運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1970-04-14 第63回国会 参議院 社会労働委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和四十五年四月十四日(火曜日)    午後一時二十六分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         佐野 芳雄君     理 事                 上原 正吉君                 鹿島 俊雄君                 吉田忠三郎君                 渋谷 邦彦君     委 員                 高田 浩運君                 玉置 和郎君                 徳永 正利君                 山下 春江君                 山本  杉君                 大橋 和孝君                 藤原 道子君                 柏原 ヤス君        発  議  者  柏原 ヤス君    委員以外の議員        発  議  者  原田  立君    衆議院議員        修正案提出者   増岡 博之君    国務大臣        厚 生 大 臣  内田 常雄君    政府委員        厚生大臣官房長  戸澤 政方君        厚生省児童家庭        局長       坂元貞一郎君        厚生省年金局長  廣瀬 治郎君        厚生省援護局長  武藤琦一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す  る法律案(内閣提出、衆議院送付) ○心身障害者福祉協会法案(内閣提出、衆議院送  付) ○母子保健法の一部を改正する法律案(柏原ヤス  君外一名発議) ○社会保障基本法案(多田省吾君外一名発議)     ―――――――――――――
  2. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
  3. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  戦傷病者、戦没者遺族及び未帰還者の留守家族等に対しましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法、戦傷病者特別援護法、未帰還者留守家族等援護法などにより、各般にわたる援護の措置が講ぜられてきたところでありますが、今般さらにこれらの援護措置の改善をはかることといたして、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正でありまして、まず障害年金及び障害一時金並びに先順位遺族にかかる遺族年金及び遺族給与金の額について、恩給法による傷病恩給及び公務扶助料の増額に関連し、これが増額を行なうことといたしております。  また、恩給法に定める特別項症から第六項症までの障害にかかる障害年金受給者等が公務傷病によらないで死亡した場合に遺族に支給する遺族年金及び遺族給与金並びに勤務関連傷病によって死亡した被徴用者等の遺族に支給する特例遺族給与金の額は、現在公務死にかかる遺族年金及び遺族給与金の額の六〇%相当額となっておりますが、これを七五%相当額に引き上げることといたしております。  次に、障害年金の支給対象についてこれを拡大し、軍属、準軍属の本来の公務にかかる障害年金の支給対象が現在特別項症から第三款症までとされておりますものを、第五款症まで拡大すること等といたしております。  さらに、現在扶養親族に関する加給の行なわれていない第二款症から第五款症までの障害年金につきましても、受給者に妻があるときは、加給をすることといたしております。  そのほか、満洲開拓青年義勇隊員の昭和二十年八月九日前の公務傷病及びこれによる死亡についての障害年金、遺族給与金等の支給、準軍属のうち被徴用者等についての障害年金等の額に関する改善及び公務傷病に併発した傷病によって死亡した準軍属の遺族に対する遺族一時金の支給を行なうことといたしております。  第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正でありまして、留守家族手当の月額を、遺族年金の増額の割合に準じて引き上げることといたしております。  第三は、戦傷病者特別援護法の一部改正でありまして、長期入院患者に支給する療養手当の月額を増額する等の改善を行なうことといたしております。  第四は、昭和四十二年及び昭和四十四年の関係法令の改正により、特例遺族年金、特例公務扶助料等を受けることとなった戦没者等の妻に対し、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法による特別給付金を支給することといたしております。  第五は、第四款症にかかる傷病年金等の受給者の妻に対し、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法による特別給付金を支給することといたしております。  第六は、昭和四十四年の関係法令の改正により、特例遺族年金、特例公務扶助料等を受けることとなった戦没者の父母等に対し、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法による特別給付金を支給することといたしております。  以上がこの法律案を提案いたしました理由及び内容の概略でありますが、この法律案は、衆議院において、施行期日及び遺族年金等の支給についての修正がなされております。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 次に、本案につきましては、衆議院において修正議決されておりますので、この際、本案に対する衆議院における修正点について、修正案の提出者増岡博之君から説明を聴取いたします。増岡君。
  5. 増岡博之

    ○衆議院議員(増岡博之君) 私は衆議院の社会労働委員会を代表して、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。  その第一は、戦傷病者特別援護法による療養手当の額の改正について、公布の日から施行することとなっているものを、昭和四十五年四月一日にさかのぼって適用すること。  第二は、軍人軍属の遺族について、現行制度においては、軍人軍属がみずから命を断った場合や戦線を離脱して死亡した場合等は遺族年金等は支給されないこととなっております。これを改正することであります。すなわち、事変地及び戦地の状況の特殊性や、また、戦後、陸海軍刑法が廃止され、敵前逃亡等の罪は、大赦令により赦免の対象となった経緯もあります。そこで、事変地及び戦地において死亡した場合で、赦免の対象とならなかった殺人、略奪等の犯罪行為に関連することが明らかなものを除いて、その遺族に遺族年金及び弔慰金を支給することであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  6. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 本案に対し質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ただいま説明がありました援護法の一部を改正する法律案に対しまして、一、二お伺いしたいと思うんであります。  第一番目には、前にもこれは質問をした点でありますけれども、まだまだ基本的な問題について十分な解明がなされてないと思いますので、二、三点についてお伺いしたいと思うのでありますが、太平洋戦争が終結してからもう二十五年あまりになりますけれども、なお、戦後処理の問題が残っているわけであります。今後、これをどのように解決しようとするのか、残った分をどうするかということに対する政府の基本的な方針を少しくわしく御説明願いたいと思います。
  8. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) 大橋先生からお尋ねの課題でありますが、戦後、相当の期間を経過をいたしてまいりまして、その間、ほとんど毎年のように、残されましたいろいろの案件につきまして、関係法律の改正をいたして今日に至っておりまして、かなりの部分は解決をいたしておると、私どもは考えるのでございますけれども、まだ関係の方々や、また、国会内におきましても、いろいろな御要望が残されておりますことも、先生御承知のとおりでございます。  これらのうちで、おおむね私は二つの方面があると思います。その一つの点は、この遺骨の収集、また未帰還者の調査などの技術上の関係の事項がございまして、これらの問題につきましては、御遺族の方、また留守家族の方々の御意向も十分尊重いたしながら、今後におきましても、遺骨の収集なりあるいはその現地におられるはずの未帰還者の調査等の措置につきまして、やらねばならないことをやってまいる所存でございます。  もう一つの面は、この援護の関係につきまして、まだ漏れている点があるので、現行上それらの問題につきましても検討をしなければならない幾つかの事案を国会方面からも提起されておりますので、今回の改正に漏れました事案につきましても、今後、私どもは、引き続きやはり検討いたしまして、そして筋が通るもので、先生方の御協力の得られます問題につきましては、また今後の改正に待たなければならないものもあると考えまして、そのように進んでまいる所存でございます。
  9. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  10. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。  本案に対する質疑は後刻行なうことといたします。
  11. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 次に、心身障害者福祉協会法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
  12. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました心身障害者福祉協会法案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。  心身障害者の福祉につきましては、近時、社会的関心もますます高まっており、政府といたしましても、その施策の充実強化に鋭意努力をいたしているところであります。  なかんずく、家庭において適切な保護、指導等を受けられない心障障害者に対しては、これを保護するとともに、その更生を促進するため、障害者の年齢、障害の種類、程度に応じて、精神薄弱者援護施設、精神薄弱児施設、重症心身障害児施設等各種の福祉施設を整備し、そこにおいて保護、指導または社会的自立のための訓練等を行なっているところであります。  ところで近年に至り、これらの施設に加えて、新たに独立自活の困難な心身障害者のため、保護、指導、治療、訓練等各種の機能が有機的に整備され、これらの障害者がそこにおいて安心して生活を送れる、いわば一つの地域社会とも言うべき総合的な福祉施設を早急に建設すべきであるという強い要望が各方面から高まってまいりましたので、政府といたしましては、昭和四十二年度から年次計画により、群馬県高崎市郊外に、このような社会的要請にこたえるための総合的な福祉施設の建設を進めてまいったところでありますが、この施設整備も着々と進行いたし、いよいよ昭和四十六年度から開所できる見込みとなりました。  このような施設建設の趣旨にかんがみ、その運営については、その特色を十分発揮させ得るよう配慮する必要がありますので、政府といたしましては、慎重に検討を重ねた結果、特殊法人としての心身障害者福祉協会を新たに設立し、同協会にこの施設の運営を行なわせることが適当であると考えまして、今回これに必要な法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。  第一に、心身障害者福祉協会は、独立自活の困難な心身障害者が必要な保護及び指導のもとにおける社会生活を営むことができる総合的な福祉施設を設置して、これを適切に運営し、もって心身障害者の福祉の向上をはかることを目的とするものであります。  なお、協会は、心身障害者の保護及び指導に関する調査研究、職員の養成研修等の業務をもあわせて行なうことといたしております。  第二に、この協会の資本金については、協会が設置運営する施設の用に供する土地、建物その他の設備等のすべてを、協会の設立の際に政府が現物で出資することといたしております。  第三に、この協会の業務の公共性、特殊性にかんがみ、協会の組織、業務、財務、会計等に関し、必要な規定を設けるとともに厚生大臣の監督のもとに置くこととし。その運営の適正を期することといたしております。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概略でありますが何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  13. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明聴取のみにとどめておきます。     ―――――――――――――
  14. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 母子保健法の一部を改正する法律案(参第六号)を議題といたします。  発議者から趣旨説明を聴取いたします。柏原ヤス君。
  15. 柏原ヤス

    ○柏原ヤス君 ただいま議題となりました母子保健法の一部改正案についてその提案理由と概要について御説明申し上げます。  わが国の母子保健活動は、昭和二十三年の児童福祉法によって実施されてまいりました。  しかしながら、母子保健対策は、母子一体の体系のもとに進めることが、母子保健水準の向上のため、最も必要であるという観点に立って、昭和四十年四十九国会において母子保健法が制定されたことは、御承知のとおりであります。  このような母子保健対策の推進により、わが国の母子保健の現状は、一歩前進を示していますが、いまだ改善しなければならない点が少なくないのであります。  すなわち、先進諸国に比べて、わが国の妊産婦死亡率はいまだに高率にとどまり、また、戦後、著しい改善向上をみた乳幼児の死亡率、体位、栄養状態についても、その地域格差が依然として縮小されない等、なお努力を要する課題が多く残されております。  このことは当然、本法を諮問した社会保障制度審議会の答申において「本案は、母子の健康確保の方向に、わずかに一歩を踏み出したにすぎないものであって、各部面に未熟、不備、不徹底な点が多く、特に優生保護法との関係、その他、医学的に検討すべきものがあるが、今後引き続き改善をはかることを条件として了承する」と述べられておりますことは、いまなお御記憶のあるところであります。  さらに本法が、終始救貧対策にとどまっていたため実績が十分あがらなかったことは当初から憂慮されていたものであります。  このような状況にかんがみまして、今後母子保健の向上に関する対策を強力に推進してまいりますために、健全な児童の出生及び育成の基盤ともなるべき母性の保護のための指導を講ずるとともに、乳幼児が健全な成長を遂げる上で欠くことのできない保健に関する対策の充実強化をはかる必要があると考えて、この改正案を提出する次第であります。  次に改正案の概要について申し上げます。  第一には、出産費の支給を新たに設けました。市町村長には、五万円を限度とし社会保険と調整してすべて出産費を公費で負担することといたしました。  第二には、健康診査であります。健康診査は、三歳児以外の幼児、乳児及び妊産婦に対しても行なわなければならないようにしたことであります。  第三には、栄養の摂取に関する援助を強化することであります。妊産婦及び乳幼児に対する栄養の摂取に関する援助は、市町村長が栄養費の支給等を行なわれなければならないことといたしました。  第四には、妊産婦の受診に関する援助の強化であります。妊産婦の受診に関する援助は、都道府県知事が医療費の支給等を行なわなければならないように、義務づけることといたしました。  第五には、母子健康センターの充実であります。母子健康センターは、市町村が必要に応じて設置することといたしました。  最後に、以上述べました五項目について国、都道府県及び市町村の負担割合を明記しました。  なお、わが党の医療政策としては、将来、出産費については疾病と同様すべて医療保険の現物給付で行うこととする所存であります。  また、さきに提案理由の中で述べたとおり、優生保護法第十四条四項の規定を削除する改正を考慮いたしております。  以上がこの改正案の骨子でありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  16. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。     ―――――――――――――
  17. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 次に社会保障基本法案(参第七号)を議題といたします。  発議者から趣旨説明を聴取いたします。原田君。
  18. 原田立

    ○委員以外の議員(原田立君) ただいま議題となりました社会保障基本法案について提案理由並びに内容の概要を申し上げます。  わが国の経済成長は年々増加の傾向をたどり国民総生産ではついに世界第二位に成長し、本年も一〇%を大きく上回っていることは御承知のとおりであります。日本経済は表面的には大型になり、繁栄する経済社会を現出してきているが、しかし他面一人当たりの年間国民所得は第二十一位という状態にあり、この大きな格差は歴代自民党内閣の責任であり、政治の貧困を如実に物語っていると言えるのであります。  さらに、社会保障の問題については、昭和三十七年八月の総理大臣の諮問機関である社会保障制度審議会は「社会保障制度の総合調整に関する基本方策についての答申および推進に関する勧告」を提出して、昭和四十五年におけるわが国の社会保障が昭和三十六年当時の西欧諸国の水準に追いつくよう要望したのであります。  今日の段階において、その後の実績を見ると、社会保障制度審議会が昭和四十三年十二月二十三日の申し入れ書の中で「昭和四十年までは若干の進展があったがその後は停滞気味であり現在では人口一人当り水準でいえば目標のほぼ三分の一、国民所得に対する比率でいえば目標の二分の一にしか到達していない。すなわち、わが国の社会保障は表面的には大いにすすんだ形になったがその実質はむしろ後退ぎみといわねばならない」と述べております。  政府の経済社会発展計画によれば、昭和四十六年には振替所得を二%引き上げ七・五%程度に到達せしめるということであります。昭和三十六年当時の西欧諸国に到達するためには昭和四十五年度までに一〇%以上の振替所得の上昇が必要であります。一九六五年における国民所得に対する振替所得の国際比較を見ると、西ドイツでは一七・二%、フランスでは二二・五%、イタリアでは一七・二%と主要国ではすでに一五%以上を上回っているのであります。したがって、これでは先進国との格差はますます拡大の方向にあるといわねばなりません。わが党の主張する目標の一五%はこれを下回ってはならない最低の基準であります。経済社会発展計画の実績は、国民所得に対する振替所得の比率では昭和四十一年度、四十二年度ともそれぞれ五・五%、昭和四十三年度、四十四年度もほぼ同水準と見込まれ、ほとんど横ばいの状況にあります。いまとなっては当初の計画どおり二%の引き上げを補うことはほとんど不可能と言わなければなりません。  このようにわが国の社会保障の渋滞あるいは後進性というものは種々要因がありますが、第一に指摘できることは、いまだ社会保障の定義が明確でないということであります。政府部内においても、また学者間においても異説のあるところであります。定義があいまいであることは有効な施策は期待できません。  わが党は、この機会に社会保障に関する施策を次のように主張するものであります。  すなわち、社会保障制度とは、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国民にひとしく疾病・負傷・廃疾・死亡・老令・分娩・失業・多子等によって国民生涯の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し所得の再分配的な効果をあげ、もってすべての国民が健全な生活の維持及び向上に寄与することをいうと明解に定義づけているところであります。  次にわが国において欠けているものは、社会保障計画の樹立であります。わが国にはそのビジョンがいまだかつて明らかにされたことがありません。これは全く政府の怠慢というほかありません。  経済審議会も四十二年二月の「経済社会発展計画」の中で「わが国の経済社会の実態とその将来の進路に即した適切な社会保障長期計画を策定しこれにもとづく体系的整備を行なうことが不可欠である」と述べているのであります。人間性尊重の上に立って福祉国家の繁栄と発展を遂げるためにも当然長期展望を示すことが重要課題であります。目標がなく対症療法的施策に終始するならば、わが国の社会保障水準はいつまでも低迷を続けるでありましょう。  さらにわが国の社会保障は戦後において著しい進展を遂げたのでありますが、その発展の推移は百花瞭乱のごとく乱立と分裂の歴史であり、その欠陥は制度に一貫性、総合性を欠いていることであります。そのためいまだに不均衡の実効ある施策が確立されておらない状況にあります。また社会保障費は年々増大しているとはいうものの、昭和四十五年度の予算ではその伸びはわずかに二〇・一%となっており、これは当然増が大半で先進国並みの水準にする努力は全く見られません。社会保障費は最優先的に確保し早急に拡充強化する必要があります。  また、われわれが特に指摘すべきことは、わが国の社会保障制度の中で欠けている唯一のものは児童手当制度であります。すでに世界六十二カ国が実施しており、ILO加盟国中先進国で実現していないのはひとりわが国のみであります。昭和四十一年以来、歴代厚相はその実現を言明しながら昭和四十五年度に至るもその公約は果たされていません。これはまさに政府の無責任無能を明白に示すものであって国民を欺瞞するものであります。  また、社会保障制度審議会の答申勧告が尊重されておりません。社会保障制度審議会が発足してから二十数年を迎えますが、その間、昭和二十五年度に社会保障制度に関する勧告をはじめとし、多数の答申勧告が提出されているが、一部においては実施をみているが、大部分は軽視されて顧りみられていない状況にあります。したがって、社会保障制度審議会の権限を名実ともに高めるため改組する必要があります。  さらに、社会保障の国際的見地に立ってみるとき、ILO第一〇二号条約、すなわち、社会保障制度の最低基準の条約はすでに一九五二年に決定され、わが国はすでに批准のできる最低条件を十分満たしておりながらいまだに批准をいたしておりません。さらに一昨年第五十一回ILO総会で決議された第一二八号条約、すなわち、障害、老齢及び遺族給付に関する条約についてもこれも早急に批准すべきであります。前述のとおり、わが国の社会保障水準は先進国に比較して十数年もおくれており、国際水準に近づくためにも批准すべきが当然であります。いまにして以上の障害を克服しなければ悔を千載に残すことになるでありましょう。平和国家、福祉国家の建設はわが国の国民的な終局の願望であります。そしてその進歩の指標は具体的には社会保障の整備統合、発達をおいてないのであります。  以上が本法案の提出の理由であります。  次に、本法案の大要について申し上げます。  第一には、社会保障に関する施策であります。さきの提案理由の中で述べた社会保障の定義を具現化したものであります。すなわち一に国民の疾病・負傷・出産・老齢等の事故に対し充実した経済的保障をすること。二に生活困窮者に対する生活の確保。三に児童、老人心身障害者等の援護。四に医療及び公衆衛生の向上増進であります。  第二には、国及び地方公共団体の責務を明らかにいたしました。  第三には、年次報告及び社会保障整備五カ年計画の作成公表についてであります。政府が社会保障に関して講じた施策について国会に対し報告することとし、また社会保障整備五カ年計画の作成と公表を義務づけることとしました。  第四には、社会保障番号についてであります。すべての国民について社会保障の記録を行なうため個人ごとに社会保障番号及び社会保障手帳の交付を行なうこととしました。  第五には、社会保障制度審議会の設置についてであります。設置される社会保障制度審議会の権限を強化し勧告についてはこれを尊重することとしました。  第六には、社会保障費の優先確保についてであります。国の予算編成にあたっては社会保障の予算を優先確保するため条文の上に明記しました。  第七は、特別会計の設置であります。社会保険の収入及び支出は特別会計とすることとしました。  第八は、専門職員の養成確保であります。国及び地方公共団体が社会福祉、医療及び公衆衛生等に関する専門の知識及び技能を有する職員の養成確保を行なうことを明記いたしました。  第九は、社会保障省の設置であります。社会保障の施策を総合的かつ計画的に遂行するための行政機関として、社会保障省を設置することにしました。  第十は、関連施策として最低賃金制雇用の安定、住宅、建設及び税制の改善等国民生活安定諸施策を推進することを明記しました。  以上が本案の骨子であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  19. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。     ―――――――――――――
  20. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 次に、先ほどに引き続き、戦傷病者戦没者遺族等援護伝導の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  21. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 先ほど大臣の御説明を聞きまして、やはり一方には遺骨の収集、未帰還者の問題がある、それからまた、一方に援護にもまだ漏れておるものがあるので、これをしなければならぬという御説明でありましたが、いま、その問題についてどの程度までに話が煮詰まっておるのか。まだいろいろあろうからこれはしなければならぬという程度でなく、今後、何といいますか、二十五年以上もたっているわけでありますから、援護法関係のこうしたものを一切戦後処理として終止符を打つぐらいまで持っていくべきではないかと思うのでありますが、そういうことから勘案しましても、こういうふうな問題をもっと早急に進める御意向はないのかどうか。あるいはまた、そういうことについては一体どういうふうな方向で基本的にはお考えになっておるのか、もう少し詳しくこの間の問題を御説明願いたいと思います。いま説明を聞いたところでは、まだそういう問題があるので今後するということだけでありまして、その目安、あるいはまた、どういうふうな内容を持っているかというようなことを把握していまそういうことをおっしゃっているのか、もう少し具体的に詳しくひとつ説明してもらいたい。
  22. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) ただいま御指摘の、いろいろ残った問題につきましてどういう方針で処理していくかということであります。私どもとしましては、援護問題懇談会というものを数年前に設置いたしまして、その御答申、御意見によりましてこの問題を処理してきているわけでございます。懇談会での、法律改正なり、しかるべき処置をするのが妥当であるという御意見につきましては、今度の予算要求の中でも、障害年金の支給の拡大とかあるいは一時金の支給要件の緩和とか、それから準軍属の公務傷病に併発した問題につきまして遺族一時金を給与するという問題でありますとか、遺族給与金の引き上げでありますとか、それから奉書年金の加給の拡大でありますとか、それから満州開拓義勇隊の二十年の八月九日以前の問題でありますとか、七項目程度を今度の予算並びに法改正で盛り込んであるわけでございます。一つだけ残っておりますのは、公務扶助料の加給の対象となっていない父母に遺族年金を支給するということ、これは、懇談会では、いわゆる措置するのが適当であるという御意見でありましたけれども、残念ながら、本年度の予算でこの措置が見られませんでしたので、その点は来年以降の問題として残っております。  それから、いわゆるその他未処遇者の問題でございますが、これは、ただいま衆議院のほうで修正になりました自殺あるいは敵前逃亡等々の問題について、懇談会で意見の調整をとったのでございますが、衆議院でこの問題は修正が行なわれたわけでございます。  そのほか、懇談会で、いわゆる入営途上の問題でありますとかあるいは帰郷途上の問題でありますとか、それから勤務関連に併発した病気で亡くなった方とか、それから法施行後、再婚解消をした妻の方の問題でございますとか、そういう問題につきましては、懇談会では、いずれも現段階では処置をするということにつきまして消極的な御意見が出ております。したがいまして、政府としては、こういう問題につきましては、ただいまのところ、法改正なり、予算措置を講じておりません。しかしながら、いろいろの御意見がございますので、なお引き続き十分検討いたしたいと、かように考えております。
  23. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私の聞きたいのは、懇談会における検討事項でまだ残っている部分ですね、その経過をもうちょっと詳しく聞きたいと思ったけれども、いまちょっと経過をあなたのほうでお触れになりましたから、残っている問題を一つ一つあげて、いままでの経過、今後の見通しというものをもう少し詳しく言ってもらいたいと思うのです。これが第一点。  それから第二点は、先ほど申したように、援護関係のこの未処理のものは、二十五年も六年もたっているからほぼ終止符を打つという積極性がなければならぬと思うのですけれども、これに対して、大臣、見通しは一体どうなんですか。私どもとしては、もうこの間うち総理大臣あたりがこの戦後処理はもう終わりとか、終わったとかいうようなことも発言しておられて、それを本会議場でも聞いておるわけでありますが、そういうことから考えると、実際この援護法の関係でも残っている問題がたくさんあるわけですね。こういったことからこの処理に終止符を打つという意見からいえば、一体どのくらいの見通しでこれをやるのか。私どものほうでいえば、もっと短期間にやってもらいたいと思うのですが、その関係に対しての大臣が心がまえですね。
  24. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) 毎年毎年、先ほども申しましたように、やってあげたほうが親切だというやつは、政府としても、逐次加えてまいりました。のみならず、いま政府委員から御説明申し上げましたように、懇談会まで設けまして、残っていると考えられる問題についても御意見を承っておるわけでありまして、したがって、私どもも、これまでの措置あるいは懇談会の意見等によって、もうこの辺で打ち切ってしまいたいという気持ちもないことはございません。しかし、いまの大橋さんのお話のように、この辺で打ち切れというなら、それは、懇談会がかくのごときものは考慮の対象とするのはいかがかと思われるようなものは打ち切って――政府が諮問いたしましたところがそういうような御意見でありますが、しかし、私ども厚生省といたしましては、だからといって、これで打ち切って戦後処理は終わったというのには、やはりそれらの関係者の立場を考えますと、それでもう終わったとして一切事後処理なしに打ち切るということはいかがなことかと考えます。また、先ほども触れましたように、国会方面におきましても、懇談会の意見にかかわらずず、なお強い御要望などのある点も残っておりますので、さらに、今後におきましても筋の通るもの、また関係者の立場等も考えて、やれるものはここで打ち切ったということにしないでやってあげるのがやはり親切だと、こういう実は気持ちを持っております。しかし、それはそのとおりまいるかどうかもわかりません。また、政府のほうで、ことしはもうこれでというようなものも、国会のほうで、ただいま御説明がございましたように、修正して加えられたというような経緯もございますので、まあ、一言で申しますと、でき得る限り関係者の立場も考えて、そして親切にやってあげるのが厚生省としての立場ではなかろうかと実は思っております。
  25. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私の質問のしかたが悪いのか、ちょっと解釈を間違えておられる。私は、打ち切れということは一切申しておりません。もうその終止符を打てるようにもっと内容を早く進めてもらいたいということですから、問題は違うわけであります。その終止符を打てるほど充実したものにしてほしい。まだこれはたくさん要望があるやつを一体どうされるのかというのが私の質問であります。ですから、いたしますというお気持ちは当然のことでございまして、やってもらわなければなりませんが、もう二十年もたっているのだからやらんならぬということも懇談会からもいろいろ話が出ておる。また、厚生省のほうでも、これは何か話が出ればやってやろうという消極的な姿勢でなくて、こういうこともしてやろうというふうに、もっと前向きに早くやってあげてほしい、こういう気持ちなんです。ですから、そういうことに対して、どう大臣は考えておられるか。それはでさましたらやることにはやぶさかでございません、打ち切れという意見もありますけれどもと、そうではないので、いいかげんなところで打ち切ってもらっては困るわけであります。できるだけ完全なものをやらなければならぬ。こういうものを完備させたい、完全に援護したいというような、もっと前向きな、ひとつ姿勢をとっていただきたい。いままで毎年、また、今度も私のほうでは質問もし、付帯的にも御要望申し上げたいと思うわけでありますけれども、しかし、その要望が出たやつを逐次やっていこう、これが親切だと、こういういき方じゃなしに、もっと政府は前向きにこれを処理して、そして戦後処理をよくやってくれたという状態にもう持っていくべきじゃないか。特に経済がこれだけ成長して、日本の国も昔のように貧乏国じゃなくなってきたわけですからして、こういうことに対してはもっと前向きにやれる能力があるわけですから、これはひとつ大臣の大きな決意のもとにもつとぐっと前進をして、援護を十分にやってもらいたい、こういうふうに思うわけですが、その点は一体どうですか。
  26. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) 私が遠慮がちに申し述べましたが、厚生省は大蔵省でもございませんし、また恩給局でもございままん。国民の福利厚生の立場から行政をやる官庁でございますので、でき得る限り関係者の気持ちや、また御意見をも尊重して、親切にやっていくということは繰り返し申し述べておるとおりでございます。ただし、恩給法の法の取り扱いでアウトになった――ことばは悪いのですが。ものを拾い上げるものでありますから、ほんとうを申しまして、一枚一枚かわらをはがすような思いでこれまでもやってきております。また、もう一方、あとに残された問題等につきましては、これは援護法等の体系をもって論ずべきではない、社会保障というような立場から論ずべきだというような御意見もありますが、これは援護法ということになりますと、必ずしも社会保障と発想は違うものでありまして、全部社会保障でやるんだということになれば、それはまたその考え方もありますが、その辺、いまも申しますように、一枚一枚かわらをはがしてまいってきているようなことでございますので、あとに一枚でもかわらが残らないようにやってまいる気持ち、親切心があるということで、ぜひまたひとつ御協力や、御指導もいただきたいと思います。
  27. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 たいへん答弁しにくい点もあるだろうと思いますから、わかりますが、特に大臣がおっしゃったように、この問題はもっと前向きにして早く完結をするように努力する、これは予算の問題もありましょうし、いろいろありましょうけれども、特に厚生省の関係では、いま言ったように困ってられる人たち――援護法も含めてですから、これは社会保障とは言われませんけれども、経済のこういうように成長している中では、やはりそれをおちこぼしのないように、そういう意味においても、戦争によって、戦傷によっていろいろ受けておられるものに対しては、やはり国がある程度めんどうを見てあげるという立場をもっともっと積極的にやってもらいたい。特に、私は、いつの国会でも、この問題が出るたびごとに質問をしているわけでありますけれども、それが繰り返し繰り返し二十何年になっているわけでありますからして、そういう意味では、もっともっと積極的にこれを進めてもらって、そしてほんとうにやはりよくやったくれたという状態をもう早くつくってほしい。これが私の根本的な考え方でありますから、特に、そこのところはひとつ大臣のほうでも留意をして、早く進めてもらうような最善の努力をしてもらいたい、こういうふうに要望しておきます。  それから、いま申したように、懇談会においていろいろ残された事項、これは一、二お触れになったわけでありますが、この問題についても経過をもう少し具体的にひとつ御説明願えませんか。
  28. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 懇談会に、主として政策的な大きな問題といいますか、まとまった問題の御意見をいただいたわけでございますが、その中で、可とするものということでまだ残された問題は、公務扶助料の加給の対象となっていない父母に遺族年金を支給する。これは軍人恩給が復活しました二十八年当時、六十歳末満であられた方の一部に遺族年金がいっていない方がございます。これは制度上軍人恩給のほうをお取りになったので、制度上もうすでに割り切ったわけでありますが、無理だという意見もございますし、実情はやはりお気の毒だということで懇談会も可とする意見を出しておられたので、この点につきましては、本年度も予算を実は要求したわけでございますが、残念ながら、予算が通りませんので来年以降に持ち越したわけでございますが、この点が残っております。それから、現在審議中のものでまだ最終結論が出ていない問題は、衆議院のほうで修正になりました、いわゆる未処遇者の問題、つまり故意、重過失の中で自殺とかあるいは大赦令の対象になられた方々に対する処遇問題、これが現在審議中でございます。しかしながら、現在衆議院でもうすでに御可決されましたので、一応この処理は可能ではないかと、かように私どもは考えております、そのほか、すでにもう懇談会では消極的な御意見が出ている問題がございます。これが先ほど触れました入営途上の問題、それから帰郷途上の問題、それから改姓――いわゆる父母等が氏を改められた方、こういう方に遺族年金をという問題、これが消極的な意見でございます。それから勤務関連の病気が併発をして、病気で亡くなられた方、これが消極的な意見でございます。それから法施行後、再婚解消をした妻の処遇の問題、これが消極的な意見でございます。以上が消極的な意見でまだ処理されておりませんけれども、引き続いていろいろ陳情がその点につきましてございます。そのほか懇談会にはかけておりませんけれども、たとえば今度の改正で戦傷病者の妻につきましては、四款まで特別給付金が支給されますけれども、これを五款まで支給していただきたいとか、あるいは特別弔慰金が現在おじ、おば等三親等にはいっておりませんけれども、これにつきまして、おじ、おば等までも特別弔慰金をやっていただきたい、そういう問題が残されている問題でございます。
  29. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 戦地、事変地については、日華事変、大東亜戦争の区別なく、故意、重過失以外の疾病は公務とみなして等しく処遇されてきたわけでありますが、日華事変当時、本邦その他において職務に関連して負傷したり、または疾病にかかったり、これがために死亡した人たちの遺族に対しては、まだ処遇されていないと思うわけでございますが、これに対して、日華あるいは大東亜戦争の区別なく特例遺族年金を支給されるべきだと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
  30. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) その点につきまして、先ほどお答えが足らなかったのでございますが、この点は、実は恩給法の問題として恩給審議会で消極的な意見が出ておりまして、恩給局のほうでも、予算その他の所要の措置が行なわれていないわけでございます。私どもとしては、やはり恩給法の問題として取り上げるべきであるというふうに考えております。しかしながら、非常に御要望が強いのでございますので、よく恩給局と相談いたしまして、厚生省としても、この問題について慎重に検討したいと、かように考えております。
  31. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから遺族の一時金は、本邦その他における勤務の関連傷病に併発した疾病で死亡した場合は、適用されていませんですね。これは今次大戦の様相から見ますと、これらの人にも遺族一時金を適用すべきであると、同じような状況ではなかろうかと思いますが、この点はいかがでございますか。
  32. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 先ほどもこの点につきましてはちょっと触れましたけれども、この問題は、実はやはり勤務関連に併発した病気でございますので、やはり公務性が薄い――ないというと語弊がありますけれども、薄いということで、懇談会では消極的な意見でございますけれども、先生の御指摘のように、いろいろの御意見があるようでございますので、一応なお引き続いて検討いたしたい、かように考えます。
  33. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 この問題なんかも、先ほどから御説明を受けた懇談会の意見は消極的な意見のようでございますけれども、これは大東亜戦争のあのころをいまから振り返ってみましても、そのような関連が薄いとは言い切れないような例が非常にたくさんあると思うんです。ですから、これに対しては、特に私は十分に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから、広島、長崎の原爆における被害は、御存じのように、言語に絶しているわけでありますが、戦地においても見ることのできないような惨状であるわけであります。戦争末期における内地は何ら戦地と変わっていないわけでありますね、原爆以外を見ましても、爆撃の状態から見ましても。そういうことから考えて、戦後二十有余年経過をした今日で、国民感情から見ましても、援護法から見ましても、準軍属とか未処遇、あるいはまた、何といいますか、徴用なんかの人たち、こういうような方を含めて、軍人軍属と同じような取り扱いをすべきじゃないかということが一そう深く痛感されるわけでありますが、この問題についてもう少し態度を明確にしてもらい、同時にこういうものを同一に軍人軍属として取り扱ってもらいたいと思うんですが、その考え方についてお聞きしたいと思います。
  34. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 準軍属と軍人軍属との格差解消につきましては、ここ数年来、本委員会におきましてもいろいろ御議論がございまして、十分の五から十分の七に過去においては改善がなされたわけでございます。本年度は、この準軍属の中で、先ほどお話にありましたように、徴用された方々のグループにつきましては十分の七から十分の八に引き上げております。どうしていままで準軍属が軍人軍属と区別されたかといいますと、やはり一般的にいいまして勤務の形態、それから国とのつながり方という問題がどうしても軍人軍属と原則的にはやはり違う点があるという点で、過去においてそういう差があったわけでございますが、先生の御指摘のように、いろいろ具体的な事例をあげますと、やはり同様に扱うべきではないかというような御議論がいろいろございますので、そういう点に着目して漸次改善がなされてきたわけでございます。この点につきましては、さらに引き続き御趣旨に沿うように努力いたしたい、かように思っております。
  35. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 同じような場合でありますけれども、ソ連に抑留された者、あるいはまた戦争裁判によって拘束された方々、こういう者に対する処遇についても同様だろうと思いますが、これにつきましてもひとつお考え方を聞かしていただきたい。また、入営とかあるいは応召の途上における、自己の責任に帰すべきでないような原因によって病気になった、傷病にかかった人たちあるいは死んだ者については、すでに故郷を離れて軍務に服していたと同様な状態にあると考えられるわけで、もうその途上でありますから、これの遺族に対しましてもやっぱり弔慰金なり、遺族年金なりを支給すべきじゃないかと、こういうふうに思うわけでありますが、この認定についてひとつお考えをお聞きしたいと思うんです。
  36. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 前段につきましては、ソ連の抑留者の方々とか、あるいは裁判によりまして拘束された方々につきましては、遺族年金等につきましては通算措置が恩給その他で考えられております。ただ、御指摘の点は、あるいはそれ以上いろいろ苦しまれた点につきましてもう少し手厚い処遇をすべきじゃないかという御意見だろうと思います。この点につきましては、率直に言いまして、厚生省の実は所管ではございませんけれども、その与えられた損害につきまして補償するということにつきましては、なかなかむずかしい問題ではなかろうかと率直に思うわけでございます。なお、関係方面とも以後連絡して、検討さしていただきたいと思います。  それから、第二点の入営あるいは応召途上の問題でございますが、これは実は懇談会でも消極的な意見でございます。といいますのは、援護法の適用は在職期間中においての疾病または死亡ということでございますので、現在では、これが対象になってないわけでございます。しかしながら、援護法の特例によりまして、海外から復員された方につきましては、帰郷途上、自宅にお帰りになるまでの間はこれを特例と認めております。それと同様に、それ以外の地域においても、つまり内地等において召集解除になった方々についても認めるべきではないかという御意見が強いことは承っておりますので、なお、こういう問題につきましては、懇談会では消極的ではございますけれども、引き続き要望が強い事項でございますので検討さしていただきたいと、かように考えます。
  37. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 国民年金法による老齢福祉年金の支給につきまして、一般の支給制限は受給者の所得が三十万円以下と定められておりまして、この公務の扶助料等の差額が併給されることとなっておりますが、この間に不均衡があるように思うわけであります。また、この制限のために、福祉年金の額が引き上げられても、公務扶助料等の受給者については、これが及ばない、こういうようなことになっておるわけでありますが、この制限措置を撤廃をして、公務扶助料等の受給者に対しましても、一般と同様の条件のもとに福祉年金を支給することのほうがいいんじゃないかと思うんでありますが、これについてはどういうふうにお考えになりますか。
  38. 廣瀬治郎

    ○政府委員(廣瀬治郎君) 福祉年金は、御承知のとおり、国民年金で規定されておるものでございますが、本来、年金は、保険料を拠出して年金をもらうということがたてまえでございまして、この福祉年金は、その拠出制の年金を経過的に補完する制度でございます。したがいまして、現在の法律では、他の公的年金から年金をもらっておる方につきましては、原則として福祉年金を支給しないというたてまえになっておりますが、いま、お話の公務扶助料等につきましては、これは戦争公務という特殊な性格でございますので、一定の限度のもとに併給をするという措置が購ぜられておるわけでございますが、これは一定の限度内でございまして無制限ということにはなっておりませんが、この併給の限度額につきましては、公務扶助料等の引き上げが行なわれますと、それに対応いたしまして、従来併給額として認められておりました福祉年金の額が減らないように併給限度額を引き上げて措置をしてきたわけでございますし、四十五年度におきましても公務扶助料が上がりますので、従来と同じような考え方によりまして、この併給限度額を引き上げて、従来から支給されておる福祉年金の併給額の減らないような措置をしておるわけでございます。
  39. 徳永正利

    ○徳永正利君 ちょっと関連して。それは答えになっていないと思うのです。説明にはなっておるけれども、いま大橋さんの質問された答えにはなっていないのです。ですから、なぜ公的年金と福祉年金を併給しちゃならぬのかということなんですね。ですから、公的年金に併給しちゃならぬというのは、法律ができておりますからなりませんと、この答えでは答えにならぬわけです。それじゃ、なぜ法律を改正してもやる御意思はございませんかと、ここまで踏み込んでおられるわけです。厚生省のいままでの理屈は私はわからぬことはないと思うんです。いろいろ御議論もいままであったようでございますが、これはひとつ、一体改正した場合に総額どのくらいかかるか、そういうようなことを研究していらっしゃいますか。それからもう一つ、無拠出年金は過渡的な問題だからとおっしゃるそのこともよくわかります。わかりますが、なぜ一体公的年金と併給してはならぬのか。公的年金の金の十円が二十円に使えるというならこれは別ですね。ところがそうじゃないです。やはり十円は十円にしか使えないんですね。そこで、ただ財政的な面で、とてものこと補てんができませんと、金がありませんと、こういうんならば、私は財政面の理屈としてはわかるんですよ。ところがそうじゃなくって、やがて掛け金をかけた年金が、やがては掛け金によってはね返る老齢年金というのがありますと、そういうものの額にいま併給いたしますと、こういう議論になるから私はわからぬと言うのだ。二十年先のことをいまごろから議論するから私はどうしても納得ができない。それから公的年金をなぜ併給しちゃいかぬのかということをひとつ納得のいくような説明を願いたい。これが大橋さんの御議論だろうと思います。
  40. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 ちょっとあわせて。いま説明の中では、公務扶助料だからそれを云々だと言われますけれども、これはそうじゃなくて、いまお話しになりましたように、これはもうほんとうに根本的に考えなきゃならぬ問題だと思うんですよ。経済がいま行き詰まって金が出せぬという状態じゃない。だからして、私は、もう厚生省のほうがそういうことをどんどん要望してもらう時期じゃないかと思うから、いまのように質問しているんです。
  41. 廣瀬治郎

    ○政府委員(廣瀬治郎君) これは最初にちょっと申し上げましたように、福祉年金の性格をどう考えるかという基本的な問題になると思いますが、私どもは、年金はやはりたてまえは拠出制の年金が原則でございまして、福祉年金というのは拠出制の年金が本格化するまでの経過的、補完的な年金だというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、福祉年金の財源は全額国庫負担でありますので、徳永先生の言われましたように、財政的な問題もあるわけでございますが、より根本的にはやはり福祉年金という性格からいって、全く無条件にということにはできないものであろうと、そういうふうに考えておるわけでございますが、ただ、先ほど申しましたように、戦争公務に基づくものは特別の性格だという点にかんがみまして、一般の年金よりもある程度の併給を認めておるということでございます。  それから、最初にお尋ねのありました併給を全部撤廃した場合の金額でございますが、非常に大ざっぱな計算でございますが、平年度にしまして、戦争公務関係は約九十億円程度を要するであろうというふうに推計しております。
  42. 徳永正利

    ○徳永正利君 これはもう大臣に、前から御関心持っていらしゃいますから、私がこんなこと言うことないと思いますが、事務的な理屈では私は理屈はつかぬと思うんです。ですから、まるまるこれは国庫負担でございますから、何かずっと制限しなきゃならぬ、ちびらぬことにはかっこうがつきませんという議論、これは議論にはならぬと思うんです。ですから、公務扶助料その他の関係で九十億と、ほかの公的年金があるでしょう、こういうものを合わせると、一体どのくらいになりますか。それはあとでいいです。あとでいいですが、これは相当な額になるだろうと思うんです。額が大きいもんですから、いままでおっかなびっくりで、実はこれに立ち向かうことができなかったといっちゃおかしいけれども、それだけの勇気を出す時期もなかったんじゃないかという気がしてならないんです、私は。ですから、これは理屈は理屈としまして、厚生省ももう少し明快な――どうしても公的年金には乗っけられないのだ、まるまるこれは国庫負担でございますからこれは乗っけるわけには、どっかちびらなければというような議論は、私は少なくとも議論にはならぬと思いますよ。何かほかに、どうしてもこれはこういう公的年金と併給できませんという明快な理屈があれば、きょうでなくても、今度は年金の問題がありますから、ひとつよく研究しておいてください。それから、これはいま実は裁判をやろうとしているのです。これは憲法違反じゃないかいう裁判をやろうとしておりますから、そういうようなこともまあ一つの方法かもわかりませんが、そういう人がおることは事実でございます。今度の審議までにそういう理屈をはっきりしておいてもらいたい。それから大臣のひとつこれに対するお考えをちょっとお聞かせ願えればと思うのです。
  43. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) 公式論といたしましては、ただいま政府委員から御説明申し上げましたように、福祉年金というのは、他のいずれかの公的年金を受け取り得ないような状態にある老齢者、七十歳以上の老齢者に国が国の恩恵として支給するのだ、したがって、それが遺族扶助料であれ遺族年金であれ、あるいはまた生きている私どものような恩給取りであれ、そういう公的年金を受けているとすれば、今度はその同じような国の福祉政策――発想は違うでしょうが、とにかく国の恩恵である福祉年金というものは重複しては出さないと、こういうことになっているのだということが根拠のようでございます。しかし、私は、政治家としては少し違った考えを持っておりまして、これはもう私が尊敬する徳永先生もよく御了解だと思いますが、公務扶助料とかあるいは遺族年金とかいうものは、国家のために命をささげた、それに対する国家の代償といってはおかしいけれども、勲章、表彰なんだと、もう亡くなってしまっているのだから、死んだ方に花をあげることももちろんいいし、あるいはまた、このごろは叙位叙勲もいたしておりますけれども、あとに残された遺族に対して国が特別な事態による一つの恩賞なんだと。これはまあ何万円とかいうけれども、ほんとうは銭じゃないのだ、銭じゃないのだけれども、銭の形にして出しているのだから、したがって、福祉年金と重複の観念をもって論ずべきじゃないのだ、こういうことだから、したがって、その遺族扶助料を受けておられる方にしても、それがその法定の老齢者である以上は、これが所得制限なんかにひっかかる場合は別でありますが、これは福祉年金を出すべきだという議論を展開をいたしておったわけでございます。したがって、私は、今度は政府の責任ある地位に立ちましたので、いままでのやり方を急にはひっくり返すわけにはまいりませんので、徳永さんの言われますように、これは説得力のある、納得していただけるような説明をさらに私は次の機会までに打ち合わせていたしたいと思います。ただ、私がここで厚生大臣に就任いたした後におきましても、これはごくわずかの期間でありますが、今度は公務扶助料も遺族年金も上がるわけであります。上がったからといって、いままで一部併給を認めておったところの福祉年金に食い込んで、そのために福祉年金が減る、したがって、公務扶助料なり、遺族年金の受給者がいままで受けておった一部の福祉年金と合計してみると、扶助料引き上げあるいは遺族年金引き上げの恩恵がそれだけ減ってしまうというようなことは絶対にすべきじゃない。遺族扶助料あるいは遺族年金がこう上がったならば、いままで受けている福祉年金は当然一緒に押し上げられるのだ、それに食い込むということはいけない。また、のみならず、何とかこの福祉年金のほうも、今回、月に二百円ですから二千四百円ほど上がるわけであります。いままでの千八百円が二千円になりますから。したがって、上がる分くらいは遺族扶助料を受けられる方あるいは遺族年金を受けられる方に、それはそれで上がるのですけれども、その上に福祉年金の上がる分くらいは乗っける方途はないかということで、ずいぶんここにいる廣瀬年金局長にも検討を命じたわけであります。その結果、そのとおりではございませんが、これはお調べいただければわかりますが、遺族扶助料が今回たとえば兵の階級で十五万何千円に上がりますが、それに福祉年金のほうも若干上がる計算にいたしまして、合計すると十六万九千円でございましたか、いままでは公務扶助料が十三万五千円、これに対して福祉年金が九千四百円、合計して十四万四千四百円ということでございますが、それが今度公務扶助料が十五万七千円に上がります。その際に福祉年金のほうの九千四百円も一万円ちょっとこすように上げました。これはしかし金額ではありません。全額もらえば二万四千円もらえるわけでありますが、上げまして、したがって、両方合計いたしますと、ことしの十月からは十六万七千三百円というふうに実はなったわけでありまして、福祉年金のほうには食い込まないのみならず、福祉年金も少し一緒に上がっている。そこまでできるものなら、これはどうして全部できないのか、遺族扶助料というものは公的年金じゃない、これは遺族に対する勲賞である、こういう気持ちを私は厚生大臣としてというよりも政治家として――厚生大臣としてといいますと、私は責任もとらなければならないし、また食言することにもなりますので、むやみに申し上げられませんが、政治家としては徳永先生なり、大橋先生なりと同じような気持ちも持っておりますので、もう一歩さらに進めてそこに橋をかけるような、納得のいく御説明も申し上げたり、さらにまた、すっきりしたような措置ができるような努力もいたしたいと思います。
  44. 山下春江

    ○山下春江君 私もいまの徳永先生の御発言に関連いたしますが、実は母子福祉年金をつくりましたのは私でございます――というとたいへん失礼でございますが、実は北海道で未亡人の大会が、東北大県と北海道と八百五十人集まったことがあるのです。それは昭和三十年でございます。そのときに、私は、その未亡人の中の一人――その会場に来たんじゃないのですが、まさにあのころは親子心中が毎日新聞に出ておって、そうしてこの母と子も捨てておけばきっと親子心中するなというケースに私は札幌の隣の琴似というところでぶつかりまして、そうしてその会場に行って八百人の方に、どうしてもこの親子を殺してはならない、死なしてはならないから福祉年金を制定したいが、私の力だけではできないから、あなた方八百人が全部、福祉年金をぜひつくって母と子を助けてくださいという請願書を書いてくれと、その請願書を私が持って帰って、これをもとにしてやるからということを言って、八百二十三枚、私、厚生省のどこにあるか知りませんが、持って帰ったことがあります。それがもとでできたのがこの福祉年金、初めての福祉年金。このときの大蔵大臣が池田先生でございました。池田先生は、どうしても福祉年金ということばを許しませんでした。したがって、母子加算という名前でこれが発足したのでありますが、翌年にこの母子福祉年金になったわけであります。とにかくそういうところから考えてみて、遺族扶助料と――二十五年間、この未亡人は子供を育てるためにほんとうに命がけで働いてきた。いまや子供は成長して奥さんをもらって、その母から離れてどこに行ったかもしれません。母は抜けがらになって、一人で生活しているかもしれません。それで扶助料と福祉年金とが併給されるということには理屈の上でどこもおかしいところがないのです。併給されてあたりまえだと思うのです。一体、未亡人になって苦労してきた。そのことに対して国がどうしてもつぐないようがない。せめてこの福祉年金でも上げることによって、二十五か二十六の若いときからいままでずっと未亡人でさびしく耐えて戦ってきたことに対する、ありがとう、御苦労さまという金でなければならないので、金が足りないとか、併給することは少しやり過ぎるとか、そういう議論が成り立つものではなくて、いま大臣がおっしゃったとおりの、厚生大臣でなくて、政治家内田常雄という方が考えたその考え方のとおりにぜひ御実行を願いたい。これは削られたりなんかする性質のものではなく、やっぱりりっぱに併給してやって、御苦労さんという私は性質のものだと思いますので、ぜひ大臣が大臣におなりになる前にお考えになったことをお貫き願いたいということを強く要望いたしておきます。
  45. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 たいへん私どもが言おうとするところを両先生からしっかりと強調していただきましたので、私はこれについてもう少しお伺いしたいけれども、これでとどめますから、どうぞひとつ大臣におかれては、この問題についてはひとつ併給ということを、もう少し何というか、併給できるような、そしてまた、いまおっしゃっておりました扶助料が上がった分については考慮すると言われておりますけれども、これはしさいに調べてみますと、多少のハンディはあるはずであります。ですから、そういう点を考えてみると、やはりこれは頭から併給をしていって、そうして併給がいかないようなことは一切省いていただく。これは特に御配慮願いたいということを強く要望いたしておきます。  そのほかもう一、二ございますが、未帰還者、帰還していない者の処遇でありますが、この未帰還者問題に対しまして、今後の処理方針を一ぺん伺いたい。  それから第二点は、戦争によって沈没した船に残っておる遺体、これもまだ非常にたくさんあると思いますが、これの処理状況についてもお話を承りたい。  第三点は、海外の戦没者の遺骨収集の状況ですね。四十五年度及び今後の計画、これについて御説明願いたい。この三点についてひとつ詳しく御説明願いたい。
  46. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 第一点の未帰還者の問題でございますが、この点につきましては、昨年の暮れで四千百九十九人が未帰還者でございます。内訳を申しますと、ソ連地域が三百九十五人、北鮮地域が百二十六人、南方その他の地域二百七十四人がそのおもなところでございます。これらの未帰還者につきましては、留守家族のいろいろの心情を考えまして、現在、厚生省では国内的な調査を続行していくとともに、在外公館並びに赤十字を通じまして国外調査をいたしております。共産圏地域につきましては、なかなか十分な調査が不可能でございますけれども、赤十字等を通じていろいろお願いをしているわけでございます。  御参考までに、本年度、この四千人のうちで、いろいろ調査をいたしまして死亡と推定できましたものが七十四人でございます。それから特別措置法、いわゆる戦時死亡宣言が可能だというふうに私どもが調査いたしましたものが二百三十五人、したがいまして、この三百人程度の事例につきましては、これは法律上の措置をとりまして、恩給あるいは援護法その他の措置によって御遺族の、何といいますか、処遇をいたしたい、かように考えております。  それから沈没艦船の問題でございますが、今次大戦で沈没しました艦船は三千余りでございまして、戦没者は約三十五万人でございますが、これまでに遺体を収容いたしました隻数は約百でございます。遺体数は三千四百四十体でございます。で、御推察のように、沈没艦船は、外国の領海にありますのは、当然その当該国の所有にかかるものでございます。それから海没の水域の深さによって非常に技術的に引き揚げ並びに処理がむずかしいわけでございます。こういう点につきまして、現在、外国にあります沈没艦船につきましては、現在外交ルートを通じて調査中でございますので、その調査結果を待っていろいろの諸対策を考えていきたい、かように考えております。  それから第三点の遺骨収集の概況でございますが、昭和二十八年から三十三年まで収集派遣団を派遣いたしまして実施したわけでございますが、その後は、四十二年度におきましては、中部太平洋のペリリュー島、サイパン、ロタの各島、それからフィリピン。四十三年度におきましては、フィリピンと西イリアン地区。四十四年度に硫黄島、東部ニュギニア、それからフィリピン等を実施いたしました。それから四十五年度におきましては、現在ニューブリテン、それからブーゲンビル島、北ボルネオ、ギルバート諸島、それから硫黄島の最終的な収集計画を考えております。四十六年度以降におきましては、 マーシャル諸島とか、西イリアン地区あるいはビルマ、インド、それから国交未回復の地域等を考えますが、国交未回復地域等につきましてはなかなかむずかしいのではなかろうか、こういうように推察しております。もちろんこれから計画いたします諸国につきましても、すべてこれ海外でございますので、相手国との交渉、了解が必要でございますので、計画どおりいくかどうかにつきましては確約はできませんけれども、いま申しました計画で、今後ともできるだけ早くいたしたい、かように考えております。
  47. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから第八条の第二項を見ますと、障害年金受給者に妻があるときのみに、妻にだけ一万二千円の支給加算をするということになっておるわけですが、この加算の対象から十八歳未満の子や、それからまた、自活の能力のない障害児を除いてあるのはどういうふうな理由でございましょうか。
  48. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 配偶者以外の方につきましては、一人の場合には七千二百円、二人以上の場合には七千二百円に一人を除いた分につき四千八百円を加算するということになっております。
  49. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それは加給されているのですか。
  50. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 重ねて御説明いたしますと、妻には一万二千円を、それ以外の方には、一人の場合に七千二百円、それから二人以上の場合は七千二百円に一人を除いた分、つまり扶養親族一人について四千八百円を加算するわけでございます。
  51. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから、いま衆議院で修正されましたただし書きのところですけれども、これは詳しく一ぺん説明してもらいたいのですが、ひとつ局長のほうから説明してください。
  52. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 今回の修正につきまして先ほど御説明があったわけでございますが、現在この法律では、故意、重過失によって死亡または疾病にかかった場合には年金が支給されないようになっております。しかしながら、そういう場合にも支給をするということがこの五条の本文になるわけでございます。ただし書きで、当該死亡が大赦令に該当している罪以外の罪――大赦令では、敵前逃亡でありますとか、上官抗命でありますとか、いわゆる軍隊特有の罪について大赦令が適用になっておりますが、それ以外の罪、すなわち殺人その他の破廉恥罪等については大赦になっていないわけでございます。したがいまして、そういう破廉恥罪に関係した者であることがはっきりわかっているもの、それからそういうことに関連しているかどうか非常に明らかでないという場合には援護審査会がそれぞれ決定いたしまして、そういう者以外は全部救うということがこの五条改正の趣旨でございます、かいつまんで申し上げますと。したがいまして、自殺あるいは敵前逃亡等で、現在までの法文では、故意重過失として処遇されてないという者につきまして処遇をする。しかしながら、殺人その他の破廉恥罪に関係している者はこれはだめである。したがいまして、そういう者は援護審査会で全部議決してパスさせるという仕組みに第五条はなっております。
  53. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 関連して。その認定はどのようにしておやりになるのですか。
  54. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 審査会にかけまして認定をやるわけでございます。その証拠は、軍法会議にかかっておる者は判決その他の記録がございますし、それ以外の者は軍隊のいろいろの調書が残っておるわけでございます。
  55. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 そこで、軍隊の調書がない場合が一つと、それから審査に要する期間は大体どのくらいかかっておりますかということをお答えいただきたい。
  56. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) その軍隊の調書がない場合はどうするかということでございますが、現にもう調書がない者はおそらく故意、重過失が明らかでないということで、すでに私どもとしてはセーフになっているというふうに考えております。ただ、現在までそういう点は、調書が残っておりますとかあるいは判決が残っておりますとか、こういうことで故意、重過失に該当するものとして審査会でアウトになっておるわけでございます。  それから第五条の改正によりまして、いつごろいわゆる年金が達するかという問題でございますが、これはやはりこういう非常にむずかしい問題でございますので、審査会で一々審査をかけます関係上、なかなか短時日では全部の処理を終わるのはむずかしいのではなかろうか。しかしながら、いろいろ待っておられますことも考えまして、できるだけ審査は急ぐようにお願いしたい、かように考えております。
  57. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 関連ですからこれでおしまいにしますけれども、できるだけ早くという非常にもう抽象的なお答えであります。いまおっしゃられたように、その恩恵を受ける対象の方は非常に待ち遠しい、これはもう当然人情的に申し上げましてもそうだろうと思います。ただ、いま非常に抽象的におっしゃったことは、まあ立証が非常に困難であるというような条件を踏まえての御答弁であろうと思うのでございます。そうしたことも十分御配慮なさって、できるだけ早くというお考えで進めておられるであろうと思いますが、やはりある一定のめどをつけて解決の方向へ持っていってくださるということがこれはやはり政治の光を当てるということになりはしまいか。これは平均どのくらいかかっておりますか。内容によっても、それぞれの個人個人の差がありましょうし、立証が非常に困難であるあるいは非常に容易であるということによっても、一がいには言えないかもしれませんけれども、平均認定が完了するまではどのくらいの時日を要しているのでございましょうか。
  58. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 御質問の点は、今度改正になろうとしておる部分だろうと思いますが、この点につきましては、将来の問題でございますが、いままでの例でありますと、一般的なものは大体三カ月ぐらいかかっております。この第五条の改正によりまして、これは十月からこの問題が適用になるわけでございますが、十月におきましてこの権利があるかどうかという証明を出していただいて、それから審査に入るわけでございますが、いままで故意、重過失であるということで大部分の者ははっきりした事由でアウトになっております。したがいまして、大部分の者は資料がかなりそろっているようでございますので、むずかしい事案のわりには比較的早く解決がつくのじゃなかろうか。もちろんいろいろボーダーライン等の者でやっかいなものはいろいろ審理に時日を要するだろう、かように考えます。
  59. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いまの質問の中にありました問題、私もその方面について聞きたいと思っておりましたが、だいぶ説明がありましたので了承いたしました。特にいまお話がありましたように、こうした今度の恩典を受けられるという方たちの考え方は非常に切実なものがあると思うのです、相当長い間たっているのですから。三カ月とか、いろいろそれは困難な場合はありましょうけれども、こういうものをもう少し前向きに処理ができるような何か具体的な標準とか、あるいはまた、そういう考え方をもう少し先行させて、十月の段階で徐々にそういうことを始めるのじゃなくして、それまでの間にそういうことが着々と進められるようなことを考えてもらうことがこういう法を運営する上においては非常にあたたかいものとして必要じゃないかと思いますので、ことにそういうことを要望しておきたいと思います。大臣ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  それからもう一点は、未帰還者留守家族の援護法の対象でありますけれども、これはこの対象とは少し性格は違いますけれども、まだ現在非常に生活に困窮している日本の婦人が南鮮に何百おられるということです。こういうのを調べてみますと、二百四十五人もあるという、この間何か報告を見たわけでありますが、こういうような姿は、留守家族の援護法の対象からいうと、ちょっとあるいは性格が異なっておるではありましょうけれども、しかし、生活には非常に困窮をしながらまだ日本の婦人が南鮮にたくさんおられる。こういう婦人たちに対する援護は一体どのようにやっていくのがいいのか、こういうことについては援護の立場からどうお考えになっているかひとつこれを聞いておきたいと思います。
  60. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 南鮮の二、三の地域にそういう困窮されておられる方がおられますことにつきましては、先生御指摘のとおりでございます。この問題につきましては、厚生省としましてもいろいろ心配いたしまして、昨年、機会を得まして担当の課長を実情調査にやったわけでございます。この点は、実は外務省がこの問題を第一次的に扱っておりますので、私のほうとしましても、第一次的にこの問題を推進することにつきましてはなかなかむずかしいわけでございますけれども、実情をお聞きいたしますと、いわゆる出国の手続等につきましていろいろ困窮されておられて、京城以外におられる方がなかなかそういう手続に困っておられるということでございますので、外務省ともよく連絡しまして、こういう点につきましては促進方をはかるようにいたしたい、かように考えております。もちろん引き揚げがきまりまして、当然これは国内に移りますれば、厚生省の手でいろいろ万全な処置をいたしたい、かように考えております。
  61. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 これは、私聞いたところでは、非常に日本人が困っておられるわけですね。こういう問題も、結局、いまお話を承りましても、外務省の問題だと、また、厚生省は、それが来たら援護をするのだ、こういうことですけれども、やはりそういうことであれば事は運ばないのですね、ことにこの問題は。もちろん外務省も通してやってもらわなければならぬでありましょうけれども、伝えられるところによると、非常に苦しい状態におられるわけですね、同じ日本人が。こういう問題については、私は、よほど政治的にも、あるいはまた、各省の関係もある程度統一をして、こういうふうな何とか救済すべき方々を前に向けて進ましていけるような方法を講じなければならぬと思いますので、この点についてはひとつ大臣も、事務的なレベル以外にもっと政治的なレベルでこういうものも処理していただく方法を考えていただかないと、なかなか外務省にまかしておいて、そしてこちらへ帰還するビザがおりるかどうかということを待っておってもたいへんだろうし、また、実際調査してどういうふうになっているかということも、なかなかむずかしいらしいのですが、そういう困難しておられる日本の婦人がおることだけは事実なんですから、これをどういうふうにして処理するか、前向きにどうしたらいいかということはもう少し何か考えていただかなければならぬのじゃないかと思うのですが、ここのところのお考え方をちょっと聞いておきたいと思います。
  62. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) そういう婦人の方々がおられますことが私のほうの耳にも入っておりまして、これは国内におって同じような状態にある場合には、日本の法域にありますためにいろいろ援護も手も伸びるわけでございますけれども、現状がこれらの外地におられる婦人については手が伸びていないということは、これは同じ日本人に対して非常に気の毒である、お話のとおりでございます。これは私どもも、何らかこれに対して措置を講じなければならないことは、おっしゃるとおりでございますので、措置、方法等につきましてはもちろんいろいろ考えて、さらに前向きで考えてみたいと思う次第でございます。
  63. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 じゃ、もうちょっと、一、二点だけ。衆議院で附帯決議が出ていました事柄について、こちらのほうでひとつ一、二だけお考えを尋ねておきたいと思います。  一番問題となりますのは、附帯決議に出ておりますように、非常に経済状態がよくなっておるのに最低基準の引き上げが行なわれない、公平な援護措置が行なわれるようにずっと引き上げてもらいたいという御意向が出ておるわけでありますが、ことに戦没者の遺族なんかが非常に老齢化されている現状から考えますと、この老齢者及び妻の待遇措置は、これはだんだん改良はされているものの、もっと抜本的にされる必要があると思う。それでおそらく附帯決議ができたと思うのでありますが、こういう点については、私は、附帯決議の要望されていることを二度要望するような形になりますけれども、参議院の段階でこれを見てみますときには、もっとやはり大臣はじめ各局のこれに対する前向きの積極的な考えなんかもただしておきたいと思うわけでありまして、附帯決議がついておればそれでいいのだということではなくして、これについては一体どういうふうな考え方を持っておられるかということ、これが第一点。  それから第二点は、先ほど来質疑をしておりまして、ここにも附帯決議に出ておりますけれども、未帰還者の調査なんかもなかなかうまくできていないのが現状でありますから、こういうものを把握するために一体どういうふうな前向きの姿勢でおられるかという点。これも第二点として、いわゆる附帯決議に対するお考え方の決意のほどを一。へん聞いておきたいと思います。  それから、動員学徒の遺族の問題もありますけれども、特に動員学徒とか、準軍属なんかの処遇ですね。これはどうしても差をつけないように――差があっても非常に少なくすることが要望されているのですけれども、これについてのひとつお考え方、これはもう非常に大事な附帯決議がついているわけでありますから、この決議に対してひとつ十分なお考え方を聞いておきたい。こういうふうに思います。  それから、いまの加給の問題でありますが、質問いたしましたこの問題もここで附帯決議になっているようでありますが、この障害年金及びその加給についてのいろいろ改善がされなければならない。こういう点についても、ひとつ前向きにどうされるかというようなことも聞いておきたいと思います。
  64. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 遺族の老齢化の問題につきましては、本年度、遺族相談員というものを、これは予算上でございますが、設置いたしまして、年とった方が精神的な点で非常に御苦労がある、あるいは悩みがあられるということにつきまして、いろいろあたたかい手を差し伸べたい、こういうことで、遺族相談員等も、十分ではございませんけれども設置をいたしまして、努力をいたしたわけでございます。今後とも、こういう老齢化の問題につきましては、さらに年金額の引き上げ等につきましても努力をいたしたい、かように思います。  未帰還者の問題につきましては、先ほど簡単に御説明いたしましたけれども、やはりこの関係者の方々は非常に不安定な状態でありますので、早急に新しい資料あるいは外交ルートを通じまして、この不安定な状況を早く解消すべきであるという方向でさらに努力をいたしたい。かように考えておるわけでございます。  それから、動員学徒等の問題につきましては、私どもとしましては、逐次改善をしたつもりでございますけれども、さらに、御要望でございますので、努力をいたしたい、かように思います。  それから、戦傷病者の障害年金加給の問題でございますが、この問題は、本年度もいろいろ改善が行なわれたわけでございますけれども、さらに、その置かれた特殊の地位にかんがみまして、障害年金の増額あるいはその他の措置につきましても十分な努力をいたしたいと、かように考えます。
  65. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 最後に一つ。いまおっしゃいました遺族の相談員というのは、一体何人くらい置いておられるか。その待遇はどういうふうになっておるのですか。
  66. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 本年度の予算で初めて認められたわけでございまして、五百三十四人の措置が認められております。待遇は、戦傷病者の相談員と同じように、月五百円の謝金を差し上げるというふうなことになっております。
  67. 徳永正利

    ○徳永正利君 もうだいぶん質疑も尽きましたから、私は、重複を避けまして、二、三の点についてお尋ねし、御要望申し上げたいと存じます。  先ほどの厚生大臣の、国家補償の立場から、あるいはまた、社会保障の立場からいろんな面でこれをカバーしていかなければならぬというお説、ごもっともだと思います。特に子供のない未亡人がたくさんおるわけなんです、戦争で未亡人になった者が。この人たちはまだ若いと思っているんです、実は。ところが、年はもう五十、六十近くになりましてね。いまはまだ働けるのです。何とかかんとかいって、たくわえもないし、いろいろなことでやっておりますが、これがもう五、六年たちまして自分のからだが働けぬと気がついたときは、がっくりいってしまって、これは養老院に行く以外にほか行く道がない、子供がおりませんから。それで、いま支給されているこれが将来どのくらい増額になりますか――なりましても、軽費養老院に入るだけの額は、公務扶助料、援護法の年金ではとても私は手に負えないと思う。それからまた、この間も、私のところへ、暮れになると、もちを送ってきてくれたおじいさんがおるのですが、おじいさんが八十一でおばさんが八十四です。おばあさんのほうが四つ年上ですが、この人たちは一人もむすこがおられないのです。一人むすこが戦争にとられちゃって、戦争で亡くなりまして、いままでがんばってきた。それで、その若いほうの八十一のおじいさんが床についておったのです、ところが、介抱しているおばあさんのほうが庭でころんでけがをして、これが動きがとれぬことになってしまった。で、いままで介抱していたそこの一軒の家に住むことができなくなって、この間私が下関のそういう福祉施設にお願いして、いまばらばらに暮らしておりますけれども、これは、もとをただせば、やはり一人むすこが戦争で亡くなっているわけなんです。ですから、おまえはもう生活保護に落ちていけと、医療扶助をもらえと、こう割り切ってしまえば、それも一つの考えかもわかりませんけれども、私は、どうしてもそこが割り切れないわけなんです。原因は、生き長らえているわれわれのために死んでいったむすこがおればそういうこともないだろうと思うのですけれども、それがおそらく、併給の加給とそれから扶養加給を合わせまして、今度増額になりましても十七、八万円だろうと思います、夫婦で。そういうことでございますから、これはまあ悲惨な一つの例でございますけれども、社会保障の面からも、そういうような医療の面、あるいはまた、その軽費養老院といいますか、老人ホームといいますか、そういうような面も、ただ援護局にまかしておくことだけじゃなくて、ひとつ十分お考えを願いたいと思います。  それからもう一つ。先ほどの大橋さんの御意見の中で援護局長が答弁されたのですけれども、私は非常に気になることが一つあるのです。それは、いまここへ持ってこさせたのですが、臨時召集令状、これがいわゆる赤紙というやつです。援護局長、ごらんになったことございますか。裏のほうも全部お読みになったこともあると思うのですが、これを読みますと、これは全部命令になっているのですよ。宿泊所まで指定しているわけなんです。これを持って部隊に来い、そうしてその晩は、その部隊の「憲兵、警察官吏ニツキ承知シ指定ノ宿舎二宿泊スベシ」と。いま入営途上ということはいまのところ考えておりませんと、懇談会で非常にむずかしゅうございますとおっしゃいますけれども、ちゃんとその前の晩に泊まる宿屋まで指定しているのです、憲兵とか警察官によって。だから、「応召員又ハ応召員ニ代リ令状ヲ受領シタル者正当ノ理由ナクシテ前諸項ノ心得ニ背キ其ノ手続ヲ為サザルトキハ」罰を食わすといって、罰則までつけているわけです。それが、その門を入らなければおまえさん方だめだということにいまの法律ではなっているわけなんです。ですから、その辺は、援護懇談会もさることながら、ひとつ厚生省も腹をきめて、もうそろそろお考えいただかなければいかぬ時期と思います。  いくさが終わったときに五十歳のおとうさん、おかあさん方は、いま生きておっても七十五歳でございますからね、私が申し上げるまでもなく。ほとんどの人が八十歳近くなっているわけなんです。もう余命幾ばくもないそういう方々でございますから、いろいろな先ほど私が申し上げたことにつきましても、私も今後党内において努力をいたしますけれども、どうかひとつ大臣におかれましても、十分ひとつ省内において検討するように御配慮をお願いいたしたいと存じます。それから、まあ言いたいことはたくさんございますが、私は、おまえたちはもう扶助料を上げるとかあるいは年金を上げるとか言っても、なかなかその生活ができるまで追いかけるというのはたいへんだと思うのです。言うべくしてなかなか困難な問題があろうと思います。それならば、おまえたちが年をとってどうにもならぬときには、やむを得ず生活保護法に落ちろと、こういうことは何とか避けてやりたい、また避けるのが国のために亡くなった方々に対する国としての態度でなければならぬと思います。ですから、こういうことにつきまして格段のひとつ御配慮をいただきますようにお願いしまして、大臣の所見をちょっとお伺いいたしたいと存じます。
  68. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) 徳永先生がおっしゃられることは、私どももひしひしと胸に迫る、また理解ができる事柄でございます。しかるに、今日までこれがなかなか思うとおりにまいっていないという事態もどうか御承知の上、私もできる限りの努力をいたしまするけれども、ここでよろしい、一挙にひとつ解決いたしますとも私が言い切れない面もございますけれども、これは、私は前向きでひとつできる限りの努力をいたしますことをここに申し述べさせていただく次第でございます。
  69. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  70. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。
  71. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 私がこれからお尋ねしたいことは、過去十回にわたって一部改正の法律案が上程されるたびごとにあるいは審議の対象になったものであるかもしれません。しかし、再確認の意味を込めてお尋ねをしたいと思うのであります。  先ほど来からいろいろと熱心な審議が続けられておりますが、申すまでもなく、戦後二十五年、特にこの戦傷病者に対する国民的な感覚というものがだんだん薄れてまいりました。もうむしろ社会の奥すみに置き忘れられてしまいはしないかという、そういう感覚すらもございます。それだけに国としてあたたかい手を差し伸べて差し上げる当然の義務があろうと、それが責務であろうと、こういうふうに感ずるわけでございます。そこで、私は、いまお金の問題について種々出ましたので、少々趣を変えた角度でお伺いをいたしたいと思いますが、厚生省の資料によりますと、現在、戦傷病者と認定されております数は十三万三千余ということだそうでございます。その中には、もう相当の御年輩の方もございますし、特別志願で行かれたような若い人であっても、すでに四十をこえている。その実態につきまして、詳しくは必要ございません。大まかでけっこうでございますから、年齢別、または現在職につかれている方はどういう職につかれているのか、特にその多い傾向だけをおっしゃってくださればけっこうでございます。こまかい数字は要りませんよ。
  72. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) ただいま御質問の、どういう職業についておられるかということにつきましては、現在資料はございませんので、後ほど調べてわかりますれば御連絡したいと思います。ただ、その戦傷病者の実態を御説明いたしますと、十三万人ございますが、視覚障害でおられる方が一万三千人、それから聴覚に障害のある方は五千人、言語障害のある方は千四百人、肢体不自由の関係が七万七千、中枢神経の機能障害が三千人、その他が二万九千人、いま言いました数字は概略でございまして、合計十三万人でございます。
  73. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 ただいまの御答弁でございますと、しろうと目から見ましても、重症患者が非常に多い。いわゆる身体不自由者が七万七千ということであるようでございます。こうした方々は、現在どういう療養を続けておられるのか、在宅なのか、それとも一定の病院で今日まで療養を続けておられるのか、その点はどういうようになっておりますか。
  74. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 戦傷病者の療養給付、いわゆる療養をなさっている方につきましては、お手当を差し上げているわけでございますが、その方の合計は五千九百人でございまして、入院をなさっている方は二千百六十一人、入院外が三千八百十三人、計五千九百七十四人でございます。
  75. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 私は、在宅のほうも伺ったわけですけれども……。
  76. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) いまの数字で、入院以外の方が在宅と考えられますが、三千八百十三人でございます。
  77. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 私も若干この戦傷病者の方を存じ上げております。特に在宅で療養されておられる方々、それは申すまでもなく、局長自身もそういう家庭を訪問されたこともございましょう。非常にかわいそうなんですね、環境は。そういう病人をかかえておるために家庭の中が非常に暗い、未来にも希望を失っているというような傾向が非常に多いわけであります。それは、一つは病気がなおるのかなおらぬのか、あるいは不具廃疾であっても生活能力がどうなのか、いろいろそういう要因があろうかと私は思います。そこに非常に疑問に思いますことは、先ほどの年はとっても生活保護法の適用は受けたくない、そういう名誉といいますか、襟度といいますか、というものを持ち続けておられる方が、ほとんどではなかろうかということを考えてみた場合に、国として、この戦傷病として現在療養されている方々を特定といいますか、そういう病院に収容なさって、この病院は過去において戦争によって不幸にも傷を受けられた、病に倒られた方々を収容する病院であるということになれば、精神的にもたいへん、何といいますか、誇りを持ち続けながら療養ができるのじゃないか、また家族の方々の心理的な面を考えてみた場合でも、そういう病院に置かれている家族の方も安心して働きやすい、こういうようになるのではなかろうか、個人的にそういうように思う場合がございます。そういうようなことについては、いままでどんな御配慮があったのでございましょうか。
  78. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 現にお医者さんにかかっておられるような方々につきましては、先ほど数字をあげて御説明をいたしましたが、私どものほうとしては、戦傷病者の相談員というものが、全国で今度九百人に増員になりますが、そういう方々を通じていろいろそういう方々の相談をやっているわけでございます。したがいまして、そういう身辺におられる方からそういう御希望がありますれば、私どもとしては、御本人のいろいろの希望なり何なりを市、または県当局で十分聞きまして、できるだけのことをいたしておるつもりでございます。
  79. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 戦前は、御承知のとおり、陸軍病院だとか、海軍病院というものがあったわけでございます。戦後、それが国立病院に変わったわけでございますが、いま私が申し上げていることは、そうしますと、国立の病院に一つの特定と申しますか、その方に限って終生安心して治療ができると、そういう施設があるのかないのか、また、そういうことをお考えになったことが過去においてなかったのか、それから将来においてこれから考えようとされる御方針がないのか、こういう三つの角度からお答えをいただきたい。
  80. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 戦傷病者の病院につきましては、指定医療機関制度をとっているわけでございますが、現在でも指定医療機関とその他の病院に分けますと、大体五分五分あるいはやや指定医療機関のほうが少ないわけでございますが、この点につきましては、指定医療機関のベッドその他の関係、あるいは入院外につきましては、いろいろ指定医療機関の場所等によりまして御希望がかなえられないというようなこともございますが、なるべく指定医療機関、これは大半は、御指摘のように、国立関係でございますが、こういう国立病院に御希望の方はかかることができるようにいろいろ指導をしてまいりたいと、かように考えます。
  81. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 とかく、いままでこの国立病院は、まあ最近だいぶん改善されてまいりましたけれども、私の見る限りにおきましては、東京をはじめとして建物それ自体もたいへんもう古いというものもございます。施設そのものが。これが国立かとその権威を失わしめるような状態のままで、現在もそういうような病院があると、やはり気分的に申しましても、そういうところに収容されている患者の立場を考えると、早く出たいと、出たいけれどもお金がないと、何とかもっといい病院にはいれないものかというようなやはり不満――まあ不満も言えない、そういう環境のもとで治療を続けておられるということも十分考えられると私思うんですね。それは確かに予算等のこともございまして、一挙に日本全国にそういう設備の整った、また明るい病院施設というものは、言うべくしてなかなかたいへんだろうとは思いますけれども、できるだけやはりそういうようなところに、本人の希望等十分にしんしゃくしながら最後の最後までその方が亡くなるまで国として見届けてあげられるというところまでやはり治療その他に万全を期していくためには、その辺にも十分な心づかいというものが必要ではないだろうか、こう思いますけれども、現状はどうなっておりましょうか。
  82. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 国立病院のいろいろな改善につきましては、関係部局で努力をしているわけでございます。ただいま先生の御指摘の希望するところに入れるかという点につきましては、私どもとしては、最大の努力を払っているつもりでございますけれども、御本人の実家といいますか、おられるところの近くのやはり病院に、家族との関係あるいは友人その他の関係等で希望される向きがございますけれども、そういう点につきましては、実情としては、なかなか思うようにベッド数あるいは近くにそういう病院がないということで、やむなく一般医療機関にお入りになっている方もいるようであります。そういう点につきましては、できるだけ御本人の御希望につきまして、相談員等を通じまして、いろいろ御希望をかなえてあげるようにいたしたいと、かように考えます。
  83. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 いまお話しくださいました方向に向かって、できるだけひとつあたたかい手を差し伸べていただきたいと、こう御要望申し上げておきたいと思います。  ただ、先ほどその相談員の問題が出ましたけれども、委嘱されるのはどこでございますか、おそらく厚生省で委嘱されるわけでございましょう。一カ月五百円ということはいかがなものかと思いますんでございますが、それも、もちろんれっきとした職業をお持ちになっている方、特に町内の有力者であるとか、そういう方々にお願いをするんであろうと私思います。やはり現在のいろんな経済情勢というものを十分にお考えになれば、五百円というものはいかがなものであるか。この点については、当局として、あるいは現在すぐにとは申さなくても、将来においては考慮の余地を残してないかということはいかがでしょう。
  84. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 相談員の謝金の問題でございますが、現行では、私どもも十分とは考えておりませんけれども、他の相談員の手当等との比較からして現在きめられているわけでございますが、この点につきましては、さらに改善について最大の努力をいたしたいと、かように考えます。
  85. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 最後に、よく不満を聞く話の一つに、旅行をする場合料金は要りませんよね。ただ、その手続が非常にやかましいということを聞いております。御本人たちも何かこうやっかい者のように見られるというのは実際にしのびがたい。したがって、明らかに戦傷あるいは戦病ということがわかる証明を持って、それさえ提示すれば簡単に無賃の証明がもらえるというふうな仕組みにしてもらえないものだろうかというふうに聞くことがございますが、その点はどうなっておりましょうか。
  86. 武藤き一郎

    ○政府委員(武藤琦一郎君) 御指摘のようないろいろ御希望があり、実態がございましたので、現在では、各都道府県で、年度当初にそれぞれの必要枚数を、つまり乗車券の引きかえ証を御本人に交付しているわけでございます。この引きかえ証を持って手帳とともに駅の窓口で乗車券を受領するということになっておりまして、手続は、現在ではさほど複雑にはなっていないと、かように考えておりますが、なお府県等でいろいろ各人にお渡しする際のいろいろの、何といいますか、敏速にお渡しするとか、あるいは御希望される枚数、あるいはいわゆるお渡しする基準との関係とか、これは御当人に御不満があるかと思いますが、その点については、今後ともいろいろ実情を考えまして改善につとめたいと、かように考えます。
  87. 渋谷邦彦

    ○渋谷邦彦君 こういう立場の方々は、いまさら言うまでもないことなんですが、ちょっとしたささいなことでも、御存じのとおり、気にするわけでございます。冒頭に申し上げましたように、やはりせっかく援護局という一つの部局もあり、援護法という一つの法律もある、それによって少しでも前向きにこういった方々を援助してあげようという法の精神に照らしても、具体的ないろんな問題が起こったときに、そういう方々がいやな思いをしないで済む、こういうあたたかい心づかいを常にやはりやっていただきたいものだというふうに思います。いま、私が申し上げたことは、現実に最近あったことに徴して申し上げておることで、全然ないことをただ抽象的に申し上げておるわけではございません。なるほどなというふうに感じましたのでお尋ねをしたわけでございます。どうかくれぐれも、今後ともまだまだやはり全面的に解消されるまでには相当のこれから年月がかかるであろうと思いますし、それだけにどうか社会のすみっこのほうに置き忘れられていくような存在にならないように、当局としても、鋭意努力をしていただきたいという御要望を申し上げて私の質問を終わります。
  88. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  89. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 速記起こして。  暫時休憩いたします。    午後三時四十二分休憩      ―――――・―――――    午後三時四十九分開会
  90. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 社会労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。――他に御発言もなければ、質疑は尽きたるものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  93. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  94. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私はただいま可決されました法律案に対し付帯決議案を提出いたします。    戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改    正する法律案に対する附帯決議案   政府は次の事項について、格段の努力を払う  べきである。  一、戦後二十五年を経過した今日、なお戦争犠   牲者で未処遇のものについては、早急に解決   をはかり、なお、そのための予算確保につい   て一層の努力をすること。  一、受給者の老令化に対処するための施策につ   いて検討すること。  一、動員学徒等準軍属の処遇について、軍人軍   属との格差をさらに縮小すること。  一、未帰還者の調査及び遺骨収集を積極的に推   進すること。  一、戦傷病者に対する障害年金及びその加給に   ついて改善につとめること。   右決議する。  以上であります。
  95. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) ただいま提出されました大橋和孝君提出の附帯決議案を議題といたします。  大橋和孝君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  96. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、大橋和孝君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
  97. 内田常雄

    ○国務大臣(内田常雄君) ただいま本法律案につきまして、全会一致の御決定をいただいてまことにありがとうございました。  御決議にあたりました諸事項につきましては、その趣旨に沿って十分努力いたす所存でございます。
  98. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十三分散会      ―――――・―――――