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1968-05-16 第58回国会 参議院 建設委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和四十三年五月十六日(木曜日)    午前十時三十五分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月十六日     辞任         補欠選任      奥村 悦造君     楠  正俊君      栗原 祐幸君     内藤誉三郎君      米田 正文君     沢田 一精君      村上 春藏君     近藤 鶴代君      中尾 辰義君     鈴木 一弘君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 山内 一郎君                 大河原一次君     委 員                 石井  桂君                 大森 久司君                 楠  正俊君                 近藤 鶴代君                 沢田 一精君                 内藤誉三郎君                 中津井 真君                 村上 春藏君                 沢田 政治君                 瀬谷 英行君                 田中  一君                 鈴木 一弘君                 片山 武夫君                 春日 正一君                 相澤 重明君    国務大臣        内閣総理大臣   佐藤 榮作君        建 設 大 臣  保利  茂君        国 務 大 臣  宮澤 喜一君    政府委員        首都圏整備委員        会事務局長    鶴海良一郎君        防衛施設庁長官  山上 信重君        防衛施設庁施設        部長       鐘江 士郎君        経済企画庁水資        源局長      今泉 一郎君        建設政務次官   仮谷 忠男君        建設大臣官房長  志村 清一君        建設省計画局長  川島  博君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  坂野 重信君        自治省税務局長  松島 五郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        農林省農地局参        事官       佐々木四郎君    参考人        水資源開発公        団総裁     進藤武左ヱ門君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○都市計画法案(第五十五回国会内閣提出、第五  十八回国会衆議院送付) ○都市計画法施行法案(内閣提出、衆議院送付) ○水資源開発公団法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ―――――――――――――
  2. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  本日、中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 都市計画法案及び都市計画法施行法案を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
  4. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 総理にお伺いいたしますが、この都市計画法をいろいろ審議をしてまいりましたし、昨日は参考人の意見も聞かせていただきまして、結果的に言うと、運用上のいろいろな不安が表明されているわけであります。今日まで政府がやってまいりましたいろいろな業績の中で一番大きな手扱かりがあるというのは、外交上の問題は本委員会の問題でございませんから省略いたしますが、内政上の問題から言うと、地価対策だろうと思います。地価の抑制ということは、前々から言われておりながら一向に効果をあげていないわけです。したがって、この都市計画法なるものが十分に機能を発揮するためにも、地価の抑制ということが確実に完全に行なわれる必要があると思うのでありますけれども、地価の抑制について、総理としては今後どのような確信を持ってこれを実施されるお考えなのか、その点をまず第一にお伺いしたいと思います。
  5. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のように、内政上の問題で一番大きな問題は、物価問題であると思います。その物価問題の基礎をなすものは地価問題ではないか、これはお説のとおりだと思います。  そこで政府もいろいろくふうをし、いろいろ考案しておりますが、いわゆる地価対策に対するきめ手というものは、なかなかないのであります。また非常に政府自身が強力な強権を使えば、ただいま御指摘になりましたように運用上の不安を来たす、いわゆる私権の圧迫ということになるんじゃないか等々、なかなかこれはむずかしい問題でございます。  そこで、ただいま考えられる十分の効果をあげるには、政府は、まずこれが一つの方法だとかように考えたのが、いわゆる土地の利用計画だと思います。そのもとにおいて、ただいまのような都市計画法あるいは都市再開発法というようなものの御審議をいただいておるのでございます。ただいま仰せになりました地価対策、したがいまして、これは私どもだけでなく、野党のほうにもきめ手があれば、ぜひひとつ教えていただきたいというか、お互いに協力して強力なる地価対策を立てようじゃないか、かように実は申しておるのであります。いま、重ねて申しますが、一面において、地下対策と取り組む場合に、どうしても私権を圧迫することになる、その私権の圧迫ががまんのできるものなのか、またその限度はどこなのか、こういうようなことを十分考えないといかぬ、かように思っております。
  6. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 土地の利用計画ということで、今回こういう法案が提案されましたけれども、全国的な国土の総合開発計画というものを確立をされないとやはりまずいんじゃないか、という気がするわけです。これは衆議院の議事録等もいろいろ拝見をいたしましたけれども、いまのところは東海道メガラポリスと、こういうふうに言われておりますが、東京・大阪間のいわゆる東海道新幹線を軸にしてこの地域が急激にふくらんでいるわけです。人口も集中しているわけです。過密地帯と過疎地帯とがはっきりとできてきているわけです。このままにしておいたならば、いよいよますます動きのつかないことになるのではないか、という心配があるわけです。これを一体このままにしておくのか、東海道を中心としてどんどんふくらましていくと、こういう状態を肯定するという考え方に立つのか、あるいはこれをもっと分散をさせるという方法を考えるのか、あるいはまたそのためには河野さんが建設大臣のときにちょっと草案を示されましたけれども、首都の移転をも考慮するのか、こういう問題がある。そういうことは政府のほうで一つの方針を打ち出さないと、なかなかこれは地価の問題だって過密地帯は下がる気配はないと思う。だからそういう根本的な国土の総合開発計画というものが、ここに明らかに示される必要があるんじゃないかと思うんですね。それがはっきりしないと、都市計画法、こういう地方的な計画の問題は、いわば枝葉の問題じゃないかと思うんです。そうすると、幹や根っこのほうをうっちゃらかしにしておいて、葉っぱや枝のほうを一生懸命みがきをかけるということは、本末転倒のような気がするのです。いささかこれは本末転倒のようなきらいがあるんじゃないかという気がするのですが、その点はどうですか。
  7. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 瀬谷君の御意見どおり、やはり国土の開発、その間においては過密過疎対策を十分検討して、そうして均衡のとれた開発計画を立てる、あるいはまた日本の場合においては必要なことであるというので、いわゆる過去におきましても過密過疎対策、均衡のとれた国土開発、こういうことが計画されておりました。しかし、どうも新産都市だのあるいは工場整備地域だの等々設けましたが、なかなか当初設定したとおりの目標にこれが進んでいるとは、なかなか思えないものがある。ことにただいま御指摘になりましたように、東京、大阪、名古屋、横浜等都市集中の傾向が――まあ最近になりまして、いわゆる新産都市を指定した後におきまして、非常に急激に都市集中の傾向が出ております。そこで、私どもがどうしても新しい事態に対応する総合開発計画、新しい国土の総合開発計画を立てなければならない、かように思いまして、ただいまそういうものを検討しております。おそらく秋になればでき上がるだろうと思います。ただそれを見るまではすべてのものをストップする。こういうようになりますが、ストップすることはいかがかと思います。ただいま申すように、基本的にはやはり均衡のとれた開発計画、それを進めるのでありますから、そのための方向で、これと矛盾しない方向のものは、それぞれ取り組みやすいものから取り組んで進めていく、ことに二十世紀の後半においてはこれは世界的な現象です。都市化が進む、それに対する対策をひとつこの際立てていただきたい、こういうことで都市計画法をお願いしておるわけであります。しかし、いま瀬谷君の指摘されるように、国土の総合開発計画、これは絶対に必要です。でありますから、ただいまそれを御審議をお願いしている、かように御了承願います。
  8. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 一つの都市にしても、その都市の人口がこれから先もどんどんどんどんふえていくのか、あるいは減っていくところは減りっぱなしになるのか、そういう点がわからないと、こういう計画を立てて、いや市街化区域だとかあるいは調整区域だとか、こういうふうに設けてみたところで、それがはたして発展のために役立つかどうかという懸念があるわけです。いままで農業関係の団体、農協をはじめ農業会、いろいろ農業関係の団体の方々も、不安を表明されてきているわけですけれども、市街化区域といったようにきめられた所は、急激に地価が高騰をするんじゃないか、逆に調整区域になった所は土地の値段が今度は下がっちまうんじゃないか、こういう極端なアンバランスが生じてくるのではないか、という不安があるわけです。私は当然だと思うんです。また今度どこにどうやって線を引くかという問題があるわけです。きのうも横浜の市長はじめいろいろ参考人の方々から意見が出されたのでありますけれども、いまの都市というのは、何もない所に都市を築くというやり方できたわけじゃないです。これからだってもう未開の原野を切り開いて都市をつくるなんということは考えられない、いまのところは。そうすると、いままでたんぼや畑だった所にどんどんどんどんうちができてきたのです。そうすると、どうしても都市の中に農地が今後取り残されるということになる。取り残された農地が今度は市街化区域だということで税制上の扱いその他で不利なことになると、結果的にはその取り残された農地を持っている農民というものは、いびり出されるというようなことになりはしないか、という懸念があるわけです。それらの懸念に対して衆議院では、総理はそういうことはないという意味の御答弁がございましたけれども、それは各省と打ち合わせをしてやっておるから心配ないのだということですが、具体的な税制上の問題にいたしましても、それから農地の営農の問題についても、保障していくのだというふうに確認してよろしいかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  9. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま瀬谷君御指摘のように、たとえば市街化区域あるいは調整区域、かような指定を受ければ、地価に影響を及ぼすだろうと、これはお説のとおりでございます。したがいましてそこで不労所得――不労所得と言えないかもしれませんけれども、そこで所得が生ずる、ある者は生じない、こういうものを一体どうするか、これは税制の点で適当にあんばいができるだろう、かように思います。また農業用地としてあるいは適当でない所でも、農耕地は農耕地として残しておく、そういうものは一体どうなるか。これに対しては、農業自体も構造の改善が行なわれ、構造が変わっていくと思いますけれども、ただいまの状況のもとにおきまして、零細耕地、そういうものが宅地その他に変わる場合に、またそのまま耕地として残すような場合においては、これのやはり補償等ということも考えなければならない。かように思いますが、しかしかりにそういうことをやっても、農地のほうは今後順次変わっていくので、農業の構造改革のほうで対処していくべきじゃないか、かように思います。しかし前のほうのある者は非常に所得し、ある者はされていない、こういうものについては、税制上の処置以外にないのではないか、かように思います。最近の農地法の改正なども、やはり一貫した均衡のとれた方法だと、かように私は思っておりますが、さらにこういう点においても、幸、不幸のないようにさらにくふうする必要があると思います。問題は各所管省庁間におきまして扱い方が不統一にならないように、やはり一貫した方向で地価抑制など、また土地が有効に利用される、こういう方向に、ものの考え方を集中していくことが必要である、かように思います。
  10. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先ほど総理は、地価抑制についていい案があったらひとつ教えてもらいたい、ということをおっしゃったのですが、それじゃ野党側の言うことでも有効であると思ったならば、実行するというふうにも聞き取れるわけですが、それで、それならば、これはいま地価が上がっているというのは、結局住宅問題等が深刻になって宅地なりあるいは住宅というものが手に入らないというところからきておるんじゃないか、と思う。手に入らないというのは、人口が一方では集中して一方では少なくなる、過密と過疎というようなことからそうなってくるわけです。これらの根本を解決しないことには、どうにもならないと思う。そうすると、土地を今日のような状態で投機の対象にしておくこと自体が問題であろうと思う。それを投機の対象にしないように有効な利用計画を立てる、そのスプロール現象を何とかして絶滅させようと思うならば、土地を公有というような方法以外にないんじゃないか。個人の土地所有というものは、これは制限する。そうして国もしくは公共団体がこれを持ってそうして個人の利用というものはある程度制限する。そういうような方法をとらないと、この土地問題は解決しないんじゃないかというふうに思う。資本主義国といえども、やはり土地の利用計画については、相当制限しているんじゃないかと思うのです。いまのところ日本では、都市の開発というようなことは、土地ブローカーの手にゆだねられている、極論をすれば。そういうようなことでは、なかなか土地問題は解決せぬだろうという気がするわけです。だから、土地公有という考え方は社会党の考え方ではあるけれども、これは自民党といえども、今日のようにせっぱ詰まった時点においては、いやおうなしに考えるべきではないだろうか。それを考えずに地価の抑制ができるというふうに自信があるならば、どういう方法でもって地価の抑制ができるのか。それを逆に今度は総理にお聞きしたいと思う。
  11. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 土地公有論、国有論、これは社会党の一枚看板のように言われますが、私は必ずしも社会党の一枚看板だとは思いません。私どもの保守党におきましても、いわゆる積極的に土地国有と、かような看板こそ掲げませんけれども、できるだけ土地を国有あるいは公有で残すことが必要だと、また、場所によっては、いろいろな場合に公有の土地をふやすというそういう政策をとるべきではないかと、かように実は考えております。まあ、最近、国有林野の利用計画法というものを出しておりますが、これなどもその国有林野を民有に移すのではなくって、これをそのままにしておきましても利用度をあげる方法があるのではないか。これなどは私どもの考え方といまの言われましたことと通ずるものであると思います。私は、特にこの都市計画の場合、あるいは大都市の場合について、スラムなどの解消をはかっていく。こういう場合に、スラムなどの解消を積極的にはかろうとすれば、やはり、公有の範囲をふやしていくべきではないかと、かように思います。それで初めてスラムの解消ができるのではないか。まあこれらのことを考えますので、これはまた具体的な問題としてそれぞれを解決していく。ただ、まあ一般的に全部を、土地私有を排して国有だと、こういう政策には、私は必ずしも賛成いたしませんけれども、個々の場合におきましては、ただいま言われるように、公有の範囲をふやしていく、こういうことも考えていくべきではないか。それから、まあ非常に極端な場合ですが、あまり土地がどんどん売られ、そうしてどんどん高くなるというなら、場合によったらそういうものの売買取引等の停止を考えることも、必要な場合も出てくるのではないだろうか。これはまあ現によその国でやっている例がございますが、しかし、その期間を定めてそういうものを停止すると、期間が経過するとその時期にたいへんな問題が起こるからというので、これに私も簡単には賛成いたしませんけれども、非常な弊害が出てくると、よほど政府自身もこの問題と取り組む場合には、強力な措置をとらなければならぬ、かように私は思っております。まあそういうことをやらぬで済むようにと、かように思いながら、ただいまのような程度の低いものを積み重ねていく、こういうのがいまの政府のやり方でございます。御了承いただきます。
  12. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 それでは、最後にもう一度お伺いしますが、総理自身もこういうこの都市計画法などというものは程度が低いものだということは、お認めになっているわけですね。つまり、あまり足しにならぬということですか、早く言えば。まあそういうわけでしょう。それで、いままで首都圏整備だとか、近畿圏整備だ、中部圏整備だ、あるいは新産都市だとか、いろいろな法案はたくさん出ましたけれども、おまじないみたいなもので、さっぱり実効をあげていないのですよ。で、今回もまた、総理自身も言われるように、あまりたいして期待を持っておられないような法案を出されたということになると、これは、やはりこの考え方が那辺にあるのかという不安がある。だから、いま公有の土地の問題は、公有の範囲を拡大するというふうにおっしゃいました。公有の範囲を拡大するというお考え方は、社会党の考え方に、若干ぼくは近づこうとしているものだ、というふうに理解をされるわけです。われわれの主張というものを取り入れなければ、これは地価の抑制なんということはできっこないのだから、その点はお認めいただいたものと理解をするわけですが……。  それからそれでは土地の有効利用という問題があるわけです。日本の国土は限られているわけですから、そうすると、利用できる範囲は、空間以外にないわけです。立体的にその土地を有効に利用する。二階建てを三階建てにする、十階建てを二十階にすると、こういったようなことがある。国会議事堂なんというのはずいぶん不経済の見本みたいなものですよ。場所ばかり広くとって、上のほうは高いところはあるけれども、役に立たないのですから、あれは飾りだけで。そうすると、超高層ビルなんというものができました。はたしてあれがいいかどうかはわかりませんが、丸の内にも超高層ビルができようとしたら、総理は待ったをかけたと、こういう話を聞いているわけです。そうすると、基準法ではつくってもかまわないことになっているけれども、総理が気に入らないからあれはやめろと、こういうふうにおっしゃったように理解をされるわけなんですけれども、一体高い建物は、超高層ビルのようなものはいけないというふうにお考えなら、基準法等についても手入れをして、そうしてある程度の高さの制限というものを加えなければならぬと思うわけなんですが、それはどのようにされるおつもりなのか、こういう点も明らかにしないと、建てようとしているほうはとまどうことになるのじゃないか、こう思いますので、最後にその点もお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  13. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 前段でちょっと誤解があると困ると思いますけれども、この法律案にあまり政府が期待をかけていないという、総理自身もさように言っているじゃないか、かように言われる。これが私はたぶん誤解に基づくものだと思います。ただいまの憲法のもとにおきまして、私権は尊重されなければならぬ、このことはもう非常にはっきりしております。私どもは私権を尊重して、その範囲において公益を進めるこういう立場でございますから、ただいまの憲法違反にならない程度にただいまの法律案も出しているわけです。そういたしますと、ただいま御審議をいただいておる法律案がそのすれすれのところじゃないか、私権の保護と公益を確保し増進していく、そのすれすれのところじゃないか、かように私は思っております。そういう意味でこれに政府も非常に期待をかけておるのですから、皆さん方もぜひそういう方向で運用の妙をひとつ発揮していただきたい、かように思います。  そこで、ただいまの超高層ビルの問題でございます。私は、住宅をつくる場合においては、まず道路を考える、あるいは通信を考える、あるいはさらに学校を考える、上下水道を考える等々のことがみんな言われております。はたして高層ビルをつくる場合にそういう点が全部くふうされて、そうして高層ビルに踏み切ったのかどうか、これが私は実は問題だと思います。都心に大きな高層ビルをつくる、こういう場合になりますと、必ずそのビルに二万あるいは三万という者が入っておるわけです。二万、三万という者をどういうような機関でそこへ運び込むのか、かように私は実は心配するのであります。高層ビルをつくる人は、ただいま横になっているものをただ縦にするだけだから、ただいまのような交通機関の問題は起こらないのだ、こういうことを主張されますので、これは私はまあいろいろな議論があると思うのですよ。そうして超高層ビルを建てて空間地をつくるということが徹底すれば、また別です。いまのこの建築制限で空間地をつくるようになっておりますけれども、しかし、それではいかにも利用が十分上がらないじゃないか、こういうことになる。ニューヨークの例みたいに超高層ビルがびっしり詰まるようになる。そうすると、その足は、そういうビルに通う足は一体どうするのか、こういうことが問題だと思います。私は美観論争だとか、その他のことでとやかくは申しませんが、一番大事なのはその点じゃないか。また一たん災害が起きたときに、はたしてそれに対する十分の対策ができておるかどうか、このことも考えなきゃならぬ。火災の場合に一体高層のビルはどんな処置がとれるか。最近は地震国でも建築上はこれはだいじょうぶだという議論もございますが、そういうこともあります。したがって、簡単に超高層ビルがいいのだというところには踏み切れない。ことにそれが都心である場合には、よほど慎重でなければならぬだろう。私は都の周辺における副都心のような地域なら比較的交通も整備されておりますから、そういうところなら問題ないように思います。しかし、どうもこの付近だと、私はたいへんだと思う。そういう意味で、まあ超高層ビルについての私の所見はあるわけです。でありますから、私はまあただ感じだけで丸の内の超高層ビルに反対している、かようにお考えにならないように、これは社会環境が全部整備されれば、これは別に心配することはない、かように私は思っております。
  14. 沢田政治

    ○沢田政治君 昨日、参考人に来ていただきまして、いろいろな御高見をお聞きしたわけでありますが、何らかの都市政策が必要である。いまのように無秩序に都市がどんどん郊外に延び出ておる、しかも都市政策のないまま無制限に延びていっておるものを、健全な都市の秩序に戻すべきである、こういう点については五名の参考人が、それぞれ持ち味を出しながら異口同音に都市政策の必要というものを強調しておったわけであります。私どももその点については、全く同感なわけでありますが、ただその目的がいいとしても、目的に到達する手段というものに対して、これまたほとんどの参考人が若干の不安を訴えておったわけであります。その内容というものを私なりに理解し、あるいは整理いたしますと、二つあるわけであります。それは、先ほど瀬谷委員がお聞きしましたように、土地政策は一体どうなるのか。地価の政策、それと農業政策との調和がどうなるのか、こういう不安というものが顕著にあったように思うわけであります。そこで、先ほど瀬谷委員の質問に対して、地価の対策については、ペニシリンとか、ああいうような新薬のように即効的なきめ手はない、ちょっとお伺いしたいものであるというようなことも言っておるわけでありますが、もちろん私ども、これがきめ手だということは、問題提起できないわけでありますが、さらに私ども社会党は、やはり土地というものは利用するためにあって、所有するためにあるものではない、という基本的な考えを持っておるわけでありますが、しかしいまの皆さんの政治体制、これは資本主義経済でございますから、国有とか公有とかといっても、これはないものねだりであって、議論としてこれは発展するかもわかりませんが、これは現実的に言ったとしても、言っただけに終わると思うわけであります。そこで、いまの皆さんの政治体制のもとにあっても、やれるものがあるのじゃないかと思うわけであります。たとえば総理が、土地を、土地政策を考え、地価政策を考えるということになると、私権の圧迫をしなければならぬ。だから、なかなかきめ手がないというような意味のことを言っておられるわけでありますが、しかし、この都市計画そのものを見ましても、私権の圧迫ですよね、これはある程度。農地のある場合には三〇%くらいが私権を制約されるということになるんだから、だから私は、公有あるいは国有は言いません。しかし、どうせ私権の圧迫になるんだから、地価対策の一環として、その市街化区域内の土地の取引は、民間業者の投機を許さぬというくらいの歯どめくらいは、私はできるのじゃないかと思うわけであります。たとえば、市街化区域になるだろうということを想定して、そうして土地を、あるいはデパート、最近は私有鉄道の会社あるいは土地ブローカーが、どんどん買いあさることは自由なわけです。いままでは、農地を転用する場合には農地法第四条、第五条によって宅地でなければ転用許可をしなかったものが、四条、五条をはずすことになるんだから、今度は大っぴらに農地を、指定された市街化区域内の土地をどんどん不動産会社が自由に買えることになるわけであります。そうなると、私は、需給の関係じゃなく、投機のために土地がどんどん値上がりする危険性が非常に多いと思うわけであります。したがって、私は該区域における土地の取引、こういう投機の対象にするようなことは私はせめて禁止してもいい、公的な機関、つまり国やあるいは公共団体がこれを買って民間に売る、こういう歯どめをしなければならんじゃないかと、それぐらいのことはできるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  15. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの、土地が直ちに利用される、こういう場合にはわりにその取引が目的がはっきりしておりますので、これについての判断はできます。しかしいま私有権制度が設けられており、そういう意味でいまのブローカーの諸君が他に転売することが目的でそういう土地を取得する、これがただいまのような地価を騰貴させる元兇だ、かように私どもも考えます。したがって、これはいまのたいへんな実は問題なんです。ここに私権の制限がこの辺まではたして可能なのかどうなのか、さらに私はもっと検討する必要があるだろうと思います。いま沢田君が言われることも、私もよく理解できます。御承知のようにもう土地収用あるいは価格決定等につきましても、あるいは税制等につきましても、私権を保護しながらやはり私権の制限をいたしております。ただ土地ブローカーについて、これを野放しだということについてはどうも納得がいかない、こういう点は私は検討の問題だろう、かように思っております。どうかまたひとつこういう点でも、制限について政府が検討いたしますことについて御協力、御支援のほどをお願いいたします。
  16. 田中一

    ○田中一君 時間がないようでありますから、二問だけひとつ基本的な態度として伺っておきたいと思います。  第一の問題は、今度の新しい都市計画法によって、既成市街地を中心に重点的に行なおうとするつもりなのか、あるいは新しい農地その他の未開発の地域に対するところの都市計画を重点的に行なうつもりなのか、この基本的な態度だけをひとつ、先に伺っておきたいと思います。
  17. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 基本的に総合開発計画というものをいま立てつつあります。しかしその基本的な問題も問題ですが、現実の問題としてどんどん都市が集中化されておる。その都市をそのままにしておいたらいいというものじゃない、したがって再開発とも取り組みつつ、国土の総合開発計画を立て、それを進めていく、かように考えております。
  18. 田中一

    ○田中一君 重点的に全国が都市化した場合は一体どうなるか、これはもう問題になりません、議論になりません。そこで従来の都市計画法の施行状態を見ますと、新しい開発というものに対しては、一応開発するためにその計画を持つということになっておって、政治的な重点的なねらいとしては、既成市街地に対するところの開発、都市計画を施行して、いわゆる再開発的な改良を行なうというような気持ちが多分にあったわけであります。そこで今度の場合も、おそらく、私どものほうの瀬谷委員からも質問があったと思いますが、全国的な視野から見たところの都市のあり方というものに対しては、どこに重点の基本を置くかというと、それはおそらく総理は、両方ともそれぞれの問題については解決するのだ、というような答弁になると思いますが、私は都市化という現象は、ただ単にいわゆる大都会と称するところの、人間が大ぜい住んでいるところだけが都市化されればいいのだ、という考えは持たない。やはり格差をなくすためにも、小都市は小都市なりの都市計画が必要だろうと思うのです。そうして、そこには新しい文化的な生活が営める社会というものが生まれることが望ましいのであります。したがって、重点的にどこを指して求めているかという点を、もう一点伺いたいと思うのであります。
  19. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ちょっと田中君のお話が私にもピントがつかみにくいのですが、私いま申し上げたいのは、日本の国土、これを見ますと過密現象があると同時に過疎現象がある。これは形の上から、人口の移動の上からこういうものが出てきている。しかしながら、過密をささへ、また過疎を一応ささへているそれぞれの産業があるわけであります。それぞれの産業が構造の改善がされていくと、過密も過疎もそうたいして苦にならない、かようにも思うわけであります。逆な言い方をすれば、農業過疎現象から申しましても、いわゆる農業地域――いままでのような農業経営なら、人がたくさん要りますけれども、これから非常に近代化されてその構造改善が変わってくれば、日本なりの大農組織に踏み切れないものでもないし、そうすると、これは人が減っていくのが当然、しかしその場合においても、人口は減るが、文化的な生活は地方においても十分享楽できる、上下水道は整備される、あるいは電話は自由に引けるというようなことになると、これはまあそれでいいんだ、だが、過密、過疎の現象だというなら、それに対応するもの、これはもう近代産業としてそういう方向をたどっておるのですから、すべてのものが近代産業になっていけば、それに対応する、まありっぱなものができるんだ、私はまあさように考えます。ところが、その過密の場合に、その産業自身は高度化せられたが、公共投資はこれにマッチしてない。そこに過密としての非常な弊害がかもし出されてくる。上下水道は不足する、さらにまた道路も不足になる、こういうようなことで、交通機関が整備されてない。すべて過密の弊害にたえられない。こういうようなことにもなり、そして農村地域、この過疎のほうでは、いま必要な、いまいわれるような小都市に必要な都市計画も立たないような、ほんとに疲弊のどん底になる、こういうようなところにたくさん問題があると、かように私は思います。したがいまして、いま御指摘になりました点は、私、そういうように理解していいのか、あるいはまたもうちょっと違うピントのお話しだったのか、その点私がはき違えておったのか、もう一度お尋ねをいただきたいと思います。
  20. 田中一

    ○田中一君 一つの事例としてお話しますがね。三年になりますか、もう、いわゆる研究学園都市を筑波山ろく、と申しますよりも、これは農地ですね、これに対する新しい十七万都市というものをつくろうという計画をした。この計画は、ただ単に土地の買収というのを住宅公団を通じ地元に要請をしてるという現状であって、何らその計画というものは樹立されておらないわけです。今日十幾つかの各省庁が研究部門が向こうへ移ろうという、しかしながら、これはただ単にかけ声だけである、具体性がないということも考えなければならない。その他、二年、三年、四年とたちますと、これは農民もあるいは地域の人たちも非常に困ってるわけです。ことに負担に耐えられないという現象が起きている。これは国が相当な投資をするならいざ知らず、地方が負担する面のほうが大きいわけなんです。そしてまた、だれがどういう研究機関、学校は教育大学がずっといくといっておりますけれども、そうした新都市をつくるための対策というものが、何ら計画的にできておらぬという現状ですね。あなたは、もう総理が一番よく知ってると思う。本件は閣議決定して今日まで土地買収にかかっておる。これらの点については、将来日本の行政機関として、地域開発じゃなくて東京の過密状態を解消するというたてまえで、穏やかな農村に対して侵入をする、無法者になるわけです。こういうものをどうお考えになりますか。またこういうようなことが今後とも各所に生まれようとするのか、伺っておきたい。
  21. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) この学園都市建設のねらいといいますか、つまりアイデアは私はりっぱなものだと思います。また私自身がかつて科学技術庁長官をいたしましたが、その際も、科学技術庁が中心になりまして各省庁の関係を集め、そしてこの学園都市建設に積極的に取り組んだのであります。ただいまのところ、まあ用地がほとんど買収が済んだんじゃないかと思います。具体的には二つばかりのものがあそこへ出ていくことになっている。とにかく計画はよかったが、実施がたいへんおくれておる。おくれるために社会問題を起こす、さらにこれが政治問題に発展する、これはたいへんなことだと思います。しかし、私はインドにおいても首都ニューデリー、ブラジリヤが建設されたり、そういうところは十分土地が広いから日本と同様に考えられないにしても、そういう先例を見るにつけても、やはり皆さんのぜひとも理解ある協力を得て、新産都市、また過密大都市の負担が軽くなるように、ぜひとも御協力を願いたいと思います。私はいまの計画自身は非常に失敗だとは思っておりません。しかし、まだまだわれわれの計画したところが思ったとおりにはなかなか進んでおらない。これと一方空航などいま建設しておりますが、空航などの公共投資の進め方等を見ましても、これはやはり何といっても地域住民はもちろんのことですが、国民全部がこういうことについて深い理解を持たないと、政府だけがひとり自分で構想はこれでいいのだというようなことだけで進めたって、これは実を結ぶものではないと思います。私はそういう意味で、さらによりいい方向に進むべきではないかと思っております。
  22. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 三問ばかり伺いたいと思います。昨年の暮れ、総理が物価安定推進会議で、三CよりもHをということで、住宅のための貯金をということを国民に言われたわけでありますが、どういう観点からそういう発言を言われたのか。この三CとHと、この二つの部門の動きを見ますと、昭和三十七年が一〇〇とすると、四十二年がカラーテレビが五六・二と下がっており、クーラーは七六・一車は八三・三、そういう三種の神器等もはっきり言えば値下がりをしているわけです。この調子でいけば、普通のサラリーマンで、少し無理をすれば手が届くということになってきたと思うのですが、住宅のいわゆるHのほうは、建設労務者の賃金が一七八、住宅地の地価が一七四、七、木造建築費が一三五・五、こういうふうにウナギ登ぼりになっている。その中でも地価についての場合は五倍というような値段になっている、三十七年のときに三十年の五倍。こういうふうになっておるし、それから以後もいまの事例のように、容赦なく上がっているのです。そうすると、住宅のための貯金をと言われても、こういうふうな高騰している状態では、これはとうてい無理ではないか。いま一つは、民間による平面的な開発ということをどんどん進めるということになると、どうしても環境は悪くなる。あるいは都市公害等の問題等も起きている。そうすると、土地の高度利用が叫ばれて、いま政府がいろいろ考えておるし、描いておる都市計画とか、あるいは都市再開発というような、そういうような考え方とも矛盾を生ずるような点も出てくるのではないか、その点でひとつ総理はどういうふうにお考えになっているか。一つにはそういう点から考えると、公営住宅というものをかなり重点的にやらないと、せっかくの都市計画法ができても、かえっておかしな方向にいくのではないかということが考えられると思いますが、その点についてのお考えを伺いたい。
  23. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 鈴木君のいま言われるように、三CよりもHということは、民間にもさような考え方で呼びかけますが、私どもも、政府自身の姿勢といたしまして、公共投資、住宅投資について、さらにもっと積極的な姿勢を示す。まあ住宅をつくることは、同時に道路をつくることだし、上下水道を整備することだし、あるいは学校、病院等もつくっていかなければならないものですから、最近の団地等に見るように、そういう積極的な姿勢が必要でございます。しかし何と申しましても、数の多い国民の皆さまが、住宅問題、こういうことに真剣に取り組んでいただかれて、そういうような姿勢で日常の生活を取り組んでもらうと、私どもの政策も実を結ぶのだ、かように実は思います。一部におきましては、いわゆる昭和元禄というような言い方もしておりますが、しかし、貯蓄性向はなかなか高いのです。最近の貯蓄の状況を見ますと、一部で消費も盛んだが貯蓄も進んでおります。したがって、そういう意味では、国民の皆さんの方が、政府でいま時分これは何だ、3CよりHだと笑われるかもわかりません。しかし、われわれは考え方をこの方向へ持っていくことは必要だと思います。私は最近の連休等から思いをいたしましても、もっとレジャーを楽しむこともけっこうだが、とにかくこれで交通事故は起し、生命を失う、それよりももっとじみの生き方があるのではないだろうかと、ときどき考えさせられるのです。そういうところがら私のキャッチフレーズとすれば、三CよりもH、かように思います。しかし、これは国民に対するだけではございません、政府の考え方もやはりそちらにいかないといけないのではないか。いわゆる三Cは、政府の場合はこれは産業開発につながるのです。私こういう話をいたしましたら、ある自動車会社から、総理はああいうことを言わないようにしてください、せっかく売れるようになったのに、どうも少し手を引くようです。こう言ってしかられましたが、しかし、やはり産業ばかりに力を入れるよりも、住宅に力を入れる、また政府の姿勢にもつながる、国民の皆さんもその点を理解していただきたい、かように思います。
  24. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 いまの総理の答弁からは、国民は何となくぜいたくをしているような印象を受けるんです。そういうような印象で総理が臨まれるということは、あまり好ましいことではない。できる限り国民の生活を向上させる方向で努力してもらいたいと思います。  次の問題は、地価の市場価格の基準の問題です。これがいまのところオーソライズされている価格は、いわゆる不動産鑑定者がきめる鑑定の評価額、税務署が相続税をかけるための評価額、それから地方公共団体が固定資産税をかけるための評価額、法務省関係の登記所の土地台帳の価額というようにいろいろあるわけです。この鑑定の評価額が一〇〇とすると、相続税の評価額が七五であり、固定資産税の評価額は五〇である、土地台帳はそれ以下である、市場価額は鑑定の評価額以上である、非常にこういうまちまちになっている。少なくも公的機関の評価額ぐらいは統一できないのか、相続税と固定資産税の評価額と違っているということでは話にならない、そういう点についてはお考えをお持ちじゃございませんか。
  25. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) これはたいへんな実は重大な問題でございます。これは負担の問題ともつながる。いま地方自治体の税収入が減っていると言われますと、これは評価がえすれば直ちにふえる、そのことは国民に対してたいへんな負担を課すことにもなります。したがって、ただ一部で物価に影響するという、そういう意味からこの点を取り組んでもなかなか解決はできない。これもちろん大蔵当局にしても自治省当局においても、これが重大な問題だというので、ただいま真剣に検討しております。財政制度審議会等におきましても、これと取り組まなきゃならないということで検討いたしておりますから、これらの専門家の意見に、その研究の結果に待ちまして、しかる上で結論を出したい。確かに鈴木君が御指摘のように、ただいまの評価は古い時代の評価でございますから、現状から見ますというとそれが当たらない。いかに苦しい問題、重大な問題でも、これをほっておくわけにはいかない、かように思いますので、税制調査会のどういう結論を出してきますか、結論をひとつ持って善処いたしたいと思います。
  26. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 先ほど公共事業云々のことを言われたですが、そういう公共事業関係ですが道路の問題、それから上下水道、交通、こういうのがおのおの独自の立場から五ヵ年計画が策定されておる。均衡のとれた都市の発展とか公共の福祉というのをはかろうと、こう考えていったときには、そういう公共事業の投資の実態、そういうものに合わせて一本化してやっていかないと、ちぐはぐな発展等があれば、これはかえっていろいろの計画等がくずれていくわけです。そういう公共施設整備の五ヵ年計画というような構想、そういうように策定し直したほうがよろしいんではないか、こういうように考えられるわけなんです。そういう点についてはどうお考えですか。
  27. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) それぞれ道路計画あるいは河川改修計画、あるいは治水計画等々の五ヵ年計画ございますけれども、これはいわゆる社会経済発展計画、そういうものの中にそれぞれの計画が織り込んであります。したがって、いま別々に立てられていると、その結果ばらばらだと、こういうものではございません。やっぱり基本的には社会経済開発計画というものを持ち、それに基づいてそれぞれの五ヵ年計画を、河川、道路だとかあるいは港湾など、それぞれのものがやっぱり関連をしておる、かように御了承いただきたいと思います。先ほども申しますように、国土総合開発計画を立てます。これが基準にはなるだろうと思います。さらにまた、二十年後の日本がどうなるだろうか、こういうような長期計画、長期ビジョンをひとつ持つような、そういう計画を進めております。したがって、形はいかにもばらばらのようだが、やはりそこにはつながるものがある、かように御理解をいただきたいと思います。
  28. 片山武夫

    ○片山武夫君 二つ三つ御質問申し上げたいと思います。  都市計画法案をつくるにあたりまして、私もこの法案が確かに出されている時期としては、おそいきらいがあると思うのであります。この都市計画法案の問題以前の問題が山積しているように実は私は思うのであります。まずそれは地価の問題あるいは人口問題、こういったような問題がいまだに解決されないまま、この都市計画法案がたとえば立案されても、なかなかその効果があがらないのじゃないか、こういう考えがするわけであります。特に御承知のように都心に集まってくる人は、いわゆる若年層、学校を卒業したての人が非常に多いと思う。そうしてその人は将来家庭を持つ、したがって、人口がさらにふえていく、こういう悪循環を来たしていく。これに目をふさいだのでは、都市計画はなかなか成り立たない、かような気がするわけであります。当然工場用地であるとか、あるいは産業用地であるとか、そういったようなものの方針が確立されておれば、いまにわかにこの法案を通さなくてもよいのではないかと思われる節があるのであります。したがって、過去においてこういったような問題を十分に認識して都市の過密と農山村の過疎、この現象、これはおそらくそのとおり恒久的に継続していく傾向があるかと思うのであります。この抜本策を何とか立てなければならないと思うのですが、まず人口問題についてどういう見解を持っておられるか、お尋ねをしたいと思います。
  29. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 人口問題は、国の政治の上において一番大事な問題であります。ことに最近のように人口の増加率が下がる、そうして長生きをする、人口構造が老齢化する、そういう形にあります際に、この問題をいかに取り組むか、これはたいへんな問題でございます。政府におきましては、それぞれ専門家の意見を徴しまして、人口の老齢化に対応して処置をとる。したがって労働省あたりでも再就職等について特別なくふうをする、これがやはり人口老齢化に対する対策だと思います。また厚生省におきましても、老人対策に特に力を入れる、これも一つの問題でございます。いわゆる児童対策はわりにできておるけれども、これに対応して老人対策はなかなかできていない。ことに家庭が核化する今日の現象から、どうも老人は見捨てられる、こういう形になる。そういうようなことからも、この人口問題はいわゆる産めよふやせという意味ではない、別な意味を持った重大なるただいまは転機に当面している、かように私は思っております。
  30. 片山武夫

    ○片山武夫君 ちょっと質問のしかたが悪かったと思いますが、先ほど私の申し上げましたのは、いわゆる都市に多く人が集まってくる、そういったようないわゆる都市計画上の人口の流動という問題を取り上げて御質問申し上げたのですが、そういうことについてこれはいま言った工場用地であるとか、あるいは産業用地とか、そういったようなものの配置について根本的に考えていかなければならぬ。そのことがおろそかになっているのではないかと実はお尋ねしたわけでありますが、次に時間がございませんから質問に移りますけれども、そういったような問題に関連しまして、この都市計画を実施いたしますと、いわゆる市街化区域あるいは調整区域、こういうものが設定されていくわけなんですが、過去の経験を見ますと、いわゆる都市周辺の人口が増加していくにつれて都市周辺に住宅が流れていく。ところが都市周辺の地価が非常に高くなるために、一つ置いた外回りに住宅が移動していくような傾向があったことは、すでに御承知だと思うのです。そういうことがこの市街化区域あるいは調整区域を設定することによって、安いほうがよろしいからその他の地域に住宅を求める。いわゆる都市化というこの基本的な構想が的はずれな結果に終わってしまうのではないか、という心配を私するわけでありますけれども、それについての何か具体的な救済策といいますか、地価が上がらずにそこに一つのその地域の中に都市がつくられるようないわゆる政策があるのかどうか、ということがまず私心配になるわけです。再度お聞きしますが、結局その地域にむしろ住宅が集まらないで、そのほかに住宅を求めるという傾向があらわれるのではないか、そういうことを阻止する何らかの手があるかどうか、ということをお聞きしたいわけです。
  31. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどの人口問題、たいへん私はき違えて申しわけございませんでした。いわゆる過密現象を何か押える方法はないか。まあそれが都市分散、産業分散、そういうような方法だと思います。そういう意味合いでのいろいろ指導をしてまいりました。しかしなかなか思うように成果をあげていない、というのが現状であります。またこのたびも住宅地域さらに調整区域等々を設けまして、はたしてこれで効果をあげるかどうか、いま言われたような心配の点がございます。過去の新産都市の建設の場合、あるいは工業整備地域等の指定を受けたところ、そういうところでは土地の値上がりがして、そのためになかなか工場が出ていかない、こういうような悪い結果が生じておりますから、今回のこの催しがはたして成果をあげるかどうか、そこに疑問なきを得ないと思います。  そこで、私は先ほどもちょっとお答えしたのでありますが、この種の政府の施策については、国民の御理解が一番大事だと思うのです。一番必要なことだと思います。また住宅そのものにいたしますと、これはやはり交通機関、上下水道、これは基礎になるものですから、そういう公共投資が先行的に行なわれるとたいへんいいのですけれども、そういうことが同時にまた地価を上げる、こういうような結果にもなるだろう。これはしばらく実施をしてみまして、そして弊害がどういうように起こるか、またこの実施の成果がどうなるか、その辺をさらに検討していかなければならない、かように考えております。
  32. 片山武夫

    ○片山武夫君 この都市計画法と今度都市再開発法が出されておるのでありますが、この都市再開発法も非常に私は重要な内容を持っておると思うのでありますが、これは私は、都市の再開発が行なわれ、さらに都市計画法が進められる、むしろ重点は都市再開発のほうにおかるべきではないか、という実は気がするわけでありますけれども、総理はその点いかにお考えになっておられますか。
  33. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 私はやはり基本的にはただいまの都市計画法、そのほうの考え方が本筋だと思います。しかし現実の問題では、やはり何といっても過密化がどんどん進んでおりますから、都市再開発もやらなきゃならない、さように考えまして、やはり並行してやるべきだと、かように思っております。
  34. 片山武夫

    ○片山武夫君 私は並行してやられることはけっこうだと思うのですが、財源に制限がある、かように考えるわけであります。特に都市計画法実施にあたりまして、これが通れば来年度には相当予算を組まなければならぬ、こういう裏づけが私は必要になってくると思うのでありますけれども、これは十分に予算の裏づけについても、きのう参考人からいろいろ意見がありました、また要望もありました。そういったような点について十分に考慮する決意があるのかどうか、さらにそれをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  35. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) とにかくいままでの都市の場合に、計画に沿って都市が拡大されたならばたいへんよかっただろうと、かように思うことが多々あります。ところが、いままでの都市は自由にまかして、自然にまかして、したがってこれがどうも計画があったらもっと変っただろう、こういうようなことが悔いられるようなものがあります。それが道路の整備であったり、あるいは上下水道の整備であったり、幾つもあるわけであります。したがいまして、いわゆる貧乏長屋の建て増しというような批判を受けないように、やはり計画の対策を進めていくということが、私は必要だろうと思います。さように考えますと、やはり予算的措置が必要だろう、かようになります。しかし、ただいまもたいへん御理解のあるお話を伺いましたが、これはもう必要だからといって、何もかも政府自身が負担するというものじゃございません。この負担は全部国民の負担でありますから、そういう点で国民の負担に相応してそうして改善をはかっていく、こういうことで進めていきたいと、かように思います。とにかくやりたいことは山ほどありますけれども、それをあまり急激にいたしますと、とんでもないことになるだろうと、かように思います。
  36. 春日正一

    ○春日正一君 総理に基本的な点だけお聞きしておきたいんですけれども、先ほど来議論になっている人口の都市への集中の問題ですね。これはスプロール現象その他の都市問題の一番大きな根底になっていると思うんですけれども、全国的に見ても大体東海道メガラポリスというか、太平洋ベルト地帯というか、そこにずっと集中する傾向がありますし、それから各県で見ても、大体その県の中心の都市に集中する。そして農村といっても特に山村地帯ですね、これはどんどん離農していわゆるさびれていっている。だから投網を投げてぐっと引っぱったように、ぐっと集まってきてそして一方は荒されっぱなしという、そういう現象になっているわけですけれども、都市計画をきちんとやっていく上では、この人口集中の速度なり規模なり、そういう見通しがはっきりしませんと計画は成り立たない、と思うんですけれども、政府として、大体今後十年ぐらいの間をとってみてどのくらいの集中がされるか、そういう見通しをひとつ聞かしていただきたい。
  37. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) いま突然見通しが十年後どうなるかと言われましても、この席ですぐ答えるわけにもいきません。私も材料を持っておりません。しかしただいま言われますように、自然にまかした場合に、やっぱりいまの文化そのものが都市集中の形をしておりますから、都市に住まないようにと言っても、都市のほうが住みいいじゃないかということでどんどん集まってくる。産業自身も地方に出ていったらどうかと、かように申しましても、どうも産業自身も都市のほうが電力にしてもまた求人にしても何にしても楽だ、これは自然にまかせばそういうことになる。しかしこれを国家の強権を用いて、もう退職した老人は全部いなかにお帰りなさい、そんな乱暴なことはできない。また山村におきましても、山の中に小さな部落があちらこちらにある、もうそんな五軒や十軒の部落は残すわけにはいかないから、その山から出てもう少しいい個所に部落形成をしろ、五十軒以上でなければ部落としての扱いをせぬ、こういうわけにもいかないと思う。だからそういういわゆる人権が尊重され、そして文化的な生活が営めるようにする、これは政府に課せられた政治課題でございますから、そういう方向で政府は努力していかなければならない。でありますから、たとえば過疎の地域について考えれば、これはまあ私はおそらくこれからだんだん指導して山の中に五軒、三軒というふうに残らないで、もっと一カ所に集まるように指導を必ずすると思います。そういう場合に、やはり土地を造成するとか、あるいは道路をつくるとか、学校の便宜をはかるとか等々の地域計画が進められ、また道路計画が進んで、そうして工場誘致されれば、楽に自分のうちからそこに通えるようになる、こういうものが必ずこれから進んでいくだろう。また農業や林業にいたしましても、いまのような農業や林業でなくって、りっぱな産業としての農業、りっぱな産業としての林業、一人立ちのできるように近代化、組織化が進んでいくだろう、かように思います。またそうしなければならぬ。また都市におきましてもこれより以上ふえちゃ困る、かように思いながらも、施設そのものがよくなっていく。ことに非常にわかりいいことは、人がたくさん集まれば税金もたくさん入ってくる、人が集まらなければ税金は入らない。そういう現象ですから、税金の入らない所はさびれていくことは当然である。また都市では税金が入ってくるから負担はだんだん軽くなる、こういうような現象もあるわけです。また、政府自身がそういうことで公共投資をする。だからずいぶん都市に住んだほうが楽だということになる。だからそういうことのないように、先ほども申したように、総合開発計画を立てて、そうして均衡のとれた発展計画、開発計画を立てる。そうすると、やはり都市ばかりに集中するとか、過疎現象ができるとか、こういうことが少なくなるだろう、ある程度それにブレーキをかけることができる、かように実は思うのであります。ただいまは総合開発計画、これをたよりにして、その方向へ皆さんの協力を求めるということにしたい、かように思います。
  38. 春日正一

    ○春日正一君 その問題はそれだけにしておきます。  それで、あともう一つ、公害対策の問題ですね。時間がないようですから、私一度にまとめて聞きますから、総理、よく聞き取ってまとまった答弁をお願いしたいと思うんです。都市公害は放置できないような深刻な状態になっておりますけれども、特に四日市の場合を見れば、以前からあすこに民家のある近くに石油コンビナートがつくられて、その結果、公害のために住民がおん出されなければならぬというような状態になっております。これは今後の都市計画にとって非常に重要な教訓を与えておると思うんですけれども、政府はこの問題から何を学んで、今後どうしようとしておられるか、この点が一点ですね。  それから大気汚染防止法というのができたのですけれども、この地域ごとの排出基準はこの法律できめることになっておりますけれども、たとえば亜硫酸ガスを最も多く排出する火力発電所が、この法律の規制の対象からはずされている。だから四日市の場合でいいますと、中部電力の二つの火力発電所から出される亜硫酸ガスが全体の六割を占めていると言われておるのに、これが規制からはずされているので、現在の深刻なあすこのガス公害というようなものが解決がはばまれている、こういう状態になっているのですね。そこで私どもの考え方を言えば、公害をほんとうになくそうとするならば、やはり工場、火力発電所、自動車などの公害発生源に企業の責任で汚染防止装置をつけさせて、公害の発生をその源において防止するようにするということが必要だろう。もちろん中小企業の場合には、国が資金的なめんどうを見るというようなことをしなければならぬと思いますけれども、同時に大都市や工場地帯、工場周辺などことに公害の多い所は、地域を対象にした厳格な環境基準をきめて、この基準をこえる場合には、その地域内の企業の一部の操業停止をさせるというような強い処置をとらなければ、結局この公害の問題は解決しないんじゃないかと、こう思うんですけれども、総理はこの点についてどう考えておいでになるか、この点お聞きしたいと思います。
  39. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 都市集中あるいは工場化の結果、ただいま公害の問題が実はたいへんな問題でございます。ことに四日市の場合などを見ますと、四日市の町のあのそばに工場ができたといいますか、あすこで公害が特に発生してみんな困っている。ほとんど、この小さな町も、周囲は全部工場化して、一カ所ならまだ風の方向で季節的には公害を受けなくても済むということがあるようですが、ああいうような小さな都市でまわりが全部工場であって、煤煙を出している、これでは救えないということだと思います。そこで都市を開発する場合に、計画的にやればこういうような四日市のようなことはないのだ、これが私どもが四日市公害から学んだものでありますし、今回どうしても、都市計画法などもそういう意味において、私は利用計画を立てるというような場合に、やはり問題になるのだと思います。将来起こる公害を除去する、こういう方向でもやはり役立つのだと思います。  それからその次に大気汚染についてのお尋ねでございますが、公害防止基本法、その趣旨によりまして、それぞれただいま大気汚染防止法、もう一つは騒音防止法、これはちょうどいま国会に提案されて御審議を受けている最中であります。その中にただいまの発電所は一体入っておらんじゃないか、こういうおしかりでございますが、発電所の関係は電気事業法のほうでこれを制限を加える、こういうことでありますので、この大気汚染防止法、それからは除いております。けれども、その趣旨は、同じような制限を受けるということになりますから、ただいまのような大事な電気、発電所が除外されて優遇されている、こういうことではないのですから、誤解のないようにお願いしたい。  それから先ほど緑地帯を設ける等々については、これはもう建設省も指導的役割りを果たしつつありますし、また最近千葉県下にある工場地帯におきましても、ある一定の緑地帯を設ける、こういうようなくふうをしております。自治体等も公害について最近はそれぞれ真剣に取り組みつつある。かように思いますから、かつての不感症からそういう点は是正されている。こういうように私は考えます。
  40. 相澤重明

    ○相澤重明君 私も二、三総理にお尋ねしたいのですが、都市計画法の目的あるいは基本理念を読ましていただくと、まことにけっこうなことです。しかしこれは簡単に言えば国土総合開発の中の一つを進むものだと私は思うのですね。そういうことで、先ほどから各委員からも質疑がありましたが、都市計画をやる場合に、既成市街地の中の計画を推し進めるか、あるいは新たに都市計画を持つかという問題点があると思うのです。そういう点では先ほど総理からも御答弁のあった既成市街地については、都市再開発ということがやはりあわせて行なわれなければ、現在の都市過密化というものも解消できない。そういう点はいままで総理も、いやというほど言われたかもしれないが、いままで自民党としても、解決のできないことをずいぶんよくやった。そういう点では、やはり野党の言うことも、少数の意見も尊重しながら、国会では法律をつくって、これを実現することでありますから、いわば国民のためのいわゆるあり方をこの政策として実現するわけでありますから、そういう点には勇断をもって私は進んでもらいたいと思う。  その意味で一つ聞いておきたいことは、現在の都道府県というものの行政区域ですね、これをその形のままに進めておいて、都市計画というちっぽけなものを進めていくのかどうか、こういう点は、どういうふうに総理としてはお考えになっておるのか。いわゆる広域行政というようなものをお考えになって、たとえばこの法案の中にある、二以上にまたがるものについては、建設大臣の権限、指示と、こういうようなこともお考えになっておるのか。まあ基本的な都道府県行政区域というものをどう考えておるのか。  それからいま一つは、市町村が、本来ならば、いわゆる住民の意思を一番代表するものなんですね。ですから、行政の一番の第一線というものは市町村にある、こうわれわれは理解をしておるわけでありますが、その市町村の中でも政令指定都市というのがあるわけですね。これは、都道府県知事とほぼ同じ権限を持つようになっておるようでありますが、いままでの政令指定都市といえども、さらにそれ以外の都市といえども、非常な人口の増大を来たしておる。たとえば私が一つの例を申し上げますと、川崎市のように、人口百万にもなろうとしておる、一地方の県と同じくらいの人口を持つようなところ、これがやはり政令指定都市ではない。こうなるというと、都市改造を行なう、あるいは都市計画を行なう、あるいは都市再開発を行なうといっても、この行政上から見ると非常な問題点があるのではないか。政令指定都市というものをいま一度考え直すつもりがあるのか、さらには政令指定都市をさらにふやしていく考え方があるのか、この点もあわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
  41. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 相澤君のいま言われますように、私は、この委員会等におきましては、ほんとうに皆さんとひざを交えて意見を交換している。まあ基本的なそれぞれの主張はございますけれども、しかし政府の足りないところは、各党においてもやはり知恵をつけていただいて、また各党ともやはり自分たちだけで政策を独占されないように、ぜひお願いをしたいと思います。そういう意味で、初めて国民の期待するような国会運営ができるだろうと思います。  そこで、ただいま行政区域の問題についてお話がありました。確かに、私もただいまの行政区域、ことに国、府県、市町村、こういう段階になっていることが、はたして行政遂行上適当なのかどうなのか、これは検討を要する問題であると、実は、絶えず考えております。まだ結論を得ておらない。同時にまた府県の区域というものも、もう明治初年以来、これが変わらない。市町村の場合は、それぞれ合併をいたしました。明治初年に十万近くあった市町村が、いまはもう三千程度に変わっている。だからしたがって、これはたいへん大きな市町村も生まれることになります。ここらにこの縦割りの制度、これでよろしいのかどうか、またその区域がこれではたしてよろしいのか、実は、それぞれ研究をお願いをしておるわけであります。まあ府県については、ただいままでいわゆる府県合併促進法、そういう法律案がいま提案されて皆さま方の御審議をいただいておりますが、これは正直に言って、あまり評判がよくないのであります。したがって、各党の協力を得るようになっておりません。おりませんが、どうもただいまのように市町村の合併はどんどん進んだが、府県のほうはまだ昔のままだ、これはひとつくふうしなきゃならぬ。ことに、ただいま御指摘になりましたように、国、府県、市町村――三段階になると、これはひとつの問題だと、かように私も思います。そこで、広域行政ということがしばしば言われます。道路をつくる、あるいは河川、その水の利用をする等々につきましては、これはもうはっきり広域行政でなければ困る。これは自分たちの県だけでがんばってちゃ困る、こういうことが指摘される。最近になると、ただいま川崎市のお話が出ましたが、神奈川県と東京との関係において、いわゆる東京の住宅地は、新しい住宅は神奈川県下にあるのじゃないか、あるいは千葉県下、あるいは埼玉県下にあるのじゃないか、こういうことが指摘されております。でありますから、もっと広域行政の立場に立って物事を考えないと、とんでもないことになる。これは御指摘のとおりだと思います。まあしたがって、ただいま首都圏というものが考えられて、そうして担当大臣は建設大臣が兼務しておりますから、ただいまのような広域行政においての公共投資に、施設においては支障を来たさないように、それぞれしておられると思います。しかし、もっと進んで、はっきりこういう点において考えないと、ずいぶん困った問題が起こる。私は昨年、一昨年でしたか、千葉県下を視察いたしました際に、最近できた団地、そこの居住者は全部東京へ来て働く。そうしてその団地では上下水道等も整備をされておる。たいへん東京へ出て働く人のために整備されたものができておる。ところが昔からの農家、このそばにいる農家部落は、これは上下水道等も整備されず、そうして千葉県のために一生懸命やっている。ずいぶんこれは困ったことじゃないか、という御指摘を受けたのであります。おそらくただいまのような神奈川県下におきましても同じようなことがいわれるのじゃないだろうか、かように思います。こういう点が広域行政の立場に立って物事を考える、やはりもっと広い範囲で考うべきだろうと、かように思います。  そこでまた、ただいま川崎市のお話がございました。これは政令指定都市からはずれている、すでにもう人口百万になんなんとしている、あるいはオーバーしているというお話でございます。これなぞは、これは政令指定都市という制度がある限りにおいて、その実情に合うように指定すべきが当然でございますから、そういう点ではさらに調査の上結論を出したい、かように思います。
  42. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に二つの問題点を述べてお答えをいただきたいと思います。  一つは、都市計画の中でやはり問題になるのは、企業優先か、あるいは人命を中心とした住居問題等に力を入れるか、こういうことになろうと思います。ところが、先日から問題になっておりますたとえばイタイイタイ病に対しての政府のそれぞれの省の見解の相違、あるいは意見の対立、あるいはまた原子力潜水艦の放射能に対する政府の態度、科学技術庁の態度、こういうようなものを考えてくると、私は少し佐藤総理の人命尊重という趣旨が、各省の行政の中でこれは曲げられているのじゃないか。各省のばらばらの意見対立というものをなくさなければ、国民は総理の言うことを信頼しなくなってしまう。そこで、私は園田厚生大臣が言ったことをたいへん高く評価するわけです。そういう意味で、内閣の直属として公害問題というもののひとつ専管省をつくる、そういう考えはないのかどうか。いまのような企業が優先だ、いや人命がどうだと言って意見ばかり対立しておってじんぜん日を経るというようなことでは、これはほんとうの政治ではないわけです。私は、そういう意味で、少なくともあなたのお考えでもし意見がまとまるなら、これは国民のためにたいへんな福祉を提供することになると思う。経済企画庁が扱うのがいいか、それとも公害というものを取り上げて、この問題にしぼってひとつ専管省をつくると、こういうようなこともお考えになってはどうか、ということを私はひとつお答えをいただきたいと思うのです。とてもじゃないけれども、この法律の中にもありますね、昨日も質疑がありましたけれども、意見がありましたけれども、たとえば法案二十三条の中に農林大臣とは協議をするが、運輸大臣と通産大臣には意見を聞くと、それから今度は厚生大臣には意見を聞くこともあるなんというような、こういうことで都市計画をやるなんということは、私はおそらくこの条文をつくるのは、確かにこの序列をつくったというようなものですね、これは。しかし、これはほんとうの意味じゃないと思うのですよ。都市計画をやるには、やはり住民のことを考えた都市計画を進めていくべきであって、そうするならば、その公害問題等も含めたことも重点に入れていけば、私は厚生大臣の意見を聞くことがあるなんということじゃなくて、やはりそういう関係者協議をすると、そのくらいの熱意を持ってほしい。  次には、都市計画の中で心配なのは、御承知のように米軍の基地があるわけです。私のまわりではそういう点ではたいへんなんです。先月三十日にも総理に渕野辺キャンプの問題で陳情いたしましたが、どうかベトナム和平の問題も進んでおりますから、基地をできるだけやはり日本側に返してもらうということを合同委員会の中で、どうしても残さなければいけないものはこれはやむを得ないですから、そういう点で基地の返還、電波障害なんというものを数多く全国に指定をするなんということは、私はやるべきではない。で、防衛庁、施設庁はすでに調査をことしも行なおうとしておりますが、最小限度のものを私は考えるべきであって、いま合同委員会では十二カ所ですか、言われておるようなものは。私は、やっぱり神経質にならぬほうがいいと。こういう点をどうお考えになっておるか。  それから、本牧の米軍住宅の移転を、A号住宅の移転を三十九年、当時大蔵大臣だった田中さんと相談をしてこれはきまっておるわけです。いまだに手がついていない。聞けば、おとといの建設委員会での施設庁の答弁では、米軍側がどうの、日本側がどうの、土地がどうのというようなことである。これはやっぱり都市計画に非常な支障を来たす、こういうことをひとつ、きまった以上はできるだけそれを実行してもらう、それだけのひとつお考えを願いたい。  最後に、時間がありませんから、最後にひとつお願いしたいのは、東京湾の開発についてどうするか。これは、建設省は五ヵ年計画で道路整備等についても調査を進めておるようでありますが、いま都市計画の中の最重要点は、この首都圏にあるところの問題だと思うのです。私は、この首都圏の中で東京湾開発を行なうことが、まず背後地における各都道府県のいまの問題点を解消することになる。この開発が行なわれるならば、経済界の諸君は、十兆円に及ぶ利潤をこれのためにあげることができると、こう言っているのです。そういう意味で、ぜひひとつ東京湾の開発については、われわれ首都圏内における都道府県の強い要望でもあるし、ぜひ総理として、建設省が調査の段階だけでなくて、来年度予算をつけて、ひとっこれは実行に入ってもらいたい。このことは、おそらく総理に質問するのは、この国会で私は最後の質問ですから、少し長くなりましたが、総理のひとつ力ある御答弁をいただいて、私は終わりといたします。
  43. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、企業優先か人命尊重かと、こういうところから説き起こし、所信を述べられ、最後は東京湾の開発まで、大問題にまで発展したのであります。  そこで、まず第一の問題について申し上げますが、最近の工場災害、あるいは炭鉱災害等々が頻発しておる。それについても昨日も参議院の本会議でお答えしたのでありますが、私は、経済発展、その利益は必ず国民、人間に返すのだ、人間を無視して、人を無視して、それで何の産業発展ぞやと実は言いたいのであります。でありますから、ここには人命尊重か企業優先かというような、そういう対立関係はもちろんないのである。人命尊重するがゆえに企業を興こすということで、企業の整備には基本的には人命尊重、人間尊重、そういうものでなければならない。だから、たとえば保安であるとか、あるいは公害であるとか、こういうようなものが起こるようでは、産業は成立する基礎的な条件を欠いておるということに、実はなるのであります。そこで、申すまでもないことですが、かように考えますと、生産行政というものとその保安行政、これは一体であることは当然であります。その保安あるいは公害を防止する、それで初めて生産が立つのです。その基礎的な条件でありますから、そういう意味で生産行政と保安行政、あるいは公害防止行政、これは一体のものだと、かように御理解をいただきたいと思います。そういう意味でただいまの公害防止基本法の趣旨が立つのであります。したがって、私は公害防止について専門の役所をつくれと言われたことには、私は反対なんであります。生産を担当している者が、生産の基礎になる、基盤になるところの公害を排除する、また人命を尊重する、それに徹して生産計画を立ててもらいたい、かように思います。そこで相澤君もかつて官庁におられたからよく御承知のことだと思いますが、一番官庁で悪いところは、なわ張り争い、権限争いです。したがって公害基本法の制定にあたりましても、特に権限を相互に侵さない法律をつくったわけであります。そうしてあまり共管――まあ二つ以上の役所が関係することは能率が阻害されますから、そういった共管制度を設けないようにする、こういうところでくふうをしたのであります。したがってその書き方が、ものによってはただ意見を聞くといっている、あるいは協議するというようなものと、意見を徴すものと二つに書き分けてあります。これは共管を設けないようにして、そうして能率的な処理をしよう、こういうことであります。先ほど春日君からもお尋ねがありましたように、たとえば電気関係、電気事業はこの法律にはよらない、生産手段を、生産行政を担当する電気事業法のほうで公害の防止の処置をとる、こういうような処置をとったわけであります。したがって、私はどこの役所でももっと実態を了承して、理解して、そうして徹底すれば、いまのような企業優先か人命尊重が優先かというような、そういうような疑問を持たれるというようなことはないように思います。これはぜひともただいま申し上げたようにしたいのであります。  そこでイタイイタイ病についての処置もはっきりしてまいりましたようです。また原潜の問題につきましても、ただいま原因を明白にする、これを探究して、そうしてみんなが納得のいくようにしょう、これに最善の努力を尽くしているわけであります。またこれが結論が出ないうちに、原潜が入るということについては、私どもは十分災害を起こさない保証を必要とする、かように私は考えますので、これらについては、さらに関係当局におきまして掘り下げて検討するつもりであります。  そこで米軍基地についてのお話もございました。まあ日本の場合は日米安全保障条約はございますけれども、不用な基地はどんどん返してもらうという方向でなければならない、最小限度この基地は必要だろう、その点は考えるということでありますから、これは相澤君も私も別に変わった考え方であるわけではございません。そうしていま問題になりました電波障害の問題でありますが、これにつきましては皆さんから陳情も受けました。また分科会におきましてもこの問題と取り組んでおります。したがいまして、電波障害が起こらないようにするつもりでございますけれども、もしも電波障害が起こりましても、地域開発には支障を来たさない、そういう処置をとろう、こういうことでございますので、これは近く解決がつくだろう、かように思います。  また本牧の住宅についてもいろいろ経過等お話ございましたが、これは確かに都市計画の施行に支障がありますので、いまの協議を早く進めて、そうして結論を出すようにいたしたい、ただいま日米間で協議中であります。  最後の東京湾の開発は、これはたいへん重大な問題だと思います。しかしこの問題については、政府もまた民間におきましても、これに積極的に協力して、ただいま鋭意結論を出すように、それぞれ検討しておられるようであります。私どももこれはたいへんな問題だと思いますので、この東京湾の開発と真剣に取り組むつもりでございます。
  44. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 総理大臣の出席予定時間もはるかに超過いたしましたが、最後に当面緊急かつ重要な問題について、私から二点お伺いしておきたいと思います。  今朝の大地震によりまして相当な被害が出て、被害地では交通途絶が広範に起こっておるということであります。いずれ、当委員会は引き続き建設大臣からも中間的御報告があるかと思いますが、長野あるいは先般来の九州、加えて今朝の大震災ということでございますが、総合予算といったようなことではありますけれども、この際そういった不慮の事態に備えるについては、緊急にかつ内容的にも、やはり重点的に行なう必要があろうかと思いますが、その点に対する、せっかく御出席いただいておりますから、御所信を伺いたいと思います。  それから第二点目は、景気調整ということで、予算執行の繰り延べが問題になり、これがすぐ治山あるいは治水、さらに道路等の公共投資に手がかけられる。ことしの予算の伸び率は非常に悪いものですから、私どもの考えでは、こういういわば社会開発、公共投資にすぐ大蔵省は手をかけようとする点については、少し検討を要するのではないだろうか、これは総理が、やはりその所信を政策に具現する以外にないのではないだろうかと思うのですが、すでに四月以降の予算執行繰り延べが問題になっております。この二点について御所信と対策をお伺いいたしたいと思います。
  45. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 今朝の地震、まだ詳報は聞けませんけれども、ただいままで中間的な報告では、青森県下倒壊家屋、さらにまた津波等も発生している。たいへん最近にない大きな地震でございまして、したがいまして、これについてのさらに詳細は、後ほど建設大臣からお話があるかと思います。たいへんな地震のように思います。ただいま御指摘になりましたように、災害に必要な処置につきまして、予備費等におきまして、さっそくまかなうようにいたしたい。したがいまして、地域的な災害激甚地等における諸事業を遂行する上に支障を来たさないように処置するつもりでございます。かように万全の対策を行なうつもりでございます。  また、もう一つの問題についてでございますが、この景気調整というよりも、いわゆる春闘による給与の問題、いわゆる三公社五現業の処置、まあ中裁でこの処置をいかに処理するかというのがただいまの問題であります。そういう場合におきましていま御指摘になりましたように、公共事業の繰り延べ等を必要とするのではないか、そしてそういうものが簡単に繰り延べられては困る。必要な公共事業はぜひとも成立するように、幾ら予算の総合主義をとったといえども、軽々に処断をつけないように、こういう御注意でございます。私どももこの景気調整や、あるいは給与の改定等によって生ずる所要の財源の確保につきましては、万全を期する意味で、ただいまいろいろ検討中でございます。景気調整のほうはやや違っておりますが、このほうはまだ予算の執行を抑制するというような考え方、ただいま持っておりません。必要なものはいま給与の問題、これにこと欠かないように出すつもりでございます。
  46. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) ただいま委員長から御発言がございました今朝の東北、北海道をおそっております地震の情報につきまして、まだ詳細は調査中でございますから、明白ではございませんが、一応十一時現在の河川局防災課に入手しております情報、並びに十二時現在で入手いたしております情報につきまして、そのまま御報告を申し上げたいと思います。  発生は今朝九時四十九分ごろであります。震源地は十勝沖と推定されます。各地の震度は、函館、苫小牧六、浦河、盛岡、八戸五、鶴岡、秋田、小名浜、宮古、石巻、帯広、釧路四、仙台、山形、東京三、津波警報が十時七分に出ております。北海道、東北の太平洋岸二メートル程度である。正午ごろが危険である。  被害状況は、青森県、北海道、いずれも電話が不通であります。青森市は全市停電、死者二名が出た模様であります。八戸市七十戸倒壊、火災が発生している模様であります。国道四号線は五戸地区で不通になっております。これが十一時現在でございます。  十二時に入っております情報では、震源地襟裳岬沖百四十キロメートル、マグニチュード七・八、ちなみに関東大震災が七・九、新潟地震が七・九、えびの地震が六・一であります。各地の震度は函館、苫小牧六、浦河、盛岡、八戸五、鶴岡、秋田、小名浜、宮古、石巻、帯広、釧路四、仙台、山形、東京三、津波警報は先ほど申し上げたとおりであります。  被害状況は、北海道、電話が不通であります。国鉄室蘭本線の道床が一部陥没をいたしております。函館桟橋一部使用不能になっております。苫小牧市は全市停電であります。函館大学四階建校舎に破損が起きている模様であります。函館市はガス漏れのためにガスを送るのを中止いたしております。青森県は、青森市民家一倒壊、負傷一、電話不通、火災発生は八戸、青森、三沢、野辺地、八戸市は先ほど申し上げましたように七十戸倒壊の模様、三沢市は火災発生の模様、国鉄浅虫トンネル破損、東北本線はただいま不通であります。国道四号線は山内跨線橋ジョイント十センチ陥没、清水川-狩場沢間道路半分決壊、延長は不明、三戸町-茅時、青岩橋付近で延長百メートル陥没、七号線は目下異常なし、百一号線大しゃか跨線橋が亀裂を生じております。青森-十和田、県道、妙見橋沈下不通、陸奥市役所倒壊の模様である。陸奥合同庁舎、青森県庁に亀裂を生じております。なお千歳、三沢空航は閉鎖されております。釜石、宮古には避難命令が発令されております。おそらく津波の危険を予想されてのことであると考えられます。  以上のような、ただいままだ正確ではございませんけれども、先ほど来総理府のほうと連絡をとりまして、建設省といたしましてもすみやかに実情を把握いたしたい、適切な対策を持たなければならないと思うのでございまして、河川局次長外四名を現地に急派せしめました。なお、総理府と打ち合わせの上、総合調査団が結成されますれば、建設省といたしましては、道路局、住宅局等を中心にしまして、調査団を現地に参加させたい、かように考えておる次第であります。  以上、御報告申し上げます。
  47. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  48. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 速記起こして。
  49. 春日正一

    ○春日正一君 初めに、ただいまの御報告聞きまして、相当被害が大きいし広範囲にわたっておるようですし、この被害を受けた方々に対して、私は心からお見舞い申し上げると同時に、共産党としても党の力でできるだけ被災者の救援あるいは災害の復旧のために努力するつもりでありますけれども、政府としても災害の復旧、被災者の救済に万全の処置をとっていただきたいと、このことを要望して、都市計画法の質問に入ります。  最初に、今度の都市計画法をつくらにゃならなくなった、つまりいままでずっと都市計画法があってやってきて、それがうまくいかなくなって、今度都市計画法をつくらなければならなくなったその理由ですね、そこを説明してほしいんですが。
  50. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 先ほど総理との質疑応答にも明らかにされておりますように、とにかく急激な日本の国変わりと申しますか、経済発展の過程におきまして、人口、産業の異常な都市集中が行なわれている。そこで、住宅問題が起きるし、公害問題が起きる。そういうふうな、しかも住宅にいたしましても、なかなか地価が上がってくると、そうすると一般の大衆が、勤労大衆が中で家を建てようとしても土地が得られない。通勤に非常に無理があたるところへ、それだけの余裕がある方は、何とかくめんをされて家を建てられる。家を建てたが道路もなければ水道もない、というようないわゆるスプロール化でございますが、そこで、そういうところにも、しかし人が住めば道をつくらなければならぬ、用排水もしなければならぬということに追っかけて、公共投資が引きずられて追っかけざるを得ない。そういうことでなしに、とにかく一つの大体今日までの趨勢、今日までの経過と今後の少なくも十年ぐらいを見通した趨勢をつかんで、おおよそこの地域は十年ぐらいではこのくらいの人が住む、このくらいの工業が持たれるということを秩序立てて、そうして公共投資も先行的に行なって、そして、住みよい国民の町づくりを国民自身の手によってつくり上げていこうじゃないか、ということが基本のねらい。いろいろこの計画法案が立案せられるまでにはいろいろな計画が行なわれて、非常に貴重な意見が積み重ねられまして、そういうことでたいへん、幾らかきのうあたりの公聴会での御意見でも、皆さんから言われますことは、おそきに失しておるというようなことでございますけれども、それじゃおそきに失しているからやらぬでいいのかというわけにはまいりませんので、したがって、そういうことで今後の国土利用という日本の経済の推移を見て、国民生活の推移を見て十年ぐらいの姿を取りつかんで、そうして秩序ある町づくりをいたすような基盤をここにつくり上げたい。それなしには、基盤なしにはどうも手のつけようがないというのが、実際現状でございますものですから、お願いをいたすような次第でございます。
  51. 春日正一

    ○春日正一君 そこで土地問題は、一番あとにしますけれども、人口の都市への集中ですね。先ほど総理にお伺いしたら、食い違ったので話がわからぬということを言われたけれども、大体今後十年でこの傾向というのはどのくらい進みますか、パーセンテージでもいいですけれども、そういう見通しがなければちょっと計画の指定のしようがないと思うのですが、その点どうですか。
  52. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 私は数字は予想、数字はどうしても仮想にならざるを得ないのですが、結論はこうと思うのです。東京なら東京ですね、いま先ほど来お話のように神奈川県あるいは千葉県、埼玉県から東京へ昼間働きにくる。それでそっちに帰って行く、夜間のいわば東京というものはドーナツ現象、からっぽじゃないけれども、ともかくそういうようなことで、どの程度東京でいえば二十三区内に呼び戻しができて、そうしていまは非常に不便をかこっておられる方々が、自分の働く職場に手近に通えるような機会がどの程度に持たれるか、これはいろいろの見込みがあると思います。いろいろの想定はいたしておるわけでございまして、そういうことも考えなければならぬし、同時にさっき研究学園都市のお話がございましたが、この東京の環境の中におらなければ、その事業の遂行ができぬ、目的が達せられないというようなものは、排除しようとしても、これは排除せられるはずはございません。そうでない必ずしもこの都心地区にいなくてもいいものは、ひとつ少し強力に分散政策をとらざるを得ない。そうしてできるだけそうでなくても管理中枢機能という役割りは都心に向かってどうしてもきざるを得ない。それを何とかたとえば宇都宮であるとか、あるいは熊谷であるとかというようなところ、高崎、前橋であるとか、こういうところにいわゆる大都市機能を持った機能を働くようにして、どこまで東京へ集中してくる勢いをとめるかというようなことは、これは当然考えなければならない。そこで全国総合開発計画が予想され、新産都市であるとか工業整備特別区域、それはなるほどある程度の――総理は必ずしもいいようには言われぬでも、私は相当果たしていると思います。ただ残念ながら、人口はそっちに寄っていかない。工場や産業は相当興きておる。その限りにおいては、ある程度新産都市、工業整備地域の役割りはいま発展過程でありますから断定はできないけれども、しかし予想しておったほどどうも人がいかない。と申しますのは、産業が合理化されてだんだん現場で働く人たちが少なくなる。しかしながら頭のほうの管理事務というものは非常にふえてまいりますので、そのほうはやっぱり東京に寄ってくるというようなことは実際のことです。それはたとえば地方の中核都市で果たせるように考えていかなければならないんじゃないか。全国総合開発計画では、やはり国土の均衡ある総合開発、発展ということを考えております。要するに片ちんばで、いまあなたが言われるように船ならばもう当然沈没してしまっておるわけですが、ですから、そういうようなふうにならないように均衡ある開発を行なっていくように、全国計画でも見直ししておりますから、私どももそういう線に沿うて都市づくりを考えていかなきゃならぬと、こう考えております。
  53. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 御存知のように昭和四十年度におきましては、大体市街地人口、市街地と申しますのはヘクタール密度が四十人でそれが五千人以上まとまった地域ということでございます。こういうのが全国におきまして大体市街地人口が四八%ぐらいあるわけでございます。私ども建設省でかつて推算いたしました数字によりますと、昭和六十年におきまして、人口もふえますけれども、この全国の市街地の人口も全人口の八割ぐらいになるという推算を立てております。それを前提におきまして、十年後ということを考えますと大体六四、五%ぐらいになるんじゃないか。これは今後のもちろん政策によって違ってくると思いますが、計算としてはそういう形になるわけでございます。
  54. 春日正一

    ○春日正一君 そこで、それだけ急速に集中してくる、特に東海道のベルト地帯には非常に集まる計算になっていますね。だから、そういう急速に集中してくるものに対応する都市づくりということになるわけですけれども、この法案でいうと、そういう問題も含めて人口の集中、土地の高騰、そういうものを解決していくという問題も含めて、どういうようなあれになっていますか。
  55. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) この法案におきましては都市計画を定めまして、そして住みよい町づくりなり、効率ある経済活動ができるようにしようということでございます。しかしながら都市は特色を持っておりますし、地方の都市、大都市等におきましてそれぞれの違いを持っております。そういうようなそれぞれの都市にふさわしいような形で都市計画はなさるべきである。そういう意味におきまして、従来建設大臣がすべてを決定するというような、いわば国の都市計画というような形からこれを地方におろしまして、そして基準は設けております。それぞれまた全国計画なり地方計画に即応してきめるようにいたしておりますけれども、それぞれの都市の特色を生かしながら、用途地域あるいは施設あるいは事業というものを都市計画として総合的にきめてやっていくようにしたいというのが、この都市計画の考え方であります。
  56. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、全国計画というものができて、それに基づいてそれから発動していくということになるのですか。
  57. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 全国総合計画、これからこれが現行法におきましても首都圏計画とかあるいは近畿圏計画あるいはその他の地域計画というものと適合するようにいたしています。そういうような全国計画なり地方計画に適合した形で都市計画がつくられなければならない、こういうことを言っているわけであります。したがいまして、現在企画庁におきまして全国総合開発計画その他の計画ができておるものを、現在改定作業を進めておりますので、そういうような改定がされまして、そして総合的な土地利用につきましてのマスタープランというものが定められますならば、そういうものに適合した形で都市計画が定められる、という形になろうかと思います。
  58. 春日正一

    ○春日正一君 この法律で市街化区域と調整区域が設けられることになっておるんですけれども、この市街化区域にさしあたってする範囲といいますかね、そういうものはどのくらいになるものなんですか。たとえば東京の場合、あるいは近郊の神奈川を含めて首都圏というふうに言ってもいいけれども、どの辺までがいわゆる計画区域になるということになるのですか。
  59. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) これは先生御承知のように都市計画でございますので、たとえば首都圏計画にございますような、大ざっぱに東京なり横浜なり川崎は既成市街、それ以外の区域は近郊整備地域と都市開発区域、しかしながらこれはまあいわば地域計画上の区分でございます。都市計画におきましては、都市計画区域単位に市街化区域、調整区域をきめるわけです。したがいまして神奈川県あるいは埼玉県というようなところにつきまして、数市町村にわたりますような一つの広域都市圏がございます。そういう都市圏ごとに市街化区域、調整区域をきめてまいる、こういう形になるわけであります。東京から同心円的に何キロまでは市街化区域、それ以外は調整区域、こういうふうになるのではございません。首都圏のそれぞれの区域が計画都市、計画区域ごとに分かれていく、こういう形になろうと思います。
  60. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、こういうことになるわけですか。いま東京から神奈川あたりを見ると、ぽつぽつ至るところに住宅の集団みたいなものができていますね。そういうところで、計画区域というものはたとえば横浜市なら横浜市、藤沢市なら藤沢市の何々地区の何ヘクタールを計画区域にするというような形で指定していくわけですか。
  61. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 先生がいまおっしゃいました横浜というようなところでございますと、かなり行政区域も広うございますので、おそらく一つの都市計画区域の単位になろうかと思いますけれども、そういうような場合に、横浜市の中におきましても、たとえば二四六というような国道の沿線でございますとか、あるいは私鉄が、鉄道が何本か東京から外に向かって走っておりますが、そういうところの沿線でございますとか、あるいはそれを結びます新しい道路の沿線というようなところは、これは市街化が相当予測されるわけです。その間にあるようなところでございますとか、あるいは優良農業地帯として確保しなければいけない、あるいは公園、緑地の立場から保全しなければいかぬというようなところは市街化調整区域に指定される、こういうような形であろう、こういうふうに考えております。
  62. 春日正一

    ○春日正一君 そこなんですね。たとえば横浜市にしても、何ですか港北のほうに行ってみても、ここには住宅の集団があって、ここにはたんぼがあって、ここには住宅があってというような形で、ずっと純たんぼというようなところはほとんどないみたいに散らばっているんですね。そういう場合、そういう大きなものをひっくるめて横浜なら横浜、東京なら東京の場合だともう八王子の向こうまで全部そういうものに入れちゃって、残るのは結局青梅の山の中というようなことになるのか。そうでなくて、その中で特に電車の沿線のこの辺一帯をきめるとか、たとえば多摩ニュータウンみたいなところまでずっと計画がある、そうするとあの地域は市街化区域に指定するとかいうような形にしていけば、結局そういうところの中に何か虫食いみたいに市街化ができて、しかもこっちのほうにうちがぽつぽつでき始めているようなところが調整区域にされてしまうというようなことになりませんか。それで私は特に大都市の周辺でスプロールというか何というか、無秩序に発展しているような所はどう指定するかということはたいへん問題になる、そう思って聞いているのですがね。
  63. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 一つはいま申し上げましたように、スプロールということ自体も、やはりそこに生活が行なわれ、生業が行なわれるわけでございますので、大体、そうはっきりした形ではございませんが、スプロールの形のある傾向というものがございます。したがいましてそういうような市街化の予想というものが一つ立てられる。それからもう一つは、先ほど言い落としましたけれども、新しく市街地として開発する区域というものは、これは前々から御説明申し上げておりますように、場合によりましてはその間に優良農地等があれば飛び地的にも市街化を指定していく。そういうことで両方あわせまして十年なら十年後の住宅地の収容、あるいは工業地域の収容、その地域の中に収容されるような形で広さをきめていく、こういうふうに考えております。
  64. 春日正一

    ○春日正一君 そこで、この市街化区域がおおむね十年間に市街化をはかる区域ということになっているわけですけれども、首都圏だけでなく全国――あれ、十万以上の都市ですか、そういう所でやらなければならぬということになると、ばく大な公共投資が要ると思うんですね。たとえば港北ニュータウンだけでも概算八千億というふうに言われているわけですけれども、まあそういう市街化をやっていくための指定というものは十年内にということに対する予算的な裏づけ、資金的な裏づけというものは十分考慮されて、これが出されておるのか。きのうの参考人の横浜市長の意見でも、財政的な裏づけがなければ指定範囲は小さいものにならざるを得ないということを言っておるのですけれども、その点はどういうふうに見込まれておるのですか。
  65. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 市街化区域の指定は、これはもちろん実際に指定いたします場合には、地方のほうで案を出してきめてまいるわけでございますが、私ども大体従来の行政経験から、机上で一応どれくらいだということを計算いたしまして、そういうような市街化区域を指定をいたしますと、当然公共投資というものが要るわけでございます。市街化区域を指定しますその市街化区域という制度をつくったもとの考え方は、やはり従来の公共投資があと追い的な投資であって、先ほど大臣が御説明申し上げましたように、やはりスプロールにまかせておいたのでは、どこが市御化されるかわからない。そうすると、その地域につきまして当然先行投資、あるいは相当広い範囲にわたり公共施設の延長等も広がりまして、効果的な公共投資ができない。そこで、その区域をきめまして、その中で先行投資あるいは宅地開発と並行して公共投資をしていこう、こういう効率的な公共投資ということをねらっておるわけでございます。それにいたしましても、相当な財源が要ると思います。で、今後国民経済とともに伸びます財政投資の額、あるいは都市施設につきまして漸次比重もふえてきております。そういうような傾向を追い、われわれのほうで計画を立てておりますけれども、そういうような長期の見通しというものを考えてみますならば、先行投資は可能であります。大体既成市街地の投資一が新市街地では十ぐらいに当たるのであって、そういうようなことを考えてまいりますと、これはたいへんな財政というものが要るわけでございますけれども、私ども努力いたしまして、何とかそういうことにしていきたいというふうに考えているわけでございます。  もう一つ衆議院修正によりまして土地基金制度というものが認められまして、これにつきましては、種類のいかんを問わず、各種の都市施設用地を先行的に買収するという資金が認められましたので、この資金の充実にわれわれといたしましては努力いたしまして、できる限り市外化区域設定と同時に、計画的に団地計画なりあるいは住宅施設の計画を立てまして、そうして先買い権を発動して投機を排除して、そして用地の確保をはかっていく、そのための資金の充実をはかりまして、そうして、これを何とかしてやってまいりたい、こういうように考えております。
  66. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、財政がそういう面ではたいへん要るということはわかっているけれども、どのくらい発動できるか、そのことははっきりさせられなかったのですけれども、いまの土地基金の問題ですね、修正案でできた。これは一つのいい修正だと思うのだけれども、しかし実際この土地基金というものは、どのくらいを予定しているのですか。これはちっとの金ではできないと思うのですが。
  67. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) まだ土地基金というものがどの程度の範囲の土地を買うかということは、政令等にゆだねられておりますので、まだその範囲等もこれから詰めなければなりませんので、数字はいまここに持っておりませんけれども、やはり先買い権なりあるいは買い取り請求というものをやっていくと同時に、都市施設用地について大いに先行取得をやっていくためには、相当の資金が要る。地方債の先行取得債というのが今年度は百二十億だと思いますが、あります。それから都市開発資金として五十億ぐらいだったと思いますが、あります。そのような資金を相当大幅に動かしていく、こういうように考えております。
  68. 春日正一

    ○春日正一君 とてもこの百億台の金では、この土地問題を解決するというようなことにならないだろうと思いますね。膨大なやはり公共施設を先買いしていこうと、しかもこれが東京だけということでなくて、指定された全国の都市でそれをやっていこうということになれば、相当大きな資金を裏づけなければ、この土地基金制度というものも十分な能力を発揮できないということになるのではないか。そこで、民間の投資というのは、大体この十年間にどのくらいを予定されているのですか。
  69. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 計画的に市街化をする区域につきましては、住宅なり、農地なり、実はあるわけでございます。これは私どもといたしましては、市街化区域の中の三割くらいは、直接公共的な宅地開発、そのほかに区画整理というのがございまして、それを合わせまして広範な宅地造成というものは、公共的あるいは公的な宅地開発というような形でやっていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。それ以外が民間の開発ということになるのでございます。
  70. 春日正一

    ○春日正一君 そこでこの問題は一番大事な問題で、あまり答弁がはっきりしないのですが、秩序のある市街地という場合に、単に道路、水道、下水を整備するということだけでなくて、居住地域あるいは住居専用地区というような所では、やはり一定の広さの、適当に配置された公園とか、子供の遊び場とか、あるいは人口に応じた一定数の病院、学校、保育所、図書館、あるいはごみ焼き場というような、現代的な生活を市民がやっていきますのに必要な施設というものが配置されなければならないと思うのですけれども、市街化区域内の居住地域全体にわたってそういうものをやっていくというような基準は設けられているわけですか。
  71. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 当然住居地域なり、商業地域なり、工業地域というものをきめてまいりますけれども、それと同時にいま申しました道路、下水道公園といった都市の基幹施設なり、あるいは義務教育施設の配置なり、それからごみ焼却場でございますとか、あるいはし尿処理場でございまするとか、そういうものの配置は当然都市計画としてきめていくことになるわけでございます。
  72. 春日正一

    ○春日正一君 それで、その次に市街化区域での開発行為規制ですね、これは特にいままでの住宅地の場合、住宅地造成事業に関する法律による規制とどういう点が違ってきておりますか。
  73. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 住宅地造成事業の開発規制とまず基本的に違いますことは、住宅地造成事業におきましては、住宅地の開発にあたりまして一定の施設の整備をすることを義務づけておりますけれども、場所につきまして、ここは住宅地の開発をやるべきではないという場所につきましての規制がなかった、それが一点。今回、市街化調整区域というような規定を置きまして、これを開発許可制度と結びつけることによって、そういう立地の規制が行なわれてくるということが第一点でございます。  それからもう一つは、当然でございますが、住宅地に限りませず、工業地でございますとか、あるいは商業地、あるいは流通関係の業務地というような広い意味の宅地につきまして開発許可を要するということが第二点でございます。  それからもう一つは、従来、住宅地造成事業等につきまして、これはこまかい話になりますけれども、水道につきましての義務規定がございません。上水道、給水施設というものが非常に大事になってきておりますので、これにつきましての施設整備の義務づけをいたします。  それからもう一つは、大規模な宅地開発というものが行なわれます場合に、やはり通勤施設というものを当然考えていかなければなりません。鉄道、その他交通施設につきまして配慮をしなければいかぬ、という規定を置いているわけでございます。それ以外にもございますが、大きな点はそういう点でございます。
  74. 春日正一

    ○春日正一君 規制の対象が引き下げられたのじゃないですか。〇・一ヘクタールですか、そのくらいにまで……。
  75. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 従来の住宅地造成事業法におきましては一ヘクタール以下ということになっておりますが、今回も、法律的には、まあ政令で定めることになっておりますので、変わっておりませんけれども、私どもといたしましては、これをできるだけ引き下げていきたい、こういう考え方を持っております。
  76. 春日正一

    ○春日正一君 大体どれくらいですか。
  77. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 〇・一ヘクタールくらいを考えております。
  78. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、こういうことになりますね、その規制がいま言ったような道路、公園、広場あるいは下水道、その他いろいろのものをつくるというような条件がつけられて、大体空地、道路、広場などで面積の二〇%くらいとる。あるいは排水施設は基準に合わせてつくれというような、こういうずっと規制が、いま言ったように一ヘクタールまでだったものが、〇・一というと三百坪ですか、そのくらいまで下げられていくと、結局、そういう条件をもう施設するだけの能力のない建築業者というものは、ちょっとそういう仕事には手がつかぬということになってきますね。その点、どうなります。
  79. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) この法律の三十三条にございますように、主として自己の用に供する住宅につきましては、二号とか、あるいは四号、五号、七号、九号、十号というような規定が適用されないことになっておりまして、そういうような小規模な自分のための住宅というものにつきましては、排水施設でございますとか、あるいは他人に迷惑をかけませんような配慮でございますとか、あるいはがけくずれとか出水のおそれのある土地につきまして、安全上の施設を設けるというような基準が適用になるわけでございます。全体におきまして、これはやはり規模との関係において施設整備の義務づけの基準というものは、当然変わってくるわけでございます。小さい開発に対しまして過大な負担をかけるということがないように、それぞれの開発の区域によりまして必要な最小限度の基準を定める、こういうことになっております。
  80. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、個人の住宅ですね、〇・一ヘクタールというと三百坪ですか、三百坪というのは、普通個人の住宅では大き過ぎますわ。大体百坪とか五十坪くらいで建てるわけです。そういうものはおかまいなしということになるのですか。
  81. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) この法律におきましては、そういうたとえば五十坪の自分のための住宅というものは規制を受けないわけでございます。ただ建築基準法におきまして、建物だけじゃなくて敷地につきましても基準がございます。そこで、道路にはこれぐらい面しなければいかぬ、何メートルの道路に面しなければいかぬ、あるいは排水についてはこうだという規定がございますので、まあ建築と同時に開発行為がそういう場合にはたいがい行なわれると思いますが、そういうような建築と同時に開発が行なわれる、宅地をいじるということが行なわれますような場合につきましては、基準法の規定によったほうがまあ許可が何回も要るということがないことになりますので、基準法の敷地造成の基準にゆだねる、こういう考え方でございます。
  82. 春日正一

    ○春日正一君 そうしますと、不動産会社が造成する場合でも、いま言ったような設備をずっとつくって相当な空地をつくって、その分まで宅地の値段にかかってくるわけですから、非常に高いものにつくだろうし、いま言ったように、個人が五十坪買って建てる場合でも、今度はこれでは規制がないけれども、建築基準法その他で規制が出てくるということになりますと、金の少ない者は非常にそういうものをつくりにくくなるということになりませんか。
  83. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 基準法にいたしましても、この都市計画法にいたしましても、最低限度の施設の整ったものがやはり宅地としてなければならぬ、素地のまま家を建てるということでは、環境が悪くなりますし、また将来の負担がふえますので、そういうことがないようにという考え方でこれを立案しているわけでございます。したがいまして、最小限度必要なものは施設を義務づけられるわけでございますけれども、この法律におきましては、従来の規制になかったのでございますが、従来と異なりまして、幹線的な施設、これは大体都市計画できめるような幹線道路なり、あるいは補助幹線道路でございますが、そういうものにつきまして、そういうものが中に入っているというような場合におきまして、あるいはその他の公共施設で都市計画できめますようなものを宅地開発者がいじるというような場合につきましては、その費用を公共団体なり管理者なりが負担するという規定を置きまして、従来まあほとんど全部開発者が負担しておったというようなものを負担を軽減するということをいたしております。そういうような形におきまして、宅地開発の負担を軽減し、最終利用者の負担の軽減をはかる。それからもう一つは、公共施設につきましては、従来国なり公共団体が管理しております道路がある。それをつぶして新しく道路をつくるというような場合には、もとの道路は宅地開発者に当然帰属するといういわばまあ交換みたいな形になる、そういうような規定を置きまして、開発者の負担を軽減しておる。それからもう一つは、管理段階の問題従来往々にして民間の宅地開発者がやりました排水施設でございますとか、あるいは舗装した道路というものをなかなか公共団体が引き継がない。引き継がないために、その維持管理費が相当かかってくる。あとになりましてそれは最終利用者の負担になるということがございましたので、これは当然公共施設は引き継ぐのだという規定を置きまして、管理段階におきます費用負担の軽減をする、こういうような形におきまして開発者の負担を軽減して、最終利用者の負担を軽減するという措置をとっておるわけでございます。
  84. 春日正一

    ○春日正一君 そういうようにしていろいろ配慮をしてみたところで、結局その基準に合ったものをつくっていくということになれば、どうしたってコストが高くつくということにならざるを得ないと思うのです。  それで、ここに広告があるのですが、「一万人の新しい生活が始まります」と、田園都市線ということで、東急不動産の広告が出ていますが、これを見ますと、土地の面積、八十八ないし四百七平方メートル、建物の面積七十三ないし百五十九平方メートル、これが金額で一番小さいのが八百四十九万円ですか、大きいほうが二千三百八十三万円、こうなっているのですね。大体まあこういうことになりますと、これは退職金くらいではちょっと間に合わんというようなことで、やはりそういうところへ入れる人は、それはけっこうだけれども、やっと頭金をつくって何とか公庫の金か何かでやっておったというような人たちがなかなかつくりにくくなるし、さらにそういうものさえ、自分の家のつくれないような人たち、私は一番心配するのは、つまり都市がきちっと整備されて住宅環境がりっぱになる、これにこしたことはないので、だれも反対する人はないと思うのですけれども、しかしその反面、そういうりっぱなものになれば、いまの国民の中では、そこに入るなり、手に入れるなりに大きな金がかかって、実際には手に入れられない人がたくさん出てくる。そこのところが問題ですね。そうすると、当然こういう人たちのための、これは建設大臣にお聞きするのですけれども、たとえば安い家賃の公営住宅というようなものが大量に建てられて、それがきちっと整備された環境の中で働いている人たちが安く入れるというようなことが保障されませんと、そこからはみ出された人たちは、どうしても山の下とか湿地とかというような条件の悪いところへいやおうなしこれは行かざるを得なくなってしまう。計画地域の中にそのものがまたできてくるおそれがあるのじゃないか。もし計画地域が、中にどうしてもつくられぬということになれば、調整地域でもどこでも、とにかくどこへでも行って住まなければならぬような状態が出てくるのじゃないか。その辺のかね合いというかつり合いというものは、どういうふうに考えられておるのか。特に私、この前の予算委員会でもお聞きしたのですけれども、あのとき大臣は、公営住宅をふやすつもりはないと言われたのですけれども、こういう形で都市計画を進めていく上に、しかも人口の都市流入が非常な勢いで進んでいるというときに、公営住宅をいまの程度の、全国で八万何千戸というような程度のことにしておいて、一方ではこういう基準を設けてきちんとしたものをつくれというようにしたら、それのものさしに合わない人たちは一体どうなるか。公営住宅をもっとふやさなければならぬのじゃないか。その辺、大臣のお考えをお聞きしたいのですが……。
  85. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) まあ皆さんが皆さんとも相当の庭のついたような住宅を持ちたい、もしくは持たなくても入りたいということは、願われない方はないと思うのです。ただしかし、それじゃみんなかなえられることであるかというと、かなえられない。じゃかなえられない方はほうっておくのかといえば、やはり方々でやっておりますところの公団住宅ですね、公団住宅。それじゃまだあなたの意に満たない、それはいわゆる市街化区域内に公営住宅を持てるような条件を整え得るかどうかということは、非常に一つの大きな課題だと思うのです。やはりそれを持ち得る条件を何とかつくり上げていかねばならん、こう思います。
  86. 春日正一

    ○春日正一君 私お聞きしているのはその先ですよ。つまりいま公営住宅と公団、公庫との住宅の比率が、公営住宅が非常に低くなっている、だからこの公営住宅の比率をもっと大きくせいということは、わが共産党だけでなくて野党の皆さんが要求しておられるのですけれども、それをもっとこういう計画をやっていく上で、ふやしていく、比率を。そうしてもっとたくさんつくっていく、こういう方針を政府がお持ちにならなければ、やはりそれがすっかり入ったところで八万八千戸ですか、ことしは。そのくらいで終わるわけですから、ことしふやせという意味じゃなくて、将来にわたってもっと急速にふやしていく、その点の考え方です。
  87. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) これはまああなたよく御承知でございますが、公営住宅に利用できるような基礎条件をどう整えるべきか、お説のとおり、私も公営住宅をもっとふやさなければだめだと思っている。そこで一番切迫しているのは、何といいましても東京、大阪でございますから、東京、大阪に関する限りは公営住宅に全力をあげてみようじゃないか。そこで東京は東京都でいろいろ苦労されて――それとてなかなか用地を得られるということは容易じゃない、そこで今年度、四十三年度は東京都は一体どれだけこなし得るか、まあそれじゃこのくらい東京都はやってみようと思う、やれるかどうか、それは疑問だなと思うけれども、しかしやってみようということを計画せられておれば、一戸も減らさずに満ぱいでとにかく東京、大阪には、そのほかの地方に幾らかしわが寄っておりますけれども、これは寄らざるを得ないわけでございますが、とにかく東京、大阪には優先的に公共団体でやってみようと言われる数だけやっていただこう、というような意気込みで私やっているわけであります。しかし、問題は何もことしで解決するわけじゃございません。要するに市街化区域内に公営住宅を建てられるような基礎条件をつくり得るかどうかということは、これからのわれわれの努力いかんじゃなかろうか。そこでいろいろの、今朝来総理と御問答があっておった点も、その点にあると私は心得ているのであります。
  88. 田中一

    ○田中一君 関連で……。いま保利さんの答弁ちょっとおかしいのだがな、住宅地域をきめれば、そこに公営住宅は建てますという答弁でなければならぬと思うのです。何ですか、基礎条件とは。都市計画法で住宅地域にきめたら公営住宅もそこに建てますという答弁をしなければならぬのです。基礎条件が整えば建てますということじゃない、住宅地域をきめればそれが基礎条件なんです。大体いままでの公営住宅は地方公共団体も資金繰りがつらいと見えて、無計画に建てているのが現状なんです、いままでが。しかしそのために新しい都市計画が生まれて、そうして住宅地域がきまったならば、そこに建てますという答弁をしなければだめです、ということです。何ですか、基礎条件とは。いままでの公営住宅はもう野方図もなく建てているのです、現状は。それはもうそういう御答弁じゃ納得できませんね。
  89. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) ごもっともでございます。基礎条件と私が申し上げますのは、とてもその市街化区域とか調整区域とかに分ければ、市街化区域は土地の値上がりがきて公営住宅等にはなかなかいかぬのではないかという御懸念、御指摘がですね、皆さん方から再三あっておるわけです。それが私は基礎条件を整えるというところだということです。それにはいろいろ当然この計画法の実施にあたりましていろいろお知恵もおかりして地価対策を強力にやらなければだめだ、ということを申し上げたわけでございます。
  90. 田中一

    ○田中一君 そういう答弁はいけないのですよ。あなたは大蔵大臣でもなければ何でもないのですよ。建設大臣は住宅を供給すればいいんです。金がかかろうがかかるまいがそれは国全体の問題、大蔵大臣の問題ですよ。とにかく住宅地域がきまれば、そこに公営住宅を建てますという答弁以外はあなたはする必要ないです。大蔵大臣を兼務しているのじゃないのですから。あなたはそういう地価が上がろうと上がるまいと、そういうことはあなた自身の、地価が上がるということはあなた自身の失政からくるところであって、地価が安い都市計画を完成するというところにねらいがあって、そうして住宅地域にきまれば、そこには公営住宅を建てるのです、というふうに答弁する以外にないじゃないですか。建設大臣としてはそういう答弁をしてくれなくちゃ困る。
  91. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 御趣旨を体しまして最善を尽くしてみたいと思います。
  92. 春日正一

    ○春日正一君 私もいま地価の問題お聞きしょうと思っていたのですけれども、結局市街化区域ということになれば、そのことだけでもいろいろ投機的な土地利用が起こってくるという可能性が十分あるわけですし、特に農地の転用許可をはずすということになれば、これはもう土地の買いあさりというか、そういう形で当然地価をつり上げていく、そうして結局金のないものには住みにくくなるし、公共事業をやろうとしても妨げになるということになるわけですけれども、これに対してどういう手を打とうとしておられるのかどうか、その点ですね。
  93. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 断然この総合施策というものが持たれなければ、この計画法だけ何したから、これで一発ホームランというわけにはいかぬと、この前も答弁したわけでございまして、第一は私はやはり土地暴騰の原因を見ますと、やっぱりこの宅地の需給のアンバランスが地価暴騰を惹起してきた。それだけならまだいい、そこへいろいろ乗せられて、そして土地を投機対象にもて遊ばされるようになったことが、一つの大きな暴騰に拍車をかける、火に油を注いだような形になっておる。したがって少なくともこの土地が投機の対象として弊害を起こしていることを取り除いていくということは、一番大事なところじゃないだろうか、どういう手があるかということは、いろいろ頭を悩ましてしぼっておるところでございます。
  94. 春日正一

    ○春日正一君 やはりこの問題が解決つかないと、結局市街化区域は中小業者への規制が強まって、さっき言ったようないろいろな条件が強まるから仕事が回らなくなるというようなことにもなって、そこでの建築事業というものは大企業、どうしても大きな規模の仕事のできる資力を持ったものに集中するし、それから土地の投機が激しくなるというようなことになるわけですね。それから市街化地域の優良農地は、集団で保存するというようなことを言われるのですけれどもね、これは実際上の問題として非常に困難が出てくるのじゃないですか。たとえば私のうちの前なんか水田ですけれども、上のほうへずっと住宅できたものだから、たんぼの水が電機洗濯機の洗剤ですか、あれであわが立ってしまって、稲のできは悪いし、農家の人が入ってあれすれば、足がひりひり痛むというようなことになって、ほとんど耕作は放棄されるというような状態になってしまっている。それから畑にしたって、やはりきちんと囲まれてしまえば、どうしたってそこで畑作をやっていけないような条件が強まってくる。そういう意味ではどうしてもそういうことになれば、農民とすればまあ売ってどこかに行ったほうがいいとか、アパートを建てたほうがいいとかということになって、それが取りつぶされていくということになるんで、結局市街化地域の中に、幾つかの市街化地域に囲まれて農地を残すというような場合でも、相当面積の広いスペースが残されるならば別だけれども、そうでない限りは、小さいかたまりみたいなものは、どんどんつぶされていくというふうなことで、その問題も実際にはやってみればそういかんという問題が出てくるんじゃないかと思うのだけれども、その点はそろばんに入れているんですか。
  95. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) そういうわけで、いま私はどの地点か存じませんが、いまお話になりましたようなことが一体どうして起きているんだろう。それはすなわち無秩序なスプロール化の現象じゃないか、ということはそこにまあ持っていっても、あと道もつけなければならぬ、排水の施設もしてやらなければならぬ、いわゆる追っかけ公共投資もしなければならぬ、都市側からですね。農業側からすれば、そういうやっかいなことをやられたもんだから、りっぱな集団農地が農地の条件を非常に悪くしてしまうというようなことが、まあ今日のスプロール化なんということを言われるもとなんです。そういうことは何とか避けなければならぬのじゃないか。それは農業を今後発展させていく上から言っても、そしてまた都市の環境を整備していく上から言っても、両面からそういうことにならないように、少し手おくれだけれどもひとつやろうじゃないか。こういうことに御理解をいただきたいと思います。
  96. 春日正一

    ○春日正一君 じゃあ先に進みますが、市街化調整区域での規制ですね、開発の許可はどういうものがやられるか、その点説明してほしいのですが。
  97. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 市街化調整区域は、法律に書いてございまする市街化を抑制する区域だということが明言してあります。許可の制限につきましては、市街化区域にあることが非常に不適当だというような地区、あるいは市街化調整区域に置くことが、どうしても置かなければならないというようなものに限って、例外許可をする、こういうことにいたしておるわけでございます。
  98. 春日正一

    ○春日正一君 まあここでは自分が住むために前もって買っていた土地でも、区域が指定されてから六カ月以内に知事に届け出なければ、家も建てられぬ、三十四条九号ですか、そういうような規制がある。一方では二十ヘクタール以上の開発というものは、三十四条十号で許可されるというようなことになるようですけれども、そうなると、調整区域では大規模な開発のやれる大企業だけが、これは調整区域になるから当然土地の値上がりというようなものは、市街化区域に比べれば押さえられてくる。そういう傾向が出ると思うのですが、そういうものを大企業だけが安く農地を買い取って、そうして一定のそこに住宅なり何なりそういうものをつくっていくというようなことになるということにはならぬですか。
  99. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 調整区域内の農地を開発、他の目的で開発しようということは、これはもう例外といえどもあり得ないことであると考えております。ただ農地でなくて、開発適地が見出されるならば、それはもうよほど例外的に扱ってもいいじゃないか。農地は、これはもう調整区域に入った農地を開発するということは、例外中の例外というふうに考えておるわけです。そうでなければ、スプロール化を押えるということは不可能でありますし、またいわゆる農業地域振興を、農業の目的を果たしていくことも非常に妨げになるわけで、そういうことを押えたいということが、一つの願いであるわけなんです。
  100. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、調整区域については、農地はまあ転用させないということですね。これは、やはり法的にきちっと規定されておることなんですか。政府の方針としてそうはさせないということなんですか。
  101. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 市街化調整区域は、当然まあ農地転用許可というものは残るわけでございます。したがいまして、市街化調整区域の開発許可というのは、例外許可の場合がございますけれども、それと一体的に運営されるべきものでございます。したがって、先ほどの例示にございました十号にそういう規定がございますけれども、これは市街化調整区域の方針、これにおきましては、当然優良農地として残すべき土地を保存すべきであるという方針が示されてありますので、それの方針に従って例外許可がなされるわけでございますから、農地につきまして先ほど大臣が御答弁なさいましたように、例外中の例外というような場合しか許可されない、こういうことになっております。
  102. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、何ですか、この岡があって、雑木林がはえているようなところは、そこをならして住宅にするとかというときには、許可されるということなんですか。
  103. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君)  これは法文にもはっきり書いてございまするように、市街化区域の状況等から見て支障がない場合というふうに書いてございます。しかも、開発審査会にかけるということにいたしておりますので、ほんとにそういうような一定規模以上の宅地開発が行なわれるということは、特に各号列規のほかに開発審査会というものにかけております。特に例外的に扱うということになっております。
  104. 春日正一

    ○春日正一君 どうもその辺が、特に条文で、いま私言ったように、二十ヘクタール以上の規模のもの、そして大体市街地として道路なり、公共的な施設の整備できるような、そういう規模のものなら許可できるという、これが入っておるということになれば、やはりそういうものなら広がっていくと、またいき得る道が開かれておるということだけには、これは間違いないと思うのですよ。そこで、実際問題として幾つかの実例でお聞きしますけれども、たとえばさっきちょっと読み上げました東急田園都市の、これ見ますと、もう四十万人の町づくりということで、非常にあすこ大規模にやってますわ。厚木のほうへ行く道路の両側の山くずして。あれなんか非常にたくさん、東急だけでなくていろいろな、特に交通関係の京王だとか西武だとかというような不動産会社がたくさん買ってますよ、ぽつりぽつりと固まって。そういうところで、そこで四百円で農民から買い上げた土地が、そうやって手を入れたら四万円で売れるというようなことに、実際百倍にもなってるのですね。そういうような例が出ている。そうして、値段もさっき言ったように、非常に高いというような状態になっておる。それからもう一つ多摩ニュータウンの例で見ますと、この地図を見てもわかるのですけれども、東京都がこの青いところですね。これを見てほしいのですが、言いところを東京都と公団がここにニュータウンをつくるということで事業を始めておるわけですけれども、これがまわりがずっと西武鉄道系の分譲地、それから京王帝都、東急不動産というような形で、このニュータウン計画の外側のまわりがずっと、主として私鉄関係の不動産会社に買われて、まわりが買われていくものだから、ニュータウン予定地の地価がぐんぐん上がってしまって、結局東京都で最初組んだ予算ではできなくなって、公団と両方合わせても五割ぐらいしか土地が買えていないというような状態になっている。そうしますと、たとえば市街化地域というものをつくり、それで調整地域がある、その調整地域のほうは二十ヘクタール以上のもので、相当規模の整備されたものなら許されるということになって、まわりがそういう形でずっと買われていくということになれば、結局そのことを通じて市街化区域自体の地価もつり上げていく、そうして、その計画というものを破綻さしていくというようなことになるのじゃないか、これらの辺どうなんですか。この実例に出てくるようなことは。
  105. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 東急の沿線とか、多摩ニュータウンというようなところは、当然今度の都市計画法を適用する場合には、新しく開発すべき区域でございますが、実際にきめますのは中央できめるわけでございますけれども、私どもとしては、市街化区域になると思っております。したがいまして、その市街化区域につきまして、積極的に公共投資はつき合っていくというような形で、あるいは開発者の負担を軽減するという形で、従来はたとえば東急が開発しますところの、相当大きな負担を開発者自体が負っておるというようなことは是正していきたい、こういうふうに考えております。
  106. 春日正一

    ○春日正一君 私の言ったのは、これは東京の場合は、法律のできる前に現にもう行き詰まったものを、行き詰まった例として言っている。そうして、市街化区域を指定をいたし、調整区域を残しておいて、そうして実際には一定規模以上のものならやってもいいという道があいている。そうして、先ほどあなたも言われたように、法律の中ではそういうものをつくっていく場合に、市街地をつくっていく場合に、鉄道とか交通の便があるとか何とかというような条件までついているということになると、この例を見ても大体こうやって買い取っていく、ここへ京王なり何なりそういう鉄道がずっと入っているわけですね、途中まで。運輸省で許可をして、先へずっと入っていく計画を持っている。だから、私鉄の会社が自分で不動産会社を持っておるわけですから、大体どの辺にどういう鉄道を敷いて、どこに住宅をつくって、どうしたらもうかるということは、ちゃんとそろばんをはじいてやるわけです、この条件に合わして。この法律ではその条件が合えばいいということになっておりますから。そうしますと、幾らでもそういう形でまわりに広げていかれて、そういうものができればまわりがだんだんまた買われていくということになれば、そういう市街化計画というものが、大きな不動産会社とか、あるいは私鉄会社というものにずっとリードされていくと、そうしてその結果どういうことになるかと言えば、これは西武の沿線に住んでいる人たちの言うことですけれども通うにも西武鉄道だ、住んでいるところも西武のアパートだ、あるいは西武のつくった団地を買って住んでいるのだ、そうしてあの辺には西友マーケットとか何とか、西武の売店があって、そこで物を買う、遊びに行くのは豊島園へ行くということで、取ってきた勘定はあらまし西武に納めてしまう、そういう現象がもう池袋から所沢までずっとできておるのですね。それと同じようなことがさつき私の言ったような東急のニュータウンですか、あれから厚木、御殿場に抜けるあの自動車道路の両側ですね、私、地図で調べてみたらずっと買い占めておりますね。そして、そこへ電車が行くようになっておる。結局そういう形でこの法律のもとで、都市を開発し、住宅をつくり、そういうことをしていく。リードをとるものがそうした大きな資本、そういうものがリードをとって、たまさか物を高く買わされるか、そうでなければ合い間に、あいたところに一般の人がちょこちょこ住宅をつくるというようなことになってしまう。そういう結果になるのじゃないか、これは非常にぐあい悪いと思いますよ。もしそういうことになれば、住民の生活全体を一つの資本が支配してしまうというようなことになるわけですから、将来、都市のあり方の問題としても、これは大問題になる。そういう道がこれに残されておるのじゃないか、むしろ、それを開くように、これができておるのじゃないか、その辺どうですか、実際そうなっておる。
  107. 竹内藤男

    ○政府委員(竹内藤男君) 首都圏の東京周辺におきまして、そういうような不動産の業者と申しますか、そういう方が、大きいのも、小さいのもございますけれども、団地開発をかってにやられるということが、一番いままで悩みの種であったわけでございます。したがいまして、今回の都市計画法は市街化区域をきめようというのも、そういうところにございますので、これをきめます場合には、十年先の需要というものを見定めまして、土地の発展の動向あるいは自然的条件、あるいは優良農地の分布というようなものを考えながら、地域に具体的に張りつけていくわけです。そういうふうに市街化区域が一たん設定されまして、そこに住宅地なり公共地なんかできるようにしたいというのが、私たちの考え方でございます。  それから先ほど来、三十四条十号の開発許可の例外のことが出ておりますけれども、これはちょうど建築基準法におきまして、いろいろな用途地域なり容積をきめておりますけれども、その都市計画そのものは、しょっちゅう変えるというわけにいきませんので、どうしても例外的に許可をせざるを得ない場合には、例外許可といたしまして、開発審査会にかけて許可をする許可制度がございます。それと同じように宅地開発の規制につきましても、やはり市街化区域というものを一たんきめて、これは五年ごとに基礎調査をして、再検討するわけでございますけれども、しょっちゅう変えるというわけにいかない。そこに市街化地域のほうがある程度建物でうずまってきたというような場合に、やむを得ないというときに、初めて例外的に許可をするということでございまして、それにつきましては、開発審査会という客観的な審議機関を設けて、そこにかけるということにいたしておりますので、大きなものは、どんどん市街化調整地域内に宅地開発がなされるというようなことがないように、法文上もしておりますし、指導もいたしております。
  108. 春日正一

    ○春日正一君 私の言っているのは、建設省の考えで、この法律をつくった考え方は、スプロール現象をなくして、きちっとした秩序がある都市づくりをしていこう、そのために市街化区域、調整区域をつくって、そのためにいろいろな条件をおつけになった。この点はわかるのですよ。しかし、そうした結果が、結局、いま私の言ったような大きな私鉄会社や土建会社やそういうものが、都市づくりなり、何なりというものをリードして、その支配下に置いてしまうというような結果になるのじゃないか。現にそういうものがいままででもつくられておる、そのことを言っておるわけです。そこでこれは都市審議会、そういうところでチェックするといいますけれども、たとえば宅地審議会ですか、あれを見ましても、やはりそこにはいろいろな関係の専門家とか、そういうふうな人も入っておりますけれども、やはり不動産会社とか、そういうものの代表もずっと入っておって、大体私どもの見解で言えば、そういう専門家あるいは役人、そういう人たちと不動産会社や銀行やそういうところの代表とが相談して計画をつくる、あるいは計画認可するというような機構に仕組みとしてなっておる。だからもしほんとうにそういうことをやめようとするなら、もっともっとこういう審議会のようなものを民主化して、住民の代表なり労働組合の代表なりをもっとたくさん入れて、住民の意思が十分反映して、そういう危険な方向にいくものをチェックできるような構成にしなければならないと思うのです。任命する場合、そういう点は十分配慮されるお考えですか、この点は大臣にお聞きしないとあれですけれども。
  109. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 私はいろいろ各党からも、社会党や民社党からも、そういう問題を含めての予想せられる市街地の土地売買等をめぐる問題等について、貴重な御提案をいただいております。そういう点を勘案して、お話しのような委員会の構成等につきましても、そういうことが改善せられていく方向で検討をさしていただきたい、こう思っております。
  110. 春日正一

    ○春日正一君 そこでもう一つ実際問題として、さっきも出ました筑波の研究学園都市の問題ですけれども、これは新聞によると、三割の土地が買収できなくて、かなり行き悩んでおるというようなふうに言われておるのですけれども、研究機関で働いている人たちにしてみれば、自分たちは一体どうなるのか、いつ移転させられるのか、させられないのか、また移転していった研究都市の条件というものは十分整備されるのか、というようなことを非常に心配しているわけです。これは四千八百億の事業費で三十六の機関が移転するという予定のように聞いておりますけれども、関係各省庁の移転計画というようなものは、もうできておるのですか。
  111. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 各省関係の研究機関等三十六機関の移転は、一応閣議決定できまっております。用地の七割は特に地元知事の非常な努力といいますか、によって確保せられた。おおむね所期の用地確保をいたしたいということで、ただいま御心配をいただいておるわけでございます。すでに今年度の予算でもたしか二つくらいはすでに実現しようということになっております。私のほうも幾らかは用地問題があったものですから、部内の推進について多少手ぬるいところがあったろうかと反省をいたしておりますが、大体用地の目安も立ってまいりますれば、急速に実現をはかっていくようにいたしたいと思います。
  112. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、閣議決定はされておるということで、関係各省庁それ自体での移転計画といいますか、そういうようなものはきまっているのですか。
  113. 鶴海良一郎

    ○政府委員(鶴海良一郎君) 各省それぞれ移転につきましては目安はついております。目安はついておりますけれども、予算を要することでございますので、本年度は先ほど大臣からお話出ましたように、二つの研究所につきまして予算がついたわけでございます。来年どういうような機関が移転するか、これはこれから八月にかけまして予算の要求を組んでいく過程におきまして、きめてまいりたいと考えております。
  114. 春日正一

    ○春日正一君 その二つというのは、どことどこですか。それから来年はどことどこが大体きまりますか。
  115. 鶴海良一郎

    ○政府委員(鶴海良一郎君) ことし予算のついております二つと申しますのは、科学技術庁の関係でございまして、一つは国立防災科学技術センター、それからもう一つは、これも同じ科学技術庁の関係でございますが、無機材質研究所でございます。  来年の予算につきましては、これから詰めていくことになりますので、どれとどれが来年いくかということを、きっぱりお話する段階にはなっていません。
  116. 田中一

    ○田中一君 それじゃそのいまの向こうにいこうという閣議決定している各省庁の計画書を出してほしいんです。これはむろん単なるプランにすぎないかもわからぬけれども、予算の裏づけがないプランかもしらぬけれども、それでけっこうです。それを詳細に、計画としてはいつごろどういう規模のものをどう建てるか、そうして人間がどういくんだ、それに関連する住宅はどうなると、それから東京と通ずる道路はどういうふうになるか、交通機関どうなるか、そういう全体の規模と、それからこまかいひとつ各省庁の計画書というものを、全部各省からまとめて出していただきたい。
  117. 鶴海良一郎

    ○政府委員(鶴海良一郎君) 各省がもくろみは立てておりますけれども、公表し得る計画書はできておるという段階じゃないと思います。なお、御希望の点は各省にも当たってみますけれども、はたして御提出できるかどうか、これは各省聞いてみなければなりませんから、これは御了承いただきたいと思います。なお、東京と筑波地区を結びます道路につきましては、常磐自動車道路でございまして、今年じゅうには基本計画を決定いただくということをお願いいたしておるわけです。建設省の道路局にもその方向に従いまして、御努力を願っております次第でございます。
  118. 春日正一

    ○春日正一君 じゃあ最後に、地価の問題ですけれども、最近における大資本の不動産部門でどれくらい出ているか、この前の再開発のときにちょっと触れたんですけれども、これ建設省でつかんでますか。
  119. 川島博

    ○政府委員(川島博君) ただいま資料を手元に持ち合わせておりませんので、後刻調査の上、提出させていただきます。
  120. 田中一

    ○田中一君 川島君、そんな答弁じゃだめだよ。
  121. 春日正一

    ○春日正一君 ぼくはわからなかったんだ。
  122. 川島博

    ○政府委員(川島博君) 大体宅地の供給計画は御承知と思いますけれども、この五ヵ年計画で五万三千ヘクタール、そのうちで半分は公的宅地となっておりますが、過去の実績につきましては、三十六年から四十年までには合計で三万ヘクタール供給されたわけでございますが、そのうち民間がやりましたものが一万四千六百五十ヘクタール、この中では区画整理を行ないましたものが三千ヘクタールございまして、区画整理以外の民間の事業者がやりましたものが一万一千六百三十ヘクタールということになっております。そのうち大規模な業者は、おそらく半分程度じゃないかと思っております。
  123. 春日正一

    ○春日正一君 その点をしっかりつかみませんと、先ほど言ったような問題もあって都市計画をきちんと立てていく、予定どおりやっていくということは、不可能だと思うんですよ。信託銀行とか生命保険、大きな商社、日通、鋼管とかいろいろの部門の代表が最近土地の開発利用を盛んにやっている。たとえば東急田園都市というのを見ても四千三百――とにかくこれはおそらく四千三百万平方メートルぐらいになると思うんですけれどもね。それから京浜急行、京成、それから近鉄というような各社が、非常に大きな土地を持っているし、そうしてこれに銀行あるいはその他の金融機関が非常に有利なお得意として融資をしておる。この点ですね、全部の法人の借り入れを調べてみると、五九年から六六年の三・四倍にふえているわけですけれども、不動産企業のほうは、この同じ期間に十二・一倍ふえている、銀行の借り入れが。そうすると、この土地開発というような事業に非常に大きい資金が投下されておる。そうして借り入れ額と売り上げ額の割合を見ても、全産業では売り上げの九十九兆に対して借り入れが二十一兆というふうに、不動産では六千億に対して一兆二千億、こういうふうな形で非常に多くの資金が投下されて、これが土地の投機に使われている。だからこういう大規模な形で、さっきも言いましたように四百円で土地を買って、それに手を加えて四万円で売る。だから売った農民はおこって抗議に押しかけて行ったというような例も起こっております。そんなに安く買っておいて、そういうふうな形で土地の投機が……、単に個人がいまドル危機であぶないから、だから宅地を三十坪も買っておけというようなことと違って、非常に大きな金融機関から借り入れを受けた大きな資本が土地の買いあさりをやり、それが地価をつり上げていくということになっておる。ということになると、この土地の問題を解決するということになると、どうしてもこの土地の投機を徹底的に押えて、禁止するということにいかなければ、この土地の問題というものは、なかなか解決つかないだろうと思いますよ。  そこで先ほど総理は、野党の各派も土地の問題はみんなで考えて意見を出してくれという話だったから、私どもの意見を出しますけれども、大資本がこうやって買いあさった土地、それを持っておるものがたくさんある、こういうものを国が安い値段で買い上げて、四百円で買ったものをうんと高く売るというようなところを安い値段で買い上げて、勤労者の住宅用地に充てるというような措置をとれば、供給量がふえるし、それから先ほどの公営住宅を建てる土地というような問題も解決つくのだけれども、これはやりっ放しにしておけば、みすみす手に入る土地も上がってしまって、半分しか土地が買えなくて、供給が行き詰まるということになってしまう。どうしても土地投機を禁止する、このことをやはりやることが必要であろう、そういうふうに思います。それからまた大きいそういう会社の持っている土地資産、これは非常に大きなものですけれども、先ほど話も出たように帳簿価格と時価の間に大きな差があって、いわゆる含み資産というような形でずっと持たれて、実際上の利益が隠されている、こういうものはやはり正当に評価して課税していく。もちろん、一般国民の生活と経営に必要な土地は、さっき総理が言われたように、固定資産税を引き上げられたら困るというようなものがあるけれども、こういうものとは性質が違うわけですから、こういう大きなものを持っている膨大な含み資産というようなものを正当に評価して課税するというような形で、税制面でもこういう大資本や大きな土地所有者が大きな土地を持っておって、それによって不当な利得を得ていくというようなものを押えるということをする必要があるし、またそういうものに対して空閑地税をかける、あるいは売買によって得た利益に対して特別の譲渡所得をかけるというような方法で、たとえば国が道路をつくる、いろいろな施策をする、そういうものに便乗しながらもうけていくというようなものは、税で取り立てて還元させるというような方法をとる必要があると思います。そうして、こういうことをやらせないために、やはり土地の投機を監視する民主的な機関をその土地の住民なり、民主的な団体なり、そういう人たちを入れて都道府県から市町村ごとにつくって、そういう土地の投機について不当な利得をするというようなものを監視していくというような制度も必要になるだろうし、それから国有地や公有地を大資本に不当に払い下げるというふうなことをやめて、それを国民のために使う。東京都の場合なんかでも、たとえば、巣鴨の刑務所あとの問題にしても、中野の警察学校のあと地の問題にしても、相当広い土地が大きい資本に払い下げられていくというような形で、先ほど総理は国有地、そういうものは払い下げない方針だと言われたけれども、実際には東京都はそういう形で払い下げていっているというような事例になっている。こういうことをやめさして、そういう土地を国民のために使うような方針をとるなら、現在の土地が手に入らないために公共施設ができないというような問題がもっともっと緩和されるし、解決されることになるだろう、私どもそう思う。そういう点をやはり政府として考えてやっておいきになるのかどうか。私どもは私どもの意見を述べて、それについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  124. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 先ほど申し上げましたように、社会党や民社党からも貴重な御提案をいただいております。勘案いたしましてぜひ有効な手を考えていきたいと考えております。
  125. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 御異議ないと認めます。     ―――――――――――――
  127. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) この際、委員の異動について報告いたします。  本日、米田正文君、奥村悦造君及び栗原祐幸君が委員を辞任され、その補欠として沢田一精君、楠正俊君及び内藤誉三郎君が選任されました。     ―――――――――――――
  128. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  129. 大河原一次

    ○大河原一次君 私は日本社会党を代表いたしましてただいま議題となりました都市計画法案及び同施行法案に対し反対の討論を行なうものであります。  近時、わが国におきましては、人口、産業の都市集中が急速に進行しており、特に大都市では著しく無秩序な市街化と、地価の急騰、公害、災害の激発、さらには交通の渋帯等により、都市の機能は麻痺し、人間の生活条件が失われるなど、きわめて深刻な状態となっております。申すまでもなく、このような過密の弊害は、民間企業の利益追求を放置し、市民不在の都市政策を続けてきた自民党政府の失政であることは明らかであり、保守政治の本質と限界を端的に物語っておると思うのであります。  都市政策は、企業利益や経済合理性の追求ではなく、そこに住む大多数の市民のために行なわれるべきであると考えております。また、公衆衛生を重点とする社会政策の計画的な推進によってのみ着実に実行し得ると思うのであります。  都市計画法は、大正八年制定の現行都市計画法にかわって公益的立場より土地利用を規制し、広域行政執行、開発関係諸法規との体系化等をはかろうとするものでありまするが、このような観点よりその内容を検討してみますときに、衆議院におきまして大幅な修正を経たのにもかかわらず、なお、都市づくりの基本的法規としての体制を欠き、幾多の問題点を指摘せざるを得ないのであります。  以下、それらのおもなるものについて述べたいと思います。  第一は、土地利用の基本的方向が欠けておるということであります。現在、全国総合開発計画は改定作業中であると聞いております。全国総合開発計画によって産業に先行する土地利用が確立され、そのもとに首都圏、近畿圏等の地域計画が定まり、それらと有機的に結合して、初めて真の都市計画が決定され得ると思うのでありまするが、総元の計画が確定されないままの今日の段階では、市街化区域、市街化調整区域の決定はいたずらに混乱をするのみで、不可能であると思うのであります。セクショナリズムを廃し、都市、農村を含めて土地の有効利用のため全国総合開発計画を早急に確定することが、まず必要不可欠な問題であろうと思うのであります。  第二は、都市計画の策定に際し、住民参加の措置が不十分であるということであります。都市計画の策定は、うらはらの関係で住民に対する公用制限を内容とするものでありまするが、この論拠は、まさに住民みずからが定めた都市計画ということであろうと思うのであります。都市計画の目的が、住民の幸福につながることを思うとき、都市計画策定の過程において、住民の積極的な参加を保障し、その後の住民の理解と協力による計画の実行性が確保されなければならないと思うのであります。  第三は、農業政策との関連についてであります。市街化区域の農地について、農地法第四条等の適用を除外したことは、たとえ修正で届け出制になったとはいえ、都市周辺の優良農地を無視し、そこに働く農民の生活権を脅かすものであろうと思うのであります。また、市街化調整区域については、都市、農業の両サイドより政策の谷間となり、農地についてもいつの日か市街化がもたらされるであろうということの印象を与え、農民に大きな不安を抱かせるということがおそれられるのであります。  わが国の食糧自給体制や食糧確保の計画を明らかにして、農業政策と都市政策のきめのこまかい調整が必要であろうと痛感されるのであります。  第四は、地価安定策を盛り込まないということであります。都市計画は土地利用を規制するものであり、市街化調整区域の開発行為が大きく制限されることの反動として、市街化区域に開発行為が集中し、また、優先的な公共投資が営まれることとなり、必然的に地価高騰を引き起こすことも  おそれられるのであります。これに関して何ら対策を規定していないということであります。都市計画の今日の課題は、都市の無秩序なスプロールを防止するとともに、果てしなき地価の高騰に対処して、いかにこれを抑制し、効率的な事業の遂行をはかるかということであり、地価対策を無視することは、都市計画を砂上の楼閣化することと思うのであります。   第五に、財政措置についてであります。新たな都市計画法の実施に際し、その財政措置については、従来の都市計画事業から何ら前進も見ずして今日に至っております。一方的に住民と地方公共団体にしわ寄せをさしているという点であります。土地開発基金の創設は、衆議院におけるわが党の提案で盛り込まれたものでありまするが、これを拡充するとともに、都市計画事業に対する国庫補助の引き上げ、地方債の優先扱い等、事業実施の裏づけ措置を確立しなければならぬと思うのであります。  都市計画法が制定されてから四十八年、都市計画と都市計画事業とが分断されてきたこと、総合的都市法制の母体となっていなかったということのために無力、効力なき計画に終わってきたのでありまするが、この点新法がどれほど計画と事業との密着をはかっておるか、この法案からは多くを見受けられないのは、非常に遺憾であります。全く遺憾にたえないのであります。  以上、申し上げまして、私の反対討論を終わりたいと思います。
  130. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  まず、都市計画法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  132. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、都市計画法施行法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  133. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  134. 稲浦鹿藏

    ○稲浦鹿藏君 私はただいま可決されました都市計画法案に対して附帯決議を提出いたしたいと思います。    都市計画法案に対する附帯決議(案)   政府は、都市計画法の施行に当たり、次の諸  点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾  なきを期すべきである。  一、現下の都市化現象に対処し、国土の均衡あ   る発展を図りつつ適正な都市計画を樹立する   ため、すみやかに全国総合開発計画を改定し、   国土全体にわたる総合的な開発、利用及び保   全に関する計画を確立すること。  一、市街化区域及び市街化調整区域を定めるに   当っては、市街化と農業との調整を図るた   め、農業関係機関等の意志が充分に反映され   るよう所要の措置を講ずること。  一、市街化区域は、必要な範囲に止めるととも   に、集団的優良農地は原則として含ましめな   いよう指導すること。なお、当該区域におけ   る開発行為の許可を要しない面積の基準を極   力引き下げるとともに、開発許可を要するも   のについては、その許可のあったことを証す   る書面を農地転用届出書に添付するよう措置   すること。  一、市街化区域内の農家で、離農ならびに他の   地域に移住して農業を継続しようとする者に   対しては、農業関係機関等を活用して健全か   つ安定した就業の方途ならびに代替地のあっ   せん、取得等について遺憾なき措置を講ずる   こと。  一、市街化区域内の農地転用に際しての土地改   良費分担金の確保ならびに市街化に伴うかん   がい用水の汚濁の防止等に万全を期するこ   と。  一、市街化区域にある未利用の土地について   は、土地基金を拡充し極力これを買い上げ、   公共用地の確保に努めるとともに、公共住宅   の建設を促進すること。  一、市街化区域の優先的かつ計画的な市街化を   促進するため、当該区域内において行なわれ   る都市計画事業に関し、国の助成の強化等地   方公共団体の財源充実のため格段の措置を講   ずること。  一、市街化区域内の農地については、固定資産   税等において過重な税負担をきたさないよう   適切な措置を講ずること。   右決議する。  以上のとおりでございますから、皆さんの御賛成を願います。
  135. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 稲浦君提出の附帯決議案を議題といたします。  ただいまの附帯決議案に対し、御意見のある方は、順次御発言を願います。――別に御発言もないようでございますが、発言はないものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  稲浦君提出の附帯決議案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  137. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 多数と認めます。よって稲浦君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、保利建設大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。
  138. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 建設委員会の委員皆さまの連日の御熱誠な御審議に対しまして、心から感謝をいたす次第であります。  ただいま御決議のございました都市計画法案に対する附帯決議につきましては、政府といたしましても、御趣旨を尊重してその運用に遺憾のないように万全の措置を講じてまいりたいと存じます。
  139. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後二時十分休憩      ―――――・―――――    午後三時三十五分開会
  141. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) これより建設委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について報告いたします。  本日、村上春藏君が委員を辞任され、その補欠として近藤鶴代君が選任されました。     ―――――――――――――
  142. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、まず補足説明を聴取いたします。今泉水資源局長。
  143. 今泉一郎

    ○政府委員(今泉一郎君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的にその内容を御説明申し上げたいと存じます。  第八条の改正は、監事の権限を強化しようとするものでありまして、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、総裁または主務大臣に意見を提出することができるものとすることであります。  第十一条の改正は、役員となることができない者の範囲から国会議員等を除くこととするものであります。  第十八条の改正は、水資源開発公団の業務の範囲を改めるものでありまして、水資源開発公団は、従来の業務のほか、新たに、愛知用水公団から承継する愛知豊川用水施設の管理及び災害復旧工事並びにこれらに付帯する業務を行なうものとすることであります。  第二十条の改正は、水資源開発公団の行なうかんがい排水にかかわる業務について、主務大臣が事業実施計画の認可をしたときは、利害関係人に周知させるため、その旨を公示しなければならないものとすることであります。  第二十条の三は、水資源開発公団がかんがい排水にかかわる施設の新改築の業務を行なう場合については、愛知用水公団法における場合と同様に、その業務にかかわる事業実施計画の認可をした旨の公示があった後に行なわれた土地の形質の変更、工作物の新改築等についての損失の補償は、原則としてしなくともよいこととするため、土地改良法第百二十二条第二項の規定を準用することとする規定であります。  第二十一条の改正は、愛知豊川用水施設の管理業務について、水資源開発施設における場合と同様に、主務大臣が施設管理方針を定め、これを水資源開発公団に指示することができるものとすることであります。  第二十二条の改正は、水資源開発公団は、愛知豊川用水施設の管理業務を行なおうとする場合においては、水資源開発施設における場合と同様に、施設管理方針に基づいて施設管理規程を作成し、関係者に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならないものとすることであります。  第二十五条の改正は、水資源開発公団は、愛知豊川用水施設を操作することによって流水の状況に著しい変化を来たし、危害を生ずるおそれがあるときは、水資源開発施設における場合と同様に、あらかじめ、関係機関に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとるものとすることであります。  第二十九条の改正は、水資源開発公団は、愛知豊川用水施設を利用して流水を発電、水道もしくは工業用水道の用に供する者または流水をかんがいの用に供する者の組織する土地改良区に愛知豊川用水施設の管理及び災害復旧工事に要する費用を負担させるものとすることであります。  第三十条の改正は、愛知豊川用水施設の管理及び災害復旧工事の業務であってかんがい排水にかかわるものの受益地をその区域に含む県は、その業務に要する費用の一部を負担金として水資源開発公団に支払わなければならないものとすることであります。  第三十三条の二は、水資源開発公団がかんがい排水にかかわる設施の新改築、管理及び災害復旧工事の業務を行なった場合については、愛知用水公団法における場合と同様に、その負担について農地関係者間の権利関係の調整を行ない得るようにするため、土地改良法第五十九条及び第六十二条さらに第六十五条の規定を準用することとする規定であります。  第四十三条の改正は、政府は、愛知豊川用水施設の災害復旧工事に要する経費の一部を、愛知用水公団法における場合と同様に、予算の範囲内において、水資源開発公団に対し補助することができるものとすることであります。  第四十四条の改正は、水資源開発公団の余裕金について、銀行以外の金融機関で内閣総理大臣の指定するものにも預金できるようにするものであります。  第五十三条の改正は、主務大臣は愛知豊川用水施設にかかわる施設管理規程を認可しようとするときは、内閣総理大臣に協議しなければならないものとすることであります。  第五十四条の改正は、水資源開発公団の余裕金を預金することができる金融機関を内閣総理大臣が指定しようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならないものとすることであります。  第五十五条の改正は、愛知豊川用水施設の管理その他の業務に関する事項については、農林大臣を主務大臣と定めるものであります。  以上のほか、これらの改正に伴う条文の整理を第二十条の二、第二十三条、第三十三条、第五十二条、第五十四条等について行なっております。  ついで附則について御説明申し上げます。  附則第一条は、この法律の施行期日を昭和四十三年十月一日と定めるものであります。  附則第二条は、愛知用水公団の解散等に関する規定でありまして、愛知用水公団は、この法律の施行の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その解散の時において水資源開発公団が承継することとするほか、愛知用水公団の決算等及び愛知用水公団の解散の登記について定めております。  附則第三条は、水資源開発公団が愛知用水公団の権利を承継するに際し、この承継の性質にかんがみ、不動産取得税及び自動車取得税は課さない旨を定めております。  附則第四条から附則第八条までは、愛知用水公団の解散に伴う経過規定であります。附則第四条は、この法律の施行後二年を限り、水資源開発公団に理事二人を増員することを定めております。附則第五条は、愛知用水公団の国際復興開発銀行借款に対してなした政府の保証契約は、水資源開発公団が当該借款を承継する時において、水資源開発公団の借款について政府がなした保証契約となったものとみなす旨を定めております。附則第六条は、国または地方公共団体の職員から愛知用水公団の職員となった者が引き続いて水資源開発公団の職員となった場合においては、国家公務員等に関する共済年金制度上の在職年限の期間通算等を行なうよう措置することを定めております。附則第七条は、愛知用水公団が作成した愛知豊川用水施設に係る施設管理規程は、この法律の施行時において、水資源開発公団が作成し、主務大臣の認可を受けた施設管理規程となったものとみなす旨を定めております。また、附則第八条は、愛知豊川用水施設を利用して流水を発電、水道または工業用水道の用に供する者にかかわる当該施設の管理に要する費用の負担については、この法律の施行前にこれらの者が愛知用水公団とした契約があるときは、これによるものとする旨を定めております。  附則第九条は、愛知用水公団法を廃止することを定めております。  附則第十条から第十二条までは、愛知用水公団法の廃止等に伴う経過規定であります。附則第十条は、愛知豊川用水施設の建設に要した費用の賦課徴収等については、愛知用水公団法の廃止後においてもなお同法の規定に基づいて行なうことを定めております。附則第十一条は、愛知用水公団の役職員で恩給法令の適用があったものについて、恩給法上不利益を生じないよう恩給に関する旧愛知用水公団法の規定は、なおその効力を有する旨を定めております。附則第十二条は、この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によることとしております。  附則第十三条から附則第二十一条までは、愛知用水公団の解散に伴う関係法律の一部改正に関する規定でありまして、地方税法、土地収用法、農林省設置法等の規定から「愛知用水公団」の文言を削る等の措置を定めております。  以上が、水資源開発公団法の一部を改正する法律案の逐条的な内容であります。     ―――――――――――――
  144. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案審査のために必要な場合には、水資源開発公団の役職員を参考人として随時出席を求めることとし、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  146. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  147. 沢田政治

    ○沢田政治君 ただいま議題になっている法案について質問するわけでありますが、私はこの法案については全くのしろうとでございまして、私の質問する内容が、どこの省の所管になっておるかもわからぬほどでございますから、答弁の際は、自分の所管の答弁に属すると思う場合には、皆さんのほうから答弁を求めてやっていただきたいと思うわけです。  まあ、法案の内容、若干こう見ていますと、内容としてはたいした改正ではないわけであります。単純でありますね。水資源公団に歴史的な使命を――歴史的な使命ということになるかどうか、愛知用水公団を吸収するということですから、中身はですね、そうたいしたことではないと思うんですが、きょうはそれに関連して基礎的なことをお聞きしたいと思うのであります。二十一日に予定されておる委員会で、時間が許されるならばもう一回再質問したいと思いますが、そのためにひとつ基礎的なことをお聞きしたい、このように考えるわけであります。  最近制度がいろいろある特殊法人ね、これを大体行管等の考えもあって縮小するという方向をたどっておるようであります。これを縮小――まあ設立するときは、それぞれの目的があって設立し、今度は立場を変えてこれを縮小する、こういうことに相なるわけでありますが、このねらいというか、特殊法人を縮小するというほんとうのねらいというものは、私は大きな意味では知っておりますけれども、ほんとうのねらいというものは何か、この点をひとつお聞きしたいと思うんです。
  148. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) こういう特殊法人が生まれるに至る理由は、いろいろございますけれども、一般的に申せますことは、役所の仕事としてはいろんな意味で適当でない、しかし民間のビジネスにまかせるのも適当でない、そういったようなものについて、特殊法人が生まれるケースがたいへん多いように思います。そこで、しかしどうもそれが少し、あんまり傾向としてたくさんそういうものが毎年できていくということになりますと、どうも行政のそのものの直接の責任でもないし、自由競争でビジネスが行なわれるというものでもない。やはり両方のいいところを合わしたりすることもございましたりして、やはりそういうものは必要不可欠なものに限るべきではないか、という反省が近年生まれておるように思います。それが一般に特殊法人をできれば縮少したいと考えるに至りましたおもな理由ではないかと思うんです。
  149. 沢田政治

    ○沢田政治君 一体、現在どれくらい特殊法人がありますか。これは正確でなくてもけっこうです。それでどれくらいそういう特殊法人があるかということと、特に私は特殊法人の役員の人事については、私の憶測かもわかりませんが、いろいろな政治的に好ましくない話もちらほら聞くわけであります。したがって特殊法人の数、どういうものがあるか、名称ですね。それと、この役員の氏名ですね。それと、まあどれだけのお金を、報酬を取っておるものか。これは将来のいろいろな面についてぼくは参考になると思いますので、お聞きしたいと思うんです。さらにもう一つは、これをどういう角度から、だれが役職員の人事を指名するのか、この点をまずつまびらかにしていただきたいと思うんです。
  150. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、概括的には政府委員から申し上げたいと思いますけれども、非常に数がおそらく多うございますし、役職員の名前、報酬というようなことになりますと、相当件数が多いと考えますので、正確には資料をもって申し上げることにさしていただきまして、いま概括のことを政府委員からお答えいたさせます。
  151. 今泉一郎

    ○政府委員(今泉一郎君) 特殊法人の総数につきましては、たいへん恐縮でございますが、ただいま若干の資料ございますが、正確に後日できるだけすみやかにお手元まで差し上げたいと思いますが、役員の数につきましては、さしあたり水資源開発公団のほうの役員は総裁一名、副総裁一名、ほか理事八名、監事二名合計十二名、こういうことに相なっております。それから愛知用水公団のほうは理事長一名、副理事長一名、理事三名、監事一名、計六名、かよう相なっております。そして任命方法は水資源開発公団のほうにつきましては、総裁は内閣総理大臣が任命されることになつておりまして、副総裁並びに理事は、総裁が内閣総理大臣の認可を受けて任命する、かように水資源開発公団法第九条によってきめられてございます。愛知用水もそのような状況になっております。
  152. 沢田政治

    ○沢田政治君 特にこれはこの人事の指名といいますか、なお人事権はこれは総理府ですか、どこでやるんですか、各特殊法人の役員の人事はどこでやりますか。
  153. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) これは私も全部を詳しく存じませんし、おのおのの基本法でいろいろな形になっております。が、一般に総理大臣が任命するという場合には事実上の問題といたしましては、その特殊法人を所管いたします国務大臣がまあ腹案のようなものをもちまして、そして総理大臣と相談をすると、実際はそういう形をとる場合が事実問題としては多いように承知いたします。
  154. 沢田政治

    ○沢田政治君 私あえてこれを聞く理由は、まあ皆さんのほうの所管じゃない、農林省の所管だと思いますが、八郎潟、ぼくの選挙区のほうの八郎潟干拓事業団ですか、こういうのがあるわけですが、そこの人事を見てみますと、農林省とか役所の天下りのようなものもありますし、――それのよしあしを言っているわけじゃないんです――さらにはまた自民党の衆議院の落選した者を理事やなんかへ、どういう政治的な立場で持っていくのか持っていって、今度は市長候補になる、当選したならばやめる。一年か二年間。こういうばかなことがいいのかどうかということですね。私は厳正な意味で、その事業団にとってその人の能力が識見が欠くべかざるものであったならば、いかなる前職にあった方でも私は理由がつくと思うわけであります。干拓事業とは全然縁も関係もない、知識も造詣もない者を、選挙で落選したから失業救済のようにそういう者を持ってくるというのは、これは宮澤大臣の御所管じゃないかもわかりませんけれども、どういうものでしょうか。これはあなたの感想を聞きたいと思うんですね、これは。
  155. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 一般に特殊法人の役目は、学識経験ある者から選ぶべきものと考えます。国会議員をしておられたような方は、学識収験ともに豊かであるというふうに一般に考えられておるのではないかと存じておりますけれども、具体的な場合につきましては、ちょっと私、つまびらかにいたしておりません。
  156. 沢田政治

    ○沢田政治君 国会議員に学識経験があるかどうか、ここで押し問答しないわけでありますけれども、これは万能の神じゃないと思うのですね。国会議員の中に、干拓事業に対して深い知識というものがある方も私はあると思うのですが、ぼくが言っておる方は、全然干拓事業なんというものに関係がないのですね。これはやはり、将来の何といいますか、こういう人事に対する政治性といいますか、そういうものを持ち込まないためにも、たとえば非常に重大にやはりせんさくしていくことの必要があると思いますが、このことだけを質問しておっても始まりませんから、先に進みますが、愛知用水公団ですね。これは昭和三十一年に始まって、大体仕事を終えて、今度は水資源公団に吸収されるわけでありますが、現在までどういうことをやってきたのか、それでどういう状況にあってそれを吸収しなければならぬのかということを、そうめんどうくさくなくても、簡略にいままでの功罪、罪はないかもわかりませんけれども、施策というものを、今日に至るまでの経緯をお聞きしたいと思うのです。
  157. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 愛知用水公団は、愛知豊川用水の仕事を今年をもちまして終了いたしますので、冒頭に申し上げましたように、特殊法人整理という方針もございますし、かつ、水資源公団が包括的に似たような仕事を全国的にやっておりまして、類似の仕事でございます。そこで、これを統合することが望ましい、こう考えたわけでございます。  愛知用水公団は昭和三十年の十月に設立されまして、愛知用水の着工が三十二年、通水いたしましたのが三十七年の四月でございます。豊川用水は国営土地改良事業を三十六年に承継いたしまして、本年の五月、全面通水をいたすわけでございまして、設立されました目的をほぼ完了したと思いますが、相当な長い間の経験によってすぐれた技術者、経験等も持っておりますので、たまたま水資源公団の仕事がきわめて類似しておりますから、そこにその人たちも承継していこう、こういう考え方でございます。
  158. 沢田政治

    ○沢田政治君 愛知用水公団の事業目的は、当初は、特に農業用水ですね、開田、開畑、こういう一つの目的意図を持って出発したと思うのですが、今日では相当農水道、工水とか上水、こういうほうに需要がふえつつある、こういうことを聞いておるわけでありますが、非常に結果が、事志と違った結果が顕著に出つつあるということを、私はおぼろげながら聞いておるわけでありますが、一体、水が農水にどのくらい、工水にどのくらい、上水にどのくらいこういうのがおわかりであったなら、ちょっとお伺いをしたいと思うのです。
  159. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) お答え申し上げます。  概数でございますが、こまかい数字、端数を省略いたしますと、当初全体で約三十トン毎秒の水を愛知用水の地域に送水いたしまして、このうち約一トン余りの水を工業用水、上水道のほうに回す、その残りは農業用水、こういう計画でございましたが、その後知多半島、名古屋の周辺等の土地利用の状況、経済の変動等がございまして、地元の方々の強い要望もあり、それらの水の一部を都市用水のほうに転用したいという強い希望もございましたので、事業が完了いたしました直後ごろに、約三トンの水を都市用水のほうに転用いたしました。さらに最近に至りまして、なお工業用水の需要の増大、都市人口の増加等がございましたので、これも地元愛知県その他の方々の強い要望によりまして、約三・八トンの水を都市用水のほうに転用することにいたしました。  さらに、今後、将来の見通しでございますが、ただいまのところ、昭和五十年ごろの水の需要の見通しを県のほうでも、地元のほうでも立てておりまして、それによりますと、約八トンぐらいの水がそのころまでにさらに必要であるということでございますので、それらの水を愛知用水の施設、水の水源量等から、転用できるように、これにこたえられるように考えておりますが、片方ではこれらの地域のいわゆる農用地、水田、畑等の土地の農用地から他のほうへ変わっていく事情が非常に急激でございまして、そのことのために、かんがい用水の一部が要らなくなるということもありますので、それらのものを一方の都市用水の需要のほうに振り向けていく、こういう方法で、いま御指摘のように、当初の用途別の水の需要とはかなり変わってきておりますけれども、地域の特性からいたしまして、また地域住民の強い要望もございまして、そういうふうに変動してきておるわけでございます。
  160. 沢田政治

    ○沢田政治君 愛知用水公団が水資源公団の中に吸収されるわけでありますが、特にこれに関連して、統合の経緯ですね、特に農林省の方もこられておると思いますが、農林省のほうで国営で農水のほうをやっておる面もあるわけでありますね。したがって、私聞くところによると、国営でやっておるもののほうに水資源公団のほうがどんどん侵触してくる。いままでもあったわけですね。そうなると、いままで国営でやっておるものの、何というか、仕事というものがなくなるわけでありますね。しかも、国営でやっておる方々は、私の知る限りではほとんど地元の人が多いわけです。したがって、仕事がなくなるととってかわられる。そしてどこか遠いところに配転をされるということで相当深刻な問題も出つつあるやに私は聞いておるわけであります。この法案が出てくる直前まで、農林省のほうではすごく反対をした。農地局長でございますか、からだを張ってもこれを守らなくちゃならぬ、こう言っておったそうでありますが、最近になってこの法案が出てから、これはやむを得ないというPRをしておるそうですが、その統合の経緯、農林省等に及ぼす影響、どういう……。これは相当各省間で経済企画庁、あるいは農林省ともお話し合いになられたと思いますが、その経緯をちょっとつまびらかにしてもらいたいと思うんです。
  161. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) ただいまの御質問の点につきまして、一つは国営事業で現に工事をしておりますものを途中から公団の事業に移す。こういう場合がまず御指摘の点でございますが、確かに過去におきましては、豊川用水の例とかあるいは千葉県における印幡沼の例とかございますけれども、農林省が国営事業でやっております全体の事業分量からいたしますれば、まさにこれは特殊的な例だということができます。ただしかし、その地域の問題、あるいはその事業所に勤務される職員の人たちの立場から考えますれば、非常に大きな問題ではございましたが、この切りかえました基本的な考え方は、端的に申し上げれば国営事業でやってまいりますよりは、公団事業でやりますことのほうのメリットが、はるかにそれらの事業については大きい。事業進度が非常に早くまいりますし、多目的な性格の事業でもありますので、事業を早く完成させていきたい、こういうことからそういうことをやってきたわけでございます。これは非常に特殊な例でございますので、今後そういう国営事業を途中から引き継ぐというようなことは、私どもといたしましては、そうこういうことが起こるとは考えておりません。  それから、今回の愛知用水と水公団が統合するに至りました経緯についてのお尋ねでございますが、農林省といたしましては、なるほど今度予定しております木曽総合事業というのと三重用水という国営事業がございますが、これらの事業は、いずれもまだ本格的工事に着手いたしておりませんで、これからこれらを進めていこうという段階でございますし、たまたま愛知用水公団がすぐそのそばで一つの大きな総合開発事業を完成いたしました。その例からいたしまして、地域の人たちもああいう方式でやってもらいたいということを強く要望いたしておりますので、そういうふうにしたわけでございます。いまお尋ねの、私どものほうでからだを張ってもというようなお尋ねでございましたが、これは国営事業の承継についてそういうことでは決してないのでございまして、愛知用水公団のやり方なり、やってきた実績なりというものが、今後進められようといたします先ほど申しました木曽総合事業、三重用水事業、これらの地域の関係者が強く要望しておることからいたしまして、公団方式を適用すべきであるということを、強く私どもは要望しておったわけでございます。今回こういうふうになりましたのも、実質的に公団の方式がとられまして、地域の方々の要望にもこたえられるというふうに考えておりますので、今回の水資源公団との合併によって、われわれが考えておった希望も達せられる、こういうふうに考えておるわけでございます。
  162. 沢田政治

    ○沢田政治君 きょうは一方交通の質問になると思いますが、そうなると、たとえば一番最初にお聞きしましたように、特殊法人は廃止ということ――廃止といかなくても、事業がなくなれば廃止になるわけですね。そうなると、そこにはやはりある程度の従業しておる人たちがおるわけですね、人間が、人がおるわけです。そういうものを将来どの方向に持っていくのか。その場でこれは解雇しちゃうということも、これはできるものではないのですから、そうなると、やはり勢い水資源のほうに吸収するということになるのではないかと想像されるわけですね。そうなると、水資源の事業量も四大水系ですか、五大水系ですか、一応そこだけだということになっておるのでありますが、これは人員もふくれ上がってくるんじゃないですか。したがって指定水系外はやらせないという原則と非常に相反してくると思うのですね、特殊法人をどんどん減らしてくると。そういう処置がどういうようになされるのでしょうか。
  163. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) さしづめ木曽、三重といったようなところの仕事をしなければならないわけでございますから、おそらくその仕事にいまの人たちしばらく専念をしてもらうことになると考えております。愛知用水公団の職員等は、一切そのままの地位で水資源公団が引き継ぐということでございますので、本人が希望でない限りは離職をする、失職をするということは起こらないわけであります。  それから、水資源公団そのものにつきまして、現在五大水系をやっておるわけでございますが、将来五大水系に限るという考えはいたしておりませんので、水資源の総合開発が必要であるという水系は、ほかにもあるように考えられますので、むやみに手を広げるという意味ではございませんが、仕事が済めばまた新しい水系に取りかかっていくということは、これは方針としてはそう考えておりますので、仕事はわが国の水需給を考えますと、まだまだ非常に多いと、こういうふうに判断をいたしておるのでございます。
  164. 沢田政治

    ○沢田政治君 いまの答弁では、まだ問題私が持っておりますし問題があると思いますが、先に進みます。  そこで愛知用水公団の地元負担金ですね、お金、これが聞くところによると相当未収金が残っておる、こういうことを私聞いておるわけでありますが、一体どれくらいの未収金が現在残っておるのか、お知らせ願いたいと思うんです。
  165. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) 愛知用水公団が水資源公団に統合される場合に残りますその時点の未収金は、約三十七億でございます。
  166. 沢田政治

    ○沢田政治君 そうでしょう。昭和三十七年これが通水してから昭和四十一年の間に未収金は三十七億円、収入はわずか五億円、こうなっておるわけですね。四十二年は二億円ですか。二億ちょっとですね。これをどうして未収を徴収しますか。そういうめどがありますか、手段がありますか。このままほうっておいていいのですか。これはだれが責任を負うのですか、こういう未収金を残して。物理的には、当初の一つの設立の目的は、もちろん農地の開田、開畑、それからずっといろいろな技術革新とか高度成長によって事情が変わってきた点もわかるけれども、しかしこの三十七億円というものの未収金をかかえておるということは、私は明らかに政府の責任だと思うのですね、これは。どうしてこれは決着つけますか。決着つけるならばいかにして決着つけるのか。そのめど、方法、こういうものを具体的にしてもらわなければ……。未収金は未収金だ、仕事終わった、今度は水資源に吸収だ、こういうことじゃ話にはならぬではありませんか。
  167. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) ただいま数字を申し上げましたが、またその点に関しましての御指摘の点、数字上から見れば確かに大きな問題でございますし、また愛知用水の農民負担金の未収ということは、実は過去数年にわたりましてまことに不成績でございまして、この点につきましては責任ある官庁といたしまして、たいへん残念に思っておるわけでございますが、近年、と申しますとごく一、二年前ごろから特にこの点につきまして、いろいろ地元と、土地改良等とも折衝を続けまして、最近に至りましてほぼ地元の方々の了解もできまして、当初考えられておりました農民負担金の限度の範囲内におきまして、今後未収金の徴収をやっていくということが大体決定しております。で、この方法はいろいろ複雑でございますが、概略申し上げますと、先ほどちょっと申し上げましたように農業関係の水の需要が減りまして都市用水のほうに水の需要がふえましたことから、都市用水側の水の負担金といいますか、水の使用料金というものが収入として入ってまいりますことが一つと、これが一番大きいのでありますが、それでもなおかつ残されますかんがい地域の農家負担金がございますが、これは当初愛知用水の賦課をいたしました時期の償還条件よりは、一方農林省でやっております国営土地改良事業等の償還条件が有利に緩和されておるという事情もございまして、そういうものを、愛知用水のほうにも新しい方法を適用して、農民負担金の軽減をはかりたいというようなこともございますし、さらにはまた、愛知県当局がこの農民負担金に対しますものの一部を県当局の援助によりまして軽減をはかるというようなことをいろいろやってまいりまして、今日の段階では、さほど支障なく未収金の徴収ができる見通しになってきておるのであります。確かに三十数億の代金を今日なお残しておりますことは、何ともわれわれといたしましては弁解の余地はございませんけれども、その後の努力によりまして、いま申し上げましたような事情になっておりますことを、御報告したいと思います。  なお三十六、七億の金が残っておるのに対しまして、いままで徴収いたしましたものが約五億ぐらいしかございませんのは、この五億と申しますのは、いま申し上げましたようなごく最近の徴収成績があがってきたために、その五億というぐらいの金が入ってきておりますことも、あわせて申し添えておきます。  このような事情が動きつつありますので、私どもといたしましては、今度の統合の時期までにはこれらのことがはっきりさせられると、こういうふうに考えておるのであります。
  168. 沢田政治

    ○沢田政治君 非常にいま未収金は徴収できる、明るい展望があるような御答弁のようですが、私の現地から聞く限りにおいては、いまあなが答弁されたような簡単な事情じゃないというように聞いておるわけであります。したがって、もう一回私は再確認の意味で質問するわけでありますが、十月一日から吸収になるわけですね。それまでに間違いなく三十七億円の未収金が決着、整理つくかどうか。もしつかなかった場合には、これはもう責任だと思うのですよね。絶対それまでに決着つけ得ると、でなければもう責任を負うと、責任をとるというような御確答できますか。
  169. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) ただいま申し上げておりますのは、この未収金の徴収を正規のルートに乗せるということでございまして、三十数億の金を一挙にこの十月一日時点までに徴収するということではございませんで、農民負担金の徴収には非常にこまかいいろいろなルールがございます。そのルールに乗せまして、そして十五年、二十年くらいの償還期間までには完全にこれらの未収金も全部徴収できるように、もちろんこれには利子等も加算されますけれども、そういう方法を十月一日時点までには必ずやらなければならないし、またやる覚悟でございます。
  170. 沢田政治

    ○沢田政治君 そうすると、十月一日付で吸収されるわけでありますので、今度は未収金を徴収する責任はどうなるのですか。もう愛知用水公団というのはなくなるのだから、当然だと思うけれども、水資源開発公団のほうに移るわけですか、この未収金の徴収する責任は。その付近の区切りはどうなるわけですか。
  171. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) 先ほど法律案の御説明の中にもございましたが、統合されましたあとは愛知豊川用水の問題、こういう管理の問題、負担金の問題は、すべて農林大臣の監督下に入ります。それで、機構、制度すべて水資源公団の組織の中に入りますけれども、この問題につきましては、従来の経緯もございますので、農林省のほうで責任を持って先ほど来申し上げておるような方法で処理していきたい、こういう考えでございます。
  172. 沢田政治

    ○沢田政治君 愛知用水公団は国の金で、あり余る金でつくったのじゃない。それぞれ世銀を含めて三つの部門からお金をお借りして、用立てしてもらって発足し、事業をやって完了せんとしておるわけでありますが、したがって、いままでのこのそれぞれの三つの部門に対する償還額と、未償還額はどういう状況になっておりますか。
  173. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) ちょっと数字にわたりますので失礼いたしましたが、愛知用水公団がいままで借りました額は、世界銀行と、余剰農産物の資金と、それから政府の運用部資金でございますが、世界銀行関係が十七億五千四百万円、余剰農産物関係が百二十二億五千万円、運用部資金が二百二十七億一千九百万円ございまして、合計三百六十七億二千三百万円ということになります。これに対しまして現在までに――現在までと申しますのはことしの三月末でございますが、償還済みの元本を申し上げますと、世界銀行が五億九千三百万円、余剰農産物が二十三億三千八百万円、運用部資金は二十五億一千六百万円、合計五十四億四千七百万円でございます。さらに残されておる未償還額の元本を申し上げますと、世界銀行が十一億六千百万円、余剰農産物が九十九億一千二百万円、運用部資金は二百二億三百万円、この合計が三百十二億七千六百万円でございます。
  174. 沢田政治

    ○沢田政治君 まあ関係者の話を聞くと、水資源の開発には三つの方式があると、いままでの実績からいってですね。まあ愛知用水公団方式ですか、さらに水資源開発公団方式、さらには国営事業方式、こういうことを聞くわけでありますが、それぞれ特徴があるようでございますので、大体この三つの方式というものはどういう特徴を持っておるのかですね、ぼくは二十一日に質問する関係があるので、その特徴というものをここで明確にしてもらいたいと思うのです。
  175. 佐々木四郎

    ○説明員(佐々木四郎君) ただいまの御質問に対しまして、農林省からお答えするのはあるいは当を得ないかもしれませんが、事情はよくわかっておりますので、私どものほうからお答えいたしますと、国営特別会計方式と申しますのは、いろいろこまかい規程はございますが、この三方式に関連する業務の内容についてだけ申し上げますと、国営特別会計方式では、これは農林省の国営でございまするが、農業以外の水道とか、発電とか、こういうものも含めてやる場合がございますが、この場合はこれを受託事業としてやることにいたしております。それから水資源公団の場合は、ただいまの問題は、これは農業に限らず、工業用水、水道用水等もあわせて全部やれることになりますので、農業用水については農林省の国営事業の方式をそのまま取り入れます。それから都市用水等につきましては、水資源開発公団がみずからその仕事を運用部資金等を借りてやっていく、こういう方式でございます。それから愛知用水公団のほうは、これは特殊な一つの前例でございますが、この関連事業と申しますか、水道、発電等に必要な仕事は、愛知用水公団がみずから政府資金等を入れまして多目的共同施設をやっていく、しかしてまた国営事業――農林省の国営事業と愛知用水の場合の際は、いまのような農業以外の事業のやり方と、もう一つの特徴はすでに完成しておりますように、上流のダムから末端の水路まで、一括して末端まで一貫施行をいたしたのであります。大体概略そういうことでございます。
  176. 沢田政治

    ○沢田政治君 私、どうもひがんで考えるわけじゃないけれども、たとえば水資源公団にいろいろな何というか、事業がたくさんあるわけですが、その中でなぜこの木曽川の総合開発、さらには三重用水の二つの事業だけ一貫施行方式といいますか、基本計画から最後まで一貫施行方式でやるのは何かと思うのですね。ぼくはやはり政治というものは平等でなければいかぬと思うのですよ。特定の地域だけ有利なような工事をやって、他の工事は少々負担が重くてもいいというようなことは、私はやはり国の政治から見た場合に非常にいびつじゃないか、片手落ちじゃないかと思う。特に農業開発ということになると、東北地帯は将来農産物の供給地帯――ゾーンになるようですが、やはり東北地帯でもこういうものを同じような方式でやるべきだと思うのですね。ぼくはしろうとでよくわからぬけれども、ちょっと説明を聞くと、非常に何といいますか、差別があると思うのですね。これはえらい政治家がおったのか、大臣がここに出ておってこういうことになったのかわからぬけれども、これは一貫してやるべきだと思うのですが、宮澤企画庁長官どうですか。
  177. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) その点はごもっともな御指摘だと思います。実際問題といたしましては、愛知用水公団には愛知用水公団の従来の方式、これは仕事のしかたにいたしましても、職員の問題にいたしましても、いろいろございますと思いますから、かりにそういう家風がある――家風と申し上げておきます。水資源公団にはまた水資源公団の家風がございまして、どちらかといえば、水資源公団のほうが条件その他きびしい、辛いわけでございます。愛知用水のほうが甘いといえば甘いということでございます。それで、たまたま愛知豊川というものをやっておって、そのほんとうに隣接のところで木曽、三重というものが考えられている関係もございまして、本来、家が一緒になれば水資源の家風に統一すべきものなのかもしれません。しかし、そこはやはり経過的にあまりそれを性急にいたしますと、地元にも何か割り切れないものを残しますし、それから両方融和してやっていくということなども考えますと、ある程度の妥協はこれはすることもやむを得まい。本来、これ公団を統合するということは、行政簡素化であれば、職員なんかにつきましても整理できるものは整理をしろという、きびしく言えばそういうことにもまたなるのでございましょうが、その辺も、そういったのではなかなか統合するということが現実にむずかしいものでございますから、まずまずそこは現実的な妥協をしたということでございます。その点、しかし木曽、三重がそうなら、今後そういう甘い条件をほかにも適用しなければ不公平になるじゃないかと言われますことは、私はそれ自身には反論することは実際できないと思うのでございますが、たまたまそういうことでありましたから、この二つに限って在来の愛知用水公団の方式を踏襲しよう、こういうことになったわけでございます。
  178. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) この際、私から若干の点についてただしたいと思います。  まず劈頭、資料要求をいたしますが、水資源開発公団で今度愛知用水公団の引き継ぎ、吸収を含めて、各水系別の工事計画概要と、これが完成見込みと予算の点についての資料をお願いしたいと思います。  宮澤長官にお伺いいたしますが、現在のわが国における利水関係の行政は、いま愛知用水公団と水資源公団との整理統合が行なわれるということですが、それ以外にも特殊会社としては電源開発会社があり、あるいはプライベートな企業としても九電力会社があり、さらに地方公営水資源開発があり、さらに農林省が農業用水、非常に狭い国土にかかわらず、特殊な、あるいは公的なものが非常に多いんです。で、一貫して水系開発をするということになれば、いますぐこれらの統合ということは無理としても、人的にもあるいは機材など、二重投資、三重投資ですね、私ども見ていて、これではたいへんだと思うものが多いのです。したがって、減価償却の基準年次等を見ても、これまた千差万別。そこで今後においてはやはりこれらを国の政策としては、できるだけ一貫性を持たせていくような形態なり当面の運営なり、これをやらなければならないのじゃないだろうか、これが一つです。したがって、当面電源開発株式会社、これは大規模開発は大体終了して、保有発電所の運営ということに期待を持たれて、現状では若干石炭火力の開発ということになったわけですね。これは国土総合開発等の見地からも、経済企画庁はもうそろそろものを言うべきで、行管の木村長官あたりからあれこれよく出ますけれども、やはり国土計画面から発想したものが出ていいんじゃなかろうかと思うのですが、電源開発会社等について具体的にはどういうお考えなのか。  それから次は、どうも国家資源の開発、水資源の開発のみならず、住宅にしましても、あるいは道路開発にしても、特定地域に非常に偏在をしています。私の調査では、公共投資については北海道から九州を見ますと、かなりアンバランスがあります。これは当面緊急対策としての予算の配分ということもありましょう。たとえば万博とか、オリンピックとか、あるいは冬季オリンピックあるいは国体、要するに予算をとるための手段としていかに万博を誘致するか。これでもいや京都だ、大阪だとか、これは要するに結果的に見ると、万博を誘致して何とか日本の名声を高める、そういう非常な次元の高いことよりも、それをとれば、これを成功させるためにということで、今度も万博は約六千三百億だったと思うのです。それだけ他地域に非常な各影響を持ってきているのです。国体なんかについても、一体どうするのか。冬のオリンピックにまた取られてですね。国家財政の運営について非常に問題がある。ことに、たとえば中国五県ですね。これは宮澤長官も中国の出身ですが、どうもくしくも総理大臣や大臣が出ているところが案外陥没地帯なんですね。これはやはり日本の場合には我田引水とか、こういう忌みきらわれることばが依然として残っておる関係か、あるいは国会の運営その他の政策的見地からか、どうも岸内閣、池田内閣、佐藤内閣と、中国は多年総理を出し、いまもたしか中国からは、限られた範囲で五名かなんかの大臣が出て、その前も……。というような調子で案外国家財政の導入というのが非常に立ちおくれておるというのは、何か偶然のようななにが出ているのですね。そこで私は、あまりそういうことで遠慮なさると、地域住民は大臣や総理を出したというその喜びが幻滅の悲哀になる。たとえば住宅公団の支所を設けるといっても、なかなか中国にはこれが実現しない。あるいはまた水資源でも、江川のようにたいへんな水資源がむだに流されているのだが、電源開発会社がまだ手をつけず、あるいはまた水資源公団でこれを高度利用するということもいまだ聞かない。わずかにここ数日前に業界紙を見ると、島根県が五千万円ですか、中国電力が一億何ぼか、寄付とか出資とかして、あれを見る限りでは約二億ぐらい、これでひとつ江川開発公社をつくるということが調印されたということを、業界紙を通じて私は数日前に見ました。これなどに至っては、これは国家資源としてこれを扱う河川法の改正等から考えても、そういうとかく一部限られた特定県なり、しかも全く小手先な――今日の科学技術の、また工事能力が非常に高度化しているときに、もっと国家的見地で開発をしていくという発想に立たなければ、必ず将来また発電所をぶっつぶして水没さして、もっとより大きな規模のものを開発するというようなことが、中国地方ではしばしば行なわれてきていますね。そういう点からも先手を打って、企画庁あたりはものを言うべきときではないだろうか、こう思うわけです。したがいまして、こういうものはほかの水系にもあろうかと思うのです。これは地元の県営その他で開発しようという気持ちが強いために、国が手が出せないという場合もありましょうし、国に遠慮してという場合もありましょうし、いろいろケースバイケースでありましょうが、いま具体的事例をあげた江川について検討をされる時期に来ているんじゃないだろうか。あわせて先ほど申し上げた江川開発公社なるもの、これの実態等について、ここでひとつお聞かせをいただきたいと思います。これは河川局と水資源局長等で詳しくわかれば、教えていただきたい。  それから、進藤総裁ですが、私はいま申し上げた意見を実は持っておりますが、水資源公団とされては、まだあと三重、木曽その他が残され、いま指摘しました江川などについても、もっと能率的に、二重、三重の投資をしないように、かつては、少なくとも水力発電の五千キロ以上は、進藤さんもおられた日本発送電ですね、日発が開発を一貫してしていたわけです。工事が終われば次の工事に技術はどんどん利用されていく、機材も利用されていくという、二十三年余前にかなり高度な運営がなされていたのに、いまは全くばらばらで、これではいかがなものであろうかと思うわけですが、水資源公団とされて遠慮なくひとつ将来の構想等を含めて、御所信を伺いたいと思います。
  179. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) まず利水事業が非常にばらばらであるということにつきましては、確かに私どももそういう感じを抱いております。水資源開発公団は、御承知のように総合開発を必要とする水系を指定したものにつきまして、ただいま仕事をいたしておりますが、これにつきましては、将来とも現在の五水系に限るということは考えておりませんで、必要なものからさらに仕事をしていきたいというふうに考えているわけでございます。確かに調整ということは、しかし必要でありまして、私ども電源開発審議会などでは、水資源の見地からも問題をあわせて検討することと従来からいたしておりますけれども、まだまだ調整が足りないということは、委員長の御指摘のとおりでございます。実際問題といたしまして、統合ということになりますと、水資源公団ができましたときにも、ああいうむずかしいいきさつがございましたので、将来の理想は理想といたしまして、当面各省間で、あるいは地方団体も含めまして、よく調整をする必要があると存じます。そういう努力をいたしたいと存じております。  それから、電源開発株式会社のことでございますが、これは私主務大臣でございませんので、確たることを申し上げることはできません。現在、将来の原子力発電というものがどうなるかということの見きわめとの関連で、電源開発株式会社の将来というものはきまっていくのではないだろうか、ということを私はたから見て感じております。自分の意見をこうと申すほどのまだ研究なり用意がございません。  それから、公共投資の偏在ということにつきましては、そういうことが確かにあるようでございますが、開発全体の立場から申しますと、私どももやはり東北と山陰地方、四国南部、九州南部、これらの四カ所ぐらいが非常に開発投資がおくれている。開発というのは何も産業開発ばかりではございませんと思いますが、それにいたしましても、投資がおくれているという印象を持っております。これは全国総合開発計画を本年中には新しいものをきめたいと思っておりますので、それらの中でもそういうことをよく検討をして、アンバランスをなくしていきたいと思っているわけでございます。  なお、万国博覧会につきましては、これは私ども国の仕事というふうに認識をいたしております。たまたまその場所が近畿地方であったということでございますが、これは国の総力をあげての仕事というふうに考えております。  それから江川の点について御指摘がございました。これは確かに非常に大きな水量を現在むだに流しているということは、まぎれもない事実だと思います。しいて申しますれば、この水は十分使えるとすればこれは山陽側であって、山陰側ではないと思いますが、一応山陽側の水事情が現在の段階では需給がまあまあ合っておりますために、事態をそのまま放置しているわけですが、将来はもう水の需給が山陽側でアンバランスになるということは明らかでございます。したがって、ダム群をつくったり、調査をいたしたりはいたしておりますけれども、本格的にどうするかというところまで至っておりません。私の見ますところでは、やはりどうもこの水は自分の県の水だ、あるいは山陰地方の水だというふうに、どうしてもそういう地域感情が入ってまいりますので、やはり地元に開発計画というものをつくって、そうして地元自身も裨益をするのである、何か山陽側が水を取っていって、水没するのは地元ではないかといったような、そういう感情にならないような基本的な開発計画というものをつくって、そこから事を始めていくということが現実の問題としてはいいのではないだろうか。先ほど御指摘のように、江川開発公社というものができるということを聞いておりますが、これなどもそういう努力への第一着手であるといたしますと非常に歓迎すべきことであって、私どもできるだけ江川沿岸地区の総合開発という目的を助けていって差し上げたい、かように考えております。詳細には各省の政府委員から申し上げます。
  180. 坂野重信

    ○政府委員(坂野重信君) 建設関係お答えいたします。  先生御指摘のように、確かに江川の水資源の点からいいますと、従来の開発はほとんど電源開発でございまして、水資源のための開発というものはほとんど行なわれておりません。それから一方治水の関係から言いますと、現在、三次等を中心にいたしまして、河川の改修を行なっておりますけれども、これもやはりダムによる洪水調節をあわせて考えなければ、治水の完ぺきを期すことはできないわけでございますので、そういう観点から洪水調節のためのダムの地点というものを、現在予備調査の段階でやっておりまして、とりあえず下土師ダムにつきましては、今年度から実施のための工事費がついておりまして、目下関係県の間で調整をはかっております。できるだけ早急に基本計画をまとめて、工事の着工をはかっていきたいというふうに考えております。この洪水調節にあわせまして水資源の開発問題が、山陽方面で先ほどお話ございましたようにあるわけでございます。これらを合わせて、なお発電の要請等も含めまして、とりあえず下土師ダムについては、特定多目的ダム法によって工事の着工をはかっていきたい。その他のダムにつきましても、先ほど申し上げましたようにできるだけ洪水調節と利水とかみ合わせて、地域の総合的な水資源の開発に資するように考えていきたいというぐあいに考えております。私どもの一応の目算では、山陽地方には昭和六十年で、これは一応試算でございますが、年間で二十五億トンから三十億トンくらいの水が将来必要ではないかというぐあいに考えておりまして、それに対応する施設計画はいかにあるべきか、川のほうの開発は、これに対応してどういう地点でどういう姿で開発さるべきであるかというようなことを、総合的に目下検討を進めている段階でございます。
  181. 進藤武左ヱ門

    ○参考人(進藤武左ヱ門君) 御承知のように、われわれ水資源開発公団は、政府の御方針を忠実に実施するわけでございますから、公団自身が方針をどうとかいうことは申し述べられないと思います。ただ、私見として、水資源開発あるいは電源開発の関係というような問題を、簡単に申し上げてみたいと思いますが、実はわれわれいま、先ほど来お話がありましたように、五つばかり河川の開発をいたしておりますけれども、従来の利根川、淀川、まあ木曽川もそうなると思いますが、大体水が不足であるから開発していくんだという、どちらかといいますと需要に応ずるためにあとを追いかけていくという開発のやり方が中心になっております。今度筑後川などの開発をいたすことになりまして初めて、一部水不足はありますけれども、筑後川をいかに開発すべきかという筑後川の総合開発に対する基礎調査を、経済企画庁から委託を受けましてただいま調査中でございますが、私は、いままでは戦後二十年、なかなか国の経済が非常なテンポで発展しておる、またあるいは戦災復興の問題というふうな問題に忙しかったのでありますからして、日本の水をどうするかという基本問題等に対しましては、まだこれからしっかり研究すべき問題がたいへんあるだろうと思います。で、この間経済企画庁で昭和三十七年に御決定になりました全国総合開発計画を新しく改定するのだという第一回の会議が開かれました。その記事を新聞で拝見いたしましたが、あれにも水資源開発問題が載っておるわけでございます。私はやっぱり国土総合開発計画の構想の中へ水資源開発をしっかり入れていただく。で、国土総合開発計画でいうと、水から申しますと、土地と水と人間とをいかにうまく配分して、そして日本のわれわれの生活を向上させ、あるいは住みよい国家にしていくか、国土にしていくかという、そういう基本問題がどうしてもしっかり地についておりませんというと、せっかく開発したら都会が疎開して、疎開といいますか、都会の疎開のために水の需要が減ってきたというふうなことになりかねないと思いますので、どうぞ水の問題につきましては、やっぱり日本の国土総合開発の基本問題の一つであるということをしっかり取り上げていただいて、そしてこれは計画とまではいかぬかもしれませんが、相当長期にわたる構想をつくっていただいて、そしてそれによって開発を進めていくという方向が一番いいのじゃないかと思います。まあ長期計画と申しましても、年度予算であり、あるいは計画が、なかなか日本では長期の計画というものが、構想はありましても、具体的の計画というものは、なかなかできるのはむずかしいようないろいろの条件もあると思いますけれども、住みよい国土をつくり上げるということが、やっぱり政治の一番大きな問題の一つでございますから、力強い、従来の戦後二十数年の間のようなことではなく、これから先しっかりした一つの見通しを持って、それを土台としてその時々の経済状況なりあるいはいろいろの状況で修正しながら進んでいくという方向に、ぜひやっていただきたいと思います。  それから電源開発の問題ですが、これは私先ほどお話がありましたように、日本発送電にもおりましたし、電源開発にも関係いたしておりましたが、現在電力は御承知のように、火主水従時代になっておるわけであります、われわれがやっておったときは水主火従時代でありましたが。しかもこの火主水従時代で非常に大容量の重油発電所がぽつぽつと大きく出てきております。これに対しまして水力の価値をこれからどういうところから見るかという検討を、もう少しやっていただきたいと思うのであります。現在所得倍増計画といいますか、経済の非常な高度成長のために水力発電所を五年、六年もかかってやっておられない。また需要が一カ所にばっとふえますからして、水力ではとても間に合わないということが、私は大容量火力発電所建設の一つの大きな原因であると思います。もう一つは、目先の建設費がわりあい安い、建設期間が短いということででき上がったと思うのでありますけれども、現在日本のエネルギー源の六割近くは、全部海外依存になっておりますが、これは各国のエネルギーの状態を見ましても、半分以上を海外に依存しておる国は、おそらくAクラスの国家には私はないと思っております。しかも、日本のエネルギーの六割、これがだんだんだんだん進みまして、あと十年たつと八割――八割五分にもなるというふうなエネルギー政策で、ほんとうに安定供給ができるだろうかという一つのエネルギー政策としての大きな問題も、電力はこれはエネルギーの中枢の問題でございますから、ぜひ検討していただかなければならぬと思いますが、もう一つ大容量のたとえば火力発電所、大容量の原子力発電所は、水力の補給をしなければ発電所個々の経済問題はやりましても、系統全体の運営経済というものは、わりあいに水力の補給がありませんというと高くならない。ことに私よく知識がありませんけれども、原子力発電は負荷率八〇%以上くらいに運転しなければ能率も悪いし、運転の状況もうまくいかないという特色があるそうでありますからして、水力でどうしても補給していかなければならない。しかも水力だけを単独に計算しますというと非常に建設費も高くなり、キロワットアワー当たりの単価も高くなるということで、現在電力経済を中心として電源開発の方針を大体おきめになっておりますからして、水力の開発のスピードも急速に下がってしまって、現在おそらく年に五、六十万キロ程度になってしまっておるわけであります。しかし、私はいままで電力の不足のときに従来のような開発を早くやらなければならぬ、需要に間に合わせなければならぬということから必要だと思いますが、一応電力の需給の安定した今日、しかも日本の何かたとえばこの間のスエズの問題があったときに、日本の重油の問題がだいぶ貯蔵量が問題になったようでありますが、何かのときの日本のエネルギーの確保という問題に対しまして国内エネルギーの開発をする。しかもその開発は電力経済だけのそろばんでなくて、国家経済と国民経済の立場からこれをやっていくということが必要ではないかと思います。水力につきましては、御承知のように利根川の上流の八木沢ダムで揚水式発電二十四万キロの発電所をつくっておりますが、こういう火力あるいは原子力発電の運営を能率的にやる、あるいは供給の安定をするために調整揚水式なりあるいは貯水池を持った大容量の発電所をつくることがどうしても必要でありますけれども、それには電力経済だけでこれをやることはできない。しかし、国民経済的立場からやれば、私は非常に有利じゃないかと思います。また技術的にも非常にこのスタートが簡単であるとか、あるいはピークも簡単にとり得るとか、事故が少ないとか、または余剰の機械を火力のように据えつけておかんでもいい。いろいろ技術的の特色もありますけれども、全体として国内資源である水力をぜひ開発して、そしてそれと一緒になって電力経済をうまく運営していくということと、水力の開発は、そのほかにたとえば治水の問題であるとか利水の問題でありますとか、あるいは農地開発の問題であるとか、いろいろ派生的の影響が非常に大きいのでありますけれども、こういう問題は、いまのところあまり議論に乗っておらないわけであります。でありますからして、これからぜひ水力の発電の開発を、少なくとも水系を指定された地域に対しては、水資源開発と進んで一緒にやる。私は特に筑後川を例にとりますと、筑後川に約二十発電所がございます、私設発電所が。しかし出力合計はわずかに九万何千、一つ当たりの発電量が非常に小さい。でありますからして、筑後川の開発には、既設水力発電所の再開発をこの際思い切って検討してみたらどうだろうか、これは木曽川も同じでございます。こういうふうな問題。あるいはまた日本では、包蔵水力の調査を昭和三十八、九年ですかやって、三千五百万キロが包蔵水力だと言われておりますけれども、これを貯水池式あるいは揚水式の立場から、あるいは最近の技術の進歩の立場から検討いたしますというと、私は包蔵水力は相当ふえると思います。でありますからして、現在水力開発が千五百万キロばかりございますが、おそらくこれからいまのような考え方で開発を進めますというと、相当量の水力開発ができるということにもなりますし、まあわかりませんけれども、重油をどんどん買っていかなくちゃならない、国際収支に対して大きなフアターを持っておる重油も、水力発電の開発によれば、それもセーブできる。いろいろ電力経済だけの検討でなくて、国家経済全体の立場から、水力発電と水資源総合開発とをいかに結びつけていくかということは、これからわれわれの非常に大きな研究課題の一つと考えておりますので、まあたいへん見当違いの意見かもしれませんけれども、簡単に私見を申し上げます。
  182. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 原子力発電あるいは火力が、もうすでに六割をこすというこの発電構成から見ても、お説のとおり、むしろ水力発電所の開発、利水関係がいかに重要かということ、調整の必要性から見てですね。ところが御答弁にあるように、政府から命ずる範囲内においてやる以外にないということで、あなたのそういう構想は、政府のほうが命令しない限り、どうにもならないということですね。  そこで、宮澤長官に重ねてお伺いしますが、第一は、江川の開発公社なるものの規模なり実態が、これは事務当局でもいいですが、どういうものか。私ども聞いている範囲では、いま長官は、歓迎すべきことのように御発言ですけれども、とてもこんなもので小手先で段階的に発電所をつくってみるとか、わずか一万キロ前後の。これは全く筑後川の、私も筑後川行ってみましたが、ほとんどの発電所を、再開発と言えばことばはいいですけれども、既設発電所も水路も堰堤も水の中に沈めて、より大きなものをつくらなければならない、水効率からいって。そういうことになってしまうことは明らかなんです。江川の場合は、電源開発が調査所をつくって、そして高梨にダムをつくって、大きな発電所をつくろうとしたのだけれども、地元島根県知事あるいは地元住民の反対で立ち消えになってしまった。まあ当面の機構としては、水資源公団等が水系指定を受けて、そして進藤総裁の所論のように、中国全体の水資源開発の一環として江川もやはり取り上げ、また原子力ないし火力発電所時代における水力の調整というものがなければ、非常に重大な事態を引き起こす可能性が強いのです、ニューヨークの停電を待つまでもなく。いま新成羽川の開発をやっているようですが、これはきわめて規模の小さいものです。その辺は国として、現地でこそくなことをやり始めて、何とか人に手をつけさせまいというようななわ張りを死守する時代でもないように思うのです。今度できようといわれておる江川開発公社なるものは、全く歓迎すべきもののように私は思わない。そんなものでへたにやられておると、筑後川と同じで、全部またそう先にいかないでやり直すと、国家不経済になるような気がするので、その辺については、公社の実態なりをお調べいただくように、私あらかじめ申し上げておきますから、それとかね合わせてみて、たとえば水資源公団の開発水系指定あたりを検討すべき時期じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  183. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 江川の開発公社につきましては、まだ正確に私ども存じませんけれども、概要は、島根県当局、それから江津市外八市町村でございますが、中国電力株式会社、これらで構成をいたして、そして江川沿岸地区の総合開発をする。仕事の内容はこれからの協議できめることになっておるようでございますけれども、おそらくは森林の開発であるとか、稚魚の養殖であるとか、一般的に考えられるようなことが内容になるのではないかと思っております。で出資も、中国電力、島根県などが出資をいたすという話でございます。  そこで、水資源開発との関係でございますが、これから先、水資源の総合開発を新たにやっていかなければならないだろうとさしずめ考えられますのは、たとえば霞ケ浦でありますとか、相模川でありますとか、琵琶湖でありますとか、幾つか考えられますが、江川も非常に大きな水量の川でございますから、やはり一つの候補地であろうということは私どもも考えております。で問題は、こそくという御批判はあるかもしれませんが、やはり島根県当局、それから地元等の協力と理解がなければ、なかなか大規模な仕事に手をつけにくい。私の承知しております限りでは、島根県当局は、気持ちの中ではそう狭い気持ちは持っていないようでございます。いないようでございますが、やはり地元の市町村を納得させるためには、それなりの地元の利益になるような開発計画を少なくとも伴ないませんと、非常に地域感情が荒立つということで、そこらあたりで問題を見ておられるように思うのでございます。また広島県側は、もし事情が許せばこの問題と直接関係なく両県合併ということも考えられるのではないだろうか、という気持ちを多少持っておるようで、この点についても必ずしも島根県側も否定的でないように聞きますが、しかしこれは大きな問題でございますし、かりにそういう決心ができましても、国がどう助成しますか、いろいろな問題もあるのでございますが、もしその問題が円滑に進むようになりますと、いまの問題は結果としてはかなり処理しやすくなるような感じもいたしておるわけでございます。広島県側としては、水がほしいからああいうことを言っているのだと勘ぐられることを、非常に警戒を――これは当然なことでごさいます、警戒をしておりますが、何かその辺に少し進めるような基盤が多少あるような感じがいたします。それはそれといたしまして、いずれにいたしましても、これからの問題として地元の開発計画を考えながら、やはり大きなスケールで水資源の総合利用を考えていく一つの候補地であることは、私は間違いないと思います。
  184. 藤田進

    ○委員長(藤田進君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十分散会