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1969-04-10 第61回国会 参議院 決算委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和四十四年四月十日(木曜日)    午後一時二分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月十九日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     大森 久司君      渡辺  武君     岩間 正男君  三月二十日     辞任         補欠選任      大森 久司君     小山邦太郎君  三月二十二日     辞任         補欠選任      小山邦太郎君     佐藤  隆君      岩間 正男君     渡辺  武君  三月二十五日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     佐藤 一郎君  三月二十八日     辞任         補欠選任      佐藤 一郎君     中村喜四郎君  三月二十九日     辞任         補欠選任      和田 静夫君     川村 清一君      渡辺  武君     河田 賢治君  三月三十一日     辞任         補欠選任      中村喜四郎君     佐藤  隆君      川村 清一君     和田 静夫君      峯山 昭範君     多田 省吾君      河田 賢治君     渡辺  武君  四月一日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     柳田桃太郎君      多田 省吾君     峯山 昭範君  四月二日     辞任         補欠選任      柳田桃太郎君     佐藤  隆君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         木村禧八郎君     理 事                 温水 三郎君                 前田佳都男君                 松井  誠君                 黒柳  明君                 高山 恒雄君     委 員                 長田 裕二君                 今  春聴君                 佐田 一郎君                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 田口長治郎君                 高橋雄之助君                 矢野  登君                 若林 正武君                 渡辺一太郎君                 大橋 和孝君                 大森 創造君                 和田 静夫君                 峯山 昭範君                 渡辺  武君    国務大臣        内閣総理大臣   佐藤 榮作君        文 部 大 臣  坂田 道太君    政府委員        内閣法制局長官  高辻 正已君        警察庁刑事局長  内海  倫君        外務省経済局長  鶴見 清彦君        大蔵政務次官   沢田 一精君        大蔵省主計局次        長        船後 正道君        文部大臣官房会        計課長      安養寺重夫君        文部省大学学術        局長       村山 松雄君        文部省社会教育        局長       福原 国彦君        文部省管理局長  岩間英太郎君        文化庁次長    安達 健二君        通商産業政務次        官        植木 光教君        中小企業庁次長  新田 庚一君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        会計検査院事務        総長       宇ノ沢智雄君        会計検査院事務        総局第二局長   石川 達郎君        会計検査院事務        総局第四局長   鈴木 治久君    参考人        商工組合中央金        庫理事      阿部 久一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四  十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年  度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二  年度政府関係機関決算書(内閣提出) ○昭和四十二年度国有財増減及び現在額総計算  書(内閣提出) ○昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書  (内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  この際、理事の補欠選任につきましておはかりいたします。  委員の異動に伴い、理事が一人欠けておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。  選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に松井誠君を指名いたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  4. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 速記を始めてください。
  5. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。  これより総括質疑を行ないます。佐藤総理大臣が出席されましたので、これから総理に対する質疑を行ないます。  なお、理事会におきましては、総理に対する質疑は答弁を含めまして一時間ということに決定をいたしておりますので、非常に窮屈でございますが、御質疑をされる各位並びに答弁をされる総理の御協力をお願いいたしたいと存じます。  審議に入る前に、委員長から佐藤総理大臣に一言申し上げたいことがございます。それは私、決算委員長になりまして初めて知ったのでございますが歴代の総理大臣は決算委員会の総括質問の冒頭に出席されたことがないということでございます。これを見ましても決算がいかに政府によって軽視されていたか、これを裏づけるものでありまして、決算を軽視することもはなはだしいものと驚いた次第でございます。  本日、佐藤総理大臣が決算委員会の総括質問の冒頭に出席されましたことは、旧来の決算軽視の悪例を改める意味で意義のあることと評価いたします。しかしせっかく佐藤総理が決算重視の実を示すため、去る二十日の決算委員会に出席することを約束されながら出席をされなかったことは、結果としては国会経視につながるわけでありまして、きわめて遺憾でありました。今後こうしたことのないよう希望いたします。  さて、これから審議に入りますが、まず私から、破棄の再提出に関して総理大臣の所見をただしたいと思います。すなわち佐藤総理大臣は、二月二十五日に国会法五十八条により、予備審査のため重宗参議院議長あてに、昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書(その一)、昭和四十三年度特別会計予備費使用総調書(その一)、昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その一)、この三つの総調書を、日本国憲法第八十七条二項及び財政法第三十六条第三項の規定によりまして送付いたしてきております。したがって、この三つの使用総調書(その一)は、現在参議院では予備審査の議案となっているわけであります。この議案は二つの点で財政法に違反しているのであります。  その第一は、財政法三十六条第三項によりますと、予備費の使用総調書及び各省各庁の調書を次の常会に提出して、その承諾を求めなければならないと規定されております。各省各庁の調書も国会の承諾を求める対象、つまり国会の議決対象となっているにもかかわらず、議案には国会の議決を必要としない「参照」として、各省各庁所管の使用調書が添付されているにすぎないのであります。これは明らかに財政違反であると思いますが、この点について総理はどうお考えになりますか。すなわち、総合予算生後のもとで予備費の財源的役割りの増大、つまり予備費需要の競合関係の強化が見られるのでありますが、これは移流用の原因となり得るものであります。国会で議決される複数項の合計経費と複数組織の合計経費の中には、予算総則で移用が認められていない項や組織の組み合わせに基づく経費があるため、調書が議決の対象となっていない現状では、移用に対する規制が存在しないのと同様であると考えられるのであります。ここでは予備費の限定のしかたによって、自由に予算総則の移用制限がはずされ、あるいは事後承諾の、予算総則にない移用が行なわれ、かくして予備費の乱用、財政民主主義軽視につながる危険があるのであります。総合予算主義採用後初めての予備費が議題となったこの機会に、適正な措置をとっておかなければならないと考えるのであります。  そこで第一に、財政法のたてまえを守って総調書と調書を議案とすべきであると思うのでございます。  第二には、移流用を要する場合は、予算の例にならうべきであるということであります。  第三は、総調書と調書の審議は予算委員会で行なうのが適当と思う。  第四番目には、内閣は予備費支出実績を明らかにして国会に提出し、これを決算委員会が扱うべきであります。  第五番目には、会計検査院は、予備費支出決算に関する検査結果を決算とともに国会に提出すべきであります。このことを要求したいと思うのであります。  そこで総理に伺いたいのは、このように財政法違反の議案を提出されてきているわけでございますから、そこでこれは訂正をして出し直すべきではないかと思います。  それからもう一つ、第二の問題点は、総理大臣は財政法十六条三項の規定によりまして、昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その一)の事後承諾を国会に求めておりますけれども、四十三年度の特別会計予算総則第十一条四項におきましては、「各項の規定により」――これは弾力条項でありますが、弾力条項の経費を支出する場合においては、「財政法第三十五条第二項、第三項及び第四項の規定の例による」となっております。財政法三十六条三項の予備費の国会承諾規定の適用を嘆けない規定となっているのであります。つまり、これは三十五条の規定でありますから、予算配賦の規定にすぎないのであります。  ところで、弾力条項が初めて設けられましたのは、昭和二十二年でございますが、それが実際に適用されましたのは昭和二十三年度特別会計予算からでありますけれども、二十三年度特別会計予算総則第四条、二十四年度特別会計予算総則第六条、その二年間におきましては「予備費使用の例に準じて」となっているのであります。「予備費使用の例に準じて」となっておりますから、財政法三十六条に基づいて、総理は国会にこの弾力条項の承諾を求めてきているわけであります。ところが昭和二十五年から、特別会計予算総則第六条から三十六条の規定を省きまして、三十五条の第二項、第三項、第四項の規定の例によるとなっているのであります。しかるに総理は、三十六条の規定に基づいて、この特別会計の予算総則第十一条弾力条項の承認を求めてきているわけでありまして、これは財政法に根拠を持っておらない。ですから、これは議案として省くべきものであると考えるのでございます。  要するに、この二点におきまして、この議案は財政法に違反すると考えますので、委員長といたしましてはこれをそのままここで取り扱うことは困難であると考えるのであります。そこで、まだ時日も十分ございますから、これを訂正をして再提出されたほうがよろしいのではないかと思います。  それからもう一つは、これは決算とは違いまして、議決を要するものでございますから、もし衆議院でかりにこれが議決されて、参議院でこれが議決されないということになりますと、これはどういうことになりますか。この点についての法律上の解釈もあいまいなんであります。予算の場合は、国会開会中衆議院で予算が通ってから三十日たった場合は自然成立の規定がございますけれども、この予備費使用総調書におきましては、財政法三十六条に基づきまして国会の承諾を得なければならない。これは決算と違うのであります。したがって、もし衆議院と参議院で議決が違った場合、これはどうなりますか。普通の法律並みにこれは否決されたものとみなすのか、あるいは両院協議会でも開くのか、そこがはっきりしていないのであります。したがいまして、この点について総理の御所見を伺いたいのであります。
  6. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) まず、最初に政府に対して御注意をなさいました、決算委員会に出席することをもっと大事にしなければいかぬ、この御注意はしごくごもっともでございまして、私どもも私をはじめ、各閣僚に趣旨をよく徹底させまして、御審議に不都合を生じないように、この上とも努力する決意でございます。ことに、二十は出席すると申しながら出席しなかったことについて、今回この機会に私からもあやまります。どうぞ御了承いただきたいと思います。  次に、ただいま御質問のありました事項、この点は法律論であり、またいろいろ専門的なお話でございまして、いままで私どもがとってきましたのは昭和二十一年以来の慣行ともなっております、ただいまお話のありましたとおり。しかしながら、いまいろいろお話を述べられたその点をしろうとなりにお答えいたしますと、どうも政府の扱い方がこれまでのところ不十分だったんじゃないか、ただいまの委員長のお話はしごくごもっとものように私考えます。次の機会までにはぜひとも善処したい、かように思っております。委員長はただいま、まだ相当の期間があるから、この際ひとつ出直したらどうだ、こういう御注意でございますから、衆参両院の問題等もからんでまいりますし、それらの点をも十分考慮して、あとに問題を残さないために――そのために今回の御注意を前向きに、御了承を得られるならば、今回のままで、在来の慣行どおりひとつ御審議をいただきたい、これをお願いいたします。
  7. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) この点につきましては時間がございませんから――ただいまの総理の御答弁では満足はできないわけです。非常にあらゆる例から検討した結果でございまして、これはまたあとで、大蔵大臣なりにもつと根拠を示しまして、よく御質問しまして、そうして善処をしていただきたいと思うのでございます。時間がございませんから、私の質問はこれで終わります。
  8. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま委員長が仰せになりますように、だいぶ専門的なもののように思いますので、私自身としてはその取り扱い方は、ただいまお答えしたとおりでありますが、前向きでさらに事務当局にもひとつ十分研究さしたい、かように思っておりますから、さよう御了承いただきたいと思います。
  9. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 善処方を要望しておきます。
  10. 和田静夫

    ○和田静夫君 物価問題について、総理に若干のお尋ねをいたします。  物価問題は昭和三十年後半以来、戦後日本経済の成長過程がはらむ特殊な構造的病理現象として広く注目をされてまいりました。広範な国民諸階層の関心を一経済問題に関して持続的に引きつけたものは、まさにこの物価問題をおいて他に見当たらないといっても過言ではないと思います。これに対する臨床的診断や処方せんが各方面から出され、政府の経済白書が三十年後半以降、物価問題とその対策を取り上げなかった年は一年もありません。しかし不幸にして今日に至るも問題が解決の糸口をつかんでいないばかりか、反対に最近に至って病状が一そう内攻している徴候さえ見られると思うのであります。現に、本年一月二十四日経済企画庁が出しました「経済社会発展計画と実績」という資料も、最近における消費者物価指数の動きを見ると、四十一年度、四十二年度の上昇率はそれぞれ四・七%、四・二%で、三十五年度から四十年度までの平均六・三%をかなり下回る。しかし四十二年秋以降、消費者物価は再び騰勢を続けており、四十三年度の上昇率は五・四%にのぼり、さらに四十四年度も五%程度の上昇が見込まれている。一方、卸売り物価も四十二年度一・五%の上昇に続いて四十三年度〇・八%、四十四年度一%程度の上昇が見込まれておると指摘しています。国民の生活安定という観点から考えてみますと、この物価問題は国会ですでに再三論議になり、今後も執拗に続けられるでありましょうが、この決算委員会の場では、予算効率といいますか、行政効率の問題とのかかわり合いにおいてこれを論ずるのが私は最もふさわしいと思います。先にあげました経済企画庁の資料はこういつておるのであります。政府固定資本形成デフレーターが四十一年度七・四%、四十二年度九・三%と大幅な上昇を続けたため、実質的な社会資本の整備がおくれていると指摘をしています。  そこで総理にお伺いをいたしますが、物価問題がすでに予算効率、行政効率に影響するところまできていると私は考えますが、いかがお考えでありますか。これが質問の第一です。  さらに、経済社会発展計画によりますと、昭和四十二年度から四十六年までの事業費は、二十七兆五千億円と見積もられております。これは四十年度価格によって試算されたものであります。しかるに打ち続く物価騰貴によって、総理が第一の質問にどう答えられようと、行政効率が低下した結果、計画変更が思惟されるといったようなことに私はならざるを得ないと思いますが、いかがですか。  経済社会発展計画に基づいて、各省ごとにつくられている長期計画は実に多岐にわたっておりますが、これらの長期計画についても同様のことが言えるのではありませんか。  以上三点について、まず明確にお答えを願いたいと思います。
  11. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 物価がはなはだしい上昇を来たせば、これはただいま御指摘になりましたような不都合が生じてまいります。今日、政府が特に物価を取り上げておりますのは、国民生活に与える画、これを強く打ち出して、物価上昇、これを押え、安定させる、こういう方向に努力しておるのでありますが、ただいま御指摘になりましたように、予算効率、行政効率から見ましても、物価の上昇はこれは悪影響を残すものでございます。したがいまして、私どもはこの物価の上昇について、国民生活、同時にまた行政効率、こういう面からも、これと真剣に取り組むというのがただいまの態度であります。したがいまして、当初予算も刺激型の予算を組まない、いわゆる中立型の予算、こういうことを申してただいま取り組んだわけでありまして、これがしかし年度の途中におきましてさらに変更を必要とするような事態になるか、あるいはそこまでは考えないが悪影響は相当出てくる、かようなことになるか、これは今後の実際のあり方を十分検討いたしまして、それぞれ必要な処置をしなければならない、かように思います。しかしいずれにいたしましても、この物価の問題は国民生活を圧迫するばかりでなく、われわれも予算効率、行政効率、そういう面からもこれは安定さすことが絶対に必要だ、かように思いまして、ただいま取り組んでおるような次第でございます。この上ともかような意味でこの問題と取り組みます。  ただいま、三つに分けてお尋ねでございましたが、この三つはそれぞれみんな関係のあることでございますので、ただいま予算が成立いたしましたばかりであります。さらにこれに変更を加えるというようなこともないようにわれわれ努力することが本来の政治でございますので、ただいま最初から、そういう事態があれば変更するとか云々は申し上げません。要は、われわれの物価の動向についての予測が十分正鵠を得るように、一そう努力してまいりたい、これをもってお答えといたします。
  12. 和田静夫

    ○和田静夫君 私は、政府が立てるさまざまな長期計画も、物価安定を前提として初めて現実性を帯びるとさえも言えると思いますが、政府の物価政策は、昭和四十二年三月十三日に経済企画庁発行の「経済社会発展計画」の八ページの下八段目からの文言によって確定をしております。時間の関係で一々読み上げませんが、それは明確に当面の対策と基本的な対策に分けられているのであります。そしてその当面の物価対策によれば、短期間に効果のあらわれる施策として政府関与価格の安定に努力を傾注し、物価上昇率の鈍化をはかることに実はなっております。しかるに政府は、四十三年度に財政硬直化対策の一つとして受益者負担の原則を打ち出し、その一環として今日国鉄料金の引き上げを行なおうとしているのでありますが、これは政府みずからが政府の物価対策に逆行しようとするものであると指摘をせざるを得ません。いかがですか。
  13. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) まあ問題は、ただいま御指摘のありました長期経済計画、それにどういうような影響があるか。なるほど一年そのものとして見れば程度が低いにいたしましても、長期計画の場合だと五%ずつの上昇、これはたいへん大きなものになってまいります。そういうような場合に、やはり長期計画自身の変更を途中でせざるを得ない。このことは御指摘のとおりだというふうに――私もあえてそれを否定するわけじゃありません。  そこで、ただいまの運賃改正の問題についての御意見でありますが、これはいわゆる受益者負担という意味よりも、もっと範囲を狭めて利用者負担、そういう考え方だと、かように思います。利用者はもちろん受益者の一人であります。そのうちの利用者負担ということに切りかえよう、かようにしたものでございます。もともと公共料金――こういうものの値上げ、これは国民生活に非常な影響を持つものですから、政府がみずからそういうものを押え得る、そういう立場にありますので、公共料金の引き上げ、それが物価上昇の一つの原因になるというようなことは避けなければならぬと思います。しかし、ただいまの国鉄そのものの現況を見ますると、私どもがいろいろ努力したにかかわらず、その赤字の克服がなかなかできない。これはまあ主として鉄道が最近の運輸革命に沿うことができない、こういう理由からでもあろうと思います。そういう場合に、そのものがどうしても社会的、国家的に必要な施設だ、かようになった場合に、政府ももちろんこれの存在、存立のために努力をしますが、やはり何といいましてもその利用者そのものがやっぱり負担すると、これが本来の筋ではないだろうか。御承知のように政府が負担する、援助すると、かように申しましても、その政府をまかなっておるのは国民の税でございますから、国民の税を一般的に使うというよりも、その利用者に限るというか、利用者が優先して赤字を克服する、そうしてその機関の存在を確保していく。さらに政府自身も利用者だけにまかさないで、一般的な観点に立ちまして国家的有用な施設を残す、こうあるべきじゃないだろうか、かように思って、ただいまのような、国も、また同時に利用者、また国鉄自身も犠牲を払えと、こういう三位一体でいまの苦境から抜け出そうと実は努力しておるわけであります。しかし、これも今回の処置だけではできない。まだまだこれから後、さらに物価政策等から見ましてもっと困難な事態も起こるかもわかりません。こういうことを考えれば、なおさら当初御指摘になりましたように、この物価問題、これには真剣に取り組んでいかなければならぬ、かように私は思っております。
  14. 和田静夫

    ○和田静夫君 周知のとおり、欧米の鉄道が貨物輸送を主として、その利益で旅客輸送の欠損を補てんしているのと対照的に、わが国の国鉄は戦後の全期間を通じて旅客輸送で利益をあげ、貨物輸送で生じた欠損を補てんするという大企業奉仕の財政構造をとってきました。その結果が、今度もまた旅客運賃の引き上げとなり、物価上昇に拍車をかける結果になってしまう、こういうふうに実は考えられます。政府はまた、当面の物価対策として輸入の活用を明確にうたっているのであります。しかるに、それも十分にやっておられません。経済企画庁も輸入政策を活用する余地が残されている、こうみずから指摘をしているのであります。  そこで、お聞きをしたいのですが、いま外貨準備は一体どれくらいありますか。そうしてそのうち、ドルでどのくらい持っていらっしゃいますか。
  15. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま鉄道の旅客運賃を上げて、貨物運賃をどうして上げないのか、他の外国に比べてこの辺はどうも解せないと、こういうお話でありますが、ただいま大事なのは物価問題――冒頭に御説明になったとおりであります。しかしながら、貨物運賃を値上げいたしますと物価に直接影響する、そういう意味で今回は物価には影響を与えないようにしたいものだ、どうせ影響があるにしても直接でないようにしよう、これが旅客運賃にさわって貨物運賃にさわらなかったゆえんであります。  もう一つの問題は、鉄道の総合運賃として見まして原価主義――これは貨物運賃の原価が幾ら、旅客運賃の原価が幾らと、こう分けないで、総合原価主義に立って、物価に対する影響をできるだけ少ないようにしよう、こういうことであの処置をとったのであります。私は、最近の物価の動向等を見ると、このことはやむを得ない処置ではなかったかと、かように思っておりまして、旅客運賃がお互いの国民生活に与える影響もさることながら、いまの物価の点から見ると、これは直接じゃない、かように実は思っております。  ところで、さらにこの運賃値上げの問題とは別にいたしまして、もっと輸入を活用しろという、これはもう必要なことであります。ただここで問題になりますのは、輸入を活用はいたしますが、やっぱり国産主義と申しますか、国内廃業第一主義から見て、輸入をかって自由自在にいたすことによって国内産業にどういう影響があるか、ここに一つの問題があります。私どもは、ただいま自由貿易の方向にものごとは進んでおります。おりますが、国内の産業の実態等を見ますると、その物価だけの面からこの輸入を自由自在にする、活用するというわけにもいかないように思います。そこらに適当な一つの限度がある、かように実は思っております。したがいまして、ただいま物価の観点からは、いわゆる輸入するにいたしましても、緊急輸入、こういうような制度でこの物価問題と取り組み、日本産業に与える影響をできるだけ少なくする。いわゆる完全自由化というような方向では実はこの問題と取り組んでおらないのであります。そこらに政府の苦心のあることを御了承をいただきます。ことに私が申し上げるまでもなく、いま日本の中でそれぞれの廃業がそれぞれ問題をかかえておりますが、一番問題をかかえておるのは、何と申しましても農業であり、中小企業である、かように考えます。したがいまして農業生産だとか、あるいは中小企業の生産に対して輸入政策をとって、そして問題を他に移してはならない。物価を安定さすことが第一である。いまのような状態で輸入することによって、さらに混乱を生じては困る。この際はそれぞれの緊急な対策を立てる。同町に弱い、曲がり角に来ている農業の自立方向に力を尽くす。さらにまた、中小企業の生産性を高める。そういうことをも、あわせて行なうべきだ、実はかように考えております。ただいまの点では、これはそれぞれの必要な処置、これをとらないというのではありません。しかし実態の最も大事な点はどこにあるのか。やはり国内に混乱を起こさない。そして弱い産業について政府が特別な考慮を払っていこう、かように私は考えておる次第でございます。
  16. 和田静夫

    ○和田静夫君 外貨準備の答弁がないのですが。
  17. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 外貨準備は御承知のように、ただいま三十二億ドル、あるいはもっと正確に申せばそれをちょっと上回るのではないかと思います。これは大蔵省から……。まあその程度でございます。
  18. 和田静夫

    ○和田静夫君 ドルでどれだけありますか。
  19. 沢田一精

    ○政府委員(沢田一精君) 現有の時点におきまして、正確に申しますと三十二億一千三百万ドルという数字でございます。そのうちドルがどれくらいの比重を占めておるかということにつきましては、いまちょっと手元に資料がございませんので、はっきりいたしておりません。
  20. 和田静夫

    ○和田静夫君 あとで知らせてください。  時間がまいりましたから最後にいたしますが、いわゆる国際通貨が非常に不安な状況下にある、こう言われておるわけです。私は、最悪の場合はドルの平価切り下げというような形のものも実は予想しなければならぬ、そういう観点を一つ持った場合に、今日私は輸入を増進し、それだけの外貨を一日も早く生産力化したほうが得策である。物価対策の観点からもそのように思われて仕方がありません。政府管理価格の安定とか、あるいは輸入の活用とか、経済社会発展計画でいうところの当面の対策を十分やってこそ、基本的な経済の効率化ということばであらわされている社会資本の充実ということも、基本的な物価対策として私は初めて生きてくるのだろうと思うのであります。そうでなかったら、公共投資なんというものは物価対策の面ではインフレ的要素を助長ずるだけの意味しかない、そう思います。そういう意味で、国鉄料金を引き上げて物価上昇を主導し、国内一部企業の圧力に押されて輸入政策も活用できない、こういうふうな状態というのは、物価対策を放棄したといっても仕方のない状態だ、そういうふうにも思います。総理もお読みになったと思うのですが、本年一月の読売新聞が行なった意識調査によりますと、「あなたの家庭を一帯悩ませているのは何か」という問いに対する答えとして、「物価が高い」と答えた人は三〇・〇%です。最高であります。また「物価値上がりの一番の原因は何だと思いますか」という問いに対して「政府の経済政策の貧困」という答えがやはり最高率を占めていたことを思い起こすときに、私は佐藤総理の反省を求めてやまないのであります。  以上で質問を終わります。
  21. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの和田君の御批判は、私に対して答弁を求められたものだとは思いません。ただいま一番国民の関心事は物価問題だと思っております。そういう意味で、政府もできるだけの努力をしていきます。しかし、この物価問題は、政府が政府なりに考えると、やはり国民の積極的協力を得ないと、物価問題は解消するものではございません。私は、こういう機会に政府の責任を追及されるについて、これはもちろん私どもが最高責任者だと、かように思いますが、物価問題がやかましければやかましいだけに、各方面の御協力がぜひとも必要だと思います。これだけで片づく問題ではないこと、この点も十分理解していただきたい、かように思いますので、この機会にただいまの御批判に答えると同時に、また皆さま方からもお知恵を拝借いたしまして、そうして全体が成果をあげるように、この上とも努力してまいりたいと思います。ありがとうございました。
  22. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は、大学問題について、時間がございませんので一点だけに問題をしぼってお尋ねしたいと思いますが、当然総理大臣、文部大臣初め政府・自民党の方々も今日の大学問題についていろいろ苦慮されていると、私もその労を多としたいわけです。また進学、入学期を迎えて入試もできない、あるいは進学もストップ、卒業式もストップ、こういうふうな事態で非常に御苦労も多いかと思います。これは学生の態度が私も全面的にいいとは思いません。当然反省すべき点もあると思います。と同時に、政府・自民党の政治姿勢、これにもやはり相当の非難かありますし、さらに学校当局もこの問題についてもっと積極的な施策を請すべきだと、こういう批判もあるわけですから、こういう重要な大学問題、しかも算理法を政府・自民党の文教部会でいま練っている。非常に大学問題、学校問題自体が日本の大きな重要な焦点になっていると、こういうことです。  そこで、私がこの時間の少ない中でお尋ねしたい一点は、裏口入学、要するにコネ入学と、こういうことです。これは先日の衆議院の委員会で発言があったことですから、お聞きになったと思うのですが、たとえば「裏口入学であるとか、あるいはコネ入学をどう思うか」と、こういうことに関して管理局長はこう答えております。「過去におきましてそういうふうなことが聞かれておりましたけれども、最近そういう事態はだんだん改善されておるように聞いておりますが、なおそういう事態があるということは、これは否定できないのじゃないかと思います。」、ちょっとややこしい言い方ですが、まだまだ裏口入学がある、こういう事態に対して否定できないと、こう局長はおっしゃっているわけですが、私はこういう問題がまだ残っているとするならば――ごく一部かもわかりません。大部分にこういうことがないことかないことを期待したいのですが、こういうことがいまの大学紛争のあるいは遠因にもなり得るのじゃないか、あるいは学生のモラルを低下さすような原因にもなるのじゃないか。巷間にそういう裏口入学は公然の秘密としてささやかれている、こういうことも私は常識的に承知しておりますか、総理大臣、このことについてどのような見解をお持ちでございましょうか。私は、こういうことはあり得るべきじゃないと、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。
  23. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 黒柳君の御指摘のとおり、かようなことがあってはならない、また、そのために文部省は指導監督をすべきだというふうに私は思います。
  24. 黒柳明

    ○黒柳明君 これは、某一流紙に「代議士さま、裏口入学たのみます」、こうでっかく――私は何もこのことを取り上げまして云々したくありません。新聞情報で申しわけないですけれども、必ずしも一〇〇%正確であるかどうか、これについては私は云々したくありませんが、しかしながらその中には、具体的に個人の名前をあげてまで書いてございます。それで私は、いま総理大臣がおっしゃった、うまくない、遺憾であると、こういったことばの裏口入学に対してのリストを持っているわけです、私なりに。これは日大のリストですけれども、依頼された学生の名前は伏せます、本人の将来のために。この学生の学生番号まで私は控えてございます。こちらのほうに依頼者、これとの関係性もここに書いてございます。まず、総理にリストの一覧を見ていただいて――ちょっと知っていらっしゃる方がいらっしゃるような気がするのですよ。――これは受験番号です。学生番号――向こうにありますけれども。まあ私、あまり個人的な名前を言うことははばかりたいと思います。いろんな関係もあると思います、衆議院の解散も近いですし……。いま総理は、ごらんになって、これについてどのようにお感じになるか。いま総理は抽象的に「あってはいけない」とおっしゃったのですから、でしたらこれを見てもらいたい。学生番号から関係者の全部がここに明細調べてあります。私も、ここで発言するからには、きちっとした調査もしたつもりであります。あっていけない裏口入学がこういうふうにやられて――これはちゃんと実印ですよ。実印の証拠もここにあります。これもお見せします。もしなんだったらごらんになって――どうお感じになりますか。
  25. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) これはいろいろお調べになったと思います。この紹介者あるいは依頼者、それによってその入学が全部きまったというような場合に、いわゆる裏口入学、こういうことで非難されるだろうと思います。私どもはやっぱり庶民、国民から選ばれる、そういう関係でひとり子弟の世話をするばかりでございません、いろんな問題について、やはり国民のみなさん方が困っておられる問題について、及ばずながら力をかすということをいたします。したがいまして、大学に入るような場合も、やはり先生にお願いしますという、そういう依頼をずいぶん受けるものであります。私はおそらく、それらの方も、そういうような意味でお世話申し上げたんだろうと思います。しかしそのことがいわゆる試験の結果を曲げて、そうしていわゆる裏口入学まかり通る、こういう結論とはたして結びつくかどうか、そこに一つの問題があろうと思います。私はむしろ積極的に、代議士でありあるいは参議院議員である、こういう大衆から選ばれる、そこには一つのつながりが当然できますから、私はお世話申し上げること自身がけしからぬとは思いません。しかしこれが、特別に大学の採点を左右したとか、あるいは税の点で軽減さしたとか、まあいろんな問題が引き起こる、ここに問題があると思います。しかし私は、やはりお互いが選ばれますと、国民との間にそれぞれのつながりができますので、そういう意味のお世話、これはひとつ大目に見ていただきたい。全部が採点を曲げたと、かように私考えませんので、その辺はひとつ御了承いただきたいと思います。
  26. 黒柳明

    ○黒柳明君 これをよく見て――一番上に再度依頼、私はそこまで調べてあるのです。この当人にも会ってちゃんと調べた。落っこった人から再度この人へ依頼があった。まあ言いますよ、そうしたら――そういうふうに抽象的なことになっちゃいますからね。ここに私はこの資料に基づいて――坂田道太という名前、どこかで聞いたような人なんです。永山忠則という名前も書いてございます。小沢辰男という、これは理由あって伏せます、総理もおわかりだと思います。中川一郎という名前もあります。それから小平忠という名前もあります。橋本登美三郎という名前も出ております。その他――これは十三枚のうちの三枚ですよ。それでここは伏せたのですけれども、これは落っこった。落っこってこの人によって再度依頼があった、こういうふうに――それでまあ会頭の実印、これも実印の証拠をとってございます。いま変わりました、実印は。この時点まではこの実印。四十二年の二月の二十六日です。ですから、総理がそういう抽象的な話でごまかざれようとしたって、こっちはごまかされませんよ。またそういう個人が依頼することはいいのだといまおっしゃった。ちょっとこの点はうまくないんじゃないですか。ここに新聞がありますけれどもね、これを読みましても――済みませんね、文部大臣には。文部大臣のことが書いてありますのでね。「国会の文教族を二十年もやってきた坂田文相は、私大の理事者に知合いも多い。毎年、百四、五十人の受験生の新たちから言ききを頼まれるが、文相になった今日はぐんとふえて三百五十人。このうち、選挙区関係は約三百人」、これも一全部選挙区関係なんです。調べましたら。このことを偶然の一致である、こう総理がおっしゃれば、私は何とも言いません。ですけれども)、依頼者と依頼された方は全部選挙区関係なんです、これは。同一選挙区。「大学なら坂田に、といわれても困る、と渡瀬秘書官は憂うつそう。二月中旬から三月中旬にかけて入学の世話にかかりっきり。名簿の整理、大学訪問、合否の連絡……午前八時から午後十一時過ぎまでキリキリ舞いしている。」、こういうことなんです。ですから、私は、こういう裏口入学に対して疑惑を持たれるだけでもうまくないと思いますよ。いま総理は、こういう世話をするといろんな関係者ができる――関係者かできることはいいと思います。私も関係者ができております。ですけれども、その関係性がこういう裏口一入学じゃないかという疑惑を持たれるような、こういう頼み方なり依頼され方をすると、これは非常にうまくない。また事実こういうものが出ている。これ自体非常にやっぱり――たとえこのことはおれは知らないと――今度は文部大臣にお聞きしますよ、おっしゃったとしたって、社会的にこういう名曲を利用されて入学している、こういうことにもなる。まあ文部大臣のお答えは大体想定できますから――尋ねたって知らないと言うんでしょうからね。どうですか、総理大臣。そういうことを踏まえてなんです、私は。ばく然とした抽象的なことじゃないんです。
  27. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 私は実は、自分の身近からわれわれもいろいろ頼まれます。したがってそういう際には、できるだけのお世話をする。それが直ちにいまのように点数をふやすとか、あるいは特別な理由から入学が許されるとか、こういうことがあってはならないと思います。しかし、いまのことについてさらに、私は別にこれは都合がいいからそういう説明をするわけじゃありませんが、補欠入学というものはしばしば行なわれている。一応入学としてやりましても、これは多数の入学者で、それが学校は一つに落ち着くのでありますから、補欠入学の場合にそういう人が採用される、こんなことは間々私も聞くところであります。まあ問題は、本来の姿で――それが入ったために本来入学すべき者が落とされる、こういうようなことだと、当然避けなければならない、ずいぶんむずかしい問題だと思います。私どもも代議士をしておると、いろいろのお願いを選挙区からも受けます。それを一がいにけしからぬとか、インフルエンスを使ったとか、こういつてきめつけられないで、やはり人情の機微、この点は御了承をある程度していただきたいし、あまりむずかしくならないで、ここはひとつ取り上げていただきたい。これはお願いするような次第であります。
  28. 黒柳明

    ○黒柳明君 文部大臣、すみません、途中ですけれども――この力を私は調べてありますけれども、文部大臣この方を御存じですか。これにお名前がみんな書いてありますから当然御存じなんです。それだけでは裏口だと言えないという総理大臣のおことばですが、文部大臣どうですか。
  29. 坂田道太

    ○国務大臣(坂田道太君) たくさんいらっしゃるからわかりません。
  30. 黒柳明

    ○黒柳明君 大体そうじゃないかと想定しておりました。文部大臣の御答弁はたくさんいらっしゃるからおわかりにならない、確かにこれを見ましても、あまり依頼者が多くておわかりにならないらしいですね。秘書官がきりきりまいしている、こういうことです。時間がありませんので私もこの辺でやめたいと思いますが、最後に言いたいことは、こういうふうなことが書かれますと、これをお読みになった国民はどう思うか。これは書かれたほうも迷惑だと思いますよ。おわかりにならないほど依頼を受けた、その中には現実に秘書の方を通して、そうしてたのまれた人があるでしょう、直接にお知りにならない方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、現実問題としては、その結果こういうふうに入学している。そうして学生のちゃんとした資格をとっている。こういうふうな結果、先ほど言いましたように、いまの学生のモラルの非常な低下にもなるのじゃないか。今日の学生問題を紛糾さす遠因にもなるのじゃないか、そういうふうに思うのです。それに対して総理大臣は、代議士になると――国会議員になると、いろいろな関係ができてくる、そういうことも含めてひとつ大目に見ろ、こういうふうにおっしゃる答弁を聞くとは私は思わなかったのです。黒柳さんもこういうことはひとつ大目に見ろというのですけれども、私はこんなことは大目に見られない。少なくとも公明党の議員はこんなことは絶対大目に見られない。当然ほかの先生方もそう思うことは、私は間違いないと思います。こういう裏口入学みたいなのを大目に見てまかり通るなら、大学生にものをいって管理法を出す前に、それこそ、こういうことが責められるのか先である。だから、先ほど私は今日の大学紛争は必ずしも学生だけの問題じゃなくて、政府の姿勢、そして大学当局の姿勢も問題だ、こういうふうに言ったわけです。これは見解の相違だと思うのですけれども、最後にひとつ御答弁を……。
  31. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど私申し上げたように、裏口入学の問題がまかり通ることは、それは問題を非常にむずかしくするゆえんだと思います。これは黒柳君の御指摘のとおりだと思います。ただ、いまの学生の、大学の騒動の裏にはこういうこともあろうかと思いますけれども、やはり基本的には何といいましても、もっと違うところにあるのじゃないか。私は最近、テレビ対談をいたしまして、むしろ先生方の姿勢をただすことだということを申しました。また、いまの御発言のように、政治の責任というものを強く思います。確かに政治の責任はあると思います。しかし、本来大学そのものは自治である、学問の自由は尊重されなければならない、みだりに政治がこれに干渉するわけのものではない。その基本だけを申し上げまして、大学自身が自治、これを主張する以上は、やはり国民の期待に沿うようにりっぱな大学になってもらいたい、かように思いますし、また学問の自由を主張する限りにおいては、これが社会国家に役立つような学問の自由、それをやはり主張してもらいたいし、そういう意味でこの大学自身のあり方もあるだろう。学生は先生からものを教えられるもので、これがまず第一のものである。いま共同体云々の議論もありますけれども、その前に、やっぱり教える者と教わる者と、その区別はあるだろうと思います。そういうところの秩序が乱されると、問題が一そう紛糾する、かように思います。ことに官立の大学あるいは公立、こういうような場合は、はっきり国民の払う税金によってまかなうものでありますから、先生方も生徒もやはり本来の目的、それに沿うような行動があってしかるべきだと思います。もう悪いことが起これば政府自身が責められる、これは最高責任者として当然のことで、私はそれを避けるつもりはございません。しかし、私の申し上げたいのは、一方で大学の自治を尊重しろと言いながら、やっぱり自治が尊重されないような、そういう雰囲気がかもし出される、ここに問題があるのじゃないだろうか、かように思います。ことに、いま起こっております大学の問題は、端的に申せば教育の問題じゃないようです。どうも他に主たる原因があるようです。このことを考えれば、なおさら、先ほど来申し上げますような大学の自治、あるいは学園の自由、学問の自由、そういうことについてはもっとはっきりした目標があってしかるべきじゃないか。それも政府がかくしなさいと、かように指導助言はするにいたしましても、そのことはあまり積極的にそれを必要としないような大学の自治が望ましい、かように実は思っておりますので、ただいまのようなことをあえて申し上げる次第であります。しかし、ただいま御指摘になりましたように、大学の自治、これは必要であり、われわれも尊重しなければならぬのはもちろんでありますが、しかして、いま申し上げますような裏口入学、こういうような事柄があっていいというわけじゃありません。それはそれとして不都合だが、本来はこうあるべきだということを申し上げたような次第でございます。誤解のないようにお願いいたします。
  32. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 総理にお尋ねいたしますが、検査院のほうから例年指摘されております不正と不当事項、これが依然として改善されていない。特に最近は、高級職員の汚職等が特に目立ってきた。と同時に、職権の私有化というような点が大きな問題として出てきておるのではないかと思うんです、なおまた、そのことが政治に対する不満と申しますか、最近は青少年にまでその悪影響を及ぼしつつあるのではないか、こういう懸念をせざるを得ないのであります。この重大な問題について政府は甘い切った処置をお考えになる必要があると私は考えるんですが、まず総理の姿勢、これをお聞きしたいと思うんです。
  33. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 私も、総理になりまして最高責任者として毎年同じような答弁をしておりますので、たいへん恥ずかしい思いがするのであります。会計検査院からの指摘事項なり糾弾事項なり、これが少しも減らない、依然としてそういう事項が多い。そればかりじゃない。積極的に警察のごやっかいになるとか、司直の手にかかるような問題すらある、まことに残念に思っております。これは最近の傾向というわけでもない。昔からの傾向であり、権力のあるところに犯罪がある。このことが実はたいへん私も心配であります。ただいまは国権を私有化している、こういう表現をされましたが、権力のあるところに犯罪がある、これは何としても打ち破らなければならない。これがもし実情であるなら、その意味においても問題解決に取り組まなければならない。その意味において御承知のように、みずから監察制度を設けて事故の発生のないように、あるいはまた監督指導等もいたしますし、また公務員相互が反省会等を催す、いろいろなことをしておりますけれども、いまなおあとを断たないで、まことに私残念に思っておる次第でございます。
  34. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 時間がございませんから、私の質問を三つに分けて、見解をお聞きしたいと思います。何といっても今日の政治情勢から考えると、国民の生活の安定だと思うのですね。その安定どころか、ひずみが非常に大きく出ておる。しかも衣食住のこの三つの中で、食と住というのはもう全くこれは問題だというところまで、ぎりぎりまできておると思うのです。私は、その実例を申し上げますと、政府がやっております国家公務員の給与の問題の一つを取り上げてみても、これは全く人間を疎外した問題だと思うのです。たとえば一つの例を申し上げますが、これは高校卒の給与を調べてみたのですか、生活実態の調査です。十八歳で就職をして二十四歳になって二万六千三百九十六円です。二十八歳、これで三万二千二百三十六円、六等の二号になって三万二千四百二十六円です。二十八歳といいますと、総理、日本の結婚年齢をみますと、御承知のように、男子の平均をとってみますと大体二十七歳半ぐらいのところが結婚の基準になっております。女性のほうで見ますと、二十三歳から四歳までがその標準になっております。そうすると、結婚をしなくてはならないけれども、結婚のできない実害が出ておる。それは何かと申しますと、結婚すると住が必要でございます。しからば一体、日本の住宅の家賃というものはどういう程度になっておるのかと申し上げますと、公営住宅の安いところで六千二百二十一円、高いところで八千百十七円、公団住宅ということになりますと、一番安いところで二万四千百五十一円、高いところで二万八千四百九十一円、最高のところに入っては三万二千四百二十六円で、結婚しても食えないのです。食えないような、結婚もできないような社会機構になっておるわけです。結婚しても住めないような社会機構になっておるわけです。しかも政府は、今日まで十年間という長い年月に至るまで国家公務員の給与の人事院勧告は一回たりとも実現されたことがない。このくらい矛盾した政治のあり方というものは私はないと思うのです。この点を政府はどうお考えになっておるのか。四十五年度から人事院勧告を実施するとおっしゃっておりますけれども、四十五年度を待たないで、このことは総理にきょう決意を聞きたい。少なくとも今年度から何かの形で保障してやるべきだ。そうしなければ、青年にいかなる訓示をされても、いかなる政策をお立てになっても、いまの社会環境を直すことはできない、こういう観点に私は立つわけです。これらに対して、総理はどうお考えになるか、あとでひとつ御回答願いたいと思うのです。  さらにまた、いろいろ先ほど学校の問題も出ましたが、特に政府が主張されておる人間形成については、政府みずからがやはり率先してその範を示すということをやっていただかなくちゃいかぬ。むろん、これは国会でも絶えず重大な問題として追及もされ、総理も努力していただいておることはよくわかります。けれども、この現実と改革されたという点が結びついていないというところに、この問題から社会悪が起こっておるのではないかという心配を私はするわけであります。したがって総理は、みずからが、政府自体がほんとうに解決しようとおっしゃるならば、いま問題になっております。この国会でも出るような話を聞いておりますが、まず政府は、この放流資金規正法ですね、これを提案されるということでありますが、実際に通す気でやられるのかどうか。これはもう答申も出ておるのでありますから、何回となく国会で問題となっておりますけれども、私は、大学の管理法をつくる前に、政府みずからが姿勢を正すという意味で、こういう問題の実現にこそ全力を注いで、総理自体がやっていただくべきじゃないかということを痛感しておるのであります。総理はどうこの点についてお考えになっておられますか。先ほど申しましたように国家公務員の給与の今年からの実施、もう一つは国家公務員の給与の体系あるいは昇給の規定、この二つを変える必要があると思うのです。  それからもう一つは、先ほど申しましたように、みずから政府としてもこの社会悪を解決するためにも、政治資金規正法をこの国会でやはり通すのだ、こういう決意があるのかないのか、この点についてひとつ御質問申し上げます。時間がございませんから、この三つの御回答を願って、私の質問を終わりたいと思います。
  35. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 人事院の勧告、これは尊重し、これを完全実施する、この方向で努力しなければなりません。私どもがいま一帯問題にしておるのは、その点であります。そこで、これは別に皆さんに尋ねるわけでもありませんけれども、いまの春闘相場なるものはどうなるのか。実は、そこを非常に心配をしておるわけであります。政府は一応ある程度の予算も計上したつもりでありますけれども、最近のように景気がいい、またそれぞれの企業が収益をあげておりますと、どうもそれにはたしてついていけるかどうか、そこに政府としては悩みが一つあるのであります。それらの点をも勘案し、あらゆる努力をしていきたいと、かように思っております。そのためにも、先ほどお尋ねのありました物価の問題は、これを安定させ、そうして高くならないで十分予算的にまかない得るように――これは計上されておる予算ということで、人件費というだけではございません。このやりくりが各行でできるような処置をぜひとも考えてほしい、かように考えながら春闘相場がどうあるべきかということを実は心配しておるような次第であります。その点の御協力を各方面にも求めております。これは別に組合側の要求を頭から抑えておるというものではございません。どうか、最もいいところに――どうしても給与は平準化をする傾向がございますので、自分のところはまかなえるからという、そういうだけでまかなわないように、全体をひとつ見ていただきたいというのが一つのお願いであります。  また、いま衣食住のお話が出ておりましたが、衣はいい、また食もある程度いいのじゃないかと実は思っております。しかし、食と住についてはなお不都合だとするこういう高田君の御指摘であります。私は、住の問題について、今日まで――最近、私は自分の家を持つようになりましたが、借家住まいをしたその経験から見て、一体給与のどのくらいを住居費に充てているのか、いままで私は、大体四分の一程度は充てておるのであります。大体最近の傾向を見ましても、その辺にはなっておるのじゃないだろうか、かように思います。所得に対して住居費というものは、その辺のところが普通の相場じゃないだろうか。私の経験から、いわゆる小役人時代の実は経験を率直にいま披露したのでございます。  その次に、ただいまも学校の問題について、政府自身が率先垂範しろ、かように言われる。これはもっともの話であります。政府の責任というか、そういう意味で、政府は率先垂範すべきものだと、かように私も思います。そういう意味でみずから身を持することが非常に大事なことだと、かように思っております。しかし最近の教育そのものについて、それぞれの方がそれぞれに御批判なさると思いますが、どうも私は、教育が個人の形成、そういうところに重点が置かれているのじゃないか。もう一つは、何といっても物質的な面において教育が力をかしておるのじゃないか。やっぱり物質だけで教育が完成されるわけではない。人間形成というような面から申せば、物質的なものも大事でありますか、精神的な面も、これは忘れられてはならないと思います。同時にまた、個人教育そればかりではなくて、やはり社会人としての教育、社会人としての人間形成、そういうことが忘れられてはならないと思う。私は、そこらにいまの教育の一つの問題があるのじゃないかと思います。よく聞くことでありますが、産学協同ということばを言われます。これあたりははっきりどうも物質中心のように教育がとられやすい。だから、産学協同ということばが不適当なら学産協同でけっこうだと思いますし、学を先に言うことによってけっこうだと思いますが、どうも産学協同だというと、物質文明それが中心になり、学問はそれに奉仕するのだ、こういうように言われやすい、そこに私は一つの問題があるのじゃないか、かように思います。したがいまして、教育のあり方というものは、これは皆さん方とともどもに実は本来あるべき姿、教育の問題でじっくり話し合ったらいいじゃないか、実はかように思います。何だか非常に自民党は、大学管理法、これを提出するのに急で、何でも力で押しつけようとしているんじゃないかというふうな誤解を受けやすいのでありますが、私はいまこそ、こういう問題があればあるだけに、やっぱりまじめに教育のあるべき姿、ことに二十一世紀を迎えようとする、二十一世紀にこたえる教育の姿勢というものがあってしかるべきじゃないだろうか、かように私は思いますが、いま感じたことはただいま申し上げるような次第であります。  そこで、政治資金規正法、これについて政府は在来から申し上げておりますように、もう引き続いて出しておる、そして皆さんの御審議を願うつもりであります。私は、これはいわゆる理想的なものではないと思います。しかし、一歩でもわれわれがみずからの姿勢を正す、そういう方向であれば、これは各党にも御了承いただきたい。とにかくまだ、その程度の低いものすら実はできない、こういうところに私はまことに残念に思う悩みを持っておるのでありまして、それ自身は程度の低いものにしろ、姿勢を正そう、この考え方でスタートしておる限り、皆さんの御支援、御協力をぜひお願いしたい、かように思っておる次第であります。
  36. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私は、この学校の問題を中心に申し上げたのじゃなくて、学校にも問題が起こっておる、それをやっぱり是正するための生活の安定をはかるということが基本ではないかということをお尋ねして、そして給与改定――いまの人事院の勧告はもとより実施していただくということですから、これはいいですが、この現在の政府の昇給規程それから賃金体系のカーブが非常にきついです。だからといって、二十年つとめておる人が大きな金をもらっておるかというと、そうでもありません。二十年つとめた人でも七万六千八百円しか収入がございません。これは乙です。甲のほうで八万四百円しかもらっておりません。こういうことでは二十七歳から八歳になって結婚もできない状態。結婚すれば――食は非常に、総理はいま満たされておるとおっしゃいますけれども、これだけ物価が高かったら食えないのですよ。あるのはたくさんありますけれども、食えない状態ですね。住まいに一万五千円も取られたり、あるいは一万円も取られるということになれば皆さん生活できないのですね。だから、大学を卒業して入って、二十八歳になれば結婚もできる、生活もできるような賃金体系に変える必要がある。それは根本的に変えなければいけません。昇給規程もそれに準じて変えなければいけません。したがって、カーブをもっとゆるやかにするとか、あるいは現行のカーブをそのまま維持して、何かの形でこれを保障していくという体系に変える必要があると、私はこう思うのです。その点をひとつお聞かせ願いたい。
  37. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 給与についてのあり方について、私自身一つの考え方を持っておりますので、実は特に触れなかったのです。いわゆる能率的な給与が支給される、こういう方法もございます。いわゆる年功加給制の方法でやっていくということもございます。また信賞必罰とでも申しますか、そういう意味から、ほんとうにできのいいところに給与を上げるというようなものもあります。しかし最近は、組合側とのいろいろな協定がございますから、なかなかそうはいかない。一律にいっておる、いわゆる公平なようだが、たいへん不公平な給与体系にいまなっておるのじゃないかと私は思います。しかし、そういうことをただいま申しておっても、これは間に合いませんから、いまの慣行でけっこうですが、その慣行自身も実際に合うような方向になかなかできていない。最もどの辺に力を入れるべきか、家庭を持ち、そうして子供が二人ぐらいできる、その辺のところが一番金がかかるのじゃないか。そういうように考えると、やっぱりその辺に昇給なども重点を置いて給与を定める。こういうようなことが、ただいまの組合との話し合いでは主になっておるのだろうと思います。そういう点が特別にございますので、私は給与の問題については特に申しませんけれども、とにかくただいまの状況では食えるとか食えないとか、かような議論をいたしましてもしかたがございません。とにかく、どこもそう渋いだけが能ではございません。よく考えて渋さと甘さと、能率と、これはよく考えながら効率的に昇給制度を考えるべきだろうと思います。私は、そういう意味で人事院勧告について、政府自身がもっと忠実であるべきだということをまず考えると同時に、また民間の給与についても、労使双方だけの構想だけでなしに、やっぱり民間におきましても力を入れるべきその場所があるのじゃないか、そういうものが自然にきまっていくのじゃないか、実はかように思っておる次第であります。公務員の場合は、何と申しましても人事院勧告、これが尊重される、これは特別な機関でございますから、その機関の研究した結果にわれわれが従うということが望ましい、かように実は思っておる次第であります。
  38. 渡辺武

    ○渡辺武君 時間があまりないそうですので、一括してお伺いします。  総理は、ことしの秋に訪米する予定だと言われておりますけれども、この訪米が沖繩の問題についてだけではなくして、来年に迫まった安保条約の期限終了期を前に、日米安保条約の延長強化をはじめ、日本の政治、軍事、経済の全般にわたる日米間の協議となることは明らかだと思われます。それは首相のこれまで二回にわたる訪米の際、発表された共同コミュニケを見ても明らかであります。私は、特に経済問題について伺いますが、首相は一九六五年の第一回訪米の際にも、一昨年十一月の第二回の訪米の際にも、日米安保条約を堅持するとの立場から、日米経済関係の拡大、アジア諸国に対するアメリカの侵略に協力しながらの経済援助の積極化、ドル防衛や国際経済政策における協力をはじめ、日米原子力協定や日米航空協定の締結などを約束しておられます。これらは日米安保条約の一環として、アメリカの対日支配とアジア侵略に一そう固く日本経済を組み込む見地に立って進められておるのでありまして、国民の絶対に容認できないものであります。  首相は、第三回の訪米にあたって、経済問題についてはどのような内容を協議し約束する方針でしょうか。白紙であるなどとごまかされることをされずに、国民の前に真実を明らかにされたいと思います。特に現在ニクソン政権はベトナム侵略の失敗、ドル危機の深刻化など、激化する政治的、経済的危機を日本の負担で切り抜けようとしています。経済の上では、一方では繊維、鉄鋼などの対米輸出の自主規制を強要し、他方では直接投資の自由化や残存輸入制限品目の撤廃などを迫って、日本への経済的侵略の拡大につとめ、さらには南ベトナムその他へのアメリカに肩がわりした援助の飛躍的拡大を要求しています。最近の新聞報道によりますと、ニクソンのこのような要求にこたえて、福田大蔵大臣は東南アジアの安全保障の一環としてアジアの経済開発に主導的な役割りを果たすことによって、経済面でアジアの基軸国を目ざす必要があることを強調し、今後五年間に対外経済援助額を二倍にする方針を固めたと言われております。これはかつての大東亜共栄圏の考えであり、アメリカのアジア侵略を補いながら行なわれる日本のアジア侵略の企てと言わなければなりません。首相は、これらの問題についてどのような態度でアメリカと交渉なさるか、明らかにされたいと思います。  もう一つ最後に伺います。日米安保条約第二条は、いわゆる日米経済協力を促進する旨を取りきめております。この条項に基づいて歴代の自民党政府の行なった経済政策のおもなものは、アメリカの商品や資本の侵入に道を開く貿易為替などの自由化であり、アメリカのアジア侵略に協力する援助の拡大であり、日本の軍国主義復活とアジア侵略の土台としての大企業の経済力の育成でありました。首相は、安保条約によって日本は繁栄したなどと好んで口にしておられますが、繁栄したのはアメリカと日本の大企業だけのことであり、日本の大多数の国民はひどい打撃を受けております。それは現行の日米安保条約が結ばれた一九六〇年以来、物価の値上がり、交通事故、公害、住宅難などをはじめ、労働者の労働強化、農民のなだれのような出かせぎ離村、中小企業の倒産や経営難が異常に激しくなっていることを見さえすればおわかりと思います。それだけではなく、まさに安保条約第二条に基づいて日本はココムなど貿易制限を押しつけられ、日米航空協定、日米加漁業協定、日米原子力協定など、きわめて不平等、屈辱的な諸協定を押しつけられております。このような国は、経済的大国としては日本以外にはありません。総理は、一国の首相として、このような状態を恥ずかしいと思われませんか。日米安保条約をはじめ、このような不平等な条約、協定などを廃棄して、自主的で対等な経済関係を取り結ぶべきだと思いますが、首相は訪米にあたってこのことを提起する考えがおありかどうか、答弁をお願いしたいと思います。
  39. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 渡辺君は、ただいまお尋ねだと言って次々に問題を提起されました。平素共産党の御主張として伺っておりましたから、大体お答えしたと思っております。しかし、ずいぶん事態を曲げてお考えじゃないかと思います。私は、いつも申しておりますように、自主的な立場に立って、日本の国益を考えて外国と交渉するということを申しております。また日米安全保障条約、これはやはりその基礎、基本になるものをお考え願い、当時また今日までその事態は続いておりますが、日米共通の利害関係がある。だからこの日米安保条約ができたのであります。これは一方的にアメリカだけの都合で、この安保条約を日本に押しつけたものではございません。だから、その辺のところが基本的に共産党と私どもは違いますから、いまのような本が違うと、先に行くと双方でずいぶん開きが生ずるんです。これはどうもやむを得ないように思います。  で、これから私がアメリカに参りまして、もちろん軍事、政治問題、これも日米だけの問題ではございません、国際情勢全般を通じての話があると思います。また私は、国際情勢全般の高い見地に立ちまして、わが国益を守り、同時に自主的な立場でものを判断して、そうして意見を述べるつもりであります。私は、自由主義陣営の日米両国間には共通する利害がありますので、そういう意味においては私は、いまからあまり心配はしておりません。堂々とわが国の主張を通じて、また相手の主張を聞き、それはいま言われるように押しつけられたものでない、私自身が自主的にきめてまいる、こういう立場でございます。  いろいろ目下の問題についてのお話がありましたが、基本的な態度はただいま申すような態度で、どこまでも自主的に国益を守るという立場で話をするつもりであります。したがいましていろいろの問題が提起されましたけれども、いまの貿易自由化の問題にいたしましても、またわが国からの貿易輸出品等につきましてもいろいろ制限を受けるというような問題もございますけれども、しかし相手の側も自由化という以上、相手も自由だし、こちらから行くのも自由だ、こうあるべきだと、かように私思っておりますので、これらも話し合いで、いわゆる誤解というものが生じなくって、正当な理解が遂げられるのじゃないか、かように実は思っております。これはひとつ、どうか党は違っておりましても、私が日本の国益を守り、また自主的な結論を出す、こういう意味で御声援をお願いしたいと思います。
  40. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 以上で、総理に対する質疑は終わりました。     ―――――――――――――
  41. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 引き続き総括質疑を行ないます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願いま
  42. 大森創造

    ○大森創造君 通産省それから中小企業庁のほうにお尋ねいたしますけれども、私は時間もありませんし、具体的なことを端的にお伺いしますから、それを答えいただきたいと思います。  東豊産業協同組合、これは御存じだと思いますけれども、中小企業庁のほうでこの組合を認可した設立の年月日――余分なことはお答えする必要がございませんから――それから、その設立の当初のおもな役員の氏名、それから組合員数、出資金、事業の目的、以上をお述べいただきたいと思います。
  43. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) ただいま御質問がありました東豊産業協同組合の設立の認可日は昭和四十一年の八月五日でございます。  それからおもな役員の氏名でございますが、理事長が塩原有、副理事長が倉善三郎、専務理事が垣久保勇、理事が原助衞、それから荻野寿、西城清、堀池善次郎、理事が理事長を含めまして七名でございます。  監事が一名で藤井強平でございます。  それから組合員の数は設立当初四十二名でございます。  それから組合の事業でございますが、組合員の取り扱う建築材料、家庭用雑貨、及び繊維製品の共同購買、それから組合員に対する事業資金の貸しつけ(手形割引を含む)、及び組合員のためにする借り入れ、それから金融機関に対する組合員の債務の保証、それから債権の取り立て、その他団体協約の締結及び情報の提供事業、福利厚生施設に対する指導、その他の事業と、こういうふうになっております。
  44. 大森創造

    ○大森創造君 わかりました。それでいいのですけれども、認可をしたのでございますが、認可した基準はどういうことになっておりますか。私は認可すべき組合でないと思っているのです。
  45. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) この協同組合の認可、本件につきましては東京の通産局が主管官庁になっておりますが、法律の協同組合法の二十七条の二の第四項に規定しております設立の手続、それから定款及び事業計画の内容の公正、及び組合の経営的基礎の有無、その他につきまして提出された書面によって審査を行なった結果、認可をしたものでございます。
  46. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、書類審査だけですか、結論的に言えば。
  47. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) ただいまの基準に該当する必要ないろいろの書類もございますが、その書類を見まして原則としてその書類を基準にしまして、その協同組合としてやっていけるかどうかとい認定をして、認可をするわけでございます。
  48. 大森創造

    ○大森創造君 私は、それでは足りないような気がするのです。ちょっとうかつのような気がするのです。いま相当組合屋みたいな者がおりますから、私の調査した範囲では専務の垣久保さんという人を中心にした数人の人がいわゆるインチキの組合屋で、そして書類をつくるのが上手ですから、そこで中小企業庁のほうに書類をでっち上げて認可を求めた。ところが、あなたのほうではいまお答えのとおり、ただ書類上資格要件を調査するだけですから、この組合屋のでっち上げた組合を認可してしまったということを、いまでは言えると思うのですが、そういう御反省はございませんか。
  49. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) この申請を審査いたします場合に、一応書類としましては設立同意者の誓約書を取りまして、その参加する組合員が組合員たる資格を有するということについて本人の誓約得を取っておるというふうな審査をやっておるわけでございまして、さらに実地にそういう人がはたしてしかるべき事業をやっておるかどうか、あるいは架空な組合員がいないかどうかということを、全部一件々々チェックすればいいのでございますけれども、なかなか実際問題としてそういうことはできませんので、そういうことを、一応諸般の事情をしんしゃくをしまして、信憑性があると認められる場合には認可する、そういうふうな扱いをしているわけです。
  50. 大森創造

    ○大森創造君 私のほうで調査してみたのです、四十三名全員について。そうすると、そのほとんどが営業所がなかったり、本人が全く知らなかったり、または単なる名義貸しに過ぎない者が判然といたしました。そこで一番中心的な役員である理事長の塩原有という人は資本金五直万円の日本鉱山というところの代表取締役になっておると書類の上ではなっておりますが、私のほうの調査ではこの日本鉱山という会社の代表取締役は稲崎某という人であって、会社の所在地も中小企業庁のほうに届け出がございません。副理事長は足立屋という商号があるようですけれども、実地の番地に足立屋の看板はございません。それから西城清という者の商号越路屋は他人から借用しているということです。また垣久保という専務理事と親しかった山田某という人物は資本金五百万円の日本特金なる会社を経営しているということになっていますが、このリストの番地にはこのような会社はございません。本人は大森海岸のアパートに住んでいる。そこで私が申し上げたように、この組合は、当初から垣久保専務理事を中心とする二、三人の組合屋がでっち上げたインチキ協同組合だと思われるのですが、これを認可するに当たってもう少し事実を確かめるような方法はなかったものですか。たとえば役員について、電話をかけるとか、私がいま申し上げたとおり中心的な役員の人はある目的のためにこの組合をつくろうとしておりますから――そうでなくても組合員は四十三名で数はしれておりますから、それらをリストアップをして、そこに照会するくらいの労はとっていいじゃないかと思うのです。それはとらなかったのですけれども、どうでしょうか、そういう労を今後はとられるということにしたらいかがでしょう。
  51. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 本件につきまして、その当時そういうチェックの方法をとったかどうか、実ははっきりいたしておりませんけれども、今後の問題といたしましては、確かにいまおっしゃったことを含めまして、チェックの方法を考える必要があるんじゃないかと思っております。
  52. 大森創造

    ○大森創造君 人手不足ということもあります。それから組合の自主性尊重ということもございます。それはわかりますけれども、協同組合というものは公共性がある団体であって、社会一般の信用を得やすい性格のものであります。その盲点を巧みに突いて、中小企業庁のほうは書類審査だけですから、これを利用する組合の存在は、私は許せないと思うのです。いまお答えのような方法をおとりになることを約束願って、これは今後の問題として――そこでお尋ねいたしますか、それではその束豊産業協同組合の現在のおもな役員とその就任年月日、組合員数、出資金、事務所の所在地をお答えいただきたい。
  53. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 現在の役員のおもなる者を申し上げますと、理事長が稲村左近四郎氏、それから剛理事長が倉善三郎氏、専務理事垣久保功氏、理事原助衞それから荻野寿、山城清、稻村健男、前島昭雄、以上理事長を含めて八名であります。幹事が堀池善次郎、田辺作次でございます。この中で稲村理事長は四十二年の三月、それから稲村建男氏が同じく四十二年三月、それから前島昭雄氏が同じく四十二年三月、それから田辺作次氏が同じく四十二年の三月。この四人が同じく四十二年三月の就任でございます。その他は設立当初からの役員でございます。  それから現在における組合員数は最近の調査によりますと、七十一名になっております。  それから所在地は、東京都港区麻布今井町二十三番地ということになっております。
  54. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、東豊産業協同組合というものは別荘協同組合の機能を停止しておるということを御存じですか。
  55. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 最近、事業活動はあまり行なっておらないというふうに聞いております。
  56. 大森創造

    ○大森創造君 あまり行なっていないのではなくて、全然ストップしておるということでしょう。
  57. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) おっしゃるとおり事実上停止しておるようでございます。
  58. 大森創造

    ○大森創造君 なぜ、あなたのほうで認可した東豊産業協同組合というものが事実上停止するようなことになったと思いますか。その原因は何ですか。
  59. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 詳細のことは、私どももよくわかりませんけれども、私どもの推定としましては、理事長の稻村氏が別途やっております稻村建設が昨年の秋に倒産をした。で、そういったことで、大体この組合の理事長として大きな影響力を持っておられる方でございますので、その倒産との関連で最近組合そのものの事業活動が縮少しているのじゃないかと推測をしておりますけれども、確固たるあれはございません。
  60. 大森創造

    ○大森創造君 推測のとおりです、事実は。そこで私が不審にたえないのは、そういう協同組合が本来の協同組合であるならば、稻村建設が倒産することによって連鎖的にこれが機能停止をするということにならないと思うんです。そこで、ずばり言えば、これは稻村建設の金融のトンネル機関であるということ、この設立が認可されてから半年目に、いまお答えのように昭和四十二年の三月になって理事長は稻村左近四郎氏になり、それから稻村建男氏という人は稻村さんの息子さんです。それから監事の田辺作次さんという人は稻村建設の経理部長。役員は稻村建設が撮り、それから、いまお話の六本木の事務所は稻村建設の傍系会社の秋島建設――これも倒産しました、この秋島建設は稻村左近四郎氏がこれも社長をしておりましたけれども、この秋島建設の事務所というものを無償で東豊産業組合のほうへ提供した。役員は――一番中心的な役員は、御自分をはじめ稻村建設で占めた。それから当初の組合員は四十三名であったが、いまお答えのように七十一名になった。ということは、ほとんど稲村建設の下請企業が参加をした。それから出資金が当初三百数十万円であったものが、その後一千五百数十万円に――約五倍近くにふくれあがったのは、稲村建設のほうで出した。ですから、ここで私とあなたの応答で印象づけられるのは何かというと、東豊産業協同組合は設立後半年にして、役員も事務所も出資金の構成も、これが稻村系の圧倒的な支配のもとに置かれたことになります。こういうことはいかがでしょうか。だから、稻村建設が不渡りを出して倒産すると同時に、東豊産業協同組合というものが機能を停止したということになるわけです。組合本来の仕事をやっていたならば、稻村建設の倒産によって東豊産業協同組合が連鎖的な機能停止ということにはならないと思うんです。こういうことは違法ではないかもしれないが、いわゆる協同組合法の精神からして、内容的にどうでしょう。まずいのではありませんか。
  61. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 私、先ほど申しました稻村氏の稲村建設の倒産と、この協同組合の機能停止と相互の因果関係を実は的確には存じませんので推定を申し上げたのでございますが、これは一般的な問題としまして、協同組合のあり方の問題としまして、この本件の場合に、やはり稻村系というものが営業活動でどの程度のウエートを占めておるか、人的、あるいは資本的に。その点は、私ども実は把握しておりませんので的確に申し上げられませんが、一般論としましては、一つの系列の中小企業が集まって協同細心をつくるということ自体は、それは問題はないと思うのでございます。と申しますのは、中小企業が協同して取引条件その他の営業方法、取引条件につきまして親企業と競争する力をつけるとかいうことで、いわゆる下請的な協同組合をつくることがございます。そういったことで、そういうこと自体は問題はないと思いますが、問題はそういった組合の運営面につきまして、その事業が明らかに組合員の中の一部の者の利益、あるいは特定の第三者の利益のみのために運営されておるというふうに見られる場合には、協同組合法の精神から見まして適当ではないと思います。本件がそれに該当するかどうか、実は私どもデータを持っておりませんので、何とも申し上げられません。
  62. 大森創造

    ○大森創造君 私は該当すると思うのです。そこで、このことはいかがでしょう。協同組合が出資金を集めるのに、垣久保専務が商工中金で約手をどんどん割ってやるから――そういうような話を持ちかけておる。それから稲村建設の下請の集まりである稻栄会というのがございまして、そこで稻村氏自身や、それから田辺監事が、十万円出資すれば東豊産業協同組合の手形が割れる――これは当然商工中金のほうを目標にして、そういう勧誘のしかたをしておる。私は、これは必ずしも違法ではないと思うが、先ほどと同じような協同組合法の精神からしてどうでしょう、こういう出資金の集め方は。
  63. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) そういった勧誘をしたか、どうか、事実は私ども確認しておりませんが、ただ協同組合でそういうのがございますけれども、その事業を見ますと、やはり協同組合は中小企業の実態を反映しまして、いろいろな組合事業がございますが、その中で融資事業というのが一番大きなウエートを占めておりますので、協同組合をつくって、特に組合金融をやっておる商工中金からの融資という連帯事業をやるということが協同組合の事業の中心になるということは、あえてそのこと自体は問題はないのじゃないかと思います。
  64. 大森創造

    ○大森創造君 協同組合を設立するということには、相互扶助――零細な中小企業というものが相互に連帯して本来の協同組合事業を行なう。それに対して商工中金のほうから融資の手当てをするというのか、私は本来的な商工中金の融資のあり方ではないかと思います。融資をするという、それ自体を当てにして組合をつくり、運営をするということはどうなんでしょう。手形を割り引いてやるから、それから融資がされるからというようなことで――そういうことに限っての業務でもって協同組合を運営するということは、組合法の精神からいってどうでしょう。そういうものに対して融資してよろしいのでございますか。
  65. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 組合事業として融資事業をやる、その組合が組合金融として商工中金の金融も期待できるという、一般的な勧誘といいますか、話は問題はないのじゃないかと思いますけれども、ともかく金融には金融としてのルールがございます。そのルールを無視して、いかなる場合でも金融は受けられるのだ、こういう過大といいますか、行き過ぎの勧誘には問題があると思います。
  66. 大森創造

    ○大森創造君 いろいろ問題があると思いますが、次に進みます。  そこで、商工中金の方にお伺いしますけれども、東豊産業の債務、すなわち商工中金のほうは東豊産業協同組合に金を貸しておると思うのですけれども、その総額は幾らになっておるのか、わかれば中小企業庁のほうからお答えいただきたいと思うのです。東豊産業協同組合の債務の総額、それから商工中金のほうは幾ら東豊産業協同組合に金を出したか、お答えいただきたい。
  67. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 実は、詳細な数字は現在調査中でございまして、的確な数字でなくて概数でございますけれども、四十四年の三月現在約六千二百万、これは残高でございます。そのうち商工中金からは三千七百五十六万という数字でございます。
  68. 大森創造

    ○大森創造君 三千九百五十六万円というものが商工中金に返済しなければならない金額ですね、東豊産業協同組合が。そこで商工中金にお尋ねしますけれども、その返済の見通しはどうでしょうか。
  69. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) ちょっと私のほうから数字を申し上げますが、現存の残高は三千六百五十六万円でございます。
  70. 大森創造

    ○大森創造君 三千九百万と言われたのじゃないですか、違いますか。
  71. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) これはピークでございまして、先ほどの補足をいたしますと、商工中金で申し上げますと、ピークは八月末の五千九百七十六万円でございます。そう申し上げます。回収の状況でございますが、稻村建設が倒産いたしましてから回収いたしました金額は、二回にわたっておりますが、八百万円でございます。それから現在稲村建設とは別件の担保、つまり稻村さん個人として組合の保証人になっております別件の担保の設定を現在進めております。
  72. 大森創造

    ○大森創造君 そこで商工中金にお尋ねしますけれども、現存の残高は三千六百五十六万円がほんとうですか。
  73. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 手形割引が三千六百五十六万円ありまして、ほかに下形貸し付け――昨年七月に手形貸し付けいたしました回収残が百万一千円ございますので、合計いたしまして三千七百五十六万一千円ございます。
  74. 大森創造

    ○大森創造君 三千六百五十六万円という現在の残高は、取れる見込みがございますか。
  75. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほど申し上げましたように、まず第一にはやはり振り出し人でございます。次には組合の保証人になりますが、私どもはまず、稻村さんが振り出しの関係があり、さらに組合保証の関係もありますので、まず現在は稲村さんの関係を鋭意努力しておりまして、なお、次の段階には保証の関係になると思いますが、現存は稻村さんの関係を努力しておりまして、ほかに先ほど申し落としましたが、組合自身が稲村建設から担保を設定した関係が一つございます。もっともこの点につきましては、和儀の関係等がありまして、まだすぐということではないようでございますが、この辺の全体の問題がこれからからんでくると患われますが、私どもとしては全額回収の努力を続けますし、またできるだろう、こう考えております。
  76. 大森創造

    ○大森創造君 それでは私は、残高が三千六百五十六万円あるけれども、これはほとんど融手ではありませんか。いわゆる商業手形でない、商取引を伴わないところの融手の割り引いた残高が、三千六百五十六万円でしょう。
  77. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) これは少し具体的にお答えさしていただきたいと思います。この割引手形につきましては、最終が八月の割引貸し付けになっておりますが、この貸し付け時にあたりましては、これは全部の下請のほうの実地調査は、私どもはこういうような小口転貸ではなかなか手が回りませんので、本件につきましては転貸先につきまして失地調査をいたしまして、なお全部につきましてはこの稻村建設振り出しの手形の裏書きを下請が第一次裏書きしております。組合の名簿によりますと間違いないわけでありますが、これを確認いたしまして、組合の第二裏書きによりまして組合口座に入れた、こういうことになっております。
  78. 大森創造

    ○大森創造君 その三千六百五十六万円という残高は、正常取引でない、商業手形でない融手じゃありませんか、ほとんど。そこで、これは時間がありませんから、ここで問答は続けたくございませんが、これはお出しいただきたいと思うのですが、三千六百五十六万円という残高は、証拠書類として手形のあれはお持ちでしょう。
  79. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) はい、全部あります。
  80. 大森創造

    ○大森創造君 ありますね。そこでこれは残高であって、東豊産業というものを介入させてぐるぐる回した、いままでの累積した、その融手というものを落とした金額は、私のほうの調査では億以上になるでしょう。それで融手の枚数は、おそらく私の想像では百枚以上になるでしょう。それを商工中金はずっと落としてやっていたのではありませんか。事実そうでしょう。これは私の言うことは間違いない。
  81. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) これは、私どものほうは先ほど申し上げましたように当然商業手形である、こういうことで割引を行なっております。
  82. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、これもあとで、きっと商工中金のほうの倉庫に入っているだろうと思うのですが、それをお出しいただきたいと思うのです。  それから残高の三千六百五十六万円に相当するこの手形を、ひとつ振り出し人だとか、支払年月日だとか、これは見れば一目りょう然ですから、これはほとんど融手なんですよ。融手というものは、商工中金に伺いますけれども、割ってはいけないものでしょう。どうでしょうか。
  83. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 融手ははっきりいたしまして、割るようなことはいたしておりません。
  84. 大森創造

    ○大森創造君 これはあとで証拠の書類、手形の種類などを見るというと一目りょう然だと思うのですが、これは累積するいままでの融手、そうして残高が三千六百五十六万円になったのですから、そうして私は、百枚以上の融手を割ってしまったということは、認めないわけにはいかないと思うのです。商工中金はいかがでしょうか。
  85. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) ただいま一億というお話がありましたが、前理事長以来の当組合との取引は四十一年十二月の年末資金から始まりまして、延べがほぼ一億くらいになっております。そのうち手形割引は五千九百万円であり、手形貸し付け、いわゆる単名貸し付けでございますが、これが四千九百万円でございます。
  86. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、あなたのお答えを信用するとして、五千九百万円というものは融手なんですね。
  87. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほどお答えいたしましたように、私ども商業手形だと思っております。
  88. 大森創造

    ○大森創造君 商業手形だと思っても、結果的に見ると融手だったんでしょう。
  89. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 私ども現在におきまして、その点ははっきり存じておりません。
  90. 大森創造

    ○大森創造君 存じてないはずはないでしょう。あの融手を二枚、三枚でも一般市中銀行ならば必ず照会しますよ、振り出し人はだれ。百万円以上は、これは常識じゃありませんか、金融マンとしての。それがいまお答えのように、そのうち五千九百万が百万にしたって五十九枚ですよ。これは私は断定しますが、全部融手ですね。このことを気がつかない、ミステークである、ケアレスであるということは天下の商工中金として私は考えられない。なぜこういうことが起こり得たのですか。あなたの常識でひとつお答えいただきたいと思うのですが、これはケアレスなミスでないんでしょう。
  91. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) ケアレスなミスでないというお話でございましたが、私ども中小企業の政府関係金融機関としてその育成のためには信念を持って取り組んでいるわけでありますが、現在のような、本件のような結果を生じまして、これはまさに不良貸し付けという事実は、結果として回にこのような苦労をしておりますので、その点取につきましては、不良対象への貸し付けであったと申し上げていいと思います。この結果が起きましたのはまことに遺憾に思っております。ただ融手であるかどうかという点は、貸し付け時におきましては非常にむずかしい点もあろうと思います。非常な判別しにくいような実際のケースもやはり相当まじるかもしれない。できるだけそういうことのないように努力しておりますが、今後もさらに注意をしていく必要があろう、こう存じております。
  92. 大森創造

    ○大森創造君 どうもぼくは、いまのお答えでは納得できないのです。これは五千九百万円以上あると思うのですが、これは数十枚、それが融手であると私は断定する。それで商業手形であるか、あるいは融手であるかということの識別は、忙しいときに一枚や二枚の場合はわからないかもしれないけれども、数十枚の融手というものは、これはチェックできないものですか、金融機関として考えられない、私は常識で。あなたのいまの御答弁は、この場だけの言いのがれの御答弁と違いますか。これはあとで書類を見ればわかることですよ。
  93. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 委員会におきましてこの場限りのような、そういうつもりで答えをしていることはございません。
  94. 大森創造

    ○大森創造君 これは金融機関として、そんな初歩的なミスをするはずがない。あったらぼくは銀行マンとして失格だと思うのです。そこでその数十枚の融手を割ってきた。初めは商業手形と思っていても、普通の経理を担当する人ならば第一コンファームするでしょう。第一手形裏書き人のほうに照会するでしょう。そういうことを全然やっていなかったんじゃないですか。
  95. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 割引手形につきまして組合の共同の転貸事業としてやります際に、非常に数も多うございますし、金額もそう多くないいわゆる多数の場合の転貸になるわけでありますので、やはり一々先につきましてやるようなことをやっておりません。先ほど申し上げましたように、そのうちの幾つかについて現地の調査をいたしますが、全部につきまして、そのつど全先につきまして一々やっておりません。これは組合の下請の関係につきまして、金額も大きくない多数転貸である。その場合に、やはり組合と組合員の信頼関係――、私ども全国に数多い割り引き転貸関係、組合の融資関係がございますが、全体を見ましてもきわめて本件のような事例は少ないわけであります。そういう意味におきましても、本件だけ特別にこの割り引きにおきまして、こういうやり方をいたしたということではございませんで、ほかの場合にも同じようなやり方を一応やっております。
  96. 大森創造

    ○大森創造君 どうも私は、全面的に納得できないですよ。繰り返しますけれども、一枚か二枚の融手ではありませんよ。融手は、商法上、銀行法上、これは割ってはいけないことになっているでしょう。かりにミステークだったとしても一枚か二枚でしょう。これはその辺の銀行の人に聞いたらわかりますよ。それを数十枚あるいは百枚近くのものが右から左にさっさと割り引かれていくという姿は、私は天下の商工中金として考えられない。あなたのお答えは、私のいまの質問に対する答えになっていませんよ。商工中金というのは、私が申し上げるまでもなく政府の半額出資によって設立されており、毎年財政投融資のうちから相当額の割り当てを受けておる。原資のうちの二〇%近くが政府資金でまかなわれておるわけですよ。これは釈迦に説法ですけれども、これはいわば姿を変えた国民の税金ですよ。そこで、いまのお答えの中で、こういうことをやっている場合もあるというお答えだけれども、それならたいへんだと思うのですよ、私はそんなことをやっているということならば。そして私が調べた範囲では、非常に奇怪なんですね。私は先ほど中小企業庁のほうと問答しましたように、このような焦げつき債権、ことに協同組合をクッションにして不当と思われるような方法によってなされた融資の焦げつきを半年以上もほうっておくのは、これは奇怪だ。具体的にやりました債権確保措置はどういうことですか。それから、稲村建設の社屋は、御承知でありましょうけれども差し押えられておるのですよ。稲村建設が倒産して一カ月たってから東豊産業協同組合から差し押えられておる。差し押えの仮登記の申請がなされておる。それから半年前に――昭和四十三年七月二十日に七千万円の貸し金が東豊産業協同組合から稲村建設のほうにあったということにしてそういう仮登記の申請をしている。これはひとつ警察のほうにお聞きいたしたいと思いますが、これは有効か無効か。東豊産業協同組合というのは、その当時金がなかったはずです。商工中金はじめその他の銀行も、東豊産業協同組合のほうには資金の手当てはしなかったはずです。だから、七千万円という金が昭和四十三年七月二十日の段階で稻村建設にいくはずはないのです。融資できるはずがないのです。それを稲村建設が倒産して一カ月たってから、つぶれた稻村建設の社屋を、東豊産業の理事長であるところの稲村左近四郎氏から稻村左近四郎氏が社長であるところの社歴の差し押えの仮登記を申請しているということは、まことに奇怪だ、機能が停止している協同組合ですから。そういう稲村建設の本社の社屋を差し押えるという、そういう申請を出すことは、総会の承認を得ることが、あるいは理事会の承認を得ることが必要だと思うのです。その組合の定款によって、役員の忠実義務履行という条項にのっとってやるべきだと思うのですが、それがなされていない。その段階において、商工中金は東豊産業協同組合というものに対する債権者の筆頭です。それから、稲村建設に対して、これは手形の振り出し人ですから、社屋を押えるなりあるいは手形の裏書きに対して、再三の催告をしていないでしょう。いかがです。
  97. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほどの御質問にちょっとお答えさせていただきますけれども、割引人自身、直接につきましては先ほどお答えしたとおりでありますが、面接でなくて割引依頼人の信用等につきましては、それぞれのその金融機関に照会して進めておる。  それから、割引手形の先数、枚数でございますが、二十先の二十二枚でございます。  それから、ただいまの御質問の件でございますが、先ほども申し上げたつもりでございますが、稻村建設と別件の担保につきまして、現存具体的に設定の準備を進めております。
  98. 大森創造

    ○大森創造君 どうも三千六百五十六万円の手形の残があると。その手形の枚数は二十二枚あるということですか、いまのお答えは。
  99. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) そのとおりでございます。
  100. 大森創造

    ○大森創造君 そこでね、こういうことを御存じですか。私がいま申し上げたのは、これはまだ究明されておりませんからね。私は、ほとんど全部が融手であるというのですよ。商業取引を伴わないところの融手である。こういうことはしばしば商工中金は行なっているのですか、政府関係の金融機関として。ありそうなことだと私は思うのです、いまどき。先ほどから学校の裏口入学の話が出ました。私は、二、三年前の共和製糖の問題で、農村中央金庫というものが、だいぶ官僚なりそれから政治家と密着をして、事実はいま裁判になっておりますね。ここらがどうも政治家のうま味ではなかろうかと私は思うのですよ。これは、なぜこういう具体的な問題を言うかといえば、これと似たようなことが商工中金やその他の政府関係の金融機関において相当程度行なわれているのじゃなかろうかということの想像はきっと当たっているだろうと思うのです。そのうちのはっきりしたものがこれなんです。  そこで、お答えいただきたいと思うのですが、いまの融手を割るということは違法でしょう、これははっきり言って。そして、その融手を割ったでしょう。はっきりお答え願いたい、よけいなことはいいですから。
  101. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほども申し上げましたように、融手とわかって割るようなことは絶対ないことは当然のことでございますが、実際融資を行なっております過程におきまして、結果的には一部融手であった、こういう結果が起きることは、これはございます。
  102. 大森創造

    ○大森創造君 そういうお答えになるだろうと私も想像してきたのです。それしか言いようがないですから。しかし私は、再三言っているように、そういうことはあり得ないというのです。聞いてごらんなさい、一般の銀行マンに。三井銀行でも三菱銀行でも、そんなことはないですよ。融手というのが一枚や二枚、それをケアレスによって、ミステークによって割引されてしまったということはあるかもしれないが、二十何枚なんという、しかも一数千万円のものを、振り出し人稻村建設、これがするする商工中金をまかり通る、こういう姿は、私は考えられない。
  103. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほど申し上げましたように、八月末の割引につきましては、現地調査はできませんでしたが、四企業につきまして現地調査したと申し上げましたが、もちろん現地調査につきましては、その企業が稲村建設に対して債権人であるということを確認しております。
  104. 大森創造

    ○大森創造君 いまのお答え、私はわからないのです。それで、私は、決算委員会というのは単なる問答ではないと思うのです。これを究明していただきたいと思うのです。私がいかにも商工中金に対して言いがかりをつけたみたいな発言にとられては私は恐縮だから、これははっきりわかるのだから、物的証拠があるはずなんだから。私は、これは大問題だと思う。そして、融資の姿勢としてこんなことがあり得るはずがないでしょう。しかも、何十枚もの融手が割られている、現実に。私はそれを断定します。そこで、さらに奇怪なことがあるわけです。いまの三千六百五十六万円という残高、枚数二十二枚という、私が言う融手初めは商業手形だと思った、そう思うかもしれないが、これは何回も繰り返しますが、銀行マンとしてはあり得ないということです。数十枚の融手というものが、そのままフリーパスするということはあり得ないのであって、稻村左近四郎氏の融手だから、これはフリーパスになったのじゃないですか。あとでお答えいただきたいのですが。そこでさらに奇怪なことは、こういうことは御存じでしょう、いまのやつは融手だけれども、融手じゃない、まことにインチキな手形が割られているのです。これはどういうことかというと、この三千六百五十六万円の手形割引債権のうち、約一千万円に相当する四枚の手形の第二裏書きは、裏書き人本人の承諾がないのです。承諾がなくて行なわれている、印鑑も本人のものではない、市販のものが使われている、偽造印鑑です。これは事実とすれば明らかに――警察の方にお聞きいただきたいのですけれども、私文書偽造行使です。そうすると、にせの裏書き手形を商工中金が割り引いた、これは非常に重大な責任があると思う。そこでこれを一方的に私が申し上げてはおかしいから、さらに説明しますというと、この四千万の手形の大半は、繰り返すようですが、商取引を伴わない融通手形であると言われている。これは私は、商工中金が初めから知っていたのじゃなかろうかと思うのです、もしくはだまされたのか。そこでこういうことなんです。これはお聞きいただきたいのです。四十三年の十二月十八日に稻村建没の経理部長田辺作次氏が、下請会社A社とします、A社の社長に出した念書があります。それを私は見たのです。その念書の趣旨はこういうことなんです。支払い期限四十三年――昨年の十一月三十日、額面三百万円の、稲村建設振り出しの手形は、東豊産業協同組合が商工中金に保証手形として出したもので、その第一裏書き人となっているA社は、裏書きすることを承知していないことを私田辺は知っております。――田辺という人は稻村建設の経理部長です。そこで第一裏書き人のA社のほうでは、全然これはあずかり知らないということを私か証明いたします。――この裏書きの件については、私が稲村建設の命令でやったことであります。裏書きに使われたゴム印は、稲村建設の社員である磯野功という人がA社に行って、山本という専務員から借りて捺印したもので、代表印は市販のものを使用したものだから、A社には裏書きの責任はございません。こういう念書が入っているわけです。そこでこれは三百万円の融手というよりも詐欺でしょう、これは。ただの紙きれです、偽造印鑑を使ったのですから。三百万円の融手じゃなくて紙きれ、この紙きれに基づいて――これはきっとあると思うのです、金額三百万円、支払い期日はいま申し上げたとおり。その紙きれによって商工中金は手形を割り引いた、この紙きれによって。私文書偽造行使、あるいは市販のゴム印を押した、こういうものはA社のほうには全然関係ございませんよということを、念書を入れておるのが稲村建設の田辺経理部長です丈。これを割っているという――これは知らなかったのですか。それからさらに、もう一つ同様な方法で、額面三百八十万円の手形、期限が昭和四十三年十二月三十一日、これをつくって商工中金に前回同様割ってもらおうとしたところが、A社のほうから請求があって、あれは返してくれと言われたので返したということになっております。これは念書が入っております。こういうことを商工中金はよもや御存じあるまいが、私の想像ではどうも知っていたのではなかろうかと想像される。あなた、どなたですか。
  105. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 阿部でございます。
  106. 大森創造

    ○大森創造君 阿部さんは御存じないかもしらないが、次回の委員会あたりで――私が行って実際にこの書類を見て手形などを見るというと、これは出てくるに違いないと思うのです。そこで申し上げることは相当思い切ったことを私は申し上げておりますからね。なかなか決算委員会というのは抽象的な同等では、改めます、人事院勧告はやります、などと言ってもやらないのが普通だから、私は決算委員会の場は動かざる証拠を持ってひとつやって、さっとものごとが解決します。むだな問答はしたくありませんから、私は言うのですけれども、どうも私がいままでるる申し上げたようなこの扱いを見るというと、手形振り出し人に対する催告、それから第二裏書き人、第二裏書き人が東豊廃業協同組合、こういうものに対し必要なその債権保全のための措置を講じていないような気がするのです。これはあとで調べればわかります。どうですか、私のいま申し上げたことについて。この事実を、ことに三百万円の裏書き、これは融手でなくてにせの紙きれである、偽造印鑑、私文書偽造である。それについてきっと商工中金のほうにその手形があるに違いないと思う。それが残高のうちに残っているに違いないと思うのですが、どうです。
  107. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 商工中金はあるいは知っておってかというようなお話でございましたが、絶対そういうことはないとはっきり申し上げます。なお国会の先生の御関係で何か特別のあれがあったのじゃないかというお話もありましたが、私ども全店に対する方針といたしましても、そのようなことは絶対にない。政府関係中小企業金融機関としましても商工中金の信用にかけまして絶対にないと申し上げます。それから重ねて申し上げます。先ほどの先生のお話の念書の関係――実にびっくりしたお話を伺っておりますが、私どもそういう事実は全然承知していないということをお答え申し上げます。
  108. 大森創造

    ○大森創造君 あのね、そういうことであなたの答弁はいいじゃろうと思うのだけれどもね、それしかないと思うのですよ。あったらたいへんですよ。そこでね、別な角度からお伺いしますけれども、手形を割り引く、融手を割り引くということについては、これは本社ですから審査部長が知っているでしょう。単なる窓口じゃないでしょう。それから営業部長も知っているでしょう。こう五千九百万円という融手、私をして言わしむれば、ほとんどが融手、これを割り引いているという事実について、窓口だけでは決済できる問題ではないでしょう。私の言うことが真実であるとすれば。事務上どうなんです。
  109. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 本部と営業店の関係につきましては、金額によりまして取り扱いを異にしております。本件につきましては本部にあがった件もございます。
  110. 大森創造

    ○大森創造君 そこでね、本部にあがった件については、単に窓口だけでないでしょう。これは。
  111. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) そうでございます。
  112. 大森創造

    ○大森創造君 だれが関係しますか、あなた自身は見ましたか、そういう融手について。
  113. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) これは、現物は本部にはあがってまいりません。割引手形の現物は本部にあがってまいりません。営業店です。
  114. 大森創造

    ○大森創造君 ですから窓口だけの決済ではございませんね。で私は相当長期にわたって数千万円の金が融手によってシャンシャンシャンと割り引かれたというのは、暗黙の了解があったのじゃなかろうかと思うのです。裏口入学のごとく――そうでなければ私は考えられないのです。あなたのお答えは、そういう事実はないと否定されますけれども、否定しなければたいへんなことになります。そこで私は、きょうはらちがあかんと思いますから、私も思い切った発言をしましたから、ここでお願いははっきりしていただきたいと思うのです。私が半ば断定的に申し上げたことが事実でなければ、私はあやまります。いかような措置もとりましょう、決算委員をやめてもよろしい。しかしここで、あなたとの問答ではらちがあきませんから、そこではっきりさせる必要があると思うのです。なぜこういうことを言うかといえば、これを言わなければ改まらんのです、幾ら言ったって。資料として商工中金の東豊産業に対する貸し付け残高の明細、貸し付け月日、金額、手形割引によるものは振り出し人、振り出し日、支払い期限、額面、手形番号、裏書き人氏名、当該手形全部のコピー、こういうものをもとにして議論しないというと、これは架空の問答になって、あなたの答弁することがほんとうのように聞こえますからね。何なら私は、委員会がなかなか延びてしまうから困ると思うから、いまから持ってきてくれませんか。大森、大きい声をして言いがかりをつけたと思われたら困りますから、すぐ電話をして持ってきてください、残さないで、全部。そこでまた二回、三回延びちゃったら困るから、きょうこのままにして決裁をつけましょう、どちらがほんとうか。
  115. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) ただいまのお話の中で、ほとんどの資料はここに持参しております。コピーのほうは、ちょっとそれは、行ってすぐというわけには困難でありますが。
  116. 大森創造

    ○大森創造君 いままでの問答の中で、まあ是か非か、それからそういう融資の態度が是か非か、私はどうしてこういう問題をあえて言うかといえば、これに類似のことがずいぶんあるんではなかろうかという懸念がある。その懸念はきっと当たっているであろうと思うのですよ。だから稻村建設の倒産にまつわるこういう問題は――東豊産業協同組合という問題は、いかにも次元が低そうに思うが、決してそうではない。これはあとからもっと出てくるであろうと思う。政府機関と政府関係金融機関との癒着関係というものは、これは共和製糖の実績があるんですからね。これはいま裁判が進行中だから。そこで私がいま申し上げたようなことがあったらたいへん。で、私が申し上げたようなことがなくて、いま阿部理事がお答えのようなことがほんとうに真実であって、融手なんか割っておりません、そう断言できますか。
  117. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 私の先ほど申し上げましたように、そういうことはないと信じておりますが、しかし先ほど申しましたように、そう思ってやりましても、それが混入する場合が現実問題としてたまにございますので、その点は、さらに私のほうは保留したいと、こう思います。
  118. 大森創造

    ○大森創造君 あったらどうします。その点、理事長と打ち合わせてきましたか。私が言うとおりであったらどういうことになります。決算委員会というのはやはりある程度責任を持たなければならぬ。質問するほうも、答弁するほうも。
  119. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) もしそういうのがあるということが判明いたしましたなら、それは振り出し人の責任、それからまあ、その融資に際して保証しております保証人の責任と、こうなってまいりますので、その責任は厳重に追及する、こういうことになります。
  120. 大森創造

    ○大森創造君 冗談じゃないですよ、責任は商工中金ではないか。稲村建設と、それから裏書人の責任ではない。そういう融手を知っていて割る、ケアレスではないと断定していいと思う。何回も申し上げておるように、何枚もあるんですから、そんなものが私の言うごとくであったならば、責任は商工中金にあるでしょう。いまの水道汚職なんか料亭で一ぱいごちそうなんて出ておりますけれども、あんなのは次元が低い。政府関係機関の金融機関が原資の三〇%を国民の税金でまかなわれているものか――これはケアレス、ミステークではない。それが相当長期間にわたってこう融手を割り引いてやって、しかも念書が入っていて、これは私文書偽造である。町で買った判こを押したものであるからA社の責任はありませんよと言って、稲村建設の社員が念書を入れても、手形を割ってしまって詐欺にひっかかったということは――これは情を知っているというふうに考えるのが常識だ。
  121. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 先ほど理事長と相談してまいったかというお話でございますが、お話しのように、情を知ってやっておりますならば、これは理事長と相談するまでもなく、商工中金の責任であろう、そうはっきり申し上げます、そうでありましたならば。
  122. 大森創造

    ○大森創造君 そうでありましたならば、あなたのほうの代任ですね。そこで今度は、こういうことを一つお尋ねいたしますけれども、先ほどちらっと申し上げましたように、稲村建設が倒産したのは昭和四十三年九月十日に不渡りを出して倒産したわけです。そこで、その稲村建設が倒産するというと、ほとんど同時に東豊産業協同組合というものが機能停止になったわけです。これは中小企業庁のほうはどうですか、こういう東豊産業協同組合というインチキ組合は、機能停止しているんだから解散命令を出したらいかがでしょうか、整理する……。
  123. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) この協同組合の業務の運営につきまして現在調査中でございますが、いろいろ改善すべき点が出てくるんじゃないかと思います。どういうふうな措置をするか、実は協同組合自身が今後存続するかどうか、協同組合自身としていろいろ検討しているところでございますので、そこら辺、動向を見まして、協同組合として今後ともやっていくという場合には、所要の改善措置を当然とらなければいけない、そういうふうに考えております。
  124. 大森創造

    ○大森創造君 そこで警察のほうにお伺いしますか、この問題に関連して警視庁捜査二課のほうに告発状が出ているでしょう。
  125. 内海倫

    ○政府委員(内海倫君) 今年当初に、ただいまの御質問の件にかかると思われる告発状が警視庁捜査二課に出されております。告発人は加州建設という会社の代表の人及びその代理人の方、被告発人は、先ほどいろいろ出ております東豊廃業協同組合の代表ほか計七名の人を被告発火とする告発状が出ております。
  126. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、警察のほうにもお聞きしたいと思うのですけれども、先ほどちょっと触れましたけれども、東豊の理事長である稲村建設の社長、この場合に東豊理事長の稻村氏が、四十三年十月十二日に中央区日本橋茅場町一丁一八番地の稲村建設の本社ビルの抵当権設定の仮登記申請をされている。その原因としては、四十三年の七月二十日付、金額七十万円の金銭消費貸借契約金によるものとして仮登記申請の書類には同年七月二十日付で七千万円を一括貸し付けたことになっております。ところが、東豊産業組合の設立総会で決議された、一組合員に対する貸し付けの限度額は第二年度において二百五十万円となっておりますから、この七千万円の一括貸し付けというものがあり得たとしても、総会決議違反となります。それから東豊産業協同組合の定款第二十九条の役員の忠実義務の違反となると思うが、これはどうだろうか、警察もしくは中小企業庁のほうにお伺いします。
  127. 内海倫

    ○政府委員(内海倫君) ただいま申されました告発の内容は、いま仰せのような事柄が内容になって告発されました。警察庁におきましては、これらにつきまして現在関係資料を検討しておる段階でございますので、いま私ここでこれに対する評価を申し上げるということはできませんが、いずれにしましてもこの告発についての処理をすることによって、明らかにすべきものは明らかになると、かように考えております。
  128. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、この七千万円の一括貸し付けというものが事実なら、稲村氏のほうは定款違反の行為をしたことになる。実際は、この仮登記申請自体が稲村建設に対する他の債権者の権利を詐害する行為であると、そういう批判が強い。当然だと思います。  当時の組合の実情を知っている者からすると、組合にそのような資産余裕はなくて、まして商工中金はじめ市中銀行が新たに組合員に貸し付けるということはないから、その七千万円が昭和四十三年の七月二十日現在で東豊産業組合から稻村建設に貸し付けが行なわれたはずがない。これは想像されるわけです。そうすると、どういうことかというと、稻村建設は、いずれにせよ債権者会議をもって財産が四分五裂の状態になりますから、稲村さんが理事長をやっているところの東豊組合のほうは、前に申し上げましたように、実権は稻村建設がにぎっておりますから、そこで差し押えたのだと。登記所のほうは単に受け付けるだけですから、――書類審査だけですから、それてこの仮登記というものが一応なされた。こういう疑問があるわけです。実際は、しかしいま申し上げましたような事情によって七千万円の金が七月二十日別荘で稻村建設のほうに貸されたはずがない。そうすると、どういうことかというと、実際は稲村建設が自己もしくは下請け企業の名を借りて、組合を通じて手形割引の形で随時借り入れ操作をしていた概算額を七千万円と抑えて、こういうことをしたのではなかろうかと思うのです。  そうしますと、これらの、こういう仮登記の申請というもの自体は、総会の承認もなければ、理事会の承認もないのですから、東豊産業協同組合理事長の稲村さんの名において差し押えるということ自体が無効ということになりませんか。中小企業庁のほうからでも、警察庁のほうからでも……。
  129. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 消費貸借契約の問題あるいは抵当権設定の問題は、話として聞いたことはございますけれども、内容について私ども実は把握しておりませんので、よくわかりません。
  130. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、警察のほうにお調べ願うこととして、東豊産業協同組合というものは相当なことをやっているわけですよ。東豊産業協同組合というものの組合員には稻村建設は資格上なれないでしょう。これは中小企業庁にお伺いします。
  131. 新田庚一

    ○政府委員(新田庚一君) 設立当初の話は、先ほど申し上げましたように、一応形式要件としては十分であって、認可したわけでございます。協同組合として今後どうするかという問題は、さらに検討したいと思います。
  132. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、こういうことをやっているわけですね。稻村道路というものがあるわけです。稲村建設の子会社に。それが手形を振り出して、東豊組合を通じて、そして商工中金のほうに割り引いてもらった。こんなのが出てくるわけです。そうすると商工中金のほうでは相当まとまった金ですよ、これは。東豊組合のほうに手形を割ってやった。そうすると東豊組合のほうでは当然稲村道路のほうにお金がいくわけでしょう。ところが実際は、稻村建設のほうにいっているわけです、その金が。そして今度は、東豊組合は稲村道路のほうにいくべき金が稲村建設のほうにいっているので、しかたがないから東豊協同組合は稲村道路のほうに借用証を書いているわけです。これは相当インチキではありませんか、こういうことは。そういう有名無実の組合というものを中小企業庁は書類上の審査だけで認可して――いまどき、いろいろな悪い人がおりますからね。書類なんかどうにもできますわ。そこへ今度目をつけて、それをトンネルの協同組合として、天下の商工中金のほうにかかっていく。商工中金は、私をして言わしめれば、初めから事情を知りながら数十枚の手形を割ってやった。一般の人には割ってやれないはずである。稻村氏だから割ってやった。文部大臣だから不正入学を許してやった。きょうのあなたの答弁では、その点は認めておりませんよ。しかし、あなたの答弁は私は必要としません。先ほど申し上げましたように、言いっぱなし、答えっぱなしでは意味がありません。決算委員会は決算委員会ですからね、予算委員会とは違います。抽象的な問答ではありません、私の提起した問題は。それから、これは政府関係金融機関全般にわたって類似のことが幾らかあるのじゃなかろうかと思うのです。その意味で、私が提起したきょうの問題は重大である。だから先ほど申し上げましたように、ひとつ私のほうと、あなたのほうで全部チェックしてみましょう。そして、私の言うことが事実であるならば、これは商工中金のほうに責任をとってもらいましょう。だれが窓口か。銀行マンとして全然不適当な、能力のない人がやったから――考えられない、それは。一つの意思を持ってずっと長期間にわたって融手を割り引いたり、先ほど私が申し上げたように、詐欺と思われるような、偽造印鑑、私文書偽造を使ったような、そういう手形を割り明いている。これは許せませんよ。こういう問題を差しおいて、決算委員会は論議すべきそれほどの問題はありません。飛躍しますが、沖繩問題――核付きたとか、自由使用だとか、三年先のことはわからない。このことはきょうの問題です。このことは、本決算委員会の責任において、ひとつ私が先ほど申し上げましたように、商工中金の東豊産業協同組合というものに対する貸し付け残が三千六百五十六万円あるとする。何枚の手形があって、どういう手形であるか、どういう姿をしておるか。それからいままでに割った数十枚の融手、私は大部分――大部分と申しますが、大部分の融手というものを見たいと思います。そのことをちゃんとさしてから、次回の委員会にしたいと思います。このことはお約束願えますね。委員長並びに商工中金のほうにお答えを願って、私の質問を打ち切ります。
  133. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) ただいまの大森先生の資料につきましては、お話のとおりにそろえさしていただきます。
  134. 大森創造

    ○大森創造君 いつまでに出していただけますか。あるのだから、すぐ出せますね。求めるのじゃないから、あなたのほうにあるのですから。
  135. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 今週中くらいでよろしゅうございましょうか。
  136. 大森創造

    ○大森創造君 きょうは木曜日ですね。
  137. 阿部久一

    ○参考人(阿部久一君) 木、金、土くらいでつくります。
  138. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私きょうは、ちょっと時期がずれまして、もっと早く質問さしていただこうと用意はいたしておったのでございますが、機会が恵まれませんでして、ちょっと時期はおくれつつありますけれども、非常に大事な問題だと思いますので、ひとつこの席でいろいろお伺いさしていただきたいと思います。と申しますのは、京都にできております近代美術館の催しの中で、昨年ロートレックの美術展が行なわれました。特にその中で名画といわれているマルセルという油絵が盗難にあったという事件でありますが、これに関しまして、私は特に京都が文化的な都であり、特にこの京都にはこうした近代美術館というのがふさわしい土地であるが、ことに、東京にはりっぱな近代美術館がありますのに引きかえて、京都は非常にみすぼらしい状態にある。こういうことがこういう事件を起こした原因にもなりますし、古い都として、あるいはまた海外からのいろいろな美術を鑑賞する場所として、京都は非常にふさわしいので、こうしたことをきっかけに、この美術館の実際の様相を少し浮き彫りに考えてみて、そして私はこの問題について、もっと国の美術館としてふさわしいものをつくらなければ、また盗難というような非常な不祥事を起こすのではないか、そういう観点から私はきょうはひとつ質問をしてみたいと思います。  まず第一番目には、文化庁に対しまして、この近代美術館というものが、いまこうして相当デラックスな展覧会を催されるわけでありますが、この近代美術館ができてまいりました現在までの経緯と、そしてそれにつきましてどういうふうな状態になってきておるか、この点についてひとつお尋ねしたいと思います。特にいま近代美術館というのは、私の聞いた範囲では、間違いかもしれませんが、時間がありませんから、かいつまんでこちらからお話を申し上げて、要点をお答え願ったほうがいいと思いますから申し上げたいと思うのでありますが、あれは御大典のときです。ずいぶん昔の話しであります、御大典の時代でありますから。そのときに、あるところから寄附を受けて、相当寄附金を受けてあの勧業会館というものが建ったわけでございます。そしてその裏のところに商品の陳列館としてできた場所、この場所を今度は国のほうが無償で譲り受けて、それに対してずっと少しずつの修理費をつけただけでもって現在近代美術館として使われておる。それまでには東京の近代美術館の分館として行なわれたものが、この数年来そうした設備が改善はされておる、また一面聞きますと、この疎水との間に、何と申しますか、収納庫だとかあるいは事務室とか、会議室をつくろうということで予算が出ておったけれども、その予算は取り消されてしまった。こういうふうな形で行なわれておる。それに対してまた内容の、各陣容であります。これも非常に私は微々たるものと聞いておるわけでありますが、その点についてどういうふうになっておるか。それからまた、一体それはどういうふうに運営されておるのか、そのような点についてひとつ文化庁のほうからお話を承りたいと思います。
  139. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) 現在の国立京都近代美術館の沿革を簡単に御説明申しますと、昭和二十九年の七月に京都に近代美術館の分館を設置してほしいという要望が出されたのでございます。それは昭和二十九年の七月のことでございました。その後、東京の近代美術館の本館のほうの増改築の工事に追われまして、京都の分館の予算がつきましたのは、昭和三十八年度予算からでございまして、東京の国立近代美術館の京都分館として発足いたしましたのが昭和三十八年の三月一日のことでございました。このとき京都市から、当分館用の施設として、ただいまお示しになりました京都市の勧業館の別館を二千万円ほどの経費をかけまして改装をして国に寄贈をされたわけでございます。ただし、同館の地下の一部は京都市のものと共用すると、暖房関係の設備は共用するということ。それから一部は、京都市のものを無償貸与するというようなこと。それから敷地につきましては無償貸与の形、こういうようなことで京都分館として発足したのでございます。その当時は分館の職員は分館長以下十四名ということでございます。その後、四年間にいろいろ努力を重ねまして、人員といたしましては昭和四十年の四月に三名、それから四十三年度に一名ということで、都合その後四名増員となっておりまして、現在は館長以下十八名ということになっておるわけでございます。その後昭和川十二年の六月一日に分館ということでは肩身が狭いし、もっとはっきりした形でと、分館でなしに京都国立近代美術館というように独立をして今日に至っておるわけでございます。昭和四十三年度の予算が、人件費を除きまして三千四百七十三万円、四十四年度は三千七百八十二万円というようなことでございます。  この施設の整備関係で申しますと、四十一年度に二千万円ほどの経費をかけまして冷房の設備をいたしたわけでございます。四十四年度の予算要求の際に、この現在疎水との間のところに講堂とそして収納庫のようなものを建てたいと、こういう観点からの要望があったわけでございます。ただ、非常に場所が狭うございまして、これについてはむしろ根本的にほかのところに建ててはどうかというような意見も出ておるというような状況でございましたので、この四十四年度の要求としては、一応認められないままになっておるというのがおおよその現況でございます。
  140. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いまのお話になりましたところで、私、気がつきますことは、この建物はそうしたりっぱなものを並べるには非常に不適当な建物である。たとえば商品の陳列場ぐらいのものでありますので、窓に対しては鉄さくもない、あるいは出入口なんかも非常にルーズであって、ちょっとあいさつすればだれでも出入りができる。あるいは今度の場合もあるわけでありますが、事務室もちょっとすればすぐ簡単に入れる。言うならば、むしろこれはとろぼうするのに都合がよく――そう言っちゃどうもまずいかもしれませんが、非常に無防備状態であった。しかも、りっぱなものがここに陳列されておるということであると考えると、私は非常にこれには何かしら割り切れないものを感ずるわけでございます。同時にまた、先ほど十八名とおっしゃっておりましたが、そういうことであって、今度の場合には、やはりこの実際事務に当たる人員においても欠陥があるのではないか。もう少し近代美術館としては、もっとやらなければならぬのじゃないかということを私は感ずる次第であります。  それで、続いて、このロートレックの展覧会を計画されましたことについて、もう一つ具体的にひとつお話を願いたい。私はいままでちょっと調べてみましたところでは、国といたしまして、外国からりっぱな作品を、名品を集めておる。こういうものを国でやるというのは、おそらく一回ぐらいしかできないような状態である。あとはみんな新聞社にお願いをしたり、あるいはまたいろいろな美術館と協調したり、あるいはまた文化庁だとかあるいは外務省だとかあるいはまた今度のような場合にフランスとかあるいはその外務省あるいは文化省なんかと提携をして、アルビ美術館といいますか、フランスのこの美術館とも提携してやられたわけでありますが、何かそういうところに対して、連絡が不十分だとか、いろんなものがこの計画の中にはあったのではないか、あるいはまた、この計画の中で、いわゆる開催にあたって、これだけのりっぱな作品を集められる会場にあたって、この館の設備、たとえばこの整備に当たられる人なんかはどういうふうにふやされたのか、あるいはこれらは新聞社自身が四十何人も臨時の看守を集められたり、あるいはまたその売店なんかの人なんかも十何人も入れておられる。ほとんどこれはほかの方々におんぶをして、このロートレックの展覧会が開かれたのではないか。少なくとも文化庁においてはもう少し責任を持って開かなければならなかったのじゃなかったかということを私は感ずるわけであります。同時にまた防災方面に関しましても、いまのこうしたものを預かるならば、もっと、それのところに近づけば、何か電気みたいなもので中央のところにブザーが鳴るとか、あるいは人のいないところにだれかが入れば、それで警報が鳴るとか、いろんないま新しい電気装置もあるわけでありまして、こういうものなんかは、どうして、なぜ用いられなかったのか、こういうようなことを考えてみますと、私はロートレック展の計画の中で、文化庁には大きな手落ちがあるのではないかというようなことも考えるわけでありますが、この計画に対してどういうふうに考えておられるのか、あるいはまた、この計画に対してもっとつまびらかなところがあれば、ひとつ報告を願いたいと思います。
  141. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) 現在文化庁所属の美術館といたしまして近代美術館が東京、京都のほかに、西洋美術館、それから博物館が東京、京都、奈良の三館ございます。これらの博物館、美術館等におきまして、館のイニシアチブによりまして、館がこういう展覧会を開きたい。館自体の計画による特別展というのは年に一回ぐらい開いておるわけでございます。これについては所要の予算が計上されておるわけでございます。それのほかに、実は新聞社等が直接外国と交渉いたしまして、新聞社等が中心になって、まあ場所を、言うならば美術館等でやると、こういうような形の共催展というのがございます。それで、この両者いずれの展覧会にいたしましても、館というものが一種の自主性をもって運営されるということが原則でございますので、文化庁といたしまして、その館の美術展の運営のこまかいことについて、これをとやかく言うというのは避けまして、もっぱら館の自主性を尊重して館の責任でやってもらうような態勢をとっておるわけでございます。それで、今度のロートレック展は、読売新聞社がフランスのアルビ美術館その他と交渉いたしまして、日本で行ないたいということで、これについて共催方を申し入れてきておるというので、これに応じたわけでございます。したがいまして、この展覧会の責任といいますか、イニシアチブは、現在のところは新聞社のほうに中心があるというのが現況でございます。  したがいまして、今度の展覧会について、われわれといたしましても、貴重な外国の名品が盗難にあったということについては、はなはだ遺憾に存じておるところでございますけれども、この展覧会自体のやり方がそういう種のものでございますので……。しかしながら、今後もこういうことがないように、十分ひとつ留意していきたいと、こういうことで、実はこの展覧会の盗難事故がありました後、各館に対しまして、管理体制について総点検をしてもらいたいということを各館にお願いをいたしました。で、その管理体制の上で問題点を提起してもらって、それからさらに部課長等に集まってもらいまして検討して、この管理体制に遺憾のないように十分指導をいたしておりまするし、今後も指導をいたしていきたい、かように考えておるところでございます。
  142. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 あとでまた少し詰めて話を聞かしていただきますが、続けまして、このマルセルの盗難事件に対しまして、この概要を少し文化庁のほうからも、あるいはまた警察庁のほうからもひとつ聞かしてもらいたいと思うのでありますが、これは何と申しますか、十二月の二十七日、もう終わりの前の夜中に起こったような話でありますが、私はこの盗難そのものは、その管理の上で非常に手抜かりがあったのではないかというふうな感じがいたします。まあこういうふうなことは、起こってからあとでいろいろ言ってみたところで話が詰まらないわけでありますから、私は簡単に済ましたいと思いますけれども、この事件に対して、ひとつ文化庁のほうの見解と、それからこの犯罪の捜査に当たられました警察庁のほうから、これに対してどういうふうなことであったかということの概要を承って、今後、その警備体制やら、あるいはまた展示の施設のほうの欠点というものについて、どういうお考えをお持ちになっておるかということをまず重点的にお伺いしたいと思います。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、こういうような状態では、とうてい責任をもってこういうような展覧会を催すことができないような建物の状態であろうと思われるからであります。そういう点で、ひとつその警備体制なり経緯なりについて、ごらんになっての考え方、そういうことについて教えていただきたいと、こう思います。
  143. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) それでは簡単にこの盗難の経緯につきまして申し上げて、それからそのときの警備体制等について申し上げさせていただきたいと思います。  このロートレック展は京都国立近代美術館、読売新聞社、アルビ美術館の共催で、文化庁、外務省、フランスの文化省、フランスの外務省等の後援によって昭和四十三年の十一月九日から十二月二十七日までの間、京都国立近代美術館を会場として開催されたわけでございますが、その最終日たる十二月の二十七日の開館前、つまり十時から開館でございますか、その開館前の点検の際、午前九時四十分ごろでございますが、一階中央部に展示されておりましたロートレック作のマルセルという絵が消失していることを発見いたしまして、川端警察署にこの旨を通報した次第でございます。で、京都府の警察本部におかれましては、直ちに川端署にロートレック展絵画盗難捜査本部を設置されまして、現在捜査をしていただいているわけでございますが、この十二月の三十日にこの美術館から約百五十メートルほど離れたところの日冷京都工場のトラック発着所のあき地から額ぶちが発見されたわけでございます。したがいまして、その状況からいたしまして、この盗難はおそらくは二十六日の夜ではないかというような状況が私どもの承知しておるところでございます。  それからこの館の展覧会の警備体制といいますか、平時の警備体制でございますが、現在近代美術館には看守が四名定員としてございます。そのほかに今年度から賃金支弁職員として一名の増員をすることになっておりますが、この四名のほか、竹に大ぜいの観衆が来ることにかんがみまして、同展のために臨時看守四十三人を、これは新聞社のほうの経費で雇用いたしまして、計四十七人が三組の編成で常時二組三十二人が勤務している状況で、まあ館なり新聞社なりといたしましては万全の措置をとっていたというふうに考えた次第でございます。そういう状況下で、いまのような経過で盗難があったということでございまして、私どもから申し上げるところはその程度でございます。
  144. 内海倫

    ○政府委員(内海倫君) まあ盗難状況はいま文部省のほうからお話がありましたから、重複する点は省略させていただきますが、盗難がありましたのは結局二十六日の午後七時二十五分ごろから翌日の午前九時四十分ごろまでの間だと推定されます。警察のほうではすぐ捜査を行ないましたが、現有までのところ犯人を検挙するに至っておりません。どういうふうに犯人がここに侵入したか、あるいは大体何時ごろであったのかというふうなこともいろいろの推定はいたしてみますが、明確にこうであるというふうなことは、私どもいまだにまだ明確にいたしておりません。ただ遺憾ながら自殺をされましたけれども、この夜の警備に当たっておった警備員の方が、警察側の事情の聴取に際して、二十六日の閉館後、一部の扉が午後十時五十分ごろまではかぎをかけておらなかったということを言っておりますし、それからこの人は翌日の朝七時半に巡回をいたしておりますが、最初はこのときにマルセルの有無を確認したと言っておりますが、その後その言を改めて、そのときには確認しておらない、こういうことでございます。したがって、一番考えられることは、かぎの締まっておらない夜の十時五十分までの間に入り込んで、それから朝入り口の扉があいたときに逃げたというふうなことも考えられますが、先ほども文部省から話がありましたように、隣の会社の庭の中にワクが捨てられてあるというふうなこと、及びそれについて音などを聞いている人の状況からいいますと、どうも深夜のことではないのかと、まあ以上が大体盗難に関するあらましでございます。  これについて美術館側のこういうふうなものの警備体制でございますが、いまお話のように、主催者側では十分な措置はとっておられるようでございますが、同時にまた、いま申し上げましたような、閉館後相当時間とびらの施錠もしておらなかったというふうな点もございまして、重要な美術品を展覧する場合における警衛体制というものは、いやが上にも十分なことが行なわれることがやはり必要ではないのかと、こういうことを私どもは痛感いたしております。
  145. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 特に警備体制の問題ですが、いま警察庁のほうからも御指摘がありましたように、この建物はもう大正末期の建物でありますね。同時にまた窓あたりには鉄ワクも入っていない。むしろいえば、ちょっとすればガラスが割れてそうして中へ侵入することも可能であります。またこのときの話で、いま詳しくお話しになりませんでしたが、何か縦どいがありまして、そこを登ればすぐ一階の事務室に入れる。その事務室はかぎがかけられないような状態になっている窓ワクである。ですから上げ下げのことでありますけれども、かぎがぼろぼろといいますか、さびているといいますか、かけられないものですから、ぐっと上げれば上がるというわけですね。こういうような状態になっているところがあった。そうしてまたこのときの警備の状態を聞いてみると、たとえば何時ですか、閉館されてから中に美術の写真屋さんを呼んでしばらくの間中の写真をとらせておった。そうしてそれが済んで警備の人が帰った。あと残っているのはこの人ともう一人、二人だけというふうに聞いております。これだけのたくさんのものをそういう無防備なところで預かって、そうして二人くらいおって、警備時間を聞いてみますと、何か時間的にも晩の間に二回ほどと夜明けの七時ごろに一回巡視をすればいい状態になっているようであります。それからいろいろなことを考えてみると、これはもうほとんど無防備で、盗難でもあるならば、その盗難にはいつでも犯されやすいような状態であるというふうに私は考えるわけでありまして、少なくともこれだけのたいした価格の、珍しい大事な世界的な美術品を、こういうふうなところでこういうような状態で置かれておるということ自身は、私は文化庁としては相当真剣に考えなければいけないのではないか。ことにこの読売新聞社あたりの話を聞いておりますと、三千五百万円が保険に入っておったと。これは保険の金額であってほんとうはもっとこのマルセルなるその作品は一億にも近いほどの値打ちがあるものではないかと、こういわれているという話を聞きますと、一枚の絵がそのくらいの価格のあるものを、ここでは三百点近いほど陳列をされているわけでありますからして、私はこういうような状態から言って、ほんとうに私は、あまりにも文化庁の管轄下にある国のこの美術館としての中でこういうことが起こるということに対しては、相当責任を私は考えてもらわなければいかぬものじゃないか。これがただ単に館長の責任だからといって、館長が職を辞されたように聞いています。この今泉館長というのは私も心やすくしていただいておりますけれども、これは芸術家として、いろいろそうした美術の評論家としてアメリカからフランスから、もう外国にも名前の知れ渡ったりっぱな人であります。そうしてこの方がいままでいろいろなモジリアニの名作展とか、また、いままでのいろいろな展覧会に対しても審査員として外国にも名前の知れ渡った、りっぱな、大きな功績を持っておられる方なんです。この人を引責処分にさせて、それだけでもって責任が足れりとするのは、私は文化庁は実にけしからぬではないかと、こう思うわけであります。一体この盗難事件の責任はだれがとるのでありますか、そういうことを考えてみるならば、私は今度の問題は、法律上ではあるいはもういろんなことが言えるかもしれませんけれども、この国際的な道義という点から考えてみますと、日本の国としては、少なくとも文化庁の配下にあって、これを指導すべき中にあって、国立の美術館として出されておるこの美術館の中でこうしたことが起こって、私は、館長が責任をとり、そうしてまた、あとから私はお尋ねしたいと思いますが、そのときにおった人が責任を負って自殺をしなければならぬような状態になっておるということで、私はこの問題があまりにも国として等閑に付されているのではないか、私はこういう問題については相当責任をとらなければならぬのではないか、文化庁は一体何をしているのかということを私は申し上げたいと思いますけれども、この点につきまして責任の所在、あるいはこれに対する今後の考え方、これをひとつ文化庁のほうから御説明を願いたいと思います。特に失われたこの国際信用というものに対しては、私はたいへんな問題じゃないか、こう思います。
  146. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) お答えする前にちょっとおことわりさしていただきたいと思いますが、展示場の部分につきましては窓に鉄さくはつけております。これは先ほど申しました昭和四十一年ごろでございまして、冷房装置をつけたときに鉄さくをつけましたが、事務室のほうには鉄さくがないという点は御指摘のとおりでございますが、展示場にはございました。それからこの保険価額として三千五百万円をつけておったわけでございますが、これにつきましてアルビのほうから、館長が参りましたときに、万一出てこなかった場合のことも話したわけでございますが、これについては保険金でよろしいというようなことになっておるということでございます。  それから二番目に今泉館長の辞職の問題でございますが、今泉館長は一月上旬以来千葉大学の医学部の付属病院に入院されまして大きな手術をされてまだ現在も入院中でございますし、今後長期加療を要するということで、館長としての職責にたえ得ないというようなことがはっきりいたしまして、二月十七日付で辞表が出されまして、これを許可したということでございますので、直接このマルセルの絵が盗まれたことからではなしに、病気のほうの原因で辞職されたということでございます。  それから、この夜の管理につきましては、ただいまお話ございましたように、二名の者が宿直をし、一定時間に見回るというそういう体制でございます。ただいま警察庁のほうからお話ございましたように、まあ施錠を忘れたというようなことであれば、これはやはり管理体制の問題として十分反省をし、これを強化していかなければならないというように考えておるところでございます。この点につきまして、国際的な信用の問題でございますが、われわれといたしましては、外国から借りてきた貴重な絵がこういう事態になるということにつきましては、たいへん道義的に残念に思っておるところでございまして、この点につきましては、盗難事件発生後直ちに京都国立近代美術館長と読売新聞社常務の連名をもちまして、事情の説明とおわびの電報をアルビの館あてに行なったわけでございますし、さらに読売新聞社から在日のフランス大使館に事情説明をしまして、また、先般アルビの館長がおいでになったときに文化庁の長官とも会いまして、遺憾の意を表明しておるところでございます。その後も外務省から在仏の松井大使を通じまして捜査の状況や遺憾の意をフランスの文化省に伝達をしておるところでございます。この間におきまして、フランス側の考え方といたしましては、遺憾なことだけれども、盗難というようなことで、まあやむを得ない点も――やむを得ないといっては語弊がございますけれども――こういうありがちなことであるとはおっしゃっていただいておるわけでございまして、そうして今後、こういうことのためにこの美術の国際交流を差し控えるというようなことはする意思はないというような話も聞いておるところでございます。まあ以上総合いたしまして、私どもとしては今後十分ひとつこの警備体制、管理体制あるいはその施設設備の点等につきましても十分留意いたしまして、今後このようなことがないように大いに努力をいたしたい、かように考えておるところでございます。
  147. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 あとのほうで、一ぺん責任をどういうふうにおとりになったかという――それだけであとは何にもしておられないのだから、フランスのアルビのほうに対しましては私は何かもう少し責任のある態度をとられないと、日本としての国際信用ということに対しては、影響を及ぼすのじゃないかという観点から申し上げたけれども、電報を打ったり、それでおわびしただけのことで、それでよかったのかどうか、私はそこらの点についてももう少しお聞きしたいと思うし、また、この改善案についてもお聞きしたいと思いますけれども、それはまたあとに譲りまして、  次に、先ほど警察庁のほうからもお話しになりましたが、両方に、警察庁に対してもそれから文化庁に対しても、もっとお尋ねしたいわけでありますが、この今井という警備員が自殺をしたというわけであります。これは先ほど話しますと、何か施錠してあったとか忘れておったとか、あるいは状況報告をしたのを、その七時何分にまだあったのがあとからそうじゃないと言ったとか、いろいろ報告がありましたけれども、私はこの捜査中において警察庁のほうではこの人にかなり疑いをかけて、そして非常に迫って、何といいますか、強い調査をしたために非常に責任を感じて、この人がこういうふうな自殺に追い込まれたのではないかというふうなことを心配するわけでありますが、こういう意味におきましては、私は非常に今井という人が責任感の強い人であり、むすこさんも工芸繊維大学のほうを出ておられるとかなんとかで公務員になっておられる。いろいろな状況から聞きまして非常にその本人がきまじめな人である、まじめな人であったというのであろうが、しかしその取り調べの間にいろいろ疑いの目を向けられて調査をされたということに対して、いたく本人が気を使っておったやにも聞くわけでありますけれども、そういうことはあったのかなかったのか。もしそういうことがあれは、まあ取り調べのために一人の人を犠牲にする。たとえばここでアルビの館長が来られて、盗難事件で一人の人が死んだということは、外国では考えられぬことだ、私は、あいさつの中にもこうしたことが起こったことはたいへんだったと言って、責任をとってなくなった人に対しての弔慰のことばをもって東京の国立美術館ではあいさつをされたとか聞いているわけでありますが、そういうような状態がここで起きておると、こういうことを考えてみるならば、私はこの今井警備員の自殺に対してそういうことがもしやあったとすれば、私はその警察の取り調べのうちにおいても、一つは反省してもらうことがあるんではないかということも考えられるわけです。またこの問題が発見の状態に至っていない、これは万やむを得ない点もあるかもしれませんけれども、私はこの問題に対しても、何か、この夜明けに鈴木技官と申しますか、これは国立美術館の警備員の方だろうと思うのでありますが、この人は技官かもしれませんが、鈴木という方がこれを発見されたわけでありまして、いろいろな総合の事情から、夜間の盗難の事故でありますから、むずかしいかもしれませんけれども、これに対しての調査の過程、こういうようなものをもう少しお聞かせを願って、少なくとも今井警備員の自殺に対してはどういうふうにお考えになっておるか、こういう点についてもひとつ聞いておきたいと思います。
  148. 内海倫

    ○政府委員(内海倫君) 今井さんという守衛の方か自殺されたということ、私どもも非常にその点について、もし万一取り調べ等で本人を自殺に追いやるようなことがあってはということで、当時も事情をよく聞いたのでございますが、結論から申し上げて、取り調べの結果が今井さんを自殺に追いやったと考えられるような事情はどこにも考えられませんでした。  以下、若干の経緯を御説明申し上げたいと思いますが、まず今井さん自身をこの盗難に関して疑うというふうな気持ちは最初から持っておりませんで、どこまでも警察といたしましては外部から侵入したものという観点から捜査をいたしておったわけであります。したがって、どういうふうな状態で犯人がこの館内に侵入し、どういうふうな状態でマルセルの絵を持ち出したか、これを明らかにいたしたい、そうなりますとその事情についていささかでもかぎを与えるものは、当時の守衛として勤務した今井さんでありますから、この人について事情を聞くということはまことに当然のことでございます。警察では、十二月の二十七日、二十九日、三十一日の一面にわたって事情を聞いております。二十七日と三十一日は美術館で聞き、二十九日は警察署のほうで聞いております。いずれもどういうふうな勤務の状態であったか、かぎはどういうふうにしておったか、そういうことと、実地にいろいろ見て回りますので、そのときの立ち会いを求めた、そういうことが主たる内容であります。それとともに、閉館後に出入りした人があったかどうか、こういうふうな点を中心に聞いております。  今井さんという方は、この取り調べのときの印象でも、たいへん責任感が強い人のように見受けられたと取り調べの者も言っております。また遺族の人のその後における供述によりますと、事件が起こって以来、非常に責任を感じて悩んでおられたと、こういうことだそうでございます。  なお、先ほども少し申し上げましたように、今井さんが供述しました点が、当初供述したこの状況と、その後それを訂正した部分があります。それは一つは、閉館後戸締まりは完全に行なったということに対して、その後、表出入口の一部の扉は十時五十分ごろまでかぎをかけておらなかったというふうに訂正されております。それから二十七日の朝七時半の巡回のときに確認をしたということについて、これを後刻それは確認しなかったというふうに訂正をいたしております。おそらく思い違いを訂正したにすぎないと考えますが、責任感の強い人でありますから、そういう点もひとつ気にはなったのでございましょう。  以上のようなことが取り調べの状況でございまして、警察のそういうふうな事情聴取ということが今井さんを自殺に追いやるというふうなものでは決してなかったと、こういうふうに京都府警察のほうからも報告を聞いております。
  149. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) この今井守衛の自殺につきましては、私どももたいへん遺憾な、残念なことだと思っておるわけでございまして、今井さんの性格は、ただいま刑事局長がお話しになりましたように実直誠実な性格の人でございまして、ただいまお話のございましたように、供述といいますか、証言の誤りを非常に苦にしておられたということで、美術館のほうの担当者からもまた家人からも、その身辺については十分よく注意していただきたいということを言っておった矢先に自殺されるというような不祥事件が起こりまして、まことに遺憾に存じておるところでございまして、私のほうからも課長をつかわしまして弔問をいたしたというような事情でございます。
  150. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それではこの今井警備員がなくなったことに対して、文化庁のほうではこれは殉職の取り扱いにされたのか、あるいはまた退職とか何か特別なあれをして補償されたのか、この辺のところはどんなふうになっておりますか。
  151. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) 現在なお犯人の捜査をしておられる段階でございまして、どのような状況下であるかということが十分明らかでございませんし、今井守備の自殺につきましては、通常の死亡といたしまして現在のところは取り扱いをいたしたというところでございます。
  152. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 これなどもそれは全貌がはっきりしてから処理されることで、それもよかろうと思いますけれども、非常にこうした責任感の強い人が責任をとって自殺をしたという、むしろいえば殉職ということになるわけでありますが、こういうことまでに追いやっておるわけでありますからして、ひとつ将来としてはこれに対して十分な配慮をしてやってもらいたいということをここで申し上げておきたいと思います。  私はこういう事柄からして考えたいのは、先ほどもちょっと触れましたが、国費で、独自で国際的なこういうりっぱな美術展なんかを開催するということは、いまの状態ではおそらく年にろうとかいわれているのを聞きましたが、実際はそんなようなものであるかどうか。また、新聞社とかその他のいろんな方々との共同の開催がされて、幸いわれわれ美術を愛好する者として、それからまた一般市民として、こういうりっぱなものを拝観することができる機会が与えられるということは、非常に私は国民の側としては望ましいことでありますし、非常にありがたいことでありますからして、共同して主催していただくことはまことにけっこうだと思うのでありますが、こういう事柄に対して文化庁のほうとしてはどういうふうな展望を将来持っておられるのか。あるいはまた、こういうことに対して、もう少し予算も確立をして、国として責任の持てるようなものにして、もっとやはり国民に対して美術に対するいろいろな楽しいそういうふうな情操を深めるようなことに対して力を入れてみたらどうか。ほんとうにその館を貸し与えるだけで適当にやってくださいというようなやり方が大部分であって、報道されているように、国が全責任を持って国で開くというようなことは年に一回がせいぜいというようなことであれば、私は文化庁としての将来の展望としては何か心さびしさを感じるわけでありますが、こういう点については、一体文化庁としてはどう考えられ、そうして将来はどういうふうにされるかということをひとつ聞いておきたいと思います。
  153. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) 新聞社等が外国の名作等を日本の美術館等で展示していただくということにつきましては、それとして非常に喜ばれておりまするし成果もあげておるわけでございます。そうして新聞社等が招致する場合には、必ず外国のほうでは国の美術館、博物館等でやるということが条件になっておるというようなことで進められておるわけでございます。しかしながら、この種の展覧会はそれとして非常に価値があるわけでございますけれども、やはりそれの開催についていろいろと少ない人手で協力するということにつきましては、いろいろの問題もございまするので、現在文化庁といたしましては、新聞社等と共催する展覧会は各館とも年二回を原則にしてもらいたい、こういうふうに指導をしているところでございます。  それから館独自の特別展覧会につきましては、われわれといたしましてもさらに一そう増加することが望ましいとは思いますけれども、同時に、やはり常時の展示自体をこわしてしまって、そして特別展をやるということについても問題があるわけでございまして、つまり常時の展示自体を希望して見たいという人が来たならば、外国のものがあったということではなかなかその要望にも沿いかねないというようなことがございますので、私どもといたしましては、新聞社との共催のものが二回、館独自のものが一回、そのあとはやはり常時の展示を十分して要望にこたえるということも、現段階としては適当ではないだろうかと、かように考えておるところでございます。
  154. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 四十二年度、四十三年度で京都の国立近代美術館で行なわれているものを見てみますとなかなかいい展覧会が行なわれております。四十二年で近代日本絵画展とかあるいはまた近代洋画と工芸、それから外国のものといたしましても、イタリアの現代の美術展あるいはまたデュフィーの絵、あるいはいろいろ伺ってみますと非常にりっぱな展覧会も行なわれておりますが、また四十三年に至りましてもバークセンの展覧会もあればモジリアニの展覧会、ボナールもある、ロートレックもある、こういうことになっています。あるいはまた国際版画展のあれも行なわれているわけでございますし、デザイン展なんかも非常にりっぱなものが行なわれております。ずっと見てみますと、京都の近代美術館で行なわれていることは非常にけっこうなことなんです。ところが責任を持ってうまくやれと言うと、今度は縮小して年に二回ぐらいということになれば、これはいま文化庁の方針というのは、こうして四十二年、四十三年を見ましても、これだけのことがりっぱに行なわれておるのに、この事件が起こったら今度は二回に下げますということでは、私は非常に前向きの姿勢でなくて、うしろ向きの姿勢になる。そういうことであれば、私はこういう盗難がひとつも幸いに転化せずして、マイナスのほうに転化されることになって、非常に私は嘆かわしい状態だと思います。文化庁としてとられるべき態度でない、私はこういうように言いたい。ことに私はここで考えたいことは、こういうことが起こると、ついこうしたことが萎縮していく。こういうふうにして責任をとって十分おやりになるかと思うと、それがやめていくような形になって、その数が減っていくということになるのは、私は一番嘆かわしい状態だと思うわけであります。私はそういう意味におきまして、この京都の国立の近代美術館というものがあまりにもお粗末であります。先ほど文化庁のほうからもお話がありましたように、もうここで修理するというようなことではだめだ。どこか場所を改め、そうしてりっぱなものをつくるようにというようなお話もあるとおっしゃいました。私もいろいろ調査しましたけれども、京都市におきましても今度は芸術大学としてあの京都市の美術大学と音楽大学を一緒にしまして芸大として今度は発足させる。ことに繊維工芸大学の繊維のほうの部面ですが、西の京の所に総合の芸術大学をつくられるということも決定されたやに聞いております。また音楽大学のある跡、あの付近にはいい場所があるようですから、市のほうではそこを提供して、敷地を提供するからりっぱなものをつくってもらいたい、こういうようなことを言っておられるようでありますからして、むしろそういう意味では京都市も相当強力にそれに対して援助をして、京都にりっぱなものをつくってもらおうというかまえをしていると私は伺っているのですが、文化庁に対してはいまのお答えを聞きますと、もう一回ぐらいでやめておこうというような形になるのは、私はいまの御返事を聞いても、何といいますか、非常に心寒いものを感ずるわけであります。私は京都の近代美術館なるものもひとつ十分りっぱなものにしていただいて……。東京のほうの国立美術館は、相当な金額を入れてりっぱなものにしてやっているということを聞いております。実際私も、先ほど話がありましたように、少なくとも現在の文化の水準によって、防災とか、そういうものに対するあらゆる新装置をつけて、そうして人が入ればブザーも鳴るだろうし、あるいはまたあの重要なそういう美術品に対して近寄ればブザーも鳴るというような形で、もう自動的に防災対策もできるようなところまでりっぱな美術館をこしらえてもらって、そうして西と東とにそうした国立の美術館をこしらえてもらう。いまの文化庁のお話にもありましたように、外国も現在日本にりっぱなそうした絵画なりを託する場合には、新聞社等に託される場合においても、国立の美術館でなければならないと言われているというのは、国立ということに対して外国は信頼していると、私はこう思うわけです。そうなれば、国立といわれるところの近代美術館が、いままで昔の商品の陳列所で、明治の末期に建てられたものに少々の手直しをしているぐらいの所にそれを預って、国立でございますと言っていることが、外国に対しての私は国際信用にも影響すると思います。ですからそういう観点から言ったならば、どうしても今度のそういうことは敷地もあることでありますから、早急にいまのようなりっぱなものをこしらえて、そしてもっともっと回数を多く、二回に制限するとか一回に制限するじゃなくて、それがきるような予算もつけて、そしてほんとに国際的なりっぱな美術というものを鑑賞できるように、美術の愛好家に対しても、あるいはまた一般の国民に対しても、そういった機会を与えて、ひとしくそういった情操の教育、こういうようなことに対して前向きの姿勢を私はとってもらうことが必要ではないか。私はきょうの質問全体の中では、それを文化庁として積極的にやってもらおうということを主眼に置いて、先ほど冒頭に申し上げましたように質問申したわけでありまして、この問題に対しては相当積極的な御意見を承っておきたいと、こういうふうに思うわけです。
  155. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) 私、先ほど申し上げました中で、少し言い足りなかった点があろうと思います。私が年に二回と申しましたのは、新聞社と共催して行なう主として海外の作家の展覧会ということを申し上げたわけでございまして、このほかに近代美術館としては年に七、八回程度のそれぞれ特色ある企画した展覧会をやっておられるわけでございます。これは私のほうで言えば、特別展とは言ってない普通の展覧会と考えておるわけでございまして、そういうものを特に減らすというような意向で申し上げたわけではないわけでございまして、私どもが申し上げているのは、新聞社との共催は二回程度、それから館が年一回はやるような大規模な特別展覧会、それからそのほか館が通常の形態で行なうことのできるような企画展は数回と、こういういうようなことで運用していくという方針については、いささかも変更がないわけでございます。  それから、京都の国立近代美術館につきましては、私どもといたしましては、ぜひひとつこれをりっぱなものに育てていくように、今後とも十分京都府とも協力しまして、最善の努力をいたしたいと、かような覚悟を持っておることを申し上げさしていただきたいと思います。
  156. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 最後に、私ひとつ文化庁に特にお願いをしたいと思いますが、その前向きでやろうとおっしゃっていただいたのですが、先ごろの質疑の中で明らかにしていただきましたように、いまの状態の近美としては、ほんとうに近代性はなくて、非常にそのままではいけない。こういうような観点から、そうした改築なりあるいはまたりっぱなものにしていただく、それに対して力を入れようとおっしゃっていただくならば、どうかそれは早いこと検討していただいて、少なくとも来年度には予算をつけて、第一期なり第二期なりにかかっていけるように取り組んでいただく、時間的に長く先になればなるほどこういう危険もあろうと思いますし、少々のこれから警備態勢をふやしたくらいでは、この館の状態では、私は向い側に建っておる京都の市立美術館より劣ることは比較にならないほど大きな差があると思うわけです。そういう点から考えてみまして、特に東京にできました近代美術館に比べるともちろんでありましょうけれども、そういうようなことでありますので、そんなに時間がたっても、またこういうような憂いを起こすかもしれないというようなことを考えますならば、どうかひとつ期間を早めて、少なくとも来年度にはやっていただくという気がまえで進んでいただきたい。きょうは次長しかおいでになっておりませんから、長官に聞きたいと思いましたが、どうか長官に対してもそうしたことをお話し合い願いまして、ぜひとも来年度からはりっぱな京都に近代美術館を建設していただいて、そして外国の信頼をかち得るように。私は先ほどどういう責任をとられましたかと聞いたのですが、そういうことをすることが今度のに対する責任であると思います。すぐに予算をもってこういうふうにつくりますということを外国に発表して、少なくともアルビ美術館に対してはそういう姿勢をとったということを申し上げることが国際信用を回復することになるし、また文化庁の責任を果たすということになりますから、これから前向きの姿勢でやりますというなまぬるいことでは出任をとったということにならない。こういうことを一言申し上げて、特にそういうことを配慮していただくことを要望しまして、その決意のほどを聞いて私の質問を終わります。
  157. 安達健二

    ○政府委員(安達健二君) われわれといたしましては、ただいまお示しのような精神をもちまして最善の努力をいたしたいと思う次第でございます。
  158. 木村禧八郎

    ○委員長(木村禧八郎君) 本日はこの程度で散会いたします。   午後四時五十五分散会