的に受け入れられなければならないような状況にあるとわれわれは聞いておるわけですが、これは重大な問題でありますので、そういう立場でどういうように今後資本の自由化について対応策をお持ちになっておるのかどうかという点について、これはやはり農林大臣から承りましょう。
  102. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話のように、自由化の問題につきましては、わが国全体の貿易政策の重要性にかんがみまして政府としても対処していかなければならぬのでありますが、私ども国内の農産物資につきまして、これはどうしてもそういうことはまずいというようなものは拒否していかなければなりません。大きなものでも、たとえば濃厚飼料の原料等はすでに自由化されておるわけでありますが、そこで……失礼しました。ちょっと聞き違いまして、資本の自由化とおっしゃった……失礼いたしました。これはわが国の方針ももうすでにきまっておりまして、一部産業を除きますもの以外は四十六年末までに自由化するということの約束が取りつけてあるわけであります。
  103. 中村波男

    ○中村波男君 そこで、MKチーズは森永とアメリカ資本との進出でありますが、今後日本の乳製品を目がけて資本の進出ということも考えられるのじゃないか。またそういう動きが今日あるという状況にはないのか、こういう問題からMKチーズだけは許可したけれども次は許可しないというような、こういう政策的にまた行政措置としてできにくくなるということからいたしまして、私たちはこの問題に対して重視をしておったわけでありますが、そういう点について今後の見通し、また政府としてはどういう方針で臨もうとしておられるのか、この点を明らかにしていただきたい。
  104. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 技術提携等の話は一、二あるようでございますが、MKチーズみたいな形での資本の自由化に伴いますところの合弁会社の設立の話は具体的に日程にのぼったものとしては乳業関係としてはわれわれは聞いておりません。  それから今後のナチュラル・チーズの問題でございますが、一応関税割当て制度によりまして、当面は対処するということにいたしたのでございますが、これを実行してまいりまして、さらに国産化の進展が不十分であるという場合には、いまの抱き合わせの比率一対二というような比率を改善することも考えなければいけないのではないか。さらに事態の推移に応じて必要がある場合には、関税率を現在一〇%までにいたしたわけですが、これをさらに調整するというようなことも必要とあればやることも将来の問題として考えなければならないのではないか。まあ、これらの処置をもってしても、なお不十分な状態であると認められるときには、さらに国産化比率を高めるための適切な別途措置、まあ具体的にまだ練られたわけではございませんが、不足払い等も場合によって考えられないかというようなことも、実は最終的なMKチーズの認可の決定の段階に当たりまして、与党あたりとも十分協議した段階におきまして、われわれはそういったことも実は将来の問題としては考えてまいりたいというふうに申し上げておるのでございます。
  105. 中村波男

    ○中村波男君 大臣にお尋ねしたいのですが、さいぜんも御指摘をいたしましたように、「総合農政の推進について」という基本方針にも選択的拡大の大黒柱に畜産をおいていらっしゃる。また米の過剰対策としての作付転換としても飼料作物等を相当大きく期待をしていらっしゃる。そういう中で、とにかく多頭飼育が順調に進行いたしまして、乳の生産は毎年伸びておる。また消費も毎年毎年伸びる傾向にある。したがって、完全自給ということを私は畜産においても達成できるものであり、達成しなければならないというふうに思うわけであります。そういう中にあって、わずか四百五十万トンの生乳が生産されたからといって畜産事業団の買い入れを大きく発動しなければならないというような事態が何としてもおかしいと思うわけなんです。それはどこからくるかというならば、やはり畜産物の輸入がどんどん増大しておとるいうところに大きな原因があるのではないかというふうに思うわけです。したがって、質問との関連で言えば、乳糖、ミルク・カゼイン、脱脂粉乳等については課徴金制度を設けるべきではないか。あるいは牛、豚等の食肉についても課徴金制度を設けてやはり輸入抑制という政策的手段を考えるべきではないか。これらについて農林省として相当課徴金制度というものを真剣に対策として考えておられたようでありますが、残念ながら四十五年度の予算あるいは施策の中にはそういう考え方というのが後退をしてしまっておるように見受けられるわけです。私の申し上げたそういう立場で、農林大臣は今後いわゆる国内自給を高める。国内農産物の需給安定をはかる。そのことは農家経済の安定向上の道につながっておるのでありまするから、輸入の農産物に対して農林省としての、世界の趨勢として自由化を阻止するわけにもまいらぬでありましょうから、許された道というのは、最大の効果のある方法として課徴金制度ではないか、こういうように考えているわけですが、いかがですか。
  106. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) お答え申し上げます。  私はいま中村さんもお認めになりましたように、わが国が国際経済の中に、しかもいまのような成長を維持しながら、立ち向かってまいりますためには、やはり御指摘のように資本の自由化、貿易の自由化は、これはもう勢いがそうなっていると思います。そこで、私ども農業の立場から考えてみますというと、したがって、いま国際経済の中に立っていくためには、農業、その面だけ取り上げて考えてみてもなかなか困難があるわけでありまして、全体のやはり日本産業の国際社会における立場の中で、私どもは農業にどういうふうに対処していくかということかと思うのであります。で、「総合農政の推進について」というものを発表いたしておりますけれども、私どもはただいまここでお話し合いが行なわれておりますようなものにつきましては、もう中村さんも御指摘のように、米の生産調整をいたす半面において、転換作物についてどういうものがその地域、地域で適当であるか、またわが国の全体の食料政策の中でどういうものを特段に助成すべきであるかということがおのずから出てまいるわけであります。そういうようなものの国際競争力を維持してまいりますために、やはり価格政策ということは非常に大切なことかと思っております。農政審議会等でもそういう意見を中間報告にもいろいろ検討すべく資料として出していただいておりますが、私どもさらにいろいろな方面とも相談をいたしまして、いまお話のありましたようなことについて慎重に検討いたしておるわけでありまして、「総合農政の推進について」の中にも、いまお話のありましたような価格政策について掘り下げて検討してまいるということをも言っておるわけであります。したがって、いま私がここでまだ確たる方針も決定いたしませんうちにとかくのことを発言いたしますことは御遠慮いたすべきでありますが、いま私が申し上げましたことで大体私どもの考えておりますことを御理解いただけると思うのです。わが国がやはり農業を維持してまいるというために必要なものについては、これはどこまでもまた国策的に維持、増進していかなければならない、そういう前提に立って対処してまいりたいと、こう思っております。
  107. 中村波男

    ○中村波男君 もう予定の時間がすでに過ぎ去っておりますので、いろいろこまかく質問ができないわけでありますが、端的に質問いたしますが、農林省としてはいまの段階で課徴金制度というようなものを研究し検討してそれを適用する、発動するというようなことは全く考えておらないのか。前向きでそういう点も考えて、価格政策というものを今後やろうとしておるのか、端的にお答えいただきたいと思います。
  108. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申しましたように、まだ最終的方針がきまっておりませんうちによけいな発言をしてまた問題を起こすといけませんから(笑声)慎重に申し上げておるわけでありますが、ここにも書いてありますとおり、やはり輸入について、価格政策については十分前向きで検討しなければならないと言っておりますのは、いまあなたが御指摘になりましたような大事な点について私どもも深く掘り下げて検討いたしておると、こういうことであります。
  109. 中村波男

    ○中村波男君 私先般本会議で指摘をしたように、新経済社会発展計画を読んでみましても、価格問題に対する提言は、価格安定のため生産、流通の合理化、近代化――とれはいいですわね。その次が輸入制限の緩和ないし撤廃につとめる。すなわち、輸入制限品目の自由化、輸入割り当てのワクの拡大、関税の引き下げなど、積極的な施策をとるべきでるあということを主張しているわけです。したがって、最近財界等から、また政策的な面から、政府の方針として物価を引き下げるという、そういう立場から農産物価格の引き下げということが強く要求されておるということから考えましても、いま私が指摘をしたように、輸入が全面的に自由化されるというような中で、日本の農産物がその中にはうり込まれたらどうなるかということを考えますと、これはやはり私は国内の農産物を安定的に供給させるための価格政策というのは輸入との関連においても相当前向きで検討すべきではないか、こういう立場で御意見を申し上げ、大臣の所信をお聞きしているわけなんですよ。
  110. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話のありましたようなことを考えながら価格政策に取り組んでまいりたいということであります。
  111. 中村波男

    ○中村波男君 それから、もうはしょって質問いたしますが、いま畜産審議会が開かれておりますが、加工原料乳の保証価格を本年度は幾らと農林省は算定をして諮問をされておるのでありますか。いま発表できませんか。
  112. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 目下試算中でございまして、まだ確定はいたしておりません。
  113. 中村波男

    ○中村波男君 おそらくそういう答弁がはね返ることを考えて質問したわけでありますが、もちろん答申の前でありますから、実際に作業が終わっておるか、終わっておらないかはわかりませんけれども、具体的な数字を示されないことも、この場合理解いたします。そこで、昨年と比べてどれくらいという、金額は言えぬにしても、アップするという考えがあるのかどうかということを、まず承っておきたいと思うわけです。
  114. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) まだ試算を最終的に終わっておりませんので、何とも申し上げかねるのでございます。
  115. 中村波男

    ○中村波男君 さらに御質問いたします。私は、いろいろ品目によっては国際価格と比較いたしまして高いものもありますが、平均すれば、特に畜産物について、生産者価格は国際価格に比べて、そんなに大きく高くないのではないかというふうに思いますが、その比較を、ひとつ資料があるならば、明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
  116. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 国々によって実は違うわけでございまして、確かにそういった見方も成り立つわけでございますが、一般的にいえば、まだ若干高いのではないかというのが実態だろうというふうに考えております。
  117. 中村波男

    ○中村波男君 私は、何といっても、問題があるのは、消費者段階へまいりますと生産者価格より二倍以上にはね上がるというところが、農産物価格の問題として重大だと思うわけです。したがってさいぜんも申し上げましたように、物価抑制の見地から、もっと輸入をふやせという、こういう経済的な要求がある。したがって、相当畜産物については輸入が行なわれております。そのことが、逆にまた生産者価格を抑制するという悪循環を来たしておるというふうに思うわけです。これをどう調整するかということになりますならば、基本的には農業生産の基盤の整備、強化をはかるということが一つであろうと思うわけです。それから価格政策が私は急務であるというふうに思うわけであります。したがって、流通の革新、消費の拡大と輸入の抑制など、総合的かつ強力な施策へ発展をさせなければ、どんなに畜産部門を成長作目として政府が置いておかれましても、牛乳が高い高いというこういう中にあって、乳牛の頭数というのは政府の指標のようにはふえていかない。いわゆる悪循環を重ねておると思うのでありますが、これらについて、さらに生産拡大の問題あるいは流通の合理化の問題、あるいは輸入抑制の問題等々について、具体的に質問をし、私の意見を申し上げたいのでありますが、時間がきましたので抽象的な答弁をいただいても意味がありませんから、ひとつ前向きで、真剣にこれらの問題と取り組んでいただきたいということを強く要求いたしまして、大臣の所信を承りたい、こう思うわけです。
  118. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 畜産物につきましては、牛乳、乳製品、豚肉、卵等は現在おうむね国内需給が確保されておりますけれども、牛乳につきましては、生産が必ずしも需要の伸びに即応できないで、輸入制度の円滑な運用による需給の安定をはかっておるわけであります。また豚、鶏の飼養頭羽数の増加に伴いまして配合飼料の原料であるトウモロコシ、マイロの輸入が、国内生産が困難な事情もありまして、増大はしておるものの安定的な供給の確保につとめておるところであります。  わが国における畜産物需要は今後も順調に増大することが見込まれており、その観点から各品目ごとに生産の一そうの振興をはかり、国内需給の向上につとめてまいりたいと存じます。すなわち畜産の基礎的生産基盤である草地開発事業、既耕地における飼料作物の作付拡大等、飼料基盤の整備を計画的かつ強力に進め、また乳用牛、肉用牛の導入をはじめ積極的に生産対策を講じておりますが、さらに酪農につきましては、加工原料乳不足払い制度の適切円滑なる運用、学校給食の拡大等に意を用いておるところでありますが、肉用牛につきましては、その価格の安定が生産の拡大にとって緊要となっておることにかんがみまして、新たに価格安定対策を実施することといたした次第でございます。
  119. 中村波男

    ○中村波男君 最後にもう一つだけお聞きをしておきたいと思いますが、畜産公害の問題は、これはいま畜産農家が頭をかかえておる問題であり、また社会問題として、政府の畜産公害に対する対策等は弱いと私は思うわけでありますが、そこで何としても都市近郊の畜産農家というのを相当都市から離れたところへ集団的に営農を移すという、こういう必要があると考えているわけです。したがってそのための施策として市町村あるいは農協等が集団共同畜舎を建設して、これを分譲するというような方式を現実に市町村でやっているところもありますが、そういう制度をこれは農林省も積極的に行なうべきではないか、こういう点について農林省としては何らかの検討がなされているのかどうか、また今後そういう政策についてどういう考えでおられるのかどうか、以上で質問を終わりたいと思います。
  120. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 実は四十四年度予算におきまして、いま先生が御指摘の集団移転の実態調査をずっといたしまして、これらの調査の結果に基づきまして、四十五年度予算には畜産団地造成事業の予算を公共事業費として計上をいたしております。この考え方は都市近郊におきますところの畜産農家が集団で経営移転を実施していく、それが同時に公害の問題の解決にも役立つというような場合に補助を行なうということでございまして、予算としては三億六百六十八万六千円というものを公共事業費として要求いたしております。さらにそのうらはらになるわけでございますが、農林漁業金融公庫に畜産公害対策移転施設資金というものを設けまして、集団移転をいたします方々の補助残の融資あるいは単独で移転をされますところの個別移転の方に対する融資措置というものも実は講じた次第でございまして、一応四十五年度には二十五カ所ということでただいま申し上げた金額の予算を要求いたしているわけでございます。
  121. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 だいぶ時間もたちましてあれでございますが、過日の大臣の所信表明に対しまして若干基本的な問題についてお伺いしたいと思うのであります。一つは総合農政の推進についてということで、総合農政というものがいろいろ論じられて今日までまいりました。まあ具体的な問題になりますといろいろなことがあるんでありますが、現在減反の問題からいたしまして土地政策、土地の問題が大きくクローズアップされまして、総合農政の目ざす方向が大きくゆらいだのではないかというような感じがするのでありますが、国全体の土地利用計画、先ほども任田議員からお話があったんでありますが、総合的なものは将来を見通して策定するということはなかなかむずかしいことなのでありますが、これを「総合農政の推進について」という基本的な考え方からして、この土地利用計画というものがはっきりしていないと将来に大きな禍根を残すんじゃないか、このように考えるわけでありますが、現にこの土地政策の導入によって長期展望にもいろいろ混乱が起きつつある、このように考えるわけですが、まあ端的に申しまして日本国民の食生活をまかなうためにはどれだけの農地が必要であって、どのように今後これを推進していくのかという基本的な問題について所見をお伺いしたいと思うのであります。
  122. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどもここでお話がありたようでありますが、私どもにとりましては、土地利用区分ということはぜひ必要なことであると前々から考えておるわけであります。前回の国会で御審議を願い成立いたしました農業振興地域に関する法律などの精神も、そういうところがら出ているわけであります。だんだん技術も進歩いたしましたし、一般の社会情勢も変化してまいっておるときでありまして、まだそういうことについて正確な計画というものはありませんけれども、やはり私どもは現状の農産物、食料確保のできる農業、これを維持するためには、われわれの農業という立場で必要な土地利用区分についてはしっかりした計画を立てて進んでいきたい、こう思っているわけであります。
  123. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 それから所信表明の中にありました、先ほどもちょっとお話しがあったのでありますけれども、広域営農集団の形成ということをうたっております。これはこれからの問題だと思うのでありますが、まあ環境整備ということは非常に大事なことでありますが、ここで私いま考えますことは産業を地方に分散するということだと理解しておるわけですが、これに伴って農家において若年労働者または世代の交代、こういうことが現在大きい問題になっております。現在学卒者であとを継ぐものが五万、六万または七万というようにいわれておりますが、こういうことが続きますと、理想的な広域営農集団というようなものを考えましても、農村がほんとうに魅力あるものとして、そしてまたそこに農業にいそしむ人たちの労働力というものがはたして定着することができるのか――というこの若年層の減少、世代の交代、こういうことからして、この広域営農集団の形成ということは実現はなかなかむずかしいことではないかというふうに考えるのでありますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
  124. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これは私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、国民の食料需給、この自給度はしっかりして維持してまいりたい、こういう考え方でございますが、藤原さんすでによく御存じのように、その生産技術も大いに進歩いたしまして、純粋の農家でも若干労働力は余分に出てまいります。そればかりじゃありませんで、「総合農政の推進について」でもいっておりますように、私どもはりっぱな農業が、他産業に比べてひけをとらない自立経営農家を育成していくということが一つの大きな眼目ではありますけれども、やっぱり現在の日本の状況におきましては、かなり地方にはそれに至らないいわゆる兼業農家も数多いわけであります。が、私ども、地方の多くの方々、または農業団体の方々に接触しましても、やはり地方に適当な産業を誘致することをいずれも望んでおられますし、国全体といたしましても、私どもは、だんだんとこの一定の地域に膨大な工場地帯が出てきて、そしてそこに多くの労働力が集中してしまうというふうな傾向は、決して国家全体として好ましこいとではないと思います。かたがた、いろいろな状況を考えまして、やはり地方においてはいま申し上げました自立農家を中核にいたしまして、そしてそのまわりに兼業農家あるいはもうちょっと小さな農家の方々も配しまして、そういう形で比較的調和のとれた広域営農団地というふうなものができていくことが望ましいんではないか。そして、なるべく地方に公害を伴わないような産業をできるだけ分散することによって、同時に、政府はいま一生懸命で地方道、農道、林道等に力を入れておるわけでありますが、そういうことで交通の便がよくなれば、いわゆる将来はおそらく過疎地帯になるであろうと思われておるような地域の労働力も、その付近に出てくる産業に就職をして、そうして現金収入を得てもらうというような形ができることが望ましいのではないかと、こういう考え方でありますが、まあそういう考え方の中核になりますために、昭和四十五年度予算で御審議を願っております予算の中には、御承知のように、これはもう全国の人々の御要望でありました大型農道を、各県にとりあえず一本ずつ入れることにいたしておりますが、あれは、やがてその地方地方の産業が結ばれてまいる幹線になり得るものではないかと思われます。そういうようなふうにいたしまして、広域営農団地的なものをつくってまいりたい、こう思っておるわけであります。
  125. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 時間がありませんので次に移りますが、どんな仕事でも、見通しのない仕事というものはほんとうにいやなものでありますが、このたびの減反問題であります。これはいままでのいろいろな審議の過程で、ことし一年であるということがいわれておるわけでありますが、このように農業は短期間のうちにできるわけではありませんので、相当やはり長い目でいろいろな準備も必要でありますので、こういうことは早くにものごとはきめてあげなければ、農家の方々はたいへんとまどうのではないか、このように思うのでありますが、減反の大半が休耕で、この休耕ということはことし一年ということで、結局恒久的でないという、そこに問題があると思うのであります。転作するにいたしましても、政策的な配慮があって永久性のものがそこになければ、結局また一年だけで同じような状態が繰り返される。こういうことをいろいろ考えますと、本年一年であるということをおっしゃっておりますけれども、明年またはそれ以降に対する見通しというものはどのように立てていらっしゃるのか。またいつごろ農家の方々に方針というものをはっきりと伝えることができるのかという、この点について……。
  126. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 米の生産調整をいたしますために、御存じのように百五十万トン分ことしは調整をしよう。そこで、百万トン分はでき得べくんば転換をしていただきたいということでありますが、それはもう減反していただく方には御存じのように反当り三万五千円を奨励金として差し上げるということにいたしました。藤原さん御指摘のように、全く私ども農政の立場から御同感でございまして、私自身は予算折衝などにもそういうことを述べたこともございますけれども、一応予算は単年度ということで、臨時緊急のものであるということで、本年一年ということにいたしたわけでありますが、御説のように、農業というものは時間のかかる問題でございますので、さらにこういう政策が継続されるように努力はいたすつもりでありますけれども、一応本年だけであると、こういうことにしておるわけであります。私どもが希望しておる事柄がある程度目鼻がつきましたときに、これからどういうふうな手を打っていくかということについては、そのときいろいろな、できましたその結果について掘り下げて研究をいたしまして、それから先の処置を考慮してまいりたいと、こう思っておるわけであります。
  127. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 奨励金のことでございますが、いままでも当局からの発表もあったわけでありますけれども、農家の方々で、その地域によりましていろいろな立場の方々がございます。先日も新聞等にも出ておりましたのですが、減反が割り当て以上に進んでいるところ、それからまた非常におくれているところ、こういうところがいろいろ新聞にもあげられております。北海道の一部におきましては、目標をはるかにオーバーするというようなところもございました。ことしはたいへん雪が多いとか、長期予報からして本年は冷害型だとか、こういうことも言われているそうでありますけれども、そういういろいろな思惑がございまして、また指導的な立場の人、実際に仕事に携わる方、その立場立場でいろいろな考えがあると思うのでありますが、それらの方々は、いままでも当局の発表にはあるのでありますけれども、減反の目標を大きくオーバーした場合には一体どうなるのかという、こういうことを、いままでの発表ではっきりしているわけなんですけれども、心配しておるのです。  それからまた補助整備事業の施行と奨励金とは一体どういうふうなことになるのかという、単純なことのようでありますけれども、実際下のほうにいきますと、こういうふうなことがいろいろ取りざたされているというようなことも聞いているわけです。この点について、この席でもう一度はっきりお伺いしたいと思います。
  128. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) こまかな各村々の計画というものはまだ私ども把握いたしておりませんけれども、いろいろ各地の状況を地方の県知事、農業団体の方々からお話を聞いております。お説のように、かなり今回の時期がそもそも重大な時期であるということで御協力を願っておるようであります。それで、いまお尋ねのように、予定いたしました分をオーバーされたところには、やはり政府の方針としては同じように生産調整の奨励金は差し上げるというたてまえでやっております。
  129. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 休耕ということになりますと当然労働力が他に動くようなことになるわけでありますが、ここで当然起きてくる出かせぎ農民の対策というようなことも労働省とも関係があると思うのでありますが、こういう問題についても真剣に考えなければならないことだと思うのでありますが、この点については何かお考えございますでしょうか。
  130. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これは今回にわかに始めたわけではございませんが、先ほどちょっと申し上げましたように、私どもといたしましては、やはり地方に産業を分散していくことが国の政策としていいことであるということが一つ、また地方でも、御存じのようにそういう要望が各地に熱心に起きております。それにまた兼業農家の方々などではその兼業の部分、つまり労働力が余っておられる面もかなりあるわけでありますが、そこで、そういう方々に、遠くへお出にならないで、地元に分散される産業に就職をされて、現金所得を取られるということはたいへん望ましいことであると存じますので、いままでも産業界などといろいろな話を政府はし合っておりますが、昭和四十五年度予算に、ちょっといま記憶がございませんけれども、労働省ではそういう地域の方々、つまりそういう地域に県知事あるいは市町村長、そういう方々に、つまりよそから移転していく産業というものは話があるわけでありますから、そこで私どもとしては、労働省と通産省と農林省が一緒になりまして、いろいろなその産業界で地方に仕事を分散していこうとする計画の業界、そういう人たちと事前に打ち合わせをいたしまして、そうしてAならAという地域にどういう産業を分散していくつもりだということに、およその計画が立ちますならば、その付近の労働力に対して、労働省は、やがてそこへ出てくるであろう産業に就職のできますように職業訓練制度を実施しよう。その訓練期間中は訓練手当を支給しよう。ちょうどあの石炭対策のときにやりましたような、ああいうことで考えているわけでありますが、そのための昭和四十五年度予算では、労働省予算で四億円ほど予算をとっております。通産省もやはりそういう調査のために予算を計上いたしておるわけではありますが、そのようにいたしまして職業相談、職業紹介、職業訓練の制度の充実をいたしてまいりたい。そしてそうなれば、そういう産業が出てまいるということになりますれば、その地方の余った労働力というものは、自分の実家のほうから交通が便利でさえあれば通勤もできるわけでありますからして、来年度予算――ではこれはもう来年度予算に始まったわけではありません。前からありますけれども、政府は地方道に補助金を出す制度をすでに三年前から実施しておりますし、農道その他にわれわれは力を入れるようにいたしまして、農山村における交通の便をできるだけよくしょうというような方向もいま私が申し上げましたようなことの  一助にもなるし、地方開発のためにもなるということでそういう施策をとっているわけであります。
  131. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 先ほど水産庁長官のいろんなお話がございましたのですが、この前台湾坊主の被害がございましたが、東北、北海道たいへんな被害があったのですがもこれは天災融資法、激甚災害法適用になったでしょうか。
  132. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 激甚災関係は、共同利用の小型漁船と養殖施設が本日の閣議できまったわけです。また、天災融資法も同様でございます。
  133. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 こういう災害がありますときには、農産物の関係ですと比較的調査等が進むのが非常に早い。被害状況やなんかで早く掌握される。これの水産関係のほうは、いろんな事情もあると思うのでありますが調査がなかなか進まないという、こういうことをよく感ずるのでありますけれども、政府としての調査制度に何か農業関係、農産物関係と水産関係の被害状況の掌握の面について違いがあるのでしょうか。
  134. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 私どもたとえば漁港の災害等につきましては、できるだけ早く査定なりあるいは災害復旧の指導をいたしておりますが、これは農業土木関係に対して遜色はないというふうに考えております。しかし養殖施設等につきましては、実は農作物の被害でありますれば被害統計が出るわけでありまするが、これは現在の機構では県の調査を大観的に農林省は査定をするということ以外にはちょっと道がありませんので、農作物と水産物との被害は調査の方法が違うわけでございますけれども、いずれにしても災害の問題でございますから、私どもは漁民の迷惑にならないようにできるだけ早く措置を講ずるようにいたしているわけであります。
  135. 向井長年

    ○向井長年君 もう時間が六時でございまして、大臣朝から予算委員会でおつかれと思いますので、実は米の生産調整の問題、減反あるいは転作、休耕、いろんな問題について具体的にお聞きしたがったのでありますが、これはまたの機会にいたしたいと思います。  そこで総合農政、総合農政と言われているのですが、この問題について国民はこれはあまり総合農政といってもわからないのですよ。これは私はこういうように解釈するのですが、こういうことでいいのかひとつ大臣にお聞きしたい。  先般りっぱな所信表明を拝聴いたしましたが、実は総合農政というものは、国民の生活は衣食住の三つの問題が中心ですね。ところで衣やあるいは住という問題については必ずしも十分じゃございませんけれども、それぞれこれに対しての施策が講じられておると思います。最も大きな国民生活に重要な問題は食生活なんですが、この食生活を一手に引き受けておるのは農林省だと思うんです。そうですね。したがってこの農林省が食生活を一手に引受けている問題については、少なくともこの農林省の使命というものは、まず第一に、それぞれの生産者が意欲を持って生産に従事する。あわせて生産者のいわゆる所得の向上をはかっていかなければならない。一つはそこにあると思うんです。一つにはですね、少なくとも消費者が非常に簡便に良質なものを安く買って生活にもたらす。こういうことだと思います。そういう中から完全需給という問題が出てくるかと思うのであります。三番目には、まあやはり日本の生産物のできるだけ輸出の拡大をはかる。こういう問題もその中に入ってくると思います。こういうことが本来であるならば総合農政というようなむずかしいことばで、これを推進するためにあらゆる分野で施策を打ち出し、それを実施していくことが総合農政ではなかろうかと、こう思うのですが、大臣はどうお考えですか。
  136. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) たいへん要領よくお話をいただきまして、そのとおりでございます。
  137. 向井長年

    ○向井長年君 そういうことを実施しようとするならば、まず総合農政の基本方針というものが、この大臣の所信表明に出ておりますように、まずやはり農業構造の改善をやらなけりゃならぬ。あわせて食料の安定供給をやらなけりゃならぬ。農産物価格の安定と流通機構のいわゆる近代化をやらなけりゃならぬ。そして新しい農村の社会建設を行なわなけりやならぬ。こういうことが私は柱になると思うのですよ。そうすれば、これを実施しようとするならば本年度、先般説明がありましたこの予算措置でございますが、大体農林省の所管につきましては、八千五百三十億円、その他関連の予算を入れまして九千百七十七億円、四十四年度に比較すると、千五百十二億円の増加となっている、まあこういうことでございます。これでこの予算でいま言ったことが十分というか、十分じゃなくとも大半本年度実施できるのか、こう私は聞きたいのです。この予算措置を見ますと、いろいろ項目をあげております、具体的に。しかしこれは少なくとも、いま言った目的のためには実際は中途半端に終るのじゃないか、こういう懸念が私たちはするわけですけれども、この点、大臣は本年度の予算で、この所信表明されたことが十分遂行できると、こう考えておられるかどうかお聞きしたい。
  138. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 「総合農政の推進について」は、もうお手元でごらんくだすったことだと思いますが、先ほどたいへん要領よく趣旨のおもなところをお示しになりました。私どもはこれをやろうと思いまして、私ども独断でもいけませんので、農政審議会等にもはかりまして種々研究いたしました結果、そういう方針をきめ、そしてこの方針を遂行いたしますために、今度まあ過ぎ去ったことにつきましては白書等において、また「四十五年度において講じようとする農業施策」等を皆さま方もこれから差し上げるわけでございまして、二月二十日の閣議において、この推進の方向はきめ、それに基づいて近くお手元に差し上げるわけでありますが、これは私は先ほど来お話しのございましたように、大体水産を含めて、農政でも林業でもそうでございますが、そう一年でなかなか完ぺきになるものではございませんで、私どもは万博で、いま来ております外国のお客さん、昨晩EECの議長を御招待いたしまして、そこでEECのマンスホルトプランの話が出まして、彼らはやっぱり一九八〇年に目をつけて、そこまでに彼らの考えている方向を確立しよう、なるほど彼らは六カ国集まっているのですから単一国家であるわが国とはもっと事情も違いましょうけれども、やっぱり私は農業というものは腰をすえてみっちりやらなければいけないのだと思いますが、少なくとも来年度予算、ただいま御審議願っておりますものはこの方向に沿うて、できるだけの予算を獲得し、その方向に向かって進んでいると、こういうことは申し上げて差しつかえないと思います。
  139. 向井長年

    ○向井長年君 大体抽象的に言えばそういうことになると思いますが、具体的に、農業の構造改善にいたしましても、あるいは流通、加工近代化の問題にしても、やはり長期計画で、何年かの計画でこれをするんだ、そのためには財政措置はこうである、こういう形をやはりつくらなければならぬのじゃないか。ただこれだけ予算がふえたバラエティーに富んだこれだけの施策をやりますと、こういうと先ほどの意見もありましたように何をことしはやろうとするのか、こういう格好になるのですよ。いうなれば中途はんぱになってくるのではないか。したがってこれは三年計画でこの問題は完成しよう、そのために予算措置は講ずる、財政措置は講じていくのだ、こういうものが必要ではなかろうか、こういうことで私は意見を言っているのですが、この点についてはいかがですか。
  140. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどもちょっとお話ございましたけれども、農林省といたしましてはやはりその計画性を持ちまして、そうして特に今回は百五十万トンの米の生産調整、農政の中で非常に大きな部門を占めておりました米に対する対策が開聞以来初めてのようなことをやらざるを得ない、そういうものをも含めて農政を推進してまいるためにいろいろな計画を持つわけであります。しかしその計画青写真というものはまだ私どもにしっかりしたものは持っておりませんのは、これはいまわれわれが独断するわけにいきませんので、地方農政局を督励して地方の知事その他市町村長、農業団体等といろいろな角度で地方に合った状況、しかも国全体としては農作物に対する方向を示しながらその地域地域の特性を生かしてやってもらう計画をつくらせておるわけでありますが、そういう大体の方向に向かって、この「総合農政の推進について」考えておりますような方向に向かって予算要求を逐次いたしておるのでありますから、この予算というものはこれだけぽんと出したというようにはお考えいただかないで、もう少し好意を持ってひとつ御理解をいただきたいと、こう思うわけであります。
  141. 向井長年

    ○向井長年君 まあ大臣はそういう答弁をされると思いますが、そういうことで、しからば先ほどもお話ありましたように、米の調整問題に対しても、一カ年でやるということで、大蔵大臣は三カ年ということを言っておりますね。したがって…一年限りだ、こういうことを言っておるのですが、実際は一年限りではできないでしょう。おそらく三年は最低かかるのじゃないかと、こういうわれわれは判断をするわけですが、したがって農林大臣が、あるいは農林省としてそういう主張をしても、それが実行になる財政措置というものはなかなかそれができないのじゃないか。そうなってくると、実際りっぱな基本方針を出しているけれども、長期計画ができるのかできないのかという疑問を実はわれわれ持つわけなんですよ。だからわれわれは、言うならば農林省を督励したいと、こういう立場からものを言っておるわけですが、しかしそういうことを言っておると議論になりますから私はそれでこの問題は終わりたいと思います。  そこで、局長おられますが、実は倉石農林大臣はこの問題初めてでわからぬのじゃないかと思うのですが、非常にこれは畜産局長が相当苦労された問題でございます。若干成功しつつあるわけでございます。過去において実はその卵価安定基金といって、御承知のごとく卵価の安定基金の、何か全国鶏卵価格安定基金というのがございまして、それに対して全鶏連の諸君が加盟さしてもらいたいということで、だいぶこれは運動されたようであります。そこで、これは不可能になりまして、農林省畜産局の好意で別基金が生まれております。全日本基金ですか、全日本卵価安定基金というものが生まれておるわけであります。これは非常に残念だけれども二つの基金ができた。ところが現在はまだ非常に不均衡な状態に私はあると思うんです。ということは、畜産事業団等を通じまして、その基金が政府から出ておりますのが、御承知のごとく一方においては二億、一方においてはいま五千万だと思いますが、これに対して早急にやはり均等な出資をしなきゃならぬのじゃないか、こう思うんですが、この点について、その後の情勢はどうなっているか、お聞きいたしたいと思います。
  142. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 商人系の方々の――商人系というとちょっと語弊があるわけですが、いわゆる専門農協系の方々の、卵価の基金に対しましての出資は畜産事業団から五千万円ということになっておりますが、実は総合農協系の基金等に対しまする出資をいたしました場合にも、自分たちの出資した額等の見合い、あるいは取り扱いの数量等も勘案いたしまして、当初二億を出資いたしたのでございますが、その後相当な出資金の増額も自分たちの手で行なわれたようでございまして、実はそれらの見合いも考えまして、専門農協系の基金に対しましては五千万円の出資をいたしたのでございますが、現在一部飼料メーカー等の積み立て金も入れますと一億の出資になっておるのでございますので、これらも勘案いたしましてその調整をはかりたいということで現在とり進めておる段階でございます。
  143. 向井長年

    ○向井長年君 そうすれば、いままで、五千万を一億にするためのいま努力をしているというならば、全国基金から五千万をこちらに返済をしてもらって、そしてこちらに向けよう、こういうことでいま局長が努力しておる、こういうことですか。そう解釈してよろしいですか。
  144. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) いま二億の中から一部返済をしていただくということはせっかく努力中でございます。五千万円すでに出資いたしておるわけでございますが、一億にするのがよろしかろうかどうかというような点につきましては、やはり総合農協系の基金との、バランスもございますので、これらを勘案いたしまして考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
  145. 向井長年

    ○向井長年君 考えてまいりたいということは、別に畜産事業団から出すという意味じゃなくて、さっきの基金から返済をしてもらって、こちらに充当しよう、こういう解釈でいいんですか。
  146. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 当面はそういうことを考えているわけでございます。
  147. 向井長年

    ○向井長年君 それから価格安定に対して、御承知のごとく現在キロ当たり百六十円ということになっておりますけれども、これ対しまして専門養鶏家から強い要望があります。この際百六十五円にしてくれ、こういう要望があるわけですが、これに対してまた局長も非常に苦労されておるようでございますけれども、これは現在どういう形でこの問題を解決しようとされておるかお伺いいたしたいと思います。
  148. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 昨年の十一月に両基金を集めまして、昭和四十五年度の保証価格を幾らにするかというようなことをお互いに話し合いをいたしたのでございますが、従来使っておりますところの計算方式によりますと、百六十円据え置きが適当であろうということで、第一基金のほうは百六十円ということで申請がまいりましたので、私のほうはそれを承認をいたしております。それからいわゆる第二基金のほうは、いま先生がおっしゃいましたように、百六十五円というようなことも言っておられるのでございますが、まあ最近配合飼料の値上がり等の問題もございますので、言われる御趣旨はよくわからないわけではないわけでございますが、両基金が違った保証価格をきめるということもどうであろうかというようなことも考えまして、実は第一基金におきましては一応百六十円にきめてはおりますが、将来事情が変更した場合には、もうちょっと高い価格で支持するというようなことも、実は百六十円をきめるときもあったようでございます。そこで、われわれが間に入りまして両基金の話し合いの場を持ちまして、第一回を三月十二日、実は第二回をきょう両基金の関係者が集まりまして、私のほうが中に入りましてこれらの扱いにつきまして協議をいたしておる段階でございまして、その協議の結果に従いまして処置いたしたい、こういう経過でございます。
  149. 向井長年

    ○向井長年君 これは大臣にも聞いていただきたいのですが、当初から第一基金と第二基金は何だか相反したような、意思の疎通がないと思うのです。当初専門養鶏家が入れてくれといったところで入れなかった。そしてやむを得ず農林省としては第二基金をつくった。したがって、これに対しては決して第一基金はいい感じをしていないと思う。事実そういう対立があって、実際のその百六十円の問題に対しても、どういうか、やはり基金内部の意地っぱりといいますか、そういう状態がただいま出ていると私は見ているのです。そこで、本来であるならば、生産費が上がれば――いま生産費が上がっているでしょう。農林省の推定では。上がればそれに対して見合う形を考えてやらなければならぬというのが、やはり農林省の使命だと思うのです。特に百六十二円というときは、生産費が上がったから百六十二円に、四十何年ですかに、四十二年度にしたことがあるでしょう。生産費が下がったからもう一ぺん百六十円にしたんでしょう。そうなれば、いま生産費が三・七%でしょう、上がるということを農林省では見ているようですが、しからば当然これは上げてやらなければならぬという具体的な一つの根拠が成り立つと思う。しかし、それに対して第一基金は百六十円でそのままオーケーと言ったからこっちはいいんだ、こういうことでは農林省の指導性が私はない。少なくとも今日までの経緯というものを十分知らなければ、生産費が上がれば上げてやろうと、前に上げて、いま生産費がうんと上がっているにもかかわらず百六十円で押えるということは、その根拠が薄弱であるし、農林省の指導性というものはこれはいけない。ただ第一と第二が調整して円満に話をしてくれ、こういうことだけではやはり私は農林省の責任を回避している以外にないと、こう思うのですが、大臣いかがでしょうか。
  150. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 実は昨年の十一月の事態でこの問題が当初起こりましたわけでございまして、その際におきましては、従来の計算方式に従えば百六十円でしかるべきものであったというふうに考えるのでございます。しかし、いろいろの事情がございますから、年度の途中におきましても、場合によっては変更することもあり得るということで、第一基金のほうでもそういった議論も実はぎめる過程におきまして一部出たようでございますので、そういったことも勘案いたしまして、いま両基金で話し合いを、私のほうが中に入りまして実施をいたしておるというようなことでございますので、いましばらく経過を見守っていただきたい、こういうふうに考えます。
  151. 向井長年

    ○向井長年君 その話し合いはけっこうでございますけれども、これは少なくとも生産者の、いわゆる価格安定とあわせて保護という立場からつくっておるのでしょう。生産者のいわゆる所得を保護しようということだと思う。いまおそらく百六十円といっても百四十四円でしたか、実際の生産者の所得というものは。こういう中で生産費がどんどん上がってきている。こういうところで、ただ基金を保護するという立場であってはいけないんじゃないか、こう私は思う。そういう意味で、やはりいま基金同士の対立のようなかっこうで、第一基金に属する生産者も当然上げてもらうことを希望しているのはあたりまえです、自分の所得がふえるんだから。そういう中で、そういうものをいっぱし出たから、それで農林省はそれによって二つで話してくれ、こういうことは私は責任上、責任回避じゃないか、こういう感じを持つのですが、少なくともやはり、過去においても生産費が上がったからというので百六十二円に下げたことがある。生産費が下がったからといって百六十円に下げたんだから、いま生産費が上がった以上は上げてやらなければならぬという、こういう立場を農林省は堅持しつつ調整にかかるということであるならば私は了解できるのですが、その点いかがでしょう。
  152. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) あまり議論は実は申し上げたくないわけでございますが、いわゆる下ざさえの価格を上げますと、非常に生産を刺激する。その結果、過剰な生産ができてきて値段が下がる、そういうことになっては実は問題があるわけでございます。現在の卵価安定基金の制度は、御承知のとおり、非常に他の価格安定制度に比べますとソフトタッチなかっこうになっておりまして、補てんに充てる財源は実は農家自身がお積みになっているわけでございます。そこで、基金の安全性を確保する意味におきましても、やはり保証価格を上げれば当然積み立て額も上がるということに相なるわけでございまして、実は第二基金が当初お出しになった数字でございますと、場合によっては赤字が出る、それは国に補てんしてもらえばいいじゃないかという実は議論もあったようなわけでございまして、それはわれわれがっくりました卵価安定基金の制度にも反しますので、そういうことでは困るということでこれは指導してまいったような次第でございまして、どちらかといいますと、専門農協の方々のほうは規模も大きいわけでございますので、コストは安いというのが通常の場合であろうかと思いますので、むしろ合理化は一般の総合農協に属する方々よりも進んでいるのではないか。そういった面から見ましても、あの段階におきましては確かに百六十円という金額がしかるべき金額であったというふうにわれわれは考えて今日までまいったのでございますが、その後確かにえさの値上がり等の事情も出てきておるわけでございますが、まあいましばらくそういう、先ほど申し上げておるようなことで両者の話し合い、これにわれわれも入って調整をとるということでまいりたい、このように考えております。
  153. 向井長年

    ○向井長年君 局長の言うこともわからぬこともないのですけれども、しかしそれはひとつ逆の面があるのですよね。専業養鶏家はそれがすべての、オールマイティですよ、生産に対するね。しかし兼業はほかの収入を持っておるわけですよ。片手間で兼業しておるのですよね。そうすればその生産者の立場からいうならば、専業のほうが合理化もされておるし、所得もいいのだという見方は、これは当たらないと思う。したがってその点については、私は農林省のほうで一考願いたい、当然だと思うのですがね。したがってもちろん生産者の積み立てであって、その積み立ての問題も当然これは赤字が出るかもわかりません、しかし六十円であれば残額が出るということがあるわけですから、自分たちの積み立てが、別に消費者に影響するわけじゃございませんので。そういう立場から考えて、やはり他の畜産物に対しては農林省はいろいろな意味の助成をしているわけですわね。これに対しては先ほど局長も言われるようにソフトムードだ、こういうふうに言われておる。したがって何らかのこの問題については農林省自体の助成というものも考えるべき時期がきておるのじゃないか、こう私は思うわけです。したがって局長、ぽんと突っぱなさんと、ひとつ愛情を持って大臣と相談してその実現のために私は努力していただきたいと思います。大臣ひとつよろしく。ちょっと大臣の所見を聞きたいと思います。
  154. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 私、実はあまり事情をつまびらかにいたしませんでしたけれども、いまの質疑応答を承っておりますので、よくさらに検討するようにいたしたいと思います。
  155. 河田賢治

    ○河田賢治君 たいへん時間もおそいので、できるだけ簡単に質問したいと思うんです。  いま農業の近代化のために規模の拡大、そして自立経営農家、これを農業のにない手の中核として、このまわりに若干兼業農家の形で組織をすると、こういう方向が打ち出されているわけですが、兼業対策について大臣は相当大きな大資本家などとも会談されて工場をいなかへどんどん設置させるというような構想を出されたように思いますが、これは減反問題に関連して。この問題についてはどの程度これは進む方向が出ておりますか。
  156. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) まだそれはどの程度と申されましても、実は私どもかなりいけるのではないかと思っておりますのは、いつでも中央の事業家たちが地方にいろいろな意味で進出したいけれども、農地転用がきびしくて、いろいろなお話がございます。そういう方々とこの間も、先ほどちょっと申し上げましたように、農林省、通産省等が一緒に話をしておりますというと、かなりな考え方を表面に出してきておりますので、私どもは大事な一種農地を確保し、大事な農地はどこまでも保護しつつ、そういう方々の希望に沿えるようにいたしたい。それからただいまこれから御審議を願います農協法の改正案などでも今度生産調整の方向を御協力願うにつきましても、農業協同組合自身が農地の保有ができるように、そして農地のスプロール化を防ぐことができるようにどいうようないろいろな御要望も出てきておりますので、いま私どもでこれだけのことといって把握しているものはございませんけれども、かなりいけそうだ、こういうことを見ているわけであります。
  157. 河田賢治

    ○河田賢治君 兼業農家はそれといたしまして、自立経営農家、これは現在二コンマ幾らですか、やがて四・四ヘクタールないし五ヘクタールの単作の米作農家は大体この標準にしていくのだ、それから酪農は二十頭、そういうことになっておりますね。ところがこの自立経営農家をこういうふうにして育成するというのが、いま農林省がとられておる方向ですが、まだ私白書を実はもらってないので、きょうテレビを見ておりますと、今度の白書の内容には非常に価格支持政策だけでは失敗である、ないしはこれだけではだめだ。したがって国際価格に比べると倍なりあるいは倍半も日本は高い。したがって国際競争価格と大体同一水準になるような、こういう方向も一応目ざされておるわけですね。そうしますと、この四ないし五ヘクタール米作農家あるいは酪農の二十頭というところを目標にして、この国際価格と大体同一水準になるのかどうか、この点をひとつ重ねてお伺いいたします。
  158. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これはそれとすぐ結びつけられますと、ちょっと私ども何というか、中間がはずれちゃっているような感じがするのでありますが、自立経営農家として育成したい。政府の諮問機関であります農政審議会等でもそういう御意見もあり、私どももそう思ったのが、四ないし五ヘクタール。それから搾乳牛二十頭程度の酪農家ということを一応打ち出しておるわけでありますが、そういう――したがっていまそこへ出てまいりましたのは、米と酪農品でありますけれども、いま、まあ酪農は、もちろん国際競争の話――先ほど中村さんとのお話で、あまりはっきり私、申しませんでしたけれども、それはまだしっかり政府に方針が固まっていないから、はっきりしたことを言っては失礼だと思いまして御遠慮申し上げておったのでありますが、やはり価格政策というものは農政にとって重要な部分を占めてくるであろうと思います。資本及び貿易の自由化が行なわれる、この傾向を阻止するということはできませんので、しかし私どもにとって貿易の自由化の中でも、わが国にとって非常に緊要なものは、これはどこの国でも特にやっていることでありますから、そういうものについては自由化というものはできませんけれども、なるべく多くのものを自由化することは、日本全体の国際経済を維持していくためには必要だ。そういう場合に考えられること、が、先ほどちょっとお話のありましたような課徴金制度あるいは不足払い制度というものが出てくるはずであると思います。したがって、そういうことについては、「総合農政の推進について」の中でもきわめて明確に申しておりますように、「国際的観点にも立脚しつつ、必要に応じ、関税、輸入課徴金制度などの調整措置につき検討することとする。」と、こういうことだけ私ども言っておりますわけでありますが、たとえば究極において消費者の手に渡るときは同一価格であっても、やはり国内においてあるいは外国品に比べてコストが高いかもしれない。しかし、これはどうしてもわが国で維持していかなければならない農産品であるというときには、いま申したような制度が採用されるでありましょう。これは財政当局とか、いろいろ政府全体の政策にかかわる問題でありますから、私ども単純にそういうことについての発言をつつしんでおるわけでありますが、わが国が国際競争力を維持して、国際経済の中に勝ち抜いていくためには、そういうようなことを掘り下げて検討しなければならない時期がやはり私はそう遠くない間に来るのではないか。しかも、そういう時代になっても、なおかつ日本の農業というものは維持していかなければならないと、こう基本的には考えておるわけであります。
  159. 河田賢治

    ○河田賢治君 国際競争力に勝たぬでも、ある程度防げると思うのです。こういう方向に日本の農家がいくことが望ましいと思うのですが、ここでしかし、たとえば、いま自立経営を目ざしながら、一方においてはたとえば伊藤忠なんか、この間新聞を見ますと、岩手県で十万羽の養鶏場をつくってこの七月ごろから荷を出すようなことが出ている。あるいはまた、これは個人ですけれども、乳牛を三百頭ぐらい自分の力でつくると、これは埼玉から土地を売って移住した人なんですけれども、わずか女の人二人だけ使って、いま三百頭近く飼って乳牛をやっている。自分の個人の力でどこまで飼えるか試してみるのだと言って、三百頭くらい飼っているわけです。外国を回ってきておられるわけですね。そうしますと、いま大体政府が専業的に酪農農家二十頭ということを目ざしておられますが、一方においてはこういうふうにだんだんと牧野地帯あるいは山林などを開発して、こういう大規模を目ざす個人なりあるいは商社あるいは大資本がどんどんといまそういうところに規模を拡大しつつある。そうして中核的な自立経営農家をこれから育てていこうという際において、こういう大きなものがどんどんできて、ある程度市場のシェアを持ってくる。そうして価格においてもある程度小さな経営を圧迫するというような事態が起こるわけですが、こういうものの調整なりあるいは方向をどういうふうにして中小農家の発展と矛盾なくやっていかれるおつもりであるか、これを聞いておきたいと思います。
  160. 太田康二

    ○政府委員(太田康二君) 最近におきまして、いま御指摘のような大手商社とその系列のえさ会社によります畜産部門への資本の進出の事実があるわけでございますが、その形態といたしましては、いまおっしゃいましたように、商社等が直営の農業を経営するタイプと、それからいわゆる契約生産によりまして実施いたす場合があるわけでございますが、われわれが承知しておる限りにおきましては、何と申しましても生きものを相手の産業でございますので、大部分は契約生産という形をとって実施されておるというふうに理解をいたしております。契約生産の形といたしましては、特約店を通しまして飼料を供給する、それ以外に鶏のひな等を計画的に農家に導入する。農家の側はこれを育成いたしまして、その生産物につきましては一定の処理、流通、販売系列を組織化していく。こうした大手商社の進出によりますところの契約生産というものは、現在までのところやはりそれの対象になっております農家にとりましては経営規模の拡大あるいは農業所得の増加、さらには生産物の安定した販路の確保等に果たしておる役割はかなり大きいのではないかというふうにわれわれは評価をいたしておるのでございまして、これによりまして今後とも契約関係におきましては農民が不利にならない形態が引き続き農家の規模拡大あるいは農業所得の向上をもたらすよう十分見守ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  161. 河田賢治

    ○河田賢治君 商社なんかがやる場合はどうしても一つの小作になってしまうんですね。それからまた大規模にしましても、できるだけいまの中小の農家をだんだんと無理なしに兼業は兼業、同時に何らかの形で農業に参加するという形でだんだんと整理しなければ、整理といいますか、そういう調整を加えていかなければうまく解決しない。無理が出ると思うのですね。だからやはり大資本に対する、いまの農協もあるのですから、農民の組織としてそういうものが全然手を出さないと、そして大商社がどんどんどんどん空地を開拓して出ていく。そして農民の力を若干使うでしょうけれども、それではほんとうの農家の利益にはならないのですね。だからそういう点を農林省が指導したり、農協ももう少し、手数料を取るだけでなく、みずからの生産の基盤を足場にして、そこで農業生産をきちんとやっていく、こういう方向に指導しなければ私はまずくなるんじゃないか。むしろ解決をますます困難にすると、こういうふうに思うのです、将来のことはともかくとして。  これは二、三日前の毎日新聞に出たことで文部省の問題なんですけれども、「上がる物価、給食もダウン」「横浜の13小が打切り」「学期末まで・授業も半ドン」「赤字ふえ運営むり、給食センター」と、これは横浜の大都市の近くなんです。十三の小学校がつまり食料が値上がりしてどうにも運営ができない。かなりちょいちょい上げてきたけれども給食費をいままたどっさり上げるわけにはいかぬ。しかし、食料というものは御承知のとおり農林省が全部引き受けているのですね。生産から消費に至るまで今日は責任を持つことになっておるのです。こういう事態で、しかも幼ない子供が昼めしも食わされぬ。そのために学校も昼から休んでしまう、こういった事態は文部省の責任でもありますけれども、農林大臣としてこういう供給の状態になっていることについてどのようなお考えを持っておられるか、ひとつ御所見をこの際ちょっと伺いたい。
  162. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これだけの記事ではよくわかりませんが、実情をよく調べてみます。
  163. 河田賢治

    ○河田賢治君 値が上がって運営ができなくなった。――この間私朝早く四時半に起きまして魚市場へ行き、それから野菜市場へ行きました。中央卸売市場。そうすると、大きなビニールか何かの袋に大根が五本入っている。千円です。そうすると一本約二百円です。これが小売りへ行きますと、こま切れにして五十円とか百円とかいって売ってるわけでしょう。いま機構やいろいろな関係で非常に高くなっているようでありますけれども、そういういま野菜の出荷やあるいは魚等々において無理が出ているわけですね。やはりこういうことは農林省としてもこういう時期があれば何らかの手を打って緊急な対策をどんどんとるというふうにしませんと、上から下まで統制あるいはわしの所管だといってずっとやっておられますけれども、こういう足元にこういう問題が起こったときにでも、ある程度これは解決するような方法をとりませんと、かわいい子供がめしも食えない、学校も休まなければならぬ、こんな事態が起きていることにあまり無関心であっちゃいかぬと思うんです。私はこういう意味でこの問題を取り上げたんです。  そこでその次に、いま農家の中で、御承知のとおり、減反問題あるいは休耕の問題で非常に皆不安を持っております。聞くところによりますと、時間がありませんからはしょりますが、農林省では大体一律割り当てでずっとやられまして、この結果いま各市町村の段階でかなりこの問題が論議されておる。しかし米をつくるほうでは、たとえば開田やったり畑から田へ転換してどんどんと拡張したところでは、なるほどおれは米をよけいつくったという実感があるわけですね。しかしそうじゃないところ、もうずっと昔から何年も同じところの田を同じままにつくってきている、若干その辺の土地が工場が立ったり、あるいは工業用地に転用されるというところがありますけれども、そういうところでは米が余っておるといっても、なかなか自分自身の実感にはならぬわけですから、これに対する受け取り方も非常に違ってきたと思うのです。ですからこういう点から御承知のとおり、一律割り当てで今日いろいろアンバランスが出てきていると思います。あるところでは一二〇%ですか、北海道では。新聞によりますと、一〇〇%のところが二十府県ぐらい、九五%が五県とか、あるいは八〇%が五県とか、こういうふうにアンバランスが生じておりますが、これは県と県との間のアンバランスで県内でもいろいろあると思いますが、こういう面についていま不均衡になってきている。この措置を政府としてはどういうふうになされるおつもりですか。たとえばいま北海道では一二〇%と出ている。これはこのまま認めようと、しかし片一方ではまだ六〇%とか五〇%だというときにはそれを大体そのままお認めになるのですか、どうですか。
  164. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) まだやっている最中でありますから、これからどこも一〇〇%やっていただけるように、いろいろな手づるでひとつ協力を願うようにいたしたいと思っております。市町村長、それから農業団体等中央においては全面的御協力の方針をきめていただいて末端に流しておるのでありますから、私どもはさらにそういういろいろな農林省と関係のある手づるで一〇〇%やっていただけるように、また一二〇%、多くやっていただいた方にも、さっきお答えいたしましたように、生産調整奨励金は出して差し上げるということで、まだ一〇〇%に至らないところには、さらに御協力願うようにこちらから努力をし続けるつもりであります。
  165. 河田賢治

    ○河田賢治君 では休耕、転作こういうものの確認は、農林省ではどういうやり方で確認されるわけですか。市町村におまかせになるのか、それとも農林省の機関を用いて、ずっと確かにこれは転作したと、あるいは休耕しているということはどういうふうにしてこれは確認されますか、自治体にまかせますか。
  166. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 生産調整の事務はこれは国の責任であるということで金の支払いも県費あるいは自治体の金と別に国のほうから県の出納長に委任して支払うということにいたしております。したがいまして、この金の支払う際の確認責任者は一応私どもが委任をしました各県の出納長ということになります。実務上の処理としましては市町村長に生産調整をやったということの確認書を出してもらい、その確認されたものについて、県の出納長が金を支払うということにいたしたいと考えております。したがいまして、確認者は市町村長ということで、もちろん市町村長といいましても、行政機関でございますから、これにはそれぞれ推進協議会のメンバーの方、すなわち農業団体あるいは食糧事務所、統計事務所の方々の御協力をいただくということになっておりますので、各市町村の役場の職員の方はもちろんそういう方の御協力をいただいて国の事務を進めたいと思っております。もちろんこれは補助金適正化法の適用を受けると思いますので、確認につきましては厳正にいたしたいというふうに考えております。
  167. 河田賢治

    ○河田賢治君 では、この平均三十五万五千円ですか、この支給の時期というのは大体米の収穫時ですか。
  168. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 大体その時期とお考えになってけっこうだと思います。
  169. 河田賢治

    ○河田賢治君 いま新聞でもずいぶん出ておりますが、転作ですね、これによってかなり農林省も指導をしておられるようですが、いわば転作によって過剰生産になる。野菜などはあちこちでつくられるということになりますと、これまでつくっておる農家の方は非常な被害を受けるわけです。こういうものを調整なりあるいはどういうふうになさるおつもりですか。
  170. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 実は、どの地帯で幾ら何がつくられるということは生産調整がもう少し進捗をいたしまして、市町村なり各県の計画が明らかになって、具体的に判明すると思いますが、私ども補正予算で二十億の金を認めていただきまして、これをいま各県で転作指導等に充てて指導いたしておる段階でございます。したがいまして、いま具体的に何を幾らという面積を出すことはできませんけれども、市町村なり各県の転作指導の計画が進む段階におきまして、各地方農政局ごとに協議をして調節をとるということで進めてまいりたいと思います。もちろん既存の方に迷惑をかけたり、あるいはある一部の者がそういうふうになってくることのないように十分な指導をいたしたいというふうに考えております。野菜等につきましては、もちろん特に軟弱野菜等についてはいろいろ問題もございますので、園芸局のほうにつきましていまからいろいろ農政局、県と計画等について打ち合わせを進めておる段階でございます。
  171. 河田賢治

    ○河田賢治君 これから調整するとおっしゃいましても、大体いまいろんなものの植えつけ期ですね、転作するにしましても、根菜類にしましても、なかなかこれが農林省のほうの上に上がっていって、さてそれから調整しようと言っても、もうその時期は、どんどん下では実際には耕作を始めているというのじゃないかと思うのです。そうすると、なかなかそれが多過ぎたから引っこ抜けというわけにいかぬでしょうし、そういうふうなことになりますと、これはたいへんなことになると思いますね。それから、それでそういう方向は方向として私たちは承っておきますが、できるだけ現在の輸入しておるもの、そういうものをできるだけこちらでつくるような方向をすれば、比較的お互いの、農家同士の相互の矛盾とか競合というものがないわけなんですが、つまり経営の組織等々がいろいろと違いはあるのですけれども、できるだけ輸入品を阻止して、そしてそれからなお転換するというような御指導をなさっているんですか、具体的に……。
  172. 亀長友義

    ○政府委員(亀長友義君) 農産物の輸入の一番大きいものは飼料でございますので――あるいは大豆といったようなものでございますので、飼料作物と大豆につきましては特に配慮をいたしまして、種子その他の手配など万全を期してきた次第でございます。御指摘のような大豆、それから飼料作物につきましては、私どもは最初から需要に不安のない作物ということで着目をいたして指導をいたしております。
  173. 河田賢治

    ○河田賢治君 食糧庁の方にちょっとお伺いしますが、最近、新しい新米の配給量が二月からふえたというので、うまけりゃ買うよと、新米がふえて売れ行きが伸びるといって、そういうことが新聞にも出ておりました。ところが、三月十五日の「日本経済」で、静岡県の米穀配給改善協会というのですか、これは卸売り業と小売り業の業者が集まって協会をつくっているわけですが、ここでは四月から配給米をもう一度ついて売り出す。ですから、精選内地米という名前で売るそうなんですが、これは記事の関係で配給米をもう一度ついて価格はどうなるかということは書いてないわけなんですが、こういう方向について食糧庁のほうではどういうお考えですか。たくさん売れるらしいのですね、こうすれば。国会で前でも精搗度をもっと高めたらどうかということをしばしば言われました。米が余った余ったといわれ、できるだけおいしくして食わすこと、あるいは学校の給食に回すこと、いろいろな消費の拡大に努力を、最善を尽くさずに、ただ余った余ったといってそれで減反をするということではぐあいが悪いじゃないか。だから、できるだけおいしくもし、それからどんどん一般に普及する。学校給食なんかに、さっきのようなああいうことにならぬようなやり方をさせるとか、あるいは最近、私なんかでもとき折りパン屋で見受けるのですが、小さなノリ巻き、それから何というのですか、あげでくるんだすしを売っているわけですね、一本十円とかあるいは七円とかで。だいぶこのごろパン屋がずっと米のそういう消費をやるようになっておりますね、やみ米かもしれませんけれども。これはとにかく一般の嗜好がかなりそういう方向に向いているのですよ。朝早くパン、牛乳でぱっと行くサラリーマン、労働者がたくさんいます。これは遠いものだから、なかなか米をたいたりする時間がないというわけで、そういうふうにして米が安直に食えるようにすれば、かなりこのごろ売れるらしいのですね。だから、こういうふうなことを考えれば、もっともっと米の消費量なんかもふえるのじゃないかと私は思うのです。さっき申し上げましたことについて御存じでしたらひとつお答えを願います。
  174. 森本修

    ○政府委員(森本修君) 具体的に御指摘がございました静岡の件は、私ちょっと聞いておりませんので、よく調べましてからお答え申し上げたいと思います。  一般的にいま言われました米の消費拡大、特にこういった時節でございますから、米の需要を拡大するということは私どもとしては最大の課題として取り組まなければいかぬということを考えております。学校給食につきましても、四十五年からかなり前向きに取り組むということを文部省と相談をいたしております。また、政府の米の売却に当たりましても、できるだけ新米の比率を多-くするというようなこと、あるいは等級別の売却についてもできるだけ上位等級のものを優先して売却をする等々、種々くふうをしておるわけでございます。御指摘のうちで、できるだけ需要の拡大に努力をするという点については今後積極的にやっていきたいと思っております。
  175. 河田賢治

    ○河田賢治君 もう時間がありませんから、ほかの問題ははしょりまして、水産庁のほうに伺いたいと思います。  この前、私は発電所が、いま特に原子力発電なんかができてどのような公害を及ぼすかということで、当時の森本長官に伺ったことがあるのですが、これは各県でやらすというような話がございました。最近新聞を見ますと、水産庁が直接乗り出して県の水産試験場あるいは漁協等々で、茨城県の東海村ですね、そこでいろいろな何といいますか、検査をするというようなことが出ておりました。これは事実ですか。
  176. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 茨城県の東海村の東海発電所関係については特に問題がございませんで、そこで事業団の事業として、天然ウラン、低濃縮ウランの使用済み燃料の再処理をする事業をそこでするということで新しい事態が起こっておりますので、東海の水産研究所、これは水産庁の機関でございますが、それが技術者が乗り出して県あるいは漁協のほうと相談しながら、あるいは大学の先生方の御援助を得ながらいま調査をしておる最中でございます。
  177. 河田賢治

    ○河田賢治君 この調査というのは東海村自身がだいじょぶだということなんですか。
  178. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 原子力の発電所は、現在茨城県の東海村の東海発電所と福井県の敦賀市の敦賀発電所の二つが動いておるわけですが、この二つの発電所関係では特に問題はございません。地元でも問題はないと言っております。
  179. 河田賢治

    ○河田賢治君 この発電所でいまのところは問題なくても、原子力の放射物質なんかがずいぶん粗雑な取り扱いがあって、この間も新聞に出ておりましたが、やはりどこか引き出しに入れてそれがしばらくの間ちっともわからなかったとか、あるいは近畿大学でしたか、これもどこかにしまったのが本人がいなかったとかというようなことでずいぶんと原子力関係の放射物質なんかが非常に粗雑に取り扱われている。東海村の発電所にしましてもずいぶん中で故障が起こるということがある。一方ではやはりあすこでこれから海岸に熱い熱量の海水をどんどん流すわけですね。そうすると、やはり海岸に大きな影響を与えるわけなんです。現にアメリカも、お宅のこの試験をしておるというこの時期に、同じようなときにアメリカでもこれまで河川でありましたけれども、海岸につくり出した。やはり海岸でこの原子力発電について調査をしなくちゃならぬということを言われていま調査に入ったという記事が載っております。だから、私たちが言うのは、単に放射能の危険がないということだけでなく、それらがどんな影響を及ぼすか、熱量の熱い海水を流すと。ところが、この茨城県あたりですと、すぐに暖流がずっといきますから、わりあいに早く海水が変わるわけですけれども、福井県の若狭湾なんぞは御承知のとおり、対島海峡からずっといきますと、あすこは湾ですから、由良川から出ました水が渦を巻いてなかなか水が変らぬわけですよ。だから、一つにはいい漁場になっているわけですね。ところが、こういうところでやはり原子力発電所をつくると、やがて来年になれば関西電力が一カ所つくると、やがて二、三年先になれば、あの湾でさらに高浜であるとか、あるいは小浜の近くに三カ所か四カ所か、関西電力が原子力発電所をつくると思うのです。そうするとあすこの影響というのは非常に大きいと思うのですよ。だから、こういう点でやはり新しい科学によって、しかもまだ日本では経験のないと、こういうものは日本でも率先して公害に私は取り組んでもらわなきゃならぬ。現に最近、国際公害シンポジウムが開かれたときに、単に国民総生産だけをはかっていちゃだめだと、これには公害を入れなきゃならぬということがいわれて、それであの外国から来た諸君が富士宮、富士市ですか大宮、あすこらを見て非常にびっくりして、こんな黒い、川のきたないところによく諸君は黙っていたなと、地方自治体は何していたんだと、こういう恥ずかしい思いをしているのですよ。また、現にこれは三月四日でしたか、大型訪米視察団、これがつまり田代東レの会長とか、あるいは奥村証券会社の元会長とか、あるいはそのほかこういう財界の大物が行かれて教えられた問題は何かといったら公害問題だったと言っているのです。アメリカにこれまでいろいろなことで追随しているのは悪かったけれども、しかし公害問題ではしっかりとわれわれは学ばなきゃならぬということを言ってきている。これは書いてありますけれども、時間がないので読みませんけれども、とにかく企業の責任でわれわれは公害を防がなきゃならぬということをこういう大資本家が言い出しているのです。だから、これから関西電力とか、いろいろな東海発電所、あるいはまた東京電力が福島に持ちます、こういうところはやはり農林省が規制して、そうして定期的にその海域を調査する、そして定期的に報告をさせる、またこちらも督監をしてやらすとか、いろんな方法でこういう公害をわれわれは未然に防いで、そして新しい漁場をつくって、水産を――これまでの単にとるからつくる漁業だといわれております。そうだとすれば、なおさらわれわれは、そういう公害を防いでいかなければならない。だから、こういう点、水産庁は相当強力な公害対策について取り組んでもらうべきだということを、私は希望するわけです。この点について御所見を伺っておきたい。
  180. 大和田啓気

    ○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げましたのは、現在動いている二つの原子力発電所関係については、特に問題がございませんということを申し上げたわけであります。すでに建設中のものも幾つかございますし、準備中のものもございますし、それらの出力も相当大きいわけでありますから、これが水産に及ぼす影響、特に温度の高い排水が一体水産にどういう影響を及ぼすかということについては、これは私ども突きとめるべき重大な問題でございますので、水産研究所を中心にして現在研究をいたしておるわけでございます。またさらに外国の事例を見ましても、このあたたかい排水を使ったむしろ養殖をやるという動きもあるわけでございますから、この問題についてもあわせて現在検討をいたしておる最中であります。
  181. 河田賢治

    ○河田賢治君 終わります。
  182. 園田清充

    ○委員長(園田清充君) 本件についての質疑は、これをもって終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。    午後七時六分散会