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1969-04-10 第61回国会 参議院 外務委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和四十四年四月十日(木曜日)    午前十時十五分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         山本 利壽君     理 事                 佐藤 一郎君                 増原 恵吉君                 大和 与一君     委 員                 石原慎太郎君                 梶原 茂嘉君                 廣瀬 久忠君                 三木與吉郎君                 加藤シヅエ君                 羽生 三七君                 森 元治郎君                 黒柳  明君                 松下 正寿君    国務大臣        外 務 大 臣  愛知 揆一君    政府委員        外務省アジア局        長        須之部量三君        外務省アメリカ        局長       東郷 文彦君        外務省条約局長  佐藤 正二君    事務局側        常任委員会専門        員        瓜生 復男君    説明員        外務省条約局外        務参事官     高島 益郎君        大蔵省主税局国        際租税課長    竹腰 洋一君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○国際通貨基金協定の改正の受諾について承認を  求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた  めの日本国ベルギー王国との間の条約締結  について承認を求めるの件(内閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び  脱税の防止のための日本国アラブ連合共和国  との間の条約締結について承認を求めるの件  (内閣提出) ○国際情勢等に関する調査  (国際情勢に関する件)     ―――――――――――――
  2. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) ただいまより外務委員会を開会いたします。  国際通貨基金協定の改正の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。愛知外務大臣
  3. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいま議題となりました国際通貨基金協定の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  世界貿易が順調に伸びていくためには、世界全体としての準備資産の総量、すなわち国際流動性が貿易の伸びに見合って適度に供給されていくことが必要でありますが、金や米ドルなどの既存の準備資産の供給には限度があり、このため国際流動性の適正な供給が確保できなくなって世界の貿易と経済の発展が阻害されるおそれが出てきました。この問題に対処するため、一九六三年十月の十カ国蔵相会議以来四年間にわたって検討が続けられた結果、特別引出権制度国際通貨基金内に創設することになり、このため基金協定の改正が行なわれることになったのであります。  本件基金協定の改正は、この特別引出権制度の創設に必要な規定を中心としておりますが、このほかに手続的規定等に関する既存条文の修正をも含んでおり、一九六八年五月三十一日に基金総務会において承認されたものであります。この改正によって基金は、金や米ドルを補充する新しい準備資産を計画的に創出することができることになり、その結果、国際流動性の不足のため世界貿易の拡大が阻害されることなく世界経済が着実に発展し得る基盤ができることになるのであります。  このように、特別引出権制度の創設は、貿易に大きく依存するわが国経済にとって不可欠な世界経済の着実な発展に寄与するものであり、また、わが国の対外準備の増強につながるものでもありますので、この改正は、わが国経済の今後の発展のためにきわめて望ましいものと考えられます。  よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
  4. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 次に、本案に対する補足説明を聴取いたします。高島条約局参事官。
  5. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) ただいまの国際通貨基金協定の改正に関連いたしますSDRの制度につきまして、補足説明を申し上げます。  この制度が発足いたしますためには、まず第一番には、手続的に申しますと、この協定の改正が発効しなければならないわけでございますけれども、現状におきましては、一番最新の情報では、四十四カ国、総投票権数にしまして六二・一四%の国が受諾をしております。協定の規定上、全加盟国、すなわち百十一カ国の五分の三の国で、総投票権数の八〇%の国が受諾しなければ発効しないことになっておりますけれども、現状ではそういう状況でございます。  それからさらに、この協定が改正するのみでなく、各国が特別引出勘定に参加するというために、国内法上の手続を終えて、そのような意思を基金に通告する必要がございます。現在までのところ二十四カ国がそのような意思を通告しておりますが、この国の数は全体で割当総額の七五%に達する必要がございます。現在までのところでは五二・八五%でございます。このような段取りが全部終わりますと、それから初めて特別引出権というものの創設が可能になります。特別引出権、つまりSDRを創設するにあたりましては、世界全体の準備資産の状況、それをさらに補充する必要、そういったものを、共同の判断のもとに創出を決定するわけでございますけれども、その創出にあたりましては、五年間の基本期間を定めまして、総務会の全投票権数の八五%という多数決でもって決定いたします。そうしまして、それによってSDRがつくられますと、各国のクォータ――割当額に応じまして配分されます。日本につきましては、現在IMFにつきまして七億二千五百万ドルの出資をしております。これはちょうど全体のパーセンテージで三・四%に当たります。したがって、ある一定額のSDRがつくられますと、これに対しまして、日本は三・四%分のSDRを配分されるということになります。  このようにして、各国にそれぞれのクォータに応じましてSDRが配分されますと、いよいよこれが使用される段階になります。各国は、そのときの国際収支の状況が悪化して外貨が必要だということになりました場合には、あらかじめ基金が指定する国からSDRと引きかえに所要の外貨を取得するということになります。さらにまた、基金から、外貨準備の状況が非常によいという特別の理由によって、あらかじめ指定を受けた国はSDRと引きかえに所要の外貨を提供する義務を負います。そのような関係で、SDRはそれぞれ必要に応じ使用されるわけでございますけれども、使用する限度がございまして、その保有額の平均が常に配分額の三〇%以上なければならないということになっております。それからまた、提供するほうの義務につきましては、配分額の二倍までというのが義務でございまして、それ以上のSDRに対応する額を提供する義務は負いません。そういう義務の関係になっております。  それからさらに、SDRの配分はすべての国が受けなければならないかというと、そういうことではございませんで、最初の配分にあたりまして賛成の投票をしないで自分は受けたくないという意思を表示した国は、SDRを受ける義務を免除されます。  さらにまた、特別引出勘定に参加するのを終了するという意思を表明する場合には、参加を免除されることもございます。  それからさらにまた、配分が一般的に過剰になりまして世界的なインフレを来たすというような状況にあった場合には、基金といたしまして償却というような手続も定めてございます。  これらの制度によりまして今後SDRの制度が運用されるということになります。  以上が大体SDR制度のあらましでございます。
  6. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 以上をもって説明は終了いたしました。  本件に対する質疑は、後日に譲ることといたします。     ―――――――――――――
  7. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とベルギー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアラブ連合共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件  以上二案件を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  8. 大和与一

    ○大和与一君 説明書で大体わかっているつもりなんですが、しろうとだからどうも私はよくわからないのだけれども、一口に言うと、二つの案件はどういう差異があるか、きわめて簡略にひとつまとめて言ってください。
  9. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) 二件租税条約がございまして、一つはべルギーとの租税条約で、他はアラブ連合国との租税条約ということでございますが、片方のベルギーのほうは非常に典型的ないわゆる先進国でございまして、OECDのモデル条約にほとんど一致した協定内容を協定し得たわけでございます。これは双方の経済交流が非常に均衡に行なわれているという関係でございますので、それぞれの課税権を制限してもそれほど支障がなく、相互に課税が制限ができるということでございます。それが理由でございます。ところが、一方アラブ連合国のほうはいわゆる後進国でございまして、課税権を制限されますと、税収が減りますので、後進国一般に、アラブ連合国だけに限りませんけれども、OECDのモデル条約に従った制限税率を課することはなかなかむずかしいのでございます。そういう意味でベルギーのほうと違います。特にたとえば投資所得につきまして、大体現行国内法どおりの課税を認めるような規定になっております。一方のベルギーのほうではたとえば一五%とか一〇%という制限税率を規定しているわけでありますけれども、アラブ連合のほうは、そういうことが、配当については国内法、利子について一五%という程度でございまして、あとは全部現行国内法どおりの課税を認めるというたてまえになっております。それから、それ以外の運輸関係の免税につきましては、先進国の場合と同じように、アラブ連合国の場合も全く免税にいたしておりますけれども、主としてそういう投資所得の面につきまして非常に大きな差異がございます。
  10. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはわかっているんだが、例をあげて、こういう場合はこうなるという実態的な例を一つつけ加えると非常によくわかるのです。
  11. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) ただいまの御質問にお答えいたします。具体的に申し上げますと、租税条約と申しますのは、たとえばベルギーの例をとりますと、日本の企業がベルギーに子会社を設立いたします。その場合には日本の法人は子会社の株式を取得するわけでございますが、決算期が終わりましたあとで、子会社の利益から配当が日本の親会社に対して支払われます。その場合にベルギー側で一定のベルギーの国内法に従った税金を源泉徴収いたします。その源泉徴収された配当は、日本に参りますと、日本の国内では日本の国内法に従いまして、法人の収入と一緒に加算いたしまして、そして全世界の所得に対して法人税を課税いたします。その場合に、もし調整をいたしませんと、同じ配当に対しましてベルギーの税額と日本の税額と両方が一ぺんに課せられる。これは不合理でございます。そこで、日本で全世界の所得に対して課税をいたします際に、ベルギーで課せられた税額を最終的に調整する規定が国内法に認められております。これは税額控除制度といいますが、と申しますのは、日本での全世界の所得に対する税額からベルギーで課された源泉の税を引き、その残りを日本に対して納めればいいという方法が税額控除制度でございます。ところが、実際の問題といたしまして、ベルギーの国内法と日本の国内法が全く同じような課税の対象にし同じような率にしております場合には、ベルギーで課せられた税額をまるまる引きますことによって調整できるわけでございますけれども、日本の税法とベルギーの税法とは必ずしも同一ではございません。これは国によってみな異なっております。したがいまして、たとえばベルギーの税額のほうが非常に高い場合、日本の税額から引き切れない。しかも、その配当から生むべき利益そのものまで越えてしまって全部税で引かれてしまうという場合が起こるわけでございます。と申しますのは、たとえばベルギーでは配当を支払います場合に、配当の収入金額を課税標準といたしております。たとえば三〇%とかいうような源泉徴収をいたします。たとえば一〇〇の配当がございます場合、三〇という税金を納めるということになります。ところが、日本での法人税の計算は、収益金から経費を差し引くことができます。それに対して日本の法人税は三五%というふうに規定されておりますが、たとえば一〇〇のうち利子が非常に多かったために損金部分が七〇ありましたという場合には、ネットの所得が三〇でございます。その三〇に三五%でございますから、約一〇という税金がとられるわけでございます。日本でかけられる一〇という税金よりも、ベルギーでかけられる三〇という税額、これは三倍、あるいは二〇はオーバーしているわけでございます。そうなりますと、実際の利益よりも多くベルギーの税は取られているということになります。したがいまして、そういう源泉徴収をする場合には、ネットで計算してもオーバーしないようにお互いに税率を下げるというのが条約の一つの考え方でございます。
  12. 大和与一

    ○大和与一君 もう一つは、この法案とEEC、OECDの関係は、これも一口に言ったらどうなるんですか。
  13. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) いま御質問のありました、まずEECのほうからお答え申し上げます。EECにつきましては、EEC六カ国内の経済的な制度の統合ということを目的にしてまいりましたが、税の面では関税の統合ということにまず第一の目標が置かれました。これはほとんど完成しているわけでございますが、その次に問題になりましたのは、間接税、いわゆる現在よく先生方御承知の付加価値税のほうでやっております。それで、これはドイツにおきましては一九六八年、ベルギーは一九六八年、イタリアそのほかのあとの国国につきましては大体一九七〇年一月一日からスタートすることを目標にしまして現在進められております。しかし、直接税につきましては、税制統合という前に、実は法人税とか商法というものの各国内の調整という問題が非常に大きく残っております。したがいまして、現在、委員会を設けて検討はいたしておりますが、この条約で対象にいたしておりますような所得に対する税の統合という問題については、まだやられておりません。したがって、EEC諸国内でも、お互いにこのような租税条約を結ぶことによって二国間のギャップを埋めるような手だてがつくられております。  それからOECDにつきましては、この二国間の租税条約を、お互いに基本原則を定めてその範囲内で統合する、できるだけ一つの線に持っていくという考え方からモデル条約案というものの起草を行なってまいりまして、一九六三年にそのモデル条約案が理事会の採択を受けまして、その採択の附帯決議といたしまして、加盟各国はできるだけこのモデル条約案に沿うように二国間の条約を結んでいくということを決議されております。日本の場合もOECD加盟国でございますので、条約を締結いたします場合には、このOECDモデル条約案にできるだけ沿うという原則で締結をいたしてまいりました。しかし、このモデル条約案に対しまして日本は一部留保をつけております。と申しますのは、ロイアルティーにつきましては、ロイアルティーを支払います場合に、やはり先ほど申し上げましたような源泉徴収規定が働くわけでございますけれども、OECDモデル条約は、いわゆる無体財産権の取引ということに基づく使用というふうなものは、これは資本の取引というよりは、むしろ事業の一環として考えるべきであるという考え方から、ロイアルティーについては無税ということを規定しております。しかしながら、日本はこれまでロイアルティーの支払いが国際収支上非常に大きなウエートを占めてまいりましたために、これに対しまして、もし完全免税をいたしました場合には大きな税収の減を生じますために、先ほど申し上げましたような矛盾をなくするという意味での軽減はいたしますが、完全免税はできないということで、一〇%の軽減税率を採用するということでOECDのモデルに対しての留保をつけております。そういう観点から、若干OECDモデルとは違った形で、日本の現在の国情に沿うような形での条約方針をわが国は方針としてとっております。ただ、先進国との間はいま申し上げたようなことでいけるわけでございますが、対後進国との条約になりました場合には、OECD以外の国との条約でございますけれども、その場合には、相手国が自国の課税権を確保するということを非常に強く主張いたしますために、そういうOECDモデル条約どおりの条約を結ぶということは非常に困難でございます。相手の国情と合わしたような形で、先ほど参事官から御説明いたしましたように、アラブの場合には国内法の税率どおり取るというふうな場合も起こってまいります。
  14. 大和与一

    ○大和与一君 ベルギーと今度租税条約を結ぶことによって、わが国との利害得失ですね、それを少し要点的にお話しを、答弁はもうちょっと要点的でいいです。利、害の両方。
  15. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) ベルギーの場合に、一番大きな経済交流といたしましたら使用料の支払いがございます。これは昭和四十二年の数字でございますが、日本からベルギーに対しまして千三百万ドル、ベルギーから日本に対しましての支払いが二十一万ドル、これを税率を軽減することによって起こります減収が一番大きいわけでございますが、大体歳入としまして、プラスマイナスいたしまして、四十万円程度の歳入減になります。
  16. 大和与一

    ○大和与一君 いま利益のほうだけですが、利益と、害というか、損というか……。
  17. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 失礼いたしました。日本側で減収を起こしますものとベルギーで減収を起こしますものを相殺いたしまして、ネット四千万円。
  18. 大和与一

    ○大和与一君 政府は西欧諸国、特にEEC諸国と積極的に租税条約を結びたいという気持ちがあるわけですね。このベルギーとの条約、あるいは同じ今国会に出しているイタリアとの条約が結ばれるということになると、残るのはオランダと、あとほんの一、二になるわけであります。ベルギーとの条約も、このような趣旨からわがほうの申し入れによって交渉が行なわれたと聞いている。しかし、当面わが国とベルギーとの間の経済関係を見ると、先般高島参事官が説明したように、一九六五年度投資所得については、わが国からベルギー側に支払う配当及び利子が三十六ないし七万ドル、特許権などの使用料が九十万ドルであるのに対して、わが国がベルギー側から受け取る配当及び利子はゼロ、使用料は七千ドルにすぎない。したがって、この条約を結ぶことによって、配当、利子、使用料に対する税率軽減という恩典に浴するのは、一九六五年について見る限り、わが国から配当、利子、使用料を受け取るベルギー側の投資家だけであって、日本の企業はベルギーにほとんど投資しておらず、したがって、受け取る配当、利子などがほとんどないわけであるから、当面この条約の恩典に浴する者は、日本側はあまりないということになるのではないでしょうか。
  19. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) ただいま私、実数で歳入減のほうだけを申し上げましたが、実は投資所得は、御指摘のとおりたいへん日本側にとってマイナスの数字でございます。しかしながら、現在わが国が――この租税条約は、単に投資所得ばかりでなくて事業所得に対する課税原則も実は規定しているわけでございます。EECの中でも、ベルギーのブラッセルはいわゆる商業活動の中心地でございまして、日本側の主要商社もほとんど支店を出しております。それで、今後もヨーロッパにおける日本企業の進出の拠点といたしまして非常に重要な位置を占めているところでございます。そういう意味で、そういう支店についても当然事業所得の課税が行なわれると思います。その課税原則がお互いの中で確立されて、その課税範囲が非常に明確になって、しかも日本の本店での課税と調整する方法が明確になっているという点で非常に大きな価値づけがあると思います。また、もう一つは、投資問題につきましても、日本の現在の経済は技術の導入ということを非常に要求いたしておりますので、そういう観点から、もし非常に高い税をお互いに課していた場合には、そういう無体財産権の導入というようなことについての障害にもなります。そこはお互いに軽減し合うことによって、日本側も無体財産権の導入がしやすいという経済的な利益もあります。
  20. 大和与一

    ○大和与一君 これは提案するときに、「慎重審議してすみやかに」ということを盛んに言うわけですね。それはあまりそんなに急ぐほどの内容がないように思うが、あるいは将来のことを考えて、わが国で課せられる税率が軽減されることによって、相手国のわが国への投資を促進するという効果があるとか、あるいは、他方、わが国の投資家にとってもベルギーに対する課税関係が明確になって将来の投資を促進する、こういう見えざる効果というか、そういうことを相当大きく考えているのですか。
  21. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) さようでございます。
  22. 大和与一

    ○大和与一君 一九六五年の統計でもってわが国からベルギー側に支払われた特許権などの使用料は九十万ドルとなっておりますが、ベルギーから導入している特許権の内容はどのようなものですか。
  23. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) ちょっと私いまデータを持っておりませんので詳しい内容はわかりません。必要であれば後刻調査いたしまして御報告申し上げます。
  24. 大和与一

    ○大和与一君 じゃ、それはあとから出してください。
  25. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) はい。
  26. 大和与一

    ○大和与一君 さっきベルギーの実例をあげてお話がございましたが、今度はアラブ連合との関係は、さっき言われたように、先進国でないから、そこにどういう違いが、この条約によってわが国との関係があるかということをわかりやすく説明していただきたい。
  27. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 先進国の場合には、先ほど申し上げましたように、大体わが国がとっております原則は、配当に対しては一般の配当が源泉徴収税率一五%、それから親子会社間で行なわれる配当につきましては一〇%、それから利子につきましても一〇%、ロイアルティーにつきましても一〇%というのが一般的な原則になっております。これに対しましてアラブ連合のほうは、配当につきましては日本側は一五%の源泉徴収税率で押える義務を持っております。ただし、アラブ側は国内法どおりの課税をするような規定になっております。その場合の唯一の制限は、一般の個人の所得税については税率を二〇%に制限するという規定があるだけでございます。それから、利子につきましてはお互いに国内法どおりの課税をすることになっております。それから、ロイアルティーにつきましてはお互いに一五%に制限することになっております。したがいまして、配当につきましては、日本側だけが制限をしてアラブ側は国内法どおりの課税をするというふうな一見片手落ちのような規定になりますし、それから、利子につきましてはお互いに国内法どおりという野放しの規定になります。この場合に率で申し上げますと、配当については日本側一五%、アラブ側は全体を合わせますと三五%という高額な率になりますが、しかし、これは表面上の問題でありまして、実は税制が違います。日本の場合には、御承知のように、配当を支払います場合には、まず利益の総額に対して課税をいたしまして、残りの中から配当をいたすわけでございます。したがいまして、その配当についてさらに個人に対する源泉徴収税が課せられます。たとえば日本の場合でございますと、配当に対する税は二六%、これは一少し違いがございますが、率に差がございますが、それに地方税を加えますと約三〇%、これが法人税としてかけられます。それにさらに支払い段階で一五%の源泉徴収税を支払わされますので、日本での現実の配当に対する税負担と申しますのは約四五%、それに対しましてアラブ連合の場合には、配当は日本のように課税後の利益から払うのではなくて、課税所得を計算する前の損金で落とすことになります。したがいまして、法人税はかからないというふうに考えていいわけでございます。したがって、いま申し上げました三五%がネットの税率ということになりますので、日本との税の負担を考えました場合にはそう大きな差はないと言うことができます。そういう意味で、一見日本側に非常に不利に見えますけれども、決して不利な条約では実質的にはございません。
  28. 大和与一

    ○大和与一君 ひとつ、その辺まだ足りないと思うのですが、アラブ連合との租税条約では、わが国の投資家が、アラブ連合側から利子や配当を受け取る場合に、利子に対するアラブ連合の課税税率は約三五%、いまおっしゃったように、非常に高く、また、配当についても、動産資本所得に対する租税、防衛税、国家安全保障税、これらの付加税などが併課されるから、その税率は同様に相当高く、今回の条約ではこのようなアラブ連合の課税権をそのまま認めておることになりますね。本来、租税条約を結ぶ趣旨は、配当、利子などの投資所得に対して相手国の税率を軽減してもらい、その税額をわが国の課税額から控除する。そういうことによって二重課税をできるだけ完全に回避することであると思いますが、このようにアラブ連合側の課税権を大幅に認めたのでは、アラブ連合で納めた税額を全額日本の税額から控除することができなくて、したがって、二重課税を完全に排除するという条約の趣旨は十分に達せられないのではないか。それでもアラブ連合とこのような条約を結ぶという本旨ですか。その間、もう少し説明をいただきたいと思うのです。
  29. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 確かに、御指摘がありましたように、できるだけ源泉徴収税率は低くすることによって課税されるのが望ましいということは御指摘のとおりでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、後進国の場合に非常に自国の課税権に固執をいたしまして、それを相手国が納得しない限りは実は条約は結ばないという状態になるわけでございます。ただ、アラブ連合との場合には、日本からアラブ連合に参っておりますいわゆる投資所得と言われますものは非常にわずかでございます。それで、この条約を急にアラブ連合とやりだしました一つの大きな理由は、実はアラブに進出しております日本側の企業の支店その他の事務所が、アラブ側によって非常に不合理な事業所得に対する課税を受ける危険性が起こったわけでございます。それを救済するために、実は国家間で条約をやることによって課税ルールをはっきりするということのために条約交渉を開始いたしました。そういう観点から、実は現在日本から投資所得に関しましてはそう大きな実害はないということが、こういうわが国にとって必ずしも合理的でない課税の方法を受け入れた一つの大きな理由でございまして、われわれがアラブとの条約を結びましたのは、むしろ現在問題になっている事業所得課税というものの不合理性を早く軌道に乗せるということに最大の主眼を置いてやった条約がこれでございます。今後、この条約改定につきましても、アラブ側の経済条件の改善その他の状況と見合わせながら正常な状態に改定を進めていきたいというふうに考えます。
  30. 大和与一

    大和与一君 そうすると、現在両国間の資本取引はほとんどない。それから、現在法人の形での企業の進出もない。当面直接的な影響もあまりない。たとえば、わが国の投資家がアラブ連合に投資しをして、アラブ連合から配当を受け取る場合に、その配当に対して、配当が生じたアラブ連合でも課税され、また、投資家の居住するわが国でも課税され、一応二重課税が生ずるが、この条約及びわが国内法によりその会社の総合所得に対してわが国が課税する際に、アラブ連合で納めた税額は控除される。しかし、外国で納めた税額が非常に高い場合は完全に控除されないで二重課税が一部残る。こういうことになるんですか。
  31. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 現在の税率構成から見ました場合、法人につきましては、大体アラブ側の取ります税金は、地方税、付加税を含めまして三五・三%、それに対しまして日本側が取ります知額は、法人税の場合でございますと大体源泉徴収税を入れまして四五%。しかも、これで、先ほど御指摘になりましたように、収入金額に対する課税でございますから、これをネットに直す場合には、御指摘のように、二重課税分が起こらないということは申せません。ただし、かりにこういうルールがはっきりしております場合には、それに見合うだけの利益率を了承させることによって経済的な調節が企業側はできるという可能性が一方で残されております。ルールがはっきりしていない場合はその調節はできませんが、ルールがはっきりすればその調節は経済利益のほうでできるということはもう一つ考えられます。
  32. 大和与一

    大和与一君 もう一つはアラブ連合側の課税権を大幅に認めている結果、わが国の投資家のアラブ連合に対する投資意欲がわかないじゃないか。だから、わが国の企業進出も積極的に行なわれたい、こういう心配は当然あるわけですか。
  33. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 租税条約は、単にアジアのみでなく、租税条約一般につきまして御指摘のような問題はあろうかと存じます。現在日本から全く投資がないわけではなく、三件の現地法人がございます。投資額は二万三千ドルでございます。しかし、現実には配当は全く行なわれておりません。で、投資意欲の問題につきましては、現在の中東情勢その他から見まして、アラブ連合に対する投資という、現実にその資金を持っていく直接投資というふうなものについては、特にそういうようなものに対する要求が強いというふうなものは現実にはやられておりません。
  34. 大和与一

    大和与一君 そうすると、いままで十七カ国と租税条約を結んできたわけですね。政府はそのつど、租税条約を結ぶことによって相手国における課税関係がはっきりし経済交流を促進することになる、こういう効果を説明してきたわけですが、このような当初意図した効果について、十七カ国とのいままでの経過からいって、現在の評価は、さっきおっしゃったように、なお直さなければならぬ点がどこにもあるんだけれども、いままでやってきた経験からすると、その評価は一体どれくらいに見ておられるか。
  35. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 御指摘のように、私どももその評価をいかにすべきかということで現実に数字をいろいろ計算しかかったことはございます。ただ、これの評価は非常に困難です。と申しますのは、租税と申しますものは、決してたとえば投資を促進するというふうな積極的な要因となるものではございません。そのほかの要因が働いて投資が出かかった場合に障害になるかならないかという要因ではございます。したがいまして、租税条約を結んだからそのために投資が幾ら出たかというふうな実は観点からとらえることは、計数的には非常にむずかしいわけでございます。それからもう一つの問題は、これまでは日本の経済の対外経済と申しますものは、むしろ外貨収支及び国際収支の観点から見ましても、対外的に流出するということは、むしろ抑制的な観点でまいりましたし、民間から申しましても、それだけの余裕はなかったと思います。むしろ、対外投資という観点からすれば、たとえば延べ払い輸出のような政府資金を使ったものが、しかも、直接投資ではなくて間接投資のような形の投資が、非常に多かったわけです。そういう意味で、これまではあまり大きなそういう促進効果というものはなかったと思われます。むしろ、これから日本の外貨も余裕ができてきて、今後民間、しかも諸般の経済事情から申しまして、民間のモーティブ――動機からいっても海外投資というものは促進されるというふうな機運になってくるかと思われますが、そういう時代になった場合に、もし租税が高ければ動かないであろうものが動きやすい環境になるという意味での価値のほうがむしろ大きくこれからクローズ・アップされてくるのではないかというふうに考えます。
  36. 大和与一

    大和与一君 だから、その条約を結ばなくても、実際に必要があればそれぞれの国と折衝をして解決しているわけですね。だから、租税条約を結ぶということをやたらに急いで書類をつくって仕事をしたということをしたってしょうがないのだから、そうすると、いままでの経過等を含めて言うと、やっぱりこれはなるべくお互いの国の要件が熟さなければ、ただやったってだめなんだから、そういう点はしかしいまのところはまだ解決していない国々とはなるべくすみやかにやっぱり持ちたいという、こういう前向きの姿勢で今後もいくのか、あるいはケース・バイ・ケースでいくんだけれども、いままでの話が、評価はあまりはっきりおっしゃらないけれども、すみやかに審議を急ぐというほどであるのか、そう急がぬでもいいのか、その辺の心がまえはどうですか。
  37. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) ただいま御説明申し上げましたように、それぞれ国によって条約を結ぶ要因がございます。アラブ連合のような場合であれば、先ほど御説明申し上げましたように、二国間の課税関係が調整されていないために、アラブ連合側に非常に不合理な課税を押しつけられる。そういうふうな要因があったために、この条約は実は交渉に入ったわけでございます。ベルギーのほうは、実はむしろベルギーからの非常に強い要望がございまして受けたわけでございます。今後の問題につきましては、その国々によっていろいろ事情がございますが、この今度国会に提出させていただくものを含めまして全体で二十一になると思いますが、その国々との経済交流を、全体のわが国の対外経済のウエートと考えあわせて考えてみますと、投資所得については大体八〇%カバーいたします。したがいまして、そのほかに現在抜けておりますのは、実は日本をめぐります周辺の、特に韓国、フィリピンインドネシアという国が実は残っておりまして、最近、これらの国々で実は課税問題が現実に起こっております。こういう問題の解決をはかるためには、やはり租税協定を結ぶということが大切でございます。それからヨーロッパにつきましては、先ほど御指摘がありましたように、スイスとオランダが残っております。これは実はロイアルティーについての課税軽減税率につきまして、向こうは完全免税を主張いたしますのに対しまして、日本は一〇%を主張いたしておるわけでございますが、そのために、向こうからの要望がありながら実はお互いの立場からできないというのが考え方でございますが、わが国の立場から、相手国との経済関係で必要な観点からそれぞれの国を選んでいきたいと思いますが、そういう意味では、当面アジア諸国との条約というものはなお今後早急に進めていかなければならない条約であると考えております。
  38. 大和与一

    ○大和与一君 わが国は、船舶、航空機の国際運輸所得について、相互主義で免除とするたてまえをとっておりますね。ところが最近、わが国の原油輸入国であるイラン等中東、アフリカなどで、財政難を理由にして、従来課税していなかった国際運輸所得、すなわち、これらの国から日本の船や飛行機で積み出される原油などの運賃に対して課税するという動きがあると読売新聞なんかに書いてありましたね。このような事実が一体あるのか。また、こうした諸国と租税条約を締結する動きはどうか。それで、具体的にイランの場合は大蔵省から何か話をしたんでしょうか、免除するように、それは一体どういうふうになっているのか。
  39. 竹腰洋一

    ○説明員(竹腰洋一君) 昨年の五月の新聞報道で、イランが税制改正をいたしまして、油の積み荷運賃につきまして収入の五%に対して四〇%税を取るというふうな報道がございました。われわれも非常に関心を持ちましてその後監視を続けておるわけでございますが、現在のところ、課税された実績はございません。ただ問題は、油の積み取り以外の貨物の輸送から生ずる所得につきまして、イラン、イラク、サウジアラビアの三国で、年間六百万円ほどの船舶関係の事業所得税を納めております。ただ、油に関しまして現在のところ課税の実績はございません。ただ、その六百万円は金額は大きくございませんが、本来船舶所得というのは、課税の対象をつかむ、課税所得の算定で非常にむずかしい問題がございますし、国際的に相互免税をいたすのが世界的な慣行でございますので、これらの国々に対しましてはすでに、租税条約の締結、ないしは租税条約締結を望まない場合には、むしろ船舶、航空機の相互免税の取りきめをやろうということで申し入れがあるようでございます。これに対しまして、実はイラン側では、現在ほかのヨーロッパ諸国との継続中の交渉がたくさんあるとして、日本側との交渉には現在は応じられないが、近く予定が立ち次第受けたいというふうな意向が示されている段階で、まだ具体的に交渉日程はきまっておりません。  それから、現在中東で交渉が進んでおりますのはレバノンでございますが、レバノンのTMA、トランス・メディタレーニアン・エアラインズ、それとJALとの課税関係につきまして問題がございまして、私どものほうから現在条約草案を送りまして向こうが検討しておる段階でございます。  以上でございます。
  40. 大和与一

    ○大和与一君 大臣に二、三お尋ねします。  EECですね、これはイギリスがまだ入っていないわけですね。大臣のお考えとして、イギリスはやがては入るとお考えになるか、それはいつごろの時期なのか。逆に言うと、ドゴールさんがえらく張り切ってそでにしているようですが、そんなことは、無理はどっちが無理なのか知らぬけれども、そんなことがいつまでもきくのか、その辺のことをちょっと。
  41. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) EECとイギリスとの間の関係というものはずいぶん紆余曲折があるようでございますが、現状は御承知のとおりであります。しかし、やはり私は、まあ他国のことでございますからあまり意見を申すのもいかがかと思いますけれども、終局の目標としては、やはりイギリスも入ることを欲しているならばこれを入れて、全体として協力関係が一そう増進されるといいますか、もっと進んだ形でEEC本来の目的が達成できるようになることが望ましいのではないだろうかと思いますけれども、いっそういう状態になりそうであるかということについては、なかなかまだ見通しもむずかしいのではないだろうか。なお、来月早々に日英定期協議もございますから、イギリス側からのそういう問題についてのことなどもいろいろと聴取する機会もあろうかと思っております。
  42. 大和与一

    ○大和与一君 やはり私は、先進国というものが歴史的に実績を持っていると相当いばっているヨーロッパの場合、EECも、ただヨーロッパだけがよくなる、そんなけちな考えではいけないと思うのです。まずヨーロッパが自立自主的になって、世界的に全体がよくなる、こういう立場に立たなければならぬ、これはずいぶんかってなもので、いかぬと思うのです。そういう点はいかがですか。
  43. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 大体において私もさような考え方が正しいんじゃないかと思います。
  44. 大和与一

    ○大和与一君 一九六〇年に、梶原さんも一緒だったのですが、イランのパ一レビーに会ったのですよ。そうしたら彼から、EECに入りたいけれどもどうしても入れてくれぬ、西独はイスタンブールまで来て、盛んにヨーロッパからアジアに伸びようとしている、日本が中心になってアジアのEEC、こんなものをつくってくれぬか、こういう要望があったんですがね。これは大臣、どのようにお考えですか。
  45. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 日本といたしましても、いろいろの考え方はございましょうけれども、現在のところはイランとの関係はバイラテラルにいろいろ通商関係も進んでおりますが、この両国間の関係を一そう増進していくということがさしあたりの目標としてしかるべきではないかと思っております。一昨日かも申し上げましたように、日本としても、場合によっては実力以上に買いかぶられているのではないかとも思われます。着実に、やはりさしあたりはまず東南アジアというようなところの地域協力の育成というようなことが、当面の日本としてのバイラテラルな関係におきましては、この辺が中心ではないかと思っておりますが、なお、しかし、イランと日本の関係は最近いろいろの意味でよろしいようでございますから、そういう点に十分着目してまいりたいと思っております。
  46. 大和与一

    ○大和与一君 アラブ連合に関して、いま四カ国会議かで活発に動いておりますね。日本はきょうまで、あるいはこれからでもいいですけれども、この中東問題の解決について何かお手伝いができているのか、何かすることがあるのか、できそうなのか、それをひとつお尋ねいたします。
  47. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは一九六七年以来の問題でございますが、実は先々月もソ連の駐日大使がその後のソ連の態度というようなことについてソ連側の考え方などももたらしたりいたしまして、私といたしましても、今後の情勢等について非常な関心を持って見守っておるわけでございますが、従来どういう点で協力を日本がしてきたかと言われますと、たとえば国連の場等におきまして日本の代表は相当よく活躍をして、そうしてこの紛争の早期処理というようなことについてはできるだけの努力をしてまいったと私は思うのでございますが、まあ、そういうようなことからいたしまして、たとえばソ連にいたしましても、何とかこの紛争の処理について、さしあたり具体的な手段等について日本の協力を求めてきたわけではございませんが、やはり大きな意味で日本も関心を持ってほしい、そうして平和的処理、最終的な解決というようなことについて、いつも何らかの協力の用意をしておいてくれという趣旨では私はなかろうかと思うのでございますが、今後においても求められればもちろん、また情勢の進展に応じて日本のなすべきことについては十分配慮もしてまいりたいと、かように考えております。
  48. 大和与一

    ○大和与一君 前回の委員会でも、大臣は非常に大きな夢というかアイデアについてたいへんな魅力をお持ちになっていると思うんですが、この中東問題で私は一つ提案があるんですよ。来年アスワン・ハイダムが一部操業を開始する。そうすると、いまの世界的な技術水準から言うと、もうできないことはない。それだったらシナイ半島を緑化する。これはスエズなんかでも緑化は技術的にできるだろうから、水を持ってきて緑化する。こういうことを日本だけが金もうけでやるのではなくて、日本も技術提携、協力をして国連あたりでやってみる、こういう考えは日本の技術者からも聞いたのですけれども、可能だと思うんですよ。そういう点はそのタイミングがありますけれども、私はそういう夢を持っているんですが、そういうことはだめですかね。
  49. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) たいへん意欲的なお考えだと思います。結局、そういったようなことは、もう私は率直に申せば、日本としてはほんとうにやりたいところだろうと思いますが、結局日本の立場として、やはり資金的にも、よくいわれることでありまするが、限度がありますから、どこを選択するかという問題にしぼられるのではなかろうかとも思うのでございまして、まあ、たとえば御質問にお答えにならないんですけれども、御案内のように、たとえばボスポラス海峡に大きな橋をつくってアジアとヨーロッパを結ぶ、これはトルコが非常に希望しているということであります。これに対しても日本側としては非常にやりたいところなんでありますけれども、条件の問題になってきているわけでございますね。日本が非常にソフトな条件を出して、いわば相当財政的負担とまでいかなくとも、負担を忍んででもこの申し入れに応ずるならば、日本の手に落ちることはきわめて見やすいところになっておるわけでございますが、やはり東南アジアその他との関係からいって、そこまで現状日本としては踏み切り得るかどうかというところにかかっておりますので、いろいろ、いかにすべきかまだ最終的な態度をきめ切らぬようなわけでございますが、いまお話しのような点につきましてもそういう点を考慮いたしまして、考え方としては前向きに考えてまいりたいと思います。なお、当面のところ、中近東の紛争については、スエズが通るようになる時期はいつか、これを早くしなければ世界的に困るんじゃないか、そちらのほうにさしむきより大きな関心を向けておる次第でございます。
  50. 大和与一

    ○大和与一君 スエズの話が出ましたが、三年前スエズの町へ行ってきました。丘からみんな見てきて、日本の五洋建設という船が岩盤を掘っておりました。外国の船は掘りやすいところばかりやって金もうけを主にしている。日本の場合は非常に下の岩のかたいところを一生懸命やっておりました、まじめに。ですから、そういう点は、スエズはいずれ開通になるんでしょうが、そういう手がかりがこれは現実にあるのだから、これは政府もハッパをかけていいのではないか。これは現実の問題としてそういうこともあわせ考えて、何とか中東問題がおさまるために日本も何か具体的な手伝いができるように積極的にお考えをいただきたいと思います。
  51. 森元治郎

    ○森元治郎君 小さい問題ですが、この種の条約で脱税防止が入ったのと入らないのがあるわけだが、二重課税の回避と脱税防止、どういうところが違うんですか。ベルギー、イタリアなんかはないね。
  52. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) いままで締結いたしました十七の条約のうちで、「脱税の防止」ということばを入れた条約が十あったと思いますが、その他の条約には特にそのことばはございません。しかし、これは二重課税の回避のために課税当局が常時密接な情報の交換を協議するというたてまえのものでありまして、そういう規定があるとないとにかかわらず、協議の内容につきましては全く同じでございます。ただ、情報交換の規定のところに脱税の防止ということを特に触れている場合は、題名につきましても「脱税の防止」ということを特に入れております。それが、先ほど言ったとおり、たしか十あったと思います。
  53. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 本件に対して他に御発言もなければ、この二案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認めます。  なお、討論採決は次回に譲ることとし、本日はこの程度といたします。     ―――――――――――――
  55. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  56. 羽生三七

    ○羽生三七君 日中覚書貿易の交渉に行っていた古井さんも昨日帰ってこられ、それから、先般協定もでき、また共同コミュニケ等も出されたわけですが、この問題についてまずお尋ねをしたいと思います。ただお尋ねする前提に一言断わっておきますが、私は中国が言うことなら何でも無条件的にこれをすべて正しいと考える立場に立つものではないわけです。これはまず明らかにいたしておきます。  そこで、今度のこの共同コミュニケの中心をなすものは、何といいましても、従来の政経分離に対して政経不可分である、これが中心になっております。その中に、安保あるいは台湾の問題等もありますけれども、こういう問題の一々の内容について私はきょうは触れようとは思いません。触れようとは思いませんが、外務大臣としては、今回のこの覚書貿易の取りまとめ、これは額は前年よりたいへん減りまして七千万ドル程度になりましたが、この問題と、それから共同コミュニケ等に盛られたいろいろな問題点をお考えになって、どう対処されようとするのか。これは政府、自民党の中には、ずいぶんこれに対して反論、異なった見解を出しておられる方々もおるようです。しかし、政府自身としては一体どうされるのか、どういう立場をおとりになるのか、まず最初にこの問題からお伺いいたします。
  57. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましては、実はまだ私も当事者にいろいろ状況を聞いておりませんのみならず、まあ、政経分離ということについては、いろいろこれからもお話があるかと思いますけれども、政府としては覚書貿易に関与していないというか、当事者じゃございませんものですから、いわば民間の貿易の代表者としての古井君の立場でもって結ばれた共同コミュニケでございますから、政府として直接これに介入――といいますか介入――して意見などをとやかく申すこともいかがかと、かような気もいたしますし、したがいまして、今日の段階でどうするというよりも、中国問題については今後一そう真剣にいろいろと考究していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  58. 羽生三七

    ○羽生三七君 この種の問題は、まだ本人と会ってよく聞いておらないからとか言うのが通例答弁の先に出てくることばですが、実際問題として、お会いにならなくとも、もうほとんど新聞あるいはテレビ等を通じておわかりになっておることと思いますから、むしろ率直な所見を私は求めたいと思うのです。  そこで、そうすると、全然この問題については問題にしないというか、事を荒立てないというか、政府の基本方針と違いますね、いままでの方針とは違いますから事を荒立てないというか、あるいは将来のパイプを残す、日中間のパイプを残す意味で、これはこのままにしてむしろ新しい前進を考えるというのか、そのくらいのことは御返事ないと、これ、外務大臣、どうも御就任以来、ここへ来られて高度の政治的な問題についての発言をたいへん渋っておられるので、きょうはひとつ忌憚なく聞かしていただきたいと思うんです。
  59. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいま申し上げましたように、政経分離ということばもいろいろに解釈できるでございましょうが、ともかく今度の共同コミュニケなるものは民間の覚書貿易ということで結ばれておるものである。したがって、政府としては、形式ばって申せば、これは全く無関係のものだと、まあそれがまた政経分離の、何といいますか、いいところだとも言えるんじゃないかと思うんであります。私としてはこういうふうに考えるんでありますが、中共との間には、外交関係といいますか、正式の国交というものが現在ない。しかし、そういう事態の中において、貿易やあるいは人事の交流やそういうことが、そういう環境の中ではあるけれども、パイプがあるということは、私どもの言う意味の政経分離の中身としてよい面ではないかと、かように考えているわけでございます。そういう点から言えば、非常に残念でありますが、額が非常に少なかった。あるいは、一年限りじゃなくてもう少し長い期間の取りきめがほしかったと思いますけれども、とにかくも覚書貿易の話し合いがまとまったということはまずまずよかった点ではなかろうかと、こういうふうに考えております。  それから、ここに盛られているいわゆる政治問題についての考え方等につきましては、お示しのとおり、私どもの公開し、かつ現にやっていることとは相当違った面があると思いますが、それらについては、との衝に当たった方は、先ほど申すように、政経分離ということでやっておられるんですが、またどうしてとういうふうなところになっているのかという環境やプロセスなどについての苦心の存するところなども伺うことは、私は、今度は政府の立場といたしましても参考になるところが多いのではないかと思いますから、そういう意味で、何もそう急ぐことはないと思いますけれども、最近における中国大陸におけるいろいろの人たちのものの考え方や、そのほかの環境についての所見を聞いてみるということは非常に大切なことじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、同時に、前々から何べんも話が出ておりますように、とにかく七億の人たちがいて、隣国であって、そして本来なら最も近かるべき間柄の国が現在のような状況であるということについてはだれしも満足しているわけじゃございませんから、長期の展望においてどういうふうにしたならば一番よいかということについては今後ともとっくり考えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  60. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、特に共同コミュニケなり、あるいは古井氏の個人的な談話なり、そういうものに政府として反論するとか、特に問題にするというようなことはないと理解してよろしいかどうか。
  61. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これはなお十分ひとつ考慮してまいりたいと思っておりますけれども、いわゆる政治問題あるいは日本政府のとっている政策等について反対のような意見が表明されているというような点については、私はだれしも内外ともこれは日本政府の現にとっている姿勢と違うということは明らかだろうと思います。したがって、これに対してことさらそういうことを明らかにすることは、この段階において必要であるかどうか、そういうことも含めて慎重に考えてみたいと思っておりますが、先ほど御質問にも明らかでありますように、これに盛られている政治的所見は、私ども日本政府としてとってきた考え方、現に持っている政策と相当の隔たりがあるということだけは事実でございますから、その事実だけは、私どもが言うまでもなく、内外において明らかではなかろうか、かように考えております。
  62. 羽生三七

    ○羽生三七君 周恩来首相の談話の中に、佐藤総理は兄さんの岸元首相よりおくれておるとか、アメリカよりおくれておるとかいうことがありますね。そんなことは私は問題にしません。これは問題にしませんが、日本の対中国政策の今後ですね、しばしばこれは問題になることは、日本がアメリカの政策変化のあとに追随していくんじゃないか、場合によると、アメリカが日本の頭越しに米中間の和解ができることがあるんじゃないかというような質問に対して、佐藤総理でしたか、あるいは前三木外相もそうだったと思いますが、頭越しにそういうことができるならばまことにけっこうだということも言って、頭越しでもかまわぬと、そういうことができるなら望ましいことだという意味の発言をされておりますね。それはそれで私は特に問題にしません。ただ問題は、日本の政府が対中国問題については国際情勢待ちなのかどうかということなんです。つまり、アメリカはもちろんのこと、世界の大勢がほぼきまったならば日本もそれに従って対中国政策に決着をつける、こういうようにもとれるわけですね。ずっと日本政府のとってきておる態度を見るというと、どうしてもそういうふうにとれる。そこで、もうこれは私は何年も前からいつも申し上げておることですが、そういう国際情勢待ちでなしに、やはり適当な時期に日本みずからが国際情勢そのものを打開するために日本が何らかの形でイニシアチブをとる。あるいは日本一国でできない場合には、それは他の国といろいろな共同歩調をとる必要もあるでしょう。それはあるでしょうが、とにかく世界の大勢がきまったら日本があとにくっついていくというようなことはいかがかと思う。特にアジアの中の日本であり、しかも、中国と完全な意味における戦争終結ができておるかどうかはなはだ疑問な状態にある。これはいまの国府とはできておりますけれども、これが中国本土全般に及ぶものかどうか疑問であるような際に、日本自身がやはり適当な時期に――適当というよりも、すみやかなる機会に、つまり、みずから国際情勢を打破するため対中国政策をとるべきではないか。だから、その内容が一〇〇%中国の満足のいく本のかどうか、これはまた別の問題です。とにかくこの問題を打開するという積極的姿勢があるのかないのか。いつまでたっても世界情勢待ちなのかどうか。だから、ことしの秋の国連総会に日本が中国の重要事項指定方式の共同提案国になるのか、賛成国になるのか、そういう問題もさることながら、根本的には、一体日本が世界の大勢がきまったらあとについていくというのか、あるいは、そういうことの前に日本みずからが、アジアの最も中国と問題のある国として積極的にこれを打開するための働き、動きをしようとするのか。この基本的な問題をひとつ伺わせていただきたいと思います。
  63. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) いまもっぱら国際情勢というようなものに引きずられるのかというような点からのお尋ねでしたけれども、私は率直に申しますと、それもございましょう、それも頭に入れておかなければならない大きな要素だと思いますけれども、日本がどういうふうにしていったならいいかという、日本の主体的な立場というものがより大切だと思います。さらには、中共自身の態度というものも非常に――非常にというか――大きな要素ではなかろうか。まあ、ほかにもいろいろ考えられる要素もありましょうけれども、大きく分ければ、こういったようなことではなかろうか。この三つ。国際情勢という中には、またさらに区分すればいろいろの要素がございましょうが、こういう要素を十分踏んまえて考えていかなければならない。同時に今度は、国際情勢と申しましても、何しろ、日本から言えばどこか遠い地球の向こう側のできごとに対していろいろ論評したり政策をきめるのと違いまして、どこの国よりも日本の国は近いわけでもあるし、また、歴史的、沿革的にも深い関係があるだけに、中国が、現在のように一方には国民政府があり一方には中共政府がありというこの状態で、しかも双方が一つの中国ということを非常に強く固執しておるというようなことを加えてみまして、その中で日本としてどういう政策を選んでいくべきかということは、お互いに非常に大きな問題じゃなかろうかと思います。ですから、私はそれだけに、現在の政府の立場としてこういう方向がよろしかろうと思いますということは軽々に言えない。これが現在のところは日本の国益というような観点から見ましてとるべき態度ではなかろうかと思っております。
  64. 森元治郎

    ○森元治郎君 ちょっと関連して。古井さんのお話の中にあったと思うのですが、日本はアメリカよりもおくれているという周恩来のお話だったと思うのですが、アメリカは政経分離どころじゃなくて敵対関係になっている。そのアメリカよりもおくれているんだという向こうの見方は、たいへん日本も反省しなけりゃならぬと思うのですね。それで、何をそれじゃ中国は日本に求めているかといったら、きょうあすに北京政府を承認してくれということを言っているんではなくて、何でおれの顔見てそんなにおつかない顔をしたり、憎らしいような顔しているんだと、こういうことじゃないかと思うんですね、向こうのずっと過去のものを読んでいると。人間だって、口をきかなくても親しい人には自然通じるし、ときどきしゃべっていても、いやなやつだというのは出るんだな、どっかからにじみ出て。ラジオアクティブというか、これはそうなんですよ。そういうことを中国では言っているんだと思うのです。それを一々こまかいことに、へ理屈をつけないで、いま台湾と条約を結んでいる、これを急にはずしてお前のところへ行くというのはむずかしいことであるが、何とかしたい。一つの中国だと言ってやわらこう近づこうとする努力、その努力さえすれば、向こうは第一段階として満足してくれるのじゃないかと思うんです。ところが、自民党のほうは、お前のほうがおれにあやまれ、あやまれと言っているんだ、そうはいかぬと、こうしゃちこばっているんだが、そこは大きく日本は腹をかまえて――そこが一番大事だと思うんですね、具体策じゃなくて。けんかしながらワルシャワ会談もやっている国のほうが進んでいて、日本がアメリカよりもおくれているという、これはたいへんなおくれですから、そういう心がまえで臨まれるのが、この際日本の、まず対中国政策の根本の前提だと思うんですが、どうですかね。
  65. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) そのお気持ちは私も非常によくわかりますし、私はそういう気持ちでしかるべきだろうと思うんですけれども、しかし、それと同時に、私も個人的には言いたいことが幾らもありますけれども、どうもやはりいまのような微妙な時期に、また、あまり十分な用意なくして簡単なお答えであったりまた論評でありますと、これがまたものすごい反響を呼んだりいたしますから、私は非常に言動を控えなければならないと考えておるわけでございますが、伝えられるように、アメリカよりもおくれているというようなことも、どういうことなのか私には意味がよくわかりませんので、そういう点なども、まあ少し落ちつかれたら、古井君からもとっくりひとつ、いろいろと環境や、ここに至るまでの背景というようなことも伺ってみたいと、こう思っております。大いに参考になるのじゃなかろうかと思っております。
  66. 森元治郎

    ○森元治郎君 ちょっと、たいへんおもしろい私見をお持ちのようなんだが、これは速記をとめてとっくりと出して――これは政治問題として取り上げない。愛知さんがたいへんいいアイディアをお持ちらしい。いま微妙な時代だから言えないと言う。どうですか、これはあなたの個人のいいところを……。
  67. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) お互いに、こういう問題はほんとうに重大な問題であるし、当然、いろいろの意見を持つべきものであると思いますが、しかし、今日のところ、私の立場におきましては、まあ論評を差し控えるべきではなかろうか。ノーコメントということは、それ自身が私は私の意見であると思います。
  68. 羽生三七

    ○羽生三七君 たとえば、周恩来首相が言っておる中に、非常に穏やかな長い目で日中間の問題を考えておるのじゃないかと。ことばはきびしいけれども、長い展望を持って考えておるのじゃないか。はっきり出ておりますですね。たとえば談話の中に、日中国交回復について、同首相は「宇都宮先生(六十二歳)が松村先生(八十六歳)の年ぐらいになるまでには実現するだろう」と、ゆっくりしたことを言っておるし、それから、沖繩の返還要求は当然であると、日本の要求を支持しながら、「しかし領土問題は話合いにより解決しなければならない」、「武装力で侵入し、武力による圧力で解決しようとするのはよくない」、こうも言っておられるわけですね。でありますから、あれほどきびしい態度をとっておる一面、また同時に非常な柔軟性もあるということも考えられるわけです。それで、私はこの前も何らかの機会に申し上げましたように、たとえば、抑留者の釈放の問題で政府間の接触を試みたけれどもうまくいかなかったというその場合に、その抑留者釈放だけを議題にして接触を求めてもこれは非常にむずかしいのじゃないか。だから、やはり中国もそれなら話し合ってみたいという問題を抑留者釈放問題にプラスしてそして一つの日中間の接触を求める。これも一つの方法だと思う。それから、前池田内閣ができたときに、当時の池田総理は私の質問に答えて、郵便・気象協定を結びましょうとはっきり言われた。ところが、これは先方の都合があって実現しなかったのですがね。そのころから見ると、むしろだんだん後退していってしまうという、こういう感じがするわけです。ですから私は、先ほど一番最初前提条件に申し上げたように、中国のことは一から十まで一〇〇%どんなことでも正しいと無条件に追随する、そういう意味じゃないのですね、これほどの大きなアジアの平和、ひいては世界の平和に関する基本的なこの中国問題というものに、気に食っても食わなくても、前進の姿勢で対処しなければ決してアジアの真の平和は実現できない。したがって、またこの問題が解決しない限り安保はいつまでたっても堅持するということになるであろうし、それから国内におけるトラブルも不断に絶えない。そういう長い目で見た場合に、やはりもうこの辺で、一〇〇%すべてが解決するなんていうむずかしいことを要求しておるのじゃない。森君も先ほど言われたように、少しでも前向きにして、少なくとも今日のいろいろな両国間の問題点がほぐれるようなそういう姿勢を今日いますぐにでもとり始めるべきではないか、そういうことを言っておるわけです。私も若干こういう委員会に参加しておりますから、こういう全く違った問題を即時先方の言うとおり一〇〇%満足させるように解決しろというようなことを要求するわけじゃない。しかし、何らかの糸口をつくらなければ絶対に前進はない。しかも、前進をするときには、世界中がそうなってあとから日本がくっついていくというまことにこれはみじめな日本外交になるのではないか。まあ、途中から飛び込むというということもあるかもしれませんがね。だから、そういう意味でちょうどいい機会であるから、こんな際にへたな発言したら確かに外相の言われたようにこれは問題を起こすということはあるでしょう。しかし、問題が重要であるだけに、やはり私はこういう機会には前進的な姿勢を求めたい、こういうことを特に期待をするわけです。もう一度所見を伺いたい。
  69. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 私も御同感の点が非常に多いのでありますが、先ほど申しましたように、国際的な動きに引きずられてというようなことではなくて、やはり日本としては主体的な立場で事に当たらなければならない。しかし、それだけに、ほかのところと違って、たとえば率直に言えば、イタリアあるいはベルギーといったようなところがこの問題を扱うのとわれわれが扱うのとではもう全く性格が違うと思います。それから、きわめて気軽に彼らとしては風船を上げることができるわけでありますから、しかし、その風船を上げたところ、やはり具体的に言えば、一つの中国問題ということでぶつかって、その後これという進展がないところを見ましても、いかに気軽なところでも扱いにくいものかということがわかるような感じが私いたします。したがって、私は、その時期の前後ということはあまり気にする必要はないのじゃないか。私たちが一番実態的に大切な要素を持っているわが国なのでありますから、ひとつじっくりいろいろの角度から検討してしかるべきではないか。それから、いつもお話に出ることでございますけれども、私はやはりこういう環境のもとにおいて、アメリカは米中大使会談をなるほど百三、四十回ほどやっておりますけれども、これというほどのメリット、中身はないのですね。そして現に延期されてしまっておる。それに比べれば、こうした覚書貿易がとにかくつながっていく。あるいは新聞記者の交換も曲りなりにもできている。これは単なる形式上の国交があるということよりも、実態的には私はかなり広い幅が事実上あることを示しておるのではなかろうか。あるいはまた、数年前に比べて云々というお話がございましたが、いわゆる日中貿易はちょっと消長はございますけれども、一時的な消長はありますが、大勢から見れば、今日におきましてもずっと伸びておるわけでございますね。ずいぶんその間苦労がございます。日本としては、なかなか適当な買うものはないという条件下にあるにかかわらず、これは伸びておる。こういったようなことをごらんいただくというよりも、われわれ日本国民として見ておれば、この政経分離ということばはたいへんきらわれますけれども、そういうことばのもとに行なわれていた事実上の国と国とのつながりというものは、ほかのどこの国よりも大きく伸びているのではないか。ひとつこの実態も踏まえていただいて、そして、ほかの国に引きずられる引きずられるということをお互いに心配しないほうがいいんじゃないか。それから、私は、いまのような情勢であれば、一時よくいわれました、日本を飛び越えて、日本人が一夜目がさめて見たらアメリカが中国を承認していた。私はそんな事態が来るとは思いません。しかし、これはございませんと言っているだけでは始まりません。実際上そういうことがないように日本の主体性というものはいつもきちんとしておきたい、かように考えております。大体私の申し上げるようなことはそういうことです。
  70. 大和与一

    ○大和与一君 いまの日本の主体性の問題ですね。中国に関する例の国連の重要事項指定の問題、これはもう一年ごとにやっぱり天下の情勢は変わりつつあることは間違いございません。やがては必ずそういうことになるでしょう。それまでに今後日本はアメリカと意見の違うことが私はあっていいと思う、特に中国については。そういうことは一体ないのか。とてもありそうにないのか。あるいは安保条約があっても、アメリカと違う意見の場合があり得る、この辺のことははっきりおっしゃることができるのか。もう一つは、もしも日本がアメリカとだけ一緒になって歩いていると、今度はある年になれば、いよいよほかの国が全部やって、多数になる、そういうことが来るかもしれません。そういうことがわかっておっても日本はアメリカとやはり一緒に歩かなければいかぬのか、負けることがあっても。多数でアメリカ側が負けることがあっても、それでも日本はやはり負けるほうについて中国を認めるほうにいかない、そういうことになるのですか、その辺どうですか。
  71. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) なかなか問題が問題ですから、これはイエスとかノーとか割り切ったお答えはできない問題であります。先ほども私申し上げましたように、国際的な状況がどういうふうに変転していくか、日本はどういうふうに考えるか、中共はどういう態度をとってくるか、あるいは国民政府というものも、そこに関連してくるというか、国際情勢の中の大きな動きも一つありましょう。いろいろの情勢において、やはり一口に言えば、日本としてどういう態度がいいかということを考えなければならない。ですから、ことしの国連総会も、まあそう言ってもしかられますけれども、まだ相当時期がある。それから、その間にどういうふうな情勢の転換が国際的にあるかもしれないし、それによって日本がどうしなければならないかという要素もあり得る。ですから私は、国連総会にどういう態度をとるかということは、まだまだいまきめなくてもいいと思う。前々から予算委員会等でも申し上げております。ただ、国連の運営については、私は、ほかの問題もあわせて私として意見がありますことは御承知のとおりでございますけれども、単純多数投票制度というのは私は実態に沿わないと思うのです、国際的には。そこで、やはりそうかといって、五大国の拒否権制度というのはますますもっておかしなことです。そういう意味からいたしまして、やはりこれはという問題は重要事項として審議し議決するのが適当だと、私がかように考えているということは、これまた再々申し上げておるとおりでございます。ただいまのところは、やはり従来そう申しておりましたことを繰り返すだけでございます。また、本心もそう思っております。
  72. 羽生三七

    ○羽生三七君 いまの大和君の質問の中にあったアメリカとの関係ですね、つまり、安保を現に持っておっても、日米間で対中国問題でアメリカと日本と意見を異にするということがあり得るのですね。これはないとは言えない。そういう場合に、日本は独自の立場をとることがあるかどうか、それをちょっとはっきりさしていただきたい。
  73. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 安保条約というのは、いまさら申し上げるまでもなく、条約十カ条の中に規定されているのが条約であって、それをもとにしていわば日米の相互信頼関係というものが設定され、その上に現内閣の外交政策というものが展開される。これはいまさら申すまでもないところであると思います。これが一つの柱であることは言うまでもありません。しかし、安保条約というものをもちろん堅持しておりながら、対中共観というものに、アメリカはこう見る、日本はこう見る、こういう違いがあることはきわめてあり得ることではないだろうか。これは国内においても、アメリカの中にも対中共観については違った見方がありますし、日本においてもそうでございます。そういうくらいですから、いわんや日米両方で中共観が違うということはあり得ることであるし、それを何もとがめだてするような必要もないことではないかと、私はかように考えます。
  74. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはちょっと答弁が違うのですよ。中共観、中国観じゃない、中国政策ですよ。中国政策で日米間に違いがある場合があったときに日本は独自性を保持し得るかという問題です。
  75. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは、たとえば具体的な政策も、アメリカは現に従来からワルシャワにおいて米中大使間会談でやり、こちらはいわゆる政経分離で、先ほど申しましたようなやり方でやる。アメリカは新聞記者交換もなければ、貿易も日本ほどやってない。これは具体的政策の違いではございますまいか。私は、当然そういうことはあり得、現にあるのですし、あり得て一向差しつかえないことである、かように考えます。
  76. 羽生三七

    ○羽生三七君 もう時間もないし、あと公明党さんの御質問もあるのです。森さんの関連質問もあるようです。もう一問で終わりますが、前の分科会で申し上げましたが、五大常任理事国への加盟を日本は求めているわけですね。これは常任理事国に加盟するとなれば、この前申し上げたように、これは規約の改正から、それから数をふやさなければ、中国のいまの国府の代表権をどうするかという問題にもなる。これは重要な問題で、予算委員会でもどなたかの質問に答えて、非常な熱意を持って国連の中枢部に参加したい、こういうふうに大臣は答えておられましたが、いまの中国問題なんかに日本が特に触れる場合には、なおさら私は、その問題――国連の常任理事国、安保常任理事国に参加する場合の政府の心がまえなり態度なりというものが非常に重要なものになってくると思う。軽々と予算委員会でおっしゃったけれども、そんなものではない。規約の改正はどうするか、国府の取り扱いはどうするか、中国本土の問題はどうするか、一ぱい問題があると思うのです。ですから、そういう問題についてはもっと基本的な考えを持った上で発言されるべきではないか、構想を示した上で発表されるべきではないかと思いますが、きょうこれに触れておるとほかの人の質問時間に食い込むことになりますから、もしお考えがあれば承って、私の質問はこれで終わっておきます。
  77. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは羽生委員との先般の問答でも申し上げたのですけれども、私は、たとえば安保常任理事会の問題なんかにいたしましても、どうなんでございましょうかね。具体的にこうこうこうやってこうだからこうだというまで黙っておる、それでいいんでしょうか。それとも、国連の総会なりなんなりの機会とか、日本としてはそういう場がたくさんあるわけでございますから、あらゆる機会を利用して、そういうムードつくりをしていきながらその目的を実現するという方法が私は大いにあり得ると思うのです。で、この間も申し上げましたように、そういう国連憲章の改正だとか、こういう点に難点があるとかということは私もわきまえているつもりです。しかし、わきまえているからといって、それをそのまま引き出しに入れてぼんやりしていてそれで国益の増進ができるかどうか、これは私は非常に疑問に思うので、やはり思うことは率直に言い、主張すべきことは率直に主張したいと私は考えます。同時に、それだからこそ、国連の中枢部の中にやはり優秀な日本人を入れたい。これなどは具体的に名前を出し、条件まで具して国連当局といま折衝しているのでありまして、そういうところにいろいろの方面から出ていくことが私は必要だと思います。軽々しく予算委員会で発言するなとおっしゃいましても、私はそれにはちょっと御同意できない。いろいろな考え方を申し上げることが私は必要じゃないかと思うのです。そうして、それがこうだという御批判がございますならば、喜んで御批判を承りたいと思うのであります。
  78. 羽生三七

    ○羽生三七君 これでやめようと思っていたんですが、それについては幾らでも反論があるんですけれども、それは時間がないからやめるとして、いまのお話の中の、国連の中枢部に入る人を名前まであげて折衝中ということは具体的にどういうことですか。
  79. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) たとえば、御承知のように、国連機構の中で、各国がそれぞれの立場で一種の人の割り当てというか、割り当て量をもらっておりますね。それに対して、日本としてはまだそこまで行っておりませんし、いわんや、政治部門の担当、たとえば事務総長の直轄の系統のところには日本の職員はいまだかつて入ったことがないんです。将来いろいろ規約改正とかなんとかということになりましても、あるいは総会の運営、あるいは常任理事会の運営などについても、こういう事務局に有力な日本人が参加するということが必要なんです。現実に日本としてはまだ人間を入れるだけの余裕もあるし、そういう一番中枢部のところにいまだかつて入っていないところが大事なんでありますから、そういうところにこういう人を置く、それでいけなければこういう人をということで、これは、先般もナラシマン国連事務局次長が日本を通過しましたときに、私から直接に折衝しているのでございます。大きなことをやるについては、同時にそういう具体的なところがらも攻めていかなければならない。これが私の考え方でございます。そういうこともやっているわけであります。
  80. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  81. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 速記をつけて。
  82. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣、ちょっと事実が違うのじゃないかと思うのです。日本は政経分離といううまい方式で、イタリアだとかベルギーだとかと違ってうまくやっているのだ、記者も交換した、商売もやっている、消長はあったけれども伸びていると。何もこれは政府指導でやったわけじゃないんですね。むしろ政府とは反対側の考えを持った人がやった結果がそうなったんで、これは、愛知さんだの椎名さんだの三木さんがやってここまで発展さしたわけではないと思うんですが、事実関係はどうですか。
  83. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) それはそのとおりでございます。それを私は、政府側が賢明な政策をやったという意味ではございませんで、日本全体としてよかったというふうに申し上げたつもりでしたけれども、ことばの使い方が悪かったと思いますが。
  84. 森元治郎

    ○森元治郎君 それから大臣、感想として伺うんだが、きょうのお話をずっと――アラブの二重課税の話からだんだん中近東、いまテヘランに行った、それからボスポラス海峡まで話が行ったところで終わり。その感じを見ると、愛知大臣というのは、もうボスポラスは遠いと、まあ、われわれのやるところは東南アジアでございますと。そんなら外務大臣じゃなくて東南アジア担当大臣みたいな話になっちまう。アジアというのは中国とはおつき合いしないんだから、アジアからまた中国を取って東南アジア、それから沿海州かなんかのアジア大陸のほうの端っこのほうの担当でしょう。アメリカのほうはアメリカさんの言うとおりになったんなら、これは外務大臣じゃない。そういう感じをあなたから受けるんですが、やはり世界を相手にする外務大臣の気概を持っておやりになっているんだかどうか、そこをちょっと。
  85. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) まあ私から率直に言えば、ちょっとことばじりをおつかまえ……
  86. 森元治郎

    ○森元治郎君 ことばじりじゃない。全体の調子。
  87. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) おつかまえになった感じですが、私は先ほどは、経済協力の全体の資金的な関係から、やはりそこまで手を伸ばすことは一体適当だろうかどうだろうかというと、これは結局ある種のワクの中でどれを選択するかという場合に、近いほうが先に来るというくらいの意味の常識的なことですから、誤解のないように願いたい。それから中共につきましても、私も先ほどから申しておりますように、現在のところ、また羽生委員もこれはお許しいただいたように思いますけれども、なるほどいまおまえは言いたいことがあっても言えないこともあるだろう、まあ、そういったような意味合いも含めていろいろと複雑な状況をかみ合わせながら、日本として最善と思われる方向にだんだんとやってまいりましょうというような考え方を持っていることは先ほど申し上げましたとおりでございます。
  88. 森元治郎

    ○森元治郎君 最後に、中国問題でアメリカと違った考えを持ってもかまわない。それはかまわないですが、これまでアメリカから来る情報新聞情報を見ていれば、中国問題については日本の意見を聞きたいというふうに非常に高く日本と  いうことを立てているんですね。したがって、対中国問題というのは当然安保条約の問題に関連し、沖繩の返還に伴っても、これをどう認識するかということが大きな沖繩返還の舞台背景の問題になるわけですね。そのときにやはり日本が確固たる政策を持って、アメリカが違うんならこれをリードするという態度がなくちゃならぬから、日本の対中国政策、対アジア政策というものは、その点で非常に大事であり、確固たるものを持たなければならぬ義務があると思うんですね。それが一つ。もう一つは、中国との関係を直す場合にどうするかという自民党のいろんな対中国にとってはしゃくにさわるような御発言が多いようだがいまはやりの時代小説でおそれ入りますが、豊臣秀吉なんという大戦略家、大政治家は、家康を何とか押えつけて自分の政権を確立しようと思って、京都だかどこだか暮夜ひそかにたずねて、あしたの会合ではおれにおとなしくおじぎをしてくれということを頼んでいる。そうして会議に行ったところが、開き直って、家康、近う参れ。家康はぺこっとおじぎして――なかなかやるんです。頭下げるときは下げているんです。そういう大きな気持ちが、秀吉くらいの大きな気持ちがないと中国問題は解決できないと思うんです。これは心得の問題として申し上げます。
  89. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) アメリカ日本に教えてもらわなければならない、教えるのは日本義務じゃないかと、私はお考えの筋は全く同感でございます。これは日本に教えてもらいに来るかどうかは別といたしまして、ほんとうに日本も考えなければならない。それから、第二段目におっしゃったことは、まあひとつ御高見としてありがたく拝聴いたしておきます。
  90. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまの続きになりますが、要するに、四十日間かかってやっと覚書交渉の妥結を見たのですが、中国側としては、先ほど大臣は、これは政府と関係がない、こういうふうにおっしゃいました。しかし、中国側で難点を示したのは、いま申し上げたように、政府・自民党の中国敵視政策であったわけです。ですから、その辺はやはりかみ合わないのじゃないか。要するに、向こうは、古井さん、あるいは宇都宮さん、田川さんのこととしてとらないで、やはり日本政府態度、対中国政治的な態度というものを前面に掲げて、これを何とかやわらげるために貿易交渉に入る前に政治問題でたいへん苦労をされた。ところがいま大臣は、これはあくまでも政府と関係がないのだというふうなお立場をとられ、こういう立場の違いというものが、今後とも続くと、長期的にじっくりやるというお話をいたしましたけれども、これはもうかみ合わない問題はこの辺から来るのじゃないかと思いますが、いかがですか。
  91. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは私が先ほど来申し上げておりますように、たとえば中共側が今度のコミュニケを通して、こういう問題をこうもとられているかなと、一口に言うと、日本政府のいわゆる敵視政策ということでございます。こういう点は、私から言わせると、ずいぶん誤解があるのじゃないかと思いますが、そういうことはいま一応触れないでおくといたしまして、向こうさんを含めて、こう、何といいますか、平らに私は聞いていただきたいと思うのは、日本政府の立場は、国交といいますか、これを正式に中共政府との間に持っていないその状態において、しかし、隣国との間には何とかひとつ交流関係を持ちたいというのが、向こうさまの一番おきらいになることばで申しわけありませんが、政経分離政策というものをやってきた。政策をやってきたというのは、また日本政府がそれをやったのかどうかという問題があると思いますが、そうしてその結果、事実そうしたことが行なわれてきたと申しますか、そうしてほかの国と中共との間にはないようないろいろなことが現に行なわれてきている。これはいままでのやり方も、日本としては他国に比べていいやり方が行なわれてきたのではないだろうか。したがってまた、今回の覚書交渉についても、できればもう少し長い期間、できればもう少し多い額のできることをわきから期待しておったという関係でございまして、その間には、たとえば安保条約とかあるいはそのほか条約等々についてやっていることは敵視政策だと言われればこれは見解の相違と言わなければなりませんが、私どものやっていたことは決して敵視でも何でもない。むずかしい条件のもとでなし得ることをやってきた。少なくとも敵視政策、敵意などというのは毛頭ないということはこれはわかっていただけないかなという気が、率直に言って、いたすわけであります。
  92. 黒柳明

    ○黒柳明君 私も羽生さんと同じように、全面的にコミュニケの内容について中国側に賛成するものじゃないわけです。いろいろな極端な態度もあるなと、こう思っております。そういうことを前提として、ただ安保やなにかの問題については若干考えなければならない点があるかと思うのですけれども、政経分離と言いながら、食肉問題、こういう問題には農林、通産大臣が介入しているじゃないかと、こういうような非難の内容も入っておりましたね。あんな点についてはどうなんですか。
  93. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) そこのところは、ですから、向こうさんからおっしゃる言い分は、私はそれに対しては論評いたしませんけれども、政経分離で民間貿易だ、そのとおり。しかし、民間貿易ではあるが、食肉の検疫というようなことについては、政府というか、行政的な事務処理でそれに介入してまいりますから、それに対しては私どもとしても前向きに協力していこうと、何とか検疫その他の処置がうまくできないものだろうかというようなことで、側面的協力をしたことは事実でございます。それを政経一体だと言われればそのとおりだと言わざるを得ないと思います。
  94. 黒柳明

    ○黒柳明君 先ほど、いま何かの微妙な時期だから発言を控えると、こういうようなこともおっしゃいましたけれども、何か大臣、それは「自由民主党」ですからいろいろな自由な発言がある政党ということは私も承知しておりますけれども、微妙な時期というこの要素、どんな要素があるのですか。何かいまだけが微妙な時期じゃなくて、あるいは過去もそういう対中国政策というのはそんな変更はなかったように思うのですけれどもね。いまがこう特に微妙な時期なんでしょうかね。そうだとすれば、何かどういう要素があるのでしょうか。
  95. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) それは私の所属する自民党の党内的な事件の問題では――私のいま申しておりますことはそうではないのでありまして、これは先ほども羽生委員からも御質問があったときにお答えいたしましたような、本件の扱い方については、国際的な動きもあり、日本としての主体的な動きもあり、そしてまた中共側の今後示される反響ということもありましょうし、そういう意味で、私は、日本のいま政府として今日こういうことがあったから、その機会にこうこうこういうことを考えますというようなことを申し上げるのは私は微妙な時期だと思うということを率直に申し上げたわけでございますので、それらの考えられる反響その他についてはひとつ御理解をいただきたいと思います。
  96. 黒柳明

    ○黒柳明君 ちょっとおっしゃることがはっきりわからないのですが、どういうことを理解していいか私も理解しがたいのですが、もしいまのような政府の態度が続きますと、貿易量にしても二億から一億五千、さらに一億を割るだろうというのが七千万ドルになっちゃったのです。これも来年、再来年になるとゼロになる可能性もなきにしもあらずですね。そうなると、政府としても、先ほど大臣おっしゃったように、中国関係がいまのままでいいと、こう思っている者はだれもいない、こういうような御発言もあったわけですけれども、はたして日中の唯一のパイプというものをなくしても――極端な言い方だと思うのですけれども、貿易量というものがゼロになれば、当然そのパイプ――そういう話し合いというものも漸減することは間違いないと思うのですが、それでもやむを得ないと、こういうふうにおっしゃりたいのか。ということは、じっくり取り組む、長期的にといっても、この問題は年々この数年の間に貿易量が減少してきているわけです。本年の場合においても、二月の下旬から新聞報道で認識する範囲において、非常にやはり向こう側を説得するのに政治的な面で苦慮しておると、こういうような報道が流れてきておるわけですけれどもね。来年、再来年、そういうごく短期的な展望に立った場合の貿易量の減少とこのパイプというもの、つまりこの話し合いがどの程度まで残されていくのか。こういうことの可能性、日中の今後の正常化をぜひはかっていかなければならないと、こういう考えに立った上において自民党の一部の人がこういうところに努力している。これをすらも、いまの自民党の政府の態度というものがすべてゼロにする時期が来てしまうのじゃないかということを非常に私たちはおそれるのですが、いかがですか。
  97. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) これは先ほども申し上げましたとおり、この覚書貿易というものは、できれば期間も長く、それから額も多いことが望ましいわけです。そういうことからいって、今回のあれは額も少なかったし、期間も一年であった。しかし、とにかくこれだけでも残ったということ、協定ができたということを評価するということは、当時内閣としても公に言っているところでありまして、こういう関係が続く、あるいは広がるということは望ましいことであると考えているわけですから、そこで、先ほど私が申しましたことは何を言ってるかわからぬ、理解はできない、しろと言っても無理だとおっしゃいますが、やはりこういう国際的な問題について、ある何か一つのことがあったからといって、そこでばんばんと言うというようなことは、外交の姿勢としては、私は関連することが非常に多い。ですから、私の立場からは、いまのところ論評を差し控えたいということを申しておるわけでございますから、そういう点については、立場を変えて、黒柳委員がいま政府をお持ちになってその衝に当たっておられるとして、ひとつ立場を変えて御理解いただければ、おそらくお互い日本人として考えていることにそう違いは私はないのじゃないか、そういう意味で御理解をしていただきたいと、かように申し上げたわけでございます。
  98. 黒柳明

    ○黒柳明君 私もその立場は十二分に知っておりますしね、外務大臣の苦慮しておるところを知って発言しておるつもりですが、ただ、いまおっしったように、政府としても、これだけの額がきまったんだからまずまずいいとしておこうと、それでありながら、一方においては、これは政府と関係がないのだ、こういうような態度ですから、何かいいところだけ取って、悪いところは、これはもういまの日本の政府として、対中国政策、態度としてやむを得ないのだ、微妙な時期なんだからと、こういうふうなことをおっしゃっている気がするのですけれどもね。この点、何か私たちは気持ちがすっきりしないわけです。どっちみち肩を持つなら肩を持つと、ある程度政府もサポートして覚書交渉としての促進をはかる。あるいは全然知らぬ顔をするなら知らぬ顔をする。こういうような立場をはっきりしませんと、何かいいところだけを取って、悪いところは微妙な時期だからしかたがないのだということですと、だから、中国側はそんな虫のいい話はあるかと、あくまでも日本の政府というものを相手にとってものを言うと、こういうような態度で向こうは出てくるのじゃないですか。
  99. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) そのお話しになっていることも私はもう十分に理解できるつもりなんです。そうであるからこそ、先ほどもちょっと申しましたが、まあ、とっくり――とっくりと言ったってそう長いことではございませんが――とっくりこの古井君たちが苦労されたようなところの状況も十分伺って、そうしてそれを一つの参考にしてこれからの政府の行くべき道を考える一つの資料にいたしたい、こういうふうに思っているわけでございます。
  100. 黒柳明

    ○黒柳明君 中国問題を六九年内とかあるいは七〇年の六月の時点にめどを置いても無理だと私は思います。少なくとも七〇年代、あるいはさらに分ければ七〇年の前半とか後半とか、こういう一つのめどを立てて、いま外務大臣がそういう担当の所管の長にいるこの時点においても、やはりそういうものを一つの目安として、何らかの態度ですか、あるいは実際的に行動を起こせればそれにこしたことはない。ただそのことばだけで、発言だけで、じっくりとか、やがてとか、こういうことですと、やっぱり今後の問題が非常にぼやけてくると、こう思うんですけれども、七〇年代に、あるいは前半、後半とこう分けたとして、この問題、要するに中国との問題正常化にもつながるでしょう。あるいは安保の関係、台湾の関係をかすめなければ中国の問題は解決できないというようなことも古井さん言っておりますしですね、そういう時期的な問題についてはどうでしょうか。
  101. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) こういう問題については、先ほどもちょっと申しましたが、一つはまあタイミングの問題もございましょうし、それから一つはクリアカットにイエスとかノーとか、白とか黒とか言わないということの大事さということもまた考えていかなければならないんじゃないかと思います。要するに、先ほども申しましたように、この覚書についてコメントを求められる場合に、私は従来からの考え方からいって、とにかく事実上貿易協定というものがつながったということはよかったと。それから、いわゆる政治的問題等については、事があまりにも重要でございますし、これについてはただいまのところコメントを差し控えたい、こういうのが私の態度でございます。それ以上にまたいろいろと申し上げますと、いろいろまた思わざる波紋を描くこともあろうかと思いますので、まことにかたくななようで申しわけございませんが、それ以上は私として……
  102. 黒柳明

    ○黒柳明君 ですから、七〇年代における態度はどうあったらいいかということもノーコメントですか。
  103. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 七〇年代というふうな長期のあれに、私ども七五年にどうしたらいいか、あるいは八〇年にどうしたらいいかということになりますけれども、これはまたそこまではっきり申し上げることはできないんですが、このまんまの状態で満足できないということからしては、とにかく長期的な展望からすれば何とかしなければならないということは申し上げられると思います。それを七五年にやるのか、あるいは八〇年にどうするつもりなのかということは、いまの段階で申し上げるだけの考え方というものを固めておるわけではございません。
  104. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ、中国政策は愛知外務大臣がいる限りは、要するに、ものを言わない政策、腹芸外交でいくと、こういうことより事態は発展しないと思います。  そこで、一、二、沖繩問題ですけれども、私たち、ニクソン政権の首脳が沖繩問題について発言する時期を待っていたわけですが、一昨日ですか、ロジャース国務長官が記者会見で沖繩問題について発言したわけですね。非常に重要な問題であり、日本にとって困難な問題だろう、さらには、愛知外務大臣、佐藤総理の訪米のときには両国が満足するように処置をするというようなことも発言しておりましたけれども、いままでこういうニクソン政権首脳の沖繩問題に対する発言は一つもなかったわけですけれども、これをお聞きになって外務大臣の所見はいかがでしょう。
  105. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 前々から申し上げておりますように、六月早々に私がロジャース国務長官と会談をする、そのときが本格的下交渉の始まりである、こういう理解で双方で日程など打ち合わせておりまして、これが、記者会見で国務長官が質問に答えてああいうふうな表現をしましたことは、私から言えば、その私の理解しておることと同じことを言っておると思います。つまり、その意味は、六月のいま二日と予定されておりますが、そこの出会いから本格的な下交渉が始まると、で、双方卒直な意見の交換をそのときから始めましょうと、それから沖繩問題は、向こうのことばで言えば、とにかくアージェントな問題であるように思う。緊急な、日米にとっては処理しなければならない性格の問題であると思うと、こういう態度であることは、あの見解でも私ははっきりしておると思いますから、私といたしましては、日本国民の期待しておられるようなところを踏んまえて、ひとつその本格的下交渉のまず窓を開くところから全力をあげて入っていきたいと思っております。
  106. 黒柳明

    ○黒柳明君 きょう下田さんとレアード長官がお会いになると、こういうことですが、これは何か特別な御指示をされて沖繩問題について話し合うということが報道されておりますが、何か特別な御指示をされて、さらに外務大臣の下交渉か何かやっておるわけですか。
  107. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 下交渉というのは、いま申しましたように、私が参りまして始めるのが皮切りでございます。それから下田大使につきましては、これは当委員会でも申し上げましたかと思いますけれども、こちらは御承知のようにまだ肝心なところが白紙でございますから、そういう訓令は出しておりません。したがって、下田大使としては実にやりにくい仕事だと思いますけれども、こちらの意見というものはなくしてもっぱら先方の意見を聞く、いわば取材することにつとめろということは訓令してございますので、先般来、関係の役所筋はもちろんでございますし、日本問題に関心を深くしておる国会筋、あるいはその他の有力筋から先方の考えをそれぞれ――まだ向こうも政府としては白紙なんです。白紙でありますけれども、日本に関心を持つような連中がどういうふうなことを考えておるかということの取材につとめていることは事実でございます。レアードとも、これはこういう問題がなくとも、有力な閣僚でございますから、ときどき会見するのは当然だと思いますけれども、レアード国防長官がどういうふうな考え方をしているか、これはむしろ一般情勢、ベトナムの見込みなどについてももちろんでございましょうが、アメリカの国防総省としていまどういうことを世界的について考えているかということを聞いておくことは、少なくとも参考になると思いますから、そういう意味で会談をするわけでございます。こちらから沖繩問題についてこういうプレゼンテーションをしろというようなことを言ってあるわけではございません。
  108. 黒柳明

    ○黒柳明君 こちらが白紙、向こうも白紙、白紙と白紙で何だかぼうっとなってわからなくなってしまうという可能性もありますし、お帰りになってまた両二、三年をめどということをおっしゃるかどうかそこはわかりませんが、何か向こうのほうも、いま大臣がおっしゃったように、練られていない段階じゃないかと、こう思います、確かに。確かにまだ白紙の段階じゃないか、アージェントには違いないけれども、まだ沖繩問題について首脳部が練って、それで今度外務大臣がいらっしゃるときにどうしようと、こういう態度ぐらい決定しているのではないかと思いますが、アメリカの方針を示す段階には来てはいないんじゃないかと思うのですけれどもね。そうなると、やっぱり本格的な下交渉とおっしゃっても、こちらの意見を一方的に言うだけなのか、相当やっぱり向こうも話し合いを進めてもらった段階でこちらが乗り込んでいって、そうしてこちらの意見というものを十二分に言い、また向こうの意見も聴取する、こういうことでありませんと、少なくともこちらの一方発言で向こうがそれを承るという下交渉でもならないし、また、こちらが白紙で向こうの意見だけを承る、これでもならないと思うんですね。お互いに態度というものをある程度出し合いながら白紙に色をつけていくと、こういう態度、まあ日本のほうは白紙であっても、少なくとも当事者の主導権を持っているアメリカ側が何らかのやっぱり意思表示というものを外務大臣としておみやげに持ってこなきゃ本格的下交渉とならないと思うんですけれども、その段階にはちょっとアメリカ側まだ煮詰まってない、機が熟してないような私は気がする。いま大臣、白紙とおっしゃった。そういうふうな気が私もするんですけれども、この点について、いらっしゃったときに――もう間もなくですね、一カ月半ぐらいですが――その間に相当やっぱり煮詰めるためのさらに下交渉といいますか、する必要が私はあるんじゃないかと思うんですよ。どうでしょう。
  109. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、スタートが六月二日と私は考えておりますし、それから先方もそういう心組みでおるということは、先般の会見でも明らかであると思います。そして、それから、まあ十一月のいつごろになりますか、その間の五カ月ほどの日数をもうできるだけ有効に使って、日本の立場というものを十分成果としてあげたい、かように考えているわけでございまして、まあ大体、六月二日のあとは、今度はまだ日にちがはっきりしておりませんけれども、貿易経済閣僚会議の機会に先方が東京に来ることもほぼ確実になっておりますから、そこで二回目がとにかくこの七月の末なり八月にございますものは、主題は経済問題ではございますけれども、個別的いろいろの会談もできますから、それが二回目になる。それから、さらに九月国連総会出席の際の時期も活用できると思います。そうやってだんだん話し合いを進めてまいりまして、最後を十一月のトップ会談に持っていこうと、こういうふうな心組み、こういうふうな日程で運んでいくということについては先方も完全に応ずる態勢がある。まあ、中身はいかなる態度で向こうは出てくるかは別にいたしまして、そういうスケジュールで取り組み、かつ、だんだんと実りあるものにしていこうという、こういう心がまえでおるわけでございます。したがって、向こうもそこに至りますまでの間にいろいろと考えることもいま整理をしたり研究をしたりしている段階だと思います。まあ、そういうことで運びたい。同時に、こちらもまた六月二日以降一生懸命にやってまいりたいと考えております。
  110. 黒柳明

    ○黒柳明君 最後ですけれども、六月二日というのは一〇〇%完ぺきなんですね。衆議院の解散なんかでずれるとかキャンセルということは絶対ありませんか、これは。
  111. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) まあ、これは解散のことは私がここで言いましても……。
  112. 黒柳明

    ○黒柳明君 いや、六月二日のそれは一〇〇%完ぺきなんですか。
  113. 愛知揆一

    ○国務大臣(愛知揆一君) 私は、これだけ大きな問題でございますから、いかなることがあってもこれは実行するつもりでございます。
  114. 山本利壽

    ○委員長(山本利壽君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十四分散会      ―――――・―――――