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1968-11-14 第59回国会 参議院 物価等対策特別委員会 閉3号 公式Web版

  1. 昭和四十三年十一月十四日(木曜日)    午後一時七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  十月十四日     辞任         補欠選任      上原 正吉君     近藤英一郎君  十一月四日     辞任         補欠選任      近藤英一郎君     上原 正吉君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         大森 久司君     理 事                 林田悠紀夫君                 佐野 芳雄君                 阿部 憲一君                 中沢伊登子君     委 員                 佐藤 一郎君                 鈴木 省吾君                 高田 浩運君                 任田 新治君                 西村 尚治君                 山本  杉君                 木村美智男君                 鈴木  強君                 竹田 四郎君     国務大臣        農 林 大 臣  西村 直己君        国 務 大 臣  宮澤 喜一君     事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君        常任委員会専門        員        小田橋貞寿君     説明員        公正取引委員会        委員長      山田 精一君        公正取引委員会        委員       亀岡 康夫君        経済企画庁国民        生活局長     八塚 陽介君        食糧庁長官    檜垣徳太郎君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○派遣委員の報告 ○当面の物価等対策樹立に関する調査  (大企業の合併問題に関する件)  (牛乳等の値上げ問題に関する件)  (物価対策の基本問題に関する件)  (米の配給制度改善問題に関する件)     ―――――――――――――
  2. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。  まず、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  その前にちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  3. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 速記を起こしてください。  先般当委員会が行ないました当面の物価等対策樹立に関する調査のための委員派遣について、それぞれ派遣委員から御報告をお願いします。  まず第一班の報告を願います。高田君。
  4. 高田浩運

    ○高田浩運君 第一班について御報告をいたします。  第一班は、去る十月二日から六日までの五日間にわたり、大森委員長、佐野理事、阿部理事と私の四名で、兵庫県、香川県、高知県の消費者行政、公正取引委員会の地方機関の実情、高知市三里の礫耕栽培の実情を調査し、公共料金に関連して民間企業の意見を聴取する等、官民各界と意見の交換をしてまいりましたので、以下日程を追ってその調査の概要について御報告いたします。  まず、兵庫県の消費者行政でありますが、兵庫県では、昭和三十九年四月、全国に先がけて企画部に生活課を設置して以来、どこよりも住みよい兵庫県を目標に、消費者教育の充実、消費者保護の強化、及び消費者の自主活動を三本の柱として、生活の科学化の総合的推進がはかられてきたのでありますが、県民の積極的な参加と、市町当局及び各界各層の協力により、県下全域にその機運も高まり、活発な実践活動が見られるようになっております。  国民生活上最も関心の高い物価問題に取り組むため、昭和四十一年物価問題懇談会の設置を見、消費者のための物価対策がとられるよう消費者の立場から検討を進めてきたが、本年に入り、当面の検討事項として、食生活の構造変化に伴う生鮮食料品問題、寡占支配の問題、消費者主権の確立及び資源の適正利用を実現するための情報に関する問題等に重点を置き、豊かで明るい家庭をつくるために積極的な姿勢を示しています。  特に、第五十八回国会で成立した消費者保護基本法に沿って県当局も、神戸市に加え、新たに姫路市、豊岡市に県立生活科学センターを設置するとともに、各部課における事業の促進をはかる等、消費者行政を総合的に推進しております。  次に、神戸生活科学センターについて申し上げます。  この生活科学センターは、兵庫県民の社会変動に即応した自主性と科学性のある生活意識並びに知識及び技術の向上に資するために設置されたものでありまして、生活の科学化のための資料等の展示、消費者教育のための講座の開設及び研究会、講習会の開催並びに生活相談等を目的としております。  これを業務の実際について見ますと、生活の科学化に必要な知識普及のために商品展示ホール、商品の使用テスト、品質、数量等の実験、実習用の実習室、住宅、生活設計、商品サービスに関する苦情等の相談に応ずるための相談室等が設けられております。その他、生鮮食料品の情報提供、PR用パンフレットの発行等も行なっておりますが、特に申し上げたいのは、食品の色素、添加物品質等を検査するための試験研究室が置かれ、県民からの委託による随時検査を行なっていること等であります。委員からも、消費者が商品の善悪を判断できるような材料をこのセンターが積極的に提供すること、テスト機関を一そう充実させ、業者が不良製品を販売できないようにすること等、同センターが消費者保護のため十分に機能を発揮するよう要望もしてまいりました。  なお、県当局から政府の強力な消費者物価安定対策の推進、消費者行政についての行財政制度の確立、都市生活改良指導員の設置の三点について強い要望がありました。なお、地方公共団体に対して、これらの諸施設の設置について、国の積極的な助成が望まれるところであります。  次に四国の実情について申し上げます。  まず、四国における消費者物価の動きでありますが、消費者物価は、昭和四十年を一〇〇とし、高松市では四十二年は一一一・四、高知市では一〇九・〇であり、対前年比四・七%、三・六%の上昇で、全国平均四・〇%を高松では上回り、高知では下回っております。これは、消費者米価、授業料、家賃、生鮮食料品等の値上がりによるものであり、四十三年上半期の上昇度等を勘案すると特に全国平均と比し目立った動きの相違点はありません。  次に、香川県の消費者行政でありますが、香川県では、従来から各部において消費者を保護する各種の行政を、法律に基づき、あるいは独自の施策により実施してきましたが、これらの連絡調整を一そう強化するため、昭和四十一年七月企画部に企画調整班を設置し、消費者行政の意義と必要性について、市町村、消費者団体等を通じその認識を深めるとともに、消費者の利益を守るため県民生活優先の考え方に立脚した行政体制を確立することに重点を置いております。  昭和四十三年度においては、漸次整備されつつある消費者行政の充実整備、及び今日まで手薄であった消費者保護、消費者教育などの施策の積極的推進をそのねらいとした諸施策がとられています。こうした認識に立って、四十三年度の消費者行政の重点事項として、消費者行政の総合調整、消費者モニター制度、研修会、行政に必要な統計調査等の強化など積極的な姿勢を示しています。また、米穀の流通対策推進、販売業者への監査及び集中精米による小袋詰の配給伝票制実施の指導を行なっております。生鮮食料品生産者対策として、青果、鮮魚の民営市場に対して生鮮食料品の安定的供給、大型化のため、県内四十余万人の消費人口を対象として、また消費者行政の一環としてこれらの合同による中央卸売り市場の開設に積極的な助成を行ない、昭和四十二年に中央卸売り市場開設認可を受け、同年三月開場となりました。同市場の各部別卸売り人は当初単数制で発足する方針で諸準備を進めていましたが、最終段階で公正取引委員会の認可が得られず、急拠複数制として開場した。このため若干の混乱を生じ、これがいまなお業務執行上問題となっているとの説明がなされました。  また、生産者対策として、山間高冷地野菜振興、食肉流通対策、水産振興対策等、一般県民消費者の家計に大きく影響する生鮮食料品について供給の面からその安定に積極的に取り組んでおります。なお、県当局から地方卸売り市場の整備統合、主要魚種の種苗生産技術等の開発の推進等について強い要望がありました。  次に、公共料金に関連して四国電力株式会社において、四国の電力の現状等について説明を受け、昭和二十九年、九電力会社が料金改定を行なって以来、現在に至るまで電力料金据え置きであること、また、コストの上昇を生産性の向上、コンピューター採用等の合理化により吸収し、今後も低料金と四国の地域開発と産業の発展に積極的に協力していきたいとの説明を受けました。  四国電力においても、他の電力会社と同様に電力のエネルギー源のうち、水力と石炭は量的にも経済的にも限界があり、現在主力となっている石油も輸入にたよっているので、エネルギー源の供給安定性と原子力発電の経済性を考慮して原子力発電を昭和四十七年ごろに着工し、五十一年ごろに運転を開始するよう開発を進めております。  次に、公正取引委員会香川事務所について申し上げます。  香川地方事務所は、全国七地方事務所のうち、四国四県を管轄区域として、昭和四十二年七月に設置され、定員八名の事務所であります。現在総務課と審査課の二課よりなり、総務課の職員が審査課を兼務しなければ業務が執行できなく、わずかの職員で四国全域を担当しているという小さな事務所であります。総務課は独占禁止法により株式の保有、役員の兼任、合併、営業の譲り受け、再販売価格維持契約に関すること、下請代金支払遅延防止法及び景品表示防止法の施行等にあたり、審査課においては違反事実の報告の受理、違反事件の審査等に当たっていますが、最近の事務量の増大と地方機関の一そうの充実のため、定員増加の強い要望がありました。  次は高知県についてでありますが、生産県としての本県については、おもに生産面の問題にしぼって申し上げたいと思います。  まず、県民所得について申し上げますと、昭和四十一年度県民所得は一千九百五十億円で、前年度より約三百億円の増加で、伸び率では対前年度比一六.三%と、各産業の活発な経済活動の結果を示しております。また、国民一人当たりの所得の伸び率においても全国の一五・八%に対して一七・四%と大きく上回っております。生産県として問題になるのは労働力人口の県外流出にあり、ここでも労働力不足が経済発展のネックであります。  また、道路、鉄道、港湾等の産業基盤は急速に改善されつつあり、四国循環鉄道、本州四国連絡橋架設促進等による明るい展望もありますが、地勢、地理的な条件が容易に克服できないという悪条件は依然として存在しております。以上のような情勢、立地条件の中で急速に後進性を克服し、先進県になるため、県民一体となって努力し、その効果をあげるため、昭和四十六年を目標に各種の政策を実施しております。特に、生鮮食料品の生産と流通対策等については、キュウリ、トマト、スイカなどを中心とする促成及び抑制栽培に転換して以来、生産が拡大され、昭和二十九年に約一千ヘクタールから四十二年には約三千ヘクタールに加速度的に増加し、生産量においても四十二年には約十二万トンと、十年前の三倍強に増加しております。また、県外における販売高も四十二年においては約百二十三億円と十倍近い伸びを示しております。また、流通、特に価格については、省力、多収、出荷体制の強化、流通コストの低減化等、多大の努力を払っていますが、諸資材、労賃、運賃等の値上がりにより、生産、流通、コストの高騰を余儀なくされていますが、その割りには、単価は上昇していないとの説明を受けました。また、青果物のおもな出荷先は、従来、関西市場が中心でありましたが、ここ十年来京浜市場向けが増加し、昭和四十二年では、数量、金額とも約五七%を占めるようになっています。なお、輸送手段としては、鉄道八五%、トラックその、他一五%でありますが、今後道路の整備拡充によってトラックの輸送の漸増が見込まれます。  次に、三里農業協同組合の行なっております野菜の礫耕栽培について申し上げます。  この三里地区は、早くから温暖多湿な気象条件を生かして、キュウリ、ナス、トマト等の栽培が行なわれ、蔬菜産地として全国的に有名なところでありましたが、最近になりまして競合産地の出現、労働力不足に加え、砂質のやせ地であること、古い野菜産地であったため連作障害が生じること、及び海岸地帯でありますので海水による塩害がしばしば起こる等の生産に不利な条件が重なり、栽培様式の根本的改善が迫られておりました。このため昭和三十六年に農林省興津園芸試験場で試験中の礫耕栽培に着目し、三里園芸組合で試験栽培を行なった結果、良好の成績をあげましたので、昭和三十八年より農業構造改善事業として取り上げ実施しているものであります。  栽培方法について簡単に申し上げますと、コンクリートパネルで長方形のワクをつくり、内部をポリエチレンシートで内張りし、その中に厚さ二十センチほどの砂利を敷き詰め、別にパイプで培養液を送り、礫に浸透させてキュウリ、トマト、ピーマン等、野菜の苗を植え込み生育させるのであります。この方法によりますと輪作が可能になるとともに、労力の節約と経済性の向上が得られ、このようにして栽培された野菜は集荷所で選果から秤量、包装まで機械化され、きわめて高能率的に処理されており、今後の園芸栽培を進めていく上で示唆に富む点が多いと思います。  次に、高知市中央卸売り市場について申し上げますと、本市場は昭和五年に開設されましたが、施設の老朽化、取り扱い量の増大、輸送機関の大型化等に伴い、市場が狭隘のため、昭和四十二年三月に中之島の県有埋め立て地、三万九千平方メートルに工費五億九千万円をかけ建設した近代的設備を誇る市場であります。新市場開場を機に青果部を場外業者二社を統合して新規卸売り人一社を設立したので、これまでの単数制から複数制となっています。また、新市場の大型化に伴い取引機構の合理化をはかるため、新たに仲買人制度を設置いたしました。本市場の年間取引量は約五千トン、取引金額は約六十億円であります。なお、当局から補助対象設備の拡大及び補助率の引き上げについて要望がなされました。  以上、日程を追って調査の概要について御報告申し上げたのでありますが、地方公共団体の物価対策にはおのずから限界があります。今後、来年度予算編成にあたっては、物価安定の見地に立った予算の編成がなされるとともに、強力な諸施策がとられることが必要であると思います。  以上、簡単でありますが、調査結果の概要を申し上げて御報告といたします。
  5. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 次に、第二班の御報告を願います。林田君。
  6. 林田悠紀夫

    ○林田悠紀夫君 第二班は、私と鈴木省吾委員、鈴木強委員、木村美智男委員の四人で、去る十月十四日から十七日まで、群馬、長野、山梨の三県を視察してまいりましたので、その内容の概略を御報告いたします。  十四日の第一日は、高崎市の卸売り商業団地を見ました。この団地は、従来高崎市内に散在しておりました卸売り業の合理化、近代化をはかるため、国道十七号線のバイパスに沿った全く新しい土地三十三万平方メートルを開発し、新しい卸売り団地を建設したものであります。昭和三十八年政府が指定した卸商業団地の第一号でありまして、総資金二十七億円を投下し、昭和四十二年完成したものであります。会館、展示場、青果・水産物市場のほか、繊維、食品、雑貨の三部門に分かれ、百五十八社が現に営業しております。商品の搬入搬出ともに便利で、倉庫も完備されたため輸送コストも著しく軽減され、従来一〇%くらいの伸び率であった売り上げも、集団化のおかげで三〇%に伸びつつあるといわれております。取り引き先は地元群馬はもちろん、埼玉、栃木、長野、新潟の五県がおもなお得意といわれ、高崎全市の売り上げ高七百三十六億円中、この団地の売り上げは五百億円を占め、北関東の中心問屋団地となっているのであります。この団地は小売り商品なら何でもそろうこと、事務、輸送の合理化のため電子計算機などを用いて、流通革命時代にふさわしい流通コストの引き下げをはかること等を目標に営業を行なっており、小売り店が安く仕入れ、薄利多売によって末端消費者価格の安定に寄与したいと述べておりました。そのため、中小企業近代化資金ワクの拡大、貸し付け対象となる中小企業の定義の最大限度を引き上げ、地方都市にも再開発資金制度を考えてもらいたい等の要望があり、国に中小企業対策はあるが中堅企業育成施策がないことが指摘されておりました。  次いで、群馬県庁で物価問題懇談会に出席しました。これは、今回の現地調査の目的が物価問題に対する地方のなまの声を聞くことにありましたので、あらかじめ県の消費者行政担当課にお願いし、消費者、生産者、業者代表等を適宜選定して出席方を依頼しておいたもので、各県とも同様な懇談会をもつことができました。群馬県では特に地元の近藤議員も出席され、きわめて有意義な集まりでありました。参集されましたのは、県消費生活問題懇談会の副会長、商工会議所、農業団体代表のほか、地域婦人団体連合会長、県消費生活モニター、薬剤師会、理容環境衛生企業組合、食肉組合代表、生活協同組合代表等十二人のほか、県知事及び県関係部長が出席しました。  これら代表の発言のおもなものは、米価と物価の悪循環も、二、三年先を見通して是正する政策をいまから打ち出してほしい、物価寄与率の高い青果物の価格安定のため地方市場の統合が必要で、そのため地方卸売り市場法の制定を考えてほしい、消費者組織が弱いので、生活協同組合等の組織化と生協の員外利用を農協並みに認めるべきである、量目検査や不良商品の取り締まりを徹底することや、食肉の価格引き下げと安定のため家畜の増産対策が必要である、物価より賃金所得はおくれて上がるため、所得税の基礎控除額の引き上げを望む、等の意見が述べられ、生協連で卵や生乳を安く配給している実例なども紹介されました。また、前橋市の物価指数が、全国で一番低くなっているのは統計調査の誤りでないか等の意見や、医薬品の再販売価格維持制度の存続、米価審議会に消費者代表を加えよ等の意見も述べられました。  翌十五日は、吾妻郡妻恋村の高原キャベツの出荷状況を視察しました。この地区のキャベツの本年の生産見込みは千二百五十ヘクタール、七万五千トンが見込まれ、東京市場の六割がこの地帯から生産されているという大きな供給基地であります。しかし、東京で一個五十円から六十円しているキャベツが、十六個入り木箱一箱四百五十円、一個二十八円であり、かりに末端消費者価格を六百七十円、一個四十二円くらいとしても、運賃、箱代、市場手数料を差し引くと、農家の粗収入分はその三二%、実所得は二三%に過ぎないと説明されております。特にその日出荷のためボール箱に詰めている農家の人に聞いてみると、品質も若干落ちてはいましたが、六個入りダンボール一箱は百五十円で、箱代、運賃に百円かかるので、農家の手取りは五十円しかないという実情であると語っておりました。現在それでもキャベツが生育に適しているので連作が行なわれ、根コブ病なども発生しているので、さらに七百八十ヘクタールの国営開拓パイロットによる開畑を計画し、輪作体系に持っていきたいと希望しておりました。  このような高原野菜の集団産地の農家手取り価格と、消費地における小売り価格との開きは、長野県に入り、北佐久郡御代田町においても見られました。この町では、白菜七十三ヘクタール、カンラン八十ヘクタール、レタス九〇ヘクタールを作付けており、その六〇%を京浜市場へ、四〇%を京阪神その他へ出荷している軽井沢高原の町で、四十一年度から野菜指定産地となり、構造改善事業でつくったりっぱな野菜の集荷場を持っておりました。一行はレタスの集団栽培地や、同町小沼農協の出荷所を視察しました。この地区も、野菜指定産地近代化事業が実施されてから、急激に産地化が進んだ地区ですが、米軍から指定されたほどの清浄野菜の集団産地であるにもかかわらず、いまだレタスが指定野菜に指定されておらないので、指定産地に採用し、価格安定制度の対象としてもらいたいとの要望があり、なお、近代化事業の補助率が三分の一であるので、構造改善事業並みの二分の一に引き上げること等の要望がありました。  次に、最近生活用品販売事業に力を入れ、年八千万円以上の売り上げを行なっている上田市農協の塩尻支所スーパーストアに立ち寄り、販売されている肉類や生鮮食料品の販売価格などを視察、長野市に入り、県庁で長野県での物価問題懇談会に出席しました。  長野県の物価懇談会では、まず、パン商工組合理事長が中小企業者を代表して、中小企業では、労賃が上がると製品の価格を上げないとやっていけないから、大企業と中小企業とを税制で差を設け、また分野調整を考えるべきだと、その悪循環対策を述べ、労働代表から、物価対策、消費者対策ともに各省バラバラであるから総合調整が必要であることや、地方間の青果物の交錯輸送等のむだ等が指摘され、また、県婦人代表からは、米価について生産者と消費者と反目していてもしかたがないから、米の値切り買いと、二割の精麦混入で、米の値上がりに対処する申し合わせをしている等の悲壮な発言もありました。さらに青果市場の代表は、公共料金等運賃の値上げが青果物の価格上昇に大きく影響する、このため卸売り人に近代化資金を融資され、市場設備の改善や運送手段の合理化を行なえば地方の物価は下がるとの発言があり、また、物価上昇率はせいぜい三・五%か四%が限度で、それ以上上昇する場合は各職場で独自の物価上昇対策を考えざるを得ない段階にきており、賢明な対策を望むという労組代表の発言などが述べられました。  十六日は、長野を出発し、ようやく紅葉の季節となった小海線で、八ガ岳の小海高原野菜生産地帯などを展望しながら山梨県に入り、甲府の県庁で山梨県の物価問題懇談会に出席しました。  この集まりでは、かつて参議院物価対策特別委員会に参考人として出席し意見を述べられたことのある県農協経済連会長が、地方の物価安定のため考えられる方法は、一つは消費の動向に見合った生産が行なわれることが必要で、これが行なわれないと、キュウリやトマトの価格も安定しない。第二は、野菜等の指定生産制度を充実し、計画生産、計画出荷を、荷姿を統一して実施すること。第三には、正しい価格形成の場として中央卸売り市場を開設する必要があり、第四には、産地安の消費地高を解消するため中間経費をできるだけ節減する方途を講ずる必要がある点等を指摘されました。また、商業協組理事長は、青果商の立場から、同様公営卸売り市場の設立の必要性と、品種、銘柄、量目を正しくし、中間経費の節約のためにも、地方卸売り市場では仲買い人を排除すべきであると主張されました。また、県婦人会、消費生活モニターの婦人代表も、ビールの値上げや、LPガスの値上げ等を引用して、物価値上げムードを押えることの緊要性を主張し、政府も国会もき然とした態度で物価対策に臨むべきであることが強調されました。また、商工会議所からは、中小企業の過保護より合併資金の貸し出しのほうが効果のあること、薬業士会からは医薬品の買いたたきや、再入札買いが始まっており、再販価格を維持する必要のあること、県食肉公社からは食肉の輸入を、水産物小売り協組からは問屋の乱立や過当競争の排除等が要望されました。  翌十七日は、朝五時起床、五時半から市内の魚と青果の市場を視察しました。まだ薄暗い国道二十号線の両側に、まぶしい灯下で早くも活発な取引が行なわれておりました。その中で、創業昭和二十五年、年間取り扱い高十六億円、従業員六十八名という有野水産と、従業員三十二名という日本水産系の甲府魚市場を訪れ、実際の取引状況を見てまいりました。これらの市場は、戦前からの甲府盆地の魚市場で、戦時中は統制され、せり売りを行なっていましたが、戦後は各問屋が自由営業、自由販売の形となり、相対取引を行なっております。買い出し人は、仲買い的な地方商人四十五店、市外の地方小売り人百店、市内小売り業二百五十店あり、地方市場としては重要な地位を占めているのでありますが、国道の交通停滞、不衛生、業者乱立等のため、魚市場の統合と移転が問題となっており、すでに移転予定地もきまっているようであります。しかし、中央卸売市場法に基づく甲府市営の市場とするか、民営総合卸売り市場とするかがきまっておらず、現在なおその両者の利害得失を検討中であるとのことでありました。  続いて、やや整備の進んでいるマル統青果市場のせり売り状況を視察し、最後に、昨四十二年市内に開店したD・D・S方式の総合小売り店を視察しました。この小売り店は廉価大量販売を目標とし、百貨店と異なり、セルフサービスとデスカウント方式を採用しており、小売りの合理化による廉価販売のために、一、現金買い取り方式による大量仕入れ、二、可及的に第二次、第三次問屋を排除することによる流通経路の短縮、三、セルフサービスによる販売経費の節減、四、商品の高回転と大量販売を実施しているのであります。このため、売り上げも伸び、初年度すでに四%の純益をあげており、小売り店合理化の一つの見本を見せられた感じがいたしました。  このようにして、第二班は、東京首都圏の生産基地を三泊四日で視察してまいりましたが、野菜等青果物の生産、流通、商品の卸小売り機構につきまして、物価安定のため、改善合理化の余地が多く残されており、きめのこまかい総合的対策を早急に樹立し、実行する必要があること、また、物価安定を望む地方消費者の要望は非常に切実で、地方では何のきめ手もなく、一に政府の物価に対する強い姿勢にまつものが多いので、このような地方の声を政府の政策に反映させてもらいたい、この点でも物価等対策特別委員会に大きな期待をかけているという声が大きかったことを申し添え、報告を終わります。
  7. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。
  8. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  9. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 速記を始めて。  木村君。
  10. 木村美智男

    ○木村美智男君 時間がだいぶ制限をされておりますから、できるだけ簡略にお伺いをして、答弁もそういうふうにお願いしたいと思います。  合併の問題で、一般的な独占禁止法の解釈問題にもなるかと思うのですが、少しお伺いしたいわけであります。公取委員長にあとで総括的な意味でお伺いしたいと思うのですが、とりあえず亀岡委員に。  御承知のとおり、独占禁止法の第一条には、独禁法の目的というのが書かれておりますが、結局、言わんとするところは、公正かつ自由な競争を促進するというところにこの独禁法の精神が私はあるんじゃないかと思うのです。そういうことを考えてみますと、一般的に言って、一つの事業分野で企業が多い場合、あるいは企業が少ない場合、そういう場合には、一体どういう状態にあるのが一番競争が促進されるような状態になるのかということですね。多少私の考え方を言うならば、一般的に言って、企業の数が多ければ多いほど競争というものは行なわれやすい、そういうふうに考えておるのですが、独禁法のたてまえから言って、そういう理解のしかたについてどういうふうにお考えか、御見解を伺いたいと思います。
  11. 亀岡康夫

    ○説明員(亀岡康夫君) お答え申し上げます。  ただいま独禁法の第一条の目的規定を引用されまして、独禁法は公正かつ自由な競争を促進するということが目的になっている、まさにお説のとおりでございます。この目的規定を根拠といたしまして、現実にありますいろいろな独禁法に抵触する行為、これを規制していこうとするのが独禁法の各条項だと考えます。  そこで、いまお尋ねの、市場と申しますか、取引分野という前提が要るかと存じますが、そういう市場において企業者の数が多いほど競争が行なわれるんじゃないか、それから、市場において企業の数が少なければ競争が行なわれにくいのではないかというお尋ねかと存じます。  そこで、問題を考えてみますと、抽象的一般的に申しますと、単に、ある市場において、規模のことを考えないで、たくさんの数の事業者が競争しておるという状況を見ますと、これは数が多いほど、数が少ない場合よりも競争が行なわれやすいということは、これは一般的抽象的に申し上げることができるかと思います。しかし、現実の市場と申しますか、そういうものを目して考えた場合に、この数ということだけでは問題は解決しない。何となれば、ある企業者がその企業を行なおうとするというときに、おのおのその事業に適した規模、これは経済学的に申しますと、最適規模の企業、こういうことばを使われておるかと思います。そうしますと、これは必ずしも一定の市場において、最適規模のことを考えないで、数が少なければ競争が行なわれにくいというように一般的抽象的にはまた言いにくいのではなかろうか。したがって、私の基本的に申し上げたいことは、この法律を適用いたします場合に、完全に自由な競争が行なわれるという想定もあるでしょうし、それからまた、そうではなくて、市場支配というようなことに至らないで、いわゆる経済的な用語を使いますと、寡占というような競争状態もあり得るんじゃないか。そうしますと、こういう現実の経済自体に即してある行為が行なわれると、それが「公正且つ自由な競争」という法律の目的に照らしてどういうふうにそれが評価されるか、判断されるか、という問題に帰着するのではなかろうか。したがいまして、基本的なこととしては、一般的抽象的に、数が多いとか少ないというだけでは、この自由な競争がそのまま、法律の言っているとおりに実現されるどうかということは、それだけの要件では十分ではないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  12. 木村美智男

    ○木村美智男君 大体わかるような気もするのですが、実は、亀岡委員に私がお伺いしているのは、普通、現在が資本主義社会ですから、小さな企業がたくさんあって、どうにかなっているうちで、たとえば過当競争というような心配があるというような、そういう問題を私は言っているのじゃないのです。独占禁止法というものを適用するというようなことの関係の企業なり事業分野というものを考えた場合に、やはりそれは大体大企業が対象になるのですよ、これはね。そうでしょう。小さな企業は、もう独禁法の対象になっていかない。そうなれば、したがって、それは数と言ったって、いわゆる過当競争になるほどのそういう関係はある場合もありますが、今日では、むしろ一般的に言えば寡占状態です。そういう意味で言うと大体答えられているが、それは、より少ないほうが一般論、抽象論的に言って競争は自由に行なわれやすいと、こういうふうに答えられているから、その筋は了承をいたしますが、では、いま、寡占状態を前提とした場合に、やはりその事業分野で競争的であるためには、寡占企業の事業能力というものが大体そろっているほうが実際には競争ということが行なわれやすいのであって、霞が関の三十六階が一つぼんと飛び上がってあって、あとは十一階のビルが建っている、こういう状態の場合には、どっちかというと霞が関ビルが市場支配力を持つような状態になりやすい、こういう意味で私はいま申し上げたわけですが、そういう結果について、詳しく答えられなくてもけっこうですから、たとえば自動車なら、トヨタ、日産、これに鈴木なり、あるいはその他の自動車がそれを中心としてたくさんあるから、案外自動車の値段というものは多角競争でむしろ値下がりの方向にある。これは現実にそうですね。そうでないものについては、やはり今度は逆な形をとっているものもあります。そういうことからいったら、一体この大手並存というか、そういう競争的寡占の状態にあることが自由な競争を促進するということに一般的にはなるのじゃないでしょうか。この点について御見解をお聞きしたい。
  13. 亀岡康夫

    ○説明島(亀岡康夫君) お答えいたします。  いまのお尋ね、これは法律問題と経済問題と分かれると思いますが、法律問題として取り上げる場合には、これはいまおことばの中にありましたように、市場支配ということが問題になるかと思いますが、法律的な観点を離れまして経済的に考えてみますと、お説のように、寡占の状態において何社かの企業が一定の取引分野にあるという場合に、その企業の規模なり能力なり、そういうものを見た場合に、お互いに力がそう懸隔がないと申しますか、差がないという場合と、そうではなくて、大規模な企業が飛び抜けてほかの企業と能力なり規模において差をつけているという場合、それを比較した場合に、競争が行なわれるという状態、それを見た場合に、前者の場合が後者に比較して競争が行なわれやすい。これまた否定できないと存じます。その意味で、いま先生が仰せになりました点はそのとおりだと思います。ただ、これは経済的にそう申し上げたのでありまして、これを具体的に何かの行為を取り上げて法律的にどう評価するか一どう評価するかと申しますと、結局、法律でいろいろな行為が禁止されている、その禁止されている対象――。具体的に一つの例をあげて申し上げます、市場支配となる行為、そういうものはいけないというふうに考えた場合に、競争が行なわれやすいことは望ましいことなんですが、法律的に判断、評価する場合には、そういう辺の評価が要るのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  14. 木村美智男

    ○木村美智男君 その前段に、経済的には大体私の見解と大筋同じようなことで、私たいへんけっこうなんですが、法律的に考えたらそうばかりはいかないということは、ちょっと私理解できない。なぜかと言うと、これは第一条もそうですが、十五条の「合併の制限」という条項もあるわけでありまして、少なくとも、いま言う経済的な実態というものと法律解釈が、大体法律解釈に沿って実態がどう展開しているかという判断のものさしが独禁法なんですから。したがって、どうも経済的にはおまえさんの説には賛成だけれども、法律的には必ずしもそうではないという言い方が、これは十分よくわからぬので、きょうは時間の関係ございますから、私この辺にしておきまして、法律的な問題については、もう少し別の機会にこれはお伺いしたいと思うのです。  いずれにしましても、いま申し上げたように、大体今日のような寡占状態の中でほんとうに公正取引委員会というものの役割りは何かということを考えていけば、これは、寡占化の進行状態があるということは一般的趨勢であることは私たちも認めておる。しかし、その中でやっぱり相当自由な価格競争が行なわれるような形の中で、その福祉が国民にも返ってくる、同時に、国民経済もそういう競争を通じて今日の高度成長がなされたように発展を遂げていくということがやっぱり望ましいわけで、私は、独禁法の第一条もそのことをそのとおり目ざしておると思いますし、それから合併の制限の条項についても、そういうことになってはいかぬ、市場支配力を持って。プライスリーダーを構成するようになってはいかぬから、したがって、一定の取引分野において実質的に競争制限をすることになるような合併については、これはいかぬと、こう禁止してあるわけですから、この法律的な見解という点は大体うなずかれておるようですから、あまりこれ以上申し上げません。一応前段の経済的な問題のところで御了解をいただいた点をお伺いしてたいへんありがとうございました。  そういうことで、亀岡委員の関係については質問を終わります。  それから、非常に時間に追われておるわけですが、公正取引委員長せっかくおいでなんで……。  どうも、最近ひんぱんに委員会を開かれて、非常に熱心に合併問題等を中心にしてやられている。そういうことで、私どもも残念ながら新聞報道で知る以外になかなか事情がわからぬわけです。したがって、大体あの新聞に出ているようなことで大筋間違いがないのかどうかということ。  それで、いつごろに、当面している問題なんかは、たとえば年内とか、年明けてからとか、そういうような目標かなんか持って作業を進めているのかどうか。それで、付け加えて、独占禁止懇談会といったようなものを設けられて、非常にあらゆる角度からこの問題を慎重に検討されておるという態度は、私敬意を表したいと思うのですが、どうかそういう意味で、でき得れば、ある程度報告のできるものは、記者会見で発表をしておる程度のものを何か印刷をして、ぜひ資料として配ってもらいたいと思うのです。だから、大筋、新聞報道のようなことでよろしいのか。それから、ある程度記者会見で出せるような進行状況というものを資料によって出してもらえるかどうか。この二つをひとつ……。
  15. 山田精一

    ○説明員(山田精一君) ただいまの木村委員の御質問にお答えいたしますのに先立ちまして、一言お礼を申し上げさしていただきたいと思います。  先般当委員会の委員の方々が私どもの役所の高松事務所をつぶさに御視察いただきまして事務所員を御激励いただきまして、まことにありがとうございました。このお席を拝借してお礼を申し上げます。  ただいまの木村委員のお尋ねでございますが、新聞における記事が出ておりますが、これは、私どもが発表いたしましたとおりでは必ずしもございませんで、かなり新聞記者の諸君が勉強されたところが付け加わりましたり、あるいは推測のようなものが付け加わっておるように思います。私ども事務局長がスポークスマンとして発表いたしておりますのは、きょうはどういう品目について検討をしたというだけのことでございまして、その内容の詳細等については発表いたしておらないのでございます。  それから、期間がどのくらいかかるであろうかというお尋ねでございましたが、私ども、一般行政の根本原則といたしまして、できるだけ早く処理をいたしたいということは目標といたしておりますが、ただ当面いたしておりますところの問題は、事柄が非常に重要でございます関係上、いままでしばしば申し上げておりますように、私どもといたしましては、十分慎重に、詳細に、厳正に調査をいたしてまいりたいと、かように考えております関係上、いつまでに仕上げるという、この目標は別に定めておらないわけでございます。現在、週三回程度委員会を開きまして審議を進めておるわけでございますが、なお相当期間はかかるように思いまして、別にスケジュールというものは立てておりませんわけでございます。  それから、審議も、ただいまは個々の品物幾つかにつきましてその詳細を調査をいたしておる段階でございまして、かりに御報告申し上げるといたしましても、やれブリキについて調査をいたしたとか、レールについて調査をいたしたと申し上げる程度でございまして、特にまだ御報告申し上げるような内容のものには至っておらないわけでございます。  以上をもちまして……。
  16. 木村美智男

    ○木村美智男君 それから、どうも最近、醸造食品の表示の中で、御承知であると思いますが、たとえば、しょうゆ、みそ、それからお酒、酢、みりん、こういったようなもの、例をあげればたくさんあるんですが、たとえばみそなんかは、大豆かすを使ってそうして酵素のない、三日くらいの速成で味の素を振りかけて、みそだといって出してきているのがあるそうです。公取でも取り上げられたようですが、アルコールを混入して、これで健康酒と名づけて売っている。実際は、合成酒が売れ行きが悪くなったからそういうことをやっておるのですね。こういったものがたくさんあるんですが、そこら辺の問題について、少し表示をはっきりさしていただくわけにはいかぬでしょうか。つまり、そういった健康酒とかなんとかいうやつは、これはやっぱり合成なんとか酒というようなことにするとか、しょうゆの場合も、アミノ酸を使ってつくって、一年以上もかかって醸造しているやっと同じようなしょうゆという名称を使っている。これは不当表示なんですね。したがって、そういうことを含めて、いま五つばかり例を出しましたが、もう少し正確に、合成しょうゆとか、いまの健康酒なんかについても、あるいは新清酒なんかについても同じなんですが、これひとつ、そういう表示を正すという御意思はないんでしょうか。
  17. 山田精一

    ○説明員(山田精一君) 御指摘のとおり、最近は、各種の商品につきましていろいろな添加物がございましたり、あるいは製造方法が変わってまいっておるわけでございまして、私どもといたしましては、根本方針といたしまして、表示をできるだけ適切ならしめて、消費者の誤認を招くようなおそれのないようにつとめてまいりたいと思っております。ただいま御指摘の商品につきましても、それぞれ調査をいたしておるわけでございまして、業界において公正競争規約をつくるとかいうような動きのございますときには、できるだけ成分の表示をさせるように指導をいたしておるわけでございまして、今後ともできるだけ、適切な表示、誤認を招かないような表示ということに努力いたしてまいりたい考えでございます。
  18. 木村美智男

    ○木村美智男君 農林大臣がお見えになりましたので伺いますが、一つは、牛乳の値上げの問題。私の手元にこういうものがあるんです。「価格改定の御願い」。十一月十日の日付で、「明治牛乳・条生牛乳店」というのがあるんですが、これは一つの例であります。問題は、この中を見ますと、最近の従業員の待遇改善等による著しい人件費の値上がりで、不本意だけれども、十日の日付で、あしたの十一日から牛乳一本(一八〇cc)を三円上げますよ、こういう内容なんです。このことについて、まず、農林省は知っておられるかどうか。さっきの物価委員会の視察報告の中にも物価に対する政治姿勢の問題がありましたが、これ一体、御存じなのかどうかということをお伺いしておきたい。
  19. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 十月の中旬ごろから、東京の一部地域の牛乳販売店で、牛乳の小売り価格の値上げを各家庭に通知する動きがございましたことは承知しております。これに同調する小売り店がふえつつある傾向もある。ただ、これはまだ主として東京都内の一部地域である、こういう状況ではございます。その理由は、一応私どもの承知しているところでは、最近の労働事情による配達員の確保がむずかしいから、こういうようなことが中心になっておる、この実情は一応存じております。
  20. 木村美智男

    ○木村美智男君 それで、実情はわかったので何か対策をとられておりますか。
  21. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 御存じのとおり、飲用乳につきまして、市乳につきましては、指導価格でなく、現在は自由価格でございます。直接政府がきめるとか、あるいは指導するとかいう価格でないことは御存じのとおりでございます。しかし、私どもといたしまして、現在牛乳が不需要期であります。しかも、ことし春から夏へかけまして、乳価のあり方につきましては生産者あるいはメーカー等の間におきましても相当長い間むずかしい問題がございまして、少なくとも今年度は末端消費価格には影響しないという形において一応の妥結を見たやさきでもございますだけに、この点につきましては遺憾に存じております。それからいま一つは、こういうものはワンサイドだけで部分的にものを動かすという事態がはたして妥当であるどうかというようなこともございまして、私どもとしてはその実態をさらに明らかにしていきたい。もちろん、事態はいろいろ流動しておるようでございますけれども、実態は明らかにしてまいりたい、こう考えております。
  22. 木村美智男

    ○木村美智男君 どうも、大臣の回答を聞いていますと、非常に私なまぬるいと思うのですが、これは、中に書いてあることも、大臣お答えになって御承知のように、人件費の値上がり、一本三円というのはどういうことかというと、大体いま牛乳の配達員の一人当たり負担量というのは少なくて二百本、多いところで三百本ぐらい、だから三円の値上げということは一日六百円、九百円ぐらいの値上げということです。一カ月にすれば大体二万円から三万円ということになるわけです。これが「従業員の」と、少なくともここに書いてあるのだから、それなら、その半分ぐらい従業員の待遇改善に回していくのかということになると、これはたいへんな問題なんですね。いま大臣が言われたように、どうも名前は小売り店になっているが、頭書きのところは明治だとか森永だとか書いてある。小売り店だけはでかく書いてあって、肩書きがあるけれども、こういうことを見ると、メーカーもこれに関係があるように感じるわけです。新聞報道によれば、大体三円はよけいだからおれのほうによこせといったような動きもあるように見える。ある地域等に行けば、近く組合の寄り合いでこれをきめるんだといったようなうわさもぼつぼつ聞かれる。さらに御当局のお声がかりだといったようなうわさも聞こえる。こういうことを考えてみると、農林省は、ある程度この問題の中に、暗黙のうちにこういうことについてあるいは知っているんじゃないかという疑問を持つ。これは単なる疑いじゃなくて、この間もあった。ビールの値上げのとき国税庁が暗黙の上で了解を与えてやったと同じようなことがこの牛乳の場合にもあるんじゃないかというような疑問を持たれることになっているんで、もしこれ大臣が言うように、遺憾だということなら、これはやっぱり私は早急に対策をとるべきだ、こう思うのです。それを、従来のように何か価格指導みたいに考えるかというとそうじゃないということですが、価格を抑制をする指導を、農林省はそういう態度を、そういう立場をとる考えがあるかないかということが一つ。これをお伺いしたい。  これについて公正取引委員長に、まあこれが全面的にこうだというふうに言い切るのには私もまた断定はしませんが、六十七条の緊急停止命令をするだけの値打ちがこれはあるのじゃないかというふうに思うのですが、それをやらないとか、あるいはやれないというなら、一体どういう理由でそれをやらないのか、やれないのか、ここを明確にしていただかぬと、これはもう消費者は実際置いてきぼりなんです。だからある意味で、他のものが値上がりしているのだから、それに対してバランスのとれた値上がりというようなことであれば、大体理屈上問題であり政策的には問題であっても、国民はある程度納得しますね。しかし、これは二十円の三円ということは、一割五分の値上げなんです。相当大きいものだし、実際に考えても、理由とするベースアップというようなことについては、これはもうちょっと計算上つじつまが合わない。それだけじゃなしに、いま言ったようなことになっていますから、これはやっぱりある程度公正取引委員会としても何らかの措置をとるべきだというふうに私は考えるわけです。  経済企画庁長官もおいでですから、ビールのときにやったような措置をこの際牛乳の問題について、物価の総元締めとして、何らかの措置をおとりになる御意思があるかないか。ないとすれば、どうするのかということを含めてお答え願いたい。
  23. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) ただいまのお木村委員の御発言中に、農林省が暗黙に何とかというお話があったのでありますが、それは、ちょっと私どもとして受け取れないのでありまして、私どもはむしろ、本年度は末端価格に影響しないようなということで、すでに夏までには、長い期間かかって、関係者において、関係者と申しますのは、生産者、主としてメーカーでありますが、その間において、一応の妥結を得た、こう思っておるのであります。特に、もちろん、生産者あるいはメーカー等、あるいは小売りにおきましても、人件費が上がったり、いろんな面で楽でないという事情はわかりますけれども、私どもは末端価格に影響しないようにことしはやりたい、こういうような気持ちを持っておりますから、いわんや、小売りが上げることについて暗々裏にどうするというようなことが世間に伝わりますと、たいへん誤解を受けることでありますから、それは私ははっきり申し上げておきます。ことに、現在牛乳は不需要期であります。だぶつきやすい時期であります。こういう機会に小売り店からやりたいということは、率直に申しますと、私のある程度情報的に聞いておる、新聞の値上がりの陰に隠れてこういうことをやれば世間も騒がぬだろうというような形でやることは、経済のことは経済で堂々とやるべきで、タクティクスを用いてやることはむしろひきょうであり、不道徳であると、こういう発言までやっておるくらいであります。ただ、起こった事態は、それをどう押えるかということは別の問題でありますから、現在の段階ではそういう感触を持っております。生産者におきましても、乳業メーカーにおきましても、なかなか楽でないから、あれだけ長い乳価の問題というものが続いておるわけでございますけれども、ことしは幸いにして、それを末端価格に影響させないという形で、内部折衝でまとまったところを、不需要期になって、こういう形でぼちぼち出てきておることは、まことに残念である。したがって、これに対しまして、政府としては、御存じのとおり自由価格でございますから、私のほうが価格をきめたり、あるいは指導したりする価格ではございません。けれども、やはり国民生活には影響が非常に大きいものであることは私十分心得ております。したがって、そういうようなことにつきましては重大な関心を持って、関係者等を必要に応じては状況聴取のために呼ぶ、あるいは関係官庁とも連絡をとって、いま流動的でありますから、また、内部におきましては、それをどうシェアを分けるとか、いろんな問題、議論が起こっているようでありますから、そういうような実態をもう少し見きわめて措置はしてまいりたいと、こう考えております。
  24. 山田精一

    ○説明員(山田精一君) 牛乳の小売り店の三円値上げにつきましては、これは共同行為がございますか、あるいは事業者団体とした行為でございますというと、これは私どもも、独禁法の対象になりますので、その辺の動きを十分注視をいたしておる段階でございます。さような行為がもしあるといたしますれば、十分適切に対処いたしてまいりたいと、かように考えております。
  25. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 体系につきましては、ただいま農林大臣から御説明のあったとおりでありますし、また、今年度は昨年のようなことが起こらないようにということで、生産者価格等につきましては、特に農林大臣において特段の配慮をしていただいたわけであったのでありますから、末端において今回のようなことがやや突然に起こりましたことは、私どもはなはなだ心外に思っておるところであります。その理由とするところも、農林大臣の言われたとおりのように私も一応言い分は承知しておるわけでございます。しかし、いかにも予期せざることであって、便乗だと思われる要素が多うございます。先ほど農林大臣の言われましたように、関係官庁においても事情を聴取していただくということも、そういうふうにお願いをしているところでありますし、また、昨年の牛乳調査団が所見として述べておられますように、必要があれば消費者と配給業者との間でいろいろな話し合いをしてみる、消費者もこれに対応する一括購入等の道を考えるといったようなことがこれに対する対策かと思っております。
  26. 木村美智男

    ○木村美智男君 これは、公取委員長の言われていることについては、筋道はそういうことになろうと思いますが、これは一応事態の推移を見たいと思います。  ただ、農林大臣と企画庁長官ね。その程度のことではちょっと済まされぬのじゃないかと思うんですがね。というのは、牛乳というやつは、言ってみれば次の世代を育てる米だと私は思うんですね。これだけの良質のたん白と良質の脂肪を持った、いわば毎日の生活の必需品だから、言ってみれば米と同等のような性格を持っていますよ。そういうものが今日一挙に三円も値上がりするというときに、いまの政府なり内閣が物価対策ということを重点施策だと唱えていながら、このことについていまごろ実情を調査をして、あるいは関係者を呼んで事情を聞くなんというような程度のなまぬるいことをやっておって、ほんとうに物価対策についてあなた方が真剣にやっているかどうかかということは、これは疑わしくなりますよ。先ほどの私どもが各地を視察してきた報告にもあるように、今日政府の物価に対する姿勢が問題だということは各地で言われてきているんです。だから、私はやはりこの前のビールみたいに、半ばやってしまったやつに途中からくちばしを入れるというのはむずかしいかもしれぬ。それは、農林大臣もいまいみじくも言っているように、始まったばかりだ、都内の大体大部分と三多摩にいまあるので、まだ地方まで波及していないんだと、こう言われるなら、しかもそれは遺憾だと言われるなら、ここでやはり的確に政府として措置をとるべきじゃないか。これを、いま言ったように、関係者を呼んで実態を調べるというような答弁では私は納得できない。経済企画庁長官でも、これは心外だということを言っていながら、じゃどうするのだということになれば、消費者が何とか抵抗しろ、これは責任回避です。そういうことだけじゃ、いまはこの事態はやはり回避できないですよ。やはり政府が何かの形で、おまえらのやっていることは一方的で、しかもこういう不当なやり方はないじゃないかということでね、この点はたとえば強硬に、何というか、政府の声明を発するとか、あるいはそれを不買なら不買の方向で、どういうふうにやるのかわからぬけれども、消費者がやればいいというようなことで済ますわけにいかぬから、政府としてき然たる、この問題について態度をとるということにしないと、次から次へ、こういう状態でやっていくのだからしようがないじゃないか、これは自由価格だから政府はあまり指導とかあるいは介入することはできないのだ、都合が悪くなればそう言って逃げちまう、こういうことでは物価対策に本腰を入れているなんということは言えない。きょうはもう時間がございませんから、ほかの問題も残っちゃったんですけれども、この点だけは、これは先ほどのような答弁だけじゃ納得できない。もう一回、再度お伺いしたい。
  27. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 牛乳に対しては、私は、ある意味で、家庭生活において、米が上がるよりも、むしろ子供が多い家庭等においては影響が大きいように感じているわけであります。これを決して軽視しておりません。ただ、酪農行政全般について、必ずしも完備したいろいろなものができていないという状況下において、昨年、御存じのとおり、非常に市乳の値を上げるのにも、最終的にああいう形になった。ことしは末端に影響させないという形でもって、私どもとしては事実上のあっせんの結果、一応の形ができたのであります。牛乳は、一つは価格が、生産者、メーカー等においても、いろいろ聞いてみますと、必ずしも楽でないという実情というものもわかります。しかし、国民生活に与える影響もある。したがって、こういうものの価格の形成については、国民経済の中でどういう形でどうおさまるべきかという一つのものがありますから、ただ一時を糊塗するだけではいけない。今度の場合でも、私は、自由価格でございますから、政府は介入しにくい。また、非常に困難な問題でございます。しかし、来年の問題をも含めたような観点からものを考えていかないというと、ただここで一時を糊塗して、さあまた来年はどうするのだというような事態を引き起こす形の事態のおさまり方は好ましくない。いや、ワンサイドでもって片方をやることは基本態度としては好ましくない。しかし、これをどう措置するかということについては、やはり私どもは、やや時間をかしていただきたい。私がそれでは、この委員会を通じ、あるいは新聞を通じて、ただ一方的に勇ましいことを言っても結果が何もうまくないなら、その政策自体がいいかどうか、問題もございますので、少しそういう点は、私は努力はいたしますが、同時に、多少時間をかげながら苦労をしてみたい、こういうのが私の気持ちでございます。
  28. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) それでは、鈴木君。
  29. 鈴木強

    ○鈴木強君 最初に宮澤さんにお尋ねしますが、あなたのほうできめました経済社会発展計画ですね、この計画がつくられたあと、引き続いて課題になっておりました国民経済と物価との関係における賃金、所得、それから勤労生産性、こういうものをどうしたらいいかという、そういう課題があったと思います。先般、熊谷先生を中心にしてこの結論が出されておりますが、きょう私はここでこのすべてについて述べる時間がありませんから、いずれこの問題に限って一度宮澤さんにお尋ねしたいと思いますが、内容を読んでみますと、最後の段階にもありますように、「所得政策が新しい政策発想であり、しかも現代の混合経済がいつかは解決しなければならない課題であることを考えると、政府、民間とも、この課題については、格段に慎重かつ責任ある行動が要請されるといわなければならない。」、こう結んでおりますが、そこで、いまこの所得政策に対して国民全体としての理解がまだまだ私は十分でないと思うんですね。ですから、いろいろな不安や心配をしていると思うんです。  そこで、実は十二日の日に、衆議院の社会労働委員会でこの問題について質問がありましたときに、小川労働大臣は、労働省としては当面この所得政策を導入することには賛成できない、こういうふうに述べておられるんです。したがって、経済企画庁長官として、同じ閣内におるわけですから、そういう意見は変わらないだろうと思うんですけれども、率直に、あなたがいまこの所得政策についてどういうふうに考えておられるか。私の聞きたいのは、かなり急速にこれを実施しようとするのか。小川さんのように賛成できないということになれば反対だということですから、問題はかなり先に延びていくと思いますが、経済企画庁長官としては、大体小川さんと同じような考え方であるかどうか、これだけ伺っておきたいと思います。
  30. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) ごらんをいただきましたように、この報告書は、熊谷教授をはじめとする、おのおの学風を異にいたしました何人かの、全体で五人でございますが、学者の共同の労作でありまして、この学者の中には、従来の政府の経済政策について基本的には批判的な方もおられるわけでございます。したがって、そういう学風を異にされる方々が、ともかく、ゆるやかではあるがこの程度の合意に達せられたということを私としては一番大切なことと考えておるわけです。しかし、その合意の内容は、ごらんのようにきわめてゆるやかなものであります。そこで、私としては、そういう、ゆるやかではあるが、合意が国民全体に広まっていく所得政策というものについて、頭からこれを直ちに実行すべきであるというような考えもいけないし、所得政策というものは頭から毛ぎらいして、こんなものは相いれないものだと頭からきめてかかることも必要がないので、時間がかかってもいいから、この報告にも盛られておるようなものの考え方が国民各層に浸透していくということが当面大切なことであって、それを待たずに早急に何かをしようとすれば、それは必ず失敗に終わりますし、またできることでもない、現在としてこう考えております。ですから、簡単に申しますと、関係者にすべてこれをよく読んでもらって、そうして問題の所在、問題のむずかしさ等も理解をしてもらうというのが、まず当面期待し得るすべてではなかろうか。したがって、当面の結論といたしましては、労働大臣が答えられましたことと私の考えておりますこととは同じでございます。
  31. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでは、この点はよくわかりました。  次にお尋ねしたいのは、最近、依然として物価がどんどん上がっておりまして、総理府統計局の資料を拝見しましても、この九月の全国消費者物価指数というものは二・三%も上昇になっておりまして、これをもう少し詳細に検討してみますと、たとえば食料指数で見ると、前月に比べて四・三%と、かなり上昇しております。その上昇したおもなものは、キュウリとかナスとかトマト、それからキャベツ、大根、白菜、ピーマン等の野菜ですね。それからブドウとか桃とかバナナのようなくだもの、これが相当大きく値上がりをしております。それに乳卵、肉類、豚肉、サンマとかマグロのような生鮮魚介、こういうものが非常に値上がりを一そう強くしておるように思います。もちろん、そのほかにも、納豆とかたくあんづけ、まあビールも上がりましたが、それから緑茶、こういうようなものがどんどん上がっておるわけです。  私がきょうお尋ねをしたいのは、政府は四・八%の物価上昇を見込んで経済政策を立てておられますけれども、年末を控え、正月用の品物を買う人も多くなってまいりますし、どっちかというと消費ブームがわいてくると思います。そういうときには、はたしてこれからどういうように物価が動いていくのか、非常に国民も心配しておるところでございます。そこで、何か経済企画庁として、この年末年始に対する物価の安定というような具体的な対策を持って指導されるようなお考えがありますかどうですか、こういう点をひとつ伺いたいのです。
  32. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 九月という月が、たまたま、御承知のように、前の季節的ないろいろな要因を受けまして、御指摘のように、季節商品が相当、九月東京都、九月全国と、大幅に上がりましたことは御指摘のとおりであります。これにはやや異常の要因があったように見受けられます。おそらく十月に反落をするであろうと考えておりましたが、事実、十月の東京都では、それらのものは反落を示しております。十月は他方で、食糧、主食が上昇したわけでございますけれども、それにもかかわらず、十月の東京都は、対前年比では二・四%というようなところで、前年との上がり幅は十月になって逆に下がっておる。それは、前年の消費者物価の上昇が本年よりは割合として大きかったということもあるわけでございます。ですから、ある年度を通しての四・八%というものは必ずしも対前年比で申しておるわけでございますから、上半期で五・七になったから、その後の物価上昇は全部その上に積み増しされるであろうということではなくって、前年の十月から三月までの動きほど今年の場合動かなければ、五一七よりさらに下にいくという可能性があるわけでございますから、年度全体としての四・八の目標をいまおろす必要はない、こう考えておるわけでございます。しかし、それは前年度対比のことでありまして、今年自身としましては、毎年年末にはいろいろな消費物資が上がりやすいのでございます。各省の物価担当官を集めまして、ちょうどきのうきょう、そういう具体的な対策を協議をいたしておるところでございます。お尋ねでございますから、生活局長からやや詳細に申し上げます。
  33. 八塚陽介

    ○説明員(八塚陽介君) ただいま長官から申し上げましたように、本日物価担当官会議で四十三年度末の、あるいは四十四年の年始にかけての物価対策を検討いたしております。御承知のように、物価対策は急に生産をふやすとか、急に供給をふやすということは、これはなかなかまいりませんので、一般的な政策として平素からやってまいらなければならないところでございますが、特にそういう時期に対しては、とりあえず流通を円滑にする、あるいはいろんな交通上の関係で十分大消費地に物が集まらないというようなことがないようにする、あるいはまた農林省等におきましては、非常に問題になっております豚肉等についてもさらに輸入ワクをふやす、そういうことを議論をいたしておるわけでございます。まあ、現実に作文になってまとまりますのはもう少し先になると思いますが、各省それぞれいまのところ考えておられますので、総合的な対策として考えてまいりたいと存じております。
  34. 鈴木強

    ○鈴木強君 農林大臣にもちょっとこの点でお尋ねをしたいのでありますが、かねて問題になっておりました韓国輸入ノリの放出の問題ですね。それから牛肉等は多少何か畜産事業団の放出をするというような話も聞いておりますが、そのほか、豚のほうも依然として値段が上がるような傾向にある。まあいままで上がらなかったところも最近になって上がっておるというような状況で、非常に心配されるわけですが、具体的にまあ一億枚の韓国輸入ノリが凍結されているということについては、たいへんこれは国民として不満でありますから、これを放出して、ノリの価格を何とか安定をしてもらいたいという願いもあるしするので、これらの具体的問題についてちょっと見解を示してもらいたいと思います。
  35. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) まあ、私としましても、国民の食糧、主食を中心にいろいろ安定供給するという責任を持っておりますので、特に暮れを迎えましての問題につきましては、内部でもこの問題につきましては、検討を、あるいは注意を加えさせております、具体的な問題につきまして。特にノリにつきましては、四億八千万枚はすでに今年度入れて、さらに追加に一億入れる。その入れる際のいろいろな条件が、ノリの非常にだぶついているときに入れないでというような条件、放出しないような事柄もありますけれども、しかし、現在の市況等も考え、それからその後のいろんな状況も考えまして、私としましては、年内に一億枚の追加輸入に対しまして放出させて、物価の安定の基本に持っていきたいと、こういう考え方で指示をし、同時にそれが実行ができるように検討を続けさせておるような現在の段階でございます。  それから肉につきましては、牛肉は現在でも上物がやや少し横ばいよりは下がるぐらいでありますし、中以下のものはまあ軟調でございますから、今後の手当さえ順調に進めばそう心配ない。  それから豚価につきましては、御存じのとおり、ちょっと高いと思います。しかし、これにつきましては、緊急輸入をたしか、数字は誤りになるかもしれませんが、六千トンでございますが、入れまして、続いてさらに、一万トンでございますか、ちょっとこれは専門家から、事務当局から説明さしていただきたいと思いますが、追加割り当ての公表もいたしたと思うのでございます。それで、出回りのほうも、国内の出回りもややふえてきております。ただ、需要が堅調でございますから、それに見合うようにできるだけ注意してまいりたい。まああわせて、また正月を迎えまして、いろいろな生鮮野菜その他について支障のないように気をつけてまいりたい、こういう考えで進めております。
  36. 鈴木強

    ○鈴木強君 豚肉の緊急輸入六千トン、それからさらに追加一万トンというのは、大体どこのほうからこれは輸入する考えですか。
  37. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 専門的ではございませんから、大筋でございますが、割り当てはそういう割り当てをいたしましたが、アメリカ、カナダ、私の聞いたところでは、台湾、こういう方面であります。たてまえはもちろんグローバルでございます。
  38. 鈴木強

    ○鈴木強君 それから経済企画庁長官にお尋ねをいたしますが、最近の北爆完全停止ですね。それからアメリカの大統領の更迭、選挙でニクソンが勝った。これはいずれ一月に更迭されるわけでありますが、そういった一連の国際情勢の変化の中で、一体日本経済はこれからどういうふうになっていくのか。まあ非常にむずかしいことでございますけれども、最近、大蔵省あたりからもこの予測というものが出されているようでございますけれども、企画庁長官としてはどういうふうに予測されておりますか。この点を承りたいと思います。
  39. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 大きな歴史の流れを見通すことはできないわけでございますが、当面のことについて考えますと、まず、北爆停止との関係でございますが、大体問題は三つに分けて考えることができると思います。  第一は、わが国がベトナム戦争との関係で従来影響を受けておった直接特需と言われるものの問題でございますが、大体年間五億ドルないし六億ドルのベースでいま特需がございますが、その中で直接ベトナムに関係のあるものが、おそらく二億ドル程度ではないかという推定をいたしております。そこで、北爆停止の態様いかんでございますが、この二億ドルが全部一時になくなるというようなことはおそらく考えにくうございまして、ことに、このアメリカの兵士の行き来に伴うわが国のいろいろな、カメラであるとかいったようなものの売れ行きなどを考えますと、すぐにそれが影響を受けるとも考えにくいということもございます。かりに全部影響を受けましても二億ドルでございますが、それはそういうことはなかろうと考えております。それが第一の問題。  第二の問題は、ベトナム戦争の結果、かつて朝鮮戦争当時わが国が受け持ちましたような役割りは、主としてベトナム周辺国、台湾であるとか、韓国であるとか、フィリピンであるとか、タイであるとか、マレーシアであるとか、そういう国がいわば潤っておるわけでございますが、何年かの戦争の結果、これらの国の幾つかは、基本経済的にはいわゆる自主体制へ向かってややテイクオフの体制にあるように見受けられます。外貨準備もこの間に相当ふえておるというようなことから考えますと、それらの国はある程度直接にベトナムに対する特需の面で影響を受けましょうと思いますが、たとえば韓国でございますが、しかし、国全体の経済がテイクオフしておる、しつつあるということから申しますと、わが国とそれらの国との関係は、おそらく従来の貿易量がこれを契機として減るということはあまりないのではないか、こう考えておりますので、その面についてはあまり大きな影響がない、悪いと申しますか、わが国にとってマイナスの影響は少ないのではないかと思います。  第三に、わが国とアメリカとの関係でございますが、一般に、米国の国際収支の赤字の中で、ベトナム戦争に直接関係のあるものは十五億ドルぐらいではないかというふうに、御承知のように言われております。そういたしますと、その中でのわが国のシェアがどれだけありますか、かりにある程度のシェアを考えましても、全体といたしまして一〇%といたしましても一億五千万ドルでありますが、ただ、これはアメリカの経済自身がいろいろ国内的にやりたいところを三百億ドルほどベトナム戦費に振り向けておったわけでございますから、戦争が終わったということでアメリカの景気が影響を受けるということは、おそらくはそうはないであろう、また、そういうことがもしありそうであれば、国内でやらなければならないプログラムがたくさんあるということではなかろうか、こう思っております。  いま三つの要因に分けて申し上げましたが、直接考えられるのは第一の要因であって、それも大きなものではなかろう、当面としては、私そう考えております。昨年は、このベトナム戦争が終わったときに何かわが国の経済が相当大きな影響を受けるのではないかという議論が相当ございましたが、今年は、どういうものか、あまりちまたにそういう議論がないということは、現在の貿易が好調であるせいもございましょうけれども、やはり問題を大体多くの人が認識をするに至ったということではないかと思っております。したがって、パニッキーなことが起こる、心理的にそういうことが起こるということは考えられないわけでございます。  それから第二の問題でございますが、米国で大統領の改選がございましたが、おそらく明年は、従来からのいきさつもあって、米国自身が貿易政策について相当保護主義的な行き方をする年である。ことに、議会には一昨年からそういう動きがございます。これが、わが国の残存輸入制限といったような問題とも、どこかでからんでまいりまして、明年は日米間では相当この米国の保護貿易主義をめぐってやっかいな問題が幾つか起こってくるのではないか。当面はそれを一番心配いたしております。
  40. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、これは見通しでございますからね。大統領もまだかわっておりませんし、ここで詰めた話は私もしないつもりですけれども、ただ、いまおっしゃったような三つのファクターというものは当然考えられるわけですけれども、特にこういう点が問題にならないんでしょうか。たとえば、ベトナム戦争が終結して、ニクソンさんの政策というものが、長官の指摘されたような国内の保護貿易、こういうものが確かに出てきますね。そうなりますと、日本の輸出というものがかなり影響を受けるのではないか。それに、まあ特に鉄鋼の場合なんか、来年の第四四半期ぐらいからかなりアメリカとの契約が減ってくるという悲観すべき材料もありますね。そういう問題と、もう一つは、ニクソンさんの政策というものが、アジアの防衛はそれぞれの国が自主的にやるというような、そういう見解も述べられているのでありますから、したがってそういう面における日本の経済というものが、一つにはもちろん軍備拡大というようなかっこうでいくかもしれませんが、それはまあ別として、特に東南アジアに対する、低開発諸国に対する援助というものが、どうかすると日本のほうに肩がわりをされるというような危険性がないかどうかという点も心配になるわけです。ちょっと調べてみますと、外務省あたりでは、来年度の予算編成において、インドシナ経済復旧国際基金というものを、大体総額二億ドルぐらいでありましょうけれども、これを創設したいということでやっておられるようですね。これはインドシナの問題ですけれども、そのほか、お話しになりましたような東南アジア諸国に対する援助というものが、日本が肩がわりしなければならない、こういう心配も出てくるわけですが、これらの判断は、いまここでお尋ねをいたしましても、ニクソンの政策が大統領に就任されてはっきり出た段階でないとわからないと思いますが、おおよその共通して心配されている点ですから、もう一回この点だけをひとつ長官に承っておきたい。
  41. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 最近、日米関係で私ども顕著に感じますことは、従来、何とか申しながら、アメリカも、ともかく日本のことだからというものの考え方がございましたし、わが国としても、まあ日米関係だからアメリカもそうきついことはすまいというような、お互いに両方に少しずつそういうものの考え方が、ないといいながら、あったように思いますが、わが国の経済がここまで強くなったということもありまして、そういうことがまず一切なくなった――基本的な友好関係はもちろん変わりませんけれども、お互いに別段のしんしゃくをしないというような、そういう考え方が両方にかなり顕著でございます。したがって、何か変化があるとすれば、やはりその辺が一番の問題ではないだろうか。われわれも、したがって――従来も甘えておった気持ちはありませんが、そういう気持ちを今後持つことは特に戒めなければならないと思いますし、また、それでいいのだと思います。十分によく自分の立場を考えた上で、利害が共通するから友好関係を続けていくということで、私はそれでいいのだと思いますが、通商上の関係でも特にそういうしんしゃくなし、お互いに、という関係に入ってまいりました。ですから、ただいま申し上げましたような問題も、明年あたり、かなりきついであろう、また、きついやりとりをしなければならないであろうことは覚悟いたさなければならないと思います。  鉄鋼のことにお触れになりましたが、これは私もそういう傾向があることを感じております。おそらくは、鉄鋼業界が、明年のアメリカの保護貿易主義が鉄鋼ばかりでなく繊維その他かなり広い範囲に及びそうである、その場合に、全体をひっくるめて、国と国とのやりとりがもし行なわれると、そのあおりを鉄鋼がどうも、ほかのものをしょわなければならないということをおそらく業界としては心配をしておられるのであって、したがって、鉄鋼は鉄鋼だけで、ヨーロッパと日本とアメリカとで一つの協定に達したい、おそらくはそういう気持ちで鉄鋼の首脳部が動いておられるんではないかと思うのでございますが、その事のよしあしはともかくといたしまして、いずれにしても、従来どおりの輸出実績あるいはそれに毎年の成長七%といったようなことではなかなか話がつかないかもしれない。ある程度の日本・ヨーロッパ・アメリカという間の国際的な暗黙の――暗黙のと申しますか、米国に御承知のように公正取引の問題がございますから、暗黙の了解のようなことで動くことになるかもしれないと見ております。そうでなければ、いろいろな品目を突っくるめての全般的な数量協定のようなことになりかねないということを鉄鋼首脳は考えているのではないかと思います。  いずれにしましても、今年のような大きな輸出の伸びを期待することは、明年になかなかむずかしかろう、これは一応計算に入れておかないといけないと思っております。
  42. 鈴木強

    ○鈴木強君 この国際情勢の中で日本の経済が一体どうなってか、いまお答えいただきましたようないろいろ問題が出てくると思いますが、なお、いずれ政府としては来年度の経済政策についての方針を御決定になられると思いますが、経済社会発展計画は一つの大きな長期にわたるものですけれども、それを踏まえて一応やるようになると思います。私は、時間がないので、いずれまた竹田さんのほうから経済の見通しと関連をして公共物価その他の問題の質問があるようですから、この点はもう終わります。時間がありませんから。  次に、せんだって、物価安定推進会議から「食料の価格安定と輸入のあり方について」という提言がございました。これを拝見しますと、最近の物価上昇のうちで、さっき私から申し上げましたように、食料品の値上がり部分というのが非常に大きい点、これにこの推進会議が着目をして、食料品の値上げ抑制に食料輸入の積極的活用が必要だと、こういうふうに述べておられます。まあ、十二日からジュネーブでガットの総会が開かれておりますが、これは非常にむずかしい問題であるし、ここで短い時間で私はいろんな意見を伺うことはできないと思いますが、問題は、さっきもちょっと触れられましたような、わが国における残存輸入制限の物資を見てみますとまだ百二十一品目ありますね。このうちで六十八品目が農林物資です。これは宮澤さんも御承知と思いますが、ことしの一月にホノルルに会議がございました。そのときに、牛豚肉、グレープ・フルーツ、オレンジ、ハム、ソーセージ、それから豆類、パイかん、ケーキ材料、こういうものの輸入の自由化をアメリカが強く日本に迫ってきたといういきさつもあるわけであります。だから私は、この推進会議の提言というものは、かなり何回も何回も政府にものを申しているんだが、積極的にこの物価安定の努力をしてないじゃないか、こういう強い不満の中に出てきたように思うんですね。ですから、受けた政府は一体これをどういうふうにやっていくのか、非常に私は大事な点だと思うわけであります。一面には、国内の産業をやっぱり守っていかなければならないという重大な問題もありますが、lMFのガットに入った立場から言うならば、原則としてやはり自由化ということがわれわれに課せられた至上命令ですから、そういう点に立って、この問題を一体どうしていくか、ひとつこの受けた態度について、これはまあ農林大臣も幸いいらっしゃいますから、宮澤さんと農林大臣と両方から伺っておきたいと思うんです。
  43. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、先般の物価安定推進会議の提言はかなり重大な問題を含んでおると思っております。で、御承知のように、政府は長いこと自由化を進めてまいりましたが、農業関係の物資につきましては、もうすでに自由化すべきものはいたしまして、現在残っておりますものは、これはいまの段階でこれ以上の自由化は困難であるという立場をすでに数年前からとって今日に及んでおります。御承知のように、酪農製品であるとか、肉であるとか、あるいはかんきつであるとか、でん粉、豆類であるとか、その他専売――政府の統制下にあるものはもちろんであります。そういうことで今日に及んでおります。私は、その政策はそれでいいのであって、わが国の農業の現状が今日のごとくでありますと、やはり基本的にその政策を動かす必要はない、ことに総合農政を展開するとなりますと、なおさらそうであろうというふうに考えております。  しかし、他方でこの提言が指摘しておりますことは、この十年足らずの間に非常に国民の食生活の内容が変わってきておるので、したがって、たとえば肉なら肉について国内の需要、毎年の需要というものを政府はやはり過小評価しておったのではないだろうか、したがって、自由化をしないというたてまえであっても、国内の生産と需要とのギャップはやはり当面輸入をしてまいらなければなりませんが、その輸入の見当のつけ方が過小であったのではないだろうか、それが値上がりを招いておる原因になってはいないかということを指摘しておるわけであって、それは私はまたそれとして事実であろうと思うのであります。でありますから、この提言が指摘しておりますことは、少し長期にわたり、おのおのの農業物資、農業産品の国内の需給の見通しを立てたらどうか、それによって、基本的には、国内のそれらの保護を必要な限り続けながら、それを越えるものは輸入をする、すなわち輸入数量を従来よりももっとふやしていくということをやってもなお国内のそれらの各産業に不安を与えることはない、そういう政策は可能ではないか、そういうことを言っておるわけであります。  この提言は、基本的には、これらのものは、わが国の生産炉物理的に不可能でない限りは、現在自由化していないものにつきましてできるだけ需給ということを基本にすべきである、そういうたてまえをとっておって、需給が第一であって、しかも経過的に需要がなお超過するというものについては輸入政策を活用してはどうか、こう言っておるのでありますから、考え方としては、両方の問題を、一つは長期的に、一つは短期的に、どう解決していくかという、私は有意義な意味のある提言だと思っております。なお、この提言を物価安定推進会議がいたしますまでには、関係各省、ことに農林省事務当局の意見は推進会議が相当こまかに聴取をしておりますし、また、農林省事務当局もよく現在の物価問題というものを認識してくれまして、基本の線は基本の線として、現状にどう即応するかということは非常に協力的にいろいろ意見を述べてくれたように承知しております。その上での提言でございます。したがって、この提言については農林当局もその趣旨に沿って善処をしてくれているというふうに、いきさつから考えまして、私としても考えております。
  44. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 物価安定推進会議からの御提言につきましては、私のほうからも係官が関係いたしましていることは事実でございます。したがって、あの趣旨自体を長期的にながめます場合におきましては、私は、その方向としてはやはり一つの方向であって、われわれの行政を進める一つの指針としてよく検討し、今後もとるべきものはとっていきたいと思います。  御存じのとおり、農業というものは、各国それぞれ特殊性がございます。また、農業自体に他の産業と特殊性がある。そこにも十分目をつけていかなければならない点がございます。日本農業は零細であり、かつ特殊な土壌、風土を持っておる。こういうような状況から考えていかなければならぬのであります。そこで私は、先般来総合農政ということばを使いまして、農政を総合的に展開するという基本的な態度を打ち出しているのは、それは一つには、ただいま提言がありましたような問題を含めまして、国内的な農業の生産性の向上、所得の向上と同時に、国際的競争力にも耐え得るような農業をつくり上げていくというような意味の総合農政、もう一つは、農林省というものは、総合農政の展開の中の農林省であると同時に、食糧省であらねばならぬということを私は絶えず言っておるのでございますが、生産もあるが、消費需要というものを考えての農林行政でなければならぬ。そういう意味で、農林省と申しますと生産者サイドだけの行政だけであればいいという時代は過ぎて、生産自体も需要を見ないで、ただ生産しておれば、はたしてそれがしあわせになるかというと、大きな目では、かえって生産者の苦しみになってくるのではいけないのでありまして、そういう意味で食糧省的な性格も入れる、こういう意味で、流通におきましても消費におきましても十分目を通してまいる、そこで、対輸入との関係におきまして、私どもは、ただいま、近くおそらく発表になり得ると思うのでありますが、食糧の長期需給の見通しというものを十年に向かって新しく作目別に作業いたしましたものを発表する予定でございます。こういうものがやはり今後の輸入政策とのからみの、ロングランの一つの基盤になってまいると思います。そして今度は短期的には国内の混乱を起こさぬよ、大きな国民経済の方向を誤らしめないような農政を進めてまいる、それには輸入を弾力的に扱っていくこともあろうと思います。特に私どもは、うっかりすると、私どもの行政はもちろん生産者のことをよく考えなければなりませんし、また生産者の再生産意欲を失うようなことがあってはたいへんでございます。したがって、同時にものごとを立体的、さっきのように、流通消費まで考える面から申しますと、それだけのみでもいけないと、こういう面から、不断に需要動向等も十分に考えてまいらなければなりません。時代に沿うて、この時代の食生活の状況がただいま長官もおっしゃるように、変わってまいる点もよくキャッチしてまいる。ですから、具体的に申しますれば、私どもは、畜産とか果樹の振興とか、そういういろいろな総合農政の展開の中で、やはりウエートの置き方も漸次やってまいりたい。ことに、従来の農政におきまして、条件が整わないからもうすべて困るのだ困るのだという消極的態度を脱却いたしまして、私どもとしては条件は大いに整えていかなければならぬと思います。私ども農業部門におきまして、そのかわり、条件を整えるに従って、いま国民経済が大きく求めていくべき、求めなければならない方向へ漸次そういった面との関連を考えてまいる。基本においては、しかし、長期見通しの需給というものを中心にした需給と、それから自給度を上げるべきもの、これは自給では必ずしもいけないというものというふうな振り分けを弾力的に需要の動向と合わせて精細なものをよく見届けてまいる。こんな運用をして、国民経済の中においてのりっぱな、伸びゆく、能率のいい農政、こういうふうにしてまいりたいと思います。
  45. 鈴木強

    ○鈴木強君 これは、お二人ともお答えいただきましたように、推進会議の提言というのは非常に重要であるし、非常に困難はあるでしょうが、これを苦労してその方向に努力をしていただけるという御趣旨だと思います。われわれ消費者の立場から見れば、やはり外国から安いものが入って、そのことによって国内のいろいろな食料品が安くなるということであれば、これは歓迎するわけですね。だからといって、しかし、生産者の立場を考えないでそれをやれば、生産者にまた問題が出てくる、こういうむずかしい問題があると思います。しかし八条国に移行宣言をした以上、自由化ということは原則なんですから、その方向に向かって政府はいろいろ努力されたでしょうが、足りなかった。そこで、この推進会議は非常にふんまんをからだ一ぱい持ちながら提言したと思うのですね。ですから、困難があるからといって、どうかすると安易な、ひより見的な態度になりやすいものですけれども、そういうことでなくして、もっと前向きに、積極的に国内生産者の立場も十分考えながら、どうしたら八条国移行の宣言をした日本がほかの国から文句を言われないようにやっていけるかという体制をつくってもらうことが一番大事だと思うのです。私は、時間がもうわずかになりましたから、もう少しこれはやりたかったのですけれども、私の希望として、いま申し上げましたようなことを申し上げ、さらに農林省のほうでも食糧の長期需給計画等もお立てになって、総合農政の立場からおやりになるようですから、ひとつ勇断をもってやってほしい、こういうことをお願いしておきます。  それから最後に、この前私は、食管制度の問題と一応切り離したかっこうで配給制度の改善についてお尋ねをいたしました。この食管制度の改革については、十月二十二日の、大蔵大臣の諮問機関である財政制度審議会、この第一部会が、政府の公式な機関として初めて改革案を具体的に示しておるようであります。これは非常に注目されておるところです。そういう中で、宮澤さんは例の新宮澤構想といったようなものを御発表になっておられるし、西村さんもまた西村構想というものを打ち出されておられる。ここで、総合農政との関連で、一体米価をどうするかということについて私はもう論ずる時間がありませんから、これは基本になりますからここへおきますけれども、そういう中でとりあえず配給制度の改善をなし得る点はどこにあるか、こういうことで前回私は御質問申し上げたのであります。きょう私はこの速記録も、九月十九日のを持ってきておりますが、当時、西村大臣と檜垣食糧庁長官はこういうふうに答弁されておるわけですね。基本の問題は別におくが、「当面私ども考えておりますのは、お話のように、同一市区町村内における消費者は従来のように特定の小売り販売業者に登録をするという形で結びつけることをやめて、どの小売店からでも、購入券を呈示する限り米穀の配給を受けられるというようなことにしたらどうか。」、これが一つですね。二つ目には、「卸売り商が大型集中精米を行なって、小袋詰めの配給をするというような形態をとろうとしますときには、卸売り商と小売り商の兼営を認めたらどうか。同時に、小売り商が共同して、あるいは共同の出資によって、大型集中精米というものによって小袋詰めの配給をするという場合には、卸売り商の兼営を認めたらどうかというようなこと」、それから問題は外食券の廃止、それからもう一つ、現在十キロ配給ということで制限をしておるが、この制限を引き上げる等の検討をして、可能なものは十月一日から実施をしたいということで準備をしておるということを答えられたですね。われわれは、いろいろ根本的な問題はありますけれども、とりあえず漸進的にこういう点だけでも改善していただければありがたいことだと思っておったところが、どうしたわけか、十月一日から――十一月一日からも、これがやられておらぬ。一体どこに原因があるか。少なくとも、国会で政府当局が答弁したことが実施できないということになりますと、非常にわれわれとしても困るわけだ。私は、あのニュースが伝わって、おかみさんたちが、これはけっこうなことだ、やっぱり米屋さんでもいろいろありまして、やっぱり自分の好きな米屋からとりたいという気持ちがあるようですから、一つの問題としていいことだと、こう言っておりましたが、ところが、鈴木さん、うそじゃないかと、こう言って私は非難を受けておるわけです。これは、私が悪いのではなくて農林省が悪い。一体、そういう一たん言ったことをなぜやれないか、どこに原因があってやれないのか、きょうはひとつ、はっきりしていただきたい。
  46. 檜垣徳太郎

    ○説明員(檜垣徳太郎君) 九月の当委員会でお答えをいたしましたことは、まさに御指摘のとおりでございます。で、現段階におきましても、私ども、当時申し上げてまいりましたことと同じ内容の、当面のお米の配給改善は進めたいというふうに考えておるのでございますが、その後、事務的に検討を進めてまいったのでございまして、長年現行の配給制度というものが流通業界あるいは消費の段階でも根を張っておる事情がございまして、円滑に当面の配給改善をやろうという場合に配慮すべきいろいろの点を詰めてまいりましたのでございますが、その間の事務的準備が若干おくれたということと、それから当面の配給改善の問題でございますが、同時に、米の配給の問題は総合農政全体の今後の展開と無関係でもないというようなことで、関係の方面におきましてもそれらの検討をいたしたいということで、私どもの方針の説明を聞いた上で意見の調整をする必要があるという指摘がございました。その間の意見調整に手間どったために、現段階でまだ実施に踏み切るわけにまいりません事情にあるわけでございます。私どもとしては、できる限り関係方面との意見調整を終えまして、なるべくすみやかに実施に移したいというふうに考えておるのでございます。
  47. 鈴木強

    ○鈴木強君 お役人の一流の答弁じゃ困るのですよ、これは。皆さんは、そういう抽象的な答弁をしては糊塗していこうとしているわけだ。そうはいきませんよ。どこに一体原因があるか、関係業者は一体だれなのか、問題はどこにあるのか、これを明らかにしてください。
  48. 檜垣徳太郎

    ○説明員(檜垣徳太郎君) 私ども、やはりこういう流通の組織に関係をいたします改善のことでございますから、したがって、関係の業界の意見ももちろん聴取をいたしておりますが、同時に、与党の中で、御案内のように総合農政調査会というのが設けられまして、総合農政についての党としての審議が進んでおるのでございますが、その審議との関連において、与党においてもこの配給改善についての意見を持ちたいということで、政府・与党間の意見の調整をした上で実施をしてもらいたいということがございました。私どもとしても、それはやはり必要なことであろうということで、その段階を経た上で実施に入りたいということでございます。
  49. 鈴木強

    ○鈴木強君 そんなことはわれわれはどうでもいい。われわれは、少なくも国会において質問し、答弁をいただく場合には、あなた方が内部的ないろんな意見調整としてそういうことは必要でしょう。与党とも相談する、あるいは業者とも相談するということ当然でしょう。そういうものを煮詰めないでおいて、われわれが質問すれば十月一日からやりますと言うから問題になるのですよ。だから、あまり検討しないで大体の勘で言ったということになる。そんな勘で言うような答弁じゃわれわれは困る。もう少し内部的な折衝があるならしていただいて、おおよそこういうことだということを国民に対して明らかにしてもらうためにわれわれはやっているわけだから。中途において総合農政ということがちょっと出ましたが、与党との関係で、これはおそらく、きょうですか、全国農協の都道府県中央会会長会議というのがあるように聞いております。ここでもって配給改善に対する意見をまとめて、当初は、この米の作付転換と引きかえに、農林省に対して今度は農協がこういう配給制度の中に入っていってやろうというような具体的な意見も出たんでしょう。これは時間がないから私申しませんけれども、中央会の農業対策委員会というところで宮脇会長に答申したものがある。その中には、「市町村単位農協と各府県連合会がそれぞれ新規に小売り業者、卸売業者となる道を開くこと、それから卸と小売りの結びつきを廃止して、小売り業者に自由に卸業者を選択できるようにすること、農協も政府の積極的な助成のもとに大型集中精米工場の建設を進めること」、こういうことを言い出したわけです。ところが、きょうの新聞を見ると、農協のほうに突き上げられて、東北などの米どころから……。そうして、いや、きめてみたけれども、それはだめだということになって、足踏みをしているように聞いておりますが、そんなことがあったんじゃないですか。それは、あなたが予期しなかった一つの情勢が出てきたというふうに言うなら私はわかる。われわれがいままで、米の小売り業者や卸売り業者をふやしてくれと、そういう意見を言えば、それはふやせぬ、それはふやせぬと、こう言ってきた。そこにこういうものが入ってきた、さあ弱ったといって頭をかかえて、じんぜん日をむなしゅうしているんじゃないですか。もっと、はっきり言ってください。
  50. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 簡単に願います。
  51. 檜垣徳太郎

    ○説明員(檜垣徳太郎君) 農業団体からも、それから配給業界からも意見は聴取しておりますが、そのこと自身にも時間がかかったことは事実でございますが、農業団体あるいは業界の意見ということで縛られて私ども実施ができないということではございませんで、むしろ、端的に申せば、政府・与党間の意見調整に時間がかかっておったということが真相でございます。
  52. 鈴木強

    ○鈴木強君 いや……。
  53. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) もう時間が経過しておりますから、このくらいにしてもらわないと困る。
  54. 鈴木強

    ○鈴木強君 困ると言っても、質疑の締めくくりだけはさしてください。
  55. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) じゃ簡単に。時間を守ってもらわないと困る。
  56. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでは、農林大臣から最後に承りたいのですが、あなたもこの日は出席されておりました。で、食糧庁長官の意見は、そこにおった以上は了承しておったと思います。聞くところによると、与党との間において、政府との間においてその問題が難航したんだと、それが原因だということです。これは一つの政治問題ですね。そうなれば、事務当局としてはいかんともしがたい。それはわかりました。そういう点をいまここで経過を長々聞いてもしかたがないですから……。問題は、いつから、この前に述べられたような四つの点に対する改善というのをやれるのか、その見通しを今度ははっきりしてもらいたいんです。見通し。大体いつからやれるのか。
  57. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 私といたしましても、十一月一日からやりたいという気持ちは持っておりました。御存じのとおり、そのような経過を経まして今日に至っておりますことは、まことに残念でございます。私としてもできるだけすみやかにこれを改善したい。党にもいろいろ御存じのとおり問題がございますけれども、しかし、これはこれなりで私は早く解決をして実施に移したいと、こういう考えでおります。
  58. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  59. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 速記を始めて。  阿部君。
  60. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 宮澤大臣にお伺いしたいと思いますが、佐藤内閣の発足以来もう四年になりますが、物価の安定を政策目標の第一に掲げて、いかにも国民生活の安定をはかってきたような、こういう見せかけを見せておりますけれども、物価のほうはこの四年間とまるところを知らぬ状況、歩調をたどってきております。御承知のとおり、私もここで数字を申し上げませんが、本年に入りましても、なおこの春には、例のたばこ、酒の値上がりから始まりまして急激な物価の上昇が起こりましたし、また秋には、米価の値上げを初めとして非常に異常な物価の上昇を招いておるのは御承知のとおりであります。しかも、これらの物価の値上がりは、すべて政府自身によっての物価の高騰である。いわゆる政府主導型の物価高であります。物価を安定させるという公約を、政府みずからが自分の手で破ってきたのであります。しかも、佐藤総理以下、政府は、反省もなく、責任すら感じていないように見受けます。しかもなお、国民に対して、これだけの高度の経済成長を遂げたのだから、物価が上昇することはやむを得ないじゃないか、こんなようにうそぶいているような態度さえ見えるのであります。いわゆる「イザナギ景気」ですか、そういった景気上昇、非常に好景気にあるというようなことをはやし立てて、そうしてその裏にある深刻な物価上昇をごまかしているのではないか、こうも思う。そうして政府自体が、見受けるムードですか、雰囲気としましては、物価を安定させるのは無理だ、物価の上昇を食いとめる策はないのだというふうに感じられますので、これについて大臣のお考えを承りたいと思います。
  61. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の経済が成長を続け、失業が非常に減ってまいりました。一種の完全雇用に近いような状態になりつつあるわけであります。したがって、そこから賃金の上昇が国民経済全体に、生産性の高い低いにかかわらず一様に起こりつつある。こういうことでございます。したがって、この失業がなくなりましたということは、これは経済政策としては喜ぶべきことでございますが、他方、生産性の高い低いにかかわらず、一カ所で賃金が上がりますと、それが全般に伝播をする。労働力不足の状態を通じてそういうことが起こっております。でありますので、こういう状態が続いていきます限り、消費者物価が上昇しないということはおそらく困難なことであって、生産性の低い部門の姿が完全に直っていきますまでの間は、やはりその部分では賃金の上昇がかなりサービス料金に転嫁されることは避けがたいと思います。私どもは、そのめどを三%というところに置きたいということで、経済社会発展計画では昭和四十六年ころには三%台ということを申したわけでございます。この実績を見ますと、昨年が四・二%、その前の年が四・七%でございまして、これは、その前のころの六%台というところから確かにかなり落ち着いてくる傾向を見せておったわけであります。今年度の場合、しかし、先ほどから御質問がありますように、四・八%が守られるかどうか、これが困難ではないかという御指摘があるほどにむずかしい情勢があるわけでございます。これは、分析すればそうは申せないものの、何となく全体の雰囲気としては、政府が公共料金あるいは米の価格等を上げたことによって主導されておる、こういうふうに見られることは私も否定いたしません。こまかく分けて申しますと、必ずしも統計的にはそうではないということは反論ができそうでありますが、しかし、それは一般に受けとられているところとは違うので、やはり政府が主導しておるという感じ方には、それなりの理屈があろうと思うのです。で、今年の場合、私ども従来からの懸案であった米の問題について一つの合理的な結論に達したいと努力いたしました。その努力の過程で、生産者価格、消費者格価が、従来ほどではありませんでしたが、上がったわけでございます。しかし、この問題はほぼそれで解決のめどがつきつつあるというふうに考えます。一つむずかしい問題が正常化されつつあると考えております。他方で、今年政府が直接にさわりましたものは、国鉄の料金であるとか、あるいは一部の間接税であるとかいうものがございます。で、これらはおのおの理由のあることではございますが、やはりこの総合予算というような考えが定着する前には、受益者負担というものの考え方を少しはっきりさせておきませんと、将来それに多少の例外を加える場合にも、とめどがなくなるというような気持ちが私どもにございまして、今年多少受益者負担を強く打ち出した感じがあります。それが、物価上昇が政府主導型であると言われておる大きな原因になっておるように思います。私どもとしましては、高い消費者物価の上昇は一年間でも問題でございますけれども、これが毎年続いていくということになりますと、経済全体に組み込まれるという心配がございますので、明年としては、総合予算主義もかなり定着をしたことでありますから、ある程度今度は受益者負担の原則に多少の例外を認めて、そうして、いまうわさされておりますいろいろな公共料金についても、一般の納税者の負担においてある程度上昇を緩和する措置をとることはできないだろうか、こういうことを考えております。それは、それによって、もう消費者物価の上昇は今後ども相当高水準が続くのだというような一つの予見というものを事実によって否定をしておきたい、こう考えておるわけでございます。それにいたしましても、三%台程度の消費者物価の上昇は、わが国経済の場合、なお当分避けがたいのではないかというのが私の感じております実感でございます。
  62. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いま、大臣の御答弁の中に、いまのこの経済成長には、高度に成長していく場合には、やはり多少の物価の値上がりはやむを得ない、三%ぐらいは、というようなお考えのようでございますけれども、現実においては、いま申し上げましたように、四年間決して三%というようなことでなくて、相当急激な上昇を来たしているわけであります。そしてしかも、それが、いま申し上げましたように、政府が主導しているというふうに、長官、大臣自身もお認めのように思いますが、このように、やはり物価のほうが政府主導型と言われる以上は、政府はまず、いまの米価の問題あるいは公共料金の問題、これについては勇断をもってストップする。これが、この物価の値上げ傾向を是正する、とめる一番のまっ先に打つ手じゃないかと思います。大臣もそのようなお考えをお持ちのように、新聞紙上でも、また、いままでの御答弁の中でも承っておりますが、わが公明党におきましても、公共料金のストップということは強く主張しておるわけでございます。しかし、政府部内におきましては、やはりいま大臣は非常にやわらかいことばで御発言になったように感じておりますが、閣僚によっては、所管財政の赤字を理由にして、いまの料金の値上げを主張しておる。あるいはまた別の閣僚は、一般会計の財源難を理由にして、いわゆる受益者負担、これを主張しておりまして、なかなか政府部内における統一がとれていない。いま申し上げましたように、鉄道料金の問題もそうでありますけれども、そんなふうに見受けられるのでありますが、やはり物価の安定というためには、何といっても、まず公共料金の値上げをやめる、これが一番緊急じゃないか、こう思うのでございます。したがって、これに反対する閣僚方については、私どもの考えでは、むしろ物価の値上げについて非常に無関心だ、熱意がないのだ、こういうふうな感じさえも受けるのであります。しかも、これは閣僚の方だけではなくて、肝心の佐藤総理自体も、何か同じような、物価についてのなまぬるいというか、口先だけでは非常に物価の安定ということを主張していながら、実際においてはそのような対策なり態度なりというものはとっておらない。さようにも見受けられるわけでございます。今度の総裁の選挙ですか、あのときの声明の中に、記者会見の中の総理の発言でございますけれども、ちょっと読ませていただきますが、記者団からの問いは、「首相はかつて池田内閣の経済政策を批判して安定成長にすべきだと言った。しかしいまの物価は上がっている。これについてどう考えるか。」これに対して総理のお答えは、「これは一番大きな問題だ、前尾君は成長政策をとれば物価が上がるのは当然だと言っているが、これはあくまで理論上のことだ。政治家としては国民の台所を圧迫する状態をほうっておくわけにはいかない。経済成長が少し上がり過ぎているというのが私の経済当局に対する注意だ。一番大きな問題は台所に直接結びつく物価炉上がっていることだ。公共料金も鉄道料金は上がる方向だし、医療費や水道料金も問題になっている。国民に対してこの点では物価の安定ができないことを気の毒に思っている。」、こういったように報道されておりますけれども、これは私は非常に総理大臣の御発言としては無責任のような感じがいたします。  いま申し上げましたように、閣僚の中でも、物価の安定、いわゆる公共料金を押えるというようなことに対しての熱意を疑っているわけですけれども、総理自身も、このような公共料金の値上げについての態度は、いまの発言の中にも認めているように見受けられます。そしてこの最後のことばの「国民に対して気の毒に思っている。」、これなどは、御自分が政府自体に対して無関係かのような印象さえも受ける。内閣首班として責任を何にも感じていない。よその政府のような、「気の毒だ」というふうな、全く無責任のことばじゃないか、こう思うわけです。ですから、このような総理自体お考えを持っておられる。結局、公共料金自体もどんどん上がってしまいますし、今後もまた次々と公共料金の値上げが行なわれるのじゃないか、こういうふうにさえ感ぜられますけれども、この一点について、もう一度大臣のお考えを承りたい。
  63. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 公共料金ないし政府が決定し得る価格を据え置くということは、もう物価の観点から申せば、申すまでもなく最も好ましいことでございますが、ただ、据え置きますためには、それなりのそれに伴う措置が必要なことは、これはもう御承知のとおりでございます。たとえば、米につきまして明年はおそらく家庭で買います米の値段が今年以上に上がるということはないだろうと私は考えておりますが、そこへまいりますまでには、やはり米の管理の問題全体が今年これだけ議論されなければならなかったというように、構造的に直していかなければならない問題も、たとえば米の価格のようなものについてはございますし、また、その他のものについて受益者負担という原則もけっこうでありますし、企業会計の独立採算もけっこうであります。両方とも願わくはそうありたいというのが私自身の気持ちでございますが、それをつっぱっていきました結果、もし非常に大きな価格料金の値上がりになるというようなことであれば、ある程度妥協しなければならない。その対価としては、それらの会計に対して、やはり納税者からお預かりした金で赤字の補てんをしなければならない、あるいは出資をしなければならないということになるわけでございます。で、この間、総理、佐藤総裁が記者会見で言われましたことは私も聞いておりましたが、おそらく、あすこで指摘したかったことは、この公共料金というものはなるべく低きに押えたいが、しかし、企業会計である以上、ただ押えただけでは会計がもっていかないので、経営がやっていけないので、そのうらはらには、やはり一般会計からそれなりの出資なり補助なりをしなければならない。その金というものは結局税収入であるから、したがって、減税ということも大事なことではあろうけれども、歳入の余裕を全部減税一本で使うのか、あるいはその一部を、多少受益者負担の原則とは違うが、特別会計あるいは公共企業体等の財政援助に使うか、それは両方のかね合いの問題であるということを、多少啓蒙する意味で、ああいう発言をされたのであろうというふうに私は聞いておったのであります。確かに、問題の所在はそこでございまして、公共料金が上がらないことは、もとよりそれは願ってもないことですが、そのためには、ある程度一般の納税者がそれを利用者にかわって負担をするという問題が起こってくる。これはこれとしてやはり認めてまいりませんと企業会計というものはやっていけないということになる。そういうことの問題の指摘ではなかったかと私は聞いております。これは無責任という立場ではなくて、国家の税収入、あるいはもっと具体的には、この際問題になっております減税でございますが、その減税と公共料金の安定化というものとを、どの程度のかね合いでやっていくかということを、総理大臣がおそらく模索をしておられる。それをそのまま言われたのではないかと私は了解をしております。
  64. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いまの大臣の御答弁の中で……。
  65. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 簡単に願います。
  66. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 中で感じました。結局、大臣は、もう少しこの公共料金の値上げをとめるというお考えのように思いますけれども、これを貫くために、やはりいまのような佐藤理総のおっしゃったこともあるいはごもっともだというようなお口ぶりのようにも見受けられましたが、やはりそういった事柄なれば、結局、妥協なり、いままでのようなずるずるべったりな公共料金の値上げということで結末をつけるようなことになりますので、ひとつ、ぜひ公共料金の値上げということに対しては勇断をもって、値上げストップについて臨んでいただきたいと思います。  先ほど申しましたように、この四年間の佐藤内閣を振り返ってみた場合に、結局は、まあ一口には無為無策だ、物価に対してはほとんど無為無策だと、こう断定せざるを得ないわけでございます。物価の番人である宮澤大臣は、国民がほんとうにこの物価騰貴で困っている、この物価問題は国内の諸問題の中で最も重要な問題じゃないかと思いますが、かたがた国際情勢も非常に大きな変革をいたそうという時期でございますので、これに対する対策についてはさらに御検討をお願いして、私の質問を終わらしていただきます。
  67. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 竹田君。
  68. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 先ほど鈴木先輩のほうから経済の動きについて質問がありましたから、その辺も省略しますし、四時までというお時間ですから、若干形容詞抜きでしゃべっていきますから、その点でひとつ御答弁をお願いしたいと思いますが、まあ長官は、どちらかと言うと、私ども聞いている点では、所得政策の推進論者だと、こういうふうに聞いておりますけれども、まあ所得政策の中で述べられていることは、誘導と説得ということがかなり大きい問題点であるというふうに言われているわけですが、先ほども、本年度の上期の物価上昇が五・七%であって、年間の物価上昇の政府の見通しでありました四・八%は堅持しているつもりだと、まあこういうふうな御答弁があったような気がいたします。しかし、年間四・八%を堅持するということを言われても、これはいま一般的にはあまり信用されていないように思うのです。大体ことしは六%に上がるだろう、こういうふうに言われておりますが、誘導と説得を中心としてやっていくということになりますと、やはり政策の示した数字というのは大体その辺にぶつかっていかないと、おそらく誘導と説得はできないと思うのですが、その点で、この後半期の物価の見通し、それから来年度におけるところの経済成長ですね、これは、大省蔵あたりは名目一三%と言っているんですが、まあ、日本経済のほんとうのスタッフとしての企画庁、あるいはそれが出ていなければ、まあ企画庁長官の、大体こんなふうになるんではなかろうかという予想でもけっこうですが、来年度の経済成長率の見通し、それから消費者物価の見通し、こうしたものを率直に御教示いただきたいと思います。
  69. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 上半期の消費者物価の上昇は前年度対比で五・七でございます。そこで、昨年は下半期に非常に上昇が激しゅうございました。ですから、今年も年度としては下半期に多少の上昇があるということは当然計算いたさなければなりませんが、昨年ほど激しい上昇がなければ、前年対比においては、この五・七というようなことではなくて、もっと低い上昇率が出てきてよろしいわけでありまして、現に十月にはそういう傾向が東京で出ておりますから、私は四・八というものをまだ政策目標として放棄する必要はない、こういうふうに申し上げておるわけでございます。  それから、明年度の経済成長がどのくらいであるかということは、政府の見通しを年末あるいは来年早々には出さなければならないと思っておりますが、したがって、公に申し上げることができません。私としては、かりに今年度の経済成長率が実質で一〇%、あるいはそれを幾らかこえることがあるかもしれないと考えますと、明年度はやはりそれに続いたような経済成長の線が考えられるのではないだろうか。いまの段階ではそのように考えております。  消費者物価については、まあ今年度のあとの残りもそれはわからぬことでございますので、明年度のことを申し上げるのはなおさら恐縮なことでありますが、いろいろな要素から見ますと、今年度のように悪いファクターがいろいろ重なりそうではない。まあ、賃金の上昇は、いずれにしても同じようなものが避けがたいと思いますけれども、米をはじめとして幾らか片づきつつある問題もございますから、まず、今年度よりは幾らか物価の面では気持ちの上で楽ではないかというように思っておりますけれども、まだまだ明年度のことを政府の立場として申し上げる段階にはございません。
  70. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 そこで、ちょっと私、気になるのは、来年度は悪いファクターはおそらく加わってこないだろうというようなお話なんですが、まあ、世上言われているし、もうすでにいろいろなものの値上げ申請という形でいろいろな省に出されているものは非常に多いわけですね。しかも、こういう私鉄運賃あるいは電話料、タクシー、それから国大の授業料とか、たくさん並んでいるわけです。これに便乗値上げがさらに加わるということになりますと、むしろ、ことし以上に悪いファクターが私は出てきそうに思うのです。まあ、経済学者等も、来年度の物価上昇率は六%になるだろう、あるいはそれよりも若干上になるだろう、こういうお話なんですが、その点は私の考えておることとはかなり違うわけですが、そこで、時間もありませんから、最近の長官のいわゆる財政援助によって、たとえば国鉄等の公共料金の値上げを阻止していく、こういう方針、まことにけっこうだと思うのですが、ただ、私どもはいままで経験的に、なるほど公共料金のストップをかけた、それに対して若干の財政援助もいままであまりありませんでしたけれども、しかし、ただそういう形だけでやっていくことが、はたしてそれだけでもって将来的に物価騰貴というものがなくなっていく、安定成長を遂げていく、いわゆる経済社会発展計画の三%の線に乗る、こういうふうにはちょっと考えられないわけですが、実際には、そのあとで、数年あとで爆発的な公共料金の値上げというのが伴ってきたわけです。ですから、ほんの注射程度のものは確かに効果があるのですけれども、構造的な問題としては、これはないわけですね。今度の財政援助によって公共料金を押えるということは、これは私も一応納得はできるわけですけれども、一体その間に構造的な問題をどのようにやっていこうとしておるのか。やはりそれがなければ、一時的に財政援助でまあ痛みをとめても、これはその次に痛みが倍になって返ってくるのでは意味がないわけです。そういう意味で、長官が納税者の負担によって公共料金を押えていくという措置をとり、受益者負担の原則を来年は幾らかでもやわらげようというふうにおっしゃっておる陰には、当然、その裏面というか、内容としての構造政策というものが打ち出されなければ、私は、国民に対して説得と誘導の形で物価を安定させるということはおそらくできなかろうと思うのですが、その辺の考え方をひとつ示していただきたいと思うのです。裏の面といいますか、実質的な内容ですね、その辺のことをお示しいただきたい。
  71. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) それはきわめてごもっともなお尋ねであると思います。つまり、これは、目標と申しますと、ちょっとややたとえ話のように申し上げたほうが適当なのではないかと思いますので、そういうつもりで申し上げますが、たとえば、わが国のGNPが西独のGNPとほぼ同じでありながら、わが国の総就労人口は五千万であり、西ドイツの総就労人口は二千二百万であるということは、わが国の生産性がなお西ドイツのそれに比べて半分以下であるということでございます。そこで、わが国の一人当たりの生産性がその程度になるまでの間、生産性の低い部分が物価上昇に貢献していく、寄与していく、それをどうやって少しずつ後退作戦をとりながら押えていくか、他方で、生産性向上のための努力をしていくわけでありますが、やはり、おっしゃるような構造的な改善をはかりながら、その間、毎年の上昇があまり一度に大きく出ないように、そういうふうなやり方をやっていくべきであろうと思うのでございます。西ドイツの場合はそれだけの生産性があって、そうして概して消費者物価が安定しているわけでございますから、そういうふうな構造的な政策がやはり必要なのであろう。私は御質問の意味がよくわかりますので、現在やっております物価政策というものが、結局、生産性の低い部門をどうやって生産性を上げていくか、農業を含めてでございます、それをやりながら、それには相当の長期の時間を必要とするので、やはり公共料金などでも多少受益者負担等の原則を破りながら、こう、まあ、なだめなだめて物価の一年ごとの上昇を小幅に押えていく、こういうことになるのではないかと思っております。
  72. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 まあ、その長期計画というのを、やはりなるべく早い時期に示していかないと、なかなかそのなだめなだめというのがうまくいかないのじゃないか。なるほど、長官の最近の発言というのは非常にけっこうな発言をされておりますけれども、しかし、これに対立する発言というのはたくさんあるわけですね。ですから、長官の言っていることがそのまま通るというようなことは、国民一般としては希望はしていても、はたしてそれが通るかどうか。大蔵省あたりでも、財政硬直化を直すということで、かなり強い発言をしている点では、やはりもう少し長期的な計画を国民に示すことによって、私はなだめなだめ持っていくという、そうしたナショナル・コンセンサスですか、そういうものを得ていかなければいけないのではないか、こういうふうに思うのですが、抽象的なお話は非常によくわかりましたのですが、これをやはり具体的な計画に一刻も早くやってもらう必要があるのじゃないか。そういうものなしでは、結局政府の言っていることは、びほう策だ、あるいはただ単に数字を出して、その数字が常に実績と違っているということになってしまって、協力を求めなければならないという立場がむしろ不信を買ってしまうということになるのではなかろうかと思うのです。  そこで、いまの御発言で、なだめなだめやっていくということについては、かなり長期的な財政援助をそうした低生産部門に投入していく、こういうふうに私は理解をしたわけでありますけれども、これが一つそういう意味に重要なことであろうというふうには思いますけれども、そうなってまいりますと、いわゆる財政硬直化の緩和打開の問題、それと一体どのように調整をしていくつもりなのか。おそらく、大蔵省のほうとしては、そういうふうなところに財政援助をするということは、財政硬直化を打開するという点でかなり反対をしてくるだろう、こう思うのですが、その相反する二つの問題をどのように調整なさるつもりなのか。その辺についての長官のお考え方を伺いたいと思います。
  73. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 踏み込んだようなお尋ねでございますから、私ももう一言申し上げますと、長期的に、経済社会発展計画のようなところでは、昭和四十六年ころには消費者物価を三%台に持っていかなければならないということを考えているわけですが、ただ、計画の最後のほうに、しかしこの計画を立てるにあたって、物価、生産性、所得等の関係について検討することができなかったということで、先ほど御指摘の熊谷報告が出てまいりました。それで、将来かりにわが国が新しく長期経済計画を考えますときに、賃金についてのある程度の予測をせずに長期経済計画が立てられるか、しかも物価についての予測ができるかということになりますと、これはもう御存じのように、問題があるわけでございます。だからといって、私はその所得政策をやれと言っておるわけじゃございません。そうではございません。ございませんが、その問題にタッチをしないで、消費者物価だけの長期の安定計画を立てるということは、熊谷報告が述べられておりますとおり、やはり問題があるわけでございますから、トレードオフ曲線といったような問題があるわけでございますから、将来長期計画が必要ではないかと言われることについては私もそう思っておりますが、その際には、従来に加えて、新しいそういう要素がやはり一つ入ってこなければならないのではないだろうか、こう思っております。  それから、受益者負担をくずすことと財政硬直化の打破との問題は、確かにかなり矛盾をするところがございます。現実の面では相当ございますわけで、やはりこれは、基本的には公共料金を上げざるを得ないような政府企業、それは何かの問題があるわけでございますから、たとえば国鉄のように、これはその企業なりの長期計画を立てて、そうして何年たったらその企業が安定をして、もはや料金を上げずに済むかというような、おのおのの企業についての長期計画が必要であろうというふうに考えます。たとえば、国鉄につきましては、御承知のように、政府関係の負債の利子のたな上げを十年間やる、そのかわりに十年間に三回程度の運賃の値上げをやる、あと、いろいろな意味での合理化計画が伴なってまいりますけれども、そういったような形で進んでいくしかないのではないか。それはその間では確かに財政負担の増大をもたらすわけです。また、利用者負担の増大ももたらすわけであります。労働にも多少の合理化をお願いをするということにもなるでありましょうが、そういう長期計画のもとで、一つ一つの企業の独立採算を確保するということをやっていくしかないのではないかと思うのでございます。
  74. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 もう少しこの辺で論議をしたいわけですが、時間がございませんので、一言、こういう点についてだけ聞きたいと思うのですが、確かに一つの財政硬直化という現象は否定はできないと思うのです。ただ、その場合、財政硬直化と言いながら、一体、収入のほうについて一定の考え方をして、出すほうだけについて硬直化を言っているというところに私は特に問題があると思うのです。確かに、いまの物価が上がってくるということは、一つは、やはり社会資本の不足、あるいは低生産性部門への投資の不足ということが非常に大きい原因であろうと思うのです。それをやっていくということになると財政硬直化の問題が起きるということになれば、これだけ日本の大企業というものは大きくなっているわけです、法人の収益というものは非常に上がってきているわけですから、私は、もう少し大法人から、そういう社会資本の充実のために、もっと金を取るべきだ、そうして、低生産性部門に投資することによって、やっぱり社会資本と民間の資本との共存が得られなければ、とのボトルネックというものは解消されないのではないか、そういうふうに思うのですが、そういう点で、大法人に対する課税をもう少し大きくしていく、こういう点についてはお考えになったことがありますか、どうですか。
  75. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、法人税率そのものをこれ以上上げるということは賛成ではございません。個人の所得税の税率についてもこれ以上上げるということは賛成ではありません。ただ、一方でたとえば租税臨時措置法の中で従来法人の所得計算に相当影響を与えているようなものの中には、技術革新も手伝いまして、すでに必要度がかなり減じておるもの、あるいは新しいものにむしろ置きかえたほうがいいと考えられるようなもの、これは私は幾つかあると思うのです。そういう意味で、ここに一つ硬直化の要因がないかと言われれば、私はやはりあるであろう、改めるべきものがあると思いますし、交際費の課税についても実は同じような問題があると思います。  それからもう一つ、税制全体といたしましては、これだけ大衆消費の時代になってまいりますと、やはり幅の広い軽度の何かの課税、たとえば売り上げ税のようなものでございますけれども、これは理屈の上では、やれるなら、あまりの苦痛を与えずに、しかも相当幅の広い基盤を持つ税収が得られるであろうと考えておりますのですが、しかし、これは御承知のように昔の取引高税といったような問題がございまして、あすやあさってできることだとは考えておりません。ただ、方向としては、そういう課税の方法は多くの先進国がやっておることであって、かなり効率的に税収が上げられるのではないかということは考えられるところでございます。
  76. 竹田四郎

    ○竹田四郎君 あと、いろいろありますけれども、きょうはこの辺で打ち切っておきます。
  77. 大森久司

    ○委員長(大森久司君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十三分散会