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1970-03-17 第63回国会 参議院 外務委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月十七日(火曜日)    午前十時十六分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         長谷川 仁君     理 事                 石原慎太郎君                 増原 恵吉君                 森 元治郎君     委 員                 鹿島守之助君                 梶原 茂嘉君                 杉原 荒太君                 高橋  衛君                 廣瀬 久忠君                 三木與吉郎君                 山本 利壽君                 小野  明君                 西村 関一君                 羽生 三七君                 黒柳  明君    国務大臣        外 務 大 臣  愛知 揆一君    政府委員        外務政務次官   竹内 黎一君        外務省アメリカ        局長       東郷 文彦君        外務省条約局長  井川 克一君        外務省国際連合        局長       西堀 正弘君    事務局側        常任委員会専門        員        瓜生 復男君    説明員        外務大臣官房審        議官       高島 益郎君        外務省アメリカ        局外務参事官   高良 民夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び  脱税の防止のための日本国オーストラリア連  邦との間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた  めの日本国イタリア共和国との間の条約の締  結について承認を求めるの件(内閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び  脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテ  ン及び北部アイルランド連合王国との間の条約  の締結について承認を求めるの件(内閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた  めの日本国インドとの間の協定修正補足す  る議定書締結について承認を求めるの件(内  閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び  脱税の防止のための日本国政府マレイシア政  府との間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出) ○国際情勢等に関する調査(国際情勢に関する件)     ―――――――――――――
  2. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国オーストラリア連邦との間の協定締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国イタリア共和国との間の条約締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国インドとの間の協定修正補足する議定書締結について承認を求めるの件  及び  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府マレイシア政府との間の協定締結について承認を求めるの件  以上五案件を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。  愛知外務大臣
  3. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいま議題となりました、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国オーストラリア連邦との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、オーストラリアとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための協定締結するため、昭和四十三年二月以来キャンベラ及び東京において交渉を行ないました結果、昭和四十四年三月二十日にキャンベラにおいてわがほう甲斐駐オーストラリア大使オーストラリア側マクマーン大蔵大臣との間でこの協定署名を行なった次第であります。  この協定は、第六十一回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この協定は、本文二十三カ条及び附属議定書から成っており、その協定のおもな内容は次のとおりであります。事業利得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する利得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの利得につきましては、相互に全額免除としております。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬や手当等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。  この協定締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済技術及び文化面での交流は一そう促進されるものと期待されます。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国イタリア共和国との間の条約締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、イタリアとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約締結するため、昭和三十九年以来ローマ及び東京において交渉を行ないました結果、昭和四十四年三月二十日に東京においてわが方愛知外務大臣イタリア側ジャルディノ駐日大使との間でこの条約署名を行なった次第であります。  この条約は、第六十一回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この条約は、本文二十九カ条及び附属議定書から成り、その規定は、OECDモデル条約案にできる限り従ったも一のであります。条約のおもな内容は、次のとおりであります。事業利得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する利得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの利得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬や手当等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。  この条約締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じ、両国間の経済技術及び文化面での交流は一そう促進されるものと期待されます。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  わが国と連合王国との間には、昭和三十七年九月四日に署名された「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約」が締結されていますが、近年連合王国が行ないました税制改正に伴い、同条約の規定を整備し、あわせてOECDモデル条約案に沿った修文を行なう等の全面的改訂を行なう新条約締結のための交渉昭和四十三年四月以来ロンドン及び東京において行ないました結果、昭和四十四年二月十日に東京において、わが方愛知外務大臣と連合王国側ピルチャー駐日大使との間でこの条約署名を行なった次第であります。  この条約は、第六十一回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この条約は、本文三十カ条から成り、その規定は、OECDモデル条約案にできる限り従ったものであります。条約のおもな内容は、次のとおりであります。事業利得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する利得についてのみ相手国において課税できるものとし、船舶または航空機による国際運輸からの利得につきましては、相互に全額免税としております。投資所得に対する源泉地国での課税につきましては、配当については一五%、利子及び使用料については一〇%をこえない税率で課税し得るものとしております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬や手当等につきましては、原則として滞在地国で免税としております。  この条約締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じて、両国間の経済技術及び文化面での交流は一そう促進されるものと期待されます。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国インドとの間の協定修正補足する議定書締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  わが国とインドとの間には、昭和三十五年一月五日に署名された「所得に対する租税に関する二重課税の回避のための協定」が締結されていますが、近年インドが行ないました税制改正を考慮に入れるとともに両国間の二重課税回避の制度の一そうの整備をはかるため、政府は、この協定修正補足する議定書締結について交渉を行ないました結果、昭和四十四年四月八日にニュー・デリーにおいて、わが方在インド法眼大使インド側セティ大蔵省担当国務大臣との間でこの議定書署名を行なった次第であります。  この議定書は、第六十一回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。  この議定書は、本文八カ条から成り、これによるおもな修正補足は次のとおりであります。すなわち、インドの税制改正を反映してインド側の協定対象税目を変更し、また、恒久的施設の範囲及びこれに帰属する利得の範囲を限定して両国間で産業的または商業的事業に従事する者の利得に対する課税関係を一そう明確にするとともに、船舶所得に対する課税の軽減率を五年間にわたり現行の五〇%にかえて五五%とすることによって海運業者の税負担軽減をはかり、さらに、インドにおける租税の減免等による産業奨励措置の拡大を考慮に入れ、「みなし税額控除」に関する規定を整備したものであります。この議定書締結によりまして、二重課税回避の制度が一そう整備され、両国間の経済交流はさらに安定した基礎の上に進められるものと期待されます。  最後に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府マレイシア政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  わが国とマレイシアとの間には、昭和三十八年六月四日に署名され、同年八月二十一日に発効した「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約」がありましたが、同条約の発効後五年以上を経過した昭和四十四年二月六日に至り、マレイシア政府は、同国が独立後比較的日の浅い時期に締結した各国との租税条約を終了せしめて現状に即した新協定締結したいとの一般的な方針に基づき、わが国に対しても前述の条約の規定に従って同条約を終了せしめる意思を通告するとともに、新協定締結するための交渉を開始したい旨申し入れてまいりました。これにより旧条約は、その規定に従って、昭和四十五年一月一日以後に開始する年度の租税について効力を失いましたが、政府は、昭和四十四年四月以来東京及びクアラ・ランプールで新協定締結交渉を行ないました結果、昭和四十五年一月三十日にクアラ・ランプールにおいて、日本側在マレイシア小島大使マレイシア側ラザク副総理大臣大蔵大臣との間でこの協定署名を行なった次第であります。  この協定は、本文二十三カ条から成り、そのおもな内容は、次のとおりであります。事業所得につきましては、相手国にある支店等の恒久的施設に帰属する所得についてのみ相手国において課税できるものとし、国際運輸所得につきましては、船舶による所得に対する課税は相互に半額軽減され、航空機による所得は相互に全額免税としております。配当に対する課税につきましては、マレイシアが源泉の場合は、配当支払いの段階においてマレイシアの租税は課されないものとし、わが国が源泉の場合は、わが国の税率は一五%をこえないものとしております。また、利子及び使用料に対する源泉地国での課税率は、一〇%をこえないものとしておりますが、政府地方公共団体中央銀行等が受け取る利子は、相手国において免税としております。さらに、政府職員、短期滞在者、短期滞在の教授、学生等の受け取る報酬、手当等につきましては、原則として滞在地国で免税とされます。  この協定締結によりまして、二重課税の回避の制度を通じて、両国間の経済技術及び文化の面での交流は、安定した基礎の上に引き続き促進されるものと期待されます。  以上五件につきまして御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願いいたします。
  4. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 次に、補足説明を聴取いたします。  高島審議官
  5. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) 補足説明を申し上げます。  ただいまの租税条約五件のうち、オーストラリアイタリアイギリス及びインドとの租税条約は、前国会で審議未了になったものであります。  なお、先方のほうの国内手続を申しますと、イタリアを除きましては、すべてこの手続を終了しております。したがいまして、日本のほうの手続が終了し次第、相互の批准書の交換は可能と思う次第であります。  それから、マレイシアとの租税条約につきましては、ただいま大臣から御説明ありましたとおり、約五年ほど前に新条約締結した次第でありますけれども、当初、独立早々でありましたために、どちらかと申しますと、OECDモデル条約に従った、マレイシア側にとって幾らか、酷な条約でございました。これに対してマレイシア側は五年たった昨年改定交渉を要求いたしまして、これに日本が応じた次第であります。したがいまして、今回の改正条約におきましては、若干マレイシア側のそういう国内事情を考慮いたしまして、従来たとえば船舶につきましては相互に課税を免除するというたてまえになっておりましたけれども、日本船舶が非常にたくさんマレイシアに寄航いたしまして、しかも、それに対しまして全然先方で課税できないということで、マレイシアの国内事情上不利な関係にありまして、五〇%の制限税率についてということになっております。そのほか、開発途上国租税条約にございますようないわゆる「みなし課税控除」という制度が設けられております。  このような経済交流のうち、協定の相違を若干数字をあげて申し上げますと、たとえば企業の進出状況から申し上げますと、日本側が現地法人四十一、支店が十一、駐在事務所が二十六も先方にございますのに対しまして、マレイシア側の日本にございます企業は、支店がわずか三というだけになっております。船舶につきましては、日本側が一方的に年間千百二十六便、非常にたくさんの船が行っております。  簡単でございますけれども、補足説明を終わります。
  6. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 以上をもちまして政府の説明は終了いたしました。  なお、ただいまの五案件中、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府マレイシア政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきましての質疑はこれを後日に譲り、残り四案件について質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。  御発言もなければ、四案件に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国オーストラリア連邦との間の協定締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国イタリア共和国との間の条約締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約締結について承認を求めるの件  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国インドとの間の協定修正補足する議定書締結について承認を求めるの件  以上四案件について一括討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認めます。  それでは、四案件につきまして順次採決を行ないます。  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国オーストラリア連邦との間の協定締結について承認を求めるの件  を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  9. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国イタリア共和国との間の条約締結について承認を求めるの件  を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  10. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約締結について承認を求めるの件  を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  11. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国インドとの間の協定修正補足する議定書締結について承認を求めるの件  を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  12. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、四案件について、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  14. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  15. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣、初めに例の大口総領事のことについてちょっと伺いたいのですが、事情はラジオテレビでは聞いておりますが、もっと隠れたことといいますか、われわれが紙面や耳や目で知らない面もあるかと思います。真相をひとつ、要点だけでけっこうですから。
  16. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 大口総領事が、今回のような事件が起こりまして、たいへん全国民的に御心配をわずらわしたことを恐縮に存じておりますが、大体は、もう非常によく報道されておりまして、報道されている以外に別にこれといってあらためて御報告申し上げるようなことはないように私存じますけれども、おかげさまで、日本時間で昨日の早朝釈放されまして、まる四日間かかりましたけれども、とにかく無事に何の被害もなく釈放されましたことを喜んでおるわけであります。  また、この機会に、ブラジル政府が、いろいろの国内事情があったと思われますけれども、大口総領事のまず第一に一身の安全ということに全力をあげて即時適切な措置をとってくれたことに対して感謝いたしますと同時に、伝えられますように、大口総領事に対してブラジル国民があげて同情の意を表してくれた。これもまた感謝すべきことであります。  それからさらに、この釈放の条件になっておりました、五人の人たちの国外に出国することについては、メキシコということを指定して亡命を望んだわけでありますが、これの受け入れ側になったメキシコ政府も非常な理解を示してくれましたことが本件の措置を迅速に運ぶことができた一つの要素でもありまして、これまた私としては感謝しておるわけでございます。  なお、こまかい点でさらに御質疑がございますれば詳細お答えいたしますが、先ほど申し上げましたように、今回の事件は非常に詳細に迅速に報道されておりますので、特につけ加えるようなことはございません。
  17. 森元治郎

    ○森元治郎君 新聞によれば、総領事は、両国の友好の増進を望むというメッセージを出し、外務省ブラジルに対して謝意を表明したが、肝心のブラジルはどういう態度をとりましたか、日本政府に対し、大口君に対して。
  18. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まず、ブラジル政府としましては、事件が起こると直ちに法務大臣をサンパウロに派遣して、総領事館並びに大口夫人に対して非常な遺憾あるいは陳謝の意を表しました。それからブラジル政府としては、先ほどもちょっと触れましたように、現地の日本側の大使館に対しましても至れり尽くせりの努力をいたしたように報告を受けております。  それから、大口君が釈放されてから、日本時間の昨日から今日までの間にどういうことがありましたか、それはまだ私は報告を聞いておりませんけれども、その点については後刻事務当局から説明をいたさせたいと思います。
  19. 森元治郎

    ○森元治郎君 私は、テレビあるいは新聞で見た感じではちょっとどうもすなおな気持ちになれないのは、彼ら五人の者との生活がどうだったかという説明で、「きわめて紳士的な言動であった」と。人を路上からかっぱらっていったことなんかをどう考えているんだか知らぬが、「紳士的な言動」じゃないでしょう。人を拘束して黙って連れていって、毛布を張りめぐらした家に監禁されて、紳士的な態度なんと言うその総領事のことばは、私はどうも理解ができないんですね。これ、どうお考えになりますか。非常に親切であると、盛んに向こうのほうをほめ上げるだけで、なぜおれをつかまえたんだ――私ならば、つかまえられたときには、おれを出せと、なぜ出さないと、一あばれしますよ。ところが、いけ花はどうだと、あるいは何とかを話してくれろなんて言われて説明でもしたんでしょう。それなら私は、そんなこと聞くんなら、おまえは一体何派なんだと、人民革命派だとかなんとか言うが一体それはどんなものだ。向こうにばかりいけ花のつくり方教えているひまがあったら、それなら向こうの情報を、なぜおれをつかまえたんだということを取って帰ってこなくちゃ、ただつかまってありがとうございましたという帰り方じゃ私は非常に不愉快なんだな。(笑声)  もう一つは、新聞は差し入れてくれた、これは向こうが親切に英語で説明してくれたと。これは、総領事というのは大使と違って第一線の部隊長だから、現地の新聞くらい、よたよたしながらも読めるくらいの努力をしなくちゃいかぬのですよ。何が書いてあるかわからない、人に言ってもらったら、ああそうかと。ほんとうのこと言ってるかうそのこと言ってるかわからないでしょう。いやしくもこれは日本の在外使臣の第一線の総領事としては、ちょいと腹に力が入っていないような気がするんですね。別なことばで言えば、明治のわれわれの人間ならそういうことじゃないと思うんだな。これは大臣、よっぽどしっかり教育してもらわなければ困ると思うんです。ことばもしっかり勉強しろと。小学生くらいのブラジル語は読めなくちゃいかぬ、少なくとも新聞の見出しくらいは。私だって六カ月ポーランドへ行って、見出しや何かけっこう斜めに読んでわかりますよ、ポーランド語。そのくらいの努力がなくちゃ外交官つとまらぬのですよ。そういう教育、ひとつしっかりしてもらわなくちゃいかぬが、どうですか。
  20. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まず前段の、言動等につきましては、何ぶん異常な状態でございましたから、私もなおよく真相は調べたいと思いますけれども、とっさのことであり、まず一身の危険にさらされておった異常な状態でございますから、追って、それらの点についてはよくまた事情も聞きましてつまびらかにいたしたいと思いますし、また御説明もいたしたいと思います。どうもいま軽々に申し上げる――ちょっと時間がございませんで、たいへん申しわけありませんが、詳しく申し上げることができません。  それからまあ第二段目のお話は、一般論としてもまことにごもっともでございますから、ことばはもちろんでございますし、またその他の点につきましても、こういう事件が起こったことを一つの契機にいたしまして、いろいろ積極的なひとつ研修といいますか、訓練といいますか、そういうこともあらためて大いに心しなければならないと、かように、私も御同感でございます。
  21. 森元治郎

    ○森元治郎君 やはりその異常な瞬間にぴしっと行動ができることが大事なんですね。そういうふうなことはふだんから教育しなきゃならぬ。近ごろはエコノミック万能だから、精神の気合いをやっぱり入れておかぬといかぬので、これは訓令として出したほうがいいと思います。  ところで、今後こういうことがあっちこっちであるかもしらぬし、日本国内でもあるかもしらぬが、こういうことに関連して大臣はどんな措置をとられたのか、とられるのか、その辺のことを伺いたい。
  22. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 一番私がこの事件で痛切に感じましたことは、日本でもってこういうことが起こらないように、万々ないことと思いますけれど、こういうことが万が一にも起こることのないように、駐日外交官諸君の身辺の安全ということについては、関係各庁の協力を得て、十分な配慮を必要とする。これが私は一番痛感いたした点でございますし、これについては十分の配慮と措置をいたしたいと考えております。  それから、こちらから出て行っているほうの者については、何しろ相手国の国情もずいぶん国によって違いますから、その国情等に応じまして安全をはかるようにいたさなければならないと思っておりますが、まあ、これについても今回の事件にかんがみまして、できるだけの配慮をしていかなければなるまいと思っております。
  23. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣はどっかの委員会へちょっと五十分からおいでになるようだから、次の問題に行かないで、これにからまった問題について話すんですが、最近、ことに戦後パスポートなんかを持ってわれわれが国境を通過するというときは、非常な緊張を覚えたものですよ。飛行機じゃありませんから、小さいヨーロッパの国々は、もう数時間走ればまたパスポート、夜中の一時、二時。そうしてスパイの目がきらきらしているとか、非常な、そういうことで、自分のしゃべること、行動、そういうことを絶えず慎重に考えたものなんですね。ところが、いまはそれがビザの関係も楽になったせいもあるが、あんまりそういうことに気を払わないんですね。やはり敷居をまたげば何人かの敵がいるんだという緊張感が非常になくて、とかくケアレスになっている面がいろいろなところで見受けられるのです。これはやはり昔の人が教えてやって、きちっとするんだということを訓練しないと、思わざる失敗をやらかすだろうと思う。たとえば、どっかで会談をやる。すぐ盗聴器があるかないか。ワルシャワにおける米中会談でも、盗聴器が絶対ないという中国大使館で話を行なったというふうに、非常な気をつかってるんですね。ですから、日本も大国になり、いろいろ影響するところも多いですから、政府の役人はもちろん、だれもがもっと言動を慎重にいくように訓練していかないとたいへんな失敗を来たすと思うんです。そういうことを戒心させるように、研修所でもどこでもいい、絶えず教育があってしかるべしと思うんです。御意見があったら伺いたい。
  24. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まことにごもっともな御注意でありますので、ひとつ、政府といたしましてもそれらの点についてはいろいろ、先ほど申しましたように、現に考え中でございますが、さっそくできるだけのことを措置するようにいたしたいと思っております。
  25. 杉原荒太

    杉原荒太君 委員長、いいですか、ごく簡単に。  先ほどの森委員からの質問の中にもあるいは含まっておったかと思いますけれども、私がはっきりちょっと承知しておきたい点は、ブラジル政府として、日本政府に対してこれについて遺憾の意を表するというような、あるいは陳謝というか、とにかくその前提としてはブラジルの国が国際法的に見ても相当の保護を与える責任があるという、それを認めた前提のもとに措置をとったかどうかという点、その点をちょっとお尋ねしたいと思うのです。私は、実はそういう点よほどかねてから明らかにしておかないと非常に混乱してくると思っておるからです。実はここで、あちこち話が飛んで恐縮だけれども、例の辻君の、ラオスででしたか、見えなくなって、うやむやのようになっておるあれなんかは、私はその当時から不審の感を持っておったけれども、たてまえとしては向こうの政府に相当の保護をする責任があるのであって、何かそこを不問に付するような問題の取り扱い方というのは非常に国際関係を乱すものだと思うから、いまちょっとお尋ねしたわけです。
  26. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 先ほど申しましたように、まず当方のとりました措置としては、ブラジルにおいて及び東京において、国際法上等の観点からいっても、それから人道的見地からいっても、本人の安全を迅速に確保するということの申し入れを、最大限と申しますか、現地駐在の大使から本国政府に対し、それから東京におきましては、私から東京駐在の、ただいま本任の大使は不在でございますから、臨時代理大使に対して口上書を渡して、かつ、口頭でそれらの点に触れた厳重な申し入れをいたしたわけでありまして、これに対してというか、あるいは時間的にはそれに先んじての場合もありますけれども、先ほど申し上げましたように、ブラジル政府としては、さような当方の考え方と同じような考え方に基づいて、ブラジル政府としては最大限の措置を講ずるということを陳謝と同時に約しまして、そして御承知のような措置を直ちにとったわけであります。そのためにはブラジル政府としては、これは布令というのですか、命令書というのですか、これを直ちに発表をして、そして一面においてはそのことがゲリラ部隊が要請した政治犯人の釈放ということにもつながって、ブラジル政府の意図というものがはっきりいたしたわけでございますから、先ほども申しましたように、その釈放になりましてから先方がどういう措置をとったかということについては、まだつまびらかでない点がございますので、これはわかり次第、ただいま即刻にもわかっておるところがあれば、政府委員から御説明させることにいたしたいと思います。
  27. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  28. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 速記起こして。
  29. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 いまの問題に関連して一つだけお伺いしたいのであります。  今度の大口総領事事件に関連しまして、これは政治犯人として革命前衛派の相当数が監禁されておって、その釈放の手段として起こったわけですね。ところが、その監禁されておった政治犯人の中に、二世であるようですけれども、日本人がいるわけです。それが日本人である大口総領事がつかまったということと関連を持っておるようなんですが、また相当数の、二世かどうか知らないけれども、日本人が、革命のといいますか、そのほうのグループに参加しておるということも新聞では報道されているわけで、何かそういう実態ですね。相当数の日本人が二世だとすれば、国籍はもちろんこっちにないのだから、外交的には関係がないということになるかもしれないけれども、相当数の日本人がそういう面に参加しているとすると、これはいろいろな点で関心を持たざるを得ない。そういう実態というものは外務省のほうでわかっておるであろうかどうかということ。今度の事件に関連して、日本人のあり方というか、そういう実情がもしおわかりであれば、お知らせを願いたい、こういうことであります。
  30. 竹内黎一

    政府委員(竹内黎一君) たいへん恐縮でございますが、その問題に詳しい審議官が間もなく参りますので、参りましたら御説明申し上げたいと思います。暫時お待ちを願いたいと思います。
  31. 森元治郎

    ○森元治郎君 この新聞を読んで、あなたも新聞読んで感ずるだろうが、大口君の談話やしゃべり方見ていても、自分は総領事だ、政府代表した第一線の役人なんだという感じを受けないのですね。おれは助けられた、ほっとしたという感じなんだが、その自覚というか、総領事なんだという自覚、外交官だ、現地の第一線の政府代表だという自覚があまり感じられないのですね。若い人というか、終戦後の傾向であるかもしれぬが、やはりそういうふうに考えてもらいたいのだが、ヨーロッパを見れば、皆さんも同じ考えだと思うが、各大使館回ってみて、国籍はどこかと聞いてみたいような若い連中が最近だいぶ多い。かっこうがいいから外交官やっているというようなかっこうのやつもいるし、商売やろうなんて考えているのもいる。戦前の外交官は、若い人でも総領事でも、日本をどうするかとか、世界情勢はどうだとかという激論を大いに戦わして、なぐり合いまでやったこともある。いまはあまりそういう国を考えるというのがないという、そういう傾向を感じませんか。
  32. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 森君、外務大臣が帰られましたので、重ねてもう一度。
  33. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣に伺いたいのは、さっきの続きだけれども、大口君の話を聞いていると、何か大口君個人――商社の人でもいいし、新聞社の特派員でもいい、自分は外交官だ、政府代表なん・だ、総領事なんだということに顧みて話をしているような感じを受けないのですよね。ミスター大口が助かってほっとしたというだけの話なんで、大きな問題なんだというような感じを持たない。そういうのが最近若いほうの外交官に多いような傾向が見える。昔は国策についてなぐり合いやるようなこともあったんです。牛場君と私の友だちがドイツ大使館で取っ組み合いをやったり、政策の問題でやるんですね。みんな「おれが、おれが」でやったんだが、最近は、政策は愛知さんにまかしといて、おれはブラジルに行って英語をしゃべって適当にやっていれば、この次はどっかの公使かなんかなれるんだろうという気分では困るんで、もう少し在外公館の館長としての重責というものを自分でしっかりもう一ぺん自分に尋ねるというようにひとつ教育してもらいたいと思うんです。  大臣、二、三御質問したいんですが、日米共同声明ですね、昨年十一月の。あれについて、わかったようなわからないようなこともあるんだが、全体を通して見ると、なかなか苦心のあとも見える。アメリカとしては何とかして、いま現に沖繩で持ってるような特権的な地位を何らかの形で残せるんなら残したいというような気持ちを持って攻めてきたでしょう。こっちは、何が何でも振り切っていこう。そういう戦いがコミュニケを通じてじわっと浮かぶんですね。最も御苦心なされた点はどの点でした。
  34. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まず、この文案といいますか、その起草についての点よりも、私はバックグラウンドというか、この背景において、沖繩返還ということが当方の望む条件で解決ができたということの一番大きな問題は、要するに、沖繩における軍事的価値というものは、軍事当局から言えば、ただいまもお話しのように、従来どおり、その価値判断のもとに自由濶達に使えるということが一番望ましいという立場であったと思います。  それと、もう少し次元の高い立場に立って日米関係を考えてみれば、沖繩の軍事的な価値というものは低下しても、それよりもむしろ日本の欲するような条件において返還をするということのほうが、より高い立場においてアメリカとしても妥当であるという判断に、日本側の相当長い期間かかりました根回しの過程において、だんだんとそういう考え方が伸びてきて、そして、最終的に最高首脳の判断において結論が出たと、こういうふうに私は考えるわけでございます。したがって、そういう背景を見ながらこの共同声明をお読みいただければ私としてはたいへんしあわせであると、かように考えるわけでございます。
  35. 森元治郎

    ○森元治郎君 そこで、順を追ってこまかいところを伺いますが、共同声明の第四項に関連して、この中にはベトナム戦争の終結また平和の実現という二つのことばが入っておるんです。一体、これはどういう状態を平和の実現と言い、戦争の終結と言うのか。それはだれが判断をするのか。日米でお話をするときに、もうその前提が大きな問題ですね。ですから、その判断はだれがされるのか。どんな状態なんでしょう。
  36. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 一番オーソドックスに申せば、現在も続いておるわけですけれども、パリ会談で結論が出たと、そしてその会談の結果として戦争状態が停止されたというのが一番オーソドックスな場合だろうと思います。しかし、同時にまた、必ずしもパリ会談でなくとも、戦争状態というものがだんだんデスカレートしていって、そして今日の状況から見れば、ほとんど戦争状態というものが事実上休止状態になっていると、そういう場合もあり得るかと思います、将来の問題としては。そういう点についてだれが判断するかということですが、これはもう客観的な情勢において判断をすべきではないかと思っております。しかし、いずれにいたしましても、両国首脳の願望としては、この声明第四項にありますように、強く戦争状態が終結することを希望し期待していると、こういうわけでございますから、いずれの形によっても、とにかく沖繩返還というようなことに何の――何といいますか――関連することのないような状態ができ上がっているということを望ましい状態と考えてこの声明ができ上がっている、こういうふうに考えているわけです。
  37. 森元治郎

    ○森元治郎君 いまベトナム戦争が行なわれているが、近ごろはラオスのほうまで、アメリカの飛行機だけですけれども、飛んでいってやっている。あるいはカンボジアのほうまでも国境でごたごたが起きている。ベトナム戦争の終結といった場合には、いまの南北ベトナムだけをさしているのですか。近隣諸国の戦争状態――ウォーフェアといったほうがいいですかね、そういう状態を含むのか。厳密にベトナムという、北・南ベトナムという東シナ海に臨むあそこを言うのか、どうですか。
  38. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まあ、言い方はいろいろあろうかと思いますけれども、パリ会談が目的としているような、戦争終結を望んで会談が開かれている、その対象になっているような状態と申せば一番いいのではないかと思います。私は、さらにつけ加えて申し上げますならば、いわゆるベトナム戦争であって、これは、それが範囲の上からいってもエスカレートしたり拡大された状態というものはもちろん予想しておらないベトナム戦争、この会談ができました十一月二十一日に会談の対象になっておったその状態のまた戦争状態という説明のしかたもあろうかと思いますけれども、これが終結しているということを強く望んでいるくらいなんですから、これがエスカレートしたり範囲が広がったりというようなことを予想しているものではないと、こういうことも私は申し上げられると思います。
  39. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 速記をちょっと止めて。   〔速記中止〕
  40. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
  41. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 それでは簡単に繰り返しますけれども、今回の大口総領事の問題に関連しまして、釈放された革命グループのほうに、二世であるようですけれども日本人がいるわけですね。新聞の報ずるところでは、相当数の日本人がやはりそのグループに参加をして活動しているように報じているわけです。それで、そういう調査も、実情が外務省でわかっておるのであろうか、今度の事件そのものに関連するものでなくても、そういうブラジルにおける一つの政治的な活動の面で相当数の日本人参加しておるとなれば、やはり外務当局としてはそういう点に関心を持っておられるであろう。そういう点の事情はいかがなものであろうかということを先ほどお尋ねをしたわけであります。
  42. 高良民夫

    ○説明員(高良民夫君) ただいまの御質問でございますが、今回の事件の中に関与しております日系人はシズオ・オザワという、これは外電によりますと、オザワと自分でメキシコで言っておるようですが、マリオ・シズオ・オザワ、年齢約三十歳ということを言ってきております。今度大口総領事を拉致しました団体は、もちろんブラジル人がおもな団体、その中に数名の日系人も関係しておるらしいということがいわれておるようであります。ちょうど昨年の九月の五日に、アメリカ大使のエルブリックさんが拉致されましたしばらくあとに、サンパウロでやはり自動車の中でダイナマイトの爆発事件――これは故意爆発させたのか、あるいは誤りかわかりませんが――が起こりまして、二世が二名ほど死亡したことがございまして、そのときいろいろ総領事館でも警察等から聞きますというと、この二世もやはりそういったテロリスト団体に関係しておるらしいということは聞いてわかっておるわけでございます。そういうふうに、大部分の二世はきわめてまじめなりっぱな人が多いのでございますが、何ぶんにも大ぜいおりますから、絶対にそういうものに関係していないということはいま申し上げかねると思います。まあ、数名あるいは数十名くらいの人がこういう団体に関係しておるのではないかと思います。しかし、御承知のとおり、すでに二世の中から連邦の代表の中にも何人も来ておられますし、州議会議員というような方も出ておられまして、ほとんど大部分の人は、ブラジル人種間の中できわめて高く評価されたりっぱな生き方をしておると聞いております。
  43. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣は七二年に沖繩が返還されると言いますが、これは目標ではないんですね。
  44. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは目標ではございませんで、一九七二年中に返還をするということが、本土並み・核抜きと同じく、三つの基本条項として返還について合意された、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  45. 森元治郎

    ○森元治郎君 たとえベトナムで何かの都合でまた火が燃え上がって大騒ぎになっていても、七二年の返還は約束どおり実行されると、こういうことですか。
  46. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そのとおりでございます。
  47. 森元治郎

    ○森元治郎君 「返還予定時」というのが協定にありますね。「沖繩返還予定時に至るも」云々という第四項の「返還予定時」という設定は、沖繩返還交渉の中で、七二年六月とか七月とか、十月とかということが書かれるのですか。
  48. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) この文章の構成といたしましては、第四項は、第六項の返還の時期が出てくるところを、前段で、まあ普通何と言いましょうか、文章で言えば、「後記六に出てくる返還予定時」と、こういうふうにお読みいただいて私はしかるべきではないかと思います。
  49. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、大体いまもう作業始まっているのでしょうが、七二年にはおそらく入るでしょう。その六月くらい――私はまあ六月くらいに行くのじゃないかと見当をつけるのだが、どうですか。
  50. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 率直に申しますと私は、「七二年中」なんですから七二年中の、早ければ早いほどけっこうだと思います。しかし同時に、返還協定について言えば、これはこれからなかなか作業もたいへんだろうと思いますし、国会の御承認を当然必要といたしますから、そういう時間的なこれからのスケジュールを頭に描いてみましても、ある程度の時期はかかるのではないでしょうか。返還の協定それ自体ももちろん一番大事なことでありますけれども、同時並行的に沖繩をほんとうに日本本土と一体化するということについては、ずいぶん自主的にやらなければならない仕事もたくさんあろうと思いますから、そういう点については、これからアメリカとの関係においても、日米協議委員会の作業あるいは現地に置かれます準備委員会の作業、こういうようなもの、いろいろ考えてみますと、なかなか、いまにわかに一九七二年何用と断定的に予想することは困難だと思いますけれども、しかし、できるだけ七二年中の早い時期に完結をしたい、かように考えて、政府としてやるべき準備はできるだけ迅速にやってまいり、また、アメリカ側と協議を要することについても、できるだけすみやかに協議をまとめていくようにいたしたいと思っています。
  51. 森元治郎

    ○森元治郎君 いずれにせよ、返還準備等の、返還の協定作成交渉をやっていくうちには、おおよその月日の月の見当くらいは出てくるわけですね。一たんきまったものはたとえ何であってもそれはくずれることはないでしょうね、外界の事情で。
  52. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) それは、ないことを前提にしてやっていくべきだと思います。
  53. 森元治郎

    ○森元治郎君 そこで、これはどこで――外務省で刷ったのか、第四項のまん中のあとに、いま衆議院でもどこでも問題になっている「返還予定時に至ってもベトナム戦争が終わらないような場合には、沖繩の――十分協議をする」という項目がありますね。これは衆議院でもみなわからなくて、大臣も総理も懸命の御答弁ではあるのだが、非常にこれは誤解しやすい項目ですね。文章もむずかしいし、うまくできているし、これはアメリカ人、沖繩返還に快くない軍人さんなんかにも気を持たせるような書き方にもとれるし、大臣の答弁によれば、これは何でもないのだ、軽いと。軽くとっている。そこで協議次第によっては本協定のほうも侵されることがあるのじゃないかといったような心配で、いまさっきもみな盛んに質問しているわけですね、この条項は。そこで返還と協定の関係を聞くのですが、ここに掲げてある「協議する」という意味をひとつお教え願いたい。
  54. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) この「協議」というのは、第一に起こらざることを希望しているわけでございます。そして、これもやはり背景の御説明をすればよろしいかと思いますけれども、アメリカは現に当事者で、そして戦争をやっているわけですね。それから日本はこの戦争には参加もしておらない。いわば第三者の立場にある。現に起こっている戦争についてその終期を一九七二年と断定してしまうことは、欲せざることではあるけれども、断定するということは、その当事者から見れば、私は、言いにくいことではないかと思います。同時に、可能性の問題から言えば、可能性を一〇〇%排除するということもやはりできないことではないかと思います。その気持ちがそこにあらわれておるのであって、しかし、具体的な見通しとしてはそういう事態はあり得ないし、また欲せざるところであるということを強く希望しているわけでございます。そういう環境からこの文章ができておりますわけですから、「協議」ということは何を協議するのか、その中身はわからないわけですね。しかし同時に今度は、沖繩の返還については第六項以下できちんと条件というものが定まっておりますから、それには触れない。返還の時期、条件というものは六項ないし八項できちんともうきまっているのですから、それには触れない。こういう意味でその「協議」がそこに、第四項のいわゆる協議の内容というものは、いまから予想のできないものではありますけれども、同時に、これは六項、七項、八項には関連するものではない、そのワクの中で行なわれるべきものだということが消極的に言えるわけではないかと思います。
  55. 森元治郎

    ○森元治郎君 みんなが誤解をしているのか正解しているのか判断ちょっとむずかしいんですが、これをさらっと読みますと、沖繩の返還の予定時が七二年の何月とかきまり、そのときでもベトナム戦争が終わっていないときは、終わってないときに返すというようなことになると、アメリカがせっかくベトナム人民を応援して大いに努力している、それを阻害されちまうから、何とかひとつ従来どおりの、自分の領土と同じような、自由かってに使える状態をそのまま延ばしていきたい、あるいは時期を延ばさないまでも、従来軍事的に使っていた便利なもの――いろんなものがありましょう――B52もありましょうし、そんなようなものも何とか使っていきたいんだ、そして十分協議してアメリカが何とか従来の特権を確保していこうというための協議のようにも感ぜられるんですがね。
  56. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) よくこういうことばが使われるんです。この第四項の「協議」は、沖繩返還問題について再協議をするんではないか、こういうふうな御質疑がよく出るんですけれども、再協議というものではないんです。沖繩返還については六項ないし八項で条件がもうきちっときまっておりますから、これは動かないのであって、ただその場合に、一九七二年中に返還が行なわれる時期にベトナムにおける状況がどうであるか、まだ終結していなかった場合にはどうするかということについて相談があれば相談をしようということでありますから、そのきまっている条件には触れない範囲内における協議なのであって、返還に触れることはない。何べんも同じことを申し上げるようですけれども、そういう気持ちで合意されているわけでございます。
  57. 森元治郎

    ○森元治郎君 何べんもと言ったって、それは衆議院でやったので、参議院ではまだやってないのですから……。
  58. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) いま前段で申し上げていることをまた繰り返して言いましたから、そういう意味で……。
  59. 森元治郎

    ○森元治郎君 何回も繰り返してください、わからないから聞いているんだから。  そこで、そのB52というのがよく問題になりますね。これは発進は「協議」の中に入るのかどうかということで野党の人と応酬をされている。よく読んでみると、こんなことですか。ベトナム戦争がまだある。B52をアメリカは使いたい。したがって、協定ができたあとも使いたいということを向こうが申し出るのではないか、それが協議の一つの対象になるのじゃないか、こういう質問ですね。そうすると、大臣のほうは、予約はしない。「協議」というのは、佐藤総理のことばをかりるならば、ベトナム戦争が終わっていなかったというその事柄について――事柄という字を使っているようですがね――事柄について相談をする。すれ違っているのですよね。これどうなんですか。B52を私はやっぱり協議の対象――と言えば大げさならば、B52の問題も出て協議しても、結論を出しても、将来を拘束しない限りにおいては対象になったっておかしくないのじゃないかと思うのです。終わっていない場合、いままで使っていた便利なB52をこれからもアメリカが使いたいものだと言った場合に、話を聞く、話題として意見を交換することは一向差しつかえないと思うのです。愛知外務大臣速記録を見ると、これは共産党の人に答えたのですか、さようなものは含まれませんということばがあるのですね。含まれないというと、含む問題というか、何か限定されたものがあるような感じを受けるのです。たとえばB52のようなやつは一番はっきりした問題だから例にしますが、これはどうなんですか、話題の対象にしておかしくないと私は思うのです。予約して、返還したあとも、これは沖繩に特別にB52は認めるのだという約束さえしなければ、話題になってもおかしくないと思うが、いかがですか。
  60. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そこは非常に念を入れて私も御答弁をすべきところなんですけれども、返還が実現されれば、安保条約関連取りきめが全部適用になりますから、交換公文によるところの事前協議の対象にしなければならないような事態をアメリカ希望するならば、これは当然事前協議になる。そうして事前協議があった場合には、本土並みに国益に基づいて政府態度を決定する。こういうことに全体の構成がなるわけです。そこで、返還後の状態を想定しながら返還前にそれに触れるようなことをするならば、これは特別の取りきめが必要になりますから、本土並み返還という第七項に違背することになりますから、そういう意味でこの第四項の「協議」の中にはそういうものは含まれません。B52の問題、いま御設定になりましたような設問のようなB52は含まれません。こういう趣旨で衆議院でもお答えしているわけでございます。
  61. 森元治郎

    ○森元治郎君 私は、話題になっても一向差しつかえないのではないか。日本の方針を曲げないで協定ができたあとは本土並みですから、もし必要があれば向こうが事前協議を申し込んでくるだろう。そのときにこちらは考えると。しかし、その予定時になってもベトナム戦争が終わらない場合に協議するという場合に、向こうがその話を持ち出してもおかしくはないと思うが、どうでしょうか。
  62. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私は、返還前ならば沖繩の施政権アメリカにあるわけですから、B52の問題なども、これはアメリカが使いたいと思えば自由に出撃ができるわけでございますね。ですから、返還というその時間をがっちり押えて、その前とそのあととははっきり観念を明確にしなければならないと思うのでありまして、返還前にわざわざ、自由やれていることを、返還後のことを想定しながら相談をするという以外には私はB52についてはあり得ないと思うのですけれども、そういう意味で入らない。もし返還後のことならば、返還されてから事前協議がかっちり本土並みにかかるわけですから、わがほうとしては、その事前協議があったときにはっきりとした態度をするべきであります。ですから、返還前にはそういうことはあり得ないと考えるのが自然ではないかと思います。
  63. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、かりに、アメリカもばかじゃないからそういうことは言うまいと思うが、B52を、返還協定締結後にわたるお話が出た場合には、協定が終わってからのことにしましょうということで答えていいんですね、こっちは。
  64. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そういうことは言わないとは思いますけれども、かりに森委員がアメリカの立場にお立ちになってそういうことを持ち出されたといたしますと、それは返還後は返還後のことであって、それはこちらとしては安保条約において措置をいたしますと言う以外には日本としては返答のしようがありませんで、その態度はきわめて明確にしなければならないと思います。
  65. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、またもとに戻りますが、「十分協議することに意見の一致をみた」、この「協議」の内容は、そのときになってみなければアメリカが何を言い出すかわからないということですね。
  66. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 何を言い出すかもわからないが、しかし、第六項ないし第八項には触れないこと、こういう意味で、その協議の内容はわかりませんけれども、少なくとも積極的な限界ははっきり置かれておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  67. 森元治郎

    ○森元治郎君 少し政府に点数をかせがせるような感じがしておもしろくないですけれども、沖繩返還は六項~八項で具体的なことはさまってきますね、返し方は。アメリカ側があまりしつこく言うので、それならこれを入れてやろうという感じを受けるのです、このつくり方が。これは軍部の連中の気分がうんと出ているんですよ。だから、ジョンソン国務次官は思わせぶりみたいなことを言って、従来のアメリカの努力に支障を来たさないような返還をさせるんだと。そうすると、頭の悪い連中は、何かうまいこと置けるじゃないか、従来どおり使えるんじゃないかという考えをする人もあるでしょう。そういうことにこれは利用しているのですね、これはアメリカ国民向け、議会向けに。日本ではこれは言いたくなかったと思うのです。だけれども、ベトナム戦争が返還予定時に終わっていないかもしらぬから、それはそのときに起こる問題はそのとき相談しましょう、よろしゅうござんすでこれは入ったと思うのです。それが証拠に、その次に突然として、「総理大臣は、日本としてはインドシナ地域の安定のため果たしうる役割を探求している旨を述べた」と、ぽつんと今度は、君、そう心配するな、わが日本インドシナ地域――ベトナムばかりではない――あそこらの安定のために、果たし得る役割りを考えているのだから、そう君、心配するなという感じがこの最後に見えるのですが、ほめ過ぎですか。
  68. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私はそれで、やはりそういう御疑問や御意見が起こると思いましたから、最初に申し上げたことを非常に私としては大切に考えるのですが、昨秋の日米会談に至るまでの背景ですね、積み上げてきました背景の御説明をいたしたわけです。ということは、われわれの考え方に、何といいますか、だんだん引きつけてきたという経過があることを私は申し上げたつもりなのでありますが、そういう経過を御理解になっての御発言でございますれば、私はそういうこともあったろうかなと、こういうふうに思います。
  69. 森元治郎

    ○森元治郎君 ほかに御質問がある方もあるようですから……。大体すなおに受け取ればそういうような感じもします。もう少し勉強してまた質問しますが、この事前協議ですね、沖繩が日本に返還されたあと、事前協議でB52ならB52の発進を認めてほしいと申し入れた場合に、政府の答弁によれば、国益に合うか合わないかによってイエスも言いノーも言うことがある。こういうことですね。返還後、イエスもあればノーもある。かりにイエスと言った場合は、沖繩からB52ならB52というものを、イエスと言った場合には自動的に横須賀でも板付でもどこでもB52は出られるということになるのですか。事前協議はその地域に――沖繩だけに認めるのですか。自動的に一たんもうオーケーをすれば、発ってよろしいと言えばどこからでも自動的に行けるのでしょうか。
  70. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) B52という限定した御質問でありますけれども……
  71. 森元治郎

    ○森元治郎君 わかりやすいから。
  72. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは事前協議の対象になるような事項であって、事前協議があった場合には、これはもう一般原則として申し上げているとおり、日本国益からいってイエスと言うべきものであればイエスと言いましょうし、ノーと言うべきものであればノーと言う。それから、その事前協議の内容、態様、あるいはかりにイエスと言いノーと言った場合のその言い方にもいろいろよるだろうと思います。
  73. 森元治郎

    ○森元治郎君 私の言うのは、沖繩から飛ばしたい、かりに。――B52はやめましょう――とにかく沖繩を使って何かしたいということは事前協議――装備、配備に関する問題でしょうが、それに使いたい。それでオーケーした場合は、自動的にほかの基地にも、本土全部に適用されるのか。あそこでいいと言った以上、沖繩というのはアメリカが持っていた沖繩じゃないのですね、日本に返った、本土になった沖繩、あそこでオーケーしたも一のは、どこから飛ぼうと、B52は――一番便利だからB52にしますが――沖繩でオーケーしたならば、ほかの基地からも自動的に飛べるのでしょうか、こう言うのです。
  74. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まあ、仮定の問題ですけれども、B52の問題は、事前協議の対象とした場合は戦闘作戦行動だと思います。そうして事前協議ということになると思う。ところが、いま私申しましたように、これは事前協議の内容、態様にかかわると思うのですね。沖繩に限定して発進を認めてくれという場合もありましょうし、あるいは観念的な問題として本土のどこどこの飛行場からという場合もございましょうし、あるいはこれも大観念的な問題ですけれども、どこからでも飛ばさせてくれということもあり得るかもしれませんね。ですから、その事前協議の態様、内容いかんによるわけでございます。
  75. 羽生三七

    ○羽生三七君 ちょっと関連。態様いかんにもよりましょうが、かりにもし沖繩だけに許しても、その他の地域――本土ですね――本土には許さないということになれば差別ですね。沖繩本土並みじゃなくなるわけですね。ですから、これは奇妙なことになりますね。
  76. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まあ、これは仮定の仮定のことでありますけれども、おことばを返すようですけれども、本土内のA飛行場とB飛行場とかりにあるとして、Aには許すがBには許さないといった場合に不公平なことになる、こういうことと同じではないかと思います。つまり、Aには許すがBには許さぬといった場合に、AはそれではBに比較して不公平な待遇だと、こういう論法と同じになるのではないかと思いますが。
  77. 森元治郎

    ○森元治郎君 それでは最後に、まだ御質問者もおるようですから、一言。  沖繩返還後、沖繩が日本本土になるわけですね、本土復帰した場合に。ですから、何かものを考えるときに、沖繩というのは特殊な地域なんだというような誤った印象を与えると、これは非常に大きな問題になると思うのですね。沖繩というのは、茨城県の対地射爆場であろうと、横田であろうと、板付であろうと同じなんだからというつもりでかかっていかないと困る。アメリカは、返してもまだ沖繩はおれのものだというような気持ちが残っていると、非常に大きな問題が起きると思うので、非常にきれいさっぱりに、渡した以上は本土だということをはっきりとあらゆる場面で強調しておかぬと、いろいろ問題が起きてくると思うのです。つい、別れた女房、恋人にまだ未練があるようなかっこうをして、手を出されると、何かとそれは問題が起こります。縁は切ったのですから、この点は、やはり政府ははっきりと強く国民に示さないと、無用な質問疑惑が起きると思うのですね。厳然たる本土並みをはっきりしていただきたいと思うのです。外務大臣
  78. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まさにそのとおりでございますから、いまの御質問に対するお答えのしかたも、たいへんぎくしゃくしているようですけれども、政府の立場としては、沖繩が本土並みになるのだということについて一点の疑いも持たないように報道もされ、国民的な御理解もいただきたいと思う一心で、あるいは申し上げ方がぎくしゃくするかもしれませんけれども、これは徹底して堅持していかなければならない問題だと思います。そのことは、アメリカに対しても私どもの交渉においては十分理解をさせているつもりではありますが、念には念を入れて、今後におきましても、アメリカ側にその気持ちでやってもらわなければならないという御注意はまさにそのとおりでございます。
  79. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 私、次回に質問させていただくつもりでおりましたが、ちょっとその前提になるような御質問を二、三させていただきたいと思います。  その前に、一つだけ、いささか次元の低い質問といいますか、お願いをさせていただきたいと思いますが、私、先般、私が責任者をしておりますエベレストの登山隊が、そのプロジェクトがネパールの万博に関係ございますので、ネパールまで行ってまいりました。そのときに痛感いたしましたのですが、向こうにございます在外公館が、私たちの探険隊を含めて八つの登山隊が、今日ネパールを非常ににぎわしているのですけれども一、これのトレッキング・パーミット――登山許可証といったものが非常に入手がやっかいでして、この窓口になっている向こうのある官僚が、もと東京にいた人ですけれども、これは日本東京側、日本人責任だと思いますけれども、おもに山岳会の人の責任だと思いますけれども、非常にスポイルされまして、まいないを出さないとそういうものを出さない。そういうものが非常に障害になっているということを聞きまして、こういう事務手続に対する現地公館の態度というものは非常にそっけなくて、私はむしろ、ネパールにある在外公館よりも、こういう登山隊のほうがはるかに実質的な外交をしていると思うのですけれども、そういうことに対する態度が非常にそっけなくて、熱意がないということを痛感してまいりましたが、いまワシントンの大使をしている下田大使が、かつて次官になられたときに、在外公館の今日の業務の大きなものの一つは、その当地にいる邦人の便宜を積極的にはかることであるということを通達されたそうですけれども、どうもそれがそれっきりになった感じが、ネパールだけでなしに、方々でいたしますが、そういった事例をよく聞きます。現に私たちだけではなしに、私がおりましたホテルで、何のための公館かと言って、できたら大使につばをかけて帰りたいと言っている客が数人おりました。これはみんなナショナル・ゲストとしてネパール皇太子結婚式に行った人たちですけれども、ネパールだけでなしに方々でそういうことが起こっております。ひとつこういったことを十分御配慮願って、大臣なり次官から強い通達のようなものをお考え願いたいと思います。
  80. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 御注意をいただきましてまことにありがとうございます。このネパールについては、私、最近のその実情を自分の目で見聞しておりませんから、たいへん恐縮に思いますけれども、何しろ公館開設後日も浅いし、人手も少ないし、そして最近はネパール皇太子結婚式が非常に盛大に行なわれて、日本からも常陸宮両殿下が行かれた。時を同じうして日本から登山隊がたくさん行かれたというようなことで、非常に行かれた方、あるいは滞在している日本人に対してお世話が行き届かなかったところが多々あろうかと思いますので、その点は現在のような状況下におきましては、ある意味ではエキスキューズもあるのではないかと思いますけれども、根本は、いま御指摘のところは、気持ちの持ち方、姿勢、精神の問題ではないかと思うので、人手が足りない、忙しいにしても、やはり公館長をはじめ公館員の気持ちの持ち方ということではないかと思いますので、口先だけではなくて、十分の配慮、措置をいたさなければなるまいと思います。
  81. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 政府は実に電光石火、拡散防条約に調印をされましたが、これについて二、三お聞きしたいと思いますけれども、まず、大臣はこれに調印に同意なさるときに、将来何らかの事態で日本がこの条約から脱退する可能性があり得るという想定の上でこれにサインされましたでしょうか。
  82. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは私個人の気持ちはともかくといたしまして、署名に際して内外に公表いたしました政府の声明の中にも、特にそのことをメンションしておりますのは、取りようによっては異例なことかもしれません。それから、署名するに際してあらためて脱退条項、あるいは脱退の根拠というようなことについても検討いたしました。たとえばよその例で言えば、この核防条約をめぐるいろいろの外国同士の会議とかあるいは論議とかの中に、たとえばNATOの参加諸国などは、NATOが解体されるというような事態は、ここに、いわゆる国家の至高の立場に触れるものであると、これは一つの通説になっているのではないかと思いますけれども、そういうことも頭に置きまして、脱退ということについては特にやはり声明書にもうたいましたし、やはりそういうこともあり得るということを考えましたから、外国に対する口上書についてもこの点をメンションしておいたわけであります。
  83. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 よくこのNPTについての説明は、条約は非常に不備な点はあるが、精神的には基本的に非常にけっこうであるという表現を政府の方々が用いられておるようですけれども、あらためてお尋ねいたしますが、この条約における精神性というものをどのようにお考えになっておりますか。
  84. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは政府の立場から言うと、二面から御説明申し上げなければならないと思うのですが、一つは経過において、この条約が、草案がつくられてからの数年来の経過から申しまして、日本は非常に積極的に、いわばこの精神に賛成を表して、なおよりよき条約になることについて努力をしてまいりました結果、核兵器保有国の軍縮義務というものが本文の中に登場してきたと、あるいは五年ごとのレビューということもこの中に取り入れられたというような点は、特に日本の主張が非常に取り入れられたくだりでございます。そういうことを背景にして一九六八年の国連の春の総会で、国連の勧奨決議に積極的に賛成の立場を明らかにしたというような経過から申しましても、列国に対して日本が核防条約に積極的な熱意を表明していく、こういうことが言えるわけで、そういう点でも、賛成の意を、精神において賛成すべきだということが具体的に経過においてもはっきりしている。  それからもう一つのアングルから申しますと、核兵器保有国は軍縮義務をただうたっただけではなくてその具体的な措置について確約ができるところまで行っていないけれども、とにかく核をこれ以上拡散しないということは、一つの核というものに対して特殊の感じを持っている日本国民の感情にもアピールするところがあるのではないだろうか。それからさらに、これは署名をして賛意を表して中に入って、さらにそういったような点についての加盟国の努力が推進されるとするならばこれはいいことではないかという意味で、精神的な賛意ということが根拠づけられるのではないだろうかと、こういうふうに私は両面から考えておるんです。ですから、この核防条約には、もういまさら申すまでもございませんけれども、核の軍縮あるいは絶滅ということについて、これからも大いにやらなければならない。しかし、それがまだ現状では満足ではない。あるいは非核保有国に対する安全保障ということがどうやって確保できるであろうかということもまだこの条約の加盟国において十分な熱意が示されていない。あるいは、さらには原子力平和利用についても守るべき査察協定がまだできていないし、これに対して日本としては大いに言い分があるわけでございますが、まあ、そういう点をこれから十分見澄ました上で、批准をするか、国会承認をお願いする手続をとるかどうかということを、むしろ考えようによっては、いまをスタートにして、あらためて国民的に大いに論議をしていただきたいと、こういうような気持ちで現在おるわけでございます。本来ならば、条約というものは調印をすれば批准をするのが当然だと――これは確かにそういう理屈はあると思いますが、この条約はマルティの条約でも一ありますし、それから、たとえばいま申しましたような平和利用の査察あるいは保障協定にしましても、中身がまだできていない。こういったものに対しては日本としても前例をもって、調印はしたが批准はしていない条約は相当たくさんございますが、いわんや、今度のこの核防条約のような性格及び内容のものについては、これは当然私は調印と批准を離して考えなければならないものだと思います、ユートラム諸国もそういう態度をとっておりますから。そこで今回の場合は調印と批准とを離して、調印はするけれども、批准はこれからの十分な国民的な合意の上に立ってやらなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
  85. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 まあ日本、西独がこれにサインいたしまして、その後に、御承知のようにアメリカソビエトもマーブであるとかフォブスであるとかいうような非常に画期的な核兵器の開発を発表しておりますし、私は、この条約というものが決してわれわれが念願しているような形で核兵器絶滅に通じるというよりも、やはりその一つ以前のプロセスである核の兵器を拡散することを抑止するというだけの目的しかないような気がいたします。そして条約精神というものは条約の機能によって表現されているわけでありますけれども、私、この条約精神というものが実はよくわからない。それから、見れば見るほど、つまり、この条約の一番中心国であるソビエトアメリカといった二超大国家意思といいますか、ものの考え方が条約のうしろに非常にはっきりと感じられるわけでありますが、それはおそらく外務大臣も御同感だろうと思いますけれども、私はその条約の背後にあるこの超大国の意思あるいは精神というものが、実は、先般の施政方針演説で総理あるいは外務大臣が言われました七〇年代に対する、あるいは八〇年代に対する眺望、一つの歴史観というものと非常に矛盾していると思うのです。それは明かに、この条約がこういった機能を発揮すればするほど、来世紀的なエネルギー、つまり今世紀の新しいエネルギーである核というものが、軍事に関して、とは言っておりますけれども、大きなイニシアチブを二つの国に預ける形になって、結局のところ、五〇年代、六〇年代の冷い戦争時代の一つのワールド・オーダーというものを維持する非常に保守的なむしろ退嬰的な性格というものをむしろ秘めておると私は思いますし、これは明らかに七〇年代、八〇年代というものを多極的な世界情勢と認められる総理並びに外務大臣の一つの史観といいますか、施政方針演説にあらわれたものの考え方に矛盾するのではないかという気がしますが、その点いかがでございましょうか。
  86. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 私は矛盾すると思えば核条約の調印というようなことに踏み切らなかったわけで、私は矛盾しないと思うからこういう態度をとったわけでございまして、もし矛盾するような状態が今後ますます展開してくるようでありますならば、先ほど来申申しておりますように、核防条約だけについて言えば、やはり今後の核防条約の取り扱いについてはほんとうに慎重に真剣でなければならないということになろうかと思います。
  87. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 それから、核を拡散するということ、つまり、この核防条約の機能というものが結果的には核戦争危機というものを軽減するという考え方がこの条約基本的なところにあると思いますけれども、私は、その機能論自体が現今の世界では非常に怪しくなってきて絶対的なものでなくなってきている。現に多くの学者や軍事戦略家がそうでないという意見を持っておりますし、フランスなどという国もはっきり違う見解を持っております。ある意味では、この機能論に対する評価というものが等分になったかどうなったか、私はわかりませんけれども、いずれにしても非常に強い反対論といいますか、違うものの考え方がこの条約の機能に関してあると思いますし、私自身も実はこの条約の機能論の効用については非常に疑問を感じます。たとえばアメリカが現在、開発してすでに装備しているB1といった非常に軽度の、ナパームの数倍の効果を持った、しかもラジエーションのないリチウム系の原爆兵器などというものが、この使用というものは、明かにわれわれが考えているいままでの核戦争のカテゴリーに入らない形での、一種の通常戦争における核兵器使用という形で考えられると思いますけれども、こういったものは、やはりわれわれは万が一のために自衛とか防衛という問題を考えているわけでございますけれども、日本に対する自衛の戦闘といったものの中から、この条約にすべてを含むことによって、たとえば今日開発され、将来非常に大きな開発が予想されているB1といった兵器というものを含むならば、日本の装備というものからそれを削除しなければいけない。そのときに――わかりやすく言えば、飛行機を相手が持っているのに、こちらが飛行機なしに戦わなければいけない、防衛をしなければいけないといった大きなハンディキャップというものが当然考えられる可能性があると思いますが、そういう点についていかがですか。
  88. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これはなかなかむずかしい問題で、とにかく現政府としては非核三原則というものを、安保条約のかさの下で、といいますか、関連させて堅持しておる立場、それからいわゆるクッド・ハブ・カントリーズの最も有力な国であることは世界のだれもが認めておるところだと思いますが、核兵器だけは持つまいというのが私はコンセンサスになっておると思います。で、そういう立場から見て、やはり現在の時点においてそこに触れるようなことを現内閣としてあげつらうことはこれは不適当なことではないかと思います。それからやはり私は先行きを考える場合に、現実の世界的な動きも掌握していかなければならないと思うのでありまして、たとえば米ソSALT交渉というようなものも、これはなかなかどういう成果があがるかもわかりませんけれども、やはりこういう努力が超大二国において行なわれておるということも非常に注目に値するところじゃなかろうか。あるいは、フランスは入ってはいないけれども、フランス政府が表明しておる態度というようなものも私には理解できるところもあるような感じもいたします。要するに、この核を持てる国、核兵器を持てる国のこれからの動きや、また、それに並行し関連してわが国の将来がどうなっていかなければならないかということは、切っても切れない関係がありますが、しかし、わが国の現在の立場から言えば、非核三原則はあくまで守り抜いていこう、私の理解ではこれが国民的なコンセンサスになっておる、それで押していかなければなるまいかと思いますが、かりに非核三原則なんというものはもう間違いである、やはりいまもいろいろおあげになりましたような兵器技術的ないろいろの進展の度合いなどからいって、日本も核武装をそろそろ考えてもいいんだということで、またコンセンサスが違った方向に行くようなことであるならば、また考え方は別かと思いますけれども、現状における私どもの認識としては、非核三原則――戦略兵器であろうが戦術兵器であろうが、あるいは他の核兵器というカテゴリーに入るものは持たない、持ち込みも許さないのだというこの方針で貫いていくべきであると思います。その角度から見れば、やはり核防条約には趣旨において賛成だと、こういうふうに言わざるを得ない。同時に、それには私は安保条約の堅持ということが政策面で今回の時点においては絶対に必要なささえではないかと、まあ、私どもの考え方は、見方はいろいろあるかと思いますけれども、これが最善のいまにおける選択だと、こういうふうな立場に立っておることはいまさら申し上げるまでもないことだと思います。
  89. 石原慎太郎

    石原慎太郎君 私の質問はこれで終わります。
  90. 黒柳明

    黒柳明君 昨日行なわれました外交防衛の連絡会議ですか、外務大臣防衛庁長官官房長官、お三人の大臣の話し合い、けさ大綱的には出ておりましたが、もしそれについて何かさらに具体的に触れられる面があればお話をしていただきたいと思います。
  91. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 先月の初めに防衛庁長官官房長官と三人で相談をし、また総理にも相談に乗ってもらいまして、われわれとしてはこの国会の御論議を通じてますますこれを痛感するわけですけれども、外交基本としては、何としても国際緊張緩和、平和への戦いをやっていかなければならない。それと日本の自主防衛というものは相一体となって考えていかなければならない。そこで少なくとも毎月一回三人で集まって、そう申しては批判がましくなりますけれども、従来よく閣僚協議会とか懇談会とかいうものがたくさんございますけれども、これには大ぜいの事務当局が参加をして、そしてデータの説明や案の説明があって、大体において閣僚はうんうんと言ってそれで済む例が多いんでございますけれども、こういう外交とか防衛とかいう問題については、もう少し閣僚自身がほんとうに全責任を持って考えていかなければならないということで、原則的に事務当局も参加しないでとっくりとひとつ考えていこうということで発足したわけでございます。そこで、昨日第二回をいたしましたが、そういう話し合いの結果でございますから、国際情勢あるいは他国の国防政策とかいうようなものについて、私どもとして感じるようなところを、もう隔意なく、これは議事録も何もつくりません、ほんとうに懇談し、意見の交換をするということで、昨日も国際情勢一般あるいは各国の国防政策の中で、昨日はアメリカを中心とした最近の動きや考え方の事情なども、いろいろな情報交換し合って懇談をいたしました。同時に、やはりわれわれとしては行政官庁としての責任を持っておりますから、たとえば基地問題等に対する具体的な意見の交換、たとえば現在の状態において一昨年の暮れの安保議会で五十の基地の整理あるいは共同使用ということがきめられたけれども、実は二十七ぐらいについては進んでおります、あるいは完了したものも相当ございますけれども、せっかく五十の合意があったのに、どういうところに隘路があるんだろうかというようなことや、これが現行の地位協定との関連でどういう点があるだろうかというような現実の行政上の問題にもちょっと時間をさいた。それから、沖繩の返還の準備につきまして、これは最も一大事な当事者である総理府総務長官が入っておりませんでしたから、このほうは防衛庁外務省との関係のある事項だけ少し相談をいたしました。そして次回日米安保議会は、国会中はなかなかむずかしいものですから、もう少し早くやりたいのでございますが、やはり国会終了後すみやかにアメリカの都合も聞いてやろう、それまでに米側と協議を要するような事項があれば整理を急いでいく、こういうことで、ほぼ二時間弱の会議を終わったわけでございます。
  92. 黒柳明

    黒柳明君 特に防衛庁長官の談話として発表があったんですけれども、米軍地上部隊がアジア地域から減少していくだろう、七二年の沖繩の返還時において沖繩には米軍のアジアに対する補給基地として相当の兵力が行くんじゃないか、このようなことが言われておりましたけれども、何かこれを発言する根拠があったのか。あるいは、従来の米軍の海外軍事費の削減あるいは最近の一連の米軍のそういう基地縮小に対する発表、このようなことについてこういうことを想定したのか。きのうの話には当然外務大臣出られていたわけですけれども、防衛庁長官個人的な意見なのか、それとも、そういう点で一応意見が合意したのか、その点いかがでしょう。
  93. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) いま申しましたような会合でございますから、ずいぶんいろいろな話も出たわけでございますし、その中には、もちろん公式でない、未確認の情報などの話も出ておりましたから、そういうことのまた情報交換が必要なことだと思います。したがいまして、会談の内容そのものを申し上げるのは、熟さないことや時期が尚早である点もたくさんございますので、それとの関連ということでなくお聞き取りいただきたいと思いますけれども、アメリカとしては、最近の、たとえば責任者である国防長官の公式の発言等におきましても、これはいろいろの観点からでございましょうけれども、ドル防衛という見地も大きいんでありましょうけれども、やはり在外の基地はできるだけ縮小しようと、ある面においては数字まであげて公表もしております。しかし、この日本に関連する事項について、公式であると非公式であるとを問わず、アメリカ側から、日本については将来こうやっていこうというようなことは、まだ連絡を受けておりません。これは将来あり得ることであると思いますけれども、しかし、今後は日本側の主体的な立場に立ってどういう姿が望ましいかということは、やはりこちらはこちらとして考えておかなければならないことでございますから、そういう点から申しまして、もっと詰めて検討をし、場合によってはこれはアメリカ側との交渉に持ち出そうというような心がまえで勉強していこうということにはなっておるわけでございます。
  94. 黒柳明

    黒柳明君 その沖繩が、まあ七二年どういう形になるかわからないと思うんですが、いま申しました補給基地として存在意義を明確にしていく、あるいは重要性を持たせていく。こういう意向、まあアメリカ側にあるかどうかわかりませんけれども、そういう方向づけについては外務大臣としてはどのような見解をお持ちですか。
  95. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) いま申しましたように、まだ公式の見解として申し上げるものではないと思いますけれども、先ほど森さんのお尋ねにも冒頭に申しましたように、アメリカとしても日本の空気あるいは日本国民感情というものが相当理解が進んでいるように思われるんです。ですから、何と申しましても、純軍事的な評価や価値というものについては認めながらも、だいぶ考え方が変わってくるのではないかと思います。ですから、私どもほんとうに、個人的な感じだけを申し上げれば、純軍事的なものよりは補給というものに漸次まず変貌するということは望ましくない傾向ではないと思うんです。ただ、沖繩に対してどうなってくるか、あるいは本土の中の基地がどういうふうに整理あるいは縮小されるか、あるいは純作戦的な立場でどういうふうにデスカレートされるかということについては、まだ見通しは十分持っておりません。
  96. 黒柳明

    黒柳明君 それは、あるいはいまのに関連しまして基地の問題、まあ米軍との共同使用地位協定変更しなくても可能なんじゃないかと、このようなことも若干触れておりましたけれども、そうすると、いまの時点においてももし――これまた仮定のことですけれども――地位協定を変更しないで、もしも米軍との共同使用が可能なら、たとえば現時点においてもすぐにでも共同使用が可能な状態に沖繩の米軍基地はあると、自衛隊が派遣されると、こういうことも言われるわけです。
  97. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは沖繩について申し上げますならば、もう返還されて地位協定がかぶれば非常に私は改善されると思うんですね。これが沖繩についてはまず第一だと思います。それから本土について申しますと、現在の地位協定のもとにおいてもまだまだこちらがやりたいこと、あるいはやるべきことがずいぶん残っております。先ほど申しました、五十の整理がきまっておっても実現されたのが二十七ぐらいで、あと残っているというようなところは、別に地位協定の関係なく、その中には共同使用も含まれますけれども、できるんでございますね。あるいはまた、もっと正確に申しますと、地位協定によって処理されていないところもどうもあるんじゃないかと思いますが、これはまあよけいなことを申すようで恐縮なんですが、公明党でおやりになりました基地の総点検というようなものも、われわれとしても非常に評価しているわけでございますけれども、やはり防衛施設庁を担当している中曽根君としましても、現在の基地のありようの姿についてもう少し具体的に検討してみたい。そうして具体的に検討していくと、なるほど私がばく然と申していたんですけれども、地位協定を変えなくてもやれることが相当なるほどある、まずこれが第一だ。しかし同時に、将来に備えまして地位協定をどういうふうに変えるか、もっとよくなるかということも積極的に勉強してみましょうと、この申し合わせを確認したわけです。
  98. 黒柳明

    黒柳明君 若干防衛庁の守備範囲に入ると思うんですが、きのう外務大臣いらっしゃったんでお聞きしたいと思うんですが、まあ、自衛隊の派遣の四次防の中にそういう構想も練られておりますし、また返還も間近だし、軍労の問題で基地縮小しないで人員整理が行なわれるという矛盾もあるわけですけれども、まあ自衛隊が派遣されて、当然沖繩が返還された場合には、防衛というものを負担するわけですが、その場合に自衛隊がやっぱり当初においてはアメリカをサポートする、やがては半々になるか、あるいは主体的には自衛隊が守備範囲を拡大していくと、このよなことに当然なっていくと思うんですが、それにはやっぱり一つの青写真というものを政府がきめて、それに沿ってやっぱりやっていかなければならぬと思いますし、当然解雇の問題と基地縮小の問題もその中の一環に入っていくと、こう思うんです。ただ、アメリカ側としては、いま現在海外基地の縮小ないしはドル削減、こういう問題には手をつけているけれども、はたして沖繩自体のそういう具体的な方策というものを立てていくということは非常に疑問だと思うんですけれども、その点、やっぱり政府側がプッシュしていくことによってアメリカ側の姿勢がそっちに向いていくんじゃないか、こういうふうに思われます。いま非常にやっぱり不安なのは、その中期的な――長期的には無理だと思うんですけれども――青写真がない。そういう中で、目の前に起こった現象一つ一つをどうしたらいいのか。こういうことを、ただ単に、いま国防の問題だけではないけれども、いまのこういう沖繩の基地の問題もすべて含めて沖繩自体について問題があると思うんですけれども、これはもう総理府あるいは防衛庁全部を含んで、やっぱり日米間の外交の窓口である外務省、なかんずく外務大臣が、こういう大所高所から、やっぱり沖繩問題についてはある程度中期的な青写真というものを向こうに早急につくらす。その一環として、総理府防衛庁もおのおの分担任務というものについて、明確な、何といいますか、プラン作成ができるんじゃないかと、こう思うんですけれども、その点についていかがでしょう。
  99. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これはもう全くごもっともなんであります。で、私どもとしてもさような方向で考え、かつ、具体的にとるべき行動をとりたいと思っております。で、何よりも必要なことは、青写真をつくるにいたしましても、現地において今日の状態をよく調べさせてもらうことが第一に必要でございまして、これは防衛庁のほうから計画をお聞き取りいただきたいと思いますけれども、日米協力してそういう方向へ向かうのではないか、私もそれを期待いたしております。その調査といいますか、研究と並行して青写真というものに取り組むべきじゃないか。で、防衛庁としては、第四次防の問題も将来の問題としてございますから、それとの関連も考えるべきはなかろうかと思いますが、そういう方向で、もうまことにごもっともでございます。政府としても、それを十分体しておるつもりでございます。
  100. 黒柳明

    黒柳明君 それに関連して、先ほど大臣がおっしゃった在日米軍基地のことですが、五十カ所の縮小が発表されて、もうやがて一年半年くらいになります。そのうち半分ぐらいが、実質的とは言いませんけれども、一応返還された形になっておるわけですけれども、まだ半分残っているし、まだまだ名目上、使用されてない分も相当あるわけです、残っている百数十カ所の中で。何か私たち見てますと、アメリカ側が主導的にやっぱりコントロールしているみたい。当然そうならざるを得ないと思うんですけれども、もう一つやっぱり日本政府としても、この問題について、在日――日本の中にある基地ですからね、現状というものは沖繩以上に明確につかんでいると思うんですが、もっと日本政府が、日米協議会では当然やっているとは思いますけれども、より以上に促進する方向に向けてもらいたいし、あるいは沖繩の問題にしても、もうあと二年目といっても、二年あるかどうかで返還なんですから、大臣おっしゃったように、この前、総理大臣ですか、基地の中へ立ち入ると、こういうようなことを答弁されてましたけれども、そういうことも積極的にやっていただければ、政府のすべてのこういう施策についての前向きの姿勢というものを国民の皆さんが知って納得していくんじゃないかと、こう思うんですけれども、その点もっと私は積極的な姿勢を望みたいと思うんですが、現状あるいは今後の方向はどうでしょう。
  101. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) まず、本土のほうの問題でございますが、アメリカ側との話し合いということももちろんでございますけれども、これはどうもあまり率直に言い過ぎるかもしれませんけれども、日本側に原因があって処理がおくれているものも実は相当ございます。むしろこういう点では、ことばは言い過ぎかもしれませんが、押されぎみのところもあるんですね。これが、さっき申したようなことは、具体的な傾向としては、アメリカ側からさらに将来出てきました場合に、こちらは観念的には基地の縮小とかなんとか言いながら、向こうが整理をしようとしているところに.こちらが、受け入れ体制といいますか、それに応じ切れないようなことがあってはほんとうに政府として申しわけのないことでございます、国民に対しても。ですから、関係省庁あるいは地方公共団体その他も含めましてこの問題については積極均な協力というものがもっと力が入ってこないといけないと、非常に率直なことでございますが、こういう反省を私ども一しているわけでございます。もちろん、アメリカに対しても今後とも大いに話を進めていきたいと思います。  それから沖繩については、先ほども申しましたが、これはまあほんとうに防衛庁のほうからもお聞き取り願いたいと思いますけれども、かなり積極的になってきました。そして、実はこの委員会でも、返還話がきまります前は、沖繩の基地の状況はどうだというお尋ねがありましても、施政権があるので立ち入って見るわけにはいかないという公式の態度でございましたけれども、返還話がとにかく大綱がきまった今日におきましては、そういう点も非常にやりやすくなっている。この条件と環壊の中にもっと積極的にやらなければならない。幸いに防衛庁のほうも積極的になってきておるように見受けます。
  102. 黒柳明

    黒柳明君 時間がありませんで、最後に、いまの「積極的になっている」ということ、大いにいい傾向ですけれども、日米間で、日本が沖繩の現状――これは基地に限らないと思うんですけれども、そういうものを踏まえての返還に対するすべての施策を練らなければならないということを、なかんずくアメリカの事情についてだと思うんですけれども、日米間で公式にそういう意見がかわされ、あるいはいつの時点においてか行くぞ、見せるぞ、こういうようなことはもう話は出ているわけですか。
  103. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは原則的には、積極的に動いているように私は見受けております。いつ、どういうふうに、どうなるかということまでは、まだ私申し上げるだけの材料を持っておりませんけれども、傾向とし、あるいはムードとしては、それは十分素地ができているように見受けております。
  104. 長谷川仁

    ○委員長(長谷川仁君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会