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1970-03-12 第63回国会 参議院 社会労働委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月十二日(木曜日)    午前十時十六分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月十二日     辞任         補欠選任      渋谷 邦彦君     内田 善利君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         佐野 芳雄君     理 事                 上原 正吉君                 吉田忠三郎君     委 員                 高田 浩運君                 山崎 五郎君                 山下 春江君                 山本  杉君                 横山 フク君                 中村 英男君                 藤原 道子君                 内田 善利君                 柏原 ヤス君                 中沢伊登子君    国務大臣        労 働 大 臣  野原 正勝君    政府委員        人事院事務総局        職員局長     島 四男雄君        厚生省医務局長  松尾 正雄君        林野庁長官    松本 守雄君        労働省労働基準        局長       和田 勝美君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○労働問題に関する調査  (白ろう病に関する件)     ―――――――――――――
  2. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、渋谷邦彦君が委員を辞任され、その補欠として内田善利君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 労働問題に関する調査を議題とし質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  4. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 私は、一月の当委員会の冬季間における労働調査の結果に基づいての報告に対する質問をこの際いたしたいと思います。  この調査の結果、第一に報告されたものは、レイノー現象、つまり白ろう病ということについて、国有林の事業を行なっておる労働者についての報告をいたしているわけであります。そこで、この問題を私はその後多少調査をしたり、研究をしたり、検討を加えてまいってみたところが、昨年の二月に参議院の農水、五月には衆議院社会労働委員会においてこの問題が取り上げられております。種々会議録を検討いたしてみたわけでありますが、依然として問題の本質に触れていない、私はこう理解いたすわけです。同時に、政府の答弁もきわめて難解な答弁をいたしておりますので、私どもとしてもなかなか理解に苦しんでいる、こういう状況です。ですから、きょうはそうした問題を最初に解明するという立場で二、三質問をいたしたいと、こう考えます。  第一に、この白ろう病というものは、振動障害によることが非常に大きな誘因であると医学的に言われています。局所振動による障害、再三申し上げますけれども、最近では白ろう病という名前で、わが国では昭和四十年ごろから急に有名な病気として社会的な問題になり、あるいはまた、医学者としてもこの問題に取り組むようになってきたと言われているわけであります。しかも、わが国の医学界でも進んで病気に対して興味を持ち研究をいたすようになり、しかも、研究をいたすお医者さんもかなり多くなってまいりまして、この点では非常に私どもとしては、これが対策のために努力をしているわけですから、その点では敬意を表さなければならぬことだと、こう思うんであります。しかし、そういう中でも、依然としてまだこの病気治療の方法、あるいは職業病に認定はされておりますけれども、認定の基準等々幾多の問題があるように、私の調べた範囲ではその域を脱しないのであります。  そこで、この際厚生省医務局長に、これはお医者さんですから、専門家ですからお伺いしておきますが、こうしたレイノー氏現象による白ろう病が国際的に一体どういうことになっているのか。それから、わが国では、私どもの知っているところでは、昭和四十年ごろからこうした問題が発生しているのでありますが、いつごろ日本ではこの病気というものが発見されたのか。ここらあたりを少し詳細にこの席上で御説明をお願いをしたい、これが第一点であります。
  5. 松尾正雄

    政府委員(松尾正雄君) 外国におきましても、まあ、レイノー現象と言われておりますようなことでございまして、外国のほうでもこういうことが問題になったわけでございますが、私どもは、こまかい数字ではあまりつかんでおりませんけれども、アメリカとかカナダドイツソ連というようなところにも発生をしているというふうに言われております。しかしながら、何か最近は比較的そういう傾向が少ないというようにも聞いております。わが国では、いま御指摘のような時期からいろいろと調べられてまいりましたが、本格的な調査が、私どもの知る限り、かなり大がかりに調査されたのは、昭和三十八年に労働科学研究所が約一万一千名程度の方を中心に調査をした記録がございます。その当時の状況では、約一万二千七百人程度の機械を使っておる方々の中から約二千六百人の方々が何らかの異常を訴えておりまして、その中でさらに白くなる現象、いわゆるそう白現象を訴えたのが千七百、医者がそれについていろいろと診定をいたしました結果、約八百人程度がこういう症状に該当するというような調査を行なった記録がございまして、もちろん、その後のこまかい傾向につきましてはまだよく承知いたしておりませんけれども、いろいろな予防対策というようなものも究明をされまして、それぞれ実施されているように聞いております。そういう結果としましては、ある面では防止的な効果をあげているのではないかというふうに推察をいたしております。
  6. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 医務局長から、いま、わが国では三十八年ごろからこうした問題の取り組みといいますか、この当時発生したのだと思いますが、こまかくは承知していない、こういうお答えでありました。  そこで、私は、この際、今日的な時点で一体この疾病の発生の状況というのはどうなっているのか、これをひとつお聞かせ願いたい。それからもう一つは、いままでに、この病気職業病として認定されるわけですから、認定のための申請がなされた件数というのは何件あるのか。それから、その中で現在認定されているものはどの程度の件数があるかということ。それと、ただいま現在認定を申請をしているのが一体どの程度の件数があるのか。この点、労働基準局長の和田君でもけっこうだし、それから、直接認定は林野庁が行なわれているのじゃないかと思いますが、林野庁長官でもけっこうですから答えていただきたいと思います。
  7. 和田勝美

    政府委員(和田勝美君) 私どものほうで職業病として認定をいたしておりますものは、民間関係でございます。国有林関係につきましては林野庁長官のほう、あるいは人事院のほうから御説明があろうと思います。  民間のほうについて御説明申し上げますと、四十四年九月末、昨年の九月末現在におきまして療養継続をしておりまして、療養を行なっております者は全部で八十七名でございます。これは、いわゆるレイノー氏現象によります局所振動障害のための病気の方でございまして、必ずしも林業とは限らないわけでございますが、そういう局所振動による方が八十七名でございます。なお、この調査では、林業業種別にとっておりませんので、林業について何名かということを明確には申し上げられませんが、過去四十一年ごろの経験から推測いたしますと、大体八十七名中五十五人から六十人くらいの方が林業の方ではないか、かように推察をいたしております。  なお、レイノー氏現象に基づくものとして現在療養の請求のある方の数は、手元に資料がございませんので申しわけございませんが、今日のところはお許しをいただきたいと思います。
  8. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 林野庁関係は、国有林関係について申し上げます。国有林関係では、いままで認定をいたしましたのが九百一名でございます。
  9. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 認定した者は九百一名でございますが、その前に、いままでに認定の申請を出された件数。いま、認定された者は答えられたから、これはけっこうですがね。ただいま現在、認定を申請している件数はどのくらいかということを聞いたわけです。
  10. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 認定の申請という形はございませんが、異常を訴えておる、レイノー氏現象等の訴え者の数は、従来の統計を累計いたしますと、林野庁国有林関係で三千五百名になっております。
  11. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 そうすると、これはその申請をしておるものではないという答えですがね。ですから、ただいま現在申請中のものはないと、こういうことの理解でいいですか。それとも、異常を訴えておる者がトータルで三千五百人いるが、その中にすべて含まれていると、こういう理解でいいですか。
  12. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 申請という行為はいたしませんが、営林署の現場あたりで、どうもおかしいということを営林署に申し出ておるという者が三千五百名、これがいままでの累計でございます。その中から、林野庁におきまして、いろいろ医師の診断、経過の観察というものをいたしまして認定をいたしましたのが先ほどの九百一名でございます。
  13. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 医務局長は衆議院のほうに参りますから、きょうは、ここで一つだけ聞いておきますが、レイノー現象と一口に言っていますが、レイノーという方がこの病気を発見したということから、その人の名前がついていると思うのですが、一般的にわれわれしろうとはどういう症状になるかわかりませんから、局所振動障害とはどういう病気であるかということを、病気の内容等を概括的に御説明いただきたいと思うのです。
  14. 松尾正雄

    政府委員(松尾正雄君) レイノーの名前は、いまお話がございましたとおりでございます。振動と寒さと二つが重なって起こるということが言われております。症状としましては、白ろう病という名前がつけられておりますように、手の指が白くなる。特に寒さにぶつかったときに白くなるという現象がございます。そのほかに神経痛がございましたり、あるいは知覚の異常がございましたり、あるいは筋肉がつるような形、こういうものがおもな病状でございます。先ほど来申し上げましたように、そういう寒さにあったときに、すっとそれによって誘発されて白くなるということが特徴でございますので白ろう病という名前が伝わっておるわけでございます。ただ、一般にレイノー現象と言われているものの中では、最終的に非常に強い壊死現象、局所が腐るような現象が一般のレイノー現象の場合にはあり得るのでございますが、この白ろう病が、わが国の実態ではそういう激しいところまでいったという例はないというのが違いのようでございます。
  15. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 医務局長のほうは衆議院のほうへ行ってけっこうです。  そこで、続いて林野庁にお伺いしますけれども、この三千五百名ほど異常を訴えていると、こういうことに報告がございましたが、林野庁国有林の事業所で働いている人との比率はどういう関係になりますか。
  16. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 伐木造材手、機械造林手、こういう振動機械を持っておる作業員の全体から見まして二五%になっております。
  17. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 一つの企業でそれに従事している労働者の二五%が職業病ですね。それにかかっている、あるいは異常を訴えているという者が二割五分というのは、たいへんな数だと思うのですよ。いまだかつて、いろいろな職業病がございますけれども、こういう率の高い職業病というのはあまりないんじゃないかというふうに私は思うんですが、さて、こんなに多い率を占めるというのは、どっかに何かの原因、誘因があろうかと思うんです。これは一般に、いま医務局長も言われておりましたけれども、局所振動によるものがレイノー現象を起こすもとだと、こう言われたんですが、国有林の事業で振動人体に与えるというものはやはり機械とかあるいは器具だと思うんです。たとえばチェーンソーであるとか、ブッシュクリーナー、こういう人体にあるいは局所にたいへん激しい振動を与える機械器具というものはこういうものじゃないかと私は思うんですがね。そこで、そういうものを日本でも、特に国有林の事業としては機械化、近代化ということで、こういうものが日本林業に入ってきたのは十五年くらい前じゃないかと私は理解していますが、そのために、こういうたいへんな職業病としての数からみますと、異常者を含めまして白ろう現象を伴う労働者が多く出たということは、何といっても、私は激しい振動を伴うチェーンソー、あるいは先ほどちょっと言いましたブッシュクリーナー、あるいはその他幾つかの機械を持っておりますね。林野では、そういう振動を伴うような機械を入れたために、そしてまたそれに対する危険であるということについて何らの配慮もされないために、こうした白ろう病患者というものが出てきたんじゃないか、こう考えるんですが、林野庁長官としては、どう考えていますか。
  18. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) いま先生の御質問の中に、機械が十五年くらい前から入ってきたのではないかと、確かに戦後入りまして、ある実験段階を経まして、事業規模で実用化の形で入ってまいりましたのが三十六年以降でございます。そこで、林野庁といたしましても、レイノー現象等の振動障害の発生にかんがみまして、その機械の開発、振動を少なくする機械、あるいは振動から隔離をする方式、また振動機械にかわる機械、そういうものをいま開発研究中でございます。その振動を少なくする機械でございますが、これは、たとえば防振装置の改良、さらにこれを説明いたしますと防振ハンドル、振動をそのハンドルの機構によりまして吸収をして、人体に伝わらせる度合いを少なくするというようなもの、あるいは電動チェーンソー、電動ブッシュカッター、そういうものの開発といま取り組んでおります。また、振動隔離する装置振動の根源から作業員の体を離すという方式の機械開発、これをチェーンソー・ホルダー、両持ち式チェーンソー、そういった幾つかの方式をいま開発、研究中でございます。それから代替機械につきましても、いま研究中でございまして、たとえばツリーフェラー、はさみのようなものですが、そういったこの振動が全くないような方式、そういうものにつきましても、いま幾台か機械を導入いたしまして実験中でございます。それで、たとえば穴掘り機というのがございますが、これが振動の強度がなかなか強い機械でございまして、国有林にも千百台ぐらい入っておったのでございますが、これも、現在全部中止をいたしております。これは別称オーガーとも申しておりますが、その機械を改良いたしまして、間接駆動方式という方式に改める場合にはその振動の強さが大幅に減少することになります。それを開発いたしまして、四十五年度はその使用時期までにその機械を導入していく、古い機械は使わないというようなことも考えておる次第でございます。こういった新しい機械につきましては、労働組合とも協議をいたしまして、時間規制からはずせるものであるかどうかということも、いま論議中であります。これは、いま申し上げましたのは機械そのものについての改良くふうでございますが、チェーンソーの逐次振動の度合いを低めるような開発が行なわれておりますが、一方、そのチェーンソーにつく作業時間の時間規制というようなことも組合とも話し合いをいたしまして、去る十二月、基本的な了解に達しております。現在、営林局段階で細部の、各地区地区の実情に応じまして細部規程交渉中でございます。
  19. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 いま長官の答えられたことは、振動を与える機械の種類とか、あるいは後段に申されたことは、労働組合との関係を申されましたが、たとえば時間規制等々のことについては、一つは、この病気の発生を予防する意味の一つの対策を申し述べられたと思うのですが、私の聞いているのはそうじゃない、それはやがて聞いてまいりますけれども。いま聞いたのは、あなたが答えたように、二五%も異常を訴えている者が今日認定された者も含めておるのだ、こういうことですから、これは他の職業病と比較をすると、たいへんな大量の発生件数を持つ特殊な病気になっているわけでしょう。そこで、こういう病気が発生する原因なり、誘因は一体何かということです。そこで、私は、十五年ほど前から、機械化であるとか、近代化であるとかいうことで、だんだん人体振動を与えるような機械器具を林野庁としては導入をした。導入したことはけっこうなんだが、いま言ったように、人体に対する危険有害については何らの手だてもしてこなかったために、こんなに多く病人が出てきたんじゃないか、こういうことを聞いているんです。そのことについての見解はどうか、こう聞いているんですからね。そこのところの長官の見解をきょうは聞かしてもらいたい。時間がありませんから、これからの対策であるとか、振動があまり伴わない機械の開発等々については、あとあと私は次回に聞くわけなんで、きょうのところは、こんなにたくさん出てきたということについては、何か原因があるだろう、誘因があるだろう、その原因、誘因というのは、十五年ぐらい前からたくさんの振動を与える機械を導入をした、しかし、一方、労働者のほうについては、人体危険有害であるかどうかについての手だてはちっともしていなかったためにこうなったんじゃないかという私の考え方、聞き方なんです。それに対する林野庁長官としての見解を私は求めておる。
  20. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) チェーンソーはじめ、そういった機械を導入いたしました経緯につきましては、先ほども申し上げたとおりでございます。このチェーンソー、現時点では、国有林の伐木造材のほとんど一〇〇%近い仕事量がこのチェーンソーで行なわれておるわけであります。また、諸外国でも伐木造材につきましては、ほとんどチェーンソーが使われておるという趨勢がございまして、この振動機械であるところのチェーンソー、そういう振動による作業、あるいはまた気候の寒冷というようなことから人体振動障害が起こるのではないかということでございますが、あるいはその障害の起こるメカニズムと申しますか、医学的な病理学的なものが十分解明をされておらない段階でございます。林野庁としても、そういった予防医学的な、あるいは治療対策というものもあわせていま検討中でございますが、そういった機械を逐次拡充をしてまいっております。国有林では、もうすでに三十六年ごろに導入されました。これはチェーンソーの場合で申し上げますと、五千台入っております。現在、四十三年の時点では、やはりそれほどふえてはおりません。もう十年前に導入された規模がそのまま維持をされて、四十三年では五千三百台ぐらいになっております。一方、民有林のほうを見ますと、昭和三十六年に導入されましたのが一万四千台。現時点では、四十三年の統計でございますが、九万九千、十万台近い数字が入っておるわけであります。国有林のこの五千台余りのチェーンソー、あるいはそのほかに刈り払い機というものもございますが、そういった機械に従事しておる作業員から異常を訴える者が二五%という数字は確かに出ておりますが、その中から実際に認定をされましたのは、いままでに九百一名でございまして、そういったことを踏まえまして、今後そういったような障害の起こらないようにできるだけの対策、改良、くふう、防止のための研究というものも続けてまいるつもりでございます。お答えになりましたかどうか……。
  21. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 長官ね、そういうものの対策とか、あるいは新しい機械の開発とか、そういうことについていま聞いているんじゃないんですよ。何台使っているかということ等についても、ある程度去年の段階で答えられていますから、その後、多少増減があるんだと思いますが、これはあとあと聞いてまいりますが、私のいま聞いているのは、この病気というのは、医務局長が答えられたように、最近では、四、五年前からたいへん大きな問題になってきているわけですから、ややともすると、新しい病気だと、こう思いがちですよね。ところが、もうすでにこの病気は一九一一年に発見されている病気ですから、六十年くらい前にこの病気は発見されていますよね、御存じですか。そうですね。日本では、十五年くらい前からこの病気が顕著にあらわれてきて、ここ四、五年前というのは、ちょうど認定しようかすまいかということでいろいろ議論されてきて、特に重患者廃人にひとしいものになるわけですが、そういうことが社会的な問題になって、わが国の医学界からも関心を持たれるようになったということだけなんです。そこで、聞いているのは、林野庁とすれば、大体十四、五年くらい前でしょう、こういう機械を導入したのは。機械導入したことはけっこうなんだけれども、今日非常に問題になっているような、人体に有害であり、危険であるというようなことに対しての手だてをされていなかったために、こんなに大量の患者が発生するような原因になったり、誘因になっているんじゃないですかと、こう聞いているんです。そうでなければないと言ってもらえばいい、そうだと考えていればそうだと答えてもらえばいいんです。これは、去年の片山長官参議院あるいは衆議院で答えている中では、たとえば認定患者にしても四百七、八十名でしょう。わずか一年足らずで、あなたの先ほどの報告では、九百一名になっていますから、かなりの認定患者にしてもふえていますね。それから去年も異常を訴えた者を含めて二千名程度です。二〇%、さらに今年五%、あなたのただいまの答えではふえている、急激に患者がふえている。こういう状態ですから、いま、あなたは多少対策めいたことをお話しになりましたが、私は、そのことはさておいて、そういう急激にふえてきているというような傾向はどこかに原因があるだろう、誘因があるだろう、その誘因は、つまり人体に与える危険、有害だということの手だてをされないままに機械をどんどんどんどん導入したことによってこうなっているんじゃないですかと、こう聞いている。それの答えをいただければけっこうなんです。
  22. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 人体に対する振動障害の手当てということでございますが、林野庁でいままで指導をしております、また今後も指導しようというそれは、まず防寒用具の点についてでございますが、防寒のための手袋あるいは防寒衣の備えつけ、こういうことを現在までやっておりまおして、それからまた、事業付属寄宿舎の寝具の備えつけの基準を改正いたしまして、その改正によって寝具の整備をしておる。また休憩小屋、温食用具――あたたかい食べ物の用具、温食用具、防寒天幕の設置、また通勤バスの配置というようなことで、一応レイノー対策として保健上大事であるというものにはそのような手当てをしておる状況でございます。
  23. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 松本長官ね、現在は、四、五年前からわが国の医学界でもこれは非常に関心の的になって熱心に研究されて、おそらくは、もう近々医学界としては結論が出るような状況にきておるわけです。だからそれに基づいて、いまあなたのおっしゃったようなことをなされておるわけです。そのことを言っておるのじゃないのですよ、私の言っておるのは。一九一一年にこの病気が発見されて、国有林の事業では非常に問題化してきたのは四、五年前です、ずっと歴史的な経過をたどってみますと。しかし、実際には、林野の中では十五年ぐらい前に人体振動を与えるとこういう病気になるということがいまはっきりしておるわけです。国際的にもそうなっておりますが、そういうことがかなり前からわかっておったのだけれども、林野とすれば、いまは多少の手当てはしておるけれども、機械導入と同時にそういう手だてはしていなかったじゃないか、だからこんなに急激に年々歳々異常を訴える者、あるいは認定せざるを得ないような患者が発生しておるじゃないか、こう聞いておるのです。これからの対策じゃないのです。認識の問題なんですよね。
  24. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) 林野庁の関係でも、昭和三十五年に異常を訴えたのが最初であるという記録でございます。しかし、そういう異常が逐次その後発生をいたしておりますが、そういった人体に対する障害と振動機械との関係の医学的な解明がその後逐次行なわれておりますが、まだその診断基準――レイノー現象であるとか、振動障害を来たしておるといったような診断の基準がまだ確立をされておらない、あるいはまた、そういう障害者に対して、いろいろ経緯を見ながら、これは障害者であるという診断を下しましても、それに対する治療基準治療方法、そういうものも医学的にまだ確立をされておらないという状況でありまして、林野庁としても、まずそういう原因究明、対策基準を確立しなければいけないということで、幾つかのそういった調査研究というものにいままで取り組んできておる状況でございます。
  25. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 くどいようだけれども、多少なりとも林野庁が取り組んでおりますことを私知っているのですよ。そのことではないのですよ、私のいま聞いているものは。この病気がこう急激にふえてきたというのについては原因があるはずだ。病理的な、医学的なことの原因じゃないのですよ。誘因があるはずじゃないか。その原因なり、誘因というものは――これは何もあなた、つい最近長官になったばかりですから、あなたをどうこう窮地に追い込めるように追及しようなんという気はないのです。認識の問題として、国有林として機械化、近代化というものを十数年前から進めてきたものを、そのことをどうこう言っているわけじゃない。そういうふうに進めてきたこととあわせて、本来は、人体に有害、危険であるということが当時はわかっていなかったのだと思うのです、きっと。だから、あまりこれに対して手だてをしていなかったんじゃないか。いまあなたがおっしゃったように、振動を防除するようなつまり手だてなどをしていなかったんじゃないか。だからこんなに急激に最近はふえてきたんじゃないかと、こう聞いているのです。私はそういう認識だ、あなたの認識はどうなんだと、こう聞いているのです。何も恥ずかしいこともないし、何もこれを、まさにそのとおりなんだからそのとおりでありますと言ったって、決してどうこうというものじゃないのです。
  26. 松本守雄

    政府委員(松本守雄君) いままでそういった学問的な究明その他進めておりましたが、いままでの知識では、特にこうすればいいのだという対策もないままに現在まできておるということも、ある程度言えるかと思います。
  27. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 そこで、これからどういう対策治療の関係はお医者さんですが、治療するためには休業させなければなりませんから、その間の補償がどうあるべきかというようなことをいろいろ聞いてみなければならぬと思っております。もう十一時の時間になりまして、当委員会としても、十一時から以降の別な計画がございますからこれでやめますが、この問題を扱っていくについては、一番大切なのは、働いている人体に有害であるか、危険であるかということが非常に大切なポイントになってくるわけです。そうしますと、労働基準法との関係が出てきますね。それで、この際は労働基準局長に伺っておきますが、私の認識で間違いあるかないか、認識に間違いあるかないか、一言だけ答えてもらえればいいのですが、法律的には、基準法の適用というものは、適用を受ける事業あるいは団体企業――これは林野の場合は、公共企業体等労働関係法で定められているわけですね。ところが、今度はその適用除外が、国家公務員法附則第十六条で適用除外をされていますね。そうして、今度は国有林林野事業については逆に公企体法で、これは四十条でありますが、その除外をした国家公務員法附則第十六条――これは除外規定です。この除外規定を、公企体法の四十条ではまた除外をするという、こういうことになっていますから、結果は、労働基準法というものが適用される、国有林の事業体については労働基準法は適用されるものだ、こういう法律的な解釈を私持っていますが、この点どうですか。
  28. 和田勝美

    政府委員(和田勝美君) 先生がいま御指摘のように、この林野庁に対します適用関係、非常に法律関係が複雑になっております。これは、それぞれの法律立法過程におけるいろいろいきさつがありましてこういうふうになっておりますが、手順としては、先生がいま御指摘のとおり、結局、公共企業体等労働関係法の雑則四十条で、もう一回基準法を適用することになっております。したがいまして、基準法の安全衛生関係は適用になりますが、もう一つ、国家公務員災害補償法の関係で、災害補償関係、職業病としての問題の取り扱い関係はまたこれを抜かれておりまして、災害補償関係は国家公務員法になりまして、労働省関係ではなくて、人事院のほうでおやりになる。安全衛生部面につきましては基準法、それから災害補償関係につきましては国家公務員災害補償法でもってやる、こういうややこしい関係になっております。  なお、最初にお尋ねになりました点につきましては、林野庁長官からそれぞれお答えを申し上げているわけでございますが、実はチェーンソー使用によりますこの病気の問題は、最近、非常に世の中の関心が高まってまいりましたが、当初外国の例その他あまりそういった報告がなかったわけでありまして、それがチェーンソーと結びついた問題であるという認識は、つい最近になって出てきた、こういうように私ども理解をいたしております。
  29. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 それで、法律的な解釈が一致したわけですがね。国有林の場合はある程度、林野庁長官申されたように、異常を訴える者を含めて、かなり綿密な調査をしていますね、患者に対して。しかし、林業そのものは、民間にかなりなものを持っていますね。機械使用台数等についても、国有林よりむしろ多いぐらいになっているのですが、民間の林業労働者の中にこうした現象を訴える者がどの程度の件数になっているか、把握していますか。
  30. 和田勝美

    政府委員(和田勝美君) 先ほど申し上げましたが、現在監督署におきまして、民間関係だけでございますが、局所振動障害による治療を行なっておりますのが八十七件、これは昨年の九月末現在、八十七件でございまして、たいへん少なうございます。先ほども言いましたように、さらに業務上の疾病として申請しているのは、手元に資料ございませんのでまことに申しわけございませんが、ある件数はあるだろうと思います。  先ほど林野庁のほうからお話のありました、林野庁の九百一件と比較いたしますと非常に少ないわけでございますが、なぜこういうように少ないかということは、ある程度の理由はございますが、来年度予算におきまして、この実態調査を私どももやりたいと思って所要の予算を計上いたしましたので、そういう調査等を通じて、なぜ民有林において少ないかということが漸次明らかになってくるものと考えております。
  31. 吉田忠三郎

    ○吉田忠三郎君 そこで、きょうはこれで時間がありませんからやめますが、この次の委員会に、関係のところで研究してもらいたいと思いますから、前もって私、言っておきます。  この二月十九日の本院のこの委員会で報告した中で、課題的に言っているものは、療養期間中、いまの賃金制度賃金の体系では賃金ダウンしますから、十分な治療を受けることができない。ですから、十分な治療を受けるためには収入補償するような基本条件を整えてやるべきだと、こう指摘しています。それから、根本的なこの病気の解決策としては、症状を発生するためのもとを取ること、根源を断つことだと、具体的に言えば、振動工具の使用方法等について規制するとか、あるいは無振動機械の開発であるとか、あるいは振動のない電動式のチェーンソーや、ブッシュクリーナー等の開発につとめなけりゃならぬと、こういうことが指摘されています。ですから、こういう点ひとつ研究してもらいたい、関係のところで。それから、三番目は、現行の賃金形態、賃金体系というものを洗い直してみる必要があるんじゃないかと、こう指摘しています。それからもう一つ、基準局長に聞いた国有林の場合はある程度、かなりこの問題について研究されてきていますけれども、民間については、これは何もないと言っても過言でないと思うんですね。ですから、患者になった人はこの問題についてはより深刻だと思うんです。だから、この際は、全国的に民有林労働者に対しても徹底した調査と、患者を把握をして対策をせねばならないものだと、こう指摘している。この点を次回の委員会までひとつ御研究願っていただきたいことを申し上げまして、私のきょうの質問を終わりたいと思います。
  32. 佐野芳雄

    ○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言がなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十三分散会      ―――――・―――――