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1970-03-24 第63回国会 参議院 法務委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月二十四日(火曜日)    午後零時十二分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         小平 芳平君     理 事                 後藤 義隆君                 亀田 得治君                 山田 徹一君     委 員                 上田  稔君                 小林 国司君                 山崎 竜男君                 小林  武君                 山高しげり君    国務大臣        法 務 大 臣  小林 武治君    政府委員        法務大臣官房司        法法制調査部長  影山  勇君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局総務局長   寺田 治郎君        最高裁判所事務        総局刑事局長   佐藤 千速君    事務局側        常任委員会専門        員        二見 次夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 小平芳平

    ○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。小林法務大臣
  3. 小林武治

    国務大臣(小林武治君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、裁判所職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。  第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、地方裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補の員数を二千人増加し、また、簡易裁判所における交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、簡易裁判所判事の員数を五人増加することにいたしております。  第二点は、裁判官以外の裁判所職員の員数の増加であります。これは、地方裁判所家庭裁判所及び簡易裁判所における事件の円滑な処理をはかるため、裁判所書記官家庭裁判所調査官及び裁判所事務官を増員しようとするものでありまして、合計百五人増加することにいたしております。  以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願いいたします。
  4. 小平芳平

    ○委員長(小平芳平君) 以上で説明は終了いたしました。  これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 若干御質問いたします。  今回の増員でありますが、政府の先だっての裁判所関係の予算の説明の際にも承ったわけでありますが、学生集団事件などの適正迅速な処理をしなきゃならぬようになっておるというふうなことが一つの大きな原因になっておるようです。その点は間違いありませんか。
  6. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判官につきましては、主としてそれが理由になっております。
  7. 亀田得治

    亀田得治君 そこでお尋ねいたしますが、いわゆる学生を中心とする集団事件の状況ですね、ずいぶんマスコミにもたくさん報道されておるわけですが、どの程度の状況になっておるのか、ひとつ概略御説明願いたいと思います。
  8. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 学生を中心とする集団事件の状況でございますが、昭和四十四年――昨年十二月末日現在の係属庁といたしましては、支部八カ所を含めまして四十一庁に係属いたしております。係属人員は合計三千五百五十七人となっておるわけでございます。これが昨年末の係属の状況でございます。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 四十一庁全部おっしゃる必要はないと思いますが、件数の多い順番に、どの裁判所にどの程度受理されたのか明らかにしてほしいと思います。
  10. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) まず一番多いのは東京地方裁判所でございます。昨年末までに受理いたしました人員を申し上げますと、二千八百七人でございまして、既済が四百十五人、未済が二千三百九十二人、これが一番多いわけでございます。それから大阪地方裁判所、受理が二百四十一名、既済が十一名、未済二百三十名ございます。次、京都地方裁判所でございますが、受理が百七十三名、既済五、未済百六十八となっております。さらに、神戸地方裁判所におきましては、受理が百四十一、既済一、未済百四十名。その次に多いのは福岡地方裁判所でございますが、受理が九十二名、既済が二、未済が九十名。その次が横浜地方裁判所でございますが、受理が七十二名、このうち既済が二十名、未済五十二名。おもなところは以上のとおりでございまして、いずれも昨年十二月末現在でございます。
  11. 亀田得治

    亀田得治君 罪名はどういうふうになっていますか。
  12. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 起訴罪名は多岐にわたります。公務執行妨害、建造物侵入、凶器準備集合、威力業務妨害、傷害、暴行、公安条例違反といったものがおもでございますが、そのほか放火、傷害致死、殺人未遂、殺人予備等の事件もございます。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 いま学生事件の内容について深く入るつもりはないんですが、この中で既済というものを拝見いたしますと、これは一審判決上訴しておらない、それで確定したというのがほとんどだろうと思うんですが、そうなんですか。
  14. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 若干上訴いたしておるものもございます。
  15. 亀田得治

    ○亀田得治君 いや、確定……。
  16. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) たとえば、東京につきまして既済四百十五とございますが、この大部分は執行猶予がつきまして確定しているという状況でございます。もちろんこの中には上訴もございますけれども、多数は確定いたしておるということでございます。
  17. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうですね、これ全部ひっくるめてというわけにもいきませんから、東京地裁のやつだけを詳しくお答え願いたいと思うんですが、既済四百十五名となっておりますが、その内容をもう少し詳しく説明願いたいと思うんです。どういう判決であるのか、結論的なところを。
  18. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) まず、東大関係事件を申し上げます。起訴六百七名でございまして、現在までの既済が二百三十二名あるわけでございます。その二百三十二名のうち、控訴いたしました者が三十名でございまして、三十名のうち、被告人控訴が二十八名、弁護人控訴が一名、検察官及び弁護人の双方から控訴のありました者が一名、かようになっております。
  19. 亀田得治

    ○亀田得治君 この東大事件の場合、六百七名のうち二百三十二名が判決があった、うち三十名控訴ということになるわけですが、この三十名の者はこの表では未済となっているんですか、それは一審としては既済という意味で書いてあるわけですか。
  20. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 一審といたしまして既済という趣旨でございます。
  21. 亀田得治

    ○亀田得治君 この控訴三十名というのは、ほとんど実刑ですか。二百三十二名の判決の結論の内訳ですね、少し説明してほしい。
  22. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 控訴いたしました者はほとんど実刑が多うございます。
  23. 亀田得治

    ○亀田得治君 実刑でない者もあるんですか。
  24. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 実刑でない者も若干ございます。大部分は実刑でございます。
  25. 亀田得治

    ○亀田得治君 実刑でない者の控訴というのは、それは検察官の一はそういう者があるかもしれぬと思いますが、何件ぐらいあるんですか、実刑でなく控訴に進んでいるのは。
  26. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 具体的に数を私調べてまいりませんでしたのではっきりお答えできませんが、ごく少しではなかったかという記憶でございます。
  27. 亀田得治

    ○亀田得治君 追って資料をください。二百二十二名の中の三十名以外は、ほとんどこれは実刑はないわけですか。
  28. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) いずれも執行猶予であったと記憶いたします。
  29. 亀田得治

    ○亀田得治君 無罪というのはないんですね。
  30. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) なかったと記憶いたしておりますが、記憶でございますので、あるいは一件ぐらいあったかと思いますが、記憶では、ございません。
  31. 亀田得治

    ○亀田得治君 ではこれも迫って一緒に資料ください。  大阪の地裁の場合はどうですか。
  32. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 大阪地裁、昨年末で既済十一名でございますが、これはいずれも執行猶予で、上訴がなかったかと存じます。
  33. 亀田得治

    ○亀田得治君 横浜地裁はどうでしょう。
  34. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 横浜地裁は既済二十でございますが、これもいずれも執行猶予であったと記憶いたしております。
  35. 亀田得治

    ○亀田得治君 上訴なしですか。
  36. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) はい。
  37. 亀田得治

    ○亀田得治君 それから次は、京都五名、これはどうですか。
  38. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) これはいずれも執行猶予で確定しておると思います。
  39. 亀田得治

    亀田得治君 福岡の二名はどうですか。
  40. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 福岡の二名につきましては、いずれも二名控訴しておったと記憶いたしております。
  41. 亀田得治

    亀田得治君 実刑ですか。
  42. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) ちょっといまのところ記憶しておりませんが……。
  43. 亀田得治

    亀田得治君 ちょっと調べてください。  それから東京の八王子支部ですね、これが三十二名中十五名、半分近く既済になっているわけですが、これはどういう内容ですか。
  44. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) その詳しい資料を持ってまいりませんでしたが、いずれも執行猶予で確定というふうに記憶いたしております。
  45. 亀田得治

    亀田得治君 まあこれらの裁判の中で相当紛糾した法廷もあるわけですが、その中で特に、被告人がおらない、また弁護人も立ち会っておらないというふうな、まことにこれは不正常な法廷ですが、そういうものは何回ぐらいあったんですか。
  46. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) いわゆる統一公判を要求しておりまして、出廷を拒否し、あるいは出廷いたしましても審理に応じないという、いわゆる統一組と呼ばれておりまする被告人、統一組が三百数十名おるわけでございまして、これらの被告人の法廷におきまして、いま仰せのとおり、欠席のままの審理が行なわれるという状況があったわけでございまして、その被告人の数は三十数グループに分かれているわけでございます。その三十数グループに分かれましたそれぞれの法廷におきまして、いま申し上げたような状況が続いたということでございまして、その回数は一々とってございませんのでございます。
  47. 亀田得治

    亀田得治君 三十数グループあって、各グループにおいてそういう現象があったんですか、そういうことのないグループもあったということなんですか、どうなんです。
  48. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) いま申し上げましたのは、いわゆる統一要求のグループでございますので、そこではすべてそういう態度をとったわけでございます。そのほかに、いわゆる分離希望という被告人の人たちが二百名ぐらいおりまして、それはいわゆる審理に応ずると申しますか、裁判を受けると申しますか、そういう態度であったわけでございます。統一公判を要求しておりまするグループが、先ほど申し上げたような態度をとったということでございます。
  49. 亀田得治

    亀田得治君 これは、いま被告人弁護人態度なり、あるいは裁判長の指揮の問題なり、そういうものについてここでよしあしを論議しようという意味で聞いているのじゃないのですが、ともかく、そういうことはまことに異常なことですから、そういうことがいつといつ何回起きておるのかということ、そういう事実だけ明らかにしておきたいと思って聞いておるわけです。わかりませんか。
  50. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 先ほど申し上げましたが、三十数グループで毎回そういう状況がずっとあったわけでございます、昨年の暮れまで。でございますので、それを一々とても数えて集計してはいないわけでございます。そういう状態のまま、ついに判決に及んだということであろうかと思います。もちろん全部ではございませんが、昨年の十一月にいわゆる統一組の判決が九名について言い渡された、これが統一組についての最初の判決であったわけでございます。そういう状況で判決を受けるというところまで行ってしまったということでございます。
  51. 亀田得治

    亀田得治君 これはひとつ調べてくれませんか。どのグループで何回あったか、それをひとつ集計すればわかるわけですね。それともう一つは、判決の言い渡しも不在のままであった、これはそんなによけいないのだろうと思うのですが、その点も。新聞には個々的にしか出ておりませんので、全部この際知っておきたいと思うのです。
  52. 佐藤千速

    最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 実は私どものほうも、先生の御質問に対して十分数字的なことを申し上げかねたのは、各裁判は非常に多忙でございまして、そこへ一々照会するということを実は私どもなるべく控えたわけでございます。それだけでも実は各部がたいへんなものでございますので、何回、いつの期日にどうであったかということを、すべての公判部にしょっちゅう照会するということ自体、非常に当該部の事務としましてはたいへんなことであるものでございますから、いま先生の仰せになりましたようなことまで十分に取れますかどうか。相当時間をかければ可能かと思いますが、それだけ書記官あるいは事務官の人たちの事務としては過重になるということもあるものでございまするから、実はそういう統計的なことを控えているわけでございます。ほとんど毎回起きておりますので、その期日をずっと集計していきますればそれは明らかになると思いますので、若干時間をちょうだいいただきますれば、資料を作成して提出したいと思います。
  53. 亀田得治

    ○亀田得治君 時間かけてもらってけっこうです。これは中身のせんさくをいましようとしているのじゃないので、ともかく日本の裁判史始まって以来の異常な事態だろうと私は思うのです。だから、それは裁判長にしても非常な苦心をしておるだろうし、中身の論議は別にして、回数がどの程度あったものなのか、そのことがはっきりしないのじゃ論議の前提がないわけですから、そういう意味でお尋ねするわけです。決して各裁判官の態度をこれによって調べるとか、そんな意味のことじゃこれは全然ないわけです。そういうような理解でお調べくださるのであれば、ほとんどが欠席のままだというのであれば、非常にこれは早いわけですね――ずっと公判期日を全部並べればすぐ集計が出るわけだから。だから、どうせ調べるのであれば、もし弁護人なり被告人が在廷のことがあったならば、その数も同時に、それは両方数えなければいかぬのだろうから、両方わかるようにしてほしいと思います。そうして、特に最後の判決の日のやつは、これはかち合ったのもあるようにちょっと聞くのですけれども、その点。この三つぐらいがはっきりするようなね。
  54. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) ちょっと御了解を得たいと思います。  こういうような状況であるわけでございます。出てまいりまして、もう審理をやめろというようなことで喧騒をきわめるために、退廷を命ぜられてしまう。そこで審理が進んでいくという場合もございますし、そもそも出てこないという場合もございますので、厳密にそれをこまかく、いつの期日はどうであったか、何名、どういう状況であったかというのまではとうてい把握できないだろうと思うのですが、大かたの概要はまとめることができようかと思いますので、その程度のことで御了承いただきたいと思います。
  55. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあそこは概略でいいですわ、注でもつけてもらえば、おおよそわかりますから。初めは来ていたがそのうち口論になっていなくなってしまったというようなのはどちらへ入れるかということはなかなかむずかしいだろうと思いますから、適当に注をつけてもらえば概略はわかるわけですから、しかるべくやってください。  そこで、未済の方がまだ三千五百五十七人あるわけですね。これは相当長引くわけですか、見込みとしてはどうですか。
  56. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 問題は東京地裁でございます。相当数の未済があるわけでございます。たとえば、昨年の四月二十八日の沖繩デー事件では、二百二十四名起訴されておりまして、既済が百十名、未済が百十四名、この未済の百十四名の中には統一公判を要求している人たちが九十三名いるわけでございます。これにつきましては、弁護人がごく少数ついておられたわけでございますが、昨年の暮れに、裁判所としましては、これを六つのグループに分けまして審理を進めていくという方針をきめたわけでございます。起訴から昨年の暮れにこのように方針をきめるまでの間、弁護人と実はこのグループ分けの問題について折衝を重ねてまいったわけでございますが、ついにその間にいわゆる話し合いがつかないという状況で、いつまでも放置できませんために、昨年の暮れに、裁判所としては、六つのグループに分けて審理をするという方針をきめたのです。ところが、担当弁護人はこれを不満とされまして、みんな辞任されてしまったというような状況にございまして、実質的な審理に入る前にこのようなことのために相当時間を空費するというケースの一例としてこのような場合があるわけでございます。この種事件におきましては、限られた弁護人がついておられるということでございまするので、審理に入りましても、期日の入れ方等に相当むずかしい問題があるのではないかというふうに思われますので、この未済事件の処理という今後の見通しにつきましては、なかなか楽観を許さない状況ではないかというふうに実は心配をしている次第でございます。
  57. 亀田得治

    ○亀田得治君 いま一つ実例をおあげになったわけですが、その沖繩デーに関する事件の九十三名の扱いについて、六つのグループに分けたという場合に、これは弁護人が何名ついているのですか。
  58. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) たしか三名か四名ぐらい――実質的にでございますね。名前を連ねておらるる方はほかにもおられると思いますが、実質的に弁護人として活動しておらるるのは三名かそこらだというふうに聞いております。
  59. 亀田得治

    ○亀田得治君 その六つのグループに被告人を分けた際に、弁護人も全部分割したわけですね。弁護人は各グループとも全部ついておるようなかっこうに――これはまあ弁護人自身の意思にかかわるかもしれませんが、一応そうなるわけですか、弁護人は各グループに全部ついておる。
  60. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) おそらく重畳してすべての被告人に弁護人はついておらるるかと思います。
  61. 亀田得治

    ○亀田得治君 じゃ、それは実質的におやりになっておる弁護人が辞任されて、あとはどうなっておるのですか。
  62. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) その状態まで承知しておりますが、あといかに事件を進めるかということは、現在東京地裁の係属部におきまして検討している段階であるかと存じます。
  63. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあうまくいかないと、これはまた弁護人不在の法廷というのが出てくるおそれもあるわけですね。
  64. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) さようでございます。その心配があるわけでございます。
  65. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは、最高裁としては、先ほど来お聞きしたような異常な状態について、何かその解決のために努力などをしておるのか、あるいは、これはもう担当裁判官の訴訟指揮の問題だからということで、一切そこへ御一任しておるというかっこうなのか、その点どういうことなんでしょうか。
  66. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 具体的事件の審理の進め方の問題になってまいるわけでございます。御承知のごとく、必要的弁護事件でございますれば、国選弁護人をつけるかどうかという問題でございます。東大事件では、若干放火事件等で必要的弁護事件がございまして、例の統一公判要求ということで、この必要的弁護事件をいかに進めるかということでかなり問題があったわけでございますが、これは結局このような必要的弁護の事件については東大弁護団の弁護人の方も審理に出てきて審理に応ずるというような方針をとられたということで、そのことはまず解決ができたわけでございますが、いわゆる必要的ではない任意弁護の事件におきまして、先ほど来お話し申し上げておりますような欠席判決というところまで行ったグループがあるわけでございます。で、この任意的弁護事件について、私選弁護人が公判廷に出てこない場合に、そのまま事件の審理を進めるべきか、あるいは国選弁護人を付して審理を進めるべきかという問題があるわけでございますが、これは刑事訴訟法の二百九十条の問題としまして、当該裁判所の裁量の問題ということになっておるわけでございます。私どもとしましては、この種事件の処理につきまして、関係しておりまする裁判官の協議会あるいは会同等におきまして、この種事件の処理につきまして、互いに経験を交換し、また意見を交換するという機会を昨年一年の間にしばしば持ったのでございまするが、いま申し上げましたような具体的な事件の処理の問題でございまするので、私どもといたしまして、どうするこうするというアドバイスをするということはむしろ控えるべきである、かように考えてきておるわけでございます。
  67. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、問題は、必要的弁護事件の場合にはこの弁護団も出てくるということですからこれはよろしい、そうでない場合のことだということのようですが、結果としては、裁判長によってだいぶまちまちな結果になっているだろうと思いますが、それはどうなんです。
  68. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 東大事件について申しますると、大部分の、ほとんど全部の公判部におきましては、そのままの状態で審理、証拠調べを進めていかれるという方針をとられたわけでございます。ごく少数の部におきまして、その問題についてなお考慮しておられる。できれば当該私選弁護人が公判に出てきた状態で審理を進めたいということで、説得もし、いろいろ考えておられる。なお、その点、被告人と弁護人の協力を待つと申しますか、そういうことで考えておられるという部もあるようでございまするが、大部分の部におきましては、いつまでも審理を進めないでおくというわけにはいかない、審理を進めるという責任上やむを得ないということで、欠席のまま証拠調べに入ってきておるという状況であると存じます。
  69. 亀田得治

    ○亀田得治君 裁判長によって、そういう場合に国選弁護人をつけたのもあるんですか。さっきから大部分大部分とおっしゃるから、若干でも裁判官の意見によって国選弁護人をつけて進めたというのがあるわけですか。
  70. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) まだ具体的にそこまで行ってないようでございます。
  71. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、つけないで進めておるのが大部分であって、若干残っておるのはあるが、それはどうするか検討しておる、こういうふうに理解しておいていいわけですか。
  72. 佐藤千速

    ○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 一言で申せば、そういうことでございます。検討と申しましても、国選弁護人を付した場合に、はたして被告人との間は、特に国選弁護人はうまくいくだろうかという心配もございますので、そこの点のところを検討しておられるのであると存じます。
  73. 亀田得治

    ○亀田得治君 そういう学生事件等があって、特に東京地裁が非常に忙しくなったという状況は、これはわかりますが。したがって、今度増員される判事補二十人とか、そのほか裁判所書記官、あるいは裁判所の事務官――これは法廷警備員とこういうことのようですが、これらはほとんどが東京地裁に配属される、こういうふうに理解していいんですか。
  74. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいまの亀田委員のお話の中で、裁判官につきましては、お話のとおり、東京、大阪を中心に配置する、書記官もそれに伴なってそれらの裁判所に配置することになるだろうと考えております。若干その他の裁判所にも回すつもりでございます。しかし、法廷警備員につきましては、これは現在、御承知のとおり、すでに全国で百人程度の法廷警備員がおりまして、これでは現状において不十分であるということで今回の増員をお願いしているわけでございますので、現在の配置等ともにらみ合わせまして、おのずから東京にはかなりの数が参ることになると思いますが、かなりこれは分散して配置する、かようなことでございます。
  75. 亀田得治

    ○亀田得治君 家裁調査官十人というのも、判事補、書記官などと同じように理解していいのですか。
  76. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 家裁調査官も、少年と家事というふうに分けますれば、家事よりは少年のほうにウエートを置いて考えているわけでございます。したがいまして、少年事件が学生集団事件等で参るということが相当念頭にあるわけでございますので、配置につきましてもやはり先ほど申し上げましたようなことにやや準ずるということになろうと思います。ただ、先ほどの裁判官にいたしましても、あるいは調査官にいたしましても、学生集団事件が多発しておりますところは、同時にその他の事件も多いわけでございますので、結局そういうところに配置するということは全体の事件との関連においてもおのずから考えられる、こういう考え方をとっているわけでございます。
  77. 亀田得治

    亀田得治君 それから、この法廷警備員というのは警備ですね、廷吏とは違うのですね。
  78. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 廷吏とは別個でございます。
  79. 亀田得治

    亀田得治君 廷吏と警備員の違いというのは、どういうことになるのでしょうか。
  80. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これはまず、亀田委員の御承知のとおり、廷吏は法廷には必ずいなければならない必要的な官職でございます。そこで、事件の読み上げ、その他証拠書類でございますとか、弁護人との間の取り次ぎでありますとか、亀田委員つとに御承知の法廷内の仕事をいたすわけであります。これに対しまして法廷警備員は、これはむしろないほうがたてまえでございまして、最近の東京地裁の警備員のような、法廷がいわゆる荒れてまいりますと、かなり常時いるような形にもなっておりますので、全体から申し上げますれば、むしろ法廷警備員というのはきわめて例外的に配置する、こういうものでございます。
  81. 亀田得治

    亀田得治君 現在廷吏は全国で何名くらいになっているのですか。
  82. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 廷吏は全国で約千八百名でございます。
  83. 亀田得治

    亀田得治君 東京では何名ですか。
  84. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ちょっといま正確な東京の数字を持っておりませんので、正確な数字はあとで申し上げたいと思います。
  85. 亀田得治

    亀田得治君 廷吏が通常の場合には警備的なことも一必要のある場合には兼ねてやっておる、そういうことになるんですか。
  86. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 通常、廷吏は法廷には一人しか配置いたしておりませんし、それからまた刑事事件の場合でございますと、拘禁中の被告人については、御承知のとおり、拘置所からついてまいっておるわけでございますので、廷吏が警備的な仕事を全然やらないと申し上げては当たらないと思いますけれども、しかしいわゆる警備的な仕事は廷吏の仕事の中ではそう大きなウエートを占めているのではない、かように考えております。
  87. 亀田得治

    亀田得治君 廷吏の数が足らないために、廷吏を法廷に置かないで法廷を開いているようなことはないですか。
  88. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) そういうことはないと確信いたしております。
  89. 亀田得治

    亀田得治君 それは、確信ということじゃなしに、何かお調べになったことあるんですか、そういうことを聞く場合があるんですがね。
  90. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、私どものほうとしては、十分各法廷に廷吏が立ち会えるような数の、法廷の数その他と見合いまして廷吏を配置しているわけでございますが、必ず廷吏は立ち会っておると考えているわけでございますが、何かのかげんでちょっと中座するというようなことが絶無かどうか、その点まで調査したことはございませんけれども、常にさような指導をいたしておると、こういうことでございます。
  91. 亀田得治

    亀田得治君 それは、ちょっと裁判が長くなって手洗いに行くとか、そういうことじゃなしに、法廷があちこち開かれて、絶対数が足らぬために廷吏なしでやっておるというふうなことを聞くことがあるんですがね。そういうことは各地裁等から要求などが出てきておらぬわけでしょうか。
  92. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 廷吏というのは、御承知のとおり、裁判所法に定められた重要な官職でございます。仕事の内容は必ずしも高度とは申せないかもしれませんけれども、法廷をめぐる職員としては非常に重要な職員でございますので、廷吏に関しまして定員の上申等ございます際には、これは十分配慮いたしておるわけでございまして、私どもとしては、廷吏が不足するために法廷を開くときに廷吏が立ち会えなかったというようなことは、所長等から聞いていないわけでございます。
  93. 亀田得治

    亀田得治君 所長よりも、実際に裁判を担当しておる弁護人等のほうがよく知っておるのかもしれませんね。それで、私、具体的にどこの裁判所と聞いておるんですがね。これが不正確な間違ったことが記録の上に載ったりして、そこの裁判所責任者に迷惑かけてもいかぬから、名前をここで出すのは省略しておきますが、あとからまたお伝えしますから、実情を聞いてみてください。
  94. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点は十分伺いまして、十分調査することにいたしたいと思います。
  95. 亀田得治

    亀田得治君 それから、いわゆる法廷警備員が現在百名ほどあるということのようですが、これは全国的にどういう配置になっていますか。
  96. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 法廷警備員の配置は、現在大体東京に三十名程度いるわけでございます。そのほか、大体高裁所在地、それから六大都市というようなところに数名ずつおりますのが実情でございます。ただ、場合によりましたら申し上げてもよろしゅうございますが、何でございますればあとで資料でお届けしてもいいと思いますが……。
  97. 亀田得治

    ○亀田得治君 ちょっと数おっしゃってください、たいした数じゃない。
  98. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) それでは、これは現在の数は概数としてお聞き取りいただきたいと思いますが、東京三十人、大阪十八人、名古屋十人、広島十人、福岡十人と、あと二名ないし五名おりますのが、静岡、神戸、山口、熊本、仙台、札幌、高松と、こういうところに数名ずつおります。
  99. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは、法廷警備員というのは、特に裁判所法などできめられておる、そういうものじゃないはずですね。これは廷吏とその点じゃ非常に違いますね。それはどうなんです。
  100. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) そういうように、つまり法廷警備員という形で官職としてきめられておるものではございません。裁判所事務官が法廷警備員に充てられるわけでございます。
  101. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、いわゆる廷吏じゃなしに、事務官という資格になるのですか。
  102. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所法上は裁判所事務官でございます。
  103. 亀田得治

    ○亀田得治君 ちょっとさっきの廷吏のことに戻りますが、廷吏がおらないで公判をやられても、それは別にその公判が違法だとか、そんなことにはならないのでしょうか。
  104. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点についてまだ判例がないように存じますので、最終的には判例で解決される問題かと思いますが……。
  105. 亀田得治

    ○亀田得治君 あなたはどう思います。書記官は、当然これは必要ですけれどもね。廷吏の場合どう思います。
  106. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私どもとしては、そういう状態の起こらないことを確信いたしておるわけでございますが、非常に長期にいなかった、あるいは全然最初から最後まで立ち会わなかったということは、非常に穏当でないわけでございまして、法律的にどういう効果を生ずるかということは非常にデリケートな問題でございます。
  107. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは、デリケートといいますけれどもね、法廷を開くについての必要的な要素ということにはならぬのじゃないですか。それがいなかったら違法な法廷というふうなことになると、また判決の効果にも影響を及ぼすとか、そういうふうな性格のものではないように思うのですがね。だから、たとえば法廷の数と廷吏さんの数がうまく合わないで、おらないというような場合、書記官の方が事実上代行してやっているのかもしれませんね。そういうようなことで、その仕事をやるかわりの人はおるわけだがね、だれかがいなくちゃいかぬわけですから、影響ありますか、ないですか、もうちょっとはっきり……。
  108. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所の規定でございますし、必ずとは書いてないわけでございますが、私どもとしては廷吏を必ず配置するようにと考えておりますような気持ちからいまのように申し上げておるわけでございますけれども、訴訟法的な規定ではなかろうと思いますので、そういう意味では、亀田先生のおっしゃいますように、それによって直ちに訴訟法的な効果を生ずるということにはならないというのが普通の考えであろうかと思います。
  109. 亀田得治

    ○亀田得治君 それで、その警備員のことですがね、これはまあ普通は要らぬものですわね。裁判官、書記官、それから記録をする関係という、これだけでいいわけですね。こういう警備員というようなものは、本来裁判所としては好ましいものではないと私は思うのですね、警備しなければならぬというのは。公開の法廷で、そうして理論的にお互いにやりとりをするという場所ですからね。しかし現実には必要だから置いておるのだということだろうと思いますが、その辺をどういうふうにごらんになっているか。まあ必要なものはしかたがないと思いますがね、基本的な姿勢ですね、姿勢。裁判所が何かそんなものに守られてやっていくということでは、あんまりこれは権威がないわけでしてね。その辺の考え、どういうふうに……。
  110. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 基本的には全く亀田委員のお話のとおりでございまして、私どもとしてもかような職員を配置しなくてもいいという状態が出てまいりますことを心から希望しておるわけでございます。ただしかしながら、これまたいまお話にございましたように、現実に御承知のような法廷の状況があるということを前提として考えますと、一方で私どもとしては、警察官を法廷内に入れることは、これはまあ極力避けたい、そういうことはいたしたくない、法廷に限らず、裁判所の構内へ入れますことをできる限り避けたいという気持ちが一つあるわけでございます。それらもう一つ、現状では、やむを得ない場合には、かなり書記官や事務官、一般の職員諸君に、警備の応援といいますか、警備を命じておるわけでございます。これは規定もございまして、そういう配慮をしておるわけでございますけれども、これも本来、書記官とか一般の事務官はそういうことをやってもらうために裁判所へつとめてもらっているわけではございませんから、やむを得ない場合は別といたしまして、できる限りそういう人たちから、書記官や事務官から警備のような任務は解放したいと、そして本来の業務に携わってほしいと、こういう二つの要素がございますので、そうなりますと、勢い警備を専門にする職員を裁判所みずから使って警備をするということもやむを得ない状態だと、こういうふうに考えるわけでございます。しかし、それにいたしましても、なるべく機動的に能率的に使うという方法で、これはいずれの裁判所で必要といたしましても、ある程度集約的に配置して機動力を発揮するというような方法でやってまいりたいというのが今回の百人という数を決定いたしました根拠になるわけでございます。これは比較として申し上げることはあるいは妥当でないかもしれませんけれども、国会におかれましても、私どもいろいろ出入りいたします場合に相当注意を受けて、そしてやかましくおっしゃって出入りを見ておられる。これもやはり、国会は国民の代表の府であるので、みなが自由に出入りできればいいというのも一つの考え方でございましょうが、そうもまいらない。それと同様に、裁判所も、傍聴人が、国民が自由に出入りするということが理想でございますけれども、必ずしも現実にそういうふうにいかない場合には、ある程度傍聴券の発行その他によってチェックしてまいるということもやむを得ない。その際に、それに関連して警備の必要が出てまいるということも、現状ではやむを得ないのではないか、かように考えておるわけでございます。
  111. 亀田得治

    ○亀田得治君 現在の数を倍にするわけですから、裁判官やほかの不足しておる職員について、それくらいのことをおやりになるなら、それはだいぶわれわれも見上げたものだというように思うわけなんです。また、なかなか通してくれませんけれども、大蔵省が。もしそういう本筋のところがきちんとすれば、これは裁判のやり方もあるいは変わってくると思うのですよ。うるさい紛糾事件であれば、ゆっくり裁判官としても取り組めるということにもなるでしょうし。しかし、なかなか、東京地裁のように、事件がふくそうしておるのに、また新しいこういう事件がどっと入ってきた。法廷に出てみると、なかなかがたがたする。ほかの事件がなければ、がたがたしても、ゆっくりよしと取り組める場合であっても、いらいらするわけですね。そういうことがまた逆作用で、よけいな紛糾が起きる。これは人間として必ずあると思うのです。ところが、その本筋のほうの整備はなかなかこれはできない。そうして、がたがたした場合は、まあ言うてみたら押えつける。そっちのほうはなかなか思い切って倍に人数がなった。それはもともと百人でも少ないのだとおっしゃると思いますけれども、いずれにしても倍ですから、これはちょっと近来こういうことはほかにないですよ。だから、そういう意味で、お使いになる百名というものは、よほどやはり注意してお使いになりませんと、いままでの百名の方あちこちにおるわけでしょうが、これは相当長い問いろいろな経歴を持っておられるのだと思います。今度入ってくるのは、これはまるで新選組のような感じがするわけですね。それ専門と、こういう感じですからね。だから、来る人もその気で、採用するほうもその気だ、これじゃ、やはりまた行き過ぎができるおそれがあるので、その辺をどういうようにやっていかれるのか。たとえば採用する人ですね。いかにも腕っぷしが強いとか、そういうのでは、どうも私はおかしいと思うので、やはり法廷がちゃんと一日も早く普通の状態になることを裁判所としては絶えず考えておらなければならぬ。そういう状態になれば、一般の事務官もなかなか人手不足なんだから、やはり一般の事務官が仕事をするような方向にこの人たちも回っていく、こういうことでなければならぬと思うのです。だから、それであれば、採用のときに、そういうことのできる人をやはり採用しなければならないわけですね。ただ腕だけでは、それは回そうと思っても回すことができませんですから、その辺の配慮をどういうように百名というものについて考えておるのか、これから予算、法律が通ったらひとつ考えるということなのか。まあそれなら、大いにひとつわれわれの意見も参考に聞いて行ってほしいのです。これはもうずっと最後までそういう法廷警備専門というような感じを持ってやられるのか、いやそうではない、当面これは必要だからそうするのだと、一般の事務官も足らぬから、そっちのことも考えて、そうして情勢が変わればやはりそっちに移っていってもらうということになれば、採用の基準が違ってきますですね。その辺どうなんです。
  112. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) いまのお話の点は非常に多岐にわたっておるわけでございますが、まずその数の点でございますけれども、確かに二倍といえば二倍でございますけれども、亀田委員のお話のとおり、百名をふやすということでございますので、現状では、全国の裁判所、地方裁判所だけでも四十数カ所ありますので、それをカバーするためにはどうしてもこの数が必要である、かように考えたわけでございます。裁判官のほうは、これはもう一人一人が一騎当千であると考えておるわけでございますが、法廷警備員はやはり一人で警備するというわけにはまいりません、数名のグループでやるわけでございますので、百名といいましても、五名ずつグループにすれば二十組程度になるわけでございます。  それからなお、書記官、調査官等の増員につきましても、十分これは配慮しておるつもりでございますが、これらの職員は、御承知のとおり、相当な学歴あるいは研修その他を経て養成してまいらざるを得ないわけで、一挙に大幅な増員というのは、こういう職員についてはきわめて困難であるわけでございます。それに対しまして法廷警備員のほうは、それに比べますれば比較的人員は得やすいと、こういう感じを持つわけでございます。  なお、法廷警備員をふやしますことは、決して法廷警備のみを考えておるわけではございませんで、従来書記官や事務官がかなりの程度法廷警備に力をそがれていた、それがなくなるわけでございまして、本来の書記官業務に専念できるということは、相当評価していただけるのではないかと、かように考えるわけでございます。  それから、任用の問題は、これは確かに現在この法律なり予算が成立いたしました上での問題でございますが、従来からおりました者につきましても、これは当初はある程度そういう警備関係の部門の経験のある者が参っておるのが実情でございます。ただしかしながら、裁判所の職員として採用するわけでございますから、裁判所にふさわしいということも当然考えなければならない。その辺につきましては、亀田委員のお話も十分傾聴いたしまして、今後人事等におきまして、憤重に人選すべきであると、かように考えておるわけでございます。
  113. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあこういう権力を使っての警備というものは、やはり一たん実行されますと、状況が変わってもやはりそのまま続くという傾向が、これはどこの社会でもありがちですよ、必要性がなくなっても。だから、そういう場合にはそういう場合でちゃんと使い方を変えていかなければ――そんなものは一人もおらない、それでも日本の裁判所がりっぱにちゃんとやっておる、これが一番いい状態なんです。だから、そのことを忘れては私はいかぬと思うのです、これは。どうですか。
  114. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点もお話のとおりで、法廷警備員百人が裁判所に配置されましたのは、十数年以前、おそらく三十年前後のことであったと思うのでありますが、しかし、その後数年間法廷が比較的平穏に進んでおります場合には、おそらく国会におかれても、あるいは国民一般におかれても、法廷警備員というものの存在をそう意識しなかった程度であろうと思うわけでございます。裁判官は事件を適正にスムーズに処理するということを最も重く考えておりますので、確かに一つの権力機関だと言われればそういう面もありますけれども、おそらく普通の裁判官の気持ちの中にはそういう意識は非常に乏しい、そういうことをあまり考えていないのではないかと思うわけでございます。普通の傍聴人の場合でございますれば、おそらく法廷警備員というようなことを考える裁判官はいないのじゃないかと思います。ただ、現在の東大裁判のごときに至りましては、これは私も必ずしも正確に知っておるとは言えないかもしれませんけれども、私の散見しますところでも、かなり職業的な傍聴人という面も持っておるわけでございまして、そうして、決して裁判を傍聴すると、おとなしく裁判の進行を聞こうということに主眼があって傍聴に来ておられるのではないような印象を受ける場合が非常に多いように感ずるわけでございます。そういうことになりますれば、どうしてもこれはある程度の措置をとらざるを得ないということで、これが平静になってまいりました場合にまで、なお法廷警備員を使ってびしびしやるという意識は、これは普通の裁判官はそういうことは決して考えてもいないし、行なってもいなかった、かように考えるわけでございます。
  115. 亀田得治

    亀田得治君 現在おる百名の法廷警備員というのは、これはいつごろつくられたものですか。
  116. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 法廷警備員制度のできましたと申しますか、そういう定員が組み入れられましたのは、大体二十九年から三十年ころにかけてでございます。ただ、現在実際に法廷警備員としております者がその当時に採用された者とは必ずしも限りませんので、その点は区別して考えていただきたいと思います。
  117. 亀田得治

    亀田得治君 その制度がつくられた具体的な理由が当然あったのでしょう。
  118. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、御承知のとおり、法廷等の秩序維持に関する規則、あるいは法廷の秩序維持にあたる裁判所職員に関する規則というものが昭和二十七年にできまして、そのころにできたものでございます。
  119. 亀田得治

    亀田得治君 具体的な事件があったのでしょう。あって、そのようなものが、法律なりあるいは人が置かれたわけでしょう。
  120. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) まあ当時の事件の一般の情勢ということであろうと思います。
  121. 亀田得治

    亀田得治君 ところが、その後一応平静になっていたわけでしょう。なっていても、その当時つくられたものがそのまま残っておる。そこなんです、問題は。平静になったら、すぐそれを一般の事務官の仕事等に向けるということであるべきなんですね。それができなかった、しなかったわけですね。
  122. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) それは、そういう警備そのものの仕事が比較的ございません時期には、相互に応援していろいろの仕事に携わっておると考えております。
  123. 亀田得治

    亀田得治君 いや、どうもそこがはっきりしませんね、考えておるという程度で。それはやはり、ちゃんと法廷警備員という肩書きはそのままにたぶん初めの方はなっていたわけでしょう。
  124. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、肩書きと申しましても、先ほど来申しますとおり、裁判所事務官でございまして……。
  125. 亀田得治

    亀田得治君 これは内部の機関だね。
  126. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 従来から裁判所事務官でございます。したがいまして、裁判所事務を担当するのに別に支障はないわけでございます。
  127. 亀田得治

    亀田得治君 だから、私聞いているのは、この法廷警備員という――これは内部の通称かもしれませんが、そういう方も警備に関係がない場合には一般の事務官の仕事をやっておるというふうにとっていいんですか。
  128. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 応援してやっていたわけでございます。
  129. 亀田得治

    亀田得治君 応援じゃなしに、なければやはり正式に普通の事務官の仕事をさせてあげたほうが、御本人の大いにこれは励みになりますからね、人のやっていることを応援してやっているというかっこうよりは。これはやはりそういうふうにすべきだと思うのです。
  130. 寺田治郎

    最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) そこは表現の問題でございまして、しいて固執はいたしません。
  131. 亀田得治

    亀田得治君 それは表現じゃないのです。必要がなくなっても一応警備員というものを置いておるということは、やはり少し筋が通らぬと思うのです。そうしませんと、これは今度百名ふやした、二百名になった。学生事件が片づいてもそれがそのまま存続するということで、これはちょっとさっきお聞きした根本精神からいうと間違いだと思う。二百名というとずいぶん多いですからね。だから、そういう点は、どうもあまり深く検討もしておらぬというのであれば、やはり真剣にこれは検討してほしいと思いますね。これは採用の問題にかかってきますから。できますか。
  132. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 二百名と仰せられましても、五十庁平均しますと一庁四人程度のものでございますから。そういうことでございますけれども、しかしながら、その人選につきましては、先ほど申し上げましたとおり、十分慎重に配慮したいと、かように考えております。
  133. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは年齢的にはどういうような人を採用するんでしょうか、年齢とか前歴ですね。
  134. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 年齢的には、現在おります者も大部分は四十歳未満のようでございます。平均年齢が三十数年ということでございますが、したがいまして、今後採用します場合には、当然若い者から選ぶということになろうと思います。要するに、健康であって、裁判所の職員にふさわしいと、こういうことに抽象的にはなります。
  135. 亀田得治

    ○亀田得治君 そこですわ。そういう警備関係の経験者で若い者といいますと、そっちのほうが先にハッスルしてしまったり、そういう人がおるために逆に混乱が起きたり、相手も若いもんですから。だから、それはよほど慎重にやりませんとね。自分から起こしておいて、混乱が起きたからといってまた裁判長のほうから命令出してみんな退廷させる。いきさつはそうであっても、やはり命令権持っているのは裁判長ですからね。そうすると、そのとおりに従わざるを得ぬ。そうすると、みんな不満を持って帰るわけですよ、その場はそれで裁判所として押し切ってみたところで。だから、よほどこういう点は、理論のやりとりの場である裁判所としては、これはもう一番注意をしてほしいと思うんです。裁判官がそんな権力とか力みたいなものにたよるような印象を外部に与えるということは、絶対にこれはマイナスです。これはやっぱり裁判に心服してもらわなければ困るわけです、言うてみたら。だから、したがって形がまた大事なわけですよ。だから、そういうことは一般的にはわかっておるから、まあ外では相当あばれても、法廷ではやはり静かにやっていくというのが一般常識ですよ。だから、その一般の常識の通っておるところを大事にしてくれなくちゃいかぬ。裁判所みずからがそれをこわしていくというようなかっこうにならぬようにしてもらわなければいけませんですよ。一たんこういうことを始めると、それをあとへ戻すということはなかなかむずかしいんですから。まあ法廷見ておりましても、実際裁判官によって違いますからね、法廷の空気が。それは、何か言いたいと思っていたんだが、どうも先回りしてこういうふうにやるもんだから言えなかったとか、そういうものがありますし、いろいろですわ。言うつもりはなかったけども、妙な指揮をされるもんだからつい言ったとか、千差万別ですからね。私は、百人も法廷警備員をふやすという際には、これはよく検討しておいてほしいと思う。そうじゃないですか、実際。
  136. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) おそらく大部分の事件は亀田委員のお話のとおりでございまして、そういう事件につきましては、裁判官のほうも、十分に反省と申しますか、考えて、訴訟指揮の拙劣なために関係人を興奮させたりするということのないように配慮しなきゃならぬということは、お話のとおりであると思います。ただ、いま問題になっております学生集団事件等を見ますると、これはもうずいぶんしんぼう強い裁判長、あるいはずいぶん穏やかな裁判長の法廷でも、あるいはむしろそういう法廷のほうがかえってと言ったほうがいいかもしれませんが、最初からそういういわば法廷闘争、それもほんとうの意味での裁判の内容について、あるいは法律論なり事実認定で戦う意味での法廷闘争ならけっこうでございますけれども、そうではない。つまり法廷を喧騒に巻き込むという意味での法廷闘争を目ざしてきておるというようなふうにとれる人が非常に多いわけでございまして、こういう場合は、おそらく裁判長がどういう訴訟指揮をやりましてもかなり進行が困難ではないか。裁判長がひたすら念願しますことは、なるべく冷静に証拠調べが行なわれ、弁論が行なわれるということに帰するわけで、そういっておりますものを裁判所のほうから好んで荒々しくするといったようなことはあり得るはずのことではないわけでございます。したがいまして、法廷警備員の配置につきましては相当に配慮して、むろん最初から法廷に入れるというようなことはしないで、別の場所で待機して、どうしてもしようがない場合に導き入れるというようなやり方をやるわけでございますが、しかし、何回も繰り返しておりまして、結局必ず最初から荒れるということがわかりますれば、ある程度最初から配置せざるを得ない状況に追い込まれていくという場合もあるわけで、そういうことでは、なかなか現在の学生事件については、亀田委員のお話のようなとおりにまいらない面もあるということを御理解いただきたいと思うのです。  それからなお、法廷警備員の研修等につきましては、これは十分に配慮いたしまして、現在大きな庁では実施しておりますが、精神的その他の面で配慮してまいらなければならぬと、かように考えておるわけでございます。
  137. 亀田得治

    ○亀田得治君 この問題はこの程度にいたしますが、いまの学生事件のことを私特に心配しておるのじゃないのです。こういう法廷警備員の増強ということをやられますと、全体にそれが波及していくということをやっぱり懸念しておるわけです。いや裁判官はそんなことはない、それはもうケース・バイ・ケース、個々の事件によってやっておるのだからと言いますけれども、そうじゃない、それは知らず知らずのうちに、警備員が非常にふえたということだけでも、それは暗々裏にいろいろな影響がこれは人間としては出るのです。それから、現にそういう指摘をしておる人もあるわけです。学生事件でああいう不正常な法廷が起こる、学生事件とは全然別個な事件であるにもかかわらず多少それに類したような法廷指揮をやる。だから、理屈はいろいろつけますよ。つけますけれども、どうしてもそういうものですよ。そういう点を注意してもらわなければだめだ。この程度にしておきます。  それから次は、簡易裁判所の交通事件を早く処理するためということで五人裁判官が増員になるわけですが、例の警察段階で交通切符制ができまして、その結果簡易裁判所における交通事件の扱いは減っているはずですがね。減っているのに、どうして増員になるのか、その間の事情を説明してください。
  138. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは、法務省のほうからお手元にお届けいたしております参考資料の九ページをごらんいただきたいと思います。そこに「簡易裁判所の民事・刑事新受件数」というのが出ております。その中で業務上過失致死傷という事件が昭和四十一年以降表に出ておりますけれども、かなりのスピードでふえているわけでございます。なお、この表を作成いたしました時点では、まだ四十四年度の資料が出ておりませんでした。その後の資料で大体の推計が出ましたが、それによりますと、四十三年三十七万五千七百五十件あります。それが四十四年には四十二万五千八百六十件くらいになっているわけでございます。一方、いま亀田委員から御指摘のございましたいわゆる道路交通法違反の関係は、反則金制度の採用と関連いたしまして、四十二年に三百九十万件ございましたのが、四十三年には二百三十八万件に減少いたしました。ただ、四十三年度は七月からの中間的な制度でございますので、完全にはまだその効果があらわれておりませんでしたが、四十四年を推計いたしましたところでは約九十七万件――百万件足らずということでございますので、ピークの時代に比べますと四分の一程度に減っておるわけでございます。したがいまして、数の点から申しますと、簡易裁判所の刑事の事件は激減していると申し上げて差しつかえないと思います。ただ、裁判所の実際の事務のウエートから申しますと、反則金のほうに回りましたような事件はいわば比較的簡単な事件が大部分でございまして、それに対しまして業務上過失致死傷となりますとかなり慎重な考慮を要する。なお、これは略式事件だけでございますが、その他通常の事件もございます。その他いろいろ考慮いたしまして、質的な重さということを考慮に入れて、五人の裁判官の増員をはかっていただく、こういうことになるわけでございます。
  139. 亀田得治

    ○亀田得治君 これはどこへ配置されるんですか。
  140. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これも大体大都会が中心でございまして、東京、大阪等が中心になると思います。もう少し申し上げますと、名古屋、広島等にも一名ずつふえております。
  141. 亀田得治

    ○亀田得治君 先だって法務委員会で関西の調査をしたときに事情を聞いたわけですが、民事の交通関係の事件ですね、これが非常にふえて、担当裁判官もその処理のために非常な苦労をしておるということを具体的に実はお聞きしたんですが、そういう面に対する手当てといいますか、陣容を強化するというふうな面は何かお考えになっているんでしょうか。
  142. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 先般参議院で大阪へおいでになりましたときに、現地でそういうお話が出たということも、漏れ承りましたし、その後先般のこの席での御報告でよく承知いたしました。  そこで、大阪のほうにさっそく連絡いたしまして実情を調査いたしますとともに、たまたま大阪地裁の交通部の裁判長が、ほかの用件ではございましたが、上京してまいりました機会がございましたので、私も直接面会いたしまして実情を詳細に聞いたわけでございます。その説明によりますと、確かに民事の交通事件は、大阪において交通部というものを独立につくりまして以来、数においてかなりふえておるようでございます。ただ、倍数で申しますと、たとえば昭和四十年の三百数十件というのが、四十四年は千百件ぐらいということで、倍率はかなり大きいわけでございますが、件数自体としてはほかの全体の件数の中で占めます比率はそう大きいものではございません。しかしながら、当該部としてはかなり事件がふえたわけでございます。同時に、裁判官もその間に二倍余りになっておるわけでございます。そういうことで、完全にその事件の増の比率どおりについていっていない面がございますけれども、増強をはかっておることは間違いございません。  なお、この四月からは、従来の未特権判事補を特権判事補にする。こういたしますると単独事件を担当することができますので、総数において同じであっても実際上の力はふえるわけでございますが、そういう配慮も地裁の内部でいたしておるようでございます。私どもといたしましては、ここ数年高裁判事の増員をいたしていただきました。その際に、高裁判事を増員するとともに、地裁から応援に参っております判事を地裁のほうに戻すという形で大都会の地裁の増強をはかってまいったわけでございます。大阪におきましても、数年間にかなり判事がふえたわけでございます。ただ、それが全部しかるべきところへ行っておるかどうかという追跡調査は必ずしも十分でない面がございましたが、所長と十分連絡をとりまして、刑事事件はいわば漸減の傾向にあり、民事事件は漸増の傾向にございますので、そういう点の事務配分についても十分な配慮をしてもらうように連絡をとったような次第でございます。
  143. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは、現在の社会の必要性という面から、裁判所としてはしっかり取り組んでもらわなければいかぬと思うのです。一つの問題は公害事件というものがありますが、それと比べて決してこの交通事件に関する紛糾ですね、これは、数からいっても、またその実際に加害者、被害者の家族の生活の面からいっても、非常に深刻な問題になっておるわけですね。被害者はもちろん、加害者のほうでもたいへんなんです。だから、そういう問題についての早い、しかも公正な処理、これはやはり、良心的な裁判官がそれにタッチしますと、非常に過労になると思います、双方の家庭の事情等がわかるだけに。だから、この点はひとつ、今度の増員の中には直接は入っておりませんが、しかしまあこれだけ増員になれば全体の配置の上に若干また考慮できる余地も幾らかできるんだと思いますから、たとえわずかであってもやはりその配慮をしながらやってほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
  144. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) お話のとおりでございますし、絶えず事件の推移を見ながら全国の配置定員の変更を考えておりますので、増員分をも含めまして適正な配置をいたしたいと、かように考えております。
  145. 亀田得治

    ○亀田得治君 それから、これは増員の問題とちょっと多少違うんですが、こういうことをお聞きしますがね、わかっておればひとつお答え願いたいと思うのです。現在の裁判所の一般の職員の約六割の人が、月給だけで生活していけぬもんですから、共働きとか内職をやっておる、それから九割以上の人が何らかの借金をしておる、端的に言うとね、そういうふうなことを聞くんですが、そんなことお調べになったり、あるいは聞いておられますか。
  146. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは実は私の所管でございませんので、職務上直接には存じていないわけでございますが、たまたまいまのようなお話が衆議院の法務委員会でも出まして、その際人事局長が所管として説明いたしておりましたのを私横で聞いておりましたので、受け売りになるわけでございますが、そういう六割くらいが内職しておるという話は職員組合との団交の席でもよく出る。しかし、その際に、ある程度のそれでは具体的な資料を出してもらえないかというふうに言うと、なかなかそれが出てこない。そうかといって、当局のほうで個人について調べるということは、やはりプライバシー等の問題もあってなかなかむずかしい。したがって、そこがいつもいわば平行線になっておるというような説明になっておったように聞いたわけでございます。まあ私どもとしては、六割も内職しなければ食べていけない状態にあるとは考えておりませんが、しかしまあそのデータが実際にございますればそれは認めざるを得ないわけでございまするが、そういうことはないのではないかというふうに考えてはおるわけでございますが、結局そういうところで、いまのところ何ともはっきりしたものがない、こういうことのようでございます。
  147. 亀田得治

    ○亀田得治君 一般の国家公務員のそういう点についての調査といったようなものは何かあるのでしょうか。
  148. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点も、何でございましたら次のしかるべき機会に所管の人事局長から説明させたほうが間違いないんじゃないかと考えるわけでございます。私はいまのところ承知いたしておりません。
  149. 亀田得治

    ○亀田得治君 このごろのことですから、共働きとか、内職とか、これは若干はどこの省においてもあると思うのです。思うのですが、六割とか、借金九割とかいうことは、これはなかなかたいへんですからね。それは仕事の能率にも影響してくるし、どうしたって。だから、私もとの数字の出たもとの資料というものは見ておりませんので、聞いてみたいと思いますが、こういうことが事実としたら、これはよほど他の官庁等のこともお調べ願って、やはり考えてもらわなきゃいかぬと思いますね、どうでしょう。
  150. 寺田治郎

    ○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所の職員が他の一般の公務員と比べて待遇がいいか悪いかという問題も、きわめてデリケートな問題でございますが、しかし、たとえば書記官とか家裁調査官については、いわゆる号俸調整というものがあるわけでございます。事務官等にはそういうものは原則としてございませんけれども。そういう点で、単にそういう点だけから見れば、少なくとも他の官庁より劣るということはないように確信しておるわけでございますが、しかしながら、職員の待遇の改善ということはきわめて必要であり重要なことでございますので、今後とも総局の総力をあげて努力いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
  151. 小平芳平

    ○委員長(小平芳平君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会      ―――――・―――――