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1965-03-03 第48回国会 参議院 石炭対策特別委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和四十年三月三日(水曜日)    午前十時三十九分開会     ―――――――――――――    委員の異動  二月二十六日     辞任         補欠選任      浅井  亨君     石田 次男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり     委員長         小柳  勇君     理 事                 亀井  光君                 阿部 竹松君                 大矢  正君                 鬼木 勝利君     委 員                 石原幹市郎君                 大竹平八郎君                 郡  祐一君                 徳永 正利君                 堀  末治君                 松平 勇雄君                 山下 春江君                 阿具根 登君                 大河原一次君                 田畑 金光君    政府委員        通商産業政務次        官        岡崎 英城君        通商産業政務次        官        村上 春藏君        通商産業省石炭        局長       井上  亮君        通商産業省鉱山        保安局長     川原 英之君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    説明員        通商産業省鉱山        保安局石炭課長  佐伯 博蔵君    参考人        北海道炭礦汽船        株式会社常務取        締役       佐野 岩雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○派遣委員の報告 ○当面の石炭対策樹立に関する調査(北海道炭礦  汽船夕張炭鉱爆発事故に関する件)     ―――――――――――――
  2. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二月二十六日、浅井亨君が委員を辞任され、その補欠として石田次男君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  当面の石炭対策樹立に関する調査の一環として、北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱爆発事故に関する件について、本日、北海道炭礦汽船株式会社常務取締役佐野岩雄君を参考として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  5. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  先般、当委員会が行ないました北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱爆発事故の実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告願います。
  6. 堀末治

    ○堀末治君 私は、この間の災害調査派遣の一員でございますから、これから調査の報告を申し上げます。  北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱の災害に対する委員派遣につき、簡単に御報告申し上げます。  今次災害の重大性にかんがみ、前回の委員会で、急遽委員を現地に派遣することとなったので、小柳委員長、阿部理事、浅井、田畑の各委員と私の五名が派遣されることとなりました。期間は二日間で、二月二十四日夕方出発、翌二十五日夜帰京ということでありました。  このほか、社会労働委員会から阿具根委員も派遣されることとなりまして、私どもと一緒に活動をいたしました。  私ども一行は、二十四夜札幌に到着、直ちに札幌鉱山保安監督局並びに北海道労働基準局から災害状況及び善後措置について説明を聴取いたしました。翌二十五日は朝、夕張に参りまして、災害発生の坑口で犠牲者の霊に花輪を供えて冥福を祈った後、夕張炭鉱病院をたずねて、有賀院長から負傷者の状況並びに医療対策を聞き、病室に入って入院患者を一々お見舞いいたしました。同日午後、衆議院から派遣の調査団を待って、一緒になって夕張炭鉱労働組合、夕張炭鉱職員組合、臨時夕張災害対策本部及び夕張炭鉱経営者の順に、それぞれの幹部から災害事情並びに対策等について状況を聴取いたしたのであります。  今次の災害は、二月二十二日午後六時半ごろに、夕張炭鉱第一鉱丁未坑の最上区域の右部内に起こり、職員十二名、鉱員百四十四名、組夫十六名計百七十二名が配番、作業中でありましたが、左部内にいた百三名は急遽退避出坑し、残る六十九名は退避することができず、残念ながら罹災したのであります。  災害発生後、直ちに救護隊によって罹災者の収容に当たったのでありましたが、二十四日午後五時半現在の罹災状況は、死者六十一名、重傷者十二名、軽傷者五名となっております。この中には出坑者百三名中の負傷者九名が含まれております。死亡者の原因は、爆風による火傷及び一酸化炭素中毒の併合したものであり、負傷の原因も同様でございます。  このような重大災害が、石災鉱業合理化計画の進行中、ことに第二次石災鉱業調査団の答申に基づいて石炭対策も新しい段階に入ろうとしておるやさきに、三十八年十一月の三池災害に次いで大企業の経営するビルド鉱で再び起こったという点、きわめて注目すべきものがあると思うのであります。  災害の原因につきましては、ガスの爆発によるものと見られておりますが、なぜガス爆発を起こしたか、なぜ爆発するほどのガスが存在したかについては、私どもが参りました段階では、鉱山保安監督署、警察署及び労働組合等が、それぞれ調査のため入坑したばかりでありましたので、真の発生原因は不明でございました。二月十二日に行なわれました保安監督署の検査において、ガスの濃度が一・七%から二・二%高いということで注意を受けて、直ちにその対策を講じつつあったのでありますが、その後、札幌保安監督局から対策の進捗状況の説明を求められたので、二十二日に係員が出かけて報告をし、大体の了承を得て帰って間もなく災害が起こった。かようなことで、まことに遺憾の次第であったと報告されているのであります。何はともあれ、保安を一そう強化する必要があるという点では何びとも異存はなく、今後は保安監督の強化だけでなく、行政のあり方として、指導行政を徹底すべきであり、雇用難の現状に対処するためにも、労働者が安心して働けるよう、保安の確保に万全を期すべきであるということも一致した見解だったのであります。  なお、生産の再開についても、三池災害の場合に準じて、保安の確認が前提であることも認められました。  遺家族に対する援護措置は、災害対策本部を中心に種々進められておりました。遺家族については、遺族補償費及び葬祭料の支給を急ぎ、二十七日には連絡先不明の三名を除いた五十八名に対して支払いを完了する準備を整えておりますとの報告でありました。なお、支給額は最高二百九十七万円、最低七十六万円であり、また、会社からの報告によりますと、退職金は三月一日に支払う予定であり、最高二百六十四万円から最低五万円程度とのことであります。  遺族の就職問題については、労働省職業安定局に命じて、現地に就職相談所の開設を検討しているとのことでありました。組合側でも、三十五年の災害の際は、鉱業所及びその後造成された職場に採用されましたが、合理化の進んだ今日、遺族の就職について、はなはだ不安があるので、国としての援護対策を要望しておりました。  負傷者につきましては、三池災害の場合のように、一酸化炭素による記憶喪失症が後遺症として残るのではないかと憂慮されたのでありますが、幸いに、札幌医大から運ばれた医療用耐圧酸素室によって治療に当たっており、その効果も大きいと説明されました。さようなことで、現在のところ全員意識があり、かようなことで、この酸素室は現在全国に三個よりないということでありましたが、私どもがこういう負傷者の状況を見て、こういう酸素室が主要大学に直ちに準備される必要があるということを痛感してまいったのであります。また、九州大学からも黒岩博士が派遣される予定であり、岩見沢労災病院の協力を得て、入坑者全員の健康診断を行ない、不安感をなくするように配慮していきたいということでありました。  また、いま石炭鉱業全体が重大段階にあるとき、かかる災害が大企業の炭鉱に再び発生したことは、業界全体に与える衝動及び労働者への影響はすこぶる大きく、これが災害の原因、保安体制のあり方等、徹底的に究明して、再びかかる災害のないよう保安確保の万全を期すべき対策を早急に樹立すべきであると痛感してまいりました次第であります。  以上簡単でございますが、御報告いたします。
  7. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) ただいまの報告に対し、御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、派遣委員の報告は以上をもって終了いたします。     ―――――――――――――
  8. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 当面の石炭対策樹立に関する調査の一環として、北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱爆発事故に関する件を議題といたします。  なお、本日は、参考人として北海道炭礦汽船株式会社常務取締役佐野岩雄君の御出席を願っております。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中にもかかわらず、まげて御出席いただき、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
  9. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 私、北海道炭礦汽船株式会社常務取締役の佐野岩雄でございます。  このたび、六十一名のとうとい犠牲者を出しました大きな事故を起こしまして、まことに申しわけなく、深くおわび申し上げます。
  10. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) それでは、まず、川原鉱山保安局長からその後の経過について御報告願います。
  11. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) その後の御報告を申し上げます前に、一言おわびを申し上げます。  去る二月二十二日、北海道炭礦汽船夕張炭鉱におきまして再びこういうふうな大事故を発生いたしまして、私といたしまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。なお、その後現地の対策本部をつくりまして、その当事者として私現地に参っておりまして、いろいろと当面のことをやっておりました関係上、東京を不在にいたしまして、先週の委員会に欠席をいたしました。深くおわびを申し上げます。  当委員会の調査団の諸先生がお見えになりましてからあとの事情につきまして御報告を申し上げます。  まず、第一に、二月二十五日におきまして、原因の究明を急ぎます関係上、遺体の収容は、一体だけが未収容として残っておりましたが、二月二十四日から札幌鉱山保安監督局並びに夕張監督署の監督官が坑内に入りまして現場の調査を行ないました。二十四、五両日にわたりまして、現場検証を行なった次第でございます。われわれといたしましては、なおこの問題をいろいろこの方面の学識経験者をもって構成する調査団においても、純学術的に検討してもらいたいという気持ちをもちまして、技術調査団の編成を行なったのでございます。この調査団は二月二十五日に発令をいたしまして、二月二十八日に現地に到着をいたしました。そのメンバーは、団長に北見工業短大の学長佐山総平、前の札幌北大の名誉教授でございます。なお、団員といたしまして北大教授の阿部与、東大教授伊木正二、北大教授磯部俊郎、試験技術所長鈴木俊夫、北大教授林邦雄、早稲田大学教授房村信雄先生を御委嘱いたしまして、調査団は二月二十八日の午前十一時三十分に現地の臨時対策本部に到着いたしました。直ちに現況の聴取を始めた次第でございます。その日は二十四、二十五と坑内を回っております各現地の監督官及び夕張炭鉱の労働組合、それから会社側、それぞれのほうからいろいろな事情を聴取いたしまして、なお、引き続き翌三月一日、さらに重ねまして監督官の事情聴取をいたしました。現在、きのう札幌におきまして会合を重ね、いろいろ得ました情報によりまして今後の検討を進めるということ下ございます。ただ、まことに残念でございますが、これから申し上げますような事情で、調査団の各先生は坑内の現場を見ることができませんけれども、監督官その他におきまして二十四、二十五の両日にわたりまして、大体おもな現場と、それから写真等につきましてはすでにとっておりましたので、それを基礎にしていろいろ検討を重ねたい、こういうことでございました。これと並行いたしまして本委員会の調査団が現地からお帰りになりまして、あと、実は午後五時でございましたか、坑内に入っております監督官が旧掘さくあとの上のほうの密閉個所におきましてCOガスが相当発生をし、かつ、増加しつつあるということを発見したのでございます。そのために、直ちに自然発火を起こしておるというおそれもございますので、坑内に当時入っておりました各調査団、これは炭労及び労働組合、その他いろいろな保安要員が相当入っておりましたので、直ちに全員坑外に待避いたしまして、この対策を協議いたしたのでございます。結局この自然発火に引き続き、メタンもございますので、第二次爆発を起こす危険も非常に大きいということで、いろいろの検討を重ねました結果、二月二十六日午前二時三十分よりこれを水没するということに決したわけでございます。なお、水没は、現在自然発火のおそれがあるとみられている全区域につきまして水没をいたすことになるわけでございますが、当初注水量は毎分二・四立米を注入いたしました。その後二・四立米の注水量の水の増加をはかって、早く注水をいたしまして、火が早く消えるようにということにいたしますために、注水量の増加を計画いたしたのでございますが、ちょうど現在渇水期でございまして、水量の確保に非常に困難をいたしたのでございます。結局シホロカベツ川をせきとめまして、パイプによりまして二月二十七日より毎分二立米の水をさらに導入することに成功いたしまして、現在四・四立米の水量を注水いたしておる次第でございます。これに伴いましてだんだん水位が上昇してまいりますが、この自然発火の鎮火の推移につきましては、水没を開始いたしますと同時に、排気坑口におきまして一時間ごとにガス観測をいたしました。その模様を見て今後の注水方針をきめていくということで、現在進行中でございます。一応の推測、これは坑内に入りませんので確認はできませんが、計算によりますと、大体マイナス一〇〇レベルまで水がいくのが三月三日くらいになるのじゃないか。なお、これはマイナス三〇のレベルまでもし水をつけるということになりますと相当に時間がかかるという見通しでございますが、いずれにしましても、現在の排気坑におきますガス観測の推移を見て今後の注水の方向をきめていきたい、かように進んでおるわけでございます。  なお、これは当省の所管ではございませんけれども、対策本部といたしまして講じてもらいました中で、先ほどいろいろお話が出ました医療関係並びに労災補償、遺族の今後の就職というような問題につきましては、私が帰りますまでに、労災補償金は二十七日の午前九時から支払いを行ないまして、十二時に終了いたしております。なお、九大の黒岩教授らがたしか二十七日に現地に参りまして、直ちに患者の診療に当たっておる次第でございまして、なお、あと引き続きまして現地の北大、北見、それぞれの大学並びに労災病院の各院長で組織する医療顧問団を編成いたしましてこれに当たっていただくということに相なっております。  なお、入院患者のほかに、実際に坑外に脱出をいたしました者及び救護活動に携わった者に対しまして、一応健康診断を実施いたしました。なお、この健康診断は、救護隊及び出坑者のほかに、いろいろと希望者もございまして、結局最初約百四十名ぐらいの予定でございましたが、希望者が非常にふえまして、実際には二百四十名ぐらいだったかと思いますが、健康診断を行ないました。さらに、その中で第二次の精密検査を要する者につきましては、第二次健診を三月一日に行なったわけでございます。  なお、現在その原因究明につきましては、現地の監督官といたしましては、別途司法捜査の段階として調査を継続いたしております。  一応現在までの模様を御報告申し上げます。
  12. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  13. 大竹平八郎

    ○大竹平八郎君 議事進行について。いま局長が説明されたのですが、われわれちょっと見当がつかないのだが、何か略図のようなものがあればそれでやってもらいたい。
  14. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) じゃ、それを……。
  15. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 政務次官、あなたにお尋ねしますが、いま川原保安局長の説明を承ったんですが、調査団を派遣するということは、すでに一週間も前に大矢議員の本会議の質問に対して通産大臣が答弁なさった。そこで、私がお尋ねしたいのは、いま保安局長が、その後ガスがたくさん出て水を注入しておるから写真で判定していただくのだという話ですが、中央の保安監督局長、課長、北海道の監督局長以下全員で行ってわからないということはないわけだ。なるほど学識経験者の説をお聞きになるのも必要でしょう。専門家の意見も聞かなければならないと思いますが、毎日毎日その現場に入ってそれを担当しておる係官がわからないというわけはないはずです。将来どうするかということについては、多くの経験者とか有能な士の意見を聞くのも必要でしょう、しかし、爆発現場を中央の保安局長以下全員が見て、原因は何だということがわからぬはずはない。特に在来の災害と違って、夕張炭鉱の場合は、一月にも何度か、二月にも十二日ですか、ちゃんと注意なさっておる。ですから、ずっと最初から、人間の身体で言えば、初診から診断している人がわからぬで、全然知らぬ人に死骸も見せずに判断してくれというのは、これはちょっと無理です。したがって、原因は何かということをお聞きしたい。
  16. 村上春藏

    ○政府委員(村上春藏君) ただいま阿部先生のお尋ねでございますが、これは少し余分なことを申し上げて恐縮でございますが、私も、かつてガス爆発で樺太で十人ばかり殺したことがあります。その当時もなかなか原因という問題が、大体想像はつくわけでございますけれども、これはその中には二、三くらいございます。ガス爆発いたしましたときに、大体これとこれという二、三くらいの想像はつくのですが、確定的にこれが原因であるということは、相当の研究をいたしませんと結論が出ないわけであります。また、結論を出すということは将来の保安対策の上に非常に重要な問題であります。それで、決定的なこの原因であるという結論を出すまでには相当の日数がかかる、こう考えるわけでありまして、私のほうといたしましては、一日も早くこの原因を究明いたしまして、そうして今後の保安対策に資する資料にいたしたい、こう考えております。いましばらく御猶予をお願いいたしたい。
  17. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 村上政務次官は、常に鉱山の保安のことに私は詳しいということを豪語していらっしゃる。そのあなたからそういう答弁を聞くというのは私は解せない。というのは、夕張炭鉱の今回の爆発は、爆発した後六十一名の遺体と、二十名近い負傷者を翌日全部収容できている。そうしますと、これは想像ですが、坑内の被害はきわめて僅少だ、おそらく全部二日ないし三日にわたって通行できたと思う。ですから、だれがどうしたかということは別として、何が原因かということは明確にわかっているはずだ、明確にわかるはずなんです。二日も三日も現地を見てわからぬのが、今日東京で写真を見て机上論議して何がわかりますか。そういう答弁は通りませんよ、現実の問題ですから。それは経済論争だったら、見解の相違ということも一声えるでしょう。しかし、これは現実の問題ですから。それから、今まで常時見た専門家と、中央から権威ある通商産業省の最高責任者が行っておるのですから、それでわからぬということになったら、一体だれがわかる。そういう人は、監督局長以下責任を持っていただくわけにいかぬのですから・その人たちに保安行政をまかすことができないと断定しても差しつかえないです。それは坑内が崩落して、そこの現場を見れぬということだったら私は話はわかりますが、全部現場を見ておるのですから、そして何回も何回も何人も専門家が、何十年と保安監督なさった人を中心としてやっておるのですから、それが札幌で論議して、東京で論議してわかりますか。あとどうするということは皆さん方の意見を聞かなければならぬけれども、原因は何かということはわかるはずなんです。それがわからぬということはぼくは解せない。
  18. 村上春藏

    ○政府委員(村上春藏君) 阿部先生の、何にも原因がわからぬというのはおかしいと、私もそう思いますけれども、ガス爆発であるということは、これははっきりしている問題で、ただ、ガスに火をつけたその原因は何であるかということは、瞬間に起こることでありまして、そしてほんとうの原因を知っておる人はほとんどなくなっておる場合が多いわけです、こういう場合ですから。そういうことで、ほんとうにそれならガスに火をつけた原因は何か、いろいろございますが、それは先生のほうがむしろお詳しいわけでございます。電気機関車のコントローラーから出る場合もありますし、あるいはこれは非常に保安要員が厳重な監督をいたしておりますが、朝晩の繰り込みのときに、やはりマッチやたばこを持って入る場合もあります。それから、また、鉱車が脱線しまして、それから火が出る場合もございます。しかし、おおむね御存じのとおり、ガスというのはてんばにあるわけでございます。下にはきわめて少ない。てんばの穴の大きいところにガスというものは上がっておる。それで、現場要員、保安要員というのは、常にカンテラを持ちまして、そしてガスの検定をしょっちゅうしておるわけでございます。そこで、なかなかどの面でこの火が出たかということは、いまここで断定するわけにいきませんし、これはやはり相当の研究をして、それで将来再び事故を起こさない対策の資料になるわけでございます。私ども非常に重大なことは、こういう問題を起こしたことはまことに遺憾でございますが、これは御承知のように、非常に大きな問題を残すわけです。といいますのは、労働者にこのいわゆるガス爆発の危険、恐怖というものを与えることは、非常に将来の石炭業界におきましても大きな問題でございますので、これを機といたしまして、十分に今回の原因の究明、決定的な結論を出しまして、そして今後再びかかる事故の起きないように、いわゆる研究あるいは強化をしていかなければならぬ、こういうぐあいに考えております。
  19. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そういうようなお考えでものを判断しておられるのであれば、私はあなたにお尋ねしません。しかし、私、ただ残念ながら、そういうような御感覚で保安行政を指導なさっておるということから、三井三池の大災害、北炭でも昭和三十五年と今回で二回目ですから、それから豊州炭鉱の六十七名は水没ですが、上清炭鉱の七十一名は爆発、大辻炭鉱の二十三名、これも爆発、こういうことで、一切これから聞いてみなければわからぬというようなことで保安行政をやっていただいたのではどうにもならぬ。そこで、保安局長にお尋ねいたしますが、あなた現地に行って何日かおられたか、やはりあんたたちがお調べになってもわからぬで、調査団の結論を待たなければこの原因がわかりません、こういうことですか。
  20. 阿具根登

    ○阿具根登君 ちょっと関連して。政務次官の答弁に私はどうしても聞き捨てならぬ答弁があるから、関連して質問いたしますが、あなたは保安のことは詳しいかわかりませんけれども、現在のこういうガスのある炭鉱で、マッチを持っていったり、たばこを持っていったりするというような感覚をお持ちであったらたいへんなんです。そういうことは全然あり得ない。それをあなたが常識的に昔のこととか、あるいは新聞の一部の問題を取り上げて、あるいはマッチを持っていったかもしれぬ、たばこを持っていったかもしれぬというような感覚でいまの炭鉱を見ておられたら、それは認識不足もはなはだしい。これは取り消しておいてもらわないと、何かこういうガスのあるところで、非常に心配のあるところで何か労働者が坑内でたばこをのんでいるというような感覚で責任者のあなたが口に出されるということはけしからぬ、これはもしもそうでなかったら大きな問題で、そういうことはいまあり得ないのです。昔はそうだった、あなたが知っておられるころは、私が坑内に下がるころはそういうこともあり得た。しかし、いまの坑内ではそういうことは全然あり得ない。だから、いやしくも第三者が見たり、あなたがこういう公式の場所で、ポケットの中にマッチが入っていたのではなかろうか、たばこをのんでおったのではなかろうか、入坑時に調べるけれども、あるいはそっと持っていったのではなかろうかということを言われることは、これはたいへんな問題です。この問題は取り消してもらわなければならぬ。
  21. 村上春藏

    ○政府委員(村上春藏君) ただいまの阿具根先生のお話でございまするが、おっしゃるとおり、私の経験の時代が戦前でありますので、今日のような厳重な監督のもとにやっておる場合は、マッチを持っていったり、たばこを持っていったりするということはないと思います。私がいま申し上げたのは戦前の経験でありますから、戦後の多少そこに差がある、あえて先生のお話でございますから、マッチ、たばこを持って入ったんじゃなかろうかということは取り消します。
  22. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) ただいま阿部先生より、原因はわからないのかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、現地の監督官が二十四、五と坑内に入りまして、引き続き坑内を、なお崩落場所も相当ございますので、そういう取りあげ等を行なって継続をいたす予定でおったのでございますが、先ほど御説明いたしましたように、いろいろ二次爆発というようなこともありまして水没をするということになりました関係上、その後坑内を見ることはできないということはまことに残念でございますが、なお、現在いろいろな参考人の意見を聴取中でございます。それで、先ほど政務次官から申し上げましたように、ガス爆発であろうということは、これは大体わかっておるのでございますが、それがどこからどういう原因で出た火に基づくものであるかということの推定になりますと、なおいろいろと押収しております書類及び参考人の供述というようなものを全部総合いたしまして結論を出す必要がございますので、ただいまのところではそういったところまでわかっておらないのでございます。なお今後その調査は継続して、できるだけ早くその原因を突きとめたいとわれわれも存じております。
  23. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 恐縮ですが、佐野参考人にお尋ねいたします。私記憶違いかもわかりませんけれども、昭和三十五年に北炭夕張の第二礦が爆発して、あのときは四十二名か犠牲者を出された。あのとき私は当委員会から――当時は商工委員会でしたが、調査団として派遣された。そのときの所長さんが佐野さんでなかったかと記憶しておりますが、間違いございませんか。
  24. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 私であります。
  25. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 あの当時調査団として参りまして、あなたが涙を流して、遺族にも申しわけないし、社会的にも申しわけない、こういうような御説明なりお話があって、私どもは、四十数名も犠牲者を出したのですから、徹底的に会社を究明しようという気持ちで行きましたが、現地の話を聞いてあなたが涙を流して、もう二度とこういうことは絶対にやらぬように、いかなる犠牲を払っても山を守りますというような、あなた記憶を残しておられるかどうかわかりませんけれども、私は記憶しておる。にもかかわらず、こういうことになって、現実は冷厳なわけですから、あなたが努力されても災害が起きたかもわかりませんが、この原因は、会社側としては何によってこういう災害が起きたというように判断をしておられるわけですか。
  26. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) お答えいたします。  これは私も二十三日に参りまして、すぐ坑内に入りまして、あすこのスキップ斜坑から降りました。マザー卸の右側の斜坑から入りまして、ゲート坑道から入りまして、最後の一人の太田君の埋まっておった切り羽まで行きました。そこからバックいたしまして、切り羽面が通れませんので、右の磐下坑道から通りまして、再度ロングの上添をずっと行ってみました。そのときには上添のほうにはほとんど人は入っておりませんでした。保安人員だけ入っておりましたので、そこまで行ってみました。ずっと一応坑内を見ましたが、これは大体いま保安局長さんから御説明がありましたとおりです。大体火の走った方向というのは…、向こうの図面のほうに参ってよろしゅうございましょうか(「どうぞ」と呼ぶ者あり)……大体火の方向というのは、――これからきまして、これがこっちにこう上がってこうきた。それから、こっちのほうに一部、それからこっちのほうに一部走ってきております。それから、こっちのほうは、これからこういうふうにここまで上がってきました。それは、ここにビニールの風管があります。ビニールの風管は、大体二百度の温度に上がりますとべとべとに溶けてしまいますが、その風管は、これからこういつていますが、そこにこういっている風管がここまで先が溶けてしまって、これからこっちは溶けておりません。そうしますと、こっちからきたんじゃなくて、こっちからきて、ここでとまっていて、こっちはそのまま残っております。そういう点から見まして、こういうふうに走ったということが考えられます。それで、それが一次的のものか、二次的のものかということはわかりませんが、一応調べた調査ではそういうことになっております。ここに、ここの上のほうに六、八と十尺の採炭場があって、三十七年五月からこの移る前まで、四十年の一月三十一日まででこの区域の採炭を終わっております。このように、三十七年五月から四十年の一月三十一日まででこの地区の採炭を終わって、二月一日にこれに移ったのでありますが、その当時の目抜きの坑道は、七、八メーター上からこういうふうにこう入っております。ここの密閉の前に行って見ますと、相当打柱にコークスとか焼けたあとがあります。そういう点から見まして、その後、この目抜きの前を調べますと、気圧の変化に応じてガスの上下する個所を見つけました。この点から見ますと、そこにもそういう問題があれば、そこから出ているのじゃないかというふうに想像できますが、ここの密閉の前は崩落しております。保安監督局のほうから、この密閉を早く取りあげてくれという御意見も受けましたが、この旧礦関係の、一月三十一日まで採炭しました十尺の佛は、板密閉をして、まだ完全に終わっておりません。それから、そのときの通気状態、温度はCOの問題をよく分析しないとむずかしいので、そういう点では崩落取りあけがまだ終わっておりません。したがいまして、その辺の推定はわかりませんが、一次か二次かにおいてここでそういうものができて、こういうような方向に走ったということは予想されます。その火源がどういうふうに向こうからきたかと言いますと、ここには、全然密閉の中ですから、電気の気もありませんし、その付近に火薬も何も使っておりませんし、作業は全然やっておりません。したがいまして、残るのは、この地域の自然発火というものがどういうふうに進行していったかということは、まだはっきり押えておりません。そういうような推定はいろいろできますが、いまもお答えされましたように、これだというはっきりしたきめ手は私のほうも持っておりません。
  27. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 続いて参考人にお尋ねしたいのですが、私は、三井三池とか北炭夕張鉱のような炭鉱が爆発を次から次へと起こすというような状態であれば、もう日本じゅうの石炭産業なぞは、これは採掘をやめたほうがよろしかろうというような気もするわけですよ。保安監督当局から一々いわれなければ保安を確保できないなぞということは、少なくとも大手炭鉱だけはあまり保安局のお世話にならぬ、中小炭鉱が中心となってやはり指導あるいはいろいろと監督のめんどうをみてもらうということであれば話がわかりますが、保安監督局のお世話になっているのは日本の超一流会社がたいへんお世話になるわけですから、こういうことになると、もう日本じゅうの炭鉱をやめてしまったほうがよろしいというのが私の結論ですが、そこでお尋ねしたいのは、ここの現場で、これは現地の人の話で、干渉計を持っておった人の話でありませんから、ガスが何%になったということは申し上げかねますが、その日の一番方あるいは前日等において、ガスを吸入して頭が痛くなって、途中で帰った人がおる。そうすると、私の推定では、少なくとも三%あるいは五%近いガスが、局部的であったかもしれぬけれども、あったに違いない。それから、現在採掘している、俗にいう左というところですね、図面では右ですが、あの切り羽も現在一・五から一・七%のガスがある。そうすると、そのくらいのガスが常にあれば、これは局部的あるいは時間的に〇・五や〇・七はいつでも上がるわけですから、これはきわめて危険ですよ。これを黙っておる札幌鉱山監督局も監督局でだらしがないが、少なくとも一・七もある切り羽で、そのガスの量を下げない、風を多く入れないということは、ぼくは常識的に考えて納得できないわけですよ。したがって、その佐野さんの会社では、現場によって違うでしょうけれども、何%まではハッパよろしい、何%までは作業よろしい、何%以上は、もうその保安要員を除いて、通行禁止だと、何%以上は一切通行シャットアウトだというような規程がおそらくあると思うのですが、そういうものはどういうシステムになっておるのですか。
  28. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) いま御指摘のありましたように、十二日に監督票に記入されたいろいろ注意事項があります。こういう注意事項を受けるということについては、非常に恥ずかしいと思いますが、実はこれをちょっと私、あまり弁解がましくなりますので、ほんとうは申し上げたくないと思うのですが、非常に一応誤解を受けておりますので、ちょっと御説明さしていただきたいと思いますが、この右三ロングというのは二月一日から始めまして、逐次ガスの噴出を見ました。だからこの区域のガスは多うございまして、大体いまあそこに十九本のガス抜きボーリングをやっております。現在でもあの辺から一分間で〇・六立米のガスを抜いております。それからゲートのガス抜きも三本やっております。それから風量も、初めは一分間三百五十立米でしたが、だんだん噴出量がふえましたので、右の磐下坑道の風量戸の調節をいたしまして、四百五十立米までにいたしました。それからゲート坑道に二組拡大作業をいたしました。それから上添関係の修繕も上添の側からしておりました。そういう状態のほかに、右の磐下坑道からいまの上添に向かって二本ガス抜きボーリングをやっておりました。それから、なお今後磐下坑道のこの巻き立てからボーリングをやる計画をやっておりました。十二日に現地の監督官に臨検をしていただきまして、そのときにそういうことの計画をお話し申し上げましたところ、状態がこういう状態だから、もっとそれを急いでやれということで、その後十九日までに大体上添の磐打ちを終わりました。それからゲート坑道の拡大は二十日に終わりました。そういう報告と今後の具体案をもって二十二日に札幌保安監督局にいたしました。そういうことで、実は計画を私どもで持っておってやったのでございますが、いま御指摘のございましたように、そういう促進が非常にのろいというおしかりを受けたことにつきましては、まことに申しわけないと存じております。  それから、左方面のガスとか保安規程はどうなっているのだとのお尋ねでございますが、私どものほうは、火薬使用の制限ガス量は一%以下になっております。それから断層切関係というような硝安系の安全爆薬については一・五%までとなっております。そのときは特別に保安係員のほかに、立ち会いという上席の保安係員がつきまして、十分注意して係員を二人つけまして一・五%までは使用しております。  それから、ロングのガスの管理をどう考えているかという御質問がありましたが、これは私どもといたしましては保安法に基づいておりまして、作業では一・〇%以下、それから主要分流で一・五%以下ということでやっておりまして、特に社内規程をもちましてはやっておりません。ただ、一礦関係について申し上げますと、ここは自然発火が非常に早いので、終戦後も約五、六回自然発火を採炭切羽の中でやっておりまして、非常に自然発火とガスの管理というものを結びつけながらやらなければいけないということで、夕張の私の会社の中でも、特にこの方面についてそういう特殊の管理をやっております。したがいまして、この払にあまり風をたくさん送りますと、払あとに酸素を供給して自然発火が起こる、そうかといって、少なくなるとガスが出るというので、許容度の一・五%というものとその風量というものをにらみながらやるという特殊の区域でありまして、こういう区域を、この爆発を契機といたしまして、どういうふうに今後管理していくかということにつきましては、私どもだけじゃなくて、いろいろと保安当局の御指導なり、今後いろいろ現地に来られている技術調査団の方の御指導をいただきまして、今後もう少し研究していかなければならないというふうに考えております。
  29. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 石炭産業の置かれている立場がきびしいものですから、そちらこちらで手を抜くということは私は理解できる。しかし、それが保安確保に努力しなくていいということではないはずだ。保安確保は、依然として不況であろうが、置かれている立場がきびしかろうが、これは徹底的にやっていただかなければならないわけです。そこで旭開発の組夫が三人なくなりましたね。そこの現場にハッパをかけておったのですが、電気スイッチでハッパをかけたというのですが、それがたまたま排気坑道でやった。なるほどハッパそのものが爆発するところは、これは岩石掘進ですから、これは確かにガスがない。しかし、排気坑道でハッパをやっておる。それはけしからぬではないですかということで現地でお尋ねしてみたところが、ビニール袋をぶら下げてエア管理をしてやらせている。こういうことは私は常識的に考えられないのですが、それはあなたのほうでお認めになっているわけですか。それとも、現場の係員が独断でそういうことをやっているのですか。  それから、もう一つ重ねてお尋ねしたいことは、保安当局にお尋ねをすると、一々抜き打ち検査をやるという話を保安当局から聞いておりますが、あなたの会社は抜き打ち検査をやられたことがありますか。
  30. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 初めの点火個所の問題でございますが、点火個所では、これはいま御指摘がありましたように電気品でありまして、一%以下でやらなければならない。そこで、この問題については御指摘があって、そういう対策について保安監督局のほうに、いろいろといま先生がおっしゃられたような方法でどうかということを打ち合わせに行ったことについては、私は現地に行って初めて聞きました。それまでは私は知りません。  それから、抜き打ち検査でございますが、私どもが山におりましたときは、大体検査日というものはいついつということを連絡があったが、大体最近はそういうことを全然予告なしに山に入って検査されたことがあります。
  31. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 関連して保安局長にお尋ねしますが、北海道は抜き打ち検査をやっているんですか。
  32. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) 私の承ります限りでは、ほとんど抜き打ち検査でやっているということでございます。ただ、落成検査その他は一応いろいろの試運転その他がございますので、事前に日にちを打ち合わしてやりますけれども、一般の巡回検査は大体予告なしに行くことになっております。
  33. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) なお、委員の諸君にお知らせいたしますが、通商産業省鉱山保安局の石炭課長佐伯博蔵君が説明員として参っておりますので、お知らせいたします。
  34. 堀末治

    ○堀末治君 この間私も一ぺん聞いた一人ですが、いま阿部君が言うたように、一方でダイナマイトをかけている、ハッパをかけている。どうもそういうような一方で注意を受けて、そうして保安対策を講じつつある中で、いま阿部君の言うたように、ビニールで囲ってやったというけれども、そういうところでハッパをかけるということが非常に不謹慎ではないかと、実はこう思ったんですが、いろいろ聞きましたところ、一番方でハッパをかけたが、事故が起きたのは二番方で、その間、三時間半あるから、ハッパなんか心配ないということをそのとき説明しておりましたけれども、私、どうもその辺に非常にわれわれしろうとにはのみ込めないことがある。せっかく十二日の日にそういう注意を受けてそういう処置をしていながら、まだその対策が完了しないうちに、しろうと考えからいえば、非常に危険だと思われるようなハッパをいま言ったとおりそこでかけているというのは、これは一体会社当局としてはそういうことをどういうふうにお考えですか。
  35. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) ハッパをかけておる切り羽は、そこの右三ロングの上添から下に斜坑へ二十五度の傾斜で、大体距離にしまして四十メーターぐらい降りて、それから左に入ります。そこの切り羽の風は、右二磐下坑道の戸ワクからビニール風管で新しい風を持っていっております。したがいまして、さっき阿部先生がおっしゃられましたように、切り羽のガス量は〇・五か六しかありません。ただ点火する場所が一・七%でかけておったという御指摘は受けました。しかし、そのハッパと点火器と電気品と同じじゃないかというおしかりをいま受けたのでありますが、それは規則に明示してありますとおりに、八%以下のところでやらなければいけませんので、今後ずっといまの深部風道の煙れ卸の巻き立てからずっと右側に入りましたところからかけるか、常時ビニール風管で持ってきまして、やはりその点火個所をエアジェットでなくて、風管通気によって変化のしないガス状態の中でかけるというような方法をとるのが至当だと思います。この点につきましては、そういう個所でかけるとか、エアジェットで便法的な場所をつくるかということにつきましては、監督局のほうから非常に厳重な指示がありましたものですから、今後私どもも、こういう点については、これはやらないようにやかましく現地のほうに指示したいというふうに考えております。
  36. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 いまの堀委員並びに私どもが感じたことは、そのハッパによって今回の災害が起きたとか、ハッパが発点地点などということは毛頭考えておらない。なお、いま堀委員からの質問の中であったように、三時間ないし四時間一番方でやっておるわけですから、これは全然関係ないわけです。ただ、保安という立場から、そういうことはやめなさいといって札幌鉱山保安監督局から注告を受けておるにもかかわらず、その日の一番方でやっているわけですから、そうすると、あなたのほうでは万全だとおっしゃるでしょう。しかし、私のほうでいろいろお聞きしてみると、鉱山保安監督局でこれはやめてくださいと言っているにもかかわらず、それをやっているわけです。なお、爆発した日ですね、十二日の通告を受けて、そしてその後どうなったかということで、土曜日の日に札幌から呼ばれて、月曜日の日に、名前は忘れましたが、生産課長さんとか保安課長が札幌へ行った。あなたのほうがみずから行ったわけではない。ですから、それが原因でなくても、そういうことをやっておりなさるから、私のほうでは、あなたは万全とおっしゃるかもしらんけれども、保安監督局の言うことも聞かんということになるんですから、保安というものに対する認識の程度が違うというところから指摘しておるわけです。  加えてお尋ねしたいことは、保安規程というものがありますね。これは保安監督局の許可を得ていると思いますが、これは労働組合も十分知っておって、労働組合もこの保安規程を賛成しているわけですか、被使用者側委員が。
  37. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 私のほうは、いまのハッパをそういう便法でやってもいいかという御許可を受けに行って、そうしてそれではいけないという指示を受けたのでございますが、その場合には、その一点の禁止された個所でかけているのじゃなくて、もっと右側にハッパ線を伸ばして、先ほど申しました入気側でかけているのでございまして、そういうような、やってはいけないというところでハッパをかけているのではありません。  それから、私のほうの保安規程を出す前には、やはり夕張炭鉱労働組合、夕張職員組合の代表である保安委員会で説明いたしまして、保安委員会の承認を得ていたしております。  なお、ちょっと申し添えて恐縮でありますが、十二日の日に現地の監督官が見えられまして、そうして今後の対策なり、監督票に打ち合わせ事項、注意事項あるいは改善事項をお書きいただきましたときも、労組出身の保安委員並びに職組出身の保安委員両方、生産課長と同席の上で、私のほうはそういうことで全部仕事をするようになっております。
  38. 阿具根登

    ○阿具根登君 ちょっと関連して質問しますが、いま阿部委員から質問されたことが一番私たちの知りたいことなんです。一・七%もガスのあるところにビニールで囲んで、そうしてそこでハッパをかけ、スイッチを押すということは、保安監督局から注意されるまでもなく、当然これはより以上の技術と経験を持っておられる方々なんです。そうしますと、保安ということよりも、何かガスがあってもその中でどう生産をするかということに努力されているということに私は考えるわけなんです。私は、まずそのガスを排除してもらいたい、こう考えるわけなんです。だから、今度水没があって、その直接原因はなかなかわからんと思うのですけれども、私は直接原因を調べたいけれども、直接原因よりも、そういうハッパの状態にあったそのものに対する疑惑を私たちは持っているわけなんです。坑内だから、だから、それは電気器具を使っておれば、これは火が出ることは当然なんです。斜坑で炭車が走るということも当然なんです。それを考えた上で、そういう場合でも、どうすれば事故が起こらないかということで保安法ができているわけなんです。そういう点を私は疑念を持っている。  そこで、ひとつお尋ねしたいのは、まず局長にお尋ねいたしますが、三池の事故が起こりましてからいろいろ検討されて保安法が改正になりまして、保安監督員補佐員は一名以上ということになっていると思うのです。ところが、現在この事故の起こった夕張じゃそれが実施されておらないということは一体何なのか。私らが佐伯さんの答弁を聞いてみて、調査をしたのとは全然違うんですね。一名置くべきか二名置くべきかでもめている、こう聞いているわけです、私たちは。そうすると、萩原社長さんは、保安についての予算は規制しておらない、こういうことまで言っておられるわけなんです。ならば、こんなにガスの多い危険のある所で保安監督員補佐員の一名が二名になるぐらいのことが一体何なのか。なぜそこでもめて、そういう保安監督員補佐員もまだきまらないのか、こういうことが一点です。だから、局長のほうでも一名だという指示をされているのか。法は一名以上になっているはずです。そうすると、こういう危険度合いの多い所では、当然二名とするならば、労働者がその責任の一端をになわねばならない保安監督員補佐員なんです。そういうのができておらなかったということについてどういうお考えなのか。また、佐野取締役さんにも、私が調査した範囲内では、佐伯さんが現地で私たちに答弁したものと全然違って、一名か二名かということでまだきまっておらないのだということを聞いているわけなんです。そうすると、一名ふやすかふやさないかという問題は、これは私はたいしたことじゃないと思う、この保安の重大性から考える場合に。だから、そういう点で一体どういうようにお考えになっておるのか。二名おったから爆発が起こらぬとか、そんなことは言っておらないのです。しかし、一名か二名かでまだ保安監督員補佐員もきまっておらないというところに、私は、保安というものに対して、社長さんが言われるのと現地の方々が考えられておられるのは、そこにまだ考え方の差があるのではないか、こういうふうに考えるわけですが、両方からその点について御答弁願います。
  39. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) ただいま阿具根先生から御指摘のございました保安監督員補佐員の問題でございます。先般御審議をいただきました法案には、少なくとも一人はということで、これはもちろん何人でもよろしいということでございます。これをただ法定要件としておりますのは、これは何人置かれるか、これはそれぞれの事情によることだと思いますが、そのうち、少なくとも一人は絶対に労働者の推薦を得た人ということで規定をしておりまして、それ以上そういう推薦者が出て、それで会社側でそれを任命するということは一向に禁止はしていないわけです。これはその審議の際にも御答弁申し上げましたが、山の事情もいろいろありまして、また、労働関係の内容もいろいろおそらく違いがあるものだと思います。したがいまして、その点は労使双方においてお話し合いの上で推薦をしていただくということでわれわれとしては考えておるわけでございますが、ただ、現在まことに残念でございますけれども、そういういろいろの事情がそれぞれ山によってあると思いますが、保安監督補佐員の推薦を終わっておる段階にあるものはまだ非常に少ないという状態でございまして、これはわれわれとしてもなるべく早くそういう方向に持っていきいたということで、いろいろ監督局に対しても指導しておる、目下そういう段階でございます。
  40. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 私は夕張にずっと長くおりまして、保安法に基づく保安委員会の設置時代からおりました。私のほうとしては、保安委員五名、労組から五名、職組から二名出ておりますが、これは保安委員設置時から全部常駐にしております。したがいまして、保安委員の方のいろいろ御協力を得て、そういう点は保安委員会も毎月熱心に討論されておりますし、非常にそういう点については、私は運営に力を入れておるつもりでございます。ただ、保安監督員補佐員の問題につきましては、会社全体の問題として、いろいろ労連と協議中でございますが、夕張につきましては、保安監督員補佐員で一礦、二礦、それから清水沢は礦口としては別でございますが、施業案が一礦、二礦が一本になっております。したがいまして、監督員補佐員一人で一週間に一礦二礦は巡回して、月四回同じ切り羽を見れるということであれば、監督員補佐員一名の方で間に合うのではないかということで、巡回の負担能力から判断してそういうものを出しておりますが、なお、ただいま協議中でございますので、阿具根先生の御意見を十分にしんしゃくさしていただきまして、今後の問題として検討したいと思いますが、現在のところは、そういう巡回の補佐員一人で一週間に巡回できるか、二人なければできないか、三人なければできないかという、その作業量によって基準をきめておる次第でございます。
  41. 阿具根登

    ○阿具根登君 そこで局長に、これはどうせ大臣か総理に次の委員会で質問するように考えておりますが、監督官の方が月に一回なり二回なり見て回って勧告されておるわけなので、この点はよく監督されておると思うわけなんですが、法的に見れば、これを委員会に出された、しかも、保安委員会は、いま常務さんが言われましたように、労使双方から出ておられる委員会で、法的に見ればちっとも間違いはないのです。そのとおりでいいと思うのです。しかし、保安委員会というものが、たまたま月に一回とか、あるいは二カ月に一回とか、こういうことが常態で開かれていると思うのです。そうすると、せっかく勧告られたやつも、それが実際の組合員にはわかっておらない、労働者にはわかっておらない。そういう点から、私どもがこの前も三池の爆発で痛感してくどく質問をいたしましたように、少なくとも保安の責任は会社にあるけれども、被害を受けるのは当然これは従業員であるから、その勧告された写しをなぜ即日組合に渡すようなことができないか、こういうことなんですね。これは法違反というわけじゃないが、もっとほんとうに保安ということを考えるならば、これは当然会社にそれを勧告されたら、その写しを組合にやられる、そうすれば組合も責任を生じてくる。保安というものは会社にその責任があるから、会社がやりなさいといってもこれはできない。そうだったならば、保安に間違いが起こったらば、一切の責任をどうとるかということになってまいりまして、まあこの次に私は詳しくこれは御質問申し上げますけれども、次官も言われましたように、この種の爆発事故では、どれがどういう原因であって、だれがどういう罰を受けたということはほとんどないのです。ほとんど原因がわからないのです。だからこういうことになるのだと思うので、そういう点をひとつどういうようにお考えになっておられるか、これを一ぺん聞いておきたいと、こう思うのです。
  42. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) ただいま阿具根先生の御指摘の点はまことにごもっともな御意見だと思います。ただ、鉱山労働者全部の意見を実際に反映していくという意味で、鉱山労働者全体の代表というような意味で、実は一番最初に考えましたものが保安委員であり、労働者の推薦する保安委員を保安委員会に入れて、そこで討議をするということで進んだわけでございますが、これはなるほど御指摘のとおり、月に一回という、その間に時間の差がございます。で、私どもも、いま御指摘のありました点につきましては、これを保安法的な体系の中で、これはいろいろ山によりまして労働者全般にそれを知らせるということのためのいろいろの方法があろうかと思いますが、今度の監督員補佐員も、これは鉱山全体の労働者の代表としてそういう役割りをつとめるということで実は私どもは期待をいたしておったわけでございますが、ただ、現在でも、先ほどこの北炭夕張の場合におきましても、われわれとしましては、労働者推薦の保安委員が――これは保安委員会じゃなしに、実際の勧告書――監督官が行きまして勧告書を出すときに御一緒に立ち会われるということについては、われわれとしては何ら拒否もしませんし、また、現在、夕張におきましては、先ほど御発言になりましたように、実際にそのつど聞いておられるようでございます。ただ、それではなお不十分である、監督員補佐員の活用ということも、これは今後の問題に属しますが、そういうことでなおかつ十分に意思が徹底しないという場合には、これは私どもとして、さらに前向きにいろいろなことを考えてみたいと、かように考えます。
  43. 阿具根登

    ○阿具根登君 もう一つでやめます。常務さんにもう一つだけお聞きしておきたいと思うのですが、坑内で働いておって、たとえば今度のロング百二十四メートルの所で二十二名の人がなくなっておりますが、二十二名の人が仕事をしておるその現場の状況が、たとえばガスが一・五%あったのか、あるいは三%あったのか、とにかく爆発しておるから、爆発した当時はそんなものじゃないと思うのですよ。それは当然爆発するべく最悪の場合になっておったと思うのですが、それは別として、このガスの状態を一番よく知っておるのは保安係員だと思っております。働いておる人たちにそれはどういう方法で知らしておられるか。現場で働いておる人は、自分が働いておる所のガスが何%あるか、あるいはこれがどういう状態に変化をしておるかということを知って働いておったであろうか、あるいは保安係員だけが知って、保安日誌だけにつけておったのであろうか、その点ひとつお答え願います。
  44. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 私のほうでは、大体切り羽の上部とか、それから必要に応じては坑道に黒板を置きまして、そこへ係員がガスの状態を記入しておくようになっております。したがいまして、それを見ればみな働いておる方々はわかるようになっております。
  45. 大矢正

    ○大矢正君 私は、まず、今回の爆発事故の原因に関連をする監督行政のあり方について一、二点お尋ねいたしたいと思います。多少専門的な話も入りますから、局長の御答弁が困難であるとすれば、この際、課長から説明をしていただいてもけっこうであります。  それは、今回の爆発が起きました二十二日の十日前、すなわち二月の十二日に、先ほど話が出ておりますように、保安監督官から監督票が提示をされております。もちろんこれは会社側の保安責任者にも出されておりまするし、同時に、組合側から選ばれております保安委員にも出されておりますことを私は承知をいたしております。そこで、その監督票の写しを私が手元に持っておりますので、この面で質問をいたしたいと思うのでありますが、この監督票は、特に一礦の部分に限っては左のロング、右のロング、また、千歳を含めて十項目の指摘をしております。その部分の中で、今回爆発原因と思われる右三片の問題につきましては、五項目以降、九項目までの間に指摘事項が触れられておりまするが、これを見ますると、一つは、そこの図面にあります第二じょうごから奥四十メートルの付近に二・二%から二・四%のガスがあった。したがって、禁さくその他をして通行どめをしなさいということが書いてあります。また、右三の排気坑道、現在掘進中のところのハッパはこれを取りやめなさいとも書いてある。あるいは右三ロング上添の炭じんの集積がひどいので岩粉をまきなさいとも書いてある。それこれ四、五点にわたって書いてあるのでありますが、ただ、ここで私がどうしても理解のできないところは、その図面にあります右二磐下坑道の第二じょうごから四十メートルの付近、ここに二・二%から二・四%という非常に多量の停滞ガスがあったというこの事実をどういうように監督官としては判断をしたのかということについて、私は非常に多くの疑念があるのであります。この指摘はいたしております。指摘はしておりますが、それはどういう原因で停滞ガスがそこにあったかということについて明らかにしておりません。それから、それが処置につきましては、たとえばゲートの拡大なり上添の拡大、風量の調整、そういうことはやりなさいとは書いてありますが、その地点が二・二%から二・四%のガスがあるということは、明らかに旧礦の密閉処理が悪くて、また、ガス抜きが悪くてそういう結果になるということは明瞭なんであります。ところが、そのことについて一言も触れていない。密閉はほんとうに完全なものなのかどうなのか、あるいは、また、密閉をしなければならない個所に、してないところがあるのではないのかどうか、こういう点については監督官としてはいささかも触れていないのであります。私はここが問題だと思うのであります。なるほど監督官は、上添の坑道が狭いから、それを拡大しなさいとか、ゲートを拡大しなさいとかいろいろ言っていらっしゃる。言っていらっしゃるが、これは私は事故を防ぐ最終的な道ではないと思うのであります。特にこの一礦というものは非常に古い炭鉱でありまするからして、旧礦の処理、払あとの処理ということは重要なことなんでありますが、その面についてもいささかも指摘がなかったということは、非常に私は残念に思っておるのであります。この点について当局としてどう考えておるか。  それから、もう一点は、二月の十二日、この監督票で具体的にいま私が申し上げたとおり指摘をいたしておりますが、二月の二十二日、十日後のちょうど爆発の日の昼に一礦の生産課長が札幌に呼び出されております。そのときに生産課長から、この指摘事項についての具体的な措置を報告しておるように私は聞いておりますが、残念なことには、この十日間に、指摘をしていながら、具体的にその処理がどうなっているかということを調べた形跡が監督官にはないということであります。指摘をすることはけっこうであります。指摘をすることはけっこうだが、その指摘したあとは一体どう処置されているのかということを見ないで事故を防止するということは私はできないと思う。これでは監督行政というものは半分しか私は実際に生きていない、こう思うのであります。このことについて具体的にどうお考えになるか、まずこの二点をお伺いします。
  46. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) お答え申し上げます。事実問題でございますので、図面を見ながら御説明さしていただきたいと思います。  いま御指摘がございましたこの部分の所に二・二%ないし二・四%のガスがたまっておったということでございまするが、これは私が実際に調査をしたわけではございませんので、若干私の推測が入るわけでございますが、やはりガスがこちらのほうからこう入りまして、このロングを通ってこちらにこう参りますので、このあたりがどうしてもニュートラルのような形になる面がございますのでガスがたまりやすいという点が一点だろうと思います。それから、もう一つは、いま御指摘にございましたように、これは私の推測でございますが、この部分は全部採掘いたしておりまして、ここにもここにもずいぶんたくさんの密閉がございます。なおかつ、ここに十尺層と六尺層と両方掘ってございますので、その密閉の所から出たかどうかということは、調べておりませんのではっきりわかりませんが、そういうことも全然考えられないということではないんではなかろうかというふうに考えております。それからその後の追跡検査でございますが、実は十二日に検査をいたしまして、それから二十二日に札幌の鉱山保安監督局のほうへ地区保安技術管理者の方に来ていただいて、その後の進捗状況をお聞きしておるわけでございますが、その間十日間あるわけでございますので、従来の経験からいたしまして、いろいろ急迫の場合の想定だとか、それから、その山が過去において勧告しておることをよく守るところかそうでないところかというようなことも判断をいたしまして、すぐに見に行くか、または若干一週間ないし十日くらい直すのに時間がかかる点もございますので、その辺は直ったところで見に行くか、またはその報告だけを聞くかというようなことをいたしておるわけでございます。私の推測では、十二日に監督をいたしました際にも、二十日、ないし、ものによっては二十七日ごろに完成するというようなことでございましたので、完成をしたころに見に行くか、またはもう一回来ていただいて聞くかというようなことをするつもりであったのだろうと、そういうふうに考えます。
  47. 大矢正

    ○大矢正君 いま監督票にあります二・二-二・四のガスが停滞しておったという指摘を私は申し上げました。事故が発生して直ちに私は現地に参りまして、札幌の保安監督局長に、この監督票にあります二・二-二・四の停滞ガスの処置について具体的にどうしたかと尋ねたら、これは戸ワクの調節、風量の調整とか、若干の措置でこれがすぐなくなった、こういう御答弁なんですね。そうすると、私は非常におかしいと思うのは、そんな戸ワクの調節や多少の風量の調整だけで、二・二-二・四もあるガスが一・〇以下に簡単に下がるようなことなら、これは何のために指摘をしなければいけないのかと私は言いたいのであります。これはここに書いてあるからには、そんな風量調整や戸ワクの調節だけではガスはなかなか払うことができないという前提があったからここにわざわざ書いて指摘をしているのでしょう。それが単に風量の調整や何かをやっただけでガスが一・〇以下に下がるなんというものを監督票に書くほうがどうかしているのじゃないですか。だから、私はそうじゃなくて、もともとそこにはガスがたまるような原因があったということがわかっていながらそれを言わなかったのか、あるいはわからなかったのか、そのどっちかじゃないかという気がするのですが、それはどうですか。
  48. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) これまた私の推測になる点もあるかと思いますが、この部分で若干技術的にこまかい点がございますが、空気はこちらからこう入ってまいりまして、本来ならばこちらのほうはすぐ上がるわけでありますが、ここに門をつけまして、風がこちらにいかないようにいたしまして、新しい空気を採炭作業所に通すことになっております。しかし、ここも材料運搬等で、採炭作業所ほどは使いませんが、使いますので、その中にまた小さな風の通る道をつけておるわけであります。したがいまして、ここが二・四%ぐらいあったという場合に、風を少し入れますと、新しい空気はこちらのほうに入ってまいりますので、すぐに減ってまいるわけであります。したがって、応急の処置としてはそれで少なくするということでいいと思いますけれども、それではどうも応急の処置でしかないというふうに監督官は考えたのではなかろうかと思います。したがって、もっと抜本的に坑道の拡大なり、あるいは方法はいろいろあると思いますが、いろいろな方法でもっと抜本的にガスを減らしてほしいということで監督票に書いて指示したものと思います。したがって、先ほどの急に減ったと申しますのは、さしあたり応急措置としていたしたというふうに私は解釈しております。
  49. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 「なかろうか」ということじゃ困る。あなたは一週間も札幌に行って、現地の監督官と寝食を共にしているのですから、「なかろうか」ではないでしょう。現地の監督官と一緒に寝食を共にしながら「なかろうか」ということなら聞く必要がない。何のために行ったのですか。
  50. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) それは監督官の意見も聞きました。監督官もそのように申しておりますけれども、なお私の推測をも入れてお話し申しました。現地の監督官もそのように申しております。
  51. 大矢正

    ○大矢正君 私は、この機会に川原鉱山保安局長以下に若干の苦情を申し上げておきたいと思うのであります。私はここにいろいろの資料を持っておりますが、これは全部私が実際に現地に参りまして、会社側、組合側その他から集めた資料でありまして、私が現地におもむきましても、図面一枚現地の監督官は出さない。なるほど私は確かに調査団の一員として行ってはいないけれども、現職の国会議員であり、しかも、私は、石炭問題についてはいろいろといままで皆さん方に協力を申し上げてきたつもりであります。その私に図面一つよこさない、監督票の写し一枚よこさないようなそういう監督行政をあなたの部下がやっているのでは、私はまことに残念でならない。ですから、これからは十分考えてもらわなければいけない。  それから、私は、いまその原因に関連をして一、二申し上げましたが、やはり何と申しましても、払あとの処置や、それに基づく密閉処置というものは、一礦のような古い山をやっていく上におきましては非常に重要なことでございますから、監督の立場にあるあなた方としては、十分に――それは単に払面とか、上添とか、あるいはベルト坑道とかというところでなしに、そういう面に対する注意とか監督というものを徹底的にやってもらわなければいけないと思います。この際、それをはっきり申し上げておきたいと思います。  それから、次に、先ほどその後の処置として水を入れることを決定をし、それは二十五日でありましたから、二十六日から水を入れ始めたというお話でありますが、これはどの程度実際に水が入ったかということは、中に入らない限りわからないし、現実には入れない。そうすると、おおよその目見当でどのくらいまで現在水が入っているかということを想像する以外にはないと思いますが、あなた方の立場としては、具体的にどの程度まで、どのレベルまで水を入れるという考え方を持っておられるか。この点をこの際はっきりしていただきたい。
  52. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) これも図面で御説明させていただきます。この図面にございますように、右二磐下坑道、ここが災害の起こった範囲の所でございます。まずここあたりに入れます。そうして、自然発火をしているだろうと考えられますのはことではございませんで、「右二排気坑道」と書いてございますところと、「右二磐下坑道」と書いてございます所とのその間でございます。したがいまして、その間の火を消さなければならないわけでありまして、理想的に申しまして一番いいと考えられますのは、この「右二排気坑道」と書いてございますが、この付近まで水を入れたらいいかと考えております。そうしますと、自然発火を起こしているだろうと思われる所は全部水につかってしまいます。しかし、もう一つその前の段階といたしまして、風がこっちからきますので、マイナス百メートル・レベル、大体このあたりまで入れますと、全然空気が入ってこないので、大体火は消えるのではないだろうかと考えておりまして、この辺から現在やっておりますが、この辺から後のことにつきましては、先生御指摘のとおり、坑内に入って見ることができません。それで、ここに扇風機がございまして、この扇風機は現在新しい空気を入れないためにとめておりますが、ガス観測を一時間に一回いたしております。会社のほうでも一日に一回はガス分析をなさっておられます。それらを判断し、なお相当技術的に厳密を要する問題でございますし、会社のほうの分析は普通の分析でございますので、なお精密な分析を通産省の資源技術試験所の北海道支所のほうに頼んで、もう少し精密な分析もいたしたいと考えております。それらの分析値を判断いたしまして、どの程度まで、いつまで入れればいいかというようなことも判断いたしたいと思いますが、大ざっぱに申しまして、少なくともここくらいまで、この程度までにいたしたらどうかと考えております。
  53. 大矢正

    ○大矢正君 次に、二点質問いたします。一つは、いまのマイナス百メートル・レベルまでかりに水を入れたとすると、左ロングとの関係はどうなるのか、払との関係は一体どうなるのか、こういう問題と、現状では最終的な判断はできないというお話がございましたが、およそ積算すれば、一日幾らの水が入るからどの程度という計算はつくはずであります。あなたのいま判断されている限りにおいては、マイナス一〇〇メートル・レベルまで水を入れるとすれば、完了はいつごろになりますか。
  54. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) マイナス一〇〇メートル・レベルでございますとこの部分だけになりますが、こちらからは水はいかないだろうと考えております。それから右二排気坑道にまいりますと、こちらを通ってこちらのほうに水は入っていくのではなかろうかというふうに考えております。  それからマイナス一〇〇メートル・レベルくらいのところまでには何日くらいで入るだろうかということでございますが、これは採掘のあとのととろでございますが、採掘いたしますとこうなりまして、それを二〇%と見るか二五%と見るかによってずいぶん違ってまいります。一応二〇%程度と見ました場合に、おそらく三月の四、五日くらいにはマイナス一〇〇くらいにはいくのではなかろうかというように考えておりますが、これも旧採掘跡の空隙率によって相当変わるんじゃなかろうかということ。それから右二排気坑道に入りますにつきましては、三月の中旬過ぎくらいまでおそらくかかるのではないかというような感じがいたします。先ほど四・四立方メートルと申しましたが、判断やいろいろなことがございますので、全部四・四はなかなか入りませんので、そうしますと、三月の中旬くらいになるんじゃなかろうか。と申しますのは、こちらへ入れておりましても、途中からこちらへ入ってしまうのでございますから、相当右二排気坑道に入るのがおそくなるのではないかと思います。この点は採掘跡の空隙率の精密な点は会社のほうが詳しいのではなかろうかと思いますが、私たちは大体そのように判断いたします。
  55. 大矢正

    ○大矢正君 次に、一週間ほど前と記憶いたしますが、橋本官房長官であったか、あるいは古屋副長官でありましたか、詳しくは存じませんが、夕張の災害に関連をして、約六カ月間は現場の再開をさせないというような趣旨の談話が出されたといわれております。それは一体何を意味しているのか、私もよくわからないのです。いま水没を現在させておるこの右三方ロングというものを将来ともに水没させてしまうのか、あるいは、また、完全に自然発火が消え、再開の見通しがついたら水を出して再びまたそこを再開をするという意図なのか、その辺については私もよくわからないのです。特にいま指摘をしました六カ月問云々という話はどこから一体出ているのか、この点についてぼくも多くの疑問を持っているわけです。現地の人も私ももちろん持っておりますが、一体具体的にはどういうことなのか、あなた方が何らかの示唆を与えない限り、そういうことをしろうとが言うはずはないのでありまして、あなた方が何か言っているからそういう発言が出たと私は思うのです。新聞その他にも載っているのですから、その点についてお答えしていただきたい。
  56. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) 橋本官房長官の談話につきましては、私はたいへん恐縮でございますが、聞いておりませんけれども、おそらくこういうことではなかろうかと思います。まず、この再開につきましては、この事故が起こりました当時、再開については、安全を確認した上でなければ再開をしないということを監督局長から申しております。なお、いまの六ヵ月ということは、結局安全を確認し、自然発火が完全に鎮火したときというのがいつかということに両方からまってくるわけでございますが、これはもちろん今後のガスの状況あるいは自然発火の状況を、そのために先ほど佐伯課長から申しましたように、毎日測定いたしまして、もちろんこれはなるべく安全である限りは短い期間のほうがよろしいわけであります。ところが、それが安全であるかどうかの確認をするということをやる場合に、水をどこまでつけるかということにも関連するわけでございます。六カ月という数字は、私はちょっと推測はつきませんけれども、おそらく一般論として、過去において水没した場合に、大体水揚げにどれくらいかかったかというような話から、従来六カ月くらいかかったのではなかろうかという話が何かの機会に出て、それと両方結びついた話なのかもしれませんけれども、たいへん私は不勉強で恐縮でございますが、実際の話についてまだ十分承知しておりませんので、正確な御答弁ができないのは残念でございますが、われわれの気持ちとしましては、安全を絶対に確認した上で再開をするということがそういうふうになったのではなかろうかと思います。
  57. 大矢正

    ○大矢正君 時間も相当経過いたしておりますから、最後にまとめて二点質問しておきます。  第一点は、局長と佐野参考人の双方からお答えをいただきたいと思うのでありますが、それは今回の事故というものは、遺体を収容した直後においては、非常に坑内の整備につきましては、まあ何と申しましょうか、被害が少なかったということが言えたと思うのであります。ところが、自然発火の徴候が見られることによって水を注入することにより、これは非常に事故が大きくなってしまったわけです。被害者もさることながら、坑道その他の面において、また、将来の採炭その他の面において非常に大きな事故になってしまった。ただ、一般的にいわれておるのは、水を入れたということは、どうもこの種事故の原因を隠すために水を入れたのではないかということを口にしておるのがあるわけです。私も炭鉱のことについては若干の知識がありますから、なぜ水を入れなければならなかったかということは私なりに理解をしておるわけです。事故を隠すために水を入れたなどということは、私自身は思っておりませんけれども、一般的にそう判断をしておるものもあるわけです。したがって、私は、この際、それぞれの立場で、そういう世の中の当局や会社側に対する風当たりに対して関係者はどうお考えになっておられるか、この点のお答えをいただきたい、これが第一点。  それから、もう一点は、二月十二日の監督票は、先ほど私が申し上げましたとおり、保安委員会に提示をされております。しかし、残念なことに、考えてみますと、この保安委員というものは、こういう個所が悪い、こういう個所が悪いという指摘をする権限はあっても、みずからその作業をとめて保安の完備の措置をする権限がないことは御了承のとおりです。したがって、私は、この際、法律には盛り込まれてはおりませんが、これからの保安監督行政運用の方法として、監督票は必ず労働組合、職員組合双方に提示をして、私どもはこういう個所を指摘しましたよということをやる必要性があるのではないか。これは法律にはないけれども、そういうことの必要性があるのじゃないか。私は、そうすることによって、かえって組合というものが保安に対して責任を負うと思うのであります。今日かりに爆発事故が起きたといたしますれば、その大多数の責任は会社であり、その一部は監督官庁である通産省にある、こう思っております。しかし、いま私が申し上げましたような措置をこれから監督行政としてとることによって、労働組合自身も将来責任を負うという立場が出てまいりますから、私は、この方法は労働組合に対しては重荷を負わせる結果にはなるわけですが、方向としてはいいのじゃないかと判断しておるのでありますが、この面については、関係当局としての川原局長のみの御答弁でけっこうでありますから、お答えをいただきたいと思います。
  58. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) まず第一点でございますが、証拠隠滅のために水没をしたのではないかという意見があるというお話でございますが、実は、先ほど申し上げましたように、二十五日の夕刻に至りまして、急にCOがふえてまいりました。これは私よりも先生のほうがはるかに詳しくていらっしゃるので、釈迦に説法でありますが、こういう爆発がありましてCOが出てきたということ、これは自然発火を予想されるけであります。同時に、そこにメタンガスもございますし、従来も過去においてそういう場合に二次爆発を起こしまして、いろいろな二次の災害が起きたという例も非常にございます。ちょうど時間的な問題もございましたが、むしろこの際、いろいろ不便は伴いますけれども、やはり災害を二度と続けないということのほうが、より重大な問題であるというふうに感じまして、保安法の実際技術的な問題につきましては、現地の監督官とも鳩首慎重な協議をいたしました。監督官といたしましても、現地の現場が続いて見られないということになることにつきましては非常に遺憾でございますけれども、この段階では災害をとにかく防ぐということに重点を置くべきであるということでこの措置に踏み切ったわけでございまして、私は、そういう意図があってこういうふうなことになったということは全然ないと思います。  それから、次に、監督票を労組、職組に提示すべきであるという御意見の御趣旨は私もよくわかります。ただ、いろいろ山によっての状態もございますし、それから、先ほど来、阿具根先生の御質問にお答え申し上げましたように、保安法の体系の中で、労働者全般にその監督の措置が行き渡るような方法、これはいろいろ方法を考えてみたいと思っておりますが、そういうことで大矢先生の御指摘の趣旨を十分頭に入れて検討してまいりたい、かように存じます。
  59. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) お答えいたします。いま保安局長からも御説明がありましたように、事故を起こしました二十二日午後六時半から二十三日、四日、坑内の右二磐下坑道、右一磐下坑道のほうにも保安係員を巡回させておったのでございますが、それほど変化を見なかった、右一磐下坑道のあそこに、目抜きが一から十二までございます。そういう方面の巡回をさせていたものが、磐下坑道深部風道から奥のほうに一酸化炭素がふえてきましたというのは、図面でも感じたというのと、それから各密閉のいままでのCOの分析が大体ゼロから十万分台というのが、二十五日の一時から二時にとった分析が十時に出てきた結果をみますと、大体それが多いところでは千分台、それから十万台、トレースのところから万分台というふうに、著しく変化をしたのでございます。私ども、いままで大体自然発火の確認というものをCOとエチレンの変化によって判断したのでございまして、こういうようにCOが急にふえてきたのは、そういう発火の徴候があるということを断定せざるを得ないというふうに考えます。したがいまして、水を入れますと、あと復旧に非常な経費がかかるだけではなく、いまの原因の調査は不明確になる。私ども事故を起こしてまことに申しわけないのでございますが、原因が不明確になりますと対策は十分立てられませんが、それより、なお一そう坑内が不安になります。したがいまして、原因をはっきりさせるということが私ども今後の保安対策として一番必要なことでございまして、私どもそういうことは毛頭考えておりませんし、むしろそういうように今後復旧に金がかかっても、いまここで無理をして大きな事故をまた繰り返すことはなお一そう申しわけないということで、ここを水没することを決意したのでございます。
  60. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 関連して。いまのCO、メタンが急に増量してきたということを発見したのは夕張警察署の捜査課長ですか、と、それから札幌鉱山保安監督局の石炭課長であるというふうに報道されておるのですが、その辺はどうですか。
  61. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) 実は二十五日、当日私ども監督官の本隊は、先ほど申した「災害区域」と書いてありますが、その部分の調査をいたしました。なお、上のほうの状態を少し調べる必要があるというので、二名を別動隊といたしまして、十二の密閉個所のそれぞれガスの検知をずっとやってまいったわけでございます。それと別途に会社側も反対側からガスの検査をされたようでありますが、私のほうは、左側からずっと一番から十二番までの密閉があるのですが、十二番からずっとやってまいりまして、途中で行き会ったということを聞いております。一番ガスの多かったのは、この十一、十、九、八、七という左寄りのほうにCOが非常に多く検出されたというので、さっそく監督官はそれを持って上がりまして、全員に退去をしてもらったわけでございます。
  62. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこで、ちょっと理解できないんですが、十二時に、右三六尺ロング、そこの上のほうで一・九%ぐらいあるからこういう処置をしなさい。さいぜん大矢さんのお尋ねになった点、こういう監督官の行った所はだめである、なお七十メートル下までやらなければならぬ。しかし、警察署のしろうとでもわかるのに、なぜこれがわからぬのですか。夕張の会社の保安職員はおらぬのですか。大体警察なんかわかりませんよ。坑外でどろぼうをつかまえるのは専門家でしょうが、坑内で警察にガスがわかったのに、何十年という専門家がおらぬからわからぬ、ですから大学の先生を連れていかなければわからぬというのは了解できないんです、ぼくは。
  63. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) いまのガスを発見しましたのは、札幌鉱山保安監督局の鉱務監督官でございます。
  64. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、北炭の保安職員は一切シャットアウトですから入っておらぬ、いろいろな事故処置について。もちろん一般鉱員は入っておりませんから、あなたのほうだけ入っておったんですか、坑内へ。
  65. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) 捜査のときの実情につきましては、佐伯課長が詳細知っておりますので、佐伯課長から申し上げます。
  66. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) 二十四日の日に、私たちのほうの鉱務監督官と警察のほうも同行いたしまして、そのとき当然会社のほうの方も御案内等ございまして、一緒に坑内に入ったわけでございます。二十四日に坑内を検査いたしましたところ、どうも「右二排気坑道」と書いてありますあたりをもう一回詳しく調べる必要があるのじゃなかろうかというふうに判断をいたしたわけであります。したがって、そのときはそのように判断をいたしましたわけですが、監督官も警察の方も会社の方も、三者おられたわけでございます。そこでそのように判断をいたしまして、二十五日は災害現場のほうを見る予定でございましたが、先ほど保安局長からお話し申し上げましたように、監督官を一部さきまして、右の排気坑道のほうを、特に自然発火が起こったかどうかということに重点を置いて調べに行ったわけでございます。したがって、二十四日にそのように判断をいたしましたので、監督官も行きましたし、別に会社のほうも、同じように右の排気坑道を別の方法ではかったほうがより正確じゃなかろうかというふうに考えまして、別の方法ではかったわけでございまして、両者の測定結果がほぼ一致いたしましたので、これは自然発火が相当に進行しておるんじゃなかろうかというふうに判断をいたしまして、先ほど保安局長からお話し申し上げましたような処置をとることにいたしたわけでございます。
  67. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 よくわかりましたが、新聞には、夕張警察署の捜査課長が入っておったと出ておる。ですから、中失では通商産業省の川原さん以下全スタッフをそろえ、日本の超一流の石炭会社である北炭さんは技術陣を総動員してやっておるのに、町のおまわりさんが行ってわかったというようなことは、ぼくはきわめて情ない話だと思いましたよ。しかし、あなたの話で、この間聞いてきたことと、この間あなたに説明を受けたこととさえ相当違いがある。あなたが意識的にやっておるとは私考えませんが、あなたの話、全然違う点がたくさんある。ですから委員長にお願いしたいわけですが、けさ北炭の萩原社長がおいでになって、丁重なあいさつを受けたのですが、萩原社長いわく、阿具根委員の質問の中にもありましたように、私は保安に金をつぎ込むことは一切ストップしません、各現場の所長は、二か年以上保安の経験者でなければ所長にいたしません、こう明言しておられる。一方、総理大臣の佐藤さんのキャッチ・フレーズは社会開発と人命尊重だけですからね。にもかかわらずこういう大事故が起きたということは、会社がいいとか保安当局が悪いとか、そういうことではなしに、将来のために、ここでその調査団のどういう結論が出るかわかりませんけれども、その結論が明白になったときはもう一度社長に来ていただいて、ここで明確に将来のためにひとつ努力していただきたい。  以上です。
  68. 田畑金光

    ○田畑金光君 一、二点確認というような気持ちでお尋ねしますが、結論的に申しますと、結局水没させてしまって、原因の究明は事実上これはできなくなった、こういうことだと思うのですね。参考人の先ほどの御答弁を聞いておりましても、水没させるということは、会社としてもこの際、原因をはっきり確かめて、二度とこういう事故を起こさぬような対策を講ずるためにもという気持ちからいうと残念であったというようなお話がありましたが、結局もう水没によって原因をはっきりさせるということが事実上だめになった、こう私たちは見るわけですが、その点どうでしょうか。それをはっきり承りたいと思うのです。二十五日のわれわれ現地調査において、皆さん方のあの現地における説明は、二十四日からシラミつぶしに一つ一つ切り羽その他災害の予測される個所について調べておる、こういうようなお話でした、二十五日現在の話ですね。帰ってきて、あくる日の二十六日の夕刊を見ると水没というようなことになりましたので、われわれもいささかどうしたんだろうか、こういう疑問を持ったわけです。結論的には、これはもはや原因というものははっきりしないままに問題のこの事故もうやむやになっていくんじゃないかということを心配しておりますが、これはそういう可能性なりそういう見通しなり、はっきり言ってもらえばけっこうだと思うのです。それが一つ。  その上に、いま調査団が現地に行って、いろいろ写真を見たり監督官の報告を受けたり、いろいろ分析検討なされておる。これもけっこうでございますが、先ほど参考人のお話を承っておりますと、あのロング切り羽のほうに風を送れば、その風量もよほど考えなくちゃならぬ、風量によってガスはなくなるが、また自然発火の危険性がある、こういう重要な深部開発に伴う危険な場所だと、こういうことになってきますと、そのような所を保安と生産を並行的に進めていくという点から見た場合に、技術的に検討してみた場合に、解決の道があるのかどうかというわれわれは非常な不安を持つわけです。ことに北炭という天下の第一流の石炭会社において、三十五年に起き、今回も起きたということを見ますと、そういう面の不安を持つわけでありますが、技術的に見た場合に、その辺の検討というものがあるのかどうか、できるのかどうか、ことに今回は技術調査団が派遣されておるが、技術調査団の一つの使命として、その辺のひとつ掘り下げた分析検討が必要じゃないかと思うが、そういう点についてはどうか、これが第二点。  第三点、最後に、私はせっかくおいでになりました参考人にお尋ねしたいと思いますが、われわれ、はたから見ますと、いかに萩原社長が、保安が優先だ、保安のためには幾らでも金を惜しまない、そういう指導でやってきた、こういうことも私たち、じかに承りました。また、石炭協会の会長であり、天下の萩原社長だから、言われたとおりやはりやってこられたつもりだと思いますけれども、しかし、また山元においては、やっぱり保安保安と言っても非常に金のかかることだし、こういう石炭の危機の中にあっては、どうしても生産というものを上げぬと山全体の経営が成り立たぬということで、保安保安とは言うものの、やっぱり生産に重点がいって、保安にそのしわ寄せがきたんじゃなかろうか、こういうしろうと筋は推測をするわけです。事実、労働組合の代表や職員組合の代表等からいろいろ話を承りましても、やはり保安保安と言うけれども、生産に重点がかかっている、このような印象を私は免れなかったのです。ことに保安係員の配置等を見ても、これは職員の代表が、もっと保安係員の配置等については、予算の面においても重点的に考えてもらいたいというような要望も私は耳に残っておりますが、そういうものについて、具体的にこの数年来、萩原社長の御趣旨にのっとって、保安優先の措置というものがどういう面においてとられてきたか、こういうこと等もあわせて、ひとつ最後になりましたが、参考人から承っておきたい、こう思います。
  69. 川原英之

    ○政府委員(川原英之君) 先ほども御答弁申し上げましたように、水没によりまして、捜査が非常に水没しないよりはむずかしい状態になったということは御指摘のとおりであろうとか思います。ただ、私どもとしましては、若干の崩落個所を残しておりますけれども、一応の検分は終わっております。また、現在各参考人の供述をそれぞれ進めております。それらの供述や、あるいは現在までに押収しております書類その他によりまして、絶対に原因究明はできないということではないように存じますので、今後なお原因の究明につきましては、現地の監督官におきまして具体的に進めてまいりたい、かように存じておりますが、もうしばらく御猶予を賜わりたいと思います。  なお、第二番の問題の、自然発火とガスの二つの条件にはさまれている山について基本的な技術対策はあるのかという御質問でございますが、私も技術のことは、恐縮でございますが、非常にうとうございますので、佐伯石炭課長から答弁いたします。
  70. 佐伯博蔵

    ○説明員(佐伯博蔵君) こういう自然発火の多いところの個所でございますが、これはいろいろな考え方があるかと思いますが、たとえば坑道を少し大き目にするというふうなことで坑道の抵抗を減らすというふうなことをいたしますと、決して危険な状態だということにはならないと思います。技術的に安全に掘れる方法があると考えております。特にこういう点につきましては、現在、技術調査団の諸先生方も現地に行っておりますので、その先生方の御意見もお伺いして万全の対策をとることが必要ではなかろうか、このように考えております。
  71. 佐野岩雄

    ○参考人(佐野岩雄君) 保安経費についてお答えいたします。保安経費につきましては、先ほど阿部先生から御指摘がありましたように、三十五年、私が山の所長をしているときに第二礦の爆発がありました。そのときにも、大体ケーブルのパンクによる個所が二カ所ありましたので、ガス抜き管とケーブルが並行しているところは、全部CRケーブル――不燃性のケーブルに全部取りかえました。これも特別の経費でやりました。そういうように、あと、あのときはそのほかに坑内火災が相当広がりましたので、不燃地帯というのを、二百メーターの鉄の坑ワクとPSコンクリートの矢木とで不燃性地帯を二百メーター主要地帯につくりました。そういう保安経費というものを別に抜き出しまして、ほかの企業費と一緒にしますと、どうも切り詰められる傾向がありますので、保安経費というものを別に抜き出しまして、保安対策費というものをつくり出しまして実施いたしております。そのほか、私は生産部長でございますが、来期の企業費を査定いたしまして、各山を回りますときには必ず保安部長を同行いたしまして、保安と生産と一緒に企業費を検討するという体制をとっております。なお、具体的な例を申し上げますと、いま私ども幌内に立て坑を打ち始めておりますが、ここが相当風洞が伸びまして、風洞の拡大というものを急いでおりますが、これにつきましても、予算はあるけれども、人員が確保できてやれるなら予算外にやってもいいという指示もいたしておりますし、特に保安の問題について、保安上必要だという山元の責任者の希望がありました場合は、社長も申しておりますように、それは突発的なものであっても、予算と無関係に取り上げて実施いたしてきたつもりでございます。  それから、保安係員につきましては、いま私ども大体夕張炭鉱で坑内関係を見ますと、鉱員九名ないし十名について技術職員一人でございまして、特に私のほうが係員を節約して特にしわ寄せになっているというふうには考えておりません。
  72. 小柳勇

    ○委員長(小柳勇君) 他に御発言もなければ、本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。  参考人にごあいさついたします。御多忙のところ、まことにありがとうございました。なお、将来、原因その他判明いたしました際、萩原社長に御出席を願うこともあり得るということをお含みおき願いたいと存じます。本日はありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十三分散会