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1968-03-12 第58回国会 参議院 文教委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和四十三年三月十二日(火曜日)    午前十一時二分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         中村喜四郎君     理 事                 楠  正俊君                 佐藤  隆君                 小野  明君                 鈴木  力君     委 員                 北畠 教真君                 剱木 亨弘君                 内藤誉三郎君                 中野 文門君                 岡  三郎君                 加瀬  完君                 千葉千代世君                 松永 忠二君                 石本  茂君    国務大臣        文 部 大 臣  灘尾 弘吉君    政府委員        文部大臣官房長  岩間英太郎君        文部省初等中等        教育局長     天城  勲君        文部省大学学術        局長       宮地  茂君        文部省管理局長  村山 松雄君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    参考人        私立学校教職員        共済組合理事長  佐々木良吉君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○教育、文化及び学術に関する調査  (当面の文教政策及び昭和四十三年文部省関係  予算に関する件)  (私立学校教職員共済組合の運営に関する件)     ―――――――――――――
  2. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  私立学校教職員共済組合の運営に関する件について、本日、参考人として私立学校教職員共済組合理事長佐々木良吉君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  3. 中村喜四郎

    ○政府委員(中村喜四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  4. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 教育、文化及び学術にする調査中、当面の文教政策及び昭和四十三年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側よりは、宮地大学学術局長が出席いたしております。
  5. 石本茂

    ○石本茂君 私は、医療従事者の問題につきまして、医師以外の医療業務に従事します職員等の教育につきまして、文部省当局におかれましてはどのように一体文教政策の中でお考えになっていらっしゃるのか、それをまずお伺いしたいわけでございます。と申しますのは、現在一千以上の、たとえば保健婦、助産婦、看護婦、あるいは准看護婦、あるいは衛生検査技師等の学校がございますが、ほとんどが各種学校でございまして、ただ技術教育面に非常に重点を置かれておりますけれども、人間育成なんということはほとんど考えられていないのが現状でございます。このような時点において、医療がはたして完全に、そして国民のためによりよい条件を整え得ますものかどうか、当局のお考えをお伺いいたしたいと思います。
  6. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) ただいまの御質問でございますが、医師もそうでございますけれども、保健婦、助産婦、看護婦、その他医療関係の職員につきましては、一応医療行政という観点から、厚生省の所管する事項も相当多かろうと思います。また、そういう前提もございますが、一方におきまして、学校という形態をとりまして、こういう将来職業に従事される方々の教育につきましては、これは文部省として責任を負わなければいけない。したがって、へたをしますと、二元行政の弊が露呈いたしますし、そういうことで、私どもかねてより厚生省と文部省と十分協力し合って、国民のために、国民の保健医療という観点から一番よい方法をとろうということで努力いたしておりますが、率直に申し上げまして、厚生省と文部省との間で必ずしも考え方が一致して理想的に行なわれておるということは言いがたいかと思います。  これにはいろいろ理由もございますが、たとえば先生も御承知のように、保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦、その他エックス線技師、いろいろこういう医療関係の者の養成についてのいわば指定の問題でございますが、結局文部大臣指定のものと厚生大臣指定のものがある。大体文部省におきましては、第一条学校の具体的には高等学校段階あるいは短大、大学関係、こういったようなところで、正規の学校としてこういう職員の養成をいたします学部、学科、これにつきましては大学設置基準に基づきまして、一般教養その他いま御質問のような教育が行なわれておるつもりでございます。まだまだ改善すべき点はございますが、一応そういう形でございます。  ところで、その他の各種学校という面につきましては、文部省が所管いたしますが、いま言いましたような大学の付属の看護婦等の養成所以外のいわゆる各種学校につきましては、各種学校という観点では、文部省、直接には都道府県知事のこれは許可事項でございますが、そこで行なわれます教育についての、いわゆる看護婦、准看護婦の養成の指定は、これは厚生大臣がやるといったようなことで、なかなか外部から見ますと二元的なようでございますし、またこの厚生省が指定いたします各種学校のほうにつきましては、年限も短いとか、あるいは各種学校規定が十分整備されておりませんので、教員の数あるいは資質、そういうような点につきましても、一般的な学校体系――一条学校の系統のものよりは正直にいって劣る、遜色があるといったようなかっこうが実態でございます。そういう実態は、これはいろいろ弊害もあるし、まずい点もあるということは、率直に私ども認めております。  そういう前提で、できる限りこれは文部、厚生両省が力をあわせて、国民の医療のためにはどのようにやるのが一番いいか、目的は、どちらが所管しようとあまり意味のないことで、要は国民のために一番いい医療保健対策ということでこの問題は考えるべきであるということで、努力は重ねておりますが、まだ十分でないという現状でございます。
  7. 石本茂

    ○石本茂君 いま局長の申されておりますように、確かにこれは厚生省との関連もございまして、非常にデリケートな状態にございますが、たとえば文部省の所管しております二十三の国立大学、医学部を持つ大学の中にある看護婦養成所でございますが、このものが昨年たった一校、大阪大学の中に医療技術短期大学ができまして、非常に関係者一同喜んだわけですが、本年、四十三年度予算の中で、九州大学をさらに一校増設されるというわけで、非常に期待したわけでございますが、これはゼロの査定に終わってしまいましたけれども、これは一体どのようないきさつによりましてそうなりましたのか、昨年一つの実績を持たれまして、本年これは確実に芽が出るとわれわれは思い込んでいたわけですが、なぜこれはゼロになりましたか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
  8. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 現在各国立大学にはこういう看護婦の養成機関が、これは各種学校でございますが、ございます。これを今日の医療技術の進歩に即応できるように優秀な技術者を確保したい、こういう考えから、御指摘のように大阪大学付属の看護学校等を統合いたしまして、看護短大にいたしました。これは関係者の方々からも非常に喜ばれたところでございます。  文部省といたしましては、現在の各種学校としての大学付属の養成施設、それはそれなりに意味はございますが、より一そう充実するためには看護短大のほうがいいということで、これの増設計画を立てました。ところが、御指摘のように、本年度、四十三年度に九州大学付属の医療看護短大を設けるべく予算要求いたしましたが、率直に申しまして、予算の関係で認められませんでした。私どもの努力が足りなかったことを非常に痛感しておりますが、ともかく国の財政等の関係で認められなかった。しかし、今後とも私どもとしましては、できる限り早急にこういう看護婦養成施設を、全部ということではいまのところございませんが、一応の計画も持っておりますので、国の財政上の問題もありましょうけれども、今後とも次年度以降において看護短大の設置には努力していきたいと、このように考えております。
  9. 石本茂

    ○石本茂君 非常に残念でございました。同時に、局長さんにもう一つお伺いしたいと思いますのは、人間であります限りだれでもが病気になることがあるわけですが、いまの日本の医療の実態というものをごらんになっておりまして、医師だけがいかに高い教育を受けられましても、もちろん医師によりまして病気の管理をいたしますが、いま人間でありますところの病人管理は一体だれがしているかということを、やはり当局としてしっかり考えてほしいのです。私はいまおっしゃいましたように、努力が足りなかったとおっしゃることはうのみにしたくないのですが、といいますのは、九州大学が出しておられますことを聞きまして、私、実は文部省にも参りましたし大蔵省にも参りました。そのときもうすでに、一昨年の暮れでございましたが、この学校はもう落とすんだというような御意見を聞きました。それで、国立大学の各学部ともがことしは増設されないものかしらというような印象を抱いて帰りましたところが、その後に各国立大学の中に法学部ができましたり文学部ができましたり、相当の学部が増設されました。ですから、人間育成という意味も含めまして、人間の生命に直接携わるところの職種にありますものを、たった一つのものをさえ無視して、そしてその他の学部が増設されるということについて、局長、どのようにお考えになっておられますか。私は非常にけちなことを言っているのかもしれませんが、この大きな財政の中で、この大きな文教政策の中で、たった一つの人間の生命を守り育てるところの看護学校、それが落ちてしまって、そしてこれももちろん重要な学部、学科ではございますけれども、将来文学士になる、法学士になる人の学部、学科がふえたということに対して、私は非常に疑問を持っておりますが、これはどういういきさつでございましょうか。政治政策が足りないようなことをちょっと聞きましたけれども、どういう政治工作をしたらそういう学校が通るものでございましょうか、お聞きしたい。
  10. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 同じ政府部内でいろいろあげつらうのもあんまりこれはいいことではないかと思いますが、率直に申し上げますと、四十三年度の予算編成にあたりまして、一応政府と申しますか、大蔵省の考えといたしましては、新しい部の局の新設は一初認めないという基本的な考えを打ち出しまして、したがいまして、文部省といたしましては、昭和四十一年度、二年度、三年度にわたりまして大学生の急増対策というものを立てておりまして、四十三年度が最後の年に当たっております。で、この大学生急増対策ということで、ただ数は三千四、五百名を国立大学は見込みましたが、それは既存の学部、学科の学生数を五人とか六人とかふやしましても、これはもちろん三千でも五千でもふえると思います。しかし、そういうことではなくて、学部、学科をふやして、中には既存の学部、学科の五名、十名のこともございますが、要するに、時代の進展あるいは社会の要請、こういうものに即応する学部、学科増設というものを基本にして大学生急増対策を立てたわけでございます。ところで、大蔵省のほうの方針で新しい部局の増設は認めないという、それと同じ次元において大学の学部等を考えたようでございます。  いろいろ先生のおっしゃるようなことも私どもも説明もし了解をとるのにつとめたわけでございますが、結局は私どもの努力が足りなかったことを恥ずる以外に人の責任をとやかく言いたくないのですが、結果的には、その学部も、いま先生は法学部、文学部も認められたとおっしゃいましたが、学部増設も一切認められませんでした。したがいまして、学部でない新しい学校をつくるということ、これももちろん学部以上に新しい部局の増設は認めないという方針によりまして認められるところに至らなかったというのが、率直に申し上げまして真相でございます。  ただ、従来から文理学部ということで各大学にございましたが、これは文理学部というものが中身がはっきりしないということで、計画的に文理学部の改組というのをやっております。そういうことで、三つの大学、最後に残っておりました文理学部が文と理に分かれたのでございまして、この医療技術短期大学は落ちてその他の学部は認められたということではございませんので、御了承いただきたいと思います。  で、それじゃどのようにすればということでありますが、これは結局文部省としての努力が足りなかった、先生方の御協力もぜひいただきたいと思いますが、要は文部省の努力が足りなかったというふうに私は責任を感じております。そのためには、今後とも大蔵省とも十分話し合って、先生のおっしゃいますように、直接人間の生命、身体をあずかる、医師と並んで車の両輪として大事な看護婦等の養成につきましては、文部省としても努力したい、このように考えております。
  11. 石本茂

    ○石本茂君 私は新聞で見まして、そうしてある人から言われたことをいま申し上げたわけでございまいますから、新学部、新学科が新聞では出ていたのだと思っておりましたけれども、そのことはよろしゅうございます。  次に、重ねてお伺いしたいと思いますのは、たとえば私立でいわゆる看護学校等を大学にしようとずいぶん力んでおるわけでありますが、不幸にしてその当人がおらないわけです。いままで再々といいますか、十数年をかけまして、われわれ看護職におります者が教員の育成方をぜひということで文部省にたびたびお願いしてまいりましたし、私がこの場所に出まして、いろいろな質問の過程におきましても、前々大臣をはじめたびたびお伺いしたわけでございますが、検討します、検討しますとおっしゃっておりましたけれども、この看護学校がかりに大学になりましても、あるいは短期大学になりましても、その部その科に専属できるような資格を持つ看護婦が現在おらぬのでございます。というのは、そういう教育が文部行政の中でかつてなされなかったということが一つございますが、これはどういうふうにお考えでございましょうか。看護教育に従事する教員の育成でございます。これどのようにお考えになっておりますのか、お伺いいたします。
  12. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 御指摘の看護婦養成につきましては、私立学校もございますが、最近では、昭和三十九年からでございますか、高等学校に衛生看護科ができまして、それの看護教科の専任教諭としての先生、これが非常に不足しておるということは事実でございます。そのために、せっかく高等学校で看護学科をつくりたいと思っても、適当な専任教諭が見つからないので、看護学科の設置をあきらめなければいかぬといったような結果になっておるところもあるようでございます。  で、現在七十六の高等学校の衛生看護科がございまして、そこの教諭、助教諭、講師、これらを合わせまして大体百八十七名のようでございます。平均しまして二名余り、三名足らずといったような形でございます。  この衛生看護教科の教諭の養成でございますが、これは先生も御承知のように、東京大学の医学部の保健学科、もとの衛生看護学科でございますが、入学定員四十名でございます。それや、高知女子大学家政学部の衛生看護学科、入学定員二十名、まあこうした卒業生、それから旧制の聖路加専門学校でございましたか、その当時の卒業者で保健の教科の免許状を持っておる方もおられるようですが、こういったような方がいままで一番オーソドックスな形としての教諭の供給源であったと思います。  これでは非常に不足するということで、文部省としましては、昭和四十一年度に熊本大学と、それから四十二年度は徳島大学に、看護の教員養成課程、それぞれ入学定員二十名でございますが、これを設置いたしまして、また来年度、四十三年度では弘前大学に入学定員二十名の看護の教員養成課程を設置する予定にいたしております。まあこういうことで、まことにおくればせでございますが、私どもといたしましては、教員養成コースを今後、地域等も勘案いたしまして、国立大学にこうした養成課程をふやしていくということにつとめたい、このように考えております。
  13. 石本茂

    ○石本茂君 ありがとうございました。だんだんとふやしていただけることを期待いたしますが、あわせて、関連でございますが、いま局長申されましたような資格を持っていない、いわゆる各種学校である三年の高等看護学院を出まして国家免状も持っている者が相当数現在その高等学校で働いております。で、この人たちに対しましては、文部省におきましてもいろいろ気を使ってくださいまして、一年に二回講習していただいておりますが、これも聞くところによりますと、何でも履修単位をとりますのに九年ぐらいかかるだろうというようなことを言っているわけでございます。それから、もう一つは、同じ三年の学校でございますが、短期大学の卒業生は、まあ大体二十五単位ですから、三年ぐらい講習に出ますことによって何とかかっこうがつくだろうという現実がございますが、これも各種学校であるということと短期大学の卒業生であったということによりまして、これほど大きな格差がつくわけでございますが、何とか資格その他におきまして、教える科目に対する知識等におきましてたいした差もないのでございますから、いわゆる先ほど来申しております教育法一条の大学を出たばかりの、教科課程の教養科目等の養成科目がなかったということが一つでございますがそういうことで、九年もかからなければ高等学校の教諭資格すらも取れないという現段階に置かれている看護婦、気が遠くなるような話だと。毎年一生懸命になって講習は受けに来ておりますけれども、九年もかかるということは一体どういうことかということと同時に、短期大学の卒業生であったがゆえに三年、三分の一ぐらいの年数でございますね、というこの二つの板ばさみに立って私どもいま非常に苦慮しているわけですが、何とか実際の質的条件等も勘案くださいまして、できることなら、短大卒業同等とは申しませんけれども、もっと近寄った、歩み寄った時点において資格を与えられるような措置はできないものでございましょうか、お伺いいたします。
  14. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 御指摘のように、現在高等学校の看護科の教科を担任しておる助教諭の人々でございますが、これらの方に教諭の免許状を与えるために、いま御指摘のような九十単位の講習を、これは文部省としまして四十一年度から認定講習を実施いたしております。ところで、看護婦養成施設を卒業して看護婦の免許状を取得した者が、まあいわゆる正規の大学とか短期大学でなかったということのゆえをもって、もちろん教育内容も若干の相違はございましょうが、主としてそういう一条学校であったか各種学校であったかということのゆえで現在九十単位ということは、いろいろの点で不合理な点もございますので、現在助教諭になっておる人がかつて在学いたしました看護婦養成施設におきます教育をもう一度評価をし直しまして、できればそれにふさわしい取り扱いをするようなこの認定講習のやり方、単位数、こういったようなものも検討する必要があるのではなかろうか、このように考えまして、現在その検討を事務的に始めております。何年度から現在のこの講習のやり方を改めるかということはいますぐ申し上げられませんが、できる限り検討を早めまして、何らかの改善措置をすみやかに講じたい、このように考えておる次第でございます。
  15. 石本茂

    ○石本茂君 たびたび申し上げることでございますが、どうか文教政策の中で、こういう技術職にあります者につきましても、特に先ほど来申しておりますように、人間の生命というものは何ものにもまさる重要性を持っていると思うのですが、そうした職場で働く者の育成ということにつきましては、もう少し重点といいますか、政策の中に重さを加えていただきたいという気持ちをわれわれその仕事をしてきた人間は持っております。で、これからのこともございますが、工業関係の工業技術者関係におきましては、相当程度文教政策の中で力を入れていらっしゃいまして、例の工業高等専門学校というような非常に国立のすばらしいものが地方に参りますとよく見受けるわけでございますが、ああいうふうに非常に力を入れていらっしゃいます。同じ技術教育でございましても、工業関係者と比較して、人間の生命に直接取り組むところのこの技術者の育成でございますね、これが非常に立ちおくれているわけでございますが、ひとつその面にも十分に意を尽くしてくださいまして、それから国民の立場からやはりお考えいただきますならば、私どもはそこにいまよりもさらに大きな力を入れてくださるのは当然だと実は思うのです、ところが、見ておりますと、同じ保健衛生の教育でございましても、学校の養護の仕事をなさる養護教諭の方ですね、この人の教育につきましては、かなり文部省当局におかれても気をつけた教育体系を持っておられます。もちろんこれはここにおられます千葉先生のお力が非常に大きいことをわれわれは常に敬服しているわけでございますが、文教政策は教育の場に重点を置くのであって、一般社会から見た国家国民のそういう政策の中にあまり重きを置いていないのではないかということが実は医療技術者の教育をめぐってわれわれを考えるわけでございますが、そういう片寄った考え方をすることが間違っておるのかどうか、一つだけ局長の御意見を聞きたいと思います。  なお、幸いに大臣お見えでございますので、途中でいらっしゃいますが、大臣、私いま聞いておりますのは医師以外の医療技術者の教育につきまして、何か文教政策の中で軽くあしらわれているような、これは偏見かもわかりませんが持っておりますものですから、そのことをいま局長にお尋ねしていたところでございますが、重ねて大臣からその点につきまして御意見を聞かせていただければ幸いでございます。
  16. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) いまの文部省の所管いたしております学校では、将来いろいろな職種で社会で働く者の基礎教育をやっておるわけでございます。御指摘のように、看護婦の養成については、その他のものの養成に比べて何となく文部省としても力の入れ方が不十分ではないかというふうな御指摘ございましたが、私どもといたしましては、決してそのようには考えておりませんで、看護婦というものが医者と並んでどのように保健医療の上に重要な職であるかということは十分考えて努力いたしておるつもりでございます。ただ、先生の目には、それでもまだ十分でないというようなふうに先生の目に写られたとしますれば、なお一そう、私どもはそう考えていなかったのでございますが、今後とも、そういう分け隔てをするつもりは毛頭ございませんので、なお一そう足らざるところは補ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  17. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) おくれて参りまして、御質問をいままで聞いていなかったのでまことに恐縮でございますが、御趣旨は、医療関係の看護婦その他の技術者の養成についての問題であろうと存ずるわけであります。  いま、局長がお答え申し上げましたとおりで、文部省として特にこれを粗末に扱うというような心持ちは、少なくとも現在の状況にかんがみまして決してさような気持ちはございません。この方面に従事していただく方々の養成は、もっと努力しなければならないことは当然のことであろうと思うのであります。ことに看護婦でありますとか、あるいは保健婦さんでありますとか、こういうふうな方たちの教育ということは、この方々の今後の社会的な地位を向上していただくためにもきわめて必要なことではないかと存じますので、われわれとしましては、御趣旨を体しまして、さらに一そう努力をしたいと存じますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
  18. 石本茂

    ○石本茂君 関連の質問でありますけれども、実は文部省の所管されております大学の病院がたくさんございますが、この病院に働きます医療従事者、特に看護要員がいま非常に不足しているわけでございますけれども、この不足対策はどのようにしていてくださるのか。私非常に疑問を持ちましことの一点と申しますのは、先般来、新生児問題が非常にやかましく新聞紙上に出まして、これは昨年、もっと前からでございますが、赤ん坊を取り違えましたとか、あるいは、いや、盗まれましたとか、これは何とか厚生省所管の国立病院関係は今度四十三年度予算で、若干でございまするが、百名余りの看護婦を確保したわけでございますが、文部省はその点どうされましたのか。非常に私は心配しているものでございますが、あのように大ぜいの赤ん坊を取り扱っておりますのに、その赤ちゃんに対しますところの看護要員を医療法の規則の中では全然これは示してございません。そのために公的医療機関はどうしても必要数を置いておりませんのですが、一体、文部省どうされましたか、四十三年度予算で新生児のための看護要員を確保されましたかどうかを、これ一つだけお聞きしておきたいと思います。
  19. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 国立大学の付属病院におきまして、四十三年度の予算要求といたしましては、いま御指摘の新生児のいわゆる産科看護要員のほかに、重症病床の看護要員、あるいはラジオアイソトープ病室の看護要員、こういったようなものの予算要求をいたしました。ところが、結果的には、御指摘のように、厚生省のほうは新生児の関係の看護要員が認められ、文部省には認められなかっということは事実でございます。ただ、文部省のほうといたしましては、国立大学のほうといたしましては、重症病床の看護要員が、これは国立病院のほうはございませんが、文部省のほうは認められております。その他、いろいろ特殊診療施設等の増設等その他で、来年度総数百三十九名の看護婦の定員増が認められております。まあそういう状況で、いわゆる看護婦数の来年度の定員増という点では、国立病院よりも特に国立大学付属病院が悪かったということはございません。ただ、項目としまして、新生児関係のほうが国立病院はついて、文部省の大学病院にはつかなかったということはございますが、総数におきましては、必ずしも国立病院と大学病院が非常に比率がアンバランスであるということにはなっていないと思います。  ただ、国立大学の付属病院も必ずしも看護婦は十分ではございませんが、一応法律で規定されております四床に一人という計算でいきますと、大体三床に一人ということで、いわゆる一般のところよりは充実しておるというのが実質でございます、私どもそれで決していいとは考えていないんでございますが、一般論としてその他と比較いたしますと、比較的に充実しておるというようなことも、関係したことと思いますが、そういうことで、御指摘の新生児関係の看護婦は認められておりません。しかし、今後とも私ども四床に一人という平均が、国立大学は三床に一人でございますが、いろいろ医療等を十分にやるためには、特に国立大学の一般の病院と違った特殊性という点から考えますと、まだまだ十分であるとは思っておりませんので、今後とも看護要員の増員については努力したい、このように考えております。
  20. 石本茂

    ○石本茂君 最後に、一つだけ、これは質問というよりもお願いになるかと思いますが、ちょうど大臣もいらっしゃいますし、それから吉田大学病院課長さんもおいでになっておりますけれども、この文教政策とは違うかもわかりませんが、医学生の教育のためにある大学病院、そこに医療が現に行なわれておるわけでございます。しかも、いま局長がおっしゃいましたように、三人に一人おりましても、一般病院の四人に一人よりも、もっともっと大学病院の医療内容は非常に高度化して、ものすごく複雑化している。患者自身も重症なんです。三人に一人といっても十分であるとは思っておりませんというおことばを頼みにしておりますが、やはり他との比較におきましては、三人に一人おりましても並みたいていでない職場でございますし、同時に、定員はふえましたが、ただしかし新生児のほうはふえておりませんということでございますが、やはり重症にももちろん必要でございますが、あの赤ん坊のために必要なんでございますから、これをなぜ本年度がんばっていただけなかったのかと非常に残念でございます。私どもはその職場に生きてきた一人でございますから、あやまちを起こさないように、起こらないようにみな必死でございますけれども、これはいつ起こるかわかりません状態なんでございますので、なぜ必要な定員をいまからでもお取りになることができないだろうかと私は思う。ずっとあの並んでいる赤ん坊を、いつ間違えないとだれが一体保証できますか。たった一人で夜など寝ずの番をしておりますが、あれでいいのかどうか。盗んでいこうと思えばいつでもいけるんでございます。あのような実態をやはり当局はどのようにごらんになって、重症者には入ったけれども、赤ん坊には入らなかった、けれどもふえたんだという局長さんのおことばは私は残念だと思います。人間の命をおあずかりしております病院をお持ちなんでございますから、これは特段に御配慮方をいただきませんことには、働いておる者がみじめなだけではございませんで、そこに入院してきている人々がものすごくみじめだと思います。特に大学病院というのは地域の住民が最も信頼して寄ってくる場所でございますから、その辺もやはり十分今後ともお考えくださいまして、いまからではおそいのかもわかりませんけれども、何らかの措置をしてくださいませんと、いまの現場の看護職におります者はたいへんな憤りを込めて、なぜわれわれのことをもっと考えてくださらないのか、それは病院のために、なぜ考えてくれないのか、なぜ生まれてきた大ぜいの赤ん坊のために当局は考えてくださらないのかと、非常に悲しんで、泣きながら憤っております。ただ私は代弁者でございますから、代弁しているかっこうでございますけれども、十分その辺現場を御承知なんでございますから、特に病院課長さんせっかくひとつがんばってくださいまして、何とか局長さんも大臣もその辺にも意を用いていただきますことを私はこの場を借りましてお願いを申し上げたいと思います。  ただ学術的な、学問的なことだけを追求なさるだけではなく、大学病院は一つの病院でほとんど一千名をこえる大病院でございます。地域におきまして最高の病院でございます。その病院が今度の大問題になっておりますところの新生児に対してすら一人の要員も確保なされなかったということを、非常に私残念きわまりないと思うのでございます。このことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  21. 宮地茂

    ○政府委員(宮地茂君) 先ほど来申しておりますように、新生児関係の看護婦は予算要求の事項としては認められませんでしたが、先ほど来申しましたように、重症患者その他いろんな方面で来年度百三十九名の定員増を予定いたしております。もちろん、予算要求で落ちたものにつきまして、落ちたものをほかから回すのだというようなことは必ずしもいいこととは思いません。しかし、それぞれ大学には事情もございますので、その病院内で融通し合って、ふえた定員内で、新生児は要求したが落ちたのだから、そこは学内でも操作しないのだということではないように、実情に即して融通し合っていきたい。また、四十四年度以降におきましては、新たに引き続き新生児の看護婦についても予算要求をしたい、このように考えております。  また、大学の病院のあり方につきましても、これは大臣からも注意を受けておりますし、国立大学の付属病院は一般の病院と比べていかなる性格のものであるか、またしたがってそこにおける医師なり看護婦の数はもちろん、いろんな面について国立大学の付属病院の特殊性ということを十分いま検討を始めておりますが、早急に検討を終えまして、これに基づいてのあるべき定員といったようなものを策定してまいりたい、このように考えております。
  22. 小野明

    ○小野明君 私は、前回に引き続きまして、京都の教育長の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  前回の私の質問からかなりの日時も経過いたしておることでもありますし、その後衆議院におきましてもこの問題について議論がされておるようでございます。そこで、事態というものは煮詰まってまいっておりまして、大臣がいかなる判断を下されるか、こういうことにかかっておるのではないかと、こう考えられるわけであります。で、すでに時日が三カ月をこえるものを経過いたしておりまして、教育長の職の重要性から一日も早く承認というのが焦眉の急ではなかろうかと、こう考えるわけでありますが、現在この問題につきまして、大臣はどういう処置をいつごろまでにおとりになろうといたしておられるのか、御所信についてまずお伺いをいたしたいと思います。
  23. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題についての結論がおくれておりますことは、私も気にかかっておる問題でございますが、何とか結論を得たいものと存じておりますが、現在の状態は、先般もお答えしたかと思うのでございますが、私としましては、いま少し日時をかけて検討を加えて結論を得たい、このように存じておるような次第であります。なるべく早いことは私も希望するところでございますけれども、いつになったらというようなことを的確に申し上げるというわけにもまいりません。結論を得次第、事柄を決定してまいりたいと存じております。まだどうも結論を得るに至らないということをお答え申し上げざるを得ないことを、まことに遺憾に存じます。
  24. 小野明

    ○小野明君 今日まで、そういった三カ月の事態の経過をいたしておる。さらにまたいまの答弁によりますというと、かなりの日時を要するように受け取れるわけであります。このように時日がかかる、検討を要しておられるという原因は一体何であるのか、これをお話しをいただきたいと思うのであります。
  25. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、私といたしましては、慎重な検討のもとに結論を出したいと思っておるのであります。なるべく早く結論を出すことが望ましいことはよくわかっておりますけれども、しかし、さりとてその慎重さが欠けておっても相ならぬと、さような考えのもとに今日までこのような状態で推移をいたしておるわけであります。  ただ、小野さんもすでに御承知かと思いますけれども、京都の教育委員会との間に若干の接触もございます。その接触を通じての経過が、まだ私としましては、これをどう処置したらよろしいかということについてのはっきりした結論を持つに至らない、こういう状況であるということを御了承願いたいと思います。
  26. 小野明

    ○小野明君 前回もこの問題についてはお尋ねをいたしておるのでありますが、京都の教育行政について若干の問題があると、こういった点が大臣からもお話があったのであります。それはいわゆる勤務評定の問題であり、あるいは管理規則の制定、あるいは給与条例、こういう問題であったかと思うのであります。で、この三つの問題と教育長の承認ということがいわば引きかえになっておるのではありませんかということをお尋ねをいたしておったのでありますが、さらに、この三つの問題がこの承認の条件であるのかないのか、前回はしかし承認のこれは条件ではないというような御答弁をいただいたと思うのでありますが、その点についてさらにお尋ねをいたしたいと思います。
  27. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 京都の教育長の承認問題に関連いたしまして、いまお尋ねのような、京都府における教育行政上の幾つかの問題がございますので、私たちといたしまして、これに対する教育長になるべき方の考え、抱負を伺いたいということが、基本的な一つの最終決定するまでのプロセスと考えまして、候補者に一ぺんお目にかかりたいということを申し上げておるわけであります。  これは先走りした答弁のようでたいへん恐縮でございますけれども、何か京都府の行政上の問題は文部大臣の主導権でできる問題ではないか、教育長の承認問題と別じゃないかというお話もしばしば耳にするわけでございますし、予算委員会でもそういう御質問がございましたものですから、行政上の措置に対して、引きかえで教育長の問題を処置するという考え方ではございません。  なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、実は私のほうで京都の委員会に、いま申した意味で教育長の候補者と懇談をしたいということを申し出たときに、任命権は京都の府の委員会にある、また行政上の責任は教育委員会にある、教育長というのはいわば事務局の職員であるから、すべて委員会が責任を負うから、委員会と話せばいいだろう、こういう御見解でございました。最終責任はもちろん、任命権は教育委員会でございますし、京都府の行政について京都府の委員会が責任を持つということは当然でございますけれども、同時に、教育長は単なる事務局員という立場でございませんで、教育委員会制度の中においてきわめて独特の地位と責任を持っている職でございます。かかるがゆえに、承認という制度になっておるわけでございまして、教育長を単なる事務局員という考え方でお考えになっておると、    〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕 われわれと認識が違いますから、ということも重ねて教育委員会に申し上げ、したがって、教育委員会の行政上のもろもろの仕事の中で教育長の持っている責任が非常に重いから、その教育長になるべき候補者に、そういう点についても意見も十分聞いてみたい、こういう考え方でおるわけでございます。引きかえにどうこうという考え方ではございません。
  28. 小野明

    ○小野明君 それでは、確認をいたしたいと思うのでありますが、これが条件ではない、承認と引きかえにこの三つの問題を実施をさしていく、実施を強制していく、いわば踏み絵的な処理のしかたをなさろうとしておるのではない、このように受け取ってようございますか。
  29. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) ほかの府県で処置されている問題が京都で処置されないのには何か特殊の事情があるだろうから、その特殊な事情について説明していただきたい。同時に、そういう事態に対して今後どういう考えでおられるのかということをお伺いしようと思っておるわけでございます。たとえば条例のごときは、府議会の議決を経なければ成立しないものでございまして、委員会だけでも、また教育長だけでも処置を最終的にきめられる性質のものでないことを私もよく知っておりますので、そういういわば権限の違うものについて引きかえにできるわけではございません。したがいまして、その事情と、それに対する今後の考え方をお伺いしたい。それで、私たち、それについての十分なお話し合いができて了解することがあれば、われわれの判断の根拠も固まるんじゃないかと、かように考えておるわけでございます。
  30. 小野明

    ○小野明君 そうしますと、条件ではないと。そうすると、教育長になられる岡田さんですか、その人の考え方をお聞きすればいいんだ、こういうことですね。局長どうですか。
  31. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 候補者にお目にかかって、教育委員会のかなめになる重要な職でございますを占める方でございますので、かねてこの承認制度の持っております、国と地方との行政の円滑なる連携、運営というたてまえもございますものですから、教育長になる候補者の方と十分懇談をしたい。そのときに、ただ会いたいと、ただ会って話しすると言ったんではいろいろ誤解もあるかと思いまして、京都の教育行政に関するいろいろの問題を懇談したいんだと、こういうことを申し上げたわけでございます。  なお、これも率直に申し上げるわけでございますけれども、御本人に関するいろいろな情報がわれわれの耳に入っております。これにつきましては、御本人も十分御弁明したい点があるのじゃないかと思います。私たちも、単なるうわさを判断の材料にするということは不見識なことでございますし、それによってどうこうするということもできないわけでございます。しかし、いろいろその情報の中には、京都の教育行政の本質にかかわることも入っているように思いますものですから、たとえばいま申した条例の問題にいたしましても、規則の問題にいたしましても、一例でございまして、京都の教育行政の本質にかかわるものについて、いろいろ御本人についての周囲の意見もあるようでございますし、それについては御本人がやはり意見を持っておられるだろう。この点もはっきりお目にかかってお話しすることが一番いいのであって、周囲の情報にはうわさもあったり、いろいろな話もからまってしまいますから、そういうことを避けて直接お話しするのがいいというのがわれわれの考え方でございます。
  32. 小野明

    ○小野明君 何をやろうとされているのか、私にははっきりわからないですね、そういういまの御答弁ではね。ただ、その三つの問題について意見を聞けばいい、条件ではないということであれば、現に現地の教育委員会というのが任命しておるわけですからね、それに介入をするということは、これはまた許されないこと。しかも、この三つの問題は京都の教育の本質にかかわるという表現もされたのでありますけれども、おっしゃるように、条例というのは知事側の責任である。あと、管理規則、勤評の問題は――教育長の職は重要であることは、これはわかり切っておるわけです。しかし、これは当然教育委員会の責任だ。政策に関することである。しかも、教育長ははっきり教育委員会の指揮監督を受けてやるのだ、こういうふうに法にも明記してあるわけです。この教育委員は何回もあなたにお会いになっておりますね。教育委員がお会いになっておる上に、さらに教育長にそれ以上の負荷を負わせようとする意図、どうも何かあなたのお話を聞いておりますと、あれこれ理屈をつけてこの承認を、そのままたなざらしにしようとするような意図がうかがえてしようがないのですがね。一体何をおやりになろうとしておるのかね。しかも、この面接ということもあわせておっしゃっておられるようですがね。これも条件になっておるようですが、    〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕 はっきりその条件は何なのか、ひとつ明確におっしゃっていただきたいと思いますね。
  33. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 面接だとか踏み絵だとかということをよく言われるようでございますけれども、そんな意図は毛頭ございません。  それから、いまおことばでございましたけれども、京都の委員会が――教育長は教育委員会の指揮監督を受ける職員だという点だけを非常に強調されるのでございますけれども、法律をごらんになればわかりますように、教育委員会の仕事について教育長はすべて所管することになっております。単なる事務局長でもございませんし、府県の他の部長のようなポストでもございません。これは法律に即して独特な地位と権限というものが規定されております。したがって、教育委員会のもろもろの仕事の中に、教育長の持っている――常勤の教育に関する専門の知識を持った行政の責任のある人という意味で、教育長の仕事はきわめて重いのでございます。法律上も、教育委員会に教育長を置くという制度になっておりまして、事務局に教育長というものを置くという制度ではないのでございまして、したがって、教育委員会を考えますときに、教育長をこれ一本にわれわれ考えておるわけでございますので、そういう制度にもかかってくる、したがって、京都の教育行政上の問題については、やはりこれに対する見識なり事態の御説明を十分伺うべきではないか。教育委員は、いわば教育の面につきましてはしろうとの、学識経験豊かな方が非常勤で組織する合議制の機関でございまして、その中に常勤の教育長という者が加わって教育委員会制度が成り立っているわけでございますので、教育委員会の指揮命令下にあるものであるけれども、全部教育委員会で済むのだという形にいかないわけでございます。これからも、今後の仕事の連絡につきましも、常時教育長を通じてわれわれ仕事をいたしておるわけでございまして、法律上の最終の権限は教育委員会ではございますけれども、実際の仕事は教育長を通じてやることが多いわけでございます。そういう意味で、教育長になる方にいろいろお話をしておくということはたいへん重大なことだというふうにお考えになるほうが私はふしぎだと思っておりまして、今後のこともあるのですから、あまり片ひじを張らないでおいでになって御懇談をしていただけば非常にいいというふうに、初めからそういう考え方でございます。
  34. 小野明

    ○小野明君 だから、最初にあなたが言われたように、これは条件ではない。だからね、懇談をすればいいんですか。出てきて、いろんな意見を、会ってあなたが意見を戦わせるか、あるいはその話し合いをすれば承認の手続になるわけですか。それ以上にまた意図は別にあって、またそれから、クレームをつけていくというような意図が見えてしかたがないんですね。どうですか、懇談をすればいいんですか。
  35. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 私、別に、何と申しますか、形式的にお会いすれば問題が済むというような、そんな形式的な意味でお目にかかりたいということを申し上げているわけじゃございませんで、いまるる申し上げたように、きわめて重要な職にある、重大な職務を持っているんですから、そういう方と京都の教育行政上の問題についてお話ししたい、懇談したいということで、懇談の結果によってまた私どもいろいろ判断をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。かねて候補者に当たる方についていろいろ、こういうことは公の席で言うべきことではないかと思いますけれども、うわさがございます。しかし、われわれ、うわさをそのまま信ずるつもりはないのでございます。しかも、その中には行政上の本質に関する問題がいろいろ含まれているように思われますものですから、こういうものについては御本人から直接御意見を伺わなければいかぬのではないか。と申しますのは、委員長にもそれらのことについて前にも伺ったのですけれども、私は非常勤の職員でそういうことはよくわかりませんという話もあったぐらいでございますので、どうしても御本人にお話ししたほうがいいだろう、また御本人もそれに対しては意見があるはずだ、こう思っているわけでございますので、懇談いたしたいということを申し上げたわけでございます。
  36. 小野明

    ○小野明君 何をおっしゃっているのやら、さっぱり私はわからぬですがね。京都の教育の本質にかかわる問題ということであれば、教育委員会でしょう。それは常時会議に出席をして助言をしなければならぬというようなことは書いてあるのだから、それはわかりますよ。しかし、京都の教育の本質にかかわるということであれば、京都の教育委員会の責任なんですよ、これはね。また、教育の地方分権といった制度の上からも、京都の教育委員会の行政に対して介入をすることにあなたはなるのじゃないかと私は思うのです。私が申し上げたいのは、京都の教育委員会は、教育委員諸君は信用ならぬと、京都の教育委員会のやっていることは信用ならぬ、だから常時お目にかかる教育長を呼んでこれについてひとつはっきりした言質をとろうとなさっているというふうにしか私には受け取れぬわけですね。これは地方自治なり現在の教育委員会法の侵害ではないですか。
  37. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 教育長の承認につきまして、われわれが判断をいたしますまでの、一種の、いいことばはないのですけれども、調査、検討いたすというプロセスが当然これはわれわれ側にあるわけでございます。その一環といたしまして、われわれの立場からいろいろ調査をいたしたのでございますけれども、最終的にはやはり御本人にお目にかかりませんと、この調査の最終結論が得られないということで、お目にかかりたいということを申し上げているわけでございます。いま京都の委員会との関係で行政上の干渉とかいろいろおっしゃいますが、そういう問題とこれは別でございまして、教育長の承認にあたってわれわれが判断をするための心証を得るための一つのプロセスとして候補者の方にお目にかかりたい、こういうことでございます。いろいろなことばを使いますと、ことばがまたすぐ御疑問になるようでございますが、心証ということばが何か非常に特殊に耳に響くようでしたら、先ほど申しましたように、私たちの調査の一つのステップとしてお目にかかりたい、こういうことでございます。
  38. 小野明

    ○小野明君 どうも、いままでの教育長の承認について文部省がおとりになられた以外の手段が今回に限ってやられているようであります。どうも京都の府政というのは、知事が蜷川さん、市長も最近取られたというので、坊主憎けりゃけさまで憎いという報復措置をこれによっておやりになっているというふうにしか私どもとれぬ。またこの点はあとで大臣にもお尋ねしたいと思うのですが、そうしますと、教育長に会っていろいろ尋ねたい、それによって承認するかしないかをきめようとなさっている、そうすると、京都だけにそういうことをおやりになろうとしている。これは私は不当だと思う。なぜかというと、もし教育長の承認のためのそういう措置をとられるなら、教育長承認の基準というものがなければならぬ。だったら、教育長承認のための基準というものをこの際この場でひとりお示し願いたい。
  39. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 法律上教育長の承認の基準というものは定まっておりません。
  40. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちょっと関連して。この問から聞いていて、だんだん聞いていくというと、ますますわからなくなる。初めは、事情を聞いて、そしていろいろと誤解がある点もあるから、とくと懇談をいたしたい。そして実際言う点では、思想調査という問題ではないのだ、こういうことを言っておりながら、考え方について聞きたい、考え方が合わないというと、また承認できないというようなことを言ってみたり、ちょっと初中局長は頭の中が乱れているのじゃないですか。もうちょっとすっきり整理して――この間から言っているところを見ると、これはとにかく専門的常勤職員で教育委員会のかなめであると。それはわかっているわけですよ。私が端的に言いたいのは、他の府県と異なる教育行政が行なわれているから困るのだ。いいですか。だから、端的にいうと、給与条例とか、管理規則とか、勤評が行なわれていないのですから、これをやるというふうに言ってもらえぬと承認できないのだ、こういうふうに端的におっしゃったらいかがですか。一体そこら辺の条件がはっきりしないのですよ。あなたの言うことを聞いていると、何だか読心術みたいなことを言ってみたり、はっきりしないのだが、いまのところ、どうなんです。端的にいうて、給与条例、管理規則、勤評というものが京都において行なわれてない、これは困るから、教育長としてこういうことについて何らか実行するというようなことを、あるいは教育委員会がやる意思がなくてもこういうことを助言して推進するということをその場において言ってほしいんだ、そういうことがなければこれはなかなか承認できない、こういうことを言っているんじゃないですか。これはそれによってもう一ぺん聞きたいと思うんですが、いままでのことをはっきり言ってもらいたいと思うんです。
  41. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) どうもこの問題に対するプロセスの中でいろんなことが言われたために、私たちが考えております行政の判断の上から考えてみたプロセスというものが、やろうとしておる考え方が非常にいろいろにとられてしまっていることを私もたいへん残念だと思っておりまして、私が申し上げていることは、もう京都の委員会にも文書でちゃんと書いてございまして、何も混乱したことを申し上げているわけではございません。いま先生が例に出されました問題は、京都の教育行政上の幾つかの問題を例として出したわけでございまして、私は京都の教育長の承認と引きかえに条例を制定しろ、しなければ承認しないという考え方は、初めからとっているわけではございません。そういうことでございます。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、懇談したいという内容はどういうことなんですか。
  43. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 京都のそういう事情について、京都の独特な事情というものは何ですかということを、制定されていない、あるいは制定できない事情というものは何ですかと、端的に申し上げると。そういう事情とか、それに対する教育長候補者の見通しとか見解というものを伺っておきたい、かねて御本人についていろいろの情報がありますから、これは御本人でなければ弁明の機会もないだろうから、それも伺いたい、こういうつもりでおります。
  44. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、その特殊な事情と、本人がそれに対してどう考えているかということを言えば、承認するんですか。内容的にそれがあんたの気に食わなければ、これは承認しないということですか。その点はどうなんですか。
  45. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) これは私の判断を当然入れなきゃならぬ問題だと思っております。
  46. 加瀬完

    ○加瀬完君 関連。いま岡委員との間でいろいろ問答がありましたが、京都の教育長の候補者だけを前例にあまりない方法で特別に呼ばなければならない理由は何だと、小野委員も指摘をされましたが、これはどういうわけですか。  それで、次に、これは承認事項でありますから、行政運営上承認要件というものは当然あるわけですね。承認要件ということであれば、欠格条件というものがあるわけです、何か特別の欠格条件というものが予知されるので、呼んで内容を確かめて判断をするということですか。  それから、第三点は、岡さんとの間の話し合いでは、局長さんのおっしゃるとおりならば、それは承認をしておいてから呼んで行政的に指導をしても、勧告をしても済む問題ですね。そういう方法をとらないで、それを承認の要件のようにするというのは、御説明とは食い違いがございませんか。その三点をひとつ伺います。
  47. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 先ほど申したように、承認について決定の条件は定まっておりません。したがって、欠格条件もございません。これは教育委員会制度における教育長の承認制度というのは、かなり特異な制度ではないかと思っておりまして、いま申し上げたような条件が法定でございません、このことは教育委員会と文部省との関係を、中央と地方との行政の関係を円滑にしていきたいといういまの制度の非常に大きな基本でございまして、承認にあたっては、単に形式的にはんこを押せばいいという意味ではないと私たち理解しております。欠格条件がないということは、教育長というものの職務についてかなり広く人材を得るということが前提でございます。と申しますのは。御案内のように、かつては教育長に免許制度がございました。そういうことはかえって人材を得る道でないということで、免許制度をやめたいきさつもございまして、形式的な条件だけで考えないほうがいいというのがいまの趣旨でございます。この制度は、従来の運用の実態から見ましても、不承認の前例はございません。頭から不承認にしようとか、ひっかけようとかいう制度ではございませんで、あくまでも中央と地方との連絡を緊密にするというための考え方でございます。  京都の場合が非常に異例だということは、御指摘のとおり非常に異例でございます。前にこういうことはございません。ただ、この趣旨から申しまして、教育長になるべき候補者につきましては、今回はこういう方を教育長に任命したいのだという事前のお話というものがいつの場合でも十分にございまして、その事前のお話し合いが非常に長くかかったということは過去においてございます。しかし、話がきまって形式的な段階にくれば、これはそう時間がかからないでいつも処置したというのが一般の例でございまして、申請があれば必ずすぐ処置されたのだというわけじゃございませんで、教育長の推薦についてはいろいろのやりとりを事前にやっている例はたくさんございます。その意味では京都の場合も同じなんでございますけれども、たまたま申請が先に出てしまいまして、事前のお話し合いの期間が十分でなかったということが、何かオープンでこの問題を議論するような形になってしまったことと、私たち、行政上の処置ではあると同時に、やはり個人の人事の問題ですから、これは慎重に考えましょう、慎重に取り扱いましょうということを最初から京都の委員長にも申し上げてきておりまして、私たちこれを事を荒立てたり、新聞紙上でいろいろ議論されるようなプロセスは初めから望んでおらなかったところでございます。事はやはり人事の問題でございますし、具体的な人をめぐっての問題になりますから、そういう道は避けたいというつもりで、私たちとしては、いま開き直って行政干渉であるとか、権限がどうだということのその前に、技術上の問題としてよく調査をし、御本人とも懇談をして、十分了解を得た上でこの問題を処置すべきだ、こういう判断で処置してきたわけでございます。
  48. 加瀬完

    ○加瀬完君 関連ですから、長ったらしいことは申しませんが、教育の地方分権というものが法律上制定されて、その手続に従って教育長というものが推薦されてきております。いいですね、したがいまして、これは自然の形からすれば、承認をすることが当然なんですね。で、承認を非常にためらうということになれば、どういう欠格条件があるものを承認しないかという、法律できめられなくても内規なり基準なりというものがはっきりと前提としてきめられておらなければおかしいですよね、初中局長なり大臣なりの考え方によって、きめられたりきめられなかったりするということがあっては、これはならないわけですから、行政運営でそういう不公平があってはならないのですから。ところが、別に内規もなければ法律もない、そうであれば、今度のように手続上とかなんとか言っておりますけれども、結局面接をしなければ問題の解決をはからないというなら、何か予知される欠格条件というものがよほどなければそういう方法をとることがおかしい。だから、前の委員の方々がおっしゃっているように、それじゃ話し合いをすれば承認するのかといえば、承認するとはおっしゃらない。その点は明らかに何か定木を持っているでしょう。当てはめてみてだめならばだめとするという底意があるから、いまのような結局行政の態度になってあらわれるわけじゃないですか。そういうことが法律のどこの根拠で許されることになりますか。どこを根拠に許されることになりますか。はなはだ私はあなた方のやっていることもあいまいだと思う。京都の言っていることもふに落ちないとおっしゃる。それは認められましょう。しかし、あなた方のほうが見てふに落ちないといっても、法律的根拠がないのに、そんな恣意によって、私の意見によって調べたり調べなかったり、認めたり認めなかったり、そういうことが許されますか。それがどこの法律できめられていることになりますか。法律の精神じゃないでしょう。
  49. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 承認や資格が客観的に法律できまっておりますれば、むしろそういうことが条件に合っているか合っていないかだけで御本人とお話し合いできる問題だと思います。現在そういう制度をとっておらないということは、中央と地方との緊密な連絡と円滑な行政の運営というねらいでこの制度が入っておりまして、中央と地方との教育委員会制度において非常にユニークな制度でございます。それだけに教育長になる方には非常に広く人材を求めようという考え方と、それからそれを承認するにあたっての文部大臣の判断をかなり自由に残してあるというのがこの趣旨でございます。したがいまして、その法律の趣旨を実現するためには、うわさや情報やいろいろなことだけで判断できないから、御本人と十分話し合うということのほうが私はむしろ親切な制度ではないかとさえ思っているくらいでございまして、決して違法だとか不当だとかというつもりは毛頭ございませんで、むしろそういう道をとらないことほど乱暴なやり方になってしまうのじゃないか、このように思って初めからおるわけでございます。
  50. 加瀬完

    ○加瀬完君 申しわけありませんが、もう一点だけ。  教育委員会の推薦というものをすなおに受けるというたてまえでしょう、法律は。よほどのことがなければ不承認という事態が生ずるはずのないものですね。それを承認しないということは、よほどの欠格条件というものが予知されるということでしょう、先ほどから質問しているように、予知される欠格条件というのは何です。ほかの都道府県の教育長を選定する、承認すると違う方法で特別京都だけを扱わなければならないというのは、よほど予知される次格条件があるわけでしよう。どういう点ですか、あなたのいままでの説明では、予知される欠格条件というものは一つも出していない。それを特別の方法をとらなければならない理由がわかりませんね。
  51. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 繰り返して申し上げますが、客観的にあらかじめ欠格条件を定めているわけではございません。それから、京都だけ特殊だと申しますけれども、ほかの県の場合にも、教育長になる方はどういう方で、どういう考え方を持っている方であるかということは、承認の前提として十分われわれ判断いたします。ただ、いままでは。大部分当該教育委員会の課長や部長をされて、いろいろ接触があって、十分わかっている方々が多かったものですから、そういうわれわれの判断に手間はとらなかったわけでございますが、今度の候補者につきましては、そういう面でわれわれ接触の非常に薄い方であったものですから、お会いしたいということを考えておりました。前にも、承認の前にお目にかかっている例はございます。ほかの県の場合にもございます。  それから、何よりも私残念なのでございますけれども、御本人についていろいろなことが言われておりますので、それを御本人に、やはり御本人自身にも述べたい、あるいは弁明したいということはたくさんあるのじゃないか、それは十分聞くべきであるということもひとつ考えているわけでございまして、その意味では非常に特異なケースであるとは、私ども初めから思っておりません。教育長の承認はこういう形で始終行なわれるということは想定いたしておりません。
  52. 千葉千代世

    ○千葉千代世君 関連。局長の再三の答弁の中に、本人に対する情報があるとおっしゃった、いろいろ各方面に言われているために、本人もそれについて弁明したいこともあるのじゃなかろうかという、たいへん親切なように一見聞こえますけれども、私はたいへんこれはふに落ちないと思うのです。一般職の公務員といたしますれば、その公務員として仕事をやっていくためにはいろいろな制約があるのです。地方公務員法によりまして、いろいろな制約があるのです。その中でお仕事をしていらっして、何か不都合なことが、法に触れることが起こったかどうか。文部省は別に検察庁の検限を与えられておるわけじゃないわけですよ。新聞なんかで見ますというと、何かそのほうにウェートをかけられて、勤務評定とかあるいは管理規則とか給与条件ということは二の次のように考えられて、文部省の意図しておる、何かそれを隠れみのにするような、本人に対するうわさがいろいろあるからということが新聞によくあるようなんです。私は非常にこれは民主主義の国家の中で、個人に対する侮辱といいますか、個人の人権侵害というか、こんなはなはだしいことはないと思うのです。もしあるならば――もしですよ、私はその内容を知りませんから言うのですけれども、法に触れることがあるならば、それぞれの機関でやられるべきで、文部省が何も検察庁の役目を果たすことは毛頭ないし、個人の自由ということはそういう面で侵害する必要も毛頭ないし、まして教育の場において、教育長というお仕事で地方分権の中でどういう役割りを果たすかということ、さっきからるる述べられておったのですけれども、こういう矛盾というものを何でこの中にひっくるめてやらなければならないかということです。その点一ぺん伺いたい。やはり個人の名誉は守るべきところは守るし、いけない点はそういう機関でやるべきで、文部省が検察庁みたいな、そんなことをやるべきじゃないと思うのです。そういう意味で伺います。
  53. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) どうも私の説明も悪いせいか、たいへん誤解を受けておるようで、申しわけございません。私ども、検察庁や警察のような立場を、候補者にお目にかかるときに毛頭考えておりません、そんなことできるはずはないわけでございます。私は、京都の教育行政上の問題としてしか問題は考えておりませんのです。ですから、うわさというのは、それはもううわさでございますから、どんなことがあろうと、私どもはそれによって判断はしません。しかし、そのうわさの中には、京都の教育行政の本質にかかわるのじゃないかと思われるものもありますものですから、それは教育長の本来の仕事としての面から一ぺん御意見を伺っておきたいし、御本人もそれについては自分はこういう意見であるということもあるだろうということでございまして、何か検察的に個人の何かをわれわれがどうしよう、そんな考えは毛頭ございませんし、またそんなことできるわけでもございませんし、その点はひとつ誤解ないように願いたいと思っております。
  54. 千葉千代世

    ○千葉千代世君 それなら、今度答弁でもそんなこと抜いてくださいよ。何だかはっきりしなくてしょうがないんです。
  55. 小野明

    ○小野明君 これは大臣にお尋ねしたいのですがね、いまの質疑の中ではっきりいたしておりますように、承認の基準がない。それなくして、うわさや情報ということばがいま局長の口からぽんぽん飛び出るのですが、それによってこの任命を、承認を延期をしておる、こういう結論にならざるを得ぬのですよ。承認の基準なくしてうわさや情報でやられたのじゃ、これは大きな問題ですが、この辺はひとつ大臣から御答弁をいただきたいと思うのですがね。
  56. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 問題が個人に関する問題でありますので、私どもとしましても、その個人についてかれこれあげつらうというようなことは望ましいことでは実はないと思っております。いろいろお尋ねがあるものですから、お答えの中にそういうことばが出た。千葉さんからも、取り消したらどうかというお話もございます。ことばの使いがまずい点もあったかと思います。不穏当な点があれば、もちろん取り消してもよろしいと思いますが、ついお答えする中に何か申し上げた場合に、そういうふうなことがやはり問題となっておることは事実なんですから、世間でですよ。ですから、そういうふうな問題について御意見を明らかにしておきたいというふうなことはございますけれども、いま天城局長の申しましたように、私どものつもりは、個人のそれぞれの問題をかれこれ取り上げてどうのこうのということは実は考えておりません。もしあればたいへんなことですけれども、そういうことは私ども考えておりません。  問題はやはり教育行政上の問題として、いろいろあれば聞いていきたい、こういうわけでありまして、この問題は、私申し上げておきますが、天城局長のところできまる問題ではございません。私は天城局長には、この方についての教育長として承認を与えるために必要な検討を慎重にやるように、こういうことを私から命じておるわけであります。それに基づいて局長としましてはいろいろまあ検討をし、結論が出たら私のところに報告してくる、こういう筋道になろうかと思っておるわけであります。  そういうことでございますので、私の心境から申しますれば、この問題は多少私は不幸な経過をたどったような気がするのです。と申しますのは、従来は、私は詳しいことは存じませんけれども、大体正式に教育長人事として扱います前に、いろいろ地方との間のお話し合いがあったと思うのです。今回の場合は、どうもその間の期間というものがあまりなかった。京都のほうの委員会としては、書類を持っておいでになって、三日か四日のうちにこれを何とかしろと、こういうふうなお話だというふうに私は聞くのであります。願わくは、その前にいろいろとお話があれば、かれこれこうういう問題にもならなくて、内部の問題としていろいろお話し合いができたのではないかと思うのです。正式に書類が出た、その書類に対する文部省の取り扱いがおくれた、その間にはいろいろ予算の問題がありましたり、お互いの都合がありましたりして、多少おくれたという点もありますけれども、そういうふうなことで、実は話が大っぴらな話になってしまったような気がするのでありまして、そういう点から申せば、今回のこの京都の教育長問題の扱いについて、私どもとしましても、実は非常にやりにくい点が出てきたように率直に申し上げて思っております。  いずれにしましても、私は文部省と地方の教育委員会というものとが何かお互いに対立しておるとか、あるいは争っていくというようなことは決して望んでおるところではございません。できるだけ中央、地方がとにかく協力しながら教育行政の実をあげていくというふうな方向でやってまいらなければならぬと思うのであります。その意味から申しますというと、いろいろ御意見もあろうかと思いますけれども、率直に申し上げまして、文部省と京都府の委員会との間は必ずしもいままで円滑ではなかったような気がするのであります。もう少しお互いが協力してやっていけるような、いわばきわめて親しい関係に立ってものごとが進んでいくことが私は望ましいことではないかと思っておりますが、従来はどうもそこの点において、お互いに、まあどちらがいいか悪いかといえばいろいろな議論もありましょう。ありましょうが、必ずしも円滑な関係とは言いがたいものでありまして、お互いの立場のあることでありますから、それぞれの立場をもってものを考えますというと、文部省からいえばこうしてほしいという点もなきにしもあらずであります。また、京都には京都の特別な事情もあろうかと思います。そこらが十分わかり合っておるということになれば、まあたとえ議論をしましても、意見が違っていても、円滑にやっていけるのじゃないかというような気がしますけれども、そういう点において、いままでの関係はこのままいつまでも続けていくべきものじゃなかろうというふうな気持ちが私実はいたしております。  そういうふうな観点からいたしまするならば、やはりこの教育長の人事というふうな問題についても、私どもとしましては深い関心を払わざるを得ない。この教育長の問題は、事務的にいえば、教育長と文部省の事務当局の間が、よしんば議論をすることがありましても、意見が違うようなことがありましても、ともに教育の問題を語ろうというふうな気持ちであってほしいと実は思っております。そういう関係からいたしまして、今回のこの教育長の人事については、事務の取り運び方に最初からぐあいが悪いような点があったような気がいたしますけれども、それは済んだことであります。この承認についてはどこまでも慎重にやってまいりまして、お互いに妙なものをあとに残さないようにしたい、そういう心持ちで実は検討を命じておるところでございます。その結論がどういうふうに出てまいりますか、私は実はそれを待っておるわけであります。そういう意味におきましては、もう少し京都の教育委員会の皆さん方も、文部省の立場というようなものも御了解を願って御協力をいただいたらと、こんな感じが実はいたさないでもないのであります。
  57. 小野明

    ○小野明君 いまの大臣のお話によりますと、この文部省とのいわゆる事務手続、事前の協議に不備があった、足らざるところがあったと、こういうお話だと思うのです。これになりますと、私は非常に異議を持っております。天城局長にそうなりますと問題が移るわけですがね、今村審議官が一回調査に行かれておりますね、現地に。そのほか、現地からも何回か、局長あるいは斎藤次官、今村審議官をまじえて、何回か協議をされておるわけであります。その協議について、ひとつ局長に日取りを追って私はこの席で説明をしていただきたいと思うのです。それといま一つ、これは京都の教育の本質にかかわるものがあるから云々と、こういうことばがありました。これはあとで尋ねますがね。日取りを追って、京都の教育委員会との折衝、これをひとつ御説明いただきたいと思います。
  58. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 最初のときから、ちょっとこまかいことになって恐縮でございますけれども、事実を御説明申し上げたいと思っております。なお、事が教育長の人事でございますから、私たちといたしましては、終始委員長と御相談いたしましょうという態度できております。これは京都側の御希望でもございました。  昨年の十一月の二十二日でございますけれども、東京で教育長関係の会議がございまして、前の教育長がその機会に、私は十一月末で退職したいのだ、後任の教育長の承認についてできるだけ早くしてもらえないか、こういう話がございました。それが二十二日でございます。これは事前に前任の教育長が言っている。しかし、そのとき私たちとしまして、これはちょうど内閣更迭のことが予想されておったときでございますし、事務処理上、通例の一週間か十日でやるといっても、十分大臣に御説明したり処置をとることの時間がないから、通例のようにいかないでしょうということはそのときに申し上げてあるわけでございます。  二十七日に委員長が正式においでになりまして、そうしてぜひ三十日までに承認してほしいのだということで文書を持って参ったわけでございますが、その文書は日付もつけてはございませんでした。私といたしましては、ちょうどこのときお目にかかるのがやっとのような状況でございまして、非常に錯綜しておったときでございますし、とても三十日までには承認という形にいかないから、少しこっちで検討して目鼻がついたときに書類をいただきますからということで、通例の場合にそういうことをやっておるものですから、申し上げたのですけれども、私、委員長とお話ししたときに、そういう意味で、きょうは書類は私はいただかないでおきますということも申し上げたわけでございます。しかし、まああとで、持ってきたんだから置いていきたいからといって、随行してきた人が書類を置いていくと、私のほうも、置いていくならば預かりましょうというようないきさつもございまして、預かったわけでございます。  京都は、予定どおり前の教育長の退職を発令し、後任がきまらないものですから事務取り扱いを発令されたわけでございます。十二月の十四日、山田委員長がおいでになりまして、承認を年内にしてもらいたいという、これは督促のお話がございました。このときは私は何かの都合で直接お目にかかれませんでしたけれども、担当官のほうにそう言って行かれました。できるだけ、われわれのほうも長引かせるつもりはないのだから、一応めどをその辺に置いて努力はいたしましょう、しかし、まあこれは非常に高度の人事ですから、いつということは申し上げられませんということを担当官はそのときに申し上げたわけでございます。その後、私たち予算の問題の準備に入ってしまったのと、予算が重なってしまいまして、その問題を処理するいとまがございませんで、年が明けまして、一月の半ば、十六日に府から部長、課長が参りまして、早く措置をしてくれというお話がございました、したがいまして、これはまあ承認を早くしてくれという督促だったわけでございます、お互いになるべく早くこの問題を措置したいということば言って別れたわけでございます。  しかし、その間にいろいろ情報もあるものですから、私たちこれを的確に調査をしなければならないということで、今村審議官をして一月の二十一、二十二日に出張させたわけでございます。  一月の二十九日、三十日にちょうど東京で会議がございまして、課長会議がございまして、京都府も課長が参りまして、調査も終わったことだから承認を早くしてくれないかという催促があったわけでございますが、調査の結果、岡田さんと会ったほうがいいのではないかということもそのときは担当官に伝えたわけでございますけれども、まあ向こうは面接的テストをやるという意味なら教育長は出さないという意味のことを、これはちょっと妙なことでございますけれども、下僚がそういうことを言っておりましたのでございますけれども、まあそういういきさつもあったのでございますが、私たちとしては、調査の結果、やはり御本人に会う必要があると考えまして、一月の三十日に委員長に電話で申し上げたのですが、委員長は初めは、二月一日に候補者を文部省に差し向ける線で府委員会で相談をするからという御返事でございましたけれども、翌日になりましてから、しばらく事態を静観するから候補者の召換の要求は拒否するというお電話がございました。私は手紙で、電話では不十分だと思いまして、二月の五日付で、お目にかかりたいという趣旨を先ほど申したような文書にいたしまして、手紙で委員長に申し上げたわけでございますが、それに対して、京都府委員会で言っておられる教育行政の最高責任者は教育委員会であるし、人事権は教育委員会にあるのだから、委員長らが上京するからと、そういうお返事がありました。それから、まあ私は、委員長がおいでになり委員がおいでになることについていつでも喜んでお目にかかるから、ただちょっと仕事の関係で日にちにつきましては両方の一致したときでないと、わざわざおいでになっても十分にお話ができないからということで、途中で一ぺん日にちをきめたのでございますが、私どものほうでやむを得ない事情があったために、一ぺん延ばしていただきまして、結局土曜日、二月二十四日の土曜日に委員長、それからもう一人の委員の方がおいでになりまして、こちらからいろいろとお話をいたしました。  しかし、そこでお話ししたことについては、まあ時間的にも十分でございませんので、完全にすべての問題で意見が一致するというところまではいきませんでしたけれども、たいへん話し合いをして有意義であったし、今後も話し合いを続けよう、そのことに関連して、候補者の上京問題についても、上京問題も含めて京都に帰ってから他の委員と相談してあらためてお返事しますということでお別れしまして、また次の機会にお目にかかりましょうといって次回を約束して別れたわけでございますが、二十八日に至りまして、また委員長から手紙が参りまして、教育長の承認問題については文部大臣の承認を待つだけだと、こうおっしゃられたわけです。こういう手紙をいただいておるわけです。
  59. 小野明

    ○小野明君 何回か日取りを追っていまそのお話があったのですけれども、このことについては私も参考人を要求しておりますから、その際あなたや次官、あるいは今村審議官がどういったことを言われておるのかということをまあ参考人によって明らかにしてもらいたいと思うのでありますが、それまでは、いままでの例によって、承認に関していままでの例によって、まあ七日か十日ぐらいで承認されるであろうというようなことを三ないし四回にわたって言われておるということを私はまあ確認をしておるわけです。現地の京都府委員会ですから、うそを言うわけはないと思うのです。これはいずれ参考人によって明らかになると思うのです。  その前に、これは大臣にお尋ねしておきたいのですが、一月二十九日の新聞であったと思うのですが、記者会見で、京都の教育長については自民党内外の批判があるから、しばらくまあ調査をした上で検討すると、こういうことを発表されておるわけですね。それと同時に、一月二十七日に、自民党の労働問題調査会でかなり、京都問題懇談会というような会がありまして、かなり文部大臣が突き上げられたという報道も出ておるわけです。いわゆるうわさや情報というものはこの辺から出ておるのではないかと、こういうふうに思われる節もあるので、その辺の事情をひとつ大臣から御説明いただきたいと思うのです。
  60. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 新聞記者に対しましては、私は、どちらかといえば、あまりこういう問題をかれこれ騒がぬようにしてほしいということを希望しておるほうでございます。ただ、お話の中のいま申されたようなこともあるいはあったかもしれません。というのは、率直に申しますと、自民党の内部あるいは外部あたりに京都の教育長候補者に対しましていろいろの批判があることは、これは事実でございます。ただ、私は別に突き上げられたような覚えはないのでありまして、何かの席であったと思うのでありますけれども、かれこれ言われる人もありましたが、言われるなら言われるで、的確なことをおっしゃいということを実は申したようなわけでございます。ただあれがいいの悪いの、どこでどう言ったとかこう言ったとか、そういうことをそのまま私が取り上げて、それでどうするという考えは持っておりません。おっしゃるならちゃんとしたものを持っていらっしゃいということを申した覚えはありますけれども、それ以外の何ものでもございません。  いずれにしましても、世間の方がいろいろ批判をなさるということは、これはあり得ることであります。あり得ることでありますが、私は、やはり最終的に責任をとるのは私なんであります。ですから、あそこがどう言ったからどうする、こう言ったからこうするという問題ではないと思う。やはりこれは行政的な問題として、文部省をお預かりしております私が決定しなければならない問題でありますから、その決定について、私は外部のいろいろな圧力とかなんとかというようなことでものを処理したくはない。そういうことは、そんなつもりはございません。私が考えて、よかろう、悪かろうという判断をするわけでございます。その結論についてまたいろいろ御批判もあろうかと思いますが、これはまた御自由に御批判くださってけっこうであります。いろいろな御批判、御意見というものは、積極、消極いろいろあろうと思いますが、決定の責任を持つのは私でございます。私は責任を持って事を処理していきたいと思っております。こういうふうに考えております。
  61. 小野明

    ○小野明君 その点はきわめて重要でありまして、もし自民党内の意見によりまして文部大臣が承認を延期しておるというようなことになると、教育基本法十条の規定にも反するが、こういう私は心配をいたしておったわけであります。その点をひとつ教育基本法を守る立場からも文部大臣にはきちんとしていただきたい。  それから、天城局長にひとつお尋ねしておきますが、時事通信の内外教育版によりますと、二月二日に京都問題懇談会という会がありまして、自民党本部にあなたが呼ばれたらしいですが、この際にいろいろ言われておる。この辺もまああなたの言われるうわさや情報の根源ではないか、こういうふうに疑われるのであります。うわさや情報をもとにいたしますと、そこで圧力をかけられて、あなたが、いままでの通常の例によれば大体七日か十日ぐらいで承認をされるしきたりである、京都の人たちにこういう説明をしておったのが、そういう時点から急転回をしていったのではないか、そういうふうにも推測をされるわけであります。これは一体どういうことだったのか、お話をいただきたい。
  62. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) いろいろな批判とかうわさがございます。それによって事を処理するつもりはございませんけれども、ただ、私どもが結論を下すためには、やはりその種の批判とかなんとかというふうなものに耐え得るだけの結論を出さなくちゃならぬ。そういう意味におきまして、事務当局に慎重に検討するようにということは私が申したのでございます。
  63. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 日にちは忘れましたが、そういう機会はございました。いろいろ地元の情勢についてのお話がございました。私たちも知らないこともございますから、そういうことにつきましては、自分としては調査をした上で、はっきり事実かいなか、あるいはそのことがこの問題についてどういう判断の根拠になっているか、それは調査してみなければわからない、こう思って調査したわけであります。いろいろな話はありました。また、そのほかからも直接われわれのところへ意見を言ってくる方もございまして、いろいろあるものですから、したがって調査を的確にいたしたい、こういうふうに考えたわけでございます。
  64. 楠正俊

    ○楠正俊君 関連ですが……。
  65. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 速記をとめて。
  66. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 速記をつけて。
  67. 小野明

    ○小野明君 大体、この問題に対処する大臣の気持ちというのはわかりました。これはわかりましたということは、今日まで延引をしておるということを了解したということではございません。この責任はやはり、大臣もおっしゃるように、あなたにあるわけですね。早急にこの教育長問題に承認を出すということが、従来の慣習なり法の精神をねじ曲げないことである、こういうふうに私も考えざるを得ないのであります。そういったことで、ひとつ私が最後に要望したいのは、従来の慣例にないように承認について今日まで延引をしておる、あれこれクレームをつけておる。教育の本質というのもいろいろ前回お尋ねいたしておるのでありますが、これは三つの号都における例の問題以外にない、こういうことが大体確認をされるわけであります。しかし、その問題が交換条件ではない、こういうことになりますと、何も問題をここまでこじらせる必要はないのではないか、こういうふうにしか考えられぬわけであります。それで、次回にまたこの問題を引き続いてお尋ねをいたしたいと思いますが、でき得べくんば、早急に京都の教育の空白を大臣の決断によって埋めていただくことを要望いたしまして、私の質問をきょうは打ち切りたいと思います。
  68. 楠正俊

    ○楠正俊君 先ほど委員の方からの質問の中に、地方分権ということばが出ておるわけでありますが、この地方分権の制度を完全に貫くということになると、私は、この教育長の任命の問題に関しましては、府の委員会が任命することだけで足りると思うのです。わざわざ法律により大臣に承認権を持たしたということは、それなりの意義があったから大臣に承認権を持たした、こう思うわけでございますね。承認権があるからには、申請してきたら右から左にそれを無条件に承認するということは当然あり得ないことだと思う。(「そういう議論はおかしいよ」と呼ぶ者あり)いや、おかしくない。承認すべきか承認すべきでないかという判断を下す材料を大臣が収集するのは当然だと思うのです。したがって、その判断の材料としてこれを調査するなり、その教育長候補と会って話をするなりするということは、これは当然大臣の権限に属したことだと思う。この法律で承認権をわざわざ与えたということは一体どういう趣旨であるかということを、ちょっと大臣から簡単にお答え願いたい。
  69. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど局長から御説明いたしましたように、地方の教育行政の中で教育長の地位というものはきわめて重要な地位だと私どもは考えております。その教育長の人事につきまして、現行法は、御承知のように、文部大臣の承認を得て任命するということになっておるわけでございます。言いかえまするならば、教育長の任命という行為は、イニシアチブはもちろん地方の教育委員会にあるわけでありますが、それと文部省の意思とが合致しなければ任命ができないというたてまえになっておるわけでございます。もとより、われわれとしまして、地方の教育行政の何といいますか、活発な自主的活動というものは、決してこれを粗末にするというつもりはございませんけれども、同時に、教育行政全体の上からいたしまして、地方と中央とがお互いに協力しながら行政を進めていくという姿が一番望ましいと思うのであります。そういう重要な地位を持っております教育長でございますので、私どもとしましては、地方と中央との連携を密にいたしまして、行政をうまくやってまいりますために、教育長の人事というものに関心を払わざるを得ない。自主性は尊重しますけれども、同時に、地方の教育委員会が言ってくればすぐそのまま、ちょうど大学の学長の任命みたいな調子でいける性質のものではない、こういう考え方を実はいたしておるわけでございます。そういう意味におきまして、私はやはり教育行政を地方的また全国的にうまくやっていきますために、教育長の人事は、その重要な地位にかんがみまして、文部大臣の承認にかけておるということであろうかと、かように考えております。
  70. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 簡単に申し上げますが、京都の教育長問題というのは非常に世間を騒がしている問題です。国会議員の言動が、あるいは大臣の言動が、いろいろ問題にされるようなことが最近においてもあります。それぞれの立場においてことばとか行動というものは慎まなければならぬ、こう私は思うのですが、教育にまつわる仕事にタッチされる方が、いやしくも世間の風評であれ何であれ、いろいろうわさされるようなことがあったのでは、私はやはりいけないんではないか。私は、京都の問題だけでなくて、そういう観点から全国の、たとえば教育長それぞれについても新しい判断に立っての調査、そういうものもやっぱり必要じゃないかと思います。さしずめ京都の問題についてはいろいろ今日まで、これまでこじれてきた問題でありますから、急いで結論を出されるのもけっこうでございますが、先ほど大臣は、断を下すのは私であると、こういうことでございますが、慎重にひとつお取り運びをいただきたい、かように思います。  しかし、ずっと具体的に話を詰めてまいりますと、どうも教育長候補者と文部省との間の対話がなされない、それが実現できないということが一番この具体的な問題になっているようです。なぜできないのか私にもわかりませんが、ここでこれらのこの対話というものは事務的に運んで当然実現できるものだと私は憶測をしている。したがって、初中局長、事務的にこの対話を進めるべくどういう方法を考えておられるか、ここでお伺いいたしたいと思います。
  71. 天城勲

    ○政府委員(天城勲君) 私もある意味ではたいへん気軽においで願ってお話ししていただけばいいというつもりでおりまして、しかつめらしい、法律の、権限がどうのこうのという考え方では毛頭ないわけでごいざますが、いまでもその気持ちは変わっておりません。おいでいただけばいつでもお目にかかりたいと思いますし、そのことも繰り返して申し上げております。
  72. 岡三郎

    ○岡三郎君 この問題は、聞くところによるというと、当初文部省は承認をするという腹だった。ところが、京都府の自民党並びにその後自民党の文教部会にこの問題が出されて、それからいろいろと文句がつけられて問題がこじれてきたと、こういうふうに私は聞いておるわけです。だから、問題の焦点というものがいま変わってきているんではないかというふうな形に私は思っておるわけです。つまり、文部省が主体ではなくて、自民党の文教部会なり自民党のほうがうんと言わなければ、いまのところは結論が出ないような形にこれは変わってきているんじゃないかということを心配しているわけです。これは私は先般文部大臣にも言いましたが、最近においては文部省というのは、口に教育の中立性を唱えて、そうして一から十まで自民党のいろいろな意見を聞き入れる。それはいいところは聞き入れてもいいでしょうけれども、それによって左右されるということであっては、これは承認できない。そういうふうな点でこの問題についてはきちっとしてもらいたいと私は思うわけです。  で、端的にいって、京都の知事は蜷川さんですよ。これに自民党は反対している。蜷川憎しということかどうか知らぬけれども、対立候補をやってもなかなか勝てぬ。知事に負けたらいさぎよく――知事が任命するということをやったのは自民党なんですよ。文部省がそれを受けて、知事の任命制という形に切りかえたんですからね。知事が選ばれて、京都府の教育というものをおれがやるんだということになったたてまえからいうて、知事が任命した教育委員会がこれを任命するということになった場合に、いろんなことをここへつけてやるということになれば、錯雑になってしまうと私は思う。端的にいうて、かりに社会党政権なり、あるいは社会党その他の政党の連合政権ができたというようなことを仮定した場合に、今度そこに出てきた文部大臣が一々、自民党の知事が任命した教育長はけしからぬ、何ぼでもこれは理屈がつくと思うのです、つけ始めれば。ということになれば、時のやはり力によってこういう問題がいろいろと料理をされてくるということに、これが私はきっかけをつくるのじゃないかというふうに実は心配しているわけです。少なくとも教育の中立性を論ずる文部省、文部大臣が、いろいろの問題があるにしても、それは京都の世論というもの、京都の府下の府民が全部こぞって選んだ知事によって任命されてくるということになれば、気に食わぬところはもろもろあるにしても、大局に立って、これはやはり、その方法で推し進めていくこと自体が――そうしてその中において、任命することの中において教育長を招致して、こういうふうな方向でやってもらえぬかというようなことをやるということが、私は具体的な施策になるというふうに考えているわけです。清瀬文部大臣は、当時この任命制教委の法律をつくるときに、十分この問題については主観がまじっていかないように、この問題については十分慎重に取り扱っていきたい、委員承認とか任命というものが出てきても、これは時の政府の考え方とか権力の考え方によってこれをやるということはならぬというふうに、ことばは違いますけれども、そういうふうな趣旨を言われておったと私は考えております。そういうふうな点で、私はやはり、こういうものが政争の具に供されるということではなくして、いまの教育委員の任命というものが公選制ではなくして、残念ながら任命制という形になった場合において、府民の信託を得た知事が任命するという教育委員会、教育長なり教育委員長なり、教育委員全体が、これがいいと言うならば、気に食わぬ点があってもこれは承認して、その中においてこの問題を十分文部省の意図というものは反映するというようにやっていくのが私は筋だろうかと考えております。そうしないというと、繰り返しますが、いろんな問題が今後こういうことについて発生してくる心配があるわけで、いわゆる教育百年の大計といいますか、そういうふうなことを、将来を展望する中において、この問題を賢明に処理していかれることが大切であろうというふうに私は考えて、一つだけその点意見を申し上げておきます。
  73. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 速記をとめて。
  74. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 速記を起こして。  岡君の質問に対して大臣の御答弁があります。
  75. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほどの岡さんの御意見、御意見ということでありましたので、お答えを差し控えておりましたのですが、何か言えと。私は御意見として十分承っておきたいと思います。ただ、私は、知事がどういうお考えでありましょうとも、知事がどなたでありましょうとも、やはり文部省には文部省としての立場があるわけであります。したがって、地方と中央との間の意思の疎通がうまくなければならぬと思うのであります。蜷川さんになったから、それじゃ蜷川さんの任命する人は全部いかぬのだというふうな考えももちろんいたしておりません。おりませんけれども、蜷川さんのほうも、やはり教育行政というものに対する文部省の立場というふうなものについては御理解はぜひいただきたいものと、こういうふうに考えておる次第でございます。  そういう意味で私は考えておるわけでございますが、教育についていろいろ外部からかれこれおっしゃることは実は困るのでありまして、正直な話、これをどうするにせよ、右するか左するか、私が責任を持って解決すべき問題であります。そのことについていろいろな御意見はございましょうけれども、しかし、私はやはり御意見は御意見として伺うにしましても、責任は私にあるわけです。したがって、独自の文部省としての立場で結論は得たいと、こういうつもりでございますので、外からの圧力とか介入とかいうふうなことについては、どうぞひとつ御懸念のないようにお願いしたいと思います。
  76. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。     ―――――――――――――
  77. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) 次に教育、文化及び学術に関する調査中、私立学校教職員共済組合の運営に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、参考人として私立学校教職員共済組合理事長佐々木良吉君が、また政府側から灘尾文部大臣、村山管理局長が出席いたしております。
  78. 鈴木力

    ○鈴木力君 あまり時間がありませんから、できるだけ簡潔に御質問を申し上げたいと思います。御答弁も簡潔にお願いしたいと思います。  私はいま、一つの問題は、私立学校の共済組合が法の趣旨に従って運営をされておるかどうかきわめて疑問な点がありますので、その点についてひとつただしたいと思います。それから、文部省には、私立学校共済組合という特殊法人に対しての態度をまず伺いたい。この二つの点を柱として伺いたいことを先に申し上げておきます。  それで、端的に伺いますが、私立学校の共済組合法の十二条の3、運営審議会の項のところに、「一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」これは私は非常に大事な条項だと思うのですが、運営審議会の項には書いてありますけれども、私はこれが私学共済全般の基礎的な方針でなければならない、こう思うのですけれども、これについて私学共済自体が具体的に処置をされておることがどういうことをなさっていらっしゃるのか、まずそれを伺いたい。
  79. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 私の一般的な考え方といたしましては、組合員の利益ということが、これが一番主たるものであります。その意味において、運営を円満にするために運営審議会を開いてるわけであります。したがって運営審議会におきましては、いわゆる経験の深い、また学校教育に対する非常に理解のある児玉九十会長がそれを主宰いたしまして、そしていわゆる議事を円満に遂行して、その方向に向かって努力していると、私はそう信じております。
  80. 鈴木力

    ○鈴木力君 私がお伺いしたのは、運営審議会だけに限らずですね、私学共済として一部の者の利益に偏しないような方向を考えておる、具体的な方法を何々やっておるかということを聞いておる。
  81. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 従来からやっております長期給付、短期給付……
  82. 鈴木力

    ○鈴木力君 給付の事業のことを聞いておるのじゃないのです。運営についての、一部の者の利益に偏しない運営の方法を聞いている。時間がないから、よけいなことを答えないでください。
  83. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 偏しないといいますと、偏するようなそういう扱い方をしておるということは私は思っておりません。
  84. 鈴木力

    ○鈴木力君 わわりました。  理事長さんに伺います。私はこの前に、運営審議会というのは私学共済のほんとうの利益代表者によって運営されなければいけないといつか申し上げた記憶がある。つまり、私学共済というのは、私立学校の先生たちが半分の組合費を出しておる。事業は先生たちの福祉活動が主たる事業です。そうでしょう。そうしてあとの半分は学校法人側、つまりいわば学校経営者側が半分を負担しておる。したがって、この運営審議会のメンバーに法人側に属せざる一般の組合員、わかりやすいことばでいえば平組合員ですね、平組合員を運営審議会の中に入れて、運営に堂々とそうした人たちの意見を反映する道を考えたらどうか、そういう趣旨のことを二年前のこの私学共済法の審議の段階で申し上げた記憶を私は持っておるわけです。いまのところ、私はまだそういう点についてはきわめて不十分だと伺っておるわけですが、その点の配慮はどうなっていますか。
  85. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) これはこの前も承りましたので、この前も申し上げたと思っておりまするが、いわゆる組合員側からは七人、それから学校側からは七人、それからいわゆる学識経験者と申しまするものが七人、いわゆる掛け金を負担しておるところの学校と、法人側と、いわゆる組合員、これは重要視しなければならない、こういう意味で、実はいままでもその選出のことに対してもっと民主化するように私学団体――いわゆる私学七団体と申しますか、全私連のほうにそういうことを私のほうから申し上げて、そうしてそこから組合員の適当なあるいは法人の適当なそういう者を文部省に申請して、そうして民主化するようにしていただきたい、こういうことを申し上げております。
  86. 鈴木力

    ○鈴木力君 それはもう議論してもいられません、感覚の違いです。理事長さんは私学七団体に頼んで推薦してもらっているから、平組合員の代表が出てきているという感覚なんだ。私学七団体というのは経営者の団体です。学校法人側の経営者の団体でしょう。経営者の団体に推薦をさせる者が、平組合員の利益代表を選んでいるというその感覚に、基本的に私がこれから申し上げる私学共済のいろいろな問題が出てきていると思う。そういう感覚でおっしゃるなら、私はいろいろのことをさらに申し上げなければなりませんよ。  そこで、私は伺います。いまの審議会の任務について、たぶん昭和二十八年の七月ですか、いまの私立学校共済組合法が通過いたしましたときのこれは衆議院、参議院両院とも附帯決議がついておる、この運審について、時間がないから読み上げませんけれども。衆議院では、この運営審議会が役員を選ぶような権限を与えなさい、将来。それから、参議院のほうでは、運営審議会で役員を選任する推薦権を与えなさい、こういう附帯決議が昭和二十八年に、いまの法律が発足するときについておるのです。その附帯決議がついて今日まできておることを私学共済の責任者として実現するためにどういう努力をしてきたか、伺いたい。
  87. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) いまの私学七団体と申し上げますけれども、この団体は、各組合員かそうした役員等を選出した形において七団体というものは形成されておるものだと思います。したがって、組合員の意思というものはその七団体に反映いたしておるものと存じまして、私のほうでは、一人一人の組合員の意思を尊重すればよろしいけれども、さような意味におきまして、私学七団体に、公平に、しかもそうしたものが反映するように、こういうことを会議あるたびに私は申し上げております。
  88. 鈴木力

    ○鈴木力君 質問の第二点は答えがないんですか。国会の附帯決議を実現するために具体的にどういうことをやってきたかということを質問している。
  89. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) いまの附帯決議の問題、その他まだ附帯決議がありますけれども、たとえばいまの民主化と申しますか、それについては、私どももそれらの問題と同様に、文部省から任命されるところの運営審議会においてもでき得る限りさような考え方をもって進んでおりますし、その他附帯決議におけるところの問題も、法改正すべきものはそのつどつど法改正をするような方向にいままでやってまいりました。
  90. 鈴木力

    ○鈴木力君 それでは、私はきのう文部省から資料として報告をもらいました。去年の二月から今日までの運営審議会で、役員の選任については全然審議をされていない。附帯決議の趣旨は、運営審議会が役員を選ぶような、あるいは推薦権を与えろと、こういう附帯決議がついておるのに、去年のうちに役員の変動があったのに運営審議会の議題にもなっていない。これは、この附帯決議をあなたはどう解釈をしてこの運営審議会には提案をしなかったのですか。
  91. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) そのことは、先ほど申し上げたとおり、結局従来の慣例と、規定と、それから私学団体の一致した意見に対して、私どもは、いわゆる民主化すべきところの、そうした意味において選出してくることを再三私どもで実は申し込んでおるわけでございます。私がそれをきめるというような立場には現在はなっておりません。
  92. 鈴木力

    ○鈴木力君 私が聞いていることと違う答弁をしてもらっちゃ困るんですよ。運営審議会に、法律は、役員選任については議題にしろとは言っていない。しかし、そういう附帯決議の趣旨を生かして運営をするためには、役員についての意見というのは聴取する機会があってもいいじゃないですか。そうすると、佐々木理事長はこの附帯決議については何ら顧慮していない、こう伺ってかまいませんか。
  93. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) そういうわけですございません。いわゆる役員、運営審議会の委員並びに理事という役員につきましては、私どもは常にそうした民主化とか、あるいはそうした組合の会員の中から出るような方向に向かって努力をしておるけれども、微力にしてまだそこまでいかないということになります。
  94. 鈴木力

    ○鈴木力君 いまのように、そういう方向に努力するけれども微力にしてまだ実現していない、そういう御答弁なら私はよくわかります。まあ私は微力だと思っていませんがね。佐々木理事長さんという人はきわめてらつ腕家だというふうに聞いておりますから、微力だとは決して思っていませんけれども、いずれにしても、いまの立場がらいうと実現しなかった、これはわかります。  そこで、同じような法の仕組みの中に――抜本的にこれは理事長さんに考えてもらいたい。これは私のほうからむしろ提案をしておきますから。時間がないから、御質問という形はとらない。  同じ農林共済ですか、農林共済のほうはやや同じような性格の共済事業をやっているんですけれども、組合会をつくっておりますね。そうして組合員が直接運審にかわる決議機関を、選挙によって組合会を構成している。ここで役員を推薦をする、こういうシステムをとって、きわめて民主的な方法をとっているわけです。これは私は質問はきょうは時間がありませんからしません。こういう点については、いまの直接組合員の意図を反映させる方法として十分私学共済自体が御検討をいただきたいと、こう思います。よろしゅうございますか。
  95. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) ただいまのことは、十分私も理解するように、まあ承りました。ただ、この問題は、私のほうでも、先ほどの附帯決議もございましたので、そういう意味において農林漁業にあるような各県、あるいは各パート、そういうものにしようかということで研究はいたしました。しかしながら、それをすぐやりますというと、相当な財源を要するので、私学共済は御承知のとおり、文部省の、いわゆる政府の補助と、それから掛け金をもってやっているので、なかなかそれを一がいに通すというわけにいきませんので、さらに検討を要して、財源的にも考えなきゃならないというようなことはいたしておりますが、それはまあ研究したというところで、申し上げるほどのこともございませんから、ただいま申し上げなかったわけで、さように私はいたしております。
  96. 鈴木力

    ○鈴木力君 その次にもう一つ。まあ私の申し上げる組合員というのは、理群長さんが考えておる何々学校の学校長とか専務局長とかいうクラスじゃなくて、もっと下の会費を納めている組合員を主としてさしますが、そういう人たちから相当不満の声も出ておると思われますが、苦情処理機関はどういう形になっておりますか。
  97. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 規定によりますと、審査委員会というものを設けまして、そこでいわゆるそうした問題を解決するのが原則であって、またしかも好ましいことであります。しかし、従来そういう問題がわりに少ないせいもあったせいか、いわゆるいまの共済組合の庶務課、そういうところで取り扱って、そうして文部省といろいろ話し合うと。なお、これでは将来のわれわれの考えておるところが実現できないじゃないかというので、審査委員会の設置方を文部省にたびたび私のほうではお願い申しておるわけでございます。したがって、それができますればそこでやらす、こういうふうなことであります。
  98. 鈴木力

    ○鈴木力君 これは時間の都合上、文部省にあとでまとめて伺いますから。いま一々文部省と両方聞いていると時間が足りませんので、よろしくお願いします。  いまの審査会ですね、審査会を設けたいと思っておるが、まだ設けていない。これはどういうことなんですかね、理事長さん。だれか、一人の組合員が不当に扱われた、そういう事件がある。数が少ないから審査会を開かないで、部局の事務系統のところで処理をして、そして文部省と相談をして始末をする。つまり、理事会といいますか、理事長さんといえば、これは執行機関ですよ。執行機関がやったことに対して苦情に出たものを、執行機関の事務処理として、この苦情は該当しませんという返事をしておる。これは数が少ないからということで、あなた、それでいいことなんですか。私は、一人といえども泣かせる者があっちゃいかぬ。その場合には執行機関と別な審査会というのをつくるべきであります。これは法律にはちゃんとあるのですよ。審査会をつくらなければならないとある。審査委員会を構成しなければならないと書いてある。法律違反じゃありませんか、これは。どういうことですか。
  99. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) ただいまのとおり、いわゆる規定に基づきまして審査会というものは設けることになっておりますけれども、その点については私のほうもたびたび配慮をして設けるように努力をしているが、いまだ審査会のいわゆる任命というものがないので、ただ内部といたしましては、いわゆる審査係というものを設けておりまして、よく当人並びに関係者にそのことを聞いて、そうしていつも処理をしておるような現状でございます。
  100. 鈴木力

    ○鈴木力君 だから、私はさっき申し上げたんです。これは私学共済の理事者の感覚を変えてもらわなければいけない。私がいま言ったのは、理事長の決裁をして処分をしたことに対して組合費を出している組合員から、不当な扱いだということで苦情が出てきたときに、理事長の系統の中の事務処理として係員を設けてやったから苦情処理になったと、あなたはそうことを言う。その感覚がいまの私学共済にいろいろな問題をかもしてるんじゃないですか。これは別系統でやらなかったら、公平な審判にならぬでしょう。これはさっき私が申し上げたとおり、そういう意味で、これは私は、一人といえども泣く者があるようなことを、しかも法律できめられているものを実施をしないでおるというのは怠慢である、私はこう申し上げておるんです。いまの理事長さんの御答弁では……。しかし、私は理事長さんだけを責めるつもりはありません。いろいろ文部省にも言っておるけれども文部省が任命してくれません、こういう答えですから、私は文部省の怠慢だと、こううかがいます。あとで文部省に申し上げます。  そこで、その次に伺いますが、いろいろこの共済組合に、私学共済の民主的な運営を阻害している、あるいは阻害していないかもしれないけれども、私がさっき申し上げたような範囲の組合員から、つまり地方の私立学校の先生たちから、あるいは事務員の人たちから、非常に大きな、何というか、いわば不信の念を持っているような訴えが私どもに来るのは、いまのような頭をもって運営しているという、これが一つです。下の者が苦労しているのがわかってくれないで、おれのほうはこうやっているからわかっているはずだという考え方、この姿勢を改めてくれということです。  それに結びつくことの中でもう一つ伺います。いまの役職員の中で――役員はあと回しにしましょう。職員の問題にします。職員でいろいろとあります。これも時間がないから一々伺いませんけれども、ずいぶん課長、部長以上の人には文部省から来たりあるいは他から回って来たりした人があるんですが、ことし今年三月までに定年になってやめる部長さん、課長さんは何人ありますか。
  101. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 現在業務部長をしている人と、それから組合員課長をしている人と、二人定年でやめるのがございます。
  102. 鈴木力

    ○鈴木力君 これは直接伺います。その定年になってやめられる方の後任は、いまどういうお考えでいらっしゃいますか。
  103. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 一人は大体――まだはっきりと確定はいたしませんけれども、就職の方向がきまったかのような公算が大きい。一人はまだきまっていないので、われわれも心配して、何とか定年退職する者の利益を考えて、その方向に向けたいと、このように考えております。
  104. 鈴木力

    ○鈴木力君 私の伺いたいのは、そのやめる方のあとのほうも、これは十分にめんどう見ていただきたい。いま理事長さんおっしゃるような趣旨で、これはもうめんどう見ていただきたいと思いますよ。と同時に、やめた人のあとを受けるのに、もう率直に私は申し上げますよ、いままでの私がこういういろいろ調べてみたところによりますと、他から来ている例があるんですね。部長に来るか課長に来るかは別として、少なくとも文部省系統から来るなり、あるいはよそから来るなり、そういうことがある。しかし、私は私学共済だけのことを言うわけじゃありませんけれども、他の団体の例を知っている。去年も、これはもう言ってもいいんですが、国立競技場のたぶん職員の人たちだったと思う。文部省から課長が来られるということで、職員がストライキをやった。私はあの職員の気持ちはよくわかる。この業務に一生懸命打ち込んでやっていると、頭のほうの課長はよそから来た、部長は文部省から来ました、こういうことでは、私は、職員に望みを持って働かせるということは不可能だと思う。  そこで、私は伺いたいんです。今後後任は部内から登用の道をはっきり原則としてつくる方針かどうかということを伺いたい。
  105. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) この後任については、まだきまっておりませんが、一般論といたしましては、いま申されるごとく、私どもは、この団体の内部の活発な伸展をはかるために、内部からできるだけ採りたい、こういうふうな考えを持っております。ただし、内部に適材適所を得られない場合は、他からそれ以上のそういう者があったらば導入するのもやむを得ない、こういうふうな考え方を持っております。
  106. 鈴木力

    ○鈴木力君 これは、いまの理事長さんのお考えで、それ以上は聞かないことにいたしましょう。ただし、私は、この私学共済というものはどういうものかわかりませんけれども、自分が教師育ちをやったからか知れませんが、私は私学共済に非常に愛情を持っている。したがって、私学共済がほんとうに下の平教員といわれる人たちまで、おれの組合なんだという気持ちを持ってこれを運営している。これはほんとうに、何というかね、栄えていくというかね、事業の発展をしていくことを祈っている。そういう意味で私は聞いているんですから。したがって、いまの理事長さんの基本方針である、下の職員から部長、課長に、できれば役員にまでも登用していくという方針は、ひとつぜひこれはやっていただきたい。と同時に、もう十何年かたっている今日ですよ。部内に適任者がなければというようなことは、あまりにもあなたは部下を信用しなさ過ぎますよ、そういうことでは。部内に適任者が幾らでもいるという信念、そう理事長さんがおっしゃるときに、職員はふるい立って一生懸命仕事をする。部内に適任者がいるかいないかわからぬというような気持ちで、部下を信用しないような理事長がいらっしゃる限り、また下の職員から不満が出てくることもありましょう。私はここで何べんも言いません。ぜひひとつ私学共済が先べんをつけて、もう役員は文部大臣が任命することになっているけれども、職員はそうじゃないのだから、ここで職員登用という原則をはっきり立ててもらいたい。これも私は強く要望をしておきます。  それで、あと役員の問題について若干伺いたい。  まず、ひとつ私は役員の問題で基本的にいってどうもおかしいのは、役員が文部大臣の任命になっているという法律上の問題がありますから、それはそれといたしまして、これは文部大臣に聞くほうがいいかもしれません。いまの私学共済の仕組みは、私がさきに申し上げたように、組合員が半分掛け金を出しているんですね。そうしてあとの半分は学校法人が出している。文部省は補助金を出している。そういう形のときに、掛け金を出している側から、つまり私に言わせれば役職につかない職員から理事者側に入れるか監事に入れるかですね。つまり理事者側は文部省が責任を持って執行するなら、監事のほうはそういう組合側でもってやる、そういう習慣をつけるべきだと思うけれども、どうも理事者側も監事も同じ穴から出てきているような感じがしてならない。そうすると、下の平――平ということばはよくないですけれども、都合上平といいますがね、平組合員からは、どうもえらい人が雲の上で何かやっているんだという不信感が出てくる。これは文部大臣にまずこの任命の態度についてはっきりしていただきたい。御見解はどうですか。
  107. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題についての御意見でありますが、御意見の御趣旨につきましては私は傾聴すべきものがあると、かように存じておりますが、十分ありま勉強できておりませんので、私学共済について検討させていただきたいと思います。
  108. 鈴木力

    ○鈴木力君 いまの大臣の御答弁ですが、これはこまかいことですから、どうこう言うわけにもまいりませんけれども、しかし、私はこまかくないと思うんです、この行政は。ひとついま大臣のおっしゃるように、そういう役員の割り振りというものについては、任命権を持っている大臣に今後十分な御検討をお願いしたいと思います。  そこで、これからあと若干具体的な問題について伺いたいんですが、理事長さんにまず伺いたい。福田繁さんという人が監事に就任いたしましたこの経緯を説明してください。
  109. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 別にいきさつというのはございませんが、十月のころですか、そういう話がありましたが、私は現在辻田監事がもう二カ月で満期になると、こういうような関係もありましたし、辻田監事が処遇というものを第一に考えてもらいたい、辻田監事本人が承知すればこれは私も別に異議はない。それからもう一つ、福田前次官がなったのは、私は、福田さんという人は私学の三法をつくる場合においても非常な協力あるいは御努力をなすって、私学の権威者とまで言われるような私学に対して理解が深いということも聞いておりますし、また私学に対する教育振興、それらに対して非常な熱意を持っている方だと、こういうことで平素尊敬しているものでございますから、そういうようなことで、できればお迎えしたい、こう考えておりました。
  110. 鈴木力

    ○鈴木力君 そこで、もう一つ伺いますが、理事長さん、率直に、非常に尊敬する人だと思っておったけれども、あとになってこれはちょっと当てがはずれたということはありませんでしたか。
  111. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 現在までいわゆる私のほうの共済組合に関係する限りにおいては、当てがはずれたというような、そういう思いはいたしておりません。
  112. 鈴木力

    ○鈴木力君 それなら伺います、そういうことなら。あなたのほうでもしこういうことで当てがはずれたということがあったというなら、ぼくは聞くまいと思った。しかし、何も傷がなかったというなら、伺いますよ。私が文部省を通じて役員の一覧表というのをちょうだいいたしましたら、福田繁さんという人は二月二十九日にやめておる。就任してから二、三カ月でやめなければならぬような人を、あなたは用てがはずれたと思っていないんですか。
  113. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 当てがはずれたということが、まあどういう意味になりますか、とにかく役員会には毎回出席して非常に御意見を述べていただくので、役員会としても私は活発なその様子を見ましたけれども、それからいまの監査の関係におきましても、とにかく監査はいたしておりますし、そういう意味から見れば、別にその人がもう監事としては不適役だとかあるいは何だとかいうようなことは、実は私はそこまでば考えておりません。
  114. 鈴木力

    ○鈴木力君 私は本人が能力がないとか悪い人間だとかというつもりで、当てがはずれたということばを使っているんじゃないんです。そんなにあなたの大事な人が二、三カ月でやめなければならないような事態になったことを、当てがはずれたと思わないかと、こう聞いている。しかし、この問題はやめましょう。  そこで、もう一つ聞きたい。いままでおった辻田さんという人は常勤監事だったんでしょう。常勤だったですね。その後任は非常勤でしょう。私学共済は常勤監事は要らないということなんですね。これはどうですか。
  115. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) そういうわけじゃございません。よりよく監査をし、よりよく効果をあげるためには、監事をもっとふやしていいくらいに思っております。思っておりますが、ただいまのようなことで、常任監事にするかしないかは、定款によりまして私がきめるということになっているようであります。そこで、私からも常任監事として職責を果たしてもらいたいということを懇願いたしましたが、待ってくれ、いまはなれない、こういうような本人の意思だったので、実はそのようなことにいたしました。
  116. 鈴木力

    ○鈴木力君 私はそこがわからないのですが、常勤がほしい、二人でも足りなくてもう一人くらいほしいが、本人から非常勤にしてくれと言われたから非常勤にいたしましたということは、一体どう聞けばいいのか。本人が非常勤にしてくれと言ったら、それならば別な人材をさがして常勤に使ったらどうかと思う。この点についても私はきわめて不満があります。しかし、それもその点だけにいたします。  あなたは非常にりっぱな方だという話をいたしましたから、もう一つ聞きます。さかき荘というのがございますね。これはどういう目的の施設ですか。
  117. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 現在の事務所並びにいわゆる厚生施設である湯島会館ができる前には、四谷のさかき荘において小さいながらそういうことをやっておりました。しかし、湯島会館ができましてからは、湯島会館を使用するようになったので、実はいわゆる人件費とかいろいろな関係から見て、それの使用をストップしておいたわけであります。ただ、湯島会館の三階、四階等に宿泊人が多いときには結局食事も何もなく泊まれさえすればいいというお客さんを二階のほうに泊めたのであります。したがって、泊まる場合には湯島会館から世話する人が行きまして、あそこにはそういう人がおりませんから。したがって、管理人というものもいない。あき家のようになっておったのです。
  118. 鈴木力

    ○鈴木力君 きわめて時間がございませんのですが、私はこれも大臣に伺いたいのですが、大臣に本会議に出席する都合がございますので、そこでこれは大臣にお願い申し上げますが、局長さんは残しておいていただいて、きょうの議論を局長さんを通じて御検討していただいて、あとでいろいろとまた御所見を伺える機会もあるだろうと思いますので、そういう扱いにしていただきたいと考えております。  そこで、理事長さんにもう少し伺います。このさかき荘に、いま伺ったことでわかるが、時間節約のために直接申し上げますが、福田繁事務所という事務所があって、この看板を掲げておったという事実をあなたは知っておりますか。
  119. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 初めは、私のほうの業務部長でやめました風間勇美というのが、いわゆる仕事をするのにいい適当な場所がないから、あそこがあいているなら貸してくれないか、こういうお話があったのです。それで私のほうといたしましては、現在の本棟は泊まるようなことに使用するわけにはいかないが、管理人がおったところは別棟になっているし、そこがあき家になっているので、その部屋を使用するならば、一時使用で、十二月までに必ずあけるからという話で貸したのです。そういうことで、いわゆる福田繁後援会の仕事をしているということはあとになって聞きました。
  120. 鈴木力

    ○鈴木力君 そこで、福田繁後援会の問題はまたあとで聞きます。  そのさかき荘をそういう経緯で貸した風間さんという人、風間さんという人が借りておるけれども、この方も私学共済の役員か職員かやった方でしょう。どうですか。
  121. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 業務部長であったわけであります。
  122. 鈴木力

    ○鈴木力君 その業務部長をやった人にあき家を貸すというのは、私立学校教職員共済組合宿泊所利用規程の何条の何項によって貸したのですか。
  123. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) いま規程を見ないとわかりませんけれども……。
  124. 鈴木力

    ○鈴木力君 見ていただいて……。私、ここに持っています。
  125. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) たとえば、そういう場合はあいていて使わない場合で、いわゆる障害にならない場合は貸してよろしいというような大体の――たとえば福岡に土地かあるのでございますが、ある人に、建物を建てるために物置き場にしたいから一町使用で貸す、こういうふうなものに貸すと同じような気持ちで私おったわけでございます。したがって、長期とか、そういうことはいけない。いわゆる十二月までにあける、こういうような話だったから、一時使用で、あとは十二月にあけるんだ、このような簡単な考え方で、私は福岡のほうのあき地を物置き場に貸したのと同じような気持ちで貸したわけでございます。
  126. 鈴木力

    ○鈴木力君 結局、借りた人は業務部長であって、やめた人ですね。
  127. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) やめた方です。
  128. 鈴木力

    ○鈴木力君 そういう人に、あいているから便宜上貸した。その気持ちもわからぬわけじゃない。しかし、この財産は個人の財産じゃないですね。したがって、これを貸すときに、手続は私学共済のどういう機関の承認を得て貸したのか。それからもう一つは、文部省の承認を得ておったか、得なかったか、二つ聞きたい。
  129. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 文部省のほうには別に、これを貸すからという手続は、たしかいたしていないと思います。あるいはあとに話はしたかもしれません。  それから、いまの何は、一時使用の契約をいたしまして……。
  130. 鈴木力

    ○鈴木力君 どうもあいまいなんですね。規程にもない。それから、私学共済のどういう機関にはかって貸したか、これもはかっていない。一時使用の契約で貸したと。あなたは十二月までとおっしゃっている。しかし、私が調べてみたところでは、二月まで看板はかかっている。きのう私の知っている人間に、ちょっとさかき荘に電話をしてもらったら、さかき荘の職員の人から、事務所はまだあるという返事をもらっている。きのうですよ。十二月までの契約で借りた人が、その中で、看板をはずしたけれども、まだ何か仕事をやっておる。こういうことをやったことについて――しかも看板は福田繁後援会事務所。それで、あなたはあとで当てが違ったと思いませんかと聞いたら、全然当ては違っていないと。私学共済の理事長としてりっぱな行為だと認めますか。
  131. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 一応私は十二月にはあけるという約束があったから十二月にあけると、こう思っておりました。そうしたら、一月の何になって、いまさがして、大体目星がついたからあけますと聞いたのが、一月の、始まったのが四日ですから、間もなくでございます。聞きました。それから、その後電話を引くなり何かあるという話だから、早くあけて返してもらわなければ困る、こういうことを私のほうからはその何に申し立て、たわけです。それで二月の下旬あけた、こう思っております。あけたから、私はみなあけたものと実は存じて、そこは私一々見にいけばよかったのかもしれませんけれども、あけましたといってきました。そして通知が参ったのは二月に入ってから、今度青山のほうに移転した通知を受けましたけれども、いきさつはそのとおりです。私、まことに不徳のいたすところで、そういう点を厳重に申しておりましたけれども、なかなか思うようにいかないということは私の不徳のいたすところでございます。
  132. 鈴木力

    ○鈴木力君 そういう貸したり借りたり、そんな事務手続を、まさかあなた、理事長さんが直接おやりになるとも思っておりませんから、その報告を受けて、そう思っておったという理事長さんを私責めるわけじゃありません。責めるわけじゃないけれども、どうもいまの筋は、私さっきから運営審議会の関連でこの話を聞いている。どこから見てもりっぱなことじゃない。  その借りている人が、事務所は福田繁さんの後援会事務所、あなたが認められたとおりですね。一体福田繁後援会というのは何をする会なんです。
  133. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 私どもへの案内とかいろいろの話を聞きますと、教育とかそれに関するところの事業に対して大いに発展、振興をはかる、そういうような事業をやるというような意味に何か聞きましたから、そういうものかなと思っておりました。
  134. 鈴木力

    ○鈴木力君 これからのことになりますが、私がこれから質問を、もうちょっとありますからやりますが、あなたがとぼけて答弁をするんなら、私ははっきり言いますよ。
  135. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 実際そういうふうに……。
  136. 鈴木力

    ○鈴木力君 それでは、あなた、これを見たことがありますか。福田繁事務所から、さかき荘の番地から、福田繁後援会という文書が出ている。私立学校やなんかにたくさん出ている。これには、いまあなたがおっしゃったような趣旨の団体じゃない。しかも、あなたは私学教育に非常に造詣の深い実力者だと思っておったその人が、後援会をつくらなければ教育の仕事ができないようなそんな人を、あなた、日本一の教育、私学教育の権威だと思っておったのですか。もし本気でそういう答弁をされるなら私は常識を疑いますし、もう少し事実を明らかにしなければなりませんよ。しかし、率直にお答えいただければ、私はこれ以上こんな事実を申し上げるつもりはない。
  137. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 私が聞いたのはそういうふうな解釈でおります。私のところに何かそういう後援会の手紙が来ましたが、その後はあと私のほうには参りませんし、それに私は関係をいたしておりませんから、その後に出たところのものはどういうものになっているか、私まだ読んでもみないからよくわかりませんが、事実はそのとおりでございます。
  138. 鈴木力

    ○鈴木力君 わかりました。  いま一つだけ聞きます。もう一つだけ聞くというのは、これは私が直接見たわけじゃありませんが、私立学校の先生たちがお宅の事務所に用事があって行って見た所感です。私学共済の事務所は出版屋みたいになっているという所感を私に漏らしている。思い当たることありませんか。思い当たることがないというなら、私は事実を示してもよろしい。
  139. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) 何かこういうことは聞きました。はがきを出してくれとかなんとか。それから私はそのあとでよく調べましたら、それは何か初めはぼくはいまの福田さんのはがきを、自分たちが上書きを書いて出すものだと、こう実は思ったものだから、そういうことはしちゃならない、一切そういうことはするな、そういうことについては初めから言うとおり誤解を受けるところの問題がこういう場合起きるから、前にも新聞に出たことがあるから、それはしちゃいかぬ、そういうふうなことで調べたところが、調べたその何は、あなたの知っている方で後援会に入る人がおるならばそれに出してくれというような話だった、こういう話を私は承ったのです。そういうことは、それは後援会に強制的に入れとかなんとかじゃなくて、あなたの知っている方がおればそれに対して出してくれという。そういうことが事実ならば、そういうことは今後しないように、ここの場所は一切使わしちゃならぬ、こういうことを申し上げて、実は厳重にその点には注意しておったのでございます。
  140. 鈴木力

    ○鈴木力君 もうこれで、あまりあとこれ以上は聞きませんが、私がいまの件で聞いているのは、そのようなことのほかに、建物なんかにだれかの著書のポスターですか、広告が非常に目立つという話をぼくは聞いた。その著者の写真を、四分の一ぐらいの大きな写真を入れて。そういうことをそういう機関がやるということになってくると、これもやっぱり誤解を受けるんじゃないかということです。これはまあ御答弁をいただかなくてもよろしい。  私がきょう申し上げたのはですね、これは理事長さんに誤解してもらっちゃ困るんです。私は特定の個人がどうこうしたというようなことを責めるつもりはありません。それからまた、皆さんが悪意でどうこうやったということを言うつもりもありません。つまり、私がいま申し上げた意図はですね、私学共済というのはあくまでも教員を中心にした福祉活動の本拠なんだ。そしてそれは何もその先生たちにお恵みでやっているという機関じゃない。もちろん使用者の法人が半分負担しているから、その分はあまりますけれどもね。その使用者の半分と、それから組合員が半分ずつ出して、そうしてやっている機関ですよ。それからもう一つは、特殊法人で、公的な責任のある機関です。この機関の運営が、たとえばさっき私が申し上げたように、苦情処理機関もつくらずに、執行機関で、理事者側の意見で、その系統で始末をしておった、発足以来十何年も。こういうようなことは、悪意とか善意とか、私は別だ。それを気がつかないでおるという感覚で将来も運営されるということになれば、これは私学共済の発展のためには非常に大きな障害になる、基本的にですね。それを一つ申し上げたい。  それから、私学共済に申し上げたいのは、役員の問題について軽率な処理をしてもらっては困る。つまり、理事長さんがいろいろおっしゃったその気持ちもわからぬわけじゃないけれども、何か慢性的に役員は私学共済の財産を自由かってに使えると、こういう気持ちで適当に使っておる。いまそこまでいっているとは私は聞いておりませんけれども、だんだん職員も私兵化して、役員が職員を何かのときに自分の自由自在に使えるんだ、こういうことになったら、近代的な教師の福利機関としてはこれはもう絶対合格しない。落第です、そういうことであるなら。そういう意味で私は理事長さんにきょう来てもらって、私の見解も申し上げたわけです。理事長さんに御意見があれば承りたいし、私がむちゃだというなら、むちゃだとおっしゃっていただけばいいです。今後相当これは根本的に、今日まで運営してきた運営を平場の教員という立場で再検討してもらいたい。これが私が理事長さんに最後に申し上げる要望です。
  141. 佐々木良吉

    ○参考人(佐々木良吉君) ありがとうございました。よくまた検討いたします。
  142. 鈴木力

    ○鈴木力君 そこで、文部省にちょっと伺います。  もう事の経緯を繰り返すつもりはありません。局長さんに伺いますが、私がいままで議論したうちの中に、一つは運営審議会ですね、運営審議会というのは、何べんも繰り返すけれども、形の上からいうと、組合員代表と法人代表、それから学識経験者、こう三者構成になっている。これは形の上からですよね。しかし、これを選ぶ運営審議会の機関というのが――もうあと二、三分でやめますから。いわゆる平場の組合員の意思が反映するような機関からは生まれてきていない。そこで、私は、いまのこういう組織の状態では非常に無理であろうが、これは理事長さんに申し上げたが、農林共済でやっておるような組合会という、ほんとうの組合員の意思が直接反映するような機関を真剣に検討してみる意思がないかということが一つ、局長さんに伺いたいのは。  それからもう一つは、役職員の任免ですがね、やっぱり文部省の責任を持っている法人ですから、これは文部省一切知らないと言えぬと。そこまで私は申し上げません。少なくとも職員は、その職員が登用していくような道を、これは文部省もそういう方針で指導してもらいたい。文部省から持ち込んで、これを採れなどということは自分一切言わないように、やらないようにしてもらいたい。これは私の文部省に対する要望です。  それからもう一点は、役員の任免について、これは文部省だけじゃなしに、最近高級官僚の天下りという問題が非常に問題になっている時なんです。しかし、だから、私は文部省についてはそういう批判を受けるようなことはあまりないじゃないかと思っておったけれども、こういう事件が一つ出てまいりますと、これもまたやはりいろいろな公的な機関の運営についてはやはり問題が出てくる。したがって、こういう点についても相当に慎重に対処していただきたい。特に私が申し上げたいのは、これはまさかそのとおりとは認めないだろうけれども、私は今日まで文部省がやってきたことは、これも悪意だとは思いません、悪意だと思わないだけに、文部省というのは自分の機関を自分がかってにしてもいいのだという気持ちがやはりあるのじゃないか。こういうことに対する自己批判というか、そういう態度ということが麻痺し切っているのじゃないか、私はむしろそういう気持ちでさえいるわけです。だから、京都の教育長の問題なんかについても、自分の言うことを聞かないとどうこうというふうに問題が出てくる。何でも役人というのが自分の指令の中に、自分の範囲の中に自由に動かせるという、考え方が麻痺して固まってしまうといろいろなけがをする。だから、こういう点についても、文部省としては私学共済を将来発展させるために十分検討してもらいたい。これはまとめて要望を申し上げるわけですけれども、これは文部省の見解があれば承りたいと思います。
  143. 村山松雄

    ○政府委員(村山松雄君) 第一点の組合会の問題でありますが、文部省といたしましては、私学に関することはそれぞれの私学団体、私学全体であれば全私通、大学関係だけであれば大学三団体、これと緊密な連絡をとって処理するというやり方を万般の問題についてとっておりまして、私学共済組合につきましても同じようにやっておるわけであります。  それから、特殊法人につきましては、これはかなり法的に独立性が与えられておるわけでありますから、私学の立場からの御意見と同時に、私学共済組合それ自体の自主性というものを十分尊重し、よく話し合って運営してまいりたい、こういう一般的な考え方でおります。  農林共済等のやり方につきましては、私、不案内でございますので、よく勉強いたしまして検討いたしたいと思います。  それから、役職員の問題でありますが、職員の任用につきましては、これは一般原則としてはやはり広く人材を求めるというたてまえで、部内の士気を高める観点からは、広い人材のうちでまず第一に部内に目を配って、部内に人材があれば登用するという考え方が肝要だと存じます。役員につきましては、実は私は大臣を補佐するにすぎない立場でありまして、私学関係について申し上げると、これはやはり全私達の御推薦といいますか、御意見を徴してやっておるわけでありまして、文部省としては全私達の御意見で私学側の御意見が集約されておるように考えておるわけでありますが、それでは必ずしも十分でないという御指摘でございますので、その点も十分検討いたしたいと思います。
  144. 鈴木力

    ○鈴木力君 最後に一つだけ、いまの御答弁の中で、私がいま申し上げた点については、私は私なりに私学共済の運営という点については自信があって問題を指摘したつもりなんです。その中に一番最初の運営審議会の構成ですがね、これは理事長さんにも伺った。なるほどいまそういう機関で、私学の団体から意見を聞いて、そこから御推薦をしてもらってやっている。その結果が私がいま指摘したようないろいろな現象として出ているわけです。私はここのところをもうすこし民主化すれば、もっとこの辺は直ってくるんじゃないか、そういう大事なことだということなんです。  それから、さっき言い残しましたけれども、この苦情処理機関の問題、件数が少ないからといって十何年間ほうって置くなんというのは、これは怠慢じゃないですか。理事長さんに伺うと、文部省さんにたのんでも一向委員を任命してくれないという御答弁なんです。この辺はよほどやはり慎重に対処してもらいたい。
  145. 村山松雄

    ○政府委員(村山松雄君) 最後の審査会の点でございますが、私学共済側と協議いたしまして、近く発足できる見込みでございます。
  146. 中村喜四郎

    ○委員長(中村喜四郎君) ほかに御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十一分散会      ―――――・―――――