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1967-05-23 第55回国会 参議院 予算委員会第二分科会 2号 公式Web版

  1. 昭和四十二年五月二十三日(火曜日)    午前十時二十四分開会     ―――――――――――――    委員の異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      植竹 春彦君     西郷吉之幼君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         熊谷太三郎君     副主査         瀬谷 英行君     委 員                 西郷吉之助君                 大谷 贇雄君                 小林  章君                 平島 敏夫君                 八木 一郎君                 亀田 得治君                 羽生 三七君                 藤田  進君                 黒柳  明君                 岩間 正男君    国務大臣        外 務 大 臣  三木 武夫君        国 務 大 臣  増田甲子七君    政府委員        防衛庁長官官房        長        海原  治君        防衛庁防衛局長  島田  豊君        防衛庁教育局長  中井 亮一君        防衛庁人事局長  宍戸 基男君        防衛庁経理局長  大村 筆雄君        防衛庁装備局長  國井  眞君        防衛施設庁長官  小幡 久男君        防衛施設庁総務        部長       財満  功君        防衛施設庁総務        部会計課長    春日敬太郎君        防衛施設庁施設        部長       鐘江 士郎君        防衛施設庁労務        部長       江藤 淳雄君        外務政務次官   田中 榮一君        外務大臣官房長  齋藤 鎮男君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        外務省北米局長  東郷 文彦君        外務省経済協力        局長       廣田しげる君        外務省条約局長  藤崎 萬里君        外務省国際連合        局長       服部 五郎君        気象庁長官    柴田 淑次君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和四十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○昭和四十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院  送付) ○昭和四十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――
  2. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、植竹春彦君が委員を辞任され、その補欠として西郷吉之助君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 昭和四十二年度総予算中、防衛庁及び外務省所管を一括して議題といたします  なお、政府からの説明は省略し、本日の会議録の末尾にそれぞれ掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それでは質疑に入ります。質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。
  5. 羽生三七

    ○羽生三七君 最初に、日米安保条約の期限の問題でお尋ねしたいと思いますが、これはしばしば外相は無期限と、そういう見解をおとりになっておるのでありますが、そのとおりでございますか。
  6. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、安保条約の第十条というものをすなおに読んでみまして、あれに何年という期限が限られておるとは、どう読み返してみても思えない。世間には、もう十年だったらぽつっと効力を失うように言う人がありますので、これに対して、そういう意味の期限はついてないということを私は強調をいたしておるので、あの条約をすなおに読んだ解釈は、あの十条というものは、何年という期限を切られておるものではないと解釈することが正しいと今日も考えております。
  7. 羽生三七

    ○羽生三七君 きょうは、私どもの基本的な立場は別として、純粋に解釈上の問題としてお尋ねをいたします。  いま、この際お尋ねしたいことは、旧日米安保条約では、いまお話があったように、国連による安全保障措置が効力を生じたときは失効すると、この以外には特に有効期間についての定めはなかったわけです、旧条約では。しかし、安保条約改定の際、衆議院の安保委員会で、当時の藤山外相はこう言っております。このような期限のない条約を国際信用を損しないで破棄するわけにはいかない、したがって、適当な期限をつけることは必要である、こういう答弁をして、十年という期限をつけたのであります。したがって、この答弁から見る限りは、やはり一応の期限があると解釈すべきではないでしょうか。
  8. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、藤山さんのおことばが足りなかったのじゃないかと思いますよ。それは旧安保条約では、やはり両方が合意しなければ、十年たってもこれは破棄はできなかった。新安保条約では、十年たてばですね、この条約どおりならば、十年たてば一方の意思によってこの安保条約が破棄できるわけですからね。前は両方の合意でなければできなかったわけです。したがって、もう両方の合意ということになってくると容易でないですが、しかし、十年たてば一方的な意思によって一年の予告で破棄ができるということは、非常に重大な改正である、そういう意味においては、藤山さんの言われる気持ちは、おそらくはこれは両方の合意でなければどうにもならぬし、そういうことだったらほとんどまあ無期限みたいになって、ということに対して、藤山さんがそういう、この旧安保条約と新安保条約に対してですね、これを何か説明するのに、そういうことばで言われたのじゃないでしょうか。だれが読んでも、この十条に期限がついているというのは、これはどう読んでみたところで、これに何年という限られた期限がついているという解釈は、もうきわめて無理な解釈ですからね。ただ一方的な意思でこの破棄ができると、一年たてばですね。これはやはり旧条約と非常な違いである、両方の合意でないのですから。旧条約は合意ですから。そういう点で、まあどういうふうに藤山さんが言われたか知りませんが、現実にこれは条約ですからね、われわれが解釈する対象になるのは。この条約から読み返してみれば、これに限られた期間というものがきめられて、そうしてある年限がたてばこれがもう効力を失う、ぽきっとこうも効力を失うように解釈することは、私は無理であって、そういう解釈は私はとらないのであります。
  9. 羽生三七

    ○羽生三七君 じゃ、その問題はだんだん触れていきますがね、アメリカとフィリピン――米比、それからアメリカと韓国――米韓、アメリカと台湾――米華、この各相互防衛条約とそれからSEATOの各条約に、いずれもこう書いてあります。この条約の有効期限は無期限とすると、ただし、一年の予告で破棄できると、こうなっているわけであります。これがいわゆる無期限の条約であって、これはもう最初から本文の中には無期限とあるのですから、これがいうところの無期限の条約であって、期限を定めている現行の日米安保条約など、NATOのほうはこれは二十年で、その後一年の予告で脱退ができることにNATOはなっておりますが、これはいわゆる米比、米韓、米華の相互援助条約の無期限と違うのではないでしょうか。これは明らかに違う。
  10. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この米韓あるいは米台などとの違いは、初めから無期限と来ている。日本のは、十年たてば一方的な通告によって破棄ができるということで、ちょっと違うのですけれども、実質的には、その条約上の十年たった後においては非常に効果は似てくると思いますね。アメリカと韓国あるいはアメリカと台湾との条約上の効果というものは非常に似てくると私は思います、効果は。しかし、できたその最初の十年などの期限も切ってなくて、初めから無期限といったのと、そういう点の違いは、生い立ちの違いはあると思います。
  11. 羽生三七

    ○羽生三七君 そこで、いま述べたように、いわゆる無期限条約である場合には、一年の予告で廃棄できる、これが無期限の場合には二年でも三年でもいいのですね、予告期間の一年ということがうたってありさえするならば。それでは不安定であるということで、条約上安定させる期間として十年が適当である、そういう考えを藤山さんは述べているわけです。だから、藤山さんの解釈が足らなかったのだといういまのお話ですが、しかし、そのときの外務大臣が責任を持ってそう答えているのですから、私どもそれを一つのよりどころとしていまお尋ねしているわけです。したがって、十年の期限にほとんど意味はない、無期限に解するという現行条約に対する御解釈は、特に期限を切っていないのだとする解釈は、これは少なくとも言い過ぎではないか、あるいは一面的なものの見方ではないか。十年たったら一年の予告期間を置いてできますから、廃棄通告したければできますから、廃棄通告をしなければ何年でも延長されていく、しかし、十年の区切りはあるということがこの条約の骨子だと思うのです。そう解釈しないとこれはまことに妙なことになりますから。
  12. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この第二項ですね、一年の予告で破棄ができるという、これが十年たてばこの第二項の効力が出てくる。これだけで、第十条の主文からは期限という観念は出てこない。しかし、第二項のほうで十年たった後には、そういうふうな一年の予告で破棄ができるという違いはあるでしょう。そういう意味の十年というものは一つのピリオドではあると私は思いますよ。しかし、羽生さんの言われるような、この条約そのものが期限がついておるかというと、これはついておりませんと答えるよりほかには私はない。しかし、十年たったらだいぶ、いま言ったような廃棄通告もできるような事情も変わってきますから、そういう意味においては、十年前と十年間と十年後とは違いがあるということはおっしゃるとおりだと私は思う。そのことが期限が何年と限られておる条約かというと、そうは解釈しませんと申し上げておるので、多少十年前と十年間と十年後の間には違いが出てくることはこれは当然でございます。
  13. 羽生三七

    ○羽生三七君 それで、十年で失効してしまうという意味で私言っているわけじゃないのです。しかし、一応の予告という、一年の猶予期間を置くという、そのときからあとは、意思があればそれは廃棄の通告ができるのですから、その一応の区切りをつけた。しかし、政府がまだこれを引き続いて延長しようと思えばできる可能性はそれは残されておるかもしらぬが、しかし、従来のやつにはそれがなかったのですから、それをつけたということは、政府の意思いかんにかかっておることであって、条約そのものでは期限は別に切ってあるわけではないけれども、一つの問題点としてこれを入れたのではないか、そういう解釈をしないとそれはますます条約解釈上変なことになると思います。
  14. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは言われるとおりだと思います。この条約からは期限の観念は出てこない。政府の意思というものがこれはそうなってくれば、期限ではないけれどもこの条約を効力を失わさすことができるわけですから。それはしかし期限の観念は出てこない。おそらく藤山さんも、十年というのはやはりその条約を固定化する必要があるのでまず十年という、一つの期間を十年という固定化されるところを認めたのだというところを強調されたのではないでしょうか。藤山さん自身が、新条約にこれは期限がついているというふうに言ったのではない。有効期限がついているというような説明は、条約から出てこないのですから。しかし、条約が不安定なものではいかぬので、十年の、固定化のために十年という一応区切りをつけて、そのあとでなければ破棄ができないということにしたのだという説明が、藤山さんの真意であろうと私は解釈しておるのでございます。
  15. 羽生三七

    ○羽生三七君 そこで、かりに政府が無期限という解釈であるならば、なぜ自民党が各種の機関や場所で自動延長とか固定延長とかいう議論をしたりまた日本の識者が、これはこういう方面にたんのうな識者が、この二つの延長論に対して、廃棄論は別にします、この場合、この自動化、固定延長化という二つの議論に対して非常な関心を示しておるのか。それじゃ、自民党の各機関も、日本の外交問題に関心を持つ識者は全然これは何もものを知らないで議論をしておるのか、こういうことになる、どうですか。
  16. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはもう自民党のだれでも、この条約に有効期限というものは、限られた有効期限がついてないということは、もう全員これはついておるように考えるものはそれは一人もおりません。みなやはり限られた有効期限というものがこの条約にはきめられておらないということは、これはもう全員が条約を読めばわかるのですから。だけれども、これからは政策の問題に私はなってくる。これを一体そういう形でいくのがいいのか、どういう形でいくのかということは、安全保障に関係する問題ですから、政党が十分に検討を加えることは私は当然だ、これは。それは条約の条文から、これには期限がついておるからというのではないんですよ。安全保障の政策論の立場から自民党がいろいろ検討する必要があることが起こるであろうことは、政党として私は当然だ。条約の解釈が、いま言ったように効力を失うからやるのではないのです。安全保障政策の見地から政党が検討するということで、条約論からきておるのでは私はない。
  17. 羽生三七

    ○羽生三七君 私も、予告期間の問題は別として、私たちの基本的な立場は別として、この条約から見る限り、十年で失効すると言っておるのじゃないのですよ。しかし総理も、さきに私の総括質問の際に答えられるし、それから他の機会にもしばしば答えられておりますが、自動とか固定延長とかいうのをきめるのは国際情勢である。これは三木外相も私にそういう答えをされておる。もしそういう解釈なら、その自動とか固定とかいうことを議論する余地はないんじゃないですか。そんなことは出てこないじゃないですか。自動とか固定とかいうことは、本来そんなものは論議の対象外、考慮外ということになるのじゃないかと思うのですが、どういうことですか。
  18. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それは、やはり羽生さん、ありますよ。これは政党の政策論としては私はあり得ることだ。それは何かといえば、どうも一年の予告で破棄ができることは、安全保障条約上非常に不安定じゃないかという考えを持つ人もこれはあり得ますから、そういうことでいろいろ政党として検討してみる必要は、私は、安全保障の問題という政治のやはりこれは一番大きな、政府の責任として一番大きな責任に属しますから、いろいろな角度から検討する必要は、私は政党として当然にあると考えます。
  19. 羽生三七

    ○羽生三七君 昨日の新聞に、たとえば船田氏がこう書いてあります。現行の日米安保条約は四十五年、一九七〇年からは一年の予告で廃棄が可能になる。自民党の安保調査会が有効期限をさらに十年延長すべきであるという十年固定延長論の中間答申をまとめた、こうなっております。そうすると、この固定延長ということはどういうことなんですか。こんな概念は出てこないのじゃないですか。そうすると、一年の猶予期間というものを、事前に通告するというこの一年の期限というものを廃止する、それを固定と言うのですか。もう一度十年、あらためてこの条約は今後十年効力を有するということをここで固定延長というのですか、あるいは廃棄予告の条項を削除して、文字どおり無期限にしようというのか、その辺はどういうことですか、非常に重要ですから。
  20. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私も固定と言っていますが、世間では条約固定論というようなことが出ておると思うのですが、よく詳しくは聞いてないんですよ。ですからおそらくそういう人の考え方というものは、いまのように十年たてば一年の予告で廃棄できるということに対して、何か不安を感じておることが一つの議論の出発点になっておるのではないかと思いますが、しかし、よくは聞いてないし、ことに今度の場合は、自民党として、一九七〇年も近づいてきますから、本格的に検討してみようということで、これはもう新たなる見地に立って自民党として検討を加えていこうということで、あまり前の議論にこだわる必要はないと、これはやはり国の安全保障という見地から、あまりとらわれないで検討をしてくれることを秋は期待しておるのであります。よく内容は聞いてない。しかし、この条約に対して、効力に対して何らかの改正を加えるというときには、その条約の改正を必要とすると私は思っています。
  21. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはいかなる部分的修正でも、それは当然条約改正となれば国会の承認を要することは、これは藤崎条約局長が衆議院で答えられているので、当然言うまでもないことで、私ども考えれば、世間でいわれている固定延長というのは、これをそのままもう十年延ばそう、実際は無期限と解釈されているから、その必要はないとおっしゃるのでしょうが、しかし、世間ではもう十年延長するのだということを固定延長と理解しているのです。理解のしかたが足りないといえばそれまでですが、世間ではおおむねそう考えている。いまの外相の御発言のニュアンスから考えると、不安に思っている。この種の自民党の方々は、いわゆる一年の予告というところを削って、そういう制約をなくするということにどうも重点を置いているのではないかという疑問が非常に強くするのです。そうでなければ、固定延長ということばは出てきません。
  22. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) おそらく、私は聞いていないから、これはお答えするのもどうかと思うのですが、十年というこの一つの期間ですね、破棄通告のできるようになるこの十年、この状態というものが、もう少し延ばす必要があるのではないかというような見地からの検討だと思います。だからあなたの、十年たてばというそういうことよりも、何か十年、一つの破棄通告のできない有効期間がありますわね、十年間。そういう状態をもう少し延長する必要があるのじゃないかというところに、そういう一つの立論があるのではないかと考えておりますが、本人、直接そういう論者もおることは事実おりますが、聞いておりませんので、あまり責任を持った答弁はいたしかねるのが現状でございます。
  23. 羽生三七

    ○羽生三七君 それで、その外相の考え方は別として、そうすると、十年が来れば破棄通告できるのだから、それを二十年か何かにして、破棄通告の問題に関する限りはもっと先へ持っていって、それがいま外相は知らないのかもしれませんが、自民党でいわれている、いわゆる安保問題の議論と理解してよろしゅうございましょうか、大体そういうことじゃないですか。
  24. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 詳しくは聞いていないのですが、大体はそんなところだろうと私も思っているのでございます。
  25. 羽生三七

    ○羽生三七君 それは非常に私は重大な問題だと思いますが、これはいずれ他の機会に他の委員等が十分おやりになると思いますから、それはその辺にしておきますが、そこで、自動とか固定とかという議論は別として、かりに破棄通告をせず、そのまま継続するという場合には、何らの意思表示も不必要で、黙ってそのままにしておけばよいことなのか。何か電話でもかけるのか、あいさつにでも行くのですか、その辺はどういうことですか。
  26. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は何も必要ないと思います。
  27. 羽生三七

    ○羽生三七君 それだから、したがって一九七〇年が来ても、黙っていれば、この種のことは、何も国会にも、国の政治の表面にも出てこない、そういうことでございます。
  28. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、条約の解釈からして、もう黙っておればそれで条約はやはりそのまま続いていくもの、安保条約の機能は続いていくものと、何も特別に、何か別にこれを改正しようとすれば別ですよ、何らかいまの条約と違ったやはり考え方をそこに入れようとすれば、それはもうむろん国会の承説も要るでしょうが、そうじゃなしにするならば何もする必要はないと私考えております。
  29. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、何もという場合は、いま申し上げたこともう一度繰り返すことになるが、日米間で大使同士がちょっと話し合うとか、電話をするとか、お互いにこれはこのままにしておこうとか、そんなことは何もなしに結局一九七 ○年はほおかぶりと、俗っぽい表現ですが、それがいうところの自動延長論ですね。したがって、固定延長という観念は出てこないし、出てくるとすればさっきの問題です。
  30. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それはいろんな戦後みたいなことをやるようなことがあるかもしれませんが、この条約からは何か両方がやらんならぬ必要というものは、この条約の解釈からは出てこない。両方の政府間ですからいろいろ話し合ったりして儀式的にいろいろおやりになることは、これはあり得るでしょうが、条約論からはそういう必要は出てこない。またほおかぶりというものも、ちょっとほおかぶりというといかにもほおかぶり、手ぬぐいをかぶる、かぶらぬという必要はないので、この条約というものの解釈からくれば、手ぬぐいを引き出してかぶったりかぶらなんだりする必要はないので、そのままほっとけば、この条約からくれば効力を持っているのですから、あえてほおかぶりをする、手ぬぐいを出す必要はない、その手数も要らぬものだ、この条約の解釈論からすれば。
  31. 羽生三七

    ○羽生三七君 この問題はひとつこの程度に……。
  32. 藤田進

    ○藤田進君 外務大臣にお伺いしますが、私どもはまだ記憶に新しいのですが、藤山さんが力説された点は、いま羽生さんがやったような、従来の無期限を十年というのを画したと、十年をなぜきめたかという論争もずいぶんしたわけですが、十年もすれば世界の情勢、極東、アジアの情勢といった議論をされたわけですね。ですから、いやしくもこの種条約であろうと、国際情勢であろうと、自動延長がついているということは、まず十年という一つの期限、十年の間は、これはもういかんともしがたい、常識的には条約上の解釈からすれば、革命その他は別でしょうが、しかし、十年いたしますれば、意思表示があれば失効するということが、これは明らかに自動延長と解する論者であっても、十年という一つの期限があり、これをさらに延長するということになれば、二国間条約で相手方に対して、おっしゃるとうりかもしれないが、国内の措置としては、条約批准にあたったその当時の実態から見て、一体自動延長の条項を援用して延長すべきであるかどうかについては、国内措置について問題が私はあるような気がいたします。これはまああくまでもないと、黙っておればそれでいいん、だとおっしゃる点は、これは今日議論のあるところですね。  それからお伺いいたしたい点は、外相の解釈でいけば、政策論は別として、条約解釈論からまいりますと、一年の予告をしない、そのまままた継続の意思を両国間持ちますれば、その後の十一年、十三年ずっと、その後はどういうふうに解釈をされているんだろうか。一年の予告といいますか、意思表示があって、一年経過すれば失効するということが書いてありますがね。これも十年のあとでも、十三年から二十年に至ってもけっこうですが、それは毎年そのまま生きてきていると解釈されるのか。また、もう一つ十年というものが画されるのか。ないんですね、それはないですね。そんなものがない。これはどうなりますか、そのあとの話。
  33. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、藤田君の言うように、自動延長というのがきらいなんです。延長と言ったら、効力を失うから何かそこで十年が区切りで延長というんだから、何か区切りみたいな――区切りはついていませんね、この条約は、この本文に。ただ一つだけ違ってくるのは、十年たてば一年の予告で失効させるということだけですから、条約そのものが何か十年を区切りにして、それからは延長したり、何かそこで区切りになって、それを延表と言ったら区切りみたいになりますからね。私が言っておるのは、期限の区切りはこれにはない、期限の区切りはない。そういうことですから、この自動延長というのもちょっと実態と私は違うと思いますね、自動延長という考え方は。だからそういう意味において藤山さんも、おそらく十年の間は、これはもう廃棄通告も何も失効の通告もできないんですから、この十年を固定化して、十年というのは相当な期間だからこれを固定化して、十年というものを区切りにしようという考え方があったということは、これはやっぱりわれわれとしても当然だろうと思う。しかし、この藤山さんの言が、十年しか効力の期間はないという私は発言は藤山さんはしてないと思う。できませんよ、この条約からは。だから十年を区切りにして、そして十年間は一年の予告というようなことで失効の通告ができないんですからね、そういう意味において十年というのは固定化したから、一応の十年というものをそういう形において固定さすことが必要であると考えるという説明をされたのであって、条約の効力の期間に関連してこの十年というものを区切りにしたという答弁は、藤山さんとしても行なっているとは思いません。なぜかといったら、この条約からそういう解釈は出てこないんです。そういう意味でこれは私は条約の解釈論を言っているんですよ。だから政策論として、いろいろこれが、こういうことがいかぬということでこれを何らか変えようということならば、当然に国会の承認を得ることですが、それは政策論は別であって、条約の解釈からは、これに有効期限というものがついているという解釈は条約からは出てこない、このことを申し上げておるのです。政策論ということになれば、これは政府も自民党もいろいろこれから検討するでありましょうし、それは検討する必要があるが、この条約からは出てこない。
  34. 藤田進

    ○藤田進君 それは再三外相の見解は聞くんですが、それについては私は同意していないんで、そこはここで一致させようといっても困難だ。しからば、外相のその解釈論でまいりますと、十年を経過した、ほっておけば何年でも、外相解釈でいえば有効に存続いたしますね。ところが、いずれか一方あるいは両者が必要を認めないとして意思表示をすることは、十年が一応のめどになって、その間固定されてきた。おっしゃるとおりその部分はまあそうだと思います。ところが、その十年後においてこれを失効させようかといったような場合には、どういう解釈でおやりでしょうか。
  35. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはやっぱり政府がこの安保条約の効力を失わそうという意思がなければ、通告という事態は起こってきませんから、これは少なくとも第二項の……(「それは条約論じゃないか」と呼ぶ者あり)条約論からすれば、政府が存続するという意思を持っておれば、これはどうということはない、そのまま効力が続いていく、条約を失効さすという通告をしなければずっと続いていきます。
  36. 藤田進

    ○藤田進君 その面はそうで、もう必要なしとした場合には、どういう手続になりましょうか。
  37. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはもう条約の規定に従って、政府が必要ないとしたならば、一年の予告でこの安保条約というものの効力を失わせる通告を相手にするということでございます。
  38. 藤田進

    ○藤田進君 そういたしますと、十年間これはできなかった。あと十一年、二年は、毎年いつでもこれは自由にできる、ただし、一年経過すれば失効する、常にもう三百六十五日、いつでもそれはやれる、こう解釈してよろしいのでしょうか。
  39. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 条約論からは私はそうだと思う。しかし、日本の国民はやはり安全保障に対して非常に重大に考えましょうから、そういう一年ごとにどうなるかという不安定は起らないと。国民大部分は日米安保条約の持っておる役割りというものを評価しておりますから、実際問題としては、不安定なものではない。条約のたてまえはそうだけれども、国民の大部分は、日米安保条約をこの段階において不必要だと思っておる国民は――国民の多数はこれは必要と思っておるのでございますから、実際問題としてはそんなに不安定なものではない、こういうふうに考えます。条約上はそうです。
  40. 藤田進

    ○藤田進君 これはこの間の総括質問から外相は、国民の多数がと、選挙でも言われて、そうして北村君が世論調査を引っぱり出したんですよ、多数と言われる以上、これは数字を示されなければ、あなたの単なる思惑にすぎないので、この点は若干私もそのまま受け取るわけにはいきません。むしろ票がだんだん減ってきているのは、こんなところに自民党の事情があるのではないだろうかとさえ思われるのであります。いま言われました自動延長をとらないという説は、実は最近やがて来たるべきこの安保の改定期を控えてのいうところの苦肉の策で出てきた解釈のように思われてなりません。そうでなければ、あの長い間安保条約を審議いたしましてできた、そのときの藤山さんは全く三百代言のその場限りのいいかげんな答弁をしたと言わざるを得ないので、いま関連ですから、その証拠を持ってきておりませんが、これはもう状況から見ても十年というものを画し、そのころになれば情勢の変化もあるだろうし、なければ意思表示をしないで延長ということでありいたしましたわけで、この点は遺憾ながら若干違う。
  41. 羽生三七

    ○羽生三七君 それで、だから要するに、十年を一年の予告で廃棄通告ができるような状態においては不安定だから、国民は支持するかどうか知りませんけれども、不安定だから、そこにもつと固定をしたいというのが、いわゆる政府の固定論ですね。
  42. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 政府は……
  43. 羽生三七

    ○羽生三七君 いや、政府が、自民党の……。どっちでもいいが、それはそれとしてこれはまたいずれかの機会にいたしまして、次にお伺いしたいことは、御承知のように、アメリカが非武装地帯に入ったわけです。ベトナムの非武装地帯に進攻を開始したわけでありますが、これは私非常に重要なことだと思います。まだ北へは入っておりません。確かに入ってないが、これは事実上のジュネーブ協定の破棄と同じことになるんじゃないでしょうか。
  44. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ああいう場合に北からもやはり非武装地帯に対しての浸透もあるといういう言い分をしておりますので、その点は非武装地帯というものに兵が入っていくということは残念なことですけれども、それは両方が、北からも浸透がある、作戦上どうしてもそうせざるを得ないというような解釈をいたしておるわけでありまして、われわれはどうかそういう問題、非武装地帯に対する、両方のほうから入っておるようでありますが、こういう事態が早くやはり解消して、そうして戦争の拡大への危険が増大することのないように願っておる次第でございます。
  45. 羽生三七

    ○羽生三七君 外務大臣は、先般の私のベトナム問題に対する質問の際に、十七度線を境として南北ベトナムがジュネーブ協定の精神に沿って競争的な平和共存をやる以外に解決の道はない、こう答えられておるわけです。しかしいまの事態は、確かに北にはまだ入っていないけれども、しかし、ジュネーブ協定の重要な一環である非武装地帯に進入ということは、その外相の希望がくずれたことを意味するのではないでしょうか。
  46. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はそうは思わない。このベトナム問題の平和的解決というものは、結局十七度線というものは永久の国境線だとも私は思わない。将来ベトナム人がそれはきめるものでありましょうが、暫定的にやはりあそこに平和をもたらすためには、そういうところで線を引いて話し合いをはかるよりほかに解決の道はないのではないか。だから非武装地帯に両方から兵が入ってきたということは遺憾には思いますけれども、なおかつ、ベトナム戦争の解決には、ジュネーブ協定の精神というものはやはり何らかの形で、こういう精神にのっとった解決をする以外に道はないのではないか。それを動かしてどこかでやはり停戦とか休戦とかいえば、そのラインが要るわけですからね。そのラインといえば結局は、いろいろなことはあるけれども、ジュネーブ協定のこのラインというものが、暫定的なものであるにしても、それがやはり一つの休戦のラインになるよりほかに解決の道はないのではないかと、いまでも私は思っておるものでございます。
  47. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはいいのです。それはそうあるべきだと思いますけれども、しかし、その重要な中立地帯、非武装地帯がこういうことになったのですから、それでアメリカは一応北へは入らぬというようなことをいま言っております。おりますが、入ってしまってからでは、あなたの、いまの外相の今日までの表明された見解はくずれることになる。ですから、入ってしまってから文句言ったって始まらないので、いまこの際にやはりアメリカに対して何らかの意思表示をすることが、私はもし外相がベトナム問題で公正な役割りを果たそうとする考え方があるならば、入ってしまってからそれはまことに遺憾であったというようなことでなしに、何らかの機会に意思表示をすべきだと私は考えるのですが、いかがですか。
  48. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それは羽生さん、私も、北に対してアメリカが地上兵力を投入しないことを切に願っておるものでございます。
  49. 羽生三七

    ○羽生三七君 願いだけでなしに、適当な外交機関を通じて要求してもらいたいと思うのですが、そういうことは、もし何か外交上の差しつかえがあれば申し上げませんが、そういう意思は十分持っていると理解していいわけですか。
  50. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それを願っているわけですから、あらゆる機会に際して日本の意見は言うつもりでおります。
  51. 羽生三七

    ○羽生三七君 そこで、公正な仲介かどうかしりません、そんな力が日本にあるかどうか別として、そういう場合にハノイやベトコンですね、これにはどういうルートで接触なさろうとするのか。これは外交上の機密で、いまここの国にこういうことを頼んでこうやっておりますからなんということは言えないでしょうが、しかし、全然ハノイやベトコンとの接触の機会もなしに、それでただ公正な役割りといったところで、これ始まらぬ話で、それに対するどういうルートで接触をはかろうとするのか、日本の考え方を伝えようというのか、その点はどういうことでしょうか、差しつかえのない範囲で。
  52. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはいまここでいろいろなことを公表しますことが私は有益だとは思わないのです。しかし、あらゆる努力を払っていることは事実であります。むろんその努力というものに、日本の果たし得る役割りというものは限界がございますが、何とか戦争を早期に終わらす方法はないかというあらゆる可能性というものに対して、これを日本が追求しておるのだということで、おまえ何しているか、いつどういうところをやっているのかという、そういうふうな詳細について公表をすることは、現在の段階、私は言うべきでないので、これは御容赦を願いたいと思います。
  53. 羽生三七

    ○羽生三七君 これは私野党ではありますが、相当に配慮して質問しておるつもりです。しかし、何らかの形でそういうことも考えてやっておるという理解はしてよろしいですか。
  54. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 早期に平和を回復するために、あらゆることを考えてやっておるということは申し上げられると思います。
  55. 羽生三七

    ○羽生三七君 それではこの問題はこの程度にして、次に、防衛庁長官に一つだけお伺いして、そのあと、ちょっとこまかいことでまた外相にお伺いしたいと思いますが、先日、日本海での日米合同演習、ということばが悪ければ訓練でよろしいですが、これが問題になったわけです。そのときに、私関連質問で若干の意見を申し述べました。というのは、一朝有事の際に役に立たなければ困るということでいろいろな演習、訓練をやっておるということ、ところがこの場合、私はちょっと質問が長くなりますが、質問といっても、この問題一問だけですけれども、長くなるのを御容赦いただきますが、一体日本の安全保障という問題がもう全く一般論で片づけられておる。自分の国を守るということはこれは重要なことではないか、守らないようなことを言うものはこれは責任のない政党の言うことだ、こういうことで全く一般的、通俗的に安全保障、防衛という問題が論ぜられておるわけであります。しかし、私どもは野党ではありますけれども、祖国の防衛、安全を守るということについては、私は人後に落ちるものではないと考えております。ただその手段と方法の問題です。この場合にその次元といいますか、どういう条件、どういう事態のもとにおいてどういう政策をとるかということを考えない場合には、一般的、抽象的、時間をこした超時間的ないわゆる安全保障論が出てくるわけです。ですから、そういう場合に私は日本の周辺にベトナム戦争があり、あるいは中国本土と台湾の問題があり、南北朝鮮の問題があるというこういう時点で、少なくとも相手を刺激するような状況をとること、そういう政策というようなものが、それは日本の祖国の安全ということでおやりになることだと思いますけれども、それがほんとうに安全に役立つのか、あるいは他面考えてみて、この前申し上げましたように、私どもが予見し得る近い将来、理由なくして外国が日本に攻撃、侵略を開始することは、ほとんど近い将来あり得ざることだと思います。永久とか絶対ということばは私はもちろん使いません。あり得ざることだと思います。そうなれば、できる限りいろいろな不安定な要素というものは除去するということが必要だと思います。そういうことの一環としてたとえば日本海における合同演習、合同訓練あるいはベトナムにLSTの乗り組み員をたとえ自由意思でもそれを送るとか、あるいはいろいろなそのほかの協力など、そういうことをできるだけ避けて、少なくとも現時点において相手側を刺激しないような方法をとることが、この時点における安全保障の一つの問題点だと思う。そんなことを全然別にしてしまって、一般的、抽象的に、国を守るにはどうしたらよいかというような議論をしておってもこれは意味がない。問題の重点をそこに置かなければいかぬ。そういう意味から考えて、私は何も日本海でやらなくてもほかでやろうと思えばやれるし、いまのような時期を避けて、半年、一年先へ送ってもいいし、どういうふうにでもできると思う。あるいはベトナム問題についても、できるだけ刺激的なことを避けて、いういう努力を通じて、一面にはまだ残念なことに千島問題がからんでソ連とは平和条約が結べないけれども、平和条約を結んで、不可侵条約を結ぶとか、あるいは中国に対しても、すみやかに世界軍縮会議なり、国連に参加する期待を持つとか、いまの中国の内政は別ですよ、文化革命をどう評価するかということは全然別です、それぞれ意見を持っておりますから、それはそれとして批判はあっても、国と国との関係を阻害してはならぬ、そういう立場でもっと基本的にこの時点に即した外交というものを考えるべきではないか。そういう配慮があまりにも欠けているのではないか。そうして第三次防衛計画、第四次と、だんだん伸びていくわけです。これでは国民から見ると、知らない人は、そんなに不安全なら三次防、四次防要るかという人も、中にはいるかもしれません。しかし、私どもは第三次防、第四次防と引き続きその防衛計画をやっていくということよりも、むしろ当面の国際情勢に対して十分なる配慮を行なうことにもっと重点を置かなければいかぬのじゃないか。それは防衛外交ともからんだ問題です。これはひとつ増田長官から見解をただしておきたい。
  56. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 羽生委員にお答えいたします。  わが国の安全ということは、防衛はもとよりでございまするが、外交、内政その他総合的見地から配慮しなくてはならぬ問題でございまするし、ことに形式論的に内外の情勢を勘案せずに、ただ演習していいというものではないということは、羽生君と同感でございます。そこで、日本海における、公海の上における合同訓練は、先般の際は遠慮すべきではなかったかどうかというようなことは、羽生君としては御意見お持ちでございましょうが、私どもは、接触事故があった後には、やはりそういうようなことも配慮すべきではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。ただしかし、合同訓練そのものは、毎年小規模で定期的に行なっておるわけでございまして、刺激を与えたという点から申せば、私はあまり論争を、諸外国の関係にもなりまするし、ことに外交とともに一体の関係になって発言すべき問題でありますから、私だけの言というわけで申し上げるわけではございませんが、従来行なっておる範囲の演習を従来の場所でやったにすぎない、こういうようなことでございまして、結果的には接触事故が二度も起きたということは、この前私は一般質問の際に、あるいは総括質問の際にも申し上げましたが、こちらが刺激を与えないように、極力留意さしたわけでございます。しかも、沿海州と北海道、あるいは沿海州と北朝鮮、韓国と日本本土というような関係を考慮しつつ、そのまん中、あるいはまん中よりも本土に近寄っている線、そういうような線で、それぞれの指揮官が、系統はそれぞれ別であることはこの前羽生さんがお聞きのとおりでございますけれども、そういう配慮をしつつやったのでございまするが、なおかつ、見物に来られまして、その見物があまりにも近寄り過ぎたということは、これはちょっとエチケットの上からどうかと思うということは、一般質問の際に私お答えしておりまするが、やはり見物なさるのはけっこうでございまするが、国際慣行上、二千メートルくらい離れたところで見物されたり、写真をとるというようなことが慣例のようでございまして、わずかに十五メートルというようなことは、これは万有引力から申しましても接触してしまうということで、そういうようなことはやはり御配慮がそちら様のほうから足りなかったのじゃないかと私は思うわけでございまして、良識の豊富な羽生委員の御考慮をやはり仰ぎたい次第でございます。
  57. 羽生三七

    ○羽生三七君 どうも万有引力の法則で逃げられてもかなわぬけれども、私は、いま日本海の演習問題をあげたのは、ただ一例としてあげたのです。そのことを聞くのはきょうの主題ではないのです。ですから、私が先ほど申し上げたように、配慮が十分なしに、ただ無限にこの自衛隊を伸ばしていくといういまのやり方については、重大な批判を持っていますから、その警告の意味で申し上げたわけです。これはこれ以上は、ほかにたくさん質問者の時間が残っておりますから、これ以上は申し上げませんが、そこでもう一つお聞きしたいことは、核の問題は別として、通常兵器の場合には、一定の自衛隊の増強というものは、憲法上からいえば限界がなければうそだと思うのですが、どう考えても。歴代の防衛庁長官にこの問題聞いておりますね、局長も御存じのとおり。これは一般兵器ということから言うならば、必ずこの程度までいけば米軍の駐留を必要としない、基地も要らない、安保破棄というようなことをいますぐからめては言いません。そういう条件がどういうときにできるかということがなければうそだと思う、核のことは別として。無制限じゃないですか、これでは。
  58. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 第三次防が非常にふえたとおっしゃいますけれども、私は、現状の国力、国情に応じてきわめて妥当な線であるということは、あるいは委員会あるいは本会議等において申し上げております。そこで、いまの一二次防なり将来あるかもしれない四次防のことが行なわれるといたしましても、通常兵器による局地的侵略に対処し得る実力を養いそれを訓練する、これを設定しこれを訓練する、これが三次防の目標でございまして、われわれは、通常兵器による相当程度の侵略があっても、日本の自主的防衛力でこれを阻止し排除し得る、そういう段階になれば、おそらく日米安保条約もある程度のその形態なり性質なりを考究していいのじゃないかと私は考えております。しかしその年次は、この三次防の末期はどうか、四次防の末期はどうかというようなことを、いろいろ自衛隊の専門家にも聞いておりますけれども、まだなかなかそこまでは行っていないということでございまして、数十年という先ではないようでございますが、しかし、あまり通常兵器による陸上、航空、海上等を米国にたよるというようなことをしないで、あなたのおっしゃるように、ミサイルとかその他の問題は別でございますけれども、そういうようなときに達した場合には、私自身は自主防衛の線でやってまいりたい。しかし、日米安保条約というものは違った形によって、駐兵、駐留なんかはなくても、そこがあなたと私と見解の違うところかもしれませんが、私は、日本の国を守るためにも、平和を維持するためにも必要である、しかしある年数がたった場合には駐兵、駐留は必要でない、けっこうでございますという線が出てこなくてはうそである。それは独立主権国家として当然のことであると私は考えている次第でございます。
  59. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはこの前防衛庁長官にも、私が四十年の予算審議の際に、当分科会でやはり小泉防衛長官と私の一問一答の速記録を長官もお読みになったそうでございますが、小泉長官は、四十年の時点においてすら、通常兵器の一応の抑止力はできたと解するという御答弁、ちゃんとこれに載っております。しかしその後、やはり相手もあることだから、相対的なものだから、必ずしも満足とは言えないというようなことで相対論に変わってきている。相対論なら永久、限りはないわけです。いま長官から適当な期限が来ればやはり米軍の駐留等を必要としないということは当然だと言われましたから、この点は時間もないことでありますから、実は私大いに議論したいところですが、この点はこの程度にしておきます。  もう一つ、世界軍縮会議が行なわれた場合、日本の自衛隊は軍縮の対象になりますか。
  60. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは外務大臣がお答えすると思いますが、いまの程度では軍縮の対象にならないと思います。もっとも完全武装解除というような絶対の軍縮の場合には、私どもは武器を持った団結体の存在しないことが望ましい、これは世界の恒久平和を願う者は、人類三十一億だれ一人として反対する者はないと私は考えている次第でございます。ただいまの段階では、おそらく軍縮の条約はそこまで高次元の考えを持っていないのじゃないか、武器よさらばといったような状態になることが私は望ましいと思っております。
  61. 羽生三七

    ○羽生三七君 武器よさらばというような事態が私はすぐくると言っているのではないのです。しかし私は、このいまの御発言は相当私は重く見ているのです。それは重くといって、私の立場からですよ。私はそれはいかぬと思うのです。やはり日本の自衛隊がここまできたならばやはり世界軍縮の一環として扱うという基本的な考え方をやはり防衛庁なり政府自体も立てなければならぬと思うのです。外務大臣、これはもういまの自衛隊なら軍縮の対象にはならぬ、必要はないというお話ですが、これは私は重要な問題であると思う。世界的にそういう趨勢になればこれは完全撤廃、軍備撤廃の時期が来ればこれはもちろんいうまでもないわけですが、しかし、漸減的な段階においても私はそれを対象としなければいけないという考え方を持っております。しかしこれは外相、御意見があれば……。
  62. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それは軍縮というものの段階でしょう。いま長官も言われているように全然、軍備をほとんど全廃するような状態になればこれはもうどこの国でもみな対象になることですから、どういう段階で、むろん日本だって軍備を持っているわけですから、軍縮の全然対象にならぬわけではありません。しかし、一気に軍縮というものが行なわれるものでないのですから、その段階に至る間で最初の段階というものは日本の防衛、今日の防衛力が直ちに軍縮の対象になるようには私は思いませんけれども、軍縮というものがだんだんだんだんと進んでいけば、それは今日の自衛隊といえども、その進み方によったら対象になる場合もあるけれども、まあまあ世界のいまの状態からして、いまの自衛隊が軍縮の対象になる、そういうふうな軍縮の段階というものはすぐには私は来ないと思っております。私の見通しです。
  63. 羽生三七

    ○羽生三七君 それが外国がどう見るかということにもかかわると思いますが、まあこれはまたの機会にいたします。  そこで今度はほんとうにこまかいことになるのですが、これは外務大臣ですが、この前総括か一般質問の際に、どなたかにお答えになって、この海外援助の場合、海外協力基金一本になるべくしぼって、輸銀中心をやめてそれにしていきたい、それを援助の中心機関にしていきたい、こういうお話があったのですが、そこで海外経済協力基金というものの性格からいって、これはちょっと私ここへ本文を持っているけれども、ちょっと理解しにくい点があるのですが、これは普通の基金と違ってなかなかこれはペイするものではないのですね。次から次と日本の政府が金をつぎ込んでいかなければ、長期低利のものですからこれは経済的な取り扱いではかなり問題点があると思う。反対するわけではないのですよ。ですが、これを一本化するには非常に技術的にむずかしい問題があると思うのです。ちょっと私自身の理解が足りないので、この経済協力基金の関係の方がおいでになったらちょっと説明をしていただきたいと思います。
  64. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 経済協力局長が来ておりますから、局長から説明させます。
  65. 羽生三七

    ○羽生三七君 私自身の理解が少し足りないと思いますのでよく説明してください。一本にまとめて――一本にまとめてというのじゃありません、これを中心にして対外援助をやる場合には、それは長期のものですから、さっそく金が返ってこない、利息も安いという、そういう場合に日本は相当にもとの基金のほうへうんと金を出していかなければこれは永続性がないわけですね、そういう性質のものではないかと思うのです、その基金は。その辺は、私のような理解でいいのか。もし私のような理解が正しいとするならば、財政的にはどういう処置をしていくのか。これは、外相はこれを中心にひとつやっていきたいというお話があったから特に伺うわけです。
  66. 廣田しげる

    ○政府委員(廣田しげる君) 経済協力基金の貸し出し条件というと、御指摘のとおりであります。なるべく長期低利のものをやるということでございます。現在のところ、一番長期低利のものとしては、韓国の無償強力でやっております三・五%二十年、こういう条件が一番ソフトなものでございます。今後とも経済協力を実質的に推し進めるためには、いま言ったような長期低利な資金を出さなければいけない。ただ、現在海外経済協力基金が十分に活用されてないうらみがございますが、それは、基金法の二十条に「東南アジア等の地域の産業の開発に寄与し、かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」に貸し出すということでございますので、いわゆる開発事業じゃなきゃいかぬ、しかもそれが産業の開発に寄与しなきゃいかぬということと、もう一つは、それが事業、いわゆるプロジェクトであるという、そういう限定がございますので、いわゆる経済安定のためのコモディティー、商品援助というようなものはできない、現在のワク内ではできないことになっておりますので、現在基金がなかなか活用できない。したがいまして、そういう点で、今後経済援助を伸ばすためには、ある意味では基金法の改正等も行なってそういう意味の援助もできるようにしなきゃいかぬ、こういう必要があるかと思います。
  67. 羽生三七

    ○羽生三七君 これは法改正をして十分な財政的裏づけをしなければ、せっかくの外相構想も現実にはなかなか実現に移らないと思いますので、この点は十分なる御考慮を願っておきたいと思います。これはいずれ、今度のジュネーブ会議の結果でもわかるように、低開発国援助問題が非常に重要な課題になって、一応食糧援助は直接のワクからははずされたけれども、しかし、今後重要な課題になると思いますので、それじゃ、現実に援助するという場合にどうするのかという場合の窓口として、外相があげられたその基金というものをどう位置づけて力を持たしていくかということは、ひとつ十分御検討を願っておきたいと思います。  最後に一点、これもこまかいことですが、日本が東南アジア諸国に経済協力なんかする一環として研修生を外国から受け入れておりますね。その際ずいぶん、先年、理事者と留学生の間に非常にトラブルがあったと聞いて、これは当時新聞にも出たことでありますが、何というのですか、学友会や宿舎の運営、それから留学生の訓練の方法、そういう問題にかなりトラブルがあったが、その後この問題は解消しておるのかどうか。それから、そういう日本へ来ておる留学生が国へ帰って、自分の祖国へ帰って後の対日感情というものはうまくいっておるのかどうか、その辺のことを、これはこまかい問題でありますが、ちょっと聞かしていただきたいと思います。  〔主査退席、副主査着席〕
  68. 廣田しげる

    ○政府委員(廣田しげる君) いま御指摘の、トラブルというのは、実は私承知しておらないのですけれども、現在のところ何かそう大きなトラブルがあるということを聞いておりません。  それから、一ぺん訓練を受けて帰りました者のあれでございますが、また向こうのいわゆる訓練センターなんかで教えたり、あるいは自分の国のほうへ帰ってまた自分の習ったものをさらに生かしたり、この効果は非常に大きいものがございます。
  69. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ちょっと羽生さん、きのうもアフガニスタンの大臣が来まして、日本の大学を卒業した者が三人大臣をしているのです。大蔵大臣もそうだ。それで、日本の大学は――その大蔵大臣は東大だと言うていました。  〔副主査退席、主査着席〕  その留学生が閣僚中三人もおる、こういうことで、ここには何かやはり日本に好意を持たぬ人もおりますが、全体としては、日本でやはり勉強したという者が、その国の国内建設に相当役割りを果たしておる例も多い。きのうの例は私も少し意外と思ったぐらいです。そういうことを言っております。
  70. 羽生三七

    ○羽生三七君 これは実は新聞に出ておったのですが、きのうスクラップ・ブックを幾らさがしてもその日付が出てこないので記憶だけで申し上げたのですが、たしかそういうことがあったのですが、今後十分配慮していただきたいと思います。  私の質問、これで終わります。
  71. 藤田進

    ○藤田進君 ちょっと外務大臣にお尋ねします。  総括質問の際に、外相並びに総理から、沖繩の返還に関連する論議が今国会は非常に多くございましたが、その際に、大浜さんも現在そのことでアメリカにも行っていることだから、その辺の状況も見た上でということが御答弁の中に一こま入っておりました。伝えられるように、帰られまして、声明といいますか、発表されておりますことは御存じだと思います。その中の重要な点として私ども受け取りますのは、沖繩問題に直接関係を持つ人々にかなり多く会われているという点と、その集約された気持ちとしては、御承知のように、日本がむしろ具体的な青写真をつくって、一括とか部分的とかあるいは教育権とか、若干明示されて、わがほうがむしろアメリカと協議するもうときである、アメリカのほうは、そのことについて何らかの受け入れの下心があるようなニュアンスを受け取るのであります。これは新しいアメリカの事情として大浜さんの言、あの人の言われること自体、全面的に私どもこれを了とするわけじゃありませんが、しかし一つの状況として、この事実問題はつかむ必要があるんじゃないだろうか。とすれば、わが国の外相として、この意見に対するどういう今後の展開をおはかりになるのか。比較的フリーな立場でそれぞれ折衝されたその成果と見るべきものがああいうふうに発表されておるわけでありますから、日米協議の具体案をつくり、わがほうから折衝を始めるべきだという、これに対する答えとして、どうお考えでございましょうか。
  72. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私もあした大浜さんと会う約束をしておるわけです。いろいろだいぶ広い範囲の人に会ったようですから、お話を聞きたいと思っています。やはりこの沖繩問題というのは、これは日米間のいろいろ話し合いをする重大な問題でございますから、日本の場合も、ただ施政権の全面返還ということだけでなしに、いろいろな極東情勢の、日本自身としても極東情勢はよくわかるわけですし、いろいろな場合を考えて、日本自身も、いろいろな可能性というものを私は研究しておくべきだと思う。そして日米の首脳の話し合いの場合には、どうせ沖繩問題というのは必ず出てまいりますから、そういうことでいろいろ日本もそれまでの間に検討しておいて、両国で話し合いをすることが、より一そうその話し合いを有効ならしめる道だというふうに私も考えておる次第でございます。
  73. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いままでの予算委員会の質疑、それから、たとえばきょうの羽生委員の質疑を聞いておりましても、外務大臣あるいは防衛庁長官のベトナム問題やあるいは日米海軍の合同演習ですか、この報告等は、何かワシントンやペンタゴンのために弁解しているような感じを受けるわけです。日米関係というものは、安保条約で結ばれたという形式的な友好関係であって、何か対等ではないかのような印象を受けるのでありますけれども、隷属的な関係ではない、あくまでも対等の関係は今日においても堅持しているのだというふうに、外務大臣としては確信を持っておっしゃることができるのですか。
  74. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは確信を持ってお答えをいたします。日本はアメリカに隷属しているものではございません。日米関係は非常に形式的だとおっしゃいましたけれども、形式ばかりではありません。形式ばかりでなしに、形式、実質ともにこれは友好国である、これは間違いのないことでございますけれども、その関係は対等の関係である。この基本線を私はくずしたことはない。確信を持ってお答えをいたします。
  75. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 防衛庁長官にお伺いをいたしますけれども、日本海でもろてアメリカと日本の海上自衛隊が合同演習をやって、ソビエトの海軍とアメリカの海軍とが接触事故を起こしたという報告は、いままでの予算委員会でもありましたし、先ほども羽生さんの質問に答えて、ソビエトの駆逐艦か十五メートルぐらいのところまで接近をしてきたのだ、要するに向こうがいけないのだという意味の御報告があったわけです。それはアメリカ側の報告に基づくもので、ソビエト側の報告に基づくものではないのじゃないかという気がするのでありますけれども、ソビエトの大使館でも、アメリカ側が言っておるようなことを認めているのかどうか。つまり、それだとすると、ソビエトが今回の米ソの海軍の接触事件について、非常に抗議を出しているといったようなことは、ふに落ちない気がするのですが、その真相はどういうことになっておりますか。長官が答弁されたのは、これはアメリカ側の報告によるものであって、ソビエトの報告によるものは含んでいないのかどうか。
  76. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 国務省から外務省に十日の午後に連絡がございまして、そうして、とりあえずワシントンにおいてソ連大使館の代理大使に抗議を提出しておいた、こういう報告がございました。これはあとで外務省のほうから詳しい報告があると思います。それから十一日の接触事故に対しましては、同じくワシントンに駐在しているソ連の代理大使を国務省に招致して、抗議を提出しておいたということを、外務省を通じて私のほうに連絡がございました。もっとも、私のほうもそれぞれの機関を通じてまた調べたわけでございます。  それから予算委員会の一般質問、総括質問の際にはお尋ねがございませんでしたから申し上げませんでしたが、毎年ソ連の軍艦は、日米合同訓練を視察をなさっております。接近をされておりまするし、また、この艦隊の列に割り込まれる場合もあるのですが、あまり接近してごらんになるとか、あるいは列に割り込むというようなことは、エチケットの上から……、別段国際法上かれこれ言っているわけではありません、ハイ・ウォーターの上のことでございますから。しかし、例年ごらんになっておるのは、列に割り込まれたようなこともございますし、遠くでごらんになっておりまするが、今回はあまりにも近いところを長町間にわたって並進しておりますから、そういうふうに並進しておったのでは、これは接触事故が起きるから困るから、もう少し離れてくれという信号をたびたびソ連の駆逐艦にアメリカの駆逐艦から送ったそうでありますけれども、何ら応答なしに五十分並進いたしまして、最後に、あぶなくてしょうがないから、米軍の駆逐艦がとまってしまった。とまったところをずっと横切っていこうとしたときに、先に通過しようとしたのです。そのときにかすれた事故が十日の事故でございます。十一日の事故は、アメリカの駆逐艦が給油艦から給油を受けておりまして、それは給油艦がそこにありまして、一番左にありまして、その右にアメリカの駆逐艦が、その右にソ連の駆逐艦がおりまして、これもきわめて接近しておった状態でございまして、給油が済んでさあ出ようというようなときに前をやっぱり通過して、こちらはスピードをごくゆるめたわけでございまするが、そのときの接触事故は六インチばかりの穴が双方にあいた、こういうわけでございます。私が繰り返して申すとおり、合同訓練を見物なさることはこれは御自由でありまするが、やはり自他ともに危害を受けてはいけませんから、相当の距離をおかれたほうがいいんじゃないかと私は考えております。それから、羽生委員の御質問の際にも私は申し上げましたが、合同訓練等は国際情勢その他を勘案して注意に注意を加えてやる必要があるということを総理大臣も申しておりまするが、私も全然同意見でございますことを、瀬谷さんにあわせて申し上げておきます。
  77. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 何か交差点で交通事故があったという報告を聞いているような感じでありますけれども、交通事故――これも一種の交通事故だろうと思うのですよ、海上における。ただその交差点がないだけで。ただ場所がまあ日本海でウラジオストックあるいはナホトカからいえば鼻っ先に当たるということになると、もしこれが場所を変えてサンフランシスコだとかロスアンゼルスから同じくらいの距離、あるいはハワイと米本土との中間でもってソビエトの海軍と日本の海上自衛隊――かりにの話だけれども、そういうことはあり得ないだろうと思うけれども、アメリカの海軍というものを想定をして合同演習をやったらどういうことになるのか。アメリカ本土の鼻っ先でもってそういうアメリカ海軍を想定をした合同演習をやったらどういうことになるかということになると、この日本海の問題は、かなりこれは重要であろうというふうにだれが考えても考えられる。問題はいまの接触事故の話なんですけれども、これはあくまでもアメリカ海軍の発表によるものなんでしょう。ソビエトの海軍も、おれたちのほうがほんとうは悪かったのだというふうに認めているわけじゃないでしょう。その点はどうなんですか。
  78. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) これは外務省のほうからお答えになったほうがいいと思います。  あとのことは新聞で見た範囲でございまするが、十二日には、今度は抗議を受けましたグロムイコ外務大臣のほうで発表しておるようでございます。つまりアメリカのほうが近寄り過ぎてよくないのだ、おれのほうは適当に進行しておるのに、接触事故を起こしたのはアメリカである、こういうふうに水かけ論的になっていることは事実でございます。それから一般質問、総括質問の際にも申し上げましたが、日本の領海である青函海狭、かりに十二海里ですが――三海里説をとらないとして、かりに十二海里をとればこれは完全に領海になります。対馬海峡も同様であります。そこを通りましてソ連の海軍が太平洋において――グアム島もあるしいろいろなところがあるのでございまするが、そこで毎年演習をいたしております。その演習に対してアメリカ海軍がじゃまをしたという事実もございませんし、まあ見ておった事実はあるかどうかわかりませんが、日本の海上自衛隊はきわめてエチケットを守っているわけでございまして、つまり両方相互にやっておるわけでございまするから、しかも国際法上領海が日本の完全な領海を通っていくのですから、しかし両方ともハイ・ウォーターがある場合には、その途中に領海があっても航行の自由があるという国際公法の原則を守ってわれわれのほうも自由に往来を願っておるわけでございますから、毎年ソ連の海軍が太平洋において、アメリカの領域の近くにおいて演習をしておりますが、エチケットを守っておって、いままで事故はないということもあわせて申し上げたいと思っております。
  79. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 何か日本の領海が十二海里であるかのようなことをおっしゃいましたけれどもね、この点今度外務大臣にお伺いしたいのですけれども、青函海峡、これは日本の領海、こういうふうにみなすのですか、一体。第一、日本は領海十二海里説をとっておるのですか。
  80. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 日本は十二海里説はとっていない、三海里説でございます。
  81. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 三海里説をとっておるのならば、青函海峡あるいは対馬海峡を通るのは、これは領海を通るということにはならぬのじゃないですか、どうでしょうか。
  82. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 瀬谷委員にお答えいたしました、かりに十二海里説をとった場合には、領海になりますと、こう言っておりますから――かりにとはっきり言っております。
  83. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 かりにという話なんですね。
  84. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) そうです。
  85. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そういうことをおっしゃったのじゃ了解できませんよ、仮定の問題に対してはお答えできないという答弁が前によくあったのですから。かりに十二海里が領海であったならば、ソビエトの海軍は日本の領海を通っておるという言い方ですからね、それはむずかしい問題じゃないから、あえてしつこく追及しませんけれども。それじゃね、ソビエトでも抗議をしている。アメリカでも抗議をしている。その真相は日本の海上自衛隊がそばで見ていたわけじゃないのだからわからぬということになるでしょう。あなたが交通巡査のように、ちょうど接触事故の際に交差点で見ていた第三者のように見ていたわじゃない。そうすると、両方の意見というものがそれぞれ水かけ論になっておるという場合には、これはアメリカの主張だけを取り上げて向こうが悪いのだというふうな見解を持つことは、これは一方的になってしまう。これまたそういう言い方をあくまでも続けられるということになると、これはペンタゴンのための弁解じゃないか、こう言われたってしょうがないということになる。そうでしょう。だから水かけ論ならば水かけ論として認識をしておく、どっちが悪いのだかわからない、要するにぶつかったことは事実だというふうに認識しておくのが私はいいのじゃないか、こう思うのですがどうでしょうか。
  86. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) さっきの領海の問題は了解してくださいましたからもう申し上げませんが、ただし目と鼻の先のことであるということだけは事実でございますから、そういうところをソ連の海軍がずっと通って、それで太平洋において自由に演習をなさっていらっしゃるということだけは、この際明瞭にしておきたいと思っております。日本の目と鼻の先を通りまして、いつでも自由に航行しておるわけでございますから、あなたも交通事故ということをおっしゃいましたから、私もそのことばだけは申し上げたいと思っております。  それからその次にどちらが悪いかわからぬということをおっしゃいますけれども、私は演習をしておる際は、はたで見ているべきものだと思うのです。これはいかがでしょうか。これは瀬谷さんの良識にお訴えいたします。
  87. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 目と鼻の先を通ったって、それは通る場合には何が通ったってかまわない。これは戦車が――戦車は海を通らないけれども、人のうちの鼻の先を戦車が通ろうがトラックが通ろうが、これは通るのはかまわない。それで青函海峡にしたところで対馬海峡にしたところで、これは通ってかまわない。通路なんだから、いわば道路と同じなんだからその通ることに対して文句は言えないわけだね。問題は演習ですよ。相手国を仮想敵とみなして演習を行なうということになると、これは穏やかじゃない。けんかでいえばなぐり込みなんです。その何を人のうちの鼻っ先でやる。つまり日本の間のまん中でやったということを、今度場所を変えて太平洋のアメリカの本土の等距離のところへ持っていけば、アメリカ本土の鼻っ先ということになる。ここへ持ってきてかりに日本の海上自衛隊とソビエトの海軍とが合同演習でもやるようなことになれば、これはとんでもないことになるのだということを、立場を変えて考えてみなければならぬということを言ったわけだ。それほどいままでの外務大臣なり防衛庁長官が日米対等ということを強調しておられますから、私は今度もう一つお聞きしてみたいのですが、沖繩問題は、いままで何度も論議されました。論議をされまして、要するに、今日の事情では、アメリカの軍事的なきわめて重要な基地になっておるのですね。それなるがゆえに返還を求めるということは、事実上むずかしいというようなことなんです、結論として。それならば小笠原諸島の返還はどうかということです。小笠原諸島も、明らかにこれはもう日本の領土なんです。軍事的にアメリカがここを占領していなければベトナム戦争、あるいはソビエトなり南北朝鮮半島の周辺における軍事的な目的のために欠くべからざるところであるというふうには考えられないわけでしょう。にもかかわらず、小笠原諸島の返還というものが俎上に上がらぬという理由は一体何か。島民の墓参りがやっと許されると、まことにこれはいじらしい話ですよ。こうしてみると、どうも対等の立場でもって日米の友好関係が存在しているということが解せなくなってくる。その点はどうなんでしょう。
  88. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 小笠原の問題、これはいま墓参が実現したのですが、今度は帰島、従来小笠原に住んでおった人の帰島、これに対して力を入れてみたい。そしてやっぱり小笠原の返還、この問題についてはいろいろ軍事的な施設もあると思いますけれども、沖繩とは多少軍事施設についても差があることは事実でしょうから、今後とも小笠原の返還については、政府として努力をしていきたいと考えております。
  89. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 もし沖繩の返還あるいは施政権の返還がむずかしいという諸種の事情というものが、今日まで国会でも御答弁があったような事情であったとすれば、それは小笠原の場合には通用しないことになるんじゃないか、こう思われるのです。そうでしょう。そうすると、日米が全く対等である、何らわれわれのほうがひけ目を感じてないんだということであれば、小笠原を返還をしてもらうということについて、何らの障害がないはずだと思うのでありますが、その点はどうでしょう。
  90. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 小笠原というものは、軍事的に全然関係がないのではない。海軍など相当重視しておるわけでありまするから、だから、小笠原を返してもらえないことが、日米対等でないという論理は、少しやっぱり飛躍し過ぎると思います。ただしかし、沖繩の軍事施設に比べればむろん差があることは、これは認めざるを得ませんから、何か小笠原問題については、今後とも、まず住民の帰島から始まって返還ということを、全体として政府は考えておりますが、ことに小笠原の問題については、特に力を入れていきたいと考えております。
  91. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 小笠原にも海軍の基地があるからということを言われたけれども、それもアメリカのための弁解になるのですよ。これは、小笠原の軍事的な価値というもの、これは地図を広げてごらんなさい。沖繩と小笠原というのはずいぶん離れていますよ。場所が違いますよ、これは。小笠原の軍事的の価値というものを肯定しなければならぬというのは、アメリカだってこれは肯定できまいと思う。日本を進攻するというような場合は話は別ですよ。太平洋戦争のように、日本に対する攻撃基地ということであれば別です。ところで、日米対等ということを強調している。小笠原の地理的な条件というものを考えてみた場合に、これは少しも私は問題がないんじゃないかという気がするのです。これは日本の政府がうかつにほったらかしておいたのか、あるいはそうじゃないけれども、アメリカ側がどうしても言うことを聞かない。一回手に入れたものは、ころんでも放したがらないと、こういう欲の深い根性であるものか、それともしかるべき理由があるものか、われわれ全然わからぬですよ、これは。その辺、一体日本の国民が納得のできるような理由というものが、どうなんでしょう、外務大臣として御説明願えますか。
  92. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 小笠原問題、政府としても非常に努力をしておるわけでありますが、なかなかアメリカ側との間に話はつかないということでございます。しかしこの問題は、われわれとしても特に重視をして、今後日米間で話をする場合における重要な問題として、小笠原は取り上げたいと考えております。
  93. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 この小笠原の問題は、これはアメリカが治めていなければならないという必然性というものがわれわれには理解できないことなんです。しかも、外務大臣がしきりにちょうちょうしております対等な立場での日米の友好関係というのがほんとうだとすれば、それはその小笠原の問題は話をすれば、話せばわかる問題でなければならぬ。これが話してもわからぬということになれば、決して日米対等じゃないということになる。その点をよく頭に入れていただいて、この小笠原の問題について、意欲的に今後折衝をしてすみやかに返還を求めてほしいと思います。  それから北方領土と日ソ関係なんですけれどもね。歯舞、色丹、あるいは日本政府の見解としては択捉、国後等も含めてこれは日本の固有の領土だ、こういう主張であります。それならば日ソ関係というものがもっと熟してこなければ、これらの問題についての話し合いはちょっとできまいという気がする。アメリカの海軍と一緒になってソビエトの鼻っ先で演習をやると、こういうような状態であれば、なかなか領土問題について話し合いをするということは困難じゃないかという気がするんでありますが、これらの問題について話し合いをするという気があるのかどうか。その場合に、今日の日ソ関係がこれでよろしいというようにお考えになっておるのかどうか、その点お伺いしたいと思う。
  94. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはこれから話し合いをするというのでなくして、いつも日ソの話し合いのときには、これはもうほかにたいした大きな懸案はないですから、平和条約にしても領土問題だけですからね、懸案は。だからもう会うたびに、日ソの首脳部が会うたびにいつも出てくるのですよ、この問題は。しかし急に解決をすることは、なかなかむずかしいという見通しでございます。しかし、ほかに懸案はないのですから、この問題は、絶えず日ソ間の話し合いのときに議題にならざるを得ない。そこで、この領土問題の懸案が未解決ではございますが、今日の日ソ関係というものは、私は非常にいままでにない良好な関係になりつつあると見ておるのです。これはソ連としても、日本との間に経済、技術、そういう面で交流を深めたいという強い希望を持っておりますし、そういうことで日本との間には友好関係を増進したいというのが、ソ連の私は方針だと受け取っておるわけです。日本もまたソ連との間には、そういう領土問題の懸案はございますが、これはすぐにということはなかなか解決がむずかしいとするならば、この解決をまあある程度将来の問題として、現在の段階において日ソ間が友好関係を深めていくということに対しては、日本の安全のためにも、日本の経済的な発展のためにも有効である。日ソ間の利害というものが一致しておるわけでありますから、日ソ間の関係というものは、いろんなまあエピソード的ないろんなものはありますけれども、全体としての傾向は非常に良好な関係にある、こういう判断をいたしておるわけでございます。
  95. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 日ソの友好関係とか、あるいは利害が一致しておる、外務大臣の話を聞いてみると、日ソ間にはもう問題がないようなふうに聞き取れるわけですよ。ところが、一方において、アメリカの海軍と日本の海上自衛隊が、この沿海州の鼻っ先で合同演習をやるということは、これはとりもなおさずソビエトの潜水艦あるいはソビエトの極東艦隊というものをある程度意識をして、これに対するデモンストレーション的な意味を持って演習をしているのじゃないかというふうに、常識的にはとられるわけです。そこで今度は、外交関係ではこれは問題はないのだと、友好関係を進めるためには問題はない、利害は一致しておるのだという半面において、防衛関係はこれはまた話は別だと、けんかはけんかでもまた別だというふうに聞き取れるわけなんですけれども、防衛庁としては、このアメリカ海軍との合同演習というものには、特にソビエトの極東艦隊というものを意識しているのじゃないのだということが言えるのでありますか。その点はアメリカ海軍の思惑と、日本の防衛庁の思惑とは一致しているのかいないのかよくわかりませんけれども、どうなんでしょうか。
  96. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 海上自衛隊の存在というものは、わが国周辺海域の防衛と、交通の確保でございます。そういう見地から今回の合同訓練等も例年やっておる範囲以内において、年に一回やっておるだけでございまして、しかも、ソ連軍というものは絶対に対象にいたしておりません。対潜訓練を主として行なったのは、九日間にわたる日米合同訓練でございます。対潜訓練でございます。
  97. 羽生三七

    ○羽生三七君 ちょっと関連して。私事を申してはなはだ恐縮でありますけれども、実はフルシチョフ首相が退陣をする直前に、私は成田書記長とソ連を訪問して、それからミコヤン、スースロフ氏、その他幹部と延べ三回、約七時間くらい話をしましたが、その中で一番領土問題に重きを置いて話をしたわけです。そのときに、成田書記長の質問に答えて、それは解決済みだからだめだという話がありましたので、私が、それでは条件が変わった場合はどうかと質問したところが、その場合もだめだと、これは異口同音にみんなで答えましたが、それからあとフルシチョフ首相に会いましたら、フルシチョフ首相は、国後、択捉、千島は経済的に何にも価値はないと、あんなものは。しかし、目の前でアメリカがいまのようなことをやっておる時期に簡単に返せるかどうか考えてもらえばわかる。しかし、条件が変われば解決は可能である、首相はこう答えました。そこで、なるべく刺激的なことをしないほうがいいというのが、瀬谷君の意見だと思いますが、そこでこの合同演習の問題、その他中ソの関係もあるし、国境問題等もありますから、これはなかなか領土問題の解決ということは容易ではないと思いますが、それでは、そういうことはすべて片づくまでほうっておくのか、あるいは外交技術上われわれしろうとでわかりませんから不可能かもしれませんが、歯舞、色丹は返るものと見て、その他のことを何か世界情勢の変化の際にあらためて協議の対象とするようなことで、何かこの適当な方法を考えて、さらにこの平和条約締結を前進するというような方法は考えられたことはないのでしょうか。いかがでしょうか。
  98. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) やはり現在のところは、平和条約の締結には領土問題の解決が前提になると、こう考えておるわけでございます。
  99. 羽生三七

    ○羽生三七君 時間がかかりそうですね。
  100. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まあ時間がかかることは、時間がかかるからといって、領土問題を非常に国民の意思に反するような形で解決するということは、これはできませんから、まあ時間がかかることもやむを得ないと、こう思うわけであります。
  101. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 領土問題、北方領土の問題あるいは小笠原の問題に触れましたから、ついでにもう一つ竹島問題に触れてみたいと思いますけれども、これは日韓交渉の際に、日本があくまでも日本の領土であるということを主張した問題であり、そのことは今日まで公的には一回も否定されていないと思う。ところが、今日、韓国がこれを占領して、われわれからいえば不法占領になるわけですね、日本の領土であるということを内外に明らかにしておるのですから。しかもこれを韓国が占領しておるということになれば、これは不法占領です。自衛隊なんかの任務からいえば、不法占領されたものは、これは追っ払わなければならぬことになってくるわけです、自衛隊法からいえばですよ、そういう問題。これに対して一向にはかばかしい話の進展がないというのは解せないのです。この日韓関係とこの竹島問題、これは韓国のほうでかってなことを言っているのですね。あれは自分たちのものだとかってなことを言っている。しかし、韓国の主張と日本の主張とを比べてみても、今日までのいきさつについて、これは長くなりますから私はくどくど言いませんけれども、今日までのいきさつについて見ても、我田引水でなく、明らかに竹島が日本の領土だと思われる。これは一体外務大臣としての見解、それから今後のこの取り上げ方、どのようになさるおつもりなのか、伺いたいと思います。
  102. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まあ日韓会談の場合においても、この竹島問題というのは問題になったわけですが、そして交換公文の中に、両国の紛争はまず外交上の経路を通じて解決するものとすると、こういうことで、竹島が紛争問題であることは明らかでありますが、だから、いつかはこれは外交交渉の議題にのせなければならぬわけですが、われわれとしては、日韓の国交が回復されてまだ日が浅いのですから、おのずからこの問題を持ち出す時期というものはあろうと考えております。そういうことで、そういう適当な時期にはこの問題を持ち出して、日韓両国において、いわゆるこの交換公文にきめられておるような外交上の経路を通じて解決の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  103. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 解決をするというのは、われわれから言えば、韓国が手を引いて、その竹島が完全に日本の領土であるということが確認をされる以外に解決の方法がないわけです。ところが、総理の答弁もはなはだ不得要領だったわけですけれどもね。日韓交渉が妥結する前の国会における論議では、竹島問題が解決をしないまんま日韓問題を妥結することはないという意味の答弁をしばしばされているように私は記憶しているのですが、ところが、事実はその国会答弁というものはうそになってしまって、今日懸案問題として解決をしたいと言いながら、意欲的に取り組むという姿勢が見られないということも、日本の国民を欺くことになる。あきらめるならあきらめるように、政府の責任において言わなければならない。そうじゃないならば、すみやかにこの問題は取り上げて、そのけじめをつけなければいかぬ。外交交渉あるいは国際的な問題としてこれを取り上げるか、どちらにしても、うっちゃらかしにしておくというのは、私は無責任だと思う。一体近い将来においてどのようになされるおつもりなのか、お伺いしたいと思う。
  104. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この問題は瀬谷さんの言うように、日本は日本のものだ、向こうはまた向こうのものだと、こう言うんですから、それで紛争になったわけですから、どうしてもこの問題を解決するためには、両国に友好的な雰囲気が相当成熟してきてということが必要でしょうね、実際問題として。そういう意味で、日韓の国交が回復してすぐにというわけにはいかないので、ある適当な時期というものの判断、どう考えるかということをわれわれとしても検討をいたしておるんですが、これをこのままに放置することはございません。やはり適当な時期には、日韓両国の交渉の議題にいたしたい考えでございます。またそれが話がつかぬときには、調停にも持ち込むとまで書いてあるんですから、こういう交換公文の線に沿うてこれを解決したいと思っておりますが、こういう紛争問題というものは、相当やっぱり、紛争問題を解決できる両国の関係というものの一つの時期の判断というものが私は要ると思う。ただ持ち出したら解決できるというものでもありませんから、もうすぐにこの問題はどうかというような感じで、いまこの問題を議題にした日韓間の話し合いはしておりませんが、このまあ時期でよかろうという判断に立てば、この問題は日韓両国の間の議題として、この問題の解決の努力をしたいと考えております。
  105. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 どうもあいまいなんですな、その点は。そんなことを言っていたら、いつになったら解決するかわからない。友好関係が必要だと言うけれども、それでは日韓関係というものは友好関係がないと、つまり日本は、日本の領土であるにもかかわらず韓国が占領しているんだから、友好関係というものは韓国側にないということに断定できるわけですね。今日、日韓会談を通じて交渉は妥結したけれども、韓国側には日本に対して、紛争問題を解決をし、竹島を返還するだけの友好関係というものは、向こうにはないんだ、このような断定をしてよろしいのかどうか。それ以外に判断のしようがないと思うのでありますが、どうなんですか。
  106. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 日韓両国の間には友好関係というものは、――まあそれを基礎にして、そしてああいう交渉も妥結したわけですけれども、何ぶんにもいままでの歴史的ないきさつもあって、国交は回復しても、すぐに両国の友好信頼の関係が打ち立てられるというわけでないわけですから、両国の今後の努力というものも必要で、もう少し友好的な雰囲気というものが高まったような時期でないと、持ち出しても解決できないのではないか。いま友好関係がないというわけではありませんよ。友好関係はああいう交渉の妥結の根底になっておるわけですが、もう少しお互いに――こういう領土問題というのはやっかいな問題ですからね、もう世界各国どこでもそうですわね、欧州にしてもなかなかこれは解決できない。そういうふうに一番やっかいな問題ですよね、この領土問題は。だから、ただ持ち出したというだけで、解決できなければ意味はありませんから、もっと、持ち出して解決できるという、そういう友好的な雰囲気というものがもう少し高まった時期がいいのではないか。持ち出しても解決できぬということでは、たいした意味がないからということで、その時期の判断、検討というものをいたしたいということでございます。何か、気が長いじゃないかとおっしゃるかもしらぬが、領土問題の解決というものは、そんなに、持ち出してすぐ解決とはいきませんので、やっぱり交渉する時期の判断というものが私は要ると考えておるわけでございます。これをそのまま放置しておるものではないということは申し上げておきたいと思います。
  107. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 結局答弁を聞いておりますと、小笠原島の問題でも、日米間の友好関係は対等であると言いながら、現実的には少しも対等になっていない。日韓の問題にしても、竹島問題一つ取り上げてみても、これは日本の領土であるということははっきりしているんですから、また日本の国会において政府も明言していることなんですから疑う余地はないわけです。疑う余地のない問題に対して友好関係を云々するというのは、結局向こうさんは、日韓交渉は妥結しても、何ら日本との友好関係を維持していないということの一つの証明になると思う。それならそのように腰をすえてかかるべきだと思う。結局、これらの問題、一つ一つ取り上げてみると、日本の外務省の外交姿勢ということになってくると思うんですね、ナメクジが塩をかぶったみたいに、だらしのない弱腰外交であるということが、これらの問題の進展というものを阻害しておるようにしか国民は受け取りませんよ。その点は十分留意していただきたいということを申し添えておきたいと思います。  それから防衛庁関係にもう一度戻るわけでありますけれども、いままでの答弁によりますと、非常に抽象的な答弁が多かったわけです。防衛についての定義ですね。しかし、これをもっと具体的に言うと、たとえば第三次防についてもごく抽象的な御答弁がありましたけれども、戦車なんかはたくさんこさえておる。しかし戦車というのは、普通の小規模なトラブル等に出ていく必要のないもので、相当大規模な重装備の部隊と部隊との衝突という場合を想定したのでなければ、戦車であるとか重砲であるとか重火器であるとか、こういうものは私は必要ないと思う。ところが実際問題としては、日本の陸上自衛隊は相当性能のすぐれた戦車をたくさんそろえようとしておる。このねらいというものは、一体那辺にあるかという一つの疑問を持たざるを得ない。もし戦車を使って、あるいは重装備の師団が連合して当たらなければならないような――陸海空連合して当たらなければならないような場合というのは、戦場を日本に求めるならば、相当大規模な輸送船団を組んで日本の本土に対する上陸作戦でも展開してくる敵がいなければ考える必要のないことじゃないか、こういう気がするのであります。そういう場合を想定しなきゃならないということなんでしょうか。そういう場合を想定しているのかどうか。さもなくば上陸用舟艇でもって日本が逆に逆上陸をするという場合以外にはないわけです。日本がよその国へ向かって逆上陸をするということが絶対にないんだというふうに断言をするならば、どこの国が今日日本に対して、そのような大規模な上陸作戦を展開する可能性ありというふうに判断をされているのか。これは外交上の配慮がなければちょっとできないことになってくると思うのでありますが、防衛庁長官としては、その点はどのような配慮に基づいているんですかお聞きしたいと思う。
  108. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 細目にわたりましては、政府委員に補足させますことをまずもって申し上げておきます。  戦車関係の機械化兵団というものが、一個師団日本には存在いたしております。その他機械化兵団でなくても戦車のあるところもございます。この戦車というものは、まずもって明瞭にしておきたいのは、逆上陸というようなことを想定したものでは一切ございません。侵略者が日本本土を侵略した場合に、戦車を用うるにあらずんばその侵略を阻止できない、これを排除できない、こういう場合に備えてあるものでございます。そうして一般論として申し上げますと、自衛隊はその設置並びにその訓練によりまして、侵略者がないことを期しておるわけでございます。あくまでも日本に侵略という非常事態がないようにするために自衛隊が存在し、猛訓練をいたしておるわけでございます。
  109. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 猛訓練をいたしておりますということでありますけれども、いわゆる猛訓練の内容なんですが、いままでしばしば仮想敵というものは設けていないということを言われましたけれども、どういう相手を想定をするかということなしに演習は成り立たないと思うのです。たとえば、どういう装備を持ってどういう編成をした部隊がわれわれの敵であるということの想定がないで演習できるものなんでしょうか。私はこれは非常にむずかしいと思うのですね。私自身の体験が今日役に立つかどうか知りませんけれども、われわれが昔、戦時中に訓練を受けた場合でも、敵はどういう敵である。たとえばソビエトならソビエト軍である、だからその編成なり装備というものはこういうものだ。それから飛行機はこういうものだ、その戦闘のやり方はこうだ、陣地戦の場合は、遭遇戦の場合はこうだ、こういうのがちゃんと想定にあってそれで訓練をやったわけです。そういうものなしに訓練をやるということは考えられないのでありますけれども、それをあえて私はないしょにする必要はないのじゃないかという気がするのですが、大臣の答弁では、あくまでもそういう仮想敵というものはないのだということのいままで一本やりだった。そういうことでその訓練というものはどのようにしてやっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  110. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) でございますから、こまかい点は、防衛関係のことをよく知っておる政府委員に補足させますという前提でいたしておりまするが、私は終始一貫、あなたのおっしゃるとおり、日本並びに日本の自衛隊は、仮想敵国ということを考えておりませんし、対象国ということを考えていない。ただ侵略者がこう来た場合にはこうやる、ああ来た場合にはああやるというそれはございましょう。しかしあくまでも侵略者ということでございまして、その侵略者には大規模なものもございましょうし、中規模のものもございましょう。それからせんだって私が申し上げましたが、一つの交戦団体といったようなものもございましょうし、またごく小規模であれば、海賊といったようなものもございましょうが、戦車というものは日本本土に敵が、敵というのはほんとうは侵略者のことを言っておるわけでありますが、侵略者が急迫不正な侵略をして、戦車を使うにあらずんばこれを阻止、排除できないという場合に備えて訓練をいたしておるわけでございます。
  111. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 長官のお答えになりました点で尽きるわけでございますけれども、やや技術的に申し上げますと、わが国の防衛力の整備なりあるいは訓練というものは、要するに脅威というものに対して備えるわけでございまして、その脅威というものが、一つは相手国の意図という問題があります。もう一つは、その意図を実現しようとする場合に、侵略できるだけの力と申しますか、能力、こういうものが脅威というものの中に含まれておるわけでございます。われわれとしましては、いろんな計画を立て、あるいは教育訓練をやります場合には、従来から政府で申し上げておりますように、特定の国を仮想敵として想定をし、計画を立てて訓練をするということはございませんが、やはり絶えず周辺諸国というものの軍備の動向ということについては注目をいたしておるわけでございまして、周辺諸国の最近の軍備の動向は、いずれも軍備の近代化ということにつきまして非常な努力を払われておるわけでございまして、そういう点につきましてわれわれとしても十分研究をし、防衛力の整備もやる、あるいはそれを頭に入れて教育訓練をやっていくということが絶えず必要なわけでございます。教育訓練の場におきましては、もちろん相手の軍というものを想定いたしまして演習計画を立てるわけでございますが、それはあくまでも演習のいわば想定国、敵国でございまして、とにかく外交上あるいは軍事上の特定の国を仮想敵というふうな意味で演習で使っておるということは全然ございません。
  112. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 どうもみんなの御答弁を聞いておると、あまりはっきりしません。ちょっと信じられないようなこともありますけれども、抽象的でありますので、抽象的な問答を続けておりますと切りがございませんから、最後に一問お伺いしておきますが、在日軍事顧問団というのの今日においての任務は、装備品の供与計画及び訓練計画の立案、防衛問題に関する助言というようなことがあるのでありますが、こういうのが、日本の防衛計画について大きな比重を今日でも持っておるのかどうか、また日本海における合同演習なんというものも、やはりこういう助言とか訓練計画の立案といったようなことからきておるのかどうか、これらの点についてお伺いしたい。
  113. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 在日軍事顧問団、通常MAAGと言っておりますが、MAAGの使命は御指摘のとおり、だんだん薄らいできておるというふうに感じております。  それから日米合同訓練の際には、MAAGは何ら発言をしておりません。詳細なことは政府委員からお答えさせます。
  114. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) ただいまの長官の御答弁で尽きておるわけでございますが、日米合同演習といわれます対潜特別訓練の際の手続としましても、顧問団の助言を得ておるのではございません。
  115. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 防衛庁の計画あるいは自衛隊に対する教育訓練というのは、相当高度な知識を持たなければいけないんじゃないか。それは単なる技術的な知識だけでなくて、軍事的な知識だけではなくて、思想的にも相当幅の広いものを必要とするんじゃないか、こういう気がする。私はいまでもちっともわからないんだけれども、昭和十七、八年になるまで日本の陸軍では教育訓練を行なうのに、当時アメリカと戦争状態に入っていたにもかかわらず、おまえらの仮想敵はソビエト軍だ、おまえらの上陸地点は北樺太だとか沿海州だとか、こういったような想定に立って教育訓練を受けた記憶があります。これは自分自身がそういう訓練を受けたんだからいまでも忘れない。そういう訓練を受けて、いざ実戦の場合には、われわれの仲間はフィリピンだとかインパールへ行って多くの者が戦死しておるわけです。この辺のところが、今日に至るまではなはだ解せないところなんでありますが、もし教育訓練の内容というものが一方に偏して、そうして国際問題に対する十分な見解であるとか判断であるとか、そういうものを欠くことになると、自衛隊の間違いというものは、軍隊の間違いというものは、国連に影響するところ非常に大きいわけでございます。だからそれらの点について、十分に視野を広めた教育といったようなものが行なわれなければならない。これは日本ということを考えた場合に、非常に重要なことじゃないかと思うのでありますが、その点最後に一問お伺いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  116. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 外交、内政一切含めた意味の広い防衛ということを、私は瀬谷さんのおっしゃるとおり、視野を広げて考えておるつもりでございます。それからまた教育訓練にいたしましても、国際情勢のことは、相当勉強いたしておるわけでございまして、ただ、われわれのこいねがうところは、日本の主権国家としての存続発展、一億の国民が枕を高くして眠ることができるようにということを主眼として、教育訓練を陸海空とも一生懸命やらしておるわけでございまして、仮想敵国なんというものを考えて従来国連を、あるいは国の運命というものを誤まらしめたというようなことも御指摘のとおり、慎重の上にも慎重に考えなくてはいけないことである、こう考えて教育局長等も指揮監督いたしておる次第でございます。
  117. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
  118. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
  119. 黒柳明

    ○黒柳明君 先ほどのベトナムの質問が出まして、私も二、三簡単に外務大臣にお聞きしたいと思いますが、ベトナムの特派員のお話ですけれども、伝えるところによると、今回の非武装地帯に対するアメリカ軍の進攻に対して、現実的には非武装地帯が消滅したと同じであると、このようなリポートを持ってきておるわけです。当然非武装地帯は消滅していませんし、また消滅してはならないと思うのですけれども、外務大臣の御見解はいかがでしょうか。
  120. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この問題は、アメリカばかりのことでなしに、北からの浸透という場合も問題にせざるを得ないわけですが、そういうことで非武装地帯が非武装地帯でなくなったことは残念であります。こういう事態ができるだけ早く解消されることをわれわれも希望するものでございます。  〔主査退席、副主査着席〕
  121. 黒柳明

    ○黒柳明君 現実問題として北爆は強化されていますし、北ベトナム沿岸に対する施設に対しての攻撃を準備するためかどうか、第七艦隊集結を終わっている、あるいは十七度線越えて攻撃しているというようなことがありますし、またいま非武装地帯に対しての進入、さらには十七度線を越えて攻撃しないとはだれも言えませんし、さらには中共あたりも参戦すると、こういうゼスチュアを示しているわけですね。これは明らかにますます拡大の方向にいっていることは、これは当然なんですけれども、わが国としては、いままでさんざん平和会議を開けとか、あるいは何らかの北爆中止の勧告をアメリカにせよとか、いろいろな意見も出されていますし、また外務大臣としてもいろいろなお考えを披瀝していますけれども、こういう段階に来て現実的にわが国ができること、ベトナム和平に一歩でも前進する方向に対して何かそういうものがあるかどうか。抽象的な質問で申しわけないんですが、何か外務大臣のお考えとして当然ベトナムの問題、深刻な問題ですし、ますます拡大化の方向をたどっていることは、これはもう予想されますし、わが国としても、地理的にもあるいは軍事的にも、あるいは日米間あるいはアジアとの関係性からも、これは等閑視できない問題と思います。ところが、現実問題としてなかなかこれはむずかしいと思いますし、各国も和平工作に対しては実らないで失敗したわけですが、わが国として何かいまの段階において、拡大化されていく、世界がこまねいてこれを見ていなければならない、そのときにおいて、現実的に何か和平に対してのワンステップ前進の方向に持っていけるようなもの、何かここで打つ手といいますか、どこかの国に何かサゼッチョンするとか、アメリカに何か意見を言うとか、何かしらの考えられる方法はないか。これはいままでやってきたこと、あるいはこれからこういう問題も考えられる余地があるとか、こういうふうに外務大臣がいままでお考えになった構想があるか、あるいはいまの時点を見て、深刻になっていくこの状態を見て、こういうこともしなければならないとお考えになったことでもあるかないか、ばく然とした質問で申しわけないですが。
  122. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) われわれ、これは私ばかりでなしに、日本人としてベトナムの戦争が拡大していくということは、皆心配をしておるところであります。しかしこのベトナム戦争の終結ということを考えてみた場合に、北のハノイ政権が南を全部共産化するということはできないですね、そうしてまた南ベトナムもハノイ政権を転覆さして、そうして共産主義政権をつぶすということもできることではない、そうなってきたならば、一応この平和が回復されたときの姿というものは、十七度線を暫定的な一つの休戦のラインであっても、これを一応のよりどころにして、そうして北は共産、南は非共産ということで話をつけていくよりほかにないのではないか、解決が。そういう戦争を継続することによって、そう基本線が変わるとは私は思わない。そうなってくると、非常にいまは何も手がないようだけれども、結局最後はそういうところへ乗っかるほかないのではないかということであるとするならば、やはり平和的解決という可能性というものは常に私はあると思う。だから、これはいまどういう手があるかというお話でありますが、これはなかなかむずかしいですけれども、いろいろな人たちが日本にやってきた場合でも、ベトナム戦争というものが話題にならぬときはないんですよ。世界各国から閣僚連中が来たときに、そういうことで、ベトナムの早期平和的解決を望む世界の国々と協力するという面もありましょうし、あるいはいろいろな第三国の手を通じて、ハノイなどに対しても何かこうそういう考え方を伝え得るような機会はないだろうかということを考えることも、これはまた当然のことですし、いま何かきめ手はあるかと言われたら、きめ手はあるとは言えませんが、いま言ったように最後のやはり解決の方向というものは、それよりほかにないのではないかとすれば、それは絶えずあらゆる機会を使って、日本がこの解決のために、その力がどの程度の力かどうか、これはなかなか大きな力はないとは思いますけれども、やってみるよりほかないのじゃないか、だめだだめだと言えば、だれもみなだめだだめだということでしょうからね、みなが平和を望む世界の善意というものを盛り上げていって、そうして早期のやはり和平の達成ということをはかるよりほかはない、こう考えておる次第であります。  〔副主査退席、主査着席〕
  123. 黒柳明

    ○黒柳明君 たとえばベトナム平和を愛するといいますか要望する国、これは世界全部だと思うのですが、外務大臣は去年の四月に日ソ定期協議のとき、ソ連に対してもベトナム和平に対する協力を推進していくのだ、このようなことで若干呼びかけをしているわけでありますが、ソ連は御承知のとおりタシュケントで会議を行なったわけでありますけれども、非常に外交的には技術的に西欧諸国よりもすぐれているような気がするのですけれども、そのソ連が今回のベトナム和平に対してまだ動いていない。それと日本が具体的にまだ活躍していないような気がするのですけれども、そのソ連に対してこれは話はまだしていません。話してみてもむだかもわかりませんけれども、七月の定期協議には何かしらの和平に対する推進もしてみる、という外務大臣のお話を私記憶しているのですけれども、ソ連がここで――ここでじゃなくても将来いつの時点か、ソ連としても何か時期を見ているのじゃないかと思うのです。タシュケント会談みたいに何か自分が乗り込んでいって、何か漁夫の利を得るといいますか、時期が来るならみずから行って、そうして調停に乗り出して、またここで株を一枚あげようという気があるかもしれないですから、そのソ連に対して何らかの呼びかけをするということも、全然むだなことでもないような気がするのですけれども、昨年の七月の外務大臣の御意図はどの辺にあったかわかりませんけれども、はたしてそれがまた今回あるいは将来、そういうソ連を突っついてといいますか、ソ連と話し合ってといいますか、ソ連を仲介させて話し合いの一つの糸口を切っていく、このようなことはいかがでしょうか。
  124. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 一昨年訪ソをしまして、コスイギン首相ともベトナム戦争の早期平和的解決ということは、話を相当な時間をかけてしたわけですが、まだやはりそういう一つの機は熟してないという判断でありましたが、こんなに戦争が激化していくということになれば、ソ連としてもこの戦争がますます拡大していけばいいとソ連が考えているとは私は思わない。七月に定期協議のためにソ連に参りましたときには、グロムイコ外相、コスイギン首相ともこの問題は話をしてみたいと考えております。
  125. 黒柳明

    ○黒柳明君 当然、これは私の私見ですが、これは公明党としても前から主張したのですが、東京で、あるいはアジアの主要国でベトナム和平会談を、各国の代表を集めて和平会談をすべきだと、こう言っていたのです。その各国の首脳部じゃなくてもキャップじゃなくても、平和を愛する人、あるいはベトナム戦に対してのいろいろの、早く早期解決を望む人が一ぱいいるわけです。わが国だってその大半がそうですし、アメリカだってハト派の議員もいますし、あるいは学者連中でも相当早期解決を望む人もいますし、各国の首脳部が一堂に会するのは、これはたいへんなことですし、これはわが国でも労をとるということは、これはたいへんなことで不可能だと思うのですけれども、少なくともその一歩、二歩、三歩手前のこととして、何らかの形でまず話し合うことから始めていきませんと、向こうの遠いところでお互いにニュースか何か通じて、みんな和平を望んでいる望んでいるというようなことじゃやはりうまくないと思うのです。人間ですから、そこに一堂に会してそうして話し合いをする、じかに目と目で、口と口で、皮膚と皮膚で触れ合っていけば、何らかここにお互いに妥協点が、お互いに合意点が見出されて、それがまたちょっとしたきっかけで大きな和平に対してのあっせんの労をとる可能性もなきにしもあらずと思うのですが、そういう意味から、たとえば民間人であっても、たとえ学者であっても、たとえ国会議員であっても、まずその各国を代表するような、ベトナム早期解決に対しても積極的に働くような当然一流人物、こういう人たちに呼びかけて、東京なら東京に一堂に会して、そうしてまず話し合いを始める、こういうことも何かしらの世界のほんとうの和平に対しての強い声――その強い声はあるのですけれども、まとまって一つの声になってやれないから弱いのではないかと思うのですが、これに対して、いまここですぐ外務大臣がお答えになるということでなくしても、何かそういうことも呼びかけていけば、それが一つにまとまって、それがまた大きな反響を及ぼして、この前も私は予算委員会で質問をしたのですが、もうこの段階に来ては、世界の世論が、この問題を解決していかなければならない。その世界の世論といったって、手をこまねいて待つわけにいかない、だれかが積極的にリーダーシップをとれば――そのとるという形はいろいろな形があるでしょうが、一堂に会して話し合って、おのおのその合意点をみずからの国に持ち帰って、それからおのおのの国においてさらに世論を喚起していくというような方法、これは一つの方法じゃないかと思うのですけれども、こういうような、ほんとうに私のちょっとした思いつきですけれども、こういうようなことに対してどうでしょう。
  126. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 世界の世論ということならば、これは、世界の声ですよね。早くベトナム戦争を片づけてもらいたい――世論が、それは熟しておるくらい世界の世論というものは、早期平和的解決に結集していると思います。問題はやはり戦争当事者の問題です。この当事者というものがそういう気にならないと、外からいろいろ言っても、なかなか問題の解決にはなりませんので、結局はどうして戦争当事者を動かせるかという問題が、やっぱり一番の急所だと思います。したがって、いろいろな人をお呼びしたらどうかというのですが、何も解決策を持たないで政府が人を集めるということは、それなりの多少の意味はあるかもしれないが、政府のやる仕事としては、どうやって解決するという何か手がかりもなしに人だけを集めるというのもいかがかと思いますので、われわれとしては、もう少し第三国とか外交ルートを通じて、その当事者に対して、当事者に影響力を持つ国に対して、何とか早期な解決というものを促進するような努力を政府はしたいと考えておる次第でございます。
  127. 黒柳明

    ○黒柳明君 ジョンソン大統領が十八日の記者会見で、ベトナムの戦争は目的は限定されていると発言をしたわけですが、これはどういうふうな意図を持っているか具体的にはわかりませんけれども、目的が限定されていれば、ある程度手段も限定されているのじゃないかと思うのですけれども、ところが、その目的は限定されているにせよ、手段は何か限定されていないような気がするわけですよ。どんどん、どんどん第三次世界大戦をも招くような危険性を持つ手段までどんどん拡大されているわけですけれども、ジョンソン大統領の、目的は限定されている――これに対して日本の外務大臣として、はたしてその手段を限定されるべきであるかどうか。というのは、結局この前の大森実のリポートでは、北爆は教会が攻撃されているという――それが今度行ってみても攻撃されているということですね。人畜に害にならないといったって、シュプール爆弾で非常に人畜に害などを与えている。現実に向こうに行ってみれば、こちらで考えているような、アメリカが言っているようなきれいごとではない。戦争ですから、あくまでも感情的に非常に北ベトナム人あるいは南ベトナム人の反感を買うような――戦争ですからやむを得ないですけれども、幾多の行為をしているわけですけれども、ジョンソン大統領は当事国の大将ですから、目的は限定されていると、手段までは限定されているとは言っていないのですけれども、あくまでも目的は限定されてあっても、手段は何でも選ばずに限定されなくてもいいという、こういうことは言えないと思うのですが、その点あたり言っていることとやっていることと非常にまた戦争の当事者として矛盾しているわけですね。これはしかたがないとは思うのですけれども、そこらあたりわが国として仲がいいわけですから、何かしらサゼスチョンを与えることができると思うのですけれども、このままどんどんどんどん、目的は限定され、手段は限定されないでどんどんどんどん拡大されていきますと、非常に中共の参戦から危険な事態が目の前に迫ってくると思うのですが、その手段の限定、これについてどう思いますか。
  128. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 目的の限定ということはどういうことかわからないというお話でしたが、それはもう明らかだと思います。アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン三代の大統領が、ベトナム政府から要請を受けて、そして手段、自衛権を行使しておるということがアメリカの大義名分でありますし、そのために南ベトナムの独立と自由を守る、これがもう目的であることは事実で、そのために北のハノイ政権を軍事力で転覆さしたりする意図は持っていないと、こう言っているのですから、したがって、私はアメリカが地上兵力を北ベトナムに入れて、ハノイに向かって進撃を開始するというようなことは、ハノイ政権の転覆を求めるものにあらずと、南ベトナムの自由と独立を守るということがその目的の限界であるとするならば、さようなことはしないだろう。そういういわゆる手段の点についても、まあああいう状態でありますから、画然としてここまでとは言いにくいが、いわゆるハノイ政権を転覆さすような、そういう軍事行動というものには限界を持っておると考えております。
  129. 岩間正男

    ○岩間正男君 私も最初にベトナムの問題ですね、これを緊急に質問したいと思うわけです。  今度の非武装地帯の侵入という問題は、また新たなエスカレーションの段階を画した重大な問題だ。しかも実にこれは言語に絶する危険につながる、こういう軍事行動だ、こう言わざるを得ないと思うのですね。しかもこれは明らかにジュネーブ協定の第七条の侵犯であるということは、これは言うまでもないと思うのですね。こういう点は外相はどういうふうに考えられるのか。したがって、このアメリカの新たな軍事行動に対してこれを支持する立場に立つのか、そうしてあくまでこのような事態を承認するのか、あるいはまた、やむを得ないという形で承認するのか、これは日本政府の態度が非常に私は基本的には重大だと考えますが、最初にまずその点からお聞きしたいと思います。
  130. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、それを承認とか承認しないとか、現実の事態が起こっているのですから、日本の承認とか承認しないとかという問題じゃなくして、不幸なことだと私は思っておる、こういう事態を。そのためには一日も早く、これは両方とも言い分があるに違いない。やはりハノイから言えば、非武装地帯を侵したと言うし、また南ベトナムから言えば、ハノイのほうが非武装地帯を先に侵したというような言い分があるでしょうし、そういうふうな、これは結局はそういう問題、何か両方の並行線みたいなものが紛争を拡大しておるのですから、いずれの場合でもそうです。両方の言い分がどちらかといえば自分の立場というものからものを言うわけですからして、それがやはり紛争を拡大するわけです。したがって、私は、そのときにこれを承認するとか承認しないとかいうのでなくして、一体どうしたらこの不幸な戦争を早く終息できるかということに日本もまた努力しなければならなぬし、各国とも努力しなければ問題の解決にはならない。あのことだけをとらえて承認するか承認しないかというだけで、そういうことが起こっておる事態は何かといえば本来のベトナム戦争ですから、やっぱりこれを終息するために努力をすることこそ一番今日のやっぱり根本の問題ではないかという考えでございます。
  131. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう説明ですけれども、これは政府のいままでの態度を見ますと、トンキン湾以来、アメリカ軍事行動についてはですね、結局はこれを肯定するという前提に立って、そうして外交を進めてきたのがいままでの姿じゃないかと思うんですね。今度の問題についてもまあ不幸なことだというふうに言っていますけれども、とにかくアメリカの侵犯の事実というものを、やはり私たちは厳重にこの問題についての判断を明確にするということが今度の問題を解決るするためには必要だと思うんです。日本政府はあいまいな態度でそういうことを言っています。しかし、結局はどういうことだ。今度の侵略の具体的な姿を見ても一体どういうことが行なわれているか。これには日本がやはり相当参加しておるわけでしょう。日本の基地を使用しておる、兵器、軍需品の製造、輸送、補給などというものをこれは行なっておる。こういう前提に、こういう問題に依存しなかったら、今度の侵略というものはやはり私はこれはなかなかやり得なかったと思うのです。そういう意味では政府は加担者であり、悪いことばで言えば共犯者的なそういう立場に立っておるんです。その問題を私は現実にやめる、あるいはそういうことを厳重にもう拒否する、そういう立場に立ったら、いまのような不幸な事態、これに対してあくまでも抗議をする、そうしてほんとうに世界の平和の方向に努力をするということが言えると思うのですけれども、言っておることと、やっておることがこれはうらはらになっておる、そこがやはり問題なんです。この点を明らかにしない限りはこのベトナムの問題というのは抽象論議を何ぼやっても具体的にならない。こういう点についての責任はどう考えておりますか。
  132. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは世界のどこの場合でもそうだと思う。紛争が起こった場合にやはり一方的に、もう何にも原因がなくして、そうしてある一方だけが行動を起こすというような場合はほとんどないのではないか。だから、たとえば非武装地帯の問題でも、非武装地帯に入った、これはけしからぬ、また向こうから、アメリカ側からいえば、いや、ハノイの、北ベトナムのほうから正規軍をやっぱり入れたからこういうことになったのだと言って、いつまでたってもこの並行線をたどっていくから紛争というものが起こってくるので、だから割り切ってしまって、もうどちらかの側に割り切ってしまって、そうして一切ほかの、相手がみな悪いのだと考える、そういう割り切り方をすればきわめてもう問題は歯切れよく断定がでますけれども、私はそうでないんじゃないかと、実態は。両方に言い分を持っておる。だからそこで一方だけの立場に立って一方が一切悪だという割り切り方は私はできない。だからここに私が使っておることばは、不幸なことだ、ああいう残念なことが行なわれるということの事態をなくするために一体どうするかといえば、その戦争のもとを、やはりこれを終息さすように持っていくよりほかにないではないかと、こう言っておるので、やはり両方私は言い分がある。両方の言い分がなかったら紛争は起こらぬと、こう私は思います。
  133. 岩間正男

    ○岩間正男君 今度のベトナムのですね、行動ということをもう少しやはり具体的に事実に即して本源から解明する必要がありますよ。これは私、もう一昨年から昨年にかけてこの問題をだいぶ前外相と討議しました。ここで再び繰り返そうと思わない。どっちが一体何をどんな形でやったか、一番手っとり早く考えてわかることは、とにかくベトナムはアメリカから一万キロ以上離れたアジアにあるということです。そうして一万キロのかなたから、なぜ一体あの大陸に取りつかなければならないか。それからジュネーブ協定の数々の侵犯の問題は、私は具体的に条項をあげて、それから実体論に触れて論及したところです。いまのような無性格にどっちも悪いのだ、だから紛争が起こったと、こういうことを言ったって、これは世界の人を納得させることはできませんよ。日本の良識のある人たちは、こういう実態については今日知っておりますよ。だれが一体侵略しているか、だれが一体犯罪者か。この問題について、ここで私は論及すれば時間がかかるからやめますけれども、いまのような形でいけば問題はどっちも悪い、従って両成敗だ、こういうようなやり方でこの問題は絶対に解決しない問題だという点を基本的に腹に据えなければ、絶対に解決がつかないということを私は特にむしろ忠言しておきたいと思います。  そこで聞きますが、今度の新たな軍事行動について政府は、アメリカ政府から事前に何らかの通告を受けましたか。それからまたその後何らかのこの問題についての申し入れがありましたか、これはいかがです。
  134. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 外務大臣に関する限りは、そういう報告は受けておりません。
  135. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、あれだけの重大な軍事行動をやる場合には、日本政府は一切つんぼさじきだと、こういうことになりますか。この前のハノイ、ハイフォンの爆撃のときには、一週間前に、これはアメリカからイギリス政府には通告をした。イギリスの首相がその問題について非常に心配しているということは新聞にも報道されましたが、この問題にしても、爆撃のあった日に私はやはり外相を追及したわけですけれども、日本政府は、今度の場合については何らの事前のそういう通告というものがなかったのですね、ないのですね。
  136. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私に関する限りは、そういう報告は受けておりません。
  137. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると今度の侵入が始まった、非武装地帯への侵入が始まった例の五月十八日ですね、その三日前には、これは何か行なわれている。日本で日米安保協議委員会が行なわれたんじゃないですか。三木さん、あなたも参加されて、防衛庁長官も参加して、アメリカからはシャープ太平洋軍司令官と、それからジョンソン大使が参加しているわけでしょう。その席上で、こんな話は全然におわさなかったのですか。これはどういうことになるのですか。
  138. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この席上において、非武装地帯への今度のような軍事行動は話されませんでした。
  139. 岩間正男

    ○岩間正男君 シャープ太平洋軍司令官が参加しているわけですね。自分のじかで起こっている問題、そういう問題については何らのこれは事前の通告もない。むしろ、暗示的に話しをするというようなこともなくて、そうしてこういう大事件が、まさに段階を画するようないわば新たなこれは一つのエスカレーションの段階が性格的にも変わってきた、そういうような事態が行なわれていいのですか、三日後ですよ、だまし討ちみたいに。日本というのは、いつでも自由主義国の非常に重要な一員だ。それで日本が入っていなければベトナム戦争を遂行するのは不可能だというようなことさえアメリカの上院の証言の中ですでにしばしば行なわれている。そういう体制の中で、利用するものだけは利用する。しかし、こういう重大な事件については何一つこれは知らせないというのがアメリカのいまの態度ですか。この点を対等とかなんとか言っているけれども、これは問題にならぬのじゃないですか、こういうことでは。私は、今度の作戦というのはこれはヒッコリーナット作戦という名称で呼ばれている。それで今度の軍事侵略行動は陸上、海上からの水陸両用の降下部隊のほかに、東支那海からヘリコプターでアメリカ海兵隊を空輸するというような大がかりなものです。これはすでに外相も御存じだと思います。これは防衛庁関係から聞けばいいのたが、そういうような大がかりなものです。これは決して一朝一夕にできることじゃない。少なくとも、今後の準備をするためには、数カ月近い準備期間がなければこれだけの軍の作戦というものは私はできないだろうと思う。こういう準備を一方でやっておいて、そうして日本側は単に協力を要請されて、それだけで実際は何ら事前にこういうものについての通告がなかったと、こういうことなんですか。これでいいのですか、日本外交というのは。
  140. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、日本は日米安保条約があって、これはベトナム戦争が起こる前からあるわけですが、日米安保条約の範囲内における日米の協力関係というものは条約にもなっているわけでありますから、したがって、一々作戦行動はアメリカから全部報告を受けなければならぬということで、それを受けなければ日米関係が対等でないでないかというふうにも考えない。われわれは受ける場合もありますし、受けない場合もある。全部作戦行動の詳細にわたって日本に言わなければならぬという必要のものでもない、そのことによって日米の対等関係が害されるとは考えておらないということでございます。
  141. 岩間正男

    ○岩間正男君 少なくとも、日本は事前に相談相手にされなかったということははっきりしたわけですね。それから通告があったというようなことでありますが、いままでありますか。トンキン湾事件、そのあとでは北爆がありました。その次にはハノイ、ハイフォンの爆撃がありました。そうして今度の事件、少なくとも段階を画するには、四つの私はエスカレーションの段階があると思う、そういう段階について一度でも通告を受けたことありますか。北爆のとき受けないということを私はちゃんと聞いております。これも予算委員会で私はちゃんと質問している。そうすると、通告を受けましたとか受けませんと言っておりましたが、よく調べてみますと、何か公表する前に電話かなんかで向こうが言ってきた、外務省の記録にあるかというと記録に全然ありません、記録を出しなさいと言ったら記録を出せない、こういうことですよ。今度も同じことでしょう。こういう形を何回もやるんですか。日本外交の面目はどこにあるんですか。三木さんだから、私はしっかりしてもらいたいと思う。対等とかなんとか口でうまいことを言っても、三木外交のかなえの軽重を問われますよ。これは表張って言うようだけれども、言わざるを得ない。対等とかなんとか言っても全く問題にならぬ。もし三木さんの立場だったら、さっきからの答弁だったら、事前にこういうことを知ったら、あなた止めなくちゃならない立場だったんじゃないですか。どうですか。
  142. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 岩間さんもご存じのように、日本は軍事的にベトナム戦争に介入しておるわけじゃありませんもので、日本の兵器弾薬というものは同じですけれども、何もベトナム戦争に日本は武器を出していないわけですから、そういうことで、いかにも戦争の日本が片棒をかついでいるようなことは少しオーバーな発言でないでしょうか。そういうことからして、一々こまかい作戦――軍事的には日本は介入もてきないし、しようとしないわけですね。それだからいろいろなマニラで会議をしても呼ばれもしないし、またその前から日本は行けないということを明らかにしたごとく、なるべく軍事的な介入というものに対しては、日本はそれだけのこともできる立場でもないのですから、政府はそれだけの配慮をしておるわけですから、その日本に対して一々作戦がどうだこうだという報告を全部受けなければ、お前は対等の関係で扱われていないという断定も少し独断に過ぎるんでないでしょうか。これは意見の食い違うところでしょうが、私はそのことによって日米関係が対等でないというふうには一向考えてないんです。
  143. 岩間正男

    ○岩間正男君 安保条約によってベトナムへの戦争協力をやっているんでしょう。そうでしょう。いままでの政府の答弁は全部そうですね。日本の基地を使わしているわけです。労務を提供したり、それからいろいろな海上輸送に協力したり、その他たくさん挙げることができますけれども、こういうものは全部安保並びに地位協定、こういうことの発動によってやっている。むろん私は拡大解釈だというふうに考えております。こんなことは成り立たないし、あなたはまたこの前、参議院ですか、ベトナムは極東の範囲外でないという、これはあとで訂正されたらしいですが、そういう発言もされている。そういうことですから、当然これは安保の一員として、安保を構成しているものとして、私はこの問題について向こうが何も言ってこないというのはおかしいと思う。しかも三日前にトップレベルの日米安保協議委員会が持たれているわけですよ。これでは、日本は全然安保に協力だけさせられている、そうして実際はこういう問題についてはほとんどこれは相談を受けていないのだ、こういうふうに解釈していいわけですか。
  144. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは岩間さんと私の考えの違うのは、やはり日本だけが協力させられているというが、アメリカから言えば、日本はこういういろいろなベナトム戦争が起こっても、軍事的にはそんなに日本が助けてくれるわけでもないし、そうして日本だけは守れという義務を負わされているという言い分もあるでしょう。だからこれはやはりそういうものでなくして、日米のお互いの信頼関係の上に日米安保条約はできているわけですから、それを日本だけが利用されてというふりに、そういうふうにものを考えることは、何か日米安保条約というものの評価というものが片寄り過ぎるのでないですか。したがって、われわれこの間の日本とアメリカの日米協議委員会、あの協議委員会でもこまかい作戦をいろいろ日本と相談する会議ではないのです。もっと大きなやはり安全保障という基本的な問題について話し合いはしましても一々、次はこういう作戦を考えています、次はどういう作戦を考えていますという作戦の会議というような性格とは違うので、その会議にこの問題が出なかったからといって、日米対等にあらずという断定は承服いたしかねるとお答えいたします。
  145. 岩間正男

    ○岩間正男君 そんなら協議委員会で何を話したのですか。
  146. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 日本及び極東全体の安全保障の問題の全般の話をしたので、一々個々のベトナム戦争の作戦会議のような性格のものではなかったということでございます。
  147. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは外相のこれに対する対処のしかたですね、この問題に対する、先ほどもちょっと聞いたのですけれども、私はこれは大臣に一番先に聞いたが、アメリカのこういうやり方を肯定するのか、それともこれに対してはっきり批判するのか、これを非難するのか。やはりその意思表示というものが私は外交上一番重要な問題だと思うのです。これがあいまいになっていたのでは話にならない。私はなぜそういうことを言うかというと、いままでの政府の態度を見るというと、結局はいつもアメリカのちょうちん持ちをやっております。そうしてアメリカの行動はやむを得ないのだ、そうしていつも、トンキン湾事件のときからそうですが、これ以上拡大しないのだ、こういうことをまるで一方的に言ってきている。しかし、どうです。政府がそういうことを言ったのが一度でもそのとおりになったことがありますか。ずるずるといつでも限度を越えているじゃないですか。事例をあげれば昭和三十九年八月のトンキン湾事件、四十年三月の北爆、この北爆もこれはもう北のほうの軍事目標だけだ、こういうことを言っていたけれども、どんどんこれは越えていったでしょう。そうして非武装地帯、そういうところまでやっている。病院までやっている、学校までやっている。そうしてその次は四十一年六月のハノイ、ハイフォン、これをもどんどんと絶えずエスカレーションしているのが現状です。今度の問題について私は、やはり同じように限度を越えて北進する、いわゆるベトナム民主共和国に入る可能性だって、そういう危険性ないとは言えない。そういう危険性はいままでのアメリカのやり口、手口から見るというと、十分あるとこれはむしろ解釈せざるを得ないのじゃないかと思いますけれども、この点についてはどういう見解をお持ちですか。
  148. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は北ベトナムの政府の地域に向かって地上兵力を使うようなことのないことを強く私は願うものであるし、そういう見解はあらゆる機会に言うつもりでおります。
  149. 岩間正男

    ○岩間正男君 地上軍のエスカレーションはこれが限度だというふうに考えておられますか。それから一日も早く和平交渉に入るために十七度線で現状凍結以外に方法はない、これは新聞記事ですけれども、こういうようなことが外相の意向として表明されたように聞いております。その点はどうですか。
  150. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はいろいろ平和解決の条件というものを考えてみたときに、結局は十七度線というものでやはり北は北の政府の立場を尊重する、南は南の政府の独立、政治的立場を北が尊重する、そういうことで話し合いをする以外に解決の道はない。ほかにこういう方法があるというならば承りたいのですけれども、あまり世間にもそれ以外に方法というものは、あまりいい、なるほどというようなことは、私は世間のいろいろな和平の動きがあるにかかわらず聞いたことはない。両方とも、結局ハノイにしても南ベトナムにしたところで、暫定的にせよ、あの十七度線で話し合いをつけるということ以外に現実的な解決はないと私は思っております。
  151. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、北進はもう限度だ、これ以上絶対拡大しない、こういうふうにこれは断定されますか。
  152. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はアメリカ当局者じゃないですから、日本の願望を述べておるわけです、地上兵力をハノイ政府の領域に向かって使うことのないことを強く希望したいと、私の願望で、アメリカに対して、戦争当事者でないですからこうだということは言うことはできません。
  153. 岩間正男

    ○岩間正男君 願望で事態が解決できればそれにこしたことはないわけです。しかし、いままでの、外務大臣もそうですが、政府はあらゆる場合に願望みたいなことだけ出してきて、そうして実際は問題はその願望どおりにいかないで、ずるずる限度を越えていっているのがいままでのやり方でしょう。したがって、そういう危険に対処するためにも決意というものがほんとうに出ていない。いつでもだから事態を何か非常にあいまいなものにごまかしてしまうということに使われているのです、この願望は。だから私はそういう点からいうと、これは非常に問題じゃないかと思うのです。ワシントンの消息筋のこれはいろいろな情報が伝わっているんですが、北進は少なくとも当分はあるまいと、そういうことを言いながら、しかし、当分というのはいつまでだかということ、これはもう言えない、これについての非常な危惧の感情を持っている。結局、北爆同様になしくずしに北進ということにならない保証というものはこれはないのじゃないか、こういう観測もあるわけです。したがって、事態というものはいま願望などということで糊塗するような問題じゃなくて、やはり日本が直接関係する問題ですから、日本はそれほどこれに対しては深入りしてないのだということを言っておりますけれども、これは日本の基地使用の一つの例を見てもそうです。もうほんとうにわれわれは横田、立川の空路のところにあります、あそこでものすごい爆音が夜となく昼となく繰り返されていれば、必ず何か作戦が行なわれている。今度なんかもその例です。そういうこと一つ考えてみても日本の実情というものはいま言ったようなことじゃない。これに対してはっきり解決するという、そういう態度をとることが必要なんだ。いまのようなあいまいな答弁ではこの事態は解決つかない。私は、時間の関係もありますから、最後にこのことだけはこれは明確にしておく必要があるのじゃないかと思うのです。第一にジュネーブ協定侵犯の事実ですね、今度の。これは認められますか、外相。
  154. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ジュネーブ協定というものを、北ベトナムの政府軍が、北ベトナムの浸透といいましょうかね、北ベトナムの浸透は国境監視団-ICCなどの報告にも出ておるわけでありますから、それを一方的に岩間さんがアメリカだけがジュネーブ協定に対して違反であるというような断定を下すならばそれは公平ではない。やはりジュネーブ協定できめられたようなことが現実にいま行なわれておるとは言えませんが、それをアメリカだけがジュネーブ協定に対してこれは抵触するような行動があるではないかという断定は、それは事実に対して事実を正確に判断するものではない、こういうふうに私考えております。しかし、ジュネーブ協定の場合とは現実にいろいろな事情が違っておるのですから、私はいつも国会においても言うことは、ジュネーブ協定そのままが現実の情勢にこれが適合するというふうには私は考えてない。だからジュネーブ協定の精神と、こう常に言っておるのは、非常に事情が違っておりますから、だから精神以上のことは私はジュネーブ協定を引用しないのです。そういうことで、ジュネーブ協定のときとは事情も非常に違っているので、そのときのジュネーブ協定をそのまま持ってきて、アメリカだけがジュネーブ協定の侵犯者であるという岩間さんの判断には私は賛成しないということでございます。
  155. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると何ですか、これはベトナム民主共和国側にもジュネーブ協定の侵犯があったということなんですか。そういうことになりますか。
  156. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはICC――国際監視委員会の報告書の中にも、北からのやっぱり浸透があったという報告が出ておりますから、これはやっぱりその報告というものはわれわれとしても判断をするときの有力な材料にせざるを得ないということでございます。
  157. 岩間正男

    ○岩間正男君 国際監視委員会そのものの性格が非常にこれは問題になっているところです。どういうふうにして構成されたか、そうしていままでどういう事態を――これはわれわれはしばしば論議したのだが、こういうものをあげて日本政府が根拠にするということは非常に私はこれは不十分だと思うのですよ。やはりもっと事態を明確にする必要があるし、それからジュネーブ協定の精神とかなんとか言って問題をはぐらかすことは非常にもってのほかです。やはり大もとをただすという立場が私は非常にこれは重大な問題なんで、この点に立つということ、そこのところの認識が非常にあいまいですね。何といいますか、いろいろな外相の説明では雰囲気をずっとばらまいて、そうして問題の核心から遠くなるような答弁を盛んにやっていますが、これは私は危険だと思うのです。だから私は、そういうことですから、まず第一に、どうしてもこれは政府に要望しなくてはならないのは、エスカレーションによる戦争の新たな拡大に対して絶対にこれは許さない、したがって、はっきりアメリカにこれは抗議すべきである。それからアメリカ軍――問題はやっぱり結局アメリカ軍がベトナムから撤退する、こういう条件のもとでなければ途中で和平交渉とかなんとか言ってもそれは話にならぬというのがこの問題の解決の一つの大きなかぎだ。そうして日本の立場からいえば、当然沖繩をはじめとする日本全土の基地使用あるいは兵器、軍需物資の輸送、製造、そういうものの戦争協力をやめる、そうして重大なこの緊迫したこの脅威を解消するために努力をする、私はこういう点ではっきりした態度を打ち立てる以外にこの問題の解決というのはあり得ない。結局いままでのような政府の態度で、あいまいな態度をとっておることによってアメリカの戦争拡大に協力をしたということになっている、口では協力しないと言っているけれども。具体的には何らのこれに対して歯どめにはならなかったでしょう。いままで日本外交何かやりましたか。何もやらなかったじゃないですか。そして今日まできたのじゃないですか。私はこういうことを考えるときに、これはほんとうに政府ははっきりした立場に立つべきだと思うのです。  それから侵略者はだれかという問題。侵略者はだれかという問題を明確にしなければなりません。これはアメリカ侵略者であるということはもう明らかでしょう。それからベトナムの戦いはあくまでベトナム人民のこれは正義、独立の民族解放の戦いだということ。これはアジアの共通の立場に立って日本人民がそういうことをいま望んでいるのですよ。先ほどから言うように、人数から見るというとどうだこうだということを言っていますけれども、これはとんでも話、いまの日本人民の動きというものを了解しない点にあるのじゃないかと思うわけです。私はそういう点からこれははっきり政府に要求したいと思います。  それからもう一つ、次の問題ですが、これは気象庁長官が見えておりますからお聞きしますが、次は、富士山のレーダーを米軍の横須賀基地ですか、ここに分岐したという問題です。これは非常に重大な問題じゃないかと私は考えるわけです。これもいままでのベトナムの戦争と無関係ではありません。お聞きしたいのは、本年四月の日米合同委員会で米軍から富士山の観測レーダーの映像を米軍横須賀基地に分岐してほしいという申し入れがあって、日本側はこれに合意して取りきめを結んだといわれておりますが、これは事実ですか。
  158. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 四月十三日に合同委員会で合意をいたしました。
  159. 岩間正男

    ○岩間正男君 結んだ相手はだれですか。
  160. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 日米合同委員会の上で合意をしたわけでございますので、日米合同委員会に出ております向こうの、米軍のアメリカ側の委員でございます。
  161. 岩間正男

    ○岩間正男君 相手は――気象庁長官とアメリカ、横須賀の何ですか、基地の司令かだれか。どうなっているのです。その合同委員会の合意書そのものはどうなっているのですか。合同委員会の人来ているでしょう。
  162. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 合同委員会の合意は、日本側は北米局長が委員長をしておりまして、アメリカ側は在日米軍の参謀長……
  163. 岩間正男

    ○岩間正男君 在日米軍の何という人ですか。
  164. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 参謀長ウィル・キンソン少将です。それが向こうの代表でございまして、その両者の署名によっております。
  165. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますと、これは気象の分科会というのがありましたね、日米合同委員会に。この気象分科会の仕事じゃなくて、直接何ですか合同委員会の本委員会でのこれは契約になっているわけですか。
  166. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 合同委員会は地位協定実施上非常に広い範囲のことをやっておりますので、その、実施のために各種の小委員会がございまして、いまの気象委員会もその小委員会の一つでございまして、小委員会での話がまとまりましたところを合同委員会のいわば本委員会において何代表間に署名をかわすわけでございます。
  167. 岩間正男

    ○岩間正男君 この合意書は何番ですか。このナンバーか何かあるわけでしょう。どういうふうな何になりますか。
  168. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 各種の合意はその日付と件名でしるしておりまして……。
  169. 岩間正男

    ○岩間正男君 何月何日……。
  170. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 四月の十三日だったと思います。ちょっと調べます。四月の十三日でございます。
  171. 岩間正男

    ○岩間正男君 何という名前になります。合意書の名前、題目。
  172. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) ただいまちょっとその書類を持ち合わせておりませんので、件名はいま申し上げられません。
  173. 岩間正男

    ○岩間正男君 件名はあとで調べて、だれか電話をかければすぐわかるのだから、調べてください。  この中身はどうなんです。この取りきめた中身は。  ちょっとその前にお聞きしますが、日米合同委員会で合意書をやる前に覚え書きをやったはずです。覚え書きがなければどういうような取りきめだかそれはできないわけでしょう。覚え書きである程度の合意に達して、それを今度は合同委員会に移したはずでしょう。その覚え書きはありますか。気象庁にあるはずです。
  174. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) ただいま申し上げましたように、ちょっとこの件名はいま記憶しておりませんですが、気象小委員会において案が出まして、それを合同委員会に上げて合同委員会で合意に達したものでございまして、その合意そのものは、御承知のように、そのまま発表しないことになっておりますが、その合意の内容については気象庁長官からお話し願えると思います。
  175. 岩間正男

    ○岩間正男君 私の聞いているのは、この前の地図のときもそうだが、地図はMSA協定に従い、それによるところの交換公文できめられている。しかし、その前に予備交渉をやっているわけでしょう。覚え書きができているわけだ。日本の国土地理院、当時は地理調査所ですが、この地理調査所と米軍の地理局長ですか、この間にちゃんと覚え書きが出て、それを今度移されて、それを前提にして合意書ができておる。そういう段階を踏むのがいままでのあなたたちのやり方だと思う。今度はなんですか、覚え書きがなくて単に話を移しただけということなんですか。そんなことを官庁はやっておりますか。覚え書きがあるはずだ。
  176. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 今回の件は三月の三十日に合同委員会においてアメリカ側から要望を出しまして、それを気象庁において検討の結果、先ほど申しましたように、四月十三日に日本側の米国の案に対する差しつかえないという意思表示をしました。それでただいまお話の問題に対する取りきめをつくったわけでございます。それがただいまお話の取りきめでございます。
  177. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもその辺の関係が――気象小委員会で話がまとまったものを口頭でやったというのですか。覚え書きがあって、その書類がこっちにきてそうなっているんでしょう、いままでは。そこのところは今後また追及したいと思いますが、それではその内容はどういうものですか。どういう内容ですか。
  178. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 合意しました内容は次のとおりでございます。  一番は、六月一日から十月三十一日までの間でございますが、台風を観測した場合に分岐をする信号は、映像の信号――映像、つまりレーダーの映像でございます。それからトリガー信号というのがございまして、トリガー信号と、それから方位角の信号だけでございます、分岐する内容は。  それから二番目は、機器の設置場所とか試験等については追って協議をする。  それから三番目は、三番目の一つは富士山レーダー観測は気象庁の規定によって運用をする。気象庁の規定どおりに運用する。それから同じく三番目の次は、映像に関するブリーフィングはしない。ブリーフィングというのは解説ということでございます。映像に関する解説はしない。同じく三番目のその次は、米側は信号の質、運用については要求しないというのでございます。それから同じく三番目のその次は、米側の機器の維持は米側が行なうということ、それから保守要員は常駐しない。保守要員というのは機械の保守要員でございます。  それから四番目は施設及び維持経費は米側が負担をするというのがその内容でございます。
  179. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは富士山のレーダーというのは、日本の台風に備えるためにつくられたのでしょう。これは三年前でしたか。これは非常に優秀な機械だと聞いておりますが、この観測範囲ですね、これはどれくらいですか。半径どれくらいになりますか。
  180. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 電波がはね返ってくるのは八百キロでございます。しかし、実際にいい観測ができるのは六百キロ半径、富士山を中心にしまして六百キロ半径でございます。
  181. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、九州あたりまでこれ入るわけですね。この観測結果は日本の気象を研究する技術者はだれでもが利用したい、こう思っている、そういう優秀なものだというふうに聞いているのですね。ところが、これは現在は東京の大手町の気象庁以外には受信装置がないので利用ができないということです。ですから、研究者や技術者は利用できない。ところが、それをいま米軍にこれを突如として分岐する、こういうことになったわけですね。これはどういうことなんですか。大体この気象庁の設置というのは何を目的としているのですか。これはまあ運輸省の設置法を見ればわかると思うのですが、この性格はどういうことなんですか。何のために一体この富士山のレーダーというものはつくったのです。目的は何です。
  182. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 気象の観測網を充実するためでございまして、その一つの大きな目的としましては、天気予報の精度を向上させる。あるいはそれに関連しまして台風、豪雨などの災害を防止軽減するという目的でございます。
  183. 岩間正男

    ○岩間正男君 これの申し入れが昨年の八月あったはずでしょう。これについてはずいぶんあそこの関係者は反対の意見があって、一度保留になったでしょう。それを今度の四月になってからこれはむし返しされて、そうしてこれが今度の合意ということになった。しかし、そのとき気象庁考えなかったのですか。米軍に提供する。しかもこれのは横須賀でしょう。分岐するところは横須賀の米軍基地でしょう。どうですか。どこなんです、場所。
  184. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 横須賀に米軍が駐在していることは存じておりますが、その米軍の中のどこにその受信機を置くかということについては私は存じておりません。
  185. 岩間正男

    ○岩間正男君 なんですか、分岐する先、あなたのほうで確めなかったのですか。これはなんでおわかりでしょうな、北米局長、どこです、この分岐先は。これを知らないというのはおかしい。
  186. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) ちょっと誤りを私申し上げました。横須賀の米海軍の気象隊でございます。
  187. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、これはもう米海軍だ、軍事的利用だということは当然頭にきたのじゃないですか。そうして、いまの情勢、先ほどからもこの委員会でも非常に問題になっているベトナムの戦争状態、こういうことから考えるときに、日本はいまベトナム侵略の前進基地としてこれはもう使われておる。そういうものの具体的なこれはあらわれではないですか。日本付近の気象資料というのは、これは米軍の爆撃機の発進や艦隊航行などには密接不可分の関係にある、欠くことのできない条件であることはもう明らかでしょう。それで昨年八月ごろから、これは米軍は執拗に要求してきた。それをなぜこの段階になってこれは分岐せざるを得なくなったのですか。これはどういうことなのですか。こういう問題について考慮をしたのかしないのか。平和利用の問題と軍事利用の問題があるのだが、この軍事利用に、富士山につくられたいわば日本では虎の子の富士山のレーダーを直ちに、――どこにも分岐しないで、そしてたくさんにそういうような研究者なんかの要望があるにもかかわらず、それには応じないやさきに、まっ先に米軍の要求に応じてしまった、こういうことになるわけですか。
  188. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
  189. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
  190. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) ただいまの御質問にお答えいたします。初めに、話があったのを保留したということでございますが、なぜ保留したかということでございます。これはその大きな一つの原因は、米側の要求がどの程度のものであるかということがはっきりこちらのほうにつかめなかったので、技術的にそういうことが可能であるかどうかということを検討をしておったのでございまして、その技術的の検討が済むまでちょっと待ってくれ、返事を待ってくれと言ったのでございます。それがその初めの事情でございます。それから、この分岐につきまして、ただいま岩間先生のお話に関連することでございますが、米側のほうでは、台風が日本の国に、特に関東地方に接近した場合に、日本にある米軍の施設区域における人的、物的損答の発生を防止、軽減するためにこれを使うのだということでございますので、そういうことでございますれば、米側のみならず、一般に気象庁が発表しておりますたくさんの気象資料と同様な内容を持ったものだと考えたからでございます。
  191. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、あなたそう言われるが、専門家の立場から言われますと専門的なことだけ言うのでありましょうが、その結果がどうなるかということは非常に重大でしょう。あなたたちのつくっている天気図もこれは犯罪に使われれば犯罪の大きな一つのもとになるのです。平和的に利用すれば平和的のものですが、これが人殺しの戦争に使われれば、これは戦争の武器になる。凶器になる。そういう観点なしに、日本のいま置かれている別状における科学者の立場というものは明らかにならないと思うのです。全然これに対する考慮が気象庁長官にはないように私には思われるのですが、一体この介意書をあなたは研究されましたか。地位協定の八条をごらんになりましたか。それから気象分科委員会の合意書をごらんになりましたか、なれば何に使うか明確に書いてあるでしょう。書いてないですか、書いてありますよ。ですから、いまのような答弁ではあなたこれは話にならぬ。不勉強きわまりない。分科会の何じゃないですか、気象庁長官は。分科会の委員はだれですか。
  192. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 分科会の委員は、日本側は私になっております。向こう側は第二十気象隊長でございます。
  193. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、それはちゃんとあなた読んでいないのですか。ちゃんとそういうことを規定しているじゃやないですか。
  194. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
  195. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
  196. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちゃんと書いてあるでしょう。「航空機の安全かつ正確な運航のため必要な気象情報を報ずる電気通信業務」、これはもう地位協定八条、「日本国政府は、両政府の当局間の取極に従い、次の気象業務を合衆国軍隊に提供することを約束する。」、その中のこれは一環であり、さらにこれは具体的に言えばこの合意書の中ではもっと明確に出しているはずです。それは外務省で出した資料です。その合意書の中にちゃんと出てくるわけです。ところがいろいろな気象業務、そこで出しているそういう資料というものとは私はわけが違うと思う。施設そのものをそこから直ちにもうそのまま分岐する、こういうかっこうですから、施設そのものをこれは使っているのですよ。こういう例はいままでないでしょう。これは非常にやはり新しい段階なので、非常にこれは重大なんです。こういうことを一体ほんとうに日本の平和利用の立場、民生安定の立場、そうして年々激増している台風の被害から日本を守るという使命すら、この日本のために建設された富士山のレーダーというものを、米軍のしかもいま当面するベトナム戦争の中に利用しよう、そういう方向にこれを使うことに協力したのだ、こういうことにこれはなっているわけです。  そうしますと、外務大臣にお伺いしますが、こういうことをやっていますと、横須賀に分岐を許せばいまに当然府中でもほしい、立川でもほしい、横田でもほしい、こういう事態がこれは起らないという保証はないわけです。行政協定によれば当然これらの要求があった場合には応じなければならぬということになるのですが、これに対してどういう一体措置をとるのです。日本の気象業務はめちゃくちゃになるじゃないですか。
  197. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 気象情報の提供というものは、これは日本も協力することになっておるし、米軍あるいは米軍の家族、こういう気象情報の提供というものは軍事ばかりでもないわけでありますから、これは協力することに特別の意味を岩間さんはお持たせになるようですが、しかし、気象の情報というものが、何か軍事ばかりに結びついておるというのもどうでしょうかね。いまの状態は、これはやはり平和――われわれでも気象というのは、非常にやはり毎日ほかのことは聞かなくても気象情報は聞きますし、軍事ばかりにこれを結びつけて考えることこそ少し片寄った考えでないですか。
  198. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは軍事ばかりでむろんないでしょう。きょうは晴れだとか雨が降るとか、そういう日常生活に関係しているでしょうが、しかし、特に米軍がこれを要求する。しかも安保条約の第六条による地位協定、その地位協定の八条、それによる日米合同委員会、その合同委員会による合意書、こういうものの中にはっきり軍事利用というのが書いてあるのですよ。こういう限定の中におけるところの分岐なんです。このためのレーダー映像の分岐というのは、そういうことを考えるとき、私はお聞きしたいのだが、どうなんです、府中、立川、横田その他の米軍の基地において、再びそういう分岐をやってもらいたいというときに、これはどうなんです、応じますか。こういうことにどんどん応じていきますか。民間には何も応じない、民間の要求には応じない、どうなんですか。
  199. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは岩間さんと考えの違うところは……。
  200. 岩間正男

    ○岩間正男君 違わないですよ。
  201. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) いや、あなたは安保条約反対、破棄という立場でしょう。われわれは安保条約によって日米共同防御の条約を結んでいるのですから、それだけの条約を結んでいる以上は気象情報などもできるだけ便宜をはかるというのが、この条約を結んでおる日本の立場であると思う。日米安保条約がけしからぬという立場ならばこれは非難攻撃の対象になりましょうが、われわれは共同して防衛しようという相手に対してできるだけの情報を提供するということは当然ではないか。次々にこういう要求が出るというのは、これは気象庁においてもいろいろ検討なさるでしょうが、そういう気象の情報を提供するということは、これはもう防御の共同責任を持っている国としてはできるだけそういう情報を提供するということは当然のことで、あまりこれに対して目に角立てるというほどのこともないのではないでしょうか。これはもう当然のことじゃないか。防衛の共同の責任を持っているのじゃないか。それが気象の情報を提供する、これもいやだといったらおかしな関係ですからね。われわれは、そうあなたが言うほどに、このことが非常に何か悪いことをしているようには思わぬですがね、あたりまえのことをしていると思っている。
  202. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 訂正のほうを先に申し上げます。  さきにその条約を締結したのは私だと言いましたけれども、これは前前長官の和達さんでございました。その点を訂正いたします。  それから次でございますが、岩間先生がいまおっしゃいました府中からもくるし、あっちからもくるし、こっちからもくるというようなことが考えられるとおっしゃいましたが、それはごもっともなことでございまして、そういう場合にはそれが一つはその映像を受ける相手の受け入れ態勢と申しますか、技術的にその能力があるかどうかということも判断しなければなりませんでしょうし、それからもう一つは、気象庁のほうでそれが可能であるか、あらゆる条件において可能であるかどうかということを判断しなければならないと思います。そういうような総合判断に立ちまして、そういう申し入れがあったときにはそのつどそれをどうするかということを検討していきたいと思います。  それから、立ったついでで失礼でございますけれども、米側に対してこちらから提供しているばかりではもちろんございません。先生御承知のように、台風の場合には向こうから台風の飛行機観測のデータその他たくさんのデータを米側からもらっておりますし、こういうような気象業務でございまして、これは米側のみならずソ連のほうからも、中共からもたくさんの気象データがきているというふうな現状でございます。あわせて付け加えておきます。
  203. 岩間正男

    ○岩間正男君 いまのような答弁ですけれども、先ほどから言いましたように、これは何に使われるかということはもう一目りょう然じゃないですか。それでその内容について、科学者や技術者はやはり責任を持つべきだ。しかも私は、外相の先ほど答弁ありましたけれども、明らかにこれは平和利用のために、民生安定のために、これを第一義としてつくられているのだ、富士山のレーダーは。そうでしょう、はっきりしている。気象庁の任務はそこになくちゃならぬはずです。戦前はいざ知らず――戦前は軍との関係は相当深かった。しかし、戦後においてはそういうことになっていないわけだ。そのやさきにこれを今度は米軍がこういうような要求をしてくる、こういうしかもこの機械そのものから直接映像を引きたいと、こういうことです。私はこういうような問題について、いまのようなあいまいな態度をとっておれば、気象業務そのものは非常に私はいろいろな被害を受けるだろう。現在でもそうでしょう。日本政府は五十一点の陸上観測所の観測結果を米軍に提供して、そうしてこれによりましても、この合意書によると三十一名の統計要員が、さらに多くのキーパンチャー、こういうような者が米軍専用のそういう仕事をしている。そういうような中に、またいろいろこの気象業務についても、最近はまた自衛隊に移管しろとか、そういうような行管のあれなんかも出ているようです。行管なんかでも、いま自編隊と民間が共通で使っているそういうところの気象業務についてはこれは自衛隊に移管すべきだというような勧告なんか出ている。だんだん軍事利用のそういう方向にいくのですね。私は限度というものがある、そうしてこういうことを許せばこれはとめどがなくなってくるのじゃないか。そのために非常に気象業務が混乱するのじゃないか。それから人数も要るわけでしょう。このために人数をふやすのかどうか。当然労働強化の問題も起こってくる。こういうことになるというと、これはひさしを貸しておもやを取られるということがあるけれども、これはそのとおりになる可能性だってある。それがしかもいま問題になっているじゃありませんか。どうですか、なっていませんか。何でも差しつかえないと言っているのですが、これは長官御存じですか。いま問題になっているでしょう。たいへん問題になっている。どうなんですか。
  204. 柴田淑次

    ○政府委員(柴田淑次君) 先生のおっしゃることちょっとよく理解できないのですが、自衛隊に対して業務を移管するとかというような話であれば、そういうことにつきましては目下検討中でございまして、行管のその勧告の中に、そういうことが入っているというようなお話でございますが、確かにそういうようなものにつきましては、現在検討をしている最中でございます。
  205. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかくこの問題は、いまこういうふうに出されてきて、そうしていまのような答弁をなされているのだが、日本の安保体制下における科学のあり方、技術のあり方というものが、いま非常に私は批判されている、こういうふうに考えていい問題だと思うのですが、何とかそれは安保条約があるのだから、協力するのはあたりまえだ、そういうことなんですが、本末転倒しては困るということなんです。何のためにこれがつくられたか。台風の被害というものは年々激増しているでしょう。それに対する切実な要求があるのだから、こういう緊急の要求とか、そういうものに応じていくことをどれだけやっているか。それが欠けていて、米軍の要求に対しては一も二もなく了解する。これではまずいのではないか。この前、軍用地図の問題が問題になったやさき、この軍用地図の問題より私はもっと切実な問題だと思うのですよ。私は日米合同委員会のあり方が非常に問題だと思うが、どうですか。日米合同委員会というものは、米軍のこういう要求についていつでも要求を引き受ける引き受け所になっているのではないですか。だから、もうそういう中では、逆に国民が迷惑をしようが何をしようが、不利益をこうむろうがどうしようが、とにかくそういう犠牲を払っても、米軍のそういう要求を優先するというのが現在のやり方じゃないですか。私は聞きたい。大体この日米合同委員会というものはどういうふうに運営されているのか。年に何回かこれは開かれているのか、できれば資料としてほしいのです。これは改定以後でよろしいです。改定以後にどうなっているか。それから分科会は幾つあるのです。現在幾つに分かれているのか。それから合意書の数は、この前も、安保国会のときに、これは社会党の皆さんとわれわれとが共同して要求をして、結局出したのはこれです。これによると、三十五あった。これがもっとふえているのかどうか国会で一ぺんも論議されていない。これが安保の実体。これが安保だ。安保というものは条約ではない。日米合同委員会なり、その下のこれなんだ。これによって、こういうふうなわれわれ自身の生活がいろいろの被害を受けているのが安保だ。ここのところの実体を明らかにしないで何の安保であるのか。安保の改定の問題は先ほどから言われておりますが、安保の内容は変わっていますよ。議論は時間がないから言いませんが、安保の内容は変わっている。変わっていると、こういうことが指摘できる。それなのに安保の改定とか何とか言っている。極東の範囲が変わってきている。日米合同作戦の問題が出てきています。こういうような問題、それからもう事前協議なんというのは、全く空文になっておる、内容が変わっているのです。そういう中で、どういうふうにこの合同委員会が運営され、分科委員会が現在幾つあるか、それから合意得の数は、これは幾つあるのか、それから合意書に定めていないことも、米側の要求があれば新しく応じているのか、この合意書できめるのか、しかも、この合意書というのは国会にも何にもかけたものじゃありません。地位協定も全然審議されていないものである。いわばこれは一方的に自民党の多数を頼んで通したものです。これは決して国会審議を通ったものじゃありません。したがって、なおこの合意書に至っては、これは全くわれわれの知らない間に、われわれの権益というものが、日本人の人権というようなものがずいぶん侵害されている事実を私は見るのです。具体的にはいまの一例がそうであります。こういうふうにしますというと、私は、どうしてもこれらの問題を明らかにされることが、外務当局の任務じゃないか、いまのような問題を、これは資料として提供していただきたい。それから米側の要求をいままで日米合同委員会で拒否した例があるのかないのか。ほとんど言いなりじゃないですか。向こうの言ってきたとおり、そのとおりになっておるのがいまの姿じゃないかと思うのです。以上の点についてお答え願いたい。そうしてお答えのできないところは、これは資料として提出を要求します。
  206. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 合同委員会は隔週、一週間おきにやっております。それから、ここでやることは法律の範囲内、政府の権限内のことでできることに限られております。また、その合同委員会の仕事の範囲は、地位協定実施上のあらゆる問題を含みますが、その分科委員会は、ちょっと数えましたところ、十七ございます。それぞれの政府機関が、担当の職務に関して、法律上与えられた権限の中において、地位協定の運営上の問題を処理しておりますので、それが米軍の注文だけをそのとおりやっておるかという点につきましては、たとえば施設提供の問題にいたしますれば、この委員会において施設の提供もやりますし、返還もやりますし、また、向こうからの要求がありまして、それを断わった例もたくさんございます。また、刑事裁判権というような問題に関しましても、いろいろ、たとえば有名な相馬ケ原の事件なども、ここにおいて日本側の利益も十分守ったような解決をしていることでも、合同委員会の運営方針というのは十分おわかり願えるのではないかと思います。  なお、合意書の数につきましては、合意書と申しますのは、たとえば手続とか準則とかいうものをきめたものがたいへん多うございますので、その後、合意書という形のものはそれほどふえていないと存じますが、これは後刻取り調べてお知らせ申します
  207. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、委員長からこの要求をしていただきたい、いまの資料ですね、合同委員会の構成。
  208. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  209. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記をつけて。
  210. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういうことが非常にいまの安保体制になれっこになって、いつの間にか、国民の知らない間に陰のほうでいろいろ事態が起こっておる。そうして、われわれは上層気流だけ見ても話にならない。安保の実体そのものをここで再検討する必要があるわけです。どうしてもこの点について、外務大臣もこの点は意を用いていただかないと、やはり国民のこれは生命、財産、権利に関する問題ですから、この点をやはりはっきりお答えいただきたい。  次にお聞きしますが、地位協定第七条、それから十二条に伴う役務の提供について、間接雇用と直接雇用の区別がなかなかわからないですね。時間の関係から私はお聞きしますが、LSTの場合これは現在数と乗り組み員の生命の保証の問題。  第二は、C1型の乗り組み員百六十人は、これは日本政府の直接雇用だと思いますが、これはどういうふうになっているか。  それから第三には、野戦病院の医師、看護婦、要員、こういう人たちはどういう形になっているのか、直接雇用か間接雇用なのか。それからほかの方法なのか。それから、そういう中で、すでに救護要員名簿というようなものがつくられているということを聞いておりますが、この有無、それから経費。  それから第四には、MACチャーター機のスチュワーデス。  それから南方向け建設要員。  それからアメリカの艦船修理のための労務者。  それから第七は、米軍の港湾荷役に従事している労働者。  こういう人たちの雇用関係、身分、待遇、こういうようなものについて、これは明らかにする必要が私はあると思う。つまり、日米合同委員会というのは、安保六条によるところの地位協定によって、米軍の施設、区域、それから労務、それから備品とか、そういうものを提供することになっているのですが、それがいま一つの窓口で統一されているのかどうか、米軍は直接雇用をどんどんやってきて、そういう間で非常に混乱をしているのじゃないかという点が、私はこの安保の現在の適用の中で問題になると思うのです。これはぜひ資料的なもので出していただきたい。これについて一々聞いていますというと、私だけ時間をとることはできませんから、これは資料でお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  211. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) ただいまの一点だけお答えいたします。  先ほどお話が出ましたLSTの船員は、これは直接雇用でございますが、私の知る限り、その他は全部間接雇用になっておるはずでございます。  なお、いまおあげになった点に関しましては、あとでもう一ぺんよくさらいまして、できるものはお知らせするようにいたします。
  212. 岩間正男

    ○岩間正男君 最後に、MSA協定についてお尋ねしたい。MSA協定というのはまだ生きているのですか。生きているのですか、死んでいるのですか。
  213. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) まだ有効でございます。
  214. 岩間正男

    ○岩間正男君 軍事援助の実態はどうなっているのですか、援助の実態。これは防衛庁でもいいのですが、防衛庁答えてください。
  215. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 一般的なことはお答えいたします。それから足りない点は政府委員をして補足せしめます。  そこで、MAP――アメリカからの軍事援助というものは、本年からはございません。昭和四十二年からはございません。  そこで、MAS――FMSとも言っておりますが、フォーリン・ミリタリー・セール、これはアメリカの政府が日本の政府にわりあいに安く売ってくれるもの、これは多少残存いたしております。おそらくアメリカからの需要の関係が約九百億円だと思いますが、九百億円のうちの二百億円か三百億円、きわめて僅少なる額が、二割か二割が、昔でいえはMAS、いまでいえばFMS――フォーリン・ミリタリー・セール、政府の提供するもの、われわれ購入するわけでございまして、無償で援助を受けるという関係はもはやなくなったわけであります。総額九百億円くらいであって、そのうち、大ざっぱにいって、二、三百億円が昔のことばのMAS、いまのことばのFMSであります。あとは一般購入でございます。
  216. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  217. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記起こして。
  218. 岩間正男

    ○岩間正男君 それからお聞きしたいのは、物資調達の現状と、それからMSA資金ですね――これは外務大臣でなければわからない。これはどういうふうな経理の状況か、どういうふうになっているか、それから、これに関連する協定七条の軍事顧問団、先ほども質問あったと思いますが、これはどういうことですか。高級者、A、B、Cというふうになっておるのですが、この人数はどうなっているか。それから現在何人いるのか。それから、いま何をやっているのか。それから経費負担はどうなっているのか。私は、先ほどのこれは防衛庁長官の答弁もありましたように、MSA協定というものはもう半ば死んでいるでしょう。形だけ残っている。しかし、軍事顧問団というのはこれは相当な数いるんでしょう。去年ですか、去年の答弁によると百二十七人いる。これは外交官の特権を受けている。そうして車のナンバーなんかもつけない。それから外交官のいろいろな記帳なんかしない、そういう特権で実はこれ何をやっているのか。そしてMSAの問題が非常に問題だと思います。無償援助が打ち切りになって、そして三次防なんかでは非常に体制が変わり、そういう中で、一体MSAというものはどういうふうに処理するのか。実体がないのにこのMSA協定が生きている。ことに現在問題なのは、物資の調達の現状だと思うんですね。MSAの調達、これはどうなっているのか、その点について。しかも、これについての処理の問題、どういうふうにこれは処理するのか、外務大臣にお聞きしたい。
  219. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) それだけでよろしゅうございますね。
  220. 東郷文彦

    ○政府委員(東郷文彦君) 在日軍事顧問団の仕事は、先ほど防衛庁長官のお話のように、だんだん先細りになっているのは事実でございますが、なお、援助の実施上幾多の仕事がありますので、今日も軍事顧問団がおるわけでございまして、現在おる人数は八十一名、なお、顧問団の行政的事務費を日本側から出すことになっておりまして、本年度たしか三億三千万円、この内容は、現地雇用と申しますか、日本人使用者の給与とか光熱費であるとか、こういったものでございます。
  221. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) それでよろしいですか。
  222. 岩間正男

    ○岩間正男君 あとは資料で出してください。  〔主査退席、副主査着席〕
  223. 藤田進

    ○藤田進君 岩間君の熱意にはほとほと何と申しますか、感服いたしますが、私は、外務省三百三十四億の予算の中でかなり多くの部分を占める八十三億の経済外交の部分について、これからじっくりお伺いしたいと思いますが、時間はどのくらいいただけますか。
  224. 瀬谷英行

    ○副主査(瀬谷英行君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
  225. 瀬谷英行

    ○副主査(瀬谷英行君) 速記起こして。
  226. 藤田進

    ○藤田進君 ただいま懇談いたしました時間では、あと約四十分ということですが、経済外交全般になってまいりますと、なかなかそうはまいりません。どうも空腹になりますと、聞いていていら立たしくなるようで、赤子なら泣くところでしょうが、何か短気になってくる。ですから、これか中途半端に終わってもしかたがないので――いま秘書官に聞くと、何か二時から面会が待っているということで、とても落ちついて質問ができるようじゃない。岩間君ほどの心臓の持ち合わせがないので、ここで、外務大臣が、一応暫時、食事もしていないようですから、同時に何か用件があるようですから、これから私はできれば、あとの衆議院の本会議後ということにしていただく以外にないと思うのです。したがって、いまこの際は、資料だけ要求しておきたいと思います。  それは、非常にきめのこまかい外交ということをよく言いますけれども、実はアメリカとの関係では、外交官は外交特権ですけれども、一般の旅行者あるいはアメリカ在住者、これが一つのサンプルです。自動車の運転免許について国際協定をおととし結びましたね。しかし、あれがアメリカとの関係では、非常に片手落ちの実は処理になっていて、相当ゆがみが出てきております。そこで、どういうふうになっているのか、日本人がアメリカに行けば、国際免許は旅行者の一時的なものであって、半年、一年以上になりますと、また受けかえなければならぬ。ところが、アメリカ人が日本に来れば、そうなっていない。また、州が変わればまた試験を受けかえなければならぬというふうな、非常に煩瑣な状態で、不満が多い。交流も非常に多いし、これについての実態をひとつ資料で出してもらいたい。これに対する外務省の片務的なものをもっと是正をしていただきたいと思うので、対策を含めて検討しておいていただきたい。  以上で、とりあえず外務大臣釈放というとなんですが……。  〔副主査退席、主査着席〕
  227. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記をとめて。  〔速記中止〕
  228. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
  229. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃ、藤田委員から時間の便宜をはかっていただいたので、防衛問題をいささか質問したいと思います。  第一に、海外派遣の問題ですが、私がお聞きしたいのは、自衛官や防衛庁職員で、教育訓練とか海外視察の名目でこれまで海外に出ていった数は何人ですか、その点をお伺いします。
  230. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 海上自衛隊の遠洋練習航海、そのほか海外留学、集団訓練等の教育訓練のために主としてアメリカに行っておりますが、これらの数につきましては、大体最近、海上自衛隊の遠洋練習航海につきましては、約千百人ずつくらい、それから教育訓練のために留学、集団訓練等に出かけております者は、最近やはり約千人前後、そのほかに、沖繩に現地研修に行っております者は、やはり千人前後というところが、最近に海外に行っております者の数でございます。
  231. 岩間正男

    ○岩間正男君 これも時間の関係から、昭和三十年度以降、つまり、遠洋航海、沖繩派遣が始まった年になるわけですが、これらの人数ですね、いまの各種別、内訳してこれを資料として出してもらえないでしょうか。
  232. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 整理するのがなかなかたいへんなんでございますが、大ざっぱにまとめてお出しすることは相談をしてできると思います。
  233. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは統計持っていないというのがおかしいんじゃないんですか。整理するのはたいへんだということですけれども、私はこんなの、統計として、ちゃんとあなたのほうで集計されておるのが当然なんですから、大ざっぱでもいいですけれども、それはしかし、ちゃんとまとめてもらわなければ困りますよ、防衛庁長官どうですか。だから、当然この機会にまとめられれば――ここですぐに間に合わなければ、大ざっぱのものを出しておいても、ちゃんと統計で明確にしておく必要がありますよ、私だけじゃない、今後要求する人もあるだろうし、困るでしょう、いかがですか。
  234. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 調べまして、できるものは提出をいたします。
  235. 岩間正男

    ○岩間正男君 そのうち、南ベトナム、韓国に派遣されているのはどれくらいですか、これの人数はわかりますか。
  236. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 自衛官の南ベトナム派遣ということは全然ございません。サイゴンの日本大使館に自衛官で外交官を兼ねた者が一名駐在自衛官として参っておるのがございます。
  237. 岩間正男

    ○岩間正男君 韓国は。
  238. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 韓国はまだございません。これから一人駐在自衛官を置こうとして折衝中でございます。
  239. 岩間正男

    ○岩間正男君 留学とか海外視察とか、そういう名目でも、ないんですか。そういう形で南ベトナムあたりに行っているのはないんですか。これはかつて問題になりましたね。
  240. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) ベトナムに対しまする視察でございますけれども、昨年四名でございましたか、視察に参りました。それ以外にはちょっと私記憶いたしておりません。韓国はございません。
  241. 岩間正男

    ○岩間正男君 全体として自衛隊の海外派遣の法的根拠ですね、これはどういう根拠によって海外派遣をやっておるのでしょうか。
  242. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) これは単なる海外出張旅行でございます。
  243. 岩間正男

    ○岩間正男君 法的根拠というのは、自衛隊法によるか、あるいは何かはかの関係法規でそういうものをきめられていて、根拠があってこれをやっているわけでしょう。自衛隊法ですか。
  244. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) これは防衛庁と申しますか、自編隊と申しますか、これの任務に関係のあることであるわけでございますが、それの直接の法的根拠というものは、おそらく旅費関係の法規がその根拠になろうと思います。
  245. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちょっといまよくわからなかったんですが。
  246. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 旅費関係の法規がその根拠になると思います。
  247. 岩間正男

    ○岩間正男君 旅費関係ですか、旅費関係のこれは何にありますか。旅費関係の法規というとどういうのです。旅費関係で、何ですか、派遣の根拠があるというんですか、そうじゃないでしょう。根拠があって派遣をして、そうして、その結果が旅費関係ということになるんじゃないですか。
  248. 海原治

    ○政府委員(海原治君) これは海上自衛隊のいわゆる遠洋航海でございますが、それから集団訓練ということですが、きょうちょっと御説明しましたが、さらに個々の自衛官が個別的な出張命令を受けて参りますもの、これは法規の上で申しますと、国家公務員の旅費法に基づいております。
  249. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは自衛隊法とか、それから防衛庁設置法に関係はないわけですか。
  250. 海原治

    ○政府委員(海原治君) 防衛庁法、自衛隊法等に直接このことをきめた規定はございません。
  251. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはたとえば自衛隊法の二十五条ですね、「学校においては、隊員に対しその職務を遂行するに必要な知識及び技能を修得させるための教育訓練を行う」というようなことで、教育訓練の海外派遣関係は、海上自衛隊なんかの場合、こういうことで行なわれているというふうに考えられますが、こういうことじゃないんですか。
  252. 海原治

    ○政府委員(海原治君) 隊法の二十五条は、これに書いてございますように、学校でこういうことをしてよろしい、こういうことをすべきであるという任務規定を定めたにすぎません。その目的を達成するために海外に出張する必要がある場合には、長官がその判断をいたしまして、手続に従いましてそれぞれ命令を受けて出ていく。遠洋航海に出ていく場合も同じでございます。
  253. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは昨年だと思いますが、社会党の鈴木強君の質問に対して、当時松野防衛庁長官で、これは自衛隊法によるものだと、そういうことを答弁しているんですね。そのあたりからわれわれもやっているわけですが、これは速記にもはっきり出ているんだが、その点はどうなんでしょう。この点について統一された見解があるんですか、どうなんですか。
  254. 海原治

    ○政府委員(海原治君) 私、松野長官のお答えになりました趣旨につきましては、実は承知いたしておりません。しかし、私どもが事務的に従来考えておりましたことはいままでに申し上げたとおりでございます。  なお、おことばでございますが、海外派遣というおことばを使っておられますけれども、そういうことばは実は私ども一般的になじんでおりませんので、海外に出かけていく場合というふうに解釈いたしましてお答えをしているわけでございます。それは先ほどから申し上げておりますように、事務手続的にはすべて旅費法に基づいて実施しておる、こういうことでございます。
  255. 岩間正男

    ○岩間正男君 国会で、海外派兵と海外派遣は違うんだというので、海外派遣というのは包括的な、そういうことばになっているわけですからね。で、いまそれについて、海外派遣ということは自衛隊では使っていないという話でありましたけれども、一般的には、そういうようなことは、これは先ほどの松野防衛庁長官の速記を調べてください。四十一年三月二十五日参議院予算委員会、それでこう言っております。遠洋航海は自衛隊法によるものである、こういうふうに答えておりますね。この当時からわれわれやっておるわけですが、それから防衛庁設置法の第五条に、防衛庁の権限は、その二十一に「所掌事務の遂行に必要な教育訓練を行うこと。」、こういうものとは関係ないですか。
  256. 海原治

    ○政府委員(海原治君) 関係がないかという御質問でございますと、これは関係があります。「教育訓練」ということばの解釈になってまいりますが、その教育訓練を実施します内容の一つとしまして、海外の視察を行なう、旅行を実施する、あるいは遠洋航海を行なう、その個々の行為につきまして、具体的な根拠法となりますと、先ほど申し上げたことになる、こういうことでございます。
  257. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでだいぶ明らかになったわけですが、根拠はそこにあるわけですね。どっちなんでしょう、防衛庁設置法にもある、自衛隊法と両方使うのですか、両方根拠になっておるわけですか。
  258. 海原治

    ○政府委員(海原治君) これは先ほど来の質疑応答でおわかりいただけますように、私どもは、岩間委員の御質問が、根拠ということを、具体的な根拠法規という、旅費の支出根拠というふうに解釈いたしますと、これは当然に、先ほど来申しておりますように、旅費支出の根拠となります法規を引用する、しかし、そういうことができることの大もとと申しますか、これは何によるかということになりますと、防衛庁設置法並びに自衛隊法に基づきまして、それぞれ自衛隊の任務に適合した教育訓練の範疇に入ってくる、こういうことでございます。
  259. 岩間正男

    ○岩間正男君 なぜ海外派遣の問題が問題になるかと言えば、海外派兵の問題、一方で問題になっておる。そういう中で、政府はたてまえとして違うのだということを言い出した。しかし、実際の具体的な実行される面から見るというと、非常にそこのところは先にいって混乱される、そういう可能性だってあるわけですから、そういうことから明確にしておく必要があると考えております。  次に聞きますが、防衛庁は昨年九月二十二日に、軍事情勢の視察に、有吉久雄防衛審議官、陸幕第二部長田畑良一陸将、空事調査第二課長武田秋雄一等空佐、これらの人を南ベトナム、タイなどに派遣したニュースがあるが、これは教育訓練ですか。これは教育訓練ではなくて、軍事視察だと思うのですが、いかがですか。
  260. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) これは教育訓練という意味ではございませんで、軍事事情の視察ということでございます。
  261. 岩間正男

    ○岩間正男君 また、昨年の九月二十六日から十月三日まで、正式の防衛庁職員が日本郷友連代表という名目で、公然と軍事視察のために韓国を訪問しておる。この視察に小島和と書いてあるのですが、何と読むのですか、郷友会が、三十八度線視察の目的、第一番が、この北に通じている道路の状況、つまり、韓国軍が首都防衛にあたってどのような配置についているかということが少しは理解できるかもしれないという。第二は、板門店の緊張をはだで感じるということ。第三は、この南北の接点から少しでも北鮮軍の状況を推定できるかもしれないということにあったと報告している。これは「防衛日報」の四十一年十月八日付を読むと、これははっきりしているのですが、これも教育訓練と解するのですか、それとも、そうでないのかどうか。
  262. 海原治

    ○政府委員(海原治君) ただいま御指摘のございました小島という職員は、休暇をとりまして韓国に出張したわけでございます。
  263. 岩間正男

    ○岩間正男君 休暇をとっても身分はどういうことになるのですか。これは公務じゃなかったということになるのですか。身分はそのときの身分としてあったわけですね。そういうところの解釈はどういうふうになりますか。そこ、あいまいになるでしょう。
  264. 海原治

    ○政府委員(海原治君) 私が、休暇をとって出かけたと申しましたのは、身分は、いわゆる公務でございません。休暇をとりまして、その間私事旅行で韓国に参りました。こういうことでございます。
  265. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、そういう手を使えば、これは何ですね、公務でなく私事というようなことでこれは出かける、こういうことはどんどんやれるのじゃないですか。その間どうなんですか、身分はちゃんとあるわけでしょう、籍は。その点どうなんですか。いつでもそういうやり方で防衛庁やっておるでしょう。
  266. 海原治

    ○政府委員(海原治君) これは御存じのように、国家公務員、年に二十日の休暇もございます。この休暇の期間を利用しまして海外に出かけることは決して間違っていることではございません。したがいまして、本人が休暇をとりまして出かけます場合には、しかしながら、その目的地と行動の概要等につきましては、直属上司と申しますか、それぞれ責任を負っておりますところが十分に問いただしまして、誤解のないような行動を前提としまして許可しているわけでございます。この場合も、休暇期間中に、先ほどお話のございました団体の人と一緒に韓国に行くということで正式許可を与えております。
  267. 岩間正男

    ○岩間正男君 先ほど言ったような、これは軍事視察、そういうことを実際やっているのですね。報告までも「防衛日報」に書いておりますね。そうすると、休暇をとればそういうことをやっても差しつかえないと、こういう解釈ですか。
  268. 海原治

    ○政府委員(海原治君) これはいささか御意見に対する、異議を申し立てることになりますが、軍事視察だと私どもは考えておりません。韓国を見物に参りまして、その際、いわゆる休戦ライン等を視察しまして、これは一般旅行者等も実施いたしております。過去におきましても、たとえば防衛研修所の所員がベトナム等に、休暇等に行っていることも、これは先刻御存じのとおりでございます。
  269. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうもこれは抜け穴にならなければいいのですが、みんなそういう時間をとって、何か必要があるとき、公然とやっちゃあぐあいが悪いというようなときに、実際に休暇という名目で相談をして、実際は軍事視察をやるというようなことをやると、これはなかなか問題もあるところだと思います。  その次にお聞きしますが、沖繩への自衛官の派遣は、これはどういうふりになりますか。最近昭和三十二年あたりからの統計ありますか。どんなふうになりますか、四十一年あたりまでの派遣人数言ってください。
  270. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 三十九年が約六百五十名、四十年度が約八百四十名、四十一年度が約千二百七十名でございます。
  271. 岩間正男

    ○岩間正男君 その前どうですか、たとえば昭和三十二年あたり。――これは私の資料、あなたのほうからもらった資料だが、こっちで読みましょう。  昭和三十二年度六人、三十三年度二十六人、三十四年度十六人、三十五年度四十五人、三十六年度四十八人、三十七年度五十九人、三十八年度七十八人、三十九年度から非常にふえております、六百五十一人、それから、四十年度が八百四十二人、それから昨年になりますと、これは私のもらった資料で千二百四十三人、いま七十人というお話で――そうすれば、このようにふえて、大体これらの延べ人数言いますというと、三千人をこえている。この数字の中には、たとえば四十一年度の護衛艦「あまつかぜ」、艦対空ミサイル、ターターの実射演習のために二百七十七人が出ていると思います。四十年度に遠洋練習航海の部隊、これは千四十八人、これは含まれていない。これを合わせると四千三百人をこえておるということになりますね、全体の海外派兵の人数は。そうしますというと、いまの数の全体を合わせればどのくらいになりますか。
  272. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 沖繩には研修に行っているわけです。それから集団訓練というのは、沖繩の沖でもやっておりますが、日本の周辺海域でやっているわけでございます。それが領海でなければ海外ということになるかもしれませんが、すでに三海里向こうは、先ほどお話がございました海外でございますから、そういうところでやっぱり遊よくするということは、これはあたりまえなんで、沖繩に研修と、それから演習などで行った人を加えてみろと言っても、それは無理な御注文じゃないかと思いますが、算術的に加えろと言われれば幾らでも加えてあげます。
  273. 岩間正男

    ○岩間正男君 この数はあとで出してもらっていいんですが、とにかく、日本の自衛隊が外に出ている実態を私たちは明らかにしたいと思っております。これがこんなに多いとはだれも実は考えていない。ところが、相当な数になります。こういうようなことで、これはやはり一つの性格を物語っているものですから、今後やはりこの問題を明らかにする必要がある。  それから、こういう派遣をするときに、往復に一体どういうものが使われているか。たとえはLSTの輸送船あるいは中型輸送機C46、こういうものが使われているのは事実ですね。
  274. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 沖繩へ現地研修に参りますのに、海上自衛隊の持っております、ただいま仰せのLSTあるいは航空自衛隊にありますC46、こういうものを使っておることは事実でございます。
  275. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうするというと、こういう往復そのものが海外への輸送訓練を兼ねておる、こういうふうに考えていいわけですか。そういう訓練をも兼ねて行なわれておる、こう考えていいですか。
  276. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 事実使っておりますし、その船に乗ったり、飛行機に乗ったりするようなことは、やはり一種の訓練というように見ることはできると思います。
  277. 岩間正男

    ○岩間正男君 沖繩に派遣されている根拠はどういうことになりますか。
  278. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 先ほど官房長がお答えになりました、教育訓練としてやっておるのでございます。
  279. 岩間正男

    ○岩間正男君 そこで、教育訓練とか海外視察とか、そういうことばで言われておりますが、こういうことでやっていけば、自衛隊法第二十五条、防衛庁設置法第五条、こういうようなものをどんどん利用すれば、教育訓練、視察という名目で、幾らでも自衛官を、防衛庁の職員を海外に派遣することができる。これについて、これは歯どめがないじゃないですか。いまのような、すでに何千という形になりますが、もし有事の際、必要だという場合には、こういう場合にはこういう方法でどんどん海外に派遣することができると、こういうことになりますが、何かこれに対して、一つのこれを制約するそういう要件がございますか。この点が非常に私は重大な問題だと思います。
  280. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 先ほど岩間君は、海外派兵と――私のほうでは海外派遣ということも言いたくないのに、あなたは、海外派兵ということばにすりかえられておっしゃっておりますけれども、これは私は岩間君に御訂正願っておきたい。われわれは海外派兵ということは、速記録を調べてみても、海外派兵というのはとんでもないことばでございまして、われわれは全然やりませんし、また、使わないということを明確にしておきます。また、海外派遣ということばも使いたくない。つまり、海外出張なんです。海外出張ということばをお互いに使おうじゃないですか。  それから、集団訓練を公海上でやっておることはありますよ。これを一千名やるということは、海上自衛隊四万名に比べて、訓練のしかたが少な過ぎるのじゃないか、もう少し猛訓練をしろということを岩間君のほうから御指摘の御質問があってしかるべきかと私は思います。
  281. 岩間正男

    ○岩間正男君 派兵ということは言っていないはずです。これは速記録を見ればわかります。私は派遣と言っているわけです。しかし、これが海外派兵に転化する、そういう可能性、危険性だってあるんじゃないか。そうして、いまのように無制限に拡大解釈して使っていくということになれば、それはできるんじゃないかということを指摘した。したがって、これに対する歯どめがあるかということを言っている。歯どめがないということは非常に問題じゃないですか。何かそれを制限するなにがありますか。三次防によると、有事の際は、というようなことになってくるわけですから、段階が非常に一つ前進して、エスカレーション――やはり日本の防衛もエスカレーションという、そういう事態になって、沖繩へのいままでの派遣を見てみますと、最初はわずかに六人だった、三十二年には。それが十年もたたないうちに、もう一千二百七十というぐあいに、これはふえているわけです。こういう事態をかまわないで、放置してごらんなさい。それを猛訓練をどんどんやれというようなことを私どものほうが要求するわけがないですよ。そうでしょう。どうもつじつまが合わないですよ。こういうようなことでは、何ぼ名答弁をあなたが考えられたって、ちょっとおかしいんじゃないかと思います。この歯どめを言ってください。
  282. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 私は歯どめなんというところまでまだいってないと思うんです。この集団訓練は、ホークの撃ち方の練習なんかをアメリカへ行ってやったりいたしておる、それから沖繩沖等において日本自体の訓練をしております、海上自衛隊が。そういうようなものをさして、約一千名と言っているんだと思いますが、一年に海上自衛隊約四万名のうちで一千名しか訓練してないということは、ろくな訓練をしていないんじゃないかと言って、むしろ岩間君のほうかう御指摘があってしかるべきものだと思うんです。これはお互いに立場を離れて常識で考えても、そうじゃないですか。四万名のうちの一千名というのは四十分の一だと、やはり四万名のうち二万名ぐらいで年々三海里向こうでもっと訓練をしていいのに、旅費をどうして大蔵省はしぶっているんだというくらいの御指摘があっていいんじゃないか。これは財政、経済その他の関係で私はこれで適当だと思っておりますが、思っておりますけれども、あなたが一千名は絶対非常に多いとおっしゃいましても、これは相対関係で考えなくちゃいかぬことでございまして、海上自衛隊の数は四万名でございます。そのうち一千名しか集団訓練に行っていないということは、旅費等の制約など、いろいろございましょうが、私はこれでいいと思います。これ以上のことは財政当局に望むのも無理でございましょうから、これでいいと思っておるのでございまして、あと沖繩のほうの、六名から千二百名になったから、その比率でスロープをかければ、とめどはないとおっしゃいますけれども、沖繩はあくまで見学に行っておるわけでございまして、両方とも海外派遣でも何でもないということをぜひ御了解願いたいと思います。そうして、もし財政が許すならば、もっと私は集団訓練はしてもいいんじゃないか。歯どめなどという問題まではとてもいかないことでございます。そういうふうになりそうなときは、あなたが歯どめがないじゃないかと御質問が出れば、私は、歯どめのことについては、憲法上海外派兵は絶対許されていないし、また認めていないという私どもの信念をお答えいたしますが、まだそういうことをお答えする段階じゃないですよ。歯どめなんというところまでは、これはとてもいきません。
  283. 岩間正男

    ○岩間正男君 なかなかそうは問屋がおろさない。そういう挑発的にぼくに答弁を避けようとしても、それはそういうわけにはいかない。四万名というが、それじゃあとみんな遊んでいるんですか、そうじゃないでしょう。私は海外の問題を問題にした。日本の領海近く、現に、どうですか、日本海周辺で訓練をやっているでしょう。演習をやっているでしょう。そのほか、周辺でやっているでしょう。海外に出ていっておる。そういうことを問題にしたので、四十分の一だけやって、あとの四十分の三十九が遊んでいる、そんなばかげた答弁を防衛庁長官がやるとは思えないわけです。  次に進みましょう。教育訓練を受ける学校というのは何々ですか、その対象になる自衛官というのはどういう人たちがあるか、言ってください。
  284. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 先ほどの学校でございますが、法律できめておりますものに、統合幕僚学校というのがございますが、あと、そのほかに防衛大学校、付属機関でございます。  それから普通の陸海空の学校としましで、共同機関としての体育学校、それから陸上自衛隊は幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、高射学校、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、業務学校、調査学校、衛生学校、化学学校、少年工科学校。海上自衛隊には幹部学校、幹部候補生学校、第一術科学校、第二術科学校、第三術科学校。航空自衛隊には幹部学校、幹部候補生学校、第一術科学校、第二術科学校、第三術科学校、第四術科学校、第五術科学校、以上でございます。
  285. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、学生の数はどのくらいになりますか、全体で。これはいいです。この中で、教育訓練を受ける学校というのは限定されているのじゃないですか、どうなんですか、防衛研修所はどうなんです。
  286. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 以上述べましたのは、いずれも教育訓練を受けている学校でございます。  いま御指摘のありました防衛研修所は、教育機関であるとともに、研究機関として存在しております。
  287. 岩間正男

    ○岩間正男君 それから、ここのところはどういう人たちを集めておるか、ここに入学して、そういう訓練を受けている人の身分ですね、防衛研修所の場合はどういう人たちですか。
  288. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 防衛研修所は主として、陸海空の一佐、二佐の方を中心にして、高級な幹部のための研修機関として設けられております。
  289. 岩間正男

    ○岩間正男君 防衛大学は。
  290. 中井亮一

    ○政府委員(中井亮一君) 防衛大学校は、高等学校を卒業した学生を教育しておりまして、まだ自衛官になる前の人たちでございますが、幹部自衛官となるべき者を教育訓練しているということでございます。
  291. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく教育訓練は、先ほどの海外派遣の問題とこれは非常に関係があって、教育訓練という名目で海外にこれは派遣する、そういうような方法をとれば、それはやはり非常時の体制に即応するということができる、そういうような一つの問題を持っていると思います。  私は、海外派遣の問題について最後にお聞きしたいのですが、これははっきり佐藤総理は国会で、憲法論、条約論、自衛隊法により、自衛隊の出動ができないのは当然であると答えております。しかし、海外派兵をせねばならない、こういう場合には、自衛隊法を改正せねばならない、しかし、実際には、防衛庁は教育訓練あるいは視察などの名前によって、自衛官の海外派遣、それから沖繩派遣などを、これをやっているのが実態ではないか。少なくとも練習、そういうことを含めての、これは法的にまだ海外派兵という段階にいかないので、事前の対策として、これはそういうことをやっておるのではないか。四十一年度だけ見ても、これは数千人の数がおり、これはやはり自衛隊法は改正しないと言うけれども、なしくずしに海外派兵への方向に道を切り開いている、そういう体制、こういうものとこれは無関係とは考えられないのですけれども、私たちは、海外派兵の問題が非常に大きな問題になっているときに、やはり具体的に行なわれているこの防衛庁の視察の中に、やはりそういうものにこれがいく、そういう可能性のある危険について、はっきり指摘しておきたいと思います。  その次は、防衛駐在官の問題を聞きたいと思います。現在、防衛駐在官というのは置かれておる国はどこですか。
  292. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 現在十一カ国に駐在いたしております。その国名は、米国、ソ連、英国、フランス、西独、トルコ、中華民国、南ベトナム、インドネシア、タイ――タイはラオスの駐在も兼務しております。それからインドで、十六名であります。
  293. 岩間正男

    ○岩間正男君 南ベトナムにはいつ置いたのですか。
  294. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 四十一年度からでございます。
  295. 岩間正男

    ○岩間正男君 韓国にはこれは四十二年度、本会計年度ですか、置くと言われておりますが、そうですが。
  296. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) それに必要な予算措置を講じておりまして、それがいま審議をされておるわけでございますけれども、予算が通過した暁におきまして、一名派遣をする予定になっております。
  297. 岩間正男

    ○岩間正男君 次にお聞きしますが、駐在官の任務ですね、駐在官て何をやるのですか。
  298. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 駐在官は、それぞれ駐在しておりますところの国の日本の公館長の指揮及び監督を受けながら、主としてその国におきますところの軍事事情につきましての情報収集ということをやっておるわけでございます。
  299. 岩間正男

    ○岩間正男君 いままでの政府答弁によると、防衛庁長官は外務大臣を通じて状況を知るということになっておるのですが、防衛庁長官は、派遣されているこの駐在官からその報告を受けておりますか。
  300. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) ただいま申しましたように、外務職員でございまして、自衛官も兼務しております。したがいまして、その点のいろいろな諸報告につきましては、在外公館長から外務省を通じまして、われわれのほうはそれをもらっておるということでございます。
  301. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはどうですか、南ベトナム駐在官から軍事情報についてどんな報告がありましたか。
  302. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 報告の内容につきましては、いろいろ機密にわたる事項がございますので、ここで申し上げることは差し控えたいと思います。
  303. 岩間正男

    ○岩間正男君 年何回くらい受けるのですか。
  304. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 報告は年に何回というきまった回数はございませんが、定期的に送ってくるもの及び臨時的に報告してくるものとか、いろいろございます。
  305. 岩間正男

    ○岩間正男君 韓国に派遣を政府は考えているらしいのですが、これは松野防衛庁長官は、去年ですか、日韓の国会のときに私は質問したところ、韓国に派遣することは考えていない。それから昨年の二月に衆議院の予算委員会でも同じことを繰り返しておりますね。ところが、ここに来て急に、必要に迫られている、これはどういうことですか。
  306. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 韓国とは平和関係に立ち至りましたから、善隣友好という意味合いをもちまして駐在官を置くわけでございます。  それから前のことに対しては、私の意見みたいなことで恐縮でございますが、やはりこれは明瞭にしておかなければいけないわけでございますから申し上げますが、佐藤総理が本会議で明瞭にしたことをもう一ぺん繰り返しておきます。自衛隊法を改正すれば海外派兵はいいが、自衛隊法を改正しない限りは海外派兵はまずい、といったようなことばがもしございましたならば、もう一ぺん検討さしてもらいたいと思いますが、私は、なしくずしにでも海外派兵ということは憲法上絶対できない、こういうふうに考えておるわけでございます。それを受けた自衛隊法でございまして、法律を幾らいじくっても、海外派兵が憲法上妥当になるとは考えていないのでございます。その点は、佐藤総理も同じ考えではないしと私は考えております。そこで、沖繩見学等がなしくずしに海外派兵になるということは、もちろん絶対ございませんということをこの際申し上げておきます。
  307. 岩間正男

    ○岩間正男君 韓国の防衛駐在官の派遣が急に忙しくなったということは、最近の情勢と関係がないのですか。
  308. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 先ほど長官から申されましたように、駐在をさせるのでございまして、特に最近の情勢の変化に即応して韓国に置くというような意味ではございません。
  309. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく、この前のちょうど日韓基本条約が調印されたのが四十年六月二十二日、当時の防衛庁統幕会議事務局長吉江陸将、現在の陸幕幕僚長はこういうことを言っているわけです。「これまでアメリカ軍を通じていた北朝鮮などの事情が、国交正常化の結果、防衛駐在官を置けば、韓国を通じて直接わかるようになるほか、朝鮮戦争を経験した韓国軍の訓練や士気高揚なども、自衛隊の参考になろう。北朝鮮に対する韓国の軍事能力を的確に理解できることは、日本の防衛はもちろん、結論的には、自由主義陣営全体の防衛を一そう緊密、効果的に進める上で、日韓妥結の意味は大きい。韓国の軍事情勢を知ることにより、もし、三十八度線が侵された場合、韓国がどの程度もちこたえられるか、あるいは反撃できるかなどの点も判断できるので、日本防衛上の参考になる。」、こういうことを言っているわけですね。韓国の防衛駐在官の派遣を急いでおるのは、こういう状況の判断、こういうものをはっきりつかむ。そういうものがいま三十八度線の緊張の度を加えておる、こういう中で必要に迫られたのじゃないですか、いかがですか。
  310. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) これはかねてからの問題でございますけれども、韓国はわが国に隣接した国でございますので、韓国における諸情勢について、これを的確に判断するということは、わが国の防衛上非常に重要でございます。ただ、日韓条約締結以前におきましては、そういうことはできないわけでありますので、国交正常化したここに、そういう計画を立てまして、駐在官を置くということになったわけであります。
  311. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は日韓国会で、一九六二年八月の日米安保協議委員会の問題に触れて、そこで日韓軍事秘密協定があることをあげて、その中で第一にうたわれておるのは、防衛駐在官のソウル常駐、それから自衛官の韓国軍との交換視察について、私はこのときに明らかにしたはずですが、いま日韓条約が締結されて一年半、締結当時は、必要ない必要ないということを言ってきたのですが、これを非常に急いでおる。というのは、最近の情勢と深い関係があるのじゃないか。ことにジョンソン大統領は、十七度線に朝鮮の三十八度線はつながっている、こういうことを言っておるわけですが、非常にこれは最近のベトナムの情勢とも関係してわれわれは注目すべき問題だと考えております。  最後にお聞きしますが、韓国の駐在官はもうすでに日本に来ておるはずでしょう。その氏名、任務、随員の数、それから武官府というのがつくられておるはずですが、これについてお聞きしたい。
  312. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 韓国からは一名、駐在官が派遣されております。
  313. 岩間正男

    ○岩間正男君 何という人ですか。
  314. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 黄という大佐であります。
  315. 岩間正男

    ○岩間正男君 それから任務はどうですか。
  316. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) これは、任務のほうは承知いたしておりませんが、とにかく、諸外国の駐在官と同じ任務を持っていると思うのであります。
  317. 岩間正男

    ○岩間正男君 随員はどうか。とにかく、駐在官一人だけということはないと思う。
  318. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 一人だけで来ております。
  319. 岩間正男

    ○岩間正男君 随員はいないのですか、それから武官府というのはどうですか。
  320. 島田豊

    ○政府委員(島田豊君) 武官府につきましては、聞いたことがございません。大使館の中に勤務しているということであります。
  321. 熊谷太三郎

    ○主査(熊谷太三郎君) 暫時休憩いたします。    午後三時八分休憩  〔休憩後開会に至らなかった〕      ―――――・―――――