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1969-06-17 第61回国会 参議院 逓信委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和四十四年六月十七日(火曜日)    午前十時二十一分開会     ―――――――――――――    委員の異動  六月十七日     辞任         補欠選任      松本 賢一君     野上  元君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         永岡 光治君     理 事                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 松平 勇雄君                 鈴木  強君     委 員                 植竹 春彦君                 長田 裕二君                 古池 信三君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 白井  勇君                 久保  等君                 野上  元君                 森  勝治君                 北條  浩君                 村尾 重雄君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  河本 敏夫君    政府委員        総理府特別地域        連絡局参事官   加藤 泰守君        郵政政務次官   木村 睦男君        郵政大臣官房長  溝呂木 繁君        郵政省貯金局長  鶴岡  寛君        郵政省簡易保険        局長       竹下 一記君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        総理府特別地域        連絡局総務課長  及川 謙三君   本日の会議に付した案件 ○沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険  思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無  償貸付けに関する法律案内閣提出、衆議院送  付)     ―――――――――――――
  2. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案を議題といたします。  本法律案に対し質疑のある方は、順次、御発言願います。
  3. 久保等

    ○久保等君 本案法案の審議に入るにあたりまして、その前に、郵便年金本土における現況等について、若干、承わりたいと思うんですが、郵便年金の問題は、先般の簡保法の改正の際にも、議論になりました簡保の問題ときわめて類似性の強い問題ですが、特に郵便年金が、今日、非常な立ちおくれをいたしております関係から、過ぐる郵政審議会の答申の中にも、この郵便年金の問題については、現状を打開するために、よほどその改善のための努力をしなければならぬということが指摘せられて、具体的な問題等についても、いろいろ指摘事項があがっております。まあ、そういった問題もありますし、すでに、例の昭和二十二年以前の少額年金の問題については、これを解消するための特別立法も、一昨年なされておるわけですが、これ等のその後における処理模様と、こういったようなこともあわせてひとつこの機会にお伺いいたしたいと思います。
  4. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) 昭和四十年八月に出されました郵政審議会の答申の内容は二つあったわけでございまして、一つは、ただいま御指摘になりました昭和二十二年以前の少額年金契約の整理ということでございます。これにつきましては、対象件数六十万件のうち、昨年の一月以降今日までに処理いたしました件数は四十一万件でございまして、およそ七割のものを整理いたしたと、こういう数字が出ております。この措置は本年十二月まで有効でございますので、今後、大体半年ばかしあるわけでございますが、八割近くのものまでの整理が可能ではなかろうかと、かように存じております。一口に申しまして、当初予定しておりましたものより意外に反響を呼びまして、予定以上の方々がこの整理の申し出に応じていただいたというふうに考えております。  答申のもう一つの内容は、郵便年金は、老後の保障という意味合いから、きわめてけっこうな制度でございますので、今後いろいろなくふうをいたしまして、この郵便年金制度を老後保障というたてといたしまして、もっと発展させ、整備させ、これを国民に普及させろと、こういう意味合いの答申でございますけれども、これにつきましてはいろいろと努力もいたしまして、あの手、この手を検討、考究をしたわけでございますけれども、遺憾ながら将来のことにつきまして自信が持てませんので、将来――近い将来でございますが、やはり二十二年以前の少額年金と同様の措置、つまり整理の措置を講ずる予定で、いまからそのための準備を進めようと、こういう段階でございます。そのために、ことしに入りましてから、この郵便年金を積極的に募集をするという方針を改めまして、積極募集をやらない。もちろん、お申し出がありますれば引き受けるわけでございますが、積極的には契約を受け付けないと、こういう方針で臨んでおる次第でございます。     ―――――――――――――
  5. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。  本日、松本賢一君が委員を辞任され、その補欠として野上元君が選任されました。     ―――――――――――――
  6. 久保等

    ○久保等君 ただいまの御説明ですが、例の二十二年以前の少額年金の整理の問題ですが、最終的に八〇%程度の整理ができるのじゃないかというお話しなんですが、当初どの程度整理できれば大体満足すべき状態だと判断しておったのか。それから同時に、いまの二〇%程度――最終的に残るであろうと思われる二〇%程度、こういったものはどういう種類のものか。  それから今日までどういう周知をし、また徹底方の努力をせられたのか、そういった具体な措置等についても説明を願いたいと思うのです。
  7. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) 当初は八割程度まではとうてい、いくまいと、かように考えておったわけでございます。何分にも非常に古い契約でありますのと、一件平均百六十何円という、きわめて少額の年金でございますために、解約のPRをかなり講じましても、聞いてもらえないのではなかろうかと、こういうふうに考えておったわけでございますが、結果は、それを上回ったわけでございます。  それからもう一点、この八割まで処理ができるという見通しの根拠でございますけれども、これは御承知のように、ずいぶん古い契約でございまして、相手方の居所が不明になっている案件が非常に多いのでございますが、それにつきましては、追跡調査を徹底する。現住所でわからない場合は、何とかしてその方の本籍地を尋ねまして、本籍地からスタートいたしましてトレースをしていって、現住地を確めるといったような苦労を、かなりの苦労を積んで居所を突きとめているわけでございます。それにいたしましても、どうしてもわからないというもの、それから居所だけでなく、生死がわからなくなったという人もかなりおるわけでございまして、やはり二割程度のものにつきましては、最終的にいかんともしがたい契約として残るのではなかろうか、かように見ておるわけでございます。
  8. 久保等

    ○久保等君 こまかい質問でなんですが、ことしになってどのくらい処理できた件数がありますか、まあ大まかでけっこうですが。
  9. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) ことしに入りましてからは、処理件数はぐっと落ちておりまして、一月が四千六百件、五月が三千六百件と、こういうわけでございまして、三千件台に落ちております。
  10. 久保等

    ○久保等君 まあしかし、三千件にしろ四千件にしろ、必ずしもこれは、ほんのわずかというわけでもないんじゃないかと思うのです。ということは、今日なお五月になっても三千六百件程度の申し出があるということは、すでに一昨年法律を制定して以来、やはり周知の点でまだ万全であるとは言い切れないふしがあるのじゃないかという感じがするのです。これは時限立法といいますか、ことしの十二月でしたか、これはもう期限が切れて、あとは消滅するということになるのじゃないかと思うのですが、そうだとすれば、とにかく念には念を入れて、周知徹底の点で最善の努力をすべきじゃないかと思うのです。まあ、こういった数字が出てくることは、これが六月、七月、八月とどういう傾向をたどっていくかしれませんけれども、ほとんどゼロに近いような状態にでもなっていけば、これはともかく、現在生きておられる方は少なくともこの請求をほとんど完了したというふうにも判断できると思うのです。やっぱり何千件か最終段階になっても毎月に申し出があるとすると、これはやはり問題だと思うのですね。金額の多寡じゃなくて、それこそ郵便というもの、郵便貯金にしろあるいはこういう年金にしろ簡保の問題にしろ、政府がやっておるということであるだけに、まあいわば一種の国の信用にもなるわけですし、だから金額の多寡じゃなくて、やっぱり私は国家としての威信にもかかわる問題でありますし、国民に対して絶対、かりに一銭であっても間違った処理をすることはないんだというやはり結果をもたらさなければならぬと私は思う。だから、そういう点で、具体的に今日までいろいろあの手この手を使って周知宣伝、それからさらには局長の言われるように特定個人について追跡調査等もやっておられるのだと思いますが、具体的にどういう宣伝、どういう方法をとったか、またとってきておるのか、若干そういったことについての御説明を願いたいと思うのですが。
  11. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) この特別処置の開始にあたりましては、新聞にも出しましたし、それから市町村広報等にこれを繰り返して掲出していただきまして、地元の住民の方々にわかっていただくという措置を講じたわけでございます。  それから、あとは個人目当ての調査をやって、おりまして、実は大勢の方々に対するPRというよりももう一対一の追跡調査を開始して今日に至っておるわけでございます。
  12. 久保等

    ○久保等君 さらに、最後にこの点については要望しておきたいと思うのですが、最後の打ち切りの時期が迫ってくればくるほど、最終的にはまたさらにひとつ十分にそういった新聞なりあるいは郵便局の窓口はもちろんのことでしょうが、あらゆる方法でもって十分にひとつ周知をして、結果から見てもどうもやっぱり少し手落ちがあったのじゃないか、もう少し努力する余地があったのじゃないかというようなことの起こらないように、ひとつ万全の措置をとっていただくようにお願いしたいと思います。  それから先ほど、ちょっと郵便年金の問題について現状を聞いて、どちらかといえば消極的なふうな御説明があったのですが、すでに審議会のほうからも答申が出ておりますように、根本的には、やはり制度の改正を行なわなければならぬじゃないかということもいわれておるし、それから例の簡易生命郵便年金事業に関する行政監察に対する改善措置状況として郵便年金制度制度そのものについては根本的な検討を急いでおる旨回答されておるようですが、いま言われるように、どちらかといえば消極的に、あまりどうも積極的に勧誘をして入ってもらっても今日のいろいろ経済情勢、特に貨幣価値の下落しておるような情勢の中で、少額年金みたいなものを積極的にやってみても、どうも行き先思わしくないし、また喜ばれもしないだろうというようなこともあって、いま局長の言われるような御説明になっておるのだと思うのですが、しからば一体根本的にどういうことを考えておられるのか、時代の流れでだんだん影が薄くなっていくのはやむを得ないという判断をされておるのか、それとも積極的にこの際やはり根本的に制度を改善して、いわば任意年金といいますか、個人保障に基づく老後のやはり保障問題は進めていかなければならぬ。社会保障制度そのものが国の手でとかあるいはまた企業の手でという形では満足にいかないことは、これはもうはっきりいたしておるわけでありますし、また、ここ相当長期の展望を考えて見ましても、満足すべき状態にいけるとは考えられません。そういう状態であればあるほど、郵便年金等の個人の手による老後の保障、こういったことについては多々ますます弁ずという情勢に置かれておると思うのです。そうだとすれば、郵政省のほうでもこういった問題についてやはり積極的にそれならば魅力のある、将来に対して長期的に考えて希望の持てる年金にするのにはどうしたらいいかという問題については、これは相当専門的な立場から研究もしてもらわなければなりませんし、またいろいろと積極的に取り組んでもらわなければならぬと思うのですが、そういった前向きの姿勢で、局長、どんなふうに考えておるのか。もちろんこれ今日突如として起きた問題ではなくして、戦後におけるずっと長い経過的の中で一つのいわば流れの中で出てまいった問題ですから、そうにわかにびっくりするような事態が出てまいったわけではないのですから、かねがね検討されておると思うのですが、そういったことについて御説明願いたいと思うのですが。
  13. 竹下一記

    ○政府委員(竹下一記君) 郵便年金の趣旨はまことにけっこうでございますのですが、ただ、国民年金厚生年金といった公的年金の制度が開始されまして、だんだん充実されてきておるという事情が一方にあると思います。それとやはり非常に長い期間あるいは遠い将来を予定して、いまから年金を予定しておるわけでございますが、やはり貨幣価値の変動に対して郵便年金は弱いという印象を与えがちでございまして、それがまあ今日では通り相場みたいになっておるという事情もございまして、郵便年金に対する魅力と申しますか、非常に落ちてきておるのは現実でございます。ここ四、五年の募集状況を数字で見てみますると、年間二万件弱、それもだんだん落ちてきております。毎月百件台というところでございまして、それも先ほど申し上げましたように、ちょっと私のほうで積極的な募集をやめますると、一カ月にゼロ件と、こういうわけでございまして、こういうものを制度の内容を改善充実いたしまして、ふたたび軌道に乗せるということにつきましては、非常なむずかしい面があるのではなかろうかということを考えるわけでございます。  それともう一つは、この郵便年金の中身を見てみますると、遠い将来の老後の保障と申しますよりも、最近は定期年金、つまり期間的に短い年金、学校のための学資の保証、あるいは結婚の支度金、こういったものを目標とした比較的若い年齢の方がお入りになる短期の年金というものは、最近の締結契約の九割までを占めておると、こういう状況でございます。そういうことを考えますると、郵便年金が目途といたしております老後の保障というねらいからは非常に遠いのでございまして、ただいまの定期年金といったようなことになりますると、これは年金と申しますよりも、保険でも御要望に応ずることができる。私どもが予定いたしております学資保険というものは、まさに、このいまの定期年金のねらっているものと全く同じものでございまして、いままでの郵便年金がもう年金でなくなった、保険に近づいておる、こういうことも言えるわけでございまして、そういうわけで、何とかして郵便年金の魅力を再び取り返しまして、軌道に乗せたいという気持ちはやまやまでございますけれども、まあ、そういうこともございまして、郵便年金の資金運用につきましては、保険年金とは別途運用いたしまして、七分五厘という程度の利回りを上げておりますけれども、それでもまだ追っつかないわけでございます。そういうことをいろいろ考えますると、八方ふさがりでございまして、まことに申しわけございませんが、将来に明るいものを見出すことができないわけでございます。
  14. 久保等

    ○久保等君 いまの局長の御答弁によりますと、郵政審議会が出しておる答申の考え方、まあその考え方とはだいぶ違うんじゃないかという感じがしますがね。局長のほうが、むしろ現状に合ったような考え方だとするならば、かって出された郵政審議会の答申も、もうちょっと角度を変えた立場から、根本的に、それこそ専門的に少し検討させる必要があるんじゃないかという感じがします。というのは、郵政審議会が出されておる、少なくとも今日までの答申の中身は、やはり非常に大きな使命を持っておるんじゃないか、郵便年金は年金として。したがって郵便年金そのものが、むしろ非常に国民の強い要望があるんだから、その要望に沿うような形に、ひとつ検討したらどうか。いま局長、年金といっても。まあいろいろ種類があるわけですから、年金の中でも取るべきものは取り、捨てるものは捨てるというような形で、一体郵便年金というものを今後立て直していくというか、これから強力に進めていく必要があると判断してるのか。もうこの際、だんだんだんだん立ち枯れのような形になっている郵便年金というものはむしろやめて、簡易保険というようなものを中心にして、年金的な思想、もちろん入るわけですから、そういうものに、むしろ一本にしていったほうがいいんじゃないかというふうにも、いまの局長のお話からすると推察できるわけです。そうだとすると、何も昔ながらの一つの伝統があるからというので、郵便年金という一つのたてまえに、あえて固執する必要は私はないんじゃないかという感じがするのですが、どうも答申だけ読むと、われわれしろうとから見ると、年金は年金としての一つの大きな使命なり、任務を持っておるんだ。ところが、非常に今日、このまま放っておくと衰退の一途をたどってしまって、まさに消滅とまではいかぬけれども、ほとんど消滅に近いような状態になってしまうんじゃないだろうかというようなことが言われておるんです。何も、あえて、私必要のない形骸にしがみつく必要はないと思うのですが、だからそこらを考えると、郵便年金というものを、一体どうするかという問題については、郵政審議会あたりのところで、従来の答申とは若干角度を変えて、それこそ、さらに掘り下げた、根本的に存立すべきやいなやという問題までさかのぼって検討する必要があるんじゃないかという感じがするのですが、いかがですか。
  15. 竹下一記

    ○政府委員(竹下一記君) この答申が出ましたのが、昭和四十年の八月でございまして、それ以後かなり突き詰めて検討をいたしたわけでございます。その結果が先ほど私が申し上げたようなことでございます。ただ、今日の郵便年金の希望者のほんとうのお気持ちをながめてみますると、先ほど申し上げたような学資目当て、あるいは結婚資金目当てといったような定期年金でございますから、これならば、保険のほうで御要望を達することができると、このほうに肩がわりしていただければいいのじゃなかろうかと、そのような意味合いもございまして、学資年金の構想を打ち出しているわけでございます。しかし、郵便年金をほんとうにどうするかという最終的な措置につきましては、これはきわめて大問題でございまして、省をあげてよく突き詰めて検討いたさなければならないわけでございまして、ただいまは保険局長個人としての意見といいますか、考えておりますことを主として申し上げたわけでございますので、最終的な取り扱いになりますると、やっぱり従来から郵政審議会にも諮問している、こういう経緯もございますので、郵政審議会に大臣からもう一回最終的な取り扱いについておはかりするという措置がとられていいのではなかろうかと、これは私の個人的にではございますが、考えております。
  16. 久保等

    ○久保等君 それじゃ、大臣にひとつこのことについてお尋ねしたいのですが、いまの簡易保険局長の答弁お聞きのように、従来から取り組んできた郵政省の態度とは、最近における実績等にかんがみて、だいぶ変わってきているのではないかという感じがしますというのは、郵政審議会に出てくる答申といえども、これは郵政当局と連絡なく、自分の知識だけで答申を書けるものではなくて、資料を提供し、それからまた郵政当局の意向も考えながら、答申というのは普通書かれるわけですから、そうだとすると、だいぶ方向が違ってきているのではなかろうかという感じがしますし、特にいま簡易保険局長のお話によると、近いうちに郵政審議会にそういった根本的な、私が先ほど指摘したような立場から、それこそ再検討する時期にきているのではなかろうかというようなことを事務当局の立場からではありましょうけれども、言われているわけです。そうすると、最大のむしろ郵便年金制度の曲がりかどに今日立っているのじゃないかという感じがします。そうすると、四十年に出されたこの答申も若干非現実の実態の上に立たれた答申という感じがするわけです。当然やっぱり現状をとらえて、しかも長期の見通しを立てて、年金制度を根本的にどうするかというような、やっぱり専門的な立場から審議会で検討を求める必要があるんじゃないかというふうに痛感をいたします。私が当初予想しておった以上に、むしろ簡易保険局長のほうが深刻に今日の事態をながめておるようですから、そういう状態に立って、郵政大臣は郵便年金制度について、やはりいま簡易保険局長の答弁がありましたような立場で、郵政審議会に遠からず根本的な検討について答申を求めるというお考えなのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  17. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 郵便年金の現状につきましては、先ほど局長が答弁をしたとおりでございます。したがいまして、四十年八月の郵政審議会の答申とは逆の線が出ておるわけでございます。しかし、実情から言えば、万やむを得ない措置だと思います。したがいまして、整理する方向で、もう一回審議会にかけまして、最終的な取り扱い方をきめていただきたい、かように考えております。
  18. 久保等

    ○久保等君 それでは、この問題については大体以上で終わりますが、いずれにしても、年金制度の問題にしろ、簡易保険制度の問題にしろ、時代の要請なり、時代の趨勢というものを十分に、的確に掌握をしながら、それに対処していくやはり態度が国営事業であっても非常に重要なことだと思います。そういう点で、ひとつ十分にそういった時期を失せず、こういった問題に真剣に取り組んでいただくように要請をいたしたいと思います。  次に、本論の沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案というきわめて長ったらしい法律案になっておりますが、これについて、またこれに関連して若干質問をいたしたいと思います。あまり重複をしないように私、質問をいたしたいと思うのです。  しかし、法案が出されるに至るまでの間、ずいぶん長い間いろいろ沖繩の加入者の方々と長い折衝を続けられておるようですが、結論として一応了解点に達したというお話しなんですが、問題になりますのは、この中でやはり見舞い金の問題、これが非常に私はいろいろ議論があるところだと思うのです。もちろん、戦後二十年余もたってこういった問題を片づけるのですから、できるだけ今日の経済情勢に適応した形で処理をすべきだと思います。したがって、私も結論から申しますと、こういった見舞い金と申しますか、あらゆるものを含めて掛金といいますか、出された資金に対して約十倍程度の形で、今回の措置で還付しようというようなことになっておるようですが、金額の点ではむしろ低目になっておるのじゃないかという感じさえします。だから、そういった点については、むしろ若干時期的にもおそきに失したという感じがするのですが、しかし、そういう問題とは別に、私が申し上げたいのは、見舞い金というものが一体どういう性格のものなのか。それからまた、少なくとも日本の国庫から国庫支出という形で出てまいるわけですから、当然これが十分な、手続の面においても遺憾のない手続がとられなければならぬと思いますが、そういったようなことを考えますると、これから若干その点についてお尋ねしたいと思いますが、最初に見舞い金の性格、これをひとつ御説明願いたいと思います。
  19. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金は沖繩の預金者あるいは保険の加入者が長い間、まあ二十数年にわたりまして支払いを受けられなかった。そういうことが非常にお気の毒であるというような点を考えまして、まあいわば政策的な配慮と申しますか、そういう考え方でこれを支出しようというのでありまして、それが見舞い金の性格でございます。逆に申しますと、法律上の義務に基づいて支出するものではないと、そういうことでございます。
  20. 久保等

    ○久保等君 その法律上の義務によって支出をするわけじゃないとすると、しかし、何らかのやはり法律的な根拠を持って支払われなければ、私は問題があると思うのです。郵便貯金法のたてまえからすれば、第三条にも規定せられておるように元金並びにこれに対する利子、こういったようなものを支払うことを保証するというか、このことについては、郵政省として、責任を持って元利の支払いをするのだというような規定もあります。そういうたてまえからいきますると、それ以外の形で支出をすると、その場合には、一体何らかのやはり根拠法というものがなければ、いま言われたように、政策的な立場で支出をするのだと、支給をするのだということだけでは、何か非常に時の郵政省が官吏として見舞い金という名前さえ使えば自由にそういったようなものが出せるのかということになると思いますが、郵便貯金法というものを根拠にして、少なくとも運営がなされていかなければならぬとするならば、郵便貯金からはみ出した部分について、やはり立法措置が必要じゃないかということが当然考えられるのですが、いかがでしょう。
  21. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) お説はまことにごもっともだと存じます。私どものほうでは、したがいまして、予算でこれを計上いたしまして、そして御審議を願っておると、つまり予算に基づいてこれを支出をさしていただこうというわけでございます。またその場合、現行法にも見舞い金支出について云々してはいけないというものもございませんので、予算に基づいて、予算で御審議を願い、そしてそれによって支出をさしていただこうと、一言にして申しますならば、予算という――予算法と申しますか、そういうものが支出の根拠に考えておると、さようなことでございます。
  22. 久保等

    ○久保等君 私は、その点は非常に問題だと思うのです。予算に計上せられておればかってといっては語弊があるけれども、郵政大臣の何といいますか、専断でもって支出ができる、見舞い金が支給できるということには、これはならないのではないかと思うのです。やはり支出するに当たっては、支出するに当たっての法律的な根拠というものがなければ、私は支出をすべきではないというふうに考えます。予算は予算。予算が通れば、それならばそれに関連した法律がなくても自由に、予算のときに説明だけしておけば、国庫から金が自由に支出できるかという問題ならば、これは私は別個なものだと思うのです。どうも手続的にこの点私は問題だと思う。今回出されております法律案は、題名の示すように郵貯会館とでもいいますか、そういう会館の施設をつくって、無償で貸し付けるのだということのために、この法律を出してきているわけです。しかし本来、本件の場合の問題というのは、先ほどお話があったように二十余年にわたって凍結状態にあった郵便貯金というものを、ひとつ預金者に返していこうということで、いろいろ検討せられた結果、一つは元利として払う、元利は当然これは払う。これは貯金法に定めるところですから問題ない。私は二番目の見舞い金、これは一体どういう根拠で、いかななる法律の根拠に基づいて出すかという問題は、非常に問題だと思う。最後の三つのところになると、三のところは今回出ている法律でもって解決されるわけですから、立法措置はとられるわけですから問題ないと思う。四のところは融資ですから、私は問題ないのじゃないかと思うのですが、無償で見舞い金という名目はとっているけれども、とにかくいずれにせよ無償で金を支給してしまって、貸すわけでも何でもないわけです、支給するわけですから。それらに対しては、何らの法律的な根拠がないという形で、金額は四億一千万円余にのぼる金額ですが、いずれにせよ、どうも法律的な扱いとして片手落ちではないか、予算に計上しているからいいのだという説明では、非常にむりがあるのじゃないかという感じがするのです。せっかくこういう郵貯会館の貸し付け法案のような法律を単独法で出したのですから、この法律の中に、いま言った見舞い金の問題についても、はっきりと立法措置がとられてしかるべきだと思う。もし、この法律案が出てこないと仮定すると、会館は別に貸与しないのだという事態があったとするならば、長い間、約十年もかかって折衝した話は、国会の場で議論もしないままに、予算の場で議論しているからといえばそれまでですが、予算が通ったからということだけで、郵政当局は見舞い金という形で四億一千万余の金を預金者に支給することができるということでは、どうも非常に根拠が薄弱だと思います。扱い方として、非常に片手落ちじゃないかという感じがします。劈頭も申しておりますように、支給することに私は反対しているわけではもちろんないし、むしろ金額が少ないのではないかとさえ思っているのですが、ただ、支給するにしても、きちんとした法律的な根拠を求めて手続をしないと問題ではないかというように思うのですが、なぜこの法律の中にそういったことを入れる必要がないと判断せられたのか、予算の中だけに組んでいるからいいんだということにはならぬのではないですか。
  23. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 予算に計上して御審議を願っております。支出項目、これについてでございますが、これらが法律によって支出をしておりますものと、法律によらずに支出しておるものと二種類に分けて考えられるかと存じております。その場合、法律によらずに支出をいたします場合には、やはりただいま久保委員御指摘のように、そこには行政府の恣意、ほしいままのやり方でないようにこれをしなければならないということであろうかと存じます。したがいまして、その場合におきましては、法律に立法せずにいたします場合には、そこに合理的な基準あるいは支出を当然だ、それはもう異論なくあたりまえだというような支出の理由、あるいはまたどのように理由がりっぱでございましても、金額があまりに多い場合にはなかなか問題もあろうかと存じますので、この場合で言えば、個人当たりの金額というようなことを問題にいたしまして、十分な支出の理由が問題なしにある、個人当たりにすればそう大きいものではないというようないわば合理的な判断ができる、そういう場合には、これは法律をお願いせずに予算上の御審議で支出をさしていただく、さようなことになろうかと存ずる次第でございます。  なおまた、この見舞い金は三十六年以降毎年度額は多少違いますが、予算で御審議をお願いし、また成立をしておるわけでございます。
  24. 久保等

    ○久保等君 いま鶴岡局長の御答弁も私は必ずしもどうも理解ができないのですが、金額の多寡そういったようなことも理由にあげられたりなんかしておりますが、一体多い少ないをどこで判断するのか。それから特にいま言われるような答弁であればあるほど、後ほどさらに問題になるのですけれども、見舞い金の支給が琉球政府に一括して支払う、その点では元利を預金者に支払う場合と違った形で交付するということになってまいれば、あなたの言われる一人当たりはわずかな金額かもしれないけれども、まとまればやはり四億をこえる金額になっておるわけです。したがって、理論的に言うならば、いまの局長の答弁では、やはり立法を要せずして支給できる合理的な根拠がなくても支給できるんだという範疇にはどうも理解しがたいのです。従来こういったケースがひとり郵政省のみならず、他の方面にもあったかどうか、お答えできれば願いたいと思いますが、前例が何かありますか、類似でもいいです。
  25. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 私も、そのほうの問題につきまして責任ある答弁のできる立場ではもちろんございませんが、私どもが本件に関しまして関係の向きから伺っておるところでは、従来法律でなしに、予算によって支出をした例がある程度の数あると、そのように承知をしております。
  26. 久保等

    ○久保等君 ここでもちろん局長は答弁はできなと思うのですが、具体的な例を一つあとでけっこうですから、お調べになって出してもらいたいと思います。私は、少なくともやはり立法的な措置をとってやるべきじゃないかというように思います。少なくとも元利を除いた形で支給することについては、郵便貯金法には何ら規定がないわけですし、局長のお話では、禁止した規定がないからむしろ許されるのだということを言いますけれども、そういう論法いささかどうかと思うのです。禁止条項がなければ、やってもいいんだというようなことになってくると、ことに、事は国家財政あるいは金銭的な問題だけにむしろ積極的に根拠がなければ支出することができないというように私は常識的に考えても理解すべきじゃないかと思うのですが、郵便貯金法に特別禁止規定がないから見舞い金というものは出せるのだということになるなら、一体本土の預金者に対しても、必ずしもこういった場合でない場合があり得るかもしらぬけれども、何か見舞い金でも出そうと思ったら、出し得るということになると思うのです。そういう場合があり得ます、本土の場合。その点ひとつお尋ねしたいと思います。
  27. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) お尋ねの本土の場合につきましては、本件の琉球の郵貯あるいは簡保の支払い問題と全く事情を異にしておるわけでございます。  御案内のように琉球の貯金につきましては、二十数年来凍結状態にあった。その間、金がほんとうにほしい人も引き出せずにおったし、その間また物価は上がって、貨幣価値は減少したというような非常に気の毒な事態があるわけでございます。そういう事態を考慮に入れてのいわば気の毒だという判断、そういうものをいたしておるわけでございます。したがいまして、沖繩の場合にはこのようなことをやれましても、本土の場合には、そういうことはできないと、そのように存じております。
  28. 久保等

    ○久保等君 私はしかし、それは理論的には必ずしもそうは言いきれないと思うのです。  本土の場合においても、非常な経済情勢の急変等があったような場合には、これはまことにどうも国を信用して預金はしてみたけれども非常に預金が経済変動によって打撃を受けた、まことに気の毒だということも十分に予想して予想し得ないことでは私はないと思います。  その場合に私の言うのは、そういう重要な問題を判断するのに、一大臣の判断だけでしてよろしいかどうかという問題になると思うのです、極論すれば。したがってそういう、問題こそ国会において議論をし、したがって、そういうことに対して特別必要であると判断をするならば法律をつくって支給すれば問題ないと思うのです。しかし、そういう問題水かけ論みたいな議論になりますが、そういう非常にデリケートな問題であると同時に、重大な国家財政に影響のあるような問題であればあるほど、むしろ法律をつくるという国会意思において、そういったことがなされるということになっていくところにはじめてその妥当性とさらには権威というものが生まれてくると思うのです。  いま言われる問題だって、私は理論的に今回の場合はもう唯一無二で、将来こういったことはあり得ないのだということは、少なくとも断言できる性格のものじゃないと思う。それだけに議論になればなるほど、また議論になる可能性があればあるほど、むしろ国会の場において、正式に立法という措置によってやることが一番問題がないと私は思うのです。  ところで、そのことについてお答え願いたいのですが、ちょっと総理府のほうから来てもらっております係の方が、非常に時間がないのだそうですからちょっと前後しますが、まずそのほうを一、二ちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。  総理府のほうでは、例の三十億円の住宅建設の資金を融資するということになっておるようですが、そのうち、さしあたって本年度は十億円というようなことになっておるようですが、これの住宅建設の具体的な計画がわかればわかる範囲内で御説明を願いたいと思いますし、それから利子、これは融資ですから、当然若干の利子がついておるのだろうと思うのですが、この利子が幾らになっておるか御説明願いたいと思います。
  29. 及川謙三

    ○説明員(及川謙三君) 衆議院決算委員会出席中の局長にかわりましてお許しを得て答弁させていただきます。  お尋ねの住宅建設費の融資でございますが、これは現在琉球政府におきまして賃貸住宅を経営しようとする主体たる債権団体、現在財団法人認可申請中でございますが、ゆくゆくは財団法人になるべき債権団体が賃貸住宅を経営する。これに対して、琉球政府琉球政府会計年度で一九七〇年度から一九七二年度までの三年度間にわたって、総額三十億円の融資をする。その原資を日本政府としまして、資金運用部資金から全く同額の三十億円をその見合う時期において融資するということが決定されております。そこで琉球政府が賃貸住宅を経営しようとする主体に対する融資条件の中で、お尋ねの住宅建設計画が論ぜられております。日本政府としましても、まず基本をこの問題の発生した原因から考えまして、債権者そのものの住宅困窮者の住宅供給ということを主眼といたしたい。それから、家賃については、いわゆる民間における賃貸住宅の例よりもできるだけ割り安の家賃を設定したい。しかし、あくまでもお尋ねの利子との関係がございますが、利潤を考えないで償還をしながらペイするような経済計算のもとに立った家賃の設定ということで、現在住宅の構造なりあるいは団地なりあるいは地域、御存じのように債権者が沖繩に散在しておりますので、地域間の配分の問題等をめぐって経済計算をあわせてやっております。  その大要を申し上げますと、全戸数で約千三百戸を予定してございます。できるだけ集中的な中高層のアパート形式の集中住宅といいましょうか、そういう形式をとりたい。土地造成費とかあるいは若干の関連施設の整備費等も含めまして一戸当たり六千ドルで、千三百戸で約八百万ドルになるわけでございますが、そういったものをつくります場合に、家賃を沖繩の実例は大体月四十ドルないし五十ドルでさまざまでございますが、その範囲に入るかとわれわれは見ております。公営住宅の例でございますと、月二十ドル以下ぐらいになります。ねらいとしましてはできるだけ安くということで、まあ三十五ドルから四十ドル程度に家賃がおさまるようにという基本線で話し合いをしてもらっております。そのため、お尋ねの融資条件、中心になる利子でございますが、日本政府の資金運用部から琉球政府への貸し出しはこれは六分五厘、他の融資と同一の金利ということできまっておりますが、据え置き期間を何年にするかあるいは償還期間を私どもは五十年を希望しておりますけれども、その長期が認められるかどうか、これは今後財政当局と詰めてまいりたいと思っております。現地側の希望としましては、琉球政府から住宅営団体に対する融資は金利を六・五%、それから据え置きを五年にしたい、そのうち三年間は無利子にして、当初の資金繰りの緩和に資したい。それから償還期間は五十年を考えていきたい。日本政府側からも、この線、同一に近い融資条件融資をしてくれないかという要請がきておりますので、先ほど申しましたこの問題の趣旨から考え、家賃決定を民間の場合よりも割り安にしたいという要請からも考えあるいは原則は公募抽せんの入居でございますが、債権者そのものを優先入居を認めるというあるいはある意味では特別な融資でございますので、その趣旨を財政当局に伝えながら、できる限り沖繩側の計画が、あるいは要請が満たされるように総理府としては努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
  30. 久保等

    ○久保等君 この住宅建設をやって、あと管理運営をするのは、それでは債権団体のほうということになるわけですか。この債権団体が直接やることがいいともちろん判断してやっているのでしょうが、日本からの融資はもちろん琉球政府に対してなされ、琉球政府が、さらにこの債権団体融資をするというような形になるようですが、二重にそうすると、債権団体そのものは融資に対する利子を支払うといったような問題、いろいろ事務的にも若干煩瑣なような気がするのですが、そこらはどんなふうに考えておられるのですか。
  31. 及川謙三

    ○説明員(及川謙三君) 御指摘のように琉球政府が間に立ちますので、一部御指摘の事務上の煩瑣がございますが、できる限り管理運営の衝に当たる債権団体そのものが十分全体についても計画し、運営することができますように本土側の日本住宅金融公庫なりあるいは住宅公団専門家知識を注入いたしまして、琉球政府側が事務をできるだけ少な目にしたい。しかしながら、現在、住宅融資特別措置法という立法がございますが、これは特別に現在開会中の琉球立法院審議に、このことについての一部改正を必要といたしますし、それから日本政府、資金運用部からの資金の受け入れあるいはこれの償還についての事務がございますので、御指摘の琉球政府そのものの事務もございますが、できる限り管理運営の主体に当たるもののほうで十分こなし得るよう配慮いたしたいと考えております。
  32. 久保等

    ○久保等君 住宅建設はどこでやることになるのですか。
  33. 及川謙三

    ○説明員(及川謙三君) あくまでも将来債権者の総意によってつくられます財団法人そのものが企画をし、そのものが請負契約をいたすという計画でございます。
  34. 久保等

    ○久保等君 それから、この話は、もともと郵便貯金の返済の問題をめぐって出てきたのだろうと思うのですが、いつごろから、この話が出てきたのか。それで話は、全体まとまって、最終的にまとまってきまったのだろうと思うのですが、最初のこの話が出てきた経緯、時期、そういったものについて若干御説明願いたいと思います。
  35. 及川謙三

    ○説明員(及川謙三君) この問題についてのいろいろ長い間の支払いが不能になっておった期間に対する不利益その他の主張が、おそらく郵政当局からの御答弁もあったかと思いますが、いろいろ経緯がございまして、最終的に昨年の夏ごろに至りまして、たしか約五十六億円でどうだろうという話が債権代表の口を通して、ほぼ最終的な、要請的なものとして日本政府側に出てまいりました。その際に、住宅建設資金の供与をほしい、あるいは先ほど来お話があったかと思いますが、元利支払い金、法定の支払い金あるいは見舞い金あるいは会館建設ということで、まだ満たない分野について住宅資金を供与してもらうことでも、あるいは債権者の納得をしてもらうべく努力をいたしたいというのが、昨年の夏ごろ上京された代表の方のお話でございました。このプランを中心に見まして、沖繩における住宅難の現状も大きいものがございますので、この一環にもなり得ることでございますので、供与という線をめぐってはグラントが一番可能かと思いましたが、いろいろ政府部内での折衝検討の結果、これを長期の低利の融資ということで御納得いただけないかという線を、年末あるいは年始にかけての財政投融資計画、あるいは予算編成の日本政府の作業の過程の中で、債権団体ないしは琉球政府と接触しながら、最終的にローンベースで、しかしいま申し上げましたような長期低利の、またこの問題の解決の一環とするという趣旨での融資は可能になるような方途を講じたわけでございます。
  36. 久保等

    ○久保等君 それでまた話をもとへ戻して、先ほど立法措置を要するのではないかという問題を中心にして、なお続けてお尋ねをしたいと思うのですが、私は先ほどの貯金局長の答弁では、やはり根拠が薄弱だと思うのです。趣旨そのものはこれはもちろん先ほど来申しますようにけっこうなんですけれども、ただ手続としては立法をすることがきわめて妥当じゃないか必要じゃないかというふうに考えます。そこらはしかし幾ら話を進めてみましても、もちろん一致しないと思いますから省略しますけれども、やはりこれだけのこういった非常に政策的といいますか、政治的な問題になって解決をしようというんですから、その点は繰り返して申し上げるようでありますが、せっかく今回こういった法律を出されておるのですから、この法律の中に含めて、きちんとやっぱり国会において意思を決定するということが好ましいと思います。ただ、一言このことについて、大臣からどういうふうにお考えになっておるか、私は、あえて違法とか何とかいうことを言おうとは思わないんです。やり方として、やはりまずいんじゃないだろうかというふうに考えます。大臣のひとつ見解をお伺いしたい。
  37. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 戦前の沖繩の郵便貯金それから保険、これを解決するために御承知のように一連の措置をとったわけでございますが、その中でやはり一番問題になるとすれば、いま御指摘の見舞い金をなぜ立法化しないか、法律によらないか、こういう点だと思うのです。この点につきましては、ずいぶんわれわれも検討し、相談をしたわけでございますが、先ほど局長が答弁いたしましたように、予算審議の過程で、十二分に御審議をしていただいておることでもありますし、それからかつこれまでも予算で通りましたものを法律で金を出していくという場合と、そうでない場合と、二つあるようでございますし、いろいろ検討いたしました結果、この見舞い金はまあこの行政措置でいけるのではないか、こういう結論に達しまして、実はきめたようなわけでございます。
  38. 久保等

    ○久保等君 いきさつは、そういうことだと思いますが、やはり結論として、私は立法措置をとることが妥当ではないかというふうに考えます。  ところで、話を次に進めますが、見舞い金の四億一千四百十三万四千円、これの、事ここに至った経緯、言いかえれば算出根拠といいますか、どういうところから、こういった四億一千余の金額の結論が出たのか、これも説明を一応願いたいと思います。
  39. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 算出につきましては、このようにやっておりますが、元金というものが貯金に四千百万ばかりあると、保険に七百五十万ばかりございましたわけでございます。締めて大体五千万近い金でございますが、それがあったと、そしてこれに対しまして二つの面からいわば操作を加えております。一つは、施政権分離時におきまして、これらの元金が定額郵便貯金に預けかえられたというふうに擬制をいたしましたわけでございます。これは結局、結果的に見ると凍結したわけでございますから、定額預金に預け入れたと見ても一向差しつかえはなかろうというふうなことから、定額貯金に預け入れられたという擬制をいたしました。また、一方沖繩におきましては、通貨が二度ばかり変わっておるわけでございます。すなわち、二十一年の四月には一円を一B号円に切りかえがございましたし、また三十三年の九月にはその百二十B号円を一ドルに切りかえしたという、いわゆる新通貨発行といいますか、通貨交換という事実がございました。したがいまして、私どもは二十一年の四月には、われわれの貯金債務あるいは保険債務、そのようなものがB号円をもって表示するB号円債務に変わったのだと、これもまた擬制をしたわけでございます。そしてさらにまた三十三年九月にはそれがドル債務に変わったのだと、そして現在琉球ではドルが通貨でございますから、現在もドル債務にそれがなっておるというような擬制のしかたをやりました、その二つの擬制によりまして、大体元利金が十倍強になりましたわけでございます。そしてその十倍強になりました元利金から、そのふくれ上がりました額から今度は正当な法定の支払い金、法律上われわれが当然支払わなければならない金、つまり最初の元金と、それに対する通常郵便貯金の利子、これを控除いたしまして、そしてその残りました残額を見舞い金というようなことに観念をいたしておる、さような次第でございます。
  40. 久保等

    ○久保等君 いまの御答弁では、まだ若干足りないんじゃないですか。見舞い金程度では五億円前後で、あと総理府の関係のほうはいまの御説明の中では、全然別個のワクといいますか、別の問題として解決したことになりますか。総理府融資という問題は、全然別個の問題として扱ったということになるのですか。
  41. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 先ほど御説明がありました総理府の三十億の融資は全く別でございます。私どもの郵政特会から支出をいたそうとしておりますのは、これは法定支払い金、そうして見舞い金、そうしてただいま御審議を願っております貯金保険の支出、この三つあるわけでございます。
  42. 久保等

    ○久保等君 このうち見舞い金はどういう形で支払われますか。
  43. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金は琉球政府に対しましていわゆる一括交付をすると、そのような考えでおります。
  44. 久保等

    ○久保等君 琉球政府に一括支払いというのは、どういう考え方からそういうことが出てまいったのですか。元利のほうは、当然預金者に直接支払うということで支払われるわけなんでしょうが、見舞い金をなぜ一括して琉球政府に支払うという考え方になったのか、その経緯なり、考え方というものをひとつ説明願いたいと思います。
  45. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 琉球政府に対しまして一括支払いということでなしに、一括交付ということばを使っておるわけでございます。これは端的に申しますならば、預金者の代表、そういうところから私どもに対しまして、見舞い金については、金額をまとめて琉球政府に交付してほしいと、そしてその上で琉球政府と自分たちが相談をして、その具体的な処理あるいは配分等については考えるからというような要望がございましたわけでございます。したがいまして、その要望を入れたというのが、いままでのいきさつでございます。そして、なおまたお尋ねの法定支払い金は、これは直接預金者あるいは保険加入者に払おうじゃないかという点でございますが、法定支払い金と申しますのは、これはいわゆる貯金法上あるいは簡易保険法上の私どもの債務でございまして、向こうから言わせると債権でございます。したがいまして、これは法律上の債権債務であると、したがって、これはどうしても本人か預金者あるいは契約者本人かあるいはその代理人に支払わなくてはいけない性質の金でございます。そうしませんと、われわれの法律上の債務の履行ができないという点から、これは、そのように本人あるいは代理人に個々に払うという形をとっておると、そのようなことでございます。
  46. 久保等

    ○久保等君 元利のほうは、当然そういうことで私はいいと思うんですが、同時に見舞い金の支給せられる理由というものは、これは先ほど来の御説明にもありますように、やはり簡保の加入者なりあるいは預金者、そのものの事情を考え、したがって、先ほど来言われるように、非常に長い間いわば国の都合というか、本人の責めに帰すべからざる事情によって凍結状態になった。その間、経済の激動、沖繩の場合には、特に残念ながらアメメリカの施政権下に置かれるというような特殊事情もあって、あれこれ勘案した結果、見舞い金というものを考え出したということだと思うんですよ。あくまでも、これは個々の預金者である加入者である人たちそのものの私は善意に基づく見舞い金だと思うんです。したがって、それは当然この元利金と同じような形で加入者なり、預金者に直接――直接といってもちょっと語弊がありますが、これを琉球政府なりあるいは琉球の郵便局を通ずるという手続はあるといたしましても、直接本人の手に入る形で支給されるべき性質のものだと思うんです。それを二つに分けて見舞い金であるがゆえに法律上は必ずしも権利義務関係はないんだと、恩恵的に支給する金だから、一括して琉球政府に支給していいんだという考え方は、私は少しものごとの筋というものを違えているんじゃないかという感じがしますが、どうですか。
  47. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) その交付の方法につきましては、これにはいろいろな考え方があり得ると思います。しかし、先ほど申しましたように、預金者側の代表、これをやはり一団にしてまとめて琉球政府に交付していただきたい。その上で自分たちがその配分処理等について、琉球政府と預金者代表との間でよく相談してきめたい、そういう要望はあったわけでございます。したがいまして、これが法定支払金と違い法律上の債務でございませんので、そのような要望に応じた、端的に申しますと、先方の要望に応じて、こういうことをやっておる、そういうことでございます。
  48. 久保等

    ○久保等君 先方の要望と言われますが、相手は何と言っても預金者なり加入者だと思うのですよ。その代表者にもちろん委任状を出して委任をしたということになっているのだろうと思うのですが、その預金者なり、加入者といまお話があった代表者ですね。その間の関係というものは、どういうふうになっているのですか。
  49. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) そのお尋ねの預金者の代表がどのような形で預金者の総意を代表しているか、これは保険の加入者についても全く同断でございますが、そういう点について申し上げますと、これは償権者団体、これは正式な名称は戦前の郵貯などの払い戻し獲得期成会というものがございますが、これが支部が各市町村ごとに、五十九市町村ございますが、それぞれ結成されておるわけでございます。そうしてその支部の総会におきまして、預金者が総会の議長に対しまして交渉権限を全面的に委任するという議決をいたしております。その議決を受けました議長は、さらにこれをその当該の支部の代表者、これはその段階におきましては、全部市町村長でございましたが、その人々にさらに交渉権限を委任したわけでございます。そうして、それらの受任者が那覇市に四名おります関係上、これは六十二名になりますが、これらの六十二名の人々が沖繩島を六つの地区に割りまして、それぞれに代表者がおるわけでございますが、その六地区の代表者にさらに交渉権限を一切委任をしておる。したがいまして、預金者の総意は、その六名の代表者に完全に民法上の委任がなされておる、そのように考えております。
  50. 久保等

    ○久保等君 その一番最初に債権者総会というか、大会というか、そういう会が持たれて議長に権限を委任したというのですけれども、正確にどういう形で委任決議をしたのか、わかればひとつ正確に御説明願いたいと思いますが、単に一切の権限を委任したといっても、これまたきわめて抽象的ですが、どういうことばの表現を使っておりますか。
  51. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 事実におきましては、議決までには、いろいろと議論も出たようでございますが、結論といたしましては、戦前の預金、貯金等の解決のための交渉に関する一切の権限を委任するという形をとっておったわけでございます。
  52. 久保等

    ○久保等君 交渉について、いまのことばの表現はどうなっておるか知りませんが、いまの局長のお話だと、交渉の一切の権限を委任するということは、金がどこに支給されてもいいのだということにはならないと思うのですよ。だからそこらの問題が、私はだから琉球政府に一括して支払うという形の支払いのしかたの問題、ここらの問題であって、はたしてそういったことまで含めた一体交渉の委任をしたかどうか。いわば支払われる金の帰属の問題をも含めて一任しているということにはならぬと思うのです。これはあくまでも権利者はいわば加入者であり預金者なんですから、そういった人たちが、どの程度の金額で折れ合うとかなんとかいう問題になれば、委任したということになると思うのです。一部は本人にもちろん支払われるが、一部は自分には支払われなくてもいいんだと、そういうようなことまで含む権限の委任には常識的に、いまの程度の決議だとすると、ならないんじゃないかと思うのです。それで、いろいろ出していただいておる資料によっても、この代表の方々が一応出た結論に対して異議はございませんというような書類の写しはもらっております。だから、その関係はわかるのですけれども、いま言う三十五万人ですか、三十五万人の人たちを代表する六人、その間における一体委任関係というものはどういうふうになっているのか。必ずしもはっきりしないように見受けられるわけですね。私は、何も特に疑ったりなんかする意味じゃなくて、金銭的な授受の問題ですから、そこらのところはやはりはっきりしておかないと問題になる可能性があると思うのです。しかも、実際の預金者なり加入者という者が三十数万という膨大な人員になるわけですから、よほどそこらのところを手続的にもきちっとした状態の中で、こういう問題は処理されていかないと、沖繩の内部の事情をあまりよくわからないということでは、支払ったりあるいは交付したりすると、日本政府なりあるいは郵政省の立場からいくと、後日問題を残す可能性があるんじゃないかということが心配なものですから、事、特に金銭関係の問題ですから、まあまああまりそんなこまかいことを言わないだっていいんじゃないかというのでは、私は済まされないと思うのです。私はあくまでも事が円満にかつあとにおかしなトラブルを起こさないことを念願する立場からあくまでもお尋ねしているのですから、しかも、それが先ほど来申し上げるように、個人にそれぞれ全部見舞い金も何も支給されていくのならいいんです。その支給された上に立って、これはひとつまとめて全体でひとつ使おうじゃないか。したがって、六人なら六人の代表者にまかせるからひとつ適当に使途を考えてくれないかという話が三十五万人の人から上がってくる形で、見舞い金というものが処理されるならばいいけれども、そうでなく、一人一人に渡らないで、中間で一括してそれを受けて、適当な事業か何か知りませんが、事業で使うのだというのでは、三十五万人の人たちの必ずしも完全に了承を得ているのかどうかということ、これはやはり私どもはちょっと考えなきゃならぬところだと思うのです。だから、いまの委任関係の問題について局長のちょっと答弁程度では、どの程度の委任を一体取りつけたのか疑念に思うのですが、いかがですか。
  53. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 御懸念はもっともだと存じます、私どもも。この金が一人当たりの元金あるいは契約高、こういうものは小さいものであればあるほど、これはやはりいやが上にも慎重に扱って、預金者あるいは契約者の利益を損ずるというようなことがないようにということで、この点については、もう十分に総理府とも相談をいたしまして注意を払ったつりでございます。したがいまして、適当に、あるいはしかるべくやろうというようなことは、これはもうそういう措置は絶対にいたしておりません。ただいまお尋ねの点でございますが、どの程度の交渉権限委任があったかという点でございますが、これは先ほども申しますように、一切の交渉権限委任したということを私ども書類の上で確認をいたしたわけでございます。したがいまして、法的に申しますならば、一切の交渉権限でございますから、どのようなことを受任者がきめようともそれにはもちろん異存がないということまで含む。したがいまして、一括受領、あるいはその他見舞い金の額、あるいは会館施設の規模、そういうものにつきましても、交渉権限は法的に委任をされておると、そのように考えております。しかし、御懸念の点もございますし、私どもとしましても、このような委任状を出して、出しはしたものの、その後いよいよ日本琉球政府側との間で話が煮詰まっていった場合に、これでは少ないとかなんとかということがありはしないかという心配はいたしておったわけでございます。しかし、われわれいろいろ聞いてみました結果では、そのような心配はないと、一応これで預金者も満足をしておる、そのように聞いておりますので、私どもが徴しております権限の全面委任状というものも事実上これはこれで問題はなかったであろうということで現在考えておる段階でございます。
  54. 久保等

    ○久保等君 要するに、法定支払い金と見舞い金を区別して、そういう交付の仕方をするところに若干疑念を持つのです。一切の権限がまかされておるというのであれば、それならば法定支払い金のほうだって、琉球政府なら琉球政府に一括して支払ったからといって、理屈から言うならば問題はないはずだということが言えると思うのです。しかし、これはあくまでも法律関係からいって権利義務関係で非常にきびしく、きびしくというか、厳格に支払いをしておかなければ問題が起きるだろうということでおそらくやっておられると思うのです。そうだとするならば、見舞い金そのものも本来これ琉球政府そのものとは関係ない、あくまでも個人個人加入者であり、あるいは預金者である人たちが相手なんですから。だから、それに見舞い金を支給していくという方法をやはり一括してとるべきだ。しかし、なおかつ、加入者なり預金者が、いやこの見舞い金だけはひとつ別途琉球政府のほうに一括してもらったほうがよいというようなことで、そういう要望があってやるならそれはいいですよ。しかし、そうじゃなくて、代表者が私にまかされているのだからだいじょうぶです、委任された内容はかようかくかくのとにかく白紙委任に近いような形で委任されておるのだからだいじょうぶですよと言われたからといって、直ちに支払いをする郵政省のほうで何か簡単に――簡単にというか、そういうことのとりきめをすることは若干私は慎重さが足りないのじゃないか。そういう主張があっても、いや私のところとしては、法定支払い金と同じように一括して加入者なり預金者なりに支給をしたいのだということをむしろ強く主張をしていく。その中で、いやもう何といいますか、一般の預金者なり加入者のほうから、ぜひひとつ手続的にめんどうだから、この際一括してその見舞い金の問題については、まだ使途もいろいろ別に考えておるのだから、ひとつ一括して琉球政府のほうに支払ってもらいたいというような話であれば、私はもちろんそういう手続をとってもけっこうだと思うのです。若干そこらの折衝なり、運びが何か分割をあえてしているという形はおかしいのじゃないかという感じがします。一般の加入者なり預金者の一体声というものはどの程度把握をしているのですか。ただ代表者なりあるいは琉球政府あたりと折衝した中で、そういう話が出ただけで、こういう取り運びをしたのですか。
  55. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 御案内のように、先方から琉球政府の関係の局課長、あるいはまた預金者代表の方々、その他個別の陳情者等が見えておるわけでございます。そういう場合に、私どもも、これをただ法律的に形を整えたらそれでよろしいというような考えではございませんで、預金者代表の言うとおりはたして預金者の個々の人々も、それで満足しておるかどうかというような点は政府あるいは預金者代表のまあいわば口うらを引いて十分に聞いておるわけでございます。またいろんな問題につきまして、私どもやあるいは総理府から直接琉球のこの市町村のまあいわゆる議長と申しますか、総会の先ほど申しました議長等に話をする場合には、ものを尋ねたりする場合もあったわけでございます。そのような場合にもこういう条件でうまく満足ができておるかどうかということは、十分に口うらを引いて、そして私どもとしては先ほど申しますようにこれで一応十分である、そのようなまあいわば心証を得ておるというような状況でございます。
  56. 久保等

    ○久保等君 この見舞い金は、琉球政府に一括して交付されますと、どういう形で処理される見通しでしょうか。
  57. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金は一括交付されますと、その段階におきまして預金者代表とそして琉球政府との間でその処理、処分について相談が行なわれるわけでございます。しかし、これはあくまでも見舞い金の支出の趣旨と申しますか、そういう考え方、そういうものを尊重して処理されるはずでございます。
  58. 久保等

    ○久保等君 もう少し何というか、具体的な説明はできないですか。一括してですね、琉球政府にしてみれば、支払ってもらいたいという強い要望があったとすれば、なぜ一括交付をしてもらいたいと言われるのか、当然話としては、かようかくかくの話で、一部は加入者なり、預金者に返したいと思うし、一部はこういった形で使いたいと思っているのだ。したがって、一括もらったほうが便利なんです。少なくとも一括交付を要求する立場から言えば、その理由というものはいろんな折衝の中から出てきたと思いますが、したがって、およそどういう形で処理されようとするか。およそおわかりになっていると思いますが、そこらのところを御答弁願いたい。
  59. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) その点につきまして、私どもが知っておりますのは大体次のようなことでございます。それは法定支払い金は一億でございますが、こちらの見舞い金は四億である。したがって、四億の金は相当何らかに投資しても、利潤を生み、そしてまた長期的に預金者あるいは加入者に経済的な利益をもたらすものであるという考えがあって、これを一括受けて、そして何らかそのようなことに使いたいという意見が一方にある。しかし、それをどのようなことにしようという具体的なやり方、あるいはまたもっとさかのぼりまして、そのようなことで割り切っていいかという問題につきましては、まだなかなか預金者の総意がまとまっていない。したがって、ひとまず琉球政府に一括して交付してもらって、そして、その処理については、別途預金者代表琉球政府で話を煮詰めようとしておる。まあ大体そのようなことを聞き及んでおります。
  60. 久保等

    ○久保等君 まあ、その程度の事情しかわかっておらないとすると、私はさっきお尋ねしたようなことについて、若干いろいろトラブルといっていいかどうか知らぬけれども、必ずしもうまく話がいかない可能性があるのじゃないかと思います。とかくよく最近引き揚げ団体補償だとか何とかいう問題も、中間段階の団体役員等が中心になって何か事業を始めようというようなことで中間で金をプールする。しかし、一般の引き揚げ者個々人はそういったことに対して強い反対をするといったようなことが、ままわれわれも経験をしておりますが、こういったことも本来先ほど来申し上げるように、直接加入者なり、預金者にやはり支給せられるべき性格の金なんですから、それにやはり原則として支給をしていくという私はたてまえをとるべきであると思うのです。あとそれをどう使われようと、どうされようとこれは自由だと思います。何か見舞い金だから、これは加入者本人、利用者本人でなくて、中間で適当に使っていいんだという考え方が、私は代表者の諸君の中にもないことはないんじゃないかという感じがするのです。それをうまくいっているのであれば、たとえば四億のうち二億は本人に返すが、あとの二億で何をつくり、かにをつくるということがスムーズにある程度出てくると思うのですが、いま言われたようなほとんど具体的にそういったことの話が進んでないということになれば、なかなか話が共同で金を出し得ない、施設をつくったり運用するということについては、何かまとまらないような感じが強いような感じをいまの説明からすると受けるわけです。そういったような事情が出てくる可能性があれば、本来あるべき姿で、きちんと支払う立場のものは支払っていくということが、支払い者側の立場から言えば私は正しい態度だと思うのです。まあ私そういったことは若干推測めいたことも含めての質問ですから、まあこれ以上何しませんが、いずれにしろ、とにかくあとうまく問題が残らないように、なおこれから覚え書きを交換したり、何かする手続もあるようですから、そういうところになおいろいろ話をされる余地もあるようですから、ただいま申し上げたようなことの尾を引いたような問題が残らないように十分にひとつなお配慮を願って、円滑にかつ結果的に喜ばれるような形で解決するようにお願いをしておきたいと思うのです。  私、最後にちょっとお尋ねしますが、この法律案の中に会館の問題ですが、郵政省令で定める施設及び設備ということになっておりますが、これは郵政省令で定める施設及び設備というのは、どういうことを意味するのでありますか。
  61. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) その内容として、われわれ現在考えておりますのは、郵政省令できめなければならないと思っておりますのは、所在地が一つ、そして土地面積、建物の面積、構造――鉄筋であるか云々というようなことでございます。そしてまた施設内容、たとえば会議施設や宿泊施設がどのくらいかということ、そして付属の構築物、こういう点について省令で明定をしておきたい、そういうことでございます。
  62. 久保等

    ○久保等君 じゃ、この法律に関連した一つの省令を特別つくる予定でおられるわけですね。
  63. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) そのとおりでございます。
  64. 久保等

    ○久保等君 私の質問は終わります。
  65. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) 午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十四分開会
  66. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律案を議題といたします。  本法律案に対し質疑のある方は順次御発言願います。
  67. 鈴木強

    ○鈴木強君 この法律案の提案理由の説明を拝聴しますと、沖繩における郵便貯金は昭和二十六年から本土にならって業務を行なっておるようでありますが、しかし、その事業の現状は本土郵便貯金事業に比べるとかなりの格差がございますと、こう述べてあるわけでございますが、その格差の生じているものの理由の第一は、沖繩と本土との経済事情の相違によること、もう一つは住民に対する郵便貯金の周知奨励の施策が十分に行なわれず、従業員の訓練、預金者へのサービス等も徹底していないことに原因があると、こう述べておられます。そこで私はまず最初に、沖繩の経済の実情についてお尋ねをいたしますが、郵政大臣に最初にお尋ねしますが、この法律案を提案するにあたっては、沖繩の祖国復帰というものをどういうふうに判断されてこの法律案を提案されたか、まずそこから伺いたい。
  68. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 沖繩の祖国復帰は、総理がこの秋、渡米されましていよいよ最後の交渉をされるわけでございまして、いずれ二、三年のうちには具体化するであろうと、かように見ております。
  69. 鈴木強

    ○鈴木強君 いま沖繩には正確な人口は何ぼ住んでおられますか、男女別にわかったら教えてもらいたい。
  70. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 一九六五年の数字でございますが、一九六五年の十月二十日現在で九十三万四千百七十六人、そのうち男性が四十四万七千六百八十二人、女性が四十八万六千四百九十四人、したがって女性のほうが約四万程度多いと、そういう実情でございます。
  71. 鈴木強

    ○鈴木強君 そのうち日本老人福祉法に適用される年齢層、六十歳以上はどのくらいありますか。
  72. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) ざっとした数字でございますが、二万三千ぐらいでございます。
  73. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでこれは郵政省のほうにも伺いたいのですが、経済事情が相違するというのは、大ざっぱに言ったら、どういう点が相違しているのですか。
  74. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 経済事情の相違は、結局私どもの郵便貯金の面から見ました場合、一人当たりの所得、そういうものが本土に比べて低いというようなことがまずあげられると存じます。
  75. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、沖繩県民の総生産高は、年間ごく最近の数字でけっこうですが幾らですか。それから個人所得は年間一人なんぼになっておりますか。そういうものと日本の平均との比較がないと、その相違がわからぬです。抽象論でなくて、ひとつ具体的な数字で示してもらいたい。
  76. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 沖繩の一人当たりの国民所得は、一九六八年度の計算で五百八十ドルでございます。日本円にいたしますと、二十一万円ぐらいでございます。本土に比較しますと、大体本土の六割五分程度になろうかということになります。
  77. 鈴木強

    ○鈴木強君 総生産高教えてください。
  78. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 沖繩の県民総生産、これは六億四千四百四十万ドル、これを円に直しますと、二千二百億程度でございます。
  79. 鈴木強

    ○鈴木強君 経済事情の相違ということが、郵政省の貯金局長のお答えですと、一人当りの国民個人所得というものが非常に低いというお話です。なるほど、いま特連局のお話ですと、日本円に直して二十一万円、本土の大体六割五分程度だというから、確かにその点はわかりましたが、しからば、そういう個人所得が非常に低いということは、やっぱり沖繩経済の全体から見て、こういう結果が起きてると思うのですね。その経済分板というのはどういうふうにされてるのですか。
  80. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 沖繩の経済、一般的には、基地経済といわれるくらい基地に非常に依存しておりまして、基地の関係で、県民所得が相当取得されてるわけでございますが、それ以外の関係を見ましても、第三次産業が非常にウエートが大きくて、したがってその関係から消費経済といっていいかと思います。しかも、第一次産業第二次産業本土保護政策のもとに、一応成立していると、そういうような関係にございますので、沖繩の経済というものは、非常に、ある意味では基盤の弱いまた消費経済といいますか、経済の生産活動にウエートの置かれていない経済そういうような状態になっております。そういう意味におきまして、沖繩の経済というものの体質改善というか、基盤整理というか、そういうことが、私たちの今後の大きな課題になっておるわけございます。
  81. 鈴木強

    ○鈴木強君 郵政省のほうに伺いますけれども、今度まあ五億円程度の金を出して郵便貯金会館というものをつくるわけですね。そして郵便貯金の奨励や、あるいは周知、こういうものを十分にやろう、それから簡易保険の再開についても、これを機会に、ひとつ積極的にやっていこうと、こういう意気込みだと思いますね。ところが沖繩の経済が一体どういう状態に現状置かれておって、そしてこれを、会館を建てることによって、その隘路がどういうふうに打開されていくのかという、そういう具体的な、やっぱりこれは意見を聞きたいと思うのですよ。それで、抽象的になりますから、今度私のほうから少し問題を提起してみますけれども、まず第一番に、沖繩においては、先ほどから説明がありますように、通貨はドルになっておりますね。そうでしょう。それで対外支払いの場合とか、あるいは対外支払いの手段の場合とか、そういう場合には、ドルによって一元化されておるわけですね。したがって通貨が、沖繩経済政策的な面において、管理できない体制にあると思います。ひらたく言えば、あそこは中央銀行がないから、通貨はすべてアメリカさんの発行するドルによってやられておるわけですから。そういう意味において、沖繩経済が必要とする現金通貨供給方式というものは、中央銀行がないために、非常に制約されておると思うのですね。したがって、対外収支が黒字になる以外に、黒字にならなければどうにもならないので、対外収支が黒字になる以外は、経済発展に必要な正当通貨供給ということができないわけです。たとえば投資が非常に活発化してくれば輸入がふえる、そこで対外収支が赤字が出てくる。一方は沖繩内における通貨量が減少し、金融が逼迫する。そうして輸入が押えられる。その結果、対外収支が悪化するという循環性をとっていると思う。ここに私は沖繩経済の一つの特徴があろうと思うのですね。こういう問題が解決しなければ、なかなか郵便貯金の増加ということは、基本的にはむずかしいように思うわけです。これについて、郵便貯金会館をつくったら、どういうこれとの影響があるのですか。
  82. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 沖繩の経済事情、今後どうすれば沖繩がうまくいくであろうかというような点につきましては、私は、専門外でございますが、まことにお説のとおりではないかと存じております。その問題は別といたしまして、ただいまお尋ねの、それでは貯金・保険の会館をつくれば、どのような効果を生ずるかという点について、私どもの考えを申し述べさしていただきますと、現在沖繩の郵便貯金というものが、沖繩の一般の預金残高に占める比率、これを見てみますと三%にすぎないわけであります。これは四十三年三月末現在でございますが、三%にすぎない。そうすると、またこれを本土ではどうかといいますと、これは八・五%、三分の一強というふうな、いわゆるシェアしか持たないわけでございます。そうして、なおもう一点考えてみますと、沖繩における郵貯のいわゆる普及状況と、こういうものを見ますと、私どもの郵貯は沖繩では一三%しか普及していないわけでございます。郵貯利用世帯は一三%しかない、しかし、本土では五六・四%、ほとんど半ば以上に普及しているというような事実があるわけでございます。したがいまして、郵貯会館等をつくることによりまして、このように日本本土並みに、あるいは本土に近いように、いわゆる占有率といいますか、そういうものを高めることがまずできるのではなかろうか、こういう点が一点でございます。そうして、なお先生のおっしゃいます琉球全体の経済発達、発展それによる個人所得の増加、それはまた第二の段階として、そうあってほしいと、それによってまた郵貯の増強もできるはずである、かように考えております。
  83. 鈴木強

    ○鈴木強君 それは、直接私の質問に対するお答えでないわけですね。特連局のほうは、この沖繩の経済の特色とも言える、私が申し上げましたこの問題については、日米琉委員会等で何かお話をしておられるのですか、本土沖繩一体化の点から。そういう問題は出たことはないのですか。
  84. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 沖繩の郵便貯金のことは、いま貯金局長からお話になったような事情でございますが、私のほうで把握しておりますといいますか、私のほうで、一体化調査団の調査したときに、沖繩におきましても「もあい」という制度が行なわれておる、これは頼母子講のようなものらしいのですが、そういうような意味合いからもし郵便貯金の宣伝普及ということが徹底してまいりますれば、郵便貯金も相当伸びるのではないかというふうに私考えるわけでございますが、先生の御指摘のような点につきまして、諮問委員会で対象として論議したか、こういう点につきましては、それ自体としては別に論議はいたしておりませんけれども、沖繩経済の長期的な振興をどうやっていったらいいか、あるいは金融が非常に逼迫していることにつきましてのいろいろな検討は諮問委員会としてもやっているようでございます。
  85. 鈴木強

    ○鈴木強君 ですから、通貨政策的な管理ということについて、やはりもう少し積極的な姿勢で検討する必要があるんじゃないでしょうか。そうでないと、いまのようなかっこうですと、沖繩の本島の中にドルがある程度たまれば、それが消費財その他の問題に対して刺激を与え、輸入をふやせば金が出ていくということになると、たらい回しですか、いつも循還しているわけですから。そういう意味において、もし日本のように日銀が金融通貨面における管理ができるような形というものをやはり沖繩にとりませんと、私はいまのようなかっこうでは、なかなか一人一人の国民所得というものは上がっていかない、こう思うのです。ですから、直接この問題は取り上げないが、沖繩経済全体としての中で、いま問題を提起しているそうですからそういう点は私はもう少し積極的にやってほしいと思うのです。そうしませんと、せっかく郵便貯金を普及しようとしましても、そこに一つの大きな政策的な壁にぶつかってしまいますので、ですから、この点を私は取り上げてみたわけです。これは大臣からもちょっと伺いたい。これはたいへん政治的な大きな問題ですので、そう簡単には私どもいかぬと思いますけれども、やはり絶えずそういう問題を取り上げて前向きに検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
  86. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ごもっともな話でございまして、沖繩には概算で、各種の金融機関で約二千億ばかりの預金があるそうです。郵便貯金はわずかその一%の三十億足らずでございまして、内地と非常に差がございます。そういう意味からも、いま御審議をいただいております法律案を通しまして、もう少し貯金を増強していく、また保険思想も普及していく、こういうことが必要であろうかと存じます。
  87. 鈴木強

    ○鈴木強君 それで沖繩経済というのは、戦後成長率は日本と比べてどうなっておりますか。
  88. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 昔の古いことはよくわかりませんけれども、最近の沖繩経済の発展というか、それは相当なものでありまして、本土と比較しても、実は一昨年あたりは本土よりもむしろ高いというふうにいわれておるわけでございます。ただ昨年は、いわゆる税の落ち込み等の話が出ましたとおり、経済の伸びもやや落ちているのではないかといううに考えております。それまではむしろ本土よりも高いような、ここ数年間は相当伸び率は高い、そういうふうに考えております。
  89. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、沖繩経済の中でやはり基地収入というか、こういうものがかなりのウエートを持っておると思うのですが、この経済成長との中で、一体基地収入というのはどういうぐあいになっておるのでしょうか、もしパーセンテージでも、金額でもいいですからわかったら教えてもらいたい。
  90. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 対外収支の面から考えまするというと、一九六六年度におきましては五一%が基地関係、それから一九六七年度におきましては、五四・六%、一九六八年度におきましては、五一%というふうに、対外収支の収入における軍関係のウエートはそういう状態でございます。  ただ、国民総生産におきましては、軍関係からの受け取りは一九六六年で三三・七%、一九六七年に三六・四%、一九六八年に三〇%ということで、国民総生産におきましては約三割ということでございます。確かに軍の関係がウエートが非常に大きいわけでございますが、最近、琉球政府及び経済界の努力によりまして、自主的に総生産の中における軍関係の受け取り関係がだんだんと少なくなりつつあるというふうに考えております。
  91. 鈴木強

    ○鈴木強君 こういう貿易外の収入については、いま帳じりはどうなっておりますか、とんとんになっていますか、赤字ですか。
  92. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 対外収支におきましては、一九六八年の収入は三億九千五百二十万ドルでございますが、支出は四億一千四百九十万ドルということで、千九百七十万ドルの赤字でございます。ただ、この中には、日米両国政府の援助関係が入っておりまして、そういう日米両国政府の援助を受けてはじめてこのバランスがある程度とれると、こういう状態でございます。
  93. 鈴木強

    ○鈴木強君 貿易収支の面でもかなり赤字が出ているように聞いておりますがね、貿易外収支では黒字になっておる。それで結局貿易及び貿易収入を合算した経常収支においてはいまあなたがおっしゃったように約年間二千万ドルくらいの赤字が出てくると、こういうふうに理解しておいていいのですか。
  94. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 商品輸出におきましては、これは非常に額が少いのでございまして、八千九百四十万ドルでございますが、輸入の関係は三億八千六百八十万ドルということで、少なくも一九六八年度におきましては三億ドルの差があるわけでございます。
  95. 鈴木強

    ○鈴木強君 いまのは貿易収支の面で一九六八年は三億ドルの赤字になっておるということですか、ちょっと声が小さいもんだから。
  96. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) そのとおりでございます。
  97. 鈴木強

    ○鈴木強君 そこで、基地収入の面で、具体的に伺いたいのですが、一九六八年度のが、わかっておりましたら一九六八年度で基地収入としては幾らのものが入っておるか、琉球政府会計の中に。
  98. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 一九六八年度の収入は三億九千五百二十万ドルでございます。その中で商品輸出貿易のほうが八千九百四十万ドル、これに対しまして軍関係の収入が一億九千七百八十万ドルでございます。
  99. 鈴木強

    ○鈴木強君 いま、アメリカ軍人軍属家族を含めて何人おるわけですか。
  100. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) その点については、ちょっと資料がございませんので……。
  101. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 大体、現在、八万ないし九万だそうでございます。
  102. 鈴木強

    ○鈴木強君 大体、きっといま大臣のお答えになった程度ではないかと私も思うのですが、特連局のほうで、正確な数字を私は知りたいわけです。これは後ほど、資料で出してもらえますか。
  103. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) 資料、出せますですね。
  104. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 御要望の正確な資料というのは、ちょっと出せないと思います。
  105. 鈴木強

    ○鈴木強君 それはどうしてですか。
  106. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 軍人軍属の関係の数字が正確につかめないからでございます。
  107. 鈴木強

    ○鈴木強君 そんなことはないですよ。少なくも、あなたが基地収入の面でいまお答えになりましたように三億九千万のものが一九六八年会計年度で入ってきているわけでしょう。その根拠ですからね。それは一人、二人の移動はあるかもしれんが、何日現在において何人いるということはわからぬはずはないと思う。それは調査してもわからぬというのか、どういうことですか。そんなばかなことはないと思うけれどもね。
  108. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 沖繩に出入域する場合には、一般には弁務官のほうで把握しております。しかし、軍人及び軍属に関しましては、それがフリーになっております関係で、把握できないという状態でございます。
  109. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ正確ということを言ったから、あなたはちょっと気にしているんだと思うが、おおよそ何人いるということがわからぬはずはないでしょう。
  110. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 大臣が先ほどおっしゃった程度のことしか、私どものほうも把握できないわけでございます。
  111. 鈴木強

    ○鈴木強君 それならそういうふうに言ってほしですね。  それから、そのほかに基地関係工事費というのは、これはアメリカ軍直轄の工事費というのは幾ら入っておりますか。
  112. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 工事費という御質問だったと思いますが、アメリカ軍関係の工事費は、アメリカ予算からもちょっと私らとしてつかめない状態でございます。ただ、この軍関係の収入関係では、先ほど申し上げました一億九千七百八十万の中では、土地の賃貸料、それから賃金その他物質の調達というような関係になっておりますので、土地の賃料は大体一万ドル程度、賃金が六千万ドル程度というふうに把握しております。
  113. 鈴木強

    ○鈴木強君 違っていないですか、それ、数字は。
  114. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) これはUSCARで公表したものがありましたので、訂正さしていただきますが、一九六七年度におきまして建設工事は三千七百五十万ドル、その他の物資調達が二千二百六十万ドル、それから一応陸軍の工兵隊が請け負っております建設工事費はいま申し上げましたような数字として公表されております。
  115. 鈴木強

    ○鈴木強君 その基地関係工事業に従事している労働者というのは何人おりますか。
  116. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) いわゆる軍雇用者といわれる方々の数は、必ずしもはっきりこれも出ておりませんけれども、四万四千名から五万人の間であろうと思っております。
  117. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、この沖繩の基地関係の仕事に従事している人というのは大体四万と見ていいわけですか。
  118. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 大体そういうふうに考えられてけっこうだろうと思います。
  119. 鈴木強

    ○鈴木強君 そのほかに基地にはつきもののサービス業、それから一般の商売人、それからいまもお話しのありました建設業者ですね、そういった軍の関係に従事する沖繩の人たちがどのくらいいなさるわけですか。
  120. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) メード等を入れまして五万人と踏んでおります。
  121. 鈴木強

    ○鈴木強君 そんなに少ないのでしょうか。あなた、この本土沖繩一体化調査団の報告書ごらんになりましたか。これの四十九ページを見ると、そこにはサービス業とか小売り業、まあ建設業の間接的な従業者を合わせると全体として四十万人ぐらいになると、こう書いてあるのだが、この報告はそうすると違いますね。
  122. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 先ほど申し上げましたのは、いわゆる軍労務者といわれる範疇の方々の数でございまして、全体の数としましては、四十五、六万の労務者ということになっているわけでございます。
  123. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、この沖繩経済というのは、大体基地収入というものによって繁栄をしてきたと、こういうふうに判断をできるわけですか。現状はその基地収入というものがお話しのように、パーセンテージとしてはだんだんと減ってきておる。額は別としても、パーセンテージは減ってきておる。したがって、その辺が民間資本との関係で基地以外の経済というものに移行しつつあると、そういうふうに沖繩経済を大まかに診断していいものでしょうか。
  124. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 基地の、基地そのものからの収入、あるいは軍が直接支払うもの等を考えまして、先ほどあげました数字になるわけでございますが、しかし、それ以外に、基地があることによって、いろいろサービス業等があるわけでございまして、そういう関係で第三次産業のウェートが非常にまあ高い状態でございます。第一次産業は、砂糖キビ、パインが中心でございますが、そのウエートも人数からいいますと、第一次産業が約十三万人くらい、それから第二次産業が七万人くらい、残りが第三次産業と、こういう関係になりますので、沖繩経済全体としての軍に少しでも関係してくる、まあ間接的なものも含めまして考えますと、軍のウエートが非常に高いということがいえるかと思います。ただ、最近におきましては、琉球政府の御努力によりまして、また経済界の御努力によりまして、第二次産業が少しずつウエートが高くなってきております。第一次産業におきましても、その合理化等によりまして、生産が上がってきているわけでございます。そういう意味で、全体といたしまして、だんだん基地のウエートが低くなりつつある、こういうふうに考えているわけでございます。われわれこの沖繩のことを直接関係して、担当しておりますものといたしましても、この沖繩の経済が非常に基地のウエートが高いということをできるだけ是正いたしまして、自立性を高めるように、いままでいろいろ御助言をしてきたわけでございますが、今後は、さらにこの点につきまして、十分自立性を高めるという目標のもとに、経済界及び琉球政府協力してまいるという考えでございます。
  125. 鈴木強

    ○鈴木強君 そこのところはよくわかりました。  それで、まあ第一次産業の面もなかなか最近はふるわないように聞いております。沖繩は、米軍の巨大な基地になっておりますから、特にまあベトナム戦争エスカレーションした以後というのは、基地の拡張問題等でかなりトラブルが起きているわけですね。ですから、そういう面の耕作面積といいますか、そういう点にも影響あるでしょうし、特にまあ砂糖キビだとかパイナップル、こういった農産物、基幹産業的な面における衰退といいますか、下降線をたどっていくというような傾向が顕著に出ているように考えられますね。ですから、お話のように第二次、第三次という産業をどう振興して沖繩経済をさらに前向きに前進させていくかということがたいへん大きな課題だと思うのです。  で、まあ観光収入なんかも、私は現在どの程度あるかわかりませんけれども、まあ沖繩を観光にといってみたところでそう大したことも期待できないと思うわけですから、そこら辺はまあ日米琉諮問委員会、そこいらでも取り上げられるでございましょうし、また日米の経済閣僚会議ですか、七月には予定されておるようですし、そういう機会をとらえてできるだけ沖繩の置かれておりますこの現状というものを、経済的にどう是正したらいいかという基本線に立って積極的に御検討をしていただきたい、こう思います。それでいまお聞き取りのような沖繩の経済事情があるわけでして、はたして私は郵便貯金会館をつくって、どうぞ貯金をしてくださいという宣伝をどういうふうになさるのか、私は知りませんけれども、なかなか現状の中では、郵政省のお考えになるようなところまではいかないのではないだろうか、こういう心配を実は一面持っているわけです。ですから郵政省として経済がどう向いているのか、国民所得が一体どういうふうに伸びていくのか、沖繩経済がどう成長していくのか、こういうふうな特殊な環境の中に置かれている沖繩の姿というものをずっと見ていただいて、その中で郵便貯金の奨励ということについて、どういくかというそれをやはり基本に考えていただかないと、これは直接は米民政府管轄下にあるわけでして、日本施政権は届かないわけでしょう。ですから、そこらについては、一体この会館をつくるに対して、さっきちょっと局長からお話しがありましたけれども、その程度の話しかしてないわけですか。もっと突っ込んだ話はしてないでしょうか。一体郵便貯金会館というのは、金は大体五億ですね。これはわかりましたが、その中にはどういうふうな施設をして、会館をつくってみたところが、どういう利用の価値をそこに求めているのでしょうか。ちょっと私は基本の問題がやはり非常にむずかしい状態にあるわけですから、その上につくってみたところで、非常に風前のともしびのような状況が露呈されてくるのじゃないかと思うのですがね。
  126. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 私どもといたしまして、この会館の問題につきましては、二つの面から考えておるわけでございます。一つは、この会館は御案内のように会館をつくることは一つの沖繩郵貯の解決問題にあずかって効果があるということでございます。したがいまして、会館をつくるということも一つの要素になりまして、沖繩の郵便貯金問題が解決する、そういうことになりますと、沖繩の旧日本郵貯の預金者は、これを見ましてやはり郵便貯金というものに対する信頼感を回復するのではなかろうか。元利も払ってもらえるし、また見舞い金もくれる、そしてまたその上に会館あるいはまあ住宅関係の融資だというようなことで、いままで非常に不信感を持っておりました郵便貯金に対して、非常に強い信頼感を回復するに至るのではなかろうか、そういうことはわれわれが従来ともかく総理府を交え、向こうの預金の代表者あるいは琉球政府の関係者と話し合ってきたことでございます。そういう点から、郵貯への信頼感の回復ということが一番大きな郵貯会館設置のまあ間接的な効果であろうかと存じます。そして第二の郵貯会館におきます直接的なと申しますか、そのような効果は、これは郵貯会館と申しますものは原則的に申しますならば内地の郵貯会館とほぼ同じような目的をあるいは態様を持っておるわけでございます。すなわちこれが郵貯のPRのセンターになる。たとえばまあホールをつくってそこで云々というようなことで、郵貯PRのセンターになりますし、また宿泊設備あるいは食堂、会議室等をつくりまして、預金者に一つのサービスを提供する、あるいはまたここで従業員の訓練をいたしまして、よりよいサービスができ得るように従業員の資質の向上につとめるというようなことでもって、私どもといたしましては、相当な効果をこれに期待できると、郵貯の振興における効果を期待できると考えて、このような案を出しましたわけでございますが、同時にまたこれにつきましては、琉球政府あるいは預金者側の代表もそういう点にきわめて積極的でありますし、その効果を非常に高く評価し期待しておる、そのような現状でございます。
  127. 鈴木強

    ○鈴木強君 どうも何といいますかね、形式的なような話になってしまうんですけれども、まあ一面これは簡易保険のほうもあれでしょう、まだ再開されてないんで、まあむずかしい問題もあるそうですけれどもね。そういう点、再開をじゃましてる、一体原因は何なのか、ですね。同時に簡易保険の仕事についても、その思想の普及をはかるという目的がどこにあるのか。だから、郵便貯金、簡易保険両々相俟って、沖繩における振興策になる、こう言いたいところだと思いますけれどもね、もう少し具体性を持った会館の運用ということはできないんでしょうか。ホールをつくる、たったそのことが沖繩の旧預金者に対する信頼を回復することになるとか、ホールをつくって、そのことによって振興策になるとかというようなことなんですかね。訓練などということは、何も会館をつくらなくてもできることでしょうし、それの一体何が一番ねらいになるのか。会館をつくって、その中では一体どういう施設をどういうふうに運営していこうというのですか。
  128. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 私どもが、現在本土におきましてつくろうとしております郵便貯金会館、これとほぼ同じような目的ないしは意義あるいは効果を持っておるものだと考えておるわけでございます。概括的には先ほど申し上げましたとおりでございますが、少し具体的にこれを申しますならば、まず第一に、周知宣伝という点でございますが、沖繩では、先ほど申しましたように、きわめて普及率が低いわけでございます。世帯比で一三%にすぎない。日本の郵貯は五六%、もっともっと貯金が伸びていいわけでございますが、これには、郵貯に対する信頼感の喪失もありますし、また、現在琉球政府の貯金事業というものを、われわれ同じ同業者の立場から見ておりますと、この周知宣伝ということが非常におくれておるのではなかろうかというようなことでございます。で、ここに、その一つの大きな効果をもたらすために、郵貯会館あるいは保険の施設、貯金保険会館というもので郵貯のPRのセンターにこれをする。そこでは、そしていろいろの催しものをやるとか、あるいはまあ場合によったら音楽会をやる、あるいは劇団を呼んでくる等々のことをいたしまして、郵便貯金というイメージをいつも市民の間に浸透させておくということも一つの有効な手段だと存じております。また、宿泊設備や、あるいは食堂あるいは結婚式場等をつくって、そこで郵貯の利用者等にサービスをすると、まああまりこれを安い料金ですると、いわゆる特別利子の問題で問題になるかもしれませんが、そういう問題が起こらない範囲において、低廉な、またりっぱなサービスを提供する。那覇市以外の遠方の人も、那覇に来たときは郵貯会館に安く、また気持ちよく泊れるということもあろうかと存じます。また第三のサービスをします従業員の訓練等の問題でございますが、これはただいまお話しのように確かに職場訓練等も可能でございますが、やはりこのようなところに集めまして、集合訓練をみっちりやる、那覇市以外の従業員もここに呼んで宿泊せしめて訓練をやるということも、非常に有効適切な手段ではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
  129. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、やや具体的に施策の面でわかりました。問題は、さっき、最初に私が申しましたような、お尋ねしたような経済情勢、特殊情勢の中で、社会情勢の中で、沖繩の人たちが、皆さんのこういった施策によって、どれだけ郵貯に魅力を持ち、どれだけの預金額がふえていくかということは、これからの勝負になると思いますが、まあいずれにしても、私も沖繩にこういう施設をつくることは賛成なんですが、ただつくるからには、この施設が有効に働らき成果をあげることを期待をしなければならぬので、そういう意味でお尋ねをしているわけです。  現在、沖繩の総預金高というものは、民間銀行を含めてどの程度になっておりますか。先ほど大臣二千億とか何とかと言われましたが、正確なところを教えてもらいたい。そのうち郵便貯金の占める率はどの程度になりますか、額はどの程度になりますか。
  130. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 一般預金の残高の総額は、日本円に直しまして七百九十六億円でございます。そうして郵便貯金の現在高は、これも日本円に直しまして二十三億七千六百万円でございます。これは四十三年三月末の数字でございます。
  131. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、この民間銀行の場合ですと、いま幾つ沖繩には銀行がございますか。
  132. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 民間の銀行は、現在琉球銀行と、沖繩銀行と合わせて二行があると承知しております。
  133. 鈴木強

    ○鈴木強君 一方、沖繩郵政側の体制というものが一体どういうふうになっているか、ひとつ組織機構の面を。日本で言うならば郵政省、郵政局ということになっておるのですが。それから、現場のほうにいきますと特定局とか、普通局とか、簡易郵便局とか、日本と同じような、そういうような仕分けになっているのですか。そうして、郵便貯金というのは、定額貯金もあるでしょうし、普通貯金もあるでしょうし、いろいろあると思いますが、日本のように外勤の人が訪問をして貯金募集をしておりますね。そういうようなことも実際やっておるのかどうか、その実態をひとつ知りたいのですが。
  134. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) まず、管理機構でございますが、琉球政府におきましては、通商産業局の中に一分野としまして、郵政庁がございます。その郵政庁の下にいわゆる現業があるわけでございます。支分部局として現業があるわけでございますが、それは統轄郵便局と称しますのが那覇、東等六局でございます。これが内地の普通郵便局に該当するものでございます。向うではこれを中央郵便局という俗称も使っておるようでございます。それでお尋ねのいわゆる特定郵便局に該当するとわれわれは考えますのは、これは沖繩地区に六十九局、宮古地区に八局、八重山地区に十二局ございます。それが向うの現業等の態様でございますが、次に琉球郵便事業の問題でございます、態様でございますが、まあ概括的に申しますと、日本本土郵便貯金の制度等とほとんど同じということが概括的に申し上げられると思います。ただ、本土にありまして琉球にない制度もございます。それはたとえば、重要なものから申しますと、積立郵便貯金、それから定期郵便貯金がないということでございます。なおまた振替制度も、低額小為替もございませんこれは為替業務に関係いたしますが、そしてもう一つの外勤の制度、すなわちいわゆる積極募集の面はどうかというお尋ねでありますが、これは向こうにはいわゆる外勤というものは、外勤という制度はございません。したがって、積極的な勧奨ということもやっておらないわけでございます。態様は以上のようでございます。
  135. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、郵便貯金事業の面ではかなり本土と比べると差が出ているわけですね。一体あれでしょうか、郵政庁全体としての職員の数というのは何人おるのですか。そのうち、この郵便貯金関係と簡易保険関係の従業員の数というのはどの程度になっておりますか。
  136. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 郵政庁の総定員は千百三十六名でございます。そうして、郵便貯金関係の要員は約二百名でございます。
  137. 鈴木強

    ○鈴木強君 簡保は……。
  138. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) 簡保事業はやっておりませんので、定員はございません。
  139. 鈴木強

    ○鈴木強君 この定額郵便貯金とか、振替なんかやれない原因ですね。それから、外勤による積極的な奨励ですね。こういうことができないのはどういう理由なのでしょうか。
  140. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 定額貯金はやっておるわけでございます。私、申し上げましたのは、定期郵便貯金でございます。定期郵便貯金と積立郵便貯金をやっていないわけでございます。これは結局特に積極的な理由があるわけではなくて、私ども聞いておりますのは、まだ向こうの郵貯自体が赤字をかかえておりまして、非常に経営的にも苦しいと。したがって、現状を少しでも改善するのが精一ぱいでございまして、新しいそういう業務をやるところまで手が回っていないというのが向こうの関係者の説明でございます。  なおまた、積極募集の点もほぼ似たようなことでございますが、その場合、これは向こうには積立郵便貯金がございません。したがって、外勤がまあいないというのがおもな理由と存じております。
  141. 鈴木強

    ○鈴木強君 たいへん日本から比べるとおくれているということですが、なるほどいろんな面においておくれがあると思いますが、今後、こういう会館をつくって郵便貯金に対する信頼を取り戻し、積極的な奨励をしていこうというふうな心がけですから、残されております積立てとか定期とかあるいは外勤者による積極募集とか、こういった面に対して、まあ琉球政府下の郵政庁のことですから、あまり差し出がましいことは言えないと思います、沖繩の実情もありますから。ただしかし、こうした施設をつくるからには、将来の展望として、内地と同じような種類の貯金をやはり積極的にやっていく。そういう何がしかの話し合いというものはなされたと思うのですね。それに対して、相手方はどういうふうな考え方を持っておるのか。これからの施策の展望ですね、こういったものはどうなんでしょうか。
  142. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 確かにごもっともな御質疑だと存じます。私どもも沖繩の郵貯というものを、本土になるべく似た形で、そうしていわゆるよき政治のもとに発展してもらいたいということは、私どもの非常に強い念願でもあったわけでございます。そうしてまた従来もそのようなことを遂行いたしますために、具体的には、三十五年からこちらの郵政省の貯金局から向こうへ行きまして、いろいろ指導をするとか、あるいはまた向こうの貯金局の人たちをわれわれの研修所へ入れて、一定期間訓練をする、あるいはまた本省あるいは貯金局等へ一定期間、まあ留学みたいなことをしてもらって、そうして業務の改善につとめてまいっているわけでございます。  これは概括して申しますと、沖繩のほうではなかなかまあ全体の問題もいろいろあるとみえまして、まだ規定の整備とか……、そうして申し忘れましたが、私どもの本土におきます法規類集とか規定類集とか、こういうものはすべて逐一向こうに上げまして、参考に使用していただいているわけでございます。そういうまあいわば技術的な援助というものをずっとやってきております。そうして私どもは相当効果をあげつつあるとは認めておりますが、やはりなかなか私どもの目から見ましても、まだ不十分な点もやはりまだ残っているようでございます。まずそのような執務の体制、あるいは個人能力等をもっと向上していただいて、ということはまたそれが現在向こうでは赤字を出しておりますが、この赤字を少しでも減らしまして、経営の合理化等をやってもらって、その上でこのような定期郵便貯金であるとか、あるいはまた積極募集を含みます積立郵便貯金であるとか、そういったものに手をつけていこうということで、向こうも私どもと同じ意見をもって鋭意いろいろな点で努力をしているというのが実態でございます。
  143. 鈴木強

    ○鈴木強君 この沖繩の郵便貯金事業の現状というのが、いただいた資料にもございますが、この十一ページに先ほどの二十三億七千六百万円、通常郵便貯金現在高とございますね。その下に定額郵便貯金、一年以下、一年超、一年六カ月超、二年越、こういうふうにありますが、その右側のほうには、現在高とか郵便貯金の利用世帯とか、そういうものがあるのですが、現在高というのは、全体の通常郵便貯金と定額郵便貯金と合わせたものの額でございますね、この資料は。資料としては不適正ですね。
  144. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) そのとおりでございます。
  145. 鈴木強

    ○鈴木強君 ここに一人当たりの現在高が二千四百七十五円ですね、日本本土の場合は何ぼになりますか。
  146. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 同じ四十三年三月末で、四万八百十二円でございます。
  147. 鈴木強

    ○鈴木強君 それから二十三億七千六百万円というのは、その前に資金運用部への預託利率となって、年六分三厘とありますね、これは資金運用部というのは、どこの運用部へ預託するのですか。
  148. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 琉球政府の中に資金運用部がございまして、そこへ預託をいたしております。
  149. 鈴木強

    ○鈴木強君 それから簡易生命保険のほうですが、業務の再開を望む声が住民の中から出ているというふうに言われておりますが、再開についてはいろいろな隘路がある、非常にむずかしい問題があるというふうにおっしゃっておりますが、これはあれでしょうか、どういう点が隘路になっていたでしょうか。
  150. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) 簡易生命保険を再開したいという希望はかなり強くなってきておるようでございますけれども、その実現を妨げている事情といたしましては、第一は、やはり加入者数に多くを期待することができないということが一つあるようでございます。保険事業は相互扶助の仕組みということになっておりますので、なるたけ多くの人が加入いたしませんと、保険効果というものがあらわれてこないわけでございまして、全住民九十四、五万というところでございますから、加入者数に多くを期待できないというそこに一つの不安心の点があるだろうと思います。  もう一つは、運用の幅が非常に狭いということでございます。保険事業は保険料を蓄積いたしまして、これを運用して大いに稼ぎまして、これを加入者に還元するという仕組みでございますが、いかんせん、沖繩におきましては、地域的にもあるいはまた生業の発展度合いからいたしましても、運用に多くを期待できない。この二つの事情がございまして、国営としての保険事業の再開を足踏みしておるというふうに思われます。
  151. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、この二つの理由というものは、非常に重大な理由ですね。したがって、郵便貯金会館をつくることによって、この理由がにわかに解消するというものではないですね。そうすると、簡易保険の再開については、本土復帰の暁でないと、保険数理的に考えて、非常に少ない援助でやることになると掛金も多くなるし、無理にやれば保険の性格を備えないようなことになってしまう。だからこれは非常に私は簡易生命保険のほうは無理のように思うのですが、郵政省として、この法律を提案するからには、再開する方向で、研究を重ねておりますと言われておるし、これをつくると、なお一そうの普及をはかることができるというように考えて一億の金を出しているわけですから、相当自信がおありのように思うのですけれども、この二つの隘路打開のための対策は持っておられますか。
  152. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) その対策は実はないわけでございまして、本土復帰を待たなければ内地並みの簡易生命保険事業の再開はむずかしかろうと思います。したがいまして、本土復帰の暁に、一刻も早く本土並みの簡易生命保険事業の再開がスムーズにできるように、そのための準備というか、そのための先行投資という意味合いにおきまして、このたびの貯金・保険会館を活用していただく、こういうことになろうかと思います。
  153. 鈴木強

    ○鈴木強君 その点はおっしゃるように非常にむずかしいと思うのですが、まあひとつ本土復帰を契機に、この会館を建てて大いに宣伝をしていただいて多数の県民が簡易保険にすぐ入れるようなそういう段取りをつくるそうですからその段取りに支障がないように大いにがんばってもらいたいと思います。  それから次に問題になりますのは、先ほど久保委員からも質疑がありましたが、終戦当時における郵便貯金と簡易生命保険の支払い問題でございますが、いろいろいままで紆余曲折があって、結局ここに落ちついたという話なんですが、私は、やはり久保委員も言っておりましたけれども、いまの郵便貯金法から見てどうも法律解釈上問題のあるような見舞い金というものを出したことに対するやはり疑義があるように思うのです。もうだいぶ論議をされておりますから、私は多くは申しませんけれども、たとえばその前に、奄美大島の復帰の場合、それから小笠原諸島の復帰の場合、こういうのは簡易保険郵便貯金はどういうふうに処理されておったんでしょうか。
  154. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 奄美大島郵便貯金につきましては、いわゆる凍結状態と申しますか、これが琉球とは全く違っておったわけでございます。したがいまして、結論から申しますと、このような措置はとっていないということでございます。  それでは、どのようにいわゆる凍結状態が違うかと申しますと、奄美では二十一年二月に例のニミッツ布告によりまして、一切の金融機関の支払い停止がございましたが、奄美では、それにもかかわらず二十五年の二月にまた軍政指令第三号というものが出るまでずっと支払いを続けてきたわけでございます。したがいまして、実際に凍結を受けましたのは二十五年二月から二十八年十二月の本土復帰までということになりまして、結局年数で申しますと、四年足らずの間にすぎなかったということでございます。したがいまして、琉球が終戦以来ずっと二十数年にわたって凍結を受けたのと全く事情が異なっておるということで、特に奄美には特別な取り扱いをしておりません。
  155. 竹下一記

    政府委員(竹下一記君) 簡易保険の場合も、ただいまの郵便貯金と全く同様でございまして、二十八年十二月に本土復帰いたしますまで、奄美におきましては戦前の簡易保険を細々ながら継続してきておった実情がございます。それを、この本土復帰のときに内地の簡易保険事業及び郵便貯金事業にそのまま吸収をすると、こういう措置を講じましたので、沖繩と非常に事情が違うわけでございます。
  156. 鈴木強

    ○鈴木強君 保険のほうはわかりましたが、貯金のほうは、二十五年二月から二十八年の十二月までの間の支払いをせずに、言うならば、凍結的な状態に置かれたまま現在まで続いているのがありますか。
  157. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 二十八年十二月には本土に復帰いたしましたので、そこで支払いを受けた方々もございましたし、そのままその形で継続をしておるというケースもございます。
  158. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、今後、こういう問題が出てきませんでしょうか。たとえば、沖繩には見舞い金を出した、特別措置によって法定郵便貯金、簡易保険生命保険の現金を支払ったという話が伝わりますね、そういう場合に、昭和二十五年二月まで支払いが延びておったんだが、それから三年ちょっとの間は停止されたわけですね。したがって、その停止されたまま今日に至っておる人があるとしますね。そうすると、その場合に、じゃ、おれにもそういう措置をしてくれというふうなたとえば訴訟を起こすような場合が出てきたとしたらどうなんですか。たとえば、戦前から幾らか貯金を持っておった、内地におってですね。しかし沖繩でやるならわれわれもやってくれ、ずいぶん貨幣価値が変わってきたし、物価も変わってきておる、したがって、ぜひ沖繩にやるなら、こっちもしてほしいというような、こういうような問題が起きたときに、どうなんでしょうか。だから、さっき久保委員がおっしゃるように、今回の沖繩は、特別の施策でしょうから、ですから法律によってちゃんとしておけば、私は問題はないと思うのですけれども、予算国会を通っておりますから、その予算はもう承認されたということで、法律事項じゃないですね、結局その予算通過だけによって支払おうと、そういうことになる。たまたまこれは沖繩のそういう関係法案の審議がありますから問題になるわけですけれども、予算の場合、われわれも分科会等へ出席する機会もなかったし、予算審議に参画することができなかったもんですから、特にここで伺うような形にもなりますけれども、やはり法律でやったほうがよかったんじゃないかと私もそう思う。あとあとそういった問題が起きたときに、これはどういうふうにお考えですか、たいへん困ったことが出てくる気がするのですけれども。
  159. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) ただいま私の申し上げ方が不十分だったかもしれませんが、二十五年から二十八年までに凍結をされておった、二十八年には本土に復帰いたしましたので、もう自由に支払いなりあるいはそのまま置いておくなり、それはもう預金者の自由であったわけであります。したがいまして、それは二十五年からずっと現在まで凍結をしておったという事実はございません。ただ、預金が継続しておった、払わずに支払いを受けずに継続しておったということはございますが、それは凍結ではなしに、本人の自由意思に基づくものであると考えます。したがいまして、沖繩とは全く事情が異なっておる。したがって、沖繩に見舞い金をやったから、奄美にも見舞い金をやらなくちゃいかぬということにはならない、さように考えております。
  160. 鈴木強

    ○鈴木強君 いま凍結の表現の使い方については、もちろんいまあなたの言うような趣旨を私も言ったわけです。ですからそのままこれは気がつかないで現在まで払い戻しをしなかったということもあると思うのです。これは要するに、われわれが言うところの睡眠貯金的なものは内地においても数十億のものがあるわけでして、これはもうあまり気がつかなくて、作為的なものでなくて、そのままになってきておるということが、私はこの中にないとは限らない、そういうことを申し上げた。そこで法律的に立法措置を講じておったほうがよりベターではないか。そういういろんなこれからの波及する問題が起きた場合に、これらに対してたとえば私は訴訟問題をちょっと起こしたいのですけれどもというときに、防戦する方法がないでしょう。そこらの対策はどういうふうに考えて、法律によらずに政策的におやりになったんでしょうか、もう一回ひとつ明らかにしてもらいたい。
  161. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 確かに訴訟という問題も、私どもも一応理屈の上では考えておるわけでございます。たとえばただいまお示しのように、この見舞い金やあるいは貯金会館あるいは三十億の融資ではおれはいやだという人が出ないということはいま断言できないと存じます。私どもは現段階におきましては、そういう人はないのだという前提のもとに、そういうことで進めておりますが、いま御指摘のようにいよいよ最後の段階でそういう人が一人でも、十七万人の預金者の中から一人でも出たらどうするのかという問題は、確かにこれは考えていなくちゃいけない問題と存じます。その場合、第一段階といたしまして、琉球政府がこの見舞い金というものを一括交付を受けてその処理をやるということによりまして、琉球政府が第一段階といたしまして責任をもってそういう人を説得してくれる、これでもう日本政府もずいぶんなにしたのだから、がまんをしろというようなことで説得をしてくれるということが一つございます。これは一括交付で琉球政府が処理することから、生ずる事態であるわけでございます。しかし、それでもなお承知がならぬというケースも、これは理論上の問題として考えなくちゃいかぬと思います。そういう場合には、必然的に訴訟という問題が起こってこようかと存じます。そういう場合には、これは郵政省といたしましても、その訴訟を受けざるを得ない。これは御案内のように現段階におきましてもこの問題に限らず、いろいろな問題でいわゆる訴訟は私ども常にこれは貯金事業に限らず、関係事業は受けておるわけでございますが、その一つとして、これを受けるということになろうかと存じます。ただ、その場合、これを立法して見舞い金を法律できめておけばいいじゃないかと、訴訟の場合、向こうが訴訟できなくなるあるいは訴訟に有利ではなかろうかという見解もこれがあるかもしれませんが、それにつきましては、やはり見舞い金を立法措置をいたしましても、これはこの立法は、やはり現在日本のまあ私どもを拘束するにとどまるわけでございますから、琉球住民というものを拘束するわけにはいかない。そういうことであろうかと存じます。したがいまして、そういう訴訟の場合におきましても、これはまあ立法せずに行政措置でおいても、その点につきましては、ほぼ同じような事態ではなかろうか、さように存じております。
  162. 鈴木強

    ○鈴木強君 立法した場合には、沖繩の住民は拘束をしない、われわれが拘束を受けるのだということですが、それじゃ、逆にさっきの奄美大島の例じゃないけれども、沖繩にそういう特別な見舞い金を出した。したがって、私は昭和何十年か、戦前に郵便貯金を持っておりました、したがって、いまそういう特別な見舞い金を出すならば、われわれも内地におって物価の変動、社会情勢の変革、そういう混乱の中でやってきたのだから、ひとつほしいという趣旨の訴訟が起きないとも限らぬと思うのですが、それは局長の言われた見舞い金一括琉球政府に支給する、この場合はそうでしょうね。これはまあそれはあとからもう少し伺いたいと思うのですけれども、ですから、前者の場合のことを私は考えているのです。ですから、やっぱりこういう見舞い金を出すということについては、法律的にちゃんとしておったほうがよかったでしょう、それは。さっきも大臣は、そのことも考えたが、従来の例もあったと、したがって、そういう方法をとったのだというふうにおっしゃっているのですが、ほんとうは立法措置をしたほうが私はすっきりして、あとに問題を残さないで済んだだろうと、こう思うものですから、念のためにもう一回聞いているわけですよ。これ大臣どうでしょう。そのほうがよかったじゃないか。
  163. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 確かに議論の分かれるところであると思います。ただ、しかし、先ほども申し上げましたように予算審議の過程で十分審議をしていただいておるわけでございますし、従前にも予算で通った場合に、法律をつくって、その法律に基づいて金を出していくという場合と、そうでなしに行政措置で出していくという場合と、二つあることは御承知のとおりでございます。今回の場合は、いろいろ検討いたしました結果、この行政措置で十分であろうと、こういう判定のもとに一連の措置を行なったわけでございまして、この点御了承いただきたいと思います。
  164. 野上元

    ○野上元君 ちょっと関連さしてください。貯金局長、ちょっと聞きたいのだけれども、いまの問題、これ、関連質問ですから簡単にしておきます。後ほど本格的に質問したいと思いますが、いま法律的根拠云々の質疑がなされているわけですが、確かにあなたの言われるように、現在占領下にある沖繩の住民を拘束する法律というのは、日本ではできないわけです。これは一方的に、日本だけを拘束するということになりますね。したがって、現在のところ文句は出ないでしょうね。また賠償あるいは損害補償請求する権利が、今日の沖繩の住民に法律的にあるかどうかという問題についても、これは議論のあるところだと思いますね。まあ潜在主権なんというものが存在しておるから、はたして潜在主権がそういうところまであるのかどうかという法律論争になるかと思うのですが、いまそれは別に置くとして、本国に帰ってきた場合、沖繩が返還された場合に、今度とられた措置では承知できない。したがって、もう一回この問題を繰り返される可能性はないんですか。そのときに当局は、いやあのときに、あなたのほうに四億一千万円の見舞い金を出してあれで終わりましたと、こういっていまの段階では言えますね、向こうにもそんな権利はないし両者を拘束する法律的制約もないんですから、しかし、帰ってきたときには、今度は、いよいよ日本の憲法下の適用を受けるわけですから、だから完全に主権を発動するわけです。その場合に二十何年間、かつて日本が経験したことのない貯金の凍結があった。したがって、その間使えなかった、その損害を補償してくれということを持ち出されたときに、これで対抗できますか。あるいはそのときにもう一ぺん繰り返すようなことになるのですか、いかがですか。
  165. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) この問題につきましては、私ども次のように考えております。と申しますのは、この今回の措置によりまして支払いを受けた人たち、端的に申しますならば、元利金の支払いを受けるということでございますが、支払いを受けましたならば、もうすでにその人と私ども郵政省との間の債権、貯金法上の債権債務の関係はすっかり消滅するわけでございます。したがいまして、本土に復帰した後におきまして、それらの人たちは、本土に復帰したときももちろんでございますが、支払いを受けたとたんに、すでに日本郵政省とは、言い方は妥当でございませんが、何ら関係がなくなるということでございます。したがって、訴訟日本政府に対して本土復帰後におきましても提起するということはできない、すでに債権債務が消滅して、債務は履行されて、その債務でけっこうであるということで受け取ったわけでございます。  次に、もう一つの問題は、それじゃそういうよな、満足せずに支払いを受けることを拒否した場合、そういう人もやはりあると考えなくてはいけないかもしれません。そういう場合では、先ほど申しますように第一段階は琉球政府説得して、そういう人はなくするように努力するという申し合わせになっております。しかし、それでも承知しない人たち、これはただいま野上委員のお説でございますが、現段階におきましても、復帰していなくて、まだ貯金が払われていないということでございますから、日本政府に対するいわゆる私権上の、私法上の、別のことばで言うならば、貯金法に基づく債権は持っておるわけでございます。したがって、日本政府――郵政省を相手どって訴訟を提起するということはいまの段階でも可能であろうかと存じます。お説のように復帰後はもちろん可能であることは申すまでもございません。したがいまして、復帰後におきましても、あるいは今次の場合におきましても、そのような訴訟ということは、これは理論上の問題として、やはり念頭に置いておくべき問題ではなかろうかと私どもよく考えておる次第でございます。
  166. 鈴木強

    ○鈴木強君 この問題は、長い間かかってここまで来たんですが、特に第一次要求のありました昭和三十五年六月、第二次要求のありました四十二年七月、第三次要求のありました四十三年八月、こういうふうに三たび沖繩から要求が出ておりまして、そのつど政府としてはそれぞれ態度をきめたわけですね。第二回目の、四十一年六月郵政省がこの問題を取り上げて、施政権分離のときから定額貯金に預けがえをして擬制して計算した金額から本来の郵便貯金の元利合計それを差し引いた金額を見舞い金として支払う、こういう態度をきめられて昭和四十三年度の予算に計上したわけですね。少なくとも私は予算に計上するからには、この第二次案というものは当時沖繩側と意見がほぼ一致をして間違いないという段階でこの所要経費を計上したと思うのですが、予算には計上してついに結論が得られなかった。そしてまた今日まで延びたというそういう理由は、どういうところにあったのでしょうか。あまりにも行き当たりばったりじゃないですか。
  167. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) これは端的に申しますならば、私どもの見通しが、当時の段階において小し甘かったというおしかりを受けてもやむを得ないかと存じます。しかし、よく当時の関係者の話を聞いてみますと、当時はそういうことで解決もできるのではなかろうかという一つの見込みもあったやに聞いておる次第でございます。したがって、かような措置をしたわけでございますが、結局結果的にはなかなかそれでは解決に至らなかった、やはりこのようにして沖繩問題というものが、日本全体と申すよりも、日米両国の大きな政治的な問題にならなければ、この問題はなかなか解決しなかったというわけでございますが、当時私どもの見通しが若干甘かったということにもなろうかと存じます。
  168. 鈴木強

    ○鈴木強君 少なくとも省議で決定をして大蔵省予算を要求したわけでしょう。省議決定ですね。そうすると、省議決定ということは、相手側がこの郵政省の第二次案によって了承しておると、こういうことにならなければ、これは予算的な計上はできなかったと思うのですね。若干甘かったというが、若干どころではなくて、たいへんこれはあなたおかしな話ですよ。当時あなたが局長であったかどうか知りませんが、こういうことでは困るのですね。もう少しはっきりしてもらいたいですよ。
  169. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 御案内のように、第一次案におきましては、これは三十五年十二月の案でございますが、これではいわゆる法定の遅延利息の差を見舞い金として考えまして、一・八四倍あったわけでございます。これではなかなか話がつかない、それで私どもといたしましても、いろいろといわば知恵をしぼったあげく、定額貯金の最高利回りでこれを計算しようと、これであれば三・〇一倍という従来に比べると相当なアップ率で、従来の見舞い金の案に比べますと相当なアップ率であったわけでございます。それで、これで何とか話がつくだろうということ、そしてまた一応まあ向こうとももちろん非公式でございますが、話し合い等をやって、何か見込みはありそうな状況でもあったわけでございます。したがって、このような予算措置をしたということでございますが、結果としては、なかなか三倍というようなことでは話がつかずに今日に至っておると、この点ははなはだ私ども見通しの甘さを厳重に反省しなくてはいけなかったと、さように考えております。
  170. 鈴木強

    ○鈴木強君 そういう事情はわかりました。  今度、さっき久保委員も質問した中に、法定支払い金は各個人に直接いくわけですね。その際に、貯金局第二業務課長、それから簡易保険局の業務課長代理として支払いを受ける、そして琉球政府郵便組織を通じて個々の預金者に支払い、見舞い金のほうは琉球政府に一括交付して、その処理は同政府に一任すると、こうなっております。これは第二業務課長と簡易保険局の業務課長代理人として支払いを受けさせるというのはどういう便利があるんですか。
  171. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) これは貯金の支払いと申します場合、やはりこれは本土において本土郵便局でその金を受領すると、日本郵便貯金法施行されております地域について支払いがなされてその金を受領するということが法律上のたてまえであるわけでございます。したがいまして、本土におりますわれわれの第二業務課長――この担当の課長でございますが、この人を琉球の預金者側が代理人として指定委任をいたしまして、この人で受け取ると、そういうことになれば、わざわざ琉球から個別に代理人を立てたりする等の措置が要らなくなって都合がよろしいと、そういうことでございます。
  172. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはどういうふうになりますかね。琉球政府に一括交付するというこの見舞い金の方式ですね、その金を日本政府が一応払い戻しをして、これは法定の場合ですよ、琉球政府に直接渡して、それから琉球政府で郵政組織を通じて流してもらうという方法は、こっちのほうはとれなかったわけですか。何も第二業務課長がとらなくても、それで琉球政府というのは、本土の政府でないが、いずれにしても日本人ですね――要するに日本に国籍を持つ者が受領するという、そういう方法でやろうというのですか。法的に現行の貯金法というものを持っておりますから、だからそれによってやることはわかりますよ。だけど何かこう手数が非常にかかるような気がするんですがね。非常に繁雑になると思うんですがね。
  173. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 見舞い金はなぜ一括交付にしたのかというお尋ねであろうかと存じますが、これは先ほど久保委員の御質問にもお答えいたしましたわけでございますが、見舞い金というものは、これは私どもの立場から、まず最初にこれは向こうのほうで、琉球の郵便貯金の代表者、こういう人たちが見舞い金は一括して琉球政府に交付してくれと、そしてそのあとで貯金の代表者と、そして琉球政府がその処理についていろいろと相談してきめようという要望があったわけでございます。それでこれに対して今度は私どもの立場でございますが、私どもは、これは法定支払い金等でそういう提案があったとすればそれは困ると、やはり法定支払い金は、これは日本政府の琉球の預金者に対する貯金法上の法律上の債務であるから、やはり債務の履行は本人あるいは正式の代理人しかやれないんだということで、これを拒否しなければならなかったわけでございますが、しかし見舞い金は、これは法律上の義務に基づいて出すというわけのものではございませんので、そういう要望があったならば、私どもとしてはこれを受け入れましても特に違法であるとか、そういうことはないわけでございます。したがって、琉球の預金者側の要請を入れてかような一括交付の形をとったというのが実情でございます。
  174. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると、この第二業務課長と簡易保険局の業務課長を代理人とするということの証文はちゃんとあるわけですね。
  175. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) この問題につきましては、現在そのようないわゆる文書上の申し合わせというものはもちろんございませんが、事実上は向こうとその方法がもっとも妥当であろう、それでけっこうだという申し合わせばすでについております。したがいまして、この法案の御審議を経、そうして成立の後には、そのようなことで向こうから法律上の大事な貯金の支払いの問題でございますから、一人一人の預金者から、この代理権委譲に関する委任状をとりまして、それを業務課長が受けて、受託者となって支払いを受ける、さような手続をとる予定にいたしております。
  176. 鈴木強

    ○鈴木強君 それは、法定のほうの場合ですか。
  177. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) 法定支払い金の場合のことでございます。
  178. 鈴木強

    ○鈴木強君 そこはわかりました。そうしますと、見舞い金のほうについては、琉球政府に一括交付する。これは法律事項でないからというお話なんですが、久保委員も言われたように、原則としてこの預金者に戻すことが筋だと思うのですね。なぜ債権者団体といいますか、そういう人たちが琉球政府に一括交付をお願いしたのか、そこのところがよくわからないのですがね。どういうふうな何か得点があるわけですか。
  179. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) これは向こうの預金者側といたしましても、元利金は一億でございますが、見舞い金は貯金を組み合わせますと四億の額にのぼっております。したがいまして、これを何らか自分たちの手に渡る前に、琉球政府が一括してこれをもらって、そうしてそれでもってたとえば何らかに資本投下をして利潤を追求するということも考えておるようでございます。また一方、そうでなしに、個人的に分けろという意見もあるやに聞いております。したがいまして、一まず琉球政府に一括交付してもらいたいということの向こうの提案があったものだと、私どもは認識をいたしております。大体さようなことが、その一括交付の向こうの意図ではなかろうかと考えます。
  180. 鈴木強

    ○鈴木強君 一括交付をしてもらいたいというのは、ちょっと私も資料をいただきましたが、沖繩本島の北、中、南、那覇、宮古島、八重島、この六地区の代表者が誓書を貯金局長及び簡易保険局長、それから特別地域連絡局長、三人にあてて出しておりますね。琉球政府としてこの話に乗っているわけですか。それから個人名で書いてありますけれども、こういう人たちの資格はどういう資格なんです。
  181. 鶴岡寛

    ○政府委員(鶴岡寛君) まず第一のお尋ねでございますが、琉球政府は、この話し合いとどのように関係があるのかという点でございます。これはここで六名が私どもに提出いたしました誓書、ここに「戦前の郵便貯金等が覚え書きの骨子となるべき事項について異存ありません。」とありますが、この覚え書きの骨子となるべき事項が御案内の数えて四つになります法定支払い金と見舞い金、あるいはまた貯金会館、三十億融資というようなことでございますが、これらについて異存がないと言っているわけでございますが、同時にまた、琉球政府といたしまして、向こうの首席から私あての公文書が入っておりますが、そこにおきましても、そのような事項によって、この問題を最終的に解決することに異存がないという文書が入っておるわけでございます。したがって、一言にしていいますならば、そのような解決条件といいますか、妥結条件といいますか、そういうことにつきまして、預金者代表も、そして琉球政府も、そしてまたわれわれ日本政府も、三者が完全な意見の一致を見ておるということが言えると存じております。  そして第二点のお尋ねでございますが、この六名の代表者の資格はどうだという問題でございますが、これは債権者団体がございまして、それが五十九の市町村ごとにそれぞれ支部を持っております。その支部ごとに議決をいたしまして、本問題の交渉につきまして一切の権限を委任いたしますという、いわゆる委任状を五十九の地区の代表者、これは事実上は市町村長であったわけでございますが、それに提出して、そしてその五十九名分の受任者は、さらに今度は沖繩地区を六つに分けます六名の代表者、これに対しまして交渉権限の全面委任の委任状を出しておるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のこの六名の人たちは、誓書を出しました人たちは、債権者の総意について法律上の委任を受けておると、民法上の委任を受けておると、さように考えておるわけでございます。
  182. 鈴木強

    ○鈴木強君 法律上、民法上の委任を受けているかどうかということはよく私にはわかりません。この団体がどういう団体であるか、法人格の資格を取得しているかどうかわかりませんが、それはとにかくとして、先ほどもう一つの問題で住宅建設資金ですね、三カ年三十億、この場合も、何か財団法人に近くなろうとする債権者団体に融資をして、そこで管理をしてもらうと、こういうことが言われたわけですね。その団体といま見舞い金を一括して支給してその相談に乗っているという団体とは同じ団体ですか。
  183. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) これは全く同一の団体でございます。
  184. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはちょっとうがった見方かもしれませんけれども、どうも財団法人で、名前はどういう名前か知りませんが、債権団体というものが生まれる。そしてそこで何か営利を目的とするような仕事でもやって、その中から利潤を得て、またそれを当然還元すべくそれぞれの債権者にやるとか、何かいろいろなことを言われておったのですが、そういう何か団体のひとつ仕事をつくるために一括交付をして、その内容についてはまた債権者と、預金者と相談をするというようなことを言っているのですが、目的ははっきり言って、そういう団体の有利になるような方法と、もう一つはいろいろと今後組合の預金者から問題があった場合に、琉球政府に一括して交付をして、そこをクッションにして上に問題が上がってこないようにしようと、こういうねらいじゃないですか。
  185. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) お尋ねは二点あったように存じますが、まず第一点の団体に仕事を与えるため云々という点でございますが、これは従来のいきさつから見て、私どもはそういうことは全然ないと考えております。この委任を受けました人たちも、これはすべて市町村長――現在数名、そうでない前市町村長もございますが、市町村長でございますし、またもう一つ、私どもがためにするための一括交付でないと申しますのは、これは一括交付と申しますが、これは先ほど来申しますように、その見舞い金の分け方につきましては、これは預金者代表琉球政府と相談をいたしまして、そして個人別に分けるということで意見が一致すれば個人別に分けてももちろんいいわけでございます。したがいまして、そういう場合には、もう個人別に言ってまいりますから、仕事をするための云々ということはなくなろうと存じます。  第二の御質問琉球政府への責任の転化ではないかという御疑念でございますが、これは確かに結果として、いまおっしゃいますように、だれかこの解決案に不満の者があったときには、琉球政府説得につとめるというようなことで琉球政府はそこに一つの責任を負うわけでございます。しかし、それは結果として、そういうことには相なるわけでございますが、本件につきましては、御案内のように一番最初から琉球政府が預金者の総意にかわりまして、われわれに鋭意折衝を続けてきたところでございますし、それから、ずっとこの問題に、何といいますか、住民の利益の代表者あるいは代弁者という立場からこの問題をわれわれと煮詰めてまいっておるわけでございます。したがって、そういういきさつを考えますと、琉球政府は本問題について、一括交付ということもきわめて自然に、何らの作為もなしに、琉球政府の側からも、また預金者代表の側からも、また私どもの側からも、この一括交付は自然に受けとられておると、さような事情でございます。
  186. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は、この法定の分のあれも、これは当然と思うのです。その上に見舞い金をつけて、さらに住宅建設資金を融資すると、こういうふうな三段がまえでやっておるのですが、第三次の要求の中に、個々の預金者に還元して支払うことが不可能ならば見舞い金として、これは投資五十四億と書いてありますがその交付金を受けて財団法人を設立して住宅建設し、運用利益を預金者に還元する。これは第一次、第二次にはなかった新しい項目が第三次に入ってきたわけですね。これはですから、そこらとの関連で、同じ債権団体が見舞い金の交付の問題を中心にしてある事業を起こそうとか、それからもう一方においては、住宅建設分について仕事をやろうとか、こういうようなかっこうのものが出てきたわけですね。両方の面から見ると、これはうがった見方かもしらぬが、そんな気がするのです。だから、個個に預金者に還元することができないならばということですね。できるならば、これはいいじゃないですか。要求も、個々の人たちに支払わえるならばそうしてもらいたい、もしできないならば見舞い金として一ぺんにくれと、こういうことを言っているのですね。個々の預金者に還元して支払うことが不可能ならばと。これはどういうふうにとっていいのですか。ちょっとこの辺は……。個々に入らぬわけですからね、見舞い金は。むしろ郵政省としては、第一義的にかりに琉球政府に交付しても、そのいきさつについてはひとつ預金者の個々にこれが還元できるようにしてほしいと、こういう留保条件くらいつけておくようにするのが、私は筋だと思うのですよ。向こうの要求もそう言っていると、私は思うのです。個々にできない場合は一括してくれと、個々にできるならば、個々に支払っていいじゃないですか。
  187. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) ただいまお手元の資料で個々の預金者に換算して支払うことが不可能ならばとございますのは、これは私どもの考えておりますまあ四億円ばかりの見舞い金のことではございませんで、一円を百三十二倍に換算して支払うと、別のことばで言いますと、邦貨で五十四億円をそっくりとにかく現金で支払ってしまえ、そういうことができないならばということであるわけでございます。そうして、なお第二の御質問の点でございますが、これは見舞い金を琉球政府と預金者代表が処理いたします場合には、この見舞い金というものが出された趣旨、支出されました趣旨、そういうもの、つまりこれは預金者の長い間の凍結状態、預金者に非常に気の毒をかけたのであるということでございますから、預金者のためにという趣旨でこれを処理するということで話し合いを進めておるわけでございます。これを他の目的に転用したりすることは、全然不法な不当な用途であるわけでございます。
  188. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、いろいろわれわれは憶測する程度ですから、はっきりした確証を持って言えないのですけれども、われわれがいろいろ判断をしてみると、そういう心配もあるということを申し上げておるわけです。だから、原則として支払うことが筋であるならば、これはまあいまからでもおそくないと思いますね。いろいろ誓書だとか出ておりますが、郵政省としては、ひとつできるだけ個々の預金者に直接見舞い金としておろしてほしい。こういう意見を強く交付する際に、琉球政府に言ってほしいのです。私は。もう大体支払い方法について話し合いをしたからできないですか。そういうことは。
  189. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) これは琉球政府と預金者代表との間の話し合いによりまして、いかようにも解決できる問題でございます。したがいまして、預金者代表が個別に支払いを望みますならば、そのようなことにもなるわけでございます。ただ、鈴木委員御懸念の点、これは私どもも十分に承知をしておりますから、私どもがせっかくこのような貴重な見舞い金というものを支出さしていただくからには、この見舞い金の趣旨に沿った結果をもたらすように、私どもも今後十分にこの点は気をつけて措置をしてまいりたい、そのように考えております。
  190. 鈴木強

    ○鈴木強君 それからこの会館は無償で向こうに貸せるわけですね。したがって当然本土復帰になれば郵政省財産になる。こういうことだと思います。所有権と当面完成後の管理運営権というものはどこが持つことになるわけですか。
  191. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 所有権につきましては、これはあくまで郵政事業特別会計の所有でございます。そしてまた管理運営権はこれは琉球政府に所属する、さように考えております。
  192. 鈴木強

    ○鈴木強君 これは那覇に建設を予定しておりますが、敷地その他建物の設計等はもうすでにできておるのでしょうか。
  193. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) まださような点については全然進捗をさせておりません。と申しますのは、この法案がまだ審議中の段階でございますので、私どもとしましては、この法案がお認めいただきまして、それからさっそく手をつけたいと、そのように思っておるわけでございます。なお、また設計上につきましては申すまでもないことでございますが、預金者代表、そしてまた琉球政府の意向も十分に聞いてつくりたいと、さように思っております。
  194. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、この委員会における答弁は、局長の言うような筋だと思いますが、そうすると、大体おおよその敷地はきまっておるわけですね。何坪くらいの敷地がある。それから設計をしていまから着工をして、いつごろ完成を目途に急いでいるんですか。計画を進めているのですか。
  195. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 大体四十六年の三月未完成、つまりまあ予算が四十四年と四十五年にわたります関係上、四十五年度に完成を目途といたしております。敷地等につきましては、琉球政府が現在いろいろ考えてはおるようでございますが、まだ私ども検討もいたしておりません。
  196. 鈴木強

    ○鈴木強君 もっともこれは特別会計所有権は帰属するわけですね。そうすると、工事や何かは直接にどこの会社が請け負うのか知りませんが、いずれにしても工事建設一切については郵政省が現地に出向いて行って、琉球政府との努力を得つつ進捗していくと、こういうことになるのですね。
  197. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) ただいまお説のとおりでございます。たとえば郵貯会館を本土鹿児島に建てると同じような感触で沖繩に建てるということでございまして、郵政省建設を一切行なうということでございます。
  198. 鈴木強

    ○鈴木強君 それではもう少しこの保険のほうで伺いたいんですが、大体保険のほうは、本土復帰の暁でないと、どうもうまくいかんらしいですが、そこで特連局の参事官の方に伺いたんですが、簡易保険というのは、社会保障制度というものがなかなか進まぬ時代に、それを補完する意味においてつくられた理由があるわけです。現在沖繩の場合は、残念ながら簡易保険が復帰までは、どうもそれができないような見通しがはっきりしたわけです。そこでいろいろ御苦心なすって本土と沖繩との間の格差については是正のために努力をしていただいておる。先般長田委員からも概括的に質問があったときに、項目だけを述べておりましたから、大体わかりますけれども、特に本土と比べて沖繩の社会保障というのがおくれているという現実は間違いないと思うのですが、その中で、平均したらどの程度のパーセンテージが本土に比べると沖繩はおくれておるのか、その中でいろいろ制度がございますが、未実施の制度、それから特に内容が悪いのはどういうものか、これをもう少し内容を教えてもらいたい。
  199. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 社会保障制度の比較でございますが、公的扶助の中の生活保護制度、これは向こうにも現在同じ名前の法律立法化されておりまして、本土に比較しますと、ほぼ同じような保護をやっているように思うわけですが、ただ、ちょっと本土に比べてこの基準とするところがちょっと低いようになっております。  それから社会福祉の関係では老人福祉制度、これは本土と全く同じでございます。それから心身障害者福祉制度、これも身体障害者福祉法につきましては本土と同じでございます。ただ、精神薄弱者福祉法というのが現在は制度として成立しておりません。今会期立法勧告がされる予定になっております。児童福祉制度は、これは児童福祉法という名前の法律が向こうにもありまして、ほぼ本土と同じでございます。この中には、福祉保険に関する規定も含まれております。それから児童扶養手当法、これは本土と同じでございまして、本年の一月から施行されております。特別児童扶養手当法、これも同じでございます。母子福祉制度、これは母子福祉法という法律が同じようにございまして、これも本土と同様ことしから施行しております。母子保健制度、これは先ほど申し上げましたように、児童福祉法の中にございますので、特に沖繩にはございません。  災害救助制度、これは同じ法律がございます。  社会保険の関係では、医療保険制度の中で、健康保険医療保険法というのが向こうにございます。それから国民健康保険法というのは向こうにございませんで、これは今会期に勧告予定でございます。そして予定といたしましては来年の七月から施行されるようにしたいということでございます。  それから年金保険制度の中で、厚生年金保険法、これは同じ名前の法律がございまして、本土とほぼ同じでございますが、船員関係を含んでおります。通算老齢年金がございます。国民年金法、これは去年の八月に制定されております。ほぼ本土と同じでございます。  失業保険法制度失業保険法とほぼ同じものがございますが、各事業所間における通算制度がございません。業務災害補償制度につきましては、労働者災害補償法がございます。それは給付が一時金で支払われておるという点で、本土年金化されておるのと非常に違います。  それから一般的に社会福祉施設の整備の水準は、一般的に社会福祉施設の整備状況が本土よりも、だいぶ劣っておるようでございます。保育所あるいは老人ホーム本土と比較いたしますと、相当数が少ないようでございます。これらの点については、今後充実していかなければならぬと考えております。
  200. 鈴木強

    ○鈴木強君 ちょっと聞き取れない点もあったのですが、そうしますと、日本にその法律が制定されて、施行されているが、沖繩ではまだやっていないというのは、それだけでいいんですが、幾つあるか、ちょっともう一回言ってください。
  201. 加藤泰守

    政府委員(加藤泰守君) 精神薄弱者福祉法という法律は向こうにございません。それから国民健康保険法、これもまだ制定されておりません。法律といたしましてはその二つでございます。
  202. 鈴木強

    ○鈴木強君 医療保険制度で、聞くところによりますと、病気になったときには、すぐ全部現金で給付されておるようですね。しかし、その支払いの手続というものが非常におくれて、四十日くらいかかるように言われているのです。それから給付率も本人七割、家族五割、内地の場合は本人十割、家族五割ですね、それからまた給付期間本土病気が全快するまでということになっているのだが、向こうは二年間というハンデがあるわけでしょう。こういう制度の改革というものは、どういうふうにしてやろうとするのか、これらはいままでの沖繩との話の中ではどうなっているのでしょうか。
  203. 加藤泰守

    ○政府委員(加藤泰守君) 先ほど健康保険法のところで、向こうに医療保険法というのはございますということを申し上げましたが、本土との相違点、比較については実は申し上げなかったわけでございます。それは先生御指摘のとおり、相当差がございます。この点は、われわれといたしましても、厚生省当局といろいろ検討して、いかにしたら、沖繩の医療関係が充実していくかということを検討しているわけでございますが、いろいろむずかしい問題がございます。特に沖繩におきましては、医者の数が非常に少ない。本土のいわゆる類似県に比較しますと、三分の一程度の医者でありますし、また医者の数は三分の一ではございますが、主として那覇に集中しているというようなことから、全体といたしまして、地域的に見ますと、医者がいないところが非常に多いというようなことから、なかなか本土と同じように制度をもっていくことが現時点においてはむずかしいのでございます。こういう点につきまして、本土におきましても、いわゆる過疎地帯におきまする医者の確保というような問題、なかなかむずかしい問題がありまして、厚生省でも頭を悩ましておられるようでありますが、われわれとしましても、沖繩におけるそういう事情をよく検討しているわけでございまして、その点、厚生省と、どう持っていったら医師の確保、少なくとも現在非常に不足しておる医師を沖繩において本土に近づけることができるかという点、目下検討しているわけでございます。具体的に、どういうふうに持っていったらいいのかという点につきましては、私いまの段階では申し上げられるようなあれを持っていないのでございます。
  204. 鈴木強

    ○鈴木強君 そこで、郵便貯金会館というのをつくるわけですね。内地の場合は簡易保険が実施されておりますから、簡易保険の診療所というのがございますね。沖繩の場合には、郵便貯金と簡易保険と二つ兼ねているわけですね。内地の場合は郵便貯金だけでしょう。だから名前は郵便貯金保険会館というふうにして、私はできるならば郵便のほうはかなり前向きに、現在郵便貯金は向こうでもやっているのですけれども、保険のほうは再開がむずかしいし、しかし、復帰した際には、すぐ日本の内地の簡易保険と一緒になって入ってもらうような態勢をつくろうというPRだというふうにあなたはおっしゃるわけでしょう。だから、旧簡易保険に入っておった方は、優先的に、何か診療をするように、そういうものを何か郵便貯金・保険会館か、名前は保険も入れてもらいたいのだが、そういうふうにして、何か妙味を持たしたらどうでしょうか。沖繩は非常にお医者さんも少ないし、医療施設も少ないわけですからね。特にアピールすると思うのですよ。ひとつ、そういう思想啓蒙にはたいへん私は役立つと思うのですよ。これは思いつきでなく、私はそう思うのですよ。いろいろ私は資料を調べてみましたが、非常に保険医療施設が貧弱ですね。まあ特連局のほうでも、これという案は、いま持っておらぬ。厚生省のほうとも十分打ち合わせをしたいということですけれども、この際、勇断をもって、どうでしょうか、郵便貯金・保険会館の中にそういう診療所くらいつくって、大いに啓蒙したら、復帰の暁、非常にこの目的を達成するのにいい効果をあらわすように思うのですけれども、こういう点は再考の余地はないんですか。まだ計画もきまっていないというのだから、そうして日本から少しいい先生を向こうに派遣するくらいの、そういうことはできないですか。
  205. 竹下一記

    ○政府委員(竹下一記君) 今度できます会館に簡易保険事業のためにもう少し魅力のあるものを盛り込んだらという御趣旨でもって、たとえば内地でやっておりますような保険加入者のための診療所を設けまして、医療をやったらどうかというお尋ねのようでございますが、御趣旨はまことによろしいのでありまして、やりたいのはやまやまでございますけれども、実は、内地におきまする加入者の診療所の運営に非常に苦労をしておるのが実情でございまして、――と申しますことは、医者が確保できないという問題があるのでございます。内地の二十九カ所の簡易保険加入者の診療所というものは日常それで苦労しておるのが実情でございます。それから先ほど総理府の人のお話しを承りますると、沖繩におきましても医者の確保というのは非常にむずかしいようにいま承ったのでございまして、そういう事情をもう少し確めまして、この問題については検討いたしたいと思いますが、非常にむずかしい問題ではなかろうかと、いまのところでは考える次第でございます。
  206. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、局長からむずかしいということを先に言われて、検討課題について何かこう消極的なように聞こえるのですけれども、これはやはり前向きでやってみなければわからぬと思うのですよ。これは私は政治的な問題になると思うので、郵政大臣からもお聞きしておきたいのですけれども、ぜひそういう魅力のある施設をやはりやることですね。せっかくつくるのですから、郵便貯金会館だけでもこれは能はないし、やはり簡易保険の保険ぐらい入れたらどうですか、看板にも。そうして内容的にもそういうものをやれば、これは非常によろしいと、こういうことで思想啓蒙にも役立つでしょうし、所期の目的を達するために非常に私はいいことだと思うのですよ。何か四億郵便貯金の金を出すものだから、貯金のほうが表面に出てしまって、保険というのは何かくっついているような、第二義的なように見受けるのですね。額はどっちがどう出したっていいじゃないですか。本来は郵便貯金の奨励と簡易保険の事業の宣伝のためにその会館をつくるわけでしょう。だから、そういう点を考えると、困難であっても、ひとつ政治的に最大の努力をしてほしいと私は思うのですよ。まあ幸い、まだ内容、計画についてはきまっておらんとおっしゃるのですから、ぜひひとつ十分に慎重に考慮してほしい、考えてほしいと思うのですが、大臣どうですか。
  207. 河本敏夫

    ○国務大臣(河本敏夫君) 若干困難な問題はあるようでございますが、せっかくのお話しでございますから、前向きで関係者の間で検討させます。
  208. 永岡光治

    ○委員長(永岡光治君) 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十六分散会      ―――――・―――――