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1968-03-12 第58回国会 参議院 地方行政委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十三年三月十二日(火曜日)   午後二時五十分開会     ―――――――――――――    委員の異動  三月五日    辞任          補欠選任     林田 正治君      後藤 義隆君  三月六日    辞任         補欠選任     後藤 義隆君      林田 正治君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。    委員長          津島 文治君    理 事                 船田  譲君                 吉武 恵市君                 鈴木  壽君                 原田  立君    委 員                 小柳 牧衞君                 林田 正治君                 林田悠紀夫君                 八木 一郎君                 林  虎雄君                 松澤 兼人君    国務大臣        自治大臣     赤澤 正道君    政府委員        自治政務次官   細田 吉藏君        自治大臣官房長  宮澤  弘君        自治省行政局長  長野 士郎君        自治省財政局長  細郷 道一君        自治省税務局長  松島 五郎君        消防庁長官    佐久間 彊君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○地方行政の改革に関する調査  (自治省及び警察庁の基本施策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 津島文治

    ○委員長(津島文治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方行政の改革に関する調査といたしまして、自治省及び警察庁の基本施策に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 先般の大臣の所信表明を承りまして、いろいろと読んでみたのでありますが、この所信表明の中に盛られておりますことは、きわめて大ざっぱであって、非常に表面的な問題ばかりでございまして、さらに大臣との質疑応答の中でいろいろとわれわれが知らなければならない問題が非常にたくさんあると思うのでありますが、ほぼ大臣のごあいさつの内容に従ってお伺いいたしたいと思います。  第一には、大臣は非常に広域的な地方行政ということで、都道府県合併特例法にこだわっている。また、これを非常に大きく取り上げているように考えられるのでありますが、これには自治省としていろいろといきさつがあったわけでございまして、府県連合がいいとか、あるいは府県合併でなければならないとか、最近は府県合併という形がただ一つ取り上げられているように思います。なぜ府県合併じゃなければいけないのかという点を第一にお尋ねをしたいと思います。
  4. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 府県合併じゃなければいけないということではありませんで、最近、御案内のように、広域行政の観点に立ちませんと、なかなか行政面で簡素化したり合理化したりできない面があるものですから、私はこの前自治大臣をやります前には、都道府県の連合方式をとろうということでいろいろ自治省で努力いたしました。しかし、結局、いろいろ検討した結果、むしろ、そういうことでなくて、府県合併の道を開いたほうがいいという議論がついに勝ちを占めるに至りました。その後、いろいろ検討を経まして、前々国会に提案を申し上げた次第でございまして、それには、ただいま申しましたようないろいろ行政の合理化といったような観点で問題が含まれておるわけでございます。
  5. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それでは、合併と連合とは、それぞれ一利一害があると思うのですが、大臣のお考えになる府県連合ではだめだという点はどういうふうなことですか。
  6. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 連合でだめだということではございませんけれども、結局、合併に踏み切って合併せよというわけではありませんので、それぞれ府県の実情を調べてみますると、やはり地域によっては合併への道を開いておくというほうがいいと判断いたしましたので、この形をとったわけでございします。
  7. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 しかし、こういう法律が出まして成立して、自治省がその方針で指導するということになれば、合併しなさいと言う以外にない。それでは、どこを合併の対象として考えているのか。
  8. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 特にどこを対象といって計画的にやっているわけではございませんが、御案内のとおりに、一番要求が激しいのが中京地区でございます。それからまた、大阪中心の阪奈和地区と言っておりますが、そういったところで非常に要請が激しいわけでございまして、しかしながら、その道を開いたからといって、なかなか容易に合併に踏み切るということはむずかしいかもしれませんけれども、とりあえず道だけは開いた、こういう考え方を持っておる次第でございます。
  9. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 いまも大臣が言われましたし、また、ごあいさつの中でも、非常に「効率的な運営」、さらに「合理化」ということをいま大臣が言われましたけれども、合併の目的というものが、効率的な地方行政の運営、それを目的にしているんだというふうに言われているわけなんですが、しかし、効率的な地方行政の運営ということは手段にすぎないと私は思う。そういう効率的な行政が行なわれるということによって、最終的には住民の利益とか幸福とかというところに結びつかなければならない。しかし、このごあいさつの中で、読んでみますというと、住民の福祉のためにとか、住民の利益のために、こういうふうな広域的な行政の形が望ましいというようなことは全然ない。それから事務の処理をするのに合理的で能率的で安上がりということだけしか考えていないのじゃないかという気がしますけれども、そうじゃないですか。
  10. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 効率的合理的に運営をするということが、やはりその地域住民の福祉につながる面があるわけでございますので、これは十分関連があると考えております。
  11. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 中京地区、あるいはまた阪奈和の地区において、合併の問題が相当地元からは強い要望があるということを言われますけれども、住民自体がどういう意思表示をしたかということを、何か的確につかんでいらっしゃいますか。
  12. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 事務当局から正確なことを答弁させます。
  13. 長野士郎

    ○政府委員(長野士郎君) いま、先ほど大臣申し上げました阪奈和地区について申しますと、大阪府、奈良県、和歌山県、それぞれについて多少ずつニュアンスは異にしておりますけれども、その中で最も合併について熱心な機運を見せておりますのは、地域的には和歌山県のように私どもは聞いております。それから大阪を中心にいたしまして日常生活圏、経済圏というものが非常に一体的なかっこうになっておりますので、主として大阪を中心にしては、経済界、産業界の方面ではそういう要求が非常に強いように思われます。愛知、岐阜、三重の三県の合併については、産業的な立場、経済的な立場からは、全体としてそういう要求が強いわけでございますが、同時に、三県におきましても、最近次第に民間の方面におきましても、やはりそういう声が高まって、県の広域化ということについて非常に熱心な研究が続けられておるというふうに聞いております。
  14. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私が指摘しようと思ったら、はしなくも局長のほうからお話があったわけですが、まあ合併したいというところは地域的にいえば、どっちかというと経済的におくれているところだろうと思うのです。和歌山が要望しているということは一応わかります。それにしましても、住民にアンケートをお出しになって、住民がはたして現在のままでいいのか、あるいは府県合併をやったほうがいいのかということは、住民の意思表示としては何にも具体的なものがないように思いますけれども、それでも地域の要望が強いと、こういうふうに言えますか。
  15. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 地域住民と申しましても、いま関係のそれぞれの県の住民があげてということではもちろんないわけでございますけれども、しかし、その住民の中には多くこの際合併すべきであるという考え方を持っている方も、御承知のとおり、たくさんあるわけでございます。
  16. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それではお尋ねしますけれども、合併問題につきまして、大阪府、奈良県あるいは和歌山県、そういう議会の側においてはどういう意思表示をしているか、あるいは愛知県、三重県、岐阜県、そういうところで議会側がどういう考えを持っているのか、把握されたことがございますか。
  17. 長野士郎

    ○政府委員(長野士郎君) 議会として正式に合併を促進するということで最近意思表示をしたというふうには、どこにおいても聞いておりません。
  18. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 同じ合併ですけれども、北九州の場合はすでに世論として合併の気持ちがわき上がっていた。だから法律をつくって、北九州の特別な合併を法律で規定した。事実があって、そこへ法律がかぶさったわけです。しかし、今回の場合はそうではなくて、地域にそれだけ固まった合併要望というものがなくて、法律をつくって、そして自治省が行政指導をやるということでありますから、そこで北九州の場合と違って、いろいろと無理が生じてきやしないか。いわゆる行政指導が干渉というような形になって、いやでも自治省の言うことをきかないとまたあとがこわいということで、いやいやながらでも合併するということになりはしないか。北九州市の場合と今度の府県合併の場合と違うところがあるように思うのですけれども、この点はいかがですか。
  19. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のとおりでございまして、町村合併は何と申しましても、地域的にもそう広くないわけですが、府県合併ということになりますと、大多数の住民の足並みがそろうのはなかなか容易なことじゃないと思います。しかし、それにはそれ相当の理由もあるわけでございますので、やはりこの問題がいろいろ議論されているうちに、地域住民の多くの方がそういうお気持ちになられることもあるかと思います。ただ、自治省のほうでこれこれの県は合併すべきであるというふうな指導は決していたしません。
  20. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 合併によらないでも、私が言うまでもなく、たとえば共同事務処理方式であるとか、その他合併によらない広域行政を推進するなり、あるいは充実していく方法がある。そういう方向でできないという理由はどこにございますか。
  21. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) いまでも、市町村間などは特にですけれども、行政区域をこえてそれぞれ事務処理のための組合なんかをつくって共同で行政事務を処理していることは、御案内のとおりであります。しかし、そういう単に町村的なことでなくて、たとえば水資源の利用などということになってまいりますと、大きな範囲を含むことになりますので、これは一例ですけれども、そういった意味での大きな広域行政がだんだん要請される時期に入ってまいりましたので、そういったことのためにひとつ道を開いておこうという趣旨であろうと考えております。
  22. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 水のことをおっしゃったのですけれども、しかし、愛知用水のようなものは、それだけで一つ別の機関をこしらえているじゃないですか。それだけはずしてあるじゃないですか。府県合併でなければ水利用はできないという理由にはならないと思う。その点はどうですか。
  23. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 愛知用水だけを取り上げて言うわけではございませんで、まあ水資源をいかに有効に利用するかということは、工業開発その他いろいろな面に大きな関係があるわけでございますので、地域によっては、そういうことを具体的に要請しているところもあるわけでございます。
  24. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 やはり広域的な行政は、地方行政連絡会議というものが法律上あるわけであります。これは現在どういう実績を持っているか、あるいは、この連絡会議でもってきめて、そして、その関係する府県、あるいは指定市というものが、その会議の決定に従ってやったという事例はたくさんございますか。
  25. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 地方行政連絡会議と申しますのも、長い間国会で継続審議になりましたけれども、私ちょうどこの前自治省を担当しておりましたときに通していただいたわけでございます。大体、国の行政が縦割りの形になっておりまして、地方公共団体が非常に困る面もたくさんあったわけでございまするけれども、あの連絡会議をつくりましてから、それぞれブロックごとに会議を開きまして、国のいろいろな行政が非常に歩調がとれていくようになったということを私は聞いております。
  26. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私の住んでおりますところなどでは、あらためて地方行政連絡会議というような形によらないで、県と市とか、あるいは県と地建とかいうような関係でもって一つ一つの問題を取り上げて事務の処理をしていくという方法がとられているように思う。形の上で地方行政連絡会議ということによらないでも処理できるというようなことが実例じゃないかと思いますが、特にこの連絡会議によって能率的な行政の処理ができたとか、あるいは連絡調整ができたとかいうような事例があったらお聞かせ願いたいと思います。
  27. 宮澤弘

    ○政府委員(宮澤弘君) 地方行政連絡会議は国及び地方団体の関係の各機関が全部一堂に会しまして、総合的広域的な立場からものをながめていく場を提供しているわけでございますが、ただいま松澤委員おっしゃいましたように、個別の問題につきましては、たとえば県と地方建設局でございますとか、そういうところで協議をし問題を処理をしております例は、これは数限りなくあるわけでございます。そういう地方行政連絡会議の総合的な場で議論をして成果をあげた事例といたしましては、たとえば公害基本法というものが制定をされましたわけでございますけれども、その間、各ブロックの地方行政連絡会議の場においては、非常にいろいろ議論がございまして、政府に対して公害を総合的に処理するような法律の制定についての要請というものを二、三の連絡会議からした事例もありまして、まあ、それだけで公害基本法が制定されたわけではございませんけれども、たとえば公害の問題でございますとか、あるいは九州地方の連絡会議で、海上におきます海水の汚染、油の汚染に関する処置につきまして政府に対して要望いたしまして、それに対しての処置がとられたというように、幾つかの事例につきましては、その成果につきまして見るべきものがあるというふうに考えています。
  28. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それでは、具体的に近畿の地方行政連絡会議というものが、この法律の施行以後、どのくらいの回数開催されて、どの程度の決定、決議がされて、実際にそれが広域行政の一環として、府県あるいは市の施策になったかということの具体的な例はお示し願えますか。
  29. 宮澤弘

    ○政府委員(宮澤弘君) ただいま私どものほうで具体的の資料を持っておりません。各地方の連絡会議と一緒に分科会と申しますか、幹事会がございまして、それで個々の問題を処理しながら、最後に本会議においていろいろ討論をする、こういうやり方をやっております。で、近畿の連絡会議につきまして、どのぐらい実績があったか、手元に資料がございませんので、いまここで御報告を申し上げるということができないわけでございます。最近におきましては、万博の開催に関係をする問題につきましても、かなり連絡会議で各種の連絡調整についての議論をいたしているというふうに聞いております。
  30. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 官房長が資料を持っておらぬようでございますが、私のところに回数の資料がございます。ただいま御指摘の近畿は、四十年度には会議一回、幹事会は開いておりません。四十一年度は会議一回で、幹事会を三回開いております。四十二年度に至っては、いずれもゼロです。しかし、他のほうを見ますと、たとえば、これは北海道、東北、関東、それぞれここに資料がございますけれども、関東地区は、昨年のごときは二十三回も幹事会を開いて、北海道は十七回開いております。九州は十三回、それぞれやっておりますが、ただ、幹事会で何を話したかということは、そこまで調べておりませんけれども、御指摘の回数は大体そういうことになっております。
  31. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 いまお話がありました万博の問題がどうだとか、あるいは公害の問題がどうとか、具体的な問題はあるでしょう。けれども、万博にせよ、あるいは公害にせよ、この地方行政連絡会議でなければならない、あるいは、そういう形式によらないで、府市の間あるいは府県の間、そういうことで話し合いをしているほうが多いのじゃないかと思いますが、それはどうです。
  32. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) それは従来そういうことでやっておりましたので、それが便宜と考えている地方もあると思いますが、私どもといたしましては、やはりこの地方行政連絡会議という一つの制度をつくったわけでございまするから、これを活用していただきたいという、こういう考え方を持っているわけでございます。
  33. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 大臣がいただきたいとお考えになっても、実際に私たち、そのとおり言ったんですけれども、県があって、また地方行政連絡会議というものは二回、三回というような形になると、この実益があるかどうかということを非常に疑問に思ったわけなんです。近畿で全然会合の開かれていない年もあるという一事をもってしても、それは、政府あるいは自治省が考えているほど地元では考えていないということの証明じゃないですか。
  34. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) ただいま開催の回数を申し上げましたとおりに、ことし四十二年度のごときも、まるで一回も開かなかったところもあります。しかし、これをやはり有効に活用しようとして開いているところもあるわけでございまして、これは縦割り行政ということをちょっと申しましたけれども、やはり地域ごと、ブロックごとと申しますか、そういうところで関係府県が意見調整をしなきゃならぬ問題もありますし、そこには、国の出先の行政局、建設局その他みんな集まるわけでございますので、私どもは、この制度をつくりました当初の考え方から申しますと、決して無意味なものではないという判断を持っておるわけでございます。
  35. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 近畿で万博の問題があれほど強力に推し進められておりますけれでも、会合一回も開かないで万博のことが協議されているということは、ちょっと解せないと思いますが。
  36. 宮澤弘

    ○政府委員(宮澤弘君) 私、万博と申しましたのは、四十一年度についての議論でございます。
  37. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 四十一年度には万博の話があったけれども、四十二年には行政連絡会議で何も話がなかった……。
  38. 宮澤弘

    ○政府委員(宮澤弘君) 総会は先ほど大臣が申しましたように、近畿の地方行政連絡会議は四十二年度は総会をやっておりません。ただ、幹事会等はやっているわけでございます。私が先ほど万博についての議論があったと御報告申し上げましたのは、総会につきましては四十一年度でございます。幹事会等は先ほど申し上げましたように、四十二年度におきましても開催をいたしているわけでございます。
  39. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 こういう広域行政というものは、判で押したようになかなかならぬものだということは、私もよく知っているのです。東北とか北海道とか、比較的地域が広くて、そしてまた、県自身にそれほどの財政的な余力もないような場合においては、衆知を集めてやるということも一つの方法だと思うのですが、しかし、近畿というようなところになると、それによらないでも、ほかに処理できるような方法があるのではないか。そこであまり利用されないのではないかというふうに考えるのです。そういうような考えはどうなんですか。
  40. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のとおりでございまして、私まあ近畿の行政連絡会議の内情をつぶさに調べておりませんけれども、やはり別に首都圏だとか近畿圏だとかいったことで、一つそういう総合的な会議が持たれているようでございまするので、やはり万博等に関しましても、そういった方面に重点がいくのではないか、こういった特殊な地域においては、案外、連絡会議が利用されておらないのじゃないかという気持ちもいたします。しかし、他のほうではそうではございません。
  41. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 先ほども大臣が言われましたけれども、私は府県合併特例法にこだわっているのじゃないかと言ったら、大臣は必ずしも合併法にこだわっているのではないというお話を聞きました。地元の要望という点におきましては、行政局長が経済界、産業界から非常に強い要望がある、それも一つの地元の要望を示すバロメーターとも言えると思いますが、しかしも経済界あるいは産業界が主として合併にこだわっておりますことは、結局、能率と経済ということが重点であって、安上がりの行政ということを考えれば、近畿に大阪府があり、奈良県があり、和歌山県があるということは、どうも効率的ではない、これを一つにしたらどうかというような、安上がりの考えからすれば、当然そういう理屈は成り立つと思いますけれども、住民の立場からいえば、そうしたほうが必ずしも得策であるかどうかということは、また別な問題ではないかと考えるのですが、経済界の要望あるいは商工会議所などの要望、あるいは経団連であるとか、そういう要望というものが直ちに地元住民の要望と考えられますかどうですか、ここに問題がある。
  42. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 安上がりの行政ということも決して無視はできないと思うわけでございまして、これは地域住民がこいねがっていることの一つであると思います。ただ、広域行政云々ということにも関連して、府県合併には、やはり港湾の使用の問題であるとか、まあ、いろいろ府県というものが、それぞれ主管が違いますために、総合行政的な面でやりにくいこともあるわけでございまして、そういったことはやはり一元化した形で行なうことが望ましい面もずいぶんあるわけでございます。一方、やはり行政の安上がりも決して無視のできぬことでございますので、そういったこともいろいろ勘案して、合併することが適当であると住民が考える地域については、やっぱりその道を開いておくということが本旨でございまして、むしろ、合併いたしましても、それぞれ住民と窓口で接触しなければならぬ、こういう行政機関というものは、末端機関というものはそれぞれ存置するわけでございますので、住民そのものに迷惑がかかるとは考えておりません。
  43. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 先ほどは水の問題で私は愛知用水のことを申し上げましたが、港湾の問題が言われれば、やはり港湾というものは別に府県合併をやらなくともできると思うのです。そういう点で具体的に何をするのだと、どういう点に利益があるのだということを言われますと、それぞれこういう点で広域のほうがいいのだ、合併のほうがいいのだという御意見を述べられるかもわかりませんが、それを処理する方法というものはおのずから考えられるので、府県合併をやれば水の問題も処理ができる、あるいはまた、港湾の問題も処理できるという性質のものではないと思うのです。具体的な例は、またいずれこの法案は本会議でも議論があることだと思います。また、委員会でいろいろ論議しなければならない問題だと思いますので、次の問題に移ります。  第二の問題は過密過疎の問題であります。ここに「個性ある地方自治体の形成」ということばがありますが、これは非常に新しいことばだと思いますが、「個性ある地方自治体の形成、振興」ということは、具体的に言えばどういうことですか。
  44. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) まあ「個性ある」というような表現になっておりますが、過密と過疎対策は御案内のとおり、いま特に地方行政面において最も大事な点でございます。過密のほうは、これもこの間予算委員会で問題になりましたけれども、やはり人口が大都会に集中するということは、ここには文化の施設も整っておりますし、また、生活環境面で非常に住民の希望が満たされるという点もあるものですから、やっぱり勢いここに流れてきがちでございます。こういうところでは、やはり周辺の地域に急激に人口がふえてまいるものですから、社会資本も十分であるとは言えない。そこで、こういう方面にやはり過密とは言いながら、人がこれだけ流れてくるからには、やっぱりここに住みよい環境をつくっていかなければならぬと考えますので、相当大幅な財政措置をせざるを得ない。一方、過疎地帯のことを考えてみますと、ここもやはり人口が偏在するということはあまりいいことではございませんので、やはりここに住みよい一つの環境をつくりますためには、どうしても過疎地帯では、主として農山村でございますから、やはり兼業収入と申しますか、農外の所得を得る道を開いてあげませんと、なかなか落ちつかない。そのために、産業分散の形で新産都市あるいは工特地域の指定などをやりまして、また、低開発地域工業開発促進法による指定もいたしました。また、農業面では農業経済圏の構成もいたしまして、いろいろなことをやっておりますが、自治省といたしましては、やっぱり住民のこういった過疎状態あるいは過密状態ができるのはなぜか、これを防ぐためにはどうすればいいかということは、これを一番痛切に感じているのは、それぞれ住民の所属しております地方公共団体であると私どもは考えているわけでございまして、そのためには、まあ過疎地帯には、やはり生活を中心とした一つの生活圏と申しますか、国のほうで指定するということよりは、むしろ、都道府県のそれぞれ地方公共団体の責任者をして、地域内にある工業、産業分散のいろいろな指定関係、また、生活圏を考えて、地方中堅都市の構想なども考えておるわけでございまして、各地域地域によってやり方が違うこと、もちろんでございます。国で一本で指定し統制していくということは、これは間違いじゃないか。間違いといって、いま現にやられておるわけですが、自治省としては自治省としてまた別の考え方があるわけでございますので、やはりそこで合併ということばを使うことがどうかと思いまするけれども、そういった意味で過疎対策なども考えておるわけでございます。
  45. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 この文章から見ますと、一つ一つの府県あるいは市町村がそれぞれ個性を持つということですが、これが、言うはやすくして行なうはかたしということじゃないかと思いますが、まあ文章としては非常にきれいな文章ですが、具体的にどういうことをやるのかという点、それがわからぬ。
  46. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 日本全体のことでございますので、なかなかむずかしい御質問ですが、やはりその産業分散と申しましても、人為的にいろいろ誘致条件をつくりましても、なかなか果たせません。やはりそれには自然的な立地条件というものが必要ですし、また、自然的な立地条件に恵まれているところと、恵まれないところも、それぞれ地方にはあるわけでございまするので、勢い、その地域地域の特性というものを生かしていきませんと、ほんとうの過密過疎対策というものはできないという判断を自治省では持っておりまするので、そういった意味を推し進めていきますと、それは個性ということになるわけでございます。
  47. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 私も先日ちょうど大臣の選挙区の隣の奥のほうへ行ってまいりましたが、五年間に人口が約一割減少する、これは普通らしい。まあ鳥取県なんかでも人口が減るほうじゃないかと思いますけれども、実に私としましても、どうすればというような意見は何も持っておりませんが、それが実情のように思いますが、これに対して、個性ある地方自治体の振興はと言ってみたところで、私は、その人口の減少、五年間に一割減るということを食いとめることは非常にむずかしいのじゃないかと思いますけれども、そういう実情はもちろん大臣はよく御存じのことだろうと思いますけれども、いかがですか。
  48. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) たいへんむずかしい御質問でございますが、いま私どもの選挙区のことにお触れになりましたけれども、やはり農林漁業中心のところで、別に工業の立地条件の整わないところで産業分散と言ったって無理があるわけでございまして、こういうところは、先ほど申しましたように、やはり農林漁業というものを中心としながら、若干の兼業収入が得られる道を開くということも、一つの個性というか、特性ではないかと思います。こういうことの地域の特性というものは、やはりそれぞれ地方公共団体の首長が一番よく承知しております。また、議会等もよく承知しておりまするので、そういう地方地方によって独自の対策を考えていくべきものであると判断いたしております。
  49. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 まあ、この問題は、ほんとうに国民全部の人が対話を積み重ねていって、初めて過密過疎という問題の解決ができるのじゃないかと思います。まあイギリスなどにおきましては、ニュータウンというような形のものが相当各所にできております。日本におきましては、戦後の復興にいたしましても、あるいはまたは、過疎の対策にしましても、石橋をたたいて渡るというか、あるいは石橋をたたいて渡らないというか、あれやこれやと思っているうちに、過疎過密の状態というものが非常に深刻になってきて、気がついたときにはもうどうにもならぬと、こういうような形になるのではないかと思いますが、まあ、これは単に政府を追及するばかりではなくて、われわれもやはりそういう人口の分散というような考え方を持っておりますので、将来はいろいろと検討いたしたいと思っております。  それから次の問題は、地方行政の簡素化の問題でありますが、国が省庁において一局整理するということで、その実際は、局という名前が部になり、あるいは局が二つ集まって一局になったというだけで、実際には、たいして合理化なり、または行政の整理ということができていなかったように思うのですけれども、まあ、それはそれとして、これを国がやっているから地方もやはりそういうようにやってほしいということは非常にむずかしい問題じゃないかと思いますけれども、どのようにして、やはり国に合わせて地方行政の簡素化ということをおやりになるか、あるいは希望されるのか、その辺のところを承りたいと思います。
  50. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 行政調査会ですでに早くから結論が出ていることは御案内のとおりでございますが、なかなか行政改革に手をつけるのは容易ではないので、今日までその実績があがっておらぬのはたいへん残念だと考えております。今回、総理の発声で、一省庁一局削減ということがきまりまして、いま衆議院の本会議のほうで質疑を受けてまいりましたが、自治省としては、大体四局しかないものを一局減らすということは全く困ったことであると考えまして、しかし、いろいろ掘り下げてまいりますと、やはり一省庁一局削減というのは一つの決意でありまして、それに伴っていろいろな措置をやるべきであるという要請があるわけでございまして、六月の三十日までには、各省庁ともそれぞれの部内における行政改革の結論を出す、そうして行管に提示するようにというきつい要求が総理からも出ておるわけでございまして、自治省といたしましても、それに着手しておりますが、これは中央の官庁だけの問題で済むわけのものではありません。行政改革をやります場合には、やはり国、地方を通じてやるということでなかったら、国は国、地方は地方ということでやれる性質のものではありませんので、自治省側といたしましては、これについて国にも相当強い要請をしなければならぬ、かように考えております。
  51. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 地方団体に対して行政の簡素化をしなさいという行政指導をされるとして、具体的に何か要求されるのですか。
  52. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) いまその案を行政局でまとめておる最中でございます。その中には重大なことがいろいろ含まれておりますが、まだ作業の途中でございますので、まだ具体的に申し上げる段階になっておりませんけれども、自治省は自治省として一つの決意を持っておる次第でございます。
  53. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 決意というとちょっとこわいですね。やはりその行政指導という名のもとに干渉して、これだけのものは減らしなさいということを国は言うのじゃないですか。
  54. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) そういうことを言うつもりはございませんけれども、やはり人員の管理の面におきましても、年次的に減らしていくという一つの指示があるわけでございまして、まあ明年度は自治省関係では一%削減ということを目標にして、いろいろ検討を加えている最中でございます。
  55. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 すでに地方団体などではそういう簡素化の要請、指導によってかどうかわかりませんですけれども、新規採用を全然とっておらぬというところがたくさんあります。当分の聞こういうことをしていったら、若い人たちは全然いなくなってしまって、お年寄りだけということになってしまう。定員が減ったけれども、しかし、財政的には決して楽にはならないという結果が生まれてくるのではないかと思いますけれども、この点はどうなんですか。
  56. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 行政事務の合理化、また、人員の調整等につきましても、もちろん、行政費を安くしてくれということは、これは地域住民の要請の一つでございますけれども、しかしながら、単に安上がりの行政をやる、そういった意味で人員の整備をやる、そういったことは考えておりません。
  57. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 地方の行政の大部分というものが国の委任だとか、あるいは国の下請だとかということになっているわけでありまして、国自身のものを国が片づけていくというようなことになれば、行政の簡素化というものは相当に進むのじゃないか、こう思います。たとえば極端な話でありますけれども、国民健康保険などというようなものは、もちろん地域の住民のためではありますけれども、全体からいえば、国民皆保険ということですから、そこから出る赤字は地方にしわ寄せされてしまって、国がめんどうを見ないということであれば、いよいよもって地方財政が行き詰まることは当然です。ですから、もし国民皆保険といったような国策の一環としてやっている以上は、やはりそれだけのことはしてやらなければいけないと思いますが、それをしもやはり一割定員の縮減だなんて言ったら、それこそ国民健康保険も何も回っていかないと思います。こういう点は一つ一つの仕事について、温情ある処理をするのか、あるいは一律一%減らしなさいということなのか、その辺のところがはっきりしないと、われわれは心配でならない。
  58. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 国民健康保険の職員のことが出ましたが、また事務費のことが出ましたが、これは御案内のとおりに、いわゆる地方の超過負担解消という点で、こういった一番比較的地方のしわ寄せになっておる六団体と申しますか、これを選択いたしまして、とりあえず内容を精査して、大蔵省と十分協議をいたしまして、明年から三カ年のうちにこれを完全に解消してしまうという措置をいたしました。しかし、これを、地方事務官を地方公共団体に移すということはなかなか問題がございまして、事実、地方としてはこれに対して強い要求をいたしております。御案内のとおり、一つの県庁の中に社会保険課もあれば、また、労働省関係の出先の職業安定課だとか、失業保険課だとか、いろいろ雑居をしておる。これに対して知事の人事権も何もない。ですから、国家公務員の身分を持っている方々が地方公共団体の中にありまして、それはもう狭い範囲の中でしか異動もないわけです。課長だとか係長ということになれば、担当府県に転勤になっていくということもあるでしょうが、一般職員はなかなかそうもいかない。ですから、したがって、地域住民に接する面でも、どうしてもやはり能率が落ちるとか、いろいろな批判もございますので、そういうものもひっくるめて、できれば地方公務員の立場になっていただくと、やはりそこに県なら県の全般の行政の面で調整もできますし、中で人事の異動もできるわけでございます。そういった全般を通じてやはりむだを省くという意味で、ある程度の改革が行なわれていくべきものである、かように考えております。
  59. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 地方は財政的にも非常に苦しいし、むだがたくさんあるとは私、思いません。相当切り詰めてやっておると思うのです。その上に、さらに定員を減らせとか、あるいは仕事の統合をしろとか言っても、それは無理じゃないかと思うのです。重大な決意で行政指導をするということですが、もし団体の長がそれは無理だということでしなかった場合にどうなるんですか。
  60. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 私どもの役割りはそういう地方団体を指導する立場でございまするので、まあ全然そういったわれわれの勧告だとか指導だとかを受け入れないというところがあれば格別ですけれども、私どもは、そういう公共団体はないと、かように考えておる次第でございます。
  61. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 やはり自分の市町村にはこれだけの定員が必要なんだ、これがぎりぎり一ぱいなんだというところに、上から押しつけの定員削減ということを言ってこられても、それ以上やったらやっぱり住民に対する窓口の事務がうまくいかないと、こう考えられるところがあるかもしれない。そういうことはやはり地方の条例にまかせるべきものであって、極端な非常な決意を持ってこれを指導するということは、これはやや行き過ぎじゃないかと思いますけれども、そこはひとつ温情を持ってやっていただきたい。言うことを聞かなければ交付税を何とかかんとかというようなことは、自治省が始終言うことなんです。そんなことがないように希望いたしますが、温情を持ってやっていただけるというんですか、大臣のお考えでは。
  62. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) もちろんのことでございまして、私どもが指導すると申しましても、やっぱり全国三千有余の市町村を見ました場合に、大体標準の行政費というものはわかるわけでございまして、あなたのほうはこれは少しおかしいですよというぐらいなことを言えば、やはり隣近所を見渡して、そうして条例を改正するなり何なり、これは何といっても地域住民が主権者であり、またそれぞれの地方公共団体を動かしておられるわけでありまするから、その代表が、またそこに議会もあるわけでございますし、そういったところの反省も促していきたいということでございまして、強制的にどうこうしようというわけでは決してございません。
  63. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それでは次に、財政の問題ですけれども、財政は大体ここに書いてありますことでわかりますし、また委員会には、別個の議題として、財政あるいは交付税、あるいは税制の問題がかかってくると思いますので、簡単に一つだけ触れておきたいと思うんですが、一番初めのところに「明年度の地方財政については、今後の社会経済情勢の変動等に伴い、若干の変動もあることと考えられるのでありますが、」、これはどういうことを意味しているのであるのか、ちょっともう少し詳しく御説明願いたいと思います。
  64. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) これは明年度のことでございまするので、明年度の社会経済情勢がどういうふうな変化を遂げるかということについては、大体の目安はつけておるし、大きな変化はないという考え方に立ってはおりまするけれども、そう決定的なことは申し上げることはできないわけでございまして、そこで「かなりの自然増収を期待」とか、いろいろそういう表現を使っておりまするけれども、そういった意味でございます。
  65. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それでは、これは「明年度の地方財政計画については、今後の」というから、明年度のうちかと読めるわけですけれども、そうでなくして、明年度の地方財政計画については、これは今後の若干の変動ということは、来年度――四十三年度はこの方針で行くんだと、その中に経済情勢の変動というものがあり得る、若干の変動もあり得るというふうに読めるのですが、そうすると、その四十三年度の後半期にでもなったら手直しでもするというふうにも読めるわけですけれども、そういうことではないんですか。
  66. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 手直しをしなければならぬような重大な変化はない、一応ないと、こういう判断に立って地財計画を立てておるわけでございます。
  67. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 どうもこの文章のことにこだわっていけませんけれども、多少の経済上の変動があれば若干の財政計画に変動があるということも考えられる――それはそのとおりなんですけれども、財政計画そのものに対して手直しをするというようなふうに読めるのですけれども、そうじゃないということですか。
  68. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 大体今回提案いたしました地財計画でいけると、かように考えております。
  69. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 今度の財政計画の中には、いわゆる出世払いの問題は一応貸し借りなしということで、あらためて地方から国に対して四百五十億貸し付けるというふうになっているんですが、これには――五ページのところ、これには別にそういうことは何もうたってありませんけれども、繰り入れ額を法定額より四百五十億減額するというだけしかうたってないのです。これは四百八十二億のいわゆる出世払いの代償といいますか、そういう意味を持っていることは確かだと思うんです。そのとおりに解釈してよろしゅうございますか。
  70. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 四百八十二億の出世払い、それには何か国会の了承しないメモがあるとか、いろいろなことが議論になったわけでございますが、これは金額は似ておりますけれども、そういう判断ではないのでございまして、決して自発的にとは申しませんけれども、国の当面しております経済の状態、財政の状態は現在容易ならぬ事態に追い込まれている。それで、御承知のとおりに、去年の後半から、ポンドの切り下げだとか、あるいは先進国での公定歩合の引き上げ、あるいはアメリカのドル防衛政策、矢つぎばやにいろんな考えさせられる事情が出てくるものですから、国としてもやはり、日本の財政を誤まらないためには、ここらでよほど抑制型の予算を組んで、そうしてむだな購買力というものをできるだけ抑制して非常事態に備えようという考え方で、かなり緊縮した予算を組んだわけでございまして、そういたしますと、国と地方は、直接フィスカルポリシーに地方財政は関係はありませんけれども、しかしながら、やっぱり国の方針に即応して、これを乱すということであっては相なりませんので、われわれとしてはこの四百五十億円というものを一応減額をいたしまして、しかしただで減額したわけではございませんので、将来に備えましてやはり向こう三カ年百五十億ずつ地方交付税に上乗せしてもらうという保証だけは得ておいたということになっております。
  71. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 大臣の御説明のとおりであろうと思うんですけれども、巷聞伝えるところによると、地方が国に四百五十億貸して、これを四十四年度から百五十億ずつ三カ年で返すというふうに言われているんですが、裏をひっくり返して見ればそういうことですか。
  72. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) これはことばのあやと言われればそれまでですけれども、趣旨はただいまお話ししましたとおりに全然違うのでございまして、地方財政は、御案内のとおりに、まだほかへ金を貸すなんという余裕のある状態ではございません。それは余裕があって国へ貸したのではないということだけは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
  73. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 地方六団体などから流れている何とか週報とか、議事何とか、そういうものを見れば、私が言ったように書いてあるんですけれども、大臣はそんなことを知らぬで通したほうがいいと思うんでありますが、実際はそうなんだと私たちは考えております。その次にある二百五十億でも、繰り上げ償還するんだが、また新規に資金運用部資金を貸してあるから返してくれということに一応なっているんじゃないですか。私の読んだ六団体関係のニュースから見るとそういうふうに解せる、大臣は言いにくいと思うけれども。
  74. 赤澤正道

    ○国務大屋(赤澤正道君) 決して言いにくいことはございませんで、これは純粋に地方財政を健全化するということで積極的な意味を含んでおります。これは災害債でずいぶん古いものがありますが、それはみな各団体ごとに非常に不均衡になっておりますので、ある年次を限って一たんお返しを願う。そうしてそれをまた別の意味で活用するということも新しい行政需要に応ずるということになると思いますので、こういった点では、次第にとかく心配されておりました地方財政というものがそういうふうな健全になるというふうに私たちは考えております。
  75. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 その点はよろしいです、裏の話は。しかし、出世払いの借金の――借金じゃないです、これは。前渡しのあれでしょう、くぼんだやつを埋めたやつですから。その四百八十二億を大蔵省が返してくれと言ったからといって、返すべき筋合いでもないし、また返せるような余裕が地方にはないからということを自治省のほうは言われたと聞いております。四百五十億減額されて、返してかまわないんですか、それだけの余裕があるんですか。
  76. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 余裕があるわけではございませんので、そのことが、先ほど申しましたとおりに、国の政策にもやっぱり呼応しなきゃなりませんし、実は地方財政の内容を再検討したわけでございます。それだけ、四百五十億足りなかったために地方財政の運営が行き詰まるということであってはたいへんでございまするので、いろいろ計算をいたしまして、結局そうすると、旧債を返してもらって、それを二百五十億これに加えて出せばまあ大体いけるというめどがついたものですから、そういう措置をしたわけでございます。
  77. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それだったら、いわゆる出世払いの四百八十二億だって、大蔵省が返せと言ったら返せるような財政的な余裕があるんじゃないですか、そうじゃないですか。
  78. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) その余裕がないということは、いまの借金でもってるわけでございまして、御案内のとおりに、現債額が四兆円からになるわけでございます。しかしながら、借金がたくさんあるということはやっぱり自慢にはならぬわけでございまするので、やっぱり地方財政の内容を健全化いたしますためには、借金というものは次第に返していくのが私は正しいという判断に立っております。何でもかんでも借金を返して、早期に繰り上げ償還してしまえと言えば、地方財政が非常な困難をみますので、一番古い災害債、これはいつの日か整理しなきゃならぬという立場になっておりますので、これだけをまず取り上げたというのが実態でございます。
  79. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 次に、今度は、機動隊の増員ということの理由として、全学連あるいは三派全学連が暴徒のようなことをするからということになっておるわけでありますが、しかし、一方から考えてみれば、やはり警察の事務としては、固有の事務として、交通の安全対策であるとか、あるいは地域治安の確保ということがもっと重要ではないかと思いますが、交通安全の取り締まりあるいは指導、さらに、いわゆる派出所、交番所、そういう地域治安を確保するために、どのようなお考えを持って四十三年度をやっていかれようとしますか。
  80. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 最近は、交通が発達いたしたと申しますか、いわゆる集団不法事案というものが、まあ急に千葉で起こったり、佐世保で起こったり、なかなか足が速いわけでございますので、それに即応するためには、警察当局としても人員の配備その他に非常に苦慮いたしております。  ただいま機動隊の増員のことについてお話もございましたが、機動隊というものは、何も治安出動だけやっておるわけではございませんので、平時は訓練という時間もございまするけれども、やはりその間にあっては、雑踏警備とか、災害警備とか、いろんなものに出ておるわけでございます。もちろん、交通警察その他につきましても、当然それを応援する措置を随時とっておるわけでございまするので、そういうことを全体をにらみ合わせまして、国民の御期待と申しますか、警備その他警察行政全般について取り運んでおる次第でございます。
  81. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 地域のいわゆる治安対策というような行政事務は、まさに機動隊の人たちが来てやるわけではないでしょう。交通の場合あるいは雑踏取り締まりという場合にはあるかもわかりません。その人たちが特別の補助をもらって、他の人たちは補助をもらわないということも、変なことじゃないですか。
  82. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 機動隊というものは東京だけにあるわけではございませんので、これは全国的に、それぞれ人員の多少はありまするけれども、要所要所に配置されている。それから、まあ俗に第二機動隊というものもあります。これは治安警備の専門というわけではありませんけれども、しかしながら機動隊というのは特殊な勤務に従事いたしますので、こういうものを、いかに自治体警察、都道府県警察になったからといって、全部それぞれ所属の地方公共団体の負担にすることは、酷な面もありますので、そういった面で国で補助の道を開いた、こういうことになっております。
  83. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 先ほどは、機動隊でも離踏の取り締まりとかいうことをおっしゃったのですが、いま、手当を出す、補助を出すようなことになると、これは特殊なものだと、こういうふうにおっしゃる。一方に出して、一方もやはり相当の苦労もしていると思いますが、やはり機動隊の場合は特殊である、他の警備に当たっている警察官は特殊でないと、差別的な待遇というものがそこに出てまいりまして、もらう者はいいかもしれないけれども、もらわない者は不平だということになりはしないですか。
  84. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 大体これは、それぞれ所管の地方公共団体で超過勤務その他の費用を支弁しておりまして、ただ非常に広い国家的な立場での治安警備などの場合には、やはり大きな費用がかかりますと、これが都道府県で支弁することは無理でございますので、それに対する手当てをする、こういうものでございます。
  85. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 機動隊に対して補助を与えると、この問題はまた別に議論をしたいと思いますが、この中には「警察官の旺盛な士気が前提となる」ということでありますが、機動隊に対してそういう補助やめんどうを見るということをやっている。一方では若い警察官が挙銃の暴発事件を起こしたりしている。そういう問題が、どうも、アンバランスのような気がしてなりません。先日も新聞で、二十の若い警察官が挙銃の暴発で同僚を殺した、自分もその挙銃で頭を撃って自殺したと。こういうことは、若い警察官が挙銃の暴発などによってそういう傷害事件を起こすということは、決してまれなことではない。私らも常識から考えてみて、二十くらいの若い警察官に挙銃を持たせることがいいか悪いかというような気がします。しかし、万一の場合もあるから、挙銃を全然取り上げてしまうということもどうかと思いますけれども、しかし、巡らとか、あるいはまた交通取り締まりのような場合でも、そういうことをできるかどうかわかりませんが、年配の経験のある人が拳銃を持ち、若い人はその補助的な仕事をして、ペアでもって警らをするということであって、そして若い者二人だけを派出所に置いておくというような勤務のしかた、これはどうも私たちにはわからない。若い人でも信頼のできる人もありますし、まあ警察へ入る人ですから堅実な思想を持った人だろうと思いますけれども、現実にそういうことをやったという報道を読んでみますと、どうもちょっとあんまり若過ぎるのじゃないかなという気がするのですけれども、そういう若い警察官のいわゆる拳銃暴発事件というようなものが年にどのくらいあるのか、もし数字をお持ちでありましたらお知らせ願いたいと思います。
  86. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 警察官の平均年齢が非常に若くなっておりまして、たしか平均が三十六歳であったと思います。その中でも、やはり直接日常の警察業務で民衆に接触しなければならぬ面には、まあ老練と申しますか、比較的年配の人を充てておるわけでございます。  それから、警察官がピストルによって事故を起こした、この間もそういったことが新聞に出ましたのは、たいへん残念に思っておりますが、こういったことは全体としてきわめて少なくて――数字は持っておりませんけれども、皆無とは申しません、この間あったわけですから。しかし、きわめて微々たるケースであるというふうにお考えを願います。
  87. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 微々たるものでありますけれども、その与える影響というものは相当大きい。これは皆無であることが望ましいので、微々たるものであっても、ないにこしたことはないのですから、これは御注意願います。  それから、最後ですけれども、先ほども大臣からお話がありましたけれども、国の財政の硬直化ということのためにいろいろ窮屈な思いをしなければならないということであります。国の財政の硬直化と地方行政というものとの関連というものはどういうことですか。聞くところによりますと、地方財政がまあ放漫に運営されているために国の財政が硬直化するのだと、地方財政は国の財政の硬直化の犯人だということをしばしば私たち聞くのですけれども、大蔵省あたりにそういう考えを持っている人があるのか、この点ひとつ。
  88. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 国の財政の硬直化と地方財政の硬直化とは全然別個のものでございまして、国の財政が硬直したから地方財政もそれにならって硬直しなければならぬわけは、これは決してないわけでございます。ただ、地方財政の面で硬直化の大きな原因は、やはり国の施策に大きに影響されております。言うまでもなく、たとえばただいまの警察官だとか、あるいは学校教員、その他、いろいろ定数その他国できめられたものもありますし、こういうものは減額しようといったって地方でできるものではない。その他いろいろ国の施策そのものと重大な関連のあるものが幾多もあるわけでございます。しかし、それだけが全部でないことは言うまでもありませんので、それは地方公共団体それぞれ行政を運びます上において、みずから企画し、そして支弁しておる業績もあるわけでございますので、こういった面では、やはり地域住民の考えるとおりに、できるだけ安い行政をしなきゃならぬ、かように考えているわけでありまして、先ほど申しましたとおりに、フィスカルポリシーなんかには何らわれわれのほうとしては関係はない。ただ、そうとは言い条、やはり地方財政が、上のほうで一応抑制型の予算を組んでおります際に、地方財政が放漫に流れるということであっては、その面から不急不要の購買力なども発生してまいりますし、地方財政は地方財政として国にならって自粛をするということを自発的にやっているわけでございます。
  89. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 そうしますと、何かあまり関係がないようなお話なんですけれども、私たちいろいろ新聞や、あるいは大蔵省、自治省の折衝の裏面の話などを聞きますというと、非常に地方財政というものが大蔵省にとっては目の上のこぶみたいで、これさえなければというような気持ちの発言があったと聞きますけれども、大臣は、そういうことはない、地方財政が放漫でなければ、平常の状態ならば、それが財政硬直化の原因ではないというふうにお考えなんですね。
  90. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 予算期になりますと、やはりさいふを握っているのは大蔵省でございますから、たとえば地方債のワクであるとか、いろいろなことを自治省にまかせてやればよさそうなものを、大蔵省で一々チェックするなんということをやるものですから、たいへん困るわけでございます。しかし、もともと交付税にいたしましても、これは何も恩恵的に国からもらっているわけではありませんので、国と地方との税源の配分を補完するという意味で、これは法律できめられてある地方団体の固有財源です。それからまた、いろいろな住民税、事業税等も国民から納付していただいております。そういうことから考えまして、やはり少しでも減税ということも考えなきゃなりませんし、今度は持ち出しといってはことばはおかしいですけれども、自治省は自治省なりにやはり七百数十億円の減税も実行したようなわけでございますので、こういうものは地方財政は地方財政として自主的にすべてやっているわけでございます。
  91. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 財政の硬直化と、もう一つはいわゆる総合予算主義の問題なんですが、かりに例を国家公務員の給与改定の点にとって考えてみますと、今回の国の予算の予備費の中に五百億というものを――何のためかわかりませんけれども、突如として五百億予備費の中に入れてある。裏を聞けば、それは給与改定費の原資であるというふうに聞くのでありますが、これはもちろん国の場合ですから、大臣の御答弁は要りませんけれども、聞くところによれば、この五百億といういわゆる給与改定の原資というものは、逆算してみると四・五%ぐらいの給与改定の原資であるというふうに言われております。地方公務員の場合、やはり現在の法律のたてまえからいえば、国がベース改定をやればこれに準ずる、そういうことが必要なんですが、その財源的な措置というものはどのようにお考えなんですか。
  92. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) その五百億が何のことか私にもよくわかりませんが、しかし、地方財政面でも毎年の例もございまするし、やはり給与改定その他の財源も見ておかなければいかぬということで、明年度の……、現年災ということばを使いまするけれども、そういうものと一括して八百五十億というものを地方財政計画に組んでございます。
  93. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 それでは、その八百五十億の給与改定の原資というものがあるとして、国が、いま申しましたように五百億では一人当たり計算して四・五%。もし人事院がそれ以上の給与改定の勧告をしたら、大蔵大臣は、絶対に補正をしないということではない、まあ、補正の原資として五百億程度のものは考えているのだ、絶対に五百億のワクの中におさめるということではないという、まあ、国会向けの答弁ではそういうことを言っておられるわけなんです。そこで、もしかりに四・五%でなくて、あるいは六%あるいは七%という人事院の勧告が出たとすれば、大蔵大臣は必ず、人事院勧告を尊重するというたてまえからいえば、これにプラスしたものを補正しなければならない。総合予算ですから途中で補正しないということが原則ですけれども、しかし、参議院の内閣委員会の答弁などを聞いてみましても、絶対にそれ以上しないというのじゃないというふうに言っております。かりに、もし人事院の勧告が高くて、四・五%以上になった場合に、国がその足らない分を補正したとすれば、地方の側にもやはり何らかの財政的な措置というものはお考えになる必要があると思います。この点はどうです。
  94. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 大体、まあ多年の経験で、自治省がにらんでいるところは間違いないと思っておりまするけれども、国がどういう措置をとるかということは、その時点で国のやり方を見ましてよく相談をいたしたいと思っております。
  95. 原田立

    ○原田立君 自治大臣の当委員会における所信表明をお伺いしてみて、地方財政に対してなみなみならぬ理解があると、こういうふうにまあ思うのでありますが、一、二やはり、はてなと思う疑点がある。それは当委員会で以前から何度も言われておりますが、国と地方との予算関係等については車の両輪であるというようなことがしばしばここで言われておりました。いまの松澤委員の御質問の中にもあったのでありますけれども、この所信表明の中の四ページのところに、「あわせて将来にわたる地方財政の健全化をはかるため、国の基調に準じ、」云々と、この「国の基調に準じ、」というのが車の両輪論から発したことばではないだろうかと、こう実は思うのでありますが、国の財政が苦しいから地方も協力せよというようなことは、これは基本的におかしいのじゃないか。地方財政は地方自治の本旨にのっとって行なわれるものであり、国に隷属化したものではないと、こう私たちは承知しているのですが、地方には地方の仕事があるのですから、国においてチェックしたり、押しつけがましいことがあってはならない、そういうふうに私は思うのです。また、そういう姿勢が自治省にあるべきではないかと、こう思うのですが、いかがですか。
  96. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のとおりでございまして、そのことは、さっき松澤先生にも申し上げたと思います。しかし、地方公共団体だって国の一部分をなしているわけでございまするので、まあ、政府の政策にまっこうから反対するような態度で財政を扱うわけにもまいりません。しかし、車の両輪とおっしゃいましたけれども、何も国にならわなければならない立場もないわけでございます。地方財政法二条にも示しておりまするように、やっぱり国の政策には一応沿うという基本的な考え方に立たざるを得ない、そのほうが賢明である、かように考えております。
  97. 原田立

    ○原田立君 今回の先ほどの質問、松澤委員の質問と若干重複すると思うのですが、四百五十億の問題点、あるいは二百五十億の処理の問題、あるいは二百億の問題点と、こうこの三つの問題が、何か地方財政が多少ゆとりが出てきたというようなふうな見方をしたのかどうか、そういう、いままでの考え方からいえば複雑な処理のしかたをしている。これはどうも国のほうで押しつけたものじゃないのだろうか、こんなふうに非常に思うわけです。自治大臣は、地方財政はまだまだそんなに楽じゃないのだと、こう片っ方で言明しておきながら、片っ方のほうでは、こういうふうな、いまのような処置をなさる、ちょっと話が両面にわたって、納得しがたい点があるのです。
  98. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) これは先ほどからたびたび申し上げましたとおりに、やはり国がそういう抑制型の予算を組んでおるわけでございまするので、その立場も、国全般としてのわれわれの見方からいたしまして、やっぱり今回はもっと自粛した形にしたほうがいい。かといって、もともと交付税というものは個々の地方団体の固有の独立財源でございまするので、ただそういう措置をしたからといってそれきりになってはたいへん困りまするので、将来にわたってこの財源というものは確保は一応いたしてありますし、それからいま一つ、二百五十億円につきましては、地方財政の借金も一応掃除をする、整理をしてみるということで、そういう措置をとったためにこの財政の運びに大きな支障が来てはたいへんでございまするから、結局は二百億円引っ込んだという形でことしの財政は運営されるわけでございまするけれども、いろいろ勘案いたしました結果、支障はないという判断に立っておるわけでございます。
  99. 原田立

    ○原田立君 そこのところなんですよね。まあ、いままでは地方団体は三割自治とか、あるいは非常に苦しい万年貧乏世帯ということでずっとやってきた。たまたま四十三年度は非常によくなる、多少明かるい見通しがある、それ来いというので取り上げちゃう、何か特殊な手段ばっかり講ずる。こういうのは大臣、地方財政をもっと強化しなければいけないと言っておられるさなかに、頭をはねていって、こくようなことは、これは基本的にまずいのじゃないかと、こうぼくは思うのです。
  100. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 借金の上に成り立っている財政とはいいながら、ことしあたりは、明年も見越しまして、これは若干上向きと申しますか、好転しておることは数字が示しておるわけでございます。好転したからといって、それで内容が非常によくなったということは決して申しませんけれども、いままでの苦しさから見ますとやはりかなりよくなっておる、こういう実情でございます。よくなったからすぐそういった金は要らないのだということではありませんけれども、そこが、この国全体のいろいろな施策とにらみ合わせて協力したと、こういうことに御理解をお願いいたしたいと思います。
  101. 原田立

    ○原田立君 地方交付税は、地方団体の固有の財源であると先ほどもお話しがありました。決して国からの恩恵的ひもつき財源ではないはずであります。ところで、先ほども大臣抑せでありましたが、大蔵省が地方交付税率を引き下げ云々のことを話があったやに聞いております。これは、前も当委員会におきまして、地方交付税現在の三二%、これは絶対下回っては相ならないのだということを私強調しましたし、大臣も三二%以下なんということはとんでもないというような御答弁でしたけれども、その点のお考えはいまでもお変わりないかどうか、いかがでしょう。
  102. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 今日の三二%に至りまするのには、御案内のとおりに、いろいろ経過、歴史がございましてここに至ったわけでございますが、私はそのことをよく承知もしておるわけでして、大蔵省が三二%を少し削ろうなんということは言いませんでした。しかし、大蔵省ではなくて、他の方面から出た声の一つに、まあ、大体、先年苦しいときには国のほうから、御案内のとおりに、一つの落ち込み分を埋めてもらったいきさつ、これが四百八十二億円になっておるわけですけれども、そういうことは起こり得るんだから、大体五百億円前後ということで、年度によってふやしたり、減したり、総体でちゃんと三二%にそろえばいいんじゃないかなんという案も出たことがあります。そういったことにも一切耳をかさないで三二%を守るという決意で今日まで来ておるわけでございます。
  103. 原田立

    ○原田立君 それは将来ともそういう方向で参るということですか。
  104. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) もちろんでございまして、三二%がふえることはあるかもしれませんが、減すということは、私は自治大臣の職を賭さなければならぬと考えておる次第でございます。
  105. 原田立

    ○原田立君 地方財政の充実化ということは、自治省前年来の主張でもあり、地方団体の切実なる願望であるわけでありますが、今回のように多少とも地方財政がよくなったからといって、また直ちに交付税率の引き下げとか、あるいは地方から国への貸し付けなどやるようでは、地方財政の圧迫に通じるのじゃないかと、こう私は思うのです。一体今後のもっと基本的な地方財源の充実健全化をは自治省はどういうふうに考えておられるのか。
  106. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) やはり、この減税ということにつきましての地域住民の要望は非常に強い。よく所得税と比べられていつでも批判を受けるわけでございまするが、まあ、これは所得税と住民税とはおのずから違うわけでございます。しかしながら、やっぱり、そういうことにも一面こたえなきやなりませんし、いま、いかなる意味でも増税などのできる時期ではないわけでございまするので、私どもといたしましては、地方行政そのものはやっぱり簡素化、合理化していくことも考えなきゃなりませんし、また、財源確保は、ただいまの交付税にいたしましてもやっぱりその一環でございまするけれども、地方が当然受け取るべき財源などにつきましては十分確保していく。そうして、さっき申しました債務なども、やはり中を洗ってそうしてこういったものも非常にだんだん健全化の方向に持っていくという努力をしたいと考えております。
  107. 原田立

    ○原田立君 その努力は多として、実際中身の問題として、地方財政を圧迫している大きな素因の一つとして超過負担があります。今回、ことしは三百何十億ですか、処理して、今後三年間にわたって超過負担をなくしていくというようなお話もあったと聞いております。この超過負担を今後ないようにしていかなけりゃならぬ。これも地方財政の充実、健全化をはかっていく一つの方法ではないか。そんなようなところで、いま私超過負担のことをちょっと申し上げたわけですけれども、それ以外に自治省としての地方財源を充実していくプランですね、これはもう描かれておいでだろうと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  108. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) ただいま申しましたとおりに、やっぱり地方財政の内容を健全化し、充実化するという意味には、積極的な面もあるし、積極的な面もあるわけでございます。まあ、積極的な面では、今回とりあえず皆さんに御審議願っておる自動車取得税のことにつきまして、これもいろいろ問題はありましたけれども、やはり、とにかくわれわれは一つの信念――ということばは当たりませんが、これはぜひ今日の自動車の事情、交通事情等にかんがみて、一応自動車を取得してくださる方に御負担願うとか、あるいは例の交通反則金制度ができまして、そうしてこの収入で自治省に交付をされるものが大体明年度は百二億円見込んでおります。これで各地域の交通安全対策に要するいろんな行政需要、こういったものにこたえるとか、少しでもこういった面の行政需要にこたえる意味での財源確保ということにはつとめておりますし、消極的にはいまの超過負担の解消、これも非常に問題でありまして、長年これで皆さんとともに苦労してきたわけでございまするけれども、やっと解消のめどが立ちました。  さらに特別事業債の償還も、これも、ただ国会で地方に迷惑はかけないなどというような言質が取ってあるだけで、まだどうなるかわからぬという状態でありましたものを、今度は皆さんの応援も得まして、大蔵省と折衝いたしましてこれも償還交付金制度というものを新設して、これも今後いろいろ議論にならぬようにきちっといたしますし、いろんなことを積極的、消極的にも処置を講じておるわけでございます。
  109. 原田立

    ○原田立君 その超過負担のことにちょっとこだわって申し上げるんですけれども、地方でいろいろ仕事をやらなきゃいけない。国で計画は立てられる。必ず地方において裏負担をしなきゃいかぬ。そんなことは法律できまっておりますからやむを得ないことだろうと思うんですが、そこで、単価が安かったために超過負担がぐんぐん、ぐんぐんいままでふえていく。それが地方財政の内容を悪くする一つの要因である。だから、今後、超過負担を起こさない。起こさないような方針ですね、それがはっきりしないと、今度三年間でめどをつけようというように大臣は言っておられるけれども、またぞろ超過負担が出てくる。こういう悪循環におおわれるんじゃないか、こう心配するんですけれども、そういう面での超過負担を今後はもう起こさないというための施策、方法ですね、これはどんなふうにお考えですか。
  110. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) さっき御説明いたしましたとおりに、実態調査をいたしまして、超過負担で非常にやかましい大きいものだけ六団体をよって、そうして精査いたしました結果答えが出た。その中には、やはり単独事業として地方公共団体が負担しなければならぬ部分もあるし、国が埋めなければならぬ部分もある。割ってみれば、いまの補助金その他積算に、単価の見方の違い、あるいは数量の差、あるいは対象の差などがはっきり出てまいりましたので、それでこの六つの団体につきましてはきちっとした措置がとれるようになりましたので、その心配がなくなった。ただそれで片づいたかといいますと、そうではありません。ほかにもあるわけでございますので、これは四十三年度に引き続いて精査をして結論を出して超過負担というものを解消するというかたい約束を大蔵省といたしております。
  111. 原田立

    ○原田立君 それで、まあこれも巷間伝えられていることですけれども、たとえば道路整備五カ年計画とか、いろいろなそういう計画案ですね、その案ができるときに、その案をつくることのほうに先走ってしまって、財政という裏づけがいつもおくれている。そのために、その地方のほうはよけい裏づけが薄くなっているので非常に困っている、こういうのが実態だと思うのです。それで、大臣、計画をつくるときに財政的裏づけをもっとはっきりしてやっていくということが、これも一つの超過負担の解消とか、地方財政の健全化に通ずる道ではないかと、こうぼくは思うのです。その点、いかがですか。
  112. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 新しい道路計画を立てました際に、例の六兆六千億円、これに対して地方の持ち出し分というのはちゃんとはっきりしておる。そのはっきりしておる分についての財政的措置というものがなかなか頭痛はち巻きの種で、いままで十分できなかった。と申しますのは、特に困りましたのが市町村でございますので、道路目的財源というものが全然与えていなかったわけでございますから、そういうことも十分勘案いたしまして、自動車取得税などもやむを得ず創設をした。ですから、その他のことについても、やはり地方の負担になるものにつきましては、今後とも自治省としてはいろいろな面で御迷惑をかけないということを考えて努力していきたいと考えている次第でございます。
  113. 原田立

    ○原田立君 それは、いま大臣も、御迷惑をかけないように努力をするという努力目標の決意のお話があったわけですけれども、赤澤自治大臣はそんなことはないだろうと思うのですけれども、前々の大臣も、努力目標はいくら言っても、実際にはそれが伴わない。そのためにみんなしわ寄せが地方財政に行っている冷厳なる事実があるわけです。ですから、ただ単に努力をいたしますと言うのではなしに、計画と同時に、財政という裏づけを講ずるというような、そういう積極的な姿勢を持つべきだと思うのです。こう私は思うのですけれども、大臣、その点についてはいかがですか。
  114. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) その積極的な姿勢の一つが、道路目的財源を市町村に与える、無理してでも与えるということになった。また、足りなければいろいろな措置を加えていかなければならない、かように考えております。
  115. 原田立

    ○原田立君 最近の社会経済の急激な発展に伴って、大都市及びその周辺の都市については異常な人口増加によって各種の財政需要が激増しているわけでありますが、自治省のほうで現在人口の移動の実態、それから、財政需要が非常に多くなったけれども、実際、非常に財源難で苦しんでいるというような状況をおわかりでしたら、数字をあげて御説明を願いたいと思うのです。
  116. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) いま具体的な移動のこまかい数字は、きょうは準備しておらぬようでありますけれども、大体の状態はわかっておるつもりでございます。
  117. 細郷道一

    ○政府委員(細郷道一君) 数字を持っておりませんので正確ではございませんが、御承知のように、先般の国勢調査の対五年前の比較におきましては、四十六府県のうち、たしか二十二県が人口増加団体、二十四県が人口の減少団体。人口の減っておりますのが一番多かったのは、たしか島根県であったかと思います。市町村別に見てまいりますと、全国三千五百の市町村のうち、約八百の団体を除いて、あとは人口が減っておる、こういうような状況でございます。その状況は、いまなお、多少の度合いは違いますが、続いてそういう傾向があると、こう見ていいと思います。
  118. 原田立

    ○原田立君 いまの人口の増加によって各種の財政需要が激増しているにもかかわらず、税収入は全く伸び悩んでいる。そのために都市対策、過密問題ということが問題になるわけでありますが、緊急に都市財源の強化をはかる必要に迫られていると思うのです。だから大臣も過密問題また過疎問題について所信表明の中でお話しになっておるわけですけれども、特に都市対策、過密対策、これに対してはどのような具体案をお持ちになっておられるのか、その点はいかがでしょう。
  119. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 何ぶん人口の移動が激しいものですから、まあ、乱雑な膨張を大都市は続けております。一番地域住民が困っておりますことは、公共施設がそれに伴わない。町によっては水道に困っておるとか、あるいは一番困っておるところをあげれば、道路とか教育施設とか、そういったものにたいへん困難を感じておるわけであります。つまり、社会資本というものがそういうところへ伴っておりませんので、そういったところへは今度は重点的に財源の配分もいたしておりますし、また、交通問題を解決いたしますためには、ただいまの交通安全対策の交付金みたいなものも重点的にやりますし、その他いろんな社会資本の充実のための措置を大都市のほうにも講じておるわけでございます。
  120. 原田立

    ○原田立君 今度の予算、地財計画の中にも、過疎地域に二百億、過密地域に百億の傾斜配分をしたと、こういうふうにうたわれておるのですけれども、それは過密地帯もうんとお金を上げればなお喜ぶであろうし、あるいはまた、過疎地帯も数多くやればそれなりに喜ぶだろうと思うのですが、そういう過密あるいは過疎に対して自治省としてはこうするんだというその具体案ですね、基本計画案というんですか、それをもうすでにお持ちだろうと思うのです。そのために今回特に過疎地域に二百億の傾斜配分をしたと、基本精神、基本計画というものができてそれでおやりになったんだろうと思うのですけれども、まだ寡聞にして、過密、過疎対策についての基本計画についてお聞きしていないのですが、大臣、どんなふうな構想ですか。
  121. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 交付税の傾斜配分だけではありませんので、いままでとて過疎の地帯には、これは農山村ですけれども、やはり山村振興あるいは離島振興などの特殊立法によりましてしかるべき措置もしてありますし、また、山間僻地には、それぞれ辺地債を計上するとか、それで明年度はいままでよりも格段に大幅なワクも確保しております。しかし、これはとりあえずの措置でございまして、全体をどうするかということは、国全体の総合開発計画の問題でございますが、ただ御案内のとおりに、産業分散のためには新産都市あるいは工特地域の指定などもありますし、あるいは低開発地域工業開発促進法、この指定地域なんかをつくりまして、こういうところにはまた特別の措置をしております。しかし、やっぱり、こういう国全体で指定いたしておりまするけれども、また大体年次計画的にはほぼ順調にいっておるという数字だけは示しております。しかし自治省としては、それについてはやはり意見もあるのでございまして、やっぱり、にもかかわらず、こうして人口が次第に偏在しておるという事実がございまするので、中堅都市構想というものをもってそうしてこの過密過疎対策を――一番責任を負っておりますのがそれぞれの地方公共団体でございまするので、むしろ国で指定するということでなくて、それぞれ地域内の経営をするという意味におきまして、地方公共団体のほうで積極的にこの中堅都市――これは住民の生活を中心にいまのいろんな新産都市であるとか、あるいは工特地域であるとか、農業経済圏の指定地域であるとか、こういったものを総合的に勘案して、やっぱり住民の生活ということに結びつく形でこれを編成していくべきであるという考え方を持っております。  やはり過密過疎地域ができるというのは、その地域に住んでおる人たち、主として農山漁村で貧しい収入の方々ですけれども、どうしても兼業収入、農外収入を得る道を持つ必要がある。これが付近にありませんと、どうしても東京、大阪、名古屋というところに集まりがちになるわけでございまするから、やっぱりそういうところをよく考えて、通勤可能な地域に何がしか兼業収入を得られる道を開く。しかも大都市にあこがれるのはやっぱりこういったところ――いろんな文化施設あるいは医療施設、その他あるから、集まるということも考えられまするので、そういった地域を点々と、むしろ地方公共団体に責任を持たせて、そういう地域というものをもり立てていくということも、われわれとして考えているわけでございますけれども、まだ具体的に進行していないのをたいへん残念としております。
  122. 原田立

    ○原田立君 結論的には、そういう過密過疎対策についてまだ自治省として基本構想ができていないというようなお話のようですけれども、これは現在の地方財政から見れば、一番最初に取り上げて方針がはっきりしなければいけない問題だと思う。ただ単なる精神論ではなしに具体論がなければならないし、またこの、私も先ほど二百億ないし百億という話をしましたが、これは地方交付税の中の同じ一つのワクの中の話なんです。だからうんとこさある都市のほうがたくさんもらう、少ないほうがもらう、中間の都市がだんだん減っていくというようなことで、これは同じ中をあっちへやり、こっちへやりということになってしまうと思うのです。そうでなしに、こう過密都市、過疎市町村に対して財源的な援助ですね、そういうのはあるのかないのかという点をお聞きしたいのです。
  123. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) これは言うまでもなく、全体の計画というものは、これは経済企画庁でお立てになるのが本筋じゃないかと思っておりますが、私どもは地方公共団体を指導する立場にありまするので、やっぱり同じ問題を議論いたしますにしても角度がちょっと違うわけでございます。で、企画庁のほうでもいろんな計画が進んでいるようでございますが、私たちはそれを待つまでもなく、積極的にやっぱり地方行政の立場から主張すべきものは主張し、そして企画庁の計画に組み入れていただく、こういう進め方をしているわけでございます。
  124. 原田立

    ○原田立君 そこのところなんですね。大臣、地方団体の大元締めは自治省なんですから、経済企画庁でやっているから、地方団体の代表として意見を言うという、それは意見を言うのは、非常に強く言われるのはけっこうなんだけれども、その強さ弱さというようなことになりますと、やっぱり地方団体が直接経済企画庁のほうへいっていくよりは、自治省のほうでなお強くバックアップがあれば、なおなおもっと成果を期待されるのじゃないか、こう私常識的に思うわけなんですね。  そこで先ほどから過密過疎の市町村に対してプラン、どういう援助計画をしていくかということが、もう現在の段階においてはつくってなければならないのじゃないか。できてないとすれば非常におそい。怠慢のそしりを免れないのじゃないか、そんなふうに私は思うのですが、それはそれとして、過密過疎対策について、精神論ではなしに、もっと具体的な、こういう過疎地域にはこうするのだ、地方交付税ばかりでなしに、こういう財政援助もするのだという基礎といいますか、それをもう少しはっきりと示していただきたい。
  125. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 現在の情勢のもとにありましては、あとう限りの努力をしておるということを申し上げるほかはありませんので、事実財政的にも、指導の面においてもずいぶん意を用いておるつもりでございます。しかし、人口が大都市へ吸収されるという現象は、日本だけではありませんので、世界的にこれは非常にやっかいな問題になってきております。日本も例外ではないわけでありまするが、とにかくこういったことは、私は将来を展望して、正しいことではないと思いますので、国全体でこの対策を講ずるということに、自治省も一環として努力をしたいと考えておる次第でございます。
  126. 原田立

    ○原田立君 先ほど道路の整備計画のことについて若干触れたわけですけれども、国及び府県においては、それぞれの道路整備財源はあるわけですが、いままでは市町村はゼロ、これは今度自動車取得税の創設がかりに実現したとしても、わずか三%程度にしかすぎない、こういわれておりますし、私もそう思うのですが、その不足分の市町村道路財源を、どのように取り扱う御所存なのですか。
  127. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 主として交付税で調整をいたしております。
  128. 原田立

    ○原田立君 そうするとあれですか、交付税であと――たとえば道路整備五カ年計画で、市町村財源としては六千七百七十六億円かかると、こういわれております。ところが五カ年計画ですから、年度間には約手三百五十五億と、こうなります。自動車取得税でたしか三百九十五億ですか、そのぐらいだと、こうなれば、わずか三割強というふうなパーセントしかできておりません。そうするとあと七割のものは地方交付税で見るのだと、大臣はごく簡単に仰せなんだけれども、交付税で七割、ほとんど全部見られるように計算はなされているわけですか。
  129. 細郷道一

    ○政府委員(細郷道一君) 新しい五カ年計画は、近く政府できまると思いますが、さしあたりまして、明年度の地方財政におきましては、いま御指摘のございましたように、地方負担分並びに単独事業分の財源措置といたしまして、目的財源のほかは地方交付税によって措置をする。ただ小さな団体でございますと、交付税の措置だけでは一年に大きな仕事ができませんので、そういうものにつきましては起債等でカバーすることによって措置していく、こういうふうに考えております。
  130. 原田立

    ○原田立君 起債なんてやっぱり借金じゃないですか。借金財政で道路をつくるなんて、そんなんじゃ地方財政の充実化、健全化なんておかしな話だと思う。そんなことでなしに、じゃああれですか、それだけしか考えてないということですね。三割のものは自動車取得税でめんどう見る、あとの七割は交付税並びに起債だけでやるのだ、借金してやらせるのだ、これしか手段、方法はないということですね。
  131. 細郷道一

    ○政府委員(細郷道一君) 大部分の額は目的税のほかは一般財源、交付税によって処置をいたします。ただ小さな団体では、その交付税で処置をしただけでは、たとえば橋をつくるといったような場合にその年の財源に困りますので、資金繰りとして起債を認めます。その場合の償還費につきましては、交付税の需要の中に償却費を見ることによって財源措置をするといういき方で、明年度は全部の道路計画にございます地方負担額を処置してまいりたい、かように考えております。
  132. 原田立

    ○原田立君 ちょっとよくわからないのですが、道路整備の特定財源としてこの際、国、府県、市町村を通じて財源の合理的再配分、これはどういうふうに考えておられるでしょう。
  133. 細郷道一

    ○政府委員(細郷道一君) 従来からいわれておりましたのは、御承知のように、道路の目的財源でございますガソリン税あるいは軽油引取税、石油ガス税、こういったようなものについて、国と地方との間でその配分が道路事業費に十分マッチしていないというところから、国のそういった目的財源を地方に分けてはどうか、こういう議論であったわけでありまして、私どももそういった考え方がやっぱり一番すなおな、そしていくべき道であろう、こういうふうに考えております。  明年度につきましても、実は当初そういった線でいろいろと案を考えたわけでございますが、全般的な経済政策その他の面からそれが実現できませんでした。しかし道路交通等、自動車との関係というような点に着目をいたしまして、自動車取得税というものを起こすことによって、いままで目的財源が全然なかった市町村にもこれを与える、こういうような方向で来年度以降に一応対処してまいるわけであります。基本の考え方は依然として持っております。
  134. 原田立

    ○原田立君 四十三年度の地財計画は国の予算編成に歩調を合わせて作成したものといわれておりますが、公務員給与改定に対処するために、国は予備費に五百億円をプラスして千二百億円を計上しております。これに対して地方公務員給与改定分は、一般行政経費中国庫補助負担を伴わないものの中に七百五十億円を計上されていると、こう聞いておりますが、はたしてこれだけの財源で十分間に合うのか。先ほども松澤委員の話の中にございました、もし不足の場合にはどうするのか、その点いかがですか。
  135. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) さっきの道路のことですけれども、これは第五次五ヵ年計画というのは全体で六兆六千億円であります。そのうち地方持ち出し分が二兆一千億円もございますので、これにはいろいろ苦慮もいたしておるわけであります。その中で自動車取得税は一環をなすものであります。  それからいまの地方公務員の給与のことですけれども、これは、ただいま御指摘になりました項目の中に、いま七百五十億円と申されましたが、八百五十億円、現年災の費用とともに盛り込んであります。これは人事院の勧告がどういうことになってくるかわかりませんけれども、長年の経験で、私どもとしては突発的なたいへんな変動がない限りは、大体これでいけるものというめどをつけておりますけれども、もし人事院の勧告というものが、われわれの予想外に大きいものであった場合にどうするかという御質問と思います。これは国のほうとしてもたいへん困ると思いますが、国のほうがどういう措置をするかということを見きわめた上でこの地方財政面でも措置をする、かように考えております。
  136. 原田立

    ○原田立君 ことしも全国一斉に春の火災予防運動が行なわれているのでありますが、最近は出火件数、火災損害額、死傷者は激増の一途を示しておりますが、実態はどういうふうになっておるのかどうか。それから特に本年に入ってからだけでもすでに三百数十名の焼死者を出しておるのですが、年中行事といわれるこの火災予防運動についても明年度はどのような具体的な計画をもって実施されておるのでしょうか。
  137. 佐久間彊

    ○政府委員(佐久間彊君) 最近の火災の傾向でございますが、大まかに申しますと、火災の件数は都市によって多少のでこぼこはございますが、漸増の傾向を示しております。しかし、残念なことには、火災による死者の数は年々相当な勢いで増加をいたしております。昭和四十一年でございますが、昭和四十一年は千百十一名ということで、これは戦後で最悪の記録となったのでございますが、昨年昭和四十二年は千九十八名でございまして、これは総数から申しますと、四十一年より若干減少したようになっておりますが、四十一年の中には羽田航空機事故で五十一名なくなった数が入っておりまするので、それは特殊なものとして別にいたしますると、四十二年は四十一年よりもさらに増加しておる、こういうような状況でございます。  それで、この火災予防運動でございますが、私どもはしんぼう強く繰り返し繰り返し火災予防運動を進めていきたい。と申しますのは、死者を出しました火災の原因を見てみましても、そのほとんどが、ちょっとした注意をすれば防げたであろう火のあと始末の不注意によるものが多いわけでございまするので、この予防運動は繰り返しやっていきたい。  そこで、春の火災予防運動でございますが、特にそうした火災の動向を考慮いたしまして、次の四つの事項を全国一斉の実施事項ということで地方に指導をいたしております。第一は、就寝前の火のもと点検の励行。第二には、液化石油ガス類の正しい使い方の普及。第三は、たばこの投げ捨てと寝たばこの防止。第四は、宿泊、集会施設における避難系路の案内の徹底。いずれも最近の状況にかんがみまして、一番必要な事項ということで取り上げたわけでございます。  それから、この火災予防運動はまだ終わりませんが、一昨日十日までに私どものほうに報告のありましたものによりますると、昨年の火災予防運動週間中よりも出火件数は減っておりまするが、死者は、昨年の同じ日にち、三月十日までと比べますと、昨年より二名ほど増加いたしておるような状況でございます。
  138. 原田立

    ○原田立君 だいぶ時間がたってきてしまったので、もう早く切り上げたいと思うのですが、地方都市や観光地の火災が大火災になる原因の一つに、地方消防力の貧弱さがいろいろとあげられているわけなんです。大臣は所信表明の中で「消防の常備化と広域化を推進するとともに、消防財源を充実して、消防施設の強化をはかってまいりたい」、こういうお話でありますけれども、この点たいへん実際と食い違っておる。その点、ただこういう項目だけではなしに、中身の点で、一体どれだけ充実なさっていかれるお考えなのか、この強い御覚悟のほどをお聞きしたい。
  139. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) この問も自治体消防二十周年記念に天皇陛下がおいでになって、私はその御先導をするという光栄に浴したのでありますが、おことばを体してということをやったわけでございますけれども、これは決してゆるがせにしているわけではございません。で、まあ補助金、起債等も格段に増額をいたしまして、天皇陛下のおことばにこたえなきゃならないという固い決意を持っております。
  140. 原田立

    ○原田立君 消防庁長官、ちょっとお聞きしたいんですがね。地方交付税の中で消防力の強化のためにいろいろと配分されている。それが、ある一時期におきましては地方団体はそのとおり使ってない、むしろ割り当てられた額よりずっと下回った額を使っている。そのために消防力が貧弱になってきたんだと、こういうふうなことを言われておったことを記憶しております。それで、地方団体は現在その財政運用についてきちっとそのとおりやっているのか、ないしはそれ以上にオーバーするように、特に地方消防力強化のためにやっているのかどうか、そういう点、もしおわかりだったら言ってもらいたいし、またそういう消防力強化の面についてどういうふうな指導をなさって、成果はどんなふうになっているのか、いろんなことをみんなひっくるんでお伺いするわけであります。
  141. 佐久間彊

    ○政府委員(佐久間彊君) 地方消防力、特に中小以下の市町村におきまする消防力がなお劣弱であるということは御指摘のとおりでございます。そこで、私どもとしてはできるだけこれを強化するように、先ほど大臣もおっしゃいましたように、国庫補助金の増額、あるいは起債のワクの増大、あるいは地方交付税の単位費用の引き上げというようなことで努力をいたしておりますが、昭和四十三年度予算に計上いたしました消防施設に対する国庫補助金は十四億八百万円でございまして、これは前年度の節約額に比較いたしますと二億円あまり増加いたしております。なお特に離島関係が従来貧弱でありましたので、四十三年度におきましては、離島の消防施設につきましては補助率を三分の二に引き上げまして、これは別に六千万程度の補助金を離島分として補助することにいたしたわけでございます。  それから地方交付税でございますが、これは財成局のほうも非常に御理解をいただきまして、これはいままでになく大幅に単位費用を増加をしてもらうというようなことにいたしました。なお、その内訳はまた御要求がございますれば、別途、資料としてお手元に提出いたしたいと思います。それから、各市町村において地方交付税で見込んだ額を消化していないところが多いじゃないか、こういうお話でございますが、これは全体として見ますというと、大体、地方交付税で見込んだものと大差ない程度になっておるようでございます。個々の市町村について見ますというと、それを相当上回って消防財政のほうに経費を計上しておるところもございまするし、逆に、かなり下回っているところもあるわけでございますが、私どもとしては、交付税で見込みましたものは、実際そういうところまでやってもらいたいという希望の線でございますので、少なくとも全部がそこまでは消化して消防力の充実に寄与されるように、今後とも指導に努力するつもりでございます。
  142. 原田立

    ○原田立君 消防の問題はそれくらいにして、最近、一連の高級の国家公務員等についていろんな黒い霧事件等が発生し、また、近くは東京都も部ぐるみでの贈収賄事件等が起きております。いろいろと通達等を出されておりますけれども、いわゆる馬耳東風というような状況になっております。こういう点について、地方自治団体としておのおの研究されるべき筋合いのものであろうと思いますが、地方公務員等の総元締めとしての大臣として、こういう黒い霧事件、どういうふうにお考えですか。
  143. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 毎日のように新聞をにぎわしておるものにつきまして、はなはだ残念に思っております。われわれといたしましては、たびたび綱紀の粛正、中にはそういうことを、もちろん絶滅を期するということを含んでおりまするけれども、馬耳東風というわけではございまするまいが、やっぱりそういうことの起こり得る素因が、今日、地方団体の中にひそんでおるということは、はなはだわれわれは遺憾に考えておる次第でございます。今後とも十分指導を強化して、こういうものの絶滅を期したい、かように考えております。
  144. 原田立

    ○原田立君 最近の日通の起こした事件等を解明してみますと、一つの役に長期間、二十数年もそれに携わっておる。そういうようなところから、こういう贈賄、収賄、汚職等のそれが温床になっているというふうに言われているわけですが、そういう面での、そういう汚職等が発生しないようにするための御決意なり研究等ですね、いかがですか。
  145. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 私企業の面で一つの地位に多年同じ人がおる、おらぬということについては、われわれがとやかく言う筋合いではございませんが、少なくとも公務員の場合、特に事業省の場合は、同じ立場に長く同じ人がおるということは私は望ましくないと思います。やっぱり、長くおればいろんな悪因縁もできるでありましょうし、ですからやっぱり適切な機会に、始終入れかえと申しますか、職場を転換していく措置は励行しなければならぬと思いますし、こういうことにつきましては、今度、行政管理庁あたりでも異常な決意を示しておりますので改善されていくと考えております。また、地方公共団体等につきましては、私どもはさらに指導を強化して、あやまちなきを期したい、かように考えております。
  146. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 資料をひとつお願いしたいと思いますので申し上げますが、先ほど過密、過疎の問題で、財政上の措置について、大臣からお話がありました交付税あるいは地域によっての補助とか、起債等の問題もお答えになっておりましたが、そこで、ちょっとこれはめんどうでしょうから、すぐというわけにはいかぬと思いますが、財政上どのように措置をされているのか、過疎地帯にはどうか、あるいは過密という点においてはどうか。たとえばこれは交付税なんかでやるにしても、補正か何かでやるしかないと思うのですが、どういう補正で、どうなっているのか。  それから補助金、補助金のうちでも特別にそのものだけというようなことはあまりないと思うのですが、あるいは率のかさ上げ等がもしあるのだったら、そういうもの。  それから起債の状況、僻地等に対する起債のそれをさっきお話がありましたが、そういう状況を、昭和四十二年度はもう終わりですから、昭和四十二年度実績で、もしできたら金額等も入れ得るものだったら入れてほしいと思うのですが、お願いできるでしょうか。あすあさってすぐということじゃなくてもよろしゅうございます。
  147. 細郷道一

    ○政府委員(細郷道一君) 四十二年度の実績が全部はつかめないと思いますが、できるだけ御期待に沿うようにいたします。
  148. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 もしその場合に、四十一年度と、昭和四十二年度において変わったことがございましたら、参考のために、その変わった点についての四十一年度の状況、比較できるようなことでお願いしたいと思います。
  149. 津島文治

    ○委員長(津島文治君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。  次回は三月十四日午前十時三十分開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十三分散会      ―――――・―――――