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1968-05-15 第58回国会 参議院 外務委員会 13号 公式Web版

  1. 昭和四十三年五月十五日(水曜日)    午後四時二十八分開会     ―――――――――――――   委員の異動  五月十四日     辞任         補欠選任      大和 与一君     大森 創造君      黒柳  明君     矢追 秀彦君  五月十五日     辞任         補欠選任      杉原 荒太君     平島 敏夫君      大森 創造君     大和 与一君      矢追 秀彦君     黒柳  明君      渋谷 邦彦君     原田  立君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         三木與吉郎君     理 事                 木内 四郎君                 増原 恵吉君                 山本  杉君                 森元 治郎君     委 員                 平島 敏夫君                 廣瀬 久忠君                 佐多 忠隆君                 羽生 三七君                 大和 与一君                 黒柳  明君                 原田  立君    国務大臣        外 務 大 臣  三木 武夫君    政府委員        外務省経済局長  鶴見 清彦君        大蔵省関税局長  武藤謙二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        瓜生 復男君    説明員        外務省条約局外        務参事官     高島 益郎君        農林省農政局参        事官       田所  萠君        食糧庁総務部長  小暮 光美君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○原子力の非軍事的利用に関する協力のための日  本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の  締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付) ○原子力の平和的利用における協力のための日本  国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルラ  ンド連合王国政府との間の協定の締結について  承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とア  メリカ合衆国との間の協定の締結について承認  を求めるの件(内閣提出、衆議院送付) ○関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議  定書(千九百六十七年)及び関係交換公文の締  結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議  院送付) ○関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に  関する協定の締結について承認を求めるの件  (内閣提出、衆議院送付) ○千九百六十七年の国際穀物協定の締結について  承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  本日、渋谷邦彦君が委員を辞任され、その補欠として原田立君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件  以上三案件を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣。
  4. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ただいま議題となりました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、本年十二月四日に有効期間が満了する現行の日米原子力協力協定にかわるべき新協定の締結のための交渉を、昨年十月以来米側との間に行ないました結果、新協定を締結することについて最終的合意を見るに至りました。よって、昭和四十三年二月二十六日に、ワシントンにおいて、わがほう下田駐米大使と米側ラスク国務長官及びシーボーグ原子力委員会委員長との間で、この協定の署名を行なった次第であります。  この協定は、本文十四カ条から成っており、その内容は、今後予想される原子力の平和的利用の急速な発展に備え、濃縮ウランの米国よりの供給ワクをウラン―二三五計算で百六十一トンと大幅に増加し、燃料用プルトニウム三百六十五キログラムの供給ワクを設定したほか、核物質、設備等が両国間に移転され得ること、この協定に基づいて移転された核物質、設備等は平和的目的にのみ使用されること、国際原子力機関が保障措置を適用するよう両国政府と同機関との間で取りきめを行なうべきこと等を規定しております。  この協定は、わが国に核燃料の長期供給を保証し、わが国の原子力発電の将来を安定した基礎の上に置くものであり、原子力の平和的利用の開発に資するものと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、本年十二月四日に有効期間が満了する現行の日英原子力協力協定にかわるべき新協定の締結のための交渉を昨年末以来英側との間に行ないました結果、新協定を締結することについて最終的合意を見るに至りました。よって昭和四十三年三月六日に東京において、三木外務大臣と英側ピルチャー駐日大使との間で、この協定の署名を行なった次第であります。  この協定は、本文十カ条から成っており、その内容は、核物質、設備等が両国間に移転され得ること、英国はわが国が英国から購入した原子炉の所要燃料を供給すること、この協定に基づいて移転された核物質、設備等は平和的目的にのみ使用されること、国際原子力機関が保障措置を適用するよう両国政府と同機関との間で取りきめを行なうべきこと等を規定しております。  この協定は、日英両国が相互協力の基礎の上に立って協力することを可能ならしめるものであり、両国の原子力の平和的利用の開発促進に資するものと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明をいたします。  佐藤総理大臣とジョンソン大統領は、昨年十一月十四日及び十五日にワシントンで行なわれた会談において、小笠原群島等の南方諸島及びその他の諸島の地位について検討し、これらの諸島の日本国への早期復帰を達成するための具体的な取りきめに関して日米両国が直ちに協議に入ることに合意いたしました。よって、政府は、昨年十一月以降米側との間に協議を行ない、協定案作成の作業を進めました結果、これにつき最終的合意に達しましたので、本年四月五日に東京で、三木外務大臣と米側ジョンソン駐日大使との間で協定の署名が行なわれた次第であります。  この協定は、本文六カ条から成っており、その主な内容としては、米国が小笠原群島等に関して平和条約第三条に基づくすべての権利及び利益を日本国のために放棄し、日本国がこの協定発効の日からこれらの諸島の行政、立法及び司法上のすべての権力を行使する権能及び責任を引き受ける旨、小笠原群島等において米国が現に利用している設備及び用地は、二つのロラン局施設を除き、すべて日本国に引き渡されることとなる旨、日本国が、米国の施政期間中に小笠原群島等において生じたことあるべき対米請求権を放棄するが、米国または現地の法令で認められる日本国民の請求権は放棄されない旨等を規定しております。  なお、この協定の効力発生につきましては、日本国の国内手続に従って協定が承認された旨を米国政府に通知した日から三十日後とされております。  この協定は、日本国民の長年の念願であった小笠原群島等の復帰を実現するものであり、日米両国間の友好関係の一そうの緊密化に資するものと考えられるのであります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につきまして御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
  5. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。高島参事官。
  6. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) 以上の条約三件につきまして簡単に御説明申し上げます。  初めに日米原子力協定でございます。  原子力の平和利用計画を今後原子力発電計画として画期的に開発するために、今回日米協定が締結をされたわけでありますが、原子力委員会におきましては、大体昭和五十年度におきまして、原子力発電によって六百万キロワット時の発電計画を立てておりまして、こういう計画をもとにいたしまして、それに必要な濃縮ウランを米国から供給を受けるということを骨子とした協定でございます。ことしの十二月四日に失効いたします日米現行協定に取りかわる協定がこの新協定でございますけれども、現行協定とのおもな相違点を簡単に御説明申し上げます。  現行協定におきましては、主として研究用についてでございましたために、濃縮ウランは二・七トンと非常に少量の燃料でよかったわけでありますけれども、今後原子力発電に必要な燃料といたしましては、この協定の附表に書いてございます十三基の原子力発電所に必要な濃縮ウラン、これを百五十四トン・プラス研究用の濃縮ウラン七トン、合わせまして百六十一トンという大量の濃縮ウランを今後三十年間にわたって米国から供給を受けるという約束をされたわけであります。これは供給ワクの上限を定めたものでありまして、日本はこのワクまで買わなければならないという性質のものでは毛頭ございません。しかし、米国としては、それにもかかわらず、このワクだけは日本が要求した場合は供給しなければならないという性質のワクでございます。  なお、今後日本の原子力発電計画の変更に従いまして、これ以上濃縮ウランが必要となったというような場合には、別途日米両国政府間の協定によりまして、この上限をさらにまた増大することが可能にしてございます。  第二点は、この供給される核燃料につきまして、いままで政府間でのみ取引されたのを民間取引ができるようにいたしました。これは、従来政府間だけでやっていたそういう濃縮ウランの供給関係を民間にも可能ならしめたほうが、民間における発電所の発電計画に、より効率的に使えるということでそういうたてまえにしたわけでございます。  それからさらに、この濃縮ウランのほかにプルトニウムを三百六十五キログラム、これもやはり三百六十五キログラムだけは必ず供給するという約束を米国とされたわけでございます。これは発電所のためのものではなくて、高速増殖炉とか、そういう研究開発のために必要なプルトニウムの供給でございます。  これが燃料供給に関します現行協定と新協定とのおもな相違点でございます。  第二点は、協定に基づいて移転されますいろいろな燃料資材等が平和的目的にのみ使われるという点につきまして、従来は、日本側だけがそのような約束をいたしまして、これに伴う保障措置を国際原子力機関に移管したということでございますけれども、今回の協定におきましては、米国側にも、日本が供給を受けて、それがさらに米国に移転された場合に、その移転された燃料等につきましては、その分は米国側も平和的目的のみに使う、軍事目的に使わないという約束をいたしております。もっとも、この点につきましては、日本側と違いまして、保障措置としての国際原子力機関の査察は、現在のところではまだ米国に受諾させるというところまでは参っておりません。これは将来、核兵器の拡散防止条約、そういった関係によって保障措置が全世界的に広まるということになった場合に、米国としてはすでにそのような用意があるということを宣言しておりますので、そのような可能性が生じた場合にあらためて協定の交渉を行なうということでございます。  それから、保障措置につきましては、現在までのところは、新協定も現行協定もすべて内容同じでございますけれども、ただ一点だけ、この原子力の平和利用に関しまして産業上の秘密については漏洩してはならないという規定を新たに追加いたしました。これは米国が現在スイス、スペイン、スウェーデン、オーストラリア、ノルウェー等と結んでおります原子力平和利用協定にはない新しい規定でございます。  なお、この保障措置につきましては、現行協定も同じでございますけれども、核兵器拡散防止条約につきまして新しい保障措置ができました場合には、この内容と見合うようにあらためて協定の改正のための協議を行なうという約束を、別途協定以外の交換公文で、日米間で取りかわしております。これは当然新しい保障措置ができるということが予想されますので、それに基づいてそれに相応する新しい取りきめを行なうということでございます。  それから、従来ございました規定で新しく削除したものといたしましては、米国から移転された物質を燃料とする原子炉で生産されるいわゆるプルトニウムでございますが、特殊核物質について米国の購入優先権というものが従来ございました。これを今回はずしまして、米国が購入するという優先権を持たなくしたわけでございます。  以上が大体現行協定との主要なる相違点でございますけれども、この内容は、先ほど申し上げました産業上の秘密等に関します若干の点を除きまして、米国が現在までに各国と結んでおります原子力平和利用協定の内容とほとんど同じものでございます。  期間につきましても、これらの協定はすべて三十年ということでございまして、従来の協定が十年だったのと比べますと、非常に長期の協定でございますけれども、要するに、この十三基の原子力発電所が必要な燃料を三十年間にわたって供給を確保するという観点から、三十年間ということは、この原子力発電所に使います動力炉の耐用年数等とも勘案いたしましてどうしても必要である、そのような期間における約束をしておくことが必要であるという観点からしたわけでございます。もっとも、日本の原子力発電計画につきましては、このような十三基の発電所のみによる計画ではございません。将来はこれ以外の発電所の計画も当然あるわけでございますが、そのような場合につきましては、また新たに必要な協定を結ぶということでございます。  それから、英国との協定ということにつきましては、そのような供給のワクを定めておりません。これは、英国から購入いたします動力炉に必要な燃料を英国が日本に供給するという約束をしているだけでございます。  それ以外の保障措置その他平和利用義務等につきましては、一切米国側と違いまして、双務的な取りきめにいたしております。したがいまして、これは理論上の問題でございますけれども、もしかりに日本から燃料が英国に供給されるという場合におきましては、英国が国際原子力機関による保障措置を受けるということになるわけであります。ただ、実際上現在の段階では日本から英国に対しましてそのような燃料が供給されるという可能性がございませんので、実際上にはございませんが、理論上は双務的というたてまえにしてございます。  なお、日米・日英両協定とも、この保障措置につきましては、米国及び英国あるいは日本、それぞれが査察及び保障措置を行なう権利を有するたてまえになっておりますけれども、実際上は、協定にも書いてございますとおり、その保障措置の内容を、日、米、国際原子力機関三者間で締結されます保障措置の移管協定によって全部査察が行なわれるわけでございまして、アメリカ、イギリスが別個に日本に対して査察を行なうということではございません。すべて国際原子力機関が全部取りかわってこの保障措置の内容を実施するということでございます。またその内容も、将来核兵器の拡散防止条約に伴って保障措置ができますれば、それに伴って改定されるということを予想しております。  最後に、小笠原返還協定でございますが、この小笠原返還協定につきましては、大体奄美大島の返還協定と同じような考えで内容を取りきめをいたしました。  第一条につきましては、平和条約第三条にございます米国の施政権をこの第一条によって放棄するということでございまして、平和条約第三条はそのままにしておいて、第三条で与えられた米国の施政権を日本のために放棄するということでございまして、米国のみに与えられた権利、権限でございますので、平和条約第三条につきましては、特別に手当てをしなくても、奄美大島の例もございますとおり、何ら支障はないということで第一条が設けられたのであります。  第二条につきましては、あらためてこのような規定を置く必要はなかったのでございますが、日米間に取りきめられておる実際の条約、特に安全保障条約等がそのまま小笠原に施行されるということを確認したものでございます。  第三条は、米国軍隊が現在使っております施設のうちで、この協定発効と同時に、新しく日米安保条約に基づいて米国に引き続きそのまま使用させることにつきまして、硫黄島、南鳥島にございますロラン局だけがそのような対象になるということだけを定めておりまして、それ以外の実際米国が使っておりました飛行場その他の施設は日本側に返還されるということになっております。  第四条は、米国軍隊ではございませんで、アメリカの気象局が使っております南鳥島の測候所を日本に引き渡すという定めでございます。  第五条は、請求権の放棄に関する規定でございまして、これは奄美大島の場合と全く同じ内容でございまして、ただ一点だけ実質的に内容が違いますのは、奄美大島の場合と違いまして小笠原の場合は、戦後ずっとこの島に帰ることはできませんで、いままで財産、土地等を残してきた日本人島民がございます。この方々が島に残してきました土地、財産等の使用、収益ができなかった分につきましてどうするかという問題があったわけでございますが、この点につきましては、政府は交渉いたしまして、昭和三十六年に米国から八百万ドルの支払いを受けまして、これをそのまま島民に全部配付してございます。それによりまして、そのような財産の使用、収益ができなかったことに伴う請求権をここで解消した次第でございます。なお、それに伴って残してきました土地、財産等は、そのまま所有権は依然として旧島民に残されておるということを五条第三項で確認してございます。  なお、奄美大島にございましてこの小笠原返還協定にない規定といたしましては、B円の回収に関する規定、裁判関係の効力を継続させる規定でございますが、このようなものは小笠原の場合実際上必要はないということで全部削除いたしております。  なお、附属の交換公文も奄美大島の場合ございまして、将来施設、区域等の要求につきまして特別配慮をしてほしいというものがございましたが、これは全部必要はないということで落としてございます。  以上が小笠原返還協定の補足説明でございます。
  7. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) 以上をもって説明は終了いたしました。  三案件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     ―――――――――――――
  8. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) この際、委員の異動についてお知らせいたします。  本日、杉原荒太君が辞任され、その補欠として平島敏夫君が選任されました。     ―――――――――――――
  9. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) 関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係交換公文の締結について承認を求めるの件  関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件  及び  千九百六十七年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件  以上三案を便宜一括して議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  10. 森元治郎

    ○森元治郎君 何か「硫黄島の記念碑に関する書簡」というのがあったが、ああいうのはやはりちょっと補足説明があったほうがよかったですね、補足説明脱落の分を。
  11. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) 小笠原の返還協定につきまして、追加して説明さしていただきます。  この御承認の対象になっております協定のうち、参考文書といたしまして、これは硫黄島におきます米国の記念碑につきましての書簡が添付してございます。これは日米両国政府間の取りきめではございませんで、日本政府が一方的に日本政府の意図を表明したものでございます。内容は、硫黄島にございます米国マリンの記念碑を小笠原返還後も維持し、かつ、そこへの立ち入りを認めるという趣旨の日本政府の一方的な意思を表明したものでございまして、なお、その中に書いてございますとおり、将来日本の兵士の記念碑も含めまして、両方ともに将来そこへ存置され、かつ、そこへの米国の人々の立ち入りを認めるという内容のものでございます。これは日本、アメリカ両国政府間の取りきめではございませんで、日本政府の一方的な意思表明をしたものでございます。
  12. 羽生三七

    ○羽生三七君 この「日本国の譲許表に関する注釈」の第二項で、わが国が関税を引き下げる方法についてそれぞれの年月日を明らかにしておるわけです。しかし、さきに日本、アメリカ、EEC等の合意で妥結した繰り上げ実施の場合、この場合には新しい国際約束によってこれを修正をするのか、あるいは国内法で足りるのか、これは検討中と言っておるようですが、この「日本国の譲許表に関する注釈」として明確に規定されている以上、これは修正なり新しい議定書の作成というか、そういうことが必要になるのではないでしょうか、その辺どうです。
  13. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) ただいま先生御指摘の点でございますが、日本の場合、またEECの場合、あるいはイギリスの場合は、御存じのとおり、本年の七月一日に五分の二の部分を一括引き下げることになっております。これが議定書できまっておりますが、ただいま御指摘の繰り上げを実施する場合には、別にまたさらに何らかの国際的な合意というものを必要とするか、あるいは国内法の措置でできるかということの御質問だと存じますが、現在私どもの考え方では、この点につきましては国内法の措置によって一方的にやっていく、大体それを考えておるわけでございます。
  14. 羽生三七

    ○羽生三七君 それは国際間の条約、協定でそういうことはしばしばあることですか。
  15. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) その点、特に例といたしましては条約局のほうから答弁していただくほうがいいかと思いますが、そうひんぱんにあることではないと私も了解しております。
  16. 高島益郎

    ○説明員(高島益郎君) 私、いま手元にそのような例があるかどうか、特にこういう関税に関する取りきめでそういう繰り上げしたという例が実はないわけでございます。はたしてほかに国際条約あるいは協定等でその内容の範囲内で実質的に多少違うような慣行を行なうということはこれはないわけではございませんが、しかし、関税の場合は私は例はあまり存じません。ほかの場合ですと、協定の取りきめた内容と若干違うようなことを関係国間の合意によって行なうということは、これはございます。しかし、関税につきましては、例は存じません。
  17. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) もうちょっと補足的に御説明申し上げたいと存じますが、先生も御存じのとおり、五月一日の日にガットの事務局長ウインダム・ホワイトが、事務局長自身の声明という形でございますが、したがって法的な拘束はございませんけれども、それの中に、主要ケネディ・ラウンド三カ国の意思といいますか、そういうものが盛り込まれているわけでございますが、したがいまして、正式な意味での法的な再合意という形にはなりませんけれども、あれにあらわれている考え方というものを、各国、主要ケネディ・ラウンド三カ国が行なっていく、それぞれの国が一方的にやっていくという形になりますので、法的には確かに新しい合意というものがあったほうがいいとは思いますが、実質的には同じようなことになるのではないかという感じを持っておりまして、現在のところでは、新しい国際協定あるいは国際合意というものをつくることが、法的な意味におきまして、この際非常にむずかしい状況でございますので、先ほど申し上げましたような国内的な措置によってそれぞれ各国ともやるということを大体予定して、わが国の場合もそういう方向で検討を進めているわけでございます。
  18. 羽生三七

    ○羽生三七君 実際に新しく会議を開いてその部分を修正することはめんどうなことでしょうから、それはよくわかりますが、これは何らかの機会にこういう措置を講じたという経過を会議の席で一応明らかにしておくことは必要だと思います。そうしなければ、こんなものを明確に日付を書いておいて何も意味のないことにするのはあんまり先例としてはいいことではないと思います。これは質問じゃないですが、私の考え、感想を申し上げたのです。  それから次は、穀物協定に関連することですが、第五条に基づく最高価格の宣言という問題は、これは従来の小麦協定で最高価格の宣言が発動されたという例はあるのかどうか。
  19. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) 小麦協定時代に、一九五一年から二年にかけての協定のときに最高価格宣言に該当する例があったというふうに記憶しております。
  20. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、以来もう十七年ぐらいもそういう例がないわけですね。そうなると、この条項というものは一体どういう意味を持つのですか。
  21. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) 御承知のように、小麦協定時代にも何年かに一ぺん価格帯につきましては実態に合うように修正するということを続けてきておりますので、最高価格宣言を発するような事態があまり例として多くないということでございますけれども、今回の穀物協定に移り変わります直前に、昨年穀物協定にかかわる交渉をいたしておりました当時の、たとえばマニトバの実際の価格水準が当時の小麦協定時代の最高位すれすれになってきております。これを協定を越えないように関係国において一応需給操作上の努力をするといったような事実もございます。
  22. 羽生三七

    ○羽生三七君 それからさきの国際小麦協定に比較して今回の穀物協定では、その価格帯はどの程度引き上げられたのか、その辺を。
  23. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) これまでの小麦協定がカナダのマニトバ・ナンバーワンという銘柄で、しかも、価格を表示します場所を、五大湖地方といっておりますが、カナダの主要な積み出し港五大湖のあたりということでやっておる。しかも、これがインストア――倉庫渡しというようなことで最低が一ドル六十二セント五ということになっております。今度の協定では、協定文をごらんになりますとおわかりのように、メキシコ湾岸の、しかもfobにいたしまして、それがマニトバじゃなくて、ハード・ウインター・オーディナリーというソフト系のものにいたしておりますので、直接の比較はできないわけです。しかし、当時の小麦協定時代の産出地でこれを換算いたしまして銘柄格差を別途協定いたしておりますから、銘柄格差を別にして試算いたしますと、夏場と冬場でフレートの関係で十セントのズレはございますけれども、おおむね十ないし二十セントの引き上げにマニトバ・ナンバーワンで相当するというふうに見ております。
  24. 羽生三七

    ○羽生三七君 この引き上げの理由は、これ実勢に見合うためのものだろうと思うのですが、その結果ですね、実際にこの実勢に見合って引き上げるのですから、今後その関係上全体的にこの価格の引き上げということが起こってくることはないのですか、この処置の結果。
  25. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) 御承知のように、これは価格帯でございますから、価格帯の設定がそのまま実際の取引価格に直接的な影響を与えるということはあまりないと思います。やはり農産物でございますので、その年の豊凶と申しますか、あるいは在庫の状況等も含めた需給できまってくる要素のほうが圧倒的に大きいと思います。ただ、価格帯をきめますときに、これがかりに人為的に価格帯をきめるというようなことがございますれば、ある程度実取引にも影響を与えることがあると思います。そこで、これは輸入国と輸出国とのいわば立場の違いがそこに出てくるわけですけれども、多数国間のかけ合いごとでございますので、かなり長期にわたってどの辺にするかという議論になるわけです。どちらかというと、ここ数年の実勢をなるべくならば新しい価格帯の下限に置きたい。実勢を下限に置いて、その上に幅を持ちたいというのが輸出国側の主張であった。日本を含めて輸入国側は過去の実勢というものが新しい価格帯のほぼ中間、まん中辺になきゃおかしいじゃないかということで議論したわけですけれども、交渉の結果、大体交渉当時としてはほぼ実勢が価格帯の中間に来る。銘柄によって多少の例外がありますけれども、全体としては当時の実勢が価格帯のほぼ中央にあるというふうな形のところで妥結したわけです。したがいまして、実勢が上がっておることを反映して十ないし二十セントの価格帯の引き上げになりましたけれども、そのことがその後今日までの一年間の実取引の価格を上げるということは現実に起こっておりません。むしろ実勢はやや弱含みにその後推移しておるわけであります。
  26. 羽生三七

    ○羽生三七君 これは協定、条約のこの文書に直接関係のないことですけれども、日本で輸入する小麦が、これは硬質小麦が中心なんですが、それは日本の地理的な条件、あるいは土質の関係等で日本では硬質小麦の生産は無理ということなのか、品種改良あるいはその他を通じてやっても全然見込みがないのかどうか知らない。ぼくらも錯覚起こすのですが、どうしてこの日本では、むしろ小麦なんかだんだん減産のほうですね、これは労力の関係もあるけれども、根本的にはそういう事情もあると思うので、その辺の事情はどういうことなのか、全然改良の見込みがないのかどうか。
  27. 田所萠

    ○説明員(田所萌君) ただいまの御質問の硬質小麦の件でございますが、わが国におきます麦というのは、大体においてあまり適作物というような気象じゃないわけです。というのは、一番問題なのは収穫期におきますつゆ――五月の雨でございますとか、そういう意味で硬質小麦というのが、品種そのものの性質と、それから収穫――登熟期におきます気象というものが影響するわけでございます。わが国においては硬質小麦という品種も育成はしておりますけれども、実質的な硬質小麦というのは非常に栽培するのが困難である。また、そういうものはなかなかできない。現在北海道の北見地方で一部そういうものができておりますが、非常に量的には少ないのでございます。一般的にわが国においては硬質小麦は無理だということでございます。
  28. 羽生三七

    ○羽生三七君 それから今度の穀物援助の場合ですね、肥料、農薬等のほかに米も援助対象に考えておるようですね、政府が。実はこれは大蔵大臣にも聞きたいことだと思ったんだが、きょうお見えでないのですが、その間、かりに米を援助するとした場合、いま余剰米が相当ありますから、かりに援助する場合には、国際価格と国内価格は、比較すると国際価格のほうが半分国内価格より安いわけだ。だから、そういうものが援助対象になった場合には、食管会計との関係はどうなるのかね。これ、その間、何か差額というものはどういう形で会計上の処理をするのか、どういうことになるのかね。その辺はどうされますか。かりにそうなった場合。
  29. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) まだ政府が特別会計で管理しております国内米を援助に充てるという議論まで来ておりませんので、具体的にはまだ検討いたしておりませんが、そういう仮定の議論としてのお尋ねとして、御承知のように、食糧管理のためにする米穀の売り買いというものを特別会計で処理するたてまえになっておりますので、厳密に申しますれば、援助にかかわる、いわば差損のようなものを特別会計の中でこなすことは、まずたてまえとしてできないというふうに考えるのが一番すなおだと思います。やはり時期的には、いま輸出の際に、全体の需給が苦しかった時期でも、現実には日本人が長期間船団を組んで外国に歩くということもございますから、輸出価格というのは食糧庁できめてあるのです。これはかなりコストに近いものでやっております。この程度の価格でございますれば、まあ需給上、管理しておって古くなるよりは出したほうがいいというようなことで、もし出すというならば、食糧管理の必要から派生して起こった仕事ということでこれは外へ出すということも、そういった価格が許されるなら、理論上は検討に値するわけですけれども、それがやはりトン当たり十数万円になりますから、いま、東南アジアでお米が足りなくて困るという場合に、たとえば六万円のものが八万円に上がって困っているといったところに十万円をこえるものを輸入してくることは、やや価格の面に難点がある。いずれにしても、特別会計でこれを直に処理することはまずできないというように考えます。
  30. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、どこかで差損金を処理するところが必要になってくるわけです。食管特別会計はできないとすれば、その差損金は対外援助の中の一部分として支出するか、そうしなければこれは相当な額になりますよ。そういう必要が起こってくるのじゃないですか。
  31. 小暮光美

    ○説明員(小暮光美君) いまのお尋ねについては、これは食糧庁という狭い立場からお答えしにくいのですが。
  32. 羽生三七

    ○羽生三七君 食糧庁でなくて外務省からでも、それは当然起こる問題ですから。
  33. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) ただいま小暮部長がお答え申し上げましたが、現実の問題といたしまして、まだ国内産米――確かにただいま先生御指摘のとおり、本年度の端境期にはかなりの大きな繰り越し米ができるということですので、それを使うという、K・Rのもとにおける食糧援助の計画に使うという考えもないわけではございませんけれども、ただいま食糧庁からもお答えいたしましたとおり、いろいろの難点もございますし、価格上の問題もございますが、したがいまして、十分詰めが行なわれていない段階でございます。私どもが外務省としていままで考えておりましたことは、どちらかと申しますと、国内産米というよりも東南アジア産米の米を使ってそれを援助のほうに振り向けていくという考え方をとっておりまして、これは先生御承知のとおり、かつてインドに対しあるいはインドネシアに対し緊急援助のようなときに出しました形でございますので、そういう形での援助ということをむしろ考えていかなければならない。しかしながら、ただいま御指摘のような点もございますし、さらにこの国内産米穀を向けるか向けないか、向ける場合にどういうような問題があるかというようなことはさらに検討する必要があるかと考えております。
  34. 羽生三七

    ○羽生三七君 それでこの穀物援助の場合に、平年度五十一億、それから本年度は二十何億ですね。その場合に、本年度分の相手国、援助する相手国あるいは品目等についてはまだ何らの予定がないというこの間のお話でしたが、しかし、およそ想定されるところはどういう国、あるいはどういう穀物、あるいは肥料、農薬とか、そういうことは相手国から若干の話でもあったのか、まだどこからも何もないのか。それから、それは日本が一国一国、相手国の意向を確かめてやるのか、申し入れがあったらやるのか、何もそういう動きはいまないのですか。
  35. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) 先刻も同じような御質問に対してお答えいたしましたが、現在のところ、相手国のほうから具体的にこのK・Rのもとにおける穀物援助あるいは食糧援助ということで要請という形はまだ出てまいっておりません。しかしながら、先般お答え申し上げましたごとく、私どもの現在の一応の考え方といたしましては、東南アジアの諸国、特にインドネシア、インド等を中心に考えておりますが、具体的に相手国、インドネシアあるいはインドからこういう形、この形での食糧援助をしてほしい、その際に、たとえば米はどのくらい、肥料はどのくらいといったような具体的な要請はまだ参っておりません。私どものほうでやり方等も十分検討いたしました上で、その上で相手国に対して働きかけてまいろうというのが大体順序かと考えております。
  36. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、いまのところは、こっちからでも打診しなければ向こうから積極的に申し出があるというようなことはないのですね。
  37. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) いまのところ、現在まではございません。
  38. 森元治郎

    ○森元治郎君 関連して。むしろ、その食いものより現ナマをにおわしたほうが多いだろう。どうですか、東南アジア。物も買えるし……。
  39. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) まあ、現ナマと申しましても、これは食糧援助で日本は態度を留保いたしまして一方的にやることになっておりますが、しかしながら、手元にございます交換書簡と申しますか、むしろアメリカにあてた書簡に書いてございますように、この形は相当部分を米を含む食糧ということになっておりますから、現ナマということは現在のところは考えておりませんし、やはり米を含む食糧、さらに相手国からの要請がある場合に肥料とか農薬とかいうものを考えるということでございます。また、日本の農業に関する援助という考え方から、食糧はなるべくできるならば割合を少なくして、むしろ農業基盤を造成するように持っていきたい。そういう意図も入りまして日本の宣言という形もあったわけでございますので、日本側といたしましては、なるべくそういう方向へ持っていきたい。しかしながら、この中で明らかになっておりまするから、相当部分はやはり米を含む食糧という形で援助をするということになろうかと考えております。
  40. 森元治郎

    ○森元治郎君 第二条の留保で、五十一億の約束は留保したから、援助しないというわけにもいかないので、やむを得ず、やりたくはないけれどもやるというのがこの結果だと思うのだよ。だから、注文がなければ、相手――被援助国が何とも言わないものだから、こちらでお金を積み立てておくというのがほんとうの内容だと思うのだよ、やるつもりはないのだから。留保して、何もしないじゃ、どうもぐあいが悪いから、一応こういう援助をしますと言って、会議とは別に手紙を書いてアメリカさんにやって、そうしてこの規約に違反して、反対してあんたに不協力じゃないのだという形をとったわけだ。ところが、この五十一億という金はことしは幾らになるか、二十五億七千四百四十四万九千円、こういうものを予算に計上したわけですよ。これを三年間払っていくわけだ。三年間五十一億。これは一体どういう根拠でこれを払うのか一体、こういう場合、たとえば昨年の九月二十一日のマレイシア協定、あるいはビルマ経済協力といった場合は、このビルマの協定に基づいて幾ら幾らといって予算に出すわけですね。今度のこの予算のやつを見ると、書いてあるのは、対外経済協力費という中に、対外経済協力費は三十五億四千六百四十四万九千円、その中に対外食糧等特別援助費というのが二十五億七千万円余と書いてあるのですね。これは毎年毎年継続して五十一億という大きな金を出す場合に、協定によらずして出せるのですか、協定とか、何か法律的根拠がなくて。この点はどういうことを考えて予算に計上しているのか。
  41. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) このたてまえは、ただいま先生御指摘のとおり、法律的な協定に基づくものではございませんけれども、同時に、穀物協定という一つの国際協定の中にあります「食糧援助規約」というのがございます。この中にもちろん第二条は留保はいたしておりますけれども、同時に、日本政府といたしましては、これに対して、何といいますか、道義的な責任も持っているわけでありますので、日本政府の自主的な政策判断といたしまして、こういうものを乗っけていくという形で予算として計上してまいるという考え方に立って計上したわけでございます。
  42. 森元治郎

    ○森元治郎君 それは、書簡は、何も国会の承認を経ない一方的なもの、規約は、この点に関する第二条に関して留保して、手紙はアメリカへ出した。その手紙に基づいて予算を組む。非常にこれは国のお金を出す場合には、やはりはっきりした協定に従って予算に計上するというのがほんとうだと思うのだね。しかも、今回一回限りじゃない。三カ年継続して毎年やっていくわけだ。この点はどういうのですか。
  43. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) お説の点、そういう御解釈もありまするが、私どもといたしましては、海外経済協力という場合に、必ずしも具体的な協定はなくても、このような予算措置をとって、それに基づいて海外経済協力で資金を出していることがございますので、予算の範囲内におきましてそういう形で同じようにこの場合も考えてしかるべきではないかというふうに感じております。
  44. 森元治郎

    ○森元治郎君 それも一回ならず、毎年、三カ年、しかも金額が五十一億とちゃんときめて、毎年毎年。こういうふうなあやふやなことはおかしいのだと思うが、だれか法律の専門家いないのですかね、政府の。経済局長は経済局長だが、これはそうじゃなくて法律屋は。
  45. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) ただいま御説明申し上げましたように、現在までの海外経済協力におきましても予算の範囲内におきましては借款を出したりしている例もございますが、それと同じ形のもとで考えていいんではないかと私自身さように考えております。
  46. 森元治郎

    ○森元治郎君 たとえば借款を出した例は何と何があるの。例を例示してもらいたい。
  47. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) たしか、先ほどまあちょっと触れましたが、インドあたりに緊急援助食糧を出したことがあると思いますが、それはたしか国会の御承認という形でなくて出している。予算の範囲内で出したかと私は理解いたしております。
  48. 森元治郎

    ○森元治郎君 これはまたあしたも会合があるし、委員会もあることだから、大蔵大臣という専門家もいるからひとつ確かめてみます。きょうは留保。それこそ留保しておきます。
  49. 羽生三七

    ○羽生三七君 これは大臣に聞きたいんですが、大臣、例の農業開発基金制度ですね、あれはその後どういうふうに進行しておるのか現状をちょっと聞かしてください。
  50. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 農業開発基金はあそこで調査団をつくりまして、アジア開銀が各国の農業事情などを調査をして、そして諮問委員会、まあ東南アジア諸国の中から現実に融資するときにそれの意見を徴するような、そういう委員会も置いて、そしていよいよ事業が開始できるような体制を整えつつあるんですが、資金がヨーロッパ――西欧のほうがあまり集まらないんですね。それで日本が一億ドル、アメリカ一億ドル、西欧一億ドルと、そういう三億ドルというのが最初のスタートでしたけれども、アメリカと日本はこれは一ぺんにやるんじゃないですからね。三年間で長期計画で一億ドル、相当計画的に毎年出す。だから、いまはアジア開銀の特別基金を一生懸命に募集しておるというような段階です。
  51. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、具体的にたとえばどういうことをやるかというのは、まだ具体的なプランはできていないんですか。
  52. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) このプロジェクトは、これは調査していますが、だから、いよいよ事業を開始するということになれば、これはわりあい早いと思います、いま申しました予備調査みたいなことになっているわけですからね。そこで、資金というものは特別基金ですから、基金がないとどうにもならぬですから、そういうことで、いまそういう資金の面における国際協力、この体制を整えつつあるというのが現状でございます。まあ、むろん来年が来たら動きだすと思っているんです。
  53. 羽生三七

    ○羽生三七君 関税及び貿易に関する一般協定第六条がございましてダンピング――この協定はダンピング問題が中心なんですが、どういう場合が該当したかという例が若干例示はされておりますが、はたしてこれだけなのか。日本が具体的に指摘されたり、あるいは問題となった事例というものはここにあるほんの二、三の例なのかどうか。それから、日本のみならず、国際的に最近大きな、この新しいこういう協定を結ばなければならないほどの契機となったそういう大きな事例があったら、そんなにこまかいことを一々言う必要はありませんが、顕著な事例があったらひとつ聞かしてください。
  54. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) このダンピング防止の問題につきまして現実にダンピングの調査を受けました例はわりに多うございます。しかしながら、実際にダンピング防止の税をかけられたことは実際には少ないわけでございまして、調査を受けました場合、わが国の場合、対米――アメリカ向けの輸出に関連いたしまして、一九五八年から六七年までの約十年間の間にセメントとか壁タイル、酸化チタン、鉄鋼製品等々三十九件に及びます。しかしながら、実際にアメリカでダンピング防止税をかけられましたものは、御存じのとおり、発泡剤一件でございます。それから、こういう例につきましては、具体的なほかの国の例としては、必ずしも私つまびらかにしておりませんが、先生御存じのとおり、たとえばカナダの場合にはダンピング防止税をかけます場合、単に公正市場価格以下で売られているということだけでもかけるような状態になっております。しかしながら、通例、普通ダンピング防止税をかけます場合には、公正市場価格を下回っているという以外に、その輸入の結果として同種の国内産業が被害を受けて、あるいは被害を受けるおそれがあるという立証をされる必要があるわけです。カナダの場合は一つだけの要件であったのが、今度そういう二つの要件を満たさなければならないことになりますので、その点で、ダンピング防止税というものの乱用――と申しますかが――防止される、改善されるということになるわけでございます。
  55. 羽生三七

    ○羽生三七君 何かどうもこの協定を新たにつくらなければならないほどの顕著な問題点があまりなかったような感じを受けるのですが、各国でこれが大きな問題となって、その障害を打破するために必要な協定としてこれをつくったという、その直接の契機になったような事例が非常に何か乏しいような、どっちでもいいような事例の感じなんですが。
  56. 鶴見清彦

    ○政府委員(鶴見清彦君) その点につきましては、あるいは従来もいろいろなやり方、過去のやり方、このダンピング防止の協定ができまして、それに基づいて各国がやる、こういうことの結果として生まれてくる利点といいますか、比較いただけばおわかりいただけるかと思うわけでございますが、一つは、先ほど申し上げましたように、カナダの例では、公正市場価格以下の要件だけでもってダンピング防止税をかけておったものが、その要件がふえる。それだけでも改善になるわけでございますが、あと、たとえば、アメリカによってダンピングを三十九件過去十年間ばかり調査だけ受けたわけでございますが、この調査自身が、実際には防止税をかけられませんでも、調査に入りますると、その結果として非常に輸出がしにくくなる。はたして防止税がかかるかかからないかということで、どうしても輸入業者のほうは手控える。どうしてもそれが輸出に影響を及ぼしてくるというような難点があった。そういう点を、今度の協定によりましては、たとえば調査をする際、評価差しとめということがございますので、その評価差しとめの適用期間というものを非常に限定して、長い間評価していくということになりますと、輸出がその間とまることになりますので、評価差しとめの期間を三カ月に限定するとか、あるいは評価差しとめの期間というものを遡及適用ということをしないとか、従来、そういったような点でもってかなり日本の場合も対米輸出でも支障があった、そういう点がかなり改善されるという意味におきまして、ダンピング防止の協定というものができますことが、従来、ガットの六条で明らかでございましたけれども、必ずしも解釈上はっきりしていなかった。そういう点をはっきりするという点で改善を大幅に見込み得るということで、その結果、そのためにこの協定をつくる必要があったということが言えるのじゃないかと考えるわけでございます。
  57. 森元治郎

    ○森元治郎君 一つ伺いますが、対中共関係。ケネディ・ラウンドの実施に伴って、衆議院でもこの春、関税定率法の改正など、以来今国会でもだいぶ問題になった。あれについてひとつ伺いたいのですけれども、ケネディ・ラウンドの実施に伴って、中共関係で、各社のうち、おもなるものは生糸とか絹織物とか冷凍の魚だといわれておる。そうして輸入金額にすれば、輸入額の約二〇%、品目については、業界のほうの説明では三百五十品目くらいだといっております。これについて一番最初に伺いたいのは、政府側の持っている資料では、品目はどのくらい、それから金額にして、われわれは二〇%と一応見ているが、どういうことなのか。
  58. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) 中共貿易の関係で、今度ケネディ・ラウンドが関税が下がる関係でどういうふうな格差がつくかということで、品目と金額でございますが、まず最初に、関税の格差がないものというのが、品目数で申しますと二百五十九品目。それで、それが金額のウエートで申しますと約六〇%、こうなっております。そのほかに、三月末に国会を通りました国内法の改正で十九品目約二〇%、これが国内の国定税率のほうが下がりますので、それで差がなくなるということになります。そうしますと、あと二〇%残っておるわけでございますけれども、その中で十一品目六%というのは、これは従来から格差があるもので、ケネディ・ラウンドと関係ないものでございます。ケネディ・ラウンドと関係があって格差が残るものというのが三百四十五品目で、金額で申しますと一四%、こういうことになるわけでございます。で、この一四%の中でおもな品目は、先生おっしゃいましたように、生糸とか絹織物とかブラウスとかそれから魚類、そういうものになっております。
  59. 森元治郎

    ○森元治郎君 業界のほうでは、一四%というのを二〇%で、品目は三百五十というふうに計算しているようですが、その違いはどこから来るのですか。
  60. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) それはケネディ・ラウンドと関係なしに格差が残っているもの十一品目六%と、それから、今度ケネディ・ラウンドで格差ができるものの三百四十五品目一四%、それを合わせたもの、要するに、ケネディ・ラウンドと関係あってもなくても、格差があるということで二〇%三百五十六品目、こう言っているのだと思います。
  61. 森元治郎

    ○森元治郎君 業界が三百五十品目と言うのは、おそらく小さい会社取り扱いの品目だと思うのですね、パーセントは二〇%であろうが、取り扱い商社は中小の、零細といいますか、そういう方々が多いと思う。これがやっぱり貿易の拡大というこの趣旨からいけば、当然大企業と同じようにめんどうを見てやらなければならないわけですね。ところが、政府のほうはどうもかたい態度で、なかなかこれについて配慮が足りないような、たとえば便益関税というようなものも適用ができないという解釈のもとに、受け付けない。これは外務大臣に伺いたいのだが、政経分離だ、そしてアメリカが何と言おうと日本はやるのだと、ジョンソンさんに会ったときに佐藤総理もそう言ったということを何かの機会に申されておる。そのくらいジョンソン大統領にも、去年の十一月にお会いになったとき言っているぐらいだが、実際となるとなかなかそれが動かない。これは一体どういうふうに政府はこの業界のみんなの強い要請にこたえようとしておるのか、この点を一つ伺いたい。
  62. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) ちょっと事務的にいままでの経過を御説明いたします。  先ほど申し上げましたように、その二〇%については、先般の関税率のこれは国内法の関係でございます改正で格差をなくしました。そこで、残りのところ、特にケネディ・ラウンドの関係でございますと、一四%のものにつきまして、これは金額で一番大きいほうから言いますと、生糸でございます。それから絹織物、この二つだけで一四%の半分くらいでございます。そういうものについて関係各省でもってこれを国定税率をガットの譲許税率並みに下げられるかどうか前向きに検討しよう。そこで、これが下げられるということになりますと、国定税率を下げるということで問題は解消する、こういう方向でもってこれを解消する。そういうことで私どもずっとやっておるわけでございます。それで、これから一年かけましてそういう前向きの検討をしよう。それで、品目別に国定税率を下げてもいいというものは下げて問題を解消していく、こういうことでございます。
  63. 森元治郎

    ○森元治郎君 生糸については四十三年度中に何とかしたいという答弁が国会のどこかでありまして、そのとおりですね。それからまた政府の答弁を要約すると、その格差のできるもの、いまのお話では二〇%でなくて一四%かね。
  64. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) はい。
  65. 森元治郎

    ○森元治郎君 これについては個々の品目について検討をしたい。しかし、それをやるのにはある程度の限度がある。こんなのが答弁の骨子だったと思うんですね。そこで一体、検討する作業というのは、たいへんな数の品目であり、関係各省とも相談もするんでしょうし、関税率審議会もありましょうし、たいへん時間もかかろうと思うが、どのくらいを時間的に目途として本気になっておやりになっているのかどうか。私は関税屋さんじゃないからわからぬが、一品目きめるについても内外の情勢を検討してやるからたいへんなことだろう。われわれは想像つきませんが、その見当をおっしゃってください。
  66. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) この三百四十品目全部やるということになりますとなかなかたいへんであります。そこで、その中で中共が主として関心を持っているようなもの、金額のなるべく大きいものからだんだんに検討をいたしまして、それで関税の国定税率の改正は九月ごろまでに、それまでに各省で一応案をつくりまして、そうしして関税率審議会へ出す、それから関税率審議会で検討を進めまして、十二月ごろに関税率審議会から答申が出る、それから国会に出す、こういう順序になっております。それとあわせて、これらの品目について検討していくということになります。
  67. 森元治郎

    ○森元治郎君 その三百ぐらいの品目、たいへんな数ですが、九月までの作業に、爼上にのぼせて間に合うものはどのくらいの品目になるのでしょうね。
  68. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) これはいまから幾つということは申し上げにくいわけでありますが、要するに、これは下げられそうだという品目でないと、非常にむずかしいというものを検討してもしようがないから、そういう品目で、なるべく中共からの輸入量の大きなものというものを優先的に検討する、そういうことに考えております。
  69. 森元治郎

    ○森元治郎君 その数は、概算といいますか、経済というものは引き続いているのだから、あなたは専門家だからおおよその数の見当も出ると思うが、どのくらいの数が頭に浮かびますか。
  70. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) これは非常にむずかしいことでございまして、先ほどの説明を補足させていただきますと、関税率審議会にかける前に、関係の各省がございますので、そこで検討をするわけです。そこで特にたとえば一つの品目についても、それを需要するところの業界の関係のところはなるべく関税を下げてほしい、それから、それをつくっているところの業界のほうは関税を下げないでほしい、そういうことで、いろいろと議論をして関係各省でまとめて関税率審議会へかけるということでございますので、幾つぐらいのものが検討できるか、あるいはその幾つぐらいものが下げられそうかということが最後のところだと思いますけれども、それはいま宙でちょっと申し上げかねるというのが実情でございます。
  71. 森元治郎

    ○森元治郎君 特にこの便益関税というのはだいぶ論議された。そしてその経過を承っておると、だいぶ強いような態度をしながらも、政府の態度は、実際は向こうの関税制度も実際にはわからないし、そういう情報を取る手だてもないし、国交関係もないし、貿易を保護する手段もない。しかし何とかしたいのだ、何とかするという方法は相互主義だということ、それで水田大蔵大臣に至っては、これはまあ両方で十分研究して、何とかいまの国交関係がなくても、ただ一方的な国定税率を引き下げるようなことで事実上の譲許をするような方向に持っていければいいんだがなあというふうなムードはできているのですが、そこで一押し、これは政治家の大臣の高いところで号令をかければできそうなふうにまでなっている。上からの号令がかからぬから事務当局は進め得ないのだと思うのですがね。この両国の関係をもっと平らな気持ちで、政経分離だ、商売なんだということを、積極的に、関税率がわからなければわかるような努力もし、そしてその格差の生ずる日中貿易関係あるいは不明朗な関係をもっと前向きに持っていくということが大事だと思うのですね。便益関税というものは適用がどうしてもむずかしいのか、どうすれば適用されるのか、どういう客観情勢、条件によるならば便益関税が適用されるのか、その辺をちょっと説明してください。
  72. 武藤謙二郎

    ○政府委員(武藤謙二郎君) 便益関税については、結論のほうを先に申しますと、これはたびたびいろいろな委員会で御質問があったんですが、政府としては便益関税は適用する考えはない。それはもし御質問でしたらまた繰り返して申し上げますが、先生御承知のようないろいろな理由でございます。そこで、便益関税は適用しませんけれども、しかし実質的にこの間の改正でもって、二〇%については便益関税ではなくて国定税率を下げるということで、実質的には同じことにしたい、そのやり方を延長してまいりたい、そういう方針でございます。ですから、便益関税ということは考えておりません。そこで、しかし国定税率を下げますと差はなくなりますから、そういう方向で品目別に検討して、これはいいだろう、何とかこれはやれるだろうというものは下げていく、そういう方針でございます。
  73. 森元治郎

    ○森元治郎君 大きい商社の取り扱い品だと力もあるし、政府当局、大蔵省もじっとしておれないで一生懸命やるが、小さい品目になって金額が少なくなると、ついこれはあと回しになるのが普通ですよ。だけれども、もっとあたたかい気持ちで大いにやってもらいたいと思う。特に三木さんは党内の進歩派ですかね、と言われて、経済、文化大いにこれは進めていかねばならぬというお話を、この間党内で勇ましいのが、宇都宮徳馬だの川崎秀二などみんな集まったところで、外相の談話で、これは新聞に出た談話ですよ、出たように思うんだが、小さいところからやっていくというのならやはりこの辺にも大いに熱意を見せる一つの機会だと思うんですが、大臣にその御決意をこの際伺っておきたい。
  74. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 国定税率なんかは、何か日本の産業というものの立場からも考えなければならぬですけれども、ケネディ・ラウンドが実施されて一般の関税が引き下がるときに、これが非常に不利な状態ならば、日中貿易もなかなか拡大を阻害される。こういう問題はやっぱりいま事当務局で前向きで検討しようと、政府自体もこれは前向きに検討するという態度ですから、これに対して消極的な閣僚はいないのです。それを受けて事務当局で検討をしておるというふうな、こういうことで、こういうことなどもできるだけ前向きに処理していくことが、小さいことでも可能なことからやるということ、こういうこともその一つだと思います。
  75. 森元治郎

    ○森元治郎君 そこで、便益関税についてはいろいろ政府側の解釈とわれわれの反対する立場のものとでは解釈のしかたが違う。中華人民共和国についても違うじゃないか。何か、新しい国交がなくてもアルジェリアでもやっているじゃないか。いろいろ議論はあるけれども、これはやはり国と国との関係というものは、法律なんか抜きにして、ムードというか、感じのよさそうな顔をしていると、つい話が進む。だから、これは大きな政治の面から解きほぐしていかないと、商売のほうはなかなかむずかしいと思うので、進歩派と目される三木さんあたりはここで大いに力を入れてもらいたいと思います。これで終わります。
  76. 三木與吉郎

    ○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、三案件に対する質疑は本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十七分散会      ―――――・―――――